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鬼姫の出産(リレー小説)
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?様の鬼姫の戦、続編を作りたいとリレー小説の触りだけを書いてみたいと思います。
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鬼と人間の争いから数百年。
鬼の姫の出産により、その争いは終息を迎えた。
鬼と人間は同盟関係となり、やがて盟友となる。
鬼たちは人間に自分達の技術を伝え、人間は自分達の技術を鬼たちに伝える。
そんな平和な日々が続いていた。
そんな中、鬼たちと人間の間である提案が成された。
鬼を束ねていた鬼の姫の生んだ娘。
その娘の父親である、人間の兄弟の子孫。
その間で婚姻を結ぼうというのだ。
鬼の側の利点として、人間を支配する家の嫁となることでより人間との絆が深まる。
人間側の利点として、より鬼の血が濃い子供が産まれることにより、より長い寿命の子供が産まれることで、統治期間が長くなる。
両者の利害が一致し、婚約の運びと相成ったのであった−
登場人物
玉桜(ギョクオウ)…玉瑛(ギョクエイ)の娘。金色の瞳と黒い髪の少女。
まだ恋もしない、生娘である。
古条斉彬(こじょうなりあきら)…古条家継の弟の子孫。分家ではあるが、古条家の第一継承者候補である。
まだ恋もしない、童貞である。
(その他の登場人物は前作を参照したり新しい人物を設定していただけると助かります。)
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<鬼の国、玉瑛の城>
「嫌じゃ、わらわは人間の国になど行かぬぞ。わらわはこの国が好きなのじゃ!」
黒い髪を持つ、金色の瞳の少女が駄々をこねていた。
額には2本の角。玉瑛の娘、玉桜である。
「ですが姫。この婚約は玉瑛様のお取り決めになったこと…」
周防(スオウ)がたしなめるように語りかける。
「うっ…じゃ、じゃが!わらわは行きとうない!」
「そう、我が儘を言わないで下され。人の国も素晴らしい所でございます。」
「むぅ…母上の命令でもあるし、やはり行かねばならぬか…では周防!そちが着いてくるなら行くことにしよう。」
「はっ。玉瑛様の許可を得られれば、直ぐに…」
こうして、玉桜と周防は人間の国で結納を迎えることになるのであった−
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↑すいません間違えました。管理人に削除依頼します。
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>>5
よければ、代理でスレ立てしておきましょうか?
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↑すいませんそれは自分が立てようとしてたスレを代わりに立てるという意味でしょうか?
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>>7
そういうことです。
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↑すみませんお気持ちは嬉しいのですが、スレの投下は誤った書き込みが削除され次第改めて自分で投下しようと考えていますので。
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一段落ついたようなので投稿させていただきます。
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結納の日。玉桜は憂鬱な気分でいた。
顔も知らない男、しかも人間と、婚約を結ばねばならぬ。
玉瑛の命令とはいえ、それは苦痛だった。
おそらく鬼の国には戻れないだろう。その事も憂鬱な気分に拍車をかけていた。
「玉桜様、斉彬様の準備が整ったようにございます。」
周防が玉桜にそう話しかける。
「そうか、それでは行くとするかの…」
玉桜もこの期に及んで流石に覚悟したらしい。
白無垢姿でしずしずと大広間に向かっていた。
大広間につき、周防が上手に語りかける。
「玉桜様、お連れもうしました。」
そこには裃を着けた青年がいた。
「…そちが玉桜か。わしが古条斉彬だ。宜しく頼むぞ。」
ニコリ、と笑う青年に、対面していた玉桜はドキリとした。
玉桜、数百年目の初恋、一目惚れだった-
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「斉彬殿、わらわが玉桜じゃ、人間と鬼の友好のため互いに頑張ろうぞ。」
その前までの憂鬱とわがままはどこへやら、玉桜は一目惚れしてころりと態度が変わってしまった。
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婚姻の義を結び、初夜を迎える。
床には二人、斉彬と玉桜が向かい合っていた。
だが、二人とも向かい合ったままなにもしない。
二人とも性行為をしたことがないのだ。
もじもじとしながら、ただ向かい合う時間が過ぎていた。
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「斉彬殿、何をすれば良いのじゃ?」
玉桜が質問するが、斉彬は黙ってもじもじしたまま玉桜を見ていた。
「そうじゃ!!誰かに聞けば良いのじゃ!!」
玉桜が叫ぶ。
わからないなら聞けば良いと言う、ある意味経験の無い初心者らしい考えだった。
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そして、床に周防が呼ばれる。
「おお、周防!よく参ったの!わらわたちはどうも子作りはよくわからぬ…
手解きをして欲しいのじゃ!」
周防に語りかける玉桜。
周防は溜め息を付きながら、斉彬に手解きを行おうとしていた。
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周防は手解きをしようとしたが躊躇した。
玉桜がじっと見ているからである。
いくら見ている人がこれから子作りをする人本人でも、
女性に子作りの手解きを見られるのは周防には恥ずかしかった。
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それでも手解きはしないといけないと、周防は勇気を出して斉彬に手解きをすることにした。
ちょうど目の前に玉桜という教材もあるので、実践により学習させようとしていたのだ。
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周防は顔を赤くしながらも子作りについて手解きをした。
手解きが終わると周防は恥ずかしさのあまり顔を赤くしながらさっさと部屋を出て行った。
そして再び部屋には斉彬と玉桜の二人きりになったのである。
あとは実践あるのみとなった。
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「初めてじゃからの…優しくしてたもれ…」
玉桜がか弱い声でそう呟く。
斉彬はその様子を見てイチモツを滾らせていた。
まず斉彬は、習った通りに乳房を弄っていた。
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本心で言えば斉彬はすぐにでも自身の一物を玉桜の秘部に入れたいが、
逸る気持ちを抑え玉桜の乳房を弄ったり揉んだりした。
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「はぅん!ひぅっ!はぁっ、はぁっ…」
玉桜が嬌声を上げ、股間をしとどに濡らしている。
(そろそろ、良いのだろうか…)
そう考えた斉彬は、イチモツを一気に突き刺していた。
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「くっ!・・・」
玉桜は一瞬だけ苦悶の表情を浮かべる。
股から鮮血が流れる。
斉彬は一瞬驚いてしまった。
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「すまぬ…痛かったか、玉桜…?」
斉彬が気遣って動きを止める。
「だ…大丈夫じゃ…しかし、馴れるまで暫く動かないでたもれ…」
玉桜が苦しそうに声にする。
斉彬は黙ってそれに従っていた。
十数分ほどたったであろうか。
玉桜は股の痛みは少し薄れ、うずきのほうが増してきたのだった。
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「もう大丈夫じゃ、始めてくれ。」
玉桜の言葉に斉彬は腰を動かし始める。
二人は性の相性が良いのかお互いに気持ちよくなり、動きが激しくなってきた。
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「はうっ!よい、よいぞ、斉彬、斉彬ぁ!」
玉桜の嬌声が部屋に響く。
「くっ…で、出るぞ、玉桜!」
斉彬の声も切羽詰まっている。
「ああっ!ああ〜っ!」
玉桜が気をやった瞬間。
どぴゅる!どぴゅっ!どくどくっ!
斉彬のイチモツから精液が流れ出たのだった。
性行為を行って暫くして。
二人は向かい合って床に付いていた。
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しばらく時間がたってから、
「斉彬殿、子作りは一回で良いのかのう?」
玉桜の質問に斉彬は悩んだ。
「もし二回目以降も良いののならしたいのじゃが。」
玉桜の言葉に斉彬は考えた。
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「焦らなくても良いではないか、玉桜。
これから先、いくらでもまぐわいは出来るのだからな。」
斉彬はそう言って玉桜をなだめた。
そして、そのまま二人は眠りについたのだった。
翌日。
股の痛みがぶり返していた玉桜は、城内の様子を見ようと、痛みに耐えながらゆっくり歩いていた。
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玉桜はゆっくりと歩きながら城内を見て回っていた。
「ほほー、わらわの国の城と内装は少し似ているが、よく見ると細かいところで違いがあって面白いのう。」
玉桜は城内見学を楽しんでいた。
「わらわがこれから暮らすことになる城じゃどのような部屋があるか知っとかないとな。」
そう言って玉桜は城の中を歩いた。
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そして、玉桜はとある場所で足を止める。
そこは城の厨房だった。
女中が忙しそうに走り回っていた。
そこで玉桜はふと考える。
子作りのためにも、斉彬に精力がつく食べ物を食べさせた方が良いのではないか。
玉桜は自らの手料理を斉彬に振る舞おうと厨房の中に入るのだった。
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「あっ玉桜様、どうかされましたか?」
「なに斉彬のために料理を作りたいのと思っての良いか?」
玉桜は厨房を借りても良いか聞いてみる。
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「ええ…構いませんけど…」
「そうか!恩に着るぞ、そなたら。」
そう言うと玉桜は腕捲りをして準備をしていた。
「すっぽんと…まむしと…うなぎを…っと、よし、では作るぞ!」
そう言って玉桜は包丁を入れるのだった。
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玉桜が料理を作ろうとしているのを見て女中の一人がふとあることを思った。
「玉桜様ってお料理作ったことあるのかしら?」
その様子を心配そうに見守る。
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そんな女中の心配を余所に、華麗な手さばきで魚やすっぽんを捌いていく玉桜。
鬼の世界では城の料理は城主が作ることもある。
当然のように玉桜も料理の手解きを教わっていたのだ。
「よし、あとは煮込むだけじゃ!」
どうやら、玉桜は鍋を作っているようだった。
鍋を煮込む間、玉桜は女中と話をしようと考えていた。
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玉桜は女中と話をしようと思ったものの、一体何を話せばいいのかわからなかった。
「いったいどう切り出せば良いものか、人間の国は一体何が流行っておるんじゃ?」
玉桜は話の切欠がつかめず悩みました。
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「ふむ、こう言うときは斉彬の評判を聞くのが一番じゃろう。流行り廃り関係ない話題じゃからな。」
そんな一人言を呟きながら玉桜は女中達の中に入っていった。
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「斉彬様についてですか?え〜と。」
斉彬について聞いたところ、斉彬は優しくて争いごとを好まないおとなしい性格らしい。
そのため斉彬は人々に好印象を持たれていることがわかった。
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「だから、凄く羨ましいんですよぉ」
「羨ましい?なにがじゃ?」
キョトンとした顔で玉桜が呟く。
「ここにいる女中は、皆玉の輿を狙っているんですよ?」
「だから、政略結婚とはいえ正妻の座についた玉桜様が羨ましいんです」
「成る程のう…」
玉桜は複雑な気持ちで聞いていた。
人気があるのはいいが、浮気をされたりしたら悲しくなる。
確実に妊娠するためにも、斉彬の心を掴むためにも、精のつくこの鍋を食べさせよう、と思っていた。
「おう、もう煮立ったようじゃの。さて、斉彬の所へ運ぶとするか。」
玉桜はそう言って斉彬の部屋に鍋を運んでいった。
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部屋に入ると書物や巻物、紙などが散乱していた。
斉彬は得にすることが無いと、熱心に勉強しているようである。
玉桜は書物や巻物等を避けながら歩いてると部屋の真ん中に机に向かって黙々と勉強している斉彬の姿が見えた。
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「おー、斉彬。スゴい勉強の仕方じゃのぅ。」
「ん?おお、玉桜ではないか。何のようだ?」
「料理を作ったのじゃ!一緒に食おうぞ!」
そう言って玉桜は鍋をかざす。
「料理を作った…?玉桜、そちがか?
ほう、実に興味深い。よし、勉強もキリが良いし食べるとするか。」
そう言って斉彬は机を片付け始めていた。
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斉彬は片付け終わると料理を机に置き食べ始める。
玉桜も隣に座り食べ始めた。
「うむっ、おいしいぞ玉桜。」
斉彬はその料理のうまさに箸が進む。
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食事を済ませ、床の間へ向かう。
斉彬の精力はギンギンで、イチモツを袴の上からすら分かるくらいだ。
玉桜はそれを見て笑顔になるのだった。
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「さてと食事は済ませたことだし、斉彬殿。」
「玉桜?」
「わらわを抱いてくれるか。」
玉桜は衣服を脱ぎ斉彬を魅了する。
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まず、玉桜は口淫をすることにした。
斉彬のイチモツをくわえ、上下に動く。
じゅるるる、ぐぽぐぽっ、ずぞぞぞっ。
先走りをすする音が玉桜から聞こえる。
斉彬は口淫だけでいきそうになっていた。
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斉彬は感情の昂ぶりを抑えられず、自分の一物を咥えている玉桜を一物から引き離す。
そして玉桜を押し倒し自分の一物を玉桜の秘部に入れた。
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「ひぁっ、はぅん!斉彬、激しすぎるっ!」
激しい斉彬の突きに翻弄される玉桜。
玉桜はすでに何回も達していた。
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斉彬は体を更に激しく動かす。
料理に精力がつく物を入れすぎたからだろうか、斉彬の動きは初夜の時よりも激しかった。
その内斉彬は絶頂に達しようとしていた。
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どぴゅる!どぴゅっ!どくどくっ!
斉彬の精が玉桜に放たれる。
玉桜は再び絶頂していた。
この時の精が実を結び、玉桜が孕むことになる。
だが、玉桜達がそれをしるのは少し先の話だ-
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斉彬は精を放ったが、精力料理を食べたせいか一向に萎える気配がない。
斉彬の一物は3分も経たない内に玉桜の中で再び勃ってしまった。
それを感じ取った玉桜は二回目に挑もうと思うのだった。
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今度は玉桜の方から腰を動かす。
ずちゅっ、ずちゅっ、ずちゅっ、ずちゅっ。
水に濡れたような音が股間から響いている。
斉彬もすでに2回目を達しようとしていた。
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斉彬は精を玉桜の中に放つ。
それでも萎える気配がない。
結局斉彬が萎えるまで続き、夜明け近くまでしてしまったのであった。
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2日目の交わりは実に体力の消耗が激しかった。
こんな交わりは頻繁には出来ぬ、と斉彬は呟く。
玉桜もそれに賛同し、一日の休憩を挟むことにした。
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もっとも玉桜としては、複数回したので満足していた。
これだけすればさすがに子を宿すだろうと玉桜は考えていた。
もぅとも妊娠したとわかるまでするつもりだが。
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それから数週がすぎた。
斉彬と玉桜の交わりは二日に一度程度になっていた。
精がつく料理を食べ、行為をする。
その繰返しだった。
その生活が変わったのは玉桜の体調が変化し始めたからだった。
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玉桜は最近気分が優れなかった。
食欲もあまりなく気持ち悪いときもある。
玉桜は医者に診てもらおうと思った。
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医者にお腹や顔色を見てもらう。
「どうじゃ、医者よ。わらわの体調が悪い原因は分かるのか…?悪い、病気かの?」
不安そうに医者に訊ねる玉桜。
「大丈夫です、病気ではありませぬぞ、玉桜様。玉桜様のお腹に、ややこが出来たのです。」
たんたんと語る医者の言葉に、玉桜が、
「な、なんと!?ややこが出来たとな!?」
と驚く。
「はい。妊娠初期はややこが流れやすいので、性行為は控えてくださいね。」
医者はそう言って診察を終えたのだった。
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玉桜は斉彬の子供が出来たことに喜んだ。
これからの問題は性の味を初めて知り、性を楽しんでいる玉桜が性行為を控えられるかだ。
鬼は人間よりも肉体が丈夫で、それは産まれてもない胎児にも言えることだが、他の人は不安には思うだろう。
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その心配は杞憂に終わった。
玉桜曰く、「このややこは無事に生まねば、送ってくれた母上に申し訳がたたぬ」そうだ。
それ故に玉桜は必死に性欲を我慢していた。
どうしても我慢が出来ぬときは手淫で誤魔化していた。
そうして玉桜の赤子は安定期を迎える事になる。
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まだ臨月を迎えていないとは言え大人の女性とは言い難い少女の外見の玉桜ではお腹の膨らみが目立つ。
安定期を迎えた玉桜はそれまでの我慢で性欲が溜まっており、今の玉桜は発情期の獣のような状態だった。
もはや限界を迎えた玉桜は欲望を抑えられなかった。
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何時ものように精のつく料理を作り、床に向かう。
玉桜はその気だが、斉彬は医師から性行為の注意点を聞いていた。
子宮を刺激しないように、挿入は浅く、行為は優しく、といった風だ。
回数に付いては注意がなかったので、斉彬は注意点に気を付けて行為を行っていた。
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玉桜は妊娠初期の行為が出来なかった鬱憤を晴らすが如く一日に何度もしていた。
幸い斉彬は絶倫らしく、玉桜が作った精のつく料理のおかげで玉桜の相手をすることが出来た。
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安定期に入ってから1ヶ月はそんな生活が続いた。
玉桜が満足するまで一月もかかったのだ。
その間ずっと姓行為をしていたため斉彬は体重が3貫ほど減ってしまっていた。
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満足しても玉桜は行為をしていた。
とは言っても回数は遥かに少なくなっているが。
そのかわり増えたのが食欲だった。
玉桜は何杯もおかわりをするようになっていた。
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「もうその程度にしておけ、玉桜。難産になるぞ。」
おかわりをする玉桜をたしなめる斉彬。
斉彬の言葉に素直にしたがう玉桜。
どうやらすっかり女として惚れてしまったようだった。
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玉桜のお腹も大分大きくなってきた。
斉彬は最近心配事があった。
最近気付いたことだが、玉桜のお尻はあまり安産型とは呼べない大きさだった。
胸のほうはそれなりにあるのだが、お尻が小さいと思ったのだ。
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尻が小さいということは骨盤も小さいはずだ。
大きな胎児では難産になりかねない。
だが、胎児はそんなことはお構い無しにすくすくと育っているようだ。
やはり食事の量は減らさないといけないと、斉彬は思っていた。
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斉彬は太らない食事がないか調べてみることにした。
玉桜は自分の言うことを素直に聞いてくれるのである程度食べ過ぎないよう注意すればよい。
しかし食欲旺盛になったのは妊娠によるものだと考えている。
ある意味本能みたいなものなので抑えるのは限界があると考えている。
そのため太らない食事にして大きくなりすぎるのを抑えようという考えだ。
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しかし、人間の作る献立だけでは限界がある。
そこで斉彬は玉瑛に手紙をかき、鬼の世界の献立の情報も得ようとした。
鬼の世界の献立なら、玉桜の口にあい、栄養もある、太りにくい料理もあるはずだ。
そんな思いから斉彬は玉瑛に手紙を送ろうとしていた。
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斉彬は考えていた。
玉瑛に手紙を書くのは初めてなのだ。
斉彬はどのように書こうか悩んだ。
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結局斉彬は全てを伝えることにした。
玉桜が妊娠したこと。
玉桜の食欲がふえ太らないか心配なこと。
そのために食事に気を付けていきたいこと。
そして、人間の作る献立だけでは限界があるため、玉瑛に鬼の世界の献立を教えてほしい、などだ。
手紙を送ったあと暫くは暇な日々が続いた。
返事が届いたのは1週間ほど過ぎた頃だった。
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斉彬は届いた返事をすぐに読んだ。
返事は色々書いてあって、妊娠したことによるお祝いの言葉等が書いてあり最後に献立が書いてあった。
種類はそれほど多くないものの十分な内容だった。
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斉彬はその献立表を書き写し女中に渡していた。
そして、玉桜を驚かせようと黙って食事に誘ったのだった。
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「なんじゃ食事に誘ってくれるなんて斉彬殿今日はなにかあったのか?」
玉桜は今日は何か特別な日だっただろうかと思いながら部屋に来た。
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部屋に入ると鬼の世界の料理が机いっぱいに並んでいた。
「な、なんじゃこれは!わらわの好物ばかりではないか!」
驚く玉桜に斉彬が答える。
「玉桜のために太りにくい栄養のあるものを作ってもらおうと思ってね。
玉瑛殿に献立を教わったんだよ」
「そうか、母様にか…」
玉桜は嬉しそうに席についていた。
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「それではいただこうかの。」
玉桜は料理を食べ始めた。
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「うむ…旨いの…」
箸は進むが浮かない顔の玉桜。
「どうした、玉桜。悲しそうだな。」
「うむ。食べていたら鬼の国が懐かしく感じての。なんだか寂しくなったのじゃ。」
「そうか…」
複雑そうな顔をする斉彬。そして。
「暫く、里帰りでもするか?」
そう、玉桜に提案をしたのだった。
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「よ、良いのか?」
「ああ良いよ。」
「ありがとう斉彬!!」
玉桜は喜んだ。
「そうじゃ斉彬殿を父様や母様達に紹介したいから斉彬殿も一緒に来てくれぬか?」
玉桜は斉彬に質問をする。
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「別に構わないぞ。しかし、暇があるかどうか…」
斉彬は許諾したいようだが、統治する国の見回りなどで暫くは忙しいのだった。
「暇など作ればよい!わらわは主と一緒に行きたいのじゃ!」
玉桜は食い下がって演説していた。
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「斉彬、自分の妻の国を見に行くのも一つの外交だと思うぞ。」
そう言ってきたのは、斉彬の父だった。
「ち、父上。」
「斉彬、お前の留守の間はワシがやっておこう、だから安心して行くが良い。」
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こうして、斉彬と玉桜の二人は玉桜の国へ里帰りすることになった。
もちろん、先に玉瑛に手紙を送ってからだ。
そして、いよいよ玉桜と斉彬は鬼の国へと足を踏み入れたのだった…
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「ここが玉桜の故郷・・・・・」
斉彬は初めて来る鬼の国を見渡した。
「さてまずは玉桜の母上に挨拶に行こうかな?」
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玉桜と斉彬は玉瑛の城へと向かった。
玉瑛の城で斉彬は素晴らしい歓迎を受けた。
鬼の国と人間の国の平和の象徴として歓迎をされたのだ。
歓迎が終わったあと、玉桜と斉彬は玉瑛に呼び出されていた。
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「玉桜の母上はわしと玉桜を呼び出して一体何の話のなされるのだろうか。」
斉彬は少し緊張していた。
「さあわらわにもわからぬわい。とりあえず行こう斉彬殿。」
玉桜と斉彬は玉瑛の元へと向かう。
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玉瑛の部屋に向かうと、美しい鬼が上座に座っていた。
「ふむ、そなたが斉彬か。うむ、家継殿に似ているな…おっと、紹介が遅れたな。私が玉瑛だ。」
「家継…私の先祖ですね。」
「うむ、そして玉桜の父親だ。」
玉瑛は懐かしそうに呟いた。
「玉瑛様、それで私たちになにようで…」
「そうじゃ、母上。なにか大変な用事か?」
二人が怪訝そうに訊ねている。
「いやなに、そんな大層な用事ではない。二人に領内を見てきてほしいのだ。」
「…領内を、ですか。何ゆえですか?」
斉彬が不思議そうに訊ねる。
「うむ。鬼の世界では未だに人間世界への抵抗がある。
その抵抗を、二人のなかむつまじい様子を見せて取り払ってほしいのだ。よろしく頼む」
玉瑛は頭を下げていた。
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「わかりました。鬼の国の領内を見ていくのも一つの勉強だと思いますし。」
玉瑛の頼みに斉彬は快く承諾した。
「玉桜、鬼の国の領内を案内してくれないか?」
斉彬は玉桜に領内の案内を頼んだ。
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「うむ、分かったぞ。明日、早速行くとしよう。」
玉桜は嬉しそうに話していた。
翌日。
玉桜はお腹を抱えながら、斉彬は肩を支えながら領内を回っていた。
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「一見すると建物は我々人間のに似ていますが微妙に違いますね。」
斉彬は領内の建物をじっくり見て回る。
玉桜は案内をする。
すると国民が玉桜に気が付いた。
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「おお、玉桜様、お帰りになっていたのですか!」
「しかも、そのお腹…妊娠してらっしゃるのですね!」
鬼の国の民が嬉しそうに話す。
わだかまりは無いように見えていた
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「ふふっ玉桜は民から慕われているようだな。」
その様子を見て斉彬はそう思った。
「わしも玉桜みたいに自分の国だけでなく鬼の国の民からも慕われるようにならないと。」
斉彬はそう決意した。
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優しく肩を支え、歩みを進める斉彬。
玉桜も寄り添い、なかむつまじく歩く。
民からは羨望の眼差しも見えていた。
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周りからの視線に斉彬は恥ずかしくなってきた。
「ねえ玉桜、玉桜のお気に入りの場所とかないかな?もしあったらそこに言ってみたいな。」
斉彬は視線から逃れたいために玉桜にお気に入りの場所があるかどうか聞く。
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「うむ、とっておきの場所があるぞ。取り合えず付いてこい。」
玉桜が嬉しそうに先に進む。
斉彬は後ろをついていった。
「ここじゃ。ここからの眺めがわらわは好きなのじゃ。」
そう言って連れてきたのは櫓(やぐら)の上だった。
櫓からは鬼の国が全て見渡せるようだった。
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「ほおっ、とても素晴らしい眺めだね。」
斉彬はその景色に見入っていた。
「玉桜、人間の国に帰ったら今度はわしが人間の国を案内してあげるよ。」
斉彬はそう言った。
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そして、鬼の国の偵察は終わった。
二人は二泊したあと、鬼の国を後にした。
玉桜のかおは晴れ晴れしていた。
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人間の国へと帰っている途中斉彬は玉桜に聞いた。
「里帰りしてよかったか。」
「うん!!」
満面の笑顔で答える玉桜。
「また時間があれば行こう。まだまだ鬼の国について知りたいこともあるしな。」
斉彬はそう言った。
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人間の国に着いてから暫くは斉彬は不在の時の確認の為に忙しかった。
玉桜も不満だったが斉彬の言葉を信じひたすら待っていた。
斉彬の暇が出来たのは数日後だった。
玉桜は早速斉彬とともに人間の国を回ろうとしていた。
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そして斉彬は玉桜の肩を支え町に入った。
「今度はこちらの番ですね、玉桜人間の国を案内します。」
斉彬は町の案内を始めた。
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人間の国には色々な施設があった。
飯屋、番屋、遊郭、風呂屋。
二人は先ずそれぞれを回る事にした。
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「まずは人間の店の飯はどんなのか食べてみようかの。」
玉桜はまずは飯屋に入ることにしたようだ。
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「いらっしゃいませーーー」
玉桜は飯屋に入り注文する。
「ふむ、城で食べたこと無いものを頼んでみようかの。」
玉桜は食べたことの無いものを片っ端から頼む。
妊婦ゆえの食欲を抑えられず城の食事の時と同じように沢山食べ始めてしまう。
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「うむ、あれもうまい、これもうまい・・・・・・」
「ちょっと玉桜、少し食べすぎではないか?」
「別に今回だけ良いではないか斉彬。」
「うっ、う〜〜ん・・・・・・・」
玉桜は斉彬の言葉に耳を傾ける様子が無かった。
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「ふ〜〜、食った、食った。」
結局玉桜は沢山食べてしまった。
玉桜のお腹は臨月みたいに膨れてしまっていた。
「はあ・・・・」
その様子を見て斉彬はどうしようと思ったものの今後あまり食べ過ぎないようにすればいいと考えることにした。
「さて斉彬殿、次はここに行こう。」
玉桜が指差したのは番屋である。
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「斉彬殿あの建物は何じゃ?」
「あれは番屋と言って自身番の詰所だよ。木戸番や火の見櫓も併設されています。」
「自身番とは何じゃ斉彬殿?」
「自身番とは自警団みたいなものですよ。」
「ふ〜〜んそうなのか。」
玉桜はあまり興味が無かったらしくもう次に行ってしまった。
「今度はあそこじゃ!!」
次は風呂屋である。
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「斉彬殿ここは?」
「ここは風呂屋と言ってお風呂に入るところですよ。」
「そうなのかでは斉彬殿一緒に入ろう!!」
「ちょっ、ちょっとまってください玉桜!!風呂屋と言うのは男湯女湯に分かれていて一緒には入れませんよ。」
「なんじゃそうなのか、それなら一緒に入れる城の方がいいわい。」
玉桜は一緒に入れないと知ると興味が無くなったらしく次に行ってしまった。
「斉彬殿これはなんじゃ?」
玉桜が指差したのは遊郭である。
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「そこはその、遊廓というものでな、つまり、その」
「なるほどのぅ、ここが人間界の遊廓か、やはり活気があるのう。」
玉桜がいうように遊廓が立ち並んでいる街は別の世界のように人が溢れていた。
「へぇ、鬼の世界にも遊廓はあるんだな」
「うむ。やはり、性欲の捌け口はなにかしらなければいけないからの。
ところで斉彬殿、人間界の遊廓にもおなごを連れ込んでそういう事をする施設などはあるのか?」
玉桜も期待した目で斉彬を見ていた。
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「さ、さあ、それはわしも聞いてみないとわからぬ。」
斉彬は人生で一度も利用したことが無いので詳しいことは知らない。
初めての相手が妻の玉桜なので無理も無いことだが。
「そうかの、なら訪ねてみることにするか。」
そう言い玉桜は遊郭の一つに立ち寄る。
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「ふむ、ここが遊廓の中でも一番大きそうじゃの。入るとするか。」
「ま、待て、玉桜。わしにも心の準備が…」
「主の準備なぞ知らぬ。わらわはむせかえる精液の匂いで発情しそうなのじゃ。」
玉桜は構わず先にいく。
斉彬は匂いを感じないが、おそらく鬼の嗅覚なのであろう。
顔を赤らめながら、玉桜は店の番台へと向かっていた。
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玉桜は今すぐにでもしたいらしく早足で番台のもとへと向かう。
そして番台のところに着いたらすぐに。
「すまぬがここはおなごを連れ込んでする事は出来るのかの?」
玉桜は質問をした。
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「その様なことはしておりませぬが…
おや、貴女方は玉桜様と斉彬様ではないですか。
婚姻のため輿に乗っている所を見させてもらいましたよ。玉桜様。
そうですか、玉桜様と斉彬様の営みですか。
それならば一部屋貸しきりにして行って貰っても構いませんよ。
その代わり、その部屋はお二方がご使用になったと大々的に宣伝させていただきますが…」
番頭は、そう答えたのだった。
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「別に構わん構わん、幾らでもしたまえ。よし特別に許可が降りたぞ、それでは遠慮なく行こう斉彬殿!!」
そう言い玉桜は斉彬の腕を引っ張りながら、番頭の案内でその部屋に向かう。
「ここがその部屋か、案内ご苦労だったな。戻っていいぞ。」
その言葉に番頭は自分の持ち場に戻る。
「では早速やろうかの。」
そう言い玉桜は着物を脱ぎ、膨らんだお腹が目立つ裸体を露にする。
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「はぁ、仕方ないな…」
斉彬は渋々服を脱ぎ始めた。
「はぁ、はぁ…まだか、斉彬殿。わらわはもう辛抱たまらぬ…」
服を脱いでいる間も手淫をする玉桜。
その艶かしい姿に斉彬も気分が乗り始めたのだった。
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膨らんだお腹が目立つにもかかわらず玉桜は魅力を放っていた。
逆に大きく膨らんだお腹が玉桜の美しさをより際立たせていた。
膨らんだお腹はまるで花のつぼみのようで、足の間に見える女性の象徴はつぼみの開く部分に見えた。
そして完全に服を脱いだ斉彬は玉桜を抱こうと近づく。
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「ホントに良いのだな、玉桜…」
興奮しながらも玉桜の体を気遣う斉彬。
「構わぬ。わらわは、わらわはもう…」
潤んだ瞳で斉彬を見つめる玉桜。
斉彬も決意して、しとどに濡れている玉桜の女性の部分にイチモツを突き立てるのだった。
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ジュブブブ、ジュプリ
既に何回もしているのにも拘らず玉桜の膣はきつく締め付けてきた。
その締め付けで斉彬も刺激される。
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「あっ、達してしまう、イカされてしまうぞ、斉彬ぁ!」
たった数回ついただけで限界の声をあげる玉桜。
締め付けもますます強くなっていた。
「うっ、出すぞ、玉桜!」
どぴゅる、どぴゅる、どくどくっ
斉彬の精液が、玉桜に注がれて行くのだった。
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暫くの間二人は悦に浸っていたのだが、最初に口を開いたのは玉桜だった。
「なあ斉彬殿、もう一回せぬか?」
どうやら玉桜は一回では満足せずまだしたいようである。
すぐに達したのも原因ではあるようだが・・・
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「仕方ないなぁ…後一回だけだ。それ以上は体が持たぬ。」
そういうと斉彬はむしゃぶりつくように玉桜の体を揉み始めたのだった。
「ひぅっ!はうっ!きもっ、気持ち良いぞ、斉彬ぁ!」
玉桜が歓喜の声をあげる。
斉彬はそれには気にせずただひたすら玉桜の体を揉みしだき、挿入するのだった。
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斉彬は玉桜の体をひたすら揉みながら交わる。
これは玉桜を満足させるために玉桜の体を刺激して、膣の強い締め付けで出来る限り溜めてから出そうと考えているのである。
その狙い通り玉桜の膣は斉彬の一物を強く締め付けてきた。
-
「ふぁっ、揉むな、胸を揉むな斉彬、なにか、なにかでそうじゃぁ!」
じっくりと揉みしだいていた斉彬が胸を重点的に揉み始めると、玉桜は声をあげはじめていた。
びゅっ…
玉桜の初乳が流れ出た。
斉彬は興奮しながら、その胸に吸い付きながら腰を動かしていた。
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こうしている内に斉彬の一物はパンパンになり、玉桜の膣による締め付けでは抑えられなくなった。
少しでも玉桜が力を緩めると勢いよく出そうである。
いよいよ溜めるのが限界と感じた斉彬は放つことにした。
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玉桜の方も執拗な斉彬の攻めで達しようとしていた。
「いくぞ、玉桜!出るっ」
「ふぁっ、出してくれ、斉彬ぁ!いくっ、イカされるぅぅ!」
どぴゅる、どぴゅる、どくどくっ
斉彬の精液が玉桜に注がれていく。
玉桜はそれと同時に達していた。
二人の睦み事が終わった後、斉彬は気をやって疲れて寝ている玉桜を見ながら酒を飲んでいた。
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少ししたら玉桜が起きた。
「ふああ、よく寝た。」
「よく眠れましたか玉桜?」
「うんよく眠れたわい。それよりも斉彬殿の方は大丈夫か?休憩が取れたのならそろそろ城に帰りたいのじゃが。」
玉桜は斉彬に質問をする。
-
「うむ、構わないぞ、玉桜。そうだ、わしがおぶって城まで連れていこう。」
「う…いやじゃ、恥ずかしい!」
「そうか?ならば、てを繋いで帰ろう。それなら良いか?」
「う、うむ、それくらいなら構わぬ…」
こうして、二人はなかむつまじく帰るのでありました。
余談ですが、斉彬と玉桜が行為を行った部屋は、後日斉彬が書いた証明文を飾り、人気の部屋となったそうです。
そんなことをしていると、いつの間にか玉桜は臨月を迎えるようになっていました…
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斉彬は少し悩みがあった。
玉桜のお尻が小さいため太りにくい献立にしたにもかかわらず、それでもお腹は少し大きめになったのです。
「もしかしたら体質か何かなんだろうか?兎に角大きくなりすぎなかったことを幸いとするべきか。」
もしも太りにくい献立にしていなければもっと大きくなっていたかもしれないと斉彬は思いました。
「それでも少し難産にはなりそうだから気を付けなければ。」
-
そんな斉彬の心配をよそに玉桜は場内を歩き回っていました。
顔見知りの女中も増え、玉桜は色々と話をしていました。
「うん…?」
その時でした。玉桜のお腹が張り始めたのは。
「どうしたのですか、玉桜様。」
「うむ、なんでもない。」
ただの、産み月のお腹の張りだと気にせず、お腹をなで自室に向かう玉桜。
しかしこのとき彼女は気付きませんでした。
このお腹の張りが、陣痛の開始を示している事に--
-
玉桜はお腹の張りを特に気にせず、自室に向かう。
「ふう〜〜、お腹が重いのう、少し一休みするか。」
そして自室に着いた玉桜は休もうとしたのだった。
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布団の上で横になり、睡眠を取ろうとする玉桜。
しかし、腹の張りが、定期的に襲い眠れません。
「ひょっとしてこれが陣痛かの…」
彼女が気付き立ち上がろうとした時でした。
「うぐぅぅぅっ!?」
立ち上がれない程の痛みが彼女を襲ったのです。
-
ちょうどその時斉彬が部屋に入ってきた。
「玉桜、調子は・・・って玉桜!?」
倒れている玉桜を見た斉彬はすぐに玉桜の元に行く。
「大丈夫か、玉桜!!」
-
「大丈夫じゃ…大丈夫じゃが、痛いの…これが、子を生む痛みか…」
お腹を擦りながら玉桜が呟く。
「良かった…今のうちに産室へ連れていくぞ。」
そういって斉彬はお姫様抱っこをしながら玉桜を産室へと連れていくのだった。
近くにいた側近に、産婆を連れてくるように頼む斉彬。
産婆が来るまでは側にいてやろうと決意しているのだった…
-
斉彬の懸念どおり難産になった。
玉桜は陣痛で相当苦しんでいた。
この様子を見て斉彬は産婆が来ても玉桜の傍にいた方がいいのでは?と思った。
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「ぐぅっ…はぁ、はぁ…腰が…腰が痛むのじゃぁ…斉彬ぁ、助けてたも…」
斉彬の袖を掴みながら、産室で必死に陣痛に耐える玉桜。
その様子は何時もの元気な玉桜から想像できないくらいか弱かった。
慣例では出産時には斉彬は立ちあってはいけない。
だが、斉彬はその慣例を破ってでも側に居たかった。
それほどまでに斉彬には玉桜がか弱く見えたのだった…
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とりあえずそれは産婆が来てから考えることにした。
今は玉桜の傍に居よう、そう斉彬は決意した。
一方玉桜のほうは息んでいるものの中々出てこない上に、まだ破水も起きていない。
どうやら鬼の一族の胎児は体だけでなく羊膜も丈夫なようだ。
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玉桜が息むものの一向に中々出てくる気配が無い。
その様子に斉彬は自分に何か出来ることがないか悩み始めた。
そうしている内に産婆が来たのだった。
-
「おおっ、待たせたなっ!!すぐに取り掛かるからの。」
到着するや否や産婆は直ぐに助産に取り掛かる。
斉彬がいること事など気にせずに。
-
「やはり難産になっかぁ。大丈夫かい姫さん?」
産婆は助産に集中しており、どうやら慣例には興味がない、もしくは知らないようだ。
「少し様子を見て、まだ降りてこなかったらお腹を押したほうがいいかもしれないね。」
産婆はそう言う。
-
「はよう、はよう楽にしてくれ…わらわはもう、辛いのは嫌じゃあ…」
涙ながらに訴える玉桜に、産婆がかたる。
「そんなんじゃ母親らしくないよ!母は強し!
どんなに辛いときでも辛いって言ったらだめだ。余計に辛くなるからね。
あたしがいるから安心して任せるんだ、いいかい?」
その言葉に覚悟を決めたのか、涙目はすっかりキリリとした目になっていた。
そして、ただ陣痛にあわせて息み始めた。
数刻後。
パシャァ、と言う音がして、ようやく破水する。
だが、赤ちゃんは下がる気配がなかった。
産婆は斉彬に話しかける。
お産の進みが悪いから、玉桜のお腹を押してくれ、と。
-
言われた通りに斉彬は玉桜のお腹を押し始める。
「うっ、あああっ!!」
お腹を押された玉桜は声を上げる。
その声に斉彬は一瞬押すのを止めるものの、産婆に構わず押しなさいと指示されたので斉彬は玉桜のお腹を押し続ける。
それでも一向に出てくる気配がない。
どうやら胎児の頭が子宮口で引っかかってなかなか前に進めないらしい。
-
「むむぅ…はぁ、はぁ、…親を、手こずらせおって…
将来話をする時が楽しみじゃの…」
荒い息をしながらも、そう呟く玉桜。
その姿は少女ではなく、母親だった。
玉桜必死に息んで、それにあわせて斉彬がお腹を押す。
夫婦の共同作業と言えるだろう。
そして、ようやく。
つかえていた頭が、見え始めていた。
その頭には角が生えている。
どうやらそれが、引っ掛かっていた原因のようだった。
-
「!?、くっ。」
玉桜が一瞬顔を顰める。
よく見ると膣から血が出ていた。
どうやら胎児に生えている角で産道等を傷つけられたようだ。
しかし今は産むことが先決しなければならない。
玉桜は再び息み始め、斉彬がお腹を押す。
またしても中々進まない、どうやら今度は肩が引っ掛かっているようだ。
-
「ホントに、お主は…母親を、苦しめて…
大きくなったら、説教してやらねばの…」
玉桜はそう呟き、息みを強くした。
それにあわせて、斉彬もお腹を押す。
数刻ほどたっただろうか。
ぐるり、と胎児が回転しながら肩が現れたのだった。
-
大分体が出てきたが玉桜はかなり疲労が溜まっていた。
もともと玉桜の骨盤が小さめな上に胎児が少し大きいのである。
それに出血も重なって玉桜はかなり弱っていた。
今胎児が産道を通っている状態でも骨盤の小さい玉桜にはかなりの苦痛であった。
-
それでも玉桜は息み続ける。
気が遠くなりそうになりながら、息も弱々しくなりながら。
それは、斉彬の赤子をこの世に産まれさせるため。
自らの命を引き換えにしてでも、赤子を産もうとしていた。
斉彬もそれを感じていたのか。
玉桜を助けるために、少しでも早く産まれさせようと、息みに合わせてお腹を押していた。
-
玉桜の膣は大きい胎児を無理に通しているため既に裂けていた。
それでも玉桜は息み続けた。
普通なら気を失っていそうだが、これも鬼の一族ならではか。
その頑張りもあって少しずつ胎児は進んでいた。
-
そして、長い長い時間をかけて、ようやく。
胎児の全てが現れたのだった。
「オギャア!オギャア!」
激しく泣くその赤子は女の子。
斉彬は少し残念そうだが、玉桜は嬉しそうだ。
鬼の血が濃いのか、角が生え、体も大きい。
玉桜はその赤子を抱きながら気を失っていた。
数週間後。
鬼の体力でなんとか回復した玉桜は、玉梅(ぎょくばい)と名付けられた女の子にお乳をあげていた。
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玉桜の下腹部には一本の線が性器と繋がるように出来ていた。
出産の時に裂けた膣の傷である。
回復はしたが傷跡は残ってしまったのだ。
しかし玉桜はこれを母の証と思い気にしなかった。
そんな母に抱かれながら無事に産まれた子供、玉梅はすくすくと育っている。
鬼姫の出産
終
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