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ゼーレの目的
1キュア:2007/07/23(月) 14:50:13 ID:DliBOHA20
始めまして、キュアと申します、以後お見知りおきを。

さて、表題のゼーレの目的ですが、劇中で言ってるように
私は、神(リリス)も含めた全ての死の後の新生だと思っています。
エヴァの世界の人類は、リリスの卵から発生した、使徒です。
言わば、リアルの我々の世界と違って、徐々に進化して来た生物では無いわけです。
これを知ったゼーレは、さぞ驚いたことでしょう(むしろ喜んだ?)

つまり、ゼーレの新生するとは、リリスやアダムなどの、人工っぽい恩恵ではなく
リアルの我々の世界ような、自力進化生物が目的だと思うのですが、ご意見をお聞かせください。

2【管理人】セラフィエル:2007/07/23(月) 15:00:55 ID:dnxZ8GyY0
>>1 キュアさん
初めまして、管理人セラフィエルです。こちらこそよろしくお願いしますね。

>エヴァの世界の人類は、リリスの卵から発生した、使徒です。
>言わば、リアルの我々の世界と違って、徐々に進化して来た生物では無いわけです。

このご意見なのですが、私はそう単純なものではないと考えます。
リリスが地球に到達したのは46億年前のジャイアントインパクトのときです。
現実の進化論の否定をするわけではなく、地球上の生命及び生態系構築の全てがリリスより生まれたという設定なのです。
「お互いに、この星で生きていく身体はリリンと同じ姿に行き着いたか」
リリスより生まれた最終進化形の生命体がリリン、すなわち人類である、と考えられます。

ゼーレの目的はアダム=カドモンへの道。
アダム=カドモンとは神にあらず、神の似姿である全知全能にして永遠の命を持った存在です。
だから厳密に言うと、神への道、というのは神になることではなく、神に近づく、ということであり、超人的なものを目指す考え方であると考えます。
すなわち第一始祖民族ですね。

3キュア:2007/07/23(月) 16:39:05 ID:DliBOHA20
セラフィエルさん、レスありがとうございます。

なるほどです、地球上の生命及び生態系構築の全てがリリス
より生まれたという設定は了解しました、その方が私も良いです
(下記に色々書きますが、私は有神論者ではありません、誤解なきよう)

ただ、リリスやアダムなどの、人工っぽい恩恵というのは、そのままですよね
ゼーレの教義というのが、どのようなものかは分かりませんが、
今まで信じてきた人類を造った神が、死海文書を解読してリリスだったと知った時
はたして、同一視出来るものなのでしょうか?相当な動揺があったと思います。
(リリスの扱いは、磔です、神?と思われる者に対する扱いでは無い気がします)
ゼーレにとって、リリスはまさに、具象化されてしまった、神そのものだと思います。
エヴァの世界では、人類は所詮、第一始祖民族によって造られた存在となりますよね?
だから、ゼーレはすべてを無にしたかった、具象化された神(第一始祖民族)の思惑ではなく
偶然(真の神?)によって発生した、リアルの我々の世界を目指したのではないかと思います。

4【管理人】セラフィエル:2007/07/23(月) 17:19:25 ID:dnxZ8GyY0
なるほど、そういう考え方をされましたか。
面白い考え方だと思います。では私の意見をお聞きください。
ついでに私も申し上げますが、私も無宗教者です。

さて本題に入りましょう。
動揺がなかったとは言いません。
しかし、動揺というよりも、ゼーレには死海文書の内容というか、宗教団体として組織化された、当時の祖先からの言い伝えがそのまま形骸化した教義があります。
近代のゼーレはこの形骸化した教義と裏死海文書を祖先の理想に基づいた世迷いごとに過ぎない、と考えていました。
ところがその教義と裏死海文書に記されていたことが現実に露になったことで、それが世迷いごとではないことに気付きます。
ですから、動揺というよりも、世迷いごとに過ぎないと思っていたことが実際にあったことで、驚きを覚えつつも、そこから自らの理想を導き出した、というほうがいいのではないでしょうか?
世迷いごと程度であっても知っていたことには変わりないのですからね。

あと、具象化した神、についてですが、これは下の方で檸檬さんとのやり取りでも話したとおり、アダムやリリスのことではなく、始原の存在から作った分身(エヴァ)から神を具象化する(生命の実と知恵の実の両方を会得する)などもってのほか、という意味でキールが吐いたことではないかなと。
「神」という言葉には多岐にわたった意味解釈が必要です。
自分達を創った始原の存在であるから神と同義、そのまた上にいる第一始祖民族、第一始祖民族の上に更にいる可能性もある・・・。
なので、リリスは具象化された神ではなく、彼らにとっては自分達を生み出した「始原の存在としての神」そのものなのです。
ですからそこに回帰し、アダム=カドモンへの道を目指す、ということは、リリスを用い自分達をその上にいる作り主の第一始祖民族と同義にする事を考えてはいないかなと思うのです。
リアルの世界の神無き世界へと回帰したのはシンジやアスカであり、現実へ帰れとする監督の意向もそこに含まれていないかと考えます。

5キュア:2007/07/23(月) 19:02:10 ID:DliBOHA20
なるほど、動揺の過程はセラフィエルさんの意見をそのまま使わせて
頂くとして、世迷いごと程度が真実だったのは、相当の反発が予想できませんか?
そこで私は、自らの理想を導き出したのが「リアルの我々の世界」だと思うのです

>「神」という言葉には多岐にわたった意味解釈が必要
同意ですね、分身(エヴァ)から神を具象化する行為の非難
というセラフィエルさんの、意見も理解できます。
ただ、ゼーレ的にもっと深い意味で言っているような気がするのです
例えば、21話の会話ですが

「我々は、新たな神を作るつもりはないのだ」
形骸化した教義の中の神以外の、現実に露になってしまった
存在(リリスや、アダム)や、予想できる存在(始祖民族)の意味

「我々に具象化された神は不要なのだよ」
教義の中の神を書き換えるつもりは無く、神的存在は具象化されて欲しくは無い

あと、セラフィエルさんの言う、アダム=カドモンへの道を目指しているのは
ゲンドウなのでは、ないですか?

「神を造ってはいかん」
これは初号機のことですね、予想できる存在(始祖民族)が考えた人類の進化形で
ゼーレ的には、まったく従う気は無いと思います。ゲンドウはヤル気マンマン
「エヴァという名の箱船に乗ることはない」のセリフから

結局、ゼーレは具象化されてしまった神の思惑には、従うつもりは無いのだと思います。

6【管理人】セラフィエル:2007/07/23(月) 20:07:26 ID:dnxZ8GyY0
>>5 キュアさん
>世迷いごと程度が真実だったのは、相当の反発が予想できませんか?
>そこで私は、自らの理想を導き出したのが「リアルの我々の世界」だと思うのです。

うーん、それでは逆に質問ですが何故、死海文書は公表して裏死海文書は非公開にしたのでしょう?
エヴァの世界の設定では、現実に存在する死海文書を作品内に取り入れているわけですが、その現実の死海文書の構成を申し上げますと、旧約聖書、すなわち大元のユダヤ教に基づく教えが30%ほどで「エステル記」以外の全ての文が揃っているそうです。
あと約30%はその注解・内部文書、約25%はヘブライ語の聖書正典には含まれない外典・偽典の類です。天使についてはほとんどこの外典や偽典に記述されているようです(エノク書なんかが多いです)。
後、約15%はなんなのか不明だとされています。
エヴァの世界では、このなんなのか判らない、天使のアルファベットで書かれた約15%の部分が「裏死海文書」と呼ばれています。
これはエヴァの世界では秘匿されました。
この中身の事実を知っているのはゼーレを始め一部の人間だけです。
世の中の人間は神の存在など知りませんし、そんなものがあるなどと知る由もないわけです。
そしてその内容が現実だったから反発するのではないか、と仰られるわけですが、そこに書いてあることが本当に理想的なことだったらどうなるでしょう?
ゼーレのメンバーはそこからの脱却というより、それに則って行動しております。
裏死海文書に記されたことの通りに動いているということは、そこに理想を見出したからで、それこそ世間の反発を招くことを防ぐために、それを隠蔽したと考えられないでしょうか?
人類補完計画の趣旨は、そもそも現実社会よりの逃避です。
人間の持っている様々なしがらみからの解放を目指しているわけですから、我々のリアルを目指す、というのは本末転倒になってしまうのではないでしょうか?
エヴァの作品のテーマを考えてみてください。
ゼーレのとった行動と言うのは、リアルの私たちも持っている現実社会のしがらみから解放されることを目指したわけです。
エヴァの世界って、我々のリアルにはないものが作品の中ではごろごろ転がっていますでしょう?
つまり、リアルの私たちは、人間の持っているしがらみから逃げることは出来ない。だからそれとどう付き合っていくか、が問題です。
ところがエヴァの世界では、そうした道具が転がっていることで、人間の持っているしがらみから逃げることが出来るのです。
つまりしがらみと向き合うことをしなくても済む、いわば楽な世界が構築できるわけですから、リアルの私たちの世界を目指すと言うのは違うんじゃないかなと思うんです。
ですから私は、上でシンジやアスカこそが、現実社会へと帰ってきた者であり、監督の「現実へ帰れ」という言葉と併せて、補完計画など幻想的なものに過ぎない、ということを我々に向けたのではないかと思うのです。

結果論として私の視点での計画の概要と言うのは、キュアさんと全く逆になってしまいましたが・・・。

7【管理人】セラフィエル:2007/07/23(月) 20:33:40 ID:dnxZ8GyY0
もう一つ補足しますと、エヴァの世界は、現実と幻想が入り混じっております。
つまり人間ドラマを見れば判ることですが、その心理は極めて人間的で、リアルの私たちにとっても現実的です。
人間の心のしがらみが顕著に現れていて、そして登場キャラクターたちは、人間関係やコンプレックスに苦しんでいるのがお判りになると思います。
そこに補完計画が登場します。
この計画は人間の心のしがらみからの脱却を目指すものです。
感情のしがらみ、人間関係のしがらみ、社会のしがらみなどの脱却です。
ゼーレは何も感じない、ただそこに居続けるだけのその物体が完全な人間であるとし理想としています。
そしてゼーレは裏死海文書に書かれていることを教義にしており、それに基づいて計画を実行しようとしている。
理想的な書類に基づき、理想的なものが発見されたからこそ、人は喜んでそれを手に入れようとした、と考えられませんか?

8キュア:2007/07/23(月) 20:37:25 ID:DliBOHA20
えーとですね、一番最初のレスを見てください
セラフィエルさんは、勘違いされています。
私の言う「リアルの我々の世界」というのは純粋な、
偶然(真の神?)によって発生した、具現化した神の居ない世界のことです
これを、念頭にもう一度。3と5のレスをよんで頂けると、嬉しいです。

9【管理人】セラフィエル:2007/07/23(月) 21:49:28 ID:dnxZ8GyY0
うーん、私はあまり勘違いしているつもりはないんですがね。
死海文書自体が第一始祖民族の残したものですからね。
また、リリスは拘束されているとは言え、ゼーレにとっては極めて重要なものであることに変わりはないと考えておりますから。

判りました、仕切りなおしましょう。
>「我々は、新たな神を作るつもりはないのだ」
>形骸化した教義の中の神以外の、現実に露になってしまった存在(リリスや、アダム)や、予想できる存在(始祖民族)の意味
多分私とキュアさんの考えではここのところの解釈が違うのではないかと考えます。
まず「形骸化した教義」の中に含まれている神、というのが何をさしているのか?
ここはキュアさんも言うとおり、第一始祖民族である可能性が大でしょう。
で、何故私がそのリリスやアダムの存在の発見に反発したとは思わないのかというと、ゼーレは形骸化しているに過ぎないと考えていた教義の内容、及び裏死海文書の内容が、実際に現実にもあったことで、神(第一始祖民族)の奇跡を目の当たりにした故に、信心に立ち返ったと考えるからです。
いわばリリスやアダムは第一始祖民族が造ったものであり、第一始祖民族に最も近い存在です。
また、神が残した遺産、というと語弊があるかもしれませんが、リリスは、それと同時に自らを生み出した母たる存在です。
それを重要視しない、というのは違うのではないかな、と考えるのです。例え磔にしていたとしても。
すなわち、リリスを用いて足りないものを補い、自らを神の御座へと押し上げようとしたのではないかと考えるのです。
神の存在を確信した人間は何を目論んだのか。自分も神になろうとしたのです
リリスによる補完は出来ぬ、という言葉もあるとおり、もともとの計画に入れられていた、リリスを依り代にしたアダム=カドモンへの道を模索しているので、母たる存在のリリスを用いる以外に、神を作る必要はない、という意味で、新たな神は不要だ、具象化された神は不要だ、と述べたのではないかと思うのです。

アダム=カドモン的存在というのは神の似姿です。
ゲンドウが行おうとしたことではないか、と仰いますが、ゼーレがその教義の中で行おうとしていたことでもあります。
なので神への道とは、第一始祖民族に限りなく近い存在を目指す、と考えてみてはどうでしょう?
第一始祖民族が神とされるのであれば、こういう解釈になります。

だから、それを前提の上に、>>6-7を述べさせていただきました。
ヘンな誤解を招いてしまったのであれば申し訳ありません・・・。

10キュア:2007/07/23(月) 22:12:14 ID:DliBOHA20
補足しますと、生命の起源に関する問題で、教義の中の神と、具現化した神
(第一始祖民族)とを同一視することに、反発が生じてしまったのではないか
エヴァの人類が、第一始祖民族によって造られた存在と言うことを、
認めるぐらいなら、まったく無かったことにしたいのではないか
人類の創造主の概念は認めるが、具現化した存在は認めたくないのではないか
つまり、ゼーレ的に地球上の生命及び生態系構築の全てがリリスより生まれた
という事実が許容できず、真の新生(リリス抜き)を目指したのではないかということ

裏死海文書の秘匿に関しては、当然だと思います、人類が造られた存在であり
創造主が存在するなど、公表したらパニックでしょう

セラフィエルさんの、エヴァの作品のテーマを元にした解釈もなんとなくはわかります
ただ私のように、「もしも」を元にした解釈もあるんだと、思ってくだされば嬉しいです
(「もしも」現実に人類の創造主がいたら、反発というか認めたくないと言うか
ガッカリする人が多いと思いますが、セラフィエルさんはどうですか?w)

11キュア:2007/07/23(月) 22:13:42 ID:DliBOHA20
あ、9番のレスに気が付きませんでした、すみません
また。レスしますね

12【管理人】セラフィエル:2007/07/23(月) 22:14:12 ID:dnxZ8GyY0
以前「神への道」という言葉があべこべになっている、としましたが、正確に言うと、あべこべではなく、「神への道」というものの解釈自体が、ゼーレとゲンドウでは違っていたのではないかな、と考えます。
言葉が同じでも内容が違うという意味で。
ゲンドウは第一始祖民族の残したものから、自ら神、或いはそれに近い存在を具現化させる(S2機関を搭載させた初号機)ことで思い通りに補完を行おうとした、対してゼーレは本来あったものだけでロンギヌスの槍を用いた補完を行おうとした。
手段の違いと主導権の問題だけだったと考えますね。

13【管理人】セラフィエル:2007/07/23(月) 22:24:40 ID:dnxZ8GyY0
>>10(「もしも」現実に人類の創造主がいたら、反発というか認めたくないと言うかガッカリする人が多いと思いますが、セラフィエルさんはどうですか?w)
ああ、そういう意味でしたら私も嫌ですね(笑)。
自分達の心とかそういうものが勝手に創造主に決められたものだ、と言うのならそれは普通の人間なら嫌ですな。
だからここの掲示板で前に論議した「人は何故、人に魅せられるのか?」で、ミサトが無責任な発言をしていると反発したのもあるんですよ(笑)。
創造主がそうつくったからそう生きるしかない、そうじゃなくて、人間はもともとそういうものだから完全も不完全もない、とあのスレで言いたかったのですよ。

14【管理人】セラフィエル:2007/07/23(月) 23:02:53 ID:dnxZ8GyY0
>キュアさん
レス作ってくださっている間に書き込んでしまってすみません。
私が結局申し上げたいのは、キュアさんが考えることはキュアさんの中で人間として嫌だ、と思っていることが強く出ていると思うんです。
これについては私も同じです。もし私がその場に居合わせたら、の話です。
しかしそれがそのままゼーレに当てはまるか、と考えた場合、それは違うことになってくるのではないかな、と考えるんですよ。
コミック版の台詞をご存知でしょうか?
「偽りの継承者であるがために、未来に行き詰った我々に残された希望は唯一つ、神の子として正統なる継承者に生まれ変わることなのだ」
この辺がキーワードになって来るでしょう。
無感動で永遠の安らぎを得た、ただそこに行き続けるだけの一つに結合した存在。
それに生まれ変わることを目的にしている。
これが人間としての生を捨て、超人間へと生まれ変わることだと考えます。
でもそれは「超人間」であって、人間じゃないんですよね・・・。

15トシ:2007/07/24(火) 01:02:23 ID:8WfX8mPw0
白熱した議論の中、横から失礼します。
そもそもゼーレは何で人類を偽りの継承者として、使徒を正統な継承者としたのでしょうか?
これもやっぱり死海文書に書いてあったからと理解すればいいのでしようか?

16【管理人】セラフィエル:2007/07/24(火) 01:20:21 ID:dnxZ8GyY0
>>15 トシさん
>そもそもゼーレは何で人類を偽りの継承者として、使徒を正統な継承者としたのでしょうか?

それはですね、私の作った創世記をご覧になってみると判ると思いますが、そもそも最初に地球にやってきたのはアダムです。
リリスはそれを追ってきた追跡者です。
そして、リリスはジャイアントインパクトを起こして、アダムの生態系(巨大で単一な生命体)を作れなくした。
要するに本来はそこに芽吹くはずもなかったものが芽吹いてしまったということで地球の偽りの継承者となったわけです。
また、リリスより最終進化系として生まれたリリン(人間)は、ゼーレにしてみれば短命で、しがらみだらけの生き物だと解釈されます。
これがゼーレをして人間を出来損ないである、と言わしめており、それもまた「偽り」の継承者であると言わしめるだけの根拠になると思いますがいかがですか?

17トシ:2007/07/24(火) 01:51:11 ID:8WfX8mPw0
>>16 管理人さん
>私の作った創世記をご覧になってみると判ると思いますが
一度は目を通した積もりだったのですが忘れていました。スミマセン。

要するに早いもん勝ちだったのですね。
しかも後からやって来たリリスから生まれたリリンは出来損ないといえる存在だった。
そこでゼーレはリセットをかけて全人類を生まれ変わらせようとした。(正統な継承者に?)
という事ですかな?

18【管理人】セラフィエル:2007/07/24(火) 02:22:07 ID:dnxZ8GyY0
>>17 トシさん
>そこでゼーレはリセットをかけて全人類を生まれ変わらせようとした。(正統な継承者に?)
>という事ですかな?

まあそんな感じだと思います。
要するに永遠の命としがらみのない世界を望み、悠久の時をそのまま無感動に生き続けるだけの生命体に理想を見出しているんじゃないかと。

早い者勝ちというか、アダムとリリスの因縁を見ると、エヴァ2ではアダムが生命の実を食べすぎてリリスの分がなくなってしまったために、知恵の実しか残っていなかったというのがあります。
悠久の時を生きる生命の実を奪われたリリスがアダムからそれを奪い返すために追跡した、という解釈がされています。
この辺は本編では描かれなかったことなのですが、コミック版ではカヲルが、継承者が来るのを待っていた、といっていることからも、なにかの因縁を感じさせるものがあります。
知恵の実を得るしかなかったリリスは、短命で、しがらみを持った生命を生み出した、そういうわけです。

また、私としてはキュアさんが言いたいのはこういうことを知ったら普通の人間ならどう思うか、ということを前提にしているのではないかと思いますが、キュアさんいかがでしょう?
キュアさんの「もし」の考え方は面白いと思いますよ。

19トシ:2007/07/24(火) 02:53:12 ID:8WfX8mPw0
>管理人さん
ありがとうございます。理解しました。
私、複雑に考え過ぎていたかも知れませんね。
とは言いながらも、でも意外と「なぜ正統な?」というところまでの解釈が無かったような気がするんです?
それでなぜなんだろう?・・・、という疑問があったのですが、言われてみれば結構単純でしたね。
どうもスレ汚しスミマセンでした。

20【管理人】セラフィエル:2007/07/26(木) 09:09:44 ID:dnxZ8GyY0
キュアさんへ
レスをいただけないことから、私が相当な勘違いをしている、ということでしょうか?
ちょっとお尋ねしたいのですが、キュアさんの考え方だと、回帰願望というのはどういう扱いになるのでしょうか?
あと、リツコの「神様を自分達で復活させようとした」というのはどういう扱いになりますでしょうか?
まああの場面はリリスの像をさしてアダムといってる感じがしますから当てにならないようなところもあるんですがね・・・。

21キュア:2007/07/26(木) 22:35:45 ID:DliBOHA20
セラフィエルさん、レスが遅くなってしまっていて、すみません
トシさん、横レスは歓迎しますよ、いつでも、どうぞどうぞ

勘違いは、しておりませんよ、私が単純に文章がのろいだけです
(ゆったりした時間がないと、中々あたまが、働かないものでw)

熱心な宗教家に知り合いがいないので、私自身にも結論を出すことが
できないのですが、もしも「創世記の記述は全て事実で、その中の神が
宇宙人的な者だった」と証明されたとします。たぶん、宗教家個人と
して、それを神と認める人と、絶対に認めない人に分かれると思います

ということは、ゼーレの中でも当然、この二つの勢力に分かれたの
ではないかと思います、そしてキール達、絶対に認めない派が実権
を握ったのではないか、と考えました。
なぜ、キール達が認めない派かと記しますとやはり、具象化された神
は不要というセリフからです、キール達にとって神とはもっと崇高な
もので、セラフィエルさん言う、アダム=カドモンへの道も宇宙人が
用意した道では無い(侮辱するな)と、考えるのではないかと思います。

そこで、ある意味人類に絶望したキール達は裏死海文書の記述を逆手に
取り、全ての死を目的に持ったのではないかと思いました。

ゼーレ(キール達)とっての回帰願望?かは分かりませんが、
もっと崇高な神への、殉死がそうかなと思います

リツコのセリフは、リツコ自身がどう思っているかですから、?ですね

22【管理人】セラフィエル:2007/07/27(金) 00:40:51 ID:dnxZ8GyY0
>>21 キュアさん
お返事お待ちしておりました。
さて、本題に入ります。
>熱心な宗教家に知り合いがいないので、私自身にも結論を出すことができないのですが、もしも「創世記の記述は全て事実で、その中の神が宇宙人的な者だった」と証明されたとします。
>たぶん、宗教家個人として、それを神と認める人と、絶対に認めない人に分かれると思います。

ここらへんは我々無宗教者には測り難いものがあるんですよね。
そもそも私は、「神」という概念は、人間がその心の持つしがらみから来る不安とでもいうべきものから、その依り代として生み出した概念だと考えてますからね。
例えば、ユングを例に取りますと、ユングはキリストや神の概念(三位一体説)にたいし疑問を抱えていました。
しかし父親はそれに答えてくれるだけの能力を持ち合わせておらず、彼は父親に失望した上、キリストや神に恐ろしさすら感じたそうです。
こんなものが具象化したらそれこそ恐怖体験でしょうな。

ただ、キュアさんのいう具象化、という言葉を普通の宗教に持ち込むのだとすると、偶像崇拝というのがそのまま当てはまると思うのですが。
例えば、イスラム教を例にとって見ましょう。
唯一神アッラーは偶像崇拝を禁じています。
神を具象化したもの、すなわち自分の持っている神のイメージを偶像にして崇めるのが偶像崇拝。
これは全面禁止。
ところがアッラー自身は自分の似姿としてアーダム(アダム=カドモンのような存在)を作った。
偶像崇拝を禁じた神が何故自分の姿に似せたものを作るのか?
それに従うように言うアッラーの命令に、忠実に従うジブリールら天使たちと神に忠誠を誓うも偶像禁止の命令を絶対視し、アーダムに従うことを潔しとしないイブリースら堕天使がいます。
キュアさんに言わせると、そのイブリース率いる堕天使こそがゼーレ、ということになってしまうのですが、私の考えはまた別にあるのです。
それは、ゼーレがグノーシス主義に基づいた教義を持っている、と考えるからです。
グノーシス主義は、一風変わった光と闇の善悪二元論の立場を持っております。
これは地上の世界そのものが闇であり、それらを造った造物主が悪である、という前提から出発しており、そこから「光の地」へと帰還すると言うのが骨子です。
リリスは悪魔名です。
つまり、闇や悪を前提として、全能の神を認めるどころか、人間の内にある神的本質を認知することで、神的実体に帰一する、という考え方です。
これは正統派キリスト教にはそぐわない考え方ですね。
なので、リリスを正統なる継承者として神と同一の存在へと昇華させることは、ゼーレの考えと一致していることだと考えます。
ゼーレは結成当時からこのグノーシス主義の考え方を持っていたと考えられ、それが実体化したのであれば、神的実体に一致することを目指して当然ではなかろうかと。

23【管理人】セラフィエル:2007/07/27(金) 00:52:44 ID:dnxZ8GyY0
キュアさんが仰る反発組織と言うのは恐らく、正統派キリスト教のような存在でしょう。
これは本編には記されておりませんが、エヴァ2だと最後の抵抗勢力を叩き潰した、という記述がありますね。
グノーシス主義を教義にしていると考えられるゼーレならば、反発どころかそれを率先して受け入れ、計画を立てようとする、という解釈です。
そしてそれを押し隠す要因としては、そんなものがこの世に存在し、またその始原存在を用いてグノーシス主義に基づいた考え方を行使しようものなら、普通なら反発を招きかねないからです。

24【管理人】セラフィエル:2007/07/27(金) 02:07:27 ID:dnxZ8GyY0
また、補足ですが、グノーシス主義の神話に基づく世界観は、神智の「認識」によって人間は神になれる、という特徴があります。

そして、トシさんの質問にたいし、完全にお応えし切れていないところがあったので書き記したいと思いますが、偽りの継承者とは人間を作った造物主が悪魔の名を冠するリリスであり、そこから出発して正統なる継承者を目指す、という点において、上の考え方が一致します。
書き足りなくてごめんなさい・・・。

25キュア:2007/07/27(金) 20:44:23 ID:DliBOHA20
早レス、すごいですね、ではではレスを

「イブリース率いる堕天使こそがゼーレ」つまり
(イコール左が私の語録で右がセラフィエルさんです)
神とはもっと崇高=唯一神アッラー
宇宙人的な者(第一始祖民族)=アーダム(アダム=カドモンのような存在)
と、イコールが成り立てば、なるほど、まず私の見解を
セラフィエルさん的な理解をして頂けたようで、感謝します。
(ただイブリースの創造者は唯一神アッラーなので、エヴァの人類と
立場が違いますね、エヴァの人類の創造者はこの場合アーダムですから
なるほど、私の感じたゼーレ(キール達)の絶望感はこの違いから
なのかもしれませんね)

次はセラフィエルさんの見解をわたしが「私的な理解」をする番ですね
では、早速ですが質問させてください。

まず、セラフィエルさんの言う「ゼーレのグノーシス主義」を、
下記に具体例を挙げながら、もう少し詳しく教えてくれませんか?
独自見解で結構ですので(難解なのでよろしくお願いします)

造物主とは?             これはリリスかな?
光の地とは?
人間の内にある神的本質とは?
神的実体とは?
「神と同一の存在」この場合の神とは? これは第一始祖民族でいいのかな?

アダム・リリス・使途・神・第一始祖民族、などなどエヴァ名称を交えながら
教えてください。

26トシ:2007/07/27(金) 21:47:01 ID:8WfX8mPw0
>キュアさん。どうもありがとうございます。
>セラフィエルさんも、どうもです。
あの後、何となく感覚的に理解しましたので、これ以上質問しなくてもいいかなと思ったのですが、セラフィエルさんが補足して頂けるなら続きを書きます。

例えば現実世界での話を例にします。
男の兄弟がいたとします。
たいてい現実世界では長男が父親の後継者(跡継ぎ)になる事が多いですよね。
それは世間的に見て長男が後を継ぐことが多いですし、それ以外にも父親が指名することで決まることも多いと思います。
例え次男が東大出の優秀な人物で、長男が高卒出の普通の人物でも、たいていは長男が後を継ぐことが多いですよね?

そこで私は思ったのです。
なぜアダムから生まれた使徒は正統な継承者になるのだろう?と。
いくら人類が劣っているとはいえ、今現在この地上を支配しているのは人間なのではなかろうか。
だから今更、正統とか偽りとかそんなに拘らなくてもいいんではないか?と思ったのです。

そこで人類補完計画の動機の一つとなった、「なぜ正統な後継者」という理由を知りたて質問させて頂きました。


と、色々書きましたが、結局は色々な要素が重なって「人類を偽りの継承者」と決めたのかも知れないですね。

27【管理人】セラフィエル:2007/07/28(土) 00:02:17 ID:dnxZ8GyY0
>>25 キュアさん
お役に立てれば光栄です。
上の項目で2・3疑問がありますが、そちらはまた後ほど。

さて、ゼーレのグノーシス主義についてですが、まず短絡的に言ってしまうと、死海文書を教義としている、という時点で、先史知的生命体(第一始祖民族)の預言をそのまま計画に移そうとしていると考えられることが挙がります。
そして死海文書はユダヤ教エッセネ派のクムラン教団(書物からしてグノーシス主義)の著したもの。
クムラン教団は全てはあらかじめ決まっているとされる「決定論」的教義を持っています。
まずこれを念頭においといてください。

造物主とは人間の造物主、ということで、エヴァの世界ではリリスです。
こんな話をご存知でしょうか?
同じグノーシス主義の話なのですが、キリスト教の異端とされたボゴミール派の考え方です。
こちらを見るとまず、神の息子として、イエス=キリストとサタナエルの2人がいます。
サタナエルはサタンの別名としても有名で、悪魔でありキリストの兄です。
ルシファーと同じ扱いになると思いますが、当初は神の手助けをしていたものの、次第に神をうらやむようになり、天使の三分の一を率いて、叛乱を起こしました。
結果、堕天させられるわけですが、ここからがグノーシス主義独特の考え方なのです。
正統派キリスト教だと天地創造にて天と地の境界を作ったのは神(ヤハウェ=エホヴァ)ですが、こちらだと作ったのはサタナエルで、現世や人間(最初の人間アダム)を作ったのもサタナエルであります。
現世の不幸は、この世が悪魔によって作られたものだからだ、という解釈です。

ちょっと用語がゴチャゴチャになってしまうのですが、図式化するとこうなります。
左がボゴミール派グノーシス主義の考え方、右がエヴァの世界です。
サタナエル=リリス 
サタナエルの生み出した人間=リリン
こう考えると、どちらも人間は悪魔から作られたもの、と考えることが出来ます。
そしてグノーシス主義の場合、悪魔が複数にしろ、リーダー格となる者が存在する場合、これをデミウルゴスと呼ぶことが多いですが、時にはヤハウェと呼ばれることがあるそうです。
故に、リリス、リリン(エヴァの世界では人間)を悪魔の集団であるとし、これを当てはめると、リリスの仮面がヤハウェを象徴する七つ目の紋章であることとこれまた一致します。
要するに人間にとって神とは悪魔だった、逆に言えば「悪魔こそが神」ということになります。
しかし、エヴァの世界では、リリスは同時に、ある意味人間であり、それそのまま人間全ての太母であるともいえる存在です。
つまり、リリスを含め、リリン全て(リリスの生態系)を、神への道(カバラ≒生命の樹修得)を認知することで、神的実体(神の似姿である永遠の命と全知全能を併せ持った「アダム=カドモン的」存在)に帰一するということを目指します。
対して使徒とは、生命の樹を守護する智天使集団ケルビムです。
このケルビム、私のページにも記しましたが、化け物のような姿で、人間を脅かし続けます。
問題なのは、果たして、シトはヒトにとってどんな存在であるかであり、客観的視座における神の使いという意味の使徒ではありません。
ヒトにとってシトとは脅威以外の何者でもない。
表記上は天使(Angel)ですが、人間にとっては化け物や悪魔そのもののイメージが付きまといます。
とりあえずこれを把握してください。その上で、人間の神的本質について語ります。

28【管理人】セラフィエル:2007/07/28(土) 00:06:10 ID:dnxZ8GyY0
上記を補足しますと、ようするにグノーシス主義においては、自らを作り出した者とは別に至高神の存在があるということです。
それが先史知的生命体である第一始祖民族ではないかと。

次に人間の神的本質はエヴァの世界で言うならば、知恵、あるいはATフィールドという心の壁のしがらみに囚われている魂(≒霊)です。
グノーシス主義に言わせると、人間のなかには神的本質であり、悪魔に対抗するするだけの力が備わっているはずなのに、悪魔が人間という器にそれを封じ込めているという解釈があります。
上述した「神への道」の概念併せて考えると、シトは神への道(カバラ修得)を妨害する者であり、悪魔です。
だからシトは、グノーシス主義に言わせるなら、「神の使い」と名づけられながらも、実際に「人間にとっては」神の名を称する悪魔であり、それを次々とぶちのめしていくエヴァは、グノーシス主義となんら矛盾しないのです。
人間には神的本質がありそれを武器にして、人間にとっては「悪魔」であるシトと対峙するだけの力を持ち合わせている。
その知恵の結晶と魂が込められ、アダムのコピーを流用してまで、対抗する手段として作られたのがエヴァ、というわけです。

光の地。これはエヴァの世界でいうならば、人間の持つ心のしがらみから解放された、補完された世界でしょう。
エヴァの世界で言わせるなら、単一で、何の感情もなく、永遠の命を得て、ただそこにいるだけの世界。
ミサトの言う、まさに理想の世界、にまつわる話を併せて考えてみると、判りやすいと思います。

人間主観、世界観の客観など、様々な視点での多元的な解釈が必要であり、複雑かつ難解な解釈です・・・。

29【管理人】セラフィエル:2007/07/28(土) 00:17:26 ID:dnxZ8GyY0
ところが。
グノーシス主義にはこういう考え方のもと、神への道を目指す神秘主義がまかり通りますが、実際にこれは正統派の宗教主義者からすると最悪、といわざるを得ません。
もともとカバラには、自分で取得できない、という絶対条件があります。
神によって与えられるまで、自分でいかに独力で理解しようと、得ることは出来ないのです。
かつて、傲慢とナルシシズムに溺れ、自分が神たらんとしてそれをやったものがいます。
それがルシファーです。
ゼーレのグノーシス主義は、確かにグノーシス主義としては正しい思考だったのかもしれません。
しかし、そのために何でもやってきた。
人の命をなんとも思わない。自分の野望のためにはどんな犠牲もいとわない。
これのどこに正統性があるのか。
正統派な宗教概念からすれば、グノーシス主義は異端。
すなわちカバラ(セフィロート)を得ようとして、実際には抜け殻(クリフォート)しか得られない。
客観的に見た視座では、あからさまに悪魔道を突き進んでいるだけである、という解釈もできます。

30【管理人】セラフィエル:2007/07/28(土) 00:30:49 ID:dnxZ8GyY0
キュアさんへ
>>27-29
このリンクを押してください。そうすれば全部いっぺんに読めます。

>>26 トシさん
これはまた面白い解釈ですな。
>いくら人類が劣っているとはいえ、今現在この地上を支配しているのは人間なのではなかろうか。
>だから今更、正統とか偽りとかそんなに拘らなくてもいいんではないか?と思ったのです。
宗教観なしに、人間のみの主観を考えればその通りだと思います。
それは多分、作品としてのテーマである、人間は人間である以上、人間として生きる、という主張を的確に把握しているのではないでしょうか?

31【管理人】セラフィエル:2007/07/29(日) 13:21:24 ID:dnxZ8GyY0
すみません、自分で読んでても複雑で判りにくいと思ったので、もう一度纏めなおします。
また、私はグノーシス主義の信奉者でも、キリスト教会で正統派とされる宗教の信奉者でも無い、ということを前提に話を進めています。
なにが異端だとか、なにが正統なのか、私の視座では考えておりません。
いわゆる正統派とされるキリスト教からすると、ボゴミール派やカタリ派といったグノーシス主義の流れを汲んだキリスト教は、異端視されて絶滅に追いやられた、ということを示しただけであって、私自身がそういう考え方自体を異端とみなして否定しているわけではありません。
自らを悪と認めたうえでグノーシス主義の考え方に見直しが図られている、ということも確かですし、それはC.G.ユングの研究対象にもなっています。
また、私自身はyasuakiさんの掲示板でも「善悪二元論の恐怖」というスレを立てたときに書いた通り、正統派とされるキリスト教の歴史から来る善悪二元論には、あからさま過ぎるものがあるし、それに疑問を感じることも確かだ、ということを明記しておきたいと思います。

さて、グノーシス主義に基づいて簡潔的に纏めなおしたものですが、キュアさんの言葉に合わせて書きたいと思います。
左がグノーシス主義、右がエヴァの世界です。
ヒトの造物主(ヒトの始原の存在としての神)=リリス(ある意味人間)
人間の内にある神的本質(光)=知恵の実+心のしがらみ(ATフィールド)に囚われている魂(≒霊)
神的実体=先史知的生命体(第一始祖民族)に限りなく近似したアダム=カドモン的(≒生命の実と知恵の実を併せ持った、永遠の命と全知全能を兼ね揃えた)存在
至高神=先史知的生命体(第一始祖民族)
神智=カバラ(セフィロートの図≒生命の樹)
神だと思っていたものが実は人間にとっては悪魔でしかなかったもの=アダム
悪からの脱却として模索する神への道(神智の認識)を妨げる化け物(悪魔)=使徒
人間の内にある神的本質の集大成=エヴァ
光の地=補完された世界

グノーシス主義から見た人間にとって神とは、造物主以外に至高神がいる、ということであり、この至高神はあまりに偉大すぎるために人間に気付かないでいる、あるいは気付いていても悪魔によって妨害されているために人間を救済できないでいる、という考え方です。
なお、人間に光をもたらした者はルシファーであることも明示しておきます。
また、ゼーレとゲンドウの補完計画の違いとは、この光の地の解釈の違いと、そこに至るまでの方法、結果が違うということです。

32【管理人】セラフィエル:2007/07/29(日) 13:27:29 ID:dnxZ8GyY0
また、この考え方を基に、創世記の第弐版を考えております。
こちらの考え方を採用すれば、また別の創世記が作れますからね。

33キュア:2007/08/03(金) 22:44:10 ID:DliBOHA20
遅いレスですみません、では早速

中々に難解でしたが、概ねセラフィエルさんの考えは分かりました
ただ、残念ながら納得は出来そうにありません
なぜなら、至高神=先史知的生命体(第一始祖民族)のイコールが
成り立っているのが、私とセラフィエルさんで食い違っている最大
の箇所でしょう。私の説ではイコールは成り立っていませんから

以下はセラフィエルさんの説明の一部を、引用したものです

使徒の造物主(使徒の始原の存在としての神)=アダム(ある意味使徒)
神だと思っていたものが実は使徒にとっては悪魔でしかなかったもの=リリス
悪からの脱却として模索する神への道(神智の認識)を妨げる化け物(悪魔)=人間・エヴァ

どう思いました?(グノーシス主義に基づいて、使徒側からの視点です)
現存する宗教観で、エヴァの世界を説明したい気持ちや、楽しさは分かります
ですが、使徒も人間も、先史知的生命体(第一始祖民族)から見れば、同等な創造物です

地球という試験管に、使途と人間とを置いて競わせているのでは?
どちらが先に、「用意された神」になれるか実験しているのでは?

まさに、釈迦の掌で弄ばれている、猿そのものだと、ゼーレやキール達は憤慨したはずです
こんな存在を至高神と認めないと思います。
よって、用意された神へのヒントとも言える死海文書を逆手に取り、すべての死を目的に
持っても、不思議ではないと思いませんか?

最後に、セラフィエルさんの御株を奪うようですが、監督の葛藤からの視点で考えます

オリジナルな作品が作れないなら、そんな仕事はしないほうがいいという考え=ゼーレ
「我々ではない誰か」の作品を使ってでも、新しい作品を作るべきという考え=ゲンドウ

この二つの葛藤から誕生したのが、エヴァではないかなと思いますよ
そして最終的に、作品の審判は第三者に委ねたかった(=シンジ)のでしょう

私的にゼーレとゲンドウの補完計画の違いとは、上記のように180度違うと思いますよ?。

34【管理人】セラフィエル:2007/08/04(土) 00:33:39 ID:dnxZ8GyY0
>>33 キュアさん

お待ちしておりました。
ちょっと疑問なのですが、その説明だと、宗教団体としてのゼーレの教義は死海文書を反面教師にしている、ということなのでしょうか?
それだと劇中における説明の筋が通らなくなってしまうと思うのですが・・・。
ゼーレは死海文書に基づいてそれを実行に移そうとしている、と言うのが劇中でも明確です。
劇中にカバラがあり、それを得ようとしている時点で、至高神に最も近い存在を目指している、ということが明らかですから。
また、グノーシス主義における至高神と造物主の扱いはそれぞれ敬愛の対象と侮蔑の対象となっております。
私が申し上げたいのは、人間にとって造物主はリリス、至高神は先史知的生命体、ということで、人間自体は至高神が造ったものではありません。
そして、ゼーレの目指すところは生と死を繰り返す人間の永遠回帰のしがらみ、及び人間の持つ心のしがらみからの脱却だ、ということです。
私がグノーシス主義を適用したのは「ゼーレの思想」であって、人間の側から見た主観であり、使徒の行動原理には適用しません。
なぜなら使徒は既に生命の実を持っている、それは殺されない限り、永遠回帰のしがらみから脱却しています。故に為すべきは唯一つ、それは生きる運命に従うのみなのです。

カヲル「アダム、我らが母たる存在。アダムより生まれし者は、アダムに還らなければならないのか、ヒトを滅ぼしてまで」
カヲル「僕が生き続ける事が、僕の運命だからだよ。結果、ヒトが滅びてもね」

それが生命の実を持つものの運命。
自分が生き続けるためには、種を異にする相容れない存在であるヒトは滅ぼさなければならない。
彼らの行動原理はその一言に尽きます。無知を悪とし、知を尊ぶグノーシス主義からすれば智恵なき使徒は悪魔であり、同時に人間がカバラを取得する道を妨害する者なのです。
我々の眼から見ても、人間に対し破壊しか為しえない使徒の行動原理は、人の心にずけずけと入り込んできたり、嫌悪感を持つはずです。
ですから一見同等の立場で衝突しているように見えますが、智恵の実を持っている人間の立場と生命の実を持っている使徒の立場を明確に分けておかなければならないのです。
そしてこの結果論こそ、全体を通してグノーシス主義の考え方が通用するのです。

また、至高神が第一始祖民族であるということにゼーレが反感を覚えて当然であるというキュアさんのご意見ですが、それはゼーレが宗教団体であるという前提の意味を損ないます。
なぜなら宗教団体は、自分達が至高神の存在の手の内にあるということを是として認めているからです。
仏教思想の「仏の掌のうちを踊っていた孫悟空」にしても、それは戒めであって、孫悟空の立場を是としているわけではないのです。
同じくイスラム教でも、アッラーの存在を彼らは信じており、アッラーがいないことを前提にしているのではなく、いることを前提にしているのです。
ゼーレは「神とヒトとの関係」を見直そうとしていた組織、つまり宗教団体でした。
これをグノーシス主義の考え方だととることが出来れば、何故彼らが闇に身を隠す必要があったのか、それが判ります。
グノーシス主義は正統派の偏見を持ち込むと、神の存在を否定しているとも取られてしまう可能性もあるからです。
ボゴミール派やカタリ派もその偏見により絶滅させられました。
しかしグノーシス主義は、一風変わった光と闇の善悪二元論を持っているといっても、神の存在を否定しているわけではないし、まして悪魔崇拝を奨励しているわけでもないのです。

宗教団体に属していない我々の視点ではキュアさんのようなことを考えることは至極当然のように考えられますが、彼らにとってはそうではない、ということを考えなければなりません。

グノーシス主義の考え方からして、造物主とは違う至高神の存在を確認できることがあった、ということは、それはまさに神の奇跡を目の当たりにしたことで信心に立ち返ったということであり、だからこそ死海文書を教義にしてそれに基づいた行動をしていた、ということになります。
そして何より、第一始祖民族自体は、彼らの争いに何も関与もしていないことがキーポイントです。
ロンギヌスの槍といい、死海文書といい、様々な道具は残しているものの、ヒトと使徒の争いごとには関知しておりません。
第一始祖民族の存在が、劇中で一回たりとも現れたことがあったでしょうか?
死海文書に遺跡の表記があり、永遠回帰からの脱却を図れる道のヒントが書かれているとなれば、その手段である神への道を模索しても差し障りないと思います。

35キュア:2007/08/04(土) 01:34:07 ID:DliBOHA20
早いですね、ではでは

反面教師ではありません、21のレスをもう一度読んで頂けますか?

要点はゼーレにとって、至高神は宇宙人的な者(第一始祖民族)では無く
アダム=カドモンへの道も宇宙人が用意した道では無い(侮辱するな)
ということ、残念ながら今までのゼーレの教義は「用意された神」
になる方法だった、絶望に近い衝撃を受けたキール達は
リリスもアダムも人類も全てを無にすることを目指したので
「死海文書に基づいてそれを実行に移そうとしている」行動は矛盾して
いないとおもいますよ

>劇中にカバラがあり、それを得ようとしている時点

これは、劇中で言うところのどの場面ですか?私の頭の中には該当する
シーンが分からないのですが・・・


>使徒の行動原理

は、劇中には明確な答えは無く、個人的な見解が許されるはずです
既に生命の実を持っている使徒は、当然次は知恵の実を目指すと思いますが
私は、使徒も「アダム=カドモンへの道」を目指していると思っています
よって、使徒からすれば知恵を振り回してエヴァを造り、自分達を殺しにくる
人間は悪魔そのものでしょう


>また、至高神が第一始祖民族であるということにゼーレが反感を覚えて当然で
あるというキュアさんのご意見ですが、それはゼーレが宗教団体であるという
前提の意味を損ないます。なぜなら宗教団体は、自分達が至高神の存在の手の内に
あるということを是として認めているからです

これも、もう一度21を読んでください。意味はそこなっていませんゼーレにとって
神とはもっと崇高で唯一神アッラーのような存在だからです

何度でも言いますが「第一始祖民族の存在」は確かに彼らの争いに何も
関与もしていませんが「ゼーレにとって禁忌である具象化された神」なのです
だって、黒き月や白き月という、見て触れるものを造った存在なのですから

36【管理人】セラフィエル:2007/08/04(土) 02:48:01 ID:dnxZ8GyY0
ああ、なるほど、キュアさんと私とでは、第一始祖民族、という言葉について、その存在がどんなものなのか、そのものについての考え方が違うのかもしれませんね。
私が第一始祖民族という言葉を用いているのは、エヴァ2や企画書にてそういう言葉が用いられているから、用いているんです。
先史知的生命体というのもそういう言葉の使いまわしを用いているところがあるからそういう言葉を使っているだけなのですよ。
ということで、私は第一始祖民族の概念を、宇宙「人」的存在である、という枠組に囚われない考え方をしているのです。
だからそれを至高神という扱いにしているのですよ。思念体という考え方をしているのです。
だから先ほど、第一始祖民族が劇中で一度たりと出現したか、ということについても触れたのです。
また、エヴァ2にしても、第一始祖民族のイベントは思念体でした。
よく考えてみれば、旧約聖書上の神も、自分の姿に似せて人を作ったとは言え、それは自分が思い描く自分に似せた姿であって、彼そのものは姿がないじゃないですか。
姿を現さない存在であるということで、彼らにとっては神秘的存在になりえます。

>これは、劇中で言うところのどの場面ですか?私の頭の中には該当するシーンが分からないのですが・・・
カバラはセフィロートの図です。
セフィロートの図はカバラの象徴図なのです。
オープニングにもありますし、ゲンドウの司令室にも描かれていますし、具体的に具現化したのは、劇場版で量産機が描いた図です(ただし、劇場版で描かれた図は逆様になっており、これについては今現在、下のほうで論議している最中です)。

>使徒の行動原理は、劇中には明確な答えは無く、個人的な見解が許されるはずです
>既に生命の実を持っている使徒は、当然次は知恵の実を目指すと思いますが
>私は、使徒も「アダム=カドモンへの道」を目指していると思っています

ではなぜ、カヲルはあの時点で接触しようとしなかったのでしょう?
また、私は使徒の行動原理がカヲルの台詞によって説明されていると考えています。
智恵の実を持っているリリスが目前にある、なのにカヲルはそれに接触しようとはしなかった。
それは、セカンドインパクトで、人間の遺伝子がアダムに結合したときと同じように、使徒がリリスに接触してしまえば、それはリリスが生命の実を得て覚醒してサードインパクトが起こるだけで、カヲルの存在はただの起爆剤と化して消えるだけになってしまうと考えられます。

>何度でも言いますが「第一始祖民族の存在」は確かに彼らの争いに何も関与もしていませんが「ゼーレにとって禁忌である具象化された神」なのです。
>だって、黒き月や白き月という、見て触れるものを造った存在なのですから。

この辺について、先ほどの書き込みが長文過ぎて書ききれていなかったのですよ。
なので順番違いになってしまいましたが、私の解釈では、あの話の流れを見る限り、ゼーレは人間が自ら神を具象化することについて反発しているのであって、第一始祖民族(至高神)の存在がどんなものであれ、それ自体を否定しているわけではないと考えます。
「具象化された神」という意味解釈は、それそのものが、「生命の実と智恵の実の両方を宿した初号機」を言い表している言葉に過ぎず、それ以上の意味を持っているとは考えておりません。
「我々に『具象化された神』は不要なのだよ」と二重カギ確固でくくって考えてみてください。
言葉尻の捉え方の違いに過ぎないと思われるかもしれませんが、恐らく私とキュアさんの解釈の違いは、ここから生じているのでしょう。
神的境地との一体化、いわゆる神秘的合一(ウニオ・ミスティカ)を目指すことが、神を作ることと同義であるというわけではない、ということを明確にしなければならなかった、と反省しております。
ゼーレはもともとあったものを使ってそれを神秘的存在である原初的人間「アダム・カドモン」的存在へと「押し上げ」、それとの合一を目指したと考えると、独自に神を作ったのではなく、もともとあったものを昇華しようとしただけであると考えられないでしょうか?
こう考えると、具象化された神の解釈が、第一始祖民族にまでその意味が波及していないということになりますよ。
それが根底にある故に、私は第一始祖民族の存在がどんなものであれ、グノーシス主義が通用すると考えているのです。

37【管理人】セラフィエル:2007/08/04(土) 03:23:21 ID:dnxZ8GyY0
ただ、私は、第一始祖民族の上に何かが存在するかもしれない、という解釈も考えていることは事実です。
しかし、ここまでくると、もはや創作の域になってしまうので、必ずしも本編に準拠しているとは考えにくくなってしまいます。
本編で与えられているのは先史知的生命体までの分野だけです。
そして、第一始祖民族の名が現れたのは企画書とエヴァ2。
エヴァ2では第一始祖民族の存在は至高神扱いになっています。
一線を画した解釈が必要ですが、本編において先史知的生命体が造ったものだと言うことが明らかになったからとは言え、それを作った者たちは「いる」と言うことがわかるだけです。
元々いたのにもかかわらず、それがゼーレによって具象化された存在である、という解釈をするのは、個人的には無理があると思います。

38【管理人】セラフィエル:2007/08/04(土) 04:13:00 ID:dnxZ8GyY0
説明不足になるといけないので触れますが、焦点となっている「具象化された」という言葉が本来持っている意味について触れたいと思います。
具象とは、わかりやすく、はっきりと示すこと、あるいはハッキリした姿形を備えていることであり、具体的であることです。
なので「具象化される」という言葉は「はっきりと明確な姿形が露わにされる」という意味であり、これを踏まえれば、第一始祖民族という存在がいる、ということだけは確かに確認できていますが、しかし、その存在の姿形まで特定できるだけの具体的なものはありません。
彼らはあくまで抽象的な存在であるといえないでしょうか?

39【管理人】セラフィエル:2007/08/04(土) 14:24:51 ID:dnxZ8GyY0
要するに、私が言いたいのは、第一始祖民族の概念自体、宇宙人的なものとして捉えていないのです。
第一始祖民族、という言葉は、そういう使い回しが企画書やエヴァ2においてされており、それがそういうものだという解釈が付け加えられているので、曖昧になってしまっているのです。
本編だけを見れば、劇中にて第一始祖民族という言葉は一言も使われていないので、エヴァの世界で至高神の存在を表す言葉としては不適当だったかもしれませぬ。
私が使っている先史知的生命体、或いは第一始祖民族という言葉の使いまわしは、資料に書いてあることを流用しているだけであって、キュアさんの仰るアッラーのような存在こそがそれに該当することであると考えていて、よって具象化されている存在であるとは考えていないのです。
だからキュアさんの仰ることを完全否定しているわけではないのです。
キュアさんは第一始祖民族を宇宙人的存在である、という解釈を持ってきてしまっているから、それを至高神と呼ぶのに抵抗がある、と解釈なさっていると私的には受け止めました。
私のそもそもの解釈は実体化した宇宙人的存在にとどまっているわけではない。
私個人の感覚的には、ゼーレはアッラーのような存在が実際にいたのだという、物的証明を見つけたことで、グノーシス主義に基づく自分達の信仰心をまし、その御座に近づこうとあるもの全てを使って押し上げようとした、という風に考えているのです。
または宇宙人的存在であったとしても、造物主とは別の至高神であるということには変わりがない。
だから人間が自ら神を作ってはならぬ、姿形が顕になっている偶像的な神(=生命の実を手に入れた初号機)はいらない、元からあるものだけを使って自分達を至高神の御座へと近づけようとしているのだと考えているのです。

41【管理人】セラフィエル:2007/08/04(土) 16:31:05 ID:dnxZ8GyY0
ちなみに書き損ねていたことを挙げたいと思います。
>最後に、セラフィエルさんの御株を奪うようですが、監督の葛藤からの視点で考えます(以下略)

それそのものの考え方がゼーレとゲンドウのそれぞれの補完計画自体に結びついているかどうかは検討中であり、疑問がある部分もありますが、その考え方自体は面白いものだと思いました。
しかし、人間の心の補完という観点からすれば、それに向かう手法が異なる、というだけです。
また、ゲンドウはゼーレをして「自らの心の補完を望む者」と称されており、ゲンドウの自己本位的なところが見えるのです。
ユイとの邂逅を第一の目的にしているゲンドウは、補完計画を自分の心を満たすための手段として便乗しているだけであり、ひどく極私的な考え方であると考えることは出来ないでしょうか?
つまり、ゲンドウにとって他のものなど知ったことではないところがあるとも考えられます。
その手段そのものが自分本位で、ユイとの邂逅を目指す計画ではああいう手段を講じるのがシナリオだったということになるのではないでしょうか?

42【管理人】セラフィエル:2007/08/05(日) 13:47:24 ID:dnxZ8GyY0
キュアさんへ
私としては、グノーシス主義の考えを記す上で、エヴァ2や企画書にて書かれている「第一始祖民族」という言葉を使ってしまったが故に、本編のみの考察という点でちと欠落してしまったところがあったと考えます。
本編には、第一始祖民族という言葉も、その存在がどんなものなのかも記されておらず、また、それがいるということがわかるだけでどのような存在であるかもわからない、と言うのが、真相ではないかと考えます。
故に、もう一度、新たなスレを立て、エヴァの本編のみを視野に入れた解釈のもとに私の考察を書き直したいと思います。
よって、第一始祖民族という言葉に囚われない解釈になりますし、第一始祖民族に「宇宙人的存在」という解釈がエヴァ2にて加わっているので、それが具象化された存在である、という誤認が生まれてしまっているのだと思います。
なので、私が解釈いたしますところの至高神とは、「第一始祖民族」という言葉を借りたものに過ぎない、とお考えくださいませ。
その中身自体は、実体を持っていない、概念的な存在であるアッラーのような至高神であると。
そして、下の方で触れた創世記は、旧約聖書の創世記と、エヴァ2を元にして作った、ある意味本編とは別のものだ、と捉えてくれることを希望します。
詳しくは書き直しますので、もうしばらくお待ちください。
なお、初期キリスト教グノーシス主義に言わせると、ユダヤ教の唯一神であるヤハウェが創造神、至高神はキリストが宣教した神のことであり、この両者は違うのだと言うのが認識の対象となります。

43キュア:2007/08/06(月) 01:17:44 ID:DliBOHA20
今回は多少、無礼的な書き込みになっていると思われますので
お気に召さないかもしれませんがお許しください、ではでは


今回のレスでセラフィエルさんと、私とで決定的な違いがなにか良く分かりました
最初に表明しておきますが、私はエヴァをSFというジャンルで見ております

>第一始祖民族の概念自体、宇宙人的なものとして捉えていないのです。
>私は第一始祖民族の概念を、宇宙「人」的存在である、という枠組に囚われない考え方を
しているのです。だからそれを至高神という扱いにしているのですよ
>私が解釈いたしますところの至高神とは、「第一始祖民族」という言葉を
借りたものに過ぎない、とお考えくださいませ。
その中身自体は、実体を持っていない、概念的な存在であるアッラーのような至高神であると。

私は、セラフィエルさんの解釈は「至高神=宇宙人的なもの」だったけど、神と認めた世界
だと思っていました。(そうだと思って対論してたのですが・・)でもどうやら違うようですね。
そういった存在(概念的な存在であるアッラーのような至高神)を、現存宗教と絡めて本気で、
解釈に加えるなら、もはやSFアニメとは言えないと思うんですよね、私個人としてはですが
つまり、セラフィエルさんの解釈の場合あくまでも、現存の宗教のルールを第一義
としており、それではエヴァというアニメが、ただの分かり難い、宗教アニメという
ジャンルになってしまいませんか?(わざと難解に作った、現存宗教の説明アニメという意味)

私は、SFというジャンルに拘りたいので、ゼーレという宗教団体の神(至高神)と
「我々ではない誰か」(第一始祖民族)を、同一視出来なかった世界と解釈しました
だから、キール達は自分達の神(宗教団体の神)に殉死する道を選んだという設定です
こう考えれば、「概念的な存在であるアッラーのような至高神」はゼーレの教義の中でしか
存在しないわけです、つまり「そういった存在を、本気で解釈に加えていない」のです。

一方、ゼーレは殉死を選択しましたが、ゲンドウの場合、宗教家の観点より科学者としての
興味により「我々ではない誰か」を受け入れ「用意された神(アダム=カドモンへの道)」を
目指したのでしょう、動機はセラフィエルさんの、言われる通り
「ユイとの邂逅が第一の目的で、補完計画(用意された神(アダム=カドモンへの道))を
自分の心を満たすための手段として便乗しているだけであり、ひどく極私的な考え方」
でいいと思いますよ。なぜなら監督の心情のところで書いた
「「我々ではない誰か」の作品を使ってでも、新しい作品を作るべきという考え=ゲンドウ」
は、ひどく極私的な考え方でもあると、私も思いますから、だから葛藤があったはずなんです

最後に、私もセラフィエルさんの仰ることを完全否定しているわけではないですからね
現存する宗教観で、エヴァの世界を説明したい気持ちや、楽しさは分かりますので
今回は、宗教的解釈に拘りたいセラフィエルさんと、SF的解釈に拘りたい私の違いが
出ただけだと結論にしたいと思います。では「新たなスレ」を期待しております。

44【管理人】セラフィエル:2007/08/06(月) 01:57:45 ID:dnxZ8GyY0
キュアさん、ちと誤解が生じているようなのでこちらで書き直します。
>私は、セラフィエルさんの解釈は「至高神=宇宙人的なもの」だったけど、神と認めた世界だと思っていました。(そうだと思って対論してたのですが・・)でもどうやら違うようですね。

どうやら私の書き方が余りよくなかったようです・・・。
ちと修正したいのですがよろしいでしょうか?
私が申し上げたいのは、第一始祖民族と呼ばれるものが、宇宙人だろうと目に見えない思念体だろうとそれがゼーレによって「具象化された神」ではない、という解釈をしているのです。
なのでSFから抜けているとは考えていないです。
>>38の解釈をもう一度見ていただきたいです。
だから私は、概念的にはアッラーのような存在であっても、その中身自体は宇宙人であっても構わないし、想像の域を超えることは出来ない、という意味解釈で述べているのです。
だから具象化された存在ではないし、たとえ宇宙人的存在であるとしても、至高神といっても問題はないということです。
誤解しないでいただきたいのはころころ考えを変えているわけではないということです。
また、初期キリスト教のグノーシスを持ってきたのは例にすぎません。
キュアさんが根拠にしている第一始祖民族が至高神だという事実が明らかになったことでゼーレがそれに反発している、ということについて、第一始祖民族自体、本当に具象化されている存在なのか、と考えてみると、そうじゃないんじゃないか、ということを言いたいのです。
そして誤解を招いてしまった最大の要因は書き方を誤ってしまった部分です。
「第一始祖民族の概念自体、宇宙人的なものとして捉えていない」
「私は第一始祖民族の概念を、宇宙「人」的存在である、という枠組に囚われない考え方を
しているのです」
の部分ですが、正確に言うのであれば、上述しましたように、
「第一始祖民族の概念自体、具象化された宇宙人的存在であるとみなしていない」であり、たとえ宇宙人だとしても、具象化はされておらず、どんな存在であるかは判らないが、彼らにとっては造物主とは異なる敬愛すべき至高神であることには変わりがない、と考えているのです。
そういう意味で、ゼーレの視点からして、第一始祖民族は具象化されている存在ではなく、アッラーのような概念的な存在と変わりがないと言うことを説明したかったのですが・・・。
ゼーレの教義は、全ては決定されていることであると考える決定論的なところがあり、そして死海文書に記されていることから逸脱していることに対しては眉をひそめたりあわててシナリオに修正を加えようとしています。
全ては死海文書のシナリオどおりに、そこからの脱却を図るのではなく、それに便乗して自らを至高神の御座へと近づけようとしていると考えたのです。
なので世界観自体はSFであっても、思想自体はグノーシスの考え方が適用できる、と考えただけなのです。

45【管理人】セラフィエル:2007/08/06(月) 02:36:53 ID:dnxZ8GyY0
すみません、正確に言えば重要視してほしいのは>>37-38>>36の後半です。
具象化という意味で、ゼーレは第一始祖民族がいる、ということは判っても、具体的にその存在がどんなものであるのかは知らないはずです。
なので、具象化された神という言葉の意味自体が、初号機のことしか当てはまっていないということです。

ともかく、枠組に囚われない、という考えは、第一始祖民族がたとえ宇宙人的存在であっても具象という言葉の意味をよく踏まえたうえで、その存在そのものが具象化されたわけではないので至高神であることには変わりがない、なぜなら死海文書の発掘前から教義としていたことが、その先史知的生命体の教えにまつわるもので、死海文書はその物的証拠として見つかり、その内容の信憑性に確信を持ったことで、信仰心を増したと考えるのです。
文章力のなさ故と、ただ今論考を書き綴っていることも会って頭で考えていることがうまく伝えられていないみたいです。
この点も踏まえてもう一度仕切りなおしとしたいと思います。
やり取りの中で誤解が生じてしまっていると思いましたので。

46キュア:2007/08/06(月) 22:41:45 ID:DliBOHA20
セラフィエルさん、ご指摘のレスは書かれた時から、よく読んでますよ
私がこれらのレスにあまり、意見しなかったのは、テーマを重んじる
セラフィエルさんらしくない、狭い意味の取り方だなと思ったからです
でも、どうしても「具象化」の表現に拘るのであれば、私の意見も書きましょう

セラフィエルさんは、実際姿が分からないのだから十分神秘的で、想像の域を
超えることは出来ないと、仰るがこの「想像の域」はかなり限定されてしまいますよね?

いるかいないか、分からない抽象的な存在だった「創造主」はアダムやリリスの発見や
地下大空洞などの、超科学を目の当たりすることによって「我々ではない誰か」の存在を
確信してしまいますよね?で、調べると人類の創造主的存在だと分かるわけです
では、この時点で「想像の域」はどうなのか?
「人類を超えたテクノロジーを持つ、知的生命体だ」と具体的に当然なりますよね?
よって、ゼーレの神は「具象化」されてしまったわけですよ、後はこの存在を神と
認めるか、認めないかであり、私は認めない同一視しない世界として解釈しているわけです

セラフィエルさんのいう、「宇宙「人」的存在である、という枠組に囚われない考え方」を
するためには、超科学的な物を取り除いてからでないと、説得力に欠けてしまうと思うんですよ
つまり、例えばアダムやリリスが、「各々違う特徴をもった細胞を含んだ隕石だった」といった
感じであれば、どうです?これなら「創造主」が「具象化」されたなんて、私も書きませんよ

47【管理人】セラフィエル:2007/08/06(月) 23:00:59 ID:dnxZ8GyY0
すみませんキュアさん。
下の方に考えを新たにしたものを書いてみたので、それをご覧いただけますか?
こう考えるとキュアさんの考えを否定しない考えになるので。
また、仰るとおり、私は具象化のその部分に囚われすぎていました。
ただ、その具象化という言葉がどういう意味であれ、通用するだろうと思われる考えだと思うので、まずは新たなスレを見てください。

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