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ホストクラブ〰BIRTH〰 リレー小説
1名無しさん:2012/08/29(水) 20:50:35
熊猫書店からの移動です。
マツリ2010/11/13 13:07
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ここはホストクラブBIRTH
まだオープンしたばかりだ。

歌舞伎町にあるが隠れ家とされている一芸様お断りのホストクラブ。

ここには12人のホストメンバーたち。
このホストクラブの特徴は4点ある。
・まず正真正銘の男だということ
・男なのに妊婦であること
・出産はお客の前だということ
・上に伴い、月1回不定期に公開出産があること

である。
1:ゆうり2010 11/13 13:43
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今月オープン初臨月になっているのは如月(きさらぎ)である。
ここのホストたちは皆産み月の月の名前からとってある。

如月は笑顔が好まれお客様には癒しの王子と言われている。
2:マツリ2010 11/13 22:14
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「如月、楽しみだな。初のパフォーマンスなんて。」
卯月(うづき)が言った。
「まぁね。卯月はまだまだで羨ましいよ。」
如月は愛嬌のある笑顔でお腹を撫でながら言った。

「そろそろ時間だぞ!」
ここのオーナーである暦(こよみ)。
オーナーの合図で店があいた。
3:金豚2010 11/14 00:46
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「「いらっしゃいませ。」」
最初のお客様が入ってきた。

12人のホストたちは一礼に並んでお客様をおもてなす。

「一条さま、いらっしゃいませ。本日も如月でよろしいですか?」
暦がお客様に声をかけた。
一条は如月のお客様なのだ。
そして如月の出産パフォーマンスを楽しみに最近では毎日いらしている。
4:ゆうり2010 11/14 20:28
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「もちろん。」
一条はにこりと笑いながら言った。
「ご指名ありがとうございます。一条様。」
如月も笑顔で言った。
この月は如月目当てのお客様が多く、下の地位の人は大体がヘルプに入ることになる。
ここは店内男性禁制で女性限定になっている。
パフォーマンスは開店中に陣痛が始まり、突如となく、始まるか、開店前に陣痛がきて、開店するまでパフォーマンス台(分娩台)にのせられ、子宮口を縛られ、出産できないようにして待つかどちらかだ。
5:ゆうり2010 11/14 23:49
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「如月はまだ陣痛はないの?」
「はい。まだ全然。」
如月は一条にお酒を注ぎながら言った。
「早くショー見たいわね。」
「プラチナでも飲んだら産まれるかもしれません。」
如月は得意の営業スマイルで言った。
ここのホスト達は特殊な方法で人工卵巣、子宮、産道(膣)を移植し、妊娠したため、お酒が胎児には影響がないのだ。

2名無しさん:2012/08/29(水) 20:51:19
6:マツリ2010 11/15 01:09
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「ふふっ。しょうがない人ね。いいわ。プラチナ二本お願い。」
「かしこまりました。プラチナ二本はいります!」
如月は相変わらず笑顔で言った。
「この顔が苦痛に満ちた顔になるのは想像できないわね。」
一条は、如月の顔を見ながら言った。

しばらくしてプラチナ二本がきた。
7:ゆうり2010 11/15 12:56
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「一気、一気!!」

普通、妊娠中のホストにいう台詞ではないがここでは了承済みのことだ。

ぐびぐび

如月は一気に飲み干した。

そしてその後も何杯か高級ドンペリを一気のみをさせられた如月。
もともとお酒の強かった如月ならでわだ。
お客が帰り、クローズした明け方頃に如月に変化があった。
8:マツリ2010 11/15 23:17
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如月はふいにお腹に違和感を感じた。
「どうしたんだろう?」
「如月どうした?」
今、現在8カ月の卯月さんが如月の異変に気づいて言った。
「なんか、お腹の調子が悪いんだよね。飲みすぎかな?」
如月は苦笑いをしながらいった。
如月はまさか陣痛が始まったとは誰も気づいていなかった。
9:ゆうり2010 11/16 00:55
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「あ、そうそう、如月。」
「なんですか?」
オーナーの暦に呼ばれて如月は隅に言った。
「陣痛が始まると一時的に男の性器はなくなってるから。それが出産の合図だよ。」
「わかりました。」
産み月のホストはここの二階に泊まることになっているため、如月は部屋に戻った。
10:マツリ2010 11/16 12:44
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「何かお腹の調子が悪いな。っ!飲みすぎかな?」
如月はお腹をさすりながら呟いた。
「まぁ、出産は死ぬほどいたいって言ってたし。」

如月は取り敢えず眠ることにした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー如月視点

俺は昼頃に不意に目が覚めた。
いつもならこんなことないのに。
「ん・・・っう!」
まだ眠たくてもぞもぞしていると背中から来るような鈍い痛みがきた。
「ない・・・。」
そしてオーナーが言ったように俺の大事なもの、男にはなくてはならないものがないのだ。
そこでやっと出産が始まったと思った。
取り敢えずオーナーのところに向かった。
11:無名2010 11/16 17:09
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「暦さん・・・っ!」
また陣痛がきた。
「お、如月、やっと始まったか。」
オーナーは嬉しそうだがすぐに真剣な顔になった。
「けどまだ開店までには時間がある。わかってるな?」
「わかってます・・・っう!」
「取り敢えずそこに横になっとけ。あ、林堂?俺だ。如月が始まった、今すぐ来い。」
林堂さんは俺たちの専属主治医だ。
林堂さんはすぐにきた。

「まだ開いてはいなかったな。」
「じゃあ、林堂、頼む。」
オーナーにいわれ、林堂さんは支度を始めた。
「如月、今から子宮口を縫うけど、赤ん坊は本能ででてこようとするから苦しいけど我慢しろよ。」
そういって林堂さんは、軽い局部麻酔だけで俺の子宮口を縫った。

3名無しさん:2012/08/29(水) 20:51:51
12:ゆうり2010 11/17 00:38
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「取り敢えず、開店までは陣痛に耐えろよ。開店間際に縫った子宮口はほどいてやる。今日はおまえの客には一時間早く開店することを伝えてある。今から4時間我慢しろよ。」
オーナーはこれからの流れを説明してくれた。

開店までは林堂さんがそばにいてくれるらしい。



後タイムリミットは4時間・・・
13:マツリ2010 11/17 15:37
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しばらくするとシタッパの仲間たちがお店の支度をしにやってきた。
このシタッパは、まだ12人の中に入っていない。

「おはよう、あ、如月さん、いよいよなんですね。」
14:マツリ2010 11/18 23:40
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「あ、あぁ・・・っ!」

また陣痛だ。
「息を止めないで、ひぃひぃふぅーの呼吸で陣痛をのがれたほうが楽だよ。前に講習でやったでしょ。」
林堂さんは月に一度講習会をしてくれるのだ。
15:マツリ2010 11/22 01:54
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「そ、そんなこといっても・・・っつ!」
講習の時とはわけが違うし。
しかも久しぶりにたまりにたまった便意がきたのだ。
「せん、せぃ・・・も、もれるぅぅぅぅぅぅ〰!!」
16:ゆうり2010 12/10 22:20
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「ちょっと待っててください。」
分娩台の下に洗面器をおいてもらい、踏ん張った。
メリメリ音をたてとたまったものが後ろの穴から顔を出す。
17:ゆうり2011 08/28 21:06
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「うぐぅぅ〜〜〜!っ!」
赤ん坊も息みででてこようとするため、子宮口が圧迫される。
最近たまっていたから結構な量がでた気がする。
「よし。これでよし。よかったな。客がくるまえで。」
林堂は俺の尻をふき、消毒をすると出たものを片付けた。
18:出産子2011 08/29 04:53
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「如月さん、オレで良かったら腰でもさすりましょっか。あ、寒くないっすか?暖房上げます?」
下っ端のショウタが細々とした世話を買って出てくれた。
下っ端ながら細かいところまで気が付くホスト向きの男だ。
「あ、わ、悪い、頼む…っ、腰が、結構、辛い…、ふ、うう〜…っ、ん」
「いやーお互い様っすよ!オレも実際にショー見るの初めてなんで、今後の参考にさせてもらいます!」
ショウタがグイグイと力強く俺の腰を揉んでくれるおかげで、かなり楽になった。
「いや〜ショウタ君助かるよ。産婦に付き合うのも体力いるからね」
医者の林堂は力仕事は専門外といわんばかりに、のんきにお茶を飲み始めた。
19:ゆうり2011 08/29 06:13
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「その格好で言われても説得力んじゃいっすよ。」
確かに。
「普通はそこは旦那の出番で俺は、介助がしごとだし。あ、オーナーが戻ってきたんじゃない?」
電話が終わったのかな?
「ほとんどの客がくるって。」
「はっぁ、はぁ、ありが、とう、ございますぅ、ぅぅぅ〜。」
20:出産子2011 08/30 03:54
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「おはよーございまーす。う〜寒、外雪降ってきたよ」
「あ、弥生さんあざーす!」
他のホストたちも出勤しだしてきた。
「如月とうとう産気づいたんだって?調子はどお?陣痛ってどんな感じか気になるな〜」
コートを脱いだ弥生の腹は、如月に負けないほど大きく前に突き出していた。
「…はあ…はあ…、思ってたより…、結構、キツイ、かな…。でも、まだまだ…、あっ、ううっ!、来たっ、…い、た…ぁっ!」
「如月さん、ひっひっふー、っすよ!」
「う、わ〜、痛そう…。やだな〜、見てたらなんか俺の腹も張ってきた…」
「おいおい、弥生は来月だろ?林堂、念のため弥生に張り止め処方してやってくれ。他に調子の悪いものはいないか〜」
オーナーの暦はショーの進行だけでなく他の妊娠しているホストの体調も気を使う。
「…オーナー、すいません、俺悪阻が…うぷ…」
着床が確認されたばかりの神無月が青い顔をしている。
産気づいた如月に当てられて、楽屋のホストたちも俄かに浮き足立ってきた。
『ホストクラブBIRTH』初のパフォーマンスまで、あと二時間半―。

4名無しさん:2012/08/29(水) 20:52:32
21:Wild cat2011 08/30 06:26
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「なあ、これはこっちでいい?」
「あぁ、あとはこれをこうして。」
パフォーマンスらしく、店内もいつもと違い、俺の雰囲気で作り出している。
俺は癒し系王子だから王様のような椅子に店内は癒しを与えるな花で囲んでいく。
俺は時間が進むに連れて、子宮口が開こうとするが、縫われているためひろがず、時間だけが早く進んで欲しい。
22:出産子2011 08/31 03:26
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「あ、ああ〜、お、奥が引き攣れ…っ、林堂さん、なんとか、して〜っ」
あちこち痛んで脂汗がダラダラと出る。
「うーん、何とかって言われてもね。開かないように縫い付けてあるんだから我慢してもらうしかないかな。息まないで、リラックスだよ」
やっぱり我慢するしかないのか。
「おい如月、衣装これでいいか?」
オーナーが持ってきたのは、赤に白いファーが付いた、いかにも王子様ってかんじのマントだった。
ご丁寧に小さな王冠までついている。
「も、もう…、なんでも、いいです…っ、ぅん〜〜〜〜〜っ」
はっきり言って衣装を気にしている余裕なんて俺にはない。
24:ゆうり2011 08/31 06:44
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「あと一時間で開店だし、あと30分したら、出産席へ移動だな。」

オーナーが時計をみながらいった。
とりあえず今から着替えをすることになった。
っていっても動けないから皆が勝手に着替えさせてくれる。
着替えにも時間がかかり、いよいよ移動の時間になった。
25:出産子2011 09/01 03:52
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「如月、立てるかあ?」
オーナーの支持で、比較的体調の安定している皐月と水無月に支えられて立ち上がろうとするが。
「ひっ、ひぃいい!?…いたい痛いっ、無理だあっ!寝かせて、くれ…っ!」
体を起こすだけで胎児が下がって、縫われた子宮口を猛烈に刺激する。
とても自力で移動などできそうにない。
「あー、これはちょっと計算外だったな。車椅子、も無理か。うーん、担架はあったか?」
ショーの準備に協力出来なくて申し訳ないが、俺はもう色々な痛みを必死で我慢して寝転がっているだけで精一杯だ。
26:ゆうり2011 09/01 04:38
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たんかもないみみたいでオーナーとショウタが持ち上げて移動した。
やっと出産する場所へついた。
「っつ、まだ、ですか?」
座らされているため、赤ん坊が子宮口を圧迫していく。
「しょうがないな。おい、外には客いるか?」
「はい。常連さんが多数お待ちです。」
「しょうがない。まだ少し早いが開店させるか。」
俺以外のホストは定位置についた。
27:出産子2011 09/03 04:23
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「「いらっしゃいませ!」」
いつもよりかなり早い時間の開店だが、待ちきれない常連のお客様が多数なだれ込んできた。
今日は、11人のホストが一礼に並んでお客様をおもてなす。
俺は痛みのピークだが、癒しの王子として、ホストとしてのプロ意識から、パフォーマンス台の上からにっこり微笑んだ。
「…皆様、今日は俺の、為に、…足をお運びくださり、ありがとう…ございます…」
「最高の、パフォーマンスを、お見せいたしますので、どうか、お楽しみ、くだ、さい…っ」
お客様からうっとりした歓声と拍手があがる。
そのとき、舞台の袖で卯月がオーナーに耳打ちしていた。
「一条さまがまだお見えになっていません」
「…そうか、困ったな。一条さまは如月の出産を誰より楽しみにされていたからなあ。お見えになるまで待つか…」
「おい、林堂、如月はあとどれくらい持ちそうだ」
主治医の林堂も一応舞台に上がるので、衣装としてパフォーマンス用の白衣に着替えている。
「そうですねえ、もう抜糸すればすぐにでも産まれる状態ですから…、まあ、如月しだいってところですね」
28:ゆうり2011 09/03 06:00
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「如月、一条さまあ見えてないが、お客様の手前、抜歯をいまからするが、どうする?」
オーナーは俺の考えを通すらしい。
「はぁはぁ、我慢してみせます。」
そして俺は一条様がくるまで赤ん坊が出ないように頑張ることになった。
早速林堂が俺のあたりにきた。
29:Wild cat2011 09/05 18:02
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やっと子宮口の糸を切ってもらい、自由になると思ったが、一条様がくるまで産む事はできない。
一条様は俺の売り上げの3分の一だからな。
俺は話でお客を暇にさせないように考えた。
「はぁ、はぁ、今日は俺のために、きて、くれて、ありがとう、ございます…っつ!」
「如月くん大丈夫?」
お客は心配してくれる。
「はぁ、はぁ、このくらぃ…」
俺の得意の笑顔で返す。

5名無しさん:2012/08/29(水) 20:53:06
30:出産子2011 09/06 04:34
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「あ〜ん、やっぱり如月くんの笑顔は素敵。私、腰さすってあげた〜い」
「おっと、お客様、産夫へはお手を触れません様に。また写真撮影や録画録音は硬くお断りしておりますので、ご了承くださいませ」
オーナーが店内に目を光らせ、パフォーマンスを進行していく。
お客様たちは舞台上の俺のうめき声をBGMに、お酒や他のホストの接待を楽しまれていた。
たまに俺のそばまで来られては、大きなお腹や男のモノが引っ込んでしまった股間をじっくり観察したり、励ましたりしてくださる。
ご祝儀代わりなのか、いつもより高いお酒やフルーツなどの注文がどんどん入った。
「ふ、ぅうう〜〜、う〜〜、はあはあ、ふ〜〜〜」
俺は店内の賑わいに安心しながらも、息みを堪えるのに必死だった。
「如月、ひっひっふ〜〜、で上手く波に乗って逃して」
林堂は見物するお客様の妨げにならないように影に控えながら、俺の耳元でそっとアドバイスしてくれる。
「ううっ、…ひ、っひ、ふぅう〜、…ひっ、ひっ、ふううう〜〜」
俺は笑顔を絶やさず、でも脂汗をダラダラ流しながらなんとか呼吸法で耐えるが、子宮の収縮はどんどん胎児を押し出す。
一時間もすると、俺がまったく息まなくても膣口から赤ん坊の頭が見える寸前まで来てしまった。
31:ゆうり2011 09/06 17:24
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「はぁはぁ、リン、ドウ、どうすればいいんだ?」
我慢しているからか胎児が出てこようとするのがわかる。
「手で抑えたらどうです?で、でかかったら押し込んだりしてみれば。」
林堂に言われたとおり股間を自分で抑え、胎児の頭を触った。
そしてムギュッと手を上に押し、退治をおしこんだ。
32:出産子2011 09/07 03:50
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「んああああっ!?」
脳天まで突き抜けるような痛みに、思わず悲鳴をあげてしまった。
一瞬店内がしんと静まり、全ての視線が俺に集まる。
「…やだ、如月くん大丈夫?」
「やっぱり出産て痛いのかしら…、心配になってきちゃった…」
俺の様子に不安にお客様たち、自分の膨れた腹を押さえるホストもいる。
これはあくまでパフォーマンスなのだから、お客様には楽しんでいただかないといけない。
俺は大きく深呼吸して息を整えると、にっこりと王子様スマイルを見せた。
「レディたち驚かせてごめんね、皆にこっち向いてほしくて声出しちゃったんだ…。まだ、産まれ、ないから…っ、お酒、でも、楽しんでて…っ」
なんとか誤魔化す。
「な〜んだ、如月くんたら寂しんぼ何だから。ちゃあんと応援してるからねー」
「そうそう、産まれる瞬間は見逃さないからね」
他のホストもすかさず接待を再開したので、店内はもとの賑わいを取り戻した。
俺はその隙に、今度は声を出さぬように胎児を押し戻す。
何度か繰り返していると少し出血してきたが、それはすかさず林堂がふき取っていった。
お客様を楽しませるパフォーマンスに、血は相応しくない。
33:ゆうり2011 09/07 09:42
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暫くしてやっと一条様がやってきた。
「ごめんなさい。遅くなって。」
「はぁ、はぁ、いらっしゃい、ませ。一条、さま。」
「少し用事があって。でもまだ終わってないみたいね。おわびに一番高いお酒を3本。産まれたらその時にまたお酒を頼むわ。」
一条様はニコニコしながら言った。
お酒は他のホストがシャンパンタワーとして用意した。
34:出産子2011 09/08 03:51
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「あ…、一条、さま、お待ち、していました…っ」
俺は股間を押さえながら、目一杯の笑顔でお迎えした。
一条様は、俺の出産の様子が一番良く見えるベストポジションを陣取られた。
「ふふ、いいのよ、そんな無理して笑顔を作らなくても。今日は如月の本当の顔を見にきたんだから。…どお、辛いんでしょう?」
一条様はどこかサディスティックな笑顔で俺に語りかける。
「え、あ、そんな…っ、う、ううっ、………少し、辛い、です…」
「あら、少しだけ?」
「う、ううう…、…本当、は、………すごく、…陣痛、も、腰も、背中も女の部分も痛くて痛くてたまらないですもう我慢できない産ませてくださいーっ!!」
もう笑顔なんて作れない、俺は苦痛の顔で叫んでしまった。
「まあ、そんなに痛いの、可愛そうに…。まあ、良いわ、待たせて悪かったからね、産んでご覧なさい、私の目の前で…」
一条さまの許可が出て、それが合図のように他のお客様も舞台のそばに集まってきた。
いよいよパフォーマンスメインイベントだ。
俺はそばに控えた林堂の顔をちらりと見た。
林堂は同意するようにコクリと頷く。
俺は股間を押さえていた両手を、そっと放した。
35:海斗2011 11/18 16:19
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ずっと押さえていたせいか、胎児は子宮に戻ってしまったようだ。
そのせいで、陣痛も激しさを増す。

6名無しさん:2012/08/29(水) 20:55:08
36:マリ夫2011 11/19 01:56
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「うぅ〜〜いま、から、産んで、みますね。んぐぅぅぅ〜〜!」
あくまでも王子スマイルで微笑み、そしてレバーを握りしめて息み出した。
そしてまだ破水もしていなく、羊膜に包まれたままの胎児が少しずつ産道を通っていく。
37:仁2011 11/21 15:48
[ 編集 ]
「きゃぁっ」
あちこちから悲鳴が上がる。
「大丈夫か?如月。」
「なに、が?」
林堂は、顔を青ざめていた。
「お前…出血がすごいぞ…。」
道理でさっきからくらくらするわけだ…。
「どうやら産道を傷つけたみたいだな。」
オーナーの言葉を聞きつつも、俺は息み続けた。
息むのと同時に、出血は増える。
「おい、如月?如月、しっかりしろ!!!」
そして、俺は意識を失った。
「オーナー、如月が…如月が、息をしていません!!!」
「心臓も止まっています!!!!」
客たちは、言葉を失った。
38:無明2011 11/21 16:11
[ 編集 ]
「押さえ過ぎたんだ‥‥‥」
客の一人がつぶやいた。
林堂は必死に心臓マッサージを施す。
「死ぬな‥‥死ぬなよ如月‥‥‥」


声が聞こえる‥‥‥
声‥‥‥?
そうだ‥‥‥
起きなきゃ‥‥‥

「気がついたか‥‥‥よかった。」
体を起こそうとするが、上がらない。
ベッドに固定されているのかな?
「済まない‥‥‥お前を救うためには男性としての部分を犠牲にするしかなかったんだ。」
39:nanashi2011 11/21 17:34
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「う、うそだろ!っ!」
俺は驚いて下をみるように息むと確かにまだついているのだ。
「今の息みわかるかい?今ので息んだ方が息みやすいよ。ここを目印にしな。」
林堂は、俺のものをさすった。
40:ゆうり2011 11/22 09:40
[ 編集 ]
「ちょ、っ!ぐぅ〜〜〜〜!」
林堂の指示で息んでいくと少しずつ自分のからだのなかでなにかが下へ下へ向かってきている。
「あ、頭が出てきましたわ!」
「あと少しですわ。」
お客様は、さっきまでのざわつきではなく、歓声に変わってきている。
41:ライト2011 11/24 16:43
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しかし、やはりさっきの出血のせいか、頭がくらくらする。
「息み方を変えろ。腹筋にだけ力を入れるんだ。」
林堂に言われてやってみる。
だいぶ頭が見えてきた。
しかし、出血も続く。
「あっ。」
「頭が出ましたわ。」
そんな声を聞きながら、また目の前真っ白になった。
「おい、如月!?…ちっ、またか…。」
そう言ってまた心臓マッサージをする。
さっきので大分ダメージがあるのか、なかなか如月の心臓は動きださない。
「くそっ・・・。」
林堂が人工呼吸もする。
しかし、なかなか動き出さない。
42:nanashi2011 11/24 17:19
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何度かしてやっと落ち着いた。
「はぁ、はぁ・・・。」
俺には酸素マスクがつけられた。
「もう後は、俺が手伝う。」
さすがにこれ以上延びると俺がもたないと判断して、林堂が介助をしてくれることになった。
林堂の介助のお陰ですぐに頭がでてきた。
43:ゆうり2011 11/24 17:57
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そしてなんとか男の子を産むことができた。
生まれたとたんお客様からは、拍手とこの店の高いお酒の注文がバンバンいれられた。
お客様からは労う声が聞こえてくる。
やってよかったけど、もうちょっと安産がよかったな。
俺は1ヶ月間林堂の病院で世話になることになった。


更に1ヶ月後は、弥生の予定日である。
44:徠夢2011 12/30 18:16
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1ヶ月たち、いよいよ弥生の予定月になった。
如月の出産で新たな規則ができた。

抜糸したら出産は自然のままに任せて我慢しないということだ。
なんとか1ヶ月で調子を取り戻した如月だが一歩間違えれば死んでいたかもしれないからだ。
45:柚木2012 01/04 10:05
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今日は土砂降りの雨だ。
開店してしばらくすると、びしょぬれの弥生が来た。
「オーナー、おなか、痛いです…!!」
いつも一番に店に来ているのに、今日遅かったわけは、陣痛だ。
陣痛が始まって時間がたっているのだろう。

7名無しさん:2012/08/29(水) 20:55:40
46:徠夢2012 01/04 13:14
[ 編集 ]
「大丈夫か?おい、林堂、すぐきてくれ!」

林堂を呼び、したっぱのショウタたちが弥生をショーの台へ運んだ。
そして服を着替えさせる余裕がなさそうだったため、服を脱がせ、バスローブを羽織らせた。
緊急であったがだいたい弥生の常連さんはきていた。
そしてすぐに林堂はやってきた。
「あ〜破水はしてないけどもう全開だ。赤ん坊も順調に降りてきてるよ。ほんとよくここまでこれたね。」
林堂は、内診をしながら弥生にいった。
47:ライト2012 01/05 14:03
[ 編集 ]
「さむい・・・・。」
見ると弥生はがたがたと震えている。
心配になった林堂が熱を計ると…
「39度か・・・。」
「雨にぬれたからか…?」
「危険じゃないのか?」
「如月…!」
「俺みたいなことにはなってほしくない。」
「俺だってそう思っている!!今は産ませるしかないんだ!!」
「しかし、危険すぎるぞ!」
「わかっている!!」
とうとう客の前で言い争いを始めてしまった如月と林堂。
その間も出産は進む。
49:wild cat2012 01/05 15:39
[ 編集 ]
「取り敢えず如月はお客様のもとに戻りなさい。判断は林堂に任せてあるから。」
オーナーは、如月を落ち着かせ、持ち場へ戻らせた。
「で、林堂、お前の判断は?いけそうか?」
オーナーは、内診をしている林堂に聞いた。
50:wild cat2012 01/05 21:07
[ 編集 ]
「もう赤ん坊がそこまででかかっているから。そこまで長い出産にはならないから大丈夫だと思う。取り敢えず解熱剤の点滴はうっとくけど。」
弥生に点滴をうちながら林堂はいった。
「え〜お客様、弥生の方はあいにくの体調ではございますが出産ショーは開催させていただきます。」
いつの間にか弥生のお客様は増えていた。
51:ゆうり2012 01/06 01:31
[ 編集 ]
「弥生くん、大丈夫?」
「頑張ってね。」
弥生目当てのお客も他のホスト目当てのお客も皆弥生を応援している。
弥生の弱々しい息みでも胎児は少しずつ子宮口に向かってきている。
52:ミカゲ2012 01/11 15:54
[ 編集 ]
出産が進むにつれて、熱もどんどん上がっていく。
53:ゆうり2012 01/11 16:00
[ 編集 ]
「ショウタ、タオル変えろ。」
オーナーがショウタにあたたかくなったタオルを渡した。
「わかりました。」
ショウタはすぐに洗いにいった。
54:出産子2012 06/10 05:47
[ 編集 ]
「…はあ…はあ…はあ…、ぅう〜…っ」
弥生は高熱のために息が上がり、中々強く長い息みを加えられないでいる。
それでも、息んだタイミングで破水し、林堂が水分の点滴を追加した。
弥生は顔だけでなく、全身、むき出しの太ももまで熱で赤く染まっており、その弱々しく喘ぐどこか色気のある姿を、お客様たちはうっとりと眺めておられた。
笑顔のサービスは無いものの、このショーもどうにか一部のお客様を満足させることは出来そうだ。
熱の下がらない弥生に追加で氷まくらを用意し、額には冷却シートを貼り付けた。
「ほら、弥生頑張れっ、息むんだ!」
林堂とショウタと、まだ妊娠していない師走の三人がかりで、陣痛のタイミングで弥生の上半身を起こし腹圧をかける補助をする。
身長が180cm近い弥生の体を支えるのはかなりの力仕事だが、その体格のよさが幸いもした。
腹が目立った割りに胎児はそう大きくはなさそうで、スムーズに発露まで進み、弥生の小さな悲鳴と共に頭が完全に抽出された。
「…よし、ここまでくれば…。弥生!もう産まれるからな、頑張れよ!」
「…はあ……はあ……」
弥生は、朦朧としながらもコクリと頷いた。
「さあお客様方、お待たせいたしました!いよいよ弥生の出産のクライマックスです!その瞬間を見逃し無く!」
オーナーが高らかに声を上げ、明るい口調でショーを進行させる。
林堂が弥生の広げた足の間に移動し、他の体調の良いホストが弥生の体を支えた。
「さあ、弥生、あと一息だ。次の陣痛で出るからな!細かく息をして〜すって〜はいて〜」
「弥生く〜ん、頑張って〜」
「…はあ…はあ……、ん、来た…っ、っはっはっはっはあっ、…んぁあああああっ!」
陣痛が来た瞬間腰を跳ね上げた弥生の股間から、にゅるんと胎児が滑り出てきた。
林堂がしっかりと受け止める。
赤ん坊はすぐに大きな産声をあげ、その小さな体を美しいピンク色に染めた。
開店から87分で弥生は無事に出産し、ショーは大成功。
ホストクラブBIRTHの店内は多いに盛り上がり、その興奮は明け方の閉店まで続いた。

8名無しさん:2012/08/29(水) 20:56:25
55:ゆうり2012 06/10 12:14
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もちろん、その日から一週間、熱と体力を使い果たした弥生は寝込んでしまい、動けなかった。
1ヶ月後
「卯月、いよいよだね。」
「あぁ。如月たちみてると出産が怖いんだけど。」
今までの二人が波乱万丈出産だったため、いつもはやんちゃな卯月もここ最近はずっとナーバスだ。
56:出産子2012 06/12 03:59
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「んもう、そんなに心配しないのっ、不安な気持ちがお腹のベビィちゃんに伝わっちゃうわよっ」
そう言って卯月の両手を優しく包み込むのは、この界隈で一番人気のオカマバーのママ、通称“アキ姐”だ。
筋肉質な長身を質の良い上等のドレスで包み、厚化粧を施した素顔は誰も知らない。
見た目は派手なオカマだが、面倒見が良く他の店のホストからもホステスからも慕われている。
年齢は誰も知らないがこの業界は長いそうで、暦オーナーのホスト時代も知っているらしい。
勿論、卯月の一番の上客だ。
自分の若い頃に似ているという卯月を気に入り、妊娠する前、卯月がこの店に入った頃から足しげく通っているのだ。
「アキ姐さん…」
「何なら、陣痛が始まってから産まれるまで、アタシがずーっと付き添ってあげてもいいわよぉ。本当のママがするみたいに、優しく腰をさすってあげる」
それは出産ショーのルールに反するので出来ないが、その気持ちが嬉しい。
「…有難うございます…。でも、オレ、自分で頑張りますから!アキ姐さんに恥ずかしくないショーをするって約束します!」
まっすぐに目を見て宣言する。
客を楽しませるのがホストの務めだ。
卯月にも、プロとしてのプライドがある。
「ま、一丁前に、生意気な子ねっ、…じゃあ、“ホスト・卯月”のショーを楽しみにしているわ。…べビィちゃ〜ん、もうすぐ会えまちゅからね〜」
卯月のパンパンに膨れた臨月腹に頬ずりしながら大きな手のひらで優しく撫で回す。
「アキ姐さん…」
それはまるで、二人のいるボックス席だけ夜の喧騒から切り離されたかのような、四月の暖かな日差しが降り注いでいるかのような光景だった。
「あの、過度のお触りは禁止になってますので」
「んまっ、ケチねえっ。…ふ、ふふふっ」
じゃれ合うかのようなやりとりで、卯月の心も軽くなる。


とは言ったものの。
(…はぁああ〜〜〜。…アキ姐さんにはああ言ったけど、やっぱり不安だ…)
結局閉店までいたアキ姐を見送り帰宅したが、仕事が終われば疲れから腹も益々重く感じ、それにつられて心も重くなる。
(ちゃんと出来るかな…、如月さんなんかメチャメチャ痛がってたし…、怖いなぁ…、はぁあああ〜〜)
痛む腰をさすりながら、ため息しか出ない。
しかしナーバスな卯月の気持ちにはお構いなく、体は着々と出産の準備を進めていた。
57:ゆうり2012 06/12 12:23
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「よ、卯月お疲れさん。これから暇だろ?みんなで暦オーナーん家いかね?」
暦オーナーの家は、とにかく大きい。
よくみんなで遊びに行くのだ。
「うん。いいよ。(久しぶりにあの露天風呂にはいりたいし。)」

卯月は、暦オーナーの家の露天風呂がお気に入りなのだ。

9名無しさん:2012/08/29(水) 20:57:58
58:出産子2012 06/13 05:45
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暦オーナーの自宅は所謂『臆ション』の最上階の2フロア分だ。
専用エレベーターで一直線で行ける。
屋上にわざわざ天然温泉を汲み上げた露天風呂が在り、眼下にはミニチュアのような街並みが広がる。
勿論、スカイツリーもばっちり見える。
最も美しいのは夜景だが、昇る朝日も中々見ごたえがある。
卯月は一番乗りで湯に浸かった。
「ふぃ〜〜、気持ち良い〜〜…」
湯は少し熱めだが、重い腹や腰の痛みを優しく解してくれる。
「はは、卯月おっさんみたいだな」
そういう弥生は、出産したばかりでまだ体系が戻っていないのが恥ずかしくて脱ぎたくないそうなので、一緒には入らないらしい。
「本当ですよ、私より若いのに、と言いたいところですが、思わず声が出てしまうのには同意ですね」
そう言って全裸で堂々と入ってきたのは、9ヶ月の皐月だ。
立派な形の良い腹を惜しげもなく朝日に晒している。
「あっれ〜?卯月ちゃんのチ○コ、ちっちゃくなってね?」
そう言って卯月の股間を覗き込んだのは、まだ腹の目立たない神無月だ。
「あ、ホントだ。出産が近いんだね」
先日まで悪阻で休んでいた葉月も注目する。
「お〜、こりゃ、2〜3日の内だな。常連さんに連絡しないと。卯月は今日から店の二階に泊まりな〜」
オーナーも出てきて、早速何処かへ電話で連絡をし始めた。
「あ、え、マジで…?」
大きな腹が邪魔で自分の股間が殆ど見えていない卯月は気づいていなかったが、そこは確かに妊夫特有の出産の兆候を示していた。
「やっぱ、卯月にちなんで桜のモチーフなんてどうよ」
「あ、じゃあ、いっそ和風の衣装とかどうかな?」
「とすると、布団と、産み綱とか?あ、後ろに屏風立てちゃったりして!」
卯月の不安をよそに、ホストたちはショーのステージの装飾について盛り上がっていた。
59:ゆうり2012 06/13 11:26
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「なに、心配してるんだ?大丈夫だって結局のところ俺も如月も仕事復帰できてるだろ?」
俺が不安そうにしているから弥生さんが励ましてくれる。

しばらく温泉につかって新陳代謝もいい妊婦たちのため、熱くて出ようとしたときだった。

「う゛っ!」

腹を胎児に強く蹴られたかと思ったらその直後に俺の股間からお湯がドバッーっとでてきたのだ。
「もらした・・・ってわけじゃないよね?」
「元気なガキだな。あまりにも温泉が気持ちよくて暴れて羊膜破ったな。」
オーナーが俺の様子をすぐに診て言った。
60:出産子2012 06/14 03:30
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「とりあえず湯から上がれ、感染症が怖いからな。陣痛は来てるか?」
「え?あ、えと…、わ、わかんないです…」
突然のことでパニックになったのか、卯月は半泣きになってその場に座り込んでしまった。
ホストたちに抱えられながら移動して、ゲストルームのベッドに横になる。
すぐにオーナーに呼び出された林堂が眠い目を擦りながらやってきて、卯月を診察する。
「…ん、…あ、いたっ…!」
内診が痛かったようで、卯月はますます涙目になる。
「んー、子宮口の開きは指二本ってとこかな。まあ、もういつ産まれてもおかしくないし、時期に陣痛も来ると思うよ」
「もし陣痛が始まらなかったら…、先に破水しちゃってるから二日以内に出産させたいから、薬で人工的に陣痛を起こすことなるかな」
「…あ、あ、あの、林堂さん…、お、おれ、心の準備が、出来て、なくて…っ、こ、怖いんです…!」
搾り出すように卯月が訴える。
「んー、そお?みんな最初はそうだよ。もうここまできたら後戻りできないんだから、覚悟決めて。俺も先輩ホストも居るんだから、大丈夫さー」
産夫を不安にさせないためかやや無責任にそう言うと、卯月の開いた足をたたんで毛布をかけなおしてくれた。
「おい、車の準備できたぞ」
オーナーが呼びに来て、また卯月はホスト数人に毛布ごと抱えられて移動して、店に運ばれた。
二階の宿泊室で横になり、感染症予防の点滴をしながら陣痛を待つ。
仕事明けということもあり卯月はすぐに眠ってしまった。
夕方に目を覚まして、普通に食事を摂る。
そのまま開店の時間になり、慌しくなった。
でも、林堂はずっと待機していたし、ホストたちもちょこちょこ様子を見に来てくれたので、卯月の不安は少しずつ薄らいでいった。
そして、閉店。
この店も街も一時の静寂に包まれる。
だが、破水から24時間以上たっても、卯月の陣痛は始まらなかった。

10名無しさん:2012/08/29(水) 20:58:49
61:ゆうり2012 06/14 09:14
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その日はオーナーと林堂が側でつきそってもらい、なにかあっても早急に対応できるようにしていたが、夕方になっても陣痛はこなかった。
「陣痛促進剤を打って人工的に陣痛をつくりだす。」
「あぁ。お客様にはもういってあるから、今日のお客は卯月の客で一杯だ。」
林堂とオーナーの会話をきき、いよいよ陣痛促進剤を打たれた。

「卯月、しばらくしたら陣痛がくるとおもうから陣痛がきたら言え。」
「はい。」

陣痛促進剤をうち終わり、いよいよ会場にむかう。
62:出産子2012 06/15 03:44
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二階から降りて会場へ向かう途中だった。
歩きながら腹に違和感を感じたが、あ、と思うまもなく、それは凄まじい衝撃となって卯月を襲った。
「…あ゛っ!?…い゛、い゛た゛い゛っ!!」
両側からオーナーと林堂が支えていなければ、卯月は腹を抱えて頭から倒れこんでいただろう。
「お、よしよし来たな」
「卯月ごめんねー、本当だったら緩やかにきつくなっていくんだけど、薬使うと一気にくるんだよね」
卯月の全身は一瞬で汗まみれになっていた。
「ああーっ、あああーーっ!!…これ、無理、です…っ!ショー、なんてっ、こんな、痛い、なんて…っ!…あああー!!」
殆ど間隔も無く、激しい陣痛が襲っているようだ。
「大丈夫だって、その辺ちゃーんと考えてあるさ」
オーナーがどこか得意げに言う。
「今回は色々イレギュラーに始まってるからな」
「いつもだったらお触り禁止の自力公開出産ショーだけど、今回はお触りありだ」
「それどころか、お客様の介助もありだぞ」
「手も握ってもらえるし、腰もさすってもらえるし、お前の望むことは何でもしてもらえ」
「それ込みで、ショーってことにしてあるからな、甘えまくっていいんだぞ」
「はら、立て。お客様がお前と一緒に出産したくて待ってらっしゃるぞ。おい、ショウタ、手伝え」
薄い襦袢を着せられた卯月は、壁に寄りかかりどうにか上体を起こしている状態だ。
「ひい〜〜、ひい〜〜っ、…お、おれ、…怖いぃ…っ、いたぁあああいいっ!!」
破水してからいくらか覚悟を決めていた卯月だが、覚悟以上の現状すっかり怖気づいている。
「ん、大丈夫、子宮口も一気に来てるから、我慢する時間はそう長くないよ。…まあ、一気にきてるから辛いって言うのもあるねどね」
そのときステージへ続く扉が開けられて、店内のざわめきが聞こえてきた。
「卯月ちゃ〜ん、ベビィちゃ〜ん!アタシが付いてるわよ〜!」
朦朧とした卯月の耳にも、アキ姐さんの野太い声が届いた。
「ほれ、お前のお得意さまも待ってるぞ」
「卯月さん、ガンバっす!」
「うう゛ーーっ、うう゛ーー…っ!…はっ、はぃい゛…っ!」
卯月は声に励まされなけなしのプロ根性で立ち上がり、ステージへ上がった。

11名無しさん:2012/08/29(水) 20:59:21
63:ゆうり2012 06/15 10:22
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今回は少し情緒不安定になっている卯月のために介助しやすいためと衣装にあわせて、分娩台ではなく天井から吊るした産み綱と布団だ。
「さぁて皆様の主役卯月の登場だぜ。」
お祭り好きな水無月が盛り上げていく。
64:名無し2012 06/17 00:25
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「卯月ちゃんつらくない?腰さすろうか?」
「私は額をふいてあげるわ。」
「卯月くん、お水飲む?」
アキ姐さんを筆頭にお客は卯月の世話をかいがいしく行っている。
「卯月の役得だよな〜〜。卯月って世話をしたくなるキャラだし。」
「そうだね。」
先に出産をしている弥生と如月の率直な会話だ。
65:出産子2012 06/17 04:11
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「うう〜〜、こ、腰ぃ〜っ」
「腰痛いのね、…ここかしら、これくらいで大丈夫?」
「んん〜っ、…もっと、強くしてぇえ〜〜!」
卯月も遠慮なく甘えているようだ。
「あら、力ならアタシに任せて。これっ、くらいでっ、どうっ、かしらっ!」
大柄なアキ姐さんが、両手に体重を乗せてグイグイ腰を揉む。
「…ん、ん、…イイ…っ、あ、ありがと…っ」
今日のアキ姐さんは自慢のネイルを落とし、爪を短く切りそろえている。
髪もまとめて、いつもより動きやすい服装だ。
アキ姐さんだけでなく、そのような格好のお客様は多い。
店長の通達で、介助しやすい格好なのだ。
もちろん、介助の輪に加わらず、遠巻きその様子を眺めているお客様も居る。
ホストの接待を受けお酒を飲みながら、大勢での卯月の出産ショーを楽しまれているのだ。
林堂も、いつもより丁寧に、こまめに卯月を診ている。
そして様子を見ながら、促進剤を追加していった。
「…う、…や、…もうっ、痛くっ、しないでっ…!…あ、あっ、あぁああ゛ーーーっ!」
「ごめんねぇ、これくらい痛くしないと産まれないからね。でも、もう薬はこれで最後だからねー」
「はあっ、はぁあ、痛い〜〜〜っ、も、もう、産みたい〜〜…っ」
66:ゆうり2012 06/17 07:08
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「きっともう少しよ。頑張って。」
「そうそう、陣痛がつよくならないと赤ちゃんもでてこないわよ。」
お客様の中にも出産経験のかたがおり、励ましている。
67:名無し2012 06/18 00:07
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「よし、もう卯月いきんでもいいぞ。」
やっと林堂のお許しがでたため、アキ姐さんたちが卯月を支えて産み綱をもって息みやすいように和式で用を足す格好にした。
68:出産子2012 06/18 01:51
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「ふぅう〜、ふう〜…っ、お、おれ、…も、ダメ…」
「何言ってんの卯月、ここからが本番だって。陣痛がきたら息んで。下に押し出すようにね」
「卯月ちゃん、アタシたちが付いてるからねっ、頑張って!」
体を支え汗を拭き水を飲ませ、休まず介助し続けている。
「はぁ…はぁ、み、みんな…、ん、来た…っ、うんーーーっ、んん゛ーーーー!!」
産み綱に縋りつくようにして息む。
「そうそう、長くね、陣痛の間に二回は息んでー」
「ん゛ん゛ーーー!…わ、わかんない゛っ、難し…、いぃいいっ!」
「いや、上手上手、その調子…、はい、ちょっと休憩〜」
「…っ、んぅうっ!…はあっはあっはあっはあっはあっはあっ!」
陣痛があるときだけ息んであとは休む。
そんな単調な作業を何度も何度も繰り返す。
介助する客もそれに根気強く付き合い、店内は今までに無い一体感に包まれていた。

12名無しさん:2012/08/29(水) 20:59:54
69:名無し2012 06/18 02:03
[ 編集 ]
何度か息んでいくうちに卯月の股間に黒いものが見え隠れし出した。
「よし、卯月頭が出てきたぞ。」
「はぁはぁ、んぅーーーーんぅーーーーー!あ゛、あ゛つい!こ、かん、があ゛つい!!」
赤ん坊の頭が出てくるとともに陰会がピンっとはっていく。
70:出産子2012 06/18 03:34
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「ひぃい!ひぃいーーっ!さ、裂けるっ、無理無理っ、裂けちゃう〜〜っ」
「ああ、卯月ちゃん、痛いのねかわいそうに、でも大丈夫よ(多分)。ちょっと、林堂ちゃん何とかしなさいよ!」
アキ姐さんが卯月の頬をヨシヨシして慰めながら、林堂に噛み付く。
「はいはい、ちゃんと保護してるから大丈夫。よく伸びてるから裂けないよ(多分)」
少し不安なことを卯月に聞こえないようにつぶやきながら、滅菌ガーゼで股間をそっと押さえる。
「ふう〜〜、ぅうー…、俺、あ、足が、も、ダメ…っ」
同じ体制で長時間息んでいたので卯月が疲労してきた。
「あー、じゃあ、せっかく布団だし、横になろうか」
何人かの手を借りながら、右を下にして横向きに寝転ぶ。
右腕に抱え込んだ大きな枕に顔を埋め、左手は誰かに握ってもらった。
腰にも足の間にもたっぷりクッションを入れてもらい、痺れた足も丁寧にマッサージしてもらう。
誰もが率先して卯月を助けた。
「よし、じゃあ悪いけど、何人かで左足を持ち上げてもらえる?」
「じゃあ、私たちが」
その体制で、息みを再開する。
「ぅう…、ぅう…ん、…っはっは、…ぅんん゛ーーーーっ!ん゛ん゛ん゛ーーーーっ!!」
「きゃ、卯月君、すごい力…っ!」
横向きで渾身の力で踏ん張るので、足を支えるのも大変な力仕事だ。
「アタシも支えるから、あんたたちもしっかり!」
「ぅんんんん゛ーーー…………っ!!!」
卯月の顔はまるで湯気でも出そうに真っ赤だ。
「よしよし、いいぞ〜、もう頭が引っ込まない。卯月、次の息みで出すからな!」
「…っんん゛、っはぁあっ、はあーっ!…あ゛あ゛あ゛っ、痛い痛いっ、いたぁあああいぃいいっ!!」
もうすぐ、頭の一番大きなところが通過する。
舞台袖で進行を見守っていたオーナーがこのタイミングでスポットライト当て、店内の誰もが卯月の股間に注目した。
71:ゆうり2012 06/18 20:25
[ 編集 ]
「んぐぅーーーーあ゛ぁぁぁぁあ!」
グニュリと旋回しながらも頭が羊水とともに完全にでてきた。
「あら、卯月くんそっくりね。」
アキ姐さんは、赤ん坊をみて嬉しそうだ。
「次で体を出すからな。」
「はぁ、はぁ、はいぃぃぃぃぃ!」
ズルッという音とともに林堂が卯月の息みに合わせて赤ん坊を引きだした。
「んぎゃあ!んぎやぁ!」
「おめでとう、卯月くん!」
「おめでとう!」
なりやまない拍手とともにこの日の営業は大成功だった。
ーーーー
半月後
「やっぱ、若いっていいな。もう復帰か?」
「はい!」
卯月は、前の二人よりも早い回復力をみせた。
「頼もしいね。」
「あ、皐月さん。」
臨月になったばかりの皐月が店を開けるギリギリにやってきた。
皐月はこの店のダントツナンバー1であり、29歳の最年長だ。

前は暦オーナーと同じホストで働いていたが、暦とともに独立したといってもよいのだ。
「いいね。若いって。」
暦いわく、皐月は、いつもは笑顔の貴公子だが、裏はとても怖いらしい。
そしていつものように店を開けているときだった。
「ちょっと何をするの!」
「お客様、困ります!」

「私たちは客ではないわ。」
常連ではない顔のお客様がやってきたのだ。
「私はむかいに新しくできたキャバクラのオーナーカレンよ。」
「私はメイ。」
「私はジュンよ。」
カレンと名乗ったオーナーがつれている12人の中にはスリムにも関わらずお腹が明らかに不自然で大きいのだ。
「今日はあなたたちに決闘を申し込みに来たの。」
72:名無し2012 06/19 15:43
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「この状況は僕に挑戦ってことかな?」
さっきまで客の相手をしていた皐月がやってきた。
「私がお相手ですわ。」
先程メイと名乗った女が名乗りをあげた。

13名無しさん:2012/08/29(水) 21:00:37
73:コカゲ2012 06/20 00:06
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「臨むところ…って言ってあげたいけど、こっちは出産もショーの1つだからね。帰ってもらえる?」

にこやかに笑いながら、目の前に立つ女性に告げる。もちろん女性は「はい」とは言わず、食い下がってきた

「なんでですの?お店も近く、同じ妊娠している者として競い合うのは当然ではないですか!」

もっともらしいことを述べているが、一見様お断りで常連客を大切にしているこのホストクラブは、そもそも競う必要がないのだ

「ここはお客様に楽しんでもらう場所なの。それに誰かと競う為にこの仕事をしてるわけじゃないんでね」

「競い合いお互いを高め合うのもお客様のためですわ!」

「そうですわよ!私たちがその相手になって差し上げようと言うのに…」

断ってもなお食い下がってくる女性。遂にはそれまで見ているだけだった他の女性まで口を挟んできた。それまでにこやかに対応していた皐月も徐々にイラついてきたらしく言葉に棘がでてきた

「はぁ…あんたらさ、しつこいよ?無理だって言ってんの。俺のお客様にも出産を楽しみにされてる方がいるのに、今回は決闘のため女性が一緒です、とかそっちの方が失礼だろ。そんなことも分かんないわけ?だとしたらあんたらキャバクラなんてやめた方がいいんじゃない?」

一気に棘のある言い方でまくし立てられた女性たちは黙ってしまった。皐月は更にオーナーの女性にもきっぱりと言い放つ

「あんたもさ、仮にも1つの店のオーナーなら決闘とか言ってないで、自分の店のお客様を楽しませる方法を考えなよ。で、さっさとみんな連れて帰ってくんない?こっちもお客様が待ってるんでね」

オーナーの女性は何か言い返そうとしたが、結局何も言えず12人の女性を連れて帰って行った

「はぁ、疲れた…」

「皐月、大丈夫か?まただいぶキレてたな」

皐月が近くの椅子に腰掛け休んでいると、暦が声をかけてきた。何時もはにこやかな皐月が実は結構怖いことを知っている暦はどこか楽しそうで笑っていた

「お前な、楽しんでないで追い出すとかしろよ…こっちは臨月なんだぞ」

元同じホストで働いていたこともあり、気負いなく話せる2人。暦はオーナーとして、かつての仕事仲間として、皐月を心配することも多いらしい

「悪かったな。まぁあんだけ言われればもう来ないだろ。助かった」

「向こうもお前位店のこと考えてくれるといいんだがな」

そう言って皐月は再び客のテーブルへと戻って行った
74:ゆうり2012 06/20 00:27
[ 編集 ]
しかし、次の日からお客が減ってきており、皐月の予定日が近くなる頃には閑古鳥がなく有り様だ。
「どうなってるんだ?」
「わかりません。」
ホストたちも常連に電話してもはぐらかされている。
「暇だね〜〜。」
「皐月、悠長にお茶を飲んでる暇はないぞ。」
暦オーナーもさすがに、お手上げ状態であったが、卯月と弥生が原因をつきとめてきた。
「迎えのキャバクラバースが噂を流しているらしい。」
「アキ姐に聞いたら、あそこ、12人だけじゃないらしいですよ。オープン記念で毎日のように出産しているらしいですよ。」
弥生と卯月の超常連客からの情報だ。
「皐月の客もとられてるらしいぞ。皐月似の女がいるらしいぞ。」
「ちょっと、暦、いこうか?」
皐月は顔は笑っているが目は笑っていない。
「俺もいくぜ。」

「お腹が大きい人ばかりではいかせられないよ。」
皐月、暦、水無月と弥生がいくことにした。

14名無しさん:2012/08/29(水) 21:01:10
77:名無し2012 06/20 18:15
[ 編集 ]
「あらあらやっといらしたの?」
皐月たちが乗り込むとキャバクラのオーナーが出迎えた。
店内を案内されて皐月がまず目にしたのは自分の常連客がいるのだ。
「皐月さん。」
「違うの!!」
常連客も気づいてはっとしている。
「皆さん、私たちがいいってことよ。」
常連客の真ん中を陣取っていたのは、メイだ。
「私の顔、まだ思い出さない?」
「・・・あ〜〜!?芽依(めい)!」
皐月が思い出した。
「芽依ってまさか?」
暦も皐月の驚きようで気づいたみたいだ。
「誰だ?」
「さぁ?」
水無月と弥生は、不思議そうだ。
「やっと気づいてくださったわね。一久(かずひさ)お兄様。」
「水無月、弥生、こいつは、10離れた皐月の妹だ。」
「「いもうと〜〜!!」」
「なんでメイがいるんだ?」
「もちろん、勝負してお兄様を家に戻すためよ!」
「(コソコソ)皐月ん家は金持ちで皐月は一応跡取りだったんだよ。」
「え〜〜!」
「僕は帰るきないよ。このほうがしょうにあってるし。」
「いいえ、お兄様にはかけていただくわ。このお客様をかけてね。」
「ん?」
「皐月くん、実は、私たち、ここで脅されていたの。もし皐月くんとこにいったら皐月くんに危害を与えるって。多分ほかのホストの常連さんにもいってあるみたい。」
やっと常連客が口をひらいた。
「わかった。この勝負受けるよ!その代わり、俺が勝ったらメイは、さっさと家に帰り、俺たちの客には一切手を出すな!!」
78:wildcat2012 08/05 02:55
[ 編集 ]
「わかりましたわ。で勝負の方法は?」

メイと皐月、暦オーナーとカレンオーナーで話し合っている。
「ところで勝負ってなにするんだ?」
「さぁ?」
話に入っていかない水無月と弥生は出産でどう勝負するのか考えつかず、話していた。
「そうだなぁ。接客しながらの出産我慢比べはどうだ?先に出産した方が負けってことで。」
暦オーナーが思い付きでいった。

15名無しさん:2012/08/29(水) 21:01:42
こちらから更新お願いします。

16無能:2012/10/20(土) 01:21:55

「わかりました。勝負は明日でよろしいかしら?」
「あぁ。いいよ。」
「お兄様、お年なんですから今日中に出産されませんように。まぁ私には好都合ですが。」
メイはにこにこしながらいった。取り敢えず明日に備えるためにホストのメンバーはかえることにした。
そして次の日のオープン時間になった。

「お兄様、恨みっこなしですわよ。」
「あぁ。」
2人に陣痛促進剤を同じ量注射し、いよいよ出産我慢勝負が始まった。
会場は、専属医がいるということでホストの方で行われ、実況がわかるように上半身ははだかでなおかつ一時間に一回内診がはいり、そして接客しつつも出産を我慢するというものだ。
ちなみに押さえることや道具を使うことは禁止されており、運任せに近い勝負である。

17出産子:2012/11/25(日) 05:41:09

「……ん、来た来た、やっぱり促進剤を使うと早いね…っ」
「あん、やだ、何ですのこれっ、ちょ、痛いんですけど!?」
ほぼ二人同時に陣痛が始まった。
皐月は冷静に陣痛を逃し、メイは思わぬ痛みに軽く戸惑っている。

「皐月さん、大丈夫? 皐月さんには勝ってほしいけど、出産が長引いたら皐月さんも赤ちゃんも可哀想…」
常連客は皐月にしっかり接待されながらも、痛みに顔をしかめる皐月を心配していた。
「ふ〜〜、ふ〜〜。…ん、大丈夫、俺、陣痛逃すの上手いでしょ? ショーを楽しんでもらおうと思って、呼吸法とか練習したからね」
「確かに。皐月さん見てたら凄く安心感ある。それに比べてあの子…」
「きゃああーー!痛い痛い!こんなに痛いなんて聞いてないい!もう終わらせてえ!あ、でも終わったら負けちゃう…、でもやだやだ、我慢できないーー、ぅんんーーーーっ」
別のテーブルで接待していたメイは、陣痛のたびに大騒ぎして暴れて、呼吸法もへったくれもなく息んでいた。
わずかにいたメイの客も、興ざめして遠巻きにしている。
「やれやれ、あれじゃあ、とてもショーにはならないな…、い、たたた…」

「さてと、お二人さん、そろそろ内診させてもらおうかな。足広げて」
「はー、ふぅうーー。林堂さん、お願いします…っ」
皐月は接待していたテーブルのソファに足を抱え上げて広げてみせた。
その様子さえ、ショーの一部としてお客様にお見せする。
「あれ、結構開いてるね。今。7センチってとこ。もう、結構キツイでしょ?」
「んっ、…いえ、まだなんてことないですよ……っ」
本当は予想よりかなり陣痛が強く、脳内で作り上げた妄想の壁を殴り続けるぐらいに辛かったが、決して表には出さない。
「さてと、今度はお嬢さんね。足広げて見せてくれる?」
「はぁあ? イヤですわ、何で貴方みたいな得体の知れないお医者に私の大事なところを見せなければなりませんの? それにそんな汚いものを私の中に入れられるなんて冗談じゃありませんわ!」
「ちょ、酷いな汚いなんて。皐月の後、ちゃんと消毒して手袋も変えたって」
「イヤイヤイヤ! それよりこの痛いのを何とかしてっ! いたあああい!」
メイは大騒ぎして見せようとしなかったので、結局妊娠していないホストたちで押さえ込んで内診させた。
「え…と、こっちは3センチってとこだね。やれやれ」

18出産子:2012/11/25(日) 05:42:56

それから、そろそろ二回目の内診か、と言うくらいの時間だった。
「……皐月さん、凄い汗…。辛いのかしら、大丈夫?」
「ふーっ、ふーーーっ、……ん、だい、じょ、ぶ…っ。それ、より、フルーツ、とか、どう…?」
そう言いながらも皐月は脂汗をダラダラと流し、必死に息まないようにしているのか身体の力を抜こうとしてブルブル震えていた。
だが、それからすぐのことだった。
「っ、んぁあっ!? や、やっぱ、ダメっ、ちょっと、ゴメンね……っ!」
皐月は接客していたお客様に軽く詫びると、先ほど内診したときのようにソファに足を上げて大きく広げた。
「きゃ、皐月さん。赤ちゃんの頭が!」
皐月のソコからは、もう赤ちゃんの頭が完全に出ていた。
「っは、っは、も、産まれちゃう…、良く、見てて…っ!」
「わ、皐月待って待って、俺が取り上げるから!」
「ムリ、出る…、ん、んんっ!!」
結局林堂は間に合わず、皐月が自分で手を伸ばしてするっと出てきた赤ちゃんを受け止めた。
皐月は促進剤を投与してから二時間と掛からずに出産してしまった。
「皐月さん、もう陣痛の間隔がなくなっていたなんて全然気づかなかったわ。やっぱり、皐月さんの接客が一番好きよ。今日は皐月さんのショーがこんなに近くで見られて本当に良かった」
皐月が接待していた常連客は皐月の出産に満足し、労いの言葉をかけ、チップを弾んでくれた。
「はあ、はあ…、満足してくれて、良かった…」
皐月は産まれたばかりの、まだ臍の緒で繋がったままの我が子を胸に抱き、軽く疲労を滲ませた顔でニコリと笑った。
「それで、メイは…、勝負は…?」

19出産子:2012/11/25(日) 05:44:36

「ひぎぃいいいい! 痛いーー! うう゛ーーん゛! んん゛ーーっ! 早く、出てーーーっ!!」
メイはショーや勝負のことなどもう頭にないようで、ひたすら息んで痛みに暴れまくっていた。
もう客は誰も見ておらず、仕方なく見かねたホストたちが世話をしていた。
「もおいやああ〜〜、止める、出産いやぁああ〜、助けてぇええ〜〜〜」

メイは19歳で初産のはず。
出産を甘く見て体調管理を怠ったことと、ホステスとしてのプロ意識を持ち合わせていなかったのが敗因の一つだろう。
そもそも、未成年のメイをホステスとして雇うことから間違っているのだ。
あまりにもメイの状態が悪いので、キャバクラバースのオーナーのカレンが車を出し、病院へと運び込んだ。
そして聞いた話だと、飛び込みの出産を診てくれる医者がおらずたらい回しにされ、それから24時間苦しんだ挙句、結局最後の産院で帝王切開で出産したという。

「メイも昔は素直で可愛い妹だったんだけどね、何処で間違っちゃったのかな」
産後の回復で入院中のベッドの上で、皐月はため息をついた。
2時間掛からなかった安産とはいえ、きちんと体を休めて回復させることは出産ホストの義務なのだ。
「ねえねえそれで、勝負のほうはどうなるの?皐月が先に出産しちゃったから、僕たちの負け?」
「そうだなぁ、試合に負けて勝負に勝ったって感じか? お客様は皐月の出産に満足されてたからな」
暦オーナーも頭を抱えている。
しかしはっきりさせなければならないので、アキ姐に仲裁役を頼み、暦オーナーがキャバクラバースへと赴いた。

20無能:2012/11/25(日) 20:25:13

結果としてもうこちらに干渉はしないことで落ち着いた。
そして何事もなく、穏やかな1ヶ月半ばを越えた所だった。
「水無月、なんともないの?」
「皐月さん、なんともないっすよ。」
安産だったせいか皐月はそうそうに復帰をしている。水無月は、皐月の1つ下の後輩ホストで暦がヘットハンティングでつれてきたが、顔は店一番のワイルド系で一番妊夫にみえないと言われている。
水無月は、Birth初の双子を身籠っているため、早々と出産が始まると思われていたが、すでに6月下旬だった。

21123:2012/11/25(日) 23:31:25

「あら、水無月、まだなの?」
「あなたに似てルーズね。」
「すいませんねー。」
水無月のお客はスレンダーな美女が多く、他のホストからは美女に野獣と言われている。
「女性だと乳首刺激してあげると母乳と共に陣痛も始まるみたいだけど。」
「お腹にけりを入れたくなるわね。その丸いお腹に。」
水無月のお客は美女ではあるがそれと同時に水無月はMではないがドお客はS率がとても高い。

22無能:2012/12/09(日) 00:25:14

「はっはっはっ、勘弁してくださいよ〜。もうすぐですって。」
水無月は、自身の大きいお腹を軽く叩きながら豪快に笑っている。
「まぁ、その豪快なところがあなたのいいところだけど。」
そしてついに6月も後2日に迫った時だった。
「林堂ちゃん、なぁー俺腹下したかも。下剤のんでもいいかぁ?あ、やべー漏らしそう。」
開店前にお腹を押さえた水無月が林堂に相談しに来たが波がきたのかお尻を押さえてトイレに向かってダッシュしている。

23出産子:2012/12/09(日) 05:38:59

「ちょっと、水無月! 下痢なのに下剤飲んでどうするの!」
トイレへ向かう水無月の背中に林堂が声をかける。
「へーい!」
適当に返事をして、水無月はトイレの個室に入ってしまった。
「水無月さん大丈夫かな?」
開店準備をしていた弥生が心配して声をかける。
「ん〜、食中毒やウィルス性腸炎だったらやばいから、診察してみるよ。もしかして、出産の兆候かもしれないしね」
「いよいよなんですかね。双子なのに遅かったですね」
他のホストも、いよいよかと色めき立つ。
「そうだね。水無月って体格のわりに子宮が狭いみたいなんだよね。そこに二人入ってるから、十分に成長できるまで自分たちで粘ってた、みたいな?」
「じゃあ、もっとお腹に入れておいたがいいんじゃないんっすか?」
「これ以上は胎盤の機能も劣化していっちゃうしね、それは無理。どっちにしろショーの関係もあるし、明日にでも産ませるよ」
ホストたちと林堂が喋っているうちに20分たっていたが、まだ水無月はトイレから出てこなかった。

24無能:2012/12/09(日) 12:48:12

トントン
「おーい、水無月、生きてるかぁ??」
林堂がさすがに心配になってノックをした。
「腹はいてぇのにでなくって、もうちょいかかりそうですー。」
相変わらず水無月は、気にしていないようだ。
「いいから開けろ!男性性器あるか?」
「あーそういえば昨日辺りからないですねー。いうの忘れてましたー。」
水無月は、笑いながらいった。

25無能:2012/12/10(月) 02:04:36

「いいから開けろって。」
やっと回転ギリギリに開いたトイレのドア。
「腹下して痛いのに全然でねぇ。」
水無月は困ったように頭をかいている。
「開店前に診てやるからこっちに尻だせ。」

水無月の子宮口は一センチ開いていないがお腹のはりは十分のようで他のホストや林堂が驚くほどだった。

26出産子:2012/12/10(月) 04:32:47

「子宮が伸びきっていない分、陣痛が強いのかもしれないなあ」
「そうなんですかね〜、初めてなんで、良くわかんないっす!」
「やっぱり水無月さんってどM何じゃないんですか〜?」
診察したり他のホストがからかったりしながらも開店準備は進めていく。


「あーー、やばいやばい、来たっ、あーダメだ、漏れる漏れるーー!」
「漏れないから、それ赤ちゃんだから息むな。水無月は子宮も産道もガチガチに筋肉って感じだな」
水無月の子宮は10分間隔で強烈に収縮し胎児を押し出そうとしたが、子宮口は硬く、中々開こうとしない。
かなり小さな双子の胎児であるはずが、水無月の出産はどう展開するか誰にも予想がつかなかった。

27123:2012/12/10(月) 20:31:56

「おはようございますぅー。」
「おはよう。あれ?水無月、やっと陣痛が始まったの?」
「あ、弥生さん、皐月さん、おはよっす。」
いつもギリギリにやってくるお互い眠っている赤ん坊を抱いてきた弥生と皐月も到着した。
2人は出産したホストの中で唯一自分達で育ててるので時間も融通されているのだ。
ちなみに弥生は男の子、皐月は女の子である。
仕事中は暦の空き部屋で託児所としてベビーシッターがみてくれている。
他のホストは若さもあって産んだ子供は暦の知り合いの施設で子供が恵まれない夫婦に養子に出されているのだ。

28名無しさん:2012/12/12(水) 00:45:17

「そうなんですよ。水無月さん、さっきまで全然気づかなかったんですよー。おいでー優弥(ゆうや)くん。」
「で今、林堂先生が診察したところなんですよ。あ、姫月(ひづき)ちゃんお預かりしますね。」
店に入ると2人は支度のために下っぱホストに愛息子娘を預けて支度を始めるのだ。

ここで全てのメンツも揃い、いよいよ店が開き、水無月の出産ショーが始まるのだ。

29出産子:2012/12/14(金) 04:56:32

いつもは出産ショーのために舞台を設けるのだが、今回は特に用意しなかった。
水無月の性格からして大人しく分娩台に縛り付けられはしないだろうし、今のところ本人も精神的にも肉体的にも余裕がありそうなので、いつもの接客をしながらフリーの出産をすることにしたのだ。
一応、何処で破水してしまうか分からないので濡れるとやばいものは取り除いたり覆ったりして、お客様にもそのように連絡してある。
なんせ出産とは汚れるものなのだ。もしお客様の服を汚してしまったら、クリーニング代をお支払いすることになっている。

「水無月、来たわよー」
「やだー、いよいよ産まれるって?」
いつもの美女軍団も、いつものように着飾ってお見えになった。
「いらっしゃいませ! そうなんですよ、ついに陣痛が…って、いたた、来た、やばいやばい、来た!…いってぇえ〜〜〜っ」
店の扉を開きながらお客様を迎えていた水無月が、お腹を押さえそのまま扉にしがみ付くようにして呻いた。
まだ立ったまま耐えられる程度の痛みのようだ。
「………っん!…ふう〜、痛かったあ。 さ、待たせしてごめんね、いつものお席にどうぞ!」
30秒ほどで波の引いた水無月が、お客様をエスコートし、ボックス席に落ち着いた。
ヘルプには、今7ヶ月の長月が付いた。

「えー、待って待って、もう一回立って。産まれる寸前の水無月のお腹良く見たい」
「そうよ、この丸いお腹もいよいよ見納めなんだから。くるっと回ってよ」
座ったとたんのリクエストだが、無名月はいやな顔一つせずそれに答えた。
「いいすよ、良く見てくださいね。あ、お触りは禁止で!ほら、ふくらみがめちゃ下がってるでしょう?」
水無月は大サービスでズボンをずらし、シャツをペロンとめくって丸いお腹を見せた。
妊娠前は硬い腹筋に覆われていたそのお腹は確かに臨月であろう大きさだったが、とても双子が入っているようには見えなかった。

狭い子宮に双子がギリギリで収まっている所為で羊水が少なく、産道の硬さも相まって、それぞれ2600gほどの胎児であったにも関わらず、6月30日の日付が変わり7月になる寸前まで掛かる出産になろうとは、このときまだ誰も予想していなかった。
6月28日、17:00、これから約31時間の水無月の出産ショーが始まる。

30無能:2012/12/14(金) 05:29:06

「お腹のおさわりはいつものようにいいのよね?」
「はぁ、まぁ多分いいと思いますよ。暦さん、いいっすよね?」
「あぁ。腹とか上半身はいいぞ。」
飲み物を持ってきた暦オーナーが答える。
「あ、でもおさわりしたらドンペリ一本ってどうだ?」
「もうーしょうがないわね、ドンペリもらうわ。」
「私も。」
「私ももらうわ。」
皆、オーダーをして水無月のお腹をペタペタ触っている。
「そうだ。水無月、私たちのおさわりはダメなんでしょ?なら水無月が私たちにみせてくれない?ルイ13世かプラチナ10本でどう?」
美女たちの中でもダントツの美女であり、まとめ役でもあるミレイはド級のSであり、水無月の顎をさわりながらいった。

31無能:2012/12/16(日) 03:28:48

「今は全然意味ないっすからあとにしましょ、あとで。林堂っちが内診してくれるときにみえるから。」
なんとか誤魔化し、水無月は長月がつくった水割りを飲んでいる。
「もう、しょうがないわね。あなたの顔が痛み苦しむ姿が楽しみね。」
「早く出産中のあなたをいじりたいわぁ。」

お客様は、自分自身の理想の水無月の出産を多種多様のイメージをしてニコニコしている。

32妊蔵:2013/01/10(木) 01:38:53

「あいたたたたぁ!長月、腰、さすってくれるか?」
「わかりました。」
水無月は、おさわりが厳禁のため、長月に背中を擦ってもらうことにした。
「この辺ですか?」
「う゛ぅーーーそこそこーー。」
「水無月、おっさんみたいね。ほんとに妊婦なの?」
お客は、腰痛に耐えるおじさんにしか見えない水無月を笑ながら見ていた。

33無能:2013/01/10(木) 22:34:22

「う゛ぅーー、どうせおっさんくさいですよー。」
水無月は、長月に腰を擦ってもらいながらお客様に対応している。
開店してから7時間たち、12時を回ろうとしても水無月は中々陣痛が強くならなかった。
「水無月さん、全然陣痛が強くならないですね。大丈夫ですか?」
もうすぐ臨月になる文月が水無月用の飲み物を運んできた。

34無能:2013/02/07(木) 01:02:09

「あぁ。陣痛がないときはまだまだ楽勝だ。」
水無月は、飲みやすいストロー付きのドリンクを自分で持って飲んでいる。
「陣痛が強くならないと体力も消耗するし、店内を歩いてみたらどう?」
林堂の提案で水無月は店内をゆっくり歩くことにした。
「水無月、お客様サービスで支えてもらったらどうだ?」
壁を伝いながら歩き出した水無月に暦が水無月の出産お客様サービスとして支えてもらいながら歩くということを提案でした。
「俺は構わないっすよ。テーブルとテーブルの間を色々なお客様に支えてもらおっ。」
まずは水無月がいるテーブルのお客様に支えてもらうことになった。

35妊蔵:2013/02/09(土) 02:16:44
結局閉店時間になっても陣痛が強くならず、一度お客様は帰ることになった。
「楽しみにしてるから明日こそ産んでよね?」
「また開店時間にくるわ、水無月、頑張ってね。」
「ありがとうございます。開店までに陣痛強くなるように祈っててくださいよ!」
水無月はまだ余裕があり、エントランスでお客様方を見送っていた。
外へは他のホストがさすがに代わりにいって見送っている。
全てのお客様が帰り、とりあえず一息つき、弥生と皐月は我が子を連れて一度家に帰るようだ。
水無月の補助をするために見習いホストの面々は泊まりがけの交代制で残ることになった。
もちろんうたた寝仕掛かっている林堂のも残る予定だ。

36:2013/03/15(金) 22:50:19
「んっ………!」
仮眠室で寝ていたとき。陣痛で目が覚めた。もう何度目か分からない。交代制で見習いが待機していてくれるとはいえ、夜中に起こしたくはない。夜中の仮眠室とは、よく響く。声を必死に噛み殺し、陣痛が過ぎるのをただこらえていた。

37無能:2013/03/16(土) 13:40:23

そして時たま目が覚めた林堂が内診にやってくる。
「ふあーーー。調子はどう?」
「もう最悪ですよ。眠りかけたらすぐに痛みがきて全然寝付けないっす。」
「陣痛の間隔が狭くなって来ているだけいい証拠だから。今、五センチ、ちょうど半分だな。」
話をしながらも内診を行う林堂。
「半分って・・・ヴ!またきたあ!!」
水無月は陣痛が襲い、シーツをつかみ、陣痛に耐えている。

38:2013/03/17(日) 22:05:41
「んっ!………あ゛、はぁ、はぁ。う゛ーっ!」
「水無月、お前その息む時の声どうにかなんないのか」
「んなことっ、い、われてもっ!!」
息む声をBGMにしてお酒を飲む客も多い。些かBGMには向いていない声だ。本人は苦しんでいるから大変な要求は出来ないが、少しでも改善できないか。
「――――っあ!…………終わっ、た。じゃあ仮眠してきます」
「あぁ、水無月」
「?」
「息むときはもう少し声を前の方にだせ。色っぽくなる」
「んなこと言われても………」

39無能:2013/03/17(日) 22:49:43
「まぁ、おまえの客は少し独特だからなぁ。でも色っぽい声を出せばより客がよろこぶぞ。」
「余裕があったから考えときます。時間ないのでおやすみなさい。」
や水無月はさっさと毛布をかけてすぐにイビキをかいて眠り出した。

40熊女:2013/03/30(土) 19:11:15

陣痛、うたた寝を繰り返しているうちにだんだん陣痛の間隔は狭まり8分間隔で陣痛がきていた。
「ううー、いてて、暦さん、服装俺の服ってこれなんですか?」
「あぁ、お客さまの希望だからな。」
水無月は、フリースタイルということもあるのか服装は上がTシャツで下はボクサーパンツしかはいていない格好で他のホストたちとはまた違っていた。

41:2013/04/15(月) 02:48:19
「……なんか、俺だけラフっすね。」

ぽつりと呟いた言葉が廊下に響く。
今はドアをあけ、位置的にはサッシを挟んで会話している。

「まあ動きやすいに越したことはない。もう六月だ。」
「…如月からオープンして、もう四ヶ月たったんすね」
「まあな。」
「如月は生死の狭間をさ迷って、弥生は高熱の中での出産。卯月は陣痛来なくて薬を投与して、皐月は妹と出産バトル……
俺は普通に産みたいっすよー」
「だから服装も普通だろう。そういえば卯月も何事もなく〜みたいなこと言ってたぞ」
「……何事も無いことを祈るしかないってことで…………、あ、…ぃったー…………」

壁にドンと手をつく。
まだ大丈夫だと思っていたから、少しよろけた。
「六分、か。」
「まじ、すか、ぁ?」
さっきは大体八分だったはず。
着々とお産は進んでいる。

42名無しさん:2013/04/15(月) 20:01:11

「そろそろ開店だぞ。」
「わかってますよー。」

今日は、あまり動けない水無月のため、後ろの方にいるため、、水無月の客をナンバーワンの皐月がエスコートで出迎えるのだ。
水無月はまだ話せているが今日はこれからが本番であった。

43出産子:2013/04/19(金) 05:33:11
日時は6月30日の17時。
水無月、つまり6月はあと7時間。なんとしてもあと7時間で水無月の出産を完了しなくてはならない。
陣痛が始まってから既に24時間以上たっている。
予想以上に時間がかかり体力を消耗しているために、当初の予定には無かった、水無月が横になって体を休められるベッドを用意することにした。
しかしそのベッドは何処から持ってきたのか、まるでホームセンターで9,800円で売っていそうな安っぽいパイプベッドにせんべい布団。
そしてその横にはこれまた何処から持ってきたのか通販で980円で売っていそうな3段のカラーボックスが置かれ、出産に必要になりそうなタオルなどが詰め込まれていた。
そしておまけのように小さな硝子テーブルといくつかのクッションが置かれ、Tシャツとボクサーパンツのラフな格好の水無月がそこに収まると、そこはまるで社会人一年生の独り暮らしの安いワンルームのようになった。
「ははっ、なかなか似合うじゃないか、水無月」
家具を整えた暦オーナーがその出来栄えに愉快そうに笑った。
「…なんすかこれー。俺の部屋はこんな貧乏くさくな…、い゛っ、きたっ、いだだだ…っ、ああーーー、いってぇえ〜〜…っ!」
余裕を見せていた水無月だが、陣痛は順調に強くなっているようで痛みに声を上げることが多くなった。
ベッド腰掛けた格好で、薄いタオルケットを握り締めて絶えている。
「水無月、まだ息まないで。呼吸して〜」
一応林堂が水無月の腰をさすってくれた。
「んっ、ぅん゛っ!…い、息みたい感じは、まだ、無いです、けど、とにかく、痛くて…っ、あ、がぁあ!」
出産の進行よりも痛みが強いようで、水無月の額には脂汗が浮き、寝不足の為か目の下には隈も目立つ。
やがて陣痛が治まっても水無月は立ち上がらずに、ベッドに腰掛けたまま肩で息をしてどうにか呼吸を整えた。

「水無月ー来たわよー!」
「まだ産まれてないでしょうね!」
「もう、会社定時で上がって飛んできたわよ!」
水無月がぐったりしていると、皐月にエスコートされたミレイたちがやってきて店内は一気に賑やかになった。
昨日から水無月が陣痛中だということは他のお客様にも知れ渡っているので、出産を見届けようといつもより多くのお客様が訪れ、ホストクラブBIRTHは開店早々に満席となった。

「やっだなにこのダサい部屋。水無月の部屋ってこんななの?」
「…は、はは…、やだな〜、ミレイさん…」
ホストとして相当稼いでいる水無月の部屋がこんなに貧乏くさい筈は無かったが、いつものトークでそれを否定する余裕が水無月にはなかった。
狭いワンルームにラフな格好の水無月。
そこに現れた、完璧に化粧をし髪を巻き一部の隙もないスーツで武装した美女軍団。
それはまるで、初めての独り暮らしをしている新社会人が自室で突然の腹痛に襲われパニックになっているところに、無断欠席した新人を説教すべく狭いアパートに押しかけた教育係の美人先輩たち、と言った所だった。
もっとも、この先輩OLたちは苦しむ新人のために救急車を呼んでくれたちはしないのだが。

「…は、はぁ…、ぁ、また、来たっ、あぐぅううう…っ、痛い…っ、あぁあああ〜〜、いたいぃいい゛ーーっ、い゛ーーっ!!」
よっぽど痛みが強くなってきたのか、水無月は座ったままベッドに横倒しになり、枕に顔を埋めて抑えきれない声を誤魔化そうとしていた。
「おっと、5分間隔になってきたね。ちょうどいいから内診しようか」
言うや否や、林堂はひょいと水無月を足をベッドの上にあげると仰向けにし、下半身にタオルをかけて局部を隠そうとした。
「あらちょっとまって。せっかくだから隠さないで内診するところ見せてよ」
「そうよ、おチンチンがなくなっちゃった水無月のアソコ見たいし♪」
噂に違わずドSっぷりを見せ付ける美女軍団たち。
さすがの林堂も引き気味だ。
「…だってさ、どうする?水無月」

44名無しさん:2013/04/20(土) 01:51:22

「水無月、プラチナ10本、フルーツ盛りでどう?」
「はははっ。まぁしょうがないっすね。」
水無月は苦笑いながらも了承したため、タオルはかけられないまま内診をすることになった。
「子宮口は8センチだな。」

45名無しさん:2013/07/02(火) 01:38:53

「はあ、はあ、まだ八センチなんすか?
もうだしたいんだけど。あーきたあぁぁぁぁ!!ヴぅーーーー!」
水無月は、唸りながら陣痛に耐えていた。
「水無月、まだ息むなよ。」
「うぅーー、わかってますよ、うぅ、あぐっーーーーー!ぐっ!」
「ほんと、水無月、陣痛の間いい顔するわね。」
美女軍団の1人真凛がシャンパンを片手にご満悦だ。
「わかるわ。このワイルドな男から赤ん坊がでてくるなんて、ぞくぞくするわね。」
他の美女たちも水無月の出産萌箇所で盛り上がっていた。

46名無しさん:2013/08/04(日) 00:20:29
「うわぁぁぁぁっきた、こ、腰に、腰にきたー!うううーっ!ぐぐっ」
腰がバラバラになりそうな痛みに、たまらず腰を押さえ、水無月は悲鳴をあげた。
「腰が、腰がぁぁ!あああ!くぅぅっ」
自分で必死に揉んでみるが、鉄板のようにガチガチに張った腰にはとても歯が立たない。
「ああぁぁ、腰…腰を誰か…はぁぁぁっ!砕ける!」

47名無しさん:2013/08/04(日) 00:53:23
見かねた林堂が、グーっと力を込めて水無月の腰をマッサージした。
「あっ!…くっ…ああっ…イイっ…はぁぁぁぁ…あぁぁー」
腰がほぐれていくのと同時に陣痛の波も去り、水無月の口から安堵の吐息が漏れる。
「はぁぁ…少し…楽に…」
けれども林堂は、そのまま水無月のマッサージを続けた。
「こりゃ酷い。相当辛いだろ」
長引く陣痛による疲労で、水無月の肩も背中も腰も異常に凝ってしまっている。このままでは、かなり辛い出産になってしまうだろう。腰を酷く痛めてしまう可能性もある。
「あっ…ああ…んっ…き…気持ちいい…ああ…もっと…」
限界を超えて疲れ切った身体を揉みほぐされる快感に水無月が身も心も委ねていると、
「ダメよ!マッサージをやめて」
と、凛としたミレイの声が響いた。

48名無しさん:2013/08/05(月) 00:07:34

「ん?」
「だってその苦しんだ水無月の顔がいいんじゃない?快感の顔じゃつまらないでしょ?」
平然というミレイに若干引き気味の林堂。
「はぁ、はぁ。もぅぃぃっすよ。っ!」
水無月だけは動じず林堂に腰を擦ってもらうのをやめるようにいい、また陣痛にたえだした。

49名無しさん:2013/08/05(月) 22:31:22
「ぐっ…ああっ!あああいってぇー!痛ぇ!いっ…ぐぁぁああ!」
腰の奥がメリメリと音を立てた。
同時に腰の骨がめちゃくちゃに割れてしまったような激痛が、水無月の腰から背骨を通って脳天へと突き抜ける。
出産に備え骨盤が開いていく痛み、そしてそれをガチガチに凝った腰の筋肉が阻む激痛だ。
「こ、腰がぁっ!ぐっ…うあああっ!痛い痛い痛い痛い!腰が!」
震えながら絶叫する水無月を林堂は痛ましく見つめる事しかできない。
水無月は完全に腰にくる陣痛だ。陣痛には主に腹にくる陣痛と腰にくる陣痛がある。
元々骨盤が開くように出来ていない男の出産は、陣痛が腰にくると、腹にくるそれより何十倍も辛い。
しかも、あそこまで酷く腰が凝ってしまっている状態では、それが骨盤の開きを阻んでしまうため、下手をしたら本当に腰の骨や骨盤が砕けてしまう。もしそうなってしまったら、水無月は歩けなくなるどころか、立ち上がる事も出来なってしまうだろう。
肩も、凝りすぎたあの状態では、血圧が上がり過ぎてしまう可能性もある。
「水無月、辛いだろうが、自分で少しでも凝りをほぐせ」
林堂の声に水無月は、腰に自分の拳を当て、力を入れて圧してみたが、その力がそのままそっくり壮絶に凝った肩に跳ね返り、まるで雷に撃たれた様な激痛が、今度は肩から背中を通って腰までを貫く。
バリバリッ!再び腰の骨が音を立てた。
水無月が歯を食いしばって激痛をこらえると、すでに凝り切った肩が更に張り、激しい頭痛と吐き気を誘発する。
「ああああーっ!うううっ…はあ、はあ…」
痛みに強い水無月が、全身に脂汗をしたたらせ、苦悶の表情で肩と腰を押さえてベッドの上で激しく身悶える姿を、ミレイを初めとする美女軍団は、うっとりと潤んだ瞳で見つめていた。

50名無しさん:2013/08/06(火) 00:38:28

「これはさすがに続行不可能になるかもしれないな。オーナー介助の方向でいいですか?」
ミレイたちは、うっとり見ているが水無月は、さすがに無介助では支障が出てしまう危険性が出てきてしまったため、お客さんの願いが無介助でも介助をすることになった。

51名無しさん:2013/08/11(日) 04:24:55
「ううっ…あああっ!はぁはぁ…」
陣痛の合間のはずなのに、痛みがひかない。息をつくことも出来ない激痛に、水無月はすでに息も絶え絶えという様子だった。
「水無月、辛いな。今楽にしてやるからな」
林堂が水無月の腰を摩ると、腰椎や骨盤がガタガタにずれているのが感触で伝わってきた。
「お前、この腰…」
双子ということもあり、妊娠中の腰の負担は相当なものだったのだろう。
豪快な性格や、ワイルドな見た目と裏腹に、優しくて気遣い屋の面もある水無月は、必要以上に周囲に心配をかけないように、また、ホストとしてのプライドから、かなり辛さを耐えていたのだろう。
肩や腰の酷い凝りも、相当な無理をしてきた証拠だ。
「馬鹿だな、お前は。これじゃもう自然分娩は無理だ。救急車を…」
店内から落胆の声が上がる。
「やめて…くださいよ…」
苦しい息の下から水無月が言った。
「大丈夫ッスから…産みます、俺…」
「こんな腰じゃ無理だ。後遺症が残るぞ」
「それでもいいっす…ううっ!…俺の大切なお客様を…ガッカリさせるのは…う…ああーっ!き、きたー!」
またやってきた陣痛が、ボロボロの水無月の腰を更に容赦なく痛めつける。
「ああーっ!痛えーっ!*あーっ!腰、腰がーっ*痛い痛い痛い!壊れる、腰が壊れるーっ!ああっ!肩、肩が…*あっ!ううう…」
後にホストクラブBIRTH開店以来、最も過酷で壮絶だったと言われる出産ショーは、まだまだ始まったばかりだ。

52名無しさん:2013/08/11(日) 19:42:26

「あーもう、わかったよ。」
林堂はしたっぱのホストに水無月の両足を固定するように指示をして、水無月のお腹を押すことにしたのだ。
幸い水無月の子宮口はまだ全開とはいかないものの9センチは開いているため、双子ということもあり、少し小さめの胎児ならでてくると考えたからだ。

53名無しさん:2013/08/11(日) 21:05:46
「うあ〜っ!む、無理、無理っす!仰向けは…ぐあああっ!こ、腰が…ああああああっ*」
壊れかけた水無月の腰には仰向けの姿勢は辛く、気が遠くなるほど腰も背中も痛んだ。
同時に、開ききらない産道に胎児が降りてこようとする激痛が水無月の身体を貫いた。
「!…」声も出せない激痛に、水無月の目から涙がポロポロとこぼれる。
「ウソ…あの水無月が泣くなんて…」「どれだけ辛いのかしら…」「かわいそうに…かなりひどく痛んでるのね…」
ミレイをはじめとする美女軍団達から驚きの声があがる。
しかし、彼女達の声からは、心配よりむしろ酔いしれたような、感嘆の響きが感じられた。
艶のあるため息がそこかしこで漏れ聞こえてくる。
「だ、大丈夫っすか?」
水無月のあまりの痛みの様子に、思わず足を抑えていたホスト達が手を離す。しかしすでに水無月は、自分で体制を変えることもできなくなっていた。
林堂とホスト達が、水無月の腰に負担がかからないように支え、ゆっくりと横向きにしてやる。
「っ!…」悲鳴をあげることすら出来ない水無月から、激痛を耐える息使いだけが聞こえる。
「よしよし、少し休んだらまた頑張るからな」
林堂は水無月の痛む腰を優しく摩り、ホスト達は水無月の凝った肩とパンパンに張った足をマッサージしてやる。
さながらボクシングの試合のインターバルのようだった。

54名無しさん:2013/08/11(日) 23:39:38

「水無月、少し痛みを軽減させるから頑張れよ。」
林堂は気休めとばかりに腰の痛みを少しでも軽減させるように弱めの局部麻酔をかけ、痛みを少し和らげることにした。

55名無しさん:2013/08/11(日) 23:49:55

「これをしようしても気休めにしかならないが耐えてくれよ。 」
お腹を押すことが無理そうなため、鉗子をしようして赤ん坊を引っ張ることになった。
「それで赤ん坊を水無月から放り出すのかしら。」
ミレイは、満足そうな顔をしている。
「じゃあ準備するから、おまえらは、水無月を支えてろよ。」
林堂は指示をしながら器具を用意する。

56名無しさん:2013/08/13(火) 07:40:16
「はぁ…はぁ…」
気休め程度とは言え、腰の激痛が少し楽になり、僅かに呼吸がしやすくなった。
「大丈夫か、水無月」
「かなり辛そうだな。痛むか?」
皐月や如月、卯月達出産経験のあるホスト達も、心配気に集まってくる。
「はぁ…はぁ…まあ、楽勝って感じ…っ!うううっ!」
何とか笑って見せる水無月だが、陣痛は容赦なくやってくる。
「バーカ。何強がってんだ」
皐月が水無月の腰を指圧してやる。経験者だけあって、ツボがぴったりはまっていて、水無月は
「あっ!」と声をあげ、表情を緩ませた。

57名無しさん:2013/08/13(火) 08:04:24
「どうだ、水無月、少しは楽か?」
水無月の腰を指圧しながら言う皐月の言葉に、水無月は大きく息を吐き出しながら頷く。
「はあああ…。あ〜…」

58名無しさん:2013/08/13(火) 23:05:59
如月は水無月の酷く凝った肩や背中を熱いおしぼりで温湿布して、その上から丁寧に揉んでやる。
「あ〜何だこれ…すっげぇ楽になる…ありがと…」
陣痛も今は合間で、水無月はひと時の休息に身を委ねた。
「腰痛に肩こりって、ほんとおっさんですね」
長月がからかうように声をかける。
「お前も…三ヶ月後には…こうなるんだからな…」
途切れ途切れだが、笑って言い返す余裕も出てきている。
しかしそれは、これから始まる本当の地獄の前の、ほんのひと時の休息だったのだ。
「よし、それじゃ次の陣痛に合わせて、まずは子宮口をこじ開けるからな。かなり痛むと思うけど、頑張れよ、水無月。お前達は腰をしっかり支えてやってくれ」
準備の整った林堂が告げる。
店内が一気に緊張感に包まれた。

59名無しさん:2013/08/14(水) 00:12:16

「うぅーーー、きたぁーー!んぐっ!んぐぅーーー!」
水無月は、陣痛がきて息もうとした瞬間林堂が子宮口をこじ開けるために手を入れ、子宮口を無理矢理広げようとしたため、一瞬跳び跳ねたがすぐに意識を集中させ、息みだした。

60名無しさん:2013/08/14(水) 01:00:15
ゴキゴキィッ!
水無月の腰骨が恐ろしい音を立てる。同時に、信じられない激痛が腰を中心に、全身を貫いた。
「あーーーーっ*」
店内に水無月の絶叫が響く。
「腰に来るよな。頑張れ、水無月!」
皐月が水無月の腰を大きく円を描くように強く摩ってやる。
再び林堂が子宮口をこじ開けた。
バキバキバキッ!また水無月の腰が音を鳴らす。
気を失いそうなのを必死で耐え、
何とかいきもうとするが、腰に力を入れる度に雷に直撃されたような痛みが、背中から、腰、骨盤を通って肛門の方に突き抜けていく。
「うわぁぁぁ!あーーっ!」
温湿布とマッサージでせっかく少しほぐれてきた肩も、一瞬でまたガチガチに張ってしまった。
「水無月、腰が痛む場所は下がってきてるか?」
「…っ!ああーーっ!ううう…わ、わからない…っ!」
「落ち着け。今はどのへんが痛い?」
「ううっ…*…こ、腰…腰が全体的に…い、痛い…背中も…肩も…」
陣痛の波が去り、再び居合わせているホスト達総出で水無月の身体を温湿布マッサージしてやる。
「やっぱり子どもがまだ下がって来てないようだな。次の陣痛が来たら、鉗子で…」
言いかけた林堂を遮るように、水無月が苦しそうに言った。
「それ…赤ん坊は…だ、大丈夫何すか?…まさか死んだりとか…」
絶対に危険がないとは言い切れない。林堂が答えに迷っていると
「俺…家族…いないから…赤ん坊…絶対…元気に…うううっ*」
店内の客、そして従業員達は、思わぬ水無月の言葉に、はっとしたように水無月を見つめた。
「だけど…お客様もがっかりさせたくないから…林堂っち、頼む…俺の腰は…ぶっ壊れてもいいから…」

61名無しさん:2013/08/14(水) 01:09:56

「どちらも助けるために鉗子を使うんだ。子供が産まれても水無月が元気じゃなきゃ育てられないだろ?

林堂も困っているが今まで静かだった暦が水無月にいった。
独りで一匹狼になっていた水無月を拾ったのが暦だった。
そのため、暦は水無月をよく気にかけており、水無月も暦になついており、今回のバースホストにすぐに賛同していた。

62名無しさん:2013/08/14(水) 02:23:22
「それにお前、家族がいないなんて言うな」
暦が続けた。
「俺はお前の親父のつもりでいたんだぞ。それに、ここには兄貴も弟もたくさんいるじゃないか」
「ううっ…オーナー…」
食いしばった水無月の口から泣き声がもれた。
「そうよ!ふざけんじゃないわよ!」
ミレイが怒ったように怒鳴った。
「水無月!あんた私たちのことも何だと思ってんのよ!」

63名無しさん:2013/08/14(水) 07:29:07

「ははっ。」
「ちょっと笑ってごまかさないでよ。」
水無月らしい返答に場がようやく和んできた。

「水無月、お前の家族のためにお前も元気でいなくちゃいけない。だから鉗子を使う、いいな。」
「は、はぃ。」
ようやく水無月に鉗子を使う許可がでたため、林堂はいくつか器具を準備する。

64名無しさん:2013/08/18(日) 22:29:15
(問題は、水無月の腰がもつかどうかだな)
あれほど痛めてしまった腰は、もう限界をこえているだろう。
準備を進めながら林堂はそっと水無月の様子をうかがった。
ホスト達のマッサージを受け、笑って軽口をたたいてはいるのもも、額からは脂汗が流れている。
麻酔と皐月の指圧で、今は少し和らいでいると言っても、あの腰が痛まないはずはない。
背筋も肩も、もはや凝っているというよりは、たまりに溜まった疲労とストレスで張りすぎて、攣ってしまっている状態だ。その痛みも酷いに違いない。
胎児に影響がでる恐れがあるためこの麻酔はもう打てない。これ以上時間をかけていたら、痛みで水無月の気力がもたなくなる。
しかし、無理に骨盤と子宮口を広げ、赤ん坊を取り出すには、相当な激痛が伴う。水無月の意識が飛んだら、本人も、子どもの命も危うい。

どちらを選択しても、すでにボロボロの水無月の腰を、更に痛めつけることは避けられない。
後遺症が残り、一生歩くこともままならないほどの酷い腰痛を抱えて生きていくことになりかねない。
下手したら下半身麻痺もありえる。
医師として、今この場で何を優先すべきなのか、林堂は迷っていた。

65名無しさん:2013/08/18(日) 22:57:33

「林堂、腰が動くなくなろうが、一番大事なのは、水無月と水無月の子供たちだ。」
林堂の気持ちを察するように暦が言った。
「わかりました。やるだけやってみます。」
いつもの林堂の朗らかさの顔つきではなく、暦と初めて出会ったときの優秀な林堂の姿だった。

66名無しさん:2013/10/24(木) 03:44:27
「あっ…ああ、き、きた…あああ…ううっ。」
陣痛の波がおとずれ、和らいでいた水無月の表情が一気にゆがむ。
「ああああーっ!ううう、こし…腰が…あっ、ああっ!…っっ。」
声も出せない激しい腰陣痛に、水無月の目からまた涙が流れた。
少しでも腰の筋肉がほぐれれば、痛みが楽になるからと
皐月は手を休めずに汗だくで腰のマッサージを続けるが、
疲れきった水無月の腰はひどくこっていて、全体がパンパンに張りつめ、
みじんもほぐれない。
水無月の腰を揉みながら皐月が林堂を見て、小さく首をふった。
林堂が皐月とマッサージを交代し、腰の状態を調べる。
触れるだけで水無月の痛みや辛さが伝わってくるような腰の張りだ。
「…っ。」
水無月はすでに声も出せなくなっている。
このまま産道をこじ開ければ、今度こそ水無月の腰を破壊してしまう。
しかし、もう腰の疲れや張り、痛みをとってやる時間などあるはずもなく、
林堂は心を決め、水無月の腰や肩を揉んでやりながら言った。
「水無月、多分この出産が終わったら、お前の腰はもうだめだ。
一生この腰痛を抱えていくことになるだろうし、
何をしてもすぐ腰にくるようになる。
腰が悪いと全身に影響がでる。足にもくるし、肩もこんなふうに半端じゃなくこる。
肩も腰もやられて、最悪起き上がることもできなくなるかもしれない。
本当にそれでもいいんだな?」
水無月が荒く呼吸をしながらうなづいた。
「よし、わかった。いくらでも泣き叫んでいいが、気絶だけはするなよ。」
林堂はマッサージを他のホストに代わり、鉗子を手に取った。

67名無しさん:2013/10/27(日) 06:06:25
「いくぞ。」
林堂が再び子宮口をこじあける。
ゴキィッ!と、ミレイたち観客が見守る席にまで、
すでにいたみきった水無月の腰が、更に痛めつけられた音が聞こえた。
「あっ!……………」
一瞬硬直した水無月の体から、一気に力が抜ける。
想像を絶する腰から全身を貫いた激痛に、ついに気を失ってしまったのだ。
「水無月!だめだ!がんばれ!目を覚ませ!」
水無月の肩を揉んでいた如月があわてて頬を叩いた。
意識のない水無月の体は、力は抜けているはずなのに、
肩から腰まで、背中一面一枚の鉄板のようにガチガチに固まってしまっている。
ゴキゴキゴキィッ!
再び、水無月の腰、そして骨盤が砕けるような音が鳴り響く。
その激痛に水無月は意識を取り戻した。
「ああああ…………あああ」
もう水無月は叫ぶこともできず、うわごとのように声をしぼりだした。
壮絶な腰痛と、限界をこえた全身疲労、こりすぎた肩、背中、腰。
それらが誘発する激しい頭痛に吐き気に耐え兼ね、
水無月は嘔吐した。ホスト達がすぐに処理をしてやる。
「もう少しで頭が通る。痛むだろうががんばれよ」
そう言って林堂は、更に産道をこじ開けようとした。
すると水無月が弱り切ったかすれ声で
「待って…たのむから…少しだけ…やすませて…」
と訴えた。
「こし…………腰がもう………腰がめちゃくちゃに痛くて………せ、
背中まできてて……か、肩がこって……辛い…………」
そう言って水無月は再び強い吐き気におそわれたが、
すでに胃になにも入っておらず、
空えずきを繰り返すだけで楽にはなれない。
「すこし……やすむだけだから……すぐにまた……」
しかし、林堂は手を休めず、子宮口を開き続けた。
バキッ!
「あっ!…………」
ゴキィッ!バリバリバリ…………
「っ!…………ああっ……こ、こし……腰が……腰がもう…………」
そう言って水無月はまた吸い込まれるように気絶した。
しかしまたすぐに激痛と激しい肩こりの辛さに目をさます。

陣痛の波が去り、大量の蒸しタオルが運ばれてきて、
水無月のこりきって、いたみきった肩、背中、腰が湿布され、
その上から強くマッサージがほどこされた。
ほんの一瞬、水無月の表情がすこしだけ楽そうにゆるむが、
すぐにまた陣痛がやってきて、全身の筋肉が固く張り、
カチカチにこってしまう辛さと、ひどい腰が痛みに気を失う。
しかしすぐに更なる激痛と辛さに意識を取り戻す。
その繰り返しだった。
「やすみたい……やすませて……すこしだけ……いたい……」
「痛むよな。辛いな。疲れたな。もう少しだ。ほら、もう手が届くぞ」
林堂が手を休めずに励まし続ける。

わずかな陣痛の合間のマッサージの時、水無月が訴えた。
「だれか……腰と……肩……もんで………背中も………つらい……」
「揉んでるよ、水無月。ずっと揉んでやってるからな」
と皐月が答えるが、痛みとこりがひどすぎてマッサージが響かず、
「あああ、肩こった……こりすぎて……つらい……だれか肩もんで……
あっ、腰……腰も……背中も張ってる…………ああ…………苦しい」
と、必死でマッサージを要求する。
ホスト達が渾身の力を込めて強く揉んでやると、
水無月はやっと安堵の吐息をもらすが、すぐに地獄のような陣痛、
そして、そのタイミングにあわせて林堂が子宮口をこじ開ける
激痛がやってくる。水を飲ませてもすぐに吐いてしまった。

女性客たちはそのあまりの痛ましさに、涙を浮かべ、
息をのんで見守っていた。

68名無しさん:2013/10/27(日) 21:36:31
「よし、何とか頭が通りそうだ。水無月、もつひと頑張りだ。体制を変えられるか?。」
林堂が息も絶え絶えな水無月の顔を覗き込みんで言った。
「や、やって…みる…。」
「よし、皐月の肩につかまって、
上体を立ててくれ。その方が子供が
降りてきやすい」
水無月は頷き、ホスト達に支えられながらギシギシときしむ背中を起こそうとした途端、
「うっ!…あああっ!」と叫び、
腰をおさえて倒れこんでしまった。
腰をおさえた瞬間、
こりのひどい肩にもアイスピックで貫かれたような痛みが走る。
「腰にきたな。辛いががんばれ」
林堂が強く腰と背中ををさすってやりながら言った。
「こ、腰にきたけど、い、痛みが、い、今までとなんか違う…」
水無月が苦しそうに言った。
「な、中から腰の骨を押されるような…痛みだけじゃなくて、
圧迫感みたいな…ああっ!…
つ、辛い…腰が、ものすごくだるくて…ううっ…辛い…腰が重い…」
林堂が水無月の腰のツボを強く指圧してやる。
「あっ!…ああ…イイ…」
「ここを押すと楽になるか?」
「い、痛みは取れないけど、つ、
辛さは少し楽…あっ…もっと…
もっと強く…あっ…はああ…あっ…き、気持ちいい…腰が…」
内側からくる腰の圧迫を押し返すような指圧が腰の深部まで届くようで、激痛の中にも腰に気持ちよさを
感じ、水無月は深く息を吐いた。
「やっと赤ん坊が降りてきてくれたってことだ。終わりが見えてきたぞ」
林堂のその言葉と、指圧による腰の気持ちよさに、水無月は生気を取り戻した。

69名無しさん:2013/10/28(月) 02:12:42

「あぁぁ!ぎゃあぁぁぁぁあ!」
正気を取り戻しても赤ん坊が産まれないと意味がないため、林堂は手を止めず、陣痛に会わせて胎児を引っ張り出そうとしていた。
赤ん坊が降りてきてから水無月には何時間か経ったような間隔でも実際は30分で排臨までもう少しのところまででてきた。
「水無月、ほら触れるか? 」
林堂は少し手を止め赤ん坊の頭が触れれる位置に水無月の手を持ってきた。

70名無しさん:2013/10/31(木) 08:21:23
「ううっ!」
上体を起こしているために、腰の負担がひどく、
腕を少し動かすだけでも腰にきて痛む。
しかし水無月は、それでも必死で赤ん坊の頭に触れた。
ぬるっと濡れたやわらかい髪の毛の感触に、水無月の目から
痛みのせいではない涙が流れた。
「肩まで通ればあとは一気にでてくるから、
辛いだろうがもう一息がんばれ。」
林堂の言葉にも支えられ、水無月は激痛の走る腰に力を入れた。
「うわああああああーっ!っうっ…ああ……つうーっ」
腰も骨盤も背骨も、もうバラバラに砕けたとしか思えない痛みが襲う。
思わず腰を押さえてのけぞった水無月に、
「その姿勢は産道が閉まる。臍を見るように腰を丸めろ」
と林堂が指示を出す。水無月は言われたとおりにしようとするが、
腰に負担がかかって辛く、腰を曲げることが出来ない。
下を向くと首も肩も腰も、体中が辛いのだ。
林堂が目で合図をし、ホスト達が無理やり水無月の腰を曲げる。
「うわあぁぁぁぁっ!いたたたた……痛い!腰が……!!痛てぇ…………あぁぁ!」
叫びながらも、水無月は林堂の指示に合わせていきみを続けた。
皐月が同時に水無月のパンパンに張った腰を湿布で温め、強く指圧する。
腰の痛む位置が少しずつ下がってきて、下腹に強い痛みが広がった。

71名無しさん:2013/11/02(土) 02:54:07

「次は最大限の力で息め。次で頭をだすからな。」
「うぅおぉぉぉぉお!ぎゃあぁぁぁぁあ!!」
頭をだすと言われ、水無月は火事場のバカ力のように陣痛に会わせて息むのに林堂が鉗子で赤ん坊の頭を引っ張ると水無月の悲鳴とともに赤ん坊が頭が一気に首まで産道をぬけた。

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74名無しさん:2013/11/09(土) 02:20:09
「あああーっ!うううっ…あ…うわぁぁっ!」
水無月は巨大なハンマーで腰を叩き割られるような腰痛に必死で耐えていた。
すでに両足はしびれて感覚がなく、目も霞んでほとんど見えなくなっていた。耳も良く聞こえない。
「くっ…あっ!ああああーっ!」
下腹に焼け付くような痛みを感じ、思わず叫けぶ。
腰はもう痛みすぎて、どのあたりが痛んでいるのかもわからない。
肩から背中にかけて、布団針を何千本も突き刺されたような痛みと、コンクリートを厚く塗り固められたような堪え難い辛さが増していく。
とっくに限界は超えていたが、もう、本当に水無月の身体も心も限界だった。
その時、遠くから林堂の声が聞こえた。
「水無月、頭が出たぞ。もういきんじゃだめだ。腰の力を抜いて楽にしろ」
水無月が朦朧とした意識で言われた通りにすると、力を抜いた反動で一気に上半身の重みの負担が腰にきた。
「あーっ!腰が…ううっ…痛っ…あ…」
誰かが腰をさすってくれる感触、そしてズルッという感触が股間を流れていき、下腹の痛みが一瞬で消えた。
肩から腰までの鉄板を貼られたような張りと激痛はそのまま残っているが、腰を内側から圧迫される痛みと、下腹の焼け火箸を押し付けられたような痛みは嘘のようになくなった。
(え…どうして…。)
すると、遠くから弱々しい赤ん坊の産声と、歓声、拍手の音がかすかに聞こえてきた。
(産まれたのか…?。)
しかし、もう目はほとんど見えず、
確認をすることができない。
身体中の痛みで身じろぐことも出来ずにいると、誰かが水無月の手を取り、生暖かく、ぬるっとしたものに触れさせてくれた。
(俺の子か?!)
この肩と腰では、赤ん坊を抱くことはかなり厳しいとは思ったが、水無月は思わず肩から腰に響く激痛に耐え、もう一方の手も赤ん坊に伸ばし、抱き上げようとした。
その時、
「ああああーっ!」
再び、あの腰の骨を中から強く押されるような激痛と辛さが水無月の腰を貫いた。
「あーっっっ!」
今度はさっきよりも激しく、腰椎を直接蹴りつけられるような痛みに襲われ、水無月は横向きに倒れこんだ。

75名無しさん:2013/11/09(土) 02:34:21

「これは兄弟仲良しなのかな?
お兄ちゃんを追いかけてもう1人も降りてきたみたいだね。あ、でも羊膜は別々だから二卵性だね。」
林堂は水無月の第一子を暦に預け、2人目の様子を見る。
「お兄ちゃんがこじ開けた子宮口にうまく頭が入ったみたいだ。これならはやく対面できそうだな。水無月、もうすこしの辛抱だぞ。」

76名無しさん:2013/11/09(土) 02:59:27
「き、きた!ま、また腰に…ううっ!…あ…ああーっ!」
水無月が腰を押さえて激しく身悶えていると、誰かがまた強く腰を指圧してくれた。
「あっ!…はぁぁ…ぁぁ…」
更に、腰に熱い蒸しタオルが当てられ、その上からグイグイと力強く腰をマッサージしてくれる。
「はぁ…ああ…」
下腹も優しくさすられて、ほんのわずかに痛みが楽になった。
腹の子が双子だった事を思い出し、
またあの地獄のような陣痛を味わうのかと思うと、ふっと意識が遠のいた。もう無理だ。辛すぎる…。
しかし、
「うっ…あっ…あああああーっ!」
激痛は容赦無く腰を砕き、肩を貫き、
嫌でも意識が鮮明になってしまう。
励ましてくれているだろう林堂や仲間達や、お客の声も聞こえない。
水無月のほとんど見えていない目から涙が流れる。
「うわぁーっ!ぐぐっ…ああああっ!腰…腰が腰が腰が…!」
もう、自分の腰がどうなってしまっているのか見当もつかない。
しかし、おそらくもう取り返しのつかない状態になってしまっているということはわかった。
中から腰椎を破壊していくような痛みはどんどん増していく。
「うあーっ!くっ…ああ…」
何だか様子がおかしい。
一人目の時よりも痛みがひどい気がする。
腰に鉛の塊を埋め込まれたような、
不気味な怠さ、辛さも、さっきの比ではない。
あんなに効いていた腰の指圧も、ほとんど効果がない。
更に、肩のこりが首まで広がり、バキバキに固まって激しくめまいを誘発する。
「ううっ…」
目を閉じるが、回転する感覚は全く消えず、ひどい吐気がおそってくる。
辛すぎで、水無月は肩と腰をわしづかみにし、叫びながら激しく転げ回った。
「あああーっ!うわーっ!腰が!腰が!うううーっ!腰が痛ぇ!痛ぇよぉー!もう嫌だ!肩がこって…肩が…ううっ、辛い…あああーっ!
何人もの手が、水無月の肩や足を抑えつけてきた。
「ううっ!痛い痛いいたい!離せ!痛いんだよーっ!」
完全に壊れてしまった水無月の訴えを無視し、おそらく林堂の手がぐっと足を開いた。
「っ!」
ひどい腰痛に息が止まる。
更に足が開かれる。
「ああっ!…」

77名無しさん:2013/11/09(土) 08:38:03

「ちょっと荒いが赤ん坊を引っ張り出すからな。」
息みに合わせて産むのは今の水無月には無理だと思い、降りてきた赤ん坊の頭を林堂は鉗子で挟み、引っ張り出した。
「!?」
無理矢理引っ張りだされる痛みに声も出なかった。
そして水無月が壊れ、意識も痛みでなくなりそうな時だった。
「ふぎゃあ!」
と無理矢理2人目が産まれたのだ。
「水無月、産まれたぞ。」
林堂が赤ん坊に触れさせようとしたが、水無月は先程の激痛で意識を失っていた。
その間もお客さまからの拍手は止まらなかった。

ーー
2週間後
「水無月、プラチナ追加ー。」
「わかりました。」
もう歩くのは困難だと言われた水無月だったが、林堂の紹介で整形外科にも相談したことと本来の奇跡的な回復力により、日常生活は問題がないくらいだった。
そのため、さすがにもう出産はできないが、命がけで産んだ兄妹のため、臨月ホストのサブとしてまた働くことになったのだ。

ちなみに今は文月のサブとして動いていた。

78名無しさん:2013/11/09(土) 12:57:59
「水無月まだ?」
「遅いよ。」
「はい、はい。お待たせ。えーっと。」

ちなみに文月とは通称で本来は文夜と月夜、2人いるのだ。
この2人は双子で水無月は双子を出産だったが、今度は双子が出産するのだ。
ちなみに一卵性で顔は瓜二つで見分けをつけるのが大変だ。
ちなみに文夜は正真正銘男だが、月夜は両性具有だった。
そのため月夜は、その体のまま妊娠させたため、特殊なのだ。

81<削除>:<削除>
<削除>

82出産子:2013/12/22(日) 05:51:52
それは、文月の、7月18日のことだった。
営業を終え自宅で休んでいた暦は携帯の着信音で起こされた。
時間は13時前、夜の住人であるホスト達はまだ眠っている時間だ。
「…ん、文夜か、どうし「あ!オーナー!?大変なんです、月夜が大変なんです!俺今タクシーまってるんですけど!」
相手は双子の片割れ、文夜だった。
「なんだ、文夜か。月夜がどうしたって?産気づいたか?…落ち着いて初めから話せ」

「は、はい!…えーと、月夜が一人で買い物に行ってたんですけど!なんか、本屋で急に破水して倒れたとかで!お店の人が救急車呼んでくれて!それで、陣痛来てて救急車の中で出かかって、もう分娩室にいるって!もしもの場合は帝王切開になるからその同意書のサインがいるから俺に来てくれって病院から連絡があって!二丁目のあのデカい総合病院です!…あ、タクシー来たから俺行きます!じゃあ!」

一気に言うだけ言って携帯を切ってしまった。
「…おいおい、参ったなこりゃ」
月夜の場合は自然妊娠なので、性器が縮む予兆もなく、特に何が起こるかわからない普通の妊婦なのである。
だが、今回のショーの目玉は、『双子の同時出産』なのだ。
楽しみにされている常連様も大勢いる。
ショーが失敗すれば、店の存続にも関わってくる。
しかも真昼間の総合病院の産科とは、どちらかといえば裏の世界を生き非合法なショーをするホストには縁のない場所である。
とにかく、暦はまだ休息を求める体にむち打ちベッドから離れ、林堂に連絡を入れつつ外出する支度を整えた。

83名無しさん:2013/12/22(日) 21:16:47

そして暦は病院へ向かう途中、月夜のお客に召集メールをだし、他のホストにも一斉メールをおくっていると、林堂から電話がかかってきた。
「なんとかうちの病院に転院という形でいけそうだ。」
「そうか。」
「文夜も着いたし、一緒にむかう、って、文夜もか?暦、どうやら文夜も産気付いたみたいだ。」

月夜にシンクロしてか文夜の陣痛も始まったと聞き、暦は文夜のお客にも電話をかけ、近くにすんでいた水無月や他のサブメンバーとホストクラブの準備を始めた。
その間に続々とホストたちがやってきた。
あとは、文夜と月夜を待つだけだ。
先程の林堂の報告では文夜は正常位でお産が進んでいるが、月夜は逆子と言うことで、どうやら胎児の足で羊膜が破け破水したようだった。

84名無しさん:2013/12/23(月) 01:26:08

「着いたぞ!」
2人はもともと小柄のため、林堂が月夜を抱き上げ、外で待っていた暦が文夜を抱き上げ、クラブ内へ運んだ。
「ちょっとみてくれ。出てきてるとは聞いてたけどどうやら片足みたいなんだ。」
林堂は、月夜の割れ目から出ている足の先っぽをみていう。
「片足か。なら一度戻すのか?」
「あぁ。ひっかかっる心配もあるし。」
「じゃあ、サブメンバー、ちょっと手をかしてくれ!」
暦が呼ぶとサブメンバーがやってきた。

85出産子:2013/12/23(月) 13:03:08
「…はぅうっ!……ぐっ、ぐっ、…ぐぅう…っ!」
激しい子宮の収縮に逆らうように胎児を押し戻すのは相当な苦痛だろうに、月夜は暴れることもなく、声も上げずに冷静に耐えた。
サブメンバーに抑えつけられていたが、必要なかったほどだ。
「取りあえず、これで良し、と。ごめんね月夜、無理やりだからきつかったろう?あと、感染症予防の点滴入れさせてもらうね。胎児の足はよく消毒しといたけど、一度外気に晒されたのを胎内に戻したから、それが一番やばい」
月夜の股間を丁寧に消毒したあと、林堂は次の処置に移った。
「はっ、はっ、はっ、…林堂さん、すみません、ありがとうございます。…っ、はっ、はっ、オーナーも、迷惑かけてしまって申し訳ないで、す、っふ、ふーっ、ふー、…っはっはっはっ」
「なに、気にするな。出産てのは、いつだって何が起こるかわからんもんだからな」
月夜の陣痛はかなり強いのが休みなく来ているようで、短い呼吸を繰り返し、息まないように必死に耐えている。
外出先で破水し救急搬送された挙句急激にお産が進んでいるというのに驚くほど冷静だった。
「つ、月夜ぉ〜、しっかりしてくれよぉ、お、お前に何かあったら、俺、おれ…っ、い゛、いだだだだっ」
文夜の方がすっかりパニックになり、月夜に縋り付いて離れない。
「ふっ、ふっ、…大丈夫だ。お前も、陣痛、来てるんだから、はっはっ、落ち着いて、呼吸、を…、ふぅうっ!?…はっはっ!ふーー!ふーーーっ!!」
「わぁ〜〜、月夜、死ぬなよぉお〜〜」
いつもは飄々とした双子だが、どうやらいざという時の性格は正反対のようだ。
ちなみに、月夜は分娩室の分娩台の上から連れ出されたので、総合病院の薄い入院着を一枚羽織り、足には太ももまでの医療用のカバーが嵌められた、いかにもな分娩スタイルだ。
そしてその股間には、出産に向けて充血した女性器の上に、両性具有特有の、大人になりきれていないような小ぶりな男性器が鎮座していた。
対して文夜は、自宅で寛いでいた格好のまま連絡を受けて飛び出したのか、着古して伸びたスウェットの上下と仕事用のスーツに合わせた革靴というちぐはぐな格好だった。
そして立派だった男性器は、男性出産の特徴としてすっかりなくなってしまっている。

「で、どうだ林堂、二人の具合は。急いで準備させてるが、開店まではまだ時間がかかる」
「う〜ん、はっきり言って、月夜の方は今この瞬間にでも。2〜3回も息めば出ちゃうね。それを耐えてるんだから凄い精神力だよ。文夜の方は、ちょっと読めないなぁ」

86名無しさん:2013/12/23(月) 14:46:49

「そういえば、月夜の場合って。」
暦が何かを思い出したようだ。
「そうだ。男性出産の場合は、骨盤が女性的に変化するが月夜の場合は違うんだった。」
男性出産の場合、出産は女性に近づけようと男性器がきえ、骨盤が少し女性に近づき、広がるが月夜の場合は、どちらもないのだ。
若干普通の男性よりは女性側ではあるが、ほぼ男性骨盤はのだ。
そのため、出口が狭いのだ。

87名無し:2013/12/30(月) 01:42:49
開店の時間となった。
「月夜、もう少し我慢できる?」
「はいぃっ!…っあ、きた、きたっ!ふぅ〜〜うんっ、ふぅう〜〜〜……うんんっ……ふ、あ、あ、あ、いきみたいっ!いきみたいいぃっ」
月夜はいきみを逃すために四つん這いになり体を前後させて気を紛らわしていたが、それもそろそろ限界をむかえ始めている。
「うんうん、そうだよなぁ…いきみたいよなぁ」
林堂はそう言ってガーゼで抑えこんでいた月夜の会陰から手を離した。
「あ、あーっ!!だめ、ぁ、だめです押さえてて、押さえてよぉお!出ちゃうっ…赤ちゃん出ちゃうぅぅうーーーっ!うぅぅーーーっ!」
開店したての店内はまだ客も少数しか入っていない。
月夜は少しでも多くの自分を可愛がってくれたお客様の前で産みたい、と必死にいきみを逃していたがそろそろ限界の兆しがみえてきたようだった。
林堂はごめんね、でもほんとに限界がきたら言うんだよ、と言いながら再度、月夜の会陰にガーゼを押し当てた。

88名無しさん:2013/12/30(月) 11:25:46
暫くして文夜と月夜の常連が集まったには、文夜の赤ん坊の頭も見え始めていた。
「そろそろいいか?」
「はぁ、はぁ、ちょっと、押さえててぇぇええ!」
月夜は、話しかけた林堂にまったをかけ、四つん這いからたち膝になり、文夜は四つん這いのまままだ息むのを堪えていた。
「文夜、いい?」
「ぅ、ぅん、はやくぅうううう!出ちゃう!!!」
月夜は、文夜の肛門の方にいつのまにか起っていた男性器を挿入した。
2人は繋がったまま赤ん坊を産み落としてほしいという一番羽振りのいいお客のリクエストに答えるためだ。

89名無しさん:2013/12/30(月) 19:37:26

「あぁ、ふぅぅうー、つ、つきや、でるぅぅぅーーーー!!」
肛門を抑えられているからかより会陰に力が入るようで文夜の赤ん坊が頭が引っ込まなくなり、発露の状態になった。
「ふぅぅん、うーーーーん、ちょっと、まって。」
月夜の方はお尻が見え隠れするがそれから進もうとしない。
肩や頭が骨盤を通れないようだ。
「押し出すか。」
林堂はゴム手袋をはめ、月夜の肛門に手をいれ、そこから子宮を押しだすことにしたのだ。

92名無しさん:2014/07/16(水) 09:21:30 HOST:softbank060148092163.bbtec.net
「ふぁあぁあっ!?…林堂さん、だめぇ、おしり触っちゃヤダ…っ、…あっ!あぁあんっ!!」
林堂が挿入の為に月夜の肛門にジェルを塗り付けマッサージしたところ、快感から体の力が抜け、その拍子に女性器から赤ん坊の足がプルンと飛び出した。
月夜の股間には、赤ん坊のお尻から下がぶら下がる格好になり、まるで入れ子人形のようになった。
「あ、あ、あ、出ちゃった…!赤ちゃん、出ちゃったぁ〜」
どうやら少し細めの赤ん坊だったようなので、月夜の骨盤でも下半身は出すことが出来た。
しかし、問題の肩と頭はまだ月夜の胎内にある。
「…え、つきや、産まれたの…?…お、俺も、俺も産むぅ…っ!はあはあ、う、んんん゛ーーーーーーーーっ!」
バックから挿入差されている文夜には月夜の股間は見えない。
月夜がもう出産したと勘違いした文夜は、遅れをとるまいと渾身の力で息みだした。
文夜の会陰が今にも裂けそうなほど伸びきり、赤ん坊の頭の一番大きなところが今にも通過しようとしていた。

93無能:2014/07/16(水) 18:51:54 HOST:s643015.xgsspn.imtp.tachikawa.spmode.ne.jp
「んんーーーーぅうん!!」
月夜も遅れをとらないように息み、
文夜の頭が全てでた瞬間、月夜の胎児の肩も排出され、月夜の股間に頭をいれ、文夜の股間から顔を出しているような状態になっている。

94名無しさん:2014/07/22(火) 21:26:53 HOST:124x36x120x118.ap124.ftth.ucom.ne.jp
「月夜は後は、頭だ。文夜は肩が出れば生まれてくるぞ!」
「「わ、わかった、、、ふんぅぅぅぅーーーーーーー!!」」
林堂が2人に促すと2人は渾身の力を振り絞り、息み出した。
スポンっと音いう音がしそうな形で勢い良く、月夜の胎児の頭が吐き出された瞬間、ずるっずるっと文夜の胎児も
肩が出た瞬間に吐き出された。
「はぁはぁ、はぁ。。。うまれ、た。。。」
「疲れた。。。」
文夜の上に月夜がのり、文夜の赤ん坊には月夜の赤ん坊が乗って赤ん坊たちは産声をあげている。
「2人ともおめでとう。文夜は女の子、月夜は両性だな。」
林堂は2人の赤ん坊の処置を終えて2人に渡した。

-------------
8月

「絶対嫌だからな!!」
「えぇ〜。ドンペリプラチナ10本入れたら暦オーナーが好きな服装で
葉月の出産させて
くれるって言うから頼んだのにぃ!!」
「なんでよりにも寄ってスク水なんだよ!!」
今もめているのは葉月と一番の常連ミズホだ。
葉月はイギリス人の母をもつハーフで145cmと小柄で
童顔で捻くれた目つきの悪い中学生にしか見えないが、
そこがショタ好きにはたまらないとマニアックな人気を集めているのだ。
今回、常連の意見でドンペリプラチナ10本と取引したのは葉月の出産コスチュームだ。
しかもミズホは大手水着メーカーの娘ということを利用し、特注で葉月の出産用に
マタニティスク水を作ったのだ。
葉月にそれを見せているところなのだ。

95なの:2014/08/08(金) 00:41:49 HOST:om126192068164.1.openmobile.ne.jp
破水した。

96なの:2014/08/08(金) 00:44:02 HOST:om126192068164.1.openmobile.ne.jp
葉月は

97名無しさん:2016/09/06(火) 18:02:03
「えっ、これってもしかして破水・・・・・・?」
突然のことに葉月は 混乱した。
葉月は現在妊娠9ヶ月、予定よりも1ヶ月早い。
これを見て驚いたミズホは急いで林堂を呼びに行った。

98名無しさん:2016/09/06(火) 18:44:13
そして林堂が来て葉月の容態を見る。
「9ヶ月目か・・・・・・・予定よりも早い仕方ないな。」
こうして急遽葉月の出産ショーが始まった。
ちなみに葉月は衣装は何も着ないで裸で出産する。
当初ミズホは自分が持ってきた特注のマタニティスク水を着せようとした。
が思ってよりも出産の進行が早く着せている時間がないため断念、結果裸で出産する羽目になった。

99名無しさん:2016/09/06(火) 23:27:45
そして葉月は息み始めた。
「ふぐうううううううーーーーーーー!!!ぐおおおおおおおおーーーーーー!!!」
しかし初産のためか進みが悪い。
「だ、駄目です中々進まねえ・・・・」
「う~む仕方ないお腹を押すか。」
そう言い林堂はお腹を押し始めた。

100名無しさん:2016/09/06(火) 23:56:27
「うぐああああーーーーーー!!!、ぐげええええええええエーーーーーーー!!」
葉月は怪人の断末魔のような奇声を上げる。
その内林堂がお腹を押し続けていると。
「あ、う、駄目ここでしたら・・・・・・・・」
ブリリリ!!、ブッピィ、ブーーーーーーーブリリリリリリリリリリリリリッ!!
葉月は脱糞をしてしまった。

101名無しさん:2016/09/07(水) 00:20:01
葉月は最近便秘気味だったのだ。
その結果がこれである。
「うう、お客さんの前で出してしまった・・・・・・・」
しかし観客からは歓声が上がった。
今見ている客は葉月目当てのショタ趣味の客たちである。
そして彼らには脱糞が一種のプレイだと思っているようだ。
そんな中林堂は葉月のお腹を押し続ける。
「もう思い切って出すもの全部出させるからぞ。」
ブリリリリッ!!!、ブリリリリリリリリリリリリーーーーーーーーーーーッ!!!

102名無しさん:2016/09/07(水) 23:34:47
林堂は溜まっているものを全て出させるためにお腹を押し続ける。
ブリリリリリリリリッ、ブブブブブブブブププププププリプリプリプリ・・・・・・・ブッパァ・・・・・・プスーーーーーーー
10分掛けてようやく葉月は中のものを全て出した。
そして林堂は床が汚れたため葉月を移動させる。
そして再びお腹を押し始めた。

103名無しさん:2016/09/08(木) 00:11:57
「うぎゃあああああーーーー!!ぐぎゃああああああああああーーーーーーーーー!!!」
林堂がお腹を押し続けるが中々胎児の頭が出てこない。
その状態に林堂は
「よし、会陰切開をするか。」
そう言い林堂は医療用バサミを持ってくる。
そして葉月のあそこを会陰切開する。
ヂョキンッ!!!
「いっでぇーーーーーーーーーーっ!!!」
葉月はあまりの痛さに今まで以上に力が入る。
その勢いでなのか一気に頭が出てきた。

104名無しさん:2016/09/09(金) 23:06:08
頭が出たからなのか胎児はスムーズに進んで行きそして。
スッポーーーーーン!!!!
ほぎゃあ!!ほぎゃあ!!
胎児は豪快な音と共に産まれた。
観客から歓声が沸き起こる。
こうして予定より早かったが、葉月の出産は無事に終わったのだった。

ここはホストクラブBIRTH。
ホストが出産をするホストクラブ。
これからもここで出産が行われていくであろう。

ホストクラブ〰BIRTH〰
     完

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