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('∀`)鬱ナせぇるすまん- 1 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/07/25(日) 03:43:00 ID:0IlWn5MY0
- シベリア図書館で連載してたのを今回から避難所で連載します
準備が出来次第投下します
- 2 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/07/25(日) 04:22:16 ID:0IlWn5MY0
- 私の名前は喪鬱毒造、人呼んで鬱なセールスマン
ただのセールスマンじゃございません
私が取り扱うのは“ココロ” 人のココロでゴザイマス・・・
『('∀`)鬱ナせぇるすまん』
ブーン系小説総合スレ 【 裏 】 まとめ(仮)さん
http://sogomatome.blog104.fc2.com/blog-entry-451.html
まとめさんありがとうございます
- 3 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/07/25(日) 04:23:03 ID:0IlWn5MY0
- この世は老いも若きも男も女もココロの寂しい人ばかりそんなみなさんのココロのスキマお埋めします
いえお金は一銭もいただきませんお客様が満足されたら、それがなによりの報酬でゴザイマス・・・
さて今日のお客様は・・・
『レースを制するのはシベリアプリンスか!?それともヌルポガか!?』
_
(;゚∀゚)o いけぇ〜〜シベリアプリンスっ!
_
( ゚∀゚)o 長岡 獏人 21歳 無職
【ザ・ギャンブラー】
オーホッホッホッホッホ・・・・・・
- 4 :ザ・ギャンブラー:2010/07/25(日) 04:24:31 ID:0IlWn5MY0
- 『レースを制したのはヌルポガです!ヌルポガが中山金杯を制しました!』
_
( ゚∀゚)o ……
_
(#゚∀゚)o くそお!そこは空気読めよヌルポガ!
| ^o^ || ^o^ | くすくす
_
(#゚∀゚)o テメェらなに見てんだ!ぶっ飛ばすぞ!
| ^o^ || ^o^ | おこりましたよ にげるんです
_
(#゚∀゚)o 待てコラおい!あああもうむかつくなっ!
('A`) オーホッホッホッ、取りあえず落ち着いてください
_
(#゚∀゚)o うるせぇなおっさん、失せろ!
('A`) カッカすると勝てるものも勝てませんよ
_
(#゚∀゚)o カッカしてねぇし!次のレースは絶対勝つから見てな!
- 5 :ザ・ギャンブラー:2010/07/25(日) 04:25:42 ID:0IlWn5MY0
- _
( ゚∀゚)o ……
('A`) 残念でしたねぇ
_
( ゚∀゚)o 勝つはずだったのになぁ…
('A`) 勝てないときはとことん勝てないものです
_
( ゚∀゚)o ……おっさんはどうだったんよ
('A`) ワタシですか?こんなもんです ドサ
_
(;゚∀゚)o おいおい100万以上あるじゃねぇか!今日1日でこれかよ!
('A`) ホホホホッ
_
(;゚∀゚)o もしかしておっさん、名うてのギャンブラーなのか…
('A`) いえいえ、そんなたいそれた者ではゴザイマセン、ワタシはこういう者です サッ
_
( ゚∀゚)o ココロのスキマお埋めします、喪鬱毒造…
('A`) セールスマンなんです、ちょっと一杯呑みませんか?競馬で勝ったお金でおごりますよ
_
(*゚∀゚)o あざーっす!
- 6 :ザ・ギャンブラー:2010/07/25(日) 04:27:17 ID:0IlWn5MY0
- BAR バロ巣
_
(*゚∀゚)o ぷはーっ!旨い酒っすねぇ
('A`) いい呑みっぷりですねぇ
_
(*゚∀゚)o 金が無いからおごられた時は呑めるまで呑むようにしてるんすよ
('A`) 長岡さんは働いてはおられないのですか?
_
(*゚∀゚)o 働くなんてまっぴらごめんです、オレはイチかバチかで生きたいんスよ
('A`) つまりギャンブルですね
_
(*゚∀゚)o その通り、オレはギャンブラーになりたいんす
('A`) ほうギャンブラーですかぁ、マスター、長岡さんにウォッカ一杯
( ´W`)つ□ タンッ
- 7 :ザ・ギャンブラー:2010/07/25(日) 04:29:21 ID:0IlWn5MY0
- ('A`) でもギャンブルで勝ったことあるんですか?
_
( ゚∀゚)o いやあまり無いですけどね、でも100回負けても1回大きく勝てばいいんですよ博打は
('A`) その1回の勝利はあったんですか?
_
( ゚∀゚)o ……まだっす
('A`) 長岡さん、ギャンブルで勝つのに一番なにが必要なのか知ってますか?
_
( ゚∀゚)o 必要なのっすか?やっぱ駆け引きとか度胸とか…
('A`) いいえ違います、一番勝つために必要なのは運、天から授かった強運なのです
m9('A`) ドーン!!
_
(;゚∀゚)o うわっ!なんすか急に!?びっくりするじゃないすか!
('A`) ワタシの運をあなたに分けてあげました
- 8 :ザ・ギャンブラー:2010/07/25(日) 04:31:04 ID:0IlWn5MY0
- _
( ゚∀゚)o えっ、喪鬱さんの運をですか!?
('A`) これであなたがお望みのギャンブラーになれましたよ
_
(*゚∀゚)o マジッすか!?ありがとうございます!じゃあさっそく馬券を買いに…
('A`) いやいや長岡さん、せっかくだから競馬なんかじゃなくカジノに行きませんか?
_
( ゚∀゚)o でも日本ではカジノは違法では…
('A`) ええモチロンそうです、まぁいわゆる裏カジノと言うモノですが……嫌ですか?
_
(*゚∀゚)o 行きます行きます!ぜひ連れてってください!
('A`) オーホッホッホ、ではさっそく行きましょう
- 9 :ザ・ギャンブラー:2010/07/25(日) 04:34:58 ID:0IlWn5MY0
- カジノ前
('A`) ここですよ長岡さん
_
( ゚∀゚)o 結構薄汚いビルですね
('A`) 中を見たらびっくりしますよ…
IDカードを入れて、と… ピッ
ガチャン
(・↓・)ようこそシベリア地下カジノへ!
('A`) どうもです
_
(*゚∀゚)o ……
('A`) どうですか長岡さん?
_
(*゚∀゚)o すげぇ!すげぇっすよ喪鬱さ!
('A`) ほうほう
_
(*゚∀゚)o 裏って聞いたから薄汚いイメージがありましたけど全然綺麗じゃないすか!
よく映画とかで出てくるカジノそのまんまですよ!スゲェ!
バカラ台にスロット、ルーレットにクラップス!本物のカジノだぁ!
('A`) 満足されたのならワタシも連れてきた甲斐がありました、でなにをなさいます?バカラ?それともスロット?
_
(*゚∀゚)o 勿論カジノの王様「ブラックジャック」ですよ!
- 10 :ザ・ギャンブラー:2010/07/25(日) 04:36:37 ID:0IlWn5MY0
- ('A`) ここがブラックジャックの台です
_
(*゚∀゚)o これだよこれ!まさにカジノって感じのテーブル!
( б∀б) 初めましてディーラーの萌絵と申します
_
(*゚∀゚)o 長岡と言います!お手柔らかに
( б∀б) では早速ゲーム開始です サッサッサッ
_
(*゚∀゚)o (最初の2枚は5と7で合計12…つまり次に9がくればブラックジャック…)
( б∀б) 賭け金はいくらにしますか?
_
(;゚∀゚)o そうですね……あっそういえばオレ、金無ェや…
('A`) ご心配無く、今回はワタシのお金を使ってください
_
(*゚∀゚)o いいんスか!?あざーっす!
- 11 :ザ・ギャンブラー:2010/07/25(日) 04:39:01 ID:0IlWn5MY0
- _
(;゚∀゚)o (う〜ん、8が来て合計20か…ここはオリだな…)オリです
( б∀б) オリですか、わかりました、では私のカードは…
3…J(絵札は10と数える)…4…もう一枚4で合計21、ブラックジャックで私の勝ちですね
_
(;゚∀゚)o エエーッ!?負けたっちゃた・・・
('A`) 慌てないでください、これから運がどんどん上がっていきますからね
_
(;゚∀゚)o わかりました…
( б∀б) では続いて サッサッサッ
- 12 :ザ・ギャンブラー:2010/07/25(日) 04:40:47 ID:0IlWn5MY0
- _
(;゚∀゚)o (Kに2でまた合計12か…)
( б∀б) ベット額は?
_
(;゚∀゚)o 10万チップを10枚…
( б∀б) わかりました サッ
_
(;゚∀゚)o (くそお、また8かよ…)
( б∀б) オりますか?
_
(;゚∀゚)o (いや、ここは行くべきだ!)行きます!
( б∀б) わかりました サッ
_
(;゚∀゚)o ……
_
(*゚∀゚)o Aだ・・・!やったーブラックジャックだっ!
( б∀б) 私は23で21を超えてしまったので子の長岡さんの勝ちですね
_
(*゚∀゚)o うひょひょひょ〜!
('A`) おめでとうございます
- 13 :ザ・ギャンブラー:2010/07/25(日) 04:42:15 ID:0IlWn5MY0
- ―――その後も長岡の連勝は続いた
_
(*゚∀゚)o 21・・・!しょっぱなからブラックジャックだ!
( б∀б) 2枚目でブラックジャックなので賭け金は2.5倍になります
_
(*゚∀゚)o マジで!?オレスゲェじゃん!
そのあともルーレット、クラップスなどで荒稼ぎし
_
(*゚∀゚)o ルーレット、今回は34のところに賭ける!全額ベットだ!
くるくる・・・
(・↓・) …34です
<おおおおおおお〜〜っ!
_
(*゚∀゚)o ガハハハハハっ!
長岡は一夜でサラリーマンの生涯年収を遥かに超える大金を手に入れた・・・!
- 14 :ザ・ギャンブラー:2010/07/25(日) 04:43:40 ID:0IlWn5MY0
- BAR バロ巣
_
(*゚∀゚)o 喪鬱さんドンドン呑んでください!オレのオゴリっす!
('A`) ありがとうございます
_
(*゚∀゚)o いやいやお礼を言うのはオレの方っすよ!喪鬱さんのおかげで勝つことができました!ありがとうございます!
('A`) 本物の博徒を見てるようでしたよ
_
(*゚∀゚)o えへへ…
('A`) しかし長岡さん、一言忠告が
_
(*゚∀゚)o はいなんすか?
('A`) あのカジノにはもういかないでほしいのです
_
(;゚∀゚)o えっ、何故っすか?オレことなら心配はいらないっすよ
('A`) あなたの心配ではなく店側の心配をしてるのですよ
_
(;゚∀゚)o 店の?ハァわかりました…
- 15 :ザ・ギャンブラー:2010/07/25(日) 04:45:28 ID:0IlWn5MY0
- シベリアカジノ前
_
( ゚∀゚)o ククク、やっぱ来ちまった!なんてたってカジノがオレを呼んでるからな!
_
( ゚∀゚)o あの〜すいません ドンドン
ガチャン
(・↓・) ……あぁ、この前の
_
( ゚∀゚)o 長岡っす、また遊びにきました
(・↓・) ……お引き取りください
_
( ゚∀゚)o は?なんで?客を選ぶのかよ
(・↓・) あなたがいるとうちの経営が成り立たないのです、それでは ガチャン
_
(#゚∀゚)o おい待てやコラ!おい!
_
(#゚∀゚)o くそお・・・!
- 16 :ザ・ギャンブラー:2010/07/25(日) 04:47:18 ID:0IlWn5MY0
- BAR バロ巣
_
( ゚∀゚)o 喪鬱さんお願いします!他のカジノを教えてください!
('A`) ワタシは行かないでくれと言ったハズですがねぇ
_
(;゚∀゚)o そのことは謝ります!でも我慢出来なかったんすよ!
('A`) なぜあのカジノを出禁になったかわかりますか?
_
(;゚∀゚)o オレが強すぎるからですか?
('A`) いいえ違います、あなたがなにも店側のことも考えず馬鹿勝ちするからです
節度があるのですよ、ギャンブルで勝つのも
_
(;゚∀゚)o わかりました次からは気をつけます!だから他のカジノを!
- 17 :ザ・ギャンブラー:2010/07/25(日) 04:49:01 ID:0IlWn5MY0
- ('A`) ……
_
(;゚∀゚)o 知ってるんでしょ本当は!他のカジノを!お願いしますよ…
('A`) どうしましょうかねぇ
_
(;゚∀゚)o お願いします!
('A`) ありますけどねぇ…
_
(;゚∀゚)o あるんですか!?あざーっす!
('A`) しかしですね長岡さん、ワタシが今言ったカジノは非常に危険なのです、勝てる保証は無いのですよ
_
(*゚∀゚)o なに言ってんすか喪鬱さん、オレは最強のギャンブラーですよ!負けるハズありませんって!
('A`) ……わかりました、なら行きましょう
- 18 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/07/25(日) 04:50:41 ID:KYIbdNUM0
- 支援
- 19 :ザ・ギャンブラー:2010/07/25(日) 04:50:41 ID:0IlWn5MY0
- ('A`) このビルの地下です
_
( ゚∀゚)o うおお、なんか雰囲気ありますね
('A`) そこの地下に続く階段を下りていくと扉がありますのでそこに入ってください、そこが賭場です
_
( ゚∀゚)o あれ?喪鬱さんは来ないのですか?
('A`) ワタシは他に仕事がありますので
_
( ゚∀゚)o わかりました、喪鬱さんなにからなにまでホントありがとうございます
('A`) いえいえ、それじゃあワタシはこれで、健闘を祈ります
_
( ゚∀゚)o 絶対勝ちますからオレ!
- 20 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/07/25(日) 04:50:44 ID:B5MLg.SoO
- なんつぅー時間にw
支援〜
- 21 :ザ・ギャンブラー:2010/07/25(日) 04:54:00 ID:0IlWn5MY0
- _
( ゚∀゚)o カツカツカツ
_
( ゚∀゚)o 扉だ ガチャ
(‘_L’) ようこそ我がカジノへ
_
( ゚∀゚)o あれ?ここホントカジノ?
(‘_L’) そうですが
_
( ゚∀゚)o でもスロットはおろかバカラ台もないし、あるのはただのテーブルとソファーしか…
(‘_L’) カジノは部屋の向こうにある扉を入ったところにあります、ここは控室です
_
( ゚∀゚)o へぇ、ここのカジノは控室があるんだ。何分待てばいいわけ?
(‘_L’) いえ、今回はそのままカジノへ行ってもらいます
_
( ゚∀゚)o マジで、それはラッキーだ、そいじゃ
(‘_L’) ちょっと待ってください、これをお持ちください
_
( ゚∀゚)o えっ、それって…
(‘_L’) 金属バットです
_
( ゚∀゚)o ハァそうすか(なんで金属バット?どんなギャンブルが待ってんだ?) ガチャン
- 22 :ザ・ギャンブラー:2010/07/25(日) 04:57:07 ID:0IlWn5MY0
- <わー!わー!
(ν・ω・)ν みなさんお待ちかねいたしました!勇者の入場です!
<うおおおおおおおおお!!!
_
(;゚∀゚)o うわっなんだこれ!?
(ν・ω・)ν 今回の挑戦者はVIP市出身の21歳、長岡 獏人くんです!
<ながおかああああああ!!死ぬなよおおおおおお!!
_
(;゚∀゚)o ……
(ν・ω・)ν シベリアコロッセオの実況は今回もわたくし、ほわっちょ相田が務めさせていただきます
_
(;゚∀゚)o ……ひょっとしてこれって、オレが賭けるんじゃなくて、オレが賭けの対象!?
(ν・ω・)ν さぁ王者の入場です!
_
(;゚∀゚)o おいふざけんな! ガチャガチャガチャ!
_
(;゚∀゚)o ダメだ!カギがかかってて出られない!
(ν・ω・)ν 北海道知床出身!日本最強の生物!
ガラガラ
(・(エ)・)
(ν・ω・)ν 凶暴なヒグマだーー!!
- 23 :ザ・ギャンブラー:2010/07/25(日) 05:04:23 ID:0IlWn5MY0
- (・(エ)・) グルグルグル・・・
_
(;゚∀゚)o おい…嘘だろ…
(ν・ω・)ν 実は今日王者はなにも食べていない完全なる空腹状態です!
三三三(・(エ)・) ウガーっ!
(*ν・ω・)ν 王者が挑戦者に飛びかかったァァ!!
_
(; ∀ )o うわあああああああああああああああああ……
<ぬおおおおおおおおおおおおおお!!!!!
('A`) ギャンブルで勝つのに一番必要なのは運です、しかしギャンブルで破滅しないために一番大事なのは引き際です
どんなに強運でも、引き際を少しでも間違えたら悲惨な末路が待ってますからね
('∀`) オーホッホッホッホッホ・・・・・・ 【ザ・ギャンブラー】 完
- 24 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/07/25(日) 05:05:50 ID:0IlWn5MY0
- 今回は以上です
こんな早朝なのに支援してくれた方、感謝です!
指摘、質問等あればお願いします
- 25 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/07/25(日) 05:07:24 ID:KYIbdNUM0
- 乙!
しかし……
賭け事で何かしら運が向いているときに必要なのは引く勇気!
と分かっていてもなかなか出来ることじゃないよなぁ
- 26 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/07/25(日) 05:16:48 ID:B5MLg.SoO
- 乙〜
- 27 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/07/25(日) 05:35:43 ID:0IlWn5MY0
- 博打は大金を賭けずにたしなむ程度が一番ですね
そういえば理由は違えどギャンブルで身を滅ぼした人が最近いましたね…
避難所は猿がいないのがいいですね、それではお休みなさい
- 28 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/07/25(日) 08:38:19 ID:B1kIU1OsO
- シベリアから来ました。
乙乙、面白かった!
- 29 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/07/25(日) 10:40:28 ID:ZLp9q.hc0
- 読み終わった、乙!
ところでこの作品を、シベリア連載中作品欄に残し続けていい?
- 30 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/07/25(日) 23:57:38 ID:x/PddJJE0
- >>29
まだまだ連載を続けるつもりなのでお願いします
- 31 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/07/26(月) 03:18:14 ID:1RkKfUD60
- `・+。*・ (´・ω・`)
。*゚ 。☆―⊂、 つ こまかくてすまんが…
。*゚ : ヽ ⊃
`+。**゚**゚ ∪~
前から気になってたけど最初の
>さて今日のお客様は…
ってところ本家だと「さて本日のお客様は…」じゃなかった?
- 32 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/07/27(火) 10:23:47 ID:qFg1Oxvw0
- >>31
アニメを見返してみたら「さて今日のお客様は…」で当ってましたね
- 33 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/07/27(火) 12:48:52 ID:8EZQOQ8A0
- >>32
じゃあ俺の勘違いだったか
すまんかった
- 34 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/07/28(水) 03:05:52 ID:k7gBLblQ0
- 私の名前は喪鬱毒造、人呼んで鬱なセールスマン
ただのセールスマンじゃございません
私が取り扱うのは“ココロ” 人のココロでゴザイマス・・・
『('∀`)鬱ナせぇるすまん』
ブーン系小説総合スレ 【 裏 】 まとめ(仮)さん
http://sogomatome.blog104.fc2.com/blog-entry-451.html
まとめさんありがとうございます!
- 35 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/07/28(水) 03:07:31 ID:k7gBLblQ0
- この世は老いも若きも男も女もココロの寂しい人ばかりそんなみなさんのココロのスキマお埋めします
いえお金は一銭もいただきませんお客様が満足されたら、それがなによりの報酬でゴザイマス・・・
さて今日のお客様は・・・
(#゜3゜) ちんたらしてねぇで仕事しろよ!
(#゜3゜) ホント使えねェな!
(゜3゜) 於根 栄人 51歳 会社部長
【5時から女】
オーホッホッホッホッホ・・・・・・
- 36 :5時から女:2010/07/28(水) 03:08:42 ID:k7gBLblQ0
- 夕方5時15分
( ^Д^) うぇーいやっと仕事終わったぜ〜
(’e’) お疲れ様です
( ^Д^) おいセント、今日は花の金曜だから飲みに行くぞ!
(*’e’) 行きましょう行きましょう!
(゜3゜) ……
( ^Д^) えっと…部長も来ます?
(゜3゜) オレは他に用事があるからいいよ
( ^Д^) (ホッ、良かった・・・)それじゃあお先に失礼します
ガチャン
(゜3゜) ……
- 37 :5時から女:2010/07/28(水) 03:10:12 ID:k7gBLblQ0
- シベリア駅
(゜3゜) |W.C
(゜3゜) |W.C
(゜|W.C
|W.C ガチャン
|W.C
|W.C
ξ゜|W.C
ξ゜3゜ξ |W.C ガチャン
- 38 :5時から女:2010/07/28(水) 03:12:07 ID:k7gBLblQ0
- ξ゜3゜ξ
(∴゚ з゚ ) ちらっ
ちらっ (`v´ )
(∴゚ з゚ ) おいおいアレおっさんだろ ヒソヒソ
(`v´) うわぁ女装してる…気持ち悪… ヒソヒソ
ξ゜3゜ξ ……
ξ゜3゜ξ 酒でも呑むか…
- 39 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/07/28(水) 03:12:09 ID:EoLDKt/IO
- 見たことある人が主人公だな
支援
- 40 :5時から女:2010/07/28(水) 03:13:11 ID:k7gBLblQ0
- 居酒屋にて
( б∀б) あの、ご注文は…
ξ*゜3゜ξ えーっと、ビール、枝豆、軟骨にライスをお願い……お願いしますわ
( б∀б) ……かしこまりました
ξ゜3゜ξ ……
クスクス ナンダヨアレ キモーイ
ξ゜3゜ξ ……
( б∀б) ビールお持ちしました…
ξ*゜3゜ξ どーもですわ!
- 41 :5時から女:2010/07/28(水) 03:14:32 ID:k7gBLblQ0
- ξ*゜3゜ξ ゴクゴク・・・
ξ*゜3゜ξ プハーッ! やっぱ仕事後のビールはうま…美味しいわ!
ξ*゜3゜ξ むしゃむしゃ
ξ*゜3゜ξ 軟骨美味しいわぁ〜
ξ*゜3゜ξ ……
ξ゜3゜ξ はぁ…
川'A`川 あの隣いいですか?
- 42 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/07/28(水) 03:15:38 ID:EoLDKt/IO
- 悲しいおっさんだ……
そしてドク美ktkr
- 43 :5時から女:2010/07/28(水) 03:16:03 ID:k7gBLblQ0
- ξ;゜3゜ξ あっはいどうぞ!
川'A`川 ではお言葉に甘えて
ξ;゜3゜ξ ……
川'A`川 すいません、なんか一人で楽しそうにしてるのにワタシが邪魔してしまい
ξ;゜3゜ξ いえ、そんなことありませんわ
川'A`川 ところであなたはいつからそのような趣味を?
ξ;゜3゜ξ は?そのような趣味とはなんのことかしら?
川'A`川 オーホッホッホ、なりきってますねぇ、女性に
ξ;゜3゜ξ ……
- 44 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/07/28(水) 03:17:12 ID:WNnJ39qQ0
- あんたほんと宵っ張りだよなあ
このあと普通に出勤できるとか羨ましい
- 45 :5時から女:2010/07/28(水) 03:17:39 ID:k7gBLblQ0
- ('A`) ほう、2年も前から女装を
(゜3゜) えぇ、それも金曜日にやるのが好きなんです
('A`) 花金ですか
(゜3゜) 一週間の鬱憤を晴らすためです
('A`) 何故女装をし始めたのですか
(゜3゜) 私にもよくわからないんですが、なんか色んなしがらみから解放された気になるんですよ
なんか別の自分になれた気がしますし
('A`) なるほど
(゜3゜) 変でしょ私、普通こんなことしませんよね
('A`) そんなことないですよ於根さん、実はワタシこういう者なんです サッ
- 46 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/07/28(水) 03:18:51 ID:EoLDKt/IO
- ドクオは何故女装していた……
支援
- 47 :5時から女:2010/07/28(水) 03:19:37 ID:k7gBLblQ0
- (゜3゜) ココロのスキマお埋めします、喪鬱毒造・・・
('A`) セールスマンでしてね、いえいえ営利目的ではゴザイマセン
言ってみれば於根さんみたいな人を救う慈善事業みたいなものです
(゜3゜) わたしみたいな…ですか?
('A`) 於根さん先ほどご自分のことを変だとおっしゃられましたね
(゜3゜) えぇ、だってこんな趣味だれが見たって正常じゃないですよ
('A`) そんなこと無いですよ、実は於根さんみたいな趣味を持った方は結構いるんですよ
(;゜3゜) エェーッ!?そうなんですか!?
('A`) えぇ、ワタシの知り合いにも女装が趣味の人がいますから
- 48 :5時から女:2010/07/28(水) 03:21:25 ID:k7gBLblQ0
- (;゜3゜) わたし以外にも居たとは…
('A`) 実はその知り合いが主催してる女装サークルがあるんですよ
(;゜3゜) 女装サークル?そんなのがあるんですか
('A`) はい、於根さんと同じ趣味を持った方々が月に一回集まってパーティーを行うのです
サークル名はその名も「5時から女」
(;゜3゜) 5時から女…
('A`) どうです於根さん、あなたも入会してみては?
(゜3゜) しかし私お金無いですし…
('A`) ご心配なく、於根さんは特別に無料でご入会させてあげましょう
(*゜3゜) 良いんですか!?
('A`) えぇ、於根さんのココロのスキマを埋められるならお金は一銭もいただきません
(*゜3゜) ありがとうございます!
('A`) ではさっそく行きましょう
- 49 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/07/28(水) 03:22:35 ID:jWnzVD7IO
- 支援〜
- 50 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/07/28(水) 03:25:31 ID:EoLDKt/IO
- 誰が来るのかwktk
- 51 :5時から女:2010/07/28(水) 03:28:52 ID:k7gBLblQ0
- 川'A`川 ここが会場ですよ於根さん
(ΘωΘ川 ワイワイ 川・↓・) ガヤガヤ
ξ*゜3゜ξ すごい一杯いるじゃないですか!
川'A`川 シベリア中の女装好きが集まってますからね
川*‘_L’) どうも喪鬱さんお久しぶりです
川'A`川 これこれはフィレンクトさん、どうも
川*‘_L’) そちらの方が新しく入会を希望なされた…
ξ*゜3゜ξ 於根です!
川*‘_L’) 於根さんですか、わたくしこのサークルを主催してるフィレンクトです、どうぞよろしく
ξ*゜3゜ξ よろしくお願いします!
川'A`川 では於根さん、こっからは自由に楽しんでください
ξ*゜3゜ξ はい!
- 52 :5時から女:2010/07/28(水) 03:30:08 ID:k7gBLblQ0
- (ΘωΘ川 私もね、昔は仕事が終わったあと一人でこっそり女装して街中を闊歩してましたよ
ξ*゜3゜ξ へぇーあなたもですか、私もそうでした
(ΘωΘ川 一人でやると最初は楽しいんだけどなんかどんどん空しくなるんだよねぇ
ξ*゜3゜ξ そうなんすよ!なんか私こんなことしてて良いのかなぁって思ってくるんですよねぇ
(ΘωΘ川 うん、だからもうこんなこと辞めようと思ったときにこのサークルのことを知ったんだよ
ξ*゜3゜ξ ほう
(ΘωΘ川 この趣味を持ってるを私だけじゃないんだと安心したよ
ずっと自分は異常だと思ってたからね
ξ*゜3゜ξ 私も自分が異常者なんじゃないかと思ってました…
でもここの皆さんと出会えてその思いが吹っ切れました!ありがとうございます!
(ΘωΘ川 ハハハ、これからもよろしくネ
- 53 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/07/28(水) 03:31:23 ID:EoLDKt/IO
- 集団で練り歩くおっさん達を想像してしまった
- 54 :5時から女:2010/07/28(水) 03:31:52 ID:k7gBLblQ0
- 3日後 会社にて
(゜3゜)〜♪
( ^Д^) なんか部長やけに機嫌がいいな、どうしたんだ
(’e’) 良いことでもあったんですかね
(゜3゜) おいお前ら頑張ってるか!?
(;^Д^) あっ、はい頑張ってます!
(*゜3゜) 頑張ってくれよ!なんてたって若手社員は会社の財産だからな!ガハハハハ!
(;^Д^) ……
(;’e’) ホントどうしたんでしょうかね、なんか気持ち悪いっすよ
(;^Д^) 変なものでも食ったんかなぁ?
- 55 :5時から女:2010/07/28(水) 03:32:59 ID:k7gBLblQ0
- BAR バロ巣
( ´W`)
つ□と キュッキュッ
(*゜3゜) 喪鬱さんあのサークルを紹介してくれてありがとうございます
('A`) あの時の於根さんはホント楽しそうにしておられましたねぇ
(*゜3゜) 人生で一番楽しかったと言っても過言ではないですね
なんか心が洗われた気分です!
('A`) 於根さんが満足されたのなら、ワタシも満足でゴザイマス
マスター、於根さんにウォッカを一杯
( ´W`)つ□ タンッ
- 56 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/07/28(水) 03:34:09 ID:EoLDKt/IO
- さて、どうなる……?
- 57 :5時から女:2010/07/28(水) 03:34:32 ID:k7gBLblQ0
- ('A`) そうそう於根さん、ひとつ忠告しときますがね
(゜3゜) はいなんでしょう?
('A`) この女装サークルは月一回なんですよ
(;゜3゜) 月一回か…少ないなぁ
('A`) いえいえ於根さん、月一回がちょうど良いのです、頻繁にやってしまうと仕事に影響が出てしまいます
(;゜3゜) はぁ確かにそうですねぇ
('A`) なので於根さん、女装するのはサークルのある月一回だけにしてくださいね
(;゜3゜) ……わかりました
- 58 :5時から女:2010/07/28(水) 03:36:34 ID:k7gBLblQ0
- 次の日 会社にて
(゜3゜) ハァ…
( ^Д^) なんか昨日と打って変って元気ないな
(’e’) もしかして躁鬱病とかじゃ?
( ^Д^) そうかもな
(゜3゜) ハァ……
( ^Д^) まぁ良いや早く帰ろうぜ
(’e’) そうっすね
(;゜3゜) ……
- 59 :5時から女:2010/07/28(水) 03:39:16 ID:k7gBLblQ0
- シベリア駅
|W.C
ξ゜|W.C
ξ゜3゜ξ |W.C ガチャン
ξ゜3゜ξ (結局女装してしまった…)
('A`) 於根さん約束破りましたね
ξ;゜3゜ξ も、喪鬱さん!すいません我慢できなくて!
('A`) 仕事に影響が出るって言ったじゃないですか
ξ;゜3゜ξ でも逆に女装のことが気になって仕事が手につかないんです!
('A`) だったら仕事をとるか女装をとるか今決めるのです!
m9('A`)
ド―――m9('∀`)―――ン!!
ξ; 3 ξ ぐわあああああああああああ!!!
- 60 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/07/28(水) 03:39:43 ID:EoLDKt/IO
- 支援!
- 61 :5時から女:2010/07/28(水) 03:47:00 ID:k7gBLblQ0
- 1ヶ月後
( ^Д^) ここか?部長の店は?
(’e’) 地図の通りだとそうですね
( ^Д^) まさか部長が会社辞めてスナック開くとはなぁ カランコロンカラーン
ξ*゜3゜ξ いらっしゃ〜い!
(;^Д^) ぶ、部長なんすかその格好は!?
ξ*゜3゜ξ もう!あなたの上司じゃないんだから部長って呼ばないで!栄子って呼んで!
(;’e’) 栄子…
ξ*゜3゜ξ 今日はうんとサービスするからね、ゆっくりしていってね!
(;^Д^)(;’e’) ……
ξ*゜3゜ξ キャッキャッ
('A`) 於根さん、第二の人生頑張ってくださいね
('∀`) オーホッホッホッホッホ・・・・・・ 【5時から女】 完
- 62 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/07/28(水) 03:49:40 ID:k7gBLblQ0
- こんな時間まで支援ありがとうございます!
指摘、質問等あればお願いします
あと前回の【ザ・ギャンブラー】でのブラックジャックの描写がところどころ間違ってたみたいですね
もっとちゃんと調べるべきでした、すいません
- 63 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/07/28(水) 03:58:03 ID:RMFijpKw0
- ある意味では自分に忠実に生きていくというハッピーエンドなんじゃないだろうか
乙っつ!
- 64 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/07/28(水) 04:00:44 ID:k7gBLblQ0
- 原作でもたまにこういう回がありますからね
ではお休みなさい
- 65 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/07/28(水) 04:11:48 ID:SWLgl61c0
- 乙!
女装したおっさんが集まる会合って想像するとキツイよなぁ……
- 66 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/07/28(水) 05:06:05 ID:EoLDKt/IO
- 乙でした!
話の展開が早いのは投下を待つ身としては良いんですが
月に一度しかないと聞いて葛藤する部長の様がもう少し見たかったです
- 67 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/07/29(木) 01:27:12 ID:Cqv76ero0
- `・+。*・ (´・ω・`)
。*゚ 。☆―⊂、 つ
。*゚ : ヽ ⊃
`+。**゚**゚ ∪~
- 68 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/07/29(木) 08:11:43 ID:NeZ7X0gU0
- >>66
ラストは駆け足になってしまい盛り上がりに欠けましたね
次はもっと話を練ってから投下します
ご指摘ありがとうございます
- 69 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/08/03(火) 01:01:03 ID:5r4xfNd.0
- ド―――m9('∀`)―――ン!!
- 70 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/08/03(火) 01:03:18 ID:5r4xfNd.0
- 私の名前は喪鬱毒造、人呼んで鬱なセールスマン
ただのセールスマンじゃございません
私が取り扱うのは“ココロ” 人のココロでゴザイマス・・・
『('∀`)鬱ナせぇるすまん』
ブーン系小説総合スレ 【 裏 】 まとめ(仮)さん
http://sogomatome.blog104.fc2.com/blog-entry-467.html
まとめさんありがとうございます
- 71 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/08/03(火) 01:04:56 ID:5r4xfNd.0
- この世は老いも若きも男も女もココロの寂しい人ばかりそんなみなさんのココロのスキマお埋めします
いえお金は一銭もいただきませんお客様が満足されたら、それがなによりの報酬でゴザイマス・・・
さて今日のお客様は・・・
<(' _'<人ノ ……
(`・ω・´) ……
(`・ω・´) 鮫高 シャキ太 36歳 会社員
【純愛バンク】
オーホッホッホッホッホ・・・・・・
- 72 :純愛バンク:2010/08/03(火) 01:06:53 ID:5r4xfNd.0
- 朝食にて
(`・ω・´) むしゃむしゃ
<(' _'<人ノ パクパク
(`・ω・´) むしゃむしゃ
<(' _'<人ノ パクパク
(`・ω・´) あのさ…
<(' _'<人ノ ん? もぐもぐ
(`・ω・´) 今日帰り遅くなるから先に寝てていいよ
<(' _'<人ノ あそう ぱくぱく
(`・ω・´) それじゃあ行ってくるから
<(' _'<人ノ あそう くちゃくちゃ
(`・ω・´) ……
- 73 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/08/03(火) 01:09:09 ID:bMoEUpGU0
- 久々のリアルタイム!
- 74 :純愛バンク:2010/08/03(火) 01:09:33 ID:5r4xfNd.0
-
シベリア駅
(`・ω・´) ハァ…
(`・ω・´) (いつから一緒にいるだけで息が詰まるようになったんだろう、昔はああじゃなかったのに…)
(`・ω・´) (以前はもっと会話とかあったよなぁ…)
(`・ω・´) (あのころに戻りたい…)
(`・ω・´) ハァ…
('A`) おやおや、朝から元気がありませんねぇ、どうしたのですか?
- 75 :純愛バンク:2010/08/03(火) 01:11:43 ID:5r4xfNd.0
- (`・ω・´) えっ、いや別になんともないですよ
('A`) そうですかぁ、なんか心配ですねぇ
(`・ω・´) はぁそうですか…
('A`) もしかして夏の暑さにやられましたか?
, それとも家庭の寒さに凍えましか?
(;`・ω・´) う…っ!余計なお世話だっ!あんたなんなんだいったい!
('A`) これはすいません、ワタシはこういう者です サッ
(;`・ω・´) ココロのスキマお埋めします、喪鬱毒造…
('A`) 悩める人々を救済することを生業にしております、どうです、あなたのココロのスキマを…
(;`・ω・´) あああもうそういうのボク間にあってますから!必要ないです
('A`) そうですか、なら必要になったいつでも呼んでくださいねぇ、オーホッホッホッホ…
(;`・ω・´) ……なんだあのおっさん
- 76 :純愛バンク:2010/08/03(火) 01:13:37 ID:5r4xfNd.0
- 会社にて
(・↓・) オレも鮫高さんや相田さんみたいに早く嫁さんもらいたいっすよ〜
(ν・ω・)ν おいおい結婚なんてそんないいもんじゃねぇぞ
(・↓・) マジッすか!?だって好きな人と四六時中居られるんすよ、幸せじゃないすか
(;ν・ω・)ν かぁーっ!若いな君は!甘いよ、夢見過ぎっ!現実はそんなんじゃねぇよ、なぁ鮫高
(`・ω・´) そうそう、家事なんて真面目にやってくれないし、会話なんて滅多に無いし
(ν・ω・)ν その通り!
(;・↓・) ちょっと夢が壊れるようなこと言わないでくださいよぉ〜
(ν・ω・)ν 要するに飽きちゃうんだよ、ずっと一緒にいると新鮮味が薄れてきてな
おまけに交際中は知らなかった相手の嫌な部分とかわかっちゃって余計ダメになる
(`・ω・´) とにかく結婚生活に変な期待するなよってことだ
(;・↓・) そうっすか…
- 77 :純愛バンク:2010/08/03(火) 01:14:40 ID:5r4xfNd.0
- 5時間後
(・↓・) 仕事終了〜今日は定時で帰れるぜ〜
(`・ω・´) ところがどっこい
(ν・ω・)ν 帰らせません、あなたは僕たちと居酒屋に行きます
(;・↓・) エェーッ!?なんでですか!?早く家に帰りましょうよ〜
(`・ω・´) 家に早く帰りたくないから飲みに行くんだろ
(ν・ω・)ν カミさんと居ると気まずいんだよ!
(;・↓・) だからってなんで僕も?
(ν・ω・)ν ごちゃごちゃご択はいいからついてこい、オゴってやるから
(*・↓・) マジッすか!?なら喜んで!
- 78 :純愛バンク:2010/08/03(火) 01:16:31 ID:5r4xfNd.0
- ―――飲み会が終わり、帰路の最中
(*`・ω・´) うううううう
(*`・ω・´) ちょっと呑みすぎたぜ、えへへ…
(*`・ω・´) ……
(*`・ω・´) 以前だったら、仕事が終わったら、いの一番に家路についたのにな…
(*`・ω・´) なのに今じゃ会いたくないからわざと遅い時間に帰宅とか
(*`;ω;´) ちくしょう、なんでこうなっちゃったんだよ、あの頃に戻りてェよ〜…
('A`) オーホッホッホ、だいぶ荒れてますねぇ
- 79 :純愛バンク:2010/08/03(火) 01:17:25 ID:5r4xfNd.0
- (;`・ω・´) あ、あんたはたしか今朝の…!
('A`) 喪鬱です、今日は荒れてますねぇ
(;`・ω・´) いや、まぁ色々ありまして…
('A`) やはりあなたはワタシが睨んだ通りココロがスキマだらけですね
(;`・ω・´) ……そのようですね
('A`) ここじゃなんですし、どこかゆっくりお話が出来るとこへ行きましょうよ
あなたのココロのスキマを聞かせてもらいたいので
(;`・ω・´) わかりました
- 80 :純愛バンク:2010/08/03(火) 01:19:42 ID:5r4xfNd.0
- BAR バロ巣
( ´W`)
つ□と キュッキュッ
(`・ω・´) 結婚当初は楽しかったんですよ、二人だけの生活が
('A`) ほうほう
(`・ω・´) 仕事が終われば早く妻に会うため、酒の誘いを断り家にまっすぐ帰りましたし
, 仕事だって彼女に苦労をかけたくないから頑張ってましたよ
, でも月日が経つにつれ、その気持ちもどんどん削られていくんですよね…
('A`) なるほど
(`・ω・´) 別に嫌いなわけでもないんですよ、ただなんか相手に興味が無くなっていくんですよね
俗に言う倦怠期ってやつなのかな…
('A`) つまりあなたは昔のような恋愛を楽しみたいわけですね
- 81 :純愛バンク:2010/08/03(火) 01:20:42 ID:5r4xfNd.0
-
(`・ω・´) ……たしかにそうですね、あの頃はなにもかも新鮮だったなぁ
('A`) 時とともに人はなんにでも慣れてしまいますからねぇ
(`・ω・´) その通りですね
('A`) そんな鮫高さんにぴったりなモノがあるのです
(`・ω・´) なんですか?
('A`) 純愛バンクというものです
(`・ω・´) 純愛バンク?
- 82 :純愛バンク:2010/08/03(火) 01:21:57 ID:5r4xfNd.0
- ('A`) ええ、あなたみたいな夫婦生活に疲れた人のための登録制サイトです
(`・ω・´) どういうサイトなんですか?
('A`) 簡単に言えばこのサイトに登録してる男と女が連絡を取ってデートに行くというものです
(;`・ω・´) ちょっとそれ出会い系では?
('A`) いいえ出会い系ではありません、あくまでこれはピュアな付き合いの為の健全なサイトです
(;`・ω・´) ピュアな付き合いねぇ…
('A`) そうです、見知らぬ女性と一日付き合うことでかつて味わったであろう恋愛ができるのです
(;`・ω・´) う〜む
- 83 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/08/03(火) 01:23:10 ID:pFh8X2bA0
- 支援
- 84 :純愛バンク:2010/08/03(火) 01:23:46 ID:5r4xfNd.0
- ('A`) 大人の男女が学生のころのようなデートを一日だけ体験するのです
(;`・ω・´) でもそれって浮気じゃ?
('A`) 鮫高さん、あなたは日々の日常に疲れてらっしゃる、そんなんじゃ夫婦仲もどんどん離れていきますよ
(;`・ω・´) うう…
('A`) まぁ鮫高さん、肩の力を抜いてこの一日限りの純愛をひとつ楽しんでみてくださいよ、人生には息抜きが必要なのですから
(;`・ω・´) ……とりあえず登録だけでも
('A`) わかりました、登録や連絡は携帯でしてください、あと登録は偽名でお願いします
(;`・ω・´) 偽名ですか、たしかに本名だとまずいですからね
('A`) サイトに登録者の一覧がありますのでそこから気に入った人を選んで連絡を取り合い、もし相手からOKが出たら実際に会うことができます
(;`・ω・´) でも結構お金掛かるんでしょ?
('A`) お金は一銭もいただきません
(;`・ω・´) そうですか…
- 85 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/08/03(火) 01:24:18 ID:fM7rr9zI0
- また危なっかしいモノを…
- 86 :純愛バンク:2010/08/03(火) 01:25:06 ID:5r4xfNd.0
- ≪家の前≫ PM11:30
(`・ω・´) (勢いで登録しちゃったけど大丈夫かなぁ、なんかあのおっさん胡散臭いよなぁ)
(`・ω・´) (お金はいらないって言ってたけど、あとで莫大な額を請求してきそうだしなぁ)
(`・ω・´) (まぁ行かなければ大丈夫だろ) ただいまぁ ガチャン
(`・ω・´) ただいま〜、お〜い、帰ったよ〜
(`・ω・´) お〜い、寝てるの〜?
(`・ω・´) ……いないのか?
- 87 :純愛バンク:2010/08/03(火) 01:26:32 ID:5r4xfNd.0
- PM12:45
<(' _'<人ノ ただいま
(`・ω・´) ……
<(' _'<人ノ なんだ、起きてたの
(;`・ω・´) 今何時だと思ってるんだ、いったいどこに行ってたんだ!?
<(' _'<人ノ 別にどこ行ったっていいじゃないあたしの自由でしょ?
(;`・ω・´) でも心配するだろ!こんな遅くまで帰らないなんて
<(' _'<人ノ 寝ててよかったのに…
(;`・ω・´) 寝られるわけないだろ!なにやってたんだこんな時間まで!
<(' _'#<人ノ あたしがなにやったってあなたには関係ないでしょ!もう寝るから!
(;`・ω・´) おいちょっと待てよ!おい!
- 88 :純愛バンク:2010/08/03(火) 01:27:24 ID:5r4xfNd.0
- (#`・ω・´) くそお!遅く帰ってきたクセになんだあの態度は!
(;`・ω・´) 連絡の一つは入れろよ、くそお…
(;`・ω・´) ハァ…
(;`・ω・´) ……
('A`) 「鮫高さん、肩の力を抜いてこの一日限りの純愛をひとつ楽しんでみてくださいよ、人生には息抜きが必要なのですから」
(;`・ω・´) ……ちょっとやってみるか
(;`・ω・´)】 ピピピ…
(;`・ω・´)】 どの女の人にしよう……
- 89 :純愛バンク:2010/08/03(火) 01:29:04 ID:5r4xfNd.0
- 朝
(`‐ω・´) ん… パチ
(`・ω・´) 朝か…
(`・ω・´) そういえばあいつは…
トントントントン
(`・ω・´) ……朝飯作ってるのか
(;`・ω・´)】そうだメール!来てるかな…
(;`・ω・´)】 ……
―――メールが一件届いております
(;`・ω・´)】 やった!来てる!
- 90 :純愛バンク:2010/08/03(火) 01:30:40 ID:5r4xfNd.0
- 「メールしていただきありがとうございます、初めましてイオリと申します、私もあなたに会ってみたいです」
(;`・ω・´)】 お、お、お、おおおおお〜
(*`・ω・´)】 ひゃっほー!!返事が来てる!やったやった!
(*`・ω・´)】 よおし! カチカチ
「返信ありがとうございます!僕もあなたとお会いしたいです」
(*`・ω・´)】 送信っと、うしししし
<(' _'<人ノ あなた
(;`・ω・´) うわっ!なんだ!
<(' _'<人ノ 朝ごはん
(;`・ω・´) そ、そうか、ありがとう(あぶねぇあぶねぇ…)
- 91 :純愛バンク:2010/08/03(火) 01:33:08 ID:5r4xfNd.0
- そして週末、シベリア公園にて
(`・ω・´) どきどきどき…
(`・ω・´) (ついに今日か…緊張するな…)
(;`・ω・´) スーハー…スーハー…
(;`・ω・´) (胸が高鳴りが止まらない、まるで学生だ…) バクンバクン
(*`・ω・´) (くくく、なんか懐かしいなこんな緊張感、昔を思い出すぜ)
(;`・ω・´) (そろそろ時間だな…)
イハ´ _!`ノ!| あ、あのう…
- 92 :純愛バンク:2010/08/03(火) 01:35:40 ID:5r4xfNd.0
- (;`・ω・´) は、はい!?
イハ´ _!`ノ!| もしかしてコーシさんですか?
(;`・ω・´) ……あ、ああそうです、僕がコーシです
イハ´.ゥ`ノ!| よかったぁ、間違ってたらどうしようと思いました、初めましてイオリです
(;`・ω・´) は、初めまして
イハ´.ゥ`ノ!| ニコニコ
(;`・ω・´) (そんなすごい可愛いってわけじゃないけど、愛嬌はあるな…)
イハ´ _!`ノ!| あのどこに行きます?
(;`・ω・´) そうだね……どこがいい?
イハ´ _!`ノ!| スターリン遊園地なんてどうです?
(`・ω・´) スターリン遊園地か…いいんじゃない?行こう行こう
イハ´.ゥ`ノ!| やった!
(*`・ω・´) (笑った顔は結構可愛いかも)
- 93 :純愛バンク:2010/08/03(火) 01:37:18 ID:5r4xfNd.0
- ≪スターリン遊園地≫
ワイワイ ざわざわ
(*`・ω・´) 週末だから結構混雑してるね
イハ´ _!`ノ!| あ、あのう
(`・ω・´) ん?どうしたの
イハ*´ _!`ノ!| う、腕組んでいいですか?
(;`・ω・´) えっ!?
イハ;´ _!`ノ!| ダメですか…
(;`・ω・´) ダメじゃないよ!全然OKさ
イハ*´.ゥ`ノ!| いいんですか!?やた! ギュッ
(;`・ω・´) (う・・・!)
イハ*´.ゥ`ノ!| さてどこいこっかなぁ〜
(*`・ω・´) (悪くねぇ!すげぇ良い!)
- 94 :純愛バンク:2010/08/03(火) 01:39:12 ID:5r4xfNd.0
- ジェットコースター
ビュ〜〜〜〜ン!!
(`゚ω゚´) ぐわあああああああ!!!!
イハ*´.ゥ`ノ!| あははは面白〜い
お化け屋敷
∧△∧
( ゚Д゚) うらめしや〜
(`゚ω゚´) ぎゃあああああ出たあああああ!!
イハ*´.ゥ`ノ!| きゃははは!!
フリーフォール
ビュン!!
(`゚ω゚´) やめてええええええええ!!!
イハ*´.ゥ`ノ!| おちるううう!!あはは!
- 95 :純愛バンク:2010/08/03(火) 01:40:31 ID:5r4xfNd.0
- (`゚ω゚´) あああ…
イハ;´ _!`ノ!| あの大丈夫ですか
(`゚ω゚´) だ、大丈夫だよ…
イハ;´ _!`ノ!| コーシさんって意外と怖がりなんですね…
(;`・ω・´) お恥ずかしい…
イハ*´ _!`ノ!| いえいえ、怖がりな男性も結構可愛いですよ
(;`・ω・´) そうですか…
イハ*´ _!`ノ!| 次はどこ行きます?
(`・ω・´) そろそろメシにしません?お腹も空いてきましたし
イハ*´ _!`ノ!| そうですね
- 96 :純愛バンク:2010/08/03(火) 01:42:00 ID:5r4xfNd.0
- ―――その後、夕方まで遊園地で遊び、そのあとはシベリアの街を見下ろせるレストランで食事することになった
イハ*´ _!`ノ!| わぁ、夜景が綺麗…
(`・ω・´) ふふふ
イハ*´ _!`ノ!| 何十年もシベリアに住んでますけど、夜景がこんなに綺麗だとは知りませんでした!
(`・ω・´) 喜んでもらえて僕もうれしいです
イハ´ _!`ノ!| コーシさん、今日はほんと楽しかったです、ありがとうございました
(`・ω・´) こちらこそ、こんなはしゃいだのは久々だよ、ありがとう
イハ*´ _!`ノ!| うふふ、また逢えたらいいですね
(*`・ω・´) そうだね、それじゃあ乾杯
イハ*´.ゥ`ノ!| 乾杯!
カチン
- 97 :純愛バンク:2010/08/03(火) 01:44:20 ID:5r4xfNd.0
- BAR バロ巣
(`・ω・´) いやあ喪鬱さんありがとうございます!ほんと良かったですよ!
('A`) オーホッホッホ、それは良かったですね
(*`・ω・´) ああ、またイオリさんに逢いたいなぁ…
('A`) 残念ながらそれは難しいですね
(`・ω・´) えっ、なんでですか?
('A`) 実はこの純愛バンク、一回使うごとに名前を変えなければならないのです
(;`・ω・´) またなんでそんなめんどくさいことを…
('A`) 不倫その他諸々防止のためです、頻繁に逢うと不倫に発展しかねないですからね
(;`・ω・´) たしかにそうかもしれませんが…
('A`) あと純愛バンクを使うのは月に一回にしてください、これは約束です
(;`・ω・´) 月一回ですか…わかりました…
- 98 :純愛バンク:2010/08/03(火) 01:46:36 ID:5r4xfNd.0
- 次の日の朝
(`・ω・´) むしゃむしゃ
<(' _'<人ノ パクパク
(`・ω・´) むしゃむしゃ
<(' _'<人ノ パクパク
(`・ω・´) あの…
<(' _'<人ノ ん? もぐもぐ
(`・ω・´) 今日帰り遅くなるから先に寝てていいよ
<(' _'<人ノ 言われなくてもわかってるよ ぱくぱく
(`・ω・´) それじゃあ行ってくるから
<(' _'<人ノ くちゃくちゃ
(`・ω・´) ……
(`・ω・´) (昨日の幸せがまるで嘘のようだ…)
- 99 :純愛バンク:2010/08/03(火) 01:48:04 ID:5r4xfNd.0
- 会社にて
(`・ω・´) カチカチ
(`・ω・´) ハァ……
イハ*´ _!`ノ!| 「うふふ、また逢えたらいいですね」
(;`・ω・´) (いかんいかん、イオリさんのことが頭にこびりついて仕事が手につかん!)
(;`・ω・´)】 (また使ってみようかな…)
('A`) 「純愛バンクを使うのは月に一回にしてください、これは約束です」
(;`・ω・´) ダメだ!喪鬱さんと約束したじゃないか!
(;`×ω×´) ああもうイライラする!
(;ν・ω・)ν おいおいどうした、まったく仕事が手についてないじゃないか、なんかあったか?
(;`・ω・´) 色々あってな、ちょっと煙草吸ってくる
(;ν・ω・)ν そうか…
- 100 :純愛バンク:2010/08/03(火) 01:49:18 ID:5r4xfNd.0
- 喫煙所にて
(`・ω・´)y━~~ スパー
(`・ω・´)y━~~ ふう
(・↓・) おや鮫高さんも一服してるんすか?
(`・ω・´)y━~~ おう
(・↓・)y━~~ じゃあ、俺も一服
(`・ω・´) そうだ今日仕事終わったら飲みに行かないか?オゴるぜ
(・↓・) マジッすか!?ありがとうございます!と言いたいですが今日彼女とデートなんすよ
(;`・ω・´) えっお前彼女居たの?
(*・↓・) はい、えへへ…
(;`・ω・´) ……
- 101 :純愛バンク:2010/08/03(火) 01:50:01 ID:5r4xfNd.0
- (;`・ω・´) おい相田、どっか行こうぜ
(ν・ω・)ν すまんな今日はカミさんと約束があるんだ、悪い
(;`・ω・´) マジかよ…この前まで一緒にいるのも嫌だって…
(*ν・ω・)ν 実は仲直りしてな、そいじゃあお先に
(;`・ω・´) ……
(#`・ω・´) どいつもこいつも幸せそうだな!
(#`・ω・´)】 ピ
('A`) 「月に一回にしてくださいね」
(#`・ω・´)】 約束を破るのは申し訳ないけどしょうがないだろ… ピピピ
- 102 :純愛バンク:2010/08/03(火) 01:51:38 ID:5r4xfNd.0
- (;`・ω・´) 今日はどの人にしよう…
(;`・ω・´) 出来ればイオリさんがいいけど贅沢は言えないな
(;`・ω・´) よしこのリンダって人にしよう!運が良ければまたイオリさんに逢えるかもしれない!
(;`・ω・´) さっそくメール送信っと ピ
(;`・ω・´) ……
ピロピロリ〜ン
(;`・ω・´) さっそく返事が来た!なになに…
「メールありがとうございます!ぜひ逢いましょう!できれば今日!」
(*`・ω・´) よし!やった!
- 103 :純愛バンク:2010/08/03(火) 01:54:35 ID:5r4xfNd.0
- (*`・ω・´) 仕事も終わったしさっそく待ち合わせの場所に行くか
(*`・ω・´) (今日はどんな人と逢えるんだろうな…イオリさんが良いなぁ…)
('A`) 鮫高さん
(;`・ω・´) 喪鬱さんなんでここに!?
('A`) あなたは約束を破ってしまいましたね
(;`・ω・´) 誰かと一緒にいたかったんです!
('A`) 言い訳は聞きたくありません
m9('A`)
ド―――m9('∀`)―――ン!!
(;` ω ´) ぐわああああああああああ!!!!
- 104 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/08/03(火) 02:01:45 ID:pFh8X2bA0
- sye-n
- 105 :純愛バンク:2010/08/03(火) 02:17:28 ID:5r4xfNd.0
- 待ち合わせ場所
(`・ω・´) (リンダさんまだかな…)
イハ´ _!`ノ!| コーシさん…
(*`・ω・´) イオリさんじゃないですか!?リンダさんってイオリさんのことだったんですね!やった!
イハ´ _!`ノ!| あの実は…
(メ.■ー■) ほう、おたくがコーシはんか
(;`・ω・´) そうですけど、あなたは…
(メ.■ー■) ワシはこの女の旦那や、よくぞワシの女をたぶらかしてくれたのう
(;`・ω・´) 旦那さん!?僕はたぶらかしてなんていません!
(メ.■ー■) 言い訳はええわ、ちょっと事務所までこいや
(;`・ω・´) ちょっと待ってください!僕はなにも…
(メ.#■皿■) ごちゃごちゃうるせぇぞゴラ!!いてもうたるから覚悟しとけコラ!
(`;ω;´) ひぃ〜〜〜!!
('A`) 人生は一期一会、一度で満足してたら痛い目には遭わなかったのですがねぇ
('∀`) オーホッホッホッホ・・・・・・ 【純愛バンク】
- 106 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/08/03(火) 02:21:22 ID:5r4xfNd.0
- 支援ありがとうございます
最後はちょっとトラブルがあり投下が遅れました
指摘、質問等あったらお願いします
- 107 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/08/03(火) 02:30:56 ID:z24NqjcA0
- こんな話もありましたなあ
いい女には紐がいる・・・・・
乙です!
あとせぇるすまんもいいけど、また退屈な日常が読みたいっす。
- 108 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/08/03(火) 02:36:51 ID:5r4xfNd.0
- >>107
退屈な日常懐かしいですねwww
機会があれば後日談的なものをやってみたいですね
- 109 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/08/03(火) 02:42:24 ID:Ked3B6wo0
- 読み終わった乙!
女房と会ってしまうオチかと予想して、いい意味で裏切られたぜ
- 110 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/08/03(火) 02:42:57 ID:5r4xfNd.0
- 過去の作品とかを覚えててもらえるのって嬉しいですね
ではお休みなさい
- 111 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/08/03(火) 02:46:44 ID:ZF4iUExo0
- 乙! 安定してますなぁ
- 112 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/08/03(火) 02:48:27 ID:5r4xfNd.0
- >>109
そのオチも候補にあったけどちょっとインパクトに欠けるのでボツにしましたねぇ
オチで毎回悩む
- 113 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/08/03(火) 03:45:14 ID:PLnVRhiA0
- `・+。*・ (´・ω・`)
。*゚ 。☆―⊂、 つ 相変わらずB'z好きだな
。*゚ : ヽ ⊃
`+。**゚**゚ ∪~
- 114 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/08/03(火) 08:43:46 ID:QFpvKKKc0
- 面白かった乙
- 115 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/08/03(火) 09:11:13 ID:qKvs.vbo0
- 乙で面白かったって感じなんですけど!
- 116 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/08/09(月) 19:38:41 ID:r3DM4C4.0
- ,.:-一;:、
ミ;;:;,. _,.;:゙ミ
,r(・ω・` )
ツィー=ニ彡'
l つと ノ
u‐―u'
- 117 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/08/10(火) 01:37:58 ID:TSAD9z4c0
- 私の名前は喪鬱毒造、人呼んで鬱なセールスマン
ただのセールスマンじゃございません
私が取り扱うのは“ココロ” 人のココロでゴザイマス・・・
『('∀`)鬱ナせぇるすまん』
ブーン系小説総合スレ 【 裏 】 まとめ(仮)さん
http://sogomatome.blog104.fc2.com/blog-entry-467.html
まとめさんありがとうございます
- 118 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/08/10(火) 01:39:20 ID:TSAD9z4c0
- この世は老いも若きも男も女もココロの寂しい人ばかりそんなみなさんのココロのスキマお埋めします
いえお金は一銭もいただきませんお客様が満足されたら、それがなによりの報酬でゴザイマス・・・
さて今日のお客様は・・・
(ΘωΘ) 部留選手、今年の目標は?
(`∠´) 史上初の4冠王です
(`∠´) 部留 典久 18歳 プロ野球選手 シベリア・アスレチックス所属
【有頂天ルーキー】
オーホッホッホッホ・・・・・・
- 119 :有頂天ルーキー:2010/08/10(火) 01:41:16 ID:TSAD9z4c0
-
(ΘωΘ) 4冠王?
(`∠´) ホームラン王、打点王、首位打者、そして新人王です
いないでしょ?今までこんな選手
(ΘωΘ) たしかにそうですねぇ
(・↓・) 長嶋茂雄選手が一年目に新人王、本塁打王、打点王を獲ってますが首位打者にはなってませんねぇ
(`∠´) ってことは俺4冠王になったら長嶋さん超えじゃないですか!?俺すげぇ!
(ΘωΘ) まぁ記録上はそうだね
- 120 :有頂天ルーキー:2010/08/10(火) 01:42:07 ID:TSAD9z4c0
- (`∠´) しかも俺高卒っすよ!長嶋さんは大卒だから記録の価値は俺のほうが上っすよ!
(ΘωΘ) なるほどね
(・↓・) 高卒の最高記録は本塁打、打点、打率いずれも清原選手なんだけど、超える自信はありますか?
(`∠´) 当たり前じゃないっすか、余裕っすよ!特にホームラン記録は大幅に更新しますよ
(・↓・) 何本ぐらい?
(`∠´) そうっすね、40本ぐらいっすかね
(ΘωΘ) なんだ意外と少ないね、君のことだから50本ぐらいは言うと思ったよ
(`∠´) 本当は50本以上と言いたいだけどね、1年目ぐらいは謙虚に行こうと思いましてね
(・↓・) (全然謙虚じゃねーよ…)
- 121 :有頂天ルーキー:2010/08/10(火) 01:42:56 ID:TSAD9z4c0
- (ΘωΘ) それじゃあ、尊敬もしくは目標にしてる選手はいる?
(`∠´) いないっすね
(・↓・)いないの?さっきの清原選手は?高校時代の活躍とかポジションとか似通ってるし
(`∠´) 清原さんは過大評価なんすよ、ロクにタイトル獲ってないじゃなすか
(;ΘωΘ) ……
(;・↓・) 今んところカットですか? ヒソヒソ
(;ΘωΘ) 当たり前だろ載せられるかよ今の ヒソヒソ
(`∠´) 俺は清原さんみたいな無冠の帝王にはならないっすからね
(;ΘωΘ) ……
(;・↓・) そういえば初めての給料は何に使ったの?やっぱ親に恩返しかな
(`∠´) スポーツカー買いました
(;・↓・) あぁ、そうなの……
- 122 :有頂天ルーキー:2010/08/10(火) 01:44:38 ID:TSAD9z4c0
- (ΘωΘ) 今日は貴重なお時間を使って我が「週刊ホームラン」の
取材に答えていただきありがとうございます
(`∠´) いえいえ
(・↓・) では最後に、ファンの子供たちに一言
(`∠´)b 俺のようになれ!以上!
ガチャン
(ΘωΘ) ……
(・↓・) 俺のようになれ!じゃねーよ
(ΘωΘ) なっちゃダメだよな
(・↓・) そうっすよ、なんなんすかねあいつの態度、調子乗りすぎですよ!
- 123 :有頂天ルーキー:2010/08/10(火) 01:46:37 ID:TSAD9z4c0
- (ΘωΘ) そうカリカリすんなよ
(・↓・) ありえないっすよあれ!たしかにあいつが高校時代残した記録はすごいですよ!
高校通算80本でしたっけ?それに甲子園通算8本の本塁打、そりゃ見事な記録ですよ
だからと言ってなんですかあれは?
(ΘωΘ) なんですかって言われてもなぁ…
(#・↓・) しかもあいつはまだ5月の時点で本塁打3本しか打ってないじゃないっすか!
, 打率に至っては2割4分ですよ!?それでよくあんなデカいこと言えますね!
(ΘωΘ) あれじゃね?ビックマウスってやつじゃね?
(#・↓・) あいつのはビックマウスではなくただの傲慢ですよ!
(ΘωΘ) まぁそんな僻むなよ
(#・↓・) 僻んでないですよ!僻んでるように見えます!?
(ΘωΘ) 見えるねぇ
(;・↓・) マジッすか?あぁなんか気分ワリ!
- 124 :有頂天ルーキー:2010/08/10(火) 01:48:23 ID:TSAD9z4c0
- (`∠´) ゴメンゴメン待った?
( б∀б) もう遅いよ〜、このスポーツカーで帰ろうと思っちゃったよ
(`∠´) 盗難はいかんぜ バタン
( б∀б) 取材なんか断れば良かったじゃん
(`∠´) しょうがねぇじゃん球団がやれって言うんだから
でもお前とのホテル代が稼げたし、ちょうどいいだろ
(*б∀б) え〜何日分?
(`∠´) 一日分
(;б∀б) 少なっ!
(`∠´) 一日で何日分もやらばいいじゃないか、そんじゃホテル行こうぜ! ブルルルルッ
(*б∀б) 今日試合だけど大丈夫なの
(`∠´) ダブルヘッダー上等! ブーン!
- 125 :有頂天ルーキー:2010/08/10(火) 01:49:15 ID:TSAD9z4c0
- ( б∀б) ちょっと飛ばしすぎ〜
(`∠´) はやくヤリたいだろ?
( б∀б) そうだけど〜
(`∠´) 夜のホームラン王の実力見せてやんよ!
(*б∀б) キャハハハハ!親父クサイよ〜
(`∠´) 胸揉ませて
( б∀б) ちょっと運転中でしょ、事故るよ〜
(`∠´) 大丈夫だってほら もみもみ
(*б∀б) キャハッ!ちょースケベじゃん! ん?
('A`)
(;б∀б) うわっ、前に人が居るよ!
(`∠´;) やべっ!
キキーッ!
- 126 :有頂天ルーキー:2010/08/10(火) 01:50:50 ID:TSAD9z4c0
- (`∠´;) やべぇよ!やべぇよ! バン!
(;б∀б) もう最悪! バン!
(‐A‐) ……
(`∠´;) ……
(;б∀б) ねぇどうなの!?生きてるの!?死んでるの!?
(`∠´;) ピクリともしねぇ…死んでる…
(;б∀б) どうすんのよ!人殺しじゃん!
(`∠´;) 不慮の事故だよ……
(#б∀б) 全部アンタが悪いんだからね!私知らない!
三三三(#б∀б) じゃあね!
(`∠´;) あっちょっとまてコラ!
(`∠´#) あの糞アマ逃げやがって畜生!
(`∠´;) くそお、とりあえず病院に運ぼう……
- 127 :有頂天ルーキー:2010/08/10(火) 01:53:17 ID:TSAD9z4c0
- ブーン…
(`∠´;) ……
(`∠´;) (マジどうすんのよ、これ…)
(`∠´;) チラッ
(‐A‐)
(´∠`;) (やべぇって!俺の輝かしいであろうキャリアがこんなことでパーかよ!)
(`∠´;) (明日の朝とか俺のニュースで一杯だろうな…)
(`∠´;) (そして結局は……クビ!?)
(´∠`;) あああどうしよう、やべぇよぉ…
('A`) オーホッホッホッホ、ちゃんと前を見て運転してくださいね
- 128 :有頂天ルーキー:2010/08/10(火) 01:55:34 ID:TSAD9z4c0
- (`∠´;) あ、すいません…
(`∠´;) ……
(`∠´;) ん?
('A`) オーホッホッホ
(`∠´;) お、おっさん!?大丈夫なのか!?
('A`) ワタシはこの通りピンピンしてますよ
(`∠´;) でも動かなかったし…
('A`) 死んだふりをしていたのですよ
(`∠´#) なんだと!?おっさんふざけるのもいい加減にしろよ!
, 本当に死んだと思ったじゃないか!
('A`) ちょっとしたユーモアですよ
- 129 :有頂天ルーキー:2010/08/10(火) 01:56:45 ID:TSAD9z4c0
- (`∠´#) なにがユーモアだ!降りろ降りろ!
キキーッ!
('A`) オーホッホッホ、すいませんねぇ バン
(`∠´#) なんだあの親父は…
('A`) そうだ部留さん
(`∠´#) なんだよ!?さっさと帰れよ!
('A`) スピードの出しすぎには気をつけてくださいねぇ
だいぶオーバーしてましたよ
(`∠´;) うう、たしかにそうだが…
('A`) それじゃあ今日の試合頑張ってくださいねぇ
(`∠´;) ……
- 130 :有頂天ルーキー:2010/08/10(火) 01:58:51 ID:TSAD9z4c0
- 3時間後 シベリアスタジアム
(ν・ω・)ν 『さぁ始まりましたシベリアVS広島第4回戦、実況はわたくし、ほわっちょがお伝えします』
(`∠´) ……
(=゚д゚) おい
(`∠´) あっ、虎嶋コーチなんすか?
(=゚д゚) なんすかじゃねーだろ!また試合に遅刻しやがって
(`∠´) ああすいません、道路が混んでたんすよ
(#゚д゚) てめぇ昨日も一昨日も遅刻してたじゃねーか!今日という今日は…
(`∠´) (ウゼェな…)すいません、今から取材なんすよ、それじゃあ
(#゚д゚) おい待てよ!
- 131 :有頂天ルーキー:2010/08/10(火) 02:00:59 ID:TSAD9z4c0
- ―――7回裏
(ν・ω・)ν 『さぁここでランナーが出ましたシベリア、ここまでカープが1−0でリード
河内の好投が光りますがさすがに疲れが出たのか先頭打者にストレートのフォアボール
一発が出れば逆転です。さて続いてのバッターは……』
7番〜ファースト〜部留〜
(ν・ω・)ν 『期待のルーキー部留です、しかし彼は今日河内に対し2打数2三振です
果たして高校時代のようなバッティングができるのか……』
(`∠´) ……
,.:-一;:、
ミ;;:;,. _,.;:゙ミ
,r(・ω・` )
ツィー=ニ彡' サッサッサ
l つと ノ
u‐―u'
(`∠´) (バントのサインか…)
|`_ゝ´| ビュ!
(ν・ω・)ν 『河内投げた〜!』
- 132 :有頂天ルーキー:2010/08/10(火) 02:02:25 ID:TSAD9z4c0
- (`∠´) フン! カキン!
(ν・ω・)ν 『ショートゴロだ!』
(`∠´;) くっ!
(ν・ω・)ν 『6−4−3のダブルプレー!』
(`∠´) チェッ
(#゚д゚) おい…
(`∠´) なんすか
(#゚д゚) なんで今バントのサイン出てたのに無視した!?言ってみろ!
(`∠´) エェー!?だってファンは俺の豪快なホームランを期待してるんすよ
それなのにバントとかありえないでしょ?
(#゚д゚) てめぇ図に乗るのもいい加減に……
<3アウト!チェンジ!
(`∠´) 守備に行きますんでお説教は勘弁してください、それじゃ
(#゚д゚) この野郎…
- 133 :有頂天ルーキー:2010/08/10(火) 02:04:08 ID:TSAD9z4c0
- ,.:-一;:、
ミ;;:;,. _,.;:゙ミ
,r(・ω・` ) 虎嶋、落ち着け
ツィー=ニ彡'
(#゚д゚) 監督!なんであんな奴を使い続けるんですか!?他にも選手はいるでしょうが!
,.:-一;:、
ミ;;:;,. _,.;:゙ミ
,r(・ω・` ) しょうがないだろ、あいつはオーナーのお気に入りだからな、使え使えってうるさいんだ
ツィー=ニ彡'
(#゚д゚) なんであんなのどこがいいんだろう…
,.:-一;:、
ミ;;:;,. _,.;:゙ミ
,r(・ω・` ) やっぱビッグマウスなところだろ
ツィー=ニ彡'
(=゚д゚) ただの天狗ですよあいつは…
- 134 :有頂天ルーキー:2010/08/10(火) 02:05:36 ID:TSAD9z4c0
- 試合後
(`∠´) さてと、街に繰り出すか
(=゚д゚) おい、ミーティングだ、早くこい
(`∠´) ハァ?なんで出ないといけないんすか?
(#゚д゚) そんなことも言わないとわからないのか!
(`∠´) いやわかりますよ、今日の試合の反省点とか話し合うんでしょ?
でもそんなことして試合に勝てるんすか?そんなのより嫌なこと忘れてパーっとやりましょうよ
(#゚д゚) てめぇよくそんなこと言えるな!てめぇがチャンスをことごとく潰したせいで負けたんだろうが!
もう許さん覚悟しろ! グッ!
(`∠´) あれえ、胸倉なんか掴んで穏やかじゃないですね〜
いいんですか、某球団のコーチみたくクビになりますよ
(#゚д゚) なっ!?
(`∠´) 「シベリア・アスレチックスの虎嶋氏、期待に若手選手に暴行で解雇!」、明日はこんな記事が一面に載るんでしょうね
(;゚д゚) くぅ〜……
(`∠´) あ〜苦しかった、それじゃ俺はこのへんで
(;゚д゚) くそお…
- 135 :有頂天ルーキー:2010/08/10(火) 02:08:12 ID:TSAD9z4c0
- 繁華街にて
(`∠´*) もう一軒行こ!もう一軒!
`ハリ*^ω^ハ ちょっと大丈夫なのぉ?あなた未成年でしょう?
(`∠´*) 俺は酒にも強いんだぜ!
`ハリ*^ω^ハ そういうことじゃなくて〜、20歳未満はお酒呑んじゃいけないんだよう
(`∠´*) バレなきゃOKよ!
`ハリ*^ω^ハ でも週刊誌に撮られるかもよ〜
(`∠´*) ダイジョビダイジョビ、早く飲みいこうぜ!
`ハリ*^ω^ハ そうなの?だったら私良い店知ってるんだ!行こうよ!
(`∠´*) マジで!?じゃさっそくその店に直行!
('A`) オーホッホッホ
- 136 :有頂天ルーキー:2010/08/10(火) 02:10:16 ID:TSAD9z4c0
- (`∠´;) あ!昼間のおっさん!
('A`) またお会いましたねぇ
`ハリ*^ω^ハ だ〜れそのおじさん?
(`∠´;) なんでもないよ!ただのおかしなおっさんさ!行こうぜ!
('A`) 部留さん、その店には行かないほうがいいですよ
(`∠´;) うるせぇ!ほっといてくれよ!
('A`) あなたの行こうとしてる店には週刊誌のカメラマンが待機してますよ
(`∠´;) は?マジかよ!
`ハリ;^ω^ハ ……
(`∠´;) おいそれホントかよ!?
`ハリ;^ω^ハ そんなわけないでしょ〜そのおじさんの出まかせだよ〜
('A`) 信じなくてもいいのですよ、まぁどうなっても知りませんが
(`∠´;) ……
- 137 :有頂天ルーキー:2010/08/10(火) 02:11:53 ID:TSAD9z4c0
- BAR バロ巣
('A`) 信じてくれましたか
(`∠´;) ええ、まあ
('A`) マスター、部留さんにウォッカを一杯
( ´W`)つ□ トン
('A`) 実はワタシはこういう者なんです サッ
(`∠´;) ココロのスキマお埋めします、喪鬱毒造…
('A`) セールスマンでして、悩める人々を無償で救済してるのです
(`∠´) 救済ねぇ……俺には必要なさそうですねぇ
('A`) いえいえ、あなたは自分で気づいてないみたいですがココロがスキマだらけですよ
(`∠´;) エェー!?俺のどこにスキマがあるんすか!?
('A`) ワタシはこの道のプロですからあなたが今の現状に満足してないことなど一発でわかりま
- 138 :有頂天ルーキー:2010/08/10(火) 02:14:53 ID:TSAD9z4c0
- (`∠´;) まぁたしかに今の自分の成績には多少の物足りなさは感じるっすけど
('A`) でしょう、そんなあなたの悩みを解消させてあげましょう
(`∠´;) えっ、どうやって
m9('A`) こうやってです
m9(゚A゚) ドーーーーン!!
(`∠´;) うわああああ!
(`∠´;) なんなんすか一体!?
('A`) あなたが打てるようになるおまじないを掛けときました
(`∠´;) えっ!今ので打てるようになったんですか!?
('A`) ええ、これであなたの成績もうなぎ昇りです
(`∠´*) すげぇ!すげぇっすよ!
('A`) 明日の試合期待してますよ……
- 139 :有頂天ルーキー:2010/08/10(火) 02:17:47 ID:TSAD9z4c0
- 次の日
7番〜ファースト〜部留〜
(ν・ω・)ν 『さぁ部留の1打席目、果たしてどういうバッティングをするのでしょうか!』
(`∠´) (昨日のおっさんの言うことは本当なのだろうか……)
(  ̄∀ ̄) バサ
(ν・ω・)ν 『横山振りかぶって……』
(`∠´;) (とりあえず信じてみるか……)
(  ̄∀ ̄) ピシュ!
(ν・ω・)ν 『投げた!』
(`∠´) ふんぬ!
カキーン!
(;ν・ω・)ν 『打った!大きい!大きい!入るか入るか!入ったー!!』
ワー!ワー!
(*ν・ω・)ν 『プロ入り第4号はレフトスタンド上部への特大ホームランだァァ!』
(; ̄∀ ̄) やっちまった!
(`∠´*) (うひょうひょ〜ホントに打っちゃたよ!)
- 140 :有頂天ルーキー:2010/08/10(火) 02:19:49 ID:TSAD9z4c0
- ( `v´) さぁ今日のヒーローは3打席連続ホームランを放った部留選手です!
(`∠´) ども
ワー!ワー!キャー!キャー!
( `v´) どうです、初めてのお立ち台の感想は?
(`∠´) 最高っすね、でも俺はもっと上を目指してますんで
( `v´) さすが大物ルーキー、言うことがビックですね
しかし今日のホームランすごかったですね、急にどうしたんですか打撃開眼ってやつですか?
(`∠´) まぁ本気だしたまでですよ
( `v´) ということは今まで手を抜いてたと?
(`∠´) 手を抜いてたというか、遠慮してたんすかね、やっぱ大先輩たちの前で委縮しちゃったのかな
( `v´) なるほど、そういうことですか、それでは最後にファンのみなさんに一言!
(`∠´)b 俺のようになれ!以上!
( `v´) 今日のヒーローは部留選手でした!どうもありがとうございました!
<ワー!ワー!カッコイイ! キャー!キャー!
- 141 :有頂天ルーキー:2010/08/10(火) 02:22:41 ID:TSAD9z4c0
- BAR バロ巣
(`∠´*) いやあ、ありがとうございます!喪鬱さんのおまじないのおかげで愉快ですよ!
('A`) それは良かった、ワタシも嬉しいですよ
(`∠´*) この調子で行けばホームランの日本記録もそうだけど世界記録も狙えるかも……
(´∠`*) グフフ……
('A`) それはそうと部留さん、ひとつ守ってもらいたいことがあるのです
(`∠´*) なんすか?
('A`) 絶対に監督のサインを無視しないでほしいのです
(`∠´*) サインすか
('A`) そうです、それだけを守ってくだされば結構です、約束ですからね
(`∠´*) ……わかりました
- 142 :有頂天ルーキー:2010/08/10(火) 02:24:35 ID:TSAD9z4c0
- 次の試合 シベリアVS横浜 6回裏 4-2
7番〜ファースト〜部留〜
(ν・ω・)ν 『ノーアウト1塁の場面で部留の登場です、部留はここまで2打数2安打1ホームランです』
(`∠´) (さぁここで一発かましてやる!)
(`∠´) ん?
,.:-一;:、
ミ;;:;,. _,.;:゙ミ
,r(・ω・` )
ツィー=ニ彡' サッサッサ
l つと ノ
u‐―u'
(`∠´) ……
(`∠´) (バントか…)
- 143 :有頂天ルーキー:2010/08/10(火) 02:27:08 ID:TSAD9z4c0
- (ν・ω・)ν 『清水、好調の部留を抑えることができるか!?』
ヽ ̄ヘ ̄ノ ビュ!
(ν・ω・)ν 『振りかぶって投げた!』
(`∠´) コン
(ν・ω・)ν 『おーっとここは送りバントだった』
<アウトー
(`∠´) (これでいいんだろ……)
(=゚д゚) なんだお前、やればできるじゃないか
(`∠´) ふん
- 144 :有頂天ルーキー:2010/08/10(火) 02:28:48 ID:TSAD9z4c0
- ―――その後も部留の好調は続いた
中日戦 岩瀬
(`∠´) カキーン!
(;ヽ`_´) カハ!
(*ν・ω・)ν 『サヨナラホームランだァァ!』
巨人戦 西村
(`∠´) カーン!
<・`血´・> あちゃ〜
(*ν・ω・)ν 『第15号スリーランホームラン!』
阪神戦 金村
(`∠´) カッキーン!
::[ 。∩∀^]゚。 ああああ!!
(*ν・ω・)ν 『第20号ホームラン!部留の勢いは止まりそうにありません!』
(`∠´*) (ククク、俺ってやっぱ天才だな……)
- 145 :有頂天ルーキー:2010/08/10(火) 02:29:55 ID:TSAD9z4c0
- ―――そして前半戦最後の試合、ヤクルトとの天王山!
(ν・ω・)ν 『さぁ待ちにまったヤクルトとの天王山!いやぁ楽しみですね!』
5番〜ファースト〜部留〜
(ν・ω・)ν 『2回の裏、最初のバッターは部留です!』
(`∠´) ザッザッザ
(ν・ω・)ν 『部留はここまでホームラン21本、打点は52打点、打率は3割1分7厘、3冠王も十分狙えます』
(`∠´) クイ
(*ν・ω・)ν 『おおっとバットをレフト方向へ向けています!予告ホームランだ!』
(*‘ー‘) ふん
(ν・ω・)ν 『マウンドの石川はどういう気持ちでこの予告ホームランを見てるのでしょうか?』
(*‘ー‘) (打たれてたまるかよ) バサ
(ν・ω・)ν 『石川振りかぶった!果たして予告ホームランは達成できるのか!?』
(#‘ー‘) ビュ!
- 146 :有頂天ルーキー:2010/08/10(火) 02:32:27 ID:TSAD9z4c0
- (`∠´) カン!!
(`∠´) (行ったな……)
(*ν・ω・)ν 『ぬおおおおおお!弾丸ライナーがレストスタンドへ突き刺さった!』
(;‘ー‘) マジかよ……
(*ν・ω・)ν 『本当にホームランを打ちました!すごいすごすぎるぞ部留!』
(`∠´) ドンナモンダイ タッタッタ
(*ν・ω・)ν 『今ホームイン!シベリア先制です!』
<ワーワー!キャーキャー!
(`∠´*) ククク…
(=゚д゚) おい、あんまああいう真似すんな、失敗したらどうするんだ
(`∠´) 大丈夫っすよ、俺天才っすから
(=゚д゚) なにが天才だよ、馬鹿が…
- 147 :有頂天ルーキー:2010/08/10(火) 02:33:57 ID:TSAD9z4c0
- 8回の裏 1-2でヤクルトがリード
(ν・ω・)ν 『さぁノーアウトでランナーが出ました!ここで打席に立つのは……部留だ!』
(`∠´) ここで打てばヒーローだ
(;‘ー‘) ハァ…ハァ…
(ν・ω・)ν 『ここまで好投の石川、さすがに疲れの色が見えてきたか?』
(`∠´) さっ一発かっとばしてお立ち台と…ん?
,.:-一;:、
ミ;;:;,. _,.;:゙ミ
,r(・ω・` )
ツィー=ニ彡' サッサッサ
l つと ノ
u‐―u'
(`∠´;) (……ここでバントだと!?)
(`∠´;) (おいおいふざんけんなよ!ここは俺の逆転ホームランだろうが!)
- 148 :有頂天ルーキー:2010/08/10(火) 02:35:12 ID:TSAD9z4c0
- (ν・ω・)ν 『おっと部留は送りバントの構えをしました』
(`∠´;) (くそお…なんでだよ……)
<ブーブー!
(ν・ω・)ν 『観客席からブーイングが出ております』
(*‘ー‘) ビシュ!
(ν・ω・)ν 『石川投げた!』
(`∠´;) ……
('A`) 「絶対に監督のサインを無視しないでほしいのです」
(`∠´;) (知るかクソ!) カン!
(*ν・ω・)ν 『おおーっとバスターだ!』
(`∠´;) (入れ!)
(*ν・ω・)ν 『入るか入るか!?・・・・・・・入ったーー!!』
(`∠´*) (やったあああ!)
- 149 :有頂天ルーキー:2010/08/10(火) 02:36:35 ID:TSAD9z4c0
- (*ν・ω・)ν 『逆転ツーランホームラン!さすがです部留!』
(`∠´*) ククク・・・!
,.:-一;:、
ミ;;:;,. _,.;:゙ミ
,r(・ω・` ) おい部留よ
(`∠´*) なんすか監督?もしかして金一封すか!?
,.:-一;:、
ミ;;:;,. _,.;:゙ミ
,r(・ω・` ) なぜ私のサインを無視した、そんなんじゃお前な…
(`∠´) すいませんお説教ならあとでにしてください、俺今トイレ行きたいんで
,.:-一;:、
ミ;;:;,. _,.;:゙ミ
,r(・ω・`;) おい待て!
- 150 :有頂天ルーキー:2010/08/10(火) 02:38:24 ID:TSAD9z4c0
- (`∠´) あ〜あ、なんでホームラン打ったのに怒られなきゃいけないかねえ
(`∠´) 今このチームで、いやこのプロ野球界で一番期待されてる俺にバントのサインなんか出すんじゃねーよ
ジャー…
(`∠´) ふうすっきりした
('A`) 部留さん
(`∠´;) 喪鬱さん!?なんでここに!?
('A`) あなたワタシとの約束破りましたね
(`∠´;) でもファンは俺の豪打に期待してるんすよ!?そんな俺にバントのサインを出す監督が間違ってるんすよ!
('A`) 言い訳なんか聞きたくありません、約束を破るとどうなるか思い知るがいい
m9('A`)
ド―――m9('∀`)―――ン!!
( ∠ ;) ああああああああああ!!!!!!
- 151 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/08/10(火) 02:45:34 ID:JtOB.H1g0
- なんか久々にドーンされろっておもた
- 152 :有頂天ルーキー:2010/08/10(火) 02:50:44 ID:TSAD9z4c0
- (`∠´;) ううう…
(=゚д゚) どうした?顔色悪いぞ
(`∠´;) いやなんでもないっすよ…(頭がクラクラする…)
(ν・ω・)ν 『カウントは2−3、小関粘ります!』
( ~ε~ ) カキーン!
(ν・ω・)ν 『ファール!痛烈な打球がシベリアベンチへ飛んで行きます』
(`∠´;) (小関さん粘るなぁ……ん?)
三三三○ ビュ−ン!
(`○´) バン!
(×L×;) ギニャーー!!
(;ν・ω・)ν 『ああっと!?小関の打った打球がベンチに居た部留の顔面に激突したァァ!』
(×L×;) 鼻が…鼻がぁ……
('A`) 天狗の鼻が折れたのでこれで少しは謙虚になるのではないでしょうか?
('∀`) オーホッホッホッホ・・・・・・ 「('∀`)鬱ナせぇるすまん」 有頂天ルーキー 完
- 153 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/08/10(火) 02:52:47 ID:TSAD9z4c0
- 今回はこれで以上です
プロ野球選手のAAを探すのは色々と大変でしたねww
質問、指摘等あればお願いします
- 154 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/08/10(火) 04:03:51 ID:O/hJ7XgU0
- ギニャーきたwwwww お疲れさま!
- 155 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/08/10(火) 04:11:59 ID:8oxJMoPg0
- `・+。*・ (´・ω・`)
。*゚ 。☆―⊂、 つ 細かいようだが聞いてくれる?
。*゚ : ヽ ⊃
`+。**゚**゚ ∪~
天狗の鼻が折れるってのはいい案だけど、精神的に追い詰められるって描写が全くなくて残念だった
堕ちて当然って思えるキャラだけに、底辺まで突き落とされる描写があれば、もっとスカッとしたと思う
もっと「ざまぁwww」って思いたかった
- 156 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/08/10(火) 05:14:49 ID:JtOB.H1g0
- ベルざまぁwwwwwwww
乙!
- 157 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/08/10(火) 16:07:57 ID:tgXZnpzo0
- >>155
たしかに今回は精神的に追い込まれてるシーンが無かったですね
すごく嫌な奴だった割にはオチが甘かったですし
ご指摘ありがとうございます
- 158 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/08/11(水) 03:24:47 ID:1HYzAtbY0
- 今回の話だと
監督の采配に服従
成績は残すが回りに監督の犬と嘲笑される
週刊誌にもそのように書かれる
俺は犬じゃない、成績の為だと悩む
約束破る
ド―――m9('∀`)―――ン!!
狂って監督からも捨てられる
このくらい堕ちるかなと思ったら、鼻折れておしまいで拍子抜けした
あくまで1読者の意見ですが、参考にしてくれたら幸いです
- 159 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/08/12(木) 21:25:01 ID:pEcQ2hzM0
- >>158
その展開良いですね
参考になります、ありがとうございました
- 160 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/08/14(土) 02:45:57 ID:puykYalk0
- 私の名前は喪鬱毒造、人呼んで鬱なセールスマン
ただのセールスマンじゃございません
私が取り扱うのは“ココロ” 人のココロでゴザイマス・・・
『('∀`)鬱ナせぇるすまん』
ブーン系小説総合スレ 【 裏 】 まとめ(仮)さん
http://sogomatome.blog104.fc2.com/blog-entry-467.html
まとめさんありがとうございます
- 161 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/08/14(土) 02:46:56 ID:puykYalk0
- この世は老いも若きも男も女もココロの寂しい人ばかりそんなみなさんのココロのスキマお埋めします
いえお金は一銭もいただきませんお客様が満足されたら、それがなによりの報酬でゴザイマス・・・
さて今日のお客様は・・・
( ‘∀‘) 行ってらっしゃ〜い
(・∀ ・) 行ってきます
(・∀ ・) 宇和木 またんき 23歳 会社員
【画面越しの不倫】
オーホッホッホッホ・・・
- 162 :画面越しの不倫:2010/08/14(土) 02:48:19 ID:puykYalk0
- 会社にて
( `v´) あ〜やっと仕事終わった〜!
リハ*゚ー゚リ ねぇ飲みにいきましょうよ!
( `v´) 良いね!行こう行こう!
(・∀ ・) ……
( `v´) 宇和木も来るか?
(・∀ ・) 僕はいいよ、カミさん待ってるし
( `v´) そうだよな、お前にはカミさんが居るからな
リハ*゚ー゚リ 新婚だからラブラブね!
(・∀ ・) お前らだけで楽しんでこいよ
( `v´) そうか
リハ*゚ー゚リ 奥さんによろしくネ!
(・∀ ・) ……
- 163 :画面越しの不倫:2010/08/14(土) 02:50:10 ID:puykYalk0
- 帰宅中
(・∀ ・) ハァ…… トボトボ
`ハリ*^ω^ハ(∴゚ з゚ ) イチャイチャ
(・∀ ・) ちら
(*б∀б)(・↓・*) イチャイチャ
(・∀ ・) ハァ、どいつもこいつも…
('A`) オーホッホッホ、そんなにアベックが気になりますか?
(;・∀ ・) え!?い、いや別に気になんないですよ!
('A`) そうですかぁ
三三三('A`) トコトコ
(;・∀ ・) (なんだ今の人は……)
- 164 :画面越しの不倫:2010/08/14(土) 02:52:01 ID:puykYalk0
- (・∀ ・) ただいま〜
( ‘∀‘) おかえりなさい
(・∀ ・) いや〜疲れたよ
( ‘∀‘) お疲れ様、ご飯出来てるよ、それとも先にお風呂にする?
(・∀ ・) メシにしようかな
( ‘∀‘) それじゃあ着替えてきて
(・∀ ・) わかった
- 165 :画面越しの不倫:2010/08/14(土) 02:53:22 ID:puykYalk0
- 朝
( ‘∀‘) 今日は帰りはいつも通り?
(・∀ ・) ん、いや今日は会社の飲み会なんだ、だから先に寝てていいよ
( ‘∀‘) そうなの、わかったわ、あんまり飲みすぎないようにね
(・∀ ・) わかってるよ、じゃあ行ってくるね
( ‘∀‘) 行ってらっしゃい!
バタン
(・∀ ・) ハァ……
('A| ジーッ……
- 166 :画面越しの不倫:2010/08/14(土) 02:56:23 ID:puykYalk0
- 会社
(・∀ ・) なぁ、今日は久々に飲みに行かないか?
( `v´) すまんな、今日は用事があるんだよ
(・∀ ・) そうなのか…どういう用事?
( `v´) 彼女とデートさ
(・∀ ・) あぁそれならしょうがないな
リハ*゚ー゚リ かわりに私が付き合ってあげようか?
(;・∀ ・) いや遠慮しとくよ
( `v´) お前結婚してるんだから飲みに行かないで早く帰ってやれよ
リハ*゚ー゚リ そうだよ宇和木くん、奥さん寂しがらせちゃダメだよ
(;・∀ ・) そうだよね、アハハ
- 167 :画面越しの不倫:2010/08/14(土) 02:59:15 ID:puykYalk0
- 家の近所の公園にて
(*・∀ ・) プシュッ、ごくごく、プハー
(・∀ ・) あ〜あ、結局誰とも飲みに行けなかったな……ハァ……
('A`) 一人で寂しく酒盛りですかぁ
(;・∀ ・) あ、あんたは昨日の!?ほっといてくれよ!
('A`) そんなところで一杯やってもさみしいだけですよ
どうです?ワタシと飲みませんか?
(;・∀ ・) 誰があんたみたいな人と飲むか!
('A`) そうですか、しかしここで飲んでると近所で変な噂がたつかもしれませんよ
(;・∀ ・) 変な噂?
('A`) 夜の公園で一人晩酌なんて普通ではありませんからねぇ
あの家庭はうまくいってないのではないかと思われても知りませんよ
(;・∀ ・) う……!たしかに
- 168 :画面越しの不倫:2010/08/14(土) 03:01:10 ID:puykYalk0
- BAR バロ巣
(・∀ ・) 今のカミさんとは高校時代から付き合ってましてね
('A`) ほう、そんな前から
(・∀ ・) それで大学卒業を機に籍を入れたんですよ
('A`) なるほど
(・∀ ・) しかし今はそのことを後悔してるんです
('A`) ほう、今の生活のどこに不満があるのですか?
(・∀ ・) 不満というより退屈なんです
('A`) なるほど
(・∀ ・) 会社の同僚とかは仕事が終わったあと飲み会やら女の子とデートやらなんかしてるのに
僕の場合はカミさんがいるからまっすぐ帰らなきゃいけないんですよ
なんか毎日同じでつまんなくて……
('A`) 要するにもっと遊びたいということですね
- 169 :画面越しの不倫:2010/08/14(土) 03:02:53 ID:puykYalk0
- (・∀ ・) まぁ平たく言えばそうですね
('A`) 遊べばいいじゃないですか、飲み会とかコンパとか
(・∀ ・) 無理言わないでくださいよ、僕には妻がいるんですよ
ましてや合コンなんて無理ですよ
('A`) オーホッホッホ、宇和木さん、実はワタシはこういう者なんです サッ
(・∀ ・) ココロのスキマお埋めします、喪鬱毒造…
('A`) セールスマンなんですよ、まぁお金は一銭も取らないのでボランティアみたいなものですが
(・∀ ・) はぁ
('A`) 宇和木さんに女性を紹介してあげましょう
(;・∀ ・) な、なに言ってるんですか!?結構ですよ!
- 170 :画面越しの不倫:2010/08/14(土) 03:04:50 ID:puykYalk0
- ('A`) 遊びたいのでしょ?
(;・∀ ・) それじゃあ不倫になっちゃうでしょうが!
('A`) それが大丈夫なのですよ宇和木さん。マスター、宇和木さんにウォッカを
( ´W`)つ□ タン
(;・∀ ・) どうも
('A`)つ■ これです、宇和木さん
(;・∀ ・)つ■ ニンテンドーDSじゃないですか、これがどうしたんです パカ
|゚ノ ^∀^) 『ハロー』
(;・∀ ・) うわっ!?
('A`) オーホッホッホ
(;・∀ ・) これレモプラスじゃないですか!?もしかしてこれを僕にやれと?
- 171 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/08/14(土) 03:08:28 ID:XsBOan5M0
- 支援
- 172 :画面越しの不倫:2010/08/14(土) 03:08:45 ID:puykYalk0
- ('A`) そうです、これなら不倫にならず堂々と女性と遊べますよ
(#・∀ ・) ふざけないでくださいよ!こんなギャルゲーやれるか!
('A`) そう偏見を持たずやってみてください
|゚ノ ^∀^) 『そうよ!ギャルゲーだからって馬鹿にしないで!』
(;・∀ ・) で、でも……
('A`) 宇和木さん、やってみるのです
(;・∀ ・) う…
m9('A`) やるのです
m9(゚A゚) ドーーーーン!!
- 173 :画面越しの不倫:2010/08/14(土) 03:10:28 ID:puykYalk0
- 帰宅後、自宅の書斎にて
(・∀ ・) パカ
|゚ノ ^∀^) 『ハロー宇和木くん、今日はなにする?』
(・∀ ・) なにするって言われてもなぁ、とりあえず食事で
|゚ノ ^∀^) 『お食事?良いですわね!行きましょ!』
(・∀ ・) なににする?やっぱフランス料理とか?
|゚ノ ^∀^) 『宇和木くんとならなんでもOKですわ!』
(・∀ ・) そ、そうなの?
|゚ノ ^∀^) 『だって宇和木くんとならなにを食べても美味しいですから』
(*・∀ ・) (い、意外と良いじゃんレモプラス……)
ガチャン
( ‘∀‘) あらあなた何してんの?
(;・∀ ・) ななななんでもないよ!!
( ‘∀‘) そう、ならいいけど
(;・∀ ・) (あぶねえあぶねえ……)
(*・∀ ・) (へへへ、レモナちゃん可愛いな……)
- 174 :画面越しの不倫:2010/08/14(土) 03:12:07 ID:puykYalk0
- 会社にて
(・∀ ・) にこにこ
( `v´) おいおい宇和木、なんか今日は機嫌が良いな
(・∀ ・) まあな
リハ*゚ー゚リ 奥さんとなんかいいことあったのぉ?
(・∀ ・) まあそんな感じかな
キーンコーンカーンコーン
( `v´) あっ、終業のチャイム
(・∀ ・) さぁ帰るか ガチャ
三三三(・∀ ・) お先に失礼〜
( `v´) 帰るのはえ〜
リハ*゚ー゚リ よっぽど奥さんに逢いたいのね、うふふ
- 175 :画面越しの不倫:2010/08/14(土) 03:14:56 ID:puykYalk0
- (・∀ ・) ただいま!
( ‘∀‘) あら今日は早いのね、どうして?
(・∀ ・) そりゃお前に早く逢いたいからさ
(;‘∀‘) なに柄にもないこと言ってんのよ!
(*‘∀‘) ……でも嬉しいわ!
(・∀ ・) あ〜腹減った、先にメシ食おうぜ
(*‘∀‘) あなたが早すぎるからまだ出来てないのよ、ちょっと待っててね
- 176 :画面越しの不倫:2010/08/14(土) 03:16:41 ID:puykYalk0
- (・∀ ・) うい〜、ごちそうさま、相変わらずお前の料理は旨いな
( ‘∀‘) どういたしまして
(・∀ ・) 僕はちょっと書斎で調べごとするから入ってこないでね
( ‘∀‘) 仕事?
(・∀ ・) そうそう、今度の会議の資料作らなきゃならないんだ、大変だよほんと
( ‘∀‘) そうなの、頑張ってね
(・∀ ・) うん
- 177 :画面越しの不倫:2010/08/14(土) 03:19:22 ID:puykYalk0
- ガチャン
(・∀ ・) さあてレモナちゃんと遊ぼ カチ
|゚ノ ^∀^) 『ハロー!』
(・∀ ・) ハローレモナちゃん、今日も仕事疲れたよ
|゚ノ ^∀^) 『お疲れ様ですわ!』
(*・∀ ・) でもレモナちゃんを見てたら疲れた吹っ飛んじゃったよ…
|゚ノ ^∀^) 『お世辞がうまいですわね!』
(*・∀ ・) えへへ
|゚ノ ^∀^) 『あのさ、宇和木くん』
(・∀ ・) なんだい?
|゚ノ*^∀^) 『キスしてほしいの……』
(;・∀ ・) えっ!?
- 178 :画面越しの不倫:2010/08/14(土) 03:20:45 ID:puykYalk0
- |゚ノ*^∀^) 『……』
ナレーション:レモナの口にタッチしてください
(;・∀ ・) なるほど、タッチパネルにタッチか…
(*・∀ ・) タッチ……
|゚ノ*^∀^) 『くすぐったいですわ!』
(*・∀ ・) あっゴメン!慣れてないから
|゚ノ*^∀^) 『でも嬉しいですわ!うふふ』
(*・∀ ・) レモナちゃん可愛いな…
(*・∀ ・) (これは喪鬱さんに感謝しなきゃな……)
- 179 :画面越しの不倫:2010/08/14(土) 03:23:18 ID:puykYalk0
- 数日後 BAR バロ巣
(・∀ ・) 喪鬱さん、レモプラスを紹介してくれてありがとうございます!
('A`) 喜んでいただけてワタシも嬉しいですよ
(・∀ ・) 僕はちょっと偏見を持ってましたよ、ああいうゲームに
でもやってみるとすごい良いですね、やみつきですよ
('A`) 宇和木さん、熱中しぎて家庭を疎かにしてはいけませんよ
(・∀ ・) 大丈夫ですよ
('A`) たとえ不倫にはならないといっても家庭をないがしろにするのはいけませんからね
(・∀ ・) そうですよね
('A`) 以前レモプラスが原因で人生がめちゃくちゃになった人をワタシは知ってますのでね
宇和木さんにはそうはならないでほしいのですよ
(・∀ ・) わかりました…
- 180 :画面越しの不倫:2010/08/14(土) 03:27:18 ID:puykYalk0
- (・∀ ・) ただいま
( ‘∀‘) おかえり、ご飯は…
(・∀ ・) メシは食ってきたからいいや
( ‘∀‘) そう…
(・∀ ・) 調べ物があるから書斎には入らないでくれよ
(;‘∀‘) またなの、ここ最近仕事ばっかじゃない!
(・∀ ・) しょうがないだろ、夏は忙しいんだよ
(;‘∀‘) そうだけど…
(;・∀ ・) ああ、急がなきゃ!それじゃあ!(ああ早くレモナちゃんに逢いたい…)
(;‘∀‘) うん…
- 181 :画面越しの不倫:2010/08/14(土) 03:29:39 ID:puykYalk0
- 次の日 会社の屋上にて
(・∀ ・) ピコピコ
|゚ノ*^∀^) 『やっぱ野球は生で見るのが一番ですね!』
(*・∀ ・) そうだね。でも僕はレモナちゃんばっか見てたから試合がどうなったか覚えてないんだ
|゚ノ*^∀^) 『実は私も宇和木くんが気になって試合など見てませんでしたわ』
(*・∀ ・) レモナちゃん、愛してるよ…
|゚ノ*^∀^) 『私もですわ宇和木くん…』
( `v´) なにが愛してるよ、だよ
(;・∀ ・) ちょっ!?お前聞いてたのか!?
( `v´) 聞いてたよ、奥さんと電話してたんだろ、羨ましいねぇ新婚は
(;・∀ ・) えっ、あうん
(;・∀ ・) (ホッ、レモプラスのことはバレてない…)
- 182 :画面越しの不倫:2010/08/14(土) 03:32:14 ID:puykYalk0
- (;・∀ ・) ああ仕事忙し!
ぷるるるるる…
(;・∀ ・) ガナーから電話だ ピッ
(・∀ ・)】 もしもし?
「もしもし?仕事中ごめんなさい」
(;・∀ ・)】 手短に頼むよ、今忙しいから!
「ねぇ今日は早く帰って来れるの?」
(;・∀ ・)】 今日も残業なんだよ、すまない
「今日ぐらい早く帰ってきてよ!だって今日は……」
(;・∀ ・)】 ああもう急がなきゃいけないからもう切るよ! ピ!
(;・∀ ・) ふう……
(*・∀ ・) (早く仕事終わらせてレモナちゃんと……ぐふふ……)
- 183 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/08/14(土) 03:32:37 ID:rHBUyHdAO
- こんな時間にwww
支援
- 184 :画面越しの不倫:2010/08/14(土) 03:34:46 ID:puykYalk0
- 近所の公園にて
(*・∀ ・) レモナちゃん、観覧車から見る街の景色は綺麗だろ
|゚ノ*^∀^) 『美しいですわ、どんな宝石よりも綺麗……』
(*・∀ ・) レモナちゃん……
(*・∀ ・) ん?
選択肢・プロポーズする ←
プロポーズしない
(*・∀ ・) これはもちろんプロポーズだろ!
ザッザッザッザッ
('A`) 宇和木さん
- 185 :画面越しの不倫:2010/08/14(土) 03:38:20 ID:puykYalk0
- (・∀ ・) あ、喪鬱さん
('A`) あなたは公園でなにをしてるのですか
(*・∀ ・)つ■ 最近公園でレモプラスをすることにハマってるんです、見てください、今プロポーズするところで……
('A`)つ■ これは返してもらいますよ パシッ
(;・∀ ・) ちょっとなにするんですか!?
('A`) ワタシは忠告したはずですよ、決して家庭を疎かにするなと
(;・∀ ・) してないですから!そんなことよりレモ……
('A`) 今日は何の日か覚えてないのですか?
(;・∀ ・) 今日ですか?
(;・∀ ・) ……結婚記念日!?
('A`) そうです、あなたは夫婦の大事な日を投げ捨てレモプラスを優先したのです
(;・∀ ・) でもそれは……
m9('A`) 言い訳は聞きません
ド―――m9('∀`)―――ン!!
(; ∀ ) ぐわああああああああ!!!!!!
- 186 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/08/14(土) 03:43:48 ID:XsBOan5M0
- 支援
- 187 :画面越しの不倫:2010/08/14(土) 03:52:08 ID:puykYalk0
- (;・∀ ・) はぁはぁ…… ピンポーン
ガチャン ( ‘∀‘) はいはーい
(;・∀ ・) ただいま、いやぁ予想以上に残業が早く終わってね、急いで帰ってきたよ
( ‘∀‘) ……
(;・∀ ・) 今日は結婚記念日だろ?早く祝おうよ!
( ‘∀‘) あの、どちら様ですか?
(;・∀ ・) は?
(ν・ω・)ν どうした?
(;‘∀‘) ちょっとあなた、なんかおかしい人が来てるんだけど
(;・∀ ・) おい待ってよここは僕の家だし、ガナーは僕の奥さんじゃないか!
(;‘∀‘) この人頭おかしいんじゃないの?
(#ν・ω・)ν いい加減にしろよ!ここ俺の家だしガナーは俺の嫁だ!これ以上変な言いがかりつけたら警察よぶぞ!
ガチャン!!
(;・∀ ・) おい!おいったら!
(; ∀ ) どうして……なんで…ここは僕の家のはずなのに…なにがなんだかわからない……
- 188 :画面越しの不倫:2010/08/14(土) 03:53:23 ID:puykYalk0
-
('A`) 奥さんのことを本当に愛していたなら遊びたいという気持ちなどこれっぽちも湧かないはずですけどねぇ
('∀`) オーホッホッホッホ・・・・・・ ('∀`)鬱ナせぇるすまん 【画面越しの不倫】
- 189 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/08/14(土) 03:55:25 ID:puykYalk0
- 支援ありがとうございます
指摘、質問等あればお願いします
- 190 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/08/14(土) 16:47:06 ID:78pTe9020
- 前回のと今回の落ちが逆のほうがよかったのは気のせいか…?
- 191 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/08/14(土) 18:54:43 ID:Bv6JDuaE0
- 前回のオチは反省材料ですね……
- 192 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/08/14(土) 18:56:25 ID:Bv6JDuaE0
- 私の名前は喪鬱毒造、人呼んで鬱なセールスマン
ただのセールスマンじゃございません
私が取り扱うのは“ココロ” 人のココロでゴザイマス・・・
『('∀`)鬱ナせぇるすまん』
ブーン系小説総合スレ 【 裏 】 まとめ(仮)さん
http://sogomatome.blog104.fc2.com/blog-entry-467.html
まとめさんありがとうございます!
- 193 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/08/14(土) 18:58:42 ID:Bv6JDuaE0
- この世は老いも若きも男も女もココロの寂しい人ばかりそんなみなさんのココロのスキマお埋めします
いえお金は一銭もいただきませんお客様が満足されたら、それがなによりの報酬でゴザイマス・・・
さて今日のお客様は・・・
/*゚、。/ パスだし!
(*^^ω) 可愛いホマ…
( ^^ω) 呂李井 ホマ太 25歳 フリーター
【歪んだ愛情】
オーホッホッホ・・・・・・
- 194 :歪んだ愛情:2010/08/14(土) 19:01:22 ID:Bv6JDuaE0
- 公園にて
リコ*○ー○)リ シュートじゃ!
/ ゚、。;/ ちょっ!速過ぎだし!
リコ*○ー○)リ スーちゃんがトロすぎるんじゃ!
(*^^ω) ……
/*´、、/ おかえしだし! ブン!
/ ゚、。;/ 空振りだし!
リコ*○3○)リ ぶぅー!ほんまドンくさいのう!
(*^^ω) (可愛過ぎだホマ……)
('A`) オーホッホッホ、何をしてるのですか
- 195 :歪んだ愛情:2010/08/14(土) 19:02:29 ID:Bv6JDuaE0
- ( ^^ω) あそこで玉蹴りをしてる女の子たちを見てるホマ
('A`) 見たところに小学校1,2年生ですねぇ
( ^^ω) そうですホマ、可愛いと思いませんか?
('A`) そうですねぇ
/*´、、/ 次は空振らないし〜
リコ*○ー○)リ どうじゃがのう
('A`) まるで自分の子を見てるような気持ちなのですか?
( ^^ω) いやそれとはまた違う……
('A`) つまりお兄さん
(゚A゚) ロリコン・・・!
(;^^ω) ちょ!ストレートすぎだホマ!
- 196 :歪んだ愛情:2010/08/14(土) 19:04:21 ID:Bv6JDuaE0
- ('A`) いやいやすいません。実はワタシこういう者なんです サッ
( ^^ω) ココロのスキマをお埋めします……なんですかこれ?
('A`) まぁ、一種のボランティアみたいなものです、オーホッホッホ…
( ^^ω) ボランティアねぇ…
Σ(;^^ω) あっ!?
シ―――ン・・・・・・
(;^^ω) いない!?女の子たちがいない!
(#^^ω) どうしてくれるんですか!あなたと話してたら女の子たち帰っちゃったじゃないですか!
('A`) すいません、でも大丈夫ですよ、安心してください
(#^^ω) なにが大丈夫なんですか!
('A`) それはいずれわかりますよ、ではワタシは仕事がありますので
(#^^ω) ちょっと待って!……行っちゃったホマ
- 197 :歪んだ愛情:2010/08/14(土) 19:05:24 ID:Bv6JDuaE0
- 次に日 家にて
( ^^ω) 昨日のおっさんは何だったんろうなぁ
( ^^ω) ふぁ〜、今日はバイトが無いから暇だホマ
ピンポーン
( ^^ω) ん?誰ホマ?
( ^^ω) ホマホマ、今開けるホマ
ガチャ
/*´、、/ こんにちはだし!
Σ(;^^ω) うわああ!?
/ ゚、。;/ どうしたんだし!?大丈夫かし?
(;^^ω) な、な、なんでうちに!?
/*´、、/ 公園で遊んでたら黒い服のおじさんがここの家のお兄ちゃんが遊んでくれるって教えてくれたんだし!
(;^^ω) (黒い服のおじさん…喪鬱さんのことか)
- 198 :歪んだ愛情:2010/08/14(土) 19:06:31 ID:Bv6JDuaE0
-
/*゚、。/ なにして遊ぶかし?
( ^^ω) なにするって言われもなぁ……アニメ好き?
/*´、、/ 大好きだし!
( ^^ω) じゃあドラえもんの映画でも一緒に見るホマ
/*´、、/ ドラちゃん見たいし見たいし!
(*^^ω) (うはは、なんて可愛いんだ!まるで天使だ!)
- 199 :歪んだ愛情:2010/08/14(土) 19:07:50 ID:Bv6JDuaE0
- /*´、、/ 面白かったし!
(*^^ω) やっぱ雲の王国はドラえもんシリーズの最高傑作だホマ
/*゚、。/ でも声がおかしかったし
( ^^ω) 昔はこれが普通だったんだよ
/*´、、/ 次だし!また違うのが見たいし!
(*^^ω) まだまだたくさんあるよ!次は「魔界大冒険」を見ようね!
/*´、、/ 見るし〜
( ^^ω) ところで君の名前はなんて言うの?
/*゚、。/ 鈴木ダイオードだし!
(*^^ω) 良い名前だね、じゃあ見ようか
- 200 :歪んだ愛情:2010/08/14(土) 19:09:06 ID:Bv6JDuaE0
- / ;、./ 怖かったし!
(*^^ω) ちょっと刺激が強かったかな
/ ;、./ 今日は一人でおトイレ行けないし〜 ギュッ!
(;^^ω) うわ!?(抱きつかれた!)
/ ;、./ ぎゅ〜〜〜
(*^^ω) ううう……
(*^^ω) (最高だホマ!喪鬱さんありがとうございます!)
- 201 :歪んだ愛情:2010/08/14(土) 19:10:55 ID:Bv6JDuaE0
- /*う、、/ もう時間だから帰るし
(;^^ω) もう帰っちゃうの?
/*゚、。/ ママが心配するし
(;^^ω) じゃあしょうがないホマね
/*゚、。/ また遊んでだし!バイバイだし!
ガチャン
(*^^ω) ……
( ^^ω) まるで夢のような時間だったホマ
ピンポーン
( ^^ω) ん?また何か用か?
ガチャン
('A`) オーホッホッホ
(;^^ω) 喪鬱さん!?
- 202 :歪んだ愛情:2010/08/14(土) 19:11:58 ID:Bv6JDuaE0
- BAR バロ巣
( ´W`)
つ□と キュッキュッ
( ^^ω) いやあ喪鬱さんありがとうございます!楽しいひとときでした!
('A`) それはよかったですねぇ
(*^^ω) ダイオードちゃん可愛かったなあ……ああいう純粋無垢の子は良いですね
余計好きになっちゃいましたよ
('A`) 呂李井さん、あくまでワタシは遊び友達としてあなたの部屋に彼女を行かせたのです
余計な下心など抱かないほうがいいですよ
( ^^ω) さすがにそこはわきまえてますホマ、一緒にいるだけで良いんです
('A`) 手をだしては決していけませんからね、マスター、呂李井さんにウォッカを一杯
( ´W`)つ□ トン
- 203 :歪んだ愛情:2010/08/14(土) 19:14:13 ID:Bv6JDuaE0
- ―――その後もダイオードと遊ぶ日々が続いた
/*゚、。/ ウイイレ楽しいし!
(*^^ω) ダイオードちゃんはゲームが上手だなあ
/*`、、 / えっへんだし!
(*^^ω) もう一試合やる?
/*´、、/ 当たり前だし!つぎはユベントス使うし!
(*^^ω) ダイオードちゃんはイタリア好きだね〜、じゃあ僕はバイエルンかな
/*゚、。/ 胸を借りたつもりでかかってこいだし!
- 204 :歪んだ愛情:2010/08/14(土) 19:15:37 ID:Bv6JDuaE0
- ガチャン
/*`、、 / 今日も楽しかったし!
(*^^ω) 僕も楽しかったよ
/*゚、。/ また今度も相手にやるから覚悟しとけだし!
(*^^ω) わかったホマ
/*`、、 /ノシ ほいじゃバイバイだし〜
(*^^ω)ノシ またね〜
(*^^ω) (ふふふ、幸せ)
('A|
- 205 :歪んだ愛情:2010/08/14(土) 19:16:52 ID:Bv6JDuaE0
- ある日
ザー…… ザー……
( ^^ω) バイトが休みなのに雨とか最悪だホマ……
( ^^ω) 今日はさすがにダイオードちゃん来ないだろうなあ
( ^^ω) ……暇だ
ピンポーン!ピンポーン!
( ^^ω) 誰だろ?
ガチャン
/*`、、;/ もう最悪だし
(;^^ω) ダイオードちゃん!?
- 206 :歪んだ愛情:2010/08/14(土) 19:18:00 ID:Bv6JDuaE0
- / ゚、。;/ 雨のせいでビショビショだし!
(;^^ω) ……
/ ´、、;/ ああ!?雨に濡れて服が透け透けだし!
(;^^ω) (透けてる……)
(;^^ω) はぁはぁ…
/ ゚、。;/ 服が体にくっついて気持ち悪いし〜
(;^^ω) はぁはぁはぁはぁ……
/ ´、、;/ お兄ちゃんタオル……
(つ;^^ω)つ ガシィ!
/ ゚、。;/ う・・・!
(;^^ω) もうお兄ちゃん我慢できないよ!はぁはぁはぁ……
/ ゚、。/ ……触ったね
(;^^ω) え?
('A`) 呂李井さん
- 207 :歪んだ愛情:2010/08/14(土) 19:19:42 ID:Bv6JDuaE0
- (;^^ω) 喪鬱さん!?なんで此処に?
('A`) ワタシは言ったはずです、決して手を出すなと
(;^^ω) すいません!我慢できなかったんです!
('A`) あなたは人間として失格です
/*゚、。/ こいつ変態だし
(;^^ω) ダイオードちゃん…
('A`) あなたはココロを欲望に支配され女の子を乱暴しようとしました
人間として一番大切な理性というものが欠落しているのです
あなたは犬、猫、イノシシと同じ動物です
(;^^ω) なにする気だ!?
m9('A`) あなたは動物なのです
ド―――m9('∀`)―――ン!!
(; ω) うわああああああああ!!!!
- 208 :歪んだ愛情:2010/08/14(土) 19:30:07 ID:Bv6JDuaE0
- リコ*○ー○)リ 無回転シュートじゃ!
/*゚、。/ こんなの余裕だし! パシ
リコ*○ー○)リ おおトラップ上手くなったのう
/*`、、 / ダイオードはやれば出来る子だし!
(∪^^ω) わんわん!わんわん!
リコ;○ー○)リ うわ汚い犬じゃけぇ!
/*゚、。/ 汚れうつされるかもしれないし、帰ろうだし
リコ*○ー○)リ そうじゃのう
(;∪^^ω) わんわん!!わんわん!!
(;∪^^ω) くぅ〜……
('A`) 人間が他の動物と違い1番優れてるところは理性を保てるところです
だから呂李井さん、理性を保てないあなたはこれから犬として生きていってくださいね
('∀`) オーホッホッホッホ・・・・・・ 【歪んだ愛情】 完
- 209 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/08/14(土) 19:31:56 ID:Bv6JDuaE0
- 今回は以上です
質問、指摘等あればお願いします
- 210 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/08/14(土) 19:33:17 ID:MKr.ybyEO
- 乙
このダイオードはだしだしからのオマージュかい?
- 211 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/08/14(土) 19:34:34 ID:Bv6JDuaE0
- >>210
そうです
可愛かったので使わせていただきましたね
- 212 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/08/14(土) 20:24:13 ID:U5Kiv81go
- おつ
乙です
- 213 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/08/15(日) 01:52:40 ID:HtU4tNno0
- 乙っつ
- 214 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/08/15(日) 03:49:02 ID:IgrPCGgk0
- `・+。*・ (´・ω・`)
。*゚ 。☆―⊂、 つ まさかの2本立て…
。*゚ : ヽ ⊃ どちらも支援できなくてすいませんでした……
`+。**゚**゚ ∪~ おもしろかったです
- 215 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/08/20(金) 03:01:22 ID:dxJhvhZY0
- >>214
支援したいという気持ちだけでありがたいです
では投下します
- 216 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/08/20(金) 03:02:36 ID:dxJhvhZY0
- 私の名前は喪鬱毒造、人呼んで鬱なセールスマン
ただのセールスマンじゃございません
私が取り扱うのは“ココロ” 人のココロでゴザイマス・・・
『('∀`)鬱ナせぇるすまん』
ブーン系小説総合スレ 【 裏 】 まとめ(仮)さん
http://sogomatome.blog104.fc2.com/blog-entry-467.html
まとめさんありがとうございます!
- 217 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/08/20(金) 03:03:48 ID:dxJhvhZY0
- この世は老いも若きも男も女もココロの寂しい人ばかりそんなみなさんのココロのスキマお埋めします
いえお金は一銭もいただきませんお客様が満足されたら、それがなによりの報酬でゴザイマス・・・
さて今日のお客様は・・・
(ν・ω・)ν
(#【◎】) パシャ!
(#゚;;ー゚) (うふふ、ほわっちょ先輩かっこいい……)
(#゚;;-゚) 出井 映子 21歳 大学生
【初恋カメラ】
オーホッホッホッホ・・・・・・
- 218 :初恋カメラ:2010/08/20(金) 03:04:44 ID:dxJhvhZY0
- ≪シベリア商業大学構内≫
(#【◎】) パシャパシャ
(#゚;;-゚)つ□ ウィーン
「(ν・ω・)ν」
(#゚;;ー゚) (綺麗に写ってる…)
(#゚;;-゚)つ【◎】 もう一枚
(ν・ω・)ν
(#【◎】) (先輩動かないでくださいね…)
('A`) バァ!
(;#【◎】) うわっ! パシャ
- 219 :初恋カメラ:2010/08/20(金) 03:05:24 ID:dxJhvhZY0
- (;#゚;;-゚) 邪魔しないでくださいよ!なんなんですかあなたは!
('A`)つ□ どれどれ
('A`) オーホッホッホ、かっこよく撮れてますねぇ
(;#゚;;-゚) 無視しないでください!
('A`) すいません、ワタシはカメラを見るとついつい写りたくなるのですよ
(#゚;;-゚) 迷惑ですよ…
('A`) それはそうとどなたを撮影してたのですか?
(;#゚;;-゚) べ、別に誰だっていいじゃないですか!あなたには関係ないでしょ!
('A`) ひょっとしてお嬢さん
(゚A゚) ストーカー・・・!
(;#゚;;-゚) 違いますよ!!
- 220 :初恋カメラ:2010/08/20(金) 03:06:38 ID:dxJhvhZY0
- ('A`) オーホッホッホ、冗談ですよ
(#゚;;-゚) 冗談キツイですよ…
('A`) あなたはあそこの彼を撮ってたのですね、しかもこっそり
(ν・ω・)ν
(#゚;;-゚) ……ええそうです
('A`) いやあなかなかの色男ですねぇ
(#゚;;ー゚) あなたもそう思いますか!
('A`) お嬢さんと彼とはどういう間柄なんですか?
(#゚;;-゚) 大学の先輩後輩です、まぁ一言も会話はしたことはないですけど
('A`) そんな彼にあなたはぞっこんなわけですね
(#゚;;-゚) ええ
- 221 :初恋カメラ:2010/08/20(金) 03:07:33 ID:dxJhvhZY0
- (#゚;;-゚)つ□ 見てくださいこれを
('A`)つ□ ちいさなアルバムですね、どれどれ
「(ν・ω・)ν」「(;ν・ω・)ν」「(*ν・ω・)ν」「(ν‐ω‐)ν」
('A`) オーホッホッホ、あの人だらけですねぇ
(#゚;;-゚) いろんなほわっちょ先輩がいますよ
悩んでる先輩、はじらってる先輩、居眠りしてる先輩…
('A`) やはりあなたはストーカーですか?
(;#゚;;-゚) だから違いますって!
('A`) 失礼失礼、これは大学構内で撮られたものですか?
(#゚;;-゚) そうです
('A`) ホウ!
- 222 :初恋カメラ:2010/08/20(金) 03:08:39 ID:dxJhvhZY0
- ('A`) 実はワタシはこういう者なんです
(#゚;;-゚) ココロのスキマお埋めします、モウツドクゾウ?なにこれ?
('A`) ワタシはセールスマンなんです
(;#゚;;-゚) えっ!?大学の関係者じゃなかったの!?大丈夫なんですか勝手に入って?
('A`) ご心配なく、多分大丈夫です
(;#゚;;-゚) 多分って……
('A`) お嬢さん、あなたは大学構内のほわっちょさんだけで満足なんですか?
(#゚;;-゚) 満足ですけど
('A`) 大学の中のほわっちょさんではなくプライベートのほわっちょさんを見たいと思いませんか?
(#゚;;-゚) 見たいと言われれば見たいですね
('A`) だったら今週土曜日午前8時20分にシベリア駅へ行ってください、必ずカメラを持って
(;#゚;;-゚) な、どういうことですかそれ!?
('A`) おっともうこんな時間だ、それではワタシはこれで……
(;#゚;;-゚) ちょっと待ってください!
(;#゚;;-゚) 行っちゃった……
- 223 :初恋カメラ:2010/08/20(金) 03:09:28 ID:dxJhvhZY0
- 土曜 AM8:19 シベリア駅前
(#゚;;-゚) (あと1分か……)
(#゚;;-゚) (果たして本当に来るんだろうか…)
(#゚;;-゚) ん?
(ν・ω・)ν〜♪
(;#゚;;-゚) (来た!ホントに来た!)
('A`) 「今週土曜日午前8時20分にシベリア駅へ行ってください、必ずカメラを持って」
(;#゚;;-゚) (喪鬱さんの言うとおりになった!あの人はいったい何者?)
(#゚;;-゚)【◎】 と、とりあえず!
(#【◎】) パシャ
(#゚;;ー゚) うふふ、駅前のほわっちょさんかっこいいです
- 224 :初恋カメラ:2010/08/20(金) 03:10:23 ID:dxJhvhZY0
- ―――そして出井の尾行が始まった
(ν・ω・)ν(ΘωΘ)(・↓・) ワーワー
(#゚;;-゚) (草野球を始めましたね、まさか野球好きだとは…)
(ν・ω・)ν
(#゚;;-゚) 打席に立ってるあなたの姿、誰よりも輝いてますよ
(#【◎】) パシャ
(#ν・ω・)ν カッキーン
(#【◎】) 打った! パシャパシャ!
(*ν・ω・)ν (・↓・*) ワーワー
(#゚;;ー゚) (素敵すぎます先輩…)
- 225 :初恋カメラ:2010/08/20(金) 03:11:18 ID:dxJhvhZY0
- 三三(ν・ω・)ν
(#゚;;-゚) (次はどこ行くんだろう…)
三三(ν・ω・)ν |マクドナルド
(#゚;;-゚) (マックに入った……そうかもうお昼か…)
(;#゚;;-゚) てかお金持ってないし!どうしよう…
|(ν・ω・)νo|
(#゚;;ー゚) (窓際に座った!ラッキー!)
(#【◎】) ではさっそく
|(ν・ω・)νo|
(#【◎】) パシャパシャ
(#゚;;ー゚) (先輩の食事姿ゲットだぜ!)
- 226 :初恋カメラ:2010/08/20(金) 03:12:05 ID:dxJhvhZY0
- (ν・ω・)ν〜♪
(#゚;;-゚) (次はなにかな)
(ν・ω・)ν(`v´ )(б∀б ) ワーワー
(#゚;;-゚) (なんかの集団と合流した…なにを始めるんだろう?)
(ν・ω・)ν□ スイマセーン!恵まれない子供たちのために募金お願いしまーす!
( `v´)( б∀б) お願いしまーす
(;#゚;;-゚) (ぼ、募金!?慈善活動もしてたの!?)
(ν・ω・)ν□ お願いしまーす
(#【◎】) パシャパシャ
(#゚;;ー゚) (人間性も素敵です!)
- 227 :初恋カメラ:2010/08/20(金) 03:12:55 ID:dxJhvhZY0
- (#゚;;-゚) (先輩の写真いっぱい撮れちゃった)
(#゚;;ー゚) うふふ
('A`) オーホッホッホ、嬉しそうですねぇ
(#゚;;ー゚) 喪鬱さん!今日は本当にありがとうございました!
('A`) 喜んでくれましたか、教えた甲斐がありましたよ
(#゚;;ー゚)つ□ 見てください!今日はこんなに撮れたんですよ!
□⊂('A`)つ□ ほうたくさん撮れてますねぇ
(#゚;;ー゚) どうです!かっこよく撮れてるでしょ?
('A`) そうですねぇ、ほわっちょさんも良いですがあなたの撮影の腕もなかなかですよ
(#゚;;ー゚) カメラには自信がありますから!また今日みたいなこと教えてくださいね
('A`) いえ、プライベートのほわっちょさんを撮るのは今回きりにしてください
(;#゚;;-゚) そんな!もったいぶらずに教えてくださいよ!
('A`) お嬢さん、ワタシはあなたのことを考えて言ってるんですよ、これからは大学内のほわっちょさんで我慢してください
(;#゚;;-゚) わかりました…
- 228 :初恋カメラ:2010/08/20(金) 03:13:37 ID:dxJhvhZY0
- 数日後
(#゚;;-゚) ウィーン
(#゚;;ー゚) (買っちゃった買っちゃった!新しいカメラ買っちゃった!)
(#゚;;-゚) (これで早く先輩撮りたいなぁ…)
(#゚;;-゚) ん?
(ν・ω・)ν
(;#゚;;-゚) (先輩!?なんというタイミング!)
(;#゚;;-゚) (シャッターチャンス!でも…)
('A`) 「プライベートのほわっちょさんを撮るのは今回きりにしてください」
(;#゚;;-゚) (ええい構うもんか!こんなチャンス滅多にない!)
(#【◎】) パシャパシャ
- 229 :初恋カメラ:2010/08/20(金) 03:14:42 ID:dxJhvhZY0
- (ν・ω・)ν〜♪
(#【◎】) パシャパシャ
(#゚;;-゚) (いったいどこに行くんだろう……)
(;#゚;;-゚) (まさかデート!?まさかそんなはずは……)
(ν・ω・)ν〜♪
(;#゚;;-゚) (機嫌も良いし、デートかも…もしそうだったら私……)
(ν・ω・)ν(・↓・)
(;#゚;;-゚) (一緒に草野球してた人だ…)
(;#゚;;ー゚) (良かった女の人じゃなくて……)
(#゚;;-゚)つ【◎】(ではさっそく……)
(*ν・ω)(↓・*) チュッ
(#゚;;-゚)つ
, 川
, 【◎】 ガシャン
- 230 :初恋カメラ:2010/08/20(金) 03:17:19 ID:dxJhvhZY0
- ≪シベリア商業大学構内≫
(#;;;-;) うぐうぐ
('A`) だから大学の中だけにしなさいと忠告したではないですか
(#;;;-;) 喪鬱さん……まさか先輩に恋人が居たなんて……しかも男…
('A`) 失恋ってやつですねぇ
(#;;;-;) 喪鬱さん、私ダメです……もう生きていけません
('A`) なに言ってるのですか、あなたにはカメラがあるではないですか
(#;;;-;) カメラ…?
('A`) あなたは言ったはずですよ、カメラだけは自信があると
(#;;;-;) でも…
('A`) だからこれからはカメラで頑張ればいいじゃないですか
m9('A`)
ド―――m9('∀`)―――ン!!
(;# ;;- ) きゃああああああああ!!!!
- 231 :初恋カメラ:2010/08/20(金) 03:26:49 ID:dxJhvhZY0
- (#【◎】) ……
ミ,,゚Д゚彡`ハリ*^ω^ハ
(#【◎】) 来た! パシャパシャ!
(#゚;;ー゚) ククク、ニュー速ビッパーズのフサギコのスクープ写真ゲットだぜ!
ゴシップ誌『ホテルで密会3時間!日本代表FWと人気モデルの熱愛を激写!』
(#゚;;ー゚) ククク、有名人のスクープをバンバン撮ってやるんだから!
(#【◎】) パシャパシャ!
('A`) やはり彼女は撮影してるときが一番輝いてますなぁ
('∀`) オーホッホッホッホ・・・・・・ 【初恋カメラ】 完
- 232 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/08/20(金) 03:28:41 ID:dxJhvhZY0
- 以上です
書き溜めてたらこんな時間になってしまった
指摘、質問等は明日答えます
- 233 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/08/20(金) 07:20:27 ID:ZPyN3PscO
- たまにこういうマイルドなオチがあったり
そういう緩急もせぇるすまんの醍醐味だよな
乙乙、次も楽しみにしてるぜ
- 234 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/08/20(金) 12:23:48 ID:nRU6VUrI0
- ベルの回に出た野球の実況はゲイだったのか・・・
- 235 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/08/20(金) 22:41:06 ID:.Vj2TzdU0
- >>233
まさに魅力のひとつですね
鬱ナせぇるすまんでもそういう緩急を上手くつけていきたいです
>>234
実況してたほわっちょと今回のほわっちょは別人ですね
極力テンプレAAを使いたくないのでほわっちょとかのAAを使いまわしてます
- 236 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/08/21(土) 02:08:31 ID:I6snPbSU0
- `・+。*・ (´・ω・`)
。*゚ 。☆―⊂、 つ また支援できなかった…
。*゚ : ヽ ⊃
`+。**゚**゚ ∪~
- 237 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/08/26(木) 01:40:54 ID:DPH8c5/60
- 私の名前は喪鬱毒造、人呼んで鬱なセールスマン
ただのセールスマンじゃございません
私が取り扱うのは“ココロ” 人のココロでゴザイマス・・・
『('∀`)鬱ナせぇるすまん』
ブーン系小説総合スレ 【 裏 】 まとめ(仮)さん
http://sogomatome.blog104.fc2.com/blog-entry-467.html
まとめさんありがとうございます!
- 238 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/08/26(木) 01:43:12 ID:DPH8c5/60
- この世は老いも若きも男も女もココロの寂しい人ばかりそんなみなさんのココロのスキマお埋めします
いえお金は一銭もいただきませんお客様が満足されたら、それがなによりの報酬でゴザイマス・・・
さて今日のお客様は・・・
( ノAヽ) ハァ……
( ノAヽ) (どっか行きたいノーネ……)
( ノAヽ) 羽合 ノネ雄 29歳
【駅前リゾート】
オーホッホッホ・・・・・・
- 239 :駅前リゾート:2010/08/26(木) 01:45:56 ID:DPH8c5/60
- ガタンゴトン ガタンゴトン
( ノAヽ) ……
(;ノAヽ) (ラッシュアワー辛いノーネ、たまには仕事を休んでゆっくりしたいノーネ…)
(;ノAヽ) (はぁ、辛い…)
('A`) バギュ!
Σ(;ノAヽ) (痛だっ!!足踏まれたノーネ!)
('A`) バギュ〜
(;ノAヽ) (痛い痛い!やめてくれ!)
(;ノAヽ) (くそお、朝からついてないノーネ…)
次はトムスク〜トムスク〜
(;ノAヽ) (駅についた!これで解放されるノーネ!)
- 240 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/08/26(木) 01:46:55 ID:gf49Q4s60
- すきあり
- 241 :駅前リゾート:2010/08/26(木) 01:47:53 ID:DPH8c5/60
- ( ノAヽ) ホッ…通勤地獄から脱出できたノーネ
(;ノAヽ) でもこれから仕事だと思うと……すごい憂鬱なノーネ……
('A`) オーホッホッホ
Σ(;ノAヽ) あ、あなたは!?
('A`) さっきは足を踏んづけてしまいすいませんでしたねぇ
(;ノAヽ) べ、別に気にしてないノーネ、それじゃ急ぎますので……
('A`) ちょっと待ってください、実はワタシこういう者なんです
( ノAヽ) ココロのスキマお埋めします、喪鬱毒造?なんですかこりゃ?
('A`) セールスマンなんですよ、まぁお金は一円も取らないのでボランティアみたいなものですけどね
( ノAヽ) はぁそうなんですか
('A`) さっき足を踏んだお詫びをしたいのですよ
(;ノAヽ) お詫びなんて別に良いノーネ!早くしないと遅刻するノーネ!
('A`) そうですか、ではまた……
(;ノAヽ) (うさんくさいおじさんだったな……)
- 242 :駅前リゾート:2010/08/26(木) 01:49:51 ID:DPH8c5/60
- 会社にて
(・↓・) ほわっちょ部長は今度の有給どこいくんですか?
(ν・ω・)ν イタリアのヴェネチアよ
(・↓・) 水の都じゃないっすか!うらやましいっすね
(ν・ω・)ν お前も有給がとれるように偉くなれよ早く
(・↓・) そうっすねぇ
( ノAヽ)
(・↓・) 羽合さんは有給とってどっかいかないんすか?
Σ(;ノAヽ) えっ僕!?ぼ、僕は……
(ν・ω・)ν こいつはダメダメ!羽合はロクな仕事してねぇから毎日休んでるようなもんだよ
(*・↓・) それもそうっすね!
(;ノAヽ) く……!
- 243 :駅前リゾート:2010/08/26(木) 01:52:21 ID:DPH8c5/60
- 仕事後、本屋にて
( ノAヽ) トボトボ……
( ノAヽ) (旅行のコーナー、旅行のコーナーっと……)
[旅 行]
( ノAヽ) (海外旅行雑誌っと……)
( ノAヽ) ペラペラ
( ノAヽ) (ハワイ良いノーネ……ワイキキビーチにダイアモンドヘッド…いつか行きたいノーネ……)
('A`) マウイ島のキヘイビーチなんかどうですかぁ?
( ノAヽ) キヘイビーチ?良いですね、ぜひ行ってみ……
(;ノAヽ) って!?あ、あなたは今朝の!?
('A`) オーホッホッホ、またお会いしましたねぇ
- 244 :駅前リゾート:2010/08/26(木) 01:53:23 ID:DPH8c5/60
- BAR バロ巣
( ´W`)
つ□と キュッキュッ
('A`) ほう、ハワイ旅行がしたいんですか
( ノAヽ) そうなノーネ、ハワイに行きたいノーネ
('A`) 行けばいいじゃないですかハワイに
(;ノAヽ) そんな簡単に言わないでほしいノーネ!休みはとれないし第一お金がないノーネ!
('A`) それは残念ですねぇ
(;ノAヽ) 残念なノーネ…お金と休暇さえあれば……
('A`) なぜそんなにハワイに行きたいのですか?
( ノAヽ) ハワイは子供のころからの憧れなノーネ
ハワイの浜辺で日に当たったり、青い海を思い切り泳いだりしたいノーネ
('A`) なるほど
- 245 :駅前リゾート:2010/08/26(木) 01:54:31 ID:DPH8c5/60
- ( ノAヽ) それに日本より時間の経過が緩やかでのんびり出来そうだし
それとロコモコも食べたいノーネ
('A`) あとはひと夏のアバンチュールを期待してるのではないですか?
(*ノAヽ) そ、そんなことは期待してないノーネ!
……まぁ多少は期待してますが
('A`) 羽合さん、明日は会社ですか?
( ノAヽ) いえ、明日は土曜だから仕事はお休みなノーネ
('A`) では今から行きましょうよ
( ノAヽ) え?どこにですか?
('A`) ハワイですよ、ハワイ
(;ノAヽ) エェーッ!?
- 246 :駅前リゾート:2010/08/26(木) 01:55:22 ID:DPH8c5/60
- (;ノAヽ) 今からですか!?でも月曜から仕事があるし、さっきも言いましたがお金が……
('A`) オーホッホッホ、モチロン本物のハワイではありません、疑似ハワイと言ったほうがいいですかね
(;ノAヽ) 疑似ハワイ?
('A`) まぁついてくればわかりますよ
(;ノAヽ) でもお金……
('A`) 安心してくださいお金は一銭もいただきません、あなたが満足されたらそれで結構です
それに今朝のお詫びもしたいですからね
(;ノAヽ) あぁ足の件ですか
('A`) ではさっそく行きましょう
(;ノAヽ) はい
- 247 :駅前リゾート:2010/08/26(木) 01:57:02 ID:DPH8c5/60
- ('A`) ここです
(;ノAヽ) え!?ここですか!?
('A`) ええそうです
(;ノAヽ) だってここシベリア駅前じゃないですか!?こんなところにハワイがあるんですか!?
('A`) 羽合さん、本物のハワイでは無いと言ったではないですか
(;ノAヽ) そういえばそうだったノーネ……
('A`) あそこのビルの地下に疑似ハワイがあるのです
(;ノAヽ) あそこビルですか……
三三三('A`) では行きましょう
- 248 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/08/26(木) 01:59:51 ID:gf49Q4s60
-
>三三三('A`) では行きましょう
何かシュールだ
- 249 :駅前リゾート:2010/08/26(木) 01:59:52 ID:DPH8c5/60
- ガチャン
('A`) どーも
(;ノAヽ) (こんなところにハワイがホントにあるのか……)
( ・3・) あるぇー!?毒造さんじゃん!久しぶりだNE!
('A`) お久しぶりですねぇ、ぼるじょあさん。今日はお客さんを連れてきましたよ
(;ノAヽ) ど、どうも!羽合と申しますノーネ
( ・3・) ボクはぼるじょあだYO!よろしくぅ
(;ノAヽ) よ、よろしく……
('A`) ぼるじょあさん、ハワイは何階ですか?
( ・3・) 地下17階だYO、ボクが連れてくNE
('A`) 羽合さん、そこのエレベーターに乗ってハワイに行きましょう!
(;ノAヽ) は、はい……
- 250 :駅前リゾート:2010/08/26(木) 02:02:05 ID:DPH8c5/60
- ウィーン……
(;ノAヽ) あの喪鬱さん、ここはどういうところなんですか?
('A`) ここは各階に色んな国のリゾート地があるのですよ
(;ノAヽ) そうなんですか……
('A`) ぼるじょあさん
( ・3・) うーんとNE、ハワイの他にはローマ、バリ島、グアム、スイスのアルプス、ニューカレドニアがあるYO
それと日本の沖縄とかもあるYO、全部で40か所あるんだ!
(;ノAヽ) 全部で40か所ってことは地下40階!?すごいノーネ……
チーン…
('A`) ついたみたいですねぇ
- 251 :駅前リゾート:2010/08/26(木) 02:04:30 ID:DPH8c5/60
- ガラガラ
(;ノAヽ) うっ!まぶしいノーネ!
('A`) オーホッホッホ
(;ノAヽ) う、ここは……
(;ノAヽ) 浜辺なノーネ!
('A`) ここはワイキキビーチですよ羽合さん
(*ノAヽ) 海もあるしヤシの木もあるノーネ!しかも広い!
( ・3・) 広さは東京ドームの半分ぐらいかなぁ
(*ノAヽ) シベリア駅の地下にこんな空間があったとは……
( ・3・) 海に似てるけど本当はプールだからNE
(*ノAヽ) わかったノーネ!
('A`) 羽合さん、こころゆくまで楽しんでくださいね、それではワタシはこれで
(*ノAヽ) ありがとうございました喪鬱さん!
- 252 :駅前リゾート:2010/08/26(木) 02:05:35 ID:DPH8c5/60
- (*ノAヽ) あああ……リクライニングチェアー気持いいノーネ
(*ノAヽ) 日差しも良いし日焼けしちゃうかもしれないノーネ
( ・3・) 羽合さんロコモコだYO
(*ノAヽ) ありがとうございます
( ノAヽ) もぐもぐ
(*ノAヽ) ンマーイ!!やっぱ本場のロコモコは格別にジューシーなノーネ!
( ・3・) えぇー?ここはシベリアの地下だYO
( ノAヽ) いやまぁ、そうですけど(雰囲気壊さないでくれ……)
- 253 :駅前リゾート:2010/08/26(木) 02:07:41 ID:DPH8c5/60
- ( ノAヽ) 落ち着くノーネ……
( б∀б) ハロー
(;ノAヽ) うわ!?ハ、ハロー!
( б∀б) ユアネームプリーズ?
(;ノAヽ) マ、マイネームイズ!ノネオ・ハワ〜イッ!
( б∀б) あはは、冗談だよぉ。私はモエって言うんだ!
(;ノAヽ) あ、日本人ですか(良かったぁ……)
( б∀б) ノネオさんはここ初めてなの?
(;ノAヽ) そうなノーネ、モエさんはここの常連?
( б∀б) 常連ってほどじゃないけど、ちょくちょく来るかな〜
( ノAヽ) へぇ
( б∀б) ねぇひなたぼっこしてるだけじゃつまんないでしょ?私とひと泳ぎしない?
(;ノAヽ) え、でも……
ちょっ!?(;ノAヽ)つ⊂( б∀б) いいからいいから
(*ノAヽ)つ (嬉しいサプライズなノーネ!)
- 254 :駅前リゾート:2010/08/26(木) 02:09:11 ID:DPH8c5/60
- 3日後 BAR バロ巣
(*ノAヽ) 喪鬱さんありがとうございますノーネ!
('A`) 満足されましたか
(*ノAヽ) 満足満足大満足なノーネ!
('A`) いやぁすっかり日焼けして、まるで本当にハワイ行ってきたみたいですね
(*ノAヽ) えへへ、気分はハワイでしたよ、また行っていいですか?
('A`) いいですが、ひとつ条件があります
( ノAヽ) 条件?なんですか?
('A`) あそこを利用するのは月に1度にしてほしいのです
( ノAヽ) わかりました、たしかにそう何回も行ってたらありがたみもないですよね
('A`) それだけを守ってくださいね、マスター、羽合さんにブルーハワイを一杯
( ´W`)つ□ タンッ
('A`) それはそうと女の子と仲良くできましたか?
(*ノAヽ) 実は一人良い女の子がいまして……
('A`) それは良かったですねぇ、オーホッホッホ
- 255 :駅前リゾート:2010/08/26(木) 02:10:31 ID:DPH8c5/60
- 次の日 会社にて
( ノAヽ) (昨日は楽しかったノーネ……)
(*ノAヽ) (モエちゃんとまた泳ぎたいノーネ…)
(*ノAヽ) ククク…
(・↓・) 羽合さんえらいご機嫌ですね、なんかあったんすか?
Σ(;ノAヽ) うわっ!?なんでもないノーネ!
(・↓・) ふーん、そうすか、部長が呼んでましたよ
(;ノAヽ) そう、わかった今行くよ
(*・↓・) またお説教じゃないすか!
(;ノAヽ) どうだろうね……
- 256 :駅前リゾート:2010/08/26(木) 02:13:04 ID:DPH8c5/60
- (ν・ω・)ν お前はさ、何度言えばわかるんだい?
(;ノAヽ) すいません…
(ν・ω・)ν お前はコピーすらまともにできないの?普通はA4でコピーするよね、こういうの
(;ノAヽ) はい……
(ν・ω・)ν でもこれB2だぜ?おかしくね?普通考えたらわかるんじゃねえの?
(;ノAヽ) でもA4用紙が無くて…
(ν・ω・)ν A4用紙が無いからB2か、おかしくねその発想、他に方法あるんじゃね?
(;ノAヽ) すいません…
(ν#・ω・)ν お前のすいませんは聞き飽きたんだよ! ドン!
Σ(;ノAヽ) ひっ!?
(ν#・ω・)ν 無かったら誰かに聞けよ!小学生だって出来るぞ!お前は小学生以下だよ!
(;ノAヽ) うぐうぐ
(ν・ω・)ν もうお前はなにもしないで座ってろよ、そのほうがいいよ…
(;ノAヽ) はい…
- 257 :駅前リゾート:2010/08/26(木) 02:15:31 ID:DPH8c5/60
- ―――そして仕事が終わったあと……
ガチャン
(;ノAヽ) どーも…
( ・3・) おぅわー羽合さんじゃん!いらっしゃいだC!
(;ノAヽ) えへへ、また来ちゃいました
( ・3・) 次はどこ行くのぉ?
(;ノAヽ) またハワイでお願いしますノーネ
( ・3・) えぇーまたぁ!?ハワイが好きなんだNE
(;ノAヽ) えぇまあ
( ・3・) ハワイは地下17階だからNE
(;ノAヽ) はいどうも
- 258 :駅前リゾート:2010/08/26(木) 02:16:36 ID:DPH8c5/60
- ウィーン……
(;ノAヽ) ふぅ、今日は辛かったノーネ
(;ノAヽ) 毎日怒られてるけど、やっぱ慣れないノーネ…
(*ノAヽ) それはそうと今日もモエちゃん来てるかなぁ、楽しみなノーネ
('A`) 「あそこを利用するのは月に1度にしてくださいね」
(;ノAヽ) 喪鬱さんごめんなさい…
チーン……
(*ノAヽ) ついたノーネ!
ガラガラ
('A`) 羽合さん
- 259 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/08/26(木) 02:17:19 ID:gf49Q4s60
- やってしまったか
- 260 :駅前リゾート:2010/08/26(木) 02:20:08 ID:DPH8c5/60
- (;ノAヽ) も、喪鬱さん!?なんでここに!?
('A`) 約束を破りましたね
(;ノAヽ) すいません!仕事で辛いことがあったのでここでストレスを解消しようと思ったノーネ!
('A`) いいわけは聞きませんよ羽合さん、あなたは悪い人だ
(;ノAヽ) ホントすいません!でも今日だけ特別にお願いしますよ!
('A`) そんなにハワイが好きならハワイに行かせてあげましょう
(;ノAヽ) えっ!?どうやって?
m9('A`) こうやってです
(;ノAヽ) な、なにをするんですか!?
m9('A`) ググゥーッ!
ド―――m9('∀`)―――ン!!
(; A ) うわあああああああああ!!!!!!
- 261 :駅前リゾート:2010/08/26(木) 02:28:31 ID:DPH8c5/60
- (; A ) んんん……
(;ノAヽ) ハッ!!ここはどこなノーネ!
<ワーワー キャーキャー
(;ノAヽ) 人がいっぱい…そして青い海…もしかしてここは……
( б∀б) ハワイだよ
(;ノAヽ) モ、モエちゃん!?ここ本当にハワイなの?
( б∀б) そうだよ!本物のハワイだよ!
`ハリ*^ω^ハ ようこそハワイへ!
(;ノAヽ) あ、あなたは?
( б∀б) 私の友達のニーピンたんだよ
`ハリ*^ω^ハ よろ!
(;ノAヽ) よろしくノーネ…
( б∀б) こんなところでしゃべってても暑いだけだからさ `ハリ*^ω^ハ 今すぐ海に行こう行こう!レッツゴー!
海へ飛び込め〜`ハリ*^ω^ハつ⊂(;ノAヽ)つ⊂( б∀б) せ〜のダイブ!
(*ノ∀ヽ)(うは!喪鬱さんありがとうございます!最高です!)
- 262 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/08/26(木) 02:32:17 ID:gf49Q4s60
- また `ハリ*^ω^ハ かwwww
- 263 :駅前リゾート:2010/08/26(木) 02:39:01 ID:DPH8c5/60
- シベリア駅前
(*ノ∀ヽ) グフフフ…
リハ*゚ー゚リ ねーあの人、駅前の通路で寝てるよ
( `v´) ホントだ、ホームレスじゃないの?
(*ノ∀ヽ) アハハ、モエチャン…ニーピンタン…
リハ;゚ー゚リ なんか寝言しゃべりながらニヤついてるし、気持ちワル!
(;`v´) なんか惨めだな……早く行こうぜ……
(*ノ∀ヽ) エヘヘ…
<ザワザワ ナニアノヒト キモチワルーイ ザワザワ
(*ノ∀ヽ) アハハ、ハワイサイコー…
('A`) 楽しい夢から覚めたあと、彼は夢と現実のギャップに耐えられるのでしょうかねぇ
('∀`) オーホッホッホッホ・・・・・・ 【駅前リゾート】 完
- 264 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/08/26(木) 02:42:59 ID:DPH8c5/60
- 今夜は以上です
こんな時間までありがとうございます!
絵スレで鬱ナせぇるすまんの絵を描いてくれた方ありがとうございます!
最高にうれしいです!
質問、指摘等あればお願いします
- 265 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/08/26(木) 02:48:18 ID:gf49Q4s60
- 嘲笑される立場になるオチってのは悲惨だ
乙でした1
- 266 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/08/26(木) 03:09:39 ID:/4Xo1kHs0
- `・+。*・ (´・ω・`)
。*゚ 。☆―⊂、 つ
。*゚ : ヽ ⊃
`+。**゚**゚ ∪~
- 267 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/09/02(木) 03:04:03 ID:7TBmMVwM0
- 私の名前は喪鬱毒造、人呼んで鬱なセールスマン
ただのセールスマンじゃございません
私が取り扱うのは“ココロ” 人のココロでゴザイマス・・・
『('∀`)鬱ナせぇるすまん』
ブーン系小説総合スレ 【 裏 】 まとめ(仮)さん
http://sogomatome.blog104.fc2.com/blog-entry-467.html
まとめさんありがとうございます!
- 268 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/09/02(木) 03:04:46 ID:7TBmMVwM0
- この世は老いも若きも男も女もココロの寂しい人ばかりそんなみなさんのココロのスキマお埋めします
いえお金は一銭もいただきませんお客様が満足されたら、それがなによりの報酬でゴザイマス・・・
さて今日のお客様は・・・
从゚×ナ从 カチカチカチカチ
从゚×ナ从 (あーまじイライラする……)
从゚×ナ从 尾坪 ねや子 34歳 OL
【お見合いパーティ】
オーホッホッホ・・・・・・
- 269 :お見合いパーティ:2010/09/02(木) 03:05:36 ID:7TBmMVwM0
- 从゚×ナ从 (デスクワークまじ魑魅魍魎ー、ちょいと休憩や)
从゚×ナ从 ふう
(ΘωΘ) 尾坪くん、ちょっといいかね
从゚×ナ从 なんですか課長?
(ΘωΘ) お茶注いできてくれないか?
从゚×ナ从 わかりました(自分で行けやボケなす!)
- 270 :お見合いパーティ:2010/09/02(木) 03:06:26 ID:7TBmMVwM0
- 从゚×ナ从 はぁめんどいわ〜
从゚×ナ从 ん?
ヒソヒソ クスクス
从゚×| (誰や……給湯室でヒソヒソ話してるのは……)
( б∀б) あのさ〜尾坪さんいるじゃん?
`ハリ*^ω^ハ うん、尾坪さんがどうしたの?
( б∀б) あの人またお見合い失敗したらしいよ!
`ハリ*^ω^ハ またぁ!?これで何回目よ!
( б∀б) たしか10回目よ、もう諦めたらいいのにね
`ハリ*^ω^ハ 諦めが悪いわねぇ、まぁあの性格じゃ一生結婚できないと思うけど
( б∀б) 根暗だしなんか威圧的だし……
`ハリ*^ω^ハ いちいち仕事に口出してくるしね、自分は大して仕事出来ないのに
( б∀б) でもあの人のお茶くみは天下一品だよ!
`ハリ*^ω^ハ お茶汲んでくるだけだけどね!アハハ!
从;゚×| (く〜!あいつら言いたい放題しやがって!)
- 271 :お見合いパーティ:2010/09/02(木) 03:07:19 ID:7TBmMVwM0
- そして仕事が終わり……
从゚×ナ从 お先に失礼します
(ΘωΘ) うーい
( б∀б) 尾坪さん今日はやけに早いですね、いつも仕事が終わったあとは一服するはずなのに
从゚×ナ从 (わかっとるくせにこいつは……)ちょっと用事があるんだよ
( б∀б) 用事ってもしかして……デートですか!?
从;゚×ナ从 違うよ……あたし彼氏いないし…(白々しいなこいつ……)
( б∀б) エェーッ!?尾坪さんなら彼氏の2,3人はいると思ったのに!
从;゚×ナ从 ははは、残念だったね……それじゃ急ぐから
( б∀б) お疲れ様でーす
(*б∀б) クスクス
- 272 :お見合いパーティ:2010/09/02(木) 03:08:29 ID:7TBmMVwM0
- シベリアホテルにて
( `v´) 今日は我がシベリアホテル主催のお見合いパーティに来ていただきまことにありがとうございます……
从゚×ナ从 (今日こそ良い男を捕まえるんや!)
( `v´) ……ではみなさんパーティを始めてください
从゚×ナ从 (始まった!)
ざわざわ ワーワー
从゚×ナ从 (さあて今日はどんな男がおるんやろなぁ)
- 273 :お見合いパーティ:2010/09/02(木) 03:09:13 ID:7TBmMVwM0
- (∴゚ з゚ ) ぶほー!ぼく高田って名前なんですよ!アニメが大好きなんですよお!
リハ;゚ー゚リ へ、へえそうなんですか……
从゚×ナ从 (絵に描いたようなキモオタやな、あれには近づかないようにしよう)
<ヽ`∀´> ニダニダ
从゚×ナ从 (なんか見たような顔やな、芸人やったけか?いずれにしても稼ぎ少なそうやな)
('A`) ……
从゚×ナ从 (あの小太りのおっさん、顔がしょぼくれてるなぁ、あれにも近づかないようにしよ)
(・↓・)
从*゚×ナ从 (おっ!イケメン発見!しかも頭も良さそうだし今日のターゲットはあれで決まりや!)
- 274 :お見合いパーティ:2010/09/02(木) 03:10:12 ID:7TBmMVwM0
- 从゚×ナ从 あの〜…
(・↓・) はいなんですか?
从*゚×ナ从 お名前聞いてもよろしいですか?
(・↓・) オリッチ黒田と申します、あなたは?
从*゚×ナ从 尾坪ねや子と言います!さ……28歳です!
(・↓・) 28歳ですか、大人っぽいですね
从*゚×ナ从 ところで黒田さん、ご職業は?
(・↓・) IT関連の会社に勤めてます
从*゚×ナ从 IT!?いいですねIT!ところで年収のほうは?
(;・↓・) 年収!?えっとあの、僕あっち行きますね
从;゚×ナ从 ちょっとどこ行くんですか!あの!
从#゚×ナ从 くそお!なんで急に逃げるんや!
('A`) オーホッホッホ
- 275 :お見合いパーティ:2010/09/02(木) 03:11:00 ID:7TBmMVwM0
- 从#゚×ナ从 おいおっさん、なに笑っとるんや、うちを馬鹿にしとるんか!?
('A`) すいません、しかし初対面の人に年収聞くのどうかと思いますよ
从;゚×ナ从 う、たしかにそうやけど
('A`) そんなんだから毎回失敗するのですよ
从#゚×ナ从 なんだと!?
三三三('A`) それじゃあ頑張ってくださいね
从#゚×ナ从 親父待てや!てめぇだっていっつも失敗してるからこういうトコ来てんだろコラ!
シーン……
从;゚×ナ从 (やべ!ついカッとなってデカイ声出しちまった!)
从;-×ナ从 (会場中がこっちを見てるよ……恥ずかしい……)
- 276 :お見合いパーティ:2010/09/02(木) 03:11:57 ID:7TBmMVwM0
- 次の日 会社にて
从゚×ナ从 どうぞお茶です
(ΘωΘ) はいどうも
クスクス ヒソヒソ
(*б∀б) 尾坪さんまたお見合い失敗したみたいだよ!
`ハリ*^ω^ハ またぁ!?お金の無駄じゃないのぉ!
(*б∀б) しかも会に参加してた男性を恫喝したらしいよ!だから結婚できないんだっつーの!
`ハリ*^ω^ハ まぁこっちとしてはさっさと結婚して出てってほしいんだけどね
(*б∀б) ほんとそうだよねェ!
从#゚×ナ从 (あいつら・・・!)
- 277 :お見合いパーティ:2010/09/02(木) 03:12:55 ID:7TBmMVwM0
- SNACK ロペス
从*゚×ナ从 うぃ!ビールもう一杯!
リコ-○−○)リ あんた呑むすぎじゃけぇそろそろやめとき
从*゚×ナ从 いいんだよ明日は会社休みだし、今日は思いっきり呑みたいんや
リコ-○−○)リ お見合いパーティ行くのやめたらええんじゃないか?
从*゚×ナ从 早く結婚したいんや、うちは
リコ-○−○)リ なしてそんな結婚したがってるんじゃ?ワシなんかとっくに諦めたで
从*゚×ナ从 あんたにうちの気持ちなんかわからんやろな、周りのOLが結婚して会社やめてくのを見るのがどんなに辛いか……
从*;×ナ从 しかも後輩には陰口叩かれるし グスッ
リコ;○−○)リ 泣くなよ!もうわかったから呑め!呑んで忘れろ!
从*;×ナ从 ありがとうリコ…
- 278 :お見合いパーティ:2010/09/02(木) 03:13:48 ID:7TBmMVwM0
- 从;-×ナ从 おええええ……
从;゚×ナ从 あかん、呑みすぎたかもしれん、気持ち悪い…
从;-×ナ从 しかしうちはいつ結婚できるんやろか…
('A`) オーホッホッ、だいぶ呑まれたみたいですねぇ
从#゚×ナ从 お、お前はあの時の親父!てめぇこの……
从;-×ナ从 おええええええ!
('A`) やけ酒はやめといたほうがいいですよ
从;-×ナ从 うるせぇ…
('A`) 尾坪さん、実はワタシこういう者なんです サッ
- 279 :お見合いパーティ:2010/09/02(木) 03:14:42 ID:7TBmMVwM0
- 从;゚×ナ从 ココロのスキマお埋めします?なんのこっちゃ
('A`) 悩めるココロを救済するセールスマンなんです
从゚×ナ从 てことうちの悩みも解決してくるゆうんか?
('A`) その通りです、実は昨日のパーティは結婚相手を探してたのではなくお客様を探してたのです
そこで見つけたのが尾坪さんだったのですよ
从;゚×ナ从 そうやったんか……でも金は無いで
('A`) ご心配なくワタシの仕事はお金はいただきません、ボランティアみたいなものです
从;゚×ナ从 タダか…
- 280 :お見合いパーティ:2010/09/02(木) 03:15:49 ID:7TBmMVwM0
- BAR バロ巣
( ´W`)つ□ タン
从゚×ナ从 どうも
('A`) あんな悪酔いしてたのにまだ呑むのですか?
从゚×ナ从 呑まなきゃやっていけなんや…
('A`) 尾坪さんはどんな人が理想なんですかぁ
从゚×ナ从 やっぱ年収1千万ぐらいが理想やねぇ…でもそんな人あまりいなくて…
('A`) オーホッホッホ、理想が高いですねぇ、それじゃあなかなか結婚できないはずですよ
从;゚×ナ从 で、でもできればお金がある人と結婚したいやないですか!
('A`) 安心してください尾坪さん、ワタシの知り合いにお見合いパーティを主催して方がいましてね
そのパーティの参加者の条件がなんと年収1千万以上なのです
从;゚×ナ从 1千万以上!?すごい…
- 281 :お見合いパーティ:2010/09/02(木) 03:17:15 ID:7TBmMVwM0
- 从;゚×ナ从 でもそれだとうち参加できませんよ、年収1千万も無いし…
('A`) 大丈夫ですよ、主催者にワタシの紹介だと言えば参加できますから
从*゚×ナ从 ホンマですか!?ありがとうございます!
从゚×ナ从 でも結婚相手が見つかるかわからへんしなぁ……
('A`) 尾坪さん、自信を持ってください、今回こそ結婚相手が見つかりますよ
从゚×ナ从 そうですかねぇ、まぁ頑張ってみますわ
('A`) あとワタシからひとつ忠告が
从゚×ナ从 なんですか?
('A`) お金とか見た目とかで判断せずちゃんとした相手を見つけてくださいね
从゚×ナ从 わかりました
('A`) 結婚はギャンブルと一緒です、性格が良く見えても後に暴力をふるうようになったなんて話をよく聞きますからねぇ
ちゃんと結婚相手を見極めてくださいねぇ
从゚×ナ从 はい気をつけます
- 282 :お見合いパーティ:2010/09/02(木) 03:18:08 ID:7TBmMVwM0
- 数日後 パーティ会場にて
从゚×ナ从 ここが今回の会場かい…
从;゚×ナ从 き、緊張したきた!
(‘_L’) あの…
从;゚×ナ从 (おっ!めっちゃイケメン!)は、はいなんでしょう
(‘_L’) もしかしてあなたは尾坪さんですか?
从;゚×ナ从 はいそうです!喪鬱さんの紹介でこちらに来たのですが…
(‘_L’) そうでしたか、私は今日の会を主催してるフィレンクトです、よろしくお願いします
从;゚×ナ从 よろしく…(なんや主催者かい…)
(‘_L’) まだ準備ができてないのでもうしばらくお待ちください
从;゚×ナ从 はい…
- 283 :お見合いパーティ:2010/09/02(木) 03:19:19 ID:7TBmMVwM0
- ざわざわ ワーワー
从゚×ナ从 さすが年収1千万以上が集まる会やな、出席者全員VIPって感じや
从゚×ナ从 さてどの人と話そうか…
(¥・д・) オレ年収1億なんですよ!ガハハ、やっぱ世の中金っすわ!
从゚×ナ从 (う〜ん、あいつは金持ちらしいけど性格に難がありそうやなぁ、却下や!)
(〇_ゝ〇) 君の考えは実に面白い!ただ君の考え方は論理的ではなく理解に苦しむがね。僕はだね…
从゚×ナ从 (あの人は学者やろか?どっちにしても話は合わなそうやな、却下!)
从゚×ナ从 どの人がええやろか…
从゚×ナ从( ) ドン!
从;-×ナ从 痛て!
- 284 :お見合いパーティ:2010/09/02(木) 03:20:23 ID:7TBmMVwM0
- (ν;・ω・)ν すいません!だ、大丈夫ですか!?
从;゚×ナ从 大丈夫です…
(ν;・ω・)ν すいません、ちょっとよそ見してまして…
从;゚×ナ从 いえいえこちらこそすいません、こういう場は初めてなので緊張してて周りが見えてませんでした
(ν・ω・)ν 婚活パーティは初めてでしたか
从;゚×ナ从 そうやねん…(ホントは常連やけどな…)
(ν・ω・)ν あれ関西の方なんですか?
从;゚×ナ从 (やべっ!関西弁が出てもうた!)は、はいそうです…
- 285 :お見合いパーティ:2010/09/02(木) 03:21:30 ID:7TBmMVwM0
- (ν*・ω・)ν 実は僕も関西なんすよ!まさかシベリアで関西人に会えるとは思ってなかったです!
从;゚×ナ从 えっ!?そうなんですか!奇遇ですねぇ!地元はどこです?
(ν*・ω・)ν 僕は尼崎です、あなたは?
从*゚×ナ从 うちは梅田です!めっちゃ近いじゃないですか!
(ν*・ω・)ν あの阪神は好きですか?
从*゚×ナ从 モチロンですわ!関西にいたころは毎日のように観に行ってましたわ!
(ν*・ω・)ν 僕も大の虎党なんですねん!思い出に残ってる試合とかあります?
从*゚×ナ从 久慈がチェコのノーヒットノーランを防いだ試合ですね!
(ν*・ω・)ν またマニアックやなぁ!なんか僕たち気が合いそうなやね
从*゚×ナ从 そやね
从*゚×ナ从 (この人ええわぁ、話してると落ち着くわぁ……)
- 286 :お見合いパーティ:2010/09/02(木) 03:22:44 ID:7TBmMVwM0
- 1ヶ月後 SNACK ロペス
リコ-○ー○)リ 結婚おめでとう〜
从*゚×ナ从 リコおおきに
リコ-○ー○)リ いやぁあんたが結婚するとはなぁ、夢にも思わんかったけぇ
从*゚×ナ从 うちも結婚できるとは思わんかったわぁ、半ば諦めてたし
リコ-○ー○)リ やっぱ神様は見てるもんじぇけぇ、ほらほら呑め呑め、今日はタダじゃ
从*゚×ナ从 ちょ、そんな呑めへんよぉ
リコ-○−○)リ ホンマ良かったのう グス…
从;゚×ナ从 ちょっとなんでリコが泣くん…
リコ;○−○)リ 違うわ!ち、ちょっと目にゴミが入っただけじゃ!
从;゚×ナ从 (メガネしてるのにどうやって入るんや…)
- 287 :お見合いパーティ:2010/09/02(木) 03:23:58 ID:7TBmMVwM0
- リコ-○ー○)リ あんた見てたらワシも結婚したなってきたのう
从*゚×ナ从 リコにもそのうち良い人ができるよ
リコ-○ー○)リ ほうか?出来れば頼りがいのある男がええのう
ガチャ
('A`) オーホッホッ
リコ-○ー○)リ お客さんすまんのう、今日はやってないんよ
从*゚×ナ从 ええんやリコ、うちが呼んだやさかい
リコ-○ー○)リ 誰なんじゃ?知り合いかなにかか?
从*゚×ナ从 うちにパーティを紹介してくれた人や、喪鬱さんって言うんや
リコ-○ー○)リ ホンマか!?恋のキューピットじゃな
('A`) オーホッホッホ、キューピットって柄ではないですけどねぇ
- 288 :お見合いパーティ:2010/09/02(木) 03:25:03 ID:7TBmMVwM0
- ('A`) まずはご結婚おめでとうございます
从*゚×ナ从 ホンマおおきに、うちが結婚できたんわリコと喪鬱さんのおかげやで
リコ-○ー○)リ ワシは別になにもしとらんで
从*゚×ナ从 いつも慰めてくれたやん、リコがおらんかったら心折れてたで
('A`) いい友情ですねぇ、ところで尾坪さん?ちゃんと見極めて相手を選びましたか?
从*゚×ナ从 ええ、彼はひいきめに見てもイケメンとは言えないけれど誠実で優しいし嘘をつかない真面目な人でしたわ
リコ-○ー○)リ 1度この店に来たけどホンマにええ人やったで
从*゚×ナ从 しかも同じ阪神ファンで意気投合しましてん、最高の相手だと思いますね
('A`) それは良かったですねぇ
- 289 :お見合いパーティ:2010/09/02(木) 03:26:15 ID:7TBmMVwM0
- 从*゚×ナ从 おっともうこんな時間や
リコ-○ー○)リ なんじゃもう帰るんか?
从*゚×ナ从 へへへ、実は彼のマンションに行く約束してるんや
リコ-○ー○)リ ホンマか!?お熱いのう
从*゚×ナ从 初めてやから緊張するわ、ほな行くわじゃあな
リコ-○ー○)リ 行ってらっしゃい
从*゚×ナ从 喪鬱さん、ゆっくりしていってくださいね
ガチャ
('A`) ……
リコ-○ー○)リ 喪鬱さん、ワシからもお礼言いますけ、ほんまありがとう
('A`) いえいえ
リコ-○ー○)リ 今夜は1銭もいただかんのでどんどん呑んでつかぁさい
('A`) オーホッホッホ、ありがとうございます
- 290 :お見合いパーティ:2010/09/02(木) 03:27:22 ID:7TBmMVwM0
- 从*゚×ナ从 ピンポーン
ガチャン
(ν・ω・)ν いらっしゃい
从*゚×ナ从 入るで
(ν・ω・)ν あれちょっと酔ってるんか?
从*゚×ナ从 少し呑んできたんや
(ν・ω・)ν そんなんだ、さぁ入って入って
从*゚×ナ从 ドキドキ
- 291 :お見合いパーティ:2010/09/02(木) 03:28:30 ID:7TBmMVwM0
- (ν・ω・)ν 昨日の阪神の試合見た?
从゚×ナ从 見た見た!すごかったな、まさか22点取るとは思わんかったわ
(ν・ω・)ν ここままこの勢いで優勝してもらいたいなあ
从゚×ナ从 イケルって!今年の勢いは本物やで!
(ν・ω・)ν 実は明日の阪神VSシベリアのチケットが取れたんやけど一緒に行く?
从*゚×ナ从 モチロンや!いやぁ楽しみやなぁ!
(ν・ω・)ν ……
从゚×ナ从 ……
(ν・ω・)ν ねや子ちゃん、愛してるよ…
从*゚×ナ从 うちもや…
(ν・ω・)ν 寝室行こうか?
从*゚×ナ从 うん(初めての夜や…!)
- 292 :お見合いパーティ:2010/09/02(木) 03:32:07 ID:7TBmMVwM0
- (ν・ω・)ν ここが僕の寝室
从*゚×ナ从 (意外と広くて大きいな…)
(ν・ω・)ν さぁ脱ごうか
从*゚×ナ从 う、うん
从*゚×ナ从 ヌギヌギ
从;゚×ナ从 (ああもう!緊張して手が震える!)
(ν・ω・)ν 脱いだらさ、目ェつぶって
从*-×ナ从 うん ドキドキ
(ν・ω・)ν そしたら手をうしろにまわして
从*-×ナ从 うん(なにするんやろか?)
(ν・ω・)ν カチッ
从*-×ナ从 (カチッ・・・?)
- 293 :お見合いパーティ:2010/09/02(木) 03:38:44 ID:7TBmMVwM0
- 从;゚×ナ从 ちょっとなにしたんや!
(ν・ω・)ν 手錠だよ〜
从;゚×ナ从 手錠!?
(ν・ω・)ν 次は足を縛るからね〜
从;゚×ナ从 やめて!うちそんな趣味あらへんよ!
(ν*・ω・)ν 怖がらなくていいんだよ〜、少し痛いだけだからね〜
从;゚×ナ从 やめて、お願いだから…
(ν*・ω・)ν パーンッ!!
从;゚×ナ从 ひぃ!?む、鞭!?
(ν*・ω・)ν さぁ夜のお楽しみが始まるよぉ、ふひひ・・・
从;×ナ从 いやああああああ!!!!
('A`) さすがに性癖までは分からなかったみたいですねぇ、みなさんも婚活は慎重に行なってくださいね
('∀`) オーホッホッホッホ・・・・・・ 【お見合いパーティ】 完
- 294 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/09/02(木) 03:41:31 ID:7TBmMVwM0
- 今回は以上です
質問、指摘等あればお願いします
- 295 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/09/02(木) 04:08:49 ID:BUKXNXMw0
- >(ν*・ω・)ν 実は僕も関西なんすよ!まさかシベリアで関西人に会えるとは思ってなかったです!
シュールすぎるwwwww
乙乙ww
- 296 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/09/02(木) 07:49:36 ID:2R1o.KIA0
- 乙
(・↓・) オリッチ黒田っていう名前だったのか
- 297 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/09/02(木) 19:55:16 ID:QC6gH8DA0
- `・+。*・ (´・ω・`)
。*゚ 。☆―⊂、 つ 性癖なら調教利くだろうし幸せな結末だな
。*゚ : ヽ ⊃ むかつく後輩見返せてよかったじゃないか
`+。**゚**゚ ∪~
- 298 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/09/04(土) 03:01:26 ID:3KK9Dro.0
- >>297
なるほど、考えてみたら幸せかもしれませんねwww
自分もその色に染まればいいわけですから
では投下します
- 299 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/09/04(土) 03:02:21 ID:3KK9Dro.0
- 私の名前は喪鬱毒造、人呼んで鬱なセールスマン
ただのセールスマンじゃございません
私が取り扱うのは“ココロ” 人のココロでゴザイマス・・・
『('∀`)鬱ナせぇるすまん』
ブーン系小説総合スレ 【 裏 】 まとめ(仮)さん
http://sogomatome.blog104.fc2.com/blog-entry-467.html
まとめさんありがとうございます!
- 300 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/09/04(土) 03:03:30 ID:3KK9Dro.0
- この世は老いも若きも男も女もココロの寂しい人ばかりそんなみなさんのココロのスキマお埋めします
いえお金は一銭もいただきませんお客様が満足されたら、それがなによりの報酬でゴザイマス・・・
さて今日のお客様は・・・
(ν・ω・)ν お前いい加減働けよ
〃∩ ∧_∧
⊂⌒( ;・ω・) う、うん…
`ヽ_っ⌒/⌒c
⌒ ⌒
〃∩ ∧_∧
⊂⌒( ・ω・) 巣根梶 カラ介 21歳 無職
`ヽ_っ⌒/⌒c
⌒ ⌒
【魅惑のごくつぶし生活】
オーホッホッホ・・・・・・
- 301 :魅惑のごくつぶし生活:2010/09/04(土) 03:04:52 ID:3KK9Dro.0
- カラ介の部屋にて
(ν・ω・)ν 漫画読むのやめろ
⊂⌒( ;・ω・) わかった
(ν・ω・)ν お前いまいくつだ?
⊂⌒( ;・ω・) 21…
(ν・ω・)ν もうそろそろ自分の将来のことを考えろよ
⊂⌒( ;・ω・) うん…
(ν・ω・)ν いつまでも親に甘えるなよ、俺が働けなくなったどうするんだ
⊂⌒( ;・ω・) それは……
(ν・ω・)ν ……まぁ一晩考えろよ
⊂⌒( ;・ω・) うん…
(ν・ω・)ν 言っとくけど社会は甘くないからな ガチャン
⊂⌒( ;・ω・) わかった……
- 302 :魅惑のごくつぶし生活:2010/09/04(土) 03:05:32 ID:3KK9Dro.0
- ⊂⌒( ;・ω・) はぁ…働きたいけど自信ないんだよなぁ…
⊂⌒( ;・ω・) とりあえず…
〃∩ ∧_∧
⊂⌒( ;・ω・) 漫画読むか…
`ヽ_っ⌒/⌒c
⌒ ⌒
〃∩ ∧_∧
⊂⌒( ;・ω・) ……
`ヽ_っ⌒/⌒c
⌒ ⌒
⊂⌒( ;・ω・) ダメだ!頭に入らない!
⊂⌒( ;・ω・) あぁ鬱だ…
- 303 :魅惑のごくつぶし生活:2010/09/04(土) 03:07:00 ID:3KK9Dro.0
- 次の日
⊂⌒( ・ω・) 夜が明けた…
⊂⌒( ・ω・) 父さんは仕事行ったな
⊂⌒( ;・ω・) あ〜あ父さんが仕事行ってるときが一番落ち着く…
⊂⌒( ;・ω・) そろそろ働かなくちゃとは思ってるんだけどなぁ…
〃∩ ∧_∧
⊂⌒( ;・ω・) はぁ漫画読も…
`ヽ_っ⌒/⌒c
⌒ ⌒
〃∩ ∧_∧
⊂⌒( *・ω・) あぁむっきー可愛いなぁ…
`ヽ_っ⌒/⌒c
⌒ ⌒
ガチャン
('A`)
- 304 :魅惑のごくつぶし生活:2010/09/04(土) 03:07:54 ID:3KK9Dro.0
- ⊂⌒( ;・ω・) ちょ!?あんた誰!?
('A`) オーホッホッ、お邪魔します
⊂⌒( ;・ω・) なんなのいったい!?
('A`) 漫画本が散らかってますねぇ、片づけたほうがいいのではないですかぁ
⊂⌒( #・ω・) 余計なお世話だよ!てか誰なんだよアンタ!人の家に勝手に上がりこんで!
('A`) これは失礼、ワタシはこういう者です サッ
⊂⌒( #・ω・) ココロのスキマお埋めします!?なんだよこれ!?警察呼びますよ!
('A`) 巣根梶さん落ち着いてください、ワタシはあなたのココロの救済をしにきたのですよ
⊂⌒( ・ω・) 僕のココロの救済…?
('A`) あなたは今ご自身の状況に悩んでますね!
- 305 :魅惑のごくつぶし生活:2010/09/04(土) 03:09:04 ID:3KK9Dro.0
- ⊂⌒( ;・ω・) うっ、その通りです、よくわかりましたね
('A`) オーホッホッ、それぐらいわかりますよ
⊂⌒( ;・ω・) 実は僕無職なんですよ
('A`) いわゆるニートってやつですねぇ
⊂⌒( ;・ω・) なんというか、働くのが怖くて…
('A`) ホントですかぁ、ただ働くのがめんどくさいだけじゃないのですか?
⊂⌒( ;・ω・) ……まぁそうです
('A`) まぁここじゃなんなので余所で話しましょ
⊂⌒( ;・ω・) そうですね
- 306 :魅惑のごくつぶし生活:2010/09/04(土) 03:10:52 ID:3KK9Dro.0
- BAR バロ巣
( ´W`)
つ□と キュッキュッ
⊂⌒( ・ω・) 以前は働いてたんですよね、でも水に合わなくてやめちゃいました
('A`) ほう
⊂⌒( ・ω・) それ以降は家でだらだらして親父に迷惑かけてるんですよ
('A`) お母さんは?
⊂⌒( ・ω・) 母は僕が小学校のときに家を出たっきり音沙汰なしです
('A`) 男手ひとつで育てられたのですか
⊂⌒( ・ω・) はい、そんな親父に恩返しをしたいとは思うんですけどねぇ、なんか働く気が無くて
- 307 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/09/04(土) 03:11:39 ID:8eb6ewE.0
- 俺の目を盗んで投下できるとでも思ったのか?
甘いな、支援
- 308 :魅惑のごくつぶし生活:2010/09/04(土) 03:11:51 ID:3KK9Dro.0
- ⊂⌒( ・ω・) 本当ならこの年になると親の庇護の下から自立するのが普通ですけどそれが出来ないんです
('A`) なるほど、マスター、巣根梶さんにウォッカを一杯
( ´W`)つ□ タンッ
⊂⌒( ・ω・) どうも
('A`) 巣根梶さん、あなたは出来れば働かないで生きていきたいとは思いませんか?
⊂⌒( ・ω・) まぁそれが出来たら夢のようですね、でも無理でしょ?
('A`) それが無理では無いのですよ
⊂⌒( ;・ω・) え!?そうなんですか!?どうやって!?
('A`) それは明日になればわかります、それとですね巣根梶さん
⊂⌒( ;・ω・) はい!
('A`) お父さんに就職先が見つかったと言ってください
⊂⌒( ;・ω・) 親父に嘘つくんですか!なぜ!?
('A`) 帰ってみればわまりますよ
⊂⌒( ;・ω・) そうですか…
- 309 :魅惑のごくつぶし生活:2010/09/04(土) 03:12:34 ID:3KK9Dro.0
- ⊂⌒( ・ω・) ただいま〜…
(ν・ω・)ν こんな時間までなにしてたんだ
⊂⌒( ;・ω・) そ、それは…
(ν・ω・)ν 働きもせずブラブラしやがって…
⊂⌒( ;・ω・) ……
('A`) 「お父さんに就職先が見つかったと言ってください」
⊂⌒( ;・ω・) じ、実はさ!
(ν・ω・)ν なんだ!
⊂⌒( ;・ω・) 僕就職したんだよ!
(ν・ω・)ν
⊂⌒( ;・ω・) 父さん?
(ν・ω・)ν なん…だと…
- 310 :魅惑のごくつぶし生活:2010/09/04(土) 03:13:41 ID:3KK9Dro.0
- (ν*・ω・)ν お前やればできるじゃねぇか!
⊂⌒( ;・ω・) ま、まあね!
(ν*・ω・)ν いやあ良かった!もうお前は一生くずのままだと思ったよ!
⊂⌒( ;・ω・) あははは…
(ν*・ω・)ν でっ、どこで働くんだ?
⊂⌒( ;・ω・) シ、シベリアのうどん工場!
(ν*・ω・)ν まぁ良くわかんない会社だけど良かった良かった!
⊂⌒( ;・ω・) ふぅ…
(ν・ω・)ν 実は父さん急きょ転勤することになったんだ
⊂⌒( ;・ω・) えっ!?そうなの!?
(ν・ω・)ν ニュー速シティに行くことになったからこの家頼むぜ、多分定年まであっちにいるから
⊂⌒( ;・ω・) うん…
- 311 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/09/04(土) 03:14:14 ID:8eb6ewE.0
- ⊂⌒( ・ω・)
肩の筋肉が発達しているように見える
- 312 :魅惑のごくつぶし生活:2010/09/04(土) 03:14:49 ID:3KK9Dro.0
- 次の日
⊂⌒( ・ω・) 父さん行っちゃったな…よし!
〃∩ ∧_∧
⊂⌒( *・ω・) これで心おきなく漫画が読めるぞ!
`ヽ_っ⌒/⌒c
⌒ ⌒
〃∩ ∧_∧
⊂⌒( *・ω・) あぁ相変わらずムギちゃん可愛いなぁ…
`ヽ_っ⌒/⌒c
⌒ ⌒
〃∩ ∧_∧
⊂⌒( ・ω・) ……
`ヽ_っ⌒/⌒c
⌒ ⌒
〃∩ ∧_∧
⊂⌒( ・ω・) 結局父さんは転勤したけど僕はどうなるんだろうな
`ヽ_っ⌒/⌒c
⌒ ⌒
ピンポーン
〃∩ ∧_∧
⊂⌒( ・ω・) ん?誰か来たぞ
`ヽ_っ⌒/⌒c
⌒ ⌒
- 313 :魅惑のごくつぶし生活:2010/09/04(土) 03:16:32 ID:3KK9Dro.0
- ⊂⌒( ・ω・) どなたです? ガチャン
('A`) こんにちは巣根梶さん
⊂⌒( *・ω・) 喪鬱さんじゃないですか!
('A`) お父さんはもう行かれましたか?
⊂⌒( *・ω・) 行きましたよ!…もしかして喪鬱さんが父さんを!?
('A`) ええそうです、あなたが一生働かなくていい環境を作るために
あなたのおとうさんにはここから遠いニュー速へ行ってもらいました
⊂⌒( *・ω・) 喪鬱さんそんなことできるのですか!?すごいなぁ
⊂⌒( ・ω・) それで僕はどうなるんですか?
( 'A`) オーホッホッ、入ってきてください
- 314 :魅惑のごくつぶし生活:2010/09/04(土) 03:18:52 ID:3KK9Dro.0
- (//‰ ゚) どーもデス
⊂⌒( ;・ω・) うわっロボット!?
('A`) そうです、今日からあなたの身の回りの世話はこのロボットにやってもらいます
(//‰ ゚) 横堀デス、ヨロシク
⊂⌒( ;・ω・) よ、よろしく
('A`) どうですか巣根梶さん
⊂⌒( *・ω・) すごいですよ喪鬱さん!まるでSFみたいだ!
('A`) この横堀さんは炊事洗濯、家事、料理はモチロン、あなたのかわりに働きに行くこともできるのです
⊂⌒( *・ω・) パーフェクトじゃないですか!
('A`) しかもこの横堀さんはロボットにも関わらず食事だって出来ますしお風呂にも入れるのです
まさに人間とほぼ同じなのですよ
⊂⌒( *・ω・) 科学の進歩すげぇ…ドラえもんみたいだ…
- 315 :魅惑のごくつぶし生活:2010/09/04(土) 03:20:59 ID:3KK9Dro.0
- ⊂⌒( ・ω・) あれ?そういえば横堀さんは?
('A`) 聞こえませんか?
⊂⌒( ・ω・) え?
ぶお〜〜〜〜〜…
⊂⌒( ・ω・) ……掃除機の音!!
('A`) そうです
⊂⌒( *・ω・) もう掃除してるのか!なんて気がきくロボットなんだ!
('A`) 仕事熱心なロボットなんですよ
⊂⌒( ;・ω・) でも喪鬱さん、そんなすごいロボットなんだからお金のほうは相当…
- 316 :魅惑のごくつぶし生活:2010/09/04(土) 03:22:24 ID:3KK9Dro.0
- ('A`) いえいえタダですよ巣根梶さん
⊂⌒( ;・ω・) タダなんですか!?でもなぜ?
('A`) あのロボットは某大手家電メイカーの試作品の一つなのですよ、その余った試作品をあなたにお譲りするわけです
⊂⌒( *・ω・) そうなんですか!ありがとうございます!
('A`) ただ完璧に見えますがただひとつだけ欠点があるのです
⊂⌒( ・ω・) なんですか欠点って?
('A`) 実は充電式なのですよ、12時間ごとに充電しなければならないのです
⊂⌒( ・ω・) そうなんですか、でも寝る前に充電すればOKじゃないですか?
('A`) その通りです、寝る前には必ず充電してください、これは約束です
⊂⌒( ・ω・) わかりました
('A`) それでは今日から横堀さんのことをお母さんと思ってくださいね
⊂⌒( *・ω・) はい!ありがとうございます!
- 317 :魅惑のごくつぶし生活:2010/09/04(土) 03:23:39 ID:3KK9Dro.0
- ⊂⌒( ・ω・) 喪鬱さんも帰ったし、部屋で漫画でも読むか
ガチャン
⊂⌒( ;・ω・) うをっ!
ピカーン
⊂⌒( ;・ω・) すげぇ、めちゃくちゃ片付いてる…漫画本も全部綺麗に並んでるし…
(//‰ ゚) カラ介さん、どうデスか?
⊂⌒( *・ω・) バッチグーだよ!ありがとう横堀さん!
(//‰ ゚) えへへ、買い物行ってきますね
⊂⌒( ・ω・) あ、ついでにヤンマガ買ってきて
(//‰ ゚) かしこまりました
- 318 :魅惑のごくつぶし生活:2010/09/04(土) 03:25:06 ID:3KK9Dro.0
- 〃∩ ∧_∧
⊂⌒( ・ω・) ヤンマガヤンマガ〜♪
`ヽ_っ⌒/⌒c
⌒ ⌒
〃∩ ∧_∧
⊂⌒( ・ω・) コッペリオンおもしれェ、カイジは相変わらず進まないな
`ヽ_っ⌒/⌒c
⌒ ⌒
コンコン
⊂⌒( ・ω・) はいどうぞ
ガチャン
(//‰ ゚) 晩御飯が出来ました
⊂⌒( ・ω・) うんわかった、今行くよ
- 319 :魅惑のごくつぶし生活:2010/09/04(土) 03:25:49 ID:3KK9Dro.0
- ⊂⌒( ・ω・) もぐもぐ
(//‰ ゚) どうデス?
⊂⌒( *・ω・) すごく美味しいよ横堀さんのハンバーグ!肉汁が良い感じで詰まってて最高だよ!
(//‰ ゚) とてもうれしいデス
⊂⌒( *・ω・) ンマーイ! もぐもぐ
⊂⌒( *・ω・) ごちそうさま!すごく良かったよ!
(//‰ ゚) お風呂が沸いてますので入ってください
⊂⌒( *・ω・) はい!
- 320 :魅惑のごくつぶし生活:2010/09/04(土) 03:26:33 ID:3KK9Dro.0
- ⊂⌒( *・ω・) ザバーン! ゴシゴシ
⊂⌒( *・ω・) (いやぁ横掘さんが来てくれて良かったぁ、全部やってくれるからなぁ…)
⊂⌒( *・ω・) (僕はもうなにもしないでいいんだ!ぐふふ…)
ガチャ
(//‰ ゚) お背中を流しにきました
⊂⌒( ;・ω・) よ、横掘さん!? ドキッ!
(//‰ ゚) 背中向けてください
⊂⌒( ;・ω・) はい…
(//‰ ゚) ゴシゴシゴシ
⊂⌒( *・ω・) ああ幸せ…
- 321 :魅惑のごくつぶし生活:2010/09/04(土) 03:27:14 ID:3KK9Dro.0
- ⊂⌒( *・ω・) ああ風呂さっぱりした
⊂⌒( *・ω・) もう寝ようかな、横掘さんお休み!
(//‰ )
⊂⌒( ;・ω・) あれ、横掘さん…
('A`) 「彼女は充電式なのですよ」
⊂⌒( ・ω・) そうだ充電式だったな、コンセントコンセント
⊂⌒( ・ω・) あった! カチ!
(//‰ ) ウィーン…
⊂⌒( *・ω・) 横掘さん、今日一日お疲れ様、明日もよろしく
- 322 :魅惑のごくつぶし生活:2010/09/04(土) 03:28:14 ID:3KK9Dro.0
- 数日後 BAR バロ巣
⊂⌒( *・ω・) いやぁ最高ですよ喪鬱さん!
('A`) オーホッホッ、喜んでもらえてワタシもうれしいです
⊂⌒( *・ω・) もうなにもかも彼女がやってくれるんですよ!もう楽で楽で
('A`) これから死ぬまで彼女の庇護の下で生活できますよ
⊂⌒( *・ω・) 自立なんてしなくても生きていけますね!最近は彼女が働きに行ってくれるんですよ!
('A`) それは良かったですねぇ、それはそうと充電はしっかりやってますか?
⊂⌒( *・ω・) モチロンです、毎日かかさずやってます
('A`) 充電だけ絶対に忘れないでくださいねぇ
⊂⌒( *・ω・) はい!
- 323 :魅惑のごくつぶし生活:2010/09/04(土) 03:29:26 ID:3KK9Dro.0
- ⊂⌒( ・ω・) ただいま〜
(//‰ ゚) おかえりなさいカラ介さん、ご飯できてマスよ
⊂⌒( ・ω・) うん、ありがとう、でも先にお風呂に入ろうかな
(//‰ ゚) わかりました、ではまたお背中流しマスね
⊂⌒( ・ω・) うんありがとう
- 324 :魅惑のごくつぶし生活:2010/09/04(土) 03:30:27 ID:3KK9Dro.0
- ⊂⌒( *・ω・) いやぁお腹いっぱいだ、寝る前に漫画でも読むかな
(//‰ ゚) カラ介さん
⊂⌒( ・ω・) ん?どうしたの横掘さん
(//‰ ゚) マッサージしてあげマス
⊂⌒( *・ω・) マッサージもできるの!お願いします!
(//‰ ゚) 腰を揉みマス もみもみ
⊂⌒( *・ω・) あぁ〜…
(//‰ ゚) どうです? もみもみ
⊂⌒( *・ω・) 良いよ〜最高だよ〜
(//‰ ゚) ありがとうございます もみもみ
⊂⌒( *-ω-) あぁ〜気持ちいい…
(//‰ ゚) もみもみ
⊂⌒( *-ω-) あぁ〜…
⊂⌒( *-ω-) ……
- 325 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/09/04(土) 03:32:53 ID:8eb6ewE.0
- やらかすのか?
- 326 :魅惑のごくつぶし生活:2010/09/04(土) 03:34:15 ID:3KK9Dro.0
- ⊂⌒( ;・ω・) ハッ!?今何時だ!
チュンチュン…
⊂⌒( ;・ω・) 朝の7時!?横掘さんは!?
(//‰ )
⊂⌒( ;・ω・) 充電が切れてる
('A`) 巣根梶さん
⊂⌒( ;・ω・) 喪鬱さん!?なんでここに!?
('A`) あなたワタシとの約束破りましたね
⊂⌒( ;・ω・) すいません!ついマッサージが気持ちよくて寝てしまって!
('A`) 言い訳してもダメです!
⊂⌒( ;・ω・) そこをなんとか!
('A`) 許しません
m9('A`)
ド―――m9('∀`)―――ン!!
⊂⌒( ;゚ω゚) ぐわあああああああああ!!!!!
- 327 :魅惑のごくつぶし生活:2010/09/04(土) 03:40:29 ID:3KK9Dro.0
- 1ヶ月後 玄関にて
(ν・ω・)ν 結局帰ってきちゃったなぁ
(ν・ω・)ν 急に来いとか言ったくせに唐突に帰れだもん、嫌になっちゃうよ
(ν・ω・)ν がちゃ
(ν・ω・)ν あれ鍵開いてる?あいつ家にいるのかな、ただいま〜
シーン…
(ν・ω・)ν 部屋にいるのかな
トコトコ (ν・ω・)ν
(ν・ω・)ν コンコン
(ν・ω・)ν おい居るのか〜?
ガチャ
- 328 :魅惑のごくつぶし生活:2010/09/04(土) 03:48:38 ID:3KK9Dro.0
- ⊂⌒( ヽ;ω;) 父さ〜ん…
(ν;・ω・)ν ど、どうした!?なんで泣いてるんだ!?
⊂⌒( ヽ;ω;) うぐうぐ
(ν;・ω・)ν エェーッ!?
〃∩
⊂⌒ ( //‰ ゚) ご飯まだァ〜。お腹空いたから早く作ってよぉ〜
`ヽ_っ⌒/⌒c
⌒ ⌒
(ν;・ω・)ν なんだこいつは!?
〃∩
⊂⌒ ( //‰ ゚) ねぇ〜ヤンマガ買ってきてよ〜
`ヽ_っ⌒/⌒c あとヤンガンも買ってきて〜
⌒ ⌒
⊂⌒( ヽ;ω;) う、う、う…
('A`) おやおや、あの家はまた大きなお荷物を背負っていくことになりましたねぇ
お父さんの負担が増すばかりですなぁ
('∀`) オーホッホッホッホ・・・・・・ 【魅惑のごくつぶし生活】 完
- 329 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/09/04(土) 03:50:42 ID:3KK9Dro.0
- 今回は以上です
まさかこんな時間に見てくれる人がいたなんて////
指摘、質問等あればお願いします
- 330 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/09/04(土) 03:53:29 ID:8eb6ewE.0
- 乙!
横堀を養うためにヒキを脱却すればあるいは・・・
- 331 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/09/06(月) 21:20:29 ID:pDmLqCxI0
- `・+。*・ (´・ω・`)
。*゚ 。☆―⊂、 つ
。*゚ : ヽ ⊃
`+。**゚**゚ ∪~
- 332 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/09/09(木) 01:51:37 ID:T7TTSf4E0
- 私の名前は喪鬱毒造、人呼んで鬱なセールスマン
ただのセールスマンじゃございません
私が取り扱うのは“ココロ” 人のココロでゴザイマス・・・
『('∀`)鬱ナせぇるすまん』
ブーン系小説総合スレ 【 裏 】 まとめ(仮)さん
http://sogomatome.blog104.fc2.com/blog-entry-467.html
まとめさんありがとうございます!
- 333 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/09/09(木) 01:54:31 ID:T7TTSf4E0
- この世は老いも若きも男も女もココロの寂しい人ばかりそんなみなさんのココロのスキマお埋めします
いえお金は一銭もいただきませんお客様が満足されたら、それがなによりの報酬でゴザイマス・・・
さて今日のお客様は・・・
( ´W`)
つ□と キュッキュッ
('A`) 今日はお客さん見つかりませんでしたよマスター
('A`) こんな日もあるのですねぇ…
ガチャン
( ,,^Д^) はぁ…
('A`) ほぅ…
( ,,^Д^) 宝田 康美 35歳 会社員
【仮病休暇】
オーホッホッホ・・・・・・
- 334 :仮病休暇:2010/09/09(木) 01:55:21 ID:T7TTSf4E0
- ( ,,^Д^) マスター、ウォッカを一杯ください
( ´W`) コク
( ,,^Д^) はぁ…
('A`) ……
( ´W`)つ□ タンッ
( ,,^Д^) どーも…
( ,,^Д^) ……
('A`) おやおや、だいぶお疲れのようですね
( ,,^Д^) ええまぁ
- 335 :仮病休暇:2010/09/09(木) 01:56:07 ID:T7TTSf4E0
- ('A`) 今日は花金ではないですか、もっとはちらつとしたらどうです
( ,,^Д^) そんな気分じゃないですよ…
('A`) 良かったらワタシに、あなたが憂鬱な原因を聞かせてください
( ;,,^Д^) なんで知り合いでもないアンタなんかに話さなきゃいけないんですか
('A`) オーホッホッ、申し遅れました、ワタシこういう者なんです サッ
( ,,^Д^) ココロのスキマお埋めします、喪鬱毒造…なんですかこれは?
('A`) 無償で現代人の悩めるココロを救済してる者なのです
( ,,^Д^) カウンセラーみたいなものですか?
('A`) まぁ似たようなものです、さぁあなたの悩みを聞かせてください
- 336 :仮病休暇:2010/09/09(木) 01:57:28 ID:T7TTSf4E0
- ( ,,^Д^) 実は仕事がきつくて疲れちゃって
('A`) なるほど
( ,,^Д^) そのうえ毎日残業だから余計辛くて
('A`) サラリーマンというのは大変ですねぇ
( ,,^Д^) 大変ってもんじゃありませんよ、毎日11時まで残業して家に着くのが12時以降
で、朝は5時半起きだから満足に睡眠もとれない、そんなのが毎日ですよ
('A`) でも今8時半ですよ
( ,,^Д^) そりゃた早く帰れることもありますよ、でもそんなのは稀ですからね、
だからそんな早く終わった日は一人で一杯やるんですよ
('A`) ご結婚はされてるのですか?
( ,,^Д^) してます
('A`) お子さんは?
( ,,^Д^) 小学校の娘がひとりいますね
- 337 :仮病休暇:2010/09/09(木) 01:58:33 ID:T7TTSf4E0
- ('A`) なるほど、家族の為に我慢して働いてるわけですね
( ,,^Д^) そうですけどそろそろ限界ですよ…
('A`) でも明日から休日ではないですか、ゆっくり休んでください
( ,,^Д^) それがダメなんですよ
('A`) ほう、なぜ?
( ,,^Д^) 月曜から仕事が始まると思うと憂鬱でしょうがないんです
そのせいで土日がまったく楽しめない…
('A`) それは重症ですねぇ、でも有給休暇を使えばいいじゃないですか、たっぷり残ってるのでしょう?
( ,,^Д^) 簡単に言わないでくださいよ、使えたらとっくに使ってますよ
('A`) 使えないのですか?
( ,,^Д^) 使えないというより使える空気じゃないんですよ、みんなが仕事してるのによくお前は休めるな、みたいな感じで
実際有給使ったあと自分の机が無かったって話はよく聞きますよ
- 338 :仮病休暇:2010/09/09(木) 01:59:33 ID:T7TTSf4E0
- ('A`) 宝田さん、このまま行くとあなたは体とココロを壊してしましますよ
( ,,^Д^) でも働かなきゃ食べていけませんしね…
('A`) 宝田さん、あなた明日はなんか予定ありますか?
( ,,^Д^) 予定ですか?ないですけどなにか?
('A`) 実はあなたに来てもらいたい場所があるのです
( ,,^Д^) どういうトコなんです?
('A`) それは明日になってみてからのお楽しみです、少なくともあなたは満足されると思いますよ
( ,,^Д^) はぁそうなんすか
('A`) 明日迎えに行きますからねぇ
( ,,^Д^) ……
- 339 :仮病休暇:2010/09/09(木) 02:00:20 ID:T7TTSf4E0
- 次の日
リハ*゚ー゚リ 休日出勤なんて大変ね
( ,,^Д^) しょうがないよ、いまは忙しい時期だし
⌒*(・∀・)*⌒ パパ今日仕事なの?照美と遊べないの?
( ,,^Д^) ごめんな照美、どうしても行かなきゃいけない仕事があるんだ
⌒*(・∀・)*⌒ わかったよ〜、お仕事がんばってね〜
リハ*゚ー゚リ 行ってらっしゃい
( ,,^Д^) 行ってくる
ガチャン
( ,,^Д^) ……
( ,,^Д^) さてと…
( ,,^Д^)】 もしもし、喪鬱さんですか?僕です、宝田です……
- 340 :仮病休暇:2010/09/09(木) 02:01:52 ID:T7TTSf4E0
- ブーン…
('A`) どうです、我が愛車の乗り心地は?
( ,,^Д^) まぁいいんじゃないすか?
('A`) それは良かった、オーホッホッホ……
( ,,^Д^) で、僕をどこに連れていくんですか?どんどん山奥に入っていきますけど
('A`) 安心してください、良いところですから
( ,,^Д^) いいところねぇ…(なんか胡散臭いなぁ……)
('A`) ほら見えてきましたよ
- 341 :仮病休暇:2010/09/09(木) 02:02:37 ID:T7TTSf4E0
- ( ,,^Д^) あれですか?
('A`) そうですよ
( ,,^Д^) 結構大きい建物ですね、なんなんですあれ?
('A`) 病院です
(;,,^Д^) は!?病院!?
('A`) はいそうです、宝田さんには今日からここに入院してもらいます
(;,,^Д^) ちょっと待ってくださいよ!僕どこも悪くないっすよ!
('A`) いえあなたには今日ある病気になってもらいます
(;,,^Д^) いやですよ病気になるなんて!帰らせてくださいよ!
('A`) まぁだまされたと思ってワタシについてきてくださいよ キキーッ
- 342 :仮病休暇:2010/09/09(木) 02:03:31 ID:T7TTSf4E0
- カツカツカツ…
( ,,^Д^) こんな山奥にこんな病院があるなんて今まで知りませんでしたよ
('A`) 秘密の病院ですからねぇ
( ,,^Д^) それにしても…
(ν*・ω・)ν ローン!!ジュンチャンリャンペーコードラドラ!倍満だ! ドシーン!
(;・↓・) ぐはあ!またやっちまった!
リコ-○ー○)リ あんたはホント弱いのう
( ゚∀゚ ) ガハハ!もっかいやるぞ!
( ,,^Д^) あの人たちはなんの病気なんですか?すごい元気そうですけど
('A`) ここの病院の患者さんは全員同じ病気に罹ってるのですよ
( ,,^Д^) だからその病気ってな…
('A`) ここが診察室です、入ってください ガチャン
(;,,^Д^) ううう…
- 343 :仮病休暇:2010/09/09(木) 02:04:31 ID:T7TTSf4E0
- (ΘωΘ) あなたが宝田さん?
( ,,^Д^) はいそうです
(ΘωΘ) なんかやつれてますね、やっぱ仕事が忙しいんですか?
( ,,^Д^) まぁそうですね
(ΘωΘ) なるほど カキカキ
( ,,^Д^) ……
(ΘωΘ)お酒とか呑む?
( ,,^Д^) まぁ結構呑みますね
(ΘωΘ) お酒は呑む、と カキカキ
(ΘωΘ) わかりました、あなた胃潰瘍です、しばらく入院ですね
(;,,^Д^) は!?んなアホな!
`ハリ*^ω^ハ それでは宝田さん、病室へ案内しますね ガチャ
(#,,^Д^) ふざけるなよ!なんで二言三言話した程度で胃潰瘍だってわかるんだよ!
- 344 :仮病休暇:2010/09/09(木) 02:05:27 ID:T7TTSf4E0
- `ハリ#^ω^ハつ ほら行きますよ!
(#,,^Д^) なんで入院しなきゃいけないんだよ!
`ハリ#^ω^ハ 話聞いてないんですか!?
(#,,^Д^) 話ってなんだよ!
('A`) オーホッホッ
(;,,^Д^) 喪鬱さん!どういうことなんですこれは!
('A`) まぁ落ち着いてください、病室への道すがらちゃんとした説明をしましょう
(;,,^Д^) なんなんですかここは!?検査とかなにもせず胃潰瘍って言われたんですよ!
('A`) ほうほう
(;,,^Д^) 普通はエコーとかレントゲンやらやるでしょうよ
- 345 :仮病休暇:2010/09/09(木) 02:06:19 ID:T7TTSf4E0
- ('A`) もちろん宝田さんは胃潰瘍ではありませんよ
(;,,^Д^) だったらなんで入院しなきゃいけないんですか!
('A`) 実はこの病院は仮病専門病院なのです
(;,,^Д^) け、仮病専門病院!?なんすかそれ?
('A`) 日頃多忙でなかなか休みが取れない人を救済するための病院なんです
(;,,^Д^) 救済ですか
('A`) ええ、日本は働き過ぎの過労死が多いですからねぇ、そういう過労死予備軍の方々にここで休んでもらうのです
(;,,^Д^) で、でも別に入院しなくたっていいんじゃないですか?
('A`) こうでもしなければあなたの会社は休ませてくれないでしょう
(;,,^Д^) じゃあ会社にはなんて言えば?仮病って言うんですか?
('A`) 胃潰瘍だからしばらく休ませてくださいと言えばいいのです、病気だったら上司も休ませざるおえないでしょう
(;,,^Д^) でもうちの会社は病気休暇とかないですし
('A`) そういうときの為の有給休暇があるではないですか
(;,,^Д^) ああ有給か…
- 346 :仮病休暇:2010/09/09(木) 02:07:11 ID:T7TTSf4E0
- ('A`) 宝田さん、有給はいくつ残ってるのですか?
(;,,^Д^) 去年の繰越しがまだ残ってるから39日です
('A`) ではその有給全部使い切っちゃいましょ
(;,,^Д^) はぁ
('A`) 会社には嘘の診断書を持ってワタシが有給を申請しときますね
(;,,^Д^) そうですか
`ハリ*^ω^ハ 病室に着きましたよ
('A`) それでは宝田さん、ゆっくり仮病を直してくださいね
(;,,^Д^) あ、あの!
('A`) なんでしょう?
( ,,^Д^) わざわざオレのためにありがとうございます
('A`) いえいえ、ワタシはただあなたに幸せになってもらいたいのですよ、では
( ,,^Д^) ……
- 347 :仮病休暇:2010/09/09(木) 02:08:38 ID:T7TTSf4E0
- `ハリ*^ω^ハ それではごゆっくり
( ,,^Д^) はい
ガチャン
( ,,^Д^) ……
( ,,^Д^) ふふふ…
( ,,^Д^) ふあ〜、なんか落ち着くなぁ
( ,,^Д^) (こんなゆったりした気分になるの久しぶりだなぁ…)
( ,,^Д^) 少なくとも向こう約2カ月は仕事のことを心配しなくて済むんだ、あぁ〜楽だわ
コンコン
- 348 :仮病休暇:2010/09/09(木) 02:09:28 ID:T7TTSf4E0
- ( ,,^Д^) はいどうぞ
ガチャン
(ν・ω・)ν こんにちは〜
( ,,^Д^) こんにちは
(ν・ω・)ν 今日新たに入院してきた宝田さんです…よね?
( ,,^Д^) そうですよ
(ν・ω・)ν 僕は相田と申します、よろしく
( ,,^Д^) よろしくです、あなたも仮病なんですか?
(ν・ω・)ν モチロンです!表向きは胃潰瘍なんですけどね
( ,,^Д^) ハハ、僕もですよ
(ν・ω・)ν あの、他の仮病患者さんとマージャンやってるんですけど、宝田さんもやりませんか?
( ,,^Д^) いいんですか?ありがとうございます!マージャン好きなんすよ
- 349 :仮病休暇:2010/09/09(木) 02:11:04 ID:T7TTSf4E0
- (ν・ω・)ν みなさん、今日からこの病院で一緒に生活する宝田さんですよ〜
( ,,^Д^) 宝田です、よろしく
(・↓・) ぼくは黒田と言います、よろしくお願いします
( ゚∀゚ ) オレは埼玉!さいたま!さいたま!
リコ-○ー○)リ ワシは稲葉じゃ、よろしゅう
( ,,^Д^) どーも
(ν・ω・)ν じゃさっそく打ちましょ
(・↓・) じゃあぼく抜けますね
- 350 :仮病休暇:2010/09/09(木) 02:12:34 ID:T7TTSf4E0
- リコ-○ー○)リ ローン!發ホンイツチャンタでハネ満じゃ
(;,,^Д^) また振っちまった!
(ν・ω・)ν 調子悪そうですね〜
( ,,^Д^) 久々ですからね、どうも感覚がね ガサゴソ
(ν・ω・)ν いや宝田さん、ここでのマージャンはお金のやり取りはしません
( ,,^Д^) えっそうなんですか?
(ν・ω・)ν だって下手なストレスを溜めたくないでしょ?
( ,,^Д^) なるほど、それもそうですね
(ν・ω・)ν ここでストレス溜めちゃ意味無いからね〜
- 351 :仮病休暇:2010/09/09(木) 02:13:25 ID:T7TTSf4E0
- (;・↓・) 通れ!
( ,,^Д^) ロン!白發チャンタ小三元!ハネ満です
(;・↓・) またやっちまった!
( ゚∀゚ ) 相変わらずお前弱いな!
( ,,^Д^) やっとツキが出てきましたね〜
(ν・ω・)ν】 ……それじゃあ人数分お願いしますね
(ν・ω・)ν ガチャン
( ,,^Д^) あれどこに電話してたんですか?
(ν・ω・)ν ちょっとナースセンターにね
( ,,^Д^) ふーん
- 352 :仮病休暇:2010/09/09(木) 02:14:16 ID:T7TTSf4E0
- ガチャ
`ハリ*^ω^ハ ビールお持ちしましたよ〜
(;,,^Д^) えっ!?ビール呑めるんですか!?
(ν・ω・)ν そうですよ
(;,,^Д^) マジですか…でもここ病院ですよ
( ゚∀゚ ) だって俺たち病気じゃないじゃん
(;,,^Д^) まぁそうですけど
(ν・ω・)ν ここは日頃のストレスを解消する場です、酒が呑めないことでストレスを抱えちゃあ元も子もないでしょ
( ,,^Д^) たしかにそうですね、じゃあありがたく呑ませていただきます
- 353 :仮病休暇:2010/09/09(木) 02:15:06 ID:T7TTSf4E0
- ( ,,^Д^) ゴクゴク…
( ,,^Д^) プハーッ!旨い!あっとこれいくらですか?
`ハリ*^ω^ハ タダですよ
(;,,^Д^) タダ!?マジっすか、すごいですねここの病院は…
`ハリ*^ω^ハ 他にもカラオケやホームシアター、レストランなんかもあります
( ,,^Д^) いたれりつくせりですね…
リコ-○ー○)リ あとでワシとカラオケに行くか?
( ,,^Д^) いや、遠慮しときます
リコ-○ー○)リ つれないのう…
( ゚∀゚ ) 早く打とうぜ
( ,,^Д^) ああすいません
( ,,^Д^) グビッ
(*,,^Д^) (あぁ、やすらぐなぁ……)
- 354 :仮病休暇:2010/09/09(木) 02:16:12 ID:T7TTSf4E0
- 次の日 朝
( ,,^Д^) ふわ〜、目覚めの良い朝だ
ガチャ
`ハリ*^ω^ハ おはようございます宝田さん、ビール持ってきました
( ,,^Д^) あ、どーも
`ハリ*^ω^ハ 朝からビールなんて優雅ですね〜
( ,,^Д^) 一度でいいから朝っぱらからビールを呑んでみたかったんですよ
`ハリ*^ω^ハ ビールはおひとり様1日2本ですからね、あとビールの罐はちゃんと捨てといてくださいね
( ,,^Д^) わかりました
`ハリ*^ω^ハ それではごゆっくり
ガチャ
( ,,^Д^) グビグビ
(*,,^Д^) ぷは〜、朝ビール最高〜
- 355 :仮病休暇:2010/09/09(木) 02:17:12 ID:T7TTSf4E0
- コンコン
( ,,^Д^) (誰だろ…とにかくビール隠すか…)はいどうぞ ゴソゴソ
ガチャ
⌒*(・∀・)*⌒ パパー!!
リハ*゚ー゚リ 来ちゃった
(;,,^Д^) アイシスに照美!?なんでここがわかったの?
リハ*゚ー゚リ 喪鬱さんって方が教えてくれたの
(;,,^Д^) ああ、喪鬱さんか…
リハ*゚ー゚リ 昨日喪鬱さんが家に来てね、「旦那さんが緊急入院しました」って言うからびっくりしちゃった
(;,,^Д^) ハハハ、大げさだなぁ
リハ*゚ー゚リ 体調の方は大丈夫?
( ,,^Д^) 全然大丈夫よ、ただの胃潰瘍だし
リハ*゚ー゚リ 入院したときはちゃんと連絡してよね、心配するから
( ,,^Д^) うんわかった、ゴメンね
- 356 :仮病休暇:2010/09/09(木) 02:18:26 ID:T7TTSf4E0
- リハ*゚ー゚リ それで何日くらい入院するの?
( ,,^Д^) 1か月以上は入院するだろうね
リハ;゚ー゚リ そんなにするの!?胃潰瘍で!?
(;,,^Д^) そ、そうだよ(仮病とはさすがにいえねェよな…)
リハ;゚ー゚リ お金は!?長期で個室だし、結構かかるんじゃないの?
( ,,^Д^) お金のことは気にするなよ、俺の貯金がまだ結構あるから
リハ*゚ー゚リ ならいいけど…
⌒*(・∀・)*⌒ あれ〜?パパお酒臭いよ!まさかお酒呑んだの〜?
(;,,^Д^) えっ!?気、気のせいだよ!
リハ*゚ー゚リ そうよ照美、お父さんは今入院中なんだからお酒呑めるわけないでしょ
⌒*(・∀・)*⌒ ふ〜ん
(;,,^Д^) (ホッ…)
- 357 :仮病休暇:2010/09/09(木) 02:19:10 ID:T7TTSf4E0
- リハ*゚ー゚リ じゃあ帰るね
⌒*(・∀・)*⌒ バイバイ!パパ〜
( ,,^Д^) おう
ガチャ
( ,,^Д^) ……行っちゃったか ガサゴソ
( ,,^Д^) グビグビ
( ,,^Д^) まさか見舞いに来るとは思わなかったな〜
ガチャ
(;,,^Д^) やべっ!! ガサゴソ!
('A`) オーホッホッホ、安心してください宝田さん、ワタシです、喪鬱ですよ
- 358 :仮病休暇:2010/09/09(木) 02:20:33 ID:T7TTSf4E0
- (;,,^Д^) あっ喪鬱さんでしたか
('A`) どうです?居心地のほうは?
(*,,^Д^) いやもう最高ですよ!ビールは旨いしみんな優しいし
('A`) みなさん同じ境遇ですからねぇ
(*,,^Д^) なんか腑抜けちゃいそうですね、ここにいると ハハハ
( ,,^Д^) そういえばなんの用ですか?
('A`) ええ、実は昨日言い忘れてたことがありましてねぇ
( ,,^Д^) なんです?
('A`) ここの病院が仮病専門病院ということを外部で話さないでほしいのです
( ,,^Д^) ここの秘密は誰にも話すなってことですね、わかりました
('A`) わかっていただければ結構です、あとあんまり無断で外には出ないでくださいね、それでは ガチャ
( ,,^Д^) ……
- 359 :仮病休暇:2010/09/09(木) 02:21:22 ID:T7TTSf4E0
- ―――それからも宝田の入院生活は続いた・・・
(・↓・) 通れ! ピッ!
( ,,^Д^) 残念ロンです!チートイドラドラ!マンガン!
(;・↓・) あちゃ〜
( ,,^Д^) 雨の日はチートイツ
昼はマージャンで遊び…
リコ#○д○)リ 夏が来る〜夏が来る〜♪
(ν*・ω・)ν ひっこめ〜!
(*,,^Д^) 年齢がバレるぞおい!
夜はカラオケで熱唱する、そんな毎日を送った…
そして2週間後…
- 360 :仮病休暇:2010/09/09(木) 02:23:01 ID:T7TTSf4E0
- 病室 夕刻
( ,,^Д^) ……暇だ
( ,,^Д^) さすがに2週間もいると飽きてくるなぁ
( ,,^Д^) グビグビ
( ,,^Д^) カラオケに行くか…でもあの面子も飽きたしなぁ…
( ,,^Д^) はぁ…
ガチャ
( `v´) 先輩
- 361 :仮病休暇:2010/09/09(木) 02:24:31 ID:T7TTSf4E0
- (;,,^Д^) (やべっ!)なんだ喜多じゃねェか、なんの用だ? ガサゴソ
( `v´) お見舞いっすよ、宝田先輩が重病を患ったって言うんで見に来ましたよ
(;,,^Д^) 重病って…ただの胃潰瘍だよ
(∴゚ з゚ ) でもなんか元気そうですね
( ,,^Д^) なんだ高田も来てたのか、そうだよ元気ですよ
( `v´) どうです入院生活は?暇なんじゃないですか?
( ,,^Д^) 暇すぎてどうにかなりそうだぜちくしょう
( `v´) だったら病院抜け出して呑みに行きません?
( ,,^Д^) え?
(∴゚ з゚ ) そうですよ!宝田さん見た感じ健康そうだし呑んだって大丈夫じゃないですか?
( ,,^Д^) ……
('A`) 「無断で外には出ないでくださいね」
( ,,^Д^) OK!行こうぜ!
( `v´) そうこなくっちゃ!
( ,,^Д^) (バレなきゃ大丈夫だろ…)
- 362 :仮病休暇:2010/09/09(木) 02:25:26 ID:T7TTSf4E0
- 居酒屋
(*,,^Д^) グビグビ!
(*,,^Д^) プハーっ!最高!
(*`v´) 良い呑みっぷりですね〜
(*,,^Д^) (やっぱ病院でチマチマ呑むよりこういうトコで呑むほうが良いな!)
(∴゚ з゚ ) ほら焼き鳥が来ましたよ〜
(*,,^Д^) うしうし・・・
(*,,^Д^) ンマ〜イ!いやぁ幸せ!
(*`v´) よっぽど病院での生活が鬱屈してたんですね!こんな宝田さん初めて見ますよ!
(*,,^Д^) どんどん頼め!今日はオレがおごってやるよ!
(∴*゚ з゚ ) あざーっす!
- 363 :仮病休暇:2010/09/09(木) 02:26:13 ID:T7TTSf4E0
- (*,,^Д^) うぃ〜…
(*`v´) しっかしホントに胃潰瘍なんすか!?すごい元気じゃないっすか!
(*,,^Д^) ここだけの話だけど、実はオレ胃潰瘍じゃないのよ
(∴*゚ з゚ ) そうなんですか?もしかして胃がん…
(*,,^Д^) ちげーよ、実は仮病なんよ
(*`v´) は!?どういうことっすか?
(*,,^Д^) あそこの病院はな、仮病専門病院でな、嘘の診断書作成して休ませてくれるんだよ
(∴*゚ з゚ ) すごいじゃないですか!オレも休ませてくださいよ!
(*`v´) オレも!
(*,,^Д^) 落ち着けい二人とも、しょうがないからオレが明日医者に話をつけてやるよ
(*`v´)(∴*゚ з゚ ) あざーっす!
(*,,^Д^) ふふふ…
- 364 :仮病休暇:2010/09/09(木) 02:27:30 ID:T7TTSf4E0
- (*,,^Д^) ううう、ちょっと呑むすぎたな…
(*,,^Д^) しかし久々にあんなに呑んだな…ククク…
(*,,^Д^) あっと病院だ…
(*,,^Д^) 誰にも気づかれずに入らなきゃな…裏から入るか…
(*,,^Д^) ザッザッザッ
(*,,^Д^) あった裏口!音を立てずに入ろう
(*,,^Д^) そ〜っ……
('A`) 宝田さん
Σ(;,,^Д^) も、喪鬱さん!? ビクッ!
- 365 :仮病休暇:2010/09/09(木) 02:29:07 ID:T7TTSf4E0
- ('A`) あなたはこんな時間までなにをしてたんですか?
(;,,^Д^) い、いやちょっと別に…!
('A`) お酒を呑まれてきたのですね
(;,,^Д^) えへへ…すいません…
('A`) ワタシは無断で外に出ないでほしいと言ったではないですか
(;,,^Д^) いやそれはホントすいません!欲望に勝てなくて…
('A`) それにあなた……病院の秘密をバラしましたね…!
(;,,^Д^) げっ!?なんでそれを!?……あっ!?
('A`) オーホッホッ、やっぱバラしたのですねぇ
(;,,^Д^) ごめんなさい!酔った勢いでつい!
('A`) 言い訳は聞きたくありません!約束を破ったからにはそれなりの報いを受けてもらいましょう!
(;,,^Д^) 報い!?
m9('A`)
ド―――m9('∀`)―――ン!!
(;,, Д ) ぐわあああああああ!!!!!
- 366 :仮病休暇:2010/09/09(木) 02:31:34 ID:T7TTSf4E0
- (;,, Д ) うう〜ん…
(;,,^Д^) ハッ!?どこだここは!? むくっ
(;,,>Д<) ゴツン!
(;,,^Д^) 痛てて…どこだよここ?
(;,,^Д^) 箱の中?まっくらだし、よくわかんねぇな…
(;,,^Д^) しかし狭いな…身動き取れねェよ…
……で………す…
(;,,^Д^) ん?誰かの声が聞こえるぞ
- 367 :仮病休暇:2010/09/09(木) 02:33:22 ID:T7TTSf4E0
- ……あなたなんで…なんでなの…
(;,,^Д^) この声は…アイシス!?
パパァ……パパ……うぐうぐ…
(;,,^Д^) 照美!?どうなってるんだよコレ!?
すいません!オレが酒を呑みに連れてったばかりに……!
(;,,^Д^) この声は喜多?なにがどうなってるんだ?
喜多さんのせいではないですよ…でもまさか…
(;,,^Д^) ……
こんなに早く死んじゃうなんて…!
(;,,^Д^) ……は?
- 368 :仮病休暇:2010/09/09(木) 02:35:02 ID:T7TTSf4E0
- なんでよ…なんで胃潰瘍なんて嘘ついたのよ…
(;,,^Д^) ちょっと待て!オレはまだ生きてるぞ!
奥さん、もう火葬の時間ですので…
……はい
(;,,^Д^) 火葬ってまさかこれ棺桶か!?
ではみなさん、旅立たれる宝田康美さんのために最後の祈りをささげてください
(#,,^Д^) ちょっと待て!オレはまだ生きてる!まだ生きてるよ! ドンドン!!ドンドン!!
…パパ…パパ…
(#,,^Д^) 照美ぃ!!お父さんはまだ生きてるぞ! ドンドンドン!!
……バイバイパパ、今までありがとう
(#,,^Д^) なんで誰も気づかないんだよ!!オレはこん中に居るんだ!! ドンドンドン!ドンドンドン!
- 369 :仮病休暇:2010/09/09(木) 02:36:49 ID:T7TTSf4E0
- ……それでは棺を炉に納めてください
(#,,^Д^) やめろおおおおお!!!オレは生きてるんだよおお!! ドンドン!!
ウィーーン…
(#,,^Д^) 出せっ!!!ここから出せっ!! ガリガリガリガリ
では奥さん、最後に一言お願いします…
(#,,^Д^) アイシス!オレは生きてるんだ!だから早く気付いてくれェ!!
あなた、いままでホントお疲れさまでした…どうかゆっくり休んでください…
(#,,;Д;) だからオレは生きてるよ!なんで気づいてくれないんだよぉ!こんなに大声出してるのに…ハァ…ハァ…
では点火のスイッチを…
(#,,;Д;) 点火!?
ハイ……
(#,,;Д;) よせえええええ!!やめてくれ!嫌だ嫌だ!!嫌だァァァァァァ!! ドンドンドンドンドン!!
カチ
(;,, Д ) うわああああああああああああ・・・・・・
- 370 :仮病休暇:2010/09/09(木) 02:37:39 ID:T7TTSf4E0
-
('A`) これであの人も、本当のやすらぎを手に入れることが出来たでしょうねぇ
('∀`) オーホッホッホッホ・・・・・・ 【仮病休暇】 完
- 371 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/09/09(木) 02:38:41 ID:T7TTSf4E0
- 今回は以上です
質問、指摘等あればお願いします
- 372 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/09/09(木) 03:20:30 ID:JHcepn.Y0
- 乙
今回のは随分と稀に見る悲惨な終わり方だな
恐ろしい・・・
- 373 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/09/09(木) 04:15:27 ID:.h9NAF.60
- `・+。*・ (´・ω・`)
。*゚ 。☆―⊂、 つ ちょっと怖かったお
。*゚ : ヽ ⊃
`+。**゚**゚ ∪~
- 374 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/09/10(金) 01:34:21 ID:EYe/j8aYO
- 乙!
いつも予想とちょっと違うオチなのが憎たらしい…
まあ大好きだけど
- 375 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/09/11(土) 23:34:40 ID:I1PJUqdk0
- 今日で20回目ド―――m9('∀`)―――ン!!
- 376 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/09/11(土) 23:35:40 ID:I1PJUqdk0
- 私の名前は喪鬱毒造、人呼んで鬱なセールスマン
ただのセールスマンじゃございません
私が取り扱うのは“ココロ” 人のココロでゴザイマス・・・
『('∀`)鬱ナせぇるすまん』
ブーン系小説総合スレ 【 裏 】 まとめ(仮)さん
http://sogomatome.blog104.fc2.com/blog-entry-467.html
まとめさんありがとうございます!
- 377 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/09/11(土) 23:36:35 ID:I1PJUqdk0
- この世は老いも若きも男も女もココロの寂しい人ばかりそんなみなさんのココロのスキマお埋めします
いえお金は一銭もいただきませんお客様が満足されたら、それがなによりの報酬でゴザイマス・・・
さて今日のお客様は・・・
(-_-) ハァ…
(-_-) 比企 新人 23歳 無職
【楽して稼げる方法教えます】
オーホッホッホ・・・・・・
- 378 :楽して稼げる方法教えます:2010/09/11(土) 23:37:39 ID:I1PJUqdk0
- シベリア公園 昼
/*`、、/ シュートだし!
リコ*○ー○)リ 相変わらずしょっぱいシュートじゃのう
/ ゚、。;/ これでも練習したんだし!
(-_-) ……
(-_-) (ガキ共うるせぇな…)
リコ*○д○)リ 無回転シュートじゃ! バン!
/ ゚、。;/ ちょっとどこ蹴ってるんだし!
- 379 :楽して稼げる方法教えます:2010/09/11(土) 23:38:23 ID:I1PJUqdk0
- ころころ…
(-_-) ……
/*`、、/ お兄ちゃんボール取ってだし〜
(-_-) ……
/*゚、。 / 寝てるのかし?お〜い、ボール…
(#-_-) うるせぇんだよさっきから!!
Σ/ ゚、。;/ ひぃっ!
(#-_-) あっち行けよ!オレは今考え事してんだ! ザっ!ザっ!
/ ゚、。;/ 砂掛けて来たし!
リコ;○д○)リ なんじゃあいつ!頭おかしいんじゃないんか!?
(#-_-) 消え失せろ!ガキ共!
/ ゚、。;/ 取りあえず逃げるし!
- 380 :楽して稼げる方法教えます:2010/09/11(土) 23:39:03 ID:I1PJUqdk0
- (#-_-) ハァハァハァ…
Σ(;-_-) ハッ!?オレはなにをやってるんだ!?
(;-_-) 子供相手に大人げねェなオレ…ハァ…
(-_-) ホントこれからどうしよ…
('A`) オーホッホッホ
Σ(;-_-) うわッ!?なんすかあんた!?
('A`) いやいや驚かせてすいません、しかしお兄さん荒れてますねぇ
(;-_-) ほっといてくださいよ、オレは今むしゃくしゃしてるんすから!
- 381 :楽して稼げる方法教えます:2010/09/11(土) 23:40:05 ID:I1PJUqdk0
- ('A`) そのあなたがカッカしてる理由を教えていただけませんか?
(;-_-) なんでアンタに話さなきゃいけなんだよ…
('A`) 実はワタシこういう者なんです サッ
(;-_-) ココロのスキマお埋めします?なんのこっちゃ
('A`) セールスマンなんです
(;-_-) はは〜ん、オレになんか買わせようとしてるんだな、残念ながら無理ですよ、オレ金無いから
('A`) 安心してください、ワタシは何かを売ろうとしてるわけではありません
ただあなたのココロの淀みを取り払おうするだけです、それも無償で
(;-_-) 別に結構ですよ、それにアンタじゃオレの悩みを解消できないよ
('A`) その悩みを聞かせてくださいよ
(-_-) 聞かせたって無駄ですよ、それじゃあオレは帰りますので
m9('A`) いいえ聞かせていただきます
(;-_-) え?
m9(゚A゚) ドーーーーン!!
- 382 :楽して稼げる方法教えます:2010/09/11(土) 23:41:20 ID:I1PJUqdk0
- 'A`) ほう、就職難民なんですか
(-_-) はい、内定が決まってたのに大学卒業のすぐ後に内定を取り消されたんです
('A`) それは残念でしたねぇ
(-_-) それで毎日職探しをしてるんですが、今のご時世なかなか見つからなくて
('A`) 雇用の悪化が社会問題になってますからねぇ
(-_-) ハァ、どっか働ける場所ないかな…
('A`) ありますよ
(-_-) そうですか……え!?
- 383 :楽して稼げる方法教えます:2010/09/11(土) 23:42:09 ID:I1PJUqdk0
- (;-_-) あるんですか!?
('A`) ええ
(;-_-) ど、ど、どういうお仕事なんですか!?オレにも出来る仕事なんですか!?
('A`) 多分あなたにぴったりの仕事だと思いますよ
(;-_-) あのぜひその職場を紹介してください!お願いします!
('A`) モチロンいいですよ
(*-_-) ホントですか!?ありがとうございます!
('A`) ではさっそく行きましょうか、職場に
(;-_-) え?もう行くんですか?
('A`) そうですよ、善は急げです
(;-_-) わかりました…
- 384 :楽して稼げる方法教えます:2010/09/11(土) 23:43:12 ID:I1PJUqdk0
- 20分後
('A`) もうすぐ着きますからねぇ
(-_-) わかりました
('A`) てくてく
(-_-) (さっきはつい興奮してこの人の話を鵜呑みにしちゃったけど、冷静に考えたら胡散臭いよなぁ…)
('A`) てくてく
(-_-) (大丈夫かなホントに…)
('A`) オーホッホッ、なんか疑ってますね比企さん
(;-_-) えっいやそんなことないですよ
('A`) 安心してください、別に騙そうとは思ってませんので
(;-_-) そうですか…
('A`) おっとそうこうしてるうちに着きましたね、あれが職場ですよ比企さん
(;-_-) あれですか?
('A`) ええそうです
(;-_-) でもあれ…ただのオンボロアパートじゃないすか!
- 385 :楽して稼げる方法教えます:2010/09/11(土) 23:44:23 ID:I1PJUqdk0
- ('A`) 汚くてもあそこが職場なのですよ
(;-_-) あそこでなんの仕事をするんですか!?
('A`) あそこに住んでいただきたいのです
(;-_-) は?住む?それだけですか?
('A`) そうです、住むだけでいいのです
(;-_-) それのなんの意味があるんですか?言ってる意味がよくわからないです
('A`) 意味なんて考えなくて結構ですよ比企さん
(;-_-) で、でも…
('A`) 考えてみてくださいよ、あそこのアパートに生活するだけでお金が手に入るのですよ、これほど楽な仕事がありますか?
(;-_-) たしかに
('A`) とりあえずアパートの中を見てくださいよ、意外と悪くないですよ
(;-_-) わかりました…
- 386 :楽して稼げる方法教えます:2010/09/11(土) 23:45:50 ID:I1PJUqdk0
- ('A`) ここですよ ガチャン
(-_-) ……
('A`) どうです?悪くないでしょ?
(-_-) 6畳1間に洗面所付き…まぁいいですね…
('A`) ほかにもテレビ、タンス、冷蔵庫等の家具一式は最低限そろってますので安心してください
(;-_-) ネットは?インターネットは出来るんですか?出来なきゃオレ嫌ですよここで暮らすの
('A`) モチロン出来ますよ
(;-_-) ホッ…良かった…
('A`) どうです?住んで…いや働いてみようとする気は起きましたか?
(-_-) まぁネットが出来るのならOKですね…働きます、ここで
('A`) それはよかった、お金は月1回ワタシが手渡ししますので
ではワタシはこれで
(-_-) どうもです
- 387 :楽して稼げる方法教えます:2010/09/11(土) 23:46:37 ID:I1PJUqdk0
- ―――次の日から比企の奇妙な生活が始まった
(-_-) カチカチカチカチ…
(-_-) はぁ、こんなんでホントにお金がもらえるのかね〜
(-_-) カチカチカチカチ…
(-_-) あ、規制解除されてる
(-_-) カチカチカチカチ…
(*-_-) お、祭りじゃん…グフフ…
- 388 :楽して稼げる方法教えます:2010/09/11(土) 23:47:26 ID:I1PJUqdk0
- 2週間後
『ロンです』
(;-_-) あちゃ〜、また振りこんじまった!
『三色ジュンチャンドラ、ハネ満です』
(;-_-) (暇だからネト麻を始めたものの、なかなか上達しませんな…)
(;-_-) ……
(*-_-) おっ、高配牌じゃん、どれどれ…
8巡後…
(*-_-) キタ!ロン!リーチピンフドラドラ!マンガン!
(*-_-) やった!初めてトップだ!
- 389 :楽して稼げる方法教えます:2010/09/11(土) 23:48:23 ID:I1PJUqdk0
- 3週間後
(-_-) ZZZ〜…
(-_-) ふわ〜…
(-_-) 今何時だ…12時か…
(-_-) もうひと眠りするか…
(-_-) ……
(-_-) ZZZ〜…
- 390 :楽して稼げる方法教えます:2010/09/11(土) 23:49:48 ID:I1PJUqdk0
- そして1ヶ月後
('A`) どーも、お久しぶりです比企さん
(-_-) 喪鬱さんお久です
('A`) おやおや比企さん、少しお太りになられましたか?
(-_-) そうですか?まぁ四六時中ごろごろしてますのでしょうがないですよ
('A`) なるほど、それでは比企さん今月分のお金です サッ
(-_-) どうも ガサゴソ
(;-_-) じゅ、15万!?ちょっと喪鬱さんいいんですかこんなにもらって!?
('A`) モチロンです、ご不満ですか?
(;-_-) 不満は無いけど、だってオレ1カ月なにもしないでただダラダラしてただけですよ!
それなのにこんなにいっぱい…
('A`) だから言ったじゃないですか、ものすごい楽な仕事だと
(;-_-) はぁ
('A`) それではまた1カ月頑張ってくださいね ガチャン
(;-_-) ……
- 391 :楽して稼げる方法教えます:2010/09/11(土) 23:51:35 ID:I1PJUqdk0
- (-_-) ぺらぺら…
(-_-) 何度数えても15万…偽札でも無さそうだし…
(-_-) ……
(-_-) ククク…
(*-_-) ワハハ!ただゴロゴロしてただけなのに15万円も手に入ったぜ!
(*-_-) ただただ1日中テレビ見て、ゲームやって、2ちゃん見て、メシ食って寝てただけで15万!
こんなに楽な仕事あるか普通!ワハハ!最高だぜ!汗水たらして働いてる奴が馬鹿に見えるな!
(*-_-) あ〜あ…寝るか
(-_-) ZZZ〜…
- 392 :楽して稼げる方法教えます:2010/09/11(土) 23:52:23 ID:I1PJUqdk0
- 翌日
(-_-) カチカチカチ…
(-_-) ふぅ〜、あ〜あ ゴロン
(-_-) しかし、最初は汚ねェ部屋だと思ったけど住んでるうちになにも感じなくなったな
これが住めば都ってやつか、なるほど
(-_-) そういえばこの部屋のタンス開けてねェな…なにがあるんだろ…
(-_-) ……ちょっと調べてみるか
(-_-) むくっ
- 393 :楽して稼げる方法教えます:2010/09/11(土) 23:53:08 ID:I1PJUqdk0
- (-_-) ガサゴソ
(-_-) 紙屑しか入ってねぇじゃん ガサゴソ
(-_-) バタン
(-_-) 残すは一番下か…金目のモノでも入ってないかな〜
(-_-) グッ
(-_-) あれ?重いぞ、なんか引っかかってんのか?
(-_-) ググッ
(#-_-) くそお!
(#-_-) ググググ!!
(#-_-) ひ・ら・け!!
ガチャン!
- 394 :楽して稼げる方法教えます:2010/09/11(土) 23:54:39 ID:I1PJUqdk0
- (;-_-) ふぅ、開いたか
(-_-) どれどれ、なにが入ってるんだ?
(-_-) チラッ
(0,,0)
(-_-) え…まさかこれ…
(0,,0)
(-_-) 人の骨…?
(0,,0)
(;-_-) が、が、が、が・・・!
(;-_-) 骸骨だ!!!ひぃ!!
- 395 :楽して稼げる方法教えます:2010/09/11(土) 23:55:29 ID:I1PJUqdk0
- (0,,0)
(;-_-) な、な、なんでこんなトコに骸骨が!?どういうことだよ!
ピンポーン
(;-_-) (やば!人が来た!タンス閉めろ!)は〜い今出ま〜す ガタン
ピンポーン
(;-_-) はい今開けますよ〜
ガチャン
( ゚д゚ ) どーも
(ν・ω・)ν こんにちは〜
(;-_-) えっと、どちら様?
( ゚д゚ ) わたくしシベリア署のミルナです サッ
(ν・ω・)ν 同じくシベリア署のほわっちょです
(;゚_゚) (け、け、け、警察ぅ!?)警察がなんの用ですか!?
- 396 :楽して稼げる方法教えます:2010/09/11(土) 23:56:21 ID:I1PJUqdk0
- (ν・ω・)ν 実はこの家に住んでる松本正吉さんの所在を確認しに来たんですよ
(;-_-) 松本正吉!?(誰だよそれ!聞いたこと無ェよ!)
( ゚д゚ ) 実は10年前から所在が確認出来てないのですよ
(;-_-) へぇ…そうなんですか
(ν・ω・)ν ちょいと上がらせてもらいますね
(;-_-) ちょっと勝手に上がんないでくださいよ!
(ν・ω・)ν 見た感じいないですねぇ
(;-_-) 当たり前じゃないすか!オレそんな人知らないですから!早く帰ってください!
- 397 :楽して稼げる方法教えます:2010/09/11(土) 23:57:55 ID:I1PJUqdk0
- ( ゚д゚ ) 本当に松本正吉さんをご存じ無い?
(;-_-) 知りませんよ…
(;-_-) (誰だよ松本正吉って…爺さんみたいな名前だな…)
(;-_-) (爺さん…?)
(0,,0)
(;-_-) (ひょっとしてさっきの骸骨が松本正吉なんじゃ…)
(;-_-) (ってことは喪鬱さんが持ってきたあの金ってまさか!?)
( ゚д゚ ) ほわっちょ
(ν・ω・)ν はい?
( ゚д゚ ) タンスの一番下開けてみろ
(;゚_゚) !!
- 398 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/09/11(土) 23:59:32 ID:FwkCiJnIO
- あれ、そういや今回ってルール出て無いのか
- 399 :楽して稼げる方法教えます:2010/09/12(日) 00:01:35 ID:lcrId5rc0
- (ν・ω・)ν はいよ〜
(;゚_゚) ダメ開けちゃ!
(ν・ω・)ν ガラガラ
(0,,0)
(ν・ω・)ν ……ミルナさん、いましたよタンスの中に
( ゚д゚ ) やっぱ年金の不正受給やってたんだ
(;゚_゚) 知らない!オレは何も知らないんだ!
( ゚д゚ ) 言い訳は署で聞かせてもらうよ!さぁ早く来るんだ!
( ;_;) 違う!オレは騙されたんだ!あいつに騙されたんだ…
('A`) おいしい話には裏がある、彼にとっていい勉強になったのではないでしょうか
('∀`) オーホッホッホッホ・・・・・・ 【楽して稼げる方法教えます】 完
- 400 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/09/12(日) 00:03:05 ID:lcrId5rc0
- 今回は以上です
指摘、質問等あればお願いします
- 401 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/09/12(日) 00:05:00 ID:Y08PWKHEO
- 乙ー
タイムリーなネタを使ってきたな
- 402 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/09/12(日) 00:14:17 ID:5JxRXZZco
- 乙ですよ
ドーンされてないなと思ったが序盤にされてたか
- 403 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/09/12(日) 02:22:25 ID:Tx1U2D5Y0
- `・+。*・ (´・ω・`)
。*゚ 。☆―⊂、 つ
。*゚ : ヽ ⊃
`+。**゚**゚ ∪~
- 404 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/09/24(金) 03:16:59 ID:EKJGA67M0
-
ブーン系小説総合スレ 【 裏 】 まとめ(仮)さん
http://sogomatome.blog104.fc2.com/blog-entry-467.html
まとめさん圧倒的感謝!
n
. ||_
(⊃UUU)
('∀`)/ / 久々ドーン!!!
<( )ノ
ノ \
- 405 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/09/24(金) 03:18:21 ID:EKJGA67M0
- 私の名前は喪鬱毒造、人呼んで鬱ナせぇるすまん
ただのせぇるすまんじゃございません
私が取り扱う品物は“ココロ” 人間のココロでゴザイマス・・・
この世は老いも若きも男も女もココロの寂しい人ばかりそんなみなさんのココロのスキマお埋めします
いえお金は一銭もいただきませんお客様が満足されたら、それがなによりの報酬でゴザイマス・・・
さて今日のお客様は・・・
ノパ⊿゚) えぇっ練習っ!?
ノパ⊿゚) 田井中 ヒート 18歳 女子高生 ドラマー
【別世界の部屋】
オーホッホッホ・・・・・・
- 406 :別世界の部屋:2010/09/24(金) 03:21:22 ID:EKJGA67M0
- けいおん部室
ノ八|;゚ ヮ゚ノヾ そうですよ、なに言ってるんですか!
ノパ⊿゚) まだいいんじゃないか?なぁリコ?
リコ;○ー○)リ いややらなきゃダメじゃろ、もうすぐ文化祭ライブじゃけぇ
ノパ⊿゚) まだ気が早いって!キュートだってそう思うだろ?
o川*゚ー゚)o 私は今日は練習したい気分だよ〜
ノハ;゚⊿゚) キュートもかよ!
ノ八|゚ ヮ゚ノヾ さぁ早く練習しましょ
ノパ⊿゚) はぁ…
lw´‐ _‐ノv はよ行くぞ
ノパ⊿゚) おう…
- 407 :別世界の部屋:2010/09/24(金) 03:22:43 ID:EKJGA67M0
- o川*゚ー゚)o ジャーン!ジャカジャン!
o川*゚ー゚)o すごい良いよ〜!みんな以前より全然上達してるよ〜!
ノ八|゚ ヮ゚ノヾ キュート先輩こそどんどん上手くなってますよ!
o川*>ー<)o ありがとアズにゃん!! ガシッ
ノ八|;゚ ヮ゚ノヾ 抱きついていいとは言ってません///
lw´*‐ _‐ノv うふふ
ノパ⊿゚) ……
リコ-○−○)リ どうしたんじゃヒート?なんか元気無いのう
ノハ;゚⊿゚) そ、そんなことねぇよ!
リコ-○−○)リ なんか一人だけ音がズレとったし、ひょっとして例の頭のケガが……
o川;゚ー゚)o えっ!ヒっちゃん後遺症!?
ノハ;゚⊿゚) 頭のケガは治ったよ!ほらこんな元気! ガシッ
ノ八|;゚ ヮ゚ノヾ ってなんでわたしに抱きつくんですかぁ!!
ノパ⊿゚) うりうり〜
lw´*‐ _‐ノv うふふ
- 408 :別世界の部屋:2010/09/24(金) 03:24:15 ID:EKJGA67M0
- 帰り道
o川*゚ー゚)o じゃあね〜、ヒッちゃん
ノパ⊿゚) おう、ちゃんとまっすぐ家に帰るんだぞ〜
o川*゚3゚)o 子供じゃないんだから分かってるよ! ブー
ノパ⊿゚) ……ハァ
ノパ⊿゚) (みんなどんどん上手くなってくよなぁ最近)
ノパ⊿゚) (キュートなんてギターのギさえ知らないド素人だったのに…)
ノパ⊿゚) (なんか置いてかれてる気がするなぁ…)
ノパ⊿゚) ハァ…
('A`) どうしたんです?元気が無いですねぇ
- 409 :別世界の部屋:2010/09/24(金) 03:25:40 ID:EKJGA67M0
- ノパ⊿゚) なんだよおっさん
('A`) いやぁすいません、あなたがあまりにも浮かない顔をしてるのでつい声をかけてしまいました
ノパ⊿゚) ふん、どうせエロい目でわたしを見てたんだろ、あっちいけよ
('A`) いえいえ、ワタシはそんな不埒な人間ではありません、こういう者なんです サッ
ノパ⊿゚) ココロのスキマお埋めします…も、も、も…
('A`) 喪鬱毒造です
ノハ#゚⊿゚) わかってるよ!でなんなの?このココロのスキマお埋めしますって
('A`) ワタシは現代人の悩めるココロを救済するセールスマンなんです
ノパ⊿゚) ははんわかったぞ!わたしに何かを買わせる気だろ!残念だったな、わたしは金持ってないんだ
('A`) いえいえお金は一銭も頂きません、あなたの満足された顔が見たいだけなのです
- 410 :別世界の部屋:2010/09/24(金) 03:27:01 ID:EKJGA67M0
- ノパ⊿゚) ふーん(すげぇうさんくさいぞ!)
ノパ⊿゚) とにかくわたし帰るから!じゃあな!
('A`) 田井中さん
ノパ⊿゚) なんだよ!ってなんでわたしの名前を知ってんだよ!
('A`) あなたバンドをおやりのようですねぇ
ノハ;゚⊿゚) えっなんで知ってるんの!?
('A`) そしてあなたの担当はドラムですね?
ノハ*゚⊿゚) ちょおっさんすげぇ!なんでわかったの?
('A`) オーホッホッホ、そりゃカバンからスティックが飛び出てますからねぇ
ノパ⊿゚) ……驚いて損したわ、じゃあな!
('A`) そして田井中さんはそのドラムのことでお悩みのようですねぇ
ノハ;゚⊿゚) う! ギクッ
('A`) どうやら図星のようで
ノハ;゚⊿゚) ……
- 411 :別世界の部屋:2010/09/24(金) 03:29:18 ID:EKJGA67M0
- BAR バロ巣
('A`) ほう、軽音部に所属してるのですか
ノパ⊿゚) ええ、一応部長をやってるぜ
('A`) 部長でドラマー、立派じゃないですかぁ
ノパ⊿゚) そんなことないよ、わたしはダメなんだ
('A`) なにがダメなんです?
ノパ⊿゚) 気づいちゃったんだよ、自分にはドラムの才能が無いって
('A`) ほう
ノパ⊿゚) 他のメンバーはどんどん上手くなっていくのに自分だけは全然上達しなくて…なんか置いてかれてる気がして
('A`) なるほど、他のメンバーに対して劣等感を感じるわけですね
ノパ⊿゚) そうそれそれ、ギターのキュートなんてギター初めて1年しか経ってないのに今やバンドの中心だよ
ノパ⊿゚) かたやわたしは何年もドラムをやってるのにみんなの足を引っ張る始末で…もうやめようかなドラム
('A`) もっと上手くなるように練習すればいいじゃないですか
- 412 :別世界の部屋:2010/09/24(金) 03:31:26 ID:EKJGA67M0
- ノパ⊿゚) 練習?
('A`) そうです、才能が無いと思うなら人一倍努力をして上達させるべきです
ノパ⊿゚) 練習なら毎日してるよ
('A`) ホントにそうですかぁ?普段の自分をよ〜く思いだしてください
ノパ⊿゚) 普段の自分…
ノパ⊿゚) 『よおしお菓子食べようぜぇ!』
ノ八|;゚ ヮ゚ノヾ『えぇ〜!早く練習しましょうよ〜!』
ノパ⊿゚) 『慌てるでない慌てるでない、まずは腹ごしらえじゃ!』
ノ八|#゚ ヮ゚ノヾ『もう!』
ノハ*゚⊿゚) 『もぐもぐカステラうまい!』
ノハ;゚⊿゚) 「……」
ノハ;゚⊿゚)(そういえば食ってばっかだな…)
- 413 :別世界の部屋:2010/09/24(金) 03:32:14 ID:EKJGA67M0
- ('A`) どうです?普段の自分は真面目に練習してますか?
ノパ⊿゚) ……まぁそれなりに
('A`) 学校だけではダメです、家でも練習しなければ上手くなりませんよ
ノパ⊿゚) でもドラムセットは大きいから場所とるし音もデカイから家じゃ練習出来ないよ
('A`) たしかにそうですねぇ
ノパ⊿゚) それに学生だから勉強もしなきゃいけないし(まぁしないけど)
('A`) 実はそんな田井中さんにぴったりな部屋があるのです
ノパ⊿゚) わたしにぴったりな部屋?
('A`) そうです、今から御案内します」
ノパ⊿゚) でもそろそろ帰んなきゃ親に怒られるよ
('A`) 大丈夫です、さぁ行きましょう」
ノパ⊿゚) ホントに大丈夫なのかよ…
- 414 :別世界の部屋:2010/09/24(金) 03:33:17 ID:EKJGA67M0
- しばらく歩いて・・・・・・
('A`) ここです田井中さん
ノパ⊿゚) え?ここ?
('A`) ええそうです
ノハ;゚⊿゚) ……
―――ヒートの眼の前にあるのはコンクリートで出来た立方体の建物だった・・・!
ノハ;゚⊿゚) このコンクリの中で練習するのか?
('A`) この中です
ノハ;゚⊿゚) これのどこがわたしにぴったりな部屋なんだよ?
('A`) オーホッホッホ、入ってみればわかりますよ
ノパ⊿゚) そうすか…(なんか心配だ…)
- 415 :別世界の部屋:2010/09/24(金) 03:34:02 ID:EKJGA67M0
- ガチャ
('A`) どうぞお入りください
ノパ⊿゚) ……
―――部屋の中にはドラム一式が置かれていたが他にはなにも無かった
ノパ⊿゚) (ドラム以外はなにもないのか…殺風景だな…)
('A`) どうです、ここなら思う存分ドラムの練習が出来ますよ
ノパ⊿゚) たしかにここから騒音を気にせず練習が出来るけど、時間が無いですよ
('A`) 時間ですか
ノパ⊿゚) そうだよ、部活が終わってから行っても家の門限とかあるから大した練習が出来ないよ
('A`) オーホッホ、御心配なく田井中さん、自分の腕時計を御覧なさい
ノパ⊿゚) 腕時計?
- 416 :別世界の部屋:2010/09/24(金) 03:34:52 ID:EKJGA67M0
- ノパ⊿゚) ちらっ
ノパ⊿゚) ……あれ?針が止まってる、壊れたのかな
('A`) 実はこの部屋は外とは別世界なのです
ノハ;゚⊿゚) は?どういうこと?
('A`) この部屋は時の流れが無いのです
ノハ;゚⊿゚) えっ、ちょっと待って、えっつまりこの部屋に居ると時間が進まないってこと?」
('A`) ええその通りです
ノハ;゚⊿゚) ということはこの部屋に居る限りいつまでも練習が出来るってこと?」
('A`) そうです、何日何カ月何年も練習することが出来ます
しかも時間の流れが無いので空腹も来ないし年も取りません
ノハ*゚⊿゚) すげぇぇぇ!!すげぇよ喪黒さん!あんたすげぇよ!
('A`) ではお好きなだけ練習してくださいね、オーホッホッホ
- 417 :別世界の部屋:2010/09/24(金) 03:35:47 ID:EKJGA67M0
- ノハ#゚⊿゚) ダダンダダン!!ダダンダダン!!
ノハ#゚⊿゚) ドドドドドド!!
ノハ#゚⊿゚) ドンガラガッシャーン!ドンガラガッシャーン!
ノハ*゚⊿゚) いやぁなんかいくらやっても疲れないなぁ、これも時が止まってるせいかなぁ
ノハ*゚⊿゚) ジャンジャカジャンジャンジャンジャカジャンジャン
ノハ*゚⊿゚) (ふふふ、これならいくらでも練習できるからすげぇ上達するんじゃないか)
ノハ*゚⊿゚) (きっとみんなのわたしを見る目が変わるぜきっと!)
ノハ*゚⊿゚) さぁもう一丁! ドンドンシャン!ドンドンシャン!
- 418 :別世界の部屋:2010/09/24(金) 03:36:30 ID:EKJGA67M0
- ノパ⊿゚) (いったいどれぐらいドラムを叩いただろうか…何時間、いや何日か?)
ノパ⊿゚) なんか一心不乱にやりすぎたな、そろそろ帰るか ピョン
ノパ⊿゚) なんか外に出るのドキドキするな…
ノハ*゚⊿゚) 外に出ると、そこは人類が破滅し荒廃した地球の姿がっ!……なんてな、ハハハ
ガチャン
ノパ⊿゚) ……
ノハ;゚⊿゚) ホッ…入った時と同じだ…街の喧騒も空の色も
カチッカチッカチッ
ノハ*゚⊿゚) おおお時計の針が動きだした!やっぱ喪鬱さんの言う事はホントだったんだ!
ノハ*゚⊿゚) (ぐふふ、毎日ここで練習すればいつかは世界一のドラマーになれるかも!)
- 419 :別世界の部屋:2010/09/24(金) 03:37:33 ID:EKJGA67M0
- 一週間後 部室にて
ノハ#゚⊿゚) ドンドンバン!ドンドンバン!ドンドンドンドン!バシーン!
ノパ⊿゚) ふぅ…
o川*゚ー゚)o ヒっちゃんすごいよ〜プロみたいだよ〜!
ノハ*゚⊿゚) そ、そうか?へへへ
リコ-○ー○)リ いつの間にこがぁなん上達したんじゃ、これはホンマに玄人の腕じゃけぇ
ノハ;゚⊿゚) リ、リコまで褒めてくれるのか!おいおい照れるじゃねぇかあ////
ノ八|゚ ヮ゚ノヾ ヒール先輩!!わたしヒール先輩のこと見直しました!どこで練習したんですか!
ノパ⊿゚) じ、自分の部屋だよ
o川*゚ー゚)o ヒっちゃん真面目だね〜ただのぐうたらだと思ってたのに
ノハ;゚⊿゚) お前には言われたくよ!
lw´‐ _‐ノv さぁお茶にしよ
o川*゚ー゚)o ノ八|*゚ ヮ゚ノヾ リコ*○ー○)リ は〜い!
ノハ*゚⊿゚)(ぐふふ…)
- 420 :別世界の部屋:2010/09/24(金) 03:39:08 ID:EKJGA67M0
- BAR 魔の巣
ノハ*゚⊿゚) ぷはぁ〜!マスターおかわり!
('A`) いやぁいい呑みっぷりですねぇ
ノハ*゚⊿゚) 喪鬱さんありがとうございます!喪鬱さんの紹介してくれた部屋のおかげでドラムがどんどん上手くなっていきますよ!
('A`) その満足された顔が見られただけワタシも紹介した甲斐がありました
( ´W`)つ□ タンッ
ノハ*゚⊿゚) コーラ〜コーラ〜♪ ゴクゴク
('A`) 田井中さん、ワタシはあくまで練習の場としてあの部屋を提供したのですから絶対に毎日サボらないで練習してくださいね
ノハ*゚⊿゚) サボらないよ絶対!アハハ
- 421 :別世界の部屋:2010/09/24(金) 03:40:04 ID:EKJGA67M0
- 次の日 部室にて
ノパ⊿゚) ドンバシャドンバシャン!ドンドンバンバン!ドンシャン!
o川;゚ー゚)o なんかすごいねヒっちゃん…
リコ-○−○)リ おう…なんか引くぐらいすごいのう…
lw´‐ _‐ノv 同じ高校生なのになんでこうも違うんだ…
ノパ⊿゚) (ふふふ、君たちとは練習量が段違いだからな!)
ガチャン
サナ‘ェ‘) 田井中さん居る?
ノパ⊿゚) はいはい、なにサナエちゃん?
サナ‘ェ‘) あなたに会いたいって人が来てるの
ノパ⊿゚) 誰だよ、わたしに会いたがってる奴は?
サナ‘ェ‘) なんか音楽事務所の人らしいけど
ノパ⊿゚) (音楽事務所!?)
- 422 :別世界の部屋:2010/09/24(金) 03:40:56 ID:EKJGA67M0
- 職員室にて
(ν・ω・)ν ぜひ田井中さんに我が事務所に入っていただきたいのです!
ノパ⊿゚) なんで?
(ν・ω・)ν 実は田井中さんのドラムを聴かせてもらったのですがあなたのドラムテクニックは素晴らしいですよ!
海外のアーティストと比べても遜色ないですし、世界トップレベルの腕前ですよ!
ノハ*゚⊿゚) (世界トップレベル///)でもいつわたしのドラムを聴いたんですか?部室以外で披露した記憶が無いんですけど
サナ‘ェ‘) ごめ〜ん、あまりにも上手いから勝手にテープに撮ってこの事務所に送っちゃったの〜
ノハ;゚⊿゚) サナエちゃんアンタって人は…
- 423 :別世界の部屋:2010/09/24(金) 03:41:50 ID:EKJGA67M0
- (ν;・ω・)ν お願いします!我が事務所はあなたが必要なんです!
ノパ⊿゚) 別に良いですけど、わたしみたいなのが音楽事務所に入ってもなにをすればいいんですか?別に歌を上手いわけじゃないし
(ν・ω・)ν 我が事務所が来年から売り出そうとしてるガールズバンドが居るのですが実はそのバンドのドラムが諸事情で抜けちゃったわけですよ
ノパ⊿゚) そこにわたしが入ると
(ν・ω・)ν その通りです、どうです?悪い話じゃないでしょ?
ノハ*゚⊿゚) う〜んたしかに(もちろんOK!やったああああ!メジャーデビューだああああああ!)
(ν・ω・)ν 今日は他に予定が無いなら我がスタジオを見学してもらいたいのですが
ノパ⊿゚) 今日ですか?う〜ん…
('A`)『絶対にサボらないでくださいねぇ』
ノパ⊿゚) (別に一日ぐらいいいだろう)今日は予定無いです!行きましょう!
- 424 :別世界の部屋:2010/09/24(金) 03:43:32 ID:EKJGA67M0
- 次の日 朝
ノパ⊿゚) ふぁあ〜、ああ眠い…
ノパ⊿゚) (昨日は遅くまで見学しちゃったから結局練習出来なかったなぁ…)
ノパ⊿゚) (まぁそこは適当にごまかしてと……ククク、メジャーデビューか、わたしもついにスターだぜ!)
ノハ*゚⊿゚) ぐふふ……
('A`) おやおや、朝から機嫌が良さそうですねぇ
ノハ;゚⊿゚) も、喪鬱さん!?実はわたし芸能界デビューが決まりまして……
('A`) あなたワタシとの約束を破りましたね
ノハ;゚⊿゚) う・・・!それはっ!
('A`) オーホッホッホ、約束を破ったらどうなるか思い知っていただきましょう
ノハ;゚⊿゚) な、なにするんだ!?
('A`) 罰を受けてもらいます
m9('A`)
ド―――m9('∀`)―――ン!!
ノハ; ⊿ ) きゃあああああああああああ!!!!
- 425 :別世界の部屋:2010/09/24(金) 03:46:29 ID:EKJGA67M0
- ノハ; ⊿ ) う…う…
ノハ;゚⊿゚) ハッ!どこだここは!? ムクッ キョロキョロ
ノハ;゚⊿゚) ここはたしか…喪鬱さんに紹介してもらった部屋だ…なんでこんなトコに居るんだろう
ノハ;゚⊿゚) そんなことより早く学校行かなきゃ!
ノハ;゚⊿゚) ……あれ?あれちょっと待ってよ…ドアが無い!あったはずのドアが無い!
ノハ;゚⊿゚) 喪鬱さん!出してよ!ここから出してよ喪鬱さん!ドアはどこにやったんだよ!
ノハ;⊿;) 嫌だ!こんなところに一生いるなんて嫌だよおお!! ヒックヒック
ノハ;⊿;) 出してェ!お願いだからだしてよ喪鬱さん!みんな助けてよおお!!!!
ノハ;⊿;) うわあああ嫌だあああああああ!!!
('A`) 彼女は時の無い世界に永遠に閉じ込められてしまいました、あそこで一生暮らしていくことになるでしょう
('A`) でも良かったですね田井中さん、これで思う存分ドラムの練習が出来ますよ
('∀`) オーホッホッホ・・・・・・ 【別世界の部屋】 完
- 426 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/09/24(金) 03:50:29 ID:EKJGA67M0
- 以上です
今回は数日前にVIPで投下したけいおんSSを('∀`)鬱ナせぇるすまん版にしてみました
指摘、質問等あればお願いします
- 427 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/09/24(金) 12:54:57 ID:CZVNBPFkO
- 今回は後味悪いな……
- 428 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/09/24(金) 14:54:47 ID:ohtrzrQw0
- `・+。*・ (´・ω・`)
。*゚ 。☆―⊂、 つ 閉じ込めるだけか…
。*゚ : ヽ ⊃ 練習に使った時間分だけ急速に老けるのかと思った
`+。**゚**゚ ∪~
- 429 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/09/24(金) 15:52:56 ID:Guf4DVfAO
- ああなんか読んだ事あるような展開だと思ったら…
ブーン系の他に何か書いてるものとかある?
- 430 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/09/24(金) 21:05:15 ID:Qob0Gjxs0
- >>428
そっちも考えたけど老化はAAじゃ表現しづらいと思って今回のオチにしたね
>>429
最近けいおんSSをいくつか投下してるよ
全部笑ゥせぇるすまんネタだけどwww
- 431 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/09/27(月) 13:58:45 ID:xjyVwQk.O
- え、あれもお前だったのかwww
読んだよ、笑うは苦手だけど楽しんで読めた
- 432 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/09/27(月) 14:20:44 ID:Bvdc/Hos0
- http://sssoku.blog3.fc2.com/blog-entry-176.html
これか
- 433 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/09/28(火) 00:23:44 ID:7ydRJTeY0
- >>431
読んでくれたのかwwwありがてぇなぁwwww
>>432
他にも紬、梓、澪のやつも投下したぜ
- 434 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/09/30(木) 17:46:15 ID:jx7pGU8ko
- >>↑
梓のだけ見つからないんだが、、、
- 435 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/09/30(木) 19:57:06 ID:L5VAE15o0
- >>434
これですお
http://keionmatome.blog129.fc2.com/blog-entry-234.html
- 436 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/10/18(月) 11:19:46 ID:txbspjRE0
- >>84
それはガセらしいよ
実際に出てる資料集だと
- 437 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/10/18(月) 11:20:10 ID:txbspjRE0
- 誤爆
- 438 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/10/20(水) 02:26:19 ID:fmKu4dI60
-
ブーン系小説総合スレ 【 裏 】 まとめ(仮)さん
http://sogomatome.blog104.fc2.com/blog-entry-467.html
まとめさんいつもありがとうございます、それでは投下します
- 439 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/10/20(水) 02:27:16 ID:fmKu4dI60
- 私の名前は喪鬱毒造、人呼んで鬱ナせぇるすまん
ただのせぇるすまんじゃございません
私が取り扱う品物は“ココロ” 人間のココロでゴザイマス・・・
この世は老いも若きも男も女もココロの寂しい人ばかりそんなみなさんのココロのスキマお埋めします
いえお金は一銭もいただきませんお客様が満足されたら、それがなによりの報酬でゴザイマス・・・
さて今日のお客様は・・・
/w(イ‘.ー‘ノハ 「なるべく早く帰ってきてね〜」
( ´ー`) 「わかった〜」
( ´ー`) 白根 仁 24歳 工場勤務
【わるいゆめ】
オーホッホッホ・・・・・・
- 440 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/10/20(水) 02:28:48 ID:LE9g6QHU0
- 久しぶりじゃん?
- 441 :わるいゆめ:2010/10/20(水) 02:30:11 ID:fmKu4dI60
- ヌルポ製菓シベリア工場にて
(ν・ω・)ν 「なぁ白根、今日の呑みにいかないか?」
( ´ー`)y━・~ 「すみません、家で妻が待ってますので遠慮します」
(ν・ω・)ν 「そうかわかった、あぁ煙草一本くれ」
( ´ー`) 「いいですよ、それでは」 ガチャン
(ν・ω・)ν━・ 「はぁ…」
(・↓・) 「いやぁ白根先輩は相変わらず愛妻家ですねぇ」
(ν・ω・)ν━・~ 「付き合い悪いよなぁ」
(・↓・) 「しょうがないですよ、あのひとは奥さん第一ですから」
(ν・ω・)ν━・~ 「そうか…ならお前で我慢するわ、行こうぜ」
(・↓・) 「すいません、実はオレも用事あるんですよ、だから今日は帰ります」
(ν・ω・)ν━・ 「はぁマジかよ…」
- 442 :わるいゆめ:2010/10/20(水) 02:31:13 ID:fmKu4dI60
- アパートにて
( ´ー`) 「ただいま〜」
/w(イ‘.ー‘ノハ 「おかえり、今日は早かったね」
( ´ー`) 「華菜が早く帰ってきてって言うから早く帰ってきたよ」
/w(イ‘.ー‘ノハ 「いやーん、本気にしたの?でも嬉しい!」
( ´ー`) 「先に風呂入るね」
/w(イ‘.ー‘ノハ 「ええ〜それよりご飯にしようよ〜、お風呂はあとで一緒に入ればいいしさ〜」
( ´ー`) 「それもそうだね、今日の晩飯は?」
/w(イ‘.ー‘ノハ 「秋刀魚だよ」
( ´ー`) 「良いねぇ、秋って感じがするよ」
- 443 :わるいゆめ:2010/10/20(水) 02:33:02 ID:fmKu4dI60
- ( ´ー`) 「いい湯だったな」
/w(イ‘.ー‘ノハ 「洗い物するね」
( ´ー`)y━・~ 「わかったー」 スパー
/w(イ‘.ー‘ノハ 「ねぇ、煙草値上げしたしさぁ、そろそろ禁煙したらどう?」
(;´ー`)y━・ 「そ、そうだね!そのうちね!」 ケシケシ
( ´ー`) 「あれ?こんな吸ったっけなぁ、灰皿一杯になったから捨てといて〜」
/w(イ‘.ー‘ノハ 「あとで捨てとく〜」
( ´ー`) 「ふぅ、今日も疲れたな…」ゴロリ
/w(イ‘.ー‘ノハ 「おつかれさま〜、ちゅっ」
(*´ー`) 「ちょ、恥ずかしいよ〜」
/w(イ‘.ー‘ノハ 「誰も見てないから平気だよ〜」
―――しかし、二人の様子を窓からのぞく男がいた・・・!
('A`) 「……」
('A`) 「見るからに平和な家庭ですねぇ、でもきっとココロの奥にドロドロしたモノがあるはずですよ」
- 444 :わるいゆめ:2010/10/20(水) 02:35:48 ID:fmKu4dI60
- 朝
( ´ー`) 「じゃあ行ってくるね」
/w(イ‘.ー‘ノハ 「行ってらっしゃ〜い」
( ´ー`) トコトコ
しばらく歩くと……
('A`) 「オーホッホッホ、幸せそうな顔してますねぇ」
(;´−`) 「(なんだこの親父は…)なんですか急に」
('A`) 「いえいえ、決して怪しい者ではゴザイマセン、こういう者です」サッ
(;´−`) 「ココロのスキマお埋めします…もうつどくぞう…」
('A`) 「ええ、ワタシは現代人の悩めるココロを救済をするセールスマンなのです」
- 445 :わるいゆめ:2010/10/20(水) 02:37:10 ID:fmKu4dI60
- (;´−`) 「ははーん宗教だな、そういうの興味ありませんから、では急ぎますので」
('A`) 「そんな怪しげな宗教の勧誘では無いのでご心配なく、ワタシはただあなたにひとつ忠告したいだけなのです」
(;´−`) 「忠告?なんですか?」
('A`) 「今まで通りの生活を続けてください、そうすればあなたは幸せな人生が歩めますよ」
(;´−`) 「……なに言ってるんだアンタは、あなたに言われなくたって僕は幸せですよ」
('A`) 「そうですかねぇ、一見平和な毎日を送ってるつもりでもふとしたきっかけでその平和が崩壊することはよくありますからねぇ」
(#´−`) 「さっきからなにが言いたいんだよ!うちの家庭は平和だ!それでは!」タタタタッ
白根は不快な気分のまま、会社へ急いだ
('A`) 「あの人はなにも分かっていませんねぇ、まぁそのうち気づくでしょう、あの人が言う平和が、まやかしだと言うことを」
- 446 :わるいゆめ:2010/10/20(水) 02:38:03 ID:fmKu4dI60
- ヌルポ製菓シベリア工場にて
(・↓・) 「おはようございま〜す」
( ´−`) 「うーっす」
(・↓・) 「あれ〜白根さん、なんか機嫌悪そうっすね、なんかあったんですか?」
( ´−`) 「ああ、実はな…」
白根は今朝の喪鬱とのやり取りをすべて話した
(・↓・) 「そりゃ朝から災難っすね、きっと宗教の勧誘かなんかじゃないですか」
( ´−`) 「まぁそれはオレもそう思ったんだけど違うって言うんだよなぁ」
(・↓・) 「ああっと今日はほわっちょ先輩は休みみたいですよ」
(;´−`) 「そうなの?なんで?」
(・↓・) 「風邪みたいっす」
(;´−`) 「うわぁ、ほわっちょさんいないのか〜、ツイてないなぁ…」
キーンコーンカーンコーン
(・↓・) 「あっ時間ですよ、行きましょ」
( ´−`) 「そうだな……」
- 447 :わるいゆめ:2010/10/20(水) 02:39:35 ID:fmKu4dI60
- 昼
( ´−`) 〜♪
(・↓・) 「あれどうしんですか?帰るんすか?」
( ´ー`) 「ああ、実は午後休なんだ」
(・↓・) 「白根さんが有給使うなんて珍しいですねぇ、なんかあったんですか?」
( ´ー`) 「課長が休め休めってうるさいんだよ、だからたまには休もうかなって」
(・↓・) 「ああなるほど、でもどうせなら1日休とればよかったのに」
( ´ー`) 「いやあうちワイフを驚かせてやろうと思ってさ、急に帰ってきたらビックリするだろ?」
(・↓・) 「サプライズってやつですね、奥さん喜ぶんじゃないですか」
( ´ー`) 「そうだと良いんだけどな、じゃあお先に」
(・↓・) 「お疲れ様で〜す」
- 448 :わるいゆめ:2010/10/20(水) 02:40:20 ID:fmKu4dI60
- アパートの部屋の前にて
( ´ー`) 「えへへ、急に帰ってきたから華菜ちゃんびっくりするだろうなぁ」
ドアノブに手を伸ばす、しかし―――
( ´ー`) (ちょっと待てよ、玄関から入るのは芸が無さすぎるな、だったら…)
( ´ー`) (……窓から入るか!)
そう思いつくと白根はアパートの裏へと回る
( ´ー`) (裏から入るなんてまるで泥棒だな…)
アパートの裏へ回り部屋の中を覗く
- 449 :わるいゆめ:2010/10/20(水) 02:42:46 ID:fmKu4dI60
- ( ´−`) (ん?)
部屋を覗くとそこには布団が敷いてあり、華菜がこちらに背を向けて寝ていた、しかも―――
(;´−`) (なんで寝てるんだ?しかも裸……)
すると視界の外から……
(ν・ω・)ν
(;´−`) (えっ!ほわっちょさん!?な、なんで僕の家に!?)
(ν*・ω・)ν
/w(イ*‘.ー‘ノハ
二人は裸で抱き合っていた
(;´−`) (……あ、あ、そんな、二人はデキてるのか)
白根は目撃してしまったのだ、浮気の現場を・・・!
(;´−`) 「……」
白根は二人に気付かれぬよう、そっとその場を離れた
- 450 :わるいゆめ:2010/10/20(水) 02:43:50 ID:fmKu4dI60
- アパート前の路地裏に着くと白根はその場で茫然となった
(;´−`) 「なんで…なんで浮気なんかを……」
まさか自分の妻が浮気をしてるなんて―――
そんなことは夢にも思っていなかった
(;´−`) 「ああああ……」
さっき見た裸で抱き合う二人がいつまでも頭から離れない
しばらくすると妻の裏切り行為に怒りが沸々とわいてきた
(#´−`) (くそお!なんでオレを裏切るんだ!オレがなにしたって言うんだ!)カンッ!
白根は怒りのあまり近くにあった空き罐を蹴っ飛ばした
(#´−`) 「はぁ…はぁ…」
空き罐を遠くへ蹴ったあと、白根はその場に座り込んだ
(;´−`) 「華菜ぁ……華菜よぉ…」
もうなにも考えたくない―――白根は頭を抱え肩を落とした
するとそんな白根にある男が声をかけてきた
('A`) 「オーホッホッホ、白根さん、相当荒れてますねぇ」
- 451 :わるいゆめ:2010/10/20(水) 02:45:06 ID:fmKu4dI60
- (;´−`) 「あ、あんたは今朝の…」
('A`) 「喪鬱です、どうも」
(;´−`) 「僕になんの用ですか、今はそっとしといてくださいよ…」
('A`) 「おやおや、奥さんを寝とられたことがだいぶショックのようですね」
(;´−`) 「えっ!なんでそのことを…!」
('A`) 「ワタシは忠告したはずですよ、普段通りの生活をしてくださいと」
(;´−`) 「ううう……」
たしかに、喪鬱の言うとおり有給なんか取らずに普段通り仕事をすれば良かった
そんなことしなければ妻の浮気の浮気を目撃せずに済んだのに―――
白根は自分がした行為を激しく後悔した
('A`) 「でもまだ幸い奥さんに気付かれずにすみましたね」
(;´−`) 「……そうですね」
('A`) 「こんなトコでうなだれてるのもなんですし、ちょっと呑みに行きませんか?」
(;´−`) 「……はい」
- 452 :わるいゆめ:2010/10/20(水) 02:46:00 ID:fmKu4dI60
- BAR バロ巣
( ´W`)つ□ タンッ
(;´−`) 「どうも……」
('A`) 「しかし白根さん驚いたでしょう、奥さんの情事を目撃したのですから」
(;´−`) 「そりゃもう、信じられませんでしたよ…はぁ…」
(;´−`)つ□ トンクッ
ウォッカを勢いよく呷る、いつもより酒がまずく感じた
(;´−`) 「酒を呑まなきゃやっていけませんよ……」
('A`) 「ドンドン呑んでください、奥さんとはいつからのお付き合いで?」
( ´−`) 「高校時代からの付き合いです」
('A`) 「なるほど、ご結婚はいつなさったのですか?」
( ´−`) 「去年です、ある程度生活に余裕が出来たら結婚しようと思いましてね」
- 453 :わるいゆめ:2010/10/20(水) 02:47:01 ID:fmKu4dI60
- ( ´−`) 「しかしなんで僕の妻は浮気なんかしたんでしょうか?僕に魅力が無いんでしょうか?」
('A`) 「そういうわけではないですよ白根さん、原因はもっと他のところです」
( ´−`) 「他の…別に金銭面でも生活面でも苦労掛けてるつもりは無いんですけどねぇ
そりゃ家は狭いですが住みにくいわけではないですし……」
('A`) 「いいえ違うます、もっと別なことです」
( ´−`) 「喪鬱さん教えてください、原因は何なんですか?僕には皆目見当もつきません」
('A`) 「それはご自身で考えてください白根さん」
(;´−`) 「ううう、そうですか……」
(;´−`) (自分で考えろって言われてもなぁ……他になにかあるかな……)
(;´−`) 「……」
(;´−`)つ□ (ダメだ!考えてもなにも浮かばないや!)トンクッ
再びウォッカを強く呷った
(;´−`) (くそお…頭が痛くなってきた……)
- 454 :わるいゆめ:2010/10/20(水) 02:48:05 ID:fmKu4dI60
- ('A`) 「まぁゆっくり考えてください、時間はたっぷりありますので」
(;´−`) 「そうですか……」
('A`) 「でも白根さん、あなたはまだ運が良いほうですよ」
(#´−`) 「運が良いってどこがですか!?馬鹿にしてるんですか!?」
ついカッとなり語気を荒げてしまった
('A`) 「落ち着いてください白根さん、運が良いと言ったのはあなたが浮気を目撃したのを奥さんにはまだバレていないからです」
(;´−`) 「バレてないですけどしかし…!」
('A`) 「だからこれからもバレずに過ごしてください、そうすれば今までと変わらず平和な生活を送れますよ」
(;´−`) 「でも妻が浮気してると知ってしまった今、妻と以前のような生活が送れるか不安です……」
('A`) 「大丈夫、あなたならできます、今まで通り奥さんと接してくださいね」
(;´−`) 「……」
- 455 :わるいゆめ:2010/10/20(水) 02:48:53 ID:fmKu4dI60
- 白根家
(;´−`) 「ただいま…」
/w(イ‘.ー‘ノハ 「おかえりー!どうしたの?遅かったね!」
(;´−`) 「ああちょっとね…呑んできた…」
/w(イ‘.ー‘ノハ 「連絡ぐらいいれてよね、心配しちゃったよ〜」
(;´−`) 「ごめん…次からはちゃんと連絡いれるよ」
/w(イ‘.ー‘ノハ 「ずっと待ってたんだからね!」
(#´−`) (何が待ってただ!白々しい…!)
/w(イ‘.ー‘ノハ 「あれどうしたの?会社でなんかあった?」
(;´ー`) 「えっ、いやなにもないよ!」
/w(イ‘.ー‘ノハ 「そう、ならいいけど、ご飯出来たから早く上がって」
(;´−`) 「う、うん(怒りが顔に出ちゃうな…)」
- 456 :わるいゆめ:2010/10/20(水) 02:50:46 ID:fmKu4dI60
- /w(イ‘.ー‘ノハ 「今日も秋刀魚だよ〜」
(;´−`) 「ホントだ……」もぐもぐ
/w(イ‘.ー‘ノハ ぱくぱく
(;´−`) (いつ頃からほわっちょさんと浮気し始めたんだろうなぁ……) むしゃむしゃ
/w(イ‘.ー‘ノハ ぱくぱく
(;´−`) (以前家に連れてきたことあったけど、あのあとだろうな…)もぐもぐ
/w(イ‘.ー‘ノハ ポリポリ
(#´−`) (しかしあのときの華菜の表情、オレには見せたことないよな…くそお!なんでオレが悔しがらなきゃいけないんだ!)ポリポリ
/w(イ‘.ー‘ノハ 「あ、仁くんおかわりいる?」
(;´−`) 「え?あ、うん」
- 457 :わるいゆめ:2010/10/20(水) 02:51:29 ID:fmKu4dI60
- /w(イ‘.ー‘ノハ 「はい」
(;´−`) 「ありがとう…」
/w(イ‘.ー‘ノハ ぱくぱく
(;´−`) (あぁ、メシの味も分からねェ…くそお…)ぱくぱく
/w(イ‘.ー‘ノハ 「なんか今日は静かだね」
(;´−`) 「そ、そうかな?いつもどおりだと思うけど…」
/w(イ‘.ー‘ノハ 「だって仁くんいつもは晩御飯のときは会社であったこととかしゃべるじゃん」
(;´ー`) 「ハハハ、実は舌の裏に口内炎が出来てるんだよ……見る?」
/w(イ;‘.ー‘ノハ 「いや、やめとくよ!考えるだけで痛い痛い!」
(;´ー`) 「だからあんましゃべりたくないんだよ、痛いから」
/w(イ‘.ー‘ノハ 「そうなんだなぁ〜、じゃあ今日はキス出来ないねぇ〜」
(;´ー`) 「ハハハ……」
(#´−`) (今日は好きなだけしただろ!ほわっちょさんと!くそっ!)もぐもぐ
- 458 :わるいゆめ:2010/10/20(水) 02:52:23 ID:fmKu4dI60
- 次の日 ヌルポ製菓シベリア工場にて
( ´−`) 「おはよう」
(・↓・) 「おはようございま〜す、なんか元気無いッスね」
( ´−`) 「ああちょっとな(昨日は眠れなかったぜ…)」
(・↓・) 「ひょっとして夫婦喧嘩ですか?珍しいッスね」
( ´ー`) 「そんなんじゃネーヨ(会社では華菜と顔を合わせなくてすむから安心する…)」
(ν・ω・)ν 「うーっす」
(・↓・) 「あっほわっちょさんおはようございます」
Σ(;´−`) (うわっ!この人のこと忘れてた!)
(・↓・) 「風邪は治ったんですか?」
(ν・ω・)ν 「おう、1日寝てたらすっかり良くなったわ」
(#´−`) (何が寝てただ馬鹿野郎…!くそお…こんな男のどこがいいんだ…)
- 459 :わるいゆめ:2010/10/20(水) 02:52:59 ID:fmKu4dI60
- 休憩中 喫煙所にて
(;´−`)y━・~ 「……」
(・↓・) 「白根さん今日はやけに煙草を吸う回数が多いですね」
(;´−`)y━・~ 「そうか?別にいつも通りだと思うけど」
(・↓・) 「だってこの前、煙草が値上げするから数を減らすって言ってましたよね」
(;´ー`)y━・~ 「はは、あれは無かったことにしてくれ」
(・↓・) 「煙草は体に悪いですよぉ」
(;´−`)y━・~ 「そうだな…(もうほっといてくれと…)」
ガチャン
(ν・ω・)ν 「う〜疲れたな」
- 460 :わるいゆめ:2010/10/20(水) 02:54:07 ID:fmKu4dI60
- (#´−`)y━・~ (クッ…!)
(・↓・) 「なんか大変みたいですね」
(ν・ω・)ν 「いやぁいま水漏れの修理してんだよ、まいっちゃうよホント」
(・↓・) 「へぇ、寒そうッスね、直ったんですかそれで?」
(ν・ω・)ν 「まだまだ、ちょっと一服しようと思ってな」
( ´−`)y━・~ 「……」
(ν・ω・)ν 「白根よ、このあと水漏れの修理手伝ってくれないか?」
(;´−`)y━・~ 「えっ!?僕ですか!?」
(ν・ω・)ν 「黒田じゃまだ頼りないからな」
(・↓・) 「へへ、サーセン」
(;´−`)y━・~ 「うぐ……(この人と二人っきり…)」
- 461 :わるいゆめ:2010/10/20(水) 02:55:07 ID:fmKu4dI60
- (ν・ω・)ν 「ここだよここ」
( ´−`) 「ひどいですね…パッキンが腐ってるんじゃないですか?」
(ν・ω・)ν 「そうだと思うんだけどねぇ…」
(#´−`) 「……」
(#´−`) (くそお…問い詰めてやりたい…!なんでオレの妻に手を出したかを問い詰めたい!)
(ν・ω・)ν 「♪♪」
(#´−`) (首を絞めて、思いっきり罵倒して、気が済むまでボコボコにしてやりたい!)
(ν・ω・)ν 「ちょっと俺の道具箱に入ってるモンキー取って」
(#´−`) (……このモンキーレンチでほわっちょの頭を!)
が、込み上げる衝動をぐっと我慢し、そっとほわっちょにモンキーレンチを渡す
(;´−`) 「(発散してどうする…ここであいつをぶっ飛ばしてもむなしいだけだ…畜生…)どうぞ…」
(ν・ω・)ν 「おうサンキュ」
(;´−`) 「……」
- 462 :わるいゆめ:2010/10/20(水) 02:56:20 ID:fmKu4dI60
- 休憩所
(ν・ω・)ν 「ふぅ疲れた」
(;´−`) 「……」
(・↓・) 「お疲れです、白根さん相当お疲れのようですね」
(;´−`) 「ああ、まあな…」
(ν・ω・)ν 「水漏れ修理が思ったより難航してな」
(・↓・) 「大変だったですねぇ」
(;´−`) 「あ、時間なので僕はもう帰ります、それでは」
(・↓・) 「もうこんな時間か……」
(ν・ω・)ν 「またカミさんに会うために早く帰るのか!相変わらずお熱いねぇ!」
(#´−`) 「……それじゃ、お先に失礼します!」
- 463 :わるいゆめ:2010/10/20(水) 02:57:15 ID:fmKu4dI60
- 2週間後 BAR バロ巣
(#´−`) 「マスターもう一杯!」
('A`) 「今日も呑みますねぇ」
(#´−`) 「当たり前ですよ!呑まなきゃやってられないですよ!」
('A`) 「どうです最近は?奥さんとは上手くいっていますか?」
(#´−`) 「まぁ以前のように接してるつもりですが、そろそろ限界です…!」
('A`) 「おやおや、相当フラストレーションが溜まってるみたいですねぇ」
(;´−`) 「もう辛いですよ…妻と一緒にいるだけで胃がムカムカして、吐き気がするんです…」
('A`) 「ほうほう」
(;´−`) 「かといって会社に行くとあいつがいますからね、もう休まる暇が無いですよ」
('A`) 「なるほど、八方塞りですなぁ」
(;´−`) 「もう生きた心地がしません、なんか悪い夢でも見てるようです…」
- 464 :わるいゆめ:2010/10/20(水) 02:59:12 ID:fmKu4dI60
- ('A`) 「白根さん、今が一番つらい時期です、ここを乗り切れば、あとはもう慣れてなにも感じなくなりますよ」
(;´−`) 「でも……」
('A`) 「割り切るのですよ白根さん、この人はもう他の男のモノなんだと割り切ってしまえば楽になりますよ」
(;´−`) 「そんなの無理ですよ…だって僕は妻を愛してますし」
('A`) 「だったら離婚すべきです、このままだとあなたがダメになってしまいます」
(;´−`) 「離婚なんて嫌です!やっと手にした幸せを手放したくありません!」
('A`) 「だったら早く割り切ったほう賢明ですよ、今の状況に」
(;´−`) 「うう……」
('A`) 「愛してるから一緒にいたい、でも一緒にいるのは辛い、その葛藤が白根さんを苦しめてるのですよ」
(#´−`)つ□ 「くそっ!なんでオレがこんな目に合わなきゃいけないんだ!」トンクッ
('A`) 「そうです、呑むのです、呑んでなにかも忘れるのです」
(#´−`) 「くぅ〜っ!!」
- 465 :わるいゆめ:2010/10/20(水) 03:00:36 ID:fmKu4dI60
- (#´−`) 「ただいま…」
/w(イ‘.‐‘ノハ 「おかえりぃ、また呑んできたの?」
(#´−`) 「……あぁ」ヨロヨロ
/w(イ;‘.‐‘ノハ 「ちょっとグデングデンじゃない!なんか会社であったの?仕事で失敗したとか?」
(#´−`) 「そういうわけじゃないよ……もう寝る」
/w(イ‘.‐‘ノハ 「そう……じゃあ布団まで連れてくね」
(#´−`) 「いいよ自分で行くから!」
/w(イ‘.‐‘ノハ 「いいからほらっ!」グッ
(#´д`) 「触んなッ!!!」バン
/w(イ;‘.‐‘ノハ 「キャッ!なにすんのよ!」
(#´д`) 「オレに触れんなって言ってんだよこの尻軽女がっ!」
- 466 :わるいゆめ:2010/10/20(水) 03:02:02 ID:fmKu4dI60
- /w(イ;‘.‐‘ノハ 「え……?」
(#´−`) 「オレは知ってるんだぞ…!オマエとほわっちょが浮気してるってことを!」
/w(イ;‘.‐‘ノハ 「えっ、な、なに言ってんの?そんなわけ……」
(#´−`) 「オレは見たんだよしっかりとこの目でオマエらが裸で抱き合ってるトコをな…!」
/w(イ;‘.‐‘ノハ 「あ、あ、あ、なんで…」
(#´д`) 「なんでじゃねーよ!!よくぞオレを裏切ったな!許さない!もう許さないからな!」
/w(イ;‘.д‘ノハ 「誤解だよ!仁くんの勘違いだよ!」
(#´д`) 「言うに事欠いて勘違いだと!ふざけんな!殺してやる!」ギューッ
怒り狂った白根は妻の首をきつく締めあげる
/w(イ; .д ノハ 「く、く、苦しい……」
(#´−`) 「死ねぇ……」ギューッ
- 467 :わるいゆめ:2010/10/20(水) 03:03:17 ID:fmKu4dI60
- /w(イ; .д ノハ 「あ…あ…」
(#´−`) 「お前がオレを裏切ったのが悪いんだ……」ギューッ
/w(イ; .д ノハ 「……ッ」
(#´−`) (死ね死ね死ね!)
が、その時、白根の行為を遮るように電話がけたたましく鳴りだした・・・・・・!
Σ(;´−`) 「うわっ!なんだこんな時間に!?」
一瞬首を絞める手が緩んだ
/w(イ;`.д´ノハ 「かはっ!かはっ!」
(;´−`) 「あ……!」
- 468 :わるいゆめ:2010/10/20(水) 03:04:31 ID:fmKu4dI60
- /w(イ;.д;ノハ 「ゴホッ!ゴホッ!ゴホゴホッ!」
(;´−`) 「……」
/w(イ;.‐;ノハ 「……ゴベンナザイ…ゴベンナザイ…ゴホッ…」
(;´−`) 「……」
/w(イ;.‐;ノハ 「ちょっとした出来心だったのぉ……別に裏切ったわけじゃないの…」
(;´−`) 「くっ…」
/w(イ;.‐;ノハ 「うぐうぐ…」
(;´−`) 「……ちょっと頭冷やしてくる」
/w(イ;.‐;ノハ 「どこ行くの?」
(;´−`) 「散歩だよ、散歩、それじゃ」
ガチャン
/w(イ;.‐;ノハ 「……」
- 469 :わるいゆめ:2010/10/20(水) 03:05:49 ID:fmKu4dI60
- 近所の公園にて
(;´−`) 「ああもう最悪だよオレは…!」
(;´−`) (酒に酔ってるとは言え、妻を絞め殺そうとするなんて…)
(;´д`) 「人間失格だよオレは・・・くそお・・・」
(;´‐`) 「とにかく帰って話しあおう、これからのことを…」
|A`) ジーッ
- 470 :わるいゆめ:2010/10/20(水) 03:07:32 ID:fmKu4dI60
- (;´−`) 「ただいまー、華菜ちゃ〜ん」
シーン…
(;´−`) 「あれ?いないのか?華菜ちゃんいるかい?」
しかし返事は帰ってこない
(;´−`) 「風呂にもいないし、トイレにもいない…出かけてるのか?」
(;´−`)つ】 ピッピッピ
(;´−`)】 「……」
『おかけになった電話は電波の届かない 場所にあるか、電源が入っていないため・・・・・・』
(;´−`)つ】 ピッ
(;´−`) 「なんで出ないんだ…ひょっとしてなんかあったんじゃ…ん?」
ふと白根が居間のテーブルに視線を向けると、あるモノが眼に入った
- 471 :わるいゆめ:2010/10/20(水) 03:08:47 ID:fmKu4dI60
- (;´−`) (便箋だ…なんか嫌な予感がする…)
白根は便箋を手に取り、書いてある文章を読む
(;´−`) 「!!」
そこには簡潔にこう書いてあった
『さようなら 華菜 』
(;´−`) 「あああ…そんなぁ…」
白根はその場に崩れ落ちた
(; − ) 「なんで…なんで出てくんだよぉ…」
この部屋にはもう彼女はいない、残ったのはどうしようもない喪失感だけだった
(; − ) 「……」
('A`) 「オーホッホッホ」
- 472 :わるいゆめ:2010/10/20(水) 03:10:09 ID:fmKu4dI60
- (;´−`) 「も、喪鬱さん!?な、なぜここに!?」
('A`) 「白根さん、とうとう我慢できずに彼女に詰め寄ってしまったみたいですね」
(;´−`) 「酔った勢いでつい……」
('A`) 「あれだけ我慢しろと言ったのに…奥さんが出ていくのもしょうがないことですよ」
(;´−`) 「でもなんで僕がこんな目に合わなきゃいけないんですか!?なにも悪いことしてないのに!」
('A`) 「……」
(;´−`) 「いままで妻の為にどんなことでもやってきました!苦労掛けないように必死に働いて給料稼いでるし
寂しくさせないように家には早く帰ってますし、家事だって出来るだけ手伝いましたし!」
('A`) 「……」
(;´−`) 「僕らは幸福な暮らしを送ってたはずなんです!」
('A`) 「白根さん、あなたは幸せと思っていても、必ずしも相手が幸せとはいえないのですよ」
(;´−`) 「え…」
- 473 :わるいゆめ:2010/10/20(水) 03:12:24 ID:fmKu4dI60
- ('A`) 「あなたはことあるごとに平和だ平和だと言っていましたよねぇ」
(;´−`) 「えぇ、そうです、平和な関係を築いてましたよ」
('A`) 「しかし奥さんにとってはその平和が、ただただ退屈だったのではないですか?」
(;´−`) 「退屈……」
('A`) 「ええ、平和というものは簡単に言えばなにもないということなのです、そんな日常に奥さんは飽き飽きしてたのです」
(;´−`) 「そんな……」
('A`) 「あなたが彼女の為に頑張れば頑張るほど、彼女は物足りなさが増していったのですよ」
(;´−`) 「良かれと思ってたのに…」
('A`) 「そんな退屈な日常にうんざりした彼女は、ささいなスリルを求めてほわっちょさんに近づいたのです
そしてちょっとした火遊びのつもりだった行為が、いっきに燃え上がってしまったようですなぁ」
(;´−`) 「……もういいです喪鬱さん、もうすべて理解しました」
- 474 :わるいゆめ:2010/10/20(水) 03:14:46 ID:fmKu4dI60
- (;´−`) 「要するに僕と一緒にいるのがつまらないってことですよね、なるほど、そりゃ彼女も愛想尽かしますよ」
('A`) 「いえ、そういうわけではありません、最初は彼女も楽しかったはずです、
しかし結婚をしてあなたが安定を求めるようになってから段々と刺激を感じなくなったのでないですかねぇ」
(;´ー`) 「……で、でも彼女ならきっといつか帰ってくるはずですよ、冗談だよって言いながら」
('A`) 「残念ながら彼女は一生あなたのもとへ帰ってきませんよ、彼女は今頃ほわっちょさんと遠い異国へ旅立ってるのではないですか」
(;´ー`) 「ハハハ、そうすか、なるほどね……」
('A`) 「白根さん、そう気を落とさないでください、これはしょうがないことなのです」
(;´−`) 「もうダメです僕は…このままずっと悪い夢から醒めないみたいです、それならいっそ死んでしまいたいです」
('A`) 「大丈夫ですよ白根さん、ワタシがその悪い夢から解放させてあげましょう」
(;´−`) 「なにをする気ですか?」
m9('A`) 「救済ですよ!!」
ド―――m9('∀`)―――ン!!
(; − ) 「うわあああああああああああ!!!!!」
- 475 :わるいゆめ:2010/10/20(水) 03:24:14 ID:fmKu4dI60
- 数日後
(・↓・) 「いやぁ、白根さんの家で呑むの久々ッスね」
( ´ー`) 「そうか?結構頻繁に連れてきてる気がするけど」
(・↓・) 「オレの記憶だと1年ぶりッスよ」
( ´ー`) 「よく覚えてるなお前、仕事もそれぐらい覚えろよ」
(;・↓・) 「そ、それはまた別問題ッスよ、しかし白根さんの奥さんに会うの久方ぶりッスね」
( ´ー`) 「おいおい手ェ出してみろ、この世に生まれたことを後悔するぞ」
(;・↓・) 「大丈夫、心配しないでください、オレにそんな勇気無いッスから!」
( ´ー`) 「そうこうしてるうちに着いたな」
ガチャン
( ´ー`) 「ただいまー、客連れて来たぞー!」
- 476 :わるいゆめ:2010/10/20(水) 03:29:55 ID:fmKu4dI60
- (・↓・) 「おじゃましまーす」
( ´ー`) 「華菜ァ、後輩の黒田連れてきたぞー」
/w(イ.^ー^ノハ
( ´ー`) 「いらっしゃいだってよ、良かったな、覚えててもらって」
(;・↓・) 「えっ!?えええ、し、白根さん!?これが奥さんッスか!?」
( ´ー`) 「そうだよ、なに興奮してんだよ?」
/w(イ.^ー^ノハ
(;・↓・) 「興奮とかじゃないっすよ!白根さんボケてるんですか?」
( ´ー`) 「ボケてネーヨ、なに言ってんだお前?」
/w(イ.^ー^ノハ
( ´ー`) 「ほら華菜だって笑ってるぞ」
(;・↓・) 「だ、だ、だってそれ…!」
(;・↓・) 「人形じゃないですかっ!!」
- 477 :わるいゆめ:2010/10/20(水) 03:38:02 ID:fmKu4dI60
- ( ´ー`) 「ハハハ、お前もう酔っぱらってるのか?」
(;・↓・) 「オレは今思いっきり素面ですよ!」
( ´ー`) 「もうこんなやつほっとこうぜ華菜」
白根は人形の肩を引き寄せる
/w(イ.^ー^ノハ
( ´ー`)y━・~ スパー
(*´ー`) 「華菜……オレは幸せだ…」
/w(イ.^ー^ノハ
(*´ー`) 「愛してるよ…」
(;・↓・) 「白根さん……」
(*´ー`) 「……」
('A`) 「彼女のマガイモノを抱いて、良い夢を見続けてくださいね白根さん」
('∀`) オーホッホッホ・・・・・・ 【わるいゆめ】 完
- 478 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/10/20(水) 03:40:45 ID:fmKu4dI60
- 以上です、なんか久々で緊張しましたね
しかし地の文を書くのは難しいですね
質問、指摘等お願いします
- 479 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/10/20(水) 03:47:20 ID:LE9g6QHU0
- 乙だぞ
今回はなんだかタッチが違った風だな
- 480 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/10/20(水) 05:14:54 ID:UG.XH89E0
- `・+。*・ (´・ω・`) 久しぶり!!!
。*゚ 。☆―⊂、 つ 原因は妻なのに夫が壊れる…一方的ながらも笑セらしいモヤモヤ感がでてました
。*゚ : ヽ ⊃ (けど本音言えば妻にも「夫壊れて妻も介護で路頭に迷う」くらいの制裁与えて欲しかった)
`+。**゚**゚ ∪~
- 481 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/10/20(水) 10:54:32 ID:QbXefhb.o
- 乙
今回凄く苦労の後が見える
しかし現実にありそうでこの旦那は切ない…
- 482 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 02:20:38 ID:h.I0Utzg0
-
規制が全然解除されない今日このごろ、そしてもうすぐクリスマス
ブーン系小説総合スレ 【 裏 】 まとめ(仮)さん
http://sogomatome.blog104.fc2.com/blog-entry-467.html
まとめさんいつもありがとうございます、それでは投下します
- 483 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 02:21:27 ID:h.I0Utzg0
- 私の名前は喪鬱毒造、人呼んで鬱ナせぇるすまん
ただのせぇるすまんじゃございません
私が取り扱う品物は“ココロ” 人間のココロでゴザイマス・・・
この世は老いも若きも男も女もココロの寂しい人ばかりそんなみなさんのココロのスキマお埋めします
いえお金は一銭もいただきませんお客様が満足されたら、それがなによりの報酬でゴザイマス・・・
さて今日のお客様は・・・
(-回ε回-) 「では、先に失礼するよ」
(-回ε回-) 襟戸 栄助 46歳 会社員
【閉ざされた扉】
オーホッホッホ・・・・・・
- 484 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 02:22:35 ID:h.I0Utzg0
- シベリア建設株式会社前にて
(ΘωΘ) 「襟戸課長、今夜一杯どうです?たまにはいっしょに呑みましょうよ」
(-回ε回-) 「すまない、君の好意はありがたいが私は酒を呑まない主義なんだ、悪いな」
そう言い、足早に会社をあとにする
(ΘωΘ) 「はぁ、あの人は真面目だな」
(ν・ω・)ν 「あのひとは仕事一筋だからしゃアないよ」
(ΘωΘ) 「1に仕事2に仕事、なにが楽しくて生きてるんだろ」
(ν・ω・)ν 「酒もたばこもやらず、夜のつきあいもせず、いまどき珍しい堅物だよ」
(ΘωΘ) 「息子がたしかVIP大学で娘さんがシベリア大学付属高校だっけか?絵に描いたようなエリート一家だよな」
(ν・ω・)ν 「たしか課長の家は父子家庭だろ?」
(ΘωΘ) 「そうそう、今は娘さんと二人暮らしだよ、ああオレも早く出世してェな!」
―――そんな二人を盗み聞きしている男がいた
('A`) 「オーホッホッホ、面白い話を聞いてしまいました、一見完璧そうに見えますが、
きっと見えないところで爆弾を抱えてるはずですよ…」
- 485 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 02:23:35 ID:h.I0Utzg0
- ガチャン
(-回ε回-) 「ただいま」
シーン
(-回ε回-) 「……フン」
靴を脱ぎ玄関を上がると急いで寝室へと向かう
(-回ε回-) 「ふは…」
ネクタイを外し上着と一緒にハンガーに掛ける
そして干してあったエプロンを装着すると、今度は台所へと移動する
(-回ε回-) 「今日はたしか…」
冷蔵庫を開けると冷凍のハンバーグを取りだし電子レンジに入れ、解凍する
(-回ε回-) 「……」
解凍している間に食器を用意し、茶碗にご飯をよそぐ
- 486 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 02:24:19 ID:h.I0Utzg0
- (-回ε回-) 「……」
レンジからハンバーグを取りだし、食器に乗せる
(-回ε回-) 「あとは飲みもの…」
冷蔵庫に冷やしてあった罐コーラをだして中身をコップに注ぐ
(-回ε回-) 「これぐらいかな…」
用意が終わると食器や飲みものをトレイに乗せ、二階に上がる
(-回ε回-) 「……」カチャカチャ
食器を運ぶ音が音だけがこの家に響く、まるで誰も住んでないみたいに静かだった
(-回ε回-) 「……」
目的の部屋の前まで着いた―――娘の部屋だ、娘は数年前から引き籠っている
(-回ε回-) 「綺麗に食べてるな」
部屋の前には空の食器が置いてあった、それは襟戸が作った朝食――正確には昼食か――だった
襟戸はトレイに乗せていた夕食を部屋の前に置いた
- 487 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 02:25:22 ID:h.I0Utzg0
- (-回ε回-) 「……なぁ、ともき」
普段なら食事を持ってきたあとはすぐ1階へ降りるのだが、今日はなぜか話しかけたくなった
(-回ε回-) 「いい加減に出てこないか?ずっと引き籠ってるわけにはいかないだろ」
・・・・・・
(-回ε回-) 「父さん別に怒ったりしてないからさ、それに今ならほら、まだ間に合うから」
しかし返事は帰ってこなかった
(-回ε回-) 「……」
襟戸は耳すましてみる、かすかにパソコンのキーボードをたたく音が聞こえる
(-回ε回-) (またゲームか…熱心だな)
襟戸は立ち上がると空の食器をトレイに乗せトボトボと1階に降りて行った
- 488 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 02:26:14 ID:h.I0Utzg0
- (-回ε回-) (ふぅ……)
あとで洗うために食器を流しに置く
冷蔵庫の中にある罐ジュース取りだし一息いれる
(-回ε回-)つ□ (いつまで引き籠ってるつもりなんだろうか…)
(-回ε回-)つ□ ゴクゴク
(-回ε回-) 「ハァ…」
その時、家のチャイムが鳴った
(-回ε回-) 「……誰だ、こんな時間に」
襟戸は玄関へと向かった
(-回ε回-) 「いま開けますよ」
ガチャン
('A`) 「オーホッホッホ、夜分遅くに失礼します」
- 489 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 02:27:13 ID:h.I0Utzg0
- (-回ε回-) 「どちら様ですか?」
('A`) 「こういう者です」サッ
(-回ε回-) 「ココロのスキマお埋めします?なんですかこれは」
('A`) 「現代人なら誰もが持っているココロの悩みを解決する仕事をしているのです」
(-回ε回-) 「(なんか胡散臭いな)別に私には必要ないですよ」
('A`) 「本当ですかぁ?あなたのココロはスキマだらけだと思いますけどねぇ」
(-回ε回-) 「しつこいですね、私に悩みごとなどありませんから、あまりしつこいと警察呼びますよ」
('A`) 「オーホッホッホ、それでは襟戸さん、2階にいる娘さんは悩みの種では無いのですか?」
(-回ε回-;) 「うっ、なぜそれを!?」
- 490 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 02:27:53 ID:h.I0Utzg0
- ('A`) 「ワタシはなんでも知ってますよ」
(-回ε回-;) 「あんた何者なんだ!?」
('A`) 「ちょっと特殊なセールスマンですよ安心してください」
(-回ε回-) 「安心してって言われてもね…別にあなたの助けは必要無いですよ、これは私と娘の問題ですから」
その時、2階からドアが開く音がした
(-回ε回-;) 「あ……」
('A`) 「……」
しばらくするとドアが閉まる音がした
(-回ε回-;) 「ともき…」
('A`) 「襟戸さんが作った料理を今頃美味しく頂いてるでしょうねぇ」
(-回ε回-;) 「……」
('A`) 「名刺の裏にワタシ行きつけのBARの行き方が書いてあるので、もしワタシに用があるならそこに来てください、では」
ガチャン
(-回ε回-;) 「…ココロのスキマか」
- 491 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 02:29:25 ID:h.I0Utzg0
- 翌日 退社後
(-回ε回-;) 「ここらへんだと思うんだけどな……」キョロキョロ
(-回ε回-;) 「あの人に聞いてみよう、すいません」
( ´W`)
(-回ε回-;) 「あのう、この近くに『バロ巣』というBARがはずなんですけど、知りませんか?」
( ´W`)b グイッ
(´W` ) トコトコ
(-回ε回-;) 「(ついて来いってことかな…)どうもです」
- 492 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 02:29:58 ID:h.I0Utzg0
- BAR バロ巣
ギーッ
(-回ε回-;) (ここか…)
('A`) 「いらっしゃい、どうです?迷いませんでしたか?」
(-回ε回-;) 「いや、結構複雑な場所にあったので見つけるのに骨を折りました、途中親切な人に教えてもらいましたよ、ん?」
( ´W`)
(-回ε回-;) 「なんだ、ここのマスターだったのか」
('A`) 「寡黙なマスターなんですよ、オーホッホッホ」
(-回ε回-;) 「寡黙ねぇ」
('A`) 「ところで襟戸さん、ここに来たということは、ワタシに相談する気になったわけですね」
(-回ε回-;) 「ええ…」
('A`) 「では聞かせてください、あなたのココロのスキマを・・・!」
- 493 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 02:30:42 ID:h.I0Utzg0
- ('A`) 「ほう、やはりあなたの娘さんはひきこもりでしたか」
(-回ε回-;) 「ええ、2年ぐらい前から部屋に引き籠ってまして」
('A`) 「きっかけはやはり学業関係ですか?」
(-回ε回-;) 「はい、私の娘はシベリアではトップクラスの進学校であるシベリア大高校に通わせてたんですが
どうも勉強についていけなかったみたいなんです」
('A`) 「なるほど、学校で落ちこぼれてしまったわけですか、よくあるパターンですねぇ」
(-回ε回-;) 「ええ、高校で習う勉強というのは中学で習うものとは比較にならみたいですな」
('A`) 「ふむふむ」
(-回ε回-;) 「当時私は会社の大きなプロジェクトを立ち上げたばかりで忙しくて娘の相談とかに乗ってあげられなかったんです」
('A`) 「ほう」
(-回ε回-) 「もうちょっと私が真剣にあの娘と向き合っていれば、こんなことにはならなかったのでしょうか?」
('A`) 「どうでしょうかねぇ、今さら言っても遅いですけどね」グビリ
つ□と
- 494 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 02:31:38 ID:h.I0Utzg0
- ('A`) 「エリート一家に生まれて、娘さんは相当プレッシャーを感じてたでしょうねぇ」
(-回ε回-;) 「プレッシャーをかけたつもりは無いですけどねぇ…」
('A`) 「雰囲気で伝わるものですよそういうのは、ところで娘さんは今頃なにをしてるのですか?」
(-回ε回-) 「ネットゲームです」
('A`) 「いわゆるネトゲというやつですな」
(-回ε回-;) 「ええ、もともとゲームが好きだったのですが、引き籠ると同時にのめり込んだみたいですね」
('A`) 「一時期話題になったネトゲ廃人というやつかもしれませんね、韓国や中国では熱中しすぎて死ぬ人もいるらしいです」
(-回ε回-) 「私にはわかりませんね、ゲームというものが、あんなの子供がやるものでしょう、いい大人がやるものじゃないですよ」
('A`) 「ほう…」
(-回ε回-;) 「ああもうこんな時間だ!早く帰って夕食作らなきゃ!」
('A`) 「ワタシもついていきますよ」
- 495 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 02:32:33 ID:h.I0Utzg0
- 襟戸家にて
家に着くと夕食を急いで用意した
(-回ε回-) 「今日はカレー…」
('A`) 「襟戸さん、料理の前に娘さんに話をしてみたらどうです」
(-回ε回-) 「しかし、私が話しかけてもなにも反応が無かったのに、あなたが話かけてところで娘が出てくるとは思えませんが」
('A`) 「大丈夫です、ワタシを信じてください」
(-回ε回-) 「そうですか、なら私についてきてください、2階ですので」
('A`) 「どうも」
襟戸は喪鬱を連れて2階に上がった
- 496 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 02:33:18 ID:h.I0Utzg0
- 部屋の前まで行くと、そこには空の食器が置いてあった
(-回ε回-) 「今日の朝食の食器ですよ、まぁともきが起きるのはいつも昼過ぎですので厳密に言えば昼食ですけど」
('A`) 「綺麗に食べてますねぇ、よっぽど襟戸さんの料理が美味しいんでしょうな」
(-回ε回-) 「…ただのレトルトですよ」
襟戸は娘の部屋に軽くノックをする
(-回ε回-) 「ともきー、パパだ、ちょっと話がしたいんだ、出てきてくれないか?」
シーン
(-回ε回-) 「……やっぱ返事はかえってきませんね」
耳をすますと、昨日と同様にキーボードをたたく無機質な音が聞こえてきた
(-回ε回-) 「やっぱ私の声は娘には届かないのでしょうか」
('A`) 「なーに心配しないでください、ワタシが今からなんとかしましょう」
- 497 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 02:34:03 ID:h.I0Utzg0
- (-回ε回-;) 「なにをする気ですか?」
('A`) 「ちょっとしたおまじないをするだけです」
すると喪鬱は目を閉じ手を広げ、なにかをつぶやき始めた
⊂(-A-)⊃ 「ウゥーン!」
⊂(゚A゚)⊃ 「ウラー!!!!!」
(-回ε回-;) 「な、なんですかそれは!?」
('A`) 「これで大丈夫、もうすぐ出てきますよ」
(-回ε回-;) 「こんなんで出てくるわけ・・・・・・」
ガチャ
|||(!j〇-〇ノj"
- 498 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 02:34:56 ID:h.I0Utzg0
- (-回ε回-;) 「と、ともき!?」
|||(!j〇-〇ノj" 「なに……」
(-回ε回-;) 「……」
娘と顔を合わせるのはいつ以来だろうか、もうだいぶ顔を見てない気がする
家にずっと引き籠っていたせいか、顔は青白くなり、腰まで伸びた長い髪は手入れをしないのでボサボサになっていた
('A`) 「いやぁすいませんさわがしくて、夕食が出来たことを伝えに来たんですよ」
|||(!j〇-〇ノj" 「そう…」
そういうとともきは1階へ降りて行った
もうずっと同じのを着てるせいか、パジャマはひどくくたびれていた
('A`) 「もの静かな娘さんですねぇ」
(-回ε回-;) 「元来感情を表に出さない子でしたが、ますます表情に乏しくなった気がします」
- 499 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 02:35:53 ID:h.I0Utzg0
- (-回ε回-;) 「しかし喪鬱さんいったいなにをしたんですか?どんなに問いかけても部屋を出ようとしなかったともきを出すなんて」
('A`) 「俗に言う催眠術みたいなものです、しかし襟戸さん、これで完全にひきこもりから脱したわけではありません」
(-回ε回-;) 「はい…」
('A`) 「ワタシは部屋から出る活力を与えただけです、ここから社会復帰させるのは襟戸さんですよ」
(-回ε回-;) 「私ですか…」
('A`) 「ええ、そういえば明日休みなんですしお二人でお出かけになられたらどうですか?」
(-回ε回-;) 「う〜ん、いきなり外出はちとハードルが高くありませんかね」
('A`) 「まぁ焦らずに頑張ってくださいよ、早く娘さんのトコに行ってあげたらどうです?」
(-回ε回-;) 「ああそうかどうも、それでは」タッタッタッタ…
襟戸は1階に降りて行った
('A`) 「……」
- 500 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 02:36:44 ID:h.I0Utzg0
- 食卓
(-回ε回-) パクパク
|||(!j〇-〇ノj" モグモグ…
(-回ε回-;) (なにを話せばいいかわからない……)パクパク
|||(!j〇-〇ノj" モグモグ…
(-回ε回-;) (なにから切り出せばいいものか…)ムシャムシャ
|||(!j〇-〇ノj" モグモグ…
(-回ε回-;) 「な、なぁともき」
|||(!j〇-〇ノj" 「……」
(-回ε回-;) 「旨いか?お父さんのカレー?」
|||(!j〇-〇ノj" 「普通…」
(-回ε回-;) 「そ、そうか(そりゃレトルトだからな…)」パクパク
- 501 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 02:37:27 ID:h.I0Utzg0
- |||(!j〇-〇ノj" モグモグ…
(-回ε回-;) 「(ここは思い切って…!)あのさ、ともき」
|||(!j〇-〇ノj" 「なに……」
(-回ε回-;) 「明日お父さんと出掛けないか?久々に外に出てみないか?」
|||(!j〇-〇ノj" 「……」
(-回ε回-;) (やっぱ無理か)
|||(!j〇-〇ノj" 「映画……」
(-回ε回-;) 「え?」
|||(!j〇-〇ノj" 「映画見たい……」
(-回ε回-;) 「行こう行こう映画!ともきと映画見に行くの久しぶりだな!」
|A`) 「はたして襟戸さんはあの子のココロの扉を開けることが出来るでしょうかねぇ」
- 502 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 02:38:31 ID:h.I0Utzg0
- 翌日 朝
(-回ε回-) 「早く起きてはみたものの、はたしてともきは降りてくるだろうか…」
すると階段を下りてくる音が聞こえてきた
|||(!j*〇-〇ノj" 「……」
(-回ε回-;) 「ともき…」
上はあるロックバンドのロゴ付きの白いTシャツ、下はジーンズで
若い女の子にしてはえらい質素、悪く言えば地味な服装だった
(-回ε回-;) 「いいんじゃないか、ほら早く行こう」
|||(!j*〇-〇ノj" コクリ
襟戸は娘を連れ玄関を出た
- 503 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 02:43:16 ID:h.I0Utzg0
- |||(!j;〇-〇ノj" 「うっ」
(-回ε回-) 「どうだ久しぶりに外に出てみて?気持いいだろ?」
|||(!j;〇-〇ノj" 「まぶしい…」
(-回ε回-) 「外に出るの緊張するか?」
|||(!j〇-〇ノj" 「別に…」
(-回ε回-) 「そうか」
襟戸とともきが車に乗る
(-回ε回-) 「ふぅ」
|||(!j〇-〇ノj" カチャ
娘と車に乗るのはいつ以来だろうと、襟戸はふと思った
(-回ε回-) (多分ともきが中学校の頃だ、あの頃は毎日のように送り迎えしてたな)
- 504 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 02:45:34 ID:h.I0Utzg0
- その後、映画館に着いた二人はチケットを買い劇場に入る
今回二人はいま巷で話題のサスペンス映画を鑑賞した
人気映画と言っても朝一番の上映なので割かし空いていた
|||(!j*〇-〇ノj" ドキドキ
(-回ε回-) (満足そうだな…)
ともきは元々サスペンスやミステリーが好きだった
引き籠る前は本屋で推理小説を買い漁り、貪るように読んでいたことを襟戸は思いだす
(-回ε回-) (元々半引き籠りみたいなもんだったな)
映画はサッカーを題材にしたものだった
1部昇格を目指すクラブの監督の娘が誘拐され身代金と2部残留を要求される、という内容だった
(-回ε回-) (サッカーか…)
襟戸は2年前からあるプロジェクトに参加していた
それは地元サッカークラブの新スタジアムを建設するというものだった
(-回ε回-) (思えばそのころから娘とはあまり話さなくなったなぁ…)
結局襟戸は色々と考えてしまい、全然映画が頭に入らなかった
- 505 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 02:53:53 ID:h.I0Utzg0
- (-回ε回-) 「どうだった?面白かったか?」
|||(!j*〇-〇ノj" コクリ
(-回ε回-) 「そうか」
そろそろ昼食をと思ったが、まだ昼食にするにはまだやや早い時間帯だった
そこで襟戸はあることを思い出した
(-回ε回-) 「そういえば最近この近くでバッティングセンターが開店したんだよ」
|||(!j〇-〇ノj" 「……」
(-回ε回-) 「たまには運動してみたらどうだ?体鈍ってるだろ?」
|||(!j〇-〇ノj" コクリ
(-回ε回-) 「(断られると思ったけど…)じゃあ行こうか」
- 506 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 02:57:35 ID:h.I0Utzg0
- |||(!j;〇-〇ノj" 「ふん!」 ブン
(-回ε回-) 「ハハハ、さっきから全然当たらないじゃないか」
|||(!j;〇-〇ノj" 「次は打つよ……」
ビシュ!
|||(!j;〇-〇ノj" 「ふん!」 ブン!スカ!
|||(!j;〇-〇ノj" 「……」
(-回ε回-) 「良く見て打たなきゃ当たるモノも当たらないよ」
|||(!j;〇-〇ノj" 「……」
ビシュ!
|||(!j;〇-〇ノj" ブン! カンッ!
|||(!j*〇-〇ノj" 「……当たった」
- 507 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 03:02:28 ID:h.I0Utzg0
- |||(!j*〇-〇ノj" カン!カン!
(-回ε回-) 「……」
(-回ε回-) (贔屓目に見ても良いスタイルしてるよな…目鼻立ちだってくっきりしてるし…)
|||(!j*〇-〇ノj" カン!
(-回ε回-) (引き籠らず普通の生活してたらそれなりに充実した毎日を送っていたであろうに、もったいない…)
|||(!j*〇-〇ノj" 「なかなか面白い……」
(-回ε回-) (いったいともきは何故引き籠ったのだろうか、本当に学校が原因か?)
その後、小一時間ほどバッティングセンターで球を打った
- 508 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 03:03:06 ID:h.I0Utzg0
- バッティングセンターをあとは食事をするためファミレスに入った
打撃に熱中したために少し遅い昼食になってしまった
(-回ε回-) 「(まぁ空いてるから好都合だな)なにが食べたい?」
|||(!j〇-〇ノj" 「……」
ともきはメニューを片手にこれから注文するモノを熟考する
|||(!j〇-〇ノj" 「ハンバーグ…」
(-回ε回-) 「ハンバーグかわかった、今店員さん呼ぶから」 チーン
("・」・") 「ご注文のほう決まりましたか?」
(-回ε回-) 「ハンバーグひとつとソースかつ丼ひとつ」
("・」・") 「かしこまりました」
- 509 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 03:05:51 ID:h.I0Utzg0
- |||(!j〇-〇ノj" パクパク
(-回ε回-) 「なかなかファミレスの料理も悪くないな」モグモグ
|||(!j〇-〇ノj" パクパク
(-回ε回-) 「このあとどこか行きたいトコとかあるかい?」
|||(!j〇-〇ノj" 「特に無い…」 パクパク
(-回ε回-) 「そうか…」 ムシャムシャ
|||(!j〇-〇ノj" パクパク
(-回ε回-) 「なんかしたいこととかあるか?」
|||(!j〇-〇ノj" 「無い……」
(-回ε回-) 「そうか…」 ムシャムシャ
|||(!j〇-〇ノj" パクパク
(-回ε回-) (会話が続かん…)
- 510 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 03:08:45 ID:h.I0Utzg0
- |||(!j〇-〇ノj" モグモグ
(-回ε回-;) 「(このままじゃダメだ、なんか話さなきゃ)なぁ、ともき」
|||(!j〇-〇ノj" パクパク
(-回ε回-) 「ともきはさ、一日中ネットゲームやってるけどさ」
|||(!j〇-〇ノj"
(-回ε回-) 「楽しいか?」
|||(!j〇-〇ノj" カタッ!
(-回ε回-;) (うっなんかマズイこと言ったかな)
|||(!j*〇-〇ノj" 「楽しい…すごい楽しい…」
(-回ε回-;) 「え?」
|||(!j*〇-〇ノj" 「現実ではありえないこととかいっぱいできるし、やっぱやればやるほど上に行けるし…」
(-回ε回-;) (おお、なんか語りだした…)
- 511 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 03:09:14 ID:h.I0Utzg0
- |||(!j*〇-〇ノj" 「今わたし『CAGE FIGHT』っていうネットゲームやってるんだけど…」
(-回ε回-;) 「お、おう…」
|||(!j*〇-〇ノj" 「すごい面白い…きやきやひやひやドキドキのバトルゲーム…」
(-回ε回-;) 「はぁ…」
|||(!j*〇-〇ノj" 「そのゲーム…世界的に有名なんだけど…わたしそのゲームで世界57位…」
(-回ε回-;) 「へぇ…」
|||(!j*〇-〇ノj" 「このまま行けば数日中に50位以内に行ける…わたしは世界で1番になりたい…」
(-回ε回-;) (ゲームの話になったら急にしゃべりだしたな…)
|||(!j*〇-〇ノj" 「高校じゃダメだったけど、このゲームなら1位を取れる気がする……」
(-回ε回-;) (う、ともき…)
|||(!j*〇-〇ノj" 「それで…」
(-回ε回-;) 「ああともき、早く食べないと冷めて美味しくなくなるぞ、な」
|||(!j〇-〇ノj" 「あ、うん…」
- 512 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 03:09:54 ID:h.I0Utzg0
- 走行中
(-回ε回-) 「……」
|||(!j〇-〇ノj" 「……」
(-回ε回-) (今までともきがあんな饒舌になったことは無かった…)
|||(!j〇-〇ノj" 「……」
(-回ε回-) (良く言えば寡黙、悪く言えば無愛想なともきがあんな嬉々として語るとは…
それほどまでのものなのかネットゲームというのは…)
|||(!j〇-〇ノj" 「……」
(-回ε回-;) (うう…やはりネットゲームが原因でともきは…!)
- 513 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 03:10:36 ID:h.I0Utzg0
- 次の日 BAR バロ巣
('A`) 「どうでしたか娘さんとの外出は?少しは会話が出来ましたか?」
(-回ε回-) 「ええ、あんな会話したのは数年ぶりですよ」
('A`) 「それは良かったですねぇ、そうやって少しずつ彼女のココロを開かしていくのですよ」
(-回ε回-) 「ハァ…そうですけど…」
('A`) 「おや?何か心配事でもあるのですか?」
(-回ε回-) 「いやぁ娘のネットゲーム中毒をなんとかしたいと思いましてね」
('A`) 「ほう」
(-回ε回-) 「昨日外出から帰宅したら自分の部屋に直行してましたよ」
('A`) 「よっぽどゲームがやりたかったんでしょうねぇ」
(-回ε回-) 「ネットゲームに没頭したままだと社会復帰もままなりませんよ」
('A`) 「なるほど」
つ□とカラン
- 514 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 03:11:03 ID:h.I0Utzg0
- ('A`) 「襟戸さんは娘さんがひきこもりになった原因がネットゲームにあるとお考えですか?」
(-回ε回-) 「まぁ少なからずはあると思いますよ、ネットゲームにハマったせいで日常生活が疎かになってしまったんですよ」
('A`) 「ほうほう」
(-回ε回-) 「無理矢理にでもやめさせたほうがいいのかなぁ…」
('A`) 「襟戸さん、あまりネットゲームについては触れないほうがいいのではないですかねぇ」
(-回ε回-) 「なんでです?このままだとずっと引き籠りのままですよ、うちの娘は」
('A`) 「彼女にとってネットゲームはココロの支えなのですよ」
(-回ε回-) 「ココロの支えねぇ…」
('A`) 「学業で失敗した彼女はココロの拠り所をネットゲームに求めたのです
ネットゲームの世界なら落ちこぼれにならずにすむからです」
(-回ε回-) 「そういえば娘も言ってました、ゲームなら1番になれるかもしれない、と」
- 515 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 03:11:29 ID:h.I0Utzg0
- ('A`) 「ゲームの世界で活躍することで己を保つことが出来るのです
そんな彼女からネットゲームを奪ったら大変なことになるでしょうねぇ」
(-回ε回-;) 「じゃあどうすればいいのですか?このままだと娘は一生引き籠りですよ!」
('A`) 「他のものに目を向けさせるのです、娘さんはひきこもってしまったがゆえにネットにどっぷりハマってしまったわけです
何も無い部屋で自分の相手をしてくれるのはネットのみですからねぇ、病みつきになるのも無理ないですなぁ」
(-回ε回-;) 「……」
('A`) 「視野を広げさせ他のモノに興味の対象を移させるのです、少しずつでもいいので」
(-回ε回-;) 「でも私も仕事で忙しいですし、あまり娘にかまってやる時間は…」
('A`) 「それならば施設に入れて治療をさせたほうがいいですよ、ネットゲーム依存症は立派な病気ですから」
(-回ε回-;) 「施設はちょっと!娘も嫌がるでしょうし…」
('A`) 「本当に治したいというのなら適切な治療をおこなうべきです、もしかして襟戸さんあれですか?
自分の経歴に傷がつくから娘を施設に入れるわけにはいかないと思ってらっしゃるのではないですか?」
- 516 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 03:12:27 ID:h.I0Utzg0
- (-回ε回-;) 「とんでもない!そんなこと考えたこともないですよ!私はいつも娘のことを第一に考えてます!」
('A`) 「まぁこの話は別にいいでしょう、マスター、襟戸さんにハーブティーを」
( ´W`)つ□ トンッ
(-回ε回-;) 「どうも」
('A`) 「襟戸さんはどうやらゲームに嫌悪感をもってるようですねぇ」
(-回ε回-;) 「ええ、所詮ゲームなんて子供がやるモノでしょう、あんなモノに大人が躍起になるなんて理解できませんよ」
('A`) 「理解しようとしなくていいんですよ、自分の理解を超えたものを理解しようしても、そうは簡単にできないですから
相手のことを尊重するのです、人の考えや価値観は三者三様、十人十色ですからねぇ」
(-回ε回-;) 「尊重ねぇ…」
つ□と チビリ
- 517 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 03:18:13 ID:h.I0Utzg0
- その後、帰宅し・・・
(-回ε回-) パクパク
|||(!j〇-〇ノj" カッカッカッ!
(-回ε回-) 「そんな急いで食べなくてもいいじゃないか、もう少しゆっくり食べなさいよ」
|||(!j〇-〇ノj" 「ダメ…時間が惜しい…」 カッカッカッ!
(-回ε回-) 「またゲームか、いい加減に…」
('A`) 《あまりネットゲームについては触れないほうがいいのではないですかねぇ》
(-回ε回-;) 「うぐ…」
|||(!j〇-〇ノj" 「ごちそうさま……」 ガタ
食べるとすぐさま階段を上っていった
(-回ε回-) 「そこまでしてやりたいかねぇ、私には理解出来んよ」
- 518 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 03:18:38 ID:h.I0Utzg0
- 翌日 会社にて
(-回ε回-) 「ふぅ…」
(ΘωΘ) 「襟戸課長、おとつい駅前のバッティングセンターに居ましたよね」
(-回ε回-) 「うん居たよ、それが?」
(ΘωΘ) 「やっぱしそうっすか、そのとき女の人も一緒でしたよ…ね?」
(-回ε回-) 「ああうん、居たね」
(ΘωΘ) 「課長も隅に置けないっすね!彼女っすか!?すっげぇ美人だったじゃないですか!」
(-回ε回-;) 「いや、それは…」
(*ΘωΘ) 「背は高く巨乳で髪が長くて綺麗で俺の超タイプでしたよ!どこであんなAクラスの美人見つけてきたんすか!?」
(-回ε回-) 「殊能くん、あれは私の娘だよ」
(ΘωΘ) 「え」
- 519 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 03:19:10 ID:h.I0Utzg0
- (;ΘωΘ) 「え、え、マジッすか!?いやぁてっきり新しい女が出来たのかと思いまして…」
(ν・ω・)ν 「ホント馬鹿だなお前は」
(*ΘωΘ) 「しかし襟戸さんの娘さんすごいべっぴんっすね!ひょっとしてあのシベリア大付属高校に通ってる娘さんっすか?」
(-回ε回-;) 「う…うん、そうだね」
(*ΘωΘ) 「美少女のうえに頭が良い、まさに才色兼備とはこのことっすね!あの、もしよろしければ娘さんとお付き合いさせてください!!」
(-回ε回-) 「ダメに決まってるじゃないか、そんなことより仕事したらどうだい?」
(ΘωΘ) 「ですよね〜」
( ̄ー ̄) 「襟戸くん、ちょっといいかね、話があるんだ」
(-回ε回-) 「あ、ニヤリ部長、いま行きます」
上司に呼ばれ、その場をあとにする
- 520 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 03:19:50 ID:h.I0Utzg0
- (-回ε回-) 「ニヤリ部長、お話とはなんでしょうか?」
( ̄ー ̄) 「実は例のプロジェクトのことなんだがね」
(-回ε回-) 「その件につきましては順調に進んでおりますので……」
( ̄ー ̄) 「いや今回のプロジェクトは白紙になったんだよ」
(-回ε回-;) 「え!?なんでですか!理由は何です理由は!!」
( ̄ー ̄) 「まぁ落ち着きたまえよ、君は今朝の新聞を読んでないのかい?」
(-回ε回-;) 「すいません、今朝はドタバタしてましたので…」
( ̄ー ̄)つ□ 「まぁこれを読んでみたまえよ」
新聞を手渡される
(-回ε回-) 「ふむふむ…」パサッ
新聞には地元サッカークラブが経営破たんで消滅した、と書かれていた
- 521 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 03:20:20 ID:h.I0Utzg0
- (-回ε回-;) 「こ、こ、これってうちが建設を予定しているスタジアムのクラブでは!」
( ̄ー ̄) 「そうだよ、まさか無くなっちゃうとはね〜」
(-回ε回-;) 「じゃあスタジアムはどうなるんです?もう色々と決定してるんですよ!」
( ̄ー ̄) 「チームが無くなっちゃったんだもん、新スタジアムを建設しても意味無いよね〜」
(-回ε回-;) 「これでは2年間の苦労が水の泡ではないですか!」
( ̄ー ̄) 「大丈夫大丈夫、僕は評価してるからちゃんと、君はよく頑張ったよ」
(-回ε回-;) 「くっ…」
( ̄ー ̄) 「もう要件は全部伝えたからあとは持ち場に戻ってくれ、それじゃ」
(-回ε回-;) 「……」
- 522 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 03:20:47 ID:h.I0Utzg0
- 帰宅中
(-回ε回-;) 「……」
いつもなら急いで家路につくのだが今日は足取りが重かった
(-回ε回-;) (2年間の私の苦労が…ハァ…)
襟戸が意気消沈するのも無理は無かった、2年間プロジェクト成功に腐心したのに降ってわいたような災難で頓挫してしまったのだ
(-回ε回-;) (部長は評価すると言っていたがあんな言葉信用できないしな…)
考えれば考えるほど気持ちは沈んでいった
(-回ε回-;) (私の出世も期待できないな…)
しばらくするとどうしようもない怒りが沸いてくる
(-回ε回-#) (くそお…なんで私がこんな理不尽な目にあわなければならんのだ!くそっ!)
そうこうしているうちに家の前まで来ていた
- 523 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 03:21:15 ID:h.I0Utzg0
- (-回ε回-#) 「ただいま…」
家に入るとなにかのにおいが鼻をついた
(-回ε回-;) 「な、なにがあったんだ!」
襟戸があわてて台所に行くと、そこにはともきが突っ立っていた
|||(!j;〇-〇ノj" 「あ…」
(-回ε回-;) 「どうしたんだよいったい…」
|||(!j〇-〇ノj" 「料理…作ってみた…」
(-回ε回-;) 「え?」
たしかにテーブルを見ると夕食―――カレーライスとサラダ―――が並んでいた
(-回ε回-;) (においの元はこれか…)
- 524 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 03:27:08 ID:h.I0Utzg0
- |||(!j〇-〇ノj" 「食べてみて…」
(-回ε回-;) 「う、うん、でもその前に手を洗わせてくれ」
手を洗うために台所に向かう
(-回ε回-;) 「う…これは…」
台所は散らかっていた、鍋や包丁の食器類は乱雑に放置され野菜などの生ごみが散乱していた
(-回ε回-;) 「おいおいなんだよこれは」
襟戸は流し場に置かれてる鍋をどけて手を洗う
(-回ε回-#) (あいつはまともに炊事もできないのか)
今思えばともきはまともに家事をしたことは無かった
食事、洗濯、買い物等は襟戸がすべてやり、そのあいだともきは寝てるかネットゲームをやっていた
(-回ε回-#) (すべてネットせいだ!ネットが原因でともきはダメになったんだ!)
襟戸は力まかせに蛇口を閉めた
- 525 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 03:27:32 ID:h.I0Utzg0
- (-回ε回-) パク
|||(!j〇-〇ノj" 「どう…?」
(-回ε回-;) 「……」
正直不味かった、カレーなのに甘い味がした
(-回ε回-;) (こんな簡単な料理さえ出来ないのか…)
|||(!j〇-〇ノj" 「ネットでレシピを見て…見よう見まねで作ったんだけど……」
(-回ε回-;) 「まぁ、食べられないことは無いよ…」
|||(!j〇-〇ノj" 「そう……」 パク
|||(!j〇-〇ノj" 「……」
|||(!j〇-〇ノj" パクパク
(-回ε回-;) 「……」
しばらく無言の時間が続いた
- 526 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 03:28:07 ID:h.I0Utzg0
- あまり出来の良くないカレーを食べているうちに、襟戸の心にどす黒い怒りが沸いてきた
(-回ε回-#) (プロジェクトが破たんし出世がパーになって、家では
こんな不味いカレーを食べなければいけない、なんて惨めだ!)
最初は怒りの対象はプロジェクト破たんの件だったが、だんだんその矛先がともきに向かっていった
(-回ε回-#) (カレーさえまともに作れないんだ、この先一人で生きていけるのか?)
|||(!j〇-〇ノj" モグモグ
(-回ε回-#) (ひょっとしてこのまま一生ネットゲームだけをやり続けて生きていくのか?
私のすねをかじって生活していくつもりなのか?これじゃいかん、ちゃんと言わないと!)
襟戸が言葉を発する前にともきが口を開いた
|||(!j〇-〇ノj" 「ねぇ…」
(-回ε回-;) 「な、なんだ…」
|||(!j〇-〇ノj" 「わたし…この前オンラインゲームの話したじゃん…」
- 527 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 03:33:03 ID:h.I0Utzg0
- (-回ε回-;) 「ああ、あの世界的なとか言うやつだろ、それがどうした」
|||(!j*〇-〇ノj" 「あれでわたし……世界50位以内に入った、これで上位ランカーの仲間入り…」
(-回ε回-#) 「くっ…」
|||(!j*〇-〇ノj" 「このまま頂点まで……」
(-回ε回-#) 「いい加減にしろ!」
襟戸は思いっきりテーブルを叩いた
|||(!j;〇-〇ノj" 「え…」
(-回ε回-#) 「もううんざりだネットの話は!私はネットなんかどうだっていいんだ!」
|||(!j;〇-〇ノj" 「え?え?」
(-回ε回-#) 「お前は逃げてるんだよ!現実から!ネットの世界に逃げてるんだ!」
- 528 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 03:33:25 ID:h.I0Utzg0
- |||(!j;〇-〇ノj" 「違う…違う…」
(-回ε回-#) 「なんだあの台所の散らかりようは!あんなサルでも出来るような家事も出来ないのか!」
|||(!j;〇-〇ノj" 「聞こえない……聞こえない……」
(-回ε回-#) 「それもこれも全部ネットのせいだな、お前がネットばっかりやってたせいでなにも出来ないダメ人間になってしまったんだ」
|||(!j;〇-〇ノj" 「パパやめて…もうそれ以上は…」
(-回ε回-#) 「ふん、こうなったら…!」
襟戸は立ち上がりともきの部屋に行くために二階へと駆け上がった
(-回ε回-#) (パソコンをこわせば良いんだ!そうすればともきも真っ当な道に戻れる)
- 529 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 03:33:57 ID:h.I0Utzg0
- 襟戸は部屋の前まで来ると勢いよく扉を開けた
(-回ε回-#) 「う…」
部屋の中は小説や漫画などが散乱していた、さっきの台所の惨状を思い起こされるような光景だった
(-回ε回-#) 「ふん!」 ザッザッ
襟戸は本を脇に寄せることなどをせず、そのまま踏みつけて部屋の中を進んだ
そして机の上のパソコンを掴み持ち上げようとした、しかし―――
|||(!j;〇-〇ノj" 「お願いだからやめて…お願いだから…」
いつのまにか部屋に入ってきてたともきが襟戸の腕を掴み止めに入る
しかし襟戸はそれを払いのけた
|||(!j;〇-〇ノj" 「きゃ!」
(-回ε回-#) 「お父さんはお前のこと考えてやってるんだよ!」
そういうと襟戸はインターネットにつながったままになっているパソコンを持ち上げ
力任せに床にたたきつけた、そしてパソコンは無残にも砕け散った
- 530 :閉ざされた扉:2010/11/10(水) 03:34:38 ID:h.I0Utzg0
- |||(!j;〇-〇ノj" 「ああああああ!!」
ともきは叩きつけられたパソコンを起動させようとする、されどディスプレイに光は点かなかった
|||(!j;〇-〇ノj" 「ああ…」
(-回ε回-) 「パソコンをやりたければ新しいのを買えばいい、しかしそれはお前が働いたお金で買うんだ
お父さんはびた一文払わないからな」
|||(!j;〇-〇ノj" 「……」
(-回ε回-) 「ネットゲームなんかやってたってなにも良いことなど無いんだよ、社会では何の意味も成さないんだ」
|||(!j;〇-〇ノj" 「……」
ともきはパソコンを見つめたまま、なにも喋らなかった
(-回ε回-) 「……」
襟戸は黙って部屋をあとにした
- 531 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 03:35:01 ID:h.I0Utzg0
- (-回ε回-) 「ふぅ……」
襟戸は1階へ戻り椅子に腰を降ろした
(-回ε回-) (ちょっとやりすぎだったかなぁ…)
カレーを一口食べてみる、すっかり冷たくなっていた
(-回ε回-) 「いいや、これもあいつの為だ、このままだとホントにダメになってしまう」
襟戸はスプーンをテーブルに置き、伸びをする
(-回ε回-) (明日求職誌でも買ってきてやろうかな、いや自分で買いに行かせるべきか…)
その時―――
('A`) 「オーホッホッホ……」
- 532 :閉ざされた扉:2010/11/10(水) 03:35:33 ID:h.I0Utzg0
- (-回ε回-;) 「も、喪鬱さん!なんでここに!?」
('A`) 「とうとう娘さんを傷付けてしまいましたね」
(-回ε回-;) 「わ、私は娘のことを考えてやったんですよ!このままじゃいけないので」
('A`) 「本当に娘さんのことを考えてるんですか?本当はご自分のことしか考えてなにのではないですか?」
(-回ε回-#) 「失敬な!私はいつだって娘第一ですよ!!」
('A`) 「本当に娘さんのことを考えておられるのなら、早い段階から娘さんと話し合いなどをするべきだったのではないですか?」
(-回ε回-#) 「私だって仕事があるんだ!娘にいちいちかまっていられませんよ!」
('A`) 「オーホッホッホ、やはりあなたご自分のことしか考えていませんねぇ、あなたこそ娘さんのことから逃げてたんではないですか?」
(-回ε回-#) 「うるさい!」
('A`) 「娘さんをひきこもりになった原因はあなたにもあるのですよ」
(-回ε回-;) 「おい!なにする気だ!」
m9('A`)
ド―――m9('∀`)―――ン!!!!!
( ε ;) 「うわあああああ!!!!」
- 533 :閉ざされた扉:2010/11/10(水) 03:41:53 ID:h.I0Utzg0
- (-回ε回-;) 「ハッ!」
襟戸が時計を見ると深夜の3時半だった、しばらく寝ていたらしい
(-回ε回-;) (さっきのはなんだったんだ…夢か?)
襟戸はボーっとする頭でさっきのことを思い出してみる、しかしなにも浮かばなかった
(-回ε回-;) (さっきの喪鬱さんのあれはなんだったんだ……ん?)
ふと襟戸は後ろに気配を感じ振り向く、そこには
|||(!j;〇-〇ノj"
暗い顔をしたともきが立っていた
(-回ε回-;) 「なんだともきか、驚かすなよ、もう遅いからはやく―――」
そこまで喋ったところで言葉を切った、ともきが手にしたものを見て絶句したのだ
|||(!j;〇-〇ノj"つ||ニニニフ
ともきは包丁を手にしていた
- 534 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 03:49:02 ID:h.I0Utzg0
- (-回ε回-;) 「お、おいやめろ!包丁を捨てろ!」
|||(!j;〇-〇ノj"つ||ニニニフ 「ゆ、許さない…絶対に…」
ともきは襟戸に歯を向け、じわりじわりと襟戸に近づいていく
(-回ε回-;) 「やめろ…!やめるんだ!」
逃げようとしても恐怖で体が言うことをきかない
|||(!j;〇-〇ノj"つ||ニニニフ ガタガタ
そうこうしているうちにともきが襟戸の近くまで来た
(-回ε回-;) 「た、助けて……!」
|||(!j;〇д〇ノj"つ||ニニニフ 「あああああああ!!!!」
ともきは襟戸の腹を思いっきり突き刺した・・・!
( ε ;) 「ギニャーーーーー!!!!!!!!」
('A`) 「襟戸さんは彼女の開けてはいけない扉を開けてしまったようです、ああなる前になんとか出来なかったんでしょうかねぇ」
('∀`) オーホッホッホッホ・・・・・・ 【閉ざされた扉】 完
- 535 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/11/10(水) 03:52:29 ID:h.I0Utzg0
- 以上です、なんか今回はやたらと長くなっちゃいましたね
そういえば今回テンプレAAが出なかったな
. '´  ̄`ヽ
|||. LLLLLL)) カタカタ
. |||(!j,'A`,ノj" 質問、指摘等があればお願いします
|||/_つ/ ̄ ̄ ̄/_
\/ /
- 536 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 03:53:40 ID:h.I0Utzg0
- もう遅いので質問等は明日答えます
グッナイ
- 537 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 04:15:45 ID:.beJk7Pk0
- `・+。*・ (´・ω・`)
。*゚ 。☆―⊂、 つ 喪鬱が思いのほか娘寄りでおもしろかった
。*゚ : ヽ ⊃ 親父がネトゲに嵌るのかなと思った俺はまだまだ甘いようだな…
`+。**゚**゚ ∪~
- 538 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 04:19:18 ID:.beJk7Pk0
- 言い忘れた
久しぶり!!!!!!!
他のSSに夢中でもう来てくれないのかと心配してたんだぞ!!!!!!!!!!!
生存報告だけでもしてくれるとありがたいお(´・ω・`)
- 539 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 04:20:41 ID:AL7kHhUQO
- 来てた!乙
- 540 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 13:12:08 ID:qxyUcP4so
- 乙
現代になった
- 541 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 21:19:32 ID:8wgNpjK60
- >>538
すまんのう、今回は作るのにだいぶ時間が掛かって投下するのが遅れてしまったよ
次からは生存報告をしっかりやるお
- 542 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/10(水) 21:24:52 ID:bfzRTs1o0
- すごく良いお父さんなのにな
救われねぇ…
乙でした!
- 543 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/11/18(木) 00:50:49 ID:K1jPwdso0
- 2,3日中に投下するお
- 544 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/18(木) 01:03:06 ID:s1ErvEvE0
- ド―――m9('∀`)―――ン!!
- 545 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/11/19(金) 03:28:58 ID:escxUXug0
-
ヽ(∀´ )ヘ < イィィィヤァッホォォ!!投下するぜオラァァァ!!!
(┌ ) ≡≡
○ \ ;。:;。
ブーン系小説総合スレ 【 裏 】 まとめ(仮)さん
http://sogomatome.blog104.fc2.com/blog-entry-467.html
まとめさんいつもありがとうございます、それでは投下します
- 546 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/19(金) 03:29:36 ID:escxUXug0
- 私の名前は喪鬱毒造、人呼んで鬱ナせぇるすまん
ただのせぇるすまんじゃございません
私が取り扱う品物は“ココロ” 人間のココロでゴザイマス・・・
この世は老いも若きも男も女もココロの寂しい人ばかりそんなみなさんのココロのスキマお埋めします
いえお金は一銭もいただきませんお客様が満足されたら、それがなによりの報酬でゴザイマス・・・
さて今日のお客様は・・・
vw_ww_v
6L `∀´) 「かんぱ〜い!」
( ・□・) 「ハァ…」
( ・□・) 文田 浩志 19歳 製造業
【横恋慕】
オーホッホッホ・・・・・・
- 547 :横恋慕:2010/11/19(金) 03:30:18 ID:escxUXug0
- 居酒屋『つやま』にて
( ・□・) 「……」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「今日一日御苦労さま、今日は私たちのおごりだからジャンジャン頼んでね」
vw_ww_v
6L `∀´) ( `v´)「あざーっす!!」
( ・□・) 「……」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「あらコーシくん?ボーっとしちゃってどうしたの?元気無いじゃない」
(;・□・) 「あっ!いえ、あの、なんでも無いです!」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「あらそう」
(ν・ω・)ν 「別に金のことは遠慮しなくていいんだぞ」
(;・□・) 「いや別にそういうわけじゃ…」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「ふふ、コーシくんは真面目だからそういうのを気にしちゃうのよね」
(;・□・) 「は、はぁ…」
気にしているわけじゃない、文田はただ上井るみに見とれてただけだった
(;・□・) (でも本人を目の前にしてそんなこと言えるわけないじゃないか…)
- 548 :横恋慕:2010/11/19(金) 03:30:43 ID:escxUXug0
- vw_ww_v
6L `∀´) 「ほらコーシ食えよ、ここの焼き鳥はうめェぞ!」
(ν・ω・)ν 「お前は少し遠慮しろよ」
(;・□・) 「……」
ためしに焼き鳥をひとつ食べてみる、たしかに旨かった、しかし上井るみを前にするとあまり食が進まない
(;・□・) (はぁ、早く帰りたい…)
)ルイ゚ ー゚ノ( 「そういえばコーシくんってまだ未成年だったっけ?」
(;・□・) 「えっ、あ、はいそうです!来週で二十歳なんですけどね」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「じゃあまだお酒呑めないのね、残念」
(;・□・) 「ううう……」
結局文田はこの飲み会をコーラで過ごすしかなかった
- 549 :横恋慕:2010/11/19(金) 03:31:12 ID:escxUXug0
- ( ・□・) チビリチビリ
つ目と
)ルイ゚ ー゚ノ( 「ここの焼き鳥ホント美味しいわね」モグモグ
vw_ww_v
6L `∀´) 「そうでしょ!オレが発掘したんすよこの店!上井さん今度二人だけで来ましょうよ!」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「そうねぇ、考えてといてあげてもいいわ」
vw_ww_v
6L `∀´) 「うひょー嬉しいっす!上井さんとデートなんて夢のようっすよ!」
( `v´) 「おいおい社交辞令もわかんねェのかよおまえは」
vw_ww_v
6L `∀´) 「オレ冗談通じないほうなんすよ!ハハハ!」
( ・□・) 「……」
同僚のケンイチがうらやましかった、文田も気軽に上井るみに話しかけたいけど
生まれてこのかたまともに女の人と接したことが無い文田は、女性と会話する術を持ってなかった
( ・□・) (上井さん…)
)ルイ゚ ー゚ノ( ハムッ
上井るみが焼き鳥を食べる際に長い髪をかきわける、すると白い首すじが露わとなった
- 550 :横恋慕:2010/11/19(金) 03:31:39 ID:escxUXug0
- (;・□・) 「……」
その首すじをちろりと汗が這っておちた
(;・□・) 「ゴクリ…」 ドキドキ
)ルイ゚ ー゚ノ(〜♪
(;・□・) (上井さん、綺麗だ……)
思わず見とれてしまう、彼女の行動、長い髪、容姿、喋り方すべてに―――
そんなだからケンイチに話しかけられてもすぐには気付かなかった
vw_ww_v
6L `∀´) 「おいおいコーシなにボーっとしてんだよ」
(;・□・) 「えっ!いやなんでもないよ!」
(;・□・)(上井さんを見入ってるあいだ僕はどんな顔をしてたんだろうか、多分無防備で情けない顔を晒してたに違いないな…)
そう思うと段々恥ずかしさがこみ上げてきた
- 551 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/19(金) 03:32:14 ID:escxUXug0
- (;・□・) 「少し考え事してただけだよ」
vw_ww_v
6L `∀´) 「ほんとか?さっきからずっと上井さんのほうを見てたじゃねェかよ」
(;・□・) ギクッ!!
(;・□・)(やばい、見とれてたことがバレてしまったら上井さんに気持ち悪い男と思われてしまう)
(;・□・) (頼むからなにも言わないでくれ!)
vw_ww_v
6L `∀´) 「そんな酒呑みたいの?」
(;・□・) 「え、なんで?」
vw_ww_v
6L `∀´) 「だって上井さんのほうにある日本酒のビンをジッと見てるからよ」
(;・□・) 「……」
どうやら気づかれてなかったらしい、ホッと胸をなでおろした
(;・□・) (こいつが鈍くて良かった…)
- 552 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/19(金) 03:32:35 ID:escxUXug0
- vw_ww_v
6L `∀´) 「別にいいんじゃね?酒呑んでも、来週で二十歳なんだからよ」
(ν・ω・)ν 「そうだよ、別にバレなきゃいいんだよ」
(;・□・) 「い、いやちょっとまってくださいよ……」
vw_ww_v
6L `∀´) 「いいじゃねェかちょっとぐらいよ、ほらコップ渡せよ」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「ダーメ、来週誕生日って言ってもまだ未成年なんだから、なんか問題起こしたら責任取れるの?」
vw_ww_v
6L `∀´) 「いやぁ警察のお世話にはなりたくないっすね〜」
(;・□・) 「ホッ…」
正直酒なんか呑みたくなかった、酒とか煙草の類は生まれてから1度もやったことがない
vw_ww_v
6L `∀´) 「じゃあ来週また飲み会やりましょうよ!こいつに死ぬほど呑ませてやりたいっすよ」
(;・□・) 「え、来週もやるの?」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「うん、いいわね、コーシくんの誕生日会も兼ねてまた一杯やりたいわね」
- 553 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/19(金) 03:33:20 ID:escxUXug0
- (ν・ω・)ν 「よおし来週はここで文田の誕生日会をしまーす、文田よ、金は全部オレが出すから安心しろ!」
vw_ww_v
6L `∀´)( `v´)「ゴチになります!」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「うふふ」
(;・□・) (これはやっかいなことになったぞ……)
出来れば飲み会などの行事には参加したく無かった、仕事が終わったらできれば自分だけの時間を過ごしたい
でも上井さんが来るなら出席したいし―――この葛藤が毎回文田を悩ませた
(ν・ω・)ν━・~「二十歳になったらなんだって出来るぞ、例えば煙草とか、競馬だって出来るぞ」
( ・□・) 「別にタバコとか吸いたいとか思いませんですし、ギャンブルも興味無いですよ…」
vw_ww_v
,6L ;`∀´) 「かぁー!そんなんだからお前はダメなんだよ!もっとはっちゃけろよ!だから女が出来ねェんだよ!」
(;・□・) 「か、関係無いだろ!いまはそんなこと!別に彼女とか欲しいとか思わないしさ」
(;`v´)「彼女要らないとか…ありえないだろ普通…」
- 554 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/19(金) 03:33:47 ID:escxUXug0
- vw_ww_v
6L `∀´) 「なぁコーシよ、俺が女を紹介してやろうか?」
(;・□・) 「だからいらないよ!いまの暮らしで十分満足してるんだよ僕は!」
vw_ww_v
6L `∀´) 「おいおい、そんなこと言ってるとお前一生童貞だぜ?いいのかそれで」
(;・□・) 「(そんな話を上井さんの前でしないでくれよ…)いいよ別に…」
vw_ww_v
6L `∀´) 「うわぁ、男として情けねェなぁ、キンタマついてるのかよ」
(;・□・) 「うう…」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「コーシくんは真面目だから良いのべつに、ケンイチくんが言うからコーシくん困ってるじゃない」
(;・□・) 「……」
vw_ww_v
6L `∀´) 「俺はコーシのことを思って言ったんだけどな〜……」
- 555 :横恋慕:2010/11/19(金) 03:34:36 ID:escxUXug0
- ( `v´) 「しかし文田よ、俺らの職場は女の人は少ないし冗談抜きでこれじゃ一生独身で終わるぞ」
(;・□・) 「だ、大丈夫ですよ、そのうち運命的な出会いとかあるはずですよ」
( `v´) 「そのうちか…そんな考えじゃ一生彼女なんか出来ないぜ」
vw_ww_v
6L `∀´) 「そうそう!喜多さんのゆうとーり!」
(;・□・) 「くぅ…」
(ν*・ω・)ν━・~「その点俺たちはラッキーだったよな、なぁるみ」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「ふふ、そうね」
(;・□・) 「……」
(;・□・) (そうだよな…上井さんはほわっちょさんのものなんだ、
僕と付き合ってくれるはずなんて無いよな…)
- 556 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/19(金) 03:35:02 ID:escxUXug0
- vw_ww_v
,6L *`∀´) 「そいじゃコーシ、また来週〜、ケケケ」
( ・□・) 「うん、またね」
飲み会が終わりみんなと別れそれぞれ家路につく
( ・□・) 「はぁ…」
文田は歩きながら今日の飲み会を振り返る
( ・□・) (今日僕は情けなくなかっただろうか…変な醜態とか晒してなかっただろうか…)
今日の自分は上井るみにどううつっていたのかが気になってしょうがなかった
(;・□・) (うっ、僕は何を考えてるんだ、上井さんにどう思われてるかなんてどうだっていいじゃないか…)
文田は足を止める
(;・□・) 「(だって上井さんはほわっちょさんのものだし、僕はどう考えたところで無駄なんだ)
(;・□・) 「上井さん…」
- 557 :横恋慕:2010/11/19(金) 03:35:33 ID:escxUXug0
- 文田は近くの販売機で罐ジュースを買い、一気に呷る
( ・□・) 「プハァ、ふう…」
さっき何杯もコーラを呑んだのに、喉が渇いてしょうがなかった
( ・□・) 「もうこんな時間か…」
時計を見るともう22時をだいぶ回っていた
呑み終わった罐ジュースをゴミ箱に捨て、その場から去ろうとした、しかし―――
(;・□・) 「うわっ!」
('A`)
知らない男が文田の前に立ちはだかっていた
('A`) 「オーホッホッホ」
- 558 :横恋慕:2010/11/19(金) 03:36:06 ID:escxUXug0
- (;・□・) 「ど、ど、どなたですか!?」
('A`) 「そんな怯えなくても結構ですよ」
(;・□・) 「……」
男は背が低く小太りで、夜だというのに黒ずくめの格好をしていた
(;・□・) (見るからに怪しいよ…)
('A`) 「実は私こういう者なんです」 サッ
(;・□・) 「ココロのスキマお埋めします、モウツフクゾウ?」
('A`) 「ホッホッホ、ワタシはボランティアで人生のセールスを行なってるのです」
(;・□・) 「人生のセールス?つまりどういうことですか?」
('A`) 「よりよい人生を送れるように、その人が今抱えているココロの障害物を取り除く仕事です」
- 559 :横恋慕:2010/11/19(金) 03:36:29 ID:escxUXug0
- (;・□・) 「なんか怪しいな…」
('A`) 「なにかお困りになってることはありませんか?あれば話を聞かせてください」
(;・□・) 「いえ大丈夫です、それでは……」
('A`) 「ホントにいいんですかぁ?あなたはいま大きなココロのスキマを抱えてらっしゃるのではないですか?」
(;・□・) 「僕の悩みは誰にも解決できませんよ…」
('A`) 「ひょっとしてさっき呟いてた女の人について悩んでるのですか?」
(;・□・) 「ギクッ!聞いてたんですか!?」
('A`) 「オーホッホッホ、やはり女性関係でしたか、適当に言ったのに当たってしまいましたなぁ」
(;・□・) (あっ、そういえばさっき名字しか呟いてないじゃないか…)
('A`) 「お話聞かせてくださいよ文田さん」
(;・□・) 「……」
- 560 :横恋慕:2010/11/19(金) 03:36:51 ID:escxUXug0
- BAR バロ巣
('A`) 「ほう、今日は会社の飲み会でしたか」
( ・□・) 「はい、会社の先輩や事務所の女の人、同期のやつといっしょの呑みましたね」
('A`) 「ひょっとして文田さんが気になってる人は、その事務所の人ですね」
( ・□・) 「はい、僕より2つ上なんですけどね、上井るみと言うんですよ」
('A`) 「その上井るみさんにあなたは恋してると」
(;・□・) 「そうなんです、もう一日中上井さんのことを考えてしまうくらい」
('A`) 「典型的な恋の病というやつですな、上井さんに惚れたきっかけはなんですか?」
( ・□・) 「僕が今の会社に入社して今年で2年目なんですが1年目の時はまったく仕事が出来なかったんですよ、
まぁ今も大して仕事は出来ないんですけど、元々僕は要領が悪くて仕事覚えも遅いんですよ」
('A`) 「ほうほう」
( ・□・) 「それで毎日のように上司に怒られましてね、いつも工場の予備品室で泣いてたんです」
('A`) 「ふむ」
( ・□・) 「そこでメソメソしてる僕を慰めてくれたのが上井さんなんです」
('A`) 「ほう!」
( ・□・) 「……」
- 561 :横恋慕:2010/11/19(金) 03:37:23 ID:escxUXug0
- ◇◆◇◆◇◆◇
一年前 POM食品シベリア工場予備品倉庫にて
( ;□;) 「うぐ…うぐ…」
文田は誰も居ない倉庫の隅で涙にくれていた
( ;□;) 「くそお、どうせ僕はなにやったってダメなんだよ…クズだしさ…うぐ…」
( ;□;) 「もう辞めたい…この仕事辞めたいよ…ううう…」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「コーシくん」
Σ( ;□;) 「う、上井さん!?ど、どぼじでここに?」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「こそこそと倉庫に入っていったからどうしたのかなーって思って」
( ;□;) 「ううう…」
- 562 :横恋慕:2010/11/19(金) 03:37:43 ID:escxUXug0
- )ルイ゚ ー゚ノ( 「ほら涙を拭いて」
( う□;) 「は、はい…」ゴシゴシ
(;・□・) 「ふぅ…」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「涙止まった?これ呑んで落ち着きなさい」
上井は文田に罐ジュースを手渡した
(;・□・) 「ど、どうも」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「へぇいつもこういうところで泣いてたんだ」
(;・□・) 「うう…」
- 563 :横恋慕:2010/11/19(金) 03:37:57 ID:escxUXug0
- )ルイ゚ ー゚ノ( 「そういえばさっきすごい怒鳴られてたわね」
(;・□・) 「はい、今日も仕事でミスをしまして……」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「また失敗しっちゃったんだ」
(;−□−) 「ええ、溶接の際に強くやり過ぎて設備に穴を開けてしまったんです
そのせいで1時間で終わる仕事が4時間掛かってしまい…」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「ふーん」
(;・□・) 「いつになったら仕事覚えるんだって怒られましてね…」
( ;□;) 「うぐ…思い出したら…また涙が」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「ほら泣かないで、泣いたってしょうがないでしょ」
( う□;) 「ずびばぜん…うぐ…」
- 564 :横恋慕:2010/11/19(金) 03:38:14 ID:escxUXug0
- ◇◆◇◆◇◆◇
( ・□・) 「……」
('A`) 「どうしましたか文田さん?」
(;・□・) 「はっ!すいませんボーっとしてました!」
('A`) 「ひょっとして上井さんのことを考えてたのですかぁ?」
(;・□・) 「お恥ずかしい…」
('A`) 「思い切って文田さんの思いを打ち明けてみたらどうです?」
(;・□・) 「それが無理なんですよ」
('A`) 「何故です?行動しなければなにも変わりませんよ」
(;・□・) 「ダメなんです…だって上井さんは恋人がいますから」
('A`) 「ほう」
- 565 :横恋慕:2010/11/19(金) 03:38:32 ID:escxUXug0
- ( ´W`)
つ□と キュッキュッ
('A`) 「上井さんには付き合ってる方がいるのですか」
( ・□・) 「ええ、僕の職場の先輩と付き合ってるんです、僕が入社する前から」
('A`) 「なるほど、それは辛いですなぁ、恋人がいる人を好きになるのは」
(;・□・) 「どうしようも無いのと先輩に対する申し訳なさでもう…」
('A`) 「でも恋仲になりたいのでしょう、だったら思いを伝えるべきですよ」
(;・□・) 「でも先輩と付き合ってるんですよ!無理ですよ…」
('A`) 「奪ってしまえばいいのです、他人の恋人を奪ってはいけないという決まりは無いはずですよ」
(;・□・) 「なに言ってるんですか!?そんなの常識的に考えてダメに決まってるでしょ!」
- 566 :横恋慕:2010/11/19(金) 03:38:51 ID:escxUXug0
- ('A`) 「いいえ文田さん、恋愛というのは弱肉強食なのです、強い者が最後に笑うのです」
(;・□・) 「それでも僕には出来ませんよ!それに…」
('A`) 「それに?」
(;・□・) 「僕は見てるだけでいいんです、それだけで幸せなんです」
('A`) 「それでいいんですか?」
(;・□・) 「ええ、それに僕が告白したところで成功するわけないでしょう
こんなグズなダメ人間と付き合おうと思う人なんていませんよ」
('A`) 「もっとご自身に自信を持ったほうがいいですよ文田さん」
(;・□・) 「無理ですよ…」
('A`) 「まぁいいでしょう、もし気が変わったら連絡をください、いつでも相談に乗りますので」
(;・□・) 「……」
- 567 :横恋慕:2010/11/19(金) 03:39:08 ID:escxUXug0
- 数日後 POM食品シベリア工場にて
(‐○□○) サクサクサク
文田は旋盤を使って機械部品を加工していた
本来旋盤を使った作業は危険なので細心の注意を払わなければならないのだが、その日の文田は作業に集中出来なかった
(‐○□○)(ああ、上井さん…)
仕事中もついつい上井のことを考えてしまい、なかなか作業に身が入らない
(‐○□○)ぽー…
Σ(;○□○)(ハッ!やばい!)
文田は旋盤を止めると加工していた部品を取り外す
(;・□・) 「危ない、ボーっとしてたな…」
気づくのがもう少し遅れていたら旋盤を故障させるところだった
(;・□・) 「早く持って行かなきゃ…」
加工した部品を上司に届けに行く
- 568 :横恋慕:2010/11/19(金) 03:39:29 ID:escxUXug0
- (`c_,´ ) 「……」
(;・□・) 「どうです」
上司のロスキーは加工部品を寸法を調べている
(;・□・) (うう…またどやされる…)
怒鳴られるところ想像し体をビクつかせる
(`c_,´ ) 「文田よ」
(;・□・) 「は、はい!」
(`c_,´ ) 「なかなか良く出来てるじゃねェか」
(;・□・) 「えっホントですか!?」
(`c_,´ ) 「おう、お前もやれば出来るじゃんかよ」
(;・□・) 「あ、ありがとうございます」
どうやら寸法が完璧だったらしい、入社して1年半、仕事で褒められたのは初めてだった
(`c_,´ ) 「ちょっと事務所に行って報告書取ってきてくれないか」
(;・□・) 「わ、わかりました!」
事務所へ書類へ取りに行く足はいつもより軽やかな感じがした
- 569 :横恋慕:2010/11/19(金) 03:39:44 ID:escxUXug0
- 事務所にて
( ・□・) 「すいませ〜ん…」
事務所には誰も居なかった
( ・□・) 「(誰もいないのかな?)誰かいませんか〜」
すると―――
)ルイ゚ ー゚ノ( 「あらコーシくんじゃない、どうしたの?」
奥の給湯室から上井るみが出てきた
(;・□・) 「う、上井さん!ほ、報告書を取りに来たんですけど」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「ちょっと待ってね〜」
引き出しから一枚の紙を取り出し文田に渡す
- 570 :横恋慕:2010/11/19(金) 03:40:03 ID:escxUXug0
- (;・□・) 「どうも、あの他のみなさんはどこに居るんですか?」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「他の人はみんな会議中よ」
(;・□・) 「そうですか…」
文田が事務所を出ようとした、しかし
)ルイ゚ ー゚ノ( 「ねぇもう休憩の時間だしお茶にしない?誰もいないから暇なのよね〜」
(;・□・) 「えっ」
時計を見るとたしかに3時を過ぎ、休憩の時間に入っていた
(;・□・) 「でも早く報告書持って行かないと…」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「大丈夫よ20分ぐらい別に重要な書類でも無いし、なにか言われたら上井さんに捕まってましたって言えばいいわよ」
(;・□・) 「そうですか…」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「ほら入った入った」
(;・□・) 「うう…」
文田は促されままに事務所に足を踏み入れた
- 571 :横恋慕:2010/11/19(金) 03:40:23 ID:escxUXug0
- 文田は事務所の休憩所に通された、この部屋に入るのは初めてだった
(;・□・) (ううう、上井さんと二人っきり…)
これから上井るみと二人きりになると思うとひどく緊張してきた
(;・□・) (何を話せばいいんだ、もし会話に失敗してつまらない男と思われたらどうしよう…)
不安がどんどん膨れてくる、肩に力が入り喉もカラカラだった
)ルイ゚ ー゚ノ( 「おまたせ」
上井るみが給湯室からグラスや軽食等をトレイに乗せて持ってきた
(;・□・) 「あ、ありがとうございます」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「ちょっと待っててね」
上井は持ってきた罐ジュースをグラスに注ぎ文田に渡す
- 572 :横恋慕:2010/11/19(金) 03:40:46 ID:escxUXug0
- (;・□・) 「どうも」
事務所の休憩所は二人掛けのソファーに小さなテーブルひとつという簡素なモノだった
文田と上井るみは向かい合って座っていた
)ルイ゚ ー゚ノ( 「私この休憩時間が好きなのよねぇなんか」ポリポリ
(;・□・) 「(プリッツ食べる上井さんも綺麗だな)そうなんですか…」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「こういう場でする何気ない会話とが好きなのよ」
つ□とゴクリ
(;・□・) (ああ、僕には無理そうだ…)
文田は下を向いてしまった、上井るみを直視することが出来ない
('A`) 《奪ってしまえばいいのですよ》
(;・□・) (やっぱ無理ですよ喪鬱さん、僕にはそんな意気地ないです…)
)ルイ゚ ー゚ノ( 〜♪
つ□と
(;・□・) (略奪愛とかそういうのは映画の中だけの話だよ、実際は失敗するに決まってるんだ)
- 573 :横恋慕:2010/11/19(金) 03:41:07 ID:escxUXug0
- ( ・□・) (でも実際付き合えたらな…)
文田はもし上井るみと恋人関係になったときのことを想像してみる
( ・□・) (なにをすればいいんだろうなぁ、やっぱデートとかするんだろうな…)
(*・□・) (はぁ上井さんとのデート楽しいだろうな…映画とか遊園地とか)
(*・□・) (海に行きたいな、水着姿の上井さん綺麗だろうな…)
(*・□・) (でももうすぐ冬だしスキーも良いな、滑ったことないから教えてもらいたい)
(*・□・) (夜景が綺麗なホテルで食事もしたいな、上井さんはどんなのが好物なんだろ、そしてそのあとは―――)
)ルイ゚ ー゚ノ(つ□ カラン
(;・□・) 「ハッ!」
グラスのカランと鳴る音で我に返る、どうやらしばらくの間ボーっとしてたらしい
(;・□・) 「……」
窓を見るとだいぶ日が暮れ、グラスはすっかり汗をかいていた
- 574 :横恋慕:2010/11/19(金) 03:41:26 ID:escxUXug0
- (;・□・) (妄想に熱中してしまった…)
背中はじっとりと汗をかいている、今日は11月にしては蒸し暑い日だった
)ルイ゚ ー゚ノ( 「どうしたのさっきから、なんかまるで上の空だったわ」
(;・□・)「す、すいません!ちょっと考え事をしてまして」
そういうと文田は上井るみが注いでくれたジュースを一気に呷る
喉が渇いてしょうがなかった
(;・□・)「ハァハァ…」
)ルイ゚ -゚ノ( 「コーシくんちょっといい?」
上井るみは文田をジッと見つめていた、思わず目をそらしてしまう
(;・□・)「な、なんですか」
)ルイ゚ -゚ノ( 「コーシくんに前から言おうと思ってたんだけどさ」
(;・□・)「う…」
文田は罵倒されると思い身を固くした
- 575 :横恋慕:2010/11/19(金) 03:41:42 ID:escxUXug0
- )ルイ゚ ー゚ノ( 「コーシくんはもっと自分に自信を持ったほうがいいわ」
(;・□・)「は?」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「だっていつも自信なさげにしてるじゃない、そんなじゃ毎日生きててつまんなくない?」
(;・□・)「そうですか?」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「ええ、もっとハツラツとしたほうがいいわね、コーシくんは自分が思っている以上に出来る子よ」
(;・□・)「そんな…」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「もっと肩の力を抜いて気楽に明るく生きたほうがいいんじゃないかしら」
(;・□・)「はぁ」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「そんな暗い顔してたらせっかくの可愛い顔がもったいないじゃない」
(;・□・)「かっ!」
可愛い顔ってどう言うことですかと聞き返そうとしたとき、部屋にほわっちょが入ってきた
(ν・ω・)ν 「おお文田も居るのか」
- 576 :横恋慕:2010/11/19(金) 03:42:04 ID:escxUXug0
- (;・□・)「あ、ほわっちょさん」
(ν・ω・)ν 「なんだなんだ、俺の知らないところでなにしてんだい?おいおい?」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「なに妬いんてのぉ?」
(ν・ω・)ν 「昼下がりの情事ってか」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「もう夕方よ」
ほわっちょが上井るみの隣に腰を下ろす
文田はホッとしたような残念なような複雑な気分だった
( ・□・) 「……」
ふと文田は上井るみのほうへ視線を向けてみる
)ルイ゚ -゚ノ( 「……」
文田は上井るみが悲しい表情をしたのを見逃さなかった
- 577 :横恋慕:2010/11/19(金) 03:42:20 ID:escxUXug0
- (;・□・) (なんでそんな悲しげな顔をしてるんだ)
(ν・ω・)ν━・~ 「今日から工場のほうは禁煙になってよ、ここでしか吸えないんだよ」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「あらだったら、これを機会にほわっちょくんも禁煙してみたら?」
ほわっちょに話しかけられ、上井るみはいつもの明るい表情に戻った
(;・□・) (さっきの悲しい顔はなんだったんだ…)
(ν・ω・)ν━・~ 「そういえば文田、明日で二十歳だったよな、一日早いけど一本吸うか?」
(;・□・) 「いえ!大丈夫です!」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「ふふふ」
(ν・ω・)ν━・~ 「ふぁ〜、喫煙者には厳しい世の中になったなぁ」
( ・□・) 「……」チラ
)ルイ゚ ー゚ノ(
上井るみと目が合う
(;・□・) (う…)
文田は直ぐに目を反らせた
- 578 :横恋慕:2010/11/19(金) 03:42:36 ID:escxUXug0
- (;・□・) (なんで上井さんは僕のほうを見てるんだ?顔になんかついてるのかな…)
それからしばらく他愛のない会話が続いた、仕事のこと、趣味のこと、将来のこと、恋愛のことその他諸々
しかし文田は会話の内容がほとんど頭に入らなかった
(;・□・) (なんか上井さんがちらちらこっちを見てる気がする…)
この会話の間、上井るみと目が合う回数が多かった
(;・□・) (もしかして僕のことが好きなのか?)
しかしすぐにその考えを打ち消す
(;・□・) (馬鹿な!ありえない!僕みたいなぼんくらのことを好きになるわけないだろ!)
(ν・ω・)ν 「おっともうこんな時間か、行こうぜ文田」
(;・□・) 「あ、はい」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「じゃあね、コーシくん」
(;・□・) 「はい…」
(;・□・) 「……」
- 579 :横恋慕:2010/11/19(金) 03:42:54 ID:escxUXug0
- BAR バロ巣
('A`) 「ほう、上井さんが文田さんに好意を寄せているのではないかと思ってるんですね」
(;・□・) 「もしかしたらですよ!もしかしたら!どうせ僕の思いすごしでしょうけど」
('A`) 「いいえ文田さん、あながち考えられない話でも無いですよ」
(;・□・) 「え、ホントですか?」
('A`) 「もしかしたら上井さんはほわっちょさんとの関係に飽きてきてるのかもしれませんねぇ
文田さんこれはチャンスです、上井さんを奪い取るチャンスですよ」
(;・□・) 「無理ですってだから!こんな僕のことを好きになる人なんていませんよ…」
('A`) 「文田さん、あまりにご自身を卑下するのは良くないですよぉ、もっと自信を持ったほうがいいですよ」
(;・□・) 「でも…」
('A`) 「そんなんではあなた、これからも負け犬の人生を歩むことになりますよ」
(;・□・) 「うう…」
- 580 :横恋慕:2010/11/19(金) 03:43:11 ID:escxUXug0
- ('A`) 「あなた上井るみさんのことが好きなんでしょう?」
(;・□・) 「もちろんです、もう日に日に彼女の存在が僕の中で大きくなっていくんです
仕事中も食事中も寝てるときも彼女が頭から離れません…」
('A`) 「だったらアタックすべきです文田さん」
(;・□・) 「でも人の恋人に手を出すなんていけませんよ…」
('A`) 「あなたは真面目すぎですなぁ、社会のルールにとらわれ過ぎです」
(;・□・) 「だけど…」
('A`) 「マスター、文田さんにウォッカを一杯」
( ´W`)つ□ タンッ
(;・□・) 「え?」
- 581 :横恋慕:2010/11/19(金) 03:43:24 ID:escxUXug0
- (;・□・) 「喪鬱さんこれは?」
('A`) 「文田さん、あなたはまだまだおしりの青い子供です、そのウォッカを呑んで大人に一歩近づくのです」
(;・□・) 「……」
('A`) 「たしかに他人の恋人を奪うというのは社会的にはあまり良いことではありません
もしかしたら奪う行為によって自分の人生を台無しにしてしまうこともあるかもしれません」
(;・□・) 「うう…」
('A`) 「もし上井さんを奪う覚悟があるのならばそのウォッカを一気に呑んでください、もし無いのならば呑まなくて結構です」
(;・□・) 「……」
('A`) 「常識や規範を打ち破るのです、彼女のこと愛してるのでしょう?」
(#・□・)つ□ 「クッ…!」
文田はウォッカを勢いよく呷る、喉が焼けるように熱かった
- 582 :横恋慕:2010/11/19(金) 03:43:42 ID:escxUXug0
- (;×□×) 「かはっ!なんだこれは…!頭がクラクラする…」
('A`) 「オーホッホッ、文田さん、あなたは今、大人への階段を一歩踏み出しましたよ」
(;×□×) 「ほ、ほんとですか!?」
('A`) 「ええ、さっきより男らしく見えますよ、ねぇマスター」
( ´W`)彡 コクリ
(;×□×) 「やった…明日は絶対上井さんに告白…するぞぉ!」
('A`) 「その意気です文田さん、愛を打ち明けるチャンスは明日しかないですよ」
(;×□×) 「明日だけ?な、なんでですかぁ〜」
('A`) 「それは明日の飲み会でわかりますよ」
(;×□×) 「ううぅ〜…そうで……す…」バタ
言い終わる前に文田は気を失った
- 583 :横恋慕:2010/11/19(金) 03:43:59 ID:escxUXug0
- 次の日 居酒屋『つやま』にて
vw_ww_v
6L `∀´) 「ケケケ!誕生日おめでとさん!」
( ・□・) 「ありがとう」
飲み会は前回と同じ店、同じメンバー、同じ時間
唯一違うのがケンイチと上井るみの座る場所だ、前回はケンイチが文田の隣だったのに対し今回は上井るみが隣だった
)ルイ゚ ー゚ノ(〜♪
(*・□・) (なんで上井さんが隣なんだろう?)
文田はトイレに行く際、先輩の喜多に聞いてみる
( ・□・) 「なんで上井さんは今日ほわっちょさんの隣じゃないんですか?」ボソ
( `v´) 「ああ、なんかケンカしたみたいだぜ」ボソ
( ・□・) 「ケンカですか…」
文田は昨日の喪鬱が言った言葉を思い出す
('A`) 《愛を打ち明けるチャンスは明日しかないですよ》
( ・□・) (喪鬱さんが言ったことってこういうことだったのか…)
(;・□・) (よおし!絶対ものにするぞ!)
- 584 :横恋慕:2010/11/19(金) 03:44:15 ID:escxUXug0
- )ルイ゚ ー゚ノ( 「二十歳の誕生日おめでとう」
(;・□・) 「あ、ありがとうございます…」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「二十歳なってみて今はどんな気分?」
(;・□・) 「いや、あまり実感が湧かないですねぇ…」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「ふふふ、そうよね、ごめんなさい変な質問しちゃって」
(;・□・) 「そんなこと無いですよ!」
(;・□・) (うう…どのタイミングで告白しよう…)
(ν#・ω・)ν 「ほらほら呑めよ上村!」
vw_ww_v
,6L ;`∀´) 「ちょっ!ほわっちょさんそんな急かさないでくださいよ〜」
( ・□・) (ほわっちょさんの前じゃ告白なんて出来ないし…一旦外に呼んでからのほうがいいかもしれない)
- 585 :横恋慕:2010/11/19(金) 03:44:31 ID:escxUXug0
- )ルイ゚ ー゚ノ( 「コーシくん食べてる?」
( ・□・) 「はい」ムシャムシャ
)ルイ゚ ー゚ノ( 「遠慮しないで食べてね〜、今日はオゴリだから」
( ・□・) 「毎回ありがとうございます」ムシャムシャ
)ルイ゚ ー゚ノ( 「そういえば今日ロスキーさんがコーシくんのこと褒めてたわよ」
(;・□・) 「えっ!ホントですか!?」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「ええ、あいつも最近仕事が板についてきたって」
(;・□・) 「……」
嬉しかった、上司から必要とされていない思っていた文田にとって今の話は夢見心地だった
しかし今はそんなことより上井のことだった
(;・□・) 「あ、あの上井さん」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「ん?なにぃ?」
(;・□・) 「(い、行くぞ!)あの、ちょっと外に……」
vw_ww_v
6L `∀´) 「おいコーシ!!」
- 586 :横恋慕:2010/11/19(金) 03:44:46 ID:escxUXug0
- (;・□・) 「(なんだよタイミング悪いなぁ…)なんだよ」
vw_ww_v
,6L *`∀´) 「ほら大吟醸だ!呑みやがれこのやろう!」
(; □ ) 「ふが!」
ケンイチが文田の口に大吟醸を突っ込んだ、そのまま一気に大吟醸を流してくる
vw_ww_v
,6L *`∀´) 「呑め呑め呑め〜!ケケケ!」
(; □ ) 「いぁめろ!あがが…」
)ルイ;゚ -゚ノ( 「ちょっとコーシが苦しんでるじゃない!やめなさいよ!」
vw_ww_v
,6L *`∀´) 「へ〜い」
(;×□×) 「ううう……」
- 587 :横恋慕:2010/11/19(金) 03:44:58 ID:escxUXug0
- )ルイ;゚ -゚ノ( 「コーシくん大丈夫!?」
(;×□×) 「あああたまがクラクラします〜」
目を天井がぐるぐる回っている、文田はその場にへたりこんだ
(ν#・ω・)ν 「お前は調子乗り過ぎだ!!一気に呑ます馬鹿がどこにいるんだ!」
vw_ww_v
,6L *`∀´) 「すいませ〜ん、ケケケ」
(;×□×) 「気持ち悪い……」
(;`v´) 「おいここで吐くな!立てるか?」
(;×□×) 「はい……」
喜多の力を借り立ち上がる、そしてそのままトイレへ直行した
- 588 :横恋慕:2010/11/19(金) 03:45:14 ID:escxUXug0
- トイレにて
(;×□×) 「オロオロオロオロオロ……」
(;`v´) 「おいおい大丈夫か?」サスリサスリ
( ;□;) 「ずびばぜん…オェ…」
今日食べたもの全部吐き出した
( ;□;) 「ううう…」
(;`v´) 「しばらくここで休憩してろ、戻るとあの馬鹿がまた呑ませてくるかもしれないからな」
そう言うと喜多はみんなのもとへ戻っていった
( ;□;) 「うぐうぐ…上井ざん…」
酔ったことや吐いた苦しみよりも今の文田にとっては上井るみの前で醜態を晒してしまったのが一番つらかった
( ;□;) 「絶対嫌われたよ…情けない姿晒して、上井さんに嫌われちゃったよ…うぐ」
嘔吐したときは別の涙があふれてくる
( ;□;) 「もうダメだ…結局僕には無理なんだ…」
('A`) 「オーホッホッホ」
- 589 :横恋慕:2010/11/19(金) 03:45:28 ID:escxUXug0
- ( ;□;) 「も、喪鬱さん!?」
('A`) 「どうしたんですかそんなに涙を流して」
( ;□;) 「じ、実は上井さんの前で無様な姿を晒してしましまして」
('A`) 「それで嫌われたと思って泣いてたのですか」
( ;□;) 「はい…うぐうぐ…」
('A`) 「大丈夫、あなたは嫌われてなんかいませんよぉ」
( ;□;) 「で、でも…」
('A`) 「文田さん、男になるのです、強い男に」
( ;□;) 「喪鬱さん…」
m9('A`)
ド―――m9('∀`)―――ン!!!!!
(; □ ) 「!!」
- 590 :横恋慕:2010/11/19(金) 03:56:35 ID:escxUXug0
- ガチャン
)ルイ;゚ -゚ノ( 「コーシくん大丈夫?」
(;・□・) 「るみさん!」
文田は上井るみの腕を強く掴む
)ルイ;゚ -゚ノ( 「コ、コーシくんどうしたの!?」
(;・□・) 「僕、るみさんのことを愛してます!どうか僕の女になってください!」
)ルイ;゚ -゚ノ( 「なに言ってるの?ダメよそんな…」
(;・□・) 「るみさんだってホントはこんな生活に飽き飽きしてるんでしょ!だったらこんな店から抜け出して二人で…」
)ルイ;゚ -゚ノ( 「ダメよ…コーシくん落ち着いてよ…」
(#・□・) 「落ちついてなんかいられますか!」ガバ
文田は強引にくちづけをした
- 591 :横恋慕:2010/11/19(金) 03:59:02 ID:escxUXug0
- )ルイ;゚ -゚ノ( 「コ、コーシくん…」
(;・□・) 「はぁはぁ…」
)ルイ;゚ -゚ノ( 「コーシくんって意外と積極的なのね」
(;・□・) 「るみさんのときだけですよ」
)ルイ;゚ ー゚ノ( 「でもその強引さ、嫌いじゃないわ」
(;・□・) 「じゃ、じゃあ!」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「私を飽きさせない自信はあるの?」
(;・□・) 「当たり前じゃないですか!」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「ふふふ、昨日とは全然違うわね、酔ってるんじゃないの?」
(*・□・) 「るみさんにね」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「あら、クサイこと言うのね」
- 592 :横恋慕:2010/11/19(金) 04:09:26 ID:escxUXug0
- その後、二人は店を抜け出しタクシーに乗る
(;・□・) 「とりあえずシベリア空港へ」
("・」・") 「へーい」ブロロロ
)ルイ゚ ー゚ノ( 「行くあてはあるの?」
( ・□・) 「そんなのは無いよ、とりあえず空港に行って適当に決めよ」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「お金は大丈夫なの?」
( ・□・) 「今までの貯金がたんまりあるから大丈夫だよ」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「ねぇ、ホントに私でいいの?もっと他に可愛い子いっぱいいるよ」
( ・□・) 「僕はるみさんじゃなきゃいやなんだよ!」
)ルイ゚ ー゚ノ( 「ふふふ…」
タクシーは二人を乗せシベリア空港へと急いだ
- 593 :横恋慕:2010/11/19(金) 04:10:48 ID:escxUXug0
- 1時間後
(ν#・ω・)ν 「文田どこだ出てこい!」
vw_ww_v
,6L ;`∀´) 「ほわっちょさん落ち着いてください!」
(ν#・ω・)ν 「うるせぇさっさと車出せコラァァ!!」
vw_ww_v
,6L ;`∀´) 「へい…」
(ν#・ω・)ν 「文田よ、よくぞ人の女に手を出しやがったな!見つけたらぶち殺してやるから覚悟しとけコラ!」
('A`) 「果たして二人の愛の逃避行は成功するのか、はたまたほわっちょさんに見つかり無残な結末を迎えるのか
あとは神のみぞ知るでしょうなぁ、文田さん、ハッピーエンドになるように逃げ切ってくださいね」
('∀`) オーホッホッホ・・・・・・ 【横恋慕】 完
- 594 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/11/19(金) 04:14:14 ID:escxUXug0
- 以上です、もうこんな時間か
今回の話は稲葉浩志の「横恋慕」という曲を題材にしています
興味あったら聴いてみてお
質問、指摘等は明日答えます
お休み ノシ
- 595 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/19(金) 11:49:49 ID:L8GvbWow0
- ┌─────
│
│ こ ほ
_ 、 | う う
, - =≦三二丶ノ,. │ い !
_/´//<三二ヽノ二ヽ │ う !
///∠二三二ヽ,∠二ヽ | オ
´/彡‐-==彡⌒/ '⌒ヽミ ト │ チ
〈彡 彳ー-=ニ二 ノ |ミ| │ も
∨ /〉 ヾl │ あ
∨/ ,-== 、,. ='⌒ リヘ │ る
'⌒ヽ ,- rッ、` イーrッヽ レノ │ の
丶ヽ」 ` `´ ' 〈 ` ´ ,/ │ か
\| ,. l ト 、 └─────
. :´: :> 、 └、_丿 l 〉\__
. :´┌厂/ ̄,二ヽ ‐ 、,. /:〈 : : : : : : .`ヽ、
/.: : : :| | │ / Y ノ ^ /|: . ヽ: : : : : : : : . \
/.: : : : : :l ′′ `丶、 / |: : : . ヽ: : : : : /: : : .ヽ
. : : : : : : : ト、 `ヽ< ヽ|: : : :人:ヽ: : : | : : : : : .ヽ
: : : : : : : : |: : >‐ 、__ l /|: : :/ : :ヽ:〉: : |: :/ : : : : :
: : : : : : : : |: :/ : .\∨ l__/レ|: :〈 : : : : : : : .∨: : : : : : :
: . 、 : : : : |:/ : : : : ./ │__/ | : : l : : : : : : :/ : : : : : : : :
: : . \ : : : : : : : : :/ l  ̄ =|: : : l : : : : : 〈: : : : : : : : : :
: : : : : .\ : : : : : / l |: : : :l: : : : : : :ヽ: : : : : : : : :
- 596 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/20(土) 12:32:12 ID:EnGe8eCoo
- 乙
いつもと毛色が違う
ドーンの意味も変わったな
- 597 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/20(土) 12:41:57 ID:FCo0LtbU0
- 地の文が付いたあたりから一段と面白くなったなぁ
- 598 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/20(土) 22:24:33 ID:vHR3tus20
- ハッピーエンドに見える不思議www
- 599 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/22(月) 03:05:25 ID:aDY8pjEU0
- `・+。*・ (´・ω・`)
。*゚ 。☆―⊂、 つ 投下宣言まであったのに支援できなくてすまんかった…
。*゚ : ヽ ⊃
`+。**゚**゚ ∪~
- 600 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/11/22(月) 19:47:02 ID:GvyBmcvY0
- 支援したいという気持ちだけでも嬉しいお
次は今月中に投下しますお
- 601 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/23(火) 18:05:02 ID:M0rp/QlU0
- VIPに投下したいのに規制だぜー
- 602 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/11/23(火) 18:05:46 ID:M0rp/QlU0
- あ、間違えた。ごめんなさい
- 603 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/11/30(火) 22:53:03 ID:Q152ohHk0
- すまんのう、今月中は無理だった…
もうしばらく待ってくださいお…
- 604 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/12/09(木) 23:36:55 ID:.UPVYd4E0
- 2,3日中に投下するお!
- 605 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/12/10(金) 03:10:59 ID:fnTK0LhA0
- 了解
- 606 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/12/10(金) 03:17:51 ID:ZahctoAU0
- すまない、出来たので今から投下する
- 607 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/12/10(金) 03:18:42 ID:ZahctoAU0
- __ ___
\_☆_/
|___|
(´・ω・`)
( σ σ 投下!
(⌒ __)
し' っ
ブーン系小説総合スレ 【 裏 】 まとめ(仮)さん
http://sogomatome.blog104.fc2.com/blog-entry-467.html
まとめさんいつもありがとうございます、それでは投下します
- 608 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/12/10(金) 03:19:09 ID:ZahctoAU0
- 私の名前は喪鬱毒造、人呼んで鬱ナせぇるすまん
ただのせぇるすまんじゃございません
私が取り扱う品物は“ココロ” 人間のココロでゴザイマス・・・
この世は老いも若きも男も女もココロの寂しい人ばかりそんなみなさんのココロのスキマお埋めします
いえお金は一銭もいただきませんお客様が満足されたら、それがなによりの報酬でゴザイマス・・・
さて今日のお客様は・・・
爪'−`)y‐ 「はぁ…」
爪'ー`)y‐ 煙藤 和夫 36歳 会社員
【シベリア公園のアル・カポネ】
オーホッホッホ・・・・・・
- 609 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:20:06 ID:ZahctoAU0
- シベリア物産にて
爪'−`)y‐ 「……」
(ν・ω・)ν 「煙藤ちゃん!」
爪'ー`)y‐ 「おう、ほわっちょどうした?うちの部署に来るなんて珍しいじゃねェか」
(ν・ω・)ν 「ちょっとお前の様子を見に来たんだよ」
そういうとほわっちょは近くにあった椅子を引き寄せ腰を降ろす
爪'ー`)y‐ 「へぇ」
(ν・ω・)ν 「ところでお前のタバコどうしたんだよそれ?いつものタバコじゃねェじゃん」
爪'ー`)y‐ 「電子タバコよ、値上げしたからワイフに禁煙しろって言われたのさ」
(ν・ω・)ν 「マジかよ、ヘビースモーカーだったお前が禁煙か、まぁ奥さんの言うことだったらしょうがねェな」
爪'ー`)y‐ 「ハハハ…」
(ν・ω・)ν 「ところでよ…」
ほわっちょが声のトーンを落とし顔を近づけてきた
- 610 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:20:51 ID:ZahctoAU0
- 爪'ー`)y‐ 「おいおいどうした?オレはそんな趣味無ェぞ」
(ν・ω・)ν 「給料、やっぱカットされてたか?」
煙藤の軽口を流しほわっちょは聞いてくる
爪'−`)y‐ 「ああ、だいぶ削られてたよ…」
近年の不況のあおりを受け煙藤たちの給与は今月から5万円前後削られていた
(ν;・ω・)ν 「5万円カットは痛いよなぁ、ますます家計が苦しくなる」
爪'−`)y‐ 「しょうがねェよ、オレ達にはどうすることも出来ねェ」
(ν;−ω−)ν 「はぁ、二人目がデキたばっかりだと言うのに…胃が痛くなるな…」
爪'−`)y‐ 「お前のうちは大変だな」
(ν;・ω・)ν 「お前のほうこそ大変だろ、カミさんにはちゃんと言ったのか?」
- 611 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:21:22 ID:ZahctoAU0
- 爪'−`)y‐ 「今日話そうと思ってる」
(ν;・ω・)ν 「お前のカミさんのことだ、またなんかギャーギャー言われるんじゃねェか?」
爪;'ー`)y‐ 「大丈夫だよきっと、別に俺が悪いわけじゃないし」
大丈夫と言ったものの煙藤は心配だった
もともと煙藤の妻は高圧的で上昇志向が強く、煙藤の仕事内容にいちいち口を出してくるのだ
(ν・ω・)ν 「なら良いけどさ、でもお前もたまにはガツンと言ってやれば?いつもヘーコラしてねェで」
爪;'ー`)y‐ 「無理無理無理っ!俺にそんな度胸無ェから!」
(ν・ω・)ν 「そうか…」
ほわっちょは自分の腕時計をちらりと見る
(ν・ω・)ν 「もうオレ戻るな、せいぜい怒鳴り付けれないように気をつけろよ」
ほわっちょは椅子を元にあった場所に戻し、自分の職場へと戻って行った
爪;'−`)y‐ 「……」
爪;'ー`)y‐ 「どうせまたどやされるんだろうな…ハハハ…」
- 612 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:22:03 ID:ZahctoAU0
- 煙藤家にて
爪;'−`)y 「なぁ桃子、話があるんだけどさ」
( ○⊿○) 「なによ?」
夕食を食べ終わったあと、煙藤は妻におずおずと給与カットについて打ち明ける
爪;'−`)y 「給料のことなんだけどさ」
( ○⊿○) 「給料?お給料がどうしたのよ」
爪;'−`)y 「じ、実はさ…」
煙藤は意を決して給料が削られたことを告げる
爪;'ー`)y 「給料が減りましてね…」
( ○⊿○) 「……」
- 613 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:23:13 ID:ZahctoAU0
- ( ○⊿○) 「いくらよ?いくら削られたのよ」
爪;'−`)y 「ご、5万ほど…」
( ○⊿○) 「なんで減ったのよ」
爪;'−`)y 「景気のせいだよ景気の、不景気だからしょうがないよ」
( ○⊿○) 「……」
爪;'ー`)y 「なぁ桃子、たしかに給料が削られたよ、でもさ」
( ○⊿○) 「でも?」
爪;'ー`)y 「たかが5万じゃないか!そんなすこしやりくりすればどうってことないさ!」
( ○⊿○) 「……」
爪;'ー`)y 「だからこの大不況を夫婦の愛のパワーで乗り切ろうじゃないか!」ガシッ!
煙藤は桃子の手を握る、しかし思いっきり払いのけられた
(#○⊿○) 「ふざけんじゃないわよっ!!この大馬鹿者がっ!」
- 614 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:23:37 ID:ZahctoAU0
- 爪;'−`)y 「えっ?今なんて言った?」
(#○⊿○) 「大馬鹿者って言ったのよ!なにが愛のパワーで乗り切っていこうだよ!あんた自分がなにしたかわかってるの!?」
爪;'−`)y 「だから景気が悪いから減ったわけで」
(#○⊿○) 「なにが景気のせいよ!あんたが評価されてないからカットされたんでしょうがっ!」
爪;'−`)y 「だから俺のせいじゃないって!どこの企業だって多かれ少なかれ給料は減らされてるんだよ!」
(#○⊿○) 「世の中の9割が負け組ならあなたは1割の勝ち組になりなさいよ!弱音を吐くなんて虫けら以下よ!」
爪;'−`)y 「うぐ…」
桃子は顔を真っ赤にし激昂している、一度こうなるともう止まらない
(#○⊿○) 「だいたいあなたっていつも他のモノのせいにするわよね、今回は不景気のせい、情けないったらありゃしない!」
爪;'−`)y 「ううう…」
煙藤も言いたいことはやまほどあるが、狂ったように激怒している桃子を前になにも反論出来なかった
- 615 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:24:04 ID:ZahctoAU0
- (#○⊿○) 「はっきり言ってあなたは無能よ!仕事が出来ない無能人間よ!」
爪;'−`)y 「なんだと…」
(#○⊿○) 「そんなんだから万年平社員なのよ!36にもなって出世できないなんて軽蔑に値するわ!」
爪#'−`)y 「ぐっ…!」
さすがの煙藤もここまで言われたら我慢できない、勇気を振り絞ってこらえていた言葉を吐きだす
爪#'−`)y 「さっきから言わせておけば…俺だって頑張ってるんだよ、汗水たらせて必死に…」
(#○⊿○) 「じゃあなんで給料カットされたのよ!頑張ってないからでしょっ!何度も言わせないでよっ!!」バンッ!
桃子がテーブルを思いっきり叩いた、そのせいで味噌汁がこぼれてしまった
爪;'−`)y 「うぐ…」
桃子の迫力に気圧されて結局煙藤はなにも言えなかった、所詮はチキンなのだ
(#○⊿○) 「ホント情けない…」
爪;'−`)y 「……」
- 616 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:24:51 ID:ZahctoAU0
- ( ○⊿○) 「で?どうやって生活していくのよこの先」
爪;'−`)y 「いやだから節約してさ…」
( ○⊿○) 「私は嫌よ、なんであなたのせいで私が我慢しなきゃいけないのよ」
爪;'−`)y 「で、でも…」
( ○⊿○) 「でもじゃないわよ、どんな不況でも主婦業である私の対価は変わりません、これからは5万円分ラクさせてもらうから」
爪;'−`)y 「おかしいだろそれ!なんでそんな発想が出てくるんだ!」
(#○⊿○) 「おかしくないわよ!納得できないなら土日返上してでも工事現場で働けっ!!」
爪;'−`)y 「……」
煙藤はこのまま話し合ってもの折り合いはつかないと悟り、もう喋るのをやめた
爪;'−`)y 「ハァ…」パクッ
夕食の肉じゃがを一口食べる、すっかり冷たくなっていた
- 617 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:25:18 ID:ZahctoAU0
- 次の日の朝 煙藤家にて
爪'−`)y 「ふぁあ、おはよう」
( ○⊿○) 「おはよ」
爪'−`)y 「あれ?朝ごはんは?」」
テーブルに置いてあるのは桃子の分だけで煙藤の朝食は用意されてなかった
( ○⊿○) 「無いわよ」
爪;'−`)y 「なんでだよ!いつも作ってくれてたじゃないか!」
( ○⊿○) 「だから昨日言ったじゃない、5万円分は家事をラクさせてもらうからって」
爪;'−`)y 「おいおい本気だったのかよ…」
( ○⊿○) 「なに?なんか文句あんの?」
爪;'−`)y 「いえ別に…」
( ○⊿○) 「だいたいあなたね、家事というのはあなたが思っている以上に……」
爪;'−`)y 「ああもう駅のそば屋で済ませるからもう行くよ、それじゃ!」
言いあうのも面倒なので煙藤は急いで家から出ることにした
- 618 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:25:35 ID:ZahctoAU0
- 爪;'−`)y 「はぁ…」
煙藤は駅へと向かいながら昨日の出来事を振り返る
爪;'−`)y (くそお…なにが評価されてないから給与が下がっただ、あいつはなにも分かっていないよ)
爪'−`)y (たしかに俺は仕事がすごく出来るわけじゃない、出世だって見込めないし…)
爪#'−`)y (でも会社の足を引っ張ってるわけじゃない、そこそこ貢献してるはずだ!それなのにあいつは…!)
普段吐けない愚痴をココロの中でぶちまける、しかし余計足取りが重くなってしまう
爪;'−`)y (でもあいつは一度言ったら引かないし、どうしようもねェな…)
爪'−`)y 「はぁ…」
煙藤はため息をついたその時、後ろ男が声をかけてきた
('A`) 「どうしたんですか?朝からため息なんて吐いて」
- 619 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:26:17 ID:ZahctoAU0
- 爪;'−`)y 「(なんだこの気味悪い親父は…)あ、別になんでもないですよ」
('A`) 「ホントですかぁ?なにかココロに悩みを抱えてらっしゃるのではないですか?」
爪;'−`)y 「そんなこと無いですよ…てかあなた何者ですか?」
('A`) 「オーホッホッホ、実はワタシこういう者です」サッ
爪'−`)y 「ココロのスキマお埋めします、モウツドクゾウ…なんですかそれ?」
('A`) 「ボランティアでカウンセラーみたいなモノをやっているのです
お見受けしたところあなたのココロにはポッカリとスキマが開いてるようですなぁ」
爪;'−`)y 「ギクッ!なぜそれを」
('A`) 「職業柄あなたみたいな人を何人も見てるので雰囲気でわかるのですよ、どうです煙藤さん、悩みを聞かせてもらえませんか?」
爪;'−`)y 「べ、別に僕には必要ないですよ…」チラッ
煙藤は腕時計をちらりと見る
爪;'−`)y 「やべっ!もうこんな時間かよ!会社なので急ぎます!それじゃっ!」タタタタッ!
電車の時間が迫っていたので煙藤はあわてて駅へと向かった
('A`) 「また会いましょうねぇ、煙藤さん」
- 620 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:26:56 ID:ZahctoAU0
- シベリア物産にて
爪;'−`)y 「くそお、あの親父のせいでなにも食えなかったぜ…ツイてねェなぁ」
(ν・ω・)ν 「よお朝からしょぼくれた顔してんじゃねェか、どうした?」
爪'−`)y 「実はな…」
昨日の桃子とのやり取りと今朝の朝食の件を話した、喪鬱の件は黙ってることにした
(ν;・ω・)ν 「ひどいこと言うなぁお前のカミさん」
爪'−`)y 「もう嫌になっちゃうよ…」
(ν・ω・)ν 「だからガツンと言ってやれよ、夫としての威厳とかあるだろ普通」
爪'−`)y 「無ェよそんなの」
(ν・ω・)ν 「ハァ、情けねェなお前は…」
爪'−`)y 「ふん…」
- 621 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:27:28 ID:ZahctoAU0
- 土曜日 煙藤家にて 朝
爪'−`)y 「おはよう」
( ○⊿○) 「おはよ」
爪'−`)y 「……」
相変わらず煙藤の分の朝食は置いて無かった
爪'−`)y (まぁ土曜だし別にいいか…しかし今日はどうしよう…)
( ○⊿○)つ□ 「あなたこれ見てよ」
爪;'−`)y 「おいマジかよ」
桃子が手渡してきたのは求人広告だった
( ○⊿○)つ□ 「それで土日働くトコ決めてちょうだいよ、そしてもう一枚」
爪;'−`)y 「ええ…」
次に渡してきたのは職安までの道のりをメモした紙だった
( ○⊿○) 「ほらさっさと探してきなさい、時間がもったいないわよ」
爪;'−`)y 「……」
- 622 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:28:23 ID:ZahctoAU0
- シベリア公園にて
爪;'−`)y 「はぁ…」
結局煙藤は職安には行かずに公園のベンチに座り時間を潰していた
爪;'−`)y 「どうしようかねぇ…ホントに…」
気分は重く地面の草を眺めていた
爪'−`)y 「ん?」
煙藤がふと顔を前に向けると子供が鬼ごっこをしているのに気付いた
@*゚ヮ゚)) 「待つアルよ〜!」
/*`、、 / 「誰が待つかし!だししししっ!」
爪;'−`)y 「はぁ…」
無邪気に遊ぶ子供たちを見て余計煙藤のココロは重くなってしまった
- 623 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:28:47 ID:ZahctoAU0
- 爪;'−`)y (いいよなぁ子供は…なにも考えなくてもいいし…)
煙藤はシベリア公園を見まわしてみる
ijd ´A`) (同し同 ) (∴゚ з゚ )
爪;'−`)y (あの人たち…)
公園にはちらほらと中年の男の姿があった
そしてその男たちからは覇気が感じられなかった
爪;'−`)y (ああ、俺もあんな風なんだろうなぁ…)
煙藤はがっくりと肩を落とす
爪;−д−)y (ああもうどうすりゃいいんだよ!)
('A`) 「相変わらず覇気がありませんねぇ煙藤さん」
- 624 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:29:19 ID:ZahctoAU0
- Σ爪;'−`)y 「うわぁ!?あ、あ、あんたっ!」
公園の観察をしていた煙藤は、喪鬱が隣に座るのに気付かなかった
('A`) 「またお会いしましたね」
爪;'−`)y 「た、たしか喪鬱さん…ですよね?」
('A`) 「ええそうです、覚えててくれましたか」
爪;'−`)y 「ええ、まぁ」
('A`) 「やはりあなたは何か悩みを抱えていらっしゃいますね?」
爪;'−`)y 「ええ実は…」
煙藤は喪鬱に今までの経緯を打ち明けた
('A`) 「ほう厳しい奥さんですなぁ」
爪;'−`)y 「もう大変ですよ…」
- 625 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:29:43 ID:ZahctoAU0
- ('A`) 「最近は旦那より奥さんのほうが立場が上の夫婦が増えておりますからなぁ」
爪;'−`)y 「お恥ずかしい」
('A`) 「ところで働く場所は見つかったのですか?」
爪;'−`)y 「それを今どうしようか悩んでるんです、いまどき僕みたいなのを雇ってくれるところなんてありませんよ」
('A`) 「ほう」
爪;'−`)y 「アルバイトだって今は就くのが難しいんですよ、妻はなにもわかってないんですよ」
('A`) 「最近の社会人というのは苦労してるんですなぁ」
爪;'−`)y 「住みづらい世の中ですよ」
('A`) 「どうです煙藤さん、今から一杯やりませんか?」
爪;'−`)y 「でも早く働く場所を見つけなくては…」
('A`) 「まぁいいじゃないですか、ほら行きましょう」 グイッ
爪;'−`)y 「あ、あはい」
- 626 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:30:16 ID:ZahctoAU0
- BAR バロ巣
爪;'−`)y 「酒呑んでる場合じゃないんですけどねぇ…」
('A`) 「気分転換も必要ですよ、ストレスばかり溜めこんでは体が壊れてしまいます」
( ´W`)つ□ タンッ
爪;'−`)y 「あ、どうも」
爪'−`)
つ□とグビリ
爪'ー`)y 「ふぅ、酒を呑むの久しぶりですよ」
('A`) 「普段お酒は呑まないのですか?」
爪'−`)y 「以前は呑んでたんですけどね、タバコを値上げを機にやめました」
('A`) 「なぜ煙草の値上げなのにお酒を?」
爪'−`)y 「うちの妻が禁煙をするついでに禁酒もしろって言いましてね
それ以降酒を呑んではいけないことになってしまったのです」
('A`) 「なるほど」
- 627 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:30:50 ID:ZahctoAU0
- 爪'−`)y 「うちの妻は色々とうるさいんですよ、はぁ…」
('A`) 「ここは男らしくガツンと言ってみてはどうです」
爪'−`)y 「無理ですよ、妻に言ったところでなにも変わりませんし、第一そんな勇気無いですし…」
('A`) 「まぁそうでしょうね、煙藤さん見てればなんとなくわかりますよ」
爪'−`)y 「はぁ、もっと自分の意見をはっきりと言えばいいのに、いかんせんチキンですので…」
('A`) 「……」
爪'−`)つ□ 「はぁ…」
煙藤は再びウォッカを呷る、久しぶりなので喉がひりひりする
爪'−`)y 「明日からどうすりゃいいんでしょうかね…」
('A`) 「煙藤さん」
爪'−`)y 「はい?」
('A`) 「アル・カポネをご存じですか?」
- 628 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:31:21 ID:ZahctoAU0
- 爪'−`)y 「アル・カポネ?知りませんね、誰ですかそれ」
('A`) 「アル・カポネとは1920年代のシカゴの裏社会に君臨したマフィアのボスのことです」
爪;'−`)y 「マフィアの…ボス…」
('A`) 「かつて禁酒法が施行されてた時代に闇で密造酒製造・販売、賭博業などを行ないシカゴを牛耳っていた男です」
爪;'−`)y 「はぁ」
('A`) 「自分がのし上がっていく過程で邪魔になるものを次々と抹殺、一方政治家や警察を買収し自分の意のままにしたのです
そうやって自分の組織を拡大と安泰化を図り、実質シカゴ市長ともいえる存在になったのです」
爪;'−`)y 「まさにギャングってやつですね…」
('A`) 「そんな悪の限りを尽くしていたアル・カポネですが民衆からは絶大な支持を集めていたそうです
悪党でありながら不思議な魅力があったのでしょうなぁ」
爪;'−`)y 「そうですか…」
('A`) 「どうですか煙藤さん、そういうワルに憧れたりしませんか?」
爪'−`)y 「いや僕は真面目に生きて来たつもりですし、そういうのはちょっと……でも…」
('A`) 「でも?」
爪'−`)y 「そういう生き方にも興味はありますよ、僕と正反対の生き方ですし」
- 629 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:31:48 ID:ZahctoAU0
- 爪;'−`)y 「それより喪鬱さん、そのアル・カポネがどうしたんですか、なんか関係あるんですか?」
('A`) 「煙藤さん」ガタッ
喪鬱が立ち上がった
爪;'−`)y 「どうしましたか喪鬱さん?」
('A`) 「もう一軒行きましょうよ、良い店知ってるのですよ」
爪;'−`)y 「え、でも…」
('A`) 「大丈夫です、この店は飲みものはタダですから」
爪;'−`)y 「はぁそうですか」
('A`) 「では行きましょう」
- 630 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:32:54 ID:ZahctoAU0
- BARバロ巣を出て20分ほどが経った
爪;'−`)y 「あの喪鬱さん?」
('A`) 「もうすぐ着きますよ煙藤さん」
爪;'−`)y 「でもここさっきの公園じゃないですか」
煙藤が今居る場所は昼間喪鬱と出会ったシベリア公園だった
爪;'−`)y 「うう寒っ…」
時間はもうすでに夕刻の5時、もうさっきの小学生たちの姿は無かった
('A`) 「次の店はこの公園の中にあるのですよ」
爪;'−`)y 「え、この中にですか?でも…」
煙藤は公園内を見まわすが店らしき建物は見つからなかった
('A`) 「まぁ取りあえずワタシについて来てください」
喪鬱は公園の奥へと歩いていく
- 631 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:33:14 ID:ZahctoAU0
- 爪;'−`)y 「……」
('A`) 「よいしょっと」
喪鬱は立ち入り禁止の柵を越えて公園の端にある林の中へと入っていく
爪;'−`)y 「喪鬱さんそこ入ってはいけないのでは?」
('A`) 「いいからいいからついて来てください」
喪鬱はそんなことは気にせずに林の中へと進んでいく
爪;'−`)y (林の中に何があるんだ…)
煙藤も柵を超え、喪鬱のあとを追っていく
しばらく進むと古ぼけた銅像に出くわした
('A`) 「煙藤さん、着きましたよ」
爪;'−`)y 「えっ、ここですか?」
- 632 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:33:38 ID:ZahctoAU0
- 爪;'−`)y 「でもここなにも無いじゃないですか、汚い銅像があるだけで」
('A`) 「まぁ慌てないで、ちょっと待っててください」サッ
そういうと喪鬱は懐からカードを取り出し銅像へと差し込んだ
爪;'−`)y 「うわっ!なんだこれ!?」
カードを入れた途端、銅像がスライドし地下へと通じる階段が出現した
('A`) 「オーホッホッ、実はこの地下にお店があるのですよ」
爪;'−`)y 「こんなところに秘密クラブが…」
('A`) 「誰かに見つからないように行きましょ煙藤さん」
爪;'−`)y 「あっ、はい」
煙藤と喪鬱は地下へと降りていった
- 633 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:34:12 ID:ZahctoAU0
- しばらく降りて行くと扉に突き当たった
('A`) 「ここですよ煙藤さん」 ガチャン
爪;'−`)y 「う…」
喪鬱が扉を開けるとそこには煌びやかな世界が広がっていた
爪;'−`)y 「おおお…」
店の中は意外と広く高校の体育館あるぐらいだろうか
フロアは薄暗いが照明が良い感じの雰囲気を醸し出させていた
爪;'−`)y (高級クラブってこんな感じなんだろうな…)
("・」・") 「いらっしゃいませ喪鬱さま」
('A`) 「お久しぶりですドノバンさん、今日はゲストを連れてきましたよ」
爪;'−`)y 「ど、どうも煙藤和夫と言います」
("・」・") 「わたくし副支配人のドノバン米田と申します」
- 634 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:34:43 ID:ZahctoAU0
- ("・」・") 「こちらです」
('A`) 「オーホッホッ、どーも」
副支配人のドノバンに連れてこられたのは一人掛けの椅子と3人用のソファーがあるボックス席だった
('A`) 「どーぞ煙藤さんお掛けになってください」
喪鬱が一人掛けに椅子に座る、煙藤は三人用のソファーの真ん中に腰を降ろす、テーブルを挟み二人は向かう合う形になった
("・」・") 「ではごゆっくり…」スタスタ…
爪;'−`)y 「……」
こういう雰囲気の店に入ったことが無い煙藤はついつい肩に力が入ってしまう
('A`) 「安心してください煙藤さん、別にぼったくろうというつもりはありませんので」
爪;'−`)y 「いやそういうわけでは…」
すると…
( *б∀б)`ハリ*^ω^ハ 「「こんばんは〜」」
- 635 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:35:20 ID:ZahctoAU0
- 爪;'−`)y 「うおっ!」
( *б∀б) 「わたしモエ!よろしくネ!」
`ハリ*^ω^ハ 「初めましてニーでーす、よろしくお願いしまーす」
爪;'−`)y 「ど、どうも…」
モエが煙藤の右側、ニーが左側に腰を降ろす
( б∀б) 「煙藤さんこの店初めて?」
爪;'−`)y 「あ、はい初めてです…」
`ハリ*^ω^ハ 「なに緊張してんの?別に硬くならなくてもいいじゃん」
ニーが煙藤に密着してくる
爪;'−`)y 「!!」
彼女の胸が煙藤の腕に当たる、背徳感やら罪悪感やらがこみ上げてくる
- 636 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:35:52 ID:ZahctoAU0
- ( б∀б)つ□ 「はいっ」
爪;'−`)つ□ 「どうも…」
煙藤はウーロンハイを一気に呷る、喉が渇いてしょうがなかった
爪;'−`)y 「ふう…」
`ハリ*^ω^ハ 「いい呑みっぷりね」
( б∀б) 「煙藤さんって普段どんな仕事してるの?」
爪;'−`)y 「ん、いや別にありきたりな普通の仕事だよ」チラ
( б∀б) 「きっと仕事ができるビジネスマンなんだろうなぁ」
爪;'ー`)y 「そんな大層なモンじゃないよ、ハハハ…」チラ
モエとニーは二人とも胸元が大胆に開いたドレスを着ている
なのでついつい胸元に目をやってしまう、男の悲しい性だ
`ハリ*^ω^ハ 「エンドーさんさっきからモエのおっぱいばっか見てるね!」
Σ爪;'−`)つ□ 「な!?そ、そんなことしてないよ!?ううう!」トンク
慌てた煙藤はウーロンハイを呷ってその場をごまかした
- 637 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:36:49 ID:ZahctoAU0
- 酒を呑んでるうちに酔いが回り、最初は硬かった煙藤も段々饒舌になっていった
爪*'ー`)y 「へぇモエちゃんって三須照シティ出身なんだ、あそこ良いよね」
( *б∀б) 「煙藤さん三須照のこと知ってるんですか!?」
爪*'ー`)y 「もちろんだよ、よく学生時代にあそびに行ったよ、あそこの古本屋街とか入り浸ってたなぁ」
( *б∀б) 「煙藤さんって文学青年だったんですね!」
爪*'ー`)つ□ 「そんな文学なんて大それたモンは読んでないよ、僕の場合は推理モノばっか読んでたなぁ」トンク
ウーロンハイを胃に流し込む、もう何杯呑んだのかわからなかった
`ハリ*^ω^ハ 「もーっさっきからエンドーさんモエばっかカマッてずるーい!わたしもカマッて〜!」
爪*'ー`)y 「アハハごめんごめん、寂しい思いさせちゃったね」
美形でスレンダーなニーに対しモエは、ぽってりとした体つきをしていた
顔はセミロングで目がくりくりしたあどけない顔をしている
煙藤にとってニーよりもモエのほうが自分のタイプに合っていた
爪*'ー`)y (可愛いな…)
- 638 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:37:16 ID:ZahctoAU0
- 爪*'ー`)
つ□と ゴクリゴクリ
`ハリ*^ω^ハ 「エンドーさん良く呑むね」
爪*'ー`)y 「普段呑めないからこういう時にしこたま呑んどこうと思ってね」
( *б∀б) 「禁酒してるの?」
爪*'ー`)y 「カミさんが呑ませてくれないんだよね〜、うちのカミさん厳しいから」
( *б∀б) 「煙藤さんの体を思ってからじゃないの?」
爪*'ー`)y 「違う違うそんなんじゃないよ、うちのはただ単に俺をイジメたいだけだよ、あれは鬼だね」
( *б∀б) 「まぁ!」
爪*'ー`)y 「あ〜あモエちゃんみたいな優しくて可愛い奥さんが良かったなぁ」
( *б∀б) 「社交辞令でも嬉しいわ!アハハ!」
('A`) 「オーホッホッホ」
- 639 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:37:40 ID:ZahctoAU0
- 爪;'−`)y 「あっ!喪鬱さん!」
彼女たちに夢中で煙藤は喪鬱のことをすっかり忘れていた
爪;'−`)y (うわぁ、ずっとこっちを見てたんだろうなぁ…)
今さらながら浮かれて自分が恥ずかしかった
('A`) 「とても楽しそうでしたよ煙藤さん」
爪;'ー`)y 「いやぁお恥ずかしい、年甲斐もなくはしゃいでしまいました」
('A`) 「いいじゃありませんか、たまには羽目を外さなくては」
爪'−`)y 「でも明日からまた職を探さなくてならないと思うと気が滅入りますよ…」
('A`) 「実は煙藤さんその件なんですがね…ちょっと2人だけにしてもらってもいいですか?」
( *б∀б)`ハリ*^ω^ハ 「「はいは〜い」」
爪'−`)y 「で、なんですか?」
('A`) 「煙藤さんにこの秘密クラブのオーナーになってもらいたいのです」
爪;'−`)y 「は?」
- 640 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:38:16 ID:ZahctoAU0
- 爪;'ー`)y 「なに言ってるんですか喪鬱さん?冗談はやめてくださいよ」
('A`) 「いえいえ、ワタシは冗談など言っておりません」
爪;'−`)y 「無理ですよ!僕がこんな大きいクラブを経営できるわけないじゃないですか!」
('A`) 「煙藤さんに適任だと思いますけどねぇ」
爪;'−`)y 「てかなんで僕なんですか!?他にもっと適任者がいるでしょ、僕はただのしがないサラリーマンですよ」
('A`) 「煙藤さん、ちょっと店の中を見回してみてください」
爪;'−`)y 「は、はい」キョロキョロ
煙藤は店の中を見回してみる、すると
ijd*´A`) (同し同*) (∴*゚ з゚ )
爪;'−`)y (あれ?あの人たち、昼に公園に居た人たちじゃ…)
('A`) 「どうでしたか煙藤さん、なにか気付いたことありましたか」
爪;'−`)y 「ええ、昼間公園で見た人がちらほらと…」
- 641 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:39:01 ID:ZahctoAU0
- ('A`) 「この地下クラブは彼らみたいな会社や家庭で疎んじられてるサラリーマン達を対象にした秘密クラブなのです」
爪;'−`)y 「そういうクラブだったんですか」
('A`) 「彼らにとっても最後の楽園みたいなモノです、他にもこのクラブにはカジノ等のギャンブル施設も備わっています」
爪;'−`)y 「ギャンブル?それってダメじゃ…」
('A`) 「もちろん非合法です、だから地下で隠れて営業してるわけです」
爪;'−`)y 「警察にばれたら一発で逮捕ですよ…」
('A`) 「そんなこと気にしててもしょうがないですよ」
爪;'−`)y 「何度も言うようですが僕には無理ですよ、こんな地下クラブを率いる度胸などありません…」
('A`) 「煙藤さん、そんな弱気のままじゃ一生意気地なしの人生歩んでいくことになりますよ、それでいいのですか?」
爪;'−`)y 「それは嫌ですけど…」
('A`) 「だったらなるべきです!彼らの気持ちがわかる煙藤さんなら出来るはずです!」
爪;'−`)y 「う…!」
m9('A`) 「あなたはシベリア公園のアル・カポネになるのです!!」
m9(゚A゚) 「ドーーーン!!!!」
- 642 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:39:24 ID:ZahctoAU0
- 爪'−`)y 「ただいま」
( ○⊿○) 「おかえり、遅かったじゃない」
爪'−`)y 「ちょっとな…」
煙藤は時計を見る、もうすぐ日付が変わろうという時間だった
( ○⊿○) 「で、仕事はどうだったの?見つかったの?」
爪'−`)y 「おう、明日からさっそく行くよ」
_,
( ○⊿○)「へぇ見つけてきたの、あなたもやればできるじゃない」
爪'−`)y 「ふん…」
まさか本当に仕事を見つけてくるとは思っていなかったらしく、桃子は意外そうな顔をしていた
それは見て煙藤はなんとなく気分が良かった
爪'−`)y 「それじゃあもう寝るから、お休み」
( ○⊿○) 「あ、うん」
煙藤は自分の寝室へと向かった
- 643 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:39:58 ID:ZahctoAU0
- 次の日 秘密クラブ社長室にて
("・」・") 「今日からここでこの店の指揮を取ってもらいます」
爪'−`)y 「はぁ」
社長室は会社の会議室ぐらいの広さだった
煙藤は今、肘掛けのついた椅子に座り、ドノバンからクラブについての説明を受けている
爪'−`)y 「指揮って具体的になにをすればいいの?僕はこういうのよくわからないんだけど」
("・」・") 「指揮を取ると言っても経営とかそういうのではありません、煙藤さんにやってもらいたいのはもっと他のことです」
爪'−`)y 「だからその他のことってなによ」
("・」・") 「それはまた次の機会に…とにかく煙藤さんはどしんとここで存在感を醸し出しとけばいいですので」
爪'−`)y 「あっそう」
("・」・") 「ではわたくしは仕事に戻りますので、よろしくお願いしますよ、ボス」
ドノバンは部屋を出ていった
爪'−`)y 「ボスか…」
爪*'ー`)y 「へへ、悪い気はしないな…」
- 644 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:40:39 ID:ZahctoAU0
- 爪'ー`)y━・~ 「ふぅ…なんか偉くなった気分だな…」
ガチャン
(ΘωΘ)「失礼します、ボス、ウィスキーお持ちしました」
従業員の殊能がウィスキーを持ってきた
爪'ー`)y━・~ 「ん、ありがとう」
(ΘωΘ)「では」
ウィスキーを机に置くとそのまま殊能は部屋から出ていった
殊能は大柄でいかつい顔をしており見た目からして堅気では無いのがわかった
爪*'ー`)y━・~ (あんなヤクザみたいなやつボスって言われちゃったよ…へへへ…)
煙藤はウィスキーを口に含む、なんとなくヤクザの親分になったような気分だった
爪*'ー`)y━・~ (ここに座って酒呑むだけでいいんだ…楽な仕事だぜ…)
再びウィスキーを一口すする、やはり今まで呑んだどの安酒より旨かった
- 645 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:41:15 ID:ZahctoAU0
- ガチャン
('A`) 「どうすかぁ煙藤さん?頑張ってますかぁ?」
この部屋に来て数時間後、喪鬱が訪ねてきた
爪*'ー`) 「あっ、喪鬱さんじゃないですか?頑張ってますよぉ」
つ□と
('A`) 「オーホッホッホ、立派な部屋ですなぁ、なんだか煙藤さんも貫禄が出てきたみたいですなぁ」
爪*'ー`)y 「そ、そうですか?どうも(ずっと酒呑んでただけだけどな…)」
('A`) 「ホントは心配だったのですよ、煙藤さんがこの仕事に向いてるかどうか」
爪*'ー`)y 「ご心配なく、なんかこの仕事合ってそうですので、喪鬱さんホントありがとうございます!」
('A`) 「しかし煙藤さん、やるからには途中で投げ出さないでくださいねぇ、約束ですよ」
爪*'ー`)y 「大丈夫です、ちゃんとやりますので(こんな簡単な仕事投げ出すかよ)」
('A`) 「シベリアのアル・カポネ目指して頑張ってくださいねぇ、ではワタシはこれで」
そう言うと喪鬱は部屋から出ていった
爪*'ー`) 「アル・カポネか…」
つ□と カラン
- 646 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:41:45 ID:ZahctoAU0
- それから1ヶ月後
爪'ー`)y 「さぁ俺のおごりだ、ジャンジャン頼んでくれよ」
花の金曜日、煙藤は会社の同僚たちを連れて高級焼き肉店に来ていた
(・↓・) 「じゃあ、特上カルビで」
(〇`ω´〇) 「僕はミノ、ハチノス、牛タン、肩ロース、白飯を二人前ずつで!!」
(;・↓・) 「おいおい、さすがに少しは遠慮しろよ…」
爪'ー`)y 「気にするなって、どんどん頼めどんどん!」
(ν・ω・)ν 「どうした?今日はやけに羽振りがいいじゃねェか、やっぱ例の副業のおかげか?」
爪'ー`)y 「まぁな」
(ν・ω・)ν 「いいよなぁ、いったいなにをやったらそんな稼げるんだよ…」
爪'ー`)y 「へへへ…」
煙藤は妻を含め地下クラブに勤めてることを誰にも話していなかった
大抵の時間は酒を呑み、たまに客の相手をすればいいのだ、それだけで会社で稼ぐより数倍の金が手に入る、楽な仕事だった
- 647 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:42:19 ID:ZahctoAU0
- (〇`ω´〇) 「ハム!ハフハフっ!」
(;・↓・) 「おいおい、体中で食べてるよこいつ…」
爪'ー`)y 「……」
(ν・ω・)ν 「しかしどんな仕事してるんだ?コンビニのレジ打ちとかそんなんじゃないだろ」
爪'−`)y 「まぁそういうので無いな…」
(ν・ω・)ν 「まぁ無理には聞かねェけどよ」モグモグ
爪'−`)y 「……」
言えるわけがなかった、煙藤が勤めてるクラブは非合法で犯罪なのだから
それに楽して稼いでいるのだからほわっちょたちに対して多少の後ろめたさがあった
(・↓・) 「煙藤さん、以前とは別人みたいですね、今は自信に満ち溢れてるようですよ」
爪*'ー`)y 「当たり前だろ!俺は生まれ変わったんや!もうチキンとは言わせないぜ!ハハハ!」
- 648 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:42:52 ID:ZahctoAU0
- 次の日 地下クラブにて
爪*'ー`)y━・~ 「ふぅ…」
煙藤は今日も部屋で一人葉巻を吸っていた
爪*'ー`)y━・~ 「葉巻も旨いし、良い女は多いし、酒は尽きることないし、まさに楽園だよここは」
煙藤は改めて喪鬱に感謝した、自分をこんな素晴らしい職へと導いてくれてありがとうと
いっそのことシベリア物産の仕事を辞めて、毎日ここへと通いたいと思った
爪*'ー`) (あとでモエちゃんでも呼ぼうかな…)
つ□と
煙藤がお気に入りのホステスのことを考えたとき…
ガチャン
("・」・") 「ボス失礼します」
- 649 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:43:23 ID:ZahctoAU0
- 爪*'ー`)y━・~ 「おうドノバンどうした?」
("・」・") 「実はお話が…」
爪*'−`)y━・ 「なんの話だ?」 クシクシ
いつもとは違うドノバンの雰囲気に煙藤は葉巻を吸うのをやめる
("・」・") 「西川ホライズンについてなんですが」
爪'−`)y 「西川?あいつがどうしたんだ」
西川ホライゾンとはシベリア町議会の議員のことである、最近無所属で出馬し当選した新進気鋭の政治家だ
("・」・") 「西川ホライズンがどうやらこのクラブを告発しようとしてるのです」
爪;'−`)y 「告発…」
煙藤は背筋を伸ばしドノバンのほうへ身を乗り出した
- 650 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:43:58 ID:ZahctoAU0
- 爪;'−`)y 「告発するってつまりどういうことなの」
("・」・") 「世間に公表してこのクラブを潰そうとしてるのですよ」
爪;'−`)y 「なんと!」
もしこのクラブが潰れたら煙藤は再び職を探さなくてはならくなってしまう、そしてなにより心配なのは
爪;'−`)y (もし告発されたら俺逮捕されるじゃないか!そしたら俺の人生終わりだよ…)
爪;'−`)y 「なぁどうしたらいいんだよ!そうだ金を渡して黙らせればいいじゃないか!!」
("・」・") 「それは以前やったのですが、いかんせん西川は無駄に正義感ありすぎて
金の受け取りを拒否するのです、他の政治家ならすぐ受け取るのに」
爪;'−`)y 「くそお…どうすりゃいいんだ…」
煙藤は頭を抱える、このままだと間違いなく煙藤は捕まる
しかしドノバンは話を続ける
("・」・") 「そういう時はこれですボス」
ドノバンが懐からあるモノを取りだした
爪;'−`)y 「そ、それは…!」
ドノバンが取りだしたのは拳銃だった
- 651 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:44:41 ID:ZahctoAU0
- 爪;'−`)y 「ひぃ!そ、それは…」
("・」・") 「もちろん本物です、これで西川を…」
爪;'−`)y 「み、みなまで言うな!お前本気で言ってんのか?」
("・」・") 「当たり前じゃないですか、都合の悪い連中は排除していくのがこの業界の常ですよ」
爪;'−`)y 「ううう…」
("・」・") 「煙藤さん、まさかあなたここに座って酒呑んでりゃ良いという甘い考えを持ってるんじゃないでしょうねぇ?」
爪;'−`)y 「うぐ…」
ドノバンの言うとおり煙藤は甘く考えていた
やくざの抗争や気に入らない人間の暗殺なんてありえないドラマの世界の話だと思っていた
爪;'−`)y 「そんなこと無いよ…」
("・」・") 「早く決めてください煙藤さん、そうでなければ暴露されてしまいますよ」
爪;'−`)y 「うう…」
- 652 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:45:13 ID:ZahctoAU0
- ("・」・") 「別に煙藤さんが直接手を汚すわけではありません、ただ指示を出せばいいのです」
爪;'−`)y 「(でも殺人の片棒を担ぐのは嫌だな…)ちょっと待ってくれ、少し考えさせてくれ…」
("・」・") 「いいえダメです、これは一刻を争うことです、あなたもボスなんですからしっかりしてくださいよ」
爪;'−`)y 「あう…(くそお、喪鬱さんの言うことなんて聞かなきゃよかった…)」
("・」・") 「さぁ早く決断して指示を出してください」
爪;'−`)y 「わかった!」ガタッ
煙藤は急いで立ち上がる
爪;'−`)y 「わかったから、先にちょっと便所に行かせてくれ・!なっ!」タタタッ
煙藤は早口で言うと足早にトイレへと向かった
("・」・") 「……」
- 653 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:45:37 ID:ZahctoAU0
- 爪;'−`)y 「ふぅ…あぶねぇあぶねぇ…」ガチャ
煙藤はトイレに向かわず、クラブを出て今は地上へと通じる階段の前に立っている
爪;'−`)y 「こんな危なっかしいところ働いてられるかよ、ちくしょう」 ツカツカツカ
煙藤は階段を上っていく
爪;'−`)y 「こんなトコからとっとと逃げて新しい職場探さなきゃな」
爪#'−`)y 「はぁ、あんな親父の言うことなんて聞かなきゃよかった!かろうじて犯罪者にならずに済んだ」
爪;'ー`)y (でもまぁ少しは美味しい思いも出来たし、良しとするかね)
階段を上り、地上へと出る扉の前へと行き着いた
爪'−`)y ピッ
扉を開けるボタンを押す、すると扉がするすると開き始める
爪'ー`)y (さっさと帰って桃子の晩飯を食べよう、なんだかんだ言って我が家が一番だ)
扉が開いて外へと出ようとした、しかし……
('A`) 「オーホッホッホ…」
そこには喪鬱が立っていた
- 654 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:46:26 ID:ZahctoAU0
- 爪;'−`)y 「も、喪鬱さん!?」
('A`) 「煙藤さんどうしたんですかぁ?まだ営業時間ですよ」
爪;'−`)y 「じ、実はこのクラブのオーナーを辞めることにしまして…」
m9('A`) 「あれぇ煙藤さん?ワタシは途中で投げ出さないでくださいと言ったはずですよぉ」
喪鬱がじりじりと煙藤のほうへ接近してくる、煙藤は後ずさる
爪;'−`)y 「しょうがないじゃないですかっ!まさかこんな危険な仕事とは思わなかったんですから!」
m9('A`) 「煙藤さん、あれぐらう裏社会なら日常茶飯事ですよ、アル・カポネにならなくていいのですか?」ザッザッ
なおも喪鬱は迫ってくる、煙藤はさらに後退する
爪;'−`)y 「やっぱ僕には向いてないんですよこの世界は!アル・カポネなんかなれません!」
- 655 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:46:52 ID:ZahctoAU0
- m9('A`) 「ワタシはあなたに期待したんですけどねぇ」ザッザッ
爪;'−`)y 「期待なんかしないでくださいよ!」
じわじわと距離を詰めてくる喪鬱の威圧感に気圧されて煙藤はますます後ずさる
m9('A`) 「どうやらあなたにこの店を紹介したのは間違いだったみたいですねぇ」ツカ…ツカ…
爪;'−`)y 「その通りですよ…!うっ!」ガタッ
クラブの扉に肩がぶつかった、これ以上はもう後退出来ない
爪;'−`)y 「あ、あのどいてくださいよ!僕は帰りたいんです!」
しかし喪鬱は煙藤の言葉を無視しさらに続ける
m9('A`) 「煙藤さん、ワタシが責任を取ってあなたに新しい職を紹介しましょう」
爪;'−`)y 「あ、新しい職!?」
喪鬱が煙藤の前で歩みを止めた
m9('A`) 「あなたにぴったりな仕事です」
ド―――m9('∀`)―――ン!!!!!
爪; д )y 「ああああああああああ!!!!!!!!!!」
- 656 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:47:43 ID:ZahctoAU0
- 1ヶ月後…
カツンカツンカツン…
(;○⊿○) 「ほ、ほんとにこの先に主人がいるんですか!?」
('A`) 「ええ、この先にあるクラブに住み込みで働いております」
(;○⊿○) 「こんなところ働いてるなんて…」
('A`) 「オーホッホッ、扉が見えてきました、あの中でご主人は頑張っておりますよ」
喪鬱と煙藤の妻・桃子は階段を降り、入口の前までやってくる
('A`) 「では開けますよ」ガチャ
(;○⊿○) 「し、主人は!?」キョロキョロ
桃子は店の中を見回す、すると
パリン
(;○⊿○) 「はっ!」
ガラスが割れる音が聞こえたのでそちらへと目を向けた
- 657 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:48:27 ID:ZahctoAU0
- 爪;#)−`)y 「あ、あ、あ…」
そこにはボロボロになった煙藤の姿があった
(;○⊿○) 「あ、あなた…!」
煙藤の前にはガラスの破片が散乱している、おそらく煙藤がグラスを落として割ったのだろう
(#ΘωΘ)「なにやってんんだよてめぇはよ!」 バンッ!
Σ爪;#)−`)y 「うっ!す、すいません…」
殊能に尻を思いっきり蹴られ前へと倒れた
Σ爪;#)−`)y 「あっ!!」
手をついた拍子にガラスの破片が手に刺さってしまった、血がとめどなく流れる
(#ΘωΘ)「ほらさっさと片付けろや!たくグラス運ぶのさえできねぇのかよ!ホント使えねェおっさんだな」
爪;#)−`)y 「す、すいません…」
煙藤は割れたグラスの破片を拾い集める、しかし素手なので再び手を切ってしまう
- 658 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:49:22 ID:ZahctoAU0
- ( *б∀б) 「煙藤さん!」クスクス
かつて煙藤が気にいっていたモエがワインの瓶を片手に近づいてくる
爪;#)−`)y 「モ、モエちゃんどうしたの?」
( *б∀б) 「えいっ!」ジョボジョボ
爪;#)−`)y 「うっ…!」
モエはワインを煙藤の頭にかけた
( *б∀б) 「あはは!ゴメンなさい煙藤さん、手が滑ってワインを掛けちゃったわ!」クスクス
爪#)−`)y 「……」ジョボジョボ
ワインを掛け終わるとモエは満足そうにしてその場を後にした
(#ΘωΘ)「手を止めないで早くしろ!お前にはまだ仕事がいっぱい残ってるんだよ!」
爪#)−`)y 「すいません…」スタッ
ガラスの破片をすべてトレイに乗せ終ったときには、煙藤の手は傷だらけになっていた
- 659 :シベリア公園のアル・カポネ:2010/12/10(金) 03:55:18 ID:ZahctoAU0
- ("・」・") 「煙藤さん」
爪#)−`)y 「なんでしょうか…」
("・」・") 「実はさっきお客さんが酔ってトイレで吐いてしまったのです、なのでトイレを掃除してくれませんか?」
爪#)−`)y 「……はい」
煙藤はよろよろとトイレへと歩いていく
(*ΘωΘ)「頑張ってこいよ!おっさんには便所掃除が一番似合ってるからよ!」
爪#)−`)y 「……」
(;○⊿○) 「あ…あ…」
('A`) 「煙藤さんはアル・カポネにはなれませんでした、あのひとはこれからずっとあの店で雑用としてこき使われていくでしょう
やはりあの人はアル・カポネよりこき使われる雑用のほうが向いてるようですなぁ」
('∀`) オーホッホッホ・・・・・・ 【シベリア公園のアル・カポネ】 完
- 660 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/12/10(金) 03:58:14 ID:ZahctoAU0
- 以上です、今回はなかなか難産だったお
今年中にあと2話投下したいのう
質問、指摘等は明日答えます
お休み ノシ
- 661 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/12/10(金) 16:41:58 ID:0X.rwdks0
- 乙!リアルタイムで見れないのは残念だけど待ってた
最近苦労してる主人公が結局不幸に…ってオチ多くないか?
原作を沢山読んでるわけじゃないから言えないけどどうもいたたまれないwww
あと個人的には、話は面白いしテンポもいいんだが誤字脱字が目立った
とにかく乙!次も待ってる!
- 662 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/12/10(金) 17:27:55 ID:E/WdAobs0
- 相変わらずのハイクオリティ
乙
- 663 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/12/10(金) 22:05:21 ID:JX/FjZak0
- >>661
たしかに最近そう言う展開が多くなってるね
出来るだけ被らないようにするお
今回は完成したのが嬉しくて推敲せずに投下してしまった申し訳ない
以後気をつけます
- 664 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/12/11(土) 04:09:00 ID:y7yfigZY0
- `・+。*・ (´・ω・`)
。*゚ 。☆―⊂、 つ スレチェックしたら2,3日中の投下と書いてあった…
。*゚ : ヽ ⊃ 寝る前だったので「了解」と書いて寝たらその7分後に投下だと……?
`+。**゚**゚ ∪~
これだけは言わせてくれ!!!
今回支援できなかったのは俺のせいじゃない!!!
ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
- 665 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/12/11(土) 20:30:24 ID:was.k5lc0
- >>664
申し訳ねぇ…自分でも宣言してからまさかあんなに早く完成するとは思わなかったんだwww
調子が良いときはサクサク進むんだけどねぇ…一度詰まるとなかなか進まない…
次はクリスマスまでには投下するお
- 666 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/12/12(日) 03:00:44 ID:0n51sOwE0
- こんどこそ了解
- 667 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/12/18(土) 00:49:51 ID:tfYrTP9.O
- 今日笑ウせぇるすまんの話題が出た時、2回も「鬱な・・・・」と言い間違えてしまった
恥保守
- 668 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/12/20(月) 02:12:47 ID:N6bsdGYo0
- >>667
俺も喪黒を喪鬱と書き間違えたことが何回もあるよwww
クリスマスまでには投下出来そうです
- 669 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/12/23(木) 00:20:08 ID:F4Epmj4w0
- 23日の21:00ごろ投下しますお
- 670 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/12/23(木) 21:47:57 ID:VbU1KcGM0
- ヽ (・ω・`) ノ
へ(ωヘノ ))))))))))))))))
大掃除中のため投下のペースが若干遅いかもしれませんお
ブーン系小説総合スレ 【 裏 】 まとめ(仮)さん
http://sogomatome.blog104.fc2.com/blog-entry-467.html
まとめさんいつもありがとうございます、それでは投下します
- 671 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/12/23(木) 21:51:39 ID:rWVK6rlUo
- お来た
- 672 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/12/23(木) 21:52:04 ID:VbU1KcGM0
- 私の名前は喪鬱毒造、人呼んで鬱ナせぇるすまん
ただのせぇるすまんじゃございません
私が取り扱う品物は“ココロ” 人間のココロでゴザイマス・・・
この世は老いも若きも男も女もココロの寂しい人ばかりそんなみなさんのココロのスキマお埋めします
いえお金は一銭もいただきませんお客様が満足されたら、それがなによりの報酬でゴザイマス・・・
さて今日のお客様は・・・
('、`*川 ワクワク
('、`*川 伊藤 ヒロ子 28歳 OL
【歴女】
オーホッホッホ・・・・・・
- 673 :歴女:2010/12/23(木) 21:54:35 ID:VbU1KcGM0
- ( *б∀б) 「もう一軒行こうもう一軒!」
州-凹_凹) 「あんた飲み過ぎよ」
( *б∀б) 「ええ普通だよ〜、ねぇヒロ子?」
('、`*川 「まだ飲み足りないわね」
花の金曜日、伊藤ヒロ子は同僚のOLたちと飲み歩いていた
州;凹_凹) 「で、でももう夜遅いし…」
( *б∀б) 「今日は金曜日だから全然大丈夫だよ!ほら行こっ!」グイッ!
モエはグズるケイコを引っ張っていく
('、`*川 「ふふふ…」
ふとヒロ子は時計に目を向けた、時間はもうすぐ9時になろうというところだった
Σ('、`;川 「ああっ!!やばいっ!」
- 674 :歴女:2010/12/23(木) 21:56:08 ID:VbU1KcGM0
- ( *б∀б) 「どうしたのヒロ子?なんかまずいことでも起こった?」
('、`;川 「ちょっと私帰るね!重要な用事があったの忘れてたわ!」
( *б∀б) 「用事があるならしょうがないわね」
州-凹_凹) 「じゃあ私も…」
( *б∀б) 「ケイコはダメ!ほら行くよ!」 ガシ!
州;凹_凹) 「うぐうぐ…」
二人を見届けたあとヒロ子は急いで自分の家と向かった
('、`;川 「早く!早くしなきゃ始まっちゃう!」
幸い家に近かったこともあり10分ほどでアパートに着いた
('、`;川 「はぁはぁはぁ」
- 675 :歴女:2010/12/23(木) 21:57:38 ID:VbU1KcGM0
- ブーツを脱ぎすてカバンを放り投げる
('、`;川 「どこっ!?リモコンどこ!」
ヒロ子は部屋を見回す、目当てのリモコンはテーブルの上に置いてあった
('、`;川 「あった!ううもうっ!」ガシッ
急いでリモコンを掴みTVをつける
TV『ジャジャ〜ン!信長伝!!』
('、`;川 「間に合った…」ホッ
ヒロ子は金曜夜10時から放送される大河ドラマ『信長伝』を毎週楽しみにしていたのだ
('ー`*川 「信長様…」ポワ〜ン
伊藤ヒロ子は武将マニアだったのだ
- 676 :歴女:2010/12/23(木) 22:00:40 ID:VbU1KcGM0
- ('、`;川 「あ、あ、あ…」
今日は本能寺の変、つまり今日で最終回なのだ
('、`;川 「ダメ!ダメよ信長様!」
燃え盛る炎に包まれ、織田信長が自害をするところでドラマは幕を閉じた
('、`;川 「終わっちゃった…」
ヒロ子は肩を落とした、1年間楽しみにしていたドラマが終わってしまったのだ
('、`*川 「ハァ、明日からなにを楽しみにしていけばいいのかしら…」
ヒロ子はビデオデッキからDVDを取りだす
('、`*川 「でもまぁ、録画したのがいっぱいあるし、それを見て楽しむかな」
その時…
ピンポーン
部屋のチャイムが鳴る、誰かが訪ねて来たようだった
('、`*川 「こんな時間に誰かしら?」トコトコ
玄関へ行きドアを開ける、そこには薄気味の悪い男が立っていた
('A`)
- 677 :歴女:2010/12/23(木) 22:01:27 ID:VbU1KcGM0
- ('A`) 「どうもコンバンハ」スタスタ
('、`;川 「ちょ、ちょっと!」
男はヒロ子の制止を無視し、ズカズカと部屋のなかに入ってくる
('A`) 「ほう、なかなかいいところに住んでますなぁ」
('、`#川 「何なんですかあなたは!警察呼びますよ!」
('A`) 「まぁそんな慌てないで、ふぅ」
男はテレビの前に腰を下ろす
('、`#川 「早く出てってくださいよ!」
('A`) 「そうカッカしないで、ワタシはこういう者です」サッ
('、`#川 「ココロのスキマお埋めします、喪鬱毒造…?」
- 678 :歴女:2010/12/23(木) 22:02:41 ID:VbU1KcGM0
- ('A`) 「ワタシは現代人が抱えてるココロのもやもやを取り除く仕事をしてるのです」
('、`*川 「カウンセラーみたいなもの?」
('A`) 「カウンセラーというのとはちょっと違うかもしれませんな、いわゆる人生コンサルタントみたいなものです」
('、`#川 「とにかく出てってください!私はこういうの必要ありませんから!」
('A`) 「そうですか、しかし…」
喪鬱はヒロ子の部屋の中を見回す
('A`) 「色々なモノがある部屋ですねぇ、歴史書、刀、和服、そして新撰組の法被」
('、`;川 「私がなに集めようがあなたには関係無いでしょ!いいから早く出てってくださいっ!!」
('A`) 「わかりました、それでは…」スッ
喪鬱は立ち上がり部屋から出て行った
('、`#川 「なんなのよあの男は…」
- 679 :歴女:2010/12/23(木) 22:04:17 ID:VbU1KcGM0
- 月曜日 シベリア物産経理課にて
('、`*川 「はぁ、この前の人はなんだったんだろう…」
昼食を食べ終わったあとヒロ子は喪鬱のことについて考えていた
('、`*川 (ココロのスキマがどうとか言ってたけどあきらかに怪しいわよねぇ)
('、`*川 (別に私は悩みなんてないし、どうでもいいわよね)
('、`*川 「ハァ…」ゴクリ
つ旦と
ほうじ茶を一口すする、この渋い味がヒロ子のお気に入りだった
('、`*川 「……」
( б∀б) 「なにたそがれてんのよあんたは…」
- 680 :歴女:2010/12/23(木) 22:05:59 ID:VbU1KcGM0
- ('、`*川 「なによ、ちょっと考え事してただけじゃない」
( б∀б) 「ねぇちょっと聞きたいことあるんだけどさ…」
('、`*川 「聞きたいことってなに?」
( б∀б) 「ヒロ子ってさぁ、どういう男がタイプなの?」
('、`;川 「えっ!?男?」
( б∀б) 「そうそう、信子のそういう話聞いたことないからさ」
('、`;川 「え、えっと…」
( б∀б) 「有名人でもいいわよ」
('、`;川 「なら織田―――」
信長と言いかけてヒロ子は言葉を飲み込んだ
('、`;川 (織田信長なんて言ったら間違いなくひかれる、だったらここは…)
( б∀б) 「織田?」
('、`;川 「裕二、織田裕二よ…」
- 681 :歴女:2010/12/23(木) 22:08:32 ID:VbU1KcGM0
- ( б∀б) 「へぇ!ああいうのがタイプなんだ!へぇ〜」
('、`;川 「うう…」
悔しいがグッと我慢する、武将マニアということを知られたくないのだ
( б∀б) 「じゃあさヒロ子、黒田くんなんかどう?結構かっこよくない?」
('、`*川 「えぇあいつぅ?」
黒田というのは今年入社してきた若手社員のことだ
(・↓・)〜♪
( б∀б) 「仕事もそこそこ出来るし、なかなかマメなやつだし…」
('、`*川 「あんな奴のどこが良いのよ、頼りなさ過ぎて話にならないわ!」
( б∀б) 「理想高いわねぇ…そんなんだから男が出来ないのよ」
('、`*川 「ふん…」
以前からモエに男を紹介されることが何回かあったが、どれもヒロ子の眼鏡にはかなわなかった
('、`*川 「ハァ…」
- 682 :歴女:2010/12/23(木) 22:09:52 ID:VbU1KcGM0
- BAR バロ巣
('、`*川 「ハァ…マスター、もう一杯お願い…」
つ□と
( ´W`)つ□ タンッ
('、`*川 「どうも…」
ヒロ子が『BAR バロ巣』に通うようになったのは3カ月前に同僚のケイコに紹介されたのがきっかけだった
( ´W`)
つ□と キュッキュッ
マスターはヒロ子になにも話しかけようとはしない、しかしヒロ子は静かな環境で酒を嗜みたいので好都合だった
('、`*川 (はぁ…なんでこの世の中には良い男がいないのかしら…私の理想が高過ぎ?そんなハズは…)
今日モエに言われたこと思い返す、しかし面倒くさくなり酒を一口入れる
('、`*川 「世の中の男どもが情けなさすぎるのよ」ボソ
('A`) 「あまり飲み過ぎすのも体に毒ですよぉ」
- 683 :歴女:2010/12/23(木) 22:11:21 ID:VbU1KcGM0
- Σ('、`;川 「うわっ!あ、あなたは!?」
('A`) 「どーも喪鬱です、まさかあなたもここの常連だったとは思いませんでしたよ」
('、`;川 「喪鬱さんはいつからここに?」
('A`) 「あなたが来る前からワタシはこの店にいましたよ」
どうやらカウンターの隅のほうで飲んでいたらしい、ちょうど隅は暗がりになっているので気付かなかった
('ー`;川 「そうなんですか、あはは…」
('A`) 「ところでヒロ子さん、あなたさっき世の中の男が情けないと呟いてませんでしたか?」
('、`;川 「そ、それは…」 ギクッ!
喪鬱がカウンターの端からヒロ子の隣へと移動してくる
('A`) 「その話を詳しく話してはくれませんか?」
('、`;川 「ううう…」
- 684 :歴女:2010/12/23(木) 22:12:56 ID:VbU1KcGM0
- ('A`) 「ほう!ヒロ子さんは武将マニアなのですか」
('、`*川 「ええそうですよ、悪いですか?」
('A`) 「いえいえ、趣味というのは人それぞれですからね、ということはヒロ子さんはいわゆる歴女というやつですな」
('、`*川 「まぁそういうことになるわね」
('A`) 「ヒロ子さんはなぜ武将がお好きなのですか?なにか理由でも?」
('、`*川 「そりゃまぁ、あれですよ」
つ□とチビリ
ウォッカで舌を濡らしてからヒロ子は答える
('、`*川 「大きいからですよ、人としても男としても…」
('A`) 「ほう」
- 685 :歴女:2010/12/23(木) 22:18:02 ID:VbU1KcGM0
- ('、`*川 「昔の男には気概がありましたよ、この国を変えてやるっていう
それに対して今の男はふにゃふにゃですよ、情けない」
('A`) 「ほうほう」
('、`*川 「どんだけ草食なんだよって思いますよ、いやっ…ていうより草!もはや草ですよ今の男は!」
つ□とトンク
('A`) 「時代によって価値観は違うと思うのでなんとも言えませんなぁ」
('、`*川 「とにかく私は強い男が好きなんです!」
('A`) 「ところで武将では誰が好きなんですか?」
('、`*川 「もちろん織田信長です!」
('A`) 「ほうそれは何故?」
('、`*川 「織田信長はすごい野心家なんですよ、とにかく天下統一してやろうという男気がすごかったんですから!」
- 686 :歴女:2010/12/23(木) 22:19:23 ID:VbU1KcGM0
- ('、`*川 「信長は武将という身分でありながら庶民にも分け隔てなく付き合っていたそうです
実際に一緒に祭りで踊ったり工事では率先して汗を流したそうです」
('A`) 「ふむふむ」
('、`*川 「部下にも慕われたそうですよ、家来の中にはなんと黒人もいたそうです」
('A`) 「ほう、それは知りませんでしたなぁ、恥ずかしながら歴史は疎いもので」
('、`*川 「鳴かぬなら殺してしまおうホトトギスと詠われるほど豪快な男なんです」
('A`) 「なるほど」
('、`*川 「はぁ…そういう男はもういないんでしょうねぇ」
('A`) 「……」
('、`*川 「ハァ…信長に会いたい…」
('A`) 「では会いに行きますか」
('、`*川 「え…?」
- 687 :歴女:2010/12/23(木) 22:20:24 ID:VbU1KcGM0
- ('、`*川 「いまなんて言いました?」
('A`) 「だから会いに行きましょう、織田信長に」
('、`;川 「はぁ!?なに言ってるんですか喪鬱さん!?信長は何千年も前に死んでるんですよ、会えるわけないでしょう!」
('A`) 「いえいえ本物の信長ではありません、実はワタシの知り合いに『武将BAR』を経営してる人がいるのです」
('、`;川 「武将BAR?なんですかそれ?」
('A`) 「戦国武将の格好をした男性が接客してくれる店です、一時期の歴史ブームに乗っかって開店しましてね」
('、`;川 「そんな店がシベリアにあったなんて……」
('A`) 「ではさっそく行きましょう」ガタッ
喪鬱は立ち上がりヒロ子を促す
('、`;川 「わかりました…」
- 688 :歴女:2010/12/23(木) 22:21:39 ID:VbU1KcGM0
- ('A`) 「あそこのビルの7階にあるのですよヒロ子さん」
('、`;川 「……」
ヒロ子はいまシベリア駅前に来ている、道路を挟んで向こう側には薄汚れた雑居ビルが建っていた
('、`;川 「あの中にあるんですか」
('A`) 「ええそうです、あのビルはワタシの友人が管理してましてね、だからよく顔を見せに行くのですよ」
シベリアと言えども駅前にはそれなりに人がいる、なのにあのビルからは人の気配がせず異様な雰囲気が漂っていた
('、`;川 (ホントに大丈夫かしら…)
('A`) 「では行きますよぉ」 トコトコ
('、`;川 「……」
- 689 :歴女:2010/12/23(木) 22:22:41 ID:VbU1KcGM0
- ガチャ
('A`) 「どうも〜」
('、`*川 「……」
( ・3・) 「おぅわー毒造さんいらっしゃい!」
('A`) 「今日は武将BARのお客さんを連れてきましたよ」
('、`*川 「初めまして伊藤ヒロ子です」
( ・3・) 「僕ぼるじょあ!よろしくNE!」
ぼるじょあと名乗ったのは背が低い小太りの男だった、体型は喪鬱に似てるが顔はあどけなかった
('、`*川 (何歳ぐらいかな…)
( ・3・) 「武将BARは7階だYO、そのエレベーターで行ってNE」
('A`) 「わかりました、ではヒロ子さん行きましょうか」
('、`*川 「はい」
( ・3・) 「行ってらっしゃ〜い」
- 690 :歴女:2010/12/23(木) 22:25:54 ID:VbU1KcGM0
- エレベーター内
('A`) 「……」
('、`*川 「……」
エレベーターが上に行くごとにヒロ子の不安な気持ちがどんどん膨らんでくる
('、`*川 (喪鬱さんは信長に会えると言ってたけど所詮は似非、ただのナヨナヨした着物姿の男が出て来るだけじゃないかしら)
('A`) 「……」
('、`*川 (そうだったらがっかりだなぁ……)
('A`) 「ヒロ子さん」
('、`;川 「えっ!?なんでしょうか?」
('A`) 「オーホッホッ、安心してください、きっと満足できましたからね……」
ちょうどそのときエレベーターが7階へと到着した
('A`) 「着きましたよ」
('、`;川 「はい…」
- 691 :歴女:2010/12/23(木) 22:26:38 ID:VbU1KcGM0
- |(●), 、(●)、| 「喪鬱さんではないですか!いらっしゃいませ!」
('A`) 「お久しぶりですねぇダディさん、どうですお店のほうは?」
|(●), 、(●)、| 「いやぁ最近は客が以前より減りましてねぇ」
('A`) 「どこも不景気ですからねぇ」
('、`*川 「あの喪鬱さん」
('A`) 「おおっとすいません、実はこの店のオーナーであるダディクールさんとは昔からの知り合いでしてね、ついつい話し込んでしまいました」
('、`*川 「はぁ」
|(●), 、(●)、| 「オーナーのダディ・クールです、我が武将BARへようこそ!」
('、`;川 「い、伊藤ヒロ子です」
さっきのぼるじょあと同じくちんちくりんな体系をしている、年齢は喪鬱よりちょっと上か
- 692 :歴女:2010/12/23(木) 22:29:55 ID:VbU1KcGM0
- |(●), 、(●)、| 「では伊藤さん、いったい誰を指名しますか?」
('、`;川 「そうねぇ…」
|(●), 、(●)、| 「いま流行りの坂本龍馬なんかどうですか?それとも勝海舟?」
('、`#川 「(龍馬と勝海舟は武将じゃないだろ!)織田信長はいるかしら?」
|(●), 、(●)、| 「ええモチロン居ますとも、では先に席にご案内しますね」
ヒロ子を店の奥へと案内される、その間に店内を見回してみたが、あまり客は入っていないようだった
|(●), 、(●)、| 「では呼んできますのでここで待っててくださいね〜」
('、`*川 「……」
('A`) 「どうしましたかヒロ子さん、心配そうな顔して」
('、`*川 「いや別に…」
|(●), 、(●)、| 「おまたせいたしました、こちら信長です」
ヽ`・−・) 「どうも初めまして信長です」
- 693 :歴女:2010/12/23(木) 22:32:13 ID:VbU1KcGM0
- ('、`;川 「えっ!?」ドキッ!
ヒロ子の前に現れたのは、背が高く筋骨隆々の若い男だった
ヽ`・−・) 「隣に座ってよろしいですか?」
('、`;川 「あっ!ど、ど、どうぞ!」
男はヒロ子の隣に腰を下ろす
ヽ`・−・) 「……」
('、`*川 (ああ…なんて良い男なのかしら…)
正直ヒロ子はこの店に期待していなかった
薄汚れたビル、不気味なオーナー、閑散とした店内を見たあとだけに期待などできなかったのだ
ヽ`・−・) 「あのあなたのお名前は?」
('、`;川 「あっ、い、伊藤ヒロ子といいます…」
- 694 :歴女:2010/12/23(木) 22:33:35 ID:VbU1KcGM0
- ヽ`・−・) 「ヒロ子さんは普段どんな仕事してるの?」
('、`*川 「普通にOLよ、経理とかその他諸々」
ヽ`・−・) 「ふーん」
('ー`*川 (ああ…なんてかっこいいのかしら…)
男は鼻筋の通った二枚目で精悍な顔つきをしていた、よく教科書やテレビで見るのっぺりとした肖像画とは大違いだった
ヒロ子はもっと男の近くへと寄る
ヽ`・−・) 「僕の顔に何かついてる?」
('ー`*川 「いいえ、ただなんてかっこいいんだろうと思って」
ヽ`・ー・) 「ハハハ、そんなことないよ、たいしたこと無いって僕なんて」
('ー`*川 「意外と謙虚なのね」
- 695 :歴女:2010/12/23(木) 22:34:55 ID:VbU1KcGM0
- その後、ヒロ子は夢のような時間を過ごした
('ー`*川 「アハハ」
つ□と
普段はあまり多くは飲まない酒を何杯も飲み干す
('ー`*川 ウットリ…
ヒロ子は男の逞しさ、凛々しさ、体から放たれる生気あふれたオーラの虜になってしまっていたのだ
('ー`*川 (ああ…信長様…)
('A`) 「ホッホッホ、ヒロ子さん目がハートマークになってますなぁ」ボソッ
ヽ`・−・) 「あっとすいません、もう僕行かないと」
('、`*川 「ええ〜、もっと話したいのにぃ」
ヽ`・−・) 「ハハハすいません、またいつか会いましょう」
そう言うと男はどこかへと行ってしまった
('、`*川 「ちぇっ」
('A`) 「ヒロ子さん、明日も仕事ですし、そろそろ終わりにしましょう」
('、`*川 「そうですね…」
もう少しここに居たかったが帰宅することにした
- 696 :歴女:2010/12/23(木) 22:36:03 ID:VbU1KcGM0
- 翌日 シベリア物産経理課にて
('ー`*川 「……」
ヒロ子は楽しかった昨日を思い返す、自然と顔がニヤついてしまう
('ー`*川 (昨日は良かったわ…あんな良い男が存在したなんてなぁ)
昨晩ヒロ子の相手をした男の顔を思い出す
('ー`*川 (本物の織田信長じゃないけどナイスガイだったわ…)
('ー`*川 ニタニタ
( ;б∀б) 「ヒロ子、朝からなにニヤニヤしてるのかしら?」
州;凹_凹)「さぁ…」
('ー`*川 (うふふ…)
- 697 :歴女:2010/12/23(木) 22:36:40 ID:VbU1KcGM0
- しかし時が経つごとに浮き立っていた気持ちが冷め、逆にある思いが膨らんできた
('、`*川 「ハァ…」
('、`*川 (またあの人に会いたい…ハァ…)
思えば思うほど男に会いたい気持ちが大きくなってくる
('、`*川 (喪鬱さんに頼んだらまた会わしてくれるかしら…)
('、`*川 (ハァ…帰ろう)ガタッ
定時になったのでヒロ子は家に帰ることにした
('、`*川 「ハァ…」
- 698 :歴女:2010/12/23(木) 22:38:38 ID:VbU1KcGM0
- 数日後 BAR バロ巣
('、`*川 「喪鬱さん先日はまことにありがとうございました、とても楽しかったです」
('A`) 「喜んでいただけたのならワタシも満足です」
('、`*川 「まさに私の理想を絵に描いたような男性でしたよ、あぁかっこ良かったなぁ…」
('A`) 「あのときのヒロ子さんは夢見心地な状態でしたなぁ」
('、`*川 「お恥ずかしい」
('A`) 「いえいえ、楽しんでいただけたのならワタシも紹介した甲斐がありましたよ」
('、`*川 「そこでまた喪鬱さんにお願いなのですが……」
( ´W`)
つ□と キュッキュッ
('、`*川 「またあの店に連れてってください」
('A`) 「ほう」
- 699 :歴女:2010/12/23(木) 22:39:09 ID:VbU1KcGM0
- ('、`*川 「あの日からあのひとのことが頭から離れなくて離れなくて、仕事や家事が手につかないんです」
('A`) 「なるほど」
('、`*川 「だからお願いします、また彼に会わせてください喪鬱さん」
('A`) 「残念ながらそれは出来ませんなぁ」
('、`;川 「えっ!?なんですか!」
('A`) 「ヒロ子さん、あそこにはもう行かないほうがいいです、夢というのは夢のままで終わらせたほうがいいのです」
('、`;川 「で、でも…」
('A`) 「他にもっと良い人を見つけてください」
('、`;川 「うう…わかりました…」
わかったと言ったもののヒロ子は納得することが出来なかった
('、`;川 (ふん…だったら一人で行ってやる!)
- 700 :歴女:2010/12/23(木) 22:40:37 ID:VbU1KcGM0
- ガチャン
('、`*川 「……」
ヒロ子は喪鬱と別れたあと、一人であの店があるビルに来ていた
( ・3・) 「あるぇー、ヒロ子ちゃんじゃんかYO、今日は一人ぃ?」
('、`;川 「(ぼるじょあさんだったかしら…)ええ、そうです、今日もあの店で飲もうと思いまして」
( ・3・) 「えぇー、あの店に行くのぉ〜?でもあの店はぁ」
('、`*川 「なにか問題でも?」
( ・3・) 「別にぃ、なんでもないYO」
('、`*川 「ふん」
ぼるじゃあの反応が引っかかったが構わずにヒロ子はエレベーターに乗り、目的の場所まで急いだ
- 701 :歴女:2010/12/23(木) 22:41:39 ID:VbU1KcGM0
- ('、`*川 「……」
エレベーターが上に行くごとにヒロ子のココロが浮き立ってくる
('ー`*川 (この前は不安で不安でしょうがなかったのに、今日は楽しみでしょうがないわ…)
これからまたあの男に会えると思うだけでヒロ子のココロは弾むのだった
('、`*川 「ふふふ…お金のことは気にしないでとことん楽しむぞー」
事前にATMで金はおろしてあった
前回は喪鬱に払ってもらったためにどのくらい金が掛かるかわからなったため、できる多くの金を用意していた
('、`*川 「お!」
気がつくとエレベーターはすでに6階を通過し、店がある7階まであと少しだった
('、`*川 (もうすぐ信長様に会える!)ドキドキ
ヒロ子がそう思ったとき、7階へと到着したことを知らせる音が鳴った
('、`*川 「着いた!」
エレベーターの扉が開いた
- 702 :歴女:2010/12/23(木) 22:42:33 ID:VbU1KcGM0
- ('、`;川 「なっ!?」
扉の向こうに広がっていたのはヒロ子が想像していたものとはまったく違っていた
('、`;川 「そんな…なんで?」
店はもぬけの殻だった、あったはずの椅子やテーブルは撤去されていて、そこらへんにコップや瓶などの破片が散らばっていた
('、`;川 「え、え、ちょっと待ってよ」
ヒロ子は足元に気をつけて店内に足を踏み入れる
('、`;川 「この前まで普通に営業してたのに…」
ヒロ子は店の中を探索してみる、しかし織田信長の格好をしていた男はおろか、ダディクールの姿さえ無かった
('、`;川 「そんなぁ、みんなどこ行ったのよ…」
ヒロ子は近くに転がっていた木箱に腰を下ろした
('、`;川 「ハァ…」
ヒロ子が深いため息を吐いたその時―――
('A`) 「オーホッホッホ」
- 703 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/12/23(木) 22:43:30 ID:HbCHv76g0
- おおおおおおおおリアルタイム遭遇ktkr!!!
支援支援
- 704 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/12/23(木) 22:44:07 ID:/Qx0vZuo0
- 支援
- 705 :歴女:2010/12/23(木) 22:44:08 ID:VbU1KcGM0
- ('、`;川 「も、喪鬱さん!?なんでここに!?」
('A`) 「この店には行かないでくださいと言ったはずでしたけどねぇ」
('、`;川 「なんで誰もいないんですか喪鬱さん!?何故営業していないんですか?」
('A`) 「実はこの前ヒロ子さんがここに来た翌日に、この店は閉店したのですよ」
('、`;川 「閉店!?なぜですか?」
('A`) 「去年この店をオープンしたときは歴史ブームの流れに乗っかりそれなりに繁盛しました
しかし所詮はブームです、時が経てばみんな冷め、こんな店に誰も目もくれなくなりました」
('、`;川 「そんなぁ…」
('A`) 「きっとダディさんは次にどんな店を開くのか、構想を練ってるところでしょうねぇ」
('、`;川 「……」
- 706 :歴女:2010/12/23(木) 22:56:24 ID:VbU1KcGM0
- ('A`) 「なのでヒロ子さん、もう諦めてください、きっと他に良い男性が…」
('、`;川 「喪鬱さん!」ガシ
ヒロ子は喪鬱の腕にすがりつく
('、`;川 「お願いです喪鬱さん!他の!他の店に連れてってください!まだあるでしょどっかに!」
('A`) 「残念ながらシベリアにはこの一軒だけですなぁ」
('、`;川 「そこをなんとか…もう一度あのひとに会わせてください…」
('A`) 「……」
('、`;川 「もう一度信長さんに会わせてください……」
('A`) 「しかたないですねぇ、わかりました会わせてあげましょう」
('ー`;川 「ほ、ほんとですか!?」
('A`) 「しかし、もう後戻りはできませんよ」
('、`;川 「え?」
m9('A`)
ド―――m9('∀`)―――ン!!!!!
( 、;川 「いやああああああああああ!!!!!!!」
- 707 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/12/23(木) 23:08:05 ID:HbCHv76g0
- さるった?
- 708 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/12/23(木) 23:09:14 ID:/Qx0vZuo0
- え、もしかしてここにも猿がいるのか?
…離席中と信じたい
- 709 :歴女:2010/12/23(木) 23:16:42 ID:VbU1KcGM0
- ('、`;川 「はっ!?ここは!?」
ヒロ子が気づくとそこは森の中だった
('、`;川 「たしか喪鬱さんが信長さんに会わせてやるって言ってそれから…」
何故森の中にいるのか、そして喪鬱はどこに行ったのか、考えてもなにも浮かんで来なかった
('、`;川 (とりあえず森から出よう…)
ヒロ子は足場に気をつけながら歩きだす
('、`#川 「ったくなんなよここは!喪鬱さんはなんだってこんなところに私を運んだのよ!」
森は思ったほど深くなかったようで、しばらく歩くと森の出口が見えた
('、`;川 (ふぅやっと出れる…)
ヒロ子は森から出る、しかしそこに広がってしたのは想像外の光景だった
('、`;川 「えっ…」
- 710 :歴女:2010/12/23(木) 23:30:32 ID:VbU1KcGM0
- そこに居たのは…
(ΘωΘ)( `v´)("・」・")
鎧を身にまとい懐に刀を差した男たちだった
('、`;川 「なっ!」
(ΘωΘ) 「信長様」
ヽ`・−・) 「なんだ殊能よ」
(ΘωΘ) 「敵陣に偵察を送りましたがいつまでたっても戻ってきません、どうしますか信長様、ここは突入しますか」
ヽ`・−・) 「まぁ慌てるな殊能よ、ここで行ったら武田側の思うつぼかもしれん、ここはまだ機でないぞ」
(ΘωΘ) 「わかりました」
('、`;川 (もしかしてこれは…長篠の戦い!?)
そうなのだ、伊藤ヒロ子は喪鬱によって1575年に飛ばされたのだった…!
( 、;川 「あ、あ、あ、あ……」
- 711 :歴女:2010/12/23(木) 23:37:21 ID:VbU1KcGM0
- ('A`) 「ヒロ子さんには織田信長が生きていた時代に飛んでもらいました、信長が居たのは戦国時代です
その戦国の過酷な状況であのひとは生きていけるのか、もしかしたらそのままのたれ死んでしまうのか
まぁそんなの、ワタシの知ったことではないですけどね」
('∀`) 「オーホッホッ…」
('A`) 「ん?」
('∀`;川 「きゃああああああ!!本物!本物の信長さまぁぁ!」
ヽ;`・−・) 「え?え?」
(;ΘωΘ) 「な、何者じゃ!なんなんだいったい!」
('∀`*川 「私、信長様大好きなの!だから結婚して!お願い!もしくは側室して!側室にしてよぉ!」
ヽ;`・−・) 「なんだこのおなごは…」
('∀`*川 「喪鬱さんありがとう!私すごくうれしいです!ありがとう!バンザーイ!!」
('∀`) 「お灸をすわせたつもりが、かえってあのひとを喜ばしてしまったみたいですなぁ
いやぁあのひとは逞しい女性ですなぁ!!オーホッホッホッ!!!!!」
【歴女】 完
- 712 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/12/23(木) 23:40:40 ID:/Qx0vZuo0
- まあ、幸せにはなれたのか
乙!
- 713 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/12/23(木) 23:41:52 ID:VbU1KcGM0
- 支援ありがとうございますお
ラストはオチをどうするか寸前まで悩んでたので少し遅れてしまって申し訳ない
質問、指摘等あればお願いします
あとワタシは歴史に疎いので間違ってるところがあっても笑って許してNE
- 714 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/12/23(木) 23:45:25 ID:VbU1KcGM0
- ちなみに今日で連載を開始してから半年が経ちました
時が経つのは早いですのう…
今年中にあと一回は投下したいお
- 715 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/12/23(木) 23:46:44 ID:Z5gM8DxYO
- 幸せって何なんだろ。乙で
ハッピーっぽいエンドは、かろうじてモララー以来か?
- 716 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/12/23(木) 23:51:51 ID:Cx46H35o0
- 乙!
歴女逞しすぎるwww
- 717 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/12/24(金) 00:01:35 ID:MBvZyytM0
- >>715
モララーのは
- 718 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/12/24(金) 00:10:22 ID:MBvZyytM0
- 途中で送信してしまった…
>>715
多分ハッピーエンドっぽいのはポセイドン田中以来かな
- 719 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/12/24(金) 18:15:55 ID:pskw00W20
- `・+。*・ (´・ω・`)
。*゚ 。☆―⊂、 つ こういうオチもいいなw
。*゚ : ヽ ⊃
`+。**゚**゚ ∪~
- 720 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/12/25(土) 01:59:48 ID:BD.O9Bk20
- ○⌒\
ミ'""""'ミ
./( ´・ω・`) シングルベールシングルベール
//\ ̄ ̄旦~
// ※.\___\
\\※ ※ ※ ※ ※ヽ
\`ー──────ヽ
────────
明石家サンタを見つつ投下しますお
ブーン系小説総合スレ 【 裏 】 まとめ(仮)さん
http://sogomatome.blog104.fc2.com/blog-entry-467.html
まとめさんいつもありがとうございます、それでは投下します
- 721 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/12/25(土) 02:04:33 ID:BD.O9Bk20
- 。 o ゜ . 。 ゚ o 。
○ ゚ 。 ゜ o o o
o ○ 。 . ゜ ゚
o ゚ 。 o 。 。
o o . ゜ ゜ ○
。 ゚ o ○ o ゚ o
゜ o ゜ 。 ○
゜ ○ o o o ゜ 。
o ゜ . ○ ゜ ゜ o
_\ _ ゜ 。 。 ゜ o _ ○ ̄ ̄
○ \ o ゜ 。 / /
 ̄ ̄|__ \\ 、 。 ゜ ゚ ○//。__| ̄ ̄ ̄ ̄
∃ | | | l l ゜ ゜ 。 l l | | |○田 田
|田 | 。| | l ゜ ゜ 。 ゜ l | | | 田| o
∃○| | | |。 ゜ . .. ... .. ... . ... ...゜ . .. .. .. l |。| | | 田 田
|田 | | l‐ ..... .... ..... -| | | 田|
∃ | |○― .... o .... ○ ..... ― | | 田 田
o.... 一 .... ○ ... o .... ー- | 。
―  ̄ o ⌒  ̄ ― -
.... .... ⌒ o .... ....
- 722 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/12/25(土) 02:05:49 ID:BD.O9Bk20
- 季節は冬になりめっきり寒くなりました、しかし街で行き交う人々のココロは慌ただしく弾んでおります
師走というものは人々に不思議な高揚感をもたらすものみたいです
やがて来るクリスマスや年越しといった一年最後のイベントを心待ちにしてるのでしょう
しかし中には年末になってもココロにスキマを抱え、この季節を楽しめていない人もいるのです
ワタシの仕事はそんな人々を救うことなのです、さて今日のお客様は・・・・・・
ノノイ.ノ゚ -゚ノ.リ 「お先に失礼しますわ」
ノノイ.ノ゚ ー゚ノ.リ 伊集院 麗華 25歳 会社員
【赤い炎の女】
オーホッホッホ・・・・・・
- 723 :赤い炎の女:2010/12/25(土) 02:10:58 ID:BD.O9Bk20
- 今北産業株式会社にて
( ^Д^) 「ねぇレーカちゃんオレたちたまには飲もうよ〜、たまには良いじゃんか」
ノノイ.ノ゚ -゚ノ.リ 「お言葉ですがわたくしは飲みたくない相手とは飲まない主義ですので」
( ^Д^) 「良いじゃん一回ぐらいさ」
ノノイ.ノ゚ -゚ノ.リ 「お断りしますわ、それでは失礼しますわ」スタタタ
定時の時間になったので麗華は急いで家路に急いだ
( ^Д^) 「ちぇっ、ちょっとばかり綺麗だからって調子乗ってんじゃねェのかあいつ」
(’e’) 「ちょっとばかりって…めちゃくちゃ美人じゃないですか…」
( ^Д^) 「くっ、しかも先輩の俺を置いといて自分はとっと帰るんかい、やだね、ああいう礼節をわきまえない女は」
(’e’) 「そりゃ残業が無いように時間内で仕事を終わらせてるからですよ」
(#^Д^) 「かぁーっ!ヤだね!才女は!エリートは!キャリアウーマンは!くそお!」
- 724 :赤い炎の女:2010/12/25(土) 02:16:57 ID:BD.O9Bk20
- ノノイ.ノ゚ -゚ノ.リ 「……」
伊集院麗華は急いで家に向かっていた、そんな麗華にある男が話しかけてきた
('A`) 「オーホッホッ、伊集院麗華さん、ちょっと待ってください」
ノノイ.ノ゚ -゚ノ.リ 「ん?」
麗華が振り返るとそこには顔色の悪い不気味な男が立っていた
ノノイ.ノ゚ -゚ノ.リ 「なんですのあなたは?わたくしになにか用ですの?」
('A`) 「実はワタシはこういう者なのです」サッ
ノノイ.ノ゚ -゚ノ.リ 「ココロのスキマお埋めします…喪鬱毒造…なんですのこれ」
('A`) 「ワタシは人々のココロを救済するセールスマンみたいなものです」
- 725 :赤い炎の女:2010/12/25(土) 02:22:02 ID:BD.O9Bk20
- ノノイ.ノ゚ -゚ノ.リ 「ふん、うさんくさいわね、わたくしにはそういうのは必要ありませんわ」
('A`) 「そうですかぁ」
ノノイ.ノ゚ -゚ノ.リ 「だってわたくしにはココロにスキマなどありません、それでは」
家に帰ろうとする、しかしまた喪鬱に呼び止められる
('A`) 「なら一言だけよろしいですか?」
ノノイ.ノ゚ -゚ノ.リ 「なんですの?わたくしは早く家に帰りたいんですけど」
('A`) 「あなたのそのつっけんどんな態度はやめたほうがいいですよぉ」
ノノイ.ノ゚ -゚ノ.リ 「なに言ってらっしゃるの?」
('A`) 「あなたのその冷たい態度がのちに災いを招くことになるのです、そのときあなたはとても戸惑うでしょうねぇ」
ノノイ.ノ゚ -゚ノ.リ 「余計なお世話よ、それじゃさようなら」スタタタ
('A`) 「……」
- 726 :赤い炎の女:2010/12/25(土) 02:26:42 ID:BD.O9Bk20
- 今北産業株式会社にて
(ν・ω・)ν 「ああ伊集院くん、ちょっといいかな」
( ^Д^) 「おいおいレーカが部長に呼ばれたぜ」
(’e’) 「なんでしょうね」
ノノイ.ノ゚ -゚ノ.リ 「なんでしょうか部長」
(ν・ω・)ν 「実は今度の取引き伊集院くんにも同席してもらいたいのだよ」
ノノイ.ノ゚ -゚ノ.リ 「わたくしがですか?」
(ν・ω・)ν 「実は取引先の部長さんが君のことをえらく気に入っていてね、だからぜひ君に来てほしいとのことなんだよ」
( ^Д^) (良いねェ美人は、顔だけで仕事が出来るんだもん)
(ν・ω・)ν 「どうだ、来てくれるか?」
ノノイ.ノ゚ -゚ノ.リ 「残念ながらそのお話、お断りさせていただきます」
- 727 :赤い炎の女:2010/12/25(土) 02:29:29 ID:BD.O9Bk20
- (ν;・ω・)ν 「な、なにを言ってるんだ君は!?」
ノノイ.ノ゚ -゚ノ.リ 「わたくしは会社員であってクラブのホステスではありません
そんなんだったらクラブの女の子で呼べばいいんじゃないですか?」
(ν#・ω・)ν 「き、貴様!上司の言うことが聞けないのか!」
ノノイ.ノ゚ -゚ノ.リ 「上司の言うことは絶対という古い価値観は今の時代にはナンセンスですわ
わたくしは自分の意見はきっちり言う主義なので、それでは仕事が残ってますので」
(ν#・ω・)ν 「おいちょっと待てよ!おい…」
上司の呼びかけを無視し、麗華は自分のデスクに戻る
ノノイ.ノ゚ -゚ノ.リ 「ふん…」
リノ、゚;テモリ 「ねぇ麗華さっきのはやばいんじゃないの?」
同僚の手森理乃が心配して話しかけてきた
ノノイ.ノ゚ -゚ノ.リ 「別に大丈夫よ、わたくしが行ったところであっちの要求はエスカレートするわ
そして結局取引には応じられないって言われるのがオチよ」
リノ、゚;テモリ 「そう…」
( ^Д^) 「……」
- 728 :赤い炎の女:2010/12/25(土) 02:33:26 ID:BD.O9Bk20
- そして定時の時間になり…
ノノイ.ノ゚ -゚ノ.リ (さて帰るか…)
麗華は帰り支度を始める、しかし
リノ、゚テモリ 「麗華ちょっといいかしら」
(’e’) 「話があるんですけど」
理乃とセントが話しかけてきたため支度の手を止める
ノノイ.ノ゚ -゚ノ.リ 「話ってなに?」
リノ、゚テモリ 「実は明日仕事が終わったあとに私とプギャーさんとセントくんで忘年会やるんだけどさ」
(’e’) 「麗華さんも参加しませんか?忘年会に」
ノノイ.ノ゚ -゚ノ.リ 「遠慮しますわ」
そう言うと麗華は再び帰りに支度を始める
- 729 :赤い炎の女:2010/12/25(土) 02:37:30 ID:BD.O9Bk20
- リノ、゚;テモリ 「ねぇたまには行こうよ、こういうことも社会人には大切なことよ」
ノノイ.ノ゚ -゚ノ.リ 「飲み会に行ったところでなになるの?それで仕事ができるようになるの?」
(;’e’) 「出来るようにはならないかもしれないけど…」
ノノイ.ノ゚ -゚ノ.リ 「わたくしは自分のプラスにならないことはしない主義なの、それじゃお先に失礼」
支度が終わり帰ろうとする、しかし
( ^Д^) 「レーカちゃんちょっといいかな」
今度はプギャーが話しかけてきた
ノノイ.ノ゚ -゚ノ.リ 「なんですのプギャーさん、わたくし急いでるんですけど」
するとプギャーは意外なことを聞いてきた
( ^Д^) 「レーカちゃんってさ、恋人とか居るの?」
- 730 :赤い炎の女:2010/12/25(土) 02:38:23 ID:BD.O9Bk20
- ノノイ.ノ;゚ -゚ノ.リ 「な、なに言ってるんですのあなたは!?」
( ^Д^) 「なんか気になってさ、そんで居るの?」
ノノイ.ノ;゚ -゚ノ.リ 「そんなことなんであなたに言わなければならないんですか!」
( ^Д^) 「ああもしかしてレーカちゃん、恋人いないの!?」
ノノイ.ノ;゚ -゚ノ.リ 「うっ!」
( *^Д^) 「図星だ!へぇ〜レーカちゃん恋人いないんだぁ、情けねェ」
(;’e’) 「ちょっとプギャーさんなに言ってるんですか」
セントの制止を無視しプギャーは続ける
( *^Д^) 「仕事が出来ても恋人は出来ないんだ〜、ひょっとしてまだ恋人とか出来たことないの?」
ノノイ.ノ; - ノ.リ 「ううう…」
( *^Д^) 「いつもスカした態度してみんなを見下してる割には恋人もいないおこちゃまだったんだね、ハハハ」
ノノイ.ノ; - ノ.リ 「いますわ…」
( ^Д^) 「は?」
ノノイ.ノ#゚ -゚ノ.リ 「恋人ぐらい居ますわ!!」
- 731 :赤い炎の女:2010/12/25(土) 02:38:50 ID:BD.O9Bk20
- ( ^Д^) 「ほう居るんだ」
ノノイ.ノ#゚ -゚ノ.リ 「居ますわよ!当たり前でしょ!」
( ^Д^) 「じゃあ明日の忘年会に連れてきてよ、本当に居るのなら」
ノノイ.ノ#゚ -゚ノ.リ 「わかりましたわ!明日連れて来ますので!それでは!」スタタタッ!
麗華は足早にその場をあとにした
( ^Д^) 「クックックッ…」
(;’e’) 「プギャーさんなんであんなこと言ったんですか、麗華さんすごい怒ってましたよ…」
( ^Д^) 「いいんだよ別に、あいつは人一番プライドが高いからな
さっきみたいに小馬鹿にして引っ込みつかないようにしたんだよ」
(;’e’) 「でも実際明日の忘年会にすごいカッコイイ男とか連れてきたらどうします?」
( ^Д^) 「あの態度じゃ居ねェよ絶対に、ああ明日が楽しみだ、日頃の鬱憤を晴らしてやる」
- 732 :赤い炎の女:2010/12/25(土) 02:39:28 ID:BD.O9Bk20
- その夜、麗華は行き付けのショットバーで一人悩んでいた
ノノイ.ノ;゚ -゚ノ.リ 「ああどうしよう…」
麗華はさっきのプギャーとのやり取りを激しく後悔していた
ノノイ.ノ;゚ -゚ノ.リ 「なんであんなこと言ってしまったのかしら、あああ…」
麗華が頭を抱えていると、ある男が話しかけてきた
('A`) 「オッホッホッホ、麗華さん困ってるようですねぇ」
話しかけてきたのは喪鬱毒造だった
ノノイ.ノ;゚ -゚ノ.リ 「あなたはたしか喪鬱毒造さん…」
('A`) 「覚えててくれましたか、ありがたいですねぇ、それでなにを悩んでるんですかぁ?」
ノノイ.ノ;゚ -゚ノ.リ 「実は…」
- 733 :赤い炎の女:2010/12/25(土) 02:41:16 ID:BD.O9Bk20
- ('A`) 「ほう、明日の忘年会に恋人を連れて行くことになったのですか
だから言ったではないですか、あのつっけんどんな態度を改めなさいと」
ノノイ.ノ;゚ -゚ノ.リ 「しょうがないじゃありませんか、昔からこういう性格なんですから」
('A`) 「そして連れていくのが嫌なんですね」
ノノイ.ノ;゚ -゚ノ.リ 「はい…」
('A`) 「別に連れて行けば良いではないですか、なにを恥ずかしがってるのです」
ノノイ.ノ;゚ -゚ノ.リ 「別に恥ずかしがってるわけではないです!でも…」
('A`) 「会わせたくないのですね、知ってますよ、あなたが恋人を紹介したくない理由を」
ノノイ.ノ;゚ -゚ノ.リ 「えっ!?なんで知ってるんですか!?」
('A`) 「ワタシはなんでも知ってますよぉ」
ノノイ.ノ;゚ -゚ノ.リ 「喪鬱さんって一体何者?」
('A`) 「麗華さん、素直になるのです、そうすれば楽になりますよ」
ノノイ.ノ;゚ -゚ノ.リ 「ううう…」
m9('A`)
ド―――m9('∀`)―――ン!!!!!
ノノイ.ノ; д ノ.リ 「うわああああああああああ!!!」
- 734 :赤い炎の女:2010/12/25(土) 02:47:35 ID:BD.O9Bk20
- 次の日 忘年会にて
(’e’) 「麗華さん来ますかねェ…」
( ^Д^) 「どうだろうな」
リノ、゚テモリ 「麗華の彼氏ってどんな人だろうな」
( ^Д^) 「そんなもん居ねェよ、きっとごめんなさいって泣きついてくるよ」
(’e’) 「まだかなぁ…」
すると…
ノノイ.ノ゚ ー゚ノ.リ 「遅くなりましたわ!」
麗華が颯爽と現れた
リノ、゚テモリ 「ちょっと遅いよ〜麗華〜」
( ^Д^) 「で、恋人は?」
ノノイ.ノ゚ ー゚ノ.リ 「もちろん連れてきましたわ、入って来て〜」
麗華は自分の恋人を招き入れる
- 735 :赤い炎の女:2010/12/25(土) 02:53:40 ID:BD.O9Bk20
- リノ、゚;テモリ 「え!?」
(;’e’) 「まさか…」
(;^Д^) 「レーカちゃんの恋人って…」
@*゚ヮ゚)) 「どうも!麗華の恋人のチャー子だよ!」
(;^Д^) 「女だったのか!」
ノノイ.ノ*゚ ー゚ノ.リ 「うふふ…」
@*゚ヮ゚)) 「私麗華大好きだよ!」イチャイチャ
ノノイ.ノ*゚ ー゚ノ.リ 「もちろんわたくしもチャー子のことが大好きですわ」イチャイチャ
リノ、゚;テモリ(;’e’)(;^Д^) 「……」
ノノイ.ノ*゚ ー゚ノ.リ 〜♪
('A`) 「愛の形は千差万別、人それぞれ、ひとつとして同じモノはありません
たとえそれが絶世の美女でも、例外では無いようですなぁ」
('∀`) オーホッホッホ・・・・・・ 【赤い炎の女】 完
- 736 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/12/25(土) 03:05:30 ID:BD.O9Bk20
-
\ .│ /
/e ̄e\ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
─( ´ ヮ ` )< もう一声もう一声!
\__/ \_________
/ .│ \ _ _____
_ '´/、 、 `、ヽ∩
'´/、 ヽヽ ∩((.f/eヽ)eヽリ / / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\∩i((eヽe)i∩ ノリ(|l *´ ヮ `*)l|、< もう一声もう一声もう一声!
もう一声〜〜〜〜! >(l| ´ヮ`ノl、/(( | 茆 /i \__________
________/ (| 茆 〈 ヾ| |ノ
/ /\_」 / /\_」
 ̄ / /
 ̄
- 737 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/12/25(土) 03:07:21 ID:BD.O9Bk20
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* o o. |l|FFFFFFF| o .* .|l≡≡≡|ミ|」 」 」 」 」 」 」 」|lll| 。 。
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|ミ|:」」:」」:」| 〇 FF. 。FF| + ゚ |l≡o + +! + 。 〇」 」 + 〇
lミl.」」.」〇 ++ + 。 * o 〇 。 o + 〇 。 +
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Il二Il二Il二Il二Il二Il二Il二Il二Il二Il二Il二Il二Il二Il二Il二Il二Il二Il二Il二Il二Il二
- 738 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/12/25(土) 03:08:31 ID:BD.O9Bk20
- 街は今とても幸せな雰囲気に包まれております
街を彩るクリスマス・イルミネーションがとても綺麗でこの季節の華やかさを見事に演出していますなぁ
ワタシはいつもこの街を歩いているのですが今日はどの顔も満ち足りた表情をしていてなかなかお目当ての人を見つけられません
しかし、だからこそ際立つのです、幸福な人々の中でココロにスキマを抱えた人の嘆きが……
そして見つけました、今日のお客様を・・・!
(´ん`)「ハァ…」
(^ん^) 兼望 四朗 20歳 大学生
【寒い恋人達】
オーホッホッホ・・・・・・
- 739 :寒い恋人達:2010/12/25(土) 03:10:22 ID:BD.O9Bk20
- (´ん`)「どいつもこいつも……」
("*・」・")`ハリ*^ω^ハ
(*ΘωΘ)(б∀б*)
州*凹_凹)(`v´* )
(´ん`)「幸せそうじゃねェか…くそお…」
兼望は街角のベンチに座り、街行く恋人たちを恨めしく眺めていた
(´ん`)「なんでオレは一人なんだよ…」
実は生まれてこのかた恋人が居たことが無かった、そんな兼望にとってこの季節は憂鬱でしかなかった
(´ん`)「……帰るか」
家路につこうと立ち上がる、しかし―――
('A`) 「ちょっと待ってください」
- 740 :寒い恋人達:2010/12/25(土) 03:11:59 ID:BD.O9Bk20
- (;^ん^)「え?な、なんですか?」
('A`) 「いやぁクリスマスだというのに憂鬱そうにしてましたので、つい話しかけてしまいました」
(;^ん^)「クリスマスだから憂鬱なんですよ…」
('A`) 「なるほど、実はワタシはこういう者なんです」サッ
(^ん^)「ココロのスキマお埋めします…もうつさんですか」
('A`) 「ええ、ワタシはあなたみたいなココロのスキマを持つような人を助ける仕事をしているのです」
(^ん^)「ボクみたいなですか…」
('A`) 「はい、あなたは典型的なココロのスキマの持ち主ですよ」
(;^ん^)「え、そんな…」
('A`) 「どうです、ワタシと一杯やりませんか、アナタのココロのスキマを聞かせてください、まぁ聞くまでも無いですが」
- 741 :寒い恋人達:2010/12/25(土) 03:13:11 ID:BD.O9Bk20
- BAR バロ巣
( ´W`)
つ□とキュッキュッ
(^ん^)「クリスマスなんてくそくらえですよ」
('A`) 「おやおや、よっぽどクリスマスが嫌いなんですねぇ」
(#^ん^)「当たり前じゃないですか!毎年クリスマスはやって来てボクみたいな人間を苦しめるんですよ!」
('A`) 「なんで苦しいんですか?」
(;^ん^)「そ、それはその…」
('A`) 「冗談ですよ兼望さん、大体の察しはついてます」
(;^ん^)「ううう、そうすか…」
- 742 :寒い恋人達:2010/12/25(土) 03:13:48 ID:BD.O9Bk20
- ('A`) 「そんなに羨ましいですか?幸せそうなカップルたちが」
(;^ん^)「べ、別に羨ましいってわけでは…」
('A`) 「……」
(;^ん^)「……羨ましいです」
('A`) 「正直でよろしいですなぁ、たしかに恋人がいたほうが楽しいクリスマスが過ごせますものね」
(;^ん^)「そうかもしれませんね…恋人と過ごしたことが無いので分かりませんが…」
('A`) 「マスター、兼望さんにウォッカを一杯」
( ´W`)つ□ タンッ
(;^ん^)「どうも…」
- 743 :寒い恋人達:2010/12/25(土) 03:14:16 ID:BD.O9Bk20
- ('A`) 「兼望さん、やはり恋人が欲しいですか」
(´ん`)「当たり前じゃないですか、ボクだって女の子とイチャイチャしたいですよ」
('A`) 「なるほど」
( 'A`) チラッ
喪鬱は壁に掛けられた時計をチラリと見た
('A`) 「もうすぐですかねぇ…」
(^ん^)「なにがですか?」
('A`) 「オッホッホッホ、時機わかりますよ」
(^ん^)「?」
('A`) 「ではワタシは帰りますかね」
(^ん^)「あ、帰るんですか、ならボクも…」
('A`) 「いえ兼望さんはそのままここに居てください」
- 744 :寒い恋人達:2010/12/25(土) 03:15:16 ID:BD.O9Bk20
- (;^ん^)「えっ!?なんでですか」
('A`) 「実は兼望さんのためにここへデートの相手を呼んでるのですよ」
(;^ん^)「はぁ!?そんないらないですよ!余計なお世話ですって!」
('A`) 「兼望さんいいんですか、そんなんではまた寂しい聖夜を過ごすことになりますよ」
(;^ん^)「うぐ…」
('A`) 「安心してください兼望さん、ただ一日デートすればいいのですから」
(;^ん^)「デート…」
('A`) 「ええ、ただしデートだけにしてくださいね、それ以上はいけません」
(;^ん^)「はぁ、わかりました」
('A`) 「ではワタシは他に用事がありますので、しばらくしたら相手は来ますので、それでは」
そう言うと喪鬱はBARから出て行った
(;^ん^)「……」
- 745 :寒い恋人達:2010/12/25(土) 03:15:55 ID:BD.O9Bk20
- (;^ん^)「ふぅ…」
喪鬱が出て行って10分以上が経過していた、喪鬱が呼んだというデートの相手はまだ来ない
(;^ん^)(ホントに来るのかなぁ、まさか騙されてるんじゃないだろうか…)
( ´W`)
つ□とキュッキュッ
(´ん`)(もし騙されたのならボクはクリスマスを変なおっさんと過ごしたことになるのか…)
(´ん`)「ハァ…」
兼望が一つため息を吐いた時だった
ギー…
リハ*゚ー゚リ 「こんばんはー」
- 746 :寒い恋人達:2010/12/25(土) 03:16:45 ID:BD.O9Bk20
- (;^ん^)(女の人が入ってきた…まさかこの人が…)
リハ*゚ー゚リ 「あのぉすいません」
(;^ん^)「な、なんでしょうか!?」
リハ*゚ー゚リ 「兼望四朗さんですか?」
(;^ん^)「は、はいそうです!あ、あのあなたは?」
リハ*゚ー゚リ 「私はアイシス清水と申します、今日兼望さんのデートお相手をするということで参りました」
(;^ん^)「(喪鬱さんの言ったことは本当だったんだ…)そうなんですか…」
リハ*゚ー゚リ 「じゃあ早速行きましょ!」ガシ
(;^ん^)「は、はい!」
アイシスは兼望の腕を掴み、そのまま外へと連れ出した
- 747 :寒い恋人達:2010/12/25(土) 03:17:14 ID:BD.O9Bk20
- レストランにて
リハ*゚ー゚リ 「いいのホントに、ここのお店結構高いよ」
(;^ん^)「だ、大丈夫です、金は無駄にいっぱいありますので」
兼望が今来てるのはシベリア一高いビルにある高級レストランだった
リハ*゚ー゚リ 「ふふふ、なんか嬉しいわ、ありがと」
(*^ん^)「へへへ…」
アイシスはなかなかの美人だった、整った鼻筋に切れ長の目、一見するとモデルかと思うようなスタイルだった
(*^ん^)「好きなモノを頼んでくださいね」
リハ*゚ー゚リ 「うふふ…」
- 748 :寒い恋人達:2010/12/25(土) 03:18:19 ID:BD.O9Bk20
- リハ*゚ー゚リ 「かんぱ〜い」(^ん^*)
互いのグラスをカチリと合わせ、シャンパンで乾杯をする
リハ*゚ー゚リ 「今日はこのお店を紹介してくれてどうもありがとう」
(*^ん^)「いえいえ」
かねてから兼望は恋人が出来たらこのレストランに連れて行こうと決めていた
(*^ん^)「まさか本当に連れてくる日が来るとはなぁ…」ボソ
リハ*゚ー゚リ 「ん?なにか言った?」
(*^ん^)「いや何も言ってないよ!ほらジャンジャン食べてよ!全部ボクが出すから!」
- 749 :寒い恋人達:2010/12/25(土) 03:19:19 ID:BD.O9Bk20
- リハ*゚ー゚リ 「夜景が綺麗ね…」
(*^ん^)「ここはシベリアを一望できるビルだからね」
リハ*゚ー゚リ 「今日はここに来て良かったわ、ありがとう」
(*^ん^)「お礼を言いたいのはこっちのほうだよ!アイシスちゃんのおかげで最高のクリスマスだったよ!」
兼望は生まれて初めてクリスマスが楽しいとココロの底から思った
リハ*゚ー゚リ 「ねぇ兼望くん、このビルってホテルもあるんだよね」
(*^ん^)「あるけどなんで?アイシスちゃん泊まるの?」
リハ*゚ー゚リ 「兼望くんがいいなら、一緒にと思って」
(;^ん^)「え…もしかして…」
(;゚ん゚)(さ、誘ってるのかボクのことをっ!!)
リハ*゚ー゚リ 「嫌かな?」
(;゚ん゚)「ううう…」
('A`) 《デートだけにしてください、それ以上はいけませんからねぇ》
(;^ん^)「(ここで引いたら男じゃないだろ!)全然OKですよ!」
- 750 :寒い恋人達:2010/12/25(土) 03:20:10 ID:BD.O9Bk20
- ホテルの小部屋にて
リハ*゚ー゚リ 「じゃあ先にシャワー浴びてくるから待っててね」
(;^ん^)「う、うん…」バクバク
リハ*゚ー゚リ 「あ、そうだそこにコーヒー置いといたからそれ飲んでいいよ」
そういうとアイシスはシャワー室へと消えて行った
(;^ん^)「うう…」
つ□とゴクリ
コーヒーを口に入れる、緊張であまり味がわからなかった
(;^ん^)「くっ…!」
- 751 :寒い恋人達:2010/12/25(土) 03:20:45 ID:BD.O9Bk20
- アイシスがシャワーに入ってから十数分が経過した、その間兼望はベッドの上に縮こまっていた
(;^ん^)「アイシスちゃんまだかなぁ…」
リハ*゚ー゚リ 「おまたせ」
(;^ん^)「ア、アイシスちゃん!」バッ
兼望が振り返るとそこには裸のアイシスが立っていた
(;゚ん゚)「なっ!?」
兼望は目を見開いた、アイシスの体にあるはずの無いモノがぶら下がっていたのだ
リハ*゚ー゚リ 「あれ?どうしたの?」
(;゚ん゚)「どうしたのじゃないよ!そ、それってナニさ!」
リハ*゚ー゚リ 「ナニって…だってさ」
(;゚ん゚)「……」
リハ*゚ー゚リ 「私、男だよ」
(;゚ん゚)「!!」
- 752 :寒い恋人達:2010/12/25(土) 03:22:03 ID:BD.O9Bk20
- (;^ん^)「ボ、ボクもう帰るから!うっ!」ガタッ
立ち上がろうするがなぜか動けなかった
(;゚ん゚)(体がしびれて動けない!な、なぜ!?)
リハ*゚ー゚リ 「ねぇ兼望くん、さっきのコーヒー美味しかった?」
(;゚ん゚)「!!(そうかさっきのコーヒーかっ!)」
リハ*゚ー゚リ 「うふふ、大丈夫だよ兼望くん、痛くしないから」
( ;ん;)「あ、あ、あ…」
リハ*^ー^リ 「二人だけの熱いクリスマスにしようね!」ニコッ
( ;ん;)(いやだああああああ!!!)
('A`) 「約束を守っていれば良い夢で終わったはずなのに、破ってしまったばっかりに悪夢に変わってしまったようですねぇ」
('∀`) ではみなさん良いお年を、オーホッホッホ・・・・・・ 【寒い恋人たち】 完
- 753 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2010/12/25(土) 03:28:13 ID:BD.O9Bk20
- 以上です、クリスマスということなので2本立てでした
多分今年ラストの投下です
質問、指摘等は明日答えます
お休み ノシ
- 754 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/12/25(土) 20:25:59 ID:Dprhdez20
- 男の娘とベッドインとか
しかもsとか氏ねよコンチクショウ
- 755 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/12/25(土) 21:17:37 ID:AU1M5iPY0
- 俺はむしろ男の方が…///
つーか作者おつ
- 756 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/12/27(月) 03:56:36 ID:MwfNZfl60
- `・+。*・ (´・ω・`)
。*゚ 。☆―⊂、 つ 2つも乙でした
。*゚ : ヽ ⊃
`+。**゚**゚ ∪~
- 757 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2011/01/01(土) 00:05:21 ID:DFagXDs20
-
謹┃賀┃新┃年┃
∩ 2011年元旦
∩∪ ,∧_∧
∪.| |∩ . X ノ ハヘ X
. | |.| |∪ |゚ノ ^∀^)<あけましておめでとうございますわ!!
. | |.| |.| | ハ∨/^ヽ
(∩∩∩∩) ノ:[三ノ :.'、
(∪∪∪∪) i)、_;|*く; ノ
. |=RSK=| . |!: ::."T~
/≠≠≠\. ハ、___|
ブーン系小説総合スレ 【 イラスト+α 】 まとめさん
http://sogomatome.blog104.fc2.com/blog-entry-467.html
まとめさん去年一年間ありがとうございました、そして今年もよろしくお願いしますお
- 758 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2011/01/01(土) 00:06:41 ID:DFagXDs20
- ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
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/二ニ,ハ /~i~i,‖]===========(^)-i::::::::。 。::::::::。 。。 +。o+::::::::。。+ 。::::::::。。o 。+::::::::。。
|EEE|日|EEE|日|o:。:: :: : * : /~| ]\*: o: :+o:。:: :: : * : :o : * : o : :+ : o :。* o:::::::::
|EEE|日|EEE|日|○ o o 。.O 。| .| ]l.‖○ o◯。O ◯。 ◯ + +゚+。o+: :○:: :: ::。+。o+:::
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_.-ー"~  ̄ ̄ ̄ ̄ヽ⊇-ー─ " ヽ ≡=-
/Oo┌┐ oO) o - 〕 | ≡=-
 ̄ ヽ.,_i――i ,l'⌒'l__.i__--- イ_l'⌒'lノ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`--' ̄ ̄ ̄ '--' `--'  ̄ ̄ '--' ブ ロ ロ ロ ロ ロ … !
- 759 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2011/01/01(土) 00:08:04 ID:DFagXDs20
- ('A`) 「ワタシの名前は喪鬱毒造、人呼んで鬱ナせぇるすまん」
('A`) 「セールスマンと言ってもワタシが売るのはヒトのココロ、悩める現代人のココロのスキマを埋めているのです」
( 'A) 「今日は年末年始ということなので久々にホリデイを取りシベリアVIPホテルに泊まっています、いやぁ夜景が綺麗ですなぁ」
('A`) 「2010年、ワタシは色んな方々のココロのスキマを埋めてきました、
それなのにココロにスキマを持つ人は減るどころか増える一方です」
('A`) 「2011年もまだまだワタシが頑張らなければいけないみたいですねぇ」
('A`) 「それではワタシは1階で行なわれてるジャズバンドのニューイヤーコンサートでも見に行くことにしましょう」
- 760 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2011/01/01(土) 00:10:44 ID:DFagXDs20
- シベリアVIPホテル1階ホールにて
(■∋■) (@w@) ノリ(|l *´ ヮ `*).l ( ・`ー・´)川`J´x川
('A`) 「シベリアを代表するジャズバンドの生演奏、ワタシはこういう落ち着いた雰囲気の音楽が大好きなのです」
(-A-) 「……」
(■∋■) トゥットゥットゥットゥトゥルトゥ〜♪ ←ギター
川`J´x川 ボンボンボーンボンボーン♪ ←ベース
( ・`ー・´)ブーンブブーンブーブーン♪ ←トロンボーン
ノリ(|l *´ ヮ `*).l パラポンパラポンパラポンポーン♪ ←ピアノ
(@w@) タンスタンジャンスタンジャン♪ ←ドラム
('A`) 「良いですなぁ…」
音楽に聴き入っている喪鬱を遠くから見つめる男がいた
(#-_-) (喪鬱のヤロウ・・・!)
かつて喪鬱によって痛い目に遭った比企新人だった…!
【比企新人の復讐計画】
- 761 :比企新人の復讐計画:2011/01/01(土) 00:13:20 ID:DFagXDs20
- (-A-) 「……」
(#-_-) (気持ち良さそうに聴き入ってるじゃねェか
こっちがてめぇのせいで人生がめちゃくちゃにされたというのによ…)
比企はあのあと警察に現行犯逮捕されてしまった
その後の取り調べで賢明に自分の潔白を主張したがまるで相手にしてもらえなかった
後日比企は裁判所にて執行猶予3年を言い渡されたのだった
(#-_-) (あれ以来オレはますます働き口が無くなった!全部喪鬱のせいだ!くそお!)
そして比企は喪鬱に復讐するための計画を企てたのだった、それを今から実行しようとしているのだ
(#-_-) (今に見てろよ喪鬱よ、その顔を恐怖に歪ませてやる…!)
心の中で喪鬱を罵倒したあと比企は計画実行のためにその場をあとにした
- 762 :比企新人の復讐計画:2011/01/01(土) 00:15:23 ID:DFagXDs20
- ノリ(|l *´ ヮ `*).l 「今日は私たちの演奏を見に来てくださってどうもありがとうございました〜」
( ・`ー・´)「次も最高のオレ達を保障するぜ」キリッ
川`J´x川 「シベリアダイスキ、ダカラワタシニシゴトクダサイ」
(■∋■) 「ワタシモシベリアダイスキ、ワタシニハヤスミヲクダサイ」
(@w@) 「ソレデハマタオアイシマショウ」
(■∋■)b 「また会おうぜ!」
パチパチ パチパチ…
('A`) 「演奏が終わりました、ワタシも部屋に戻るとしましょう」
喪鬱は自分の腕時計をちらりと見る、時刻はちょうど夜の2時になったところだった
('A`) 「初日の出も見たいですが、さすがにもう寝ましょう」
そう言ったあと、喪鬱は部屋に戻るためその場から離れた
- 763 :比企新人の復讐計画:2011/01/01(土) 00:16:10 ID:DFagXDs20
- ('A`) 「……」
喪鬱は部屋に戻るためにエレベーターに乗っている、しばらくすると喪鬱の部屋がある階に到着した
('A`) 「ほう!」
エレベーターから降りるとそこには…
(;-_-) 「うわぁ!喪鬱さんじゃないですかぁ!」
そこに居たのは比企新人だった
('A`) 「おやおやおやおや」
(;-_-) 「あの喪鬱さん、僕のこと覚えてます?比企です、以前お世話になった比企ですよ!」
('A`) 「ええもちろん覚えてますよ、お久しぶりですねぇ比企さん」
- 764 :比企新人の復讐計画:2011/01/01(土) 00:17:24 ID:DFagXDs20
- (;-_-) 「いやぁこんなところで会えるとは思いもしませんでしたよ」
('A`) 「比企さんのこのホテルにお泊まりで?」
(-_-) 「ええそうです、まぁ僕みたいなのは一番安い部屋ですけどね」
('A`) 「ではなぜこの階に?」
(-_-) 「ちょっと高いところの部屋も見てみたかったので」
(*-_-) 「そうだ喪鬱さん!ここで会ったのもなにか縁、僕の部屋で飲みませんか?積もる話もありますし」
('A`) 「ではお言葉に甘えてお邪魔しましょうかねぇ」
(*-_-) (引っかかったな喪鬱め!今日がお前の命日だ!)
比企と喪鬱はエレベーターに乗り、比企の部屋がある階に急いだ
- 765 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/01/01(土) 00:18:09 ID:7XHr5X1QO
- 新春支援
- 766 :比企新人の復讐計画:2011/01/01(土) 00:18:50 ID:DFagXDs20
- (-_-) 「ここです、僕の泊まってる部屋は」
('A`) 「ほう、なかなか良い部屋ですなぁ」
一番安い部屋と言えどもそこらへんのホテルより断然値段は高かった
比企は喪鬱への復讐のためになけなしの貯金をこの部屋に使ったのだった
(-_-) 「では一杯やりますか」
比企は冷蔵庫から罐ビールを取りだしコップに中身を注ぐ
(-_-) 「すいませんね、こういうホテルには似つかわしくない飲みモノで」
('A`) 「いえいえ、ワタシはビールも好きですから大丈夫ですよぉ」ゴクリ
つ□と
(-_-) 「それは良かったです」
実はこのビールには強力な睡眠薬が入れられていた
(*-_-) (ククク喪鬱め…)
- 767 :比企新人の復讐計画:2011/01/01(土) 00:20:30 ID:DFagXDs20
- ('A`) 「あれからどうなりましたか比企さん」
(-_-) 「大変でしたよホントに!警察の取り調べがひどくてひどくて…」
('A`) 「ほう」
( -_-) 「でも喪鬱さんのおかげで社会の厳しさを知ることが出来ました!ありがとうございます!」
('A`) 「そうでしょう、ワタシのおかげでまたひとつ勉強になりましたねぇ、オッホッホッ」
(#-_-) (なにが勉強になっただ!こっちはひどい目に遭ったというのによっ!)
(-A`) 「おや…急に睡魔が…」
(;-_-) 「(来たっ!)どうしました喪鬱さん!?」
(-A`) 「なんだか…眠く…」
(-A-) 「……」
( -_-) 「おっ」
(*-_-) 「うおおおお!!!喪鬱め寝よったな!ワハハ!」
- 768 :比企新人の復讐計画:2011/01/01(土) 00:21:51 ID:DFagXDs20
- (;-_-) 「えっほえっほ…」
(-A-) 「……」
眠りに落ちた喪鬱をあらかじめ用意してあった空のキャリーケースに入れる
(;-_-) 「ほう…結構重いな…」
喪鬱をケースに詰め終わると中から出れないようにガムテープで何重に巻いて開かないようにした
そしてそれを持ち部屋から出る
(-_-) 「さてと」
比企はこのあとの計画を頭の中で反芻する
(-_-) (大丈夫、もう計画の大部分は終わった、あとの行程は楽だ…)
エレベーターに乗り1階のボタンを押す
(-_-) (大丈夫…大丈夫だ…)
- 769 :比企新人の復讐計画:2011/01/01(土) 00:23:20 ID:DFagXDs20
- (ν・ω・)ν 「ありがとうございました」
(-_-) 「……」
チェックアウトを済ませホテルを後にする
駐車場に停めてある車の後部座席にキャリーケースを放る
(-_-) 「ふぅ…」
運転席に座り一息入れる
(-_-) 「…行くか」
キーを挿しエンジンを掛ける、そしてアクセルを踏み車を動かす
ハンドルを切り車を駐車場から出す
(-_-) 「……」
この日の為に比企は1か月前に運転免許を取得した、車は父親のを借りている
(-_-) 「楽しみにしてろよ喪鬱、綺麗な初日の出を拝ませてやるからな…」
- 770 :比企新人の復讐計画:2011/01/01(土) 00:24:49 ID:DFagXDs20
- (-_-) 「……」
シベリアVIPホテルを出てからから1時間以上が経過した、目的地まではまだまだ掛かりそうだった
(-_-) (ラジオでも聴くか…)カチ
ラジオをつけるとちょうどクイーンの「ウィー・アー・ザ・チャンピオン」が流れていた
(*-_-) (ククク…気分が良いな、オレは今チャンピオンなんだ…)
ちらりと後部座席のケースを見る、特に異常は見当たらない
(*-_-) (今頃喪鬱は夢の中か…)
比企はだんだん気分が良くなってきた、今喪鬱の運命は自分の手の中なのだ
(*-_-) 「ん〜ん〜♪」
比企は少しスピードを速めた
- 771 :比企新人の復讐計画:2011/01/01(土) 00:27:23 ID:DFagXDs20
- (-_-) 「ふぅ、やっと着いた…」
ホテルを出てから数時間を経てようやく目的の場所に到着した、空はすっかり白みはじめている
(;-_-) 「さむっ!」
車から出るとシベリアの凍てつく風が比企を襲った
(;-_-) (もうちょっと厚着にしてくればよかったよ)
比企が居るのはシベリア海が一望に見渡せる岸壁の上だった
ここから喪鬱をケースごと落とそうというのだ
(;-_-) (寒い寒い…)
まずは岸壁の先に行き、どのくらいの高さか確かめる
(;-_-) (うおっ!たけェな…)
岸崖の下は高く落ちたらひとたまりもないだろう
波が岸壁にあたり弾け飛んでいる
(;-_-) 「うわぁ、怖ェな…」
あまりの高さに足がすくむ、比企は車のある場所へと引き返した
- 772 :比企新人の復讐計画:2011/01/01(土) 00:28:13 ID:DFagXDs20
- (-_-) 「よいしょっと」
後部座席のドアを開け喪鬱を入れたケースを取りだす
(-_-) 「……」
ケースに耳をあてる、寝息などは聞こえてこない
(-_-) (熟睡してるのかな?)
ケースを持ち上げると重さがズシリと比企の腕を伝わる
(;-_-) 「重っ!何キロあんだよこれ!」
重いケースをなんとか岸壁の先端まで持って行く
(;-_-) 「はぁはぁ…」
岸壁まで喪鬱を入れたケースを持って行くのはなかなかの重労働だった
さっきまでは寒さで体を震わせていたのに今ではすっかり汗をかいていた
(#-_-) 「死ね喪鬱っ!」ブンッ
岸壁から思いっきりケースを投げ飛ばした…!
- 773 :比企新人の復讐計画:2011/01/01(土) 00:29:46 ID:DFagXDs20
- (;-_-) 「ううう…」
投げ飛ばしたケースは荒れ狂う海へと消えていった
(-_-) 「……」
(-_-) 「ククク…ハハハ…」
(*-_-) 「ついに喪鬱を倒してやったぜ!ざまぁ見ろコラ!ワハハ!」
比企は小躍りしながら車へと戻る
(-_-) 「ふぅ…」
運転席に座り一息入れるとさきほどの言いようのない興奮が再び込み上げてくる
(*-_-) 「ククク…今頃喪鬱は海の藻屑になってるハズ、いい気味だ、ワハハ!」
比企は勝ち誇るように笑い声をあげた
- 774 :比企新人の復讐計画:2011/01/01(土) 00:30:52 ID:DFagXDs20
- (-_-) 「……」
比企は帰らずにそのまま余韻に浸っていた
(*-_-) 「ふ〜んふ〜ん♪」
嬉しさのあまり鼻歌が出てしまう
(*-_-) (ここの海は波が荒くて深いからケースが発見される心配もないから安心して今年1年過ごせるな)
椅子に深くもたれかかる
(-_-) 「さてと、どうしようかな…」
ふと気付くと時刻は6時半になっていた
(-_-) 「もうこんな時間か、日の出までもうすぐだな…」
('A`) 「今日は雲ひとつないですし、きっと綺麗な初日の出を観ることが出来るでしょうねぇ」
(*-_-) 「たしかに天気予報でも今年の元旦は数年ぶりの好天って言ってたな!
喪鬱のヤロウにも見せてやればよかったかな!カカカ!……え?」
- 775 :比企新人の復讐計画:2011/01/01(土) 00:32:56 ID:DFagXDs20
- ∩(゚A゚)∩ 「バァ!」
(;-_-) 「うわああああ!!なんでなんで!?なんでここに居るんだよ!」
('A`) 「そう簡単にワタシはくたばりませんよ」
(;-_-) 「そんな…しっかり眠らせて開かないようにがっちり閉めたのに…」
('A`) 「オッホッホッホ、そんな杜撰なやり方でワタシが殺せるとで思ったのですか?考えが浅いですねぇ」
(#-_-) 「オレの計画が浅いだと!?」
('A`) 「ええ、あまりにも薄っぺらい計画です、そんなんだからどこにも就職できないのではないですかぁ?」
(;-_-) 「くぅ、痛いとこつきやがるな…」
('A`) 「ワタシはあなたの悪事、すべてお見通しでしたよ」
(;-_-) 「ううう…なぜだ!なぜバレた!」
('A`) 「なぜって、そりゃあなたみたいな無職があのホテルには似つかわしくないからですよ」
(;-_-) 「うぐ!」
m9('A`)
ド―――m9('∀`)―――ン!!
(;゚_゚) 「ぐわあああああああ!!!!!」
- 776 :比企新人の復讐計画:2011/01/01(土) 00:34:25 ID:DFagXDs20
- (;-_-) 「うわっ!なんだ急に!?」
車が勝手に前へと動き出した
(;-_-) 「止まれ!止まれっ!!」
ブレーキを踏んでも一向に車は止まろうとはしない
(;-_-) 「なんで止まらない!喪鬱さんあんたなにしたんだ!?」
('A`) 「オーホッホッ、初日の出が一番綺麗に見える場所へあなたを招待しようと思いましてね」
(;-_-) 「ああああ…!」
車が行く先にあるのはあの岸壁だ、このままだと海に落ちてしまう
(;゚_゚) 「やばいぞこれはっ!!」ガチャガチャ
ドアを開けようとするがなぜか開かなかった
そうこうしてるうちにも車のスピードはぐんぐん上がっていく
- 777 :比企新人の復讐計画:2011/01/01(土) 00:36:18 ID:DFagXDs20
- (;゚_゚) 「出してくれ!死にたくない死にたくないっ!!」
('A`) 「車と一緒に溺れ死ぬか、冷たい海で凍え死ぬか、それとも海に落下した衝撃で死ぬか、この場合どの死にかたになるでしょうねぇ」
(;゚_゚) 「うわああああああああ!!!!」
最高速度に達したとき、車が崖から飛び出した
(;-_-) 「ああああ…」
車が飛び出したと同時に、水平線の向こうから新年の始まりを告げる朝日が顔を出した
('A`) 「綺麗な朝日ですなぁ」
朝日の光が海にきらきらと反射し非常に鮮やかだった
(;-_-) 「綺麗だな…」
日の出に見たのも束の間、車は海の闇へと落ちていった
- 778 :比企新人の復讐計画:2011/01/01(土) 00:37:33 ID:DFagXDs20
- BAR バロ巣
( ´W`)
つ□とキュッキュッ
('A`)
つ□とゴクリ
ラジオ『ガー…ガー…』
( 'A)
つ□と
ラジオ『……次のニュースです、今日未明、北シベリア岬で男性の遺体が発見されました
地面に車輪の後があることから車ごと海に飛び込んだ模様です
男性は死後3日ほど経過しており、遺体の身元とともに自殺とみて捜査するとのことです、続いて……』
('A`)
つ□とカラン
('A`) 「2011年もココロを失った人々が多い年になりそうです、また忙しい1年になりそうですなぁ」
('∀`) オーホッホッホ・・・・・・ 【比企新人の復讐計画】 完
- 779 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2011/01/01(土) 00:40:09 ID:DFagXDs20
- 支援ありがとうございますお
今年もたくさん投下するつもりなのでよろしくお願いします
支援、指摘等あればお願いします
- 780 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/01/01(土) 08:13:27 ID:sgfhKmok0
- 新年早々乙
- 781 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2011/01/04(火) 12:21:34 ID:NlbzhxQQ0
- 次は1週間以内に投下します
- 782 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/01/06(木) 03:45:59 ID:Vxo6E3xE0
- `・+。*・ (´・ω・`)
。*゚ 。☆―⊂、 つ 喪鬱怖い…
。*゚ : ヽ ⊃
`+。**゚**゚ ∪~
- 783 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2011/01/11(火) 21:30:44 ID:bIrNUpZs0
- 明日の22:00ごろに投下します
1週間以内に投下できなくて申し訳ない
- 784 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2011/01/12(水) 22:20:35 ID:Q/U41Jps0
- |
| :( 'A`):
|__ //\ ̄ ̄旦\_ この前までクリスマスだったのにあっという間に1月中旬ですNE!
/ // ※\___\
\\ ※ ※ ※ ヽ
\ヽ-___--___ヽ
ブーン系小説総合スレ 【 イラスト+α 】 まとめさん
http://sogomatome.blog104.fc2.com/blog-entry-467.html
まとめさんありがとうございます、では投下しますお
- 785 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2011/01/12(水) 22:21:47 ID:Q/U41Jps0
- 私の名前は喪鬱毒造、人呼んで鬱ナせぇるすまん
ただのせぇるすまんじゃございません
私が取り扱う品物は“ココロ” 人間のココロでゴザイマス・・・
この世は老いも若きも男も女もココロの寂しい人ばかりそんなみなさんのココロのスキマお埋めします
いえお金は一銭もいただきませんお客様が満足されたら、それがなによりの報酬でゴザイマス・・・
さて今日のお客様は・・・
(;ε3ε) 「客来ねェなぁ…」
(ε3ε) 剛田 旨太 52歳 食堂経営
【まねき猫】
オーホッホッホ・・・・・・
- 786 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2011/01/12(水) 22:23:24 ID:Q/U41Jps0
- 剛田食堂にて 正午
//;°H°)「あんたどないするんよ!このままだとあたしたち生活出来ないよ!」
(;ε3ε) 「そない言われてもなぁ、客来ないし…」
剛田旨太が経営する剛田食堂は深刻な経営難に直面していた
//°H°)「普通この時間は稼ぎ時のハズなのに誰も来ない…」
(;ε3ε) 「あかんなぁ、このままやとホンマに潰れるで」
剛田食堂は北シベリア商店街の一角に店を置いている
かつては隆盛を誇った北シベリア商店街も最近はトンと客が減ってしまった
近くに大型スーパーが出来たことやネットの普及による時代の流れが原因だった
その商店街の衰退に伴い剛田食堂も客が来なくなってしまったのだ
(;ε3ε) 「あかんなぁ…ホンマあかんわぁ…」
//°H°)「あんたそればっかやな」
- 787 :まねき猫:2011/01/12(水) 22:26:25 ID:Q/U41Jps0
- //#°H°)「そんな悩んでばかりいないで客を呼び方法考えや」
(#ε3ε) 「オレやて考えとるわ!新メニューとかホームページとか!」
//#°H°)「それ全部やったがな!そんで失敗してるやろ!なんか他に考えや!」
(#ε3ε) 「テメェこそ考えろや!なんでオレばっかし考えなあかんねん!」
夫婦喧嘩が始まったその時
ガラガラ
('A`)
大きい鞄を持った男が店にやってきた
('A`) 「おやおや、お取り込み中のようですねぇ」
- 788 :まねき猫:2011/01/12(水) 22:27:56 ID:Q/U41Jps0
- (;ε3ε) 「お、お客さん!?」
//;°H°)「すいませんお見苦しいトコ見せてしもうて」
('A`) 「いえいえ、ケンカするほど仲が良いと言いますからねぇ、オーホッホッ」
(;ε3ε) 「すんまへんな、ささっ!どうぞこちらへ!」
剛田は男を奥のテーブルへと連れて行く
(ε3ε) 「こちらメニューです」
('A`) 「う〜んそうですねぇ……」
男は2,3秒考えたあと
('A`) 「アジの開き定食でお願いします」
(ε3ε) 「へいかしこまりました!」
男から注文を聞いたあと剛田は厨房へと向かう、久々の客の来店に剛田の足どりは軽やかだった
- 789 :まねき猫:2011/01/12(水) 22:35:32 ID:Q/U41Jps0
- (ε3ε) 「アジの開き定食や」
//°H°)「ねぇ、あのひと何者やろな」
(ε3ε) 「なんやいきなり、どっかに勤めてるサラリーマンちゃうんかい」
//°H°)「あんな黒服のサラリーマンいるわけあらへんがな、なんか不気味やあのおっさん」
(#ε3ε) 「客にむこうてなに言うとるんや!ぶつくさ言うてないでお冷持っていけ!」
//°H°)「へいへいわかりましたよ」トコトコ
(ε3ε) 「ふん」
アジの干物を取り出し焼き始める
(ε3ε) 「ふんふんふーん」
- 790 :まねき猫:2011/01/12(水) 22:38:17 ID:Q/U41Jps0
- (ε3ε) 「こちらアジの開き定食です」
('A`) 「どうも」
料理を乗せたおぼんを置くと剛田は厨房へと戻っていった
男はアジの開きを一口食べる
(ε3ε) 「……」
儲かっていないが料理の味には自信があった
(ε3ε) (ふふふ、きっと今頃あまりの旨さに舌を巻いてるだろうな…)チラリ
剛田は男の様子をチラリと見る
(゚A゚) 「ううう…」
男は苦しんでいた
- 791 :まねき猫:2011/01/12(水) 22:41:50 ID:Q/U41Jps0
- (;ε3ε) 「お、お客さん大丈夫ですかっ!」
:( A ): 「ううう…」
(;ε3ε) 「きゅ、救急車早く呼ぶんや!」
//;°H°)「あわあわ」
妻の美津代が急いで救急車を呼ぼうとする
( A ) 「……」
(;ε3ε) 「お客さん?」
∩(゚A゚)∩ 「ナーンチャッテ!!」
(;ε3ε) 「うおわ!?」
('A`) 「オーホッホッ、冗談ですよぉ、別に苦しくなんかありません」
(;ε3ε) 「冗談きついっすわお客さん!」
- 792 :まねき猫:2011/01/12(水) 22:43:05 ID:Q/U41Jps0
- ('A`) 「いわゆるユーモアってやつですよ」
(;ε3ε) 「面白くないですわそれ…」
//°H°)「それで味のほうはどないでしたか?」
('A`) 「可もなく不可もなくな味でしたねぇ」
(;ε3ε) 「そんな、結構自信があったのに…」
('A`) 「今の時代、これぐらいの料理ならどこへ行っても味わえますよ」
(;ε3ε) 「そうっすかぁ…」
男の辛口な評価に剛田は肩を落とした
('A`) 「そんなにがっかりしないでください、ワタシは不味いとは言ってませんから」
(;ε3ε) 「はぁ(そういう問題ちゃうねん…)」
- 793 :まねき猫:2011/01/12(水) 22:45:51 ID:Q/U41Jps0
- ('A`) 「それにしても……」 キョロキョロ
男は店内を見回して一言
('A`) 「誰も居ない店ですねぇ、閑古鳥が鳴いてますよ」
(;ε3ε) 「しょうがないでしょこの商店街人が来ないんやから」
('A`) 「こんなんでは商売あがったりでしょう?」
(;ε3ε) 「しゃアないっすよ、この不景気ですし客足だって遠のきますよ」
('A`) 「不景気だけが原因ですかねぇ、もっと他に理由があるのではないですか?」
//#°H°)「なんやアンタ!うちの定食の味にケチつけるんか!」
美津代が声を荒げる、剛田はそんな妻をなだめる
(;ε3ε) 「落ち着かんかい!まだお客さんなにも言うてへんやろ」
('A`) 「ええ別に味のことに文句を言っているわけではありません
さっき言ったように味のほうはまあまあでしたよ」
(;ε3ε) 「ではなにが原因ですかね?」
('A`) 「それはズバリ人を惹きつけるモノが無いことです」
- 794 :まねき猫:2011/01/12(水) 22:47:45 ID:Q/U41Jps0
- (;ε3ε) 「はぁ、惹きつけるモノですか…」
('A`) 「ええ、あまりのもこの店は地味すぎますなぁ、これでは人が寄りつきませんよ」
(;ε3ε) 「地味ってそんな…」
//#°H°)「じゃあどないすればええんですか!あたしらだって色々と客が来るように努力してんだよ!」
('A`) 「オーホッホッ、ワタシにまかせてください、ワタシの言うとおりにすればこのお店は繁盛しますよ」
(;ε3ε) 「えホンマでっか!??てかあなた何者ですん?」
('A`) 「実はワタシこういう者なんです」サッ
(;ε3ε) 「ココロのスキマお埋めします…もうつどくぞう?なんのこっちゃ」
('A`) 「セールスマンなんです」
- 795 :まねき猫:2011/01/12(水) 22:54:14 ID:Q/U41Jps0
- (;ε3ε) 「セールスマン!?」
//#°H°)「ははーんなるほど!あたしらに何かを売りつけようって魂胆やな!
ほら帰った帰った!あたしらは何も買わへんで!」
('A`) 「いえいえワタシが取り扱っている商品はモノではないのです」
(;ε3ε) 「ほな何なんです」
('A`) 「ワタシが生業にしているのは人間のココロの救済なのです
人生がうまくいってない人々に救いの手を差し伸べているのです」
(;ε3ε) 「(救いの手?なんや胡散臭いのう…)救済ですか、すごいですねぇ」
('A`) 「現在たくさんの人間が助けを求めています
一見したところあなたたちも相当大きなココロのスキマを抱えてそうですねぇ」
ギクッΣ(;ε3ε) 「べ、別にわたしらはなにも困ってることなんてありませんよ!なぁ?」
//;°H°)「お、おうそうや、なにも悩みごとなどあらへん!」
- 796 :まねき猫:2011/01/12(水) 22:57:02 ID:Q/U41Jps0
- ('A`) 「安心してください、ワタシはお金は一切頂きませんので」
(;ε3ε) 「え?金取らないんですか!?」
('A`) 「ええ、ワタシはお客様の喜ぶ顔だけで十分なのです」
(;ε3ε) 「そうとう金取られる思うたわ…」
//;°H°)「で、で、で!どうやったら繁盛するようになるんや!」
金が掛からないということを知るや否や美津代は身を乗り出して喪鬱に食いついた
('A`) 「これを置けばいいのです」ガサゴソ
喪鬱は持ってきた鞄の中からあるモノを取り出した
∧_∧
(:<l><l>)
/::::::::T
〜(:::::::::::|
それは猫の置物だった
- 797 :まねき猫:2011/01/12(水) 23:02:14 ID:Q/U41Jps0
- (;ε3ε) 「まねき猫ですかそれは?」
('A`) 「まぁ似たようなモノです」
//°H°)「しょうもな、ただの置物やないか…そんなもんで客が来るわけないやろ…アホくさ…」
美津代は猫の置物を見た途端に興味を失ってしまったみたいだった
(;ε3ε) 「喪鬱さん、あなたはさっき取り扱いのはココロでモノは売らないって言うてやないですか…」
('A`) 「モチロンそうです、これは別に売るわけではなくあなた達に無償で提供しよう思っているのですよ」
(;ε3ε) 「でもこんなんでホンマに客が来るんですか?」
('A`) 「ええ、明日にこの猫の置いた途端に人がたくさん来るでしょうねぇ」
//°H°)「来るわけあらへんがな、そんなもん幸福になれる壷やペンダントと同じ類やで」
(;ε3ε) 「でも金は取らへんみたいやし一応置くだけでも…」
('A`) 「取りあえずワタシはここで見てますので効果が無かったなら持って帰りますよ」
喪鬱は店の端に椅子を持って行き、そこに腰を下ろした
- 798 :まねき猫:2011/01/12(水) 23:06:32 ID:Q/U41Jps0
- (;ε3ε) 「とりあえずTVの上に置いときます」
TVは店内の隅に設置してある、喪鬱が持ってきた猫を置くのにちょうど良かった
(:<l><l>)
(;ε3ε) 「……」
置いてもなかなか客は現れなかった
(;ε3ε) 「来うへんな…」
//°H°)「だから言うたやないか、あんたはあのおっさんに騙されてるんや」
(#ε3ε) 「まだ置いたばかりだしわからんやないか!オマエはホンマせっかちやな!
オレはオマエのその単細胞な頭が昔から大嫌いなんや!」
//#°H°)「あんたに言われたないわ!あんたがアホやから客が来うへんちゃうんかい!」
(#ε3ε) 「なんやとっ!!」
夫婦喧嘩が始まりそうなになったその時
ガラガラ
(ν・ω・)ν 「あの〜すいません」
- 799 :まねき猫:2011/01/12(水) 23:10:08 ID:Q/U41Jps0
- (;ε3ε) 「あっはいなんでしょうか?」
(ν・ω・)ν 「いま開いてますか?」
(;ε3ε) 「あ、はい開いてます」
客をテーブルまで連れて行く
(ν・ω・)ν 「からあげ定食をひとつ」
(;ε3ε) 「かしこまりました…」トコトコ
注文を受け厨房へと向かう
(;ε3ε) 「おいおいホンマに来ちまったよ客が…」
//°H°)「そんなのたまたまに決まってるじゃない、偶然や偶然」
(#ε3ε) 「うるせェな!ぶつくさ言ってねェでさっさとお冷持ってけ!」
//°H°)「へいへいわかりやしたよ」トコトコ
- 800 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/01/12(水) 23:10:53 ID:f2zvg/qc0
- リアタイ支援
- 801 :まねき猫:2011/01/12(水) 23:14:14 ID:Q/U41Jps0
- (ε3ε) 「あいつも口うるさくなったな…」
油を入れたフライパンをコンロに乗せ火をつける
(ε3ε) 「(しかしあの喪鬱とか言うおっさんの言うことはホンマなんやろうか…)鶏肉鶏肉っと…」
鶏肉を出そうと冷蔵庫に手を掛ける、しかし
//;°H°)「あんたあんた大変だよ!」
お冷を持って行ったはずの美津代が慌てて厨房へと戻ってきた
(;ε3ε) 「おいおい次はなんや…」
//;°H°)「いいから来なはれや!」
美津代は剛田の腕を掴み食堂へと連れていく
(;ε3ε) 「なんやねんまだオレは作ってる最中やぞ!」
//;°H°)「ほら見てみ!」
(;ε3ε) 「な…!」
剛田は言葉を失った
(∴゚ з゚ )( б∀б)(ΘωΘ)リハ*゚ー゚リ ( ^Д^) (’e’)
そこで見たのは大勢の客の姿だった
- 802 :まねき猫:2011/01/12(水) 23:17:47 ID:Q/U41Jps0
- (∴゚ з゚ )「生姜焼き定食をひとつ」
( б∀б) 「私はハムカツ定食」
//;°H°)Ф 「生姜焼きにハムカツやね」カキカキ
(’e’) 「プギャーさんなに注文します?」
( ^Д^) 「そうだな……しょうゆバターラーメンだな」
(’e’) 「プギャーさんそういうこってりしたモノ好きですねホント、僕はチャーハンね」
//;°H°)Ф 「醤油バターに炒飯ね、しばらくしたらお持ちします」
〜厨房〜
(;ε3ε) 「……」ザッザッ
//;°H°) 「あんた生姜焼きにハムカツに醤油バターラーメンに炒飯追加だよ!」
(;ε3ε) 「はいよ!それとこの唐揚げ定食持っててくれ!」
出来あがった唐揚げ定食を美津代に手渡す
美津代はそれを持つと食堂へと急いで運んで行った
(;ε3ε) (こんな忙しいのは初めてや…)
- 803 :まねき猫:2011/01/12(水) 23:22:56 ID:Q/U41Jps0
- (ν・ω・)ν 「うん…なかなか良いね、悪くないね」モグモグ
//;°H°) ホッ
( б∀б) 「ねぇハムカツまだァ?」
//;°H°) 「しょ、少々お待ちを!」
美津代は急いで厨房へと引き返す
//;°H°) 「あんた早く!注文がつまってるよ!」
(;ε3ε) 「わかっとるよ、オレそやかて急いでるんだ!おんどれも手伝え!」
//;°H°) 「わかったわかった、そんな怒りなさんな」
美津代も剛田の支度を手伝う
//*°H°) 「しかしあの置物の効力は本物やったな!最高やで!」
(;ε3ε) 「調子いいやつ…」
- 804 :まねき猫:2011/01/12(水) 23:27:52 ID:Q/U41Jps0
- 数時間後
( ゚∀゚ ) 「ごちそうさま」 ガラガラ
(;ε3ε) 「ありがとうございました」
//;°H°) 「あぁ疲れた…」
最後の客を見送り、閉店の準備を始める
(ε3ε) 「しかし…」
喪鬱が持ってきた猫の置物をチラリと見る
(ε3ε) 「ホンマに効果があったな…」
('A`) 「オーホッホッ」
(;ε3ε) 「うわっ!喪鬱さん!」
喪鬱が居たことをすっかり忘れていた
- 805 :まねき猫:2011/01/12(水) 23:32:16 ID:Q/U41Jps0
- ('A`) 「ワタシの言うとおりこの猫を置いたらお客様がたくさん来たでしょう?」
(;ε3ε) 「ええたしかに……」
//*°H°) 「全部喪鬱さんのおかげです!ホンマおおきに!」
(;ε3ε) 「お、お前…」
//*°H°) 「いやぁ喪鬱さんは天使やわ、これで食いっぱぐれずにすみますわぁ」
('A`) 「喜んでもらえてワタシも嬉しいですよ」
(;ε3ε) 「で、喪鬱さん、この置物は明日からもずっと…」
('A`) 「ええ、ずっと置いてもらって結構です」
//*°H°) 「おおきに!!」
('A`) 「ただしひとつだけ守っていただきたいことがあります」
- 806 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/01/12(水) 23:34:18 ID:6YWyPF2.0
- リアルタイム!!!支援
- 807 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/01/12(水) 23:36:44 ID:lQ0CP8ggO
- 支援
- 808 :まねき猫:2011/01/12(水) 23:43:15 ID:Q/U41Jps0
- (;ε3ε) 「なんですねん、守ってもらいたいことって?」
('A`) 「それはですねぇ…」トコトコ
(:<l><l>)
('A`) 「実はこの猫はお金が大好きなのですよ」
(;ε3ε) 「はぁ」
('A`) 「この猫を作った職人はお金に目が無い人でしてね
お金がたくさん手に入るように願いを込めてこの猫を作ったのですよ」
(;ε3ε) 「そうなんですか、それがなにか?」
('A`) 「ええそれでですね…」
喪鬱は置物の口元を指差す
そこには横に細長い差し込み口が開いていた
('A`) 「1日の売上の半分をこの猫にあげてほしいのです」
- 809 :まねき猫:2011/01/12(水) 23:45:00 ID:Q/U41Jps0
- (;ε3ε) 「え?なに言うてはるんですか?」
('A`) 「この口の中に売上の半分を入れてください」
(;ε3ε) 「そんなっ!そしたらわたしらの稼ぎが少なくなるじゃないですかっ!」
('A`) 「半分あげてもお釣りが出るぐらいの稼ぎになるはずですよぉ」
(;ε3ε) 「それに喪鬱さん言うてはったやないですか!お金は一銭も頂かないと」
('A`) 「ええワタシは一銭も頂きません、お金を受け取るのはこの猫です
まぁこの猫に対するお布施、もしくは税金だと思ってくださいよ」
(;ε3ε) 「で、でも…」
//*°H°) 「別にええやないか半分ぐらい!ケチやのうあんたは」
そう言ってから美津代は猫に歩み寄る
- 810 :まねき猫:2011/01/12(水) 23:48:46 ID:Q/U41Jps0
- //*°H°) 「こんな素晴らしいモノどんな大金を払っても手に入らんで」
(:<l><l>)
//*−H−) 「おうおうかわええなぁ」スリスリ
美津代は置物に頬ずりをし始めた
(;ε3ε) 「美津代…」
('A`) 「奥さんも気に入ったみたいですよぉ」
(;ε3ε) 「そうみたいやね…」
('A`) 「明日からもっと忙しくなるでしょうねぇ、それでは」
喪鬱は帰ろうとする、しかし
('A`) 「それとあともうひとつだけ」
(;ε3ε) 「まだなにかあるんですか?」
('A`) 「いえいえ、ただ昼に食べたアジの開きの代金を払い忘れてただけですよ、それではまた」チャリン
アジの開き定食の代金を近くのテーブルに置き喪鬱は帰って行った
- 811 :まねき猫:2011/01/12(水) 23:51:03 ID:Q/U41Jps0
- (ε3ε) 「……」チラリ
//*−H−) 「かわええなぁイオリは」スリスリ
美津代はまだ置物に頬ずりをしていた、しかも名前までつけている
(ε3ε) 「なぁ美津代、今日の売上はどこに置いてあるんや」
//*°H°) 「レジの中やで〜」
(ε3ε) 「ふん」
置物を抱いている自分の妻を冷ややかな目で見た後、剛田はレジへと向かう
(ε3ε) 「今日はなんぼほどやろな…」
レジを開け売上をチェックする、いつもの違い今日は客が多かったためココロが浮き立つ
(*ε3ε) 「うおっ!?これは!?」
今日の売上は32780円だった
- 812 :まねき猫:2011/01/12(水) 23:53:05 ID:Q/U41Jps0
- //*°H°) 「1日でこんな稼げるなんてすごいやん!」
今日の売上を美津代に見せると目の色を変えて喜んだ、この女も金が大好きなのだ
(*ε3ε) 「まぁうちらの取り分は半分やけどな」
//*°H°) 「それでも十分やん!ささ、はやくイオリにお供えしいや」
(*ε3ε) 「落ち着けよ」
今日の売上の半分、16390円を猫の口に入れる
(*ε3ε) チャリーン
//*−H−) パンパン
(*ε3ε) 「別に拝まなくたってええやろ…」
しかし美津代が拝みたくなる気持ちも分かる、ただ店に置いただけで何十人も客がやってきたのだから
(*ε3ε) 「さてと、明日からもっと忙しくなるで!」
- 813 :まねき猫:2011/01/12(水) 23:54:10 ID:Q/U41Jps0
- それから数日後、あれほど客が来ず閑古鳥が鳴いていたあの食堂に連日大勢の客が押し寄せるようになった
(ν・ω・)ν 「レバニラ炒め定食〜」
リハ*゚ー゚リ 「わたしはカキフライ定食をお願い」
//;°H°) 「はいよ!ちょいとお持ちね!」
美津代は厨房へと急ぐ
//;°H°) 「カキフライ定食にレバニラ炒め定食追加やで!」
(;ε3ε) 「はいよ!」シャカシャカ
//;°H°) 「ああ忙し忙し!」スタタタ
(;ε3ε) 「ああクソ忙しい!」
つい数日前までの店の状況が嘘みたいに食堂は繁盛していた
`ハリ*^ω^ハ 「なんでわたしまで手伝わなきゃいけんのよ…」
(;ε3ε) 「つべこべ言わずさっさと働け!」
`ハリ*^ω^ハ 「へいへい…」
人手が足りないため嫁に出ている娘にも店を手伝わせている
(;ε3ε) 「大変やのう…」サッサッ
- 814 :まねき猫:2011/01/12(水) 23:58:04 ID:Q/U41Jps0
- //;°H°) 「あんたTV局の人が来たで!」
(;ε3ε) 「ホンマか!」
二人は厨房から顔を出す、TV局からは事前に取材させてくれとの連絡があったのだ
リ´−´ル 「今日わたしは、いま最も人気のある剛田食堂さんにおじゃましています」
レポートしているのはテレビシベリアの新人アナウンサー八木リル子だった
リ´−´ル 「剛田食堂の魅力がどこなのかお聞きしましょう、剛田食堂のどこがお好きなのですか?」
(’e’) 「そうですねぇ、なんかこの昔ながらと言うかなんと言うか、落ち着くんですよねぇなんか」
リ´−´ル 「なるほど、あなたは?」
( ^Д^) 「やっぱり早いし安い!この二つですね!」
リ´−´ル 「なるほど、この不景気ですからあまりお金を掛けたくないですし時間も惜しいですからね
まさにいまの時代にぴったりのお店なんですねこの剛田食堂さんは」
(*ε3ε) 「ついにオレの店がシベリア中に知れ渡る…」
自分の店が褒められるのはなかなか嬉しいモノだった、味に関して一切褒めてなかったが
- 815 :まねき猫:2011/01/13(木) 00:00:29 ID:ViXoH0HQ0
- BAR バロ巣
('A`) 「お店のほうは繁盛してますか?」
(*ε3ε) 「ええモチロンです!すべて喪鬱さんのおかげですわ!」
仕事が終わり今日は喪鬱とBARで酒を飲んでいる
最近はやたら酒が旨く感じるようになった
( ´W`)つ□ タンッ
(*ε3ε) 「おおきに、しかしなかなか洒落た店ですねぇ、わたしこういう店初めてですわ」
('A`) 「好きなもの注文してくださいねぇ、今日はワタシのおごりですから」
(*ε3ε) 「ホンマおおきに!」
('A`) 「ところで剛田さん、例の約束守ってますかぁ?」
- 816 :まねき猫:2011/01/13(木) 00:01:28 ID:ViXoH0HQ0
- (*ε3ε) 「モチロンですわ、今日も猫に売上の半分を食べさせましたわ!」
('A`) 「それは良かった、あの猫はお金をあげないとへそを曲げますので気をつけてくださいねぇ」
(*ε3ε) 「へそを曲げる?あげなかったらなんか起きるんですか?」
('A`) 「それはもう大変なことになりますよ」
(-A-)
つ□とチビリ
(*ε3ε) 「大変なこと…」
('A`) 「そうです、だから気をつけてくださいねぇ」
(*ε3ε) 「はぁ」
( ´W`)
つ□とキュッキュッ
- 817 :まねき猫:2011/01/13(木) 00:03:06 ID:ViXoH0HQ0
- (ε3ε) 「ただいま」 ガラガラ
//;°H°) 「う〜ん…」
剛田が家に帰ると美津代が唸っていた
(ε3ε) 「どないしたんやそんな顔歪ませて、ますますひどい顔になってるど」
//;°H°) 「ああ実は…」
美津代は剛田に家計簿を見せる
(;ε3ε) 「なんや!全然溜まってへんやないか!」
毎日忙しく働いてるはずなのに貯金は全然溜まっていなかった
(;ε3ε) 「なしてや!あんな稼いだはずなのに…」
//°H°) 「そらあんた家のローンとか借金、食材費で全部消えてくからや、半分はイオリに食べられるし…」
- 818 :まねき猫:2011/01/13(木) 00:08:28 ID:ViXoH0HQ0
- (:<l><l>)
//°H°) 「はぁ、あの猫どうにかならんかねぇ…」
美津代は早くもあの猫に嫌気がさしたらしい、このまえはあんなに愛でていたのに
//°H°) 「全然暮らしが楽にならんなぁ…」
(ε3ε) 「別にええやないか、あれのおかげでなんとか最低限の金は稼げるし」
//°H°) 「そやけどなぁ…」
(ε3ε) 「ほらほらもう寝ろ、明日も早いぞ」
//°H°) 「へいへい…」
- 819 :まねき猫:2011/01/13(木) 00:10:37 ID:ViXoH0HQ0
- 数日後
(・ ∀ ・)(・↓・)( `v´)リノ、゚テモリ("・」・") ガヤガヤ
その日はいつにもまして店は混雑していた
なぜなら今日は修学旅行の学生がたくさん押し寄せていたのだった
(・↓・) 「とんかつ定食お願いします」
リノ、゚テモリ 「わたしはカレー」
( `v´) 「俺はざるそばで」
//;°H°) 「はいはいわかりましたちょっと待っとってねぇ」
〜厨房〜
`ハリ;^ω^ハ 「ああもう忙しい忙しい!もう腕が重い!」
(;ε3ε) 「文句言ってねェでちゃっちゃっとやれアホ!」
`ハリ;^ω^ハ 「新しいバイトでも雇いなよ!」
(;ε3ε) 「そんな金無ェんだよ!」
- 820 :まねき猫:2011/01/13(木) 00:13:12 ID:ViXoH0HQ0
- 数時間後
(ν・ω・)ν 「ごちそうさま」ガラガラ
//;°H°) 「ホンマおおきに…」
(;ε3ε) 「疲れた…」
店じまいをするころにはもう二人は疲労困憊だった
`ハリ;^ω^ハ 「わたしはもう帰るからね、ほなね」ガラガラ
(;ε3ε) 「じゃあな…」
//;°H°) 「もう動きたくない…」
(;ε3ε) 「さてと、今日の稼ぎはいくらや…」ガタッ
疲れた体をなんとか動かしレジへと向かう
- 821 :まねき猫:2011/01/13(木) 00:15:09 ID:ViXoH0HQ0
- (ε3ε) 「……」チーン
//;°H°) 「いくらや…」
(;ε3ε) 「22万…」
//;°H°) 「22万!?ホンマかいそりゃ!」
いつもは1日10万前後の稼ぎだったが今日に限ってはかなりのイロがついていた
//*°H°) 「22万もあればちょっとした贅沢が出来るで!」
(ε3ε) 「まぁ半分は消えるから11万だけどな」
//°H°) 「そこでやなあんた、ちょっとええかい」
(ε3ε) 「なんや?」
//°H°) 「今日の稼ぎはきっと天からの贈り物や、これで贅沢しろっちゅう」
(;ε3ε) 「だからなんやねん!まどろっこしいのう」
//°H°) 「まだわからんのかい、今日の稼ぎは猫にあげへんでわたしらで楽しもうってことや」
35
- 822 :まねき猫:2011/01/13(木) 00:16:07 ID:ViXoH0HQ0
- (;ε3ε) 「なんやネコババする気かい!」
//°H°) 「ネコババって人聞きが悪いなぁ、ちょいと拝借するだけや!」
(;ε3ε) 「ダメに決まってるやろ!喪鬱さんの約束破るんか!?」
//°H°) 「ええやんちょっとくらい、バレへんって」
(;ε3ε) 「でも大変なことが起こる言うてたぞ!」
//°H°) 「そんなもんデマに決まってるやん、あんた騙されてるんや」
(;ε3ε) 「だけど…!」
//°H°) 「大丈夫やって、心配症やなぁ、これは神様からの思し召しや」
(;ε3ε) (なにが神様やねん…)
とどのつまり美津代は金が欲しいだけなのだ、この女に信仰心が微塵もないのを剛田は知っていた
//°H°) 「ほな今日もいつも通りの金額入れといてな」
(;ε3ε) 「ううう…」
結局いつもと同じ5万円ほどを猫の中に入れた
(;ε3ε) 「……」
売上を入れたあと剛田は後ろめたさからまねき猫を直視することが出来なかった
- 823 :まねき猫:2011/01/13(木) 00:17:15 ID:ViXoH0HQ0
- 次の日
//°H°) 「今日もしっかり稼ぐで!」
(;ε3ε) 「ハァ…」
昨日のこともあり剛田はあまり気分が良くなかった、なにか取り返しのつかないことをしてしまったような気がするのだ
(;ε3ε) チラ
(:<l><l>)
(;ε3ε) (なんか睨まれてる気がするな…)
//°H°) 「あの金でなに買う?やっぱ地デジ対応のTVがええんちゃう?」
(;ε3ε) 「別になんだってええよ…」
//°H°) 「ちょっと厨房見てくるで」トコトコ
美津代は厨房へと消えて行った、美津代は相当機嫌が良さそうだった
そんな妻を見ていると無性に腹が立った
(;ε3ε) 「なんやねんあいつ…」
そのとき、店の扉が開き一人の男が入ってきた
('A`)
喪鬱毒造だった
- 824 :まねき猫:2011/01/13(木) 00:17:51 ID:ViXoH0HQ0
- ('A`) 「オーホッホッホ」
(;ε3ε) 「も、喪鬱さんやないですか!?」
('A`) 「剛田さん、ワタシとの約束を破りましたね」
(;ε3ε) 「うっ!なぜそれを!?」
('A`) 「ワタシはなんでもお見通しですよぉ」
(;ε3ε) 「ううう…」
('A`) 「ワタシは言ったはずですがねぇ、大変なことになると」
(;ε3ε) 「つ、妻に逆らえなくて…」
('A`) 「言い訳は聞きたくありません」
(;ε3ε) 「うぐ…」
m9('A`) 「罰を受けてもらいましょうねぇ」
ド―――m9('∀`)―――ン!!
(; 3 ) 「ああああああ!!!!!」
- 825 :まねき猫:2011/01/13(木) 00:40:50 ID:ViXoH0HQ0
- //;°H°) 「なんやなんや急に大声出して!」
(;ε3ε) 「い、いやなんでもあらへん…」
//;°H°) 「なんや知らんけど気いつけなはれや、これから仕事やさかい」
(;ε3ε) 「あ、ああ…」
剛田が気を取り直して開店の支度をしようとしたとき
ガラガラ
(同し同 )
メガネを掛けたスーツの男が店に入ってきた
(;ε3ε) 「ああお客さんすいません、まだ店開けてないんすよ、もうちょっと待っててくださいね」
(同し同 ) 「いえいえ私は客ではありません、実はこう言う者です」サッ
(;ε3ε) 「え!?」
渡された名刺を見て剛田は目を見開いた、そこにはシベリア保健所と書いてあったのだ
- 826 :まねき猫:2011/01/13(木) 00:43:29 ID:ViXoH0HQ0
- (;ε3ε) 「ほ、保健所がなんの用です!」
(同し同 ) 「実は昨日から数十人が嘔吐や下痢の症状を訴えて病院に運ばれましてね
その症状訴えてる全員がここでお昼に食事をしているのですよ」
(;ε3ε) 「そ、そんな!なんかのまちがえやないんですか!?」
(同し同 ) 「原因を探るために今からこの店を検査いたします」
(;ε3ε) 「んなアホな!なんかの間違いや!」
//;°H°) 「うちから食中毒が出るなんて…」
(;ε3ε) 「嘘や…そんなの嘘や…」
( ○⊿○) 「あのお話いいですか?」
次はメガネでスーツを着た女が話しかけてきた
(;ε3ε) 「(この女も保健所の人か?)なんですか」
- 827 :まねき猫:2011/01/13(木) 00:44:26 ID:ViXoH0HQ0
- ( ○⊿○) 「わたしは弁護士の国枝と申します」
(;ε3ε) 「べ、べ、弁護士!?」
( ○⊿○) 「何人かの患者さんからこの店を訴えるよう要請されてましてね
治療費や慰謝料、その他諸々をきっちりと払ってもらいますからね」
(;ε3ε) 「あああ…」
//;°H°) 「もう終わりやで…」
(;ε3ε) 「オレの店が…」
('A`) 「ちょっとした出来心が原因でトンだ災いを招いてしまったようですねぇ
あのあとあの夫婦は食中毒の治療費でどんどんお金を失っていくでしょう
そして最終的には信用も失い、あの店は二度と営業することはないでしょうなぁ」
('∀`) オーホッホッホ・・・・・・ 【まねき猫】 完
- 828 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2011/01/13(木) 00:46:03 ID:ViXoH0HQ0
- 今日は以上です、そして支援ありがとうございます!
質問、指摘、日本語の間違い等があればお願いします
- 829 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/01/13(木) 00:57:34 ID:FiuckTFY0
- 乙!
前に比べてドーン!から幕引きまでが短い気がしたかな
もっとじわじわ絶望する様子を見せてほしかった
だが次回も楽しみにしてる
- 830 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/01/13(木) 18:30:49 ID:1FJKj8Wo0
- 原作はあんま知らないけど
喪鬱のライバルがいたら面白そうだな
- 831 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2011/01/13(木) 21:49:53 ID:bPEH3EhI0
- >>829
そこは今回の反省材料だね
>>830
ライバルがいたらすごい展開になりそうだなwww
ちなみに弟がいるよ
- 832 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/01/14(金) 05:05:11 ID:rM8KwkHc0
- `・+。*・ (´・ω・`)
。*゚ 。☆―⊂、 つ 弟見てみたいな
。*゚ : ヽ ⊃
`+。**゚**゚ ∪~
- 833 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2011/01/16(日) 01:34:35 ID:xk2oOHS.0
- ちなみに以前こういうのを投下しましたお
http://iroirotunpeni.blog11.fc2.com/blog-entry-840.html
- 834 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/01/16(日) 12:13:26 ID:K.qvU/ko0
- >>833
これ>>1?そういえば読んだことあるわ
- 835 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2011/01/16(日) 21:04:38 ID:wzHWTvbI0
- >>834
そう俺がシベリア大復活祭で投下したやつ
いつか弟ネタをやりたかった
- 836 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/01/16(日) 21:37:49 ID:K.qvU/ko0
- >>835
把握
あと>>1は音楽短編にも出るっぽいな
楽しみにしてるお
- 837 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2011/01/24(月) 22:01:05 ID:oMNL52QM0
- 次は今月中に投下します
多分22:00ごろに
>>836
ありがとうございますお
- 838 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/01/31(月) 03:15:31 ID:Xc3LaYZI0
- 焦る必要は無いんだが、今日で1月終わりだぜ?
- 839 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2011/01/31(月) 22:00:59 ID:0X0kSqdE0
- ギリギリ!じゃないと僕ダメなんだよォ!!
というわけで投下します
- 840 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2011/01/31(月) 22:02:43 ID:0X0kSqdE0
-
|
|www
|ェ´) 投下するなら今のうち
と ノ
| /
ブーン系小説総合スレ 【 イラスト+α 】 まとめさん
http://sogomatome.blog104.fc2.com/blog-entry-467.html
まとめさんありがとうございます、では投下しますお
- 841 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2011/01/31(月) 22:04:10 ID:0X0kSqdE0
- 私の名前は喪鬱毒造、人呼んで鬱ナせぇるすまん
ただのせぇるすまんじゃございません
私が取り扱う品物は“ココロ” 人間のココロでゴザイマス・・・
この世は老いも若きも男も女もココロの寂しい人ばかりそんなみなさんのココロのスキマお埋めします
いえお金は一銭もいただきませんお客様が満足されたら、それがなによりの報酬でゴザイマス・・・
さて今日のお客様は・・・
ミ,,゚Д゚彡 「ダルい……」
ミ,,゚Д゚彡 総擬古 修人 23歳 ニュー速ビッパーズFW
【移籍志願者】
オーホッホッホ・・・・・・
- 842 :移籍志願者:2011/01/31(月) 22:05:23 ID:0X0kSqdE0
- ニュー速ビッパーズクラブハウスにて
ミ,,゚Д゚彡 ポケ〜…
( `v´)「なにボケっとしてるんだよ」
ミ,,゚Д゚彡 「ああ喜多さん…」
総擬古が室内練習場のベンチに座っているとチームキャプテンである喜多が話しかけてきた
( `v´)「練習もいいけどそろそろ寝ろよ、明日試合だぜ」
ミ,,゚Д゚彡 「そうっすね…」ガタッ
総擬古は立ち上がりその場を後にする
ミ,,゚Д゚彡 「ハァ…」
明日は試合だというのに総擬古の足取りは重かった
- 843 :移籍志願者:2011/01/31(月) 22:10:04 ID:0X0kSqdE0
- ヌルポスタジアムにて
(φp゚)ピィー!!
審判の笛がキックオフを告げた、両チームのサポーターの大歓声が上がった
ミ,,゚Д゚彡 「……」
総擬古は今日もベンチスタートだった、開幕してから5試合すべてスタメンからは外れている
ミ#,,゚Д゚彡 (くそお…)
総擬古は忸怩たる思いで試合を見つめていた
彼がビッパーズに加入したのは去年の夏ごろ
シベリアFCでの活躍が認められシーズン途中ながら鳴り物入りで入団したのだった
入団してすぐにスタメンに抜擢され総擬古に対する期待の大きさをうかがわせた
総擬古もその期待に応え5試合連続ゴールを決めチームに貢献した
ミ,,゚Д゚彡 「……」
総擬古の活躍でチームも波に乗り一時はリーグ首位に踊り出る
そして彼も同時期に初の代表入りを果たし充実した時を過ごしていた
しかし好調は長くは続かなかった、代表戦でケガをしてしまったのだ
- 844 :移籍志願者:2011/01/31(月) 22:12:30 ID:0X0kSqdE0
- ミ;,,゚Д゚彡 「ううう…」
ケガは大したほどでもなかったがリーグ戦、代表、カップ戦と過密日程で十分に治療に要する時間が取れなかった
疲労の蓄積でプレイに精彩を欠き、さらにゴシップ誌に恋人との密会現場を撮られてしまい余計に調子を落としてしまった
総擬古の失速とともにチームの順位も下降線を辿っていった
そして最終的にリーグ6位で去年はシーズンを閉じたのだった
ミ;,,゚Д゚彡 (オレがもっと頑張っていれば…)
今シーズン、ビッパーズは開幕から1勝1敗3引き分けといまいち波に乗ることが出来ていない
総擬古も出場3試合でノーゴールでチームと同じくかつてのようなキレが見られなかった
そして今日は同じVIP市にホームを置くビップスターとのダービー戦だった
ミ;,,゚Д゚彡 (ダービー戦だというのにベンチとは情けない…)
総擬古は時間を見る、試合が始まってから20分が経過していた
ミ;,,゚Д゚彡 「……」
- 845 :移籍志願者:2011/01/31(月) 22:15:38 ID:0X0kSqdE0
- そのまま両チーム無得点のまま前半を終了し、ハーフタイムを経て後半に突入した
( ´ 3`;)「総擬古、黒田よ」
ミ;,,゚Д゚彡 「なんでしょう監督」
監督の柳沢から声を掛けられる、去年から監督を務めているがここ最近は不調のため解任の噂が取りざたされている
( ´ 3`;)「アップしとけ、すぐ行くぞ!いいな」
(・↓・)「はい!」
ミ,,゚Д゚彡 「……」
ビッパーズは1トップを採用している、総擬古は去年まであそこで得点を量産していたのだ
( ・∈・:) 「ハァ…ハァ…」
FWのロッキーは明らかに調子が悪そうだった、決定機を何度も外しすでに肩で息をしている
- 846 :移籍志願者:2011/01/31(月) 22:19:13 ID:0X0kSqdE0
- ミ,,゚Д゚彡 (ここは俺が…!)
出場に備え軽くアップを開始する
ミ,,゚Д゚彡 タタタタッ
短いダッシュを何回か繰り返す、ここ2試合は新人の黒田に出番を取られているため今日こそは出場したかった
それに加え今日はダービー戦のためなおさらだ
ミ,,゚Д゚彡 (ふぅ…)
ほどよく体が温まってきた、これならもう出れると総擬古は思った、が
( ´ 3`;)「黒田、出番だ」
(・↓・)「はい!」
呼ばれたのは総擬古ではなく黒田だった
ミ;,,゚Д゚彡 「くっ…」
その後総擬古はいつ出番が来てもいいように準備をしていたが結局この試合も出場する機会はなかった
チームも0-3となすすべなく完敗しリーグ14位に転落してしまった
- 847 :移籍志願者:2011/01/31(月) 22:22:18 ID:0X0kSqdE0
- スナック「ホンダ」にて
ミ;,,゚Д゚彡 「くそお…ううう…」
( ´◎`) 「おいおいそう気を落とすなよ、今はただ悪い時期なだけだよ」
総擬古は試合が終わった後、寮には帰らずに行き付けのバーへと直行した
ミ;,,゚Д゚彡 「マスターもう一杯くれ…」
( ´◎`) 「ダメだ!スポーツ選手なんだし少しは自分のからだのことを考えろよ、このままからだ壊すぞ…」
ミ;,,゚Д゚彡 「いいんだよ別にもう壊れたって…どうせ俺はもうダメだし…」ゴクッ
つ□と
今日の試合で総擬古のココロは折れてしまった、コップに残っていたウィスキーを一気に呷る
( ´◎`) 「たかだか数試合結果が出なかったぐらいで嘆くなよ、気持ち切り替えて頑張れよ」
ミ;,,゚Д゚彡 「無理ッス、俺はもうダメっすわ…」
- 848 :移籍志願者:2011/01/31(月) 22:23:49 ID:0X0kSqdE0
- ミ;,,゚Д゚彡 「ハァ…ホントだったら今頃ゴールを量産してチームを勝利へと導いてるハズなのに…」
つ□とチビリ
ウーロン茶を一口すする、酒では無いので味気なかった
ミ,,-Д-彡 「そんでもってスカウトの目に留まり欧州のビッグクラブへ電撃移籍です
その欧州のクラブでも大量にゴールを奪ってチャンピオンズリーグでも大活躍ですよ」
( ´◎`) 「お前の中じゃそういうシナリオだったのか」
ミ,,゚Д゚彡 「ええ、バロンドールを獲得して世界的スターになるハズだったのに、なんでこうなっちゃったんだろうなぁ」
( ´◎`) 「頑張りゃ出来るよお前だって」
ミ,,-Д-彡 「無理っす、もう俺は自分の限界を知ってしまいました、とどのつまり俺はサッカーに向いてないんすよ…」
( ´◎`) (ダメだこいつ…)
ミ,,-Д-彡 「ハァ…チャンピオンズリーグに出たい…」
- 849 :移籍志願者:2011/01/31(月) 22:27:34 ID:0X0kSqdE0
- ミ*,,-Д-彡 「うう…頭痛い…」
その後店を出た総擬古は何軒か居酒屋をハシゴした
ミ*,,゚Д゚彡 「俺はビッパーズのエースストライカーやぞこらァ」フラフラ
酒を浴びるように飲んだためグデングデンに酔っぱらっていた
ミ*,,゚Д゚彡 「ちくしょう俺はもうダメなんだよ馬鹿野郎!!うぃぃ…」
VIP市の繁華街に居るために人の数は多い、あきらかに酩酊状態の総擬古を誰もが避けて通って行く
ミ*,,゚Д゚彡 「あああ…」フラ
もう立っていられなくなり、その場にへたり込んでしまった
ミ*,,-Д-彡 「あああ俺は天才なんや…天才なんや…」
その時、道端で酔い潰れている総擬古にある男が話しかけてきた
('A`) 「そんなとこで寝てたら風邪引きますよぉ」
- 850 :移籍志願者:2011/01/31(月) 22:31:31 ID:0X0kSqdE0
- ミ*,,゚Д゚彡 「なんだおっさん、俺になんか文句あんのか?」
('A`) 「いえいえ、ワタシはただ老婆心で忠告しただけですよ」
ミ#,,゚Д゚彡 「うるせェ余計なお世話だ!!」ガタッ
総擬古は男に胸倉をつかむ、しかし男は表情ひとつ変えなかった
('A`) 「オーホッホッ、穏やかじゃないですねぇ」
ミ#,,゚Д゚彡 「俺は今むしゃくしゃしてんだよ!黙らねェと痛い目に遭うぞ!」
m9('A`) 「落ち着いてください総擬古さん、ほらワタシの指を見てください」
ミ#,,゚Д゚彡 「あぁっ!?」
男は人差し指を総擬古の顔の近くに持ってきてぐるぐる回し始めた
m9('A`) 「オーホッホッホ」クルクル
ミ#,,゚Д゚彡 「ううう?」
ミ;,,@Д@彡 「あれ?ううう…」フラフラ
総擬古は目を回しその場に倒れ込んだ
- 851 :移籍志願者:2011/01/31(月) 22:38:05 ID:0X0kSqdE0
- ミ;,,゚Д゚彡 「はっ!ここは?」
総擬古が目を覚ますとそこは公園の中だった
ミ;,,-Д-彡 「痛てて…頭痛ェ…なんでここに居るんだろ…」
('A`) 「やっと目を覚ましましたね」
ミ;,,゚Д゚彡 「うわっ!なんですかあなたは!?」
('A`) 「実はですね…」
男は総擬古にこれまでの経緯を話した、総擬古が泥酔状態だったこと、男に絡んできたことなどなど…
ミ;,,-Д-彡 「ホントすいません!俺酒を飲むと我を忘れてしまうんですよ…」
('A`) 「酒は怖いですなぁ、次からは気をつけてくださいね」
ミ;,,゚Д゚彡 「はい…」
('A`) 「ところであなたはサッカー選手の総擬古選手ですよねぇ?」
- 852 :移籍志願者:2011/01/31(月) 22:43:00 ID:0X0kSqdE0
- ミ,,゚Д゚彡 「ええそうですけど、よくご存じですね」
('A`) 「モチロンですよぉ、リーグ屈指のストライカーではありませんか」
ミ,,゚Д゚彡 「俺はそんな大したことありませんよ、現に最近は全然ダメです」
('A`) 「だから酔い潰れてたのですかぁ?」
ミ,,゚Д゚彡 「そうです、ハァ…俺はもうダメなんですよ…」
総擬古は肩を落とす
ミ,,-Д-彡 「ちょっと前まではこれからの代表を担うとまで言われていたのに今じゃさっぱりダメですわ」
('A`) 「たしかにこのところパッとしてませんねぇ」
ミ,,゚Д゚彡 「サッカー見るんですか?」
('A`) 「ええ、個人的にシベリアFC時代からあなたのことを注目してたのですよ」
ミ,,゚Д゚彡 「シベリアFC…懐かしいですね、あの頃は常にがむしゃらでしたねぇ…」
- 853 :移籍志願者:2011/01/31(月) 22:47:56 ID:0X0kSqdE0
- ミ,,゚Д゚彡 「ハァ…あの頃は輝いていたのになぁ…」
('A`) 「なにをそんなにふさぎこんでいるのですか、たった数試合結果が出てないだけではないですか」
ミ,,゚Д゚彡 「その数試合が我々には命取りなのですよ、常に結果を残さなければ消えていくのがサッカーなんですよ…」
('A`) 「ほうほう、どこの世界も厳しいですねぇ」
ミ,,゚Д゚彡 「消えて行った選手を何人も見て来ましたからね…ハァ…」
総擬古は深いため息を吐いた
ミ,,゚Д゚彡 「ヨーロッパでプレイしたかったなぁ…」
('A`) 「出来ますよ」
ミ,,゚Д゚彡 「そうですか……え?」
- 854 :移籍志願者:2011/01/31(月) 22:53:40 ID:0X0kSqdE0
- ミ;,,゚Д゚彡 「ちょっそれどういうことですか!出来るんですかヨーロッパでサッカーが!」
('A`) 「ええモチロン、総擬古さんほどのプレーヤーなら欧州のクラブでも十分プレイすることは可能です」
ミ;,,゚Д゚彡 「可能って…あなた一体何者なんですか?ひょっとして代理人かなんかですか?」
('A`) 「いえいえ、ワタシはこういう者ですよ」サッ
ミ,,゚Д゚彡 「ココロのスキマお埋めします…喪鬱毒造…なんですかこれは?」
('A`) 「悩める人々を支援するなんでも屋みたいなものです
あなたもとても大きなココロのスキマを抱えてるようですねぇ」
ミ,,゚Д゚彡 「まぁそうですけど……残念ながら俺はお金持ってませんよ」
('A`) 「安心してください、ワタシの仕事はすべて無償です、お客様が満足されたらそれだけ結構なのです」
ミ,,゚Д゚彡 「そうなんですか…でも俺が欧州でプレイなんて無理ですよ、もう己の限界に気付いてしまいましたから」
- 855 :移籍志願者:2011/01/31(月) 22:57:31 ID:0X0kSqdE0
- ('A`) 「総擬古さんは欧州でも活躍できる実力はあると思いますけどねぇ」
ミ,,゚Д゚彡 「お言葉はありがたいですがねぇ、難しいですね…」
('A`) 「総擬古さん、あなたが一番弱いのはそのメンタル面です」
ミ,,゚Д゚彡 「メンタル面ですか?」
('A`) 「ええ、あなたはもっと自信を持ちなさい、そんないじけてたらなにも始まりませんよぉ」
ミ;,,゚Д゚彡 「で、でもどうしたらいいか…!」
m9('A`) 「大丈夫、ワタシに任せてください」
ミ;,,゚Д゚彡 「喪鬱さんにですか?」
m9('A`) 「そうです、あなたはかつての自信を取り戻しゴールの量産するのです」
ミ;,,゚Д゚彡 「ううう…」
m9('A`) 「もしあなたが華々しい活躍を見せたなら、欧州からたくさんのオファーを来るでしょうねぇ」
ミ;,,゚Д゚彡 「本当ですかっ!?」
m9('A`) 「本当ですよ」
m9(゚A゚) 「ドーーーーーーーン!!!!」
- 856 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:01:26 ID:0X0kSqdE0
- 数日後 試合前
( ´ 3`;)「う〜ん…」
ミ,,゚Д゚彡 「監督!」
( ´ 3`)「おおどうした総擬古よ、やけに元気じゃねェかよ」
ミ,,゚Д゚彡 「今日は俺をスタメンで使ってください!」
( ´ 3`;)「なんだと!?」
ミ,,゚Д゚彡 「お願いします!ロッキーさんは今日いませんし俺を使ってください!」
エースのロッキーは代表に召集されているため今日の試合には出場できない
( ´ 3`;)「うむ…」
ミ;,,゚Д゚彡 「お願いします!今日結果出せなかったらもうクビでもいいですので…!」
( ´ 3`;)「(いつもと目の色が違う…!)よし分かった!今日はスタメンに使う!」
ミ;,,゚Д゚彡 「ありがとうございます!」
( ´ 3`)「ただし今日結果を出せなかったら次は無いからな!」
ミ;,,゚Д゚彡 「わかりました!」
- 857 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:06:14 ID:0X0kSqdE0
- けんもう競技場 ピッチ上にて
ミ,,゚Д゚彡 (久々だな…この感覚…)
今日はアウェーでけんもうワンダラーズとの試合だった
総擬古は柳沢監督の言葉通りスタメンとしてピッチに立っている
ミ,,゚Д゚彡 「ふぅ…緊張するな…」
vw_ww_v
6L `∀´)「なに硬くなってるんだよお前は」
ミ,,゚Д゚彡 「おおすまねェな、なにせ久々なもんで…」
同期のケンイチが総擬古の緊張を解くために話しかけてきた
ケンイチとはユース代表時代から一緒にプレイする友人だった
vw_ww_v
6L `∀´)「そんな緊張したってしょうがねェだろ!肩の力抜けよコノヤロ!」
ミ,,゚Д゚彡 「おう…」
vw_ww_v
6L `∀´)「クビになったら俺のマネージャーやらせてやるから安心しろよ」
ミ,,゚Д゚彡 「なんだとコラ、お前こそ俺の華麗なプレイを見てショック受けるんじゃねェぞ!」
vw_ww_v
6L `∀´)「へいへい、俺達に楽させてくれよ、そいじゃ」
ケンイチが自分の守備位置―センターバック―へと戻って行く
いまのやりとりで総擬古の緊張が幾分和らいだ気がした
- 858 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:07:24 ID:0X0kSqdE0
- ミ,,゚Д゚彡 「……」
( - 。-)「ふぅ…」
ボールが相手選手によってピッチ中央へと運ばれていく
(φд゚) チラッ
主審が時計を見ている、キックオフまでまもなくだった
ミ,,゚Д゚彡 (よしっ…!)
(φp゚)
主審がホイッスルを咥えるのを見て足にグッと力を入れる
そして主審がキックオフを告げるホイッスルを吹いた
ミ,,゚Д゚彡 ダッ!
ホイッスルが鳴るや否や、総擬古は猛然とボールへと突っ込んで行った
- 859 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:08:08 ID:0X0kSqdE0
- (;- 。-)「うおっ!」
まさか総擬古が突っ込んでくるとは思っていなかったので相手選手は虚をつかれた
ミ#,,゚Д゚彡 「……」スタタタタッ!
(;- 。-)「やべっ!」ポス
慌てた相手選手は後ろの選手へパスを出す
が、そのパスが中途半端になってしまった
ミ#,,゚Д゚彡 「頂きィ!!」
ボールを奪うと50メートル5秒5の快足を飛ばしゴールへと向かう
ミ#,,゚Д゚彡 「ほっ!ほっ!」
相手DFを軽くかわす、あとはGKだけだった
(同し同#) キッ!
GKと1対1、総擬古は冷静にフェイントを決め相手をかわす
(同し同;) 「うわぁ!」
ミ#,,゚Д゚彡 「はぁっ!!」
ゴール中央へと豪快に叩きこんだ
- 860 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:17:27 ID:0X0kSqdE0
- ミ;,,゚Д゚彡 「はぁはぁ…」
総擬古がゴールを決めても競技場の中は歓声は沸かず静まり返っていた
あまりにも突然のことで状況を把握しきれていなかったのだ
ミ;,,゚Д゚彡 「おおお…」
ミ*,,゚Д゚彡 「ヒャッハー!!ざまぁみろ決めてやってぜコノヤロー!!」
総擬古が喜びを爆発させたあとに競技場の一部から歓声が沸いた
ビッパーズのサポーターが歓喜の唄を歌っていた
( `v´)「ナイスゴールじゃねェかフサ!」グイグイ
vw_ww_v
6L `∀´)「ホント決めやがってこの野郎!」ドスドス
(`∀´)「いきなりびっくりするじゃねェか馬鹿!」ポカポカ
ミ*,,゚Д゚彡 「痛てて!ちょっとやめてくださいよぉ!」
サポーターに続いてチームメイト達も喜びを挙げる
総擬古は手荒い祝福を受けた
ミ*,,゚Д゚彡 (これだこれだ!俺が長らく忘れていた快感は…!)
- 861 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:18:10 ID:0X0kSqdE0
- その後も総擬古は果敢に相手ゴールへと攻めて行った
(`∀´)「ていっ!」パスッ!
ミ,,゚Д゚彡 ダッ!
前半12分、サトウ・ユウトのロングパスに素早く反応し前線へ飛び出す
そして相手のゴール右隅へとシュートする、しかし惜しくもポストにはじかれてしまった
ミ;,,゚Д゚彡 「くそお!」
(`∀´)「ドンマイドンマイ」
前半19分、こんどはペナルティエリア近くで喜多のパスを受ける
( `v´)「ほりゃ!」パス
ミ,,゚Д゚彡 「!!」
相手DFを背にパスを受けると振り向きざまにシュートを打った
(同し同#) 「うりゃっ!!」
しかし今度は相手のファインセーブで阻まれてしまう
- 862 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:18:56 ID:0X0kSqdE0
- 総擬古の積極的な攻めが功を奏し前半32分に待望の追加点が生まれた
( ̄ー ̄) 「とうっ!」
右サイドバックのニヤリがオーバーラップをしクロスを上げた
ミ#,,゚Д゚彡 「つぁっ!!」
それを頭で合わせゴールへと流し込んだ
(同し同;) 「くうっ!」
GKは一歩も動くことが出来なかった
ミ*,,゚Д゚彡 「いえええええええ!!」
2点目を決めた後再びチームメイト達と喜びを炸裂させる
( ̄ー ̄) 「ナイスゴール!」
ミ*,,゚Д゚彡 「いえいえニヤリさんのクロスが良かったからですよ!」パンッ!
アシストを決めたニヤリと思いっきりハイタッチをかわす、この手の痛みが心地よかった
- 863 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:19:47 ID:0X0kSqdE0
- そして後半29分に今日の試合のハイライトが訪れた
( ;`v´)「フサっ!!」パスッ!
ミ,,゚Д゚彡 「!!」
ペナルティエリア手前でパスを受けると自慢の快足を飛ばし相手ゴールへと向かっていく
試合終盤に来ても体力はまだまだ無くなってはいなかった
(;∴゚ з゚ )「こら待て!」
相手選手数人に囲まれるが総擬古はそれらを振り切りゴールへと走っていく
ミ;,,゚Д゚彡 「くっ……!」
そしてDFをかわすと角度の無いところからシュートを放った
(同し同;) 「くそっ!」
ボールはGKの股下をすり抜けるとゴール左ネットへと突き刺さった
ミ*,,゚Д゚彡 「うおおおおおおおお!!!!!」
そして今日三度目の雄たけびを上げたのだった
- 864 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:20:50 ID:0X0kSqdE0
- 結局、けんもうワンダラーズとの試合は3-0でビッパーズが勝利した
得点すべてが総擬古によるものでまさに独壇場と呼べる試合だった
ミ,,゚Д゚彡 「……」
TV局のインタビューを終え、総擬古はビッパーズのサポーター席へと向かう
総擬古が行くとサポーターは大歓声で彼を迎えてくれた
ミ*,,゚Д゚彡 「おおお…」
総擬古は押し寄せてくる歓喜の声にかつてない興奮を覚えていた
まさにサッカーをやってる者にとっての至福のときだった
ミ*,,゚Д゚彡 (ありがてぇ…ありがてぇ…)
歓声はいつの間にか総擬古コールに変わっていた
ミ*,,-Д-彡 ペコ
総擬古はサポーターに一礼をしロッカールームに行くためその場から離れた
彼がその場を離れてもサポーターはコールをやめようとはしなかった
- 865 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:21:56 ID:0X0kSqdE0
- ミ*,,゚Д゚彡 「ふふふ…」
ロッカールームへと続く通路の中でも興奮が冷めることはなかった
両手はいまだにわなわなと震えている
ミ*,,゚Д゚彡 (俺がやったんだ…!この調子で行けば…)
そんな総擬古にある男が話しかけてきた
('A`) 「オーホッホッ、総擬古さん素晴らしい活躍でしたねぇ」
話しかけてきたのは喪鬱だった
ミ*,,゚Д゚彡 「喪鬱さん!?なぜここに!?」
('A`) 「競技場の隅でずっと見てましたよ、あなたの華麗なプレイを!」
ミ*,,゚Д゚彡 「そうなんですか…!いやぁ喪鬱さんありがとうございます!
あなたのおかげでハットトリックを決めることが出来ました!」
('A`) 「いえいえ、すべてあなたの実力によるものですよ」
- 866 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:22:27 ID:0X0kSqdE0
- ミ*,,゚Д゚彡 「いえ喪鬱さんのおかげですよ!あなたが僕にやる気を出させてくれたおかげで
活躍することが出来たんですから!」
('A`) 「たしかにモチベーションを持つことは大事なことですからねぇ」
ミ*,,゚Д゚彡 「新しい目標が出来たことで道が開いたような気がします!本当にありがとうございます!」
('A`) 「それは良かったですねぇ、そういえば最初にあなたが決めたゴールはすごかったですね
あっという間の得点劇でしたよ、ちなみに開始6秒での得点はリーグ新記録のようです」
ミ*,,゚Д゚彡 「いやぁあれはただ相手選手が慌てただけでたまたまですよ、今後はもう出来ないでしょうね」
('A`) 「この調子で得点を決めていけば海外からばんばんオファーが来るハズですからね、頑張ってくださいねぇ」
ミ*,,゚Д゚彡 「わかりました!それではまた…」トコトコ
総擬古はミーティングのためにロッカー室へと急いだ
('A`) 「……」
('A`) 「たしかにオファーは来るハズです、ただし、このまま平穏無事に行けばの話ですがね、オッホッホッ」
- 867 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:26:45 ID:0X0kSqdE0
- その後も総擬古の活躍は続いた
対ラウンジレンジャーズ (ヌルポスタジアム)
ミ#,,゚Д゚彡 スタタタタッ!
1週間後のラウンジレンジャーズ戦、この日も総擬古は絶好調だった
前半20分に先制点をあげ、後半も怒涛の攻撃を見せていた
( ´Å`)「ヘイ!」ドンッ!
ミ#,,゚Д゚彡 (倒れるかよ!)クイ
強烈なタックルをされても倒れずにそのまま持ち前の俊足を生かしゴールへと駆ける
| #‘ ‘|「くわっ!!」
GKがゴール前で構えている
ミ#,,`Д´彡 「ゴルァ!!」
総擬古はゴール左隅へと豪快なシュートを放った
| ;‘ ‘|「うがっ!!」
ボールはGKの手の先を通過し、ゴールへと突き刺さった
- 868 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:28:47 ID:0X0kSqdE0
- 対倍満FC (カトリスタジアム)
ミ#,,゚Д゚彡 「おらおらっ!」
総擬古はピッチを縦横無尽に駆け回り相手の守備を脅かしていた
( ゚∀゚ ) 「アイヤッ!!」
右サイドのさいたまがクロスをあげる
ミ#,,`Д´彡 「ゴルァァッ!!」
そのクロスを左足に合わせ強烈なボレーを放った
〔;`ュ´ 〕 「!!!!!」
倍満FCのGKがショートを防ぐため横に飛ぶ、しかし反応が一歩遅れたためボールは手はボールに届かなかった
ミ*,,゚Д゚彡 「ひょおおおおおおお!!!!!」
結局のこの1点が決めてとなり倍満FCに勝利し、ビッパーズは3連勝を飾った
- 869 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:30:07 ID:0X0kSqdE0
- 対ニュー速ギャラクシー (ニュー速スタジアム)
ミ;,,゚Д゚彡 「はぁはぁ…!」タタタッ
この日は乱打戦だった、スコアは総擬古の2得点を含む4-4のタイで今は後半に入っている
(;"・」・") 「ぐうううっ!!」
ミ;,,゚Д゚彡 (この野郎っ!!)ガツガツ
いつもとは違い今日の総擬古は攻撃だけではなく守備にも奔走していた
献身的に相手の攻撃のメを刈りに行く
(;"・」・") 「うわっ!!」
ミ;,,゚Д゚彡 「!!」
ニュー速ギャラクシーのエースであるドノバン米田からボールを奪いとる
ミ;,,`Д´彡 「とぅあっ!!」
総擬古はロングフィードを放った
( ゚∀゚ ) 「ヨシキタ!」
前線へと抜け出したさいたまが総擬古のパスを受け冷静にシュートを打った
(;=е=)「づわっ!!」
ボールはGKの右脇をすり抜けゴールネットへと突き刺さった、結局これが決勝点になりビッパーズは勝利したのだった
- 870 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:30:39 ID:0X0kSqdE0
- 試合終了後 スタジアム内通路にて
リノ、゚テモリ 「総擬古選手は最近になって急に得点を量産しだしましたがその理由をお聞かせください」
ミ,,゚Д゚彡 「そうですね…」
総擬古は試合が終わった後、サッカー雑誌の取材に応えていた
ミ,,゚Д゚彡 「やはりワンダラーズ戦での先制点で気持ちが吹っ切れたのが大きいかもしれませんね
それまでは得点できずにネガティブな精神状態が続いてましたし…」
リノ、゚テモリ 「今節は2G1Aという結果でしたが今日は守備に徹する時間も多かったですね
総擬古選手はあまり守備をするイメージは無いのですが今日は何故?」
ミ,,゚Д゚彡 「まぁそのう…以前までの自分は得点のことしか考えてなかったんですが
やはり大事なのはチームであり、チームにとって自分が何をすればいいのかを考えてプレイするようになりましたね」
リノ、゚テモリ 「なるほど…」
そんな総擬古を遠くで見つめる男が居た
|A`) 「……」
|A`) (頑張ってますねぇ総擬古さん、この調子でもっと頑張ってくださいねぇ)
- 871 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:31:17 ID:0X0kSqdE0
- スナック「ホンダ」にて
ミ*,,゚Д゚彡 「マスターこれを読んでみてくれよ」バサッ
( ´◎`) 「おう週刊パーフェクトサッカーじゃねェか、これがどうした?」
ミ*,,゚Д゚彡 「82ページを開いてください、俺の特集が載ってますよ」
( ´◎`) 「ほう」
総擬古に指示されたページを開くとそこには『エース帰還!!』と銘打たれた総擬古の特集が掲載されていた
記事『ビッパーズのエースがついに帰って来た!先月のけんもうワンダラーズ戦に今季初のスタメン出場するや否や
開始わずか6秒でいきなりゴールをあげ、それをきっかけに自身初となるハットトリックを決める大車輪の活躍を見せた。
その後の試合でもピッチを駆け回りゴールを量産している。フィールドを疾走するその姿は全盛期の岡野雅行を彷彿とさせる。
スタミナやキープ力、そして決定力も向上し今のところ欠点は見当たらない。彼はパーフェクトなストライカーになる素質がある』
( ´◎`) 「岡野雅行を彷彿とさせるとかすげェじゃんか!」
ミ*,,゚Д゚彡 「へへ、最後のほうを読んでみてくださいよ」
( ´◎`) 「最後…」ペラ
『最近では攻撃だけではなく守備にも積極的に汗を流している。以前は前線でボールを待ってるだけで自己中心的なプレイも多かった。
しかし一度不調に陥った際に己の在り方を考え意識改革を図り、チームのために働くようになった。総擬古は生まれ変わったのだ。
プロサッカー選手としての自覚、責任感が芽生えた”新生・総擬古”はこれからどんな活躍を見せてくれるだろうか?
ビッパーズの未来、いや代表の未来を背負って行く存在になるかもしれない。そんな総擬古に期待せずにはいられない』
- 872 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:31:59 ID:0X0kSqdE0
- ( ´◎`) 「おいおい代表の未来を背負って行くかもしれないってべた褒めじゃないかよ!すごいなお前」
ミ*,,゚Д゚彡 「ふふふ…」
( ´◎`) 「ついこの前まで腐ってここで項垂れていたというのに…なにがあったんだ?」
ミ*,,゚Д゚彡 「ただ調子が良いだけですよ、そんな大それたことじゃないッスよ」
( ´◎`) 「そうか……でも最近お前ホント変わったよな、前は守備とかしなかったのに…」
ミ*,,゚Д゚彡 「そりゃやっぱチームが一番ですから、俺が得点してもチーム自体が勝たなきゃ意味ないですから…」
( ´◎`) 「お前も成長したなぁ…」ジーン…
ミ*,,゚Д゚彡 「そんなことないッスよ、俺なんかまだまだです」
( ´◎`) 「この雑誌の言うとおりお前は代表の未来を担う選手になるよきっと、最近のお前を見てるとそう思うよ」
ミ*,,゚Д゚彡 「へへへ、あざーっす」
( ´◎`) 「今日は金はいらねェからどんどん飲めよ」
ミ*,,゚Д゚彡 「いやぁ太っ腹ッスねェ、ではお言葉に甘えて…」
総擬古は上機嫌だった、なぜなら有名サッカー雑誌にパーフェクトに近いと評されたのだから
しかしそんな総擬古にも致命的な欠点があった、それを次の試合で露呈してしまう―――
- 873 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:32:29 ID:0X0kSqdE0
- 対ラウンジSC (今北ラウンジサッカー場)
この日のビッパーズは苦戦していた
ミ;,,゚Д゚彡 (くそお…!)
前半8分に総擬古のゴールで幸先よく先制したものの、その3分後の前半11分に同点にされてしまう
そして後半早々に勝ち越しゴールを決められ現在1-2でビッパーズは負けていた
しかも時間は後半39分、ビッパーズの選手に焦りの色が見えていた、総擬古も例外ではない
ミ;,,゚Д゚彡 (ハァ…ハァ…)
この試合の総擬古は1点を取ってはいるがその後は決定機をことごとくハズしていた
( ;`v´)「へい!」パスッ!
ミ;,,゚Д゚彡 「!!」スタタタッ!
喜多のスルーパスに反応し抜け出そうとする、が
( ・⊥・) 「ふん!」
ミ;,,゚Д゚彡 「くはっ!」
相手DFヨネヤマの強い寄せに倒されてしまう、荒いプレーだったが審判は笛を吹かなかった
ミ#,,゚Д゚彡 「このやろう!!」
- 874 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:32:52 ID:0X0kSqdE0
- ijd ´A`) パーン!
相手GKが前線へとボールを大きく蹴り出す
( ¨_ゝ¨)パシッ!
それをラウンジSCのストライカー・マイクが胸で落とす、すかさずケンイチがチェックにいく
vw_ww_v
6L `∀´)「おらおらっ!」
( ;¨_ゝ¨)「あっ!!」
マイクはケンイチのチェックに慌てて他の選手にパスを出す
それをボランチのサトウ・ユウトがインターセプトでボールを奪った
(`∀´)「おらっ!」パスッ!
サトウ・ユウトが総擬古へとパスを放った
ミ;,,゚Д゚彡 「……」
総擬古はそのパスをトラップするが上手く足で受けることができず、ボールは大きく相手のほうへ流れてしまった
ミ#,,゚Д゚彡 「くそお!」
- 875 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:34:01 ID:0X0kSqdE0
- 从`・_ゝ・) シュタッ
ラウンジSCのDFタカギは総擬古のトラップミスを見逃さず、素早くボールを奪取する
ミ#,,゚Д゚彡 (ふざけんなっ!)
総擬古はボールを取り戻そうとタカギに向かってスライディングをする
しかし総擬古のスライディングはボールにではなくタカギの足へと向かっていた
从;` _ゝ ) 「うわああっ!!」
総擬古のスパイクがタカギのくるぶしに直撃した瞬間、タカギは悲鳴を上げその場に倒れ込んだ、すかさず審判がホイッスルを鳴らす
从;` _ゝ ) 「うううう!!」
激痛のあまりタカギはのたうち回る、何人かの選手がタカギの周りに集まってきた
(#・⊥・) 「テメェわざとやりやがったな!!」
ミ,,゚Д゚彡 「は!?たまたまだろ、カッカしてんじゃねェよおっさん」
(#・⊥・) 「なんだとクソガキッ!」
(#φд゚)「よさないかお前ら!」
審判が小競り合いを制止する、そして胸ポケットからイエローカードを取り出した
(φд゚)つ□ バッ!
それを総擬古に向かって提示した
- 876 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:34:35 ID:0X0kSqdE0
- (#・⊥・) 「いや今のは一発レッドでしょう審判!」
ヨネヤマは判定が不服だったらしく審判に抗議するが判定は覆らない
ミ,,゚Д゚彡 「ふん」
総擬古は自分の定位置へと戻ろうとする、すると相手サイドバックのコミヤマがすれ違う際に話しかけてきた
ノノ ・ω・) 「お前さ、なに熱くなってるんの?」
ミ#,,゚Д゚彡 「あぁ!?」
ノノ ・ω・) 「君のプレイでうちらだけじゃなく自分のチームにも迷惑かけてるんだよ
もうちょっと考えてプレイしたらどうだい総擬古くん?」
そう言うとコミヤマは自分の守備位置へと戻って行った
ミ#,,゚Д゚彡 (あのヤロウ馬鹿にしやがって!)
タカギのケガは大事には至らずなんとか立ち上がりプレイを再開した
从;`・_ゝ・) 「コミ!」パスッ
ノノ ・ω・) 「あいよ!」シュタッ!
コミヤマはタカギからパスを受けると勢いよくサイドを駆けあがって行く
- 877 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:35:06 ID:0X0kSqdE0
- ( ;゚∀゚ ) 「うおっ!」
ノノ ・ω・) 「へいへいへい!」
サイドバックのコミヤマが果敢に攻め上がる、この時折見せるオーバーラップがコミヤマの持ち味だ
(; ̄ー ̄) 「お、お、お」
ノノ ・ω・) 「!!」
ニヤリと対峙する
ノノ ・ω・) 「へい!」スタタタッ
コミヤマはそのままサイドへと駆け上がる、本来なら中央へと切り込んで精確なミドルシュートを放つのだが今日は違った
(; ̄ー ̄) 「こら渡せこら!」グイグイ
ノノ ・ω・) 「誰が渡すかよ」
コミヤマはコーナーでキープを始めた、もう終了間際というので時間稼ぎをしているのだ
- 878 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:36:27 ID:0X0kSqdE0
- , vw_ww_v
6L;`∀´)「寄こせこらっ!」
ケンイチも加わり二人がかりでボールを奪おうとするが上手くいかない
(; ̄ー ̄) 「くぅ!」
ニヤリの足にボールが当たり、そのままラインの外へと転がっていく
するとラウンジSCはゆっくりとスローイングをする
d ’_J’ノ ポン!
FWのニシからスローイングを受けるとコミヤマは再びコーナーでキープを始める
ノノ ・ω・) 「ほほほほほ〜」
(; ̄ー ̄) 「くそっ!」
ケンイチ、ニヤリが苦戦していると前線から総擬古が駆けてきた
ミ#,,゚Д゚彡 「うおおおおおお!!!!」
このとき観客の誰もが総擬古もボール奪取に加わると考えたハズだ
しかし総擬古は守備には参加しなかった
ミ#,,゚Д゚彡 「ゴルァ!」バキッ!
総擬古はボールではなくコミヤマの太ももに思いっきり蹴りを入れた―――
- 879 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:37:20 ID:0X0kSqdE0
- ノノ ; ω ) 「ギニヤ!!」
コミヤマは叫び声を上げその場に転倒した、痛みのあまり顔を歪ませている
(#φq゚)ピィーッ!
即座に審判は笛を鳴らし総擬古へと駆けよる
(#φд゚)つ■ サッ!
そして総擬古の前で高らかとレッドカードを掲げたのだった
ミ#,,゚Д゚彡 「けっ」
総擬古は審判の顔を一度睨めつけると憮然とした態度でピッチから出て行く
ノノ ; ω ) 「ううう……」
ちょうど総擬古の横をコミヤマを乗せた担架が通過していった
総擬古は近くにあった給水ボトルを拾いあげ中身を口に含む
ミ,,゚Д゚彡 「へっ、弱ェやつだな」
- 880 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:38:37 ID:0X0kSqdE0
- (#・⊥・) 「テメェなんだその言い草は!」
総擬古の言葉を聞いたヨネヤマが詰め寄ってくる
ミ#,,゚Д゚彡 「だってそうでしょ、あんぐらいで担架で運ばれるなんてありえないでしょ!虚弱すぎだよ!」
(#・⊥・) 「テメェ絶対に許さねェぞ!」
从;`・_ゝ・) 「ヨネさんストップストップ!そんなんじゃヨネさんまで退場させられますよ」
タカギが激昂するヨネヤマの止めに入る
ミ#,,゚Д゚彡、「もうウゼェなぁ!俺は退場になったんだからさっさと出させろよ!ったくよ!」ペッ
唾と悪態を吐き総擬古はピッチを離れて行く
(#・⊥・) 「……!……!」
ヨネヤマがなりやら叫んでいるが総擬古は振り返らなかった
ミ#,,゚Д゚彡 (今度もっと削ってやるから覚悟しとけよ!)ムカムカ
総擬古の欠点、それは彼の気性の荒さだった
- 881 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:39:26 ID:0X0kSqdE0
- 2週間後 BAR バロ巣
('A`) 「いやぁあなたの最近の活躍はすごいですなぁ、ワタシの想像以上ですよ」
ミ,,゚Д゚彡 「ホント喪鬱さんのおかげですよ」
あの試合から2週間後、総擬古は喪鬱と「BAR バロ巣」で酒を酌み交わしていた
('A`) 「何度も言うようですが今の活躍はあなたの実力によるものですよぉ」
ミ,,゚Д゚彡 「そうですか、ありがとうございます」
('A`) 「それはそうと久しぶりのシベリアはどうですか?
元シベリアFCの一員だった総擬古さんにとってシベリアは庭みたいなものでしょう?」
ミ,,゚Д゚彡 「まぁ懐かしいですねぇ…」
1年前まで総擬古はシベリアFCでプレイをしていた、そこでの活躍が認められニュー速ビッパーズに引き抜かれたのだった
('A`) 「明日のシャキン・シベリアにはかつての一緒にプレイした仲間たちも多いのではないですか?
そういう人たちと懇親会とかは開かないのですかぁ?」
ミ,,゚Д゚彡 「たしかにかつて同じ釜の飯を食べた仲の人もいますが今は敵同士です
まぁなるべくそういう人たちとは仲良くしないようにしてるんですよ」
('A`) 「なるほど」
シベリアFCが消滅したあと何人かの選手はシベリアに
本拠地を置くもうひとつのサッカークラブであるシャキン・シベリアへと移籍している
ビッパーズはそのシャキン・シベリアと明日に試合をするのだ
- 882 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:40:38 ID:0X0kSqdE0
- ( ´W`)
つ□とキュッキュッ
ミ,,゚Д゚彡 「ところで喪鬱さん…移籍のオファーの件なんですが…」
('A`) 「オッホッホッ、安心してください総擬古さん
まだ本格的なオファーはありませんが非公式にいくつか打診を受けているのですよ」
ミ;,,゚Д゚彡 「ほ、ほんとですか!?ど、ど、どこのチームですか!?」
('A`) 「それはまだ言えませんが、欧州のビッグクラブとだけ言っときましょう」
ミ*,,゚Д゚彡 「おおおありがとうございます!」
('A`) 「いま我が国の選手は欧州でも人気があるのです、だから総擬古さんもこの波に乗ってチャンスを掴んでください」
ミ*,,゚Д゚彡 「絶対そのチャンスをモノにします!よおしやるぞっ!」
('A`) 「明日のシャキン・シベリア戦の活躍いかんでは本格的なオファーに発展するでしょうねぇ
ただし総擬古さん、ひとつだけ気をつけてほしいことがあるのです」
- 883 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:42:05 ID:0X0kSqdE0
- ミ,,゚Д゚彡 「気をつけてほしいこと?なんですかその気をつけることは?」
('A`) 「ええ、この前の試合で総擬古さん退場しましたねぇ」
ミ,,゚Д゚彡 「ああ、あれですか、まぁついつい足が出ちゃいましてね、しょうがないですよ
でもまぁ1試合休めて良かったですよ、そのおかげでコンディションも良いですし」
('A`) 「実はそのラフプレーを今後控えてほしいのです」
ミ,,゚Д゚彡 「え?マジっすか」
('A`) 「あなたは劣勢になるとすぐに熱くなるきらいがあります、その熱くなる癖を直してほしいのです」
ミ,,゚Д゚彡 「はぁなるほど、以後気をつけます」
('A`) 「綺麗なプレーヤーのほうがオファーが来やすいですからね、マスター、総擬古さんにウォッカを」
( ´W`)つ□ タンッ
ミ,,゚Д゚彡 「どうも……」
- 884 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:43:05 ID:0X0kSqdE0
- 対シャキン・シベリア (シベリアスタジアム)
ミ,,゚Д゚彡 「……」
ホイッスルが鳴る直前、かつてのホームグランドに立ち当時のことを懐かしんでいた
ミ,,゚Д゚彡 「相変わらずぼろっちぃスタジアムだな…」
本来ならばこのスタジアムは老朽化に伴い去年で最後になり、シベリアには新しいスタジアムを建設する予定だった
しかしシベリアFCの数々の不祥事――俗に言うシベリアスキャンダル――や不景気により新スタジアムの件は無くなってしまった
ミ,,゚Д゚彡 「ハァ…」チラッ
(#´ 3`)
ちらりとベンチを見ると監督の柳沢が総擬古を睨みつけていた
ミ,,゚Д゚彡 (まだ怒ってるよ…)
この前のラウンジSC戦で1試合出場停止になったため先週の試合に総擬古は出ることが出来なかった
エースを欠いたビッパーズは得点を奪うことが出来ずに負けてしまったのだ
そのため試合前に総擬古はラウンジSC戦みたいにならぬように釘を刺されていた
ミ,,゚Д゚彡 「まぁ大丈夫だよきっと」
<ヽ`∀´> 「ニダニダ、久しぶりニダねぇ」
- 885 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:46:10 ID:0X0kSqdE0
- ミ,,゚Д゚彡 「ニダーさんじゃないですか!お久ぶりですねぇ、まだサッカーやってたんですか」
<ヽ`∀´> 「当たり前ニダ!ウリの実力なら引く手あまたニダ!」
シベリアFC時代の同僚であるニダーが話しかけてきた
彼はシベリアFCからシャキン・シベリアへと移籍した一人だった
ミ,,゚Д゚彡 「でもニダーさんは決定力が無いですからあまり心配しなくてもよさそうですね」
<ヽ`∀´> 「なに言ってるニダ、ウリは現時点でもう去年の2倍の得点を奪ってるニダよ!」
[ ´−`] 「2ゴールだけですけどね…」
ミ,,゚Д゚彡 「おおマキさんじゃないッスか!」
去年までシベリアFCでツートップを組んでいたマキが話しかけてきた
彼もまたシベリアFCのOBだった
[ ´−`] 「久しぶりだな、すごい活躍じゃないか最近」
ミ,,゚Д゚彡 「いやいやそれほどでもないですよ、そういえばシャキン・シベリアのツートップは…」
<ヽ`∀´> 「ウリとマキニダ」
ミ,,゚Д゚彡 「そうなんですか…(なんて守備的な前線だ…)」
- 886 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:48:00 ID:0X0kSqdE0
- (φq゚)ピィー!
審判のホイッスルで試合が開始された
( >`◇´) 「……」
ソウマ新監督率いるシャキン・シベリアは超守備的のチームだ
3バックを採用しておりどれも強力なDFを擁している
(`c_,´ )「……」
ミ;,,゚Д゚彡 (デケェ…)
特に強力なのは現役ロシア代表のロスキーだ、フィジカルが強く身長も2メートルに近い
(`c_,´ )「ふんぬ!」
ミ;,,゚Д゚彡 「ひぃ!」
(`c_,´ )「チビッコナンテチョロイデス」
ミ;,,゚Д゚彡 「くううう」
170センチちょいの総擬古は、空中戦で簡単に競り負けてしまった
- 887 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:49:27 ID:0X0kSqdE0
- ( `v´)「フサッ!」パスッ
ミ,,゚Д゚彡 「よおし!」スタタタタッ!
高さがダメなら足で翻弄すれば良い、自分の小回りの良さが相手には効くハズ
そう思い総擬古は快足を飛ばそうとする、しかし
wwww
6 `ェ´) 「ピィヤッ!」
ミ;,,゚Д゚彡 「うおっ!」
前への突破を3バックの一角であるチャノに体をぶつけられ阻まれてしまう
総擬古の行動を完全に読まれていた
リ ゜ッ゜リ 「ほっほっ」シュタッ
こぼれ球をサハラが前線へと蹴り出す
ミ;,,゚Д゚彡 「審判!」
(φд゚)プイッ
審判にファールをアピールするが認められなかった
- 888 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:50:52 ID:0X0kSqdE0
- ( `v´)「フサッ!」パスッ
ミ,,゚Д゚彡 「次こそっ!」スタタ
再び突破を試みようとする、が
wwww
6 `ェ´) (`c_,´ ) リ ゜ッ゜リ
ミ;,,゚Д゚彡 「ううう…」
チャノ、ロスキー、サハラの3バックを見て突破を躊躇してしまう
ミ;,,゚Д゚彡 (ううう…またさっきみたいに…)
( `〜´)「おらっよこせコラッ!」
ミ;,,゚Д゚彡 「うわっ!?くそっ!」
戸惑っていると右ウィングバックのヤマダがチャージを掛けてきた、しかたなく総擬古は喜多へとバックパスを出す
ミ;,,゚Д゚彡 (噂通りの堅い守備だ…)
シャキン・シベリアはこの堅い守備で現時点リーグ最少の失点数を誇っている
この堅守はイタリアのカテナチオをもじって”シベナチオ”と呼ばれている
しかし逆に得点数はリーグ最少でチームの順位も12位で下位に甘んじていた
- 889 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:51:17 ID:0X0kSqdE0
- ( ;`v´)「んん…」
ビッパーズは相手の堅守に攻めあぐねていた、なかなか相手陣内でプレイすることが出来ない
前半20分が過ぎてもいまだにシュートはゼロだった
( ;`v´)「てい!」パスッ
喜多は右サイドのさいたまにパスを出す
( ゚∀゚ ) 「ほいきたっ!」
さいたまが得意のドリブル突破を見せようとするが
(・ ∀ ・)「行かせないよっ!」バンッ
( ゚∀゚; ) 「うわっ!」
相手ボランチの沖田――この男も総擬古の元同僚――の強烈なタックルで防がれてしまった
しかし審判は今のタックルをファールと判断し笛を吹きプレイを止めた
(・ ∀ ・)「ちぇっ」
( ;`v´)バンッ!
喜多はセンターラインからゴール前へとボールを大きく蹴り出した
- 890 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:51:47 ID:0X0kSqdE0
- ミ;,,゚Д゚彡 「くおっ!」
(*`ー´*)「修人くんカモン!」
喜多が出したボールをヤマザキへと頭で落とそうとする、しかし
(`c_,´ )「ソウハサセマセン!」バスッ
ミ;,,゚Д゚彡 「ぐっ!」ヨロッ
やはり空中戦では分が悪かった、ボールは遠くへクリアされ体をぶつけられた総擬古はその場に倒れ込んだ
ミ#,,゚Д゚彡 「くそお…!」
しかしクリアが不十分だった、サトウ・ユウトがそれを拾う
(`∀´)「ヒャッハー!」スタタタッ
サトウ・ユウトはボールを拾うとすぐに強烈なミドルを放った
(ν#・ω・)ν 「たぁっ!!」バンッ!
しかし相手GKほわっちょ相田の好セーブに阻まれてしまった
- 891 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:52:19 ID:0X0kSqdE0
- (`∀´;)「うわあああ!!!くそっ!」
しかしこれでコーナーキックを手に入れた、喜多がコーナーへと走る
( `v´)バンッ
喜多が蹴ったボールが綺麗な弧を描くようにゴール前へと落ちてくる
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6L#`∀´)「うりゃっ!」ズドンッ!
ヘディングが得意なケンイチが頭で合わせゴールへと叩きつける
(ν#・ω・)ν 「うおっ!!」パシッ
が、またほわっちょに防がれてしまう
(ν#・ω・)ν パンッ!
ほわっちょはキャッチしたボールをすかざず前線へと蹴る
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6L;`∀´)「やべっ!」
ケンイチが前線に出ていたため守備が手薄だった、シャキン・シベリアが得意としているカウンターだ
- 892 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:52:50 ID:0X0kSqdE0
- (ΘωΘ)「ほっほっ」スタタタッ
シャキン・シベリアは司令塔の殊能、マキ、ニダーと3人居るのに対しビッパーズは置竹、ニヤリの2人しか自陣に居なかった
从;゚ー゚V 「おおお!!」スタタタッ
置竹が対応に行くが殊能はすかさず前線のニダーへとパスを出す
<ヽ`∀´> 「ニダっ!」
(; ̄ー ̄) 「くっ!」
ペナルティエリア前で2対1、ニヤリが詰める前にニダーはシュートを放った
(;〇`ω´〇) 「ふんぬっ!」パンッ
ビッパーズのGK中田がニダーのシュートを足で弾く、が
[ #´−`] 「うがっ!」
こぼれ球をマキがヘディングで押し込んだ
(;〇`ω´〇) 「うぐ…」
ニダーのシュートを防ぐ際にバランスを崩したため中田は反応が出来なかった
前半5分、早々とシャキン・シベリアが先制した
- 893 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:53:12 ID:0X0kSqdE0
- [ *´−`] 「ぐふふ…」
<ヽ`∀´> 「ナイス頭ニダ!」
[ *´−`] 「利き足は頭だからな」
(・ ∀ ・)「今季4ゴール目おめでとうございます!」
シャキン・シベリアのイレブンがマキのゴールを祝福する
総擬古はそんな彼らを遠くから睨みつける
ミ#,,゚Д゚彡 (くそお…調子乗りやがって…)
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6L;`∀´)「すまない…カウンターには気をつけてたつもりだったんだが…」
ミ#,,゚Д゚彡 「大丈夫オレが取り返してやるよ」
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6L;`∀´)「そうか…」
- 894 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:54:24 ID:0X0kSqdE0
- しかしこの日は思うように攻めることが出来なかった
ミ#,,゚Д゚彡 「ぬおおおお!!!」スタタタッ!
wwww
6 `ェ´) 「ピィヤッ」
ミ;,,゚Д゚彡 「うぐ…くそっ!」パスッ
チャノの強い寄せでゴールを打つことが出来ずバックパスを出す、今日はその繰り返しだった
(*`ー´*)パスッ!
ミ#,,゚Д゚彡 「よしきたっ!」
ヤマザキからパスを受けドリブル突破を試みようとするがやはりチャノに潰されてしまう
wwww
6 `ェ´) 「行かせるピャッ!」ズザザザッ
ミ;,,`Д´彡 「かはっ!」
鋭いスライディングに総擬古は倒される、しかし審判は笛を吹かない
(φд゚)「ほら早く立て」
ミ#,,゚Д゚彡 「くそお…チャノのヤロウ…!」スタタタタッ
- 895 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:55:34 ID:0X0kSqdE0
- (φq゚)ピィーっ!
ミ;,,゚Д゚彡 「ハァ…ハァ…」
結局その後は両チーム得点を奪えないまま前半を終了した
総擬古は得点を取るどころかシュートすら打てぬまま折り返したのだ
総擬古たちがロッカーへ戻ると柳沢監督の怒号が飛んだ
( #´ 3`;)「お前らさっきの失点はなんだ!あれほどカウンターには気をつけろとあれほど言っただろう!」
从;゚ー゚V 「すいません…」
( #´ 3`;)「しっかりしろ!弛んでるんじゃないのか!」
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6L;`∀´)「そういうつもりは…」
( #´ 3`;)「それと攻撃だ、完全にあのDF陣に封じられてるじゃないか、もっとこう果敢に攻めろよ!」
ミ;,,゚Д゚彡 (攻めてるよ…)
( ;`v´)「しかし監督、相手はベテランばかりです、後半になればきっとバテ始めますよ」
シャキン・シベリアのフィールドプレーヤーは、沖田、ニダー、殊能以外はみんな30歳を超えている
( ´ 3`;)「たしかに、特に守備陣は相当疲れてるハズだ、後半はもっと攻めろ、いいな!」
そう言うと柳沢はミーティングを締めた
- 896 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:56:59 ID:0X0kSqdE0
- 後半開始早々にビッパーズはチャンスを得た
( ゚∀゚ ) スタタタタッ
( ;`〜´)「うくっ!」
右サイドのさいたまがヤマダを振り切りゴール前の総擬古へとクロスを上げた
リ#゜ッ゜リ 「ぐおおお!!」
ミ#,,゚Д゚彡 「くおっ!」
サハラとゴール前で競り合う、総擬古はバランスを崩しながらもボールを頭で合わせた
ミ;,,゚Д゚彡 (来たか!?)ヨロッ
ボールはゴール右隅へと飛んで行く
ビッパーズが同点と誰もが思った、しかし
(ν#・ω・)ν 「入れさせるかァ!」
ほわっちょの左手が間一髪ボールに届き総擬古のシュートを防いだ
ミ;,,゚Д゚彡 「くぅ〜……」ギリッ
総擬古は天を仰いだ
- 897 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:57:59 ID:0X0kSqdE0
- 後半20分、ビッパーズに再びチャンスが訪れる
( ;`v´)「フサっ!」パスッ
ミ,,゚Д゚彡 (よしきたっ!)ザッ!
(`c_,´; )「シマッタ!」
疲労で集中力が切れてきたロスキーの裏をつき総擬古は前線へと飛び出した
ミ,,゚Д゚彡 「ぬおおおおおお!!!!」
wwww
6;`ェ´) 「まてピャっ!」
チャノが追ってくるがスピードが売りの総擬古に追いつけるハズもない
ミ,,゚Д゚彡 (今度こそっ!)
ペナルティエリアでGKと1対1、総擬古は落ち着いてゴール左隅へとシュートを転がす
(ν#・ω・)ν 「!!」ザッ
しかしまたもやほわっちょに止められてしまう、ほわっちょの伸ばした右足が総擬古のシュートを弾く
ミ;,,゚Д゚彡 「あ〜もうっ!」
総擬古は頭を抱える、後半に入ってシュートは増えたが肝心なところでほわっちょが立ちはだかった
- 898 :移籍志願者:2011/01/31(月) 23:59:24 ID:0X0kSqdE0
- 試合終盤、シャキン・シベリアはFW二人を下げて守備を固めてきた
<ヽ#`∀´> 「ニダァ!」ガツガツ
ミ#,,゚Д゚彡 「この野郎っ!」ガツガツ
ニダーとマキが守備に奔走するようになりビッパーズは攻めあぐねていた
しかしチャンスは突然訪れるモノ、後半39分に今日最大のチャンスが訪れる
( ;゚∀゚ ) 「ハァハァ!」
ヤマダとサハラを振り切ったさいたまはペナルティエリアへと侵入した
(ν#・ω・)ν 「!!!」
この試合神がかり的なセーブを連発しているほわっちょが立ちはだかる
しかしさいたまはシュートではなくゴール前へパスを出した
(ν;・ω・)ν 「うわっ!」
ほわっちょはそのパスに反応出来なかった
(`c_,´; )「ハァハァ……」
疲労で動きが鈍くなっていたロスキーを振り切り総擬古はゴール前で完全にフリーになっていた
ミ#,,゚Д゚彡 (決まった!!)
総擬古が足を出す、もうボールを押し込むだけだった
しかしボールはゴールへと行かず、ビッパーズサポーターが居るスタンドへと飛んで行った
- 899 :移籍志願者:2011/02/01(火) 00:00:26 ID:sVzXHt1w0
- ミ#,,`Д´彡 「うわああ!!くそおっ!!!」
何の変哲のないパスを総擬古は大きく浮かしてしまった、まさかのミスキックである
すかさずスタンドから総擬古を罵るヤジが飛ぶ
ミ#,,゚Д゚彡 (くそお!くそお!)バンッバンッ
総擬古は膝をつきピッチを何度も殴りつける、腹の虫が収まらなかった
( #´ 3`;)「なにやってんだよもう!」バンッ
ベンチのほうでは柳沢がベンチの背もたれを蹴っ飛ばしていた
誰もが落胆の表情を浮かべていた
ミ#,,゚Д゚彡 「くううう…!」ギリギリ
数々の好機をモノにできずフラストレーションが溜まる一方だった
そんな総擬古に元同僚の沖田が話しかける
(・ ∀ ・)「修人くん今日全然ダメっすね〜」
ミ#,,゚Д゚彡 「なんだとコラ」
- 900 :移籍志願者:2011/02/01(火) 00:00:50 ID:sVzXHt1w0
- (・ ∀ ・)「だって打てど打てど入らないじゃないですか〜、完全にダメな時の修人くんっすね」
ミ#,,゚Д゚彡 「……うるせェな、黙れよ」イライラ
(・ ∀ ・)「ま、こっちはそれで助かってるんですけどね、せいぜい僕たちの勝利に貢献してくださいね」タタタッ
そう言うと沖田は自分の守備位置へと戻って行った
ミ#,,゚Д゚彡 (あのヤロウ…)
(ν・ω・)ν パンッ
ほわっちょがボールを蹴り試合が再開する、もうすでに後半40分を過ぎていた
(`∀´;)「よし!」パシ
そのボールをサトウ・ユウトが拾い急いで前線へとパスを出す、そのパスを総擬古が受けた
( ;゚∀゚ ) 「ヘイヘーイ!」
ミ,,゚Д゚彡 チラッ
総擬古がさいたまにパスを出そうとしたその一瞬、ベンチの様子が目に入った
( ・∈・ ) カチカチカチ
そこではロッキーが出場の準備をしていた
- 901 :移籍志願者:2011/02/01(火) 00:01:25 ID:sVzXHt1w0
- ミ#,,゚Д゚彡 「くそお!」スタタタッ
( ;゚∀゚ ) 「ちょっ!」
ミ#,,゚Д゚彡 (監督のやろう、このオレが信用できないのか!オレなんかロッキーを使おうてか、ふざけんな!)
自分が交代させられると思いカッとなった総擬古はさいたまへのパスはやめ、強引に前へとドリブルしていく
(`c_,´; )「ヨシナサイコラ!」
ミ#,,゚Д゚彡 「どけ木偶の坊!」スタタタタッ!
疲れ切ったロスキーをドリブルでかわす
wwww
6;`ェ´) 「ピャア!!」ズサササ
チャノがスライディングで止めようとするが総擬古はフェイントでチャノをかわす
- 902 :移籍志願者:2011/02/01(火) 00:01:54 ID:sVzXHt1w0
- ミ#,,゚Д゚彡 「ぬおおおお!!」
(ν;・ω・)ν 「くっ…!」
今日幾度もあったほわっちょとの1対1、今回こそは決めようと総擬古は意気込む
ミ#,,゚Д゚彡 (今度こそっ!)
シュートを打つ体勢に入ったとき、何かが肩にぶつかり体がよろけた
ミ#,,゚Д゚彡 「うっ!」
[ ´−`]
マキだった、マキが激しく体を寄せてくる
ミ#,,゚Д゚彡 「この野郎っ!!」
この瞬間、総擬古は頭に血が上り我を忘れてしまった
振り返った総擬古はマキの顔に肘鉄を食らわせた―――
- 903 :移籍志願者:2011/02/01(火) 00:02:26 ID:sVzXHt1w0
- [; д ] 「ぐわあああ!!!!!!」
鼻を両手押さえてマキが倒れた、おびただしい鼻血が指の間から漏れ出ている
(#φq゚)ピィーッ!!
審判が慌ててプレイを止め倒れているマキへと急いで近づく
[; д ] 「ああああ……」ジタバタ
激しい痛みでマキはその場で悶え苦しむ、鼻骨が折れてるのかもしれない
(ν#・ω・)ν 「テメェなにしやがってんだコラァ!」
ミ#,,゚Д゚彡 「しらねェよこいつが勝手に倒れたんだろっ!」
(ν#・ω・)ν 「ふざけんなよお前っ!」
<ヽ;`∀´> 「ケンカはやめろニダ!」
ニダーが小競り合いを止めに入る、しかしほわっちょは収まらない
- 904 :移籍志願者:2011/02/01(火) 00:03:09 ID:sVzXHt1w0
- (ν#・ω・)ν 「オレは見たぞ!こいつがわざとマキさんに肘討ちしたトコ!」
ijd ´A`) (д゚ )
審判は見えていなかったらしく他の審判に確認しに行っていた
(φд゚)スタタタッ
そして確認が終わると総擬古の前へと駆けよると
(φд゚)つ■ バッ
高らかとレッドカードを掲げたのだった
ミ#,,゚Д゚彡 「なんでだよっ!絶対やってないからオレ!」
判定を納得出来ない総擬古は審判に掴みかかろうとするが味方に制止される
(; ̄ー ̄) 「暴力だけダメだっ!落ち着け!落ち着くんだ!」
ミ#,,゚Д゚彡 「うるせぇ離せゴルァ!!」ブンッ
止めに入った味方を振り払おうとする
(; ̄ー ̄) 「わかったから早く出ろ」
ミ#,,゚Д゚彡 「絶対やってない!絶対わざとやってないから!」
ニヤリはスタッフに総擬古を渡す、総擬古はなおも腹立ちがおさまらない
- 905 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/02/01(火) 00:03:26 ID:j7K.DnoA0
- あーあ
- 906 :移籍志願者:2011/02/01(火) 00:03:31 ID:sVzXHt1w0
- |;@Θ@)「総擬古さん早く行きましょう」
ミ#,,`Д´彡 「ふざけんな離せっ!オレに触れるな!」ブンブンッ
/;・∀・ヽ 「取りあえず落ち着きましょう!サポーターもみんな見てますよ!」
ミ#,,゚Д゚彡 「うるせェっ!!」ガンッ
総擬古は近くにあった給水ボトルを思いっきり蹴っ飛ばす
/;・∀・ヽ 「ひぃっ!」
|;@Θ@)「取りあえずロッカーまで連れていきましょう…」
スタッフが二人がかりで通路入口まで総擬古を連れて行く
|;@Θ@)(なんとかここまで来れた…もうすぐロッカーだ…)
スタッフが安心しかけたその時、スタンドからヤジが飛んだ
( ^^)「お〜い総擬古、ガキみたいにギャーギャー言ってんじゃねェよバーカ」
- 907 :移籍志願者:2011/02/01(火) 00:05:26 ID:sVzXHt1w0
- その言葉が再び総擬古に火をつける
ミ#,,゚Д゚彡 「なんだとゴルァ!」
|;@Θ@)「暴れないくださいよ!」
二人がかりで抑えようとするが総擬古の力は強くスタッフを振り払う
その拍子にユニフォームがズタズタに破れてしまうほどの荒れっぷりだった
ミ#,,゚Д゚彡 「こらかかって来いよコラ、今相手してやるからよ」
( ^^)「ぷぷぷ、なに観客相手に熱くなってるの?ホント馬鹿だな」
ミ#,,゚Д゚彡 「っのヤロウ!!」
総擬古は近くにあった給水ボトルを投げつけようとするがスタッフがそれを必死に止める
/;・∀・ヽ 「それだけはダメです総擬古さん!そんなことしたら大問題になりますっ!」
- 908 :移籍志願者:2011/02/01(火) 00:07:51 ID:sVzXHt1w0
- ミ#,,゚Д゚彡 「離せコラ!」
総擬古はスタッフを振り払う、そのはずみで給水ボトルの蓋が取れてスタッフに中身がかかる
|;@Θ@)「うわぁっ!」
ミ#,,゚Д゚彡 「オレに触れるな!ひとり歩けるよクズどもがっ!」
そう言うと総擬古は肩をいからせながらロッカーへと足早に向かった
ミ#,,゚Д゚彡 「くそお!」バンッ
通路に入っても怒りは収まらない、近くにあったゴミ箱を蹴っ飛ばす
とにかく今なにか当たりたくてしょうがなかった
と、ゴミ箱が転がって行く先に見覚えのある男がいた
('A`) 「オーホッホッホ、荒れてますねぇ総擬古さん」
そこに居たのは喪鬱毒造だった
- 909 :移籍志願者:2011/02/01(火) 00:09:16 ID:sVzXHt1w0
- ミ#,,゚Д゚彡 「喪鬱さんじゃないですか!」
('A`) 「ずーっと見てましたよあなたのプレイ」
ミ,,゚Д゚彡 「すいません、今日は活躍することができませんでした…」
('A`) 「そんなことは別にいいです、たかだか1試合ダメだったぐらいであなたの評価は覆りません」
ミ,,゚Д゚彡 「ホッ、良かった…」
('A`) 「しかし、あの肘討ちはいただけませんなぁ、ラフプレイは控えなさいと忠告したハズですよぉ」
ミ,,゚Д゚彡 「あれですか…あれはプレイの流れの中でたまたま肘が顔に入っただけです、サッカーじゃよくあることです」
('A`) 「ホントにそうですかぁ?ワタシには故意にあなたが肘を入れたようにしか見えませんでしたよ」
ミ,,゚Д゚彡 「喪鬱さんひとついいですか?」
('A`) 「はいなんでしょう?」
ミ,,゚Д゚彡 「あなた知らないでしょうけどサッカーというのは戦争なんですよ、負けは死ぬことと同じなんです
だからみんな生きることに必死なんですよ、必死だからこそ気を抜いた奴は大けがするんです」
('A`) 「ほう」
- 910 :移籍志願者:2011/02/01(火) 00:10:17 ID:sVzXHt1w0
- ミ,,゚Д゚彡 「それで喪鬱さん、例のオファーの件なんですが…」
さすがにたくさん来てるだろうと総擬古は喪鬱の言葉に期待していた
しかし喪鬱の言葉は総擬古の期待を裏切るモノだった
('A`) 「それがですね、一件もオファーは来てないのですよ」
ミ#,,゚Д゚彡 「なんだとっ!」
さきほどの怒りが再び腹の底から沸いてきた、総擬古は喪鬱にどなり声を上げた
ミ#,,゚Д゚彡 「ふざけんなよなんでオファー来てねェんだよ!おかしいだろこんな活躍したのに!」
('A`) 「おやおや、また熱くなってきましたね」
ミ#,,゚Д゚彡 「俺はあんたの言うことを信じてこんなに頑張ったんだぞっ!この野郎騙しやがったな!」
('A`) 「騙したつもりはこれっぽちもありませんけどねぇ
総擬古さん、何故我が国の選手が最近欧州で人気かご存じですか?」
- 911 :移籍志願者:2011/02/01(火) 00:12:08 ID:sVzXHt1w0
- ミ;,,゚Д゚彡 「人気の理由?そりゃテクニックやそういうのじゃないんですか?」
('A`) 「たしかにそれもありますが一番の理由は我が国民の真面目さです」
ミ;,,゚Д゚彡 「真面目さ?」
('A`) 「ええ、我が国民の誠実さ、規律を重んじるところに欧州のスカウトたちは魅力を感じてるのです
欧州や南米の選手は技術はあれど自己主張が強すぎるのです、そのためワタシたちが重宝されるのですよ」
ミ;,,゚Д゚彡 「それとこれとどういう関係が…」
('A`) 「オッホッホ、考えてみてください、あんな汚いプレイをするあなたから誠実さが感じられますか?」
ミ;,,゚Д゚彡 「う!それは…」
('A`) 「スタッフに乱暴にするあなたに他人を思いやる気持ちが感じられますか?」
ミ;,,゚Д゚彡 「だ、黙れ…」
('A`) 「観客のヤジに激昂するあなたから実直さが感じられますか?」
ミ#,,゚Д゚彡 「黙れって言ってるんだよ!ぶっ飛ばすぞゴルァ!」
('A`) 「つまりあなたみたいな粗暴なチンピラはどこも欲しがらないということですよ」
ミ#,,゚Д゚彡 「テメェ…」
('A`) 「でもまぁ、そんな選手を欲しがるモノ好きなクラブもあるのですよ」
- 912 :移籍志願者:2011/02/01(火) 00:14:46 ID:sVzXHt1w0
- そう言うと喪鬱は一枚の紙を出した
ミ;,,゚Д゚彡 「え?オファーあったんですか!」
('A`) 「ええ、チャンピオンズリーグにも参加してるとある国のクラブです」サッ
喪鬱が契約書を総擬古に渡す
ミ;,,゚Д゚彡 「マッコピ・バイフォFC?聞いた事無いチームだな…」
('A`) 「とある国で一番の名門なのです、そのチームと5年の契約を結んできましたよ」
ミ#,,゚Д゚彡 「ふざけんなっ!俺が行きたいのはこんな無名のクラブじゃなくて
ACミランとかユベントスみたいなビッグクラブに行きたいんだ!」
m9('A`) 「いいえダメです、あなたはマッコピ・バイフォFCに行かなければいけないのです」
ミ;,,゚Д゚彡 「な、なんだよ!」
喪鬱が総擬古のほうへジリジリと近づいてくる
m9('A`) 「行くのです、あなたはそのクラブ行くのです」
ミ;,,゚Д゚彡 「う……」
m9('A`)
ド―――m9('∀`)―――ン!!
ミ;,, Д 彡 「がああああああああ!!!!!」
- 913 :移籍志願者:2011/02/01(火) 00:26:38 ID:sVzXHt1w0
- ミ;,,゚Д゚彡 「はっ!どこだここは!?」
総擬古が目を覚ますとそこは知らない部屋の中だった
(-◎3◎)「やっと目を覚ましましたネ、ミスター総擬古」
隣の椅子に座っている男が話しかけてきた
ミ;,,゚Д゚彡 「ううう…あんた誰?」
(-◎3◎)「おう申し遅れまシタ、ミーは通訳兼コーディネーターのジョニー・バシタカと言いマス」
ミ;,,゚Д゚彡 「通訳?……は!?そうだ!」
総擬古は喪鬱とのやりとりを思い出した
ミ#,,゚Д゚彡 「(あの男、本気でオレを……!)ふざけんな!オレは帰るぞ!」
(-◎3◎)「ミスター総擬古、それは無理デス、もう現地の空港に着いていマスから」
総擬古が今居るのはチャーター機の中だったのだ
ミ;,,゚Д゚彡 「そ、そんな…こ、ここはどこなんだ!なんという国なんだ!」
(-◎3◎)「ミスター総擬古、急ぎましょう、チームのみんなも待ってマス」
ジョニー・バシタカは総擬古の問いには答えず、外に出るように促した
- 914 :移籍志願者:2011/02/01(火) 00:37:59 ID:sVzXHt1w0
- ミ,,゚Д゚彡 「ハァ…」
空港で色々な手続きを済ませる、このあとどうなるのかわからないので総擬古は不安だった
(-◎3◎)「ミスター総擬古、手続きは済ませマシタカ?」
ミ,,゚Д゚彡 「ええ済ましましたけど…」
(-◎3◎)「では行きましょう、早くしてくだサイ」
そう言うとミスター・バシタカが足早に空港の出口へと向かう
ミ,,゚Д゚彡 「あのバシタカさん、ここはいったいどこなんですか?教えてくださいよ」
(-◎3◎)「ミスター総擬古、我が国の空港はどうデスか?なかなか綺麗でショ?」
ミ;,,゚Д゚彡 「(なんで無視するんだよ……)そうですね…」
そうこうしてるうちに出口のゲートにたどり着いた、そのゲートをくぐる
ミ;,,゚Д゚彡 「は!?な、なんだこれは!」
外を景色を見て総擬古は目を見開いた
- 915 :移籍志願者:2011/02/01(火) 00:51:15 ID:sVzXHt1w0
- 総擬古が見た景色は想像してるモノとまったく違っていた
ミ;,,゚Д゚彡 「おいおいなんだよこれ……!」
なんとなく総擬古はここを高層ビル等が立ち並ぶ都会だと思っていた
しかし総擬古が見たのは高層ビルなどではなく瓦礫の山だった
ミ;,,゚Д゚彡 「あ、あ、あ……」
かつてはビルだったであろう瓦礫からところどころ煙があがっている
焦げ臭いにおいが総擬古の鼻をついた
ミ;,,゚Д゚彡 「どういうことですかこれっ!聞いてないっすよ!」
(-◎3◎)「実は我が国は今、近隣諸国との戦争の真っ最中なのデスよ」
ミ;,,゚Д゚彡 「せ、戦争中!?そんな……」
(-◎3◎)「空港の外に車を用意していますので急いでくだサイ」
ミ;,,`Д´彡 「いやだ!こんなトコ居たくない!帰らせてくれ!」
(-◎3◎)「ミスター・総擬古、空港の周りを見てくだサイ」
ミ;,,゚Д゚彡 「建物の残骸ばっかりですけど……」
(-◎3◎)「つまり今もっとも爆撃の標的としてふさわしいのはこの空港デスよ」ザッ!
そう言うとジョニー・バシタカは急に走って空港から離れた
- 916 :移籍志願者:2011/02/01(火) 01:02:51 ID:sVzXHt1w0
- ミ;,,`Д´彡 「ちょっ!ま、待ってくれっ!」
総擬古もすかさず空港から離れる、こんな時に自分の快足が役に立つなんて思いもしなかった
(-◎3◎)「さすがデスね!噂通りの脚力の持ち主ダ!」
ミ;,,`Д´彡 「ハァハァ!ふざけんなよぉ……」
いつ爆弾が落ちてくるかもしれない恐怖で総擬古のココロは張り裂けそうだった
(-◎3◎)「!!ミスター総擬古!伏せてくだサイ!」バッ
ミ;,,゚Д゚彡 「えええ?え?」バッ!
ジョニー・バシタカに言われ体を地面に伏せたその瞬間、爆音とともに衝撃が総擬古の体に押し寄せた
ミ;,,`Д´彡 「うわああああああああ!!!!痛い痛い!!」
爆風で飛んでくる色んなモノが体にぶつかってくる
ミ;,,゚Д゚彡 「はあああ……」チラリ
総擬古が振り返るとさっきまで綺麗だった空港が無残にも崩壊していた
(-◎3◎)「大丈夫デスかミスター・総擬古?」
ミ;,,゚Д゚彡 「は、は、はひ……」
総擬古は恐怖で上手く立つことが出来ない、股間が生温かかった
- 917 :移籍志願者:2011/02/01(火) 01:21:20 ID:sVzXHt1w0
- (-◎3◎)「やっと車にたどり着きましたネ」
ミ;,,゚Д゚彡 「はい……」
やっとのことで車にたどり着いたが生きた心地がまったくしない、膝の震えが止まらなかった
(-◎3◎)「頑張ってくだサイねミスター・総擬古、ミーたちマッコピ・バイフォFCはユーに期待してマスから!」
ミ;,,゚Д゚彡 「そうっすか……」
(-◎3◎)「これから最高の5年間を過ごしましょうネ!」
ミ;,,゚Д゚彡 「5年間……」
これから5年間この国で過ごすと思うと総擬古はなにもかもが嫌になった
ミ,,;Д;彡 「ああ…帰りてェよぉ……」
('A`) 「往年の名選手でこういう発言を残した方が居ました
『サッカーは戦争だなどというヤツは、本当の戦争を知らないんだ』という言葉です
総擬古さんは本当の戦争を知ってどういう思いを抱くでしょうか?
きっともう二度とサッカーは戦争などとは言わなくなるでしょうねぇ」
('∀`) 「5年間戦場で頑張ってくださいね総擬古さん、オーホッホッホ・・・・・・」 【移籍志願者】 完
- 918 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2011/02/01(火) 01:24:59 ID:sVzXHt1w0
- 以上です、今日は長かった…まさかこんな長くなるとは思わなかった…
質問、指摘、日本語がおかしい等があればお願いしますお
- 919 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2011/02/01(火) 01:26:19 ID:sVzXHt1w0
- ちなみに>>839はB´zの歌の歌詞ね
怒ってるわけじゃないYO!
- 920 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/02/01(火) 01:35:47 ID:WtQy2UgA0
- でも5年間マッコピ・バイフォFCで揉まれた総擬古の後日談も見たかったり
乙
- 921 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/02/01(火) 02:24:39 ID:eEPKl9nsO
- 乙〜コミカルな落ちで良かった
(ヽ´ん`)敵チームの名前見てけんもう君出るかと思ったw
- 922 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/02/03(木) 03:09:52 ID:n0vePwQw0
- `・+。*・ (´・ω・`)
。*゚ 。☆―⊂、 つ
。*゚ : ヽ ⊃
`+。**゚**゚ ∪~
- 923 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2011/02/05(土) 02:49:41 ID:.SlOhlqk0
- ちょいと聞きたいんだけど、途中から地の文を入れるようになったけど読みやすいかな?
今後の参考にするので聞かせてプリーズ
- 924 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/02/05(土) 13:41:28 ID:gL7ZRcewO
- >>923
読みやすいよ〜
会話で状況を説明するよりも自然に読めます!
- 925 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/02/05(土) 18:10:33 ID:iwQM/otg0
- >>923
問題無く読めるお
- 926 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2011/02/05(土) 18:42:02 ID:tS8FZvsc0
- >>924>>925
良かったありがとう
- 927 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/02/13(日) 08:46:56 ID:M3WX8HcY0
- そろそろ次スレかな?
- 928 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2011/02/13(日) 20:00:25 ID:2gj5nslk0
- 次の投下でこのスレはラストになるかな多分
今月中には投下したいのう
- 929 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/02/17(木) 01:01:54 ID:7mNW4mkIO
- あけましてですお、いま 757まできましたそれでは
続き読みます
- 930 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/02/17(木) 03:47:01 ID:7mNW4mkIO
- 追いついたですお
- 931 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2011/03/01(火) 22:07:38 ID:w6a7ykWk0
-
ヾヽヽ
(,,・∋・)<それ行け!Going Going
ミ__X__ミ
`u―u'
/ ブーン系小説総合スレ 【 イラスト+α 】 まとめさん
/ http://sogomatome.blog104.fc2.com/blog-entry-467.html
/ まとめさんいつもありがとうございます
/
/
∧亜∧ /
ミ,,・o・ミ / ,,,,,,,,,,
( つ―つ' (( [,,・∋・] ))<投下します
\_/
∪
- 932 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2011/03/01(火) 22:09:00 ID:w6a7ykWk0
- 私の名前は喪鬱毒造、人呼んで鬱ナせぇるすまん
ただのせぇるすまんじゃございません
私が取り扱う品物は“ココロ” 人間のココロでゴザイマス・・・
この世は老いも若きも男も女もココロの寂しい人ばかりそんなみなさんのココロのスキマお埋めします
いえお金は一銭もいただきませんお客様が満足されたら、それがなによりの報酬でゴザイマス・・・
さて今日のお客様は・・・
ノ リ ^ヮ^) ヽ 「バイバイまさお!」
(´・c_・`) 「うん…」
(´・c_・`) 原田 優男 20歳 大学2年生
【僕だけのマドンナ】
オーホッホッホ・・・・・・
- 933 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2011/03/01(火) 22:09:53 ID:w6a7ykWk0
- シベリア大学にて
リコ-〇ー〇)リ 「早よう行くけぇ、置いてくぞ」
ノ リ ^ヮ^) ヽ 「あ〜んリコ待ってよ〜」
(´・c_・`) 「……」
(ν・ω・)ν 「おい原田!」
(´・c_・;`) 「うわっ!なんだほわっちょくんか…」
(ν・ω・)ν 「お前なにルルカちゃんとしゃべってんだよ、お前らどういう関係よ?」
(´・c_・;`) 「別に、ただの幼馴染だよ」
原田とルルカは小学校時代からの顔なじみだった、そしてそのルルカは大学内で絶大な人気を誇っている
(ν・ω・)ν 「おいおいマジかよ!テメェこのやろう!」ギュッ
(´・c_・;`) 「痛い!つねらないでよ…」
(ν・ω・)ν 「どこまでいってるの?もう付き合ってるの?もうヤっちゃったの!?」
(´・c_・;`) 「そういう下世話な話は止してよ…別に恋人同士じゃないから安心して」
彼とルルカはただの幼馴染、それ以上でもそれ以下でもなかった
原田はルルカに対しては恋愛感情を少しも抱いていない
- 934 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:11:22 ID:w6a7ykWk0
- (ν・ω・)ν 「羨ましいよなぁ、あんな超絶可愛い子ちゃんと幼馴染なんだもん」
(´・c_・`) 「そうかなぁ、ずっと一緒にいたからあまりそういうのは感じないなぁ」
(ν#・ω・)ν 「この贅沢者がっ!父さんはお前をそんな贅沢者に育てた覚えはないぞっ!」
(´・c_・`) 「ほわっちょくんに育てられた覚えもないよ」
他愛ない会話をしながら二人は大学を出る、時計を見ると15時を少し過ぎていた
(ν・ω・)ν 「小腹も空いたし『ヌルポリア』に行かね?」
(´・c_・`) 「うんそうだね」
そういうと二人は大学前のファストフード店『ヌルポリア』に入った
ポテトやハンバーガーなどを注文すると二人は二階へと上がった
(ν・ω・)ν 「しかし良いよなぁ、あのルルカちゃんと仲良しなんて」
(´・c_・`) 「またその話…別に大したことじゃないよ」
(ν・ω・)ν 「だって今年のミス・シベリア大学の最有力候補だぜ!妬いちゃうよ!」
2階に着くと二人は一番奥の4人掛けのテーブルに向かいあうようにして腰を下ろした
- 935 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:11:59 ID:w6a7ykWk0
- (ν・ω・)ν 「なぁルルカちゃんの携帯アドレス知ってんだろ?教えてよぉ原田く〜ん」
(´・c_・`) 「ダメダメ!勝手に教えちゃ僕が怒られる」
(ν・ω・)ν 「へん!いいさ別に!今度会ったとき自分から聞きにいくからいいもん!
ミスター・シベリア大学最有力候補の俺が聞いたら一発で教えてくれるだろうね」
(´・c_・`) 「書類選考で落ちるんじゃないかな」ムシャ
ヌルポバーガーにかぶりつく、肉汁が口の中に飛び散り旨味が口内に広がる
原田はこの店のハンバーガーが好きだった
(ν・ω・)ν 「なぁ今度の春休みどっか行かね?遊園地とかさ」
(´・c_・`) 「男同士で遊園地か、想像するだけで切ないね」
(ν*・ω・)ν 「俺は原田くんとならどこに行っても嬉しいですわよん!」
(´・c_・;`) 「ちょ!周りに誤解されちゃうよ」
ここの味も良かったが、ほわっちょとの他愛ない会話がなによりも好きだった
人見知りで内気な原田にはほわっちょはかけがえのない友人だった
しかしそんな楽しい会話も唐突に終わってしまう
ノ リ ^ヮ^) ヽ 「あれ?まさおじゃん!」
- 936 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:12:52 ID:w6a7ykWk0
- (ν;・ω・)ν 「ちょっ!」
(´・c_・;`) 「ルルカ、なぜここに…」
ノ リ ^ヮ^) ヽリコ-〇ー〇)リ
振り返るとそこにはルルカとその友人の稲葉リコがトレイを持って立っていた
ノ リ ^ヮ^) ヽ「ちょっとお腹空いたから入ったんだけど満席なんだよねぇ」
周りを見回すと店内はシベリア大学の学生で満員だった
(´・c_・;`) 「たしかに…でも3階に行けばいいんじゃないか?まだ席開いてんじゃないの」
ノ リ ^ヮ^) ヽ 「もう歩くの疲れちゃった!だから隣に座らせて!」
(´・c_・;`) 「え、でも…」
ノ リ ^ヮ^) ヽ 「いいからいいから!ほらつめてつめて」
4人掛けのテーブルなのでちょうど4人座れる
原田が席をひとつ詰め隣にルルカが座る、リコはほわっちょの後ろを回り原田の正面に腰を下ろした
- 937 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:14:38 ID:w6a7ykWk0
- (ν;・ω・)ν 「あ、あの原田と同じゼミに通ってるほわっちょ相田です、よろしく」
ノ リ ^ヮ^) ヽ 「わたしはルルカ!よろしくね!」
(ν;・ω・)ν 「うん…」
リコ-〇ー〇)リ 「わしゃぁ稲葉リコゆいます、よろしゅう」
(ν;・ω・)ν 「あ、どうも…」
ほわっちょはルルカに喋りかけただけで汗をかいていた、結構ウブなのだ
ノ リ ^ヮ^) ヽ 「まさおほら、新作のカニみそバーガーだよ!美味しいって評判だから食べてみ!あーん」
(´・c_・;`) 「やめてよ、恥ずかしいよ」
ノ リ ^ヮ^) ヽ 「いいじゃんわたしたちの仲なんだから、ほらあーん」
(´・c_・;`) 「ううう…」
周りの学生たちの視線が痛い、なぜか申し訳ない気分になってくる
ノ リ ^ヮ^) ヽ 「もうシャイなんだから!」
(´・c_・;`) 「すまないね…」
- 938 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:15:26 ID:w6a7ykWk0
- ノ リ ^ヮ^) ヽ 「ねぇ今度の春休みどっか行こうよ〜」
(´・c_・`) 「でも春休みはほわっちょくんと予定があるし…」チラリ
リコ-〇ー〇)リ 「へぇ理工学部なんか、すごいのう」
(ν;・ω・)ν 「いや、そんな大したことでは…」
ほわっちょはリコと会話をしていた
ノ リ ^ヮ^) ヽ 「ええ〜たまには二人っきりでどっか行こうよ〜」
(´・c_・`) 「まぁ考えとくよ…」
最近ルルカはやけにベタベタしてくる、以前まではそこまでべったりくっ付いてこなかったのに
原田はポテトに手を伸ばす
(´・c_・;`) 「あ!」
リコ-〇ー〇)リ 「お」
ポテトへ手を伸ばしたとき、原田とリコの指が触れ合った
- 939 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:16:27 ID:w6a7ykWk0
- (´・c_・;`) 「す、すいません!!」
原田は慌てて手を引っ込めた
リコ-〇ー〇)リ 「いやぁこちらこそすまんのう」
そういうとリコはポテトを箱ごと手に取り中身を食べ始めた
(´・c_・;`) 「……」ドキドキ
手が触れ合ったときから心臓の鼓動が激しく脈打っていった
手のひらにじっとりと汗をかいている
(´・c_・;`) 「ふぅ…」ゴクゴク
コーラを一気に呷った、口の中が渇いてしょうがなかった
ノ リ ^ヮ^) ヽ 「わたしのコーラ飲む?」
(´・c_・`) 「いやいいよ…」チラリ
リコ-〇ー〇)リ 「フフ…」
(´・c_・;`) 「うぐ…」
リコがほほ笑みかけてきた、原田は頭の芯からカァっと熱くなった
- 940 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:17:02 ID:w6a7ykWk0
- ノ リ ^ヮ^) ヽ 「じゃあまた明日ね〜」
(´・c_・`) 「うん」
ノ リ ^ヮ^) ヽ 「行こうリコ」
リコ-〇ー〇)リ 「おう」
食事が終わり、原田はルルカたちと別れた
(ν・ω・)ν 「ああ疲れた!お前のせいでメガネのおもりさせられちまったよ!」
(´・c_・`) 「なんで僕のせいなんだよ」
(ν#・ω・)ν 「お前がルルカちゃんとイチャイチャしてるからオレがメガネの世話せにゃならんかったんだろ!」
(´・c_・;`) 「落ち着けよ…別にイチャイチャしてたわけじゃないしさ」
(ν・ω・)ν 「あれをイチャイチャと言わずになんと呼ぶんだよ、しかしお前あれだぜ、ルルカちゃんお前にほの字だぜ」
(´・c_・`) 「ほの字って……表現がまた古いなぁ……」
(ν・ω・)ν 「古風と言ってくれ、さっきのルルカちゃんがお前に接する態度は幼馴染とかそういうのとは全然違うぜ
確実にお前に惚れてるって!目がハートマークだったもん!」
- 941 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:17:35 ID:w6a7ykWk0
- (´・c_・`) 「別にそんなふうには感じなかったけどなぁ……ほわっちょくんの勘違いじゃない?」
(ν・ω・)ν 「なにが勘違いだよ!お前ってホント鈍感だな!そういう態度が女の子を傷つけてるんだよ!」
(´・c_・`) 「別に傷つけてるつもりは無いんだけどな……」
ルルカの気持ちに気付いていないわけではなかった
最近のルルカの態度からうすうす感づいてはいたのだ
しかし原田はルルカの期待に応えることは出来なかった
(´・c_・`) 「だって僕はルルカに釣り合うような男じゃないよ、顔だってイマイチだし……」
(ν・ω・)ν 「容姿とか見た目とかそういうのじゃないんだよ恋愛は!フィーリングよフィーリング!」
(´・c_・;`) (まともに恋愛したこともないやつがなに言ってんだ……)
(ν・ω・)ν 「とにかくルルカちゃんを幸せに出来るのはオマエだけだよ、頑張れよ!」
(´・c_・;`) 「うぐ……」
頑張れよと言われても無理な話だった
(´・c_・;`) (だって僕が好きなのはルルカじゃなくてリコちゃんだもの……)
- 942 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:18:18 ID:w6a7ykWk0
- (´・c_・`) 「ハァ……」
ほわっちょと別れたあと原田はとぼとぼと家路を急ぐ
(´・c_・`) 「リコちゃん可愛かったなぁ……」
ヌルポリアで手が触れ合ったときのことを思い出す
指と指が触れ合うだけで体がビリビリ痺れてしまった
(´・c_・*`) (リコちゃんの仲良くなりたいな……)
しかし原田はリコとまともに会話したことが無かった
(´・c_・`) (でも話をする勇気もないしな……)
(´・c_・`) 「ハァ……」
原田は自分の世界に入っていて前から人が来ることに気がつかなかった
( )c_<`) 「痛い!!」 ドンッ!
前から歩いてくる男にぶつかってしまった
- 943 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:18:58 ID:w6a7ykWk0
- (´・c_・;`) 「す、すいません大丈夫ですか!?」
原田は焦った、もしぶつかった相手がチンピラとかだったら絡まれるかもしれない
しかしそんな原田の心配も杞憂だった
('A`) 「オーホッホッ、大丈夫ですよぉ」
ぶつかった男は小太りの中年だった
(´・c_・;`) 「すいません、ちょっとよそ見してて気づきませんでした……」
('A`) 「いえいえ気にしないでください」
(´・c_・;`) 「では僕はこれで……」
原田がその場を後にしようとした時
('A`) 「ちょっといいですかお兄さん?」
(´・c_・;`) 「な、なんでしょうか?」
もしかしたら治療費をせびられるのではないかと原田は心配になった
- 944 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:19:37 ID:w6a7ykWk0
- ('A`) 「そんなに身構えなくても大丈夫ですよぉ、別に脅そうなどとは考えてませんので」
(´・c_・;`) 「いや別にそういうつもりは……」
('A`) 「安心してください、ワタシはこういう者です」サッ
(´・c_・;`) 「ココロのスキマお埋めします……もうつどくぞう?」
('A`) 「ええ、ワタシは悩める現代人のココロにやすらぎを与える仕事をしているのです」
(´・c_・;`) 「はぁ(胡散臭いなぁ……)」
('A`) 「お兄さん、あなたは悩みごとを抱えてますね、だから周りが見えずワタシにぶつかったのでしょう?」
ギクッ(´・c_・;`) 「そ、そういうわけでは……!」
('A`) 「この人通りの少ない路地でぶつかるなんて普通は無いですからねぇ」
(´・c_・;`) 「う……」
たしかに今二人が居る路地は人が居ない
('A`) 「大丈夫ですよ、現代人なら悩みの一つや二つは当たり前ですからねぇ、ぜひあなたの悩みを聞かせてください」
(´・c_・;`) 「……」
- 945 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:20:12 ID:w6a7ykWk0
- BAR バロ巣
( ´W`)
つ□とキュッキュッ
('A`) 「ほう、幼馴染が居るのですか」
(´・c_・`) 「はい、僕が小学校のころからの付き合いでしてね、昔からの腐れ縁です」
('A`) 「小中高、果ては大学まで一緒なのですか?すごいですなぁ、よっぽど仲が良いのですな」
(´・c_・`) 「ええ、家族ぐるみで交流がありましたし、僕も彼女のことを無二の親友だと感じてます」
('A`) 「良いじゃないですか、それのどこが悩みの種なのですか?」
(´・c_・`) 「実は……」
つ□とチビリ
ウォッカを一口舐める
(´・c_・`) 「その幼馴染が僕に恋をしてるみたいなのです」
('A`) 「オッホッホ!それは素晴らしいことではないですか、いやぁ良かったですねぇ」
(´・c_・`) 「それが良くないのですよ……」
- 946 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:20:52 ID:w6a7ykWk0
- ('A`) 「いったいなにが良く無いのですか?」
(´・c_・`) 「たしかに仲は良いけど僕は彼女に対してなんの感情を抱いていないのですよ」
('A`) 「ほう、ということはその幼馴染さんの片思いなのですね?」
(´・c_・`) 「そうですね」
('A`) 「それでもあなただって嫌いというわけではないでしょう?付き合ってしまえばいいではないですかぁ」
(´・c_・`) 「そういうわけにはいかないのですよ……」
('A`) 「それは何故ですか?」
(´・c_・`) 「実は僕……」
('A`) 「どうしましたか?」
(´・c_・;`) 「いや、あの……」
('A`) 「仰ってください、あなたに悩みを」
(´・c_・;`) 「はい、実は僕、他に好きな女性がいるのです……」
- 947 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:21:34 ID:w6a7ykWk0
- ('A`) 「ほう!なるほど、それであなたは悩んでいたのですね」
(´・c_・;`) 「はい……」
('A`) 「いったいどなたに恋をしてるのです?」
(´・c_・;`) 「僕の幼馴染……ルルカって言うんですけどね……そのルルカの友達なんですよ、僕が好きなのは」
('A`) 「そうなのですか、ところでどういう女性なのですか、その幼馴染のお友達は?」
(´・c_・`) 「いやほとんど喋ったことが無いんですよ、いつもルルカの横に居るだけで」
('A`) 「ほうほう」
(´・c_・;`) 「話しかけたいんですけど、僕は昔から人見知りで口下手ですから話しかけられないんですよ」
('A`) 「原田さんはシャイそうですからねぇ」
(´・c_・;`) 「それで意を決して話しかけようとしたことも何回かあるんですが、
良いタイミングでルルカに邪魔されるんですよ、これが女の連帯感ってやつですかねぇ」
- 948 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:22:33 ID:w6a7ykWk0
- ( ´W`)
つ□とキュッキュッ
('A`) 「その女性のどこに惚れたのですか?」
(´・c_・*`) 「すべてです!喋り方、顔、声、仕草すべてが美しい彼女は!僕は一目見た時から恋に落ちましたよ!」
('A`) 「よっぽどの美貌の持ち主なのでしょうねぇ」
(´・c_・#`) 「そうです!それなのに僕の友達は彼女のことを悪く言うのですよ!
可愛くないだのおばさん臭いだの!はっきり言ってルルカより断然可愛いですよ!」
('A`) 「まぁまぁ落ち着いてくださいよ、原田さんがその女性が大好きだということはわかりました」
(´・c_・`) 「すいません、つい興奮しちゃいました……」
('A`) 「でも原田さんこれはある意味チャンスですよ、彼女を狙う人が少ないというですからねぇ」
(´・c_・;`) 「まぁたしかにそうですけど僕には無理ですよ、高嶺の花すぎますよ」
('A`) 「そんなんでどうするのですか原田さん、恋というのは当たって砕けろですよ」
- 949 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:23:14 ID:w6a7ykWk0
- (´・c_・;`) 「そうですけど、実際砕けるのは嫌ですし、それにルルカに申し訳ないですし……」
('A`) 「申し訳ないとはどう言うことですか?」
(´・c_・;`) 「僕のことを好いてくれてるルルカに悪い気がしまして……なんか裏切ってるような」
('A`) 「そんなこと言ってるといつまで経っても恋人など出来ませんよぉ」
(´・c_・;`) 「そうですけど……あぁどうすりゃいいんだろ!」
つ□とトンクッ
原田は残ってるウォッカを一気に呷った、アルコール度数が高いため喉が焼けるように熱い
(´・c_・;`) 「ハァ……」
('A`) 「わかりました原田さん、ワタシに任せてください」
(´・c_・;`) 「何をするんですか?」
('A`) 「まぁ明日になればわかりますよ、マスター、原田さんにウォッカをもう一杯」
( ´W`)つ□タンッ
(´・c_・;`) 「ど、どうも……」
原田は喪鬱の言うことに不安に感じながらもなにも言わなかった、酒のせいで正常な判断がつかなかったのだろう
(´・c_・;`) (明日になればわかる?なんだろう……)
- 950 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:23:52 ID:w6a7ykWk0
- 次の日 シベリア大学にて 朝
(´・c_・`) 「ハァ……」
原田は結局遅くまで喪鬱の飲んだ、そのためすごく眠かった
(´-c_-;`) 「いてて…頭痛い……」
二日酔いのため頭痛がする、調子に乗って飲まなければよかったと原田は後悔した
空は雲で覆われており今にも雨が落ちて来そうだ、二日酔いも相まって気分は優れなかった
(ν・ω・)ν 「おいおいどうした、顔面真っ青じゃないか」
(´・c_・;`) 「ああほわっちょくんおはよ、ちょっと飲み過ぎただけだよ」
(ν・ω・)ν 「オマエが酒飲むとは珍しいな、失恋でもしたのか?ひょっとしてルルカちゃんに振られたのか?」
(´・c_・;`) 「失恋とかじゃないよ、それにルルカのこと好きじゃないし……」
(ν・ω・)ν 「まだそんなこと言ってるのか、自分のココロの声に耳を当ててみろよ、そして正直になれよ」
(´・c_・`) 「僕は正直者だよ」
二人は大学の中へと入る
- 951 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:24:22 ID:w6a7ykWk0
- (´・c_・`) 「ふぅ疲れた……」
午前の講習が終わった、原田は体を伸ばす
(ν・ω・)ν 「いやぁ眠かったな、中村の話しつまんねェな」
(´・c_・`) 「ひきつけられるモノがないよね」
ゼミの教授の悪口の言い合い二人は部屋から出る
(ν・ω・)ν 「そういや原田よこれからどうする?ヌルポリア行くか?」
(´・c_・`) 「う〜んどうしようかな……」
原田は昼からは予定は無く暇だった
(´・c_・`) 「そうだね行こうか」
二人は大学の外にある『ヌルポリア』へと向かう
- 952 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:25:46 ID:w6a7ykWk0
- 昨日と同じ品物を頼み昨日と同じ場所に座った
(ν・ω・)ν 「まぁここが一番無難だわな」
(´・c_・`) 「ほわっちょくんは進級できそうなの?なんか心配なんだけど?」
(ν・ω・)ν 「なにを言うとりますか、僕は真面目やし勉強もできるし簡単に進級できますわ」
(´・c_・`) 「そうかい」
原田はポテトに手を伸ばす、そのときふと昨日リコと手が触れ合ったときのことを思い出す
(´・c_・`) (喪鬱さんが言ったことってなんだったんだろう……)
ポテトを一口食べる、あまり塩気がなく旨くなかった
(´・c_・`) 「ポテトって全然塩気が無いときと逆にしょっぱくてしょうがないときがあるよね」
(ν・ω・)ν 「あるある、もっとちゃんと作れよって言いたいね」
その時―――
ノ リ ^ヮ^) ヽ 「やっぱりここにいたわね!」
ルルカが現れた、まるでデジャブのようだった
- 953 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:26:16 ID:w6a7ykWk0
- (ν;・ω・)ν 「なんだと……!」
(´・c_・;`) 「なんでルルカがここに……」
ノ リ ^ヮ^) ヽ 「絶対お昼はここにいるだろうと思ってたわ!」
(´・c_・;`) 「……は!」
ルルカが居るってことはリコも居るに違いない
原田の胸が高鳴り始めた
(´・c_・*`) (ひょっとして喪鬱さんが言ったことってこのことか……!)
原田は周りを見回す
が、リコはどこにも居なかった
(´・c_・;`) (あれリコちゃんは?)
ノ リ ^ヮ^) ヽ 「隣座るね!」
ルルカが原田の隣の椅子に腰を下ろす
(´・c_・;`) 「なぁルルカ、リ……稲葉さんは?」
ノ リ ^ヮ^) ヽ 「リコ?リコは今日用事があるからって急いで帰ったよ」
- 954 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:27:15 ID:w6a7ykWk0
- (´・c_・;`) 「え?そうなの?」
ノ リ ^ヮ^) ヽ 「なに?リコになんか用事でもあるの?」
(´・c_・;`) 「いやそういうわけじゃないよ!ただいつも一緒に居るのに今日はいないのかぁって思ってさ」
がっかりだ、期待してしまった自分が恥ずかしい
(´・c_・;`) (学部も違うし帰ったなんて知らなかったよ……)
彼女たちとは学部が違う、原田とほわっちょは理工学部で彼女たちは経済学部だ
(ν・ω・)ν 「あのさ原田、ちょっといいか?」
(´・c_・;`) 「なんだいほわっちょくん……」
(ν・ω・)ν 「オレ教授に呼ばれてたの忘れてたよ!先に行くな!じゃあな!」
そういう走ってその場を離れて行った
(´・c_・;`) (そんなの聞いてないよ!なんで……)
そこで原田は悟った、ルルカと二人きりにさせるためほわっちょは出て行ったのだと
ノ リ ^ヮ^) ヽ 「はいマサオ、ポテトだよあ〜ん」
ほわっちょが居なくなった途端、ルルカが密着して甘えてきた
(´・c_・;`) 「(余計なお世話だよほわっちょくん!)ハァ……」
- 955 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:27:56 ID:w6a7ykWk0
- 北シベリア商店街にて
(´・c_・;`) 「ハァ疲れた……」
結局あれから1時間ルルカの相手をしていた、もう午後1時を過ぎている
(´・c_・;`) (せっかく家でごろごろしようと思ったのに……)
原田は家路に急ぐ
(´・c_・`) (それにしてもこの商店街も寂れちゃったなぁ……)
原田は今の北シベリア商店街を見てすこし寂しい気分になった
彼の子供時代はここもそれなりに栄えていた
(´・c_・`) (これが時代の流れってやつなのかな……)
原田が一抹の寂しさを覚えたそのとき、頬に水滴がひとつふたつと当たった
(´・c_・;`) 「うわっ!雨じゃん!」
朝から雲行きが怪しかった空から、とうとう雨が降って来た
それは瞬く間に本降りになった
(´・c_・;`) 「もうツイてないな!」ダッ!
原田は傘を持っていない、雨宿りをするため彼は走った
- 956 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:28:43 ID:w6a7ykWk0
- 雨宿りの場所はすぐに見つかった、元食堂だった建物の軒下だ
(´・c_・;`) 「ハァハァ……もう最悪だよ……」
体はジャケットを着ているため大丈夫だが頭はひどく濡れていた
(´・c_・;`) 「ツイてない……ホントツイてないよ……」
もうすぐ3月と言えどもこの季節はまだ寒い、そのうえシベリアだ
(´・c_・;`) (ううう寒い……)
原田は身もココロも凍えそうだった
(´・c_・;`) (喪鬱さんの言うことを信じた僕が馬鹿だった……なんであんな話を信用したんだろう……)
彼女のことはワタシに任せてください―――喪鬱はそう言った
(´・c_・;`) 「(あの人になにが出来るって言うんだ、ホント僕は馬鹿だ……)ハァ……」
原田は深いため息を吐いた、その息は白く、すぐに遠くへと消えていった
(´・c_・;`) 「ん?」
遠方から誰かが走って来る、原田はその姿に見覚えがあった
リコ;〇〜〇)リ 「げにツイてんなぁ」
走ってきたのは稲葉リコだった
- 957 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:29:46 ID:w6a7ykWk0
- (´゚c_゚;`) 「な!?」
原田は目を見開いた、まさかこんなところでリコに会うなんて夢にも思っていなかった
リコ-〇−〇)リ 「ありゃ?あんたもしかしてルルカの友達の原田くんか?」
(´・c_・;`) 「そ、そ、そうです!原田優男です!」
リコ-〇ー〇)リ 「なに慌ててるんで、落ち着け」
(´・c_・;`) 「す、すいません、寒くて……稲葉さんも雨宿りですか?」
リコ-〇ー〇)リ 「そうじゃ、ツイてないのう……それとリコでええよ」
(´・c_・;`) 「リ、リコさんはなんで北シベリア商店街に居るんですか?家が近くにあるんですか?」
リコ-〇ー〇)リ 「いや違うんよ、今から野球の試合を見に行こう思うてな」
(´・c_・;`) 「野球……」
用事というのは野球観戦することだったのだ
(´・c_・;`) 「(そういえば近くに球場があったな……)でも今ってシーズンオフじゃないの?」
- 958 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:30:17 ID:w6a7ykWk0
- リコ-〇ー〇)リ 「オープン戦じゃよ、今日から始まるけぇのう」
(´・c_・;`) 「そうなんだ……」
大学を休んでまでオープン戦を見に行くとは―――原田は彼女の意外な趣味に驚いた
リコ;〇〜〇)リ 「う〜んでもこの雨じゃけぇ、3時の試合開始までに止んでくれりゃあええんじゃが……」
時間は1時半、この調子で降り続けたら間違いなく試合は中止だろう
(´・c_・;`) 「止むといいですね……」
リコ;〇〜〇)リ 「そうじゃな」
(´・c_・;`) 「……」
リコ-〇−〇)リ 「……」
(´・c_・;`) (うぐ……)
この沈黙がきつかった、元来原田は極端な口下手だ、そのうえルルカ以外の女性とはロクに会話をしたことがない
(´・c_・;`) (沈黙が痛いよ……どうしよう……)
リコ-〇ー〇)リ 「なぁ原田くんよ」
リコが話しかけてきた
- 959 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:31:01 ID:w6a7ykWk0
- (´・c_・;`) 「な、なにリコさん!」
リコ-〇ー〇)リ 「原田くんとルルカってどういう関係なんじゃ?恋仲なんか?」
(´・c_・;`) 「ええ!?そんなんじゃないよ!僕とルルカはただの友達!それ以下でもそれ以上でもないよ」
リコ-〇ー〇)リ 「ほうか、でもいつもベタベタしとるけぇ、デキてる思うてたわ」
(´・c_・;`) 「誤解だよ、ルルカとはただの幼馴染さ」
リコ-〇ー〇)リ 「幼馴染?ええのう、いつからの付き合いなんじゃ?」
(´・c_・;`) 「しょ、小学校時代からかな」
リコ-〇ー〇)リ 「へぇ、ルルカってどんな子供だったん?」
(´・c_・;`) 「えーっと……」
その後、原田が少年時代の色々なエピソードを話した
修学旅行、合唱コンクール、高校受験、部活動などなど……
- 960 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:31:31 ID:w6a7ykWk0
- リコ-〇ー〇)リ 「ほう、ローマの真ん中で二人して迷子になったんか」
(´・c_・`) 「うん、あのときは焦ったよ、言葉は通じないしさ」
リコ-〇ー〇)リ 「アホじゃのう」
(´・c_・`) 「なんとかホテルまで辿りついたけどさ、もう大変だったよ」
なんとか会話がもっている、原田はホッとした
リコ-〇ー〇)リ 「仲ええのう、うらやましいけぇ」
(´・c_・`) 「普通だよ、リコさんだって居たでしょ、こういう友達ぐらい」
リコ-〇−〇)リ 「友達か?おらんかったのうずっと」
(´・c_・;`) 「え?」
原田は焦った、訊いてはいけないことを訊いてしまった
リコ-〇−〇)リ 「……」
(´・c_・;`) (やばい黙っちゃったよ、どうしよ……)
彼女を見ていられず原田は目を逸らした
(´・c_・;`) (あれ?雨が止んでる)
さっきまでどしゃ降りだった雨がいつの間にか止んでいた
- 961 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:32:04 ID:w6a7ykWk0
- (´・c_・;`) 「リコさん雨が止んでるよ!」
リコ-〇ー〇)リ 「ほんまじゃ!えかったえかった!」
雲の切れ間から日が差している、雨に濡れた路面がきらきらと輝いている
リコ-〇ー〇)リ 「まだ2時過ぎだし無事試合開始に間に合いそうじゃのう」
(´・c_・;`) 「ホッ……」
リコ-〇ー〇)リ 「そうじゃ原田くんも一緒に試合見んか?」
(´゚c_゚;`) 「え!?」
まさか誘われるとは思っていなかったので虚をつかれた
リコ;〇ー〇)リ 「あ……いやならいいんじゃがね」
(´・c_・;`) 「いやそういうことじゃなくて!行く!行くよ!僕も野球が好きなんだ!」
本当は野球などあまり好きではない、どっちかと言うとサッカーのほうが好きだった
リコ-〇ー〇)リ 「ほうか、なら早よいこうや」
(´・c_・;`) 「うん……」
二人は雨宿りしていた軒下から出る、空を見上げると虹が出ていた
- 962 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:33:00 ID:w6a7ykWk0
- シベリアベースボールスタジアムにて 広島VSシベリア
(´・c_・;`) (まさか一緒に野球見に行くことになるとは……)
二人は内野席チケットを買い球場に入った、やはりオープン戦だということで観客は少なかった
リコ-〇ー〇)リ 「今日はカワウチが先発じゃけぇ楽しみじゃのう」
(´・c_・;`) 「(知らない……)へぇカワウチが……」
マウンドではカワウチが投球練習をしていた
|`_ゝ´| ビシュッ
リコ#〇д〇)リ 「頼むでウッチー!今年こそ活躍してくれい!」
(´・c_・`) 「……」
隣ではリコが声援を挙げている、今まで夢にも思ってなかった光景だ
(´・c_・`) (ひょっとして昨日喪鬱さんが言ってたことってこのことか?)
原田が喪鬱のことを思い出した時、プレイボールが宣言された
- 963 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:33:55 ID:w6a7ykWk0
- 開始早々、広島はピンチを迎えていた
|;`_ゝ´| 「うぐ……」
先頭打者にいきなりセンター前へのヒットを浴び、次の打者ではストライクが入らずフォアボールを与えてしまった
3番はなんとか三振に抑えたが、次の相手は4番殊能だった、去年の打点王だ
リコ;〇〜〇)リ 「くぅ、相変わらずピリッとせんのう」
(´・c_・`) (リコちゃんやきもきしてるな……)
ピッチャーが振りかぶって投げる、球は真ん中高めへと浮いた
(#ΘωΘ) 「フンヌ!!」カキンッ
高めに浮いた球を見逃さずの思いっきり振り抜いた、痛烈なライナーが一二塁間を襲う
リコ;〇д〇)リ 「これいけん!」
誰もが失点を覚悟した時……
(・ ε ・)「とりゃ!」
セカンドのヒガシデが横っ飛びでボールを掴んだ、そして急いで立ち上がり1塁へ送球する
見事なダブルプレーだった
リコ*〇ー〇)リ 「ナイスじゃヒガシデ!こりゃ今年のウッチーは持っとるな!」
(´・c_・`) (良かった……リコちゃんすごい楽しそう……)
- 964 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:34:37 ID:w6a7ykWk0
- 3回の裏、2アウトランナー無し、バッターはシマ
リコ;〇−〇)リ 「くそお、完全にニヤリに抑えられとるのう」
( ̄ー ̄)ニヤリ
広島はここまでシベリアのドラフト1位のルーキーニヤリに完璧に抑えられていた
( .´_` )ザッザッ
リコ;〇−〇)リ 「シマ頼むで、元首位打者の意地を見せてくりんさい!」
( ̄ー ̄) サッ
ニヤリが振りかぶる
( ̄ー ̄) ビシュッ
投げた、ニヤリの速球が外角低めへと迫ってくる
- 965 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:35:20 ID:w6a7ykWk0
- (#.´_` )「ふんっ!」カキン!
(; ̄ー ̄) 「なぬっ!?」
シマが上手く打ち返した、打ったボールがレフトへと高々と上がる
リコ;〇−〇)リ 「お、お、お」
レフトの選手が追うが無情にもボールはスタンドへと入っていった
リコ*〇ー〇)リ 「やったで!シマの先制ホームランじゃ!」バンバン
(´・c_・;`) 「痛い!痛いよリコさん!」
喜んだリコが原田の肩を何回も叩く
リコ;〇ー〇)リ 「おおっとすまんのう、つい嬉しゅうて興奮してしもうたわ」
(´・c_・;`) 「いや別に大丈夫ですよ、それにしても良かったですね、ホームランですよホームラン!」
リコ-〇ー〇)リ 「最高じゃ、来れて良かったのう」
グラウンドを見るとシマがホームを踏んでいた
- 966 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:36:09 ID:w6a7ykWk0
- そしてそのままスコアは変わらず、1-0で最終回を迎えた
リコ;〇ー〇)リ 「ついに最終回じゃ……」
マウンドにはベテランのヨコヤマが立っていた
(  ̄∀ ̄) ピシュッ
ヨコヤマは危なげないピッチングを見せ簡単にツーアウトを取った、あと一人でゲームセットだ
(´L`) 「……」
シベリアの選手が打席に立つ
(´・c_・`) 「あと一人だね」
リコ;〇д〇)リ 「そうじゃのう……あぁ緊張するのうっ!」
(´・c_・`) 「……」
原田にとって試合のことなんかどうでもよかった、横にリコが居るだけで満足だった
(  ̄∀ ̄) 「おりゃ!」
(´L`;) 「くあっ!」
打者のバットが空を切った
試合終了、広島の勝ちだった
- 967 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:36:43 ID:w6a7ykWk0
- リコ*〇ー〇)リ 「最高じゃったホンマに!」
試合が終わり球場の外に出てもリコは興奮冷め止まぬ状態だった
(´・c_・`) 「良かったね」
リコ*〇ー〇)リ 「来て良かったわホンマ!今年こそやれそうじゃけぇ!」
そこまで言ってリコは言葉を切った
リコ;〇ー〇)リ 「あ、なんかすまんのうワシだけ盛り上がって……つまんなかったじゃろ?」
(´・c_・;`) 「そんなこと無いって!すごい楽しかったよ!野球を生で見るのは初めてだったし」
リコ-〇ー〇)リ 「ほうか、そりゃ良かったのう」
(´・c_・;`) 「あ、あのさリコさん」
リコ-〇ー〇)リ 「なんじゃ?」
(´・c_・;`) 「ど、どこかで食事しない?」
このままリコと別れるのがもったいなく感じ、原田は勇気を出して彼女を食事に誘ってみた
リコ-〇−〇)リ 「え?ええんか?」
(´・c_・;`) 「うん全然OKさ!ちょうどバイト代が入ってお金もあるし」
リコ-〇ー〇)リ 「じゃあお言葉に甘えようかのう」
- 968 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:37:20 ID:w6a7ykWk0
- 居酒屋『てらち屋』にて
リコ-〇ー〇)リ 「悪いのうホンマに」
二人は球場の近くにある居酒屋に来ていた
カウンター席で二人並んで座っている
(´・c_・;`) 「こんなところでいいの?もっと高級な店とかでもいいのに」
リコ-〇ー〇)リ 「ワシはこういう店のほうが好きなんよ、オヤジィ、焼き鳥のモモ、塩とタレで3本ずつくれ」
( ゚∀゚ ) 「あいよ」
リコ-〇ー〇)リ 「ここの焼き鳥がすごく旨いんよ」
(´・c_・`) 「そうなんだ」
リノ、゚テモリ 「どうぞ」カチッ
先に注文していた生ビールを店員が運んできた
リコ-〇ー〇)リ 「では乾杯!」カチリ
(´・c_・`) 「乾杯」カチリ
ビールを口に含む、苦い味が口いっぱいに広がった
- 969 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:38:01 ID:w6a7ykWk0
- ( ゚∀゚ ) 「はいよ」カツッ
リコ-〇ー〇)リ 「どうも」
さっき頼んだ焼き鳥が出来あがった
市販の焼き鳥とは違い、肉のひとつひとつが大きかった
(´・c_・`) 「では一口」パクッ
先に塩モモ肉を食べる、噛むと肉汁が口の中にあふれ出てくる
リコ-〇ー〇)リ 「どうじゃ味のほうは?」
(´・c_・*`) 「すごい美味しいよリコさん!これは良い!」
次はタレに手を伸ばす
(´・c_・*`) 「ハムッ!ハフハフ!」
旨い、タレが変に自己主張せず鶏肉本来の味で勝負している
リコ-〇ー〇)リ 「がっつきすぎじゃ、ほれ口元にタレがついとるぞ」
そう言うとリコは懐からハンカチを取り出し原田の口元を拭った
(´・c_・;`) 「ひゃっ!?ご、ごめん!」
リコ-〇ー〇)リ 「ふふふ、ええんじゃええんじゃ」
- 970 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:38:41 ID:w6a7ykWk0
- その後も色々と注文した
つくね、鶏皮、レバー、ボンジリ、砂肝……
(´・c_・*`) 「ンマーイ!ホント美味しい!次はハツで!」
リコ-〇ー〇)リ 「そんな頼んで支払いのほうは大丈夫なんか?」
(´・c_・;`) 「はっ!そうだった!」
しまった調子に乗り過ぎた―――原田は歯噛みした
リコ-〇ー〇)リ 「ええってワリカンで、そんなワシかて奢ってもらおうとは思うてないけぇ」
(´・c_・;`) 「いやいやそういうわけにはいかないよ!こういう時は男が払うもんさ!」
リコ-〇ー〇)リ 「ワリカンでええのに……」
( ゚∀゚ ) 「いやぁ兄ちゃん男らしいね!リコちゃんの彼氏さんかい?」
カウンターの中に居る店主が話しかけてきた
(´・c_・;`) 「そ、そういう関係では無いですよ何言ってるんですか!」
リコ-〇ー〇)リ 「そうじゃ、ワシらはただの友達じゃけぇ」
( ゚∀゚ ) 「そうかい、二人はお似合いだと思うけどねぇ」
(´・c_・;`) (なんだと!)
店主にお似合いの二人と言われ悪い気はしなかった
- 971 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:39:08 ID:w6a7ykWk0
- それからしばらくして二人は店を出た
リコ-〇ー〇)リ 「今日はありがとうな、楽しかったで」
(´・c_・`) 「僕もだよ」
焼き鳥を頼み過ぎて懐は寒くなったがそれでも原田は満足だった
時計を見ると夜の7時を過ぎている
(´・c_・`) 「まだそんな遅くないけど送って行こうか?」
リコ-〇ー〇)リ 「ええんか?なにかなにまですまんのう」
(´・c_・`) 「全然大丈夫さ!」
リコ*〇ー〇)リ 「ま、また今度野球観に行こうな!二人っきりで!」
(´・c_・*`) 「うん!」
そんな二人を遠くから見つめる男が居た
|A`) 「オッホッホッ楽しそうですね原田さん……」
- 972 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:39:52 ID:w6a7ykWk0
- BAR バロ巣
('A`) 「どうでしたか稲葉リコさんとのデートは?」
(´・c_・*`) 「もう最高でしたよ、可愛かったなぁリコちゃん……」
あの野球観戦から3日後、原田は大学が終わったあとBAR『バロ巣』で喪鬱と飲んでいた
('A`) 「たしかに原田さん、稲葉さんと居るとき楽しそうな顔してましたからねぇ」
(´・c_・;`) 「見てたんですか?いやはやお恥ずかしい」
('A`) 「別に恥ずかしがる必要は無いですよぉ、オーホッホッ」
(´・c_・`) 「喪鬱さん本当にありがとうございました!喪鬱さんがあのデートをセッティングしてくれたんですよね」
('A`) 「原田さんがココロのスキマが埋まるならなんだってしますよ
マスター、原田さんにウォッカを一杯」
( ´W`)つ□ タンッ
(´・c_・`) 「どうも」
- 973 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:40:27 ID:w6a7ykWk0
- ('A`) 「稲葉さんとデートしたあとでも彼女への思いは変わってませんか?」
(´・c_・`) 「当たり前ですよ!むしろ彼女のことが余計好きになりました!」
('A`) 「ほう」
(´・c_・*`) 「今度も彼女とデートをする約束をしましてね!これも全部喪鬱さんのおかげですよ」
('A`) 「オッホッホッホ」
(´・c_・*`)
つ□とトンクッ
ウォッカを呷る、体が熱くなる
(´・c_・*`) 「ふう……」
('A`) 「……」
(´・c_・*`) 「どうしましたか急に黙ってしまって」
('A`) 「実は原田さんに忠告したいことがありましてね」
(´・c_・*`) 「忠告?なんですか?」
('A`) 「稲葉さんとの関係はこれっきりしてもらいたいのです」
(´・c_・`) 「え……」
- 974 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:41:32 ID:w6a7ykWk0
- (´・c_・;`) 「ちょっとこれっきりってどういうことですか!?」
('A`) 「簡単に言えばあのひととは付き合わないほうが良いということです」
(´・c_・;`) 「なんでですか!急に言われたって意味分からないですよ!
喪鬱さんは僕たちを応援してくれてたのではなかったんですか!」
('A`) 「恋愛というのは相性というものがあるのです、あなたと稲葉さんは合っていないのですよ」
(´・c_・;`) 「でも居酒屋のオヤジさんは僕らはお似合いの二人だって……」
('A`) 「原田さん、あなたは幼馴染のルルカさんとお付き合いすべきです、それがあなたの幸せなのです」
(´・c_・;`) 「そ、そんなぁ……」
その時、原田の携帯電話が鳴った
('A`) 「ルルカさんからのメールですよ」
(´・c_・;`) 「ルルカから……」
携帯を見ると『今大学に居るんだけど逢える?』というメールが届いていた
('A`) 「きっと原田さんに愛の告白をしようとするんでしょうねぇ」
(´・c_・;`) 「告白……」
('A`) 「ええそうです、それをあなたは受けるべきです、決して断ってなどはいけません」
(´・c_・;`) 「……」
- 975 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:41:58 ID:w6a7ykWk0
- シベリア大学 PM7:00
(´・c_・;`) 「ハァ……」
夜の大学は閑散としている、人なんてまばらだ
('A`) 『あなたはルルカさんと交際すべきなのです』
(´・c_・;`) (喪鬱さんはああ言ってたけど……くぅ……)
原田は納得できなかった、リコのことが頭から離れない
(´・c_・;`) 「ハァ……」
ノ リ ^ヮ^) ヽ 「まさお遅いぞ!」
(´・c_・;`) 「うわっルルカ!」
いつの間にか目の前にルルカが立っていた
ノ リ ^ヮ^) ヽ 「女の子を待たせるなんて最低だぞ!」
(´・c_・;`) 「ご、ごめん」
- 976 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:43:17 ID:w6a7ykWk0
- (´・c_・;`) 「で、なにさ、こんな時間に大学に呼んでさ」
ノ リ ^ヮ^) ヽ 「実はさ……」
喪鬱さんは愛の告白だとか言ってたけどまさかそんなハズは―――原田はそう思った、が
ノ リ *^ヮ^) ヽ 「私さ、まさおのこと愛してるよ!」
(´・c_・;`) 「マジかよ……」
喪鬱の言うとおり原田はルルカに言い寄られてしまった
ノ リ *^ヮ^) ヽ 「もうまさお無しでは生きていけないよ!一緒に暮らそう!」
(´・c_・;`) 「うぐ……」
あなたはルルカさんと交際すべきなのです―――喪鬱はそう言った
(´・c_・;`) 「ううう……」
ノ リ ^ヮ^) ヽ 「ダメ?」
ルルカが上目づかいで訊いてくる
(´・c_・;`) 「……」
原田は決断した
- 977 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:43:41 ID:w6a7ykWk0
- (´・c_・`) 「……」
原田は今稲葉リコの部屋の前まで来ていた
この前送って行ったときに場所は把握していた
(´・c_・`) 「リコちゃん……」
原田が部屋のチャイムを押す
しばらくすると扉が開いた
リコ-〇−〇)リ 「どなた?」
遅い時間だけあって扉をすべて開けずにチェーンをつけている
(´・c_・;`) 「僕です!原田です!」
リコ-〇−〇)リ 「ああ原田くんか、なんじゃこんな時間に」
リコがチェーンを外しドアを開ける
リコ-〇−〇)リ 「で、要件はなんじゃ?」
(´・c_・;`) 「あ、あの……」
いざ本人を前にすると言葉が出てこない
- 978 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:44:08 ID:w6a7ykWk0
- リコ-〇−〇)リ 「なんなんで、きしゃっとしろ」
(´・c_・;`) 「じ、実は……!」
リコ-〇−〇)リ 「そーゆやぁ、原田くんルルカと付き合うんじゃろ?」
(´・c_・;`) 「え?なんで」
リコ-〇−〇)リ 「なんでってルルカが言っとったよ、今日プロポーズするって、OKしたんじゃろ?」
(´・c_・;`) 「してないよ!」
リコ;〇−〇)リ 「は?しとらんのん?なんで」
リコはさも意外そうな口ぶりだった
(´・c_・;`) 「なんでってそりゃ……」
原田は意を決して言う
(´・c_・;`) 「僕はリコちゃんのことが好きなんだ!」
リコ;〇−〇)リ 「な!?」
- 979 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:44:57 ID:w6a7ykWk0
- リコ;〇〜〇)リ 「何言ってんで!わざわざ冗談ゆいに来たんか?」
(´・c_・;`) 「そんなんじゃないよ!僕は本気だよ!」
リコ;〇−〇)リ 「なんでワシなんよ、おかしいじゃろ……」
(´・c_・;`) 「僕はリコちゃんのすべてが好きなんだ!」
リコ;〇−〇)リ 「……」
(´・c_・;`) 「リコちゃん……」
リコ*〇ー〇)リ 「まぁワシも原田くんのこと嫌いじゃないけぇ、むしろ好きじゃ!」
(´・c_・;`) 「ほ、ほんとに!?」
リコ*〇ー〇)リ 「最初見たときから気になっとったんじゃ」
(´・c_・*`) 「そうだったんだ……」まさか両想いだったとは思いもしなかった
リコ*〇ー〇)リ 「部屋入るか?」
(´・c_・;`) 「え?」
女性経験が無い原田でも今の言葉の意味がなんとなくわかった
(´・c_・;`) 「うん……」
原田の心臓が早鐘のようになり始めた
- 980 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:45:36 ID:w6a7ykWk0
- (´・c_・`) 「……」
カーテンの隙間から光が漏れている、時計を見るともう6時だ
(´・c_・`) 「ふぅ……」
原田はズボンを穿き長袖の服を着る
リコ*´ー`)リ 「すぅすぅ……」
ベッドではまだリコが寝ていた
そのため彼女を起こさぬように帰りの支度をする
(´・c_・*`) 「リコちゃん……」
昨夜のことを思い出す、まるで夢のような一時だった
(´・c_・*`) 「じゃあ帰るね」
ジャケットを羽織ると音をたてぬようにドアを開け外に出る
(´・c_・`) 「ふぅ……」
ドアを閉め、前を見たそのとき
('A`)
目の前に喪鬱が立っていた
- 981 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:46:24 ID:w6a7ykWk0
- (´・c_・;`) 「うわっ喪鬱さん!なんでここに?」
('A`) 「ワタシの忠告を無視して稲葉さんと一線を超えてしまったようですねぇ」
(´・c_・;`) 「べ、別にいいじゃないですか僕が誰と付き合おうと!僕の勝手でしょう!」
('A`) 「オッホッホッホ、開き直るのですか、ルルカさんと付き合っていればよかったのに……」
(´・c_・#`) 「うるさいうるさい!不愉快だ!どいてくれ!」
原田は帰ろうとする、しかし喪鬱が立ちはだかり通れない
(´・c_・#`) 「邪魔ですよ!警察呼びますよ!」
('A`) 「原田さん」ザッ
喪鬱がジリジリと近づいてくる
(´・c_・;`) 「な、なんですか!?」
('A`) 「稲葉さんに手を出したのですから責任持って彼女と付き合ってくださいね、まぁ後悔するでしょうけど」
(´・c_・;`) 「え?どういうこと」
m9('A`)
ド―――m9('∀`)―――ン!!
(´゚c_゚`) 「うわあああああああああ!!!!」
- 982 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:46:58 ID:w6a7ykWk0
- 2日後……
リコ-〇ー〇)リ 「もうすぐ着くで」
(´・c_・`) 「そう……」
あれから2日後、リコが原田のことを親に紹介したいらしく今は車で彼女の実家に向かっている
リコ-〇ー〇)リ 〜♪
ハンドルを操作しながら彼女は機嫌良さそうに鼻歌を歌っていた
(´・c_・`) (どういう家なんだろうな……)
ここ1週間で原田の生活は激変した
喪鬱に出会いルルカを振りリコと付き合う……まるで夢見てるみたいだった
リコ-〇ー〇)リ 「着いたで」
実家に着いたらしく彼女は路上に車を停めた
- 983 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:47:32 ID:w6a7ykWk0
- (´・c_・;`) 「こんな路上に停めても平気なの?」
リコ-〇ー〇)リ 「かまへんかまへん」
そう言ってから二人は車を出た
(´・c_・`) 「それでリコちゃんの家はどこ?」
リコ-〇ー〇)リ 「なに言っとんじゃ、目の前にあるじゃないか」
(´・c_・;`) 「え?これ!?」
目の前には3階建てのビルが建っていた
(´・c_・;`) 「ここがリコちゃんの実家なの?」
リコ-〇ー〇)リ 「実家言うか、ここが父ちゃんの仕事場なんよ」
(´・c_・;`) 「ああ仕事場……」
ビルの壁面に≪稲葉興業≫と書かれたステンレスプレートが貼られていた
(´・c_・;`) (稲葉興業……)
原田はその社名に嫌な予感を抱いた、なぜか胃が痛い
リコ-〇ー〇)リ 「入るで」
スチール製のドアを開けて中に入る
- 984 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:48:02 ID:w6a7ykWk0
- (´・c_・;`) 「……」
ビルの中は殺風景だった
廊下にはなにも無く、ただドアがいくつかあるだけ
リコ-〇ー〇)リ 「なにボーっとしとるんじゃ、行くぞ」
リコが原田を促す
(´・c_・;`) 「あ、ごめん」
リコ-〇ー〇)リ 「父ちゃんは3階におるんじゃ」トコトコ
そう言うとリコは近くの階段を上っていく、原田もそれについて行く
(´・c_・;`) 「……」
('A`) 『稲葉さんと恋仲になったらきっと後悔するでしょうねぇ』
階段をを上がりながら喪鬱の言葉を思い出す、あれはどういう意味だったのか
考えているうちにいつの間にか3階に着いていた
- 985 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:48:39 ID:w6a7ykWk0
- リコ-〇ー〇)リ 「この応接室におるんじゃ」
(´・c_・;`) 「ここ……」
普通恋人の親に合うというのは相当緊張するハズだ、原田も今とてつもない緊張感に苛まれている
しかし原田のそれはまた違うモノだった、扉の向こうから言いようのないプレッシャーを感じる―――
リコ-〇ー〇)リ 「開けるで」
(´・c_・;`) 「うん……」
口の中がカラカラだった
リコがドアノブを引く
リコ-〇ー〇)リ 「ただいま!」
応接室の中には3人掛けの革張りソファーが向かい合うように2つ設置されていた
その間にはガラスにテーブルが置いてある
(´・c_・;`) 「!!」
そのソファーに原田がもっとも苦手とする人種が座っていた
- 986 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:49:05 ID:w6a7ykWk0
- (メ.■ー■) 「お帰りリコさん」
リコ-〇ー〇)リ 「屋久ちゃん久しぶりじゃのう」
(メ._⊿)「お嬢ご無沙汰です」
リコ-〇ー〇)リ 「宇佐やんあつとめ御苦労さんじゃ」
(´・c_・;`) 「ああ……」
リコに話しかけて来たのは男たちは明らかに普通ではない雰囲気を醸し出していた
派手な紫のジャージを着ているグラサン、もう一人は真っ赤なアロハシャツでパンチパーマ……明らかに堅気では無かった
(メ.■ー■)b 「ほう、このあんちゃんがリコさんのこれですか」
グラサンが親指を立てる
リコ-〇ー〇)リ 「そうじゃ」
(メ.■ー■) 「まぁあんちゃん、そんなところで突っ立っとってもしょうがないやろ、すわれや」ガシッ
(´・c_・;`) 「う!」
肩を強く握られる、その手には小指が半分無かった
ソファーまで連れてかれると真ん中に腰掛けるよう言われる、原田の右にグラサン、左にはパンチパーマが座った
そして真正面にもう一人男が座っていた
- 987 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:49:59 ID:w6a7ykWk0
- ミ■Å■ノ━・
年は50前後、黒いスーツに派手なYシャツ、半白の髪をオールバックになでつけている男がソファーにもたれかかっていた
ミ■Å■ノ 「リコよ、この兄ちゃんが例の原田くんか?」
リコ-〇ー〇)リ 「そうじゃけぇ、優しくしたってな」
(´・c_・;`) 「ど、ど、どうも原田です……」
まさかリコちゃんの父親がヤクザだったなんて―――しかも見た目や雰囲気、他の2名の態度から見ると組の幹部だ
原田は足の震えが止まらない、声も強張っていた
ミ■Å■ノ 「ワシのリコが世話になったのう、歓迎しちゃるけぇ」
言葉では歓迎すると言っているが、そんな雰囲気は微塵もない
どちらかと言うと、よくもオレの娘に手ェ出しやがったな―――そんな類だ
(´・c_・;`) (やばいやばいやばい……)
冷や汗が滝のように流れてくる、まともに前のほうを見れない
しかも両サイドのヤクザが徐々に寄ってきている
(メ.■ー■) 「あんちゃん落ち着きぃや、なにそんなん緊張してるん?」
(´・c_・;`) 「いえ別にそんなことは……!」
ミ■Å■ノ 「そうやリコよ、近くのコンビニでビールを買ってきてくれんか?」
- 988 :僕だけのマドンナ:2011/03/01(火) 22:52:30 ID:w6a7ykWk0
- (´゚c_゚;`) (は!?)
ミ■Å■ノ 「宇佐美の出所祝いも兼ねて原田くんたちとパーっとやりたくてのう」
(メ._⊿)「オヤジありがとうございます」
リコがビールを買いに行ったらこの部屋は原田とヤクザの4人だけになってしまう
極道と同じ部屋に居るだけで恐怖で胸がいっぱいになのにそのうえリコまで居なくなったら……
それからのことを想像して原田は背筋が凍った
リコ-〇ー〇)リ 「OK、そいじゃ行ってくる」
リコがドアへと向かう
(´゚c_゚;`) 「あ、あ、あ……」
リコを呼びとめようするが言葉が出てこない、口の中が渇いて上手く喋れないのだ
今は極道に囲まれてるような状況だ、逃げようと思っても逃げられない
リコ-〇ー〇)リ 「言ってくるでぇ!」
リコはドアを開け部屋を出て行った
(´ c_ ;`) 「あぁ―――」
('A`) 「相性というのは本人たちの性格だけではありません、家柄、生い立ち、家族その他諸々色々あるのです
彼もワタシの忠告を聞いてさえいれば、怖い目に遭わなくて済んだのに……皆さんも恋人選びは慎重に行ってくださいね」
('∀`) オーホッホッホ・・・・・・ 【僕だけのマドンナ】 完
- 989 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/03/01(火) 22:59:13 ID:XHRSe07g0
- 乙
>>981のドーンは何をしたの?
- 990 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2011/03/01(火) 22:59:40 ID:w6a7ykWk0
- 今回は以上です
久方ぶりにリコちゃん使ったな……
質問、指摘等あればお願いしますお
- 991 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2011/03/01(火) 23:01:02 ID:w6a7ykWk0
- >>989
極道の娘と離れられなくなってしまったという感じです
- 992 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/03/01(火) 23:04:09 ID:C3bfzsP6O
- 乙、おそろしや……
受付してたけど、祭参加したの?
- 993 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2011/03/01(火) 23:07:05 ID:w6a7ykWk0
- >>992
参加したけど作品が出来てないのにながらで投下して失敗しましたお……
ながらはできる人じゃなきゃやっちゃいけないね
- 994 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/03/02(水) 02:52:50 ID:KzfQukLU0
- `・+。*・ (´・ω・`)
。*゚ 。☆―⊂、 つ カープファンっぽい>>1に言っておく…
。*゚ : ヽ ⊃ 河内は中日に入るべきだった!!!
`+。**゚**゚ ∪~ (けど俺の地元出身の林昌樹を辛抱強く使ってくれた点はありがとう)
あとピャー子のダラダラする日常ってもうやらんの?
- 995 :('∀`)鬱ナせぇるすまん:2011/03/02(水) 21:14:17 ID:MwoJlKJY0
- >>994
林には感謝してますお
河内はたしかに中日行ったほうが良かったかもしれないね
そうしたら怪我も無かったかもしれないし……
ピャー子はネタ切れのためネタ探し中ですお
あと次回は今月中になるべく投下しますけぇ
- 996 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/03/13(日) 18:15:13 ID:M48noiUw0
- >1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50
>51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100
>101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,141,142,143,144,145,146,147,148,149,150
>151,152,153,154,155,156,157,158,159,160,161,162,163,164,165,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,178,179,180,181,182,183,184,185,186,187,188,189,190,191,192,193,194,195,196,197,198,199,200
>201,202,203,204,205,206,207,208,209,210,211,212,213,214,215,216,217,218,219,220,221,222,223,224,225,226,227,228,229,230,231,232,233,234,235,236,237,238,239,240,241,242,243,244,245,246,247,248,249,250
>251,252,253,254,255,256,257,258,259,260,261,262,263,264,265,266,267,268,269,270,271,272,273,274,275,276,277,278,279,280,281,282,283,284,285,286,287,288,289,290,291,292,293,294,295,296,297,298,299,300
>301,302,303,304,305,306,307,308,309,310,311,312,313,314,315,316,317,318,319,320,321,322,323,324,325,326,327,328,329,330,331,332,333,334,335,336,337,338,339,340,341,342,343,344,345,346,347,348,349,350
>351,352,353,354,355,356,357,358,359,360,361,362,363,364,365,366,367,368,369,370,371,372,373,374,375,376,377,378,379,380,381,382,383,384,385,386,387,388,389,390,391,392,393,394,395,396,397,398,399,400
>401,402,403,404,405,406,407,408,409,410,411,412,413,414,415,416,417,418,419,420,421,422,423,424,425,426,427,428,429,430,431,432,433,434,435,436,437,438,439,440,441,442,443,444,445,446,447,448,449,450
>451,452,453,454,455,456,457,458,459,460,461,462,463,464,465,466,467,468,469,470,471,472,473,474,475,476,477,478,479,480,481,482,483,484,485,486,487,488,489,490,491,492,493,494,495,496,497,498,499,500
>1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50
>51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100
>101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,141,142,143,144,145,146,147,148,149,150
>151,152,153,154,155,156,157,158,159,160,161,162,163,164,165,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,178,179,180,181,182,183,184,185,186,187,188,189,190,191,192,193,194,195,196,197,198,199,200
>201,202,203,204,205,206,207,208,209,210,211,212,213,214,215,216,217,218,219,220,221,222,223,224,225,226,227,228,229,230,231,232,233,234,235,236,237,238,239,240,241,242,243,244,245,246,247,248,249,250
>251,252,253,254,255,256,257,258,259,260,261,262,263,264,265,266,267,268,269,270,271,272,273,274,275,276,277,278,279,280,281,282,283,284,285,286,287,288,289,290,291,292,293,294,295,296,297,298,299,300
>301,302,303,304,305,306,307,308,309,310,311,312,313,314,315,316,317,318,319,320,321,322,323,324,325,326,327,328,329,330,331,332,333,334,335,336,337,338,339,340,341,342,343,344,345,346,347,348,349,350
>351,352,353,354,355,356,357,358,359,360,361,362,363,364,365,366,367,368,369,370,371,372,373,374,375,376,377,378,379,380,381,382,383,384,385,386,387,388,389,390,391,392,393,394,395,396,397,398,399,400
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- 997 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/03/13(日) 18:15:27 ID:M48noiUw0
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- 998 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/03/13(日) 18:15:37 ID:M48noiUw0
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- 999 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/03/13(日) 18:15:49 ID:M48noiUw0
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- 1000 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/03/13(日) 21:58:08 ID:/gr/ZKkA0
- 1000ドーン!!!
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