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執事のひめ事- 1 :悪音:2012/10/17(水) 22:42:42
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「ん!おい、そこのメイド。」
「はい。東條さま。」
「埃がまだ残っているぞ!望当主と聖さまが埃でアレルギーでもおこされたら・・・「まぁまぁ、東條っち。」聖さま!?」
私は勤勉真面目の堅物東條 希沙良(キサラ)24歳でございます。
この家の当主で城堂財閥を担っております城堂 望様(のぞむ)56歳に仕える筆頭執事をしております。
そして今、私に抱きついておられるのが、望様の一人息子城堂財閥の跡取り息子の聖様21歳であられ、幼い頃に望様の奥さま、つまり聖様のお母さまをなくされている反動か望様とはちがい、とてもおんなぐせが悪いです。
そして望様と聖様は唯一私の秘密を知っておられるお方でもあります。
私の秘密は、性別が決められない、つまり、男性と女性二つの性器をもっております。
胸はDカップ、男性性器も人並みはあります。
そして今現在当主にも聖様にも秘密なことがございます。それは、聖様に抱かれ、定期的に着ていた月のもの、生理がここ半年ほどご無沙汰でお腹がでてきたことです。
聖様は行為を行ったその頃はお遊びでメイドや色々な場所で手をおだしになっていたようで旦那様から禁止をされて、女ではない私にめをつけられたご様子で私も聖様の命令で何度かしただけでまさか妊娠したとは思ってもいませんでした。今では禁止も解かれやってくることはないのでバレてはいませんし、バラす予定もございません。
- 2 :悪音:2012/10/17(水) 23:10:49
- リレー小説でお願いします。
- 3 :無能:2012/10/17(水) 23:33:47
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妊娠しているとバレたら未婚で恋人もいないの私の相手と第一男として執事をしているため、部下への示しがつかないということもあり、黙っており、病院にもいったことがありませんが、一応薬局での簡易検査で印が出たのでまず間違いありません。
お腹もでたらバレますし、日常と変わらずついに臨月まで隠しとおすことができました。
- 4 :悪音:2012/10/17(水) 23:45:31
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「ふぅーーー。」
「あれ?東條さま、どうかなさったんですか?」
今、書籍の整理をしており、重たい書籍を運んでいたのが原因で少し腰にきてしまい、腰にてを当ててため息を吐いたところをメイドに見られてしまいました。
「少し書物が重かっただけです。」
書物が重かったのも事実のため、答えるとメイドも納得したのかその場を離れた。
およそ臨月に入ってから腰痛には悩まされています。痛いというかダルいのでなかなか仕事になりませんね。
- 5 :無能:2012/10/18(木) 02:07:40
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実は最近執事長室の小さいカレンダーに×印をつけていってるんですよね。
まぁ、理由は本で調べて予定日を割り出したのでその日に○をつけたのでそれまでのカウントダウンにしていたのですが、それも昨日まで、昨日が予定日だったので○印を越えてしまったんですよね。
それでもでてくる気配はありません。
まぁ、聖さまのお子さまなのできっとマイペースでいらっしゃるのかと思って全く気にしていませんが。
- 6 :妊蔵:2012/10/18(木) 03:12:08
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それから毎日×印がつくだけで一向に出産が始まる気配がありません。
そのため、本当に妊娠しているのか何度も検査薬で試したりもしましたが、確かに私のお腹の中から胎動も感じられるので妊娠は間違いはないのですが、実はもうすぐ聖さまとの行為をしてから一年経ちます。もちろんそれ以降だれとも身体を重ねた覚えはありません。
最近ではホントに妊娠したのか忘れるかと思う日が続いた時でした。
「ん゛・・・。」
突然いつもより大分早い時間に目が覚めてしまいました。
- 7 :出産子:2012/10/18(木) 03:27:06
- 硬く張った腹部にいつもと違う違和感を感じます。
「…ん、ふぅ…。気のせいか…?」
違和感はすぐに去りましたが、眠れそうにないので起きることにしました。
一週間後に望様主催のパーティー控えており、その準備のためにやることはいくらでもあるのです。
自分の体がどのような状態でも仕事は手を抜くことなくこなします。
城堂家の筆頭執事としてメイドを纏め上げ、屋敷の全ての仕事が滞りなく回るように。
全ては我が当主、望様のために。
たかが筆頭執事の私の体調など二の次なのです。
…とは言うものの、ここまで来るとさすがに体が辛く限界が近いのですが。
背筋を伸ばし姿勢良く立っているだけで腰には途方も無い負担がかかり、一日中歩き回れば足は倍にむくみます。
でも、誰にもばれないように。
不自然でない程度にトイレの回数を増やし、何とか休息をとりながら深夜まで激務をこなします。
- 8 :無能:2012/10/18(木) 09:00:07
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「・・・ふぅー、やっと終わりました。」
メイドたちの仕事が終わってからも最終確認を怠らず、この時すでに私は限界が近づいておりました。
自室よりも執事長室の方が周りに人がいないため、声が漏れないように私は執事長室に戻ることにしました。
- 9 :悪音:2012/10/19(金) 00:52:25
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この日からいつ本格的な陣痛が始まってもいいように執事長室の仮眠室のベットで眠ることにしました。
次の日になっても腰のだるさはあるものの本格的な陣痛につながることもなく、いつも通りに仕事をこなしていきました。
そしてついに望様主催のパーティーの前日のことでした。
「っ!」
朝一で1人で明日の日程の確認をしていたときでした。
今までは腰のダルさだけでしたが、定期的なお腹に痛みを感じました。
しかし、明日は大事なパーティーのため、執事長の私が休むわけにはいきません。
私はいつものように仕事へ向かいました。
- 10 :妊蔵:2012/10/19(金) 02:07:49
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「望様、ご起床のお時間です。」
私の毎日の日課は、望様を起こすことから始まります。
「ん・・・あぁ、もう朝か。」
望様が起きてすかさず眼鏡を渡す。
「本日の日程は・・・そして夕方からパーティーになっております。」
「わかった。」
食事も済まされ、お出になられた望様には取り敢えずばれなかった。
望様が出られてからは、休んでいる暇はなく、またパーティーの支度をしなくてはなりません。
- 11 :名無しさん:2012/10/19(金) 02:20:08
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しかし陣痛も本格的になってきて、大体20分間隔で陣痛がくるため、常に時計を気にしていなければなりません。
「ふぅーー、う゛ぅーう゛ぅぅ(きましたね)。」
20分たつ前に一度トイレに向かい、口にハンカチをつめて声がでないように陣痛に耐えてきました。
- 12 :出産子:2012/10/19(金) 02:54:03
- 「ふ、ぅーー…。隙を見て、エミおばさんに連絡しなければ…」
エミおばさんこと、菅野絵美子。
二年前に定年退職した聖さまのナニーです。
筆頭執事が私の父だったころ、幼い私も大変可愛がっていただき、実の母のように思っている女性です。
今は城堂家が用意した介護ケア付きのマンションに一人暮らしをされている。
(もちろん、まだまだお元気で介護など必要ないが)
私は妊娠を確信してからそのエミおばさんにだけ打ち明け、協力を求めていたのです。
エミおばさんには、私が出産したらすぐに、誰にも気づかれること無く赤ん坊を連れ出し、しばらく育ててもらうことになっています。
私の産む子は決して表に出ていい子ではありませんが、それでも城堂財閥の血を引く大事な御子なのですから。
エミおばさんは城堂家を退職した人間なのですからたまたま立ち寄っても不自然ではありませんし、子育てをする十分な知識と時間を持っているのでこれ以上の適任はないのです。
「…ぅ、う゛っ、また…!…う…、くぅう……っ!」
この陣痛をやり過ごしたら、また仕事へ戻らなければ…。
- 13 :無能:2012/10/19(金) 23:32:09
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しばらくして陣痛も取り敢えず収まったので現場に戻り、今度はパーティーでお出しするお飲み物のチェックです。
たまに受注ミスもありますし徹底しないといけないことです。
もちろん今回は目玉のワインも用意してありますのでその最終チェックも私の仕事です。
「あ、東條さん。」
「瀬木さん、明日のパーティーのワインの最終チェックに参りました。」
「おう、こっちだ。」
この方はこのワインセラーの管理を任せているソムリエの瀬木さんで私よりもずっと長くこの家に使えています。
「っ!あ、瀬木さん、ちょっと電話がはいったので。」
少しワインセラーは遠いのといつのまにか20分から15分間隔になっていたようで悟られないように、ここは少し屋敷からも離れているせいか人気もないためワインセラーの外で陣痛がおさまるのを待ちました。
- 14 :悪音:2012/10/20(土) 00:37:43
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「ふぅーふぅーあ゛ぃたたた゛ぁ・・・・・・ふぅー。」
陣痛の間隔が短くなったのもありますが痛みの時間も長くなってきましたので、少し心配ですがなんとかなりますよね?
夕方までなんとか15分間隔のままでいられたのが救いでした。
- 15 :無能:2012/10/20(土) 01:46:14
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さすがに旦那さまと望さまが帰ってこられて、あとは食事を終えられたら本日は、予定終了なのですが、食事を食べられている間はその場にいるため、陣痛がきても声もあげることができずにただ冷や汗をながしながら息を殺して陣痛に耐えておりました。
旦那さまと望さまの食事がお済みになり、自室に戻られたあとすぐに執事長室でやることがあると他の使用人に伝え、執事長室に近寄らないようにいうとさっさと執事長室へ向かいました。
執事長室に入るや否や、我慢の限界でうずくまってしまいました。
とても仮眠ベットまではたどり着けそうにもなく、後は気力でなんとかデスクまでいき、デスクの引き出しに入れておきました何枚かのバスタオルを下にひきました。
陣痛のせいで中々思うように体が動かずズボンがぬげませんが、この際どうにでもなるとおもい、そのまま前屈みになり、椅子に身体を預けて陣痛を逃していきます。この時すでに陣痛の強さと間隔は、限界でしたが、もともと腰が細いことと1年前の望さまとの数回の行為後から使用されていないため、子宮口の開きが悪く、まだ4センチ弱しか開いていませんでした。
さらに悪いことに予定日を2ヶ月も過ぎたため、病院に通わなかったせいで胎児の大きさがまさか大きく育ちすぎてしまったこと、そして2人もお腹にいることにこの時まだ気づいておりませんでした。
ちなみにエミコさまにも連絡を入れ忘れていることにはこの時はすっかり忘れておりました。
- 16 :出産子:2012/10/20(土) 03:58:21
- 「東條っち、いるぅ〜?」
私が一人声を殺して陣痛に悶えていると、突然執事長室のドアがノックされました。
自室に戻ってお休みになられたはずの聖様です。
「…ぅ…、ひ、聖様、何か御用でしょうか?…もう、夜も更けております…っ、できれば、あ、した、に…っ」
鍵をかけていたのは幸いでした。
何とか息を整え、冷静を装い、どうにかいつものような返事ができたのではないでしょうか。
「ん〜?あれだよ、急用、めちゃ重要。ここ開けてくんない?」
聖様は無遠慮にドアノブをガチャガチャと回しておられます。
「なんかさー、明日のパーティーで俺のお嫁さん候補と顔合わせすんだって。俺ももう年貢の納め時っての?その前に、東條っちと遊んどきたくてさー。なあ、いいだろ?開けろよ…」
そうは言われましても何が何でも絶対に開けるわけには行きません。
なんとか聖様を遠ざけたいのですが、痛みと疲労で思考がまとまりません…。
- 17 :無能:2012/10/20(土) 04:12:34
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ガチャン
「あ、サンキュー。」
用意周到にだれかに鍵をもってこさせたみたいでした。
「あれ?東條っち、汗だくだよ。」
「な、んでもありませんよ。」
「ふぅ〜ん、まぁいいっか。じゃあ早速やろうよ?」
聖さまはバスローブの中は何も来ておりませんので私のズボンもさっさとお脱がしになりました。
「お、もうグジュグジュしてていいじゃん。」
「お、おやめ、ひあぁん!!」
私がお止めになる前にさっさと聖さまは、私の椅子に座り、私の足をもって聖さま自身のものをあてがい、一気に私の腰をおろしました。
「今日は締め付けもいいじゃん。」
- 18 :妊蔵:2012/10/20(土) 04:21:04
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「完了。じゃあおやすみ〜。」
何度か聖さまが果てたあと満足してお帰りになりました。
私はまた椅子にもたれてますがポタポタと聖がおはなちになった精液が流れ出ます。
子宮口が開いているせいで「奥の子宮口に到着〜」と聖さまがおっしゃっていましたので、おそらくダイレクトに注がれた気がします。
私としては唯一の救いは破水しなかったことですね。お陰で気がつかれずに済みました。
聖さまの精液のおかげか陣痛が促進されたみたいで一気に息みたくなってまいりました。
- 19 :無能:2012/10/21(日) 01:37:27
-
しかし息みたくてもまだ息んではいけないことは調べてあります。
子宮口が10センチ、つまり全開にならなければ息んでも赤ん坊が苦しめるだけのようです。
あとは聖さまがドアの鍵を開けたままでていかれたのでまた誰がいらっしゃるかわからないのにこの下半身をなにも纏わないのはおかしく、かといってドアの鍵を閉めにいく体力も気力もないため、仕方がなく、陣痛の合間に聖さまに脱がされたズボンとパンツをはき直し、椅子の座る位置に上半身をあずけていることが一番楽な姿勢のため、タオルをひいた床に座り、この体勢で陣痛に耐えていました。
- 20 :出産子:2012/10/21(日) 02:53:57
- 「ふーっ、ふぅーーっ、…い、いた、い゛た゛い゛ーーっ、ぅう゛ーーー…っ!」
陣痛のあるときはひたすら息みを逃し、治まったときは少しでも息を整えリラックスし体力温存に勤めます。
今のところ、5〜6分の間隔で1分ほどの痛みが続きます。
椅子に寄りかかっても痛みがピークのときは耐えられず、床に崩れ落ち右に左に七転八倒です。
デスクと椅子の狭い空間に蹲っているので、暴れるたびに手や足をぶつけてしまいますが構っていられません。
「ああーー、ああ゛〜〜〜〜っ、いてえんだよ、くそが…っ!!」
おっと私としたことが、痛みにあまりに言葉遣いが乱れてしまいました。
産みの苦しみと言うものは人の理性を消失させるほどの恐ろしいものです。
私は痛い痛いと子供のように泣きながら陣痛に耐え、合間に気を失うように眠り、そして数分でまた痛みで起こされるということを繰り返していました。
そしてふと気がつくと、空が白み始めたのに気が付きました。
いつの間にか夜明けです。
あと二時間ほどで望様を起こしに行き一日の仕事を始めなければなりません。
その前に、屋敷のほかの使用人たちも起き出して来ます。
特に今日はパーティーの準備が早朝からあるのです。
多めに見積もってもあと一時間半ほどでことを終わらせなければ。
私はいよいよ息みを加え、出産の最終段階へ挑むことにしました。
- 21 :無能:2012/10/21(日) 07:30:16
-
いつのまにか子宮口は9センチまで広がっていましたが、もう1センチには構っていられません。
私は椅子の下からタオルごと這い出り、和式で用を足すように腰をおとし、無我夢中で息み出しました。
「んぐうぅーーーー!ふぅんーーーー!はぁ、はぁ、ふぅんーーーーん!」
あぁ、1つ忘れていました。ズボンも履いたままでは赤ん坊の出口を塞いでしまってますので、なんとかボタンを外して膝までおろし、下着もずらしました。
- 22 :無能:2012/10/22(月) 00:47:40
-
「ふぅーーーー、ふぅーーーーふんっーーーー、はぁ、はぁ。ふんっーーーーん!!」
私はなんとか時間までに出産をしようと必死に息みました。
しかし時刻は刻一刻と過ぎていき、後10分で旦那さまを起こしに行く時間ですが、胎児があまりにも大きいため、中々産道が通れず、赤ん坊の頭もみえてきません。
しかもまだ破水すらしていないのです。
焦っていたまさにその時でした。
トントン
ガチャ
「失礼するよ。キサラくん、いるかね?」
いつもは私が起こしに行くはずの旦那さまです!
- 23 :出産子:2012/10/22(月) 04:07:03
- 「ふぐぅう…っ!?」
私はとっさに両手で自分の口を塞ぎました。
デスクの陰に隠れるように腰を落としているので、入り口にいる旦那様からは私の姿は見えないはずです。
「希沙良くん、今日のゲストのことで聞きたいことがあるのだが…、はて、ここに居ると思ったのだが…」
旦那様が室内に足を踏み入れられ、あろうことか明かりをつけてしまわれました。
「…ぅ…、ぐ、ふぅぅ…っ」
私は必死に身体を動かし、デスクの下に潜り込みました。
このような秘め事、絶対にばれるわけにはいきません。
声を抑え痛みを堪え、旦那様が諦めて出て行かれるのを必死に待ちます。
ぱしゃ
しかしそのとき何処からか水が零れる音がしました。
旦那様が花瓶でも倒してしまわれたのかと思いましたが、違います。
それは私の女性器から羊水があふれ出る音でした。
- 24 :無能:2012/10/22(月) 11:46:27
-
「希沙良くん!?」
今の私の破水の音で旦那様に気づかれてしまったのです。
まだ胎児の出てこない今なら誤魔化せそうですが、体力と気力の限界で何も浮かびません。
「はぁ、はぁ、旦那さま、おはよぅ、ございます。う゛ぅーー、す、すみません、ぉこし、にいけ、ヴぅ・・・ぐ・・・。」
「いや、それよりもこの状況はいったい?妊娠しているようだが、相手は誰なのだ?まさか・・・聖では「ち、がいますぅ・・・実は・・・ぉ、そわれて。」
旦那様の言葉を遮り、10か月前の屋敷周辺を夜回りしていた際に知らない男に襲われたと事情を話すように嘘をついてしまいました。まぁ、一年前に屋敷周辺を寝室にはいられたと思い、てっきりお眠りになったとばかり思っていました聖さまに襲われたので半分は本当のお話ですがね。
襲われた子を妊娠していることを他の人にはバレたくなく、ここで一人で産ませていただこうとしていたこと話しました。
旦那様はそれを聞いてドアに鍵をかけて腕まくりをはじめました。
そして
「とにかく、見せなさい!陣痛はいつから始まったのだ?正直にいいなさい。」
城堂家の初代当主が医師であったため、それから当主になられる方は皆、医学と経営学を学んでこられました。もちろん旦那様も今、医大へ通われてはいますが、聖様も同様です。
- 25 :悪音:2012/10/23(火) 00:24:15
-
「だ、大丈夫、です、なんとか、夕方、ぅう〜、までには、っ!」
「早く見せなさい!大丈夫かどうかは私が判断する。みた所お腹も普通の妊婦より大きいしな。希沙良は、私の大事な執事だから倒れられたりしたらこまるのだ。早く、せぬか。」
お腹は1年前に身ごもった胎児なので大きいのは当たり前ですが、さすがに主の前で胎児は未だに出そうな気配もありませんが、羊水が止めどなくでている性器をみられるということで、私は、少し考えましたが、旦那様の目が睨んでおりましたので、ゆっくりと椅子を支えにして身体を起こし、旦那様に少し股を開いてお尻をつきつける形で四つん這いになりました。
まさか旦那様に失態をみられるとは思っておりませんでした。
それに今日のパーティーも聖様のお相手もいらっしゃり、政治家など重鎮もいらっしゃる大事なパーティーの前にご迷惑をお掛けするため、旦那様は大事な執事だからとおっしゃってくれましたが、クビも覚悟しなければなりません。
- 26 :出産子:2012/10/24(水) 03:57:52
- 「ぅ、ぅう…っ、も、申し訳、申し訳ございません…っ、旦那様の前で、こ、このような失態を…、あ、あぁうううっ!」
秘密の場所を旦那様に晒す恥ずかしさと惨めさから、私は涙を堪えることが出来ませんでした。
「しゅ、出産しましたら…、この屋敷を、はあ、す、すぐに、出で行きます、ので、ど、どうか、お許しを…っ」
「いいから、黙りなさい!私はお前を手放したりしないと何度言ったら分かるのだ!…勘違いしないで欲しいが私は怒っているのではないのだよ」
旦那様は思わず荒らげた声を抑え、後ろから優しく私の腰をさすってくださいました。
「大事な執事の異常に気づけなかったことを恥じているのだ。お前が心配なのだよ。全く、こんな大きなお腹をどうやって隠していたのか…、少し痛むが堪えなさい」
そういうと旦那様は執事室の救急箱にあったワセリンをたっぷりと右手にまとわせて私の膣に挿入されました。
「…ヒィイッ!?…あ、ぁあああ゛…っ、…ひ、ぐぅうう………っ!」
出産のために軟らかく解れたソコは旦那様の右手を手首まで易々と飲み込みましたが、だからと言って痛みが無いわけではありません。
息が止まりそうな激痛に歯を食いしばり耐えました。
- 27 :出産子:2012/10/24(水) 03:59:09
- 「…ふ、む…。子宮口は開いておるし、産道は十分…。回旋異常か臍の緒が絡んだか…、胎児の位置が悪いのかもしれんな。希沙良、今度こそ正直に答えなさい、陣痛が始まったのはいつだ?大体の予定日は、今日くらいで間違いないのか?」
旦那様に全てを見られた今、もう隠し事など出来ません。
「あ、ああっ、い、一週間前、から、違和感が…、き、昨日の、夜明け、ごろから、て、定期的な、痛みが…っ!」
ですが予定日については答えられませんでした。
「ほぼ24時間か…、というか、では昨日は一日中陣痛を耐えながら仕事をしてたのか。まったくしょうがない奴だな」
私の膣から抜いた手をぬぐいなから、旦那様はどこか呆れたように苦笑されました。
「希沙良、良く聞きなさい。お前の出産には医療介助が必要だ。今からすぐに私の知り合いの産科へ運ぶからもうしばらく辛抱を…」
「い、いいえ!いいえダメです!どうしても誰にも知られたくないのです!どうかこのままここで…っ。そ、それに今日は大事なパーティーです。旦那様の、お手を煩わせるわけには…、はあはあ…、どうしても、介助が必要なら、パーティーが、終わるまで、ほおって置いてくださいませ…」
既に旦那様に知られたからには秘密も何もあったものではないのですが、私はこのときあまり正常な判断が出来ておりませんでした。
頑なに、この秘め事を隠し通し、この場で一人で出産しなければと思い込んでおりました。
- 28 :無能:2012/10/24(水) 21:37:46
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「そうは言ってもな。ちょっと待っておれ。」
旦那さんはなにかを考えておられましたが一度隅の方へいき、どこかへ電話をお掛けになられているみたいです。暫くして電話が終わったみたいでお戻りになりました。
「今、こっちに産科を呼んだ。取り敢えず希沙良は出産に集中するんだ。出産が終わるまではパーティーに関与するのは許さん。これだけは譲れん。」
「はぁ、はぁ、わかりました。」
旦那様は一旦決めてしまったことは絶対覆さないので渋々了承しました。
- 29 :妊蔵:2012/10/24(水) 23:30:24
-
「そろそろだな。ちょっと迎えにいってくる。あ、いい忘れたがパーティーまでは私もここで出産に立ち会う、いいな!」
旦那様はそれだけいうとお外へ出られて、それから15分程でおそらく産科医であろう男性をつれてこられました。
「希沙良、友人の産科医の牧野くんだ。」
「牧野です。君が希沙良くん?よろしく。」
「はぁ、はぁ、希沙良です、すみません、朝から。」
牧野様という方は30前半くらいのお年でしょうか?雰囲気は比較的超毛の茶髪で優しそうににこにこしていて産科医には全然見えません。
「出産に夜も朝もないから。早速今の状態をみせてくれる?」
牧野様がゴム手袋をはめながらおっしゃったので私は牧野様に見やすいようにしたかったのですが、やはり特殊な私の体ですので恥ずかしく、四つん這いになりました。
- 30 :出産子:2012/10/25(木) 04:06:03
- 「う〜ん、仰向けになってくれると診やすいんだけど…、まあ、今回はこれで。次は頼むね」
そう言いながらも牧野さまは容赦なく私の膣に手を入れられます。
私は妊娠してから一度も病院には行かなかったので、内診を受けるのは先ほどの旦那様が始めてです。
内診とはこんなにも痛いものなのでしょうか。この世の出産をする人間は全てこの痛みに耐えているのでしょうか? それとも。私が両性を持った人間なのでこんなにも痛むのでしょうか??
下手をすると、陣痛よりも痛いかもしれません。
「はぅ…っ、ぐぅうう…っ、………あっ、じ、陣痛が…っ、あぁああ!ああああーーーっ!!」
内診をされながらも陣痛は腹が立つほど定期的にやってきます。
「おっ…と」
「希沙良!危ないから暴れるんじゃない!大丈夫だから、落ち着いて…」
牧野さまの手を胎内に入れたまま私は苦痛に耐えられず大声を出し暴れてしまい、旦那様に押さえつけられてしまいました。
「ああーー…っ!…っ、はぁっ、はあー…、お、治まり、ました…、はあ…、牧野さま、みっとも無い、姿を、お見せして、申し訳ありません…。だ、旦那様の、手も、煩わせて、しまい…わ、私は…っ」
「大丈夫だよ、どの妊婦さんも内診は痛がるからね、気にしてないし。希沙良くんは両性だけど産道は問題ないよ。強くて良い陣痛も来てるしこのまま産めると思うけど…。やっぱりお腹の様子も診たいから、何処か横になれる場所ある?こんな地べたじゃなくて。あとそんなスーツじゃなくて、もっと楽な服に着替えよう」
- 31 :出産子:2012/10/25(木) 04:07:31
- 私はズボンと下着をかろうじてずらしただけで、上半身は執事用のスーツを着込んだままでした。
「…はあ…はあ…、わ、私の、仮眠用のベッドが、奥に…、ね、寝巻きも…、ぐ、ぅううう…あああっ!」
「じゃあ、移動しよう。立てる?」
「あああ゛ーーー…!………だ、だめ…っ、む、無理です…っ、申し訳、ありません、…」
ですがこのままデスクの影に座り込んでいても埒が明かないので、牧野さまの手を借りどうにか立ち上がりました。
久しぶりに立ち上がったことで、重力に沿って胎児が下がり陣痛が強くなります。ベッドまでほんの数メートルですが、私はまともに歩くことが出来ませんでした。
「ひ、ぃいい!…い、痛…、痛い…っ、無理です…、ムリ…っ、ゆ、許してください…っ!」
結局、牧野さまと旦那様に両脇を支えられて引き摺られるようにして移動しました。
そのとき、ふと旦那様が執務室のカレンダーに気が付かれ、目を留められました。
「…希沙良、このカレンダーの×印は何だね? 二ヶ月ほど前から印が付いているが…。今日のパーティーまでのカウントダウンではないな。この出産と関係があるのか? 責めたりはしないから正直に答えなさい」
さすが、旦那様の勘は鋭いです。ですが、感心している場合ではありません。
「…はあっ、はあっ、…あ、そ、それは…、あの…っ」
- 32 :悪音:2012/10/25(木) 21:32:06
-
中々話そうとしない私に旦那様は苦笑いを浮かべて考えているようでした。
「希沙良、その様子じゃ予定日までのカウントダウンじゃないんだな?」
うーどうしたらいいのかいつもならもっと考えられるのになにも浮かびません。
「まぁ、いい。」
いつもなら数秒でつける仮眠室にやっと数十分かけてたどりました。
- 33 :無能:2012/10/25(木) 23:11:22
-
「よいしょっ。着替える前にお腹を先に見るから。」ゆっくり牧野様と旦那様に支えてもらいながら、タオルケットをひいてくださったベットに仰向けに横になりました。
牧野様は早速私のシャツのボタンを外し、大きく張りのあるお腹を露にさせました。
「服越しからみたより大きいな。」
旦那様は、私のお腹をみながら呟きました。
まぁ、執事服事態着痩せするように作られたこともバレなかった要因ですし。
「これだけ大きいのに妊娠線もないし綺麗だね。よし、準備ができた早速みるからね。」
牧野様は診察と出産に必要な用具の用意を終えたみたいです。
- 34 :出産子:2012/10/26(金) 04:20:45
- ふとそちらを見れば、随分大荷物でいらっしゃいます。
普段は往診など、ましてや病院以外での出産など引き受けていらっしゃらないのでしょう。私の我が侭のために手間をお掛けして本当に申し訳ないことです。
「さてと、じゃあちょっと失礼しますねー。…ふーん、うんうん、頭がここで…、うん、ちゃんと骨盤に入ってるから…、おや、これは…?」
「どうしたんだね、なにか問題でも?」
旦那様は私の額の汗を拭いてくださりながら牧野様に質問されました。
「いえ、そういうわけでは…。希沙良くんは妊娠してから一度も検診を受けていないんだよね?」
「はあ、ふぅう、は、い、…一度も…っ、妊娠も、検査薬で、確認して…、はぅうう〜〜〜っ」
触診中はできれば息まないようにと言われましたので私は必死で堪えておりました。
「そうか…、希沙良くん、君は双子を妊娠してるけど気づいてた?ほら、ここ、上のほうにも頭があるし、心音も二つ聞こえるよ」
「そうなんですか…っ、っは…はっ、はっ、あっ、くっ、存じません、でした、あっ」
そのとき私ははっきり言って双子だろうがなんだろうがどうでも良くて、とにかく息みたくて息みたくて、早く出産を終わらせたくてたまりませんでした。
「あああーー、もうだめです、お願いです、息ませてください、もう、限界なんですーーっ」
「うんうん、苦しいよねー、分かるよー、落ち着いて呼吸して。じゃあ、次の陣痛で息んでみようか。もう少し出てきたらあとは吸引で出しちゃお」
「は、はいっ、ありがとうございます…っ、…あ、来た、来ましたっ、ふ、んんんーーーーっ!んん゛ーーーーーっ!!」
私は息みの許可が出たとたん、とにかく我武者羅に力をこめました。
- 35 :出産子:2012/10/26(金) 04:21:36
- 「そうそう、いいよ〜。しっかりあごを引いて、肛門を意識して押し出すように出来る?へそのほうを見るといいよ〜」
「んん゛ーーーーっ、ん゛ん゛ん゛ーーーーー……っ、…はっ、はあっはっはっはあ!」
「はい、休んで〜、たっぷり息吸って、赤ちゃんにも酸素あげてね〜」
「希沙良、上手いぞ、その調子だ。頑張れよ…」
牧野様はさすが専門のお医者様です。実に巧みに私の息みを誘導してくださるので先ほどまでより効率よく力を込められるような気がします。ネットや書物でしか知識のなかった私は呼吸法の指導を受けることさえ初めてでした。
私は息むのに必死で気が付いていなかったのですが、いつの間にか旦那様が私の手を握ってくださっていました。
それにこの執事室には私の自室と違って仮眠に必要な最低限のものしかなかったのですが、それでも予備の毛布や、防寒用のひざ掛け、ソファにあったクッションなどを集めてくださり、私が背を凭れ掛からせたり楽な姿勢を取れるようにしてくださっていました。
尻の下には、牧野様が持ち込まれた防水シーツと吸水パットも轢いてあります。
寝巻きに着替える余裕がなかったので、取り合えずボタンを全部開けたシャツだけを羽織っていますが、私からは汗でテラテラと光る自分の大きな腹だけが見えました。
ずっと締め上げて隠し通してきた腹がようやく開放されたせいか、いままでよりも大きく見え、自分でもよくここまで隠せたと呆れるほどです。
股間にはタオルをかけて下さったので仰向けでも羞恥心は軽減されました。が、はっきり言ってもうその程度のこと構っている余裕もありませんでした。
- 36 :出産子:2012/10/26(金) 04:22:16
- 「はああっはああ、はあ、ぅ、ぐぅう、ぁああああーーーーっ!あああああああっ!」
「よしっ、そうだ、希沙良、がんばれ!」
私が息むたびに、旦那様は牧野様の指示で私の上半身を起こして、胎児を押し出す手助けをしてくださいました。
私は左手ではベッドのパイプを、右手では旦那様の右手を渾身の力で握り締めていました。
そのことに途中で気が付いたのですが、もう何かを握り締めていなければとても耐えられず、手を離すことが出来ないでいました。
「ああっ、ぅうう…っ、も、申し訳、ありません…!だ、んな、さまの、手が、お、折れて…っ!申し訳ありません…っ!」
「…っつつ、なに、気にするな!こんなもの、希沙良の苦しみに比べれば何十分かの一だ。…それにしても不思議なものだな。聖が産まれた時、自分の妻の出産のときには私は仕事をしていたというのに、まさか可愛がっている執事の出産に立ち会うとは…。人生、何が起こるかわからんものだな」
今産まれようとしているのは実は旦那様のお孫様にあたるのですが、そんなこと絶対に申し上げられません。
「うん、良いね、頭が見えてきたよ。じゃあ、希沙良くんは頑張ってるけど、そろそろ出して赤ちゃん楽にしてあげよっか。吸引のカップ入れるから、ちょっと切開させてもらうね」
どのくらいの時間息んでいたのか分かりませんが、牧野様はなにやら処置をすることにされたようで、タオルの影でごそごそされています。
それにしても、私は妊娠も出産も隠し通して一人だけで成し遂げられると思っておりました。少しの痛みで腹のものを出し、すぐに仕事に戻るつもりでおりました。
出産を軽く考えていた私はなんと愚かだったことでしょう。実際には、専門家の手を借り、二人ががりで出産させられています。それも旦那様のお手を煩わせて。
私の妊娠と言う秘め事は、よりによって旦那様にばれてしまいましたが、それでも、最後の秘め事なんとか守りたいと、私は苦しい息の下思っておりました。。
- 37 :妊蔵:2012/10/26(金) 22:59:04
-
「ん〜にしても赤ちゃんがちょっと大きいな。」
牧野様は少しお困りのご様子でした。
「そんなに大きいのか?」
「えぇ。胎児1人に4000g以上はあると思いますよ。双子でこの大きさは珍しいんです。もしかして予定日こえてるんじゃないのかなぁ?」
さすがに牧野様も出産に関して鋭い方なので迂闊に話せませんね。
「まぁ、出産が終わってから話は聞くとして、赤ちゃんが大きいからお腹をおしてもらっていいですか?」
「あぁ。わかった。」
支えることができない分旦那様が私の体をベットの壁側にもたれるようにしていただいたため、そこにもたれて息む合図を待っておりました。
- 38 :無能:2012/10/26(金) 23:59:39
-
「さぁ、次の陣痛で息んで。」
「はぁ、はぁ、はぁ、ふぅーふぅー、んぅーーーーー!!」
私が息むと旦那様は私のお腹の下を押し始めました。
こうでもしないと産まれてこない赤ん坊って一体どのくらい大きいのか私には想像つきません。
「んぅーーーーーん!はぁ、はぁ、はぁ、んぅーーーーーあぁあ゛ぁぁぁぁ!はぁ、はぁ、はぁ。」
もう後はひたすら牧野様の指示で息むしかないですから残りの気力で息んでいきます。
「ほら頭がでてきたよ。」
牧野様は私の手をとって股間に持っていき、私の中から出てきたばかりの赤ん坊の頭を触らせてくれました。
- 39 :妊蔵:2012/10/27(土) 02:09:53
-
今はまだ私の一部なのに触っても触っている手の感覚しかなく、けれども濡れているにも関わらず温かくて脆く感じました。
「ん?」
苦しいはずなのに少し幸せを感じていたのですがいきなり旦那様の表情が変わったため、少し不安になりました。
「だ、旦那さ、ま?」
「いやぁ、なに、何でもない。」
不安そうに私が旦那様をみると旦那様はすぐに何事もなかったように優しい表情に戻りました。
「さぁてもう一踏ん張りで赤ちゃんでてくるから。」
「はぁ、はぁ、はぁ、はぃ、うぅんーーーーーあ゛あ゛ぁぁぁあ!は、はさまって、げ、げんかぃ、です、さ、ざ、けますぅ!!」
息む度に少しずつ赤ん坊はでてきているのですが、一番頭の大きいこめかみあたりに向かうにつれて大きい異物が通過しようとしている圧迫に、赤ん坊がでてくるためだと頭ではわかっていますが、会陰が切れてしまうのではないかという恐怖と赤ん坊の頭が想像していたものよりはるかに大きいため、中々決心して息むことができません。
- 40 :出産子:2012/10/27(土) 03:19:53
- 「大丈夫!まだいけるって。それに気づいてないみたいだけど、もう切開させてもらってるから。息みと一緒に引っ張ってあげるから!次で頭出すよー!」
何時の間にそんなことをされいたのでしょうか。色々言いたいこともあるのですが、それよりも、恐怖心を凌駕するとんでもない息みの衝動が私を襲いました。
「ひ、ひぃんんっ、…ん、…んんん゛っ!…ぐぁあああああ!?」
ぐいっと引っ張られたかと思うと、とうとう大きな塊が足の間から抜け落ち、私の腰が跳ね上がりました。
思わず、股間に手を当てます。ソコには完全に姿を現した、片手で少し余るほどの大きさの丸い物体ががありました。
「あ! あたま! …頭が、出た……ぁっ! …はあ、はあ…、あ…、熱い…」
私の中から出てきたばかりのそれはぐっしょりと濡れていて信じられないほどの熱を放っていました。これはまるで…。
「あ、はは、…ゆ、…茹で立て、だ…」
「ん? 何だって!? 希沙良、気を確かにもて!」
旦那様は私が出産のショックで錯乱したと思われたようでした。
「あ、大丈夫ですよ、城堂さま、よくあることです。出産のときは変なこと口走っちゃうもんなんですよ。さて、希沙良くん、もうひと頑張りだよ!」
あとひと頑張りらしいです。マジでしょうか。本当にもう限界なのですぐにでも終わらせて欲しい。私は牧野様の言葉を信じて力を振り絞りました。
「ふうう、ふうーっ、…ぅ、んんんんんんんんん゛ーーーーっっ!!」
「よしよし、…ん〜〜、と、ゴメーン、肩が出なかった! も一回お願い!」
「はぁああ!? ふざけんな、くそがーーーーっ!! …はあっはあ゛っ、んんん゛ぁあああああああああ゛あ゛あ゛っ!!」
私の乱暴な言葉に旦那様が引いておられるようですが構っていられません。私は怒りを力に変えて下腹部にぶつけました。
それにしても私の女性器は一体どういう状態になっているのでしょうか。先ほどから牧野様が随分弄っていらっしゃいますし、切開もされたようです。今は両手を突っ込んでおられるようですし…。今は陣痛が激しくてよく分かりませんが、随分傷ついているのではないでしょうか。、後から痛みそうで憂鬱ですし、元通りに回復するのかどうかも心配です。
でもまあ、良く考えたらこの出産後はもう女性器を使う予定もないので、回復しなくても差し支えないのですが。
- 41 :出産子:2012/10/27(土) 03:20:36
- 「はいっ、今度こそ出たから! もう力入れないで! 手を胸において、口で息してー、はー、はー、はー」
「ふ、ふぁああ!? …っは、はーーっ、はーっ、は、はーーーっ」
腰の骨が一際広げられたような痛みと共に、どうやら肩が出されたようです。
そして、そこからするっと…、とは行かずに、大きな胎児の身体が私の膣をすりあげながら引っ張りだされます。
随分と抵抗があり、まるで内臓を引っ張り出されるかのようないやな感覚です。
「はー、ふーーっ、う、うううう、っはーー、はーー、はぁあーーー」
「…希沙良、もういいよ、もう、産まれたから…、見てご覧」
「っはーーっ、は、……え!…………あ……」
息をするのに必死すぎて、自分の子供が産まれたことに気が付いていませんでした。
旦那様に促されて、自分の足の間を見ます。ソコには、牧野様が私に見えるように赤ちゃんを持ち上げてくださいました。
「はい、始めまして、こんにちわー。吸引したから頭にカップのあとが付いてるけど元に戻るから気にしなくて大丈夫。思ったとおり、大きかった!お母さん、頑張ったね!」
産まれ立ての赤ちゃんを見たことがない私でさえ、随分と大きな、しっかりした赤ちゃんだということが分かりました。よくもまあこんな大きなものが私の膣から出てきたものです。
私は呆然と、まだ臍の緒で繋がったままのそれを見つめます。
「はあ…、はぁ…、……あ、……あの……、こ、これ、は……」
私の胎内から出てきたばかりで、よく分からない皮脂や血液をまとったままの赤ちゃんにも戸惑いましたが、それより何より。
産まれたばかりのその男の子は、誰がどうみてもはっきりわかるほどに、父親の聖様にそっくりでした。
- 42 :妊蔵:2012/10/27(土) 22:07:27
- 私は、浅はかでした相手が知ろうが知らなかろうが半分は、聖様のDNAです。
聖様に似た子が生まれるとはまったく頭にありませんでした。
「ふふふっ。希沙良は知ってたのか?お腹の子が聖の子だと。」
「・・・す、すぃません。」
さすがに勝手に聖様の子供を身籠って生んでしまった私は、ついにクビだと覚悟しました。
バレてしまったことで色々なことを覚悟しているうちに精神的に不安定になってしまったせいか二人目の陣痛と張りが止まってしまいました。
「いや、私が腹をたててるのは聖にだよ。確か去年まであまりにもメイドやいろいろな場所でお遊びをするから禁止したはず。よりによって私の大事な執事にてを出しよって。まぁ、よくよく考えれば希沙良が両姓だと知ってるのは私と聖だ。でいつまで行為をもってたんだ?」
「旦那様が禁止を解かれたちょうど一年前までです。」
「て、一年前までって最終行為が一年前ってこと?」
今まで私と息子の処置をしてくださっていた牧野様が驚いて口をはさみました。
「でもしかして昨日もきたんじゃない?」
「え、なぜそれを!?」
今日あったばかりの牧野様に言われてドキッとしました。
「だって始めそうかなぁっておまったのは、最初の場所でひいてあったタオルに精液ついてたこと、まぁ両性だからでちゃったのかと思ったけど赤ちゃんに着いてたから。」
「ほんとどうしょうもない聖だ。」
旦那様はもうあきれ返って折りました。
ふと時計を見てあることに気づきました。
- 43 :無能:2012/10/27(土) 22:59:33
-
「だ、旦那様、そろそろ、パーティーの支度を、っ!」
「急に起き上がっちゃダメだよ。」
「そうだぞ。パーティーは大丈夫だから。希沙良、まだ出産終わってないんだ。出産に集中しなさい。」
「今は陣痛がありませんから。それに年に一度の大事なパーティーですので他の執事やメイドだけでは任せられません。」
私はゆっくり起き上がりました。
プライドもありますが、城堂家主催のパーティーに筆頭執事がいないのは失礼極まりません。
「・・・。その目は何を言っても無駄だな。この二つは守ってもらう。一つは私の傍を離れないこと、二つ目は、無理をしないことだ。陣痛がきたらすぐに部屋に戻る、いいな?」
「わかりました。」
幸いいつの間にか赤ちゃんと繋がっていたへその緒は私の股間にはありませんでした。どうやら二卵性のようで胎盤が別みたいで一つはいつの間にか牧野様がだしてくださったみたいです。
赤ちゃんは、牧野さまが健康状態のチェックとともに面倒をみてくれるそうです。
私はなんとか着替えて(牧野さまに生理ナプキンをつけるように言われたので大きい夜用をつけています。)、旦那様のお着替えの手助けをするために旦那様の部屋へ向かいお着替えを手伝ってからパーティー会場へ向かいました。
- 44 :悪音:2012/10/28(日) 00:32:02
-
さすがにパーティー当日に突然半休を使った私に皆心配しておりましたが、すぐに持ち場に戻り、パーティーが始まりました。
初めは筆頭執事の仕事である司会をしましたのでお側を離れておりましたが、ご自由な会食時は、旦那様のお言いつけ通りに旦那様のお近くで他の使用人たちに指示を出しておりましたが、唯一お側を離れるのは、お飲み物を取りにいくときだけです。
はじめの方は挨拶などで旦那様の側に望様も居られましたが、いつのまにかいつものように若い女性の方たちの元へお話に行かれました。
そして私事ではありますが、パーティーの中盤辺りから収まっていた陣痛がまた少しずつジワジワと始まったように感じます。
しかしパーティーも中盤で水を差すわけにもいきませんし、最後に仕事も残っているのでせっかくのパーティーのため、旦那様にまたバレる訳にはいきません。
- 45 :出産子:2012/10/28(日) 02:13:53
- それにしても、私の様子はお客様に不快感を与えてはいないか気になります。
身体は旦那様と牧野様が濡れタオルで清めてくださいましたが、昨夜からシャワーも浴びずに汗まみれなのです。
それに、思いのほか羊水や出血の生臭さが気になって…、コロンで誤魔化しきれていればいいのですが。
「ふ、うー……」
直立で立ったまま、ゆっくりと気づかれないように息を吐きます。
出産直後で何をしても辛いのですが、それでも今は、歩き回るよりもじっとしている方がいくらかマシです。
出産で骨盤が広げられたせいか、気を抜くと下半身から崩れ落ちてしまいそうですし、何より女性器が、赤ちゃんが通り抜けて傷ついた膣や切開された会陰半端なく痛みゆっくりと慎重にしか動けません。
しかも信じられないことにこれで終わりではなく、なんともう一度あの苦痛を繰り返さなくてはならないのです!
一度で済ませてしまいたかったのに、双子だなんてほんと勘弁して欲しい。
それもこれも全部、あのクソ坊ちゃんのせいなのです。
陣痛は一度目よりも速いペースで強くなっている気もしますし、執事としては有るまじき事ですが、私は段々とイラついてきていました。
「あ、東條っち〜、これ俺のお嫁さん候補! どう? 可愛いっしょ?」
そこへクソ坊ちゃんこと聖様が、可愛らしいお嬢様を連れていらっしゃいました。
そのお方は名のある良家の末娘様で、いままで聖様が遊ばれてきた女たちとは正反対の清楚なお嬢様でした。
- 46 :無能:2012/10/28(日) 21:15:20
-
「聖様、この方は?」
お声もソプラノ声で聖様と並んで居られますがとてもお似合いです。
「父の筆頭執事の東條っち。」
「まぁ、その若さで筆頭執事ですの!」
「東條っちは、優秀だから。東條っち、喉渇いちゃった。俺はシャンパン、姫乃は?」
「私は、オレンジジュースをお願いします。」
何も知らないお2人にバレるわけにはいかないので、一度旦那様のもとを離れ、クソ坊っちゃんたちのためにお飲み物を取りにいきました。
クソ坊っちゃんが来たことに反応してか陣痛が更に強くなった気がして汗がでていないか心配です。
- 47 :妊蔵:2012/10/28(日) 22:37:06
-
「ぉ、お待たせしました。」
「サンキュー。じゃあ次のところいこっか?」
「ありがとうございます。では失礼します。」
飲み物をお受け取りになるとそそくさと他のお客様へ挨拶にいったようです。
ふぅー助かりました。
聖様の前だといないときよりも更に早いスピードで陣痛が強くなっていく気がします。
- 48 :悪音:2012/10/30(火) 01:24:30
-
終盤に近づいた頃に旦那様にお水を頼まれてお運びしているときでした。
「わぁ!?」
誰かに足を引っかけられ、バタンと不覚にもお腹からこけてしまいました。
今の衝撃で一度目の出産で柔らかかった子宮口から破水と共に片足が押し出されたようです。
この時は片足だけでて、もう片方はお尻より上にあるとは思っていませんでした。
幸い羊水は大量ではなかったため、なんとか生理用ナプキン内で収まったようです。
辺りを見回すと聖様の横にいらっしゃる婚約者様がクスクス笑っており、一目で犯人だとわかりましたが、言えるわけもありません。心配していらした旦那様に支えていただきなんとかまた立ち上がりました。
- 49 :ブライア:2012/10/31(水) 09:21:34
- 「大丈夫か?」
私の肩を抱きながら、旦那様がささやきました。
「すみません、ありがとうございます」
私はすぐに謝って、旦那様から離れました。
お辞儀をして、会場の隅に下がります。
痛みを堪えている私は、上手く歩けていたでしょうか…?
誰も見ていないのを確かめて、会場の壁に片手でもたれ、私は必死に呼吸で陣痛をやりすごそうとしました。
- 50 :悪音:2012/10/31(水) 10:58:13
-
もう限界に近く、脂汗が少し出始めた頃、やっとお開きになりました。
私の最後の役目はお客様を旦那様と見送ることです。
旦那様は私の限界に気づいておられるのか私の方を時たま見られます。
そして最後にでてかれるのは、聖様の婚約者さまの方とそのお父上でした。
確か婚約者さまのお父上は旦那様より1、2お年を召されているだけにも関わらず、細身のガッチリした旦那様とは違い、なんといいますか・・・ぽっちゃり、はげ?のお方です。
「いやぁ〜今日は実に楽しかった。なぁ?」
「そうですわね、お父様。」
「それにしても若い筆頭執事をお持ちですなぁ。」
てっきり旦那様と話されてるかと思っておりましたがふいに私にふられ、私をジロジロみております。
- 51 :無能:2012/11/01(木) 00:01:09
-
「彼は非常に優秀でしてね。彼の父親は沙乃(さの)くんでね。」
「はははっ。そりゃあ将来性もあるじゃないか?」
そう、私の父はこの業界では一躍有名な執事でした。
「どうだ?うちにでもこないか?」
確かこのお方は優秀な執事をヘットハンティングすることで有名なんですよね。
「いやいや、希沙良は、私の大事な執事なので譲れませんよ。」
旦那様は笑っておられますが、目は笑っておりません。私は、もう限界に達していますのでなかなか返す言葉がみつかりません。
- 52 :123:2012/11/01(木) 07:15:35
-
「お父様、そろそろ帰りましょう。」
いつのまにか先程まで仲慎ましく話されていました聖様と婚約者様がこちらにいらしておりました。
「おぉ、わかった、わかった。では失礼するとしようかな。」
「聖、せっかくきていただいたのだから姫乃さんを自分の車でお家までお送りしなさい。(コソコソ)今日は帰らなくてもいいぞ。」
「わかったよ。じゃあ姫乃、いくか?」
「はい。では失礼いたしす。」
姫乃様と聖様はお二人でお出になり、程無くして姫乃様のお父上も帰られましたが、見送った瞬間に緊張がきれ、陣痛の痛みに膝をつきました。
「希沙良、大丈夫か?」
幸い旦那様しか居らず、旦那様は、すぐに私を抱えて裏庭から私の筆頭執事室へ向かわれました。
- 53 :名無しさん:2012/11/06(火) 00:44:29
-
「あ、ちょっと待ちなさい。」
旦那さまは人影を見つけ、影に私を抱き抱えたまま隠れました。
何やらメイドたちがパーティーの片付けの相談をしているみたいです。
そのため、暫くここから動けそうにありません。
「困ったな。メイドがいくまで先に状態をみるとするか。地べただと汚いな。」
旦那さまは一度私を降ろし、旦那さまの着て入らしたタキシードを脱がれ、地べたに敷きだしたのです。
「だ、だんなさま、いけません。」
さすがに高い旦那様のタキシードを汚すわけにはいかず丁重にお断りをしようとしましたが、旦那さまは強引に私を壁にもたれ掛からせ、旦那さまのタキシードをしいていただいたところに座らさせていただいたまま私のズボンとパンツを内診できるところまで脱がしていただきました。
- 54 :無能:2012/11/06(火) 01:27:49
-
「片足が出ておるな。」
私の赤ん坊が出る穴からは、赤ん坊の太そうな片足だけがでておりました。
「破水もしておるな。やはりあのときか?」
「はい。」
先程転んでしまった時に不覚にも破水してしまったことを正直に話しました。
更に旦那さまは私の状態を隅々まで見ます。
- 55 :無能:2012/11/06(火) 18:31:20
-
「足がひっかかってるかもしれんな。牧野くんにも早くみせたほうがいいな。」
いつのまにかメイドたちもいなくなっていたようなのですぐさま筆頭執事室へ運んでくださいました。
トントン、ガチャ
「おかえりなさい。」
旦那さまがノックをされたら牧野さまが出迎えてくださいました。
- 56 :?:2012/11/06(火) 19:13:15
- 「牧野、希沙良を頼む。既に破水して、片足が出できている」
旦那様は端的に言いながら、私をソファーに寝かせ、ズボンと下着を脱がせました。
その緊迫した様子に、牧野も慌てて私の足元にまわりながら、私のお腹を触ります。
「もうかなり下がってきていますね」
- 57 :無能:2012/11/06(火) 19:26:18
-
「そうなんだが、片足が見えてこないのだ。」
「足がでてきたのは大体何時ごろかわかりますか?」
「大体2時間前だと思う。一度希沙良が転けたんだが、その辺りらしい。」
旦那様が陣痛に耐えている私の代わりに説明してくださいます。
- 58 :出産子:2012/11/07(水) 02:26:56
- 「うーん、結構時間たってますねー。じゃあ羊水が減っちゃって赤ちゃんも苦しいだろうから、さっさと出しちゃいましょう!希沙良くん、聞こえてた? なるべくすぐ終わらせるから、もうちょっと頑張ろうねー!」
「……は、はいぃ…、…よ、よろしくお願い、いたし、ます……、ぅう…っ」
牧野様が私の耳元で励ますように言ってくださいましたが、私は疲労から朦朧としていて目も耳もぼんやりとしています。
考えてみれば、昨日の早朝に陣痛を感じてから丸一日半、飲まず食わず、不眠不休で出産と仕事をしているのです。私の体力が尽きようとしていても仕方ありません。。
「じゃあ、ちょっと動かすからね。城堂さま、そっち支えてくれますか?」
「よし、任せておけ。では、「「せーの!」」
もう動けない私を、旦那様と牧野様が抱えてベッドまで運んでくださいました。そして服を脱がされ、足を開かされ、朝より増えたクッションで体を支えられ、私はまるでまな板の上の鯉状態でした。
「…よし、と。じゃあ始めるからね。先ずはもう片足を探して出しちゃうからね。そのまま力抜いててよー」
そう言って牧野様は、私の女性器に医療手袋をした手を突っ込まれました。
「………………っ、ぁあ゛っ!?」
一度赤ん坊を出したソコをまさぐられるのは、まさに傷口を開かれるような痛みでした。
「希沙良!大丈夫だ!すぐに終わるから、頑張るんだ!」
旦那様が暴れる私の上半身をしっかり押さえ、励ましてくださいます。
「う…ん、だめだ、見つからないなー」
それに引き換え牧野様といえば、気の抜けるような声を出しながら右手を私の股間に手を突っ込み左手では腹の上から赤ちゃんの体を探るようにまさぐっています。人の身体を好き勝手にいじくり繰り回して、必要な処置をされているとはいえ痛い思いをさせるこの医者がだんだん憎らしくなってきました。だいたい赤ちゃんの足が見つからないなんてあるか!良く探せ!
「…だめだ、胎児の位置が悪い、完全に横向きになっている。やっぱり仕事に行かせるべきじゃなかったなー。…城堂さま、一旦足を押し戻します、一気にやっちゃうんで、しっかり押さえていてください!」
訳のわからぬまま旦那様が強く私の身体を押さえたかと思うと、下半身から、まるで自然の流れに逆らうような出鱈目な痛みが襲い上がってきました。
「…はあ、はあ、……え…? …は、…あっ、あがぁあああああ゛!? …………ぅ、うぇえっ! …げほ…っ、……オェエエエ…っ!!」
身体の底を押し上げられるような不快感に私は耐えられず嘔吐してしまい、ほぼ胃液のみの吐しゃ物で、あろうことか旦那様の、オーダーメイドの上等のシャツを汚してしまいました。
- 59 :無能:2012/11/07(水) 02:40:40
-
「ぜぇ、ぜぇ、だ、だんな、さま、す、すみません、ひっく・・・。」
朝から旦那様に出産、妊娠、そして子供の父親がバレ、パーティーでは筆頭執事らしからぬ態度になってしまい、更に旦那様のオーダーメイドのスーツも上着は破水した羊水と血液で汚れ、シャツは私の吐瀉物で汚してしまい、執事として迷惑ばかりかけてしまい、あるまじき行為であり執事失格です。
滅多に人前で泣かない私ですが精神的にも疲れて、自分をコントロールできずに自然と涙がでてきて止まりません。
- 60 :無能:2012/11/07(水) 20:22:28
-
涙を流し始めた私に旦那様は優しく背中を擦ってくださいました。
「気にするな。こんなシャツはいくらでもなる。」
旦那様はお優しい方です。ほんとに聖様は旦那様のお子さまなのか疑いたくなります。
「水分とった方がいいから少しでも飲んでね。」
牧野様はストロー付きのポカリを用意してくださったのでそれで水分補給です。
- 61 :妊蔵:2012/11/08(木) 20:12:38
-
「希沙良くん、もう一踏ん張りいけるかい?」
少し水分補給をしたおかげか少し楽になった気がします。
「まだ赤ちゃんがお腹のなかで横になってるからなおすね。」
お腹の中にいる赤ん坊の体位を直すってどうやって直すんでしょうか?
旦那様はまた私を強く押さえました。
- 62 :悪音:2012/11/11(日) 21:51:29
-
「一応酸素マスクしとくね。赤ちゃんにたっぷり酸素をあげるためだから少し苦しく感じるけど我慢して。」
初めて酸素マスクをしたのですが、確かに普段よりも酸素濃度が高いことに慣れないためか少し息苦しさを感じます。
「希沙良くんはしっかり赤ちゃんに酸素を送るために痛いけど、息を止めないで呼吸しててね。城堂さま、しっかり押さえていてくださいね。」
「あぁわかった。」
旦那様はより一層私を支える力が強くなりました。
- 63 :出産子:2012/11/14(水) 04:22:50
- どこからこのようなマスクを、と思うと、ベッドの枕元に、見慣れぬ酸素のボンベが備え付けてあるのに気が付きました。
パーティーの間に、持ち込んでくださったのでしょうか。私の我侭のために、本当に申し訳ない…。
と思ったのもつかの間、私の感謝はあっという間に殺意にかわりました。
なんと、牧野様がまるでパン生地でも扱うかのように私のお腹を捏ねくり始めたのです!
「ぁぁぁ…、ぁぁぁ〜〜〜……」
大声で叫びたいところですが、腹筋に力が入らないので蚊の鳴くような声しか出せず、もう暴れる体力もありませんでした。
「…うん、一人出た後で子宮に余裕があったからね、上手くいったよ! ちゃんと頭が下になったからね!……希沙良くん? ちょっと、希沙良くん!?」
「希沙良! しっかりしなさい、ちゃんと起きて!」
私はこの時点で半分失神していました。
「う〜ん、もう母体が限界に近いですね、陣痛も弱まってますし。ここまで来たら、ちょっと無理して出しちゃいましょう。城堂さま、手伝いをお願いします」
「よし、わかった、任せたまえ。指示を頼む」
旦那様は牧野様の指示で私の胸の辺りに馬乗りになられました。
そこからは、視界に入るのは旦那様の背中だけです。
なので私の身に起こったことは感覚でしか分かりませんが、おそらく、旦那様が上から押し出し、牧野様が下から赤ちゃんを引っ張り出しているのではないでしょうか。
しかも、もしかして気のせいでなければ、牧野様の肘近くまで私の股間に突っ込まれていませんか。
無茶しやがって…。
「……ひゅー………、ひゅーー………」
しかし私は搾り出すような息をするのに精一杯で抗議することも出来ず、そのまま完全に意識を失ってしまったのでした―。
- 64 :出産子:2012/11/14(水) 04:23:26
- ―――――――――。
「あら、希沙良ちゃん、気が付いた?」
次に私が目を覚ましたとき、出産していた執事長室ではなく、見知らぬマンションの一室でした。
そしてそこにいたのは、エミおばさん。
驚いたことに私は、あれから丸一日半眠っていたようでした。
そこからは、エミおばさんと、回診に来てくださった牧野さまに聞いた話しです。
私が意識を失ったあと、旦那様と牧野様の手によって無事に出産出来たそうです。
産まれたのは、どこか私の面影のある女の子でした。
必要な産後の処置をし、切開した傷の縫合を行い、私の容態も安定した頃朝を迎えました。
そしてそこに、何時までたっても私からの連絡が無いのを心配したエミおばさんが偶然を装い尋ねてきてくださったのです。
そして秘密を知る者同士が話し合い、私と赤ちゃんは当初の予定通り、エミおばさんにお世話になることになったのでした。
(正確には、私はすぐに仕事にもどり赤ちゃんだけ預ける予定だったのですが)
執事の仕事のほうは、急病と言うことで休暇を下さっていました。
どうやらあのパーティーのときに私の具合が悪そうだと気づいていた者もいたようで、私の病欠は疑われることはありませんでした。
それでもすぐに復帰するつもりでいましたが、産後の肥立ちは20年後30年後に響くからと、牧野様と旦那様とエミおばさんにも説得され、結局私は3ヶ月はエミおばさんのところでお世話になることになりました。
- 65 :出産子:2012/11/14(水) 04:24:35
- そしてエミおばさんのマンションでの生活が始まったのですが、出産直後の興奮状態が治まってくると確かに身体が辛く、休みをいただいたのは正解だったとつくづく実感しました。
全身の疲労と筋肉痛も辛かったのですが、とくに縫合したアソコの傷が引きつれが辛く、溶ける糸だというのですが耐えられずに牧野様を呼び出し抜糸してもらいました。
それでようやく、産後5日目にしてまともに座ることが出来るようになったのでした。
私の胸からは母乳が良く出ました。
双子をお腹いっぱいにし、それでも溢れるように出たので搾乳し、冷凍保存して、哺乳瓶で与えました。
そのほかの育児については、エミおばさんを頼ったのは正解でした。
実に小まめに根気よく、双子と、おまけに私の面倒までみてくださいます。
私はと言うと、育児については全く向いていませんでした。
自分で言うのも何ですが、執事としては有能な私ですが、何もかも予定通りにならない双子の赤ちゃんに振り回されまったく役に立ちません。
ストレスがたまるばかりでしたので、随分身体も回復しましたし、2ヶ月と少しで仕事に復帰しました。
やはり、私には執事の仕事が向いています。
- 66 :出産子:2012/11/14(水) 04:25:41
- もちろん暇が出来れば我が子の様子を見に行き、まだまだ母乳が出ていましたので保存しておき、届けました。
一つ心配があるとすれば、もし今聖さまに体を求められれば母乳が出ることがばれ、色々面倒なことになるということだったのですが、それは杞憂でした。
聖さまは、婚約者である姫乃さまに夢中になられており、私など眼中にないようでした。
このまま、お二人の縁談も上手くまとまる事でしょう。
ご結婚は、姫乃さまが大学を卒業されてから、という予定になっております。
それまでは妊娠は厳禁だと旦那様とあちらのお父上さまにきつく言い渡されてどうなることかと思ったのですが、姫乃さまはああ見えてなかなかしたたかな気の強いお嬢様。
上手く聖さまを操縦し、尻に敷いておられるようです。
姫乃さまがいらっしゃれば、城堂財閥も安泰、のような気がします。
私の双子の赤ちゃんは、旦那様のおかげもあり、戸籍など不自由しないように整えることが出来ました。
そして、すこし、金銭的援助も受けるとに。
絶対に表に出ることはありませんが、旦那様の初のお孫さまであることには間違いないので、押し切られた形です。
表向きは『有能な執事長、東條 希沙良に関わりのある子』としてですが、何かと気にかけ、可愛がってくださいました。
こうして私の出産は、秘め事のまま、遂行することが出来たのです。
これからも私は、誠心誠意、城堂財閥に仕えていくことでしょう。
ですが、人生とはままならないもの。
まさかこの15年後に、姫乃様のお父上の忘れ形見を出産することになるなど誰が予想できたでしょうか。
執事の秘め事、それはまた、誰も知らない未来のお話なのです―。
おしまい
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