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はじめまして。
1 名前:万里 投稿日:2004/12/13(月) 22:23
突然ですが、教えていただきたいことがあります。
私は理学療法士を目指して勉強をしているのですが、「統合と解釈」とはどういうことなのでしょうか?
患者様の機能形態障害や、能力障害などの情報を得てからどのようにまとめていけばいいのか分かりません。
よろしくおねがいします。

2 名前:TKR 投稿日:2004/12/21(火) 22:53
難しい説明は行わずに、すごく簡単にまとめてしまうと「集めた情報をまとめて、
個々の対象者の障害等の問題を一つの全体像の中で捉えるようにすること」だと
思います。その全体像の中から、問題解決のために優先すべき点を選び出して
順次対応していくことが理学療法(またはその他の医療も含める)の基本だと
思います。

何でも異常だと思えば問題点になってしまいますが、それらの中から問題の
解決のために本当に必要なものを探し出して適切な治療をすることは
重要だと思います。

ただ、それをやるためには、結局は疾病や障害等の基本的な特性を
知らなければできないと思います。仮にいわゆるボトムアップ型の
評価をしようと思っても、何を調べたらよいのかわからないので
時間がかかりすぎてしまい、その割にポイントがずれてしまうことも
あると思います。

例えば外来で若いスポーツ障害を持った患者さんが来たとします。重度な痛みや
骨折等の問題があれば別なのかもしれませんが、Osgood氏病等の患者さんでは
スポーツ動作のいくつかは困難だったとしてもまずADL(日常生活動作)は
問題ないと思います。こうした患者さんに対して、痛みを伴うスポーツ動作等を
動作分析等の手法で評価することは重要だと思いますが、聞き取りその他の
方法による基本的ADLの詳細な調査はあまり意味がないと思います(既に書いた
ようにそもそもADLはほとんどの場合自立していると思います)。少なくとも
忙しい臨床の中で第一選択肢にはならないと思います。行うとすれば会話の中で
軽く聞いて確認するだけか、その障害の発生に日常の動作が影響している場合に
限られると考えます。

こうした患者さんに対して、例えば学生等のあまり評価になれていない方であれば、
「よくわからないが理学療法士の評価なんだから教科書的な評価は行っておいた
方がいいか」と時間をかけて基本的ADLを調べたり、場合によっては精神機能や
反射まで調べるのかもしれません。もしかしたらBarthel Indexまで調べて
しまう人もいるのかもしれませんが、これはほとんど意味がないでしょう
(はっきりいって勘違いだと思います)。

そんな時間があるのであれば、炎症の状態や画像所見、受傷時期や医師からの
情報等によるおおまかな回復過程の把握と現れている症状の関連を考察したり、
痛みを再現できる動作を評価して障害発生の原因となる応力集中の理由を
調べること、靴や路面等の環境要因を調査することなど他に優先して
行うべきことは山のようにあると思います。

これは極端な例かもしれませんが、やはり疾患や障害の基本的な特性を
知らなければ、これと似たような状況が出てくると思います。

私の経験で言うと、ある程度臨床で経験を積み重ねないといくら本を読んでも
理解できないと思います。もちろん勉強が無駄だと言っているわけでは
ありませんが、臨床に出ないとわからないこともたくさんあります。
そういう意味ではこれから経験をつんでいけば自然に理解できるように
なると思います。

3 名前:万里 投稿日:2005/01/02(日) 10:15
TKRさん、情報をくださってありがとうございます。私はまだまだ頭でしか勉強していないので、これから臨床現場に出て多くの経験を積みたいと思います。これからも頑張ろうと思います。本当にありがとうございました。

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