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クロニクル完結
1【管理人】セラフィエル:2007/09/15(土) 20:00:47 ID:PLK8a1tY0
今日9月15日をもって、クロニクルが完結いたしました。
全巻そろうまでにかなり時間がかかりましたなぁ・・・。
しかしながらクロニクルには何か物足りないものもありましたね・・・。
個人が解析している本とかの方が、かなり突っ込んで解釈していたりするのもあるんですよね・・・。
なにかこう、定かではないとか、謎のままにしておこうとする傾向が強かったですね・・・。
どうでもいいような用語まで載せているんでそれよりもっと必要なのなかったか?と問いたかった・・・。
リビドーがなかったですね・・・。対象カセクシスとか、劇中に登場しているはずなのに、見逃していたか?
心理学用語だから、登場人物たちの心理を分析する上では必要なのになぁ・・・。

2トシ:2007/09/19(水) 03:10:12 ID:QbPbr7xk0
>管理人さん
多くの謎は解けました?
でもその様子だとまだまだ謎は残っているような感じですね。。。

何か噂によると、そのクロニクルにはEOEの後シンジとアスカ以外の人々は戻って来ないと書いてあると聞きました。
私はあの後、当然人々は戻ってくるのだろうと考えていたのですが実際はどのように書いてあるのですか?

3PAX:2007/09/19(水) 13:27:01 ID:RghhgALY0
>トシさん
確か「これから戻ってくるのだろう」みたいな書き方だったと思います。

4【管理人】セラフィエル:2007/09/19(水) 20:07:38 ID:BLWlmbEA0
>>2 トシさん
私としてはですね、ガイナックスが公式ガイドブックとして出しているものは、“無難”の一言に尽きるものだと解釈しております。
クロニクルの場合、用語辞典に足りないところや、解釈に必要なことか?と思わせるような、どうでもいいようなところがあったりするので、どこか視点が違うのではないかと思うところがあるのですよ。
登場人物解釈については、宣伝効果ともなるので、なるだけ「負の部分」をさらけ出すことなく、当たり障りのないような解釈しかしてないんです。
真に総合的な追求をするのであれば、あえて不快と思われることでも目を背けては、本当の意味で解釈とは言いにくくなってしまうのです。
私もまだ人間が出来ていないので、あまりそういう発言を出来る立場にないのですが、様々な学者をみているとあえて人が触れようとしないところに着目して、真実を暴こうとする人が多いようです。
とくに最後のユイに関する説明は、個人的には残念としか言いようがない解釈でした。
私は今、直接エヴァとは関係ないものの、独自に様々な本を読んでいる最中ですが、そちらを読んでいるほうが現実世界にも真実の一点をついているんじゃないかと思わせるようなものが多く、それはエヴァと照らし合わせてみてもそうなんです。
たとえば、ネルフ社会をナチス・ドイツと照らし合わせて考えてみるとか。
これについては極東博士殿が紹介してくださったE.フロムの「悪について」を読んでいる最中ですので、いずれページに「ネルフと言う社会」とでも称して載せてみたいと思います。

5トシ:2007/09/21(金) 01:48:00 ID:QbPbr7xk0
PAXさん、管理人さんありがとうございます。

せっかく教えて頂いたのに申し訳ないのですが、私にはお二人の仰っている意味が逆のよう聞こえるのですが、
私の理解力が足りないだけなのでしょうか?

6【管理人】セラフィエル:2007/09/21(金) 22:02:03 ID:BLWlmbEA0
>>5 トシさん
え?どういう意味です?ラストの見解の違い、ということですか?
私は別にPAXさんと逆を言ったつもりはないですが。
ラストは前向きに考えることも出来るし、バッドエンディングであるとみなしている人もいます。
エヴァ2ではあからさまにバッドエンディング扱いにされていましたが・・・。

7きじ:2007/09/21(金) 23:02:59 ID:Lmu03rNI0
どっちが正解ということはないと僕は考えているよ。

8メフメト:2007/09/21(金) 23:59:47 ID:vK9sXWmk0
クロニクルの内容が無難なのは、結局「公式な解説本」の限界なのではないでしょうか。あれを公式というかどうかはありますが、
まぁそれに相当する立場ということで。
これはこうだ!という結論を出してしまえば、ある人は喜びますがある人は落胆することとなります。
落胆した人はエヴァ消費者の群から脱落することとなります。

よく言えば消費者に自由な解釈の余地を残す、穿った見方をすれば消費者をエヴァビジネスにつなぎとめるため、
断言することは避ける必要があったのでしょうね。

9メルキオール:2007/09/22(土) 00:15:02 ID:q1/5XKOg0
>何か噂によると、そのクロニクルにはEOEの後シンジとアスカ以外の人々は戻って来ないと書いてあると聞きました。
>私はあの後、当然人々は戻ってくるのだろうと考えていたのですが実際はどのように書いてあるのですか?

トシさんが聞きたいのは、「クロニクルには、二人以外の人々は戻って来ないと書いてあるの?」だと思いますよ。

私もこの噂を聞いたことがあるので気になっていました。
PAXさんによると「書いてない」ようですが、根も葉もないデマと思って良いですか?
ついでに私にも教えてください。

10トシ:2007/09/22(土) 01:45:05 ID:QbPbr7xk0
みなさん、どうもご迷惑をお掛けしました。
どうやら私は理解力が足りないだけではなく文章力も足りなかったみたいです(笑)
私の聞きたかったのはメルキオールさんの仰っている通りです。
要するにEOEの最期のシーンで、「シンジやアスカ以外の人々が実体化するのか?、しないのか?」って事だったのです。
某掲示板ではクロニクルに「戻って来ない」と書いてあるとか言って、そちらの説を支持している人たちが、
公式設定になったと祭りのように騒いでいるんです。
そこで実際にはどのように書いてあるのか気になりましたので質問させて頂きました。

11PAX:2007/09/22(土) 12:03:04 ID:RghhgALY0
>「戻る」「戻らない」
私の記憶違いかなぁ・・・?
所詮立ち読み程度なんで、もしかしたら私がデマかもしれません(笑

>クロニクルの内容について
あれは「解説本」だとか「データ本」という意味合いが強いのではないでしょうか?
だとすれば、別にどうでもいいような用語を載せても役割は果たしてますし、むしろそこまで細かいところを拾い上げているんだから賞賛するべき。
考察の参考にしたいならやはり「謎本」の方がいいでしょう。

12【管理人】セラフィエル:2007/09/22(土) 13:53:42 ID:BLWlmbEA0
お待たせしました。
皆さんが疑問に思われていること、つまりクロニクルにどのように書かれているのか、ご紹介しましょう。
とはいっても、キャラ別に視点が多少違うので矛盾が表れるかもしれませんが。
ただ、私は先に申し上げたとおり、否定しているわけでもありません。
無難に終始していると言っているだけで、掘り起こすされないままに残された部分も多いと言うことだけを指摘しています。

「補完の果てに見たもの」シンジ編
初号機を依り代とした人類補完計画が進行する中、LCLの海でシンジはレイと邂逅する。
彼我の境界がなくなり、自分がどこにもいなくなった世界は、シンジの望むものではなかった。
他人の恐怖を受け入れることを告げるシンジの目からは、怯えながらも前に進む生命の力強さが伺える。
意識が現実に戻ったとき、人類補完計画が未完に終わった世界に横たわるシンジとアスカ。
シンジが望んだ他人の存在する世界において、最初の他人となったアスカの首に彼は手を伸ばす。
シンジにとってアスカは、自分を傷つける存在なのか、自分を形成する存在なのか、俯きながら嗚咽するシンジの心情を理解するのは難しい。

(一体化するレイを落ち着いた表情で見つめるシンジ。たとえ自分が傷つこうとも、シンジは他人の存在する世界を選択する。彼の「他人にもう一度会いたい」と言う気持ちが人類補完計画を未完に終わらせた)
(ほかにたれも見当たらない空間に、ふたりきりで横たわるシンジとアスカ。精神世界では飛鳥に心情を吐露し救いを求めながらも、拒絶されたシンジだったが、新たな世界で二人の関係は変わっていくのだろう)

「補完の果てに見たもの」(アスカ編)
人類補完計画の進行中、シンジの精神世界において彼と対峙したアスカ。
そこでは、シンジに対する愛憎入り混じった感情が明らかになる。
「あんたが全部私の物にならないのなら、私、何もいらない」と言う言葉には、彼女の感情が集約されている。
しかしアスカの感情と比較して、シンジの感情は非常に曖昧なものであり、ただ「楽な居場所」としての彼女の存在を求めた。逃げる場所にされたという事実は、アスカを傷つけ、彼女はシンジを受け入れることを拒否した。
結果として初号機を依り代とした人類の補完は成されなかったが、残された二人の関係がどのような変化を見せたかは定かではない。

(人類の補完が進む中、精神世界と思われる場所でシンジを責めるアスカ。相手をしてくれれば誰でも言いという思考が、アスカにとっては許しがたいものだったのであろう)
(補完を拒んだ世界に残されたアスカとシンジ。自分の首を絞めるシンジに対して手を差し伸べた直後、アスカハ「気持ち悪い」と突き放すようにつぶやいた)

こんなところなので、どちらが正解なんて答えがないときじさんも仰っているようにこれらも明快な答えなど出しておりません。
もちろん私もどちらが正解であると特定しているわけではありません。
ただ、クロニクルに比べると、昔の資料に書かれている(こちらもガイナックス公式)ほうがなかなか真核をついていたりする・・・。

誰でもいいから、と言う感情にしたって、じゃ、何でアスカに助けを求めたのか。
シンジがアスカしかいないといったのは厳密に言えばウソではない。
それはアスカ自身そのものを見ているわけじゃないということを、アスカは指摘しているわけで。
レイやミサトが怖いから、父と母が怖いからと自分に助けを求めているに過ぎない。
でもシンジにしてみれば、アスカという存在はほかの他人とは違っていたはず。
レイやミサト、ゲンドウやユイと違って強迫観念を与えていたわけではないですからね、アスカは。

13【管理人】セラフィエル:2007/09/22(土) 14:05:58 ID:BLWlmbEA0
明確に復活しないと記述されてはいません。
しかし、新たな世界に残された二人、と言う意味で、アスカとシンジだけが残され、そこからまた人間の営みの歴史が始まる、という風にも捉えることも出来ないことはないでしょう。
ただ、クロニクルには、なにか、「あれ?」って思わせるところがあります。
旧劇場版において、シンジやゲンドウの前に登場したユイがレイであるとかかれており、厳密にいったらあれはユイじゃないということになってしまうんですよ。
だからゲンドウはユイと邂逅したわけではない、と言うことにもなってしまってですね・・・。

劇中で「心配ないわよ」と言っているあたりの台詞をみると、元に戻っていくともとれますが、何を根拠に心配ないのかわからずじまい。
ユイの場合、結果的に自分の夢に生きた人になってるので・・・。

14【管理人】セラフィエル:2007/09/22(土) 14:30:10 ID:BLWlmbEA0
ところで、ある意味真核をついているような話を紹介します。
「何も知らない者は何も愛せない。何も出来ない者は何も理解できない。何も理解できない者は生きている価値がない。だが、理解できる者は愛し、気づき、見る。・・・ある物に、より多くの知識が備わっていれば、それだけ愛は大きくなる。・・・すべての果実は苺と同時期に実ると思い込んでいる者は葡萄について何一つ知らない。」
(パラケルスス)
幼児期より愛されたことのない者たちの集団と言っても過言ではないネルフの人間たちに対して向けたら、かなり辛辣な発言になりますが、前半部分は旧劇場版でシンジが言ってたこととまるでかぶってます。
エーリッヒ=フロムの社会心理学に基づく考察が記された著作を読んでいる最中ですが、彼の考え方を取り込んだ人間ドラマの解析をしますと、実に様々なことを掘り起こすことが出来ると考えています。
メルキオールさん、おそらくメルキオールさんがアスカの凶悪性と言う点を指摘しているのと同様に、これを照らし合わせて考えることが出来ると思っております。
時間がかかると思いますが、少々お待ちくださいね(笑)。

15【管理人】セラフィエル:2007/09/22(土) 15:55:43 ID:BLWlmbEA0
考えてみたらこれって「当たり前のことに気づく」という意味で、カバラの境地とテーマともかぶっていますね。
まあこれを紹介しているフロム本人がユダヤ人ですがね(笑)

16アヵバ ◆5plttWwqLs:2007/09/22(土) 16:18:13 ID:/mU7rW4Y0
初カキコです。
よろしくお願いします。

17rnt:2007/09/22(土) 19:47:43 ID:Lmu03rNI0
よろしく〜。
ってそれだけかいw 中身も何か書いてよ。

>ほかに誰も見当たらない空間に、ふたりきりで横たわるシンジとアスカ。精神世界ではアスカに心情を吐露し救いを求めながらも、
>拒絶されたシンジだったが、新たな世界で二人の関係は変わっていくのだろう

なるほどw 戻ってこない派が読んだら戻ってこないと読んじゃうだろうなと思って面白かった。
でもそう書いてはいないよね。

どちらとも取れるように作ってあるのにそれを解説が狭めてしまうのは愚かだと思うんだよね。
監督の意図を汲んでるといえるのだろうかと。
それで僕は>>7を書いたんだ。

18きじ:2007/09/22(土) 19:51:59 ID:Lmu03rNI0
↑あ、名前が何か変になってしまいました。きじです。

19きじ:2007/09/22(土) 20:07:24 ID:Lmu03rNI0
>旧劇場版において、シンジやゲンドウの前に登場したユイがレイであるとかかれており、
>厳密にいったらあれはユイじゃないということになってしまうんですよ。
>だからゲンドウはユイと邂逅したわけではない、と言うことにもなってしまってですね・・・。

あはは、それけっこうひどいですねw
ゲンドウはありうるのかなw 他のキャラと同じようにレイが変化した幻影的な。
失敗したから新作で頑張ってるのかなとかw 
シンジがユイに会ってないというのはないと思うなぁ。
初号機の中にユイはいるわけだしね。

20メルキオール:2007/09/22(土) 21:16:03 ID:P77f6zrQ0
>PAXさん
>セラフィエルさん

返信ありがとうございます。
お二人が憶えている限りでは、明言は無いってことですね。
私自身は、クロニクルで明言が有っても無くても自分の考えを変えるつもりは
ありませんが、一応記載の有無の確認だけしておきたかったので聞きました。

>凶悪性
すごく感心してくれるんですね、でもあれ見たまんまですよ。
すごい顔して「殺してやる」って言ってますから。


>どちらとも取れるように作ってあるのにそれを解説が狭めてしまうのは愚かだと思うんだよね。
私もそう思っているので記載の有無が気になりました。
クロニクルも新作も同じだと思います。新作で旧作の謎解きはしちゃいけないと思います。
それは10年間のファンの想いをドブに捨てるのと同じですから。

21メフメト:2007/09/22(土) 22:20:52 ID:wkajOzT.0
>メルキオールさん
>クロニクルも新作も同じだと思います。新作で旧作の謎解きはしちゃいけないと思います。
>それは10年間のファンの想いをドブに捨てるのと同じですから。
確かにそうですね。それぞれの心の中に真実があるのが健全だと思います。
ただ、監督本人がどういう考えなのか・・・。エヴァという物語が監督に作られたものである以上、
監督がどちらかの結論を持っているならそれが正解だと言わざるを得ないわけで・・・。
この場合「どちらともとれるようにできている」のは「予期せぬ結果」ということになってしまいますから、それをありがたがるのも
正しいのかどうか怪しくなるし・・・。どうなんでしょうね。

22【管理人】セラフィエル:2007/09/22(土) 23:10:07 ID:BLWlmbEA0
>きじさん
>あはは、それけっこうひどいですねw
>ゲンドウはありうるのかなw 他のキャラと同じようにレイが変化した幻影的な。

じゃあそこの部分の文章を紹介しましょうw

(ユイの姿に変わり、横たわるゲンドウに語りかけるレイ。ゲンドウが初号機に捕食される形でLCLへと溶け込む瞬間も無言で見つめ続けたが、ゲンドウの眼鏡を拾い上げた二人目のレイは、心が動いている様子である。)
でもこの辺の言及はゲンドウのところでは一致してません。

「最後の瞬間に見たもの」(ゲンドウ編)
リリスとなったレイが全人類の前に現れた時、ゲンドウの元にもまた、彼が待ち続けていた人物が現れた。
力なく横たわる彼の傍ら、消失した当時のままの姿でたつユイ。
おもむろにシンジに対する心情を打ち明けるゲンドウに、ユイは「シンジが怖かったのね」と全てを包み込むような微笑を浮かべる。
ゲンドウのシンジに対する冷たい仕打ちは「自分が人から愛されることが信じられない」と言う彼自身の内面がもたらしたものだった。
最愛のユイに見守られながら、初号機に飲み込まれるかのようにLCLへと帰した瞬間、ゲンドウ自身の補完は完遂されたと言えるのかもしれない。

(司令という顔に隠されていた脆い部分を、初めて他人に吐露したゲンドウ。ユイと再会した瞬間、彼を束縛する全てのものが外れたのだろう)
(ゲンドウの最期の言葉は「すまなかったなシンジ」と言う息子への謝罪であった。直後、そのシンジの象徴たる初号機の中へと消えていく)

ちょっと矛盾してるところがありますね。
それにしてもゲンドウの謝罪は、まったく「遅すぎる謝罪」だと思いますよ、ほんと。
飲み込まれるようにとか、中に消えると言うよりは、首を食いちぎられたかのような形ではないかなと思ったり。
よく見たらエグイですが、LCLに変化してると言うより脊髄が見えていたりするからちょっと違うんじゃない?と思ったりしてしまいます。
やっぱり、実体化したトーテムの晩餐を想起します。

23【管理人】セラフィエル:2007/09/23(日) 00:10:54 ID:BLWlmbEA0
よく考えてみると、ある意味きじさんが言ったように、この解説文結構酷いわw

>お二人が憶えている限りでは、明言は無いってことですね。
>私自身は、クロニクルで明言が有っても無くても自分の考えを変えるつもりは
>ありませんが、一応記載の有無の確認だけしておきたかったので聞きました。

私はとりあえず全巻そろってバインダーに全部綴じてあります。
でも大きく考え方を変化させられるようなことはありませんでした。
何かちょっと不自然なところも多かったし、あまり特定人物を取り上げたくありませんが、ミサトやユイに関する説明は、負の部分がまったくない説明でして、ユイなどは特にきわめて理想的な女性、あるいは母親みたいな書き方がされて強調されているので、私的には受け入れがたい面ばかりでした。
「家族ごっこ」と揶揄されたあの家庭生活にしても、ミサトのおかげであると言うような書き方がされていて、本当にそうだったかと疑問を覚えました。

24【管理人】セラフィエル:2007/09/23(日) 00:31:16 ID:BLWlmbEA0
>クロニクルも新作も同じだと思います。新作で旧作の謎解きはしちゃいけないと思います。
>それは10年間のファンの想いをドブに捨てるのと同じですから。

私的には新作でも一応は通用しているところもありますが、それはそれそのものが旧作に下からあるものなので、別に照らし合わせなくてもすむところだと思っております。
まあ旧作を考察するときは旧作オンリーですし、それを軸として、様々なものを持ち込んで解釈するのが妥当でしょう。
旧作と新作を照らし合わせて考えるときは、テーマの照らし合わせと言った点くらいでしょうか。
あるいは比較論でしょう。
一応、旧作を作っている当初の意志と新作を作っているときの意志とはほとんど同じであります。
しかし矛盾も生じています。
だから私は、展開を予想するのスレで、監督は自分の伝えようとしているテーマを夢に描き、それを形あるものにしようと再構築していると書きました。
それは夢をみた者の夢を、フロイトが判断し再構築に結び付けようとする好意と似ているのではないかなと考えているのです。
だからリビルドだし、夢よ、もう一度、なわけで。
それがもしまた伝わらないと向こうが判じたら、「?」がどうなるかはわかったものではないと思います。

25メルキオール:2007/09/23(日) 16:59:21 ID:mpfKqnuk0
>監督がどちらかの結論を持っているならそれが正解だと言わざるを得ないわけで・・・。
私は作り手のモラル的な視点で考えてます。一旦「自分で考えろ、それが答えだ」
といってファンに渡した作品を「やっぱり、オレが作ったんだからオレが答えだ」と言う
のは作者の身勝手だしファンをバカにしていると思います。かっこ悪いし。

また作り手的に言えば、作者が持っている結論を作品に盛り込めなかった時点で、
作者は発言の権利を失っていると思います。
あくまで作り手視点での意見ですけどね。

でも堅いこと言わずに、もう10年足ったんだからいいのかな、とも思います。

>「?」がどうなるかはわかったものではないと思います。
反応次第で「?」は未定って事ですか。
考えたことも無かったけど、確かになんかイヤな予感もしますね。

26トシ:2007/09/23(日) 22:51:33 ID:QbPbr7xk0
>>12 管理人さんありがとうございます。
なるほど・・・。 明確な答えは書いてなかったのですね。
これだと戻って来ないと思われても仕方のない書き方ですね。

ただ私はレイのセリフの
「自らの力で自分自身をイメージできれば誰もが人の形に戻れるわ」
と、クロニクルの説明の
「シンジが望んだ他人の存在する世界において、最初の他人となったアスカ」
これだけで十分なような気がします。人々は戻って来るのだろうと・・・

27メフメト:2007/09/24(月) 01:09:44 ID:EVp1sxMg0
>メルキオールさん
>私は作り手のモラル的な視点で考えてます。一旦「自分で考えろ、それが答えだ」
>といってファンに渡した作品を「やっぱり、オレが作ったんだからオレが答えだ」と言う
>のは作者の身勝手だしファンをバカにしていると思います。かっこ悪いし。
それはもちろんその通りです。私も監督がそれを行ってしまえば監督に失望するのは確かでしょう。

ただ、監督がどちらかの結論を抱いているならば結論は存在してしまうのでありまして、作品自体には結論がある、という事実は成立してしまうと思います。
誤解していただきたくないのは、私はこの結論を欲しがっているのでは無いです。「監督が結論を出すならそれに従うべきだ!」と言ってるように聞こえるかもしれませんが、
むしろ個人的には逆です。監督が答えを出してしまうのを恐れているのです。その意味でメルキオールさんとは同意見ですね。

しかし異なるのは、メルキオールさんのお話では、監督がいまさら結論を出してもそれはもはや何の説得力も持たない、ということになりますが、
私の場合、もし本当に監督が結論を出してしまったら、やはりその結論を採用することになるだろうということです。監督の暴挙に落胆しつつも、自分の知識に刻む上では
その通りを書き込む。それが最善ではないですが手続き上正しい処理ということになってしまうと思います。

なんやまたよく文脈のわからない文章になってしまいましたが、つまるところ私も結論はそれぞれの心の中にある、というのがベストで、その状態を維持して欲しいので、
それを崩すような結論を決めないで欲しいということです。

>トシさん
>ただ私はレイのセリフの
>「自らの力で自分自身をイメージできれば誰もが人の形に戻れるわ」
>と、クロニクルの説明の
>「シンジが望んだ他人の存在する世界において、最初の他人となったアスカ」
>これだけで十分なような気がします。人々は戻って来るのだろうと・・・
私も全く同意見です。それがすべてだと思うのですが・・・。
まぁ人それぞれですがねー。

28【管理人】セラフィエル:2007/09/24(月) 16:40:31 ID:BLWlmbEA0
>>25 メルキオールさん
>>27 メフメトさん

作品はとりあえず、テーマがまず前提にあると思います。
と言うことは、テーマは結論としてはそこに含まれているわけで、それは監督が「決めている」ことだと言えます。
監督は新作のアナウンスでも宣伝しているとおり、旧作を作ったときに考えたテーマ自体は新作でも変わっていないと考えます。
あとは自分で考えろと言うのは、そのテーマが混入している作品を見て、我々がそれをどう思うか、どう考えるか、ということを投げかけていると捉えることも出来ないでしょうか?
で、旧作の場合、テーマがあっても、大道具的な要素を含め、様々なものを盛り込もうとした結果、そのテーマが大道具に埋もれてしまったばかりか、「その視点がテーマではなく大道具に向かっていき、それに対して血眼になっている」と監督が捉えたために、繊細な監督の心理は自己嫌悪にまみれてしまったわけです。
なので、テーマに関して言えば、根底には彼の中で結果論的なものはあってもおかしくはないと考えます。
監督は自己啓発を促そうとしていたのではないでしょうか?なので、「自分で考えろ、それが答えだ」というのは、捉えようによってはこういう解釈も出来ると考えます。
要するに、自分が伝えようとしていることに気づいてほしいわけで、それについて考えてみてほしいというわけですよ。
それが監督の傲慢だ、と仰られるのであれば、それを完全否定して論破するのは難しいです。
でも、作品は自分の中にある創造欲の衝動が成せるものでもあると思っていますので、それがなければ作品なんて出来ませんし、もし出来たとしても個性なきものになってしまうでしょう。

監督の場合、これは製作スタッフの見解でもあるようですが、10年前と比べて愛想がよくなったとか、やさしくなったと言われているようです。
かつてはぶっきらぼうで誤解を受けやすい人物でもあったとか。
私も監督の直インタビューのDVDや「それをなすもの」でかれの発言を目にしましたが、結構無愛想なところが見られましたからね。

まぁ、監督の宣言と作品の中にこめられたものには諸所に矛盾は見られますが、私の見解はこんなところです。
こちらは監督が大々的にアナウンスしていることを受け止め、監督が生み出した作品とそれを照らし合わせて考えていけばいいわけです。
なのでメフメトさんの意見とかぶっているところもありますね。
現に旧作でも、監督が「伝わらなかった」としているところも、それを聞いて作品を見れば、その「残骸」とでも言う者が見つけられるはずですから。

また、作品を創造するのが衝動であるのなら、それを破壊するのも衝動です。
後編になるにつれて監督は自己嫌悪に陥り、壊れていき、TV版が終わった後、監督は一度壊れました。
それに決着をつけるために、劇場版でぐちゃぐちゃに破壊したと同時に「現実に帰れ」と突きつけたのです。
監督はこれもサービス業だと言ってました。
これは見た目だけでは正論のように聞こえるのですが、そもそも様々な要素を用意したことで「虚構」を作り上げたのが当人なわけですから、それはある意味矛盾していると言うことになります。
ただ、一つ言っておくとすれば、破壊性というのは、耐え難い個人の無力感や、孤独感に基づいていると言うことも考えてみる必要があります。
これは監督の心理を考えることと密接にかかわっていると思います。
すべての外界にあるものを破壊したシンジと監督を照らし合わせるのだとしたら、その破壊は、「外界からの圧迫の一切をなくし、自己を救うための、ほとんど自暴自棄的な最後の試み」(フロム)だということを考えてみてはどうでしょう?

29メルキオール:2007/09/25(火) 01:31:11 ID:tigOhg/c0
>メフメトさん
>監督がいまさら結論を出してもそれはもはや何の説得力も持たない
書き方が悪かったかもしれませんが、必ずしもそう思っているわけではありません。
「監督の暴挙」への対応は2パターンがあると思います。

・監督の答えが自分にとって魅力的だった場合
 受け入れる。
・監督の答えが自分にとって魅力的でなかった場合
 受け入れない。
 いやもちろん知識としては受け入れなきゃならないし、自分のエヴァを人に語るわけにも
 いきませんが、自分の中にだけ存続させるのはありだと思います。
 だんだんつまらなくなって作品を忘れるしかないかもしれませんが
   
ひどく身勝手なようですが、魅力が無い場合は知識として受け入れても好きには
なれませんから、無理に受け入れる必要は無いと思います。

なんだかあたりまえの結論ですねぇ。これで返答になっているのかなー。
「受け入れる」って言葉のイメージが喰い違ってるかもしれませんね。

>セラフィエルさん
すいません。もう寝るんで明日書きます。

30メルキオール:2007/09/25(火) 22:36:02 ID:mgHCi2Z20
>セラフィエルさん
>25での私の発言はあくまで作り手視点のものです。
作り手視点とは、作り手にキビシイ考え方で、作り手は結果としての作品でのみ
勝負しなければならない、とゆう考え方です。

この考え方では、当時の監督の思惑、事情は一切考慮しません。
結果としての作品のみです。
では結果としての作品は一般的に言ってどんな作品だったでしょう。
一部熱心なファンは例外として、一般的には難解で意味不明な作品だったと思います。
テーマどころか「自分で考えろ」と言われたことにも気づかない人もいたと思います。

であるならば、結果としての作品はやはり「どうとでもとれる作品」であったことを
監督はプロの作り手として認識しなければなりません。
プロは一部熱心なファンではなく、フツーの観客を想定しなければなりません。
フツーの観客に「伝わらなかった」場合は、自分の未熟を責めるしかなく
ファンの未熟を責めるのはプロ失格です。

フツーの観客にとって「どうとでもとれる作品」だった以上、フツーの観客は
作者の意図など関係なく、既にさまざまな思い入れをエヴァにしています。そして
今監督が「答え」を示してしまったら、大部分の思い入れは否定され、ファンはガッカリ
するでしょう。
それはファンの想いをドブに捨てることです。
つまり「監督は旧作の謎解きをしちゃいけない。」ってことです。

>監督が生み出した作品とそれを照らし合わせて考えていけばいいわけです。
いやもちろんファンが何をしようがファンの自由ですよ。
さまざまな義務を背負っているのは作り手側です。

以上、作り手視点での意見でした。
他の視点も持ってますけどね。

31メフメト:2007/09/26(水) 00:46:47 ID:bHmShwuA0
>メルキオールさん
まぁまぁ、見たところ総じてお互いの意見に食い違いは無いようです。つまりメルキオールさんは作り手がどう捉えるべきかのお話をし、
私は受け手がどういう対応をすべきかについて書いていました。それらが両方実現されればそれでいいのだと思います。

ところで、ひとつの見方なのですが、監督は旧作の最後のほうではひどく衝動的になっていたわけですから、その時点で監督が衝動的に思い、発言した内容が必ずしも正しいと
は言えない可能性があります。つまり、監督がそこで否定したことも今となっては本当に否定されるべきことなのかも考え直す必要があるかもしれないということです。
例えば本来単なる大道具として用意されたものにファンが食いついていったことに関しても、それは大道具が大道具以上のものになる作品の魅力、と捉えれば、監督が当時絶望したような
憂うべき事態ではないのかもしれません。
新劇場版は、監督がかつての衝動的な脳ではなく落ち着いた脳で紡ぎ直したものですから、そういった点も含めてより肯定的に作っているのかもしれません。その結果として、最新の映像技術
云々を売り物にすることについてもある程度楽しんでというか、前向きに行っているのかな?などと最近思いました。
もちろん、監督が冷静な脳で作ることには一長一短ありますが。混沌の中で生み出されたからこその作品のエネルギーというものもありましたからね。
私はそこはかとなくこう考えているのです。

32メルキオール:2007/09/26(水) 21:37:18 ID:4bu1W42E0
>メフメトさん
>最新の映像技術云々を売り物にすることについてもある程度楽しんでというか、
>前向きに行っているのかな?などと最近思いました。
確かにそうですね。
表面上の技術や面白さも作品の重要な魅力ですね。

今度は表面上のものに埋もれないメインのドラマもキッチリ書いて欲しいです。
本来両立できるはずですから。

>混沌の中で生み出されたからこその作品のエネルギーというものもありましたからね。
もちろんそうなんですけどね、あれは一生に一度しか許されないと思いますよ。
今度は安定した技量を見せて欲しいです。

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