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紬「直ちゃんとはどこまでいったの?」
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菫「どっ……えっ!?」 ガチャン
紬「ちょっ、そのティーセット新品だから気を付けてね」
菫「待って、どこから聞いたの?誰から聞いたの?」
紬「先輩たちを差し置いてお泊りしてきたらしいじゃない」
菫「いやあの、あれは違うんだってば」
紬「どうだった?」
菫「どうって?」
紬「泊まったんでしょ?」
菫「泊まったっていっても二人きりになったわけじゃないし、
っていうか直ちゃんちは弟さんたちが四人くらいいて」
紬「その子たちにイタズラされちゃったと」
菫「されてないから」
紬「……イタズラしちゃったの?」
菫「してないから」
紬「直ちゃんにも?」
菫「してないってば!!」
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紬「そういう体験談は詳しく生々しく報告してもらわないと」
菫「だから何もしてないんだってば」
紬「何のために軽音部に入ってもらったと思ってるの」
菫「私が聞きたいよ」
紬「お風呂は一緒だったんでしょ?」
菫「家族が多いから二人でお風呂に入ろうかって話が一瞬出たんだけど
ぜひお願いしますと即答するのもアレだしちょっと照れた振りして黙ってたら
直ちゃんが強引に誘ってくれるかなとか期待してたんだけど一人で入る流れになっちゃって
でもお風呂上りに貸してもらった直ちゃんのパジャマがいい匂いだったし、
私よりちょっと胸が小さいことを気にしてる直ちゃんが可愛かったし、
お風呂上がりの直ちゃんはエロかったし、寝顔はバッチリこの目に刻んできたけど」
紬「それでこそ琴吹家の従者だわ」
菫「ていうか直ちゃんをそういう目で見ないでよ」
紬「あなたも相当だけどね」
菫「あの、だから、とにかくお姉ちゃん好みのそういう展開は全然なかったのっ」
紬「でも菫を強引に家に連れ込むような子だし」
菫「合意の上だから」
紬「子供を五人もつくっちゃう両親の性欲を受け継いでるわけだし」
菫「やめてってば」
紬「それより なお と オナ って似てるわね」
菫「やめろ!!」
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紬「菫は私にしか裸を見せないって言ってたのに……」
菫「言ってないし見せてないけど」
紬「昔はよく一緒にお風呂に入ってたじゃない」
菫「それは小学校くらいの時の話でしょ」
紬「最近は全然身体を許してくれないけれど」
菫「その何でもかんでも卑猥な感じで言うのやめていただけますか」
紬「最近ちっとも私と絡んでくれないし」
菫「あのね、お父さんからも主従関係についてはきっちりケジメをつけるように言われてて」
紬「私がいいって言ってるからいいのに」
菫「だけど私の仕事着(メイド服)もいやらしい目つきで見てくるし、
一緒にお風呂なんか入ったら絶対にそれだけじゃ済まなさそうだし」
紬「それは否定しないけど」
菫「そこは否定してよ」
紬「だからお風呂はこっそり覗くだけにしてるの」
菫「えっ」
紬「大丈夫、成長具合はちゃんと記録してるから」
菫「覗かないでよ!? ていうか撮ったの!?」
紬「生理周期だってちゃんと把握できてるから」
菫「なんで!?」
紬「急に産休とかとられたら困るじゃない」
菫「困ってるのはこっちなんですけど!?」
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紬「合宿の時は一緒にお風呂入ったんでしょ?」
菫「あの別荘一番大きいはずなのになんで大浴場しかなかったの?」
紬「あれは個室にシャワーがついてない中で一番大きい別荘だから」
菫「えっ」
紬「5人もいると周期がバラバラだから日程の調整が大変だったのよ」
菫「なんの?」
紬「今日はアレだから部屋のシャワーで……ってなったらせっかくのチャンスが台無しでしょ?」
菫「なにが?」
紬「それよりお風呂はどうだったの?」
菫「お風呂の前にちゃんと練習したよ」
紬「胸の奥に熱く込み上げてくるものはなかったの?」
菫「熱くて良いお湯だったよ」
紬「憂ちゃんのが一番良かったの?」
菫「演奏の話だよね?」
紬「見た感じ、直ちゃんは唯ちゃんより少し控えめな感じかしら」
菫「梓先輩みたいなこと言わないでよ」
紬「あと純ちゃんが意外といいものを持ってるのよね?」
菫「ちょっ、鼻血、鼻血とめて」
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菫「お姉ちゃん、学校でもそういう話ばっかりしてるの?」
紬「うぬぼれないでよ」
菫「べつに私の前でだけそんな感じだとは思ってないよ」
紬「梓ちゃんだって相当なアレでしょ?」
菫「お姉ちゃんの影響だよ、絶対……」
紬「あの子は昔からあんな感じだったから」
菫「琴吹家のメイドってバレた後はお姉ちゃんの性奴隷みたいな目で見られるし」
紬「なにも間違ってないじゃない」
菫「お姉ちゃんが否定してくれないと信憑性がないんだよ!?」
紬「じゃあまだ手を出してないって証拠に今まで撮りためたアレをみんなの前で
菫「待って絶対やめて」
紬「局部は映らないように編集するから」
菫「ていうか本当に撮ったの?冗談だよね?」
紬「じゃあウソだから」
菫「どっちなの!?」
紬「とにかく身体の関係はないっていうことにしておけばいいんでしょ?」
菫「そういう思わせぶりな言い方しないでもらえますか」
紬「そのちょっとムッとした時に敬語になるのやめてよ」
菫「だって……」
紬「興奮するから」
菫「鼻血!!」
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紬「梓先輩、か……」
菫「?」
紬「梓ちゃん、しっかり部長やれてるみたいで良かった」
菫「私たちにとっては立派な部長だよ」
紬「胸は粗末だけど」
菫「それはそうだけど」
紬「後輩キャラが定着してたからグダグダな先輩になってないかどうか心配してたの」
紬「昔から変に生真面目で、気が強くて、真っすぐな子だったのよ」
菫「昔はそうだったんだ……」
紬「部活を始めたその日にティーセットは撤去しろとか言い出すし」
菫「もはやティータイムが部活のメインみたいになってるのに?」
紬「親睦を深めるための合宿なのに練習しろってわめき出すし」
菫「遊ぶ気まんまんで水着持ってきてたのに?」
紬「でも私たちの卒業式の時は泣き出しちゃって」
菫「梓先輩が……」
紬「強がってたけれど、やっぱり一人きりになっちゃうから」
菫「なんで去年は新入部員を勧誘しなかったの?」
紬「あの子が急にいらないって言い始めたの」
菫「どうして?」
紬「そこで私たちはさわ子先生の古いギターを売り払ってスッポンモドキを飼い始めたというわけよ」
菫「???」
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紬「とにかくずっと後輩を欲しがってたのよ、あの子」
菫「それでやたらスキンシップを……」
紬「それはまた違う理由かもしれないけれど」
菫「それってお姉ちゃん的な理由?」
紬「そういう子なのよ」
紬「私の誕生日を 『オナニーの日』 って覚えてるのよ、あの子」
菫「それは仕方ないよ」
紬「なにが仕方ないって?」
菫「そういえば私がメイドの格好してお茶の準備してるとお姉ちゃんのことを思い出すって言ってたよ」
紬「本当?」
菫「お姉ちゃんが自分に従順になったみたいで興奮するんだって」
紬「………」
菫「お姉ちゃん、軽音部でお茶くみやらされてたの?」
紬「私が好きでやってたの」
菫「ドMだから喜んでメイドの真似事してたって言いふらされてたよ」
紬「………」
菫「本当はドSなのにね」
紬「斉藤」
菫「なんでもないです」
紬「それより部活の時にメイドの格好させられてるの?」
菫「お姉ちゃん達もスク水とかチャイナ服とかバニーガールの格好してたって聞いたけど」
紬「してたけども」
菫「してたんだ……」
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菫「だけど私、軽音部に入って……お姉ちゃんがきっかけを作ってくれて、本当に良かったと思ってるよ」
紬「菫が私みたいに楽しい毎日を過ごしてくれたなら、私も嬉しいわ」
菫「梓先輩の話してる時はすっごく楽しそうだもんね、お姉ちゃん」
紬「菫、私が梓ちゃんのことばかり話すからやきもち焼いてるかもしれないけどね」
菫「えっ、やいてないけど……」
紬「妹ポジションを取られたとか思って嫉妬しちゃってるかもしれないけど」
菫「しちゃってないけど……」
紬「とにかくジェラシーを抱いてるはずなんだけど」
菫「もう好きに解釈してくれたらいいよ」
紬「私ね、『好き』って気持ちにはいろんな形があると思うの」
菫「お姉ちゃんが言うと違う意味に聞こえるね」
紬「黙って聞きなさい」
菫「すいません」
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紬「一緒にいて楽しいだけじゃなくて、憧れだったり、興味だったり、
逆に何も気を使わなくてよかったり、こうして本音で話せたり、いろんな形の 『好き』 があって」
菫「うん」
紬「その中で一番は?とか、どっちが好き?だなんて簡単に決められるものじゃないでしょ?」
紬「私は菫も梓ちゃんも、軽音部のみんなも、同じくらい好きよ」
紬「菫も梓ちゃんも、二人とも私の大切な妹だからね」
菫「……うん」
紬「菫だって、私と直ちゃんのどっちが好きなんて簡単に答えられないでしょ?」
菫「直ちゃんかなぁ……」
紬「………」
琴吹家は今日も平和である
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菫の話を書いてたらいつの間にかお嬢様の誕生日がやってきたので
軌道修正しようと思ったけど上手いことまとまらなかった
オナニーの日とか言ってすいません
勘弁してください
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性急な気がしたが、良かった。
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