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ご主人様と奴隷・・チョイ性的有り))
1麗奈:2007/12/13(木) 12:47:12 ID:DtI3Cirk
「ア・・ン・・許してください・・ご主人様・・」
「んー?許し欲しい??」
「は・・ぃ・・」
奴隷は、奴隷らしくご主人様の命令に従う。
それが、私の運命・・・

2麗奈:2007/12/13(木) 12:51:07 ID:DtI3Cirk
登場人物
火野元 雫(ひのもとしずく)
女 高1
来野 雷鬼(きたのらいき)
男 高1
金本 燐那
女 高1
滝本 連夜(たきもとれんや)
男 高1

3麗奈:2007/12/13(木) 12:54:14 ID:DtI3Cirk
「じゃ、また明日な。雫。」
「はい・・・ご主人様・・」
≪ガチャッ≫
私の名前は、火野元雫。
あの日から、学校でモテル男子・・
雷鬼の奴隷になってしまった。
でも・・仕方の無いこと・・
だって、私は、初めから、奴隷というのが運命だったから。
来野雷鬼と言うご主人様の奴隷・・。

4麗奈:2007/12/13(木) 12:58:39 ID:DtI3Cirk
「ただいまー!お母さんーお腹空いちゃった。」
・・・あれ?
おかしいな・・
返事が無い・・
だっていつもなら私の声にすぐ反応して顔を出すはず・・
「・・お母さん?居ないの??」
何か、胸騒ぎがする・・
静かな自分の家に妙な寒気が沸き起こった。
ただ、何か、匂いがするだけの家・・

5麗奈:2007/12/13(木) 13:01:17 ID:DtI3Cirk
「お・・か、あさん!?そんな・・・いやああぁぁぁぁっ!!!」
目の前には、無残な母の姿があった。
その部屋はまるで血の海・・真っ赤な部屋だった。
ー・・そうだ。
この時から、私の幸せな運命は狂ってしまったんだ・・

6麗奈:2007/12/13(木) 13:09:25 ID:DtI3Cirk
≪キーンコーンカーンコーン≫
≪ガラッ≫
「火野元さんは、居るかな??」
≪ざわざわ≫
「キャ〜来野君だ〜いつ見ても素敵ぃ〜♪」
「来野君、こっち見ないかなぁ〜」
教室の扉が開いた時・・それが雷鬼だった時、クラスの女子が騒ぐ。
それ程、雷鬼の存在は、大きかった。
雷鬼と言えば、男子でも一部しか近づけないという人・・
なのに・・私が奴隷として、近くに居るなんて知ったら、
皆を敵に回しちゃうかも・・

7名無しさん:2007/12/13(木) 13:14:40 ID:DtI3Cirk
「ら、じゃなくて・・来野君何ですか??」
「用があって来てるんだよ?ちょっと来て」
「・・・は・・・はい。」
私は、ご主人様に呼ばれて教室を出た。
ご主人様が廊下を歩くたびに学年問わず皆の視線は、ご主人様。
ー・・何か一緒に歩いているのが怖いなぁ・・
「はい・・これ。昨日落としていったでしょ」
「あ・・有難うございます・・ご主人様」
「火野元さん・・別に学校では、普通に話してくれてもいいんだよ??」
「え・・・・・でも・・」
ご主人様の顔は、いつ見ても、優しく微笑んでくれる。
本当は、色々な事しているのに・・・ね・・

8麗奈:2007/12/13(木) 13:42:25 ID:DtI3Cirk
だから学校以外の時のご主人様は嫌い。
怖いもん・・ご主人様。
でも、ちゃんと従えば優しく微笑んでくれる。
私のご主人様はそんな御方だ。
「・・・!」
「学校では普通でいいよ。分かった?」
耳元でそう囁いた。
今のご主人様は、学校以外の時の裏顔。
裏がおになると逆らう事が出来ない・・
そう・・
だから、今の私達は、ご主人様と奴隷の状態。
「はい・・」
「じゃ、帰りにね。」
ご主人様はニッコリと微笑んでその場を去っていった。
「――帰り、か・・」
帰り・・楽しい時間が一気に地獄になる時間。
また今日もやってきたのだ・・

9名無しさん:2007/12/13(木) 13:51:20 ID:DtI3Cirk
「雫ー♪今日は、帰れる!!?」
「おわっ!!」
「かーえーれーるー?」
今、私の目の前に居る子は、私の親友の金本燐那ちゃん!
何でも相談に乗ってくれて・・頼りになる子なんだ♪
けど・・雷鬼の奴隷だって事、燐那ちゃんには、言ってない・・。
ううん。
言えない。
心配性だもんね。
そんな事言ったら雷鬼でも殴っちゃうかも・・
「ん〜?あれ・・何笑っているの??」
「クスクス・・・なーんにも♪」
「んでぇ?か・え・れ・る・の?」
「きょ・・・・」
居る・・
ご主人様・・待っている。
早くしないと・・
「ご、ごめんね!今日も・・ちょっと・・」
「−・・はぁ。まぁ、良いよ♪明日ぐらいは、帰ろうね?」
「う、うん。」
私は鞄を持って急いでご主人様の元に向かって走った。
≪ドキドキ≫と緊張して・・
「あ、ねぇねぇ、また来野君と、1組の火野元さんが居るよ」
「本当だ・・来野君と付き合っているの?」
「えーそれ、マジでショックぅ」
ご主人様の元に行く度に向けられる痛い視線。
けど、仕方が無いんだ・・
たとえ、女子の敵になっても、雷鬼には、逆らえない。
逆らっちゃいけないんだ・・・。

10名無しさん:2007/12/13(木) 14:06:18 ID:DtI3Cirk
「じゃ、帰ろうか?」
「は、はい。」
顔が上がらない。
やっぱり、一緒に歩くと、皆の視線が怖くて、
顔が上げれない・・・・
「雫ー」
・・・!
呼んでる・・誰かが私を・・
顔、上げなくちゃ・・・。
「あっれー?今日も金本と帰らないのか?」
「う、うん・・・ちょっと・・ね。」
今、目の前に居る男の子は・・滝本連夜。
私の幼馴染で燐那ちゃんと同じく頼れる人だよ♪
勿論連夜も私が、来野君の奴隷だなんて知らない。
「あ、来野・・と帰るのか?」
「うん」
私は、チラッとご主人様を見る。
よかった・・
機嫌は悪くなかった・・

11麗奈:2007/12/13(木) 14:13:33 ID:DtI3Cirk
「ふ〜ん。ま、早く帰って来いよ?
母さん、毎日心配してんだから。」
「あ、うん。ごめんね」
「・・・話は、終わった?」
「あ、はい!」
暫く口を閉ざしていた、来野君が喋る。
その一言が何となく怖かった。
「じゃ、また母さん心配させんじゃねーぞ?
俺は、部活で遅くなるから」
「うん。じゃぁね。」
連夜と別れて、私とご主人様は歩き出す。
教室を出る時はもう、ご主人様と奴隷。
ここから短い・・・私にとって長い時間が始まる・・

12麗奈:2007/12/13(木) 14:18:59 ID:DtI3Cirk
≪ガチャッ≫
「おかえりなさいませ、来野様」
「ん・・ただいま」
「お、お邪魔します。」
私は、そう言って、冥土に軽くお辞儀をした。
そしてご主人様と奴隷の私はいつもの秘密部屋へと向かった。
「どう?もう、この部屋には、慣れてきたよね?」
「はい・・」
私が此処に来たのは、一週間前。
もう馴染んできた。
「あ、そういえば、さっきの、滝本君だっけ?
俺は、まだまだ、君の事分からないからさ・・どういう関係なの?」
そう。
ご主人様と初めて会話をし、奴隷になった日、この部屋に来た日・・
全て一週間前の事。
だから、私は一週間前のあの日までは、ご主人様をずっと来野君として見ていた。

13麗奈:2007/12/13(木) 14:30:57 ID:DtI3Cirk
「連夜・・は私の幼馴染で、
その・・・・家が無いので・・連夜の家に住んでいて・・」
「ふーん・・。居候しているんだ?」
「はい・・」
ご主人様は、笑顔で答える。
けど、その笑顔が怖くて仕方が無い・・。
何を思っているのか・・
気になって仕方が無い・・
「で?」
「え・・?」
「滝本連夜とは、何も無いと??」
「も、勿論です・・!私には、ご主人様が居るんですから・・」
「そうだよ。奴隷の君は、主人である俺が必要だもんね」
「・・はい。」
奴隷はご主人様が居ないとけいない存在。
ご主人様が居ないという事は奴隷・・私も居ないということ・・
ご主人様である来野雷鬼君・・奴隷である火野元雫・・
嫌でも・・・私は、ご主人様と共に生きる・・

14麗奈:2007/12/13(木) 14:39:04 ID:DtI3Cirk
皆さん・・見てたら、コメをしてください。
どのキャラが好きとか・・など・・
荒らしは、無しです・・
でわ、話に戻ります・・
「ねぇ、火野元さん。俺の事どー思うの?」
「え・・」
御主人様は、いきなり聞いてきた。
どう思うって・・・答えは、勿論・・
「御主人様・・・です・・」
「−−御主人様・・ねぇ」
そう小さく呟くと御主人様は私の元に近づいてきた。
「−っ!!」
「じゃあ、絶対に何でも命令聞けるの?」
御主人様は、私の髪を思いっきり、掴んで微笑みながら聞いてきた。
その顔は、微笑しても、どこか、怒っている様だった。
「き、聞きます!!何でも聞きます!!・・従います・・・っ!」
涙が溢れてくる・・。
私は、唇をかみ締めた。
涙を抑えるために・・
「・・泣かないでよ?大丈夫。俺は、怒っていないから・・
従うんなら、それでいい」
「・・っ・・は、はい」

15名無しさん:2007/12/13(木) 14:49:06 ID:DtI3Cirk
私の髪の毛を掴んでいた手はゆっくりと離され、
御主人様は、心配そうな顔でこっちを見て言った。
私は、この顔を見た時、心のどこかで安心をしていた。
「早速・・命令するよ?」
「はい・・」
「君は、この屋敷・・・この部屋に住むんだ。」
「・・・え?」
私は、さっきの涙で赤くなった目を御主人様に向けた。
この部屋に住むー?
「どうして・・・」
「あれ?何でも命令に従うんじゃなかったの??」
「・・わ、わかりましたーーー!」
御主人様は、笑みを浮かべながら私の耳元でこう囁いた。
”奴隷は、奴隷らしく御主人様の命令に従えと”・・と。

16麗奈:2007/12/13(木) 15:21:48 ID:DtI3Cirk
≪ガチャ≫
「ただいま・・」
「あら!雫ちゃん、今日は、早く帰ってきてくれたの?」
連夜のお母さん・・嬉しそうに私を迎えてくれた。
いつもは、遅かったけど、今日は、早く帰れた。
ーーーには、理由がある。
”それじゃあ・・・早く家に戻って滝本家に挨拶しに行くんだ
そしたら、また此処に戻ってきてね”
おばさんと・・皆にも挨拶しなくて・・
ポロ・・
「!雫ちゃん?」
「あ・・・あの私此処出て行きます」
「え・・?どうして?家無いでしょ?」
無いよ・・
おばさんが、今のお母さんだよ?
けど・・逆らえないんだよ・・
御主人様には。
「あの・・・家、見つかって・・そこでお世話をさせていただこうかと・・」
「・・・そう」
「我侭でごめんなさい!−−−連夜にも伝えておいてください」
「・・・いいのよ。よかったね・・雫ちゃん・・」
おばさんは、涙を流していった。

17麗奈:2007/12/13(木) 15:35:03 ID:DtI3Cirk
本当に・・我侭で・・迷惑掛けちゃったな・・
「あの。荷物まとめてから、すぐに行きますね。」
私は、そう言い残してしばらくお世話になった部屋に行き、
荷物を早くまとめた。
「あ、時間・・早くしなくっちゃ・・」
荷物を全てまとめ、部屋を出た時軽くお辞儀をした。
”お世話になりました”
「それじゃあ、おばさん。本当に有難うございました。
最後まで我侭で本当にごめんなさい・・・!
さようなら」
「元気でね?雫ちゃん・・」
私は、目に溜まっていた涙を拭い、笑顔で別れを告げた。
ー・・早くしないと・・
「あれ?」
「−−!」
目の前に部活帰りの連夜が居た。
私は、すぐに下を向いた。
涙・・を見られないように・・
「荷物・・出て行くのか?」
「うん!暫くお世話になりました!有難うね」

18麗奈:2007/12/13(木) 16:21:00 ID:DtI3Cirk
私は、精一杯の笑顔で別れを告げた。
溢れ出てくる涙を力いっぱい押さえて・・
「−−−!連夜・・?」
連夜は、私に抱きついてきた。
力強く・・・けど、優しい感じで・・
「どうして・・・出て行くんだ?そんなに俺らの家が嫌だった?」
違う・・違うよ?
これは、命令だもん・・
従わなくちゃいけないの・・御主人様の命令は、絶対だから・・!!
「・・・ごめんね」
やっぱり逆らうわけには、いかない。
怖いんだもん。
逆らうと何するか分からないんだもん・・
だから、連夜・離して・・
「もう、行かないと・・だから離して・・」
お願い・・離して連夜・・
「・・そっか。ごめん・・・学校で会えるしな!−−−けど!」
私の唇と連夜の唇が重なった。
優しい、温かいキスだった。
「じゃあ・・・また明日な!雫!」
「−−・・うん!」
今度こそ本当に笑顔で別れを告げた。
私は、笑顔で・・けど、涙を流しながら御主人様のもとに向かって歩いた。
「ふーん・・・、奴隷がそんな事しちゃっていいのかな?
・・・・お仕置き・・が必要だね」私と連夜のやり取りを影で見ていた、
来野君が不気味な笑みを浮かべていた。

19麗奈:2007/12/13(木) 16:25:56 ID:DtI3Cirk
「ハァ・・・・よし!」
私は、決意を固めた。
ここに住む事になるのだから・・・
毎日が地獄のような日々になるのだろう・・
ーー・・・いい
今に始まった事じゃ無いから・・
ちゃんと従えば、いいんだよね・・
考えてくると心臓が高鳴ってくる。
そして、私は、来野家のインターホンを押そうとした。
ーーーその時だった。
「−−!!」
いきなり口を押さえられた。
私は、この不利な状態で抵抗したが、無理だった。
「!」
私は、急激な眠気に襲われた。
目が・・、瞼が重い・・
ー駄目・・・ここで・・寝ちゃ・・・た・・ら・・
私の身体は、糸が切れたマリオネットのように
ぐったりと倒れた。

20麗奈:2007/12/13(木) 16:35:32 ID:DtI3Cirk
「ん・・・」
あれ?何してたんだっけ??
・・・!!
「此処何処??」
私は、慌てて起きる。
そこは、小さな公園だった。
何処にでもある普通の公園・・
「・・・・公園?なんで・・」
「さぁ・・何ででしょう?」
ー!
この声・・・・
「ご、御主人様・・・?」
「起きるの結構早かったね?火野元さん?」
来野君は、ブランコに乗りながら、笑顔で私に言う。
ーまた、笑っている・・・・
≪ドクン・・ドクン≫
手が震えている。
「御主人様・・な・・なんで・・」
来野君は、ブランコから降りて、私のところに近づいていった。
私は、嫌な予感がしたのか・・・少しずつ後ずさりをしていた。
そして、来野は、顔を近づけ人差し指で私の心臓辺りを突いた。
ー≪ドキッ≫
「何でか分かるでしょ?ほら、心臓ドキドキしているでしょ?
何をやったのか自分なら分かるでしょ?」
”何をやったか”・・?
「何もしてません。」
「・・・へぇ。言い逃れるとでも思っているの?」
来野君の顔は、次第に強張ってくる。
そして、胸に当てていた指を今度は、私の唇に当てる。
「・・これでも?」
「−−−!まさか」
さっきの?
連夜とキスしてたの見てたって事?
≪ドクン・・・ドクン≫
どうしよう怖いよ・・

21麗奈:2007/12/13(木) 17:01:25 ID:DtI3Cirk
「あ・・・」
声が出ない。
私は何をされるのか・・・その恐怖でいっぱいだった。
「やっと気付いたか・・。ねぇ、奴隷があんな事しちゃっていいの?」
来野君は問いかけと同時に私の唇から指を離した。
”奴隷があんな事しちゃっていいの?”
いけないの・・?
キスもしちゃいけないの・・??
私は、震えながらその問いに答える。
「私は・・・奴隷・・・で、も・・・・キス・・しちゃ、駄目・・・なんです、か?」
恐怖でいっぱいだった雫は俯きながら言う。
この答えだけは、御主人様の顔を見ちゃいけないような気がする。
その事を頭に入れて目の前に居る御主人様に言う。
「−−−・・奴隷のくせに生意気だね?」
「−!」
来野君は、いきなり、私の両手を押さえつけた。
心臓は、だんだんと激しく高鳴っている。
「日野元さん前、言っていたよね?自分には、御主人様が居る・・と」
「は・・はい・・・言いました!」
「君の主人は誰だ!!!滝本連夜なのか!?」

22名無しさん:2007/12/13(木) 17:04:45 ID:DtI3Cirk
来野君のいつもの冷静な言い方は、今回だけ違った。
怒鳴っている感じだった。
すごく・・怒っている・・・!!
私は、そう思うと、だんだんと目に涙が溢れてきた。
「また・・・泣くのか?−−−ッ」
「!−−いや・・・っ」
御主人様の唇が私の唇に触れる。
それは、連夜と違った冷たい感じだった。

23麗奈:2007/12/13(木) 17:16:17 ID:DtI3Cirk
「ハァハァ・・・・っ御主人様・・・どうして・・・」
私は、御主人様の行動が不思議に思えて仕方が無かった。
御主人様が何で私にキスをするの?
奴隷・・・・なのに?
「・・なんだ?・・・・どうなんだ?」
「・・・え?」
「君の主人は俺じゃ無いのか?君は、俺の奴隷じゃ無いのか?」
今の御主人様は、いつもの冷静なほうだった。
ただ、少し、悲しい顔だった・・・・。
私の御主人様であって、いつもの御主人様ではなかった。
「わ、私は・・!!私は・・・貴方の、奴隷・・です」
私は、毎回、怯えながら御主人様の奴隷に答える・・
ーそれが今じゃ違う。
今は、御主人様と奴隷じゃ無い。
私と来野君だ。
「フッ・・・。それでいいさ・・君は誰の物でもない・・俺の者だ。
君は、主人である俺のいう事だけを聞く・・
君は、俺のいう事しか聞けない人形だよ?・・分かった?」
いつもの様に笑みを浮かべて言った。
”いう事しか聞けない人形だよ”
・・人形・・
そうかもしれない・・。
私はずっと・・・来野君という御主人様の人形かもしれない・・
ーっ!
何でもいう事を聞いて、逆らうことが出来ない自分が憎い!
ーー・・連夜ぁ・・助けて・・よ?
「わ、私は一生・・・御主人様の・・・人形です。」
もう、こう言うしか無いんだ。
もう、何も出来ない・・。
来野君はニヤリと笑って・・・
「これで・・・もう逃げられないよね?・・日野元さん」
”逃げられない”
そっか・・・そうだよね・・・
一生御主人様の人形だもの・・
「はい。」
私は、諦めたのか、俯いたまま頷いた。

24名無しさん:2007/12/13(木) 17:24:16 ID:DtI3Cirk
「あ、そうそう。滝本連夜には、関わっちゃ駄目・・だからね?」
・・・・連夜に関わるなって事?
どうして・・
いや!
私は、人形・・・奴隷・・だから・・
「分かりました。御主人様」
「よろしい。じゃあ、早く帰ろう。」
「はい。」
私と御主人様はそのまま御主人様の家に向かって歩き始めた。
「あれ・・」
「ん?どうかした・・・日野元さん?」
「近い・・・」
「あ、あぁ。俺は、あんま動くの好きじゃ無いの。」
「そ、そうなんですか・・」
驚いた・・・
さっきまで居た公園・・御主人様の家に近かった。
ん?
今、御主人様って感じがしなかった。
普通の高校生・・・男の子・・来野君だった気がする。
ーなんて一瞬思った。
今日の御主人様なんか変だった。
あの寂しい顔とか・・

25麗奈:2007/12/13(木) 17:39:22 ID:DtI3Cirk
「疲れた・・」
私は今日から住む来野君・・御主人様の家の余りの部屋を借りています。
色々とあった私は、もうボロボロ。
「何か・・・・余計に来野君と言いにくいよ・・ふぁ〜・・・」
疲れが溜まっていたのか、まるでさっきのように
睡眠薬でも飲まされたみたいに私は深い眠りに突いた。
”・・く・・・ずく・・し・・・ずく・・・”
”ん?・・だ、誰・・・?”
そこは、真っ白な世界。
来野家にいた筈なのに・・・
何も無い・・・?
”雫・・・元気にしてた?”
私は、呼び起こされた正体が誰だか分かった。
それは、紛れもない一週間前に殺された母の姿。
”お母さん!!??・・生きていたの?”
”まさか・・本当にごめんね?雫一人にしちゃって・・”
私のお母さん・・・玲無は涙を堪えて言う。
”ううん。大丈夫だよ・・色々と大変だけどね♪・・・でも大丈夫”
本当は来野君の奴隷だって・・本当の事を言ってスッキリしたい。
嘘は突きたくない。
けど、もう苦しめたくないんだ・・心配させたくない・・。
お母さんは、今も苦しんでいる。
殺されちゃったときもきっと苦しんでいた。
”そう・・?それは、良かった・・でもね、雫。
お母さんには全部本当の事はなしていいんだから。
一人で抱え込まないでね”
最後の一言が私を悲しみの渦へと引きずり込む。
”本当に大丈夫だから〜・・・だからね♪お母さんも無理しないでね”
”有難う雫。・・じゃあそろそろ時間だからお母さん行くね?”
”え・・・??”
お母さんは、私に背を向けて一歩また一歩と私から遠ざかる。
私は、お母さんと叫びながらお母さんの下へと走っていく。
けど、走っても走っても追いつかない。
その逆に遠ざかっていく一方だった。

26麗奈:2007/12/13(木) 17:57:58 ID:DtI3Cirk
「お母さん!!」
「・・・俺は日野元さんのお母さんじゃ無いけど・?」
・・へ?
あ・・・!!?
「あ、ご、ごめんなさい!・・御主人様」
私は、慌ててぐちゃぐちゃの髪の毛を手で簡単に整える。
「奴隷は、主人より早く起きないとね?」
そっか・・・此処にいる以上、もう夕方だけじゃなくて一日がそうなんだ。
・・にしても来野君って起きるの早いなぁ〜
「遅刻しちゃうんだけど・・今から10分程度で準備しろ。
それ以上は、待たない。」
「は、はい。」
私は、ベッドから起き上がって急いで私服に着替え、歯を磨いた。
10分ってキツイ・・!
「はい、10経ちましたー。行くよー」
「は、はい!」
そして、私と御主人様は学校に向かった。
やっぱり御主人様とは、非常に歩きにくい・・。
学校に近づくに連れて皆の視線が一気に集まってくる。
「しーずーく!!}
後から聞き慣れた声が聞こえてきた。
朝っぱらからいつも元気な私の友達・・。
「燐那ちゃん!」
「俺は、先に行く。じゃあ、また用があったら呼ぶから」
「あ、はい!」
来野君は、そう言い残すとさっさと歩いていってしまった。
来野君が一人になると女子は、一気に集まってくる。
頬を赤くして。

27名無しさん:2007/12/13(木) 18:15:28 ID:DtI3Cirk
「おはよ〜♪・・ムフフ〜」
燐那ちゃんは、こっちを見てニヤケていた。
「な、何?」
「最近さー・・来野君と一緒に居るよね〜♪も・し・か・し・て」
何か言いたいことが分かるような気がする。
「付き合ってないからね!!」
私は、ついつい大声で言ってしまった。
その声に皆が驚愕して、こっちに視線を集める。
勿論、目の前に居た燐那ちゃんは、目を丸くしていた。
「・・・あ、そう」
「あ・・・・ご、ごめん」
ヤバイ・・
ちょっと燐那ちゃん退いてる・・
「雫ー!!」
聞きなれた声が後ろから声が聞こえる。
「おぉ♪滝本君おはよ〜」
「ちっす!」
「・・・・お、おはよ」
私は、来野君が居ないから少し警戒して連夜に挨拶した。
「あれ?何か。滝本君来たらテンション下がってる??」
「え?」
「えー?、まっさかー♪そ、そんな事無いよ!!ね、ねー連夜」
私・・動揺している・・
バレバレ・・だよね・・??
連夜、不思議そうな顔してるし・・
「うわ!チャイム鳴るぞ〜?行くぞ行くぞ♪よーいどん」
「え?あ・・・・ーーーー」
「雫」
私は、

28麗奈:2007/12/13(木) 18:20:43 ID:DtI3Cirk
私は、燐那ちゃんを追いかけるように走り出したつもりが、
連夜に腕を掴まれた。
真剣な顔をしていた。
「ちょ・・な、何?」
「次の放課後!屋上来い!話があるからー・・・」
と言って連夜は真剣な顔から
いつもの無邪気な子供の顔に戻って校舎に向かって走っていった。
”話があるから”・・・・なんだろ?
・・・行っても大丈夫だよね?
関わるな、と来野君に言われていたが、私はそんな事忘れて次の放課後、
連夜の話を聞こうと思う。
けど、この選択は、間違っていた。
何で連夜のところに行っちゃったんだろう?
次の放課後・・屋上に行くことで、大きな運命の針が狂い始める。

29麗奈:2007/12/13(木) 18:45:20 ID:DtI3Cirk
放課後ー
私は、急ぎ足で向かった。
そして、屋上の扉の前で一旦息を整える。
≪カチャ≫
「連夜?・・・居る?」
ー気持ちいい。
温かくて・・・風が吹いていて・・上を見上げれば青空が広がっている。
「雫」
青空を眺めていた私を呼ぶ。
ー連夜だ。
「話って?なるべく・・早くしてほしいの」
来野君にバレル前に・・・
バレたらどんな仕打ちを受けるのか分からない。
「あ、何か用あったか??」
「・・・別に・・無いけど?」
「じゃぁ話す。前の事なんだけどさ」
前の事・・・?
ーーーキスの・・・事?
「キス・・・?」
「え、あ、うん!・・・なんかこー思い出すと照れるな。」
連夜は照れながらそう言った。
私も・・ドキドキしてるよ?
「いきなりで本当にごめんな?」
「ううん・・むしろ嬉しかったよ!」
本当に嬉しかった。
キス・・・初めてのキス・・・
好きな人とできて嬉しかった。
「そ、そうか?あのさ・・俺、前から雫の事・・」
「何?」
「その・・好きだ!!」

30麗奈:2007/12/13(木) 18:49:44 ID:DtI3Cirk
その瞬間、私の代わりに返事をしたかのように風が吹いた。
「わ・・・私も・・・連夜の事・・好き・・だよ?」
「本当に!!?」
「うん。」
私は、照れながら答えた。
連夜は、顔を赤くして嬉しそうに微笑んで私を優しく抱きしめる。
「・・・ありがとう。」

31名無しさん:2007/12/13(木) 18:55:08 ID:DtI3Cirk
来野目線で行きます^^火野元でした・・間違えてた・・

+++来野目線+++
「わ、私も・・・連夜の事・・好き・・・だよ?」
俺は、この言葉を聞いた時、どこかで悔やんだ。
胸が熱くて・・・締め付けられるように痛くて・・苦しかった。
「・・・好き・・・か・・」
俺は少し俯いて、笑みを浮かべた。
「従えない子だね・・・火野元さん。忘れちゃったのかな?」
自分の今の状況。
逃げられないんだよね。
俺が君の主人である以上・・
そして、君の秘密を握っている以上。
たとえ、滝本連夜が火野元さんを信じても俺は、
君と滝本の関係ぐらい壊せる。
「さぁ・・

32:2007/12/13(木) 21:29:50 ID:6JhFoZg.
すごく、面白いです!!
っていうか何で雫が雷鬼の奴隷なんかになったのか気になります・・・。
この後雫と雷鬼はどうなっていくんでしょうか??

33麗奈:2007/12/13(木) 22:05:13 ID:k/LIdC8E
海様コメ有難うございます+^O^+

嬉しいです^^

この後ゎ、見てのお楽しみです

更新頑張りま〜す♪

でわ×2(^0^)/
+++来野目線++++
「さぁ・・・・どうやって壊そうかな?滝本連夜に
火野元さんの秘密をバラそうかな?」
まぁ、どちらにしても滝本連夜を火野元さんから離す方法はたくさんある。
問題はーー
「火野元さん・・・か」
秘密をばらそうとすれば、きっと従うハズ。
だけど、そんなんじゃ従わない。
「現にそうだもんね(クス)」
何をしようか・・・どうすれば、従う・・・?
「まぁ・・いいや。とにかく今夜は、お仕置きタイムだね」
俺は、クスクスと笑いながらその場から離れる。

34麗奈:2007/12/13(木) 22:15:31 ID:k/LIdC8E
海様奴隷になったのかは、何故かと言うと、
雷鬼に従えないからです・・17ページに書いてあります。

+++雫目線++++

「日野元さん♪」
「あ、ご・・・来野君」
危ない危ない・・
御主人様って呼びそうになっちゃった・・。
皆が居る教室の前で御主人様、だなんて言ったらやばいもんね。
「今日はー」
「雫ー!」
来野君が何かを言おうとした時、連夜が私を呼ぶ。
私は、チラッと来野君の顔を見る。
「っと・・・やっぱ止めて置くよ。
(ボソッ)今夜楽しいことがあるよ?楽しみだね。」
ドキ・・・
もしかして・・・またばれてる?
今夜・・
また何かされる・・??
「なー、雫一緒に帰ろうー」
「あ!連夜君今日は、私と帰るから♪ね〜雫ちゃん」
「燐那・・え、あ、三人で帰ろうよ。」
連夜と二人きりで居たい。
けど、今日やっと付き合えたもん。
少し気まずい・・・
それに、燐那ちゃんと全然帰れなかったしね・・
今は、三人で居たいんだ・・。
ううん。
”今”じゃなくて今日は、ずっと・・

35麗奈:2007/12/13(木) 22:26:04 ID:k/LIdC8E
「ねーねー。最近サァ、来野とよく投稿しているよね?何で?」
「え」
「あー。俺も気になる」
いきなり痛いところを突いてくる。
燐那ちゃん何でもお見通しだよな・・・。
でも・・そんな事言えないよ・・
「えぇ?そーかーなー?き、気のせいじゃない?」
嘘丸出しの言い訳・・・
私って嘘付くの下手だなぁ。
「んーそぉかな・・・あ!私はここで♪」
「え?・・・家ってまだだよね?」
「ぅ?あぁ♪私は、バイトー。金無くてさー」
バイト・・・
よく考えたら私お金ないや・・。
バイト・・・
「お。偉いなーバイトなんてさ。俺は、部活と雫一筋だけだけどな。」
「ぅえ!!何何ー?もう、そんな関係になっちゃった?」
「ち、違うって!!!ねぇ連夜」
私は、思いっきり連夜の目を見て何かを訴えるように睨んだ。
「えーーー」
「はいはい!分かっているんだから」

36:2007/12/13(木) 23:01:31 ID:6JhFoZg.
雫は雷鬼に何されちゃうんですか!?とっても気になります><
っていうか、雫もかわいそうだけど何か雷鬼もかわいそうな子に思えてきました;_;
それと、私は『様』づけされるような人じゃないですから!

37夏生:2007/12/13(木) 23:18:01 ID:gHwGlUvU
この小説、
すっごく面白いです。。
続きが楽しみです!!
小説を書く才能があるって良いですね^^
これからも応援しています☆★

38麗奈:2007/12/15(土) 13:03:58 ID:k/LIdC8E
まぁ、もうちょっとで展開が見えて来ますよ^^

それは、お楽しみに^^;

そうですか、じゃあ、海で^^>海


夏生様、コメ有難うございます。

嬉しいです^^>夏生

でわ、本編に戻りますね^^/早いって汗))

「はいはい、分かっているんだから♪じゃあね。」
「バイバイ」
「じゃーなー」
燐那ちゃんに別れを告げた。
燐那ちゃんは、遅刻でもしたのか・・・走って行く。
ついさっきまで居たのにもう見えなくなっている。
「・・・二人っきりになっちまったな。」
「う、うん。」
そうだ。
燐那ちゃんバイトで行っちゃったから・・二人・・きりなんだ。
「とりあえず家・・・来る?昨日出てったばかっだけどさ。」
昨日・・・・か。
時間ってあっという間だと思った。
私が連夜の家から出てまだ一日しか経っていないんだ・・・・。
結構・・・長いんだね。
「じゃぁ・・・お邪魔させていただきます。」
「そーかしこまるなよ・・・」
「そだね」
久しぶりにちゃんと笑えた気がする。
来野君の事を考えると怖くて・・・嘘の笑顔になっちゃった気がした・・
ちゃんと笑えているよね。

39麗奈:2007/12/15(土) 13:21:30 ID:k/LIdC8E
+++++来野目線++++
ピリリリ・・ピリリリ・・
ピッ・・
「もしもし・・あぁ。どうだった?」
『あー・・?今、一人どっか行って今二人きりだぞ』
二人きり・・
ということは火野元さんと滝本連夜だけって事か・・・
「そう。有難う・・まだ見張っててくれる?」
『お前も悪趣味な奴だなー』
「その悪趣味を手伝っているお前はもっと悪趣味じゃ無いのか?」
『へいへい。じゃ・・また何かわかったら電話すっから・・・・』
「あぁ」
ピ・・・
「今度は、キス以上の事は、するか?クス」
でも、そんな事させないよ?
「俺が邪魔してあげるからさ・・滝本連夜」
火野元雫は俺の奴隷。
俺の物。
俺の人形なんだから・・・さ。
「俺の・・・・物・・・・なんだ。」
また胸が苦しい。
何でこんな事考えると俺は苦しくなるんだ?
「クク・・・・アハハハ!!!」
胸が苦しくなるけど笑うと気持ち良くなる。
「アイツにバラすか・・・やっぱり」
火野元さんの秘密・・
知ったらどんな顔するかな?
そう考えると可笑しくなる。
ー・・楽しみだ。

40麗奈:2007/12/15(土) 13:48:32 ID:k/LIdC8E
+++火野元目線に戻ります+++

≪ガチャッ≫
「ただいまー」
「お、お邪魔します」
昨日、勝手に出て行っちゃったから気まずいな・・。
「連夜ー?・・と、まぁ雫ちゃん」
「あ、お、お邪魔します」
「良かったわ〜。また会えるなんて」
・・・怒ってない?
むしろ歓迎してくれている・・??
「(ボソッ)大丈夫だって母さんも怒ってないし、
逆に心配していたんだから。」
「え・・」
「あーそうそう。買い物に行くんだけど・・・二人で留守番しといてくれる?」
え・・・?
二人で留守番・・?
心臓バクバクしてる・・顔・・赤い!?
「おー」
「じゃ、行ってくるね」
「行ってらっしゃーい。」
ふ、二人きり・・・
うわー・・
だ、大丈夫かな?
「さて、と」
「何する・・・?」
「部屋、来いよ!久しぶりにゲームでもするか?」
「う、うん!」
私は、連夜と一緒に部屋に向かった。
中は相変わらず綺麗だった。
「本当に男の子って感じしないなー」
「えへん!俺は、綺麗好きなのさ」
男の子って綺麗好き結構居るんだ・・
あんまり掃除とか、綺麗好きって感じがしないんだよね・・
特に部活してる連夜系の人って・・
「−!」
「捕まえた♪」
私は、考えている最中に背後に回っていた連夜に捕まった。
私は、その時、一瞬で顔を赤くさせた。
「れ、連夜ー!?」
「ん・・雫って近くで見ると余計に可愛い・・」
へ?
余計に可愛いの一言で更に顔を赤くする私。
心臓・・段々高鳴ってくる・・破裂しそうなぐらい!
初めての感じ・・これが本当の好きって気持ちなのかな?
やっぱり連夜の事が好き・・なんだよね。
ーー良かった。
連夜の事・・好きになれて・・
「ん・・・・・れ//ん//や/」
「ん///し//ず//く//」
私の唇と連夜の唇は重なる。
自分から求めるように・・
「雫・・顔赤いよ?」
「へ?あ、気のせい、気のせい!!慌))」
「俺の事ますます気になってきた?」
だって好きだもん。
当然、余計気になるよ・・??
「好き・・だよ?」
連夜の唇は私のおでこに触れた。
そして笑顔でこう言ったんだ・・
”俺はずっと好きだったよ?世界一誰よりも”
嬉しい・・。
初めて言われた言葉・・・私には、連夜しか居ないのかもしれない・・・
「!あー」
「あ、ごめん!何か・・・こー・・・抑えられなくてさ」
連夜は照れながら笑顔で答えてくれた。
「好きな人とならやってもいい・・」
それが私の望み。
昔の私はどうかしてたんだよね・・
好きな人とやりたかったんだ。
「あぁ」
連夜は返事をして、私の首筋にキスをしてきた。
優しい・・・キスを・・
私は、連夜とならやってもいい・・・
今はもう好きな人としかやらないって決めたんだから・・・。
けど、もう遅かった。
運命を狂わす大きな針は既に動いている。
この針があと何回動いたら悪魔が来るのだろう・・??
悪魔は運命の時間というその時間に舞い降りて来るのだ。
「私、幸せだよ」
私は、天井を見ながら呟く。
「俺も・・」
連夜は唇を離して微笑んで答えてくれた。
そして、時間は来た。
運命の時間が・・。
連夜がキスをしようとしてくれたその時だった。
「お邪魔してまーす。」
ー!!?
え?
そこには、腕を組んで笑みを浮かべている来野君が居た。
「な、来野!?何勝手に・・・」
「勝手にじゃないよ?君のお母さんから・・ね」
恥ずかしさと恐怖で胸の鼓動が高鳴っていく。
「無用人だね。鍵開けたまましちゃうなんてさ。」
「鍵・・・・!!」
連夜は眉を寄せて来野君を睨む。
そして、来野君の目線は、私に向けられる。
「火野元さん、彼に自分の秘密を言ったの?
黙ったままやるつもりだったの?」
連夜は不思議そうな顔でこっちを振り向いた。

41麗奈:2007/12/15(土) 13:55:35 ID:k/LIdC8E
「それは・・」
「言えないの?じゃぁ俺から言ってあげようか?」
連夜は来野君また睨む。
「言えないって言ったんだろ?
秘密なんて誰だって持ってるじゃねーかよ」
気遣ってくれているの?
この秘密・・連夜が知ったら・・きっと嫌われる・・!
「君で何人目なんだろうね」
ニッコリとわざとらしい笑顔で言う。
「は?」
「ッ・・・」
私は、俯く。
耳を塞いで。

42麗奈:2007/12/15(土) 14:03:56 ID:k/LIdC8E
「わ、私・・・もう帰るね」
「え?」
とにかく此処から逃げたい・・!
頭の中は逃げたいと言う言葉でいっぱいだった。
「雫・・・・!」
私は、無視して急いで部屋から出て行った。

++++来野目線++
「・・・行っちゃったね。さて・・と俺も行くよ。長く居たってー」
「何しに来たんだよ」
連夜は鋭い目で俺を睨む。
さっきの雫が居るときと違って。
「邪魔しに来たの」
ニヤリと微笑して答える。
「あ?−−−っ!」
≪ドカッ!!≫
連夜の拳は、俺の顔面に直撃する。
俺は連夜に殴られ、そのままよろめいて倒れる。
「何でお前に邪魔されねぇーといけないんだよ!!」
「痛っ・・・」
「答えろよ!!」
何でか?
アレは、俺の物なんだ。
邪魔しているのは、君だろ?
滝本連夜ー!
「邪魔ねぇ・・・。笑えるよ・・君が邪魔しているのにさ」
俺は、殴られた所を押さえて、よろめきながら立つ。

43麗奈:2007/12/15(土) 14:11:05 ID:k/LIdC8E
++++雫目線+++
「ー!」
さっき音が・・・
何か嫌な予感がする・・。
私は、後ろを気にしながら走っていく。
「!」
「あ」
「ご、ごめんなさい!」
後ろばかりを気にしていたら人にぶつかりそうになった。
私は、一言、謝ってそこから立ち去ろうとした。
その時だった。
「火野元雫だ。」
−え?
私の名前言った・・?
「うんうん。近くで見たら可愛いもんだ」
え?
私は、不思議に思えて仕方が無かった。
どういう意味なのだろうか?一体この人は・・
「俺は佐々木新之助中3ね♪よろしくー」
「・・??あの急いでるんですけど・・」
中3?
まだ中学生だよね?
何で・・私の名前・・
「駄目だよ駄目だ駄目!!」
「!ちょ・・」
私は、佐々木という人に思い切り腕を掴まれた。
中3なのに・・・それでも力は強かった。
「掴まえた・・しばらくおとなしくしようよ?火野元先輩?」
笑みを浮かべてそう言った。
私は一瞬見えた。
ほんの一瞬だけど来野君みたいな笑みだった。

44麗奈:2007/12/15(土) 14:16:04 ID:k/LIdC8E
++++連夜目線+++
「何で俺がお前の邪魔してんだよ!!?
あいつは俺が好きなんだ!!
俺もあいつが好きなんだ!!なのに・・・」
「あれは俺が最初に見つけた物だよ?」
「雫は、物じゃねぇよ!!」
俺の声は、段々と荒くなってくる。
怒りという興奮が俺を支配していた。
「そう?・・まぁいいけどさ」
何が”いいけどさ”だよ!!?
雫は、物じゃなくて人間だ・・・!!
雫は、俺のだ・・俺が一生守ってやるんだ・・!
「じゃぁ、そろそろ行くよ・・
こんな所で喧嘩したって無意味だからね」
来野は、笑顔でそういう。
「無意味・・?」
この言葉が俺の何かを爆発させた。
どうでもいいってことなのか?
こいつ・・・・・殺したい!
ーけど・・雫が悲しむかもな・・。
それだけは避けたい・・・守るんだから・・俺が!

45麗奈:2007/12/15(土) 14:23:25 ID:k/LIdC8E
+++++雫目線+++
「・・・離してよ!なんでっ?何で私が・・」
「えーだから駄目だって・・これも命令なの」
ー命令?
もしかして・・
「来野君・・?」
「んあ・・?おぉよく分かったね♪・・に、してもアイツが居ないと
火野元先輩は”御主人様”って言わないんだね。
来野君は来野君・・
御主人様は、御主人様・・
私は、そうやって来野君を区別してきたんだから。
それに学校・・・・連夜すら私が来野君の奴隷だって知らないんだから・・
「別にいいでしょ・・!?と、とにかく離してよ!!」
私は、暴れる。
だけど、やっぱり敵わなかった。
「だからさー命令なんだって」
「知らない!」
そんなの知らないよ・・!!
もう嫌だ・・・!!
来野君の近くに居るなんて・・奴隷なんて嫌だ!!
「強情な性格・・だからちゃんと従えないのか」
え?
奴隷って言う運命だったのかもしれない・・
けど!!
ずっと弱気なままなんて嫌だ・・!!
十分従ってきたもん・・
十分だよ・・もう・・。

46麗奈:2007/12/15(土) 14:43:43 ID:k/LIdC8E
「ん?あ。来た来た」
私はその言葉で連夜の家方面を向いた。
ー・・来た。
来野君が・・
「あら?大人しくなっちゃった?」
佐々木君は少し驚愕気味で微笑んで言った。
そして、来野君は段々とこっちに近づいてくる。
「あっれー。来野君やられちゃいました?」
え?
”やられちゃいました”
・・?
どういうーーー
「見事にね・・あ、火野元さん。捕まっていたんだ」
と、クスクス笑いながら言う。
ー命令したの来野君でしょ?
・・わざとらしい・・
「来野先輩ー俺もう使用済み?帰っていい?」
「ん。あぁ、ご苦労様」
佐々木新之助という中学生は私の腕を離した。
それを来野君がすぐに掴んだ。
「どうだった?楽しかった?」
「・・・」
楽しい?
来野君さえ来なければね・・
連夜と居るときが楽しいよ。
「逆らう次は無視ですか・・・生意気だね。火野元さん」
「−!」
来野君は私に・・またキスをした。
私は耐え切れずに振り払った。
無理矢理、振り払ったせいか唇が痛く、
血がポタポタと落ちていく。

47麗奈:2007/12/15(土) 14:51:30 ID:k/LIdC8E
「・・・・血出てる」
っ・・・・!
ーーー!?
来野君の顔はまた近付いてくる。
私は、何故かそのまま目を瞑ってしまった。
ぺロ・・
「ひ・・・」
来野君は猫のように血が出ている唇を舐める。
舐められているが傷に沁みて痛い。
「血の味・・・クスッ」
「・・・・」
私の唇から来野君の唇が離れていく。
そして手を掴まれたまま歩き出した。

48麗奈:2007/12/15(土) 15:08:53 ID:k/LIdC8E
≪ガチャッ≫
「さて・・・と」
ここはあの部屋。
来野君でも私でもない・・・
誰も知らない・・来野君と私だけの秘密部屋だ。
「今日は、どんなお仕置きがいいかな?」
「・・・」
私は、唇を噛み締めながら話を聞く。
お仕置きだってなんだってすればいい・・
そんなの・・我慢すれば・・・。
「んー・・ねぇ何がいい?」
「・・・・」
何で私に聞くかな?
知らないよ・・・そんなの・・。
「無視かー。寂しいもんだなー」
と来野君は笑みを浮かべながら言う。
寂しいなんてちっとも思っていないくせに・・!
「そうだ!SMプレイみたいに火野元さんを縛ろうかな?」
「・・・!」
私は、すぐに来野君の顔を見つめる。
縛るって?
「クス・・・大丈夫だよ?怖くないし・・それに今夜だけだからさ」
「そんな・・・っ!」
「まずは、恥ずかしい格好になってもらおうかな?」
と言うと来野君は身動きの出来ない私の服を脱がし始めた。
抵抗したいけど出来ない・・。
我慢する事しか出来ない・・。
何も出来なくて我慢することしか出来ない自分。

49麗奈:2007/12/15(土) 15:21:57 ID:k/LIdC8E
「んーこんなもんかな?」
「っ・・・!」
私は、下着になったまま縛られた。
ほんの少しの風が体を冷やす。
「本当は、やりたくないけど・・仕方ないよ」
「・・・・」
仕方ない?
自分からやってるくせに・・?
「・・何も喋らないね」
来野君の顔はさっきと違う。
段々と暗い表情に変わってくる・・・
≪ガッ≫
「−!」
「無視なんて・・・奴隷のくせにいい度胸だね?」
まただ・・
不機嫌になるとすぐ髪の毛を引っ張る・・。
「フン・・・まぁいいや。今日はずっと一緒に居てあげるよ」
「・・・・」
ずっと・・?
嫌・・そんなの嫌!!
来野君はニヤリと笑い引っ張っていた髪を離した。
「あ、でもそんなの嫌だよね?」
「・・・」
私は、何も言わずにただ単にコクリと頷く。
「じゃぁ・・・お願いしてよ?
ハハッ・・よくある”御願します御主人様”ってね」
ーっ・・・
「お、お願いします・・御主人様・・」
言いたくなかった。
こんな奴にー!
でも仕方ない・・・
こんな奴と一緒に居るより・・・ずっとマシだ。
「ちゃんと言えたから・・ご褒美あげるよ」
「ん・・」
再び唇と唇が重なる。
来野君はニッコリと微笑んで私に背を向ける。
私は、その後ろ姿を憎しみでいっぱいな目で睨みつけた。

50麗奈:2007/12/15(土) 15:32:27 ID:k/LIdC8E
身動き出来ない状態は、ずっと続く。
寒くて体が冷え段々と頭が痛くなってくる・・・。
「寒い・・・・」
今、何時だろ・・?
来野君がこの部屋を出て行って結構経ったなぁ・・
「眠い・・・」
眠気が襲ってくる。
けど、寒さで時々、目が覚める。
「連夜・・・・」
ふと、頭の中に連夜が浮かんできた。
そして”助けて”と私は何度も繰り返し言う。
「ごめん・・・ね・・連夜」
何でか自然に涙が溢れて零れていく。
「私・・・連夜に本当の事、言ったほうがいいのな・・?」
誰も居ない・・雫しか居ない部屋で私は、呟く。
今日、来野君が連夜に言った言葉ー・・
”君で何人目なんだろうね”
違う・・違う・・!
連夜は本当にー
「好きなんだから・・」
でも離れない言葉なんだ。
やっぱりやらなければよかったのかな?
「今更・・・・後悔しているよ」
後悔・・後悔だよ
「うっ・・・」
ボロボロの自分。
何も出来ない自分・・
後に残るのは後悔。
私は、生きていていい存在なの・・??

51名無しさん:2007/12/15(土) 15:53:54 ID:k/LIdC8E
++++来野目線++++

火野元さん、また泣いている・・・。
なんで泣くかな?
「何でだ・・・?」
俺は、密かにあの秘密部屋の前で火野元の独り言を聞いていた。
ずっとアイツの名前が聞こえた・・・。
”連夜・・連夜”って・・・・
「アイツの何処がいいの?俺とどう違うわけ?」
ー分からない。
火野元は、俺の物なのに・・??
火野元は、俺が必要の筈なのに・・・??
「いや・・」
それは俺が勝手に思い込んでいるだけ

52名無しさん:2007/12/15(土) 16:09:22 ID:k/LIdC8E
奴隷だから”必要”だって言っただけで・・
「本当の事じゃ無い・・」
俺は、どうすればいい?
火野元さんは奴隷・・
俺は、主人・・
「く・・クク」
もう、考えるなんてやめよう・・。
そうだよ。これは、こうなる運命だったんだ。
火野元さんがたとえ否定してもーーー・・
「俺の奴隷なんだから」
これからもちゃんと調教しなきゃね。
ちゃんと俺に相応しい奴隷にしなきゃね・・

53麗奈:2007/12/15(土) 16:24:57 ID:k/LIdC8E
+++++雫目線+++
「・・ん」
あ・・れ?
朝・・
「いつの間にか寝ちゃった」
やっぱり縛られたままだ。
完全に身体は冷え切っている。
そのせいか、指が上手く動かせなかった。
≪ガチャッ≫
秘密部屋の扉が静に開かれる。
「・・おはよう日野元さん」
ニッコリと微笑んで挨拶をする来野君の姿が目に映る。
だけど、私は、すぐに目をそらした。

54麗奈:2007/12/15(土) 16:35:22 ID:k/LIdC8E
「クス・・・そんなに俺が嫌い?」
「最低・・」
私は小さく呟いた。
”最低”と確かに言ったが聞こえているのか?
そのまま何もせずにただ笑みを浮かべて立っている。
「最低・・・ねぇ」
≪グイッ!≫
「っ・・・」
「駄目だよ?主人にそんな言葉使っては・・」
痛い・・
紐が冷たい身体に食い込んで痛い。
「ん・・・・身体冷たいね。火野元さん」
こんな姿で一晩居たんだから・・
すっごく寒いよ・・・。
「じゃぁー」
「いやー」
来野君は、縛ったままの私の身体を抱きしめる。
そして耳元でこう言った。
”俺が暖めてあげるよ”
嫌だ・・
嫌だ・・!
触らないで・・

55麗奈:2007/12/15(土) 17:17:29 ID:k/LIdC8E
「すごく冷たいね。」
自分からこんな格好にして一晩中この部屋に置いてたからじゃん・・
に、しても・・触れられるのは嫌だけど暖かい。
「日野元さん、もう嫌でしょ?こんな事」
私は、コクリと頷く。
「だったらちゃんと従わないと・・。だからこうなっちゃうんだよ?」
私は、再度コクリと頷く。
「分かってるならなんで逆らうの?」
「逆らっちゃいけないの?」
とっさにでた言葉。
来野君は、ゆっくりと私から離れる。
「うん。」
笑みを浮かべて、顔を近づけて言う。
私は、その顔を睨みつける。
それに反応しら来野君は私の顔を手で更に近づけた。
「そんな目・・駄目だよ?俺は、主人なんだけど?」
「ッ・・・・」
何?
来野君は、今までに無い怖い顔で言う。
「生意気すぎるよ?最近、様子見てたけどさ・・」
「・・・」
「こんなお仕置きまだ軽いよ?これからは、
前の火野元さんみたいなお仕置きをしようかな?」
「−!」
「俺で何人目になるのか分からないけどさ・・・
でも何人目って言うの、俺悲しいな」
っ・・
お仕置きなんて我慢すればいいって思っていた。
でもさっきの一言で我慢なんていう言葉が頭から消えた。

56麗奈:2007/12/15(土) 17:34:35 ID:k/LIdC8E
「ハハッ・・・でもちゃんとこれからは、従うんでしょ?
どうすれば・・?
従わないとヤバイ・・感じのお仕置きがある。
でも従うなんて嫌・・。
「まぁ、考えておけば?早く制服に着替えて・・・学校行くよ?」
「・・・はい」
私は散らばった制服を集め、すぐに着替える。
鞄に今日の用意を入れて部屋から来野君と一緒に出る。
「眩しい・・」
「だろうね。この部屋あんまり光入らないから」
私は、反応してすぐに目を閉じる。
目がチカチカして痛かった。

57麗奈:2007/12/15(土) 17:44:28 ID:k/LIdC8E
「あ、そうだ。今日は金曜日だから・・放課後どっか行こうか。」
「え・・・・」
「(ボソッ)最近邪魔が多いからね・・二人きりで遊ぶの」
来野君は耳元で囁く。
「い・・」
「嫌だ。なんて言わせないよ?これも命令なんだからさ・・
まぁお仕置き我慢できるんだったらいいけど。」
「い、行きます。行かせて・・ください・・!」
「よろしい」
本当に弱いな・・・私。
”嫌だ”
たった一言で行かなくて済むのに・・
それに、どうしても離れない。
”前の火野元さんみたいな”
っていうのが・・
もし私が思っていることが合っているのなら・・
これからは、従わないと・・いけなくなるー

58麗奈:2007/12/15(土) 17:52:29 ID:k/LIdC8E
ガラッ・・
「おはよー」
「おはよ〜っす!ねぇねぇ♪昨日は、何かあった?」
教室に入って挨拶してすぐに現れた燐那ちゃん。
本当に元気だな〜
悩みなんかなさそうだな〜・・
「何かって?」
「まった。まった〜た・き・も・と・く・ん・と!!」
「連夜?」
「って・・雫と滝本君って付き合っている?」
「え、え〜とそのー・・」
私は、少し照れて、考えるように微妙な芝居をする。
まぁ・・バレバレなこの微妙な芝居。
燐那ちゃんすっごい怪しい目で見ているよ
「ふむ。付き合っていることにしてーで!!昨日で発展は??」

59麗奈:2007/12/15(土) 18:01:14 ID:k/LIdC8E
「は、発展って・・」
「せっかく二人きりになったんだから〜」
ま、まぁそうだけど・・。
でも二人きりには、なれなかったんだよね。
途中から来野君とかあの中3だとか・・
「あはは・・ごめん」
「まぁ、いいけど?アハハ」
「ねぇちょっと日野元さん?」
「・・へ?」
私と燐那ちゃんの間に同じクラスの子が割り込んでくる。
少し怒っているような顔だった。

60麗奈:2007/12/15(土) 19:43:00 ID:k/LIdC8E
「貴方・・・来野君とよくと登校しているけど、付き合っているの?」
「そーそー、今さぁ滝本君と付き合っているって聞こえたけどー」
「どうなの?」
「え・・・あの・・来野君とは、何もないか・・ら」
何もないけど・・全くの無関係じゃ無い。
「そう?ならいいけど・・もし付き合っていて二股掛けてたら許さないから」
「そーよそーよ。来野君は、皆の物なんだから」
「う、うん。」
皆の物・・かぁ
来野君はヒドイ人だよ?
すごく怖い人・・なんだよ?

61麗奈:2007/12/15(土) 19:57:51 ID:k/LIdC8E
「雫ー居るー?」

この声ー
「あ、噂をすれば??」
「連夜・・」
連夜って毎回こう・・
タイミングが悪いときに出るというか・・
「お、居た居た。」
「どうか・・した?」
私は、恐る恐る聞く。
何となく、来野君が見ているような気がした。
どこからか・・私を見ているような気がした。
「あ、いや・・・特に用はないんだけど・・
あ!今日お母さんが暫く旅行に行くんだけど・・」
「へぇ・・」
「今日と明日辺りだけ泊まらない?」
「今日と・・明日・・?」
って確か来野君も今日の放課後からどこかに・・・って。
逆らえないし・・でも久しぶりに連夜とゆっくりしたい・・
「でも・・」
「あ、来野か?」
「え?」
連夜が言ったときどこか安心感が出た。
何でだろう?
「いや・・その・・」
「やっぱり・・あいつと・・?」
「そ、その違うの・・来野君とアタシは、何も無いから・・」
「でも・・アイツが居るから・・無理・・だとか?」
”あいつが居るから無理”
・・かもしれない。
今度こそ逆らえないから・・
逆らうと同時に連夜と居たら・・
ーなんて知ったら、今度こそ、本当に・・・!

62麗奈:2007/12/15(土) 20:06:53 ID:k/LIdC8E
「大丈夫だよ。俺が守ってやるから・・来野には、もう近づけない・・」
「でも・・」
守ってくれる・・
嬉しい・・
涙が出てきちゃうよ・・?
「来野に何かされたんじゃないのか?」
「え・・」
「あ、チャイム鳴るなぁ〜・・昼、放課後にまた屋上で・・」
「え、あ!ちょ・・・」
連夜は一言そういい残して走って自分の教室へと走っていった。
私は、思った。
昼休み、放課後に連夜に全て打ち明けようと・・
そしたら、きっと心が軽くなるような気がする。
「ちょっと〜、雫私の事忘れてたでしょ!?」
ん?
「あ!!燐那ちゃんの事忘れてた・・」
「やっぱり〜」
「って事は・・」
全部聞こえてやんじゃ・・
や、やばい・・
「いいのいいの♪
昼休みに行ってらっしゃ〜い、あ、何かあったら教えてね」
「燐那ちゃん・・」
優しいなぁ・・
「燐那ちゃん有難う。」
「うん」
「よっしゃ!勿論、連夜と雫関係は秘密にするから」
「うん!」
こんな私でも優しくしてくれる人が居る・・
こんな私でも守ってくれている人が居る・・
この時、初めて私は、居るって・・・感じたんだ。

63麗奈:2007/12/15(土) 20:10:57 ID:k/LIdC8E
≪キーンコーンカーンコーン≫
急がなきゃ・・・
連夜また先に来ているよね?
私は屋上に急いで走った。
たまに階段でつまずきそうになったけど走った。
早く全てを話したい・・!
その気持ちでいっぱいいっぱいだった。
≪ガチャッ≫
「ハァハァ・・」
私は、扉を開けてすぐに辺りを見渡す。
「・・あ」
居たー・・
私は、整えて息をつく。
「連夜!!」
私は、声を出して連夜の名前を呼ぶ。
私に背を向けていた姿は、ゆっくりと振り返る。
「−・・え」
私は、連夜だと思っていた。
その正体が誰か分かったとき、私の心は一気に曇った。

64麗奈:2007/12/15(土) 20:17:39 ID:k/LIdC8E
「どうかした?日野元さん・・」
その正体は連夜でも誰でもない・・
来野くんだった。
「どうして来野君が?」
「んー?屋上に来たら日野元さんに会えるかなー・・なんて」
「私に・・?」
嘘だ。
絶対に私がここに来るって知っていたんだ。
でもどうして?
来野君が居たような気配はしたけど実際に居なかった。
なんで・・?
もしかして、本当にただの偶然?
「ハハッーでも本当に会えるなんて思わなかったなー」
「う、うん」
私は、少し後ずさりをして扉に近付く。
二人きりの屋上・・
何をされるのか分からない・・
「そういえば・・どこに行くかまだ決まっていなかったね。」
「・・」
私は、静に頷く。
私は、緊張をしながら慎重にドアノブに手を近づける。
そして、ドアノブに手を掛けて、ゆっくりと音を出さずに開く。
「どこがいい?遊園地?映画館?あと・・買い物とか」
「・・」
ふぅ・・。
よし!
今だ・・!
≪キィィ・・ッ!≫
私は、急いで階段を降りていく。
後ろを振り向いても誰も居ない。
トイレに逃げ込んで、手に胸を当てて目をゆっくりと閉じる。
そして、高鳴る心臓をゆっくりと鎮めていった。

65麗奈:2007/12/15(土) 20:23:51 ID:k/LIdC8E
+++連夜目線+++
≪ガチャッ≫
「雫居るー?」
「・・居ないよ?」
ー!
は?
「何でお前が居んの?」
「偶然」
偶然?
本当に偶然なのか?
「・・雫は?来たと思ったけど」
「さぁ・・?来たかな?」
本当にこいつ意味分かんねェ・・
何が言いたいのか・・
まぁいいや。
雫が居ないのなら・・
「火野元さんの事好きなんだ。」
「・・・・は?」
「好きなの?嫌いなの?」
「好きだけど?お前には関係ないと思うケドさ。」
何でこんな事聞くんだよ?
本当にくだらねェ・・
時間の無駄だな。
「もういいだろ?時間の無駄」
「フッ・・時間の無駄ねェ・・
ねぇ、聞いて損しない話、してあげようか?」
「はぁ?」
聞いて損しない話?
来野は、笑みを浮かべながら言う。
どうも、嫌な話って気がする。
なのに、どこか知りたい気持ちがあった。
”聞いて損しない話”
「・・なんだよ」
昼、雫と話す予定だったがどうもこの話が気になる。
聞いちゃいけない気がする。
少しだけなら・・聞くか?

66麗奈:2007/12/15(土) 20:27:58 ID:k/LIdC8E
「火野元さんから何も聞いていないと思うケド・・」
「雫から?」
「火野元さんはね・・君の物じゃなくて俺の物なの。
君たちが付き合う前からね。」
は?
どういう意味だ?
前も”俺の物”とかほざいていたけど・・
「火野元さんは俺の奴隷なの。」
「・・・?」
奴隷・・
その言葉が連夜の頭の中を混乱にする。
「奴隷?」
「そ、奴隷。」
「なんで?」
「俺が火野元さんの秘密を握っているから」
「秘密?」
来野は手を組んで相変わらず笑みを浮かべて言う。
その笑みは、悪魔のようでー・・
「火野元さんはね・・」

67麗奈:2007/12/15(土) 20:34:54 ID:k/LIdC8E
++++雫目線++++
「ハァハァ」
治(おさ)まった・・
心臓のドキドキは、始まったけど微かに手が震えていた。
「雫ー・・居る?」
「!」
≪ガタンッ!≫
「だ、誰!?」
「おー♪やっぱ、雫じゃん?私、燐那だよ?」
「燐那ちゃんか・・」
一瞬焦った。
来野君だと思ったから・・
燐那ちゃんで良かったぁ〜
「走ってたけど・・何かあったの?」
「えっ!あ、別に何も無いよー?アハハッ」
「ふ〜ん。あ!連夜君とはどう?」
あ・・・
そろそろ連夜屋上に来ているよね?
でも・・まだ来野君・・
「−!私屋上に行ってくる。」
「へ?あ、うん」
また前みたいな嫌な予感ー。
連夜、相当、来野君の事、嫌がっていた感じだし・・
それに来野君の事だ・・
前みたいに私の”秘密”をバラそうとするかも・・
嫌!!
それだけは・・
自分から言いたい・・!!
トイレからまた屋上めがけて走った。
来野君が連夜に何も言わないようなことを願って・・

68麗奈:2007/12/15(土) 20:45:13 ID:k/LIdC8E
+++++連夜目線+++++
「火野元さんは、色々な人とやってるよ?
(ボソッ)まぁ全て僕が仕向けた事だけど・・」
「ヤってる・・?」
「ほら・・君と火野元さんがやろうとしていたこと・・クスクス」
「は?」
”君で何人目なんだろうね”
そういう意味だったのか・・?
「だからって何で秘密にするんだよ?」
「あれ?ショックじゃない?処女じゃないのに?」
ショック・・かもしれない。
でも、何か理由があったのかもしれない!
俺は、雫を信じている。
「質問に答えろよ」
「質問?−あぁ。秘密にする理由?」
こいつ何考えているんだ?
ふざけているのか?
≪バンッ≫
「!!?」
屋上の扉が思い切り開けられる音がした。
その音に二人の視線が扉に・・
扉を開けた正体に向けられる・・
「雫・・」
「ハァハァ・・連夜・・」
「火野元さん・・戻って来たの?」

69麗奈:2007/12/15(土) 20:50:17 ID:k/LIdC8E
「連夜・・何聞いたの?」
「お前の秘密と・・来野の奴隷の事・・」
ーッ・・!
ひどい・・・
奴隷になれば、秘密にするとか言ったのに・・
私からちゃんと言いたかった。
こんな形で言われたくなかった・・
私は、来野を力いっぱい睨む。
そして、私は、一歩一歩歩み寄る。
拳を握り締めて・・
≪パン≫
「!・・おい雫・・」
「あ・・・」
私は、無意識のうちに来野君の頬を叩いてしまった。
それも、思いっきり・・
「っ・・ごめんな、さい・・・!」
私は、叩いた手を握ってその場から立ち去る。
とにかく走った。
どこでもいい・・とにかく人気のいない所に行きたかった。
≪ドン!≫
自分の手を思いっきり扉に叩きつけた。
何度も・・何度も・・
「っ・・うぅ・・うぅ・・・」
何で自分が泣いているのか分からなかった。
秘密がばれたから?
来野君を叩いてしまったから?
ー分からない。
ただ涙が溢れ出てくる。

70麗奈:2007/12/15(土) 20:53:02 ID:k/LIdC8E
++++連夜目線++++
「・・・」
来野は静に頬に触れる。
そう・・
雫に叩かれた頬を・・
「来野・・もう雫に近付くな!!これからは俺が守るから・・!!」
バン!
聞かなければ良かった。
今更の後悔。
また雫・・泣いていた。
でも・・もう泣かせない!
俺がこれから、守るから・・

71麗奈:2007/12/15(土) 21:03:25 ID:k/LIdC8E
+++来野目線+++
「・・・・」
なんだろう・・
この気持ち・・・
初めて感じた気持ちだ・・
「クス・・・でも奴隷には、変わりなし・・・っと」
主人を叩くなんて本当にいけない子だ。
もっと厳しいお仕置きが必要かな?
≪ガチャッ≫
誰も来るはずのない屋上に扉が開かれる。
「来たね?君には、まだまだ手伝ってもらうよ?」
「来野君の為なら何だってやるよ?−でも」
「何?」
「いつになったら私は、来野君の物になれるのかな?」
ー俺の物ね・・
本当良く働いてくれるけど・・・・しつこいね。
俺の物になるのは、一人だけで十分だよ・・。
「・・さぁ?俺は、火野元さんだけで十分なんだけど?」
「・・火野元さん?−私、来野君の為にやっているんだよ?
なのに・・・・来野君の物になれないなんて・・」
君から勝手にやっているようなものじゃないか?
まぁ・・・いいけど・・
「君は、俺の物に相応しくない。」
「じゃぁ・・どうやったら来野君の相応しい物になれるの?」
相応しくない・・
君はー・・
いや。
火野元さん以外に相応しい人間なんていないよ。
でもー・・
「じゃぁ、滝本連夜を君の物に出来たら・・少しは、考えてもいいかな?」
「本当・・・?私、頑張るから・・!来野君の為ならなんでもするから」
「期待しているよ」
僕が言う”君”という存在(影)は小さく微笑んで屋上から姿を消した。
「ハハッ・・・」
さぁてそう簡単にはいかないと思うケド・・
どうやるのかな?
「またお楽しみが一つ増えた。」
滝本連夜と火野元雫・・・
どこまで続くかな?
早く関係が崩れればいいって思う。
けど、簡単に崩れるのは、惜しい。
じっくりと崩していかないとね。

72麗奈:2007/12/15(土) 21:22:02 ID:k/LIdC8E
≪キーンコーンカーンコーン≫
「あ、チャイム・・早く行かないと・・・」
私は、目を拭い、その場から歩き始めた。
「雫!」
「・・・?」
私は、ゆっくりと振り向く。
そこには、連夜の姿があった。
そんなに暑くない今日・・
なのに、連夜はすごく汗が溢れていて、息が乱れていた。
「連夜・・」
「へへ・・ハァ・・ほら!」
「え!!?−あ・・」
鞄・・・?
しかも私の・・・
「早退♪今から遊びに行こーぜ」
「え?」
「さっきの事は忘れてパーッと遊ぼ!」
私は、連夜の優しさに、また涙が溢れそうだった。
ーけど、我慢した。
もう、泣かないよ・・
有難う・・連夜・・
「うん・・・」

73麗奈:2007/12/15(土) 21:27:42 ID:k/LIdC8E
++++謎の女+++
パキ・・!
シャープペンから出ていた心が折れる。
「・・・!」
何あれ・・?
わざわざ早退までして二人で帰るつもり?
「(ボソ)ムカツク・・」
でも、来野君を私の物にしたら来野君の物になれる。
要するにあの二人を離せばいいってことよね?
・・・どうやって離れるか?
仲は良さそうだし・・
ーッ!
やってみせる・・・絶対に出来るはず・・。
私ならきっと・・
”壊せる・・壊せる壊せる壊せる壊せる壊せる”
笑みを浮かべてノートに力いっぱい”壊せる”という文字を書く。
窓から見えるあの二人の後姿を見ながら・・
「(ボソ)絶対に壊してやる・・・来野君の物になってやる・・」
唇を思いっきり噛み締める。
楽しみにしててください・・来野君。
絶対に壊して見せます・・
絶対に貴方に相応しい物になります・・!

74麗奈:2007/12/15(土) 21:36:37 ID:k/LIdC8E
++++来野目線+++
≪ガラッ≫
「失礼します。」
「おー来野か?なんだ?」
俺が職員室に入ると同時に担任の先生が反応する。
「その・・今日は、もう早退したいんです。」
「まぁいいが・・。どうしたんだ?調子が悪いのか?」
「えぇ・・まぁ」
なんて嘘だけどね。
今夜は色々準備しないとね・・・
「分かった。気をつけて帰るんだぞ?
あ、体調管理は、ちゃんとな。」
「わかってますよ」
≪ガラッ≫
担任の先生に簡単に理由をつけて早退をし、職員室を後にした。
そして、鞄から携帯を取り出す。
ピッ・・プルルル・・
『はーいぃ?来野先輩ー?』
「今何処?」
『外・・学校もう早退しましたー』
「普通に喋れない?」
『普通っスー』
相変わらずな喋り方の電話の相手は中3の佐々木新之助。
「まぁいいけど・・それよりー」
『分かってますって。また見張りっすよねー』
「あぁ、分かっているなら早速だけどー」
『もう、見張ってますってー。結構距離近いっすよ?』
行動が早い奴だ・・
まぁ、その方がいいんだけどね。
「バレないように・・・あ、前みたいにまた捕まえてもいいから」
『ほんっと・・悪趣味スねー。まぁそこが来野先輩の面白いトコ』
「・・クス。期待しているから」
ピッ
俺の面白い所ね・・
俺は、楽しんでいるだけなんだけどね
さぁて・・こっちも早く準備しますか。
俺は携帯に鞄を入れ笑みを浮かべながら学校を出て行った。

75麗奈:2007/12/15(土) 21:42:58 ID:k/LIdC8E
+++雫目線++++
「・・・連夜?・・れんやぁー?」
「・・スースー・・・」
「・・もう・・」
今、私と連夜は映画館に来ているんだ。
まぁ、遊ぶって行っても遊園地とかに行きたかったけど・・
さすがに時間がやばいからって・・
でも、ゆっくり出来て嬉しいな・・・なんて
んで・・・
せっかく来たのに肝心な連夜は、隣で寝てるしね・・
でも可愛い寝顔だよ?
久しぶりに見たなぁ〜
連夜の寝顔・・
「あ・・連夜!連夜!」
「・・・・ん〜」
「ほら!終わったよ?映画・・」
「あ、あぁ!?俺、寝てた!?」
連夜は終わった事を言うと、すごく驚いて大声で言う。
周りに居た人たちの視線は一気にこっちに集まる。
「ボソ)うん。」
「ボソ)わ、わりぃ、ついウトウト・・」
顔を火照らせて俯いて小声で話す。
周りの視線は、どこかに向いたけれども、クスクスと笑い声が聞こえた。
「ボソッ)と、とにかく行こっ!」
「ボソッ)おう・・」

76麗奈:2007/12/15(土) 21:46:31 ID:k/LIdC8E
私と連夜は周りを気にしながら少し下を向いて歩いた。
それでも周りの笑い声は絶えない。
だけど一人だけ違った。
その一人は、陰でコソコソと二人を違う目で見ていた小さな悪魔
「ヘヘン♪さーて・・そろそろ離すか。」
二人のほんの少しの幸せな時間は幕を閉じようとしていた。
たった一人の小さな悪魔の手で・・
そして”お楽しみ”の一つの幕が後少しの時間で開かれる。

77麗奈:2007/12/15(土) 21:51:14 ID:k/LIdC8E
「あ・・ねぇ!トイレ行ってくる。」
「ん?あ、じゃぁ待ってるよ」
「うん!」
私は、トイレに小走りで向かった。
この時、連夜と離れなければ、良かった。
その後、後悔が芽生える。
「んーはぁ・・」
私は、長時間座っていた身体を伸ばす。
別にトイレじゃなくてもいいんだけど、
なんとなく・・連夜の前では恥ずかしいから・・
≪ジャー・・キュ・・!≫
「ん・・まだ3時かぁ」
腕時計に目をやって呟く。
そして、鞄を持ってトイレから出る。
「早くしなくちゃ」
私の目に誰か立っていた。
私は、ゆっくりと顔を上げる。
「あ・・」
そいつは、にやりと笑って、片手で私の顎を”あの時”
みたいに掴んで、もう片方の手で私の口を押さえる。
「ボソッ)また捕まえた。」
耳元でそう囁く。
あの時の事が頭に浮かんできた。

78麗奈:2007/12/15(土) 22:00:50 ID:k/LIdC8E
あの時の・・
佐々木新之助?
≪ガサゴソ≫
「お、あった。あった」
佐々木という男は私の鞄から携帯を取り出し、何かを打っていた。
≪ピッピピ・・・・ピッ≫
「完了っと。有難う」
佐々木という男はニッコリと笑顔で言いながら、携帯を鞄に戻す。
ー何したの?
「?・・あ、何か言いたいみたい?ーいいよ言わせてあげるよ先輩」
と言って人気の無い場所へと無理矢理連れて行かれた。
辺りを見渡せば、まだ映画館の館内だが誰も居ない。
私の口を押さえていた佐々木の手は、ゆっくりと離れた。
「っ・・・何!?なんでアンタが居るの!?」
「先輩、少し五月蝿いよ?」
「質問に答えて!!」
私がそう睨みながら怒鳴ると、
佐々木の顔はさっきの明るい笑顔から暗い・・真剣な顔になった。
「どうしているかは大体わかるでしょ?火野元先輩ならさ・・」
「来野君?・・また来野君なの?」
「またって・・アハハ何かしたんじゃないの?火野元先輩が」
何かって・・?
来野君の頬を叩いてしまったこと?
それとも今、連夜と居ること?
「まぁ・・俺は、どうでもいいんだけど。」
「とにかく離してよ!」
「だーめ。来野先輩は俺の恩人みたいなもんなの。
火野元先輩と違ってちゃんと命令は、聞くの。」
「だから?」
「”離さないように”って言われているの・・・」
佐々木はクスクス笑う。
私は、ただ、それを睨み見ることしか出来なかった。
抵抗しようとしても無駄だった。
助けて・・連夜・・!

79麗奈:2007/12/15(土) 22:11:22 ID:k/LIdC8E
++++連夜目線+++
ピロリン♪
「ん・・・メール?」
俺の手元にメールが届いた。
ポケットから携帯をすぐに取り出す。
「・・雫?」
雫からのメール・・
さっきトイレに行ってなんでメール?
俺は、そんな風に不思議に思いながらメールの内容を見る。
「ちょっと用事が出来たから、先に帰ってるね!本当にごめんね」
「用事・・?」
って事は、もう帰ったのか?
俺は、首をかしげて何度も雫からのメールの内容を読む。
「・・じゃぁ、俺も帰っていいわけ・・なのか?」
雫待っていたのに、肝心の雫が帰ったのなら居ても仕方ない・・か・・
一応、返事だけでも返すか・・
「火野元先輩って本当に俺の前だと五月蝿いんですね」
「・・だから?」
「来野先輩には、悪いけど・・」
「!」
押さえつけられたまま、佐々木の唇が私の唇に触れる。
段々と佐々木のキスは激しくなり、下を絡ませてくる。
「ん・・・・・ちょっ・・」
手が使えない今じゃ、少しの抵抗も出来ない。
ただ、黙って受け入れることしか出来なかった。
少しして、佐々木の唇は離れた。
「火野元先輩の唇って柔らかいんすねー。まずは、唇ゲット♪」
「ハァハァ・・・最低」
「感じてた?」
「感じてなんか・・キャッ!」
「・・・・これは?」
佐々木の手は、私の腕から離れ首筋からそっと触れてくる。
「い・・・・や・・っ」
変な感じ・・
何これ?
「まぁ、何人もヤってたら、そんなに感じないかー?」
「っ・・」
佐々木の手は、完全に私の身体から離れる。
私は、力が抜けて、そのまま座り込んだ。
「!!?な・・」
手が離れたかと思えば、次は、座っている私を押し倒す。
佐々木は、私を跨いで、私が下で佐々木が上という状態になる。
「火野元先輩・・可愛い・・好き」

80麗奈:2007/12/15(土) 22:14:57 ID:k/LIdC8E
「先輩、前会った時から好きだった。」
さっきの佐々木と違った。
今がただ想いを伝えようとしている・・恋をしているだけの少年。
「いや・・やめて・・」
「色んな奴とヤってたんでしょ?ならいいでしょ?」
佐々木はニヤリと笑みを浮かべ、顔を近づけてくる。
だけど、私は喋ることで何とか、時間を稼ごうとした。
誰かがこの辺に来る事を願って・・
「ヤってたよ?でも!・・今の私は違う・・昔の私はもう居ない。」
「そう言っても身体がいるよ?」
「っ・・」
「先輩も弱いなー。来野先輩にその内ヤられるよ?」

81麗奈:2007/12/15(土) 22:20:13 ID:k/LIdC8E
・・そうかもしれない。
その内・・来野君にヤられるのかもしれない。
ーお仕置きとして・・
「もうその話はいいでしょ?時間が勿体無い・・」
「いや・・!」
また佐々木の顔が近付いてくる。
私は目を強く瞑った。
もう駄目だ・・・って諦めかけた。
ブー ブー・・
「チッ」
佐々木は、小さく舌打ちして、近かった顔も離れていく。
顔だけじゃなく身体も離れていく。
「・・・」
ー助かった・・?
何が・・
「あー先輩?映画館ですけど?・・・はいはい」
電話?
”先輩”って事は、来野君?
「火野元先輩良かったね。
火野元先輩の御主人様が相手してくれるそうだよ」
「・・・・え?」
「惜しいなー。電話さえなければ、身体もゲットできたのに・・」
佐々木は、どこか向いて残念そうに呟いていた。

82麗奈:2007/12/15(土) 22:37:36 ID:k/LIdC8E
「さて・・と。先輩オヤスミ。」
「・・!!?」
前と同じ感覚・・
来野君の家の前で襲われた時と同じ・・
私は、急激な眠気に襲われ、そのまま眠り込む。
「・・・おやすみ」
佐々木はそう呟いて私の頬に優しくキスをした。

83麗奈:2007/12/15(土) 22:43:24 ID:k/LIdC8E
”・・おやすみ”
急激な眠気に襲われて、意識が朦朧としていた時・・
誰かがそう呟いていた。
完全に意識が閉じようとしていた時は、頬に何かが触れていた。
「・・・・」
ゆっくりと目を覚ます。
映画館に居たはずなのに・・・明るい・・?
「ん・・・・」
まだ瞼が重い目を擦って辺りを見回す。
どうやら、何処か知らない部屋みたいだ。
明らかに映画館じゃない。

84:2007/12/15(土) 23:22:07 ID:6JhFoZg.
少し見てない間にいつの間にか大分進んでらっしゃる!!?
なんていうかもう雫すごい事になっちゃってますね^^
雫モッテモテ!!雷鬼も雫のこと好きですよね!?現実でこんなにモテてたら逆に困っちゃうんでしょうね^^:
それと『燐那』ってなんて読むんですか?すいませんバカで>_<

85麗奈:2007/12/16(日) 19:47:51 ID:k/LIdC8E
見てくれて有難う〜♪^^

そうですね、雷鬼も雫の事が好きですよ

あ、難しい漢字使ってスイマセン><

燐那「りんな」ですよ

それでは、始めます♪
普通のホテルみたいな部屋だった。
「ここ・・・どこ?」
何も無い部屋。
あるのはベッドと小さなテーブル・・一人掛けようの椅子が二つ。
「・・・・」
私は今まで・・・寝る前の記憶を辿った。
まだ眠気があるのか・・・あまり覚えていない。
「確か・・・・連夜と映画館に来て・・トイレに行って・・佐々木新之助?」
その名前が浮かんだ時、目は一気に覚める。
「そうだ・・・あいつに何かされそうになって・・・来野君!」
そうだ・・・アイツ言ってた。

86麗奈:2007/12/16(日) 20:30:40 ID:k/LIdC8E
”火野元先輩の御主人様が相手をしてくれるそうだよ”って・・
その言葉を思い出すと、ある言葉が頭をよぎった。
「・・お仕置き・・」
身体が自然に震えだす。
「・・だ・・・嫌・・・だ」
≪ガチャッ≫
どこかの扉が音を出して開いた。
私の頭の中は混乱していて、ただ音が聞こえた場所を目で探す。
「・・・嫌だ・・・い・・・・や・・・」
頭を抱えてただ目の前に居る人間を見る事しか出来なかった。
その人間を見て色々やられた事と恐怖が湧いてくるだけだった。
「おはよう?火野元さん」
「・・・来野君・・・」
天使の笑みなのか悪魔の笑みなのか分からない・・
そんな笑顔で言う。
「今はもう主人だよ?」
「ッ・・・・もう・・・」
「ん?」
頭の中は混乱状態。
その中、自然と口が動く。
自然に声が出る。
「私は・・・貴方の・・・」
黙って・・・
喋らないで・・!
「奴隷じゃない・・!」
「・・・・・」
私は、すぐに口を押さえる。
震えた手でー・・
「あ・・」
暫く沈黙が続く。
来野君は、少し俯いてこっちに合わせる。
いつもの不気味な笑みを浮かべてこっちに寄ってくる。
「”奴隷じゃない”・・・?」
そう呟くと、その不気味な笑みは、次第に怖い顔になる。
「−!」
「いけない子だな・・。火野元さんは・・」
目を閉じてそう言う。
そして、口を雫の耳に近づける。
「お仕置き・・」

87麗奈:2007/12/16(日) 20:53:47 ID:k/LIdC8E
≪カチャリ・・・≫
私の手に手錠がつけられた。
手だけじゃなく足にも・・。
「嫌・・いや・・!!お願い・・・やめて!」
「口の利き方に気をつけてよ?」
「お願いします!やめて・・ください・・!」
この後、やられる事を嫌でも想像してしまう。
浮かんでくるのだ。
あの時の自分・・来野君の不気味な笑み・・。
「俺も本当は、こんな事やりたくないんだよね・・こんな事は・・
でも、火野元さんが望んでいる事でしょ?」
「望んでなんかいません!」
強く否定する言葉は部屋中に響く。
当然、来野君の耳に入っているはず・・
なのに返事は、笑みを浮かべるだけで何も言わない。
「さて・・どんなプレイがいい?」
「・・・やりたくない」
「まっいっか。普通のプレイで・・」
顎に手を当てて来野君が言う。
雫は小声で否定しながら、来野君の言葉を受け入れる。

88麗奈:2007/12/16(日) 21:29:50 ID:k/LIdC8E
来野君の手は、私の身体・・至る所に触れている。
私は、諦めた状態で、ただ涙を流し続ける。
「やっぱり犯されたかったんだね、火野元さん」
「違う・・・ヤりたくなんかない・・こんな事・・」
「そう?ーヤりたそうだけど・・この身体は」
楽しそうに笑みを浮かべる来野君。
変な気持ち・・・
あの時だってそうだった。

89麗奈:2007/12/16(日) 21:30:01 ID:k/LIdC8E
来野君の手は、私の身体・・至る所に触れている。
私は、諦めた状態で、ただ涙を流し続ける。
「やっぱり犯されたかったんだね、火野元さん」
「違う・・・ヤりたくなんかない・・こんな事・・」
「そう?ーヤりたそうだけど・・この身体は」
楽しそうに笑みを浮かべる来野君。
変な気持ち・・・
あの時だってそうだった。

90麗奈:2007/12/16(日) 21:30:37 ID:k/LIdC8E
やば・・多重書き込みしてしまった・・

スルーしてください・

91麗奈:2007/12/16(日) 21:38:45 ID:k/LIdC8E
佐々木新之助とかいう人に犯されそうになった時・・
変な気持ちだった。昔ヤってた私は、そちらかと言えば求めていた。
だから、今と違って変な気持ちがなくて・・普通な気持ちだった。
犯されるってこんな気持ちなの・・・?
「っ・・・」
「久しぶりの感覚じゃない?火野元さん」
「い・・・」
自然に声が出てくる・・
だけど、私は、唇を噛み締めた。
出てくる声が漏れてこないように・・・。
「っ・・・・く」
「火野元さん声出してよ」
「い・・・・っ・・・・・や」
私は漏れてくる声を必死に押し殺す。
「強情だね・・我慢しなくてもいいのに・・」
「ん・・・・っ」
来野君は我慢している私を解かす為か・・

92麗奈:2007/12/17(月) 19:14:36 ID:k/LIdC8E
舌を絡めさせ、余計に感じる。
声を押し殺す力は、段々と弱まっていく一方だった。
「い・・・やっ・・・は・・ぁ・・んっ・・」
「もっと声出してみせてよ・・」
「っ・・・い・・・ん・・ぁ・・」
駄目・・・
限界だよ・・
声が自然に漏れる。
「ねぇ、火野元さん・・・俺ねー・・」
「は・・・ぁぅ・・・−!」
その言葉はあまりにも衝撃で・・・
自然に漏れてくる言葉が一瞬と止まった。
”火野元さんとの子供作りたい・・”
いや・・
それだけは、絶対に嫌・・
「まぁ今はいいけどさ・・次のお仕置きは子供作りでも・・クス」
「ぅ・・い・・っや・・・ぁ!」
私は、限界に達した。
≪カチャリ・・・≫
手と足につけられていた手錠は外される。

93麗奈:2007/12/17(月) 20:05:35 ID:k/LIdC8E
「はい、終了・・今日もなかなか楽しかったよ?」
「ハァハァ・・・楽しくなんか・・ありません・・」
また涙が零れる。
何で涙が出るか?
分からない。

94:2007/12/17(月) 23:05:36 ID:6JhFoZg.
雷鬼は雫のことが好きなのにどうしてこんな事しちゃうんでしょうかね〜??
なんていうか、歪んだ愛情表現ってやつですね・・・。雷鬼は可哀想な子です;_;
素直に気持ちを伝えたら雫はどんな反応を示すんでしょう??
ってか、麗奈さん上手すぎです!!本当尊敬します>_<
『りんな』って読むんですか^^可愛い名前ですね♪雫の良き友達ですね!!

95麗奈:2007/12/18(火) 14:11:30 ID:Bd0YMbCM
見てくれて有難うございます//感謝))
そうですね・・
雫を自分の物にしたいっていう気持ちでいっぱいで・・
それほど好きなんでしょうね・・
ある意味かわいそうですよね
小説上手いですか!!((イエイエ))
私なんか、まだまだ新米ですからねェ・・
本当に海有難う〜♪♪>海
でわでわ続きを書きます
ー犯されたこと?
それとも・・次のお仕置きの事?
ーわからない・・
「これだけじゃ・・終わらないよ?どう?逆らう気になれる?」
答えは、たった一つ。
二つも三つもない答え・・
「逆らいません・・逆らいたくありません・・!」
「そう?でも・・ま、俺は、逆らった時の楽しみなんだけどね・・クスクス」
色々な男に出会ってきた。
その中で一番・・人生で最悪な男に出会ってしまった。
偶然あれを見られただけなのに・・
その偶然が不幸を招いてしまった。

96麗奈:2007/12/18(火) 14:23:23 ID:Bd0YMbCM
++++連夜目線++++
プルルルル・・・プルルル・・・
「あーはい?」
『あ、滝本連夜君?えっと燐那っていうか金本ですけどー」
夜・・・
いきなりの電話。
少し雫だと思って期待していたんだけど・・とんだ期待外れだ。
だからって金本からの電話が嫌な訳じゃないけど・・
「あー・・うん」
『雫に電話しても繋がらないんだけど・・・そこに居ないよね?』
「うん」
電話しても繋がらない・・?
そういえば、俺あの時のメール以来、何も雫から来ていないし・・
俺もしてないし・・・
『ちょい心配なのよね・・雫の彼氏君なら知ってると思ったけど・・』
「分かった・・俺から一度、電話しとくよ」
『お、じゃぁ宜しくー♪
あ、そだ。明日、時間あったら付き合ってくれないかな?』
明日・・か。
「でも・・」
『雫ねー前に滝本君とお揃いのネックレスがほしいって言ってたよ?
可愛いお店見つけてさー』
俺とお揃いの・・?
『プレゼント大作戦・・ってとこかな?』
プレゼントか・・
雫にあげたら喜ぶかな?
プレゼントなんて今まであげたことないし・・
それに、雫最近元気ないし・・
「じゃぁ・・少しだけ!・・少しだけな?」
『大丈夫大丈夫♪私は、雫と滝本君を応援しているんだからー』
「あ、うんサンキュな」
『いーのいーの♪じゃ電話しといてね?
明日の○×公園で10時待ち合わせねー♪』
「あ、あぁ!じゃな」
・・・・大丈夫だよな?
今更だけどプレゼントと買い物に付き合うだけだよな?
雫には悪いけど・・雫を喜ばしたい・・!
雫の笑顔が見たい・・
ふと。そう思っているとあの言葉が過ぎった。
来野の奴隷・・
「あー!!」
頭をクシャクシャにして、ベッドに横になる。
アイツの言った事なんて気にしない・・
アイツの言葉なんて信じない!!
俺は、雫の口から本当の事を聞く・・
それまでは・・
「忘れてやる」
俺は、決意をして、そのまま眠りについてしまった。

97麗奈:2007/12/18(火) 14:33:50 ID:Bd0YMbCM
「滝本くーん♪」
「あ、金本」
俺は、昨日言われた通りの公園に来た。
その数分後に金本が現れる。
「えっと・・ネックレスだっけ?何処にあんの?」
「まーま。とりあえず、その店に向かおうじゃないか」
「・・・あ、あぁ」
朝っぱらから元気な金本に俺は少し焦る。
心の中で雫の友達で良かった・・
って思う。
金本が元気ならきっと雫も元気でやっている筈だ。
「どう?雫とは、ちゃんと上手くやってる?」
「え?っと・・最近、元気ないからなぁ・・でも俺と雫は、ラブラブだぜ!」
なんて本当は、確信なんかないけど・・・
きっと愛し合っているはず。
俺が力不足でも・・
「そっか、そっか♪雫を守ってやれよー?」
「おう!」
しばらくすると、噂の店に辿りつく。
外から見て、まぁまぁ女子高生が行ってそうな店だ。
「ここ♪さぁ入るよー」
≪カランカラン≫
綺麗な鈴の音が部屋に響き渡る。
店内の店も結構可愛い感じで・・いい雰囲気が出ている店。
店自体は、そんなに広くないけど、そこがまたいい感じだった。
「ほら、これこれ!二つで一つ・・みたいなやつだね♪」
「へー・・」
雫がほしそうな物だなー
そう思うとクスっと思い出し笑いをする。
だけど、その俺の笑顔を違う恐ろしい目で見ている奴が居た。
それは、本当の悪魔。
前見たいな子供の悪魔なんかじゃない・・
平気な悪魔・・・自分の為ならどんな手を使ってもいい奴だ。
それが誰かはまだ分からない。
まだー・・

98麗奈:2007/12/18(火) 14:47:46 ID:Bd0YMbCM
「じゃぁ・・これください!」
「有難うございます。お会計・・」
≪カランカラン≫
簡単に雫にプレゼントするネックレスを購入し、店を出る。
「雫、喜ぶよな?」
「あったりまえだよ〜♪なんたってカ・レ・シ・からなんだもん」
「お、おい」
照れ笑いしながら言う俺。
「あー・・今日はありがとうな!えっと・・・お礼っていうか・・まぁ昼飯でも・・」
「え!あ、いいの!?うっわ〜滝本君優しいね♪もうお腹ペッコペコ」
本当にお腹空いているのか分からないくらいの元気さだった。
「どこ行く?」
「ん〜・・マック!安いし美味しいからマック!」
「マックね・・じゃぁ近いなーここからだと・・」
「だっろー!それを狙ってマックにしたのよ〜」
行き先が決まり、ネックレスを買った店から、
そう遠くないマックへと向かった。
「うっわ〜。やっぱマックの香り〜♪」
店内に入ってすぐに、燐那はレジに向かって色々と注文をする。
俺もゆっくりレジに向かって、食べ物を注文する。
「ここ、ここ♪よく雫と座るんだ〜、ほらほらテレビ!」
「お・・・本当だ」
確かに今座っている席だと、外にある大型テレビが見える。
音はそう大して聴こえないが、見れるだけでも十分だった。
「・・・あっれー、あれって確か・・滝本連夜・・と前の子?」
マックの別席に座っていた子悪魔が偶然にも俺と燐那を見つける。
「デート?デートっぽいねー」
ポケットからカメラ付きの携帯を取り出す。
≪バシャッ!≫
「げっと♪」
カメラに写った二人の姿を見て笑みを浮かべる。
まだ居るよねー・・
クスクス・・
しばらくいい写真が撮れそうだ・・
これを・・あの人に見せたらどんな顔するかな?
「滝本連夜おーわり・・♪クス」

99麗奈:2007/12/18(火) 15:01:32 ID:Bd0YMbCM
「んー・・食った食った。」
俺は、席から立ち上がろうとして、身体を伸ばす。
「・・・もう帰るの?」
「へ?」
元気な金本は寂しそうな顔をして聞く。
俺は、俯いている金本をジッと見る。
「あのね・・滝本君」
下を向いていた顔は、俺の方へと向けられる。
「私・・ずっと前から滝本君の事・・」
「・・・え」
なんだ?
この・・・雰囲気・・・。
「すー」
「あ!外で何かやってるぞ!?行こ!」
俺は、無理矢理、外を指差して話しを逸らす。
そのまま金本の返事を待たずに、店内の外に行こうとした。
グイッ・・
身体がいきなり立ち上がる。
「話逸らさないでよ?−本気なのに」
「・・・」
何か余計にマズイ雰囲気っていうか・・
ここは、ちゃんと話を聞かないといけない気が・・
「な、何」
「好き・・・滝本君の事好き・・滝本君が雫の事好きでも・・
私は、応援してても・・−滝本君の事が好き」
えっと・・どうすればいいの?
普通に断ればいいの?
ーギュ・・
「!」
背後から優しい、暖かい感触が俺を包む。
バシャッ
「わ〜大胆行動?滝本先輩浮気?クスクス」
上の階の物陰に隠れて、二人の様子を楽しそうに見つめる。
小悪魔・・佐々木新之助。
「ちょ・・金本・・人が見てる・・!」
「いいよ・・見てても・・私は、本気なんだからー」
燐那は連夜にバレないように小さく微笑む。

100麗奈:2007/12/18(火) 16:25:03 ID:Bd0YMbCM
やば・・・
顔が熱い・・
顔が熱い・・
「ボソッ)ちょっと視線が痛いっていうか・・その〜」
「それじゃぁ・・一つだけ聞いてもいい?」
「え・・・何?」
金本俺に抱きついたまま、尋ねる。
「もしだよー?もしー」
「何?」
ドキドキ感、緊張感が俺を苛立ちへと追い込む。

101アレン ◆BpV6iAH8ew:2007/12/18(火) 16:53:13 ID:Bd0YMbCM
やば・・・
顔が熱い・・
顔が熱い・・
「ボソッ)ちょっと視線が痛いっていうか・・その〜」
「それじゃぁ・・一つだけ聞いてもいい?」
「え・・・何?」
金本俺に抱きついたまま、尋ねる。
「もしだよー?もしー」
「何?」
ドキドキ感、緊張感が俺を苛立ちへと追い込む。
「雫が浮気したら?」
ドキ!
ーえ・・?
浮気?
浮気の言葉が苛立ちを消し去り、不安感が俺を追い込み始める。
「し、しないよ!俺は、雫を信じているからさ・・」
「・・そう?」
「あぁ」
浮気・・
来野・・
映画館見に行った時の用事ってまさか来野?
来野に関係するのか?
「じゃぁ離してあげる・・」
金本は、そう言ってゆっくりと手を離す。
周りにいた客は、視線を違う方向へと向けられる。
ただ一人だけは視線を変えなかった。
顔を歪めて残念そうに二人を陰で見つめる。
「ちぇ・・もう終わり?つまんねー」
そう呟いて、今度は、携帯の画面に目をやる。
「まぁ・・いっかー。これだけでも十分ー・・」
燐那が一方的に連夜に抱きしめる姿。
だけど、写真から見てどう見えるだろうか?
ましてや、あの人から見たらきっと誤解するはずだ。
佐々木は、目を閉じて来野を目掛けて、両手でハートマークを作る。
「ゲームオーバー・・クス」
小さく呟き両手で作ったハートマークを割る。
雫と連夜の二人が終わるー・・という意味の様に・・

102アレン ◆BpV6iAH8ew:2007/12/18(火) 16:56:01 ID:Bd0YMbCM
やば・・・
顔が熱い・・
顔が熱い・・
「ボソッ)ちょっと視線が痛いっていうか・・その〜」
「それじゃぁ・・一つだけ聞いてもいい?」
「え・・・何?」
金本俺に抱きついたまま、尋ねる。
「もしだよー?もしー」
「何?」
ドキドキ感、緊張感が俺を苛立ちへと追い込む。
「雫が浮気したら?」
ドキ!
ーえ・・?
浮気?
浮気の言葉が苛立ちを消し去り、不安感が俺を追い込み始める。
「し、しないよ!俺は、雫を信じているからさ・・」
「・・そう?」
「あぁ」
浮気・・
来野・・
映画館見に行った時の用事ってまさか来野?
来野に関係するのか?
「じゃぁ離してあげる・・」
金本は、そう言ってゆっくりと手を離す。
周りにいた客は、視線を違う方向へと向けられる。
ただ一人だけは視線を変えなかった。
顔を歪めて残念そうに二人を陰で見つめる。
「ちぇ・・もう終わり?つまんねー」
そう呟いて、今度は、携帯の画面に目をやる。
「まぁ・・いっかー。これだけでも十分ー・・」
燐那が一方的に連夜に抱きしめる姿。
だけど、写真から見てどう見えるだろうか?
ましてや、あの人から見たらきっと誤解するはずだ。
佐々木は、目を閉じて来野を目掛けて、両手でハートマークを作る。
「ゲームオーバー・・クス」
小さく呟き両手で作ったハートマークを割る。
雫と連夜の二人が終わるー・・という意味の様に・・

103アレン ◆BpV6iAH8ew:2007/12/18(火) 16:56:30 ID:Bd0YMbCM
はい、多重書き込みしていました・・!!

スイマセン・・

104アレン ◆BpV6iAH8ew:2007/12/18(火) 17:11:44 ID:Bd0YMbCM
++++佐々木目線++++
ピッ・・・
「あー・・先輩ー?面白い物ゲットしたんッスけどー」
電話相手は来野先輩
勿論、面白い写真はこの写真
『面白い物?』
「そっそ。面白い物ですよー・・見ます?」
『別に』
うわーどうでもいい反応・・
コレ見たら来野先輩面白がりそうなのに・・・
「半田連夜の事ですよ?」
『へぇ・・』
「何処に居るんですか?」
『ホテル』
「行ってもいいですかー?」
『別に』
本当・・どうでもいいって感じ。
でも、まぁいっか。

105アレン ◆BpV6iAH8ew:2007/12/18(火) 17:19:28 ID:Bd0YMbCM
「あ、来野先輩一人?」
『火野元さんも居るよ』
「へぇ・・」
俺は、笑みを浮かべた。
丁度いいや・・・
火野元先輩も居るなら・・
「じゃぁ、今すぐ行きますよ。場所は昨日言ってた場所ですよねー」
『でわ!面白い物・・期待しててくださいね』
一言、言って電話を切る。

106麗奈:2007/12/18(火) 17:25:12 ID:Bd0YMbCM
フォルダから滝本と金本の抱き合っている
写真をニヤけながら見つめる。
さーってと・・
待たせちゃ悪いから、さっさと行くか・・
俺は、そう言って立ち上がり、店から出て行った。

107麗奈:2007/12/18(火) 17:27:25 ID:Bd0YMbCM
フォルダから滝本と金本の抱き合っている
写真をニヤけながら見つめる。
さーってと・・
待たせちゃ悪いから、さっさと行くか・・
俺は、そう言って立ち上がり、店から出て行った。

108麗奈:2007/12/18(火) 17:27:57 ID:Bd0YMbCM
また多重書き込みになってる・・

ダブルクリック押しすぎた・・・

109麗奈:2007/12/18(火) 17:34:09 ID:Bd0YMbCM
「火野元さん、新之助が来るってさ・・」
電話で暫く私から離れていた来野君が来た。
佐々木新之助??
佐々木が来るの?
「ん・・・ふぁ」
来野君は軽く私にキスをする。
「面白い物見せてくれるんだって・・なんだろうね?」
「わかりません」
「楽しみだね・・どんな物かさ」
小さく微笑んで言う。
楽しみだねと言っている割には楽しみという顔をしていなかった。

110麗奈:2007/12/18(火) 17:45:29 ID:Bd0YMbCM
≪ピーンポーン≫
「新之助かな・・??火野元さん開けてきて」
「・・はい」
私は、フラフラした身体で玄関まで向かう。
≪ガチャッ・・≫
「あ・・火野元先輩が来てくれるなんて嬉しいよ」
佐々木は驚きながらも、嬉しそうに言う。
私は、佐々木を部屋に入れて、扉の鍵を
そしてフラフラとまた来野君の元へと向かう。

111麗奈:2007/12/18(火) 17:56:35 ID:Bd0YMbCM
「来野先輩どーも」
「それで?面白い物って?」
「・・早速ですか」
渋々としながら佐々木はポケットから携帯を取り出す。
私は、それを黙って見つめる。
すると佐々木は私の方に振り向く。
「火野元先輩も見ません?
火野元先輩が最初に見たほうがいいと思うッスけどー」
私が最初に見たほうがいい?
ーなんで?
私は疑問に思いながら、佐々木に近付く。
佐々木は、携帯を少し弄んでニヤリと
笑みを浮かべて、私と来野君を見つめる。
「これですよ」
そう言って携帯をこっちに向ける。
「へぇ・・これは面白い・・」
クスクスと微笑しながら言う来野君。
だけど・・・
だけど・・私は、違った。
見ちゃいけないもの・・
目線を落とそうとするけど、無理だった。
携帯に写し出された物から目線が離れなかった。
ただの携帯なのに・・
携帯に映し出された物は、私を更に混乱へと導く。

112麗奈:2007/12/18(火) 18:05:47 ID:Bd0YMbCM
++++雫目線+++
ドクン・・ドクン・・
心臓が静に大きく波打っている。
なんだろ・・この気持ち。
緊張?
変なモヤモヤした気持ちだった。
≪パタン≫
佐々木はニコリと小さく笑みを浮かべて携帯を静に閉じた。
「ククッ・・・しばらく外に出かけているよ・・二人でゆっくりしてよ・・」
来野はお腹を手で押さえて言う。
きっと笑いを堪えているんだろう・・
でも、私は、違う。
悲しい気持ちでいっぱいだった。
全然笑えないよ・・?
すっごく悲しい。
「火野元先輩?黙っちゃって・・どうかした?」
「なんなの・・・あの写真」
「見ての通りだけど・・信じられないよね?まぁ俺も正直驚いた。」
燐那ちゃんと・・・連夜?
何で燐那ちゃんと連夜が?
しかもなんで抱きついているの?
見るからには、燐那ちゃんからだけどー
でも、普通に見えた。
「いつの?

113:2007/12/19(水) 14:09:35 ID:6JhFoZg.
雷鬼は雫と接していって変わっていったりするのでしょうか??
燐那ちゃん!!良い子だと思ってたのに><謎の女ってもしかして燐那ちゃんなのかな?
雫と連夜はどうなっちゃうんだろう??

114麗奈:2007/12/19(水) 15:11:40 ID:HIpZPFhw
海、毎回コメ有難うございます≪感謝≫
私これから更新頑張ります^^
う〜ん、まだ私の口からは言えませんが、
これからですね・・
面白くなるのは藁))ニヤニヤ))←えぇっ!!>海

「いつの・・?」
「今日だよ。ついさっきー」
私は、そのままよろけて座り込む。
”さっき”ー・・
「火野元先輩・・?」
佐々木は私の名前を呼んで、一歩前に進む。
「来ないで・・!」
「−・・・」
私が言うとそのまま驚いて立ち止まる。
私は、俯いたまま、頭の中で今の写真を否定し続ける。
「火野元先輩」
「・・ない・・・・・でよ」
小さく呟いた。
何を言っているのか分からない程度に・・
だけど、佐々木は近付いてくる。
そして、私の耳に佐々木の顔が近付く。
「滝本先輩は火野元先輩を裏切った・・火野元先輩を傷つけたんだよ?」
ー!
≪ズキッ≫
心に針が刺さったような感じだった。
すごく痛む・・
裏切り・・
そうなの?
裏切った・・・の?
違うでしょ?
違うよね・・?
「火野元先輩は可哀想な人だよ・・来野先輩の奴隷だとか・・
親が殺されちゃったりとか・・最愛な人の裏切りだとかさ・・」
「−っ・・うっ・・」
私の目から涙が零れる。
佐々木の言葉が私の心を深い場所へと落としていく。
「でもー」
「・・・!」
佐々木は、私の身体を優しく抱きしめる。
「俺だったら火野元先輩をこんな風にしなかったのにな・・」
佐々木の聴こえる声が優しかった。
すると、連夜の今まで言ってくれた言葉が私の頭を駆け巡る。
そうだ・・連夜だって私を信じてくれたもん。
だから・・・私も信じる!
私は、佐々木の腕にそっと手を添えて
「ー私・・連夜と話してみる・・」
「え・・?」
「この事聞いてみる。全部、聞くの・・ちゃんと真実が知りたいから」
佐々木の身体は私の身体から勢い良く離れる。
私は、立ち上がって、佐々木をジッと見つめる。
「え、とありがとうね・・・。もしかしたら裏切りかもしれない・・
だけど連夜はそんな事しない人だよ?」
「・・・」
「だから今から行ってくる・・少しだけ話をしてくる」
私は、視線を佐々木から外して、背を向く。
そして私は、そのまま玄関へと駆け足で向かおうとしたその時だった。
「・・・本当、火野元先輩って馬鹿だね」
私はピタリと足を止めて、ゆっくりと振り返る。
佐々木は、笑みを浮かべていた。
「佐々木・・君?」
佐々木は笑みを浮かべたまま、呆れた様な顔をして携帯を開く。
「コレ見て、なんで普通に信じるわけ?」
「誤解で嫌いになりたくない・・・本当の事を知りたいだけ。」
「・・よーく分かりました。」
「・・え?」
携帯を思いっきり閉じる。
どうでもいいという表情で佐々木は言う。
「来野先輩の言ってた通りだねー。簡単に壊れないや」
・・え?
どういう意味・・?
簡単に壊れないって?
そのまま立ち止まっている私の手を佐々木がまた掴む。
「今、来野先輩がいないからヤっちゃおうかなー?」
「は・・・・?」
「俺が火野元先輩を好きって事、来野先輩知らないんだー」
悪魔のように、わざとらしい笑顔で言ってくる。
私は佐々木が何を言っているのか分からなかった。
ただ分かるのは・・私を好きって事・・
「火野元先輩は来野先輩の物だから俺は直接触れれないんだー・・」
佐々木の唇が私の唇に触れる。
私は、嫌な予感がした。
もしかして・・またヤられるの?
「何しようとしているの?」
「何って・・楽しいこと。
俺は、火野元先輩の事好きだからさ・・
本当は来野先輩にも滝本先輩にも渡したくないけどー・・」
心臓は高鳴っていく。
佐々木は、小さく私にキスをして。
「火野元先輩、俺の事好きになってくれる?」

115 ◆mLt2K.HumU:2007/12/19(水) 15:22:56 ID:HIpZPFhw
海、毎回コメ有難うございます≪感謝≫
私これから更新頑張ります^^
う〜ん、まだ私の口からは言えませんが、
これからですね・・
面白くなるのは藁))ニヤニヤ))←えぇっ!!>海

「いつの・・?」
「今日だよ。ついさっきー」
私は、そのままよろけて座り込む。
”さっき”ー・・
「火野元先輩・・?」
佐々木は私の名前を呼んで、一歩前に進む。
「来ないで・・!」
「−・・・」
私が言うとそのまま驚いて立ち止まる。
私は、俯いたまま、頭の中で今の写真を否定し続ける。
「火野元先輩」
「・・ない・・・・・でよ」
小さく呟いた。
何を言っているのか分からない程度に・・
だけど、佐々木は近付いてくる。
そして、私の耳に佐々木の顔が近付く。
「滝本先輩は火野元先輩を裏切った・・火野元先輩を傷つけたんだよ?」
ー!
≪ズキッ≫
心に針が刺さったような感じだった。
すごく痛む・・
裏切り・・
そうなの?
裏切った・・・の?
違うでしょ?
違うよね・・?
「火野元先輩は可哀想な人だよ・・来野先輩の奴隷だとか・・
親が殺されちゃったりとか・・最愛な人の裏切りだとかさ・・」
「−っ・・うっ・・」
私の目から涙が零れる。
佐々木の言葉が私の心を深い場所へと落としていく。
「でもー」
「・・・!」
佐々木は、私の身体を優しく抱きしめる。
「俺だったら火野元先輩をこんな風にしなかったのにな・・」
佐々木の聴こえる声が優しかった。
すると、連夜の今まで言ってくれた言葉が私の頭を駆け巡る。
そうだ・・連夜だって私を信じてくれたもん。
だから・・・私も信じる!
私は、佐々木の腕にそっと手を添えて
「ー私・・連夜と話してみる・・」
「え・・?」
「この事聞いてみる。全部、聞くの・・ちゃんと真実が知りたいから」
佐々木の身体は私の身体から勢い良く離れる。
私は、立ち上がって、佐々木をジッと見つめる。
「え、とありがとうね・・・。もしかしたら裏切りかもしれない・・
だけど連夜はそんな事しない人だよ?」
「・・・」
「だから今から行ってくる・・少しだけ話をしてくる」
私は、視線を佐々木から外して、背を向く。
そして私は、そのまま玄関へと駆け足で向かおうとしたその時だった。
「・・・本当、火野元先輩って馬鹿だね」
私はピタリと足を止めて、ゆっくりと振り返る。
佐々木は、笑みを浮かべていた。
「佐々木・・君?」
佐々木は笑みを浮かべたまま、呆れた様な顔をして携帯を開く。
「コレ見て、なんで普通に信じるわけ?」
「誤解で嫌いになりたくない・・・本当の事を知りたいだけ。」
「・・よーく分かりました。」
「・・え?」
携帯を思いっきり閉じる。
どうでもいいという表情で佐々木は言う。
「来野先輩の言ってた通りだねー。簡単に壊れないや」
・・え?
どういう意味・・?
簡単に壊れないって?
そのまま立ち止まっている私の手を佐々木がまた掴む。
「今、来野先輩がいないからヤっちゃおうかなー?」
「は・・・・?」
「俺が火野元先輩を好きって事、来野先輩知らないんだー」
悪魔のように、わざとらしい笑顔で言ってくる。
私は佐々木が何を言っているのか分からなかった。
ただ分かるのは・・私を好きって事・・
「火野元先輩は来野先輩の物だから俺は直接触れれないんだー・・」
佐々木の唇が私の唇に触れる。
私は、嫌な予感がした。
もしかして・・またヤられるの?
「何しようとしているの?」
「何って・・楽しいこと。
俺は、火野元先輩の事好きだからさ・・
本当は来野先輩にも滝本先輩にも渡したくないけどー・・」
心臓は高鳴っていく。
佐々木は、小さく私にキスをして。
「火野元先輩、俺の事好きになってくれる?」

116麗奈:2007/12/19(水) 15:26:19 ID:HIpZPFhw
・・・・また・・多重書き込み・・

・・・・スイマセン・・

でわ、戻ります・・/←早っ

「クス)・・・って無理だよねー」
佐々木は私の手を離して言う。
「火野元先輩は、滝本先輩が好きなんだもんね・・
好きになってくれないかー」
「分かって言ってるんでしょ・・からかってるの?」
佐々木は、くいっと私の顎を上げる。
真剣な眼差しだった。
「からかってないよ?本気なんだよ?
ここまで本気にさせたの火野元先輩が始めてなんだよ?」
「え?」
私は、正直驚いた。

117:2007/12/19(水) 15:54:59 ID:6JhFoZg.
雫はエラいね!!写真だけで信じずにきちんと話そうとしているよ。
っていうか佐々木もヒドイですよね〜^_^;
今このタイミングで雷鬼が入ってきたりしないんでしょうかね^^

118麗奈:2007/12/19(水) 16:12:38 ID:HIpZPFhw
入っては来ないですけど、いずれかは、バレますよ^O^
佐々木は、来野よりマシになる設定です;

私は佐々木がいくら好きだって言っても
からかっているだけだって思っていた。
好きって分かっていても、どこか嘘だって否定していた。
真剣な眼差しで言う佐々木は少し大人っぽかった。
「滝本先輩に飽きたら今度は俺の所に来てね?」
ニコリと笑顔で言う。
そんなつもりはないけど、一瞬・・・ほんの少しドキッってした。
「私は飽きないよ・・本気で愛しているんだから・・!」
「はいはい〜。ん、で?滝本先輩のとこに行かないの?」
「え・・?」
「今回だけは行かせてやるよ・・本当は嫌だけど」
口を少し尖らせて顔を赤くして言う。
嫌な奴だと思っていたけど・・本当はすごく良い奴なんだね。
誤解してた。
時々、怖くて・・・何するかわからない奴だけどー
優しくて良い奴。
「−ありがと!」
「べっ別に!」
佐々木は更に顔を赤くして、私に背を向ける。
私は、小さく微笑んで、部屋から出て行った。
「あ〜・・馬鹿な俺」
口に手を当てて、顔を赤くしたまま佐々木は、呟く。

119:2007/12/19(水) 16:31:51 ID:6JhFoZg.
急に佐々木が良い奴に変化した!!ってか、かわいい奴ですね。佐々木は♪

120:2007/12/19(水) 16:58:29 ID:HIpZPFhw
まぁ、そうですね毎回コメ本当に有難うございます>海

++++来野目線++++
「−はぁ」
俺は物陰に隠れて、小さな溜息を付き、片手で顔を覆う。
そして、耳につけたイヤホンを取る。
目の前に火野元雫が走り通る。
ー今向かっているって事か・・
結局、今回も駄目だった・・て事か?
「チッ・・」
軽く舌打ちをして携帯を取り出す。
ピッ・・・・
””

121麗奈:2007/12/19(水) 17:29:22 ID:HIpZPFhw
"アイツに電話を掛ける"
すると数秒ぐらいしてそいつは電話に出た。
『来野君・・。』
「失敗。残念だったね」
『そんな・・だって普通にどっからどう見ても・・』
「言ったでしょ?あの二人は簡単に離れないって」
『それは・・そうですけど・・』
ボソボソと段々と声が小さくなっていた。
ー 期待していた俺が間違いだったか?
まぁ結構いいところまでは言ってたけど・・
『まだ、チャンスはありますよね?』
大きな声が響く。
フッ・・相応しくない人間に二度もチャンスは無い。
けど・・面白いもんね。
こいつが火野元さんと滝本連夜の邪魔をしている所・・
「さぁ?」

122麗奈:2007/12/19(水) 17:32:47 ID:HIpZPFhw
『次は。。次に絶対壊します!絶対にー』
「絶対に今度こそ壊せる?」
『壊せます・・貴方の為だったらなんだってやります・・!』
「そう?じゃぁ今度こそ成功させてね?楽しみにしてるからー」
ピッ
またアイツを期待させる様な言い方しちゃったかな?
まぁ成功するはずが無いよ・・
滝本連夜が壊せても、もう一人現れたからね・・
火野元さんを奪おうとしている奴が・・
「これからも大変だ・・クスクス」
携帯を握り締めて、笑みを浮かべる。
そして、部屋に向かって歩き始める。
色々言わないとアイツにさ・・

123麗奈:2007/12/19(水) 17:39:12 ID:HIpZPFhw
+++来野目線++++
「先輩も物好きですよねー」
「・・・」
雫が部屋を出て行って数分が経つ時・・来野が戻って来た。
佐々木は、玄関で来るのを知っていたかのように、待ち伏せていた。
「はい。これ・・」
「−!」
佐々木が俺に渡してきた物・・それは盗聴器。
面白そうだったからバレないように仕掛けておいたんだけど・・
バレてた・・か。
「もういいんですけどねー・・・なんとなく気付いていたんでしょ?」
「クス)薄々ね」
「へぇー話が早いじゃないですか」
佐々木の表情は普通に笑顔に振舞っていたが、実際は違うだろ。
心の中では怒っているかな?
「知っているでしょ・・火野元さんは俺の物だって事・・」
「知ってますよ。だからしばらく先輩の言う通りにしてきたんですから・・」
「−へぇ?じゃぁどうするの?」
「勿論ー」
佐々木は眉間にシワを寄せて、来野を睨む。
「先輩から火野元先輩を奪うんですよ?」

124麗奈:2007/12/19(水) 17:50:14 ID:HIpZPFhw
++++雫目線++++
≪ピーンポーン≫
呼び鈴を鳴らした時、中から微かにだけど足音が聞こえた。
ー連夜なのかな??
≪ガチャッ≫
もの凄い勢いで扉が開かれる。
「−し、雫!」
「・・」
「やっぱ雫だよなぁ〜?違ったらどうしようかと・・まぁ上がれよ♪」
「うん」
連夜は嬉しそうに私を迎えてくれた。
嬉しい顔を見ると、いつも私もつられて嬉しくなる。
でも・・・今は違う。
その嬉しい顔が嘘のように見えて仕方が無かった。
写真の事を聞いたら、連夜はどんな反応するだろ?
本当の事言ってくれるのかな?
ーううん。
言うよね。
本気で私の事、好きなら言ってくれるはず。
でも、もし言わなかったら?
ー好きじゃないって事になるんだよね?
「あ!そういえば・・映画館に行ったとき、急用が出来て帰っただろ?
「え・・・あ、うん」
「そっか〜、いきなりだから少し不安だったよ・・アハハ」
「ごめん!でも大丈夫だから!本当に用事で・・・ね」
この事じゃない!
言うんだ・・写真の事・・

125麗奈:2007/12/19(水) 17:59:25 ID:HIpZPFhw
「連夜!」
「へ?」
私は、思わず大声で連夜の名前を叫ぶ。
連夜は勿論の事、凄く驚いていた。
「あ、あのさ・・さっき・・何してた?」
「え?」
「ほら!あの・・その・・何してたのかな〜?みたいな〜?」
「え・・あぁ・・うん!」
連夜の表情は暗くなった。
その表情を見たとき、私は、一気に暗闇に落ちた気がした。
深い深い真っ暗な心に・・
少しの沈黙が流れたが、連夜は何かを決意したかのように私をジッと見つめる。
「俺ー・・」
「金本と居たんだ・・」

126麗奈:2007/12/19(水) 18:06:02 ID:HIpZPFhw
私は、連夜を見つめなおす。
連夜は少し暗い顔で俯いた。
「・・なんで?」
私がそう言うと、連夜はポケットから何かを取りだした。
それは可愛い包装紙で巻かれていた小さな箱。
私は、その包装紙を見て、ある店が頭の中に浮かんできた。
「雫がほしがっていたんだ、金本が言っててさ・・・・
それで雫にプレゼントする為に・・その・・」
「連夜・・」
私は、不思議な気持ちでいっぱいだった。
あの写真でモヤモヤした気持ちと・・
今のプレゼントで嬉しい気持ちが混ざって、
私でも分からない気持ちだった。
「−開けていい?」
「うん」

127麗奈:2007/12/19(水) 18:11:09 ID:HIpZPFhw
私が連夜の顔を見て言うと、さっきと違って、優しい顔で頷いた。
私は包装紙を丁寧に剥がして箱を開いた。
これ・・!
「ほら!雫・・お揃い!」
連夜と付き合い始めて欲しかった物・・
ペアとネックレス。
「つけてやるよ・・ほら」
「あ、うん・・」
連夜は私の背後に回って首にネックレスを付けてくれた。
「ありがとう・・すっごく可愛い」
「へへ♪」
連夜は照れくさそうに言う。
連夜・・有難う。
これは一生大事に持ってるからね・・宝物だよ・・

128ラビ:2007/12/19(水) 18:26:41 ID:HIpZPFhw
「あのな?・・何を言っても金本と喧嘩とかしないでほしい。」
「・・うん」
私は連夜がプレゼントをしてくれたネックレスを握り締めて小さく頷く。
燐那ちゃんと喧嘩しないでほしいって意味は・・
何かやってたって事だよね?
「俺、金本に告られたんだ」
「え・・?」
「俺には、雫が居るし・・・
まぁ色々あってその場では断れなかったけど、
・・学校では、きちんと断るから」
燐那ちゃん・・連夜の事好きだったんだ・・
なのに、応援しててくれてたの?
辛かったはず・・だよね?
ごめん・・燐那ちゃん・・
私、燐那ちゃんに謝らないと・・
謝っただけでも燐那ちゃんが許してくれるか分からない。

129麗奈:2007/12/19(水) 18:30:56 ID:HIpZPFhw
表では、普通でも、きっと心の中で私の事を嫌っている・・
憎んでいる・・
ー!
「俺は、何があっても雫を離さない・・ずっと傍にいるから・・」
私を優しく抱きしめて、連夜は言った。
連夜に何度も救われている気がする・・
「ありがとう・・」
しばらくの沈黙が続く。
そして数分が経ったとき、連夜が私の身体から離れる。
私は、連夜の顔を覗き込むと、連夜は顔を赤くしていた。
連夜は私と目が合うと、ニッコリと優しく微笑んだ。
でも・・現実はそう甘くない。
私には来野君が居る・・
ー奴隷として・・

130麗奈:2007/12/20(木) 20:13:35 ID:YV6ch9bI
いつ何を言ってくるかわからない主人
従わないと・・お仕置き。
もし次の命令が連夜と私の事だったら・・・
この関係も崩れてくるのかもしれない。
「今だけ・・」
「ん?」
少しでもいい。
関係が崩れる前に・・
「私と一緒に居て?」
連夜は少し驚いたようだったけどすぐに
微笑んで、「”ずっと”な?」
そう言って、私は、連夜の唇に小さくキスをした。

131麗奈:2007/12/20(木) 20:22:01 ID:YV6ch9bI
+++++来野目線++++++
暫くの沈黙の中、俺は、開く。
「佐々木・・裏切るつもりか?」
「いーえ。恩人である先輩を裏切ることはしたくないんですけどね。
ー・・火野元先輩に本気惚れしちゃったんで」
佐々木は舌を軽く出して言う。
本気惚れ・・ねぇ。
「それに火野元先輩は奴隷・・嫌がっていますよ?
と、いうより来野先輩の事嫌がっていますよ?」
「へぇ」
「あれ?怒らないんッスか?」
くだらない。
怒るつもりなんかない。
だって火野元さんがいくら否定しても・・俺からは離れない。
「まぁいいッスけど・・俺は、裏切るつもりはないんッスけど、
火野元先輩は、俺が貰いますからね。」
「クスッ)どうぞ。ご勝手に。」
佐々木は一瞬、顔を強張らせたがすぐに表情を変えた。
「じゃぁ行きます。もう用ないんで。」
そう一言言い残すと佐々木はさっさと部屋から出て行った。
ドアが閉じると同時に俺は、ベッドにそのまま座り込む。
「ハハ・・」
ほんの少し笑いを溢す。
そして、どこか苛立ちで怒りへと変わる。
ードンッ!
何かを叩きつける音が部屋中に響き渡る。
「くだらねぇ・・・・」
ー分かったよ。
そこまで否定するのなら・・・嫌でも分からせてやる。
今の自分の立場を・・
俺の物だってことを分からせてやるよ。
火野元さん。

132麗奈:2007/12/20(木) 20:30:27 ID:YV6ch9bI
++++雫目線++++
朝陽が私の顔を照らす。
「ん・・・朝?」
重たい瞼を擦って上半身を起こす。
カーテンから光が漏れていた。
横を見れば連夜がぐっすりと眠っていた。
寝顔可愛いじゃん・・
クス・・
私は、思わず微笑をする
「ふぁ〜・・・・ぁ?」
「朝だよ?学校学校」
「あー学校?・・・あぁ・・学校?」
連夜は髪の毛をくしゃくしゃに乱す。
ネボケてる?
ーみたいだね
よーっし・・
「わっ!!!」
「!?」
私は耳元で大声を出し、連夜を完全に目覚めさせる。
当然の事、連夜は完全に起きた様だった。
まだ何か起きたのか分からない様子・・
キョロキョロと辺りを意味無く見回していた。
「起きた?」
「・・・雫かぁ〜」
「今日、学校あるんだよ?早く起きないとー」
「月曜?マジ!?・・かったりぃ」
「私なんか荷物無いから今すぐにでも
来野君の家に行かないといけないんだからー」
「−あいつの家・・」
そう。
鞄はここにあるけど、肝心な教科書とか今日の用意は全て来野君の家にある。
来野君の元に行くなんて・・・正直恐ろしくて嫌だけど・・
学校には、行かないと・・だからね。
「俺も行くよ。」
「へ・・?」
「心配だし・・来野の事だから何するか・・」
「連夜・・」
心配してくれているんだ・・

133麗奈:2007/12/20(木) 21:25:25 ID:YV6ch9bI
「よーっし!行くか?」
「うん!」
連夜となら安心した。
頼ってばっかじゃいけないけど・・連夜と一緒なら怖くないもん。
連夜と一緒だったら来野君なんて怖くない。
怖くない・・はず。
・・・・駄目だ。
やっぱり前に言っていた次のお仕置きのことで安心が出来ない。
私は、そんな事を色々考えながら連夜の家を出て、来野の家へと向かった。

134麗奈:2007/12/20(木) 21:33:17 ID:YV6ch9bI
≪ピーンポーン≫
「此処が来野の家・・?お前が澄んでる所・・?」
「う、うん・・前に来野君の言っていた事本当だからさ・・」
私は俯きながら小さく喋る。
連夜は相変わらず眉間にシワを寄せて睨み付けている。
『はい、どちら様でしょう?』
「火野元雫です・・あの来野君は」
『火野様でしたか・・来野様から許可は貰っておりますーお入り下さい。』

135麗奈:2007/12/20(木) 21:55:47 ID:YV6ch9bI
そうインターホンから聴こえる声が言うと、
来野君の家の門が重たい音を立てて開く。
≪ギィーバタン≫
私と連夜は完全に開いたときに一歩一歩進みだした。
すると玄関の扉が緩やかに開かれる。
家の中からはメイドが出てくる。
「火野元さんお時間がございませんよ?お急ぎしなくては・・」
「はい!あの・・来野君は?」
「来野様なら先に学校に行かれましたわよ?あ・・少々そこでお待ち下さい。」
「え、あ・・俺ですね」
連夜は少し戸惑っていた。
私は来野君が居ないことを知ると本当に少しだけ安心した。
家の中に入って、自分の部屋に向かう。
机の上に散らばっている教科書を鞄に詰め込み、制服を着なおす。
「よし・・っと」
「火野元様」
準備をし終わって振り向くと同時にメイドの一人が私の名前を呼ぶ。
「え、あ・・はい」
「お時間がないところですが・・来野様の事でー」
「はい・・」
「お話があります」
来野君の事で話・・?
なんだろう・・?
何か嫌な予感がした。
どんな話なのか・・
何で私なのか・・
メイドは真剣な目をして、私の目をジッと見つめる。

136麗奈:2007/12/20(木) 22:10:21 ID:YV6ch9bI
するとメイドの視線は私から離れる。
「こちらに来てください。」
一言言い残すとメイドはさっさと歩き始める。
私は、送れて後ろからついていく。
「あのー・・・」
「・・」
私は恐る恐るメイドに話しかけるが無視されてしまった。
少し歩いていきなり扉を前にして立ち止まった。
ーここって・・
来野君の部屋?
メイドは扉に手を掛けて軽く扉を叩く。
「お入り下さい」
私は黙って言われた通りに部屋に入る。
「・・!」
何・・・これ?
目の前には凄い光景が広がっていた。
「火野元様も察していると思いますが・・来野様のお部屋なのでございます」
「これが・・・来野君の部屋・・?」
「えぇ。普段、無断で入ることはいけないのですが・・」
「酷い・・」
来野君の部屋は、滅茶苦茶だった。
広い部屋で綺麗な床には色々な物が散らばっていた。
ガラスの破片が所々目に付く。
「どうして・・」
「昨晩、凄い物音が聞こえていたのですよ・・ガラスやら色々と割れる音・・
何かを叩いている音・・何かあったとしかいいようがありませんね」
妙な胸騒ぎして仕方が無い・・・。
この滅茶苦茶な部屋が表している事は明らかに不吉な予感だった。

137:2007/12/20(木) 22:11:39 ID:e3etirMY
読んだぁww
でも続きまた読むから〜またコメする〃

138:2007/12/21(金) 16:22:34 ID:6JhFoZg.
雷鬼、盗聴器しかけるなんてめちゃくちゃ悪趣味ですね・・・^^;佐々木はこの後どう動くのか気になりますね♪
ってか、雷鬼の精神崩壊しかけ??

139麗奈:2007/12/21(金) 16:56:47 ID:e.Oo.Tx.
やっぱり、それほど来野は、
火野元さんを手に入れたいが為にですね・・
はい^^
そうですね。崩壊しかけです。
これからもっと凄くなる予定ですので^^
来てくれて有難ぉ〜♪全部今から読むのは大変だと思うケド、
頑張ってね^^>奏

「とまぁこれだけ見せておきたかったのです。
長くなってしまいましたね・・学校に遅れてしまいますね・・」
メイドはそう言って優しくニコリと微笑んだ。
ー来野君はどうしてこんな事・・・
私に原因があるの?
・・・・分からない。
疑問だけが浮かび上がってくる。
「連夜!ごめんね、遅くなって・・」
「あ、いや別にぃ〜・・」
「?」
連夜は私の目から逸らす。
すると連夜の後ろから一つの影が見えた。
「おっはよん♪雫」
「燐那ちゃんーどうしたの?」
「バッタリ!!偶然♪」
偶然・・?
あれ・・燐那ちゃんってこっち方面だったっけ?
・・・まっいっか。
「ボソッ)連夜君、例の物は渡しちゃったわけ?」
「え!あ、渡したよ」
連夜は戸惑いながらも返事を返していた。
私は、その様子をチラリと見る。
・・・よしっ
「私、先行くね!ちょっと用事が〜」
「え!なんで?」
「そだよ!彼カノなんしょっ!?」
う〜ん。
確かに付き合っているけど・・
一回だけなら燐那ちゃんと連夜二人きりにさせたいし・・
それに・・・
連夜君の事もあるからね・・
「あの・・ね?用事だってば」
「ふ〜ん・・・じゃっ!滝本君とゆっくり登校するね」
「え!?」
私は、二人を残して、さっさと学校へ向かう。
ごめんね。連夜。
燐那ちゃんには少しだけでも連夜と話させたいっていうか・・
本当はいけないことだけど・・少しだけ・・ね。
私は、来野君と会わないと・・
怖いけど・・・会って何があったか聞かないと・・!
あの時なんでそんな事をしたのか自分でも分からなかった。
何で、今自分から来野君に会いに行こうとしたんだろ?
ー 会わなければ、良かった。
私は、この後起きることを想定していなかった。
私は・・・また後悔してしまった。

140麗奈:2007/12/21(金) 17:00:47 ID:e.Oo.Tx.
やっぱり、それほど来野は、
火野元さんを手に入れたいが為にですね・・
はい^^
そうですね。崩壊しかけです。
これからもっと凄くなる予定ですので^^
来てくれて有難ぉ〜♪全部今から読むのは大変だと思うケド、
頑張ってね^^>奏

「とまぁこれだけ見せておきたかったのです。
長くなってしまいましたね・・学校に遅れてしまいますね・・」
メイドはそう言って優しくニコリと微笑んだ。
ー来野君はどうしてこんな事・・・
私に原因があるの?
・・・・分からない。
疑問だけが浮かび上がってくる。
「連夜!ごめんね、遅くなって・・」
「あ、いや別にぃ〜・・」
「?」
連夜は私の目から逸らす。
すると連夜の後ろから一つの影が見えた。
「おっはよん♪雫」
「燐那ちゃんーどうしたの?」
「バッタリ!!偶然♪」
偶然・・?
あれ・・燐那ちゃんってこっち方面だったっけ?
・・・まっいっか。
「ボソッ)連夜君、例の物は渡しちゃったわけ?」
「え!あ、渡したよ」
連夜は戸惑いながらも返事を返していた。
私は、その様子をチラリと見る。
・・・よしっ
「私、先行くね!ちょっと用事が〜」
「え!なんで?」
「そだよ!彼カノなんしょっ!?」
う〜ん。
確かに付き合っているけど・・
一回だけなら燐那ちゃんと連夜二人きりにさせたいし・・
それに・・・
連夜君の事もあるからね・・
「あの・・ね?用事だってば」
「ふ〜ん・・・じゃっ!滝本君とゆっくり登校するね」
「え!?」
私は、二人を残して、さっさと学校へ向かう。
ごめんね。連夜。
燐那ちゃんには少しだけでも連夜と話させたいっていうか・・
本当はいけないことだけど・・少しだけ・・ね。
私は、来野君と会わないと・・
怖いけど・・・会って何があったか聞かないと・・!
あの時なんでそんな事をしたのか自分でも分からなかった。
何で、今自分から来野君に会いに行こうとしたんだろ?
ー 会わなければ、良かった。
私は、この後起きることを想定していなかった。
私は・・・また後悔してしまった。

141:2007/12/21(金) 18:45:55 ID:H2n1vOiI
なんかすごいww鳥肌たった〜続き続きw

142麗奈:2007/12/22(土) 17:14:30 ID:e.Oo.Tx.
あ、来てくれたんだ!!読んでくれて有難う>奏
私は、まず来野君の教室へと向かう。
教室から覗いた所では居なかった。
そこを通りかかった一人の女子に私は声を掛ける。
「ねぇ!あの・・来野君って見てない?」
「あぁ・・・来野君?−あのね」
「・・・?」
そう言うとその子は私の耳に顔を近づけて辺りをキョロキョロ見回した。
「今、来野君やばいわよ〜もう別人よ・・別人。
いつもの冷静さが来野君だったのになぁ〜
・・何があったのか知らないけど怖かったわぁ〜」
「・・・どういうこと?」
「ん〜とね・・もう来野君じゃないみたいな感じ?
でも、冷静じゃない来野君は来野君じゃなくても
私は、一生LOVEのままよ。」
別人?
なんだろうこの嫌な予感は・・

143麗奈:2007/12/23(日) 21:30:49 ID:e.Oo.Tx.
「それで!?何処に?」
「屋上に居たけど、・・どっかに行っちゃった・・」
「有難う」
私は、一言お礼を言ってすぐ横を走る。
屋上じゃ無いって事は、保健室?
ー何処に?
「ハァハァ・・・何処行ったんだろう・・」
廊下は静かだった。
人の気配すらしない。
ただ、私の乱れた呼吸が響くだけだった。
「−図書室!」
そうだ・・
図書室も行きそうな場所だ!!
来野君は、本が好きそうだし・・
もう行く場所なんてない。
呼吸が整ったところで私は、図書室へ走り、向かう。

144:2007/12/23(日) 21:39:55 ID:6JhFoZg.
雫は優しすぎます;_;
雫は人のことよく見てますね・・・。そこが雫の良い所なんでしょうけど私としてはそのせいで雫が傷つくのは嫌ですね・・・。

145麗奈:2007/12/23(日) 23:59:01 ID:e.Oo.Tx.
ですよね・・・
小説を毎回見てくれて
本当に有難うございます
後、もう一つ小説書いています^^
良かったら是非!!
見てみてください!!「★ただ君だけを★」です。
まぁ、見に来てくれなくても結構ですが・・
さて。こちらの続きも書きますか〜♪>海
≪ガラガラ≫
私は、静に図書室の扉を開け一歩前へと進む。
図書室はさっき居た廊下よりも静だった。
辺りを見回しても誰も居ない。
ただ、本棚と数え切れない程の本があるだけだった。
私は、そのまま本棚と本棚の間を通り抜ける。
辺りを見回しながら、歩いてみても誰も居ない・・・
ただ・・・時間が過ぎていくだけだった。
「・・・・?」
図書室の奥まで来た所で気付いた。
図書室の一部だけ窓が開いていた。
微かに見える、風で揺れているカーテン。
そして・・・・陽に照らされている人影。
「あ・・・」
「−・・・」
それは、来野君だった。
彼は、片手で本を持っていて、
一瞬私をチラって微かだけど、笑みを浮かべていた。
「探してくれたの?」
「え・・・?」
本を閉じて来野君は言う。
「クス)そんな訳無いか・・何か用があったんじゃないの?俺に」
「あの・・・その・・・様子がおかしいって聞いて」
「・・誰に?」
誰にってメイドさんとかクラスの女子だとか、
言ったらまずいかな?
「まぁいいや、で?様子がおかしいのって・・俺普通でしょ?」
「え・・・・えっと、昨日、とか」
「昨日・・?−何か見た?」
「えっと・・」
私は、自分でも分かるくらいに動揺していた。
それを見た来野君は笑みを零す。
「ふ〜ん」
「・・!」
来野君は少し俯いていた。
「見てたんだ。何か」
「見てません・・・何も」
「本当に?」
「・・」
嘘・・付いちゃった・・
でも何だろう?
この嫌な感じは?
なんで嘘付かないといけないの・・?
「はぁ・・」
「・・・」
来野君は大きな溜息をして、
近くにあった机に本を置く。
「本当の事・・言えないの?」
「・・!」
思いっきり睨みながら、
来野君は、私に言った。
段々、心臓が高鳴っていくのが分かる。
ーやばい・・

146麗奈:2007/12/24(月) 00:07:56 ID:e.Oo.Tx.
何でだろう?
怒っても無いのに・・・
ううん。
怒っているのかもしれない・・
だけど、凄く怖くない・・
何・・?
何なの?
この変な気持ちは・・・?
来野君は、机に置いた本をもう一度、手元に戻す。
そして、持っている本を私の前に突き出す。
「これ面白い人形でね・・どんな話だと思う?」
「−“人形と主人”?」
赤色の文字で大きく、確かにそう書かれていた。
これがこの本の題名なのかな・・?
でも・・人形と主人ってまるでー・・
「この題名・・・僕達みたいじゃない?
奴隷と主人みたいでさ」
そうだ・・・“人形と主人”“奴隷と主人”・・
同じだ・・今の私達と同じだ・・
「この物語はね。一人の少女が窮地に追い込まれた時に
ある一人の少年に救われるんだ。
その少年の事を主人と呼び
自分の事をその少年の人形として
一緒に居るっていう物語でね・・
この少女は絶対に少年を・・
主人を裏切らなかった。
勿論何があっても嘘付かなかった。」
この少女と私は、全く逆だ・・。
私は裏切っているし、嘘だって付いている。
ー来野君は、結局何が言いたいの?
「それで・・その」
≪バンッ!≫
来野君は思いっきり机を乱暴に叩きつける。
私は、小さな悲鳴を上げる。
「本当の事言ってよ。何か見たんじゃないの?」
「−な・・・何も・・」
身体が震えている・・
声も震えている・・
来野君の目を見る限り怒って居る感じだった。
本当にいつもの来野くんじゃなかった。

147麗奈:2007/12/24(月) 00:14:52 ID:e.Oo.Tx.
「っ・・・」
来野君のひんやりとした冷たい手が私の頬に触れる。
私は、それに反応をして反射的に目を強く閉じてしまった。
「本当の事、言ったほうがいいと思うよ?」
「−本当に何も・・」
≪バンッ≫
「何度も言わせるな!!何を見たんだ!?」
近くにあった本を思いっきり叩きつけて怒鳴る。
その声はもう来野君の物ではなかった。
本当に別人みたいで・・
すごく怖くて・・
すごく怖くて・・・
自然に声が出てきた。
「き・・・御主人様の部屋を見たんです!今日の・・朝!」
そう言うと来野君の身体は、ピクリと反応をして止まった。
私はビクつきながらも涙目で来野君を見つめる。
「−部屋・・俺の部屋にか・・?」
「は、はい・・メイドさんが凄い音がしたからって・・
心配してー・・」
「クックックッ・・・」
「−?」
笑い声を零す。
私は、目に涙を溜めたまま不思議そうに
来野君を見つめる。
「へぇー・・見たんだ。」
「あの・・」
「勝手に主人の部屋を見るなんていけない子だ・・」
「え・・」
笑みを浮かべたまま来野君は私を見る。
ーもしかして・・
「お仕置きだ」

148麗奈:2007/12/24(月) 00:19:42 ID:e.Oo.Tx.
「来野君の口から言われた言葉・・“お仕置き”
するとある言葉が頭を過ぎった。
“子供作りたいー・・”
この言葉が私を悩ませる。
「いやっ!!!」
私は大声で口にする。
そのまま来野君から逃げるように私は走る。
後ろなんか振り向かない。
「逃げる・・つもりか」

++++来野目線+++
雫が走っていく後ろ姿をただ呆然と見つめていた。
ー面白い。
「そのまま逃げれば良いさ。−だけど俺からは逃げられない。」
何があっても・・
たとえアイツが傍に居ても・・
俺からは、逃げられない。
完全に雫が図書室から出て行き、廊下を走っていく姿が目に映る。
「おにごっこ・・・スタートだね」
俺は、『人形と主人』を手に取って静に歩き出す。

149:2007/12/24(月) 00:20:24 ID:6JhFoZg.
今は時間があまり無いので読めませんがいつか読ましていただきます>_<
雷鬼は結局雫をどうしたいんでしょうか??めっちゃ続きが気になります^^

150麗奈:2007/12/24(月) 00:30:08 ID:e.Oo.Tx.
+++雫目線+++
逃げないと・・
ー何処に?
分からない・・でも来野君から離れないと!
逃げられなかったら?
絶対に捕まらない・・とにかく逃げなきゃ!
私は後ろを振り向いては走る、また後ろを振り向いては、走る・・
の繰り返しだった。
今は授業中・・・
逃げれる場所なんて限られている・・
堂々と、自分や他の教室の前の廊下を通ったって先生に捕まるだけ・・
先生に捕まったら来野君に捕まったのと同じだし・・
「ハァハァ・・」
きつい・・
久しぶりに走るからか、息切れをもうしていた。
そして、一か八かである場所へと向かう。
ー≪ガララララッ≫
「やっぱり・・ハァハァ・・、授業やってなかった・・ハァハァ」
真っ暗な図書室より遙かに倍もの広さをもつ体育館。
そして、体育館倉庫・・
私は、体育館の出入り口を静かに閉める。
唯一、出入り口を静に閉める。
唯一、出入り口から漏れる光が体育館の一部を照らしていたが、
扉を閉めれば暗黒の世界だった。
「携帯、携帯」
ポケットから自分の携帯を取り出す。
そして携帯の小さな画面を電灯の代わりにして体育館倉庫向かう。

151麗奈:2007/12/24(月) 00:41:41 ID:e.Oo.Tx.
+++来野目線++++
「さて・・何処に逃げたかな?」
来野君は腕を組んで笑みを浮かべながら辺りを見回す。
静かな廊下は明らかに授業中だという事が分かる。
ー先生に見つかるようなことはしないはず・・・
て、事は・・
「クスッ)保健室か・・体育館か・・どちらかだな」
まぁ、保健室には行きそうにはないけど・・・
簡単に見つけるのはつまらない・・・
ゆっくり時間えお掛けて捕まえるか・・
に、してもなんでそんなに嫌いなんだ?
火野元さんは俺の事・・
あんなに怯えて・・
子犬のように怯えていた。
まぁ・・・今日の俺は少し不機嫌なんで・・
お仕置きも、もっと酷くしょうかな?
なんて思ったけど・・・
ー無理か?
ちゃんと、自覚させないと・・・
俺の奴隷だという事を認めさせないと・・
何かミスをすればお仕置きをする。
例えどんな事があろうと・・
例え俺が嫌われても・・
お仕置きには必要な儀式・・
「流石に前に言った事は、
すぐにやるのつまらないか・・」
ボソリと呟く。
そうだ・・つまらない。
相応しい奴隷になった時にやるか・・・
「ク、クククク・・・っ」
今回のお仕置きの事を考えているといつもと同様、おかしくなる。
自然に笑みが浮かんでくる。
俺は、組んでいた腕を解いてお腹を抑える。
さて・・向かう・・か・・
奴隷が隠れている場所 棲家へと・・

152麗奈:2007/12/24(月) 00:50:39 ID:e.Oo.Tx.
了解!!そりゃぁ、読むの大変だもんねっ・・
長すぎるからね・・話が・・
来野は、雫を完璧な奴隷にしたいんです♪>海
「・・・寒い・・・・」
やはり、体育館倉庫は、寒かった。
体育館に入って来た時ほんの少しだけ
ひんやりしいたから不安だったけど・・
予想どおりだった。
真っ暗で・・孤独で・・
今じゃもう携帯だけが頼りだった。
誰かにメールしたいけど、授業中だし・・
誰かからメールが来る事を願って、身体をまた
小さく縮めて携帯の画面をひたすら見続ける。
ーピロリン♪
「−!」
メール着信音が体育館倉庫に響いた。
メールが来た・・!
私は無我夢中に受信BOXを押して、誰からなのか見る。
「・・・連夜!」
私は、目を見開いて声に出して送り主の名前を言う。
“今、何処にいるんだ?授業中だろ!?”
ー知ってるの・・?
心配しててくれたんだ・・
私は、目に小さな雫を溜めて、すぐさま返事を打つ。
送信して間もない時に連夜からの返事が来た。
“とにかく今から授業出て行くよ♪何処にいる?”
ありがと、連夜。
連夜には悪いけど・・もう一人で居るのが辛い。
私はすぐさま返事を打とうとしたその時だった。
≪ガラララ≫
「−!!?」

153:2007/12/24(月) 22:05:46 ID:e3etirMY
続き気になるw

154麗奈:2007/12/25(火) 18:32:17 ID:e.Oo.Tx.
「−!??」
もしかして、来野君?
どうして・・・どうして此処に・・
いや・・・嫌だ!!
私は、手元にあった携帯を見て、
すぐに連夜にメールをした。
“体育館に早く来て”
ーと。
足音は、段々と近くなってくる。
私は、目を強く瞑り、
手で耳を押さえて身を縮めた。
ー神様お助けください・・・
どこかに・・行って・・・!!
足音は耳を塞いでも少しだけ聞こえた。
近い・・もう、すぐそこにいる・・・!
連夜・・・お願い・・早く来て!!
ー≪ガラガラ≫
「−っ!」
体育館倉庫の薄い扉を開く一つの影。
その影はもう近くに居る。
怖い・・怖い・・
来ないで・・
どっか行って・・
「−・・・・」
影はそのまま化石のように止まっていて、
辺りを見回していた。
私は、懸命に息を押し殺す。
ほんの少し息をしたら・・見つかる・・
ガタッ!ードン
「・・・」

何・・この音?
何かを叩きつける音・・?
違う・・
物をどかしている。
やばい・・見つかる・・
心臓がドクンドクン!
と大きく高鳴っていた。
微かに胸に当たっている
心臓の波が伝わっているのがよく分かる。
物を動かす様な音はもう、すぐ目の前だった。
私は、目を閉じて、ただ、ひたすら助かることを
祈ることしか出来なかった。
でも、そんなの夢のまた夢。
願なんか届かない。
すると暗闇の中・・微かに光が見えた。
「見ー付けた」

155麗奈:2007/12/25(火) 18:40:18 ID:e.Oo.Tx.
私は、一瞬心臓が止まったかと思った。
そして、恐る恐る顔を上げて、声の主の姿を見つける。
「−・・・」
私は、驚きで声も出なかった。
いや・・
驚きじゃなくて・・
恐ろしさ。
全身が凍ったように声が出なかった。
身体が震えなかった。
「やっぱ、ここ良い隠れ場所だね。
少し寒いけど・・」
「−い・・」
「ん?そんなに怖いの?声も出ないくらいに俺が」
時間が立って太陽が体育館倉庫を照らし出す。
目の前に居る怖い・・
来野君をはっきりと光が捉えた。
「いやー!!」
私の力弱い悲鳴が体育館倉庫ー
体育館に響いた。
来野君はただ笑みを浮かべているだけだった。

156麗奈:2007/12/25(火) 19:17:47 ID:e.Oo.Tx.
「ほら・・寒いでしょ?
こんな所に居たら火野元さんひいちゃう・・」
そう言って手を差し伸べる。
「ーやだ・・・来ないで・・・」
「そう?そんなにこの場所が好き?」
私は、俯いて黙り込む。
来野君は差し伸べた手を引っ込めて
辺りを見回す。
「じゃぁ・・・お仕置きの場所はここにしようか?」
「−!」
「此処だと誰が来てもおかしくないね」
ニコリと笑顔で言う。
私は、完全に終わってしまった。
諦めという言葉が・・
お仕置きと言う言葉が・・
私を闇へと導き出した。

157麗奈:2007/12/25(火) 19:53:16 ID:e.Oo.Tx.
もう抵抗する気力も無い。
もう何度か犯されているし・・
今更嫌がったって・・
遅いもんね。
だったらこのままヤられてもいい・・
今に始まったことじゃないもんね。
何、怯えてんだろね・・私。
「さてと・・」
「んっ・・ふ」
すると早速、来野君の唇が唇に触れる。
激しいキスだった。
舌が段々と私の口の中に入ってきた。
でもそれは、すぐに抜かれた。
「あぁ・・ここ忘れてた。」
そう呟くと来野君はポケットから怪しげな瓶を取り出す。
そして、蓋を開けて私に近づける。
「な、なに・・?」
「面白い物・・今回は良い物が手に入ったんだ。
実際にどんな効果か知りたくてね・・
だから今回は犯さないで。
でも耐えられるかな?」
さっきまで諦めという真っ暗な場所に居たけど、一気に晴れた。
犯されない・・
私は、安心感が出てきた。
だけど、この瓶の中身が気になって仕方がない。
耐えれるかな?って・・・どういう意味?
「それにね俺が犯さなくてもー・・
おっとこれを飲んでからのお楽しみ♪」
そう言うと来野君は無理矢理、
瓶の中身の物を私の口の中に入れる。
ーゴクリ

158:2007/12/25(火) 22:48:57 ID:6JhFoZg.
あちゃ〜。雫見つかっちゃいましたね;_;
連夜を呼んだこと雫は忘れてるんでしょうか??
瓶の中身怪しすぎるでしょう!?

159麗奈:2007/12/25(火) 23:18:12 ID:e.Oo.Tx.
「飲んだね」
私は、小さく頷く。
だけど・・・何だろ・・これ・・
普通に不味くは無かった。
普通の甘い味・・甘い感じ?
「じゃこれで縛ってあげる」
そう言うと体育館倉庫にあった縄を私に結びつける。
私は、安心感という世界に呑み込まれ、私は、ただ黙って結ばれる。
「じゃ・・効果が現れるまで待つか・・・・」
そう言うと来野君はさっき見た人形と主人を開いて読み始めた。
ー効果って何だろう??
私は、ただその疑問が気になって仕方が無かった。
「・・・・!?」
だけど後に分かることだった。
ドクン・・
ドクン・・
心臓の鼓動が微かに・・段々と高鳴る・・
「ハァハァ・・」
「−効果出た?」
「く・・・御主人様・・何を飲ませたんですか・・??」
熱い・・
身体が熱くなっていく・・
私は、変な気持ちに襲われていた。
乱れていく呼吸・・熱くなる身体・・
「媚薬・・・これって欲が増すらしいね・・知っていた?」
媚薬・・・?
欲が増す?
じゃあ身体が熱いのも変な気持ちも・・
全部、媚薬のせい?
「っ・・ハァハァ・・くっ・・」
「辛いだろうね、欲が増した一方で
ずっと縛られたまま欲を解放できないって・・」

160:2007/12/25(火) 23:37:11 ID:6JhFoZg.
瓶の中身は媚薬でしたか・・・。何だか凄い物を使ってますね^^;
雷鬼は媚薬や睡眠薬(?)やらをどこで手に入れてるんでしょうか??

161麗奈:2007/12/31(月) 20:34:29 ID:9tQkXCQw
下の方のスレに行っているので、

あまり書いていません・・

スレが流されてると思うので・・

ちょっとストップしておきます。

162沙紀 ◆d.FAGC5pic:2008/01/15(火) 12:03:24 ID:RD8TJZ36
麗奈さんへ

更新が楽しみです
とても面白い作品ですね

163麗奈:2008/01/26(土) 22:10:18 ID:F69wl0lQ
う〜ん流石に私も分からないね〜
来野が考えることは・・^^;
>海

読んでくれて有難う^^
じゃぁ久しぶりに更新するね〜>沙紀

来野君は小さく笑う。

そして、また本を読み始める。

変な感覚に襲われていく私。

おかしくなりそうで・・・壊れてきそうで・・

「お願い・・・します、・・なんとか・・してください・・・!」

「ん、俺は何も出来ないよ?火野元さんが、

媚薬に支配されているんだからねっ♪」

来野君の視線は本から離れない。

ただ笑っているだけだった。

こうしている内に私はまた欲が増してくる。

ー駄目・・・もう無理・・・・

そして私は完全に媚薬に支配される。

人間でもない、来野君でもない、ただの薬に・・・


「ハァ・・ハァ・・・」

辛い・・

164麗奈:2008/02/03(日) 15:50:04 ID:dNe1zRJg
徐々に熱くなっていく私の身体は限界だった。

意識が段々と火野元雫という人間から離れていく。

ただ欲を満たしたいだけの人間になっていく。

「な、縄を解いて・・・・下さい。」

もう私は消えた。

何かプツンと糸が切れるように

いつもの私は消えた。

今はただの欲を欲しがる私。

来野君は楽しそうに笑みを浮かべていた。

だけど視線は決して本から離れなかった。

「解いてどうするの?」

「−限界なんです・・・もう駄目なんです」

すると視線が本から離れ、私に向けられる。

「限界?駄目?・・何が?」

「解放・・したいんです・・・もう耐えられません」

自分でも信じられない言葉

でも今はそれしか言えなかった。

これが・・限界の言葉だった。

165麗奈:2008/02/03(日) 15:56:28 ID:dNe1zRJg
「そう。でも・・・ちゃんとお願いしなきゃ・・・」

「お、お願い・・・・?」

「じゃなきゃ、無理だよ?俺は主人なんだから」

早く・・・・

解放させて・・・・

本当に限界なの・・・・・・

「ご主人様・・・私の縄を解いてください。

御主人様に・・・・奉げますから」

パタンー

本が閉じられた。

そしてパチパチと小さく手を叩く音が聞こえた。

来野君の顔を見れば、優しい笑顔だった。

「よく出来ました。上出来って程ではないけど・・・

火野元さんにしては上手だったよ」

「解い・・・・て・・・」

力なく私は呟く。

そして来野君は私に近づいて来て、

縄に手を掛ける。

縛られていた身体は少し軽くなった。

「はい、解いたよ」

私は縄に解放されてすぐに立ち上がる。

頭の中は自由と欲。

その自由が与えられた。

次は・・欲だ・・・

166麗奈:2008/02/03(日) 17:49:38 ID:dNe1zRJg
私は来野君に向かって一歩・・・

また一歩と踏み出す

勝手に動く足・・・

もう完全に身体は求めていた。

頭の隅で拒否しても・・身体はいう事を聞かない。

「ご・・・主人・・・様・・ぁ・・」

無意識に出てくる数々の言葉

欲を解放したくて仕方が無かった。

「何?」

「御主人様・・・ん」

私は自ら来野君にキスをした。

初めて自分から接したキスは何も感じられない。

余計に体が熱くなって欲が益してくる。

「ん・・・・ふっ・・・」

私は舌を絡める。

来野君はすんなりと私を受け入れた。

でも・・・・それでも欲は満たされない。

ー足りない。

「ククッ・・火野元さん随分、楽しんでいるね?」

「足りない・・御主人様」

私は来野君をそのまま押し倒す。

そして自らの手で来野君の制服のボタンを外していく。

「へぇ・・・そんなにヤりたかったの?」

「足りない・・・・足りないの」

私はただ、足りないと何度も繰り返し呟く。

167麗奈:2008/02/03(日) 17:54:16 ID:dNe1zRJg
「でも俺には受け合わない。

火野元さん、俺が欲を満たしてあげるよ」

ニヤリと来野君に笑みが浮かぶ。

私は来野君の言葉に反応したのか・・・

手を止めて来野君を見つめる。

「−本当?御主人様・・・」

「あぁ」

来野君の顔は私に近付く。

「何度だって相手してあげる・・欲が満たされてもね」

「んっ・・・ふぁ、あっ・・」

ー私、どうしちゃったんだろう?

なんでこんなに受け入れているんだろう?

こんなの私じゃない・・!!

168麗奈:2008/02/03(日) 18:05:41 ID:dNe1zRJg
「御主人様・・もう・・・駄目・・・で、す・・ぅ・・」

「クスッ火野元さんってつくづく可愛いね」

やだ・・・・

そんなこと言わないで・・・・

お願い・・早く・・

早く


効果切れて・・・

「んっ・・・御主人様・・限界・・・だよ・・

入れてください・・!!」

「もう限界?ーそうだね・・

俺を満足させたら考えてもいいよ?」

「本当・・・ですか?」

来野君は微笑んで小さく頷く。

私はすぐさま来野君を気持ちよくさせる。

どこか躊躇は張っているけど、

やっぱり身体は勝手に動く。

でもこんなの言い訳に過ぎない。

結局は自分からやっている事・・・

やっぱり私はいらない・・

穢れすぎている・・・

169麗奈:2008/02/03(日) 18:11:50 ID:dNe1zRJg
「御主人様・・どうですか?」

「ん、まだ?」

来野君は意地悪そうに笑みを浮かべて言う。

私は限界を超していた。

だけど無我夢中になって来野君を満足させた。

ーガラガラ・・

どこから扉が開く音がした。

「っ・・・」

「−御主人様・・満足してくれました?」

私は顔についた白い液を指で掬い上げて舐める。

頭はもう嬉しさと限界でいっぱいだった。

だから・・・・



だからこの時、この光景を見ていたなんて

気付かなかったんだ・・

「何やってるの?雫ー?来野君?」

その光景を見た人物は重々しく口を開いて喋る。

聞き間違える事の無い・・少し高い声・・・

それは媚薬で消えていた本当の自分が出てきたときだった。

私は立ち尽くしている人物を見上げる・・・

それはー・・・・・

170麗奈:2008/02/03(日) 19:58:07 ID:dNe1zRJg
更新しておきます^^

「り、燐・・那ちゃん?」

私は目を見開いて口を開ける。

今の自分の姿に気付き、私は目を逸らす。

「え?−あれ?雫と来野君だよね?」

「そうだよ。燐那ちゃん・・」

来野君は立ち上がって言う。

「心配して探してたのに・・何してるの?二人共・・」

「見ての通りだよね、火野元さん」

「−・・・」

来野君はニコリと微笑んで、

顔を私の方に向ける。

私はただ燐那ちゃんから

目を逸らすことしか出来なかった。

「見ての通りって・・・わかんないよ?なんでー」

「何しようが勝手でしょ?」

「・・・!」

燐那ちゃんは唖然としていた。

そして、私も。

「あ、火野元さんを心配しているの?

燐那ちゃん。」

「・・・・」

燐那ちゃんは呆然と立ち尽くす。

「−な訳ないか」

「・・え?」

私は一言声を出す。

「な、何言って・・私は・・」

「全部話ちゃおうかな・・・?

自分が仕組んできた事とか」

「仕組む?」

どういう事?

燐那ちゃんが仕組む?

何を?

誰に?

「来野君、何が言いたいの?

だ、大体それとこれとは関係ないでしょ?」

燐那ちゃんは焦っていた。

何かを隠している様に焦っていた。

「あーあ、せっかくの時間が台無しだ」

「・・・?」

何?いきなり・・・?

何が言いたいの?

何がしたいの?

ー来野君・・・

来野君の顔はいつもと変わらず、

笑みを浮かべていた。

「ね。燐那ちゃん」

来野君の視線は燐那ちゃんへと移される。

燐那ちゃんはただ・・

その視線を見つめていただけだった。

「燐那ちゃん、何か隠しているの?」

「−別に・・・」

冷たい言い方だった。

来野君から目を離さずに燐那ちゃんは答えた。

「俺の人形さんに冷たくしないでくれる?

燐那ちゃん?」

「・・・・」

171麗奈:2008/02/03(日) 20:01:40 ID:dNe1zRJg
燐那ちゃんの視線は私に向けられる。

でもその目つきは冷たくて何処か重く感じた。

「燐那ちゃん・・・」

「アンタは幸せよね、雫」

「え・・・?」

いつもの明るい高い声じゃなく

暗く低い声だった。

「でもね・・・雫」

燐那ちゃんの指が頬に触れられ、

小さくなぞられる様に動いた。

その顔は寂しそうな・・・でも少し笑っていた。

「その幸せ、すぐに潰れるんだから」

すごく冷たくて、重くて、

痛い言葉だった。

172麗奈:2008/02/03(日) 20:10:17 ID:dNe1zRJg
「燐那・・ちゃん?」

訳が分からなかった。

突然、燐那ちゃんから出された言葉・・

燐那ちゃんは鼻で小さくフッと笑い、

来野君に視線を戻す。

「大体、来野君も雫の何処がいいのですか?」

さっきとは違うまた篭った声だった。

まるで、来野君の下に居る人間のように・・

「さぁ、何処がいいんだろうね?」

「・・・そろそろ雫は不必要でしょう?」

「必要・・だけど?」

やりとりを私は呆然と見ているだけだった。

何を言っているのか分からない。

全く分からなかった。

私が必要?不必要?

意味が分からないよ。

「私はこんなにも来野君を

愛しているのよ!?

ーなのに・・なんで届かないの?」

ー・・燐那ちゃん・・?

真剣な顔をした燐那ちゃん。

来野君を愛している・・?

「燐那ちゃん・・・が好きな人って連夜じゃ・・」

そうだ。

連夜は言ってた。

燐那ちゃんから告白されたって・・・

だから燐那ちゃんは連夜が

好きなんじゃ・・ないの・・・??

「クスッ・・・・アハハッ」

「!?」

お腹を抱えて必死に笑いを堪えようとする

燐那ちゃんの姿が目に映る。

「ごめんねェ?連夜君を使ったの・・

全部嘘だから」

嘘・・・?

使った・・・?

私はこの時、一瞬にして、何かが崩れ去った。

173麗奈:2008/02/04(月) 22:00:28 ID:A96shdzU
「本当はね、雫も連夜君も

利用するつもりはなかった。

ずっと・・・

ずっと


仲良く居かったよ?」

「クスッ」

来野君は笑っていた。

私はそれを見て想った。

嘘だという事を・・

絶対に今のも嘘だ・・・・・

「でもさぁ・・・アンタが来野君の奴隷だって?」


「・・・!!!!」

燐那ちゃん・・知ってるの?

私は来野君に目を移す。

来野君は私の視線に気付いたのか、

首を少し傾げて笑みを浮かべていた。

「ふん、そんなの許す訳ないでしょ?分かってるの?」

ー分かってる・・・・

来野君がどれだけモテているのか・・・

どれだけ尊敬されているのか・・・・

でも・・・・


でも・・・・


「私は来野君の奴隷だって事認めてない!!」

その一言で空気が一変した。

来野君の小さな笑いは、ピタリと止まり、

私から視線を外さなかった。

燐那ちゃんは少し驚いた表情で見ていたが、

すぐに笑みを浮かべた状態になった。

「へぇ・・・本当かしら?」

「本当よ。無理矢理言わされているだけ・・・

私の本音じゃない!!」

「・・・・・」

来野君の視線は一向に外されなかった。

ー本気だよ。

例え、来野君が私の秘密を握っててももういい。

174麗奈:2008/02/04(月) 22:05:35 ID:A96shdzU
大切な友達は知ってる・・

連夜も知っている。

だったらもう良い・・

「そう?じゃぁさっきのはどう説明するの?」

「薬・・・・変な薬を飲まされた。

私は愛していない人に自分からヤらないから・・・」

「・・・・・」

来野君は唖然と立ったまま・・・

首を少し傾けた状態で目を見開かしているだけ。

まるで私じゃなくて本当のネジが切れた人形のようにー・・

「来野君・・・・」

「・・・」

私は、もう怖がらない・・

ハッキリ言うから・・

「私は貴方の奴隷じゃ無いからー」

奴隷は今日で終わりー・・・


「秘密を皆に言えば良い・・・

満足できるまで・・言えば良い」

175麗奈:2008/02/04(月) 22:10:55 ID:A96shdzU
重い空気・・・

相変わらず来野君はピクリともせず、

燐那ちゃんは私を睨んでいた。

「・・勇気あるじゃない・・・雫」

重い空気の中、口を開いたのは燐那ちゃんだった。

何に怒っているのか分からない燐那ちゃんは、

やはり暗い低い声だった。

「燐那ちゃんも連夜も知っているなら隠す必要ない。

だから奴隷になる必要もない。」

ーガラッ

大きな扉が開く音が体育館を包む。

「雫ーいるか?」

幼馴染のある声が私の名前を呼ぶ。

「・・・」

その声に反応したのか、来野君は微かに動いた。

「連夜!!!」

私は無理矢理笑顔で体育館裏へ行く。

目の前には連夜が息を乱して立っていた。

「雫。遅くなった・・・ごめん」

「ううん。いいの」

「ん?誰か居るのか?」

「え、あ、まぁ・・」

私は少し戸惑って言う。

別に隠すことじゃないけど・・

連夜が・・・来野君が居るって事が分かったら・・・

どうなるか・・分からない・・・

「まっ、いっか。行こ!!」

「うん・・・−!」

176麗奈:2008/02/04(月) 22:16:17 ID:A96shdzU
小さく頷くと手に暖かいものが触れた。

私は自分の手に視線を向けると、

連夜が私の手を握っていた。

ー・・・連夜・・・

そして手を繋いだまま、一歩踏み出したときだった。

「−逃げられない・・・!!」

後ろから低い声がした。

私と連夜は足を止めてゆっくりと振り向く。

そこにはさっきまで人形のように固まっていた、

来野君が立っていた。

いつものふざけた感じは全くなく、

目は恐ろしいほど、冷たかった。

「俺は・・手放すつもりはないから・・・

・・奴隷は主人から離れられないものだよ・・。」

「−行こ、連夜」

私はその言葉を無視して、連夜の手を引っ張り

体育館から出て行った。

177沙紀 ◆d.FAGC5pic:2008/02/04(月) 22:17:22 ID:RD8TJZ36
読みましたよ♪
やっぱり麗奈さんは書き方が上手いですねぇ・・・
尊敬します!!((ビシッ

私も書いてるんです、小説!!
「竜と玲の物語」でっす!!
よろしければ呼んでください!!

178麗奈:2008/02/04(月) 22:22:48 ID:A96shdzU
「っ・・」

「雫・・・?」

体育館から少し離れた中庭に私は

連夜を引っ張り立ち止まる。

「大丈夫か・・・?」

「ん・・・・うん」

本当は大丈夫なんかじゃなかった。

あんな事言って・・

大丈夫なんてある訳が無い。

次は本当に何をされてもおかしくない・・・

あの冷たい目・・・

本気だった・・・・・・

「本当に?」

「うん」

小さく頷く私の身体が温かい何かに包まれた。

「嘘・・・・」

「−え?」

「いいよ。俺には何でも言えば良い・・・

隠さなくて良いから・・」

囁く連夜の熱い息が耳に当たる。

ドキドキしてくるの・・

一瞬、何でも忘れられるの・・・

救われるの・・・・

「連夜」

「何かあったんなら・・・俺に言えば良い・・

俺は・・・・・


俺は・・・・・・・




絶対にお前を守るから」


貴方の言葉は私を救ってくれる。

こんな私を・・・・

貴方は引っ張ってくれる・・・

「れ、んやぁ・・」

涙は自然に零れてきた。

いつ止まるか分からない涙はいつまでも流れた。

大好きな人の中で、私は泣き続けた。

179冷夏:2008/02/12(火) 19:30:27 ID:XGEbNEUg
そぅかなぁ?
有難う^^
尊敬ってぇ/
竜と玲の物語かぁ〜
見に行けたら行く
パソ・・落ちます・・><>沙紀

180麗奈:2008/02/18(月) 08:30:36 ID:jbr4KUPM
最近更新していないので・・更新します


体育館から去っていく

2人の背中を睨む気を引き止める気もなく、見つめた。

何をやっているのだろうか・・俺は・・

「来野君・・・」体育館倉庫から燐那さんが俺を呼ぶ

俺はその姿を横目で睨む。

「−本当に偶然だったのか?燐那さん・・」

「そうじゃなかったらどうしますか?」

その返答に溜息を付く。

やっぱりか・・

この女の考えそうなことだ・・

俺の為だと働いてくれるが、それは全てぎゃくの行動。

全て邪魔してくる・・・

“俺の為”じゃなくて・・自分の為に・・

人間の欲望は深いものだ・・・

だがその中に自分も入っている・・

ー自分が怖いものだ・・

「邪魔しないでくれるか・・?手伝ってくれるんだろ?」

「えぇ・・手伝っていますよ?来野君の為に全て尽くしていますよ?」

「もういい・・・・話にならない・・」

さっさと捨ててしまおう。

役に立たないものなんていらない・・

「ちゃんとやっているはずなのに

どうして・・どうして来野君の物にならないのですか?」

少し慌てて・・怒りが混じった口調だった。

またその話か・・・

「役に立っていない。邪魔なだけだ」

「そうですよね・・来野君には余分な奴隷が居るもの・・」

俺の言葉を無視して燐那さんは話す。

「来野君の為になっていないのは、全て・・アイツのせい・・」

「燐那さん・・」

アイツという言葉に反応し、言葉を遮って口を開ける。

181:2008/02/18(月) 23:48:58 ID:6JhFoZg.
お久でっす♪もしかして、忘れられてますかね・・・;_;
また、エッライ展開になってますね〜!?
雷鬼と連夜と雫の関係がどう変わっていくのか気になるところですね♪

182麗奈:2008/02/19(火) 17:00:26 ID:JLwn2Eic
いえいえ・・忘れていませんよ
ちゃんと覚えていますよ
雫はハッピーエンドになれないかも・・
燐那がこの後・・どうでるかですね・・^^;>海

183:2008/02/19(火) 19:37:08 ID:6JhFoZg.
覚えていてくれてうれしいです^^
雫ハッピーエンドになれないんですか!?可哀想ですね・・・;_;
まぁ、どんな展開になろうと私は続きが楽しみなんですけどね♪
燐那ちゃん・・・性格黒いですね。私みたいです(笑(オイッ!!

184麗奈:2008/03/02(日) 18:28:28 ID:dstCYwdU
海がコメしてくれて、嬉しいよ^^
有難うございます。
はい、黒いですよ。今から書きますね^^
でわ、続きを書きま〜す。
>海

後、テスト勉強なので、来れません><

>ALL

燐那が言うアイツとは、きっと火野元さんの事・・

その後に続く言葉は聞くまでもない・・

「俺は、連夜と火野元さんを離すように言っただけ・・

それ以上の事は、言っていない・・」

「それ以上は来野君の意思ではなく、私の意思です。」

燐那はキッパリと話す。

その言葉に返す言葉がない・・

「雫が居なかったら・・

今度は来野君に抱かれていたのでしょうね」

クスクスと笑いながら言う。

「邪魔な子・・邪魔で邪魔で仕方が無いよ」

狂ったように、高笑いをして言う。

俺はその様子をただ呆然と見ているだけだった。

「邪魔な子はいなくなればいいと思いません?」

不気味に笑みを浮かべ、目を見開き俺を見つめる。

「そうだね、いなくなればいい。」

君みたいに、壊れた邪魔な子はね・・・・。

だが次に、燐那から離れたれる言葉は想像を絶するものだった。

「だったら雫を消さないとねぇ」

185麗奈:2008/03/02(日) 18:38:20 ID:dstCYwdU
俺はその言葉に顔だけじゃなく、身体ごと振り向く。

その時の燐那さんの顔は歪んでいた、

笑狂う姿。

「どういう事?」

「ん?そのまんまですよ?来野君?」

笑い歪んだその顔と違って、冷静な口調だ。

なんだろうな・・胸の鼓動が早くなってる・・・

なんで・・焦っているんだろう・・

「あ、でも殺すとかそんなんじゃないですよ?・・そうだなぁー?

あ、イジメて転校させるとか?それとも監禁とかー?」

“監禁”という言葉を強調して燐那は言う。

その監禁に俺はズキリと胸を痛める。

監禁・・・あの時、俺は似たようなことをした・・

下着だけにして縛り上げて部屋に閉じ込めた。

たった一晩ではあったがー・・

「あ、監禁は犯罪ですよね・・?監禁に似たようなことしようかなー?」

監禁に似たような事・・?

まるで何もかも見透かしているように言う。

「ね、来野君・・奴隷がいなくなったら私がなってあげるよ」

「遠慮する・・燐那さんみたいなタイプは好まないから」

口端をつりあげて、睨み気味で言う。

その言葉に反応した

186麗奈:2008/03/02(日) 18:45:11 ID:dstCYwdU
その言葉に反応した燐那さんの顔は少し強張っていた。

俺は鼻でフッと笑い、背を向けてその場を去ろうとした。

「火野元さんを監視しないとねー?来野君」

俺はピタリと足を止めたが、再び歩き始めた。

“監視”という言葉に引っかかり覚えてー

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