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原住民- 1 :妊蔵:2012/09/12(水) 01:30:06
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3010年
「本当にこんなところに人がすんでるのか?」
2000年以上前から同じ生活をしている原住民が最近発見されたのだ。
その原住民は、世界各国からの廃棄物のために困ったことが起きているというため、国境なき医師団産婦人科部門のメンバーであるタイキが派遣されてきたのだ。
「(ココダ。)」
原住民の案内役ララがジャングルを抜けて呟いた。
「ふぅーやっとついたー。」
「(ララヨ、彼ガ医師サマカ?)」
抜けた先に出迎えたのは、30代ぐらいの男だ。
「(ソウデス、長。タイキ、我ラノ首長マカルタサマダ。)」
「(長旅ノトコロ申シ訳無イガ予定ヨリモ早クアクトガ産気ヅイタノジャ。)」
「(アクトガ?タイキ、早速ダガ問題ノ1人アクトガ産気ヅイタ。我ラノ出産ヲミロ。)」
「わかった。」
「ウガァァァ!」
タイキはララに案内され、藁で出来た小屋にやってきたが小屋の中から悲鳴のような声が聞こえてくる。
タイキが中にはいると1人の妊婦を囲い5人の女性たちがいる。
1人の女性は、妊婦の手をつかみ、3人が力任せに妊婦のお腹を押し、1人が股間に手を当てている。
これがこの民族の出産スタイルで無理矢理押し出そうとするのだ。そしてタイキが観察し、よくみるとアクトの股間には妊婦にはあり得ない象徴があった。
「(タイキ、アレダ。アレヲモッタ妊婦ガモウ1人、アクトノ弟マナトダ。マナトハ次ノ満月ニ産ム。)」
「両性かぁ。そりゃあ驚くな。」
両性は環境の変化でここ100年で急激に増え、今では出産には一切差し支えない。
「(ソレダケデナイ。アクトタチノ前ノヤツハ赤子ガ大キスギテ産メナカッタ。アクトノ、オ腹モ大キイ。)」
ここの民族は両性が出たばかりではなく、両性が何故か巨大児を妊娠してしまうのだ。
- 2 :マタスイを更新していただけると嬉しいです:2012/09/12(水) 07:02:40
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「(ゥギアァァァァア!)」
アクトは、大きいお腹が潰れるように押され、悲鳴をあげている。
自分で出産しているというよりも出産させられているようだとタイキは思った。
「(タイキ、ミロ。破水ダ。)」
「(あ゛う゛ぅぅぅぅう!)」
ララに言われ、アクトの股間を見ると、アクトの呻き声ととお腹を押されたタイミングで羊水が噴水のようにでてきた。
- 3 :りりー:2012/09/13(木) 10:18:08
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「(ヴギャアアァァ)」
アクトは陣痛の痛みと絶えずお腹を押される苦しみで、必死で逃げようとする。
「ララ、彼は何歳なんだ?」
「(アクトハ12ニナッタトコダ。マナトハマダ10ダ。)」
この民族は医学が発展していないため、短命だ。
そのため、10代の初潮後に妊娠させるのもザラらしい。
- 4 :無能:2012/10/13(土) 03:50:57
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「交代してくれ。あ、手と足はそのまま固定しておいて。」
俺は早速手に手袋をはめ、アクトの破水したばかりの穴に指をいれた。
「(タイキ、どうだ?)」
「まだ子宮口が完全に開ききっていない。無理矢理産ませるとあちこち切れて出血が多くて死に至るんだ。」
今までの死亡率もきっとこの出産方法が鬼門だったんだな。
- 5 :無明:2012/10/13(土) 12:36:46
- 処置の方法を色々と考えていると、目の前で驚くべき事態が起こった。
アクトが大きな悲鳴を上げると、一気にその腹が膨らみだしたのだった。
ミチミチ、メリメリと皮膚の軋む音がする。
まずい。
そう思った、次の瞬間。
ボン、と音を立てて、血や羊水をまき散らしながら、アクトの腹が破裂した。
今まで無理やり産ませていたのは、こうなることを避けるためだったということだ。
常識の通用しない相手に、俺は改めて戦慄した。
- 6 :無能:2012/10/13(土) 17:20:00
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そしてなんとか子宮とお腹を縫い、アクトを助けることができた。
「う〜ん、毎回これじゃあなぁ。」
タイキは、どうしたらいいのか考え他の妊婦の出産介助をしつつも対応を考えていた。
- 7 :無明:2012/10/13(土) 21:35:34
- とはいえ、原因もわからないのに対処の方法が分かるわけがない。
アクトを助けられたのも、きっと奇跡的な確率だ。
二度目があったら、助けられる保証はない。
楽観的に構えてはいられないと、俺はまず、この民族の身体についてとことん調べることにした。
原因は一つだけではないようだが、その内のいくつかは判明した。
両性であるため、骨盤の形がいびつなことと、子宮も未熟で、女性のものに比べて薄く脆いことだ。
そこに巨大児が合わさった結果、破裂してしまうのだろう。
これをどうにかする方法は大きく2つ。
女性ホルモン剤を投与して、肉体を女性に近づけること。
もう一つはもっと単純。
両性の人を妊娠させないことである。
- 8 :無能:2012/10/13(土) 22:35:44
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取り敢えずもう一度念入りに検査をするためにアクトの弟のマナトを一番近くの島の最先端研究室で出産を行うことにしたのだ。
「マナト、調子はどうだ?」
タイキは、マナトの病室と化した部屋へ毎日欠かさず五回は診察にきている。
- 9 :無明:2012/10/14(日) 00:27:39
- 事情を説明してもらって両性の人との性行為を控えてもらっているが、そもそも両性の人が出た原因は俺達にある。
それもあって、俺は何とか出来ないかと考えているのだ。
そしてマナトも、大きな問題を抱えていた。
「ハア………ハア………ウグ………」
巨大児な上運悪く四つ子を妊娠しているため、もはや自力での呼吸すら危うい。
- 10 :無能:2012/10/14(日) 00:35:31
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さすがにタイキは、限界だと判断し、予定日より少し早めだったが、帝王切開で四つご赤ん坊を取り出した。
この帝王切開は、もちろんマナトの同意の上だが、マナトは、1つ条件を出していた。
「(俺ノ村ニハ幼イガ、マダイル。ダカラナントカ今ノ体デ出産シタイ)」
とのことだ。
そのため、マナトの体調が戻り次第、徹底的な体調管理のもと村の両性自然分娩プロジェクトが始まった。
1年後
マナトとそして兄のアクトの協力のもと2人に胎児を1人身ごもらせることに成功させた。
- 11 :無明:2012/10/14(日) 01:05:30
- やはり問題になるのは二人の子宮だ。
帝王切開せざるを得なかったのもあって、普通よりも脆くなっているし、傷痕のところなんか薄くもなっている。
結局は、大きくなり過ぎないうちに無理やり出産させるしか無いらしかった。
その日まで持ちこたえさせるための、俺達の努力は数え切れないほどある。
だが、一つでも間に合わなかったら、そこでもうおしまいなのだ………
- 12 :無能:2012/10/14(日) 07:24:13
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まずは普段、多胎児用など子宮を強くしなければいけない女性のために開発された子宮強化剤をうち、子宮事態を本来の女性に近づけた。
「経過は順調だな。ほら、子宮が分厚くなったよ。今は、本来の女性に近い子宮だよ。」
タイキは、最先端3Dのエコーで説明する。
- 13 :無明:2012/10/14(日) 07:31:01
- とはいえ、この薬の効果だって完璧ではない。
あくまで無いよりはマシというレベルでしかなく、最後に問われるのは医師としての手腕である。
次に行ったのは食事制限。
栄養の偏りなどで、不用意に胎児が大きくなりすぎるのを防ぐわけである。
たとえ一個一個の処置が気休めであろうと、それを積み上げた先にはきっと効果があると信じて、様々な処置を続けていく。
- 14 :無能:2012/10/14(日) 07:43:35
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後は出産に必要な体力をつけるため、適度な運動で体力をつける。
張りを感知する小型のセンサーをつけながらではあるが1日一回研究所の庭に散歩に出るのだ。
今日も2人そろって散歩をする時間だ。
「さぁ、散歩にいくぞ。」
もちろんタイキが同伴するのだ。
- 15 :無明:2012/10/14(日) 08:01:06
- 散歩に連れ出そうとしたその時、様子がおかしいことに気づいた、
疑問を感じると同時に、センサーが一気に反応し始める。
そう。
まだ予定日はずっと先だというのに。
二人共、同時に陣痛が始まってしまったのだった………
- 16 :無能:2012/10/14(日) 08:46:37
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すぐに張り止めをうち、なんとか事なきをえた。
「まだ子供がでてくには早いな。もう少し様子をみなくてはいけない。だから当分安静だな。」
タイキは、2人を当分の間、ベッド生活にした。
2人ももちろん協力をしてくれる。
- 17 :無明 Birth Shopも更新してくれると嬉しいです:2012/10/14(日) 16:04:28
- 安静にしていたかいがあって、今度こそ無事に臨月を迎えることができた。
だが、今度は「陣痛が起きない」というトラブルに見舞われてしまった。
強化剤を打ったとはいえ子宮の強度には未だ不安が残っているため、陣痛促進剤は使えない。
お迎え棒なんてもってのほか。
この状況で破水してしまえば命に関わる。
つまるところ、とうとう万策尽きた。
後は自然に身を任せるほかないのだった。
- 18 :無能:2012/10/14(日) 21:02:07
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「陣痛を起こすために体を動かそうか?」
いつ陣痛が始まってもいいようにタイキは、もちろんのこと、他に4人の助産師と6人の研究者が見守りながらも陣痛を促す運動をすることになった。
「まずは、定番のスクワットだよな。」
「「(スクワット?)」」
もともと自給自足で暮らしていたアクトとマナトは、暮らしの中がエクササイズのため、体を鍛えると言うことをしない。むしろ暮らしの中で筋トレが無意識に行われている。
- 19 :無明 ありがとうございます:2012/10/14(日) 23:27:59
- そこまで考えてはっと気づいた。
十分身体が鍛えられているのなら、やっても意味が無いんじゃないかということに。
こうなったら、文字通り自然に身を任せるしか無いだろう。
そう考えて、月齢を計算しながらひたすらその時を待った。
それを何度も繰り返して、2回目の満月の夜、とうとうその時がきた。
読みが、当たったのだった。
- 20 :無能:2012/10/15(月) 00:12:07
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「よし、胎児の大きさも正常範囲だ。」
タイキは、最後の確認を行い、子宮の状態も万全であることを確認した。
「(ヴゥゥーーーー!)」
「(イダィィィ!)」
アクトは一度目の出産があるからか落ち着いているがマナトは自然分娩が初のため、少しパニックにはなっているものの、アクトも陣痛の合間に励ましているため、落ち着き、今のところすこぶる順調である。
- 21 :無明:2012/10/15(月) 00:32:17
- マナトが少々暴れ過ぎなのは気になるが、おおむね順調。
身体がしっかりしているせいか、出産そのものの進みも速い。
タイキは声をかけながら、いつ何時問題が起きてもいいように様々な道具を準備している。
そして、次が傾き始める頃。
二人同時に、発露まで至ったのだった。
- 22 :無能:2012/10/15(月) 00:36:41
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「ほら、赤ん坊がでてきたぞ!あ゛!」
タイキは、少しずつ胎児がでてくるにつれ、ある事実に気づいた。
アクトの胎児は、頭からではなく、お尻から出てきているのだ。
「(タイキ?)」
タイキの表情が変わったことに気づいたアクトは、頼れるのはタイキのみといわんばかりに、心配そうにタイキを見た。
- 23 :無明:2012/10/15(月) 01:06:54
- 「大丈夫、なんとかなるさ………必ずね」
アクトに声をかけると、ゆっくり引っかかっている両足を会陰から引き出した。
「さあ、いきんでごらん。あんまり強くはダメだけど」
アクトは頷いて軽くいきんだ。
スルスルと赤ん坊の身体が抜け出し、立派な身体の女の子が産声を上げた。
そしてそれに追いつこうとするかのように、マナトは男の子を生んだ。
今度こそ、完全に問題のない出産だった。
ララからも礼を言われ、仕事を終えて立ち去ろうとするタイキ。
その背中を、アクトはずっと見送っていた………
2年後。
相変わらず世界を飛び回り、国境なき医師団としての活動を続けるタイキ。
久しぶりの休みに日本に帰り、自宅にいた時のこと。
宅配便なども頼んでいないのに訪問者が来たようだ。
誰かと思って応対すると、そこにいたのは古びたシャツとジーパンに靴はサンダル、2歳ほどの赤ん坊を抱えた、褐色の肌が美しい少女だった。
一瞬訝しむタイキ。
だが、目の前の少女は口を開いた。
「オ………ワタシ、ア、クト………タイキ、アウ、キタ………」
なんと、目の前の少女はアクトだったのだ。
驚くタイキに、たどたどしくも事情を説明するアクト。
タイキが去ってから半年後に大雨がふり、その時に産業廃棄物を含んだ水が村へ流れてしまう事故があったという。
その時に赤ん坊に雨のしずくがかからぬよう体を張り、アクトは大量の環境ホルモンを全身に浴びた。
その結果として、身体は完全に女性化したのだという。
言い終わったアクトに、タイキは「なぜ来たのか」と問うた。
その返事に、タイキは更に驚いた。
「タイキ、オレイ、スル、ホシイ。オ……ワタシ、タイキ、ヨメ、ナル!」
- 24 :無能:2012/10/15(月) 01:39:06
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もちろんタイキは、快くオッケイしたが、アクトは14歳のため、まだ2年結婚できるまで足りないのだ。しかし婚約と言うことで2年後に入籍するということにした。
ピンポーン
「(姉さん、助けて!!)」
アクトが日本に来てから3ヶ月、新居へ引っ越しの用意をしているときだった。
二歳くらいの男の子を大切に抱いているが、アクトがここにきた時の服装よりもボロボロで、そしてなんといっても12歳の体にしては明らかにお腹が異様に膨れているマナトがたっていたのだ。
「(マナト、どうしたんだ?)」
マナトは、アクトがでていってすぐに自国でアクトとちがい、まだマナトは、両性であるため物珍しいマナトに観光客が面白がって集団で襲い、レイプされ妊娠したが、しばらくて、お腹が出てきたことで妊娠に気づいたが、そのレイプの事実を知らない村人に気味が悪いと村を追い出され、なんとかタイキと姉のアクトのいる日本にこれたのだ。
タイキが検査をし、大体妊娠七ヶ月の双子だということがわかった。
前回の子宮を強くさせる薬のお陰で子宮は、成長し、完全に女性と変わらなくなっていた。
- 25 :無明:2012/10/15(月) 02:20:47
- しかしそこまできて、マナトは倒れてしまった。
栄養状態などを見ても、すこぶる悪い。
むしろ、今まで死ななかったのが不思議なレベルである。
ここまで弱っていては、妊娠の継続も難しいのは明白。
早く帝王切開しなければ、胎児はもちろん、マナトも持たない。
そしてタイキは、知り合いの経営する病院に駆け込んだ。
「テツジ、どうだった?」
手術を終え、手術室から出てきた知り合いの医師、テツジに問うた。
テツジは沈痛な面持ちで、ゆっくりと話し始めた。
「赤ん坊は無事だ。早産だからNICUだけどな。ただ、母体は………」
テツジの表情が語る事実はひとつ。
「そもそも、あの時点でもう死んでいてもおかしくなかったんだ。執刀医の中に手術に反対する奴が出るくらいにはな」
それでも、赤ん坊は救えたというテツジ。
「俺とサクノが責任をもってあの双子を育てる。あの子みたいな人を助けられるような、立派な医師にしてやるんだ」
そう語るテツジ。
テツジの妻、サクノは子宮がんで子宮を摘出しているため、子供が望めない。
そんなことがあったから、テツジはそう決意したのだ。
泣き崩れるアクトを抱き上げて、タイキは帰途についた。
- 26 :無能:2012/10/15(月) 10:42:44
-
帰路につく前にタイキとアクトはマナトが倒れた後に電話で子供たちをタイキの母に預けていたアクトの娘アンとマナトの息子のマオを迎えにきた。
「そう、だめだったの。」
事情を聞いた母も悲しそうだ。
アクトはマオを抱き締めて泣き崩れている。
マオはマナトとは違い、アンと比べると大分貧相ではあるものの栄養失調ではないため、タイキは、マナトが妊娠しているにも関わらず自分の食料をマオにあげていたのだと思う。
マオは取り敢えずタイキの戸籍に入れることにした。
- 27 :無明:2012/10/15(月) 11:19:27
- マオという名前は日本で暮らすに於いて男の名前としては不都合なことが多いため、母が日本での名前として「マサキ」という名前を付けてくれた。
- 28 :無明:2012/10/15(月) 11:24:49
- そして、二年はあっという間に過ぎた。
アクトは一年で年相応の学力を身に付け、後の一年は日本語の習得に奔走した。
マサキは主にタイキの母が面倒を見、順調に育っていった。
最近はすぐうろちょろするため、目の離せない時期だ。
そして、アクトが戸籍を取って二年目、ちょうど16歳の誕生日、その日に、タイキとアクトは体を重ねた………
- 29 :無能:2012/10/15(月) 11:28:05
-
「ぱぱ、てつらぅ〜。」
「マサキ、じゃあお箸並べてくれるか?」
「あ〜ぃ!」
1週間もすればマサキは、タイキになれ、パパと呼ぶようになっていた。
ちなみにアクトはあ〜たんでアクトの娘はね〜たんだ。
もちろんアクトも亡き弟の息子だったため、可愛いがっている。
食事は勝手がなれないアクトに代わり、タイキが作っている。ちなみにアクトは日本語を覚えたいと日本語学校へ通い、14歳のアクトのために、いろいろなことを学んだ方がいいとタイキの希望でフリースクールへも通わせている。
- 30 :無明:2012/10/15(月) 11:52:16
- そんな毎日が続いていた、ある日のこと。
体調を崩したアクトを心配して医者に向かわせたタイキは、そこでアクトの懐妊を知った。
「タイキ……………」
「大丈夫だ、心配するな」
こうして、新しい命を迎える10ヶ月間が、始まった…………
- 31 :名無しさん:2012/10/15(月) 11:55:46
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「ヴッ!」
前回の妊娠と一番違うところは、悪阻だった。
食生活の変化なのか今までの妊娠でアクトは悪阻はなかったが、今回は悪阻が酷いようだ。
「アクト、大丈夫か?」
「(ダ、ダイジョウブ、タイキトノ、コダカラ。)」
アクトはそう微笑んでいった。
- 32 :無明:2012/10/15(月) 12:01:11
- (アクトは片言の日本語イメージなので()はないほうが良いかと思います)
マサキや、アンも心配しているほどだが、もとの体が強いせいだろうか。
症状の無いときは驚くほど元気である。
これなら心配ないだろう、とタイキは胸をなで下ろした。
- 33 :名無しさん:2012/10/15(月) 12:28:46
- (わかりました。)
悪阻も5ヶ月頃におさまったが、6ヶ月検診の日に驚くべきことを言われ、見せられた。
「「マナト!?」」
「ネェ、サン?」
マナトは亡くなったとされていたが、実は、生きていたのだ。
ずっと虫の息であったが、1ヶ月たった頃に息を吹き替えし、しばらくして、回復はしたもののデータを見るとまた妊娠していることが判明し、安定するまで入院していたのだ。
「あ、タイキ、ちなみにマナトもアクトと同じくらいの予定日だ。多分妊娠は自家だとおもうよ。」
実は、マナトと昔の両性だったアクトの妊娠は自家受精だったのだ。
そのため、意識がないなかでもマナトは子孫を残すために妊娠したのだ。
ちなみに入院していただけあってマナトはすこぶる順調で、生きていた弟と二度と離れたくないアクトの意向でタイキとアクトの家ですむことになった。
- 34 :無明:2012/10/15(月) 12:44:47
- そんな夢を見た、とアクトに言われたのは6ヶ月検診の日。
だから、アクトは喜んだ。
マナトが、自分の中に帰ってきてくれた、と。
たいきも、マナとのことで落ち込むアクトを見るのが嫌だったため、一緒に喜んだ。
- 35 :名無しさん:2012/10/15(月) 12:50:49
-
その日の3D検診で性別も両性だとわかり、アクトは絶対マナトの生まれ変わりだと信じるようになり、前よりもお腹の子をより労るようになった。
「マナト、どう、だ?」
アクトはお腹の子をマナトと呼びよくお腹をさわりながら問いかけている。
それにお腹の子供も反応するため、アクトは幸せに満ちていた。
- 36 :無明:2012/10/15(月) 13:15:13
- 検診を何度か繰り返すうちに両性ではなく男の子だと分かったものの、アクトの喜びを抑えることなどできない。
だがその一方で、「日本語も満足に喋れない若い妊婦」となれば、周囲の噂を悪い意味で集めやすいという、もんだいがあった。
- 37 :名無しさん:2012/10/15(月) 13:24:59
-
そのため、周囲にはバレないようにともともとは両性だった子宮のため、いつなにがあるかわからないため、アクトはテツジの病院に入院することにした。
そこからタイキは仕事に通っている。
- 38 :無明:2012/10/16(火) 23:17:18
- (タイキは帰ってこさせないでください)
その後も毎週のようにアクトのもとにタイキは顔を見せていたが、予定日まであと数日という時になって急な仕事が入り、アルゼンチンにまで飛ぶこととなってしまった。
期間は1ヶ月。
タイキとしても心苦しかったが、なにぶん急を要する仕事であり外せなかったのだ。
そして、タイキがアルゼンチンに向かってから2週間後。
予定日を1週間と少し過ぎて、アクトの陣痛が始まった。
- 39 :無能:2012/10/16(火) 23:36:18
-
「ぉなか、ぃたい。」
「あら、大変!あなた、あなた!」
アクトがお腹をさわりながら呟いた。
タイキがいない間はサクノがアクトの面倒をみてくれていたため、サクノはすぐにテツジを呼びにいった。
ちなみにアンとマサキはアクトの母親の家で預かってもらっている。
- 40 :無明:2012/10/16(火) 23:57:28
- こうして、タイキのいない状況下でアクトの出産が始まった。
安全が確保された上での出産であったが、タイキがいない事実がアクトを不安にさせていた。
襲い来る陣痛に、アクトの心は何度も折れそうになる。
だが、その時声をかけたのがサクノだった。
「諦めちゃダメ。赤ちゃんに失礼だし、タイキさんもきっと今頃、向こうで頑張っているはずよ」
- 41 :無能:2012/10/17(水) 00:04:10
-
「そうだぞ。タイキにとっては初めての実子だからきっと日本に帰国したら喜ぶぞ!よし、まだ三センチだけど張りも順調だな。」
ちょうど内診しにきたテツジもアクトを励ます。
アクトはまだ幼い部分があるため、タイキが喜ぶと聞くと頑張ろうという気持ちになる。
また見に来るとテツジはサクノに任せて違う病室に向かう。
- 42 :無明:2012/10/17(水) 00:31:42
- 回診を終えるたび、アクトの様子を見るテツジ。
順調に進んでいることを確認しては、また回診に向かう。
彼は多忙だ。
だからこそ、タイキのいない今、サクノがアクトの心の支えだった。
- 43 :無能:2012/10/17(水) 00:37:05
-
「ヴぅーーー、あ゛あぁぁ!?」
プシューっと四つん這いになっていたアクトの股間から羊水が吹き出てきた。
破水したのだ。
ビーッ
「あなた、アクトちゃんが破水したわ。
アクトちゃん、大丈夫よ、破水しただけだから。」
サクノはナースコールでテツジをよひ、またアクトを励ます。
- 44 :無明:2012/10/17(水) 01:03:02
- 日本での生活があっても、基礎体力は鈍っていない。
いきむたびに、ぐんぐんと胎児が産道を進んでくる。
「んあ、アアアッ!!!」
最後のいきみと、続く悲鳴。
それと一緒に、アクトと間違いなくへその緒でつながった小さな命が、この世に生まれ出た。
- 45 :無能:2012/10/17(水) 01:25:30
-
「あら、男の子じゃないわ、両性ね、この子。」
サクノは呑気そうに赤ん坊をさわりながら確認した。
結局のところテツジも間に合わないほどスピード出産でサクノが取り上げたからだ。取り上げてすぐにテツジがやってきて処置をしてくれた。
ちなみにタイキが我が子と会えたのはそれから一週間後だった。
そして
16年がたち、奇妙な偶然が起こったのだ。
テツジ、サクノ夫妻の双子の娘テンとノンそしてアクトの娘アン、そしてアンの弟として育てられた両性のマナトと年子で生まれた妹として育てられた両性のサキが同時に妊娠したのだ。
しかもマナトは双子を身ごもっているのだ。
ほかの4人は1人だ。
アンと双子は、16歳になってすぐに結婚している。
ちなみにマナトとサキはたまたまアクトの田舎に帰った際にこの年齢で子供がいないのはおかしいと妊娠させられたのだ。
アクトは、サキとマナトが妊娠しても、もとから自分自身、若いうちから生んでいるのと、自分自身がサキを生んでから無理がたたり、子宮をなくしたため、久しぶりに賑やかさが増すと嬉しそうだ。
タイキは現在は海外へはいかず日本でマナトやアクトの研究成果をもとに両性の研究をしている。
- 46 :名無しさん:2012/10/17(水) 01:31:15
-
ちなみにサキは男の象徴も女の胸を持ったマナトとは違い、両性といっても見た目はあまり女の子とかわらないが一応体内に精子を作る機能もあるというだけだ。
「マサ兄、どっかいくの?俺もつれてって。」
「しょうがねぇなぁ。」
ちなみに唯一の男兄弟のため、マサキはマナトに弱いく、マナトもなついているため、よくマナトはマサキと行動することが多い。
- 47 :無明:2012/10/17(水) 01:50:14
- (一応『弟の方のマナト』が産んだ双子は、テツジ夫妻が育てている以上日本国籍持ちだと思うので、いくらなんでも名前が変すぎるんじゃないでしょうか………?)
つまり放っておいても自家妊娠してしまう、難儀な身体というわけだ。
そしてアクトもまだ32歳。
子宮全摘を見かねたサクノの手で、最新鋭のバイオ素材でできた人工子宮を移植され、再び妊娠することが出来るようになったのだ。
試作型のためかなりのオーバースペックにしてあるそうで、超多胎の予定日オーバー2ヶ月まで対応可能というむちゃくちゃなシロモノだ。
自分が女であることの意義を「タイキの赤ちゃんを産むため」と考えてしまっているアクトには過ぎたもので、結局タイキとの間に五つ子を新たに妊娠することとなってしまった。
予定日も同じなため、本人は「娘たちに出産を教えてやる」と意気込んでいたりする。
- 48 :無能:2012/10/17(水) 02:02:58
-
(テツジとサクノの名前をとっただけだったんで、ネーミングセンスがおかしくてすみません汗)
妊娠が発覚した頃、一番問題になるのは悪阻だった。もちろんタイキ、アクト家族の面々も色々な悪阻があった。
アクトは、もとから悪阻を感じない方らしく、妊婦特有の眠いだけらしい。
アンは食いづわりらしくなにかを食べていないと気持ちが悪いらしい。
サキは匂いづわりらしく、匂いに敏感で一番ピリピリしている。
一番やっかいなのは双子を妊婦しているせいかマナトだった。マナトは、吐きづわりらしく、最近ではなにも食べられず水すらも吐いてしまうため、テツジに診察してもらい、妊娠悪阻の一歩手前だと言われたのだ。
- 49 :無明:2012/10/17(水) 02:16:02
- マナとはそのまま入院となってしまい、しばらくは点滴生活のようだ。
別な意味で問題があるとすればアクトだった。
サキを産んだときの無理もあって、今のアクトの身長は155cmしか無い。
その状態で五つ子を妊娠しているのだ。
だがアクトは気にする様子もなく、普段通りの生活をこなしている。
やがて、流産の可能性がぐっと下がる22週、6ヶ月となった………
- 50 :無能:2012/10/17(水) 02:26:17
-
「うぅーーー何でママ、そんなに元気なんだ?」
なんとか悪阻が軽くなったため、マナトは退院してきたが、今は眠さとダルさとたたかっており、五つ子を妊娠しても元気でぴんぴんしているアクトがすごいと思っている。
五つ子だからか食べる量も多く、入院生活で妊娠してからのアクトのたべっぷりをみていないマナトは唖然としている。
そして五つ子ということもあってかアクトが一番早く胎動を感じた。
- 51 :無明:2012/10/17(水) 02:45:25
- 皆が胎動を感じるようになり、何かと賑やかになる。
マナトはどうしても食が細いらしく、アクトの食べっぷりには驚くばかりだ。
やがて、皆が臨月を迎える………
マナトは入院し、他の子供達も入院準備を整える中、アクトは入院する気が皆無だった。
「タイキと赤ちゃんを迎える」
そういっていた。
またアクトはブログをもっており、日に3桁アクセスは行くという。
そりゃ五つ子の妊婦日記なんてそうそうないものなあ………
- 52 :無能:2012/10/17(水) 02:55:51
-
結局アクトの意向でマナトも退院させ、皆で研究所出産することにした。
理由は簡単だ。
アクトが皆の出産のお手本になりたいのとアクトがタイキと赤ん坊を迎えたいと言うことだ。
そして初めは自宅出産を考えていたが、マナトの体調やマナトとサキの研究データがほしいというてんと研究に没頭するタイキにアクトは、出産をみせるには研究所しかないと思ったのだ。
ちなみに研究に没頭しすぎてサキの時も出産に立ち会えていないのだ。
研究所には色々な過酷な国で赤ん坊を取り上げてきたプロフェッショナルが大勢いるのも選んだ理由だ。
研究所にはすでに出産のための部屋が用意されており、妊婦の腕には陣痛と血圧の状態感知つきの時計をつけている。
- 53 :悪音:2012/10/17(水) 22:16:00
-
「マサ兄〜、プリン買ってきて。」
「マサキ、私は雑誌。」
「私は、アイスね。」
「あとで、一斉に買ってくるから待ってろ!」
マサキも家族がここに入院しているため、泊まり込んでいるが、外にでてパシられるのもマサキである。
タイキはアクトがそばにいてほしいらしく、外にあまりでることはない。
- 54 :無能:2012/10/17(水) 23:29:39
-
予定日前日まで何事もなく、いつも通りの生活をしていたが夜中にマナトがお腹の違和感にめを覚ました。
腕の装置をみると赤く光っている。
「ん?マナト、どうしたんだ?」
同室で寝ていたマサキがマナトが起き上がったため、気づいて起きたのだ。
「なんかお腹が変。」
「陣痛か?」
「わかんないけど。」
「父さんを起こしてくる。」
マサキは隣の部屋にいるタイキをおこしにいった。
- 55 :悪音:2012/10/17(水) 23:49:51
-
「マナト、お腹の調子が悪いのか?」
タイキはすぐにやってきてマナトの様子とマナトの腕の装置を見た。
「陣痛の履歴があるな。それにお腹の張りもあるし、多分陣痛でお腹に違和感があるみたいにみえるんだ。」
タイキはマナトの様子をみながらいった。
この時家族出産がマナトで始まり、マナトで終わるとは誰も予想がつかなかった。
「取り敢えずまだお産は始まったばかりだから体を休めるためにも眠った方がいいが、横になってるだけでもいいぞ。」
タイキのアドバイス通りにマナトは取り敢えず横になった。
- 56 :無明:2012/10/18(木) 01:02:49
- 陣痛計は正常に作動しているものの、マナトのそれはまだ陣痛と呼べるようなものでもない。
他の姉妹やアクトもそれは同様で、アクトに至ってはブログの更新をしている。
やがて慣れてきたのか皆が眠れるようになり、一晩が過ぎていった。
- 57 :悪音:2012/10/18(木) 01:11:05
-
「みんな微弱だな。少しからだ動かすか。」
タイキは四人のデータをみて研究室内にあるトレーニングセンターへいくことにした。
ここにはプールを始め、色々なトレーニングマシーンががおいてある。
研究員たちは忙しくてなかなか運動ができないため、少しの時間で体を動かせるようにするためにつくられたのだ。
- 58 :無能:2012/10/18(木) 01:57:58
-
「まずはやっぱりウォーキングだよな。」
ウォーキングマシーンで早速歩き出した。
「う゛、たいき、う゛まれるぅ!」
バシャッー
ウォーキングマシーンで運動したことと、経産婦ということで子宮口が緩んだのかアクトが一番早く破水し、破水と共に本格的な陣痛も始まったようだ。
- 59 :名無しさん:2012/10/18(木) 12:07:05
-
「アクト、大丈夫か?」
タイキはアクトのもとにすぐに駆けつけた。
「タイキ、痛い、痛い!」
アクトは、ウォーキングマシーンの持ち手につかまり、まだマシーンが動いているため、両端に足をおき、陣痛に耐えている。
タイキは先にマシーンをとめてからアクトの様子をみる。
「子宮口が八センチ開いてるな。後もう少し、辛抱しろ。」
タイキは内診してからアクトの腰をさすっている。
- 60 :無能:2012/10/18(木) 15:43:42
-
「お父さん、私もきたかも、っ!」
「私も。」
「・・・。」
「父さん、マサキもみたいだぞ。」
ほぼ一斉に産気付いたらしく、タイキはスタンバイしている研究員を呼んだ。
アクトにはタイキがつき、子供たちにも一人一人研究員の助産師がつくことになっている。
- 61 :無明:2012/10/18(木) 23:57:07
- (マサキは男性なんじゃ………)
マナトにはマサキがついたようで、こうして家族の出産が始まる。
皆がデータを取りながら、陣痛が徐々に強まるまでを、ひたすら自然に任せて待っていた。
一時間。
二時間。
三時間。
刻々と、時は過ぎていく………
- 62 :無能:2012/10/19(金) 00:09:30
-
(すみません汗
マサキ×→マナト○でした)
「アクト、全開だ。もういきんでいいぞ!頭も見えだしている。」
一番早く進んでいるのはやはり経産婦のアクトだ。
五つ子ということで胎児も若干小さめで2500g前後だと言われている。
プシュー
「アンさんも全開、破水しました。」
成熟した体のアンも順調でバレエをやっていたせいか体も柔らかく、毎日のジョギングのせいか食べづわりで体重は増えたにも関わらず、胎児も3000g前後だといわれている。
アンの旦那もやってきてアンを支えている。
サキとマナトはどっこいどっこいでサキが子宮口六センチとマナトが子宮口四センチだ。
サキはアクトの故郷の儀式で性交した子のため普通サイズの3000g前後だが、マナトは自家受精のせいか胎児が大きく双子にも関わらず4000g以上はあると言われている。
- 63 :無明:2012/10/19(金) 00:26:30
- そもそも、マナとはまだ破水していないし、サキは骨盤が小さく、堅い。
この二人に一番時間がかかるだろうと仮定して、他の家族の倍の数の助産師がついている。
まだ苦しむほど痛くもないらしく、不安そうではあるが普通に会話できている。
まだまだ、出産までは遠いだろう。
- 64 :悪音:2012/10/19(金) 00:47:01
-
ドクドク
「ほら、これが赤ちゃんの心音ですよ。」
「すごーい。」
サキの担当医は少しでもリラックスさせようとビニールプールを用意し、そのなかでぬるま湯につかり、陣痛の合間に赤ん坊の心音を聞いていた。
マナトには1つ問題があった。両性である面では一緒のサキとは根本的に違うことがある。それは、男性性器がみえるか見えないかだ。マナトは、どっちにも偏らない胸もぺニスもある両性だが、サキは、精巣などはあるがぺニスがない特殊な両性なのだ。そのため、マナトは両方もっていることと精神的に男性のほうが強いため、中々家族にも身体をみせることはない。
そのため、今も恥ずかしがり、他の家族が裸なのにたいし、マナトはTシャツとジャージをはいたまま陣痛に耐えており、ジャージの間から手をいれて内診してもらっているのだ。
ちなみにマナトがこの家族のなかで一番胸が大きくFカップなのだ。
- 65 :無明:2012/10/19(金) 01:13:14
- とマナトはいっているが、実際一番大きいのはアクトで、Hカップである。
アクトも先と同じように心音を聞いており、久しぶりの出産への機体を高めていた。
そして、以外にも一番最初に破水したのはアンだった。
- 66 :悪音:2012/10/19(金) 01:21:25
-
それに続くようにアクトも破水した。
「ん゛ーーーーぅ!」
「んぅぅぅぅーーーー!」
アンとアクトは息みだし、アンは旦那に背中を預け、手を握ってもらい、息んでおり、アクトはタイキと向かい合わせてタイキの肩を掴んで下を向いて息んでいる。
- 67 :無明:2012/10/19(金) 02:06:25
- 普通の出産と同じように、段階を踏んで進んでいく。
だが、サキとマナトの陣痛はなかなか強くならず、ふたりとも喋れるくらいの余裕が普通にあった。
また、張りも非常に不規則になっていた。
まるで、出産まではまだ遠いかのように………
- 68 :妊蔵:2012/10/19(金) 02:17:07
-
しかし2人ともの子宮口は開いてきているため、陣痛を強くさせなければならない。
サキとマナトは動き回ることにした。
「ふぅーー、ふぅーー。も、我慢できない!!」
パシャー
「全開です。息んでいいですよ!」
サキは意外にも一周回りきるころに本格的な陣痛とともに破水したのだ。
こうなると一人だけ陣痛も強くならず、子宮口五センチから変わらずの家族一子宮口が固いマナトは不安になってくる。
マナトもサキまでとはいかないが腰が細く、そして歩き始めてしばらくすると陣痛のせいで双子の胎児が暴れてるのか気持ちが悪いらしく、吐き出してしまった。
- 69 :無明:2012/10/19(金) 03:39:43
- すぐに口元を拭き、介抱するマサキ。
マナトの状態はよろしくないらしい。
陣痛も不定期で弱く、このままでは体力を消耗しきってしまうとのことで、マナトには陣痛促進剤の点滴が打たれることになった。
- 70 :無能:2012/10/19(金) 10:37:55
-
マナトはさすがに促進剤の効果が効いたのか陣痛が強くなってきたみたいだ。
「ふぅ、ふぅ、ぃたあぁぁぁぁあ!」
マナトは急に強くなってきた陣痛に戸惑い、声をあげて陣痛に耐えていた。
促進剤で陣痛はついたが次に問題は子宮口が固いことだ。
自家受精のため、サキとともに儀式で処女膜はなくしてもらったものの男のものを一切受け付けたことがないため固く閉じてるみたいだ。
- 71 :無明:2012/10/19(金) 16:47:01
- 要は子宮口の熟化が悪いと言うことで、更に子宮口を緩ませる薬が点滴されることになった。
そのため、動き回らせるわけにも行かなくなって、マナトは再び寝かされた。
- 72 :無能:2012/10/19(金) 18:37:03
-
「ふうぅぅぅーーうぅぅーー。ぃだあぁぁぁぁあ!」
「いたいですけど耐えてください!赤ちゃんたちのためですよ。」
マナトは陣痛と点滴をしても中々緩まないために担当医が子宮口に指をいれてマッサージされる痛みに声を出してマサキにしがみついて痛みに耐えている。
「あ゛ぁぁぁあ!」
「ふぎゃあ!」
その頃ちょうどアクトの一人目が生まれたみたいだ。アクトは順調ですぐに二人目の陣痛も始まっているようだ。
アンもすでに頭がでている。
サキも赤ん坊の頭がでかかっており、意外にも順調だ。
- 73 :無明:2012/10/19(金) 19:01:54
- 他の皆が順調に出産を進めていく中でただ一人、長引いているマナト。
どうやら、体力を消耗しすぎてしまっているらしく、このままだと全開になったところでいきむ体力がない可能性が高いという。
こうなってしまったら、最後の手段を取るしか無い。
無理矢理にでも、子宮口をこじ開けて赤ん坊を産ませるのだ。
- 74 :無能:2012/10/19(金) 19:54:09
-
「マサキくん、しっかり押さえててね。」
マサキは担当医に言われてマナトを仰向けにして自分にもたれ掛かるようにして両足を広げるように押さえた。
その足をさらに二人の研究員が押さえるため、不安を隠せずにいた。
そして今まで頑なにいやがり、ズボンの間から子宮口もマッサージしてもらっていたぐらい嫌だったズボンも脱がされることになった。
- 75 :無明:2012/10/19(金) 20:27:15
- 悲鳴を上げながらも、押さえつけられ動けないマナト。
ラミナリア桿を一本ずつ、そっと挿入されていく。
徐々に水分を含み、膨らむラミナリア桿。
手足を押さえつけられ、マナとはただその苦痛に耐えるしかなかった。
- 76 :無能:2012/10/19(金) 20:35:47
-
「ヴア゛ァァァァァア!」
「ア゛アァァァ!」
「「ほぎゃあ!ほぎゃあ!」」
マナトが子宮口を広げられるのに苦しんでいる間にもアンは、第一子、アクトは第三子を産み出した。
アンは出産を終えて生まれたばかりの息子を抱き旦那と喜びを噛み締めていた。
アクトは第四子の陣痛がはじまっており、サキはあとは肩をだすだけになっていた。
- 77 :無明:2012/10/19(金) 20:48:02
- ところがサキの骨盤がここで影響した。
肩が引っかかって、肩甲難産になってしまったのだ。
一方、マナトはラミナリア桿を4本入れても、なかなか子宮口が開かない。
薬に頼ると陣痛が過剰になる可能性もあるので、医師たちはひたすらラミナリア桿を追加していった………
- 78 :無能:2012/10/19(金) 21:36:55
-
「うぅーーもぅ、ぃやぁ・・・。」
「マナト、がんばれ!もう少しだから、な?」
さすがに弱音を吐き始めたマナトにマサキが励ましている。
「マナト、大丈夫か?」
さすがに見るにみかねたタイキがアクトに了承をとってから離れ、よってきた。
- 79 :無明:2012/10/19(金) 22:57:50
- タイキも励ましているが、なかなか進みが遅いし、ラミナリア桿を使って物理的に広げるしかないそうだ。
薬を使うと、無駄に体力を消耗させるからだという。
それはタイキも知っていたため、手が出せないのがあまりにもどかしかった………
- 80 :無能:2012/10/19(金) 23:20:27
-
「ひぃーーーぃ。」
「タイキさん、ラミナリアはこれで限界なんですけど、まだ八センチなんです。」
マナトが何本もラミナリアを入れられ、痛みと異物感に恐怖で怯えているため、さすがに精神的にも身体によくないと判断した担当医がタイキに相談した。
「しょうがない。俺の出番か。」
タイキは、一本一本すべてのラミナリアをゆっくり引き抜くと手術用の手袋をはめ、オイルで滑りをよくしてマナトの中に指をいれた。
実はタイキは子宮口をマッサージするスペシャリストなのだ。
- 81 :悪音:2012/10/20(土) 00:32:07
-
「ひぃーーー!」
「ほら、マナト、ひぃひぃふぅーで痛みを逃すんだ。」
「ひぃひぃふぅーーいたぁぁぁぁ!」
「ひぃひぃふぅー。」
「ひぃひぃ・・・。」
タイキは、怖がって力が入っているマナトに声をかけて少しでもリラックスさせる。
「これでよし。後はグリセリンを塗ってくれ。みんなしっかり押さえていてくれ。」
タイキの手袋にたっぷりグリセリンを垂らすとタイキは、ゆっくりと肛門の穴に手をいれたのだ。
「ん、マナト、ずいぶん溜まってもいるな。子宮をマッサージしてからだそうな。」
タイキは肛門マッサージも得意らしく、他の研究員はいつでもだせるように桶を出しながらも見学していた。
- 82 :無能:2012/10/20(土) 01:27:50
-
「よし、これくらいで大丈夫だな。マサキ、マナトを支えてくれ。」
タイキに言われてマナトは和式で用を足す格好になり、下には桶が置かれたがみんなの前で用を足すということが辛いより恥ずかしさの方が勝り、足をプルプルさせながらも我慢している。
「我慢するなよ。」
タイキは、力を抜かせるためにクリトリスを触り、力を抜かせた。
- 83 :無明:2012/10/20(土) 02:31:43
- なんとか排便させたが、なかなか子宮口は開かない。
それどころか、現在6cmと閉じてきてしまっている。
子宮への刺激が、どうも悪い方にきいたらしいと推測する医師たち。
またしても手を考えるために、マナとは現状維持せざるを得なくなった。
- 84 :無能:2012/10/20(土) 02:37:44
-
その間にもなんとかサキも女の子を産み、アクトもあと一人の頭がでていた。
しばらくしてマナトはなんとか八センチまで開くと後ろがすっきりしたのもあり、息みたくてしょうがなくなり、身体にちからが入ってしまう。
「マナト、まだ早いからひぃひぃふぅーーだぞ。」
タイキはマナトの腰を擦りながらアドバイスするが無意識のうちに力が入ってしまうようだ。
- 85 :無明:2012/10/20(土) 03:23:13
- ここまできたらもうしかたないと、マナトを放置して力任せに産ませる方向にかじを切り、医師たちは産まれた子供たちのチェックを始めた。
今のところどの子も問題ないようだが、サキの子供はかなりの巨大児だったらしい。
- 86 :無能:2012/10/20(土) 03:32:19
-
唯一それに納得していないのはもちろんタイキだった。
我が子が苦しんでいる姿をみたくないということと両性ということでもともとリスクが多いことはわかっていたことだから諦めずに方法を考えているのだ。
「どうしたものか。ん?」
タイキはふとマナトの男性性器に目をつけた。
「おい、ちょっと射精させてくれるか?マサキは乳首をいじれ。」
マサキは突然父親が何を言い出すのかと思ったが父親の真剣な表情をみてうなずいた。
「やぁぁん!んあ、んぅぅあぁん!」
もう1人の研究員が男性性器を扱い、タイキはマナトが感じているうちに子宮口をマッサージしていく。
それが業をなして母乳と精液が吹き出すのとそして破水が同時に起こったのだ。もちろん子宮口も全開になった。
- 87 :無明:2012/10/20(土) 03:42:54
- しかしマナト自身がいうことをきかず、力任せにいきんで無理やり出産してしまった。
双子と胎盤が一気に飛び出してきたため、子宮はボロボロ、骨や神経もだいぶいろんなところを痛めただろう。
そしてマナトは、気を失った………
- 88 :無能:2012/10/20(土) 03:54:17
-
しかしそこはプロフェッショナルな研究員たちである。
1年かけて見事なまでにマナトの身体を以前と一切変わらず、回復させることができたのだ。
そして更に3年がたち、落ち着いたと思っていたマナトは、また自家受精をしたのだ。
ちなみに現在、アンは旦那の転勤で共に海外へいき、サキも留学中である。
アクトは五つ子の子育てで妊娠どころの騒ぎではないため、今回はマナトだけの妊娠だった。
「マナ、マトイ、もうすぐお兄ちゃんになるんだってよかったな?」
今、タイキが抱いているあのとき生まれたマナトの双子は兄がマナ、弟がマトイで2人とも両性だった。
タイキは今回、前回の反省をいかし、出産までにみっちり出産の知識をつけさせることにしたのだ。
- 89 :悪音:2012/10/20(土) 19:43:57
-
「ぅげっほっ。」
マナトは今回もまた吐き匂いづわりらしく、料理の匂いがアウトだった。
「マナト、大丈夫?」
アクトは五つ子を育てながらもわが息子の心配をして世話をしている。
タクトは3年で出世し、今は、研究所の所長に昇格しているせいか時間も融通が聞くらしく、手伝ってくれている。
- 90 :無能:2012/10/21(日) 01:50:02
-
なんとか初期悪阻を乗り越え、安定期にはいった6ヶ月頃からタイキの付き添いでマタニティースイミングを研究所のプールで個人レッスンでうけることになった。
「ん〜可愛いわねぇ〜。この子がタイキく〜んの、息子ちゃ〜ん?」
「次男のマナトだ。」
「マナトく〜ん、私はライムっていうのよろしくね〜。」
マタニティースイミングのインストラクターはタイキの知り合いでおネエである。
「セックスになれてなくて子宮口が固くて、腰が細いのね〜。」
ライムは、マナトを隅々まで見渡した。
「ちょっとごめんね。」
「わぁ!?いたあぁぁぁあ!」
ライムはマナトに抱きつくように押さえ込んで水着の隙間から中に手を入れて女の子の穴に指を入れたのだ。
「ほんとにいい締め付けねぇ。腰もほっそいし、出産にはむかないわね。」
ライムはマナトの中から指を抜くとマナトの腰をさわって呟いた。
「けどマナトは両性の自家受精型なんだ。だからしょうがない。」
「まぁ、私と臨月までマタニティースイミングをやれば人並みにはなれるわよぉ〜。」
「頼むよ。」
「んっふぅ〜ん、まかせてぇ。」
タイキはライムを信じきっているがマナトは、初対面でのライムの行動にビビってしまっていた。
- 91 :無明:2012/10/21(日) 02:20:33
- そのマタニティスイミングは、過酷極まりないものだった。
素人のマナトに、いきなり25mの遠泳をさせるというのである。
「難産になるコは体の筋肉の使い方がなってないの。だ、か、ら!こうやって全身の筋肉を使わせるのよぉ」
なんという無茶理論。
だが、ライムは実績を大量にたたき出しているのだ。
信じるしか無い。
- 92 :無能 更新ありがとうございます:2012/10/21(日) 07:20:54
-
「ライム、ところでマナトは泳げないんだけど。」
小さい頃からマナトは、両性だから、いずれ胸がでてくるため、海パンではなく、スクール水着の着用を学校側に言われてからいやがって一度もプールの授業に参加もせず、海にもいったことがないため、マナトはみずに入ることすらお風呂以外でないのだ。
「ん〜足も届くし、じゃあまずは水になれるためにウォーキングからよ。」
さすがに全く泳げないマナトにはじめから泳がせることは難しいため、まずは水になれるためにウォーキングから始め、少しずつ練習することになった。
- 93 :無明:2012/10/21(日) 16:15:33
- だがライムは、「泳がせなきゃ効果は出ない」と主張して、いきなりマナトに泳ぎ方を教えはじめた。
「今から泳げるようになってなきゃ、間に合わないわよ!」
そう言いながら水着を着せようとするライム。
嫌がるマナトに、とうとう激怒してしまった。
「イヤイヤイヤイヤ言ってんじゃねえ!これぐれぇガマンしろい!てめえ、子供産むんだろうが!」
あっけにとられる俺の方を向いて、更に続ける。
「子が子なら親も親でい!本人が嫌がってっからって放任してんじゃねぇよ!!こんなんじゃまともな親にもなれねえだろうが!するつもりがなかったってんなら、今なら手術で自家妊娠させずにできるじゃねえか!!ああ!?」
- 94 :無能:2012/10/21(日) 17:07:20
-
「パパ・・・。」
マナトは、一度俺を見たが、ライムに圧倒されて渋々怖がりつつも水着を着替えた。
「いいじゃなぁ〜い。似合っているわよ。」
ライムは、恥ずかしがっているマナトに勢いづけさせて女性のスクール水着を着させたのだ。
「大丈夫よぉ〜。泳ぐのはすぐになれるからぁ〜。」
ライムは、マナトを支えてプールに入っていく。
- 95 :無明:2012/10/21(日) 17:31:17
- 「本人が嫌がっているからって放任してるんじゃない」
「こんなのじゃ、まともな親にはなれない」
悔しいが、ライムの言うとおりだ。
ここはアクトの故郷でなく、日本。
日本のルールに従わせなければならないのに、俺達はマナトが嫌がっているからと、それを放置してきたのだ。
プールを嫌がったせいでマナトは中卒だし、今振り返って我が家に未来がないことに、改めて気づいたのだった。
- 96 :無能:2012/10/21(日) 17:53:32
-
「パパ・・・。」
「ほら、まずは息継ぎだけは練習しないと溺れるわよ!」
「はい。」
「いくわよ、目を開けたままじゃないとダメよ。ほら、せーの。」
「!」
マナトはライムの合図で水に潜った。
「・・・ぷはっ!」
「ほら、もういっかい。」
「!」
マナトはまたすぐに潜った。
ライムの指示で息継ぎの練習をしている。
- 97 :無明:2012/10/21(日) 18:39:56
- (そろそろ終わらせにかかっていいでしょうか?)
そんなのを4ヶ月にわたって繰り返していたが、ある日ライムから突然、タイキのもとに連絡が入った。
マナトが、行方不明になったという。
「あれこれ文句を言ってくるので、強めに叱ったらそのままどこかへ行ってしまって、モバイルすら持っていないから連絡もできない」とのことだ。
タイキとアクトは顔を見合わせた。
ほんとうに、本当に甘やかしすぎたのだ。
マナトが嫌がるものは全て遠ざけた。
マナトが喜ぶものばかり見せた。
マナとの体は特別だからと、そんなことばかりしていたツケが回ってきたのだ。
- 98 :無能:2012/10/21(日) 19:12:27
-
「マナトー!」
「マナト、どこだ?」
タイキとアクト、マサキとマサキの婚約者が走って探していた。
「母さん、マナト、いた?」
「いない。タイキはどうだろう?」
アクトとマサキが落ち合って相談していたときだった。
プルルルルル
「もしもしタイキ?」
「見つけたぞ!今、自宅に運んでいる。まだ陣痛はよわいが、陣痛がはじまってるぞ!」
タイキがマナトを発見した。
マナトはタイキが発見したとき、すでに産気づいていたのだ。
ちなみにタイキがいたのは、実はプールに増設されているトイレだったのだ。
陣痛が始まったが、ライムが怖いため、言えず、トイレからでれなかったのだ。
- 99 :無明:2012/10/21(日) 21:16:59
- 皆がマナトをトイレから出そうとした時、あることにタイキが気づいた。
「不味い!頭が出かかってるぞ!!」
そう。
陣痛が弱いのに、破水もしていないのに、
もう、赤ん坊の頭が出かかっていたのだった。
- 100 :無能:2012/10/21(日) 21:45:27
-
「ちょっと我慢しろよ!」
「ふぅーーーーふぅーーーー、早くぅーーー。」
ライムの効果なのかマナトは前より言うことを聞くようになっていた。
「よし、あった。素手だが我慢しろよ。」
買い物帰りでライムから連絡をうけたため、たまたま買い物袋にあったサラダ油を手に塗り、子宮口がまだ開ききっていないのと破水していないことで肛門を押し広げてから肛門に手をいれ、から赤ん坊を押し戻したのだ。
「はぁ、はぁ・・・パパ〜〜。」
「ついでに便もだすぞ。」
タイキは手をいれたまま洋式便座に座らせ、手を抜いた。
- 101 :無明:2012/10/21(日) 23:40:29
- (終りが見えないのですが、どこで終わらせる予定でしょうか?)
だが、赤ん坊が押し戻し切れない。
またしても、頭が飛び出してしまった。
マナトもいきんでいて、こうなればもう手の施しようがない。
「もう諦めて!産まれちゃうわ!!」
ライムがひと声かけ、タイキを叱りつけた。
- 102 :無能:2012/10/22(月) 00:02:19
-
(出産をかいたら終わりかなぁとおもっていたのですが。)
「そうはいってもここ、トイレなんだぞ!衛生上だって問題だ。」
「つべこべ言わずにいまはこの子の出産が大事でしょ?」
ライムにビシッと言われ、タイキも覚悟を決めたらしい。
とりあえずタイキがマナトの股間から出ている赤ん坊の羊膜を割った瞬間だった。
ズルッと赤ん坊がでてきてしまい、タイキも突然のことで間に合わなかった。
- 103 :無明:2012/10/22(月) 00:11:15
- (では私のか、その次のレスで終われるよう調整します)
「ギリギリセーフ、ってやつね………」
咄嗟のところでライムが受け止め、無事に産声を上げる赤ん坊。
そこでマナとは気を失ってしまった。
後日、ライムから連絡をうけた政府の職員が家にやってきて、マナトに育児能力があるかどうか審査をし、その結果、「育児能力なし」との判定を下していった。
- 104 :無能:2012/10/22(月) 00:24:01
-
(終わらせるのが苦手でなんとか終わらせていただけると嬉しいです)
しかしそれに反発したのは意外にもマナトの双子たちだった。
育児能力なしとみなされるとマナとマトイはマナトから離れて産まれた赤ん坊とともに孤児院にいくことになってしまう。
確かにまだ育児能力の有無を聞かれればYESとは言えず、双子たちもアクトのフォローがあるから育ってきた節はあるが、まだ幼い双子にとってマナトが母親であり、離れたくないものだ。そのため、現在、政府の職員が迎えに来て、話もする前から危機を察知してマナトにしがみついて離れようとしないのだ。
- 105 :無明:2012/10/22(月) 00:31:45
- (終わらせました)
しかし、このままでは社会不適合者を増やすだけだ。
それについては今回の一件で、タイキたちはよく理解しているはずだ。
そして、タイキと政府の職員たちの間で、4日に渡る話し合いがなされた………
マナトはいま、アクトの故郷だったあの集落に居る。
双子と一緒に。
そう、マナトの常識が通用するところまで放逐されたのだ。
タイキ達は二度と連絡を取らないという条件付きでの、一番の解決法だった。
アクトとすこし寂しくなる、という話をタイキがした、その晩のこと。
アクトが突然苦しみだしたかと思うと、20歳の頃の姿に若返ったのだ。
「また、いっぱい子供を作ろう」と語りかけるアクト。
どうやら、これからもっと賑やかになりそうだ………
後に二人の子孫である女性が、マナトの子孫の暮らす集落に滞在し、村の男性と恋に落ちるのだが、それは別の話である………
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