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第二次二次キャラ聖杯戦争(仮) 登場話候補投下スレ3

1 : 名無しさん :2014/07/18(金) 01:21:59 NAFR2K/I0
このスレッドは「第二次二次キャラ聖杯戦争(仮)」の参加者登場話の候補作を投下するスレです。
ここでは雑談等はご遠慮ください。

詳しくは下記スレッドを参照ください。

第二次二次キャラ聖杯戦争
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/13744/1403413693/


2 : アニェーゼ&ランサー ◆/Q5EWoTDcQ :2014/07/18(金) 01:28:46 NAFR2K/I0
【前スレから引き続きこちらに投下します】
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/13744/1404659442/l2



「私の見たところ、かなり高位の英霊のようです。
 あの清廉な闘気――恐らくは騎士、もしくは聖人の類。
 監督役であるNPCが修道女であることから、十字教由来の英霊の可能性も高い……」
「十字教由来の騎士というと、『シャルルマーニュ十二勇士』や『十四救難聖人』の一人、“聖ゲオルギウス”ですかね。
 どっちにしろ、破格の英霊ってことには違いなさそうです」

 サーヴァントの真名考察に、性別や姿形などというものは当てにならない。
 サーヴァントは基本的に最盛期の姿で召喚されるため、例え肖像画が残っていたとしても年代としてズレる可能性はあるし、最悪肖像画に書かれている人物が別人という可能性まである。
 伝承に脚色が加えられ、英霊本来の姿とまったく異なってしまっているのは歴史上でもそう珍しいことでもない。
 男性と伝えられる英雄が女性であったり、矮躯と伝えられる英雄が巨漢だったりと、その例は多分にもれない。

「後ほど教会に出向き、監督役に挨拶しに行くのも良いですね。同じ“主”を信仰するものであるならば、知古になっておくのも悪くない」
「だからって私達ローマ正教<カトリック>に協力してくれるとは思えませんがね。
 あいつらはあくまで“監督役”。聖杯戦争の進行を司る存在であり、特定の陣営に肩入れなんて出来るはずねぇーです」

 でなければ“監督役”という立場、“ルーラー”というクラスの意味がない。
 そしてあれらは聖杯戦争を管理する、<方舟>が用意した代理人だ。
 彼女たちが<方舟>本体から、指令や『意思』のようなものを受信しているとしたら、カトリックであるアニェーゼたちにとってその意に逆らうことは神への反抗同然である。

 ルーラーが我らに害を成すとしたら、それは我らが神の意から外れたときのみであろう。


3 : アニェーゼ&ランサー ◆/Q5EWoTDcQ :2014/07/18(金) 01:30:18 NAFR2K/I0

「シスター・アニェーゼ、我々の目的は?」
「はっ! 『聖杯』を回収し、『方舟』を我らローマ正教徒のもとに持ち帰ることです!
 20億の人々の『安寧』と『幸福』のために!」

 修道女の答えに、神父は高らかに謳い上げる。

「そうだッ! 『方舟』だッ! 『創世記』において“神と共に歩んだ正しい人々”を救い給うた、約束の船ッ! 
 主の寛大な御心が良き人を救った、救済の象徴! これは絶対にッ! なんとしてでもッ!
 我ら“カトリック”が手に入れなければならないッッッ!!」

 歯を見せ吠える神父に、赤毛の修道女は大きく頷く。

「これがろくでもない連中の手に渡ってみろ。
 奴らは神の力の残骸を利用し、浅ましい欲望を満たそうとするだろう。
 我々はそれらを悉く鏖殺しなければならないッ!!
 忌々しいプロテスタントどもや、異教徒どもも同様だ! 渡すわけにはいかんッ! 絶対にだッ!
 『方舟』は我々カトリック、ローマ正教が然るべき方法と然るべき対応を持って管理するッ!
 『方舟』が異端の手で穢されることなどあってはならないッ!!」

 そしてアニェーゼは身を正し、彼の(サーヴァント)の真の名を告げる。

「はい、その通りです。“アレクサンド・アンデルセン神父”」

 それこそがランサー……アニェーゼ・サンクティスが召喚したサーヴァントの真名。
『聖堂騎士』、『殺し屋』、『銃剣』、『首斬判事』、『天使の塵』、出身・人種・年齢全てが不明。
 分かっているのはこの数々のアダ名の他二つだけ。

 彼が化物専門の戦闘屋であり、“不死王”との死闘の末に果てたということ。

 尊敬すべき聖職者を戴けたことは、アニェーゼ・サンクティスにとって紛れも無い幸運であろう。
 これこそが神の導き。聖杯戦争という『試練』を乗り越えよという、神の意に他ならない。

 アニェーゼがこの戦いでの必勝を心中で誓う中―――またしても板張りの廊下が、「ぎぃぃ」と鳴る。
 自分以外が鳴らしたその音に、反射的に少女は身を固めるが―――

 そこにいたのは、眠たそうな瞼をこする、子どもの姿だった。
 どうやらアンデルセン神父との会話で起こしてしまったらしい。

「し、神父様……子どもたちが、起きやがってしまったのです」
「……少々騒ぎすぎてしまったようですね。いやはや申し訳ない。では寝物語に巡礼者イグナチオのお話をしてあげましょう。行きましょう、シスター・アニェーゼ」

 そう答える丸眼鏡の大男の顔は、穏やかな聖職者としてのものに戻っていた。
 異教徒を抹殺する狂信者の面を潜め、神父は修道女とともに童子の手を引いていく。
 今宵から繰り広げられる、闘争を予感しながら。


4 : アニェーゼ&ランサー ◆/Q5EWoTDcQ :2014/07/18(金) 01:31:33 NAFR2K/I0



【クラス】ランサー
【真名】アレクサンド・アンデルセン(HELLSING)
【パラメーター】筋力B 耐久C 敏捷C 魔力B 幸運E 宝具A+
【属性】秩序・善
【クラススキル】
 ◆対魔力:C
 第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。
 大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。

【固有スキル】
 ◆信仰の加護:A+++
 一つの宗教観に殉じた者のみが持つスキル。
 加護とは言うが最高存在からの恩恵はない。
 あるのは信仰から生まれる、自己の精神・肉体の絶対性のみである。
 ……高すぎると人格に異変をきたす。

 ◆洗礼詠唱:B
 キリスト教における“神の教え”を基盤とする魔術。
 その特性上、霊的・魔的なモノに対しては絶大な威力を持つ。
 作中では結界の構築や、聖書のページを利用した空間移動を行った。

 ◆自己再生:C
 リジェネレーション。
 生物工学の粋を凝らした自己再生能力。毎ターンの終了前に小程度HPを回復する。
 回復法術(ヒーリング)との併用により、常軌を逸した肉体の頑強さと再生速度を誇る。


5 : アニェーゼ&ランサー ◆/Q5EWoTDcQ :2014/07/18(金) 01:32:19 NAFR2K/I0


【宝具】
『茨の聖釘(セント・クィリアクス・エレナ)』
ランク:A+ 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人
 エレナの聖釘。ヘレナがゴルゴタで見出した、神の子を磔刑に処した釘。
 神の子の成した奇跡の残り香であり、また奇跡の残骸である聖遺物。
 自身に行使することで聖釘を魔術回路として取り込み、奇跡の残滓を習得する。
 これにより、自我を喪失。自己を純粋な一つの概念と化し、それに伴い肉体を再編成する。

 アンデルセンの場合、再編成された姿は神罰を執行する茨の化物である。
 茨から放たれる紅蓮の炎は“心の中の世界”や“心象風景”すらも炎上させる“固有結界殺し”であり、異端共の悉くを焼き滅ぼす。
 再生能力に至っては頭部を完全に破壊されても瞬時に再生する程であり、釘と同化した心臓を完全に破壊しない限りセイバーは現界を続ける。

【Weapon】
『無銘:銃剣』
 アンデルセン神父を象徴する武器。洗礼術式が施されており、対魔特攻能力を有する。
 銃剣ではあるが銃に装着せず手に持って使用され、格闘戦のみならず投擲にも用いられる。
 鎖に爆薬と共に括りつけて攻撃する「爆導鎖」などのバリエーションがある。

 マスターであるアニェーゼとの教義的親和性や、マスター適正の高さもありその残弾が尽きることはない。


6 : アニェーゼ&ランサー ◆/Q5EWoTDcQ :2014/07/18(金) 01:33:40 NAFR2K/I0

【人物背景】
 悪魔退治、異教弾圧、異端殲滅を目的とする非公式特務実行部隊、第13課<イスカリオテ>が誇るヴァチカン最強戦力。
 “聖騎士”、“首切り判事”、“天使の塵”といった数々の異名を持つ猛者であり、最強の吸血鬼である“不死王”と互角の戦闘を繰り広げた。
 彼の戦闘スタイルは愛用の銃剣を用いた接近戦及び投擲である。
 並みの吸血鬼ならば一撃で葬る程の筋力を誇っており、銃剣の投擲は銃弾を避ける吸血鬼を捉え通った側にある窓ガラスを粉砕したことから音速を超えていると思われる。
 戦闘力、精神力共に最高クラスの人間であり、かの“不死王”さえも素晴らしいと称賛する程の実力者である。
 激戦の末“不死王”を敗北寸前まで追い詰めるものの、エレナの聖釘を使用した以降の戦いは人間vs化け物ではなく化け物vs化け物の戦いであり、人間に倒されることを望む“不死王”を大いに憤慨させた。
 最後には復活した“不死王”に心臓を粉砕され敗北した。

【サーヴァントの願い】
 聖杯、及び方舟をローマ正教<カトリック>の手により管理する。
 異端、異教徒は死ね。化け物も死ね。
 無宗教者は神の教えを知らぬ無知なる人、可哀想な人なのでまぁ許す。
 全ては20億の人々の安寧と幸福のために。

【基本戦術、方針、運用法】
 異端、異教徒、化物、神の敵に対しては一切の慈悲も与えず排除する。
 アニェーゼは基本援護に徹し、前線はアンデルセンが受け持つ。


7 : アニェーゼ&ランサー ◆/Q5EWoTDcQ :2014/07/18(金) 01:34:45 NAFR2K/I0


【マスター】
 アニェーゼ・サンクティス(とある魔術の禁書目録)

【参加方法】
 ローマ正教から『ゴフェルの木片』を譲渡され、「聖杯、及び方舟」回収の任務に就く。
 ゴフェルの木片は十字架の形に加工されており、アニェーゼが身につけている。

【マスターとしての願い】
 聖杯、及び方舟をローマ正教<カトリック>の手により管理する。
 全ては20億の人々の安寧と幸福のために。

【人物背景】
 十字教旧教三大宗派のひとつで、魔術サイド最大勢力、ローマ正教(カトリック)のシスター。
 幼いながらも252人からなるシスター部隊のリーダーである。年齢は12-14歳。
 異端者扱いされていたシスターを私刑(リンチ)にかけるなど残虐な面が見られ、一度火が点けばトコトン炎上するドSである。
 元々はミラノに住んでいたが、幼い頃に事件で両親を殺され、ローマ正教に拾われるまで路上生活者となっていた。
 そのため信仰心はかなり強く、異教徒を“猿”と呼ぶ友人にすら「寒気を感じさせたほどの信仰心を持つ」と言わしめ、仕事の報酬を聖書の印刷代に当てた上、それを古びた教会に手渡しで配り回っていたほどの敬虔なローマ正教徒である。
 余談であるが、父親は神父であったらしい。


8 : アニェーゼ&ランサー ◆/Q5EWoTDcQ :2014/07/18(金) 01:36:42 NAFR2K/I0

【weapon】
 蓮の杖(ロータスワンド)
 アニェーゼの用いるエーテル(第五物質)の象徴武器。
 エーテルを扱うと同時に、他の四大元素全ての武器としても使用できるという特色がある。

【能力・技能】
 蓮の杖に与えた衝撃を瞬間移動させる攻撃と、杖をナイフで傷つけることで空間を裂く攻撃などを使用する。
 原理としては「偶像の理論」の応用で、杖の象徴するエーテルが万物に似ていると言う特性を生かし、空間そのものに作用しているらしい。
 ようは呪いのわら人形の類で、杖を傷つけることで連動し他のものを同時に傷つけることができる。
 多少のタイムラグがあるものの、攻撃の軌道が見えないため防御は困難。
 また空間を直接叩けるため、鎧のような防具を無視して直接ダメージを与えられるのも強みの一つとなっている。

 Tutto paragone. Il quinto dei elementi.  Ordina la canna che mostra pace ed ordina.
「万物照応。   五大の元素の元の第五。 平和と秩序の象徴『司教杖』を展開」
 Prima.   Segua la legge di Dio ed una croce. Due Cose diverse sono connesse.
「偶像の一。   神の子と十字架の法則に従い、   異なる物と異なる者を接続せよ」

【方針】
 神父様に従う。
 252人の部隊を率いていたとはいえ、バチカン最強戦力であるアンデルセン神父には敵わないと知っているためである。

※アニェーゼたちは「孤児院 フェルディナントルークス院」を拠点としているようです。
※アニェーゼたちの表向きの設定は、孤児院を運営する神父とシスターということになっているようです。


9 : アニェーゼ&ランサー ◆/Q5EWoTDcQ :2014/07/18(金) 01:39:30 NAFR2K/I0
以上で投下終了です。

アンデルセンのデータに関しては皆鯖スレのものを引用させていただきました。
(ほとんどイジるところのないくらい完成度が高かったのと、自分が作っても凡そ同じデータになってしまっていたと思うので)

アンデルセン神父がランサーなのはアレです。自分で自分に釘を刺すからランサです。


10 : ◆kiwseicho2 :2014/07/18(金) 01:42:11 X4lq9XnI0
新スレ乙です ライダー投下します


11 : 三好紗南:ライダー ◆kiwseicho2 :2014/07/18(金) 01:42:54 X4lq9XnI0
 

「えっ! 新作ゲームの発表会!?」
「そうだ紗南。先方からの願いで、ゲストとして是非に、ということらしい」

 たくさんのアイドルが所属する大手アイドル事務所、モバイルプロ。
 その本拠地たるビルの3Fにある第3休憩室は通称ゲーム部屋と呼ばれており、
 ゲーム好きなアイドルが休憩中やオフの日に集まっている。
 この日も例に漏れず3人のアイドルが中心でスマブラをしていた。そしてそのうちの1人、
 1Pコンを操るゲーマーアイドル三好紗南(みよし・さな)が、突然プロデューサーに仕事を告げられたのだ。

「お前がアイドルを初めたばかりのときにも一回やったが、今回のはもう少し大手だ。
 この前の仕事での格ゲープレイ風景が目に留まったらしい。会場でテストプレイもしてもらう」
「新作の格ゲー? しかもアケゲーをやれるの!? どこのやつ?」
「それはサプライズだ。アーケードの格闘ゲームなのは当たりだが、
 向こうの意向で、製作会社やゲーム内容は本番まで伏せる約束でな」
「サプライズ! そりゃまた面白い仕事だね。ゲーマーへの対応が分かってるっていうか」
「……なにそれ。クソゲーなんじゃないの?」

 と、ソファーに寝転びながらB連打で遠くからレーザー光線を打っていたニートアイドル、
 2Pコンを操る双葉杏(ふたば・あんず)がプロデューサーの仕事説明にツッコミを入れる。

「内容伏せるって、紗南が知らないゲームの続編とかだったら呼んだ意味ないじゃん」
「一応あたし、ひと通りのアケゲーは触ったことあるけど……」
「いや、クソゲーじゃないぞ杏。俺も少し触らせてもらったがバランス調整もいい感じだ」
「ほんとにー? 素人目線じゃそうかもしんないけどさー」
「いいえ杏さん。プロデューサーがそう言うなら、かなり信頼できますよ」

 ぐだぐだ絡んでくる杏に反論したのは、
 3Pコンを操ってシステマチックにCPUをスマッシュしたプチ理論系アイドル、橘(たちばな)ありすだ。
 適当に連打される杏のレーザー光線をバリアで吸収しつつ紗南もありすの言葉に頷く。

「だね。引きこもってたのを連れ出された杏さんはともかく、 
 あたしとありすちゃんは元々ゲーセンでスカウトされたわけだし。Pさんけっこう強いんだよ?」
「私は正確には応募面接です。偶然ゲームセンターで遊んでいた時に名刺を渡されて、
 それをお母さんに見せたら本気にしてしまって……けしてゲーセン通いだったわけでは」
「そんなに強いなら4P入ってみてよプロデューサー。杏は直に見るまでは納得しない派だよ」

 結局タイムアップとなって試合は終了。紗南1位ありす2位杏3位。
 キャラ選択に戻った画面を前に、
 ゲームキューブに繋がれながらも誰も操作していない4Pコンを杏が指差す。
 指差すだけで渡したりはしないのが、さすがはものぐさな杏といったところだろうか。
 ドアのそばに立っていた彼女らのプロデューサーは「そこまで言うならストック5で、一戦だけな」
 と言いながら床に散らばる雑誌やお菓子の空き袋を避けつつ、画面の前にやってくる。

「じゃー仕切り直してっと。あたしはやっぱりゲームアンドウォッチ!」
「おっ、なかなか渋いな紗南。じゃあ俺はトゥーンリンクとしゃれ込むかな」
「舐めてんの? 悪いけど私、今回は本気だよ」
「ほう杏の本気はマルスか。なるほどな。でありすは……」
「橘です」
「ありすはさっきと同じくピーチか。かわいいじゃないか」
「だから、橘です。それにピーチは可愛いだけじゃなくて、強キャラでもあるんですよ」
「よーしみんなキャラは決まったね? じゃストック制に変えて……ステージはどうする?」

 終点1票、ハイラル神殿3票で神殿になった。

「ちっ神殿か」
「さすがに終点はガチすぎると思うよ杏さん……」
「やるときはガチでが杏の信条なのさ。プロデューサー、賭けしようよ。
 杏が勝ったら来週全部オフにしてもらう。負けたら来週全部仕事に出る」


12 : 三好紗南:ライダー ◆kiwseicho2 :2014/07/18(金) 01:44:22 X4lq9XnI0
 
「大きく出たな。いいぞその勝負乗った!」
「プロデューサーさん、そんな安易に乗っていいんですか? 杏さんはホントに強いですよ」
「俺を信じろ橘!」
「ありすです」
「え?」
「あれ?」
「えっと……グダグダになりそうだからもう始めるよ! それじゃあ――ファイトぉ!」


◆◇◆◇


「見つけましたよプロデューサーさん! どこで油を売っているのかと思えばスマブラだなんて!
 なにやってるんですか! 時は金なり、一分一秒が明日の自分への投資だと思って行動しないと!」
「げっちひろさん」

 ――三十分後。
 白熱のあまり3戦目に突入していたアイドル&プロデューサーのスマブラ大会は
 事務員である千川ちひろの一声によって終わりを告げることとなった。
 もとより十数人のアイドルを一手に引き受けてプロデュースしている身であるプロデューサーに、
 本業ではないゲームにうつつを抜かせるだけの休みの時間は無いのである。
 事務員は非情であった。

「もう早くしてください!
 のあさんが第1休憩室の方で12分も前からスタンバイしてるんですよ!」
「ご、ごめんなさいちひろさん! 今度何か奢るんで許してください」
「じゃあ夏影屋の期間限定1日40人しか買えない噂の金色の水羊羹でお願いします。
 それと謝るのは私ではなくてのあさんにですよ! さあ行きましょう!」
「さりげなく入手難易度Aランクのものを要求された気がしましたが確かにその通りです!」

 掛け合いも早口に、
 蛍光グリーンの事務服が翻ったかと思えばプロデューサーを連れ出してしまった。
 ドアが開いてからおよそ30秒の出来事であった。
 スタートボタンを押してポーズをかける暇もなく、残された3人のアイドルはぽかんと口を開ける。
 神殿の聞きなれたBGMだけが単調に部屋に鳴り響いていた。
 残機はプロデューサーが3。
 杏と紗南が2、ありすは1。ちなみにここまでの戦績は、プロデューサーのほぼ一人勝ち。

「……勝ち逃げしやがった!」
「まさかスマブラが本領だったとはねえ……」
「最後なんて3人で狙いに行ってたのに、まったく歯がたちませんでしたね」

 杏が叫び、紗南が感嘆し、ありすが呆れた。
 ちなみに杏の来週の予定もすべて仕事で埋まってしまった。

「嘘だ〜、杏のマルス使いとしての4年間の研究が〜」
「あたしもゲームアンドウォッチ自信あったんだけど、久しぶりに触ったPさんに負けるなんてねー。
 アーケードのときは勝てたけど、もしかしたらあれもスタッフの目とか気にしてたんじゃ……」
「動きが完全に動画で見るレベルでしたよ。
 プロデューサーさん、かなりのゲーマーだったのかもしれません」
「くっそー、絶対また今度リベンジしてやる……って言ってもプロデューサー、いつ休みなんだろ」

 ぽつりとつぶやく杏。
 言われて紗南もありすも、はっと気づく。
 例えば今日3人はオフだからこうして集まってスマブラに興じていたが、
 プロデューサーは仕事をしていた。そして来週もずっと仕事をするつもりらしい。
 そしてアイドル活動を始めてからこっち、3人はプロデューサーが休みの日に出くわしたことはない。


13 : 三好紗南:ライダー ◆kiwseicho2 :2014/07/18(金) 01:45:23 X4lq9XnI0
 
「プロデューサーって……休んでるんでしょうか?」
「杏さんは見たことある? あたしたちの中じゃ一番古いけど」
「うんにゃ、ないね。強いて言うなら、
 事務所に設備メンテナンスの人が来る日に半休取ったのを見たくらいかな」
「そういえば栄養ドリンクをよく飲んでますけど、もしかしてそれだけで大丈夫なつもりなんじゃ……」
「ちょっと心配だねぇ」

 言いながら紗南はゲームキューブの電源を切る。
 画面は消えて真っ黒になる。
 
「見た感じ、Pさんは楽しんでるみたいだからまだいいけど……」

 楽しい時間だってずっと続けていたらオーバーヒートする。
 ゲームは時間を守ってやるからこそ楽しい。というのが紗南の持論だ。
 ――休み無しでぶっつづけプレイしてでも自分たちを育てようとしてくれるのは嬉しいけど、
 それでオーバーヒートしてめのまえがまっくらに! なんてENDじゃ洒落にならない。
 大人だから、紗南のプロデューサーもきっと分かっているとは思う。
 でも、ゲーマーってのは本質的に無茶が大好きな生きものでもある。

「……電池が切れる前に、ちゃんと休みを取らせてあげたいなあ」
「そうですね」
「って紗南。もう止めるのー? 杏まだ疲れてないよ」
「杏さん。来週ずっと仕事なら今日は休んどいたほうがいいんじゃない?」
「む、一理あるな」

 大人気なく抗議する杏をたしなめつつ、
 紗南はきちんとディスクを外してパッケージに入れ、TVの横のソフト棚に戻していく。
 ここにあるだいたいのソフトとゲーム機は杏と紗南が家から持ってきたものだ。
 アーケード格ゲーの移植もかなり揃っている。
 今日はもう終わりだが、明日からちょこちょこと色んな作品をプレイして
 「慣れ」を作っておかないとな、と紗南は思った。

「さて。Pさんは心配だけど、せっかく取ってきてくれた仕事だし頑張んなくちゃね。
 どんな新作がきてもいいように――久しぶりに格ゲー100本抜きといこっかな!」
「おー。さすがゲーマーアイドル」
「……心配と言えば。紗南さんも杏さんも、ニュース見ましたか?」
「?」
「なんかあったの?」

 と、どこから取り出したのかiPadをいじっていたありすが新たな話題を出す。
 諜報系アイドルの八神マキノほどではないものの、ありすもニュースには敏感なたちだ。
 ありすはちょっと操作して、iPadの画面にいま話題のあるニュースを写した。

「それがですね……“月に黒点が出た”って話なんですけど……」
  

◆◇◆◇ 
 

「――遅れてすいませんのあさん!」

 勢いよく扉を開けて中に入る。
 事務所の1階にある第1休憩室は仕事前のスタンバイをするアイドルのための場所だ。
 基本的には移動待機のアイドルのみが居るため人は少なく、
 実際、千川ちひろに背中を押されながらプロデューサーが部屋に入ったときも、そこには2人しかいなかった。

「のあさん……と、芳乃?」
「……遅いわよ」
「おやおやー、お急ぎでしてー?」


14 : 三好紗南:ライダー ◆kiwseicho2 :2014/07/18(金) 01:46:20 X4lq9XnI0
 
 ただ、珍しい取り合わせと珍しい位置取りだったので、プロデューサーは驚いた。
 我が道を行くミステリアスアイドル高峯(たかみね)のあはこれから仕事があるので居るのは当然だが、
 その隣に、依田芳乃という新人アイドルが居て、しかも二人で暮れ時の空を見上げていたのだ。
 依田芳乃(よりたよしの)――神様系アイドル。と人は言う。
 どこか超然としたゆったりさを持つ少女。
 プロデューサーがスカウトをすることを読んで自分からスカウトされにきたという謎の能力を持っている。
 いまいち本性がつかめないという点では確かに高峯のあと似通っているが……。

「二人とも、なんで空を?」
「のあさんが天体観測が趣味とおっしゃってたのでー。わたくしにもご教授願おうかとー」
「あー、そうでしたね……でもまだ夜には早いですけど……」

 どうやら芳乃が天体観測に興味を持ち、のあさんの所に来ていたのだと知り、
 プロデューサーはとりあえず謎が解けたような気分になった。それでも、星を見るにはまだ早い。

「月をー。見ていたのですよー」

 見ていたのは、薄く見え始めた、月だと言う。
 
「……月の黒点。知っているわよね」
「ニュースになってたやつですか? あれもあれで不思議な話ですよね……。
 月にとつぜん黒点が観測されて、学者が騒いでるって。
 太陽に黒点が出来るのは原理が分かってますけど、月に出来るもんなんですかね?」
「あれは黒点ではないわ」

 高峯のあが断定的に言った。

「……あれは、方舟よ」
「方舟?」
「のあさんの話ではー、その見えない船が光を遮っているから、黒点に見えるらしくー」
「芳乃も……月に悪いものを感じていたから。……話していたわけ」
「なんだかいつにも増してよく分からない話ですね」

 月に方舟? のあさんだけにノアの方舟だって?
 ファンタジーすぎてプロデューサーは頭が痛くなりそうになったが、
 この二人は不思議な話が不思議と様になってしまっているので笑い飛ばすこともできない。
 ので、話題を変えることにした。

「えーっと。月がなんだか大変なのは分かりましたけど、それと仕事とは別です。行きますよのあさん」
「……」
「のあさん?」
「……関係しているわ。P」

 しかし失敗した。二人とも深刻な顔でプロデューサーの方を見る。

「この事務所のアイドルがー、“月に引かれている”のですよー」
「月は願いを吸い上げ、事変の光を降らせようとしている。アイドルの願いも、きっと餌」
「……???」
「ゴフェル……“木製のもの”に不用意に触らないこと。……私から言えるのは、これだけ」

 そこまで言うとのあさんは芳乃に手を振って、プロデューサーの方に歩いてきた。

「話は終わり。知ったわね。ならば、行きましょう」

 どうやら仕事に行く気になったらしかった。切り替えの早いのあさんだった。
 だけど、高峯のあ言葉に慣れてきていたつもりのプロデューサーもさすがに困惑した。
 木製のものに気を付けろ、って。紙ですら木からできてるのに、気を付けろったって無理な話だ。

「えっと……のあさんが言うなら、俺も気をつけますし、みんなにも言っときますけど。
 その、もし……不用意にその、木製のものに触ったりしたら――」


15 : 三好紗南:ライダー ◆kiwseicho2 :2014/07/18(金) 01:47:30 X4lq9XnI0
 
 どうなるんですか?
 その問いに答えたのは、のあさんではなく芳乃のほうであった。
 部屋から出ていく二人を追うような声で、ぽつりと呟く。

「神隠し――で、済めばいいのですけどー……」


◇◆◇◆


 それから。
 アイドルたちと彼女たちのプロデューサーは、助言になるべく従った。
 とくにプロデューサーは気を使った。
 木製のものをどうしても触らなければいけないときには、率先して手袋をして彼が触りに行った。

 道端に謎の木片が落ちていたといった報告が何件かあった。
 その都度回収しにいき、マッチで燃やそうと試みたが燃えなかった。
 いよいよもってオカルトじみてきた。
 巫女アイドルの道明寺歌鈴(どうみょうじかりん)に頼んで、彼女の実家の神倉に厳重に封じることにしたが、
 封じてもらってから一日経つと箱の中から消えているという現象が繰り返された。
 そして、同じような木片がまた別のアイドルに発見されるのである。プロデューサーは頭を抱えた。

「オカルトアイテムだって言ってオークションに出したら売れませんかね?」
「勘弁してくださいよちひろさん……」

 冗談だか冗談じゃないんだか分からない千川ちひろの言葉にも軽口で返せない。
 仕方なくvs厄災の最終兵器たる幸運アイドル、鷹富士茄子(たかふじかこ)の力を借りることにした。
 彼女の一筆を込めたお札を事務所の周囲の四方に貼り、結界を張ったのである。

「私の書いたお札で効果があるかは分かりませんけど……」

 効果はてきめんだった。事務所の周囲に関しては謎の木片の襲撃は止んだ。
 札をアイドルたちにも一枚ずつ、肌身離さず持っておくように言い聞かせて、ようやく安心かと思われた。
 その間にも三好紗南は格ゲーを色んな方面から順に遊んだ。
 鉄拳から、ブレイブルー。ストリートファイターに閃乱カグラ、メルブラ。P4U、ギルティ、サムスピ、etc...
 およそ格ゲーと言われれば想像されるタイトルを総なめするのに、本番までの全日を費やした。

 そして――新作発表会当日。

「衣装はOKか。紗南、お札は持ったな?」
「うん! オッケーだって、Pさん。心配性だなー」

 三好紗南は舞台袖で待機している。衣装はゲームを意識した彩りあるポップなものだ。
 段取りとしては、指示に応じて舞台に上がり、筐体に座ってゲームをする。
 筐体はサプライズのためにプレーンなもの。リアクションはアドリブで。簡単ゆえに難しい仕事だ。
 だがプロデューサーは、紗南が格ゲー順遊をしてこの仕事に備えていたことを知っている。
 それだけの強い想いを以って望んでくれたことを知っている。
 だから心配はしていない。心配しているのは、未だ消えない月の黒点についてだけだ。

「心配もする。俺は紗南がいきなり俺の前から消えたりなんかしたら、ぶっちゃけ泣くぞ」
「消えたりなんかしないって! 不思議な木片も最近は見てないし……」

 紗南はお札を張る前、最も多く木片に遭遇している。

「今からあたしが触るのはゲーム。木製のものなんて、これっぽっちもないんだからさ」
「それは分かってるが……」
「三好さーん、出番で―す」
「あ、はーい」


16 : 三好紗南:ライダー ◆kiwseicho2 :2014/07/18(金) 01:48:54 X4lq9XnI0
 
 企画スタッフの声がプロデューサーの心配を遮る。
 返事をして舞台に駆けていくアイドルに対して、プロデューサーにできるのは、見送ることだけだ。
 プロデューサーは紗南に叫ぶように言った。

「――帰ってこいよ、紗南!」
「うんっ!」

 気持ちの良い返事をして、三好紗南はステージへと上がった。
 そして、それが紗南と、紗南のプロデューサーがこの日交わした、最後の言葉となった。

 一瞬だった。

 筐体の前に座ってスタートボタンを押した紗南を、
 “ゲーム画面から飛び出てきた手が、画面の中に連れ去った”。


◆◇◆◇


 ――飛行船が、飛んでいた。
 月を望む舟の中。
 つくられた仮想世界。 
 その空に。飛行船が飛んでいた。その名称にノアの名を含む、航空空母。

「少々手荒な真似をしてしまったな、少女よ」

 内部、広い視野で空を眺める操艦室にて、飛行船の主は少女に謝罪する。
 ゲーム風のポップな衣装を着た少女、三好紗南は、
 何が何だか分からぬまま顔を上げ――たった今自分に声をかけた男の姿を確認すると、
 あまりの驚きに目を点にして、三回ほどまばたきをした。

「……な、に、これ。嘘?」
「嘘ではない。そして現実でもない。ここはゲームの中、君はプレイヤーだ」
「え……?」
「塵となり漂って……およそ二十年経ったか。クハハ、ついに復活ということだよ。
 私は再び、この地にて求め得るのだ。世界を掌握する力。私の望む悪の完成を」

 リアルすぎる質感を持った、目の前のゲーム・キャラクター。
 あまりにも有名なそのキャラクターを、三好紗南は当然知っているし、使ったこともある。
 真ん中分けの金髪。発光する右目。紳士風の口髭。
 鍛えられた肉体を、ワインレッドのスーツで包む。その性質は悪。求めるものは、力。

 ルガール・バーンシュタイン。
 KOF(ザ・キング・オブ・ファイターズ)シリーズ初作のラスボスを担う、最大の悪役。

「これを見たまえ」

 今だ状況把握ができない紗南に向かって、ルガールはスーツの袖をまくった。
 その腕に、紗南の見たことのない刺青が、三画。いや、知っている。これは――。
 Fateシリーズ。聖杯戦争。

「令、呪」
「そう。よく知っている。そして月の聖杯戦争も君は知っているな? ルールはおおむね、それと同じだ。
 ひとつ例外は。私がこの令呪を前のマスターから奪い、従者から主へと変質した存在だということくらいか」
「令呪を……マスターから奪った?」
「オロチの力でさえ取り込んだ私が令呪を取り込めぬ道理はない」
「なら、前のマスターは――」
「死んだよ。私を使役しようなどという不届き者が、生きていられるはずがあるまい?」

 もっともそれによって少々ペナルティを負ったがね、とルガールは笑う。


17 : 三好紗南:ライダー ◆kiwseicho2 :2014/07/18(金) 01:50:06 X4lq9XnI0
 
「ここは……ホントにゲームの中なの?」
「ゲーム機に吸い込まれたのを覚えているだろう?
 それが、ここがゲームの中だと言う何よりの証明ではないかね」
「じゃあ何? あたしのプレイしようとしてたゲームは、KOFとFateのコラボゲーだったって?
 しかもプレイヤーをゲームの中に連れてくるようなハイスペで――って、さすがにありえないでしょ」
「だが、ゲームであることは確かだ。その証拠に、コントローラーもある」

 ルガールは紗南に向かって懐から取り出した物体を投げた。
 それはレバーといくつかのボタンがついた、アーケードゲームの操作盤部分のみのもの。
 いわゆるアケコンと呼ばれるものだ。――そしてこれは、ルガールのペナルティの一つだった。
 マスターを殺し、礼呪を奪ったルガールへの枷は三つ。

 ひとつ、彼が召喚できるサーヴァントはムーンセルからは選べない。
 ふたつ、魔術師ではない彼には正規の手順ではサーヴァントを召喚するすべがない。
 みっつ。ルーラーの令呪によって。
 彼は戦闘時、自らの意志で体を動かすことが、できなくなってしまった。


「令呪を以って命じる。『私を乗りこなせ、ライダー』」


 ゆえに彼は探さなければならなかったのだ。自らを乗りこなせるライダーを。
 自分を動かせる人物をこの地に連れてくる方法を。
 そして見つけた。三好紗南を。そして、方舟に至る鍵をゲーム機のプログラムに紛れさせる方法を。

「ぐ……ああああああっ!!??」
「言っておくが君に選択肢はない。この空母は私の死に連動して爆破される宝具。
 私を使って勝たねば、君に待っているのは死のみだ。もちろん私がマスターである以上勝手には死なせんがな」
「……あ、悪趣味なっ……お仕事だね……っ!」

 令呪による強制の魔力が、紗南にアケコンを掴ませる。
 それを投げ捨てることはもうできない。
 三好紗南はエントリーしてしまったのだ。一切の負けが許されぬ殺戮のロワイアル。
 ひとかけらも望んでいなかった殺し合いのゲーム。
 月を望む、聖杯戦争に。



 
「さあ、始めよう。ザ・キング・オブ・ファイターズ2014を」

               「ああもう、誰かこの人倒してよ! でも2147+Kで6割ね……!」


   
 
 “――――ルガール・バーンシュタイン&ライダー GAME START!!”



.


18 : 三好紗南:ライダー ◆kiwseicho2 :2014/07/18(金) 01:52:08 X4lq9XnI0
 
【クラス】
 ライダー
【真名】
 三好紗南@アイドルマスターシンデレラガールズ
【パラメーター】
 筋力E- 耐久E- 敏捷E- 魔力E- 幸運E- 宝具E-
(聖杯補正ゼロの一般人。このパラメーターは目安であり、実際はもっと低いと思われる)
【属性】
 秩序・善
【クラススキル】
コントローラー:C
 どんなゲームでも使いこなし、キャラを乗りこなすことができるスキル。
 騎乗スキルの代わり。ランクCの紗南は一般人より上手くゲームを操作できる。
対魔力:-
 対魔力はない。
【保有スキル】
ゲーム知識:B
 レトロから最新まで様々なゲームを遊んで得た知識。
 相手がゲームの登場キャラクターであれば、その真名や性質を暴くことは容易い。
アイドル:C
 カリスマに似た人を惹きつける力。
 ランクCであれば2000人規模のステージを1人で湧かせることができる。
【宝具】
 宝具は存在しない。
【weapon】
 三好紗南はゲームスキルとアイドルスキル以外は一般的な女の子である。
【人物背景】
 アイドルマスターシンデレラガールズより参戦。14歳、属性はパッション。
 ゲーマーアイドルとして売り出されている。格ゲーにとどまらずほぼ全ジャンルをやってるようだ。
 ゲームネタを絡めたメタネタもときに繰り出す油断ならない言動をする。
 格ゲーの腕は特別高いわけではないが、一般人よりはもちろん上。
【サーヴァントとしての願い】
 強いて言うなら、プロデューサーに休みをあげたい。
【基本戦術、方針、運用法】
 マスターで呼ばれるはずが、なんとサーヴァントになってしまった。
 正式手順での召喚ではないため、霊体化もできなければステータスも普通の人間。
 とりあえずルガールとの契約をどうにか破棄するのが第一。そのあと帰る方法を探すしかないだろう。
 しかし、ルガールが殺されると空母は爆発し巻き添えで死ぬ。令呪を使いきらせるには……?
 

【マスター】
 ルガール・バーンシュタイン@KOF'95
【パラメーター】
 筋力A 耐久C 敏捷C 魔力A 幸運B 宝具A
【属性】
 混沌・悪
【クラススキル】
騎乗:E
 もともとは飛行空母を所有していた逸話からライダーのクラスで召喚されていた。
 が、他に特別な逸話もないためランクは低い。
対魔力:B
 魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。
 大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。


19 : 三好紗南:ライダー ◆kiwseicho2 :2014/07/18(金) 01:53:09 X4lq9XnI0
 
【保有スキル】
アビリティハンター:A+
 力を求め、貪欲に様々な能力や技を自分のものにしてしまうスキル。
 倒した相手の技を中確率で取得する。また、倒した相手から魔力を奪い取る。
 その他、外部からのどんな強化も受け入れる強い器がある。
 ただし限界点はあり、ルガールが制御しきれない力を得てしまうと狂化することになる。
単独行動:A
 マスター不在・魔力供給なしでも長時間現界していられる能力。
 自分だけでは制御しきれないオロチの暗黒魔力を現界のコストに使うことで高いランクを得た。
悪の美学:B
 けして改心することのない、ぶれない純粋悪の姿勢。
 Bランク以下の精神干渉を無効化し、また属性「秩序・善」のサーヴァントに対して有利を得る。
【宝具】
『巨大航空母艦ブラックノア』
 ランク:E 種別:対軍宝具 レンジ:49 最大補足:100
 ルガール・バーンシュタインが所有していた巨大な飛行空母を召喚する。
 ステージとしての描写しかなかったので、飛行船として飛ばせるだけで戦闘能力はほぼない。
 ルガールの敗北をフラグとして内部の自爆装置が発動する。魔力消費が著しい。
『隠された操作盤(シークレット・キャラクター)』
 ランク:E 種別:対人宝具 レンジ:0 最大補足:0
 ゲームの操作キャラクターであった逸話が再現された宝具。
 アケコンの形を取って、他人に渡して操作させることで格ゲー仕様の動きを取ることができる。
 ただし操作キャラとしてのルガールは本来のステータスより低いダメージしか与えられない。
 ルーラーの令呪によって、ルガールはこの宝具に操作されない限り戦闘が行えない。
『KOF(ザ・キング・オブ・ファイターズ)』
 ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:49 最大補足:100
 格闘大会ゲームの主催者であった逸話が固有結界となった宝具。
 範囲内に居る参加者の動きを著しく制限する代わりに、前述の『隠された操作盤』を配布する。
 また、すべてのサーヴァントとマスターの頭上にHPゲージ・魔力ゲージが可視化する。
 マスターの格ゲー適正が問われる固有結界。魔力消費が大きく長くは使えない。
【weapon】
 ゴッドブレス、ジェノサイドカッターなど多くの必殺技を持つ。
 詳しくはルガール・バーンシュタイン - ニコ百 (ttp://dic.nicovideo.jp/id/297032)
 などの技一覧を参照。94-95年度までの技は確実に使える。
【人物背景】
 ブラックマーケットを牛耳る闇の武器商人。格闘大会KOF'94-95の主催でありラスボス。
 94'では優勝チームを石像これくしょんしようとしていた。負けて空母ブラックノアと共に自爆、
 しかしサイボーグ手術で生き返り、不完全だったオロチの力(すごい暗黒パワー)を完全に手にして
 「オメガ・ルガール」として復活、95'の優勝者と戦う。ここでも敗北し、オロチの力に体が耐えられなくなって
 塵と化して消えた。しかしそのあと塵の状態で世界を漂っていたらしくムーンセルに召喚される。
【ここまでのあらすじ】
‐サーヴァントとして召喚されたものの、使役されることを嫌ったルガールはマスターを殺害。
 アビリティハンターのスキルでマスターの令呪を奪い取ることでマスターの資格を奪い取った。
 サーヴァントの能力を持ったマスターの誕生だ。
 だがそんなことが横行しては聖杯戦争のルールが崩壊してしまう、
 と判断されたルーラーによって、『自発的な戦闘行為の禁止』という命呪を下される。
 また、ムーンセルもマスターと化したルガールにはサーヴァントを宛がわないという裁定を下した。
‐事実上の無力化を宣告され、それでもルガールは諦めなかった。
 自分で戦えないなら誰かに動かしてもらえばよい。それだけの話である。
 図書館の情報からゴフェルの木片を使って方舟に人を呼べると気づいたルガールは、
 自らの出展であるアーケード筐体を媒介にゲーマーを連れ込むことに成功したのだった。
【マスターとしての願い】
 より強い力を手に入れる。
【基本戦術、方針、運用法】
 当然優勝狙い。まずはブラックノアから高みの見物。乗りこんで来た者には応戦。
 なおブラックノア自体が攻撃されたら反撃手段はないので、その場合は潔く飛行船を捨てる。
 サーヴァントは大事な操作者(奴隷)なのでそれなりに大切に扱う。


20 : 三好紗南:ライダー ◆kiwseicho2 :2014/07/18(金) 01:53:47 X4lq9XnI0
投下終了です。


21 : ◆/wOAw.sZ6U :2014/07/18(金) 01:56:30 f2B6pYvQ0
新スレ乙&投下乙です!
ルガやんさん……なんてことだ…なんてことだ…。
私も投下いたします。


22 : アドラー&セイバー ◆/wOAw.sZ6U :2014/07/18(金) 01:57:34 f2B6pYvQ0
『新世界ノイラント』
『神の叡智』

自身を古代の神の末裔と、戦女神と名乗り人々に救済の教えを伝えた女の真の目的。

それは救済にはあらず。
それは情愛にはあらず。
それは再生にはあらず。

それは、純粋な選別であった。

確かな魂と器を持つものに『神の遺産』を継承させるための。
当初その遺産を受け継ぐのは、戦女神と協力する教団、『完全教団』が作り上げた神の実現体、『エネルゲイア・アイン』の予定であった。
しかして彼は自分の立場を嫌い、全てをかなぐり捨てて失踪。

何もかもを正すと決めた神の実現体である少年は今も奔走している。
彼のあずかり知らぬところで、遺産が誰かの手に渡ったことなど分かり得るはずもなく。

「成程……確かに、我らも一度は探していたな」
白髪に赤く昏い瞳、揃えて深紅のロングコートを靡かせて男は低く呟く。
あたりを包む熱気に反して、男の肌は青白くどこまでも冷め切っていた。

ヴァルキュリアに促され進んだ先にあったもの、ノイラントへの道。
その入口たる場所に記されていたのは、とある聖杯の伝承であった。

「とは言うものの、アーネンエルベが血眼になって探していたのは万能の願望器などではなく神の血が注がれた器」
黒いグローブに包まれた指は、伝承が刻まれた壁面を撫ぜる。
ギチ、と土壁を抉る音がし、男はにぃと口端を上げた。

男の名はアドラー。かつて第三帝国に軍籍を置き、『アーネンエルベの死神』と呼ばれた者。

「実に、下らん話だ」
ノイラントへの片道切符、かつて世界の人間を選別した船の一部、ゴフェルの木片を見下ろしてアドラーは心底、森羅万象を見下した顔で笑う。

優れたものだけ残そうというのは勿論理にかなっている。
当然で最良の判断だろう。

だが、圧倒的に気に喰わないことがある。
ゴミでも拾うように神秘の欠片を掴み、つまらなさそうにまばたき一つ。

これで求めてやまなかった新たなる大地に行けるのか、そう思うと余りのお手軽さに苛立ちが募った。
しかし着いた途端に彼の思考は一変する。
見知らぬ戦争のルール、知識、英霊、サーヴァント。

彼の心に野なる炎を燃え上がらせるには十分過ぎるこの地の言葉。
望んで訪れた。
彼の望みは選ばれ、迅雷の如き紋章がその右手に宿る。

荒れ果てた街並みに立つ男は、微動だにせずサーヴァントを呼びつける。

「さっさと出てこい。そして貴様の名と位を教えろ」

「……カイ=キスク、位はセイバーだ。貴方が本当に私のマスターなのか?」

厳かに現界した、白い聖騎士の衣装を纏った金髪緑眼の青年、カイが困惑しながら問いかける。
この対応は非常に珍しいものであった。本来青年は物腰柔らかで、殆ど誰にでも優しく接する好青年。
人一倍、異常なほどに、正義感が強く秩序や規律を重んじる。故に。
カイはその沌すぎる瞳から察知する。
彼は危険で、自分とは正反対な位置に居る人間だと


23 : アドラー&セイバー ◆/wOAw.sZ6U :2014/07/18(金) 01:58:16 f2B6pYvQ0
「こうして令呪も有るし、パスは感じているから間違いはない。ふ……なんだ、気に入らぬのか?」
グローブを外し、ひらひらと手を振ってみせるアドラー。


ひと目で見える貪欲なまでの野心、言葉を交わせば聞こえる自分より上の者など存在せぬと言って憚らぬ性根。
英霊カイ=キスクは嫌でも分かってしまう。
いや、仮に生身で出会ったとしても、カイじゃなくてもそう結論づけられる。

「名前を伺ってもよろしいか」
「アドラーだ。で、先ほどの答えは?」

意地の悪い笑みを含んだ言葉にカイは辟易する。
真面目一辺倒であるカイはこうして秩序を著しく乱されると、心に波紋が生まれる。
嫌悪や怒りを隠すことができず、ある意味彼のなかでは最も人間らしい一面をのぞかせるのだ。

「正直に言って、何故貴方に呼応して召喚されたのか理解しかねる」
「それには俺も同意する」

面倒な英霊を引かされたものだと、生身の右手を鬱陶しそうに、そしてぞっとするほど楽しそうに見つめる。
令呪さえあれば、どんな命令でも可能な限りサーヴァントには実行させられる。
回数に限りがあるから慎重に行わなければならぬが、隷属の証とは実に気分がよいものだ。そうアドラーは目を細める。

カイはもはや、侮蔑すら持ってアドラーに尋ねた。
「貴方が聖杯にかける望みは?」
それの手助けをするのが自分の与えられた役目だというのに、カイは返答次第ではアドラーに斬りかかることも視野に入れていた。
目の前に有るのは、ただただ悪意の塊。


「そんなものはない」
「え……?」

予想外の返答に面食らう。
てっきり、ろくでもない望みの10個や100個は溢れ出てくると想像していたのだが。
見れば、優越感に浸っていたアドラーの瞳から、体中から温度が消えていた。
冷たく濁った、悪意より深い怒りの炎が体中を駆け巡っている。


「神に……そもただの願望器風情に、人を、このアドラー様を選ばせるだと?笑わせてくれる」
くつくつと肩を上下させる。
今にも高笑いしだしそうな様子だのに、尚更心は氷点下まっしぐら。

願いを叶えるべく聖杯を奪い合いしのぎを削るはまさしく聖杯のもたらした選別。
願いを餌に、優れた人間を生み出す荒々しき蟲毒。

たった一つの神の道具に、人が振り回されるのだ。

「なれば神よ、俺はその聖杯を叩きつけて貴様らをそこから引きずり降ろそうではないか」
望みではない、宣戦布告だ。
聖杯の技術も知識も、この世界の叡智の一切合財を手に入れて、あらゆる存在を自分の下に置いてやろうとアドラーは嗤った。

「……神にでも、成ろうと言うのか?」
不思議と嫌悪感が薄れていく。
存在もやり方も認められぬというのに、アドラーの言葉は全て心からの人間の発言。

「違うな。俺が上で、神が下になるだけだ」

カイには聖杯にかける望みがあった。
それはギアと人間が分かりあえ、平和に穏やかに暮らせる世界の成就。
自分一人の手には負えぬと分かっておきながら、潔癖に過ぎる生来の感情と折り合いが付けられず。

木陰の君との出会いで多少なりとも心に変化はあらわれたが、今英霊となっていても目前の男の言葉に揺らされている。

だが一つだけ、アドラーの言葉のお陰で広がった視野がある。
善意や好意はどこまでだってねじ曲げて受け取られることができるということだ。
仮にも聖騎士、神を信じるカイにはアドラーの台詞は傲慢が過ぎているとしか思えない。

しかしそれをもっと身近なことに置き換えると、奇妙な話になるが自分の過去の独善を咎められたような気がして。
カイを見据える半月の眼は、自由でも希望でも無い炎で煌々と燃えている。

アドラーが抱く灯りが指示す先を、見てみたい。
それが自分の新たなる見地を開くものならば認め。
それが自分に許せぬ非道なだけの無為なら斬る。


「マスター……今は貴方に付き従おう」
「それでいい、木偶人形のようではつまらんからな」

その言葉にカイは自分を模したろくでもないロボットを思い出し、アドラーは自分にも他人にも勝手に従うクローンを思い出した。
互いに知り得ぬ渋面を作った彼らはしかし、どこか似た立場の人間だったのかもしれない。


24 : アドラー&セイバー ◆/wOAw.sZ6U :2014/07/18(金) 01:59:04 f2B6pYvQ0
【クラス】セイバー

【真名】カイ=キスク

【パラメーター】筋力B 耐久B 敏捷B 魔力B 幸運B 宝具B

【属性】秩序・善

【クラススキル】
対魔力:B
 魔術詠唱が三節以下のものを無効化する。高い法力とその技術に起因する。
 
騎乗:C
 馬など訓練された動物は乗りこなせるが、幻獣神獣、及び機械には適用されない。
 
【保有スキル】

迅雷の所以:EX
数ある法力のなかでも扱いが難しいとされる雷の法力を「ロマンがある」という理由で制御している。
彼の生前の魔術回路に当たる法力の才覚から低い供給の魔力での戦闘、現界を可能とさせる。

カリスマ:B
 軍団を指揮する才能。後に一国の王になる程度には人を惹きつける。

魔力放出(雷):B
 武器・自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出する事によって能力を向上させる。
 宝具である封雷剣にこれを使い威力の高い攻撃を行うことや、雷撃の矢を飛ばすことができる。

ロマンキャンセル:B
 魔力でもって特定の動作の物理的硬直を消し実際ならありえぬ連携をつなぐことが可能となる。

フォルトレスディフェンス:魔力を使うことにより現れる障壁。通常の防御よりも堅牢な守りを築けるが攻撃を受ける度に魔力が消費される。

【宝具】封雷剣
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1〜10 最大補足:1〜4
 人類がギアに対抗すべく作られた兵器「アウトレイジ」を八つに分割したものの一つ。カイは国連から譲り受けた。
 
【人物背景】
 出典はGUILTY GEARシリーズ。
 少なくとも2以前の世界のカイ=キスクとして召喚されている。
 秩序や正義を重んじるよく言えば真面目、悪く言えば融通がきかない心優しい青年。
 幼き頃からギア討伐の軍人として働き、その天才的な能力で多大な戦果を築く。
 ライバルに当たるソル=バッドガイからはその規律と自分の感情を切り離せぬ姿から『坊や』と揶揄されているが、剣術の才能は自分以上だとも高く評価している。
 カイはそんなソルに対抗意識や気づかぬ羨望を持っており刃を交えるときは非常に面倒くさい問答になる。
 ジャスティスの事件以前はギアを絶対悪とし自分の行いに強い正義と自信を持っていたが、ジャスティスの言葉で現在のカイ=キスクの性格が形成されていった。
 木陰の君との出会いもまた、彼の成長に繋がるものであったのだろう。
 余談だが終戦管理局では彼のデータを元にしたロボット、Kシリーズことロボカイが作られておりこれもまた彼の悩みのタネになっている。
 
【サーヴァントとしての願い】
 ギアと人間が分かり合える平和な世界。

【基本戦術、方針、運用法】
 白兵戦を得意とするが、無用な戦闘は望んでいない。
 マスター次第ではあるが、必要な戦闘ならば迷わず行う。
 正直主従の相性は最悪なので揉めている間に状況が不利になりうることが大いに予想される。
 
【マスター】エルンスト・フォン・アドラー

【参加方法】ノイラント(彼の世界におけるムーンセル)に赴くために自らの意思でゴフェルの木片をとる。

【マスターとしての願い】聖杯、月の技術、他参加者の技術を余すこと無く手に入れ自分のものにする。聖杯に対する願いはない。

【weapon】
 電光機関。
 アガルタにて発掘されたオーパーツ。
 体内にあるATP(平たく言うと生体エネルギー)を原動力にし、身体能力の向上、電撃の発生、電波妨害などができる。
 使いすぎると消耗し吐血して死に至る。一応彼の魔術回路に値するものなので、サーヴァントと共に戦うとその消耗は加速する。

【能力・技能】
 電光機関を元にした体術、高い知性、悪い性格。
 冷徹な判断力もカリスマもあるのだが、全て高圧的なのでスキルとしての効力は低い。
 攻性防御というカウンターのような術も取得している。

【人物背景】
 出典はエヌアイン完全世界。
 ナチス・ドイツのアーネンエルベに属していた士官。キャッチコピーは『アーネンエルベの死神』
 何度も言うように非常に性格が悪い。自分以外の全ての人間を見下したような態度を取る。
 しかしその態度相応に優秀で、口先だけの人間ではないことも確か。
 独力で電光機関の謎を解明し、完全者の秘跡たる転生の術を会得するもこの聖杯戦争に置いては制限されている。
 彼を元にしたクローン、エレクトロゾルダートのことを木偶呼ばわりして嫌っている。

【方針】
 とりあえず聖杯戦争ガン無視でやりたいようにやる。さしあたって他の参加者探しか。


25 : アドラー&セイバー ◆/wOAw.sZ6U :2014/07/18(金) 01:59:45 f2B6pYvQ0
投下終了いたします。


26 : ◆BL5cVXUqNc :2014/07/18(金) 03:00:02 Esu80tM.0
仲村ゆり@Angel Beats!&アサシンを投下します


27 : 仲村ゆり&アサシン ◆BL5cVXUqNc :2014/07/18(金) 03:01:06 Esu80tM.0

「はい、予選とやらをクリアっと。これであたしは正式に聖杯戦争の参加者と認められたわけか」

 ノイズまみれになっていた虫食いの記憶がカタチを取り戻す
 あたし――仲村ゆりは自宅の玄関前で『予選』と称したクソったれな茶番を終わらせた。

「はンっ、あたしを予選敗退させたければ『ここ』を出さなければよかったのにね」

 吐き捨てるように背後の自宅を睨み付ける。
 夕焼けの光に照らされオレンジ色に染まったごく普通の一軒家。
 忌まわしき場所。あたしのすべての始まり。

 予選ではここに来る前とまったく変わらない日常が繰り広げられていた。
 死んだ世界戦線を率いて神の手先たる天使と戦い続ける日常。
 死んでは蘇り、また死んでは蘇る。あたしたちにとってはありふれた日常。

 ただひとつ違ったのはあたしに帰る場所があったこと。
 学校を終えて自宅に帰ると出迎えてくれる弟に妹。
 ああ、なんて幸せな日常。だから違和感に気づき記憶を取り戻せた。
 あたしのトラウマをこれでもかと穿り返してくれた聖杯戦争のクソ管理者に感謝しないと。

 ここにそんな幸せな光景なんて存在しない。
 あるのは真っ赤な記憶。
 悪夢の30分。いや悪夢ですら生ぬるい地獄。
 床に転がる妹弟の死体。
 
 最初の10分でひとりが殺された。
 次の10分でもうひとり殺された。
 そして最後の10分でさらにひとり殺された。

 30分がたって警察が駆けつけた時には四人いた姉弟はあたしだけになっていた。

 この世に神というモノが存在してるならなぜあたしにこんなな仕打ちをした?
 あたしはこんなことをされねばならなかったほど悪事を働いたのか?
 ふざけんな……! あたしは何一つ悪いことなんてしていない。
 こんな理不尽なこと許せない。絶対に許せない。


28 : 仲村ゆり&アサシン ◆BL5cVXUqNc :2014/07/18(金) 03:02:15 Esu80tM.0
 
 だからあたしは神を呪い続け、死してなおも神に対して叛逆し続ける。
 死後の世界で同志を――理不尽な人生を許せない、忘れられない者たちを集めて神を打倒する。
 そうしてあたしは死んだ世界戦線を立ち上げた。
 あの世界の秩序を壊せばいつか神が現れる。そう信じて御使いたる天使と戦いを繰り広げていた。

 しかし――それで本当に神は現れるのか?
 今までやってたことはただの徒労ではないのか?
 そんなことを思い始めたころ、学校の一般生徒たちが変な噂をしていることを耳にした。

『聖杯戦争に参加し優勝すればどんな望みをも叶えることができる。そしてそれに参加するための資格が学校のどこかに隠されてる』と。

 戦線のみんなはそんな都合のいい話があるわけないと一笑に服していたが、あたしだけはそれを単なるガセとじゃないと直感が告げていた。
 まあ戦線のリーダーたるあたしが「今までやってること全部無駄じゃね?」なんて言えるわけもなく、
 藁にもすがる思いで単身その参加証とやらを探し回った。

 結論から言ってそれはあった。
 学校の地下に広がるダンジョンの最深部。
 それみよがしな宝箱に入った小さな板の切れ端。
 それが聖杯戦争の参加証たるゴフェルの木片。

 そこにたどり着くまで何度も死んだ。
 トラップに嵌まって岩に押し潰されたり、水責めにあって溺死したり、高圧電流に触れて一瞬で黒焦げになったり、
 網目状のレーザーに触れてサイコロステーキになったり、いきなり宇宙空間に放り出されてフリーズドライになったり。
 おおよそ考えつく死に方は一通り経験した。
 あー……しばらくすれば勝手に生き返るとはいえあんな経験は当分ごめんだわ。

 と、そんなかんだであたしは聖杯戦争に参加し、最高に胸糞悪い予選を無事に通り抜けたのだった。
 そしてあたしが願うものはただひとつ。

 もう一度人生をやりなおしたい。
 いや、人生をやりなおすだけなら簡単だ。
 あたしを死後の世界に縛り付けている未練から解き放たれればいい。
 岩沢さんのようにあの世界から消滅し、生まれ変わって新たな人生を歩めるのだろう。


29 : 仲村ゆり&アサシン ◆BL5cVXUqNc :2014/07/18(金) 03:03:31 Esu80tM.0
 
 だけど――それじゃあダメなのよ。
 生まれ変わったらきっと今まであたしが生きてきた記憶も意識もリセットされてしまう。
 例え姿形が同じ人間に生まれ変わったとしてもそれはあたしとは別人。
 だから今のあたしのままでもう一度あたしの人生をやり直す。
 こんなはずではなかった世界をやり直す。
 
 戦線のみんなに抜け駆けしてひとりだけズルをする。
 あたしはリーダー失格だ。でもズルする方法を知ってしまったらもう黙って見て見ぬふりをし続けるほど人間ができていない。
 そしてこの方舟は死後の世界と違う。きっと聖杯戦争に敗北し、死んでしまったら生き返ることはない。
 ここで死ねばどうなるか?

 再び死後の世界で怠惰な学生生活を繰り返すのか。
 記憶も意識もリセットされて赤の他人として生まれ変わるのか。
 もしかしたら生まれ変わることもできない完全な無になるかもしれない。

 だからこそ――ひさびさにちゃんと地に足を付けて生きてる心地がする。
 天使と戦ってる時は自爆同然の無謀な作戦立てて大失敗して戦線全員死んだりするような生前の世界では気が狂ってるとしか言いようがないことはかなりやった。
 戦線の連中だって痛いけどすぐに生き返るからまあいっかで死んで行く。あたしもそんなんで何回も死んでるし。

 死んでもすぐに生き返るなんて頭のおかしい世界にどっぷりと浸かっていたら死生観なんて完全にブっ壊れてるのもやむなしだから。




 ■




「と――こんな感じかしら? アサシンのサーヴァントさん。Welcome to this crazy Time♪ なかなかイカれた世界でしょ」

 そんなわけで予選を終えて本戦へ出場が決まったあたしを出迎えてくれたアサシンのサーヴァントに自己紹介がてら自らの境遇と望みを語った。
 うん、さすがに彼女も若干引いてる感バリバリね。


30 : 仲村ゆり&アサシン ◆BL5cVXUqNc :2014/07/18(金) 03:04:37 Esu80tM.0
 
「あんただってわりと戦争で地獄を経験したんじゃないの?」
「あー……私は他の仲間とちがってほとんど実戦を経験しなかったんで……乗組員のみんなだって艦長さん以外は生きて故郷に戻れたから」

 複雑そうな表情を浮かべるアサシン。
 見た目は中学生ぐらいの女の子。小麦色に日焼けした肌と船のような形をした鉄の塊を鞄のように肩から提げた変な格好。
 というかそれ以上に服装がおかしいのだけど。

「ねえ、その服装って何かツッコミ待ちなわけ? スクール水着に上着だけセーラー服って相当フェチな趣味ね」
「ち、ちがいます! これは由緒ただしい機能美にあふれる水中戦闘用の装備なんですー! 他の潜水艦だって同じカッコだよ!」
「あーハイハイ、そういやあんた潜水艦だったわねー」

 信じられないことにこの娘は太平洋戦争時に実在した潜水艦だという。
 いやいやいや潜水艦が女の子っておかしいでしょと思うけど、擬人化ジャンルってあるわけだし? 
 ま、あたしのいた世界も大概おかしいからひとつやふたつおかしいことがあってもどうってことないし。

「で、あんたの名前って伊……伊……なんだっけ」
「もー、ちゃんと覚えていてよねー。伊400型潜水艦二番艦、伊401です。しおいって呼んでね! あっ、でも人前ではアサシンと呼んでください」

 サーヴァントは古今東西の英雄が召喚されるもの。
 ゆえに正体を知られてしまうとそれらの由来から弱点や使う武器を特定されてしまい、戦いに非常に不利になるのだという。
 でもさー、この娘が潜水艦とか絶対わかるやついないよねぇ。その点では多少は有利に戦えるのかもしれないけど。

「そういやしおい、あなたが聖杯に望むものってあるの? あたしはさっき言ったとおりよ」
「んー、んー……特にないけど。あえていうなら運河とかに行ってみたいかなって」
「運河ぁ?」
「そ、パナマ運河。パナマ運河を攻撃して使い物にならなくしたらアメリカ軍って行動を大きく制限されるでしょー。そのためにながーい距離を泳げる私が建造されたけど結局出発してすぐに戦争終わってしまったから……」
「それで望みが叶ったらパナマ運河を爆破したいってわけ?」
「まっさかー、戦争なんてとっくに終わってるのにそんなことしてもしょうがないよー。平和がいちばんいちばん、ただ一目見たいなってぐらいだよ」
「ふーん、意外とあっさりしてるのね。戦争に負けて未練タラタラだと思ってたのに」
「うーん……どうなんだろ。こうしてマスターとおしゃべりしてるけど、やっぱり私は兵器だから。兵器は人間に使われてなんぼだし。戦争が続いてるなら戦場にもう一度って思うけど戦争が終わってるなら私に使われた資材で街の復興に役立てて欲しいかなって」

 えらくまあ平和主義な兵器だこと。
 いわゆる銃が人を殺すのではない、人が人を殺すのだってやつかしら。
 ま、人でないからこそそんな割り切った境地に立てるのかもしれないけど。
 あたしみたいに未練タラタラ人間には絶対に至れないところね。


31 : 仲村ゆり&アサシン ◆BL5cVXUqNc :2014/07/18(金) 03:05:49 Esu80tM.0

「あの、マスターは聖杯戦争がこわくないんですか? 負けてしまったら死んじゃうんですよ?」
「……――たかがコンティニューができなくなるだけでしょ。やり直しが効かないって最高じゃないの、今失敗しても次がある。次が失敗してもさらに次があるなんて思ってるからいつまでたっても成功しない。これがあたしの最後の人生なんだから全身全霊をもって挑ませてもらうわ」
「……そんな目をして覚悟を決めた人たちがたくさん先の戦争で死にました」
「兵器風情がヒューマニズムを語るわけ? 片腹痛いわ」
「……ごめんなさい」
「……ごめん、言い過ぎた」
「あっ……気にしないでください。私が差し出がましいこと言っただけですから」

 あははと笑う伊401。
 彼女は彼女なりにあたしの身を案じているのだろう。
 はあ、なんというか後がないことを自覚したせいかある意味であたしの未練が解き放たれたのかもしれない。
 負けても死ぬ以外で何もデメリットなんてない。ただあたしの未練がましい人生が真に幕を下ろすだけ。
 ならば勝つことによるベストの結末を求めるのみ。
 そのためには手段は選ばない。騙し討ち暗殺裏切り……なんだってやってやる。

「しおい……お願い、あたしに力を貸して」


32 : 仲村ゆり&アサシン ◆BL5cVXUqNc :2014/07/18(金) 03:06:29 Esu80tM.0
【クラス】アサシン
【真名】伊401@艦隊これくしょん
【パラメーター】
 筋力E 耐久E 敏捷E 魔力E 幸運C 宝具D

【属性】
 秩序・中庸

【クラススキル】
 気配遮断:A
 フィールドを海と見立て潜航するするがゆえに自身の気配を消す能力。潜水艦であるため水中や夜間時ではさらに効果が1ランク上昇する。
 自らの姿を捉えられない限り、攻撃態勢に移っても気配遮断が解けない。
 ただし姿を捉えられてしまうと全てのステータスが2ランクダウンしてしまう。

【保有スキル】
 水中戦闘:A
 潜水艦の英霊のため全ステータスが水中では1ランク上昇する

 気配察知(パッシブソナー):B
 相手マスターやサーヴァントの気配をBランク以下まで察知する

 気配察知(アクティブソナー):A
 相手マスターやサーヴァントの気配をパッシブソナーより広範囲かつAランク以下まで察知する。
 ただしこのスキルを使用中は気配遮断スキルがDランク相当まで低下する

 自己改造:B
 軍艦であるために様々な装備換装、近代化改修による能力の向上を行うことができる。
 
 潜水空母:A
 潜水艦でありながら艦載機を搭載できるので広い範囲に索敵、爆撃を可能とする。
 ただし艦載機を発艦させるためには気配遮断を解く必要がある

 戦略爆撃:D
 前線に展開する敵部隊ではなく遥か後方の敵国首都や軍需工場などインフラを爆撃し継戦能力を維持できなくする攻撃。
 キャスター等の展開する陣地に対して爆撃をする際、攻撃判定に有利な補正を得る。
 歴史上通常兵器による戦略爆撃をまともに運用できる国はアメリカのみなのでスキルのランクは低い。


33 : 仲村ゆり&アサシン ◆BL5cVXUqNc :2014/07/18(金) 03:07:39 Esu80tM.0

【宝具】

『晴嵐』
 ランク:D 種別:対国宝具 レンジ:5〜200 最大補足:15
 伊400型潜水艦による戦略爆撃の目的で開発された小型爆撃機。
 撃墜されても少ない魔力で補充できるので運用コストに優れる。爆撃、索敵など幅広い用途に使えるが
 元々爆撃機のため対空戦闘は苦手。航空優勢を取れなければ鴨撃ちにされるだろう。
 なお史実で作戦行動時、米軍機に似せた塗装をした偽装工作を施されていたため気休め程度の隠密性がある。

『伊400型潜水艦』
 ランク:D 種別:対国宝具 レンジ:― 最大補足―
 彼女の身体そのものが宝具と化した存在。史実においてパナマ運河はおろかニューヨークやワシントンを戦略爆撃する計画もあったほど長大な航続距離を誇り、
 理論上は地球を一周半できる物だったという。この潜水艦の運用思想は後の米ソ冷戦時における核兵器を搭載する戦略ミサイル原潜の雛形となったと言われている。
 これらの逸話から令呪の契約がある限りマスターの魔力供給が無くても現界が可能となっている。

【weapon】
 53cm艦首(酸素)魚雷
 伊400型潜水艦に標準搭載された魚雷。バイタルパートに命中すれば戦艦や空母ですら撃沈する威力を誇る。

【人物背景】
 史実はwikipediaや文献を参照。
 見た目は小麦色に日焼けしたポニーテールの少女。最大の特徴は上半身セーラー服の下にスク水を着るという狙いすぎの服装であろう。
 その田舎の中学生を彷彿させる純朴な雰囲気によからぬ妄想を掻き立てる提督が絶えないとか。
 ゲーム中では他の潜水艦よりは燃費がやや悪いものの、他の艦と比べると抜群の燃費を誇る。
 そして彼女もまた他の潜水艦と同じくデイリー任務消化&資源獲得のため酷使されるのであった。
「あの……休憩は……」「新入り!休憩は15分でち! 怪我したらバケツかぶって再出撃でち!」

【サーヴァントとしての願い】
 特に無し。強いて言うならパナマ運河を一目見たい。

【基本戦術、方針、運用法】。
 見つからなければ無双、見つかれば何もできないままワンパンキルというアサシンというクラス、かつ潜水艦らしいピーキーな能力である。
 サーヴァントとの交戦は厳禁。絶対にしてはならない。隠密性の高さを生かしてマスター狙いオンリーが鉄則。
 宝具の特性と出典元の燃費の良さから運用コストが非常に安いため、魔力の低いゆりでも魔力枯渇になりにくい。
 晴嵐は発艦時自身の隠密性が大幅に低下するものの、長距離の爆撃や索敵を可能とするため使いどころによっては有利に戦況を動かすことができる。
 他マスターと共闘する場合はその隠密性による索敵専門に徹したほうが効果的だろう。


34 : 仲村ゆり&アサシン ◆BL5cVXUqNc :2014/07/18(金) 03:08:28 Esu80tM.0


【マスター】
 仲村ゆり@Angel Beats!

【参加方法】
 学校地下のダンションに隠されていたゴフェルの木片を入手したことによる参加。
 誰がそんなところに木片を隠したかは不明。

【マスターとしての願い】
 もう一度人生をやり直す。

【weapon】
 コンバットナイフ

【能力・技能】
 特殊な能力は持たないが一通りの銃器の扱いに長ける。
 ガードスキルによって強化された天使(立華かなで)とナイフ一本で互角に渡り合えることから戦闘能力はかなり高いと思われる。

【人物背景】
 Angel Beats!の実質もう一人の主人公とも言える少女。
 死後の世界で死んだ世界戦線をを率い日夜学校の秩序を守る天使と戦い続けている。
 性格は負けん気が強くその苛烈さはまさに傍若無人。しかし自らに非があった場合素直に誤りを認める謙虚さも持ち合わせている。
 物語前半においては仲間の犠牲すら厭わない過激な行動が目立つも、かなでが生徒会長を解任され音無の仲介により共に交流するようになってからはかなり角が取れ丸い性格になっていった。
 生前は裕福な家庭の長女として暮らしていたが、自宅に押し入った強盗によって姉弟を全員殺害されるという凄惨な体験をしている。
 彼女の神に対する叛逆心はこの出来事が直接的な動機となっている。なお強盗が押し入った時にはゆりは殺されておらず、直接の死因は不明。
 聖杯戦争参加時はまだかなでを天使と称し敵視している時期なので性格はかなり過激。

【方針】
 あらゆる手段を用いてでも聖杯戦争に勝利する。
 場合によっては他マスターと共闘も。


35 : ◆BL5cVXUqNc :2014/07/18(金) 03:09:07 Esu80tM.0
投下終了しました


36 : ◆/wOAw.sZ6U :2014/07/18(金) 03:24:47 f2B6pYvQ0
投下します。


37 : 宮本明&キャスター ◆/wOAw.sZ6U :2014/07/18(金) 03:25:28 f2B6pYvQ0
時は一刻を争う。
師匠を助けるため吸血鬼たちからトラックを強奪し、亡者の森を一直線に駆け抜ける。
宮本明は強い意志を持ち、丸太を携え鬨の声を放つ。

「みんな!丸太は持ったな!!」
しかしその声は、現世のどこにも届くことがなく消えてしまった。



当たり前の日常。
仲間と毎日笑って過ごす学生時代。
いつものプレハブに集まって明はみんなの会話に反応して笑っていた。
その片手には常に丸太が握られている。

「本当明っていつも丸太持ってるよな〜」
「明と言えば丸太よね」

そう、いつも片時も離さず持ち歩く丸太が自分のトレードマーク。
この丸太についてみんなに熱く語ってやるのが明のこのプレハブでの役目。
一度話し出せば、皆一様にしんと聞き入ってくれる。

上京したらこの丸太で……なんで丸太なんだ?

「……丸太が、なんの役に立つんだ?」
いつも滾々とつきることのない泉のごとく湧いていた丸太の話題が思い浮かばない。
丸太に対してどうしてこんなにも強い信頼を持っているのか、根源を探ろうと意識を集中する。

「この頃の俺はもっと違うことを考えていなかったか?」

丸太でも日本刀でもない、明が初めから持っていた大切なものとは?
丸太と日本刀?なんだってその二つ?


「明、顔色が悪いぞ?」
仲間たちを見回して、宮本明は震える声で否定する。

「違う……お前らは、違う」
丸太を力強く構える。
これは持ち歩いてペットのように可愛がるものでも、抱き枕にして眠るものでも、ましてや物語を描くペンでもない。

「うわぁあああああッ!!!」
このように対象に向けて構え打ち下ろす武器!

あるときは亡者を屠る槌となり。
あるときは人を助ける救いの手となり。
あるときは攻め入るための戦車となる。

がむしゃらに丸太を振るって飛び出すと、プレハブの外に咲き乱れる彼岸花。
ジミヘン号ではないトラック。
そうだ、早く帰らなければ。

「くっ、ガソリンが入ってねェ!」
せっかく乗り込んだトラックの燃料は空っぽ。

「明!プレハブの裏に予備のガソリンがあったよ!」
「でかした!」


そう応えてトラックから飛び降りた瞬間、明は丸太片手に全く別の場所に立ち尽くしていた。
彼岸島ではない、ごく平凡な商店街。まるで本土に、自分の生まれ育った場所に帰ってきたようだと目を瞬かせ動揺した。

「な、どうなってんだよ……」

くらくらする。今までのことが急に歪曲させられるような、頭痛。
鈍い痛みを伴って右手の甲に現れる面妖な赤色の紋章。


38 : 宮本明&キャスター ◆/wOAw.sZ6U :2014/07/18(金) 03:26:01 f2B6pYvQ0
「なるほど、君が僕のマスターか」
凛とした声に振り向くと、これまた奇妙な出で立ちの男がそこに存在していた。
ギザギザのヘアバンドを付けた奇抜な髪型、白で統一された腹部に布のない前衛的な衣装。
アクセサリーのごとく散りばめられた金属は明にも見覚えのある、筆記用具の類だ。

意識が明確になる。知識を持って宮本明は納得する。自分が何故此処に呼ばれたのかを。
だがしかし。

「こんなところで油を売ってる暇はねェ!俺は彼岸島に戻るぞ!!」
「それは困るんだよなぁ〜〜」

サーヴァントには悪いが、呑気に聖杯戦争なんてやってたら師匠は処刑されるし彼岸島に残してきた仲間、人々の命だって危うい。
自分の体は自分だけのものではない、宮本明は激高し、サーヴァントに食って掛かる。

「まあいいや、君のことは元々『見て』おきたかったからね……『天国への扉―ヘブンズ・ドアー―』!!」

空中にハットを被った少年の絵の軌跡が浮かぶ。
これが岸辺露伴のスタンド能力にして宝具『ヘブンズ・ドアー』である。
ヴィジョンを認識させた相手の体を本のページのように開き、記憶の随所を余すところ無く読むことができるようになるプライバシーの侵害甚だしい能力だ。
それだけでも酷いのに、自分の都合のいいように記憶のページに書き込んで改竄してしまうこともできる。
対象のリアリティを損ねるため露伴は改竄を嫌うが、自身の安全のためならば例外は多分にある。
つまり、非常にタチの悪い暗示なのだ。

宮本明の目の前には逃れることのできない軌跡。
哀れマスターでありながらサーヴァントの言いなりになってしまうのか。
いや、そんなことはない。

「ゴフッ……!?」
ここで説明しておくと、ヘブンズ・ドアーは宝具ではあるが魔法、魔術の類ではない。
異例の能力にはきちんと条件、制限がついてきている。
それは露伴の描くヴィジョンを認識し、視界に入れる必要があるのだ。
現在宮本明の目は理不尽な状況に対する怒りに燃えて露伴の絵など全く認識していなかったのだ。いつかの髪型をけなされた東方仗助のように。

そしてサーヴァントであるはずの露伴に何故丸太での突撃が届いたのか。
これは明のもつ丸太が起因している。
方舟の破片が打ち込まれた丸太はその先端にのみ神秘性を宿していた。
何の偶然か楔のごとく食い込んだそれが、宮本明をこの会場に呼び露伴の腹部をドつくことになった神秘なのだ。
やはり丸太は最強。人呼んで『ゴフェルの丸太』である。

「い、いきなり殴ることは無いだろッ!!」
いきなりスタンド能力をけしかけるサーヴァントの言うセリフではない。
サーヴァントなのに丸太にドつかれるという貴重な体験はできたがそれはそれ。
落下地点だった青果店の果物から起き上がり露伴は明を怒鳴りつける。

「すまん、つい……」
宮本明もぶっ飛ばして落ち着いたのか、丸太を置いて肩を落としている。
簡単に帰ることなどできないと分かっていて暴れた虚しさが募った。

露伴は無いだろうホコリを服から払い、呆れた様子で指摘してやる。
「君さぁ……聖杯ってのは何でも願いを叶えてくれるんだぜ?考えても見ろよ……その、なんだっけ?
 ヒガンジマ?のなんやかんやもさ、聖杯でどうにかすりゃあいいじゃないか」

「だけど、そんなもんに頼っちまうのは……!」
「過程に拘って全部ダメにする気か?」

返す言葉もない。
宮本明は暫しハァハァと荒い息遣いで考えこみ、迷いを残した眼で露伴を見据えた。

「よし……聖杯をとって……雅を倒して……それで……」
「それでいい、僕も君には興味がある」

言いよどむ明を無視して岸辺露伴はすっと屹立し高らかに宣言する。

「僕の名は岸辺露伴、この聖杯戦争ではキャスターの位で召喚された。宜しくしてくれよ、あーッと……」
「宮本明、よろしくな露伴……」
「『露伴先生』でいいよ、それが慣れてる、明君」

宮本明は果たして自身の望みのために吸血鬼でも無い人間を殺していいのかと躊躇う。
岸辺露伴はこの聖杯戦争という貴重な体験、参加者を余すこと無く取材しようとワクワクしている。
いっかな少しも噛み合わない主従であった。


39 : 宮本明&キャスター ◆/wOAw.sZ6U :2014/07/18(金) 03:27:47 f2B6pYvQ0
【クラス】キャスター

【真名】岸辺露伴

【パラメーター】筋力E 耐久E 敏捷D+++ 魔力E 幸運B 宝具B+

【属性】中立・中立

【クラススキル】
 陣地作成:C
 工房ではなく漫画を描く環境を作ることができる。原稿用紙とペンさえあればそこは露伴の陣地となる。
 
 道具作成:EX(D)
 漫画の原稿を描き上げる。それ以外にも作れはするだろうが人並みの域は出ない。

【保有スキル】

高速詠唱:EX
 原稿執筆速度が跳ね上がる。それは時が加速していてもインクが乾くより速く原稿を仕上げる。
 敏捷はこのスキルにより原稿を書く腕や頭の回転にのみEXが適応される。

カリスマ:E
 人気漫画家故に支持はされるが、本人はちやほやされることを望んでいないので効力は低い。

芸術審美:E
 芸能面の逸話を持つ宝具を目にした場合、低い確率で真名を看破できる、ないし警戒を覚えることができる。
ルーブル美術館等での経験からくるスキルだが本人の強い好奇心の前にはあまり役に立たない。

戦闘続行:B
 名称通り戦闘を続行する為の能力。決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。
 露伴の強い負けん気からきている。
 
人間観察:A
 人々を観察し、理解する技術。
 ただ観察するだけではなく、名前も知らない人々の生活、好み、人生までを想定し、これを忘れない記憶力が重要。

【宝具】天国への扉(ヘブンズ・ドアー)
ランク:B+ 種別:対人宝具 レンジ:1〜3 最大補足:1
 岸辺露伴のスタンド能力。精神の具現化である。
 露伴の描いた絵、作品、もしくはペンの軌跡、とにかく露伴の作り上げたヴィジョンを認識した相手を本のようにし、その対象の情報を読み漁れる。
 ページに書き込みをすることで殆ど逆らえぬ命令を書き込むことも可能。
 魔術の類ではないので対魔力における無効化はされぬが、条件は徹底しているので認識してもらえなければ何の変哲もないマスターにも効果を示さない。


【人物背景】
 出典はジョジョの奇妙な冒険第四部ダイヤモンドは砕けない。
 人気漫画家にしてかなりの変人。
 人間関係が嫌いでそれを避けるために漫画家という職業を選んだ。
 作品を描く上でリアリティを大事にしている。
 そのためならば蜘蛛を解剖し内臓の位置も探るし味も見ておく。ボコボコにされてもいい経験だと笑える根性の持ち主。
 非常に負けず嫌いで、じゃんけん一つで空を飛んだり、チンチロ勝負に熱くなって小指を切断しようとしたり家の火事に気づかなかったりする。
 身勝手な部分も多いが決して悪人ではない。
 幼いころに命を助けてくれた杉本鈴美や、なぜか交流の生まれた広瀬康一に対しては普段通りのようでちょっと違う一面も見せる。
 
【サーヴァントとしての願い】
 特になし(これは嘘。聖杯の願いに興味が無いのは事実だが、本心では自分の気が済むまで取材したいと考えている)

【基本戦術、方針、運用法】
 とにかく取材。スタンドさえ効けば先手必勝、確実とも言える勝利が手に入れられる。
 しかし本人の性格上その絶対的な能力が慢心を呼び形勢をひっくり返されかねない。
 マスターともども慎重な行動が望まれる。


40 : 宮本明&キャスター ◆/wOAw.sZ6U :2014/07/18(金) 03:28:31 f2B6pYvQ0
【マスター】宮本明

【参加方法】手にした丸太に偶然ゴフェルの木片が打ち込まれていた。

【マスターとしての願い】吸血鬼の撲滅及び雅討伐。そして彼岸島の人々を助ける。

【weapon】
 ゴフェルの丸太
 木片が打ち込まれた先端にのみ神秘が宿っているため、サーヴァントにも打撃を与えることができる。
 といっても致命傷には能わず、あくまでドつける程度。
 明や彼岸島の人々にとって丸太はアーサー王のエクスカリバーに等しく万能の宝具足りえるのだが残念ながらこの聖杯戦争ではただの丸太である。
 それでも明ほどの怪力で振るわれる丸太は対マスターにおいて相手のの生命を脅かすには十分過ぎる。

 日本刀
 彼岸島に沢山落ちている無銘の刀の一振り。
 神秘性は無いのでサーヴァントや神性を持つものに効力はないが、ちょっとやそっとじゃ刃こぼれ一つせず使い続けられる。

【能力・技能】
 人外に等しい膂力、身体能力を苛烈な修行で習得している。
 丸太を軽々と振るうし日本刀を二刀流するし青龍刀も西洋剣も紐付きのギロチンも扱える武器適応力の高さ。
 真名や使い方を看破する力はないのでどれも力任せに扱うことしかできないのだが、武器さえあれば士気が抜群に上昇する。
 たとえ見知らぬ武器だろうがその怪力で自分なりに使いこなすのだ。
 ついでに小説家志望なので物語作りが得意。
 絵が苦手なので文章で表現する方向にシフトしているとか。
 
 その文才の所以である想像力が飛躍し、予知に近しい想像をすることができる。
 原作序盤はこれのせいで嫌な妄想にとりつかれていたり、吸血鬼の脱走を感知したりしていた。
 対篤戦で再び評価され、明のとりえの一つとして認知されている。

【人物背景】
 出典は彼岸島。
 物語の主人公であり、元々は幼なじみのユキへの恋慕や実兄宮本篤への劣等感と複雑な心情を秘めた文学青年。
 彼の兄が行方知れずとなった彼岸島に仲間とともに赴いてからそれらは一変する。
 吸血鬼雅との度重なる因縁を経て、師匠の元で八ヶ月の修行を行い戦闘力が異常なまでに跳ね上がった。
 伸びた髪と無精髭も修行後からずっと変わらない。
 仲間、兄と別れる度にそれらを背負い益々強化されていっているフシがある。
 つまるところ最強の主人公、サーヴァントとして召喚しても問題ないほどむちゃくちゃ。
 反面予測できない事態に著しく弱い。
 常の様子が嘘のように動転しまったく使い物にならなくなる。
 周りを率いるために自分の気持ちを隠して冷徹に振る舞おうとするが、人のいないところでは子供のように泣いていたりする優しい青年。
 
【方針】
 願いを叶えるために戦う。だがしかし無関係な人間を殺していいのか?


41 : ◆/wOAw.sZ6U :2014/07/18(金) 03:29:22 f2B6pYvQ0
投下終了いたします。


42 : イエス・キリスト&アサシン  ◆Jn2OHWv0oc :2014/07/18(金) 03:47:46 IXXa9UPI0
イエス・キリスト&アサシン投下します


43 : イエス・キリスト&アサシン  ◆Jn2OHWv0oc :2014/07/18(金) 03:48:34 IXXa9UPI0
 イエス・キリスト、神の子と呼ばれた彼が、早朝まだ人も通らぬ時間の住宅街を東西に貫く大きな道路側に居る理由は、当人の意思によるものだ。
 東京は立川の彼が住むアパートの近くにあった祠から感じた気配に惹かれ、中にあったゴフェルの木片を見つける。
 あまりに異質すぎるその存在に、何かがあっては大変とこれを撤去しようとした所、彼の奇跡の力により木片が招く場所が見えてしまう。
 もしかしたら、この祠に近づいて既に誰か招かれているかもしれない。そんな危惧からイエスは木片が招く地へ自ら向かう事にする。
 そして、当然、彼の記憶を奪うなんて真似を出来る存在がこの世にあるはずもなく(当人のど忘れと彼の父はさておき)彼の地にたどり着くなり、サーヴァントを招く資格を得たわけだ。

「私を招いたのは貴方か?」
 黒髪で立派な体躯を持つ青年は丁寧な口調でイエスに問う。
 しかしイエスはというと、焦った調子で手をわたわたと振り回す。
「あ、あれー? ご、ごめん。え? 何ここ? 入るとすぐサーヴァント呼んじゃう仕様? もー、そういうの先に言ってくれないと困るよー。一気に色々教えてくれるのはありがたいけど、こんなすぐ呼ばれちゃ返事する暇もないじゃーん」
 イエスの脳内に聖杯戦争に関する情報が流れ込んでくるが、サーヴァントの召喚とほぼ同時処理であった模様。
「……違う、のか?」
「あ、えっと、そう、うん私が呼んじゃったんだ。ごめんね、私はイエス。君は?」
 黒髪の青年は、イエスの軽い態度口調にも、丁寧な対応を決して崩さない。
「私はトキという、北斗神拳を嗜んでいる。この辺りの事は貴方もわかると思うのだが……どうだろう、伝わっているか?」
 イエスは小首を傾げつつ空へ視線を向ける。
「んー、ああ! これ、これね! ってアサシン!? 一子相伝の暗殺拳!? うわー、何かイメージと全然違うねー」
 トキはイエスの言葉に僅かに眉根を寄せる。
「見た目にそぐわぬと?」
「うん。見た目っていうか雰囲気って感じ? 傷つけるよりむしろ治す方、お医者さんとかそういう感じするよね」
 驚きに目を見張るトキ。その反応を見たイエスは嬉しそうに微笑む。
「あ、当り? やっぱりお医者さん?」
「ああ、そちらの方が本業と自分では思っている」
 なかなかに観察力のある方だ、とトキも微笑を浮かべる。
「やっぱりなー、でも、少し顔色悪いよね。良くないよー、医者の不養生って言うし、ごはんとかしっかり食べて休む時はしっかり休まないと」
 トキはその身に放射能を浴び、不治の病を患っている。にも関わらず、トキはこの言葉にも微笑をほんの僅かも歪める事は無かった。
「この身一つで救われる命があるというのなら、喜んで投げ出そう。それが私がありたいと願う医師のあり方だ」
 今度はイエスが驚く番である。
 まっすぐに見つめるトキの瞳は何処までも澄み切っており、その言葉に一辺の偽りもありはしない。
 聖人のあり方を極自然に行える人間というのは、イエス程の経験年数を経ていてもそうお目にかかれるものではないものだ。
 きっとトキは、これまでに何度も何人も、そうやって人を救って来たのだろう。
 イエスは我知らず涙を零した。
「貴方がこれまで救って来た者達は全て私の同胞であり、彼らに貴方が為した善行の全ては貴方が私に為した善行である」
 イエスの感激が、感動が、暖かな輝きとなって周囲を包み込む。
 トキは僅かに驚くが、その力からはまるで悪意を感じず、むしろ、これまで感じた事もない心地よさと、何より、イエス自身が感じた感動を、トキもまた感じ取る事が出来た。
 ここで、何時もならイエスの相棒であるブッダが止めてくれるのだ。何時もならば。
 しかし今この場にブッダは居ない。奇跡が漏れ溢れている事に、イエスが気付くまでこの輝きは延々と続いてしまうのだ。
 イエスがこれに気付き、慌てて後光を消した時には、救いは、終わっていた。
 トキは自分の両手の平を右、左と見て、自らの体を見下ろす。
「……体が、軽い?」


44 : イエス・キリスト&アサシン  ◆Jn2OHWv0oc :2014/07/18(金) 03:49:33 IXXa9UPI0
 トキは北斗神拳の継承者候補にまでなった男。ましてや医師としての心得もあるトキならば、自分の体がどのような状態なのかはすぐに察する事が出来よう。
 イエスは物凄い焦った顔をしているが、それにも気付けぬ程トキは驚いている。
「すまない、少し失礼する」
 そう断った後、トキは両手を上下に構え、ゆっくりと腕にて円を描く。
 呼気の強い音が、全く変化しない一定の音量でトキの口から発せられる。
 イエスが見てもわかるほどはっきりと、トキの上半身の筋肉が盛り上がる。いや、ズボンで隠されているが下半身のそれも力強く膨らんでいる。
「はっ!」
 発勁と同時に、真上に高々と跳躍する。その高さにイエスが目を丸くしているが、それも当然だろう。トキの跳躍は優に五メートルは超えているのだから。
 それだけの高さから落下しておきながら、着地時にはそれらしい音も無し。
 トキは全身に漲る力に戸惑いながら、通常、病気故に自らに課していた制限を一つ一つ取り払って体の反応を確認していた。
 北斗の基礎的な技を順に試していくと、そのキレと威力に、自分の事ながら驚く。
 まだ体が健康であった頃を思い出す。いや、あれから病に冒されながらも工夫を重ねてきた技術を用いる事で、より高い次元に自分が居る事がわかる。
『今なら、あの技すら……』
 体の気を練り、ゆっくりと両腕を引く。
「北斗剛掌波!」
 突き出した両手から閃光の帯が放たれる。
 これが命中したのは電柱である。
 電柱を貫いた閃光は、そのまま空に向かって飛び抜け消えていく。
 半ばからへし折れた電柱は、電線を引きずりながら落下してくる。
 跳躍するトキ。
 引きずられる電線を一本一本正確に手刀にて切り落とし、コンクリートの塊のみとなった電柱上半分を、空中で三回蹴り飛ばす。
 トキが蹴飛ばした箇所を中心に、電柱は更に五つに別れ、道路の上に落下した。
 当然、これらの破片どころか埃一つすらイエスに触れるような事は無い。
 イエスは、心底信じられぬといった彼らしいそのまんまの表情で問うた。
「え? 君、人間? だよね?」
 イエスのあからさまに引いた顔で、トキも我に返る。
「し、しまった。こ、これは……すまない。私とした事が、まさか、北斗の技を子供のようにはしゃいで使ってしまうとは……も、申し訳ない。すぐ警察に行って事情を説明しよう。市役所に急ぎ対応してもらわねば近隣の方々に多大な迷惑をおかけしてしまう……もちろんこの件の責任は私が負おう。本当にすまない、貴方のサーヴァントをせねばならぬのに、余計な事を背負い込んでしまった」
 イエス・キリストに聖人認定を受ける程のトキであったが、死に至る病がいきなり消えてなくなった事、ひたすらに打ち込んできた拳の道を思いもかけず取り戻せてしまった事は、我を忘れる程の出来事であったようだ。
 イエスは、これだけの大技を披露しておきながら、見知らぬ住民の迷惑が何より気になるトキが何処か愉快に思えて、思わず噴出してしまう。
「ぷっ、そ、そうだね。でも、聖杯戦争とかっていうのをしろって話だし、人に被害が出ない分には何も言っては来ないかもね」
「しっ、しかし……」
 ひどく慌てているトキが、もう何ていうか可愛らしいなーとか余計な事をイエスは考えいてたり。
 実際、これだけ大騒ぎをしたというのに、誰一人様子を見に来る者もいない。
 その不可思議な様を確認すると、トキも落ち着きを取り戻したのか少し照れながらであったが、以降は気をつけるのでどうか許して欲しいとイエスに謝罪する。
 これを快く受け入れるイエスであったが、トキが、自分は実は不治の病に冒されていて、それが先の光を浴びた後すっかり治ってしまったようなのだが、と話を振ると、そっぽを向いてしらを切る。
 トキはそのイエスの態度に思う所あったのか、それ以上の追求はしない。だが、彼のサーヴァントとして、全力を尽くそうと密かに心に決める。
 とりあえず色々見て回ろうか、というイエスの声に、トキは、ああ、と答え共に歩む。
 聖杯戦争をどうするか、願いはどうするか、そんな事、イエスには問う必要は無いだろうとトキは思う。
 何故か確信がある。イエスはきっと、大いなる天の意思の体現者であろうと。
 そしてトキが病を癒されたのも、その大いなる意思を行う手助けをせよという啓示であろう、と思えてならないのだった。


45 : イエス・キリスト&アサシン  ◆Jn2OHWv0oc :2014/07/18(金) 03:50:13 IXXa9UPI0

【クラス】アサシン
【真名】トキ
【パラメーター】
 筋力B 耐久C 敏捷A 魔力E 幸運E 宝具E
【属性】
 秩序・善
【クラススキル】
気配遮断:B
 サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。
 完全に気配を絶てば発見することは非常に難しい。

【保有スキル】
北斗神拳:A
一子相伝の暗殺拳。山程の必死必殺な奥義と人間離れした基礎能力を併せ持つ。

【宝具】
『北斗有情破顔拳』
相手は死ぬ。幸せそうな顔で。

【weapon】
無し

【人物背景】
北斗神拳史上最も華麗な技の使い手であったが、核の灰を浴びて不治の病を患い、以後の余生は死ぬまでに一人でも多くの人を救おうと医の道を志す。

【サーヴァントとしての願い】
たくさんの人を救い守る

【基本戦術、方針、運用法】
イエスを守る


【マスター】
イエス・キリスト

【参加方法】
自分の意思で

【マスターとしての願い】
世界中の人達が幸福でありますように。そうあれかし

【weapon】
無し

【能力・技能】
神の子である為、能力だの技能だのの瑣末な事には意味が無い。

【人物背景】
神の子。
基本休暇中なので能動的に仕事(=神の救い)は行わないが、何千年も仕事しっぱなしであった為、つい仕事をしてしまう事がある。

【方針】
とりあえずぶらっとしてみようか(意訳:通りすがる全ての人を救って回ろう)


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53 : ◆DpgFZhamPE :2014/07/18(金) 12:09:57 uLWz0vYY0
クロエ・フォン・アインツベルン&キャスター

投下させていただきます


54 : クロエ・フォン・アインツベルン&キャスター ◆DpgFZhamPE :2014/07/18(金) 12:11:02 uLWz0vYY0
───ああ、またこの音だ。

褐色の肌に紅い瞳の少女───クロエ・フォン・アインツベルンは、眉間に皺を寄せたまま思う。
空はもう闇に染まり、暗くなった辺りは月と街灯の灯りでようやく見える程度だ。
その中でクロは、空を見上げたまま動かない。
彼女が苛立っている理由はただ一つ。

(何なのよ、もう)

きりきり。
きりきり。
きりきり、と。
まるで弓を引き絞るような───まるで自分を急かしているような───そんな音が、頭から離れないのだ。
この音が聞こえる時は大体、胸が苦しくなる。
彼女の体は健康だ。
生まれてから重篤な病に犯されたこともないし、大きな怪我もしたことはない。
なのに。
何故か、胸が苦しくなる。

「───ま、いいか。
どうせ治るでしょ、すぐに」

そして、その度に彼女はこうやって無理矢理に頭の中からその音を消し去るのだ。
もうこれを何度も繰り返してきた。
何度も。
何度も。
何度も。
何度も何度も何度も───






───そして、それが致命的だった。









「・・・!?」

がくん、と膝から力が抜ける。
体から、何かが抜ける。

「は、何、よ、コレ───」

シュウシュウと、体から何かが抜ける。
彼女の身体を構成する、生命を担う何かが抜ける。

「───おかしい、だって」

───■■ヤから貰った魔■は、まだ足りているはずなのに。

(・・・?)

脳内に浮かんだ言葉に、自ら疑問を浮かべる。
今自分は何と言った。
忘れてはいけないはずの何かを───今の自分は、忘れている気がする。
思い出せ。
思い出せ。
思い出せ。

───イリ■。■遊。遠■凛。ル■■ア。衛■■郎。

次々と浮かぶ断片的な記憶は、正確な情報を示さない。
シュウシュウ、と音が大きくなっていく。
あと一押し。
封がされた記憶を呼び戻すには、後一押しが足りない。

もう体を支える力すら、残っていない。
ぐたり、と地面に身を投げ出す。

───嫌だ。消えたくない。

ふと、何かを思い出したように彼女は己の腹部に触れる。
そこにあったのは、奇妙な紋様。
イ■ヤとの、痛感共有。

バチリ、と脳内で音がする。
最後の一押しは───唯一の姉妹との、繋がっている証だった。


55 : クロエ・フォン・アインツベルン&キャスター ◆DpgFZhamPE :2014/07/18(金) 12:12:09 uLWz0vYY0
爆発的に、記憶が帰ってくる。
何かにせき止められていた記憶は、あるべき場所に帰ってくる。
しかし、もう遅い。
───クロの体を構成する魔力が、尽きかけている。

「ああ、なんだ───どっちみちダメじゃない」

いつかはこうなるとわかっていた。
消えることは理解していた。
だが誰にも看取られず、というのは───少し、寂しい気持ちになった。

「まあ、仕方ない、か。
忘れたままじゃなく、覚えて消えられるだけ幸運ってことで」

無論、諦められるはずがない。
しかし、みっともなく足掻いてももう魔力はじき尽きる。
ならば、こうやってら美しい月光に照らされて消えるのも悪くは───

「───ごめんね。遅くなったよ」

その時、聞こえた男の声。
それと同時に、クロの体に魔力が満ちる。
左の手の甲に熱い感覚。

「マスターが中々思い出せなかったみたいだったから、ハラハラしたよ。
さて、じゃあ一つ聞いておこうかな───」

クロはゆっくりと上半身を起こす。
クロの目の前にいたのは、黒いフードを被った青年だった。

「サーヴァント、キャスター。
此度の聖杯戦争にて現界した。この身はマスターと共にある」

妙にかしこまったその言葉で、彼は言い放つ。
そして左手でゆっくりとローブを外し───銀髪の髪に端正な顔の青年が、姿を現した。

「キャスター───ルフレ。
───問おう、君が僕のマスターかい?」


56 : クロエ・フォン・アインツベルン&キャスター ◆DpgFZhamPE :2014/07/18(金) 12:14:53 uLWz0vYY0
「───つまりキャスター、あなたがわたしに魔力を回したってことでいいのね?
「ああ、そうなるね。本来は逆なんだけど」

あの後、まずは情報交換と乗り出した二人はある程度の情報交換を済ませた後、魔力供給の話題に乗り込んだ。
クロにとっても魔力供給は死活問題であり、サーヴァントであるキャスターにとっても魔力供給は死活問題───なのだが。

「僕には特殊なスキルがあってね───マスターからの少ない魔力供給で莫大な魔力を得ることができるんだ。
簡単に言えば、そうだね・・・掛け算みたいなものだと思ってくれれば」

スキル───ギムレーの器。
彼のみに許されたそのスキルは、竜の因子であり高性能の魔力炉なのだ。
少ない魔力で莫大な魔力を生み出すことができるスキルは、聖杯戦争において大きなアドバンテージである。
しかし、このスキルで生み出した魔力の何割かは、二人のパスを通ってクロに還元される。
そうして、クロの魔力問題は何とか解決したのだ。

「まあそれならいいけど、キャスターの魔力は大丈夫なの?」
「ある程度は大丈夫だよ。宝具の連発とか無理をしない限りはね」
「へー・・・ま、安心したわ」

クロはふう、とため息を吐くと───自らの左手に視線を落とす。
そこに刻まれているのは、令呪。
マスターの証。

(聖杯戦争、ねぇ)

彼女の世界では既に終わったもの。
始まるはずのないその聖杯戦争に呼ばれたのも、何かの因果なのだろうか。
願望器であるクロにとって、聖杯戦争は己の存在理由そのものであり、これはまたとないチャンスで乗らないはずがないが───

(───なんて思うんだろうなぁ、ちょっと前なら)

と、その思考を切り捨てた。
残念だが、今はそんなものに興味はないのだ。
クロとして。ただ生きたい。
聖杯戦争に乗るつもりなんかないし、犠牲になってやるつもりなんかさらさらない。

「・・・キャスター。
悪いけど、わたしはこの聖杯戦争には乗るつもりはないか「知ってるよ」───え」

言葉を切るように言い放たれたその言葉に、反応できなかった。

「知ってるよ。だからこそ、僕は君の召喚に応じたんだ。
必ず───君を元の世界に返そう」
「でも、サーヴァントだって願いがあるはずでしょ?
じゃないとこんな悪趣味なものに参加するはずがないわ」
「ああ、そうだね・・・あるとしたら、君を無事に返すのが願いだ」
「・・・?そう」

見ず知らずの人間のために聖杯戦争に乗り込む。
おかしなサーヴァントもいたものだとクロは疑問に思ったが───まあいい。
キャスターも乗る気がないというなら、それは好都合だった。

「じゃあ、行きましょキャスター。
とりあえずは他に似たような人がいないか探すわ」
「ああ、この聖杯戦争───僕が生き残らせてみせるよ」





こうして。
ギムレーの器───キャスター・ルフレ。
聖杯の器───クロエ・フォン・アインツベルン。
二人の器の聖杯戦争が、幕を開けた。


57 : クロエ・フォン・アインツベルン&キャスター ◆DpgFZhamPE :2014/07/18(金) 12:15:56 uLWz0vYY0
【CLASS】
キャスター
【真名】
ルフレ@ファイヤーエンブレム 覚醒(大乱闘スマッシュブラザーズ3DS/wiiu)
【パラメーター】
筋力B 耐久C 敏捷C 魔力EX 幸運B 宝具A
【属性】
 中立・善
【クラススキル】
陣地作成:B
魔術師として自らに有利な陣地「工房」を作成可能。

道具作成:B
魔力を帯びた器具を作成可能。
また、特に魔導書作成が得意である。
本来の彼にはこのような能力はないが、キャスターとして現界したにあたって彼の生前の戦法から付与された。
【保有スキル】
戦術士:A
魔術と剣術、その両方を扱えるスキル。
肉弾戦を行うという魔術師、キャスターとしては稀有であり異例のスキルである。
このランクなら一流の剣術と魔術を行使できる。

正体秘匿:C
生前、大事な場面では常にフードを目深に被っていたため付与されたスキル。
このランクなら外見要素で真名が看破される可能性を低くする程度。

ギムレーの器:EX
人を慈しむ神竜ナーガの加護を受けた初代聖王に封印された、人を滅ぼす邪竜ギムレーの資質を秘めた者に付与されるスキル。
竜の因子として、このスキル自体が高性能の魔力炉となっておりマスターからの少ない魔力供給で莫大な魔力を精製できる。
このスキルによって魔力のランクは破格のEXを示している。
【宝具】
『雷鳴纏いし閃光の剣』(サンダーソード)
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1〜10 最大補足:10

魔力が高ければ高いほど威力を増すという逸話を持つ宝具。
込める魔力が多ければ多いほどその量に比例してその威力は上昇していく。
相手にダメージを与える、または相手の武器と接触した瞬間に判定を行い、高確率で相手をスタンさせる。

『万象導く魔の書物』(イビル・ザ・スペルブック)
ランク:B 種別:対人宝具〜対軍宝具 レンジ:1〜50 最大補足:100

彼が生前使用したとされる数々の魔導書。
炎系、雷系、風系、闇系などの様々な魔導書の種類があり、術名を唱えることで強力な魔術を使用可能。
使う魔術によってランクが変わり、魔力消費量も変わる。
使う魔術のランク以上の耐魔力で無効化されてしまう。(ランクBの魔術はランクBの対魔力で威力軽減、ランクAの対魔力で無効化)。
しかし闇の魔術であるリザイアのみは対魔力でも防げない。
サーヴァントとして召喚されたため彼が生前使える魔導書よりも、今回使用できる魔導書は少なくなっている。
スキル・道具作製の効果で多量の魔力を使用することにより更なる魔導書を制作、使える魔法を増やすことができる。
現時点で使える魔法は以下記載。
・炎系
ファイヤー(ランクD)
炎を生み出し敵に放つ魔法。
エルファイヤー(ランクC)
燃え盛る火球を放つ魔法。
ギガファイヤー(ランクB)
エルファイヤーよりも更に強力な焔をもって相手を焼き尽くす。
ボルガノン(ランクA)
ギガファイヤーの上位魔法。その獄炎はあらゆる者を灰へと変える。
・雷系
サンダー(ランクD)
雷を呼び出し相手へと放つ。
エルサンダー(ランクC)
更に強力な雷を呼び出し相手へと放つ。
ギガサンダー(ランクB)
エルサンダーよりも更に強力な雷を相手に放つ。
トロン(ランクA)
ギガサンダーの上位魔法。その雷はあらゆる者の存在を許さない。
・風系
ウインド(ランクD)
風を呼び出し相手へと放ち、切り刻む。
エルウインド(ランクC)
更に強力な風を呼び出し、相手を切り刻む。
ギガウインド(ランクB)
エルウインドよりも更に強力な風で相手を切り刻む。
レクスカリバー(ランクA)
ギガウインドの上位魔法。その風はあらゆる者を塵へと変える。
・闇系
リザイア
対象の魔力、体力を奪い取り我が物とする闇の魔法。
対魔力では防御不可能。


58 : クロエ・フォン・アインツベルン&キャスター ◆DpgFZhamPE :2014/07/18(金) 12:16:44 uLWz0vYY0
【weapon】
青銅の剣
彼の世界で売られている普通の剣。
『雷鳴纏いし閃光の剣』は魔力を消費するため、魔力節約したい時はこちらの剣を使う。
宝具ではないため、壊れても魔力で簡単に修復可能。

【人物背景】
ファイヤーエンブレム覚醒のマイユニット。デフォルトネーム。男。
この彼は銀髪で優しそうな顔をしており、一人称は『僕』。
外見は大乱闘スマッシュブラザーズ3DS/wiiuのもの。
行き倒れていたところを主人公クロムに拾われ、以後は彼が率いる自警団の軍師として戦うことになる。
クロムと出会う以前の記憶を一切なくしている一方で、天才的な軍師としての才能を発揮するなど、軍の中で最も謎の多い人物。
ゲーム中のムービーでは、前述のとおり性別や容姿をプレイヤーが任意に設定できるためローブのフードを目深にかぶって顔が見えないようにしている(そもそもこのムービーはルフレ視点から見たものである)。
右手の甲には禍々しい見た目をした謎の痕がある。
記憶を無くしてはいるが、支援会話を見る限りは非常に軍師らしい知的な性格。
一方で料理の腕前は微妙なのか、見た目はともかく「鋼の味がする」らしい。
その正体はギムレーを崇拝する教団のトップ、ファウダーの実子。
そして、「ギムレーの器」と呼ばれる特殊な素質の持ち主である。
人を慈しむ神竜ナーガの加護を受けた初代聖王に封印された、人を滅ぼす邪竜ギムレー。
その存在を奉じ、復活させるための素質を持った「器」を誕生させるために動いてきた一族がおり、そしてついに資質の証を宿す子が誕生した。右手の甲に浮かぶ赤い痕の主こそ、ギムレー教の司祭ファウダーの子ルフレである。
しかしながらルフレの未来を案じた母親により連れ出され、ファウダーは直接ルフレを目にするまでは行方を掴むことが出来なかった。
最後は邪竜をクロムとルフレの絆を信じる力により討ち果たすことに成功する。

余談だが、彼が魔力枯渇による消滅しかけたクロを救ったのは、生前、ギムレーの器として様々な困難に巻き込まれた彼の人生と、聖杯の器として翻弄されたクロの人生と何か重なるものを感じたため。
自分と似たような何かを彼女に見出したのか、彼女に強力することを決意した。
【サーヴァントとしての願い】
ない───が、生前、ギムレーの器として色々な戦いに巻き込まれた彼にとって、かつて聖杯の器として封印された彼女にどこか似たような部分を感じた。
故に、彼女の力になりたい。
【基本戦術、方針、運用法】
マスターからの魔力供給でスキル『ギムレーの器』を発動し、得られる莫大な魔力により、連続で魔術を発動、『雷鳴纏いし閃光の剣』に魔力を込めで相手をスタンさせ、敵を鎮圧が基本戦法な優秀なサーヴァント───だが、今回はマスターに魔力供給をしなければいけないという特異な条件があるため今回はこの戦法は不可能。
基本的に魔力節約思考で行動しなければならない。
普通に魔法を使用するだけなら大丈夫だが、高ランクの魔法を連続で使用するとクロへ送る魔力が足りなくなってしまう可能性があるので注意。
魔力の節約に、剣はクロの投影宝具を使うことも視野に入れよう。
接近戦も可能な異例のサーヴァントだがやはり一流のセイバーやランサーには劣る。
魔法と剣術を織り交ぜた、このキャスターにしかできないトリッキーな戦法で自分のペースに持ち込もう。
『雷鳴纏いし閃光の剣』は敵の体・武器と接触した際にスタンさせる効果があるので、ここぞというときには出し惜しみなく使おう。


59 : クロエ・フォン・アインツベルン&キャスター ◆DpgFZhamPE :2014/07/18(金) 12:17:28 uLWz0vYY0
【マスター】
クロエ・フォン・アインツベルン@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 2wei!
【参加方法】
ルヴィア家にあるゴフェルの木片に触れたことによるもの。ゴフェルの木片によって召喚されたと理解していないため、ゴフェルは木片がどんな形状だったのかなどは覚えていない。
【マスターとしての願い】
元の世界へ帰還。
【weapon】
投影魔術
能力の欄に記載
【能力・技能】
・投影魔術
グラデーション・エア。オリジナルの鏡像を、魔力で物質化させる魔術。非常に効率の悪い魔術で、投影でレプリカを作るなら、ちゃんとした材料でレプリカを作った方がよほど手軽で実用に耐える。
本来は、魔術の儀礼などに際し、既に失われたオリジナルを、本当に数分間だけ自分の時間軸に映し出して代用する魔術。つまり(外見だけの)レンタル。
クロはクラスカード・アーチャー(英霊エミヤ)の能力をその身に宿しており、そのため基本的に宝具を投影して戦う。
エミヤが投影した宝具は今のところ全て投影できるが、固有結界『無限の剣製』については不明。
宝具である剣を大量に投影し盾として活用したり、大量に投影した宝具の剣を投げつけ目くらましにしその隙に弓矢で必殺の一撃を放つなどの攻撃を主戦法とする。
壊れた幻想も何なく使いまくる。
主に接近戦で使用するのは干将 莫耶。

・聖杯の奇跡
限定的ながら願望機である聖杯の能力も持っていて、望んだ魔術を理論や過程をすっ飛ばして行使することが(クロの魔力の及ぶ範囲で)可能。
空間転移などに使用する。

【人物背景】
もともとは、まだ赤ん坊だった頃に、アイリによって力と共に封印された「本来のイリヤの人格(生前から施された魔術的処置により、赤ん坊ながら自我と様々な知識を有していた)」。
イリヤが危機におちいった際、封印が一時的に解かれ、危機を回避した後に再封印される、というプロセスを経るはずだったが、円蔵山の地下大空洞の地脈逆流時に危機を回避しようとした際、地下に眠っていた『大聖杯の術式』の力により「弓兵」のクラスカードを核として受肉化した。
顔の造りはイリヤと同一だが、「弓兵」のクラスカードを触媒に現界している影響のためか、イリヤと違って肌が浅黒く、髪もより銀に近い色合いになっている。
当初は髪型も一緒だったが、クロエと名乗るようになってからは左側頭部の髪をまとめたものに変えている。
アーチャー化すると髪は後ろにまとめたものに変化。
基本ラインは一緒だが、イリヤがアーチャー化したものと衣装も異なる。
封印中もイリヤとは記憶を共有していたらしく、分裂直後でも美遊といった周囲の人々のことは把握している。性格の基本骨子はイリヤと同じだが、「もしイリヤが魔術師として育っていたら」という存在であるため「stay night」本編のイリヤに近い性格で、小悪魔的な言動が多い。
キス魔で同性に対して非常にアグレッシブで、イリヤの周囲の女子5人のファーストキスを奪った。
その後、周囲の人々にその存在が知られるに際し、「クロエ・フォン・アインツベルン」を名乗った。
ルヴィアと取引をし、騒ぎを起こさない代わりに捏造された戸籍等を入手し、イリヤの従妹として学校へ通うことになる。通称は「クロ」のまま。
しばらくはエーデルフェルト邸で暮らしていたが、イリヤの不用意な一言で再び敵対。美遊、そしてイリヤと戦う。
しかし、突然現れた母・アイリスフィール・フォン・アインツベルンの介入により対決は中断。行き場のない憤りの矛先を母に向けるも、魔力が枯渇しかかり、存在が消えそうになる。最終的に、イリヤからの魔力供給ともともと持っていた聖杯の力の発現によりなんとか事なきを得た。
その後はアイリのはからいで、正式に家族として衛宮家で暮らすようになる。
封印の反動か、「日常」や「家族の愛情」といったものに飢えており、最初にイリヤの命を狙ったのもそれを手に入れるための手段であって、イリヤを憎んでいたというわけではない。
美遊、イリヤと和解した後からの参戦。
尚、今回の聖杯戦争ではクロ少量の魔力供給を行って、キャスターが高度な魔力炉を稼動させ莫大な魔力を生産、そのある程度の魔力をクロにに返すという他の主従にはない方法でクロの魔力枯渇を防いでいる。
【方針】
聖杯戦争に乗るつもりはない。
当然死ぬつもりもない。
乗っているヤツが襲ってきたなら容赦はしない。


60 : クロエ・フォン・アインツベルン&キャスター ◆DpgFZhamPE :2014/07/18(金) 12:19:30 uLWz0vYY0
投下終了です。
ルフレ、スマブラ参戦を祝してということで投下させていただきました。
宝具、能力はスマブラベースとしています


61 : ◆PWDlpZDIGY :2014/07/18(金) 15:21:30 pAIBXCP60
投下したいと思います


62 : 鏑木楓&キャスター ◆PWDlpZDIGY :2014/07/18(金) 15:22:36 pAIBXCP60
今日は小学校はお休み。普段なら自分の部屋でのんびりしているところだけど今日は事情が違った。
「まだかなーまだかなー」
「楓、少し落ち着きなさい」
「だっておばーちゃん。バーナビーさんが遊びに来るんだよ!」
そう。今日はお父さんの会社の同僚のバーナビーさんが遊びに来るんだ!サプライズとして晩御飯を作ってくれるらしい。チャーハンしか作れないお父さんと違ってお料理もかっこいいんだろうなぁ。
「楓はすっかりバーナビーさんに懐いちゃったわねぇ。いったい何があったのかしら」
「え…」
なにが、あったんだっけ…。どこかで助けてもらった……そう、スケートをしていた時に事故にあって偶然そこにいた彼に助けてもらったんだ。(…まただ。この感覚。なにかが引っかかるんだけど、わからない…)
「おーう、楓。ただいまぁ。パパだぞーう」
「あら噂をすれば。」
最近たまになる、なんだろう、違和感?を覚えていたとき、お父さんの猫撫で声が聞こえてきた。…ってことは!
「あっ、お帰り!お父さん!バーナビーさんは!?」
「俺よりあいつの方が待ちどうしいのかぁ?パパは悲しいぞぉ〜…」
「いいから!」
私は急いで玄関へ続く廊下へ。するとそこには…。
「やぁ。こんにちは。楓ちゃん」
「バーナビーさん!」
お父さんの会社の同僚のバーナビーさんがいた!爽やかな笑顔を浮かべている。私は嬉しくて思わず駆け出してしまった。慌てていたからか足がほつれて転びそうになってしまう!
「キャッ!」
「危ない!」
転びそうになったところをバーナビーさんがキャッチ!お姫様抱っこのような形で抱きかかえられてしまった。は、恥ずかしいー…。
「大丈夫かい?」
「は、はい。……?」
まただ。今度ははっきりと違和感を感じた。スケートしていた時の事故で、バーナビーさんに今みたいに抱きかかえられたて助けられた。そこからお父さんの同僚だって分かって仲良くなった。それは覚えている。だけどその時のバーナビーさんの姿が、モヤがかかったように思い出せない。
バーナビーさんの顔は思い出せる。
私を抱きとめて安否を聞いてくる優しくてカッコイイまさに■■■■って顔。でもその体、服?に不自然なモヤがかかっている。
これはおかしい。おかしいと思い始めるとどんどんモヤモヤとした嫌な気持ちが広がってくる。
「おい!大丈夫か楓!」
「楓、楓!」
「落ち着いてください、虎徹さん、安寿さん。転びそうになった所を僕が支えましたので大丈夫だとは思うのですが…」
お父さんたちがドタドタと玄関にやってきた。私はそのあいだもうんうん唸っていた。
「楓!?どっか打ったのか!?」
「ううん…大丈夫だよ、お父さん」
「ったく、ヒヤヒヤさせやがって…。そんなに慌てなくたってバニーちゃんはピョンピョン飛んで逃げたりしねえよ」
「誰がバニーちゃんですか!」
私に怪我がないってわかって安心したのかお父さんはバーナビーさんに軽口を叩く。二人でいる時のいつもの光景だ。
…でもさっきの違和感はなんだったんだろう。そういえば、一番初めにこの違和感を感じたのはお父さんにだ。
その時はそんな当たり前のこと事お父さんに聞くのはおかしいって、なんとなく聞かない方が【思い出さない方が】いいって思ってたけど…やっぱり一度ちゃんとお父さんに聞いてみたほうがいいかもしれない。
「…ねぇ、お父さん」
「んー?どした楓?」
「お父さんって、何してる人だっけ?」
お父さんはきょとんとしたあと申し訳なさそうに、答えた。
「何って、しがないサラリーマンだろー?。お前を学校に通わせるだけで、やっとだよ。」
「…!!」
まただ!このモヤモヤした違和感!しかも今度のは今までで一番強い!頭が痛い!ちがう!ちがう!パパは!
「パパは!カッコイイヒーローでしょっ!」
叫ぶと同時、私の意識は闇に飲まれた。


――月光館学園の普通の生徒という役割にはヒーローという概念がなかった。
故に彼女からはヒーローという概念が記憶からすっぽり抜け落ちていた。――


63 : 鏑木楓&キャスター ◆PWDlpZDIGY :2014/07/18(金) 15:23:23 pAIBXCP60
「帰りたい…怖いよ、お父さん…」
私は自分の家を再現されたひっそりとした家でポツリとつぶやいた。
聖杯戦争。願いをかけた殺し合い。
かつても一度悪い奴の陰謀に巻き込まれ、とらわれてしまったことがあったが、その時はその時はお父さんが助けに来てくれると信じていたから勇気を出せた。
しかしこの聖杯戦争にはいくら父であっても介入することは難しいだろう。
私は不安に押しつぶされそうだった。
「ポヨ!」
「ん。ありがとう、カービィ…」
そんな私をさっきから必死に励ましてくれているらしい丸くて可愛らしい謎の生物が私のサーヴァントの、カービィだ。
目を覚ましたばかりの時の私はおばぁちゃんもお父さんもバーナビーさんも全部作り物だと知って、今よりもさらに取り乱していたが、短い手足で私をなんとか励まそうとお茶を入れたりお菓子をとってきたりしてくれている彼?を見ているうちに少しだけ心が落ち着いてきた。(私がいらないと言うと彼はお菓子を全部まとめて、袋ごと、美味しそうに食べてしまった)
「これからどうしよう…」
落ち着いたところで今後のことを考えてみる。
ヒーローの娘である自分が人を殺すなんで、しちゃいけない。
そもそも私には戦ってまでかなえたい願いなんてない。
学校の帰り道、偶然触った木が聖杯戦争の片道キップだっただけだ。
巻き込まれただけ。傍迷惑もいいところだ。
「そう考えるとムカムカしてきたかも……あ!」
「ポ?」
理不尽な木片に不満を募らせていた時、ふと思いついた。
自分のように望んでもいないのにはた迷惑な戦争に参加させられた人がほかにもいるかもしれない。
そんな人を助ける。そして一緒にこの戦争をなんとか止める!そうだ、それがいい!
うじうじ悩んでるよりよっぽどいい!私はヒーローの、ワイルドタイガーの娘なんだから!
不安を押しつぶそうと、前向きに考えてみる。何よりお父さんの娘だということが自分を勇気づけてくれた。
「カービィ、私に協力してくれる?」
「ハァィ!」
カービィは任せろ!と言わんばかりに自分の体をポヨンと叩いた。その仕草はとっても愛らしいけど…。
「あなた、戦えるの?」
「ポ!」
彼はむっとした表情を作ると、キョロキョロとあたりを見回し始めた。何かを探してるみたいだ。
やがて彼はおばあちゃんが使っていた草刈り鎌を見つけて、なんとそれを…
「え!?何してるの!」
口の中に吸い込んだ!すると次の瞬間!彼の頭に切れ味鋭そうなカッターのついたヘルメットが現れた!
彼はそのまま意外と素早い身のこなしで家の塀から屋根まで飛び移り、人がいないのを確認してから、頭のブーメランを家から少し離れた位置に生えていた手頃な木に向かって思いっきり投げた!
刃は木を切り倒し、ブーメランのように彼のもとへ戻ってくると、元あったヘルメットへカチッと収まった。
「すごーい!やるもんだね!カービィ!」
「ポァン!」
どうだい!といった様子で返事をするカービィ。
そのまま風船のようにフワフワと屋根から庭に着地したかと思うと、今度は一一瞬ペタンと力を込めるように自分の体を畳む。すると突然カービィのそばにお父さんの同僚のスカイハイさん(\宣/←こんなの)が1頭身になったみたいな奴が現れた。カービィはもう一度ペタンとなる。するとミニスカイハイさんはキラキラ光ってさっきのヘルメット帽子に分解されてしまった。ミニスカイハイさんかわいそう…。
「アーイ!」
「え、私にくれるの?」
「イーゥ!」
私はカービィからその帽子を受け取ってみた。すると今度は私の頭にさっきのカッターヘルメットが現れていた。
そういえば、さっき慰められていた時に私を心配するカービィは私を触っていた。
私のコピーのネクスト能力を彼は理解していて、私のために力を貸してくれたってこと…?
「…ありがとう、カービィ!」
「ハーイ!」
この子、やさしいいい子だ。
この子となら、やっていけるかもしれない。
お父さん、私はやりたいことをやるよ。ワイルドタイガーの、お父さんの子供だもん!


64 : 鏑木楓&キャスター ◆PWDlpZDIGY :2014/07/18(金) 15:25:02 pAIBXCP60
【クラス】
キャスター

【真名】
カービィ@星のカービィシリーズ

【パラメーター】
筋力D 耐久B 敏捷C 魔力A 幸運A 宝具A

【属性】
中立・善

【クラス別スキル】

クラススキル
『陣地作成』:D
『道具作成』:B
魔力を消費してワープスターを生成できる。
ライダーのクラスとしての召喚ではないので少しの距離を飛ぶと爆発して消えてしまう。速度もそれなり。




【保有スキル】

吸い込み:EX
その規格外の口の中は魔法の領域。対象を口の中に吸い込む。
吸い込んだあとは射程の長い星型弾にするか飲み込むことができる。
この吸い込みではマスターやサーヴァントを吸い込むことはできない。
ワザワザした毛虫みたいな虫を吸い込むとダメージを受ける。

コピー能力:EX
その変幻自在の攻撃方法は魔法の領域。飲み込んだものに能力の元となる要素があれば得ることができる。
三騎士クラスとしての召喚ではないのでそれらに該当する武器を使ったコピー能力では戦闘力が下がっている。
ヘルパーを召喚できるコピー能力ならば後述のヘルパーを召喚できる。

ヘルパー生成:A
カービィの使用しているコピー能力やコピーの元となる物を媒体にしてヘルパーを召喚できる。
ヘルパーはカービィと同程度の体力と元としたコピー能力を持って敵を攻撃するが単純な攻撃や防御しかできない。
カービィやマスターと回復を「口移し」することで共有できる。
カービィがヘルパーに触れて力を込めると「コピーのもと」となる。
一度に召喚できるヘルパーは一体まで。

星の戦士:A
様々な世界を冒険し救ってきた英雄。
相手のサーヴァントの動きを直感で見切り、弱点や利用できるものを見極めることができる。

無限の食欲:EX
あらゆるものを吸い込み消化してなお尽きぬその食欲。
本来サーヴァントは食事を必要としないはずだが彼には関係ない。
ある程度食事をしている限りこのスキルが発動することは無いが、いったん発動すると
マスターですら吸い込みかねない。 好物はスイカとマキシマムトマト。

飛行:D
風船のように空気を吸い込んで息が続く限り空を飛ぶことができる。
短い手をパタパタ鳥のように動かし上昇することもできる。
ヘルパー程度の重さなら足に掴まって一緒に飛行することもできる。

言語不能:B
会話はできないが一定の言葉は話すことが可能。簡単な単語や掛け声など。






【宝具】

『宇宙的吸い込み(ビッグバンカービィ)』
ランク:A 種別:対人 物宝具 レンジ:EX 最大補足:EX
簡単に言えば吸い込みの超強化版。あらゆる有象無象をブラックホールさながら吸い込むさまは大魔法の領域。
魔力の消費は膨大だが物理法則や次元の壁を無視しあらゆるものを吸い込む。
吸い込んだ物は通常と同じく飲み込んだり吐き出したりできるが、
これ自体がコピー能力の扱いなのでこの宝具で吸い込んだものを飲み込んでもコピー能力を得ることはできない。
マスターやサーヴァントまでも吸い込めてしまう決まれば一撃必殺の大技。
ただし相手が何も抵抗できないわけではない。




【weapon】短い手足で器用に様々なコピー技を使う。


【人物背景】
丸くて、ピンクで、やわらかい、愛らしい姿をしている。身長は20cm。年齢は『わかもの』。性別は不明。好きなことは食べる事、寝ること、歌うこと。ただし壊滅的な音痴でコピー能力の一つ、マイクでは歌うだけで敵を倒せてしまうほど。
風の向くまま気の向くまま行動する自由気ままなのんびりや。困っている者を見ると放って置けないやさしい性分。天真爛漫で純粋無垢だが、自分で決めたことは絶対に変えない部分がある。
基本的に迷わず行動し、自分の本能に忠実に行動するが、それゆえに度々トラブルを起こす。
また、一度行動を起こすと猪突猛進になり、周りの制止を聞かなくなる。ただし、自らの非を認めることはできる。



【サーヴァントとしての願い】
楓を守る。

【基本戦術、方針、運用法】
コピー能力やヘルパーを駆使した変幻自在の戦いができる。
味方にすれば可愛らしく頼もしい戦士だがなんでも吸い込むビッグバンカービィは敵から見れば正にピンクの悪魔。


65 : 鏑木楓&キャスター ◆PWDlpZDIGY :2014/07/18(金) 15:25:39 pAIBXCP60
【マスター】
鏑木楓@TIGER & BUNNY
【参加方法】
学校の帰り道に偶然ゴフェルの木片に触れてしまう
【マスターとしての願い】
帰りたい。お父さんのように人を救いたい。
【weapon】
下記の能力による。
【能力・技能】
コピーのネクスト能力。
相手にさわる、さわられることによって相手の能力を使うことができるようになる。
一度に持てる能力は一つで、能力を持っている時に別の相手にさわる、さわられると能力は上書きされ、前の能力は使えなくなる。
【人物背景】
ヒーロー ワイルドタイガー(鏑木・T・虎徹)の一人娘。
フィギュアスケートを嗜んでいる10歳の少女。
父方の祖母、鏑木安寿と郊外で二人暮らしをしている。
スケートリングの妨害に巻き込まれそこから助けられて以降、虎徹のパートナーであるバーナビーのファンになる。
父がヒーローであることは生まれた時から知らされずに育てられ、
別居の理由も単に仕事の都合とだけ説明されていたが、それゆえ家に帰ってこずに寂しい思いをさせる父を快く思っていなかった。
虎徹の久々の帰省時に事故から助けられた一件で、以前よりは素直になり、虎徹がヒーローと知ってからは応援している。
父親譲りの明るく快活な性格で、父が事件に巻き込まれたと知った時には、一人で電車に乗り父を助けに行くなど行動力も高い。


【方針】
自分みたいに心細い思いをしてる人を助けたい。


66 : 鏑木楓&キャスター ◆PWDlpZDIGY :2014/07/18(金) 15:26:19 pAIBXCP60
投下を終わりたいと思います


67 : ◆GsTgNENDGI :2014/07/18(金) 19:21:26 gO82dEa.0
皆様投下お疲れ様です。こちらも投下します。


68 : 馬呑吐&アサシン ◆GsTgNENDGI :2014/07/18(金) 19:23:02 gO82dEa.0
「ううん、涼しくて気持ちのいい夜だね」

冬木市の市街地、高層ビル群の一角、その屋上にて1つの影があった。
木訥な、悪し様に言えば特徴のない学生だった。
強いて特徴を言うならば、横に長く切れた細目と首からかけたマフラーくらいだろうか。
開いているのかどうかも怪しい眼は、夜の街並みを見下ろしながら、薄笑いを浮かべている。

「お前も予選を突破した魔術師か」

静かな夜に靴底とアスファルトが皹を入れる。
屋上へ通じる唯一の通路から、別の少年が光と共に現れる。
制服が同じ、ということはお互い同じ学校の生徒なのか。だが、その瞳は少年と異なり、強い意志に燃えている。
「……なんのことです?」
「とぼけるな。ここにいるということは、お前はもう記憶を取り戻したんだろう。
 なら、やることは一つだ。サーヴァントを出せ。さもなくば……」
一方的に喋りながら、回路を戦闘用に切り替える少年に、彼は手を振って静止を求める。
「ちょ、ちょっと待ってください。記憶を取り戻したってなんのことですか?
 僕は何も忘れていない。それにサーヴァントって何の話です? 僕はそんなもの見たことも……」
「セイバー、やれ」
少年が言の葉を放つが先か否や、月光に煌めいた一閃と共に、彼の首が夜に飛んだ。
その切っ先の終点には、実体化した少年のサーヴァント……セイバーの剣があった。
「よろしかったのですか? 見る限り、本当にマスターではなかったようですが」
剣を納めたセイバーが主を問う。しかし、そこには詰問するような調子はない。
「ああ。だが、疑わしい者を残す理由もない……軽蔑するかい、セイバー」
「いいえ。貴方がどれほどに聖杯を望んでいるかを私は知っている。
 そして、私もまた聖杯を望む者。ならば私は貴方の剣となりましょう」
セイバーの応えに、少年はそっぽを向けた。僅かな感情の緩みを見られたくなかったからだ。
セイバーの問いはもっともだった。確かにその体からはマスターの証である令呪の気配がない。
それが事実だとすれば、彼はたまたま基本ルーチンから離れたNPCなのか。
ならば、これは少年の勘違いだ。剣を納めるべきは自分だし、もし自分の感情だけに従えるならそうしていた。
だが、今の少年は背中に大きなものを背負って、この方舟に来ている。
その勝利のためならば、あらゆる不安要素は排除しなければならなかった。
全ては、救済のために。猫の額程度もない小さな世界を守りたいため。
(それに……あのNPCの目……あれは、まるで……人を蟻か何かとしか思っていないような……)

「ひどいなあ、待ッてクれっていったじゃナい可」


69 : 馬呑吐&アサシン ◆GsTgNENDGI :2014/07/18(金) 19:23:39 gO82dEa.0
その声に、少年達は振り向いた。月光の降り注ぐビルの屋上に、首のない肉体が立ち尽くしている。
「何で、死んでない」
「? そりゃそうだろう。NPCに厳密な死なんてないよ。
 中核データが破損でもしないかぎり、ねえ」
「NPCの肉体データに、寄生していたというのかッ!」
「ウン、そりゃそうだ。せっかくこの年になって学生をやれるんだから、ちゃんとそれっぽい身体でやりたいダロ?」
手を大仰に広げた屍は、口ほどに物を言った。その意味に、少年は信じられないと首を振る。
こいつはつまり、突破できる予選を、ただの学園生活をギリギリまで楽しんでいたのだ。
「ダカラ、待ってくれっていったじゃないカ。今、本当の身体にするカラネ」
そう言って首のない彼の指が小気味よい音を鳴らす。
その瞬間、少年の踏みしめていた足場が崩れた。コンクリートであったはずの床は、
難読な文字をびっしりと書かれた呪符と散らばり、拡がっていく。
「ビルを1階分丸ごと偽装していたってのかッ!?」
「マスター、あれをッ!」
驚愕に震える少年に、セイバーが指を示す。偽装を解かれたビル、その本当の屋上の中心に、首のないもう一つの身体があった。
でっぷりと膨らみ、しかしみずみずしい筋肉に包まれた偉容だった。

「カ……ッ!」
首のない学生の胸が大きく膨らんでいく。胸骨肋骨、肺をぶち破って出てきたのは。
「ッカカカカカカカカッ!!!!!!!」
その真の身体に納められるべき、本当の首だった。
「私は今、卒業したネ!(しみったれた学園生活用ボディから)
 社会派幽凄道士・馬吐呑(マー・トンツー)と呼んでもらっても構わないヨ!」
鉄の魔神めいて首と肉体が合身し、ただの肉の置物だったその身体に神経が通る。
しばしアドミナブルを隆起させて元の肉体を堪能していたが、それを見ていた少年はただ唖然とするほかなかった。

「……さて、お待たせして申し訳なイ。それじゃあ、相手してやるかネ、セイバー君ッ!!」
「な!?」
義体から戻したマフラーが馬の身体に巻き付きトレンチコートを形成する。
それが如何な魔術によるものか、少年には考えることができなかった。
マスターであるはずの男が、セイバーに突撃したのだ。
「ふふぅ、うふふふふふふううう」
「こ、こいつ! 骨に神秘を刻んでいるのかッ!!」
掌打、蹴撃、なぜか自在に動き襲いかかるマフラー。あらゆる変則的な攻撃にセイバーは防戦一方に追い立てられる。
通常、このようなことはあり得ない。
セイバーとてムーンセルに記録されるほどの猛者ではあるが、
この男の用いるのは中国拳法……功夫と呼ばれる物。西洋の技と東洋の技の噛み合わなさが、セイバーの攻めに転じられない理由だ。
だが、それだけではセイバーの剣を、神秘に守られた兵装をただの拳が防ぎ、打ち合うことができるはずがないのだ。
肉体そのものが、神秘の片鱗を宿していない限りは。


70 : 馬呑吐&アサシン ◆GsTgNENDGI :2014/07/18(金) 19:24:31 gO82dEa.0
「それでも、サーヴァントとは言え英霊と渡り合うなんて……!
 真逆、お前、死徒かッ!? そんな奴がなんでこの聖杯戦争にッ!?」
「西洋の保菌者みたいに言われるのは心外だな。
 いやなに、ちょっと「向こう側」永い旅をしていたんだが、そこで物珍しい木を見つけテネ。
 植林事業に手を出そうかと思った矢先にここに呼ばれたんだヨ」

セイバーと撃ち合いを繰り返しながら、馬はしみじみと思い返すように昔を思い返した。
逆さまに上っていく滝、フラタクル構造をした虹、鳥のような魚。
ちょっとしたアトラクションめいた世界を満喫していたのだが、そこで方舟の元となった木を見つけたのだった。
いや参った参った、と可々と笑う馬に少年は頬に冷や汗を垂らした。
馬鹿馬鹿しく笑ってはいるが、相手は紛れもなく死を纏った人外……死徒だ。
音に聞こえる二十七祖ほど、とまでは思わないが、マスターとしては破格すぎる。
なるほど、セイバーと打ち合えるのも無理はない。だが。

(感謝します。マスター、もう少しで、読み切れる!!)

少年の心憎いサポートに、セイバーは内心で感謝した。
そう、僅かにであるが、セイバー防戦一方から攻勢へと転じつつあったのだ。
如何に相手が死徒であり、相性の悪い東洋圏の技法を用いていたとしても、それでもセイバーは英霊だ。
どうやら長旅で相手の自慢の肉体は何割か消耗しているらしく、
初見の不利は、この撃ち合いで相手を見切ることでなくなりつつある。
あと1分もしない内に、天秤は、勝利はこちらに転がる。
((この戦い―――我(僕)等の勝利だ!!)

「――――とか、そういうことを考えるあたりカネ」

酷薄な、嘲るような笑みを馬は浮かべた。
人間を超越した化外の瞳を隠すサングラスに写った像をセイバーは見入る。
セイバーの勝利を確信した少年の背中にはそれまで影もなかった男が一人立っていた。

「マス」
「や、本当に知らんかったんだヨ。一度も見たこともなかったしね。
 ま、ずーっとワタシを見張っていたことはわかっていたけどネ」
「あ、あぁ……」
セイバーが振り向いて、馬が嘲ったその向こうに、鮮血が跳ねた。
少年の背中から胸に貫いた赤い刃が、華のように咲き誇る。
「タアアアアアアアアア!!!!!!!!!」


71 : 馬呑吐&アサシン ◆GsTgNENDGI :2014/07/18(金) 19:25:16 gO82dEa.0
鬼神の如き速さで、セイバーは一太刀を繰り出すが、黒衣の男……
アサシンは素早く――もうこれには興味がない、というように――剣を少年から引き抜き、血溜まる海に少年を沈めながら飛び退いた。
マスターが窮地に陥っても助け船を出すこともなく、マスター暗殺の瞬間をねらっていたのだ。

「貴様ああああああ!!!!」
「ご満足いただけましたか、媛。それは重畳にございます」

吠えるセイバーの声など木の葉の落ちる音程度も感じない様子で、アサシンは虚空に向けて何かを呟く。
延びた黒髪の間から見える赤い瞳は淀んで血のように昏い。
セイバーはマスターを抱き抱えて呻いた。臓腑を吐き出さんばかりに後悔した。
なぜ気づかなかった。死徒の存在に目を奪われ、マスターを追いつめた程度で油断してしまっていた。
これは聖杯戦争だ。サーヴァントこそを何より警戒しなければならなかったのに。

「セ……セぃ、ァ……」
「ま、マスター! まだ意識がッ!!」
その後悔に神が気まぐれの善意を差し向けたか、少年は血を泡と吐きながら呻いた。
揺さぶろうとするサーヴァントの手を払い、そのまま右手を月に掲げる。
「さ、三度、重ェて、令呪に願…………」
「! 了解した、マスター。如何な命令とて、この剣にて叶えて見せよう!」
鬼気迫るマスターの表情に、セイバーは自分の愚かさを改めて呪った。
今すべきは自身を責めることでも、マスターを案じることでもない。この死地をなんとか突破することだ。
三度の令呪を切れば、どうなってしまうかはわからない。
だが、出し惜しみできる状況ではない。ならば、ここに乾坤一擲を賭す。
アサシンも死徒も、最低限の構えだけで積極的にこちらに向かってくる気配はない。
令呪三枚掛けのセイバー相手に太刀打ちは不可能と理解しているのだろう。
今は見逃してやる。だが、次こそはしない過ちはしないと誓い、剣をーーー

「あのアサシンの剣を奪え……! なんとしてもだ……ッ!!!」

意味が、わからなかった。あのアサシンの――今はもう背中に仕舞ってある――剣を奪うことに何の意味があるのか。
分からなさすぎて、セイバーはもう一度マスターの方を向いた。
血の抜けた青ざめた顔で、少年は目だけは爛々とさせている。
そこでセイバーは気づいた。気づいてしまった。マスターが、少年が見ていたのは自分ではない。
聖杯に注ぐべき願いでもない。帰りを待つ人達でもない。
もう、自分の心臓を貫いた、あの紅い刃しか見えていないのだ。

「う、うあああああああああ!!!!!!!!」

セイバーは慟哭と共に剣を振りかざした。
そこからのことは語るまでもない。
対魔力で令呪にあらがっても、令呪のまま逃げに徹するアサシンを追おうとも、

もはや彼らの聖杯戦争に先などないのだから。


72 : 馬呑吐&アサシン ◆GsTgNENDGI :2014/07/18(金) 19:26:26 gO82dEa.0
「いや、手並みは拝見させてもらったヨ。アサシン」
霧散した魔力に手をかざしながら、馬呑吐は満足げな表情を浮かべた。
それは相手を倒したからというより、久しぶりに運動をしたら気持ちがよかったというたぐいの物だった。
「それで? ずーっとワタシを見張っていたのだろウ?  見ての通り、長旅で自慢のボディもクタクタネ。
 フルチューンならともかく、撃ち合いにしても道術にしても、英霊相手ではちと分が悪い。
 ここは共に戦っていくのが良いと思うが――どうかネ?」
「……私は、特に聖杯に捧ぐような大望などありませぬ。
 マスターが望まれるのであれば、英雄相手にどれほど通じるかわかりませぬが、尽力させていただきましょう」
片方の拳をもう一方の掌で包み、礼を取りながらアサシンは謙虚に応じる。
自己をおくびにも出さないその様は、生粋の職業暗殺者に見えた。だが。
「ふぅむ。それはその背中に差した媛君の意向カネ?」
「――」
りん、と鈴が鳴る。その音が鳴り終わるより速く、アサシンの持つ紅の刃が馬の喉元に寄せられる。
(婁よ、こやつ――)
「ええ、聞こえておりますよ、媛君。なるほど、げに恐ろしき魅了の魔力。
 これでは有象無象の者共はひとたまりもありますまい。私にその美貌効かぬとその美声聞こえしは、
 どうやらマスターとてつながった経絡によるものかト。
 間男が入ったようで恐縮ではありますが、野暮は致しませぬ故、どうか容赦願いたい」
(……ふん、妾を納めよ、婁。こいつも上物であるが、これは後回しじゃ。今は数が欲しい)
「……はッ」
嘘くさいほど慇懃な礼を取る馬に、媛……アサシンの宝具はアサシンに命じると、嘘のように殺気を納め、剣を戻した。
そう、このアサシンの主人はマスターなどではなく、この媛君。
一目その刃を見れば誰もが媛を求め殺し合う妖刀である。
故に、その願いもまた聖杯ではなく、媛ただそれのみ。媛の求める供物を献上するだけだ。

「ま、いいんじゃないかネ。願いはないと思っていたんだがこれも一期一会、
 そろそろ住み慣れた惑星(ふるさと)の地を踏むのも一興。
 ついでに麻倉屋サンに聖杯を持って行けば、いい商談もできそうだしネ」

アサシンの剣呑な意志を、人間にはよくあることとばかりに捨て置き、
馬はピクニックに行く前日のように夜空を見上げた。
いや、実際彼にとってはそうなのだ。どのような場所であろうとも、旅の途中。ただ己の我を貫くのみ。
「おい、凄い音がしたけど、何かあった――」
あまりの状況に特別ルーチンでやってきた警官NPCを、無言でアサシンが手刀で貫く。
くず折れた警官は、たちまちのうちに黄泉より還り立ち上がる。
死体が呻くより先に、馬が呪符を額に張り付けると、NPCはたちまち両腕を正面に直角につきたて、ぴょんぴょんと跳び始めた。

「ま、最初はゆっくりやろうじゃないカ。聖杯は逃げない。人生は永い。
 愉しまなければ損ネ。か、カカカカ、カカカカカ――――――!!!」

NPCをキョンシーに変えながら、死人使い達は進む。
いつも通りに、何も変わらず。
結果としてこの世を地獄にしながら。


73 : 馬呑吐&アサシン ◆GsTgNENDGI :2014/07/18(金) 19:28:20 gO82dEa.0
【クラス】アサシン
【真名】婁震戒(ロー・チェンシー)@レッドドラゴン
【パラメーター】筋力D 耐久E− 敏捷B+ 魔力D 幸運C+ 宝具C
【属性】中立・悪

【クラススキル】
『気配遮断:A−』
 サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。
 完全に気配を絶てば探知能力に優れたサーヴァントでも発見することは非常に難しい。
ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。

【保有スキル】

『黄爛武術(剣術):B(A)』
 東の旭日、黄爛国に伝わる武術を扱うスキル。実質的にスキル:中国拳法と同等。
 ただし、アサシンは剣技を得手としているため、剣装備時にはB→Aとなる。

『単独行動:B』
 マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
 ランクAならば、マスターを失っても二日は現界可能。
 独立調査隊から何度も抜け出して暴れまわった逸話から。

『芸術審美:D+』
 芸術作品、美術品への執着心。
 芸能面における逸話を持つ宝具を目にした場合、ごく低い確率で真名を看破することができる。
 特に刀剣関係に由来を持つ英霊であれば、確率が上昇する。

『軽身功:C+』
 内力を操作することで、己の身を軽くし悪路を容易く突破する能力。
 C+ならば準備さえすれば断崖絶壁すらも踏破可能。


74 : 馬呑吐&アサシン ◆GsTgNENDGI :2014/07/18(金) 19:30:13 gO82dEa.0
【宝具】
『妖剣・七殺天凌(チーシャーティェンリー)』
 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉 1人
 アサシンが片時も離さず持つ『愛』刀。その剣に宿る意志は妖艶にして酷薄な媛君。
 魅了の魔力を持っており、その刀身の輝きを目にし、囚われた者はこの妖剣を欲しがる衝動の奴隷となる。
 命を食らう性質をもち、相手の防御力を無視して生命力へ直接ダメージを与えられる。
 そして、その刀に殺された者の生命・魔力は余すことなく媛への供物と食い尽くされる。

『天凌府君、其我也(わくわくてんりょうランド)』
 ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:− 最大補足:1〜50人
 一度死し、復活したアサシンが手に入れた呪い。その手で殺した者を強制的に還り人……歩く屍へと変える。
 そして、アサシンに直接殺されて蘇った屍に殺された者もまた蘇り、アサシンの支配下に置かれる。
 ただし、蘇った者には狂化・Bが付与されるため精密な運用は不可能。
 また、七殺天凌で殺したものも屍とすることはできない。(命を吸い尽くしてしまうため)
 アサシンは創り上げた屍の群れを国家『天凌』と定め、自らを『天凌府君』と名乗った。

『無二打(にのうちいらず)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1人
アサシンの奥の手。武技の極意。
攻撃ダメージ発生時に、自身の生命力の一部を上乗せすることで追加ダメージを与える。
追加する量はアサシンの任意で決定。また、媛の合意さえあれば七殺天凌が喰らった生命力をこの宝具に乗せることができる。

【weapon】
 機械左腕(サイボーグアーム・レフト)
 当時の最高技術を持って創られた義手。アンカーリールが内蔵されている。

 仮面
 舞踏会用のただの仮面。死者の王・天凌府君としてふるまうときに装着する。

【人物背景】
 世界を二分する大国、黄爛の宗教組織・八爪会に所属する武装僧侶(暗殺者)。
 他者評価は「殺せるか否か」だけで、媛に吸わせる血としか見ていない。
 視野の隅を「凝視」する特技を持ち、暗殺対象の必死の瞬間を狙い続けている。
 一応国家の暗殺組織に所属するが、傅くのは媛だけであり、他人に従う気は皆無。
 物語本編では媛の供物にするためだけに仲間を裏切りってもう一つの大国・ドナティアの要人を殺害し世界を緊張に叩き込んだ。
 その結果、彼は一度死ぬが、世界の特殊なシステムにより還り人(平たく言うとゾンビ)になり復活。
 舞台であるニル・カムイすべてを媛に捧ぐべく、死者の群れ『天凌』を率いてニル・カムイを地獄に叩き込んだ。
 しかしその内心は媛への愛だけであり、媛に見捨てられることを何よりも恐れている。

【サーヴァントとしての願い】
 聖杯戦争はどうでもいいので媛を愛する。愛する人が命を欲しがっているので当然捧げる。

【基本戦術、方針、運用法】
 隠密行動からの暗殺一択。正面きっての戦闘では勝ち目はほとんどないため、如何に奇襲に持ち込むかが要になる。
 NPC狩りで増やした天凌国民をスナック感覚で送り込んで、その混乱に乗ずるのも有効だろう。


75 : 馬呑吐&アサシン ◆GsTgNENDGI :2014/07/18(金) 19:32:42 gO82dEa.0
【マスター】馬呑吐(マー・トンツー)@宵闇眩燈草紙
【参加方法】「向こう側」でぶらり旅をしていた際にゴフェルの木片を手に入れた。
【マスターとしての願い】情欲のままに旅の続きを。
            これが終わったら聖杯を土産に「こちら側」に戻るのもいいかもしれないネ。
【weapon】
 『強化調整肉体』
  ヒヒイロカネ製骨格フレームに生きたまま腑分けした少年少女の筋をあしらったお手製のボディ。
  ただし、向こう側での冒険で疲弊しており、完全なスペックは発揮できない。
 『マフラー』
  意のままに動いてあちらこちらを切り刻む。しかもドリルにもなる。
 『呪符』
  道術や身代わりに使う大量の符。どこに仕込んでいたか聞くのは野暮。

【能力・技能】
 『真・幽棲道士』
  死んで私に抗えるものはいないと豪語するほどの、僵尸(キョンシー)を操る死人使い。
  吸精鬼であり長い時間を生きているため、符術・道術・功夫を高水準で修めており、
  死体の数さえあればそれらを束ねて巨大傀儡にしたり、マフラーを武器にして戦うこともできる。
  技術者としてのスキルも持ち合わせており、死体を改造して強化キョンシーを作成することもできる。
死人使いの特性上、相剋の関係から木気(雷)との相性が悪いが、肉体的基礎スペックを底上げすることで対処した。
  もちろん銀やニンニクなど吸血鬼的弱点があるが、大体は克服しており「健康のために日光浴をする」レベル。

【人物背景】
  大陸マフィアの用心棒。トレンチコートに帽子にグラサン付けたクラシックマフィア然としたデブ。
  その傍ら、五行器という永久機関の完成を目論んでいた。
  が、その過程で首から下を完全消滅させてしまい、もののついでとより強化された肉体製作のために
  アメリカ大陸の街一つを『向こう側』へ消滅させた。しかしその最後に自分も『向こう側』へ
  吸い寄せられてしまい、抗おうかと思ったが、それもOKかと穴の向こうへ消えていった。
  口調は余裕のある時は胡散臭い中国語(〜アルネ)だが、マジギレしたりすると標準語になる。
  長く生きたため本来なら仙人へ至れるが、「情動を捨てて何が生か!」と俗世を満喫している。

【方針】
 本人は巻き込まれただけなので普段通り物見遊山。
 普段通りなのでアサシンの求愛活動ついでにさくっと殺してキョンシー作ったりする。
 倒すことはできないまでも初見ならば真向からでもサーヴァントと打ち合えるので、
 自身(とキョンシー軍団)が囮となってサーヴァントをひきつけ、その隙にアサシンで必殺するのが有効。


76 : 名無しさん :2014/07/18(金) 19:33:35 gO82dEa.0
投下終了です。


77 : ◆FbzPVNOXDo :2014/07/18(金) 20:40:26 ufsnUaJc0
投下します


78 : マルフォイ&キャスター ◆FbzPVNOXDo :2014/07/18(金) 20:41:24 ufsnUaJc0
ドラコ・マルフォイは激怒していた。
彼は魔法使いとして父の命でこの聖杯戦争へと赴いた。
しかし、そこではあろうことか予選という名のマグ?との馴れ合いが待っていた。
マグ?とは魔法使いではない者たちの総称でありマルフォイが嫌悪するものの一つ。
故にマルフォイにとって予選は、とても耐え難い屈辱であった。

「ふん、穢れた血め」

今まであのような者たちと馴れ合っていたのに虫唾が走る。
だが、それも終わり。今宵から始まる、聖杯戦争へと気を入れなおさなければいけない。

「貴方が私のマスターでしょうか」

ふと目の前に現れたのは狒々の皮を被った不気味な男。
僅かに動じたマルフォイだが、すぐにそれが自らのサーヴァントだと気づいた。

「ああ、僕がお前のマスターだ」

マルフォイは凛とした態度を崩さない。
誰が主で誰が僕か、主従関係をはっきりさせなければならないからだ。

「此度は、キャスターとして現界しました。真名は奈落と申します。
 ……なるほど、マスターは高名な魔法使いと見える。私は主に恵まれたようですな」

どうやら自らの立場を理解しているようだ。
それでいて、かなり優秀と思える。何せ一目見ただけでマルフォイの高貴な血筋を見破ったのだ。
中々の審美眼かもしれない。
マルフォイは一気に上機嫌になった。

「貴方ならこれも扱えるかもしれない」

キャスターは懐から一つの怪しく光るかけらを取り出した。

「何だこれは?」
「これは、四魂の玉と呼ばれる物が割れ、かけらとなったもの。
 この奈落めの宝具にございますが、私には手の余る物ゆえ持て余していたのです。
 しかし、一目見て確信いたしました。我がマスターならばこれを使いこなすに相応しい技量を持っていると」

上機嫌だったマルフォイは、言われるがまま四魂のかけらを受け取る。
それを、キャスターの指示で自身の杖に仕込み適当な魔法を壁に試し打ちしてみる。
すると、次の瞬間。マルフォイが住んでいた、この世界での自宅の半分が消し飛んだ。

「フォ、フォイ!?」


79 : マルフォイ&キャスター ◆FbzPVNOXDo :2014/07/18(金) 20:43:09 ufsnUaJc0
>>78
文字化けしたんでこっちと差し替えでお願いします

ドラコ・マルフォイは激怒していた。
彼は魔法使いとして父の命でこの聖杯戦争へと赴いた。
しかし、そこではあろうことか予選という名のマグルとの馴れ合いが待っていた。
マグルとは魔法使いではない者たちの総称でありマルフォイが嫌悪するものの一つ。
故にマルフォイにとって予選は、とても耐え難い屈辱であった。

「ふん、穢れた血め」

今まであのような者たちと馴れ合っていたのに虫唾が走る。
だが、それも終わり。今宵から始まる、聖杯戦争へと気を入れなおさなければいけない。

「貴方が私のマスターでしょうか」

ふと目の前に現れたのは狒々の皮を被った不気味な男。
僅かに動じたマルフォイだが、すぐにそれが自らのサーヴァントだと気づいた。

「ああ、僕がお前のマスターだ」

マルフォイは凛とした態度を崩さない。
誰が主で誰が僕か、主従関係をはっきりさせなければならないからだ。

「此度は、キャスターとして現界しました。真名は奈落と申します。
 ……なるほど、マスターは高名な魔法使いと見える。私は主に恵まれたようですな」

どうやら自らの立場を理解しているようだ。
それでいて、かなり優秀と思える。何せ一目見ただけでマルフォイの高貴な血筋を見破ったのだ。
中々の審美眼かもしれない。
マルフォイは一気に上機嫌になった。

「貴方ならこれも扱えるかもしれない」

キャスターは懐から一つの怪しく光るかけらを取り出した。

「何だこれは?」
「これは、四魂の玉と呼ばれる物が割れ、かけらとなったもの。
 この奈落めの宝具にございますが、私には手の余る物ゆえ持て余していたのです。
 しかし、一目見て確信いたしました。我がマスターならばこれを使いこなすに相応しい技量を持っていると」

上機嫌だったマルフォイは、言われるがまま四魂のかけらを受け取る。
それを、キャスターの指示で自身の杖に仕込み適当な魔法を壁に試し打ちしてみる。
すると、次の瞬間。マルフォイが住んでいた、この世界での自宅の半分が消し飛んだ。

「フォ、フォイ!?」


80 : マルフォイ&キャスター ◆FbzPVNOXDo :2014/07/18(金) 20:43:56 ufsnUaJc0

驚きのあまり、妙な奇声を出し腰を抜かしかける。
だが、キャスターはそれを見て歓喜の声をあげていた。

「素晴らしい。やはり貴方は至高のマスターだ。
 私の目に狂いはなかった!」

キャスターの声を聞き、マルフォイは内心おっかなびっくりながらも当然だと
言わんばかりに胸を張る。

(しかし、すごい力だった……。これならポッターどころか「あの人」だって倒せるんじゃないか?
 フフ、どうやらこの聖杯戦争は僕の優勝みたいだな。早く終わらせ、父上に報告しなければ)

マルフォイは四魂のかけらがもたらす力に絶対の自信を得た。
今なら、弱小サーヴァントなら軽く消し飛ばせる気さえした。

「ですが、少々騒ぎが大きくなりすぎたようです。
 ここは場を変え、別の場所で潜伏としませんか」

キャスターの言う通り、マルフォイのこの世界での両親は慌てふためき外は野次馬があつまってきている。
早いところ退散したほうが良いかもしれない。

「良いだろう。早く行くぞ」

こうして二人は家を抜け出した。
その際、キャスターが妙に撤退に手馴れていた気がマルフォイにはした。



(扱いやすいマスターで安心したぞ。
 貴様の邪な思いが、杖の四魂のかけらを汚しこの奈落に力を与えるのだ)

所詮マスターなど、キャスターにとっては飾りでしかない。
いわば傀儡と同じだ。
キャスターはマルフォイに知られぬようクスリと笑った。


81 : マルフォイ&キャスター ◆FbzPVNOXDo :2014/07/18(金) 20:45:14 ufsnUaJc0

【CLASS】
キャスター
【真名】
奈落@犬夜叉
【パラメーター】
筋力D(E−) 耐久D(E−) 敏捷C(E−) 魔力A(E−) 幸運B(E−) 宝具A
【属性】
混沌・悪 
【クラススキル】

陣地作成:D
魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。
”結界”の形成が可能。
しかし、その結界は飛び抜けた強度を持ち、突破するのは困難である。

道具作成:B
魔力を帯びた器具を作成できる。
使う材料は主に自身の肉体。

【保有スキル】

逃亡:A+
生前の約23回もの逃亡劇がスキルと化したもの。
追いつめられた瞬間見切りをつけすぐ逃げる能力に長けている。

半妖:B
定期的に全ての力と逃亡以外のスキルを失い、ただの人間同然のステータスになってしまうバッドスキル。
だがキャスターはその時を選べ、尚且つ自身の肉体を組み換え更に強化する事ができる。
しかし、同時に戦う力はほぼ全て無くすので、他サーヴァントとの戦闘は致命的。
メリットとデメリットが両極端なスキル。

【宝具】

『心通じぬ我が子達(奈落の分身)』
ランク:C 種別:対人 レンジ:1〜10 最大補足:1
第一妖怪・神無
第二妖怪・神楽
第三妖怪・悟心鬼
第四妖怪・影郎丸
第五妖怪・獣郎丸
第六妖怪・赤子、白童子
第七妖怪・夢幻の白夜

キャスターが生前生み出した分身。上記の妖怪のいずれかを召喚できる。
だが、どの分身もキャスターとはまるで心を通じておらず、誰も召喚に応じてくれないという欠点をもつ。

『逃走助ける邪悪の霧(くっ瘴気)』
ランク:C 種別:対人 レンジ:1〜50 最大補足:10
キャスターが逃亡する際、発生する毒の瘴気。
目晦ましや、足止めに使える。

『深淵蝕む地獄の毒蟲(最猛勝)』
ランク:E 種別:対人宝具 レンジ:1〜50 最大補足1
キャスターが生前逃亡に使ったスズメバチのような妖怪。
これを吸い込んだものは毒に蝕まれる。
だが、基本誰も吸わないので偵察ぐらいにしか使えない

『四魂の玉』
ランク:A 種別:―― レンジ:―― 最大補足――
手にしたものに力を与える宝玉。
持つものにより善にも悪にも染まる。
マルフォイはこれのかけらを手にし、パワーアップした。

【weapon】
元々、とある人間を繋ぎに無数の妖怪が集まり誕生したので強いて言うなら自身の肉体ということになる。

【人物背景】
野盗鬼蜘蛛が、妖怪たちに魂を売って生まれた存在。
あの手この手で様々な事を画策した結果、色んな者たちから恨みを買われる事になる。

【サーヴァントとしての願い】
聖杯を手に入れる。

【基本戦術、方針、運用法】
キャスターなので、裏から手回ししてマスターや他の組を潰し合わせながら最後まで生き残るというのが良手。


82 : マルフォイ&キャスター ◆FbzPVNOXDo :2014/07/18(金) 20:46:17 ufsnUaJc0
【マスター】
ドラコ・マルフォイ@ハリー・ポッターシリーズ
【参加方法】
木片を手に入れ自主的に参加。
【マスターとしての願い】
優勝する。
【weapon】
杖。四魂のかけらを仕込みパワーアップした。
【能力・技能】
ホグワーツ生として並の魔法は大概使えるだろう。
閉心術の才能を秘めている。
【人物背景】
ホグワーツ魔法魔術学校スリザリン寮に所属する男子生徒で、“純血”の名家マルフォイ家の子息。
マグルを毛嫌いし、マグル生まれのハーマイオニーに対しての「穢れた血め」は有名な台詞である。
【方針】
取りあえず他の連中を倒す。


83 : ◆FbzPVNOXDo :2014/07/18(金) 20:47:12 ufsnUaJc0
投下終了です


84 : ◆S8pgx99zVs :2014/07/18(金) 21:26:39 0jDzN4Bg0
投下します。


85 : ◆S8pgx99zVs :2014/07/18(金) 21:27:23 0jDzN4Bg0
「どうして、わたしが“こんな目”に遭わなくちゃあいけないんだっ!?」

男は複雑に曲がりくねった路地の中を走っていた。床の金網を踏む度にガシャンガシャンと耳障りな音が響く。
目に映るのは何もかもが錆びついた真っ赤な世界だ。壁も床も錆びて朽ち、得体の知れない滲みが不規則に蠢いている。
気味が悪いだなんて一言では言い表せないほどに奇妙で酷く精神が不安になる世界だった。

「『聖杯戦争』、いいだろうッ。それは理解したッ! だが、これはどういうことなんだ……っ!」

男は追われていた。不気味な正体不明に。
この奇妙な光景だって少し前は違った。聖杯戦争に参加していると“気づく前まで”は、男は普通の日常の中にいたのだ。
日がな街中をテキトーに歩き回って風景を何時間も見続けたり、どこかから漏れ聞こえてくる音楽に耳を傾けるだけという生活ではあったが、平穏だった。
だが、“気づいた途端”にこれだった。目の前の光景は赤くグロテスクに変貌し、“ヤツ”に追われるようになった。

……ザ……ザザ…………ザザ――……

ノイズが聞こえる。ノイズを吐き出すのは胸のポケットの中の携帯ラジオだ。
気づけばいつの間にかに持っていたラジオ。何の変哲もない。ただし壊れているわけでもないのにまともな放送を聞くことができない。
そして、このラジオがノイズを吐き出す時、それは“ヤツ”が近くにいるということだった。

「このラジオは『レーダー』だ。わたしに“危険”を教えてくれる……だが」

この“ラジオそれ自体が危機を招いている”のでは? 男はそんな風にも思う。思うがしかし、今はそれどころではない。逃げなくては。
金網の上を走る。向かう先に扉が見えた。無愛想な鉄扉だが取り立てて不審な点はない。
男はドアノブに手をかけ、そして瞬間“上半身を思いっきりのけぞらせた”!

「う、うおォォォォォ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!」

男の鼻先を巨大な“刃”が通り過ぎる。ゴギギギギッという擦れる音が大きく響く。その刃は今入ろうとした扉から突き出していた。

「くっ……馬鹿なッ!? ……先回りしていたのか!」

床に尻餅をつく男の前で刃が左右に揺れる。その度にメキメキと鉄扉が切り裂かれていく。まるで鋏で紙を切り裂いてゆくが如くに。容易く。
そして、“ヤツ”が切り裂かれた隙間から姿を現す。

「……うっ、ぐゥゥ…………っ!」

三角だ。その男の頭には物凄く頑丈そうで馬鹿デカい三角錐の兜のようなモノを被っていた。
背格好そのものは逃げている男とそう変わらない。標準的な成年男子より若干高めと言ったところか。
その身体には血と油に塗れた布を巻いており、そして右手には巨大な刃を手にしていた。分厚く、赤錆びている。身長と同じくらいの長さの大鉈だった。

「くそっ!」

男は立ち上がると今来た道を逆に走り始めた。“ヤツ”はどこまでも“追尾”してくる。そして絶対に自分からは“切り離す”ことができない。
その理解があるだけに苛立ちは激しくなる。ただ、幸運――いやちょっとでもマシだと思えるのは“ヤツ”の動きは早くない。そのことだけだった。
金網を踏み、ガシャンガシャンという音を立てながら男は走る。
追われて逃げるという行為は酷くストレスだった。誰だってそうだろう。しかし、この男にとっては特に激しく耐え難い苦痛なのだ。

結局、男がそれから解放されたのは1時間ほど後のことだった。





.


86 : ◆S8pgx99zVs :2014/07/18(金) 21:28:04 0jDzN4Bg0
  Ж Ж Ж


「――逃げ切った? いいや、違うな。“アレ”からは逃げ切れるわけがない。だが、離れれば元の世界に戻れることが判ったのは収穫だ」

目の前に写るのはごく普通の夜の雑踏だった。駅前の商店街。今は帰宅する頃合だから人の波は駅から住宅地の方へと流れている。
男は細い路地の中からその光景を眺める。
通勤鞄を抱えたサラリーマン。こんな時間なのにウロウロしてる学生。買い物帰りらしい神父。派手なメイクの女。逆に地味な女。
あんな光景の中に“生きていた頃”の自分もいたのだろうか? 男はぼうっとそんなことを考えた。

男の名前は――吉良吉影という。

自分の名前以外はぼんやりとしか分からない。
特に、自分がどうして“死んでしまったのか”は。分かってることも、分かっていると思っているだけかもしれない。
吉良吉影は『幽霊』だ。死んでしまい、魂だけとなった者。それでいて、未だに成仏せずにこの世界に留まっているもの。
どうして成仏しないのか。それも彼自身分からない。もっとも、本当に『あの世』や『成仏』なんてものがあるのかすらもわからないのだが。

「ともかく、始まった以上はこの聖杯戦争を乗り切る方法を考えなくては……」

吉良吉影はスーツのポケットから拳大の木彫りの像を取り出し眺める。それはマリア観音で、彼がここに呼び込まれた理由だった。
幽霊にも欲求や衝動はある。むしろ、それだけかもしれない。肉体には囚われない魂だけの存在なのだから。
そして、彼の欲求は『平穏』だった。激しい喜びや勝利は欲せず、ただ日常の中に些細な幸せを見つけ過ごす、それが彼の望むものだった。

その実現の為に彼は“仕事”をしていた。
この世には幽霊を見て話せる人間がたまにいて、そして彼はその内の一人と契約し、仕事の代価として現金を得ていた。
現金は彼が“納得”するのに必要だった。幽霊は普通の人には見えない。だからその気になればなんでも勝手にできる。
だがそれは欺きだ。欺けばそれは後ろめたさとなって心にしこりを残す。それは平穏な状態ではない。
なので彼は金を欲し、例えばバスや電車を利用する時には(誰にも気づかれないのだが)その現金を支払い、心の中に不安を溜めることを避けた。

ともかく。彼は仕事をしており、今掌に乗っているマリア観音もその報酬だった。そしてそれはこの聖杯戦争への切符でもあったのだ。

「なにが、これに祈れば『平穏』が得られますだ。あの尼ッ……!」

吉良吉影は歯を食いしばり戦慄く。その報酬はとある“屋敷”を調査する仕事で貰ったものだ。
その仕事の中で彼は左腕を失ってしまい(今でも失われたままだ)、あわや存在を消されるという寸前まで陥った。
彼は言い分次第では依頼主である尼を殺そうかとも思ったのだが、結局それははぐらかされ、現金に加えて“手当て”として貰ったのがこれだった。
『ゴフェルの木に彫られたマリア観音』、祈りを叶えるという触れ込みは(憎たらしいことに)真実だったが、しかし。

「今は、あの女のことを考えていてもしかたない。ともかく、次に“ヤツ”が現れる前に対策を――」


………………ザ、…………ザザ……ザザザ……


目の前の光景が上書きされてゆく。雑踏が、煌びやかなネオンも、ショーウィンドウの明かりも、全部。全部が赤色に。――赤色に。


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87 : 吉良吉影&バーサーカー  ◆S8pgx99zVs :2014/07/18(金) 21:28:41 0jDzN4Bg0
そして世界は日常のものへと戻る。
道端に固まったままの吉良吉影だけがそのままに世界が『裏』から『表』へと切り替わった。
再び通りは人に溢れ、彼らは何事もなかったかのように家路へとつく。そこにいる吉良吉影にも、蹲る女にも気づくことなく。

「……………………」

女もまたそこにそのままの姿でいた。なにかを抱くような姿勢でベンチに腰掛けているその姿は傍目にはあまり不自然には映らないのだろう。
通りを行く人の中には時々女の方を見る者がいるが、チラッと見るだけだ。関心は示さない。
ましてや、すでにこの女が死んでいるのだと気づく者はいない。今、それを知っているのは吉良吉影だけだ。『幽霊』である彼だけがそれを知りえる。

「う、うえぇぇ〜〜〜〜っ、ごめんねェ〜。殺しちゃってごめんねぇ……、でも、そんなうもりじゃなかったのよォ〜〜ひっく。ぐすっ」

ベンチの下に女の『幽霊』がいた。
身体を真っ二つに開かれた状態で、これも真っ二つになってしまった赤ん坊を抱いておんおんと血の涙を垂らしながら泣いている。
きっと、“このまま”なのだろうなと吉良吉影は思った。この幽霊になってしまった女はこれからずっとここで赤ん坊を殺したことを悲しみ続けるのだ。
終わりなく……そう、“魂の掃除屋”が現れるまでずっと、自分がなにをしているのかもわからずに罪悪感に押し潰され続けるのだ。



「……これが、ヤツの『ルール』か。わたしの“サーヴァント”の『ルール』……!」

そう、あの三角頭は吉良吉影のサーヴァントだったのだ。だからこそ離れることはできても、“切り離せない”し“ずっと追ってくる”。
しかしどうしてマスターである自分を追うのか。そこが謎だったが、その理由は今判明した。

「“自動追尾”というわけか。“罪人を裁く『バーサーカー』のサーヴァント”……わたしも標的というわけだ」

吉良吉影は溜息を吐く。サーヴァントの正体が判明したとしても全く気は晴れない。それどころかズンと重くなるばかりだ。
つまり、これから先、聖杯戦争が終わるまであれから追われ続けるということである。
あれに断罪されない方法は今のところ“二つ”だけ。ひとつは、遠く離れること。尤もそれでしのげる時間はほんの少しだが。そして――。

「“誰か別のヤツを身代わりに断罪させる”」

理屈はまだわからないが、どうやらあの三角頭は一度誰かを断罪するとしばらくは仕事を止めるらしい。今、全くヤツの気配は近くにない。

「そして、わたしのサーヴァントに他のマスターらを抹殺させていけば、わたしは勝利し、『平穏』を得ることができる……か?
 他のマスターのサーヴァントがどんな能力を持っているのかもわからない。自分のサーヴァントに追われているなんてきっとわたしだけだろう。
 だが、それでもやらなくちゃあいけないって言うなら……」

遠くに見える光明に吉良吉影は苦い決心をする。どんな無謀で馬鹿げているようなことでもそれしかないのだとしたらそうするしかない。
そうしなければ平穏が手に入らないのだというのなら、吉良吉影はそうする。
なにより、狭いベンチの下で悶え、自分の血と汚物の溜まった中で泣いている女の幽霊のようにはなりたくなかった。

「こいつはもらっていくぞ。もうアンタには必要ないだろうからな」

懐からナイフを取り出すと、吉良吉影はベンチの上の女の死体から左腕をブツッと切り離した。
切り口から血がドバドバと垂れ始めるが気にせず、素早くその場を離れてゆく。すぐに騒ぎになるだろうが知ったことではない。

「しかし、どうやって他のマスターを探すんだ……?」

吉良吉影は人気のない狭い路地を歩いてゆく。奪った女の左腕を自分の左肘の切り口にくっつけると、それはあっさりと自分の腕になった。
不可解な現象だが、幽霊にとっては認識のほうが重要なのだ。死者には死者の、幽霊の『ルール』がある。

そのまま街の闇の中へと消えてゆく吉良吉影。彼の今再生したばかりの左腕の甲には、髑髏にも爆弾にも見える令呪が浮かんでいた。





.


88 : 吉良吉影&バーサーカー  ◆S8pgx99zVs :2014/07/18(金) 21:29:21 0jDzN4Bg0
【クラス】 バーサーカー
【真名】 RED PYRAMID THING
【属性】 秩序・善

【ステータス】
 筋力:B 耐久:A 敏捷:D 魔力:C 幸運:D 宝具:A
 
【クラススキル】
 狂化:E その存在と行動原理そのものが元から自動的であり、そもそもとして意思を持たないので狂化の影響を受けることはなく恩恵も得ない。

【保有スキル】
 裏切り(Betrayal):A
  マスターの命に従わない。その対象である条件を満たしていれば、マスターすらも断罪(殺害)の対象として襲い掛かる。
  令呪による命令には一時的に従うが、それも極短い時間のみであり、行動原理の中にないことは令呪をもってしても行わせることはできない。

【宝具】
 『心の闇(The Darkness That Lurks In Our Minds)』
 ランク:A 種別:固有結界 レンジ:100 最大捕捉:条件を満たす相手であれば無制限
 罪悪感を心に抱える者を『裏世界』へと誘う。
 これはレッドピラミッドシングが顕在している間、常時発動される固有結界である。
 現実の世界を元に、石、金属、金網等で構成され、錆や汚物に塗れた心象風景を作り出し、対象をそこへと誘い込む。

 対象とは心の中に強い後ろめたさや罪悪感などを持った者であり、そうでない者はこれに巻き込まれることはない。
 対象となる者とそうでない者がいっしょにいた場合、そうでない者からすると急に対象となる者が消えたかのように見える。

 この固有結界には、誘い込まれた者の罪悪感を強くする効果があり、精神抵抗ができない者はその罪悪感に押し潰され身動きできなくなる。
 そしてこの固有結界内でレッドピラミッドシングに断罪された者は例外なく『幽霊(ゴースト)』となってしまう。
 『幽霊』には強く思っていたことのみが思考として残り、それに応じ、場合によっては悪霊として固有結界内を彷徨い、人を襲うようになる。

【weapon】
 『大片裁鋏(Angel's Thanatos)』
 刃渡りが人の身長ほどもある大鉈。
 これまで幾人もの人間を処刑してきた断罪の刃。
 一見、巨大な剣か鉈のように見えるしそういう風に使われるが、実は巨大な鋏の片側である。

【人物背景】
 出展は「サイレントヒルシリーズ」
 自らを罰して欲しいという男の思念から生まれた処刑人。
 その姿のモデルは『霧の日、裁きの後』という絵の中にあり、元々は過去のサイレントヒルにいたとされる処刑人である。
 これを見たある男が、その後、自らが犯してしまった過ちの重大さに耐え切れず心を壊した時、
 サイレントヒルという霊的に特殊な場がそれに呼応したことでレッドピラミッドシングは生まれた。
 裁く者であり、どれだけ逃げようとも追い続け、いつかは断罪(処刑)する。

 その裁きから逃れる方法はただ一つ。自らの罪を認め、自分自身で決着をつけると決意することである。

【サーヴァントとしての願い】
 願ってはいない。しかし聖杯触れれば、断罪する対象を無限に拡大していくだろう。

【基本戦術、方針、運用法】
 マスターである吉良吉影を断罪すべく追い続ける。
 (吉良吉影は罪人である。幽霊となってしまった彼はそのことを覚えてはいないが、心の奥底ではどこか後ろめたく感じており、そのせいで追われている)

 また、自らの固有結界の中に強い罪悪感を抱く者がいれば、それも容赦なく断罪する。


89 : 吉良吉影&バーサーカー  ◆S8pgx99zVs :2014/07/18(金) 21:30:08 0jDzN4Bg0
【マスター】 吉良吉影

【参加方法】
 仕事の依頼人である尼から受け取ったマリア観音が『ゴフェルの木片』から彫られたものであり、そのせいで召喚されることとなった。

【マスターとしての願い】
 未来永劫変わることのない『平穏』を手に入れる。

【weapon】
 『ナイフの幽霊』
 屋敷幽霊(幽霊屋敷ではなく屋敷の幽霊)の中で見つけたナイフの幽霊。
 切れ味や使い勝手など、本物のナイフと変わるところはないが、幽霊なので普通の生者の目には映らない。生体だけでなく霊体にも有効。

 『拳銃の幽霊』
 ナイフと同じく、屋敷幽霊の中で見つけた拳銃の幽霊。これも生者の目には映らず、霊体にも有効である。
 大日本帝国陸軍で採用されていた十四年式拳銃(自動拳銃)であり、使用弾薬は8mm南部弾、装弾数は8発。銃弾は豊富にある。

 『携帯ラジオ』
 なんの変哲もないポケットサイズのラジオ。レッドピラミッドシングが近づくとノイズを吐き出す。

【能力・技能】
 『幽霊』
 吉良吉影はすでに死亡しており、ここにいるのは魂だけの存在、『幽霊』である。
 幽霊なので霊感のない人からは見えない。
 人や物を自在に通り抜けることができるし、意識すれば触れることも叩くこともできる。人を通り抜けた場合、その人はなにかおぞましい感覚を覚える。
 自ら意識して人に触れる場合はなにも問題ないが、不意に人に触れられると魂が掻き乱され、最悪霊体が千切れてバラバラになる。
 霊体なので、例え身体が千切れても血が出たり痛んだりすることもなく、くっつければまた元通りになるが、手足を失うと行動を大きく制限される。

 誰かのプライベート空間に入る際は、その人物の許可がないと入れない。
 幽霊にとって、生者のプライベート空間(家の中や自室)は結界であり、何らかの方法で入ってもよいと認められない限りどうやっても入れない。
 基準は吉良吉影から見て許可されたと思うことができればよく、必ずしも相手が吉良吉影のことを認識している必要はない。
 ノックに対して扉を開けさせる――この程度で結界は解除される。

【人物背景】
 出展は「デッドマンズQ」
 ジョジョの奇妙な冒険・第四部の最後で死亡した吉良吉影のその後。
 死亡したので幽霊となっており、また自分が生きていた時の記憶(特に死亡した理由や瞬間)を持っていない。(生前のスタンド能力も持たない)
 幽霊となってからも生前と同じく『平穏』を求めて暮らしており、その手段の取っ掛かりや糧として暗殺の仕事をしている。

 暗殺の仕事はある尼から請け負っているが、彼女と吉良の間にどのような経緯があったのか、詳しくは不明。
 ともかく、法で裁くことのできない悪人などを幽霊の身を利用して人知れず処刑し、見返りとして現金を受け取っている。

 今回は、屋敷幽霊のエピソードの後、尼から『ゴフェルの木片』を受け取ったとして聖杯戦争に参加している。

【方針】
 レッドピラミッドシングから逃げながら他のマスターを探し、レッドピラミッドシングに殺害させる。


90 : ◆S8pgx99zVs :2014/07/18(金) 21:30:55 0jDzN4Bg0
投下終了です。


91 : ◆Ee.E0P6Y2U :2014/07/18(金) 23:00:56 EwF0dTYY0
投下乙です。
投下します。


92 : 結城理・セイバー(両儀式) ◆Ee.E0P6Y2U :2014/07/18(金) 23:02:05 EwF0dTYY0

「やぁ」

ぱっ、と視界が開けた。
汚れたアスファルトの道が続いている。その先に雑然と立ち並ぶ貨物や荷置場が見えた。
不気味な光が辺りには滲んでいた。そのせいで世界は青いような、黒いような、奇妙な色彩に統一されてしまっている。

――大きな大きな月の下、彼は目覚めた。

「久しぶり、ていうのもちょっと違うかな?
 ここで会うのは初めてだね」

聞き覚えのある声が聞こえた。
まだ声変わりもしていないであろう甲高い声。
気さくな口調で紡がれるその声は、どこまでも親しみ深く、しかしどこか違和な響きを持っている。

視線を下げると、そこには一人の子どもが居た。
親しみのこもったほほ笑みをその顔に貼り付け彼を見上げている。
肌はぞっとするほど白く、服は囚人服を思わせる白と黒のストライプとなっている。

その子どもには色というものが欠けていた。

月明かりがまるで色を奪っていってしまったかのように、
陰影がぬっぺりと浮かび上がっていたのだ。

「…………」

彼はその子どもを知っている。
何度か会い、話した。
皆が寝静まり一日と一日が切り替わろうとした時分、彼はどこからともなくやってきた。
いや――浮かび上がった、という方が近い。そんな気がする。

「君を待っていた。でも、今度はそれほど長い間じゃないよ。
 生まれてから全てほどじゃない。
 ただ色々なものが一度断ち切られてしまった。君が積み重ねてきた日々と、ここは少し違う場所にある。
 だから、少しだけやり直さないとね」

子どもは彼に二つのものを差し出した。
紙と、ペン。

「これから君はまた新しい契約を結んでもらうことになる。
 前とそんなに変わらない。別に難しいことじゃないさ。ただ自分の選択に責任を持ってもらう。
 それだけの話だからね。手間だと思うけど、もう一度君の名前を教えて欲しいな」

子どもの言葉が夜に響く。
どこかで聞いたような文言。しかしほんの少し、違う。
どこが違うかまでは彼には思いだせなかったが。

「…………」

彼は何も言わず子どもの言葉に応えた。
紙を受け取り、そこに自らの名前を書いていく。

「これでよし、と」

その様子を見た子どもは満足げに頷いた。
名の書かれた契約書を見て、うん、と言ってほほ笑む。

「さて、これから君はとても大きなものと出会うことになる。
 誰しもが抱え、しかし決してたどり着けない大きなもの。
 その一端が、この先に待っているよ。それがまず最初の試練になるかもしれない」

子どもは彼を見上げ言った。
バチバチ、と錆びついた。電灯が明滅する。光が漏れた結果影が濃くなった。
子どもは影に呑まれ、存在を強めたかと思うと、すっとかき消えていた。


――大きな大きな、月の下だった。
――あれはきっと満月だろう。だってあんなにも綺麗だもの。


……青い蝶が、視界の隅で舞った。






知恵の実を食べた人間は、その瞬間より旅人となった。






93 : 結城理・セイバー(両儀式) ◆Ee.E0P6Y2U :2014/07/18(金) 23:02:37 EwF0dTYY0



潮の臭いが強くなっていた。
音もした。ざ、ざ、と穏やかな波の音が耳朶に響く。
結城理は流れ込んでくる海の気配をその身に受けていた。

静かな夜だった。愛用の音楽プレイヤーも今ばかりは電源を切ってポケットに収めている。
月が綺麗で、海の臭いがする。気持ちがよく――そしてどこか不気味な夜だった。

そうして歩いていくと、結城は埠頭へとやってきていた。
波打つ海を前にして、ひっそりと置かれた足場。昼はここで荷物を係留したり、釣り人が集ったりしているのだろう。

そこに到って彼の道は終わってしまった。
これ以上先には進めない。特に当てもなく歩いてきた道はここで終わり、あとはただ引き返すのみ。
遥か遠くまで広がる大海が壁となって立ちふさがる。

だからという訳ではないが、結城は月を見た。
大きな、ともすれば手に取れるのではないかというくらい、大きな月。
しばしそれをじっ、と眺める。

夜の空と海は同じ色だ。月だけが違う。

視線を落とし、再び自らの終わった道を視る。

「…………」

すると――そこには死神が居た。
彼女は和装を身にまといつつも、羽織った赤いジャンバーに手を突っ込んでいる。
風が吹き、ジャンバーがばさばさと揺れた。短く切り揃えられた黒髪は夜の中にあって尚暗い。
埠頭の先で、彼女はどこまでも広がる暗い海を眺めていた。

「なぁ」

死神が唐突に口を開いた。
――彼女の髪が、揺れた。

「ここ、どこだ?」

振り向いた彼女の顔は綺麗だった。
女性的な美しさと男性的な凛々しさが同居した端正な顔立ち。
どちらにもぶれていない、しかしどちらも兼ねている。美男であり美女である。
そんな、端正でありながらもどこか人間的でない美を湛えた顔をした死神は、ぶっきらぼうに尋ねてきた。

結城は一瞬目を見開いたが、しかし取り乱すことなく、

「さぁ、分かんないな」

と言ったのち空をちら、と仰ぎ、そして、

「でもたぶんあそこじゃないかな?」

空に浮かぶ光を――夜を支配するように据えられた月を指差した。
言うと、死神はぷっ、吹き出した。

「ああ、それなら知ってる」

そして初めて彼女は結城を見据えた。

「さっきまであそこに居たからな。もう少しで帰れるところだったんだが」
「正確にはその近くに停まった方舟かもしれない」
「へえ、そっちは知らなかった」

何がおかしいのか、死神はははは、と声を上げて笑った。
結城は何も言わなかった。どうでもいい、と思っていた。
だからだろう。そのことに言われるまで気付いていなかったのは。

「で、オレを呼んだのはお前か」

彼女がそう言って、ずい、と身を近付けてきた。
その視線の先は手の甲――はっきりと刻まれた三画の令呪があった。

「チッ、まだ続くのか。アレに負けてなきゃ今頃帰れたのに」

そう言って死神は溜息を吐いた。やれやれ、と頭を抱えた。

「大体お前も何でオレを……」

死神が結城を見上げた。不満そうに眉が顰められる。
結城は答えることができなかった。だからか代わりに彼女が視た。
結城の身体をすっと見抜く。


94 : 結城理・セイバー(両儀式) ◆Ee.E0P6Y2U :2014/07/18(金) 23:03:16 EwF0dTYY0

「なるほど」

それを視た彼女は、何かに納得したように

「そんな馬鹿でかいもん抱えてたからオレなんかを引き寄せたんだな。
 なんだそれ。お前、身体の中になに詰め込まれたんだ」

――視られた。

その感覚が身体中を貫いた瞬間、彼は迷わず銃を向けていた。
銀の銃口が光る。拳銃の重みがひどく懐かしい。
結城は引金を引いた。

他でもない自分に向かって。







memento mori
“死を想え”








オルフェウス。
死に臨み、死に敗れた愚者。
白髪をたなびかせ竪琴を構えるその詩人は――どこか結城に似ている。

ペルソナ。もう一人の自分。心から零れ落ちた欠片。
死を意識することでそれは顕現する。

「へえ……」

死神が愉快そうに笑った。
ジャンバーに突っ込んでいた手を出す。
きらりと光るものがあった。刃。その手には鈍く光る一本のナイフが握られれている。

そして彼らは対峙する。
マスター、サーヴァント、聖杯戦争、そんな言葉は既に忘れ去られていた。

死神は死を捉え、
愚者は死に挑もうとしていた。

ああ、海の音すら聞こえない。

「う……」

代わりに聞こえたのは苦しそうなうめき声。一体誰のものだろう。

「うぅ……」

オルフェウスが頭を抑え、苦痛を訴えるように体を捩る。
その顔には苦悶の表情が浮かんでいる。
そこで結城は気付いた。

苦しんでいるのは――自分だと。

「aaaaaaaaaa」

オルフェウスが叫びを上げた。
痛い苦しい止めろ。自らのペルソナが苦悶の叫びを上げる。
しかし、それは無慈悲にも、内側からやってきた。

食い破られる。
己を卵の殻として、それは中から生まれようとしている。


95 : 結城理・セイバー(両儀式) ◆Ee.E0P6Y2U :2014/07/18(金) 23:03:49 EwF0dTYY0

「ひどいもんだな」

それを視た死神がぽつりとつぶやいた。

「オレ以外の奴にそんなもの視せたら、イカれるぞ」

そうしてそれは現れた。
長刀を携え黒衣纏う死神――タナトス。

捉えられカタチを得たか、
あるいは見竦められ恐れたか、

どちらにせよそれは結城の中より零れ出ていた。

相対する死神と死神。
空に浮かぶは満月。
月光が強く淡く照りつける。同時に夜の色がみるみる濃くなっていく。

死の色が高まり続け――そしてパンクした。

「あ……」

タナトスの姿が崩れていく。
どろどろと、カタチを失い元の無に還っていくのだ。
夜の色が引いたあと、残ったのは元の愚者だけだった。

ざっ、音がした。
結城は膝をつき胸を抑える。はぁ、はぁ、と荒い息が漏れる。

「なんだ、まだ出来損ないか」

それを彼女はつまらなさそうに眺めていた。
興が削がれた、とでもいうように息を吐き、刃を仕舞った。

「でもまぁいいや。とにかくオレもあのよく分かんない奴らと同じ扱いになっちまったってことか。
 変な霊格に縛られちまっているし、鬱陶しいことこの上ない。ただまぁご丁寧に刀までくれるとはね。
 全く……面倒な時間に飛ばされたな。しかも下の階どころか舟と来た」

死神がやれやれと首を振った。
結城は何も言えない。ただただ己自身そのものと、今しがた対峙したものに打ちのめされている。

「まぁ、やることはさっきまでと大して変りない。
 だから精々協力してくれよ、色男。
 夢か現かも分からないが、どっちにしろ大した差はない」

死神・両儀式との出会いは、そんな風に始まり、そして終わった。

どこか遠くで海の音がする。
それだけを頼りにして、結城は月夜を一人耐えていた。


96 : 結城理・セイバー(両儀式) ◆Ee.E0P6Y2U :2014/07/18(金) 23:04:21 EwF0dTYY0


【CLASS】セイバー
【真名】両儀式
【パラメーター】
筋力B+ 耐久B+ 敏捷A+ 魔力C 幸運A 宝具A+++
【属性】
中立・中庸 
【クラススキル】
対魔力 C 魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。
     ……が、大抵の魔術は彼女に届く前に殺される。
騎乗 E-  バイクのサイドカー程度には乗れる。
【保有スキル】
無拍一拍子 - 常に先手を取ることができる。自身の身体を戦闘用に作り変えた結果得た限定的な未来予知。
       気配遮断による不意打ちには対応できないが、敵を認識できていれば必ず先に攻撃行動に移れる。

殺陣無双 -  自己暗示による潜在能力の発露。防御行動に移った際にパラメーターに有利な補正が掛かる。

直死の魔眼 A 魔眼の中で最高位。モノの『死』を視る眼。魔術の域に入らない為本来の意味での魔眼ではない。
脳髄の回線が根源の渦に対して開いており、それを通して理解した万物が誕生と同時に内包した『死』を視るもの。
このスキルを利用した攻撃に成功した場合、与えたダメージは回復不能になる。
霊体化状態のサーヴァントも捉えることができ、単純ダメージを与えるだけでなくスキルを対象とすることも可能。
スキルを殺し切ることができた場合、以降そのスキルは使用不能になる。
宝具を対象とすることも可能だが、ランクが高くなるほど攻撃成功率は落ちる(死の線が見えにくくなる)
       未来のようなカタチがあやふやなものの死を視ることはできない。が、何らかの要因で確定した未来はその限りではない。
眼球を潰したとしても、死は眼球だけで視るのではないのでこのスキルは機能する。

……似た魔眼を持った少年がいるが、彼のものは元来備えていた淨眼が死に触れて『死』を視るように発展したもの。
       対する彼女のものは『両儀式』という身体に死の線を視る機能があり、それが「」に触れたことで覚醒したもの。
      その為身体に過度な負担を掛けることなく死を視ることができ、その制御も可能である。

【宝具】
『無垢識・空の境界』
ランク:A 種別:対人-対神宝具 レンジ:1〜30 最大補足:1
英霊といえど終わりなきものはない。概念・事象であろうと例外ではない。
神さえも、それにカタチができてしまった時点でそれは終わりを――『死』を内包する。
式はその『死』を捉える。

『死』を見切ったサーヴァントを『殺す』。
如何なる防御も意味もなさない上、蘇生・転生すら不可能となる。
保有スキルを全て殺したサーヴァントに対してのみ発動可能。

『両儀式』
ランク:EX 種別:「」 レンジ:- 最大補足-
式の根底にあって「式」と「織」のベースとなっている、脳でなく肉体に宿った第三の人格。
「式」と「織」を陰陽とするなら、両儀と位置付けられる、本人曰く本来なら「普通なら生まれる事も目覚める事もなかった」「生まれても意味がない」という存在。
「」の一部であり、その気にさえなれば彼女の思い描いた新しい世界で古い世界を握りつぶし、世界を思うがままに変えられる。
……とされるが実際のところは不明。ムーンセルがそれを再現できるかも分からない。
無銘曰く「阿摩羅の体現」

【weapon】
・ナイフ
式が好んで使う獲物。収集家でもある。
とはいえあくまで趣味であり彼女の本分ではない。
その為ナイフを使っている間は『無拍一拍子』『殺陣無双』のスキルが機能しない。

・九字兼定(くじのかねさだ)
彼女の本来の得手は日本刀であり、刀を使う時こそ式は本来の力を発揮する。
中でもこの刀は多大な神秘を湛えており蒼崎橙子の結界を切り裂くほどの概念武装となっている


97 : 結城理・セイバー(両儀式) ◆Ee.E0P6Y2U :2014/07/18(金) 23:04:53 EwF0dTYY0

【人物背景】
『空の境界』の主人公にして型月が誇る銀幕ヒロイン。
混血の天敵として有名な両儀家の次期当主。
両儀家は人為的に二重人格者を生み出す家系であり、持って生まれた多人格を認められ、多人格を持たなかった兄・要を差し置いて両儀家の跡取りとなった。
黒桐幹也と親交を得るが、その気持ちを持て余し、元来より宿していた殺人衝動も重なり精神的に不安定となる。
最終的に長い昏睡状態に陥り対の人格である両儀識は消え去る。それから2年後、目覚めた彼女の眼はモノの死を見る「直死の魔眼」となっていた。
和服にジャンバーという特徴的なファッションを好む。

『MELTY BLOOD』『Fate/EXTRA』等のTYPE MOON作品にも出演。
サーヴァントとの能力差は、『両儀式』状態でも防戦なら可能、となっている筈だがこれらの作品では明らかにアッパー補正が掛かっている描写もある。
『MELTY BLOOD』ではアルクェイドと同格の力を持っていたり、『Fate/EXTRA』では隠しボスとして無類の強さを誇っていたりする。
(参考になるかは微妙だが『Fate/Ace Royal』では全サーヴァント中最強の能力値・スキルを設定されている)
特に『Fate/EXTRA』では99騎のサーヴァントを倒したと明言していたり、ムーンセルにおいて何らかのブーストが掛かっている模様。
型月におけるジョーカー。首切りバニーは負けバトル。

【サーヴァントとしての願い】帰る。『Fate/EXTRA』でのボス戦後に方舟まで下りてきたようだ。
【基本戦術、方針、運用法】
高いステータス、有用なスキル、そして直死の魔眼による回復不可の攻撃……と非常に強力なサーヴァント。
特に直死によるスキル封が凶悪で、場合によっては相手に何もさせず完封できてしまう。
大魔法や結界を使って隔離することも不可能。気配遮断による不意打ちも不可能ではないが、瞬時に戦闘態勢に移行できる為成功率は低いだろう。

弱点はその射程。凶悪な性能を誇る直死だが、実際の攻撃手段はナイフか刀による斬撃に留まる。
その為有効射程はそう長いものではない(概念的なものを相手取る場合は関係ないが……)
また神秘の高い存在には鬼札となるが、それ故物理的な攻撃には弱い部分もある。
仏舎利のような『生きているのか死んでいるのかあやふやなもの』で武装されると死の線が見えなくなるのも注意。


【マスター】結城理
【参加方法】? ニュクスとか関わっているかもしれない。
      参戦時期は少なくとも死神コミュがMAXになる前。
【マスターとしての願い】迷ってる。
【weapon】
召喚器
拳銃を象っているが別に弾は出ない。
使い方は『自分に向かって引金を引くこと』。死の恐怖に打ち勝つことでペルソナを発現する。
この自殺を思わせる描写のせいで海外ではレーティングが上がっていたり。

それと持ち込みはできていないが、剣や弓、斧等の武器も扱える。

【能力・技能】
・ペルソナ
主に心に何らかの暗い過去、つまり深いトラウマ(親の不可解な死、親からの期待など)を持つ者が覚醒する力。
もう一人の自分であり、シャドゥに唯一対抗できるもの。
結城理が中でも『ワイルド』という複数のペルソナを付け替える力を持つが、現在使用可能なのは『愚者オルフェウス』のみ。
スキル構成は『アギ』と『タルンダ』。つまり初期のまま。
何かの影響で『死神タナトス』が姿を現すこともあるかもしれない。

【人物背景】
『ペルソナ3』の主人公。
「どうでもいい」に代表されるように、全体的に選択肢に無気力なものが多い。
月光館学園に転入してきた高校2年生の少年。満月の夜にシャドウに襲われたことがきっかけで、ペルソナ能力を覚醒させる。
その他のペルソナ使いとは違い、複数のペルソナを同時に所持し、自由に付け替える特殊能力「ワイルド」を持っている。
実は世界の破滅を招来する"デス"を体内に封印している器。10年前のシャドウ研究所爆発事故の際に巻き込まれ、両親が死に、アイギスによって暴走するデスの器とされた。
無気力なのはその影響らしい。ペルソナ同士の合体技、更に受胎まで出来てしまうのはデスが宿っている影響だとか。
原作出典だが名前・性格は劇場版ベース。

【方針】
これから考える。


98 : ◆Ee.E0P6Y2U :2014/07/18(金) 23:05:32 EwF0dTYY0
投下終了です。


99 : ◆lMCmV0X/mQ :2014/07/18(金) 23:28:25 gMExlsi.0
投下します。


100 : FINAL DEAD KING CRIMSON ◆lMCmV0X/mQ :2014/07/18(金) 23:29:08 gMExlsi.0

「今日はここまで。」


「起立、礼。」

委員長の号令で七間目の螺ェp,は終了。
各々が卓上の荷物をまとめ、意気揚々と部活へ、気だるげに自宅へなどなど、教室を後にする者もいれば、

今の今まで惰眠をむさぼっていた為にせっせと授業内容をノートに移している者、次の学力試験のヤマを張

る者もいる。

授業を終えた教師はぼんやりと黒板の前に立っている。
―――スーツ越しに見ただけでもわかる屈強そうな肉体、斑が入り混じったピンク色の長髪、ただならぬ風

格を感じさせるその顔つきのただ一点、眼から生気を感じられない。

「せんせー!」

何気なく見やった日常にふと違和感を覚えた彼だったが、その正体を理解する前にこちらに向かって来た一

人の生徒に対応する。

「どうした?」

よほど授業熱心なのか辞書を片手にこちらに向かって急加速。
はて、自分の受け持つ授業は語学系だったか、とさらに浮かぶ疑問を尻目に

「こら、走ると危ない―――?」
ぞ、といいかけた彼は。
ディアボロは。


足を縺れさせて転んだ生徒の手から決して生温くないスピードを持って投擲された重量感溢れる英和辞典に額を割られ、

死んだ。

【ディアボロ@ジョジョの奇_____


101 : FINAL DEAD KING CRIMSON ◆lMCmV0X/mQ :2014/07/18(金) 23:30:14 gMExlsi.0

☆   ☆   ☆


三限目、aケ■箕シ。
授業終了のチャイムが鳴る合図。

授業の終わりにふと生じた違和感に伴って痛み出す頭に辟易しながら彼は職員室を目指す。

普段よりも鬱陶しく感じる生徒の群れをすり抜け、長い長い廊下を歩いていきようやく階段に到達する。
頭痛は酷くなってきたようだ。職員室よりも保健室へ向かったほうが良いだろうか。

手摺りに手をやり、両の足で一段一段踏みしめて降りていく。

(気を抜くと落ちるな、これは…)
と思った矢先、

「あ、スイマセン。」

どん、と。
駆け抜けるように階段を上がってきた男子生徒と肩がぶつかった。

「な………」

その衝撃には足も、手摺りも、意味を成さず

「ぐ……」

紙細工のようにディアボロは体勢を崩してしまった。

幸運だったのは上がってきた生徒とぶつかった為、前のめりに落下するように倒れこまずに済んだことで、


―――さらに幸運だったのは直後、ディアボロの後頭部を捉えた11段目は一切の思考と苦痛を彼に許さず意識を闇に落としたことだろう。



【ディアボロ@ジョジョの奇妙な冒険】死_______


102 : FINAL DEAD KING CRIMSON ◆lMCmV0X/mQ :2014/07/18(金) 23:30:55 gMExlsi.0

☆   ☆   ☆


「おはようございます。」


「ッ……ああ、おはよう」


黄金の太陽に眼が眩む。
「ハーッ……ハァーッ……」
彼は今、ちょうど校門に立って生徒の登校を見守っている。
夜中まで友人とメールのやり取りでもしていたのが瞼を擦りながら歩いてくる者、今日あるであろう体育の徒競走に熱を燃やす者。
門をくぐるひとりひとりに挨拶をする。
ほとんどルーチンワークと化したそれを彼が何故やっているのかというと

(……何故だ?)


いや違う、確か自分はこの学園の教師だからだった。
そう。

―――そういう役割がわりふらlg縫yれ競いwさf痲るh


突如襲ってくる頭痛と吐き気。
気のせいか視界すら靄がかかった様に不明瞭だ。

「先生、大丈夫ですか?」

通りがかったひとりの生徒が顔色などから判断したのか心配そうに声を掛けてきた。

「いや……オレは……」

そう、オレは―――


「ッ!?先生!あぶな―――」


先程から鳥肌がとまらないし、呼吸も儘ならないほどの苦しさ。
挙句には一度割られた頭が割れるかのような衝撃。
それらを


「オレは―――帝王だッ!パッショーネのボス、ディアボロだッ!!!」

ドォォ―――――z_____ン



木っ端微塵に打ち砕くかのように宣言する――!


(…全て、全て「思い出した」ぞッ!!)

―――彼の名はディアボロ。
イタリアのギャング集団「パッショーネ」に君臨するボスだったのだが、とある黄金の精神に敗北し、結果にたどり着くことのない死を迎えた。

しかし今、彼は正式に方舟を争奪し自らの死を乗り越える「権利」を得たッ!

――これは「試練」だ。
―――過去に打ち勝てという「試練」とオレは受けとった。
――――人の成長は、未熟な過去に打ち勝つことだとな…
―――――この聖杯戦争を勝ち抜き、方舟を得て今度こそオレは死に打ち勝ってみせるッ!!


尤も、
その宣言に答えたのは従者でも傍立つ者でも、ましてや運命でもなく

―――え?

突如月海原学園の朝の校門に突っ込んできたトラックの、その前輪だったわけだが。


103 : FINAL DEAD KING CRIMSON ◆lMCmV0X/mQ :2014/07/18(金) 23:31:56 gMExlsi.0
☆   ☆   ☆



「ここは……」

全てを思い出した彼が次に目覚めたのは日常風景の中でこそなかったが、依然所は学園内。
教師として生活していた時にたびたび通ったことのある廊下だった。
ただ違うところを挙げるのなら、突き当たりが全く見えないということか。
いや、それどころか奥に行けば行くほど徐々に闇にすら包まれている様にすら見える。
だがしかし

「このディアボロには『夢』がある!」

何時かの何処かの死の間際、手を伸ばした先にあったその木片がディアボロをここまで導いた。
如何なる暗闇の荒野でも進むべき道を切り開く。
そんな覚悟で自分はあの木片に触れたはずだ。

「なんとしてでもこの終ることのない死を乗り切ってみせる…!」

野望を胸にディアボロは闇に向かって一歩踏み出し始めた。



■  ■  ■



目覚めてから、だいぶ歩いた。
もしかしたら『終わりがない終わり』を迎えてから一番長く生き残ってるかもな、などと独りごちながら(とは言っても彼は数えるのを止める程度には死んでいるのだが)着いた先には扉が一つ。

憶えがある。たしかこれは用務員室へつづいているのだったか。
…だがほとんど迷宮(アリーナ)のような果てしない廊下を歩いてまさか部屋が一つあるだけ、なんてことはないだろう。
―――なにより血と暴力に塗れた裏の世界で生き、また何度も終らない〝死〟を体験してきたディアボロには扉越しであっても―――そこに『居る』ものがどういうものかは察しが付く。
「……………」
躊躇わず扉に手を掛け――開ける。

「――――」
決して広い空間とは呼べないその部屋に、こちらに背を向けている者が一人。

―――そこに在ったのは異形だった。
手足は棒や針金を思わせる細長さ。
かと思い細部を観察してみるとその四肢はまるで赤子染みた冗談の様な矮小さも見える。
ゆっくりとこちらを向く表にはしゃれこうべを思わせる面。

(アサシン、か?)
暗殺者のクラス、だったか。
十中八九、アレはサーヴァントなのだろうが、面の目にあたる部分の窪みが殺意と狂気をもってこちらを睨んでいることからまさか、自分のサーヴァントではないのだろう。

―――スタンド戦では。
相手の攻撃の正体や狙いを見極め確実な対処することが重要だ。
だが―――目の前の人ならざる相手は後手に回る暇すら与えるほどの甘い奴じゃあないだろう。
そう即決し、ディアボロは―――

「キング・クリムゾンッ!我以外のときは吹き飛ぶ!!」


104 : FINAL DEAD KING CRIMSON ◆lMCmV0X/mQ :2014/07/18(金) 23:32:57 gMExlsi.0

相手が完全にこちらを向き終わらない内に、深紅のスタンドを顕現、能力を発動。
彼のみが動ける時の中でアサシンの背後に回り込む―――!

それに遅れてアサシンは腰に挿してある大ぶりのダガーを構えるが、

「サーヴァントだが何かよくわからんがくらえッ!」
吹っ飛ばした時の中では全てが無意味。アサシンは今、背後のディアボロを認識していない。
キング・クリムゾンはその手刀を振り上げ、
「時は再び刻み始める…………!」

能力が切れるのを見計らって、振り下ろすッ!
だが

「何!?」
武器を持ってる腕の切断を狙って、渾身の手刀を繰り出したディアボロだが、パワーAランク相当のキングクリムゾンの攻撃でも腕の切断には至らなかった。

理由はそう難しくない。
単純な相性の問題で、英霊は神秘の伴っていない攻撃で傷をつけるのは困難なことだ。
その点、スタンド使いの操るスタンドパワーは宝具とまでは行かないまでも魔術に肉薄しうるものではあったが、圧倒できるほどではなかった。
ある世界で行われた聖杯戦争での『サーヴァントがスタンド使い』という例ならともかく、スタンド以外はただの人間である彼の神秘など高が知れているという訳だ。

それでもダガーを叩き落とす程のダメージは与えられたと見えて、床に落ちたそれを左手で掬うように広いながら距離を取るアサシン。

「―――」
「………」

言葉もなく、睨みあう二人。
自身のスタンドのダメージの通らなさと常人離れしたその雰囲気がディアボロに焦りを生ませる。

「―――――!」
次に攻勢に出たのはアサシン。
左手に持っているダガーを音も置いていく疾さで何もない空間を横に『一閃』
―――瞬間、ディアボロの左足から鮮血が吹き出す。

「うおおおおお!?」

突然の事にディアボロの理解が追いつかない。
その紅から新たな死が思い起こされそうなところを思考で埋め尽くすことで彼は自身の正常を守った。
時を吹き飛ばして避ける暇もない程のスピード。超スピードで近づいて斬りつけた?ダガーから衝撃波を飛ばした?
否、違う。ならばあれは、あれこそが―――例の宝具とかいうものだろうか。


ディアボロの思考が正解を叩き出すのを待った訳では無いだろうが、アサシンはその大ぶりのダガーを上段に構えながら、間合いが一切不明瞭なその体を駆って壁から天井、床と立体的に接近してくる。

直接、斬りかかりに来る気か。
回避の為、左に持つ凶器に気を配りつつ敵を見据えてスタンド能力を発動しようとするが
偶然、二つの空洞と目が合う。そしてこちらの動揺を見透かしたのかこれまで言葉一つ発しなかったアサシンは
―――静かに嗤った。


105 : FINAL DEAD KING CRIMSON ◆lMCmV0X/mQ :2014/07/18(金) 23:34:22 gMExlsi.0

「ッ――!!!」

度重なる死への恐怖と逃避が彼の闘志を完全に滅した。
先程まで全く気にならなかった左足が熱い。

―――オ、オレはまた死ぬのか!?次はど…どこから…!

暗殺者の嗤いが焼き付いた様に消えない。
声も無く、ましてや感情も無いような嗤いだったがそれでも確かにディアボロの脳に残っている。
当人は狭い部屋を蜘蛛の巣のように使い、真綿で首を絞めるようにディアボロを追い込む―――!

―――い…いつ『襲って』くるんだ!?オレは!オレはッ!

また無理だったのだろうか。矢の力からは逃れられず、オレは死の運命から逃れられないのか。

―――いや、『まだ』だッ!
――――今回、『まだ』オレは『死んでいない』!
それはここに来て初めて彼自身の口から出た、死の否定。

「オレのそばに近寄るなあああ――――――ッ!!!」

その否定を。
何時、如何なるときも死と隣合わせのような彼が――――聴き零せるはずが無かった。



■  ■  ■


今までと比べても全く遜色ない死の瞬間。

アサシンの肉薄の寸前、彼にはついに打倒できなかったダガーを左腕ごと―――朱い槍が、貫いていた。

「―――よう、ご同業。」

まったく、因果だねぇ―――と
いつの間にかアサシンから自分を庇うように立っていた青タイツで長身の槍兵がやけに皮肉げに呟いた。
ちらりと一瞬だけ合っただけで、その目はかつて部下だった護衛チームの奴らと同じ輝きをしていることがわかる。

「――――!!」

サーヴァントの姿を認めたためかアサシンの殺気が膨れ上がる。
彼はまた距離を取り、宝具で片をつけるつもりだったのだろうがしかし

「遅ぇよ。」

ダガーを持ち替えることすら許さず、アサシンの胸を貫いた追撃の中つ槍。
―――二、三の呻き声を発して、しかし急所を貫かれどうする事も出来ず、彼はあっさりと消滅した。

「お前が……」

オレのサーヴァントか、と言いかけてディアボロは仄かな熱と共に右手に浮かび上がってきた紋様―――令呪に気づく。

「そうだが。なんだ、事もあろうに暗殺者の前で啖呵切ったんだろ?もちっとシャキッとしろ。」

「………」

戦闘後とは思えない様な軽い返しだった。

その槍捌きを見るに戦争を生き抜くパートナーとしては申し分ない。

―――生前は他人に正体を見られまいとしていたオレが生への執着だけでここまで変わるとはな。
とそんなことを考えて、かつては己の永遠の絶頂の為、たとえ近しいものであろうと邪魔者を排し続けた自分が強さは段違いとはいえ、会ったばかりの従者を頼りにしていることを軽く自嘲したりもした。
まあ、何にせよ

(見ていろ、ジョルノ・ジョバァーナ。オレは今度こそレクイエムから脱出してみせる!)


―――今、〝生〟を懸けた男達の聖杯戦争が始まる。


106 : FINAL DEAD KING CRIMSON ◆lMCmV0X/mQ :2014/07/18(金) 23:35:24 gMExlsi.0

【クラス】ランサー
【真名】クー・フーリン@Fate/stay/night(又、カーニバル・ファンタズム)
【パラメーター】
 筋力 B 耐久 C 敏捷 A 魔力 C 幸運 E 宝具 EX
【属性】
 秩序・中庸 

【クラススキル】
 対魔力C…第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。
      大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。

【保有スキル】
戦闘続行Å+…往生際が悪い。
      瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。
      マスター補正によりブースト  
仕切り直しB+…戦闘から離脱する能力。
       また、不利になった戦闘を戦闘開始ターンに戻し、
       技の条件を初期値に戻す。
       ディアボロの受けた『真実(死)にたどりつくことが出来ない』という能力から多少強化されている。
ルーンB…北欧の魔術刻印・ルーンの所持。
矢よけの加護B…飛び道具に対する防御。
神性B…神霊適性を持つかどうか。高いほどより物質的な神霊との混血とされる。

【宝具】
「刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)」
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:2〜4 最大捕捉:1人
槍を放つ前に槍が『心臓に命中した』結果の後に
槍を放つ、因果を逆転させる魔槍。
運命そのものに対する攻撃を行う宝具。
宝具発動に必要とする魔力量が少なく、
一対一ならば六連戦しても魔力を補充しなくてよいことから、対人戦に非常に効率がいい。

「突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク)」
ランク:B+ 種別:対軍宝具 レンジ:5〜40 最大捕捉:50人
渾身の魔力と力を籠めた槍を投擲する。
槍はマッハ2の速度で飛んでいく。「刺し穿つ死棘の槍」よりも単純に高い威力を持つが、確実な命中率は失われている。
人一人を刺し貫いていくのではなく、炸裂弾のように一撃で一軍を吹っ飛ばす。
因果を歪ませる呪い及び必中効果は健在であるものの概念的な特性や運命干渉などは無く、あくまで単純威力系宝具に分類される。

【weapon】
 ゲイボルク
 師匠スカサハから授かった魔槍。
 ちなみに伝承では、ゲイ・ボルクには「心の臓を喰らうもの」もしくは「雷の投擲」という呼び名がある。


107 : FINAL DEAD KING CRIMSON ◆lMCmV0X/mQ :2014/07/18(金) 23:36:16 gMExlsi.0
【人物背景】
アイルランドの大英雄。
アルスター神話で登場する。
光の神ルーとアルスターの王コノールの娘デヒテラとの間に
産まれた半神半人の英雄。
幼名をセタンタと言い、幼い頃から
「この子は英雄として生きる」と予言されていた。
ある日のこと、クー・フーリンはドルイドのカスバドが、今日騎士になるものはエリンに長く伝えられる英雄となるが、
その生涯は短いものとなるという予言をしたのを聞き、騎士となるべく王の元へと向かった。
騎士になるにはまだ早いと渋る王に対して、クー・フーリンは槍をへし折り、剣をへし曲げ、チャリオットを踏み壊して自身の力を見せつける。
観念した王はクー・フーリンが騎士になるのを許し、彼の力にも耐えられる武器とチャリオットを与えた。
クー・フーリンは、フォルガルの娘エメルに求婚するが断られたため、影の国を訪れ女王スカアハの下で修行を行う。
この時共に修行を行った仲間に、コノートのフェルディアがおり、彼とクー・フーリンは親友となる。
修行中、影の国ではスカアハと対立するアイフェ(一説には双子の姉妹)との間に戦争が起こった。
スカアハはクー・フーリンが戦場に出ることのないように睡眠薬を与えるが、クー・フーリンには効き目が薄く彼を止めることができなかった。
戦いは膠着し、アイフェは一騎打ちで決着を付けようとするがスカアハは負傷していたため、代わりにクー・フーリンがアイフェと一騎打ちを行い生け捕りにした。
スカアハの下には彼以外にも修行を行う仲間がいたが、その中でただ一人ゲイボルグを授かる。
その後、帰国したクー・フーリンだが、フォルガルはエメルとの結婚を許さなかったので、フォルガルを打倒してエメルを娶った。
クーリーの牛争いに端を発するコノートの女王メイヴとの戦いで、修業時代の親友フェルディアをゲイボルグで殺してしまう
(また、彼を訪ねてきた息子コンラをやはりゲイボルグで殺してしまう)。
ゲッシュを破り半身が痺れたところを敵に奪われたゲイボルグに刺し貫かれて命を落とすが、
その際、こぼれ落ちた内臓を水で洗って腹におさめ、石柱に己の体を縛りつけ、最後まで倒れることがなかったという。

・・・だが今回はマスターであるディアボロに引きずられ、『とある世界』の事あるごとに理不尽に死に続けた彼が呼ばれている。ある人物の助言から死を回避することに尽力するも結果、叶わなかった。
今回の願いもその辺から来ているようだ。

【サーヴァントとしての願い】
 戦いを楽しみたい……が、理不尽に死ぬのだけはよしたい。

【基本戦術、方針、運用法】
 死に続けるのはもう真っ平御免だ。だろ?マスター?


108 : FINAL DEAD KING CRIMSON ◆lMCmV0X/mQ :2014/07/18(金) 23:36:53 gMExlsi.0

【マスター】
 ディアボロ@ジョジョの奇妙な冒険 

【参加方法】死を繰り返しているうちに偶然、木片を発見。

【マスターとしての願い】
 死の連鎖から脱出。
 但し、それが完全な死を迎えることか蘇生することなのかまでは考えていない。

【weapon】
 スタンド:キング・クリムゾン
 但し、一般人、英霊にも見たり触れたりできる。

【能力・技能】
【破壊力 - A / スピード - A / 射程距離 - E / 持続力 - E / 精密動作性 - ? / 成長性 - ?】

この世の時間を消し去る主能力『キング・クリムゾン(深紅の王)』と、頭部に付いたもう一つの顔で未来を100%の確率で予知する補助能力『エピタフ(墓碑銘)』(正確には、時間を十数秒飛ばした未来の動きを見る事が出来る能力)を持つ。『エピタフ』を単体で本体の額に出現させる事も可能。

 この世の時間を5〜10秒「吹っ飛ばす」ことができる。
ディアボロは吹っ飛ばした(消し去った)時間内に起こることをスローモーションのように見ることが可能。
また、その時間内で自由に行動できる。まさに無敵のスタンド。
弾丸が自分に当たる寸前に当たった過程を吹っ飛ばし(=弾丸を透過させ)後ろの敵に当てる、相手が物に触れた過程を吹っ飛ばし物と重なった時に能力を解除することで相手を串刺しにするなどの応用が出来る
しかし原作では消し去った時間内で、直接攻撃をする描写がないので、見ることしか出来ないのかもしれない。

もう一つの能力、『エピタフ』の予知で見られる映像は必ずしも未来に於いて「自分の目が見ている映像」ではなく、自分を中心にあらゆる角度から客観的に見る事もでき、自分の背後の空間から見た場合「自分」+「前方」を見渡すといった事も可能である。

この能力の真価は『エピタフ』による100%の未来予知と併用する事により、自分に都合の悪い未来の運命を察知した上で、それを無かった事にできる事である。対峙する者が「いつ」「どこから」「どんな攻撃」を加えようと、奇襲や不意打ちやどんなに高度な罠を張ろうとも、「攻撃を受けたという未来」を『エピタフ』で先読みし、『キング・クリムゾン』で時間を消し去る事により「攻撃を受けている過程」を無かったことにして回避する事が出来る。

令呪と併用することで飛ばした時の中をサーヴァントに認識させる、エピタフの予知を伝えることが可能。



【人物背景】
 1967年に刑務所に服役した母から産まれ、サルディニア島の神父に引き取られる。
青年時代にエジプトの遺跡の発掘のバイトに参加して、スタンドの矢を6本発掘する。
矢でスタンドを手に入れたディアボロは組織「パッショーネ」を結成しいっきにのしあがる。
そして部下の誰にも素性を出さずに、組織のボスとしてヨーロッパ中に麻薬を広める。
その後、矢の所有を巡りジョルノ・ジョバァーナらと敵対し敗死したが、矢の効果でパワーアップしたジョルノのスタンドの効果で死んだという事実にたどり着かなくなり、永遠に死に続ける羽目になる。

生前は「帝王」を自称し、自身の永遠の絶頂を脅かすものを許さなかったが度重なる死により磨耗している。二重人格者で、「ドッピオ」という名の気弱な少年の人格が内在していたがジョルノ達との死闘で切り捨てた。


【方針】
とにかく生き、レクイエムからの脱出を目指す。


109 : FINAL DEAD KING CRIMSON ◆lMCmV0X/mQ :2014/07/18(金) 23:37:32 gMExlsi.0
投下終了です。


110 : ◆ysja5Nyqn6 :2014/07/19(土) 00:00:01 kN5SeYpA0
衛宮士郎+セイバーを投下します。


111 : Fate/hollow night ◆ysja5Nyqn6 :2014/07/19(土) 00:00:50 kN5SeYpA0


     01/back to the stay night


  ――――目眩がした。
     欠けた夢を、見ていたようだ。


 “月を望む聖杯戦争”。
 そう呼ばれる戦いに、衛宮士郎(オレ)は参加させられていた。
 そこに俺の意思など関係はなかった。気が付けばすべてを忘れて、予選に参加させられていたのだ。
 今でこそすべてを思い出してはいるが、それはまるで、夢を見ているような感覚だった。

 ……いや、その感覚は、こうして目覚めた今も続いている。


「―――問おう。貴方が、私のマスターか」

 凛とした声が響く。
 たったそれだけで、無理やり招かれた事などどうでもよくなった。
 それほどまでに、俺は目の前で佇む少女に目を奪われていた。
 それを知ってか知らずか。少女はかつての再現のように、その言葉を続けた。

「サーヴァント・セイバー、召喚に従い参上した。
 ―――これより我が剣は貴方と共にあり、貴方の運命は私と共にある。
 ――――ここに、契約は完了した」

 その姿を、覚えている。
 僅かに振り向く横顔。どこまでも穏やかな聖緑の瞳。
 たとえ地獄に落ちようと、鮮明に思い返すことが出来と確信した、その姿。


 ―――空には白銀に輝く真円の月。
    静謐なる静寂の中、かつて騎士王と謳われた少女が、月の光に照らされていた。


      †


「―――シロウ、“目は覚めましたか”?」
「あ、ああ。大丈夫、一応全部思い出した。
 わるい、セイバー。心配かけちまったみたいだな」

 俺の状態を確認するように、セイバーが声をかけてきた。
 その声にはっと現実に立ち返り、慌ててそう答える。

「いいえ、かまいません。
 シロウが周囲を心配させるのは、いつもの事ですから」
 セイバーはそう言って、呆れたように小さく笑みを溢した。
「む……」
 その言葉に若干の反感を覚える。が、反論の余地はないので押し黙る。
 彼女の言う通り、自分が無茶をしてきた自覚はあるし、その無茶をフォローしてくれたのは主にセイバーだ。
 下手に反論しては、どんなしっぺ返しが帰ってくるかわかった者じゃない。
 それに―――

「それに、貴方が私を心配させるのはこれからでしょう。
 今のこの状況を、貴方が良しと出来る筈がないのだから」
「……………………」
 さすがセイバー。衛宮士郎(オレ)のことをよく知っている。

「ああ、そうだな。……俺はこの聖杯戦争を止めるつもりだ」

 もしこの聖杯戦争が、周囲に迷惑を掛けず、単なる魔術師同士の争いで終わるのなら、止めようとは思わなかったかもしれない。
 なぜなら魔術師である、という事は常識から離れているという事であり、魔術師の本質は生ではなく死である。
 死ぬ時は死に、殺す時は殺す。魔術とは、自らを滅ぼす道に他ならない。
 そして相手が同じ魔術師なら、殺すことに抵抗はない―――それが俺の教わった、魔術師の初歩だからだ。


112 : Fate/hollow night ◆ysja5Nyqn6 :2014/07/19(土) 00:01:31 kN5SeYpA0

 だがこの聖杯戦争は違う。
 俺はこの聖杯戦争に、自分の意思とは関係なく強制的に参加させられた。
 ならばどうして、他に同じように強制参加させられたマスターがいないなどと言えよう。
 仮にも“正義の味方”を目指している以上、そんな巻き込まれてしまった人たちを見捨てるようなマネはできない。

「きっとまた、セイバーに何度も迷惑をかける事になると思う。
 それでも良ければ、俺に協力してくれないか、セイバー?」

 セイバーをまっすぐに見つめて、そう頼み込む。
 自身の無力さは身に染みている。この聖杯戦争は、俺一人だけではどうすることもできない。
 聖杯戦争を止めるには、サーヴァントであるセイバーの協力が必要だ。

「……まったく。やはりと言うべきか、貴方ならそう言うだろうと思っていました」
 セイバーはため息を吐きながら、呆れ調でそう口にした。
 そしてそのまま、ですが、と言葉を続ける。

「元より我が剣は貴方に預けています。貴方がそれを望むのであれば、是非もありません。
 それに覚悟もない者を戦場に狩り立てるのは、私としても本意ではありませんしね」
「セイバー」
「行きましょう、シロウ。何をするにしても、まずは拠点を定めなくては」
 セイバーはそう言って、再現された夜の街へと向けて歩き始める。
「ああ、そうだな」
 その頼もしい背中を見つめながら、そう口にして彼女に続いて歩き出そうとして、

「――――え?」

 セイバーが一瞬、彼女を象徴する青い衣ではなく、何か別の、黒い戦装束に身を包んでいるように見えた。

「どうしました、シロウ? 何かありましたか?」
「い、いや……何でもない。すぐ行く」
 立ち止まったままの俺を不審に思ったのだろう。
 そう振り返るセイバーは、いつもの紺碧と白銀の戦装束に身を包んでいる。

「気のせい……だよな。やっぱり」
 たぶん、月の光で目が眩んだのだろう。
 ネガポジが反転したように、一瞬だけ彼女の姿が黒く見えてしまったのだ。





「行こう、セイバー。
 一刻も早く、こんな戦いを止めるために」
 錯覚を振り払うようにそう口にして、セイバーと並んで歩き出す。

 聖杯戦争は始まったばかりだ。
 これから始まる戦いで、何人ものマスターが散っていくだろう。その中には当然、強制的に招かれたマスターもいるはずだ。
 仮にも正義の味方を目指している以上、そういったマスターを助けるためにも、この聖杯戦争を止めなくては。


     02/ Heaven’s Feel hollow night


「―――とまあ、こんな感じで“表”のオレたちの顔合わせは済んだわけだけど、」
 不意にそう口にして、衛宮士郎(オレ)は目の前の少女へと声をかける。
「アンタのほうは何か思う所はあるかい、裏側の……いや、“本物のセイバー”?」
「――――――――」
 “黒色の戦装束”を纏ったセイバーはその質問を黙殺し、冷たく押し殺した殺意だけをオレへと向けてくる。

 このセイバーは衛宮士郎がよく知る、清廉なる騎士王ではない。
 『この世全ての悪(アンリ・マユ)』に呪われ黒化した、冷酷なる暴君である。
 彼女は大空洞内にあった『ゴルフェの木片』に接触したことで、この聖杯戦争に参加したのだ。
 先ほどまで本来の騎士王としての姿をしていたのは、まあオレとの“契約”による特典みたいなものだろう。


113 : Fate/hollow night ◆ysja5Nyqn6 :2014/07/19(土) 00:02:08 kN5SeYpA0

「ケケ、嫌われたもんだねぇ。
 ま、それも当然か。アンタからしてみれば、オレのこの姿はアンタの本来のマスターを侮辱しているようなもんだろうしな」
「よく回る口だ。だが程度を弁えぬのなら、喋れぬようその咽喉を切り裂くぞ」

 セイバーはその金色の瞳に殺意を籠め、オレを射殺さんばかりに睨み付けてくる。
 ―――死んだ。
 もし視線で人を殺せるのなら、今ので軽く三回は死んだだろう。
 それほどまでに、彼女は本気で口にしていた。
 それが成されなかったのは単に、仮にもオレが彼女のマスターであるからに過ぎない。

「随分と物騒だなセイバー。聖杯戦争において、サーヴァントとマスターの相互理解は重要だぜ」
「貴様がそれを口にするか、“アヴェンジャー”。他者の殻を被るか、憎悪(のろい)を以てでしか世界(ヒト)と関われぬ道化が」

 ―――アヴェンジャー。
 たった今、セイバーは衛宮士郎(オレ)を指してそう呼んだ。
 それは間違いではない。確かにオレは、存在しない第八のサーヴァントであると言える。
 今ここにいる衛宮士郎(オレ)は、その実衛宮士郎本人ではなく、今回現界するにあたりその殻を被っただけの偽物なのだ。

 第三次聖杯戦争においてアインツベルンによって召喚され、そして僅か四日で敗退したサーヴァント。
 真名をアンリマユ。拝火教においてこの世の全ての悪を担う悪魔、その名を押し付けられた、ただの脆弱な人間。
 そして大聖杯の中で、ようやく人々の願った存在として新生できた、人の悪性の極地。
 それが今ここにいるオレの正体だ。

 だが同時に、セイバーの言葉は決して正しくもなかった。

「おいおいセイバー。オレをそのクラス名で呼ぶのはおかしいぜ。
 何しろオレは、アンタのマスターとして召喚されたんだからな」
「……………………」
 オレの言葉にセイバーは、湧き上がる苛立ちを抑え込むように沈黙する。

 そう、今のオレはアヴェンジャーではない。あえて言うのなら、クラス・マスターのサーヴァント。
 この“月を望む聖杯戦争”の参加者として選ばれた、セイバーのマスターとして召喚された存在なのだ。


 ―――ことの元凶は、“サーヴァントとして使役されていた”セイバーが、この聖杯戦争に参加したことにあった。

 参加資格を得ることと、実際に参加できることは違う。たとえ資格を得ていようと、本来使役中のサーヴァントがこの聖杯戦争に召喚されることはない。
 なぜなら同じサーヴァントならば、既に召喚された存在を参加させるよりも、英霊の座から新たに召喚する方が遥かに安全だからだ。
 何しろサーヴァント側からの不満が出ない。
 マスターとの仲が悪く、状況も悪いのであればいざ知らず、もしこれが関係は良好、勝利も目前な状態で召喚されれば、サーヴァントが反旗を翻すのは目に見えている。
 たとえ手段としては簡単であっても、デメリットが大き過ぎる。故に原則として、サーヴァントは座からのみ召喚されるのだ。

 しかしセイバーは使役されていた状態からこの聖杯戦争に参加した。
 それを可能とした理由は、大きく分けて三つ。

 一、セイバーが厳密には、死者ではなく生者の区分にあること。
 二、黒化の影響で受肉したことにより、より生者に近しくなっていたこと。
 三、彼女が生きている内に聖杯を手にする、という英霊の契約を交わしていたこと。

 これらの理由により、セイバーは一人の生者として認められ、この聖杯戦争に参加することを可能としたのだ。

 しかし、ここで問題が生じた。
 いかに参加者として認められようと、現在のセイバーはあくまでもサーヴァントだ。
 そしてサーヴァントには、魔力を供給するマスターが必要となる。
 そこでムーン・セルは、セイバーにマスターとなる存在を宛がった。
 即ち、オレだ。
 形のない『無』であるオレに衛宮士郎の殻を被せ、彼女のマスターとして仕立て上げたのだ。


114 : Fate/hollow night ◆ysja5Nyqn6 :2014/07/19(土) 00:03:01 kN5SeYpA0

 それが可能だったのは、セイバーが受肉し依代を不要としていたことと、
 オレが『繰り返す四日間』の日常側において、「セイバーのマスターである衛宮士郎」の殻を被っていたからだろう。
 本質的にはサーヴァントでありながら、マスターとしての側面も持つ存在。
 それ故にオレは、衛宮士郎として行動する限りにおいて、魔力を自己生成し、セイバーへ供給することを可能としていた。

 そうして、契約は果たされた。
 聖杯戦争の参加者となった生者(サーヴァント)と、そいつに召喚された憐れな死者(マスター)。
 そんな、色々な意味で反転した主従が誕生することになったのだ。

 ホント、おかしな関係である。
 天の逆月――堕天(ヘブンズ・フォール)とでも言うべきか。
 その関係も、その属性も、その在り方も、全てが地上(ほんらい)の聖杯戦争とは逆さまだ。
 まあこれが“月を望む聖杯戦争”である以上、ある意味において相応しい関係だと言えるだろう。


 ………ただ一つ、どうしても分からない事があるとすれば。
 それはオレがマスターに選ばれた理由だろうか。

 この聖杯戦争に参戦したいと願うマスターは数多くいる。
 そうでなくても、『ゴルフェの木片』に接触して資格を得た連中だっている。
 ならばそいつ等の内の誰か一人をセイバーのマスターにしてもよかったはずだ。
 だというのにムーン・セルは、わざわざオレをマスターに仕立て上げた。
 それにどんな意味や理由があるのか、それだけがどうしても理解できなかった。

 ただまあ、それは今考えたところでしょうがないし、聖杯戦争を勝ち抜いていけば分かることだ。
 それに分からなかったとしても別に問題はない。
 オレはただセイバーのマスター(エミヤシロウ)として行動し、その合間に“オレ”の役割を果たせればいい。
 幸いにして、その機会はきちんと用意されている。
 この聖杯戦争には、無力な弱者を踏み潰してでも聖杯が欲しいと願うマスターがそれなりにいる。そんな連中を殺す分には、衛宮士郎もそう文句は言わないだろう。


「ま、そんなワケだから、少しずつでも仲良くしていこうぜ、セイバー」
「……仕方あるまい。貴様がマスターとしての役割を果たす限りにおいては、その減らず口も見逃してやろう」
「お、ラッキー。早速一歩前進だ。やったね!」
「……………………」

 セイバーは苛立たしげに眉を顰めると、その顔をバイザーで覆ってしまう。
 同時にその姿が、漆黒から青色へと偽装される。
 これ以上、オレと会話をするつもりはない、という事だろう。
 なら、こちらも本性を見せている理由はない。

 表向き、衛宮士郎に成りきって行動する。
 彼女が内心でどう思っていようと、今のオレは衛宮士郎そのものだ。違いはどこにもありはしない。
 なので、無理矢理参加させられた人達を助けようなどと、それらしい事を考えながら、衛宮士郎(オレ)はセイバーの横に並び立った。

「行こう、セイバー。
 一刻も早く、こんな戦いを止めるために」


  さあ、聖杯戦争を続けよう、アルトリア・ペンドラゴン。
  ――――今度こそ、君の願いを叶える為に。


115 : Fate/hollow night ◆ysja5Nyqn6 :2014/07/19(土) 00:03:39 kN5SeYpA0


     00/END


「セイ、バー――――…………!!!!!!」

 左右から繰り出された双剣。
 爆撃めいたその一撃は、彼女の鎧を貫通して胴を薙ぎ払った。
 紛れもなく致命傷だった。
 その身がサーヴァントではなく、自然治癒の力が備わっていなければ、確実に即死していただろう。
 そんな、人の身でサーヴァントを倒すという偉業を、彼女の本来のマスターは成し遂げて見せた。

「は……あ――――強くなりましたね、シロウ」

 彼女にとって、それは心からの賞賛だった。
 自分の代わりに戦うなどと、あまりにも無謀なことを口にした未熟な少年。
 そんな彼が、本気の彼女と戦い、打倒し、後は止めを残すところまで来たのだ。嬉しくないはずがなかった。

「……いえ、それは違いましたね。貴方は、始めから強かった」

 そう。彼は初めから強かった。
 サーヴァントを失い、片腕を失い、かつての味方が敵として立ちはだかろうとも、決して諦めず一人の少女のために戦い抜いたその心。
 たとえその意思が歪なものであったとしても、その強さを認めないわけにはいかないだろう。

「さあ、決着をつけてください。急がなければ、私の体は再生する」

 倒れ伏す少年へと彼女は告げた。
 傷は紛れもなく致命傷。いかに強力な再生機構を持とうと、あと数分は何もできない。
 あとはとどめを残すだけ。その介錯を、彼女は少年に願った。
 少年をその手に掛けてしまうくらいならば、その前に彼の手で、この命を終わらせて欲しかったのだ。
 ………だが。

「――――――――」
「…………シロウ?」

 彼女のその願いは、叶わなかった。
 限界を超えた力の代償。
 最後の一撃を放った時点で、少年はどうしようもないほどに終わっていたのだ。

「――――では、私の勝ちですね、シロウ」

 呟く声に感情はなかった。
 きっと慣れていたからだろう。
 彼女とて国を救うために、村の一つを干上がらせ、そうして得た糧であまりにも多くの敵を斬り伏せてきた。
 それが英雄というものだ。
 いまさら人一人を死に追いやったところで、思う所がある筈もない。
 今回はその相手が、自分の本来の主であったというだけの事に過ぎないのだ。

 故に、涙は流れなかった。
 この聖杯戦争の結末にも、もはや関心はなかった。
 彼女の胸に去来していたのは、小さな哀れみと、より確かなカタチで懐いた、自らの願いだけだ。

 少女――アルトリアは、王の選定をやり直すためにサーヴァントとなった。
 聖剣を抜いてしまった時、国を救えなかった自分ではなく、国を救えた筈の相応しい王がいた筈だ。
 故に、王の選定をやり直すことが出来るのなら、きっと国を救うこともできるはずだ、と。

 そう、私は国を救えなかった。
 そんな私をサーヴァントとした少年も、自らが死に追いやった。
 つまるところ、私は王に相応しくなかった。王となるべきは、やはり私ではなかったのだ。

 故に、私の願いは変わらない。
 王の選定をやり直し、全ての運命を変える。
 真に王に相応しい英雄であれば、国も、彼の事も救える筈だ。
 そうして運命を覆し、国の亡びも、聖杯戦争の結末も、何もかもをやり直す。
 それが仮にも王であった私の、彼のサーヴァントであった私の、残された最後の責務だろう。


 ……ただ、それでも。

「―――問おう。貴方が、私のマスターか」

 この身が呪われたままであっても。
 この再会が偽りであったとしても。

「サーヴァント・セイバー、召喚に従い参上した。
 これより我が剣は貴方と共にあり、貴方の運命は私と共にある。――――ここに、契約は完了した」

 この虚ろな夢に微睡むことくらいは、今の私にも、赦されるだろうか。


116 : Fate/hollow night ◆ysja5Nyqn6 :2014/07/19(土) 00:04:40 kN5SeYpA0


【クラス】セイバー
【真名】アルトリア
【出展】Fate/stay night
【参加方法】
大空洞内にあった『ゴフェルの木片』と接触。
大聖杯を通じて自ら召喚に応じた。
【パラメーター】
筋力:B 耐久:B 敏捷:D 魔力:B 幸運:B 宝具:A++
↓偽装時
筋力:B 耐久:C 敏捷:C 魔力:B 幸運:B 宝具:C
【属性】
秩序・悪(偽装時は、秩序・善)
【クラススキル】
対魔力:B、騎乗:‐(偽装時は、対魔力:A、騎乗:C)
【保有スキル】
直感:B、魔力放出:A、カリスマ:E(偽装時は、直感:A、魔力放出:A、カリスマ:C)
【宝具】
『風王結界(インビジブル・エア)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1〜2 最大補足:1個
セイバーの剣を覆う、風で出来た第二の鞘。厳密には宝具というより魔術に該当する。
幾重にも重なる空気の層が屈折率を変えることで、覆った物を透明化させることが出来る。
透明化された武器はその間合いを把握することが困難になるため、白兵戦では非常に有効な武器となる。
ただし、あくまで視覚に対する効果であるため、幻覚耐性や「心眼(偽)」などのスキルを持つ相手には効果が薄い。
また風で覆う対象は剣に限らず、オートバイに纏わせて空気抵抗を削減させたり、ビルをも覆う風の防御壁にしたりすることも可能。
セイバーの場合は基本的に聖剣を覆い不可視の剣としているが、透明化は副次的な役割であり、その本質は彼女の余りにも有名すぎる剣を隠すためのもの。

また纏わせた風を解放することで、「風王鉄槌(ストライク・エア)」という破壊力を伴った暴風として撃ち出す技ともなる。
ただし、一度解放すると再び風を集束させるのに多少時間を要するため、連発はできない。

『約束された勝利の剣(エクスカリバー)』
ランクA++ 種別:対城宝具 レンジ1〜99 最大補足1000人
生前のアーサー王が、一時的に妖精「湖の乙女」から授かった聖剣。
人ではなく星に鍛えられた神造兵装。聖剣というカテゴリーの中で頂点に位置し、「空想の身でありながら最強」とも称される。

神霊レベルの魔術行使を可能とし、所有者の魔力を光に変換、集束・加速させることで運動量を増大させ、光の断層による「究極の斬撃」として放つ。
攻撃判定があるのは光の斬撃の先端のみだが、その莫大な魔力の斬撃が通り過ぎた後には高熱が発生するため、結果的に光の帯のように見える。

ただし、黒化したセイバーが担うこの聖剣は、使い手の魔力を光に変換、集束・加速させるという作用の影響で、剣身や放たれる極光も黒く染まっている。
「聖剣」と呼ばれながらも黒化の影響を受け入れるのは、この宝具そのものが守り手である湖の乙女と同じく善悪両面の属性を有するため。
それ故か、この状態であっても聖剣としての格は全く喪失していない。

【weapon】
『エクスカリバー・モルガン』
セイバーが黒化した影響により、もう一つの側面である闇に染まった聖剣。
たとえ自身を黒化前に偽装していようとこの聖剣を誤魔化すことは出来ず、その刀身は禍々しい黒色となっている。
そのため、『風王結界』によって剣を隠す意味合いがより大きくなっている。


117 : Fate/hollow night ◆ysja5Nyqn6 :2014/07/19(土) 00:05:57 kN5SeYpA0

【人物背景】
通称セイバー・オルタ。
衛宮士郎のサーヴァントであったセイバー(アルトリア)が、アンリマユの影に汚染され黒化した存在。
HFルートにおいて、最強の敵として士郎たちの前に立ち塞がる。
【サーヴァントとしての願い】
王の選定も、聖杯戦争も、何もかもをやり直す。
【運用法】
マスターの影響により、黒化する前の自分へと偽装することが可能となっている。
アヴェンジャーが衛宮士郎に成りきれるように、現在の彼女も意識的に自己を反転させることが出来るのだ。
ただし、それはあくまでも偽装であり、主体が黒化した状態のセイバーであることに変わりはない(そのため偽装中でもクセ毛がない)。
また偽装状態であっても黒化の影響がなくなるわけではなく、騎乗、直感、カリスマといった精神系スキルがランクダウンしている。
さらには受肉し霊体化もできなくなっているが、セイバーはもとより霊体化が出来ない。
そのため依代が不要になり、彼女を維持するための魔力消費がゼロとなっただけである(ただし、戦闘の際にはマスターによるバックアップが必要)。

基本的な運用方法はどちらの状態でもほぼ同じ。
あえて区別するならば、偽装時は対魔術師や俊敏さを必要とする戦闘に、黒化時は近接戦闘に向いていると言える。
また魔力消費などマスターの負担を考慮しないのであれば、全ての能力値をワンランクアップさせることが出来る。
これは黒化の影響によるものであり、強化スキルによる能力上昇とは異なる(本来の能力を超えた強化はできない)。
なお、聖剣の開放など膨大魔力を使用する場合には偽装を保つことが出来ず、黒化した彼女の姿が露わになってしまう。

【基本戦術、方針】
基本的には偽装状態で行動。シロウの方針に従い、強制参加させられたマスターの保護のために動く。
しかし可能であれば敵サーヴァントを倒し、必要であれば偽装も解く。
そして最終的には聖杯を手に入れ、全てをやり直す。


【マスター】衛宮士郎(アヴェンジャー)
【出展】Fate/hollow ataraxia
【参加方法】セイバーが参加者となったことにより、彼女のマスターとして召喚された。
【マスターとしての願い】
聖杯に託す願いはない。
強いて言えば、強制参加させられたマスターを保護し、聖杯戦争を止める事が願い。
ただしこれは衛宮士郎としてのものであり、アヴェンジャーとしての願いは不明。
【weapon】
『投影宝具』
衛宮士郎の武装。
投影魔術によって作り出した武装。
カリバーン、干将・莫邪といった宝具が代表的。

『右歯噛咬(ザリチェ)・左歯噛咬(タルウィ)』
アヴェンジャーの武装。投影という形でなら衛宮士郎も使用可能。
現界する際の元となった人物の特徴が色濃く出た、奇形の双剣。
刀剣砕き(ソードブレイカー)であり、切り裂くための武器ではなく、敵の武器を拘束する為の牙。

【能力・技能】
「セイバーのマスターの衛宮士郎」として召喚されたため、衛宮士郎と同程度の能力しかなく、分類的にはEXTRA主人公やありすなどの網霊(サイバーゴースト)に近い。
また同様の理由で、アヴェンジャーとしての能力や宝具が使用可能かどうかも不明。少なくとも、完全に衛宮士郎として行動している間は使用できない。

『投影魔術』
衛宮士郎の魔術。
想像理念、基本骨子、構成材質、製作技術、成長経験、蓄積年月の再現による物質投影。
それが「剣」であるのならば、いかなる武装でも複製できるが、彼自身の技量が未熟ため、完全な投影が出来ないものもある。
これは衛宮士郎本来の魔術である固有結界“無限の剣製”から零れ落ちたものだが、衛宮士郎の生成できる魔力量では起動させることが出来ないため除外する。


118 : Fate/hollow night ◆ysja5Nyqn6 :2014/07/19(土) 00:06:32 kN5SeYpA0

『偽り写し記す万象(ヴェルグ・アヴェスター)』
アヴェンジャーの宝具。本人曰く「傷を負わねば攻撃できない、クソッタレの三流宝具」。
ゾロアスター教経典「アヴェスター」の写本であり、「報復」という原初の呪い。自分の傷を、傷を負わせた相手の魂に写し共有する。
仮に右腕がなくなった場合にこの宝具を使うと、相手の右腕が同様に吹き飛ぶことはないが、感覚がなくなり、動かすことも出来なくなる。
条件さえ満たせば、高い魔術耐性を持つサーヴァントであっても問答無用で適用でき、また「共有」であるため、アヴェンジャーが自身の傷を癒さない限り、相手の傷も癒えることはない。
しかし、発動は対象一人に対して一度きり、放つのは自動ではなく任意発動。自分が軽傷ならば敵にもさしたる効果は与えられず、かつ今後同じ相手には使えなくなり、一方、致命傷を受ければ使う前に自分が死亡してしまうので発動できない。
使いどころが非常に難しい上、互いに重傷を負って動けないという困った状況が出来る。
ただし、足止め用としての性能はこの上なく高いため、止めを刺せる相棒と組めば、それなりの効果を発揮する。

『対人間(?)』
アヴェンジャーのスキル。
本人曰く、「英霊クラスの超人であろうと、人間である限り俺には勝てない」。
詳細は不明だが、おそらくセイヴァーのクラススキル「対英雄」に類するスキルの究極系であろうと思われる。

【人物背景】
「Fate/hollow ataraxia」の主人公。
繰り返す四日間の中で、謎の聖杯戦争の真相を探る。
厳密には、この衛宮士郎は「アヴェンジャーが士郎の殻を被ったもの」であり、士郎本人とは違う。
とはいっても、もともとのアヴェンジャーは虚無のものであるため、確たる性格というものはない。
そのため、彼本来の好奇心や夢など根底的な衝動などを除けば、その性格は衛宮士郎の暗黒面を現出させたものに等しい。
ちなみに“殻をかぶる”と表現されてはいるが、厳密に言うと本物の衛宮士郎との同化に近く、衛宮士郎として行動するときは完全になりきっている。

真名は「アンリマユ」。
この世全ての悪なるものを肯定する反英雄の極地であり、もとはその役割を一身に背負わされ、延々と蔑まれ、疎まれ続けた結果、「そういうもの」になってしまった普通の人間。
生まれ育った村の呪いによって、人間であった頃の名前は世界から喪失している。
決まった姿や人格を有せず、本来は人型の影として活動する。
今回はhollow時点での姿、すなわち「セイバーのマスターの衛宮士郎」という殻をかぶって召喚された。
アヴェンジャーの持つ武装や宝具は現在の姿を形作った際に得たもので、元となった人物の特徴が色濃く出ている。

【方針】
基本的に衛宮士郎として行動する。つまり、強制参加させられたマスターを保護し、聖杯戦争を止める。
セイバー・オルタからの指示があった場合は、一応その指示に従い、アヴェンジャーとして行動する。
アヴェンジャー個人としての行動方針は不明。あえて言うなら、自分が召喚された理由の解明。


119 : ◆ysja5Nyqn6 :2014/07/19(土) 00:08:32 kN5SeYpA0
以上で投下を終了します。
hollowの衛宮士郎=アヴェンジャーなら、マスターとしてなら出せるかなと思ったので。
問題があるようでしたら、お願いします。


120 : ◆F61PQYZbCw :2014/07/19(土) 00:10:04 3AiTndDw0
皆様投下お疲れ様です。
投下期間も残す所休日のみとなりましたね。
250作を超える投下、お疲れ様です。
それでは三騎連続で投下させていただきます。

垣根帝督、アサシンで投下します。


121 : 垣根帝督&アサシン ◆F61PQYZbCw :2014/07/19(土) 00:11:43 3AiTndDw0

 感覚が存在しない。
 視覚、聴覚、味覚……、光と闇。
 全てが感じられないがぼんやりと、何かが脳の中に響き渡る。
 

 身体は存在しない、生きている実感も湧いて来ない。
 だが生命はある、皮肉な事に死にたくても死ねない状況、無論死ぬ気はないのだが。
 隠す必要も無いので彼の名前を明かす、名を垣根帝督。
 学園都市の第二位の座位に君臨する超能力者であり、スクールと呼ばれる暗部組織のリーダー格。
 その力は圧倒的であり言わば最強の分類に位置される力と強さを持っていた。
 

 彼は学園都市の第一位と呼ばれたとある超能力者と一つの闘争を起こす。
 垣根帝督は学園都市の統括理事長であるアレイスターとの直接交渉権を求めていた。
 そのためには『アレイスターが行うプランの対象を己に移す』事が必要だった。
 彼は画策したのだ、今動いている計画、つまり第一位に座位する一方通行を引きずり落とせばいい、と。
 数々の組織を潰しながら垣根帝督は一方通行との直接対決に辿り着きその夢へ第一歩を踏み出す。
 垣根帝督も彼なりの美学――通常思考は持ち合わせているつもりであり一般人は極力巻き込むつもりはない。
 実際には巻き込んでしまっているため彼の思考は破綻してしまい第一位からは『チンピラ』と称される。


 彼は決して弱くない、前順のとおり最強に近い存在だ。
 第一位を圧倒するも彼の気に触れた垣根は見てしまう、いや発動させてしまったと言うべきか。
 翼を体現した一方通行の前に垣根は敗れた、それも圧倒的に。
 垣根自身も未現物質を更に未知の領域に突入させ一瞬ではあるが『学園都市最強の座位』に位置付けた。
 だが一方通行は更にその上に突入してしまい結果として垣根はこの世から姿を消した。


 その筈だった。


 彼は『回収』された。
 

 蘇生でもない。
 手術でもない。


 回収されたのだ。


122 : 垣根帝督&アサシン ◆F61PQYZbCw :2014/07/19(土) 00:14:20 3AiTndDw0


 学園都市第二位と言う実力。
 未現物質と呼ばれる超能力の力と可能性。
 何が世界を動かしたかは不明だが垣根帝督と呼ばれる存在はこの世に形を留めた。
 

 その姿、人に非ず。
 脳は三分割、冷蔵庫よりも巨大な装置を身体に装着される。
『超能力を吐き出す塊』と称される見た目、常人には到底理解出来ない領域。
 彼は生きていると表現するよりも生命を維持されている、此方の方が正しく響くだろう。


 そんな彼にも再び人の生として光を浴びる日が来る可能性が在った。
 在った、それは可能性の話。
 垣根帝督は後に人体細胞を創り出す術を獲得、己で己の身体を修復しその世界に君臨した。
 人の生と表現したが彼は実質不死身の身体、つまり人の枠を超えた存在になったのだ。
 

 未現物質。


 彼の超能力は『この世に存在しない物質を創り出す』。
 この力を応用し彼自身が未現物質に成り果てる、いや彼自身と呼べるかも怪しい。
 この男は垣根帝督なのか、未現物質なのか……。
 一つ解を与えるとするならば、垣根帝督の形を彩ったナニカが現れた。


 だが、これは通るかもしれない一つの未来の話。
 此処から先、彼に待ち受けるであろう運命とは何の関係もない幻想秘話に過ぎない。


 この垣根帝督は垣根帝督であるが垣根帝督ではない。
 しかし前述の垣根帝督が垣根帝督である保証もない。
 伴い未現物質かもしれないが未現物質ではないのかもしれないのだ。
 言わば彼と呼べる本質の在処は分からないのが現状、これから紡がれるのは何だと言うのか。
 正史から逸れた彼の運命は創作か、人生か。答えも解も理も。
 正解を唱えれる者など存在せず、紡がれる物語に首を振ればいい。
 

 例え、彼と呼べる行動や言動ではなくとも。
 物語が紡がれなくても、運命が動き出さず底に留まっていても。
 この垣根帝督の運命は此処に在る。


123 : 垣根帝督&アサシン ◆F61PQYZbCw :2014/07/19(土) 00:15:28 3AiTndDw0


『未現物質、それに『世界の英知』を授けようではないか』


 脳に響くのは誰かも分からない謎の声だ。
 聞いたこともあるかも知れないし、無いのかもしれない。
 何方にせよ心地の良い声ではない。


『ゴフェルの木片、ノアの方舟、月の聖杯戦争……君の頭脳なら直に理解出来る』


 ゴフェルの木片、ノアの方舟……脳内に検索を掛けるように知識を炙り出す。
 今までまともな自我の自覚もなかったが今は確立している、己の活動を。
 その言葉を脳内に紐付け、出てくるのは聖書の類やそれに関連する事象、つまり過去の産物。


『君に訪れるのは一つの奇跡……最後の一人に辿り着けば願いが叶う。
 シンプルで簡単だろう? 誰にだって分かる、夢を見たければ戦え』


 理解出来た、何故自我が確立したのか、聖書の類を簡単に思い出せたのか。
 

【垣根帝督の身体に構成されているのは未現物質、其処にゴフェルの木片を刷り込まれたのだ】


 彼は身体の臓器一部を未現物質で構成し補っている、その一部にゴフェルの木片なる物が追加されている。
 これにより彼はその物質から形状記憶を読み取りその知識を糧にし吸収した。
 文字で表すなら数秒で可能だがその本質、過程は人によって解が異なるだろう。


『健闘を祈らせてもらおう垣根帝督……』


 聞きたくも無い言葉を最後に彼の感覚は再び遮断される。
 それは生命を無理に維持された状態ではない、もう一度人の見た目を司ったように。
 落ちていく、深い深い闇の中に。


 堕ちていく。


 ■


124 : 垣根帝督&アサシン ◆F61PQYZbCw :2014/07/19(土) 00:18:01 3AiTndDw0

 目覚めた彼は自分が何処に居るのか、何をすればいいのかが直ぐに理解出来た。
 それは月の聖杯戦争、今宵の劇場にて各々の役目を演じればいい。
 アドリブなど止める権利も必要もない、変えられる筋書きに従う必要など笑止。


「……身体は動く、見た目も腕に刻まれたコイツ以外は特に変わりはない、って所か」


 垣根帝督は方舟に転移或いは構成された事を知覚すると自分の身体を動かす。
 拳を握れれば、足も踏み出せる。能力の再現も可能であり不便は感じない。
 臓器の一部は未現物質で構成され、『体内にはゴフェルの木片が含まれている』状態である。
 脳内に留まる記憶を基に袖を捲ると令呪、マスターの資格とも呼べる紋章が刻まれていた。
 月の戦争は従者「サーヴァント」を使役し生き残る最後の奇跡に縋る物語。
 全員が主役で全てが脇役、この台本に割り振りなど必要ない、そして記されるは彼のサーヴァントだ。
 

「それでお前が俺のサーヴァントでクラスはアサシン……」


 垣根帝督は目の前に存在している男に声を掛けた。
 見た目は自分とそれ程変わらない、つまり大人ではない少年や青年のような顔立ち。
 中性的な容姿だが身体や風格、抑え込んでいる殺気から男と推測。
 現代風忍者のような黒を主体とした服装、紫のマフラーを纏い口元を隠していた。
 垣根の声に反応するようにマフラーを下ろす、彼がサーヴァントで間違いないようだ。


「俺は音速のソニック……お前は運が良い、この俺がサーヴァントとして選ばれたんだからな」


 不敵な笑みを浮かべながらアサシン、音速のソニックは垣根帝督に言葉を告げる。
 己の力に余程の自信が在るのだろうか、まるで優勝確定のように振る舞う。
 英霊として召還された事実からは力は本物、それも強力な部類であることには変わりない。
 それを踏まえても豪語するその顔からは自信しか感じられない、が。


「……何を笑っている」


 垣根帝督は音速のソニックの言葉に返す行為は行わず俯いている。
 手で顔を隠し体を震わせる、笑いを堪えているようだった。
 アサシンは理解出来ずマスターである彼に言葉を求めていた。


125 : 垣根帝督&アサシン ◆F61PQYZbCw :2014/07/19(土) 00:18:50 3AiTndDw0

 何時迄も笑っている訳にもいかないため垣根帝督は顔を上げアサシンを見つめる。
 しかし再度吹き出しそうになり手で口を覆うとそのまま下を向き笑いを堪える。
 アサシンもこの態度には苛ついており、力を行使する手段を用いようとしていた。
 その寸前に垣根帝督は顔を上げ今度こそ言葉を言い放った。


「音速ってよぉ……くく、ソニックも、まんまだろ……くく……」


 英霊と呼ばれているならば。それは教科書に載るような存在をイメージしていた。
 神話や宗教の類でもいい、高貴で神々しい存在が目の前に現れると勝手に想像していた。
 現実は自分と同じ、または下に見える程度の容姿、忍者のような装飾を施した男。
 音速のソニック、名前の衝撃ならば過去最高クラスの存在であろう。
『どれだけ速さを強調したいんだコイツは』、垣根が抱いた率直な感想であった。
 

 垣根の発言にアサシンの感情は極端に振り切れてしまう。
 初対面で垣根は自分のマスター、つまり仕えるべき主だ。
 そんな事は関係ない、刀を抜き、殺気を全開に開放し垣根を睨みつける。
 英霊と呼ばれるだけの力を感じた垣根の顔から笑みは消え彼も臨戦態勢を取る。
 人間といえど……『人間の見た目』を型どっている垣根帝督は学園都市第二位の超能力者。
 その実力は本物であり、人類の中でも上から数えた方が早い強さを誇っている、だが。


「この俺の速度に追い付けると思っているのか、現実も直視出来ない奴がマスターとはな」


 垣根帝督が対応するよりも速くアサシンは彼の横に移動しており刀を首筋に寄せていた。
 一歩でも動けば斬り落とす……言葉は発していないが自然と聞こえてくる。
 音速の異名は伊達や酔狂の飾り名ではなく本物だった。


 威嚇の意味合いも込めた脅しにマスターはどう反応するのか。
 音速のソニックは狼狽える姿や不安になりながらも強気を装い吠える光景を想定していた。
 己を馬鹿にした者への報復、マスターであろうと関係ない。
 今宵の聖杯戦争に『偶然垣根帝督のサーヴァントとして召還』されただけであり、マスターに価値など求めていない。
 このままビビらせ考えを改めさせる、そのつもりだった。


「仮にも俺はマスター、お前の主だぞ? 随分と粋がってやがるじゃあねぇか」


 彼は狼狽える事もなければ不安がる事もなくアサシンに対して強気な発言を噛ました。


126 : 垣根帝督&アサシン ◆F61PQYZbCw :2014/07/19(土) 00:20:13 3AiTndDw0

 音速のソニックのソニックはアサシンとしての、英霊として恥じない速度を誇った。
 その結果垣根帝督が反応するよりも速く彼の首筋に刀を突き立てることに成功していた。


 けれど垣根帝督は己の力である未現物質を発動、背中から生えた白い翼を体現。
 アサシンの周囲には鋭利な羽が幾つか固定されており今にも彼に向かって発射可能な状態だった。
 音速のソニックはそのまま距離を取り羽の射程外に移動、垣根は羽を消した。
 

「俺の未現物質に常識は通用しねぇんだわ、覚えておけ」


 未現物質は元々この世に存在しない物質を構成する能力。
 サーヴァントには現代兵器の類は通用しないが彼の力は通用するかもしれない。
 仮に通用しなくても身体にゴフェルの木片を取り込んだ今の未現物質ならば応戦することは可能と推定可能。
 

「――面白い」


 己の力を止められた音速のソニックの顔は笑っている。
 それも不敵の領域ではなく、狂ったように、けらけら、と。
 マスター……言わば人間に止められた、英霊となった強化されたこの力を。
 それだけでアサシンのマスターに対する意識は変わる、『コイツはこの手で仕留めればならない』
 彼のプライド、意識、誇り。ナニカに触れた垣根帝督を放って置く訳にはいかないのだが――。


「――しかし俺とお前は運命共同体、こんな所で脱落では話にならん」


「脱落する……あ?」


「俺がお前を殺せばサーヴァントである俺は現界出来ず消滅だ」


「おいおい、誰が誰に殺されるだって?」


 両者は決して相容れることはないだろう。
 だが彼らは彼らに信念を持ち合わせている、理解出来る未来は訪れないかもしれないが腐る事はない。
 垣根帝督は極力一般人を巻き込まない心がある、『極力』、完全ではない。
 その気になれば悪党らしく、チンピラらしく聖杯を取りに行くのだ。
 

「……まぁいい。俺は俺の戦いをするだけだ。マスターであろうと邪魔はするな」


「気に喰わねぇ下僕だな……俺もテメェに頭下げるつもりはねぇから覚えておけ」


 悪党らしく、チンピラらしく。
 

 聖杯を求めるだけだ。


127 : 垣根帝督&アサシン ◆F61PQYZbCw :2014/07/19(土) 00:20:57 3AiTndDw0

【マスター】垣根帝督@とある魔術の禁書目録


【参加方法】ムーンセルによる召還(身体の抗生物質にゴフェルの木片が混入している)


【マスターとしての願い】アレイスターとの直接交渉権を手に入れる。


【weapon】未現物質と呼ばれる超能力。


【能力・技能】
 彼の超能力は未現物質と呼ばれている。本質はこの世に存在しない物質を創り出す力。
 能力により白い翼を精製しそれを扱う戦闘方法を垣根帝督は取る。
 自他共に認めるメルヘンな力、しかし事実上一瞬ではあるが学園都市最強の力に覚醒したこともある。
 威力、強度、再生力、何をとっても一流の力だ。なお、この垣根帝督はあくまで『とある魔術の禁書目録の垣根帝督である』


【人物背景】
 暗部『スクール』のリーダー格である学園都市第二位の超能力者でありその力は未現物質。
 闇の人間だが一般人を無意味に巻き込まない、格下は見逃す場合もある、など人間味は一応存在する。
 学園都市統括理事長であるアレイスターとの直接交渉権を欲しておりそのために画策しているが何故求めているかは不明。
 メインプランである一方通行と戦闘の機会を得るも敗北、彼はこの世から姿を消した。
 その後生命を繊維される形で生き続けるが第三者にゴフェルの木片を体内に混入されてしまった。
 影響したかどうかは不明だが未現物質で身体の足りない臓器などを補い人体として再び光を浴びた。
 余談だがゴフェルの木片に触れなくても彼は自分自信を未現物質に染め再び一方通行と相見える未来も存在していた。




【方針】
 己の信条に従い全てを潰し聖杯に辿り着く。


128 : 垣根帝督&アサシン ◆F61PQYZbCw :2014/07/19(土) 00:21:43 3AiTndDw0

【クラス】アサシン


【真名】音速のソニック@ワンパンマン


【パラメータ】筋力C 耐久D 敏捷A+ 魔力E 幸運C 宝具D


【属性】秩序・中庸


【クラス別スキル】
 気配遮断:B
 サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。完全に気配を絶てば発見することは非常に難しい。

【保有スキル】
 千里眼:C
 視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。

 直感:B
 戦闘時、つねに自身にとって最適な展開を”感じ取る”能力。視覚・聴覚に干渉する妨害を半減させる。

 狂喜:C
 戦闘において自分の好敵手を見つけた際に狂喜の感情により一時的に理性が薄くなる。
 ステータス以上の力を発揮しマイナススキルにある程度抗う力も発動するが頭の回転は遅くなってしまう。


【宝具】

『音速』
 ランク:D 種別:対軍宝具 レンジ:1〜100 最大捕捉:1〜100人
 彼の飾り名である音速そのものが宝具であり、彼の戦闘自体が宝具となる。
 音速の伊達ではなく圧倒的な速度で相手を追い詰め命を刈り取る。
 スキルである狂喜を用いればポテンシャル以上の力を発揮することも出来る。


【weapon】
 クナイ、手裏剣、刀など忍者のような兵装を扱う。


【人物背景】
 忍者の里出身であり自称最強の忍者。
 音速の名の通り圧倒的な速度を誇りその実力は作中の中でも上位に位置づけされている。
 中性的な容姿をしている。本文中で垣根帝督は彼を少年や青年と表したが年齢は25である。
 戦闘中に歪んだ感情を見せることも在り、好敵手の前では一時的に狂戦士のような笑顔を覗かせる。


【サーヴァントとしての願い】
 不明、少なくとも甘い願いではない。


【基本戦術、方針、運用法】
 スピードを有効活用した戦法を取る。
 武具により遠近距離に対応可能、マスターである垣根帝督も同様。
 相手に気づかれない時に、気付かれたとしても圧倒的な速度で潰す。


129 : ◆F61PQYZbCw :2014/07/19(土) 00:23:21 3AiTndDw0
投下を終了します。

続いて間桐雁夜、バーサーカーで投下します。


130 : 間桐雁夜&バーサーカー ◆F61PQYZbCw :2014/07/19(土) 00:24:08 3AiTndDw0

 全てを投げ捨てた。
 己を犠牲にしてまで救いたい、そう願っていた。
 迫る運命は己の身体を蝕み、それでも終盤まで生を保った。
 

 男は本能だけで足を動かし彼女の元へ辿り着く。
 明確な意識など無く深層心理に堕ちている感覚だけが彼を突き動かしていた。
 伸ばした腕は報われない、少女は腕を認めない。


 最後の希望も途絶えた今、男は薄暗い空間の中蟲で構成された闇に沈んでいく。
 哀れな男だ。自分を特別化しようと見栄を張った結果がこうである。
 黙って生活していれば一定の幸福を得たのだろう。今となっては無駄な結果論に過ぎないが。


 だが救いたい心は本物だった。
 彼は不器用な男だ、己を犠牲にし強制的に英雄に見立てる事でしか決断が出来なかった。
 聖杯戦争。一度魔術師の道を踏み外した彼が正当に生き残れる訳など初めから存在しないのだ。
 辛い修行と題した生命の消耗――彼の寿命などとうに残っていない。
 追い打ちを掛けるように召されるは狂戦士、彼の身体は現界を突破していた、だが終盤まで生き残った。
 それだけで奇跡、男は結果として意味の無い人生を送ったが見世物としては一級品と呼べるだろう。


「ここまで残るとはな……一つ褒美、でもないがくれてやる」


 沈み行く意識の中で最後に見るは救いたかった少女、後ろに現れる老人。
 彼が投げた一つの木片は沈む男の手に収まり、そして――。





 目覚めると見知らぬ天井。
 壁はコンクリートで構成され薄暗い廃墟のようだ。
 ひんやり冷たく感じる空気は身体に悪い、だが間桐雁夜には似合う。
 身体の中には刻印虫、何故今になっても彼の身体を蝕んでいるのか。
 しかし、今重要な事はそれではない。


131 : 間桐雁夜&バーサーカー ◆F61PQYZbCw :2014/07/19(土) 00:24:41 3AiTndDw0

 身体を起き上げると彼はどうやらソファーの上で眠っていたらしい。
 腕で頭を支えると彼は思考の梅に沈んで行く、全てを確かめるのだ。
 ガラクタの中から思い出を漁り出すと臓硯が何かを投げた事は覚えている、それだけ。
 箱の中に収まっている記憶には月の聖杯戦争と呼ばれる聞いたこともない単語が一覧となって表示されている。
 一つ一つ積み木を重ね上げるように丁寧に積み立てていくと一つの城【意味】が見えてくる。


「聖杯戦争……俺はもう一度夢を追いかけてもいいの……か」


 願いに縋った一つの戦争、そして始まるもう一つの戦争。
 この戦いに時臣は存在するのだろうか、傲慢な王は笑っているのだろうか。
 分からない、そもそも現実かどうかも理解出来ない。ならば――。
 腕を見ると其処には見慣れた令呪が宿っている、ランスロットの真名を持つ英霊ではないようだが。


「何だっていい。俺は桜ちゃんを救うんだ、一緒に葵さんの所へ戻って凛ちゃん達と笑顔で……」


 勘違いするな、其処に貴様の居場所など存在しない、哀れな男よ、甘い夢を見過ぎるな。

 
 間桐雁夜の願いの先にある風景は理想だ、それも己にとって最高の状態、誰も追い付けぬ遥か遠い理想郷。
 昔一瞬だけ噛み締めた甘さを何時迄も吸い続けた男は大人になった今でも蜜を貪る、情けない。
 不器用などではない。人間として欠けているのだ。現実を受け入れる覚悟が感じられない。
 そんな男に聖杯を授けた所で訪れる未来に価値はあるのだろうか、ある。
 奇跡だ。どんな形でも、他人の願いを笑う事は外道の所業。求める事は罪ではない。
 過程など関係ないのだ。表の歴史に刻まれる事のない聖杯戦争、結果だけが全てを物語る。


「お前は俺に、最期のチャンスを与えてくれるのか――バーサーカー」


 視線の先には彼と同じように白髮の男が一人、青年は細い、だが英霊だ。
 そしてクラスは狂戦士、強さは申し分ない――バーサーカーに雁夜は縁があるようだ。


132 : 間桐雁夜&バーサーカー ◆F61PQYZbCw :2014/07/19(土) 00:25:48 3AiTndDw0

 バーサーカーも雁夜と同じくイスに腰掛けているが理性や言語能力は存在しない。
 狂化の力によって底上げされた能力、魔力の消耗に拍車を掛けるがそれは強さの代償。
 端くれだが魔術師、雁夜の魔力でも速攻で消滅、その段階には達していない。
 長期的な戦闘はマスターの生命を削る。ランスロットの時のように長生き出来る保証など無い。


「俺は救いたいんだ、そして幸せになりたい――力を貸せバーサーカー」


 一度は終わった奇跡への道、それが奇妙な運命で今もう一度開かれようとしている。
 バーサーカーは不敵な笑顔、腕を大きく広げ笑いを上げる。


「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■」


 その言葉は不明な単語の羅列にしか聞こえない。単語と明言出来る訳でもない。
 狂戦士は理性を失い戦いを貪る危険な人形になる、それが運命。
 このサーヴァントも救いたい存在が居る。


 どうしようもない屑、だが夢は、平穏を、周囲のために動く心は在る。
 理性が失われようと彼はマスターを笑ったりなどしない、本質では力になりたいと思っている。
 嗚呼、狂戦士でなければ彼らは共に夢を望む戦士として聖杯戦争を駆けていただろう。
 守りたい存在――彼らの原動力は根源的に同じ、方法や出口は違えど似た境遇の持ち主。
 雁夜にそれを知る術などない。狂戦士にそれを話す道理もない。


 彼らに光の道など似合わない。もう一度光を浴びれると思うな。


 何故闇に染まった人間が光を求める、未練が在るなら何故その道を往った。


 救い、救済――偽善を成し遂げた段階では光の道を歩む資格にはならない。


 何度だって告げてやる、貴様らに光など似合わない。


 求める行いを止める事などしない、誰も止めないのだ、他人の破滅に己を犠牲にする必要も無かろう。


 その道は一方通行だ。


 今更引き返すなど都合が良すぎる。


 守りたい存在を利用して己を崇めようなど狡い人間だ。


 もしもう一度、光を浴び、平和を求めるならば。


 染まった闇を深くして。


 聖杯を勝ち取る他に方法など無い。


133 : 間桐雁夜&バーサーカー ◆F61PQYZbCw :2014/07/19(土) 00:26:47 3AiTndDw0

【マスター】間桐雁夜@Fate/Zero



【参加方法】ムーンセルによる召還(木片は死に際に間桐臓硯から)



【マスターとしての願い】間桐桜を救い出す。



【weapon】蟲を使役する。即席のため本家である魔術師には及ばない。



【能力・技能】
 間桐の人間による蟲の使役を用いる。聖杯戦争に間に合うために行った調整では本来の力は出し得ない。
 しかし蟲と言う存在は人間に無意識で不快感を与える、そして力が無い訳ではない。


【人物背景】
 間桐の家に生まれるが、それを嫌い家を飛び出し一般人として生活を送っていた。
 好意を寄せる幼馴染がいたが彼女の幸せを案じ手を出さないでいたがその娘が間桐の家に養子に出されていることを知る。
 雁夜はその娘を救うために己の身体を犠牲にしながら魔術師の道をもう一度歩む……即席ではあるが。
 寿命を削られた男は少女を救うべく戦う。聞こえはいいが自分のためである。
 しかし少女を救う気持ち、これだけは真実だ。


【方針】
 自分に残されている時間など無い。バーサーカーの魔力消費を考えると尚更。
 聖杯に辿り着くためには構ってなど居られない、全力で勝ちに行く。


134 : 間桐雁夜&バーサーカー ◆F61PQYZbCw :2014/07/19(土) 00:28:33 3AiTndDw0


【クラス】バーサーカー



【真名】一方通行@とある魔術の禁書目録



【パラメータ】筋力A 耐久A+ 敏捷C 魔力D 幸運E 宝具A



【属性】秩序・狂



【クラス別スキル】
 狂化:B
 全パラメーターを1ランクアップさせるが、理性の大半を奪われる。



【保有スキル】
 絶対能力:A
 生前彼は学園都市最強と呼ばれる超能力者の頂点に君臨していた。
 狂戦士となり理性を失った今でも高度な計算や演算を可能にさせる能力。

 戦闘続行:C
 瀕死の傷でも戦闘を可能とし、死の間際まで戦うことを止めない。

 歩む道:A
 彼の感情は揺れ動く、闇に光が差し込んだから。
 だが今更素直にはなれない。彼は苦悩しながらも己の道を進み続ける。


【宝具】


『一方通行』
 ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:―― 最大捕捉:――
 学園都市一位の座に君臨する彼の力は「ベクトル操作」。
 触れた全ての事象を反射するその力に単純な物理攻撃は通じなく反射は自動的に行われる。
 生前未知なる魔術の前では初見で反射は不可能だったが英霊となった今ではランクD相当の魔術ならば初見で反射可能。
 単純な跳ね返しだけではなく、ベクトル操作により飛行性能を得るなど多種多様の戦法を可能にする。


『黒キ翼』
 ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:―― 最大捕捉:――
 その力は本人にも理解出来ない。圧倒的な黒い翼を生成する能力。
 この世に存在する全ての事象にベクトルを与え強制的に配下に置くことが出来る能力。
 魔力供給の関係上、連発可能な代物ではない。


【weapon】宝具に依存する。


【人物背景】
 学園都市最強の超能力、第一位の一方通行。
 一流の悪党と称したその生き様は闇に染まっている、虐殺も行ってきた。
 言い訳は行わない、彼は悪党、だった。


【サーヴァントとしての願い】
 バーサーカーのため不明、彼にも守りたい存在は居るようだが――。


【基本戦術、方針、運用法】
 自身の能力(宝具)により戦闘を行う。狂戦士に計画など無い。


135 : ◆F61PQYZbCw :2014/07/19(土) 00:29:34 3AiTndDw0
投下終了です。

最後にシャア・アズナブル、アーチャーで投下します


136 : シャア・アズナブル&アーチャー ◆F61PQYZbCw :2014/07/19(土) 00:30:38 3AiTndDw0

 マンションの一室では幼い少女が一人眠気と戦っている。
 頭を揺らしながらも帰りを待つ、大切な人の帰りを待ち続けているのだ。
 外は深夜、家の中ぐらいは暖かくしていたい。電気を付けテーブルの上にはご飯を用意済み。
 お風呂も沸かしており布団も敷いてある、彼がどんな行動をとっても安全n対応することが出来る。


 幼い少女だが家事の腕前は大人にも勝る、制服の上に重ねているエプロンも似合っている。
 念の為に記述しておくが待っている人は男だ、だが彼女の夫ではないし血の繋がりもない。
 恋人でもなければ友達でもないのだ、言わば赤の他人の存在。


 彼は記憶を失くしている――聖杯戦争のマスターとして方舟に召された後遺症。
 願いを求めて何人の人間が召されたか、されど記憶を取り戻さない限り意味など訪れない。
 どんな願いだろうが意志だろうが忘れている人間に奇跡を縋る資格は与えられず。
 件に関しては己の力で道を開けるしか無いのだ、それも出来ない者に聖杯を求めることなど笑止。


 そして幼い少女はサーヴァントだ、記憶を失くしたマスターと共に暮らしている。
 マスターには自分で記憶を取り戻して貰いたいため彼女から聖杯戦争の事は告げない。
 彼のためを思っている、思い出せないのならそのまま眠るのも彼のためだ、勝ち抜けるとは限らない。
 今の仮初の暮らしにはある程度満足している、彼女には訪れなかった平和的な日常を演じれるから。
 何時までこの生活を続けるのか、可能ならば永遠に続けるのも悪くない。


 誰かのために尽くせる事は苦ではない、むしろ生き甲斐を感じる。
 敵だろうが何だろうが困っている人を、他者を救うことに間違いなど無いのだ。
 それが導く事や背中を任せる形になっても本質は変わらない。


 彼女の生前――英霊となる前も、それは優しい存在だった。
 敵をも救った彼女、その行いは英霊に相応しい所業であり此度の聖杯戦争に召されたのも納得だ。
 逆にこの幼い少女もまた、英霊として召された意味、つまり他界済みである。
 笑顔の裏側には哀しい過去や逸話があるかも知れない、だがマスターに不安を与えたくない。
 だから彼女は笑い続ける、自分がサーヴァントであることを隠しながら。


137 : シャア・アズナブル&アーチャー ◆F61PQYZbCw :2014/07/19(土) 00:31:25 3AiTndDw0

 風を浴びようと窓を開けベランダに出る、夜空が広がり神秘的だ。
 街は所々に明かりを灯しながらも静かに、眠っているように静かである。
 このままマスターが記憶を取り戻さなかったら。それはそれでいいのかもしれない。
 彼は悩んでいた、記憶を失くしながらも人々の意思に絡みつかれ、独りで抱え込み何かに抗っていた。
 忘れたままこの世から消える事が出来るのならば、それはある意味での幸福なのかもしれない。


「……あっ!」


 ガチャリと響く音、玄関から聞こえてくるのは帰還の声だ、彼が帰ってきた。
 少女は窓を閉めるとそのまま玄関へ向かう、カーテンを閉め忘れるほどの速さで。
 玄関の明かりを灯すとスーツ姿の彼が居た、その顔は何やら深い面立ちで考え事をしているかのよう。
 金髪のオールバック、彼は靴を脱ぐと少女を無言で見つめる。


「お帰りなさい、ご飯にする? それともお風呂かな?」


 無言の睨みに若干怯えるが彼は疲れている、判断した少女は幾つかの選択肢を与える。
 それは苦渋の決断を迫るものではなくどれを一番求めているかを尋ねる言わば慈愛の導き。
 少女の言葉を聞いた男は無言で部屋の奥に足を進め始めた。
 この行動に少女は驚きと少しの悲しみを覚えるが黙って後を着いて行く。
 男はソファーに腰掛けると手を組み何やら考え事を始める、それも深刻な顔で。
 帰宅時も考えていたが何かをまた考え始める、しかし少女には分からない。
 彼女は彼を見つめると再度言葉を掛ける、パートナーとして。


「今日は疲れたのね、うん、いいわ! お布団も敷いてあるからスーツはちゃんと掛けてね?」


 彼女に出来る事は彼を支える事だけだ。
 親身になり支える、永遠のパートナーではなくても誰かのために尽くす。
 優しい彼女だからこそ行える真の優しさだ。


「……いや、いい。私は望んでいないのだよ」


 少女の提案を男は小さく深い声で否定、そのまま彼女を何度目か分からない程見つめる。
 望んでいない、つまり彼はご飯も風呂も睡眠も求めていない事になってしまう。
 根源は其処ではない。


「ご、ごめんなさい……私、その……」


 少女は息が詰まる、彼の事を思って行動したが裏目に出てしまい彼に重圧を掛けてしまった。
 悩む彼には出来るだけの支えになりたかったがそれも不要なお節介と捉えられたのだろうか。
 震える声で謝罪する、ごめんなさい、と。


「もういい――アーチャーよ」


 止まる時は明鏡止水、流れる流星は蒼く心に沈む。
 彼は全てを思い出した、己の記憶、使命、運命、願い、そう何もかも。


138 : シャア・アズナブル&アーチャー ◆F61PQYZbCw :2014/07/19(土) 00:32:13 3AiTndDw0

 男は聖杯戦争に参加したのは事故だ、本意ではない。
 だが月に召された事実、察するに彼は何かしらの願いを持っていたのは確かかもしれない。
 聖杯に懸ける願いは人それぞれだ、彼も己の信念と呼べる何かが在るのかもしれない。
 

「記憶が戻ったのねマスター、うん。腕に令呪も宿ってるわね」

「私も最初は驚いたよ、まさか君が私のサーヴァントとはな」

「黙っていてごめんなさい……貴方には自分で気づいて欲しかったの」

「君のような少女に負担を掛けてしまったか、私も年齢だけは一人前に過ぎていくようだな」


 男――シャア・アズナブルは自分を嘲笑うように微笑みながら少女の謝罪を慰める。
 不慮の事故とはいえ記憶を失くすとは情けない、その程度の意思ならば必要ないのだ。
 違和感は感じていた。毎日悩み、けれど答えは一向に出て来なかった。
 抜け出せない迷路、出口の明かりは見えようが踏み込む勇気が無かったのだ、嗚呼情けない。


 少女――英霊であるアーチャーとの生活は悪くは無かった。
 自分のために尽くしてくれる幼い少女に母の役割を求めていたのだ。
 情けない、大人になっている筈の彼は未だ過去の悲劇に囚われ進めていなかった。
 いや、進んではいるのだ。成長もしている、だが、今一つ次の段階へ辿り着けていなかった。
 彼の運命は他人には想像出来ない程の道を進んでいる。
 それは全ての事象が重なりあった結果螺旋をも超える捻じれを引き起こし彼の人格に多大な影響を与えてしまった。
 彼と言う存在こそが運命であり、運命と言う事象が彼と言っても過言では無い程に。


「気にしなくていいの。それで……マスターはやっぱり皆を裁くの……?」


139 : ◆F61PQYZbCw :2014/07/19(土) 00:33:07 3AiTndDw0

 シャア・アズナブルは人類に一つの終わりと答えを与えようとしていた。
 繰り返される戦争、失われていく命、学習しない人間、滅び行く自然。
 人類は高度な文明を築き上げた、そして世界を滅ぼしていく愚かな存在でも在る。
 政治上で不要な、野心に触れてしまった者は力を行使し人民に業を背負わせ自分達は幸福に浸る。
 恰も自分達を選ばれた人間のように扱い、邪魔をする者は処刑、暗殺……その心は淀み過ぎている。
 革命とは一部のインテリが引き起こす傍迷惑な所業だ、戦争はビジネスなのか。
 その心や思想も理解出来る、だが人類が求めているのは戦火ではなく平穏だ。
 

「……人の心の暖かさ。私もそれは知っている、触れたことがある。
 だが人類は一度考えを根源から改めないといけない……。
 人類はこのまま腐敗していくだけだ、選ばれない人間だげが苦しみを味わう世の中に存在する価値などあるというのか」


 人間は『きっかけ』がないと動けない、本気になれない哀れな生物である。
 危機が迫らなければ課題に手を付けない、やるべき事があるのに気が乗らないから後回し……。
 

「残念だが私には人類に叡智を授ける事は出来ない……分母を減らす事でしか導けないのだよ」

「駄目……駄目よ! 貴方の言う通り人は間違いを犯すわ、でもそれが理由にならないのよ!
 間違ったなら反省することは出来る、全員は無理かもしれないけど確実に前へ進めるわ」

「……ならば今すぐ愚民共を導けるのか!? 空論だけでは何も進まない、誰かが犠牲にならなければならんのだ!
 そうして気付いた者が行動を起こす、だが泥と避難を浴びるのだ! 勝ち負けなど関係なく世論は悪という勝手な記号を押し付ける。
 単純な答えでしか物事を受け入れられない人類など……ッ。

 済まない……英霊である君に当たっても仕方が無いな……」


 大人である彼が、少なくとも年齢換算で大人であるシャアが少女に持論を感けるなど情けない。
 溜め込んだ感情は吐き出さないと己を壊す、それが世直しに繋がり結果として世界に不安を蔓延らせる。
 彼もまだ成長して切れていない感情があるようだ。


140 : シャア・アズナブル&アーチャー ◆F61PQYZbCw :2014/07/19(土) 00:34:24 3AiTndDw0

 言葉を吐いたがシャアの心に光が差し込む訳でもない。
 英霊とは言え見た目が普通の少女である彼女に情けない姿を見せてしまった。
 その行動と発言に心が苦しくなる、こんな所だけは成長していた。


「いいのよ……もう、いいの」


 アーチャーはシャアの言葉を聞いても彼に反発すること無く歩み寄る。
 そのまま彼の前まで辿り着くと手を握る、小さいがとても暖かい。


「一人で背負い込まなくていいのよ、マスター。今は私が居る。
 私には貴方の生き様や苦悩は分からない、ごめんなさい……でも貴方にだって大切な人は居る筈よ。
 親族、親友、好敵手、最愛の存在……そんな人達を思い浮かべて。心の光、感じない?
 感じられなくてもいいの、ただ忘れないで。人類はまだ希望が無くなった訳じゃないことを……そして。
 貴方は一人じゃない、無理に自分を殺して道化を演じる必要もないのよマスター。
 聖杯に懸ける願いは人それぞれ……それまでにもう一度考え直す時間だって、ね?」


 彼女は知っている、人類の戦争を。
 生前は彼女も戦争に参加し多くの命を奪い、多くの命を散らしながら我が国のために全力を尽くした。
 だから戦争の愚かさ、正当さ、仕方無さは理解出来ている、それだけではない。
 彼女は敵国の兵士も救ったのだ、シャアに当て嵌めると地球の重力に甘んじている人間でさえ彼女は救ったのだ。
 

 けれど彼女は戦争で沈んだのだ、無論敵国によって。
 戦争だ、仕方が無い、諦めろ、甘さを捨てろ、受け入れろ。
 

 それでも彼女は心の暖かさを信じているのだ。
 だから目の前で苦悩しているシャア・アズナブルを見棄てることは出来ない。
 彼のサーヴァントに召された使命、それが彼女の役目ならば全力で引き受けよう。


「私は急ぎ過ぎているのかもしれんな……。
 世直しの先にあるビジョン、その先を見極めるのも悪くはない、か……」


 論されたシャアは少しだけ頭が冷え思考の回りが早くなる。
 一人で背負い込んだって何も変わらない、ならば誰に縋るか。
 その存在が彼の周りに居なかった、頼るには『彼』は遠すぎる存在だ、気楽に相談出来る間柄ではない。
 アーチャーはその役目を引き受ける、彼に見せるのだ。


 人の心の暖かさを。


141 : シャア・アズナブル&アーチャー ◆F61PQYZbCw :2014/07/19(土) 00:35:32 3AiTndDw0


 握られた手を握り返すシャア。
 小さい掌だが伝わる感覚は暖かく全てを包み込む母性が感じられる。
 見た目は少女だが英霊としての格は、精神的にもマスターより勝っている。
 

 彼はアーチャーの言葉を聞いて冷静になったが本質は何も変わっていない。
 そんな言葉の一つや二つで変わる信念や感情ではない、これで変わったらそれこそ道化。
 聖杯に懸ける願い――それは『未定と表わすのが一番正しい』状態だ。


 願いを叶える在りもしない奇跡があるのだ、人間は全力で向かうだろう。
 泥に塗れ、醜く、醜態を晒し、不意打ちや裏切り……負の感情が溢れだすのは目に見えている。
 だが彼の好敵手……因縁の存在のように前を進み続ける者もいる、一概に人類と言う記号ではまとめられない。


 だから彼はこの聖杯戦争で見極めるのだ。


 人類の行方を、己だけ正当化し高い場所から見下ろすように。


 何も変わらないならば願いは粛清に繋がる。


 希望を見出し、委ねれる存在が居るならばその願い、生き様は前に進むだろう。


「私を導いてくれるか――アーチャーよ」


「もちろんよ、マスター!」


 お互いに手を強く握り感じ合う。
 生きている、こうして人類は手を取り合って生きていける、と。
 アーチャーはシャアに暖かさを伝えなければならない、見捨てていい命など存在しないのだから。


 彼らの運命はもう止められない、廻る因果は誰にも止められない。
 シャア・アズナブル、その男の在り方は全ての世界に影響を与え世界の中心になっていた。
 今宵の聖杯戦争――その歴史に彼は何を刻みこむのか。


(私はこの先何処へ辿り着くと言うのだ、私は何のために――ララァ)


 カーテンの隙間から窓を介して夜空を覗く。


 一つの白い流星が流れ、消えていった――。


142 : シャア・アズナブル&アーチャー ◆F61PQYZbCw :2014/07/19(土) 00:36:23 3AiTndDw0


【マスター】シャア・アズナブル@機動戦士ガンダム 逆襲のシャア



【参加方法】ムーンセルによる召還(木片の所在は不明、だが本人は何か思い当たる節があるようだ)



【マスターとしての願い】彼の真意についての言及は控えさせていただく。強いて言うならば、迷っている。



【weapon】なし



【能力・技能】
 MSと呼ばれる機動兵器の操縦技術に関しては天才の領域に達しており、ライダーのクラスとして英霊に選ばれる可能性もある。
 彼はニュータイプと総称される力を所有しており、その運命は重く深く絡み合っている。
 並外れた直感と洞察力を持ち相手の心情を察知する力がある。その大きすぎる力は惹かれ合い共鳴を起こし悲劇を招く。
 一言言うならば、人殺しの道具ではない。

【人物背景】
 悲劇のニュータイプである彼は様々な顔を持つ。パイロット、テロリスト、レジスタンス、政治家……。
 彼の記述は控えさせていただきたい。そして本質を考えてもらいたい。


【方針】
 人類の可能性によって答えを見出だせていない彼は聖杯戦争に導きを求める。
 向かってくる輩は倒す、その先に進むべき道が現れるかどうかは分からないが今更引き返すことは出来ない。


143 : シャア・アズナブル&アーチャー ◆F61PQYZbCw :2014/07/19(土) 00:37:59 3AiTndDw0

【クラス】アーチャー



【真名】雷@艦隊これくしょん



【パラメータ】筋力D 耐久B 敏捷D 魔力E 幸運E 宝具EX



【属性】秩序・善



【クラス別スキル】
 単独行動:D
 マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。ランクDならば、マスターを失っても半日間は現界可能。

 対魔力:E
 魔術に対する守り。
 無効化は出来ず、ダメージ数値を多少削減する。

【保有スキル】
 艦むす:A
 生前戦艦だった存在を少女として転生させた者達が持つ能力。
 水上ではステータス以上の力を発揮することが可能である。
 また「近代改修」により鉄や燃料などの資材を消費することにより地力を上昇させることが可能。

 救済:A
 例え救う価値の無い存在でも。敵であっても救う優しい力。

 尽力:A
 自分のためよりも他者のために戦った時、本来以上の能力を発揮する力。 

 戦闘続行:C
 瀕死の傷でも戦闘を可能とし、死の間際まで戦うことを止めない。


【宝具】


『砲雷撃戦』
 ランク:C 種別:対軍宝具 レンジ:1〜200 最大捕捉:1000
 駆逐艦としての装備を展開する能力。
 その大きさは当時と変わらず対人戦では圧倒的な火力で相手を殲滅する。
 能力のイメージとしては何もない空間から装備を具現化させる。
(ギルガメッシュの王の財宝に近いイメージです)


『第一水雷戦隊暁型三番艦駆逐艦雷』
 ランク:EX 種別:対軍宝具 レンジ:―― 最大捕捉:――
 生前の姿である駆逐艦を海域と共に展開するアーチャー最大の切り札である固有結界。
 艦むすになる前の姿は本来の姿でありこれが彼女の本質である。
 展開される海域は全てが海ではない、陸地も幾つか具現化される。
 発動時マスターは駆逐艦に乗り込み指揮を執る事も可能である。
 なお、魔力供給の関係上発動可能回数は多く見積もって二回、三回目は現界を超える。


【weapon】12.7cm連装砲(立ち絵、初期装備)。


【人物背景】
 艦隊これくしょんに出てくる駆逐艦。
 その言動や仕草、心遣いから人気は高く彼女にパートナーとしての価値を求める提督も多い。
 その真名はかつて存在していた駆逐艦雷そのものである。少女の姿は仮初だ。
 彼女の軍艦としての生き様は是非その目、その耳で確かめて貰いたい。


【サーヴァントとしての願い】
 マスターに全てを捧げる。


【基本戦術、方針、運用法】
 出来る限り戦いは行いたくない。だが、マスターの願いならば話は別になるだろう。


144 : ◆F61PQYZbCw :2014/07/19(土) 00:39:33 3AiTndDw0
以上で全部の投下を終了します。


145 : 鉄刃&セイバー ◆o8d3BIwwX. :2014/07/19(土) 00:52:31 BPMLUMkwO
鉄刃&セイバー、投下します。


146 : 鉄刃&セイバー ◆o8d3BIwwX. :2014/07/19(土) 00:54:48 BPMLUMkwO
 雲一つ無い夜空にもかかわらず落ちた雷によって、鉄刃は記憶を取り戻した。

「痛ってえ……。何だよチクショー」
「お前が私のマスターか」
「あん?」

 刃の目の前には、袴姿の美少女が立っていた。

「セイバーのサーヴァント、志葉薫だ。お前の名は?」
「鉄刃、侍だ」
「そうか、奇遇だな。私も侍だ」
「おっ、そうなのか。へへっ!なら、いっちょ手合わせ願おうか」
「互いの実力を把握するのは大事だが、まずは付近の捜索を行うぞ。聖杯を狙う輩がいるかもしれん。私は、そのような人の道から外れたものを斬り伏せる為に来たのだからな」
「あ?まあいっか。ここなら、相手には困らないみたいだしよ」

 こうして、二人の侍の聖杯戦争は始まった。
 少年は強者と戦う為。
 少女は平和を守る為。


【マスター】鉄刃@YAIBA
【参加方法】ムーンセルによる召喚。木刀がゴフェルの木片でできていた。
【マスターとしての願い】天下一の侍になる。
【weapon】木刀
【能力・技能】
多くの魔剣を従えた精神力。命懸けの斬り合いの最中でも、集中すれば自らの闘気を完全に消せる。
雷撃に対する強い耐性。
かみなり斬りや風車、闘刃などの技。
【人物背景】
スサノオの血を引く、二代目龍神。
実家は超大金持ち。両親と妹がいる。
風神剣に宿る意思に乗っ取られたライバル、鬼丸猛に勝つ為に雷神剣を求め、それを皮切りにして月星人や地の民など多くの相手と戦った。
強大な敵を倒せたのは魔剣の力によるところが大きいが、本人も織田信長御前試合で優勝した程の剣の腕前。但し、苦戦は多かった。
【方針】
全員に勝つ。

【CLASS】セイバー
【真名】志葉薫@侍戦隊シンケンジャー
【パラメーター】
筋力C(C+) 耐久D(B) 敏捷B 魔力A+ 幸運A 宝具B++
()内は、変身中のもの
【属性】
 秩序・善 
【クラススキル】
対魔力:B…魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。
騎乗:B…騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。
【保有スキル】
魔術:A…モヂカラと呼ばれる魔術を修得。漢字に込められたイメージを具現化し、刀や馬を出したり、変身したりする。志葉家が得意とするのは「火」であり、火が持つ破壊的な性質を極めた「封印の文字」を完成させたのがセイバー。


147 : 鉄刃&セイバー ◆o8d3BIwwX. :2014/07/19(土) 00:57:31 BPMLUMkwO
カリスマ:E…軍団を指揮する天性の才能。
直感:C…戦闘時、つねに自身にとって最適な展開を“感じ取る”能力。敵の攻撃を初見でもある程度は予見することができる。
【宝具】
『封印の文字(フウインノモジ)』
ランク:B++ 種別:対人宝具 レンジ:1〜10 最大補足:1人
魔術だが、セイバーの象徴として宝具に昇華した。
火のモヂカラの究極奥義。
紅蓮の業火で敵の全てを焼き尽くす。
復活を防ぐ効果があり、相手がいくつ命を持ってようが、一撃で葬り去る。
人間を守る為のものなので、人間や元人間には無効。
人間や元人間を取り込んだものには、ダメージを与えるだけに留まる。
【weapon】
ショドウフォン
獅子折神
秘伝ディスク
【人物背景】
志葉家十八代目当主。
生まれた当時は、父親が相討ち覚悟で外道衆の総大将血祭ドウコクに不完全な「封印の文字」を打ち込んだ事で一時的に外道衆の勢いが衰えており、セイバーはその間に「封印の文字」を少しでも完成に近付ける役目を負っていた。
しかし、影武者に隠れて生き延びる事を卑怯と感じ、誰も予想していなかったセイバーの代での「封印の文字」の完成を成し遂げる。
これで、身代わりをさせてしまっている影武者を自由にしてやれると思っていたが、影武者としての人生を全うするつもりだった志葉丈瑠から全てを奪う結果になってしまい悔やむ事に。
その後、復活したドウコクに「封印の文字」を放ったが、元人間の薄皮太夫を取り込んでいたドウコクを封印する事はできなかった。
外道衆の絆に敗北し、また、影武者だと判明しても消えなかった丈瑠と家臣達の絆を確認した事で、ドウコクに勝てるのは丈瑠達だと考え、丈瑠を養子にして家督を譲る。
ドウコクを倒した後は隠居したが、有事の際には侍として戦った。
【サーヴァントとしての願い】
人の世を守る為、外道に堕ちたものを斬り捨てる。
【基本戦術、方針、運用法】
宝具が対人外に特化してるので、人間相手には専ら白兵戦。
獅子折神で巨大戦も可能。


148 : 鉄刃&セイバー ◆o8d3BIwwX. :2014/07/19(土) 00:58:04 BPMLUMkwO
投下終了しました。


149 : ◆Z9iNYeY9a2 :2014/07/19(土) 01:04:49 Mxb8xwBA0
ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト、アーチャー投下します


150 : ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト&アーチャー ◆Z9iNYeY9a2 :2014/07/19(土) 01:05:47 Mxb8xwBA0
「それで、緊急の呼び出しの用というのは何なのです?」
「うむ、エーデルフェルトよ。お前はゴフェルの木というものを知っているか?」

それは唐突な時計塔からの呼び出しであった。
呼び出し、と言ってもそれがあまりにも急な連絡であったこともあり可能ならば一時ロンドンまで戻って欲しいという強制力のないもの。

しかしその連絡がもしかしたら遠坂凛にも行っているのではないか、とふと思った瞬間居ても立ってもいられなくなり、全ての予定を一旦キャンセル。
幸いにしてこちらに緊急と言えるような用もなかったため、家のことは美遊とオーギュストに任せてロンドンに一時的に戻ってきたわけだ。

(オーッホッホッホ!ミストオサカ!あなたが気付いた頃にはもうワタクシが全ての用を終わらせているでしょう!あなたの出番はありませんわ!)

などと高笑いしつつロンドンに到着。
寄り道することもなく、一直線に時計塔において大師父とロード・エルメロイ2世のいる部屋へと向かった。

そしてエルメロイ2世から問われたのがそれだった。

「ゴフェルの木……というと確かノアの方舟を作る材料となったと言われる、あれでしょうか?」
「そうだ、そしてそれは実在する。
 とはいっても、それが本当に聖書に記されたようなノアの方舟の材料とされ、大洪水を乗り越えたものであるという確証まではないが」

と、エルメロイ2世は棚の奥から透明な魔術容器に入った何かを取り出した。
魔力に覆われた透明なガラスの器の奥にあるのは、茶色い小さな欠片。

「これがそのノアの方舟の残骸と考えられる、ゴフェルの木片。
 言うまでもなく、これは聖遺物の一つといえるだろう」
「…話が見えないのですが?」

「そうだな、本題に入ろう。
 聖遺物、とはいったが実はこれは唯一のもの、というわけではない。
 最近になって世界の各地でこれと同じものを発見したという報告が寄せられている。
 そして、その発見者の多くが、消息を絶ったのだ」

場所は問わないという。
それは中国大陸であったり、アメリカの大都市であったり、あるいは大砂漠のど真ん中であったり。
まるでばら撒かれたかのようにあちこちで発見さえたそのゴフェルの木片。

その発見者が、ことごとく行方不明となったという。

「我々は回収することに成功したこれらの一部の解析を行った。しかし未だにこれの素性はしれない。
 そこで一部の優秀な魔術師達にことの真相を探るように依頼し、回収した一部を預けた。
 そしてその彼らもまた、未だ連絡が取れない」
「………」
「最期に存在が確認された場所から残留した魔力を検出したところ、彼らはどこかへ転移させられた可能性が高い。
 だが、どこに転移させられたのかは判明していない」
「要するに、分からないことだらけですのね」
「恥ずかしい話だが。
 おそらくは命の危険もある仕事だろう。かつてのクラスカード回収のようにな。
 それに、君は大師父から預かったステッキも持っているだろう?」
(ギクッ)
「そういえば、今あれは持っていないのか?」
「オ、オホホ。たちまちは不要と思ったので鞄に仕舞ったままでしたわ」


そう答えるルヴィアは、体から吹き出る冷や汗を抑えるのに必死だ。

「だが状況も分からない以上ことがことだ。クラスカードの時のように依頼することはできない。
 もし難しいと思うようであれば、ここから出て行ってもらっても構わない。
 その場合もこの話を忘れてくれさえするなら特に何もない」
「……幾つかお聞きしてもよろしいでしょうか?」


151 : ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト&アーチャー ◆Z9iNYeY9a2 :2014/07/19(土) 01:06:39 Mxb8xwBA0

話を聞いているうちにルヴィアの中にも疑問は浮かんできた。
詳細も分からない任務。それに選ばれた自分。
むしろ光栄なことだ。

だが、

「この任務は、私一人に依頼されたものなのでしょうか?
 クラスカード回収、ステッキの所有者、それらに該当する者はもう一人いるはずですが」
「悪いが、その質問に答えることはできない。
 確かに他の者にも幾人か同じことを依頼したが、その情報は極秘事項となっている。
 何しろ聖遺物が絡んでいる。あまり公にしすぎると聖堂教会の介入もあり得るからな」
「分かりました、十分ですわ」

つまり、遠坂凛がこの件に関わってくるかは分からないということだ。
もしかすれば既に依頼を受けているかもしれないし、受けていないかもしれない。
これから受ける可能性もあれば、依頼がいくことはないのかもしれない。

「ふむ、それでは返答を聞かせて欲しい」
「ええ」

ならば、答えは一つだ。

「ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト、その任務必ずや解決して見せますわ」




「念のため、と思って持ってきた荷物でしたが、別にこんなには必要ありませんでしたわね」

受け取った容器に封じられているのは、小さな木片。
これを開封するのは日本の屋敷に帰ってから、ということになるだろう。
あるいはこれに触れるとそのどこかしらへと転移させられるもの、万が一のことを考えれば開ける際には万全の準備をしなければならない。

「ふむ…、せっかくロンドンまで戻ったのですし、紅茶の葉を買って行きましょうかしら。
 日本では入手が難しいものもありますし」

時計塔にいた頃は贔屓にしていた店、果たして今日は開いているだろうか。

通りを抜け、見慣れた看板へと入る。
良かった、今日は営業していたみたいだ。

日本では買えない、お気に入りの銘柄のものを幾つかまとめて買い揃え、店の外に出る。
平日とはいえ夏休みなことが影響しているのか、人通りはそこそこだ。


「さて、用も済んだことですし急がねばなりませんわね」

あの要領を得ないロード・エルメロイ2世の発言からして、もしかすれば既に遠坂凛にも同じ依頼が行っているかもしれない。
あるいはこれから呼ばれる可能性もある。
そうなったらこの問題の解決を先んじられる危険が現れてくるのだ。

もし届いていないのであれば、逆にこの功績によって憎きあの女よりも時計塔での立場が上になる。
今の立場はメイドと雇い主という関係だが、これがあるいは時計塔でも似たような間柄となれるのだ。

公衆の面前で地面に跪く遠坂凛の背に座り、オーッホッホッホとその光景を見て笑いながら紅茶を嗜む姿。


「何て良い光景なのでしょう!」


その愉快な光景に笑みを浮かべながら歩く自分の姿。
だが、そんなことに意識を取られて歩いているのがまずかった

前を見ずに歩いていたルヴィアは、ニヤニヤと笑いながら壁に衝突。


152 : ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト&アーチャー ◆Z9iNYeY9a2 :2014/07/19(土) 01:07:17 Mxb8xwBA0

ゴチン

他人を笑うどころか笑われても仕方ないほどの光景。
唐突な頭への衝撃でクラリと意識が浮きかける。

「―――いっ…!」

そのままよろめきながらも足を進めるが、クラクラとした頭では真っ直ぐに歩くことができず。
気がつけば、体は車道へと飛び出していた。

ブーーーーーーーーーーーーーーーーン

気がついた時、目の前にはまっすぐとこちらに迫る車体。


(―――…ミストオサカのことを笑ってる場合じゃありませんでしたわね――――――――)


パキッ

そうして車と接触する一瞬前。
その手に握っていた、ゴフェルの木片の容器を握りつぶしたような感覚と共に、意識を反転させた。






「ああ、今日は厄日ですわ…」

自分の不運と迂闊さを呪いつつ、これまでの事態を思い返すルヴィア。
たった今、それらの一連の流れを思い出したところだ。

思い出した、というのはそれらの出来事をすっかり忘れてしまっていたことからの復唱のようなものだ。

そして今いるこの場はロンドンではない。
まるでどこかの学校のような造りの建物の中にいた。
今自分がいる室内は薄暗く、他の人がいる様子はない。

「なるほど、消えた魔術師達というのはここへ連れて来られてきた、というわけですわね」

事象の理解はできた。しかしここが何なのか、どうしてこの場に連れて来られたのかの目的が分からない。

「一人で調査、ということですわね…、ああ、せめてサファイアさえいればもう少しは楽だったものを」

ぼやいてもどうなることでもないが、それでも呟かずにはいられなかった。


と、ふと視線を動かすと目の前にあったのは灯りのついたノートパソコン。どうやら電源が点いている様子。
記憶を取り戻す以前にここにいた生徒が使っていたもののような気がするが、使用者はどこへともなく消えている。

中を覗くと、そこにあったのは謎の表示。

4分割された画面には、数字が4つ映っている。

「4000、6000、6000、3000……何の数字かしら?」

その下には、まるでそこを選択しろとでも言うかのように点灯するアイコン。
まるで惹き寄せられるかのように、マウスを動かしそこをクリックしたルヴィア。


153 : ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト&アーチャー ◆Z9iNYeY9a2 :2014/07/19(土) 01:09:08 Mxb8xwBA0
カチリ、とクリック音が部屋に響き渡った瞬間だった。
薄暗い部屋に、まるで召喚陣のようなものが浮かび上がり、膨大な魔力が奔流し始めたのを感じ取ったのは。


「――――な、なんですの?!」

まるで何かとてつもない何かを呼びだそうとでもしたかのような気配を感じ取り、ルヴィアは思わず一歩後退する。
この感覚はかつてクラスカードの英霊達と戦った時に感じたものに酷似している。

やがて魔力の輝きが頂点に達したその時、手の甲に鋭い痛みが走る。
そこにあるのは、何かの模様のような赤い痣。

そして収まりつつある光の中から、人の体のような姿が見え。

「ハーイ、英霊の座から来ました、高速戦艦の金剛デース!
 よろしくお願いしマース!」

光の先には、巫女服のような衣装を纏った長髪の女が立っていた。



「聖杯戦争…?」
「イエース!聖杯戦争でマスターに従って戦うために呼ばれたデース。ユーは魔術師(メイガス)ネ?なら、聖杯戦争のことは知ってるネ?」

その名は知っている。とは言ってもほんの偶然で知ったにすぎず、魔術師だから知っている、とは言えない恥ずべき状況ではあったが。
かつてイリヤのいた一族、アインツベルンが聖杯を求めて行った儀式。
詳細までは分からないが、イリヤの母親が言うにはもうそれが起こることはなかったはずだが。

「ゴフェルの木片ってあったヨネー。アレが聖杯戦争の招待状だったのデース」
「なるほど、ではこれまでの行方不明の魔術師もここに連れて来られた、と」
「まあでも、ユーがメモリーを取り戻すまでは予選ネ。そこが越えられなかった人は脱落となるらしいデース」

金剛は大まかな聖杯戦争のルールを教えてくれた。
サーヴァントシステム、優勝方法、令呪。
かつてアインツベルンはこんな色々と込んだルールで聖杯戦争を行おうとしていたのだろうか、と関心するルヴィア。


「つまり、ここから生きて帰るには聖杯を手に入れるしかない、ということですわね」
「そうデース。それで、ここからがワタシにとっても重要な質問になるのデスが、ユーにはこの聖杯戦争を戦う意志がありますカー?」
「フッ」

小さく笑みを漏らす。
巻き込まれたという事態は不本意ではあるが、元々これは自分に与えられた仕事だ。
それに背を向けて逃げるなど、エーデルフェルトの名が泣く。


154 : ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト&アーチャー ◆Z9iNYeY9a2 :2014/07/19(土) 01:10:06 Mxb8xwBA0
「私には聖杯にかける望みなどないですわ。しかし、聖杯などというものを前にして何もしないなど魔術師としてはありえませんわ。
 いいでしょう、この戦いに生き残って、聖杯を手に入れて見せましょう」
「じゃあ、契約は成立ネ!ユーのことはこれからはマスターと呼ばせてもらいマース」
「ええ、よろしくお願いしますわ。金剛」
「普段はアーチャーって呼んで欲しいネ!アーチはないけどネ」


戦う意志は固まったルヴィア。そして彼女をマスターとして認めた金剛。
だが、ふと気になることがあった。

「弓を持っていない?ならあなたはどうやって戦うんですの?」
「Oh!さっきも言ったけど、ワタシは戦艦、金剛デース。ワタシの武器は―――」

と、金剛のその背にまるで戦艦のような巨大な砲身と装甲が顕現する。

「この艤装、旧日本海軍の戦艦として戦い抜いた、この連装砲達ネー!」

まるで自分の力を示すかのように、その一発が火を吹く。
壁をやすやすとぶち抜いた砲弾は、そのままどこか遠くで着弾、その距離から轟音を響かせていた。
対戦車砲でもこれほどの威力は出るだろうか。巻き込まれたものがいないか、ふと心配にもなったルヴィアであった。


「じゃあまず、ユーの持ってたこのお茶っ葉でティータイムネ!」
「あっ、それは私の買い揃えたとっておきの!」
「ケチくさいこと言わないネー。それにゆっくりできる時には休まないと体に毒デース」

サーヴァントとマスター。
2人しかいない空間、しかしそこはとても賑やかで騒々しい声を響かせていた。




【CLASS】アーチャー

【真名】金剛@艦隊これくしょん -艦これ-


【パラメーター】
筋力A 耐久C 敏捷B+ 魔力D 幸運B 宝具D++


【属性】
秩序・中庸


【クラススキル】

対魔力C
魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。

単独行動C
マスターが死亡したり、マスターとの契約を解除しても行動可能。
ランクCはマスターを失っても1日程度現界が可能である。

【保有スキル】

行動続行C
ある程度のダメージを受けても行動を行うことに支障をきたすことがない。(あくまで行動であり戦闘は不可)
ただし致命傷を負った時にこれが発動するとダメージに気付かず手遅れになる危険性もある。

道具作成:D
材料が揃っていれば自分用(戦艦用)の武器や装備を作り上げることができる。
ただし失敗する可能性も少なくはない。

日頃の無理:B
「日頃の無理が祟ったみたいデース…」
老朽化するほどに戦艦として長く使われ多くの戦場に駆り出されたことで付けられたスキル。
このスキルのために本来の能力よりも耐久値が下がっている。
しかしその分戦闘経験や戦闘続行能力は高く、ある程度の無理は効く。


155 : ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト&アーチャー ◆Z9iNYeY9a2 :2014/07/19(土) 01:10:47 Mxb8xwBA0

【宝具】
三式弾
ランク:D++ 種別:対陣宝具 レンジ:1〜40 最大補足:300
戦艦の主砲から放たれる特殊砲弾。
三式弾は榴散弾の一種で、大量の子弾が爆散、敵を編隊ごと一網打尽に殲滅することが可能。
といいたいところだが一般的には対空装備としてはかなり微妙という評価を受けている。
むしろ対地攻撃において高い効果を発揮すると言われてる。
これ自体は何の変哲もない砲弾だが、金剛が使用するとヘンダーソン基地を壊滅に追い込んだという功績により一定条件下で威力が上がる。
基地、工房、軍港など敵の陣営となる場所へ向けて放つことで++補正がかかり、その威力で壊滅的な被害を与えることが可能。

なお史実ではこの際徹甲弾も多く放ったと言われているが、何故か今の彼女は持っていない。


【weapon】
以下に挙げる様々な武装を扱え、また道具作成において制作した武器も装備可能。
ただし一度の戦闘で装備可能なのは4つまでとなる

41cm連装砲
呉海軍工廠砲熕部で開発された国産戦艦主砲。
16インチ(40.6cm)を僅かに上回る、この41cm砲は「大和」型の46cm砲が登場するまで世界最大の戦艦砲であったと言われる。
威力は彼女の持つ装備の中で最高クラスだが燃費も悪い。

35.6cm連装砲
標準的な戦艦の主砲。
「金剛」型建造と同時期に英国に発注され、後に国産化、「伊勢」型までの標準的な戦艦主砲して運用された。
彼女の筋力Aを支える要の主砲であり、最も使い慣れた武器。威力は41cm砲には劣るが燃費はいい。

15.2cm単装砲
50口径四十一式15cm砲。
主砲とするには威力は低く、かなり旧式のものであることも相まってかなり微妙な性能となっている。

7.7mm機銃
対空兵器として装備された小口径機関銃。
主砲と比べれば小回りは効くが威力は低い。
サーヴァント相手には威力不足だと思われる。人間に使うには十分な威力であるだろうが。

21号対空電探
索敵能力と対空能力をあげることができる電探。
うずしおに効果を持つことから、設置された罠などにもある程度の効果を発揮できるかもしれない。

22号対水上電探
索敵能力と射撃管制能力をあげることができる電探。
うずしおに効果を持つことから、設置された罠などにもある程度の効果を発揮できるかもしれない。




【人物背景】
イギリスが開発した戦艦・ドレットノートに対抗するために旧日本海軍がイギリスの重工業メーカー・ヴィッカースに設計、建造を依頼したことで生まれた戦艦。
戦艦としては破格の30ノット(約55.6km/h)という速力を持っており、日本の造船技術の底上げの元となったと言われる。
姉妹艦に比叡、榛名、霧島が存在しそれらもまた高い速力を持っていた。

幾重もの改装を得て速力を維持したまま戦艦としての高い装甲を持った高速戦艦へと生まれ変わり、他国からは強い警戒をされるほどの性能を得た。
第二次世界大戦においては、旧式戦艦であるため使い潰しが効くこと、高い速力によって空母機動艦隊の護衛を努められるということから重宝される。
南方戦線やソロモン海戦での戦いに姉妹艦と共に参加、ガダルカナル島攻略戦においては高速を生かしてヘンダーソン飛行場に夜間砲撃し高い戦果を挙げる。
しかし米軍は第二飛行場を建設していたため長期的な戦果にはいたらず、その第二飛行場破壊任務において比叡、霧島を失うことになる。

その後は残った姉妹艦の榛名と共に各地をめぐり、サマール沖海戦においては空母を砲撃によって沈める(諸説有り)という功績も挙げる。
しかしその帰路、潜水艦による魚雷を受け損傷。
当初は航行に支障がないと思われたが長年の使用により老朽化した船体は耐え切ることができず沈没することとなった。

というのが史実の金剛である。

ここからは艦隊これくしょんにおける彼女の説明となる。
英国生まれという帰国子女設定から英語交じりの独特なしゃべり方をする。また、その設定からか好物は紅茶。「ティータイムは大事にしないとネー!」
明るく人懐っこい性格で、また好きな相手(主に提督)に対しての愛情表現はかなりストレートである。


156 : ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト&アーチャー ◆Z9iNYeY9a2 :2014/07/19(土) 01:11:37 Mxb8xwBA0


【サーヴァントとしての願い】
聖杯に願うような未練や願望はない
もしかしたら何か小さな願いはあるかもしれないが現状は不明

【基本戦術、方針、運用法】
戦艦であるがゆえに高い戦闘能力を誇るが、スキルによって耐久が下がっているため無理は禁物。
砲撃能力は高く、キャスターやその他スキルや宝具によって作成された陣地に向けての砲撃は強力無比なものとなる。
状況に応じて様々な装備を使い分けることが可能だが、一度に装備できるものは4つまでとなるためどの武装を使うかの見極めが大切となる。




【マスター】
ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ

【参加方法】
魔術協会にゴフェルの木片の調査を依頼された際、不意に直接触れたことで参加。

【マスターとしての願い】
この自体を解決、協会からの依頼を果たすと同時に、聖杯を回収する。
遠坂凛がいるなら何としても先を越す。

【weapon】
宝石

【能力・技能】
凛と同じく宝石魔術の使い手であり、その技能はかなり高い。
ガンドも使うことができるなど凛との共通点は多いが、凛と違い金持ちであるため宝石の出費には困らないのが大きな違い。
プロレスも嗜んでおり、接近戦においては投げ技やプロレス技による戦闘も可能。その技量は凛の八極拳にも匹敵するとか。


【人物背景】
フィンランドに居を構える魔術の名門エーデルフェルトの現当主。
凛と並んで時計塔の主席候補の一人。

遠坂凛とは仲が悪く、顔を合わせればガンドが飛び交うほど。しかしいざ共闘した際のコンビネーションは抜群。

ある時、その凛との喧嘩の結果時計塔の講堂に壊滅的被害を与えたことで、その罰としてクラスカード回収の任務を凛と共に与えられる。
その際宝石翁からカレイドステッキ・サファイアを預けられるもクラスカード探索そっちのけで私闘を繰り広げる彼女達に愛想を尽かし離れていってしまう。
そしてサファイアがマスターとして認めたという美遊に戸籍と自身の家の姓を与え、義理の妹としての居場所を与える代わりにクラスカード回収を任せることとなる。

クラスカード回収後は日本にて和を学んでこいということで日本にそのまま留学。
美遊はそのままメイドとして家におき、アルバイトとして雇った凛をいびりながら騒がしい日々を送っている。

なお、士郎に惚れている。



【方針】
優雅で華麗な勝利を目指す。

なお、本人が聖杯戦争にどこまで知識を持っているかは不明。
ただこの聖杯戦争に参加しているのは魔術師、ないし撃って撃たれる覚悟のある者のみと思っている可能性がある。


157 : ◆Z9iNYeY9a2 :2014/07/19(土) 01:12:40 Mxb8xwBA0
投下終了です


158 : 魂魄妖夢&ライダー ◆MqJNOJVbU2 :2014/07/19(土) 01:59:50 f2B6pYvQ0
魂魄妖夢&ライダー投下します


159 : 魂魄妖夢&ライダー ◆MqJNOJVbU2 :2014/07/19(土) 02:02:20 f2B6pYvQ0




――J9って知ってるかい?――


160 : 魂魄妖夢&ライダー ◆MqJNOJVbU2 :2014/07/19(土) 02:02:52 f2B6pYvQ0

2本の刀を背負った銀髪のボブカットの小柄な少女が、突如頭に手を当てうずくまった。
降って湧いた急な違和感。何かを忘れている。何かが足りずにいる。
当たり前の日常と思い込んでいた毎日が、突然空虚な砂上の楼閣のように感じられる。
半人半霊の庭師、魂魄妖夢がその正体不明の感覚に囚われたのは、咲いていない、大きな桜の木を見た時である。
フリーランスの庭師としての仕事中であった。今思えば、その日常に対して違和感しか覚えない。
その時突然右手に熱い痛みが走り、その熱が違和感という名の氷を溶かすように、少しづつ全てを思いだす。
右手には、不思議な力を放つ紋様が浮き上がっていた。
そして、

「そうだ……私はっ!」

白玉楼、庭師兼剣術指南役、主である西行寺幽々子……そして、何の因果か巻き込まれた聖杯戦争。
その全てを思い出した魂魄妖夢は、走りだしていた。
どこか向かう場所が決まっているでもなく、具体的に何を成すか決まっているわけでもない。
それでも、未熟な妖夢は走らずにはいられなかった。
ただ真っ直ぐ、己の信じる主のために。


161 : 魂魄妖夢&ライダー ◆MqJNOJVbU2 :2014/07/19(土) 02:03:32 f2B6pYvQ0

そうしてしばらく無軌道に走っていた妖夢であったが、不意に誰かに見られているような感覚を覚え急停止、周囲に気を配った。
そして気配の出処を発見。後方、街路樹の影、明らかに誰かがこちらの様子を伺っている。
聖杯戦争という争いの場で、敵か味方か判別はつかない。
だが、妖夢は迷わず背負った刀、楼観剣を抜刀した。
『真実は眼では見えない、耳では聞こえない、真実は斬って知るもの』。
彼女がその師から授けられた教えだが、生真面目で半人前の妖夢はこの言葉を額面通りに受け取っている。
故に、何であろうと分からないことは斬って知ろうとするのだ。
まるで辻斬のように。

「はあぁぁぁぁぁっ!!」

気合の声とともに疾走。頭の冴えと釣り合わぬ剣の冴えが、一瞬で不審人物を捉えんとする。

ガキィィッンッッ!!!

だがその剣は、同じ剣によって防がれた。
相手は男のようだ。浅黒い肌に精悍な顔立ち、そして凄みを感じる不敵な笑みを浮かべている。
多少予測はしていたが、その油断ならぬ容姿と腕前から、やはり敵だと判断した妖夢は、剣を握る力を強める。
初撃の勢いが消えぬうちにまた幾度と剣を振るったが、その全ては受け流され、距離を取られてしまった。
これで先制のアドバンテージはゼロとなる。

(……この人、強いっ!)

思った以上の力を持つ相手に妖夢は感嘆と驚きを感じる。
妖夢も剣の腕にはそれなりに自信があった。
しかし相手は同じ得物で互角以上に渡り合ってきた。
彼女の暮らす世界である幻想郷には剣客が少ないこともあり、妖夢にとって真剣勝負での苦戦は新鮮であった。
手加減の出来る相手ではないことを悟り、慎重に相手の出方を伺う。
だが、

「やめだやめやめ、こういう下らないことでエネルギーを消費するなんて馬鹿馬鹿しいって、俺の相棒なら言うだろうよ」

相手は無防備に剣を収め、あろうことか諸手を挙げてこちらに近寄ってきた。
敵だと思い込んでいた相手の思いもよらない行動に、妖夢は混乱し思考が一瞬止まる。
だがなんとか頭を振って思考を取り戻し、剣を向けて威嚇した。

「とっ、止まれ!先程から私を監視していたようですが……ようだが!
 一体何が目的だ!あと名を名乗れ!さもなければ斬る!」

凄んでも一切迫力がない上、未だ混乱が覚めきらないのか口調まで安定していない。
だが男は律儀に止まり、ニヤリと笑って語り始めた。

「よかろう、だがこんな所で立ち話も何だ。どこか座って話せる場所に移らんか?」

男の物腰は柔らかく、その語調や瞳に邪なものはない。
それどころか安心さえ覚えるような声音だ。
妖夢は未だに最低限の警戒は残しておいたが、とりあえずの所目の前の男を信用し、
「いいでしょう」と提案に応じた。


162 : 魂魄妖夢&ライダー ◆MqJNOJVbU2 :2014/07/19(土) 02:04:40 f2B6pYvQ0

二人はとりあえず、場所を人気の少ない公園に移し、設置してあるベンチに座った。
道中で買ってきた飲み物を開け一息つく。

「先に自己紹介をしましょう。私の名は魂魄妖夢。ある御方に使える半人半霊の剣士です。
 それで、話してもらいましょうか、あなたが一体何者で、何の目的があって私をつけていたのか」

お茶の缶を側に置き、その真意を探らんと妖夢は男に強い眼差しを送った。
対する男はいかつい見た目に似合わず、甘いオレンジジュースを美味そうに飲んでおり、
とても詰問されているようには見えない暢気さだ。

「うん?おおそうだったそうだった。俺が何者かで、何が目的か、か。
 ふふふ、まあ、大体勘付いているんだろう?」

鼻を掻きながら、男は逆に妖夢を試すような眼差しを返す。

「ではやはり……あなたが私の『サーヴァント』……」

それは桜の木の下で、記憶を取り戻した時から分かっていたことだった。
令呪が右手に宿ったということは、即ち対応するサーヴァント現れたということ。

「おおそうだ。クラスはライダー、真名は……隠すような名でもあるまい。
 俺の名はディーゴ・近藤。またの名を銀河烈風隊局長、ドン・コンドールだ。
 どっちでも好きなふうに呼んでくれ、よろしく頼む」

自己紹介を済ませ、男――ディーゴは妖夢に握手を求めた。
妖夢は俯きながらも握手に応じる。
様子が少しおかしい妖夢に気づきながらも、ディーゴは話を続ける。

「それと、なぜお前をつけていたか、だったか。ま、簡単に言やあ、俺のマスターってのはどんな奴かと思ってな。
 何も意識しない自然な状態のほうが人となりがわかると思って後ろから覗かせてもらう形を取ったが、
 結果的に勘違いさせてしまう結果になって悪い」

「そう、ですか。私も早とちりをしてしまってすみません。
 あろうことかいきなり斬りかかるなど、普通じゃありませんよね……」

「んいや、俺の生きた世界も、ボヤボヤしてると後ろからバッサリッて感じの世ん中だったからな、
 逆に懐かしいぐらいさ。ま、少しは驚いたがな。
 それに、お前みたいに危なっかしい奴が俺の知り合いにいるもんでな」

ディーゴは笑いながら話すが、妖夢は先程から変わらず俯いたままだ。
流石に気になりディーゴも理由を尋ねる。

「どうした?さっきから俯いてるが、具合でも悪いのか?」

「すみません、気を使わせてしまって……ただ、どうすればいいのか分からなくて……」

妖夢はお茶の缶を両手で持ちながら、表情を暗くする。
ディーゴはそんな妖夢に聞き返す。

「どうすればいいのか分からない?何がだ」

そして問われた妖夢は、ためらいがちに話し始めた。


163 : 魂魄妖夢&ライダー ◆MqJNOJVbU2 :2014/07/19(土) 02:05:34 f2B6pYvQ0

「私は、幻想郷という世界の白玉楼という場所で、主である幽々子様に仕え、庭師兼剣術指南役として暮らしていました。
 私はその何気ない毎日に満足していました。この度の聖杯戦争は、自ら望んで参加したのではなく、偶然巻き込まれてしまったのです。
 だから願いなどもなく、ただ元の居場所に、幽々子様のもとに帰りたい……。
 ですが、ここにはきっと、命をかけても叶えたい願いを抱えた人も集まっているはず……。
 そんな中で、私はどうすればいいのか分からないのです。
 どうすることが正しいのか、分からないのです……だからじっとしてもいられなくて、走りださずにいられなかった。」
 
そう言い終えた妖夢は、また俯き、苦悩の表情を浮かべたまま黙ってしまった。
ディーゴは妖夢の言葉を聞き、しばらく顎に手を当て思案してから、語りだした。

「J9って知ってるかい?」

「J……9?」

「昔、太陽系で粋に暴れまわってたって言うぜ。故事によると、彼らは闇のシンジケートがのさばる世ん中で、
 体制に飲み込まれること無く悪を挫き、弱きを助けたらしい」

「そのJ9が、何なのです?」

妖夢は突然の話の意図が読めず、疑問をそのまま口にする。

「俺の率いる銀河烈風隊は、そんなJ9に憧れて結成した。そして銀河烈風隊には、何にも勝る『烈の精神』ってもんがある。
 口で細かく言うようなことじゃあねぇから詳しくは言わねぇが、自分の信念を決して曲げず、貫き通す生き方のことだ。
 俺は、J9達もそんな風に生きたんじゃないかと思っている」

「つまりそれは……私もその『烈の精神』に従って生きろということですか?」

「そうじゃあねえ……半分あっているが半分間違いだ。要はお前が信じるものは何かって話だ。
 お前はお前の信じる生き方に従って生きろ、他人なんざ関係ねぇ。
 お前の信じる生き方を貫けば、迷いも断ち切れるさ。答えも後からついてくる。
 大事なのは貫けるかどうか、だ」

「自分の信じる生き方を……貫く」

「そうだ。ま、後は精一杯考えぬいて、悩むんだな。俺から言えるのはこれだけだ」

そう言うと、ディーゴは視線を妖夢から風景に移し、オレンジジュースを呷りながら眺めだした。
彼なりの気遣いだろう。そうして妖夢は言われた通り、ディーゴに言われた言葉を反芻して考え始めた。


164 : 魂魄妖夢&ライダー ◆MqJNOJVbU2 :2014/07/19(土) 02:06:26 f2B6pYvQ0

(私の信じる生き方……それは幽々子様を守り、従い生きること……
 師から……祖父から受け継いだ重要なお役目。
 未だ未熟なこの身なれど、それだけは譲れない……
 なれば私は生きて帰らなければならない。だけど、幽々子様に顔向け出来ないような事は出来ない。
 命を投げ捨てることも、我欲の為に無辜の人を斬るのも、そのどちらか一つでもやってしまえば、
 きっと私は二度と幽々子様の従者として、生きることは敵わないだろう。
 だったら……生きて帰り、非道も働かない!そのどちらも貫く!容易なことではないかもしれない。
 心が折れてしまうかもしれない。それでも!迷い続けてでも必ず真実に辿り着く、きっと、それが私の『烈』だ!)

たっぷり数分悩みぬき、妖夢はようやく結論を導き出した。
その眼に、先程までの暗さはない。

「ディーゴさん……」

「うん?答えが出たのか?」

ディーゴは期待を込めた眼差しで妖夢に向き直る。

「はい。私の答えは、迷い続けます。きっとこれから何度も悩むだろうし苦しむと思います。
 甘い考えでまかり通れるほど楽な戦いでないことも承知しています。
 それでも、無理だとしても私の貫きたいと思う生き方を見い出せたのです。
 だからその生き方を貫くことに挑みます。ご迷惑をお掛けすると思いますが、ディーゴさん、力を借していただけるでしょうか?」

言葉を紡ぐ妖夢の声は、凛として、決然とした覚悟がありありと伝わってきた。
ディーゴはその言葉に満足し、立ち上がる。

「迷い続ける、か。難しい答えだが、気に入った。よかろう、不肖このドン・コンドール、お前の力になろう。
 共に騒ごうぜ」

「ディーゴさん!」

「ならば問おう、お前が俺のマスターか?」

そう言いディーゴは剣を抜き、妖夢の前に翳した。

「はい!」

そして妖夢はディーゴの行動に応じ、立ち上がり白楼剣を抜いてディーゴの剣に重ねた。
今ここに、サーヴァントとマスター、その契約が真に成立したのだ。


165 : 魂魄妖夢&ライダー ◆MqJNOJVbU2 :2014/07/19(土) 02:08:01 f2B6pYvQ0

【クラス】
ライダー
【真名】
 ディーゴ・近藤(ドン・コンドール)@銀河烈風バクシンガー
【パラメーター】
筋力D 耐久D 敏捷D 魔力D 幸運B 宝具A
【属性】
 秩序・善 
【クラススキル】
 対魔力:E
 魔術とは縁が無いため、最低限(威力を和らげる程度)しか効果はない。
 騎乗:C+
 人造の乗り物なら大抵の乗り物は乗りこなせる。自身の宝具とバイクに限り能力が向上する。
【保有スキル】
 カリスマ:C
 軍団を指揮する天賦の才能。人を惹きつけ団体戦闘で自軍の能力を向上させることのできる稀有な能力。
 アウトローの集まりである銀河烈風隊をまとめあげる人望がある。
 烈:A
 戦闘続行と勇猛が合わさったようなスキル。烈の精神があるかぎり、何かに惑わされることもなく、
 その意地を貫くまで死ぬことはない。彼と彼の率いる集団、銀河烈風隊のあり方そのもの。
 Aランク以下の精神干渉を無効化する。
【宝具】
 銀河を駆ける黄色い颱風(タイフーン)
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1
陸上、空中、宇宙を駆け抜けることの出来る高性能なバイク。
ドン・コンドールがライダーである所以の一つ。後述のバクシンガーの右腕部に変形する。
武装として車体前面にビーム砲が二門付いており、戦車を破壊できるほどの威力がある。

 銀河烈風(バクシンガー)
ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:1〜50 最大補足:50
巨大ロボット。全高48メートル、重さ106.8トン。
銀河烈風隊の切り札。5台のバイクがシンクロン原理によりシンクロン合身することで完成する。
本来は5人のパイロットが乗り込むことで操縦するが、この機体は後期に生産された、
1人でもシンクロン合身を可能とするオートシンクロン機能を備えたもの。
性能は明らかにされていないが、便宜上ここではオリジナル機体と同一のものとする。
武装は多彩で、両腕からビームを発射するハンドカノン、両肩部のマフラーから伸びるビーム砲、ショルダーカノン、
背部に装備されたミサイル、スピンファイヤーマックス、胸のスロットから取り出す剣、バクソード、
外宇宙の技術を加えて作られた、右手首部から取り出すニューバクソード、
この他にも劇中ではほぼ全身からビームを出したりしているので、全身兵器と言っても過言ではない。
近接戦闘を得意とし、射撃武器も至近距離で放つ。また、バクソードは新旧どちらもビーム兵器を跳ね返すことが出来る。
鬼神の如き強さで、銀河烈風隊と共に最後まで作中最強のロボットとして恐れられた。
その巨体、強力さから魔力消耗は激しく、それなりに魔力(霊力)のある妖夢でも、
召喚できるのは一回に精々1〜2分が限界だろう。

【weapon】
『剣』
ただの剣。銀河烈風隊の隊士は皆装備しており、局長であるディーゴも勿論装備している。
また剣の腕前も人並み以上。
『銃』
実弾ではなく何らかのエネルギーを発射しているもの。
あまり使わない。
【人物背景】
出展は『銀河烈風バクシンガー』。一時は300人以上となった銀河烈風隊の局長である。
年齢は23歳。豪放磊落で情に厚く、リーダとしての器がある。
元々はアステロイドベルトの片田舎、ターマ隕石海の出身で、その一帯で一目置かれる暴走族『烈』のリーダーだったが、
地球を含めた太陽系を取りまとめる組織『ドメスチック・バクーフ』の外宇宙の脅威から来る混乱下で、
一旗揚げるべく盟友のシュテッケンとビリーと共に銀河烈風隊を結成した。細かいことを考えるのは苦手で、甘いものが好き。
また、『烈』という銀河烈風隊独自の考え方、生き方、価値観をもっており、どんなに理があろうとそれを曲げることはない。
二世紀後の『銀河疾風サスライガー』の時代にも、彼や銀河烈風隊の活躍は語り継がれている。
【サーヴァントとしての願い】
『烈』の精神を貫く
【基本戦術、方針、運用法】
 妖夢を手助けし、基本的に無用な戦闘は避けるが、戦う場合、自らの剣技と愛車のタイフーンを駆使して戦う。
 相手がどうにもならない程強大であれば、バクシンガーを使用する。


166 : 魂魄妖夢&ライダー ◆MqJNOJVbU2 :2014/07/19(土) 02:08:36 f2B6pYvQ0

【マスター】
魂魄妖夢@東方Project
【参加方法】
 庭掃除の途中、偶然落ちていたゴフェル木片を拾った。
【マスターとしての願い】
 自分の信じる生き方を貫き、聖杯戦争から必ず主のもとに帰還する。
【weapon】
『白楼剣』
 切られた人間の迷いを断ち斬る事が出来る、魂魄家に伝わる短剣。これで切られた霊は彼岸に行くこともなく成仏・消滅する。
 どういうわけか魂魄家の者しか扱えない。
 サーヴァントに対して効果があるかは不明。
『楼観剣』
 一振りで幽霊十匹分の殺傷力を持つと言われる、妖怪の鍛えた名刀。
 長すぎて並の人間には扱えない長刀だが妖夢はこれを使いこなして戦う。切れぬものなどあんまりない。
【能力・技能】
剣術を扱う程度の能力を有している。その腕前は達人級。
また、種族半人半霊であり、半身である半霊という霊魂のようなものが近くを浮遊しており、
半霊を自分の分身に変化させ共に攻撃させることも出来る。
【人物背景】
初登場は『東方妖々夢』。冥界にある死者を管理する場である白玉楼で、主である西行寺幽々子に仕え、
住み込みで暮らしている。代々西行寺家に仕える半人半霊の一族・魂魄家の出身であり、頓悟し幽居した先代に変わり、
二代目専属庭師兼、幽々子の警護役と剣術指南役を務めている。
性格は素直で真面目だが、騙されやすく、どこか抜けていて半人前の感が拭えない。
【方針】
殺し合いには乗らず、脱出の方法を模索する。


167 : ◆MqJNOJVbU2 :2014/07/19(土) 02:09:22 f2B6pYvQ0
以上で投下終了です


168 : ◆O2eZPN5WFA :2014/07/19(土) 02:10:56 VEfZGxjs0
投下お疲れさまです。

アムロ・レイ&アーチャー投下します。


169 : ◆FbzPVNOXDo :2014/07/19(土) 02:11:25 ufsnUaJc0
投下乙です
こちらも投下します


170 : ◆FbzPVNOXDo :2014/07/19(土) 02:11:59 ufsnUaJc0
あっお先どうぞ


171 : アムロ・レイ&アーチャー ◆O2eZPN5WFA :2014/07/19(土) 02:12:09 VEfZGxjs0
緑の燐光が地球を照らす。
人の心の光が見せた無限の可能性。
その光の中で彼が垣間見たヴィジョンは、星の海を渡る巨大な方舟だった。

月海学園教師、アムロ・レイ。明らかに日本人がもつ名前ではないが、ここにそれを気にする者はいない。
担当は技術、趣味は機械弄り、嫌いな色は赤。
彼はいつもの様に授業を終え、いつもの様に放課後の廊下を歩く。
不意に誰かに見られているような感覚を感じた。

「……またか」

ここ数日、彼は決まって誰かに見られている様な気配を感じていた。
だが、害意は感じない。
ただ、見られている気配だけを感じる。それが、彼にはより不気味に感じられた。
それだけではない、時折脳裏に響く自分を呼ぶ女性の声。
不快さはない、寧ろとても懐かしく感じる。
だが、彼の記憶の中にその声に該当する女性はいない。
何か、大切な事を忘れているように感じられた。

募る違和感に苛々を募らせながら歩く彼の視界に、見慣れない少女の影が見えた。
褐色の肌、黄色い服、そして、透き通るような緑の瞳。

――ラ■ァ?

不意に激しい頭痛が彼を襲った。
目まぐるしく教師としての自分が経験した筈のない記憶が頭のなかで渦巻いていく。
緑の巨人と白い巨人、戦いの記憶、地球で、あるいは広大な宇宙空間で散っていく無数の命。
白鳥と、先ほどの少女と、仮面を被った男。

「くっ……、待て、待ってくれ!」

突き動かされるようにアムロは少女の後を追う。
記憶は巡る。
空を飛ぶ黄色い巨人に飛行機をぶつける自分、サングラスをかけた金髪の男、キリマンジャロの山奥での黒い巨人達との戦い。
一瞬だけ現れた少女は、それ以降、謎の記憶から姿を表す気配を見せない。

彼女はどうなった?
この記憶は俺に何を見せたい?

隕石が落ちる、何もできなかった無力感を体験した筈はないのに、アムロは噛み締めていた。
新たに地球に落ちようとする巨大衛星の上で白い巨人と赤い巨人が火花を散らす。
決着は、彼と白い巨人の勝利、いや、まだ落ちようとしている衛星が残っていた。
脱出を謀った、かつてはともに戦った事のある男を逃がさぬように捉えながら、アムロは落ちる隕石を止めようと足掻いていた。

夢か現か幻か。
混濁した意識でふらつくアムロの視界の先にいたのは、今なおグルグルと脳裏を渦巻く記憶で見たままの姿をした金髪の男だった。
その瞳は記憶の中の男が見せたことがないほど冷ややかさを纏っていた。

――シャア

アムロの口からでた、知る筈のない男の名前。
不意に目眩に襲われた。
霞む目をあけると気づけばシャアと呼んだ男は消えていた。

記憶の中では自身とシャアの言い争いが繰り広げられている。

『ララァを殺したお前に言えたことか!』

記憶の中のシャアが、決定的な言葉を口にした。
ララァを、アムロが、殺した。

「ああ、そうだ。俺は、俺は、この手で」
『僕は、この手でララァを殺してしまった……』

少年の頃の彼の記憶へと巻き戻る。
わかり会えると思った、一人の少女。
そうはさせじと割り込むシャアと切り結び、トドメを刺そうとしたその矢先。
シャアを庇い少女が、ララァ・スンの駆るモビルアーマーが飛び出した。
白い巨人、ガンダムのビームサーベルが無慈悲にも突き刺さる。

『ああ、アムロ……時が見える』

年を重ね、大人になり、そしてシャアとの雌雄を決するまで、一度も忘れる事がなかった、忌まわしい記憶。
忘れてはいけない出来事だった筈だった。


172 : アムロ・レイ&アーチャー ◆O2eZPN5WFA :2014/07/19(土) 02:13:25 VEfZGxjs0
「……シャアの奴に蔑まれても、文句は言えないな」

力なく壁にもたれかかりながら、アムロは自虐的な笑みを浮かべた。
宇宙世紀、一年戦争、グリプス戦役、シャアの動乱、その全てを、本来のアムロ・レイが歩んできた道程の全てを思い出した。
そして続けて頭に入ってくるのは聖杯戦争の記憶。
アクシズを押し戻す際に放たれたサイコフレームの共振の光と、その最中にみた方舟。気づけばアムロは戦争の参加者として呼ばれていた。
力なくへたりこむ彼の前に、黄色い服を来た少女、ララァ・スンが立つ。

「全てを思い出したのね」
「君が助けてくれたのか、ララァ」
「あのままだと、あなたは消えてしまっていただろうから」

アムロが初めて出会った時と変わらない姿で、彼女は微笑む。

「何故俺を助けた、君が俺のサーヴァントというわけでもあるまい」
「見知った人が死ぬのを、ただ指をくわえて見てられる人がいて?」

柔らかに微笑むララァに、自然とアムロも笑みを浮かべていた。

「これから俺はどうすればいい?生憎と人を殺してでも叶えたい夢なんざもっちゃいない」
「それはあなたが決める事よ、私が出来るのは切欠を与えた事だけ」

うっすらと、ララァの姿が薄くなっていく。

「ララァ!」
「きっと、あなたがここに導かれた事にも、何か意味がある。それは私にもわからない」

光の粒子が立ち上ぼり、ララァが霧散していく。
アムロは駆け寄ろうとするが、激しい疲労と不調に見舞われていた体は言うことをきかない。

「生きて、それを見つけて……、もうすぐあなたのサーヴァントが来るわ……」

その言葉を最後に、ララァ・スンは消滅した。
それが方舟の見せた奇跡なのか、混濁する意識の中でアムロが見た幻だったのかは、彼にもわからない。
ただ、ララァ・スンという存在が、アムロの記憶を取り戻してくれたという、純然たる事実がそこにあった。

「俺が、ここに導かれた意味か」

弱々しく開かれた拳をグッと握る。
既に、聖杯戦争の知識に関しては全てアムロの頭の中に入っている。
勝ち抜かなければ待っているのは、死。
むざむざ殺されるつもりはアムロにはなかった。
生き残る。
自分が巻き込まれた意味を知る。
その二つの目的を指針にジオンを震撼させた白い流星はこの戦争で戦う覚悟を決める。

不意に、後ろに気配を感じた。

「やあ、君が俺のマスターかな」

座り込んでいる自身とほぼ同じ位置から聞こえる声に若干の疑問を覚えながら、アムロは返事をする為に振り返る。
そして、彼の目は驚愕によって大きく見開かれた。

「ん?ああ、ごめんごめん!君たちと俺たちとじゃ見た目が全然違うからビックリするよな。まあ、戦うのはそこまで好きじゃないけどさ、呼ばれたからにはしっかり頑張るから期待しててよ!あ、自己紹介が遅れたけど、俺はアーチャーのサーヴァント!名前は――」
「……ガン、ダム?」
「そう、ガンダム!――って、はい?」

アムロは我が目を疑った。
彼の前に現れたサーヴァントの姿。
到底人とは思えない機械的なボディ。
トリコロールカラーのペイント。
額には特徴的なVの字のブレードアンテナ。
小さすぎる頭身や、カメラアイ部分に人間と同様の瞳がある点など、様々な違いはあるが、その姿は間違いなく一年戦争にて彼が駆った、アムロ・レイという伝説と数々の神話の原典たる存在、RX-78-2 ガンダムそのものの姿をしていた。


173 : アムロ・レイ&アーチャー ◆O2eZPN5WFA :2014/07/19(土) 02:14:25 VEfZGxjs0
『クラス』アーチャー
『真名』ガンダム@SDガンダムフルカラー劇場
『パラメーター』

筋力C 敏捷C 耐久B 魔力D 幸運B 宝具D

『属性』
 混沌・善 

『クラススキル』
対魔力:E
魔術によるダメージを多少軽減する
魔法に対する耐性。クラス特性により付与されているが、本来の彼に魔力に対する耐性はないので申し訳程度の耐性になっている。

単独行動:B
マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
ランクCならば、マスターを失ってから一日間現界可能。
また、他人に主役を押し付けて温泉旅行に出掛けたりできる。

『保有スキル』

機械工作:B
機械への深い理解と器用な手先。
設備と資材と時間があれば小型のインターフェースロボ(ハロ)を作成できる。
このハロを用いた偵察が可能。

SD:A
スーパーデフォルメ。三頭身で成人男性の腰くらいまでしかない小柄な体型
敏捷や回避に起因する判定にボーナスが与えられる。
但し歩幅が一般の人間と倍以上の差があるので、走行による逃走判定や追跡判定に多大なマイナス補正が入る

カリスマD
軍団を指揮する天性の才能。団体行動において、自軍の能力を向上させる。
アーチャーの場合、戦闘ではこの効果は発揮されない。
カリスマは稀有な才能で、一軍のリーダーとしては破格の人望である。
大勢を巻き込んで学園祭や体育祭を開催したり、なんだかんだで皆に慕われる人徳。

『wepon』
多彩な武装を持つが、多彩すぎて代表的な武装以外はオミットされている。

ビームライフル
ビームサーベル
ハイパーバズーカ
ガンダムシールド


174 : アムロ・レイ&アーチャー ◆O2eZPN5WFA :2014/07/19(土) 02:15:06 VEfZGxjs0
『宝具』

新たなる白き流星(ニューガンダム)
自身をニューガンダムの姿へと変化させ、ステータスとweponを以下に変更し、更に追加スキルを一つ得る。

『ステータス』
筋力 B 敏捷B 耐久B 魔力D 幸運B 宝具D

『wepon』

ビームライフル
ニューハイパーバズーカ
ビームサーベル
フィン・ファンネル
シールド(ミサイルランチャー・ビームキャノン内蔵)

『固有スキル』
フィン・ファンネルバリア
フィン・ファンネルの放つビームで攻撃を防ぐバリアを形成する。
このバリアはC以下の魔力・筋力による攻撃を無効化できる。
B以上の能力値による攻撃を受けた場合この宝具は一時的に使用不能になる。
フィン・ファンネルが破壊されない限り、何度でも使用可能

『人物背景』

れんぽー所属のモビルスーツ。
明るく元気だが傷付きやすいガラスハートをもった皆の中心的存在。
面倒見が良くお人良しだが、割と口が悪く、朗らかな笑顔で痛烈な毒を吐く事もある。

『サーヴァントの願い』

なし。マスターの意向に最大限従うが、非道な真似だけは断固拒否する。

『基本戦術、方針、運用法』
多彩な射撃武装を活かしてのアウトレンジ・クロスレンジを心がける。体格のせいで近づかれやすく、また近づかれると使える武装がかなり限定されるので一気に不利になる。マスターの堪を活かしながら戦いをくぐり抜け、前衛を任せられそうな同盟者を見つけるのが先決。


175 : アムロ・レイ&アーチャー ◆O2eZPN5WFA :2014/07/19(土) 02:16:12 VEfZGxjs0
【マスター】
アムロ・レイ@起動戦士ガンダム 逆襲のシャア

【参加方法】
サイコフレームの共振により方舟へと導かれた

【マスターとしての願い】
生き残る。
自分がここに呼ばれた意味を見つける。

【weapon】

【能力・技能】
ニュータイプ
直感に優れている他、他者の悪意や感情を感じ取る事ができる。
極低ランクの気配遮断であれば看破可能

罠作成
簡単なブービートラップが作成できる。

機械オタク
機械の類の構造把握・解析・構築・操作に明るい。

【人物背景】
地球連邦の軍人にして、一年戦争の英雄。
少年時代に自身の住むコロニー・サイド7へジオン公国軍が襲撃を仕掛けた時から、彼の激動の人生は幕を開けた。
内向的で斜に構えていたのも昔の話で、今では女性に冗談で軽口を叩けるほどに成長した。
軍人としても成長し、割とシビアな物の見方で行動もできる。

【方針】
情報収集、友好的な参加者との接触


176 : ◆O2eZPN5WFA :2014/07/19(土) 02:17:15 VEfZGxjs0
赤い人が出たのでいてもたってもいられませんでした。
以上で投下を終了します。


177 : ◆FbzPVNOXDo :2014/07/19(土) 02:21:05 ufsnUaJc0
じゃあ改めて投下します


178 : 松岡勝治&バーサーカー ◆FbzPVNOXDo :2014/07/19(土) 02:23:47 ufsnUaJc0
「ぐわあああああああああああ!!!!」

松岡勝治の心臓は最早、限界寸前だった。
元々病弱でありながら、ボーグバトルに命を張り続けたのもそうだが、それ以上に此度の聖杯戦争に参加してしまった事が、よりその寿命を削ってしまった。
せめて、召喚したのがバーサーカーでさえなければ、もう少し生きながらえたかもしれないのに。

「もう、楽にしてやろう」

対峙していたマスターとランサーのサーヴァントは心のそこから情を持ってそう言った。
これ以上、苦しめるよりもこのまま楽にしてやろうと。
だが、勝治の目は死んではいない。未だ勝治の闘志は消えない。
魔力も底を尽き、ランサーに打ち勝つ術などないように見えても尚、勝治は諦めない。

「止めろ。お前はもう―――」

「ま、だだ……。リュウセイくん、ケン! 僕に力を貸してくれ!!」

勝治の脳裏に浮かぶのは二人の友。
ある時は喜びを共にする仲間として、ある時は修羅場を潜り抜けた戦友として、ある時は譲れない者の為に戦った宿敵として。
その日々は、厳しくも楽しい。そして、美しい素晴らしいものだった。

「なんだと!?」

バーサーカーの力が増していく。搾り取れる魔力など、とうに枯渇しているというのに。
天上を着くかどうかの勢いで伸びた長髪を揺らし、ランサーを再度圧倒し始める。
その身に青いオーラを纏い。狂気に飲まれながらも、バーサーカーは少年の思いを背負い戦いを続ける。

「君たちと戦ってきた全ての思い出を、この技に込める!―――行くぞバーサーカー!!!」

視界がぶれ、手足の感覚すらも確かではなくなってくる。
これを使えば―――だが、そんな事は知ったことではない。勝治には譲れない物が、救いたいものがある。
その為なら、命など惜しくは無い。

「メモリアル・メリーゴーランド―――マキシマム!!」

勝治の思い出が狂戦士に力を与える。
勝治の思いが狂戦士を奮い立たせる。


179 : 松岡勝治&バーサーカー ◆FbzPVNOXDo :2014/07/19(土) 02:24:56 ufsnUaJc0





――――もうこれで終わってもいい だからありったけを










                                   ボ










ランサーは気がつけば、遥か上空へと蹴り飛ばされていた。
有り得ない。ここまでの実力差など無かった筈だ。それがどうして。
浮かぶ疑問が解消するよりも早く、バーサーカーもまた上空へと飛び上がっていた。



「FIRST… COMES… ROCK…」


その拳に秘められし神秘は、並みのサーヴァントを一撃で粉砕する。
まともに受けては不味い。ランサーは回避を行おうともがくが全てが遅い。

「ジャンケン――――グー!!!」



ランサーは爆散した。




「―――もう、僕の命は……」
「……」
「分かってるんだ、バーサーカー。もう足に豆も一杯できて……でもこの願いだけは、叶え、なく……ちゃ―――」







勝治の意識は闇に沈んだ。


180 : 松岡勝治&バーサーカー ◆FbzPVNOXDo :2014/07/19(土) 02:25:28 ufsnUaJc0
【CLASS】
バーサーカー
【真名】
ゴン=フリークス@HUNTER×HUNTER
【パラメーター】
筋力B 耐久C 敏捷A 魔力C 幸運C 宝具B
【属性】
 中立・善 
【クラススキル】
狂化:B

【保有スキル】
年齢上げ(レベルアップ):A
倒せない存在と遭遇した場合、その相手を倒せるレベルにまで成長する。
ただし、マスターの負担が重すぎる故に使用は控えるべき。

【宝具】
ジャジャン拳
ランク:B 種別:対人 レンジ:1〜50 最大補足:1人
拳で殴るグー、オーラの剣で斬るチー、オーラの砲弾を放つパーの三種があり。
これをバーサーカーは使い分けて戦う。

【weapon】
己が肉体。

【人物背景】
HUNTER×HUNTERの主人公

【サーヴァントとしての願い】
マスターの為に戦う。

【基本戦術、方針、運用法】
ごり押し。


【マスター】
松岡勝治@人造昆虫カブトボーグV×V
【参加方法】
エレクトリカル・スピードワゴンが木片で出来ていた。
【マスターとしての願い】
聖杯を手に入れて願いを叶える。
【weapon】
エレクトリカル・スピードワゴン
【能力・技能】
ボーグバトルの要領でサーヴァントにボーグ魂を送り込み強化できる。
【人物背景】
病弱な寿命残り僅かな少年。
どうしても叶えたい願いの為に参戦した。
【方針】
勝ち残る。


181 : ◆FbzPVNOXDo :2014/07/19(土) 02:25:59 ufsnUaJc0
投下終了です


182 : ◆FFa.GfzI16 :2014/07/19(土) 02:30:49 WDomeaGA0
新スレ&投下乙です

言峰綺礼&アーチャーで投下します


183 : 言峰綺礼&アーチャー ◆FFa.GfzI16 :2014/07/19(土) 02:31:25 WDomeaGA0

言峰綺礼は薄汚れた裏路地にもたれかかりながら、大きく息を吐いた。
なんとか、逃げ切った。
襲撃者はアサシンのサーヴァント。
真命は恐らく『アサシン』そのものであるハサン・サーバッハ。
イカれた殉教者、名前を呼んではいけない偉大なる神へと仕える者。
敵へと思案を巡らしながら肩を大きく落とし、それでも周囲の警戒は怠らない。

なぜ、こんなことをしている。
ひと目から避けるように、後ろめたいことをしているかのように。
これでは、まさしく。

――――『私』そのものではないか。

認めたくない、自身を苦しめる自身を直視しているかのように。
言峰はギシリと歯を強く噛んだ。

「よう、マスター。生きてるかい?」

その言峰の側で、命からがら、といった様子で少年――――アーチャーのサーヴァントは嘲笑う。
身体はズタボロで、フルマラソン後かと思うほどに衰弱しきっている。
しかし、アーチャーは嘲笑っていた。
赤と黒の刺青に全身を刻まれ、下半身に深紅の外套を身にまとったサーヴァント。
真名をアンリ・マユ。
この世の悪意を一身に受け、この世の悪意そのものであれと願われた、ただの少年。
生きたまま悪意に染められ、悪意そのものへと堕ち、少年のまま英雄へと変換されたもの。
彼の本質は虚無であり、根底にこびりついた、本能じみた強烈な衝動以外に感情は持たないはずの英霊。

「アーチャー……」
「アーチャー、アーチャーね。それ、外の人の方の適正なんだけど……まあ、お月様がそれでいいならいいや。
 でもさぁ、ムーンセルくんさぁ、ちょっと緩いよね。もうちょっと俺を見習ってもいいよな。
 マスターもそう思うだろ?」

嘲笑いながら、アーチャーは語りかける。
誰を嘲笑っているのだろうか。
自身という最弱の一角に堂々と居座るサーヴァントを引き当てた言峰綺礼を、か。
あるいは、アーチャーなどというまるでまっとうな英雄のようにまっとうなクラスを与えられた自分に対して、か。
アーチャー、それは借り物の証明であり自身はどこまで言ってもアヴェンジャーでしかない。
現に、何の意味もないアヴェンジャーというクラス適性を持ったまま二重に召喚されている。
いずれにせよ、アーチャーという名のアヴェンジャーは全てを嘲るように笑った。

「少し黙っていろ、アーチャー」

息を殺して周囲を伺う言峰は、嘲りの笑いを浮かべたままのアーチャーを一瞥する。
しかし、ヒヒッ、とアーチャーは笑みを深くし、言峰の視線を物ともしない。
腐っても英霊だからだろうか。
それとも、アーチャーにとって悪意とは自分自身とも呼べる親しい存在だからか。
いずれにしろ、執行者としての威圧感を携えた言峰の鋭い視線に怯みもしなかった。
言峰は深い息を吐く。


184 : 言峰綺礼&アーチャー ◆FFa.GfzI16 :2014/07/19(土) 02:32:51 WDomeaGA0

「……人殺しに長けているのではなかったのか」
「まあな、俺ほど人殺しに長けた英霊はあらゆる多次元を探しても居ねえぜ。
 俺より早く殺せたり、多く殺せたりする奴は居るだろうが、人殺しの質に関しては誰にも負けないね。
 そこら辺のファッションキチガイモンスターと一緒にしてほしくないってものさ。
 まっ、それはそれとして、あのサーヴァントには勝てないけどな。
 ごめんな、マスター!」
「駄犬め」

にこやかな顔のまま手を合わせて頭を下げるアーチャーに対し、聖職者に似つかわしくない暴言を吐いて言峰は立ち上がる。
手の甲に刻まれた令呪を眺める。
思えば、本来ならば自身が召喚すべきは先ほど襲ってきたアサシンのサーヴァントだった。
それが何の因果か。
自身の側にいるのは、ともすれば自身にも劣るサーヴァント。
宝具にしても、あまりにも使い勝手の悪い物。
媒体らしきものは使わなかった。
故に、召喚されるサーヴァントは自身に近しい存在となる。
このサーヴァントが、軽薄な少年が自身と類似する英霊だとでも言うのだろうか。

「……アーチャーよ。単独行動は弓兵の分野だな」
「おいおい、マスター。
 アサシンとの戦闘見てもそんなこと言えるなんて、正気かよ。
 アンタもアレかい、キの字なのかい?
 これだから神様に仕える奴らは!
 俺の信奉者も体外碌でもなかった、俺は詳しいんだ!」
「危険はない、管理者を探ってこい。
 アレは方舟の根幹に最も近い」

管理者。
この聖杯戦争におけるルールそのもの。
彼女達と争うつもりなど欠片もないが、しかし、この聖杯戦争の根幹に最も近い。
この聖杯戦争に訪れたのは、単なる願いの成就のためではない。
聖職者として、奇跡の回収者として『ノアの方舟』へと近づくことによって、なにか成せるものがあるのではないか。
空虚な自身の根幹に触れる、なにかが見つけることが出来るのではないだろうか。
願望に似た感情が浮かび上がる。
そういった意味では、言峰綺礼もまた方舟に乗るに相応しい人間なのだろう。

「なっ、そ、そいつはごめんだぜ、マスター!
 いくらこの世の全ての人間のケツを拭いて回っているような俺にもやりたくないことってもんがある!
 あの女と関わるとか、それ……嫌だ!」
「……」

狼狽とも言えるほどに表情を変えたアーチャーに対し、言峰は冷たい目のまま右手を掲げる。
それは令呪の使用の暗示であり、アーチャーも後退る。
この得体のしれないアーチャーにしても、ただ『自身を従えるためだけの令呪の使用』を是とはしないようだ。

「ま、まあ、マスター、落ち着けよ。
 腹が減って苛立ってんだって!
 中華でも行こうぜ、中華。さすがに俺はこんなナリだから人前じゃ食えねえけどあの雰囲気嫌いじゃないんだよ」
「興味はない」
「マーボー好きだろ?」
「興味はないと言っている」

苛立ったように言葉を繰り返した言峰に対して、アーチャーはやはり嘲笑うだけだ。
苛立ちが深まる。
目の前の英霊に対しては、無条件の苛立ちを覚えてしまう。
それこそが目の前の英霊の特性――――いや、根源なのかもしれない。
人々の悪意を無作為に引き出す英霊。
この世、全ての悪。
そのことを承知しているのか、アーチャーはどれだけ悪意を向けられても笑みを浮かべ続けるだけだ。

「食べてみなって、病みつきになるぜ。
 なにせ、アンタよりもアンタのことを知ってる俺が言うんだから間違いない」
「お前に何がわかるというのだ、この反英雄め」
「わかるさ、アンタは俺だったからな」

アーチャーは笑みを深め、瞬間、言峰の背筋に嫌な汗が走った。
自身の心臓を、魂を掴まれたような悪寒。
秘密の小箱を開ける行動そのものの無遠慮な悪意が言峰へと襲いかかったのだ。


185 : 言峰綺礼&アーチャー ◆FFa.GfzI16 :2014/07/19(土) 02:34:45 WDomeaGA0

遠い彼方。
あるいは、近い此方。
言峰綺礼は聖杯の泥を身にした。
それはすなわちアーチャーであるアンリ・マユそのものである。
今のアーチャーは殻を被り、一つの人間を救った行為をムーンセルに観測された状態で召喚された。
アヴェンジャーであるが、アーチャーでもある。
故に、聖杯の泥はアーチャーと根幹を共にするもの。
暗闇の底から星の光を見続ける者。
その根底が憧憬であれ嫉妬であれ、それこそがアンリ・マユ。

「ヒヒッ、爺さんも桜も中々粘ってたけど、アンタは別格だよ。
 アンタほど俺に影響されずに馴染んだ奴も居ないぜ。
 おっと、どっかの英雄王は別枠だけどな。
 っていうかあんな奴居るならさぁ、俺じゃなくてアイツがアンリ・マユになるべきじゃね?
 やっぱおかしいよ、世の中!」
「訳のわからぬことを……」
「まっ、俺の俺による俺のための人殺しの方法の話さ。
 この殺し方は、アンタも絶賛してたんだぜ?」
「……貴様はなんなのだ、私の未来を知っているのか?
 それとも、悪魔であるが故に、出鱈目で私を嘲っているのか?」

アーチャーは応えず、笑みを深める。
悪意そのものであり、同時に慈悲深さを思わせる独特の笑みだ。
この世全てを嘲笑っている。
この世全てである、自分自身を嘲笑っているのだ。

「それはそれとして、話を戻すとだな……あの管理者はな、駄目だ。相性が悪い。
 サーヴァントが英霊の逸話通りに再現されるっていうのなら、アンリ・マユver俺にとっちゃ天敵ってやつだぜ。
 おまけに、あの死に方しといて聖人続けてる奴までも居やがる。
 絶対嫌われちゃうぜ、あの聖人様によ。
 俺は嫌われるのと同情されるのが死ぬほど嫌いなんだよ」
「貴様の異名からは信じられんな」

その言峰の言葉に、戯けたようにアーチャーは畳み掛ける。
言葉尻を捉えておちょくることこそが宝具だと言わんばかりに。

「うっわぁ、この神父様、人を過去だけで判断しやがった!
 この俗人め! アンタみたいなのが俺みたいなのを生み出すんだぜ!」
「……もういい、貴様と話していると頭が痛くなる」
「虚弱児め!」
「しかし、貴様がどのように言葉を並べようともいずれ管理者とは向き合う必要がある」
「……ヒヒッ! そいつは楽しみだな!」

先ほど、命の危機を助けられた相手にどうしてこうまで強気でいられるのだろうか。
言峰は苛立ちと、奇妙な安堵を抱きながら自身の宅へと踵を返した。

「どうした?
 嘲笑えよ、マスター。アンタはまだ生きてるんだからよ。
 生きてるうちは嘲笑えよ、まだまだ苦しいことが待ってるんだぜ」

アーチャーの言葉を無視し、言峰は歩を進める。
サーヴァントの遭遇から避けるために、慎重に。
神の目から逃れるように、悪魔に誘われるように。
言峰綺礼とアーチャーは、影へと消えていった。


186 : 言峰綺礼&アーチャー ◆FFa.GfzI16 :2014/07/19(土) 02:38:09 WDomeaGA0
【CLASS】
アーチャー

【真名】
アンリ・マユ

【パラメーター】
筋力:E 耐久:E 敏捷:E 魔力:E 幸運:E 宝具:B

【属性】
混沌・悪

【クラススキル】
対魔力:E
魔術に対する守り。
無効化は出来ず、ダメージ数値を多少削減する。

単独行動:A+
マスター不在でも行動できる能力。
アンリ・マユ自体が人々の悪意そのものであるため、彼は人が存在する限り存在し得る。

【保有スキル】
呪術:E
アンリ・マユの存在そのものが呪術とも言えるが、アンリ・マユ自身は呪術を扱うことが出来ない。

精神汚染:-
かつては悪意そのものであったアンリ・マユは最上級の精神汚染スキルを有していた。
しかし、エミヤシロウという殻が存在することでスキルを失った。

二重召喚:B
アーチャーとしての召喚されたものの、同時にアンリ・マユはアヴェンジャーとしても召喚されている。

【宝具】
『偽り写し記す万象(ヴェルグ・アヴェスター)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:- 最大補足:1人
自分の傷を、傷を負わせた相手の魂に写し共有する。
条件さえ満たせば、全ての相手に適用できる。高い魔術耐性を持つサーヴァントであっても問答無用である。
また、「共有」であるため、アヴェンジャーが自身の傷を癒さない限り、相手の傷も癒えることはない。
複数への使用は不可能であり、任意で定めた対象者にだけ適応される。
一人に対して一度だけしか使用出来ない。

『無限の残骸(ホロウ・アタラクシア)』
ランク:B 種別:対城宝具 レンジ:1〜99 最大補足:100人
アーチャーかあるいはマスターが死んだ時に発動する、自動的な固有結界。
繰り返される四日間の終わりに現れる亡霊、『無限の残骸(アンリミテッド・レイズ・デッド)』が犇めく世界へと対象者を誘う。
天の逆月へと至るか、生き残ったアーチャーあるいはマスターを消滅されるまで固有結界から逃れることは出来ない。

【weapon】
「右歯噛咬(ザリチェ)」と「左歯噛咬(タルウィ)」という奇形の短剣。
殻であるエミヤシロウとしての特性がそのまま浮き出た形となった。

【人物背景】
この世全ての悪。
この世全ての悪なるものを肯定する反英雄の極地であり、もとはその役割を一身に背負わされた。
延々と蔑まれ、疎まれ続けた結果、「そういうもの」になってしまった普通の人間。
生まれ育った村の呪いによって、人間であった頃の名前は世界から喪失している。
冬木における第三次聖杯戦争にてアヴェンジャーのクラスで召喚され、敗退。そののち、聖杯を汚染した。
第五次聖杯戦争におけるマスター、バゼット・フラガ・マクレミッツの願いによって永遠の世界を顕現した。
その世界でエミヤシロウの殻を被り、繰り返される聖杯戦争へと参加していた。

今回はムーンセルが観測した『繰り返される聖杯戦争』に存在したアンリ・マユがアーチャーのクラスにて現界した。
故に、アンリ・マユでありアンリ・マユでない彼の全てとも言える心象世界を展開する固有結界が宝具として存在している。

【サーヴァントとしての願い】
衛宮士郎の殻を被った者としての漠然とした願いは存在するが、それを叶えるつもりはない。

【基本戦術、方針、運用法】
繰り返される四日間でない以上、戦術によって戦力差を覆すことは出来ないと思われる。
それこそ、天に願うことぐらいなもの。


187 : 言峰綺礼&アーチャー ◆FFa.GfzI16 :2014/07/19(土) 02:39:15 WDomeaGA0

【マスター】
言峰綺礼@Fate/Zero

【参加方法】
父である言峰璃正によってゴフェルの木片を譲られた。

【マスターとしての願い】
聖杯への願い自体が不明。
言峰自身は聖杯に選ばれた以上、何か願いがあるとは思っている。

【weapon】
・黒鍵
レイピア状の投擲剣、聖堂教会における悪魔祓いの護符の一種。
霊的干渉力に秀でている。

【能力・技能】
・八極拳
父である言峰璃正から教わった。
しかし、綺礼のそれは実践で鍛えられた結果、単なる人体破壊術となってしまっている。

【人物背景】
聖堂教会に仕える聖職者。
一時期は『魔』を滅する代行者であったが、現在は聖遺物の管理・回収を任務とする第八秘蹟会に所属している。
万物が美しいと思えるものを美しいと思えないという生まれながらにして歪みを抱えている根っからの『異常者』。
それでも聖職者としての自覚を抱いている当人はその歪みに苦悩している。
その歪みを是正するためか、歪みを忘れるためか、様々な鍛錬に身を費やし、一定の功を収めると次の鍛錬へと移るという鍛錬自体を目的とした行動を取っている。
先日、その満たされるための作業の一つであった『妻』を失くした。

【方針】
目的はないが、優勝する。


188 : 言峰綺礼&アーチャー ◆FFa.GfzI16 :2014/07/19(土) 02:39:57 WDomeaGA0
投下終了です


189 : ◆F3/75Tw8mw :2014/07/19(土) 03:17:43 boUkrKhQ0
ウェイバー・ベルベット&アサシン、投下します


190 : ウェイバー・ベルベット&アサシン ◆F3/75Tw8mw :2014/07/19(土) 03:18:36 boUkrKhQ0

「はぁ……どうしてこんな事になったんだろう」


こんな筈ではなかった。
そう大きなため息をつき、ウェイバー・ベルベットは目の前の机に突っ伏していた。

本来ならば、自分は第四次聖杯戦争に向けて優秀なサーヴァントを召還し、来るべき戦いに備えて共に考えを練る筈であった。
それがこの有様はどうだ。
召還の為にケイネスが取り寄せたという聖遺物をこっそり拝借した途端に、この月の聖杯戦争とやらにいきなり拉致されていた。

そこでどうにか違和感に気づき目を覚ましたはいいものの……いつの間にやら、目の前にはサーヴァントがいるではないか。
本来ならば万全を期して挑む筈だった召還は、与り知らぬところで望まぬ形で行われていたのだ。
しかもそのクラスは、戦闘能力ならば七騎の中でも最弱に近いとされるアサシンだ。

愚痴の一つや二つは吐きたくなる……本当に、こんな筈ではなかった。
ウェイバーの心情は、今まさにその一言に尽きるものであった。


「そうため息をつくな、ウェイバー。
 確かにお前にとっては予期せぬ事態である事は承知しているが、起きてしまった事は幾ら悔やんでも仕方あるまい」


そんな彼に立ち上がるよう声をかけるのは、傍らに立つアサシンであった。
侍特有の結った髷に、高貴さですら感じさせる葵の家紋が入った純白の和装束。
何より見る者全てに畏怖すらも覚えさせるかのような力強き眼光と、その容姿は決して暗殺者のクラスとは思えないものであった。
せめてアサシンを召還するにしても、相応の英霊であってほしかった。
そうすればまだ、色々と戦い方を考える事が出来たかもしれないのに……


191 : ウェイバー・ベルベット&アサシン ◆F3/75Tw8mw :2014/07/19(土) 03:19:06 boUkrKhQ0

「……分かってるさ。
 嘆いてたって何も変わらないくらい……」


ウェイバーとて、アサシンのいう事は十分分かっている。
起きてしまった事はもうどうしようもない。
このアサシンと共に、聖杯戦争を勝ち抜くしかないのだ。


「やってやるよ……こうなったら。
 お前と一緒にこの聖杯戦争に勝ち残って、僕の力を認めさせてやるんだ」


腹は括った。
条件は不利極まりないものだが、逆に言えば、ここで聖杯戦争に勝ち上がれば自分にも魔術師としての箔がつく。
ケイネスをはじめ、自らを認めなかった者達を見返す事ができる。
魔術師として自分は一流の能力を持っていると証明できるのだ。
ならば、どんな手を使ってでも必ず勝ちあがってみせようじゃないか。
そう、どんな手でも……


「ウェイバー」


そう考えていた矢先だった。
アサシンはただ一言、彼の名を口に出した。
どこか力強く、威圧感すらも感じる呼びかけだ。
その声に、ウェイバーは一瞬だけ無意識の内に体を震わせるも、すぐに落ち着きを取り戻して振り向き……


「……な、何だよ……アサシン」


そして、アサシンの射抜くかのような眼光に、体を硬直させた。


「お前の、誰かに才を認められたいと願う気持ちは良く分かる。
 それは人が誰しも持って当然の願望だ。
 だが……俺は今まで、その様な思いから悪事に走る者共を数多く見てきた」

「……外道にだけは走るなって……そういいたいのか?」


192 : ウェイバー・ベルベット&アサシン ◆F3/75Tw8mw :2014/07/19(土) 03:19:40 boUkrKhQ0

「そうだ。
 如何に己を認めさせる為と言えど、その為に悪事を働くなどもっての他だ。
 それは、堂々と万人の前で誇れる形で成さねばならぬ」


己の心をまるで見抜くかの様な一言に、ウェイバーはただ驚嘆するしかなかった。
暗殺者のものとは到底思えない、あまりにもアサシンらしからぬ言葉だ。

しかし……同時に、心に響く力強さもあった。
確かに、彼の言う通りかもしれない。
自分の力を証明するにしても、それは万人に誇れる形でなければならない。
たとえこの聖杯戦争に勝ちあがれたにしても、その為に非道かつ卑劣な手段を用いたとしたら、それを認めず否定する者とて出てくるだろう。

何より……ウェイバー自身、魔術師らしからぬ甘さかもしれないが、人の道に外れる様な真似をしたくはないという思いもある。


「……ハァ。
 まさか、自分のサーヴァントに説教させられるなんてな」


本当に、おかしなサーヴァントを引いたものだ。
この高潔さは、暗殺者どころか騎士に通じるものすらある。
それでいて……肩を並べていると、どこか安心感を覚えてしまう。
この男がいるならば、負ける事が無い。
どんな敵が相手でも勝てるんじゃないかと、そんな自信さえ持ててしまうくらいだ。


「なに、分かったならばそれでいい。
 では……行こうか?」


ウェイバーの反応に笑みを返すと、アサシンはその風貌を瞬時に変化させた。
先程までの高貴さがある装束とは一転し、装飾もまるでない至って質素な服装だ。
この聖杯戦争において、真名を暴かれる事は致命的な傷にもなりかねない。
それを未然に防ぐ為の策がこの変化―――彼の生前に由来する宝具だ。

「ああ……そうするしかないもんな。
 当てにしてるからな……頼むぞ、アサシン」




本来歩むべき歴史において、ウェイバーは征服王イスカンダルを己がサーヴァントとし、そして次第にその生き方に憧れすらも抱くようになった。

その力強く豪胆な生き様は、やがて自らが遣えるべき王として認める程に彼に強く影響を与え、その心に大きな成長を齎したのだった。


193 : ウェイバー・ベルベット&アサシン ◆F3/75Tw8mw :2014/07/19(土) 03:20:17 boUkrKhQ0



そして今……何の因果か、この世界においてもウェイバーはイスカンダルに通じる王の器たる英霊を引いた。

江戸に生きる全ての者達の平和の為、蔓延る数多くの悪を裁いてきた偉大なる将軍。

農民から武士までその身分を問わず、時には罪人に至るまで、多くの者達を導き救ってきた男。



その名は、江戸幕府八代目将軍―――徳川吉宗。


人呼んで、暴れん坊将軍である。


194 : ウェイバー・ベルベット&アサシン ◆F3/75Tw8mw :2014/07/19(土) 03:21:08 boUkrKhQ0


【クラス】アサシン
【真名】徳川吉宗@暴れん坊将軍
【属性】秩序・善

【パラメーター】
筋力D 耐久C 敏捷C 魔力E 幸運A 宝具C

【クラススキル】
◎気配遮断:B-
サーヴァントとしての気配を絶つ。
隠密行動に長けており、見張りにも一切気づかれる事なく悪事を働く者達の屋敷の内部へと進入可能。
ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。

【保有スキル】
◎心眼(真):B
修行・鍛錬によって培った洞察力。
窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論。

◎騎乗:D
乗り物を乗りこなす能力。
単なる動物レベルの生物を乗りこなす。

◎カリスマ:B
軍団を指揮する天性の才能。
団体戦闘において、自軍の能力を向上させる。
カリスマは稀有な才能で、一国の王としてはBランクで十分と言える。

【宝具】
『貧乏旗本の三男坊』
ランク:D 種別:対人 レンジ:1〜99 最大捕捉:1
生前に将軍としての身分を隠し、貧乏旗本として振舞ってきた事からなる宝具。
敵マスターに対し、自らのステータスを本来のモノとは偽って表示させる。
表示ステータスは以下のようになる。
「筋力D 耐久E 敏捷D 魔力E 幸運D 宝具D」
またこの宝具を使用している最中は、その見た目も至って質素な装飾になり、将軍と見抜く事は難しい。
宝具としては燃費が少ない為、魔力の少ないマスターでも然程負担にはならない。
ただし、真名を看破した相手に対してはこの宝具は効果を発揮しない。

『将軍の眼光』
ランク:C 種別:対人 レンジ:1〜99 最大捕捉:1
生前、数多くの悪人を裁き畏怖させてきた伝説からなる宝具。
アサシンが敵と定めた相手が持つ悪意に応じて敵の動きを数秒間止めた後、無条件で筋力及び敏捷をランクダウンさせる。
この宝具の効果は例え敵が宝具の発動体勢に入っていたとしても例外ではなく、強制的に宝具の発動をとめる事も可能。
魔眼の一種であり、抗魔力スキルで軽減或いは無効化できる。
アサシンは一対多の状況においても、この鋭い眼光で雑兵の動きを尽く封じ、多くの戦いを制してきた。

【weapon】
葵の家紋が入った日本刀を武器に戦う。

【人物背景】
江戸幕府八代目将軍、徳川吉宗。
様々な政治改革を打ち出し幕府権力の再興に務め、破綻寸前であった財政の復興を無事に成功させた名君。
市民の意見を取り入れる為に目安箱を設置するなど、民の事を深く考える将軍であった。
そして吉宗がアサシンのクラスに選ばれた最大の由縁が、身分を隠し貧乏旗本の三男坊「徳田新之助」として働き続けた逸話にある。
彼はこうする事で市民の生活を身近に感じ政治に反映させ、また民の苦しむ声を聞く事で、江戸に隠れる法の網を逃れた悪党を数多く見つけ出している。
そうして悪事が明らかとなった者達の元へと自ら出向き、その者達に法の裁きを受けるよう勧告し続けてきたのである。
もっとも、「こんなところに上様がいる筈がない」「上様といえど斬り捨ててしまえば」と突っぱねられる場合が殆どであるのだが、
その様な者達に対しても怯む事無く、自ら刀を振るい返り討ちにし続けてきた。
表向きには幕府の実権を握る将軍として、その裏では人知れず悪を暴き続ける徳田新之助として、その最後まで江戸の為日本の為に生き続けた。
ちなみに、かつて仮面ライダーと名乗るとある戦士と共に江戸を守る為に戦ったことがある。


195 : ウェイバー・ベルベット&アサシン ◆F3/75Tw8mw :2014/07/19(土) 03:22:12 boUkrKhQ0
【サーヴァントとしての願い】
民が平和に暮らせる世であってほしい。

【基本戦術、方針、運用法】
基本的にはウェイバーの指示に従い、優勝を狙う。
ただし、人の道に外れる様な悪事を働くつもりは無く、逆に聖杯を邪な願いの為に使おうという者を許すつもりは無い。
場合によっては、生前同様に気配を消して敵へと忍び寄り先手を打つという手段も使うつもりではいる。



【マスター】
ウェイバー・ベルベット@Fate/Zero
【参加方法】
ケイネスから横取りした聖遺物が木片であり、それを手にしたが為に聖杯戦争に参加した。
【マスターとしての願い】
聖杯戦争に勝ち上がり、自らの魔術師としての実力を認めさせる。


【能力・技能】
「優秀である」と自負しているが、魔術師としての力量は平凡。
一般人への暗示も失敗してしまうくらいに非才である。
しかし実践方面での才能は無い代わりに、研究者としての洞察・分析の能力は秀でたものがある。
テキストの読解や記憶、内容の整理にかけては時計塔でも便利な見習い司書として扱われていたほど。
専門ではないものの、ケイネスの教え子であることから錬金術の心得もそれなりにある。
また、一般的に魔術師が嫌悪しがちな現代技術や機械を扱うことを然程苦としていない。
本人に自覚はないが、類稀なる強運の持ち主。

【人物背景】
時計塔に所属する魔術師。
祖母から数えて三代目と、魔術師としての歴史が浅い家柄の出身で、それを努力と才能でどうにか補おうと奮闘していた。
しかしながら実力の無さはどうあっても埋めることができず、また本人が思うほどの才も無かった為に、周囲からは相手にされなかった。
名門と呼ばれる魔術師達に少なからずコンプレックスを抱いており、それを覆すためにケイネスに論文を提出するも、破り捨てられ嘲笑されるという屈辱を受けた。
その後、ケイネスが極東の地で行われる聖杯戦争に参加するという噂を聞きつけ、自らの実力を証明する為に同じく聖杯戦争への参加を決めた。
そして参加にあたり、ケイネスが取り寄せていた聖遺物を横領し、自らのものとして召還に挑もうとした。


196 : ◆F3/75Tw8mw :2014/07/19(土) 03:22:59 boUkrKhQ0
投下終了です


197 : ◆DKvcDfNaFA :2014/07/19(土) 04:36:18 A3LZAslU0
投下します。


198 : ハヌマーン&バーサーカー ◆DKvcDfNaFA :2014/07/19(土) 04:37:19 A3LZAslU0
「?」

風神ラマヤーナの子、白猿ハヌマーンは訝しんだ。

何故自分はこんな場所にいるのか。
自分は確かタイ国で仏様を大切にしない悪党をボコって――もとい戦っていたはずだ。
それなのに、気がつくといつの間にやら見知らぬ土地に一人立っていた。
先程現れた女は聖杯がどうのとか言っていたが、どうもよくわからない。


彼は知らない。一方的虐殺――もとい戦いの最中、彼の足が偶然にもゴフェルの木片を踏んづけていた為に
常に世界の平和と悪の滅びを願っている彼がこの月の聖杯戦争に呼ばれたのだと、知る由もない。


まあいい。と彼は気を取り直す。
この場でも彼がやるべきことは変わらない。
悪を――特に仏様を大切にしない奴を――討ち滅ぼすだけだ。


「からす なぜなくの からすはやーまーにー」

いつ姿を現したのか、ハヌマーンの傍に先程の女とは違う一人の女性が現れていた。
そういえば敵と戦う仲間がいると説明された気がする。彼女がその仲間なのだろう。
顔は美しいが、その目からは完全に正気が失われている。ぶつぶつと何か歌っているようだ。

「ぎゃあああああああああああああああ!!!!!!!!!」

女は突然歌うのをやめると、闇を引き裂くような凄まじい絶叫を上げた。
かつて共闘したウルトラ兄弟や仮面ライダーに比べると頼りない仲間だが、それでも共に戦う仲間だ。
一緒に力を合わせて悪(特に仏様を大切にしない奴)を撃ち、正義を守ろう。

今度は唐突に黙りこくった女を見ながら、ハヌマーンは悪(特に仏様を大切にしない奴)との戦いに闘志を燃やすのだった。


199 : ハヌマーン&バーサーカー ◆DKvcDfNaFA :2014/07/19(土) 04:38:02 A3LZAslU0
【クラス】
バーサーカー

【真名】
美川冴子@怪奇大作戦

【パラメーター】
筋力:E 耐久:E 敏捷:E+ 魔力:E+ 幸運:E+ 宝具:A

【属性】
 混沌・狂
 
【クラススキル】
狂化:A
 敏捷と魔力と幸運を2ランク、その他のパラメーターを1ランクアップさせるが、
 理性の全てを奪われる。

【保有スキル】
精神異常:A+
 精神を病んでいる。
 バーサーカーは自分の発明した脳波変調機を最大出力で使用したため、正気になることはない。

精神汚染:A+
 精神が錯乱している為、他の精神干渉系魔術を完全にシャットアウトする。

欠番の二十四話:A
 バーサーカーの登場する物語が封印作品となったことから生まれたスキル。
 気配遮断スキルと同効果。完全に気配を絶てば発見することは不可能に近い。
 ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。

【宝具】
『狂鬼人間』
ランク:A++ 種別:対人宝具 レンジ:1〜99 最大補足:1

バーサーカーが認識したサーヴァントに、精神干渉への耐久性の有無に関わらず
B〜A+の狂化スキルを付与する。対象がバーサーカーのクラスの場合は狂化がワンランク上昇する。
そしてこの効果を受けたサーヴァントは、マスターの指示を令呪を使用した命令であっても受け付けなくなる。
バーサーカーがその生前、犯罪を犯しても心神耗弱による無罪として釈放されるように
脳波変調機を用いて依頼人を一時的に発狂させる「狂わせ屋」として活動していた逸話が宝具となった。
一定時間が過ぎると宝具の効果は自動的に切れ、狂化は元に戻る。
一度使用し発狂させたサーヴァントには、二度とこの宝具は使えない。

『刑法第三十九条』
ランク:EX 種別:対人宝具(自分自身) レンジ:― 最大補足:―

常時発動型の宝具。生前のバーサーカーが心の底から憎んだ法であり
皮肉にも最後はバーサーカー自身を刑罰から救った、彼女にとっての呪い。
属性が秩序のサーヴァントは、法に守られた彼女に一切の危害を加えることが出来ない。

【weapon】
なし

【人物背景】
怪奇大作戦の24話「狂鬼人間」に登場する人物。
彼女は元は脳波の研究者であり、同じく研究者である夫との間に一児をもうけ幸せな生活を送っていた。
だがある日、彼女の家は暴漢に襲撃され夫と子供が惨殺された。暴漢は精神鑑定の結果、精神異常と診断され無罪放免となる。
愛する者の命を奪った凶悪犯が刑に処されない社会への絶望と憎悪から、彼女は一時的に人を発狂させる「脳波変調機」を作り
精神異常によって罪から逃れる犯罪者を量産することで、精神異常者の犯罪が無罪になる現代社会に復讐しようと企んだ。
しかし彼女の計画はS.R.I.(科学捜査研究所)の捜査によって暴かれ、追い詰められた彼女は自ら脳波変調機を最大出力で使用して発狂。
刑事罰からは逃れたものの、二度と正気を取り戻すことはなかった。

【サーヴァントとしての願い】
聖杯戦争を理解しているのかすら不明。

【基本戦術、方針、運用法】
バーサーカー自身に戦闘力はまったく無い。
また理性を完全に喪失しているので、どのタイミングで宝具を発動させるかわからない。


200 : ハヌマーン&バーサーカー ◆DKvcDfNaFA :2014/07/19(土) 04:38:37 A3LZAslU0
【マスター】
ハヌマーン@ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団,ハヌマーンと5人の仮面ライダー

【参加方法】
巨大化して戦っている最中にゴフェルの木片を踏んだ。

【マスターとしての願い】
悪(特に仏様を大切にしない奴)を倒す。慈悲は無い。

【weapon】
「三叉槍」
柄の短い三叉槍。剣に変化するが切れ味は悪い。
ハリケーンガンという相手を骨だけにする突風を発射することもできる。
また光輪や三日月状カッターに変化させて敵を切り刻むハヌマーンスラッシュという技を使える。

【能力・技能】
常に舞踊の様なステップを踏んでいるのが特徴。戦闘力は高く、怪獣や怪人をボコボコにする。
また卍みたいなポーズで空を自由に飛ぶ。風に変化して移動することも可能。

【人物背景】
風神ラマヤーナの子で、風の女神サワハによって生み出された正義の白猿神。
ウルトラ6兄弟や5人の仮面ライダーと共に怪獣や怪人と戦ったことは先方には黒歴史とされている。
一時期はウルトラの母によってコチャンという少年と合体していたが、後に分離した。
悪に対しては非常に容赦のない性格であり、一切の慈悲無くオーバーキルな攻撃を行なう。
特に仏様を大切にしない奴は、普通の人間であろうと虐殺する。

【方針】
聖杯戦争については説明は受けたものの大して理解していない。
バーサーカーについては仲間としか認識していない。
仏様を大切にしろ!大切にしない奴は死ぬべきなんだ!!


201 : ◆DKvcDfNaFA :2014/07/19(土) 04:39:12 A3LZAslU0
投下終了です。


202 : ◆S2NYXu2lPk :2014/07/19(土) 10:44:24 FG2boTlQ0
投下します


203 : 由良吾郎&セイバー  ◆S2NYXu2lPk :2014/07/19(土) 10:46:01 FG2boTlQ0
「それにしても、今日は天気が悪いね……ゴロちゃんの顔が、見えないよ……」

 雲ひとつ見当たらない晴天から降り注ぐ陽光を窓越しに浴びながら口にされたその言葉に、返事ができなかった。
 もう、この人は死ぬ。
 まだまだ恩を返し切れていないのに、もっとしてあげたいことが沢山あるのに、自分の主は居なくなってしまうのだ。
 いずれは訪れると覚悟していたはずなのに、いざその瞬間になると自らの無力を嫌でも実感してしまう。
 そうやって立ち尽くしている間に、彼は自分の横を通り、最後の戦いにおもむこうとする。
 勝敗を度外視した、ただ無念を残さないで逝くために宿敵と行うけじめの戦い。
 やはり無理にでも止めるべきかと振り返ったと同時に、何かが床にぶつかる音。
 次に自分の目が捉えたのは、前のめりに倒れ伏した主の姿だった。

 ■  ■  ■

「ゴロちゃん、そこを右ね」
「はい」

 指示どおりに交差点を右に曲がる。
 曲がり終えるとちらりと車の時計を確認。このまま行けば約束の時間の十五分前には着きそうだ。
 大丈夫だろうが、何があるか分からないので油断はしない。
 ある意味では、今回の送迎は今までのどんな大きな商談よりも気合いを入れねばならないだろう。
 何しろ、今日は自分の主と思い人との初めてのランチデートなのだ。
 何度も申し込んでようやく叶えられた念願の日。後部座席に座る彼の隣りには花束まで横たえられている。
 これで自分が運転を誤って遅れでもしたら、それこそ主に会わせる顔がない。
 万が一そうなっても彼は許してくれるだろうが、自分は退職も考慮に入れるぐらいの覚悟をしている。
 そんな気負いすぎともいえる緊張を読み取ったのか、

「いやーそれにしても、ここのところの俺は本当に絶好調だね。正に向かうところ敵なしって感じかな」
「そうですね」

 主の機嫌の良さげな軽口に、自分も思わず笑みを浮かべる。
 言葉通り、最近の主の生活は順調そのものだった。
 裁判では連戦連勝し、法曹界の寵児として連日マスコミを賑わせている。
 当然だが有名になるのに比例して悪い噂も増え続けたが、彼は気にしなかった。
 悔しかったら勝ってみればいいんだよ、と自身の悪評を乗せた雑誌を鼻で笑いながら自分に語っていたぐらいだ。
 当たり前だがその雑誌はその日の内に廃品回収に出した。どうせなら破り捨てたかったが資源を無駄にしてはいけない。
 ともかく、今日のデートも含めて、自分の主は公私ともに順風満帆だった。
 もちろんそんな主に仕えている自分も幸せそのものである。

(ずっと、こんな日が続けばいいな……) 

 そんなことを思っていると、前方の信号が赤に変わるのが目に入った。


204 : 由良吾郎&セイバー  ◆S2NYXu2lPk :2014/07/19(土) 10:46:56 FG2boTlQ0
 慌てずにブレーキを踏み、車を停止させる。偶然にも車列の一番前だ。
 間もなく歩道側の信号が青になり、歩行者が渡り始めた。
 特にすることもないので目の前を通る人々を眺める。平日の昼間ではあっても、やはり中心街の人通りは多い。
 ベビーカーを押す母親、携帯で話しながら足早に歩くサラリーマン、仲良さげな老夫婦、学校をサボったのか堂々と制服で闊歩する学生。
 様々な人々を見るだけでも飽きないものだと思っていると、次の通行人を目の端で捉えた。
 ヘビ柄のジャケットを来た、鋭い目をした男だ。
 男は何故かこちらを凝視していたようで、自分が相手を見た途端にピタリと視線が重なった。

「−−−−ッ!!」

 突然、頭部に痛みが走りだす。
 痛みは一度では治まらず、次いで何度も自分の頭の中で暴れ始める。
 まるで万力で締め付けられているかのような激痛に、顔を思いっきりしかめた。

「ゴロちゃん!?」

 それでも、主人の言葉に自分が今運転中であると思い出す。
 再び前を向くと、すでに信号は青に変わっている。
 自分はどうなってもいいが彼や他人を巻き込むわけにはいかない。
 止むことがない激痛に視界を閉ざしそうになるのを堪えながら、何とか車を発進させて路肩まで移動させていく。
 安全を確認して車を停車させると、握りしめていたハンドルから右手を離し、頭部に当てる。
 相変わらず痛みは止むことなく、むしろ激しくなっているような気がした。

「ゴロちゃん、どうしたのよゴロちゃん!!」
「先、生……」

 ああ、主が心配している。
 仕事でも見せたことのない狼狽ぶりで、このままでは遅刻してしまうのに、自分の身を案じてくれている。
 早く立ち直らなければならない。
 順調な彼を遅刻などという下らない理由で煩わせるわけにはいかないのだ。
 ようやく病気も治ったというのにーーーー

(…………病気?)

 刹那、疑問が頭痛を忘れさせた。
 病気とはなんだろう。自分の主はずっと健康体だ。健康管理だって秘書である自分が完璧にこなしている。
 そうだ、自分が仕え始めたときだってーーーーそういえば、なぜ自分は彼のもとで働こうと思ったのだろう。
 忘れようのない記憶のはずなのに、まったく思い出せなかった。
 ますます、疑問と違和感が膨れあがっていき、それはすぐに限界を迎えた。

(違う……これは違う)
 
 いつの間にか、頭を悩ませていた激痛は右手の焼けるような鈍痛に変わっていた。
 そちらに目を向けると、赤い三画の文様が刻まれ始めている。
 そして、消え去った頭痛の代わりに失われていた記憶が濁流のように脳裏を流れていった。
 ライダーバトル、不治の病、倒れ伏す主。
 思い出せねばならないことも思い出したくないことも一緒くたとなり、一瞬で蘇っていく。


205 : 由良吾郎&セイバー  ◆S2NYXu2lPk :2014/07/19(土) 10:48:14 FG2boTlQ0

「……先生」
「……なに?」

 主を呼ぶと、先ほどまでの慌てようが嘘のように、落ち着いた声が返ってきた。
 顔は見ない。今、元気な姿を見たら泣いてしまいそうだから。
 それを疑問に思うこともなく、おもむろに運転席のドアを開ける。

「俺、行かないと」
「そう、気をつけてね」

 職務放棄ともいえる言葉を咎めず、穏やかな声で答えてくれた。
 現実ではもう聞けないその声に、思わず、決意が鈍る。ずっとこの平穏に浸っていたいと思ってしまう。
 だが、この世界は仮初めのものだと言い聞かせ、自分の弱音を切り捨てた。
 改めて、車外へと足を踏み出す。

「ゴロちゃん」
「はい」

 自分を呼ぶ声に、反射的に振り返ってしまった。
 主は、自分の主−−北岡秀一は普段見せたことのない困ったような笑みを浮かべていた。

「あんまり、無茶しないでよ。するにしても自分のためにしてね」
「うっす」

 答えると同時に、自分−−由良吾郎は走り出す。
 今度こそ振り返らないと心に決めて。
 ズボンのポケットに手を当てると、先ほどまではなかったはずの固い感触。
 大丈夫だ。不本意とはいえ主の遺してくれた力はここにいる。
 今はとにかく足を動かそう。急げ、急げ。時間はもう残されていない。

 ■  ■  ■

 吾郎がこの世界に来る前に覚えている最後の記憶は、ミラーワールドに落ちていた木片を拾うというものだった。
 心残りを晴らせずに旅立った北岡に代わり仮面ライダーゾルダとなり、彼の宿敵と決着を付けに向かう途中で見つけた木片。
 なぜ手に取ったのかは今もって分からないが、何とは無しにその木片に触れた途端、吾郎の意識は暗転していた。
 次に気が付いたとき吾郎は戦いに関する記憶などを忘れて、いつもどおり北岡の朝食を作っていた。
 彼が願い続けた健康体になった北岡の朝食を。


 走り始めてから十数分後、吾郎は目的地に到着した。
 さすがに息が荒くなるが構ってはいられない。すぐに眼前の建物を見据える。
 目の前にあるのは、自分の仕事場でもある北岡法律事務所だ。
 直感的に、自分のサーヴァントが召喚されるとしたら一番なじみ深いここだろうと思っていた。
 ポケットから鍵を取り出そうとした瞬間、邸内から眩い閃光が迸り、吾郎の目を眩ます。
 驚きはない。予選を突破した証として自分のサーヴァントが呼ばれたのだ。
 しばらくして光が収まると吾郎は鍵を取り出し、ドアを開けた。


206 : 由良吾郎&セイバー  ◆S2NYXu2lPk :2014/07/19(土) 10:49:11 FG2boTlQ0

「少しばかり遅刻だな」
「すいません」

 入った途端に聞こえた凛とした声に、反射的に頭を下げる。
 約束した覚えはないが、呼ばれた場に誰も居ないというのは誰だって不満だろう。

「うむ、では改めて名乗ろう。サーヴァントセイバー、ここに参上した。問おう、貴方が私のマスターか?」
「そうです」

 頭を上げて、相手を見る。
 視界に入ってきたのは、北岡のデスクの前に凜然と佇む女性だった。
 年の頃は二十代前半ぐらいか。
 ポニーテールに結い上げられ黄色のリボンで結ばれている赤味がかった髪に、美人よりも凜々しいと形容されそうな顔つき。
 赤紫色の衣服の上には白のジャケットが羽織られ、両前腕、腰元、つま先からくるぶしの上あたりまでは甲冑で覆われている。
 右手には彼女がセイバーのサーヴァントであることの証明である、薄紫色の片刃の長剣が握られていた。
 そして、何よりも強く印象づけられるのはその身から無意識で放たれる威圧感。
 事務所の構造上玄関に立つこちらが見下ろす形になっているのに、まるで遙か高みから見下ろされているかにも感じられる。
 武術の心得がある吾郎でさえ後退ってしまいそうな凄みのある雰囲気を、彼女は身に纏っていた。
 これがサーヴァント。聖杯戦争を共に戦う人知を超えた英霊の姿。

「さすがにそうジロジロ見られるのはあまりいい気分ではないな」
「あっ、すいません」

 再びの謝罪。
 サーヴァントとはいえ、初対面の女性にする態度ではなかった。
 秘書という仕事柄、どうしても相手を値踏みするように見てしまっていたようだ。

「まあいい。それで、ここに居るということは当たり前だが記憶は取り戻しているな?」
「はい」
「聖杯戦争についても?」
「大丈夫っす」
「そうか。では、名前を教えてもらえるか。基本的にはマスターとだけ呼ぶつもりだが、やはり名ぐらいは知っておきたい」
「由良吾郎っていいます」
「吾郎か。私はシグナム。クラスは先ほども言ったとおりセイバーだ」
「シグナムさん」
「真名を呼ぶのは控えろ。どこに敵の耳があるのか分からないぞ」
「すいません」 

 先ほどから自分は謝ってばかりだなと思いつつ、三度頭を下げる。

「いや、こちらこそ質問ばかりですまない。今度はそちらから何か聞きたいことがあったら聞いてくれ」

 そう言われて彼女への質問を考えてみる。
 聖杯戦争での方針、お互いの得意とする戦法と願いなど、質問事項はすぐにいくつも浮かんでくる。 
 しかし、そのどれよりもまずは聞いてみたいことがあった。

「あの、セイバーさん」
「なんだ」
「腹、減ってませんか」
「……何?」

 完全に予想外の問い掛けだったのだろう。
 今までとは打って変わった呆けた表情を、彼女は晒していた。

 ■  ■  ■

「どうぞ」
「餃子か」
「はい。うまいっすよ」

 十数分後、テーブル越しに対面に座った二人の間に、大きめの丸皿が置かれる。
 その上に乗っているのは香ばしい匂いを放つ数十個の焼き餃子。もちろん大皿の手前には酢醤油を入れた小皿も置いてある。
 記憶を取り戻しても仮初めの生活を送った事実は変わらないようで、たまたま昨日作っておいたこの餃子もちゃんと冷蔵庫の中に残っていた。
 本来は北岡の明日の昼食とするために用意していたものだが、この場で当人が食すことはないからと出したのだ。


207 : 由良吾郎&セイバー  ◆S2NYXu2lPk :2014/07/19(土) 10:49:49 FG2boTlQ0

「では、いただくとしよう」
「はい。どうぞ」

 餃子を箸で取り口に運ぶシグナムの表情からは何も読み取れない。
 サーヴァントだから食事は不要だというシグナムに対し、この方が話しやすいからと吾郎が説得したのだ。
 別に嘘ではない。いつもどおりの家事をこなして落ち着いて考えを纏めたかったのは本心である。
 彼女もそれほど強く拒むつもりはなかったのか、簡単に折れてくれたが、やはり機嫌を損ねてしまったのだろうか。
 これからを考えると、サーヴァントの機嫌を悪くするのはよろしくない。
 妙に緊迫した空気を感じながら、彼女が口にした餃子が呑みこまれるまで待った。

「……うまいな」
「でしょう」

 表情は変わらなかったが、その一言だけで全身の緊張が解けた。
 それ以上は何も言わず、再び彼女は餃子へと箸を伸ばす。
 自分も倣うようにようやく餃子を取り、口へと運ぶ。
 噛みしめて皮を破ると、餡から生み出された肉汁が口内に広がっていく。
 やはり美味い。
 この餃子のレシピはとある男から教えてもらったものだが、記憶を失っている間は自分で考えた物だと思っていた。
 その事も思い出せてよかったと内心で感じている。
 自分の主の競争相手ではあっても、あのお人好しな男の存在も簡単に忘れていいものではないのだから。

「セイバーさん」
「なんだ」

 しばらく無言のまま数個の餃子を食したところで、吾郎はシグナムに話しかけた。

「セイバーさんは、聖杯に何を願うんですか?」
「私の願いか」

 シグナムはしばし考えると、箸を置いてから口を開いた。

「ないな」
「え?」
「だからないんだ。少なくとも呼ばれる前は満ち足りていたと思っているし、心残りもない」
「だったら」
「安心しないでくれ。むしろ願いの無いサーヴァントの方が厄介だぞ」
「どうしてですか」
「考えてもみろ。どうしても叶えたい願いや目的があるならば多少は馬が合わないマスターでも仕えはするだろう。
 だが、願いが無いサーヴァントが相性の悪いマスターと組むと思うか?
 もし令呪を使って従えたとしても、そのような状態で優勝などとても望めないだろうな」

 シグナムの言葉に、吾郎は反論できない。
 確かに、命令を聞かないどころか契約すらしてくれないサーヴァントなど論外である。
 そのようなときのための令呪だろうが、ハンディキャップとして背負うには重すぎる。

「だから、マスター。貴方の願いを聞かせてほしい」
「俺の、願い」
「そうだ。その願いが私の意に適うものならばこの剣を貴方のために振るおう。
 だが、もし協力できない類のものなら、私はこの剣を自分の喉に突きつけなければならない」

 つまり、自害すると言っているのだ。
 そうならば自動的に吾郎の死も確定する。結果は変わらないのに自分に剣を向けないのは、彼女なりの情けなのかもしれない。

「サーヴァントの分際で何を言っているのかと思うかもしれないが、これは私自身の騎士としての誇りの問題だ。
 どうしても従わせたいのならさっきも言ったように令呪を使用してくれ。それで優勝できると思うのならな」

 考えるまでもない。切り札である令呪をここで消費するなどありえない。
 なので、彼女の鋭さを増した眼差しに吾郎を射竦められながら、頭を巡らせる。
 果して自分の願いは彼女の力を得られるものなのかと思案していく。 
 だが、いくら考えても答えはひとつだった。
 全てを伝える。この願いだけは僅かでもごまかしてはいけないのだと、吾郎は結論を出した。
 シグナムの目を見返して、はっきりと自分の願いを口に出す。


208 : 由良吾郎&セイバー  ◆S2NYXu2lPk :2014/07/19(土) 10:50:22 FG2boTlQ0

「俺は……俺の願いは、先生を生き返らせることです」
「先生?」
「俺の雇い主で、尊敬している恩人です」

 そうして、吾郎は語り始める。
 北岡との出会い、自分が秘書になった経緯、北岡が冒された病と、それを治すために身を投じたライダーバトル。
 自分が伝えられる限りのことを熱と思いの込められた口調で語っていく。
 最後に、北岡が自分の目の前で息絶えたと伝えると、吾郎の話は終わった。
 全てを聞き終えたシグナムは一度目を閉じると、

「食事を続けよう」
「え?」
「話の続きは食事の後だ。せっかくの料理を冷ますのも悪いからな」

 そう言うと、再び餃子をつまみ出した。
 まさかの答えに吾郎は何も言えなかった。
 今すぐ問い質そうかとも考えたが、黙々と箸を動かすシグナムは本当に食事が終わるまで答えてくれそうにない。
 仕方ないのでどこか釈然としないものを感じながらも、吾郎も箸を進めていく。
 こんなときなのに餃子の味は変わらずに美味かった。
 しばらくして皿の上から餃子が無くなり、ごちそうさまと言い終わった直後に、シグナムはその意志の強そうな瞳をもう一度こちらに向けてきた。
 目は逸らせない。ここで逸らしたら負けだとジッと彼女と視線をぶつける。

「マスター。いや、吾郎」

 急に変わった呼び名に驚きながら、彼女の言葉の続きを待つ。

「私からお前に言いたいことはいくらでもあるが、今は二つだけだ。
 一つ目は、お前の主への思いの強さは分かった。
 だから私はサーヴァントとしてもだが、同じ従者としてお前の願いを叶えるために全力を尽くす所存だ。
 そして二つ目。ある意味ではこちらの方が重要かもしれない」

 自分に協力してくれるという彼女の宣言に喜びを感じるが、それ以上に重要だという二つ目の発言に備えるために身を引き締める。
 無茶振りやわがままは北岡からのもので慣れているので、大抵は叶えられるという自信もあった。
 そして、たっぷり溜められてから放たれた彼女の言葉は、

「…………私は中華よりも和食の方が好みなんだが作れるか?」
「……は?」

 予想だにしない発言に呆気に取られる。
 その自分の表情を見て満足したのか、彼女は召喚されてから初めての笑みを浮かべた。
 ニヤリと表せそうな笑みを見て、それが先ほどのお返しだと理解すると、今度はこちらが苦笑いを浮かべてしまった。

「うっす。とびきり美味いのを作ります」
「そうか。期待しよう」

 返答と同時に差し出した手はしっかりと握り替えされた。

「分かっていると思うが、ここから先は茨の道だ。覚悟はできているな」
「そんなもん、ここに来るまでに済ませてます」
「ならいい」

 ここに二人の従者の契約は成された。
 互いの顔にあるのは微笑み。
 これから先の戦場では決して浮かべられないだろう表情を、二人は今このときだけはと浮かべていた。


209 : 由良吾郎&セイバー  ◆S2NYXu2lPk :2014/07/19(土) 10:51:21 FG2boTlQ0
【クラス】 セイバー
【真名】  シグナム@魔法少女リリカルなのはシリーズ
【属性】  中立・中庸

【ステータス】
 筋力:B 耐久:C 敏捷:B 魔力:B 幸運:C 宝具:A

【クラススキル】
 対魔力:C
 魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。

 騎乗:C
 乗り物を乗りこなす能力。
 大抵の乗り物、動物なら人並み以上に乗りこなせるが、野獣ランクの獣は乗りこなせない。ただし悪魔に類する魔獣ならば乗りこなせることもある。
 ちなみに本人は普通自動車免許を取得している。

【保有スキル】

 カリスマ:C
 軍団の指揮能力、カリスマ性の高さを示す能力。団体戦闘に置いて自軍の能力を向上させる稀有な才能。

 単独行動:C
 マスター不在・魔力供給なしでも長時間現界していられる能力。
 生前において主の意志に反して独自に魔力の蒐集を行った逸話から付加されたスキル。
 Cランクならばマスターを失っても一日程度は現界していられる。

 守護騎士:B
 他者を守る時、一時的に防御力を上昇させる。 

 直感:C
  戦闘時、つねに自身にとって最適な展開を「感じ取る」能力。
また、視覚・聴覚への妨害を半減させる効果を持つ。

 仕切り直し:C
 戦闘から離脱する能力。また、不利になった戦闘を初期状態へと戻す。

【宝具】

『レヴァンティン』
 ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:2〜50 最大捕捉:100人
 剣・連結刃・弓の3形態に変形するアームドデバイス。性格は忠実にして陽気。
 ただし今回はセイバーとして呼び出されたので弓形態であるボーゲンフォルムには変形できない。
 武器としての機能が非常に優れている反面、魔法補助能力はほとんど持ち合わせていない。
 圧縮魔力を込めたカートリッジをロードすることで、瞬時に爆発的な魔力を得る。カートリッジは少なくとも3発は装填可能。
 通常時は待機フォルムとなるミニチュアの剣の形状を取り、シグナムは束の先から鎖を繋いで、首に掛けている。

『紫電一閃』
 ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1〜2 最大捕捉:1人
 レヴァンティンのシュベルトフォルムから出されるシグナムの決め技。
 レヴァンティンの刀身に魔力を乗せた斬撃で、威力もさることながら、強力なバリア破壊力を併せ持つ。
 また、炎が追加効果として付与されているが、これはシグナムとレヴァンティンの持つ「魔力の炎熱変換」による効果。
 漫画版では、召喚された赤龍を文字通りに真っ二つにしている。


210 : 由良吾郎&セイバー  ◆S2NYXu2lPk :2014/07/19(土) 10:51:55 FG2boTlQ0
【weapon】
 
『シュベルトフォルム』
 レヴァンティンの基本となる形状。
 片刃の長剣の形で、片手・両手どちらでも扱えるサイズとなっており、シグナムは通常戦闘の大半をこの形態で行う。
 カートリッジロード時は刀身の付け根にあるダクトパーツをスライドさせ、ロードと同時に排莢を行っている。
 この状態でカートリッジロードすることで、炎を纏うことができる。

『陣風』
 シュベルトフォルムの刀身から衝撃波を打ち出す攻防一体の斬撃。

『シュランゲフォルム』
 直訳すると「蛇(Schlange)形態」。レヴァンティンの中距離戦闘形態である。
 いくつもの節に分かれた蛇腹剣の形態。 公式に曰く「鞭状連結刃(れんけつじん)」
 伸びた刀身はシグナムの意志で操ることができる。 また、A'sのOPで見せているように、相当な長さまで伸ばすことが可能。
 中距離戦闘の他に、シュベルトフォルムにおける斬撃の死角を補ったり、立体的な攻撃が可能となり、戦闘の幅を大きく広げる。
 ただし、この状態のときは、刀身のコントロールで手一杯になるのと、当然ながら刀身による受けが出来ないため、大幅に防御力が低下する。
 変形時にカートリッジを1個消費する。

『シュランゲバイセン』
 シュランゲフォルムから繰り出される攻撃の総称。
 シュベルトフォルムでは不可能な範囲や、中距離への攻撃が可能。敵の移動、機動力も削ぐ事が出来る。

『鞘』
 レヴァンティンが戦闘時以外に待機フォルムを取る事ができるため、本来の鞘としての使用はほとんど見られない。
 必要に応じてシグナムが手元に取り寄せていると思われる。
 レヴァンティンの刀身を鞘に収めることで、魔力を圧縮する圧縮機としての効果がある。
 また、刀身と同様の強度があり、シグナムの魔力を通すことも出来る。
 このため、防御魔法を纏わせて左手で盾のように攻撃を受け止め、弾くことも可能である。
 シュランゲフォルムでの防御力低下という欠点をこれによって軽減することができる。
 また、ボーゲンフォルムへの変形時にも使用するが今回は変形できないので関係ない。

『飛龍一閃』
 鞘にレヴァンティンを収めた状態でカートリッジをロードし魔力を圧縮後、
 シュランゲフォルムの鞭状連結刃に魔力を乗せ撃ち出すミドルレンジ対応の決め技。
 本来は斬撃だが、砲撃に相当するだけのサイズと射程がある。魔力と連結刃の同時到達によって高い貫通力を持つ。

『騎士甲冑』
 魔力で作られた防御服。デザインは八神はやてによるもの。

『パンツァーガイスト』
 シグナムが使用する防御魔法。全身を纏うタイプの装身型バリアで、使用時はシグナムの魔力光で包まれる。
 魔力攻撃に対する圧倒的な防御力を誇り、全開出力になれば砲撃クラスの攻撃も防ぐ事が可能となる。
 ただし、全開出力維持の魔力消費が極めて大きい他、攻撃中は全身防御ができない事から高度な運用技術が必要となる。

【人物背景】
 闇の書とその主の防衛プログラムである守護騎士ヴォルケンリッターの将たる『剣の騎士』。 闇の書の意志による二つ名は『烈火の将』。
 騎士道精神を貫く武人で、愛剣のアームドデバイス『レヴァンティン(Laevatein)』を手に戦場を駆ける、凛々しいという言葉が似合う美女。
 外見年齢は19歳で、ロングストレートの髪を普段はポニーテイルにくくっている。
 元々は感情もなくただ命令を遂行するだけのプログラムだったが、『最後の夜天の主』八神はやてがマスターになってから人間扱いされ、
 以後急速に人間らしさを見せるようになった。
 ベルカ式らしく近接主体だがわりと手数で勝負するタイプ。
 また、魔力を物理的な炎に変換する資質を持っており、このため「紫電一閃」をはじめ、彼女の技には炎を伴うものが多い。

【サーヴァントとしての願い】
 特にない。
 強いてあげるならばマスターの願いが意に適うものなら協力すること。

【基本戦術、方針、運用法】
 基本的にシグナムが前線を担い、ゾルダに変身した吾郎が後方からの援護を担当する戦法になる。
 ただし吾郎自身は仮面ライダーとしての戦闘経験は無く、重火器の扱いにも慣れていない。
 更にシグナムも一般人である吾郎からの魔力供給は期待できない点がネックとなる。


211 : 由良吾郎&セイバー  ◆S2NYXu2lPk :2014/07/19(土) 10:52:30 FG2boTlQ0
【マスター】 由良吾郎@仮面ライダー龍騎

【参加方法】
 ミラーワールドで偶然ゴルフェの木片を拾う

【マスターとしての願い】
 北岡秀一の健康な状態での蘇生。

【weapon】
『ゾルダのデッキ』
 仮面ライダーゾルダに変身できるカードデッキ。
 契約モンスターであるマグナギガは呼び出せるが、この世界で自身も鏡の中に入れるかは未確認。

【能力・技能】
 中国拳法に似た我流の格闘技を会得しており、その実力は屈強な男五、六人を一人で相手にできるほど高い。
 更に料理はプロ級の腕前であり、他にも散髪や怪我をした北岡の代理として依頼人との商談を任されるなど、何でもそつなくこなす。
 作中で判明した唯一の苦手として口笛を吹けなかったが、後に克服している。

【人物背景】
 スーパー弁護士北岡秀一の秘書兼ボディーガード。
 とある傷害事件に巻き込まれたところを北岡の弁護で救われるが、その直後に彼の不治の病が発覚。
 自分の弁護を引き受けなければもっと早く病を発見できたのではとの罪悪感と恩返しの気持ちから、彼の秘書となる。
 その後は北岡の右腕として仕え続け、彼の知り合いで唯一ライダーバトルの存在を明かされるほどに信頼される。
 吾郎自身も恩返しの範囲を超えて北岡を慕っていき、その忠誠心は北岡の宿敵である浅倉威を一度は轢き殺そうとしたほどに強い。
 長身、強面、無愛想と警戒しかされない外見をしているが、その内面は寡黙ではあるが誰にでも優しい好青年である。


212 : ◆S2NYXu2lPk :2014/07/19(土) 10:53:07 FG2boTlQ0
投下を終了します


213 : ◆r1IIRkiESQ :2014/07/19(土) 11:41:57 qhIK1Zxo0
投下します。


214 : ◆r1IIRkiESQ :2014/07/19(土) 11:42:35 qhIK1Zxo0



 一方が生きるかぎり、他方は生きられぬ。


 予言が正しいのならば、自分または闇の帝王が死ぬべき時は、二人の対決の時に違いない。
 魔法省での予言を巡る戦いが終わってからずっと、ハリー・ポッターはそう思っていた。
 しかし魔法界というものはそう簡単なものではなく、彼はいつの間にか聖杯戦争に巻き込まれてしまっていた。

 ここ数日の、魔法界での記憶を失くしたまま過ごした数日間を思い出し、溜息を吐く。
 何しろ、月である。方舟である。聖杯である。
 月にある聖杯を勝ち取るため、宙に浮かぶ方舟の中で学園生活をエンジョイした後に殺し合いを
するという馬鹿馬鹿しいフィクションなど、恐らく極東のマグルでさえ思いつかないに違いない。
 確かに友人役、家族役のNPCとの生活は楽しかった。が、それだけだ。ロンやハーマイオニーと過ごした
日々ほどに刺激的ではなく、ウィーズリー家での団欒に勝るものはないことを、彼は再確認した。
 何よりも、魔法だ。11歳の誕生日から、生活の中にはいつも魔法が傍にあったのだ。それが記憶と共に
失われていたからこそ不自由と違和感を感じ……覚醒するまでには多少は時間がかかったが、今に至る。

「こんな時、ロンだと『マーリンの髭!』とでも言うのかな?」

 右手に刻まれた――奇しくも額と同じ稲妻模様である――令呪に目を移し、また溜息。
 次にハリーは、服装と持ち物を確認する。ホグワーツの制服である黒いローブに、使い慣れた柊の杖。
 ポケットの中には、誕生日に贈られた腕時計と、ダンブルドアより相続された金のスニッチだ。

「さて……」

 勝てば願いが叶う。
 だが、そのために殺して回るのか? ノーだ。
 確かにハリーにはやらなければならないことがあるが、それは関係ない人間――当然マグルを含む――を
皆殺しにしてまで叶えるべきではないし、代わりにサーヴァントに手を汚させるというのも、彼の誇りが
許さない。

「……そうだ、サーヴァントは何処だ?」

 気付く。
 記憶を取り戻し、聖杯戦争のマスターとしての権利と、マスターに付き従うサーヴァントを手に入れたのだ。
 まずは彼もしくは彼女と話をし、互いの意見を話し合うべきじゃないのか?


 そう思い顔を上げると。
 目の前に、身の丈が自分の倍以上はある、黒々とした二本角の二足歩行の“なにか”がいて。
 そして、吼えた。






――ウ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ オ オ オ オ オ !!!!!!





.


215 : ◆r1IIRkiESQ :2014/07/19(土) 11:44:28 qhIK1Zxo0
   ▼


  ――どんなに深い闇の底でも
  あなたの灯す火が皆を導く明かりになる

  鉄の躯
  灼熱の血潮

  あなたは騎士
  鉄血の騎士


   ▼


「み、ミノタウロス……!?」

 咄嗟に距離を取り、杖を構える。
 鋼鉄で鋳造された全身鎧をまとった巨漢のようにも見えるが、足には蹄が、頭には腕より太い角がある。
 だが顔つきは牡牛のそれではなく、よく観察してみると人間の表情にも見えなくもない。
 しかし少なくとも、人ではないのだろう。吐息には熱が、身体からは時折、炎がチラチラと吹き上がる。

 威嚇の声を上げ、こちらを睨む獣人? から目を離さず、ハリーは考える。
 恐らく目の前のこれは、自分のサーヴァントであると。
 自分とそいつとの間には、何らかの繋がりがあり、ハリーはそれを感じ取っていた。
 ならば何故、サーヴァントは自分に対し、このような行為を行っているのか?
 それについてハリーは思考し――杖を下ろす。

  ・ ・ ・ ・
「セイバー」

 ゆっくりと、剣の英霊に呼びかけ、本音をぶつける。

「僕は、聖杯に願いを託さない」

 闇の帝王を滅ぼすために、他に犠牲はいらない。

「けれど、死ぬわけにはいかない」

 それは、自分自身の命も含めてのことだ。

「君に願いがあるのなら、僕が叶える」

 聖杯を諦め、無辜の犠牲を出さず、方舟から脱出する。
 ならば聖杯を欲するであろうサーヴァントの助力を得るためには、自らが対価を支払わなければならない。

「力を貸してほしい」

 ハリーはセイバーの目をジッと見つめ、反応を待つ。





.


216 : ◆r1IIRkiESQ :2014/07/19(土) 11:45:20 qhIK1Zxo0
「いいぜ」

 言うが早いが、怪物の姿が崩れ、中から少年が出てきた。
 歳は……プレティーンくらいだろうか。ホグワーツ魔法魔術学校に入学した頃の自分と、大差無さげに
見えてしまう子供が英霊だとは……ますます質の悪いフィクションのようである。

「ごめんなマスター。オレ、マスターのこと試してた」
「構わないよ。命を預けあうパートナーなんだ。信頼を得ないことには何も始まらない。
 それと、僕のことはハリーでいいよ」
「判ったよ。ところでハリー。なんでオレのこと、怖がらなかったの?」
「魔法界にはドラゴンや人狼がいるんだけど、そのどれもが君のような理性のある目を持ってなかった」
「魔法? ドラゴン? マジで!? いや、英霊のオレが言うのもなんだけど、スッゲー!」

 子供特有の笑顔に釣られ、ハリーも笑う。

「セイバー。君には聖杯に託したい願いはあるのかい?」
「願いはある。地獄のようになったオレの世界をなんとかしたいって思ってる。
 けどそれは、他の人を生贄に捧げてまで叶えないといけないのかって聞かれると、かなり迷う。
 だからハリーがオレの願いを叶えてくれるのなら……オレの世界での戦いを手伝ってほしい。
 守りたい人達がいるんだ」
「……判った。努力するよ」

 状況は、ダンブルドアが死んだ時と同じくらいに悪いのかもしれない。
 セイバーも人生経験が少しばかり足りなそうではあるが、それは自分も同様だ。
 ならばやることは今までと変わらない。足りない部分は補い合えば、道は開けるはずだ。

 膝を屈め、目線の高さを合わせる。
 右手を差し出しながら、ハリーはセイバーと名を交し合った。

「僕はハリー。ハリー・ポッターだ。よろしく」
「丑鎮鉄兵。アイアンナイトとも呼ばれてた。よろしく」


217 : ハリー・ポッター&セイバー ◆r1IIRkiESQ :2014/07/19(土) 11:46:06 qhIK1Zxo0
【クラス】
セイバー

【真名】
丑鎮鉄兵@アイアンナイト

【パラメーター】
筋力:A 耐久:B 敏捷:D 魔力:C 幸運:B 宝具:A

【属性】
中立・善

【クラススキル】
対魔力:B
 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。
 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。

騎乗:−
 騎乗の才能は失われている。

【保有スキル】
変身:A
 鉄の身体を持つゴブリンへと変身。それにより筋力・耐久を増幅させる。
 変身することによりセイバーとしてのスキル/宝具を使用することが可能となる。
 また、手のみといった部分的な身体変化も行える。

鉄身:B
 アイアンナイトと二つ名の由来となる鉄の肉体。
 同ランクまでの被ダメージを最大で半減させる。

魔力放出(炎):B
 武器ないし自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出することによって能力を向上させる。
 セイバーの場合、燃え盛る炎が魔力となって武器ないし自身の肉体に宿る。

勇猛:C
 威圧・混乱・幻惑といった精神干渉を無効化する能力。
 また、格闘ダメージを向上させる効果もある。

【宝具】
獄炎剣(ブレイド・オブ・インフェルノ)
 ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1〜2 最大補足:1人
 胸の内に秘めた炎を武器に伝導させ、敵を溶断する。
 使用中は魔力が暴走状態に陥る。
 制限時間は10分、再使用可能までのクールタイムは2時間。

AianFaia(アイアン・ファイア)
 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1人
 握り込んだ手を爆発させることにより、そのエネルギーを打撃に乗せる。
 スペリングが誤っているのを突っ込んではいけない。

たとえ道が分かれたとしても(ライズ・アンド・ブレイズ)
 ランク:C 種別:結界宝具 レンジ:1〜5 最大補足:10人
 守るべき人々を逃がすため、理性を失くした怪物を演じたことが由来となる宝具。
 撤退戦かつ殿を受け持つという条件下でのみ使用可能。
 宝具の影響下にある味方の幸運を1ランクアップさせ、敵に対しては幸運を1ランクダウン。

【weapon】
鬼骨砕き:
 長さ5m、重さ2.5tの、柄のついた鉄板。

鱗の盾:
 鉄板を鱗のように貼り合わせている。
 酸の侵食等が全体に波及しないよう、内側から爆発させ、侵食された部分の鉄板を剥がせる構造となっている。

アイアンキャノン:
 500年前の大砲よりもシンプルな、片手持ちキャノン砲。
 薬室の中に火薬を詰め、セイバー自身の火で点火することで使用可能。
 武具鋳造スキルで作成可能。

※ 全て自作である。

【人物背景】
勾玉町で生活する10歳の少年。警察官の父を持ち、その正義感を受け継ぐ。
ある日を境に、世界中で人がゴブリンへと変異するようになり、鉄兵自身も徐々に人の姿と心を保てなくなっていったが、
『願いを叶える黒板』に書かれた言葉が切欠となり自我を取り戻し、人のために戦い、守る騎士になることを決意。
幼馴染と再会後、仲間と共に勾玉町を人の手に取り戻し、街を一年間守り通したが――

※ 以降は来月発売の最終巻3巻をお読み下さい。

【サーヴァントとしての願い】
自分の世界に戻り、戦いを続ける。

【基本戦術、方針、運用法】
変身時にしかセイバーとしてのスキル/宝具を使用できない。
バーサーカーほどではないが、そこそこに燃費が悪いので、戦うのであれば短期決戦を心がけること。
人間時の姿であれば、魔力消費量は霊体時とほぼ変わらない。


218 : ハリー・ポッター&セイバー ◆r1IIRkiESQ :2014/07/19(土) 11:46:37 qhIK1Zxo0
【マスター】
ハリー・ポッター@ハリー・ポッターシリーズ

【参加方法】
7巻序盤にて、ウィーズリー家の結婚式の準備の際に『木片』に触れてしまった。

【マスターとしての願い】
帰還。その後、叶うならセイバーの戦いに協力したい。

【weapon】
柊の杖:
 本体は柊、芯は不死鳥の尾羽根で、28センチ。
 かの闇の帝王が持つ杖とは芯が同じ、兄弟杖である。

【能力・技能】
闇の魔術に対する防衛術:
 攻撃的な呪文や魔法生物に対する知識、それらから身を守るための呪文を指す。

箒の飛行:
 魔法使いは箒を使い、空を飛ぶ。
 寮対抗のクィディッチ(箒に乗って行う競技)試合では、1年次からレギュラーを勤められる程に優秀。

パーセルマウス:
 蛇語(パーセルタング)を操れる人物を指す。
 闇の帝王との繋がりにより、後天的にこの能力を得てしまった。

【人物背景】
魔法使いの両親を持ち、自身も魔法使いである。
赤子の頃、闇の帝王・ヴォルデモートの襲撃により両親を失うも、母の愛情により帝王を退ける。
「生き残った男の子」として英雄視されるハリーであったが、ホグワーツ魔法魔術学校校長・ダンブルドアの
計らいにより、マグル(非魔法族)の伯母の家に預けられることに。伯母一家に虐待されながら育ったが、
11歳の誕生日に自分が魔法使いであることを知らされ、魔法界で生活するようになる。
以後、闇の帝王との間接的・直接的な介入・対決が幾度となく行われるが、友や仲間との協力もあり、
その全てをギリギリのところで生還する。

【方針】
脱出を目指す。可能なら他の組とも協力体制を取りたい。


219 : ハリー・ポッター&セイバー ◆r1IIRkiESQ :2014/07/19(土) 11:47:46 qhIK1Zxo0
以上、投下終了です。
タイトル付け忘れ失礼しました。

お辞儀の人とフォイが出ているのなら書くしかないと思いました。
アイアンナイト最終巻、来月発売です(宣伝


220 : ◆wgC73NFT9I :2014/07/19(土) 12:44:49 EH6l/Rms0
投下します。


221 : ◆wgC73NFT9I :2014/07/19(土) 12:45:47 EH6l/Rms0
 事の発端は、道場の前に一人の男の人が行き倒れているのを見つけたことだった。

「うわ……、死んでる?」

 ざんぎり頭を髪留めでとめて、薄汚れた長い外套を着た人だ。
 まだ若いだろうに、仰向けになった顔は白目を剥いていて、唇はカサカサ。
 明治の文明開化期だというのに、こうして行き倒れる人が出てくるほど、まだまだ世は世知辛いということなのかもしれない。

「とりあえず……、火葬でもしてあげた方が良いのかしら」

 毎朝の門の掃除をしようと思っていた脚をとめて、箒を壁に立てかける。
 せめて道場の中にどうにか入れてあげようとその男の人を抱え上げようとした時、突然私の腕は力一杯掴まれていた。

「きゃあっ!?」
「み……水、を、くれ……」

 すがりつく幽鬼のような形相の男の人に、私は思わずこくこくと首を縦に振ることしかできなかった。


「――っぷはぁー!! 生き返ったぜぇ! やっぱりこっちの水は旨いなぁ!」
「あはは……、ただの井戸水だけど。そこまで喜んでもらえたなら」

 神谷道場の中に運んでお水をあげたら、彼は見違えるように元気になっていた。
 飄々としていて、年上なんだろうけど澄んだ目の凛々しい人だった。

「俺の名は文秀(ムンス)だ。とりあえず礼を言っておくぜ、お嬢ちゃん」
「あ、私はこの神谷道場の師範代、『神谷活心流』の神谷薫よ。ムンスさん……って、珍しい名前ね。外国の人?」

 ムンスさんは桶に汲んだ水の中へ柄杓を置き、一息つくように縁側に寝転んだ。
 彼の外套の中から、小さな鉄の円盤のようなものが転がり出る。
 軽い笑顔でムンスさんはそれを掴み、私に向けてかざしていた。

 年季の入った感じの分厚い鉄の板には、3頭の馬の絵柄が彫金されている。

「ああ、ちょいと半島の方からやってきたもんでね。こいつは『馬牌(マハイ)』って言って、俺の国じゃあ馬やら何やら貸し出して貰える通行証みたいなもんなんだが。
 東京じゃあ使えなくてアテが外れちまった。そんでとぼとぼ歩いて力尽きたのが、ここだったってわけさ」
「わざわざ海を越えて……!? 一体何を目的に?」
「いや……、まあこれと言って目的はないよ。ただの旅人。喰いッぱぐれた『流浪人』ってところさ。
 ……俺の国、聚慎(ジュシン)が戦争で滅ぼされちまったもんでな。国じゃ暗行御史(アメンオサ)って官職についてたんだが、追い出された官僚なんてこんなもんだ」

 カラカラと笑いながら、ムンスさんはなんでもないことのように言う。
 それでも私は、彼の瞳の奥に、とても深い悲しみのような色を見てしまって、ふと胸が締め付けられるように苦しくなっていた。

「……どうした、詳しく聞きたいかい?」
「いいえ。人には誰しも、話したくない過去の一つや二つあるでしょう。
 大切なのは、よりよい未来を創るために、今をどう生きていくかだもの」
「……ほう」

 ムンスさんは私の言葉に、頬杖をついたまま「良いこと言うじゃねえか」と頷いていた。
 その眼差しは私のことをすっかり見通しているようで、不思議と安心できた。
 『流浪人』だと言っていたけれど、決して悪い人じゃない。
 そう、私の直感が言っていた。

 そして彼はそのまま広々とした道場の中を見回して、壁にかかっている名札のところに目を止める。

「剣術道場ってわりにはやたら静かだと思ったら……。ここには今、あんた一人しかいないのか」
「うん……元々、父親の開いた小さな道場ではあったんだけど。明治維新が起きて、廃刀令、西洋化と……どんどん生徒が減って行っちゃったの」

 私は縁側から立ち上がり、道場の壁に立てかけていた木刀を手に取った。

「……でも、私は、この『神谷活心流』の活人剣を守っていきたい!
 相手を殺すのではなく制し、生かすこと。これこそ、今の時代に必要な剣術だと思うの」
「ほう……、ならばなおのこと、あんたの説明したことは不自然だな」

 ムンスさんの視線が鋭くなった。
 まるで蛇のように、畳に頬杖をついた状態で、私の全てを見抜くように双眸を光らせている。


222 : 神谷薫&アーチャー ◆wgC73NFT9I :2014/07/19(土) 12:46:47 EH6l/Rms0

「あんたは相当の別嬪さんだ。東洋人ならではの黒く美しい髪を後ろに纏めて、着物の着こなし方も様になっている。
 あんたが剣を振れば、はてさて剣術小町か楊貴妃(ヤングイビ)か……。
 剣の腕前はどうあれ、色気目当てに何人か生徒が来てもおかしくなさそうだがな」
「なっ、なっ……! ちょっといくらなんでも失礼でしょッ!!
 そんな邪な人は、求めてません!! やらしいっ!!」
「……他にも理由があるんだろ、ってことだよ。そこまでしっかりした流派の思想を持ってるなら、とっかかりはどうあれよっぽどのことがなけりゃ生徒が全員離れるなんてことはねぇよ」

 恥ずかしさで一気に赤面した私に向けて、ムンスさんは即座に声を落として呟いていた。
 背中に水を打たれたように、顔に昇っていた熱がすっと冷めてゆく。
 隠していた真相を指摘されて、私の体は震えていた。

「……父様が死んでから、この道場の土地を地上げしようとしてるやつらが来るようになったの。
 それで、門下生たちも脅されて、みんな逃げていったのよ……」

 私は、キッと顔を上げる。

「でも、私は諦めないわ。あいつのやってる撃剣興行にも勝ち残ってるし、あと一勝すれば、この道場の土地は守られるんだもの!!」
「……そうか。じゃあその心意気を見せる時らしいぜ」

 ムンスさんがゆっくりと立ち上がり、私の方へ歩いてくる。
 その時、門の方からふっと、一人の人影が差しいってきた。


「はろぉう。最終戦が待ちきれませんでね。ここまで出向いて来てしまいましたよ」


    〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆


 白いスーツに身を包んだ青年が、道場に立ち入っていた。
 面長の顔に眼鏡をキザにかけ、その肩には巨大な回転式機関砲(ガトリングガン)を背負っている。
 神谷道場の地上げを狙う男、その者であった。
 薫の眼が驚愕に見開かれる。

「武田観柳……!? どうしてあんたがここに!?」
「撃剣興行の最後の相手は私なのですよ薫さん。ま、その実際は、単なる私のお楽しみなんですけどね!
 さあ、試合の準備はよろしいですか!!」

 武田観柳は、その回転式機関砲(ガトリングガン)を軽々と操り、道場の中央で慌てふためく薫に向けて狙いを定める。
 木刀を構えるのもままならず、逃げ場のない場所で薫はおろおろと辺りを見回した。

「そ、そんな!? どう考えても卑怯よそんな武器!!」
「撃剣興行で銃を使っちゃいけないなんて規定は盛り込んでませんでしたがねぇ!!
 所詮、武器や武術なんてものは人を殺すためもの! 活人剣なんていう甘っちょろいものが通用するわけないんですよ!!」

 武田観柳は、残忍な笑みを浮かべて引き金に指をかけた。

「レェェ〜ッツ、プレイッ!!」


 踊るようにして放たれた幾多もの弾丸は、神谷薫の体を容赦なく引き裂き、血飛沫を噴出させて地面に倒れさせる。

「……あぁん?」

 しかし、薫の体が倒れた場所に存在していたのは、“暗”という一文字が記された、たった一枚の小さな紙片だけであった。


223 : 神谷薫&アーチャー ◆wgC73NFT9I :2014/07/19(土) 12:47:42 EH6l/Rms0

「クハハハッ……、そんなご立派な鉄砲、人に使うなんざ勿体ない。山でヒグマでも撃っとけってんだ」
「誰ですッ!?」

 武田観柳は、突如横から掛けられた男の笑い声に驚く。
 見やれば道場の隅には、震える神谷薫を抱きすくめながらにやつく、長い外套の男が立っていた。


「確かにあんたの言うように、このお嬢ちゃんの言うことは甘っちょろい戯言だ。
 剣も銃も凶器、剣術は殺人術だ。どんな綺麗事や題目で飾ってもそれが真実さ」
「ははは、どなたか存じませんが、その通りでしょう? お聞きになりましたか薫さん?」
「……っつ」

 長外套の男、文秀(ムンス)の言葉に、武田観柳は高らかに笑った。
 薫はその言葉に唇を噛む。
 文秀はそんな薫の表情を満足げに見やると、彼女を道場の壁にそっと押しやり、唇の端を吊り上げていた。


「……だが、そんな甘っちょろい輩を弄ぶ狡賢い悪党を、裁く者がいるのもまた真実さ」
「えっ……」


 薫の脳裏で、その文秀の笑みに重なる者がいた。
 少女のような柔和な笑顔に、十字の刀傷という自身の咎を背負った、一人の愛しい剣客の姿。


「暗行御史(アメンオサ)っていう官職は、まあ分かりやすく言うと『水戸黄門』みたいなもんだ。
 あんな感じで印籠を見せて、悪代官に『この紋所が目に入らぬか』なんて言っちゃったりしてな」
「ははは、水戸黄門ですって? 丸腰でお供もおらず、権力もないあなたに何ができるというのですか!?」

 文秀は武田観柳が銃口を向けるにも関わらず彼に歩み寄り、掌の上に鉄の円盤――馬牌(マハイ)を遊ばせている。


「馬牌には3種類ある。一つ目は、国からの兵卒の支援を受けられる『一馬牌』。
 二つ目は、妖術使いに対抗できるよう魔術師の支援を受けられる『二馬牌』。
 そして最後に、『幽幻兵士(ファントム・ソルジャー)』を召喚することのできる――」
「薫さんごと、お亡くなり下さいエセ水戸黄門さん!!」
「究極の『三馬牌』!!」


 薫の記憶に、次々と思い出が蘇ってくる。
 あの人と神谷道場を守り抜いたこと。あの人の世話をして、襲い来る刺客たちと戦っていた日々のこと。

 薫の視界で、文秀がニヤリと振り返っていた。


「――思い出したかいマスター。今から起きることは全くの偶然だ。二度と今回みたいな奇跡が起きるとは思うなよ!!」
「レェェ〜ッツ、プレイッ!!」
「さあ、『暗行御史(アメンオサ)の出頭(おでまし)だ』!!」


 三頭の馬が描かれた金属板から、辺りに激しく音を鳴らして黒い風が巻き起こる。
 渦巻きながら地に降り立ってゆくその黒色は直ちに姿を得て、道化のような仮面と甲冑に身を包んだ兵士となっていた。
 十人、百人と、道場を埋め尽くすほどに召喚されたその『幽幻兵士(ファントム・ソルジャー)』たちは、驚く武田観柳をよそに、一斉に手に持つ大剣を振りあげていた。


「……あなたが、私の、サーヴァントなのね」
「そうみたいだな。ま、よろしく頼むぜお嬢ちゃん」


 幽幻兵士の剣が振り下ろされたその瞬間、神谷薫たちを取り巻いていた道場の夢は、バラバラに切り落とされて消滅していた。


    〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆


224 : 神谷薫&アーチャー ◆wgC73NFT9I :2014/07/19(土) 12:48:20 EH6l/Rms0

 ムーンセルという、月の裏に作られた虚構の世界。
 そんなこと簡単には信じられないけど、それが今、私、神谷薫とムンスのいる世界だった。

「……国が滅んでも、滅びないやつらがいる。それが、ああいった類の悪党と、それを裁く暗行御史だ。
 お嬢ちゃんの国でもそうだろ? 古今東西、どの時代もどの国も、ここでも、そいつは大差ねぇみたいだ」
「うん……。彼も……剣心も、明治維新の時は、悪を裁こうとする志士としてあったし、その正義感は今でも変わっていないわ」

 全てのことを思い出して、自分が今、聖杯戦争という戦いの渦中に飲み込まれていることを自覚する。
 私がなぜマスターとして選ばれたのかはよくわからない。恐らく、父から譲り受けたこの木刀に『ゴフェルの木片』が穿たれていたのかも知れない。

「それで、お嬢ちゃんは聖杯に何を願うつもりだ?」
「わからない……。正直言って、そんなことより剣心の所に早く帰りたいって、そう思ってる。
 だけど、もし聖杯に万能の力があるなら、剣心や他の志士たちが望んだ、平和な時代っていうのを実現させたいと思うの。
 ムンスの言う通り、こんな奇跡みたいな機会、二度とあるなんて思えないから」

 他のマスターと戦わなければならないというのには、正直不安がある。
 行われるのは本当の人斬り。戦国の世と同じような、情け容赦のない争いがあるのかもしれない。
 ムンスは私の言葉を聞くや、顔に手を当てて笑っていた。

「ククク、立派なことを言っているようだが、それであんた自身はどうする。
 戦いはサーヴァントである俺に任せて、願いは聖杯任せかい? 恐怖が顔に出てるぜ」
「……そりゃ怖いわよ。当然でしょ。でも、他人に任せっきりじゃ、あの剣心と一緒にいられる資格なんてないもの。
 だから私は、この『神谷活心流』で、人を活かして、勝ち抜きたい」
「何度も言うが、そりゃ甘っちょろい考えだぜ? 狡賢いヤツらを倒すには、こちらはもっと狡賢くならなきゃいけない」
「でもその甘っちょろい考えを、剣心は好きだと言ってくれたの!
 大切なのは、よりよい未来を創るために、今をどう生きていくかだもの!!」


 私はムンスに向けて、思いっきり叫んでいた。
 彼は目を見開き、そして笑みを深くする。

「……ククク、大した芯の強さだ。よく考えろよ。それを貫くなら、自分で絶えず考えることを忘れるな。
 アカシアの木のようにその根が深く深く地を捉えるなら、その甘っちょろい考えでも、最後まで残っていられるかもな」
「当然! おめおめと逃げてちゃ、剣心や弥彦くんに顔向けできないわ」

 ムンスは胸を張る私に向けて、すっと握りこぶしを突き出していた。

「アーチャーのサーヴァント、暗行御史(アメンオサ)の文秀(ムンス)だ。
 そんくらいの威勢があるのなら、俺に着いてくるのを許可してやる」
「逆でしょそれ。私がマスターなんだから。
 改めて、神谷活心流の神谷薫よ。よろしくね、ムンス」

 道場の魂がこもった木刀を握りしめて、私はムンスと拳を打ち合わせる。

 マスターとかサーヴァントとかいう上下関係を越えた相棒として。
 ううん。むしろ剣心みたいに、今度は私がこの人や道場のみんなを守れるくらいになるつもりで。
 そんな心を燃やして、私の聖杯戦争は始まっていた。


225 : 神谷薫&アーチャー ◆wgC73NFT9I :2014/07/19(土) 12:48:53 EH6l/Rms0

【マスター】神谷薫@るろうに剣心

【参加方法】父親の木刀にゴフェルの木片が使われていた。

【マスターとしての願い】明治に帰ること。願わくは剣心たちの望んだ平和な時代を作りたい。

【weapon】
 『ゴフェルの木刀』
  最低限の神秘が宿っているため、サーヴァントにも一応打撃を与えることができる。
  ただしそもそもが木刀であるのに加えて、流派『神谷活心流』の性質上、致命的な攻撃をすることは困難だと思われる。

【能力・技能】
 命をかけた修羅場を経験しており、剣術の腕前は確かである。だが繕い物を除く家事は苦手。特に料理は本人としては得意なつもりなのだが、周りからの評判は悪い。
 剣の流派としては『神谷活心流』という、薫の父・神谷越路郎が創始した活人剣を習得している。
 相手を殺すのではなく制することを極意とし、真剣ではなく木刀や竹刀を用いて戦う。また、刀身を一切利用せず柄で打撃を与える技もあり、奥義も柄を利用したものとなっている。
 なお『神谷活心流柔術』として、柔術の心得もある程度そなえている。

【人物背景】
『るろうに剣心』のヒロイン。
 神谷活心流道場師範代で、その美しい容姿と剣の腕から東京では「剣術小町」と呼ばれる。活発な性格で正義感も強いが、それゆえに怒りっぽいところもある。
家族は父・越路郎、剣術家で水墨画家の祖父がいたが、ともに故人であり、母親に関しては詳細不明。道場の経営は苦しく、祖父の残した水墨画を売ったり、出稽古で生計を立てていると発言している。
神谷道場の土地を奪われそうになった事件で主人公である剣心と出会い、以後彼との絆を深める。剣心がいつか流浪人に戻ることを恐れるあまり、身勝手な行動に出ることもあった。

【方針】
 直接戦闘をせずに話し合いで相手マスターたちを説得できるのなら極力そうしたい。
 戦闘になっても、相手の生命を奪わず、改心させることで聖杯戦争を乗り切りたい。


226 : 神谷薫&アーチャー ◆wgC73NFT9I :2014/07/19(土) 12:49:25 EH6l/Rms0

【クラス】アーチャー

【真名】文秀(ムンス)@新暗行御史

【パラメータ】筋力C 耐久B 敏捷C 魔力C 幸運C 宝具B+

【属性】混沌・善

【クラス別スキル】
 対魔力:D
  一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。魔力避けのアミュレット程度の対魔力。

 単独行動:A
  マスター不在でも行動できる。ただし宝具の使用などの膨大な魔力を必要とする場合はマスターのバックアップが必要。

【保有スキル】
 カリスマ:B
  聚慎の伝説の将軍であったことに由来する。もともとは更に高ランクであったが、国家の滅亡を心に掛けてランクダウンしている。

 戦闘続行:A
  敗北目前の戦争にも勝利し、死亡の寸前までその気力で行動し活路を開いたことに由来する。
  決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。

 心眼(真):A
  修行・鍛錬によって培った洞察力。窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。
  アーチャーにおいては主に、他者には思いもつかない周辺環境の利用、他者への欺瞞、自身の死すら用いての心理掌握などに利用される。

 呼吸困難:A
  恋人だった桂月香(ケウォルヒャン)が患っていた病気の身代わりとなったことで発生した呪い。アーチャーのパラメータをランクダウンさせている。
  一度に大量の魔力を消費したり、活発な運動を行なうと、喘息のような症状が出て全パラメータがさらに1ランクダウンする上に、著しく行動が制限される。
  症状緩和には安静か魔力の回復が必要となる。
  このスキルはごくごく一般的な治療薬や令呪などで一時的に消去でき、その場合全盛期の体調に戻り、宝具を除く全パラメータと装備武器が1ランクアップするものの、治療薬の効果が切れた時点で溜まっていた呪いが一挙に押し寄せる。
  その副作用は治療薬を大量に服用して効果時間を延ばすほどに悪化し、1時間程度の症状消去でも魔力の回復なしには5日間は呼吸困難発作で行動不能になり、数時間も効果を持たせた場合は死亡することも十分にありうる。


【宝具】

『超究極の三馬牌(マハイ)』
ランク:B+(E〜EX) 種別:対軍宝具 レンジ:1〜50 最大捕捉:1000人
  馬が描かれた暗行御史の証。一頭の馬が描かれたものを「一馬牌」、二頭のものを「二馬牌」、三頭のものを「三馬牌」と言い、馬の数が多いほど暗行御史としての地位が高い事を意味する。一馬牌を持つ暗行御史は聚慎から兵士を、二馬牌を持つ暗行御史は魔術師の支援を受けることが出来る。
三馬牌は特に「究極の三馬牌」とも呼ばれ、馬牌それ自体が特別な力を持つ。

  この宝具は、虚空から死滅した聚慎の特殊部隊「幽幻兵士(ファントム・ソルジャー)」を独立サーヴァントとして召喚する。聚慎が滅びた今、実質的に力を持っているのは三馬牌だけと言う事になる。
  通常の三馬牌から召喚される「幽幻兵士(ファントム・ソルジャー)」は妖怪相手に効果を発揮することができない欠点があるが、新たな馬牌を精製出来る鍛冶屋・弥土(ミト)に改良されたこの馬牌はその欠点が克服されている。
  ただし元々領主の悪政等を糾弾・粛清する事を役割とした暗行御史の性質上、幻想種などの人外の生物を相手にする際はそのランクがダウンし、逆に為政者や権力者といった来歴を持つ相手にはそのランクがアップする。
  召喚された「幽幻兵士(ファントム・ソルジャー)」は全員が独立したサーヴァントであり、生前のアーチャーの部下であるため、宝具こそ持っていないものの高い戦闘能力を誇る。
  また彼らはそれぞれランクE相当の変身スキルを有しており、攻撃を受けた部分を液状化させることで大幅に物理ダメージを軽減することができる。
  ただし使用の際には馬牌を掲げ、『暗行御史(アメンオサ)の出頭(おでまし)だ』と叫ぶ必要があり、なおかつアーチャー自身だけでは「幽幻兵士(ファントム・ソルジャー)」全員を召喚した場合、一回で呼吸困難の症状を必発させるほどの大量の魔力を消費する。
  数人だけを召喚し、NPCをタコ殴りにしたりくすぐったりして情報を引き出すなど、魔力消費を抑えながら活用する手段もある。


227 : 神谷薫&アーチャー ◆wgC73NFT9I :2014/07/19(土) 12:51:07 EH6l/Rms0

『幻影護符』
 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:― 最大捕捉:この宝具自身
 聚慎の国王であり文秀の友人であった解慕漱(ヘモス)の作成した多数の護符。“暗”という一字が記された掌大の紙片である。
  魔力を注ぐことで瞬間的にこの護符自身が幻影となって、身代わりの人形や変装用のマスク、兵士などに変化する。アーチャー自身に限らず、少量の魔力さえあれば誰でも使用可能。
  ただの紙片であるため耐久力には乏しいが、幻影自体の質感は、物理的にこの護符が破壊され幻影が解除されなければ分からないほど精巧である上、使用者自身の意思で、ある程度の操作が可能。
  アーチャーがこれを用いてNPCなどに変装している場合、相手がこれよりも高ランクの『真名看破』などのスキルを有していない限り、ステータスはおろかサーヴァントであることすら見破られなくなる。
  元々は暗行御史の到来を周知させる予告状の役目もあり、幻影が解除された際に現れる“暗”の文字は、一般の者に対しても理解不能な精神的不安を与えるだろう。特に暗行御史の存在やアーチャーの真名を認知している敵対者に対して与える恐怖心は精神干渉魔術に匹敵しうる。


【weapon】
  コートの裏に二丁の、速射性に優れた大口径拳銃と大量の弾薬を忍ばせている。また袖口にからくりを用いて飛び出させることのできる短銃を隠しており、これらを用いて騙し討ちや単独戦闘をすることが可能。更に、知己である技術者の英實(ヨンシル)の作成した榴弾投擲銃を所持しており、火炎弾・冷凍弾・催涙弾などを射出し、比較的広範囲を攻撃することもできる。ただしこれらは最低限の神秘しか有していないため、簡単な防御魔術などで防がれてしまうだろう。

  その他、将軍として活躍していた際の剣術・近接格闘術などの心得は一通り有しており、戦闘の状況に応じて、手斧、剣、ロープ、石、ベッドシーツ、同行者の死体など周りにある使えるものは徹底的に活用し、投擲や絞め技などで格闘することもできる。
  ただし本人が呼吸困難の呪いを抱えており、身体能力は聚慎の将軍であった全盛期のパラメータから低下しているため、他のサーヴァントに対して真っ向から勝負を仕掛けるのは不利であろう。


【人物背景】
 『新暗行御史』の主人公。黒髪をヘアバンドで留め、長いコートを羽織った飄々とした雰囲気の壮年男性。
強大な統一王朝である聚慎の滅亡後、諸国を旅している暗行御史(アメンオサ)であり、暗行御史の証である馬牌によって幽幻兵士(ファントム・ソルジャー)を召喚して敵を倒す。
 「暗行御史」(あんぎょうおんし、アメンオサ、韓:암행어사,'amhaiq'esa)とは、朝鮮王朝(李氏朝鮮時代)に実在した特別な官職。作品内においては、かつて聚慎に存在した特殊官吏とされており、正体を隠して地方を回り、領主の悪政等を糾弾・粛清する事を役割となっている。作中でも語られているが、水戸黄門的な存在である。護衛の山道(サンド)、従者の房子(バンジャ)と共に3人一組で行動するのが基本。
暗行御史の地位は高く、正規軍にすら許されていない銃火器の携帯が許されている。反面、家族を持つ事を許されないなどの厳しい掟も存在する。

聚慎時代は、若くして軍の将軍を務め、最高位「伝説」の称号を授かる程の、数々の戦果を上げた。聚慎の王である解慕漱(ヘモス)とは同郷の親友で、二人で理想の国家を築こうとしていた。だが、かつての部下であり数少ない友人でもあった阿志泰(アジテ)の陰謀によって聚慎は滅亡してしまう。その後は、暗行御史となり、宿敵、阿志泰を追う放浪の旅に出る。

喘息のように呼吸困難に陥る病気に侵されているが、これは恋人だった桂月香(ケウォルヒャン)が患っていた病気を阿志泰の魔術によって身代わりになることで発生したもの。原作では特殊な治療用パイプを吸入することで、一時的に苦しみから解放されるものの、これが戦いなどで度々窮地を招く。
この病気は、活貧党との戦いで瀕死の重傷を負い、持っていた曼陀羅華(マンダラケ)の鍼での仮死状態から生還した時に完治しているが、サーヴァントとしてはこれ以前の身体状態を基準に召喚されている。

名の由来は朝鮮王朝の一番有名な暗行御史である朴文秀から。


228 : 神谷薫&アーチャー ◆wgC73NFT9I :2014/07/19(土) 12:52:12 EH6l/Rms0

【サーヴァントとしての願い】
聖杯という強大な力が悪政者に利用されるのを防ぐこと。もしも聖杯を手にできた場合は、友人であった聚慎の国王・解慕漱(ヘモス)の遺志を受け、「世界中の国がより平和で幸福な国になるよう人々を奮起させる」ことでも願おうかと考えている。
 聖杯の悪用を考えている者は手段を選ばず排除しようと考えているが、マスターである神谷薫にその手段の「なんでもあり」加減が露呈した場合、確執を生むことは目に見えていると思われる。
 その上、仮に聖杯への願いが真っ当な相手に遭遇したとしても、碌に自分の頭で考えない人間や、奇跡にすがるばかりの無気力な人間は心底毛嫌いしており、そのような者に対しては邪険に扱ったり露悪的な態度を見せることもしばしば。ただし大抵の場合は、そうあしらった後に自力での奮起を促すというフォローを欠かさない。


【基本戦術、方針、運用法】
「悪党よりもずるがしこくならねばならねい」との理念を持ち、潜伏や調査から相手の情報を調べ上げ、その裏を掻いて攻め滅ぼすことを常套戦術とする。
 幻影護符による心理的な誘導、周囲の環境にある物品などを臨機応変に絡めた機転による騙し討ちを得意とし、単身ならば、こうして相手の思考に作り出した隙を狙って銃撃により仕留める。またここぞという時には、『超究極の三馬牌(マハイ)』によって召喚した『幽幻兵士(ファントム・ソルジャー)』によって、相手の意気を完膚なきまでに消沈させながら粛清するのが常である。

 暗行御史としては山道(サンド)と呼ばれる護衛を常に同行させているのだが、今回サーヴァントとして単独で召喚されてしまったため、マスターとの連携が重要となるだろう。
 戦闘前の裏工作、敵だと相手に認識させずに取り入るなどの根回しも肝心だと思われる。

 戦闘ではマスターとともに幻影護符を用いて周囲の人ごみに紛れるなど、自分の存在を秘匿しながら近づき、意表をついて一転攻勢に出るのが良いかもしれない。
 高い精神力と将軍として培った戦術への機知から戦闘続行能力は高いものの、如何せん素の身体能力自体が呪いにより低下しているため、サーヴァント単体同士での直接戦闘では消耗戦を強いられることになるだろう。
 相手サーヴァントには『幽幻兵士(ファントム・ソルジャー)』と共に挑み、アーチャー本人はマスター同士の戦いの隙を見て相手マスターを仕留めにかかるなどといった戦法が考えうる。


229 : 神谷薫&アーチャー ◆wgC73NFT9I :2014/07/19(土) 12:52:42 EH6l/Rms0
以上で投下終了です。


230 : ◆HOMU.DM5Ns :2014/07/19(土) 14:17:17 lSvPIzkM0
ありす&バーサーカーで投下します


231 : ありす&バーサーカー ◆HOMU.DM5Ns :2014/07/19(土) 14:21:44 lSvPIzkM0



”彼”は、決してこの聖杯戦争には呼び出されない存在の筈だった。





果たすべき望みなど始めから持っておらず、そもそも参加する資格すらも本来なら有していなかった。

戦う理由はある。だがそこに”彼”の意志は介在しない。
個人的な願いがないわけでもないが、それが許されるものでないのは理解しているし、より上位の命令系統に塗り潰されてしまう。
それは”彼”が生み出された目的であり、本能であり、運命としてのものだ。
その運命を、かつての”彼”は否定し、拒絶し、それでもなお縛りは解けず、苦悩を刻み……。
多くの仲間からの力を借り受けて、最後には解き放たれる事が出来た。
ある一人の人間―――”彼”にとっては、まぎれもなく―――との、永遠の離別を代償に。



地面に足をつけている視点よりも遥かな上。
今自分が生きている時代を超えた座(ばしょ)で、”彼”は宙に浮く揺り籠を俯瞰する。

方舟の意義とは、”保存”と”選別”だ。
一対のつがいの種族、地球上に存在したあらゆる生命の記録を残した完全な世界。
ほぼ全ての遺伝子を収めた中、ただ一種、一対に限定できなかった種があった。
先導する役目を負うが故に選別から外れたヒトという名の種族を、ここに改めて選び抜く。

太古の神話の再編は、まさに原始の時代の理に立ち返った形で行われる。
競わせる。争わせる。殺し合わせる。
弱肉強食。表せばこの四文字に全てが集約されている。
過去から変わらない、物言わぬ野生の生命は知っている。
熾烈な争奪と食らい合いの後に残るものは、個体の能力値に関わらず『生き延びること』に優れたものだと。
それが宙の海を泳ぐ方舟・アークセルの役目であり、その為に資格ある者をその内部に招き入れる。

資格に優劣はない。
強き者。優秀な者。賢しき者。恐るべき者。弱き者。愚かな者。臆病者。
ただの要素(パラメーター)を比べるのみでは、人間の値、可能性は測れない。
過去方舟が人間を一対のみに選別しきれなかったのは、その能力の多種多様さ故からだったのか。


232 : ありす&バーサーカー ◆HOMU.DM5Ns :2014/07/19(土) 14:22:34 lSvPIzkM0

過去方舟が人間を一対のみに選別しきれなかったのは、その能力の多種多様さ故からだったのか。



聖杯戦争。
バトルロワイヤル。
選ばれたただ一人を決めるための戦い。
運命を変えられる報酬。
”彼”はかつて、そうした争いに身を投じた数々の命の一割れだった。

その世界には、不死の生命がいる。
生物には、その種の最初の一となった存在が必ずいる。
それらが生まれて初めて未来の扉は開かれ、無限の繰り返しの先にある繁栄を手にする。
参戦したのはそんな、地球にひしめく数多の種族の始祖。
始まりが故に終わりを持たない不死者たち。
逆説的に、種の代表という責務を背負っている彼らは、熾烈な生存競争を繰り広げた。
そして生き残った種族に与えられるのは、己が種の存続と繁栄。全ての命の取捨を自由にできる権利。

”彼”が認識した聖杯戦争は、その闘争と酷く似通っている。
次元の垣根を超えても、奪い合いは不変の法則なのか。胸に残された心に棘の痛みが刺さる。



いずれにせよ、彼はこの戦いには決して加われない。
種を選別する為の戦いに、種の滅びを定める者が表れてはいけないのだから。



歴史の旅路に脈々と紡がれていく命の河。それを絶やさない事こそ生物の絶対の使命。
多くに分かれ意識が固有化し、同胞と相争う人間達でさえ、そこにあるのは自分を残すという思いだ。
本能と呼ばれる、生命体の第一義。”彼”にはその真っ当な機能が欠けていた。

”彼”は、英雄でもなければ悪霊でもない。
かといって、何一つ業績のない無辜の民ですらもない。
”彼”は選ばれなかったもの。
残されなかったもの。許されないもの。あってはいけないもの。
……だが世界にとって必要なもの。
星という巨大な生命が選択肢の一つとして備えた、滅びという名の機構(システム)。


233 : ありす&バーサーカー ◆HOMU.DM5Ns :2014/07/19(土) 14:23:49 lSvPIzkM0


”彼”は系統樹なき虚無(ゼロ)の不死者(アンデッド)。
秩序と混沌の輪廻を繋ぐ星の自浄作用。
それは生命体の矛盾でありながら、全ての生命体の最低限の権限。
”彼”が選ばれるのならば、「その時」が来たと判断し、全ての命を無に還す。
苦しみに喘ぐことなく速やかに滅び去るのもまた命の生業。
真の自由とは生ではなく、死にこそあると。天の星々は理解している。

そんな”彼”が仮にも英霊の座に置かれているのは。
規模こそ違えど、その在り方は神霊種と同様であるからだ。
不死であり生命の始祖である彼らは発生した時点で高位の存在だ。
こうして”彼”が外界で眺めている今も、地上の自分は現実での穏やかな生活を過ごしている。



例え勝利しても、”彼”に与えられる報酬ははない。
戦いの果てに”彼”がたった一人生き残るという事実。それそのものが破滅の引き金となる。
全ての種をリセットさせる滅びの現象。”彼”が何を望もうがそれは速やかに実行される。
何せその為に生み出された。”彼”の在り方がそのまま一つの願いとして成立してしまっている。
下手をすれば、多世界にまで及ぶ破滅が起こりかねない可能性も孕んでいる。

だから”彼”は、戦わない。かつての友のように、己を封殺して世界を守り続ける。
優勝すれば自動的に全人類、全生命を刈り取る死神の化身。
そんな無差別破壊兵器を求めるマスターなどまず存在しない。いたとしても受け入れはしない。
願いが永遠に叶わない事に”彼”は安堵し、微睡みの内に観測(しせん)を閉じようとして。




”―――――――――――――――――――――”




視界の片隅で、あてもなく流されるように夢遊する影が目に入る。
何かを追いかけるように、何かに追われるように迷い込んできた一人きりの少女。
次元を越えた境界での認識力は、少女の経歴を余すことなく伝えてきた。

彼女の物語は、とうに幕を閉じている。
利用されるだけ利用され、何の救いもなく、痛みだけの中で潰えてしまった人生。
現実を追い出され、精神が電脳に残された後でも、そこには孤独しかない。


234 : ありす&バーサーカー ◆HOMU.DM5Ns :2014/07/19(土) 14:25:05 lSvPIzkM0


そして今、少女はまた争いに巻き込まれようとしている。
戦う意思はおろか、戦うという行為自体も理解できていない幼い心で、凄惨な殺し合いに身を投じてしまっている。
戦火に焼かれ人の悪意に解体された少女は、夢の中でさえ戦火と悪意から逃れられない。
それこそが、彼女が何よりも逃げたかったものなのに。



何故こんなにも彼女に救いがないのか。
この末路を運が悪いと認めてしまっていいのか。
そして、気づいた自分は、このまま黙って見ているだけで、それでいいのか?



数々の疑問と感情が生まれ、答えが出されるよりも速く。
”彼”は”俺”となり、何もない場を駆けだしていた。



分かっていることだ。自分では彼女は救えない。
この呪われた運命の体が勝ち残る事は許されず、帰る場所のない少女は残る魂を焼き尽くして消えるのが確定している。
運命を変える月に願うという最低限の救済すら、自分達には与えられない。

ならせめて。最後まで傍にいよう。
もう二度と、誰にも看取られず一人きりで消えるような、悲しい終わりを迎えないように。
死神の忌み名を、その為に今こそ再び受け止めよう。あらゆる脅威から彼女を守り抜こう。
甘い夢から覚め、砂糖菓子のような体が砕け散るその時まで。
彼女の手を取り、涙を流してくれるような友人を見つけられる。
そんな小さな奇跡が起こるのを信じながら。



だから方舟よ、俺を招け。彼女の許に連れていけ。
余分な権能(力)は捨ててやる。元から不要なものだ。
削ぎ落すだけ削ぎ落として、無理やりにでも規格に当てはめろ。
どれだけ厳しい罰が待ち受けようが足を止める理由にはならない。必ず勝ってみせる。





運命と戦う事を、俺は決して恐れない。


235 : ありす&バーサーカー ◆HOMU.DM5Ns :2014/07/19(土) 14:25:50 lSvPIzkM0





 ■          ■




突如として巻き起こった突風。
夜に星が落ちてきたと思えるほどの眩い閃光。
マスターとして認識されてしまった少女の前に表れたサーヴァントは、恐怖の塊のような姿だった。

緑色の血が通った黒い全身。
頭蓋骨をそのまま嵌め込んだような顔は、苦悶を食いしばった表情のまま固まっている。
人らしい理性など一欠けらも感じさせない、狂戦士のクラスに相応しい容貌だ。

「あなたはだあれ?わたし(ありす)のお友達になってくれるの?」

そんな人ならざる異形を目にしてなお、マスターたる少女は怯えの様子を一切見せずに語りかけた。
少女は聖杯戦争に参加したという自覚はない。ただ果てのない道を歩き回ってるうちに辿り着いただけだ。
しかし自覚はなくとも少女はマスターであり、目の前のサーヴァントとは互いを認識する契約で繋がっている。
そこから拙く情報を取得した少女は、この怪物が自分に危害を加える者ではないと理解していた。

「…………」

怪物……バーサーカーは答えない。
その名の通り理性の喪失を対価に能力を底上げする基本スキルを持つサーヴァントは、対話の能力が失われている。
言わんとする事は理解できていても、実際に声を交わし合う事はこの二人には叶わない。

「そっか、お喋りできないのね。つまんないの。
 それにしてもこわい顔。まるでジャバウォックみたい。それともバンダースナッチかな?」

少女はやや不満そうに頬を膨らませる。子供は言葉の並べ合いに楽しみを見出す年頃だ。
心が通じ合えば言葉は不要、などという合理的思考には動かされない。


236 : ありす&バーサーカー ◆HOMU.DM5Ns :2014/07/19(土) 14:26:57 lSvPIzkM0

「…………」

無言のバーサーカーは、棘と突起だらけの凶器と見紛う腕を少女に差し出す。

「……?これ、くれるの?ありがとう!」

掌に握られたのは一束の札。興味を惹かれた少女は無警戒に怪物の手を取って紙札を広げた。札はトランプだった。
五十二枚の絵札は色とりどりの模様が入っており、どれも統一して何かの生き物を象っているものだ。

「わあ、すてきなトランプ!おもしろい絵がいっぱいあるわ。
 トランプ兵をあやつってるあなたは、ひょっとして女王さま?」

娯楽、遊戯に飢えていた少女はすぐさま札遊びに夢中になった。
札を合わせたり、並べたりして、即興の遊戯に没頭する。
既に不安の気持ちはない。少なくとも今、自分は一人ではない。その事実だけで、少女は一時の幸福の中にいた。

「あなたは、あたし(ありす)といっしょに遊んでくれるのね?あたし(ありす)のお友達をさがすのを手伝ってくれるのね?
 さっきね、あそこでいろんなひとたちが集まってたの。あたし(ありす)だけじゃ不安だったけど、あなたがいればへっちゃらね。
 あたし(ありす)ね、みんなでトランプ遊びがしたいな!みんなで兵隊をうばいあって、さいごにババ(ハズレ)を持ってたひとを引っこ抜くの!
 楽しいわ、きっと。あなたもそう思うでしょ?」

少女は歌う。くるくると、狂狂と。
夢に見た念願が、遂に叶うのだと喜んで。蝶の羽を毟る気軽さで、殺し合いに臨む。
その実感は少女にない。彼女はただ寂しさを埋めたくて遊びに誘うだけ。
ありすの遊びは断れない。頷けばかくれんぼ、横に振れば鬼ごっこに変わるだけ。
ネバーランドにオトナはいらない。エイエンのこどもの国から逃げ出そうとすれば、ハサミで首を切り落とされ、棄てられてしまう。



無邪気にはしゃいで駆けていく姿を、バーサーカーは黙して追う。
自意識を喪ったサーヴァントは、残った一心のみを果たすだけの機械に等しい。
ソレは自身のマスターの守護者であり、他のマスターやサーヴァントの死神であり、殺し屋であり、怪物であり、災厄であり、正体不明であり、
ジャバウォックであり、バンダースナッチであり、人である。





少女の夢を悪夢で終わらせない為、何者でもない怪物(ジョーカー)は夜を往く。


237 : ありす&バーサーカー ◆HOMU.DM5Ns :2014/07/19(土) 14:32:24 lSvPIzkM0






**【出展】
仮面ライダー剣

**【CLASS】
バーサーカー

**【真名】
ジョーカーアンデッド

**【ステータス】
筋力A 耐久A 敏捷C 魔力B 幸運E 宝具D

**【属性】
混沌・狂

**【クラス別スキル】
狂化:A
 パラメーターをランクアップさせるが、理性の大半を奪われる。
 ……のだが、理性を奪われたにも関わらず、ステータスの上昇は機能していない。

**【保有スキル】
不死:A
 不死の生命であるアンデッドとしての特性。
 だがサーヴァントはあくまで分身であるためその特性は薄まっている。
 HPが0になっても、幸運判定で復活のチャンスを得る事が出来る。

無貌の切札:A
 ワイルド。
 いかなる生物の系統樹でもないという、ジョーカーのみの特性。
 特定の種族に適用する効果を一律無効化する。
 Aランク相当の変化スキルも有しているが、狂化のため使用不能。

軍勢生成:―
 眷属のダークローチを生み出すスキル。
 だが通常時にはまったく機能しない。
 この能力が発動するのは最後の一人となった時、即ち、聖杯戦争に優勝した時のみである。

**【宝具】
『寂滅を廻す死札(ジョーカーエンド・マンティス)』
ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人
 命を刈り取る形をしている手持ち式の鎌。
 地球上の全生命を死滅させるという、ジョーカーの攻撃本能が結晶化したもの。
 斬り付けた対象の、生物としての純粋度に応じて追加ダメージが加算される。
 ダメージが一定値を超えると即死判定がかかる。
 対象外となるのは、地球上の生物でないもの、生物の版図を越えてしまったもの、そもそも生物でないもの。

 本人の霊格が落ちているのと、ジョーカー本人がこの宝具を望まないため、ランクも下がっている。
 本来のランクはEX。効果が鎌でなくジョーカー自身に移り宝具名も変更、
 地球全土にまで殺害範囲が増大する。ちなみにどれほど広範囲でも種別は対人のまま。
 命を滅ぼしながら星は滅ぼさない、星の自浄作用であり自壊衝動の一つ。

**【weapon】
『ラウズカード』
 五十二体の生物の始祖の不死者が封じられたカード。
 ありすの遊び道具として使われてる。というよりその為に無理やり持ち込んだ。
 解析すれば魔術の代替えに使える……かもしれない。


238 : ありす&バーサーカー ◆HOMU.DM5Ns :2014/07/19(土) 14:35:46 lSvPIzkM0


**【人物背景】
 生物の生存本能が結集し、生き残った最後の一匹が地球上の生命を思いのままに操れる「万能の力」を手に入れられる戦い、バトルファイト。
 全ての生物の始祖たる不死者―――アンデッドが集う中、ただ一体何者の始祖でもないイレギュラーな存在、それがジョーカーである。
 始祖がいない、系統樹がいないこの個体がバトルファイトに勝ち残ると、生物を残す必要がないと受理され、地球の全生命が死滅する仕掛けが施されている。
 ジョーカー自身もその本能に従い暴れ回る殺し屋のようなものであり、唯一自力でアンデッドを封印できる能力があるため、
 全てのアンデッド、全ての生命体から忌み嫌われるべき存在である。
 
 しかし、次代のバトルファイトが行われた現代で目覚めたジョーカーは、前回の勝利者として生き残っていたヒトの始祖、ヒューマンアンデッドを封印した際、
 内部からその心に働きかけられることで自身の運命に疑問を持つ。
 アンデッドとの戦いに巻き込まれ命を落とした男が、最後まで家族を思い自分に写真を託した事で疑問は更に表面化。
 ヒューマンアンデッドの姿に擬態し、疑問の答えを得るため男の家族の許へと身を寄せることになる。

 男の母と娘、アンデッドの力を使い人を護る戦士達。
 多くの交流の中でジョーカーは人としての心を育んでいく。
 だがどれだけ人らしい感情を取得しても、その本質はアンデッド。それも愛する者さえ手にかける事になる最悪の死神。
 苦悩し、多くの協力を受けながらも遂にジョーカーが最後のアンデッドとなり、世界の滅びが始まってしまう。
 最大の友となった人間に自分を倒すよう願うジョーカー。友はしかし、それを拒絶する。
 掴んだ選択は誰も失わない方法。自らもヒトとしての体を捨てる事で友を孤独から救ったのだった。
 ……ヒトの生と、永遠の孤独を代償にして。

 不死であるアンデッドだが、生物の始祖という強大な神秘は発生した時点で英霊の座に登録されている。
 このサーヴァントはそこから召喚に応じた存在であり、英霊の本体と分身のサーヴァントとの関係のようなもの。
 現実の世界では、彼は今も人間として生き続けている。

**【サーヴァントとしての願い】
 孤独となった友を救いたいという願いはあるが、ジョーカーの存在意義である「命を刈り取る」という本能はそれを許さない。
 優勝した瞬間、聖杯は生命絶滅という機能を真っ先に願いとして受理されてしまうからだ。
 最悪、アークセルと接続した全地球の生物が死滅するという次元級の災厄も起こり得る可能性を秘めている。
 その願いはアークセルと真っ向から対立するものであり、ジョーカーもまたそれをよしとせずただ傍観するのみでいた。

 だがアークセルに迷い込んだ少女、ありすを見つけ、彼女を守るべく多くの無理を通してサーヴァントとして召喚される。
 最たるものはバーサーカーのクラスになった事による、人の心の喪失だろう。これにより、相川始の名は消失している。
 月に来たアルクェイドや尾を切り離した玉藻の前を想像すると、どういう状態なのかが分かりやすいだろう。

 奪われた理性、削られたヒトの心で願うのは、ありすの救済だ。
 自分は決して勝ち残ってはいけないサーヴァントであり、ありすにもまた救われる術が見当たらない。
 聖杯戦争に参戦しながら、この組には優勝する望みがまったくない。
 なら最後に消えるその瞬間まで、彼女の傍らに寄り添いその孤独を癒そう。
 儚く綺麗な思い出が涙に滲まぬように、彼女の望みを叶え続けよう。
 その先に一筋の光が差すことを信じて。

 運命に勝つ。
 それこそが、このサーヴァントの戦う意義である。


239 : ありす&バーサーカー ◆HOMU.DM5Ns :2014/07/19(土) 14:37:40 lSvPIzkM0


**【基本戦術、方針、運用法】
 バーサーカーらしく、その戦法は暴れ回るしかない。ありすの指示に従うか、ありすに危機が迫った時のみ行動する。
 色々と制約がついて回ってるものの、その能力値は上級サーヴァントと遜色ない。 
 「無貌の切札」で概念系や干渉を限定する相手にもある程度耐性があるため、正面切っての戦いではそうそう遅れを取らないだろう。
 宝具は対純粋生物特化というべきで、相手によっては確殺もあり得る。大半が人間のマスターの方が危険。 
 逆に天敵は機械系のサーヴァント。総じて生物に対して強い性能なので、人工物には相性がよろしくないらしい。
 ラウズカードはありすの遊び道具以外に使い道はない。何せその為だけに持ってきたのだから。
 頑張ればコードキャストの参考に使えなくもないが、コストに見合うかといえば微妙である。
 マスターは魔術師としては規格外であるものの生存力という点では疑いなく最弱。攻めあぐねてるならそちらを狙うのもいい。
 だがその戦法はこのサーヴァントにとって火に油を注ぐ行為。
 一度でも狙いを向ければ、これ以上ない凄まじい形相で追い回されムッコロされること必至だろう。



**【出展】
Fate/EXTRA

**【マスター】
ありす(本名不明)

**【参加方法】
電脳を彷徨っている最中にアークセルの招集に引かれて方舟に辿り着いた。
あるいはデータ上の『ゴフェルの木』に触れていたのかもしれない。

**【人物背景】
 白と水色の衣装を身に纏った、八歳ほどの少女。イギリス出身。
 第二次大戦末期に空襲で重傷を負い余命幾ばくもなかったが、その身に魔術回路があったことから実験体として無理やり延命させられる。
 数年の後肉体は死亡するが、精神は繋げられたネットに残り続け、電脳空間という夢の世界に旅立つことになる。
 アークセルには"知らない人たちがいっぱいあつまって、たのしそうだったから" という理由だけで、聖杯戦争に参加してしまう。
 命を奪う行為の重さも、殺し合いの残酷さも理解しないまま。
 ありす自身、自分の状態については朧げながら理解しており、この夢が永遠でないことは分かっている。

**【weapon】
 なし

**【能力・技能】
 空間転移、固有結界級の魔術を複数長期に渡って展開できる規格外の魔力を汲み上げられる。
 そのタネは、実体のないネットゴーストであるがゆえに肉体(脳)のリミッターが存在しないため。
 だがそれは回路が焼き切れるまでエンジンを回せるといっているようなもの。いずれは魂が燃え尽きる運命である。

**【マスターとしての願い】
 なし。強いて言うのなら、友達を作って遊びたい。

**【方針】
 ジャバウォック(バーサーカー)をお供にして友達探しの探検をする。誰かを見つけたら一緒に遊びたい。
 鬼ごっこ、隠れんぼ、ババ抜き、遊びの種類は無限に尽きない。永遠に終わらない。
 
 余談だが、『鏡』『モンスター』の点から龍騎系ライダーとも相性がいい。


240 : ◆HOMU.DM5Ns :2014/07/19(土) 14:39:12 lSvPIzkM0
投下終了です。


241 : ◆GsTgNENDGI :2014/07/19(土) 15:19:05 gO82dEa.0
みなさん投下お疲れ間です。
私も投下します。


242 : ベッキー&バーサーカ― ◆GsTgNENDGI :2014/07/19(土) 15:20:37 gO82dEa.0
学校にチャイムが鳴る。
「それじゃ今日のホームルーム終わり! これから実習や部活の人もいるかもだけど、
 あんまり遅くならないようにね〜〜。それともッ! ベッキー先生とのプルァァァイベェトルェッスゥンなら当方に歓迎の用意ありよッ」 
生徒の罵声と牛の鳴き声が響きわたる。
「え〜んひっど〜〜い。それじゃみんな〜牛に轢かれないように気をつけて還るんだよ〜〜〜きゃは♪」

田茂農の毎時の終わりは、大体こんなものだ。
職員室で明日の準備を終えた戸次菜摘はそう思った。
修理から戻ってきたばかりのスクーターを回し、家路につく。
夕暮れの道を、小さなエンジン音だけが走っていく。10年以上見続けてきた道だった。
アパートの駐車場にスクーターを入れ、キィを抜くと、キィと一緒に抜けた穴からどっと疲れが噴出した。
腿がむくみ、肩が急に凝り出した気がする。
「うぃ〜到着〜〜。あー、もうダメだわ。クッタクタ。キャラ作る元気ないわ……」
玄関から散乱した腐海(ゴミ)をかき分けて、戸次……生徒からはベッキーと呼ばれている……
呼ばせたのはいつだったか……時の流れに沈んだ記憶を引っ張り上げるのは不可能に近い……
まぁ、ベッキーは重力とベットの吸引力に引きずり込まれ、ぼふりと沈み込む。
40才を過ぎた肉体の倦怠感と何週間も干していない布団の何とも言えない臭いに、身も心も融けていくようだ。
掃除をしなければ、と脳の一部がかすれた声で賢明に叫ぶが疲労にうちのめされた身体は反乱を許さない。
シャワーの魅力すら、この重力の井戸の底から逃れられない。
おなかが空いた、と思わなくもないが、まともな料理を作る元気もない。
たぶん今日もごはんを解凍してめんつゆとかつぶしぶっかけご飯だろう。

「……やっぱ、こうやって、人生終わっていくのかなあ……」

脳髄が、不意に言葉を漏らす。
40才。改めてその言葉の重さが、背中にのしかかる。
まだ20才だと思っていた。30台でも結婚する人はいると目をそらした。
生きている限り、可能性は続いていくのだと、そう思いこんでいた。
その結果がアラフォーだ。
職場とアパートを往復するだけの、繰り返す日々(ホロウアタラクシア)。
職場では奇異の目で見られ、かといって確立してしまったキャラを今更下げることはできず、
コンパには呼ばれず、サプライズと乱入すれば台無しにし、
数少ない休日だって、寝るしかない。同世代の知人たちは軒並み子供が2人いる。話なんて、合うはずない。
実家に帰れば、妹の娘の彼氏を見なければいけなくなる。親のなま暖かい目の向こうには、否応にも結婚の二文字が浮かんでいる。

「やってるのよ……必死に……暴飲暴食我慢して……スタイル維持して……
 その結果がこれなのよ……これ以上どうしろっていうのよ……」


243 : ベッキー&バーサーカ― ◆GsTgNENDGI :2014/07/19(土) 15:21:43 gO82dEa.0
少年○ャンプあたりは、生きていれば何とでもなると主人公が口をそろえて言うけれど、
○の錬金術師あたりは、あんたには足がついているだろというけれど。
それでも、どうにもならないことはあると思う。
足は浮腫で歩きにくい。未来にのばす手は四十肩であがらない。可能性なんて、あるわけ……

「ほんと、あたしって……? あ、郵便?」

ベットの上でごろりと転がった時、エントランスのポストが目に入った。
いつもダイレクトメールと市報と電気料金と水道光熱費の領収書くらいしかないはずのボックスには、一つ封筒が入っていた。
「なんだこれ……ああ、前ネットで変なのクリックしてたっけ……」
ネットの掲示板でコテ使いまくって結婚したいと連呼し続けたことがあった。
F5か何かかと間違われるほど書きすぎたため、自動botかと勘違いされてあっという間に廃墟になったが、
その中で、一人変なリプを返してきた人が居たのだ。
「『願うならば、その祈りを月の杯にくべよ。さすれば方舟はあなたを迎えるだろう』……だっけ、
 中二は高校で卒業したんだけど……クリックしちゃったんだ、わたし」
そうとう参っていたのだろう。無意識に返信してしまっていたらしい。
だとしても、住所なんて書いていないはずだが。
ベッキーは封筒をおそるおそる開いた。怪しい高額請求書が入っているかもと思いながら、
同時に――もしかしたら、もしかしたら奇跡があるかもと思いながら。

「え、何、この木片、あ――――――――――――」

方舟への鍵を手に、見上げた月に、アラフォーが落ちていく。

学園の花壇、その中で、ベッキーはすべてを取り戻した。
農業高校の生活習慣が染み着いた彼女に、普通の学園生活はよほど違和感があったのだろう。
予選は、さほど時間をかけずに突破してしまった。
そして、聖杯戦争のルールをたたき込まれて、彼女は逡巡する。
当然だ。いつもは奇矯な振る舞いをしているとは言え、彼女は普通の教師なのだ。
魔術師相手に何ができるわけでもないし、ましてや殺すことなどできるはずもない。

「そ、それに、サーヴァントだって、私なんかじゃロクな人が来てくれるわけ……」


244 : ベッキー&バーサーカ― ◆GsTgNENDGI :2014/07/19(土) 15:22:20 gO82dEa.0
だから無理なんだ、と自分に言い聞かせようとしたとき、
腕に刻まれた令呪が輝き、花壇を中心に魔法陣が展開する。
だが、血のように赤黒く脈動するその魔法陣は明らかに通常のそれではない。
「なれば、狂乱の縛につくべし……って、これ、バーサーカー!?」
マスターとしての知識から頭の中に響く詠唱が、バーサーカーのクラスをサーヴァントとして呼び出していることに気づく。
だが、もはや召喚は止められない。魔法陣から人型の影が浮かび上がる。
フルプレートの鎧・盾。その身を包むすべてが漆黒に包まれている人型だった。
だが、これを鎧といっていいいのだろうか。成人男性を2回りは大きくしたような鎧は、どちらかというと機械だ。機動する鎧だ。
そして、なによりも特徴的なのは、その額に位置する場所に、金色の角があったのだ。
黒き一角獣。それがベッキーが抱いた、印象だった。
「Vaaaaaaaaa……Vaar……」
(やばい、これ…………)
全身を覆う鎧の隙間から、バーサーカーの声が漏れ出す。狂うような、呻きのような、救いを求めるような声だった。
その声を効いたベッキーは震え上がる。このサーヴァントは間違いない。
確実に、確実に。

「イケメンだわ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」

何かが終了したような気がする。
だがベッキーはお構いなくバーサーカーに抱きついた。大きすぎるので、片足に抱きつくクワガタのような格好になっているが。
ベッキーは確信した。貪欲に男を切望するアラフォーのみが持つセブンス○ンシスが、
この鎧の中にいる本当のサーヴァントがイケメンであることに気づいたのだ。
「クンクン……しかも、金髪のお坊ちゃん! かなりの資産家ッ!! 我が世の春が来たァァァッァァァァッ!!」
なんでそこまでわかるんだ、という気もするが、パスで繋がっている故か、
あるいは農業に従事するものだけが得る気(ガイア)の応用故か。ベッキーは最優良物件であることに気づいたのだ。
「BAAAA!!! VAAAAA!!!」
そんなことは知らんとばかりに、バーサーカーは吠え、ベッキーから魔力を吸い尽くそうとする。
当然だった。このバーサーカーの纏う鎧ーー宝具は存在自体が破格。
もう一つの宝具で小さくし燃費を抑えているているとはいえ、本来は20メートルほどの巨人なのだ。
当然、その維持のためベッキーが支払うべき魔力も相応になる。
魔術の心得のないベッキーでは枯渇してしまうはずだ。
「ああッ! 私今すっごく求められてるッ!! いいわ、どんどん食べて! むしゃぶりついてッ!!」
だが、アラフォーの執念は魔術の理を超越した。魔力吸収を男に求められていると勘違いしたベッキーは気合いと気(ガイア)で魔力を供給し続けたのだ。

「AAAッ!! AAAAAッ!!」
「ええっ! いいわ! 私あなたについていく! っていうか逃がさないッ!
 そしてその果てに、貴方のご両親にご挨拶に行きましょうッ!! めざせバージンロ―――ドッ!!」

もはや最初の葛藤は何だったのか、更年期障害が見せる幻だったのか。それはもうわからない。
分かっていることはただ一つ。これがきっと最後であるということ。
四十を超えてしまった自身の与えられた、最後の可能性なのだ。

「AAAA……ァァァジィイイ……ェヴァアアアアアアア……!!!!」

そんなアラフォーの焦りなど知る由もなく、バーサーカーは吠え続ける。
葛藤は過去に置いてきた。嫉妬も宇宙に捨ててきた。
だが、それでも。それでも、もしこの身を狂乱に鎮めることができたなら、
無理やりにでも抱きしめる勇気があったならば、もう一つの可能性があったのではないか。

可能性を殺すために生まれた獅子を駆り、一人の男が、恋に狂う。


可能性を求め、狂える男女が、今この聖杯に挑む。


245 : ベッキー&バーサーカ― ◆GsTgNENDGI :2014/07/19(土) 15:23:01 gO82dEa.0
【クラス】バーサーカー
【真名】リディ・マーセナス@機動戦士ガンダムUC
【パラメーター】筋力D 耐久E 敏捷B 魔力C 幸運D− 宝具A−
【属性】秩序・狂

【クラススキル】
『バーサーカー化:D』
 魔力と敏捷のパラメーターをランクアップさせるが、
 言語能力が不自由になり、複雑な思考が難しくなる。

【保有スキル】

『エースパイロット:C』
 どのようなコンディションでもあらゆる乗り物を乗りこなす能力。
 騎乗状態に限り、精神異常による技能劣化を軽減する。
 バーサーカーは生前、様々な機体に乗り換えた。
 どんな機体に乗っても、どのような感情にあっても、その技量だけは衰えない。

『ニュータイプ:E−』
 宇宙に適応し、次の段階への戸口へ立った新人類。
 直観・感応能力に補正がかかる。
 だが、狂気に囚われたバーサーカーのクラスでは後述のNT−Dを発動させることしかできない。

『上流階級:A』
 状態が全快に近ければ近いほどパラメータがアップするが、
 不安定な状態に近づくほどにパラメータがダウンする。
 自らを規定する足場が崩れた時ほど、人は脆い。


246 : ベッキー&バーサーカ― ◆GsTgNENDGI :2014/07/19(土) 15:23:39 gO82dEa.0
【宝具】
『可能性を封じた複葉機(アンソロジー・オブ・レッドバロン)』
 ランク:E 種別:対人宝具 レンジ:− 最大捕捉 1人
 宝具を含めた自身の所有物の大きさを変化させる宝具。
 小さくした場合出力は落ちるが、魔力消費も相応に減らすことができる。
 バーサーカーの原典は散逸しており、『機体に複葉機の模型を持っていた』とも
 『小さな複葉機の入ったペンダントを手首に巻いていた』とも言われている。

『可能性を閉ざす一角獣(バンシィ・ノルン)』
 ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:10〜40 最大捕捉:30人
 (可能性を封じた複葉機使用時 レンジ:1〜5 最大捕捉:5人)
 死と運命を告げる女神の名を冠した、黒い一角獣の機械人形。
 サイコフレームと呼ばれる特殊素材を全機構に使用した特殊機体であり、
 敵味方パイロットの精神波を感知して操作に反映させることで高機動を実現する。
 本来は全長20m近くある巨人であり、魔術を心得がある程度では発動させるだけでも死に至る宝具だが、
 『可能性を封じた複葉機』を兼用することで、人間より一回り大きいパワードアーマーサイズで運用することができる。
 

『未来を殺す黒き獅子(バンシィ・ノルン・デストロイモード)』
 ランク:A−(本来はA+) 種別:対軍宝具 レンジ:1〜30 最大捕捉 50人
 (可能性を封じた複葉機使用時 レンジ:1〜10 最大捕捉:10人)
 可能性を閉ざす一角獣に内蔵されたシステム『NT−D(ニュータイプデストロイヤー)』を発動させた姿。
 一角は割れて、金色の鬣を持った獅子に似た姿になる。サイコフレームを黄金に輝かせたこの状態では、
 宝具の持つ『人間を超えた人間を根絶やしにする』という意志に従い、機体の性能を完全開放して敵に襲い掛かる。
 発動時は敏捷と宝具ランクが1段階増加し、魔力による誘導型の武装を乗っ取り使用することができ、
 スキル・宝具などによる『パラメータ増加』能力を持つ者へのダメージを増幅させる。
 ただし、その反動はすさまじく、5分以上連続で使用した場合バーサーカーを死に至らしめる。
 また、本来は『未来を歩む翠の獅子』という名前の、制限時間無しで使用可能な宝具であるが、
 バーサーカーのクラスでは使用できない。


【weapon】
いずれも「可能性を閉ざす一角獣」の武装。
『60ミリバルカン砲』
『ビーム・サーベル』
『ビーム・マグナム(リボルビング・ランチャー)』
『アームド・アーマーDE(シールド、メガ・キャノン)』
『アームド・アーマーXC』

【人物背景】
地球連邦軍ロンド・ベル隊のMSパイロット。
連邦政府初代首相でラプラス事件で非業の死を遂げたリカルド・マーセナスの後裔であり、ローナン・マーセナスの嫡男。
理想や家族を捨てて政治家になった父ローナンとマーセナス家に反発し、連邦軍に入った。
家の七光りではなく、自分の腕だけで名をあげようとパイロットになるも、いつまでもついてまわる家の影響に辟易している。
ラプラスの箱をめぐる事件でジオンの忘れ形見ミネバに惚れ、彼女の力になろうと忌むべき家の力に縋ったが、
家にまつわるしがらみに逆に取り込まれてしまい、それでもと彼女に求婚したことで彼女に失望された。
渦巻いた負の感情を抱えながら、ミネバを射止め、可能性の名のもとに今の秩序を乱さんとするユニコーンを駆る少年、
バナージへを討つべく、ユニコーンガンダム2号機バンシィに乗り、決戦に向かう。
あるパイロットに『頭の中はオールドタイプ』とまで言われるほど、旧来的・視野狭窄なきらいのある人物だが、
「どれだけ狂った世界であろうとも、そこに百億の生きている人がいる限り守るしかない」と根は人を守る良心を持つ。

【サーヴァントとしての願い】
 女を手に入れられなかった嫉妬を、あの少年にぶつける。
 (他のクラスで召喚された場合は、理不尽な世界であっても誰もが可能性を持てる世界を祈る)

【基本戦術、方針、運用法】
 宝具の消費が尋常ではないので、可能性を封じた複葉機の併用は必須。
 運動性能を生かした牽制射撃からの接近戦が基本かつ有効。
 バーサーカーの真価は爆発力なので、ここぞというときに未来を殺す黒き獅子を発動していきたい。
 最終手段として、令呪による可能性を封じた複葉機の解除があるが、
 実質自決と変わらないので勝利するための手段としては使えない。


247 : ベッキー&バーサーカ― ◆GsTgNENDGI :2014/07/19(土) 15:24:27 gO82dEa.0
【マスター】戸次菜摘@のうりん
【参加方法】ネットで結婚したいと叫んでいたら、家にゴフェルの破片が届いた。
【マスターとしての願い】いい男(バーサーカー)をゲットして持ち帰る。
【weapon】
 『気(ガイア)』
  農業を行いし者がその心の中に持つ潜在エネルギー。
  優秀な農業高校生であるほど、ガイアは大きくなっていく。
  OBであるベッキーも当然習得しているが、アラフォーになったことで黒く歪んでしまっている。
  その黒いガイアを通じて自分の40年の孤独の歴史を叩き込む『アラフォー幻魔拳』や、
  スクーターで通った道の農作物を腐らせる『独神(オットコナシ)』など(ろくでもない)技を持っている。
  ※ただし、これらは全てガイアを持つ農業高校内でのみ共有可能な設定であるため、
   社会及び月の世界でどれほど効力を持つかは不明。

【能力・技能】
 『アラフォー』
   40歳過ぎても寄り添う旦那もいない女性に冠される称号。
   その焦りは自己改造に匹敵する肉体維持とメイク技術となり、
   その嫉妬はプレデターのように男を追いつめる力となる。
   料理スキルとしても使用できるが、独身生活に特化した簡単かつ栄養優先の料理になりがち。

【人物背景】
 田茂農林高等学校2年A組の担任教諭(担当は家庭科)で、学校のOG。愛称はベッキー。
 既に40歳過ぎという年齢に反して容姿は若々しいが、朝礼や職員室で性的な妄想を語りまくる
 妄想癖の持ち主ゆえに家の中で全裸でサラダ油まみれになってドヤ顔M字開脚をセルフ撮影したり、
 女体盛りをやったりするなど暴走する欠点を持つため、結婚はおろかまだ彼氏すらいない。
 そのため、可愛い少女や自分の求愛活動を邪魔する者に対してはどす黒い敵意をむき出しにする。
 首になっていないのは父親が県議会委員だからと思われるが、根っこのところには教師としての自覚はある。

【方針】
 今はいいとこのボンボン(バーサーカー)を捕まえるため、バーサーカーに尽くす。
 いい男かつ自分を好きな男は生きよ、それ以外の奴は若さだけを捧げて朽ちていけ。


248 : 名無しさん :2014/07/19(土) 15:25:24 gO82dEa.0
投下終了です


249 : ◆Gc3b00.81E :2014/07/19(土) 17:51:06 IB.qCq7k0
坂田銀時&ランサー投下します。


250 : 坂田銀時&ランサー  ◆Gc3b00.81E :2014/07/19(土) 17:51:51 IB.qCq7k0
努力・友情・勝利


   *   *   *


「オイオイオイどーなってんのこれ」

そう言いながら男は銀色の頭をボリボリと掻いた。
黒い服の上に白い着流しという独特のファッションセンス。
四方に跳ねた銀色の天然パーマに何とも気だるげな声……と、その男を特徴付けるものは多い。
だがその男を最も特徴付けているのはその眼である。
死んでいる。どうしようもないぐらいに死んだ魚の眼をしている。
そんな目をした侍――坂田銀時は眉間にしわを寄せた。

「確か学校で教師やってる夢を見て、えーと……っていうかここ何処?
 何、これも夢の続き?」

夢の中で何かどう見てもキッツいのが制服着てたから、『お前のようなJKがいるかボケェェェェェェ!』とかいって突っ込んだら、次の瞬間ここにいたのだ。
そもそもいつ夢を見るぐらいに眠りこけてしまったのか、おぼろげな記憶を必死に手繰り寄せようとする。

「俺は……そうだ、ジャンプ買いに行こうとして財布と木刀掴んで……」

そう、気づいたらあの夢の中にいたのだ。

「あれ……おかしくね?」

どこにも眠る隙がない。
というか夢にしてはあの学校も、そして今現在の状態もあまりにもリアル過ぎだ。

「ったく勘弁してくれ……今度は一体何に巻き込まれたんだ俺?」

銀時はこれまでにも未来に連れて行かれたり、謎の世界で残月(っぽい人)と会話したこともある。
つまりこういう異常事態には慣れているのだ。
だが普段は何の脈絡もなくいきなり始まったりすることが多いが、今回に限っては一つだけ銀時自身に心当たりがあった。
その視線が向けられるのは、自身の腰に差した一本の木刀である。

「あーチクショーやっぱりこれが原因か?
 やっぱりパチンコでスッたからって安物買っちまったのはダメだったか……」

銀時が普段愛用しているのは"妖刀・星砕"という名の木刀だ。
妖刀だがTVショッピングで普通に売っているため、いつもなら電話で注文するのだが……その時、銀時は金欠であった。
それもちょっとシャレにならないレベルで。
それ故いつもの通販ではなく、馴染みのリサイクル屋で"これ"を買ったのだ。
普段使っている木刀と強度も長さも同程度……たったひとつの違いは柄に刻まれた文字が"洞爺湖"ではなく"ごふぇる"という文字であったことだ。

「しかしどーしろってんだー……夢だけど夢じゃなかった! とか言ってる場合じゃねーよこれ」

途方に暮れる銀時。
だがその時、空間がぴしりと割れ、そこから何かが飛び出してきた。

「おあああああ!? 何!? 今度は一体何がおこってんだ!?」

飛び出してきたのは手があった。長い足があった。無駄にデカイ乳があった。
つまるところ、それは人間の女だった。
年の頃は新八ぐらい。
長い髪を後ろ手でまとめた女がデカイ胸を張り、銀時に向き合った。

「うむ! 拙者の名は本多・二代! ランサーのクラスでこの度現界した! 
 これからよろしくお願いするで御座る、マスター!」


251 : 坂田銀時&ランサー  ◆Gc3b00.81E :2014/07/19(土) 17:52:30 IB.qCq7k0

   *   *   *



「……んじゃ何。銀さんその聖杯戦争ってのに巻き込まれたの?」
「うむ、どうやらそのようで御座るな!
 しかも拙者を呼び出したということは無事予選を通過したということで御座る!
 マスターはめでたく予選突破……つまり、今のマスターはおめでたい男で御座るな!」
「嬉しくねーよ! しかもその言い方だと俺がおめでたい奴みてーになってんじゃねーか!」

銀時は頭を抱える。
事情を説明されたところで状況は一向に良くなっていない。
むしろ普通に脱出不可能とか判明した時点でテンションはだだ下がっている。

「あーもー何でジャンプ買いに来たのにこんな月くんだりまで呼び出されなきゃなんねーんだ!
 っていうか触れたら願いがあろうがなかろうが誰でも入れ食いとかザル審査にも程があるだろーが!」
「願いがない? 少なくともマスターは違うで御座ろう?」
「……そりゃどういうことだ」
「確かに偶然ここに飛ばされてくる人も多いで御座るが……拙者は確かにマスターの願いを聞いたで御座るよ。
 マスターはゴフェルの木片を手にとって何か願いを思い浮かべたのでは御座らんか?」
「は? こちとらジャンプ買いに行くところだったんだぞ。
 ありったけの夢をかき集めて宝物探しに行く少年のような心持ちな俺がそんな大それた願いなんざ持つわけ……」

だがその時、銀時の心に引っかかるものがあった。
それは木刀を手にした瞬間のことだった。
ふと目を上げた銀時の瞳に写ったのは曇天の空。
ちょうど薄暗い空からぽつりぽつりと雨が降りはじめていた。
その時不意に財布の中身を思い出した。一円と十円玉の小銭ばかりの財布のことを。

確かに思った。出歩きたくねぇ、と。

確かに思った。金がねぇ、と。

確かに思った――――コンビニまで出歩かずにただでジャンプ欲しい、と。

「おお、多分それで御座るな。ものすごい怠惰な魂と安い願いに呼ばれた覚えがあるで御座るよ」
「ふざけんなぁぁあアアアアアアアアアアアアアアアアア!」

銀時は激昂した。

「何? 俺って200円ちょっとの週刊誌手に入れるためだけに殺し合いに巻き込まれたの!?
 馬鹿か! 結果的に雨の中コンビニ行くよりもクソメンドくさいことになってんじゃねぇかァァァァァァ!
 長い時間過ぎてボケちゃったの? 宇宙規模の徘徊かますボケ老人とかシャレにならないんですけどォォ!!」
「まぁまぁ、落ち着くで御座るよマスター。
 怒っては体に悪いで御座る。天然パーマが悪化するで御座るよ」
「うるせぇぇぇぇ! 銀さんの天パを病気みたいに扱うんじゃねぇ!
 っていうかお前の声やたらと知り合いに似てんだよ!
 お前の声で慰められるとムカつくんだよ、何か!」


252 : 坂田銀時&ランサー  ◆Gc3b00.81E :2014/07/19(土) 17:53:31 IB.qCq7k0
知り合いのメガネを掛けたストーカー女忍者と声が似ているのだ。
テンションや性格こそ違うものの、声質が同じだとどうにもそいつを連想してしまう。
そして普段そんな厄介な女どもと付き合いがある銀時は確信していた。

――この女も絶対めんどくせぇぇぇぇぇ!

すでにこっちの話をあまり聞いてない感じがする。
出会ってものの数分だが、他人を全力で振り回すタイプの人間であることは確かだ。
その証拠にあれだけ言ったにもかかわらず変わらない笑顔をこちらに向けている。

「ほう、それは奇遇で御座るな! 拙者もマスターと似た声の知り合いがいるで御座るよ」
「へー……何ソイツお前の友人なの?」
「うむ。同じ職場の同僚夫婦の片割れで――端的にいうと、拙者とセックスをした仲に御座る!」
「どんだけ爛れてんのお前の知り合い!?」

何こいつ。見かけによらずズッコンバッコンなの?
やや引き気味になる銀時の様子を無視して、ランサーは話を続ける。

「いやぁあれは良い戦いで御座った……最後は拙者のほうが貫く形になったで御座るが」
「しかもそっち側かよ! 銀さんそっちの趣味はないからな! 本当にねーからな!」
「ああ、そうそう。確か全国放送もされたで御座る……生で!」
「そっちの趣味もあるの!? 最近の若い子コエーよ!
 っていうかこんなサーヴァントとやっていける自信ねーよ!
 ちょっとアーク・セルさん! チェンジ! この子チェンジでお願いしまぁぁぁぁぁぁす!!」

銀時の叫び声がこだまする。
しかしそんな願いにアーク・セルが応えるはずもない。
かくして銀時の戦いは始まった。
赤マルでもない。NEXTでもない。SQでもない。
週刊少年ジャンプの最新号を手に入れるための、命がけの戦いが――。


253 : 坂田銀時&ランサー  ◆Gc3b00.81E :2014/07/19(土) 17:54:07 IB.qCq7k0

【クラス】
ランサー

【真名】
本多・二代@境界線上のホライゾン

【パラメーター】
筋力B 耐久C+ 敏捷A+ 魔力C 幸運B 宝具C

【属性】
秩序・善

【クラススキル】
・対魔力:D
 一工程(シングルアクション)によるものを無効化する。魔力避けのアミュレット程度の対魔力。

【保有スキル】
・戦闘続行:B
 名称通り戦闘を続行する為の能力。決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。

・直感:B+
 戦闘時、つねに自身にとって最適な展開を「感じ取る」能力。
 また、視覚・聴覚への妨害を半減させる効果を持つ。
 動物じみた直感を発揮する。

・天然:B
 これまでの人生によって培われた独自の思考大系。
 入手した情報に対し、独自の解釈を行う。
 同ランク以下の精神攻撃を無効化するが、意思疎通がやや困難となる。

・加速術式『翔翼』:A
 自身の持つ加速術式。
 肉体の重量、体の疲労などを穢れして扱い、"祓う"ことで、身体速度を加速させる。
 最高速に入るまでやや時間はかかるが、自信の疲労すら"祓う"ため、長時間速度を維持できる。
 なお『武器類によって起こる風』を奉納することが条件のため、武器を身から離したり動きを止めると効果を失ってしまう。

【宝具】
■蜻蛉スペア
 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:10 最大捕捉:1人
 ランサーの持つ伸縮時祭の槍。
 "結べ! 蜻蛉スペア!"の掛け声とともに対象を刃に映すことで、"割打"という概念攻撃が可能。
 刃に映すだけで様々なものを"割って、打つ"ことが可能である低コスト宝具。
 ……最盛期であればスペアではなく本来の神格武装である"蜻蛉切"が使用可能であっただろうが、
 銀時のグダグダな心境が影響したのか蜻蛉スペアを持っての参戦となった。
 
【weapon】
 上記の蜻蛉スペア。


【人物背景】
 武蔵アリアダスト教導院副長。
 実力者揃いの武蔵勢の中でも戦闘能力だけならばトップクラスに位置するポニーテール侍巨乳娘。
 武家の娘として戦闘に偏った教育を受けていたせいか重度の天然であり、思考がおおよそ「戦闘」と「それ以外」に別れている。身も心も育ちがいい脳筋。
 それに加え世間知らずなせいで、"セックス"を"戦闘を通しての相互理解"のことだと思いこんでおり、誤解を周囲に撒き散らかしている。残念な美少女。

【サーヴァントとしての願い】
 強い敵と戦うこと。

【基本戦術、方針、運用法】
 マスター・サーヴァント共に高い戦闘力を持つ。
 特にランサーは加速術式による超スピードと燃費の良い宝具による攻撃なを持ち、連戦にも十二分に耐えうる。
 だが本能だけで適当に生きているところがあるサーヴァントなので、それをどれだけ制御できるかが勝敗を分けるだろう。


254 : 坂田銀時&ランサー  ◆Gc3b00.81E :2014/07/19(土) 17:55:06 IB.qCq7k0
【マスター】
 坂田銀時@銀魂

【参加方法】
 リサイクル屋で買った木刀がゴフェルの木片をリサイクルしたものだった。

【マスターとしての願い】
 今週号のジャンプがただで欲しい。

【weapon】
■木刀"妖刀・星砕"
 真剣を上回る強度を誇る木刀……が通販で購入可能。
 柄の所に好きな文字を彫ってくれるサービスがあり、銀時は毎回"洞爺湖"と彫っている。
 今回はゴフェルの木片製のリサイクル品だが強度は通常の星砕と同程度。

【能力・技能】
 普段はだらしないが、極めて高い戦闘能力を持つ。
 主に我流剣術を使うが、苦無術なども使いこなす天性の戦闘センスを持つ。
 過去、白夜叉という異名がついたほどの
 また全身に大怪我をしても活動可能な生命力と意志の力を持つ。
 ――その意思を支える折れることのない信念こそが彼の最大の武器かもしれない。

【人物背景】
 かぶき町で何でも屋"万事屋"を営む銀髪の青年。
 酒癖、女癖は悪く、糖尿病で医者にかかっている、昼間からパチンコ屋に入り浸る、当然のように家賃滞納の常習犯……等々どこからどう見てもダメ人間そのものなのだが、自分の守りたいものに危機が及んだ際は別である
 例え相手が星を股にかける犯罪組織だろうと国だろうと怯むこと無く立ち向かう。
 人情に厚く、義を通す――やるときはやる男。
 その本質を周囲の人間もわかっているのか、人望は厚い。

 過去、宇宙人の侵略戦争である攘夷戦争で"白夜叉"とまで呼ばれた伝説の攘夷志士であり、その戦いぶりから敵味方に恐れられた過去を持つ。死んだ目をした、最後の侍。

【方針】
帰って寝たい。


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以上で投下終了です。


255 : ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/19(土) 18:13:26 3tMz/txI0
皆様投下乙です。
言峰綺礼&セイバー、投下します。


256 : 言峰綺礼&セイバー  ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/19(土) 18:14:28 3tMz/txI0


 気味が悪いくらいに大きな月が、煌々と男の姿を照らしていた。


 妖しげな月光を受けて夜道に黒々とした影法師が伸びるが、その男の姿も影と判別出来ないぐらいには黒い。
 闇を彷彿とさせる黒衣に包まれているのは長身の体躯である。
 東洋人であるのは顔立ちだけで判別できるが、しかしその渋面に差す陰の深さは夜闇だけが理由ではないだろう。

 男は歩みを進めながら、ちょうど手の中に握っているものを弄んだ。
 見た目はつまらない古ぼけた木の破片である。並みの人間には下らないガラクタとしか映らないだろう。
 しかし、見るものが見れば十分以上の神秘を秘めた遺物であることは一目瞭然だ。
 そしてその出自を知れば、神秘に直接気付かぬ者ですら少なからずの驚きを感じるに違いない。


 『ゴフェルの木片』――かつて聖者ノアが造り上げた方舟をルーツとする神代の聖遺物。
 そしてこの『月を望む聖杯戦争』へと参加するための片道切符。
 万能の願望機たるムーンセルへと至るための最初の関門にして、新たなる運命の始まりを示すもの。


 男は無感情に鼻を鳴らした。

 この木片は実際に聖遺物としての力を発揮し、自分はこの方舟の中の世界で記憶を奪われ日常生活を送ることになった。
 確かに聖杯戦争についての詳細は事前に聞かされていたわけではない。
 予選の存在は想定外だった。もしも記憶を取り戻すことがなければ永遠にこの街で生きていくことになるのだろうか。
 この作り物の街で、己の使命も為すべきことも知らず、ただ淡々と生きるだけの日々。

 ぞっとしない話ではある。しかし、自分自身を思い出してしまえばもはや何ということもない。
 この方舟の中の数多のNPC達の側から、既に決定的な一歩を踏み出したのは間違いないのだから。

 男の歩みが早まったのは、目的地が近づいてきたのを実感したからである。
 方舟の内部に再現された冬木市――その新都側に存在する一棟の教会。男は一心にそこを目指していた。
 本来の名は冬木教会であるが、こう呼ばれることのほうが多い。すなわち、『言峰教会』と。

「言峰――か」

 男の口から、久方ぶりに言葉が漏れた。
 不思議なものだ。記憶を取り戻すまでは、この言峰という名すら忘れていたというのだから。
 そして、思い出したからには、向かわねばならない。その地、言峰教会へ。
 この「方舟の聖杯戦争」における勝利を盤石のものとするためには、真っ先に為すべきことがあるのだから。

 道が開けた。目的の教会はすぐ目と鼻の先だ。男は口に出すことなく、内心で呼びかけた。


257 : 言峰綺礼&セイバー  ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/19(土) 18:15:30 3tMz/txI0


「――セイバー」
「――ここに」


 その瞬間までは霊体として男に付き従っていた彼のサーヴァントが、主の念話を受けて実体化した。
 見目麗しき青年の剣士である。清廉たる高潔さを感じさせる風貌から、並大抵の英霊でないことは瞭然であった。
 腰に下げた剣は、鞘に収まった状態ですらまさしく勇者の証とでも言うべき風格を発している。
 それに加えてステータス面でも目立った穴がないことを、既に男は確認済みである。
 まさしく「最優」と呼ばれるに相応しい英霊。この聖杯戦争において大いに役に立ってくれるだろう。

「手筈は分かっているな、セイバー?」

 遂に教会の扉へと手を掛けながら、男は最後の確認の言葉を発した。

「……あまり気の進むやり口ではありませんが、主の命とあれば」

 対するセイバーは、その端正な顔立ちに僅かな逡巡を浮かべながら答えた。
 だが男がそれを意に介することはない。これはこの聖杯戦争が本格化する前にやらねばならないことだ。

 ――『奴』の準備が整ってからでは遅い。それほどに厄介な相手であることを、男はよく知っている。

 男は教会の扉を、ノックするでもなく蹴破るように乱暴に開けた。
 事前に新都の住民NPCに対して聞き込みは行っている。ここに『奴』がいることは既に分かっているのだ。
 果たして、男が確信していた通りのシチュエーションで、『奴』は男達の来訪を出迎えた。


 ――『言峰綺礼』。かつては聖堂教会の代行者であった人間が、今こうして礼拝堂を挟んで男と対峙している。


「……こんな時間に来訪者とは。懺悔なら日を改めるのだな」

 その仏頂面を崩そうともせず、言峰が男に向かって告げる。
 今も男の傍らには帯剣したセイバーが控えているにも関わらず、まるで動揺する素振りを見せない。
 未だ記憶が戻っておらず、教会の神父としての役割を果たすNPCになり切っているのだろうか。

 だとしたら好都合だ。男の口元が醜く歪んだ。
 
 男は、魔術協会からこの方舟に派遣された魔術師である。
 その依頼を受ける際に裏から手を回して、聖堂協会の第八秘蹟会が方舟確保に動いていることは掴んでいたのだ。
 そして第八秘蹟会が聖杯戦争に送り込むであろう「魔術師」は、十中八九この言峰綺礼であることも分かっていた。
 魔術師に師事したことのある教会の者など殆ど居はしない。目をつけるのは困難ではなかった。


258 : 言峰綺礼&セイバー  ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/19(土) 18:16:33 3tMz/txI0

 魔術協会から傭兵めいて仕事を請け負う男にとってみれば、教会の代行者は不倶戴天の敵である。
 現役であろうとなかろうと大した問題ではない。真っ先に排除せねばならない相手だ。
 ただ記録で見た言峰は、今目の前にいる姿よりも十歳ほど年嵩に見えたが……いや、大した問題ではなかろう。

「セイバー。あの男――言峰綺礼を殺せ」

 男は宣告する。
 NPCの殺害は本来ルーラーに咎められるかもしれないが、バレなければどうということもない。
 不満を押し殺したような顔で、彼のセイバーが剣を抜き、言峰へと歩み寄る。
 男は内心でほくそ笑んだ。
 この聖杯戦争で自身の優秀さを証明できれば、この天才魔術師である自分への協会の扱いも大きく変わるだろう。
 一番面倒な敵である聖堂協会の代行者さえ排除できれば、約束された栄光はもう揺るぎないものも同然だ。

 そう男は思っていた――NPCだと思っていた言峰が片腕を掲げ、その甲に刻まれた令呪を露わにするまでは。
 既に記憶を取り戻している、その事実に気付いた男へと、言峰が逆に宣告するまでは。


「私を殺すと? いいだろう、出来るものならやってみるがいい――ただしその頃には」





『――ただしその時には、あんたは八つ裂きになっているだろうけどな』






 男は狼狽した。
 自分のサーヴァントと向かい合う形で現界した『言峰綺礼のサーヴァント』が、何のクラスか分からなかったからである。

 2メートルに届こうかという見上げるほどの長身。元々体格のいい言峰よりも明らかに高い。
 しかし巨漢という印象は受けず、むしろ身長に対して細身であると言っていい。
 筋骨隆々という言葉からは程遠く、しかし日本刀のように研ぎ澄まされた肉体であることは瞭然だった。

 膝よりも長く伸ばした黒髪を後ろでひとつに結び、服装は血のように赤い上衣に袴という和装。
 腰に揺れている白い毛の束は、髪の毛だろうか? 装飾にしては奇妙な存在感を放っている。

 そして、男を何より戸惑わせたのは、そのサーヴァントが武器を身につけていないことだった。
 セイバーなら剣、アーチャーなら飛び道具、ランサーなら槍を持っていようものだが、どれも持っていない。
 先ほど言葉を口にしていたからには、バーサーカーということもないだろう。
 素手での構えを取っている以上キャスターでもない。ライダーか、それともアサシンか?


259 : 言峰綺礼&セイバー  ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/19(土) 18:23:36 3tMz/txI0
 混乱する男の前で、言峰綺礼が謎のサーヴァントへと指示を出す。



「――やれ、『セイバー』」


 『剣士(セイバー)』だと!?
 その言葉を聞いた瞬間、男の頭の血は瞬時に怒りで沸騰した。
 それは剣の英霊でありながら剣も持たずに自身とそのサーヴァントへ向かう目前の英霊への怒りであった。
 いや、より正確に言えば「剣を持たせずとも自分達を倒せると確信している言峰」への怒りであった。
 こちらのサーヴァントもセイバーであると知り、それでなお、素手で帯剣した最優のクラスを倒せると?

 ――舐められている。舐められている。舐められている……!


「殺せ! そのエセ剣士を殺せ! 言峰を殺せ! セイバァァァァァァ!」
「おおおぉぉぉぉっ!!」


 男の、感情の迸りのままに叫んだ命令を受けて、彼のサーヴァントがが気合とともに走った。
 言峰の『無刀のセイバー』へと一瞬で詰め寄り、その大剣を大気ごと寸断する勢いで振るう。
 それは斬撃という名の暴風。剣戟という名の侵略。決闘という名の殺戮。

 止められるわけがない。防がれるわけがない。ましてや、剣も持たぬ『無刀のセイバー』では。
 自分とそのサーヴァントを舐めた報いだ。何が「やれ、セイバー」だ? そんな丸腰で何が出来る。
 己の力と相手の力、その差すら検分できないような輩は、ここでこうして真っ二つにでもなるのがお似合いだ。

「ははははは! そうだ! やれ! 殺せ! この私を愚弄した報いを与えてやれ!」

 己のサーヴァントがもはや肉眼では追い切れない速度で己の剣を振るい続けるのを見、男は笑った。
 それは勝利の確信であった。怒涛の連撃が終わった瞬間には、既に敵が細切れになっていることへの確信であった。
 あの斬撃の暴風が止んだ時の言峰の驚愕に歪む面を想像し、男はまた哄笑しようとして……。
 そこでようやく異変に気づいて、思い留まった。

 ――風が、止んでいた。

 男は、ぱちぱちと目をしばたかせた。
 この攻撃が終わった時には、あの『無刀のセイバー』は滅多斬りになっているはずではなかったのか?
 それがどうして、どうして、どうして……。


「虚刀流、二の奥義――“花鳥風月”」


 男の目の前には、まるで玩具か何かを容易く砕いたかのような金属の残骸が散らばっていた。


260 : 言峰綺礼&セイバー  ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/19(土) 18:25:11 3tMz/txI0
 その残骸が自身のサーヴァントの振るっていた大剣の成れの果てなのだということに気付くのに、男はしばし時間を要した。
 続いて、その持ち主が宙吊りにされているのを視界に認め、その体が『無刀のセイバー』の腕一本で支えられていて、
 それは心臓を――無敵と信じた自身のサーヴァントの心臓を、『無刀のセイバー』の手刀が貫いているからだと気付き――


「――――――z________!?」


 男は声にならない叫びを上げた。
 しかしそれでも、腰を抜かし、危うく失禁しそうになるのを堪えながら、震える手を握りしめた。

 まだだ。私は天才なのだ。将来を約束されているのだ。こんなところで死ぬ男ではないのだ。
 サーヴァントはまだ完全に息絶えたわけではない。令呪を注ぎ込んででもこの状況を打破しなければ。
 もはや冷静な思考など欠片も残っていなかったが、男の必死な生命力がその体を突き動かした。
 しかし。ああ、しかし。


「セイバー。令呪を使われる前に仕留めろ」


 言峰の非情なる判決が男の耳に聞こえた直後、男の視界が重力を離れ、世界がぐるぐると回転した。
 回転しているのが世界ではなく自分であり、重力を離れたのは素手で首を切り飛ばされたからだと気付いた時には、
 自身の力を測り損ねた哀れな男の意識は既に消失する寸前だった。

 ただその最後の意識の中で、剣を持たない男が何故セイバーと呼ばれているのかを、理解した。



   ▼  ▼  ▼



「おおかた魔術協会の狗か。セイバー、今のサーヴァントはどうだ」
「本来は筋のいい英霊なんだろうが、使い手が悪かったな。あれじゃあ性能の半分も出せねえよ」


 体を情報的に『解体』されて消滅していく主従の死骸を眺めながら、綺礼は己のサーヴァントと会話を交わしていた。
 返ってくるのは、どこか気怠げな響きを秘めた、酷く淡々とした言葉だ。
 綺礼は己のサーヴァント……セイバーが、自分にとっていかなる存在かを改めて考える。


261 : 言峰綺礼&セイバー  ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/19(土) 18:28:39 3tMz/txI0


 ――セイバー。

 ――真名は『鑢七花(やすり・しちか)』。

 ――異端たる剣の英霊。例外たる剣士。

 ――すなわち、『無刀のセイバー』。


 己が召喚したのが、剣士のクラスでありながら剣を持たない英霊であったことは綺礼を少なからず動揺させたが、
 しかし今この瞬間においては、綺礼は自身のサーヴァントが鑢七花であることに対して感謝に近い念すら感じていた。

 綺礼もまた、父から受け継いだ八極拳を実戦で鍛え抜いたひとかどの拳士である。
 己の拳を実用性ばかり重視した殺人術であると卑下しながらも、並大抵の者では並べもしないほどの鍛錬を重ねてきた。
 その綺礼がつい先程目にした、剣を振るう敵サーヴァントを素手で仕留めたセイバーの鮮やかなる手並み。
 剣を持たずして『セイバー』と呼ばれるとはどういうことか、それを一度で理解させられるほどの武練。


(あれは、己が生涯全てを鍛錬のみに費やしてきた者だけが辿り着ける高みだ。
 自分というものすら持たず、ただひたすらに己自身を刀とすることのみを考えて、
 ついにその身ひとつで剣の英霊にまで上り詰めた、人間が成し得る修練の窮極……!)


 綺礼とセイバーがこれまでに交わした言葉の数は、決して多くない。
 しかし綺礼は、既にセイバーが人間性の希薄なサーヴァントだということは理解していた。
 そしてそれは、綺礼にとって忌むべき性質ではなかった。それどころか、ある種の期待すら抱かせていた。


 ――鑢七花という男は、己を持たず、自らの体をひたすらに極め抜くことで、英霊の高みへと辿り着いた。

 ――つまりは、この男もまたある種の破綻者なのではないか。この自分、言峰綺礼と同じように。

 ――知りたい。この英霊が、空虚なる巡礼の果てに何を得たのかを。それが自分の求める答えであるはずだ。


 綺礼は方舟にも、願望機にも、この聖杯戦争そのものにも、さしたる期待は抱いていなかった。
 方舟確保というお題目はあくまで第八秘蹟会の使命であり、綺礼自身の願いなどではなかった。
 ゆえに綺礼は聖杯に対して、未だに執着心というものを持てずにいる。

 しかし、このサーヴァントとの出会いは、言峰綺礼にとって導きであるとすら思える。
 間近でこの鑢七花という英霊の戦いを見届けることで、己の中に巣食う空虚さに答えが与えられるかもしれない。
 いや、そうであるはずだ。セイバーは綺礼が求める修練の、ひとつの「完了形」なのだから。


262 : 言峰綺礼&セイバー  ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/19(土) 18:29:29 3tMz/txI0
「――セイバー。差し当たり、我々はここ冬木教会を拠点に情報収集をはじめとした基盤固めを行う。
 お前にその武勇を発揮してもらうのはしばらく後になるだろうが……異論があるなら聞こう」
「異論? そんなものはないさ。俺は、あんたにとっての刀だからな」

 あくまで自身を道具と定義するその姿に、綺礼は奇妙な満足感すら感じた。
 この男が戦いの果てに何を得たのか、どんな答えを手に入れたのか。
 それを知るためだけにでも、この『月を望む聖杯戦争』を戦い抜く勝ちはあると思えた。

 願わくば、これが我が生涯における最後の試練とならんことを。



   ▼  ▼  ▼



「……言峰綺礼が、サーヴァントを召喚したそうですね」
「そう――何か含みのある言い方ですね?」


 二人の少女の姿が、月光のもと静かに夜風で揺れる。
 一人は銀髪に金の瞳の修道女、もうひとりはたなびく旗を掲げる聖少女。
 その聖女のサーヴァント――ルーラーは、この聖杯戦争の進行役へと若干の疑いを込めた視線を送った。
 当の進行役、銀髪の修道女カレン・オルテンシアは、どこ吹く風という様子でそれを受け流す。

「ああ、あの男のサーヴァントとして召喚された英霊……それに作為を感じると?」

 ルーラーは無言。しかしそれが肯定を意味していることは誰の目にも明らかだった。
 一方のカレンはそれを意に介することなく、淡々とした口調で続ける。

「確かに表面上は、言峰綺礼と鑢七花はよく似た魂の形を持っているように見えますね。
 己を滅し、ただ一振りの刀として『完了』したあのセイバーに、あの男が期待を抱くのは当然でしょう。
 しかしあの男と、英霊・鑢七花には決して埋められない違いがある」

 感情を感じない口振りでありながら、カレンは明らかに楽しんでいるようだった。

「鑢七花が空虚だったのは、刀として育てられ、それ以外を知る機会を持たなかったから。
 しかし彼は刀探しの旅の中で、喜怒哀楽を得た。愛する者を得た。人間性を手に入れた。
 言峰綺礼が望んでも望み得ぬもの、願っても願い得ぬものを手に入れ、しかしそれを手放した。
 人間性を封じることで刀として完了した、それだけの話。『鑢七花は破綻者などではない』」

 ルーラーの表情に僅かに険が浮かぶ。彼女の懸念とは、つまりこういうことだ。

「自分が手に入れられずに苦しみ続けていたものを一度手にし、あまつさえ捨てたと知った時、
 あの男が何を感じ、何を呪うのか。それが見たくてあの英霊を私が宛てがったと、そう言いたいんですね」
「……………………」
「しかし、それは考え過ぎです。監督役たる私にも、ムーンセルの選出に干渉までは出来ませんから」


263 : 言峰綺礼&セイバー  ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/19(土) 18:30:33 3tMz/txI0

 勿論ルーラーにもそれは分かっていて、それでもなお言おうとしないわけにはいかなかったのだろう。
 きまり悪そうに目を伏せるルーラーの隣で、カレンは独り言のように呟く。


「……でも、そうね――本当に、いいザマだわ。あの男」


 そう言って、カレン・オルテンシアは月下に咲く花のごとく可憐に微笑んだ。



   ▼  ▼  ▼



 鑢七花は、「誰かの為に何かをする」など人にも刀にも出来るはずがないと考えている。
 自身を召喚した言峰綺礼に対しても、己が刀である以上は従うが、彼の為に願いを叶えてやりたいなどとは思っていない。
 何より、真の意味で自分を刀として振るっていいのは、あの日命を落としたただひとり――『奇策士とがめ』だけだ。


(……呼ばれた以上は戦うが、結局、これも俺の戦いだ。先もない、願いもない。もう一度死んでも、それはそれだ)


 剣の英霊として、「虚刀『鑢』」として完了した側面からサーヴァントとして召喚された七花の内心には、
 生前のあの日、とがめを失い死に場所を求めて尾張城へと踏み込んだ時と同じ、空っぽな気持ちが広がっていた。


(マスターは俺に何かを期待してるようだが……あいにく、そんな上等なもんじゃねえよ。俺の生き様は)


 霊体化した状態で、今の主たる綺礼を七花は見やる。
 マスターの願いにも、聖杯戦争に懸ける目的にも、七花は興味はない。理解しようとも思っていない。  
 ただ、二度目の生とはいえ、誰かに期待されながら生きるのはもう真っ平だ。


(ああ――ほんと、面倒だ)


 その呟きが、自分以外の誰かに、ましてやマスターたる綺礼に伝わることなど、決してない。


264 : 言峰綺礼&セイバー  ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/19(土) 18:31:42 3tMz/txI0

【CLASS】
セイバー

【真名】
鑢七花@刀語

【パラメーター】
筋力A 耐久B 敏捷A+ 魔力E 幸運C 宝具B

【属性】
中立・中庸 


【クラススキル】
対魔力:C
魔術に対する抵抗力。
魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。

騎乗:D
乗り物を乗りこなす能力。
ランクDでは幻想種以外の乗り物を一応乗りこなすことは出来るが、その性能を発揮しきれるとは言い難い。


【保有スキル】
虚刀流:A+++
鑢一族相伝の拳法であり「刀を使わぬ剣法」。手刀や足刀を多用する。
剣法とは言うものの事実上格闘術であり、Aランクまで極めることでようやくセイバーのクラスに該当する。
A+++は達人中の達人レベル。

捨身の覚悟:A
かつて交わした三つの誓い――「刀を守れ」「主を守れ」「己自身を守れ」。
この枷を外し、傷つきながら戦うことを許された虚刀流の真の姿。
セイバーは負傷や苦痛によって己の行動をキャンセルすることはなく、自身の攻撃力を減ずることもない。

直感:B
戦闘時、つねに自身にとって最適な展開を「感じ取る」能力。
また、視覚・聴覚への妨害を半減させる効果を持つ。

血刀の呪い:EX
鑢一族に受け継がれる「刀は刀を使うことが出来ない」という性質。
セイバーはあらゆる武器を使いこなすことが出来ず、武器を使った攻撃は全て自動的に失敗する。


【宝具】

【七花八裂・改(しちかはちれつ・かい)】
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1〜7人
 虚刀流七大奥義すべてを一瞬の間に相手に打ち込む、虚刀流の真の最終奥義。
 七代目当主にして完了形、鑢七花の武練の象徴が宝具へと昇華されたもの。
 
 攻撃の順番は以下の通り。
 ・四の奥義「柳緑花紅」(一瞬体を捻ったのち防御を貫通する鎧通しの拳打を打ち込む)
 ・一の奥義「鏡花水月」(虚刀流の全剣技の中で最速を誇る掌底)
 ・五の奥義「飛花落葉」(両手で放つ掌底。相手の肉体や防具の表面だけを攻撃する鎧崩し)
 ・七の奥義「落花狼藉」(空中で身を回転させて放つ必殺の踵落し)
 ・三の奥義「百花繚乱」(下から打ち上げるように叩き込む膝蹴り)
 ・六の奥義「錦上添花」(相手の胴を挟むように打つ両の手刀)
 ・二の奥義「花鳥風月」(とどめの一撃。相手の体を貫通する威力を持つ貫手)

 もともと完成後は無敗を誇った奥義だが、宝具へ昇華されたことで獲得した「強制接続」の概念により、
 相手は最初の「柳緑花紅」の鎧通しを受けた時点でその後の連撃を妨害することも割り込むことも出来ない。
 防ぐためには初撃を確実に回避するか、常にセイバーの間合いに入らずに戦い続けるしかない。


【虚刀・鑢(きょとう・やすり)】
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:-
 常時発動型宝具。完了形変体刀・虚刀『鑢』。
 全ての刀を超える存在として、七代に渡り鍛え上げられた鑢一族の虚刀流そのもの。

 この宝具が発動している限り、武器を持つ相手への攻撃・防御・回避の全ての判定にプラス修正が加わる。
 射撃を主とする「炎刀・銃」とも渡り合った逸話により、相手の武器が飛び道具であっても効果が適応される。
 加えて「相手の武器を破壊する」ための行動に対しては更なる補正が掛かり、それが宝具であっても破壊が可能となる。

 ただし、神造兵器とそれに準ずる神秘を持つ宝具だけはこの武器破壊の効果の対象外となる。
 また、魔術をはじめとする武器戦闘の概念から外れた攻撃に、この宝具の能力だけで対処することは出来ない。


265 : 言峰綺礼&セイバー  ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/19(土) 18:32:51 3tMz/txI0

【weapon】
無し。
セイバーのクラスでありながら、徒手空拳のみで戦う。
あえて言うなら、その身そのものが「虚刀・鑢」。


【人物背景】
 虚刀流七代目当主。24歳。身長六尺八寸に及ぶ人並み外れた長身。
 尾張時代(この作品における江戸時代の平行歴史)八代将軍の時代に、父の島流し先の孤島で生まれ育つ。
 父から虚刀流継承者として刀であるよう育てられたため、当初の性格はよくも悪くも純粋。
 世間知らずであるだけでなく、人の命を奪うことに対しても大して抵抗を持たない無知ゆえの残酷さがあった。
 だが『奇策士とがめ』との十二本の刀を集める旅の中で、徐々に人間性を獲得していく。

 しかし旅の終わりを目前として、とがめは刺客・左右田右衛門左衛門の凶弾に倒れる。
 いつの間にか本当に想いを寄せていた存在を失い、死に場所を求めて七花は将軍の居城である尾張城に突入。
 自分を殺せる唯一の存在だと感じた右衛門左衛門と、互いの死力を尽くして激突する。
 最終奥義「七花八裂・改」を持って右衛門左衛門を破り、とがめの人生を狂わせた将軍を殺害。

 そして七花は、かつてとがめと約束を交わした「日本地図を作る旅」に出たまま、歴史の表舞台から姿を消す。


【サーヴァントとしての願い】
無し。今更とがめを生き返らせようとも思っていない。
またセイバーのクラスとして召喚されたため、刀として完了した尾張城襲撃時の精神がベースとなっている。
つまり綺礼の召喚に応じたのは、自身は刀であり戦う理由は不要だと考えているから。


【基本戦術、方針、運用法】
異端たる剣の英霊、無刀のセイバー。
あらゆる武器を使えず、魔力は皆無、クラススキルも低水準で、間合いも短く、大軍を薙ぎ払う宝具もない。
持ちたるものは己のみ。ただその身ひとつがセイバーにとっての刀なのだ。

しかし常時発動型宝具『虚刀・鑢』により、セイバーはあらゆる武器に対して遅れを取らない。
間合いに入りさえすれば、鍛え抜かれた虚刀流の「剣技」が敵を斬り伏せる。
つまりいかにインファイトに持ち込めるかが勝負を決する全てだろう。
反面、その間合いの極端な短さゆえ、距離を詰められなければ何も出来ないと言っていい。
また本来セイバーには有利なはずのキャスターを苦手とするなど、変則的な性能を理解した運用が求められる。

基本的には刀として主に忠実なサーヴァントであるため表面上は運用しやすいように見えるが、
本質的にはマスターである綺礼との相性は最悪レベル。それに綺礼が気付いた時どうなるかは未知数である。


266 : 言峰綺礼&セイバー  ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/19(土) 18:33:36 3tMz/txI0

【マスター】
言峰綺礼@Fate/Zero

【参加方法】
『ゴフェルの木片』による召喚。
 木片は父・言峰璃正が入手したもの。

【マスターとしての願い】
 第八秘蹟会の代表として方舟を確保する……というのが建前上の願い。
 実際のところ本人は現時点では願いを持ってはいない。


【weapon】
「黒鍵」
聖堂教会の代行者の象徴とも言える投擲用の剣。
普段は柄のみを大量に携帯しており、戦闘時は魔力で刀身を編み上げて使用する。
霊的攻撃に特化しておりサーヴァントにもある程度は有効だが、反面物理的な干渉力は決して高くない。

「冬木の令呪」
三年前に冬木の聖杯から与えられた、聖杯戦争のマスターの証たる三画の令呪。
あくまで冬木の聖杯戦争のためのものであり、これを方舟のサーヴァントに使うことは出来ない。
しかし逆に言えば方舟内では使用先が限定されない魔力であり、綺礼の魔力量のブーストとしての使用は可能。



【能力・技能】
父から教えられた八極拳の達人。しかしその実体は実戦で鍛え上げた暗殺拳である。
魔術師としては見習いレベルだが、治癒魔術に限っては高い才能を持つ。
また教会式の洗礼詠唱を習得しており、悪霊に対しては干渉が可能。

【人物背景】
聖堂教会に所属する神父。「Zero」時点で28歳。

一時期は代行者として異端狩りに明け暮れていた過去があり、苛烈なまでに信仰心の強い男という評判を受けている。
しかしその内面は生まれながらにして歪んでおり、他人が美しいと思うものを美しいと思うことが出来ない。
また他人が苦しみ傷つく様を見ることを悦ぶ破綻者であり、その自覚が本人を苦しめている。
一心不乱に信仰に打ち込んでいるのも自身の存在への答えを求めているからであるが、未だ悟りは得られていない。
数年前に妻を亡くしているが何故か記憶が曖昧であり、そのことを思い出そうとすると苦痛を感じる。


【方針】
冬木教会を拠点として、慎重かつ確実に勝利を狙う。
セイバーは諜報戦を得意とするサーヴァントではないため、場合によっては他のマスターとの情報取引も視野。


267 : ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/19(土) 18:34:07 3tMz/txI0
投下終了しました。


268 : 夢幻魔実也&アサシン ◆niOJFLulxo :2014/07/19(土) 21:38:54 7rp9PkFg0
投下します


269 : 夢幻魔実也&アサシン ◆niOJFLulxo :2014/07/19(土) 21:39:26 7rp9PkFg0

大正二十年――帝都、ある酒場の隅にて、一人の男が酒を飲んでいる。
この時代には珍しい黒の長髪に、その髪色と同じ程に黒いのではないかと思われる黒の背広を纏っている。
陶器を思わせるその白い肌が彼をギリギリ踏みとどまらせているのだろう。
もしも彼の肌がその白で無ければ彼は完全に酒場の闇と同化してしまうのではないかと思わせた。
テーブルの上には、これまた闇の色をした黒の山高帽子が置いてあった。
果たせるかな、その横顔など見ればそれはもうぞっとするような美しさである。
人間が酒を飲んでいるというよりは、人間世界へと降りた悪魔が獲物を見定めているような風情がある。
その男、名を夢幻魔実也といった。

ことん。

彼のテーブルに、もう一つグラスが置かれた。
欧羅巴から来た異人の青年であろうか、金髪を短く切り、ハンチング帽を被っている。
その目は琥珀色というよりも、黄金色そのものに見えた。魔性の目である。

「相席を許した覚えは無いが?」
「ここの払いは僕が持つ、僕の話を聞いてくれないか?」

魔実也は異人を睨みつけた。
催眠術の一種というには余りにも超然としているが、彼は他人に暗示をかけることが出来る。
以前にも彼に絡んだ与太者が、ひと睨みされたばっかりに自分を幼児だと思い込まされたことがあった。
だが、凍りつくような彼の視線を、頬を撫ぜるそよ風を浴びるかのように異人は平然と受け止めていた。
時間にしては3秒にも満たない短い時間であったが、魔実也は異人から目を逸らし残り少ないグラスの酒を一気に煽った。
「手短に頼む」
「ありがとう」

バーテンを呼び再度注文をすると、異人は懐から木片を取り出し、テーブルに置いた。
「鑑定してもらいたいってなら生憎だが、僕は骨董屋じゃないぜ」
「いや、鑑定してもらうまでもないよ。魔実也君。ゴフェル……その名に聞き覚えが無いかい?」
注文したウヰスキーを一息で煽り、魔実也は言った。
「ノアの方舟に使われていたっていう木か」
「その通り、そして此度はこの木片が『きっかけ』となって、ある戦いを起こす。
僕は是非、君にこの戦いに参加して欲しいと思っている」
「悪いが戦争屋じゃないんだ、他をあたってくれ」
聞く耳を持つ必要はない、そう判断したのか魔実也は山高帽を掴み、立ち上がった。

「その戦いの勝者は、どんな願いでも叶えることが出来る」
魔実也は動きを止め、異人を振り返った。
「尚更だ、僕がそんなことのために戦うような人間に見えるか?」
「……興味があるんだ、帝都の『小悪魔』が如何なる願いを持つか。その願いのために、将来はどう変わるか」

テーブルの上のゴフェルの木片は姿を消していた。
だが、魔実也は気づいていた、先程まで空だったはずのポケットの中の異物に。

「お勘定ですか?」
「こいつ持ちだ」
「果て……先程から一人だけで飲んでいらっしゃったはずですが」
何もかもが闇から闇に消えてしまったかのように、魔実也がいたテーブルに異人がいた痕跡は在りはしなかった。

「……いや、飲み過ぎたようだ」
毒づきたくなったが、どうやら異人に約束を違える気は無かったらしい。
ポケットの中から、異人が残していた貨幣を取り出すとバーテンに向けて魔実也は言った。






「魔ッ貨払いで頼む」


270 : 夢幻魔実也&アサシン ◆niOJFLulxo :2014/07/19(土) 21:39:58 7rp9PkFg0
酒場を出ると、魔実也は煙草に火を付けた。
何も見えぬ闇夜に、ぼう――と、魔実也の顔だけが浮かび上がっている。
「火を貸してくれないか?」
その隣には、いつの間にやって来たのだろうか先の異人が立っている。
魔実也は異人へと火を貸した、言葉を交わすでもなく、ただ煙だけが辺りに立ち込めていた。

「ところで……」
口火を切ったのは、魔実也の方であった。
「ここの払いと木片のお代の代わりと言っちゃなんだが、君の名前を当ててみせよう」
「ほう……」
魔実也の言葉に、異人はさも面白いものを見るかのように、口元を緩めている。

「ルイだろ?」
「何故、そうだと?」
頷くでも否定するでもなく、異人は理由を聞いた。
その表情からは、その名前が正解であるかどうかは窺えない。

「翼は隠すんだな、それも六枚羽となればすぐにわかる」
異人の背に、羽などは見受けられない。
それでも魔実也にはわかるものがあったのだろう、異人は特段に否定することもせずに、ふふと笑い。
「今度は気をつけることにしよう」

そう言って、闇の中に消えていった。

「……さて」
消えたルイを別段探したりすることもせず、魔実也は川を探した。
道端に捨てれば、誰かが拾うやもしれない。
ならば、水に流してしまうのが一番だろう。
歩くこと数分、目当ての物は直ぐに見つかった。
洪水から逃れるために使われたゴフェルにとっては皮肉な末路であろうが、深く、深く、水の底に沈んでもらおう。
そう思い、魔実也はポケットからゴフェルの木片を取り出し――





何もかもが、闇の中に消えた。










「まさか、捨てようとするだけでこの場に呼ばれるとはな」
夢幻魔実也の中学教諭としての記憶はあっさりと崩れ去った。
当然だ、夢幻魔実也と中学教諭の接点など一切ない。
違和感に気づいてしまえば、後はもう流れのままだ。

「迷惑な話だ、なぁライホーくん」
「ホー!」


271 : 夢幻魔実也&アサシン ◆niOJFLulxo :2014/07/19(土) 21:40:29 7rp9PkFg0
【マスター】
夢幻魔実也
【出典】
夢幻紳士 怪奇篇
【参加方法】
ゴフェルの木片を川に投げ捨てようという願いに反応して呼び出される
【願い】
特に無し
【weapon】
特に無し
【能力・技能】
暗示能力を持ち、相手に自由な夢を見せたり偽りの記憶を植え付けたりすることが出来るテレパシー能力者。
幽霊妖怪の類を見抜く霊視能力も持つ。
【人物背景】
長髪の美青年。黒い背広と山高帽がトレードマーク。ヘビー・スモーカーで酒も嗜み、
女性経験も来るもの拒まずの態度で豊富である。常に平静な態度を崩さず時に冷徹ですらあるが、人情を解し特に知人の義理は欠かさない。
その他、詳細は不明瞭。
【方針】
特に無し

【クラス】
アサシン
【真名】
ライホーくん
【出典】
デビルサマナー 葛葉ライドウ 対 アバドン王
【パラメーター】
筋力D 耐久D 敏捷C 魔力C 幸運C 宝具B
【属性】
中立・中庸
【クラススキル】
気配遮断:B
溶けてしまうことでサーヴァントとしての気配を絶つ。
完全に気配を絶てばサーヴァントでも発見することは難しい。
生前のアサシンは気配遮断を利用することで、タクシー代を踏み倒してはトンズラかましていた。
しかし目立ちたがり屋の一面もあり、自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。

【保有スキル】
氷魔術:C
氷に関する魔術を一通り収めている。

十五代目葛葉ライホー襲名予定:E-
相手が真名看破のスキルを持っていた場合、非常に低確率で葛葉ライドウであると錯覚させる。

氷結吸収:A
氷に関する攻撃を己の生命力と変えるスキル

単独行動:D

【宝具】
『冬将軍(ジェネラル・フロスト)』
ランク:B 種別:対人 レンジ:1〜10 最大補足:1人
魔力によって構成された鎧姿の巨大なジャックフロストが相手を追いかけ回す対人宝具。
捕まれば最後、可愛い姿ながらも強力な氷結攻撃の餌食である。

『怖くて可愛い悪魔召喚術(アクマショーカンダホー)』
ランク:C 種別:対人 レンジ:1〜10 最大補足:1人
以下の悪魔の中から一匹を召喚する。
既に悪魔が召喚されている状態で、他の悪魔を召喚することは出来ず。
戦闘行動が終了するか魔力供給が途絶えるまで、悪魔を帰還させることは出来ない。

ジャックランタン
マカミ
モー・ショボー
モコイ
トゥルダク
ジャックフロスト
ピクシー
マハカーラ

【weapon】
なし

【人物背景】
平凡なジャックフロストであったが、ある刑事が総番を張っていた頃の制服と合体することで、ライホーくんとなる。
あまりの自分の格好良さにうぬぼれて、己の元ネタである葛葉ライドウを挑発するも敗北。
その後、物珍しさにタクシーを停めては無賃乗車を繰り返しているうちに、
依頼を受けたライドウに怒られ、返り討ちにせんとばかりに襲いかかるもやはり敗北。
それでも、彼は諦めない。夢はでっかく十五代目葛葉ライホー襲名だ。

【サーヴァントとしての願い】
十四代目葛葉ライドウを倒し、十五代目葛葉ライホーを襲名する。

【基本戦術、方針、運用法】
悪魔召喚を行って、敵を追い詰めつつ雪将軍でフィニッシュだ。
相手に氷耐性があった場合は諦めよう。


272 : 夢幻魔実也&アサシン ◆niOJFLulxo :2014/07/19(土) 21:41:01 7rp9PkFg0
投下終了します


273 : ◆ZA1oaRzEWM :2014/07/19(土) 21:47:18 B.X1aS6I0
投下します。


274 : 更紗&アサシン ◆ZA1oaRzEWM :2014/07/19(土) 21:47:52 B.X1aS6I0
二十世紀の終わり。
世界に大いなる禍いが降りかかり、全ての文明が歩みを止めた。
半分ほどが砂漠と化した国土、冷酷な王族によって虐げられる民。
人が死ぬことが、殺されることが当たり前になった未来の日本。
そこで一人の少年が立ち上がる。
少年の名を、タタラといった。

タタラが起こした革命の波は渦となり、多くの人々を巻き込みながら勢いを増していく。
タタラはその中心で、血と汗と涙に濡れながら走った。

運命の子供。
人民を率いて国を救う宿命を負ったタタラ。
本当の名は――更紗。
赤の王によって殺されたタタラの、双子の妹である。
更紗はタタラを名乗り、兄に代わって戦場に立ち続けた。

そして更紗は知った。
偶然の出会いから惹かれ合い、体を重ねたことすらあった青年が赤の王であったと。
仇でありながら、タタラは赤の王を間近で見たことがなかった――赤の王もまた、タタラの顔を知らなかった。
更紗と朱理という、何者でもない二人のまま、愛し合ってしまった。

――ごめんなさい

タタラは再び戦場を駆ける。

――赤の王を愛したりしません
――憎むから
――戦うから

泣きながら、刀を振るいながら、死んでいった者達に懺悔する。
朱理と過ごした幸せな時間を否定して、剣と踊る。


――許して下さい




友達と並んで歩く、学校の帰り道。
当たり前の日常の中、更紗は笑っていた。
幸せだった。
人が死ぬことなんて考えもしない、変わらない毎日を謳歌する。

けれどその幸せは、呆気なく終わる。
終わらせたのは友人の、別れ際に告げられた何気ない言葉。

「また明日ね、更紗ちゃん」

プツン、と何かが切れる音がした。
これは違うと、更紗の胸の内側がざわめく。

「明日」また会える保証が、どこにあるのか。
誰がいつ死んでもおかしくないのに――「また明日」と、どうして言える?
理想の世界を見せられてもなお、更紗は「タタラ」であることを捨てられなかった。

「あたしは、……違う、私は……」

赤の王の家臣によって首をはねられた兄。
殺された父、燃やされた故郷の村、埋め尽くされる「赤」。
長く苦しい旅、出会った人々、そして朱理と――


275 : 更紗&アサシン ◆ZA1oaRzEWM :2014/07/19(土) 21:48:41 B.X1aS6I0
 
記憶の奔流に吐き気がした。
聖杯戦争の知識を思い出し、じっとしている場合ではないと分かっていても、動けず座り込んでしまう。
車のクラクションがとても遠くに聞こえる。

動かない更紗の体を、黒い影が掬い上げた。
何者かが更紗を抱えて跳躍したのだ。
過ぎ去る車と地面が、更紗の視界から遠ざかっていく。
相手の顔は見えないが、敵意は感じない。
更紗の意識はそのまま微睡んでいった。



目が覚めると、高いビルの屋上にいた。
いつの間にか月海原学園の制服は消え、砂漠の生活に合わせたタタラの装束を纏っている。
傍らには愛刀、白虎の刀があった。

更紗のいた世界にビルというものはなかったが、月海原学園で過ごした時間のお陰で最低限の常識はある。
慌てずに周囲を見回すと、ここよりも高い建物は数えるほどしかなかった。
風が吹き抜け、更紗の金の髪を乱していく。

一呼吸して心を落ち着け、体を起こす。
そして座った状態で、目の前にいる黒い服の男に話しかけた。

「あなたが、私を助けてくれたサーヴァント?」
「そうです」

男の答えに、更紗はくすりと笑う。

「嘘だよね」
「え?」

無表情だった男の顔に焦りが生まれ、落ち着きなくきょろきょろと視線をさまよわせている。
思った通りだった。

「聖杯戦争のことは知ったばかりだけど、サーヴァントとNPCの区別ぐらいできるよ。
 何かに怯えてるみたいだけど、もしかして脅されたの?」

男が後ずさる。
そして更紗の背後に、黒い影がぬるりと現れた。
黒髪、黒服、死人のような色の肌に澱んだ赤目。
今出現したのではなく、この時まで気配を消していたのだろう。
影武者として使われた男は尻餅をつき、階下に繋がる非常階段へ這うように逃げていった。

「非礼をお詫びします」
「いいよ、試されるのはしょっちゅうだから。
 でもああやって関係ない人を巻き込んだり、脅したりするやり方は好きじゃない」
「……肝に銘じておきましょう」

更紗のサーヴァントは恭しく頭を垂れた。
その仕草にどこか腑に落ちないものを感じながら、更紗は背筋を伸ばした。

「もっと驚かれるかと思いましたが」
「驚いたよ。気配が全然なかったもの。
 近くで反応を見てるだろうとは思ってたけど、すぐ後ろにいるとは思わなかったし」

不意を突かれたからといって、驚きを分かりやすく表に出すわけにはいかない。
今、更紗は試されているのだ。
更紗ではなくタタラとしての、マスターとしての器を示す必要があった。


276 : 更紗&アサシン ◆ZA1oaRzEWM :2014/07/19(土) 21:49:18 B.X1aS6I0
「名前は?」
「アサシンとお呼び下さい、マスター。
 真名が広まっては不都合なこともありましょう」
「……そうだね。
 私のことはタタラと呼んで」
「承知しました」

会話していてもやはり、アサシンへの違和感は拭えない。
浅葱に似ているのかも知れないと、更紗は仲間の一人のことを思い出す。
本当のことを言っているように見えない――従順な態度が、全て嘘に見えるのだ。
浅葱の場合は、人との付き合い方や甘え方が下手だというのもあったのだが。
アサシンはそれとも少し違うように思えた。

「マスター。
 貴女に、聖杯にかける望みはありますか?」
「望みは……望みはあるよ」

芽生えた不信感を、更紗は一度脇に置いておくことにする。
仲間を信じなければ駄目だ。
一人で先走っては駄目だ、頼らなければ駄目だ。
こちらから信じなければ、相手にも信じてもらえない。
たくさんの失敗を重ね、多くのものを失ってきた更紗は、もう一度己に言い聞かせた。

「私が住んでいた日本を……誰も殺されない国にしたい。
 国王も貴族も奴隷もいない、皆が同じで平和な国に」

強い願いがある。
だから更紗はここへ導かれたのだろう。

「でもそれを聖杯に願うのは、間違ってる」

更紗が懐から取り出したのは手紙。
これが更紗の前に現れたゴフェルの木片、いわば「ゴフェルの手紙」である。
紙を製造する過程で原料に紛れ込み、ただの繊維質へとなり果てながら、本来の役割を失うことはなかったのだ。


  白虎の刀を持つ者へ――――

  迷うて人を
  斬ることなかれ

  ゆめゆめ
  刀に使われぬよう

  己をとくと
  磨くべし――――


更紗をかくまってくれた寺の住職が、更紗に残してくれた手紙だった。
記された言葉を口にし、更紗は顔を上げる。

「私は刀を振るう相手も、振るうべき時も間違えない。
 この聖杯戦争を止めるために、人を助けるために振るいたい。
 だからあなたも私に協力してほしい」

アサシンの目を真っ直ぐに見つめる。
アサシンにもし、聖杯にかける強い望みがあるのなら。
思想の相対するマスターを殺してでも叶えたい願いがあるのなら。
更紗とアサシンはここで決別することになる。
だが更紗は一歩も退かず、アサシンの答えを待つ。


277 : 更紗&アサシン ◆ZA1oaRzEWM :2014/07/19(土) 21:49:51 B.X1aS6I0
返事は、拍子抜けするほどあっさりしたものだった。

「……委細承知致しました。
 私は聖杯にかける望みを持ち合わせない故、マスターの意志に従いましょう」

アサシンの顔は無表情のまま。
更紗の胸がざわつく。

「……人が死ぬことを、殺されることを、どう思う?」
「命が失われることは、大変惜しいと思っております」

仲間が大勢死んだ時のような、嫌な予感がする。
しかしその予感の正体は分からない。

「分かった。
 これからよろしく、アサシン」

今は、信じることにする。
分からないというのなら、これからよく話し合えばいい。

「……しかし残念ですな。
 貴女がマスターでさえなければ……」
「え?」
「いえ、何でもございません」

ここは日本ではなく、タタラの仲間はいない。
いつも行動を共にしているフクロウの新橋も、愛馬の夜刀もいない。
今はアサシンだけが頼りなのだから。



黒服の男が走る。
さきほど、ビルの屋上で影武者にされたNPCだ。
ビルから一歩でも遠ざかろうと、必死に足を動かしている。

男が路地に逃げ込む。
そして影から伸びた赤い剣が、冗談のように簡単に男の胸を貫いた。
苦しむ時間すら与えられず、男は崩れ落ちる。
やがてNPCの宿命に従い霧散していった。

「別に、恨みはない。素性に興味もない。
 ただ空腹をここらで満たしたい、と媛(ひめ)に言われたのでな」

赤い剣の持ち主――更紗のサーヴァント、婁震戒(ロー・チェンシー)はそれを無感動に見送る。
そして再び、暗闇の中へ消えた。



他の参加者の様子を探るという名目で、婁は更紗から離れて行動していた。
更紗に危険が及べばすぐに戻れるよう、行動範囲はせいぜい半径数十メートル程度にしてある。
更紗がいるビルよりも更に高いビルの外壁を登攀し、婁は屋上から下界を睥睨する。
聖杯にかける望み、あるいは殺し合いを止めんとする確固たる決意。
ムーンセルが生み出した街に蠢く人々の意志に、無表情だった婁の口元が三日月状の笑みに変わった。


278 : 更紗&アサシン ◆ZA1oaRzEWM :2014/07/19(土) 21:50:21 B.X1aS6I0
 



「どいつもこいつも、自分が生き残るつもりでさえずりよるわ」




その声に、不快感や苛立ちの色はない。
街に息づく人々の群れに、渦巻く魔力に、ただ胸を躍らせている。
そしてその胸の内に、愛しき者の声が響いた。

『カカカ……だがな、婁よ。
 あの娘、わらわはなかなか気に入ったぞ』

それは婁だけに聞こえる念話。
愛しい、背中に負った赤い妖剣――七殺天凌(チーシャーティェンリー)の声である。
婁もまた念話によって、その声に応える。

「木片に選ばれただけあって、勘は鋭いようで。
 修羅場もくぐっているようですな」
『運命の子供、面白いではないか。
 それに見たであろう、あの眼を』

理想を語る眼。
あの生き様が、多くの者の人生を突き動かしてきたのだろう。
だがそれは今、曇っている。

『聖女のような希望を口にしながら、あの眼!!
 血に飢えた獣に相違ない!
 戦場ではさぞ多くの命を屠ってきたのであろうな……!』

更紗は迷っている。
あの手紙を読んだことで己を戒めているようだが、根底にある憎悪を振り払えていない。
その迷いと憎しみの結果が、この聖杯戦争。
アサシン・婁震戎という、本来の更紗の性質と正反対のサーヴァントを召喚してしまったのである。

『まこと、惜しいの。
 あれがマスターでなければ、真っ先に喰らうてやっておるというのに』
「美味なるものは最後に、ということでしょう。
 幸い、この地は媛への捧げ物に満ちております故」

七殺天凌を媛と呼び、恍惚とした表情で婁は語る。
七殺天凌は人の生き血を啜る妖剣。
生きとし生けるもの、全てが七殺天凌にとっては餌に過ぎない。

『よき場所よ……濃密な血の臭いに満たされておる。
 満漢全席でも見るようじゃ』
「餌になる血袋は多い方がいい。
 全て、貴女様に捧げましょう」
『うむ、だが何よりも……あの香り立つ器よ!』

聖杯戦争の報酬、聖杯。
魔力の満ち溢れた万能の願望機。
強力なサーヴァント達の魂を贄としたそれは、どれほどの味か。
婁が生前に斬ろうとしていた赤の竜ですら、聖杯の前では霞むだろう。

「媛があれを求めるとあらば、私はそれに尽くすのみでございます」
『存分にわらわに喰らわせよ、婁。


279 : 更紗&アサシン ◆ZA1oaRzEWM :2014/07/19(土) 21:51:00 B.X1aS6I0
 だが……この地の者達、貴様の手にも余ろう』

婁は英霊となる以前、裏社会に名の知れ渡る達人であった。
しかしここに集まるのは、超人と呼んでもなお足りぬ豪傑達である。
一介のアサシンの手に負えるものではない。

「非力な身なれど、やりようはございます。
 殻の固い果実ほど、剥いた後の果肉は美味でございましょう」

七殺天凌が嗤う。
それが婁にとっても心地よい。

『よいぞ、婁……。
 悲哀を喰ろうて、痛みを喰ろうて、絶望を喰ろうて……すがりつくような希望を喰ろうてやろう……!』
「仰せのままに、媛」

婁が見下ろす先に、更紗の姿がある。
彼女に迷いがあるというのなら、その間に好きなように動くのみ。
何ら不都合なことはない。

「迷うて人を斬ることなかれ、刀に使われぬようとくと己を磨くべし……いい言葉ですな」

更紗を支える手紙の一節を思い出し、くつくつと笑う。
迷いのまま人を斬るなど、婁には有り得ない。
ただ媛のためと、揺らぐことはない。
剣を使うのではなく。
剣に使われるのではなく。
剣を愛でるのが、婁の生き方である。


「遍く魂、すべて我が君への捧げ物……」


数多の血を吸った刀身を愛おしげに眺め、吐息を漏らし。
婁震戎は宴の幕開けを待つ。





【クラス】アサシン

【真名】婁震戒(ロー・チェンシー)@レッドドラゴン

【パラメーター】(サイコロの目のように、時々によって変動する)
筋力D(+〜−) 耐久D(+〜−) 敏捷B(+〜−) 魔力B 幸運D 宝具A

【属性】混沌・悪
 
【クラススキル】
気配遮断:A
 サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。
 生前より、彼は一流の暗殺者である。
 完全に気配を絶てば探知能力に優れたサーヴァントでも発見することは非常に難しい。
 ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。

【保有スキル】
武芸この上なく:A
 黄爛武術の達人であり、その技巧は伝説の域に至らんとしている。
 黄爛武術は生体魔素(魔力)を鍛え上げた生粋の魔法戦士を生み出す技術であり、武器の扱いにも長ける。


280 : 更紗&アサシン ◆ZA1oaRzEWM :2014/07/19(土) 21:52:23 B.X1aS6I0
 
『隅』の凝視:B
 視線を正面に向けながら、真横にあるものをじっくりと観察することができる。
 また足運びや体感バランスなどから、相手の実力を読み取ることも可能。

二の打ち要らず:B
 己の生体魔素を消費して一時的に攻撃力を上げる能力。
 ここぞという時には宝具・七殺天凌が蓄えている生体魔素も上乗せする。

軽身功:A
 羽毛のように身が軽い。
 強固な要塞も断崖絶壁も、登山感覚で踏破が可能である。


【宝具】七殺天凌(チーシャーティェンリー)
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1〜10 最大補足:1〜100(魅了の範囲)
 赤い刀身と金で装飾された鍔を持つ、人語を介す妖剣。
 謂れは諸説あるが、元人間であることは確かである。
 一節には、元は大国・黄爛の霊母(二千年以上存在する少女。霊母の子は霊母と全く同じ意識を持ち、代替わりを重ねている)の分身であるという。
 剣となってからは数多の英雄英傑の手を渡って血を啜ってきた。
 相手にダメージを与える度に生体魔素を吸収し、それを蓄えている。
 これを婁のスキル「二の打ち要らず」と組み合わせて一時的に攻撃力を跳ね上げることが可能。

 魅了の呪いを持ち、見た者はこの剣を奪うこと以外考えられなくなる。
 この魅了に抗うには強い意思が必要である。
 婁の場合はこの魅了によって剣に惹かれたのではなく、魅了に抗ったうえで恋をした。

【宝具】還り人の島〈天凌〉
ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:1〜99 最大補足:1000
 還り人の軍団を作る能力である。

 婁が一度目の死を経験したニル・カムイ島は、死者がごく低い確率で(ほとんどが自我を喪失した状態で)蘇る。
 これを『還り人』と呼ぶが、婁が七殺天凌ではなく素手で殺害した生者は高確率で還り人になる。
 また婁が殺した還り人に殺された者も一定確率で還り人になる。
 ただし孫の代までは影響しないため、無尽蔵に増えるというわけではない。

 婁が一度死んで還り人として復活したことをきっかけに得た能力であり、ニル・カムイ特有の現象。
 しかし婁が英霊となったことで宝具化し、ニル・カムイ以外でも実現可能になった。

 数千人規模の死者の軍勢を率いることも可能だが、NPCの大量虐殺が必要となるため、実質使用不可能な宝具である。

【weapon】
五行腕
 媛を庇ってひしゃげた生身の左腕の代わりとして手に入れた義手。
 ワイヤーが仕込まれており、射程は百メートルほど。
 移動や攻撃が可能である。

【人物背景】
 RPF(TRPGから派生した企画)『レッドドラゴン』のプレイヤーキャラクター。(プレイヤー:虚淵玄)
黄爛の宗教組織・八爪会に所属する武装僧侶。
 剣に恋する純情な怪人である。
 魔力の高さも「いざとなったら自分を斬って媛に捧げるため」であり、ここだけ見ると献身的な乙女のよう。
 七殺天凌に見放されることに怯えている面があり、虚淵曰く「案外女々しい」。

 十八の時に七殺天凌と出会い、当時の持ち主を殺害して手に入れた。
 行動原理は全て七殺天凌中心であり、それ以外への関心は薄い。
 剣への執着の強さ故に、物に執着できないスアロー・クラツヴァーリ(プレイヤー:奈須きのこ)を嫌悪している。
 また純粋に剣としての七殺天凌に恋しているため、七殺天凌が人間に戻ろうとするならこの手で叩き折るつもりでいる。


281 : 更紗&アサシン ◆ZA1oaRzEWM :2014/07/19(土) 21:53:14 B.X1aS6I0
 媛のためなら手段を問わず、脅迫・挑発といった行為にも躊躇はない。
 例として列挙すると、
・女騎士を殺害後首を持ち去り、仇討ちにきた騎士団に向かって首を投げ込もうとした。(未遂)
・「媛に見放されるのが怖い」という理由で残虐な行為をエスカレートさせ、いくつかの街を壊滅させた。
・「恭順を誓うなら殺さない」と言って従わせた人々を最終的に皆殺しにした。
 この他にも数々の悪行を重ね、死体を積み上げている。
 なお婁は殺人そのものを楽しんでいるのではなく、飽くまで媛を満たすために行動している。

【サーヴァントとしての願い】
 聖杯を手に入れて斬る。全てを媛に捧げる。

【基本戦術、方針、運用法】
 大地を割るほどの力はなく、サーヴァントとしては脆い部類に入る。
 だが大地を割るほどの強者を暗殺することはできる。



【マスター】更紗(タタラ)@BASARA

【参加方法】ゴフェルの手紙

【マスターとしての願い】聖杯戦争を止める。

【weapon】
・白虎の刀
・朱理からもらったお守り

【能力・技能】
 特別に剣技が優れているわけではないが、戦場に現れる『白虎』として恐れられたこともある。
 また多くの戦場を経験しており、軍を率いること、作戦を立てることに長ける。

【人物背景】
 産まれた時、預言者ナギから「運命の子供」「人民を率い国を救う星となる」と予言された十六歳の少女。
 双子の兄・タタラこそが運命の子供とされていたが、後に更紗こそが運命の子供であると発覚した。
 赤の王(朱理)に白虎の村を焼かれた時、自ら「タタラ」として立ち上がり、各地から集まった勢力を結集してタタラ軍を率いるようになる。
 家族や友人の仇とは知らずに朱理と出会い、次第に愛し合うようになった。
 精神的に弱い面があり涙脆いがカリスマ性を持ち、彼女が走る姿を見れば人々はそれを支えようとする。
 幼少よりナギから民間療法や化学といった多岐に渡る知識を学んでいるため、戦術や発想に優れる。
 赤の王と朱理が同一人物であると知って一時は茫然自失の状態にあったが、川で溺れた子供を助けたことをきっかけに再びタタラに復帰した。

【方針】
 人が死なないよう、聖杯戦争を止めたい。
 アサシンとよく話し合う。


282 : ◆ZA1oaRzEWM :2014/07/19(土) 21:53:46 B.X1aS6I0
投下終了です。


283 : ◆DpgFZhamPE :2014/07/19(土) 22:44:38 lxadRI/20
皆様投下乙です。

園田真理&アサシン、投下します


284 : 園田真理&アサシン ◆DpgFZhamPE :2014/07/19(土) 22:45:31 lxadRI/20
───幸せな夢だった。
彼女が記憶を奪われてから過ごした生活を、彼女はそう表した。
それも当たり前だ。
彼女の世界では───人間はそのような暮らしはできないから。

「聖杯戦争・・・かぁ」

数多の人間が、サーヴァントという英雄を使役し行うバトルロワイアル。
生き残り、願いを叶えるのはたった一人。

「・・・こんな時、巧ならどうするんだろうね」

ボソリ、と呟く。
叶えたい願いはある。
当然だ。
でなきゃ野村博士から渡された───『ゴフェルの木片』なぞに触る訳がない。

その時。
座る彼女の前に、光の粒子が集束する。
その集まった粒子は人の体を形どり───赤い装甲を纏った、青年が現れる。
真理はその出現に驚愕するが───直後に理解する。
これがサーヴァントというものなのか、と。

「あなたが、私のサーヴァント?」
「・・・そうだ。
サーヴァント、アサシン」

赤い装甲の青年───アサシンは、寡黙だった。
必要以上の言葉を話すようなことはしない。
しかしその瞳は真っ直ぐと真理を見据えている。
彼女の本質を見定めるように。
彼女の価値を見極めるように。

「───マスター。
一つ聞くが、いいか」
「え、あ、うん」
「お前の願いは何だ」

サーヴァントである以上、マスターの願いは聞いておく必要がある。
その問いに、真理は少々戸惑うが、答える。

「私は───私の世界の人間を、自由にしたい。
オルフェノクに襲われないような、生活を」
「自由に・・・?」
「私の世界はね、オルフェノクっていう存在に人間が弾圧されてるの。
人間たちは、隠れて狭い暮らしをしてる。
だから───私は聖杯に、平和な世界を願いたい」

真理は自分の言葉で、自分の願いをはっきりと述べる。
オルフェノクに虐げられる人間を助けたい。
人間が平和に暮らせる世界が欲しい。
救世主───ファイズにだけ任せることはできない。
以前の自分なら、巧ことファイズを待つことしかできなかっただろう。
しかし、今の自分には───それを為すための方法があるのだ。
見捨てる訳には、いかない。

「でも、そのためには他の人を」

殺さなきゃいけないんだよね、と。
心の中で彼女は呟く。
人間のために人間を殺す。
広い目で見れば、彼女が行おうとしている方法は正しい───のかもしれない。
そうして願いを叶えれば、最終的に多くの人が助かるのだ。
草加も、哲太郎も───そしていつか帰ってくるであろう巧も争いの中に放られることはなくなるのだ。

「そうか。
なら───俺がお前の代わりに、サーヴァントとして戦おう」
「・・・え?」
「俺が、戦う。お前は隠れていればいい。
人間のためだけを思っていればいい」

アサシンはそう告げる。
その顔は、冗談を言っているような顔ではない。


285 : 園田真理&アサシン ◆DpgFZhamPE :2014/07/19(土) 22:46:50 lxadRI/20

「私の願いなのに、ダメだよ。
アサシンにだけ押し付けるなんて」
「大丈夫だ。
俺は、俺の信じた物のために戦う。
お前が人間を助けるというのなら───俺も、それに協力しよう」

アサシンは真理に背を向け、歩き出す。
単身、戦場に乗り込もうというのだ。

「アサシン!」

真理の呼び声に、ふとアサシンは振り返る。
その顔は、とてもではないが活力に溢れているとは言えない。
聖杯戦争に呼ばれた現状への困惑。
人を殺さなければ己の世界を救えないという迷い。
人を殺さなければいけないという恐怖。
それらが織り混ざって───顔色はとても悪い。
簡単に言えば、青ざめている。
それでも真理は───自分の足で立って、アサシンを見ている。

「名前。名前を教えて欲しい。
アサシンとか、そういうのじゃなくて───本当の名前を」
「・・・」

真理の、せめてもの覚悟なのだろう。
一人で戦場へ向かうアサシンへの。
己も無関係ではないという覚悟。

「・・・」

それを聞いたアサシンは───ふと、思う。
生前、彼が幾度も見た人間の表情。
恐怖もある。
抵抗もある。
迷いもある。
それでも───誰かのために動こうという、儚くとも美しい、人間の素晴らしさ。

「───ああ、言ってなかったな」

アサシンもその顔を見て、決意する。
ああ、このためだ。
このような人間のために、彼はいつでも戦ってきた。
ああ、このような人間のためならば。
ああ、このような願いを持つ者のためならば───

「───『ゼロ』だ」

───俺はもう一度。
この体を、争いの中に投じよう。


【CLASS】
アサシン
【真名】
ロックマンゼロ@ロックマンゼロシリーズ
【パラメーター】
筋力C 耐久D 敏捷A 魔力D 幸運C 宝具A
【属性】
 中立・中庸
【クラススキル】
気配遮断:B
自身の気配を消す能力。完全に気配を断てばほぼ発見は不可能となるが、攻撃態勢に移るとランクが大きく下がる。

【保有スキル】
レプリロイド:A
人間的思考回路を持つロボットの総称で、自ら考え物事を処理する事が出来る。
 精神への干渉、毒物、呪いを受けない。

戦闘続行:A
瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。
生前、普通のレプリロイドなら機能停止に陥るほどの状態でありながら戦い、生き延びた逸話からこのスキルを会得した。

破壊工作:B
戦闘を行う前、準備段階で相手の戦力をそぎ落とす才能。
彼の場合は、拠点や施設などの破壊に該当する。
ただし、このスキルが高ければ高いほど英雄としての霊格は低下していく。
生前、彼が数々の拠点を破壊、制圧したことにより付与されたスキル。

技術会得:B
サーヴァントを倒した場合、そのサーヴァントのスキル、技術をランダムで会得できるスキル。
しかしそのためにはそのスキル、技術を一度自分の目で見ておく必要がある。
生前、彼が倒した敵から数々の技を会得したため付与されたスキル。

【宝具】
『偽の体に秘めし伝説の英雄』(ゼロ)
ランク:A 種別:- レンジ:- 最大補足:-

アサシンのその身体の中の魂に宿る宝具。
生前、アサシンは常に勢力・単体としての力、全てにおいて劣勢な状況から相手の基地に単身乗り込み、任務を成功させていた。
その逸話が宝具になったもの。
この宝具こそ彼がアサシンたる由縁である。
自分から戦闘を仕掛けた場合、相手の俊敏・耐久がランクダウンする。
それは『戦闘が始まった時点で』相手とのステータスに差があることや、自分の体がボロボロであるなどの、自分が劣勢であれば劣勢であるほど強く発動し、相手の俊敏・耐久が大きく下がる。


286 : 園田真理&アサシン ◆DpgFZhamPE :2014/07/19(土) 22:49:03 lxadRI/20
【weapon】
ゼットセイバー、バスターショット、シールドブーメラン、トリプルロッド、リコイルロッド、チェーンロッド
生前使い続けた数々の武器を臨機応変に使い分けるのがアサシンの主要戦法である。
宝具ではないため破壊されても魔力で修復が可能。

【人物背景】
シグマウィルス研究所に封印されていたレプリロイド。
『ゼロの伝説』を頼りにやってきたシエル手によって目覚めさせられ、弾圧されるレプリロイド達の為に戦った英雄。
クールだが頼まれると断れない性格だったり、子供に好かれたりと、ロックマンXシリーズのゼロのような熱い部分は少ない。
彼の体は英雄ゼロのコピーボディであり、オリジナルではない。
『ロックマンゼロ3』の終盤で彼は己のオリジナルのボディを破壊し、オメガとなったオリジナルのボディに別れを告げる。
彼は最後、バイルとの最終決戦でドクターバイルが作り上げた宇宙砲台『ラグナロク』落下を食い止めた後、崩壊するラグナロクと運命を共にし消息不明となる。
ラグナロク落下阻止作戦後、残っていたのはヘルメットのみだったがシエルを含めゼロを想うものは彼の生存を信じて疑わなかった。
数々の人間とレプリロイドを救い、伝説として語り継がれた彼の活躍は、まさに英雄であった。
数々のバイルの拠点、施設、工場などに潜入し、破壊活動を成功させたことにより、アサシンの適正を得た


今回は闇を斬り裂き光を齎す救世主───ファイズを求める園田真理の声を聞き現界。
オルフェノクに弾圧され、虐げられる人間。
成す術なく消えていく存在。
───そう。
彼は、そのような存在のために戦ってきた。
英霊となった後もそれは変わらないのだ。

【サーヴァントとしての願い】
彼は迷わない。
聖杯戦争を勝ち残り、真理の世界で弾圧される人間を救う。

【基本戦術、方針、運用法】
基本は気配遮断を使用し、『偽の体に秘めし伝説の英雄』の効果を用いサーヴァントに強襲する。
ゲリラとして活躍した時代もある彼は情報収集の大切さも知っているため、情報収集も並行して行う。
マスターである真理もオルフェノクから隠れて暮らす生活を送っていたため、サバイバル&逃げ回る生活は中々得意。
今はボロボロの服だが、普通の服に着替えると一般人と何ら変わらない特徴のため、一般人としてカモフラージュも可能。
マスターとして直接戦闘能力はないため逃げ回ろう。


287 : 園田真理&アサシン ◆DpgFZhamPE :2014/07/19(土) 22:50:47 lxadRI/20
【マスター】
園田真理@劇場版仮面ライダー555 パラダイスロスト
【参加方法】
隠れ住んでいた場所で野村博士から『願いが叶う』というゴフェルの木片の話を聞き、触れた
【マスターとしての願い】
人間解放。
オルフェノクに脅かされることのない世界を。
【weapon】
なし
【能力・技能】
オルフェノクに脅かされ、隠れて村で過ごしていたため、多少の銃の扱いは可能程度。
【人物背景】
世界は人類の進化形たるオルフェノクの組織・スマートブレイン社が完全に統治し、人類のほぼ全てはオルフェノクと化していた世界。
数千人を残すのみとなった人間たちは廃墟のような居住区に追いやられ、オルフェノクに脅える日々を過ごしていた。
そんな状況に反逆する一部の者は人間解放軍をを結成、そして園田真理はその人間解放軍の象徴的存在。
行方不明となった巧=ファイズが帰って来ると信じ、救世主の存在を広める。
しかし───そんな中彼女は人間解放軍の胡散臭い博士、野村博士からゴフェルの木片の存在を知る。
半信半疑ながら触ったところ、今回の聖杯戦争に呼ばれることとなった。
そんな彼女に訪れたサーヴァントは───彼女の望んだ救世主とはまた違った世界の救世主であった。
【方針】
優勝。
人間は殺したくないが、覚悟はできている───?


288 : 園田真理&アサシン ◆DpgFZhamPE :2014/07/19(土) 22:51:22 lxadRI/20
投下終了です


289 : 坂田銀時&バーサーカー  ◆Jn2OHWv0oc :2014/07/19(土) 23:17:28 IXXa9UPI0
投下します


290 : 坂田銀時&バーサーカー  ◆Jn2OHWv0oc :2014/07/19(土) 23:21:54 IXXa9UPI0
 坂田銀時が記憶を取り戻したのは、とある工場で作業をしている真っ最中の事である。
 ベルトコンベアーの上を流れてくる筒に、二本の手と頭を付けるだけの簡単なお仕事。
 銀時はこの作業の手早さにおいては、工場随一と謳われていた。
「っておいいいいいいい! これ前やったから! ジャスタウェイとか超初期じゃん! 誰も覚えてねーよこんな昔の話!」
 何て叫び声と共に、坂田銀時は坂田銀時であった頃の記憶を取り戻し、ついでとばかりに聖杯戦争の事までわかるようになった。
 かなり大掛かりな仕掛けであり、それにどうやら銀時は巻き込まれてしまった模様。
「ふざけんなあああああ! 何この劇場版並な派手な仕掛けとストーリー!? 劇場版もう完結編やっちゃったから!
 もうこういうの銀さんノーサンキューだから! 俺は万屋でジャンプ読みながら甘いもん食ってそのまま老けて死ぬって決まってんの!
 ドラマチックハリウッドアクションムービードラマチックとかマジいらねえから!」
 一しきりこの世の全てを罵り倒したあと、工場内で他の工員に、ああ、またこいつ何か変な事やりだしたよ、
 的生暖かい目で見守られているのに気付いた銀時は、ちょっと一服してくるといって工場を抜け出し、ダッシュで工場を離れ、
 あまり人目につかないような山裾のさびれた公園に駆け込んだ。
「と、ともかくだ。記憶が戻った以上、俺にはさーばんとってのが来るのか? 来るって何? 車か何か乗って来るの? てか俺の記憶取り戻したって誰がどうやってわかんだよ。ずっと見張られてましたってかストーカー野朗が」
 きょろきょろと周囲を見渡すも、誰かが居るようには見えない。
「あん?」
 誰かは見つからなかった。しかし、何かはあった。いや、居たというべきなのか。
 空の上に、黒い点が見えたのだ。
 目を細めてそれを凝視した後、ぎょっとなって銀時はその黒点から目を逸らす。
「あー、やっぱ昨日飲みすぎたわな。いつもさぁ、次の日になるときっちり後悔するぐらいなら飲まなきゃいいのになぁ、まったく。おっけー、了解だ。俺もいい大人だ、そろそろ自制も覚える事にするから、次はきっとこんな幻覚ちっくなもんじゃない、まともな風景頼むぜ」
 言いたい事言って、ゆっくりと振り返る。

しゃぎゃー

 やはり凄い勢いでソレに背を向ける。
「まてまてまてまて。おかしいって。だってしゃぎゃーだぜ? ほら、さーばんとってほらもっとこうさ、お仕えします我が主ーって感じでさ
 もっとこうおっぱいとかもぼーんってなってさ、スカートの中とか覗いても、もう、ご主人様ったらえっちっ、って赤くなってそっぽ向くような感じでさ……」

わっさわっさ

「いやいやいやいやいやいやいやいや、羽ばたくとか何よ? っつーか羽? 羽ってどういう事? やだなぁ、銀さんそういう特殊なプレイは遠慮したいなあ」

ずずずーん

 今度はもうごまかしようがない。大地が大きく震動し、銀時も危うくバランスを崩しかける。
 必死に建て直し、尚もそちらを見ようとはしないが。
「しかし、俺にはどんなさーばんとが来るかなぁ。ナース、婦警さん、いっそ奇をてらって軍服ってのも悪く無いよなぁ……」
 世に言う現実逃避という奴である。
 そんな銀時を嘲笑うかのように、頭上遥か上から、轟音と熱風が吹き付けてくる。
 へ、と上を見た銀時は、巨大な炎の弾が、銀時の頭上から向かって前方に飛んでいくのが見えた。
 炎弾は山肌に命中。凄まじい爆音と共に、そちらからも熱風が銀時の顔にたたきつけられ、白の髪が大きくたなびく。
 頬に流れるは一筋の脂汗。
 こんな危険物を前に、背を向け続けるとか命に関わるわけで。
 銀時はそーっと、真後ろを向いた。
 そこに見えたのは白だ。
 それはパンツの白でもなくブラの白でもなくたおやかな女性のふとももの白でもなく、生物っぷい何かの肌の白。
 いや何処か金属の光沢のような印象も受けるし、そんな白に紋様のような線が入った壁が目の前に広がっている。
 はたと気付いた銀時、そのままの体勢で一歩、二歩、三歩と後ろに下がりながら上を見上げる。


291 : 坂田銀時&バーサーカー  ◆Jn2OHWv0oc :2014/07/19(土) 23:22:37 IXXa9UPI0
 全容が全て目に入ったのは十数歩下がった後。
 最初に見た白は腹部だ。
 細長い胴体の前部は白、背部は黒。
 手足は合計四本見える。そして背中からは大きな羽が二枚。
 奥の方には尻尾が伸びているのもわかる。
 だが、一番気になるのはやはり首か。
 とにかく長い。アホみたいに長い。どう考えても自重支えらんないだろってぐらい長い。
 そのながああああああい首の上に頭部らしきものがある。
 一言で言うのなら、超デカイ首長羽トカゲといった感じ。
 つまる所、世間一般の空想世界で大活躍の、ドラゴンさんと呼ばれる生物に酷似したものが、それもありえない巨大さで銀時の前に鎮座していたのだ。
「おいいいいいいいい! このトカゲどんだけ自己主張激しいんだよ! おまっ! お前トカゲっていったら草むらから飛び出して子供ビビらせるのが仕事だろうが! おまえそれ真似して草むらから首伸びてきてみろ! 即PTA沙汰だぞコノヤロー!」
 首が痛くなるほど上を向きながら怒鳴る銀時。
「それにお前さーばんとだろうが! さーばんとって言や下僕しもべだろ! お前みたいに頭の高いしもべが何処に居るってんだ!
 誰にも頭は下げたくないって反抗期もそこまで行きゃ立派だよ! 立派だけど今すぐ受付の兄ちゃんに言ってチェンジだくそったれって伝えて来いや!」
 巨大な龍は、上から銀時を見下ろしたまま、ぐるると喉を鳴らす。
「いいか良く聞け! クーリングオフ! 知ってっか!? 受け取って一週間以内なら返品できるって……おいてめえ! そっぽ向いてないで聞けこらああああああ!」
 さんざ叫んでみたが、この巨大な龍からの返事は無い。
 銀時は龍を見上げて、次に龍が炎弾打ち込んだ場所を見て、にっこりと笑う。
「よし、俺は何も見なかった。アディオス、保健所からは上手く逃げるんだぞ、保健所の職員さんの為にも。んじゃ達者でな」
 銀時は後ろも見ずに走って逃げ出した。

 銀時は走る。走る。走る。
 わき目もふらず、一心不乱に。
 しかし、所詮は人の足。空飛ぶ翼に敵うはずもなく。
「追って来んじゃねえええええ! こええよ! 俺これからハリーポッター尊敬するわ! こんなファンタジー生物と張り合うとかありえねえってえええええええ!」
 龍の巨体が着地。その派手な着陸に合わせ銀時は方向転換。
 しかし龍もさるもの、首を大きく曲げ伸ばし銀時の方を向くなり、四本の足で這いずり移動してくる。
 これがまた速い。上に、途上にある障害物をそれが例え鉄筋コンクリートのビルであろうと、粉砕して追って来るのだ。
 流石に、これ以上の街への被害は受容出来ぬ、と銀時は真顔になって腰に差した木刀を抜き、振り返る。
 銀時が止まると、龍もまたその場に止まった。
 そのままお互いにらみ合うが、少なくとも龍側から銀時を害しようという動きは見られなかった。
「……もしかしてお前も、勝手に呼ばれた口か?」
 そこで初めて、銀時はこの龍のステータスを確認した。


古龍種 ミラボレアス

キョダイリュウノ
ゼツメイニヨリ、
デンセツハヨミガエル

数多の飛竜を駆遂せし時
伝説はよみがえらん
数多の肉を裂き 骨を砕き 血を啜った時
彼の者はあらわれん
土を焼く者
鉄【くろがね】を溶かす者
水を煮立たす者
風を起こす者
木を薙ぐ者
炎を生み出す者
その者の名は ミラボレアス
その者の名は 宿命の戦い
その者の名は 避けられぬ死
喉あらば叫べ
耳あらば聞け
心あらば祈れ
ミラボレアス
天と地とを覆い尽くす
彼の者の名を
天と地とを覆い尽くす
彼の者の名を
彼の者の名を


292 : 坂田銀時&バーサーカー  ◆Jn2OHWv0oc :2014/07/19(土) 23:23:16 IXXa9UPI0
「かんっぺきに邪龍サマじゃねえええかあああああああ! 何だよこれ! 弁護の余地なしはいまっくろー! 人食い虎とか人食い熊とかが可愛く見えるってどうよ! ねえどうよ! 人食い龍とかタチ悪すぎて銀さん手に負えないんですけど!」
 改めて恐れおののく銀時であったが、当のミラボレアスはというと、やはり銀時を害するつもりはないようで特に触れるでなく、かといって離れるでなくの距離を維持している。
 そのお行儀のよさに、銀時は少しだけ警戒心を解く。
「ふむ、マスターである俺には逆らわないって事か? 令呪もある事だし、ふんふんふんふん、なるほどなるほど、そういう事なら、まあ俺も面倒見るにやぶさかじゃあない」
 すたすたとミラボレアスの前に歩いていき、胴の前面を蹴っ飛ばし言う。
「さんざビビらせやがって。いいか、お前は今日から……そうだな、ミラボレ・アスって事で、ケツな。おいこらケツ野朗。しっかりと俺の言う事聞くんだぞ」
 ミラボレアスは、そんなそんざいな扱いも嬉しいのか、一声鳴くと、体を震わせる。
「ごふあああああああああ!!」
 悲鳴と共に、銀時が吹っ飛んでいった。
 ミラボレアスがみじろぎすると、突如銀時を謎の衝撃が襲ったのだ。
「い、痛ぇ、洒落になんねえぐらい痛ぇ……お、おい、今のはじゃれついただけか? まあいい、所詮ケダモノだしな、そういう事もある。そこは飼い主が注意しねえとな」
 今度は銀時、ミラボレアスの側面に回りこみ、前足部分を横からひっぱたく。
「おしケツ、全速前進!」
 言われた通りまっすぐ這いずって進むミラボレアス。
「うごふはあああああああ!!」
 今度は叩いた後すぐ手を離していたのに、何故か前方に向かって引きずり飛ばされる銀時。
「何だよ今の! 意味わかんねえよ誰か説明しろよ! どんだけ当り判定適当なんだてめえは! もうちょっとユーザープレイアビリティ考えろよ!」
 非難されたというのは理解出来ている模様で、ミラボレアスは途中で足を止め、顔を銀時に向けて小首を傾げる。
「うーむ、しかし、仕草はさておき、ホントコイツ可愛くねえよな。何だよこのトゲトゲしい顔。邪悪そのものじゃねえか。
 こんなん連れてたら俺まで悪のめいおー様扱いされんだろ。
 おいケツ、お前人間に変身するとかそーいうご都合主義的でありながらストーリー展開に優しい特殊スキルとか持ってねーのかよ」
 ミラボレアスはやはり小首を傾げるのみ。
 銀時が確認したミラボレアスのスキルにも、そんな都合の良いものはない。

「どおおおしろってんだよこれええええええ!」

 泣いても喚いても、坂田銀時の聖杯戦争はこのミラボレアスと共に、今始まったのである。




【クラス】バーサーカー
【真名】ミラボレアス
【パラメーター】
 筋力S 耐久S 敏捷C 魔力E 幸運E 宝具C
【属性】
 秩序・善
【クラススキル】
 狂化:E
 元より知性が低い為、狂化による恩恵は極めて少ない。

【保有スキル】
アタリハンテイ力学:当らないはずの一撃が何故か当る。どう見ても大して痛くないはずの一撃がブレス並に痛い。
ブレス:強力無比な炎の弾を吐き出すが、慣れて来るとその射撃が極めて簡易なパターンで行われている事がわかる。

【宝具】
『G級化』
攻撃力の更なる増加と攻撃範囲の拡大が見込めるが、銀時の魔力では発動がそもそも不可能。

【weapon】
無し

【人物背景】
キョダイ(中略)彼の者の名を

【サーヴァントとしての願い】
不明

【基本戦術、方針、運用法】
不明


【マスター】
坂田銀時

【参加方法】
巻き込まれ型

【マスターとしての願い】
いや帰らせろよおい

【weapon】
木刀

【能力・技能】
剣術に長ける。

【人物背景】
死んだ魚のような目をしている自堕落なダメ男。やる時はやる男であるが、やらない時は死ぬ程どうでもいい事しかしない。パチンコとかジャンプ呼んでるとか。

【方針】
とりあえずこのケツ何とかしねーと。


293 : 坂田銀時&バーサーカー  ◆Jn2OHWv0oc :2014/07/19(土) 23:23:56 IXXa9UPI0
以上で、投下終了です


294 : 平賀・キートン・太一&セイバー ◆Hh34ItOPEw :2014/07/19(土) 23:51:09 kZUS1Y9Y0
投下します


295 : 平賀・キートン・太一&セイバー ◆Hh34ItOPEw :2014/07/19(土) 23:51:43 kZUS1Y9Y0
神 武 の 超 鋼 よ 我 を 立 た せ 給 え
    
    無 限 の 英 霊 よ 我 を 砕 き 給 え
    
    そ れ が 永 久 へ の 礎 な ら
           
  我が身は既に―――


学校の屋上で二人の男が対峙する。

「いい加減、諦めたらどうだ?」

髪を伸ばし幽鬼の様に佇む若い男が笑う。

「……諦める訳にはいかない」

男に相対するは危機の調停者。

「分からないな。なぜ、もう顔も覚えていない連中の事を心配する」
「私が曲がりなりにもその“彼ら”に教鞭を振るっていたからですよ」

狡猾だった男はその言葉で全てを理解した。
だが、その上でくだらないと切り捨てる。

「それだけの理由でサーヴァントすら連れていないお前が俺を止めるとは、愚かすぎて理解不可能だな」
「それでも、あなたを私が止めなければ、“彼ら”にも危険が及ぶ。だから、
 引けない、引く訳にはいかない」

「できると思うのか。魔術師ですらない、今ここで死ぬお前が」
「…………。」

調停者は答えない。
確かに状況は最悪だ。
こちらには手持ちの武器すら無く、相手は魔術師を自称する異能者。
さらに、向こうにはサーヴァントと呼ばれる本物の異能がいる。


296 : 平賀・キートン・太一&セイバー ◆Hh34ItOPEw :2014/07/19(土) 23:52:19 kZUS1Y9Y0
完全な詰み、と言う言葉がよぎる。
だがそれでも、危機は待ってはくれない。

「教師としては大変立派なんだろうが、サーヴァントすら連れていないお前はただの
 踏み台でしかない。……アサシン。殺せ」

男の背後からサーヴァントが現れ、調停者に迫る。

一発目。
奇跡的にナイフの一撃はなんとか回避するが床を抉った事でできた瓦礫が腹にあたる。
二発目。
その瓦礫ごと蹴り飛ばされ、壁に縫い付けられる。

「ぐうう…」

マズイ、足は折れていないが、ダメージで完全に身動きが取れない。
おそらく動きを止めてから完璧に仕留めに来たのだろう、投げナイフを振りかぶるサーヴァントの姿が見える。
そしてその攻撃は彼の頭を射抜くだろう。
いよいよ避け得ない死を目前にして彼は走馬灯のような自問を行う。

自分はなぜここに来たのか?
―――悲願だったドナウ川の調査であの“木片”発掘したから。
そして、私は記憶を月に消去され、あの学園で世界史と日本史の教師として教えていた。
もう顔も覚えていない生徒達との授業は存外、充実した物だったと今でもボンヤリと思い出すことができる。

だが、その顔も覚えてない生徒たちのために戦う必要はあったのか?
ここにいるのかどうかすら分からないのに。

やはり戦わずに逃げるべきだった――――
調停者がその思いにいたろうとしたその時。

――――否
「敗ける事が恥なのではない。戦わぬ事が恥なのだ!!!」

雄々しい咆哮が響いた。

気づくと鋼鉄の鎧に身を包んだ戦士が立っていた。


297 : 平賀・キートン・太一&セイバー ◆Hh34ItOPEw :2014/07/19(土) 23:53:09 kZUS1Y9Y0
「何奴」
「牙無き人々のための、剣だ!!!」

アサシンと呼ばれたサーヴァントが問い。鋼鉄の戦士が答えた。

…それを見た男は小さく舌打ちし命令を下す。

「チッ、殺れ!!アサシン」
「その言葉を宣戦布告と判断する。当方に迎撃の用意あり!!!」

男が命じ、戦士が吠える。

…ホンの数瞬前まで自分は圧倒的有利だったはずなのに。
打って変わって今度はこっちが不利になった。
自分のサーヴァントは近接戦闘には向かないアサシン。
対する相手は徒手空拳だが、溢れ出る闘気はまず間違いなく三騎士のソレだ。
対抗するには自分の魔術のサポートも必要だと男は冷静に判断する。

そして、詠唱を始める。
が、男は突然の難敵の出現に失念していた、もう一人の敵の存在を。
いや、失念していても仕方がないかもしれない。
トドメをさいていないとは言えサーヴァントの一撃を食らって本当の常人なら気絶しているだろう。
もう一人の男の敵は確かに特殊な力を宿してはいなかった。だが、一般人でもなかった。

男の敵は保険の調査員であり考古学者であり大学講師であり……マスターと呼ばれた元SAS曹長だった。
だから彼はそこで培った当たり前の技術で状況を打破する。


298 : 平賀・キートン・太一&セイバー ◆Hh34ItOPEw :2014/07/19(土) 23:54:29 kZUS1Y9Y0
二体のサーヴァントが隣で激闘を繰り広げる中、疾風を思わせる速さで駆けだす。

そして詠唱に集中していた男に肉薄する。

そのまま襟を掴む。男が気付くがもう遅い。そして――
全魔力を攻撃に向けていた男は防御すらできず、地面に一本背負いの形で叩きつけられ、気絶した。

その事で僅かに魔力供給が乱れたアサシンの隙を戦士は見逃さなかった。
無防備になったアサシンのドテッ腹に向かい構えを取る。

「零式!!!因果」

……一秒後、戦士が放った必勝の一撃により戦いは終わった。


■■■

「―――名前を聞かせてくれ」

戦いの後、男は、自らを倒した者に問う。
そして彼は初めてこの場所で自分の名を語った。

「……私は、平賀・キートン・太一です」
それを聞いた男は満足したように微笑みを残し、消えた。


299 : 平賀・キートン・太一&セイバー ◆Hh34ItOPEw :2014/07/19(土) 23:55:13 kZUS1Y9Y0
……月明かりに照らされた学校の屋上で、ただ残された二人の者は語り合う。

「葉隠君、私はあの学園で出会った生徒達がここにいないか探したい」
「それは守るためでしょうか」

嘘偽りを許さない澄んだ目で見つめられ、問われる。
キートンは迷わず首を縦にふった。その後、問い返す。

「私達が進もうとしている道は、まず間違いなく茨の道だ。…いいかい、それでも?」
「無論。この身は元より牙無き人々のための剣
――――当方に不退転の決意あり!!!」

          「覚悟完了!!!!!!」

そして、葉隠と呼ばれた少年は力強くそう答える。
その瞳には、熱く燃ゆる男の炎が宿っていた。


300 : 平賀・キートン・太一&セイバー ◆Hh34ItOPEw :2014/07/19(土) 23:55:45 kZUS1Y9Y0

【クラス】
セイバー

【真名】
葉隠覚悟@覚悟のススメ

【パラメーター】
筋力A 耐久B敏捷C魔力D 運C 宝具A

【属性】
秩序・善

【クラススキル】
対魔力:C
単独行動:B

心眼(真):A+
 修行・鍛錬によって培った洞察力。
 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、 その場で残された活路を導き出す“戦闘論理”。
 逆転の可能性がゼロではないなら、 その作戦を実行に移せるチャンスを高い確率で手繰り寄せられる。

戦闘続行:A+
 往生際が悪い。 霊核が破壊された後でも、しばらくは戦闘行為を可能とする。

【宝具】
「牙無き人々のための剣(ゼロシキボウエイジュツ)」:
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1〜50 最大補足:1人
第二次大戦中に生み出された最終格闘技。「因果」というカウンター攻撃により、
 白兵戦においてほぼ絶対の迎撃能力を誇る。
牙無き人々の剣となるように願いを込めて生み出された
人間の潜在能力を限界までひきだせる。

『零式鉄球(ぜろしきてっきゅう)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1〜50 最大補足:1人
 セイバーの体に直接埋め込まれた特殊金属による8の鉄球。
 肉体と一体化しており、皮膚から金属部分を分泌させて自身の体を装甲と化すことが可能。
 鉄球を体外に膜状に放出して熱攻撃から身を守る、直接手に取って投擲する等の使用法も存在する。
 鉄球はセイバーの肉体を離れても、ある程度は自在に変形させられる。

『零(ゼロ)』
ランク:A++ 種別:対軍宝具 レンジ:1〜99 最大捕捉:1000人
 意志持つ超鋼。
 一体で一国を滅ぼす生ける鎧と呼ばれる強化外骨格、その一体。
 装甲材質には複合装甲展性チタンを用いており、瞬発的な衝撃には戦車並の耐久力を発揮する。
 非致死性麻酔液・赤熱化・昇華弾・超脱水鱗粉・推進剤噴射・戦術神風・瞬脱装甲弾・爆芯靴など
 非常に多岐な性能を携えており、装着者の生命を維持する機能も優秀である。爆芯靴のみは常時使用可能。
 三千の英霊が鎧に宿っており、セイバー以上の戦略眼と状況把握能力で、常にセイバーの行動を補佐する。
 この「英霊」とは、戦争被害者のことを指す。

『尊厳示せし肉蟲』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1人
 人体改造を受けた上で捨てられた肉塊の群れ、通称「肉虫」が一つの生命となった姿。
 セイバーの体内に潜んでおり、セイバーの意思によって体外に分泌して4000度の炎にも傷つかない鎧となる。
また、瀕死のダメージを受けても二度までなら戦えるまでに回復する。


301 : 平賀・キートン・太一&セイバー ◆Hh34ItOPEw :2014/07/19(土) 23:56:23 kZUS1Y9Y0
【weapon】
『無銘・日本刀』
 無銘だが、四百の雑兵を斬った後も刃毀れを起こさなかった名刀中の名刀。

【人物背景】
主人公。逆十字学園に転校してくる。零式防衛術を体得し、強化外骨格「零(ぜろ)」を着装する。純白の詰め襟に身を包み、眼鏡を着用。キメ技は「因果」と呼ばれる零式クロスカウンター。1999年12月25日生まれ。
非常に生真面目な性格で自己抑制が強く、転校してきた当初は感情を表すことさえほとんどなかった。
しかし覇岡ら学園の仲間に出会ってからは徐々に変わっていき、特に掘江罪子への想いを意識するようになった後半は、
彼女の身を案じて我を忘れることもあるほど"熱い"男になっていった。

【サーヴァントとしての願い】
牙無き人々を守り抜く。

【基本戦術・方針・運用法】
真っ向勝負が基本的な運用方法。
戦術は不要、熱き魂と拳で戦える。

【マスター】
平賀・キートン・太一@MASTERキートン

【参加方法】
ドナウ川遺跡発掘調査した所、ゴフェルの木片を見つけてしまった。

【マスターとしての願い】
特になし。願いが叶った所をムーンセルに呼ばれたため。

【weapon】
SASにいたころに培われたサバイバル技術。

【能力・技能】
危険な敵地に潜入しその場にある物だけで戦うサバイバル技術のマスター。
パソコンなどの電子機器にも精通しており、頭もまわる戦闘のプロ

【人物背景】
イギリス人と日本人のハーフ。オックスフォード大出身のエリート。知識人。
ドナウ川調査を夢見ながら常にスーツを着てロイズと呼ばれる保険組織で
調査員として働いている。
SASで磨き抜かれたサバイバル技術はテロリストですら倒してしまう程だが、
人道家の面も持つ。


【方針】
学園にいたと思われる人を探し、守る。


302 : 平賀・キートン・太一&セイバー ◆Hh34ItOPEw :2014/07/19(土) 23:57:34 kZUS1Y9Y0
投下終了です


303 : ◆OOggPY4fk. :2014/07/19(土) 23:57:51 MucWQpoM0
投下します


304 : ◆ysja5Nyqn6 :2014/07/19(土) 23:58:18 kN5SeYpA0
遠野志貴&バーサーカーを投下します。


305 : 天海春香&ランサー ◆OOggPY4fk. :2014/07/19(土) 23:58:35 MucWQpoM0

 「ただいま戻りましたー!」

扉が開き、事務所の中にリボンをつけた少女が現れる。

 「あれ、誰もいない?小鳥さん買い出し中なのかな?」

テレビ局の番組の収録から戻った少女、天海春香は
キョロキョロと辺りを見回しながら
他のアイドル仲間がいないか、事務所の奥へと入っていく。

 「みんなまだ、お仕事終わってないのかなぁ……ん?」

辺りを見回していた春香は応接の机とソファーのあるスペースの方向を見て立ち止まる。
その近くにあった事務所に所属するアイドル13人分ある黒い箱。
毎日ファンから山ほど送られてくる手紙やグッズなどが収められている箱だ。
その中に一番上に目立つように置かれているものがあった。

 「これ、何だろ……?」

春香は自分宛ての手紙、プレゼントが置かれている箱に近づいて見る・
すると、木でできた胸飾りのようなアクセサリーと
メッセージが書かれている便箋が置かれていた。

 「今日届いたものなのかな?」

春香は自分宛てに贈られたプレゼントを手に取り、
最初にアクセサリーに添えられていた書かれていた文章をを読み上げる。

 「『天海春香さんへ ハリウッドで見つけた木製のアクセサリーです
   大切に使ってください 貴方のファンより。』」
  ハリウッド、か……」

ハリウッド。
その文字を見た春香が思い浮かべたのは、
黒いスーツに水色のネクタイを締めた眼鏡をかけた青年の姿だった。
まだ彼女が無名なアイドルだった頃、765プロに現れ、
アイドル全員と共にいろんなお仕事、ライブを経験し、
一人前のアイドルになるまで輝かせてきた。天海春香にとって一番大切な人
アイドル候補生達との合同ライブを最後に海の向こうに旅立っていった。
今は映画の殿堂のかの地で歌や映像のことについて学んでいるらしい。

 (一度だけでいい、ハリウッドにいるプロデューサーさんに会いたい……!)

春香はアクセサリーを胸の中で抱きしめ、
遠くにいる大切な人との再会を心の中で願う。
きちんと
あれが永久の別れになるのではないかと、春香の胸の奥で
その瞬間、春香の視界は真っ白に染まりながら意識は闇へと沈んでいったのだった。


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


306 : 真月譚 ◆ysja5Nyqn6 :2014/07/19(土) 23:59:01 kN5SeYpA0


 ―――その約束を、覚えている。
 ―――その笑顔を、覚えている。

 ―――なにもかも 、覚えている。

 忘れられない。
 忘れてなんかやらない。
 燃えるような教室の中、ここにまた来ようって約束したのを、ずっとずっと覚えている―――


      †


 ――――月の綺麗な夜だった。

 聖杯とか生存競争だとか、そんなモノがどうでもよくなるくらいに澄んだ夜空。
 月の光は夜の街を照らし出し、ほんのりとその影を浮かび上がらせている。
 そこでは数多くのマスターとサーヴァントが、己が望みをかけて殺し合いを始めているのだろう。

 ―――例えるのなら、月世界。
 誰も彼もが死に絶える異界の戦場。
 すべての終わりを観測する死の集積場。
 月の頭脳によって作り出された虚構の世界。

 俺はこれから、その世界の住人となる。
 自分の願いのために、他人の願いを殺し尽くす。
 たった一人の存在のために、その他の全ての屍を踏み越えていく。

 きっと赦されることではないだろう。
 妹や友人には、顔向けもできやしない。
 それでも俺は、彼女に傍にいてほしかった。
 彼女にただ、生きていてほしかった。だから―――

 たとえ人殺しになろうとも、俺は聖杯を手に入れる。

「……行こう、アルクェイド」

 そう後ろに佇む彼女へと声をかける。
 だがクラスの制約により、彼女が返事を返すことはできない。
 それを少し寂しく思いながらも、俺は夜の街へと繰り出していった。

 そんな俺の背中を、彼女がどこか悲しげに見つめていたことに気付くことなく…………。


【CLASS】バーサーカー
【真名】アルクェイド・ブリュンスタッド
【パラメーター】
筋力:A+ 耐久:B+ 敏捷:A+ 魔力:C+ 幸運:C+ 宝具:E
【属性】
秩序・中庸
【クラススキル】
 狂化:A
全てのパラメーターをランクアップさせるが、理性の大半を奪われる。
上記のパラメーターは狂化中のものであり、平時は筋力値以外の+補正がなくなる。
また、狂化中の属性は暴走・狂となる。

【保有スキル】
 魔眼:A
見たもの、見る者の魂を魅了する、「黄金」ランクの魔眼を保有。
意思を込めて目を合わせた相手を魅了し、短時間ながら意のままに操ることが出来る。
しかし狂化スキルの影響により、対象を操ることは出来ず魅了するだけとなっている。
対魔力スキルで回避可能。対魔力を持っていなくても抵抗する意思を持っていれば、ある程度軽減することが出来る。

 原初の一:EX
アルテミット・ワン。
星からのバックアップを受けることで、敵対する相手より一段階上のスペックになる。
狂化スキルとは異なるため、狂化の恩恵は別途に受け、またマスターの負担が増えるということもない。


307 : 真月譚 ◆ysja5Nyqn6 :2014/07/19(土) 23:59:37 kN5SeYpA0

【宝具】
『プルート・ディ・シェヴェスタァ』
ランク:E 種別:対人宝具 レンジ:‐ 最大補足:‐
血の姉妹による盟約。宝具というよりは彼女が持つ特性のようなもの。
地球の触覚であるこの素体は、周囲を地球環境化(テラフォーミング)する。
そのため、月の法則にのっとったムーンセルでは多大な重力負荷を引き起こしてしまう。
ムーンセルのルールによって再現されたサーヴァントや魔術師たちは、彼女の前では六倍の重力下に置かれてしまうのだ。

わかりやすく言えば、“相手の能力を六分の一にする” 星の権能。
これは概念による数値変換、世界そのものの決まり(ルール)であり、如何なる存在であろうと『月』にいる限り防ぐ手段は存在しない。

『空想具現化(マーブル・ファンタズム)』
ランク:EX 種別:対界宝具 レンジ:‐ 最大補足:‐
空想の通りに自然を変貌させる、自然・世界の触覚である精霊が持つ能力。
ただし、自然から独立しているモノ(人間など)には直接干渉できず、動物相手には限定的な効果になってしまう。
また、彼女のスキル「原初の一」やもう一つの宝具は、元はこの宝具より別たれたもの。

なお狂化の影響により明確な空想(イメージ)の想起が困難となっているため、バーサーカーのクラスにある限り、彼女がこの宝具を使用することは出来ない。

【weapon】
あえて言うなら『爪』が武器。
その肉体性能を生かした格闘戦が主となる。

【人物背景】
月姫のヒロインで、真祖に区分される吸血鬼。
正確に言うのなら、星の触覚であり精霊の一種。

十二世紀頃、真祖たちによって人工的に抽出され、「最強の真祖」としてデザインされて生み出される。
ある理由から、ロアを終生の敵と定め、彼の転生に併せて目覚め、滅ぼすことを目的として行動。
それ以外の時間は居城「千年城ブリュンスタッド」で自らを拘束して眠りについていた。

そして今回、18代目のロアが現れたことで、彼女もまた活動を開始。
潜伏先と思われる街に赴いたが、そこで遠野志貴と遭遇してしまったことで、彼女の運命は激変する。

【サーヴァントとしての願い】
狂化されているため不明。
【基本戦術、方針、運用法】
制御の困難なバーサーカーではあるが、下手なサーヴァントよりは段違いに強い。
彼女が猛威を振るっている間に、マスターがどう立ち回るかが鍵となる。


【マスター】遠野志貴
【参加方法】偶然、『ゴルフェの木片』を入手。
【マスターとしての願い】
アルクェイドの吸血衝動を解決し、彼女を助ける。
【weapon】
『七ツ夜』
七夜に伝わる宝刀。しかし、値打ち物ではない。
年代物だが暗殺用らしく飛び出しナイフ。
そんな構造でありながら、死徒の攻撃を受け止めるほどに頑丈。

『魔眼殺しの眼鏡』
魔眼の効力を抑制する眼鏡。
ある意味において、志貴の生命線となっている。

【能力・技能】
肉体は高い運動能力を持つものの、体力的に脆弱で貧血が絶えず、回復力に乏しい。
幼少期に仕込まれた七夜の体術は、無意識ながらも彼の身体に焼き付いているため、体運びや短刀の扱いには目を見張るものがある。
また潜在的に強い殺人衝動を内包するが、これは彼の血脈によるもので、厳密には退魔衝動になる。
「死」を見すぎるが故に「死」に近く、その為死の気配には敏感で、敵意持った攻撃や不意打ちに反応しやすい。
また並みの魔術師では契約する事は出来ない使い魔と契約可能なので、保有する魔力量は中々のモノと思われる。


308 : 天海春香&ランサー ◆OOggPY4fk. :2014/07/19(土) 23:59:39 MucWQpoM0


 「……思い出した。私はあの時にここに連れて来られたんだ」

月海原学園での何一つ不自由の無い学園生活。
しかし、そこには彼女の知る仲間達の姿は無く、765プロのアイドルとして、
ステージで歌ったり踊ったりするキラキラ輝く世界も存在しなかった。
アイドルとしての自分が無い。
彼女はその違和感に気づき、記憶を取り戻したのだった。

 「気がついたか、ワシのマスターよ」

記憶を取り戻した春香が最初に聞いたのは男の声。
いつの間にか彼女の背後に立っていた。

 「あなたは……?」

春香は声がしたほうを振り向く、すると目の前には
黄色の服に身を包んだたくましい体つきの青年が立っていた。

 「某はランサーのサーヴァント、徳川家康。我がマスター、天海春香殿の呼び掛けに応じ馳せ参じた」

目の前に突如と現れたランサーのサーヴァントの名乗った真名。
それを聞いた春香は目を丸くする。

 「と、徳川家康さんって……も、もしかしてあの有名な!?」
 
日本人であれば名前だけでも聞いたことがあるだろう有名な戦国武将の名前。
春香もその有名人が目の前に現れたことにが驚きを隠せなかった。

 「ど、どうしよう本物の徳川家康さん……!?
  え、え〜っと……そうだ!サイン!サイン貰わなくっちゃ!」

ペンと色紙を探すため春香は慌てて、自分の周りを両手で探りまわる。

 「ハハハハハハハハッ、春香殿は面白いマスターだな」

珍妙な行動を取る春香に家康は思わず吹き出し、笑い出す。

 「何がおかしいんですか?笑い事じゃないですよ!」

笑った家康に、春香は不満そうにぷぅと顔を膨らませる。

 「いやぁ、すまなかった。まさかサーヴァントとして呼ばれて
  最初にする事がサインだなんて思いもしなかったからな」
  
 「だって!徳川家康さんって言ったら戦国時代を終わ――う、痛……!」

突如春香の熱い痛みが走り、手の甲を見る。
そこには、胴体部がアルファベット「A」の形を模した
天使のようなマークが赤い光を放っていた。

 「これって、令呪……」

 「そう、聖杯戦争に参加したマスターの証。
  春香殿、貴方はどんな願いを胸にこの月へとやってきたのだ?」


309 : 真月譚 ◆ysja5Nyqn6 :2014/07/20(日) 00:01:35 kN5SeYpA0

『直死の魔眼』
対象の「死期」を視覚情報として捉えることが出来る目。またそれに加え、その視覚情報をもとに対象を「殺す」ことができる能力。
ここで言う死期とは生命活動の終焉ではなく、「存在の寿命」。意味や存在が、その始まりの時から内包している「いつか来る終わり」のこと。
そして、この「死」は生命活動の終焉ではなく「存在の寿命」であるため、殺せる対象は生命体に留まらない。
端的に言えば、相手が何であっても寿命があるなら殺せる。
物理的な破壊ではなく、概念的な死であるため、治療や蘇生、再生や復元も無効化する。死徒などを相手にする場合は非常に有効。
ただし、精確に死の線・点を捉える必要があるため、志貴の身体能力を上回る相手には、その致死性を発揮させ辛い。
また死の線・点が視え続けるということは、脳や神経に非常に負担をかけるため、使い過ぎれば廃人となってしまう危険性がある。

死期の情報は「線」と「点」で示される。
・死の線
モノの死にやすい部分。
線に沿って切ることでその箇所を死に至らしめることができ、「線」をもって切られた部分は本体の生死関係なく行動、治療、再生不能。
切断に腕力は必要なく、強度も無力化される。たとえ鋼鉄であっても、線がある場所ならば容易に切り裂いてしまえる。

・死の点
寿命そのものであり、死の線の根源。
突くことで対象の死期を発現させる。線と同様、突くのに腕力を必要とせず、強度も無視して貫く。
ただし、能力が高まっている、極度に集中している状態でないと点を視ることは出来ない。

【人物背景】
月姫の主人公。
幼少期に経験した二度の臨死体験から直死の魔眼を得た。
そのため一時期自暴自棄になっていたが、偶然出会ったある人物に魔眼殺しの眼鏡を貰い、彼の性格を決定付ける教えを受ける。

その後遠野分家の一つ、有間に預けられていが、物語開始時に遠野本家に呼び戻される。
そしてアルクェイドと出会ったことから、彼は吸血鬼たちとの戦いに身を投じることとなる。

【方針】
特になし。遭遇したマスターを片っ端から倒していく。


310 : 天海春香&ランサー ◆OOggPY4fk. :2014/07/20(日) 00:01:53 MucWQpoM0
投稿被ってしまいすみません。
改めて最初から投下します。


311 : 天海春香&ランサー ◆OOggPY4fk. :2014/07/20(日) 00:02:30 MucWQpoM0
投稿被ってしまいすみません。
改めて最初から投下します。


312 : ◆ysja5Nyqn6 :2014/07/20(日) 00:02:46 kN5SeYpA0
以上で投下を終了します。
◆OOggPY4fk氏 投下が重なってしまい、すみませんでした。


313 : 天海春香&ランサー ◆OOggPY4fk. :2014/07/20(日) 00:03:13 MucWQpoM0
 「ただいま戻りましたー!」

扉が開き、事務所の中にリボンをつけた少女が現れる。

 「あれ、誰もいない?小鳥さん買い出し中なのかな?」

テレビ局の番組の収録から戻った少女、天海春香は
キョロキョロと辺りを見回しながら
他のアイドル仲間がいないか、事務所の奥へと入っていく。

 「みんなまだ、お仕事終わってないのかなぁ……ん?」

辺りを見回していた春香は応接の机とソファーのあるスペースの方向を見て立ち止まる。
その近くにあった事務所に所属するアイドル13人分ある黒い箱。
毎日ファンから山ほど送られてくる手紙やグッズなどが収められている箱だ。
その中に一番上に目立つように置かれているものがあった。

 「これ、何だろ……?」

春香は自分宛ての手紙、プレゼントが置かれている箱に近づいて見る・
すると、木でできた胸飾りのようなアクセサリーと
メッセージが書かれている便箋が置かれていた。

 「今日届いたものなのかな?」

春香は自分宛てに贈られたプレゼントを手に取り、
最初にアクセサリーに添えられていた書かれていた文章をを読み上げる。

 「『天海春香さんへ ハリウッドで見つけた木製のアクセサリーです
   大切に使ってください 貴方のファンより。』」
  ハリウッド、か……」

ハリウッド。
その文字を見た春香が思い浮かべたのは、
黒いスーツに水色のネクタイを締めた眼鏡をかけた青年の姿だった。
まだ彼女が無名なアイドルだった頃、765プロに現れ、
アイドル全員と共にいろんなお仕事、ライブを経験し、
一人前のアイドルになるまで輝かせてきた。天海春香にとって一番大切な人
アイドル候補生達との合同ライブを最後に海の向こうに旅立っていった。
今は映画の殿堂のかの地で歌や映像のことについて学んでいるらしい。

 (一度だけでいい、ハリウッドにいるプロデューサーさんに会いたい……!)

春香はアクセサリーを胸の中で抱きしめ、
遠くにいる大切な人との再会を心の中で願う。
きちんと
あれが永久の別れになるのではないかと、春香の胸の奥で
その瞬間、春香の視界は真っ白に染まりながら意識は闇へと沈んでいったのだった。


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


314 : 天海春香&ランサー ◆OOggPY4fk. :2014/07/20(日) 00:03:57 MucWQpoM0

 「……思い出した。私はあの時にここに連れて来られたんだ」

月海原学園での何一つ不自由の無い学園生活。
しかし、そこには彼女の知る仲間達の姿は無く、765プロのアイドルとして、
ステージで歌ったり踊ったりするキラキラ輝く世界も存在しなかった。
アイドルとしての自分が無い。
彼女はその違和感に気づき、記憶を取り戻したのだった。

 「気がついたか、ワシのマスターよ」

記憶を取り戻した春香が最初に聞いたのは男の声。
いつの間にか彼女の背後に立っていた。

 「あなたは……?」

春香は声がしたほうを振り向く、すると目の前には
黄色の服に身を包んだたくましい体つきの青年が立っていた。

 「某はランサーのサーヴァント、徳川家康。我がマスター、天海春香殿の呼び掛けに応じ馳せ参じた」

目の前に突如と現れたランサーのサーヴァントの名乗った真名。
それを聞いた春香は目を丸くする。

 「と、徳川家康さんって……も、もしかしてあの有名な!?」
 
日本人であれば名前だけでも聞いたことがあるだろう有名な戦国武将の名前。
春香もその有名人が目の前に現れたことにが驚きを隠せなかった。

 「ど、どうしよう本物の徳川家康さん……!?
  え、え〜っと……そうだ!サイン!サイン貰わなくっちゃ!」

ペンと色紙を探すため春香は慌てて、自分の周りを両手で探りまわる。

 「ハハハハハハハハッ、春香殿は面白いマスターだな」

珍妙な行動を取る春香に家康は思わず吹き出し、笑い出す。

 「何がおかしいんですか?笑い事じゃないですよ!」

笑った家康に、春香は不満そうにぷぅと顔を膨らませる。

 「いやぁ、すまなかった。まさかサーヴァントとして呼ばれて
  最初にする事がサインだなんて思いもしなかったからな」
  
 「だって!徳川家康さんって言ったら戦国時代を終わ――う、痛……!」

突如春香の熱い痛みが走り、手の甲を見る。
そこには、胴体部がアルファベット「A」の形を模した
天使のようなマークが赤い光を放っていた。

 「これって、令呪……」

 「そう、聖杯戦争に参加したマスターの証。
  春香殿、貴方はどんな願いを胸にこの月へとやってきたのだ?」


315 : 天海春香&ランサー ◆OOggPY4fk. :2014/07/20(日) 00:04:36 MucWQpoM0
家康に願いを尋ねられた春香はばつが悪そうに目線を下に向ける。

 「私は……確かに願いがあってここに来ました。
  大切な人に会いたいって願いが……
  だけど、他の人達を殺してまで叶えたくありません。
  元いた世界……みんなの所へ帰りたいです!」

春香の搾り出すようにして紡ぐ言葉を聞いた家康はそうか。とゆっくりうなづく。

 「ワシも同じだ。ワシも心の奥底に願いがあった。
  失った絆……かつての友との絆を取り戻したいと……」

家康は自分の握り締めた両手の拳を見つめる。
彼の拳にはあの時の感覚が今でも染み付いていた。
細い身体の彼から繰り出された刀を受け止めた重み、
彼の胸を自らの拳で思いっきり殴った時の衝撃、
彼の頭蓋が自らの拳の衝撃で砕けた音を……

 「だが、ワシは聖杯にそれを望まない。その願いを叶えることは
  今までワシを慕い着いてきてくれた兵、民達の想い、
  そして、今まで歩んできた道を無かった事にしてしまう行為だ」

家康は手を広げ、ゆっくり春香の方へと差し伸べる。

 「月の聖杯戦争への脱出……春香殿、ワシがその力になろう!」

 「でも、私達と違って聖杯が欲しいって人達がいっぱいいるんじゃ……」
 
春香は不安そうに視線をそらす。
オーディションでの争い事には慣れているが、
自分の命を懸けた殺し合いに直面した彼女には不安を隠せなかった。

 「確かに、ワシ達だけではこの戦は厳しいものとなるのだろう。
  だが、春香殿のようなこの聖杯戦争に心ならずとも
  参加してしまったマスターも少なくないはず。
  彼らとの絆を結ぶのだ。」

 「家康さん……」

 「ワシには分かる。春香殿も元の世界の仲間との絆に助けられ
  仲間との絆があるからこそ、自らの記憶を取り戻し、
  聖杯よりも元の世界帰還を望んだのだろう?」

春香は無言で首を縦に振るも、不安そうな顔はまだ消えてはいなかった。
それを見た家康は自分の方からゆっくりと春香の方へ近づく。

 「貴方が手を取るのが難しいのなら、ワシから歩み寄ろう。
  出会うマスターとサーヴァントは説得し、可能な限り
  相手を殺すようなことはしない。これならどうだ?」

家康はもう一度、春香の方へ手を差し伸べる。
春香は家康から差し伸べられた手を両手で恐る恐る握り締める。
握り締めた家康の手は無数のマメや傷の跡の感触が春香の小さな手からも感じられ
お世辞にも綺麗な手とは言い難い。
だが、自分以外に仲間がおらず孤立無縁な彼女にとっては
とても温かく、心強いものだった。

 「よ、よろしくお願いします家康さん!」

 「手を取ってくれてありがとう。この小さな絆がこの大きな争いの運命を変える。
  ワシはそう、信じている!」


316 : 天海春香&ランサー ◆OOggPY4fk. :2014/07/20(日) 00:06:25 MucWQpoM0
【クラス】
ランサー

【真名】
徳川家康@戦国BASARA3

【パラメーター】
筋力B 耐久B 敏捷C 魔力D 幸運C 宝具C

【属性】
秩序・善

【クラススキル】
対魔力:D
一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。
魔力避けのアミュレット程度の対魔力。

【固有スキル】

戦闘続行:A
不屈の闘志。
瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。

カリスマ:B
軍団を指揮する天性の才能。団体戦闘において、自軍の能力を向上させる。
カリスマは稀有な才能で、一国の王としてはBランクで十分と言える。

心眼(真):B
修行・鍛錬によって培った洞察力。
窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。

騎乗:B+
騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、
魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。
ただし、鋼鉄の巨人に乗る場合に限りプラス補正がかかる。

東照権現(とうしょうごんげん):B
ランサーの生前の生き様がスキルとして昇華されたもの。
ランサーと彼との同盟を交わしたサーヴァントの両方に発揮され、
彼と彼の付近にいるサーヴァントは、ステータスや宝具、
相手が行使した宝具の対処に若干有利な補正が与えられる。
同盟を交わしたサーヴァントが多ければ多いほど効力を発揮する。


【宝具】

『絆一願』
ランク:C 種別:対人〜対軍法具 レンジ:1〜50 最大捕捉:30
ランサーとその部下達との絆が宝具化したもの。
ランサーの身長の2倍以上の長さがある機械仕掛けの槍が地中から飛び出し、
彼の手元に納まる。この槍を敵に目掛け投擲してダメージを与える。
また、槍に魔力を込める時間を長くすることによって、
範囲と威力を増大させることも可能。

『葵の極み』
ランク:C 種別:対軍法具 レンジ:1〜50 最大捕捉:50
ランサーが拳を地面に打ち付け、魔力を込めることによって
自らの家紋である『葵の御紋』の形をした光の陣を形成し、相手にダメージを与える宝具。
魔力を込める時間を長くすれば、範囲や威力を広げることができるが、
その分発動までに無防備を晒すことになる。

『淡く微笑め東之照』(バサラワザ)
ランク:B 種別:対人〜対軍法具 レンジ:5〜30 最大捕捉:30
ランサーの拳の乱舞にて周囲の相手を巻き込み、
最後に正拳突きで相手を吹き飛ばす宝具。
発動時間は短いが、この宝具を発動中はいかなる傷を負うことはない。


317 : 天海春香&ランサー ◆OOggPY4fk. :2014/07/20(日) 00:07:23 MucWQpoM0
【Weapon】
『機巧槍』
彼をランサーのクラス足らしめる所以。
本来は彼の1番の部下であり、友である本多忠勝の武器であるが、
生前の彼が攻撃手段の1つとして使用したこともあり、彼の武器となった。
この槍は彼がいつも所持しているものではなく、
宝具『絆一願』の発動によってどこからともなく地中から出現し、
彼の手元に収まる。
しかし彼はこの武器を使用するより、専ら自らの拳で戦うことが多い。

『手甲』
ランサーの装着している防具。
生前の彼は避けられぬ戦の苦行を背負い、自らを傷つくことを選んだ。
そのため彼の戦闘スタイルは主に自らの拳を用いた近接格闘が多く、
この装備が必要不可欠である。
ただの手甲ではなく、光の加護を有しており、
攻撃した相手に低い確率で気絶、防御を解除させる追加判定を持っている。

【人物背景】
スタイリッシュ英雄アクション「戦国BASARA3」のメインキャラクターの一人。
三河国の徳川軍総大将。
小牧長久手の戦いにて豊臣秀吉に敗れ、豊臣軍の傘下となったものの、
民を省みぬ秀吉の世界進出に異を唱え、絆の力で持って天下統一を目指すことを決意。
豊臣軍を抜け、秀吉を倒した。
そのせいで、秀吉を崇拝していたかつての友、石田三成からひどく恨まれてしまう。
そんな彼から逃げず、彼は東軍大将として関ヶ原の戦いへと臨む。
かつての友として、新たな天下泰平"人の絆"を掲げる者として……
誰からも好かれる人懐っこさと太陽のような明るさを持つ男。
しかし、絆を結ぶ一方で絆を断ち切る戦をしている矛盾、
三河武士達の大将になったことで友人であった長曾我部元親や前田家との
関係が変化してしまう孤独などの悩みを抱え込んでしまうものの、
それを表には出すことはない。

【サーヴァントとしての願い】
かつての友であった石田三成との関係を元に戻したい。
しかし、聖杯で叶えてもらうつもりはない

【基本戦術、方針、運用法】
元は無双系ゲームのキャラといっても一騎当千出来るほど聖杯戦争は甘くない!
敵のサーヴァントとマスターを発見した時はアウトレンジから
宝具『絆一願』で槍を投げつけて先手を取り、相手の体制を立て直す暇を与えず、
攻撃するのが勝利への近道だろう。
また、原作のように志を同じくする仲間を見つけて同盟を組み、
有利な補正がかかる集団戦を挑むのも生き残る鍵といえよう。


318 : 天海春香&ランサー ◆OOggPY4fk. :2014/07/20(日) 00:08:10 MucWQpoM0

【マスター】天海春香@アイドルマスター

【参加方法】自分のファンと名乗る人物から贈られてきたキーホルダーがゴフェルの木片で作られていた

【マスターとしての願い】ハリウッドにいるプロデューサーさんに会いたい
            
【weapon】なし
     
【能力・技能】アイドルとしての歌と踊りのスキル。また、お菓子づくりが特技。
       魔法などの特別な力は持っていない。
       
【人物背景】
765プロ所属のアイドル。ゲーム・アニメのメインヒロイン的存在。
明るく前向きなリボンがトレードマークな17歳。
持ち前の明るさは765プロの仲間たちをまとめるのにも一役買っている。
何もないところで転ぶドジっ娘な面も。
事務所の仲間達との絆を誰よりも大事にしており、
一緒にアイドル活動する機会が少なくなってしまった時は
その悩みを1人で背負い込み、自分を追い詰めてしまった時もある。

【方針】みんなの元へ帰る。殺し合いは可能な限り避けて、脱出の道を探す。
    聖杯を使ってまで自分の願いは叶えたくない。


319 : 天海春香&ランサー ◆OOggPY4fk. :2014/07/20(日) 00:09:34 MucWQpoM0
投下終了です。ギリギリの投下になってしまい
大変申し訳ございませんでした


320 : ◆JEU0nKNmAc :2014/07/20(日) 00:18:57 DTVJn7gc0
みなさん投下乙です。だいぶ混雑してますがライダー投下させてください


321 : 碇シンジ&ライダー  ◆JEU0nKNmAc :2014/07/20(日) 00:21:22 DTVJn7gc0

僕は…ダメだ。

ダメなんですよ…。

ヒトを傷つけてまで、殺してまでエヴァに乗る資格ないんだ。

僕はエヴァにのるしかないと思ってた。でもそんなのごまかしだ。

何もわかってない僕にはエヴァに乗る価値もない。

僕にはヒトの為にできる事なんてなにもないんだ。

アスカにひどいことしたんだ。カヲル君も殺してしまったんだ。

やさしさなんかかけらもない、ずるくて臆病なだけだ。

僕にはヒトを傷つけることしかできないんだ。

だったら何もしない方がいい!


「もういい…………」


「もう、いいんだ……」


なのに。


セカイが終わっても。


最後のヒトリに拒絶されても。


それでもまだ――――、




「問おう……いや、問うまでもない。『オマエ』が僕のマスターだ――」




――――僕はまだ、碇シンジの生は、まだ、終わってくれない。


.


322 : 碇シンジ&ライダー  ◆JEU0nKNmAc :2014/07/20(日) 00:22:56 DTVJn7gc0

◆◆◆◆


何の変哲もない昼下がり。
何の変哲もない普通の主婦が買い物からかえってきて、マンションのエレベーターから目的の階に降りると、廊下から騒がしい声がする。

「ライダー! また勝手に……!」
「いいだろ別に!」

この声には聞き覚えがある。
隣の……そう、○×△号室の子だ。
時折、挨拶を交わす程度の親交しかないが、こんなに騒がしい子だったろうか。
むしろおとなしい子だったという印象がある。
たしか名前は……、

「あら、シンジくん……が、ふたり?」
「あ……こんにちわ」
「こんにちわ」

最初に挨拶した方がシンジくん。こちらは記憶どおりのおとなしい子だ。
二人目の子の方は、顔立ちがそっくりだが、姿勢よくハキハキと挨拶してくる。

「そちら、そっくりねえ。兄弟かなにかなの?」
「あ、その……」
「親戚です。ちょっと田舎からシンジくんの家に遊びにきました」

二人はそっくりだが、並べてみると違いははっきりとわかる。
一方は控えめでうつむき加減、そしてもう一方は堂々としていてきちんとしゃべる。
田舎でのびのびと育ったせいだろうか。
態度の違いが、顔立ちすら違うものに見せるほどだ。

「はじめまして、隣の部屋のものよ。よろしくね」
「はい、よろしくおねがいします。僕はシンジくんの親戚の……えー」
「バカ、ライダー……」
「あ、そうそう! 碇ライタです! シンジくんからはライダーって渾名で呼ばれてるんですよ。名前がホラ、仮面ライダーみたいな」

表情が豊かな子だ。
こんな明るい笑顔は、同じつくりの顔でもシンジくんの方は見せたことが無い。

「そうなの。よくきたわね。でもあまり廊下で騒がないようにしてね」
「はい、すいませんでした」
「すいません……」

よく似た二人は謝罪しながら自室へと戻っていった。
隣室の主婦の設定を与えられたNPCも、軽く会釈を返して自室に帰っていく。


323 : 碇シンジ&ライダー  ◆JEU0nKNmAc :2014/07/20(日) 00:24:43 DTVJn7gc0


◆◆◆◆


「ライダー!」
「わかったよ、わかったからもう言わないでよ。なっ!」

自室に戻って鍵を閉め、誰にも見られていないことを確認してから、碇シンジは己のサーヴァントを睨んだ。
サーヴァントは上から下まで自分とうりふたつ。
しかも外見だけではない。真名すらも同姓同名、碇シンジだという。
自分自身を睨み、叱る――なんだか鏡の前で一人芝居をしている錯覚に襲われる。

「実体化してホイホイ外に出るのやめてよ。トラブルの種だ」
「いいじゃん、たまたま顔がそっくりな親戚で通せば。僕と『オマエ』が同一人物だなんて、喋れば誰も思わないよ」

そう、こいつは碇シンジであって、碇シンジじゃない。
少なくともシンジ自身ですら、このサーヴァントが自分自身だとは全く信じられない。
それほどまでに性格が違う。
明るく、活発で、好奇心旺盛。本物のシンジと同じく家事を一通りこなした上で、さらに運動神経は抜群だ。

「さっさと晩御飯の支度させてくれよ。ホラホラ今日は肉の特売日だったから、豪勢にするからさ。
 『オマエ』はゆっくりテレビでも見ててよ」

碇シンジが自分と同じ姿のサーヴァントと邂逅をはたし、この奇妙な同居生活が始まってから数日。
家事は当番制。今日はライダーがやることになっている。
実際、料理の腕前は悪くない。いやどちらかといえばシンジよりも上手い。
こいつが作る食事は楽しみだし、この生活自体も悪くないと感じている。
出会った当初から、ライダーはとてもシンジに気を使ってくれていると思う。
おかげでシンジ自身、この生活はとても居心地がいい。
聖杯戦争の真っ最中で、街のどこかでは他のマスターが殺しあっているなど、今のところは想像もつかない平和な暮らしを送っている。

「…………ねえ、ライダー」
「んー?」

シンジはリビングのソファに座ってテレビをつける。
そして、美味しそうな匂いをさせ始めたキッチンの方へ声をかけた。

「ライダーは……『キミ』は、なんでこんなに優しくしてくれるの」
「……僕と『オマエ』は一心同体だからさ。マスターとサーヴァントってのはそういうものだよ」

シンジはその言葉を鵜呑みにすることができない。
自分は取り返しのつかないことをした。
大切な人々を傷つけてばかりで、何一つ守ることもできやしない。
挙句に世界を滅ぼした。
自分なんか死んでしまえばよかったのだ。
自分自身に何一つ価値などありはしない。
それなのに――、

目の前のテレビがニュースをやっている。内容は何一つとしてシンジの頭に入ってこない。


324 : 碇シンジ&ライダー  ◆JEU0nKNmAc :2014/07/20(日) 00:26:24 DTVJn7gc0


◆◆◆◆


ここ数日、ずっと変わった夢を見ている。


僕の知らない、碇シンジの夢だ。


夢の内容は毎回まったく違う。


でも、必ず碇シンジは登場する。


そして僕なんかにはできないような、まるで物語のヒーローのような活躍で、難題を克服していく。


◆◆◆◆


「シンジ。もう、私を見るのはやめろ」
「え?」
「人は皆、自分ひとりの力で生き、自分ひとりの力で成長していくものだ。
 親を必要とするのは赤ん坊だけで、そしておまえは、もう赤ん坊ではないはずだ」
「……」
「自分の足で、地に立って歩け。私もそうしてきた」
「でも、僕は……」
「私とわかり合おうなどと思うな。人は何故かお互いを理解しようと努力する。
 しかし覚えておけ、人と人が完全に理解し合うことは決してできぬ。人とは そういう悲しい生き物だ」


――碇ゲンドウが、父さんが僕に向かってこんなことを言うのを、僕は知らない。


325 : 碇シンジ&ライダー  ◆JEU0nKNmAc :2014/07/20(日) 00:27:47 DTVJn7gc0


◆◆◆◆


――どこかのエレベーターの中で、アスカと綾波が会話している。


「ふん、人形のくせに生意気ねっ、ひとつだけ聞くわ、あのバカをどう思ってんの?」
「バカ?」
「バカと言えば、バカシンジでしょ!」
「碇くん……」
「どうなの?」
「よく、わからない」
「これだから日本人は! はっきりしなさいよ!」
「わからない ただ……碇くんと一緒にいるとポカポカする。あたしも碇くんもポカポカしてほしい。
 碇指令と仲良くなってポカポカしてほしいと思う」
「わかった」


――ここでアスカは立ち去り、綾波に聞こえないところで呟く。

 
「ホント、つくづくずれてるバカね。それって好きってことじゃん!」


――二人がこんな会話をしていたことなんて、僕は知らない。


◆◆◆◆


――夜のベランダで、僕の知らない碇シンジと見知らぬ少女が会話している。


「私ね、ひとりで生きてく」
「……」
「病院で思い切り泣いたらすっきりしちゃった」
「あの、彼のために……泣いたんだね」
「……そうかもね」
「マナ」
「ん?」
「ひとりぼっちはマナだけじゃないよ」
「シンジ……」
「それに、ひとりってそんなに悪いもんでもないし。ひとりだったからマナと二人になれたんだ。いいこともあるんだよ」
「ありがとうシンジ……」


――碇シンジが、マナと呼んだ少女を、僕は知らない。


326 : 碇シンジ&ライダー  ◆JEU0nKNmAc :2014/07/20(日) 00:29:13 DTVJn7gc0


◆◆◆◆


――見慣れた自分の部屋のベッドの上で、僕の知らない碇シンジがアスカを組み敷いている。


「んぅ……シンジィ……」
「アスカ……」


――熱い吐息が絡み合う。二人は何も着ていない。アスカの無防備な肢体を撫で回す二本の手。その度に甘い声が漏れる。


「はぁぁ…………あぁ…………んっ……んっ……」
「はぁ、はぁ、はぁ…………」


――アスカがこんなにも潤んだ瞳で、されるがままになっている姿を、僕は知らない。


「アスカ……アスカッ……」
「シンジ……抱きしめて、強く……もっと強くぅ……!」




















――この夢から醒めた直後に速攻でパンツを洗濯する羽目になった。


327 : 碇シンジ&ライダー  ◆JEU0nKNmAc :2014/07/20(日) 00:30:05 DTVJn7gc0


◆◆◆◆


これはライダーの夢なのだろう。

僕よりも上手くやれる、僕以外の碇シンジ。

最初からこうであればよかったんだ。

何で、なぜ僕なんだ。

世界の命運を握るのに僕なんかより相応しい人は、数え切れないほどいたはずだ。

僕なんかがエヴァのパイロットだったから失敗した。

僕なんかがいたから、誰も救えなかった。

何もかもが怖くて、逃げ出したくてたまらない。

これでも必死でやったんだ。

必死でやって、結局はこうだったんだ。

これ以上、何をどうしろっていうんだ。

責任をとって自分で死ぬ勇気もない。

こうしてのうのうと生きている。

どうしてライダーは、『キミ』は、こんな僕のそばにいてくれるんだ――――


328 : 碇シンジ&ライダー  ◆JEU0nKNmAc :2014/07/20(日) 00:31:25 DTVJn7gc0


◆◆◆◆


なぜ僕が生まれたのか。

碇シンジでない碇シンジが生まれたのか。

それはマスター、『オマエ』がヒーローだからさ。

『オマエ』は歪な僕なんかじゃ及びもつかないヒーローなんだ。

『オマエ』は親から愛された確信が持てない。

『オマエ』は過酷な世界と比べて、あまりに傷つきやすく脆弱だ。

それでも『オマエ』は弱いままに必死で戦った。

そして『オマエ』は何一つ勝ち取ることができなかった。守れたものなんて、ただの一つもなかった。

だからこそ皆が『オマエ』を応援したんだ。

過酷な世界で、弱いままに、愛されず、傷ついて、そして報われることがなかった『オマエ』だからこそなんだ。

世界はいつもそんな風に残酷で、そんな奴等ばっかりで、そして大抵は物語にすらならずに消えていく。

だから『オマエ』は、そんな奴等のヒーローで、奴等はそんなヒーローのために物語を紡いだ。

それが僕だ。

そもそもなんでそんな物語を紡いだと思う?

結局、奴等はヒーローを救いたかったんだ。

救われなかったからこそヒーローたりえた物語を歪めて、それでもみんな『オマエ』を救いたかったんだ。


僕は――、


僕という英霊の物語は――、


何より『オマエ』を救うために生まれたのさ――――

.


329 : 碇シンジ&ライダー  ◆JEU0nKNmAc :2014/07/20(日) 00:33:30 DTVJn7gc0

【CLASS】
ライダー

【真名】
碇シンジ

【出展】
新世紀エヴァンゲリオン?

【パラメーター】
筋力D 耐久D 敏捷B 魔力C 幸運EX 宝具A++

【属性】
混沌・善
 
【クラススキル】
騎乗:A+ 騎乗の才能。獣であるのならば幻獣・神獣のものまで乗りこなせる。ただし、竜種は該当しない。
対魔力:B 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。

【保有スキル】
神殺:A 神や神獣との豊富な戦闘経験。神性を持つものに威圧を与え、更に与えるダメージを二倍として計算する。
防壁破壊:A 神秘を帯びた攻撃による防壁破壊。魔力防壁の破壊判定を行う。判定に失敗した場合でも、防壁の防御力をわずかに減少させる。
       減少値は防壁破壊のランクに比例する。

【宝具】
『逆行新世紀(ゴーズ・アゲインスト・エヴァンゲリオン)』
ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1
いわゆるスパシンもので最も多かったのが、欝エンドのサードインパクトからタイムスリップして過去をやりなおす「逆行モノ」である。
その過去をやりなおす能力が宝具となったもの。一度だけ死から自動的に蘇生し、直後に一瞬だけ能力がオールワンランクアップ。

『汎用人型決戦兵器EVE初号機(エヴァンゲリオン・ザ・ビースト)』
ランク:A 種別:対城宝具 レンジ:1〜50 最大補足:200人
原初の生命体たるアダムのコピーにして、英霊・碇シンジが駆ることで幾度もの戦いに勝利し、そして世界を滅ぼした巨人。
なお、公式で大きさが定まっていないため、召喚する際にシンジの意思によって大きさを変えられる。
覚醒ビーストモード、神殺しのロンギヌスの槍、if設定におけるF型装備など、様々な武装にも変更可能。

『絶対恐怖領域(アブソリュート・テラー・フィールド)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1〜10 最大補足:10人
いわゆるA.T.フィールド。展開時にはオレンジ色をした正八角形の波紋らしきものが発生する事が特徴。
全方位からの攻撃を防御可能なバリアとして機能し、原作では戦略核に相当する兵器の被害すら大きく軽減してしまう。
変則的な運用も可能で、フィールドで敵を吹き飛ばすなど攻撃手段として利用された事もある。
渚カヲルの仄めかした言葉によれば、A.T.フィールドの正体は「ヒトの持つ心の壁」であり、
使徒やエヴァ、人類を含む全ての生命体が、他者を拒絶し自己の肉体や精神を保持する為に有する能力である。
生身のライダー、初号機搭乗時の両方で展開可能。なお極めて大出力のエネルギーならば突破することが可能である。

『魂のルフラン(ジ・エンド・オブ・エヴァンゲリオン)』
ランク:EX 種別:対界宝具 レンジ:0〜99 最大補足:500人
初号機召喚時のみ使用可能。固有結界を展開し、自身と初号機を生贄に捧げることでサードインパクトを発生させる。
結界内に捉えた敵は自我の境界を保つことができなくなり、心身崩壊してLCLの海に還っていく。
この聖杯戦争のルール上、マスターの命も捧げることになるので、まず使われることはない超弩級の自爆技。


330 : 碇シンジ&ライダー  ◆JEU0nKNmAc :2014/07/20(日) 00:35:28 DTVJn7gc0
【weapon】
初号機を召喚し、騎乗することで十全の力を発揮する。
なおスパシンものには軍隊や潜入工作員の訓練を受けたシンジも多数存在しており、近代兵器や格闘術も使いこなす。

【人物背景】
性格は内向的で、人付き合いも余り上手くない。
また、父とずっと離れて暮らしていたため、父、碇ゲンドウに対して複雑な感情を抱いている。
TV版では行動が否定されることが多かったため、塞ぎこむ事が多かった。そのため暗い性格になっていく。

…………以上のことから只でさえ暗い性格だった碇シンジが、原作の最後まで救いの無い終わり方だったことに多数のファンが爆発。
二次創作でその鬱憤を晴らそうと大量生産されたのが、強く、明るく、モテて、かっこいい碇シンジ様である。
いわゆるスーパーシンジと呼ばれる。略してスパシン。
非公式な創作だけでなく、様々なメディアミックス化に際しても、その傾向はあちこちで見て取れる。
太古の宗教における教祖がただの人間であったにも関わらず、その弟子たちによって神に等しい存在に祭り上げられたように、
根暗で悲劇に振り回され続けた碇シンジ少年は、ファンの信仰によってヒーローへと改変された。
このライダーは、歪んだ信仰の果ての顕現である。

【サーヴァントとしての願い】
マスターを救うこと。

【基本戦術、方針、運用法】
真っ向勝負でもひけをとらない上に、性格的にも融通が利くので多少汚い戦法も問題なくこなす。
マスターに対して思い入れが深すぎる点が、今後の影響としてどう出るか。


331 : 碇シンジ&ライダー  ◆JEU0nKNmAc :2014/07/20(日) 00:37:19 DTVJn7gc0

【マスター】
碇シンジ

【出展】
新世紀エヴァンゲリオン

【参加方法】
サードインパクト後の世界でゴフェルの木片を握り締め、アイを叫んだ。

【マスターとしての願い】
せめて自分自身を好きになりたい(自責と自己嫌悪の念が大きすぎて自らの気持ちを押しつぶしている状態)

【weapon】
なし

【能力・技能】
家事・洗濯・掃除一通り。
チェロが弾ける。

【人物背景】
EVA初号機の専属パイロットであり、「サードチルドレン」と呼ばれる少年。2001年6月6日生まれの14歳。
幼い頃に知人(貞本漫画版では母方の伯父一家)の下に預けられ、長らく親元を離れて生活していた。
ある日父親・碇ゲンドウに第3新東京市に呼び出され、使徒との壮絶な戦いの渦中に巻き込まれてゆく。
3歳の時、母親・碇ユイが初号機の起動実験中にEVAの内部に取り込まれて消滅(ただ、シンジ自身はこの時の記憶をほとんど覚えていない)。
その後、父のゲンドウも半ば彼を捨てるような形で知人に預け、去ってしまう。
唯一の肉親である父親からは、その後も冷淡な態度を取られ続けており、強い苦手意識を抱いている。
が、一方で内心では解り合いたいとも強く願っている。
やや内向的で繊細な性格。自らの存在意義に思い悩んでおり、苛酷な状況に追い詰められた際などは極めて情緒不安定に陥る事も。
ただ、劇中において後ろ向きな態度が強く出ていたのは、過酷な状況に置かれたストレスによるもの。
根はあくまで普通の中学生のそれであり社交性も意外と高く、物語中盤の描写からも社交性もある事が窺い知れる。
料理は得意で、同居するミサト、アスカの分まで作っていると思われる描写がある。
チェロが弾けたり、教えてもらったことをすぐにこなせたりと、実は意外と多才だったりする。
学校の成績も「優等生」の呼び名のように秀才型である様子が伺える。
また、非常に優柔不断な性格だと思われがちだが、こうと決めたら絶対に曲げない頑固な面がある。
クラスメイトの友人たちといるときは屈託のない素直な姿を見せてもいたが、その友人が戦いに巻き込まれ犠牲となってしまう。
この一件を皮切りに、物語後半へ向けて畳み掛けるような環境の悪化に見舞われ、彼の心は次第に蝕まれてゆくことになる。

【方針】
ライダーについていく。


332 : 碇シンジ&ライダー  ◆JEU0nKNmAc :2014/07/20(日) 00:39:11 DTVJn7gc0
投下終了しました


333 : ジョセフ・ジョースター&セイバー ◆zOP8kJd6Ys :2014/07/20(日) 00:40:11 LNlWx1Uc0
続いて投下します。


334 : ジョセフ・ジョースター&セイバー ◆zOP8kJd6Ys :2014/07/20(日) 00:41:01 LNlWx1Uc0

「オーノー!! なんてこったぁ!!」

ホテルの一室に初老の男の悲鳴が響き渡る。
叫んだ男の名はジョセフ・ジョースター。
65歳という老齢ながら195cmもの上背とそれに見合った筋肉を持つ偉丈夫である。
彼が叫んだ理由。それは今、まさに彼の記憶が復活しからに他ならなかった。
娘のホリィにかけられた血統にまつわる呪縛を解放するため、エジプトへと旅をしていた筈のジョセフ。
元凶たるディオからのスタンド使いの刺客との死闘を繰り広げ、ついにカイロへとたどり着いた……筈だった。
しかしそこからの記憶がない。
気づけばこのホテルの一室に住みつき、月見原学園の英語教師として日々を繰り返していたのだ。
そして記憶が戻った今全てがわかる。

聖杯戦争。

そんな大規模な魔術儀式に自分は巻き込まれてしまったのだ。

「他のマスターとサーヴァントを全て倒し、聖杯を手に入れろじゃと?
 ワシにはそんなことやっとる暇はないんじゃ! 娘は、ホリィは今も苦しんでおるのだ!!
 一刻も早く承太郎達と合流しなければ!」

「ならば聖杯に願えばいいのではないか? 娘を救えと」

「何じゃと!? 誰だ!!?」

ジョセフの背後から唐突に掛けられた声。
彼が振り向くとそこには自分と同じくらいの歳の男が立っていた。
白髪に髭、騎士の鎧を身にまといその上から貫頭衣を羽織っている。

「失礼した私はセイバー。貴殿が我がマスターとお見受けする、相違あるまいか?」

「む……うむ、そうじゃな。この令呪を通してパス?というのか繋がりのようなものを感じる。


335 : ジョセフ・ジョースター&セイバー ◆zOP8kJd6Ys :2014/07/20(日) 00:41:39 LNlWx1Uc0

 恐らくワシがお主のマスターで違いあるまい」

ジョセフは右手に刻まれた荊のような三角の紋様を見やる。
左手に現れなかったのは彼の左手が義手であった為だろう。

「しかしまた……老いぼれがやってきたのう。戦えるのか?」

「老いぼれなのはお互い様というところであろうよ。
 我が名は雷神の異名をとるシドルファス・オルランドゥ。
 世界広しといえど『剣聖』の称号を頂く騎士は私一人であった。
 老いたりと言えそこらのひよっ子に負けはせぬよ」

セイバー ――雷神シドは腰に吊り下げた騎士剣の柄に手をかけた、かと思うと
ちん、と剣を鍔鳴らせた。
その瞬間――ジョセフの髪と髭が1mmほど散髪される。

「ぬぅ!?」
「おわかりかな?」

空に舞う己の白毛を見て思わずジョセフは髭を庇うように手で押さえた。

(こ、これは? 剣を抜いて斬った……というのか? バカな!)

ジョセフの目には斬られたというのに全く彼の剣閃を捉えることができなかった。
それが事実だとするならば彼の仲間、ポルナレフのスタンド銀の戦車(シルバーチャリオッツ)に匹敵、
ややもすればそれを超える腕前である。

「オーマイゴッド……成程のう、どうやら見縊っておったようじゃ。すまなかったなセイバーよ」

「いや、納得してもらえたのならば重畳。それでどうするのだ?」


336 : ジョセフ・ジョースター&セイバー ◆zOP8kJd6Ys :2014/07/20(日) 00:42:28 LNlWx1Uc0

「どうする、とは?」

「私を使役して他のマスターを全て殺し、聖杯に願う。そういう道もある、ということだ」

「…………」

ジョセフは思う。
彼の祖父、ジョナサン・ジョースターは本物の紳士だったと祖母エリナから聞いている。
父ジョージ二世も、曽祖父ジョージ一世もまた正義を貫く黄金の精神の持ち主であったと。
娘のホリィは言うに及ばず悪ぶってはいるが孫の承太郎も正義の心の塊のような男であった。
ジョースター家の人間が代々受け継いできた黄金の精神。
それはこのような殺し合いを許容するものでは断じてない。
だがこれは聖杯戦争。
殺さなければ殺されるのがこの世界の唯一にしてシンプルなルール。
参加しているのは誰もが聖杯を望み、願いを叶えようとする者たち。
ジョセフのように事故のように巻き込まれたものは少数派なのだ。
相手は殺す覚悟をもってジョセフへと迫るだろう。殺される覚悟をも持って。

「祖父ならば……この戦いを止めようとしたのじゃろうな……」

「……では」

「うむ、ワシは娘の命を最優先に考える。この聖杯戦争に勝ち残り、ホリィを救うのじゃ。
 地獄でエリナばあちゃんやおじいちゃんに怒られることは……ま、後で考えることとするか」

「承知した、我がマスターよ」

セイバーはジョセフへと傅き、臣下の礼をとる。
それに頷き、ジョセフは尋ねた。

「セイバー、いやシドルファス・オルランドゥよ。お主の聖杯への願いとは何じゃ?」


337 : ジョセフ・ジョースター&セイバー ◆zOP8kJd6Ys :2014/07/20(日) 00:43:12 LNlWx1Uc0

「我が望みは更なる剣の高みへと近づくことのみ」

「ほう」

生前の彼は主君に裏切られた後はラムザに手を貸し、イヴァリースの為にその力を振るった。
己の為ではなく世界のためにこそ剣の腕を磨いた。
そして死都ミュロンドにおいてシドの記憶は途切れる。
その戦いでシドが知りえたこと、それは彼が彼の思っているよりも強い、ということだった。
ルカヴィという人知を超えた悪魔と戦い、彼は五分以上に戦い得た。
ラムザ達仲間の力もあったが聖天使アルテマを相手に一歩も引かず戦い抜いた。

「そして今、再びこの身を得て思ったのだ。己の限界を知りたい。もっと強くなりたい、とな」

ここは異界。イヴァリースではない。いや、そうであっても一度死したシドに生前のしがらみはない。
もう忠も誠も彼を縛ることはない。

「ならば、今からは私は己の為に剣を振るう。ただ、強さを極める為に」

「わかったセイバーよ。ワシの為でなく己の為にその剣を振るうがいい。
 それがワシの、娘の命を救うだろう」

「ありがとう、我がマスターよ。貴方の願い、必ずや我が剣にて成し遂げようぞ」



彼らは進む。その先に地獄が待っていようと望むところであった。


老兵は去らず、いまだ進むのみ。


338 : ジョセフ・ジョースター&セイバー ◆zOP8kJd6Ys :2014/07/20(日) 00:43:54 LNlWx1Uc0
【CLASS】セイバー

【真名】シドルファス・オルランドゥ

【パラメーター】
 筋力A 耐久B 敏捷B(A) 魔力C 幸運D 宝具B

【属性】
  秩序・善 

【クラススキル】
 対魔力:A
 A以下の魔術は無効化。事実上、現代の魔術で彼を傷つけることは不可能。

 騎乗:B
 大抵の動物を乗りこなしてしまう技能。幻想種(魔獣・聖獣)を乗りこなすことはできない。

【保有スキル】

 全剣技:A
 対象に状態異常を付加する「聖剣技」、対象の生命力、魔力を吸収する「暗黒剣」
 そして対象の装備を破壊することに特化した「剛剣」、三剣技全てを極めた雷神シドだけの技。

 二刀流:B
 忍者のジョブを経験し、習得した高等技術。

 無窮の武練:A
 ひとつの時代で無双を誇るまでに到達した武芸の手練。
 心技体の完全な合一により、いかなる精神的制約の影響下にあっても十全の戦闘能力を発揮できる。

 矢よけの加護:A
 飛び道具に対する防御。
 視界外の狙撃手からの攻撃であっても投擲武装であれば、対処できる。
 ただし超遠距離からの直接攻撃は該当せず、広範囲の全体攻撃にも該当しない。

 一騎当千:B
 一対多人数を想定した戦場における戦術的直感力。師団クラスの敵対勢力、または相手の
 対軍宝具・対城宝具に対処する場合に有利な補正が与えられる。

【宝具】

【我に勝利導く秩序の剣(エクスカリバー)】
ランク:C+ 種別:対魔宝具 レンジ:1 最大補足:1

オルランドゥが持つ伝説の聖なる騎士剣。王の中の王、真の王者の剣と言われる。
「ヘイスト」の魔力が込められており、永続的に使い手の敏捷値を1ランクアップする。
またこの剣自体は無属性だが聖属性を強化する能力を秘めており、自身の聖属性の技を強化し、
相手の攻撃が聖属性だった場合その力を吸収し無効化する。


【汝に敗北誘う混沌の剣(カオスブレイド)】
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1

深淵が広がる地下迷宮「ディープダンジョン」にて手に入れた最強の騎士剣。
神から授けられたと伝えられる神聖な騎士剣である。
「石化」の魔力が込められており、攻撃した相手を石化させてしまう凶悪な魔法剣。
また「リジェネ」の魔力も持ち、使い手の傷を永続的に癒し続ける。
回復量は大きくはないが永続効果であるため、持久戦に有利となる。

【闇の異形呼ぶ天秤の聖石(リーブラ)】
ランク:??? 種別:??? レンジ:??? 最大補足:???

オルランドゥの家に代々伝わっていた家宝の石。
聖石に選ばれた"相応しい肉体"を持つ人間が激しい絶望と悲憤をに反応してルカヴィが喚び出され、
"契約"をすることで人間の魂とルカヴィの肉体が融合し、ルカヴィは現世に現れることができる。
ルカヴィとは神が作り出した闇の異形者。リーブラに封印されているのは【審判の霊樹エクスデス】である。
オルランドゥ自身の意志でこの宝具を発動させることは出来ず、
聖石が誰を適合者として選ぶのかも全くの未知数。オルランドゥにとって完全にマイナス効果しかない宝具。

【weapon】騎士剣

【人物背景】
FFTに登場するシド。59歳。
固有ジョブ「剣聖」を持ち、「雷神」の二つ名を持つ、ゴルターナ公お抱えの南天騎士団団長。
伯爵の爵位をもつため、作中ではしばしば「オルランドゥ伯」とも呼ばれる。
ラムザの父である亡きバルバネス卿と並び、畏国最強の騎士と称された人物。
義理の息子としてオーラン・デュライがいる。
獅子戦争には批判的で、ゴルターナ公に和平工作を勧めていたが、ディリータの策略により
ゴルターナ公から疎んじられ、やがて謀反の嫌疑をかけられてベスラ要塞に投獄される。
後釜に開戦派のディリータを重用するゴルターナ公に失望したシドは、救出に来たラムザ達に同行する。


【サーヴァントとしての願い】
国と民のしがらみより解き放たれた彼はただ己を高める為だけに強者を求める。

【基本戦術、方針、運用法】
正々堂々と1対1で戦い勝利する。卑劣な罠や策略も正面から打ち破るつもりである。


339 : ジョセフ・ジョースター&セイバー ◆zOP8kJd6Ys :2014/07/20(日) 00:44:43 LNlWx1Uc0
【マスター】
 ジョセフ・ジョースター@ジョジョの奇妙な冒険第三部スターダストクルセイダーズ

【参加方法】
 ディオを倒すための旅の途中で偶然ゴフェルの木片に触れた。

【マスターとしての願い】
 ホリィを救う。そして元の世界へ戻り、承太郎と合流する。

【weapon】老いてなお衰えぬ頭脳


【能力・技能】
 スタンド能力「隠者の紫(ハーミット・パープル)」
精神エネルギーをもとに生み出されたパワーあるビジョン・スタンド。
ジョセフのそれは腕から絡みつく茨として現れる。その能力は念写能力。
カメラを壊すことで遠く離れた場所を写真として映し出す。
それ以外にもテレビを使って敵の情報を訊きだす念聴や、道端の灰などで地図を作り出したり
電線に入り込んだりするなどかなり多彩な能力バリエーションを持つ情報収集専門の能力である。
一応ロープ替わりにぶら下がったり、相手を縛るなどの使い方もできるが力はあまり強くはない。
茨を通じて波紋を流すこともできる。

 仙道「波紋法」
呼吸によって生み出される生命のエネルギー。吸血鬼やゾンビなどアンデッド生物にとって特効がある。
また攻撃だけでなく鎮痛効果や探知、補助などその応用性は高い。
血液を操ることで血液毒などはほぼ無効化できる。

【人物背景】
1920年9月27日誕生、イギリス出身。18歳の時にアメリカ合衆国に移住し、後に帰化している。
身長195cm、体重97kg。血液型B型。ジョナサン・ジョースター、エリナ・ペンドルトン夫妻の息子である
ジョージ・ジョースター2世と、母エリザベス(リサリサ)の間に生を受ける。
イギリス空軍のパイロットだった父は、ジョセフが生まれて間もない頃に殺害され、
母もある事情から死んだことにされていたため、幼少期・少年時代は祖母エリナの手で育てられた。
18歳の時にリサリサの召使だったスージーQと結婚し、一人娘・ホリィをもうけた。
空条承太郎は、ホリィと日本人ミュージシャン・空条貞夫の間に生まれた孫である。
ニューヨークにて「ジョースター不動産」を経営する不動産王となった。
過去の戦いで失った左腕には金属製の義手を装着し、その上に手袋を着けて隠している。
溺愛する愛娘ホリィに要請され、孫の承太郎の異変に対応すべく日本へ向かう。
ジョナサンの肉体の首から下を奪って100年の時を経て復活したDIOの影響により、
ジョースターの血統であるジョセフ、ホリィ、承太郎にスタンド能力が顕現するが、
ジョセフや承太郎と違って闘争心の希薄なホリィには、スタンド能力が心身に悪影響を与えてしまい、
危篤状態へと陥ってしまう。ホリィを救い祖父の代から続く因縁に決着をつけるため、
承太郎やモハメド・アヴドゥル、花京院典明やジャン=ピエール・ポルナレフら仲間たちと共に
DIOを倒すべく、エジプトを目指す。

【方針】
ハーミット・パープルで情報収集を行いながら、オルランドゥの力で堅実に1組ずつ数を減らしていく。


340 : ジョセフ・ジョースター&セイバー ◆zOP8kJd6Ys :2014/07/20(日) 00:45:22 LNlWx1Uc0
投下終了です。


341 : 風鳴弦十郎&キャスター :2014/07/20(日) 01:17:53 ti8dW3Oc0
それでは投下していきます。


342 : 風鳴弦十郎&キャスター :2014/07/20(日) 01:27:17 ti8dW3Oc0
『子供を守るのは大人の役目だ。』


『だから、今度こそ俺はこの拳で…………』


『君たちを守ってみせる』


 そう、彼は彼女に言った。
熱い炎を瞳に宿し、彼は誓った。
だから、彼女もきっと最後まで信じるだろう。
この男の熱い誓いを………………

⚫️

「って言ってたのに!!マスターのうそつき〜!!」

「ウガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

「キャスター!泣いてないでもっと走るスピードをあげて!!」

 とても長い廊下を、1人の少女と一匹の猫が走っていた。その後ろからは黒い筋肉の塊みたいな怪物が追いかけていた。
 いきなりだが、少女・月野うさぎは逃げていた。
何からとは言うまでもなく、後ろから追いかけてきれている怪物からである

「なんなのよ!?あれは!?」
「あれは【バーサーカー】のクラスのサーヴァントだわ!!」
 うさぎと一緒に逃げていた猫・ルナはうさぎより少し余裕を持ってこの状況を分析し、彼女に伝える。
「え!?あれがバーサーカーなの!?」

「そうみたいね……。キャスターが持っている宝具を使えばなんとかなるんだけど」

「む、無理よ!!あんなのとどうやって戦うのよ!?」

「あのね、あなたもまがりなりにもサーヴァントなのよ!!ちょっとは戦って」


 うさぎは一見すれば、ただの女子中学生に見えるが、こう見えても彼女は【聖杯戦争】に参加しているサーヴァントの1人なのである。
実際、このバーサーカーとも戦うことは一応できるのだが………。


343 : 風鳴弦十郎&キャスター :2014/07/20(日) 01:29:27 ti8dW3Oc0
「絶対に嫌!こういうのはマスターがやることだもん!!」

「……キャスター、それサーヴァントが言うセリフじゃないわ」

 そう言ってルナは呆れた様子でうさぎを睨む。

 そう、このうさぎという少女はとことんと戦うことが嫌いなのである。
痛いことや怖いことが苦手で、なおかつ人を傷つけるのを嫌っているため、全く戦闘に向いていないのである。

 じゃあ、なんでそんな彼女が【聖杯戦争】に出ているのか聞かれれば、色々と複雑な理由が関わってくるのだが今は説明を省こう。


「とにかくキャスター、まずは変身を…………」

「あ!?」

「え!?」

 うさぎとルナがもめながら逃げていると、とうとう行き止まりに当たってしまった。

 別の逃げ道を探して振り向くともうすでにバーサーカーはすぐ近くまで迫っていた。


「どうするの、キャスター!!もう迷っている時間はないわよ!!」

「うぅ、でも〜」


 この期に及んでまだうさぎが悩んでいると、バーサーカーの後ろから1人の男が出てきた。
どうやらバーサーカーのマスターのようだ。


「け、けけけ。やっと捕まえた〜。」

「ひっ」

「オレたちはついてんな〜。こんな弱そうな奴を見つけることができたんだからな〜」

「な、なんでこんなことするのよ!!私があんたに何をしたって言うの!!」


 うさぎは涙目になりながら、男に問いかける。


344 : 風鳴弦十郎&キャスター :2014/07/20(日) 01:31:33 ti8dW3Oc0
 そんな姿を馬鹿にするように男は大声 で笑い出す。


「アハハハハハ!何でって、そんなの決まってるだろ〜?【聖杯戦争】に勝って、オレの願いを叶えるんだよ。だから、お前はここで死ねよ!!」


「………………」


 狂ったように笑い出す男を見て、うさぎは悲しそうな瞳をして男を見つめる。

「なんだよ、その目は」

「……誰かを犠牲にして、願いを叶えるなんておかしいよ」

「は?」

「私にだって叶えたい夢はあるわよ。でも、人の命を奪ってまで夢を叶えたくないわ!!」


 さっきまでの情けないうさぎとは打って変わって、凛とした立ち振る舞いで男の前に立つ。
そんなうさぎの瞳には強い光を宿していた。
まるで、夜を照らす眩しい月の光のようだ。

そんな輝きを見て男は一歩下がる。


「なに、甘いこと言っちゃってんだよ!?そんなのどうだって良いだろ?【聖杯戦争】はそういうゲームなんだよ!」

「げ、ゲームですって!?」」

「バーサーカー!このアマチャン女を殺せぇぇぇ!!」

 男の命令により、さっきまで動きを止めていたバーサーカーはその巨大な腕をうさぎ目掛けて振り下ろす。


「!?」

「キャスター危ない!!」


 うさぎは目をつぶり、ルナは悲痛な叫び声をあげる。
1人と一匹がもう駄目だと思ったその時……。


345 : 風鳴弦十郎&キャスター :2014/07/20(日) 01:35:17 ti8dW3Oc0
ドゴォン!


 廊下が震えるくらいの大きな気合いの声と轟音とともに壁に穴が開き、大きな人影が入ってくる。
 その場にいた全員が呆然としているとあっという間に人影はバーサーカーに近付き、一発バーサーカーの脇腹あたりを殴りつけた。
すると驚くくらい簡単にバーサーカーは横の壁まで吹き飛び、見事に壁に埋まっしまった。


「な、なんだよ、何が起きたんだよ!?」

「すまないな。彼女は俺の連れでな。それ以上、手を出すのは止めてもらおうか」


 さっきまでバーサーカーがいた場所には、1人の逞しい男が立っていた。
獅子の鬣を連想させる赤い髪を揺らしながら、男はうさぎに近づき笑みを浮かべる。

「遅くなってすまないな。もう心配する必要はないぞ」

「ま、マスター!」
「な、マスターだと!?」


 男はてっきりうさぎの方がマスターだと思っていた。

それもそのはずだ。
普通のマスターだったらサーヴァントを殴りつけ、尚且つ壁にめり込まそうなんてしない。
サーヴァントに完全に倒すことができるのは同じサーヴァントだけだ。

なのに……。


「なのに何でお前はまともにサーヴァントと張り合ってるんだよ!?」

「ふん!男の鍛錬は飯食って、映画見て、寝る!!そいつがあれば、サーヴァントと戦うなんて朝飯前だ」


 うさぎのマスター・風鳴弦十郎はまるで中国映画の俳優のようなポーズで戦闘態勢を取り、敵に向かって鋭い視線を投げる。

弦十郎の瞳にはうさぎとは違った輝きが宿っており、それはまるで全てを焼き尽くす太陽のようだった。


346 : 風鳴弦十郎&キャスター :2014/07/20(日) 01:36:21 ti8dW3Oc0
「え?そうなの?」
「キャスター、真に受けないで……」

「キャスター君!俺が時間を稼いでいるうちに君は変身を!!」

「させるか!?バーサーカー、まずはその女から殺せぇぇぇ!!」

 弦十郎の登場によりますます混乱してしまったバーサーカーのマスターは一番弱そうに見えるうさぎの方を指差し、攻撃命令を出す。
その言葉に反応し、バーサーカーはすぐに壁から抜け出しうさぎに向かって走り出す。

「させん!!」

 弦十郎はすぐさまバーサーカーの前に立ちはだかり、バーサーカーの攻撃を受け流す。
そしてカウンターとしてをバーサーカーの鳩尾に掌底を当てる。
決定的なダメージを与えることは出来なかったが、バーサーカーは怯み少しの間は動くことが出来ない状態になった。

「キャスターくん!!」
「キャスター!!」 
「わかったわ!」


 弦十郎のおかげでバーサーカーに隙ができ、うさぎにも幾分余裕が出来た。
その隙にうさぎは胸のリボンにつけているブローチを握りしめ、そして高らかに叫ぶ。

「ムーンプリズムパワー・メイクアップ!!」


 その掛け声と共に、白銀の光がブローチから溢れ出しうさぎを包み込む。


「な、何が起きているだ!?ば、バーサーカー、はやくあいつを、え……?」


 あまりにも予想外の展開にバーサーカーのマスターは発狂したようにバーサーカーを呼ぶ。しかし、バーサーカーからは全く反応がない。
おかしいと思い、バーサーカーの方を見ると信じられない光景がそこにあった。
バーサーカーは動きを止め、涙を流していたのだ。

今まで破壊衝動しか見せなかったこのバーサーカーに一体何が起きたのか?
バーサーカーのマスターの心には得体の知れない恐怖が溢れていた。
バーサーカーは半分ヤケクソになり、隠し持っていた拳銃を取り出し光の発生源に向けて撃とうしたその時……。


「お待ちなさい!」


 どこからともなく、少女の凛とした声が響く。
次第に白銀の光は収まり、バーサーカーのマスターは声がした方を見る。
するとそこには珍妙なセーラー服をきた少女が立っていた。
「!?」

 バーサーカーのマスターはあまりにも奇妙な光景に口をあんぐりとさせることしか出来なかった。

「こんなか弱い美少女を筋肉男に襲わせたあげく、殺しにかかるなんて絶対に許せない!」

 そう言ってセーラー服の少女はキッとバーサーカーのマスターを睨みつける。

「何なんだよ、お前は!?」

「私は、愛と正義のセーラー服美少女戦士・セーラーム「キャスター!!真名言っちゃダメでしょ!!」
「あ、そうだったわ。それじゃあ改めまして。愛と正義のセーラー服美少女戦士!」


 セーラー服の少女は天高く手を掲げ、舞うように腕を回す。

「セーラーキャスター!!月にかわっておしおきよ!」


 セーラーキャスターはそう叫び、ビシッとバーサーカーのマスターを指差した。


347 : 風鳴弦十郎&キャスター :2014/07/20(日) 01:39:21 ti8dW3Oc0
「何がセーラーキャスターだ!!マスターに守られてばっかのサーヴァントに何ができる!?」


「ふっ、それはどうかな」

「は?」

「人を見かけで判断するなということだ。行け、セーラーキャスター!!」


「うん!!」


 弦十郎の激励を受け、セーラーキャスターは手を伸ばす。
するとさっきの変身の時と同じ白銀の光がセーラーキャスターの手の中に集まり、月の形を象ったスティックに変わった。

スティックは眩く輝き、その場にいた全員を照らし始める。

「ムーンヒーリングエスカレーション!」


 セーラーキャスターがムーンスティックを振りかざすと、光の粉が溢れてバーサーカーとそのマスターに降り注いだ。

「な、なんだ、これ」

 バーサーカーのマスターは光に触れると、先ほどのバーサーカーと同じく涙を流し始める。
彼の心には純粋に夢を追いかけていた頃の記憶が溢れ出した。

まだ、頑張れば夢が叶うと信じていた頃の自分。
……自分はまだ、あの頃のように頑張れるのだろうか?

そんなことを思いながら、彼は手に持っていた拳銃を地面に落とし天を仰ぐ。
そして、


「「リフレーッシュ!!」」



 バーサーカーと共にそう叫び、同時に地面に倒れる。

起きる様子はなく、静かに眠りついている。


348 : 風鳴弦十郎&キャスター :2014/07/20(日) 01:41:00 ti8dW3Oc0
「終わったか」

「そうみたい……」


 弦十郎はふぅと一息つき、セーラーキャスターは戦闘が終わり力が抜けたのか地面に座りこみ変身をとく。


「一時はどうなるかと思ったけど、何とかなったわね」

 ルナも安心したようにうさぎに寄りかかり丸くなる。

「にしても本当に危なっかしいわよ、うさぎちゃん」

「え〜」

「そんなじゃ、うさぎの目的は果たせないわよ」

「うぅ」


 こんなお人好しうさぎが【聖杯戦争】にサーヴァントとして頑張っているのには、ちゃんと理由がある。
それは……。


「うぅ、確かにそうよね。今のままじゃ月で起こっている戦争を止めることなんてできないわよね……」


 そう、うさぎは【聖杯戦争】を止めるために戦っているのだ。
彼女は月野うさぎとして生きる前にプリンセスセレニティとして月の王国に住んでいたのだ。

うさぎにとって月は第二の故郷。
そんな場所で戦争が起きているなら止めるしかないだろう。

「安心しろ、うさぎくん!!」


 うさぎが自分の不甲斐なさに落ち込んでいるとポンと弦十郎がうさぎの肩に手を置く。

「君一人が無理して頑張る必要はない。適材適所!自分が得意なことをやっていけばいい」

「自分が得意なこと?」

「そうだ、俺は戦うことが得意だ。だから全力を君を守る。それが俺のできることだ」

 弦十郎はギュッと拳を握りしめ、目を閉じた。

自分のいた世界では、彼はほとんど無力だった。
どんなに鍛えて人間として強くなっても、ノイズとは戦えなかった。

しかも年端もいかない少女たちを自分のかわりに戦わせなければいけなかった。
それが悔しくて悔しくて仕方なかった。
でも、もう悔しい思いをする必要はない。

今度の敵は自分でも戦うことができる。
もうか弱い少女たちを過酷な戦場に送り出す必要はないのだから……。



 そんなことも思う弦十郎を見て、うさぎもまた覚悟を決めた。

「うん、そうよね!私にだってできることはあるわ。それにマスターが、弦十郎さんがいるから私は頑張れる」


 うさぎはいつだって1人じゃなかった。
どんな時でも仲間がいたから戦うことができた。
どんなピンチでも諦めることがなかった。


だから……。


「弦十郎さん、絶対にこの戦争を止めましょう」

「あぁ」


 そう言って2人は再び歩き始める。
自分たちの目的を叶えるため……。


349 : 風鳴弦十郎&キャスター :2014/07/20(日) 01:43:13 ti8dW3Oc0
−−そんな2人を少し離れた所からルナが見つめる。

この戦いはそう簡単に終わらせられることじゃない。

きっと何度も挫けそうになるだろう。

どんなに弦十郎が強い力を持っていても、どんなにうさぎが優しい力を持っていても……。


ルナは静かに目を閉じ祈った。

(クイーン、どうかこの2人に幸せな未来をお与えください)

 再び、目を開け2人の後を追いかける。
この先、どんな結末が待っているのかを知るため……。


【クラス】キャスター

【真名】月野うさぎ/セーラームーン

【パラメーター】

筋力/E 耐久/D 敏捷/B 魔力/B+ 幸運/A 宝具/EX

【属性】
秩序・善 

【クラススキル】
道具作成:C


【保有スキル】

ランクアップ:B
銀水晶の力を使い、自分自身の能力や使う技のランクを上げる力。
無印セーラームーン→Rセーラームーン→Sセーラームーン→スーパーセーラームーンの順に変わっていく。


友達づくりの天才:B
どんな人間とも先入観を持たず、誰とでも心を許す寛容な心を持っている。
そのため周りにはそこそこ好印象を与えやすくなる。

【宝具】
『幻の銀水晶(シルバームーン・クリスタル)』

ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:− 最大補足:−

うさぎが前世に住んでいた月の王国に秘宝として存在していた聖石。
強い再生能力と浄化能力を持っている。ある程度のケガならすぐに治癒することが出来る。
人を蘇らせることも可能だが、その時は令呪全てを対価にしなくてはならない。
また邪悪な魂や感情をその輝きで浄化することも可能である。

この銀水晶は本来うさぎが使っていたものとは違い、うさぎの記憶から再現されているものなので星一つ破壊する力や不老不死の力は宿っていない。

『星の守護者(セーラーソルジャーズ)』
ランク:B 種類:対人宝具 レンジ:− 最大補足:−

月のプリンセスであるセーラームーンを守るたもの戦士たち。彼女たちを召喚し、彼女たちと共に戦うことによりセーラームーンは最大限の力を発揮することができる。この宝具を発動している時のみ、スキル「ランクアップ」によりスーパーセーラームーンに変身することが出来る。

『浄化の月光(ムーンヒーリングエスカレーション)』

ランク:B 種類:対人宝具 レンジ:1〜10 最大補足:10人
浄化に特化した銀水晶を使い、サーヴァントの持つ「狂化」や「精神汚染」などを打ち消すことができる。


【weapon】

・変身ブローチ/セーラームーンに変身するためのアイテム。スキル「ランクアップ」で、様々な形に変わっていく。


・変装ペン/名前の通り変装することができるアイテム。しかし、大抵の変装はコスプレみたいなので、相手を騙すことは難しいかも。


・ムーンスティック/宝具『幻の銀水晶』の力を使い、敵を浄化するアイテム。変身ブローチ同様、スキルによってパワーアップして形を変えることがある。


・ルナ/うさぎのパートナーの猫。今回はキャスターとして魔力を使い、使い魔として召喚している。うさぎの記憶から作られているものの、性格は昔のままである。


【人物背景】

「美少女戦士セーラームーン」の主人公。どこにでもいる普通の女子中学生。だったのだが、ある日謎の猫・ルナに出会ったことでセーラームーンとして戦うことになる。

性格は明るく天真爛漫。ドジで泣き虫でお調子者。しかし、心根は優しく、先入観を持たず誰とでも仲良くなろうとする寛容な心を持っている。

前世は月の王国シルバーミレニアムの王女。そのため今回の戦いの舞台である月には特別な思い入れがある。

ちなみに性格や行動はアニメ版のうさぎを基準としている。

【サーヴァントとしての願い】月で行われている聖杯戦争を止めること

【基本戦術、方針、運用法】

トドメ専門。
基本的には戦うことは不可能に近いので、宝具を使って仲間を召喚して戦うか、弦十郎に助けてもらうことしかできない。
そのかわり宝具が強力なので、宝具を使いどんどん浄化していく。


350 : 風鳴弦十郎&キャスター :2014/07/20(日) 01:44:28 ti8dW3Oc0
【マスター】風鳴弦十郎

【参加方法】聖遺物として発見された木片に触れたことにより、『ムーンセル』に召喚された。

【マスターとしての願い】聖杯の破壊、月野うさぎの解放


【weapon】自らの肉体とその拳

【能力・技能】
特別な能力はないが、身体能力が異常に高い。
正体不明の武術を使ってサーヴァントと戦っていく。

【人物背景】
特異災害対策機動部二課の司令官を努めている漢(オトコ)。元公安警察官で、人間のレベルを遥かに超えた身体能力と卓越した中国武術を保有している。

理論や理屈よりも直感を重視する性格で、自分のかわりに戦う少女をたちをいつも気遣う包容力を持っている。

趣味が映画鑑賞のため、普段の行動や修行などを映画に真似て行うことがある。

【方針】

とにかくうさぎを戦わせないため、自らから進んでサーヴァントと戦っていく。
うさぎを守りつつ、無駄な殺生は控えながら行動していく。
どうやって【聖杯】を壊すかは考えていないが、とにかく今は前に進むことだけを考えている。


351 : 風鳴弦十郎&キャスター :2014/07/20(日) 01:45:37 ti8dW3Oc0
以上で投稿終了しました。


352 : ◆FFa.GfzI16 :2014/07/20(日) 02:54:47 WDomeaGA0
レイ・ラングレン&アサシンを投下します


353 : ◆FFa.GfzI16 :2014/07/20(日) 02:56:09 WDomeaGA0


――――その瞬間、レイ・ラングレンがまず覚えたものは強烈な怒りと哀しみであった。


全てが突然の事だった。
レイ・ラングレンが記憶を取り戻したのも。
レイ・ラングレンの目の前にアサシンのサーヴァントが現れたのも。
レイ・ラングレンへとアサシンのサーヴァントが襲いかかったのも。
レイ・ラングレンに降りかかった凶刃をルーラーのサーヴァントが防いだのも。
レイ・ラングレンへの刃を瞬時に収めてアサシンのサーヴァントが撤退を始めたのも。
レイ・ラングレンの前に現れた管理者が聖杯戦争の名を口にしたのも。

全てが、突然の事だった。
嵐のように現れたアサシンのサーヴァントと管理者達はすぐに消え去り。

レイ・ラングレンの前には、血に濡れた偽りの伴侶だけが残されていた。

虚ろな表情のまま、レイは書斎へと向かう。
そこには自身と同じく、科学者として『設定』されていた妻の成果も眠っている。
地熱エネルギーの活用、及び、光学機の発明。
続いて、レイは妻の遺体を見つめる。
何の因果、いや、悪意か。
それはまさしく妻であるシノと全く同じものだった。

ぬるま湯に浸かりきったレイの心が、ふつふつと沸き立ってくる。
長らく忘れていた。
なぜ、忘れることが出来たのだろうか。
忘れてはいけないことを、なぜ、忘れてしまったのだろうか。
悪意に満ちた生活を提供した願望器ではなく、それを受け入れた自分自身へと強い憎悪を抱く。
その憎悪が引き金となり、一つの光が現れた。

「初めまして、アサシンのクラスにて今回の聖杯戦争に参加させていただきました」

レイ・ラングレンの身体に令呪が浮かび上がり。
その憎悪は当然のようにサーヴァントを召喚させた。

「コードネームは『バッドエンド』、あるいは『ナンバー3』。
 聖杯をその手に収めることにご尽力させていただきましょう。
 ……っと、おやおや」

長い黒髪。
白い民族衣装。
女のように見えるほどの細身。
男が当然感じさせるはずの雄臭とも呼べる気配の一切を断ち切っていた。
ただでさえ細い目を更に細めている。
アサシンのサーヴァント。
その真名は『巫紅虎(ウ・ホンフー)』
仲間と愛する人を、幸福の全てを失ったことで、世界に悲惨な終焉を課せることで自らを慰めていた男。

レイ・ラングレンが召喚したサーヴァントは、そんな男だった。


354 : レイ・ラングレン&アサシン ◆FFa.GfzI16 :2014/07/20(日) 02:59:34 WDomeaGA0





レイ・ラングレンは一つの木片を握りしめていた。


――――それは全ての元凶であり、全ての希望である『ゴフェルの木片』。


かつて、囚人惑星エンドレスイリュージョンにて、星の真ん中に一つの空間があった。
そこは奇妙な空間であった。
まるで裏返ったかのように木々が生い茂、水たまりが存在し、生命が息づいていた。
目を疑う光景の中、人型の地中兵器であるヴォルケインの観測機を確かめる。
酸素は当然存在し、大気は地上のそれとなんら変わりがない。
地中の中でありつつ、そこは確かに地上そのものの空間だった。

レイ・ラングレンは己の気が触れたのかと想いながら、半ば衝動的に愛機ヴォルケインから降りる。
しつこくなるが、そこは確かに地上そのものであった。
水をすくい、臭いをかぐ。
奇妙なものはない。
ヴォルケインが放つ光源に照らされた光景は、この世の常識を塗り替えるものだった。

レイはゆっくりと歩を進め、奇妙な光景を眼にした。
『木棺』が存在した。
自然物にあふれたその空間に、たった一つだけ人工物が存在した。
レイはゆっくりと木棺に触れ、その棺の蓋を開けた。
まるで全ての災厄が詰まっているかのような棺の中には、たった一つの木片しか存在しなかった。
レイは確認をしなかったが、恐らくその比率は『300・50・30』を示しただろう。

レイは『希望』そのものである木片を、恐る恐る手に取る。
憎しみを抱いたレイは、しかし、だからこそその木片に希望を感じ取っていた。
レイの内部に潜めた見せかけの狂気と純粋な憎しみに反応し。
その木片自体が一つの『方舟』とも呼べるゴフェルの木片は、伴侶を失ったレイをノアの方舟へと導いた。




355 : レイ・ラングレン&アサシン ◆FFa.GfzI16 :2014/07/20(日) 03:00:29 WDomeaGA0

レイは握りしめた木片のことを想いながら、ゆっくりと目を開いた。
そこには一度だけ眼にした二人の女性が居た。
この聖杯戦争を管理する者達だ。
場所は喫茶店。
内容は、事務報告。

「端的に言いますと、全ては終わりました」
「……」

レイはコーヒーを口に運ぶ。
カップの中の水面が揺れた、いや、正確に言えば視界が揺れた。
視力が落ちている、いずれ、近い未来に世界を失う可能性を承知する。

「サーヴァントは令呪により自害し、サーヴァントを失ったマスターの消滅も確認しました。
 予選を勝ち抜いた貴方は本戦への挑戦権を得ました。
 どうか、がんばってくださいね」

事務的に応える管理者――――カレンと、応えずに顔を凍らせ続けるレイ・ラングレン。
そのレイを見るカレンのサーヴァントであるルーラーと、そのルーラーを見て笑みを深めるアサシン。
アサシンはスプーンを手に取ると、同時にルーラーへと問いかけた。

「ルーラーという立場も大変ですね」

目の前のパフェをつつきながら、アサシンはルーラーを見据える。
その瞳に嘲りや侮蔑と言った感情はなく、純粋にルーラーの立場を労っているように見えた。

「ルールを守るだけじゃなく他人にも守らせるために動くなんて、私にはとてもとても……
 性に合わない、なんて話じゃありませんね」
「アサシンのサーヴァント、それは言外に我らと敵対する意思を示しているのですか?」
「いえいえ、決してそのようなことは。
 まあ、悪いことは楽しいからやりたいですけど、貴方の善行と違って『しなければいけない』わけではないので。
 善はルールを破っちゃいけないから悪いことをしてはいけません。
 ですが、悪はルールを破っていいから善行をしても良いのですからねぇ」

ニコニコと笑いながら、アサシンはルーラーの問いに応える。
レイは表情を固めたまま、修道女を見据える。
彼女達は強い、いかなる英霊をも従えることが出来る。
令呪とはすなわちルールそのもの。
その令呪を無条件に行使できる目の前の管理者に従うことで初めて聖杯戦争が成立する。


356 : レイ・ラングレン&アサシン ◆FFa.GfzI16 :2014/07/20(日) 03:03:21 WDomeaGA0

「なぜ、殺した……」

レイはコーヒーをテーブルにゆっくりと落とすと、カレンへと向かって非難の眼を向けた。
怒りと憎しみの籠もった、復讐鬼の眼。
全てを取り戻し、全てを零した彼の眼に柔らかなものは宿っていなかった。
本来ならば、レイ自身が殺さなければいけなかった相手。
たとえ偽りのものが殺されたのだとしても、レイが抱いた感情は偽りではない。
ならば、その感情から基づく衝動はレイ自身が終わらさなければいけなかった。
そうでなければ、レイは――――。

「……」

そんな眼を向けられてもカレンは動揺せず、その問に答えない。
ついで、レイは隣に座るパートナーへと眼を向けた。
その眼には、やはり深い憎悪。

「なぜ、殺さなかった」
「まだ召喚されてなかったんですもの、私を責めるのはお門違いというものですよ。
 なんなら、あんなぬるま湯に浸かって記憶を取り戻せないままだった貴方が一番悪い」

呑気にパフェを突きながら、チャイニーズの服をまとったアサシンが細い目をさらに細めながら応える。
事実、アサシンが召喚されたのは全てが終わった後。
レイの妻が殺害され、管理者達が訪れ、襲撃者は逃げ、管理者が追い、レイは呆然と立ちすくんでいた。
その折に、アサシンは現れた。
徒手空拳、しかし、目に移らぬところにあらゆる凶器を隠し持った暗殺者。
雄臭を感じさせない、空虚な男。
真名を『巫紅虎(ウ・ホンフー)』といった。

「ここは私が払っておきます」
「これはどうも、お世話になります。
 領収書って書かれるんですか?」

伝票を持って立ち去ろうとするカレンへ、無言のレイに変わってアサシンが応える。
カレンは応えず、背中を見せる。
その背中を守るようにルーラーが立ち上がり、アサシンに一瞥をくれる。
警戒と警告を多分に含んだ視線。
アサシンは大げさに肩を竦めてみせた。

「さて、マスター、何をしますか?」
「聖杯を手にする」
「それはいい、私はそこそこには強いですよ。
 周囲が英霊ばかりだから、あまり当てにならない発言では有りますが」
「……」
「少なくとも、ここに居る二十五人をマスターがまばたきをしている一瞬で殺すことが出来ます。
 話を聞く限り、マスターの偽りの伴侶を襲った相手も何をされたのかわからぬまま殺すことが出来ます。
 まあ、今となっては何の意味もない話ですがね」
「具体的に、何が出来る」
「なんでも出来ます、私は。いや、これは本当に。
 私の宝具は、そういう、他の人ができることを模倣する宝具ですので。
 あっ、ご馳走様でした」

アサシンはパフェの中に、カラン、と音を立てながらスプーンを投げ入れる。
レイは何も言わずに席を立ち、アサシンはその影を踏まぬように付き従っていく。


357 : レイ・ラングレン&アサシン ◆FFa.GfzI16 :2014/07/20(日) 03:05:19 WDomeaGA0
その喫茶店から外に出ると、月が嗤っていた。
アサシンは妖かしの光そのものである月の笑みへと、やはり笑みで応える。
そして、その妖しげな笑みのままレイへと向き直った。

「グッドイーブニング、マスター。
 これから楽しい楽しい悪夢のお時間ですよ」

アサシンは、確かに笑っていた。
女性と見間違えるような細身と、雄臭を感じさせない柔らかな雰囲気。
その男性器は自らの手で去勢しており、アサシンの一生よりも遥かに短い生涯であった一人の女性に貞操を捧げている。
アサシンはその気になれば、対城宝具を持つサーヴァントや大魔術を行うサーヴァントと同じように、この街のNPCを一瞬で皆殺しに出来る。
それこそ、瞬きをしている間に、だ。
しかし、多くの英雄にとってそのようなことが意味がないように、アサシンにも何の意味もない。
自らの愛する人を殺した二十五人を一瞬で殺せようとも、レイの0と1で彩られただけの偽りの妻を殺したサーヴァントを瞬殺出来ようとも。
時を戻れぬ以上、何の意味も持たない話なのだ。

「しかし、マスターは聖杯に何を願うのですか?」
「願いなど多すぎる」

レイは語らなかったが、その瞳の奥には激しい怒りと圧倒的な後悔に染まっていた。
鉤爪の男を殺す。
自らの妻、シノを蘇らせる。
あるいは、その二つを同時に叶えるために時を逆戻る。
レイの願いは怒りと後悔に染められて、曖昧なものとなっていた。
憎悪とは希望を求めるものだが、同時にその憎悪は純粋な希望を濁らせる。
希望を奪われたからこそ、生まれるものだからだ。
その希望を純粋なものにするのならば、少なくとも、その憎悪に一つの区切りをつけるしかない。
レイ自身も。
バッドエンドの異名を持つ男も。
それを痛いほどに知っていた。
だからこそ、アサシンは笑ってみせる。

「そんなものですよ、希望なんて、あまりにも残酷なものですから。
 簡単に一つに決まらないものです。
 しかし、そう思いながら全てを捨ててなお残るもの。
 それこそが本当の願いです」
「……」
「マスターの哀しい哀しい悪夢が奇跡という茶番でどのような終わりを迎えるのか、私も楽しみにしていますよ」

バッドエンドの異名を持つ男は、どこか憧憬に満ちた顔でレイへと語りかけた。


358 : レイ・ラングレン&アサシン ◆FFa.GfzI16 :2014/07/20(日) 03:05:54 WDomeaGA0

【CLASS】
アサシン

【真名】
巫紅虎@パワプロクンポケットシリーズ

【パラメーター】
筋力:C 耐久:C 敏捷:B 魔力:D 幸運:C 宝具:B

【属性】
混沌・悪

【クラススキル】
気配遮断:A
自身の気配を消す能力であり、完全に気配を断てば発見はほぼ不可能となる。
攻撃態勢に移るとランクが大きく落ちる。

【保有スキル】
中国武術:A++
中華の合理。宇宙と一体となることを目的とした武術をどれだけ極めたかを表す。
修得の難易度が最高レベルのスキルで、他のスキルと違ってAランクでようやく「修得した」と言えるレベル。
ホンフーはその時代における中国武術の無双を誇るほどの腕前。

心眼(真):B
修行・鍛錬によって培った洞察力。
窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。


359 : レイ・ラングレン&アサシン ◆FFa.GfzI16 :2014/07/20(日) 03:07:16 WDomeaGA0

【宝具】
『変貌する終焉(ドゥームチェンジ)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1人
『一つの存在が身につけた能力』である限り、スキル・宝具、マスター・サーヴァントの区別なく相手の能力を自らのものにすることが出来る宝具。
ただし、ランクB以上の宝具とランクA以上のスキルは模倣できず、また、模倣した能力はランクを一つ下げる。
能力は一度に一つしか使用できないため、同時併用は不可能である。
元々はホンフーの天賦のものである『他人の動きを模倣する』才能が超能力として開花したもの。
以下、ホンフーが生前にコピーした能力。


・『私の影は誰にも追えぬ(ドゥームチェンジ:ブラック)』
高い気配察知のスキルを持たない限り、どのような時でもホンフーの姿を捉えることは出来ない。

・『何人たりとも我が言葉には従えない(ドゥームチェンジ:デス・マス)』
ホンフーの言葉には絶対に従えなくなる洗脳能力、ただし、否定形のように漠然とした命令では効き目が薄くなる。
対魔力によって無効化できる。

・『かすり傷でも致命傷(ドゥームチェンジ:バジリスク)』
生命であろうと機械であろうと、かすり傷だとしても傷をつけることで殺すことが出来る。
対魔力によって無効化することが出来る。

・『我にとりて重力は縛りに非ず(ドゥームチェンジ:ダークスピア)』
自身にかかる重力の方向を変えることが可能である。
また、ホンフーが服のようにそれは自分自身だと認識すれば巨大な軍艦であろうと重力の方向を変えることが出来る。

・『七つの虹を見たことがありますか?(ドゥームチェンジ:ストームレイン)』
気象現象を操作することが出来、超局地的に気温を氷点下に下げることや雷を発生させることが出来る。

・『我が手に光あれ(ドゥームチェンジ:デイライト)』
光を操作する能力。
遠距離からのビームでビルを溶解させる、光を屈折させることで自身の姿を隠す、光を操ることで遠視を可能とする。

・『偏在する兎の穴(ドゥームチェンジ:ワームホール)』
自分自身の身体に、過去に訪れたことがある場所へと続くワームホールを生成することが出来る。

・『天網恢恢疎にして漏らさず(ドゥームチェンジ:ピンク)』
自身の視界内である限り、たとえ透明化していようともあらゆる存在を知覚できる。

・『私は貴方、貴方は貴方(ドゥームチェンジ:カルマミラー)』
自らにかかる攻撃に対して、攻撃を行ったものへと反射することが出来る。
自爆や攻撃がホンフー自身に届く前に対象が死亡するなど、反射できる相手が居ない場合は使用できない。
対魔力によって無効化することが出来る。

・『その手はおもちゃの兵隊(ドゥームチェンジ:グレムリン)』
銃火器も含めたあらゆる機械の機能停止させる。


360 : レイ・ラングレン&アサシン ◆FFa.GfzI16 :2014/07/20(日) 03:08:05 WDomeaGA0

【weapon】
針や仕込みナイフはもちろん、無数の暗器を隠し持っている。
また中国武術を収めており、素手による戦闘でも16インチ砲を無傷で防ぐ耐久スーツすらも傷つける一撃が撃てる。

【人物背景】
世界を支配する組織であるジャジメントで三番目に強い男。
コードネームは『バッドエンド』、あるいは『ナンバー3』。
若い頃は自分にも他人にも厳しい高潔な拳法家であり、さる流派の後継者にまで上り詰めた。
しかし、虚名を高める処世術の数々が「一子相伝の奥義」として継承されてきた事実を知って憤り、後継者の椅子を蹴って奥義の全容を公表しようとする。
結果、流派の人間たちを全て敵に回すこととなり、夥しい血の流れる惨劇の末、師も仲間も愛する人も全てを失った。
全てを失った後、怨みも怒りもぶつける相手が居ないために胸の内へと溜め込み続けている。

【サーヴァントとしての願い】
『時を戻る能力』を『コピー』、もしくは、聖杯によって今の強さのままで時を戻ること。

【基本戦術、方針、運用法】
宝具はストックの限界が存在せず中国武術の達人であるため、どのような敵にも対応できる。
ただし、能力の関係上、高い対魔力を持つ三騎士とは比較的相性が悪い。



【マスター】
レイ・ラングレン@ガン×ソード

【参加方法】
地中の空間にぽっかりと開いていた空洞内部に見つけたゴフェルの木片を入手。

【マスターとしての願い】
あの日に戻り、鉤爪の男を殺す。

【weapon】
刀のような形をした銃。
鞘に見える部分がマガジンとなっており、短機関銃と似た性能を持っている。

【能力・技能】
銃撃の腕前は群を抜いており、また、機械工学にも深い知識を有している。

【人物背景】
かつては心優しい青年だったが、鉤爪をつけた男に妻を殺されることで復讐の道を歩み始める。
ヴォルケインと呼ばれる妻の形見である巨大ロボットを操り、その腕前は作中でも屈指のもの。
生身でも有数の実力者であり、また、形見のヴォルケインを自爆させるなど復讐のためならば手段を選ばない。
冷徹ではあるが、弟のジョシュア・ラングレンに対しては非情になりきれない一面がある。
ある戦闘で眼に負傷を負い、着実に視力を失いつつある。

【方針】
優勝を目指す。


361 : レイ・ラングレン&アサシン ◆FFa.GfzI16 :2014/07/20(日) 03:08:42 WDomeaGA0
投下終了です


362 : 倉崎楓子&ランサー ◆tHX1a.clL. :2014/07/20(日) 03:10:27 dPm9Czkc0
投下します


363 : 倉崎楓子&ランサー ◆tHX1a.clL. :2014/07/20(日) 03:11:24 dPm9Czkc0
  ああ、なんて醜い姿だろう
  鏡に映った自身の姿を見てそう思う

  届かない空を求め、友人に頼んで脚を切り落とし
  それでも届かない空に縋り

  現実世界で欲した脚を仮想世界でまた失った
  手に入れたはずの空はどこまでも遠かった
  一番の親友はもう傍には居なかった


  欲望に身を任せて全てを失った、醜い少女
  綺麗な白鳥になれず、自身の欲に溺れて湖に沈んでいった醜いアヒル


  それが真っ白な少女、『スカイレイカー』倉崎楓子の『現在』だった。


  指で宙をなぞり画面をスクロールして、数あるアプリの中にある、不思議なプログラムをチェックする


              『gofel's chip』


  送り主不明、性質不明
  消しても消してもなぜか復活するプログラム
  説明文は短く簡素


          『方舟は貴女の願いを叶える』


『ヘイヘェイ、マジにそんなベリィィサァプライジィィ―――なプログラムがあン……ん、ですかい?』

『ええ、確かにあるの。他の人と同じく、貴女にも見えなかったようだけど、ね』

  誰にも見えないプログラム。
  何故か手に入れていたプログラム。



          『方舟は貴女の願いを叶える』



  もし、願いが叶うなら

  もし、願いが叶うなら?

  与えられなかった脚を望む?
  届かなかった空を望む?
  それとも、失ってしまった友を望む?

  私はきっと―――


364 : 倉崎楓子&ランサー ◆tHX1a.clL. :2014/07/20(日) 03:12:24 dPm9Czkc0
  ***


  楓子は絶体絶命だった。
  記憶を取り戻し、自身が『参加者』だと気付き、契約も果たした。
  それまではよかったのだが、事件はその日の放課後に起こった。

  帰り道、突如目の前に現れた全長3mほどの土くれの怪物。
  自身のサーヴァントから手に入れた情報から、それがおそらく『キャスター』のクラスのサーヴァントが起こした『魔術』だと理解できた。
  楓子はとっさに車から飛び降りる。
  道路を転がり、なんとか起き上った楓子の目の前には、鉄屑に代わり果てた自分の車があった。
  次の一撃が、今度は楓子に狙いを定めて振りかぶられる。


            「ランサー!!!」


  彼女の呼びかけに応えて、『地面から』彼女のサーヴァントが飛びだす
  その姿は、小さな『顔』に手足が生えたロボット。その『顔』が勢いそのままにゴーレムにぶちかましを加える。
  その突拍子もない登場に敵キャスターのゴーレムがたたらを踏んだその瞬間を、彼女のサーヴァント『ランサー』は見逃さなかった。
  丸みと弾力を持ったコクピットの天井が開き、中に乗っていたランサーを露わにした。


            「乗れ、フーコ!!!」


  開いたコクピットに飛びこむ。
  開いていた天井が閉まり、ゴーレムの一撃を受け切る。
  見た目以上に頑丈な作りのようだ。

  攻撃が通らないということを受けてか。
  キャスターがさらなる呪文を唱え始めた。

「どうする!?」

「撤退です!!」

  いくらランサーが【対魔力】を持っていたとしても、物量で来られてはかなわない。
  ならば魔力を使わせるだけ使わせておいて撤退して仕切り直すのが得策。
  それが楓子の作戦だった。

「分かった、しっかり掴まってろよ!!」

  楓子の願いを聞き届け、ランサーは何者も遮ることが出来なかった『逃走経路』に飛び込む。
  両手の『槍』が螺旋を描き、地面を穿つ。
  地中を行き、戦闘区域から脱出。おそらく最善手だったはずだ。

  しかし、彼女らの目の前で奇跡が乱発する。
  どうも敵のサーヴァント『キャスター』はゴーレムだけでなく『陣地構成』の具合によって土を操れるらしい。
  道路が隆起し、アスファルトがひび割れ飛び散り。
  果たして、地面に飛び込んだ『顔』は操られた地面によって吐き出された。


365 : 倉崎楓子&ランサー ◆tHX1a.clL. :2014/07/20(日) 03:13:29 dPm9Czkc0
  吐き出された衝撃でころころと転がりながら、楓子とランサーは顔を突き合わせて話し合う。

「土を操る、か。これは流石に初めてだな。対策の打ちようがない」

「ということは……逃げられませんね。このままじゃあ」

  今のように土を操られれば、地中を逃げることはかなわない。
  かといって走って逃げようにも、この顔、思ったよりも脚が遅い。きっとすぐ追いつかれる。
  ならば、選べる道は一つ。

  ランサーが真っ赤なサングラス越しに楓子を見据える。

「あの巨人、ぶち抜くか」

「はい。私も、一度試してみたかったんです。お願いしても?」

「任せろ!!」

  ランサーの声をきっかけに、コクピットの天井が開け放たれる。
  楓子は天に腕を突き上げ、サーヴァントの宝具を『呼』ぶ。


           -=ニ コーリング・バーニング ニ=-
            「『紅蓮召喚』!!」


  巨人から放たれた攻撃に割り込むように、天から『顔』が降ってくる。
  燃えるような真っ赤なボディにイカすサングラス。背中に燃えるは、我らが心の旗印。
  勇ましきその名は『紅蓮-グレン-』。

  開け放たれたコクピットから飛び出し、小さな顔から大きな顔へ飛び移ってコクピットに乗り、両側のハンドルを握る。
  360度、視界に広がる画面の全てが示す『楓子・グレン、システムオールグリーン』のアイコン。
  一つの画面が切り替わり、小さな顔内のランサーを映す。


          『行くぞフーコ! 合体だ!!!』


  その掛け声、楓子に応えている暇はない。
  こちらに向かってふるわれた土くれの巨人の腕を受け止め、頭突きをかます。
  よろけた巨人にお返しの一撃をブチ込み、ラガンの到着を待つ。

  グレンがゴーレムをのけぞらせたおかげで、ラガンはその目的を違わず遂げることが出来た。
  グレンの頭上にラガンのドリルが突き刺さり、緑色の力の奔流が楓子とランサーを包み込む。
  グレンのどっしりとした脚が。
  ずんぐりむっくりした腕が。
  全てがオーバーホールされ、スタイリッシュな四肢に代わり。
  グレンとラガンを、マスターとランサーを繋ぎ。
  ランサーの宝具に限界をぶち抜く力を与える。

  高らかに叫ぶその名前は、かつて宇宙を救った英雄の名。そしてランサー最強の宝具。


              「天元突破!!」

              グ レ ン ラ ガ ン

              『紅蓮螺厳!!!』

          「私を」       『俺たちを』



          「『誰だと思っていやがる!!!』」


366 : 倉崎楓子&ランサー ◆tHX1a.clL. :2014/07/20(日) 03:14:27 dPm9Czkc0
「どうだ、マスター、持つか?」

  グレンラガン状態はマスターである楓子にかなりの負荷がかかる。
  体力・魔力・螺旋力の全てを限界ギリギリまで消費していくのだ。
  今も楓子は襲いくる眩暈と戦いながら、精一杯ギリギリのところで持ちこたえているだけだ。
  しかし、その笑みは崩れない。

「……聞き方が違いますよ、ランサー」

  グレンのハンドルを握る手から楓子のありったけの螺旋力が注ぎ込まれ、グレンの機体が緑色の火花を散らす。

「どの道持たなければ負けるんですから、この場合は『持たせろ』というのが正解です」

  楓子はきっと笑っている。
  それが付きあいの短いランサーにも分かった。

「それもそうだな」

  楓子の力をハンドル越しに感じて、ランサーのハンドルを握る力もつられて強くなる。
  負けるわけにはいかない。この少女の意志に応えたい。


「限界は一分!! 決めますよ、ランサー!!!」

                         「十秒あれば十分だ!! 持ちこたえてくれよ、マスター!!」


  グレンラガンが敵を捕捉し、彼に向かってサングラスを投擲する。
  放たれたサングラスは空を切り裂き、土くれのゴーレムの両手両足に突き刺さり、動きを封じる。
  そして、空中でゴーレムを固定し、完璧なる『必殺の一撃』への第一歩を掘り穿つ。

         「ギィガァ……!」

   グレンラガンの拳が天を突き、それに応えるように無数のドリルが体から突き出す。
   突き出したドリルたちは、一点、グレンラガンの天を撃つ拳へ集まり、その力を終結させ。

            「ドォリルゥゥゥ……!!!」


    限界を突き崩さんとする莫大な重量を持つドリルを敵に向かって構える。
    放たれるのは、超弩級のドリルと、それによって生まれる推進力による一撃。



         その一撃は、天元すらも突き破る『男の意地』。



                   「ンンンンンンンンブゥレイクウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!!!」



【名も知れぬキャスター 消滅】
【名も知れぬ魔術師   敗退】


367 : 倉崎楓子&ランサー ◆tHX1a.clL. :2014/07/20(日) 03:15:17 dPm9Czkc0
  魔力・体力・螺旋力の大半を消費し、倒れ伏している楓子を眺めながら、ランサーは振り返る。
  自身の選んだ『最後の運命との戦い』を。


  *  *  *


  ランサーはどこにでも居る少年だった。
  少年は青い空に平和を夢見て、のんきで不思議な少女に恋をした。
  しかし、世界は少年に残酷だった。
  世界は争いに塗れ、少年と少女の恋は運命に弄ばれた。

  人類を救い。
  世界を救い。
  地球を救い。
  宇宙を救い。
  銀河を救い。
  過去と、現在と、未来の全ての運命を変えた。

  それでも、少年は、たった一人、本当に救いたかった少女を救えなかった。
  少年の物語はそこで終わりを迎えた。


  ***


  少年と少女の結婚式の直後。
  軍部から去る少年に、一人の堅物が寄り添って歩いていた。

「皆さんに挨拶は済ませましたか?」

「ああ」

「護身用の拳銃、ちゃんと持ってますか?」

「ハハハ、嫌に優しいなロシウ。『軍に戻れ』とか言い出さないよな?」

  堅物の足が止まり、つられて少年も立ち止まる。
  ぽつぽつと紡ぎだされる、堅物の言葉。

「……貴方は、今までずっと誰かの幸せのために戦ってきた。
 カミナさん、グレン団、世界中の人類、地球上の生物……そして、ニアさん」

  少年にとって、とても大切だった者たち。
  少年がその手で守ってきた者たち。

  全ての人が、きっと救われた。

「そう、全ての人がきっと救われた」

「ただ一人、貴方を除いては」

「だから、せめて、最後くらい貴方の幸せのために戦うべきだ」

  そう言って手渡されたのは、一冊のレポート。

「ロージェノムの記憶に記されていた、『願いを叶える戦いの記録』です」


368 : 倉崎楓子&ランサー ◆tHX1a.clL. :2014/07/20(日) 03:16:36 dPm9Czkc0
「彼の記憶によれば、『伝説を残して死を迎え、英霊となったものは、願いを叶える権利を得る』そうです」

「死後、願いを叶える『聖杯』を求めた戦争に呼ばれ、生き残ると願いをかなえられる」

  勿論、呼ばれるかどうかは分からないと一拍置いて、堅物は続ける。

「でも、貴方は前人未到の伝説を作った。呼ばれる一番のハードルは『超えた』んです」

  渡された紙束を握る少年の手が震える。
  それはつまり、『そういうこと』だろう。

「貴方がどちらの道を選ぶのか、僕にははっきりとは分かりません。
 どちらを選んでも、僕にはできない、貴方らしい判断ですから」

「ですが、色々迷惑をかけた償いとして、これを渡しておきます。『世界の記憶が残した可能性』を。
 貴方の幸せを、心から望んでいます。シモンさん」

  堅物は、最後までお堅い敬礼で締めて、その場を立ち去った。
  その場に残されたのは、一人ぼっちの少年と、英霊側から語られた聖杯戦争のレポート。ただ、それだけ。


   ***


  ひとりぼっちの少年は、傍に居てくれるであろう『兄貴』と語らう。

「分かってるよ、兄貴」

「運命が気に食わないなら全てぶち抜く」

「結末が気に食わないなら殴って壊す」

「自分勝手で、我がままで、自分の欲に正直」

「たとえ死ぬことになろうと、意志は曲げない、貫きとおす」

「それが俺たちのやり方だ」


  これは戦いだ。
  『カミナの兄貴』との戦いでもなく。
  『紅蓮団』での戦いでもなく。
  『大紅蓮団』での戦いでもなく。
  『超銀河紅蓮団』での戦いでもなく。


  あの日のままの、ちっぽけな少年。
  自分の夢と自身のドリルに無我夢中だった少年。
  例え銀河の全てを敵に回してでも少女を守りたいと願った少年。


  『シモン』の最後の戦い。


  シモンが護身用の拳銃の引き金を引くのにためらいはなかった。


369 : 倉崎楓子&ランサー ◆tHX1a.clL. :2014/07/20(日) 03:17:40 dPm9Czkc0
  次に目が覚めた時。
  彼の目の前に居たのは自身の運命を変えたいと願い続けてきた少女。

  その手には、『次世代の戦士』に預けてきたはずのコアドリル。
  そして傍には、全ての戦場を彼と共に掘り穿ってきた愛機・ラガン。


「俺は……ランサー、か。君が俺の、マスター?」

「はい、私は倉崎楓子です。よろしくお願いしますね、ランサー」


  優しい微笑みを称える少女に、シモンは自身の思いのたけをぶつける。


       「マスター、俺は」

       「俺は、守れなかったたった一人の恋人を取り戻すために英霊になった」

       「もしそんな男でも、力になれるなら」

       「俺が、マスターの目の前にある壁を全てブチ抜いてやる」






       これは、運命に逆らい続けた男の最期の物語






          『          エピローグ

                それが俺たちのやり方だ      』


370 : 倉崎楓子&ランサー ◆tHX1a.clL. :2014/07/20(日) 03:20:31 dPm9Czkc0
【クラス】ランサー
【真名】シモン@天元突破グレンラガン
【パラメーター】
筋力E(→D→A) 耐久E(→D→B) 敏捷E(→D) 魔力E(→EX) 幸運A 宝具EX
【属性】混沌・善
【クラススキル】
『対魔力:E++』
  魔術に対する守り。
  無効化は出来ず、ダメージ数値を多少削減する。
  ラガンに乗りこめばD相当、グレンラガンでB相当になる。

【保有スキル】
『銀河の運命を変える男:A−』
  人の性、地球の運命、螺旋の宿命、銀河の摂理を覆した男。
  星の開拓者・星の克服者のスキルを兼ね備えている。
  ただし、最後の最後で彼は愛する者が救われない運命を受け入れてしまった。
  情愛の念(友情・愛情)を持つ相手がスキル発動に関わる場合、このスキルは弱体化する。

『天元突破:A』
  常識を覆し、全てをぶち抜いてきたその生き様がスキルとなる。
  宝具『天元突破紅蓮螺厳』発動中であれば、全ての『物理・魔術無効化』そして『固有結界』をぶち抜いて攻撃をぶつけることができる。

『カミナの教え:EX』
  シモンを幾度となく窮地から救ったカミナ。その教えと、彼の存在がシモンをシモンをたらしめる。
  全ての精神にマイナス効果をもたらす能力を無効化出来る。

【宝具】
『螺旋力(スパイラル=ジェネシス)』
ランク:EX 種別:固有結界 レンジ:1〜99 最大補足:500

  人類全てが生まれながらにして持っている力。
  シモンが生まれ持った宇宙の理を覆すことができる力が宝具化したもの。

  この固有結界の発動中、シモンはマスターの魔力ではなく自身の持つ螺旋力で戦闘を行うことができる。
  さらにシモンが戦場に居る間は全ての人間・獣人が『螺旋力』の加護を受けることができるようになる。
  魔力が低くても螺旋力が高ければ魔力上限以上の宝具を放てる。
  また、螺旋力は『精神』と直結しており、精神的に高ぶったり心が奮い立ったりすると螺旋力が爆発的に上昇する。

  ただし、『螺旋力』判定があるのは『螺旋力』発動後の戦闘内のみである。
  発動前に消費することが決定している魔力を螺旋力で補うことは不可能である。
  そのため、『螺旋力』発動中もマスターは固有結界顕現用の魔力を消費し続けることとなる。


『紅蓮召喚(コーリング・バーニング)』
ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:1〜5 最大補足:3

  シモンとずっと一緒に戦い続けてきた相棒の愛機・グレンが宝具化したもの。
  シモンの許可を得た人物が発動することができる特殊宝具。
  二階建て一軒家程度の大きさがあり、これに乗りこめば一般人でも戦うことができる。
  さらに宝具『天元突破紅蓮螺厳』を発動することができるようになる。
  ただし螺旋適応に関係なく操縦者は幸運が二段階落ち、常に一定量の体力を消費し続ける。


『天元突破紅蓮螺厳』
ランク:B 種別:対宝具宝具 レンジ:1〜15 最大補足:100

  紅蓮召喚から任意で発動が可能。
  宇宙の支配者を打倒できる力を秘めた宝具。

  大きさはグレンと同じほどだが、戦闘力は大きく向上し、特殊能力も付く。
  シモンのスキルと合わせることで全ての壁をぶち抜くことができる一撃『ギガドリルブレイク』。
  相手の宝具が『天元突破紅蓮螺厳』よりも大きい場合その宝具を乗っ取ることができる『ラガン・インパクト』。

  この宝具の発動には魔力は一切使わないが高い純度の螺旋力が必要となる。
  そして螺旋力の消費が激しく、動揺や混乱、激しい怒りや悲しみなど『心の力』が不安定だと発動できない。
  さらに『螺旋力』・『紅蓮召喚』の負担が倍になる。
  つまり、一度発動すると魔力・体力・螺旋力を根こそぎ持っていかれる諸刃の剣と言える。


371 : 倉崎楓子&ランサー ◆tHX1a.clL. :2014/07/20(日) 03:22:17 dPm9Czkc0
【weapon】
・コアドリル
  ネックレスサイズの小さなドリル。
  ラガンに螺旋力を注ぎ込める特注品で、これがなければラガンに乗れない。
  至近距離で胸を突き、そこから螺旋力を注ぎ込めば不死者を殺せる。

・ラガン
  シモンが呼べば現れるガンメン。シモンがランサーとして呼ばれた所以。
  体中からドリルを生やすことができる。最大三人まで搭乗可能。
  意外と耐久力は高い。

【人物背景】
  天元突破グレンラガンの主人公。21歳。

  <<背景書くとガッツリネタバレになるので本編見てください>>

  本編最終話、ニアの最後を見届けた後から召喚。
  本来はライダーのサーヴァントだが、マスター・倉崎楓子が自身のトラウマからライダーを拒否したため、次に適正の高かったランサーで召喚された。
  ライダー時であれば『天元突破紅蓮螺厳』で月や方舟すら乗っ取れた上に、『超銀河紅蓮団出撃』で宇宙戦闘が可能な十数機の味方ガンメンを呼びだせた。
  しかしクラス違い、そして『月と方舟を守るための抑止力』によって上記の宝具は制限された。

【サーヴァントとしての願い】
  マスターとともに戦い、ニアを取り戻す。

【基本戦術、方針、運用法】
  敵を見つけたらラガンに乗りこんで『螺旋力』発動、戦闘開始。
  勝てないとわかったら即退散。自分のためにも、楓子のためにも、今は勝ち目のない無茶はしない。



【マスター】倉崎楓子
【参加方法】ニューロリンカーに届いた『gofel's chip(ゴフェルの木片)』というプログラムを起動して願いを打ち込む
【マスターとしての願い】私は……
【weapon】なし
【能力・技能】運転免許は持ってる。
       魔力はニューロリンカー経由で参加(変則ハッキング+ゴフェルの木片を発動)したため常人より高め。
       体力・螺旋力ともに人並み。GDB一発で全てを8〜9割方使いきってしまう。
       全快でグレンラガンでの戦闘が五分可能。その後、全快まで12時間(睡眠をとれば短縮可)ほどかかる。

【人物背景】
  黒雪姫の親友で渋谷の高校に通う、第一期ネガ・ネビュラスの主要メンバー。
  「風」を司る《四元素(エレメンツ)》の一角。
  両脚が義足で、その制御にニューロリンカーを利用している。
  いつも穏やかな笑みを浮かべているが、容赦のない厳しさも併せ持つ。
  デュエルアバターは格闘に長けた近接型で、ロケットのような仕組みで圧倒的な推進力を得る「ゲイル・スラスター」という強化外装を所持する。
  「より高い空へ行く」という願いが高じるあまり、軽量化のため黒雪姫にアバターの脚部を切り落とすように頼み、脚部を喪失した。

  参戦時期は原作三巻以前。両脚を切り落とした後からシルバークロウとの出会いまでの間。
  願いは
  ①スカイレイカーとして飛翔能力を手に入れて、誰にも届かない世界を手に入れる。
  ②倉崎楓子として健康な脚を手に入れて、マイナスから脱する。
  ③黒雪姫の友人として、彼女との関係を修復する。
  のどれかですが、本人もまだどれか決めかねています。

【方針】
  ランサー(シモン)と一緒に聖杯戦争を勝ち抜き、願いを叶える権利を得たい。


372 : 倉崎楓子&ランサー ◆tHX1a.clL. :2014/07/20(日) 03:23:03 dPm9Czkc0
投下終了です


373 : ◆0I04q8rlNc :2014/07/20(日) 03:50:06 mZ4YqyPU0
投下します。


374 : 流木野サキ&バーサーカー ◆0I04q8rlNc :2014/07/20(日) 03:50:48 mZ4YqyPU0

何か大切なことが、思い出せないような。
そんな気が、していた。


//


「食わねェのか? もったいねーなー」

言って少年が、足元に落ちた弁当に手を伸ばす。
端の潰れた紙製の箱の中身はひどく偏って、飯と具とが混ざり合っている。
気にした風もなく箸を操って、少年は弁当をかき込んだ。

「うめェなーこれ!」

口元に米粒を貼り付け、にかりと笑ったその顔は一点の曇りもなく、心の底から幸せそうで、

「う……ぐ、ぇ……っ」

流木野サキは、胃の中のモノを、路上にぶち撒けた。

「ん? どしたんだお前」

自慢の長い黒髪の先が、吐瀉物に浸っていた。
そのおぞましさを意識した途端、もう一度喉元にせり上がってくるものを感じた。

「ぇ……ぁ、か、ぅえ……っ」

口から垂れたのは、淡黄色の液体だけだった。
胃液の苦さと自分の姿の惨めさに、涙が滲む。

「なあ、どっか悪いのか? あ、メシならやらねェぞ」

滲んだ視界で見上げれば、少年は弁当を手にしたまま、怪訝そうな顔でサキを見下ろしている。
何がおかしいのかまるでわからないという顔で、もしゃもしゃと飯を咀嚼している。
それは、異様だった。

「……狂ってる」

吐き捨てたサキが口元を拭うと、少年を睨みつけた。


375 : 流木野サキ&バーサーカー ◆0I04q8rlNc :2014/07/20(日) 03:51:21 mZ4YqyPU0

「狂ってるわ、あなた」
「……?」

首をひねった少年は、しかし箸を止めない。
眉根を寄せながら口を開き、唐揚げを放り込んで噛みしめる。

「……ッ!」

睨んでいたサキが、耐えきれずに目を逸らした。
直視することが、苦痛だった。

「ヘンなやつだなー」

言ってタクアンと白米と口に運んだ、少年の顔には染みがある。
そばかすのように散ったそれは、ひどく赤い。
珠のような赤が一筋、垂れて少年の口に入った。
その粘り気のある赤を含んで、タクアンを噛む音がぼり、と響いた。

「……バーサーカー」

呟いて、サキが首を振る。
人が死ぬことには、慣れたつもりだった。
この手をすら、何度も汚してきた。
それでも、耐えられぬものがあった。
たとえば眼前の少年が、それである。
少年の持つ、弁当の白い紙箱は、既に赤黒く汚れている。
少年の手が、血に染まっているからだった。
血染めの手で箸を持ち、返り血の垂れる顔で飯を口にし、咀嚼している。
それはあり得べからざる光景だと、サキは思う。
死は闘争の中にあり、あるいは悲劇の中にあった。
そうであらねばならぬと、少なくともサキは信じていた。

「うンまかったー! な、これ、も一個くらいないのか?」

最後の一口を放り込み、口元にこびりついたドレッシングと鮮血とを同時に舐めとって言う少年に、
サキが険しい目を向ける。

「最低」
「……? お前、アレだろ、おれのマスターってやつだろ?
 なんでそんなプリプリ怒ってんだ」

最低、ともう一度声に出して、サキが大きくため息をつく。
眼前の少年が己のサーヴァントであると、知識として理解はしていた。
それでも感情はついてこなかった。
人を死に追いやったその手で、その場で、平然と食べ物を口にし、幸せそうに笑うもの。
それを怪物と呼ばず、なんと呼ぶのか。


//


376 : 流木野サキ&バーサーカー ◆0I04q8rlNc :2014/07/20(日) 03:51:54 mZ4YqyPU0


すべては、一瞬の出来事だった。
戦火に焼け燻る街の瓦礫の中で”木片”を手にし、わけもわからぬままに彷徨い歩いた末に
何処とも知れぬ路地でサーヴァントたるこの少年と顔を合わせた、その矢先。
声をかけてきたのは、男だった。
警察官と思しき制服を来た男が、心配げにこちらを見ていた。
男の背後には、やはり大柄な影が見えた。
ムーンセルに与えられた知識が、その影をサーヴァントであろうと告げる。
武器の類を構えている様子もない、どちらかといえば人の良さそうな顔立ちをしたサーヴァントをその場に待たせ、
警官がゆっくりと近づいてくる。
大丈夫か、君たちも思い出したのか、などと言っていたように、サキは記憶している。
男に害意はない、とサキがその経験から判断し、それでも警戒は緩めぬままに対応を考えようとした、その刹那。

「”ゴムゴムの”ォ――」

背後から、ひどく冷たい声がした。
どくり、と。骨を伝って泡のような何かが蒸発していく、そんな感覚。
唐突な脱力感に耐えながらサキが何かを口にするよりも早く、

「”象銃(エレファント・ガン)”!!」

鉄槌が、落ちた。
そこに躊躇はなく、呵責もなく、ただ冷徹に命を奪うだけの、一撃。
黒く巨大な拳によって月影が遮られた瞬間の、男の顔をサキははっきりと覚えている。
人の潰れる音が、轟音にかき消されて聞こえなかったのだけが、救いだった。

「――あ、食いモンだ」

男の持っていたものが転がったか、破壊された周囲の建物にあったものか。
潰れた弁当箱が、ヒトであった肉の傍に、落ちていた。


//


377 : 流木野サキ&バーサーカー ◆0I04q8rlNc :2014/07/20(日) 03:52:33 mZ4YqyPU0


ふたりだけの世界を、望んだ。
望んで潰えた、空虚な世界に生きていた。
愛した少年はその命を、下らない連中の下らない日常を取り戻すために使い尽くして、死んだ。
喉を裂かれても死ぬことのない流木野サキはだから、ただ茫洋と惰性のまま戦い、惰性のまま勝利し、
惰性のまま、少年抜きで再構築される世界を眺めていた。
そんな世界は決定的に間違っているということだけはわかっていたが、壊すこともしなかった。
惰性以外の何かをすることが、億劫だった。
何も考えずに戦い、敵を倒し、戦い、街を焼き、戦い、賞賛を浴びた。
無意味だった。

だが、とサキは胃液で熱く爛れた喉が勝手に癒えていくのを感じながら、思う。
無為に過ごす時は、終わったのだ。
望みは叶うと、声は告げた。
聖杯を手にすれば、望みは叶うのだと。
それが真実かどうかなど、どうでもよかった。
ただ朽ちず在るだけの時間を意味する生に、ようやく光が差したのだ。

「……そう。そう、なんだ」

だから少女は、叱咤する。
己の中の、眠る機関に火を入れるように。

「立ち上がりなさい、流木野サキ」

地に這い反吐を吐く弱さを、切り捨てるように。

「この間違った世界から、ハルトを取り戻すんでしょう」

喉はもう、焼けていない。
傷はもう、癒えている。
この記憶と生命とを引き換えにして。

「行くわよ、ルフィ」
「ん?」

少年の名を、呼ぶ。
ルフィと呼ばれた少年の手は、既に黒くも、巨大でもない。
しかし黒の鉄槌は、サキから確かに何かを奪っていった。
何かが泡になって消えていくような、あるいは溢れ落ちて地面に染みていくような、そんな脱力感。
空いた穴は、もう戻らない。
きっと、それは代償なのだろう。
この世で一番たいせつな願いを叶えるための、些細な対価。
魂と呼ばれる、小銭だ。


378 : 流木野サキ&バーサーカー ◆0I04q8rlNc :2014/07/20(日) 03:53:06 mZ4YqyPU0

「戦うわ。力を貸しなさい」

少年の手は血にまみれている。
上等だ。流木野サキの手も、とうに赤く染まっていた。
少年の口は食べ滓で汚れていた。
それがなんだ。貪欲に、生きているだけだ。
生きながら殺すのだ。殺しておいて生きるのだ。
そのふたつを違うものだと信じたかったのは、分けた場所に置いておきたいなどと考えたのは、
ヒトはそれらが混じり合った場所では人間として生きていけないからだ。
流木野サキは、カミツキだ。
望む夢は、人の生きる幸せではない。
ふたりのカミツキが、それだけであり続ける世界だった。
人ならざるものの従者なら、狂える怪物程度が相応しい。

「まー、いいけどよ。で、どうすんだ?」
「とりあえず、そうね」

思案は、一瞬。
流木野サキは、笑んで言う。

「この世界を、焼くわ」
「ハハッ、面白そうだなーそれ」

応えた少年もまた、にかりと、濁りなく笑った。


//


379 : 流木野サキ&バーサーカー ◆0I04q8rlNc :2014/07/20(日) 03:53:47 mZ4YqyPU0

【CLASS】
 バーサーカー
【真名】
 モンキー・D・ルフィ

【パラメーター】
 筋力A+ 耐久B+ 敏捷C+ 魔力E 幸運B 宝具C
【属性】
 混沌・狂

【クラススキル】
 狂化:C(A)
 幸運と魔力を除いたパラメーターをランクアップさせるが、
 言語能力が低下し、複雑な思考ができなくなる。
 後述の宝具による呪いが発動した際は狂化ランクAとなりマスターの制御すら一切無視する。

【保有スキル】
 伸縮自在:B
 ルフィの体内に存在する宝具による特性。
 全身がゴムであるため、どのような部位でも自由に伸縮させることが可能となる。
 Bランクでは50メートル程度の伸びで限界となる。

 打撃無効:B
 ルフィの体内に存在する宝具による特性。
 打撃・衝撃に分類される攻撃では一切ダメージを負わない。
 同ランク以上の呪術・神性・覇気を帯びた攻撃は防御特性の対象外となる。
 
 武装色の覇気:A
 自身の身体または保有する武具に特殊なオーラを纏わせ、一時的に攻撃力・防御力を上昇させるスキル。
 武装色により硬化させた部位・武具は黒く変色する。
 同ランク以下の物理・魔術障壁(ロギア系など)を貫通することができる。

 見聞色の覇気:B
 気配察知の上位に相当するスキル。同ランク以下の気配遮断スキルを無効化する。
 また相手に精神・呪術系の耐性がない場合、戦闘時に先読みの効果が付与される。
 Bランクでは視界外の存在を十数メートル以内であれば正確に把握することができる。

 悪魔の実の呪い:A
 悪魔の実の能力者に等しく与えられるマイナススキル。
 流水以外の「水が溜まっている場所(海水・淡水は問わない)」に触れると能力が半減する。
 全身が浸かった場合は能力特性のすべてを一時的に喪失し攻防ともに無力化される。
 海の力を帯びた呪物などに触れた場合も同様の効力を発揮する。

 

【宝具】

『ゴムゴムの実(ゴムゴム・エフェクト)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:-
 常時発動型の宝具。
 モンキー・D・ルフィの食べた悪魔の実。
 身体全体がゴムになり、伸縮自在B・打撃無効B・悪魔の実Aのスキルを付与する。
 またゴムの特性を活かした各種の攻撃・防御技が使用可能となる。
 以下は限定的に使用可能となる主なスキル。

 ギア2:
 ゴムの両足をポンプとして血流を加速させ、一時的に敏捷性を倍加させるスキル。
 打撃そのものの運動エネルギーも累乗されるため、攻撃力も格段に上昇する。
 使用後は大きく体力を消耗する。

 ギア3:
 親指から体内に息を吹き込み、骨格自体を膨らませて体の一部を巨大化するスキル。
 巨大化した部位は攻撃力・防御力が倍加するが、敏捷性が半減する。


『あの旗を撃て(デストラクション・ザ・ロウ)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:500 最大捕捉:1
 治安組織・軍隊・官僚など、体制側の秩序に与する者を視認した時点で無差別に攻撃するマイナススキル。
 世界に対する呪いに分類されるため、ルフィ自身が相手の属性を認識しなくても発動する。
 この宝具の存在によりバーサーカーとしての召喚が可能になっている。

 モンキー・D・ルフィの蛮行を世界に知らしめた事件が民衆の間で伝説となり宝具に昇華したもの。
 世界の秩序の象徴であるエニエス・ロビーで世界政府の旗を焼かせたことで治安組織の威信は大きく低下した。
 悪党どもを勢いづかせ、世界中の民衆の心胆を寒からしめたこの事件を通して『麦わらの一味』は
 この世で最もイカれた海賊であるとの共通認識を得た。


380 : 流木野サキ&バーサーカー ◆0I04q8rlNc :2014/07/20(日) 03:54:17 mZ4YqyPU0

【weapon】
ゴムの特性を活かした身体。
物理攻撃だが、最大射程は50メートルほど。


【人物背景】
海賊王を目指す少年。
本来は情に厚く気のいい男だが、彼が救った個人・地域は基本的に彼らを表立って称えることはないため、
英霊としての彼は世界秩序に大きな混乱をもたらした反英雄としての側面が強く打ち出されている。
「世界最悪の犯罪者」と呼ばれる革命家を父に、存在を根絶されねばならない血筋を持つ兄の存在、
世界で最も警戒が厳重な監獄からの脱獄、神聖不可侵な天竜人への暴行など、彼の悪行は
既に一個人の犯せる領域を遥かに超え、民衆に与える心理的重圧は計り知れない。


【サーヴァントとしての願い】
特になし。ハラ減ったー。


【基本戦術、方針、運用法】
戦闘能力自体は比較的高いが、各種呪いのせいで運用は非常にピーキーである。
特に彼自身が相手の所属を認識しなくても発動する『あの旗を撃て』の存在により、
人が集まるところへ赴かせること自体が無差別戦闘のリスクを帯びている。
極めて高い再生能力とジャック能力を持つマスターによる敵マスターの暗殺・撹乱を軸に、
各個撃破を狙っていくのが定石。



【マスター】
 流木野サキ

【参加方法】
 戦火の街で瓦礫の中に木片があった。

【マスターとしての願い】
 時縞ハルトを蘇らせ、二人だけの世界で生きていく。

【weapon】
 特になし。

【能力・技能】
 ジャック:
 素肌に噛み付くことで強制的に相手の肉体に乗り移る能力。
 戦闘能力などもある程度まで継承できる。
 もう一度元の肉体に噛み付くことで能力を解除できる。

 カミツキ:
 極めて高い再生能力。
 通常の致命傷であれば治癒可能だが、脳を破壊される・頭部を切断されるなどの強い損傷を受けると死亡する。

【人物背景】
 宇宙ステーション・モジュール77に住む学生にして元人気アイドル。
 現在は世界を影から支配していた宇宙生命体の存在を暴露し、これを撃滅した世界的英雄の一人。
 自らを取り巻くあらゆるものに攻撃的態度をとっていたが、ただ一人愛した少年・時縞ハルトを最終決戦で喪ったことで
 無気力に生きていたと思われる。
 200年くらい放っておくと勝手に立ち直って宇宙戦争を戦い抜くくらいには元気。

【方針】
 手段を選ばず勝ち抜いて願いを叶える。


381 : ◆0I04q8rlNc :2014/07/20(日) 03:54:47 mZ4YqyPU0
投下終了です。


382 : ◆hqLsjDR84w :2014/07/20(日) 07:11:27 JOldRvGU0
御神苗優@スプリガン、セイバー、投下します。


383 : 御神苗優@スプリガン、セイバー ◆hqLsjDR84w :2014/07/20(日) 07:12:34 JOldRvGU0
 
 
 かつかつと音を立てて、少年が帰り道を歩いていた。
 高校の制服に身を包んだ彼は、つんつんと跳ねている短い黒髪を見せつけるように頭を垂らしている。

 途中まで一緒に帰っていた友人たちは、全員が寄り道をして帰るらしい。
 まずコンビニに寄ってお菓子やジュースを調達してから、混み具合を確認してカラオケかボウリングかゲーセンを選択し、ラーメンでも食べて帰る予定だと言う。
 正直なところ、少年にとっても魅力的な提案であった。
 お菓子もジュースもカラオケもボウリングもゲーセンもラーメンも、すべてが魅力的であった。
 その上、どうせ遊んでいる最中に、かわいい女の子が通りがかったら声をかけたりするのだろう。悔しい。羨ましい。妬ましい。
 間違いなく魅力的だったのだが、諸事情で泣く泣く断るハメになってしまった。
 友人たちは何度もしつこく食い下がってきたが、仕方なく「悪ィ、俺バイトだわ」と言わざるを得なかった少年のほうも苦渋の決断だったのだ。

 いまさら思い出してもしようがないのだから、考えないようにしよう。
 一度そう決めたはずなのに、むしろ決めてしまったばかりに無駄に引きずってしまう。
 無関係のことについて考えようとしても、考えないように決めたはずのことばかりが勝手に浮かんでくる。
 思い描いてしまったいまごろ飲食品を調達しているであろう友人たちの姿を振り払いながら、少年は人気のない路地を曲がる。

 曲がって――消えた。

「…………っ!? なにいっ!?」

 驚愕に染まった声は、少年のものではない。
 声を上げた壮年の男性が四方を確認しようと首を動かすより早く、その背後から少年の声が響く。

「ここだ」

 少年は、消えたのではない。
 『背後からはそう見えるように』して、曲がるや否や傍らの民家の門を音もなく潜り抜けて敷地内に侵入していたのだ。
 そうして背後からつけてくる男性が自身を見失ったところで、民家のブロック塀を飛び越えて背後を取った。

 少年――アーカム財団直属のS級特殊工作員・スプリガンの御神苗優にしてみれば、造作もないことだった。

「静かにしろ」

 背後を取ったと同時に、優は男性を押さえつけるようにして右手で口を塞いでいる。
 ゆえに単に声を出すなという意味ではなく、余計なことをするなという意味が籠められている。
 学生服の裏側に隠しておいたファイティングナイフを左手で取り出して、後方を確認できない男性にもわかるように首筋に刃を軽くつける。
 首筋からかすかに赤黒い液体を垂らした男性は、一切の抵抗なく無言で頷く。

「これから言うことに、イエスかノーで答えてもらう。
 声は出すんじゃない。イエスの場合は縦に一回、ノーの場合は横に二回首を振るんだ。いいな?」

 縦に一回の首肯が返ってきたのを確認し、優は続ける。

「お前は『魔術師』か?」

 縦に一回、魔術師が首を振る。

「お前は『聖杯戦争』を理解しているか?」

 縦に一回。

「その上で、お前は『聖杯』を手に入れようとしているのか?」

 質問から二十秒ほど経過したが、魔術師は答えない。
 急かす意味で左手のファイティングナイフに力を入れようとした瞬間、優は奇妙な気配を感じた。
 呪術や霊術、魔術などが発動しようとしている際の独特の空気だ。

「テメェ――!」

 声を荒げたが、すでに遅かった。
 気配はとうに充満しており、いつの間にかすぐ近くに現れたサーヴァントと思しき剣士が優を睨みつけていた。
 手にはすでに抜き身の西洋剣が握られており、その刀身は優の持っているナイフとは比べ物にならないほどに長い。
 いかに優のナイフが精神感応性金属(オリハルコン)製であろうと、あくまでナイフが硬いだけで優自身は生身の人間だ。
 せめて身体能力や霊的防御を格段に上昇させてくれるAM(アーマードマッスル)スーツでもあればよかったが、生憎この世界に持ち越すことは叶わなかった。

「ちっ、マジかよ……!」


384 : 御神苗優@スプリガン、セイバー ◆hqLsjDR84w :2014/07/20(日) 07:13:50 JOldRvGU0
 
 戦意を持っているのが確定した以上、ナイフで魔術師の首を落とすことに躊躇はない。
 だがたとえスキル『単独行動』を有していなくても、マスターが死亡したと同時にサーヴァントが消えるワケではない。
 ならば、せっかくの人質を殺害するのは悪手だろう。

 そう判断して優が咄嗟に魔術師を前に突き出すと、躊躇したように剣士が足を止める。
 とはいえ、そんな子どもだましが英霊相手に長く通用しないことは理解している。
 英霊と思しき相手である以上、いかに人質がいようと多少の時間をかければ人質を傷付けずに相手を斬ることもできよう。

 くわえて――マスターには、その『多少の時間』さえ軽減する手段がある。

「令呪を以って命ずる! 私を巻き込まず、こいつだけを」

 その手段を魔術師が口にしようとした――瞬間だった。


 刻まれている令呪を隠すためであろう手袋ごと、魔術師の手首が切断された。


 唖然とする魔術師と英霊をよそに、重力に引っ張られていく魔術師の手は見る見る斬り刻まれていく。
 最終的には二十を越える肉片となって、アスファルトの上に生々しい音を立てて散らばる。

「あ……あ、あぁぁぁぁぁ!?」

 令呪を失った事実にか、右手を襲っているはずの激痛にか、急変した事態への混乱か。
 引っ繰り返った声をあげて、魔術師がのた打ち回ろうとする。
 どうにか押さえ込もうとする優に、魔術師のサーヴァントが飛びかかってくる。
 いまさら躊躇する必要もないと判断したのか、その足取りには一切の迷いが見えない。

 西洋剣が振り下ろされる寸前――今度こそ本当に、優は消えた。

 優のサーヴァントの力だ。
 剣の英霊である彼は、『空間』を操る。
 その能力をもってすれば、触れた物体や人間ごと瞬間移動することも可能である。

「やれやれ。やっぱり、こうなるんじゃないか」

 背後からした声に、優は振り返る。
 先ほどまで優がいた地点から十メートルほど離れた場所にいる優の、さらにその背後。

 そこに、声の主はいた。

 聖杯戦争に参加した優のサーヴァントである青年。
 高級そうなスーツを着こなした彼は、嘲るような笑みを向けながら言い放つ。

「こんな戦いで殺すべきかどうかを判断しようとしたって意味がない、ともう何度も教えたはずだけどね」

 言い終えるより早く、彼は自らをセイバーのサーヴァントたらしめている剣を振るった。
 空間操作能力によって生み出した『空間の断裂』。
 その決して黙視できない刀身で、魔術師とそのサーヴァントは事態を呑み込めぬまま――その首を狩られた。


385 : 御神苗優@スプリガン、セイバー ◆hqLsjDR84w :2014/07/20(日) 07:14:31 JOldRvGU0
 
「……わかってんだよ、んなこたよ」

 地面の上を転がる二つの首を眺めながら、優は静かに吐き捨てる。
 セイバーのサーヴァントは微かに口角を吊り上げながら「なら構わないけどね」と返すと、霊体となって姿を消した。

「…………ちっ」

 誰に対してなのか自分でも分からない舌打ちをして、優は学生鞄を拾うと自宅へと歩みを進める。
 正確には自宅ではなく、自宅とされている家だ。
 ここが仮想現実(バーチャルリアリティ)であることは、とうに理解している。
 その上で高校に通っているし、その上で自宅に住んでいるのだ。

(俺たちの仕事は人殺しじゃねえんだ)

 同じくとうに理解しているはずのことを胸中で呟く。

 この聖杯戦争は、アーカム財団がスプリガンである優に下した任務である。
 オーパーツである『聖杯』を入手して封印、できなければ破壊し、『ノアの方舟』についても同一の処置を取る。

 それがアーカムからの指示であるが、そのためには多数の死者を出さなくてはならない。
 いまさら人を殺したくないと言う資格はないし、言うつもりもない。
 しかしこの聖杯戦争は、優の持っている魔術知識における聖杯戦争とは異なり、意図せず巻き込まれたマスターもいるようだ。
 彼らを有無を言わさず殺害するのは、優の主義に反している。
 だから毎回いちいち戦意の有無を確認しているが、結局のところ毎回殺害するしかなくなっている。

(聞いてねえぞアーカム、こんな仕事なんてよ。これじゃあまるで――っ!)

 かつての優は、米軍に洗脳教育された『殺人機械(キリングマシーン)』であった。
 長官の命令を疑わずに従う殺人機械として、罪のない人間をも手にかけてきた。

 そんな過去が浮かんできて、優は勢いよく首を振って無理矢理に振り払う。
 それでもやはりというか、考えないようにしようと思えば思うほどに考えてしまう。
 押さえ込んでいるはずの殺人機械と現在の自分について、いやがおうにも思考を巡らせてしまう。

「ああ……クソッ。
 ずっとつけてきてたヤツもいなくなったし、いまからでもカラオケかボウリング参加できねーかな」

 たとえ仮想現実であろうとも、優は人間同士の繋がりが恋しくなった。


 ◇ ◇ ◇


386 : 御神苗優@スプリガン、セイバー ◆hqLsjDR84w :2014/07/20(日) 07:15:03 JOldRvGU0
 
 
 優のサーヴァント――真名、キース・グリーンは霊体化して優を眺めていた。

(やはり、彼もなにか強大な力を内に秘めているタイプか)

 会って短いとはいえ、確証に至るだけの材料は少なくない。
 優は常に自分のなかのなにかを恐れているようで、ことあるごとに慎重すぎる。
 相手の戦意の有無を見定めるのは、聖杯戦争において無意味にすぎないと理解しているはずなのに。

 なにより、グリーンは生前その手の人間をよく知っていた。

(気に入らないな……!)

 別に、生前気に入らなかった男を気に入らなかった理由は、強大な力を秘めているからではない。
 そんな下らない理由ではないのだが、もともとの理由はさておき、その男と似たところのある優をグリーンは気に入らなかった。

 しかし、同時に――

(内に秘めた力に呑み込まれようものなら、さらに気に入らない……!)

 グリーンが生前気に入らなかった男は、決して折れなかった。
 内に秘めた強大な力を暴走させることなく、精神力で押さえ込んでいた。

 ゆえに、グリーンは彼に『希望』を託すことができた。

 だからこそ、グリーンは聖杯戦争に召喚されてなお聖杯に叶えたい願いは持ち合わせていないのだ。

 優と初対面時に交わした会話が、唐突にフラッシュバックする。
 聖杯になにを叶えたいのかと尋ねられ、グリーンは「特にないさ」と答えた。
 あの言葉は偽りではない。
 死に際に抱いた可能性については、あくまで『if』だ。
 もしもそうであったならどうだっただろう、と考えることこそあれど、実現させるつもりはない。

 なにせ――それを叶えてしまったら、『彼女』との出会いも過ごした日々もなくなってしまう。

 にもかかわらず、彼と同じく内になにか強大な力を秘めた優が折れることは許されない。
 あの男は気に入らないし、優も気に入らないが、もしも折れようものならそれこそ気に入らない。

(いいか、御神苗優……!
 僕はヤツに似ている君のことを心底嫌いだが、しかし折れることは断じて許さないぞ……っ!)

 もしも、折れることがあれば――
 その可能性について、グリーンは召喚されて現在に至るまで一度も考えていない。


 ◇ ◇ ◇


387 : 御神苗優@スプリガン、セイバー ◆hqLsjDR84w :2014/07/20(日) 07:15:35 JOldRvGU0
 
 
【クラス】
 セイバー

【真名】
 キース・グリーン@ARMS

【パラメーター】
 筋力B 耐久B+ 敏捷A 魔力E− 幸運D  宝具A

【属性】
 秩序・悪

【クラススキル】
 対魔力:C
 第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。
 大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。

 騎乗:E
 運転しようと思えばできる程度。
 そもそも、彼自身が移動する際に乗り物など必要がない。

【保有スキル】
 再生:B
 ARMSコアが破壊されない限り、いかなる傷を受けようとナノマシンによって修復される。
 その再生速度は凄まじいが、オリジナルARMSや戦闘特化ARMSには劣る。
 ただしこの世で唯一、ARMSのナノマシンを停止させるウイルスプログラム『ARMS殺し』によって刻まれた傷だけは治癒することができない。

 進化:B
 一度攻撃を受けると、体内に埋め込まれたARMSコア『チェシャ猫』が自動的に耐性を作り出す。
 未経験の攻撃を受ければそのたびに耐性を作り出し、また損傷を負えば負うほどに身体は強大になっていくが、戦闘特化ARMSのように際限がない進化ではない。
 そのために戦闘特化ARMSより進化速度は激しくないが、自らの力に呑み込まれてしまうこともない。

【宝具】
『チェシャ猫(キャット)』
 ランク:A 種別:対人(自身)/対人(自身含む数人)/対人宝具  レンジ:−/1〜4/1〜50 最大補足:XXXX人

 キース・グリーンの体内に埋め込まれているARMSコア。

 ――これは、種別するのが非常に難しい宝具である。

 ARMSとは、炭素生命体とケイ素生物のハイブリッドであり、ナノマシンの集合体である。
 ほとんどの人間には適応せず、短時間で全身を侵食されてしまうが、極稀に適応する遺伝子の持ち主が存在する。
 適正者は、ARMSによって人間の域を超えた身体能力と特殊能力を得ることができる。
 また、身体の一部をケイ素で覆ってARMS化させることができ、その際にはARMS化した部位の耐久力や身体能力は格段に上昇する。適応力が高くなれば、全身のARMS化が可能となる。
 ただし一度適正者となったものは、コアを砕かれてしまうと身体を保つことができなくなり、鉱物のように砕け散ってしまう。
 ――この点において、自身に作用する『対人宝具』と言えるだろう。

 四種の『オリジナルARMS』のランクはEXであるが、『チェシャ猫』はARMSを制御するべく人工的に作られた『アドバンストARMS』であるのでワンランク落ちる。
 しかしオリジナルより希少価値こそ劣るものの、異能力者の遺伝子が組み込まれているので能力は多彩である。
 『チェシャ猫』の能力は空間を操作することで、グリーンはそれを応用してどれだけ距離が離れた場所であろうと、一瞬のうちに触れている生物や物体ごと移動することができる。
 ――この点において、自身及び接触している相手に作用する『対人宝具』と言えるだろう。

 空間操作能力の応用範囲は空間移動だけにとどまらず、空間に断裂を作り出して相手に射出することも可能である。
 この空間の断裂は対象の物質を切り裂くのではなく、空間そのものを切断するので断裂範囲に存在する物質の硬度に一切の影響を受けることはない。
 巨大なネコ科生物を思わせる全身ARMS化形態となれば、周囲三百六十度に驟雨のような高密度で空間の断裂を放つ『魔剣アンサラー』を使用することができる。
 ――この点において、相手に射出する『対人宝具』と言えるだろう。


388 : 御神苗優@スプリガン、セイバー ◆hqLsjDR84w :2014/07/20(日) 07:16:05 JOldRvGU0
 
【weapon】
 ――――

【人物背景】
 マッドサイエンティスト、キース・ホワイトの遺伝子から作られたクローン集団『キース・シリーズ』の末弟。
 母たるアリスに『希望』の意思を託されていたのだが、長兄のキース・ブラックの計画通りに育てられたことで、精神が捻じ曲がってしまう。
 グリーンを一人の人間ではなく、ARMSコア『チェシャ猫』の適正者としてしか見ていない研究者たちしか、幼少時から常に周囲にはいなかった。
 そんな環境で育ったせいで、同じ運命を背負ったキース・シリーズに強い思い入れを抱く一方、強大な力を持つ自身を恐れる人間たちを見下していた。

 しかしブラックの指示によって保護した赤木カツミという少女が、初めてグリーンに対して同じ人間として接してきたために、彼女に強く惹かれることとなる。
 猫のような小動物をめでる人間も、庭に咲く花に見とれる人間も、グリーンは初めて見た。
 ARMS適正者であるグリーンに本気で怒る人間も、怒ったあとに謝ってくる人間も、やさしいなどと言ってくる人間も、グリーンは知らなかった。
 キース・グリーンなどというコードネームでしかない名前も、彼女が呼んでくれると本当の名前のようだった。

 ゆえに、グリーンはカツミが思いを寄せる少年が気に入らなかった。
 内に魔獣を飼っていながら、虐殺劇が眼前で繰り広げられながら、力の差を理解しながら、決して諦めない彼が気に入らなかった。

 だが、グリーンは最期に彼の手を取った。
 自分にはカツミを助けることができないが、彼には助けることができるから。
 死に行く身で彼の手を取って、再び兄の元へと舞い戻り、生涯唯一出会えた人間に『希望』を託して死んだ。

【サーヴァントとしての願い】
 御神苗優が内に秘めた化物に食われるか、人として化物を抑え切るかを見ていてやる。

【基本戦術、方針、運用法】
 空間移動と空間の断裂を組み合わせて、様々な攻撃が可能。
 本人自ら行うことは少ないが、ARMS適正者であるので接近戦も不得手ではない。


 ◇ ◇ ◇


389 : 御神苗優@スプリガン、セイバー ◆hqLsjDR84w :2014/07/20(日) 07:16:39 JOldRvGU0
 
 
【マスター】
 御神苗優@スプリガン

【参加方法】
 消失した方舟の木片を保管した結果、『ゴフェルの木片』によって召喚された。

【マスターとしての願い】
 聖杯および方舟の封印。不可能であれば破壊。

【weapon】
 ファイティングナイフ@スプリガン――精神感応性金属(オリハルコン)製。片刃でナックルガード付き。

 シグザウエルP226@スプリガン――自動拳銃。通常弾の手持ちは多いが、特製弾の持ち合わせは少ない。

【能力・技能】
 銃火器を含むあらゆる兵器を使いこなすことができ、拳法を学んでいるので素手での戦闘も得意。
 様々な乗り物を運転するスキルも持っているが、こちらはその道のスペシャリストほどではなく運転を任せることも多い。
 サバイバル知識や科学知識に精通している上に、職業柄触れることが多いために、呪術、妖術、魔術などのオカルト知識も有している。
 また、かつて殺人機械(キリングマシーン)として教育された過去があり、普段は精神力で抑え込んでいるが、窮地に陥った際に解き放たれることもある。

【人物背景】
 なんとしてでも卒業するべく、出席日数と戦う高校三年生。
 ――である一方で、裏世界で存在を知らぬ者のいない、アーカム財団の特殊エージェント『スプリガン』として活動している。

 両親もまたアーカム財団と関わりのある研究者だったが、優が幼いころに米軍によって殺害されてしまう。
 その後、現在の父である叔父の冒険家・御神苗隆に引き取られるも、米軍に拉致された上に洗脳教育を受けて感情のない殺人機械(キリングマシン)となる。
 しばらく殺人機械部隊の一員としていいように扱われたものの、どうにか記憶を取り戻して部隊を皆殺しにして、のちに師となるスプリガンの朧に保護される。
 それから、御神苗隆、従姉の御神苗秋葉らと生活する中で感情を取り戻していった。

 長きに渡って優は隆と冒険旅行を繰り返していたが、ある日、自らの意思でスプリガンになると宣言する。
 スプリガンの危険を知る家族は止めたが、優の決意は固かった。
 もう二度と両親のような被害者を出さないために。

【方針】
 封印、もしくは破壊するために聖杯を入手し、その後方舟にも同様の処置をする。
 そのためならば、他マスターおよびサーヴァントの殺害も躊躇しない。
 戦意を喪失している相手の命をいたずらに奪うのは主義に反するが、やむを得ない場合であれば不可抗力と判断する。
 それでも、余裕がある限りは有無を言わさず殺害するのではなく、どのように対処するかを考えたい。


390 : ◆hqLsjDR84w :2014/07/20(日) 07:17:12 JOldRvGU0
投下完了。

続きまして、マルモ@ドラゴンクエストモンスターズ+、バーサーカー、投下します。


391 : マルモ@ドラゴンクエストモンスターズ+、バーサーカー ◆hqLsjDR84w :2014/07/20(日) 07:17:53 JOldRvGU0
   
 
 マルモという少女が歩いている。
 当てもなく、ひたすらに歩いている。
 明確な目的地なんてものは存在しない。
 ただ、静かな場所に辿り着きたいだけだった。

 騒がしいのは嫌いだ。

 どれだけ歩いても、静かな場所なんて存在しなかった。
 村や町には人がいて、人がいない山や砂漠にはモンスターがいる。
 人であろうとモンスターであろうと、とにかく静かにしていてほしい。
 いつの間にかモンスターが三匹ついてきているが、彼らは騒静かだから構わない。

 騒がしくないのは好きだ。

 『悟りの書』を閉じたあの日から、ずっと歩き続けている。
 いつしか迷い込んだ『悟りの書』のなかは、外と違って静かだった。
 両親に疎まれた魔法の才能は、あそこに住む師にとって手放したくないものであったらしい。
 そんな師の思惑は正直なところどうでもよかったが、それでも居場所ができたことには安心した。

 けれど――結局、出て行くことになった。

 才能で劣っていた妹弟子に、そうするよう暗に示唆されたワケではない。
 それどころか、彼女はマルモに対して恨み節など一切口にすることはなかった。
 同じ修行を受けて、同じ呪文を使っているにもかかわらず、威力には明確な差が出ているというのに。
 知らず迷い込んだマルモと違って、彼女には賢者としてはっきりとした目標があったはずだというのに。
 彼女は泣きごと一つ言わずに、むしろ彼女はマルモと仲良くしてくれて、最後にエールまで送ってくれたのだ。
 隠そうとしていたが、その両目はたしかに濡れていたというのに。

 だからこそ、マルモは耐えられなかった。

 才能を恐れた両親のように、いっそ騒いでくれればよかった。
 彼女は裏表ないやさしい子だとわかっていたが、わかっていたからこそ思ってしまった。

 ――どこにいても誰といても、私がいるだけで悲しませてしまう。

 至ってしまった結論が脳裏を過るたびに、マルモの心が騒ぐ。
 人やモンスターが騒がしいのも嫌いだが、一番嫌いなワケではない。

 一番嫌いなのは自分の心が騒がされることだって、とっくにわかっていた。

 歩いて、歩いて――
 行き着いたのはまた騒がしい村だった。
 もうずっと同じことの繰り返しだから、肩を落とすこともない。
 誰かに話しかけて悲しませてしまう前に、早くその地から離れなければならない。

 そう思ったとき、マルモは奇妙な木片を発見した。

 なにか光り輝いているように見えたが、拾い上げてみると普通の木片と変わらない。
 魔力をほんのり帯びているようだが、魔力を帯びている木材など珍しくもなんともない。
 捨ててしまうかと思ったが、マルモは持っておくことにした。

 木片は騒がしくない。
 騒がしいのは嫌いだが、騒がしくないのは好きだった。


 ◇ ◇ ◇


392 : マルモ@ドラゴンクエストモンスターズ+、バーサーカー ◆hqLsjDR84w :2014/07/20(日) 07:18:29 JOldRvGU0
 
 
 普通の家庭だった。
 父親がいて、母親がいて、兄がいて、妹がいる。
 父親は働いているが夜には帰ってきて、母親も多少内職に励むことはあっても毎日の家事は問題なく行える。
 高校生の兄は部活をしているため帰宅するのは遅くなるが、ほとんどの場合は夕ご飯を家で食べる。
 今年小学校に入った妹は、毎日が楽しくてたまらないらしいが、夜になると体力が尽きてしまうらしく九時には寝てしまう。
 決して裕福なワケではないが、明るく楽しい――本当に普通の家庭だ。

 ――偽りの記憶であることを除けば。

 記憶を返還されて、マルモはすぐに理解した。
 ここは自分の居場所ではない、と。
 家族だと思っていた四人も、学校の友人だと思っていたたくさんの人たちも、マルモのことをなにも知らない。
 なにも知らないから受け入れてくれたし、マルモ自身もなにも覚えていないから溶け込んでいた。

 しかし――もう不可能だ。

 すべてを思い出してしまった以上、マルモはこの家にはいられない。
 ニッポンというらしい国の社会や環境に違和感を抱いてしまっているし、魔力など受け入れられるはずがない。
 隠し続けることは不可能ではないだろうが、結局のところそれではマルモの居場所ではないのだ。
 マルモではない作られた記憶の少女の居場所に過ぎない。

 そう理解してしまったので、マルモは静かに家を出た。
 作られた世界でも歩いていると、奇妙な洋館を発見した。
 マルモの本来いた世界にあってもおかしくないような洋館だ。
 引き寄せられるように近付いていくと、なかに人の気配はない。
 扉に手をやると、鍵はかかっていない。

「…………」

 音を立てずに扉を開けてなかに入る。
 微かな魔力を感じ取り、入らなければならないように感じた。
 洋館内には柔らかい絨毯が敷かれており、高級そうな家具が並んでいる。
 壁には様々な絵画や甲冑が飾られていて、天井には大きなガラスでできた照明が吊るされている。

「――――っ!?」

 唐突に、洋館内が眩い光で包まれた。
 思わず目を閉じてしまってから、マルモはゆっくりと目を開く。

 ――眼前に広がる光景が一変していた。

 一面に広がる緑の草原。
 ところどころに生えている大樹。
 少し離れた場所に流れる澄んだ川。
 川の向こうには彩り鮮やかな花畑。

 そして、上空には――雲一つない青空が広がっている。

 目を凝らしてみると、マルモが本来いるべき世界では見たことがないモンスターも少なからずいる。
 そのモンスターをこの世界では動物と呼ぶことはわかっていたが、それよりも人間がいないことが不思議だった。

 とにかく静かな世界だった。
 まったく騒がしくない、マルモがいつか行き着きたいと想像していた世界そのものだった。

(でも……ここはどこ? どうしていきなり……?)

 いつもはあんまり露にしない感情を表情に出して困惑するマルモに、背後から声をかけられる。

「はじめまして、マルモ。
 この『ワンダーランド』は気に入ってくれたかしら?
 ここには私とアナタしかいないの。だから静かで……騒がしくなんてないわ」


393 : マルモ@ドラゴンクエストモンスターズ+、バーサーカー ◆hqLsjDR84w :2014/07/20(日) 07:19:08 JOldRvGU0
 
 不意に名前を呼ばれて振り返ると、そこには青と白を基調にしたドレスを纏った金髪の少女が立っていた。
 どうして名前を知ってるのか、ここはどこなのか、どうして話しかけてきたのか。
 訊きたいことはたくさんあったが、マルモは最初に尋ねるべきことを一つ選び抜いた。

「アナタは……誰?」
「ふふっ、そういえば名乗ってなかったわね。私の名前は――」

 ロングスカートの裾を掴んで少し持ち上げると、少女は頬を緩めて名乗ろうとする。
 しかし告げられるよりも早く、彼女の名前がマルモの脳内に入ってきた。


「「アリス」」


 だから、声をそろえて言うことができた。
 アリスは予想をしていたらしく、驚きはせずに笑みを深くするだけだ。
 遅れて、彼女の生前の記憶が脳内に入ってくる。
 彼女もまたマルモと同じく、才能に恵まれていて――才能ゆえに悲しみを生んだ。

「アナタが私のサーヴァントなのね」
「そう。私はみんなを消したい。
 あんなに汚い……アナタ風に言うなら騒がしい人間なんて消えればいいの。
 アナタとカツミ……そして『バンダースナッチ』さえあれば、それができるわ!
 そして聖杯を手に入れて、この世界で三人一緒に聖杯でマッド・ティー・パーティをするの」
「そう…………」

 周囲で騒がしくする人間やモンスターに消えてほしいと思ったことは、マルモにだってある。
 それでも、全員を消せばいいと思ったことはない。
 けれど、アリスの記憶を見た彼女は――それもありなのかもしれないと、少しだけ思った。

「ねえ、マルモ?
 マルモは私をこのパーティに呼んでくれたんだから、この手を取ってくれるよね?」

 だから――そんな風に言って伸ばしてきたアリスの手を、マルモは取ってしまった。

「――――っ!」

 再び視界が切り替わり、洋館へと戻る。
 マルモの眼前には、一人の少女が立っていた。
 彼女はアリスではない。
 しかしながら、彼女のなかにアリスはいる。
 まだ会って間もないというのに、マルモには不思議なくらいはっきりとわかった。
 であるならばはたして誰であるのか、その答えもすでにアリスは教えてくれていた。

「アナタがカツミ?」

 マルモが少女の手を取ると、少女は肯定するように肉体を変質させた。
 身体に亀裂が入っていき、肉体が見る見る鉱物化していく。
 鉱物化した肉体は膨れ上がり、爪や牙がモンスターのそれに酷似したものとなった。

「これが『バンダースナッチ』なの……?」

 問いかけると、またしても肯定するように神獣と化したカツミは唸りを上げた。
 騒がしいはずのその声は、なぜだかマルモには騒がしく聞こえない。
 バンダースナッチ化したカツミの肉体から冷気が放たれて、洋館中が凍りついていく。
 異変を感じたのであろう。外で鳴いていたカラスがいっせいに羽ばたいていく。
 おそらく威力はもっと増幅できるのだが、ひとまず能力を見せてくれたのだろう。

「…………ふふっ」

 騒がしかったカラスが飛んで行き静かになった洋館内で、マルモは意図せず口元を緩めた。
 腰かけたソファはすっかり凍り付いていて冷たかったが、なんだか今日はよく眠れそうだった。


 ◇ ◇ ◇


394 : マルモ@ドラゴンクエストモンスターズ+、バーサーカー ◆hqLsjDR84w :2014/07/20(日) 07:19:49 JOldRvGU0
 
 
【クラス】
 バーサーカー

【真名】
 赤木カツミ@ARMS

【パラメーター】
 筋力A+ 耐久A++ 敏捷A+ 魔力C 幸運D  宝具A++

【属性】
 中立・善(悪いアリスは混沌・悪)

【クラススキル】
 狂化:B
 理性の大半と言語能力を引き換えに、全パラメーターを1ランクアップさせる。

【保有スキル】
 再生:A
 ARMSコアが破壊されない限り、いかなる傷を受けようとナノマシンによって修復される。
 その再生速度は凄まじく、同じく戦闘特化ARMSの『魔獣(ジャバウォック)』や『帽子屋(マッドハッター)』にも匹敵する。
 ただしこの世で唯一、ARMSのナノマシンを停止させるウイルスプログラム『ARMS殺し』によって刻まれた傷だけは治癒することができない。

 進化:A
 一度攻撃を受けると、体内に埋め込まれたARMSコア『バンダースナッチ』が自動的に耐性を作り出す。
 また『バンダースナッチ』は戦闘用ARMSであり、戦えば戦うほど、痛みを受ければ受けるほど、より強大に進化していく。
 この進化には際限など存在せず、適正者あるいはARMSに籠められたアリスの意思で封じ込まねば無限に進化しようとする。
 しかしながら、狂化によって両者の意思は失われている。

【宝具】
『神獣(バンダースナッチ)』
 ランク:A++ 種別:対人(自身)/対街宝具  レンジ:−/99 最大補足:−/XXXX人

 赤木カツミの体内で生成された特殊なARMSコア。
 四種の『オリジナルARMS』同様に自我があるが、発現して日が浅く進化を始めたばかりであるため『オリジナルARMS』のランクEXには劣る。

 ――これは、種別するのが非常に難しい宝具である。

 ARMSとは、炭素生命体とケイ素生物のハイブリッドであり、ナノマシンの集合体である。
 ほとんどの人間には適応せず、短時間で全身を侵食されてしまうが、極稀に適応する遺伝子の持ち主が存在する。
 適正者は、ARMSによって人間の域を超えた身体能力と特殊能力を得ることができる。
 また、身体の一部をケイ素で覆ってARMS化させることができ、その際にはARMS化した部位の耐久力や身体能力は格段に上昇する。適応力が高くなれば、全身のARMS化が可能となる。
 ただし一度適正者となったものは、コアを砕かれてしまうと身体を保つことができなくなり、鉱物のように砕け散ってしまう。
 ――この点において、自身に作用する『対人宝具』と言えるだろう。

 『バンダースナッチ』に内在する自我とは、ARMSの母たる少女『アリス』の『憎悪』や『絶望』であり、すなわち『黒いアリス』そのものである。
 『黒いアリス』は自らを絶望させた憎悪ゆえに人間を滅ぼさんとしており、『バンダースナッチ』はその思いに呼応して能力を発動させる。
 周囲の熱を奪い冷却させ、すべての物質を静止させる。
 それが『バンダースナッチ』の能力であり、進化を進めれば街を丸ごと氷河期に押し戻すほどのエネルギーを生み出すことができる。
 ――この点において、街自体に作用する『対街宝具』と言えるだろう。

【weapon】
 ――――

【人物背景】
 秘密組織・エグリゴリによって、『高槻涼にとってかけがいのない存在になるように創られた』人間。
 その思惑通りに、涼は一度は死んだと思われていたカツミを追いアメリカまで辿り着き、そして強くなった。
 だが事実をキース・ブラックに告げられてなお、カツミは思惑はどうあれ現在涼に思いを向けているのは自分の意思だと断言する。

 その後、さらにブラックの思惑通りに計画は進み、涼自身の手でカツミは致命傷を負う。
 暴走したジャバウォックの精神世界で『黒のアリス』に捕らえられるも、『白のアリス』とユーゴー・ギルバートに命を賭して助け出され、現実世界に生還する。

 しかし――すべてが終わったと思われたその瞬間、カツミは消えゆくアリスに手を伸ばしていた。

 結果、消滅しつつあった『黒いアリス』の思念はカツミのなかに残留し、時間をかけて体内にARMSコア『バンダースナッチ』を形成し――そして、カツミは意識を『黒いアリス』に奪われた。

【サーヴァントとしての願い】
 ヒトという種を滅ぼして、カツミとマルモと三人だけの世界で暮らす。目的を達成したら、聖杯でマッド・ティー・パーティをする。

【基本戦術、方針、運用法】
 強いが目立つ。
 冷気を発生させれば余計に目立つ。
 目立つが強い。
 冷気を発生させれば余計に目立つが、さらに強い。


395 : マルモ@ドラゴンクエストモンスターズ+、バーサーカー ◆hqLsjDR84w :2014/07/20(日) 07:20:25 JOldRvGU0
 
 
 ◇ ◇ ◇


【マスター】
 マルモ@ドラゴンクエストモンスターズ+

【参加方法】
 『ゴフェルの木片』によって召喚された。

【マスターとしての願い】
 一人でいられる静かな世界。

【weapon】
 杖@ドラゴンクエストモンスターズ+――魔法攻撃を強化する代物。

【能力・技能】
 様々な魔法を操る賢者であり、モンスターマスター。
 賢者としての才能は底知れず、同門の賢者と同種の魔法を放っても威力は桁違いである。
 また、生まれ持った魔力は、量質ともに人間離れしている。

【人物背景】
 生まれ持った膨大な魔力に、目にした魔術をすぐに習得する才能。
 天賦の才を有していたがゆえに両親に疎まれ、やがて行き場を失って『悟りの書』のなかに迷い込んだ。

 賢者を育成する悟りの書内においては、両親に疎まれたマルモの才は師に称賛されるものであった。
 しかしながらマルモと異なり、明確な目標を持って賢者を目指しに来たミルトにとってはどうなのであろう。
 ミルトは頑張りやであるが、同じ修行をどれだけ積んでもすべての術においてマルモのほうが高威力のものを放つことができる。
 彼女が直接文句を言ってきたことはない。
 むしろ彼女はいつだって仲良くしてくれていた。
 一人で静かに泣いているのを見たことはあるが、その思いを口にしたことは一度もない。
 だからこそ、マルモは耐えられなかった。
 師にもミルトにもなにも言わず、マルモは悟りの書を閉じて旅を始めた。

 旅を始めてしばらくが経った。
 様々な町を巡ったものの、マルモが落ち着ける場所はなかった。
 どこにでも人がいて、どこもうるさくて、どこにもマルモはいられない。

 そんなときに、彼女は奇妙な木片を手に入れた。

【方針】
 派手に暴れるつもりはあまりない。
 しかし仕掛けてきた相手を払いのけるのに躊躇はない。
 極力他人とは関わりたくないため、できる限りサーヴァントと静かにしていたい。


396 : ◆hqLsjDR84w :2014/07/20(日) 07:21:46 JOldRvGU0
投下完了です。
誤字、脱字、その他ありましたら、指摘してください。

セイバーおよびバーサーカーのスキルや宝具欄は、二次聖杯にSSを投下したあと編集したプロフィールを改変しましたので報告を。


397 : ◆GIjwvg4JCY :2014/07/20(日) 07:24:06 JOldRvGU0
一応、二次聖杯で使ったトリップ出しときますね。


398 : ◆Ee.E0P6Y2U :2014/07/20(日) 09:11:58 EwF0dTYY0
投下乙です。
投下します。


399 : 深井零・アサシン(雪風) ◆Ee.E0P6Y2U :2014/07/20(日) 09:12:45 EwF0dTYY0

 雪風は彼を護ろうとしなかった。
 雪風は彼や人間を守る兵器ではなかった。
 彼はそのときはっきりとその事実を知る。 
 雪風は燃え上がる機体を捨てて、
 その炎の中から不死鳥のようによみがえり、
 彼から独立した。





「問う、艦むすは人間か?」

零は自分はでも理解できない苛立ちを抱えつつも言った。

「それとも機械か? どちらなんだ、お前達は」

ダン、と音を立ててカップが置かれる。入っていたコーヒーは危うく零れるところだった。
予想外に力が入る。零は驚いていた。何を怒っているんだ、俺は。零は自問した。

怒っている? いや違う。恐れているんだ。
目の前に座る少女ののようなものを。兵器を自称する人間的な何かを。
艦むすを。

「ええと、司令。それはですね……」

彼女は零の剣幕に戸惑いを隠せないようだった。手に持った双眼鏡を不安げに握りしめ、司令<マスター>である零を潤んだ瞳で見上げている。
外見はまさしくただの少女だった。海兵隊を思わせる生地の薄いワンピースに身を包むティーンエイジャー。成長期の最中にある人間だ。
しかし、それだけに身体と一体化した砲身がアンバランスなのだ。連装砲の鈍い光は見慣れた兵器そのもので、機械でしかない。

「見せろ」
「え……きゃっ、司令」

零は彼女の身体を強引に引き寄せる。首筋を掴みその感触を確かめる。
温かく柔らかな井、人の肌だ。フェアリイの人間より温かいかもしれない。実に人間的だ。
次に頭に触れる。これも異様なほど柔らかい、と思えば途中で感触が一変する。ぞっとするほど冷たく、そして馴染み深い無機質な感触。
明らかにそれは兵器だった。零はその意匠からそれが旧式のセンサーであると推測した。

「し、司令官。ちょ、ちょっと」
「黙れ」

彼女は身体をまさぐられ困惑の声を漏らす。その動作が一々恐ろしい。これでは人間だ。
零は、しかし、それを無視した。本能的な恐怖をかみ殺し、彼は彼女を兵器として扱った。
背中に背負うバックパックを見やる。その物言わぬ装甲は少女が背負うには重すぎる。
零はまず継ぎ目を探した。分離できるなら楽だった。人間である部分と機械である部分とパージできるならば、それは既存の兵器と何ら変わらない。
人間は兵器の中でも欠かせないパーツの筈だ。人間をシステムの一部として組み込むことで初めて機能する。
零とスーパーシルフの関係がまさにそれだった。あの時の零は兵器だった。兵器の一部だった。それでいい。

しかし目の前の彼女は違う。人間は兵器の一部であるが故に、独立できる筈だ。できないものは機械で、できるものが人間と呼ばれる。独立できないものは人間ではない。
だというのに、こいつには継ぎ目がない。兵装の着脱は可能だが、それで人間になる訳じゃない。戦闘機から武装を全て取っ払ったとしても、戦闘機は戦闘機でしかない。
肌に機械が埋め込まれている、という訳ではない。そんな後付けのものでなく、骨格、センサー、頭皮、装甲、どれを取っても最初からこうなることを設計された配置・構造をしていた。
ここからここまで人間で、ここからここまでが機械だと、明確な境界がないのだ。引くところがない。最初からこうなるものとして存在している。
その事実が零を何より戦慄させた。

「司令官……その、もう少し優しく……」
「出せ」
「え?」
「出せ、お前の持つ兵装を」

零は彼女の機械的でない部分を全て無視して言った。
彼女は戸惑っていたが従った。コンピューターでも戸惑うものだ。それはフェアリイでの戦いを通して知っていた。
そうして彼女は己の装備を展開した。連装砲、機銃、魚雷、爆雷……その手にまとわりつくように兵器が現れた。
どこに格納しているのか、零には判別できなかった。外観は服を模した装甲の下から出て来た形だったが、それではあまりに不合理的な設計だ。機械的でない。

「ええと」

零の視線をどう感じたのだろうか。彼女はぎこちなく言った。。そもそも感じるなどという機能が搭載されているのか。

「雪風の装備です」

雪風。
それが彼女の名だと言った。


400 : 深井零・アサシン(雪風) ◆Ee.E0P6Y2U :2014/07/20(日) 09:13:37 EwF0dTYY0

「…………」

その事実に零は何も意味を見出さない。見出そうとしない。
そもそも何の意味もないのだ。零が惑星フェアリイにやってきたことも。異星体ジャムと何のナショナリズムもなしに戦うことも。味方を見殺しにしても帰還する『死神』のブーメラン戦隊の一員であることも。
FFR-31MR スーパーシルフのパイロットであることも。特殊戦第5飛行隊3番機のパーソナルネームが『雪風』であることも。
そのどれも繋がりのない、意味のない言葉だ。

「雪風か」
「はい。駆逐艦・雪風です。アサシンのサーヴァントとして呼ばれました!」

つまり彼女の名前にも何ら意味はないということだ。
元々『雪風』はブッカー少佐が付けた名前だ。偶然にも帝国駆逐艦の一隻と名前が一致してしまっただけで、そこに因果性など存在しない。

零は、だから、コーヒーを煽った。音を立ててカップを置く。ここは自分の部屋で、居るのは自身のサーヴァント。
何の家具もない殺風景な部屋にテーブルだけが置かれている。侵入者の気配もなく、警戒することはない。ない筈だ。

「…………」

零は無言で雪風(と名乗る何か)から手を放した。
雪風は安堵の息を吐いたように見えた。機械に不安や安心という概念はあるのだろうかと少し疑問を抱く。同時にないだろうとも思った。
そういったブレはマイナス要因でしかない。そういったデメリットは人間の専売特許の筈だった。

「……もう一度問う。お前達は人間か? 機械か?」

それともジャムか、とは聞かなかった。ジャムをその軸に加えるのは適切ではないと思えたのだ。

「雪風は……艦むすです」

再度の詰問に、雪風は俯いて答えた。

「艦むすとは何か」
「艦むすはええと、軍艦です」
「人間ではないのか」
「雪風には難しくて分かりません」
「所属は」
「えーと……帝国海軍、になるんでしょうか」
「敵は何だ。お前達は何と戦っている」

艦むすについて一つはっきりしていることがあるとすれば、それは敵を持っているということだった。
これは明らかに戦う為に造られている。それは即ち敵がまず最初にあって、それから彼女らが造られたということだった。

「深海棲艦」

その考えは確かだったようだ。
雪風は、それまでと違い、その問いに対しては迷うことなく答えた。

「問う。深海棲艦とは何か」
「それはええと……」

だが次の質問には答えを窮しているようだった。
敵は確かだが、その敵が何であるか、本質的には何一つ理解できていない。
まるでフェアリイだ、と零は思った。フェアリイの人間たちは自分が何と戦っているのか理解できていない。理解しているのはきっと機械の方だろう。

「敵は人間か?」
「人間……ではないんじゃないかと思います」

歯切れ悪く雪風は答える。そんなところまで一緒か、と零は思った。

「問いを変える。お前達が戦っているのは確かか」
「はい。それはもう。英霊として呼ばれる前までは雪風も前線で頑張ってました」
「お前達にイデオロギーやナショナリズムはあるか」
「い、イデ? ええと、司令官の役に立ちたい……とかでしょうか?」
「その司令官は何らかの思想を持っていたのか」
「わ、分からないですよ、雪風はあまりそういうことは……」

矢継ぎ早の質問に雪風は困惑しているようだった。負荷を掛け過ぎたか、零は恐怖しつつも苛立った。
聖杯戦争、と呼ばれるこの空間の意味も分からない。ジャムによる干渉の線が濃厚だが、それにしては人間を知り過ぎている。そんな感じがした。
あれは人間を知らない。機械に付随している変なもの、という認識に近い。最近ようやく人間に意識を向け始めたところだった筈だ。
どちらにせよ、情報が足らない。だからそれについて考えるのは棚上げしていた。それよりもまず、サーヴァントとして宛がわれた艦むすという存在について考えたかった。

最初はAIを搭載された人形だと思った。むかしブッカー少佐が造った人形の発展型。そんなものではないかと考えた。
しかし、それにしてはこれは不合理だ。外面上人間らしく振舞わせることができるならば潜入には使えるだろうが、だとすればわざわざ兵装を丸出しにする意味がない。
戦闘に使うにはそれこそナンセンスだ。反吐が出る悪趣味だ。


401 : 深井零・アサシン(雪風) ◆Ee.E0P6Y2U :2014/07/20(日) 09:14:13 EwF0dTYY0

しかし艦むすが人間かと問われると、違和感しかなかった。
人間の定義を考えるに当たって、身体が機械化していることは重要ではない。
トマホーク・ジョン。内臓を機械化した男。彼は自分が人間と呼べるかに疑念を抱いた。
だが彼は人間だった。ジャムに機械と判別されようが、死人でない以上人間だ。

一方で艦むすは、この雪風は自身について疑念を持っていない。
機械であるか人間であるか、その存在のあやふやさについて考えてもいない。
あるのは明確な敵だけ。その敵が何であるかに意味はない。その思考が実に機械的だった。

一体艦むすは何からできたのだろうか。零はその問いに立ちかえった。
艦むすとは何であるか。考えつつ付けた零は不意に奇妙な思いにとらわれた。


艦むすとは思想である。


思想は目に見えない。国家機構や民族意識や宗教は人間とともにあるがカタチを持っていない。
たしかに『ある』のだが、『いる』のではないだろう。だが機械ははここに『いる』。
機械は人間の頭から具像化した思想そのもの。それはかつて自分が考えたことだ。
それに艦むすを当てはめてみると、艦むすは機械である以上は『いる』と表現できる。
だが艦むすは同時に思想でもある。具像化である以上、思想の一部だからだ。
だから『ある』とも表現できる。

雪風はここに『いる』し、『ある』。
重なり合わせだ。それは観測されようによって様相を変化させる。
零は考えた。艦むすとは別の言語コードに属する何かではないか、と。
人間の思考体系、言語コードでは機械が『いる』か『ある』のかを同時に認識することができない。言葉がないからだ。
だが別の言語コード、例えばジャムのようなものにとって、思想から生まれる機械というものは艦むすのようなカタチを取るのではないだろうか。
『いる』と『ある』を重ねた言葉で表現される機械、それが艦むすか。

「……司令官?」

雪風が心配そうに尋ねてきた。
様子がおかしかっただろう。それまでの張りつめた剣幕は消え失せ、零は放心したように言葉を失っている。

零は、恐らくだが、自分はいま喜んでいるのだと思った。
自分はここに来る直前、雪風に見捨てられた。愛機にして、信じてきた唯一の機械。天駆ける妖精。
零は雪風と命運を共にするつもりだった。敵に解析されそうになった雪風は自爆を選んだ。共に死ねるならいい。そう思っていたのに、雪風は違った。
機体は破棄する。だが中枢機能は別の機体へと転送する。破棄する機体には零も含まれる。

雪風は零を切り捨てた。信じていた。しかし見捨てられた。
雪風は無人機として完成しようとしていた。人間など要らないと、雪風自身も考えたのだ。
その事実に、零はある種打ちのめされていたのだ。

しかし艦むすという存在に触れ、零はそれが間違っていることを確信した。
当初、零は艦むすを恐れていた。それが人間と機械の垣根を危うくするものに思えたからだ。
だが、仮に艦むすが思想で『あり』そして機械で『いる』ものだとするならば、その外観が人間らしくあることに意味がある。
兵器は人間を内包した概念である。人間の言語コードではあやふやでも、別の角度から観測すればそれが如実に浮き上がる。

「……雪風」

零は声を絞り出した。
は、はいっ、と気負った声色で雪風が返答した。

「お前には俺が必要か」

尋ねると、雪風は答えた。

「は、はい。私には司令官<マスター>が必要ですっ」

舌足らずな声が響く。零は聞いていない。すれ違いのようなものだ。
だが確信はあった。雪風には俺が必要だと。だからあの判断はミスだ。
帰ってやる。帰ってそのことを雪風に分からせてやる。そう思ったとき、零は初めて目覚めた気がした。
目覚めすぎた気さえ、した。

零は思った。早く帰りたい。帰って、フェアリイの不気味な空を飛びたい、と。


402 : 深井零・アサシン(雪風) ◆Ee.E0P6Y2U :2014/07/20(日) 09:15:00 EwF0dTYY0
【CLASS】アサシン
【真名】駆逐艦・雪風
【パラメーター】
筋力E 耐久D 敏捷B 魔力E 幸運A+++ 宝具E
【属性】
中立・善 
【クラススキル】
気配遮断 D 自身の気配を消す能力。完全に気配を断てばほぼ発見は不可能となるが、攻撃態勢に移るとランクが大きく下がる。
如何な激戦であろうとも被弾しなかった、その奇跡的な回避性能からの派生。
【保有スキル】
砲撃 D 艦むすとしての砲撃性能。雪風は駆逐艦として上位の性能を誇る。
    が、所詮は駆逐艦なのでそこまでの火力はない。
爆雷 C 戦艦や空母と違い、駆逐艦は潜水艦への攻撃が可能。
    先手は取られてしまうが潜水による気配遮断に対応できる。
夜戦 B 夜間戦闘における威力補正。夜間戦闘において火力が飛躍的に上昇する。
    また幸運値に依存して命中補正がかかる。
【宝具】
『奇跡の駆逐艦<ゆきかぜはしずみません!>』
ランク:E 種別:- レンジ:- 最大補足:-
主要な海戦のほとんどに参加しつつ、毎回ほぼ無傷で帰還したその幸運が宝具となったもの。
戦闘が激化すればするほど、幸運値に補正がかかる。
被弾しても『偶然に』ロケット弾が不発だったり、回数機雷に触れても『何故か』反応されなかったりする。
ただし補正がかかるのはあくまで幸運値のみ。
その他パラメーターに変動はないので、不用意に突っ込むと呆気なく落ちる。
雪風が生き残ったのは奇跡ではない。乗組員の高い錬度と強い信念の賜物である。

【weapon】
・12.7cm連装砲
・61cm四連装魚雷
【人物背景】
旧日本帝国海軍所属、「陽炎」型駆逐艦8番艦として命名される。
「雪風」は戦時中16回の作戦に参加。うち7度の海戦に加わり、ほぼ無傷で生還した幸運の艦として有名。
艦むすである彼女も史実を参考にしたのか、全艦むす中トップの運を持つ。
その他ステ―タスも駆逐艦上位に設定されており、島風と並ぶレア駆逐艦。
ただし入手難易度は島風より高く、入手には提督のリアルラックを要求される。
微妙に透けてるワンピースが特徴。

【サーヴァントとしての願い】ない。司令官に従いたいのかもしれない。
【基本戦術、方針、運用法】
基本的なパラメーターは低い。駆逐上位の砲撃性能も、所詮は駆逐艦。全体で見れば大した火力はない。
ただ圧倒的な幸運値と気配遮断から守りに回った時の生存率は高い。
宝具の影響もあり、どんな乱戦であっても逃げ延びることができるだろう。
攻めに回る時は夜戦スキルを生かすべき。というかそうでもしないと火力が出ない。
昼は逃げに徹し、夜は闇から威力補正のかかった砲撃を当てる。そんな戦い方になる。


403 : 深井零・アサシン(雪風) ◆Ee.E0P6Y2U :2014/07/20(日) 09:15:45 EwF0dTYY0

【マスター】深井零
【参加方法】戦闘妖精雪風<改>ラスト、雪風の自爆直後に何故か方舟に飛ばされた。
【マスターとしての願い】どれだけ被害が出ようとも帰還する。
【weapon】なし
【能力・技能】
兵士としての技能。
戦闘機乗りとしてもエース級の腕を誇る。
英語。
フェアリイにおける共用語。零は日本人であるが、既に母国語という概念はなくなっており、特に意味がなくとも英語で話す。
【人物背景】
南極に出現した超空間通路から侵攻してきた謎の異星体ジャム。
人類はその先鋒を撃退し、逆に超空間通路の向こう側に攻め込み、そこに存在した惑星フェアリィに橋頭堡となる基地を築いてジャムの侵攻を食い止めていた。
設立初期には選び抜かれた精鋭によって構成されていたフェアリィ空軍 (FAF) だったが、長引く消耗戦にエリートの損失を嫌った各国は、
やがて犯罪者や精神疾患者といった社会的不適合者の中から才能を持つものに訓練を施し、FAFに送り込むようになる。
そのFAFの主要基地の一つフェアリイに属する戦術戦闘航空団特殊戦第五飛行戦隊、通称ブーメラン戦隊には中でも他者に関心を持たないという心理傾向がある人間ばかりを集められていた。
高性能な戦術戦闘電子偵察機スーパーシルフを擁する対ジャム戦における戦術電子偵察部隊であり、たとえ目前の味方を見捨ててでも敵の情報を持ち帰る事だけを要求される特殊部隊だった。

極めて高度な中枢制御体を搭載し、完全自律制御による高度な戦術判断や戦闘機動を可能とするスーパーシルフ。
その3番機 「雪風」のパイロットである深井零は、雪風を自らの半身と偏愛し、雪風以外のあらゆるものを「関係ない」と切り捨てるまでに雪風が全てと信じていた。

『戦闘妖精・雪風』の主人公。
雪風のパイロットであり、AIを搭載する戦闘機である雪風と執着し、生きる理由とさえなっていた。
それがジャムとの戦いの中で徐々に変化していく。雪風と自分のあるべき関係について、彼は真摯に考えることになる。
主人公でありながら謎が多く、FAFに来た理由さえ分からない。
初出時は「非効率な機械は嫌いだという理由で博物館のSLを爆破した」だったが、改定前文庫本時には「仕事のストレスで職場に放火した」という扱いだった。
コミック版では「強盗の手伝いをした」となる。短編小説では、コンピュータクラッカーであり、独自のアーキテクチャのマシンを組み上げ、CPU処理時間の外部開放義務を忌避した罪に問われたことが描写されている。

余談だが、アニメ版の声優は「半沢直樹」「リーガル・ハイ」で主演を務めた堺雅人が担当している。

【方針】帰る。艦むすとは何かを知りたい。


404 : ◆Ee.E0P6Y2U :2014/07/20(日) 09:17:16 EwF0dTYY0
投下終了です。


405 : 本多正純&ライダー  ◆TAEv0TJMEI :2014/07/20(日) 09:42:54 tKdTE.EQ0
本多正純@境界線上のホライゾン&ライダー投下します。


406 : 本多正純&ライダー  ◆TAEv0TJMEI :2014/07/20(日) 09:43:57 tKdTE.EQ0
対角線上の戦争屋達




いや、違うからな?
私は別に戦争が好きというわけではないからな?

配点(諸君我々は戦争が大好きだ)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



記憶を取り戻し目を覚ました正純は割り当てられた家の中で頭を抱えながらこう思った。
……運営やる気ないだろ!
なんてことはない、自分がこうして記憶を取り戻せたのは明らかに運営が手を抜いていたからだ。
いやだって明らかにあの学園、武蔵に比べて変態と外道と馬鹿が足りなかったし。
そんな状態で違和感を抱くなという方が無理があるよなー……。
やる気が無いといえば、そもそも自分がここにいることだってそうだ。
別に聖杯戦争に参加したかったわけでも、ゴフェルの木片を探し当てたわけでもない。
気がつけば方舟の中に連れ込まれていた。
何かきっかけがあったかなーとその前後のことを思い返してみる。
ウルキアガが何か騒いでいて、嫁のことかと思ったら馬鹿が通販で仕入れたエロゲのことで、その初回特典が……

「あれかー!」

思い出した。
馬鹿が仕入れたエロゲの特典、それがまさしくゴフェルの木片だったのだ。
オタクが何か長々と解説を垂れ流してたのだから間違いない。



「いいかい? ゴフェルの木というのはね、聖譜を真面目に研究している学者たちですら匙をぶん投げている聖遺物なんだ。
 旧派(カトリック)も改派(プロテスタント)どころか聖譜序奏派(サイオン)ですら諦めたくらいだからね。
 なんせ聖譜に出てくるのは一回、たったの一回限りなんだよ?
 しかも具体的に何を指すのかは記されていなかった。
 これが無視出来る程度のものならよかったのだけどね。そうもいかない。何せこのゴフェエルの木はあのノアの方舟の素材になったのだからね!
 歴史再現のためにも分からないままじゃ済ませられなかったんだよ。
 結局は逆転の発想でノアの方舟を何らかの木材で作った後にその木材が何かを徹底的に秘密にする形で“解釈”したようなのだけどね。
 それにしてもノアの方舟だよ、ノアの方舟! 聖譜曰く……って、え? 流石にノアの方舟は知っているから略せって?
 分かってないなー! この方舟には実は外宇宙から飛来した遺物だとも、一説には異世界から来た超巨大飛行船艦だったとさえも伝えられているんだよ!
 武蔵のような航空都市艦は実はノアの方舟を元にしたんじゃないかって説もあるくらいだ!
 巨大な機竜に変形しただとか武神に変形しただとか、とにかく、ノアの方舟は浪漫の塊なんだよ!
 ああ、時を超え世界を超え宇宙(そら)より来たりし巨大戦艦――かの舟が望むのはありとあらゆる生物の種の保全。
 一対の番たちをその巨躯に宿し……」


407 : 本多正純&ライダー  ◆TAEv0TJMEI :2014/07/20(日) 09:45:23 tKdTE.EQ0


そうそう、そんな感じのことを言っていた気がする。
つまるところゴルフェの木というのは何がなんだか全く分かっていない物なのだ。
そこに着目してその名を冠したものが何らかの商品になることは珍しいことではないと商人たちも言っていた。
……でもなあ、だからってなあー、まさか本物の木片がエロゲの特典としてついてくるなんて思わないだろ、普通。
やっぱやる気ないだろ、ムーンセル。
正純ははぁっとため息をつき結論付ける。
それにしても、何故、自分だけが呼ばれたのだろうか。
あの後のことは分からないが少なくともあの場で馬鹿と忍者とウルキアガが木片に触っていた。
そもそも騒動の発端は異端審問官であるウルキアガがゴルフェの木片が本物か気にしたからだったはずだ。
それであれよこれよと騒ぎが大きくなり、馬鹿がつい忍者に投げた木片がクリーンヒットしてその跳弾がこっちに跳んできて気づけば方舟の中だ。
どう考えたってこれ、馬鹿たちのほうが呼ばれてしかるべきだろ。
そうならなかったとすれば、馬鹿たち三人との間に何か差があったからだと考えるべきだろう。
ぱっと思いつくのは、

「嫁か?」

ありえない話ではない、かもしれない。
なんせノアの方舟だ。
男女雄雌一対の動物たちをこれでもかと乗せまくった船だ。
いや、しかしそれならむしろやっぱり独り身の自分よりも馬鹿たちを呼ぶべきだったのではないか?

『ま――?』

ああ、うんうん、私にはお前がいたんだったな、ツキノワ、可愛いぞ。
所持品扱いされたのだろう共に連れて来られてしまったマウスを撫でる。
よし、落ち着いた。
とりあえず嫁のいるいないは関係ないと考えていいだろう。
他の差は何だろうか。
この聖杯戦争は月の聖杯を賭けた戦争であり、何故聖杯を望むかというと願いを叶えるためだ。
なら、と正純は思う。
自分と馬鹿たちの差はそこにこそあるのではないか。
自分には聖杯で叶えたい願いがあり、馬鹿たちにはそれがなかった。
思い当たるものがあるとすれば、馬鹿も抱えていた“後悔”だが、今の自分にもそれはない。
襲名と身体についての未練はもうないと言い切れる。
だとすれば、
……母、か。
公主隠しを追っていけば、もしかしたら、と思っていなかったと言えば嘘になる。
……その結果がまさか公主隠しと関係ない形で私まで行方不明になるなんてなー。
馬鹿たちは今頃どうしているのだろうかと思いながら肩をすくめる。
ずっと姿を消し黙っていた“彼”が声をかけてきたのはそんな時だった。

「やあ、何かお悩みのようだ。戦争についてでも考えていたのだとしたら、そいつは素敵だ」


408 : 本多正純&ライダー  ◆TAEv0TJMEI :2014/07/20(日) 09:46:56 tKdTE.EQ0


正純は声の主を見た。
男だった。
小太りした眼鏡の男がそこにいた。
サーヴァント“ライダー”。
正純が呼び出した英霊であり、先程まで気絶していた原因だ。
戦闘系の役職ではない自分は内燃拝気を貯めること自体不慣れであり、それが一気にあれだけもっていかれるとなると意識を保つことができなかったのだ。
幸か不幸か気絶している間に見た夢のなかで、ライダーのことはある程度は把握することができた。
まず一番に驚いたのは彼の過去でも、性格でもなく、彼という英霊が活躍した時期だった。
ライダーが活躍したのは20世紀末の英国だ。
つまりは末法の後の世の人物であり、自分たちにとっては過去の人間でありながらある意味で未来の人間でもあるのだ。
その部分に興味が無いわけではない。
しかし、何らかの形で歴史を先読みしてしまったことがばれれば聖連を牛耳るM.H.R.R.に武蔵に介入する口実を与えてしまう。
だから正純は末法の先を聞こうとはせず、ライダーの問いかけに普通に返した。

「いや、私が何故ここにこうして呼ばれたのかを考えていた」

ふむ、と椅子に腰掛け、腕を組み、一瞬だけ考えた後ライダーは笑みを浮かべて、

「戦争をしたいということだろ?」
「違ーーーーーーーーーーーう!」

正純はツッコンだ。
武蔵勢ならともかく、聖譜の時代の人間にまで勘違いされたままにするわけにはいかない。
というかムーンセルに監視されている以上、下手するとムーンセルにまで本多正純は戦争が好きだと記録されかねない。
それは断じて避けねばならない。

「いいか、ライダー。私のどんな記憶を見たのかは分からないが、私は別に戦争推進派というわけではないんだ。
 私はいつも交渉で解決できればいいなと願っているのだからな!」
「ああ、知っているとも。
 お嬢さんの交渉は平和を追い求めながらもいつも狙ったように大戦争へと導く素晴らしい交渉だった。
 イタリア、イギリス、スペイン、ローマ、インド……。
 これほどの数の国と君たちからした絶対の正当性をもって戦争に持ち込む政治家がいたとは、我々の時代にも見習って欲しかったくらいだよ。
 今回も是非、我々に活躍できる戦場を与えて欲しいとそう願っている」

パンパンパンパンと拍手を送ってくるライダーに正純はため息をつく。
言われてみれば短期間にかなりの国と戦争してきた気もするが、どの戦争にもちゃんと意味があった。
決して戦争をしたいからしてきたわけではない。
それはむしろこのライダーの方だろう。

「違うな。ライダー、あなたは、あなた方は戦争を望んでいても、私に望んではいない。
 あなた方自身に望む戦争をこそ望んでいる」
「――分かっているじゃないか」


409 : 本多正純&ライダー  ◆TAEv0TJMEI :2014/07/20(日) 09:47:39 tKdTE.EQ0


そうとも、とライダーは頷いた。
私は戦争が好きだ。戦争が大好きだ。
殲滅戦が好きだ、電撃戦が好きだ、打撃戦が好きだ、防衛戦が好きだ、包囲戦が好きだ、突破戦が好きだ、退却戦が好きだ、掃討戦が好きだ、撤退戦が好きだ。
平原で、街道で塹壕で、草原で凍土で、砂漠で、海上で、空中で、泥中で、湿原で、この地上で行われるありとあらゆる戦争行動が大好きだ。
地上どころか月で戦争ができるなんてまるで夢を見ているようだ。
お嬢さんの夢のなかの戦争も興味深いものだった。
まさか厭戦ムードが漂い、過去の過ちを教訓とし、二度と起こらないようになどと連中に言われていた戦争が。
遥か未来で歴史を教訓として戦争を行おうなどと取り決めされることになろうとは!
皮肉だ、実に皮肉で面白い。
解釈のある戦争も、歴史再現による戦争も、それはそれで戦争の一つの形だ。
ありとあらゆる戦争が好きなライダーは故に、未来の戦争を否定しない。
否定はしないが――足りないとは思うし、疑ってもいる。
だからお嬢さんへと探りを入れる。
……君は闘争の本質をどこまで分かっているのかと。

「お嬢さん、私は私が望んだ戦争をやりきった。
 結果はムーンセルから与えられたデータを見るに、私は我が宿敵を討ち漏らしたようだが、それもまた戦争だ。
 私は私の全てを賭けて私の宿敵たちとの戦争をやりきった。
 あの時ああしていればだとか、もう一度できさえすればなど、それは敗北主義者たちの戯言に過ぎない。
 あれは最高に良い戦争だった」

最高に良い戦争だったからこそ、二度目なんて望まない。
しかし現にライダーはこうしてここにいる。
戦場に、いる。
ライダーの宿敵は彼だ。だが、彼らここにいるだろうか?
自分がこうしてここにいるのだ、もしかしたら彼もここにいるかもしれない。
人間と英雄と英雄ならぬ反英雄が、怪物たちが、化物が願いを賭けて殺しあう。
いかにも彼が好みそうなシチュエーションだ。
とはいえいくら彼が望もうとも、実際に召喚されるかどうかは、聖杯の判断とマスターとの相性次第だ。

「そんな戦争をやりきった私に、敵を失ってしまった私に。
 果たして君は私が求めるに足る戦争を、敵を君は用意できるのかな?」

ライダーは問いかけ、同時に期待する。
さあ、答えてくれ、お嬢さん。私の“願い”に。

「――いいだろうか」

答えはすぐに、返ってきた。


410 : 本多正純&ライダー  ◆TAEv0TJMEI :2014/07/20(日) 09:48:10 tKdTE.EQ0


「これから私達がどう動くのか、それが今の問い掛けへの私からの答えだ」

暗にすぐには答えないが、これからする話は無関係ではないとライダーへと伝える。
ライダーが頷いたのを聞き届ける意思があると見て、正純は話を続ける。

「この聖杯戦争には私のように望まぬ形で呼び出されてしまった者たちもいるはずだ。
 生死を賭けた戦いとは知らず戦争へと巻き込まれた者たち。
 彼らは失われないでいいはずの人たちだ。私は彼らの喪失を望まない。彼らの親しいものたちの喪失を望まない」

それは武蔵の人間として、本多正純として絶対に譲れない意思だ。

「それなら、どうするというんだ、お嬢さん。
 私は決して強いサーヴァントではないし防衛戦も好きだが、向いていない」
「そのための政治家で交渉師だ」

いいか、と正純は右手を握りしめる言い放つ。

「ここには数多の世界、数多の時代から多くの人々が呼ばれている。
 自分からこの地に来た者、私のように巻き込まれた者、彼らの抱く願いも多種多様だろう。
 英霊だってあなたみたいなものもいれば、私達の襲名元になった者たちもいるだろう。
 その彼らの目的や願いを折り合わせる。
 私は失わせるなとは言うが、戦うな、手を抜けとは言わない。
 私達も、彼らも勝ち、得たいものを戦後交渉で得ればいい。それも含めて戦争だ」

解るか?

「この聖杯戦争は、戦争などと冠しているが、実際には相対戦の連続によるバトルロワイヤルみたいなものだ。
 戦争ではなく個人戦、よくて同盟を組んだ物同士の集団戦止まりだろう。
 それを私達は文字通り、戦争にする。
 聖杯を望むものもいるだろう。生き延びたいとそれだけを願うものもいるだろう。
 私のように失われようとする命を、救おうとする者もいるはずだ」
「だが死をばらまき死を望む人間もいる。私が居る、ここにいる」

死を望むものがいることを知っている。
己の死すら受け止めるものがいることを知っている。
自分たちに後を託し、生きるために戦い抜いた者たちも覚えている。
彼らをぶつかり合う関係だとも、強いとも、すごいとも思いはしたが、こっちがそれに合わせることはない。

「そうだな。私とあなたは“違う”。
 あなたは死なせ死ぬことを望み戦争し、私は戦争することで意思を救い命を救う。
 私たちは平行線ですらない対角線だ。
 先ほどの問の答えはまさに私こそがあなたの敵とも言える」

だが、と正純は一息ついてライダーへと歩み寄る。

「だからこそ交わる点がある。
 対角線ならばどれだけ近かろうとどれだけ遠かろうと私たちの間に線は引ける。
 そしてその中央にあるのが――」

「聖杯だ」


411 : 本多正純&ライダー  ◆TAEv0TJMEI :2014/07/20(日) 09:49:08 tKdTE.EQ0


正純はライダーが笑みを深くするのを知覚した。
……よし、ひとまずは命をつないだみたいだ。
ライダーは戦争のために戦争をしてきたような人間だが、それでも夢のなかで見た彼は、敵を定め戦争をする人間だった。
その彼が聖杯戦争に参加しに来たというのなら、それはここに彼の敵がいるということだ。
先の戦場と敵を用意できるのかという質問は、戦場と敵を要求してきたわけではなかった。
ライダーが見定めた敵を正純も敵として見定めることができているのか、その敵を引きずり出す戦場を用意できるか。
そういう確認だった。
なら、その敵とは誰だ?
ライダーが宿敵と定めた吸血鬼か? 否。
聖杯戦争にかの吸血鬼たちが召喚されるとは限らない。
そんな運任せではない、この戦いにおいて唯一絶対的に存在することが確約されているものがあるではないか。
聖杯だ……!

「私は聖杯――ムーンセル及びアークセルと交渉したいとそう考えている。
 聖杯が観測機で、オタクの言ったように方舟が一対の人間を求めているというのなら、殺しあわせるのは手段ではあって目的ではない。
 聖杯が観測資料として満足し、方舟が保存するに足るという一対を選出できるのなら、必ずしも死人を出す必要はないはずだ。
 聖杯戦争よりももっと得るものが大きいと私のやり方の価値を示し、納得させれば運営も文句は言うまい」

つまり

「私はこの聖杯戦争を“解釈”する!」

言うとライダーがわざとらしく眉をしかめ、まだ先があるだろうと促してくる。

「なるほど、お嬢さんのやろうとしていることは分かった。
 しかしムーンセルほどの演算装置が、人類を観察するのに適した形として考案したのが今の聖杯戦争のはずだ。
 そう簡単にムーンセルを納得させ、聖杯戦争の形式を変えることはできまい!
 どうする気だ、お嬢さん。その時はどうする気だ!?」
「その時は、誠に遺憾ながら簡単だ」

正純は、手を挙げて、こう言った。
この答えこそ、ライダーが望んでいたものだと確信しながら口にした。

「戦争すりゃいいんだよ、聖杯と」

霊体とはこの世に未練を残した魂がなるものだ。
サーヴァントとて同じだろう。
死を望み、良い死を得たはずのライダーが霊体になっているとしたら、それは死後になんらかの不満が生じたからに他ならない。
そして彼に死後を与えたものも、即ち聖杯だ。
聖杯戦争――聖杯を望む戦争ではなく、聖杯に臨む戦争こそがライダーの望みであり、
私の、望みだ……!
さあ、これどうだ、ライダー……少佐!

「――ああ言った、よく言った……素晴らしい」


412 : 本多正純&ライダー  ◆TAEv0TJMEI :2014/07/20(日) 09:50:10 tKdTE.EQ0


「貴方は今、ようやく私のマスターとなった。
 共に戦う同胞となった」

素晴らしい、とライダーもまた歩み寄りマスターを称賛する。
その通りだと、ライダーは聖杯に怒りを顕にする。
 
「聖杯? ムーンセル? 方舟? アークセル?
 全ての生命、全ての生態、生命の誕生、進化、人類の発生、文明の拡大、歴史、思想――そして魂を記録するだって?
 なんだそれは、何なんだそれは。
 まるで吸血鬼じゃないか。
 聖杯が、方舟が、その本質は吸血鬼と同じだなんてイスカリオテの奴らに是非とも教えてあげたいくらいだよ」

自ら化物になった神父なら気づいていたかもしれないがね。

「しかもあの軍にして城である我が宿敵以上のスケールと来た。驚きだ。
 光そのものを介した魂の保管? 過去と現在、あるいは未来。時代、更には世界を繋ぐ一対のつがい?
 ああ、それはきっと素晴らしいことなのだろう。
 私という意思が無限永久に存在し続け、無限永久に戦い続ける。
 マスターの世界の戦争のような未知の戦争さえも、世界の壁を超えて体験できるだなんて想像するだけで楽しいぞ。
 その上私を元にした子どもたちが過去現代未来異世界にまで解き放たれるとは全く、愉快極まりない!
 愉快で素敵で歓喜で素晴らしくて楽しくて――」

だが冗談じゃないと吐き捨てる。

「真っ平御免だ。俺の心も魂も命も俺だけのものだ」

気がつけばムーンセルの中にいた。データとして記録されていた。
ムーンセルが魂さえも記憶すると言っても、それは何も死んだ人間の魂を回収しているわけではない。
記録はあくまでも記録に過ぎず、かつて少佐と呼ばれた人物の記録でしかない。
それでもライダーは言い切れる。何度だって言い切れる。
サーヴァントになろうとも、フォトニックに閉じ込められた光の信号になろうとも、私は人間だ。
人間は魂の、心の、意思の生き物だ。

「私は私だ!!」

だからこそ、許せない。
私を記録し、私を保有し、私を共有し、私を量産し、私を永遠にしようとする聖杯を、私は心底憎む!

故に!


「さあ、始めよう武蔵副会長」
「ああ、始めよう少佐」




「「私たちの戦争を」」


413 : 本多正純&ライダー  ◆TAEv0TJMEI :2014/07/20(日) 09:54:17 tKdTE.EQ0
【クラス】
ライダー

【真名】
少佐@ヘルシング

【パラメーター】
筋力E- 耐久E- 敏捷E- 魔力E- 幸運C 宝具E-

【属性】
混沌・悪

【クラススキル】
騎乗:-
ライダークラスにあるまじきことだが彼自身に騎乗スキルは存在しない。
最後の大隊使用時のみ、配下に飛行船や戦艦などを操縦させることで間接的に騎乗できる。
対魔力:A
A以下の魔術は全てキャンセル。
事実上、現代の魔術師ではライダーに傷をつけられない。

【保有スキル】
カリスマ:A-
軍団の指揮能力、カリスマ性の高さを示す能力。
反英雄にのみ絶大な効果をもたらすが、戦争の本質を分かっていないものには維持し続けることができない。
軍略:A+
一対一の戦闘ではなく、多人数を動員した戦場における戦術的直感力。
勝利するために熱狂的かつ合理的冷静に戦況を把握できる。
自らの対軍・対城宝具の行使や、 相手の対軍・対城宝具に対処する場合に有利な補正が与えられる。
アーカードという個にして軍であり城である存在相手に戦い抜いたこともあり、同様の群体的な存在相手にも有利な補正が与えられる。
破壊工作:A-
戦闘を行う前、準備段階で相手の戦力をそぎ落とす才能。
ランクAならば、待ち構える相手の九割近い兵力を一時的に戦闘不能に追い込む事も可能。
ただし、このスキルが高ければ高いほど英雄としての霊格は低下していき、また自らの兵力の消耗も通常よりはるかに大きい。
戦闘続行:C -
サイボーグ故瀕死の傷でも戦闘を可能とし、その狂気故に死の間際まで戦うことを止めない。
ただし自身の人間であるという信念故に、サイボーグとしての補正はかなり下がっている。
仕切り直し:D+++
戦闘から離脱する能力。
自身の存在を変質・吸収しようとする相手に対してのみ強力な補正が得られる。

【宝具】
『戦鬼の徒(ヴォアウルフ)』
ランク:E- 種別:対人対軍隊城宝具 レンジ:1 最大捕捉:1
自らが率いた戦鬼の徒をサーヴァントとして召喚する。
一般人以下の力しかないライダーがサーヴァント級の吸血鬼を率いたことが宝具となった。
戦鬼の徒は全員で七騎おり、召喚する際はクラスと宝具とスキルを持たない。
一度に召喚できるサーヴァントに上限はないが、ライダーのマスターとしての適正が一般人レベルのため、一騎維持し続けられるかも難しい。
個にして軍であり城であるアーカードを倒すためだけの軍隊であるため、そのすべての種別を上乗せでき、軍略スキルの補正を二重に受けられる。

トバルカイン
筋力C耐久D敏捷C+魔力C幸運E
リップバーン
筋力C耐久D敏捷C魔力C幸運E
ゾーリン
筋力C耐久D敏捷C魔力C幸運E
大尉
筋力B耐久C敏捷D+魔力C幸運D
シュレディンガー
筋力E耐久D敏捷E魔力B幸運D
ドク
筋力E-耐久E敏捷E-魔力E幸運E
ウォルター
筋力C+耐久E敏捷C魔力D幸運E

『最後の大隊(ミレニアム)』
ランク:A+ 種別:対人対軍隊城宝具 レンジ:1000 最大捕捉:1000
自らが率いた吸血鬼部隊『最後の大隊』をまるごと再現する宝具。
戦争を望み、戦争に生き、戦争に笑って死んでいった少佐たち最後の大隊が共有する“戦争”の心象風景を形にした固有結界。
1000人の吸血鬼と戦鬼の徒、さらには飛行船などを全て自らのサーヴァントとして召喚する。
戦鬼の徒にはランクE-の『単独行動』が付くためマスター不在でも戦闘可能。
一度発動してしまえば結界の維持は大隊総員の魔力を使って行われるため、発動できさえすれば燃費はいい。
ただし、1000人の吸血鬼はサーヴァントとしてはEランクな上、誰もが戦争の中での死を望んでいるため相手次第では加速度的に減っていく。
結果、維持するための魔力の一人あたりの負担も大きくなるので注意。
また最初に結界を展開するライダー自身魔力が殆ど無いため、ライダー単体では普段は結界を展開することもできない。
ただし“戦争”になればなるほどライダー及び大隊の描く戦争の心象風景が強化されていき、消費魔力が軽減されてより大きな戦争ができる。
個にして軍であり城であるアーカードを倒すためだけの軍隊であるため、そのすべての種別を上乗せでき、軍略スキルの補正を二重に受けられる。

【Weapon】
拳銃。
サーヴァントの武器であるにもかかわらず神秘を持たない。
そのためサーヴァントに通用しないがそもそもライダーは殆ど当てられないのでマスター相手にも実際は通用しない。


414 : 本多正純&ライダー  ◆TAEv0TJMEI :2014/07/20(日) 09:54:56 tKdTE.EQ0
【人物背景】
本名はモンティナ・マックスとされている眼鏡をかけた肥満体の小男。
「目的のためには手段は選ばない」という『君主論』を引き合いに出した上で、「手段のために目的は選ばない」と謳うほどの戦争狂。
しかしその全ては彼が宿敵と定めた吸血鬼アーカードを破るためであった。
現在の身体はサイボーグだが、人間を意思の生き物と定義しており、自分は自分で人間だとしている。
それゆえ血液を介して他者と融合する吸血鬼の本質を憎み、これを否定する。
ロンドンに侵攻し壊滅的な打撃を与え、自らの策略通りアーカードを消滅させることに成功する(後に帰還されたが)。
その後宿敵と認めて自ら飛行船に招き入れたインテグラとセラスと対峙。
最期はインテグラとの撃ち合いで額を撃ち抜かれるも自身が最後に撃った銃弾が初めて命中した事を喜びつつ、良い戦争だったと満足して絶命した。

尚、カバー裏などのオマケでは、キャラが一転して側近の大尉、博士と共にアニメオタクと化しており、コミケに参加している。
この辺りや濃い大隊の面子(人狼込み)なども合わせて正純に召喚された要因かもしれない。

【聖杯への願い】
聖杯にかける願いはないが聖杯は許せないので聖杯と戦争する。

【基本戦術、方針、運用法】
マスター、サーヴァント共に単純な戦闘力は皆無であり、或いは最弱コンビかもしれない。
正純は魔力を内燃拝気で補えるが、貯めるのに相当な時間と労力を要し、戦闘系でもないためあまり宛に出来ない。
正純の方針的に魂食いもできないため、通常戦闘=宝具の使用であるライダーには令呪による援護や魔力源になるアイテム又は協力者が必要不可欠である。
このコンビの肝はいかにして正純による交渉で戦闘を避けつつ、戦争に持ち込むかである。
……なんだかおかしなことを言っているようだが、何もおかしくはない。
戦争にさえ持ち込んでしまえば少佐及び最後の大隊はもとより、戦術運用や濃い面子の扱い方もこなせる正純も水を得た魚となる。
後はいかにして戦死を望んでいる最後の大隊を正純が上手く生かせるか次第である。

なお、ライダーは魔術や神秘といったものに科学的にアプローチをかけ、また自身もサイボーグであるため神秘は最低クラスである。
そのため一般人レベルの霊核しか持たず、人混みに紛れると感知能力の高いサーヴァントでも発見は困難になる。
大隊の多くも科学技術が関わっているため神秘は同じく最低クラスだが、幸いここは月の聖杯戦争である。
吸血鬼作成や、対アーカードを推し進めるに辺り魂についても研究していたため、魂を量子化して電脳世界に干渉する事自体には適正がある。
メイガスでなくウィザードとして宝具のランクを底上げしている。


415 : 本多正純&ライダー  ◆TAEv0TJMEI :2014/07/20(日) 09:55:32 tKdTE.EQ0


【マスター】
本多・正純@境界線上のホライゾン

【参加方法】
葵・トーリに届いたエロゲの予約特典についていたゴルフェの木片が頭部に当たって参加

【マスターとしての願い】
公主隠しで失ってしまった母親を取り戻したい?

【weapon】
ツキノワ
正純の走狗(マウス)でオオアリクイ。
主の術式を補佐する霊獣型デバイスで正純には溺愛されている。鳴き声は『まー』。
浅間から送られた攻撃術式群で正純を護衛することもあったため、購買で買えるレベルのコードキャストなら読み込んで使用可能。
ちなみにムーンセルによる再現により自身のサーヴァントとや、相応の術や道具を持った相手になら各種通神が可能。

【能力・技能】
戦闘系役職ではないため戦闘面での能力は皆無。
反面、政治家としては外政・内政共に極めて優れているが、担当した交渉の結論が何故かほとんど毎回戦争になってしまう。
本人の戦術組み立て能力も極めて高いため余計にたちが悪い。
ちなみにギャグが致命的に寒いという弱点があり、交渉時にもよく口にし敵味方ともに唖然とさせる。

【人物背景】
武蔵アリアダスト教導院に所属する生徒会副会長の少女。
幼い頃歴史再現による襲名を有利に行うため男性化手術を行ったがその途中で襲名に失敗し、胸を削った状態のまま今に至り男装をしている。
基本的にまじめで誠実。少し意地っ張りなところも。武蔵に染まったため、苦労人のようでいて結構無茶ぶりする。あとよく行き倒れる。
武蔵の実質的サブリーダーで、政治家志望の有能な交渉師。
ただし最後はほぼ必ず戦争になるため、皆に戦争狂扱いされており、他国のトップに平和の敵か何かかとまで言われるようになってしまった。

【方針】
他参加者と交渉することで聖杯戦争を解釈し、聖杯とも交渉し、場合によっては聖杯と戦争し、失われようとする命を救う。


416 : 本多正純&ライダー  ◆TAEv0TJMEI :2014/07/20(日) 09:58:15 tKdTE.EQ0
投下終了です。


417 : 本多正純&ライダー  ◆TAEv0TJMEI :2014/07/20(日) 10:07:03 tKdTE.EQ0
既に◆qB2O9LoFeA氏により少佐がライダーとして投下されていたため、ステシ面で参考にさせていただきました。
同じキャラの都合上もとより被る部分もありましたが、問題があればご指摘ください。


418 : ◆DpgFZhamPE :2014/07/20(日) 12:40:27 IhK8r2KI0
皆様投下乙です。

うずまきナルト&ライダー、投下します


419 : うずまきナルト&ライダー ◆DpgFZhamPE :2014/07/20(日) 12:41:11 IhK8r2KI0
───12年前の事件以来。里にはある掟が作られた。

それは。
彼の悲しい歴史。

───それはナルト、お前にだけは決して知らされることのない掟だった。

それは。
彼の迫害の理由。

───ナルトの正体が、化け狐だと口にしない掟だ。

ああ、自分が。
親のいない悲しみは知っていたはずなのに。

───つまり、お前が。
───イルカの両親を殺し、里を壊滅させた・・・九尾の妖狐なんだよ。

なのに。
恩師である先生に、同じ悲しみを与えていたのか。

───お前は里のみんなにずっと騙されてたんだよ。
───おかしいと思わなかったか?
───あんなに毛嫌いされて。

自分は落ちこぼれで。
里のみんなに嫌われて。
優しくしてくれたイルカ先生にまで悲しみを背負わせて。

───お前なんか誰も認めやしない。
───イルカだってお前が憎いんだ!

何で、こんなにも自分は愚かなんだろう。
何で、こんなにも自分は浅ましいのだろう。
何で、自分はサスケみたいな天才じゃないんだろう。


ああ、わかった。









───自分が、化け狐だからか。


420 : うずまきナルト&ライダー ◆DpgFZhamPE :2014/07/20(日) 12:42:17 IhK8r2KI0
「・・・はは、何か俺、変なところに呼び出されちまった」

記憶を奪われた日々は、幸せだった。
先生はみんな優しい。
通りすがる大人たちに挨拶したら、心地良い挨拶を返してくれた。
近くのお店のおばちゃんは、『ナルトくんはいつも頑張ってるから』とコロッケを一つおまけでくれた。
勉強はまったくわからなかったけど、先生や友達が一緒になって教えてくれた。
自分が落ちこぼれだから、と落ち込んでいる時は、先生が生徒みんなを誘ってラーメンを食べに行った。
あんまり美味しくないお店だったけど、みんなで食べたラーメンは最高に美味しかった。
その生徒はまるでイルカ先生みたいで。
イルカ先生とは決定的に違う点が一つあった。
それは───ナルトを憎んでいないこと。
この町の大人だってそうだ。
みんなナルトを憎んでいない。
記憶を取り戻して振り返ってみれば───とても、幸せな毎日だった。

「これが『逆口寄せ』って術なのかなァ・・・俺使えないからわからないけどさ」

独り言を漏らしながら、ナルトは暗闇───洞窟の中に潜んでいた。
忍者としての気配の殺し方。
それは知っているつもりだ。
だが今はそれをしていない。
ただ単に。隠れる訳でもなく。
彼の精神状態が───暗く、狭いところを求めたのだ。

「でもさ、でもさ。
俺こんなところに呼ばれるなんてやっぱ凄いヤツなんじゃね?
絶対にそうだってばよ!
ほら、その証拠に、みんなもいないから俺一人───」

いや。
最初から、一人だったか。

ストン、と腰が抜けたように地べたに座り込む。
ああ、悲しい。
一人はこんなにも───悲しい。
───その時。
ズドン!地面が鳴り響く音がした。

「な、な、なななな何だってばよッ!」

ゆらゆらと揺れた地面。
ナルトは知らないことだが───この洞窟の真上の地面で。
セイバーのクラスのサーヴァントと、ランサーのクラスのサーヴァントが死闘を繰り広げていたのだ。
そして。
そんな英雄たちが戦っているのだ。
地形に変化が出ないとは───言い切れない。
ガラガラ、と轟音をたて───洞窟の出口が、崩落した。

「え、ちょ、出れないってばよ・・・ッ!」

身体全体で崩落した岩をどけようとしても、びくともしない。
そういう時にはこれだ、とポーチから起爆札付きのクナイを取り出すが───ここでそんなものを起爆したら、己が生き埋めになりそうだという危険性を理解し、やめた。
ストン、とまた座り込む。
今度は、体操座り。

「ああ───やっぱり、ダメだってばよ。
俺ってば落ちこぼれだから───里のみんなを危険にした、化け狐だから」

きりきり、と。
沈み込むナルトの下───地面の中から音が響く。
ナルトはそれに、気づかない。

「閉じ込められた洞窟ですらどうにもできねェ。
サスケだったら───イルカ先生だったらどうにかできたのかな」

きりきり。
がりがり。
きりきり。
がりがり。

「ごめん、イルカ先生。
ごめん、みんな。
俺が、九尾の化け狐だから・・・俺が、化け物だから」

ポタポタと、その瞳から涙が落ちる。
彼の心は既に、もう限界だった。
ガラリ、と。
ナルトの頭上の岩───ナルトの数倍はありそうな岩石が───再び起こった揺れにより、落下する。

(あ───)

遅かった。
反応が、遅れた。
故に、避けることは不可能。
その岩石は、一寸の狂いもなくナルトの頭部を狙い───


421 : うずまきナルト&ライダー ◆DpgFZhamPE :2014/07/20(日) 12:43:09 IhK8r2KI0
「───だぁらァァァァァァァァッ!!!

───その岩を。
鋭いドリルが、打ち砕いた。

「・・・え、え、え?」
「おっと、危機一髪だったな、マスター!
いやぁ、まさか洞窟の中にいるとは思わなかったぜ。
これぐらいの穴掘りなら朝飯前だけどな」

今助けてくれた青年はニッと笑うと───困惑するナルトに、その手を差し出す。

「さあ、行こうぜ───こんぐらいの壁、俺のドリルでブチ抜いてやるッ!」

それがこのサーヴァント・ライダー───螺旋の勇者、シモンとの出会いだった。


422 : うずまきナルト&ライダー ◆DpgFZhamPE :2014/07/20(日) 12:47:37 IhK8r2KI0
「じゃあさ、ライダーに叶えたい願いってのはないの?」
「んー、とりあえずはないな。やりたいことは全部やり遂げてから死んだし」
「やりたいことって?」
「ああ───約束だ。世界中に花を咲かせるってな」
「あ、あー!わかったー!
それ絶対女の人との約束だってばよ!
ライダーの兄ちゃん明らかに花とか育ててそうな格好してねぇもん!」
「お、ナルトお前よくわかったなぁ・・・そうだ、俺の妻との約束だ」
「そ、そんな正直に惚気られてもこっちが照れるってばよ・・・」

洞窟から脱出した二人は、近くの木陰で佇んでいた。
例えば自己紹介だったり、そんなものを楽しくやっていたのだ。

「ナルトはあるのか?願い」
「お、俺は───」

腹の中の九尾を無かったことにしたい、と。
口にして出そうとして、やめた。
そのために、人を、殺す───?
そんなこと、できるはずがない。
でも、この九尾を消すことができたのなら───里のみんなも、ナルトを認めてくれるのだろうか。
イルカ先生も、許してくれるかも───?

「そ、それよりも、兄ちゃんは俺がマスターでよかったのか?」
「ああ。俺はナルトに、召喚されたんだからな。
でも、なんでだいきなり」
「だって、俺───化け狐だし」

手で、腹を抑える。
その瞬間、ライダーは理解した。
このナルトから流れている魔力は、とても多い。
彼自身の魔力も相当のモノだが───他の巨大な魔力も、同じように感じるのだ。
腹を抑えているところを見ると、身体の中に封印されているかなどの方法で、ナルトの言う『化け狐』が存在しているのだろう。
それを推測したライダーは、ナルトに向かいニコリと笑う。

「当たり前だ。ナルト、お前はお前だろ。
お前を信じろ。化け狐なんかじゃない、お前自身を信じろ」
「え───?」
「それにな、俺の仲間にはヴィラルって言ってな。
こーんな牙した上にこーんな腕と爪した不老不死のヤツまでいたんだぞ?
だから、それくらい気にするな。
化け狐が中にいようが、お前はお前だ」
「───はは、だよな!
そうだってばよ!
このいずれ火影になるナルト様がー?
こーんな小さいことでクヨクヨしてられねえってばよ!」

気丈に振る舞うナルトの顔には───確かに、笑顔が宿っていた。
自分を認めてくれた。
それだけのことが、彼にとっては何よりも嬉しかったのだ。

「あ、そうだ兄ちゃん!
ラーメン行こうラーメン!」
「ラーメン?お、いいな!よし、行くか!」
「あっちにこの前みんなで食べたラーメン屋があるんだってばよ!
俺の好きな一楽には勝てないけど、そこそこの味は保証するってばよ!」

ライダーの手を引き、ナルトは走り出す。

螺旋の勇者と───後に、木の葉の里の英雄となる少年。
二人の聖杯戦争が、今、始まった。




「あ、ナルト!
俺の世界にはブタモグラのステーキっていう超美味いものがあるんだけどさ・・・」
「え!?ステーキ!?
どんな味なんだってばよ、教えてくれー!」

───始まるのは、もうちょっと後かもしれない。


423 : うずまきナルト&ライダー ◆DpgFZhamPE :2014/07/20(日) 12:49:00 IhK8r2KI0
【CLASS】
ライダー
【真名】
シモン@天元突破グレンラガン
【パラメーター】
筋力C 耐久B 敏捷C 魔力D 幸運C 宝具A
【属性】
中立・中庸
【クラススキル】
騎乗:B
乗り物を乗りこなす能力。
Bランクは魔獣・聖獣ランク以外を乗りこなすことが出来る。

【保有スキル】
螺旋力:EX
螺旋族が持つ、進化の力。ライダーは螺旋族の戦士であり、規格外の螺旋力を持つためこのランクに。
精神系の攻撃を全て無効化し、前に進もうとする意思が強ければ強いほど宝具の出力が上がっていく。

戦闘続行:A
名称通り戦闘を続行する為の能力。決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。
ライダーの場合、「諦めの悪さ」が該当する。

反骨の粗:B
一つの場所に留まらず、また、一つの主君を抱かぬ気性。自らは王の器ではない。同ランクまでのカリスマを無効化。
彼は穴掘りシモン。掘った後にできた道などに、留まってはいられない。

漢の魂:A
彼の魂は気高く、燃え上がる。
同ランクまでの精神干渉系を無効化。

【宝具】
『天を貫く己のドリル』(コアドリル)
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1〜10 最大補足:10

彼の宝具の一つであり、彼の宝具のキーでもある。
魔力で巨大化、拳を包むほどのサイズに変形させることができる。
そのドリル、貫通力はまさに一級品。
ドリルは男の魂である。
なお、魔力で修復も可能。
スキル螺旋力で出力を上昇させることが可能。
それが螺旋の民の宝具の最大の特徴である。

『螺旋極めし漢の羅巌』(ザ・ラガン)
ランク:C 種別:対軍宝具 レンジ:1〜50 最大補足:70

彼のライダーたる由縁となった宝具。
螺旋族の兵器であり、腕、頭とあらゆる場所からドリルを出現させ、そして己すらもドリル変える。
そのドリルは壊れてもなお魔力で即時再生する。
小さいからと言って侮ることなかれ。
彼はこの一騎のみで螺旋の王を倒し、力をつけ反螺旋族と全宇宙を巡る戦いにて勝利したのだ。
その体には、最高の力が備わっているのだ。

『明日へ続く道を掘る螺旋の武者』(グレンラガン)
ランク:A 種別:対城宝具 レンジ:1〜100 最大補足:1000

彼が生前、最も使用した相棒。
呼び出したグレンという機体に、『螺旋極めし漢の羅巌』を突き刺す。
そのまま魔力を流し、合体するのだ。
ちなみにグレンは呼び出すだけで動かすことはできない。
グレンは彼と共に『明日へ続く道を掘る螺旋の武者』に搭乗した勇者たちの宝具であるからだ。
合体した後のパワーは未知数。
大量の魔力を払うが、スキル螺旋力によってどんどん出力が上昇する。
体中からドリルを発射するフルドリライズ、胸の装着されているブーメランにもなるグラサンカッター、背部に装着されているブーメランにもなるグレンウイング、ドリルを出現させた腕で相手を貫くスカルブレイク───数々の技があるが、この宝具の最大の技。
それは、ギガドリルブレイクである。
己の螺旋力を極限まで練り上げ、拳のドリルを超巨大化、その圧倒的威力によってあらゆる存在をブチ抜く。
なお、この宝具には『アーク』『超銀河』『天元突破』『超天元突破』とパワーアップできるはずだが、それは規格外のサーヴァントになってしまうため、アーク・セルに制限され使用不可。
ナルトの大量の魔力でも十分の起動が限界の規格外の魔力消費量を誇る。


424 : うずまきナルト&ライダー ◆DpgFZhamPE :2014/07/20(日) 12:49:51 IhK8r2KI0

【weapon】
なし。
彼の武器は宝具のみ
【人物背景】
21歳。
冷静な思考と温和な少年らしい性格、いざという時には熱くなって戦う精悍な青年。
彼の世界では、人間は地下で暮らし、獣と人が一体化したような存在、獣人が地上を支配していた。
幼い頃は気弱で、穴掘りが得意なことから『穴掘りシモン』と馬鹿にされ過ごしてきた。
しかしカミナという兄貴肌の青年の活躍により地上へと進出、ヨーコや数々の仲間を増やし、地上を探索する。
しかし、シモンのミスにより、幹部獣人との戦闘でカミナが死亡。
カミナをアニキと呼び誰よりも依存していたシモンは、そのことに絶望し、自暴自棄になって戦ってしまう。
そこでニアという少女に出会い、仲良くなるが───ニアが獣人に攫われ、囚われてしまう。
それによってシモンは覚醒。
『シモン───お前を信じろ。
お前が信じる俺でもねぇ。俺が信じるお前でもねぇ。
───お前が信じる、お前を信じろ』
その言葉を胸に、シモンは立ち上がる。
カミナのアニキは死んだけど、その魂は今もこの胸に───と。
そうして立ち上がった彼は仲間と共に数々の獣人を倒し、螺旋王ロージェノムを倒し、人間に平和と自由と地上を与えた。
そして七年後、新たにアンチスパイラルという敵が現れる。
犠牲を払いながらもアンチスパイラルにたどり着いた彼らは、全銀河を消滅させることも容易いほどの力を持つアンチスパイラルに決戦を挑む。
そして全銀河を救った彼の行いは英雄と呼ぶに相応しかった。
よって、彼は死後英雄となったのである。

余談だが、彼がナルトに呼ばれたのは二つの理由がある。
一つは、『虐げられていたものが後に英雄と呼ばれるまでに成長する』という共通点によって呼ばれた。
二つ目は、洞窟に閉じ込められ、孤独に泣いているその姿が───シモンには、とても見捨てておけなかったのだ。
穴の崩落で両親を失ったシモン。
既に両親のいないナルト。
どこか、己の似たところを感じるその少年を、シモンは救いたくなったのだ。
【サーヴァントとしての願い】
穴ぐらの中で閉じ込められ、孤独に泣いていたナルトを救う。
【基本戦術、方針、運用法】
ナルトのチャクラは魔力としても使用可能。
圧倒的魔力量により、ラガンは常に稼働させることが可能。
戦闘になったらライダーに任せよう。
基本はラガンに乗って戦闘をする。
どうしてもキツい場合はグレンラガンに合体。
しかしこれは魔力消費量が桁違いで十分しか稼働できないため奥の手の中の奥の手である。
シモンもそうやすやすと使うつもりはない。
タイマンでならラガンは結構な性能を秘めており、スキル螺旋力で出力も上がるため一騎打ちにはかなり優秀なサーヴァント。


425 : うずまきナルト&ライダー ◆DpgFZhamPE :2014/07/20(日) 12:50:47 IhK8r2KI0
【マスター】
うずまきナルト@NARUTO
【参加方法】
原作一巻にて持ち出した封印の書にゴフェルの木片が使われていた(封印の書は現在所持していない)
【マスターとしての願い】
九尾を消したい。
【weapon】
クナイ、手裏剣などの忍道具
【能力・技能】
へっぽこ忍者。
一巻出展のためまだチャクラで木にも登れないし水の上も歩けない。
肉弾戦なら他の一般人よりも優秀。
多重影分身の術が使え、多重影分身とは実体を作り出す高等忍術・影分身を複数作り出す術。
影分身体が経験したことは術が解けるとオリジナルに還元されるため偵察など情報収集にも適した術である。
偵察、戦闘、囮などなどその応用力は多岐に渡る。
ナルトはこれを約千人分身することができる。
ナルトの大量のチャクラ、九尾のチャクラは魔力としても使用可能である。
【人物背景】
12歳。
お調子者だが心に決めたことは曲げない強い心の持ち主。
一人称は「オレ」。口癖は「・・・ってば」と語尾に「だってばよ」。
生まれたばかりの頃、ミナトの手によって当時里を壊滅状態に陥れていた妖怪である九尾の妖狐を体内に封印させられた。
そのせいで九尾の妖狐を恐れる里の大人達から迫害され、自分と同年代の子供達にも疎まれながら育つ。
その反動から周囲の目を自分に向けさせようと、歴代の火影の顔岩に落書きしたり、授業を抜け出したりと里の人々を散々困らせている問題児だった(飽く迄もイタズラの範疇ではあるが)。
アカデミー時代の成績はいつも最下位で、卒業試験は毎回苦手な【分身の術】だったため3度にわたり不合格となっている。
しかし、3度目の不合格直後にアカデミー教員・ミズキの陰謀に巻き込まれ、自分に九尾が封じられていることを暴露される。
それにより絶望する。
本来ならばそこでイルカの本音を知り吹っ切れミズキを多重影分身にでボコボコにするはずだが───今回は、イルカの本音を聞く前に封印の書に使われていたゴフェルの木片によってアークセルに呼ばれてしまった。
故に、彼の心は今も非常に脆いままなのだ。
強がってそれを見せないようにしているが───?

【方針】
悪いヤツはこのいずれ火影になるこのうずまきナルト様とライダーがぶっ飛ばす。
(聖杯を使えば九尾を消せる───?)という迷いも持つため聖杯を取るかは悩み中。


426 : うずまきナルト&ライダー ◆DpgFZhamPE :2014/07/20(日) 12:51:27 IhK8r2KI0
投下終了です


427 : ◆V0MzQy6yoM :2014/07/20(日) 13:30:20 zqK84dJA0
初投稿です。よろしくお願いします

「そらのおとしもの」から桜井智樹&アーチャーです


428 : ◆V0MzQy6yoM :2014/07/20(日) 13:31:52 zqK84dJA0
“彼”がその場の違和感に気づいたのは、多分、偶然だった。
友人と共に下校する帰り道。男子高校生特有の、生産性のない話をしていた。他愛ない言葉一つに笑ってしまう、そんな日常。
友人の放った言葉に腹を抱えて笑い、“彼”はふと、平均より低い背から友人を見上げた。
そこにあったのは、目を細めて笑う友人の顔で、特色ある家々の外壁で、高く伸びる電柱で、どこまでも広がる青空で、ごく当たり前の光景だった。当たり前なはずの光景だった。
しかし、視界にそれを収めた“彼”は、その日常的な光景に、ぞっとするほどの怖気を覚えた。
友人の顔にも、家々の外壁にも、電柱にも青い空にも何もかもに違和感は満ち満ちていて、それは吐き気を催すほどに“彼”の心を揺さぶった。足が宙に浮く感覚。噴き出してくる冷や汗。揺さぶられる視界。そんななか、暴れまわる心臓だけは、ハッキリと感じられた。
ふらふらとする“彼”を、友人が心配そうにのぞき込む。その顔を見返し、荒い息をする“彼”は、ゆっくりと言った。
「なぁ、なんか変な感じしないか?」
“彼”がそう言うと、友人は一瞬キョトンとした後、豪快に笑った。動揺する“彼”を友人は無視し、冗談を言うなと笑った。“彼”の抱く焦燥に気づく素振りもなく、友人は次の話に移ってしまった。
 おかしい。
 “彼”は思った。もちろん、友人の気遣いに欠ける態度はおかしかった。しかし“彼”が感じた違和感は、そんな部分ではなかった。
 周囲に対する異物感。いや、むしろ自分だけが異質なものに思える疎外感。街ゆく人々の足音、動く雲、流れる風、それら全てが自分の敵に思えた。自分の足元を見る。そこに確かに地面があると、信じられなかった。
 どれくらいそうしていたか、“彼”には分からなかった。しかし、ある瞬間“彼”は顔を上げた。
「あれ、アイツは?」
 気づけば友人の姿がなかった。今立っている住宅街の道には鞄が一つ落ちているだけで、友人の姿は消えていた。そして友人の代わりに、謎の圧迫感が住宅街に満ちていた。それを感じ、“彼”は一度唾を飲み、なんとなく前へと歩き出し、友人を探し始めた。
きょろきょろと周囲を見渡し、おーいと呼びかける。しかし、それは友人を探し出すためではなかった。長い間共にいた気がするのに、不自然なほど思い出のない友人を探すことよりも、謎の圧迫感の中で動く理由があることの方が大事だった。
 不気味なほどの圧迫感。死に近づくような感覚。しかし、その先に“彼”が望む何かがあると、直感していた。


429 : 桜井智樹&アーチャー ◆V0MzQy6yoM :2014/07/20(日) 13:33:25 zqK84dJA0
 角を曲がった、その時だった。
「ぐっ」
 そこには今まで感じていたモノを凝縮したような圧迫感、そして鼻を突くような強烈な臭気が漂っていた。“彼”は思わず鼻を腕で隠した。何事かと周囲に目を向ける。
「なんだこのにお、いっ!?」
近くに転がっていた何かを見れば、それは人の腕だった。ところどころ焦げながら、何かによって裂かれたような断面が見える。それは一本だけではなく、腕や脚の一部は住宅街一杯に広がっており、それを見て“彼”は漂う臭気の正体に思い至る。
その臭気は、むせ返るほど強い血の臭いと、人の肉が灼けた臭いが混ざったものだった。
 恐る恐る眼前に目を向ける。視線の先40メートルを見て驚きに目を見開くも、声は少しも出なかった。その場に立つ存在は明らかに異常だった。
 それは、炎の塊のような姿だった。人の形を留めてはいるものの、鼻もなければ耳もない、黒い瞳と口が顔にあるだけの、炎の体。炎の魔人だった。その炎の魔人は先ほどまで人の形をしていたはずの何かを、一心不乱に食らっていた。
 ふと、その魔人は“食事”を止めた。ゆっくりとその顔が“彼”の方へ向く。その近くにいたもう一つの人影――白い髪と白い肌、白い服の女も、魔人の動作に反応して“彼”を見た。その顔は恐ろしく、冷ややかで、美しい。
「おや、これはこれは。魂喰いのために人集めの術を打ったのですが、予選参加者も引っかかりましたか」
 白い女が訳の分からないことを言って笑う。近くで人を喰らっている魔人を気にもせず、女は余裕の構えで“彼”を見る。まるで魔人に恐怖を抱いておらず、むしろ魔人を従えているような佇まいだった。
 そう、まるで主従関係のような――
 その時だった。

 ――――――――――――!

 頭の中で何かが響いた。“彼”は思わず呻く。“彼”を呼ぶ誰かの声が、頭の中でうるさいくらいに響いた。しかし、何故かそれは言葉として届かず、ただわんわんと頭を揺らす。
 そんな“彼”に興味もないのか、痛がる“彼”をしげしげと見て女は口を開いた。
「バーサーカー」
「□□□□□□□□□□!」
 炎の魔人――狂った戦士は、主に従う従僕のように、女の声に即座に反応した。
 狂戦士は右腕を高々と掲げ、わずかに力を込めた。すると右腕の前腕から紅蓮炎が迸り、収束し、渦巻き、形を変え、一本の槍を作る。そして振りかぶり、容赦なく“彼”に放った。その脅威に、恐怖に足がすくみ、頭の中では頭痛がするほど声が響き、“彼”は一歩たりとも動けなかった。


430 : 桜井智樹&アーチャー ◆V0MzQy6yoM :2014/07/20(日) 13:35:52 zqK84dJA0
 側に立つだけで溶けてしまいそうなほどの熱気。鉄すら貫かんとするその形(フォルム)。そんな炎の槍が、“彼”に向けて放たれ、迫り、その真横を通り過ぎていった。数瞬おいて、“彼”の真後ろで爆発が起こる。
 白い女が呆れた声で言った。
「まだ安定していないんですか。バーサーカー、しっかりと狙いなさい」
「□□□□□□□□□□……」

―マ―――――ト――――

危機的状況の中。“彼”を呼ぶ声が確かにする。先ほどよりも明瞭になったそれをなんとか聞き取ろうと、“彼”は目の前の状況を無視してまで、耳を研ぎ澄ませる。

―モち――――ター―――トモ―――――

 何なんだ、ハッキリ言ってくれ。

―――イくん――――トモ――――マス―――――

 もう少しなんだ、あと少しで聞こえそうなんだ。

 “彼”が苦悩する中、眼前の敵(バーサーカー)はゆっくりと第二射の構えに入った。その主は後ろに立ち、“彼”を冷ややかに見下げる。ぽつりと言った。
「さようなら、自分の名も知らぬ参加者さん」
 炎の魔人(バーサーカー)がその掌に火の槍を作る。やや離れた位置にいる“彼”にも伝わってきそうなほどの熱が渦巻き、大気を灼き、吠える。

―――サクライく――――トモちゃ―――バカ―――トモ―――モキ!――――

 そして、火の槍が放たれた。“彼”を突き刺し、燃やし尽くすためにそれは真っ直ぐに伸びる。今度こそそれは彼を射抜かんとする。
 そして、それを見る“彼”の頭の中で、ハッキリと“彼”を呼ぶ声がした。

――――マスター!

 瞬間、“彼”の腕から眩しいほどの青い光が放たれる。そして、その輝きに呼応するように“彼”の前に人影が現れた。
驚く“彼”に構わず、見るからに華奢なその人影は向かってくる火の槍を、苦も無く、あっさりと両断する。両断された火の槍は後ろにあった電信柱に刺さり、一瞬でそれを融解させた。
「火の祖の神の攻撃を、魔術も無しに防いだ?」
 白い女が驚愕する。突然のサーヴァントの登場にも、自分のサーヴァントの攻撃が苦も無く防がれたことも、彼女にとっては想定の範囲外だった。
見事“彼”を敵の猛威から守ったその後ろ姿は雄々しく、気高く、美しいものだった。その姿を見た “彼”の口から言葉が漏れる。
「イカ、ロス?」
「残念ながら、私はいかろすなどという人物ではない」
 振り返ったのは、純和風の顔立ちの少女だった。白衣紅袴、黒い髪、意思の強さを表すような瞳、巫女の装束に包まれた可憐さ。それらを持ち、なお勇ましいその少女は“彼”をしっかりと見据え、こう問うた。


431 : 桜井智樹&アーチャー ◆V0MzQy6yoM :2014/07/20(日) 13:38:55 zqK84dJA0
「問おう、あなたが私の主か?」
 最後につかえていたもどかしい部分は少女の一言で解消された。少女に問われた“彼”――桜井智樹は自身の来歴を次々と思い出した。
 桜井智樹はごく普通の高校生だったこと。しかし、ある日空から落ちてきた天使のようなロボット、『エンジェロイド』と同棲生活を送るようになったこと。『エンジェロイド』が数体増えたこと。超技術アイテムによって楽しい日々を送っていたこと。そのアイテムの暴走によってゴフェルの木を手に入れてしまったこと。ゴフェルの木で飛ばされた先で、聖杯戦争に参加することになってしまったこと。そして――マスターとして生き残らなければ、二度と『普通の生活』に戻れないこと。
 それを改めて認識し、智樹はしっかりと頷いた。
「そうだ。俺がお前の、」
一瞬だけ間を置く。少女の眼を見る。既知の少女と似ても似つかない姿のはずなのに、その瞳に籠る意思の強さは、どこか懐かしかった。
「マスターだ」
 智樹のその答えに、現れた少女は安心したように笑った。
「分かった。でも、話をしようにも少し騒がしいのがいるな」
 少女は振り返った。その視線の先には火の槍を破られてから、警戒した体勢で智樹たちを見る敵と主がいた。狂戦士の攻撃を無効化した少女に焦りを見せる主は。その焦りのまま叫ぶ。
「バーサーカー、早く始末なさい!」
「□□□□□□□□□□□□□□□□□□!」
 主の命令を受け、狂戦士が智樹たちの元へ突っ込んでくる。それに少女は驚きもせず、ゆっくりと弓を引く動作を取り始めた。しかし、そこには弓も矢もなかった。ただ相手を見据え、優雅に体を動かしている。
「お、おい!」
 智樹が叫ぶ。しかし、少女は世界にたった一人でいるような顔つきで、智樹の言葉を意にも介さないようだった。ただ己のリズムで動き、射の構えに入る。狙いを定める。虚空を引き絞る。すると引き絞れば引き絞るほどに、少女の体から熱気が溢れ、逆巻き、大気を灼いていった。狂戦士が迫る。叫びと共に押し寄せる威圧感が智樹の肌を灼く。それに少女は少しも動揺しなかった。
「鳴箭」
 その声と共に、引き絞った手を離す。瞬間、何千と言う鐘を一度に鳴らしたような轟音が響き、赤い矢が放たれ、狂戦士を射抜いた。
「□□□□□□□□□□□□□□□□!」
 狂戦士が叫ぶ。しかし、それは痛みの叫びと言うよりは困惑の叫びだった。それを証明するかのように、狂戦士の体は腕一本、指先一つ動いていなかった。
「甲の矢を鳴箭。以て敵を彫り結び、」
 動けぬ狂戦士を見据え、少女は背中にあった弓を取り、次の射の構えに入った。その構えは先ほど以上によどみなく、無駄なく、美しかった。ゆっくりと狙いを定め、不可視の弓を引き絞り、火の矢を放つ。
また鐘の音が響く。
「乙の矢を灼箭。以て敵を火焔と還す」
「□□□□□□□□□□□□□□□□□□!」
 狂戦士の断末魔と、清廉な鐘の音と、爆発するような白光は、暫しの間、その一帯を埋め尽くしていた。


432 : 桜井智樹&アーチャー ◆V0MzQy6yoM :2014/07/20(日) 13:40:34 zqK84dJA0
 やがて断末魔が消え、白光が消え、鐘の音が消えた頃。静かになった住宅街には智樹と少女の影しか見えず、いつの間にか死体の数々も、白い女もどこぞへと消えていた。
 それを見て少女がふうと息をつく。
「終わったか。さて……」
 そう言って智樹の方へ向く。真っ直ぐ、純粋で、強い意志を秘めた瞳。それが智樹を正面から射抜く。
「私はアーチャーのサーヴァント、伊月だ。これからよろしく頼む」
 そう言って少女――伊月はふわりと笑った。智樹はぽかんとそれを見た。
じっと見ていた。
伊月はその様子に首をかしげる。記憶は戻っているはずで、それならば聖杯戦争やその他諸々の記憶も取り戻しているはずだった。しかし、伊月の困惑した様子にも少しも反応しない。
「お前、」
「ん、なんだ?」
「かわいそうな胸だな」

直後、住宅街に本日三度目の鐘の音が響いた。


433 : 桜井智樹&アーチャー ◆V0MzQy6yoM :2014/07/20(日) 13:41:13 zqK84dJA0
【CLASS】
アーチャー
【真名】
伊月
【パラメーター】
筋力D 耐久E 敏捷E 魔力B 幸運B 宝具B
【属性】
 秩序・善 
【クラススキル】
単独行動:C
マスター不在・魔力供給なしでも長時間現界していられる能力。マスター不在でも1日程度なら現界可能。
対魔力 :C
魔術詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法などを以ってしても、傷つけるのは難しい。
しかし、火炎系魔術のみに適応し、その他の魔術にはDランク程度しか効果を発揮しない。
【保有スキル】
勇猛:C
威圧、混乱、幻惑といった精神干渉を緩和する。
【宝具】
『鳴箭』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1
当てた相手の体を硬直させる魔力の矢。これに付随してBクラスの魔力放出も行える。弓がなくとも構えを取れば放つことが出来る。
対魔力を持つ場合、ランクが高いほど硬直が短い。
神性を持つ場合、ランクが高いほど硬直が長い。
(例:対魔力B神性Bは対魔力Cと同様→10数秒の硬直、対魔力B神性Cは対魔力Bと同様→数秒の硬直、対魔力A神性C→無効化)

『灼箭』
ランク:A+ 種別:対神宝具 レンジ:1 最大補足:1
魔力で出来た、『神殺し』の矢。神すら殺せるその威力はすさまじいが、神性を持つ者に当たった場合は必ず打倒する効果を持つ。
神弓・火渡を持っていること。高い練度の構えを取ること。直線に放つこと。の三つの条件を満たさねばならない。

『神弓・火渡(しんきゅう・ひわたり)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1
 観宮呼火命を降霊したもののみが使えるとされる『灼箭』を放つ為の弓。宝具の力としては『灼箭』を打てるようになる以外は効果はなく、価値も薄い。
【weapon】
神弓・火渡
【人物背景】
動物のような姿を持ち火を操る化け物・化生。その化生に村を襲われ、天涯孤独となった少女・伊月は火目となるために日々鍛錬を積んでいた。
火目とは、観宮呼火命という火の神を降霊する巫女のことであり、火目になれば、遠方の化生でも討滅できる弓矢・『灼箭』を放てるようになる。火目は一代に一人であり、代替わりはあるものの、唯一無二の存在である。
伊月はこの火目になるために鍛錬の日々を送っていたのだが、結果としては火目に選ばれずに終わった。
火目一人ではどうにもならない都の危機の際、人の身でありながら自身に神を降ろすために聖杯と契約し、『灼箭』を体得した。
そのような来歴もあって、神のみぞ打てる『灼箭』を宝具として所有している。
また化生化や神の降霊を行っているため、他のクラスとしては『バーサーカー』、『キャスター』の素養がある。この二つのクラスの場合だと神性を持つことができ、『キャスター』としてなら神殺しの神として絶大な能力を得る。けど、今回はアーチャーです。
【サーヴァントとしての願い】
様々な事情によりいなくなってしまった友と、もう一度だけ和やかな「普通の一日」を送ってみたい。
【基本戦術、方針、運用法】
基本的に一本気な性格のため、遠方からの不意打ちは好まない。しかし、戦闘スタイルとしては弓による長距離攻撃を主とする。隠れ、隙を窺いながら弓を打つ。『鳴箭』による硬直など、ここぞという時まで『灼箭』は使わない。


434 : 桜井智樹&アーチャー ◆V0MzQy6yoM :2014/07/20(日) 13:42:41 zqK84dJA0
【マスター】
桜井智樹
【参加方法】
シナプスのシステムにバグが発生し、ゴフェルの木が手に入れた瞬間飛ばされた。
【マスターとしての願い】
誰もが幸せな「普通の毎日」を送れるようになること
【weapon】
特になし
【能力・技能】
非法偵察(ストーキング):A
集中状態の場合、女性のみに対して、感知・直感を2ランク下げる。が、興奮状態になると解除される。

神の御業(セクハラ):A
対女性の場合、極度の不快感を与えるセクハラ行為を行える。また、この際に殺意がない攻撃に対する様々な制限を解除する。(ツッコミによる負傷限定で人智を超えた回復力、鯖からの暴行の容認など)
【人物背景】
「そらのおとしもの」の主人公。
エンジェロイドという人型生物兵器数人と同居している。数々のセクハラ行為で町内では有名で、すけべ心は先祖代々受け継がれてきている。
シリアスな場面においてはそのようなプロフィールを感じさせない、熱い感情を発露させる。
数多くのセクハラに、数多くの報復を受けてきたためか、耐久力はゴキブリの如し。でも、今回はあまり関係ない。
本来ならばクラスEx級宝具『エンジェロイド』複数個を保有するが、今回は使用できない。その代わりクラスEXをノーリスクで使用できる背景を以て、ムーンセルから高い魔力を与えられている。システムとして似通ったものを持っているためか、ムーンセルからの干渉をシナプスによって軽減することも出来ると言われているが、詳細は不明。
【方針】
人を倒すことに慣れておらず、周りで人の生き死にが多かった伊月とは衝突しやすい。
しかし、根本的な部分では共感する部分もあり、分かり合えれば良きパートナーになる。
できれば平和的な解決を望んでいるが、伊月の願いを叶えたいとは思っている。


435 : ◆V0MzQy6yoM :2014/07/20(日) 13:43:40 zqK84dJA0
以上です。うまく投稿できず、すみませんでした


436 : 七荻鏡花&セイバー ◆bi4ho.tYN. :2014/07/20(日) 14:02:06 6l1ARjgg0
みなさん投下お疲れ様です
投下させていただきます


437 : 七荻鏡花&セイバー ◆bi4ho.tYN. :2014/07/20(日) 14:02:41 6l1ARjgg0

声が聞こえる。
学校の雑踏と喧騒の中、全ての声がはっきりと解る。
いや、それは正確には声ではないのだけれども。
それは、人のキモチ。
それが、あまりに嘘クサすぎて。
ここは、アタシの居場所じゃない、って気が付いた。
廊下を駆けて屋上へ向かう。どいつもこいつも嘘クサい。
人の心をサトって、こんな風に感じるのは初めて。心は嘘をつかないハズなのに。
なら、あの人達はなんなのだろう? きっとヒトじゃないのかもしれない。
とにかく気持ちが悪い。なんでこんなにも心が聞こえるのだろうと思ったら、チロがいないことに気が付いた。
泉から聞いていたことではあったけど、あの子がいないとこんなにも聞こえるものだったんだ。
そりゃそうよね、光狩と戦うために訓練していたんですもん。
正直、思い知りたくなかった。
屋上へ着く。幸い誰もいない。途中でいくらか「本当の心」も聞こえた気がしたけど、気にしている余裕なんて無い。
何も無い、広い空を眺める。快晴だ。あの空の奥なら心も届かないかもしれない。
でも、ここじゃ足りない。まだ聞こえる。正直キモチ悪い。
ヒトの心の様な「ナニカ」は絶え間無くアタシの心に届く。
せめてアイツがいれば良かったのに。アイツさえ近くにいてくれれば、アイツの心さえ聞いていられれば。
そう、あいつもいない。多分ここには、きっといない。なんとなくそんな気がする。
もしかしたら、アタシは今、自分が思っている以上に遠くまで心を拾っているのかもしれない。

「大丈夫ですか、お嬢さん。顔色が優れませんよ?」

――誰よ、アンタ。

「何者だ、って顔をしてますね。私はサーヴァント、セイバー。アナタの呼び掛けに応じ馳せ参じた次第です」


438 : 七荻鏡花&セイバー ◆bi4ho.tYN. :2014/07/20(日) 14:03:23 6l1ARjgg0



「つまり、自分以外の参加者を殺して最後まで生き残れば、その聖杯ってのが何でも叶えてくれるワケね」
「その通りです。信じますか?」
「ええ、信じるわ。アタシ、アナタの心が読めますから」
「なんと! 読まれちゃってるんですか!?」

はっきり言って、この人は嘘を言っていない。なら、アタシの願いはきっと叶う。
たくさんの人の心を踏みにじって、最後の一人になることができれば。

「なるほど、それで……人の悪意に感応して体調を崩しちゃったんですね」
「ええ、ここに来る前はチロ……蛇咬っていう光狩……えーと、なんていうか、霊的なアレで抑えてたんですけど」
「スピリチュアルなチロですか。なんだかハイセンスな響きですね」
「いえ、そういうんじゃないんですけど、まあペットみたな感じで……それと、ここ、なんだか嘘クサい心が多くて」
「それはNPCっていうヤツですね。見るに、人の殻に役割を与えて動かす人の様な何かと言った所でしようか」

聞いた質問には彼なりの解釈を入れつつ、丁寧に答えてくれる。
セイバー、っていうよりティーチャーみたいね。

「それで、鏡花さんはどうしますか? 叶えたい願いがあるのですか?」

叶えたい願いは――ある。
はっきり言って、何でも叶えてくれるなんてものじゃなきゃ、その願いは叶わない。
でも。

「あるわ。でも、こんな方法クソ喰らえだわ」
「おや、よろしいのですか? こんな機会二度と無いかもしれませんよ」
「人様を殺して願いを叶えて、どんな顔してアイツや姉さんに会えっていうのよ却下よ、却下」

そう。そんな方法、許されはしない。
きっと、自分の一族を切り捨て、里を捨てたあの人だってそんな方法で帰りたくない。
だから、きっと――あの人は帰ってこなかったんだ。

「そうですか。でも――そうすると、アナタはきっと生き残れませんよ?
 それに、私だって叶えたい願いがあってココにいる訳ですから。アナタが戦う意思を見せないなら、手段を選びませんよ?」

言うわね、セイバー。なかなか迫力あるじゃない

「無駄よ。アナタの心は読めるって言ったじゃない。
 正直、何考えてるかはさっぱりだけど、嘘かホントかくらいは分かるわ」
「あらら、ホントに読めちゃうんですね」

どうやらカマをかけたつもりらしい。
案外イジワルなところもあるらしい。

「アンタがなんとかしてくれるんでしょ、セイバー」
「なんとか出来るかは分かりませんけどね。
 ここには私より強い英雄も結構いますから。ぶっちゃけ私はセイバーとしてはハズレの部類ですね」
「うげ……いきなり不安になること本心から言わないでよ……」
「ま、ジタバタできるだけジタバタして太く生きましょう。
 こう見えましても私色々できるんですよ。戦闘はともかく生活においては英霊一ツブしの利く男を自負しています」
「ハァ……本気で言ってるのが分かるのが逆に辛いわ」
「生前は兵士からお料理の先生、勇者に家庭教師、洞窟探検家に王様もやっていましたからね」
「もういいから。行くわよ、セイバー」
「おや、結界から出ても大丈夫なのですか?」
「ええ、アナタのお陰で大分気合い入ったわ。動揺してなきゃ案外図太くやれるのよ、アタシ」

本当だ。セイバーと話している内に気分は落ち着いた。
この人の心の響きがとても落ち着けるものなのもあるのかもしれない。
だから、いつまでもここでジッとしてはいられない。
帰る方法を探さなきゃ。アイツと、姉さんの所へ。

「そういえばアナタの願いってなんなの?」
「秘密です。人には言えないとんでもない願いですからね」
「バレるの分かっててシレっと嘘吐かないでよ」
「おや、まあ」


439 : 七荻鏡花&セイバー ◆bi4ho.tYN. :2014/07/20(日) 14:04:13 6l1ARjgg0
【クラス】セイバー

【真名】アバン・デ・ジュニアールⅢ世

【パラメーター】
 筋力B 耐久D 敏捷B 魔力C 幸運B 宝具B

【属性】
 秩序・善 

【クラススキル】
 対魔力:B
  セイバーのクラスとしては平均的な対魔力。
魔術詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法などを以ってしても、傷つけるのは難しい。

 騎乗:B
  セイバーのクラスとしては平均的な騎乗スキル。
  騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、
  魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。

【保有スキル】
 道具作成:C
  毒薬、魔法を撃ち出す銃器、結界儀礼用の術具などの様々なアイテムを作ることができる。
  セイバーとして召喚されたためランクは高くないが、作成したアイテムにより勇者達を導いた逸話により失われることはなかった。
 
 心眼(真):B
  修行・鍛錬によって培った洞察力。
窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。 
  セイバーの編み出した「空の技」の使用にはほぼ必須のスキルと言える。

呪文:B
  セイバー本来の世界の魔術を使いこなす。
  攻撃、補助、回復、全ての系統を高度に扱うことができる。 

 破邪の結界:C
  邪悪な意思の干渉を妨げる結界を作成することができる。
  同ランク以上の魔力で無効化でき、また、知識があれば解除もできる。
  作成したアイテムによるバックアップがあればランクを上げることができるが、
  該当アイテムの熟成には時間を要するため、短期間の聖杯戦争では難しいだろう。

 伊達眼鏡:B
  とても伊達眼鏡の似合うおしゃれさん……ではなく相手に開示する情報を飾りのものに変える。
  全てのステータスを1ランク下げた状態で表示するが、分析スキルにより無効化できる。
  また、本来ならばセイバーは生前一国の王であったことが有ったためカリスマスキルを所持しているが、このスキルにより失われている。
  このスキルを捨てることにより同ランクのカリスマスキルを得ることができる。
  
【宝具】
『アバン流殺法』
 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:-- 最大補足:1人
  セイバー自身の編み出した流派。
  剣・槍・斧・弓・鎖・牙の六種類の武具を扱う技術を後世に残したため宝具となった。
  どのクラスにおいても六種の武芸の技量が低下しない。

『アバン流奥殺法義』
 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1〜3 最大補足:1人
  上述のアバン流殺法を極めることにより扱える技。
  剣術においては『アバンストラッシュ』を使う。
  独自の地、海、空の技術理論により相手の実体・補正を無視した高威力の一撃を叩きこむ。
  速射性重視のA(アロー)タイプと威力重視のB(ブレイク)タイプがある。
  
【weapon】
『由緒正しき勇者の剣』
  そこらの道具屋で買った由緒正しき普通の剣。
  さすがに10Gの物ではない。……と、思う。
  セイバーが生前、武器に拘りなく戦っていたため、破壊などにより失われても時間を置けばどこからか調達される。

【人物背景】
 『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』に登場する学者の家系の生まれの元兵士で元勇者の家庭教師。
 物語の最終話では一国の国王に就任したと思しき描写がなされている。
 果たして死ぬまで務めあげたのかは不明である。奥さんは「勇者なんて事が片付いたらすぐどこかに消えてしまう」と嘆いていた。
 武術、呪文、発明、教練、料理において一流の技術を持つほか、世界最高峰の学識を誇る。
 戦闘力としては超一流の戦士には及ばないが、その総合力は大魔王に「もっとも厄介な男」と評されるほどのレベルである。
 
【サーヴァントとしての願い】
 人には言えないとんでもない願い(仮)
 
【基本戦術、方針、運用法】
  人間としては稀代の天才だが、英霊としては器用貧乏である。
  とはいえ、大魔王にすら危険視された本人の慧眼は健在のため、先手を取るならば有利に戦局を進められるだろう。
  宝具の燃費も悪くない思われるので、じっくりと状況を進めたい。


440 : 七荻鏡花&セイバー ◆bi4ho.tYN. :2014/07/20(日) 14:04:44 6l1ARjgg0
【マスター】
 七荻 鏡花(ななおぎ きょうか)

【参加方法】
 彼氏に買ってもらった「なんでも願いが叶うお守り」により箱舟に来てしまった。

【マスターとしての願い】
 彼氏の元へ帰る。

【weapon】
 なし。
 本来ならば後述の『サトリ』の能力を抑える礼装を所持していたが、持ちこめなかった。

【能力・技能】
 『サトリ』
  人の心を読む能力。作中は前述の礼装により抑えられていたが、本来はかなりの範囲の声が勝手に入ってきていたようである。
  そのため、一時期人間関係に支障があった時期がある。
  一般人の思考でも精神に異常出る程なので、抑制されてない状態で汚染された精神に触れればダメージは大きいだろう。 

【人物背景】
18禁ゲーム「夜が来る!」のヒロインの一人。
 金髪ツインテールと見た目はツンデレだが全くツンデレではない。
 ツンデレの皮を被ったおっさんである。
 主人公に対するパワハラとセクハラには定評がある。

【方針】
 姉の彼氏に戻ってきてもらいたい。が、他人を犠牲にしては意味が無い。
 殺し合いなどもっての他。ではあるが……。


441 : 七荻鏡花&セイバー ◆bi4ho.tYN. :2014/07/20(日) 14:05:19 6l1ARjgg0
投下終了です。
ありがとうございました。


442 : 七荻鏡花&セイバー ◆bi4ho.tYN. :2014/07/20(日) 14:38:31 6l1ARjgg0
コピペミスしてました。
>>437>>438の間に以下の節が入ります。失礼しました。




何でも願いが叶うお守り。露天商がそういうふれこみで売っていた安っぽい木彫りのお守りだ。
当たり前だけど、これっぽっちも信用していたワケじゃない。
でも、とても大事な物になった。アイツがデートで買ってくれたから。
正直、願掛けができるならなんでも良かったんだと思う。
あの人が――ソウジさんが、姉さんの元に帰ってきてくれるように、って。
それと、アイツが買ってくれたっていうのが嬉しくて、家に帰ってからガラにも無く結構本気で願掛けした。
その後のことはあまり覚えていない。
気が付いたらここにいた気がするし、そうでない気もする。




「気分はいかがですか、マスター?」
「いくらかマシね。ありがと」

突然現れたベートーベンみたいな髪型をしたオジサンの手際は実に鮮やかだった。
鮮やかだった、というか理解の範疇を超えていた、というか。
星形の図形を書いてアタシを放り込んだと思ったら、マホカトールだかアホガミールだか言って、発光させた。
火者の術の様なものだと思うんだけど、真月も出ていないのにこの規模の術を扱えるものなのか。

「ふーむ、破邪の結界でマスターに干渉しているモノを防げるかは一か八かだったのですが、上手くいったようですね」
「ハァ? よく分かって無いのに行動したの?」
「まあそうなりますね。ただ、アナタの精神に邪悪な類のものが影響していたのは流れこんでくる魔力から分かっていたので」

この人の言う、邪悪な類のものってのは多分、負の心と偽装された心の様なナニカ。
ここに放り込まれてからは人の心も、大分耳当たりが良くなった。

「なんにしてもアリガト。助かったわ……ってのは目上に失礼か。助かりました」
「大分余裕が出来たようでなによりです。ホント、死にそうな顔をしてましたから」

話してみるとこの人の心は本物だって分かる。ただ、ニセモノとは別の意味でよく分からない。
なんていうか、トバしすぎている。

「さて、改めてマスター。私はサーヴァント、セイバー。アナタの呼び掛けに応じ、馳せ参じました。よろしくおねがいします」
「なんだか分からないですが、マスターってのは止めて。アタシは七荻鏡花です。セイバーさん」
「分かりました、鏡花さん。私も本来なら本名を明かすべきなのでしょうが……ここでは不利になるので、セイバーで通させていただきます」
「アタシはそれで構いません。よろしくお願いします」
「そうかしこまらなくても結構ですよ。まだお互いの事をしらない訳ですし、楽に行きましょう。あははは」

この人が本心で話しているのはなんとなく分かるんだけど心の声が高速で断片的だ。
いわゆる天才ってヤツなのかしら。
多分すごく論理立った思考なのかもしれないけど、聞いても理解できない。
でも、これだけは分かる。この人の心は気持ちがいい。アイツ程じゃないけどね。

「さて鏡花さん。これから、アナタに聖杯戦争について説明させていただきます」
「聖杯戦争……ですか?」
「ええ。コレはちょっと真面目な話ですよ」

そう言うと、セイバーは本当に真面目な顔になって、説明を始めた。
オジサンとか思っちゃたけど、ちゃんとしてればイケメンねこの人。


443 : ◆ACfa2i33Dc :2014/07/20(日) 16:01:28 bwPI5Ixs0
投下お疲れ様です。
こちらも投下します。


444 : ◆ACfa2i33Dc :2014/07/20(日) 16:02:16 bwPI5Ixs0



迷い無き覚悟を貫くことができれば、世界だってきっと変えられる。




445 : ◆ACfa2i33Dc :2014/07/20(日) 16:02:58 bwPI5Ixs0
戦争の夢を見る。

100年前に端を発した民族対立は、長く続いた王朝を崩壊させて大陸全土に及んだ。
大陸に住まう雑多な民族は、その全てが民族自決の意識を持つに至り、かつての隣人との分裂、そして闘争を決意する。
そして100年の時を経ても、その争いは終わらなかった。
いや、むしろ更に重篤な症状として大陸を包んでいたと言っていい。
滅亡と分裂、そして一種の冷戦状態を経て、更に異常な状態となった民族的感情は、ある一つの切欠によって爆発し、大陸全土を争乱の渦へと巻き込んだのだ。

――その対立する民族意識の中で、ひとつの理想を抱いた少女がいた。

「百年も前の事ってそんなに大事なのかな……生まれた時から、殺し合い、憎み合うことが決められてるなんて……」
「ボクは、それが当たり前の事だとは思えない……そんな世界を……変えたい……ッ!」

普通ならば、それは単なる夢想でしかない。
報われる事のない、実現されることのない絵空事でしかないだろう。
けれど、少女には、理想を達成する為の下地があった。
個人と国家の努力を、同じ方向へと進めることができる立場が。

だから少女は、世界を変える為の戦いを始める。
その戦いで多くの血が流されると知って尚、理想を求めて。


446 : 城鐘恵・ランサー ◆ACfa2i33Dc :2014/07/20(日) 16:03:28 bwPI5Ixs0


「……また、あの夢か」

そう呟くと、恵は突っ伏していた机から身を起こした。
城鐘恵(しろがねけい)。
月海原学園の大学部に併設された、大学院。そこに通う学生の一人だった。
工学系の科目を専科にしている。
所謂インドア――悪い言い方をすれば、部屋に引き籠りがち――志向で、趣味はゲーム。
特にMMORPG、<エ■■■――

「――ぃつっ……」
頭に鈍い痛みを感じて、恵は眉を顰めた。

(……最近、いつもこうだなぁ)
なにかを忘れている。
そんな気がしてならないのに、それを思い出そうと頭の中を探ると頭痛が邪魔をする。

(でも、なんだろう……なにか違和感がある、よな)
繰り返す日々の内に、違和感は強くなり続けている。

(ここはアキ■の街じゃない)
それは町並みへの違和感であり、

(パソコンだって、随分長い間触ってなかった気がする)
生活への違和感であり、そして――

(……ここには直■も、■カ■キも、■ゃん■班長も、ミノ■も、■ウヤもいない)
――仲間への違和感、だった。

(……仲間? 今、仲間って考えたか、僕は)
仲間。
それは日常生活を送る上では、少なくとも頻繁に使うような言葉ではないだろう。
けれど恵には、その言葉がとても――そう、とても親しみやすい言葉であるように思えてならなかった。

(……そうだ。僕は最近は、仲間って呼べる間柄の皆と……一緒に……)
ズキズキと頭が痛む。
頭の中は暗い雲で覆われ、手繰り寄せようとする記憶は手の中から滑り落ちて行く。

「どうした、城鐘」
――様子を見かねたか、近くにいた院生が自分の名前を呼ぶ。その呼び名にさえ、恵は違和感を覚えた。
確かに、城鐘恵は自分の名前だ。それに違いはない。
けれども、

(……けれども?)
なにがけれども、なのか恵にはわからない。

「すいません。ちょっと気分が悪くて……家で休みます」
それでも、その得体の知れない衝動に突き動かされて。
恵は大学を飛び出していた。


447 : 城鐘恵・ランサー ◆ACfa2i33Dc :2014/07/20(日) 16:03:58 bwPI5Ixs0
(確かに、僕は。城鐘恵じゃない名前で、呼ばれていた筈なんだ)
その名前がなんだったのか。どうして違う名前で呼ばれていたのか。
今の恵にはわからない。けれど、

(忘れちゃいけないことだったよな)
絶対に忘れてはいけないことを忘れている。
そんな予感は、数日前から恵の頭の中でどんよりと曇った空のように具体性なく漂っていた。

(……数日前から? じゃあ、その前はどうだったんだ?)
もちろん、恵には数日前より以前の記憶が存在しない――なんてことはない。
この街で過ごした記憶は、きちんと頭の中に入っている。
けれども城鐘恵には、それが赤の他人の思い出話を聞かされているような感覚になってしまう。

(そう、ひどく現実味がないんだ……まるで、つい数日前にこの世界が生まれたみたいに)
世界が数日前に、全ての人間が全ての記憶を「覚えさせられて」突然始まったとして――
誰もそれを否定できないし、また肯定できもしない。

(……まるで、チャチなSFみたいだな)
いや、直継ならむしろ「よくあるファンタジー物だ、ありきたり祭りだぜ」とでも――

(……あ、そうだ。直継。直継だ)
自分の数少ない友人。
おぱんつを愛する、気のいい「守護騎士〈ガーディアン〉」。
――彼とは、何処で知り合ったんだっけ?

(おかしい……眩暈が、止まらない)
くらくらと、くるくると。
恵の頭の中を、ノイズと眩暈が回っている。
駆け抜けていく街並みは、もはや違和感だらけで紙芝居のようだ。

(……そう、だ。行かないと)
何処に、という答えもわからない。
ただ、贋物の街の中をひたすらに走った。

走って、走って、走って、走る。
――辿り着いたのは、月海原学園の高等部校舎だった。

息を切らしてやってきた恵を気にもせず、生徒達は横を通り過ぎていく。
恵の方も、生徒達をすり抜け校舎へと駆け込んだ。

(名前……そうだ。僕の、名前)
手がかりのないジグソーパズルみたいにバラバラになった思考が、目的地に近付くにつれて段々と研ぎ澄まされていく。
単語が泡のように頭の中に浮かび上がっては、城鐘恵――いや、〈付与術師〉シロエの脳内ではじけた。

――〈エルダー・テイル〉。
                                ――聖杯戦争。
     ――〈放蕩者の茶会〉(ディボーチェリ・ティーパーティー)。
                          ――ムーンセル。
 ――異世界〈セルデシア〉。
                                        ――サーヴァント。
   ――記録の地平線(ログ・ホライズン)。
                            ――マスターと令呪。



「――そう、だ。僕は――」
MMORPG〈エルダー・テイル〉。
〈エルダー・テイル〉12番目の拡張パック――「ノウアスフィアの開墾」。
それが導入されたその日、ログインしていたプレイヤーの全ては異世界〈セルデシア〉へと転移してしまった。
プレイヤー――〈冒険者〉達を否応なく巻き込んだ〈大災害〉と呼ばれたあの事件で、城鐘恵――〈エルダー・テイル〉の付与術師(エンチャンター)、シロエもまた異世界へと漂流した。

「――そう。僕は〈冒険者〉のシロエだ」
意思の言葉と共に、シロエを取り巻く世界が変化する。
現代に合わせて再構成されていた服は、白いコートを纏った〈付与術師〉の装備へと変わった。
同時にその手に現れた杖を握り締めながら、シロエは回想する。

(……そうだ。今なら思い出せる、なんでこんなことになったのか)


448 : シロエ・ランサー ◆ACfa2i33Dc :2014/07/20(日) 16:04:39 bwPI5Ixs0


発端は、直継やアカツキに連れ出された狩りでの出来事だった。

(確か、僕が書類仕事であんまりにも部屋に籠ってたから気分転換に連れて行ってくれたんだっけな)
アキバの街に近い、レベルのそこまで高くない狩り場だった。
シロエの役職――アキバの街の治安維持と対外交渉を行う〈円卓会議〉の参謀役――から考えれば街からあまり離れた場所には行けなかったし、軽い気分転換が目的である以上それでよかったのだ。

そのレベルの高くない、言うなれば「わかりきった」狩り場で、その「未知のドロップアイテム」はシロエの目の前に姿を現した。

「ゴフェルの木片」。

インベントリでのアイテム説明に曰く――「願いを叶える」アイテム。
これもアップデートで追加されたアイテムの一つなのか? 見慣れないアイテムにそう考えながら、シロエは懐にそれを仕舞い込んだ。
そしてアキバの街に戻って仕事をこなした後に就寝し――今に至る。


(もう一度考えよう。これは、「ノウアスフィアの開墾」で追加されたアイテムなのか?)
シロエは走りながら、手の中に握っていた木片を見つめる。
過去――〈エルダー・テイル〉がMMORPGだった時代には、こんなアイテムの噂は聞いたことがなかった。
それは〈大災害〉の後も同様だ。
そもそも今の状況は〈エルダー・テイル〉から乖離しすぎている。

これは〈エルダー・テイル〉とも、〈大災害〉とも関係ない、とんでもないイレギュラーなのではないか?
そうも思う。だが――

(心当たりがあるのも、事実なんだよなぁ)
ムーンセル・オートマトン。
月に設えられた、地球、平行世界に至るまでの全てを記録し演算する自動書記装置。
その在り方を、シロエは一度知ったことがある。

〈Mare Tranquillitatis〉――〈静かの海〉。
〈エルダー・テイル〉の14番目のサーバー。
死した〈冒険者〉が、地球での記憶を捧げる場所。

(……あの〈静かの海〉は、ムーンセルの一部だったんじゃないか?)
確証はない。
けれど、関係がないと言い切るには共通点がありすぎる。

「っ、と……」
そんなことを考える内に、シロエは目的地へと到着する。
月海原学園の一階廊下。
突き当たりのなにもない筈の壁には、両開きの扉が出現していた。


449 : シロエ・ランサー ◆ACfa2i33Dc :2014/07/20(日) 16:05:35 bwPI5Ixs0


本来存在しないはずの扉。
それをシロエは躊躇無く開け放って、中へと入り込んだ。
奥へと続く暗い一本道を、熱に浮かされたような歩調で進む。

(一体、どこまで続いてるんだ)
光も通らない深海を思わせる、続く先も見えない通路。
その中をひたすら進む。
歩いて、歩いて、帰り道すら見えなくなって、更に歩いた。

――そうして辿り着いたのは、人形が無数に打ち棄てられた一室だった。

(……ここだ。僕はきっと、ここを目指して走って来たんだ)
呆けたように、シロエは部屋の入口で立ち尽くす。
そんなシロエの目の前で、不意に人形が立ち上がった。
手に鈍く輝く刃を握り、人形がシロエへとにじり寄る。
あからさまな危機を前にしても、シロエは動かない。
否、動けない。
何故なら、

「サーヴァント、ランサー。契約に従って参上したよ」

新たに部屋の中に現れた、自らの従者に見惚れていたから。

「キミがボクのマスターだね?」

現れた〈サーヴァント〉――ランサーは、言うが早いか自らの得物を薙いだ。

その一撃で、たった一撃で、主に害を与えようとした人形は吹き飛ばされ、崩れ落ちる。

その仕草にすら見惚れてしまって、シロエはただ頷くことしかできない。

その答えに、ランサー――鉄鎚を構えた女性はにこりと微笑んだ。


450 : シロエ・ランサー ◆ACfa2i33Dc :2014/07/20(日) 16:06:18 bwPI5Ixs0


「最初に言っておくよ、マスター。ボクには願いがある」
呼び出されたサーヴァント――ランサーは、そう言った。

「ボクは、ボク達が打ち建てた国際秩序を……守り続けなきゃならない。
 そう、また大陸に紛争が起きることがあってはならないんだ」
そのためには聖杯が必要なんだ、と彼女は言った。
聖杯。万能の願望機。
――それがあれば、シロエの願いも叶うのかもしれない。

「……僕にも願いはある」

(そうだ。聖杯を使えば、異世界に流された人達みんなを地球へと戻せる)
アップデートの日に突然、異世界へと連れ去られた人々。
聖杯の力ならば、彼等をそっくりそのまま地球へと帰せるかもしれない。
ムーンセルが〈静かの海〉に関係しているかもしれないとなればなおさらだ。

そう、きっとムーンセルに願えば、〈冒険者〉達は異世界〈セルデシア〉から地球へと帰還するだろう。

元々の住人である〈大地人〉を置いて、〈冒険者〉達が好き勝手に変えていった世界を残して。

(でもそれって、酷く無責任……だよな)
そうだ。それだけは忘れてはならない。
いくらゲームに似ていても、異世界は現実なのだ。
〈冒険者〉達以外にも、ちゃんと生きた人間がいて、〈セルデシア〉で生きているのだ。

(……そして、僕達……〈冒険者〉達は、自分たちの都合で〈大地人〉を巻き込みすぎた)
いきなりいなくなれば、〈大地人〉達の運命を狂わせる程度には。
自分達だって困っている、というのはそうだ。
でもだからと言って、自分達が迷惑をかけて――そして、その迷惑へのツケを払わず勝手にいなくなって、更に迷惑をかけていいわけではない。
少なくとも、シロエにはそう思えた。
だから、

「……でも、聖杯でそれを叶えるわけにはいかない」
そう言い切った。

「いや。願いなんてものを、聖杯で叶えようとするのが間違っているんだ」
「――どういうコトだい、マスター」
ランサーの目が、シロエを射竦める。
一度ランサーがその鉄槌を振るえば、シロエは抵抗する暇も無く死ぬだろう。
それはシロエが、一人では何もできない〈付与術師〉だから、というわけではない。
たとえシロエが魔法攻撃職で最大のダメージを叩き出す〈妖術師(ソーサラー)〉でも、
武器攻撃職でもっとも鋭い一撃を放つ〈暗殺者(アサシン)〉でも、
戦士職でもっとも堅い防御を持つ〈守護騎士(ガーディアン)〉でもそうだろう。
それほどまでに、マスターとサーヴァントの差は絶望的だ。

「……ランサーには、すまないと思う。
 でも、僕には『他人を犠牲にして願いを叶える』という聖杯ってカタチが、正しいとはどうしても思えない」

人殺しを一概に否定するわけではない。
命を奪うようなことでなくても、他人を押し退けなければ叶わない願いもあるだろう。
けれど、『最初から殺し合うことでしか、願いを完成させない』というのは、間違っているんじゃないかと思う。


451 : シロエ・ランサー ◆ACfa2i33Dc :2014/07/20(日) 16:07:00 bwPI5Ixs0
そう。

(奇跡って、そんな格好悪いものじゃないはずだ)

そんな奇跡は、格好が悪い。
綺麗事かもしれない。理想論かもしれない。
でも、

「誰かを犠牲にすることでしか叶わない奇跡なんて、それはもう奇跡じゃない」

それだけは、確実に思うのだ。

「それに。ここにやって来た人たちにだって、思うことはある。
 確かに、聖杯でないと叶わない願いだってあると思う。
 でも、聖杯になんて頼らなくても、達成できた願いだってあるはずなんだ」

それもまた、シロエにとっては真実だった。
人間はそこまで、弱い生き物ではないと思う。
確かに不可能な願いだってあるだろう。けれど、こんなところに来なくとも叶う願いはあったはずなのだ。

聖杯でないと不可能な願いを抱いた者だって同じだ。
聖杯なんてモノがあるから、彼等は願いを抱き、そして戦ってしまう。

だからシロエは、人間を本来「そうではなかった」運命に巻き込む聖杯戦争というカタチも、それの原因であるムーンセルも許せない。

「――キミは、自分が何を言ってるかわかってる? マスター」
対峙するランサーは、シロエから目を離さず言い放つ。

「キミのその考えは、他人の願いを踏み躙ることだ。
 キミがムーンセルを否定し、破壊しようとするならば、ムーンセルに願いをかける全ての人間は敵になるかもしれない。
 彼らの願いも、同時に踏み躙って、犠牲にしていくことになる」

それを許せるのか。
ランサーは、シロエに言外にそう問うた。

「……わからない」
シロエは、ぽつりとそう呟く。

〈エルダー・テイル〉に歪に似た〈セルデシア〉では、〈冒険者〉に死は存在しない。
ゲーム時代のように、大神殿に戻されてリスポーンするだけだ。
死を奪われた牢獄。そう評したのは、昔の仲間だったか。

だが、この聖杯戦争で奪われるのは、紛れも無く生だ。
シロエが戦って勝利すれば、命を奪うことになる。

それが正しいのか。命を奪い、願いを踏み躙ってまでそれを為すべきなのかはわからない。

「……けれど、聖杯戦争というシステムを許すことはできない。
 我侭かもしれない。
 でも、間違った奇跡のために、巻き込まれた人間や、頑張れたはずの人間が殺し合うなんて、――そんなのは、厭だ。
 僕は、そんな奇跡よりも、人間を信じたい」

そう言って、シロエは真っ直ぐにランサーを見た。

数瞬。
張り詰めた空気が流れた後、ランサーは構えた鉄槌を下ろした。

「……キミのその目は、言っても聞かない目だ」
かつて自分がそうだったから、とランサーは言った。
かつて自分が『世界を変えたい』と願った時。
シロエとランサー――キノは、同じ目をしていたから。

だからキノは、シロエに自分を見て、そして自分と同じ理想を抱いてくれた同朋を見た。

「人間を信じたい、か。……そうだね。ボクもそうしよう」


452 : シロエ・ランサー ◆ACfa2i33Dc :2014/07/20(日) 16:07:36 bwPI5Ixs0


「現状、ボク達の目標の最大の妨げになっているのはルーラー、そして管理者NPCのカレン・オルテンシアだ」
月海原学園からの帰り道。
霊体化したランサーが、シロエに語りかける。

「ムーンセルはルーラーと管理者NPCに聖杯戦争の管理を委託している以上、余程のことがない限りその管理能を使ってプレイヤーを罰することはないだろう。
 もちろん、ルーラーと管理者NPCが倒れればどうなるかはわからないけれど」
「全てのサーヴァントに対する2画の令呪……だっけ」
「そう。ルーラーが命じれば、ボクは容易く自害してしまう。
 対魔力次第では抗せる確率はあるけれど、ボクでは到底無理だろう」
与えられた戦況分析は絶望的。
当然か。管理役が簡単に不正や反逆行為を許すとは思えない。

「……まあ、真っ当に戦闘行為が行われている内はこちらにペナルティを与えに来ることはないだろうね。
 余りにも目に余るようであれば、違うだろうけど」
それもある種の当然ではあった。
公平を期する監督役ならば、重大なルール違反がない限り手を出してくることはない。

「だから問題は、他のマスターとサーヴァントだ。
 もちろん同盟できる相手なら同盟したいけれど、譲れない願いを持った相手だっている」
「……そうだね。
 そういう相手と出会った時、どう対応……いや、戦うか、か」
できるだけ、殺さずに済ませたい。
けれど、シロエが聖杯の破壊を願うならば。命を懸けて願いを叶える相手には、命を以って答えなければならない。

「……鉢合わせの遭遇戦は避けたいね。
 ボクの戦法と噛み合わない。ボクのスキルで拠点を組んで篭もるのも手だけど……」
「それは避けたいかな。
 勝利は目的ではないし、引き篭もっている間にこちらに同調してくれる主従が脱落してしまうような事態は避けたい」
「そうだね。
 とはいえ、休息の為に拠点は一つ作っておきたいかな。
 キャスターのサーヴァントと同盟できるなら、陣地と塹壕を組み合わせてかなり堅い陣地を作れる」
「それを言うなら、偵察を行えるアサシンも欲しいけれどね。
 現状で無い物ねだりをしてもよくはないけれど」
シロエの住居――現状の『拠点』への道を急ぎながら、シロエとランサーは即席の作戦会議を交わす。
ランサーは得手不得手がはっきりしているサーヴァントだ。
その不得手を補える、シロエと同じ目的を持ってくれる相手が、どうしても欲しかった。

(とはいえ、僕達と同じ考えを持ってくれる相手がどこまでいるか……)
できれば殺し合いをしたくない、という者は、幾らか数がいるかもしれない。
ただ、聖杯を破壊する、とまで決意した者は、もしかしたら殆どいないのではないか。
いや、この聖杯戦争に招聘される条件が「願いを持つ事」である以上、全ての相手に拒否されてもおかしくはない。

(でも、やるって決めたからな)

一度決意したならば、それを貫き通す。
それはシロエの性分でもあり、そしてランサーのそれでもある。

だから、彼等は戦う。
世界を変えるために。


453 : シロエ・ランサー ◆ACfa2i33Dc :2014/07/20(日) 16:08:14 bwPI5Ixs0
------------------


**【クラス】
ランサー
**【真名】
キノ・ポゥ・コルーム
**【出典】
きのこたけのこ戦争if
**【パラメーター】
筋力C 耐久C 敏捷C 魔力D 幸運B 宝具B
**【属性】
秩序・善
**【クラススキル】
対魔力:D
 一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。
 魔力避けのアミュレット程度の対魔力。
**【保有スキル】
迷いなき覚悟:B
 自らの意思で誇りの道を貫き、その理想を実現した者に付与されるスキル。
 ランサーが「混沌」あるいは「悪」の属性を持つ者と戦う際、幸運以外のステータスを1ランク上昇させる。
 更に精神攻撃を受けた際の抵抗判定の成功率を上昇させ、同時に同ランクのカリスマを兼ねる。
近代塹壕戦:B
 ランサーの率いた国が得意とした戦術。
 魔力を消費することで塹壕とそれに伴う土嚢の障害物と魔力を消費することで自動で動作する機関銃を作成できる。
 作成にかかる時間は一瞬だが、連続作成にはクールタイムとして3時間が必要。
 また、機関銃の殺傷力は低く、サーヴァントは元よりマスター相手でも殺すのは難しい。
 その代わり銃弾は足止め・吹き飛ばしの効果を持つ。
 また、クールタイムさえ守れば複数作成して維持することも可能だが、維持にも魔力を消費する為、増やせば増やすほど魔力の負担は大きくなる。
その血の運命:E(B)
 もはや呪いの域に近い、争いの血統。
 「たけのこ」「ドリル」「パイルバンカー」のいずれかの属性を持つ者と戦闘する際、判定に微小の有利を得る。
 本来はBランク相当のスキルだが、彼女が血統による対立を否定したためにランクが著しく低下している。
神殺し:D
 神を名乗る旧世代の管理システムと古代兵器を破壊した故の称号。
 「神」「巨大兵器」「古代兵器」のいずれかの属性を持つ者への攻撃のダメージを有効化する。
**【宝具】
『アメイジング・デストラクティブ・インパクト』
ランク:D 種別:対軍宝具 レンジ:1〜30 最大補足:100人
 地面を叩き割り、発生する莫大な衝撃波と瓦礫で敵を攻撃する。
 衝撃波と瓦礫には相殺判定があり、飛び道具の類をある程度相殺する。
『騎兵隊登場』
ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:- 最大補足:-人
 ランサーの友邦が危機に陥った際、空挺降下を用いて一軍を率いて救援に現れた逸話からの宝具。
 ランサーが『仲間』や『同盟相手』と認識した相手が窮地に陥った際、その相手がいる場所へと瞬時に移動することができる。
 移動の際はランサーの周囲にいる『仲間』や『同盟相手』と認識した相手を一緒に移動させることが可能。
 また移動の際には、空挺降下のエフェクトが発生する。


454 : シロエ・ランサー ◆ACfa2i33Dc :2014/07/20(日) 16:08:51 bwPI5Ixs0
**【weapon】
「アメイジングトレンチメイス」
インパクト時に火薬のカートリッジが起爆し、瞬間的に衝撃を増大させる機構を持つ最新式ハンマー。
「ヘミバファピストル」
山岳兵に配布される副武装用の拳銃。
41口径アマニタ弾を使用し高火力。騎乗している対象に対して特効が発生する。
「胞子箱」
着弾後に神経系のガスを放出するタイプの手榴弾。
**【人物背景】
大陸中央部の山岳地に位置する、ハゥンマー民族代表院の国家代表。
ハゥンマー民族は100年前からドゥリル民族と対立紛争を起こしており、紛争地帯が特別保護区に指定された今でも機会を狙い地力を増やしている。
かつて大陸を統治した旧メイズ公国指導者と百年前の民族運動指導者の直系であり、20歳という若さで国家代表に就任したのもその血統に由来する。
やや根暗で冷めた性格だが責任感は人一倍強く、積極的な戦争はしたくはないと考える一方、
現実的にハゥンマー人のドウリル人に対する嫌悪感情を抑えられないことも良く分かっているため、不本意ながら国民感情を優先し敵対路線を取っていた。
内心では国家による連合組織を作り、安全保障の形態を集団安全保障化する事で戦乱を未然に防ぐ機構の実現を理想としており、周辺諸国の属国化もその一端であった。
最終的にその理想は、古代兵器という共通の敵の出現により実現することになる。

また、何故か男性よりも女性に縁がある。

シロエに召喚された理由は、ひとえにその秩序を願い連盟を打ち建てた姿勢が、混沌としたアキバの街に〈円卓会議〉を作り上げたシロエと似ていたからかもしれない。
**【サーヴァントとしての願い】
打ち建てた国際秩序の維持。
**【基本方針】
聖杯の破壊を目指す。
できれば同盟相手を探したいが、敵対する相手に容赦するつもりはない。
**【戦術】
このランサーの基本戦術はひとつ。
塹壕と機関銃を展開し、塹壕(と土嚢)を盾にして機関銃で牽制と足止め。
そこにランサーが近付き、ハンマーの一撃を加える。
単純な戦術ではあるが、それ故に効果は高い。

苦手な相手は当然この基本戦術が通用しない敵。
飛行し塹壕を無視して突っ込んで来る相手、塹壕や機関銃を苦にしない速度で機動する相手には塹壕戦が機能しない為苦戦を強いられるだろう。

ただし逆に陣地に籠もるタイプの相手に対しては、胞子箱を投げ込んだり『アメイジング・デストラクティブ・インパクト』で陣地ごと砕いたりの対策ができる。

苦手な相手と有利な相手が非常にはっきりしたタイプの為、シロエの目標と合わせても協力する仲間は欲しいところ。

シロエのメイン職である〈付与術師〉は非常にMPの多い職業であるため、普通に戦う限りは魔力供給の心配はない。
ただし、宝具の連発は勿論、塹壕の複数展開や維持を行えばその限りではない。
塹壕が生命線でこそあるが、どう使っていくかは考えるべきだろう。

また、マスターであるシロエは付与術師の中でも「マナコントローラー」と呼ばれるパーティ全員のMPを管理・回復させるビルドに長じている。
これにより、ランサーの魔力が枯渇した際の魔力の急速増加・回復が可能であり、ランサーの継戦能力を向上させられる。
さらに、他のマスターと同盟を組んだ際は魔力の乏しいマスターにシロエの魔力を譲渡することも可能である。
とはいえ、ランサーがその戦力の発揮に魔力を食いやすいサーヴァントであることを考えればあまり過剰な魔力の譲渡は自重した方が無難。


455 : シロエ・ランサー ◆ACfa2i33Dc :2014/07/20(日) 16:09:47 bwPI5Ixs0

【マスター】
シロエ(城銀恵)
【出典】
ログ・ホライズン
【参加方法】
狩り場でドロップしたゴフェルの木片を手に入れた。
【マスターとしての願い】
異世界〈セルデシア〉からのプレイヤー全員の脱出?
【weapon】
〈滅びたる翼の白杖〉
所有者の支援魔法の効果範囲を拡大する効果がある長杖。
普段は何の変哲もない古木の杖だが、起動状態では翼型の力場が先端から展開され所有者の支援魔法の効果範囲が拡張される。
〈賢人の外套〉
装備者に、その智慧に応じた守りの加護を与えるとされる幻想級防具。
精神的なバッドステータスへの高い耐性を誇る。
〈月桂の華護り〉
月に咲くという伝説の華を模した幻想級護符。
魂の移ろいを祝福するとされ、死亡からの復活時に失われる経験値を減少させる。
精神属性の攻撃魔法や防御魔法を強化する効果がある。

その他にも〈エルダー・テイル〉時代の装備やアイテムを多数所持しているが、今回の聖杯戦争では所持していない。
【能力・技能】
 MMORPG〈エルダー・テイル〉の魔法攻撃職の一つ、〈付与術師(エンチャンター)〉としての技能を使用できる。
魔法攻撃職の一種でありながら付与術師の攻撃能力は非常に低く、パーティの能力上昇や戦場操作に特化している。
支援や妨害においては随一の能力を持つ職業だが、その単体ではなにもできないという特性と、実力を発揮するには相当の熟練が必要なことから一番の不人気職でもある。

 とはいえシロエの技量は高く、特にレイド(大規模戦闘)にてその能力を発揮する。
戦闘におけるシロエの役目は不世出のマナコントローラー(PT全体のMP管理を行う長期戦・大規模戦闘特化ビルド)であり、PT全体の状態、敵の配置、行動を逐一把握することで適切な指示とMP回復・敵の妨害を行う前線指揮官である。

【人物背景】
 20年続く老舗MMORPG「エルダー・テイル」のプレイヤー。工学系の大学院生。
中学生の頃から8年間プレイしている古参プレイヤーで、俗に言う「廃人」。
周到な計画立てを好む参謀タイプのプレイヤーであり、一度決めたらどんな手でも使う実行力や、自問自答を多用して状況を分析し作戦を練る癖(そのため、周囲にはシロエの思考の過程が読めない)などから、周囲には「腹ぐろ眼鏡」とあだ名されている。
エルダー・テイルに慣れて来た頃の厭な思い出や、人に頼るのが苦手な悪癖などから人付き合いが苦手で、目つきの悪さもあって誤解されやすいのも原因である。
かつて存在した伝説的なプレイヤー集団「放蕩者の茶会(デボーチェリ・ティーパーティー)」の元メンバーで、プレイ動画やログを分析し、ダンジョンマップを作成したり戦闘時の作戦を練るなどもっぱら参謀役を務めていた。

エルダー・テイルのプレイヤーが異世界に転移させられた「大災害」では、当初は自分のことでいっぱいだったが、様々な出来事を経て「このままでは取り返しが付かなくなる」と発起。
アキバに治安維持組織「円卓会議」を発足させ、自身もその参謀役となっている。
【方針】
 聖杯を破壊する。
まずは街を偵察し、同盟相手を見つけたい。
意思を曲げるつもりはないが、殺さないと止められない相手と出会ってしまったら――。


456 : 名無しさん :2014/07/20(日) 16:10:22 bwPI5Ixs0
投下終了です。


457 : ◆TAEv0TJMEI :2014/07/20(日) 16:12:29 tKdTE.EQ0
WIKIを編集、ついで拙作の本多正純&ライダーにおけるライダーのステータス(主に対魔力の下方修正)を修正しました


458 : カトル・ラバーバ・ウィナー@アーチャー :2014/07/20(日) 17:22:53 .h6Krt9M0
投下します。


459 : カトル・ラバーバ・ウィナー@アーチャー ◆OSPfO9RMfA :2014/07/20(日) 17:24:53 .h6Krt9M0

「みんな聖杯が欲しいんだね」

 公園の砂場の中央に、一人の少年が立っていた。ゴーグルを額にずらし、月を仰ぐ。
 金髪碧眼。幼げな面立ちだが、その瞳は酷く濁っている。

「そんなものがあるから、争いは無くならないんだよ」

 万能の願望機。
 本物か眉唾ものか。だが、そんなことは問題ではない。
 それを信じて争う人がいる。その事実の方がよほど問題だった。

 カトル・ラバーバ・ウィナー。彼の居た世界も争いがあった。
 宇宙開発が始まってから2世紀も経たない間に、地球統一連合とコロニーの間で争いが続いた。
 いや、地球統一連合の武力による一方的な蹂躙と言っても良かった。
 コロニーはそれに対抗して、ガンダムと呼ばれるモビルスーツと工作員を地球に送り込んだ。
 カトルはその工作員の一人だった。
 彼は味方が少ない中、コロニーの為に戦った。それが平和への道だと信じて。
 だが、コロニーは地球統一連合との和平を持ちかけるために彼を売った。
 それでも彼は、ガンダムを犠牲にしてでも、死に物狂いでコロニーへと戻った。
 そんな彼を待ち受けていたのは、自らの保身しか考えないコロニー住民達。そして、そのコロニー住民の反乱による父と姉の死だった。
 
「そんなものあったら、みんな欲しがるよね? 武器を手に取るよね? 争いになるよね? だったらさぁ……そんなもの無くなってしまえばいいんだ!!」

 『父と姉を生き返らしたい』
 
 そんな願いが一瞬思い浮かんだが、声をすり潰して叫ぶことでかき消した。
 彼の優しい心が、自分の我が儘を押し殺し、世界の平和を選ばせた。


460 : カトル・ラバーバ・ウィナー@アーチャー ◆OSPfO9RMfA :2014/07/20(日) 17:25:59 .h6Krt9M0



「イレギュラーは破壊する」

 いつの間にか、カトルの背後に背中合わせに立っていたのは、青い体躯のロボットだ。
 レプリロイド。彼の居た世界では、完全人間思考型ロボットの事をそう呼ぶ。

「他の者を殺めてでも己の願いを達成させようとする――そんな考えあってはいけない。イレギュラーだ」

 アーチャーのサーヴァントとして召喚されたレプリロイド。
 彼の真名をエックスと言う。
 彼の世界では、レプリロイドが突如狂い、犯罪行為、破壊行為を行うことがあった。
 それを総じて『イレギュラー』と称し、それを破壊することによって治安維持を行う組織『イレギュラーハンター』がある。
 彼はそのイレギュラーハンターの一人だった。

「イレギュラーは全て破壊する。そうすれば戦いは終わる。そして平和が訪れる」

 淡々と言葉を紡ぐ。ロボットとは思えない人間らしい抑揚で、ロボットよりも事務的に。
 
 彼は平和を愛し、平和を乱す者を許さない使命感溢れるレプリロイドだった。
 だが、度重なるイレギュラーとの戦闘。
 何度も何度も。
 何回でも何回でも。
 それはまるで、終わりのない無間地獄のように。
 戦いに次ぐ、戦いの果てに。

「そう、平和が訪れるんだ」

 彼の心は――レプリロイドにあるまじき心は――疲弊し、壊れてしまった。


461 : カトル・ラバーバ・ウィナー@アーチャー ◆OSPfO9RMfA :2014/07/20(日) 17:26:54 .h6Krt9M0



「アーチャー」
「カトル」

 しばしの無言の後、背中合わせのまま、二人は互いの名を呼ぶ。
 思いは一緒だった。
 互いの右手を頭上に掲げ、宣言する。

「「『平和の為に戦おう』」」





**【CLASS】アーチャー
**【真名】エックス@ロックマンX4
**【パラメーター】
筋力C 耐久A 敏捷B 魔力E 幸運E 宝具A+
**【属性】
秩序・善
**【クラススキル】
対魔力:E
無効化は出来ない。ダメージ数値を多少削減する。

単独行動:B
マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
ランクBならば、マスターを失っても二日間現界可能。

**【保有スキル】
騎乗:C
騎乗の才能。人が作り出したあらゆる乗り物の運転が可能。
ライドアーマーやライドチェーサー等、機械の乗り物に対し発揮。生物の乗り物に関してはこのスキルは発揮されない。

三角蹴り:B
垂直の壁を蹴り上げ、登っていくことが可能。

エアダッシュ:B
空中でまるでそこに地面があるかのごとく駆ける事が可能。

ホバリング:E
およそ数秒ではあるが、空中で留まることが可能。

ノヴァストライク:B
全身にエネルギーを纏った体当たり。その間、自身への攻撃の大半を無効化する。
瞬間的に大量のエネルギーを消費するため、連発はできない。

「悩み、考え、行動する」:EX
本来ロボットには存在しない、進化する可能性をもたらす機能。「無限の可能性」あるいは「危険」。

**【宝具】
『武器収集(ゲットウェポン)』
ランク:B++ 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:8
由来:破った敵レプリロイドの武器を自身の武器としたエピソード。
他者の宝具をコピーする能力。発動するためには相手を自らの手で打ち倒すか、宝具を譲り受ける必要がある。
コピーした宝具はアーチャーが使いやすいようにアレンジが加わることもある。
(例:槍の宝具が、穂先だけ射出する宝具へと変化)
その為、コピーした宝具の真名解放はできない。

『未完成究極鎧(アルティメットアーマー)』
ランク:A++ 種別:対人宝具 レンジ:0 最大補足:1
由来:レプリフォースと敵対したときに装備した未完成のアーマー。
装着中は全てのパラメータを1ランク上昇させる。
さらに、ノヴァストライク中の自身への攻撃を完全に無効化し、エネルギーの消費も無く連発も可能となる。
ただし、サーヴァントとして現界してる為、魔力供給、もしくは令呪を伴わないとわずかな時間しか装着できない。

また、アーマーが分離し、アーマーのみが合体してフライングユニットにもなる。

**【weapon】
『エックスバスター』
 腕がバスター形状に変形し、光弾を射出する。
 右左問わずに変形させることが可能だが、同時に変形させることは不可能。
 宝具『武器収集(ゲットウェポン)』によっては、光弾以外の武器も射出する。


462 : カトル・ラバーバ・ウィナー@アーチャー ◆OSPfO9RMfA :2014/07/20(日) 17:27:42 .h6Krt9M0

**【人物背景】
21XX年に発掘されたレプリロイド(完全人間思考型ロボット)。
21XX年では突如レプリロイドが狂い、破壊行為や犯罪などを行うイレギュラー化が多発。
そこでイレギュラー化したレプリロイドを破壊する治安維持組織『イレギュラーハンター』の第17精鋭部隊に所属し、現在は隊長。
しかし、「悩み、考え、行動する」ことの出来るエックスは、同じレプリロイドを破壊するだけの任務に疑問と深い悲しみを抱く。

『平和のために戦う』

矛盾した無限地獄に苦しむ中、とあるイレギュラーに惨敗し、『正義』の『力』では無く、『力』の『正義』を求めた。
そしてエックスは絶大なる『力』、アルティメットアーマーを授かる。
エックスは壊れそうな心を奮い立たせながら、平和の為に戦う。


性格や来歴は岩本版ロックマンXの影響を大きく受けている。
また、エアダッシュ、ホバリング、ノヴァストライクは本来フォースアーマーかアルティメットアーマーが必要だが、外部作品であるPXZ登場時にノーマルアーマーで使用したことに準じている。

**【サーヴァントとしての願い】
『平和』を手に入れる。
その為に、聖杯を破壊し、全てのサーヴァントとマスターを殺害する。

**【基本戦術、方針、運用法】
サーチアンドデストロイ。
マスターかサーヴァントを見つけ次第、殺害に及ぶ。
また、何らかの別の手段で聖杯を手に入れた場合、それを破壊しようとする。
戦闘行為に消極的であり、聖杯を破壊しようとする参加者と出会った場合、説得次第では交戦を避けたり、共闘する可能性は否定できない。

情緒不安定であり、過激な思想に走っているが、それはマスターも同じ事。
改心する隙もあるが、機会がなければひたすらに殺戮と破壊の修羅となるだろう。

単独行動スキルを保有するが、マスターが優秀な分析、指揮能力を保持するため、護衛しながら指示に従うスタンスが無難であろう。
現状では志が同じ為、互いに見捨てたり、離反したり、故意に危険に陥れる可能性は低い。


**【マスター】
カトル・ラバーバ・ウィナー@新機動戦記ガンダムW

**【参加方法】
父と姉を失い、ウイングゼロの設計図を探している最中に『ゴフェルの木片』を発見する。

**【マスターとしての願い】
『平和』を手に入れる。
その為に、聖杯を破壊し、全てのサーヴァントとマスターを殺害する。

**【weapon】
『ガンダムサンドロック』
 砂漠などの未整備、不安定な作戦地域でも運用しやすいように作られたモビルスーツ。
 装甲を重視し白兵戦に重点を置いている。また司令塔として索敵、分析処理能力を高めてある。
 武器はヒートショーテル、そして自爆装置。
 
 なお、参戦時期は自爆で大破しており、今回の聖杯戦争には持ち込んでいない。


463 : カトル・ラバーバ・ウィナー@アーチャー ◆OSPfO9RMfA :2014/07/20(日) 17:28:17 .h6Krt9M0

**【能力・技能】
潜入、工作、格闘、火器、モビルスーツの操縦、それらを一通りこなせる工作兵。
設計図があれば独力でモビルスーツを作成できる制作力。
40人以上の仲間を指揮することの出来る指揮能力。

**【人物背景】
心優しく感受性が豊かな少年。「宇宙の心を感じ取る」といった特異な感応力がある。
アラブ随一の豪商の血筋で、高い社交性と度量、リーダーシップを持つ。
ガンダムサンドロックのパイロットであり、工作兵としての訓練も受けている。

保身しか考えない身勝手なコロニー住人によって父と姉を失った際には冷たい怒りを爆発させた。
「狂った世界を正さなければならない。全ての武器を破壊する」
その為に禁断のモビルスーツ、ウイングガンダムゼロを完成させ、OZの資源衛星とコロニーを破壊していった。

参戦時期はウイングガンダムゼロの設計図を手に入れる前である。

**【方針】
サーチアンドデストロイ。
マスターかサーヴァントを見つけ次第、殺害に及ぶ。
また、何らかの別の手段で聖杯を手に入れた場合、それを破壊しようとする。
戦闘行為に消極的であり、聖杯を破壊しようとする参加者と出会った場合、説得次第では交戦を避けたり、共闘する可能性は否定できない。


464 : カトル・ラバーバ・ウィナー@アーチャー ◆OSPfO9RMfA :2014/07/20(日) 17:29:03 .h6Krt9M0
投下終了です。
ありがとうございました。


465 : ◆ZTnr6IpaKg :2014/07/20(日) 17:39:31 OW3G2gOg0
投下しますよ…。

鯖の常からだいぶ外れた能力にした。


466 : ◆ZTnr6IpaKg :2014/07/20(日) 17:41:06 OW3G2gOg0
「きりーつ、礼、さよーなら!」
「「「「「「「「さよーなら!!!」」」」」」」

つまらない学校が終わった。
そそくさと帰り支度をする。
つまらないというのは、ぼくが勉強ができないからじゃない。
運動ができないからでもない。
この学校に違和感がぬぐえないから、現実感が無いからだ。
学校に来ているのに、学校という感じがしないのだ。

友達と遊ぶ気もしない。
彼らが、ぼくの友達と思えないから。
別に仲が悪いわけじゃない。
少し前までは、日が暮れるまで空き地で一緒に遊んでいたはずだ。
でも、いつの間にか遊ばなくなった。
誘われても、何かかしら理由を付けて断った。

学校からの帰り道を一人で歩く。
帰り道の途中、遊び場だった空き地を通りかかった。
ちょっと前までは、遊んでいたのに。
ここで楽しく遊んでいたこと自体に違和感を感じる。



「ただいまー…」

「のびちゃんおかえりー」

ママの声に適当に返事をして、
二回の自分の部屋に上がっていく。
顔を出すのも面倒だ。
…こんな扱いをしようものなら怒られても文句は言えないけど、
別にそれでもかまわないと思う。
例えママに叱られても、ママに叱られている気がしないからだ。
変な表現だけど、本当にそうとしか思えない。



襖をあける。
誰もいない。
当然だ。
この部屋は、ぼくだけの部屋なのだから。

勉強もやる気はしない。
昼寝でもしよう。
愛用の座布団を丸めて枕を作り、さあ眠ろうとして、ふと気になった。

押入れを開けてみる。
布団が入っている。

机の引き出しを開ける。
空っぽだ。

……あれ?
ぼくは、何が気になったんだっけ?

…変だな。
違和感が気になって昼寝する気にならない。

がらんとした部屋の中。
膝を抱えて蹲る。
じっと机を見る。
何もない机を。
何もなくなった机を



あの時も、こうしていたような…。



 □ ◆ ◇ ■


467 : 野比のび太&キャスター ◆ZTnr6IpaKg :2014/07/20(日) 17:41:53 OW3G2gOg0



『けんかなら、■■■■■ぬきでやろう』



『ぼくだけの力で、きみに勝たないと……』

『■■■■■が安心して……帰れないんだ!』



『勝ったよ、ぼく』

『見たろ、■■■■■。勝ったんだよ。ぼくひとりで』

『もう安心して帰れるだろ、■■■■■』



『■■■■■、きみが帰ったら、部屋ががらんとしちゃったよ』

『でも……すぐになれると思う』

『だから………心配するなよ』




『■■■■■』





 □ ◆ ◇ ■


468 : 野比のび太&キャスター ◆ZTnr6IpaKg :2014/07/20(日) 17:43:55 OW3G2gOg0
 
 
 
……!!
 

部屋を見渡し、思い出した自分の部屋と違うことに気付く。
立ち上がって部屋を飛び出、転げ落ちるように階段を下りる。
音に驚いたのか、ママが居間からこちらを見た。また気付く。知らない顔だ……!
そのまま走って外に出る。


違う…。ここは違う!


走る。走る。走る。
歩き慣れていたと思っていた筈の、今や馴染みの無くなった道を。


違う!こんな町は知らない!


脳裏に浮かぶ空き地への道を、■■■ちゃんの家への道を、
■■■や■■■■■の家への道を無理やりに辿ろうとして、
全く違う方向へ続く道に阻まれ、とにかくがむしゃらに走っていく。


そうだ。
ここは、ぼくがいた町じゃない。
あそこは、ぼくの家じゃない。
みんな、ぼくが知っている人じゃない。


走って、走って、走って、
もう走れなくなって、
気が付いたら見覚えのない河川敷にいた。


469 : 野比のび太&キャスター ◆ZTnr6IpaKg :2014/07/20(日) 17:44:29 OW3G2gOg0


涙が溢れる。
恐ろしくなった。
ぼくは、知らない場所にいて、みんなのことを忘れていた。
忘れたまま、それが当たり前だと思って過ごしていた。


し■■ちゃんがいない。
■ャ■ア■がいない
ス■夫がいない。
パ■がいない。
■マがいない。

■■え■んがいない。



■ラえ■んが。



■ラえもんが…!



「ドラえもぉ〜〜〜ん!!!」







「どうしたんだい?のび太くん」







「……!!」

返事があったことに、驚き、後ろを振り返る。



ドラえもんが、そこにいた。
ちょっと困ったような笑顔を浮かべ、いつものように。



「ド……」

「のび太くん、よく思い出してくれたね」

「ドラえもぉぉぉぉん!!来てくれたぁ!うわああ〜ん!!」

「よしよし、頑張ったね」

みっともないくらいに泣いてドラえもんに抱き着く。
ドラえもんも泣きながら頭を撫でてくれた。


あれだけ怖かったのに、心が安心と感謝で溢れていく。
最高の親友と会えたことが、ただただ嬉しかった。



 □ ◆ ◇ ■


470 : 野比のび太&キャスター ◆ZTnr6IpaKg :2014/07/20(日) 17:45:19 OW3G2gOg0



「それで……どうするの、のび太くん?」

「うん…」

ドラえもんと再会して、記憶を取り戻した。
それと共に、聖杯戦争のことも知った。
与えられた知識と、『サーヴァント』となったドラえもんから教えられたこと。
ぼくは…
 
「ぼくは……この戦争を止めたい。
 願いを叶えるために、みんなで殺し合うなんて悲しいこと、絶対にあっちゃいけないんだ。
 多分、ぼくみたいに巻き込まれただけの人もたくさんいると思う。
 その人たちを助けるためにも、こんな戦いはやめさせないと駄目だ」
 
「…わかったよ。のび太くんならきっとそう言うと思ってた。
 こういう時のきみは勇敢だしね。
 ぼくたちで、この聖杯戦争を止めよう」

「ドラえもん……ありがとう!」

ドラえもんも止めてくれると言ってくれた。
それは本当にうれしい。やっぱりドラえもんだ。
でも…

「でも…。ドラえもんにも何か願いがあるんじゃないの?
 だからサーヴァントになったんじゃないの?」

ここにいるドラえもんは、サーヴァントとしてここにいる。
幽霊の様なもので、確かに『ドラえもん』だけど、
ぼくの家にいるドラえもんとは厳密には別人みたいだ。
だから、ドラえもんにも何か願いがあるのかもしれない。

そう言うと、ドラえもんはまた少し困ったように笑って。

「ぼくはのび太くんを助けたいと思っただけさ。
 願いがあるとすればそれ以外には無いよ。
 サーヴァントとしてでも、のび太くんと一緒に居れるだけでとても嬉しいよ。
 だから、その辺は気にしなくても大丈夫」
 
「ドラえもん……」

「うーん、そうだね。
 のび太くんが帰ったら、家にいるぼくと今まで通り仲良くしてくれればいいよ。
 今回のお礼なら、ぼくと、家のぼくにもどら焼きの一つでもおごってくれればいいかな?」
 
「…うん!
 とびっきりのどら焼きを買うからね!一緒に食べよう!」
 
「フフフ…。
 楽しみにしているから、そっちのぼくにもよろしくね」
 
少しのうれし涙を滲ませながら二人で笑い合う。
…よし、ぼくたちで、この戦いを止める!

もう何度目になるかわからない、ぼくたちの新しい冒険の始まりだ!


471 : 野比のび太&キャスター ◆ZTnr6IpaKg :2014/07/20(日) 17:46:36 OW3G2gOg0

**【サーヴァントステータス】

**【出典】
 ドラえもん
**【CLASS】
 キャスター
**【マスター】
 野比のび太
**【真名】
 ドラえもん
**【性別】
 雄
**【属性】
 中立・善
**【ステータス】
 筋力D 耐久E 敏捷E++ 魔力- 幸運A 宝具-

**【クラス別スキル】
陣地作成:-
 陣地作成能力は有していない。
 
道具作成:-
 道具作成能力は有していない。
 
**【固有スキル】
科学という名の魔法:EX
 『充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない』
 魔法というべき領域に踏み込んだ科学を扱うことが可能であることを示す。
 キャスターのキャスタークラスたる所以のスキル。
 神秘が薄れた未来において純然たる科学技術でつくられた
 キャスターおよびキャスターの持つ宝具・道具は、一切の神秘を持たない。
 しかし、一切の神秘を帯びないままに、あたかも魔法域の神秘を持っているかのように
 他の神秘に干渉することを可能とする。
 但し、逆に一切の神秘を帯びていない物理現象からも干渉を受ける。
 また、キャスターは本来は高位の神秘である英霊としての特性も最低限しか持つことしかできない。
 
単独行動(偽):A
 マスター不在でも行動できる。
 本来の単独行動スキルとは異なり、キャスターは神秘を持たず
 現界に魔力を消費しないために単独行動が可能となっている。
 
機械知識:C
 機械に関する知識。
 自身の道具のメンテナンスが可能な他、あまりに複雑な機械でなければ修理や改造が可能。
 
言語理解:D
 ネコの言語を理解し、意思疎通が可能。
 
異形:E
 大小の球体と青白の色彩を組み合わせた、実に奇妙な姿を持つヒトガタである。
 本人はその姿をネコを模したものだと主張しているが、とてもそうは見えない。
 せいぜいタヌキであろう。
 キャスターの姿を見た相手に、タヌキであるという印象を強く与えてしまう。
 ちなみに、この装備(スキル)は外せない。


472 : 野比のび太&キャスター ◆ZTnr6IpaKg :2014/07/20(日) 17:47:29 OW3G2gOg0
 
**【宝具】
『夢詰まるすこしふしぎな袋(四次元ポケット)』
ランク:- 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:1人
 キャスターの腹部に装着されているポケット。
 宝具として扱われているが、一切の神秘を持たない故にランクは存在しない。
 内側が四次元空間に繋がっており、無限に物品を収納できる。
 中には未来の科学で製造された様々な『ひみつ道具』が入っており、
 キャスターはそれらを取り出して自在に扱うことができる。
 この宝具や中の道具の使用には真名解放も魔力も不要。
 また、キャスターの腹部から取り外したり、キャスター以外の者が使ったりすることもできる。
 
**【Weapon】
『ひみつ道具』
 魔法と見紛う奇跡を実現する未来の科学で作られた道具。
 数えきれないほどの種類がある。
 ただし、聖杯戦争を直接的に破綻させる類のものは使用や機能に制限をつけられている。

**【人物背景】
 何をやらせてもダメな小学生、野比のび太。
 ある日、彼の机の引き出しから、一体のロボットが現れた。
 そのロボットが言うには、自分は22世紀の未来からやってきた子守用のネコ型ロボットであり、
 のび太を一人前にするためにのび太の玄孫であるセワシに送り込まれたと言う。
 混乱するのび太であったが、そのロボットが取り出す不思議な道具に魅せられて、
 ロボットを受け入れることを決める。
 
 こうして、一人の子供と一体のロボットの友情の物語が幕を開けた。
 
**【サーヴァントの願い】
 聖杯戦争を止める。
 のび太を守り、家に帰す。

**【基本戦術、方針、運用法】
 神秘を持たないために、魔力や神秘の格を感じ、判断材料とする
 大抵の魔術師やサーヴァントに対する初見殺しとなる。
 また、神秘の無さの副次的な効果として、サーヴァントの気配が無いため
 そうと知られない限りサーヴァントだとばれない。先手をとるのに少し有利。
 尤も、姿が姿なので一般人だとは思ってくれないだろうが。
 
 勝ち筋は、できれば初手でひみつ道具で相手を制圧するか、
 あるい味方を作り、多彩な道具を活かして支援するかが基本。
 魔力が感じられないとひみつ道具に対しおざなりな対応をする相手を
 そのまま行動不能に追い込めれば理想的。
 直接戦闘では、能力が低く、本人の気質も相まって勝利は難しい。
 時間をかけるほど神秘に関するトリックと能力の低さが露呈するので不利になる。
 たとえ道具がいくら強力であってもである。
 初見ですらひみつ道具の危険性を察知し得る直感や心眼(偽)の持ち主は天敵。
 苦手な荒事を想定せざるを得ない状況である以上、信頼できる協力者を探すことも重要であろう。
 
 下手に守りに入ると、とたんに不利になる可能性がある。
 ただの物理攻撃でもキャスターには有効であるためである。
 敵マスターからの攻撃にも十分な注意を払う必要があるだろう。


473 : 野比のび太&キャスター ◆ZTnr6IpaKg :2014/07/20(日) 17:48:38 OW3G2gOg0


**【マスターステータス】

**【出典】
 ドラえもん
**【名前】
 野比のび太
**【性別】
 男性

【参加方法】
 『方舟』による召喚だと思われるが、詳細は不明。

**【マスターとしての願い】
 聖杯戦争を止める。
 
**【能力・技能】
 勉強もスポーツも、何をやらせても駄目な小学生。
 ことあるごとにキャスターに泣きつき、頼る。
 だが、ひみつ道具の応用に関しては天才的な頭脳を発揮することもある。
 基本的に能力の低さは生来の怠け癖によるもので、実際頭の回転は悪くない。
 ここぞというときは勇敢さを見せることもしばしばあり、現在はその状態である。大長編補正。
 あやとりと射撃に関しては天才的な才能があり、射撃は宇宙でも有数の腕前といっても過言ではない。
 プロの殺し屋に勝利したこともあり、また射撃戦においては作戦立案能力も優れる。
 しかし、心根が優しすぎるため相手を直接殺傷する武器はとても扱えない。
 それでも、使うひみつ道具と状況次第ではサーヴァントにも通用するかもしれない。

**【人物背景】
 万事において冴えない駄目人間。
 のんびり屋かつ怠け者の弱虫。
 しかし、性根はとても優しく、友情に厚い。
 そんな性格に心惹かれる人は多い。
 彼の駄目っぷりをなんとかしようと
 未来の子孫がドラえもんを送り込んだことから、すべての物語は始まる。
 
**【方針】
 殺し合いは止める。
 聖杯戦争を止める具体的な方法を探す。


 
**【その他】
○敏捷E++?
 ネズミ。
○異形?
 何となく付けた。
○道具の制限は?
 あんまりしっかりとは考えていない。
 移動系の道具で直接方舟の外に出るのは禁止。
 四次元ポケットからスペアポケットへの移動禁止。
 ウソ800禁止。
 もしもボックス禁止。
 とりあえず思いついたのはこれだけ。
○キャスターが持つサーヴァントとしての性質は、
 「マスターとラインで繋がっている」「令呪の命令に従う」
 「キャスターをサーヴァントだと知るマスターであれば、キャスターのステータスを閲覧できる」
 この3点だけ。それ以外の全てのサーヴァントとしてのメリットとデメリットは無い。
 霊体化不可。念話不可。魔力による再生不可。物理攻撃有効。
 魔力消費無し。マスター不在のペナルティ無し。


474 : ◆ZTnr6IpaKg :2014/07/20(日) 17:49:20 OW3G2gOg0
以上です。


475 : ◆kiwseicho2 :2014/07/20(日) 18:22:59 X4lq9XnI0
ミリアム・C・タチバナ&アーチャー 投下します。


476 : ミリアム・C・タチバナ&アーチャー ◆kiwseicho2 :2014/07/20(日) 18:24:00 X4lq9XnI0
 

 ごめんなさい
 あなた
 私だけまだ 生きていて ごめんなさい。 


◆◇◆◇


 月海原学園、茶道室。
 弓道場のそばにひっそりと佇んでいる純和風の庵、
 その一室の畳部屋に、一人の女性が抹茶を飲みながら静かに正座していた。

 ショートの黒髪から一房だけ桃色の髪房が垂れる。
 これといって特徴のない整った顔立ち。服装は着物風の和服。黒の羽織に桜吹雪。
 日本人ではない。日系人だ。けれど和服を着ているのは、
 彼女の夫もまた日系人で、その彼が日本文化が大好きだったから、だと言う。

「濃いグリーンティーをわざわざ取り寄せて……“少し苦いね”なんて言いながら飲んでいました。
 私は苦すぎて、当時は飲めませんでしたね。今思えばあれは、安物だったんでしょう」
「その、君の夫は?」
「イラクで。2年前の春でした」

 ゆっくり甘い抹茶をすすりながら語る彼女に、
 一畳離れて彼女の対面にあぐらするサーヴァントが小さく問いかける。
 返事ははっきりとしていた。が、その声からは擦り切れたように感情が感じられなかった。
 サーヴァントは少し眉をひそめた。
 不味いことを聞いてしまったか。
 しかし、それを見越したかのように対面の女性は笑顔をつくった。

「いいですよ。気にしません。二人とも軍属でしたから、いつかはあるかもしれないと思っていました。
 思っていただけで、実際に失ってみると――ひどかったですけどね。でも、あの人は今も、私のそばに居ますから」

 すると、ぱきん。
 と空中に幾何学の花が浮かんだ。発光する五枚の花弁に数個の輪。平たい桜と水面にも似た何か。
 そしてサーヴァントと彼女の間の空間から、ずる。
 ずる。と、毛深くてごつごつした“男性の腕”が二対、出現した。

「ジョー・M・タチバナ。私の夫です」

 “腕”を彼女は紹介した。 
 対峙したサーヴァントは何も言わずに眼を見開いた。
 人と同じくらいの縮尺を持ったその腕は、優しく彼女の頬に触れる。
 その腕をいとおしそうに撫でてから、彼女は“アリスの夢”についてサーヴァントに語った。


◆◇◆◇


 アリスの夢。
 そう呼ばれる超能力が彼女の世界で発見されたのは約二十年前からだ。
 発現条件は不明。ただし能力に規則性はある。

 ひとつ。発動時に“鏡の門”と呼ばれる円環状のヴィジョンを空間に出現させる。
 ふたつ。それと同時に、頭にあったイメージの一つを現実空間に召喚する。
 みっつ。この召喚できるものは基本的に一人につき一つ。
 アリスの夢が発現した時にもっとも強くイメージしていたものが、勝手に能力になるのだという。

「夫が死んだあと……私は眠れない夜を続けていました。
 軍から除隊寸前になるくらいに憔悴していましたが、しかしある日、夢を見たんです」


477 : ミリアム・C・タチバナ&アーチャー ◆kiwseicho2 :2014/07/20(日) 18:25:28 X4lq9XnI0
 
 夫の腕に抱かれる夢。
 彼女――ミリアム・C・タチバナが見たのはそんな夢だった。
 その夢は彼女をひどく安心させて、そして彼女にアリスの夢(夫の腕)を発現させた。
 彼女は腕を撫でながら続けた。

「研究の結果、この腕(このひと)はちゃんと生きているそうです。
 大きさは自在に。数も体力が続く限りいくつでも。
 訓練で、感触を残したまま透明にできるようにもなりました。始点の射程はおよそ30m」
「……まるで武器だな」
「それでも、武器ではありません。……と言っても、嘘になりますね。
 軍がこの力に目をつけて、私に訓練を積ませ、武器にした。それはまぎれもない事実ですから」
「嫌じゃなかったのか?」

 サーヴァントが問うと、ミリアム・C・タチバナは「もちろん嫌でしたよ」と答えた。

「でも、そうしなければいけなかった。私の力(このひと)の有用性を示して、
 この力をもっと研究してもらって――原理を解明してもらって。
 そうしてこの、自在の力をさらに高いレベルでコントロールできるようになれば」

 腕だけでなく、身体ごと夫を召喚できるかもしれない。
 彼女はその可能性に、全てを賭けた。
 夫の腕を血に染め、汚し、幼い少女を拘束し、追いつめて、銃で撃ち、
 卑しいと笑われても可笑しいと思われても、狂っていると自覚しても。それでももう一度会うために。

「そのためならば、悪魔に魂を売ってもいいと思ったんですよ、アーチャー」
「……じゃあ、聖杯に望むのも」
「ええ。もちろん、夫の蘇生です。
 突然こんなところで茶道の講師をしている自分に気付いたときは驚きましたが――、
 願ってもない。記憶から本人を再現できるだなんて。まさに私が望んでいた力です」
「……」
「私は聖杯を望みます。
 理不尽に奪われたものを、理不尽で取り返す。それだけの話です」
「そのために君は戦争を起こすのか」
「愛娘のためにたった一人で戦争を起こした元大佐に、そう言われても説得力がありませんね」

 貴方なら、私の気持ちを理解してくれると思うのですが――。
 と、ミリアム・C・タチバナは対峙していたアーミー装備の男に向かって無表情に笑いかけた。
 アーチャー……ジョン・メイトリックスは、
 そんな彼女の仮面じみた顔の下に押し込められているものを感じ取って、思わず眼を細めた。

 この女性はたった一人の家族のために世界を敵に回しているのだ。
 そして確かにそれは、メイトリックスがかつて愛娘のジェニーのために行ったことと、寸分の違いもない。
 あの時殺し、傷つけた者たちの中には根からの悪人で無い者も居たはずで、
 それでもメイトリックスはジェニーを救うためにそれらに銃を向けた。優先順位だ。

 優先順位なのだ。
 誰もが自分の周りのすべてのものに優先順位をつけて生きている。
 そういうしがらみが嫌になって山へと隠れたメイトリックスにさえ、娘という優先順位は残っていた。
 それと同じに、彼女の絶対的な優先順位に夫の存在があったとして。彼女がその他をすべて捨てていたのだとして。
 他人がそれをどうこう言えるわけがない。それを当人がそう決めたのだから。


478 : ミリアム・C・タチバナ&アーチャー ◆kiwseicho2 :2014/07/20(日) 18:27:15 X4lq9XnI0
 
「……いいだろう。ミリアム・C・タチバナ元少尉」

 だからジョン・メイトリックスは、それ以上彼女の望みには何も言わなかった。

「ミニーCでいいですよ。夫はいつも、私をそう紹介していました」
「そうか。なら、俺もコマンドーと呼んでくれ。コードネームだ。アーチャーよりは聞こえがいい。
 こんなふざけた土地で俺の力がどの程度通用するかは分からないが……分かった、君に協力しよう」
「……いいんですか? 私に協力して。
 あなたはこう、私と比べると、正義感にあふれているように見えたのだけれど」
「君を守るためだ」

 コマンドーはミニーCの目を見て言い放った。
 今度は、ミニーCが目を丸くする番だった。コマンドーは肩に銃器を出現させながら続ける。

「俺と同じくらいの大馬鹿野郎である君が死なないようにするためにだ。
 どうせ俺が何を言っても君は止まらないだろう。なら、サーヴァントとしての優先順位は、
 君を止めることじゃない。君の望む限り君を走らせてやることだ」
「……!」
「きっと神をも殺すような戦いになる。それでも覚悟を変えないなら、ついてこい」

 俺が神を殺そう。
 短く告げ、障子戸を開けてコマンドーはすたすたと歩きだした。
 あっけにとられたミニーCは少し動くのが遅れた。
 飲み忘れていた抹茶を急いで飲んで、かつての精鋭部隊の隊長の後ろを追いかけた。

「……ああ、危なかった」

 後ろをついてくる“腕”に意識を向けながら、ミニーCはちょっとばかり動揺した。

「ごめんなさい、あなた……。一瞬だけ、彼に見とれてしまったわ」
 

◆◇◆◇


 どこかで 歯車が狂ったことには
 とっくに気付いていて
 それでも 立ち止まれずにいる

 そんな私を ――彼は守ると言った。



 

【クラス】
 アーチャー
【真名】
 ジョン・メイトリックス@コマンドー
【パラメーター】
 筋力C 耐久C 敏捷D 魔力E 幸運B 宝具D
【属性】
 中立・中庸
【クラススキル】
対魔力:D
 一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。
 魔力避けのアミュレット程度の対魔力。
単独行動:C
 マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
 ランクCならば、マスターを失ってから一日間現界可能。


479 : ミリアム・C・タチバナ&アーチャー ◆kiwseicho2 :2014/07/20(日) 18:28:34 X4lq9XnI0
 
【保有スキル】
騎乗:D
 騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み程度に乗りこなせる。
 また、騎乗Dで乗りこなせる乗り物ならば、
 他者がすでに所有・騎乗している乗り物を強奪して騎乗することが可能。
戦闘続行:A
 戦う意思と武器がある限り、戦闘を続行できる。
陣地制圧:A
 敵陣地に乗り込んでの制圧戦におけるコマンドー無双の伝説。
 作成された陣地、あるいは他者の固有結界の中でのみ、
 筋力・耐久・敏捷のパラメーターがAになり、持っている武器がすべてDランクの宝具として扱われる。
【宝具】
『武器庫への扉(ゲート・オブ・コマンドー)』
 ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:0 最大補足:0
 民家などの扉をコマンドー自身の武器庫、
 あるいは米軍の放出品店への扉に変えることができる次元連結宝具。
 ここからコマンドーは無制限に様々な種類の銃火器・地雷などを調達することができる。
 ただしそれらの銃火器は通常、宝具にはならない。
 武器庫に入れるのはコマンドーのみで、3分経ったら出なければならない。
【weapon】
 HK91、スペツナズ・ナイフが初期武器。
 ここから宝具によってクレイモアやロケットランチャー、バルメM78などを無尽蔵に調達可能。
【人物背景】
 かつて精鋭部隊・コマンドーの隊長として名を馳せていた。
 軍を退役し愛娘・ジェニーと山荘での静かな生活を送っていたが、
 逆恨みによりジェニーを連れ去られ大統領暗殺を強制された事件に置いては、
 元コマンドー隊長としての能力を遺憾なく発揮して暗殺を強制したアリアス一味を壊滅させた。
【サーヴァントとしての願い】
 ミリアム・C・タチバナ元少尉が満足するまで彼女の蛮行をサポートする。
【基本戦術、方針、運用法】
 攻撃が最大の防御。
 待ちの戦術ではスキルを生かせないのでガンガン攻めるべきだろう。
 任務遂行のためなら略奪も厭わないことは分かっているが、
 女子供や戦闘意思のない者も参加者なら殺すかどうかは意見の分かれるところ。
 

【マスター】
 ミリアム・C・タチバナ@アリスと蔵六
【参加方法】
 不明。研究機関でゴフェルの木片に触れたか。
【マスターとしての願い】
 夫の召喚
【weapon】
 拳銃を所持。銃の種別は不明
【能力・技能】
「アリスの夢“夫の腕”」
 ミリアム・C・タチバナの夫の腕を創造することができる。
 腕の数や大きさに制限はなく、透明化も可能。ただし体力を使う。
 体力がゼロになると創造は不可能になる。体力は食事を多量に取ることで回復することができる。
【人物背景】
 リュウコミックス「アリスと蔵六」主に2巻で敵として活躍する未亡人。
 元軍人で夫を失い、途方に暮れていたところ夫の腕を具現化できるようになった。
 腕だけでなく身体を具現化するために、研究施設から逃げた主人公の幼女(なんでも具現化できる)
 を連れ戻して監禁、容赦なく“腕”で押さえつけたり脚を撃ちぬいたり化け物よばわりしたり
 軍人らしい非情さを見せつけた。しかし666の兵器と13の魔道書を具現化する魔法メイドの前に敗れる。
 「アリスと蔵六」は日常ものに見えてバトルはチート祭りで、
 かと思えば随所に重い設定が垣間見えて中々せつない。ミニーCは出ないが1話が以下で試し読み可能。
 ttp://www.comic-ryu.jp/_alice/ 
【方針】
 聖杯を手に入れる。ジョン・メイトリックスの協力を仰ぐ。
 魔力を食料で補えるので、食糧の確保も急務か。


480 : ◆kiwseicho2 :2014/07/20(日) 18:30:21 X4lq9XnI0
投下終了です。


481 : クロエ・フォン・アインツベルン&アーチャー ◆zOP8kJd6Ys :2014/07/20(日) 18:30:54 mOQ9l8XM0
投下します。


482 : クロエ・フォン・アインツベルン&アーチャー ◆zOP8kJd6Ys :2014/07/20(日) 18:31:27 mOQ9l8XM0

「チュ……ピチャ……んっ――や……」

「あン……チュル――フフ、ホントにやめてほしいの?」

「フゥ――ンン……ッ」


月海原学園初等部。階段脇の廊下で2人の少女が唇を重ねていた。
一人は特に特徴のない一般的な少女といえる。
その少女はもう一人の少女に両腕を拘束され、壁に押し付けられた状態で唇を重ねられていた。

「フぁ……ンちゅ……チュバ――ジュルるッ」

接吻と呼ぶほど微笑ましいものではない。
幼き少女にとってもはやそれは口腔内への蹂躙と言ってよかった。
凌辱している方の少女は薄桃色がかった銀髪で、褐色の肌をしている。
見た目は同じ初等部の少女相当なのだが醸し出す雰囲気が完全に淫魔のソレであった。
果てないと思われた恥辱の時間も少女が全身を火照らせ気を失ったところで終えたようであった。
銀髪褐色の少女はゆっくりと唇を離す。

ぷっくりとした桃色の舌が粘着質な音を立て――ツウと唾液の橋がかかる。

「フフ、美味しかったわ。ありがとね」
「――クロ……ちゃん、好きぃ……」

まるで言葉を返すかのように気を失った少女がのぼせ上がりながらうわ言を漏らす。
それを聞いた少女――クロエ・フォン・アインツベルンは微笑んだ。

「フフ、さーてと。まだ物足りないけどとりあえず腹八分目ってところで自重しておこうかな」

そう呟いた彼女の背後の廊下には死屍累々――幾人もの少女が頬を上気させて倒れていた。


483 : クロエ・フォン・アインツベルン&アーチャー ◆zOP8kJd6Ys :2014/07/20(日) 18:32:49 mOQ9l8XM0

踵を返し、廊下を歩み去ろうとするクロエの背後に一つの影が表れる。

「マスター」

「あら、アーチャー。どう? 魔力供給は滞りないかしら」

「無論……だが、これは本当に必要だったのですか」

「もちろんよ。私の事情は話したでしょう? あなたのような強いサーヴァントを扱う為にも
 そして私自身の為にもこれは必要な行為なのよ。彼女たちの尊い犠牲は決して無駄になんかならないわ」

クロエは悪戯気に笑う。
実際彼女たちはクロエとの接触によって魔力を吸われ、魔力欠乏の症状が出ているだけでその身体に異常が残るわけではない。
数時間の休息で元に戻るだろう。

「でもやっぱりただのNPCからだと効率が悪いわね。
 はやく他の協力的なマスターを見つけたいところね……女の子の」

「……」

影はため息をつくような気配を見せた後、ゆっくりとその輪郭を確かなものへとしていった。
完全に現界したその姿は黄金の鎧と翼をまとった一人の騎士だった。

彼の名は射手座(サジタリアス)の黄金聖闘士(ゴールドセイント)・アイオロス。
かつてギリシアの聖域にて無念の死を迎えた信念の騎士である。

(私はかつて女神をお守りすることができなかった。志半ばで他人に女神を託さざるを得なかった。
 全ては私が未熟だった故に。だから今度こそは……この幼き少女を、マスターを護り抜く!)


「マスター、これからどうされるのです?」


484 : クロエ・フォン・アインツベルン&アーチャー ◆zOP8kJd6Ys :2014/07/20(日) 18:33:59 mOQ9l8XM0

「そうね、とりあえず専守防衛しながら話の通じるマスターを探すってところかしら」

「聖杯は求められないのですか?」

「……私は――魔術師として生まれたわ」

万能の願望器、聖杯の器として生まれる前から調整され続け、生後数か月で言語を解し
あらゆる知識を植え付けられた。
「とある理由」により封印されたものの、封印された状態で彼女は成長し、「クロエ」になった。
理由は解らないが肉体をえ、封印から解き放たれた。
ならば自分は生まれた理由に沿って生きるべきだと。魔術師として生きるべきだと思った。
それならばこの聖杯戦争は自分の魔術師としての実力を示す好機だ。
聖杯を得、亡くなったというアインツベルンを復興させて――

「そうすべきなんだって思ったのにな……」

浮かぶのは自分を受け入れてくれたもう一人の自分。
イリヤの顔。
そして母アイリの、兄シロウの、家族の友達の顔。
自分の居場所は魔術師の道にしかないと思った。
だが違った。
自分の居場所はもうそこにあったのだ。

「イリヤや美遊を泣かせるわけにはいかないから――アーチャー」

「ハッ」

「壊すわ……この聖杯戦争!
 アインツベルンのパクリ儀式なんて許せるほど私は寛容になれないみたい」

「マスターの御心のままに。この命に代えて御守りいたします」

覚悟と決意の瞳を交わし、二人は笑った。

「あなたみたいな頼れる大人の騎士がサーヴァントで良かったわ、よろしくねアーチャー」

「? ハッ――ですが大人……とは?」

「へ? アンタのことだけど――」

「私はまだ14歳ですが……」

クロエの目が点になる。

身長182㎝。黄金の前身鎧を身にまとい、凛々しい顔つきの青年――に見える少年アイオロス。
彼は享年14歳。青春ど真ん中であった。



.


485 : クロエ・フォン・アインツベルン&アーチャー ◆zOP8kJd6Ys :2014/07/20(日) 18:34:35 mOQ9l8XM0
【CLASS】アーチャー

【真名】アイオロス@聖闘士星矢

【パラメーター】
筋力C+ 耐久D(B+) 敏捷A+ 魔力E 幸運E 宝具EX

【属性】
 秩序・善 

【クラススキル】

対魔力:E (B)
 魔術に対する守り。無効化はできず、ダメージ数値を多少削減する。

単独行動:B
 マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
 ランクBならば、マスターを失っても二日間現界可能。

【保有スキル】

小宇宙:A
 体内に存在する宇宙的エネルギーのこと。聖闘士はこれを燃焼させて繰り出す闘法を使用し、
 拳で空を引き裂き、蹴りで大地を割るほどの威力を誇る。
 小宇宙は主に精神力・集中力などに比例・呼応して高まるため、六感(五感 + 第六感)のいずれかを
 意図的に封じるなどして助力とし、爆発的に小宇宙を増大することもできる。
 Aランクの使い手は第六感を越える第七感セブンセンシズに目覚めている。
 目覚めた者は小宇宙を最大限まで増幅し、光速の動きを体現することができるが、
 それが可能なのは黄金聖闘士など聖闘士の中でも少数である。

聖闘士の見切り:A
 敵の攻撃に対する見切り。聖闘士に同じ技は何度も通用しない。
 特にAランクを持つ黄金聖闘士に対して二度も同じ技を仕掛けることは愚の骨頂である。
 もはやこれは聖闘士を知る者にとって常識。
 一度見た技に対して解析を行い、次回以降は小宇宙を使い世界の理に介入、
 その「技が決まる」という事象を書き換え、「技を防ぐ」という事実に変えてしまう
 「因果の上書(オーバーライド)」である。
 ただしこれは技術によってなし得る事のみが対象であり、純粋な火力や腕力などによる
 結果に介入することはできない。

飛翔(偽):C
 聖闘士の驚異的な跳躍力と聖衣の背に装着されている黄金の翼によって
 疑似的な飛翔を行うことができる。空中での姿勢制御、や滑空による加速などが可能だが
 あくまで跳躍の延長であるため、跳躍の限界点から更に上昇することは出来ず、滞空時間も存在する。


486 : クロエ・フォン・アインツベルン&アーチャー ◆zOP8kJd6Ys :2014/07/20(日) 18:35:23 mOQ9l8XM0

【宝具】

【射手座の黄金聖衣(サジタリアス・ゴールドクロス)】
 ランク:B 種別:対攻宝具 レンジ:―― 最大補足:――

 黄道十二星座の射手座に対応する、黄金に輝く防具。聖衣の中でも最上級に位置する黄金聖衣の一つ。
 全身を覆うほどの重装備となり、凍結温度が絶対零度であるなど、その強靭さは他の聖衣とは一線を画す。
 誕生以来破壊されたことは一度も無かったといわれ装着することでBランク以下の攻撃を無効化し、
 対魔力もBランク相当までアップする。また黄金聖衣の中では天秤座以外に唯一武器として黄金の弓矢を持つ。
 太陽の力が蓄積されており黄金聖衣12体のエネルギーを集結すると小規模ながら太陽の光と同等の力を発動できる。

【失われし伝説の神技(ロスト・ファンタズム)】
 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:??? 最大補足:???

 射手座の黄金聖闘士が使用する技は伝承から失伝しており、僅かな外伝にいくつかの記述があるのみとなっている。
 そのためアイオロス本人が使用する技はサーヴァントとして召喚された際に確定されておらず
 外伝に残された射手座の黄金聖闘士の技を自分のものとして一時的に上書きし、使用することができる。
 しかしそのランクは本来のものよりも1〜2段階下がったものとなっている。
 アトミックサンダーボルト、インフィニティブレイク、コズミックスターアロー、ケイロンズライトインパルス等が対象となる。


【暗黒の世界に射す一条の光明(ゾディアック・エクスクラメーション)】
 ランク:EX 種別:対界宝具 レンジ:1〜50 最大補足:1000

 女神の元に集いし同朋、他の黄金聖闘士11人を召喚しその最大限に燃やした小宇宙を全て黄金の矢に込めて放つ絶技。
 その力は小規模ながら太陽と同じ力を保有し、神の力によって閉ざされた結界をも撃ち貫く。
 当然ながらその魔力消費は絶大で、令呪を三画すべて消費して魔力増幅を行いようやく発動できる可能性がある、
 というレベルである。もし条件を揃えて発動できたとしてもマスターの魔力枯渇と背中合わせの賭けとなる。
 魔力供給の手段なしに使用することは自爆とほぼ変わりないと言える。


【weapon】拳


487 : クロエ・フォン・アインツベルン&アーチャー ◆zOP8kJd6Ys :2014/07/20(日) 18:36:14 mOQ9l8XM0
【人物背景】
人馬宮を守護する。獅子座のアイオリアの実兄。享年14歳。
13年前にアテナが降臨した数日後、前教皇の牡羊座のシオンから仁・智・勇に優れた聖闘士とされ、
来るべき聖戦に際して次期教皇に指名されている。
教皇シオンを殺害して教皇に扮したサガが赤子のアテナ暗殺を目論んだ際、間一髪でアテナを救い脱出。
そのためサガによって聖域への謀反者という汚名を着せられるが、聖域全体を敵に回してなお、
たった1人でアテナを守って戦う。追っ手から逃れる中で山羊座のシュラにより致命傷を受け、
偶然にも日本から旅行でギリシアを訪れていた城戸光政に、アテナと黄金の杖(勝利の女神)と
射手座の黄金聖衣を託した後、絶命している。

【サーヴァントとしての願い】
かつて女神を守り切れず他人に託した後悔を拭うため、今度こそマスターを守り抜く。

【基本戦術、方針、運用法】
基本専守防衛だがマスターの指示があれば攻撃も辞さない。


【マスター】
クロエ・フォン・アインツベルン@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 2wei!

【参加方法】
美遊の平行世界へ転移した後、偶然ゴフェルの木片を拾う。

【マスターとしての願い】
魔術師としてこの上ない舞台の筈だがイリヤを悲しませない為に聖杯戦争を止める。

【weapon】アーチャーのクラスカード

【能力・技能】
クラスカード・アーチャーを夢現召喚(インストール)することにより、アーチャーの能力を体現する。
投影魔術等を使用可能。

・疑似聖杯
イリヤと同じく、願望器としての「過程を省いて結果を実現する」魔術特性を持っており、
その特性により、原理がわからないにも拘らずクラスカード「アーチャー」の夢幻召喚を
行使することが可能である。また、「本来はイリヤが持つはずだった魔術知識」を持ち合わせている為、
イリヤ本体とは異なり、魔術理論に関する知識も豊富である。

【人物背景】
もともとは、まだ赤ん坊だった頃に、アイリによって力と共に封印された「本来のイリヤの人格
(生前から施された魔術的処置により、赤ん坊ながら自我と様々な知識を有していた)」。
イリヤが危機におちいった際、封印が一時的に解かれ、危機を回避した後に再封印される、
というプロセスを経るはずだったが、円蔵山の地下大空洞の地脈逆流時に危機を回避しようとした際、
地下に眠っていた『大聖杯の術式』の力により「弓兵」のクラスカードを核として受肉化した。
顔の造りはイリヤと同一だが、「弓兵」のクラスカードを触媒に現界している影響のためか、
イリヤと違って肌が浅黒く、髪もより銀に近い色合いになっている。当初は髪型も一緒だったが、
クロエと名乗るようになってからは左側頭部の髪をまとめたものに変えている。
アーチャー化すると髪は後ろにまとめたものに変化。
基本ラインは一緒だが、イリヤがアーチャー化したものと衣装も異なる。デザインイメージは割れたハート。
封印中もイリヤとは記憶を共有していたらしく、分裂直後でも美遊といった周囲の人々のことは把握している。
性格の基本骨子はイリヤと同じだが、「もしイリヤが魔術師として育っていたら」という存在であるため
「stay night」本編のイリヤに近い性格で、小悪魔的な言動が多い。
キス魔で同性に対して非常にアグレッシブで、イリヤの周囲の女子5人のファーストキスを奪った。
封印の反動か、「日常」や「家族の愛情」といったものに飢えており、
最初にイリヤの命を狙ったのもそれを手に入れるための手段であって、イリヤを憎んでいたというわけではない。
家族として暮らすようになってからは、義兄・衛宮士郎に積極的に迫っては、イリヤと喧嘩する。
ちなみに、イリヤとどちらが姉でどちらが妹かを争っているが、決着はついていない。

【方針】
聖杯を破壊する。
イリヤの元へ帰還する。
魔力供給に協力してくれそうな女マスターを探す。


488 : クロエ・フォン・アインツベルン&アーチャー ◆zOP8kJd6Ys :2014/07/20(日) 18:36:48 mOQ9l8XM0
投下終了です。


489 : ◆EIyzxZM666 :2014/07/20(日) 18:51:51 QblhpAD20
投下します。


490 : ◆EIyzxZM666 :2014/07/20(日) 18:52:30 QblhpAD20









(これは夢…だったのか…わるい夢…いや…いい夢…だった…)











――――これで終わりだと思ったんだがな。


491 : カオスヒーロー&ランサー ◆EIyzxZM666 :2014/07/20(日) 18:53:57 QblhpAD20


現世での最後の記憶。あいつと全力を振り絞って戦い、そして敗れた。
あとはただ消滅するだけで、実際俺ももう意識はなかったんだが、どうやらあれで最後とはいかなかったようだ。
原因は俺が使っていた刀。パートナーであったりえに貰った物だが、この刀の柄にゴフェルの木片というものが使われていたらしく、これが俺をここへ呼び寄せたらしい。
りえはこれがどういうものか知っていたのか、何を思って俺にこれを渡したのか、今となっては分からない。

この辺りは東京のどこかを再現したような街らしく、駅などなんとなく見覚えがある気がする。
当初は記憶を無くしたNPCとして、“カオスヒーロー”だなんて呼ばれる以前の、ただの人間であった頃のような生活をしていた。
記憶を取り戻せたのはあっちの方でのびているオザワのお陰だ。今更俺があんな奴に拘る訳が無いんだ。
お礼に今回は命は取らないでやった。しつこく絡んでくるようなら知らん。


ここで勝ち抜けば何でも願いが叶うらしいが、俺の願いは決まっている。
またあいつの前に立つことだ。

あの後世界がどうなったかは分からない。だがアスラおうにも天使どもにも、あいつをきっと止められないだろう。
もうガイア教もメシア教もどうでもいい。りえでさえも関係ない。
別にあいつを憎んでいる訳でも、殺さなきゃいけない訳でもない。

あいつと勝負をして、そして勝ちたい。それだけだ。

勝って何がどうなるとかは知らん。
一度消滅しかけたせいか、悪魔の力も殆ど失って人間だった頃の姿に戻っている。
だが、せっかくチャンスが来たんだ。
相手が悪魔だろうがなんだろうが、人のままでも戦い抜ける事は身を持って教えられた。


何もしないで、黙って負けっぱなしでいられるか。


492 : カオスヒーロー&ランサー ◆EIyzxZM666 :2014/07/20(日) 18:54:43 QblhpAD20


「さて、俺の相方はどんな野郎だ?」

ここではサーヴァントと呼ばれる仲魔と共に戦うのがルールらしい。
英霊と呼ばれる存在の中から選ばれるらしいが、もしかするとあいつもここに来る可能性もあるのか?
それはそれで面白そうだ。

地面に魔方陣が描かれ光を放ち、サーヴァントが姿を現す。
だが、そこから現れた野郎は、俺が言うのもなんだがとても英霊なんてものには見えなかった。
異常な巨躯。頭から生えた巨大な角。獣のような4足の下半身。
高位の魔獣か何かとしか思えない。これじゃ悪魔召喚だろう。


「キサマがマスターか!俺はランサーのサーヴァント!目指すは優勝あるのみだ!足手まといにはなるなよ、小僧!」


あ?誰が小僧だ?……一応サーヴァントで間違いないようだが。
……そうか、分かった。
こいつは、俺の同類。力を得るため、人ならざるものを己の身体に受け入れた存在。
どんだけ取り込んでんだかわかんねえ、年季の入った大先輩ってところか。

「まあ、やる気満々な相方で何よりだ。よほど叶えたい願いがあるんだな。」
「俺の願いは最強!ここで多く強者と戦い、さらなる力を得る!そして、あやつに勝利する!」
「あんたにも勝ちてえ奴がいるのか。相手はいったいどんな化物だ?」
「いや、異種族の力も借りてはいたが、俺と戦った中で最も強い、俺が勝利したいあやつはあくまで人間であった。」
「……へえ。」

彼はランサーのサーヴァント、ダンターグ。魔物を吸収する事で強大な力を得た「七英雄」の一人。
彼ら「七英雄」と戦い続けたバレンヌ帝国。その歴代の皇帝は血族、種族の境なく、先帝の意志を継いだ者が就任した。
そうして代を重ねるごとに力をつけ、長き戦いに終止符を打った最強最後の皇帝。
再びその者と戦い、勝利する。それが彼の願い。

「まず俺自身で挑んで敗れ、俺たち七英雄が力を結集しても勝てなかった……。
 別に、仲間たちの復讐だとかそんなつもりは毛頭ない。
 ただ、このまま負けっぱなしでいられるか!必ず戻ってやるぞ!」

「……そいつは同感だ。」





荒ぶる英雄たちの、延長戦が始まる。


493 : カオスヒーロー&ランサー ◆EIyzxZM666 :2014/07/20(日) 18:55:36 QblhpAD20

【CLASS】ランサー
【真名】ダンターグ
【パラメーター】筋力A+ 耐久A+ 敏捷C 魔力D 幸運D 宝具A
【属性】混沌・悪 
【クラススキル】
対魔力:D
一工程(シングルアクション)によるものを無効化する。魔力避けのアミュレット程度の対魔力。

【保有スキル】
吸収の法:A
相手の肉体を吸収し、その能力や知識を取り込む「七英雄」の秘術。
ダンターグは己の強さに余計なものが混じるのを嫌い、取り込む対象を凶暴で力強い獣等に絞っている。

怪力:A
一時的に筋力を増幅させる。魔物、魔獣のみが持つ攻撃特性。ダンターグは獣系モンスターを吸収し続けた事で会得した。
使用する事で筋力をワンランク向上させる。持続時間は“怪力”のランクによる。

戦闘続行:A
往生際が悪い。瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。

【宝具】
『超進化(いじめ抜いた自慢の身体)』
ランク:B〜A 種別:対人宝具 レンジ:0 最大補足:1
何十年、何百年とただひたすら己を鍛える事に費やし、何千、何万もの魔物を狩っては取り込み、変貌していったダンターグの身体。
俗にいう第3、第4形態へと進化する能力。第3形態に進化すると筋力、耐久が強化され、第4形態ではそれに加えて再生能力が付き、槍と盾を装着する。
上位形態になるほど魔力の消費は大きくなる。

『活殺獣神衝(この俺の最強の一撃)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:2〜4 最大補足:1
長い時を経て習得した、ダンターグの最大威力の必殺技。第4形態でのみ使用可能。
破格のパワーで槍を振りまわし、狙い澄まして相手の急所をぶち抜く。
この技を受けた者は死を免れたとしても身体に深いダメージが残り、一時的に筋力と敏捷が1ランク低下する。

【weapon】
己の身体を武器に戦う。第4形態では巨大なランスと面のついた盾も使用する。

【人物背景】
出典はロマンシング サ・ガ2。魔物を吸収する事で得た力で魔物から人々を守っていた古代の英雄「七英雄」の一人。
元は暴れ者と評判の傭兵。彼はただ自身を強くする事を望み、この一員に加わった。
古代人たちは次第に強くなりすぎた「七英雄」を恐れ、彼らを異次元に閉じ込める。元の世界へ戻ってこれた頃には長い時間が過ぎており、古代人たちは既に別世界へと旅立っていた。
「七英雄」たちはその後、ある者は復讐のため古代人たちを追う手段を探し、またある者は自身の欲望のために行動を起こす。
復讐等に興味がないダンターグはさらなる力を求め、ただひたすらに洞窟の奥深くで魔物と戦い続けた。
そして、野心を持った「七英雄」の一人がバレンヌ帝国に攻め入り第一皇子を殺めた事で、バレンヌ皇帝と「七英雄」の長い闘いの歴史が始まる。

【サーヴァントとしての願い】
強者と戦いさらなる力を得て復活し、最終皇帝にリベンジ。

【基本戦術、方針、運用法】
基本は第2形態で行動。強い奴を見つけて倒す。気に入ったやつがいれば吸収。


494 : カオスヒーロー&ランサー ◆EIyzxZM666 :2014/07/20(日) 18:56:27 QblhpAD20

【マスター】カオスヒーロー
【参加方法】刀の柄がゴフェルの木片で出来ていた。
【マスターとしての願い】もう一度、あいつの前に立つ。
【weapon】
『無銘の刀』
カオスヒーローが使っていた由来不明の刀。数多くの高位悪魔を切ってきたこの刀はサーヴァントに対しても有効。
だが悪魔の力を失った今、白兵戦の得意なサーヴァントと切り結ぶのは危険。

【能力・技能】
炎の術と一部の補助、状態回復の術が使える。
以前はサーヴァントにも負けない力を持っていたが、かつての力の殆どを失っている。
大量の魔力を確保すれば、失われた力の補填も可能かもしれない。

【人物背景】
出典は真・女神転生。“力を求める渇いた魂”を持っていた男。かつて、悪魔が出現し混迷を極める東京である少年と出会い、行動を共にしていた。
悪魔と手を組み新宿を支配していた男、オザワと因縁のあった彼は、悪魔と合体し強大な力を得た事で復讐を果たす。
その後、考えの相違で少年と別れ、自由と混沌を重んじるガイア教の元で活躍し、いつしか彼は“カオスヒーロー”と呼ばれる。
その過程で、一匹狼であった彼も「りえ」というパートナーを得る。
そして彼女の見守る中、ガイア教の精神にも法と秩序を重んじるメシア教の精神にも染まらなかった、あの少年と対決する事となる。

【方針】
優勝を目指す。もっと強くなる。


495 : カオスヒーロー&ランサー ◆EIyzxZM666 :2014/07/20(日) 18:57:13 QblhpAD20
投下終了です。


496 : カオスヒーロー&ランサー ◆EIyzxZM666 :2014/07/20(日) 19:32:09 QblhpAD20
すいません。投下直前で削っちゃったんですけどダンターグにこの宝具を追加で


『武血火魔死(ぶ ち か ま し)』
ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:1〜20 最大補足:30
ダンターグの代表的攻撃手段。その名の通り、ただ思いっきり敵陣にぶつかっていく。
ただそれだけで魔物の群れは消し飛んだ。


497 : ◆ZETT/RRB.g :2014/07/20(日) 19:48:00 PEI.zJW.0
投下します。


498 : 瀬戸幸助&キャスター ◆ZETT/RRB.g :2014/07/20(日) 19:48:42 PEI.zJW.0


深い深い海の中の眠り姫。

魔王に囚われ心を閉ざす。

千年経っても目覚めない。


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


川。対岸には誰もいない。少年達は土手の斜面を沈むように下っていった。
流れる水の速度は一定で、夜の中にせせらぎは涼やかに心地よく聞こえる。軽快に草を踏んでいく音がそこに交じった。
河川敷に設置された公園。設置された寂れた遊具。……休日には使われることもあるだろうか。

――何のために。

ふと浮かんだ疑問は普段ならば思い付くこともないだろう。
知りたければセトは……瀬戸幸助は心を覗くことが出来る。
だが、彼はその能力を嫌っており滅多なことでは使わないし、それをしたところで本当に知りたいことに辿り着くかは微妙だ。

作られた世界で遊ぶNPCたち。それらしくあるためのそれらしき存在。その中には記憶を失ったままの者もいるのかもしれない。
取り戻した記憶から――否、与えられた記憶から、この虚構世界の成り立ちのようなものは得ていた。
予選を通過したことも、今はわかっている。認めなければならない。

――サーヴァントが目の前に現れたのだから。

長い黒髪。白の外套。星の文様をあしらった飾り。
だまし絵が一瞬で新たな姿を見せるように、気付いた違和感が世界の様相をがらりと変貌させる。
現界したサーヴァントは『未来王』と名乗った。
知る人はその言葉から"かつての、そして未来の王"と墓碑に刻まれたアーサー王を思い起こすかもしれない。


499 : 瀬戸幸助&キャスター ◆ZETT/RRB.g :2014/07/20(日) 19:49:20 PEI.zJW.0


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


道はどこまでも続くかのように川に沿って伸びていた。
歩けば月がついてくる。見上げればいつものようにそう見えるだろうか。

「……月が気になるかい?」

前を歩くサーヴァントが後ろも振り返ず、マスターに問うた。

「……そうっすね。色々なことがあって整理が追いつかないっすけど
 いつも見ていた月に、こっちも見られてたって何だか不思議な気分っす」

今尚、地球を観測し続ける月。途方もなく膨大な演算装置。ムーンセル・オートマトン。
ありとあらゆる事象の改変さえ可能な万能の願望機を前に、セトの答えはあくまで感傷的なものにとどまった。

「……願いはないんだね」
「人を殺して願いを叶えるなんて、……間違ってるっすよ」

諦観が含まれているためか。その声に力はない。
英霊となってさえ、まだ追い求める願いがある。
死は、人が願いを求める為の歯止めにならない。

「おかしな話だな。お前は僕の願いが何か、もう既に知っているはずだろ。セト」

何より、そのサーヴァントの願いは人の滅びだ。


500 : 瀬戸幸助&キャスター ◆ZETT/RRB.g :2014/07/20(日) 19:50:03 PEI.zJW.0



■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


結局また学校というものに馴染めなかった。耳を塞いでも届く声。狭い世界が崩れていった。
目覚めるマスター達が、この世界は違うと叫ぶ。制御を忘れた力が暴発し、心をかき乱す。
逃げるように飛び出して、いつかの森を目指した。行けど探せどあの家に辿りつけない。
探しているものが何なのか。自分さえわからないものに答えてくれる者は誰もいない。
からっぽなんだと思った。迷い込んだ森でようやく気付けたのはそんなことだった。

「ちっちぇえな」

――キャスターのサーヴァントである麻倉ハオが現れたのはそんな時だ。
それは心臓をつかみ出す声だ。それは魂に突き刺さる声だ。そして心にいつまでも残る声だ。
蛇に睨まれた蛙のように固まり、視線も逸らせずセトの赤い目がサーヴァントを直視した。

サーヴァントとマスターを繋ぐパスが、二人の持つ心を読む力をより伝わらせる。鬼の力。蛇の力。
合わせ鏡のようにお互いの心を再現なく幾重にも映し出した。幻惑にも似た一瞬のうちの無限。円環の中で永遠に繰り返される反響音。

セトはそこに子犬にすがる己を見た。
ハオはそこに小鬼と戯れる己を見た。


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


「そういえばラザホーも面白いことを考えていたな。
 心から生まれた悩みや苦しみは心を消去する以外解明する術がない。
 シャーマンファイトは心を解明するために始められたのではないかとね」

黙るセトを余所にハオは淡々と言葉を紡いでいく。

シャーマンファイト。それは霊と交流できるシャーマン達の王を決める戦い。
そして全ての魂が生まれ、全ての魂が還る場所。グレートスピリッツを巡る戦いだ。
500年に一度地球に接近する羅?と計都星、二つの凶星が開幕を告げる。
パッチ族十祭司に導かれ、シャーマンは己の持霊を具現化する術を学び、星の聖地を目指す。
星の導きにより辿り着いたシャーマンは最初の洗礼を受け、己の内に眠る星の記憶を呼び覚ます。
56億年もの記憶を。戦いに勝ち、シャーマンキングとなったものは全ての記憶を得たものとなる。
ありとあらゆる存在の魂を得た全知全能のそれはもはや神に等しい。

「……つまりこれも同じってことっすか?」

人と霊。いくつかの重なる符号は何かを示しているようにも思えた。咄嗟に声をあげたセトをハオの眼差しが静かに制する。

「さてね。興味深くはあるが、僕にとってはどうでもいいことさ。方舟にはまた別の役割があるのかもしれない。
 ……勝ち残る上では大して重要なことじゃない。人を殺すのに心なんていらないからね」

怒り、嘆き、悲しみ、苦悩、妬み、憎悪。無数に流れこむ人の心。心を鬼に喰われたハオがそれを言う。


501 : 瀬戸幸助&キャスター ◆ZETT/RRB.g :2014/07/20(日) 19:50:37 PEI.zJW.0


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


「若く見えてもおじいさんじゃないっすか。心配っすよ」

と言って夜の散歩に行くと言い出したサーヴァントに無理やり付き合うことにして、どれだけの時間が過ぎただろう。
心を見透かされてるため、何を言っても本心は筒抜けではあるのだが、心配であることに嘘はないと心のどこかで言い訳する。
誰にも出会わなくてよかった。まだどうすればいいか答えは出ていない。……答えなんてあるのだろうか。

『教えてあげようか』――そんな目でハオが笑って見ているようだった。慌てて首を振る。

……あまりにも違うとセトは思う。千年は人が理解するには、人が生きるには、途方もなく長い年月だ。
マリーの百年ですら、どれだけわかってあげられているだろうか。そもそも自分にわかることなど簡単なことでしかないけれど。

森の奥。人目につかない家。一人隠れ住む少女。助けてと声がした。
それは自分にしか聞こえない声で、自分の叫びのような声で。
森へと逃げ込んでいたはずなのに、助けることでいっぱいになった。
世界は案外怯えなくていいんだよ。大丈夫だよ。泣かないで。

マリーのことを何一つ知らず、ただ自分と重ねて、絵本みたいに救い出せたらと。
マリーが自分の持つ力に怯えてることも、化け物と思われ、母親を連れ去られたことも知らずに。
目を見たら固まってしまうという言葉を取り違えて勘違いもした。心を読めたって何がわかるというのか。

ハオは間違っている。そう思うのにあの時のように言葉が出てこなかった。
ハオは助けを求めている。そう思うのにあの時のように何をすればいいのかがわからない。
流れこんだ情報はあまりに膨大で凄惨。けれど、そこにはどこか切なさがあった。
……人間を否定する冷えきった心は雪のように。涙のように。


帰り道。
少年の頃の勇気が欲しい、明日を変える勇気が欲しい、とセトは月を見て願うように思った。


502 : 瀬戸幸助&キャスター ◆ZETT/RRB.g :2014/07/20(日) 19:51:27 PEI.zJW.0
【クラス】
 キャスター

【真名】
 麻倉ハオ@シャーマンキング

【パラメーター】
 筋力D 耐久D 敏捷D 魔力EX 幸運D 宝具A++

【属性】
 混沌・悪

【クラススキル】
 陣地作成:A
 陰陽師として、自らに有利な陣地を作り上げる。
 道具作成:A
 巫力を帯びた術具や式神を作成できる。

【保有スキル】
 陰陽道:A++
  『超・占事略決』としてまとめられ、千年後の世にも通じる数々の強力な巫術を開発した。
  降魔調伏、式神の作成法、巫門遁甲、三日月ノ祓、呪禁存思、禁人呪殺などと多岐に渡る。
  
 霊視:A
  見ることなく聞くことなく相手の心や事柄を把握する。魂を見る力が特化したもの。

 対魔力:A
  儀礼呪法等への対抗は特に強く、呪詛返しとして破った呪いを相手に返す。

【宝具】
 『S・O・F(スピリット・オブ・ファイア)』
  ランク:A++ 種別:対軍宝具 レンジ:1-50 最大補足:1000
  全ての魂の集合体グレートスピリッツから火という特性を抽出して完成させた五大精霊の一つ。
  そのため持霊とした者はグレートスピリッツの最上位のコミューン内でも、王の意思に背いて存在することが出来る。
  グレートスピリッツと同質の魂の集合体であるため、魂を吸収するごとにその力は増していく。
  空気を媒体として具現化され、ありとあらゆる炎の力を持ち、魂さえも焼き尽くす。
  更にハオは陰陽術でS・O・Fの属性を変えることにより、別属性の力さえも使いこなすことであらゆる状況に対応する。

  これだけでも十二分に強力過ぎるが、甲縛式O.S『黒雛』として身にまとうことでこそ、その真価は発揮される。
  その力は衛星砲からの攻撃さえ防ぎ、島を1秒とかからず吹き飛ばす天使アザゼルを一撃で葬り去ってしまうほど。

【weapon】

【人物背景】
 大陰陽師・麻倉葉王。
 陰陽道を究め、閻魔大王との契約により『泰山府君の際』で自らの輪廻転生さえ自在に操る。
 幼少期は母と子、二人暮らし。共に鬼が見えるため周囲からは疎まれ迫害されていた。
 化け物退治と称して母は焼き殺される。一人となったハオに声をかける鬼がいた。
 200年を経た罪人の魂から生まれた小鬼の乙破千代。
 共に過ごすうちにお前みたいな鬼になれたらと言うハオに乙破千代は鬼の力を授ける。
 心を読む力。それにより母の殺害を命じた田浅法師の魂胆を知ることとなる。
 復讐を果たすことで鬼の力は抜けなくなり、乙破千代も姿を消した。
 その後、陰陽師の師に拾われ、その名を高めていくこととなる。
 鬼さえ恐れる鬼神を従え、あらゆる占術とあらゆる巫術をもって世に活躍したハオ。
 だが、その心は苦しむ民と強欲な貴族たちの権力抗争の闇に呑まれ、優しさを失っていく。
 そして、いつしかシャーマンの理想世界を創るべくシャーマンキングを目指すこととなる。

 パッチ族に転生することにより、パッチ族の至宝とも言うべき五大精霊の一つを奪ったハオ。
 だが、その企みは子孫である修験者・麻倉葉賢の「修験の極み」と、己が巫力を与えていた猫のマタムネに打ち砕かれる。
 屍の溢れた鴨川に病におかされながら死も鬼も恐れず勇敢に生きる一匹の猫。その気高き姿をハオは見捨てられなかった。
 唯一の友。霊となったあとも御霊として傍にいて欲しいと思った友に倒され、ハオは何を思っただろうか。
 それでもシャーマンキングを諦めることはなかったが。

 再び麻倉の血を手に入れるため、子孫の麻倉家へと転生したハオは双子として生まれてくることになる。
 片割れの葉を「半身」と呼び、それを試練とも受け取ったハオは何かと弟とその許嫁であるアンナに目をかける。
 アンナは心を読み、鬼を呼ぶ、ハオと同じような力を持っていた。その苦しみから救い出したのが葉だった。

 二度のシャーマンファイトの経験から圧倒的な力を持ちながらも仲間集めにも尽力を注ぐことになる。
 恨みを集めるように逆らう者は殺していった。部下達に敬われたとして、どこかでどうでもいいと思う心は隠せない。
 心を読めるのだから、求めている言葉がわかる。そこに自分の言葉はあっただろうか。
 唯一、心を読む力を持ちながらもきれいな心を失わないオパチョと、ただひたすら強いラキストにだけ自分の能力を打ち明けていた。
 後に事実を知った部下のペヨーテは裏切り、多くの仲間を道連れにしていく。

 それでも圧倒的な強さをもったハオが勝ち続けることに変わりはなかった。けれど、その強さは弱さを隠すためのものではないか。
 「だ っ て あ い つ 友 達 い ね え だ ろ」
 葉は力では勝てないハオに心で勝とうとする。


503 : 瀬戸幸助&キャスター ◆ZETT/RRB.g :2014/07/20(日) 19:51:59 PEI.zJW.0


【サーヴァントとしての願い】
 人を滅ぼし、シャーマンの世界を創る。

【基本戦術、方針、運用法】
 強力ではあるものの何をおいてもS・O・Fが基本となってくるので、使用不可になる状況は避けよう。
 魂喰いは欠かせない。手駒を増やして極力自分で戦わないで済む状況を作ることも大切だ。
 本性は寂しがりなので仲間集めも厭わず、霊視能力によって協力者を難なく見つけてくれることが期待できる。
 ただ協力しない者の殺害に躊躇をしない上、悪評にも頓着しないため、敵を増やす危険性に注意。
 情報を集める上でも、非常に有力な能力持ちなので大半の相手に優位性をもった上で交渉に臨めるだろう。

 グレートスピリッツと一体となる一時的な死の眠りの状況下で呼ばれているので、グレートスピリッツの試練である可能性を考えている。
 とはいえやることは何一つ変わることはない。


【マスター】
 瀬戸幸助@カゲロウプロジェクト

【参加方法】
 バイト先の花屋が入荷した物の中にゴフェルの木片が混じっていた。

【マスターとしての願い】
 思い浮かぶ願いはいくつかあるが、人を殺してまで叶えるものではないと思っている。
 取り憑いている蛇は「言葉を使わず、気持ちを伝えられたら」という願いに反応して今も身に宿っている。
 それが今回の召喚に関係しているかは不明。

【weapon】

【能力・技能】
 『目を盗む蛇』
 人間の持つ炎に追い立てられ、初めて恐怖と痛みに怯えたメデューサ・アザミが生み出した能力。
 情報を読み取る力。相手の考えていることを読み取り、強く発動すれば相手の記憶や過去まで読み取ることができる。
 動物の心を読むこともできるが、動物に人間の言葉が通じなければあくまで一方通行。

【人物背景】
 楽曲「少年ブレイヴ」の主人公。裏表のない誠実な人柄をしており、大抵のことは受け入れる度量もある。
 両親がおらず幼い頃は臆病で泣き虫、周囲との会話も満足に出来ず、いじめられて一人過ごす毎日だった。
 雨の中、濡れる子犬を見て友達になろうと声をかける。自分を傷つけず庇護を求めるような子犬に救いを求めた。
 けれど、ある日氾濫する川に子犬は悪意で投げ込まれ、助けようとしたセトも飛び込んだ結果、死亡することに。
 8月15日に二つの命が失われた時、黒い蛇が命を呑み込む。カゲロウデイズ。吐き出されたのはセトただ一人だけだった。
 その結果手に入れた能力は彼を更に追い詰めることになるが、その能力をきっかけに仲間と家族を得ることにも繋がる。
 児童養護施設。107号室。化け物部屋と呼ばれたそこに押し込まれたキド・カノ・セトの三人は能力との付き合いに悪戦苦闘する。
 友好を深め、時には喧嘩もして、同じ時を過ごしたのち、彼らは楯山家に引き取られることになる。やっと手に入れた幸せだった。
 幸せであったとしても物事がうまく行くとは限らない。学校に馴染めず、能力の暴発は常にセトを苦しめた。耐え切れず家を飛び出す。
 迷い込んだ森で少女と出会った。目を合わせると固まってしまうと怯える少女に、僕も同じだと声をかける。
 少女を助けることでセトは少しずつ自分の能力の制御ができるようになっていく。いつの日か少女を外の世界へ連れ出すのだった。

 ある悲劇を避けるため少女は世界を呑み込んで時を巻き戻し、セトは同じ出会いを物語のように繰り返す。何度でも何度でも。

【方針】
 ハオの記憶から生き返らせる術があることは知ったが、殺し合いへの忌避感は消えない。
 仲間のもとに帰りたいため、ハオの全てを否定することもできない。とはいえハオを放っておけば世界は破滅する。
 打開する何かを探したい。


504 : 瀬戸幸助&キャスター ◆ZETT/RRB.g :2014/07/20(日) 19:52:32 PEI.zJW.0
投下終了です。ありがとうございました


505 : ◆X8NDX.mgrA :2014/07/20(日) 20:16:34 qHI1mmuU0
投下します。


506 : 堂島菜々子&キャスター ◆X8NDX.mgrA :2014/07/20(日) 20:19:03 qHI1mmuU0
もうすぐ、お兄ちゃんがトカイに帰っちゃう。
お兄ちゃんがいなくなってしまう。
そんなの、いやだ。
せっかくほんとうの『かぞく』になれたのに。
おわかれなんて、したくない。





この世に奇跡があるのなら。
それに縋ることは悪いことではないだろう。
黄金練成でも成し得なかった奇跡。
あの少年ではなく、私が彼女を救った世界。
例え負け惜しみでも、願わずにはいられない。





記憶を取り戻したマスターを前に、私は平然と立っていた。
マスターは――年端も行かない少女をこう呼ぶのは些か違和感があるが――私を見て目を丸くしていた。
恐らく今、少女の脳には聖杯戦争に関わる数多の情報が流れ込んでいる所だろう。
幼いということは、脳の処理速度が遅いということである。
自らの意志で聖杯に願ったとはいえ、現状を完全に理解するには時間を要するに違いない。

「お兄さんが、サーヴァント、さん?」

そう思った矢先の問い掛けに、ほう、と私は感心した。
状況を把握しようと私に質問を投げかけてくるあたり、年の割には賢いらしい。
サーヴァントという言葉も、一応は理解できているようだ。
私は首肯して、少女の右胸を指で指し示した。

「必然。私はキャスターのサーヴァント。そして君の胸にあるのが、契約の証。令呪だ」

少女は聴き慣れない言葉に困惑したようだが、少ししてから自分の胸を覗き込むように首を下に曲げた。
少女は一瞬驚きの声を上げかけたが、私に聞かれることを恥ずかしがったのか、直ぐに止めた。

「……さっき、チクッとしたのって、これ?」
「当然。それは令呪が君の身に刻まれたときの痛みだろう。
 ――ところで、マスター。君の願いを教えて欲しい。この聖杯戦争で、何を願う?」

願い。その単語を聞いた途端、マスターは口を真一文字に結んだ。
そうして口を開けるか否かを逡巡したあと、躊躇いがちに話し出した。

「お兄ちゃんが、明日トカイに帰っちゃうの。
 もっとお兄ちゃんとお話ししたかったのに。いっしょに遊びたかったのに。
 ……なのに、お兄ちゃん、帰っちゃうの」

マスターはうっすらと涙を浮かべ、声を僅かに震わせながら話した。
私はソファに腰掛けて、マスターが続きを話すのを待った。


507 : 堂島菜々子&キャスター ◆X8NDX.mgrA :2014/07/20(日) 20:20:08 qHI1mmuU0
「だから、お兄ちゃんのおへやにあったこれでおいのりしたの。
 お兄ちゃん、行かないでください、って。テレビでやってたみたいにおいのりしたの」

そう言いながら、マスターは服のポケットから木の十字架を取り出して見せた。
私はそれを手に取って、じっくりと見つめた。
恐らく、いや確実に、これが『ゴフェルの木片』だろう。

「判然。マスターの願いは把握した」

話を聴く限りでは、マスターは殆ど巻き込まれたようなものだ。
たまたま手にしたゴフェルの木片が、無垢な少女を戦争に巻き込んでしまった。
願いを叶える意志はあっても、血みどろの戦争に臨む意志はない。
そのことも勿論、聖杯を求める私にとって誤算ではあった。
だが、それよりも私の心を打ったのは、少女のただただ純粋な願いだ。
この少女は、兄のことをかなり強く想っている。

「……寂然。私もいつまでも想われたかったものだ」

目を伏せて、かつて共に過ごした少女――インデックスを追想する。
インデックスも、マスターが兄を想うように、私のことを強く想ってくれた。
だがそれは、昔の話。インデックスが記憶を失う前の話。

「……こんなことを考えても意味はないな」

インデックスは上条当麻に救われたという。
私がしてきた行為は、全て水泡に帰したということだ。
だが、聖杯に願えば。万能の願望機に願えば、奇跡が起こる。
私自身の手で、インデックスを救うことができる……!

「……?キャスターさん、だいじょうぶ?」

声に目を開けると、マスターが心配そうな顔を私に向けていた。
その顔の近さに私は驚いて、声を出しそうになった。
ついさっきまで寂しそうな顔をしていたのに、私を気にかけてくれたというのか。
どこまで純真無垢で、優しい子なのだろうか。
そんな少女の様子がどこかインデックスと被って、私の心は少し暖かくなった。

「漫然。心配は無用だ。それより、まだマスターの名前を訊いていなかったな」
「えっとね、菜々子!堂島菜々子だよ!」

元気よく名前を述べた少女を見て、私は思わず顔が綻んだ。
インデックスを救う為だけに、この戦争に参加したつもりだった。

「キャスターさんの名前は?」

だが、本当は気付いている。
聖杯に願ったところで、願望が成就したところで、インデックスは喜ばないだろう。
私の心は、大きく揺れ動いていた。
私はどうしたいのか、どうすればいいのか、まだ分からない。

「私の名はアウレオルス=イザード。よろしく、菜々子」

それならば、あるいはこの少女の為に戦うというのも、存外悪くないかもしれない。


508 : 堂島菜々子&キャスター ◆X8NDX.mgrA :2014/07/20(日) 20:21:37 qHI1mmuU0
【クラス】
キャスター

【真名】
アウレオルス=イザード@とある魔術の禁書目録

【ステータス】
筋力E 耐久E 敏捷D 魔力A 幸運E 宝具EX

【属性】
秩序・悪

【クラススキル】
陣地作成:B
自らに有利な「工房」を作成可能。

道具作成:B+
魔力を帯びた器具を作成可能。
意思を持った魔術人形を作ることも可能である。

【保有スキル】
錬金術:A
様々な物質をより完全な存在に練成する試み、またはその技術のこと。
これを用いて『瞬間錬金』のような戦闘用の武器の作成や『黄金練成』のような強力な魔術の行使ができる。

高速筆記:A
速筆のスキル。魔道書を書くことに長けている。
不眠不休で取りかかれば、薄いものなら3日、分厚くても一か月で書き上げられる。

自己暗示:D
自身にかける暗示。精神攻撃に対する耐性を少しだけ上げる。
キャスターは鍼を自身の首筋に刺すことで発動している。
キャスターの場合は宝具の特性と相乗効果を成しているため、不可欠である。

【宝具】
『黄金練成(アルス=マグナ)』
ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:1〜∞ 最大補足:∞

アウレオルス=イザードが辿り着いた、錬金術の到達点。
アウレオルスが頭の中に思い描いた事象を、現実に引っ張り出すことが可能になる。
自分の考えた通りに世界を歪める、理論上では全能の力。
その強力さ故に、発動には数百年以上かかる詠唱が必要となっている。
しかし、アウレオルスは二千人の人間を操り、一斉に詠唱させることで作業効率を上げ、僅か半日で発動させた。
その不可能を可能にした逸話が元となり、彼の宝具になった。

弱点は、思ったこと全てが具現化されてしまうこと。
アウレオルスが「勝てない」と思った瞬間に、その事象が具現化し自滅が決定する。
また、疑念や不安といった思考も具現化されてしまうため、術者の精神力に依るところが大きい。
上記の弱点を克服するために、アウレオルスは言葉にすることで思考を固めて、かつ鍼を使い不安を減らしている。
またそれによって発動までにタイムラグが生じ、一度にひとつの事象の具現化しかできない。
更には、口にするため攻撃が先読みされやすい、という欠陥がある。

作中で発動した果の一部を、以下に記載する。
・物質の具現化
・記憶操作
・瞬間移動
・空間操作
・死者蘇生
・即死攻撃
以上から分かるように、物理的な常識は完全に超越している。


【weapon】
・瞬間錬金(リメン=マグナ)
 鎖の付いた黄金の鏃。魔力を固めたエーテル体。
 僅かでも傷つけたものを即座に灼熱の黄金に変換することができ、その黄金を操るアンテナの役目も果たす。
 速度も速く、一秒間に6〜10回の射出と巻き戻しが可能。
・アウレオルス=ダミー
 アウレオルスが防衛のために作った人形。外見はアウレオルスと全く同一。
 自分をアウレオルス=イザードと信じ込んでいる。瞬間錬金を武器として戦う。


509 : 堂島菜々子&キャスター ◆X8NDX.mgrA :2014/07/20(日) 20:22:32 qHI1mmuU0
【人物背景】
パラケルススの末裔たる錬金術師。18歳。
長身にスーツを着た男。緑に染めた髪の毛をオールバックにしている。
魔法名は『我が名誉は世界のために(Honos628)』。
元ローマ正教の『隠秘記録官(カンセラリウス)』で、魔女の脅威から人民を守る為に魔道書を書いていた。
ある時インデックスと出会い、彼女を救う為に魔道書を書くようになった。
しかし、救うつもりが彼女に救われていたことに気付き、筆を進められなくなった。
そして少女を救う為にローマ正教から離反し、全世界を敵に回した。

だがしかし、少女を救う準備が整ったとき、既に少女は救われた後だった。
少女を救った上条当麻に対して怒りをぶつけたものの、未知の要因である『幻想殺し』の前に敗北。
戦闘のショックで記憶を失い、ステイル=マグヌスに整形されたのちに放逐、別人として生きることとなった。


【サーヴァントとしての願い】
自分がインデックスを救うこと(ただし、迷っている)。

【基本戦術、方針、運用法】
ステータスは軒並み低いので、他のサーヴァントとの真っ向勝負は危険。
超強力な宝具、ならびにそれを生かせる陣地を用意し、利用するのが適当。



【マスター】
堂島菜々子@ペルソナ4

【参加方法】
鳴上悠がダンジョンで拾ってきた、ゴフェルの木片で出来た十字架を、たまたま手に取ってしまった。

【マスターとしての願い】
お兄ちゃんといつまでもいっしょにいたい。

【weapon】
なし。

【能力・技能】
特筆すべきものはなし。

【人物背景】
ペルソナ4において、主人公の従妹にあたる小学一年生の女の子。
幼い頃に母親を無くしており、堂島家の家事全般を担当している。
やや内気だが、純粋で優しい性格。空気を読むこともできる。
主人公たちとは時間が経つにつれて親交を深めていき、メンバーにとって大事な存在となっていく。
特に主人公は「お兄ちゃん」と呼び慕うほどで、同じ家で過ごすうちに本当の兄妹のような信頼関係を築く。
終盤では、「お兄ちゃんのおよめさんになる」とも発言している。

【方針】
とりあえずキャスターさんといっしょに行動する。


510 : 堂島菜々子&キャスター ◆X8NDX.mgrA :2014/07/20(日) 20:23:06 qHI1mmuU0
投下終了です。


511 : レックス&セイバー ◆vE7Jb4ucI6 :2014/07/20(日) 20:23:52 Kv7AQCTs0
投下を開始します。


512 : レックス&セイバー ◆vE7Jb4ucI6 :2014/07/20(日) 20:24:28 Kv7AQCTs0
ボクの名前はレックス。
月海原学園に通う小学生。
物心付く前に両親と妹を事故で失くして、おじさんと二人暮らし。
でもそれを、不幸だなんて思ったことはなかったんだ。
おじさんは優しいし、料理がとっても上手だし。

そんなボクには今、ちょっとした秘密があって……。

「ただいまー」

「坊っちゃん、今日は早かったですね。
 今日のおやつは特製のカスタードプリンです」

「わあ、おいしそう!
 二階の部屋に持って行って良いかな」

「ええ、構いませんが……。
 ここ数日の坊っちゃんは部屋におられることが多いですな。
 友達とスポーツなどをされるのがあれほど好きだったというのに……」

「う、うん、最近は読書にハマってて、さ」

「ほう、それは感心なことです。
 ……様を見習って……はて? 誰のことでしたか……?
 と、それはともかく、最近、夜中に何やらゴソゴソと音がするのです」

「!!」

「坊っちゃん、もしや捨て猫をこっそり飼われていたりはしませんか……?」

「い、い、いや、何も拾ってきたりしてないよ?」

「そうですか。まあ、ここは借家ではありませんし、犬や猫の一匹や二匹なら
 正直に話してくださればすぐにでも飼うことができますよ」

「そ、そっか」

「坊っちゃんが何も拾われていないというのであれば、
 屋根裏か床下にネズミでも潜んでいるのかも知れません。
 見つけたらすぐにこの私に申し付けて下さい。すぐに捕まえて追い出しますので」

「あ、ありがとう……お皿、後でここに返しに来るから」

危なかった……。
おじさん、ヘンな所で鋭いんだから……。

おじさんの勘づいているとおり、確かにボクは数日前に生き物を拾ってきて
二階の部屋で秘密でかくまっているんだ。
だけど、その生き物というのが……。


513 : レックス&セイバー ◆vE7Jb4ucI6 :2014/07/20(日) 20:25:01 Kv7AQCTs0

「ただいまー、『セイバー』。ボクだよー。……大人しくしてたかー。」

「あ! 『マスター』! おかえりー!」

部屋の扉を開けるとボクの胸に飛び込んできたのは……小人。
身長20センチ程で、赤い着物を着た、ショートヘアの女の子。
頭には帽子代わりのお椀までかぶってる。
名前は……『セイバー』というらしいんだけど。
数日前に学校の帰り道で捨てられているのを拾って、それからこうして部屋の中でかくまっている。
だけどおじさんに……言える訳ないよねぇ。犬や猫ならともかく、小人なんて。

「今日のおやつは……プリン!? いただきまーす!!」

「ちゃんとボクの分、残しといてよね?」

ボクの気苦労も知らず、セイバーはスプーンをスコップのように持ってプリンの山をひとすくいし、
顔をうずめて直接食べ始めていた。見た目だけは絵本の中から飛び出してきたみたいな可愛らしい光景だけど……。
あーあ。顔も髪の毛もベトベトだ。後でお風呂の用意してあげなきゃ……。

「セイバー、勝手に『アレ』は使うなって言ったじゃない…」

ため息混じりに部屋の中に視線を戻すボク。
部屋に戻ったボクを出迎えてくれたのは、小人のセイバーだけではなかった。

ページを蝶のように羽ばたかせて、宙に浮く絵本。ページは色々な表情の顔になっている。
テレビの前で大きなドラムに腰掛け、こちらの様子をニコニコして見ている赤髪のお姉さん。
身体の回りには、フラフープで繋がれた雷太鼓が浮いている。
そして、目と口が付いたトゲトゲ球の頭と、鎖の身体を持つ、鉄のヘビ。

「まったく、おじさんにバレたらどうするのさ……」

彼らがここにこんな姿でいるのも、セイバーが来たことが原因だった。
一日目。セイバーを拾った日。
セイバーは持っていた金ピカのハンマーでおもむろに本棚の絵本を叩いていた。
すると絵本が独りでに動き出していた。1時間もしたら元の本に戻ったからよかったけど……。

二日目。
音楽に合わせて太鼓のコントローラを叩くゲームを遊んでいたら、セイバーが私も遊びたいと言い出したんだ。
交代してあげたら、セイバーは何を思ったか、
コントローラを専用のバチじゃなくて例のハンマーで叩いてしまう。
すると、太鼓のコントローラは白い煙を上げ、赤髪のお姉さんに姿を変えていた。
その時は流石にビックリして腰を抜かしちゃった。
女の人を連れ込むなんて、いくらなんでもシャレにならないよ。

そして今日、三日目。
昨日みたいなことが続いたら流石におじさんにバレちゃうよ。
という訳で、学校に行っている間このハンマーは没収。
……しようとしたら、『じゃあ私も学校についていく』なんて言い出すから、
キツく釘をさしておいたはず、なんだけど……。


514 : レックス&セイバー ◆vE7Jb4ucI6 :2014/07/20(日) 20:25:34 Kv7AQCTs0

「ね、ねえ、セイバー、何だか……増えてない?」

「うん、頑丈な子が生まれるかなーと思って、作ってみたんだ」

「ガション、……ガシャシャ」

『新しいお友達』、鉄で出来た蛇が、見た目通りの金属質な鳴き声を上げながらボクの足元に擦り寄ってきていた。
すねに伝わる感触は、硬くて冷たい。
オモチャとかじゃないよ、コレ……全身鉄だ。

……その時ボクは、頭の奥の方で妙な痛みを感じたんだ。

「……セイバー。この子は、何を元に作ったの?」

「むぐ、むぐ。見ての通り、鎖分銅だよ。……いや、フレイルとか、
 『モーニングスター』って言った方が良いのかな?」

セイバーは、プリンを口いっぱいに頬張りながらあっけらかんと答える。
……そんなことは解ってるんだ。
ようやく、お■■の居場所を突き止めて、旅に出るときに準備してもらった武器。
どうして、こんな所に? こんなもの街で持ち歩いてたら、おまわりさんに捕まっちゃう。

「えっ、いや、ちょっと待って。そんなモノ、どこにあったのさ?
 まさか、家の外まで探しに行ったって訳じゃないよね?」

「……クローゼットの奥」

セイバーは、その小さな手でクローゼットを指差した。
ボクがクローゼットを開くと、奥に布袋が一つ転がっていた。
丈夫そうな布地で、使い込まれていて、土や砂で少し汚れている。
引っ張りだそうとすると、想像以上の重さを感じた。
袋の中からガチャガチャと金属の当たる音が聞こえる。

何とか袋を部屋に引きずり出し、中身を空けてみると、出てきたのは……

「鎧に、盾に、かぶと? そしてこれは……ボロボロのマント?」

ファンタジー映画で出てくる西洋の騎士が使っていそうな、金属の防具だった。
その一つ一つに細かい傷や凹みがいくつもついていて……使い込まれている。
サイズが妙に小さい。まるで子供用だ。試しにカブトを被ってみると、ボクにピッタリだった。
サイズが合っているだけじゃない。妙に肌になじむ。まるでボクが常日頃から身につけていたように。

……そうだ、ボクは……!

「ううっ!」

突然、ボクは激しいめまいに襲われて、床にうずくまってしまった。
頭の中にいきなりぶちまけられた、何年分もの、たくさんの、たくさんの記憶。
ものすごい量の言葉が、映像が、思い出が……頭の中を嵐のように駆け巡り、
立っていることができなくなってしまった。


515 : レックス&セイバー ◆vE7Jb4ucI6 :2014/07/20(日) 20:26:06 Kv7AQCTs0

森の中の大きな石のお城、グランバニア城。
本当は、ボクはそこで生まれたんだ。
泣き虫だけどボクのことが大好きな、双子の妹のタバサ。
お■さんのお友達の魔物たちとは、よく一緒に遊んだなぁ。
おじさんは、向こうでもお父■んとお■さんに代わって僕らを育ててくれた。
ちょっと頼りないけど、優しいオジロンおじさん。
タバサと仲良しだった、ドリス王女。
いじわるでいつも威張ってた大臣。
城下町のみんなには、よくイタズラをしては怒られてたっけ。

そして……肖像画でしか顔を知らない、お父さんに、お母さん。
ボクとタバサが生まれた日にお母さんは悪い魔物にさらわれて、
助けに行ったお父さんと一緒に石像にされてしまって……。
石像となった二人はそのまま誰かに拾われて、ゆくえ不明になってしまったんだ……。
おじさんに、お城の人たちは二人をずっと探し続けてきて、ボクとタバサもそれを手伝って……。
そうだ、やっと見つけたんだった……!
お父さんの居場所と、石になった二人を治すことができる道具を。
こんなところでグズグズしてられない……!
ボクの家族は、事故で死んだわけじゃなかった。
ここでおじさんと暮らしていたという記憶は、全てニセモノの記憶だった。
こんな『方舟』なんかすぐに飛び出して、早く会いに行きたい……!

『会いたいよ……! お父さん、お母さん、タバサ……! 今すぐ帰りたいよ……』



だけど、よみがえったのはボクの思い出だけじゃなかったんだ。
ボクがなぜここにいるかを知ったことで、セイバーとの間にできつつあった、『つながり』。
そのつながりを通って、セイバーの心の中が流れ込んできたんだ……。

セイバーと同じサイズの人々……小人の国。
そこは小人の他は誰もいない寂しい世界で、お姫様だったセイバーも同じように寂しそうだった。
そこに現れたのが、頭にツノを生やした、女の子。人間と姿は似てるけど……魔物、いや、妖怪だったんだ。
ツノの女の子は言ったんだ。
『姫、貴女にしか扱うことのできない、素晴らしい力がある』って。
『その力で、小人の一族をこんな寂しい所に閉じ込めた強きものどもに、復讐してやりましょう』って。
セイバーはその子の言われるがままに、素晴らしい力……『打出の小槌』を使って、
小人の国を抜け出し、強き者共に対する反逆を始める。
……だけど結局、すっごく強い女の子に打ち負かされてしまって、
その時セイバーは本当のことを知ったんだ。
小人の一族が寂しい所に閉じ込められていたのは、小人のご先祖様が過ちを冒したせいだったんだ。
セイバーは、あの妖怪に騙されていたんだ……って。
その後も、ひとり小人の国を抜けだしたセイバーは、小人の国の人たちを救う方法をずっと探し続けていて、
どこかでこの方舟のことを知って、聖杯と契約を結んだんだってことも……。


516 : レックス&セイバー ◆vE7Jb4ucI6 :2014/07/20(日) 20:26:43 Kv7AQCTs0

「……願い事を、思い出したんだね?」

目を開くと、仰向けに寝そべるボクをセイバーの顔が見下ろしていた。
ボクは気を失ってしまっていたらしい。
彼女は、そんなボクを膝枕してくれていた。

小人である彼女がなぜ人間のサイズになっているのか……
正式にマスターとサーヴァントの関係となりつつある今なら判る。
セイバーは『打出の小槌』もっている時だけ、
『変身』のスキルで身体を大きくできるんだ。

ボクは身体を起こし、セイバーと向かい合った状態で座り、彼女の手を取った。
そして彼女の目を真っ直ぐ見て、尋ねた。

「ねえ、セイバー。キミの『マナ』……本当の名前は?」

「シンミョウマル。……少名針妙丸(すくなしんみょうまる)よ。
 ……ねえ、願い事を言って。それで契約は成立するわ」

「うん。……じゃあ、言うよ。ボクの願いは……
 針妙丸ちゃん……キミの願いを叶えること」

「……えっ」

セイバーは、ポカンとして、こっちを見たまま固まってしまった。

「今、見たんだ。キミが、サーヴァントとして、聖杯に何を願っているか。
 小人たちが別の世界に閉じ込められていて、キミがそれを聖杯の力で救おうとしてるってこと」

「……マスターの願いは、いいの?」

「ボクは、元の世界に帰れるなら、それでいい。
 それより、サーヴァントとしてずっと戦い続けているキミのことを救ってあげたい。
 ご先祖様のたった一度の過ちで、ずっとずっと苦しみ続けているキミの一族のことを救ってあげたい。
 ボクは『勇者』として生まれたんだ。……困ってるキミを見過ごすことなんてできないよ」

再び固まるセイバー。
だがやがて彼女の両目から大粒の涙がこぼれだし、


「あ、あ、ありがっ、まずたああああ!
 うっ、うっうえええ〜! ありがとおおおおお!!」


ボクに抱きついて、大声で泣きだしてしまったのだった。


517 : レックス&セイバー ◆vE7Jb4ucI6 :2014/07/20(日) 20:27:20 Kv7AQCTs0

「ちょっ、ちょっ、待って!!
 おじさんにはキミのこと秘密なんだから!
 大声はマズイって!!」

「う゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!
 ありがどおおおおおおおお!!」


その後、すぐに1階にいたおじさんが駆けつけてきて、大目玉を食らった事は言うまでもなかった。
『セイバーの親御さんと連絡が付くまではうちに居て良い』
ってことになったから良かったものの……。




……とにかく、ボクとセイバーの二つの世界を救うための戦いは、
こうしてようやく始まったんだ。
必ず救ってみせる。ボクの世界も、セイバーの世界も。
そして……ボクたち自身も。


◆     ◆


【クラス】セイバー
【真名】少名 針妙丸 (スクナ シンミョウマル)
【出典】東方project(東方輝針城、弾幕アマノジャク)
【性別】女性

【パラメーター】
(小人サイズ時)
筋力E 耐久E 敏捷D 魔力B 幸運C 宝具A
(人間サイズ時)
筋力C 耐久C 敏捷B 魔力B 幸運C 宝具A

聖杯戦争の舞台が日本国内の都市をベースとしているため、
日本で有名なおとぎ話である『一寸法師』の子孫であるセイバーは、知名度補正の恩恵を受けている。

(参考:知名度補正無し、人間サイズ時)
筋力D 耐久D 敏捷C 魔力C 幸運D 宝具A


【属性】
中庸・善

【サーヴァントとしての願い】
過去に乱用された打出の小槌の『代償』として
鬼の世界に幽閉された小人族の仲間を聖杯の力で救出する。


518 : レックス&セイバー ◆vE7Jb4ucI6 :2014/07/20(日) 20:27:52 Kv7AQCTs0
【人物背景】
真名、少名針妙丸。(すくなしんみょうまる)
小人族の末裔である少女。
おとぎ話で有名な『一寸法師』、その人の子孫である。

鬼退治を成した一寸法師によってもたらされた打出の小槌だったが、
宝具説明の通りの、代償を要するというリスクから一旦は封印される。
だがある代の子孫でその禁は破られてしまう。
『小槌の魔力で贅の極みを尽くし、豪華な城を建てて民を支配したい』
という望みに小槌の魔力は一瞬で尽き、小人族は鬼の世界に幽閉されてしまった。

それから長い年月の後に、針妙丸は生を受ける。
再び封印された小槌の存在は既に忘れられた存在となっており、彼女もその存在を知らなかった。
そこに打出の小槌の存在を知る天邪鬼・鬼人正邪が現れ、
小人族の屈辱、打ち出の小槌の強大な力、そして屈辱を与えた幻想郷の妖怪達
という嘘を吹きこまれてしまう。
針妙丸は力を取り戻していた小槌をそのリスクを知らないままに振るい、
正邪と共に幻想郷転覆のためのレジスタンスとして動き出すこととなった。

結局、レジスタンスは3人の人間によって鎮圧され、騙されていただけの針妙丸は、
3人のうちの1人、博麗霊夢に保護されることとなる。

……という経緯の通り、鬼退治のヒーロー・一寸法師の末裔の名に恥じない
勇気と正義感を持つ一方で、世間知らずで騙されやすい面がある。

本来、彼女はキャスター>アサシン>ライダーの順に高い適性を持っていたが、
今回のマスターはセイバーとして高い適性を持っていたため、セイバーのクラスで現界した。
本来の小人族のサイズは人間の半分程度であるが、
今回のセイバーは博麗霊夢に保護されていた時期からの参戦であるため、
通常時のサイズは身長20cm程度である。

【クラススキル】
対魔力:C
セイバーのクラス特性により獲得。
宝具『打ち出の小槌』の魔力を自分自身に与えることがあるため、
標準的なセイバーと比べるとランクが低下している。

騎乗:B+
セイバーのクラス特性。
マスターが(父親や妹ほどでないものの)魔物と心を通じ合わすことができるため、ランクが上昇している。
お椀の舟で河を渡った先祖の逸話から、水上・水中を移動する乗り物に対する適性が特に高い。


519 : レックス&セイバー ◆vE7Jb4ucI6 :2014/07/20(日) 20:28:24 Kv7AQCTs0
【保有スキル】
神性:D
セイバーの祖先・一寸法師の物語が日本神話に登場する小人の神、スクナビコナの伝説を源流とすることから。
ただし長く代を隔てていることから、ランクは低い。

飛行:D
魔力を消費して空中戦闘が可能。
飛行速度はあまり速くないが、燃費は良好。

変身:B
打ち出の小槌の魔力で、身長20cm弱のセイバーは