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エヴァの数はどのように「足りない」のか- 1 :【管理人】セラフィエル:2007/08/09(木) 01:00:49 ID:dnxZ8GyY0
- 今更かもしれませぬが、矛盾点が露呈しているところについて挙げてみます。
ゼーレの台詞で以下のようなのがあったと思います。
「エヴァシリーズ、八体まで完成しつつある」
「残るはあと四体か」
そして、劇場版エヴァにおいて、現れたエヴァ量産機は9体。
「いささか数が足りぬが・・・」
みなさまがこの解釈について、どのようにお考えかお聞かせ願いたいのです。
エヴァシリーズという言葉の踏まえ方にも二つあると思います。
例えば以下の通り。
1.零号機から数えて量産機全てを含んだ言い回し。(=14体ということ)
2.量産機のみ(アスカの「エヴァシリーズ、完成していたの?」という台詞から)
ゼーレの言う完成しているエヴァシリーズの数が八体とは、このどちらを踏まえて言っているのか。
そしてまた、「数が足りない」とは何をさしていっているのか。
私はまた、別の意味で捉えてみてはどうか、と考えてみました。
それは「数が足りない」という言葉と、エヴァシリーズの総体を別にして考えてみるということです。
その根拠はセフィロトの図。
セフィロートの図は10のセフィラーだとされますが、もう一つ隠れたセフィラー「ダート(知識)」があるので、正確には11だと考えられます。
実際に劇場版で起こされたサードインパクトのときは初号機を含めて10体であの図を構成しました(セフィロトかクリフォトかは別として)。
そこで、劇場版当時に存在しているエヴァの数を見てみます。
あの時存在していたエヴァは、初号機と弐号機、そして量産機9体。
この合計は11体です。
ゼーレは当初、初号機と弐号機両方の接収を目論んでいたものと考えられます。
冬月「奴等の狙いは、本部施設、及び残るエヴァ二体の直接占拠だな」
この台詞からも、「この時点」では弐号機も接収の対象だったと考えられないでしょうか?
それでもエヴァの総体とゼーレの台詞の総合計を考慮するとなれば矛盾が生じる・・・。
更にコミック版では「このためにエヴァが13体必要だった」とあり、矛盾が矛盾を呼ぶ展開となっております。
零号機を数えたら完成してきたエヴァの総体は14体。単純な数え間違い?
それとも量産機だけで十二体作って、初号機だけは別物として考えたのか。
いずれにしてもこの矛盾の無限ループから外れる手段は、私の中では今のところ皆無です。
なので完全な答えなどありはしないと考えていますが。
- 2 :きじ:2007/08/13(月) 00:09:42 ID:NpceN4hM0
- キリストと十二使徒ってことかなぁ、やっぱ。
量産機のみで12体ということ。
- 3 :kazuhide:2008/05/14(水) 14:07:27 ID:rqq1x75Io
- 始めまして。拙稿ながら少し語りたいと思います。
ゼーレの計画した人類保管計画の最終形はアダムをキリストに見立て(あるいはリリスかも知れないが本稿ではどちらでもよいとする)、それに十二使途に見立てたエヴァ12体が必要になるということになります。
つまり必要になるエヴァは最低12体です。
ただし実際には使途を倒す必要やさまざまな要因からエヴァの数は予定よりも多くせざるを得ない状況になったと思われます。
三号機の破壊や4号機の消滅に加え、肝心のアダムを有しているゲンドウはどうもゼーレと袂を分かつつもりらしい。これはかなりまずい事態でしょう。
アダムはよりしろであり計画の要です。そして、現状稼動状態のエヴァはすべてゲンドウが握っています。
そして、ゲンドウとゼーレが事実上決別する出来事が起きました。
初号機による使途の捕食・・・S2機関の搭載です。
ここにきてゼーレはゲンドウがゼーレとは異なるシナリオを創り出そうとしていることに気づき、計画は危機に陥ります。
しかし、ゼーレはひとつの光明を見出しました。初号機がS2機関を装備したことによって、アダムやリリスと同質の存在になったと言うことです。(ゼーレのいう具象化された神)
ここでゼーレは初号機をよりしろとする方向で計画を修正しました。
ではこの段階でのエヴァ必要数は何体か?
20話の段階で稼動するエヴァは初号機・弐号機・零号機の三体です。このうち初号機は前述の事情で外しますので、二体となります。
必要数は10体です。しかし、サードインパクトのためにはエヴァとパイロットを確保する必要があり、この点では不安はあります。ネルフが抵抗した場合、エヴァの破壊、パイロットの殺害なども想定に入るからです。
仮に、ゲンドウとの関係が壊れなかった場合、必要なエヴァは初号機から12号機までの12体です。破損等を考慮しても15体を超えることはないでしょう。零号機に関してはゼーレはそれほど重視していないみたいです。初号機の半壊には叱責されても零号機関連ではほとんど何も言われておりません。
要するにネルフとの対決を考えるなら、理想は量産のみで12体です。しかし、もともと予定外の事態ですので、初号機の代わりに建造されることになった13号機の開発に着手し、その後零号機の損失に伴い14号機(便宜名称)が計上されたというところでしょう。
まとめになります。
当初の量産機の総数は5号機から12号機の8体建造予定でその後3号機・4号機損失により二体追加(零号機を数に入れるなら一体追加)、初号機除外により一体追加、零号機損失により一体追加(番外となるならゼロ)で三体が追加されたと言うことになります。
最終的にネルフに現れた量産型は9体、初期建造予定の8体に追加分一体を加えたものでしょう。これに二号機の奪取を予定していたので10体、予定には二機不足したと言うことになります。
あるいは最後の使者であるカヲルは時間稼ぎをさせると言う目的もあったのかもしれませんが、それもむなしく終わり、ある程度予想したとは言えどゼーレは予定よりも少ない数で始めざるを得なかったのでしょう。
結局二号機も破壊し計9体の量産機と初号機でサードインパクトをやったと。
- 4 :【管理人】アイオーン・アブラクサス★:2008/05/14(水) 19:02:22 ID:???0
- kazuhideさん、初めまして。管理人アイオーン・アブラクサスです。
書き込みありがとうございます。
ただ、丁寧に合理的に見ようと書き込んでくださった説明に、お気を悪くされると申し訳ないのですが、私がそれを読んで受けた印象は、やはり矛盾をいかに合理的に見ようとしても、矛盾の泥沼の深みにはまっていく態を示してしまう、という感じでしょうか(汗)。
なぜなら物語の主軸となるプロットそのものがない状態で思いつくままに描くという形で展開されているエヴァ、そしてその結果結末に至って破綻していく展開において、最近の私の考え方では、深みを持たせようとして失敗したことの辻褄合わせ的な展開しているだけ、という見方をしております。
それはサードインパクトの際に描かれたユダヤ神秘主義カバラの象徴的表現セフィロートの図が、初号機を含めて十体で、十のセフィラーをそろえており、付け加えるとすれば隠されたセフィラである「ダァート(深淵)」ですが、劇場版で描かれた図版のセフィロートでは、それ以上に配置する余地はございません。
よってこのスレ、私が投げた話題ではありますが、私はこの十二体という数の問題はもはや「謎」にあらず、つまりストーリーが展開される上で、キリスト教の十二使徒をもじったのかどうかは完全な確証はございませんが、いったん「完成されたものが八体、残りは四体」と出したのはよかったものの、それをそのまま劇場版でシナリオを描く上でできなくなった、というだけのことだと思います。
つまり、それは意味盲、即ちそこで言われたことの意味そのものが空回りしているだけであり、そのままどおりにやるとセフィロートを描けなくなったからできなくなった、ということです。
シナリオの流れから言って、弐号機は粛清フラグが立ってしまっていますし。
何より、劇場版が描かれるに至るまでの当時の様相(ウィキ見れば当時の様相が載ってます)、TV版が描かれてからのタイムラグ、そして二度手間と化している春エヴァと夏エヴァ・・・。
ここにひとつ考えられるのが、それこそ「流れのままに」放縦している展開において、いったん振った言葉を、ただ単に「時間が足りなかった」と「いささか数が足りぬ」と誤魔化しただけだと思います。
ひとえに申しまして、スタッフが十二体といったならば、製作する上で十二体出すことなど簡単なことです。
十二体投入することが確実的に、しかもそれがサードインパクトを起こす上で描かれるのであれば、セフィロートの図は描けません。
全ては意味があるように見えて意味盲と化している、なし崩しで片付けられてしまったものだと考えられます。
また、初号機がS2機関を備えたということがアダムやリリスと同等になったということですが、アダムやリリスはその非連続性としての固体のままでは神足りえません。
具象化された神ですらありません。私の論考には既に示しましたが、ゼーレやリリスは神ではなく、彼らの言う「神」を復活させるためのキーでしかないのです。
彼らにとって神とは「完全なる人間」だということが劇中でも説明されており、アダムやリリスはそのままではそれになぞらえられません。
これはバタイユの哲学で解析されます。
(この項続く)
- 5 :【管理人】アイオーン・アブラクサス★:2008/05/14(水) 19:52:48 ID:???0
- 修正です。
>私の論考には既に示しましたが、ゼーレやリリスは神ではなく、彼らの言う「神」を復活させるためのキーでしかないのです。
これは
>私の論考には既に示しましたが、ゼーレにとってアダムやリリスは神ではなく、彼らの言う「神」を復活させるためのキーでしかないのです。
に修正してください。
- 7 :【管理人】アイオーン・アブラクサス★:2008/05/14(水) 21:20:11 ID:???0
- さて、続きです。
>ゼーレの計画した人類補完計画の最終形はアダムをキリストに見立て(あるいはリリスかも知れないが本稿ではどちらでもよいとする)、それに十二使途に見立てたエヴァ12体が必要になるということになります。
私が持論を展開する上で、まずこの点からしてkazuhideさんとは物の見方が違っているため、その点から食い違っているものと考えられます。
そもそもストーリーの流れからしてゼーレとゲンドウの補完計画に違いなどありません。
彼らの対立の焦点となっているのはエヴァの数ではありませんし、計画のシナリオの中身自体でもありません。
確かに初号機がS2機関を有したことに対しては、彼らはシナリオの逸脱、と称してゲンドウに反発しています。
しかし、最後のほうになってみればわかるように、彼らは自分たちの手でサードインパクトを引き起こす主導権を握ることさえできればそれで満足といった態を示しています。
その対立の焦点となっているのは、彼らの「神」に対する見方、そして計画を実行する主導権、そこに尽きるのです。
しかし、どちらともが神について語ったところで、神概念が壊れているエヴァの世界では、その対立自体が、彼らの自己満足を満たすためだけに語られている「神」であるので、その世界に神は「死んでいる」状態です。
実態としてそこにあるのは力をめぐっての衝突しかありません。
また、シナリオを実践する上で、エヴァを保有している側がゲンドウであれゼーレであれ、ゼーレ側は実際その接収に乗り出しています。
「エヴァシリーズを本来の姿にしておかなければならぬ」というのがあるとおり、自分たちの手に取り戻さなければならないといっているわけで、そこにも主導権の争いがあらわになっていると思います。
当初の目的としては弐号機の接収も入っていた、とかんぐられますが、シナリオの流れとして、十体でサードインパクトが実践できるならば、何のために十二体必要なんだということになります。
要素を詰め込みすぎて失敗し、破棄された破綻要素といわざるを得ません。
また、キリストの解釈が使われているわけですが、確かに「使徒」なる語はキリスト教の概念で使われますが、ゼーレの思想性からして、政党はキリスト教の概念は見当たりません。
名ばかりそこに使われているのであって、それ自体がそのまま照らし合わせられるわけではないです。
私の見解では、ゼーレの思想性は、グノーシス主義やユダヤ教エッセネ派、カバラ、錬金術などとの照らし合わせは見られますが、正統的なキリスト教とはどうも結び付けられませんね。
そもそも使徒、あるいは天使をぶちのめすという時点でそれはないです。
十二という数字へのこだわりは作中でも見られるようですが、コミック版でもそれをやって失敗してます。
コミック版では、その実十三体の使徒の数であるにもかかわらず、十二体という数字にこだわり、その矛盾を露呈していますが・・・。
正直十二という数字にこだわり、それがゼーレの思想とキリスト教の概念とをそのまま適合するのは早計かと・・・。
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