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投下用スレ- 1 :1/ ◆CFbjQX2oDg:2010/12/05(日) 10:27:35 ID:c2RlbDLQ
- 仮投下や規制中の方はこちらをご利用ください。
- 2 :代理投下 ◇1yqnHVqBO6:2010/12/05(日) 19:00:38 ID:c2RlbDLQ
-
50名を超える参加者を前に光に満ちた何かは言った。
――貴方達は殺し合いをしなければなりません。
この言葉に揺らいだ者は少ない。
またかという風に眼を伏せる者がいれば、
自分達の殺し合いに要らぬ横槍を入れるなと不快感を露わにする者もおり、
再来したであろうチャンスに眼をぎらつかせる者すらいる。
この場に召喚された者にとって告げられた言葉は特に目新しいものではない。
だが、経験があることとそれを受け入れることは全く別の問題であり、
光からの宣告を受けた瞬間から歯を剥き臨戦態勢に入っている者が多いことも確か。
召喚主が放っている輝きは余りにも強く触れることすら躊躇われる荘厳さを纏っていた。
それを歯牙にもかけず反逆者達は殺気をぶつける。
彼らは見知らぬ者だけでなく親しき友とすら命を削りあわねばならぬ運命に
向き合うことを余儀なくされた身。
聖なる存在を殺す程度の禁忌を犯すことに今さら何の忌避感を持つというのか。
木に登ることを恐れる猿はいないし、川で泳ぐことを避ける河童もいない。
反抗の意思を隠そうともしない者たちが
未だ形すらつかめぬモノに挑んでいくのも当然の流れだったと言えよう。
――ごめんなさい。
今まさに攻撃を受けようとしているそれが放った言葉はその状況においては奇妙であったが、
疑問に思う前に反抗者達の体は爆散し場を満たす輝きへと溶けていった。
残された者たちはその光景に少しだけ首をかしげても、
なるほど殺された数は多いが抵抗すればこうなるというある種の見せしめかとすぐに納得する。
それならば自分達が今、殺されることはないだろうとも彼等は確信した。
しかし、その者達が味わった後ろめたさを伴う安堵も光にもたらされた死によって露と消えた。
――今……貴方達の体は消滅し心の力、想波と呼ばれるエネルギーになりました。
これが死、それぞれの胸にある溢れんばかりのその感情こそが死への思い。
貴方達はその死を多くの者に与えなければなりません。
既に殺し合いにおける法は貴方達の心に直接伝えられたはずです。
ハルネラに必要な人柱は53人。
そして願いを懸けて戦い、最後の一人となった勝者には望みを叶える資格が与えられます。
その言葉の後、何拍かの間をおいてから光。いや女神はゆっくりと語りかける。
――人は誰しも捨てられない何かを持っています。
それを守るため、あるいは取り戻すため“旅する者”になるのです。
…………それでは今から貴方達の想波を別の場所に送り、そこで体を構成しなおします。
子よ、願わくは戦いの果てに倒れ伏すことがあろうと、
その想いを受け継ぐ者に巡り合わんことを。
その場に満ちていた想波エネルギーが何処かへ流れていく。
彼等は聴くことができたであろうか。
――ヴェスナ・エスタ・ホリシア。再びあいまみえるそのときまで。
慈愛に満ちた祈りの声を。
- 3 :代理投下 ◇1yqnHVqBO6:2010/12/05(日) 19:01:09 ID:c2RlbDLQ
-
【桐山和雄 死亡】
【チャン 死亡】
【北岡秀一 死亡】
【浅倉威 死亡】
【ガッシュ・ベル 死亡】
【ゼオン・ベル 死亡】
【城戸真司 死亡】
【秋山蓮 死亡】
【三村信史 死亡】
【レオパルドン・パピプリオ 死亡】
【甲賀弦之介 死亡】
【朧 死亡】
【霧島美穂 死亡】
【キャンチョメ 死亡】
【宇谷九一郎 死亡】
【陽炎 死亡】
【香川英行 死亡】
【霞行部 死亡】
【ブック 死亡】
【水銀燈 死亡】
【杉村弘樹 死亡】
【乾志摩夫 死亡】
【カントリーマン 死亡】
【筑摩小四郎 死亡】
【ハード 死亡】
【真紅 死亡】
【ミツル 死亡】
【ワタル 死亡】
【来須圭悟 死亡】
【相馬光子 死亡】
【ノール 死亡】
【金糸雀 死亡】
【ティオ 死亡】
【戦場マルコ 死亡】
【美神愛 死亡】
【雛苺 死亡】
【天野雪輝 死亡】
【我妻由乃 死亡】
【津幡共仁 死亡】
【坂本竜太 死亡】
【シュナイダー 死亡】
【是方昭吾 死亡】
【猿谷甚一 死亡】
【蒼星石 死亡】
【翠星石 死亡】
【七原秋也 死亡】
【吉良康介 死亡】
【雨流みねね 死亡】
【平清 死亡】
【シオ 死亡】
【レオナルド・エディアール 死亡】
【ヒミコ 死亡】
【ヨキ 死亡】
【薬師寺天膳 死亡】
- 4 :代理投下 ◇1yqnHVqBO6:2010/12/05(日) 19:01:44 ID:c2RlbDLQ
-
しかし彼らの心は死んでおらず、実体は殺し合いの地にて再生される。
このようにして彼らが一度は乗り越え、脱落し、不粋にも中断された日常……
殺し合いは再び幕を開けるのだ。
【参加者54名復活。バトルロワイアル開始】
- 5 :1/ ◆CFbjQX2oDg:2010/12/05(日) 19:02:33 ID:c2RlbDLQ
- 以上で、オープニング案の代理投下を終了します。
自分の分も一応完成したので、投下しまっす!
- 6 :1/ ◆CFbjQX2oDg:2010/12/05(日) 19:03:29 ID:c2RlbDLQ
- 宮脇町五丁目にある老舗の和菓子屋三代目、蔦屋のご隠居と呼ばれる宇谷九一郎は今年で七十七歳である。
自室にて就寝していたはずが、目が覚めると住み慣れた我が部屋の天井ではないことに気づく。
ここはどこだ? 馴染みの無いベッドから身体を起こして辺りを見渡してみる。
起き上がって老体が同じく起き上がっているのが見えた。
シルバーバトルの参加者か?と思い迎撃しようと懐の帯に突っ込んでいたワルサーを手にしようとしたが、無くなっている。
焦る気持ちで相手を見ると向こうも同じく懐を漁りながらこちらを見ているようだ。
そこで気付いたのだ。壁の一方が鏡張りになっていただけだと。
落ち着きを取り戻して部屋を調べてみると、そこは八畳間ほどの広さの直方体の空間だった。
インテリアの類はほとんど無く殺風景。小学校の教室の机とイスを全て撤去して縮めたらこんな感じだろうか?
部屋にあるものといえば今まで自信が眠っていた簡易ベッド。それに九一郎の腰程の高さの金庫のくらいだ。試に取ってを回してみるがその扉が開かれることは無い。
出入り口らしきドアも一応あったが、こちらも当然開かなかった。
一体何が起こったのだ? 猿谷はどこへ行った? これもCJCKの連中による「老人相互処刑制度」の一環なのか?
だが、CJCKの連中が対象地区の老人を拉致するだなんて聞いたこと無いぞ?
起き抜けで頭が良く回らないにも関わらず次から次へと疑問が湧き出てくる。
あの鏡……“まじっくみらあ”という反対からこちらが覗けるという代物かもしれんな。
と、鏡に再び注目したところで、鏡の中に自身とは違う人影が現れた。
◇ ◇ ◇
そこに映し出されたのは全ての存在を吸い込んでしまいそうなほどの漆黒の闇。
人間の持つ願望、悲願、宿願、誓願、とあらゆる願いを飲み込むかの様な黒い影。
鏡の中に浮かび上がる影の後背部からチューブの様なものが伸びている。九一郎自身はまだまだ健康体であるが、入院している友人を見舞いに行ったときについていたものと似ていると思った。
その影には実体が無いが、影自体に切り取った顔が貼り付けられているような不気味な風貌である。そしてその影が口を開いた。
- 7 :1/ ◆CFbjQX2oDg:2010/12/05(日) 19:04:04 ID:c2RlbDLQ
- 『お目覚めかな、諸君。もう知っているものも大勢いるだろうが、改めて宣言しよう』
『君達には殺し合い――バトルロワイアル――をしてもらう!!』
一体こいつは何をいっているんだ? わざわざ言われなくても既に第5地区は殺し合いに選ばれているんじゃないか?
しかし、自信の長い人生経験の中でもこのような異質な人物は見たことも聞いたことも無い。思わず息を飲む。
ゴクリ――唾液が咽喉を通過する際に違和感がある。老体の自身の体温よりさらに冷たい感触が首を覆っている。これは一体――
『ここには様々な世界で己の欲望の為に醜く争っている者達を集めた。まぁ中には強要されて仕方なしにという世界もあるがな。
だが、諸君にはそれぞれに叶えたい願いがあるはずだ。
必要とあらば、赤の他人はもちろん友人・知人を押しのけ、“殺してでも”叶えたい“願い”が。
家族を守りたい者、恋人を救いたい者、友人との約束を守る為に戦う者、平和な世界を望む者、究極の少女を目指す者
自身の運命を変えたい者、永遠の闘争が願いの者、ただ生き残りたい者、国家の体制を崩壊させたい者、一族の繁栄を望む者
……そして、死者を蘇らせたい者。
最後の一人になった者にはどんな願いでも叶えてやることを約束しよう。我々にはそれが可能だということを知っている者もいるだろう?』
ニヤリと男の口元が吊り上る。
『しかし、このバトルロワイアルにも君達が行っているもの同様にいくつかのルールはある。
願いを叶えたければ嫌でもしたがってもらおう。
まず始めに君達の首には首輪を任せてもらった。
畜生の様に扱われて気分を害したものがいるかもしれないが、これも会場を制限するためには必要だったのでな』
首輪だと。政府の連中が老人を害悪と見ているのは自覚しているが、家畜の様に首輪をつけられ見下されると流石に癪に障る。
『その首輪には爆弾が詰まっていてる。おっと、無理に外そうとするのは推奨しない。
身体の耐久力に自身のある者もいるだろうが、無意識の内にここに連れて来られた意味を考えれば不用意な行動はしない方が良いだろう』
『その首輪の爆弾の起動条件は全部で三つ。
一つ、首輪を無理に外そうとする行為
一つ、我々が定めた禁止エリアに侵入した場合
一つ、会場から逃げ出そうとした場合
もちろん我々の任意でいつでも爆破することは可能だ』
『そして、参加者にはそれぞれ武器となるものをランダム支給品としてこちらで用意しておいた。いずれも各世界で使用されていた素晴らしい技術の代物だ。
あぁ、各自の世界で使い慣れた武器があるような者にはそれも支給しているので、存分に力を振るってくれたまえ。
使い慣れた武器が特に無い参加者も気に病むことは無いぞ。出来るだけ公平に戦えるように、そういった者にはランダム支給品を他の者より多めにしておいたから』
『武器の他にも参加者の名簿、食料、水、会場の地図、メモ帳、時計など必要なものは一通り揃えておいたので後ほど各自で確認しておいてくれ』
その男の言葉のあとに先程ビクともしなかった金庫の扉が勝手に開いて、中にはディバックが入っていた。
- 8 :1/ ◆CFbjQX2oDg:2010/12/05(日) 19:04:40 ID:c2RlbDLQ
- 『私からは以上だ。君達の“願い”が叶うことを祈っているよ。
最後になるが、その扉から出れば会場内にランダムで移動される。尚、この部屋はあと1分で消滅するので早めに移動した方がいいぞ』
『戦え、我が子らよ! 戦わなければ“願い”は叶わない!!!』
消滅する。突拍子も無い、現実感の無い言葉なのに、自分の脳が警報を鳴らしている。これは“嘘”じゃないと。
男の高笑いが響き渡る部屋から飛び出すべく、急いでディバックを手にしてドアを開けて出て行く。その先は――
【ロワイアル×ロワイアル 開幕】 【残り人数 54名】
◇ ◇ ◇
そこは参加者達がいた密室とはどこか違う薄暗い空間に、先程の黒い影の人物が立っていた。
「こんな感じでどうかな? 同胞よ」
そう話しかける先には更に数人の人影が立っていた。
――問題ない、とだけ聞こえると、その空間にはまた闇が蔓延しだし、男達の姿は見えなくなった。
- 9 :1/ ◆CFbjQX2oDg:2010/12/05(日) 19:05:27 ID:c2RlbDLQ
- 自分の分も以上です。
今後の日程については引き続き議論スレにて話し合いを進めたいと思います。
- 10 :1/ ◆CFbjQX2oDg:2010/12/06(月) 18:02:10 ID:kg1OfXss
- wiki収録分にて、
・参加者の部屋にある扉を両開きの扉だったとの描写の追加
・コトに6時間後との提示放送がある旨を参加者に伝える描写の追加
以上2点の修正を行いました。
- 11 : ◆L62I.UGyuw:2010/12/10(金) 03:31:45 ID:MvB87vHE
- OP案を投下します。
- 12 : ◆L62I.UGyuw:2010/12/10(金) 03:32:26 ID:MvB87vHE
- 「レディース・アーン・ジェントルメーン!! ようこそ、楽しいゲームへ!」
音割れを起こした調子っ外れの大声が響き、同時に大画面の液晶モニターが点灯した。
モニターには野球帽を目深に被った小太りの男が映っている。見るからに意地の悪そうな人相だ。
暗闇に包まれた広いホールを、モニターの光だけが照らしていた。
ホールには大勢の影が見えるが、姿形を判別するには光が弱過ぎる。
それでも明らかに当惑していると判る影の群れに向かって、歓迎するよプレイヤー諸君、とモニターの男は言った。
僅かな間を置いて、誰だお前は何処だここはどういうことだといった声が方々から上がった。
「まあまあ、おれが誰かなんて、そんなことはどうでもいいじゃないか。
ここにいるキミたちは、ゲームのプレイヤーとして選ばれたんだよ。
そのことさえ呑み込んでくれればそれでいい」
モニターの男がにたり、と粘着質の笑みを浮かべる。
「そう、ゲームだ。キミたちにとっては馴染み深いルールのね。
察しのいい人は勘付いたかな? つまり――殺し合いだ。
ゲームの勝利条件は他のプレイヤー全てを殺すこと。手段は問わない。これが基本だよ」
ざわめきの波紋が闇に広がった。
「ただし、細かいルールはキミたちの知るものとは違うから注意して説明を聞いてね。一度しか説明しないから。
まず、地図や食料などのサバイバルに必要な最低限の道具はゲーム開始時に支給するから、ゲームが始まったら各自確認するように。
戦いに使えるかもしれないアイテムも一緒に入れておくけど、これは各々別物だから、開けてみてのお楽しみってことで。
ああ、プレイヤーリストも入ってるよ。名前が載ってるだけだけど、失くしたりすると困るだろうから大事にね。
それとゲームが面白くなるように、キミたちの一部の能力には少し制約を課させて貰った。
余裕があるなら最初に確認しておくべきかもしれないね」
帽子のつばを軽く弄りながら、にやにやと嘲う。
「ゲーム中は六時間毎に全プレイヤーに向けてこちらから放送を行う。最初の放送はゲーム開始から六時間後だ。
これは重要な情報をキミたちに伝えるためのものだからちゃんと聞いておくように。ま、まずは六時間生き残らないと意味ないけど。
放送の具体的な内容は――」
「いけません。おおいけません。こんなことは、神が許されない」
ほとんど悲鳴に近い、嗄れた声が響いた。
一つの影が、頼りない足取りでモニターの前に走り寄る。
一見して神父と判る服装のでっぷりと肥えた老人が、モニターの光に照らし出された。
銀縁の眼鏡がずり落ち掛けている。
彼は泣き出しそうな様子でモニターに向かって訴えた。
「よ、よろしいですか。今すぐ考え直すのです。こんなことをしてはなりません。
罪もない善良な市民の命を弄んでいい道理はありません。理由はありません。
よしんば、り、理由があったとしても、神の使徒であるわたしをこ、殺すなど、そんな暴挙は許されないのです。
しかるに。わ、わ、わたしは、このわたしだけは、無事に帰すべきなのであります。分かりますね? わたしは――」
御老体、と後ろから低い声が掛かった。
いつの間にか、ゆったりとした青い服を纏った長身の男が一人、音もなくモニターの前に進み出ていた。
ほはあ、と間抜けな声を上げて、老神父が振り向く。
「囀るな」
次の瞬間、神父の頭が粉々に吹っ飛んだ。
赤と白と黄の混ぜ物が瞬時に闇色の空間に消えて、びちゃびちゃと嫌な音を立てた。
悲鳴とどよめきが上がった。
青服の男の裏拳が神父の横っ面に叩き込まれたのだと理解出来た者は果たして何人いるのか。
断続的に血を吹き上げながら崩れ落ちる首なし死体を一瞥して、モニターの男が顔を顰めた。
- 13 : ◆L62I.UGyuw:2010/12/10(金) 03:33:02 ID:MvB87vHE
- 「ちょっとちょっと、困るよキミ。まだゲームは始まってないんだから」
「敏なれば則ち功有り。要するに、だ。こいつらを鏖殺すればいいのだろう?」
服の裾を翻し、男は大勢の影が蠢く暗闇に向き直った。
にぃ、と口の端を歪ませ、両の拳を脇に構える。
空気が一変した。
鉛にも似た重圧が青服の男から発せられ、恐ろしい勢いで膨れ上がる。
圧を受けたある者は大蛇に睨まれた蛙の如く硬直し、ある者は負けじと身構え、ある者は涼しげに受け流す。
一触即発。
「おーい、待った。もっと面白い戦いの場を用意してあげるからさ、少し我慢してってば」
置いてけぼりを食いかけたモニターの男が、気の抜けた調子で言葉を投げた。
あまりの緊張感のなさに、一瞬空気が緩む。その隙に、モニターの男は指を鳴らした。
途端、首を失った神父の死体に黒い霧のようなものが纏わり付く。
数秒と掛からず霧は死体を覆い尽くし、そして跡形もなく消し去った。
再びどよめきが上がる。
「これは――『闇』か」
死体の消える様を最も間近で眺めていた青服の男が呟く。
「他の人たちも、こうなりたくなかったら少し静かにしててね。
じゃ、説明を続けるよ。……えーっと、どこまで説明したっけ?
そうそう、放送についてだけど、これはキミたちに二種類の情報を与えるためのものだ。
一つは死亡者の名前、もう一つは進入禁止エリアについて。
死亡者の名前はそのまんま、その放送までの六時間で死亡したプレイヤーの名前を読み上げる。ま、これは解り易いよね。
進入禁止エリアのことなんだけど、これは一ヶ所にずっと隠れ続けるといったつまらない作戦を禁止するルールだと思って欲しい。
後で地図を見て貰えれば判るけど、ゲーム会場は正方形の『エリア』に分かれているんだ。
そしてエリアは放送の度に三つずつ『闇』に呑まれて消滅して行く。『闇』ってのは今見せたヤツね。
時間の猶予は与えるから、指定されたエリアには入らないように。自殺したいなら別だけど。
優勝者が決まる前に全部のエリアが『闇』に呑まれたらゲームオーバーだから、そこは気を付けて欲しい。
ああ、会場の外に出ようとはしないように。そうした場合も『闇』に呑まれるからね。
最後に――優勝賞品について。優勝したら、そのプレイヤーの願いを一つだけ叶えてあげるよ。
大金が欲しい、でもいいし、過去の失敗をなかったことにしたい、でもいいし、誰かを蘇らせたい、でも何でもいい。
どうだい? 太っ腹だろう。やる気になったかい?」
モニターの男が言葉を切った。ホールは水を打ったように静まり返った。
青服の凶人は興味があるのかないのか、仁王のように無言で辺りを睥睨している。
「さあて、そろそろいい時間だ。それじゃあ――」
ゲーム・スタート。
【牧野伸学@銀齢の果て 死亡】
【進行役:ティラノスジャパンのプランナー@BTOOOM!】
【ロワイアル×ロワイアル 開幕】
- 14 : ◆L62I.UGyuw:2010/12/10(金) 03:34:36 ID:MvB87vHE
- 以上です。
首輪と禁止エリアの役割は『闇』に押し付けた形となってます。
- 15 :1/ ◆CFbjQX2oDg:2010/12/10(金) 19:07:12 ID:pSW4ajiQ
- 即、wikiに収録します! 投下乙です! 牧野神父を見せしめに選んだセンスは最高ですw あの神父の演説大好きでしたw
オープニング案の募集は本日23:59までなので、投票用スレッドは予め立てましたが、もし投下される方はお気軽にどうぞ!
- 16 : ◆EASY8BNCiM:2010/12/10(金) 23:48:47 ID:TaPZCVJQ
- 時間ギリギリだけど投下開始ー
- 17 : ◆EASY8BNCiM:2010/12/10(金) 23:51:44 ID:TaPZCVJQ
-
巨大機械「蜘蛛の糸」。
そこに集められた者達の人数は、50。
皆、何かしらの形で「殺し合い」を経験した者であり――同時に、強い『願い』を内に秘めていた。
――ある者は、大切な人を失う事で空いた穴を埋める為に『死者の蘇生』を求め、
――ある者は、確定された死から逃避する為に『死の超越』を求め、
――ある者は、更なる暴力に活路を見出したが故に『永遠の闘争』を求め、
――またある者は、生命の奪い合いを否定し『殺し合いからの脱出』を求めた。
どんな形であれ、彼らは皆『願い』を持っていた。
それはもう、途方も無いほどに大きな『願い』を。
彼らは全員、首に金属製の首輪をはめている。
当然、自らの意志で付けている訳ではない。此処で目覚めた時には、既に装着されていたのだ。
異物が常に肌を触っているという感覚に、彼らの大部分は強い嫌悪感を覚えた。
「――全員、目覚めたみたいだな」
声がした。全員にもハッキリと伝わる程度の大きさだ。
人々は、声の発せられた方向に目を向ける。
そこに居たのは、重苦しそうなコートに身を包んだ初老の男。
彼は、こちら側に向かって不敵な――見ようによっては、見下しているともとれる――笑みを浮かべていた。
「今回君達に集まってもらったのは――ちょっとした『儀式』をしてもらう為だ」
男――ジョン・バックスがニタリと顔を歪める。
これから言う事が、聞く側にとっては衝撃的で、彼がその反応を見て楽しもうとしている証拠だった。
「『儀式』というのは――何、君達にとっては簡単な事だ。
『最後の一人になるまで殺し合う』。どうだ?簡単だとは思わんかね?」
ジョンがそう言い終えた直後、広間はどよめきに包まれた。
――殺し合え?『また』戦わなくてはならないのか?
再び訪れる『死』に恐怖する者、
再び戦える事に歓喜する者、
理不尽なゲームを始めた者に怒りを隠せない者――人々の反応は、多種多様だった。
「さて、詳細の説明に移らせてもらおうか。一度しか言う気はないから、よく聞いておくように。
諸君らにはこれからある場所に行ってもらい、殺し合い――言わば『バトルロワイアル』をしてもらう。
参加者――つまり諸君らには、島での生活で必要不可欠な物――例えば食料、地図を最初に支給しておく。
飢え死にされてもらっては面白くないからな。
あと、武器になりそうな物も2〜3個用意しておこう。
『ライダーデッキ』だとか『魔本』だとかは元の世界で使っていた者にはあらかじめ
それが支給してある。安心すると良い。
さて、気付いた者も多いが――」
「おい!」
ジョンの説明を、一人の男が遮った。
大柄で太った、熊を思わせる男である。
- 18 : ◆EASY8BNCiM:2010/12/10(金) 23:55:31 ID:TaPZCVJQ
- 「何でオレがテメェみたいなジジイの妄言に付き合わなきゃなんねぇんだ!?
そういうのは老人ホームのベッドで言ってろ!」
男はジョンに対して罵声を浴びせる。
老人そのものを侮辱するする様なその物言いに、周辺で座っていた老人達の眉がピクリと動いた。
彼らが少なからず腹を立てているのは、誰が見ても明らかである。
「……ああ…………君の様な人間、一人か二人は出てくると思っていた」
ジョンは先程とは打って変わって、震えた声で言った。
その顔は、民の苦しみを憂う国王のそれによく似ている。
「実を言うとな……本当は私も悲しいのだよ。
同じ人間を殺し合わせる事が非人道的な行為である事は百の承知だ……
だが!それでも私――いや、私達はやらなくてはならないのだ!その為にも……その為にも……!
――――その為にも、君は邪魔だから消えてもらおう」
悪魔が憑依した様な顔つきで、ジョンが言った瞬間――男の首輪から、「ピッ、ピッ、ピッ」と電子音が鳴り始めた。
「さて、改めて首輪の説明をしよう。
その首輪は我々が共同開発した特別な代物でね。ちょっとの事では壊れないし、外す事も出来ない。
あと、諸君らが反抗しないよう――まぁ、必要ないかもしれんが、あらかじめ爆弾が仕込まれている。
爆発すれば間違いなく命は無いだろう」
「なッ……!?何でもっと早くソレを言わねぇ!?」
電子音が無機質に音を刻み続ける。
一刻と間隔が狭まっていく度にに、男の表情は険しくなっていく。
「何、今から言う『禁則事項』に触れなければ爆弾は機能しない。
『禁則事項』は三つ
一つ目は、『禁止エリア』に進入する事だ。
まぁ、これについては後述の放送の時に話すとしよう。
二つ目は、無理に首輪を外そうとしたり、壊そうとする事。
機械はデリケートなのだよ。
あんまりいじくりすぎると、首輪は誤作動を起こして爆発してしまうだろう。
そんな阿呆らしい死に方は諸君らもしたくはなかろう。
三つ目は、主催者に反抗しない事。
神聖な『儀式』の邪魔をされては困るからな。
人を騙す程度なら構わんが、あまり派手にやらかすようであったら、
こちらも強硬手段に乗らざるおえない」
「クソッ……外れねぇ!何とかしやがれクソジジイ!」
「無駄だと言ったのが聞こえんのか……愚か者め。
……まぁ、丁度いい見せしめもいる事だ。『禁則事項』を破ったらどうなるのか、見せてやろう」
ジョンがそう言った直後、電子音の間隔はゼロになった。
――内蔵された爆弾が、起動する。
「…………ッ!!テ――――」
男が言葉を紡ぐ前に、首輪から真空空間が発生し、男の上半身を文字通り『削り取る』。
残された下半身は数秒間、フラフラとよろめいた後、地面に倒れ込んだ。
「フム……やはり『爆発』と言うよりも『爆縮』だな」
平然とした顔で、ジョンは言った。
【吉良義久@BTOOOM! 死亡】
- 19 : ◆EASY8BNCiM:2010/12/11(土) 00:03:11 ID:qWoHMeBc
- ▲▽▲
「では、説明を続けようか」
広間は、しんと静まり返っている。
今、ジョンに逆らう者はもういない。此処で反抗した瞬間に死が確定すると知ったからだ。
「六時間おきに放送を流し、『その放送までに死亡した参加者』と『禁止エリア』を発表する。
禁止エリアは文字通り、『侵入してはいけないエリア』の事だ。
入ったら最後、上半身が削り取られると考えた方が良い。
放送から二時間おきに、放送で発表した箇所が一つずつ禁止エリアになっていく。
無様に死にたくないのなら、放送は聞いておくのだな。
最後に、優勝した者には褒美として『あらゆる願いを一つだけ叶えれる権利』を与えよう。
永遠の命、死者の蘇生、一族の繁栄、人類の滅亡、どんな『願い』でも構わん。
必ず叶えると約束しようじゃないか」
『願いを叶える』という言葉に、人々が反応する。
何しろ此処にいるほぼ全員が、形は違えど『願い』を背負っているのだ。
この最高級の『褒美』に、食いつかない者がいない訳がなかった。
その様子を見て、ジョンが口元を吊り上げて笑う。
さながらそれは、初めてゲームをプレイする子供によく似ていた。
尤も、彼の場合、『ゲーム』とは殺し合いの事を指しているのだが。
「――さあ、『儀式』の始まりだ!五十三の『願い』を踏み台にして自らの『願い』を叶えてみせろ!」
【ロワイアル×ロワイアル 開幕】
▲▽▲
「――さて、これで良かったかね?『オーディン』」
「ああ、問題ない」
ジョンの背後に現れるのは、最後の仮面ライダーであり、
『ライダーバトル』の主催者――神埼士郎の代理人でもある存在『仮面ライダーオーディン』。
参加者達の転送は既に終わっており、この広間に居るのはジョンと彼の二人だけである。
「お前にはこれからも『儀式』の進行役を勤めてもらう。――NOとは言わせんぞ」
「誰が嫌だと言うか……生き返らせてもらった恩を忘れる程、私は無礼ではない」
「……なら良い。良い働きぶりを期待しているぞ」
「――――我々の『願い』の成就も近い。この儀式、必ず成功させなくてはならない」
【進行役 ジョン・バックス@未来日記】
【??? 仮面ライダーオーディン(変身者不明)@仮面ライダー龍騎】
- 20 : ◆EASY8BNCiM:2010/12/11(土) 00:03:44 ID:qWoHMeBc
- 投下終了です
すまぬ すまぬ
- 21 :1/ ◆CFbjQX2oDg:2010/12/11(土) 00:10:08 ID:KLkBz9Vk
- 投下乙です!
ギリギリセーフですw wikiにも収録しておくので!
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