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ダイナマイティニンプ- 1 :名無しさん:2013/03/30(土) 22:33:07
- 闇夜の大都会。走る二人組の影があった。
二人の男はつい先ほど宝石店を襲い、宝石を強奪したのだ。
警察のサイレンから逃げるように路地裏を走る二人組。
「待ちなさい!」
その時、空から何者かが男たちの前に舞い降りてきた。
マントを羽織りゴムのようなピッチリとした素材でできたビキニをつけた大きなお腹の妊婦だった。
「あなたたち、痛い目にあいたくなければその宝石を渡しなさい!」
彼女こそ、ダイナマイティニンプ。この大都会を守る正義の妊婦ヒロインだ!
- 2 :無明:2013/03/30(土) 23:11:00
- (設定は色々こっちで作っちゃいました)
「うわっ、変な奴!!」
黒い目出し帽に適当な服、そして片手にはナイフという、典型的強盗スタイルの二人は空から舞い降りてきた謎の妊婦を見てそう叫ぶ。
「変な奴って何よ、もうっ!!アタシがとっちめてあげるわ!」
するとダイナマイティニンプは激怒。
そりゃ女性なのだから、「変な奴」と言われれば当然である。
そしてその、彼女が怒った、その途端。
ボン、と周りが爆発する。
「ひえーっ!?」
爆発に巻き込まれこそしないものの、あまりの光と大音響に気絶する強盗二人組。
その名の通り、ダイナマイティニンプは爆発を操る正義のスーパーヒロインなのである。
「お仕事終了!やっぱ普通の強盗相手だとこんなものね!」
気絶した強盗犯の手から宝石をふんだくると、強盗犯の足下に転がしておく。
そのうえで、強盗犯をまとめてワイヤーで縛る。
こうすれば、目覚めても強盗犯は宝石が目の前にあるのに取れないという状況で警察に見つかるのだ。
「この者強盗犯人」
そう書かれた白いカードを添えると、ダイナマイティニンプは立ち去った。
十数分後、爆発音の通報を受けて駆けつけた警察が見たのは、気絶し縛られた強盗犯と宝石、そしてカードだった………
「ねえニトロ………本当にこんなので使命を全うできるの?」
「出来るに決まっているとも。君ならね」
「またそうやってはぐらかす………」
アパートの一室、十代後半といったところの妊婦が誰かと話している。
彼女の名はダイアナ。
昼は女学生、夜はスーパーヒロインの二足の草鞋を履く、自称世界一忙しい妊婦である。
「はぐらかしてなんかいない。未来は不確定さ」
ダイアナと会話する謎の声の主はニトロ。
本当の名前はニトロナイザー・トロックスといい、宇宙の平和を守護する正義の宇宙人-----の精神体である。
彼は宇宙での戦いで肉体を失い、ダイアナの胎内に宿ることで肉体を再生すると同時にダイアナに力を貸しているのだ。
- 3 :名無しさん:2013/03/31(日) 21:24:59
- 「おはようダイアナ。」
「ふぁああ、おはよう」
「どう?お腹の赤ちゃんは」
「えぇ、相変わらず元気すぎるくらいよ」
あくびをしながらハイスクールに通うダイアナ。
この治安の悪い街では在学中に妊娠してしまう女子生徒が多い。
そのため彼女の通う学校は、妊娠してしまった女子生徒や子育て中のシングルマザーでも通学、卒業できるように配慮しているのだ。
よって大きなお腹を抱えてても、ダイアナは特に何も言われないのだ。
「眠そうね、バイト大変でしょ?」
「え、えぇ、大丈夫よ。あたしの体って丈夫だからさ・・・」
「そう?ならいいんだけど・・・」
(でもまさか私が正義のヒロインをやってるなんて言えないわよね・・・)
ダイアナはお腹をさすりながらため息をつくのであった。
- 4 :無明:2013/03/31(日) 23:18:43
- 昨夜は深夜までヒーロー活動をしていたのである。
眠たくないはずがない。
何とか最初の授業は乗り切ったものの、眠気を誘う教師の声に耐えきれず、ダイアナは次の授業の途中から寝てしまっていた。
「………アナ、ダイアナ」
ダイアナを呼ぶ声。
「ニトロ……?」
はっ、と目を覚ましたダイアナは、緑の光の中にいた。
「お休みのところ悪いけど、こうやって話しておきたいことがある」
声の主は、銀の体に緑のラインが映える、シンプルな仮面のような顔をしたスマートな男。
ニトロの、本来の姿である。
「何、急な話?」
「昨夜、君が寝ている間に強烈なエネルギーが、宇宙に向けて発されたのを感じたんだ。場所はここから北に48km,そこに住んでいる人の名前は………」
「………イアナ、ダイアナ!」
「んっ……」
「ダイアナ・ロックウェル!」
夢の中での会話は、担任のジョーンズ先生の声にかき消された。
「はいっ!?」
「妊婦なのは分かるけど、出来れば私の話をちゃんと聞きなさい!史上最年少で科学長官賞をもらった、アンドロイドの女性研究者の名前は?」
ダイアナはとっさに、夢の中に出てきた名前を口走る。
「あっはい!モニカ・マシニカノフです!」
「正解。ちゃんと予習してきたのはいいけど、これからは寝ないように気をつけなさい?」
- 5 :名無しさん:2013/04/01(月) 00:39:54
-
「はい、すみません。」
周りからはクスクス笑い声が聞こえてくる。
モニカ・マシニカノフってどんな人なのかしら?
それに強力なエネルギーってなにかしら?
とダイアナはジョーンズ先生の話も上の空で授業中考え込んでいた。
- 6 :名無しさん:2013/04/01(月) 01:33:31
- 学校が終わり、家路についたダイアナ。
「はぁ、つかれた・・・。こんなお腹で正義のヒロインもやらないといけないなんて辛いわね・・・」
ベッドにごろりと寝転ぶダイアナ。
思えば、ある日突然星空から小さな発光体がダイアナのお腹に目掛けて飛んできたのが全ての始まりであった。
なんの因果か、悪を懲らしめるスーパー妊婦ヒロインとなってしまったのだから。
「申し訳ないがだらだらと寝転んでる隙はないよダイアナ。すぐにでもモニカという少女のいる場所まで行くんだ」
「はいはい、すぐに着替えますよっと・・・」
ニトロの催促でダイアナはなんとか立ち上がり、もぞもぞと服を脱ぎ着替え始めた。
ピッチリと体に貼りつき、只でさえ大きかったが妊娠してさらに一回り大きくなった乳房と元々から大きな尻を強調させる特殊素材のビキニ。
そしておへそが突き出る孕み腹。
「うぅん、もう少しマトモな衣装はないの・・・?」
まじまじと自分の姿を見て赤面するダイアナ。
この奇抜な姿で現れるたびに悪人たちから変なやつ呼ばわりされることにやっぱり傷つくのだ。
「なぁに、正義の味方ってやつは見た目も大事なんだよダイアナ。なにより君は妊娠してても十分に綺麗だからなにも心配することはないさ。もっと今の自分に自信をもっても大丈夫だよ・・・」
- 7 :無明:2013/04/01(月) 02:17:51
- 「そうじゃないのよ。まず人間は普通こんな格好で外を出歩かないわ」
緑の光に体を包み、空をとぶダイアナ。
「そう言われても、僕らには衣服の概念はあまりないんだ。許して欲しい」
「いくら宇宙人でもそういうデリカシーが無い発言は許せないわよ?」
漫才めいたやり取りを繰り広げるダイアナとニトロは、そのまま目的地めがけて一直線に飛んでいった。
その頃、二人の向かっている建物、その地下室の一角では………
「んっ………う、くっ………」
一人の少女が、苦しげな声を上げている。
短い黒髪、白い肌。
そしてメガネを掛けている。
彼女がモニカ・マシニカノフ。
世界に誇る、天才的ロボット工学者。
だが、今の彼女はいつもと違う。
腹が、異様なほどに膨れている。
苦しむ彼女に、何者かが話しかける。
「身体が追いつかないのか?なら、俺様の力とお前の知識で動けるようにしてやる。この宇宙のエンペラー、デスニューク様の力でな………」
デスニュークと名乗るそれが、モニカを苦しめている。
数日前、宇宙空間から機械を駆動させるエネルギーを採取しようとして基準となるエネルギーを放射した。
だが、それに乗って、デスニュークはやってきた。
そして、モニカを復活のための依代としたのだ。
「誰かが来ても上手く誤魔化せ。俺様が力を取り戻すまでも助けを求めようとするなよ?」
やがて、動けないモニカの手足に機械部品がまとわりついていく………
- 8 :名無しさん:2013/04/01(月) 23:33:10
- 「・・・・・・・・・」
むっつりと不機嫌な顔で空を黙々と飛ぶダイアナ。
「何をひねくれてるんだいダイアナ?
」
「あなたのデリカシーのなさに辟易してるのよ、もう!」
「やれやれ、今の自分の姿がそんなに嫌なのかい?君が気にしてる黒ずんで大きくなった乳輪も、わたしから見ればかわいらしいと思うけどね」
「もう、全然デリカシーのかけらすらないんだから!!!」
「やれやれ・・・、地球人は繊細だなぁ・・・・・・」
そうゴタゴタ言ってる間に目的地の町へと着いた。
モニカのいる研究所から少し離れたところへで降り、普段着に着替えてから研究所を訪ねた。
研究所の玄関に立ち、インターホンに向かってダイアナは呼び掛けた。
「すいませーん、モニカさんは居らっしゃいますかー?あの、あたしモニカさんのファンでサインを貰いにきたんですよぉー」
「ファンのつもりで訪問かい?夢の中で初めて知ったくらいなのに随分図々しい方法だね」
「他に方法がないから仕方ないでしょ・・・!」
「「テレビ局や新聞記者じゃないみたいね・・・・・・。随分図々しいファンみたいだけど、いいわ。入ってきてちょうだい・・・・・・」」
インターホンの向こうから研究所の主の声が聞こえ、玄関のドアが自動的に開いた。
- 9 :無明:2013/04/02(火) 02:16:19
- 門を進んでしばらくすると、奥の方から機械の足音が聞こえてきた。
「こんな格好でごめんなさいね?見た所、ハイスクールの学生さんかしら?」
現れた人物の姿に、ダイアナは一瞬面食らった。
自分より年下というのは知っていた。
だが、目の前の相手はヘタすればジュニアハイではないのか?
なのに、だというのに。
身体に不釣り合いなほど膨らんだその大きな腹に、ダイアナの目線は釘付けになっていた。
- 10 :名無しさん:2013/04/03(水) 00:44:25
- 「・・・やっぱり驚くでしょう?このお腹」
モニカの言葉にはっとするダイアナ。
「・・・えぇ、はぁ」
「私みたいな若年の科学者で、ましてこんなお腹だから、ね・・・。マスコミ関係に知られたらめんどくさいからね」
めんどくさそうなため息をつくモニカ。
「あぁ・・・、た、確かに大変ですね。あたしみたいな一般人が妊娠しててもなんも言われないけど、モニカさんみたいな人が妊娠してるだなんて知られたら、あっという間にニュースになりますよねぇ」
「あなたみたいな学生が妊娠してるのは一般的ではないと思うけどね」
「あぁ、そうですよね・・・えへへ」
ダイアナの惚けた返事にモニカはくすりと笑った。
「せっかくだからお茶でも飲んでかない?その時にサインも描いてあげるから・・・」
「あ、ありがとうございます!」
(ダイアナ、私たちは見学しにきたわけじゃないよ。何か罠があるかもしれないから用心するんだ)
(わかってるわよニトロ・・・)
ダイアナはモニカに案内されながら廊下を進んでゆく。
- 11 :無明:2013/04/03(水) 02:35:33
- 「私の体じゃ、もうこのお腹を抱えては歩けないからね。羨ましいわ」
機械の足音、その正体はモニカの両足を覆うように取り付けられているロボットの脚であった。
なんでも、大きくなるお腹の重みを考慮して、歩行をサポートするために作ったのだという。
それをほんの数ヶ月の間に作り上げる技術力に驚きながら、心の中でダイアナはニトロに問いかける。
(どう、貴方の言っていたエネルギーとやら、なにか分かった?)
(いや、あの大きな機械から放出されたあと、宇宙からエネルギーが流れ込んでいるのが分かったんだが………それが何かまでは)
ニトロからの返答を聞くとダイアナは、すぐさまその、「大きな機械」を指さして問いかける。
「あの、モニカさん。あの機械ってなんなんですか?」
「ああ、あれね。あれは、宇宙に向けてエネルギーを放射する装置なの。ある一定の波長でエネルギーを放射すると、宇宙空間でなぜだかそれが増幅されて帰って来るのよ。それをロボットの動力源に使えないか、っていう実験台ね」
- 12 :名無しさん:2013/04/03(水) 23:52:32
- それ以上ダイアナたちは調べることができず、研究所の中をいろいろ見学させてもらい、ついでにお茶とお菓子をいただきサインをもらっただけで終わった。
「結局わからずじまいか・・・まったく骨折り損ね」
「だけど彼女のつくったエネルギー発射装置のことが気になるね。それに妊婦というきっかけでモニカと知り合うことができたしね」
「そうねぇ。・・・はぁ〜あ、つかれた。はやく帰って・・・」
「おっと、家に帰る前にスーパーヒロインとして犯罪者を捕まえないとね」
「え〜!?」
「ほら、あんなところに・・・」
「はいはい、ダイナマイティニンプ行きまーす!」
ダイアナはさっさとあの奇抜なビキニ姿になり、犯罪現場へと向かうのであった。
「やつめ、消滅と思っていたがあの女の体に宿ってるとはな・・・・・・!」
真っ暗闇の中、モニカに取りついたデスニュークはただただ不気味に笑うのであった。
- 13 :無明:2013/04/04(木) 00:49:22
- 同じ頃、モニカは件のエネルギー発射装置の前に立っていた。
否、立たされていた。
「やめ………て………」
懇願するモニカだったが、デスニュークがそれを聞き入れるはずがない。
貯蔵されたエネルギーはモニカの腹へとは微せられ、更に跳ね返ったエネルギーが、緑色に輝く怪物を作り上げる。
その怪物の姿を見て、デスニュークは忌々しげに呟く。
「全力を持ってしてこんな雑魚とは!まだこの程度しか力を取り戻せんか………まあいい。今のキサマは俺様と同じだ!どうにか出来ると思うなよ、トロックス!」
犯罪者退治を済ませて、へとへとになって帰ってきたダイアナにとって幸いだったのは、明日が祝日でありハイスクールは休みだということだろう。
明日は平和な一日で有って欲しい、と願う彼女の願いは、あっさりと崩れ去るのであった………
- 14 :名無しさん:2013/04/04(木) 23:46:36
-
深夜に響く、突然の轟音と衝撃!
「な、なに?!」
慌てたダイアナはベッドから転げ落ちた。
「なに、地震!?それともテロ?!」
急いで窓から覗くと、遠くから人々の悲鳴が聞こえる。
「ダイアナ、緊急事態だ。急いで現場に向かうんだ」
「わ、わかってるわよ・・・!」
ダイアナはダイナマイティニンプに着替え、現場へと急いだ。
そして・・・ダイアナは驚愕した。
緑色の半魚人みたいな怪物が街を破壊している様を!
- 15 :無明:2013/04/07(日) 03:58:36
- 「うわあ、ユニバーサル」
「どういう意味だい?」
「何でも無いわ………そこまでよ!」
暴れ回る半魚人に一声浴びせ、颯爽と跳躍するダイアナ。
「とりゃっ!」
掛け声とともに手をかざすと、半魚人の足元に小さな爆発。足場を崩す。
さあ、戦いだ!
- 16 :名無しさん:2013/04/07(日) 15:01:44
- 「これ以上の悪事は許さないわ!」
半魚人が雄叫びをあげて、ダイアナに爪を振り上げ襲い掛かる。
だがダイアナは半魚人の眼前で腕を向けて爆発を巻き起こした。
「ぐぎゃ!」
爆発の衝撃と炸裂音で視角と聴覚を奪われ、もがき苦しんでいる。
「とりゃあ!!」
半魚人の隙をつき、右ストレートで殴り飛ばした!
ニトロのおかげでダイアナは超人的な力を発揮できるのだ。
- 17 :無明:2013/04/11(木) 01:43:38
- 「えぇーーい!!」
裂帛の気合とともに放たれたアッパーカットは、半魚人を弾き飛ばす。
そして空高く舞い上がった半魚人は光となって消えていった。
そして、その光を吸収し、ニトロは力を取り戻していくのだ。
帰宅し、バッタリとベッドに倒れ込むダイアナ。
その体内で、ニトロは敵の正体について推察していた。
(あんな怪物をエネルギーから直接作れるのは、宇宙広しと言えどもデスニュークしかいない………まさか、そんなはずは………!!)
- 18 :名無しさん:2013/04/14(日) 22:53:36
- その後もダイアナの前に謎のモンスターたちが次々に街に現れ、破壊活動し始めた。
そのたびにダイアナはモンスターたちを退治しては街を守っていた。
だが、最初は弱いモンスターたちだったがだんだん強くなってゆき、つい最近となるとダイアナは苦戦を強いられるようになっていったのだ。
- 19 :名無しさん:2014/01/03(金) 20:24:36
- 「きゃあ!」
ビルの壁面に叩きつけられるダイアナ。今日も今日とて苦戦を強いられるのだった。
(ダイアナ、大丈夫かい?)
「大丈夫じゃないの!普通の妊婦なら流産どころか死産しちゃってるわよもう!」
ボロボロになりながらもなんとか立ち上がるダイアナ。彼女の戦うモンスターは強固な筋肉を持った緑色の巨人だった。
巨人が丸太よりも太い豪腕を振るいダイアナを殴りかかる。
「あーもう!!」
ダイアナは巨人の攻撃をなんとか避ける。防戦一方だ。
- 20 :名無しさん:2015/08/16(日) 00:28:11
- しかし巨人はその見た目通りの脳筋だったらしく自分の攻撃で作った瓦礫に足をとられ転倒してしまう。
(よしっ、チャンスだっ!ダイアナっ!!)
「うおおおーーーーっ!!」
ニトロの指示と共にダイアナが巨人に向かって行く。
- 21 :名無しさん:2015/08/17(月) 00:15:59
- 「てぇええい!」
爆炎に包まれた左腕で巨人の顔面を殴り飛ばした。
巨人は天高く吹っ飛ばされ、光となった。
その光はダイアナの腹に吸い込まれていった。
(任務完了・・・というところだな。やれやれ・・・)
「何がやれやれよ。ニトロはただあたしのお腹の中にいるだけでしょうに!」
腰に手を当てて自分の大きな腹に向かいブツブツと文句を言うダイアナであった。
- 22 :名無しさん:2015/08/17(月) 00:25:17
- そして次の日ダイアナは敵の正体を探るため調査して回っていた。
「ねえニトロ、何かわかることはないの?」
ダイアナは昨日巨人と戦った現場に来ていた。
(う~~む全然何の反応も無いようだ。敵は余程の巧妙な手を使っているな。)
全然何の情報も得られていないようだ。
- 23 :名無しさん:2015/10/26(月) 00:07:38
- (行こうダイアナ、もうこの場所からは何も情報が得られないようだ。)
「んもうっ!!少しは何か得なさいよ!!」
ダイアナは少し振り回され気味なことに少し怒っているようだ。
- 24 :名無しさん:2016/01/26(火) 09:25:12
- その時だ。
(むっ。)
ニトロが何かに気付いた。
「ど、どうしたの?」
(これまでにない、強い反応を感じる・・・。
あの気配は・・・、私たちが追っている、敵のボス、デスニュークのものだ!
しかも、その気配は・・・、いかん、モニカ穣の研究所からしているぞ!)
「な、なんですってえぇ!!なんで気づかなかったの!」
(済まない。以前は反応が微弱過ぎて、察知することができなかった・・・。)
「んもうっ、しょうもないわねっ!!」
ダイアナは即座に着替えると、走り出した。
研究所に忍び込むダイアナ。
「モニカは、どこかしら・・・。」
すると、大きな笑い声が聞こえてきた。
「ふはははは・・・、やったぞ、遂に我が肉体の復元が成就した!
モニカ・マシニカノフ、礼を言うぞ。ふははは・・・・・・。」
そこには全身が黒く染まっている、人間の形をした物が、宙に浮かんでいた。
下を見ると、モニカが壁に寄りかかっている。
「モニカ!」
ダイアナは、モニカに駆け寄り、身体を起こした。
- 25 :名無しさん:2016/01/26(火) 09:26:56
- モニカは、すぐに口を開く。
「・・・君か、ダイアナ。
すまない、アイツの存在が悪だと解っていたが、お腹の子を人質に取られてしまって・・・。」
「いいのよ、モニカ。それより、よく今まで耐えたわね。
偉いわ。
さすが、お母さんね。」
ダイアナは、モニカの頭を撫でた。
よく見ると、モニカの手や足に付いていた機械が外されている。
(ダイアナ、どうやらヤツは機械に憑りついていたようだな。)
「ええ、そのようね・・・。
ねえ、あんたがデスニューク!?」
ダイアナは、宙に浮いている怪人に話しかける。
「そうとも。
機械に憑りつき、モニカを操っていたのは、私さ。
彼女の頭脳は、素晴らしい。私の力を戻してくれたよ。感謝している。」
「黙りなさい、外道め!!
このダイアナ・ロックウェルが引導を渡してあげるわ!」
「ふはは。
やれるものならば、やってみろおっ!!」
ダイアナの、最大の闘いが始まった。
- 26 :名無しさん:2016/01/26(火) 09:44:13
- なんとか、デスニュークに近づこうとするものの、
デスニュークの放つ波動で、跳ね返されてしまうダイアナ。
「きゃあっ!」
吹き飛ばされた衝撃で、今までボロボロだった衣装が千切れてしまい、
ぼろんと、Gカップの乳房が、片方零れた。
- 27 :名無しさん:2016/01/26(火) 19:05:15
- 「くっ、このおっ!!!」
ダイアナは自分の姿を気にすることなく戦う。
「ニトロ!!波動で近づけないんだけど!!」
ダイアナはニトロにアドバイスを求める。
- 28 :名無しさん:2016/01/26(火) 23:43:19
- ニトロは、答える。
(ダイアナ、私が君にフルパワーの力を与えれば、
あの波動を弾き飛ばして、あいつと対等に戦えるだろう。)
「本当!そんな事が出来るのなら、早くそうしてよ」
(まあ、話を最後まで聞くんだ。
いいか。今、奴の力は相当凄まじい。
フルパワー状態になっても、あくまで対等になるだけなんだ。
奴が隙でも見せない限り、君は倒せる機会を見つけられないだろう。)
「ええ・・・、隙を作りだせない限り、意味ないっていうの。
じゃあ、どうするのよう・・・。」
(どうしたものだろうか・・・。なにか良い案は、無いかい?)
ダイアナとニトロが困り果てていると、モニカが立ち上がる。
そして、言った。
「誰と話しているのかは知らないけど・・・、あの馬鹿に隙を作ればいいの?
私、出来るわよ。」
それを聞いた二人は、驚いた。
- 29 :名無しさん:2016/01/26(火) 23:48:07
- 「マジ!?モニカ!
どうすればいいの!?教えて!!」
モニカは、宇宙エネルギー発射装置を指さした。
「あの馬鹿が力をつけた装置の光線を、あいつに当てればいいのよ。」
「えっ、それ相手を強くするだけなんじゃ・・・。」
「話を最後まで聞いて、ダイアナ。
あの装置の光線を浴びている間の生物は、まったく動けなくなるのよ。」
「あ、そうなんだ!」
(なるほど、それは盲点だったな・・・。)
「ようし!それじゃあ、私があいつを食い止めるから、
モニカ。あなたは、装置の発射準備をして!」
「ええ。」
デスニュークが笑いながら、しゃべる。
「何をコソコソ話している!もう、諦めたのか?
地球人の妊婦よ!」
「はっ!そんなわけないでしょ!!
いくわよ、ニトロォ!!」
(ああ・・・!フルパワー全開!!)
ニトロの声と共に、白い大きな光が、モニカを包む。
今まで倒してきた怪人たちのエネルギーが、発揮されているのだ。
だがその衝撃で、ダイアナの衣装は、ほとんど千切れてしまっていた。
「勝負はここからよっ!!」
なんとダイアナの身体が、空中へと浮かび、腹を揺らしながら、凄まじい勢いで突進する。
「せいやああっ!!」
そして、ダイアナの光が、デスニュークの波動を打ち消したのだった。
「何っ!!」
- 30 :名無しさん:2016/01/27(水) 08:10:16
- 「だだだだだあっ!!!」
ダイアナの拳の連打が、デスニュークの体を殴りまくる。
だが、デスニュークにあまりダメージは見られない。
「ふはは、力を上げた所で、私には勝てん!!」
更に大きな波動をダイアナに向かってぶつけてくる。
「はああっ!!」
ダイアナも、白いエネルギーの光を、黒き波動にぶつけた。
- 31 :名無しさん:2016/01/27(水) 10:05:26
- だが、デスニュークの波動が、またもダイアナを弾き飛ばしてしまう。
「ああうっ!!」
ダイアナは、またも吹き飛ばされた。
「終りだあっ!!」
デスニュークが止めを刺そうとした時だ。
強い光が、デスニュークを包んだのだ。
「何いっ。」
デスニュークが下を見ると、モニカがエネルギー装置の光線を発射していたのだ。
(今だっ!ダイアナ!!エネルギーをさらに集中させるんだっ!!)
「オッケー!!」
ダイアナの白い光が、拳に集中していく。
ダイアナは、デスニュークに飛びかかる。
「モニカを苦しめたお礼は、一兆倍にして返させてもらうわっ!!
くらえええっっっ!!!」
ダイアナの放った拳の光が、デスニュークの体を打ち砕いた!
「ぐあああ・・・あ・・・、そんな・・・ば・・・か・・・なあ・・・。」
デスニュークが、断末魔を叫ぶ。
ダイアナの怒りの拳が、宇宙から来た悪を、一片も残さず、消滅させたのであった。
どぐあああああぁぁんんんんんっっ!!!
だが、その衝撃の余波で、モニカの研究所まで爆発してしまったのだ。
- 32 :名無しさん:2016/01/27(水) 10:11:11
- 瓦礫の山と化した研究所の中で、黒ずんだ乳輪をした裸の妊婦が横たわっている。
(大丈夫か、ダイアナ。よくやってくれたよ!)
「うう、いたたた・・・!」
ニトロの声に気付き、なんとか身を起こすダイアナ。
「・・・あいつは、死んだの?」
その声に振り替えると、モニカが立っていた。
「ああっ!モニカ!ご、ごめんなさい!こ、ここまでするつもりは・・・。」
素っ裸である事も忘れて、モニカに謝るダイアナ。
だが、モニカは笑っていた。
「いいのよ、研究所はまた建て直せばいいんだから。
それより、あいつをやっつけてくれて、本当に感謝するわ!」
「モニカ・・・。」
二人は、にっこりとほほ笑んだ。
「あう・・・っ。」
と、モニカが地面に座り込んだ。
「ど、どうしたのモニカ!」
モニカは、お腹を触って、冷静な口調で言った。
「・・・産まれそう。」
「えええっ!!ま、待って!すぐに私が・・・って、あれれ?」
モニカを連れて歩こうとしたダイアナも、座り込んだ。
ダイアナがお腹を触ってみると、硬くなっている。
ダイアナのお腹も、猛烈に張り出していたのだ。
「ど、どういうこと!予定日までは、まだちょっとある筈なのに・・・!」
不思議がるダイアナに、ニトロの声がした。
(すまない、ダイアナ。言うのを忘れていた。
フルパワーを出すと、その副作用が君の体に影響を及ぼすんだ。
今回は、君のお腹の胎児が出産の体勢を始めたんだろう。元々、産まれる寸前だったからね。)
「はあっ!?何よそれ・・・。
そういう事は、事前に・・・、うっ!」
文句を言おうとしたダイアナの尻から、羊水が噴き出した。破水したのである。
- 33 :名無しさん:2016/01/27(水) 10:12:23
- 幸い、騒ぎを聞きつけた近隣の住民が、救援を呼んだ。
救援に駆け付けた者が見たのは、天才ロボット工学者と、なぜか裸の女学生が、
大きな孕み腹をかかえて、唸っている姿だった・・・。
その後、産院へ入ったダイアナとモニカは、元気な子供を産んだ。
どちらとも、男の子であった。
退院後、モニカは子育てをしながら、また研究職へと戻った。
ダイアナはと言うと。
「待ちなさいっ!」
夜の都会を走る強盗の前に、立ちふさがる影。
マントを羽織り、もう慣れてきたのか、前よりさらに露出度の高いビキニを来た女性だ。
昼は女学生、夜はスーパーヒロイン、そして母親となったダイアナだ。
宿敵を倒したニトロは、地球に住み着くようになった。
ダイアナは、子育てをしながら、この世の悪を倒し続けている。
今宵も、正義のスーパーヒロインが、舞う・・・。
ダイナマイティニンプ
END
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