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家族バトルロワイアル- 1 :名無しさん:2012/04/26(木) 12:50:47 ID:8q./01b20
- このスレはリレー小説企画『家族バトルロワイアル』のスレです
この企画には版権キャラの殺人、死亡等の過激な内容が含まれています。閲覧の際にはご注意ください
家族バトルロワイアルしたらば掲示板
ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/15445/
家族バトルロワイアル @ ウィキ
ttp://www4.atwiki.jp/familyrowa/
- 2 :名無しさん:2012/04/26(木) 12:53:45 ID:8q./01b20
- 【基本ルール】
73名の参加者が残り一名になるまで殺し合う。
【スタート時の持ち物】
各人に支給されたデイパックの中身は以下の通り。
二日分の食糧と水、地図、コンパス、筆記用具とメモ帳、ランタン、腕時計、参加者名簿、
ランダム支給品(各人1〜3個)。
【名簿について】
名簿は五十音順に参加者の名前が記載。
見せしめの参加者の名前も明記されている。
その為76名の名前が載っている。
【禁止エリアについて】
六時間に一回の頻度で行われる放送ごとに禁止エリアが発表される。
参加者が禁止エリアに踏み込んだ際、首輪が起爆する(爆破までに三十秒の警告がなされる)。
【首輪について】
高度な科学力で作られた首輪。
中に爆弾が仕込まれており、条件を満たした場合や主催者の操作によって首輪が爆発し、参加者の命を奪う。
各首輪にはランプが家族の人数分(四人家族なら四つ)付いており、家族が死亡すると首輪のランプが消灯していく。
禁止エリアに侵入すると、三十秒の警告の後爆破する。
バトルロワイアル開始から二日(四十八時間)経過しても優勝者が現れない場合、全ての首輪が爆発する。
参加者には、十二時間以内に家族が誰も殺しを行わなかった場合、家族全員の首輪が爆発するという偽の情報が知らされている。
首輪には参加者の動きを封じる仕掛けが施されており、主催の意思でいつでも作動させることができる。
【優勝者への報償について】
優勝者の願いはどんなものでも叶えられる(真偽不明)。
ただし、願いを増やす類の願いは叶えられない。
作中での時間表記
【深夜:0:00〜2:00】
【黎明:2:00〜4:00】
【早朝:4:00〜6:00】
【朝:6:00〜8:00】
【午前:8:00〜10:00】
【昼:10:00〜12:00】
【日中:12:00〜14:00】
【午後:14:00〜16:00】
【夕方:16:00〜18:00】
【夜:18:00〜20:00】
【夜中:20:00〜22:00】
【真夜中:22:00〜24:00】
- 3 :名無しさん:2012/04/26(木) 12:56:47 ID:8q./01b20
- 【予約について】
予約をしたい場合はしたらば掲示板のの予約専用スレッドにトリップをつけて予約したいキャラ名を書き込んでください。
予約期間は一週間です。
期限切れ、または予約破棄をした場合、その書き手は三日間予約をすることができません。
しかし、他の人に作品に登場するキャラが予約をされていなければ、作品を投下していただいてもかまいません。
予約していないキャラを作中に登場させることは、そのキャラが他の人に予約されていなければ可能です。
予約なしのゲリラ投下も大丈夫です。
ただし、初登場話は混乱を避けるため、登場人物を最低一人は予約してください。
【作品修正・破棄について】
投下されたSSに関し問題点がある場合は修正要求・破棄要求を行うことができます。
修正要求を行いたい場合は、したらば掲示板の家族会議スレで発議を行ってください。
書き手氏が直接説明する必要がない質問・疑問、wiki収録後に訂正すればいい範囲の修正(誤字・脱字や、展開に影響のない部分的な訂正等)など
本スレで事足りることは議論スレへ持ち込まないようにしてください。
修正・破棄要求の対象となる基準
1.ストーリーの体をなしていない文章(あまりにも酷い駄文等)
2.明らかに有り得ない展開で、それがストーリーに大きく影響を与えてしまっている場合
3.前のストーリーとの間で重大な矛盾が生じてしまっている場合
4.企画のルールとして定められている事項に反している場合(他の書き手が予約しているキャラの投下等)
5.荒し目的の投稿
6.時間の進み方が異常、もしくは時間を遡った話の投下
7.その他、企画の進行を妨げる可能性のある内容(過度のバランスブレイカーや、リレーが困難になると思われる内容等)
- 4 :名無しさん:2012/04/26(木) 12:57:33 ID:8q./01b20
- 参加者
【野比家@ドラえもん】4/4
○野比のび助/○野比玉子/○野比のび太/○ドラえもん
【野原家@クレヨンしんちゃん】5/5
○野原ひろし/○野原みさえ/○野原しんのすけ/○野原ひまわり/○小山むさえ
【磯野家@サザエさん】7/7
○磯野波平/○磯野フネ/○磯野カツオ/○磯野ワカメ
○フグ田サザエ/○フグ田マスオ/○フグ田タラオ
【さくら家@ちびまる子ちゃん】6/6
○さくらひろし/○さくらすみれ/○さくらさきこ/○さくらももこ/○さくら友蔵/○さくらこたけ
【木手家@キテレツ大百科】4/4
○木手英太郎/○木手みちこ/○木手英一/○コロ助
【毛利家@名探偵コナン】4/4
○毛利小五郎/○毛利蘭/○江戸川コナン/○妃英理
【乱崎家@狂乱家族日記】10/10
○乱崎凶華/○乱崎凰火/○乱崎銀夏/○乱崎帝架/○乱崎雹霞
○乱崎千花/○乱崎優歌/○乱崎月香/○乱崎乱華/○乱崎十周年
【立花家@あたしんち】4/4
○母/○父/○立花みかん/○立花ユズヒコ
【南家@みなみけ】3/3
○南春香/○南夏奈/○南千秋
【もう一つの南家@みなみけ】4/4
○南ハルオ/○南ナツキ/○南アキラ/○南冬馬
【範馬家@グラップラー刃牙】4/4
○範馬勇次郎/○朱沢江珠/○ジャック・ハンマー/○範馬刃牙
【黒神家@めだかボックス】3/3
○黒神めだか/○黒神まぐろ/○黒神くじら
【泉家@チャージマン研】5/5
○泉博/○泉さおり/○泉研/○泉キャロン/○バリカン
【天野河家@人造昆虫カブトボーグ V×V】3/3
○天野河大輝/○天野河銀河/○天野河リュウセイ
【田中家@大魔法峠】7/7
○田中エスメラルダ/○田中キミヒコ/○田中ぷにえ/○田中ぴゅん/○田中ぽたる/○祖母/○パヤたん
【73名】
- 5 :名無しさん:2012/04/26(木) 12:59:55 ID:8q./01b20
- 【会場地図】
ttp://www20.atpages.jp/r0109/uploader/src/up0142.png
【会場施設】
教会
神社
寺院
病院
学校
公園
警察署
商店街
温泉旅館
灯台
タワー(東京タワーのような巨大建造物)
野比家
野原家
磯野家
さくら家
木手家
毛利家(毛利探偵事務所)
乱崎家
立花家(マンション)
南家(マンション)
南家(もうひとつの南家)
範馬家
黒神家
泉家
天野河家
田中家
- 6 :名無しさん:2012/04/26(木) 13:01:15 ID:8q./01b20
- 本日の深夜0時に予約解禁となります
それではオープニングを投下します
- 7 :名無しさん:2012/04/26(木) 13:03:38 ID:8q./01b20
- 目覚めると、そこは薄暗い空間だった。
床は金属質で冷たい。
どうしてこんなところで目覚めたのだろうと疑問に思うと同時に、ステージに灯りが点った。
「お目覚めかな」
ステージ上には黒のコートに黒の帽子、そしてサングラスを掛けた男が二人。
片方は長身の痩せ形、もう一人は少しだけ肉付きの良い男だ。
その二人の男の後ろにもう一人、少年の姿がある。
少年は黒尽くめの男達と違い、一般的な服装だ。
ステージ上から発せられる光によって、この場所に集められた者達は自分以外にも大勢の人間が周りにいることに気づいた。
しかし部屋は薄暗く、顔はよく見えない。
「君達をここに連れてきたのは我々だ。それには理由がある。お前達にはこれから、ある事をしてもらいたい」
黒尽くめの男の一人が重苦しい口振りで言葉を発した。
意識がはっきりしてきた人々が、ざわめきを作っていく。
そこには見知らぬ場所に連れてこられた恐怖と怯えが混じっていた。
「静粛に。………よろしい。では説明を続けよう。
これからお前達にやってもらうことは、非常に簡単なことだ。それを達成すれば、どんな願いも叶えてやろう。
荒唐無稽な望みでも良い。叶えられないことは無いと約束する。
ただし、叶えられる願いを増やしたりする願いはなしだ。
全知全能になるようなものも、願いを増やす願いと見なし叶えることはしない。
そういったもの以外なら、本当にどんなことでも叶えよう」
どんな願いも叶えると豪語する男の説明を、人々は静かに聞いている。
真っ先に何かを言いだしそうな者も今はおとなしい。
もしかしたら、この状況は男の言う願いを叶える力の一端なのかもしれない。
男は淡々と説明を続ける。
「お前達には今からとある島に行ってもらう。
二日分の食糧と水、島の地図、コンパス、筆記用具とメモ帳、ランタン、腕時計、参加者の名簿をデイパックに入れて支給しよう。
それと最低で一つ、最高で三つ、何か有用な物を各自にランダムに支給しておく。
当たり外れはあるだろうが、運も実力の内と思ってくれたまえ。
一日に四回、六時間ごとに放送を行う。放送では脱落者と禁止エリアを発表する。
禁止エリアに入れば命はない。覚えておくといい。
ああ、そうだ言い忘れていたことがあったな。
島でやってもらいたいことというのは───」
男の言葉が一瞬区切られ、後ろに控えていた少年が一歩前に出る。
男の言葉の続きは、その少年の口から発せられた。
「──これからあなた達には、殺し合いをしてもらいます」
少年の言葉を聞いた人々の思考が一瞬停止する。
殺し合いをしてもらうなどという、余りにも現実離れした申し出。
「と、言う訳だ。
最後に生き残った者の望みは、どんなことでも叶えよう。
存分に殺し合ってくれ」
再び男が言葉を紡ぐ。
その言葉がきっかけになったのか、今まで押し黙っていた人々が次々と口を開き、三人に向かって様々な言葉を浴びせに掛かった。
それ等の声は全て、疑問や怒りに満ちている。
「雄一君、君はその男達に騙されているんだ!」
薄暗闇の中から発せられた少年の声。
その声はステージ上に居る雄一少年の友人、泉研のものだ。
「チャージーング、GO!」
チャーッチャチャッチャーチャラララー♪
「やー!」
「ギャー!」
ステージから発せられる光を利用して変身したチャージマン研。
研のアルファガンによって男の一人は殺されてしまった。
アルファガンの光線が当たり、体が溶けて崩れてしまったのだ。
それを見た何人かが悲鳴を上げた。
何が起こったのかわからずに茫然とする者も居る。
- 8 :名無しさん:2012/04/26(木) 13:05:02 ID:8q./01b20
-
「雄一君、危ないから離れて!」
アルファガンを撃つ前に言うべきことだと思うが、研が雄一少年の身を案じて警告を発した。
「さあ、そこの黒尽くめの男、僕達をさっさと家に帰すんだ!」
そして研が残った黒尽くめの男にアルファガンを向けながら詰め寄った、その時だ。
「フッフッフッフ……」
「そんな!」
今し方崩れた筈の男が一瞬で元に戻り、笑いながら研を見下ろしている。
まるで奇術だ。
「見ての通り、死者の復活も可能だ。世界の覇権でも良いだろう。
島の中で何をしようと勝手だが、今のように我々に逆らう事は無意味だ。
自分の首を確かめてみるといい」
「ああ!?」
研は自分の首に手を当て驚きの声を上げる。
金属製の首輪がそこにはあった。
他の者達も同様に驚愕している。
「その首輪には爆弾が仕掛けられている。高度な科学技術で作られている首輪だ。
我々以外に外せる者はいない。
……まだ疑っている者も残っているだろう。
殺し合いなど冗談だ、などと淡い幻想を抱いている者もいるだろう。
では一つ、その首輪が本物である証拠をお見せしよう」
男はそう言うと、コートの内ポケットからリモコンを取り出した。
取り出したリモコンは、雄一少年へと手渡される。
「さあ、雄一君、好きなボタンを押すといい」
雄一少年は震える手でリモコンを握る。
額には冷や汗が流れているが、意を決していくつもあるボタンの一つを押してしまった。
「……えいっ!」
雄一少年がボタンを押すのと同時に、薄暗闇の一角から爆発音が響いた。
一瞬だけ閃光が走る。
閃光から少し間を置いて、ごとんと何かが床に落ちる音がした。
闇の中で起こった出来事なので、何が起こったのかその場に居る人間のほとんどが理解していない。
そんな人々に何が起こったのかを知らしめるため、爆発が起こった場所にスポットライトが当てられた。
『いやああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!』
スポットライトによって照らし出された“そこ”を見た人々から悲鳴が上がる。
“そこ”には首の無い男の死体と、その男の頭が転がっていたからだ。
「……えいっ!」
雄一少年が、持っているリモコンの別のボタンを押す。
すると再び爆発音と閃光が薄暗闇の中で発生し、その後に何かが落ちる音がする。
別のスポットライトが爆発した場所を照らしだすと、やはりそこには首のない死体と頭が転がっていた。
今度の被害者は女性だった。
「雄一君、よすんだ!」
「うるさい! 君に……家族仲が良い君に僕の何が分かる! ぼ、僕に逆らうと………こうなるんだ!!」
雄一少年の手がボタンに触れる。
そして三度目の爆発が起こった。
三つ目のスポットライト、三人目の死体。
人々は狂乱状態だ。
「雄一君、もう十分だ。
リモコンを返してくれ」
人の命を奪ったせいだろう。
雄一少年の息は荒くなっている。
そんな雄一少年を黒尽くめの男がなだめ、リモコンを受け取った。
「何が目的でこんなことをするんだ!!」
薄暗闇から誰かが言った。
それに答えたのは黒尽くめの男だった。
「フフ……雄一君がそう望んだのでね。
そういうことに協力を惜しまないのが我々なのだ。
……ふむ、今ので戦闘態勢に入った者がいるな、進行の邪魔だ、動きを封じさせてもらおう」
男がリモコンを操作すると、人々の首にちくりと何かが刺さった。
するとどうだろう。体に力が入らず、皆一様に床に倒れてしまう。
声を出すこともできない。だというのに、意識だけははっきりしている。
- 9 :名無しさん:2012/04/26(木) 13:08:56 ID:8q./01b20
- 「お前達は我々に逆らうことはできない。我々は常にお前達を監視している。
肝に銘じておくといい。
それでは説明を再開しよう。お前達に付けられた首輪が爆発する条件は次の通りだ。
一つは、先程言った禁止エリアに入った場合。三十秒の警告の後に首輪が爆発する。
次に殺し合い開始から二日が経過した場合。二日後の深夜零時までに最後の一人にならなかった場合、全員の首輪が爆発する。
次に、これもまだ言ってなかったな、お前達は家族単位でここに連れてこられている。
十二時間、自分を含む家族の誰かが誰も殺していなければ、その家族全員の首輪が爆発する。
確実に助かりたければ、十二時間の内に自分で誰かを殺す事だ。それで首輪は爆発しなくなる。
だがそれは十二時間寿命が延びるというだけの話だ。
誰かを殺してから十二時間以内に、更に他の者を殺さなければ、やはり首輪は爆発する。
命が惜しければ、十二時間ごとに殺して回る必要がある。
家族同士で殺し合いをしてもちゃんとカウントするから、自分の家族を見付けたら安心して殺すといい。
他にも、我々の任意で首輪はいつでも爆発させることができる。お前達の命は我々の手のひらの上だ。
逆らいたければ好きにするといい。だがそれは自殺行為だと忠告しておこう。
その他の首輪のギミックだが、首輪にはランプが点灯している。そのランプは自分を含む家族の人数分ある。
家族の誰かが死ねば、ランプはその分消えていく。
鏡でも使わなければ確認できないことだが、この機能はただのお遊びだ。
どうせ自分以外の全員を殺さなければいけないんだ、特に気にする必要はない。
そう、繰り返すが、お前達には殺し合いをしてもらう。
最後の一人になるまで、だ。
二日の間に最後の一人が現れなければ、全ての首輪は爆発する。
最後の一人の望みはどんなものでも叶えてやる。
説明は以上だ。それでは、お前達には再び眠ってもらう。
再び目覚めた時が、この殺し合い、バトルロワイアルの始まりだ」
再び、人々の首に首輪から針が突き出される。
首輪から注入される薬によって、人々は意識を失う。
人々が完全に意識を失った後、どこからか大勢の黒尽くめの男達が現れ、人々を外へと運び出していく。
島に人々を運んで行くのだ。
全ての『参加者』が運び出された後に残ったのは、ステージ上の男二人と雄一少年の計三人。
男の一人が口を開く。
「さあ、雄一君こっちだ。存分に家族達が殺し合う様を見て楽しもうじゃないか」
「う、うん……」
雄一少年が黒尽くめの男達と出会ったのは、雄一少年が初めて放火した時だった。
その現場を目撃され逃げようとしたが、あえなく男達に捕まってしまった。
警察に通報されるのだろうか、脅されるのだろうか。
恐怖に身をすくませた雄一少年だったが、黒尽くめの男達はそんな雄一少年に優しい声を掛けた。
放火をしたのには何か理由があるのだろう、おじさん達でよければ相談に乗る、と。
男達の優しさに触れ、雄一少年は心に溜めていたことを語り始めた。
雄一少年の家庭は両親の仲が悪い。
自分の家族はそんな様子なのに、仲が良い他の家族を見ているとたまらなくなる。
なので耐えきれなくなり、放火などという犯行に及んだのだ。
それを聞いた男達は雄一少年にある提案を持ちかけた。
そんな家族同士を殺し合わせたら、きっと君の心も晴れるだろう、と。
雄一少年は驚いた。
だが、男達の優しい声を聞いていく内に、確かに他の家族達が殺し合う様を見れば、自分の心も晴れるかもしれないと思うようになってしまう。
- 10 :名無しさん:2012/04/26(木) 13:09:06 ID:8q./01b20
- そうして始まったのが、この家族を集められて行われる殺し合い、バトルロワイアルだった。
黒尽くめの男達は本当に雄一少年に協力を惜しまなかった。
男達が居なければ、バトルロワイアルは始まることさえできなかっただろう。
「雄一君、さっきした説明の中に嘘が混じっているのは知っているだろう?」
会場の様子をうかがえる一室に移動しながら、男が世間話でもするように話しかける。
「ええ……」
「どうしてかわかるか?」
「それは……えーと……」
「殺し合いを起こしやすくするためですね、アニキ」
「その通りだ」
雄一少年の代わりに、今まで黙っていた方の男が答えた。
どうやら長身の男よりも下の立場にいるらしい。
「自分の命が惜しければ殺し合いに乗らなければならない。家族を助けたいと思っても、やはり殺し合いに乗らなければならない。
十二時間で何ができるわけでもないからな。そんな参加者達の様子を見るのも一興だ。
……さあ、ここで島の様子は全て見ることができる。
一緒にバトルロワイアルを観戦しようじゃないか」
男が扉を開け、雄一少年を中へ案内する。
男達の正体は何者なのか。
何故雄一少年のここまで協力的なのか。
理由があるのかもしれないし、ないのかもしれない。
どちらにしろ、始まってしまったバトルロワイアルを止めることはもうできないのだ。
【黒神舵樹@めだかボックス 死亡】
【黒神舵樹の妻@めだかボックス 死亡】
【天野河リュウセイの母@人造昆虫カブトボーグ V×V 死亡】
【残り73名】
【家族バトルロワイアル 開始】
※黒神家の首輪には五つのランプが付いています。
今回黒神家の内二人が死亡したので、【黒神まぐろ】、【黒神くじら】、【黒神めだか】の三名の首輪のランプが二つ消灯しました。
※天野河家の首輪には四つのランプが付いています。
今回天野川家の内一人が死亡したので、【天野河大輝】、【天野河銀河】、【天野河リュウセイ】の三名の首輪のランプが一つ消灯しました。
※名簿には【黒神舵樹】、【黒神舵樹の妻】、【天野川リュウセイの母】の名前も記載されています。
- 11 :名無しさん:2012/04/26(木) 13:09:22 ID:8q./01b20
- 以上でオープニングの投下を終了します
- 12 :名無しさん:2012/04/26(木) 14:39:21 ID:GQea7Ixg0
- スレ立てと投下乙です
雄一少年wwwww何やってんだwwwww
これから毎日バトロワを開こうぜ?
- 13 :名無しさん:2012/04/26(木) 16:05:39 ID:4PcWmGhMO
- ひまわりに勝ちの目が見えな……くもないか
赤ん坊とは思えない動きしたりするし
- 14 :名無しさん:2012/04/26(木) 19:43:58 ID:vplrBPkk0
- LSでもかなり生き残ってたしね
- 15 :名無しさん:2012/04/26(木) 19:52:31 ID:kxhN9icU0
- にしても結局リュウセイさんの母ちゃんは誰だったんだろうね?
- 16 : ◆jpofou8kvA:2012/04/28(土) 16:55:46 ID:kVl8ZI5I0
- 投下します
- 17 : ◆jpofou8kvA:2012/04/28(土) 16:57:24 ID:kVl8ZI5I0
- 「勝治……ケン……母ちゃん……」
E-2 南家近くにて天野河リュウセイは静かに俯いていた。
その顔は俯いていて確認できないが、少なくとも以前の様な覇気はまったく見られない。
だがそれも無理は無いだろう。なにせ自分の唯一無二の親友である松岡勝治、龍昇ケン。
そして厳しくも優しかった母親が死んだのだ。
もう二度とリュウセイは勝治と素振りをする事は出来ない。
もう二度とリュウセイはケンと一緒に不味い龍昇軒のラーメンを食べる事はない。
もう二度とリュウセイは母親と喋る事は無い。
そうもう二度とリュウセイは彼らと会うことは無い。
その事実だけが、彼に重く圧し掛かっていた。
「俺は……戦い続けてきた……。カブトボーグ世界チャンプにもなった。ライバル候補と呼ばれる奴ら全員と戦った……。
それなのに……そこに未来があると信じていたのに……」
だが彼が望む未来は何も無い。
全て消えてしまった。
ならばもう戦う理由など無いのではないだろうか。
「優勝して……いや駄目だ……そんな事をしてもあいつらが喜ぶ筈が無い……。それに俺はもう戦えない……。
何故なら、俺にはもう戦い続ける理由が無いからだ……!! 心にポッカリ空いちまったこの穴はもうどうやったて埋まりゃしない」
「「死ねでしゅ!!」
- 18 : ◆jpofou8kvA:2012/04/28(土) 16:58:08 ID:kVl8ZI5I0
-
その時だった。
金髪と黒髪の二人の幼い幼女の双子の姉妹が、リュウセイの背丈を軽く越す巨大な鋏を二人で掴み襲い掛かってきた。
その鋏はリュウセイの首を斬り落とそうと首本に向かっている。
しかし、リュウセイはただ静かに俯いているままだった。
「いいさ……。俺のこんな命安いもんだくれてやるよ」
鋏がリュウセイの首に触れるその瞬間。
『本当にそう思ってるのか?』
「! ケン……勝治!?」
『リュウセイ君、僕達は知ってるよ』
『お前は一人なんかじゃない!」
『何時でも一緒じゃないか!」
「ああ……ああ!!」
『『だから戦え!天野河リュウセイ!!!』』
「は!?」
リュウセイが俯いた顔を上げた時には、既に鋏が眼前に迫っていた。
さっきの勝治とケンはただの幻だったのか。それとも……。
真実は定かではないし、リュウセイには一生分からない。
だが勝治とケン、そしてマンソンはずっとリュウセイと一緒だ。
それだけで十分だった。
天野河リュウセイが闘い続ける理由はそれだけで十分だった。
「――ハタ迷惑な奴らだ。でも……目ェ覚めたぜ!!!」
間一髪でリュウセイは鋏をかわし自分のデイパックを拾い中身を漁る。
「これは……兄貴の……?」
リュウセイはデイパックより取り出した”それ”を双子に向かって投擲した。
「行け!兄貴のヴァイス・ツェッペリン・ケーファー!!!!」
瞬間、双子たちは白い光に包まれ爆発が起こった。
「ふぅ……兄貴のヴァイス・ツェッペリン・ケーファーが支給品で助かったぜ」
リュウセイは自分の手元にある白いカブトムシの玩具を見て安堵の息を着く。
彼に支給されたのは、カブトボーグと呼ばれる玩具で
リュウセイの兄バイス・バロンこと天野河銀河の愛機ヴァイス・ツェッペリン・ケーファー。
「あいつらは逃がしたか……」
リュウセイは今しがた自分を襲ってきた双子の事を考える。
どうやら、さっきの攻撃を回避し逃げたようだ。
「まあいいか」
リュウセイはデイパックを担ぎ上げると走り出す。
「俺はこんな所で立ち止まるわけにはいかない……。何故なら俺には絶対に立ち止まれない理由があるからだ!!!!!!」
勝治とケンそして厳しくも優しい母親の分まで進み続ける。
そう決意したリュウセイの戦いはまだ始まったばかりだ。
【E-2 南家近く/ 一日目・深夜】
【天野河リュウセイ@人造昆虫カブトボーグV×V】
[状態]:健康、強い決意
[装備]:ヴァイス・ツェッペリン・ケーファー@人造昆虫カブトボーグV×V
[道具]:基本支給品、ランダム品0〜2
[思考・状況]
基本:勝治とケン、母ちゃんの分まで戦い続け殺し合いと主催を叩き潰す。
1:双子(ぴゅんとぽたる)を警戒。
※勝治とケンが死んでいますが参戦時期は不明です。
- 19 : ◆jpofou8kvA:2012/04/28(土) 16:58:51 ID:kVl8ZI5I0
-
「まったく危なかったでしゅ」
「本当でしゅ」
リュウセイを襲ったぴゅんとぽたるはF‐3に逃げていた。
「これからどうするでしゅ? ぽたる」
「決まってるでしゅ! お姉たまを殺して私達が優勝するでしゅ!! でもその前に少し休憩しましょう」
「そうでしゅね……」
一先ず何処かで休憩視しようと考えた時、二人が何かの光で照らされぽたるの体が宙に舞う。
その右腕はあらぬ方向へ捻じ曲がり、地面に落ちた衝撃で左足も捻じ曲がる。
見れば、ぽたるの前には一台の車が止まっていた。
その車がぽたるをはねたのは一目瞭然だ。
「ぎゃあああああああああああ!!!!」
いきなりの襲撃に混乱したぴゅんは、ぽたるを置いていきそのまま走る。
その直後に車のドアが開き中から一人の中年の男性が下りて来た。
「ああ! しまった。またやってしまった……」
男性の名は泉博。ジュラル星人から地球を守るチャージマン研の父親である。
彼は殺し合いに乗った訳ではなく、ぽたるをはねたのも自分の過失なだけでわざとではない。
強いて言うなら、アクセルとブレーキを間違えたとかそんなところだろう。
はねられた本人にとっては洒落にならない話だが。
「まったく、これもこんなところへ私たちを連れて来た奴らのせいだ!」
自分の全ての責任を主催者達に擦り付けるとガクガクと痙攣しているぽたるを車に乗せる。
こう見えても博は医者だ、医療道具があればぽたるを治療することも出来る。
「よし。近くの病院に向かおう」
(こ、殺される……病院でこのキチガイに解剖される……)
「おいおい。私は医者だよ? そんなに怯えなくても大丈夫さ」
(い、医者? マッドサイエンティスト!?)
ぽたるの心情も知らぬまま博は呑気に車を走らせ病院に向かった。
【F-3/ 一日目・深夜】
【泉博@チャージマン研!】
[状態]:健康、車を運転中
[装備]:パパの車@チャージマン研!
[道具]:基本支給品、ランダム品0〜2
[思考・状況]
基本:殺し合いから脱出する。
1:ぽたるを治療する為に病院に向かう。
2:家族と合流する
【田中ぽたる@大魔法峠】
[状態]:疲労(大)、打撲、右腕と左足を骨折、博に恐怖、パパの車に搭乗中
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム品1〜3
[思考・状況]
基本:ぷにえを殺して優勝し生き残る。
1:博(マッドサイエンティスト)から逃げたいが……。
【田中ぴゅん@大魔法峠】
[状態]:疲労(大)、混乱
[装備]:巨大な鋏@大魔法峠
[道具]:基本支給品、ランダム品0〜2
[思考・状況]
基本:ぷにえを殺し優勝して生き残る。
1:博から逃げる。
【ヴァイス・ツェッペリン・ケーファー@人造昆虫カブトボーグV×V】
リュウセイの兄、天野河銀河の愛機。
必殺技はゼアレクストガラクシーシュトーンスマクシマールコメート。
【パパの車@チャージマン研!】
パパこと泉博が乗っている車。
よく色んなものをはねる。
【巨大な鋏@大魔法峠】
大魔法峠のOVAのOPでぴゅんとぽたるが持っていたもの。
- 20 : ◆jpofou8kvA:2012/04/28(土) 17:00:10 ID:kVl8ZI5I0
- 投下終了です。
タイトルは「友と共に!友情のライジング・プロミネンス」です
- 21 :名無しさん:2012/04/28(土) 17:29:33 ID:TbAc1eWI0
- 投下乙です
予約からしてカオスな予感がしてたがこれはwwww
パパさんまた何か轢きそう
- 22 :地上最強の生物? ぷにえちゃん大ピンチ!の巻 ◆FbzPVNOXDo:2012/04/29(日) 00:19:27 ID:dLo/YgBA0
- 投下します
- 23 :地上最強の生物? ぷにえちゃん大ピンチ!の巻 ◆FbzPVNOXDo:2012/04/29(日) 00:20:34 ID:dLo/YgBA0
- 「殺し合いだなんて大変! どうしましょう……」
ぷにえちゃんは修行の為に魔法の国からやってきたプリンセス♪
そんなぷにえちゃんだけど、さあ大変……なんと妙な二人組みの男と少年に殺し合いを強要されてしまったの!
しかも、ぷにえちゃんの大切な家族まで連れて来られてしまっているの……。
でも負けないで、ガンバレぷにえちゃん!
――刹那。
瞬間移動でもしたかのようにぷにえの姿が消えた。
そして、ぷにえが居た場所をまるで丸太の様な太い豪腕が空振る。
その豪腕の持ち主である、赤い髪の大男の背後にぷにえは居た。
「打撃系など花拳繍腿! 関節技こそ王者の技よ!!!」
大男が背後を振り返る前にぷにえは腕を伸ばし、得意の間接技(サブミッション)を掛ける。
「邪ッ!!」
「――ッ!?」
だが、ぷにえの関節技が決まるより早く大男の肘打ちがぷにえの鳩尾に叩き込まれる。
そのまま、大砲から放たれた砲弾の如きスピードでぷにえは近くの民家に吹っ飛ばされた。
その様子を見て興味を無くしたかのように大男はその場を去った。
【D-7 磯野家近く/ 一日目・深夜】
【範馬勇次郎@グラップラー刃牙】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム品1〜3
[思考・状況]基本:闘争を楽しむ。
- 24 :地上最強の生物? ぷにえちゃん大ピンチ!の巻 ◆FbzPVNOXDo:2012/04/29(日) 00:21:38 ID:dLo/YgBA0
-
壁が崩れ内部が露になった磯野家から、瓦礫をどけぷにえは立ち上がった。
だが既に自分を襲った大男はもう居ない。
慈悲か何かで自分を見逃したのだろうか。または気まぐれでそうしたのか。
恐らく、後者だとぷにえは推測した。
(参加者を皆殺しにして、奴ら(主催)を殺す方法も考えてたけど……考え直さないといけないわね)
ぷにえは理解した。
今しがた自分と戦った男は自分の力では勝てない。
だが、だからといってぷにえがそのまま諦めるわけでは無い。
策を練りありとあらゆる方法を使い、あの男を倒す。
自分の母、田中エスメラルダが聖魔法王国の王女に登り詰める際にやってきた事と同じだ。
ぷにえは磯野家から離れると、先ずは人が集まりそうな場所を目指す事とした。
理由は、あの大男を倒す為の手駒を集めるのと、同じく殺し合いを開いた連中を殺す為の手駒も集める為だ。
下手に殺し合いに乗って野垂れ死ぬよりは、参加者を集め主催に反逆した方が勝率が高いと考えたのだ。
そうすれば、さっきの大男や他にも居るかも知れない強者をタイマンで相手にせずに済み生存率も上がる。
果たしてぷにえちゃんは仲間を集められるのかしら?
でも挫けないでぷにえちゃん! 必ず参加者達を手駒に加えるのよ!!
【D-7 磯野家近く/ 一日目・深夜】
【田中ぷにえ@大魔法峠】
[状態]:ダメージ(中)、鳩尾に打撲の跡
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム品1〜3
[思考・状況]基本:主催を殺し世界征服を成し遂げる。
1:手駒を集める為、人が集まりそうな場所へと向かう
2:勇次郎を警戒、いずれは殺す。
3:ぴゅん、ぽたる、パヤたんを探す。
- 25 : ◆FbzPVNOXDo:2012/04/29(日) 00:22:10 ID:dLo/YgBA0
- 投下終了です
- 26 :名無しさん:2012/04/30(月) 11:09:02 ID:MDglSkzM0
- 投下乙
この二人はいつも通りだな
- 27 : ◆rjuushWH92:2012/04/30(月) 21:52:19 ID:QontDQHI0
- 投下します
- 28 :「友蔵、修羅になる」の巻 ◆rjuushWH92:2012/04/30(月) 21:53:19 ID:QontDQHI0
- 「一体何なのよ……殺し合いなんて」
月明かりを頼りに夜の森林を小山むさえは歩いていた。
今、自分が置かれている状況に疑問と恐怖を抱きながら、彼女は自分の手に視線を移す。
むさえの手に握られているのは一本の斧。
彼女に支給された品の一つである。
「……いざって時にはこれで人を……」
一瞬、自分が他の参加者の頭を斧でかち割る姿を想像し、すぐにそれを振り払う。
彼女は関節技を巧みに使いこなす魔法少女でもなければ、異常(アブノーマル)な女子高生や高校生探偵、ましてや最強の生物でも無い。
普通の常人であり一般人だ。
人を殺すということには少なからず抵抗がある。
しかも、この殺し合いは家族とも殺し合わねばならないらしい。
幸い自分の母親と父親、そして姉の一人は呼ばれていないがもう一人の姉、野原みさえとその家族、野原一家が呼ばれている。
短い間だが、自分がお世話になった大切な人達だ家族と言ってもいい。
そんな野原一家も殺さねばならないかもしれないのだ。
考えれば考えるだけ、むさえの不安が増していく。
「ともかく、あの雄一って子を知ってる黄色いタイツの子を探してみようかな……」
むさえの脳裏に浮かんだのは、黒ずくめの男達に勇敢にも挑んだ少年。
あの少年の変身――正確には変装だが――した姿は、まるでしんのすけが見ているアクション仮面のような正義のヒーローそのものだ。
もっとも何処かトチ狂っているような印象を感じだが、そこは気にしないでおく。
しかも、あの様子では殺し合いには乗っていないだろう事も推測できる。
ならばもしかしたら……。そんな希望を抱き、むさえは藁にも縋る気持ちで足を早めた。
パァン……
「――え?」
むさえの左胸から赤い何かが舞う。
「何この赤いの……。嘘? これって血……」
それが自分の血だと気付いた時には既にむさえの体は前のめりに崩れ落ちていた。
そのまま遅れてやってくる痛み。
自分の中を駆け巡る血が、次々と体が抜け出す独特の感触。
むさえは、この時初めて自分が何者かに撃たれたのだと理解した。
「すまんのぅ……」
老人の声が聞こえた。
でもむさえには何も出来ない。
体に力が入らず、その声の主に顔を向けることすら出来ない。
パン
後頭部に何か鉄の様な硬い物が当てられたと思った瞬間、再び銃声が響く。
むさえの意識はそこで途絶えた。
- 29 :「友蔵、修羅になる」の巻 ◆rjuushWH92:2012/04/30(月) 21:53:52 ID:QontDQHI0
-
―――
「支給品は……鉈か悪くないわい」
むさえを殺害したさくら友蔵はむさえの支給品の鉈を自分のデイパックに放り込むと、周り警戒しつつ早足でその場を離れる。
予想以上にさっきの銃声は周りに響いた。この場に長居するのは危険だと判断したのだ。
「待っておれ、まる子や……必ずお爺ちゃんが守ってみせるからのじゃから……それまでもう少しの辛抱じゃ」
彼の目的はただ一つ、最愛の孫娘である、まる子ことさくもももこを、この殺し合いから無事生還させる事だ。
その為には、この場に居るまる子を除く全ての参加者を皆殺しにしなくてはならない。
「本当は首輪を外すのが一番なんじゃが……」
万が一にも、この首輪を外し黒ずくめの男達を打倒する事が出来れば、こんな事はしなくてもいいかも知れない。
だがそれは無理だ。友蔵はそう考えていた。
絶対にとまでは言わないが成功率は限りなく低い。
ならば、この身を修羅に落とすしか他は無い。
幸い第二次大戦で得た重火器の知識のお陰である程度は銃は扱えた。
この調子で参加者を殺していければ、まる子を生還させるのも夢では無い。
「こんなお爺ちゃんを許しておくれ……とはいわんよ……。わしがもうただの殺人鬼じゃ……。
ただ、まる子や……必ず……必ず生きておくれ……!!」
一人の殺人鬼が夜の森を駆ける。
【F-7 / 一日目・深夜】
【さくら友蔵@ちびまる子ちゃん】
[状態]:健康
[装備]:コルトパイソン(装弾数×4 残弾不明)@現実、鉈@現実
[道具]:基本支給品、ランダム品0〜2、むさえのランダム品0〜2
[思考・状況]基本:何としてでもまる子を生還させる。
1:まる子以外の参加者は皆殺し。
2:家族は……。
【小山むさえ@クレヨンしんちゃん】死亡
- 30 : ◆rjuushWH92:2012/04/30(月) 21:54:24 ID:QontDQHI0
- 投下終了です
- 31 :名無しさん:2012/05/01(火) 15:12:36 ID:zKfqs89g0
- 投下乙
友蔵マーダーか……十分予想は出来たはずなのに、やはりちょっと驚くw
- 32 : ◆UewNJfZeLg:2012/05/06(日) 18:59:44 ID:tKNgtNfo0
- 作品を書き上げたので、仮投下スレの方に投下させて頂きました。
御意見を伺いたい事柄がありますので、読んだ上で御意見を頂けると嬉しいです。
- 33 : ◆UewNJfZeLg:2012/05/08(火) 12:57:12 ID:PvpO1T0k0
- 更に御意見を伺いたいことができたので、仮投下スレに書き込みました。
- 34 :事務所の中の『成人』と『未成年』 ◆UewNJfZeLg:2012/05/08(火) 21:21:43 ID:vWQ7TJjY0
- ザーザーという音が、耳に入ってきた。
「う……ん……」
彼女は、ゆっくりと目を開ける。
見覚えのある天井が、壁が、机が、目の前にあった。
(――この間取りは……)
薄暗い部屋の中、諸々の家具類の配置にも見覚えはあるのだが、ここはどこだったか……
ぼんやりと考えている内、背中や腕に妙なキツさを感じて、妃英理は身を起こした。
今まで、応接用のソファーの上で、少々窮屈な姿勢で眠っていたらしい。
立ち上がりながら、微妙に暗い周囲を、改めて見回す。
(ここは、……あの人の事務所?)
間違いない。
ここは、別居中の夫が運営する探偵事務所だ。
夜なのだろうか、外は暗く、この事務所も電気は付いていない。
夫も、娘も、ここに居候している少年も、この薄暗い事務所にはいない。
唯一存在感を発するのは事務所のTVで、どういう訳か、いわゆる砂嵐画面になっている。
(私は、どうしてここに……?)
これまでの出来事が思い出せず、記憶の中を辿ってみる。
変な夢を見ていた。殺し合いを強要される奇妙な夢だ。
変身する少年やら、死んだ思ったら生き返った男やら、首輪が吹っ飛んで死んだ人やら。
挙げ句の果てには、『目覚めた時が殺し合いの始まりだ』とまで言われた、そんな夢。
まさかあの夢が事実ではないだろうと思いつつ、自分の首に触れ、
「えっ……!?」
首輪の存在に気付いて、彼女は一気に覚醒する。
あの夢の中、首輪の爆発で人が死んでいった光景が、聞こえた悲鳴が、フラッシュバックして――
身体中の血の気が引き、思わずへたり込みかける。
心が粟立ち、だがパニックになるのは不味いとも考え、ソファーに手をついて、息を深めに吐いて……
そこで肩に違和感を感じ、自分がデイパックを背負っていることに気付いた。
(――そう言えばあの男達は、デイパックに支給品を入れたと言っていたわね……)
あの夢が事実だとしても、事実でないとしても、まず冷静にならなければならない。
再度息を吐き、完全に落ち着いた上で、ソファーに再度腰掛けた。
―――
- 35 :事務所の中の『成人』と『未成年』 ◆UewNJfZeLg:2012/05/08(火) 21:22:17 ID:vWQ7TJjY0
-
まず、デイパックの中身を確認すべきだと思い、全部テーブルの上に出すことにした。
あの男達が言っていた言葉を一言一句覚えているわけではないが、全員共通の支給品と、それとは別に1〜3個の支給品が入っているはずだ。
最初にランタンが出てきたから、光源の代わりにテーブルの左端に置いておく。
次に出てきたのは腕時計、……そう言えば自分がいつも付けている腕時計がない。代わりに自分の腕につけてみる。
ちなみに今の時間は0時3〜4分らしい。
食糧と水(2日分)、……テーブルの上、右端にまとめて置く。
地図とコンパス、……ここが本当に島だとしたら信じ難い。
この建物がどの辺りなのか気になるが、全て支給品を見てから確認しようと考え直し、テーブルの上、食糧の左に置く。
筆記用具とメモ帳、……テーブルの上、地図等の左へ。
参加者名簿、……横長の表が書いてある、一枚の紙だ。
テーブルの上に置く前に、知り合いが巻き込まれてないかどうしても気になり、目を通し……
「蘭がここに居るの? あの人も? コナン君も!? でも、家族単位で連れてきたと言っていたから……」
自分やあの居候の少年が居るということは、『毛利家』という括りで、この殺し合いに巻き込まれた、ということなのだろう。
若干興奮しつつも、テーブルの上、名簿をメモ帳等の左に置く。
ヘルメット、……バイクに乗るのに使うような、白いヘルメットだ。
少し考えた上で、髪を解き、ヘルメットを被っておく。
殺し合いの場所で防具を身に着けておいて、まぁ損はしないだろう。
次に出てきたのは、……何かを挟んだ状態で、折りたたんだ紙。
紙を広げて見てみると、挟まれていたのは何かの鍵で、紙の方には文字が印刷されていた。
―――
サブちゃんの配達用原付三輪とヘルメット
三河屋のサブちゃんこと三郎が、商品配達時に使っている原付三輪とヘルメット。
原付三輪は喫茶ポアロの入口そばに停めてあり、キーを使えば動かせる。
―――
「この紙は、支給品の説明書ということかしら」
『三河屋』という店に聞き覚えはないが、『喫茶ポアロ』は知っている。
この探偵事務所と同じビルの1階、つまり、この事務所のすぐ下にある喫茶店だ。
実際に『喫茶ポアロ』がこの部屋の下にあり、バイクがその入口のそばにあるということなのだろうか。
だとすると、あの男達は、島の中にビルを丸々一つ移設するなり、レプリカを作るなりしたのだろうか……?
思わず疑問が沸くが、この建物がレプリカかどうかは後で確認しよう、と、思い直す。
出てきたのはまたも紙が一枚、……今度は折り畳まれておらず、一番上に『参加家族続柄表』と記載があった。
夫や妻、長女、長男、等の続柄と、家族によってはカッコ書きで成年、未成年の記載がある、そんな表だ。
ただ、先ほどの参加者名簿とは違い、参加者の名前は書いていない。
名字別五十音順で並んでいるらしいそれは、ロボットだのどうのという信じられない記述もあるが、よくあるような構成の家族が多い。
無論、毛利家も表の中に載っていた。
―――
毛利家
夫(成人)/妻(成人)/長女(未成年)/居候(未成年)
―――
- 36 :事務所の中の『成人』と『未成年』 ◆UewNJfZeLg:2012/05/08(火) 21:23:10 ID:vWQ7TJjY0
-
「あの人と、私と、蘭と、コナン君、ね……」
先ほどの推測通り、毛利家の括りで、4人が、この下らない殺し合いに巻き込まれたということだろう。
息を吐き、デイパックに再度手を突っ込むけれども、中身は空だ。結局、中の物はこれで全て出し切ったらしい。
「さて、どうしましょうか……」
座ったまま考える。
1階のお店のそばに原付三輪が止まっているのかや、この事務所が移設された本物かレプリカなのかが気になるが……
それ以前の事柄として、そもそも、自分自身がどうしたいのかを、まだ決めていないのだ。
家族の無事はかなり心配だし、当然、自分の生命を失いたくはないという感情も強い。
だが、そういった当然の感情すらも、あの男達の想定の上なのだろうと推測できるから、
……だから尚更、よく考えて動かなければ、との思いが強くなる。
参加家族続柄表を改めて見る。
参加者の内、未成年者も多い。自分の娘や、あの居候の少年だってそうだ。
大切な子どもや孫を生かすために、殺し合いに手を染める人が居ても不思議ではない。
「本当に、……どうすべきなのかしら」
迷いながら、天井を見上げ、その時。
あ゛〜〜〜〜!
泣き声が上から聞こえてきたから、彼女は驚いて天井を見つめた。
―――
どう聞いても、赤ちゃんの泣き声にしか聞こえない声だった。
テーブル上に広げた荷物をデイバックに詰め、背負ってから、ランタンを片手に、恐る恐る3階へ登っていく。
3階は毛利家の住居で、2階と同様電気は付いていない。
本物の『毛利家』と全く同じ間取りの空間を進んでいき、そして。
「何で、……こんな子が巻き込まれているの」
声を聞いた時に想像した通りの光景ではあったが、彼女は思わず呟いた。
夫の寝室の中、おそらくはコナン君の布団の上で。
首輪とデイバックを身に付けた赤ちゃんが、火のついたように泣いていた。
- 37 :事務所の中の『成人』と『未成年』 ◆UewNJfZeLg:2012/05/08(火) 21:23:59 ID:vWQ7TJjY0
- 【E-2 毛利家(3階)/ 一日目・深夜】
【妃英理@名探偵コナン】
[状態]:健康
[装備]:ランタン@基本支給品、腕時計@基本支給品、サブちゃんのヘルメット@サザエさん、ポケット内に参加家族続柄表@現実
[道具]:基本支給品(身に着けているものを除く)、サブちゃんの配達用原付のキー@サザエさん、
[思考・状況]基本:どうするべきか迷っている
1:こんな子も殺し合いに巻き込まれている……
2:家族が気になる
3:この建物(毛利家が入っているビル)が本物か気になる
※コナンと面識がある状態(原作11巻以降)の参加です
【野原ひまわり@クレヨンしんちゃん】
[状態]:健康、強い不快感
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム品0〜2
[思考・状況]基本:強い不快感
※何故不快感を感じているのかは、次の方にお任せします。
※G−2 毛利家 2階(事務所)
部屋の電気はついていません。TV画面が砂嵐状態です。
【サブちゃんの配達用原付三輪とヘルメット@サザエさん】
三河屋のサブちゃんこと三郎が、配達時に使っている原付三輪とヘルメット。
原付三輪の色はピンクで、ヘルメットは白い。
- 38 :事務所の中の『成人』と『未成年』 ◆UewNJfZeLg:2012/05/08(火) 21:24:38 ID:vWQ7TJjY0
- 【参加家族続柄表@現実】
バトルロワイアルに参加している家庭の一覧と、それぞれの参加者の続柄が載っている。
未成年か成人か記載されている場合もある。名前や年齢の記載はない。
内容は以下の通り。
天野河家
父(成人)/長男/次男(未成年)
泉家
夫(成人)/妻(成人)/長男(未成年)/長女(未成年)
磯野家
夫(成人)/妻(成人)/長男(未成年)/次女(未成年) /
長女(成人)/長女の夫(成人)/長女夫婦の長男(未成年)
木手家
夫(成人)/妻(成人)/長男(未成年)/ロボット
黒神家
長男(未成年)/長女(未成年)/次女(未成年)
さくら家
夫(成人)/妻(成人)/
長男(成人)/長男の妻(成人)/長男夫婦の長女(未成年)/長男夫婦の次女(未成年)
立花家
夫(成人)/妻(成人)/長女(未成年)/長女(未成年)
田中家
女(成人)/
女の息子(成人)/息子の妻/息子夫婦の長女/息子夫婦の次女/息子夫婦の三女/マスコット
野比家
夫(成人)/妻(成人)/長男(未成年)/ロボット
野原家
夫(成人)/妻(成人)/長男(未成年)/長女(未成年)/妻の妹(成人)
範馬家
父/母/息子/息子の異母兄
乱崎家
夫(成人)/妻/長男(成人)/次男/三男/長女(未成年)/次女(未成年)/三女/家族/子ども
南家
長女(未成年)/次女(未成年)/三女(未成年)
もう一つの南家
長男/次男(未成年)/三男(未成年)/四男(未成年)
毛利家
夫(成人)/妻(成人)/長女(未成年)/居候(未成年)
- 39 :事務所の中の『成人』と『未成年』 ◆UewNJfZeLg:2012/05/08(火) 21:25:28 ID:vWQ7TJjY0
- 投下は以上です。
仮投下スレでの御意見、有難うございました。
- 40 : ◆UewNJfZeLg:2012/05/08(火) 21:33:05 ID:vWQ7TJjY0
- 振り返ると読みづらいのに気づいたので、>>35の文章はwiki追加時に修正をお願いします。
だとすると、あの男達は、島の中にビルを丸々一つ移設するなり、レプリカを作るなりしたのだろうか……?
思わず疑問が沸くが、この建物がレプリカかどうかは後で確認しよう、と、思い直し、改めてデイバックに手を入れる。
出てきたのはまたも紙が一枚、……今度は折り畳まれておらず、一番上に『参加家族続柄表』と記載があった。
- 41 : ◆FbzPVNOXDo:2012/05/08(火) 22:12:55 ID:7hKcOzBk0
- 投下乙です
自分も投下させていただきます
- 42 :公私混同しない親父 ◆FbzPVNOXDo:2012/05/08(火) 22:13:58 ID:7hKcOzBk0
- 「殺し合い……」
ビッグバンこと天野河大輝は静かにそして忌々しく呟いた。
彼も悪の組織の首領など禄でもないことはしているが、流石に複数の家族を集め殺し合わせるなんて悪趣味な事には嫌悪感を覚える。
そしてもう一つ。銀河とリュウセイの母親であり大輝の妻の死。
気付けば大輝の拳は怒りによって震えていた。
「……だが、どんな状況であろうと私がやる事はただ一つ……」
大輝は手の金色の仮面を被る。
それはビッグバンオーガニゼーションの総帥ビッグバンとして活動する時に被るもの。
どうやら運よく衣服の類と見られ没収されなかったようだ。
その仮面はこれからの彼の行動方針を表していた。
「銀河とリュウセイを悪に染めない為にも、この私ビッグバンは悪として殺し合いに乗る。そうこれぞ――
究 極 の 反 面 教 師 ! ! ! 」
大輝がビッグバンの仮面を被ったのは全て息子達の為。
息子達が悪に染まらぬよう自らが悪になったのだ。
ならば、この場でもやる事は同じ。
ビッグバンとして殺し合いに乗り悪として暗躍する。
「さて銀河とリュウセイを探さねば……」
「へ、変態……?」
テンションMAXで銀河とリュウセイを探しに行こうとして時であった。
一人の女性がビッグバンを見てドン引きしている。
だがそれも無理はない。何せ今のビッグバンは上半身裸にマント、そして仮面という不審度MAXなのだから。
「……」
「……」
一瞬の沈黙の後、ビッグバンがマントを振り上げ女性がそれに気を取られている間に、ビッグバンは天野河大輝の姿へと変わった。
実際に殺し合いに巻き込まれる前にも街中で同じことをやっている。神業としか言えない早着替えである。
「これでよし!」
銀河とリュウセイを悪に染めないのはいいが他人に迷惑を掛ける訳にはいかない。
公私混同しない親父である。
殺し合いに乗るとか言ったのに他人に迷惑を掛けないとは、お前殺し合いする気ないだろと思うかもしれないが問題ない。
何故なら彼は公私混同しない親父だからだ。
【D-10/ 一日目・深夜】
【天野河大輝@人造昆虫カブトボーグV×V】
[状態]:健康、妻が死んだ事による悲しみ、普段の格好
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム品1〜3、ビッグバンの服装
[思考・状況]
基本方針1:息子達が悪に染まらぬよう行動する。
基本方針2:主催を倒し妻の仇を取る。
1:でも公私混同はせず他人に迷惑は掛けない。
2:目の前の女性の誤解を解く
備考:ビッグバンの服装は衣服とみなされ没収されていません。
【南春香@みなみけ】
[状態]:健康、大輝を警戒
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム品1〜3
[思考・状況]
1:変態?
- 43 :公私混同しない親父 ◆FbzPVNOXDo:2012/05/08(火) 22:14:45 ID:7hKcOzBk0
- 短いですが投下終了です
それとキャラは増やしてもいいとあったので春香を出しましたが問題あるようならご指摘お願いします
- 44 : ◆UewNJfZeLg:2012/05/10(木) 21:33:55 ID:fURRytdI0
- >>34で投下した作品の支給品について、
>>1のしたらば掲示板の家族会議スレにて議論提起が起こっています。
この件に関し、私からお尋ねしたいことがあり、当該スレに書き込みをさせて頂きました。
金曜いっぱいまで待ちますので、皆さんの御意見をお願いします。
なお、議論に至った経緯に関しては、仮投下スレを参照下さい。
- 45 : ◆UewNJfZeLg:2012/05/12(土) 21:32:48 ID:w.oGjRFE0
- 本日夕方、修正した作品をwikiに投稿しました。
また、作品以外にもwikiのページを、色々作っています。
確認の程よろしくお願いします。
- 46 :名無しさん:2012/05/13(日) 17:36:51 ID:ivJNybl.0
- 大魔法峠がパロロワで見れるなんてなんか感動
これから見続けていきますので頑張ってください
最近俺得パロロワが多くてうれしい
- 47 :名無しさん:2012/05/13(日) 17:43:24 ID:pIHQ59AI0
- >>46
書き手になっても良いのよ?
- 48 :名無しさん:2012/05/13(日) 17:49:31 ID:YuSE0rdQ0
- でもやっぱ人少ないよな
どうしたら集まるかね
- 49 :名無しさん:2012/05/13(日) 18:24:50 ID:pIHQ59AI0
- まったり進行でも一向に構わんが
- 50 :名無しさん:2012/05/19(土) 22:08:05 ID:f/Rw0fRU0
- 容赦のないぷにえ勢が圧倒するかと思ったが
今はまだカブトボーグとチャー研の2大狂気がロワを完封してるな
あいつら本当に手がつけられない狂人だからな
相手の恐怖や油断につけこむ独裁主義のぷにえ勢は逆に翻弄されて不利だわ
よくぞこんなキチガイ作品を入れたな!
- 51 :名無しさん:2012/05/19(土) 22:22:38 ID:r6NCmb2g0
- カブトボーグといえば勝治とケンは何時死んだんだよ?
- 52 :名無しさん:2012/05/20(日) 00:20:07 ID:YjxM3kWE0
- プニエちゃんはお馬鹿だけど
軍略はすごくできるからな、戦闘もできるし頼もしいが
チームの和が崩れそうだなw
- 53 : ◆rjuushWH92:2012/05/20(日) 00:46:53 ID:FXybYaZI0
- 投下します
- 54 : ◆rjuushWH92:2012/05/20(日) 00:47:25 ID:FXybYaZI0
- 「バーロー……! 殺し合いなんて放っとけるかよ!!」
工藤新一……いや、この場では江戸川コナンと呼ばれる少年は怒りを露にしていた。
理由は一つ、いま自分が巻き込まれている、この殺し合いの事だ。
探偵として、この最後に一人まで殺し合うという、ふざけたゲームは絶対に許すわけにはいかない。
必ず、殺し合いを止め主催を逮捕すると確固たる決意を心の中で固めた。
「……取りあえず、支給品の確認からだな」
だが、やはり武器は必要だ。何せ今は博士の発明品も全て没収されている。
そんな状態で殺し合いに乗った参加者に襲われた時、身を守る物が無ければ子供の体のコナンは簡単に殺されてしまうだろう。
そう考えコナンは支給品の確認を始めた。
「銃……ワルサーP38か、後は俺のターボエンジン付きスケートボード」
共に事件を解決した事もある大泥棒ルパン三世の愛銃ワルサーP38と
博士の発明品の一つで、犯人追跡の際に良く使用している、ターボエンジン付きスケートボード。
恐らく二つとも、支給品の中では当たりの部類に入る筈だ。
中々幸先のいいスタートだとコナンは安堵した。
「後は参加者名簿だな」
支給品を一通り確認したコナンは最後に参加者名簿を広げる。
出来ることなら、自分の知り合いが居ない事を願いながら。
- 55 : ◆rjuushWH92:2012/05/20(日) 00:47:57 ID:FXybYaZI0
-
「くそ……蘭や小五郎のおっちゃんに蘭の母ちゃんまで……」
家族で殺し合えと言っていた事から、自分の両親である工藤夫婦が連れて来られているのではないかと思っていたが。
まさか、今コナンが居候している毛利家が連れて来られるとは予想外だった。
「どうやら、俺は毛利家の一員として呼ばれているみたいだな。その証拠に親父とお袋の名前が無い」
見たところ江戸川コナンの名はあるが、彼の血の繋がった家族の名は無い。
つまり居候も家族の一員としてカウントしているのだろう。
その証拠に苗字が一つしかない名前も幾つかある。
「皆無事で居てくれ」
「人だ! ドラえもん!」
「ま、待ってよ。千秋ちゃん……」
コナンが毛利家の参加者を探そうとした時である。
目の前から11、2歳くらいの女の子と青い狸のような生き物が近づいてきた。
南千秋とドラえもんは殺し合いが始まってから直ぐに出会った。
互いに警戒するも、情報交換の末、両者共殺しあう気はないと知り暫くの間共に行動する事になった。
そんな時、支給品を確認していた江戸川コナンを見つける。
それを見て、最初にコナンに近づこうと言ったのは千秋。
殺し合いにのった参加者という可能性もあるから、止めておこうと反論するドラえもんだったが
危険は伴うが参加者と接触していかなければ、何も前進しないという千秋に説得され現在に至る。
「ごめんよぅ。コナン君の家族にはまだ会った事が無いんだ」
「そっか……」
一先ず出会った三人は自己紹介から始まり、ある程度の情報を交換し合った。
その結果分かったのは、千秋の家族は二人の姉、ドラえもんの家族は居候であるドラえもん含めた全員が呼ばれた事だった。
「皆、この場で一人で行動するのは危険だ。3人で一緒に行動しよう」
「私は賛成だな」
「千秋ちゃんが、そう言うなら僕もコナン君に賛成だよ」
コナンの提案で3人は共に行動する事となった。
その時である。一発の銃声が響く。
- 56 : ◆rjuushWH92:2012/05/20(日) 00:48:29 ID:FXybYaZI0
-
「スナイパーだ!!」
コナンは近くの学校の屋上へと視線を移す。
そこにはスナイパーライフルを構えたモヒカンの男が居た。
それを確認すると、咄嗟にスケボーを取り出し銃を握りコナンは走り出した。
「俺が時間を稼ぐ。ドラえもん達は逃げてくれ!!」
「でも、コナン……」
「俺は大丈夫だ!!」
スケボーに乗り後ろ足でスイッチを押す。
瞬間、ターボエンジンが作動しスケボーが車の様なスピードを上げた。
それを見たモヒカンの男もライフルの照準をコナンへと合わせるが
コナンがスケボーを巧みに動かし、翻弄する事で狙いが定まらない。
ならば、せめてドラえもんと千秋を撃とうとも考えたが、物陰に隠れているので狙撃することは不可能だ。
モヒカンの男は軽く舌打ちをした後、ライフルを仕舞い校内へと逃げ込む。
(校内に入ったか……。あまり銃は使いたくないが、最悪急所を外して撃たなくちゃならないかもな……)
銃を使うことを覚悟しコナンの校内へと入った。
【I-4 学校/ 一日目・深夜】
【江戸川コナン@名探偵コナン】
[状態]:健康
[装備]:ワルサーP38(弾数不明)@現実、ターボエンジン付きスケートボード
[道具]:基本支給品、ランダム品0〜1
[思考・状況]
基本:殺し合いを止め主催者を捕まえる。
1:モヒカンの男を止める。
【田中キミヒコ@大魔法峠】
[状態]:健康
[装備]:スナイパーライフル(弾数不明)@現実
[道具]:基本支給品、ランダム品0〜2
[思考・状況]
基本:娘達を守る為、殺し合いに乗る。
1:コナンを殺す。
- 57 : ◆rjuushWH92:2012/05/20(日) 00:50:55 ID:FXybYaZI0
-
「コナン……」
モヒカンの男が校内に入ったのを確認してから、二人は物陰から飛び出し安全な場所へ避難していた。
「ドカン」
いきなり、後ろのドラえもんが謎の奇声をあげた。
それを疑問に思うよりも、早く千秋の背中に何かがめり込む。
「が……ああ……」
背骨が腹を圧迫しているのか、悲鳴すら禄にあげられないまま千秋は前方に吹っ飛ばされる。
その際、力を振り絞り後ろを確認するが背中には何も無い。
ただ何かがめり込んだように凹んでいる背中と、妙な筒を腕に付けたドラえもんが居るだけだった。
「な……あんが……ああ……」
地面に打ち付けられた千秋は、最早言葉にならない声でドラえもんに問いかける。
しかし、当のドラえもんは表情を崩さずに再び筒を今度は千秋の顔面に向ける。
「ドカン」
空気の衝撃波が放たれ、無残にも千秋の顔はグシャグシャになり動かなくなった。
それを見てもドラえもんは表情を崩さない。
無表情のまま、千秋の横で転がっているディバックを回収するとすぐにその場を離れた。
(千秋ちゃんがコナン君を見つけた時は、邪魔者が増えたと思ったけど運よく分かれることが出来て良かったよ)
何故、ドラえもんが千秋を殺したのか理由は簡単だ。殺し合いに乗っているからに他ならない。
「皆……皆殺してやるぞ……ウヒヒヒヒヒ……」
その笑みは凶悪極まりない笑みだ。
ドラえもんを知る者が見たらおかしいと感じる程に。
無理も無い。ここに居るドラえもんが正反対のドラえもんなのだから。
――アベコンベ――。
あらゆる性質および常識を逆転させることのできる道具であり、のび太の様な頭の悪い者が使えば逆に良くする事が出来る道具だ。
これがドラえもんに支給された道具の一つだった。
元々ドラえもんは殺し合いに乗るつもりは無く、ここからの脱出法を模索していた。
だが支給品を確認する際にアベコンべを誤って自分に使ってしまった。
殺し合いからの脱出の反対派ズバリ殺し合いに乗る。
気付けばドラえもんは全ての参加者を殺す事を決意。
最初に会った千秋も、情報を引き出した後は油断させて殺すつもりだった。
だがコナンと合流した事でそれは難しくなる。
一人を殺しても、もう一人に反撃されれば厄介だし、装備が整うまでは確実に殺していきたかったからだ。
だが運よくモヒカンの男の襲撃に合いコナンとは分かれることが出来た。
「さて……千秋ちゃんの支給品は何かな?」
悪鬼となったドラえもんはどうなるのか。
今は、まだ分からない。
- 58 : ◆rjuushWH92:2012/05/20(日) 00:51:27 ID:FXybYaZI0
-
【I-5/ 一日目・深夜】
【ドラえもん@ドラえもん】
[状態]:健康
[装備]:空気砲@ドラえもん
[道具]:基本支給品、アベコンベ@ドラえもん、千秋のランダム品1〜3、ランダム品0〜2
[思考・状況]
基本:全員皆殺しにする
1:装備が整うまでは確実に殺していく。
2:コナンとモヒカンは警戒。
【アベコンベ@ドラえもん】
本編にあった通りあらゆる性質および常識を逆転させることのできる。
1本の棒の両端にやじりがついている形で、その先でなにか物体に触れると効果があらわれる。
【空気砲@ドラえもん】
大砲の砲口部を模した筒状で、手にはめて「ドカン」と言うと空気の衝撃波が発射される。
【南千秋@みなみけ】死亡
- 59 : ◆rjuushWH92:2012/05/20(日) 00:51:58 ID:FXybYaZI0
- 投下終了です
- 60 : ◆rjuushWH92:2012/05/20(日) 00:54:15 ID:FXybYaZI0
- すいません。支給品解説にこれを追加で
【ターボエンジン付きスケートボード@名探偵コナン】
高性能ターボエンジンを塔載し
ソーラーパワーを動力源としたスケートボード。
初期のものは日中しか使えなかったが、その後改良され
昼間充電しておけば、夜でも30分間使えるようになった。
- 61 : ◆rjuushWH92:2012/05/20(日) 01:19:31 ID:FXybYaZI0
- 度々すみません。題名は「どんなもんだいぼく、ドラえもん」で
- 62 :名無しさん:2012/05/20(日) 14:08:09 ID:8Uyke70E0
- 初対面でドラえもん見てあっさり纏まったのとなんで急にアベコンべ使ったのかわからん
- 63 : ◆rjuushWH92:2012/05/20(日) 14:37:23 ID:FXybYaZI0
- ご指摘ありがとうございます
修正したいところですが時間が取れそうにないのでこの話は破棄という事でお願いいたします
- 64 : ◆mYf79oGBQ.:2012/06/24(日) 20:02:16 ID:Prn2LTUM0
- 投下します
- 65 :ぼくパヤたん ◆mYf79oGBQ.:2012/06/24(日) 20:02:49 ID:Prn2LTUM0
- 深夜の森の中。
一匹のマスコットが煙草を口に加え、今まさにライターで火を着けようとしていた。
「俺への支給品が煙草とライターってのは、中々分かってるじゃねえか。あの黒づくめの連中も」
渋い中田譲治ボイスで、パヤたんはそう呟く。
これでも一応、魔法少女のマスコットなのだから驚いたものだ。
「さて、どうするか。ここにはぷにえ様に、その家族も連れて来られてるらしいな。今頃、聖魔法王国はパニック状態だな」
マスコットとして考えるなら、大至急自らの主田中ぷにえの元へ行くべきだ。
だがパヤたんは普通のマスコットではない。
ぷにえとの決闘の末、敗北し半ば強制的にマスコットとなった身。
忠誠心こそあるが、未だに彼はぷにえの命を狙っているのだ。
「やろうと思えばこの騒ぎに乗じて……殺れるか」
いくらぷにえと言えど、この様な催しに参加させられることは予想外な筈。
ならば上手く行けば、彼女の不意を突きぷにえを亡き者にする事も不可能ではないだろう。
「――なんてな。そんな簡単に殺らせてくれる相手なら、俺はあのお方のマスコットになんかなってねえか」
- 66 :ぼくパヤたん ◆mYf79oGBQ.:2012/06/24(日) 20:03:21 ID:Prn2LTUM0
-
まるで自分を嘲笑うかのようにパヤたんは吐き捨てる。
確かに、この事態はぷにえにとって予想外ではある。
かといって、それに取り乱す程、彼女は柔ではない。
何時いかなる時も王者として君臨し続けるからこそ、ぷにえは自らの母、田中エスメラルダより王位を継承する事が出来るのだ。
「もっとも、簡単には殺れないだろうが、チャンスである事に変わりは無い。何、時間はたっぷりある。じっくりやらせて貰おう」
だがパヤたんも歴戦の戦士。
何時までも、ぷにえのマスコットで終わるつもりは無い。
その顔には、魔法少女のマスコットというにはあまりにも禍々しく凶悪な笑みがあった。
「研坊! キャロン! 皆、何処に居るんでゲス?」
「人?」
その時、不意に声が聞こえた。
首輪をつけている事から、どうやらパヤたんと同じく、この殺し合いに呼ばれた参加者の一人だろう。
いや一人というには、その体は子供の腰程の背丈しかなく。外見はパヤたんと同じく、人間とはかけ離れたものだが。
「一応、他の参加者とは接触した方がいいな」
パヤたんはぷにえを殺すつもりではあるが、積極的に殺し合いに乗るつもりも無い。
見たところ相手も殺し合いに乗っている様子は無い。
話を聞くだけでもした方がいいだろう。
「どうしたパヤ! 人探しパヤ!?」
「なんだい! アンタ!?」
可愛らしいマスコットの笑顔を浮かべ、声も中田譲治から斎藤千和の一般的なマスコットの物に変えて、パヤたんは駆け出していった。
- 67 :ぼくパヤたん ◆mYf79oGBQ.:2012/06/24(日) 20:03:53 ID:Prn2LTUM0
-
【D-9/ 一日目・深夜】
【パヤたん@大魔法峠】
[状態]:健康、CV斎藤千和
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、煙草、ライター@現実、ランダム品0〜1
[思考・状況]
基本:ぷにえを抹殺する。
1:殺し合いに乗る気はない。
2:目の前の参加者の話を聞く。
【バリカン@チャージマン研!】
[状態]:健康、
[装備]:不明
[道具]:基本支給品、ランダム品1〜3
[思考・状況]
基本:家族を探す。
1:一体こいつは誰でゲス?
- 68 :ぼくパヤたん ◆mYf79oGBQ.:2012/06/24(日) 20:04:25 ID:Prn2LTUM0
- 投下終了です
- 69 :<削除>:<削除>
- <削除>
- 70 :名無しさん:2012/09/03(月) 02:47:32 ID:AJTkMQcY0
- しかし名簿みると一般人の多いロワだな
勇次郎とか倒せんのかしら
- 71 : ◆EPqQEjq/rc:2012/10/14(日) 20:15:41 ID:DTUIB6J60
- 磯野波平投下します
- 72 : ◆EPqQEjq/rc:2012/10/14(日) 20:16:14 ID:DTUIB6J60
- 「うーん、わしは一体……?」
草木も眠り始める深夜頃、磯野波平は目を覚ました。
「そういえば殺し合いをしろとか言っておった気がしたな」
どうも記憶が曖昧でよく思い出せない。
頭を悩ませながら波平は自分に何があったのか、ここに来る以前に何をしていたのかを思い返し始めた。
「確かわしはカツオがまた悪さをしたから、叱ろうとしたところで意識を失って……ん?カツオ!? そうかカツオか!!」
まるで霧が晴れたように波平は清々しい気分になった。のと同時に波平は激しい怒りを覚えた。
「まったくけしからん! カツオのやつめ、見つけてきっちり説教してやらんと!」
そう叫ぶと波平は一先ず支給品を確認した。
カツオを叱るのは良いが、一応は殺し合いなので身を守る武器が欲しい。
「やれやれ世も末だな。皆も無事なら良いが……」
少なくとも、今はまだ首輪のランプが全て点灯している。
つまり磯野家からは、まだ誰も死亡者は出てはいないのだろう。
だが何時までも磯野家が無事であるとは限らない。
「む? これは蝶ネクタイ? こんな物で殺し合えというのか」
出てきたのは赤い蝶ネクタイ。
パッと見はただの蝶ネクタイだが、実は変声機である。しかし波平がそれを知る由はない。
というか説明書を読んでないのだ。最も変声機と気づいても殺し合いに使えるかは分からないが。
「あの雄一君とか言ったか? こんな殺し合いを開いたあの子にもお灸を添えてやらねばなるまい!」
蝶ネクタイをティバッグにしまうと波平は強い決意を固めた。
【G-2 / 一日目・深夜】
【磯野波平@サザエさん】
[状態]:健康、雄一少年とカツオに強い怒り
[装備]:蝶ネクタイ型変声機@名探偵コナン
[道具]:基本支給品、ランダム品0〜2
[思考・状況]基本:雄一少年とカツオを説教する。
1:家族を探す。
※蝶ネクタイ型変声機をただの蝶ネクタイだと思っています。
- 73 : ◆EPqQEjq/rc:2012/10/14(日) 20:16:46 ID:DTUIB6J60
- 投下終了です
- 74 :名無しさん:2012/10/17(水) 02:14:45 ID:ghb58e260
- 投下乙です
- 75 : ◆EPqQEjq/rc:2012/11/11(日) 02:43:44 ID:XXc8Z80A0
- まる子、のび太、銀河 投下します
- 76 :素振りは基本 ◆EPqQEjq/rc:2012/11/11(日) 02:44:20 ID:XXc8Z80A0
- 「どうしようもないねぇ……」
ちびまる子こと、さくらももこは溜息混じりにそう呟いた。
家族で殺し合いをしろと言われたものの、まる子は殺し合いをする気など毛頭ない。
かといって殺し合いを拒否し続けても、この首輪が爆発して死ぬだけだ。
そう文字通りどうしようもないのだ
「まあ、流れに任せるしかないね」
小3にしては冷静で尚且つかなり楽観的な考え。
だが、まる子には現状できることはこれ位だ。
せめて機械の専門的な知識があれば、首輪の解析なども出来たかもしれないが、ただの小3では無理だ。
そこで、まずは支給品の確認を始める事にした。
中から出てきたのは灰色の筒。
何に使うのか、同梱されていた説明書を読んでみる。
どうやら空気砲といい、ドカンと発する事で空気の衝撃波を放つことが出来るらしい。
いざという時の為に、ひとまず腕にはめておいた。
――タァン……!
その時だった。
一発の銃声がまる子の耳に響いてくる。
距離はそう離れてはいない。
- 77 :素振りは基本 ◆EPqQEjq/rc:2012/11/11(日) 02:44:52 ID:XXc8Z80A0
-
まる子は一瞬逃げようと踵を返そうとしたところで足を止める。
「もしかしたら、襲われてるのて私の家族かも……」
そうだとすれば、まだ間に合うかもしれない。
幸いにもまる子の支給品は護身としては比較的当たりの部類にはいる。
「でも……」
だが、いくら空気砲があっても危険なものは危険だ。
相手は、さらにこれ以上の武器を持ってるかもしれない。
それに、まだまる子の家族が襲われてると決まったわけではない。
「私は……」
【B-6 / 一日目・深夜】
【さくらももこ@ちびまる子ちゃん】
[状態]:健康
[装備]:空気砲@ドラえもん
[道具]:基本支給品、ランダム品0〜2
[思考・状況]基本:殺し合いには乗らない。
1:銃声のする方へ行ってみる……?
2:家族と合流したい
【空気砲@ドラえもん】
大砲の砲口部を模した筒状で、手にはめて「ドカン」と言うと空気の衝撃波が発射される。
- 78 :素振りは基本 ◆EPqQEjq/rc:2012/11/11(日) 02:45:26 ID:XXc8Z80A0
-
「く、来るなあああああああああああ!!!!」
「待て、これは誤解なんだ!」
バイス・バロンこと天野河銀河は焦っていた。
(まさか素振りをしていたら間違って発砲してしまうとは……冥府魔道を生き抜いた、この俺がなんたる不覚……!!)
銀河に支給されたのは一丁の銃、名をデザートイーグルという。
普通に考えればかなり恵まれた支給品だが、ボーガーである彼はカブトボーグがない事を嘆いた。
そして自分の愛機ヴァイス・ツェッペリン・ケーファーの事を思い出しながら彼は素振りを始めた。
デザートイーグルで。
普通に考えなくてもおかしいがボーガーである銀河には常識だ。
ボーガーたるもの、何時如何なるときも素振りを忘れてはいけない。
そんな事をしてる内に、銀河は引き金を引いてしまい誤射してしまった。
せめて安全装置くらい着けて欲しいものである。
そこで誰も居なければよかったのだが、運が悪いことに丁度誤射した先には眼鏡をかけた少年が腰を抜かしていた。
- 79 :素振りは基本 ◆EPqQEjq/rc:2012/11/11(日) 02:46:01 ID:XXc8Z80A0
-
「いいか? 俺はただ素振りをしていただけなんだ」
銀河は慎重に少年を刺激しないように近づいていく。
その際デザートイーグルを放り投げ敵意が無い事を示す。だが、そこで銀河は銃を逆に突きつけられた。
「なっ? お前……!」
「誰か殺さないと、パパもママもドラえもんも守れないんだ!!!!!」
二度目の銃声。
銀河は眉間を打ち抜かれた。
(リュウセイ……すまない。母さんの仇は頼んだ……)
【天野河銀河@人造昆虫カブトボーグV×V 死亡】
銀河を殺した、野比のび太は銀河の支給品とデザートイーグルを回収し自分のバッグへと放り込んだ。
(僕は人を殺したんだ……)
のび太は震える肩を両手で押さえながら、人を殺したという事を再度実感した。
だが、これも家族を守る為。
(ドラえもんは修理で何とかなる……。問題なのはパパとママだけど、どちらかを生き残らせてどちらかを生き返らせれば二人共助かるんだ。
そうだ。僕が殺し合いに乗って僕だけが犠牲になれば……)
既にのび太は覚悟を決めた。
気付けば震えも止まっている。
何かを決意したかのように、のび太は手の銃をしっかりと握り締めた。
- 80 :素振りは基本 ◆EPqQEjq/rc:2012/11/11(日) 02:46:33 ID:XXc8Z80A0
-
【B-6 / 一日目・深夜】
【野比のび太@ドラえもん】
[状態]:健康
[装備]:ベレッタ M1934@現実(装弾数×7 残弾不明)
[道具]:基本支給品、デザートイーグル@現実(残弾不明)、ランダム品0〜2、銀河の支給品とランダム品0〜2
[思考・状況]基本:家族を守る為に殺し合いに乗る。
1:家族以外、皆殺し。(最悪ドラえもんは壊した後、修理)
【ベレッタ M1934@現実】
1934年にイタリア軍が制式採用した中型自動拳銃。
際だった特徴はないが、構造がシンプルで装填不良が少ない良銃。
難点は安全装置の位置が高く、グリップを握ったままでの親指操作が困難なこと。
【デザートイーグル@現実】
世界有数の大口径自動拳銃。
- 81 : ◆EPqQEjq/rc:2012/11/11(日) 02:47:06 ID:XXc8Z80A0
- 投下終了です
- 82 :名無しさん:2012/11/23(金) 08:59:18 ID:SdNBcGGM0
- のび太ww
- 83 :名無しさん:2012/11/23(金) 18:31:25 ID:tjRvtz6A0
- 遅くなりましたが投下乙です。
ゆっくりでも作品が続いていけばいいと、願っています
- 84 :名無しさん:2012/11/26(月) 20:04:29 ID:0foa0.8IO
- メンタル弱い奴が銃の扱いは得意だとこうなる、ってな具合にのび太は錯乱or誤殺率高いと思うんだ
- 85 :名無しさん:2012/11/26(月) 21:59:19 ID:4XQTJ5s20
- 人が増えてきたな
良いことだ
- 86 : ◆EPqQEjq/rc:2012/11/30(金) 02:17:54 ID:PEvnHJ0g0
- 刃牙を投下します
- 87 :母を訪ねて三千里 ◆EPqQEjq/rc:2012/11/30(金) 02:18:55 ID:PEvnHJ0g0
- 「……なんで、俺の家族呼ばれちまったんだろうなぁ?」
若干呆れた声で誰に言うでもなく、範馬刃牙は呟いた。
確かに、この様な状況に置かれれば、誰しもが最初は何故、自分とその家族がこんな事に巻き込まれたのか、疑問に思うのは無理は無い。
それは最強の生物、範馬勇次郎の息子である刃牙も例外ではなかった。
もっとも、彼の場合はその疑問に思う理由が、一般人より少しずれているのだが。
「あの雄一って子は、首輪を爆発させてる時の言動から考えて、多分家族仲が良いのを妬んで、こんな殺し合いに関わったんだろうけど……」
そこで思い返してみる。
自分の家族と言える勇次郎の事を――。
「良い……とは言えないよな、俺の家族仲」
どう考えても刃牙は自分とその家族が、この殺し合いに呼ばれるに相応しい家族とは思い切れなかった。
「もしかしたら、何か別の判定基準があるのかもな」
あの雄一と呼ばれた少年に殺し合いに関する権限が、全てあるとは言い切れない。
ならば、あの雄一少年の横に居た黒服達が、何か別の基準で呼んだ可能性も否定できないだろう。
- 88 :母を訪ねて三千里 ◆EPqQEjq/rc:2012/11/30(金) 02:19:40 ID:PEvnHJ0g0
-
「考えても仕方ないし、一応支給品って奴を確認してみるか」
今までの思考を停止させ、新たにバッグへと手を伸ばす。
バッグの中で刃牙の手が真っ先に掴んだものは紙、何かと思いその紙を掴んだままバッグから手を出す。
「これが名簿か」
あの黒服達が説明したとおり、基本支給品の一つであるらしい名簿が出てきた。
刃牙が軽く目を通してみたあたりで知ってる名前は父である勇次郎、異母兄のジャックハンマー、そして――。
「お袋?」
刃牙の母親であり勇次郎に殺された筈の朱沢江珠。
(同姓同名!?)
普通に考えればそうなる。
死んだ人間は生き返らない。例えあの範馬勇次郎でさえも、死ねばそれまで――。
だが、この場は普通ではない。
(あの黒服達が黄色いタイツの子供のビームを喰らっても、生き返ったようにもしかしたら……)
名簿をすぐにバッグへと仕舞うと刃牙は全速力で走り出した。
既に刃牙の頭の中で殺し合いの事は隅に追いやられている。
今はただ、死んだ筈の母の事だけが刃牙を突き動かしていた。
【H-8/ 一日目・深夜】
【範馬刃牙@グラップラー刃牙】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム品1〜3
[思考・状況]基本:親父を越える。
1:江珠を探してみる。
※江珠が同姓同名の可能性も考えています
- 89 : ◆EPqQEjq/rc:2012/11/30(金) 02:20:12 ID:PEvnHJ0g0
- 投下終了です
- 90 :名無しさん:2012/11/30(金) 22:41:34 ID:1ORezIlI0
- 投下乙です
- 91 :名無しさん:2012/12/06(木) 02:59:17 ID:1/0wVuRw0
- 人こないかなあ
妄想ロワで話題にした時はかなり盛り上がったのに
2chロワと家族ロワ……どうして差がついたのか慢心、環境の違い
- 92 : ◆FbzPVNOXDo:2012/12/07(金) 02:11:43 ID:McU5Vpqk0
- 投下します。
- 93 :ママさん会 ◆FbzPVNOXDo:2012/12/07(金) 02:12:15 ID:McU5Vpqk0
- 「いや良かったわ。最初に会ったのが、木手さんと田中さんの二人で」
そう言いながら、怪獣の鶏冠みたいな頭を揺らしながら、立花家の母は安堵の笑いを浮かべていた。
それに答える様に木手みちこ、田中エスメラルダに二人も笑みを浮かべた。
「それは、こちらの台詞だわ。本当に良かった……立花さんと田中さん、二人共殺し合いに乗っていないで」
「そうですね。それより支給品の確認をなさいません?」
エスメラルダの提案により、母とみちこはディバッグの中身を探る。
母のバックからは日本刀、みちこのバックからは黄色いカブトムシの玩具が出てきた。
「あら、やだわ。日本刀なんて物騒ねえ」
「私のは、ただの玩具みたいです……」
「そう……」
「あの、田中さんの支給品は何だったんですか?」
コキャッ
みちこの視界がブレた。
まるで世界が反転しているかのように。
「あれ?」
そのままみちこは地面に倒れこんだ。
「え? 田中さん?」
母は理解が追いつかなかった。
たった今、目の前でみちこの首をエスメラルダが、明後日の方向へ捻じ曲げたのを理解しきれなかった。
- 94 :ママさん会 ◆FbzPVNOXDo:2012/12/07(金) 02:13:10 ID:McU5Vpqk0
-
「あ? ぎゃああああああああああ!!!」
突如、日本刀を持っていた腕に激痛が走る。
見れば腕が、有り得ない方向へ間接ごと捻じ曲がっている。
「痛い……。痛いいいいいいいいいいい!!!」
突然の事に腰を抜かせ。
握っていた日本刀を手放し、訳の分からないまま地面を這いながら逃げ出そうともがく。
しかし、次の瞬間には母の首は胴体から刎ねられ、そのまま動かなくなった。
「なるほど、切れ味はそれなりか」
母が落とした日本刀を手にエスメラルダは呟いた。
彼女の目的はただ一つ。
早急に殺し合いとやらを終わらせ、聖魔法王国に王として帰還する事のみ。
その為に一番手っ取り早いのが、参加者も主催者も全て皆殺しにすること。
無論、家族の事も僅かにだが考えたが、エスメラルダには敵が多い。
今こうしている間にも、エスメラルダ不在の時を狙い、国家転覆を狙う者達が行動を起しているかもしれない。
何より、いくら家族であろうと、この程度の殺し合いで命を落とすようであれば所詮それまで。
家族であろうと容赦はしない。
みちこと母を惨殺したエスメラルダは手にしていた日本刀を仕舞い、三人分のディバックを背負い歩み始めた。
【木手みちこ@キテレツ大百科】死亡
【母@あたしンち】死亡
【I-3/ 一日目・深夜】
【田中エスメラルダ@大魔法峠】
[状態]:健康
[装備]:名刀“電光丸”@ドラえもん
[道具]:基本支給品×3、キー・オブ・ザ・グッド・テイスト @人造昆虫カブトボーグVxV
エスメラルダのランダム品1〜3、母のランダム品0〜2、みちこのランダム品@0〜2
[思考・状況]基本:殺し合いを早急に終わらせ聖魔法王国に帰還する。
1:参加者、主催者皆殺し(家族も含む)。
【支給品紹介】
【名刀“電光丸”@ドラえもん】
レーダーを装備した刀。たとえ目を閉じていたり視線を相手から外していたりしても、
相手の位置や動き?作戦を察知し、電光丸が自動的に使用者の腕を動かすため、相手との斬り合いに必ず勝つことができる。
ただし、バッテリー式であり、バッテリーが切れるとただの刀でしかない。
更に制限により、この殺し合いでは更にバッテリー切れが早い。
【キー・オブ・ザ・グッド・テイスト @人造昆虫カブトボーグVxV】
カブトボーグの主人公であり本ロワの参加者でもある、天野河リュウセイの友人、龍昇ケンの愛機。
必殺技はチャーハンが出現して攻撃する『チャイナクックマーベラスチャーハン』
- 95 : ◆FbzPVNOXDo:2012/12/07(金) 02:13:42 ID:McU5Vpqk0
- 投下終了です
- 96 : ◆FbzPVNOXDo:2012/12/08(土) 02:52:25 ID:lLkCTqG20
- 投下します
- 97 :二人の父 ◆FbzPVNOXDo:2012/12/08(土) 02:52:57 ID:lLkCTqG20
- 「一体、これは……?」
乱崎凰火は柄にも無く動揺していた。
普段は冷静な性格で荒事が起ころうとも、落ち着いて対処する彼だが、この事態に対してはまだ頭が処理しきれて居なかった。
「落ち着け……乱崎凰火」
自分の名を口に出し語りかける事で冷静さを取り戻させる。
理解できない。分からない事だらけだが、まずは最優先でやるべきことを把握する。
それは家族との合流。
この様な事態だ。何時、誰が死んでもおかしくない。
乱崎家の「父親」としては当然の考えだ。
あとの事は全てが住んでから考えればいい。どうせ今時間を割いて考えたところで、何も分からないだけだ。
「――! 誰です?」
背後。
暗闇に紛れているが、誰か人が居る。
凰火が振り返り、咄嗟に支給品の銃の引き金に指を置き構える。
すると暗闇の中から、靴音を鳴らし両手を挙げた中年で長身の男性が現れた。
- 98 :二人の父 ◆FbzPVNOXDo:2012/12/08(土) 02:56:35 ID:lLkCTqG20
-
「……。私の名は毛利小五郎、眠りの小五郎といえば聞いた事があると思います」
「眠りの? いえ、聞いた事がありませんね。それより、貴方は殺し合いに乗っているのですか?」
「いや。家族を探しています。出来れば銃を下ろして欲しいんですが」
「そうですね。分かりました」
小五郎と名乗る男性の言葉を信じ凰火は銃を下ろした。
銃を下ろしてから襲ってくるという可能性も考慮したが、どうやら様子を見る限りではその線はなさそうだ
「僕の名は乱崎凰火と言います」
二人は必要最低限の情報交換を行う。
家族を探している以上、時間は出来る限り時間を割きたくないという利害が一致した為だ。
交換した情報は互いの探し人と自分達の素性。
「……小五郎さん。どうでしょう、一先ず僕と一緒に家族を探しませんか? 出来れば名探偵であるという、貴方の力もお借りしたい」
「任せてください! 一人よりは二人の方が家族を探すのも捗りますしね」
凰火は心の中でホッと一息着いた。
一人では出来ない事も二人なら可能になる。
殺し合いが始まり間もない内に、仲間が出来たのは喜ばしい事だ。
(それにしても、眠りの小五郎……。本人が言うには、それなりに有名らしいが聞いた事が無い。まあ、あまり気にする事でも無いか)
【C-9/ 一日目・深夜】
【乱崎凰火@狂乱家族日記】
[状態]:健康
[装備]:H&K USP(弾数×30)
[道具]:基本支給品、ランダム品0〜2
[思考・状況]基本:家族と殺し合いから脱出する。
1:家族を探す。
2:小五郎と協力する。
※小五郎と情報交換しました。
【毛利小五郎@名探偵コナン】
[状態]:健康
[装備]:ランダム品1〜3
[道具]:基本支給品
[思考・状況]基本:家族と殺し合いから脱出する。
1:家族を探す。
2:凰火と協力する。
※凰火と情報交換しました。
- 99 :二人の父 ◆FbzPVNOXDo:2012/12/08(土) 02:57:07 ID:lLkCTqG20
- 投下終了です
- 100 :名無しさん:2012/12/08(土) 13:19:04 ID:o.gGw6Bo0
- 投下乙です
- 101 : ◆EPqQEjq/rc:2012/12/13(木) 01:03:48 ID:lYHBtvvU0
- 投下します
- 102 :くじら、タラちゃんに出会う ◆EPqQEjq/rc:2012/12/13(木) 01:05:07 ID:lYHBtvvU0
- 「殺し合い、か」
黒神くじらは、面倒くさそうに呟いた。
一見、普通の反応の様にも見えなくも無いが、彼女を知る者が見たら些か、違和感を覚えるかもしれない。
何故なら「素晴らしいものは地獄からしか生まれない」を信条にしてる、くじらにしてみれば今の状態はまさに天国と言ってもいい。
いや、本当なら。少なくとも一人で参加させられているのなら、くじらは泣いて喜んだかもしれない。
だが、この殺し合いには自分の家族が四人も連れてこられている。しかも、その内両親は既に殺害済みだ。
元々縁を切った間柄だが、それでもやはり気分は悪い。
何より兄である真黒に「自分から不幸になりたいなんて言わない」と約束させらてしまっている。
「ともかく首輪を外さないとな」
故にくじらは、この殺し合いの破壊と脱出を目指す事とした。
殺し合いに乗るのも悪くは無かったが、それでは真黒との約束を守れ無い事になる。
それに約束抜きでも、自分の愛する兄妹達を殺したくは無いし、両親も仇を取るぐらいはしておきたい。
「つっても、道具が無きゃ始まらないし。俺はそっちの専門じゃないからな……」
首輪の解除及び、無効化は殺し合いを打破するのに必要最低限の条件。
だが、くじらは理化生物学の分野においては、めだかをも上回る頭脳をもっているものの、この手の機械に関しては専門外だ。
機械の弄りに関してもあくまで学究者だけあって、その辺の素人に比べれば遥かに上の技術を有しているが、それでもその手の専門家に関しては遥かに劣る。
- 103 :くじら、タラちゃんに出会う ◆EPqQEjq/rc:2012/12/13(木) 01:05:40 ID:lYHBtvvU0
- 「出来れば俺より機械に詳しい奴が居るのが理想だが、そう簡単にいきはしないだろうな」
ともかく先ずはディバックの中身を探ってみるが、工具の類は無い。
せめてパソコンぐらいあれば、話は別だったがそうもいかないようだ。
となれば、やはり工具等は現地で調達するしかないだろう。
最悪、自分で一から製作することも、考慮に入れなければいけない。
なにせこんな殺し合いを開くぐらいだ。首輪もそう簡単には外させてはくれまい。
くじらは再びディバックを探ると今度は地図を取り出した。
「――近くに商店街か……」
地図を広げ、最初に目に付いたのは商店街。今くじらが居る位置からは、そう遠くは無い。
工具やパソコン等の首輪解除の為の道具を調達しに行くのなら、最適な場所かもしれない。
「ともかく行ってみるか」
その時。ふと近くの物陰から気配を感じた。
「こんばんわー」
くじらは拍子抜けした。
現れたのは、呆れるほど無防備で、呆れるほど無邪気な三歳ほどの子供だった。
(おいおい。こんな子供をどうやって殺し合わせるんだよ……)
あの黒尽くめの男たちの発言から、参加者達には殺し合って貰いたいようだが、こんな子供をどうやって殺し合わせるつもりなのだろうか。
見たところ過負荷等の特異な能力も持っていない。恐らくは殺し合いを促進させる為の人柱といったところか。
「おねえちゃーん。遊んでくださーい」
どうやら、今の事態を理解していないらしい。
くじらの元に近寄っては、遊んでくれと催促してくる。
- 104 :くじら、タラちゃんに出会う ◆EPqQEjq/rc:2012/12/13(木) 01:06:15 ID:lYHBtvvU0
-
「お姉ちゃん今忙しいから、また今度な」
こんな子供に構っている暇は無い。
くじらは適当にあしらい先に進もうとした。
「わーん!! お姉ちゃんが遊んでくれないですぅ!!!」
「なっ? おい泣くなよ!」
まさか泣き出すとは思わなかった。
不味い。このままでは泣き声を殺し合いに乗った参加者に聞かれた場合もある。そうなれば危険だ。
一瞬、殺そうかとも考えたが、それをめだかや殺し合いを止めようとする参加者に知れたら、面倒な事になる。
なにせ、この泣き声だ今すぐにでも人がきてもおかしくない。そこで殺害現場を見られたとなれば――
「分かった。遊んでやるから泣くのはやめろ!」
「本当ですかー!」
「ああ、だからもう泣くな!」
取りあえず、暫くはこの子供を連れて行動する事にする。
そして出来れば、この子供の家族、あるいは他の良識のある参加者を探して早い所、押し付けようと決心した。
【G-1/ 一日目・深夜】
【黒神くじら@めだかボックス】
[状態]:健康
[装備]:ランダム品1〜3(工具、パソコンの類ではない)
[道具]:基本支給品
[思考・状況]基本:兄妹達と殺し合いから脱出する。
1:商店街に向かい工具を調達する。
2:この子供を何とかする。
【フグ田タラオ@サザエさん】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム品1〜3
[思考・状況]
1:お姉ちゃんに着いていくデース。
※殺し合いを理解していません
- 105 : ◆EPqQEjq/rc:2012/12/13(木) 01:07:09 ID:lYHBtvvU0
- 投下終了です
- 106 :名無しさん:2012/12/13(木) 03:27:29 ID:KKpz5sfs0
- 投下乙です
- 107 : ◆FbzPVNOXDo:2012/12/14(金) 02:36:01 ID:n6J3ucgs0
- ジャック・ハンマー、千秋、雹霞 投下します
- 108 :戦士には覚悟を 少女には黒の―― ◆FbzPVNOXDo:2012/12/14(金) 02:37:22 ID:n6J3ucgs0
- 「春香姉さまー! 何処ですかー!! それと夏奈も居たら返事をしろー!!」
殺し合いに巻き込まれた南千秋は、一先ず自分の姉妹を探していた。
この状況で、わざわざ大声を張り上げて探すのは、非常に危険な行為である事は間違いない。
普段の千秋ならこんな軽はずみな行動を取りはしない。しかし、事態が事態だ。
今の千秋は非常に焦っていた。自分はおろか、大切な姉妹を全員殺されるかもしれない恐怖。
それが千秋の冷静な判断能力を奪い、結果として――。
「――え?」
運悪く、他の参加者に襲われてしまった。
千秋の頭部に軽く手刀を放ち、気絶させたのは、ジャック・ハンマー。
恐らく、この殺し合いの場ではトップクラスに入るであろう実力の持ち主である。
そんなジャックだが、彼も千秋と同じ様に非常に焦っていた。
ここで一つ述べておくが、決してジャックは精神が弱いわけでは無い。寧ろその精神は異常なまでの強靭さを誇ることだろう。
でなければ一日30時間という矛盾であり、拷問にも等しいトレーニングや、様々な薬剤を使用した肉体改造に耐え切ることなど出来なかった。
それほどのジャックが焦っている理由はただ一つ。それは同じくこの場に呼ばれている、範馬勇次郎の存在。
この場で、どの参加者をも上回った圧倒的な強者。まさに地上最強の生物。それを越えるのがジャックの目標。
- 109 :戦士には覚悟を 少女には黒の―― ◆FbzPVNOXDo:2012/12/14(金) 02:38:01 ID:n6J3ucgs0
-
だが、如何せん早すぎた。今の実力では勇次郎には到底及ばない。
いずれは戦うべき最大の敵。だが、今はまだ戦うべきではない。
しかし、この殺し合いの中では、どんなに長くとも二日目には勇次郎と対峙し戦わねばならない。
それが出来なければ“死”あるのみ。仮に戦いを挑んだとしても勝てずに死ぬだけだ。
否、それは殺し合いに乗らなければの話。いくらジャックと言えども、戦いを望まぬ者。
ましてや、戦いに身を委ねたことも無い一般人に、手を出すつもりは毛頭無い。
だが、もう時間が無いのだ。決戦の時は刻一刻と迫ってきている。
もしかしたら、明日には勇次郎と対峙しているかもしれない。いや後一分後には、勇次郎が眼前に立っているかも知れない。
最早、手段は選んでいられまい。この、最長でも二日間の中で勇次郎を越えるしか無い。
では、具体的にどうするのか。呑気にトレーニングをしても、二日間という時間の中では、あまりにも無意味に等しい。
そこで実戦を学ぶには、実戦から学ぶのが一番手っ取り早い。と、ジャックは考えた。
「――起きロ」
意識を失っていた千秋が、何者かの声で徐々に覚醒していく。
眼前には自分の体の何倍ものガタイをした大男が立っていた。
「あれ、あなたは?」
痛む頭を擦りながら、千秋はジャックにそう尋ねた。
まだ頭がちゃんと回らないのか、どうも何が起こったのか分からない。
対するジャックはというと、支給されていた拡声器を取り出して使い方を確認していた。
「名前ハ?」
「私の?」
「そうダ」
「えっと……。み、南千秋……」
ジャックの気迫に押されてしまったのか、千秋はあっさりと名前を言ってしまった。
そして千秋から名前を聞きだしたジャックは、拡声器のスイッチをONにするとそれを口元にまで近づけ――。
『聞こえるカッ 殺し合いに呼ばれた参加者達ッッ』
耳が張り裂けるほどの大声で叫んだ。
- 110 :戦士には覚悟を 少女には黒の―― ◆FbzPVNOXDo:2012/12/14(金) 02:40:03 ID:n6J3ucgs0
-
『俺の名はジャック・ハンマーッ 突然だが今から貴様らに予告ダッ これからッこの島に居る全員を俺は皆殺しにスル!!!』
その言葉を聞き、千秋は我に帰った。
今あの男は、殺し合いに乗るといった。つまりそれは、この場に居れば必ずあの男に殺されるという事。
千秋は何かを考えるよりも、本能に従いその場から逃走を図ろうと走る。
『!!? ああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!』
だが一瞬でそれは千秋への絶叫へと変わった。
見れば千秋の前には、一瞬の内に強靭な脚力で先回りしたジャックが立っており、拡声器を持っていないもう片方の手には五つの爪が握られていた。
ほんの数秒の間に、ジャックは千秋の右手の爪を五枚も剥がしたのだ。
そして千秋の悲鳴は拡声器を伝わり更に広範囲へと広がった。
『この悲鳴が聞こえたカ? 今ッ南千秋という少女の右手の爪を五枚剥がしタ。 これから約十分後に彼女の右腕を切断スル。
更に二十分後には左腕を。その更に三十分後には右足を。四十分後には左足を。五十分後には首を。
この少女を助けたいと思う者ッ俺を家族から守りたい者ッ殺し合いの優勝を目指す者ッ今すぐにG-5黒神家へと来イ!
俺は、この少女の命のタイムリミット。 五十分が過ぎるまで、ここを離れナイ!
また十分後に誰も現れなかった場合、腕を切断された少女の悲鳴を聞かせル、以上ダッ』
ふぅ、と息を呑みジャックは拡声器のスイッチを切った。
これで自分へ挑みに来る参加者が現れるはずだ。
いわば千秋は参加者を寄せ集める為の、撒き餌さのようなもの。
今の声を聞いた者で、尚且つ正義感が強く実力に自信があるものは、必ずやこの黒神家にやってくる。
それでなくてもあれほどの大声をあげれば、参加者の一人や二人は必ずや現れる。
実戦から学ぶのが一番手っ取り早い。と、考えたジャックは殺し合いに乗る事にした。
その為に拡声器を使用し、他の参加者へと呼びかけた。もう時間は無い。闘争に身を任せ自らの限界を超えるしか他無い。
- 111 :戦士には覚悟を 少女には黒の―― ◆FbzPVNOXDo:2012/12/14(金) 02:40:38 ID:n6J3ucgs0
-
(早いナ、もう十分か)
拡声器を使い約数分、基本支給品にあった時計に目をやる。既に十分近くが経過していた。
千秋は逃げ出そうとするも腰を抜かしてしまったのか、まともに立ち上がることも出来ずに失禁までしている。
アンモニア臭が鼻を刺激し千秋の服に染みを作っていく。年頃の少女ならば失禁という羞恥を晒し、屈辱を感じていもおかしくは無い。
だが千秋の顔にはただ恐怖しか無かった。
あまり気分の良い物ではなかった。しかし、もう他に勇次郎に勝つ方法は思い浮かばない。
勇次郎という存在を知っているからこそ、ジャックは情けを――強さに拘る以外の全てを捨てる覚悟を決めた。
そうでなければ、あの最強の生物を越えることなど不可能なのだ。
「あ、あ……い、や……」
ジャックの手が千秋の腕に触れた。これをただ力任せに引っ張れば、千秋の華奢な腕はまるで人形の様に壊れるだろう。
拡声器を千秋に口元に当てジャックは腕を引きちぎった。
「――9分59秒、ギリギリセーフだよね?」
筈だった。
ジャックの前方より、黒い人影が見えてくる。
警戒をしつつ、ジャックはバックステップで千秋から離れた。
(人間……なのか?)
月の光に照らされ徐々に、その黒い人影の姿が見えてきた。
その体には生物の持つ血の通った部位が見えない。何らかの黒いアーマーに包まれている。
同じく顔もアーマーのマスクに遮られ、どんな表情をしているのかも分からない。
ジャックは眼前に居る存在は人間というより、寧ろSF映画等で見かけるロボットの様にも感じた。
「大丈夫? 君が南千秋ちゃんだよね?」
ロボットが千秋に声を駆けた瞬間、その人型の黒いロボットの様な存在は千秋の元へ駆けた。
(――速い)
ジャック・ハンマーの動体視力を持ってしても、そう言わしめる程の速さ。
何よりジャックが注目したのは、その動き。気配を完全に断ち、即座に千秋の元へ移動した、その無駄の無く洗練された動き。
まさしく暗殺者というに相応しい美技。それにジャックは感動すら覚えていた。
- 112 :戦士には覚悟を 少女には黒の―― ◆FbzPVNOXDo:2012/12/14(金) 02:41:18 ID:n6J3ucgs0
-
「た、助けて……」
「うん、助けに来たよ。立てる?」
あまりの速さに驚いたものの千秋は、そのロボットの差し出した手を取り、何とか立ち上がる。
「――千秋ちゃん、お願いがあるんだ。もしここから逃げて乱崎って苗字の人に会ったら。僕、乱崎雹霞が探してたよって伝えておいて欲しいんだ」
「え?」
「多分、ここから逃げ切れるのは君だけだから。本当は自分で行きたいけど、あの人はそうさせてくれないみたいだし」
そう言い雹霞はジャックへと向き直る。
二人に間に漂うのは千秋が今まで感じたことの無い、鋭く突き刺さるような雰囲気。
なんにしろ千秋は、この場にはもう居れないと直感した。
「あ、ありがとう。雹霞……」
一言。礼を言い千秋は痛む指先を押さえ走り出した。
【G-5 黒神家/ 一日目・深夜】
【南千秋@みなみけ】
[状態]:右指の爪を全て欠損、失禁したので服に染み、後頭部にたんこぶ、ジャックに恐怖、若干の混乱
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム品1〜3
[思考・状況]基本:家族を探す。
1:ジャックから逃げる。
2:乱崎という苗字の人に会ったら雹霞の事を伝える。
【乱崎雹霞@狂乱家族日記】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム品1〜3
[思考・状況]基本:殺し合いには乗らない。
1:ジャックを倒す。
2:家族を探す。
【ジャック・ハンマー@グラップラー刃牙】
[状態]:健康、殺し合いに乗る覚悟
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、拡声器、ランダム品0〜2
[思考・状況]基本:勇次郎を越える為に殺し合いに乗る。
1:雹霞を倒す。
※拡声器の声が何処まで届いたかは、後の書き手さんにお任せします。
- 113 : ◆FbzPVNOXDo:2012/12/14(金) 02:41:57 ID:n6J3ucgs0
- 投下終了です
- 114 :名無しさん:2012/12/14(金) 20:21:19 ID:GIueyd7U0
- 投下乙です
どんどん来てるなあ
- 115 :名無しさん:2012/12/14(金) 23:08:44 ID:4nqT9lj20
- 同じく投下乙です
- 116 : ◆FbzPVNOXDo:2012/12/16(日) 02:59:31 ID:FFKkBKdw0
- 投下します
- 117 :狂乱マスオ日記 ◆FbzPVNOXDo:2012/12/16(日) 03:00:05 ID:FFKkBKdw0
- 「どうなってるのよ…。確か私はまる子と一緒にテレビを見てた筈よ」
さくらさきこは頭を必死に回転させ、今までの記憶を遡っていた。
ほんの数分前。まだ、この場に呼ばれる前にさきこはテレビを見ていた。
だが、そこから先が思い出せない。気付けば殺し合いをしろと告げられ、この島に連れて来られた。
一体、何の為に? 自分で言うのも何だが、こんな平凡な家族に何故殺し合いをさせたいのか。
「ああ、もう! こんなのドラマの中だけの事にしてよ!!」
誰に言うでもなく、大声を出し叫ぶ。
こうでもしなければ、落ち着けなかった。
「これから、どうすればいいのかしら…」
落ち着いたところで、これからの行動を考える。
だが、殺し合いに巻き込まれたときの事など想定すらしていない為、どうすればいいのか分からない
「ん? 誰かいるのかい」
「ひっ!」
考え事をしていたせいか声を掛けられた瞬間、驚きのあまり小さい悲鳴を上げてしまった。
声の方を向けば、20代ぐらいの眼鏡を掛けた大人しそうな男性が居た。
「ご、ごめん。驚かせてしまったかな?」
「い、いや私の方こそ……」
男性はさきこを刺激しない様にか、柔らか言い方で話す。
さきこも、男性のその言い様に徐々に警戒を解いていく。
- 118 :狂乱マスオ日記 ◆FbzPVNOXDo:2012/12/16(日) 03:00:37 ID:FFKkBKdw0
-
「そうだ。自己紹介がまだだったね。僕の名はフグ田マスオって言うんだ」
「さくらさきこです……」
良かった。この人は殺し合いに乗っていない人だ。
さきこは安心した。
「さきこちゃんか……。良かったよ、殺し合いに乗ってない人と会えて」
「私も安心しました」
だからだろう。
マスオの動きに気付けず押し倒されてしまった。
「な、何するんですか!」
「五月蝿い! どうせ、皆死ぬんだ!!!」
一瞬、殺されるかと思ったがさきこの予想は見事に外れた。
何故なら、マスオのその両手はさきこの服を、無理やり引き脱がし始めたのだ。
さきこの中で嫌な予感が駆け巡る。
下手をすれば、このまま殺された方が、まだマシというほどの辱めを受けるのでないかという予感が。
「止めて離して!」
「離すわけないだろう!!」
必死にさきこはもがいた
だが少女の力では、どう足掻いても成人男性の腕力には適わない。
(嫌だ、嘘でしょ? この人私を脱がして……やめてよ)
これから何をされるのか。それはまだ幼くそういう教育を受けていない、さきこはには分からない。
だが予想は出来る。最悪の予想が脳裏を過ぎっていく。
- 119 :狂乱マスオ日記 ◆FbzPVNOXDo:2012/12/16(日) 03:01:09 ID:FFKkBKdw0
-
「何やってるんだよ! マスオ兄さん!!」
声。
恐らく自分とはそう歳の離れていない幼い男性のもの。
それがマスオとさきの耳に響いてきた。
「なっ? 君はカツオくん……」
「離して!」
さっきの声の主であろう坊主頭の少年とは知り合いなのか、マスオの腕力が弱まった。
咄嗟にマスオの腕を振りほどいて拘束から抜け出す。
マスオが再び押さえ込もうと手を伸ばすが、それよりも早く走り出した事で紙一重で逃げ出した。
「マスオ兄さん……」
「カツオくん」
マスオは今更ながら、自分の軽はずみな好意に後悔した。
本来のマスオはこの様な少女を襲うような男ではない。
この様な殺し合いに巻き込まれれば真っ先に家族を探す筈だ。
あるいは、殺し合いに乗ったとしても家族の為だ。と、問われれば彼を知る者達はそう言う筈だ。
否、そうではなかった。彼はそこまで強い人間ではなかった。
考えても見て欲しい。父親というものは、必ず家族の為に行動を起せるものなのだろうか?
必ずなど有り得ない。父親になる人間が、全てその様な勇気を持っているとは考えがたい。
フグ田マスオは決して悪人では無い。だが強い人間でも無い。
そんな彼は家族を探すのも、殺し合いに乗った参加者との接触を恐れ出来ずにいた。
殺し合いに乗るなど考慮にも入らない。そんな時、目の前に少女が居た。
それを見て、殺し合いという恐怖で擦り減っていたマスオ理性は消えうせた。
人間は命の危機を感じると種の保存を優先させるらしい。それが真か嘘かはともかくとし、唐突に彼の中で沸いてきた性欲。
何より目の前の現実から目を逸らしたかった。
- 120 :狂乱マスオ日記 ◆FbzPVNOXDo:2012/12/16(日) 03:01:41 ID:FFKkBKdw0
-
(どうしてこんな事に……)
眼前に広がるのはぐったりと、力なくマスオの両手に首を締め上げられているカツオの姿。
いやカツオだったもの。
「やってしまった……。家族を」
あの後、カツオを説得しようと試みた。
だが、カツオは耳を貸さず信用してくれない。挙句の果てには、家族を襲う前に自分が殺すと言い始めナイフを持って突進してきた。
だから殺した。
「――もう後戻りできない。やるしかない」
殺し合いを開いたあの黒服は言った。勝ち残れば、何でも願いを叶えると。
こうなれば何にでもすがってやる。
カツオを殺した事でマスオは逆に冷静になった。
「あの娘はちゃんと始末しなくちゃ」
やけでもなんでもいい。家族を殺した以上、進むだけだ。
例え妻だろうが、息子だろうが全員殺してやる。そして願いを叶えて全てを元通りにする。それだけだ。
開き直りとも言っていい決意。
マスオはさきこの後を追った。
【A-5 野原家近く/ 一日目・深夜】
【フグ田タラオ@サザエさん】
[状態]:健康、狂乱、開き直り
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム品1〜3、ナイフ@現実、カツオの支給品(ランダム品0〜2)
[思考・状況]基本:優勝して全て元通りにする。
1:さきこを追い殺す
【さくらももこ@ちびまる子ちゃん】
[状態]:健康、衣服の乱れ、殺し合いとマスオに強い恐怖
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム品1〜3
[思考・状況]
1:マスオから逃げる
- 121 :狂乱マスオ日記 ◆FbzPVNOXDo:2012/12/16(日) 03:02:13 ID:FFKkBKdw0
- 投下終了です
- 122 :狂乱マスオ日記 ◆FbzPVNOXDo:2012/12/16(日) 03:12:47 ID:FFKkBKdw0
- すみません
死亡表記忘れてました
【磯野カツオ@サザエさん】死亡
- 123 : ◆FbzPVNOXDo:2012/12/16(日) 11:29:17 ID:FFKkBKdw0
- 度々すいません
コピペミスってました
【フグ田マスオ@サザエさん】
[状態]:健康、狂乱、開き直り
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム品1〜3、ナイフ@現実、カツオの支給品(ランダム品0〜2)
[思考・状況]基本:優勝して全て元通りにする。
1:さきこを追い殺す
【さくらさきこ@ちびまる子ちゃん】
[状態]:健康、衣服の乱れ、殺し合いとマスオに強い恐怖
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム品1〜3
[思考・状況]
1:マスオから逃げる
- 124 :名無しさん:2012/12/16(日) 20:50:15 ID:kBAEZ9MY0
- 投下乙です
コピペミスがよりによってタラオで笑ってしまったww
LSでも参戦したカツオは1話退場か
- 125 :名無しさん:2012/12/17(月) 02:15:00 ID:yAMAgO360
- カツオ生き残ってれば波平ロワみたいに熱血対主催になれたかもしれないのに
- 126 : ◆FbzPVNOXDo:2012/12/18(火) 01:43:30 ID:lpb5QCpw0
- 投下します
- 127 : ◆FbzPVNOXDo:2012/12/18(火) 01:44:26 ID:lpb5QCpw0
- すいません。
ちょっとミスを発見したので投下をやめます
- 128 : ◆FbzPVNOXDo:2012/12/18(火) 01:49:46 ID:lpb5QCpw0
- 英太郎と、英一の名前を間違えて予約していたので、改めて予約スレに予約してきました。
お騒がせしました。投下します。
- 129 : ◆FbzPVNOXDo:2012/12/18(火) 01:50:19 ID:lpb5QCpw0
- 「……外せない事も無いかな。この首輪」
木手家の洗面所にて、木手英一ことキテレツは鏡を見ながら呟いた。
(ん? なんだろうこれ。盗聴器かな、気をつけておかないと)
うっかり口を滑らしてしまったことを軽く反省しつつ、キテレツは洗面所を出た。
普通の小学生ならば、混乱してもおかしくないこの状況だが、キテレツは違った。
祖先より伝わる。『奇天烈大百科』に記されていた、発明品を復元していたお陰だろう。
自分の復元した発明品で巻き起こったハプニングに慣れたせいで、この様な破天荒な状況に陥られても比較的冷静で居られ。
尚且つ、その復元を重ねる事によって得た科学技術で、この首輪も外せない事は無いと理解出来たのも幸いした。
(スタート地点が、僕の家だったのは運が良かった。
ここが本当の僕の家かは兎も角として、内装や家具、それに小物まで事細かく再現してある。
なら、僕が発明品を復元するのに使ってる道具も残っていても、おかしくない)
キテレツはまず自分の部屋に向かい探索を行う。
真っ先に目を付けたのは机。予想通り、机の上のパソコンまで再現してあったようだ。
(うーん。持って行きたいけど、ちょっと大きいな)
キテレツの時代ではノートパソコンなど存在しなかった為、ここに置かれているのは持ち運びが不便な据え置きのパソコンだ。
(この首輪を、パソコンでハッキングして止められるんじゃないかと思ったけど、諦めるしかないかな)
- 130 : ◆FbzPVNOXDo:2012/12/18(火) 01:50:51 ID:lpb5QCpw0
-
パソコンは断念した。
キテレツは気を取り直すと更に探索を続けていく。
すると、台所の方で何か物音がした。何かと思いこっそりと様子を伺う。
「こんな状況でも、ドラ焼きは美味しいなあ」
「き、君何してるんだい?」
青い狸が戸棚から見つけたのか、万遍の笑みでドラ焼きを頬張っていた。
いや狸では無い。コロ助というロボットの存在を知っていた為か、キテレツはこの狸がロボットであるという事が一目で分かった。
「いや、僕はこんな殺し合いには乗っていなくて…、えーとドラ焼きがあったから、取りあえず食べて気を落ち着けようと……」
「良かった。僕も殺し合いには反対なんだ。ところで君、ロボット?」
その問いに狸は喜んだ様子で答えた。
「うん。僕は二十二世紀からやってきた猫型ロボットのドラえもんっていうんだ。
いや、僕の事を一目でちゃんとロボットって言ってくれるなんて、嬉しいなぁ」
「(最初は狸に見えたのは黙っておこう)僕は木手英一。友達からはキテレツって呼ばれてるんだ」
「そうか。キテレツ君だね、よろしく」
最初に会った参加者が、殺し合いに乗っていない事に安堵の溜息を付き、二人は会話を続けた。
「――そうか。キテレツ君は、その奇天烈大百科に書かれている発明品を復元したりするのが趣味なのか」
「だから、この首輪も」
ドラえもんも察したのか、そこから先は聞かない。
キテレツは紙に盗聴器の事、上手く行けば外す事が出来るかもしれない事を記し伝えた。
- 131 : ◆FbzPVNOXDo:2012/12/18(火) 01:51:35 ID:lpb5QCpw0
-
「よし! キテレツ君。僕も協力させて貰うよ」
「本当かい? 助かるよ」
「確か道具が必要なんだよね。それなら任せて欲しい。丁度、四次元ポケットだけは、没収されなかったみたいだからね」
「四次元ポケット?」
「簡単に言えば、物理法則を無視して何でも入るポケットなんだ」
それを聞いたキテレツは真っ先に自分のパソコンを思い出した。
このポケットがあれば、あのパソコンも容易に運べる。それだけではない。
首輪を外す為に必要な道具も、量を考えず好きなだけ持ち運べる。
「ドラえもん。早速そのポケットの出番だ」
キテレツはドラえもんを連れ再び二階へと駆け上がった。
【C-9 木手家/ 一日目・深夜】
【木手英一@キテレツ大百科】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム品1〜3
[思考・状況]基本:殺し合いから脱出する。
1:首輪を外す。その為の道具を探す。
2:二階のパソコンを運び出す。
【ドラえもん@ドラえもん】
[状態]:健康
[装備]:四次元ポケット@ドラえもん(ランダム品扱い、中身は空っぽ)
[道具]:基本支給品、ランダム品0〜2、ドラ焼き@現地調達
[思考・状況]基本:殺し合いから脱出する
1:キテレツを手伝う。
2:家族を探す。
- 132 : ◆FbzPVNOXDo:2012/12/18(火) 01:52:07 ID:lpb5QCpw0
- 投下終了です。
タイトルは『ドラレツ大百科』で
- 133 :名無しさん:2012/12/18(火) 20:55:51 ID:3WPeCVgI0
- 投下乙です
最近はどんどん投下来てるなあ
- 134 :名無しさん:2012/12/18(火) 21:23:08 ID:/8LyxX7w0
- 投下乙です
首輪外せそうなコンビが成立
キテレツってロワで初めて見る気がする
- 135 :名無しさん:2013/01/01(火) 09:00:42 ID:D3e/b6nw0
- >普通の小学生ならば、混乱してもおかしくないこの状況だが、キテレツは違った。
祖先より伝わる。『奇天烈大百科』に記されていた、発明品を復元していたお陰だろう。
殺し合い程度日常茶飯事みたいな扱いでワロタ
まぁ、キテレツも劇場版のびドラクラスの経験はしてるけどもwww
- 136 :母は強し、そして脆い ◆EPqQEjq/rc:2013/01/03(木) 03:56:15 ID:jM2Efn2E0
- 投下します
- 137 :母は強し、そして脆い ◆EPqQEjq/rc:2013/01/03(木) 03:56:48 ID:jM2Efn2E0
- 「はぁ……はぁ」
少女が息を荒げながら頭部を押さえつつ走る。
時々、後ろを振り返っては誰もいないことを確認し、安堵の息を着く。
だが真の安息を得るには、まだまだ走り続けなければならない。
「――!?」
先回りされていたのか、少女は気付けなかった。
だが無理も無い。今、彼女が居る灯台はかなり複雑な構造になっている。
初めて訪れた際にちゃんと内部を回っておけば、こうはならなかったかも知れない。
そう後悔するが、もう遅い。
血に濡れた鉄パイプ。先ほど少女の頭部を殴ったものだ。
それを少女を追ってきた、少年が振り下ろす。
カンッ!と甲高い音が鳴り響く。少女は紙一重でそれをかわした。
少年は再び鉄パイプを振り上げる。少女は回避しようとしたところで、横は壁である事に気付いた。
更に後ろにも壁。恐らく偶然が重なった故の結果だろうが、完全に追い込まれてしまった。
「や、やめ――」
少女が今出来る、迫りくる死への唯一の抵抗。いや抵抗と言うにはあまりにも弱弱しい。
正確に言い換えるのなら“交渉”といったものか。いやそれも的確では無い。
だが少女はそれを無駄だと分かっていても尚言おうとした。
- 138 :母は強し、そして脆い ◆EPqQEjq/rc:2013/01/03(木) 03:57:20 ID:jM2Efn2E0
-
――ゴスッと鈍い音が少年の耳に響いた。
少女が放った最後の言葉すらも、少年は言わせず少女を鉄パイプで撲殺した。
未だに少女の頭部を、その鉄パイプで殴り砕いた感触は忘れられない。
硬く、柔らかくもあり、非常に不快な感触。恐らく自分はこの感触を永遠に忘れる事は出来ないのだろうと思った。
だが構わない。このまま生き続け永遠に人を殺した罪悪感を背負おうとも。何処の誰とも知らない人に呆気なく殺されようとも。
兄妹さえ――家族さえ生き残ってくれればそれで――
「おい。お前、何してる……?」
背後。
声を掛けられた。それは幼く高い女性のもの。
振り返れば、その女性は居た。先ほど殺した少女よりも外見は幼い。
僅かに残った良心が、少年の手を緩めそうになる。だが決意で握りなおす。
「――ディケイ……ド?」
ほんの僅かな攻防。いや攻防と言えるかすらも怪しい。
偶然、南アキラが乱崎十周年を殺害した現場に、乱崎凶華は来てしまった。
そして、その死体を見て彼女の理性は消えうせた。
一瞬にしてアキラとの距離を凶華は詰めた。
そのあまりに化け物染み、尚かつ神速の動きにアキラは動揺表に出しつつも、鉄パイプを渾身の力で振り下ろす寸前で顔を掴まれ。
地面へと叩き付けられた。
頭蓋骨が砕け脳が軋む。
「ごめ、ん。兄貴、トウ、マ――」
朦朧とする意識のなか頭部から流れる血を眺め。
南アキラは息を引き取った。
- 139 :母は強し、そして脆い ◆EPqQEjq/rc:2013/01/03(木) 03:58:27 ID:jM2Efn2E0
-
殺す気は無かった、と言えば嘘になるかもしれない。
だが、理性では殺さず相手を無力化しようと思っていた。これは本当だ。
でも、目の前で、娘が死んでいて、その犯人が目の前に居て、理性を保っていられる母親など存在するのだろうか。
「――凰火。こういう時、夫は妻の傍に居てやるものだろうが……」
「その、少年を殺したのは貴様か?」
凛とした女性の声。娘の死を悲しむ事はおろか実感する暇すらない。
またもや偶然か、ここまで来ると最早仕組まれて居るようにも見える。
この短時間に灯台に4人も参加者がやってくるなど。
いや仕組まれていたのかもしれない。この悪趣味な催しを開いた者達に。もっと苦しめと。もっと殺し合えと。
「そうだ」
否定はしない。言い訳もしない。
する気力も無い。
目の前の少女は明らかにこちらを警戒している。
その証拠に一見普通に立っているように見せて、何時でも戦闘が可能なように構えている。
――どんな願いも叶えてやろう。
――荒唐無稽な望みでも良い。叶えられないことは無いと約束する。
思わず噴出しそうになる程、馬鹿だ。そう凶華は思った。
今、脳裏を過ぎったのは優勝し願いを叶える事。
奴等は言った。どんな願いも叶えると。
そして奴等は行った。あの黄色いタイツの少年に殺害された男を目の前で蘇らせた。
――ならば、失った娘は帰ってくる?
- 140 :母は強し、そして脆い ◆EPqQEjq/rc:2013/01/03(木) 03:59:13 ID:jM2Efn2E0
-
時間。
それは人がどうしても抗うことの出来ない、残酷な物の一つであり。そして人を癒してくれるものでもある。
もしも、ほんの数分でもいい。凶華に落ち着いて思考を纏める時間があったら?
もしも、その数分が、幾分心を僅かながら癒してくれたとしたら?
凶華は違ったかもしれない。
だがそれは既に通りすぎた。過去の話。
人は過去へは戻れない。
ただあるのは結果だけだ。
だが、まだ分からない。
人は過去を変える事は出来ないが、未来は変える事が出来るのだから。
【D-10 灯台/ 一日目・深夜】
【乱崎凶華@狂乱家族日記】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム品1〜3
[思考・状況]基本:???
1:十周年を、生き返らせる……?
2:凰火……。
【黒神めだか@めだかボックス】
[状態]:健康
[装備]:ランダム品1〜3
[道具]:基本支給品
[思考・状況]基本:殺し合いを止める
1:この少女が人を殺しをしたのなら――
※D-10灯台に乱崎十周年と、南アキラの基本支給品、ランダム品(1〜3)(0〜2)、そして鉄パイプ@現実が落ちています。
【乱崎十周年@狂乱家族日記】死亡
【南アキラ@みなみけ】死亡
- 141 : ◆EPqQEjq/rc:2013/01/03(木) 03:59:58 ID:jM2Efn2E0
- 投下終了です
皆さん、今年もよろしくお願いします
- 142 :名無しさん:2013/01/04(金) 21:55:41 ID:RzQZghRs0
- 投下乙です
今年も頑張ってください
- 143 : ◆FbzPVNOXDo:2013/01/06(日) 20:31:48 ID:lywFWgjA0
- 投下します
- 144 :勇次郎驚く ◆FbzPVNOXDo:2013/01/06(日) 20:32:23 ID:lywFWgjA0
- 「フンッ。 殺し合いというからどんなものかと思えば、ここに連れてこられている者達は殆どが一般人のようだな」
全神経を使い、五感を最大限にまで増幅させた勇次郎はつまらなそうに呟く。
さっきの少女と出会って以降、参加者とは接触していないが、気配は感じる。
だが、それら全ては勇次郎がわざわざ赴くまでもない、一般人そのもの。
闘争を楽しみたい勇次郎ではあるが、戦えもしない一般人を一々襲うのもつまらない。
「チッ。こんな面白味の無い催し、さっさと終わらせるに限るな」
自分に首輪を付け、殺し合いを強要されたのは気に食わなかったが、それでも闘争を楽しめるからと思い従ってやっていた。
だが、もうその必要も無い。直接主催を殺し、つまらん殺し合いを終わらせ帰る。
「と、なれば。この首輪を外す必要性も出てくるわけか」
首輪に関しては後回しでもいいだろう。
丁度いい道具さえあれば、外せる自信もある。
それよりも、まず主催者が何処に居るかを突き止めるのが先だ。
「あらやだわー。凄い筋肉ねー」
背後。
気配を感じ勇次郎は振り返る。
居たのは、齢、20代後半近くの主婦。別にそれだけなら、驚くことは無い。
この殺し合いは家族間で行われるものだ。主婦が居てもおかしくは無いだろう。
否。問題なのは、その主婦が勇次郎にまったく恐れをなしていない事だ。
街中で、人ごみの中で、遠目に勇次郎を視界に捉えただけなら分かる。
- 145 :勇次郎驚く ◆FbzPVNOXDo:2013/01/06(日) 20:32:58 ID:lywFWgjA0
-
だが今ッ 両者の距離。僅か4、5メートル。
「邪ッーーーー!!!!」
勇次郎、放つ。
全ての殺気を眼前の主婦へ。
「何か、タマが怒った時みたいね」
主婦、動じない。
勇次郎、驚愕。
「エフッエフッエフッ! 俺の殺気を感じりゃ、恐れるにしろ武者震いするにしろ、何かしら反応があったもんだが
こんな軽く無視されたのは始めてだぜ」
「おいアンター。んな怖い顔せず飲もうぜ」
新たに現れた第三者。
外見は眼前の主婦より、十年は歳を食った中年の男性。
片手にはワインボルトを、もう一方の手にはワイングラスを。
恐らく既に数杯は飲んでいるのか、すっかり出来上がっている。
「こいつは面白れぇ。こんなに俺に軽々しく話しかける奴が、この場に二人も居るはな」
勇次郎は笑いながら、ワインの入ったグラスを受け取り口にワインを流し込む。
「ほう。上等とは言えんが、この香、舌触り、悪くない。だが少し薄いな」
「ちょっと、そのラベル。それ父さんが貰ってきたワインじゃない。困ったわー。どうしましょう」
主婦の言葉に勇次郎はピクリと反応した。
今まで自分の放つ殺気に何の反応もしなかった、この主婦が今初めて恐怖を露にしたのだ。
「エフッエフッエフッ! 俺を無視した貴様が、このラベルを恐れたか」
中年男性の持つワインボルト。
そこには
――― N A M I H E I ―――
と、あった。
【D-5/一日目・黎明】
【範馬勇次郎@グラップラー刃牙】
[状態]:健康
[装備]:ワイングラス@サザエさん
[道具]:基本支給品、ランダム品1〜3
[思考・状況]基本:闘争を楽しむ。
0:エフッエフッエフッ!
1:主催の居場所を突き止める。
2:首輪を外せる手頃な道具を探す。
3:1と2が終わった後、主催本部に乗り込む。
4:NAMIHEIか……
【フグ田サザエ@サザエさん】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム品1〜3
[思考・状況]基本:家に帰る。
1:父さんのワインどうしましょう……。
【さくらひろし@ちびまる子ちゃん】
[状態]:健康、酔っ払い
[装備]:NAMIHEI@サザエさん×3
[道具]:基本支給品、ランダム品0〜2
[思考・状況]
1:ワインを飲む。
※酔っ払っているので冷静な思考が出来てません。
- 146 : ◆FbzPVNOXDo:2013/01/06(日) 20:34:10 ID:lywFWgjA0
- 投下終了です
今週のサザエさんを見て勢いで書いた
反省はしてない
- 147 :名無しさん:2013/01/06(日) 22:08:12 ID:lClsvlqw0
- 投下乙
サザエさんは一体何者なんだよw
- 148 : ◆EPqQEjq/rc:2013/01/07(月) 01:58:46 ID:Cs7PMLWQ0
- 投下します
- 149 :高速ババア ◆EPqQEjq/rc:2013/01/07(月) 01:59:53 ID:Cs7PMLWQ0
-
――間違いない。エスメラルダも、ぷにえも、ぴゅんも、ぽたるも、全員殺し合いに乗っている――
田中キミヒコは一片の疑いもなく、そう断定した。
自分の妻も娘達の事は、良く知っている。だからこそ分かる。
彼女たちは自分の家族だろうが、何だろうが容赦をするような連中じゃない。
寧ろ、これを聖魔法王国の女王の座を奪い取る好機、あるいは座を奪い取る者達を消せる好機と見て、ノリノリで殺しまくる筈だ。
「それだけは、何としても……阻止せねば」
どうすればいいか。
家族を誰一人。少なくとも娘達だけでも、傷付けないようにするにはどうすれば良いか。
「全員殺して殺し合いを終わらせるしかない。家族が殺しあう前に」
そう震えた声で言い放ち、火炎放射器を構える。
見るものが見れば、そのモヒカンヘアーに火炎放射という、世紀末ファッションと思うだろう。
今にもヒャッハー汚物は消毒だーーー!! と、言い出しそうだ。
「ん? 参加者か」
ふと前方から人影を発見する。
特徴的な頭の角みたいな髪型を除けば、ただの女子高生のようだ。
支給された武器も当たりの部類。
キミヒコは殺せると判断した。
- 150 :高速ババア ◆EPqQEjq/rc:2013/01/07(月) 02:00:25 ID:Cs7PMLWQ0
-
即座に火炎放射器を女子高生へと向ける。
相手は僅かに戸惑ったが、どうやらキミヒコが殺し合いに乗った参加者だと理解したようで、すぐさま駆け出す。
だが、それを逃さんとキミヒコの火炎放射器が、文字通り火を吹いた。
「はああ!」
「なっ?」
と、思ったら火を吹く前に、距離を詰められ背負い投げされていた。
「はぁ……。驚いた」
キミヒコを投げ飛ばした毛利蘭は、服に付いたほこりを払いつつそう呟いた。
銃を持った相手でも平然と素手で勝てる彼女にとって、火炎放射器を持ったキミヒコは大した脅威では無かったのだ。
「火炎放射器、か。こんなものも支給されてるなんて。コナン君にお母さんは大丈夫かな?」
だが、それはあくまで蘭にとっての話。
普通は女子高生はおろか、大の大人でも相手が武装していれば、かなりの脅威だ。
流石に火炎放射器の様な物騒な物が二つ支給されてるとは考えがたいが、銃は間違いなく数丁は支給されているだろう。
父である毛利小五郎ならともかく、まだ小学生のコナンや一般人の英理では太刀打ちできない。
「早く二人を探さなくちゃ。でも、この人を置いてく訳にもいかないし、この火炎放射器も……」
仕方なく火炎放射器とキミヒコを背負う。
重いが現状はこれ以外に方法は無い。
「おい、アンタ。これは……」
声を掛けられた。
どうやら、さっきの騒ぎを聞きつけやってきたのだろう。
中年の男性が息を荒げて立っていた。
「あの……これは」
「いや、それより早く逃げろ!!!」
え? と、蘭が聞き返すよりも早く
「ホホホ!!!!」
蘭達の元へ大型トラックが突っ込んで来た。
- 151 :高速ババア ◆EPqQEjq/rc:2013/01/07(月) 02:01:39 ID:Cs7PMLWQ0
-
「な、なんですか。あれ!?」
「殺し合いが始まってから、ずっと追いかけてくるんだ!!!」
窓際へ視線を移す。
そこには白髪に眼鏡を掛けた老婆が、笑いながらハンドルを握っていた。
流石の蘭も人を背負ったまま、しかも大型トラックに勝てる程、超人でも無い。
即決で逃げる事を決意。
「な、前からも来るぞ!!」
男性の叫びと同時に、今度は赤色の大型車がトラックに向けて突進してきた。
「ごめんなさい!」
背のキミヒコを近くの森林へ突き飛ばす。
そして両手が開いた事で動きやすくなった蘭も大型車を辛うじて避ける。
見れば男性も何とか轢かれずにすんだらしい。
轢く対象を失った大型車は、目の前の大型トラックと正面衝突した。
耳が張り裂けそうな程の轟音が響き僅かにトラックが後退。
車内の老婆は忌々しそうに大型車を睨みつつ、アクセル全開で発進する。
再び轟音。
今度は大型車が後退。
最早、両車の関心は蘭達には無い。
「今の内に!」
蘭に答えるように中年男性が走り出し蘭も同じく、その場から離れる。
「――そう言えば、まだお名前聞いてませんでした」
「ああ。俺は野原ひろし。ところで、あのモヒカンは?」
「あっしまった!」
【F-8/一日目・深夜】
【毛利蘭@名探偵コナン】
[状態]:健康
[装備]:ランダム品1〜3
[道具]:基本支給品
[思考・状況]基本:殺し合いには乗らない。
1:家族を探す。
2:トラックと大型車から逃げる。
3:モヒカン(キミヒコ)忘れてきちゃった……。
【野原ひろし@クレヨンしんちゃん】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム品1〜3
[思考・状況]基本:家族を守る。
1:家族を探す
2:トラックと大型車から逃げる
- 152 :高速ババア ◆EPqQEjq/rc:2013/01/07(月) 02:02:12 ID:Cs7PMLWQ0
-
「どうしたものかねぇ」
大型車。いや正式な名前をマローダと呼ばれる、史上最強の市販車を運転している磯野フネは溜息を着いた。
最初は当たりの部類の支給品と思っていたが、まさか大型トラックまで支給されているとは思いもよらなかった。
「でも、やるしかないね。父さんはこんな私を見たら、お怒りになるんでしょうけど……」
窓越しにトラックに乗った老婆を睨む。
相手も同じだ。自分と同じ目をしている。
「――やりづらいねぇ」
トラックに乗っていた、さくらこたけも同じくそう思っていた。
あれは自分と同じく、家族を生かす為に自分は捨て駒になる覚悟をした目だと。
「――だとしても」
「――容赦は出来ないよ!」
両車は互いに後退。
そして正面から再び激突。
「――汚物は消毒じゃアアアアアアアア!!!!」
「「!?」」
その瞬間、火炎放射器を携えたモヒカンが乱入してきた。
【F-8/一日目・深夜】
【さくらこたけ@ちびまる子ちゃん】
[状態]:健康、覚悟完了
[装備]:大型トラック@現実
[道具]:基本支給品、ランダム品0〜2
[思考・状況]基本:家族以外皆殺し。
1:目の前の老婆とモヒカンを殺す。
※大型トラックの車種は後の書き手さんにお任せします。
【磯野フネ@サザエさん】
[状態]:健康
[装備]:マローダ@現実
[道具]:基本支給品、ランダム品0〜2
[思考・状況]基本:家族以外皆殺し。
1:目の前の老婆とモヒカンを殺す。
【田中キミヒコ@大魔法峠】
[状態]:健康
[装備]:火炎放射器@現実
[道具]:基本支給品、ランダム品0〜2
[思考・状況]
基本:家族が殺しあう前に参加者を皆殺しにする。
1:目の前の連中を殺す。
【マローダ@現実】
プラスチック爆弾でも破壊されない史上最強の市販車。
民間で所有できる車両の中では恐らく最も強固な車で、厚さ9cmにも及ぶ窓ガラスはRPG(ロケット推進擲弾)の攻撃も防げる。
本ロワでは多少弱体化させられており、大型トラックでも壊せない事も無い。
- 153 : ◆EPqQEjq/rc:2013/01/07(月) 02:03:22 ID:Cs7PMLWQ0
- 投下終了です
- 154 :名無しさん:2013/01/07(月) 21:19:35 ID:JRHk6cxU0
- 投下乙です
なんというカオス
そして親は家族のため修羅になり子は襲われたり銃声聴いてる中、ワインで酔っ払ってるひろしとは一体・・・
- 155 :名無しさん:2013/01/10(木) 10:06:30 ID:gRjcsuCEO
- ひろしとひろし、どこで差がついたのか…ん?
- 156 : ◆EPqQEjq/rc:2013/01/28(月) 23:48:44 ID:X43twKCc0
- 投下します
- 157 :正義の味方 ◆EPqQEjq/rc:2013/01/28(月) 23:49:17 ID:X43twKCc0
- 田中ぷにえの祖母は激怒していた。
必ずや、殺し合いを開いた雄一少年と、黒尽くめの男共を抹殺せねばならぬと決意した。
そして、この殺し合いを開く程の驚異的技術を聖魔法王国に持ち帰り、軍事運用せねばならぬとも思った。
「ジュラル星人め、僕が滅ぼしてやるぞ!!」
歳のせいもあったかもしれない。相手は子供と油断したのが敗因だった。
ぷにえの祖母は、突如目の前に現れた少年の手にある銃から発せられた熱線により、一瞬にして煙となってしまった。
「まだ一人か、先は長いな」
泉研は祖母に遭遇するよりも前、人間に変身したジュラル星人を見かけた。
そこで研は考えた。この殺し合いは自分以外全てジュラル星人なのではないかと。
奴等はこの殺し合いで自分を亡き者にするつもりなのだ。
「でも、必ずこの島に居るジュラル星人は全て倒して見せるぞ!」
そう誰に言うでもなく叫ぶと泉研は去って行った。
【ぷにえの祖母@大魔法峠】死亡
【J-7/一日目・深夜】
【泉研@チャージマン研!】
[状態]:健康
[装備]:熱線銃@ドラえもん
[道具]:基本支給品、ランダム品0〜2
[思考・状況]
基本:この島に居るジュラル星人を皆殺して主催者も倒す。
1:スペクトルアローを探す。
その様子を物陰から見つめる二つの黒尽くめ人影があった。
「ククク……馬鹿め。この殺し合いが、人間同士によって行われているとは知らずに」
「ああ。そうやって人を殺していくうちに
他の参加者に危険人物扱いされ、チャージマン研は人類の敵とみなされ、同じ仲間の筈の人間の手によって殺害されるという訳だ。何もしらないで」
「まさか奴が最初に見かけた人間に変身したジュラル星人が、我々主催側が用意した罠とは夢にも思うまい」
「えぇー!? 大変ナリよ!!!」
「「聞いたなこいつ!!」」
【コロ助@キテレツ大百科】
[状態]:健康、驚愕
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム品1〜3
[思考・状況]
1:えぇー!
【黒尽くめの男A@???】
[状態]:健康
[装備]:不明
[道具]:不明
[思考・状況]
1:聞いたなこいつ!!
【黒尽くめの男B@???】
[状態]:健康
[装備]:不明
[道具]:不明
[思考・状況]
1:聞いたなこいつ!!
支給品解説
【熱線銃@ドラえもん】
ドラえもん最キチ回の一つ「ねずみとばくだん」に登場したスナイパーライフル型の武器。
鉄筋コンクリートのビルを一瞬で煙に変えるほどの威力を持つ。
銃身の短いタイプも存在する。
- 158 : ◆EPqQEjq/rc:2013/01/28(月) 23:50:23 ID:X43twKCc0
- 短いですけど投下終了です
- 159 :名無しさん:2013/01/30(水) 19:31:53 ID:fEdeMjus0
- 投下乙です
チャー研が出ると碌な事無いだろうなあと思ったらやっぱりかいw
- 160 :名無しさん:2013/01/30(水) 21:50:14 ID:gapBl.Uc0
- 投下乙
まさにキ○ガイだな研w
何気にジュラル星人作戦大成功じゃないか!
- 161 :名無しさん:2013/04/07(日) 18:55:32 ID:Yb93NDpE0
- サザエさんに星君が出ていた
…まさか
- 162 :名無しさん:2014/03/18(火) 19:51:02 ID:RdS9lSrUO
- ほしゅ
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