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ムーンバース伝説(個人)
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ご注意!
このお話は、某美少女戦士マンガの出産パロディです。
原作ファンの方、パロディものが苦手な方などはご注意ください。
内容が内容なので、キャラ名等は中途半端に伏せてあります(笑)
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その日、月の都は静かな歓びにわいていた。
地球国の王子との子を身籠った月の王国の姫君が、ついに産気づいたのだ。
王宮からの知らせは、瞬く間に国中に伝えられた。
まだ産まれてもいないのに、人々はお祝いの品を手に、王宮の前へ続々と集まって来ていた。
王宮であるクリスタルパレスのなかでは、姫の出産の準備に家臣達が忙しく行き来していた。
そんな周囲の喧騒とは隔絶された王宮の中庭に、件の姫の姿はあった。
大きな池まで造られた広大な中庭の一角、クリスタルでつくられた東屋で、姫はその時を迎えようとしていた。
彼女は全裸で、王子に身体を預けるように立ったまま、静かに腰を振っていた。王子が姫をしっかりと支え、たまに啄むようなキスをする。
その姿はまるで、二人でダンスを踊っているかのように優雅で、美しかった。
しかし、姫の腹部はやはり臨月の妊婦のそれで、ほっそりした身体には不釣り合いなほど、ぼってりと大きくせり出している。
そんな二人を見守るように、東屋の外には四人の侍女が控えていた。
それぞれに、産湯の入った瓶やタオルなどを用意し、なにかあればすぐに介助できるように準備している。そして彼女達は同時に、出産中無防備になる姫の護衛役も任されていた。
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暫くして、ワルツのようにゆっくりと身体を動かしていた姫が、不意に動きを止めた。
「…うぅっ…!」
小さく呻いて膝を開いた彼女の股間から、ビシャビシャと音を立てて羊水が溢れて出した。
すぐに、侍女の一人が姫に近づく。
「姫様、お産は順調ですよ。落ち着いて、波に合わせて息んでください」
青い髪をした娘が、姫の硬く張った下っ腹を触りながら言った。
クリスタルの床に広がった水溜まりを片付け、静々と東屋の外に下がる。
お産は王家の力と権威を示す儀式であるため、介助は最小限に止める、というのが月の王家のしきたりだった。
それから、姫は時折、立ち止まって息む仕草を見せ始めた。
王子の手を放し、じっとしゃがみ込むこともあった。徐々に動きを止める時間が長くなり、足の開きが大きくなる。
広げた股の間では、赤く充血した会陰がぽっかりと口を開けていた。
「んぅう―……っ!」
姫が、王子にしがみつくようにして声を上げた。
秘部がわずかに膨らみ、会陰の奥に胎児の頭が現れ始める。
下腹部が圧迫されるのか、姫の表情が苦し気に歪む。彼女はゆっくりと王子に背を向けると、後ろから支えられる格好で足を広げた。陣痛に合わせて、深くしゃがみ込む。
「ふぅんんんーーー、はぁはぁ、んんんーーっ!」
思わず、姫の口から息み声が漏れた。
王子に支えられた華奢な両腕が細かく震え、頬に朱みがさす。
会陰からはっきりと覗いた胎児の頭は、しかしすぐに襞の奥へと戻っていった。それから姫は、陣痛が来るたびにしゃがみ込んで息むことを繰り返した。
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やがて何度目かの波で、彼女はなにかを感じたかのように一際大きく息を吸った。
「んぐぅうううーーっ、痛い、痛ぁい!!
ぁんんんーーぁああ!」
悲鳴を上げて、びくんと身体を震わせる。
秘部から見え隠れしていた児頭が、ついに外に出てきたのだ。
クリスタルの床面に、秘部から覗く児頭が映っている。
「姫、見えるかい?頭が出てきたよ」
姫のお腹を優しく抱いて、王子がそっと囁いた。
「はぁはぁ…、えぇ、赤ちゃんが、ここにいるのがわかります」
下腹部の膨らみにそっと片手を添えて、姫が優しく微笑んだ。
それからもう一度、体勢を整えると、彼女は大きく息を吸った。
「ぅ、痛ッ、んんんーーー!!」
王子に支えられ、身体を丸めるようにしゃがんで、渾身の力で息む。
僅かに見え始めた児頭が、もどかしいほどにゆっくりと秘部を押し広げて外に出てきた。
時折ひくっと震え、羊水を滴らせながら大きく広がってゆく姫の秘部を、王子と侍女達が見つめる。
「ふんんんーーーっ、ぁああッあッああッ!!」
胎児の額が少し出てきたところで、姫が甲高い悲鳴を上げた。
股を大きく広げ、身体を退けぞらせる彼女を王子が必死に抱き支える。
「姫、頑張れ!もう少しで頭が出る!」
恐らく、児頭の一番大きな部分が出ようとしているのだろう。
そこさえ出れば、少し楽になるはずだ。
王子は姫に呼びかけながら、彼女の髪を優しく撫でた。
その時だった。
それまで晴れていた空が急に分厚い雲に覆われ、凍えるような風が吹きつけた。
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侍女達がぱっと腰を浮かせた瞬間、突然中庭に真っ黒な霧が立ち込めた。
「姫様、王子様!」
金色の髪の娘が、警戒した声で叫んだ。
彼女達の胸飾りがキラリと輝き、それまでの清楚なロングドレスから動きやすいレオタードへと服装が変わる。
これが、彼女達の戦闘服だ。
武器を手に、四人はすばやく東屋を取り囲んだ。
『…月の姫君が産気づいたそうだな、噂はここまで届いているよ…』
どこからともなく、嗄れた女の声が言った。
「この声は―…」
茶髪の娘が、はっとして呟いた。
「常闇の国の魔女…」
彼女達の目の前で、黒い霧が一つに集まり人間の貌に凝る。
それは月の王国の裏側に位置する、闇の国の女王の姿だった。
女王の貌をした霧が、尊大なしぐさで両手を広げる。『つまり、あの小賢しい小娘も、今は無力ということ…』
言いながら、女王はしなやかな仕草で腕を横にさっと払った。
すると彼女の周囲の霧が、まるで生きているかのように襲いかかってきた。
侍女達が果敢に武器を振るうが、実体のない霧を相手には利き目がない。
苦戦していたのは、王子もまた同じだった。
風のようにふわりと東屋に侵入した女王から、姫を庇うように立ちはだかる。
しかしどんな剣撃も、霧の身体をした女王には効果がなかった。
『地球国の王子か…。そこで小娘が苦しむ様でも眺めているがいい!』
女王はふんと鼻で笑うと、無造作に王子に向かって手を上げた。
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突風のように襲ってきた霧は王子の両腕を捕ると、東屋の柱の一本にギリギリと彼を縛りつけた。
『さぁ、これでもう、誰もお前を助けられはしない。…随分いい景色だねぇ、小娘?』
柱に磔にされた王子を見やり、すぐ足元で大股開きに座り込む姫を見下ろして、女王が楽しげに笑う。
「はぁはぁ…、ぅうッ―…、や、めて…」
肩で息をしながら、姫が大きな腹を抱えて女王を見上げた。
本能的に、冷たいクリスタルの床をじりじりと尻でいざって後退る。
しかしそんな彼女を、強烈な陣痛が襲った。
「ぁぁう、ぅううーーーんんっ!」
我慢出来ずに、姫がところ構わず息み始める。
『おやおや…、はしたないねぇ』
児頭の出かかった姫の秘部を眺めて、女王は残忍な笑みを浮かべた。
「姫様っ!」
一方、東屋の外で、侍女の一人が霧を振り払いながら叫んだ。
姫を守ろうと東屋へ駆け出した彼女の口に、突然、黒い霧の塊が飛び込んで来た。
「きゃあ!?」
「んぅッぐっ!!」
他の侍女達も、次々に霧を飲んでしまっている。
青い髪の娘が地面にがくりと両手をつき、茶髪の娘が口元を手で押さえる。
すると次の瞬間、彼女達の腹と胸が、急に風船のように膨らみ始めた。
「な、なんなの!?」
金髪の娘が、むくむくと膨らんでゆく腹を抱えて悲鳴を上げた。
他の侍女達も、どうすることもできずに自身の腹と胸を押さえる。
みるみるうちに、四人はまるで臨月を迎えた妊婦のようになっていった。
身体にぴったりしたレオタードのせいで、膨れた胸と腹が一際強調されている。「く、苦し…」
黒髪の娘がぱんぱんの腹を抱えて膝をついた。
彼女達のレオタードは、戦いで破れることがないよう特殊な伸縮素材でつくられている。
しかし大きく膨らんだ腹部と胸をなんとか包みこんだレオタードは、限界まで伸びきって彼女達の身体を締め付けていた。
脇からは胸がはみ出し、尻の部分は引っ張られて食い込んでしまっている。
戦うどころか、もはや身動きもままならない状態だった。
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『見てみろ、お前の侍女達も妊娠したようだぞ?』
東屋のなかで、闇の女王が声を上げて笑った。
それから彼女は、何か思いついたように姫の股間へと手を伸ばした。
「あ、はぁ、…なにを、ッぅんんんーーー…―!」
『なにを?こうするのさ』女王は唇を笑みの形に引き上げると、姫の股間から出かかっていた胎児の頭を無造作にぐっとなかへ押し込んだ。
「ぁあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っ!!」
耳を覆いたくなるような姫の絶叫が、中庭に響き渡った。
「姫様ぁっ!!」
大きな腹を抱えて、侍女達が口々に叫んだ。
駆け出そうと一歩踏み出したところで、黒髪の娘が動きを止める。
「ぅううッ!!」
小さく呻いて腹を抱えた彼女の太股を、生暖かい水が伝っていた。
見れば、食い込み気味のレオタードの股の部分が見る間に濡れていく。
「っぅうッ―…、まさか、破水したの?」
レオタードからビシャビシャと羊水を滴らせながら、青い髪の娘が呟いた。
「そんなっ、一体何が産まれるっていうのよ?」
そう言った茶髪の娘の声は、驚愕に掠れていた。
出かかった赤ん坊は、ただ押し込むだけでは簡単に戻りはしないようだった。
「嫌ッ、止めてぇえ!お願いっ!!」
開脚したまま、足をバタつかせて姫が必死に抵抗する。
しかし彼女は、すぐにまた息み始めた。
『あははっ、もはや家畜同然だねぇ』
姫を蔑むように見下ろして、女王はふと考えた。
今だったら、胎児を押し出すために産道は開いているのではないか?
霧の女王は暴れる姫の足をものともせず、再び股間の児頭に手をかけた。
そして今度は、姫が息んでいるうちに捩じ込むようにして胎児をなかに押し込んだ。
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「ぁぎゃぁ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!」
姫が身体を大きく仰け反らせ、断末魔のような悲鳴を上げる。
しかし、本来姫を守るはずの侍女達も、皆お産の真っ最中だった。
「はぁはぁ、ぁううっ、くっ…」
青い髪の娘が、苦し気に顔をしかめる。
「何かが、すごい勢いで…、産まれそうっ…!」
金髪の娘も、四つん這いの格好で呟いた。
「ふぅ、ふぅ、…でもこれじゃ、レオタードがきつくて―…」
黒髪の娘が足を開きながら腹をさする。
そんななか、一番進展が早かったのは茶髪の娘だった。
「んぐぅううううっ、はぁはぁ、ふんんーーーーっ!!」
彼女は深く腰を落とすようにしゃがみ、ひたすらに息み続けた。
本能に任せて、大きく股を開く。
しばらくすると、レオタードに覆われた娘の股間が、何やらもっこりと膨らみ始めた。
「んぐぅうううーーーっ、あッぁああッッ、んんんーーーッぁあああッ!!」
娘が鋭い叫び声を上げ、びんくと身体を震わせる。
途端、レオタードのなかに大きな丸いものがぼこりと現れた。
「はぁはぁはぁ…、産まれた…っ」
彼女はレオタードの脇をひっぱり、股の間に手を入れた。
するとなかから、溜まっていた羊水とともに直径15センチほどの水晶玉が転がり出てきた。
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「うううっ――…、はぁはぁ…」
青い髪の娘は、座った状態で息んでいた。
足を大きくM字に開き、片手でレオタードの股の部分を脇へ引っ張る。
そこから覗く彼女の会陰からは、すでに何か大きなものが見え始めていた。
「くぅうう――ッ、はぁ、はぁ、ふんん――…!」
彼女の息みにあわせて、なかのものが少しずつ押し出されて来る。
会陰を内側から押し広げて現れたのは、しかし胎児の頭ではなかった。
美しい透明な球体が、娘の股間にしっかりと挟まる。「はッはッはッ…、これは、なに?」
片手でレオタードをひっぱり、もう一方の手で股間をまさぐった娘が怯えたように呟いた。
その感触はどう形容しても、胎児の頭などではない。「はッはッ、くぅううううーーーんぁあッ!!」
一際大きく叫んだ彼女の手のなかに産み落とされたのは、大きな水晶玉だった。「――んぁあッ、は、は、…苦し…」
金髪の娘は、四つん這いだった。
先にお産を終えた茶髪の娘が、介助についている。
「かんばって、もう出て来てるから!」
茶髪の娘が、金髪の娘のレオタードを脇へひっぱりながら言った。
露になった会陰には、すでに球体の先端が見え始めている。
「はぁはぁッ、んんんーーーーっ、はぁ、ふんんんんーーーっ!」
金髪の娘が、股を更に大きく開いて息み出す。
茶髪の娘が見守る先で、球体の挟まった会陰がゆっくりと広がっていく。
しかし、その動きは息み方に反してどうにも遅い。
「ぁッ、はぁはぁッ、痛っ、んんんーーーっ!!」
金髪の娘が、片手で腹を抱えながら喘いだ。
ようやく一部が外に出て来たその球体は、膜のようなものに包まれて白色をしていた。
「…まだ羊膜に包まれてる…」
その光景は、さながら大きな卵を産んでいるようだった。
茶髪の娘が、下から覗き込むように金髪の娘の股間を見上げて呟いた。
徐々に大きくなる白いそれは、まるで巨大な風船が膨らんでいくようでもある。「んぐぅうぅううーーーっ、ぁああッ痛っ、挟まッふんんんんーーーー…」
金髪の娘が、荒い息の下から苦し気に訴えた。
どうにか外には出てきているが、彼女のお産はもどかしほどゆっくりだ。
「……もしかして、この羊膜のせい?」
呟いて、茶髪の娘が金髪の娘の会陰に手を伸ばす。
そういえば、彼女のレオタードはほとんど濡れていなかった。
太股も地面も乾いている。茶髪の娘が、球体を包むように秘部に手をあてがった途端、パチンと小さな音がして白い膜が弾けた。
ドバドバと一気に溢れた羊水と一緒に、彼女の手のなかにずぼっと濡れた音を立てて大きな球体が滑り落ちてきた。
「――んぁああああんッッ!!」
衝撃の大きさに金髪の娘がびくんと大きく震え、鼻にかかった声を上げた。
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最後に残った黒髪の娘は難産だった。
彼女のレオタードは、股間にまできつく食い込んでしまっている。
膝を立てて仰向けになる彼女のもとには、青い髪の娘がついていた。
「ぁー、ぁー、ふんんんんーッぁあっ、くぅっ!」
足を踏ん張り何度も息むが、娘はすぐに苦し気に呻くばかりだった。
股を開けば開くほど、レオタードが秘部をきつく締め上げる。
「…このままじゃ…」
「服を破くしかないね」
呟いた青い髪の娘に、茶髪の娘が答えた。
「でも、ここには刃物は―…」
「これ、使えない?」
青い髪の娘を遮って、金髪の娘が言う。
彼女の手には、産湯の入っていた瓶の破片が握られていた。
「よし、やろう」
茶髪の娘が頷いて、黒髪の娘のレオタードに指をかけた。
予想以上にピチピチで、指一本入れるのがやっとだ。その隙間に、慎重に瓶の破片を差し入れると、レオタードは盛大な音を立てて一気に破れて捲れ上がった。下半身や膨れた腹部が一気に露になり、大きな胸の手前で生地が縮んでしわくちゃになる。
黒髪の娘は、すでに発露に入っていた。
「さぁ、もう一度息んで!」
金髪の娘が励ますように言う。
「ぇ、えぇ…。はぁはぁ…、んぅッぐぅううーーーっ!!」
黒髪の娘が自分の太股に手をかけ、身体を丸めるようにして息み出す。
しかし彼女の会陰は、内側からもっこりと膨らむだけで球体を通すことが出来なかった。
「そんな、出かかってるのに…!」
「…大き過ぎるんだわ」
娘たちが口々に言う。
青い髪の娘が、会陰を包むようにそっと両手を添えた。
息みに合わせて、会陰を両側に押し広げる。
「はぁはぁはぁっ、ふんんんんッぁあっ苦し、いったぁい!!」
黒髪の娘が、足をばたつかせて叫んだ。
赤く腫れ、充血した会陰に完全に球体が詰まってしまっている。
「私たちがお腹を押すわ!」
金髪の娘が、茶髪の娘に声をかけた。
「そうね!」
茶髪の娘も頷くと、黒髪の娘の巨大な腹部に跨がるようにして腰を下ろした。
「うぅ、苦し…」
「頑張って、必ず産めるから」
黒髪の娘の両手を握って、茶髪の娘が力強く頷いた。金髪の娘は、黒髪の娘の臍の下に両手をあてる。
「いいわよ、波が来たら思いっ切り息んで!」
金髪の娘のが言うと、黒髪の娘は何度か深く呼吸をしてから力いっぱい息み始めた。
「ぅうっ、ぅぐぅううーーーー…」
彼女の息みに合わせて、娘たちが腹を押す。
青い髪の娘が、両手で限界まで秘部を広げた。
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すると、わずかに開いた隙間から球体がぐぐっと押し出されてきた。
「ぁああっ、裂けそうッ、やッ出るッ出るッ大きいッふんんんんーーーーっんぁああッッ!!」
大きな叫び声と共に、黒髪の娘はぐいっと限界まで両足を開いた。
青い髪の娘が必死に会陰を広げるなか、その穴を更にギリギリまで押し広げて、巨大な水晶玉がゆっくりと外へ出てくる。
やがて玉の直径が穴を抜けると、ごろんと音を立てて大きな水晶玉が地面に転がった。
「はぁ、はぁ、はぁ、…産まれた…」
水晶玉を受け取り、黒髪の娘が仰向けのまま呟く。
その直後、四つの水晶玉が目映い光を放ち始めた。
その光にあてられ、闇の女王が狼狽えて一歩後退る。「そんな、その水晶は伝説の…っ!」
どんどん輝きを増す水晶玉の光に、女王の貌をつくっていた霧がしゅうしゅうと音を立てて消えていく。
「ぎゃああっ眩しい!
でも覚えておいで、強い光はより強い影を生む。お前たちは私には勝てないのよ!!」
闇の女王の声だけが、日差しの戻った中庭にこだましていた。
「姫っ!」
霧の束縛から解放されて、王子が姫のもとに走り寄る。
姫は両手足を大の字に投げ出し、クリスタルの床に力なく横たわっていた。
腹部は相変わらずカエルのように膨れ、それ以上に股間から臍の下あたりが異様なかたちに膨らんでいる。順調に出かかっていた胎児の頭は、また会陰の襞の奥に戻ってしまっていた。
「姫様っ!」
王子が姫を抱き起こし、侍女達も駆け付ける。
すると姫が、うっすらと目開けた。
「…わたしたちの、赤ちゃんは…」
姫は目に涙を浮かべて、うわ言のように呟いた。
青い髪の娘がそっと姫は下腹部に手をあてた。
しかし、もうなにも動いてはいない。
皆の様子に、姫が取り乱したように王子にしがみついた。
「…そんな…、赤ちゃ…――ッぅううっ!!」
突然、姫の下腹部が大きく波打った。
呼吸が荒くなり、投げ出した両足がびくんと震える。彼女はほとんど本能的に、膝を立てて股を広げた。
乱れた呼吸のまま、息み出す。
青い髪の娘が、とっさに姫の下腹部を押した。
「ぅううーーーーっ、はぁはぁ、んぐぅううううっ!!」
姫の両足が細かく震える。秘部がぱくりと割れ、粘液がとろりと流れ出した。
そして再び、会陰の奥に児頭が見えて来た。
「はぁー…、はぁー…」
しかし姫の体力は、もはや限界だった。
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一度息む度に、足を投げ出して肩で息をしている。
「姫様、私たちがお腹を押します!」
茶髪の娘が提案した。
「そうね、じゃぁ、私が会陰を保護するわ」
青い髪の娘が、姫を足の間にまわって屈み込んだ。
次の陣痛を待って、侍女たちは姫を巨大な腹部を一斉に押した。
「はぁはぁ、んぐぅううううッ苦しいっ!」
腹部に力が加わり、児頭が一気に会陰の襞を押し開く。
もっこりといっぺんに出てきそうな勢いの頭に、青い髪の娘が慌て手を添えて会陰を保護する。
「王子様」
そして彼女は、王子に向かって声をかけた。
「どうか、姫様の赤ちゃんを取り上げてください」
「…いいのか?」
「はい。それに、このまま自然分娩では姫様がもちません」
戸惑う王子に頷いて、娘は彼に場所を譲った。
するとすぐに、次の陣痛が始まる。
「ふんんんんーーーーっ、ぁッああッはぁッ、ぅううううーーッあッあッ出るッぁああああああ!!!」
王子がそっと差し出した手の中に、胎児の頭がゆっくりと押し出されてくる。
姫が絶頂に達したようにびくんと身体をはねあげ、股をこれでもかと開く。
びしゅうっと羊水をしぶかせながら、大きな胎児の頭がぼろんと秘部に現れた。「姫、わかるかい、頭が出た!」
「ぇえ…」
姫が力無く伸ばした細い腕を、王子は児頭へと導いてやった。
「あぁ…、やっと産まれてくるのね…、―ぅうッ」
そっと児頭に触れ、幸せそうに微笑んだ姫はしかし、すぐに苦痛に顔を歪めた。「姫、これで出すぞ」
王子が言って、胎児の頭に両手を添えた。
「はい。はッはッふうんんんーーーー…ッぁあッぅぐぅううううーーー」
姫が顔を赤くして、力を振り絞って息む。
王子は胎児の動きに合わせて、頭をそっと引っ張った。
姫の産道を擦る鈍重な感覚とともに、ぶりんと肩が抜け、全身がずるずると現れる。
「あッあッあッあッぁああッぁああああああんッッ!」
姫が鼻にかかった悲鳴を上げた。
同時に大量の羊水を迸らせて、王子は赤ん坊を引き抜いた。
一瞬、時間が止まったような静寂が訪れた。
その場の全員が、食い入るように王子の腕のなかの赤ん坊を見つめる。
「おぎゃあ、おぎゃあ…」か細い声ではあったが、赤ん坊は泣き声をあげた。
「よかったぁ」
「姫様、王子様、おめでとうございます」
侍女達がぱっと顔を輝かせ、口々に言う。
王子は姫に赤ん坊を抱かせると、彼女の頬に優しいキスをした。
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*完結*
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