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大自然のなかで(リレー)

1 : :2013/08/04(日) 01:05:21
夜も明けきらない駅前のバス停に、一台の大型バスが停まっていた。
まだ通勤や通学には時間が早く、辺りに人影はない。そんななか、その大型バスには続々と人が乗り込んでいく。
バスのフロントガラスには、ツアーの行き先を示す紙が貼られていた。
『感動、快感!秘境で出産ツアー』
妊婦たちの間で、今大人気のツアーだ。
コンセプトは、大自然に抱かれて自然のままの出産体験を。
このコンセプトと、本格的な絶景や秘境に行けるというお得感がウケていた。
参加出来るのは、出産予定日間近な妊婦のみ。
自然出産が基本のため、個人での分娩に関する器具の持ち込みは一切禁止されている。
乗り込んでいくツアー客たちも皆、鞄一つという身軽さで一様に腹部が大きい。それどころか、添乗員の女性も大きな臨月腹を抱えていた。
やがてバスは、予定の人数を乗せてバス停を発車した。
これから、出産ツアーが始まる。


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2 : :2013/08/04(日) 01:06:52
「えー、皆さま、大変お待たせ致しました。今回は私どものツアーをご利用頂きまして…」
添乗員の女性が、走り出したバスのなかでマイクを握る。
ツアー客は、定員いっぱいの42名。
若い女性がほとんどだが、まだ未成年と思しき少女や男性の姿もある。
しかしその誰もが、決まって大きく突き出した腹を抱えていた。
「あの…」
声をかけられて、ナツミはふと窓から視線を外した。
隣の席の女性が、こちらを見つめている。
「私、ユキっていうの。よろしくね」
人懐っこい笑顔で、彼女はそう言った。
二十代前半くらいだろうか、ナツミより少し若い感じだの微笑みだ。
「ナツミよ。よろしく」
「ナツミさん、出産経験は?」
ユキはナツミのお腹を見つめながら恐る恐る尋ねた。「ナツミでいいわよ。
出産はこれが初めて。貴女は?」
ナツミの言葉に、ユキは少しほっとしたような顔をする。
「私も、初産なんです。このツアー、すごく良いって聞いて参加したんですけど、なんだか怖くて…。
ぁ、私もユキで大丈夫です」
「予定日はいつなの?」
「明後日です。ナツミは?随分、大きいですね」
ユキの言うように、ナツミの腹部はマタニティードレスでも隠しきれないほど大きく突き出していた。
そんな腹を優しく撫でながら、ナツミは少し困ったように笑った。
「私は先月だったの。そうじゃなくても、三つ子らしいのに」
「えっ、すごい。私も双子が良かったんです」
「産まれたら、一人あげる?」
ナツミの冗談に、二人はすっかり打ち解けて笑い合った。



***
以降、リレーになります。始めはこの二人の出産を、二人が終わったら、参加者様の好きな設定のお客さんを追加して下さい。

名前は、みんながわかるようにカタカナで。


3 : :2013/08/04(日) 01:08:15
バスはそれから、まる1日かかって山奥の空地に停車した。
すぐそばに川が流れ、木々のざわめきと鳥の声しかしない。
「さぁ、到着しました。
皆さまにはこれから、この先にありますコテージにご宿泊いただいて、お好きな環境で出産に臨んでいただきます」
添乗員が、小さな旗を掲げて言った。
「もし、どうしても難産だという場合には、私どものバスにのみ医療器具がございますので、お声をかけてください。では一度、コテージにご案内いたします」そして添乗員の女性は、林のなかの細い道を歩き始めた。
「さぁ、行こうユキ」
「うん」
ナツミとユキの二人も、大きなお腹を抱えて小道へと歩き出した。


4 : Shouki M. :2013/08/05(月) 21:39:07
コテージへの道程である小道は比較的なだらかな勾配だったが、臨月を迎えた妊婦にとっては決して楽とは
いえない物だった。それでも添乗員や参加客一行の中で誰も辛い顔をする者は居なかった。

「随分と長い道程ですね、ナツミさんは大丈夫ですか?」
「産気付いてそのまま産む事になったらそれはそれで話のネタには困らないわ。それに、足腰が鍛えられる
 事でお産も楽に進むと云われてるしね」
「初めてだというのに、随分と余裕なんですねナツミさんって。」
「ユキの方こそ心配性ね。そんな事じゃ楽に進むものも進まないわ。そうだ、折角だからお互いにそれぞれ
 の子供を取り上げるっていうのはどう?」
「それなら… 私としても非常に心強いですね。是非とも御願いします。」
「じゃ、それで決定ね。」



幸か不幸か、コテージへの行程内で誰も産気付く者はなく全員無事に宿泊地であるコテージに到着した。


5 : 無明 :2013/08/06(火) 16:52:48
コテージはいくつかが並んでおり、一人一部屋、1軒あたり7人前後という割り当てられ方であった。
どれにも共通しているのは森林に囲まれていること、広い芝生の庭があることである。
「それにしても、この部屋割りだと私達、隣の部屋になるわね。改めてよろしく」
「こちらこそ」
中をひと通り確認したところ、部屋の作りは全く共通で、窓がひとつにドレッサー兼用であろう机と椅子、そして窓際に一人用のベッドがあるくらいであった。
二人はまず重い荷物をおろし、ベッドに腰掛けた。
このツアーのための改造なのか、隣室との間には開け閉め可能な小窓があり、意思疎通ができるようになっていた。
時計を見ても夕食の時間にはまだかなり余裕が有るようで、その小窓をあけたまま、二人はしばし談笑した。


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6 : Shouki M. :2013/08/09(金) 22:33:24
「ナツミさんはどういう切っ掛けでこのツアーに参加しようという気になったんですか?」
「以前動画共有サイトで海外ユーザーの自然出産を観て、私達って病院や助産院に頼る事無しに
 自分の力だけで産む事が出来るんだなって凄く感動しちゃって」
「そうだったんですか。私はPCもスマホも持ってないものですから…」
「なら、今一緒に観てみる?」

そうニッコリと笑い、ナツミは鞄から自分のスマホを取り出してみせた。




「……動画に映ってた方、赤ちゃん産むまで終始叫びっ放しでしたね」
「あぁやって陣痛や息みを常に逃がし続けてながら、常に自分にとって楽な姿勢でタイミングに
 併せて息んでたって訳。だからその割に苦しんでた様子は一切無かったでしょ?」
「成る程、このツアーも私達にこの様な体験を味わって貰いたかった訳なんですね」
「周りは大自然。仮に近くに人が居たとしても私達と同様ツアーの参加客って訳だし、恥ずかし
 がる事無く思いっ切り叫んで赤ちゃんを産んじゃえばいいのよ」
「そうですね。でも念には念を入れていざという時のクッション代わりになる草の生い茂った場所
 を予め調べた上で確保しておかないと」
「ユキもすっかりその気になったわね。明日日が明けたら散歩がてら付近を回ってみましょうか」


そんなこんなで話に花が咲いた所で、添乗員が部屋にやって来て二人に夕食の準備が出来た事を
伝えに来たのであった。


7 : 無明 :2013/08/10(土) 00:56:40
夕食の席は自由らしく、二人は隣り合って座った。
食事は栄養もさることながら量もきちんと考慮されており、三つ子を妊娠しているナツミでも非常に食べやすいような工夫がされていた。
ユキとナツミ以外にこのコテージの5人も年齢が近いためか、話しているうちに、すぐに打ち解けることができた。
今回が二度目の出産で、旅行気分も味わえるから参加したという38週のミカをはじめ、出産は三度目だが病院での分娩に嫌気がさし、このツアーに参加したという46週のアリサなど、みな色々な理由でこのツアーに参加したようだ。
こうして、一日目の夕食は自己紹介で持ちきりとなった。
夕食の後は再びの自由時間。
都会とはまるで違う夜空に魅力を感じたらしく、みな庭や窓から空を眺めていた。


8 : Shouki M. :2013/08/14(水) 14:05:55
ナツミとユキは他の外出組と共に庭に出て綺麗な夜空を眺めていた。


「雲一つ無い綺麗な夜空ですね。こんなに星々がクッキリと見えるなんて」
「ほら観てユキ、大きな満月も浮かんでるわよ」
「本当。こんな夜空の下で子供を産めたら最高の思い出になりそうですね」
「そういえば知ってる? お産って統計的にも満月や新月の時が一番多いんだって」
「本当ですか? なら今晩中にも産まれそうな方が多いかも… あれ」


一通り会話を交わした所でユキが何か違和感を感じたらしくお腹の辺りをさすっている。

「気のせいかしら、お腹が段々硬く張り詰めて行ってる様な気がするの」
「奇遇ね、実は私もさっきからそうなの」
「もしかすると、お互いに希望が叶う事になりそうですね」
「それなら善は急げってね。まだ動ける内に準備をしないと」

二人は自室に戻り、最低限必要な物をバックパックに詰めて夜の大自然へと繰り出す事にした。
勿論移動中、足下の安全を確保すべくLED懐中電灯は常に照らしている。


ナツミとユキは満月の見える草原を目指して歩みを進めていた。
出来る事なら満月の夜空の下新しい家族を迎えてあげたい、そう思っての事である。

「ナツミさん、様子は如何ですか?」
「こっちはもう硬く張り詰めっ放しだけど今の所まだ痛みは無いわ。でも歩く事で陣痛が促進される
 って言うし痛みが来るまでには場所を確保したいわね」
「そうですね。私の方ももうずっと同じ調子ですしそう時間は掛からないでしょう」
「まぁ、完全に願いは叶わなくともその時はその時って事で」
「此処迄来たら自然の成り行きに任せるしかありません」


9 : 名無しさん :2013/12/01(日) 01:05:07
歩みを進めてから一時間と少しが経っていた。
満月が明々と照らす開けた大草原を目前にして、ナツミとユキは息みと陣痛をやり過ごすべく
立ち止まっていた。陣痛の間隔はもう其程長くはなく、道程の後半辺りからは歩いては立ち止
まっての繰り返しだった。

「ユキ、大丈夫? ほら、もう直ぐ其処まで来てるわ。赤ちゃんの方もね」
「そうですね… 痛いのは元より、息みを堪えなきゃならないってのが本当に辛いですね。
 ナツミさんが居なかったら今頃私はどうなっていたか」
「でもまだこれはほんの序の口よ。陣痛の間隔が無くなってからが本当の始まりなんだから。
 ユキの方はもう痛みは引いた? 私の方はもう大丈夫だけど」
「う、んっ… 何とか、動く事は出来そうです」
「善は急げ。草の生い茂ってる場所に急いで準備を整えましょう」


二人は陣痛の間隔が狭まる中で月がよく見え、且つ自然のクッションとも形容される位に生い
茂った草原を陣取るとバックパックを下ろして中から処置用のキットを取り出すと、お互いの
下着を手伝い合いながら脱ぎ下ろした。
準備が整った頃には、もう二人の陣痛の間隔は無くなっていて息みの衝動も強くなっていた。

「良かった、間に合って…」
「そうね。私達、もう少ししたらお腹の中の子達に会えるのよ」

ナツミとユキは互いに膝立ちの姿勢で向かい合って互いの体重を支え合う様な格好で抱きしめ
合ったまま間隔の無くなった陣痛を堪え忍び――――

「あぁっ、ナツミさんっ!!」
「ユキ!? わ、私もっっ!!」

一際強くなった陣痛に二人が一層強く抱きしめ合った刹那、二人の会陰から物凄い勢いで羊水
が溢れ出た。破水が始まったのだ――


10 : とね :2014/01/02(木) 10:42:15
満月の光に照らされ、ユキとナツミはお互い抱きしめながら、息んでいた。

「うう゛んぅーーー!!いったいいぃぃっ!いたいっ!!さけるぅーーーー!!!」
「はあぁぁーーー、はぁぁーーああ゛ぁあーーー!!」

ほぼ、同じタイミングで息んでいるが、ナツミの会陰からは一人目の胎児の頭が挟まっているが、ユキの方は会陰の奥に頭らしきものが覗くものの、息むのを止めると引っ込んでしまう。


11 : :2014/01/23(木) 02:41:26
「はぁはぁ、…私、だいぶ出てきた、かも…」
言いながら、ナツミは片手で自分の股間をまさぐった。
指先に少しだけ出かかった胎児の頭が触れる。
「あ、ナツミさん、頭が見えてきてますよ!」
ナツミの言葉に、彼女の股を覗いたユキが興奮したように声を上げた。
「はぁ、はぁ、ごめんユキ。1人目は、先に産まれそうっ」
そこまで言うと、ナツミは再び苦し気な表情で息を吸った。
「ううんんんーーーーーーっんん、痛ッ!!…はぁはぁ」
両足を大きく広げて、膝を曲げて踏ん張る。
ナツミの会陰から覗く胎児の頭が少しだけ大きくなった。


12 : Shouki M. :2014/02/17(月) 20:26:47
「ナツミさん、段々と出て来てますよ。後少しです!」
「痛い、裂けちゃいそうに痛い… でも息みたいっ!!」

息みと短息を繰り返してる内にもうナツミの会陰は目一杯に開かれていた。
今にも裂けてしまいそうだが、もう一踏ん張りで頭部が外界に現れそうな雰囲気ですらある。

ユキの方もそんなに余裕はないのだが、ナツミをサポートすべく脚を広げ腰を落とし両腕で
彼女の全体重を支え全力で息みやすくする。

「…駄目ッ、もう我慢出来ない!!」
「私もよ、一緒に息みましょう! せーのぉっ!!」

ナツミとユキは我が子達を外界に導くべく腹の底から大声を上げて息み始めた。

「「うう゛んぅーーー ああ゛ぁぁぁーーーっ!!」」


ナツミの会陰からはバシャッという水音と共に1人目の頭部が飛び出て、ユキの方はググッと
と我が子が降りて来たと同時に自分の脚の間にキッチリと挟まった様な感覚を憶えた。


13 : とね :2014/04/26(土) 14:37:16
「はぁ……はぁ、あ、あたま………出たぁ…………!」
「うう゛ぅんーーー!!挟まってるぅーーーっ!!」
ナツミは頭部が出たため裂けそうな痛みは軽減し余裕があるが、ユキの方は頭頂部が挟まり焼けそうな痛みで目から涙がこぼれ落ちる。


14 : :2014/07/03(木) 18:46:56 HOST:proxy20004.docomo.ne.jp
ユキは大きく股を広げ、お腹を抱えてその場にしゃがみ込んだ。
会陰を大きく押し広げそてこに挟まる胎児の頭が、満月の光りを受けて、てらてらと光る。
「ユキっ、もう一頑張りだよ!わかるでしょ、頭出かかってるから…!」
自分も股間から胎児の頭を出したまま、ナツミは膝立ちでユキの両肩を支えると、彼女の手をそっと児頭へと導いてやる。
「……ぁ…!」
ユキが、声を震わせた。
大きなお腹で見ることは出来ないが、確かに胎児が出かかっている。
「ナツミさん、私、もうすぐ赤ちゃんに会えますね…」
しかしナツミは、ユキに応えてやることはできなかった。
次の陣痛に息を詰めて足を大きく開き、股間から出ている頭に両手を添える。


15 : :2014/07/03(木) 18:52:57 HOST:proxy20004.docomo.ne.jp
(すっかり忘れてましたけど、ナツミは予定日過ぎの三つ子でしたよね。少し難産でも良いのかと)


16 : 無明 :2014/07/04(金) 00:52:12 HOST:112-70-19-202f1.osk1.eonet.ne.jp
「ふぅゔぅぅぅっ………!」
声をこらえ、ナツミは最後の一息みをかけた。
ずるん、と滑り降りるように身体が抜け出て、軟らかい草の上にゆっくりと落ちる。
「生まれた……」
安堵し、生まれた赤ん坊を抱き上げる。
そしてそれに触発されたかのように、ユキも強く息んだ。
軽く裂けてしまったが、残っている羊水に乗って、すんなりと赤ん坊が押し出されてくる。


17 : Shouki M. :2014/07/04(金) 02:15:28 HOST:d61-11-165-116.cna.ne.jp
ナツミが第一子を出産したのに呼応するかの様に、ユキの子も正に産まれ出ようとしていた。

「んーゔぅぅっ……」

ユキの息みと共に十月十日という時間を掛けて育ってきた命が頭、両肩の順番で押し出されて来て…

「あっ…! はッはッはッはぁッあッあッあぁッあぁッあああぁーーーーっ!!」

バッシャーン

慌てて差し出したユキの両の掌の中に産まれ落ち、彼女の胎内に残ってた羊水が生まれたばかりの
我が子に勢い良く降り注がれた。そして暫しの静寂の後、この世に生まれ落ちたそれぞれの我が子が
外界の空気を吸おうと必死に産声を上げた。


「ナツミさん、私… この子が私の中から産まれて来るのがはっきり分かったわ…」
「おめでとう、ユキ… 初めてのお産が良いお産で良かったわね」

初めての出産を終えて感極まるユキに対して労いの言葉を掛けるナツミ。しかし安堵も束の間、ナツミ
に再び陣痛が襲う。そう、彼女の出産はまだ終わってはいないのだった。


18 : 無明 :2014/07/04(金) 03:36:36 HOST:KD182250246008.au-net.ne.jp
「後二人居るからね……っ!」
体勢を変え横になり、ナツミは言う。
先ほど生まれた第一子を抱き抱え、初乳を飲ませながら次の陣痛を待つ。
手出しは極力しないし、何より、自分の知識と体力では出来ようもない。
ユキはただただ、ナツミの行動に見入っていた。


19 : :2014/07/10(木) 12:42:00 HOST:proxy20012.docomo.ne.jp
草の上に身体を横たえて暫くすると、不意にナツミが眉を寄せた。
赤ちゃんを抱いていない方の手で、まだまだ大きなお腹を抱えて息を詰める。
片膝を立てた状態で息むと、彼女の会陰からずるりと胎盤が吐き出されてきた。それと同時に、再びじょわっと羊水が溢れてくる。


20 : 無明 :2014/09/17(水) 03:40:34 HOST:KD182250246234.au-net.ne.jp
更に深くしゃがむようにしてナツミがいきむ。
最初の兄弟がちゃんと道を広げてくれたからだろう。
ゆっくりと、だがスムーズに降りてくる第二子。
(がんばれ……がんばれ……ナツミさん……)
ユキも心の中でそうつぶやく。
「*鼹鼹類鵑ΔΔ叩*!」
そして、静かにいきむナツミが声を上げたその時。
第二子となる赤ん坊の頭が、外界に飛び出した。


21 : いちごみるく :2014/10/16(木) 19:17:08 HOST:KD175131061201.ppp-bb.dion.ne.jp
もっと見たいです!


22 : とね :2014/11/15(土) 17:55:25 HOST:s954115.xgsspn.imtp.tachikawa.spmode.ne.jp
「はっはっはっはっ……*ぅぅーーっん!!!」
頭が出て、ゆっくりと回転しながら両肩が出てきて滑り落ちるように体全体が出て一瞬のうちに2番目の子が派手な水音をたて誕生した。
ナツミはもう片方の手で子供を抱き上げると、ふぎゃぁああと元気なうぶ声をあげた。
喜ぶ暇もなく、次の陣痛が起き破水する。

「今、産んであげるから…」
二人の子供を抱いたまま草むらに寝そべり、大きく足を開いた。


23 : 無明 :2014/11/21(金) 23:37:29 ???
すぐそこまで下がって来ているのが、ナツミにははっきり感じられた。
「っく、ぅぅぅぅぅーーー!!!」
赤ん坊二人を抱いたまま、渾身の力で息むナツミ。
ユキは、何も言わず、真剣な面持ちで見守っている。
発露まで至っていた頭がゆっくりと、ナツミの股から滑り出て……。

産声が、辺りに響いた。

ユキとナツミが出産を終えた翌朝のこと。
46週、厳密には今日で47週目のアリサは起床一番溜め息をついた。
「本当にツアー中で生まれるのかしらね……」
朝食の為に個室を出たところで、隣部屋の客と鉢合わせた。
小柄で、ぱっと見は明らかに十代。
染めていないだろう金髪が、やたらと目立つ。
彼女は、確か……。


24 : 七条 :2014/11/22(土) 15:37:43 HOST:KD182249241101.au-net.ne.jp
「オハヨウゴザイマス、エット…」
「ああ、挨拶がまだだったわね。私はアリサ、よろしくね」
アリサは金髪の少女に挨拶をする。
「アリササン、デスネ。ワタシノ名前ト似テマス。ワタシハアリスデス。ヨロシクデス。」
彼女の名前はアリス。
日本で留学中に妊娠、ツアーの話をインターネットで知り、参加したイギリス人大学生だ。

名前が似ていることで意気投合した二人は、一緒に行動することにした。


25 : 無明 :2014/11/22(土) 20:24:52 HOST:58.188.12.228
「……そう、それじゃあ、赤ちゃんが生まれたら貴方は一度イギリスに帰って、その後また日本に来るのね」
「ハイ、momニモ説明シマシタ」
「しっかりなさいよ?お母さんになるのなら、ね」
他愛もない会話をしながら、大部屋へと歩いて行く二人。
アリサの言葉を聞き、アリスが聞き返してくる。
「Well…エット、アリササンハ、オ子サン、イルデスカ?」


26 : 七条 :2014/11/22(土) 21:50:43 HOST:KD182249241076.au-net.ne.jp
「ええ、3人ね。この子を含めて四人になるわ。
貴女からしたらベテラン妊婦さんね。分からないことが有ったら、なんでも聞いてね。」
「Wow!3ニンモデスカ!Greatデスネー。ソダテルノ、veryhardネ?」
「うーん…夫が居るから楽と言えば楽かな。アリスさんは?」
「Me?well…ワタシ、ジツハpartnerにニゲラレテ…」

アリスの話だとこうだ。
付き合っていた彼氏がいたのだが、妊娠をきっかけに連絡が取れなくなったらしい。
後に残されたのは、膨らんでいくお腹と傷心の心となっていた。
「酷い話ねぇ…」
「デモ、Meニハコノbabyガイルダケデhappyネ!」
「そう、それなら良いのだけど。」

そんな会話をしながら朝食は過ぎていく。
朝食後、二人は相談していた。何処で産むか、という相談だ。
アリスは水中出産を望んでいるらしい。
水中出産出来そうな場所を探すと2ヶ所ある。
1ヶ所は草原の近くの湖。
もう一つは山の近くにある滝壺だ。
二人はどちらに行くか話し合いで決め、決めた場所近くでキャンプすることにした。


27 : 無明 :2014/11/23(日) 00:18:56 HOST:58-188-12-228f1.osk1.eonet.ne.jp
相談の末に二人が選んだのは、滝壺の方であった。
理由としては、近くにちょうどいいサイズの洞穴があり、テント要らずだというのが大きかった。
その洞穴についた二人は、早速荷物を確認した。
着替えに湯沸かしセット、3日分の食糧にろ過器具、赤ちゃんの服と自分の着替え。
そこでアリスはあることに気がついた。
「アノ、Swimwearハ?」
「水着?着てもどうせ下は脱いじゃうしいらないんじゃない?」


28 : 七条 :2014/11/23(日) 00:29:40 HOST:KD182249241074.au-net.ne.jp
「ウー、デモ、swimwearガナイト、veryハズカシイデス…」
「気にしない気にしない。屋外で全裸で出産とか、此処でしか出来ないんだから。」
「ソウデスネ!ワタシ、littleドキドキシマス!」
アリサの言葉が感動したのか、アリスも明るくなっていた。

アリサは出産の兆候がないが、アリスの腹が少し張り始めていたので、早めに支度を終えた。
アリサは、歩いているうちに兆候が来るだろうと楽観的だった。


29 : 無明 :2014/11/23(日) 00:48:29 HOST:58-188-12-228f1.osk1.eonet.ne.jp
裸になってみると、服で隠れていた部分も含めて体型の違いなどがはっきりとわかる。
アリスはまじまじと、自分とアリサの身体とを見比べていた。
なにからなにまで違う。
胸の大きさも、お腹も。
同じような状態のはずなのに、まるで違う。
アリスはそのことが不思議だった。


30 : 七条 :2014/11/23(日) 01:00:36 HOST:KD182249241069.au-net.ne.jp
「アリササンノオ腹、verybigネ?」
「ええ。予定日超過妊娠…つまり、妊娠期間が人より長いからね。」
「Oh…ソレジャア、birthモveryhardネ?」
「うん、多分ね。でも大丈夫。3人も産んでるから。」
心配そうなアリスにアリサは自信をもって話していた。


洞窟から滝壺までは少し距離がある。
アリサは取り合えず、陣痛が来るまで徒歩で往復してみることにする。
それだけでは足りないかもしれないので、滝壺で泳ぐことも考えていた。


31 : 無明 :2014/11/23(日) 17:09:26 HOST:58-188-12-228f1.osk1.eonet.ne.jp
アリスもまだ本格的な陣痛には遠いようだ。
急に生まれるようなことはないだろう、ということで、二人揃って滝壺に入ることとなった。
二人は、そこでふと周囲を見渡した。
あるのは鬱蒼とした木々と、岩場のみ。
普段暮らすような都市部から大きく離れた、自然のまっただ中だ。


32 : 七条 :2014/11/23(日) 18:30:44 HOST:KD182249241094.au-net.ne.jp
「Oh…veryFantasickネ…」
「うん、凄く神秘的…」
二人は感動しながら回りを見ていた。
夜空の星は綺麗に見えるだろうと、夜再び来ることにした。

体が冷えないうちに二人は滝壺から上がり再び洞窟に戻る。
アリサは、お腹が冷えたのか少し調子が良くなかったが、気にせずに歩いていた。


33 : 無明 :2014/11/23(日) 21:59:06 HOST:58-188-12-228f1.osk1.eonet.ne.jp
結局その晩は特に何も起こることなく、二人は洞穴で揃って眠った。
事が進んだのは翌日の昼間頃のこと。
アリスが、朝から少しお腹が痛むと言い出したのだった。


34 : 七条 :2014/11/23(日) 22:24:49 HOST:KD182249241089.au-net.ne.jp
「それ、陣痛かもしれないわね。滝壺に行きましょう。」
話を聞いたアリサが即断で決意した。
彼女自身も前日からお腹の調子が悪かったからだ。

それは、即ち陣痛を意味するんじゃないか。
3人を産んだ妊婦のカンが、動けるうちに滝壺に向かうべきと感じたのだ。
一歩ずつ、山道を歩くアリサとアリス。
アリスは木の枝を踏んだり、木の根に躓く度に歩みを止める。
子宮に振動が響き、陣痛がキツくなるようだった。


35 : 無明 :2014/11/24(月) 05:14:52 HOST:58-188-12-228f1.osk1.eonet.ne.jp
「ウ〜、please wait……ア〜……」
「本気でマズくならない程度に休み休み行きましょう。手も貸すから!」
苦しむアリスを放ってはおけないとアリサは手を引き、なんとか滝壺へ連れて行った。
二人そろって滝壺に入り、アリサはすぐに声をかけた「アリスちゃん……初めてで不安なら、私を頼ってもいいわよ?」


36 : 七条 :2014/11/24(月) 14:40:37 HOST:KD182249241100.au-net.ne.jp
「Oh…thankyouネ、アリササン…アァ〜」
眉間にシワを寄せ、脂汗をかきながらアリスは答える。
汗だくの体を、滝壺が清めていく。
アリスもアリサも、気持ちが良さそうだった。
「っつ…私もそろそろキツいかな…」
小声でアリサも辛そうに語る。
久しぶりの感覚がやってきていた。


37 : 無明 :2014/11/25(火) 02:06:17 HOST:KD182250246234.au-net.ne.jp
それから数時間ほどたち、今は二人、岸辺で息を整えている。
初産のアリスはともかく、四回目のはずのアリサの進み具合からは彼女が難産になりそうなことが見て取れた。


38 : 七条 :2014/11/25(火) 12:41:19 HOST:KD182249241078.au-net.ne.jp
「Oh…見テクダサイ、アリササン…星ガbeautifulネ…ウゥ〜」
陣痛に苦しみながらアリスがそう話す。
アリサが陣痛の合間に上を見上げると、そこには満天の星空。

「本当…綺麗ね、感動的…」
暫し陣痛を忘れ眺めていたアリサ。
しかし、直ぐに現実に戻される。
二人の子宮口の開きは8割ほど開いていた。


39 : mdj :2014/11/27(木) 21:10:36 HOST:pdb62cf28.chibnt01.ap.so-net.ne.jp
あ、ああああアーっ


40 : とね :2014/12/16(火) 18:23:56 HOST:s959018.xgsspn.imtp.tachikawa.spmode.ne.jp
アリスが痛みを堪えきれず、悲鳴をあげた。
その瞬間、お腹の中でポンという栓が抜けたような音をアリスは感じとった。
今までより強い陣痛が彼女を襲う。
痛みのあまり硬く張り詰めた腹を抱え息んでしまう。
「ウゥウ〜……アァァーー!!」
「アリスちゃん!」
アリサも陣痛で苦しいが、アリスが水の中へ落ちてしまわないように支える。


41 : 七条 :2014/12/16(火) 18:44:49 ???
「アリササン…veryThank Youネー…ウゥー…」
アリスは苦しそうにお腹を抱えている。
アリスの回りの水は少し濁っている。
破水したのだろうか、とアリサは考えていた。
「アリスちゃん、もう息んでも良いわよ。…私はもう少し先みたいね。」
「Oh…イヨイヨデスネ…。little不安デスケド、ガンバリマス…」
そう言うとアリスは息みを開始していた。


42 : とね :2015/03/13(金) 17:28:09 HOST:210.254.89.71
「フー…フー…フッ、ンーーーッ!!」
「いいわ、アリスちゃん。上手よ。」
太もも掴み、大きくM字形に足を広げた姿で息むアリス。
息みに合わせて内側から大きく盛り上がり、会陰からわずかに頭頂部が見える、陣痛の波が引くと奥の方へ戻ってしまう。
「フゥゥゥ〜…赤チャンヲ、産ムノハ…思ッタ以上ニ、very hardネ…」
「そうね。でも赤ちゃんの頭が見えかかってるから、あと少しよ。」
「アリササンハ、マダ大丈夫デスカ?」
「うん、陣痛も強めになってきてるけど…まだまだ時間がかかりそうね」
そう言いながら、お腹をなでる。
アリサも陣痛が強くなってはいるが、まだ破水もしていない。
なにより3人の子を産んだ母としての経験がそう断言させていた。
「ウゥ〜…マタ痛クナッテキタネ…」
「じゃあ、波に合わせて息んで。」


43 : 名無しさん :2015/03/14(土) 17:53:31 HOST:112-70-238-117f1.osk1.eonet.ne.jp
「大丈夫、私がついてるから。何度も経験してるんだし、任せなさい」
「ウゥ……アリサ、サン……」
アリサはアリスの前に回り、自分の肩を持ってもらうような形で支えようとしている。
ただただ、滝の音が流れていた。


44 : 名無しさん :2015/06/15(月) 22:34:50
「うぐっ、…あああっ!!」
アリスの会陰から覗く頭が少し、本当に少しずつではあるが隠れなくなってきている。
開いた足の真ん中が盛り上がりとても艶やかだ。


45 : 名無しさん :2015/09/27(日) 20:45:29
そのとき
ゲホ、ゲホっヴォェェェェ
アリスがいきなり吐いた
「アリサ…サンワタシキモチワルイデスはぁはぁアトberryサムイデス」


46 : 名無しさん :2015/09/27(日) 20:46:05
そのとき
ゲホ、ゲホっヴォェェェェ
アリスがいきなり吐いた
「アリサ…サンワタシキモチワルイデスはぁはぁアトberryサムイデス」


47 : 名無しさん :2015/09/27(日) 23:55:47
ウゥッゲェェ、ゲェェェ!!!
止まらず再び吐く。
吐き気に寒気…低体温症かもしれない…


48 : 名無しさん :2015/09/28(月) 21:30:28
アリササンハァハァアタマガがんがんシマす
オエェェェ
アーーーオナカガー
ハー


49 : 名無しさん :2015/11/09(月) 17:50:39
もしかしたらアリスは何かの病気にかかったのかもしれない。アリサは思った。ただえさえ難ざんなのに


50 : 名無しさん :2016/04/30(土) 21:09:55
すると股間から風船のようなものが出てきた。
それは羊膜であった。
アリサがそれが羊膜だと気付いた時はパンと破裂した。
そしてアリスの膣から水が出てくる。
破水したのである。


51 : 名無しさん :2016/05/01(日) 12:14:46
とりあえずこれ以上体を冷やすのは良くないと重いアリサはアリスを連れて陸に上がることにした。
「くっ、ううううううう・・・・」
アリサは陣痛に耐えながらアリスを引っ張る。
そして岸にたどり着き陸に上がるとアリサはすぐに毛布を持ってきてアリスに被せた。


52 : 名無しさん :2016/05/01(日) 23:48:19
アリスは毛布を被せて暖めると吐き気に寒気が治まった。
どうやら体を冷やしてしまったようだ。
しかし安心は出来ないまだ赤ん坊は産まれていないのだから。
「アリスさん息めますか?」
「ハアハア、ハイナントカ・・・・・」
そう言いアリスは息み始めた。


53 : 名無しさん :2016/05/18(水) 22:53:25
「ンンンンンンンーーーーーーーッ、ウグウウウウウウウウウウウウウウウウーーーーー!!!」
アリスはただひたすら息んだ。
「アリスちゃん頑張って!!」
アリサは応援していた。
アリサの方も胎児が大分進んでいるのにも拘らず・・・・・・・・


54 : 名無しさん :2016/05/19(木) 20:11:22
その時
「ヒギィ...あーーーーーーーー」
そう叫んでアリスは気絶してしまった


55 : 名無しさん :2016/05/21(土) 23:56:48
「ア、アリササンダイジョウブデスカ?アリササン!!」
しかしアリサはすぐに気を取り戻した。
「だ、大丈夫・・・・どうやら私の方も産まれそうね・・・・・・・」
アリサは一緒に産むことを覚悟したのだった。


56 : とね :2016/05/26(木) 15:56:51
二人で毛布の上に並んで寝そべる。
夜空に満天の星空が広がっている。

「ねぇ…アリスちゃん」
「ナンデスカ?アリササン…」
「お互いの赤ちゃんにね…名前付けない……?」
「ソレハgood idea!ワタシガ、アリササンノbabyにnameをつければいいんですね」
「私がアリスちゃんの赤ちゃんに名前をつけてあげる」
「タノシミニシテマス!」

二人に陣痛がやってくる、お互いの手を握りしめ息む。
「うぅぅーーーーッ!!!」
「んん”ぅぅぅぅぅーーーー!!」
二人の膣口の周りは大きく盛り上がり胎児の頭がすぐそばにあることがうかがい知れる。


57 : 名無しさん :2016/05/28(土) 21:07:46
「もう少しよアリスちゃん!!」
「ア、アリササンモ・・・・・」
二人は同時に息む。
「ううううううぅぅぅーーーーーーー!!!」
「んんんんんーーーーーーーー!!!!」
そして遂に
ジュルリ!!!
大きな音共に二人の子供は同時に産まれた。


58 : 名無しさん :2016/08/20(土) 13:46:20
「産まれたよアリスちゃん!!」
「アリササンモウマレマシタネ・・・・・・」
二人は産まれた子供を抱きかかえる、二人の出産は無事に終わったである。
二人が出産を終えた頃に添乗員も含むツアーの者全員出産が終わったらしい。
こうして今回の出産ツアーは皆無事に出産して終わった。
皆産まれた自分の子供を抱えながらバスに乗る。
そしてバスが出発し去っていく。

大自然のなかで
    完


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