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放課後の教室- 1 :楓:2013/03/16(土) 13:56:01
- 佐久間弥生(16)
レイプされて孕んだ子供を放課後の教室で産む。
ただそれだけ。
- 2 :楓:2013/03/16(土) 13:57:40
- 「あっ……!」
誰も居ない夜の教室。
- 3 :無能:2013/03/16(土) 14:38:33
-
厳格な両親に頼れるはずもない弥生は、昼頃から陣痛が始まったことには気づいていたが、なんとか耐えて、現在に至る。
「あぁー!もう!」
机の脚をつかみ、四つん這いになって陣痛に耐えている弥生だが、一つ問題があった。
弥生の身長は小柄で145センチしかないのだが、レイプ犯は大柄な男で190センチあったため、小型犬が大型犬の子を産むような状態であるが、もちろん弥生はそんをなことは知らずに陣痛に耐えていた。
- 4 :無明:2013/03/16(土) 14:55:58
- 当然、自分をレイプした相手の顔なんか覚えてもいないし、思い出したくもない。
でも、この子は別だ。
厳格な両親に私が反発した、その証。
失うわけにはいかない。
自分にそう言い聞かせ、弥生は声を押し殺して痛みに耐える。
長い髪が汗で首筋に張り付き、気持ち悪い。
額から、掌から、汗がじっとりとにじむ。
暑くてかなわないと、弥生はブラウスをぬぎ、息を荒げた。
窓の外から、月光が射し込んでくる。
- 5 :楓:2013/07/16(火) 23:28:42
- 昼から始まった陣痛は痛みを増し続け、もう間隔なんてものは無くなっていた。
相場なんて分からないけれど、比較的長いのではないかと思う。
あぁ、間隔がある時に調べれば良かった。
なんてことを考えながら椅子の座面に置いたスマホを見た。
丁度光ってる。
9時…もう九時間耐えた。
どれくらい子宮口が開いたか確認しよう。
「っ…………あ、あぁ゛!!」
汗で手が滑るが、小柄なりにある握力で上体を起こす。
長時間同じ体勢でいたからか骨盤も固まっていて、余計痛い。
重力に従って子供が下がって、ずっしりとした痛みがおそう。
- 6 :楓:2013/07/16(火) 23:29:06
- 昼から始まった陣痛は痛みを増し続け、もう間隔なんてものは無くなっていた。
相場なんて分からないけれど、比較的長いのではないかと思う。
あぁ、間隔がある時に調べれば良かった。
なんてことを考えながら椅子の座面に置いたスマホを見た。
丁度光ってる。
9時…もう九時間耐えた。
どれくらい子宮口が開いたか確認しよう。
「っ…………あ、あぁ゛!!」
汗で手が滑るが、小柄なりにある握力で上体を起こす。
長時間同じ体勢でいたからか骨盤も固まっていて、余計痛い。
重力に従って子供が下がって、ずっしりとした痛みがおそう。
- 7 :名無しさん:2014/07/22(火) 03:32:40 HOST:118-87-180-212.cnc.jp
- 「うう〜ん、あーっ。痛い…あっ…」
弥生の細い腰を、生理痛を何十倍にしたような、重く辛い痛みが襲う。
「ぐっ!…あっ、ああああっ!」
更に固まった骨盤がギシギシと音を立てながら開く、腰がバラバラになりそうな激痛が続き、弥生は思わず腰を押さえて横向きに倒れこんだ。
「ううっ…こ、腰が…ああ…」
誰かに腰を強く指圧してもらいたいが、人を呼ぶわけにもいかず、弥生は仕方なく自分で自分の腰を揉みしだいた。
「あっ、あああ…ふぅー」
何とか楽になるツボを見つけ、弥生は横向きに倒れたまま、ひたすら自分の腰をマッサージし続けた。
- 8 :無明:2014/07/22(火) 23:37:08 HOST:KD182250246003.au-net.ne.jp
- だが、この大きな腹を抱えてでは無理のある姿勢だ。
そう長くは続けられない。
助けを呼ぶわけにもいかないが、一人で耐えるには辛過ぎる。
その矛盾の中で、弥生は苦しみ続けていた。
痛みといきみの衝動をこらえるために、弥生は体を起こすと机の一つに寄りかかり、中腰の姿勢をとった。
「うーっ……つっ、あぁ……」
それでも苦しい。
胎児が蠢き、さらなる苦痛をもたらす。
片手で腹を優しくなで、弥生は耐え続ける。
髪が汗を含み、じっとりと顔にへばりつく。
下のカッターシャツにすら、下着のラインと色が浮き出るほど汗がにじむ。
弥生はたまらず、カッターシャツをも脱ぎ捨てた。
- 9 :名無しさん:2014/07/23(水) 00:47:40 HOST:118-87-180-212.cnc.jp
- 何だか息苦しさを感じ、ブラジャーも外してしまう。
迫り来る授乳に備えて大きく張った胸があらわになるが、恥ずかしさを感じている余裕はない。
「んんんっ!あぁーっ!くぅ…。うあぁーっ!あっ、あっ、つぅーっ!うぁーっ!」
きつい陣痛の波がやってきて、弥生は思わずのけぞって悲鳴をあげた。
砕けそうな辛く耐え難い腰の痛み、そして焼け火箸を突っ込まれてかき回されているような下腹の痛みに涙が止まらなくなり、
「ああ〜!お母さん…お母さーん!」と泣き叫びながら、必死で思い切り腰を叩き、腹をさするが、痛みはますます増すばかり。
こんなに痛みがきついとは思わなかったし、痛むのはお腹だけなのかと思っていた。お腹よりむしろ腰がこんなに辛くて痛むことも、それからこれからどうしたらいいのか、どのタイミングでいきめばいいのかもわからない。
「ぐっ…あああ!うーっ!」
弥生の細い腰を、巨大な胎児が降りてこようと押し広げる猛烈な激痛が走り、
「いやぁぁぁ!腰がぁぁ!腰が痛いよー!やめてぇぇ!腰が壊れちゃうー!」と泣き叫び、弥生はまためちゃくちゃに腰を揉みしだき、机をドンドンと叩いてやり過ごそうとするが、激痛は全く遠のくことはなく、むしろ激しさを増していった。
乳が張っているせいで息も苦しい。辛い…誰かに思い切り強く腰と胸を揉んでもらいたい、そうしたら少しは楽になるのに…と、弥生は朦朧とし始めた意識の中で思いながら、必死で自分で胸と腰を揉みほぐした。
- 10 :無明:2014/07/23(水) 01:03:06 HOST:112-70-29-204f1.osk1.eonet.ne.jp
- そうして、なんとかして耐え続けるうちに、真っ暗だった空が、青く、明るくなり始めていた。
ふとそれに気が付き、窓の外に目をやった、その瞬間。
「あっ!?」
ばしゃん、と大きな水音を立て、床を、そして弥生の太ももを水しぶきが濡らす。
それと同時に、いきみの衝動は耐え難いものへと変化していった。
「ああっんぐっ………!!!!」
もう我慢できない。
彼女は軽い机の、その脚を握り締めるといきみはじめた。
- 11 :名無しさん:2014/07/25(金) 01:08:48 HOST:118-87-180-212.cnc.jp
- 「う゛ーーあっ、あ゛ー!」
いきんだ直後、腰骨がゴキゴキッと音を立て、
同時に凄まじい痛みが腰に来た。
弥生は思わず両手を腰に当ててのけぞるように悶絶した。
「ぐぅぅーっ……ああ、腰ーー!つうーーーっ!」
しかし、いきみもとまらず、巨大な胎児は更にゴキゴキと彼女の腰を破壊しながら降りてくる。
きつすぎる腰痛、そして更に子宮をねじり絞られたような痛みが加わった。
「ぐぅぅぅーっ!あ゛ーっ!つううぅぅっー!いたいよー!腰がー!お腹がー!あぁぁあ゛ーっ」」
一晩中痛みをこらえ続けた疲労で全身の筋肉がパンパンに張り
背中の筋肉も足の筋肉も攣ってしまっているが、それに気付かないほどの
腰と下腹の激痛に弥生は泣き叫んだ。
狂ったように腰と腹をさすっていたら、肩や腕の筋肉まで攣ってしまう。
ゴキゴキバキッと、更に腰骨が嫌な音を立てた。激痛が脳天に突き抜ける。
「っ……」
声も出せない痛みと辛さに、涙だけが滝のように流れた。
どうしてこんなことになってしまったのか、後悔があふれる。
ほんの一瞬陣痛の波が去るが、たまりにたまった疲れがまとめて腰に来て、
重く辛く痛み続け、弥生は全く休むことができずに、朦朧とした意識で
(お願い、誰か腰揉んで…お腹さすって…)と涙を流しながら思い続けた。
その時、ふと温かい手がむき出しの弥生の腰に当てられたように感じた。
- 12 :名無しさん:2014/07/25(金) 01:22:35 HOST:118-87-180-212.cnc.jp
- その手は優しく、しかし程よく力強く、弥生の腰や背中の痛む場所や辛いところを
的確に揉み解し、もう片方の手でカチカチに張った下腹を優しくマッサージしてくれているようだった。
(あっ…気持ちいい…もっと…)
その手が誰の手かもわからないまま、弥生は心地よさに身をゆだねた。しかし
「あうっ…くっ…き、きた!きたー!つうぅぅぅぅっー!あ゛ー、いたいいたいいたいよー!」
再び激しい陣痛の波、そしていきみの衝動が、腰を中心に弥生の全身を貫いた。
- 13 :名無しさん:2014/07/25(金) 01:37:21 HOST:118-87-180-212.cnc.jp
- 子宮の収縮に合わせるように、誰かの手がグーッと深く弥生の腰を押してくれる。
それが激痛を大分緩和してくれ、さっきの波よりも相当に楽だった。
「はぁぁぁぁぁぁー!ぐーっ!」
腰の痛む場所が少しずつ下に下がってくるが、それにぴったり合わせるように、
誰かの手は弥生の腰さすったり揉んだり押したりしてくれる。
(はあ、はあ、はあ、痛いけど、ずいぶん…楽……すごい……ああっ…)
合間にはパンパンになった背中や肩や腕も揉んでくれる。
(はぁぁーーー楽……気持ちいい…もっと…)
気づかないうちに体が冷えていたようで、手の温かみが心地いい。
(一体……誰なの……)
陣痛の合間、絶妙な力加減で腰を揉まれながら、
弥生はそっと首を回して、その誰かの顔を見た。
「!!」
- 14 :無明:2014/07/25(金) 13:26:16 HOST:112-70-29-204f1.osk1.eonet.ne.jp
- だが、振り向く前に激しい痛みが襲いかかり、とても顔を確認する余裕などない。
「うーーー!!っあーーーー!!!っ、ふぅー、ああぁーーー……んぐーーーぁぁーーーー!」
理性的に話しかけたりなんて無理だ。
弥生は今や、本能的に出産に挑んでいた。
ただただ、胎内の我が子をひり出す為に。
- 15 :名無しさん:2014/08/03(日) 05:22:54 HOST:118-87-180-212.cnc.jp
- 「あ゛ーーー!!つぅぅぅっーー!くっ、こ、腰ー!腰ぃぃぃーー!!」
グギグキと音を鳴らしながら、バラバラに砕けてしまったのではないかと思うほどに腰が痛み、
弥生は思わずそう叫んだ。すかさず誰かの手が、カチカチに張ってしまった弥生の腰を
こねるようにマッサージをしてくれる。
「あっ…あああっ!…んっ…んーーーっ!あっ、あっ、あああーっ!」
巨大な塊が、腰を破壊しながら少しずつ降りてくるのがわかる。
あまりの痛みにいきむのをやめてしまいたいが、衝動はいやおうなくやってくる。
「ぐーっ!んんんんーっ!あ゛ーっ!!腰、腰、腰ぃぃぃー!!腰がぁぁぁぁ!」
激痛は少しずつ下へと移動していき、激しさを増していく。
- 16 :名無しさん:2014/08/03(日) 05:37:09 HOST:118-87-180-212.cnc.jp
- 「ううーっ!うーーっ!ぐーーーっ!」
気を失いそうな腰痛の中、弥生は必死にいきんだ。裸の上半身はすでに汗でびっしょりと濡れている。
「あああ…うっ…つうぅぅーーっ!」
どうにかなりそうな激痛と、過労、そして自分の体内から聞こえるグキグキとい音に
心が折れ、気絶をしてしまいそうになるが誰かの手が弥生の疲れ切った身体を肩から腰までを背骨に沿って強く指圧をしてくれ、
何とか持ち直す。
「あっ…ふぅーー!ぐーーっ!」
もう何度目になるのかわからないが、思い切り強くいきんだ時だった。
ゴッキィィという恐ろしい音とともに、脳天に突き抜けるような激痛が弥生の腰から骨盤を襲った。
「あ゛ーーーーーっ!」
巨大な胎児の肩が、ついに弥生の腰を折り、骨盤を外した音だった。
あまりの激痛と衝撃に、弥生は泡を吹き、意識を失った。
- 17 :名無しさん:2014/08/03(日) 06:14:55 HOST:118-87-180-212.cnc.jp
- けれど、またすぐに、やはり激痛で弥生の意識は戻ってしまった。
「ああ…くぅっ…つぅー…あっ、こし…腰が…痛っ…いたた…ああっ…つうーーっ」
朦朧とした意識の中でひたすら痛みだけを感じていると、再びグッグッと肩を揉まれ、
「あっ…」と意識が少し鮮明になる。
同時に、耐え固い、気が狂いそうな腰痛が弥生を襲う。
「ぎゃーー!いたいいたい痛いよーー!」
もうとても腰に力を入れられない。けれどいきみの衝動は残酷にやってくる。
「あ゛ーーっ!つううううううーっっ!はぁっ!」
外れた骨盤が更にグッと開かれ、ものすごい痛みが全身を貫く。
「ぎゃーーーー!」
思わず腰を押さえ、のけぞった瞬間、下腹がぴきっと裂けるように痛む。
「あっ…くーーっ!あ゛ーーーー!」
必死で下腹をさすると、誰かの手が腰をさすってくれる。しかしとても痛みはまぎれない。
「ぐーっ!い、痛い…痛いよー!腰が…お腹が…ぐーーっ!あっ……ぐぐっ…」」
今度は恥骨に何か叩きつけられるような衝撃と痛みが走った。
「いやーっ!やだやだいたいよー!いたいーー!あーー!」
腰と同じように恥骨まで砕かれてしまう恐怖に襲われ、弥生は身をよじって泣き叫んだ。
「こわいこわいこわいー!やだよー!!」
- 18 :名無しさん:2014/08/03(日) 12:33:11 HOST:118-87-180-212.cnc.jp
- 「うあっ!ぐーっ!つうぅぅぅーっ!」身をよじった瞬間、再び酷い痛みが腰に来る。
「ああっ!腰が砕けるーっ!腰が腰が腰が砕ける砕ける砕けるぅぅーー!ああー」
どうやら、まだ骨盤を肩が通過せず、胎児が中で暴れているらしい。腰の付け根の骨が
更にバリバリと音を立てて二つに開いていく。
ズーンと重く、そして激しく辛い痛みがちょうど臍の裏あたりの腰に来た。
「んーーーっ!腰!腰!腰!腰ぃぃぃ!!うあああ、腰に来たぁぁぁ!早くっ腰ぃぃ!」
弥生の必死の訴えに、誰かの手が痛む腰をこねるように丁寧に揉んでくれる。
「腰がぁぁぁぁぁぁぁ!くだけるぅぅぅぅぅ!あーーーいたたたいたいたい!ん゛ーー!」
弥生の顔は、すでに汗と涙と鼻水でくぢゃぐちゃだった。
- 19 :無明:2014/08/03(日) 18:43:10 HOST:112-70-29-204f1.osk1.eonet.ne.jp
- 「あ゛っあ゛っあ゛っあ゛っ、あ゛あああああーーーーーーーーー!!腰がーーーーー!!あああーーーーーーーーー!!腰ーーーーー!壊れるぅーーーーーーーーーーーーーーー!」
最早はっきりとした文章として成り立っているかどうかもわからないような悲鳴を上げる弥生。
それでも本能には逆らえない。
痛みに耐えられるはずはないが、身体は勝手に息む。
さっきから腰を揉んだりしてくれている「誰か」が何者かなんて、確認する余裕はとうにない。
私を助けてくれるなら誰だっていい。
弥生はそう思っていた。
否、そう思うのがやっとだった、とも言える。
巨大な胎児が物理的ににそうしてくるのと、本能の両面で弥生は足を大きく開く。
弥生の、歳相応に小さな女陰を強引に押し広げ、引き裂いて胎児の頭が徐々に露わになる。
長く続いている痛みに感覚が麻痺しているのか、弥生の反応は変わらない。
「う゛う゛う゛う゛う゛ぅーーーーーーーーーーーーーー!!!!い゛い゛い゛い゛ーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」
自らの身体が破壊されていくのを自覚しながら、弥生は息み続けた。
- 20 :名無しさん:2014/08/04(月) 04:07:21 HOST:118-87-180-212.cnc.jp
- 「あっ、あっ、つうぅぅぅぅぅぅーー!あ゛ーーーーー!」
ボロボロに痛めた腰に必死に力を込める。痛みはもはや腰を中心に、背中や肩、足にまで広がっている。
全身がたまりにたまった疲れでガチガチに凝り、限界そのものだった。
しかし、不思議と大きく裂けているはずの会陰の痛みは全く感じなかった。
とにかく、腰だ。腰が痛んで痛んで気が狂いそうだ。
巨大な胎児に無理やり腰骨を押し広げ、壊されている痛み、
子宮の激しい収縮からくる、重く辛い生理痛を1000倍にもしたような痛み、
それから、いきみの負担がまともにかかり、たまりすぎた疲れかすべて腰に来て起きる過労性の腰痛、
そのすべてが全て合わさり、弥生はもう、腰が痛くて痛くて、辛くてたまらなかった。
お腹の痛みも会陰の痛みも全く感じない。
「ぐぐぐーーーっ!あ゛あ゛ーーっ腰ーーー!腰ーーー!腰!腰がだめぇぇぇぇ!
もう腰がだめぇぇぇぇ!早く早く腰ーー!腰ぃぃぃぃ!もっとーーっ!!」
腰をマッサージする力が強くなるが、全然物足りない。
もどかしく、弥生は自分でも手を痛む腰に回し、必死に指圧をした。
「んんっ!あっあっ……あ゛ーーーーっ!ぐーーっ!腰ーーーくっ…」
その時、バキバキバキと恥骨が音を鳴らした。
「つぅぅぅぅぅぅっーーー!」
さすがに鋭い痛みを感じ、弥生が思わず股に手を伸ばすと、その手に
ぬるりとした赤ん坊の頭が触れた。
- 21 :名無しさん:2014/08/04(月) 04:24:05 HOST:118-87-180-212.cnc.jp
- もう少しなんだ…!ふと感じた安堵に、一瞬気が遠くなり、倒れそうになるが、
誰かの手が弥生の身体をささえ、凝った肩をグッグッとマッサージしてくれた。
「あっ…んん…はぁぁぁぁぁ」
肩の凝りすぎで滞っていた血液が一気に脳に戻り、再び弥生は意識を取り戻した。
「んぐぐぐぐぅぅーーー」
再び、酷く痛む腰に力を込め、思い切りいきみ始めた。
「あ゛ーーっつぅぅぅぅぅーっ!ぐ゛ーーあ゛ーっ!腰が痛いよ―!腰ー!
腰にくるぅぅぅ!腰に、腰にくるよーーーーああ゛ーっ腰にきたぁぁぁぁ!」
必死で誰にともなく腰痛を訴えながらも、弥生は必死でいきみ続けた。
ゴッキィィと、再び恥骨が鳴る。
「くあーーーーーーー!」
巨大なかたまりが、股を破りながら、ゆっくり回転しつつ出てくるのを感じた。
ふっと意識が飛ぶが、すかさず施される凝った肩への按摩で意識が戻る。
「あ゛あ゛あ゛ーーーーーっ」
獣のような咆哮をあげ、腰に自分の両親指をめりこませながら、弥生は最後の力をふりしぼり、
ガタガタに痛みきった腰に力をこめた。
- 22 :名無しさん:2014/08/04(月) 04:38:09 HOST:118-87-180-212.cnc.jp
- ズルッと何かが股から抜け出ていくのを弥生は感じた。
(生まれたんだ…)同時にドッと床に倒れこむ。もう、身体を起こしていることもできない。
弥生にマッサージを施してくれていた誰かが赤ん坊のケアをしてくれているのを感じる。
産声が聞こえてきたが、弥生はもう、それどころではなかった。
腰が痛み、全身が痛んだ。痛みが全くひかない。凝りも酷い。
「うわぁぁぁーん、痛いよー!痛い痛い痛いーー腰ー!腰ーー!腰が…腰が…うっうっ」
床に倒れたまま腰を押さえて激しく泣きじゃくっていると、
「あっ…あああ…はぁぁぁ…」
誰かが腰を的確に指圧してくれる。ツボに深く入り、少し楽になるが、やはり痛みはひかない。
もう、腰は本当に砕けてしまったのかもしれない。もう、立ち上がることもできないのかも…
腰の指圧を受けながら弥生が涙を流してそう思っていると、ふいに、さっきまで感じていた、
腰骨を破壊されるような痛みと、生理痛のような辛い痛みが弥生の腰を貫いた。
「あ゛ぐぐくぅぅぅっつぅぅぅぅぅーっ、腰がーーーっ!何で……ぐぅーー」
ふたたび、激しいいきみの衝動がおそう。
「はぁぁぁぁぁぁぅぅぅ!もう…だってもう腰がーー!だめぇぇぇ!もう、腰が
、腰がもたないぃぃぃ!腰がもうだめぇぇぇ!腰がぁぁぁぁっ」
- 23 :名無しさん:2014/08/05(火) 20:51:00 HOST:pw126205081015.3.panda-world.ne.jp
- まさか、もう一人いたの…?
絶望と痛みと過労で目の前が真っ暗になる。
もう一度あの痛みと苦しみを初めから味合わなければならないなんて。
しかも、このガタガタに壊れてしまい、ボロボロに痛めた激痛の走る、疲れきった辛い腰と身体で…。
無理だ。本当に死んでしまう。
もう身体も腰もバラバラに壊れて、疲れ切ってしまった。
あそこもズタズタに避けてしまっているのだろう。
腰痛に隠れて感じていなかった痛みが、ズキズキと襲ってくる。
ゆっくりと休みたい。
腰や身体を誰かに優しく手当してもらいたい。
陣痛を紛らわせるマッサージではなくて、
たまりきった疲れや痛み、
凝りを取るための気持ちいいマッサージを、
ゆったりとした気持ちで受けたい。
辛い腰をじっくりと癒してもらいながら、気持ちよく眠りたい。
しかし、現実は地獄だった。
「*あぁぁー!ぐぅぅ…つぅぅーーっ!!背骨が、背骨が折れるぅぅーー!
あぁぁーっ!腰ーー!腰はやめてぇぇぇぇー!!
腰だめぇぇー!腰痛めちゃってるのぉぉー!痛めちゃってるのぉぉー!
痛いーー!疲れたーーー!あああ、腰に来た…!腰に来たぁぁぁ!」
- 24 :名無しさん:2014/08/06(水) 00:09:09 HOST:pw126205081015.3.panda-world.ne.jp
- さっきまで、弥生が痛みを訴えると、すぐにマッサージをしてくれた誰かが、今は無反応だ。
赤ん坊の世話をしているのだろうか。
弥生はますます絶望的な気持ちになりながら、子宮のきつい収縮に合わせ、自分の腰に親指を思い切りめり込ませて、必死に指圧した。
腰はもう、岩のようにガチガチに凝り固まり、冷え切っている。
「*ーー!*ーー!ぐぅぅー!つらいーー!辛いよーー!あぁーっ!」
肩こりも激しく、吐き気がしてくる。妊娠するまで凝ったことなんかなかった弥生の若々しい肩は、胎児の成長とともにじわじわと凝り初め、凝りは背中や腰、首まで広がって全身がパンパンに張り、毎日が本当に辛かった。
それでも弥生は、胎児に影響が出るかもしれないと、湿布も貼らず、
マッサージも受けずに日々蓄積される肩や腰のこりにひたすら耐えた。
初期は悪阻に耐え、その後は激しい肩凝り腰痛、足の攣り、酷い全身の疲れに耐え、その結果、今はこんなにも辛い痛みや恐怖と孤独に戦っている。
何のために…。
と弥生は悔しさで涙を溢れさせた。
「あっ…!うっ…つぅぅー!腰にくる…ああーーっ!腰にくるぅぅ!」
そんな弥生の思いをよそに、
再び胎児が弥生の腰をさらに痛めつけながら降りてくるのをはっきり感じた。
思わすいきんだ瞬間、会陰が更に裂けた感覚が、電気に打たれたような痛みとともに脳天に突き抜け、ドッと血が流れる感触が股から太ももへ感じた。
「ぐぁーーっ!!うっ…うぐっ…」
酷い肩こりからくる吐き気に腰の痛み、出血からくる貧血が加わり、
ついに弥生は吐いてしまった。
吐くものなどないから出るのは胃液だけ。
それでも吐き気は収まらない。
でも、自分でこった肩をほぐすことも、腰をマッサージすることも、会陰を手当することももう出来ない。
弥生の疲れはとっくに限界を超えている。
壮絶だった。自分の脈が徐々に弱まっていくのを弥生は感じた。
身体中にたまった凝りのせいで、血が流れていかない。
このまま死ぬのかな…と朦朧とする意識で思ったが、きっと死んでしまった方が楽だろうとも思う。
- 25 :無明:2014/08/06(水) 04:30:23 HOST:KD182249244141.au-net.ne.jp
- だが、彼女の意識はそれでも途切れない。
痛みと努責感とが、途切れさせてくれないのだ。
先程から手助けしてくれている「誰か」は、今も弥生の背後にいて身体を支えてくれている。
顔を見る余裕などあるはずもなく、弥生は「誰か」に体を預けるほかなかった。
「う゛ぁぁぁーー!ん゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ーーーー!!!」
一刻も早くこの痛みを止めたいと、ただひたすら、残った僅かな体力で強引に息む。
そして、とうとうそれは起こってしまった。
「ん゛ぅ゛ぅ゛ぅーーーー!!!、ぃい゛っ!?」
めきっ、と粘ついたような、何かの砕ける音。
明らかに解る。
壊れてはいけないところが、壊れた。
- 26 :名無しさん:2014/08/06(水) 09:30:12 HOST:118-87-180-212.cnc.jp
- 「あっ…!」
弥生の顔から一気に血の気が引き、意識が遠のく。
「こ…腰が…腰が…わ、私のこ、腰…」
あまりの痛みに、弥生は横向きに倒れこんだ。
「つぅぅぅっ…っ!あっ…」
叫ぶことも出来ないほどの痛みに、ただ腰を押さえて震えることしか出来ない。
腰が完全に壊れてしまった。
足が全く感覚がなく、動かせない。
痛い、痛い、痛い…腰が痛い…腰が…腰が…腰が痛い…
弥生の頭はもうそれでいっぱいになってしまった。
出産のことなど考えられない。もう声も出せない。想像を絶する腰の痛みに息も絶え絶えだ。
- 27 :名無しさん:2014/08/06(水) 09:59:49 HOST:118-87-180-212.cnc.jp
- しかし、容赦なくいきみの衝動はやってくる。
「はあっ…はあっ…ああ…つぅぅぅっーーっ!あああ腰が……」
もう、とてもいきむことなとできない。腰痛は限界をとっくに超えてしまった。
けれど、弥生がいきまずとも、胎児は降りてこようと弥生の中で暴れた。
グギッと更に鈍い音が鳴り、痛みと衝撃がまた腰にきた。
「ぐぁっ!」
のけぞり、腰をおさえてうめく。もう手で触ってもわかるくらい、腰も骨盤も
ガタガタで、めちゃくちゃだった。
腰のあちこちが歪み、ずれ、折れ、砕けてしまっている。
それを補おうとするように、腰や背中の筋肉がパーンと張り、ガチガチに凝っている。
内腿は会陰からの血が生暖かく流れ続けている。
(はあ……はあ……もう……だめ……もうだめだ……頑張ったのに……)
弥生の頬をとめどなく涙が伝う。早く楽になってしまいたい。
バキッ!再び腰が壊れた。
「っ!……はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、もう、腰は…やめてください…お願い……
もう、じゅうぶん…腰、痛めちゃったの…あっ、全部腰にくるぅぅ!つぅぅぅぅぅっ!あ゛ーーーっ」
疲れも陣痛も胎動も、全て腰にくる。
一体何をしたというのか。こんなに腰をめちゃくちゃに痛めつけられるような悪い事をしてしまったというのだろうか。
すでに生まれた子も、これから生まれてくる子も、愛せる気がしない。
「腰…私の腰ぃぃぃぃぃぃ!痛いよー!辛いよーー!助けてー!」
痛むほどにこった肩を震わせて、弥生は声を上げて泣いた。しかし意識はどんどん遠のいていく。
その時、
「あっ……」
ふいに、肩に熱い何かが乗せられた。熱い湯に浸したタオルのようだった。
ハッカのような香りが鼻をつく。ひどい肩こりに、じわっとにとにじんでいく。
更に、酷く痛む腰にも温湿布が当てられた。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーああああ……あっ……」
温湿布の上から、腰を深く指圧される。ぐーっと誰かの指が弥生の腰の
こったツボを、優しく、しかし力強く押し、深く食い込んでいく。
「あーーーーーーっ!」
激痛と過労の中、突然訪れた快楽に、思わず弥生は叫んだ。
「きくぅぅぅぅぅぅぅっー!あーーーーーっ!腰ーー!腰が……!腰にきくーーっ!
気持ちいい!腰が…腰が楽ぅぅぅーーー!ああっ…はぁぁぁぁぁ」
一時的に胎動や陣痛、いきみの衝動さえおさまっている。
快感が弥生の腰を貫いた。
「ああっ…腰が…!もっと…もっとーーー!もっと腰…あっ……!」
- 28 :名無しさん:2014/08/06(水) 10:28:35 HOST:118-87-180-212.cnc.jp
- 腰が壊れてしまった痛みは和らがないが、疲れがどんどん癒されていくようだった。
鉛のように辛かった腰が、少しずつ楽に、軽くなる。
更に、こった肩にも温湿布の上から指圧が施された。
「ああああーっ!くぅぅぅーーーっ!はぁぁぁぁぁぁ」
あまりの気持ちよさに、弥生は身もだえしながら叫んだ。
あんなに辛かった肩こりが、すこしずつ楽になる。
「はぁぁ…んーっ…気持ちいい…あっ…もっと…もっと…」
その時、再び陣痛の波が腰をおそった。
「はぁっ!あっ!ああー、腰にくるーっ!腰ー!腰にきた…腰…
早く、腰、腰、腰!!腰……!!ぐーっ」
指圧が再び腰に戻る。痛みが少し楽になるが、
もう足は全く動かすことができなかった。びくともうごかせない。何の感覚もなかった。
「つっ…つぅぅぅぅぅっ!」
再び、恥骨をハンマーでたたかれるような痛みが襲う。
しかし、この痛みは出産が終わりに近いという合図だ。
どうせここまで痛めてしまった腰だ。もうどうなってもいい……
「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!ぐーーーっつぅぅぅぅーっ!」
弥生は変形するほどに痛んだ腰に力をこめる。
これが最後だと思うとなんとか頑張れた。
「腰ーーいたいーー!腰ーーーあ゛ーっくっっっああっ肩がっ……」
いきんだことによって、肩がまた異常にこるが、ずっと続けられているマッサージのおかげで吐き気はおさまっている。
ズッキーンと会陰が痛み、またどっと出血した感覚があった。
もう少し…もう少し…
腰は猛烈に痛み、身体じゅうがパンパンで、肩も背中も腰も鉄板のようにこっている。
足は感覚すらない。腰の下には血だまりが出来ていた。
脈はもう触ってもほとんどわからないくらいに弱まっていた。
過労は限界をとうにすぎ、長時間、水も飲んでいない。
弥生は実際、生命の危機に瀕していた。
ただただ出産への本能と、肩と腰の湿布とマッサージ、そしてわずかな
気力だけに何とか支えられ、弥生は最後の力をふりしぼった。
「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁっ!腰ーー腰にきたぁぁぁーつぅぅぅぅぅぅっ!腰ーーー!」
肩を指圧していた手がボロボロの腰に移動し、ぐーっと深く指圧される。
腰の奥の痛みのもとに届くようだった。
早く楽になりたい。ゆっくり風呂につかって、じっくりと気持ちのいいマッサージを全身に受け、
たまりきった疲れを癒し、痛めた腰の治療を受け、疲れもとってもらい、
肩も背中も腰も楽になって、ゆっくりと横になって眠りたい……
もう、弥生の願いはそれだけだった。それがかなうと思っていたのだ。
腰を治してもらって、じっくやすめば、きっと足も動くようになる……
そう思っていた。けれど、弥生のささやかな願いは、決して叶わぬ願いとなってしまった。
- 29 :無明:2014/08/06(水) 17:26:02 HOST:112-70-29-204f1.osk1.eonet.ne.jp
- 「う゛い゛ぃい゛い゛い゛い゛い゛い゛ぁぁあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
最早、絶叫以外の何でもなかった。
弥生の声が、校内に響く。
めきめきと嫌な破砕音を立てて、塊が押し出されてくる。
もう骨がほとんど駄目になっているからなのか、意外とスムーズに進んでいる。
「あ゛ぁああああああ!!!っがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」
そして、重みが身体を抜けていくのを感じ取ったその瞬間。
弥生の意識も、共に抜けていった………。
だが、弥生は死んだわけではなかった。
- 30 :名無しさん:2014/08/07(木) 04:23:00 HOST:118-87-180-212.cnc.jp
- 「ううっ…」
腰に何トンもの重りを落とされたような、ズーン響く酷く辛い腰痛で、
弥生は意識を取り戻した。
「ああっ…つぅっ…こ、腰…」
腰に手を当てようとわずかに腕を持ち上げた瞬間、腰と肩にきた。
「かはっ…!つぅぅーっ!ううっ…」
足の感覚は相変わらず全くない。
気付けば、肩と腰にかけられた温湿布用のタオルは、すっかり冷え切り、逆に不快なものになっていた。
「あああ…ううっ…ぐっ!腰が…あああっ、こ、腰が…っ!」
タオルをどかそうとした途端、やはりまたギクッと腰にきて、断念する。
「だ、誰か…ううっ…きゅ、救急車を…」
懇願するように弥生はつぶやいた。
声を大きくしようとすると、やはり腰にくるのだ。
もう絶対、一人で帰ることは不可能だ。指一本動かしただけで腰や肩にきてしまう。
足は全く動かない。
「お、お願い…こ、腰を痛めちゃったの…酷くて…もう、ガタガタに痛めちゃって…足も動かなくて…ううっ!お、お願い、こうやって、話してるだけでも、ああっ…つぅーっ、ああー、こ、腰にくる…腰にくる…!」
確かにすぐ近くに人の気配がある。
赤ん坊の健やかな寝息も二人分聞こえてくる。
けれど、弥生の必死の訴えにも、返事はない。
「お…お願い…します…ううっ…じ、じゃあ、せ、せめてスカートのポケットに、け、携帯が…だ、出してもらえませんか…うううっ…はぁはぁ、あーーっ腰ーっ!腰がーっ!腰ーーーっ!つぅぅーっ!!こ、腰が…腰にきた…」
ポケットの位置を示そうとわずかに腰を動かしただけで、ひどい痛みが弥生の腰を襲った。
「はあはあ、お願い…!そ、相当、腰、痛めてるの…!多分、もう、骨が バラバラに…ううっ、つぅーっ!」
- 31 :名無しさん:2014/08/07(木) 04:39:44 HOST:118-87-180-212.cnc.jp
- しかし、やはり反応はない。
なぜか弥生は、見えてはいないのに、自分を見下ろす冷たい視線を感じた。
どうして…さっきまであんなに色々手当をしてくれたのに…
弥生はふただび意識を薄れさせながら、決死の思いで、腰を動かし、ポケットに手の伸ばした。
「ぐあーっ!ううーっ!痛っ!ううーっ!あーっ!腰…肩…ううっ…
腰ーーーっ!辛いよーーっ!」
泣き叫びながら、なんとか携帯を取り出した。
ママに迎えに来てもらおう。
お腹が目立ち初めてから家には帰ってない。
怒るかもしれないが、娘がこんなにも腰を痛め、よわり、疲れきっている姿を見たら、全て許してくれるだろう。
ふと、高校受験の時、ストレスが腰に来てしまった時、母がしてくれたマッサージを思い出す。
勉強のしすぎと寝不足、そしてストレスからガチガチにこってしまった弥生の腰を、毎晩眠る前に実に的確に指圧してくれた。
本当に気持ちがよく、弥生は腰の指圧を受けながら、その快感に身を委ね、ぐっすりと眠ったのだった。
弥生は元々自分が腰を痛めやすかったことを思い出した。
だから、こんなに腰にきてしまったのかもしれない。
ママに来てもらって、病院に連れて行ってもらって、眠る前にまた腰をマッサージしてもらおう。
腰だけじゃなくて、肩も…。
こんなに痛めてしまった腰と、ひどい肩こりに母はきっと驚いて、泣いてしまうかもしれない。
そう思うと、なんだか弥生の目にも涙がにじむ。
もうすぐ楽にしてもらえる。
「ぐっ…あっ…つぅっ…」
それを励みに、弥生は腰の痛みと肩のこりに耐え、母親の携帯を呼び出した。
トゥルルルルル
トゥルルルルル
どうして…
思わず身体を起こそうとする。
「はうっ…あっ…腰…っ…くーっ、つぅぅっ…」
一気に腰にきて、動けない。
どうして…だって…
呼び出し音は、すぐ近くから聞こえた。
- 32 :名無しさん:2014/08/07(木) 04:52:36 HOST:118-87-180-212.cnc.jp
- かわいそうに…辛いでしょう、腰がもうパンパン…。痛む?頑張りすぎちゃったかな?また腰にきちゃったね。ああ、本当に辛そうな腰…すぐ楽にしてあげるからね。
母は以前、そう言いながら弥生の腰を指圧してくれた。
張りがあまりにひどい時は、指圧をする前に、ハッカの精油入りのお湯に浸したタオルで温湿布をしてくれた。
そして、その上から長時間、丁寧に指圧してくれたのだった。
肩はこってない?と、肩にも湿布をしてくれたことも、弥生は思い出した。
『誰か』がなぜあんなに、弥生の腰のツボを把握してくれていたのか、その謎が解けた。
「ママ…」
- 33 :名無しさん:2014/08/07(木) 05:08:41 HOST:118-87-180-212.cnc.jp
- 「ママ…また、腰に来ちゃった…がんばりすぎちゃった…。腰、こんなに痛めちゃって…もう、ガタガタなの…腰…肩もこってる…ものすごいの、もうガチガチにこって…吐き気がする…でもすれより、ママ、腰…腰が…腰…」
ひんやりとした視線と、沈黙を弥生は感じた。
「腰が痛くて…辛くて…足ももう動かない…腰からきてると思うから…きっと、こ、腰が治れば…」
その時だった。
「ぐあーっ」
弥生を冷やかに見下ろしていた『誰か』が、弥生の腰を蹴ったのだ。
「…っ…!」
あまりの衝撃と、腰の痛みに、弥生は声も出せなかった。
身悶えしながら、腰の蹴られた場所に手を当てる。
腰の骨が大きくずれたようだ。
全身が鉄の棒のようにガキーンと固まってしまう。
肩から腰がバーンと激しく張るのを感じた。
全身が一部の隙なく深く凝り、激しい吐き気を誘発した。
「ど、どうして…」
そのつぶやきさえ腰にきて、こりに響き、弥生は激しく嘔吐をした。
嘔吐の動作がまた腰にきて、酷すぎる腰痛を起す。
限界を越えた肩こりも、割れるように激しく痛んだ。
壮絶な生き地獄だった。
- 34 :名無しさん:2014/08/07(木) 21:03:27 HOST:softbank126021137005.bbtec.net
- 「あうっ…あっ…つっ…」
胃液を出し切っても吐き気は治まらない。
肩と腰を押さえ、弥生は身悶えた。
胸もカチカチに張って痛む。
裂けた会陰も、やけ火箸をあてられたように痛んだ。
しかし、とにかく猛烈に痛むのは腰と肩だ。
「あううう…つぅぅーっ!はぁぁっ…ぎゃっ!!」
今度は肩が砕けたかと思うような痛みに、弥生は声をあげた。
母親かと思われる人物に、ガチガチにこった肩を乱暴につかまれたのだ。
「くぅーーっ!!痛い…痛いよ…」
「あら、本当。かわいそうに。ひどいコリね。相当無理したのね。辛い?」
「!」
やはり、母親こ声だった。
「今、楽にしてあげる」
「ぐぁぁぁーっ!」
母親は、ちからませに、弥生のこって痛む肩をグイグイと押した。按摩ではない。
ツボなど全く外れ、ただただ痛いだけだ。
身をよじって逃れようとするが、腰にひどい負担がかかり、息が止まるほど痛んだ。
顔を歪め、腰を押さえる弥生を見て、母親は冷たい声で
「腰に来た?頑張りすぎちゃったかな?ママもね、あなたを産む時は腰にきちゃってね…。やっぱり遺伝かしら…。あら、でもこんなに痛めはしなかったわ。
この腰、もう取り返しがつかない痛め方ね。腰はもうめちゃくちゃよ。身体中こんなにこって…。腰も背中も肩もパンパン。辛い?痛む?こうしてるだけでも腰にくるでしょ?罰があたったのよ。」
- 35 :名無しさん:2014/08/08(金) 01:19:28 ID:???
- さらに、母親は弥生のカチカチに張った乳房をグイッと鷲掴みにした。
痛みが脳天に突き抜ける。
「くぅっ…!」
「お乳もこんなに張っちゃって。辛いでしょう。すぐ楽にしてあげる」
そう言って、母親は弥生の身体を乱暴に仰向けに返した。
「あーーーっ!つぅっーー!くっ…!腰…腰が…腰が!腰が!」
痛めた腰に仰向けはきつすぎる。
しかし、母親は容赦無く、弥生の胸の上に、二人の巨大な赤ん坊を置いた。一気に重みがかかり、腰にひどい負担がかかった。
「ぐぅーーっ!あーーっ!腰にくるっ…!ああっ…!腰にくるっ!!腰に、腰に…つぅっーー!」
「子育てはね、腰にくるの。ママだって酷かったんだから。あなた、抱き癖があって、一日中抱っこよ。
腰にきてね。毎日、お風呂あがりにパパにマッサージしてもらわないと横にもなれなかったんだから。
肩こりもひどくて…。そんなに大切に育てたのに…」
母親は、赤ん坊の口に弥生の乳首を含ませた。
赤ん坊たちがんぐっんぐっと激しく乳首を吸い始める。
その震度が肩にひびき、腰にきた。
「あああーっ!!こ、腰に…腰に…肩が…かはっ…!」
再び吐き気がし、弥生は顔を横に向けて嘔吐した。
肩が真っ赤に染まる。壮絶なストレスで、胃に穴が空いてしまったのだ。
- 36 :名無しさん:2014/11/19(水) 04:55:19 HOST:118-87-180-212.cnc.jp
- 「くっ…痛…いたた…ああっ…」
激しく痛んでいるはずの胃の痛みは、腰痛にかき消されているのか全く感じなかった。
「うう…うっ…ううう…こ、腰…腰が…」
嗚咽が漏れる。その震度すら、腰や肩にひびいた。胸の上の赤ん坊の重みによる腰の負担もひどい。
「ああ…腰が…張る…腰が張る…いたた…くっ…ああ…っ」
肩がこりすぎて乳の出が悪いのか、赤ん坊が巨大なためか、乳首を吸う力が強く乱暴で、その痛みも辛い。
もう身も心もボロボロだった。
- 37 :無明:2014/11/24(月) 05:05:04 ID:???
- 「もう……すきに、して……」
全身の苦痛に耐えられない。
弥生の心は遂に折れ、その瞬間にふっと意識が途切れた。
出来れば、もうこのまま殺して欲しい……。
弥生は気絶する間際にそう考えていた。
だが、母の言葉は聞こえていなかった。
「私たちの娘ですもの。死なせないわ……最高の子供が、生まれるまではね」
弥生が次に目覚めたときには、自宅の土蔵に吊されるようにされていた。
彼女はこれから、残酷なさだめを知ることになる。
歩くことも出来なくなった彼女は、ここで文字通り、産む機械としての宿命を背負わされてしまったのだ。
彼女は10回もの出産を経験し、そのたびに命を落としかけるがそれはまた別の話……。
- 38 :名無しさん:2015/04/24(金) 22:45:44 ID:???
- おわり(?)
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