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【日常γ】ゆく梅雨来る夏【その11】- 1 :名も無き異能都市住民:2012/06/30(土) 20:36:26 ID:do5XJmGE0
- ≪ルールとか≫
・基本age進行で
・コテもコテ無しもどんどん来い
・レスの最初に自分のいる場所を明記してくれるとやりやすいです
・イベントを起こしたい場合は空いているイベントスレをお使い下さい
・多人数へのレスは可能な限り纏めて行うようにしましょう
・無意味な連投・一行投稿はできるだけ控えるよう心がけてください
・戦闘可能ですが、長引く場合や大規模戦闘に発展した場合はイベントスレへ移動してください
・戦闘が起きた場合、戦闘に参加したくない人を無理に巻き込むことはやめましょう
・次スレは>>950を踏んだ人にお願いします
【日常γ】春一番、元気ですかぁッ!?【その10】
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12841/1331904848/
- 2 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/07/02(月) 02:35:11 ID:AtA.oukY0
- γ10の>>998
「そうか、まぁ、どうでもいいがな」
>>1000
「ほう?、術式か、面倒だな。
だが、これを防ぐことはできんだろう」
そう言うと、左手を腹に突っ込む!
「…ぐむ?、あったあった」
そして左手を取りだす。
それは実体のある剣だった。
「さぁて、どう料理してやろうか」
- 3 :ガルテラ:2012/07/02(月) 21:00:44 ID:NntjvIzM0
- >>999
「よほどの術でない限りは私は対応出来ますので、
術は思いっきり使っちゃってください」
干渉はないようだが、気を使わなくてもいい、ということらしい。
>>1000
光線に停止したメイスを左手で振り払い、ガルテラは左回りに翻った。
そのまま手斧を右手で掴み取る。
刃が掌に食い込み、血が飛び散った。
――血は赤いようだ。
「悪魔の血……貴重な物ですよ」
そのまま地を蹴って、空に飛び上がった。
「そろそろ、いけるか……?」
掴み取った手斧を振り上げた。
斧にべったりと付いた血が、ガルテラに共鳴するように輝いた。
そのままそれを、先ほど投げられたのと同じように、ガルテラに襲い掛かった二人組みに向かって投げた。
斧はありえない軌道を描き、ギルデンヴィックス、メイスの男の順に横に飛んでいく。
ガルテラの計算が正しければ、ガルテラの介入によって弱体化した防御の術式を突破できる威力の筈だが――。
- 4 :アイリス:2012/07/02(月) 21:10:21 ID:do5XJmGE0
- 前>>1000>>2>>3
タックルはアイリスを巻き込む。
体が軽い以上、重装の騎士のチャージに吹き飛ばされるのは当然のことだ。
吹き飛ばされ、壁に躰を叩きつける形となる。それでもこうやって息をしているのは人外の躰故か。
アイリスの躰の再生は始まり、嫌な音がした腕は既に元通り。
頭をぶつけたのか、立ち上がるも僅かにフラりとした様子でありながらも、剣から手を離すことは無かった。瞳には未だ闘志が顕になっている。
チャージを仕掛けてきた騎士団員も、慣性に則り、少しだが躰のバランスを崩すだろう。
狙いはその時。彼等は着慣れた鎧で十二分に動いて見せている。その僅かな時間がアイリスの狙いどころ。大凡の予想として2〜3秒。
それまでに事を済ませなければならない。
アイリスは、肘を綺麗に落とした騎士に駆ける。先ほどのコンクリートを深く抉る程の勢いは無いものの、
また、5センチほど抉ってみせたその勢いで、鎧を蹴ろうとする。
いくら着こなそうとも、鎧が強い力で蹴られれば動くのは道理。ただ、問題は斬られたものが“既に死亡している”可能性だ。
アイリスが握る短剣に載る呪は痛覚を過敏にする非常に辛いものだ。ショック死していてもおかしくは無い。
同時に開くのは自らの“モノ置き場”。時が止まった空間である。
それからは――
「君の相手は僕だ。掛かっておいで、“坊や”。」
表情は見えないが、アイリスの表情は笑っている。
挑発を返すのは、チャージをしてきた騎士。
声だけで現状を認識する限り、ガルテラは防戦、ツェペリンは“楽しそうに”障壁に手を焼いているようだ。
ならば行くのは…ガルテラの方だ。
「分かった。詠唱に時間が掛かる以上、大規模なものは不可能だけれど
それが分かっただけでも僥倖だ!」
アイリスのセリフは、ガルテラが居るであろう方向へ向けられ、告げられた。
- 5 :名も無き異能都市住民:2012/07/02(月) 22:33:48 ID:SSMHlh/20
- >>2
「珍妙な……。」
「油断するな。確実に殺すのだ。」
ふたりの騎士は剣を腹部から取り出した
ツェペリンに対して、同じく剣を構えなおすとじりじりと距離を詰めていく。
>>3
「ハッ、バカがァ!
フランキスカは元より投擲用の武器だぜ。
何の対策もしてねえとでも?」
小太りの男、ギルデンヴィックスが嘲るような声をあげると、
手斧の刃部分はまるで塵の様に実体を失い、柄の部分だけが空しく宙を舞う。
そう、フランキスカと呼ばれるこの投擲斧は
こうした魔術に頼らずとも、敵に投げ返されないように、
あえて壊れやすい仕組みに作られているのだ。
「――『破邪の矢の法』!」
メイスの老戦士が文言を唱え、掌を突き出す。
すると、そこからまばゆく輝く鏃のような形状の光弾が現れ、
ガルテラを追尾するように、くねりながら飛来する。
>>4
タックルをかけた騎士は、そのまま倒れたアイリスに対して、
とどめの一撃を加えようとする物の一瞬の隙を突き、駆け出したアイリスに、
刃が届くことは無かった。
――ガゴォン
蹴りを入れられた騎士が、ごろん、ごろんと転がる。
生命感知の類の力が備わっているなら、
まだ、騎士が生きている事が分かるだろう。
あまりにもすさまじすぎる苦痛によって、気を失った事が逆にショック死を防いだのだ。
- 6 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/07/02(月) 22:40:52 ID:DLCbFBgc0
- >>5
「さあてっと、…、防御はもうできないよ?」
そう笑って言うと、一瞬で目の前に男が現れる!
「セイヤッ!」
その実体のある剣を片方の男に向けて袈裟斬りに切ろうとする!
普通なら術式で跳ね返るが…。
「グッバイってね」
その剣は術式を『すり抜けた』ッッ!!
- 7 :ガルテラ:2012/07/02(月) 23:09:22 ID:NntjvIzM0
- >>4
「……埒が明かない。
そろそろ私も攻勢に移ります。
修正は入れますが、いつ干渉が途切れるかもわかりません。
申し訳ありませんが、覚悟を」
ガルテラは、空から術式に対する干渉を続けながら言った。
>>5
ガルテラが、コートを翻した。
コートは破邪を防御し、光の矢は消え去った。
穴は空いているのだが、みたところ体のほうにダメージは無い。
「私は光を操る悪魔ですよ?
このコートは少しぐらいなら悪魔に不利なものを跳ね返してくれますし。
頭に破邪だけを使えば貫けますよ、多分」
挑発するように、自分の頭をつつく。
そのまま人差し指を、天上に翳す。
「干渉を維持したままこれを使うのもね……。
しかし、仕方ないか。
――北を示す導きの匙の刻印よ」
ガルテラの指先に、七つの光が現れた。
「道しるべの悪魔の名の下に」
七つの光は、一定の形を維持したまま、力を増していく。
しかし、不思議なことに、一つ一つは極小さな光だった。
「落ちろ」
指を下げた。
同時に、七つの光がギルデンヴィックスに落ちる。
光は術式の防御を回転しながらえぐるように、ギルデンヴィックスを貫こうとする。
外から見れば小さな光、しかし、当のギルデンヴィックスから見れば、凄まじく強大な光に見えるだろう。
- 8 :アイリス:2012/07/02(月) 23:16:12 ID:do5XJmGE0
- >>5
生きていれば僥倖、そんな程度だ。
蹴りだされた騎士は、アイリスの“時が止まったモノ置き場”へと転がり、回収される。
「―――巴、手に入れたよ、実物を。」
ニィ、と笑みを浮かべたアイリス。
すかさず、チャージしてきた団員へと顔を向けてから、空いた手を向けて。
手の甲が地面に向けられ、動くのは親指を除く指。
“挑発”だ。
とは言いつつも、少しづつガルテラの方へと足を進めている。
戦況が芳しくないのはガルテラの方だと分かっていはいるからだ。
「君たちに敬意を評し、きっちりと分割してあげようじゃないか。
それとも臆したのかな?あのように大々的に人外を滅すると表明しておいて、尻尾を巻いて逃げるというのなら、“見逃してあげて”も良いよ。」
この言葉だけは声が張り上げられていて。
この場にいる騎士団員において向けられたものでもあるのだろうか。
その狙いは何だろうか。ガルテラの狙いを引き付ける?それともツェペリンから注意を逸らすため?
それでも、“騎士団”の誇りを傷つけられた以上、簡単に引き下がれないのも事実だろう。
>>6
「気を付けて!
彼等には独自の魔法障壁があって、少々のダメージは『通らない』!」
これはアイリスの実体験。
頭を粉砕するようなソバットを打ち込んでみても、昏倒だけで終わってしまった記憶から。
アイリスの能力のようなものがなければ、容易くダメージを与えられないだろう。
>>7
「問題ない!
彼は“出来そう”であるから、そちらに入る!」
事実、アイリスは挑発をもって、騎士団の注意をガルテラから自らに引き寄せようとしていた。
そして、光を持つ何かが行使されたのが分かる。アイリスはガルテラに対し、背を向けている以上、視認できない。
“何か”はギルデンヴィックスにのみ、行使されているとは知らないアイリス。
それでも、まだガルテラと闘う騎士団の近くにまでは寄れていない。
――この隙に寄って行きたいのだけれど……
- 9 :名も無き異能都市住民:2012/07/02(月) 23:39:52 ID:SSMHlh/20
- >>6
術式が敵の妨害によって劣化している事は、
基本的に魔術の心得がある騎士団員には分かっている。
そのため、剣を構えて袈裟斬りを受け止めようとするが……。
それすらもすり抜けてきることができるなら、
敵の一人をしとめる事ができるだろう。
>>7
「こいつぁ、まずいぞ!」
さすがにこれを受けきるのは不可能と判断した
ギルデンヴィックスは、その場から転がるように駆け出し
範囲内から逃げ出そうとする。
そして……。
「魔物如きが小癪な真似を……!
だが、魔物の身でありながら貴様が光を操るように、
我々も貴様の得手を操る事ができるのだ……!」
――ひゅんひゅんと、剣で中空をなぞり文言を唱える。
ガルテラの魔術に対する妨害術。
この騎士は光に関する魔術を修めているらしく、
それゆえに、どうすれば光が掻き消えるかと言う事も心得ているのだ。
人の身で悪魔に対する事はできるのか。
>>8
「なんということだ! ロレンツォが敵に捕まった!!
こいつら、予想以上に……!!」
騎士の一人が、倒れた味方が消えた光景を見て叫ぶ。
しかしそれはあせりと言うよりは、味方に注意を喚起する色が強い。
「薄汚い化け物どもが、人間の言葉で囀るな!!
我々の言葉が穢れてしまうわ!」
しかし、平静ではいられないことは確か。
先ほどよりも、熱の入った様子で騎士が叫び、アイリスへと吶喊する。
一対一、ようやく対等の条件での戦い。
- 10 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/07/02(月) 23:44:36 ID:DLCbFBgc0
- >>8
「ふーん、なら致命傷を与えればいいんですね?」
>>9
「ざ〜んね〜ん」
とても楽しそうで、残酷な笑みを浮かべながら。
「この剣、俺が斬りたい物以外はすり抜けてくれるんだよねぇ〜」
そう言って、戸惑い無く振るい、相手の剣をすり抜けて…。
そのまま袈裟斬りに…、しようとせず、狙いの相手の頭に突き刺す!
が、それもすり抜けている。
「ふっふーん、このまま俺が君の頭を斬りたいって思ってすり抜けなくなったらどうなるんだろうねぇ〜?」
とっても邪悪で残酷な笑みを浮かべながら楽しそうに言った。
- 11 :ガルテラ:2012/07/03(火) 00:05:47 ID:NntjvIzM0
- >>8
「そうしていただけたほうがありがたいですね……。
時間が掛かりすぎている」
ガルテラは肉体的な疲労は見せていないが、
精神的、魔術の集中力を失いかけていた。
>>9
七つの光は、弱弱しくガルテラの手元に戻る。
男の妨害が利いたのだろうか。
「まあ、本質は光ではなく、道しるべ、ですがね。
代償さえいただければ、勝利の道すら照らしましょう」
ガルテラは七つの光をそのまま地面に落とした。
地面から、光が落ちた場所に、コンクリートを突き破って街頭が"生えた"。
ガルテラは、光だけでなく、その触媒を操っている。
光の無い街頭は街灯は、メイスの男の足元からも生え始めた。
- 12 :アイリス:2012/07/03(火) 00:14:10 ID:do5XJmGE0
- >>9
「ふふっ……また奇異なことを。
悪魔はどの時代でも、人の言葉でお前たち人間に言葉を与えてきただろう?
有る時は未来を知らせたりもした。有る時は力を求めた。
くくくっ……、そんな悪魔に人の言葉を話すほどの余裕を与えたのは、どこの誰、かな。」
ニィ、と笑みを浮かべたままのアイリス。
再び、呪いの意を持つ剣を向けて。
色が変わった瞳は様々な線を映し出す。
その足は徐々に下がりつつ、挑発の言葉は未だ紡がれ続ける。
「もう一匹位捕まえたら、いろいろと愉しめるかもしれないねぇ。
例えばさ、戯れに血を与えてみるとかしてみたいね。そんなことをしたら、ククク……笑いが止まらないよ。
死にたくても死ねない。死のうとしても傷は治る。簡単には死ねない。
憎む者たちの手によって憎む者達と同じように、魂まで一切合切染め上げられたら、どんな気持ちなのかなぁ。
想像するだけで…笑みが止まないね。もう一匹、玩具があればなぁ……。」
張り付いた笑みをもう一人の騎士団員に向けて。
これは挑発。騎士団を虫のような扱いをし、その上、人の言葉を手繰る。
そうして、“囀って”みせた。
「さあ、おいで。安らかにお別れさせてあげる。
それとも、人とは違う生のほうが良いのかな?」
>>10
「致命傷じゃなくても良いさ。
好きなようにして構わないさ。」
ツェペリンの言葉からはまだ余裕が伺える。
なら問題は無いだろう。
>>11
「…わかった。僕は問題ない。
そちらは恐らく手練なのだろうね。フォローに回ってくれるとありがたい。」
ずるずると足を擦りながらも、目指すはガルテラの元。
ここの戦況が変われば、アイリスやツェペリンの戦況へも影響を与えるのだ。
その判断は早かった。
トン、と音がすれば、アイリスの躰は地上とは僅かに浮き、ガルテラの元へと更に近づく。
アイリスの身体能力をもってすれば、先の騎士と、ガルテラが相手をしていた二人組の騎士たち、どちらの相手も“できうる”間合いだ。
- 13 :名も無き異能都市住民:2012/07/03(火) 00:28:52 ID:SSMHlh/20
-
>>10-12
「く……旗色が悪いか……。
騎士よ、口惜しいがここは引く!集え、集え!」
老戦士が、声を張り上げると
どの戦士も口惜しそうに、老戦士の下へと駆けて行く。
転移術を発動させるつもりだ。
>>10
「な!?なんだ、今のは!」
「くだらぬ妖術にすぎぬ、惑わされるな!
現に、戦士ならば今の隙を見逃すはず無し!」
騎士は少し、混乱多用すが見えたが、
すぐに体勢を立て直し、身を翻して老戦士の下へ。
>>11
老戦士は詠唱に集中しているのか、
足元から生える街頭を意図的に意識の外に外しているようだ。
しかし、例の小太りの男ギルデンヴィックスが、
老戦士を守るべく、足元から生える街頭に対してレジストを試みる。
元の魔力が老戦士と比べ、劣るために先ほどの妨害術ほどの効果は無いが……。
>>12
「減らず口を!次こそはそのそっ首、
柱から吊るし上げてくれるぞ!」
騎士は、身を翻し頭目と思われる老戦士の下へと走る。
強化の術でも働いているのか、人間にしては異常なほど早い。
追撃するなら、近接攻撃よりも投擲や魔術による攻撃が有効だろう。
- 14 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/07/03(火) 00:33:59 ID:DLCbFBgc0
- >>13
「ん〜?」
わざと見逃す。
まるで鼠を追いかける猫の様に。
「逃げるつもりかい?
ハッ、やっぱりお前等はその辺に落ちてるビチグソよりもけがらわしいな」
- 15 :ガルテラ:2012/07/03(火) 00:40:09 ID:NntjvIzM0
- >>12,13
「すまない、もう術式干渉は捨てる。
それでも全員が揃ったこの一瞬ならば――」
ガルテラの体が、不意にバラバラになる。
同時に無数の羽音が響き、街灯が砕け散った。
ガルテラの体が、無数のホタルに変化したのだ。
そして、ガルテラが妨害にまわしていた術式も消えつつある。
「一撃――」
ホタルの群れが、一箇所に集まった男達に迫る。
その翅は、ナイフのように切れ味が鋭かった。
- 16 :アイリス:2012/07/03(火) 00:47:43 ID:do5XJmGE0
- >>13>>15
アイリスが目にした騎士団員は、『人間にしては早い』と思えるものだった。
追撃するも何も、魔術で追撃しようにも、詠唱すらしていない段階では選択肢には残らない。
活かすのは、己の躰そのもの。
先にガルテラに寄っていたのが、アイリスの判断により、有用とされた。
今にも始まりそうな撤退の邪魔立てをしようというのだ。
アイリスは駆ける。
ガルテラのフォロー、敵の逃亡の阻止を兼ねた行動は、老騎士の声を聞いてから素早いものであった。
それでも、自らにチャージを入れてきた人間を視認した上での行動。
間に合うか間に合わないか。
間に合わない確率のほうが高いだろうが、アイリスが駆けた後は、地面が抉られており。
更に武装は無理やり神経を過敏にし、痛みだけで騎士団員を気絶させる呪いを載せているものだ。
アイリスがする行動とは、シンプルに、突き。傷が付いた時点で、半ば勝負が決まってしまうものだ。
魔眼を開いた上で、だ。
進路上に、ガルテラの術が発動されそうになっているのが確認できた。
具体的な効果は分からないが、騎士団の逃亡を阻止するには有用であろう。
アイリスに返された言葉は無視し、老騎士、さらにはギルデンヴィックスごと剣で貫こうとする算段だ。
撃ち漏らしはツェペリンに任せよう。
「僕も一緒に、巻き込まれよう!そして、僕もこの一撃に掛けよう!
美しき光の幻想よ、共に往こうじゃないか!」
>>14
「残りは頼む!殲滅、だ。」
やはり余裕綽々の声が聞こえる。
この男、どれだけの修羅場をくぐり抜けてきたのだろうか。
不可思議な攻撃、騎士団の攻撃に簡単に対応してみせる手腕。
――この男…、只者では無い、か。
- 17 :名も無き異能都市住民:2012/07/03(火) 01:04:08 ID:SSMHlh/20
- >>14-16
術式干渉が放棄された事により、
再び、例の防御術式がフルに展開される。
いや、それだけではなかった。
「五体は満足か、やれるな!」
「クソッ、なんてこった!
マクシミリアヌスの旦那にどやされるぞ。こりゃあ。」
「こっちはいける、アーダボルト。
波長はそっちに任せるぞ!」
一箇所に集まった騎士は、ただ無策に待っているだけではなった。
展開された術式に自分たちの持つ魔力を注入し、さらに強固なものにする……。
さらに、魔術の心得がある者は戦闘による『術式のほころび』を修復し、
磐石の態勢へと整える。
――バシバシバシバシバシッ!!!
無数の蛍が、防壁に殺到し、
その表面にまるで、湖面のように波を立たせた。
そして、アイリスの突き……。
すべてを断ち切るその力が障壁を穿ち、
まるで幔幕を切り裂くように、それを断ち切った。
蛍どもが、中へと殺到し……。
空気を、むなしく切り裂く……。
ほんの一瞬の差だった。
敵は、寸でのところで転移し、いずこかへと逃げ去ってしまった。
- 18 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/07/03(火) 01:06:22 ID:DLCbFBgc0
- >>16
「ゴミ掃除したいのは山々だけど、もう間に合わないね」
騎士団を見ながら言う。
>>17
「やぁれやれ、逃げられてしまったか。
これは顔を見られて相手を引き寄せる事が出来て幸運なのか。
それとも相手からの攻撃が激しくなって不幸なのか…、どっちなんだろうね?
ま、俺には関係ないがね」
- 19 :ガルテラ:2012/07/03(火) 01:14:25 ID:NntjvIzM0
- >>16
蛍たちが、一点に降り立ち、人型を形成する。
「幻想は所詮、幻想か
すまない、逃がした」
その場に、ガルテラは倒れ付した。
しかし、その姿は、完全な人型ではなく、
体の各部が蛍のまま、今にも崩れ落ちそうな不安定さだった。
「しかし、次会えば……戦争だ」
ガルテラの顔が、悪魔のものから人間のものへと戻る。
「誰だかは知らないが……。
二人とも有難う、一人では戦えていなかったかもしれない」
ツェペリンの横をふらりと通り過ぎながら、声をかける。
「私の名は道しるべの悪魔、ガルテラ……また縁があれば会おう」
そういい残し、ガルテラは歩いていった。
- 20 :ガルテラ:2012/07/03(火) 01:15:06 ID:NntjvIzM0
- //レス番ミス…
>>16-18
- 21 :アイリス:2012/07/03(火) 01:19:10 ID:do5XJmGE0
- >>17>>18>>19
彼らが立ち去った後、アイリスは急制動を掛けて、再び戻ってきていた。
今回の収穫は大きなものだ。
徒歩で戻ってきたアイリスは、乱れた髪を手櫛で整えると、指先を切る。
コウモリにその血を飲ませて、巴とロザリアに伝言のコウモリを飛ばす。
内容は『団員確保』という、シンプルなものだった。
「……、逃したか。
協力感謝する。そろそろ動かないと拙いね。」
そうして、ガルテラの後を追うように、転移。
この場には、光の粒が舞い、その内消えるだろう。
- 22 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/07/03(火) 01:20:21 ID:DLCbFBgc0
- >>19>>21
「ふむ、俺もこういった芸当をやってみたいものだ」
そう言うと、そのまま何処かへ去る。
- 23 :黒沢小百合:2012/07/04(水) 23:42:14 ID:SSMHlh/20
- 赤や緑といった原色の派手なネオンで飾り付けられた看板の漢字や、
時折、空に向けて火を噴出す巨大な龍のオブジェ、路傍にせり出したような
屋台で屋台で売られる、蒸したての饅頭。
異能都市中心部のやや東よりに位置する中華街では、
こうした、なんともオリエンタルな光景を目にする事ができる。
「ええ、本日の商談はなんとも実りある物でした。
それでは、また後日正式な書類を持って伺わせていただきます。」
その中華街随一の飯店から、出てくるのは商談を終えたばかり小百合だ。
取引相手との別れ際、社交辞令のやりとりを終え後は帰路に着くのみのだが。
この界隈の賑やかさはなかなかに心地よく、散歩好きの小百合は車を使わず、
少しこの界隈を探索するべく、歩を進める。
- 24 :山原竜斗:2012/07/05(木) 00:46:08 ID:SfIiK6rIO
- そんな賑やかな中華街の一角で、あからさまに不穏な音が響く
チン「てめえ、なんなんだいきなり!」(ドッ)
ピラ「邪魔だ!退きやがれ!」(ガッ)
「ちょっとお二方とも落ち着いて、あいたた・・・」
その音の中心では、大柄な青年がいかにもなチンピラ二名に挟まれ
一方的に殴られているという珍妙な光景が繰り広げられていた
「ほら、こんな所で騒ぎを起こしてもなんにもなりませんから(バキッ)痛っ」
二人をなだめるような言動を繰り返しては殴られている青年
といっても口では痛いといっているが、頑丈なのかちっとも堪えてないようだ
状況からみるに、喧嘩したチンピラ二名を止めに入って
結果としてイライラの対象が移動して板挟み、といった所だろう
- 25 :黒沢小百合:2012/07/05(木) 01:15:26 ID:SSMHlh/20
- >>24
「……何の騒ぎです。騒々しい場所ですが、
これはいささか、趣が異なると見える。」
野次馬の一角をヒールの音を響かせながら進み出る、
糊の効いた黒のスーツに身を包んだ長身の女性。
一見して、やり手のキャリアウーマンといった風体だが都市のニュースや
新聞記事に目を通している人間なら、彼女が食品から軍事産業まで幅広い分野に進出している
巨大企業『千夜』の私兵とも言える『都市警備部門』を統括する人物であると分かるはずだ。
「私は今、オフなのですけれど立場上、
治安を悪くするような行為を見過ごすわけにも行かないのです。
これ以上続けるならば、こちらとしても遺憾ながら『治安的観点から見た処置』を
行なわざるを得ない。」
よくもまあ、口が回る物でなにやらべらべらとまくし立てる。
もったいぶった言い方だが、喧嘩を今すぐやめろと言いたいのだろう。
- 26 :山原竜斗:2012/07/05(木) 01:25:40 ID:SfIiK6rIO
- >>25
チン「あぁ?なんだてめえは!?」
ピラ「ま、待て・・・こいつは(ゴニョゴニョ)」
チンピラAが突っかかりかけ、それをBが止めて何やら耳打ちをする
その後チンピラ二名で顔を見合わせ
チンピラ「「お、覚えてやがれー!」」
雑魚キャラのお手本のような言動と行動を残し、逃げ去っていく
「え、あ、え?」
その結果、事態に全く追い付けてないでかいのがその場に残った
- 27 :黒沢小百合:2012/07/05(木) 01:45:02 ID:SSMHlh/20
- >>26
実際、小百合の名はどちらかというと悪い方向に売れている。
効果的ではあるが過激な治安手法、彼女自身の攻撃的な発言などから
都市のメディアの格好の標的とされており、その辺のスタンドで
3流タブロイド誌を買えば、一つは彼女の記事にお目にかかれるだろう。
「聞き分けのいいことで。」
逃げ去るチンピラを嘲るように、鼻でスンと笑うと
ふたたび人ごみを掻き分けて探索へと戻ろうとする。
- 28 :山原竜斗:2012/07/05(木) 01:56:45 ID:SfIiK6rIO
- >>27
「あ、あのっ!」
去り行こうとする背中にかかる声、声の主はようやく事態を把握した青年
「あ、その、ありがとうございました!!」
気のきいた一言かなにかを言おうとしたのか一瞬まごついた
しかし、出てきたのは結局ドストレートなお礼の言葉と勢いのある頭下げ
頭を下げたといってもまだでかく感じる
- 29 :黒沢小百合:2012/07/05(木) 02:36:20 ID:SSMHlh/20
- >>28
小百合は、一瞬だけちらと竜斗のほうに
視線を流したが、肩の高さに手を上げて答えただけで
そのままいずこかへと立ち去っていった。
// ごめんよー。うとうとしてた……。
あんまりからめなかったけどこれで〆でお願いします。
- 30 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/07/05(木) 21:05:16 ID:ZICeKjTs0
- 【人のあまり来ない公園・夜】
「…、夜か…」
黒いライダースーツ、黒いピッチリとした手袋、黒いバイクのヘルメットを被った者が言う。
声は男、そして夜になった事により、ヘルメットを外す。
「…、(カポッ)ふぅ」
今日は物凄い暑さだったのにまったく汗を書いていない。
- 31 :ヴァージニア:2012/07/05(木) 21:39:35 ID:zfIfuDdE0
- >>30
彼女が公園でやることは、己の能力を確認することだ。
抑えつけていた邪悪な精神が表に突出したことで、
体内から外に出力される魔力量が増え、高度な技術も使用できるようになった。
しかし、体内に貯蓄できる魔力量は一定なので、
出力量が増えたところでスタミナ不足になりえる。
蝙蝠を複数匹具現化させ、周囲に飛ばしている。
やはり以前よりも、その匹数は多い。
- 32 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/07/05(木) 21:54:33 ID:ZICeKjTs0
- >>31
「ほう…、吸血鬼か」
と、その男が声を掛けてくる。
「どうもこんばんは、…、お嬢さん…」
振りかえると満月をバックに男が近づいてくる。
- 33 :ヴァージニア:2012/07/05(木) 22:22:45 ID:zfIfuDdE0
- >>32
「吸血鬼で悪い?」
ツェペリンに対して後ろを向きながら、そう言う。
心なしか挑戦的な口調にもなっている気もする。
が、すぐに言葉使いを改める。
「何か用かな」
特に用などないだろう。
人外狩りなら、すぐにでも襲いかかってくるだろうし、
偶然ここに来て人を見かけたから、話しかけただけだろう。
- 34 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/07/05(木) 22:25:18 ID:ZICeKjTs0
- >>33
「いんや、それならおれの方が悪い気もするしね」
微笑を含んで言う。
「なに、気になってきてみてね。
迷惑…、だろうな、何をしていたんだい?」
迷惑と分かっていても聞いてくる、滅茶苦茶ずうずうしい。
- 35 :ヴァージニア:2012/07/05(木) 22:45:48 ID:zfIfuDdE0
- >>34
「一度に使役できる蝙蝠の量を確認してただけ…」
空中を舞う蝙蝠が少しずつ煙になって消えて行く。
魔力が尽き、維持できなくなっているのだろう。
「やっぱり私の持つ魔力量が少ないから、使役できる数も少ない…か」
そう言うと、全ての蝙蝠を煙にし、その場から消失させる。
- 36 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/07/05(木) 22:48:17 ID:ZICeKjTs0
- >>35
「魔力関連…か」
少し羨ましそうな目で見る。
「いいものだな、魔術といった物は
何分俺には魔力というものがない、羨ましいね。
この世界の吸血鬼は」
- 37 :ヴァージニア:2012/07/05(木) 23:08:47 ID:zfIfuDdE0
- >>36
「なぜ魔力に固執するの?」
羨望の眼差しを向けられたことに対し、疑問をぶつける。
「魔力なんて、この世の理の一法則に過ぎない…
霊力や理力、機械、別のベクトルの力はたくさんある」
代替するものがあれば、それを使えばいい。
決して魔力が全てではないと言いたいのだ。
「自分もこれに頼るつもりは毛頭ない。
使える力の持続時間が短いのなら、汎用性にかける」
- 38 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/07/05(木) 23:12:57 ID:ZICeKjTs0
- >>37
「理由は無いな、ただ、俺の知らない事は出来るだけ少なくしておきたい
その程度か」
フッ、と笑う。
「それはもちろん、霊力に関しては別問題だ。
俺はそう言った物を感じる事はできないしな」
「まぁ、術ばかりで自分の体を鍛えるのを疎かにするのは
愚の骨頂だからな」
顎に手を当てて言う。
「…、名乗っておこう、君は嫌なら名乗らなくていいし。
俺の名を覚えておかなくても良い、だが俺の名を言わせてもらおう。
ツェペリン・デミラス・アイゴーだ、もし覚える気があるならツェペリンでいい」
- 39 :ヴァージニア:2012/07/05(木) 23:36:44 ID:zfIfuDdE0
- >>38
「知識欲が旺盛なんだね……」
彼女はそう言うと、荷物を纏めて立ちあがった。
今日の分の魔力量の確認は終わった。
日々の鍛錬により少しずつ魔力の保有量は伸びているようだ。
「力を得て、何に使うかは知らないけど。
目的なき力に意味ない」
自分の場合もそうかもしれない。
単純な強さを求めた果てに、何に使うべきなのか。
「私はヴァージニア。縁があれば、また会うかもね」
彼女はそういうと夜闇に溶けて消えて行った。
// ここまでかな。絡みどもでした。
- 40 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/07/05(木) 23:39:51 ID:ZICeKjTs0
- >>39
「まぁ、そうだなぁ」
うんうんと頷きながら言う。
「それは分かってる、俺はそれを『理解』したいだけだ」
これもまた、彼の本能が求めるのだろうか。
「ヴァージニアか、あぁ、縁があればな」
そう言うと、こちらもヘルメットを被り、消えた。
//どうも、こちらこそありがとうございました。
- 41 :名も無き異能都市住民:2012/07/07(土) 20:05:44 ID:trmDr2BE0
- 【異能都市の街角にひときわ大きな笹が飾られており、そこには子供から大人まで賑わいを見せていた】
【笹の前で一人の少女が首を傾げている】
「…うーん、たしかおねがいすればいいんだよねなの」
【そう言うとディスは両手をポンと叩いて、まるで神社でお祈りするかのような動作をする】
「…あっ、おねがいごとがいっぱいあってこまるなの・・・」
【顔を上げてまたしても困った顔をする・・・】
- 42 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/07(土) 21:43:35 ID:trmDr2BE0
- //名前を忘れていた!!
- 43 :山原竜斗:2012/07/07(土) 21:55:07 ID:SfIiK6rIO
- 「七夕かぁ・・・、小さい頃は俺もよくお願いしたものだ」
妙にしみじみとしながら大きな笹をみる大きな青年
「しかし、子供の頃はなにも思わなかったけど
一年に一度しか会えないようにするなんてかなり酷いよなぁ」
しんみりした表情で、ひどくアホらしいことを呟いている
- 44 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/07(土) 22:05:44 ID:trmDr2BE0
- >>43
「えーっと。
なんどでもねがいごとかなえてくれるのかなの?」
【全身に包帯を巻いた少女がジーっと笹を見つめている】
「えっと、ひとつだけだったらどうしようなの…」
【手を合わせたポーズのまま何事か悩んでいる】
- 45 :山原竜斗:2012/07/07(土) 22:17:51 ID:SfIiK6rIO
- >>44
「やっぱり、反省をしてるなら許してあげるべきだと思うんだよなあ・・・」
長々とアホらしい独り言を言い終わり
「あれ?」
ここでようやく包帯少女に気がついた
「えーと、何で合掌しているの?」
笹に向かって手をあわせる姿を疑問に思ったらしく、声をかける
- 46 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/07(土) 22:25:47 ID:trmDr2BE0
- >>45
「…ん?あ、えっと、こんばんわなの〜」
【軽く頭を下げて竜斗に目線を向けた】
「あう?おねがいするときはこーするんだったとおもうんだけどなの…」
【きょとんとした顔で答える。不思議な気分なんだろうか】
- 47 :山原竜斗:2012/07/07(土) 22:33:01 ID:SfIiK6rIO
- >>46
「いや、確かにそうなんだけどそれは神様や仏様にお願いするときで・・・」
視線を向けた先には頬をかくずいぶんと大柄で筋肉質な青年がいた
「七夕でお願いするときは、この短冊に願い事を書いて笹に吊るすんだよ」
と、手に持った鞄から短冊を取り出し見せる
- 48 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/07(土) 22:35:10 ID:trmDr2BE0
- >>47
「あう?あーえっとなの…
それでせーかいなの!よ、く、できましたなの!」
【答えを言われてすごく顔を赤くしながら手を叩く】
「そうそう、これにおねがいかけばいんだよねなの〜。
えっと、じゃあなにかかこうかなの…」
【あたりを見回し始めた。描くものを探してるんだろうか】
- 49 :山原竜斗:2012/07/07(土) 22:49:03 ID:SfIiK6rIO
- >>48
「いや、良くできましたって・・・」
苦笑いして、再び頬をかく
「・・・あれ?拝んでたのに願い事決めて無かったの?」
そして、少女の様子に素朴な疑問を口にする
- 50 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/07(土) 22:53:30 ID:trmDr2BE0
- >>49
「あうー、そういうことにしたいなの」
【恥ずかしそうに答える】
「えっと、そーなの…
いっぱいあってどうすればいいのかなってまよっててなの…」
【じっと短冊を見つめて言う】
「ここにぜんぶかけるかなの…
ひとつじゃだめかなの…」
- 51 :山原竜斗:2012/07/07(土) 23:00:11 ID:SfIiK6rIO
- >>50
「あー・・・、ごめん無神経で」
今度は自分の言動に苦笑い、忙しい奴である
「んー、確かに願い事がたくさんあったら悩んじゃうね
一年に一度の願い事だから、やっぱり一番叶えたい物をかくといいよ」
それが決めれたら苦労はしないだろう
- 52 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/07(土) 23:05:05 ID:trmDr2BE0
- >>51
「あうー、だいじょぶなの。
もうだいじょぶだからなの」
【嬉しそうに微笑んだ】
「いちばんかなえたいことだよねなの…
やっぱりいちばんのをえらぶのがいちばんだよねなの」
【大きくうなずき答えた】
「ずーっとおなかいっぱい…もいいけどそれはまたつぎがいいかなの…
やっぱり…いちばんいいのはなの…」
【悩みながらも、だんだん決めようとし始めているようだ】
- 53 :山原竜斗:2012/07/07(土) 23:10:22 ID:SfIiK6rIO
- >>52
「そっか、良かった」
こちらもニコリと微笑む
「うん、だんだん願い事を絞れてきたみたいだね」
のんびりとことの顛末を見守っている
- 54 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/07(土) 23:14:46 ID:trmDr2BE0
- >>53
「うん、えっとなの…
いろいろたいへんなの」
【必死に頭を回転させて、】
「わかったの!きまったなの!」
【目を輝かせながら答える】
「えっと、なにかかくのを…なの」
【右手を動かして答える】
- 55 :山原竜斗:2012/07/07(土) 23:23:31 ID:SfIiK6rIO
- >>54
「お、やったね」
決まったという報告に何故か青年も嬉しそうに
「あれ、何か嫌な予感・・・?」
しかし少女が何かを書きながら発した言葉に変な予感を覚える
- 56 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/07(土) 23:25:06 ID:trmDr2BE0
- >>55
「えっと…こういうのでいいのかなの…」
【ディスはかなり慎重に書いている…】
「…あ、だめなの、つくえちかくにないかなの!」
【そう言って再びあたりを見回し始めた】
- 57 :山原竜斗:2012/07/07(土) 23:31:24 ID:SfIiK6rIO
- >>56
(どうなるだろう・・・?)
とりあえず真剣な様子なので黙って見守っている
「えーと、机はないけど固いものを後ろに当てれば少しましになるよ」
と、手に持った鞄からバインダーを取り出した
- 58 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/07(土) 23:34:23 ID:trmDr2BE0
- >>57
「あう、ありがとなの!
それがあったらかけそうなの!」
【そう言ってバインダーを手に取り、地面に座り込んで下敷きのように使い始めた】
「えっと、こうしてなの…」
【結構慎重に願い事を書き込みはじめた。字は、やはり下手のようである】
- 59 :山原竜斗:2012/07/07(土) 23:45:47 ID:SfIiK6rIO
- >>58
「うん、どういたしまして・・・って地面に座ったら汚れるよ!」
バインダーを下敷き扱いは別に構わない様子
(うーん、どうなるだろ・・・)
書き上げる様子を期待半分不安半分で見守る
- 60 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/07(土) 23:48:06 ID:trmDr2BE0
- >>59
「あうー、だいじょぶだいじょぶなの。
きれーにするからなの〜」
【そう言って膝をつく足もまたグルグルに包帯が巻かれている】
「えーっとこれでこれで…
よしなの!」
【しばらくして、どうやら書き終えたようである】
- 61 :山原竜斗:2012/07/07(土) 23:54:00 ID:SfIiK6rIO
- >>60
「んー、まぁ大丈夫ならいいか」
頭をぽりぽりとかいて
「あ、できたんだ、どれどれ?」
と、短冊を見ようと首を伸ばす
- 62 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/07(土) 23:58:44 ID:trmDr2BE0
- >>61
「おせんたくもすきだよなの」
【嬉しそうに答える】
「あう、みてみるの?」
【そう言って短冊を見せる】
【短冊には】
でぃすのおともだちみんななかよしでげんきがいいな
【と、少し下手くそな字で書かれていた】
- 63 :山原竜斗:2012/07/08(日) 00:04:55 ID:SfIiK6rIO
- >>62
「へぇーそうなんだ、俺も好きだよ洗濯」
大柄で筋肉質な見た目と裏腹に家事全般が好きな青年である
「おー・・・凄くいい願い事だね」
と、短冊に書かれた願い事を見て少し感動した青年
- 64 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/08(日) 00:09:31 ID:trmDr2BE0
- >>63
「ほーたいまっしろにするまでがんばってるなの」
【にっこり微笑みながら言う】
「よーくかんがえてみたら…
『でぃす』のなかでいちばんだったのがこれだったからなの…
だからこれにきめたの」
【嬉しそうに短冊を見せる】
「えっと、これをどうするんだったかなの」
- 65 :山原竜斗:2012/07/08(日) 00:16:56 ID:SfIiK6rIO
- >>64
「・・・て言うことは、その包帯はファッション?」
どこをどう考えてそうなったのか首を傾げる
「何て言うか、その、凄いね・・・」
何か気のきいたことを言おうとしたが結局思い付かなかった青年
「えーと、笹に吊るすんだよ」
と笹を指さし
- 66 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/08(日) 00:25:40 ID:trmDr2BE0
- >>65
「えっと、うーん、そうでもあるんだけどねなの。
いろいろつかえるんだよなの」
【包帯を巻いた腕を大きくふる】
「すごいかなの?
なんかうれしいなの〜」
【どうやらうれしいらしい…】
「なるほどなの…これをつるせばいいんだねなの」
【そう言うとディスは包帯を】
シュルシュルシュル
【蛇のごとく動かしながら短冊を拾い上げ、笹へ向けて伸ばしていった】
「たかいところのほうがたかくとどくよねなの」
- 67 :山原竜斗:2012/07/08(日) 00:32:10 ID:SfIiK6rIO
- >>66
「色々?」
不思議そうに逆方向に首を傾げ
「何て言うか、そういうのを自然に書けるって言うのは凄いと思うんだ」
ようやくまともに言えた青年
「あー、色々出来るってそういう・・・」
そして、伸びる包帯に納得した顔になる
- 68 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/08(日) 00:36:33 ID:trmDr2BE0
- >>67
「あうー、『でぃす』にとっていちばんしあわせなのは
みんながしあわせなことだからなの」
【微笑み返していった】
「そうなの。ほかのひとはのーりょく?っていうんだけどなの…
べんりなんだよなの〜」
【そう言って微笑みながら短冊を笹に吊るした。それなりに高い所に】
- 69 :山原竜斗:2012/07/08(日) 00:50:32 ID:SfIiK6rIO
- >>68
「うん、そういう所が凄いと思う」
微笑みつつ
「なるほど、能力かぁ、包帯を操れるって感じかな?」
腕を組み推測する
「叶うといいねー・・・」
高くに結びつけられた短冊を見上げて
- 70 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/08(日) 00:57:31 ID:trmDr2BE0
- >>69
「そんなにすごいことなのかなの?」
【不思議そうな顔になりながらも嬉しそうに答えた】
「そうなの、そういうのだとおもうよなの。
もっといろいろできたりするなの」
【笑いながら包帯をうねうね動かす】
「かなうといいなの…
かなえてみたいっていうのもあるからなの…」
【じっと短冊を見つめて言った】
- 71 :山原竜斗:2012/07/08(日) 01:03:12 ID:SfIiK6rIO
- >>70
「うん、世の中のほとんどの人はそういう願い事を自然には出来ないと思う」
「何か色々便利そうでいいなぁ・・・」
うねうねする包帯を見ながら
「自分ね手で叶えられるならそれが一番だろうね」
再び笹を見上げ
- 72 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/08(日) 01:12:36 ID:trmDr2BE0
- >>71
「そうなんだなの…
ちょっとかなしいなの…
でもかわんないよなの、おねがいごとはなの」
【少し寂しそうにしながらも答えた】
「そうだよなの、てのかわりにつかえたりするかなの」
【見るからに器用そうに包帯は精密に動いている…】
「うん、『でぃす』だってまつだけじゃなくて、
ほんとうにがんばってみるからなの!」
【胸を張って答えた】
- 73 :山原竜斗:2012/07/08(日) 01:21:47 ID:SfIiK6rIO
- >>72
「うん、まぁ、あれだよ、その気持ちを忘れないでってことだよ」
何処かのキャッチコピーみたいなことを言う
「いいなぁ、俺のは何て言うかばか正直だから、うらやましいよ」
自分の腕を見つめながら
「うん!頑張れ!」
ニッコリ笑い激励する
- 74 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/08(日) 01:35:19 ID:trmDr2BE0
- >>73
「そうだねなの、わすれたりしないからなの」
【そう言って頷いた】
「あうー、じぶんのちからはしんじてあげるのがいちばんなの!」
【ちょっと心配そうだ】
「わかったの!
がんばってみるの」
【大きく頷くと】
「そろそろかえらないとなの…
じゃあまたねなの!
きれいなおほしさまみられてよかったの〜!」
【大きく手を振りながらディスは去っていった…】
【夜空には天の川が綺麗な輝きで流れていた】
//どうもお疲れ様です。駆け足でしたがありがとうございました
- 75 :山原竜斗:2012/07/08(日) 01:41:52 ID:SfIiK6rIO
- >>74
「いや、力を信じてないとかじゃなくて、その・・・」
やっぱり言葉が出てこない
「え、あ、うんさようなら!」
結局最後まで格好はつかなかった
//絡みありがとうございました!
- 76 :高向谷 司朗/in図書館:2012/07/08(日) 21:57:40 ID:NntjvIzM0
- 【都市内のとある図書館】
司朗は、都市内の図書館で、竜道術についてを調べていた。
エンブレムの記憶の手がかりを探す為だ。
「うーん、詳しい魔術書の類はやっぱり一般の棚には無いのかなあ」
司朗は図書館で、"世界の魔術"やら、"魔法形態辞典"等と言った、
様々な種類の魔術について印された分厚い本を、いくつも並べていた。
「閲覧許可が必要な危険な棚とか、申請できるかどうか……。
一応数行ぱらっと竜道術のことは書いてるんだけど」
司朗が開いているのは全て、竜道術と書かれたページ。
しかしその全ては詳細に書かれておらず、
紹介程度に大雑把な文章が書かれているだけだった。
参考書籍欄にも、何も書かれてはいない。
「あーあ。
都市の骨董店や魔術道具店もそこそこ回ったし、そろそろ手詰まりかなあ。
あとは暗黒街も残ってるけど危険だし……」
- 77 :リリシア=エンティオテュユフル ◆NSEW/xeQlk:2012/07/08(日) 22:40:00 ID:7gFzKdaU0
- >>76
「――――ふぅむ、悩み事が有るのかい、人間」
そんな、飄々として、呑気な色を含んでいるのにもかかわらず、妙な重さを持つ声が。
相手の後ろの上側から聞こえてきたことだろう。
同時に、ばさばさ、と言う音とこつん、と靴が床を叩く音。
「竜道術。……覚えはあるけど、使い手は少ないからね。
当然として文献も伝承も少ないのは当然、というところかな」
相手の脇から覗きこむようにして首を伸ばし、ページを眺めるのは、一人の少女。
但し頭からは白い角、背中からも白い翼を生やし、スーツからは白い尻尾が飛び出していた。
学校は細身のダークスーツで起伏に富んだ肉体を隠すこと無く顕とし、ポニーテールにした白い髪も相まってコントラストの強い外見を作り出す。
もし相手がこちらに意識を向ければ、にぃ、と胡散臭いような子供っぽい様な笑みを浮かべることだろう。
- 78 :高向谷 司朗/in図書館:2012/07/08(日) 22:48:23 ID:NntjvIzM0
- >>77
「んんー……ん……?
……あんたまさか、竜道術を知ってるって言うのか?」
背伸びをしようとしていたところを、司朗は声を掛けられた。
"覚えがある"と言う言葉を聞き、司朗は振り向いた。
「もし知ってたら教えてくれよ、竜道術について」
椅子から立ち上がり、司朗はリリシアに詰め寄った。
翼も角も、まるで視界に入って居ないかのような反応だ。
それだけ必死なのだろうか。
- 79 :リリシア=エンティオテュユフル ◆NSEW/xeQlk:2012/07/08(日) 22:55:10 ID:7gFzKdaU0
- >>78
「名前程度の物だ。私の持つ知識もここにある書籍と大差はない。
だが――――貴様が求める物を呉れてやる手段自体は存在するがね」
指先ひとつで近くの椅子を手元へと寄せ、座り込む悪魔。
足を上げ、尊大な態度を取り少し浮いてみせて、楽しそうな顔を浮かべる。
必死そうな姿、何かを求めるその欲。それを眺めるのは、悪魔の悦びの一つだった。
「なあ貴様、とりあえず落ち着け。
人ではないが頼みごとには礼儀と言うものが有るだろうに」
周囲に浮いている本を手近なテーブルに積み。
指先を軽く揺らし陣の様な物を組むと相手に圧力がかかり椅子に座り込ませようとするだろう。
尊大ではあるが、悪意や何かは感じられない。ただ、礼儀の無い振る舞いはあまり望ましいものではなかっただけだ。
- 80 :高向谷 司朗/in図書館:2012/07/08(日) 23:12:25 ID:NntjvIzM0
- >>79
「うわっ!」
司朗は成す術も無く、椅子に座り込む。
「んだよ、座れって言えば座るっての……」
司朗はぶつぶつと文句を言いながら、
椅子に座る体勢を整えた。
「まあ、落ち着きは確かに無かったのは謝るけどさ……」
司朗は尊大な態度を取られておいて、態度を改めるような人間ではなかった。
ここではじめて、司朗は角と翼をじっくりと目視する。
「ふうん……」
- 81 :リリシア=エンティオテュユフル ◆NSEW/xeQlk:2012/07/08(日) 23:16:50 ID:7gFzKdaU0
- >>80
「悪いが、口調と態度はそうそう直せるものではないのさ。
少々手荒な手を取ったことは謝るよ。すまなかったね」
そう言って、軽く頭を下げる少女。
そして、相手の物怖じしない様子を見て、楽しそうに笑い声を零し。
尻尾をゆらりゆらりと動かして、こちらを見る相手の目に、灰色の瞳の視線を合わせた。
「見れば分かるが見ての通り私は悪魔だ。
……さっき言った通り、貴様が求める物を与える術を私は持っているよ。
なんとなく、予想は付くんじゃないかい?」
スーツの内ポケットから飴を取り出すと口に含む。
ころころとオレンジ味の飴を転がし、僅かに表情を綻ばせる。
- 82 :高向谷 司朗/in図書館:2012/07/08(日) 23:31:30 ID:NntjvIzM0
- >>81
「んや、悪魔と会うのは初めてだし、良くわかんないよ、ごめん」
司朗は手を振った。
本当にわからないのだろう。
「ただ、悪いけどあんまりいいイメージは無いよ。
特に、そんな女の子の姿で来られると色々勘ぐるし。
……それしか姿が無い、とかなら謝るけど」
司朗はリリシアの姿をじっくり見ながら言った。
角と翼だけでなく、総合的な判断だ。
「……強いて言うならセールスの手口、かな。
セールスマンはもっとはっきりした物言いするけど」
- 83 :リリシア=エンティオテュユフル ◆NSEW/xeQlk:2012/07/08(日) 23:41:51 ID:7gFzKdaU0
- >>82
「……悪いが、種族的にも人間に近しい外見でな。
そうだな――サキュバス、と言えば分かるか。そっちに近い種族だからこれが素の外見だよ。
まあ、謝らなくともいい。疑われるのも排斥されるのも悪魔の扱いとしては適当だしな」
人にどちらかと言うと親しい外見を持つ悪魔の種と語り。
だが、別に悪いイメージを持たれるのも勘ぐられるのも怒る積りは無いと言う。
そして、悪魔は少し身を起こしてまっすぐに相手を見据えると、口角を釣り上げる。
「案外、と言っては失礼だろうが勘が良い。
要するに、私は貴様に竜道術の知識と引換に何かを貰う事で契約をしようと持ちかけるつもりなんだ。
と言っても命とか魂とかを頂くつもりは無いがね。その場合は誰かを殺すなどの事と引換になるし」
要するに、困っている気配を感じ、契約を持ちかけにこの悪魔はやってきたと言う。
セールスに近い事は間違いなくて、悪魔自身も苦笑を浮かべる。
「言っておくが、人間の悪徳業者とか天使のお告げなんかよりはずっと信頼出来るぞ。
悪魔にとっての契約は絶対遵守の法則。抜け道さえ無ければ破られる事も無いし、取られすぎる事も無い。
それに私の場合は無理やり契約を迫る積りも無いし。だから嫌なら嫌と言え、悪魔風情になんか頼らないとな。
それもそれで私は嬉しいんだから」
セールストークの様な言葉と、どことなく誇りを持った口調、態度。
少なくとも、表面上では嘘は見受けられないだろう。
- 84 :高向谷 司朗/in図書館:2012/07/08(日) 23:52:11 ID:NntjvIzM0
- >>83
「んー……っと」
司朗は考え込んだ。
なんだか重要なことになってきた気がしたからだ。
「ごめんバッター交代、俺には判断しかねる」
「……はっきり言ったらどうだ。
そんなことでは客は寄り付かんぞ」
司朗は判断を投げ出し、
突如、司朗の腰にぶら下がっているエンブレムが、声を発した。
「信頼できるかどうかも、契約するかどうかも、お前が決めることではない。
ただ、お前が何を求めているかを言わなければ、どちらの可能性も存在しない」
エンブレムは淡々と述べた。
「こちらにとって、情報は喉から手が出るほど必要なのは確かだ。
しかし、情報を手に入れる方法は、悪魔からという一択では無い。
それは解っているだろうな?」
- 85 :リリシア=エンティオテュユフル ◆NSEW/xeQlk:2012/07/09(月) 00:02:48 ID:7gFzKdaU0
- >>84
「……ふぅむ、竜か。
いや、別に私は無理に売りつける気は無いものでね。
だがまあ、頑張る人間の背は押してやりたいのさ。人間を愛しているからな」
竜の声に、驚く様子は見せず、僅かに目を細め、エンブレムに視線を向ける。
そして、人が好き、人の背を押してやりたいと、そう語る。
しかし、悪魔はその後に僅かな逡巡を見せて、また口を開く。
「求めている物は渡してやりたいし、手助けを求めているなら私は人の助けになりたいと思っている。
少なくとも、私は貴様らに何かをする術はあるのだから」
相手に何かをしてやりたいから、契約を持ちかけている、と悪魔は語る。
だが、それだけであればただ教えるだけで良いと言える。
そう出来ない理由がこの悪魔にも存在する、のである。
「だがな。私が誰かに施しを与える術は契約と言う形のみだ。
そして、代償の取らなさすぎではリバウンドで貴様らからより多くが奪われ、取り過ぎでは私から逆に取りすぎた分より多くの何かが奪われる。
貴様らがどの程度の物を求めているかによって、どれほどの物が対価になるかが決まるのさ」
要するに、何かを交換しなければ、何かを与える事は出来ない。
それがこの悪魔が何かを他人にする為の縛り。
だからこそ、善意と共に契約を持ちかけてきていたのだった。
悪魔は飴をがりがり、と齧り。
「……1000年ちょっと前の始祖様はな。人間と共に居たくて堕天した。
始祖様の愛は今も私達の血の中にある。それだけは信じていてくれ。人間と竜」
嘘のない瞳を向けて、欺瞞堕落の悪魔は真実を向けていた。
- 86 :高向谷 司朗/in図書館:2012/07/09(月) 00:33:18 ID:NntjvIzM0
- >>85
「信じろ信じろというが、それが今私達にある情報で出来ると思うか?」
エンブレムは、イライラするように言った。
「こいつには払えるものがないから、
俺が契約することになるんだろうけど……」
司朗は頭をポリポリと掻いた。
「話を纏めていい?
俺達は竜道術について知りたい。
で、あんたがそれを知る方法を知っている。
でもそれを教えるには、代償が必要だ、と」
司朗は今までの流れを整理した。
「で、仮に俺達があんたを信用したとして……。
俺達は何をすればいいんだよ。
それを聞かずに首を縦に触れるわけ無いだろ」
- 87 :リリシア=エンティオテュユフル ◆NSEW/xeQlk:2012/07/09(月) 00:40:23 ID:7gFzKdaU0
- >>86
「何をどの程度知りたいのか、たとえば竜道術について秘奥までを知りたいのならば。
魔術師が極みに達するまでに失うであろう物を一気に失い、それが私の元へと来る。
中級程度ならばその程度までで失うだろう物が私の元へとやってくる。
例えばそれは魔力だったり、金銭だったり、己の自由な時間だったり、記憶だったり、或いは何らかの異能や何らかの重要な物品。
ある程度の当たりは付くが、失う物を決めるのは私の術式でな。必要以上に取る事は無いが、等しい分を持っていかれる」
己の術式、契約の仕組みについて語っていく。
先ほども言った通り、与える物と同格の物が奪われると語り。
それについての予想はできても、予想外の物が持っていかれる可能性もあると言う。
「だからこそ――ある程度の判断をする為に、貴様らにはその竜道術についてどの程度知りたいのかを教えてもらいたい。
但し、どの程度の物を奪われるかはあくまで予想だと言う事は間違えないでほしいが」
出来ることは、と問われれば悪魔は何をどの程度願うかを言えと求めた。
それでも、出来るのは悪魔で対価の予想に過ぎないが、と付け足すが。
- 88 :高向谷 司朗/in図書館:2012/07/09(月) 00:47:30 ID:NntjvIzM0
- >>87
「ええっと……俺達が調べてるのは、
こいつが竜道術に関わった歴史、かな」
司朗はそう言って、エンブレムを指差した。
「それが解れば、多分こいつが何でこうなったかが解るだろうから。
その代償はどんぐらいになるんだ?」
- 89 :リリシア=エンティオテュユフル ◆NSEW/xeQlk:2012/07/09(月) 00:52:11 ID:7gFzKdaU0
- >>88
「――ふむ。そのレベルならば……命令の絶対遵守一度分と昏倒する程度の魔力と生命力の消費、で十分だと思う。
そもそも普通に調べて分からない事ならば、何らかの危機を犯す必要が有るため、何を命令されるかわからない危険が1つ。
あとは調べるための労力を一気に消費するから数日寝込むのは覚悟が必要、と言ったところだろうな。
まああくまで予想だが、この様な内容に成るだろうな。数百は契約を重ねてると大体予想もついてくる」
腕を組み、考え込みながら、代償について予測を立てていく。
これでも数百年レベルで生きている悪魔。予想の的中率はそこそこ高い。
- 90 :高向谷 司朗/in図書館:2012/07/09(月) 01:03:00 ID:NntjvIzM0
- >>89
「……どう思うよ?」
司朗はエンブレムに尋ねた。
「私は勧めない。
一度の命令の尊守、これがどう転ぶか解らないからな。
それ以前に、あくまで予想と言う不確定要素も存在する。
私のためのことに口を刺すのも悪いが、このぐらいは自分で考えろ」
「ふーん、じゃあ契約成立ってことで」
「……!?」
司朗はあっさりと言った。
「馬鹿か……?
私の説明したことを聞いてないのか?」
「だったら契約するな!って言えばいいじゃん。
うんうん悩むより、俺はっきりさせる方がいいんだよね。
というわけで、成立な」
司朗は手を差し出した。
- 91 :リリシア=エンティオテュユフル ◆NSEW/xeQlk:2012/07/09(月) 20:24:41 ID:7gFzKdaU0
- >>90
「――そうか」
司郎の言葉に、リリシアは静かに首肯し言葉を返した。
細く柔らかいひやりとした手を相手へと差し出し、握り返す。
「成立した故に、貴様に私の名を明かそう。
私の名は、リリシア=エンティオテュユフル。
天界に住まう悪魔であり、天使を裁く職務を持つ者、アゼザルの血を引く民。
まあ、気になるなら後で魔導書でも漁ってみろ。多分召喚系に私の名が有る」
己の名を、どこか厳かに契約の判子を押すかのように口にして。
「名を預けると言う事は、運命が交錯すると言う事。
悪魔にとっての名は中々の価値でね。貴様らの言うところの判子のようなものだ。
さて、貴様にしてもらう事はこれで契約の判として名を告げる事と契約内容を口にすることくらいだ」
契約書の類は無いが、術式を軸としてそこに名で判を刻み、契約内容を口頭で記述する様なやり方。
人間の経済活動に近い形態とも言えたことだろう。
- 92 :高向谷 司朗/in図書館:2012/07/09(月) 21:00:42 ID:NntjvIzM0
- >>91
「えーっと、俺は高向谷司朗……特に肩書き無し。
このエンブレムが竜道術に関わった歴史を調べる方法をください。
ってな具合でいいのか」
悪魔とやり取りをするにもかかわらず、軽々しい口調で言った。
しかし、真にそれを求めていると言うことは、
リリシア、エンブレム、あるいは司朗本人にすら解らなくても、
術式にはお見通しだろう。
「……私は責任は取らんぞ」
- 93 :リリシア=エンティオテュユフル ◆NSEW/xeQlk:2012/07/09(月) 21:28:43 ID:7gFzKdaU0
- >>92
名を聞き、リリシアは静かに手を離す。
空中で、ゆらりゆらりと腕を動かして、その度に白黒の線が空中に刻まれていく。
その線がぐちゃぐちゃと混ざり合い、気が付けばオーソドックスな魔法陣を作り上げている。
「契約は確定した。これより術式の行使を開始する。
アゼザルが直系リリシアが命ず。我が名、彼が名を繋げ。
彼が望むに等しきを奪い、等しきを与える為に。
奪われる者はただ与えられ、与えられる者はただ奪われる。
天秤は揺れ動かず、常に平衡を保ち続ける、永久に、永久に。
血一筋に肉一削ぎ。心の癒しに魂の欠片。名には名を」
左腕にいつの間にか銃と剣が融合したタイプの魔銃を握り。
それで右の掌を一閃し、陣に手を押し付ける。
血を飲み込み形を変えて行く陣、それは徐々に広がり、そして薄まっていく姿を見せる。
「――――Testament」
陣は消え、同時に司朗に莫大な倦怠感と疲労が襲い掛かってくるだろう。
同時に、目の前には魔導書の様な物が表れる。
そのタイトルは人間の言語では無い言語で書かれている様で読むことはできないもの。
だが意味合いだけは脳裏に語りかけてくるように理解できるはずだ。
タイトルの示す意味は、道標。
求める物の場所などを教える力を持つ中位の魔導書である。
例えば、竜道術に関わる詳細な文献や、それを知る物を探しているのならば、その居場所や存在場所が記述される。
歴史の内容そのものではなく、調べる方法と言う望みであった為、このような形となったようだ。
そして、その代償は――――。
「……ふむ。絶対のつかないが拘束力の有る命令権と、数日間はまともに動けないであろう疲労、魔力不足。
と言ったところか。――――取り返しの吐かない事にならなくてよかったよ」
と、最初に言った分より幾分か軽いものとなっていた。
- 94 :高向谷 司朗/in図書館:2012/07/09(月) 21:37:41 ID:NntjvIzM0
- >>93
「……結局は足頼みかあああい……かああい……かあい……」
司朗は魔力を吸い取られ、セルフエコーを掛けながら昏倒した。
魔導書は司朗の膝の上に落ちた。
ぱらぱらとページがめくれる。
「成功したようだな」
エンブレムはリリシアに声を掛けた。
- 95 :リリシア=エンティオテュユフル ◆NSEW/xeQlk:2012/07/09(月) 21:41:54 ID:7gFzKdaU0
- >>94
「歴史の知識そのものを望めばまた別だったかもしれんがね。
まあその場合は今より数倍はひどいことになっていただろう」
っくくく、と笑い声を零して、リリシアは倒れこむ司朗の下に枕を召喚する。
暫く寝込んでも問題はないだろう。場所を移す必要は有るだろうが。
「ああ。これでも契約は何度もしているしな、大体予想通りだよ。
気まぐれのようなものさ。命令もするかもしれないし、しないかもしれないし、ね」
イタズラ好きな少女のような表情と、聖母の優しさと悪魔っぽさが混ざるなんとも言えない気配を盛った表情を浮かべて。
エンブレムに灰色の瞳を向ける。
- 96 :高向谷 司朗/in図書館:2012/07/09(月) 21:51:26 ID:NntjvIzM0
- >>95
「始祖様の愛がどうこう語っておきながら結局は気まぐれか。
言っていることが滅茶苦茶だな」
エンブレムはリリシアにあまり良い印象を抱いていないらしい。
言い方に刺があった。
「礼は私の記憶が戻るまで預けることにしよう。
魔導書を読むのは私ではなくこいつと言うこともあるからな」
そう言って、エンブレムは床に目を落とす。
「……あと、悪いが帽子を机に置いてやってくれ。
こいつの大切なものらしいからな」
倒れこんだ衝撃で脱げたのか、床に司朗の黒い帽子が転がっていた。
- 97 :リリシア=エンティオテュユフル ◆NSEW/xeQlk:2012/07/09(月) 21:59:16 ID:7gFzKdaU0
- >>96
「悪魔なんてそんなものだ。何処までが真意で、何処までが虚言かなんて誰にもわからない。
当然それは、私にもな」
棘を笑って流し、なんとも言えない表情で飴を口に放り込む。
ころころと転がせば、甘みが口に広がっていく。
「なぁに、礼はいい。これから先も。
もう引換の魔力も命令権も貰っているんだから、それ以上を貰うつもりは無いからね」
そう言って、悪魔はゆっくりと立ち上がり。
舌先で傷口をなぞると、その傷は即座に消えて。
指先をゆらりと動かせば、帽子は近くの机に着地する。
「さてさて――――召喚されたようだ。
司朗が起きたら適当に本でも開かせる事だ。向かうべき先はそこに書いてあるだろうからね」
そんな言葉を残して、悪魔は背を向けて一歩歩き出して、直ぐ消えたのだった。
- 98 :名も無き異能都市住民:2012/07/12(木) 22:37:36 ID:dL8H4NjE0
- まだ人もちらほらとみられる繁華街で、突如爆発音が響く。
爆発音の原因は一台の車、大型のワゴン車のようで、
ガソリンタンクの部分を中心に黒こげになっている。
「…………」
『少し、やりすぎたか?』
そのすぐ側に、一人の幼い少女がたたずんでいた。
淡く光る水色の粒子を同色の髪にまとい、燃える炎よりも紅い瞳をもち、
無表情で車を見つめる少女は、明らかに爆発に巻き込まれる位置にいたにもかかわらず、
傷どころか汚れ一つついていなかった。
少女が車から自分の足元の方に視線を移す。
そこには倒れたまま動かない、5人程の男がいた。
それぞれ血を流していたり、全身に痣があったりと、なんらかの傷を負っている。
傍から見れば、少女の持つ静かな、しかし明らかに異様とわかるその雰囲気も相まって
少女がこの事件を引き起こしたように見えるだろう。
- 99 :高向谷 司朗:2012/07/12(木) 22:55:58 ID:NntjvIzM0
- >>98
人通りの多い繁華街のことだ。
徐々に野次馬が集い、その中に、帽子を被った男が見えるだろう。
「うーん、良く見えないな。
ちょっと間空けてよ、ねえ。
見えないよ」
その男、司朗は人だかりの周りでピョンピョン跳ねていた。
「正義感ぶるのもいいが、
お前はまだ疲れが取れていないだろう。
ここは放っておけ」
腰にぶら下げたエンブレムが、声を発した。
「見るだけ見るだけ。
なっ」
そう言って、人だかりを掻き分ける。
- 100 :名も無き異能都市住民:2012/07/12(木) 23:14:06 ID:dL8H4NjE0
- >>99
『人が集まってきたか……あまり目立たない方がいいのだが』
厳格そうな、明らかに少女のものではないと分かる声が一つ。
しかし、あまり声が大きくなかったことと、野次馬の声などもあって、司郎には聞こえないだろう。
『一応念を押しておいた方がいいか?』
再び声がして、少女が小さくうなずく。
すると、地面に倒れていた男たちが、何かに引っ張り上げれるように宙に浮く。
司郎からも十分見える位置だ。
男たちは気絶していただこけのようで、皆宙に浮いて少したってから目をさました。
状況が把握できていなかったのは最初の数秒だけで、少女を視界にとらえた途端、皆
「あ、う、うわああああああああぁぁああ!!」
「や、やめろ!許してくれ!!」
と、恐怖で絶叫し始めた。
- 101 :高向谷 司朗:2012/07/12(木) 23:25:25 ID:NntjvIzM0
- >>100
「……よっと、ん?」
最前列に出てきた司朗は、その光景を目に留めた。
「……んーと、
1,あの子が一方的にあいつらをいじめてる
2,あいつらがあの子にちょっかいかけたら返り討ちになった
どっちだと思う?」
司朗はエンブレムに問いかけるが、返事は無かった。
「まあ、とりあえず警察は呼んどくか……」
携帯を取り出し、110を押した。
「あー、ちょっと。何があったか知らないけど、殺しだけはやめた方が――
あ、あくまで中立の立場で電話するんで。
君が一方的に悪いとかは……あ、もしもし、警察ですか?」
少女を制止しながら、司朗は警察と話し始める。
- 102 :名も無き異能都市住民:2012/07/12(木) 23:38:58 ID:dL8H4NjE0
- >>101
「……?」
少女が司郎の方へ顔を向ける。
『ふむ、やはり大事になったか……すまんな』
と、そこで何かの声が司郎に話しかける。
『一応弁解だけさせてもらうと、先に仕掛けてきたのはあちら側だぞ』
『目的は知らないが、いきなり主を誘拐しようとしてきたのだ』
「…………」
少女がこくこくとうなずく。
どうやら1ではなく2の方のようだ。
もちろん、少女達が嘘をついている可能性もあるが。
- 103 :高向谷 司朗:2012/07/12(木) 23:44:44 ID:NntjvIzM0
- >>102
「あ、本人達によると誘拐されそうになったところを、
返り討ちにしただけのようです。
犯人の人たちは五人、すげえビビッてます」
一通り状況を説明して、電話を切る。
"本人達によると〜"と説明したと言う辺り、警察に主張は伝えたが、
全面的に少女らを信じたわけでも無さそうだ。
「……ん?俺今、"本人達"って言った?」
司朗は少女を指差しながら呟いた。
「どう見ても一人……声は二つ……」
人のことは言えないが。
- 104 :名も無き異能都市住民:2012/07/12(木) 23:55:57 ID:dL8H4NjE0
- >>103
『ついでに言うと裏で生活している人間のようだ、奴隷がどうのこうの言っていたぞ』
どうでもいいことのように付け足す。
実際本人達にとってはどうでもいいことなのだろうが。
『やっと気付いたか、自ら望んで不可視の状態をとってはいるがやはり面倒なことも多いな』
『一応説明しておくと、我は今声だけ聞こえるようになっている』
「……」
少女が自身の右上あたりを指さす。そこにいる、ということなのだろう。
見ることもふれることもできないので、存在の感知はできないだろうが。
- 105 :高向谷 司朗:2012/07/13(金) 00:02:36 ID:NntjvIzM0
- >>104
「まあ、俺も似たような現場見たことはあるけど……。
同情するわ」
そう言って、右上の辺りを見た。
見えていないのだが、指を指されたのでなんともなしに。
「守護霊の人か何か?」
- 106 :名も無き異能都市住民:2012/07/13(金) 00:09:35 ID:dL8H4NjE0
- >>105
『これくらいのトラブルはどうということはない』
どうやらよくあることのようだ。
『守護霊、ではないな。死んでなどいないし、あと人でもない』
『姿を見せてもいいが、正直あまりみせたくはない』
ため息まじりに何かがつぶやく。
- 107 :高向谷 司朗:2012/07/13(金) 00:15:01 ID:NntjvIzM0
- >>106
「よくあることって言うか、それは街の治安が原因だと思うけどね」
司朗はため息をついた。
「家にも似たようなもんが居るけどね……」
ちらりとエンブレムに目を落とす。
「まあ、無理に見せろとは言ってないけどね。
興味は無きにしも非ずだけど」
- 108 :名も無き異能都市住民:2012/07/13(金) 00:26:51 ID:dL8H4NjE0
- >>107
『いや、この都市に限らずどこでもそういったことに巻き込まれる』
トラブルメーカーというやつなのだろう。
『似たような奴とはそれか?』
エンブレムのことを指しているのだろうが、姿が見えないせいでわかりにくい。
どうやら少し興味があるようだ。
- 109 :高向谷 司朗:2012/07/13(金) 00:33:22 ID:NntjvIzM0
- >>108
「これ……ってどれだ?
これであってるのか?」
司朗はエンブレムを取り外した。
「……」
エンブレムは無言だった。
「まあ、なんかわかるだろ?
喋りそうな雰囲気」
姿が見えない声が魔力や異能に鋭ければ、
エンブレムは、強い力を秘めた魔道具であることがわかるかもしれない。
- 110 :名も無き異能都市住民:2012/07/13(金) 00:45:31 ID:dL8H4NjE0
- >>109
『ああ、それだ。魔力があるあたり、姿を変えているか、それとも魔導具か何かか?』
何かはエンブレムを興味深そうに見る。
『……そろそろ警察がくる頃か』
『こいつらは引き渡す、我らは先に帰ったと言っておいてくれ』
すっかりおとなしくなっていた男達を地面におろす。
何かの力で拘束されているようで、逃げ出す気配はない。
『縁があればまた会うだろう』
「……」
少女が小さく手を振る。
その直後、少女の姿がいきなり、跡形もなく消え去った。
- 111 :高向谷 司朗:2012/07/13(金) 00:49:26 ID:NntjvIzM0
- >>110
「いんや、詳しいことは何一つわかんないんだよね……」
エンブレムを腰に引っ掛けた。
「ちょっとした手がかりはようやく見つけたんだけど……
っておい、警察の事情聴取受けろよ。
引き渡すとか言われても困るんだけど」
しかし司朗は無理やり引きとめようとはせず、それを見送った。
- 112 :欠け耳のボロッブ:2012/07/14(土) 00:23:54 ID:SSMHlh/20
- 【異能都市港湾部】
異能都市の港湾部には、それこそ大型のタンカーから
木製のガレオン、個人所有のスピードボートに、魔法動力のきらびやかな船。
はたまた未知のテクノロジーが使用された機械船まで
様々な船舶を見つけることができる。
そんな中、木製の商用船3隻ほどで構成された船団が入港してくる。
それらはドックの一角に着岸し、香辛料や染料といった積荷を下ろし始めたが、
屈強な水夫の中に一人、いかにも承認といった風体の小鬼の姿があった。
「おうおう、その積荷……ああ、マンゴスチンの皮かね。
それはフリオ商店と、アイディール魔法化粧品にそれぞれ50kg、300kgだ。
そっちのダイオウは全てウチのだ。向こうのコンテナに運んでおいてくれ。
それから…・・・。」
その小鬼――ボロッブはしばらくどこかに買い付けに行っていたようで
いつも小奇麗なほうではなかったがいつもより一層貧相な格好をしている。
- 113 :名も無き異能都市住民:2012/07/14(土) 00:58:49 ID:LW0MRH520
- >>112
「困ったよー迷ったよーん」
皆が仕事に勤しむ中、一人港を歩くのは高校生と思しきジャージ姿の女である。
旅行用のリュックを背負い当てもなくぶらぶらしていると、やがて商用船のある一角に辿り着く。
「うわぉ、何という怪しさMAXな船。 絶対白い粉とか積んでそう…」
近くに荷物を置き、休憩がてらしばらく観察する事に。
失礼な事を呟きながら水夫たちが運ぶ品々を見るともなしに眺めていた。
- 114 :欠け耳のボロッブ:2012/07/14(土) 01:14:57 ID:SSMHlh/20
- >>113
運ばれる品々は果物の皮や染料と思しき青い粉末。
それ以外では高級そうな茶器、硝子細工といった工芸品だ。
簡素な木箱には商品名や行き先などが焼き印されている。
「ほいほい、ちょいとごめんよ。」
奇しくも、例の小鬼が木箱を持って背後に立っていた。
どうやら女が立っているところを通りたいらしい。
- 115 :名も無き異能都市住民:2012/07/14(土) 01:26:29 ID:LW0MRH520
- >>114
「おっとと…」
「――――!」
ふと気付けば目の前に箱を持った子鬼の姿が。
避けようとして女の頭にある考えが浮かぶ。
「手伝いましょーか?」
立ち上がって手を差し伸べ、笑顔で協力を申し出る。
しかし、腹の中は全く別物。
(船旅をしていたなら、どこかにネズミが齧った穴とかが在るはず!)
(さりげなく覗くふりをしてッ! クスリが入っているか確かめるッッ!)
良心的な表情でも、考えている事は全くもって下衆である。
- 116 :欠け耳のボロッブ:2012/07/14(土) 01:39:24 ID:SSMHlh/20
- >>115
「おんや、なんとも奇特だなこってなあ。
しかしゴブリンにゃあ、貰えるもんは貰えとあるでよ。
…・・・というわけで、じゃあさっそく手伝ってくれんかね。」
ずい、と差し出される木箱は
小鬼の体格に似合った小ぶりなもので、女性の力でも容易に持てそうだ。
中身は……陶磁の茶器だろうか。オリエンタルな雰囲気の花と鳥の装飾が目立つ。
水夫の中に混じれば、もっといろいろな商品を観察できるだろう。
- 117 :名も無き異能都市住民:2012/07/14(土) 01:51:44 ID:LW0MRH520
- >>116
(――むっちゃ軽い。 これじゃなかったか…)
手渡された箱は想像以上の軽量。調べるまでもなくシロであった。
落胆する気持ちを隠して言われるがままに運び始める。
「わ、キレーな器ですね。 これってどこから来たんですか?」
木箱で視界が悪いため、海に落とさないよう足元に注意。
ゆっくり目に歩きながら背中越しに小鬼へ話し掛ける。
- 118 :欠け耳のボロッブ:2012/07/14(土) 01:59:34 ID:SSMHlh/20
- >>117
しかし、小鬼は無警戒にも荷物を任せたっきり
すでにどこかに飛んでいってしまっており、影も形もない。
それを運び終えると……。
『オウ、姉ちゃんも変わり者だね。
次はこれ、オリヴェイラ・ティー株式会社の置き場。』
『次はこっち手伝ってくれ。こっちだよ。
そう、それはちょっと遠いところに持っていくから。』
『おーいこっちだ、人手がいるぞこりゃあ!
カルロス、それとクリストフお前らも手伝え!』
『次は……』
………………………………。
………………………。
……………。
……。
逃げ出す隙も無く、次から次へと仕事を押し付けられ、
数時間も重労働をさせられてしまったとさ……。
// うぎぎ、ごめんよ。そろそろ眠いのでこの辺で〆……。
あんまり絡めなくてごめんね。
- 119 :名も無き異能都市住民:2012/07/14(土) 02:20:43 ID:LW0MRH520
- >>118
「え? あ、はーい」
(チィッ! こいつも外れか!)
一つ運ぶとまた一つ。
「ん、次これですね。 はーい」
(SHIT! こいつも外れ(ry)
其れを運ぶとまた別の箱が。
「あ。 コレ向こうですか? はーい」
(Goddamn! こいつ(ry)
話を聞く間など一切無く。
乞われるがまま、延々と、行ったり来たりを繰り返し――――――――。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
数時間後。
「ぷはー。」
「やっぱり、働いた後のウーロン茶はサイコーっ!」
「――って、結局白い粉無かったし!」
「しかもこれ、タダ働き!?」
「うわあああ! 最初からこれが狙いだったのかぁー!」
人気の少なくなった港に、勘違い女の叫びが虚しくこだました。
//いえいえ、遅くまで絡みありがとうございました! お疲れ様でした!
- 120 :黒沢小百合:2012/07/14(土) 23:18:46 ID:SSMHlh/20
- 【AGカフェ】
「よいしょ、と。
まあ、こんなものでしょう……。」
ごとん、とカウンター席に陶磁の高そうな皿に盛られたのは
豚肉とゴーヤーの炒め物。所謂ゴーヤチャンプルと呼ばれるものだ。
異能都市もだいぶ夏らしさを増し、市場には夏野菜が並び
冷房器具フェアやらを開催する電化製品店なども見かける事ができるし、
単純に、蒸し暑くすごしにくい日が増えてきた。
「ふぅ……。」
ネクタイを外し、首元を緩めると一日の疲れが
その隙間から逃げていくような気がした。
- 121 :名も無き異能都市住民:2012/07/16(月) 21:52:26 ID:sGP6umW60
- ──AGカフェ
綴りを進める手が捗る。
こうしていると『彼女』と触れ合えた気がしてくる。
「一人、か……」
途方に暮れた悲しみか、過去への回帰という寂しさか。
はたまた別か、どちらもか。
訳もなく呟いては、心に芽生える感情から逃げ出そうとしていた。
- 122 :萌葱 アテナ ◆NSEW/xeQlk:2012/07/16(月) 21:55:25 ID:7gFzKdaU0
- >>121
どうしようもなく、寂しい気分になった。
その理由は、目の前に居る少女の背中か。
だからこそ、少女は相手に声を掛ける以外の選択肢を考えることは出来なかった。
「――どう、したんですか?」
ひょこり。
相手の顔を覗き込もうとするアテナ。
その顔は、自分は悲しくなんて無いのに、どこか悲しそうだった。
- 123 :名も無き異能都市住民:2012/07/16(月) 22:12:49 ID:sGP6umW60
- >>122
「やぁ……久し振りだね」
ふっと笑顔を浮かべるも、悲しみの表情がにじみ出ている。
アルビノの笑顔は白く、冷たい。
「一人になってしまってね……また」
また。の言葉は強い。
一人になることを拒んだのだろう。
それを強要したのだろう。だが、一人。
「今回は……悲しいな」
- 124 :萌葱 アテナ ◆NSEW/xeQlk:2012/07/16(月) 22:18:03 ID:7gFzKdaU0
- >>123
「はい。久しぶりです」
悲しい顔を見ていたら、悲しくなってくる。
理由など分からないが、やはり誰かが泣くのは苦手なのだ。
「……一人、ですか。
寂しい、ですよね。辛い、ですし」
別れ、孤独、どれも経験が有った。
戦場では、むしろ離別と孤独こそが日常だったが。
それでもそれらに慣れる事は出来ない。
「きっと、また。一人じゃなくなります。
この都市は、優しいんですから。一人が寂しいって言うならえーっと……、ほら、私だって手を差し出しますし。
きっと、誰か彼かお節介を焼いてくれるんですから」
月並みな言葉、だがこの都市の優しさを、優しさだけではない中でも知っているから。
アテナは柔らかい口調で言葉を紡ぎ、相手の手を軽く握り、目を見据えた。
- 125 :名も無き異能都市住民:2012/07/16(月) 22:33:36 ID:sGP6umW60
- >>124
「そんなに、出ていたかな。
……そうかもね。それほどの事だ」
アテナと顔を合わせると、静かな物の驚いた顔をする。
頬に手を当てて、自らの表情を確かめてそう表する。
「そうかもね。皆優しい。
だけど、唯一と言えた親友に裏切られるのは、辛いよ」
再び本に視線を落とし、静かに。
- 126 :萌葱 アテナ ◆NSEW/xeQlk:2012/07/16(月) 22:41:36 ID:7gFzKdaU0
- >>125
「……もう、どうしようもないんですか?
今からでも、その親友さんの顔面ぶん殴って仲直りとか。
そういうこと、出来ないんですか?」
踏み込む。
取り返しが付くのであれば、その背を押したかった。
取り返しが吐かないのであれば、その背を抱いてあげたかった、それだけだ。
- 127 :名も無き異能都市住民:2012/07/16(月) 22:57:50 ID:sGP6umW60
- >>126
「ご友人、全く勝手な人間でね。
僕を残して好きな事して、つい昨日死んだらしい」
淡々と。
薄らと浮かべる笑みは『彼女』を知るが故に、祝福を浮かべるかの物。
「今日、それが知らせられてね」
視線の中央にある本を叩く。
文章は手書き。よくよく見ればそれは日記帳だと言うことが解るだろう。
- 128 :萌葱 アテナ ◆NSEW/xeQlk:2012/07/16(月) 23:13:45 ID:7gFzKdaU0
- >>127
「……そう、でしたか。
私、何を言っていいかわからないんですけど。
きっと、お姉さんにとって、いい友だち――だったんですよね」
微笑みを返し、謝罪ではなく、その友人を褒めることとした。
「急、だったんですね。
私も、昨日まで話していた人とか、ご飯食べていた人が死ぬ場所に居ましたけど。
それでも、お姉さんみたいな人が居て、悲しんでもらえるなら、まだ幸せです。悲しいし、寂しいですけど」
- 129 :名も無き異能都市住民:2012/07/16(月) 23:24:13 ID:sGP6umW60
- >>128
「今日、だから、なんとなく、ここに来てみたんだ」
頬から薄く涙が伝う。
言葉が喉でひっかかり、出にくい。
涙を真紅の左手で拭いながら続ける。
「ここは彼女のお気に入りでね。
あまり外出はしない子だけど、よくここには来ていた」
- 130 :萌葱 アテナ ◆NSEW/xeQlk:2012/07/16(月) 23:28:50 ID:7gFzKdaU0
- >>129
「――名前、その人の名前、教えてもらってもいいですか?
出来れば、何が好きだったのか、も教えて欲しいです。
その人の食べていたもの、飲んでいたもの。お姉さんにお出しします」
自分に出来ることは一体何か、そう思った。
そう思ったら自然と、少女の口からはそんな言葉が溢れている。
- 131 :名も無き異能都市住民:2012/07/16(月) 23:47:38 ID:sGP6umW60
- >>130
「何が好きだったか……解らないな。
普段無口で、何も欲さない子だったから。
いつも僕に合わせてくれて、時折笑顔を見せてくれた」
『彼女』の日記帳に涙が落ちる。
それを必死に擦って消そうとする。
「そうだね……彼女がよく僕に作ってくれたチョコケーキでも頼もうか」
- 132 :萌葱 アテナ ◆NSEW/xeQlk:2012/07/16(月) 23:53:36 ID:7gFzKdaU0
- >>131
「……良い人、だったんですね。
わかりました、少々お待ち下さい」
ハンカチを差し出すと、静かにアテナは奥へと消えて行く。
ケーキは出来立てが出来たところだ。少し休ませる。
しっとりとしたところを切り、皿に盛り、アイスを添えた。
皿を持ち、静かにアテナは歩いて行き、相手の前に皿を置く。
そして、一歩下がって頭を下げて。
「違うものかも知れませんけど、食べると少し心が落ち着きます。
その子の事、思い出しながら食べてあげてください」
- 133 :名も無き異能都市住民:2012/07/17(火) 00:21:28 ID:sGP6umW60
- >>132
「やさし……かったのかな」
フッと緩い笑みを向ける。
ありがとう。と続けケーキを受け取る。
「思いの外自分勝手だったからね。
僕につきあってくれたのもただの気まぐれかもしれないよ」
一口。フォークで切り分け口にする。
「やっぱり、だね。
彼女は僕の好みに合わせてくれたから、僕の口に合うみたいだ」
ケーキの差違に笑みをこぼす。
幾らか食べ進んだところで不意に口を開く。
「そう言えばまだだったね。
ゼオラ=アドヴァルド。親友の名前さ」
- 134 :萌葱 アテナ ◆NSEW/xeQlk:2012/07/17(火) 00:42:14 ID:7gFzKdaU0
- >>133
後ろに下がって、相手の話を聞いて。
僅かなほほ笑みを浮かべていたところで、動揺。
瞳が揺らぐ。あまり会話をしたことは無かったが、同じカフェで働く友人で、一度殺されかけた相手。
その存在が死んだと言うのだ、驚く他無い。
「――ゼオラ、って……ゼオラちゃんですか!?
……あの、ここで、バイトしてて、何度かお菓子食べさせてあげてて。
あの……あ、あの……ッ、前、殺されかけて、いつかお話しなきゃ、って。
でも、いい子で、その――――ほんと、本当、ですか」
そこまで、言葉を並べ立ててから、アテナは深呼吸。
目を開けて、僅かなゆらぎを押しこむ。
どうすればいいかわからない、何故死んだのか。
己を襲った事に関係が有るのか、それも分からない、分からない。
「……そう、ですか。
でも、ゼオラちゃんなら――いえ、深いところを知らない私には何も言えませんけど。
このカフェに居場所、残しておきます。いつかもし、ひょっこり戻ってきて居場所が無かったら寂しいでしょうし」
なんとなく、だが。
戻ってくるのではないかと、そう思った。
だから、戻ってきてもいいように、誰も忘れないように。
このカフェに彼女の居場所を残しておこう、アテナはそう決めたのだった。
- 135 :名も無き異能都市住民:2012/07/17(火) 01:12:03 ID:sGP6umW60
- >>134
「つまり、君は萌葱アテナ。
この日記にキミのことも書かれていたよ」
ハードカバーのわりかし大きな日記帳。
日付だけで済んでいる日もあり、内容に乏しいのが彼女らしい物。
その中に恐らく目の前の少女の事と思われる記述があった。
この返答は、結果的に少女の言葉に相槌を打つ意味合いも兼ねていた。
「この涙は本物だよ。
僕にだって意地はある。本来、人前で見せたく無いのだけどね。
だけど今は抑えられない。悲しいんだ。こんなにも。
怒りに震えた訳じゃない。同胞と分かち合った訳じゃない。『僕一人』が悲しいんだ」
更に一口。
ケーキとしては上物。だが何かが足りない。
彼女の手製に慣れたためか、恋しいからか。
「それは嬉しいな。
僕も此処に来る理由ができる」
凍りつく程に、冷たい笑み。
嬉しいと笑みを浮かべても、そこに笑みの温もりを持たせることは出来なかった。
- 136 :萌葱 アテナ ◆NSEW/xeQlk:2012/07/17(火) 21:02:06 ID:7gFzKdaU0
- >>135
「――、そう、だったんです、か。
私のこと、も」
こくり、と頷いて。
日記を少し覗きこむようにして、内容に目を通そうとするだろう。
「……ゼオラ、ちゃん。
本当に、逝っちゃったんですね」
相手の言葉、涙、その表情、雰囲気。
全てを感じて、見て理解する。
ゼオラ=アドヴァルドは死んだ、という事が。
同僚として何度か一緒に働いたことも有る、お菓子を上げたことも有る、共に戦った事も有るし、敵として襲い掛かられたこともある。
だが、死んだ。
虚無感。
そう表現するのが一番しっくり来るのだろう。
言葉が、出てこない。ただ、死んでしまったのだという、喪失感。
己の中に有る、ゼオラ=アドヴァルドの占める部分がぽっかりと開いた感覚は――きっと、寂しさに近い感情だったのだろう。
「ケーキ、包んでおきます。
……誰にもはばかること無く、泣けるところで泣いてあげて下さい」
- 137 :名も無き異能都市住民:2012/07/17(火) 22:55:37 ID:sGP6umW60
- >>136
「そう。キミの事」
日記帳は未だ中程で、6月の終わり頃を示していた。
23日は日付のみ。その次のページからは白紙だった。
日記帳を閉じると、アテナに視線を向ける。
目の行き先を知り意図を悟り、ゆっくりと口を開いた。
「共通の友人、居る様だね。彼女を助けて欲しい様だ。
できるだけ自分で成したかったけど、そうは行かない」
「……ありがとう」
そうとしか言えない。他に何も言うことが無い。
見ず知らずの人間にここまでしてくれる少女の優しさが身に染みた。
- 138 :萌葱 アテナ ◆NSEW/xeQlk:2012/07/17(火) 23:49:50 ID:7gFzKdaU0
- >>137
「――――大好きな友達が、居るんです。
これ以上何も、何もかも、何一つも、絶対に、失いたくないですから、助けます」
拳を強く握りしめ、出来ないまま死んでいった友人の分も、己は強くならなければならないと決める。
目の前の悲しい人のような人を作らないため、これ以上の悲しみを産まないために。
アテナは拳を強く握り、心を固め、心を構えた。
「……どうぞ。お代は、頂きませんから」
包んだケーキを、かわいらしい袋に詰めて。
アテナは軽く会釈をすると、店の奥へと引っ込んでいくのであった。
これ以上、自分がそばに居ても出来る事は無いだろうとわかったから。
- 139 :名も無き異能都市住民:2012/07/18(水) 00:10:11 ID:sGP6umW60
- >>138
「ゼオラは僕の親友だ。
彼女に託された事を伝えるのが僕の役目だ」
礼はもう言った。
静かに頭を下げるとケーキを受け取り、少女を目で見送る。
「やることがある。いくべき場所がある」
6月23日。
日記帳に記された最後の日付。その時少女が居た場所へ。
彼女の為に、歌を捧げる必要がある。
- 140 :名も無き異能都市住民:2012/07/21(土) 21:46:33 ID:sGP6umW60
- 行くべき場所へ行く途中。住宅街へ向かう途中。
『左の手』を軽く感じ、顔を僅かに歪ませ悩む表情を見せていた。
何かが足りない。物言わぬ少女へのプレゼントだ。
右手に持った日記帳の重み。
軽いままの左で表面を軽く払うと、周囲を眺め、溜息を吐いた。
- 141 : ◆5xLUrFqMCE:2012/07/21(土) 21:53:40 ID:lqJN2xqQ0
- >>140
「どうかいたしましたか?」
声を掛けたのは、唯の偶然だった。
散歩をして、男の人とすれ違っただけ。
でもその人が、何か困っている様子だったから、声を掛けずにいられなかった。
急に声を掛けてしまって、内心頭を抱えたが、掛けてしまったものはしょうがない。
変に思われたら、謝って去れば良いのだから。
- 142 :名も無き異能都市住民:2012/07/21(土) 22:08:03 ID:sGP6umW60
- >>141
「ん、あぁ……」
声をかけられ、振り返る。
口元に当てていた真紅の手を払い、少女に向き合った。
「少し、困っていてね」
真紅の左手を払い、優しげな温かみを持った真紅の瞳を向けた。
瞳の周りの、肌は白。視界を広げれば、さらに白が続く。
――――アルビノだ。
肌も、髪も衣服も初雪の様に白い。
身体の線は細く、弱弱しい。非力そうだと感じる事だろう。
だけど意思は強く感じる。瞳の真紅が血の色を薄した真紅だからだろうか。
- 143 : ◆5xLUrFqMCE:2012/07/21(土) 22:18:12 ID:lqJN2xqQ0
- >>142
(一応エルフなんで、髪と目は緑になってます)
「そうなのですか・・・」
よかった、引かれてはいないようだ。
表情を見ると、本当に困った顔をしていた。
優しすぎ、と言われてしまう私は、どうしてもこの男性のことが気になった。
【主、この男には敵意は無いようですが】
私の持つ精霊の一人、フールが話しかけてくる。
「・・・よければ、私の店に来ませんか?何か助けに慣れるかも知れません」
この男性は、私に危害を加えないだろう。
話を聞くくらい、大丈夫だ。
- 144 :名も無き異能都市住民:2012/07/21(土) 22:25:59 ID:sGP6umW60
- >>143
//了解ですー!
「キミの、店……?
見たところ、キミはそれ程行かないようだけど」
再び口元に左手を添える。
悩むときにはこうする癖がある風だった。
「いや、ああ……すまない。
是非、行かせてもらいたいな」
しかしその表情はまた、直ぐに消える。
少女の緑の瞳を眺めながら、脳内での思考を払ってから、小さく頷いた。
- 145 : ◆5xLUrFqMCE:2012/07/21(土) 22:31:27 ID:lqJN2xqQ0
- >>144
「そうですか、では此方です」
男性から了承を得られたので、軽く手で向かうほうを指し、歩く。
何歩か歩いた所で、分からない様に様子を見たが、ちゃんとついてきてくれている。
3分くらい歩いた時だろうか、白い壁と春をイメージして緑と白とピンクで飾りつけた店が見えた。
私の店、「春の吹雪」だ。
「此処が私の店です。お茶をお出ししますのでゆっくりしていってください」
- 146 :名も無き異能都市住民:2012/07/21(土) 22:42:28 ID:sGP6umW60
- >>145
「……」
少女について行く事数分。
視線の先には明るい色で纏められた店が見えた。
店名を探して視線をさまよわせると「春の吹雪」の文字が目に入る。
春の吹雪。優しげ春風が吹く様を想像する。
春は好き。冬が終わりを迎え雪解けと共に柔らかな風が吹いてくる。
吹雪。と言う事はそれが広範囲に向かい、多くの人々に触れる事だろう。
店内に入り、少女に促されるままに動く。
お茶を取りに行くまでの間に内装にも目を伺わせた。
少女がお茶を出しに帰ってくると「成程、いいお店だね」と口を開く。
- 147 :名も無き異能都市住民:2012/07/21(土) 22:58:59 ID:lqJN2xqQ0
- >>146
「ふふ、ありがとうございます」
簡単な薬草茶を出す。
甘みの中に、じんわりとした不快にならない程度の苦味と、ミント系の爽やかな香りがす、私のお気に入りだ。
お客様はちょうど居らず、暇だった所だったので時間はたっぷりとれる。
「では、貴方のお悩み・・・聞かせてもらっていいでしょうか?」
- 148 :名も無き異能都市住民:2012/07/21(土) 23:08:21 ID:sGP6umW60
- >>147
いい匂いがする。このお茶だろうか。
真紅の左手でカップを持ち、息を吹きかけて少し冷ます。
それと同時に鼻で匂いを感じ取り、良質だと言う事を認識してから口に入れる。
「美味しいな」
口にした言葉が何か足りない。
褒めるにしても色が無く、しかし言う言葉も想い浮かばない。
何が足りないのか、それは直ぐに理解できた。
脚を組んだまま、少女が来てから今一度店内を見渡す。
同時にもう一つ感じていた感覚。このお茶以外にも良い香りを放つものがある。
「早速。と行きたいところだけど……一つ、質問を良いかな?
このお店は、どう言った者なのかな? 凄く、いい香りがするよ……このお茶とは違う者だ」
鼻を鳴らしつつ、それを聞く。
その表情は心なしか明るい。早くも香りが効能を現してきているのか。
- 149 :名も無き異能都市住民:2012/07/21(土) 23:27:47 ID:lqJN2xqQ0
- >>148
「ああ、ここは花屋なんです」
今は休憩中で、花は少し奥にありますけど、と苦笑した。
ここも、何時もは花を飾ってあるのだけど、風が強いためカーテンで仕切られた所だ。
大きなカーテンの後ろには、私の帰りを待っていた花たちの会話が聞こえる。
「そうだ、せっかくだから、見ていきますか?」
自慢の花たちを紹介しようと、私は控え目に誘った。
- 150 :名も無き異能都市住民:2012/07/21(土) 23:48:09 ID:sGP6umW60
- >>149
「花屋……成程」
ふむ。と言ったきりまた黙る。
そして、また口元に手を当てるが、その瞳は先程まで同じポーズをとっていた時と比べると幾分か柔らかい。
「それは良い香りがするはずだ。
このお茶の味にも頷ける気がするよ。知識に長けているからかな。
飲んだことは無い物だけど、飲みやすい。キミの作る雰囲気とこのお茶が合っているよ」
早口で捲し立てる内の一言、「気がする」。この言葉は正に思考の全て。
少女は花屋を営んでいる。知識があることは確かだろう。
だが、花屋に必要な知識だけでこのお茶が出せるとは純粋に頷きがたい。
何か、ある。それを知る必要はないが、このお茶の香りと優しい少女のへの興味が「知りたい」と思わせる。
「……いや、後で見させてもらうよ。その前に話しておこうか」
だが、しかし。それを知るのは後でもいい。
「心優しい少女は僕に答えを示してくれた。
そのお礼にキミには話す義理がある」
その必要がある。
膝の上に大事そうに乗せていたハードカバーの本を机の上に置いた。
今もそれに視線に注ぎながら優しく撫でている。
表紙などは何もなく、シンプルな黒い一冊の本。
所々には紫色の煌く薔薇のアクセントが入っているそれ。
- 151 :名も無き異能都市住民:2012/07/22(日) 00:01:19 ID:lqJN2xqQ0
- >>150
「その本・・・とても綺麗ですね」
黒と紫の組み合わせは好きだ。
何処か怪しく、色っぽい組み合わせで、他の皆はアンタには似合わないと言うけど、何時しかこの組み合わせが似合う女性になりたいと思う。
「それ、どんな本なのですか?」
コレは単純に、興味から出た言葉だ。
私は本が好きだから、気になった。
- 152 :名も無き異能都市住民:2012/07/22(日) 00:06:03 ID:lqJN2xqQ0
- >>150
//すいません、もう12時でそろそろ寝ないといけないので、続きは明日でいいですか?
- 153 :名も無き異能都市住民:2012/07/22(日) 00:10:07 ID:sGP6umW60
- >>151
「悪いね。これは日記帳だ」
ハードカバーを開きパラパラと素早くページを進めていく。
ページによって量はまちまち。濃く書かれている部分もあれば、ページ全体が白く見える箇所もある。
中腹を過ぎたあたりからは空白が続き、そのまま最後まで行ってしまった。
「僕のたった一人とも言える親友の物さ」
- 154 :名も無き異能都市住民:2012/07/22(日) 00:10:43 ID:sGP6umW60
- >>152
//了解です!
//明日は昼頃には居るのでどうぞ!
- 155 :名も無き異能都市住民:2012/07/22(日) 00:13:23 ID:lqJN2xqQ0
- >>154
//分かりました〜、じゃあ12時頃覗きに来ます。
おやすみなさい
- 156 : ◆5xLUrFqMCE:2012/07/22(日) 21:28:13 ID:lqJN2xqQ0
- //誰かいます?
- 157 :名も無き異能都市住民:2012/07/22(日) 21:35:53 ID:sGP6umW60
- //続きやります?
- 158 : ◆5xLUrFqMCE:2012/07/22(日) 21:37:40 ID:lqJN2xqQ0
- >>157
//あ、よろしくお願いします
昼はちょっと用事があって・・・来れなくてすいませんでした
- 159 :名も無き異能都市住民:2012/07/22(日) 21:45:39 ID:sGP6umW60
- >>158
//大丈夫ですよ。それではどうぞです!
- 160 : ◆5xLUrFqMCE:2012/07/22(日) 21:49:42 ID:lqJN2xqQ0
- >>153
「親友さん・・・ですか」
日記とは、本来誰にも見せない物だ。
自分の感じたこと、思ったこと・・・全部書いてしまうのだから。
私は、日記を心の中のことを表したものだと思う。
その日記が、仮に親友だとしても他人の手に渡る・・・。
その「親友さん」が、普通の状態ではない。
私は直感的に思った。
彼の日記を撫でる手つきから、随分と仲が良かった様だ。
少し、ほんの少しだけ故郷が懐かしくなった。
「もしかして、その・・・お悩み事とは、親友さんの事に関係あるのでしょうか?」
一瞬、迷った。
コレは彼のプライベートに入ってしまう話題かも、知れないからだ。
しかし、関係ないとは言い切れない。
何時もは騒がしい花たちも、何故かこの時だけはしんと静まり返っていた。
- 161 :名も無き異能都市住民:2012/07/22(日) 22:00:06 ID:sGP6umW60
- >>160
「あぁ……その通りだ」
少女の予想通り。
日記帳が他人の手にあると言うのは不変では無い状況。
少女の知り得た事ではないが、『親友』という人間は特にその色の強い種別だった。
言葉と同時に大きく頷き、少女を見やる。
「あぁ、彼女にプレゼントをしたくてね。何にするべきか迷っていたんだ」
フッ。と柔らかな笑顔を浮かべて顔を合わせる。
- 162 : ◆5xLUrFqMCE:2012/07/22(日) 22:06:19 ID:lqJN2xqQ0
- >>161
「まぁ、プレゼントですか?」
親友さんは、多分さっき彼が言った彼女さんだろう。
少し不穏な空気を感じていたが、気のせいだったようだ。
入院でもしているのだろう。
「なら、うちでお花を選んでいって下さいな」
人にプレゼントする花なら、飛び切り良いのを選びたい。
花の魔力や、花言葉は少なからず人に影響がある。
「ふふふ、サービスしますよ?」
私も、腕が鳴るというものだ。
- 163 :名も無き異能都市住民:2012/07/22(日) 22:18:03 ID:sGP6umW60
- >>162
「僕は困っていたんだよ。
彼女の好みも希望も解らないからね」
トーンの上がった少女の言葉に一層笑みを強める。
日記帳を閉じると立ち上がり、視線を合わせようとする。
「だけど、キミが声を掛けてくれて助かった。
キミのお陰でプレゼトが決まったよ。それじゃあ、花を見せてもらおうかな」
それで。と声を続けつつ日記帳の表紙を見せる。
店の明りに紫色に輝いて応える薔薇の装飾。
「黒い薔薇は、あるかな?」
- 164 : ◆5xLUrFqMCE:2012/07/22(日) 22:29:58 ID:lqJN2xqQ0
- >>163
「黒い薔薇・・・ですか?ありますけど・・・」
プレゼントに、黒い薔薇?しかも女性に・・・。
友人なら黄色やオレンジ、恋人より少し行った関係なら赤やピンク。
薔薇の花言葉的にも、コレが一番最適だと私は思う。
でも、彼がいたのは黒薔薇。
花言葉は、【貴方はあくまで私のモノ】や【憎しみ】【恨み】・・・良い意味ではない。
嫌、単に彼女が黒薔薇が好きなだけかも知れない。
私はあくまで売る側、どんなに気になっても、追求するのは野暮だろう。
「それなら、ブラックカバラがおすすめです」
私は、試しに一輪奥の部屋からとってきた。
ブラックカバラは、「私を使うの?綺麗にしてね!」と話しかけくる。
赤く、黒く・・・まるで血のようだと思ったのは、花言葉の精だろうか。
- 165 : ◆5xLUrFqMCE:2012/07/22(日) 22:31:42 ID:lqJN2xqQ0
- >>164
//花の名前間違えた・・・
ブラックバカラです、念のため
- 166 :名も無き異能都市住民:2012/07/22(日) 22:38:07 ID:sGP6umW60
- >>164
「そんな顔はしないで欲しいな。
……花は美しい。だけど、この色はキミに似合わないよ」
店の奥から持ち出してきた黒い薔薇。
希望通りの品であるが、それを持つ店主の顔は浮かない。
「だけど、この花は僕の親友に良く似合うんだ」
少女の頭上に手を乗せようとする。
安心させる為に、だろうか。心配はいらないよ、と伝えたいのだろうか。
拒まなければぽふぽふ。と優しくたたき、次には頭を撫でるだろう。
- 167 : ◆5xLUrFqMCE:2012/07/22(日) 22:44:18 ID:lqJN2xqQ0
- >>166
「・・・そうですか」
伸ばされた手は、あえて拒まなかった。
それが、父上に重なった精だろうか。
頭に乗せられる暖かい手は、父上と同じだった。
・・・泣きたくなんか無い、寂しくなんか、無い。
精霊も入る、花たちも入る。
植物は、私の味方。
平気・・・だもん。
私は弱虫じゃない、平気・・・平気。
手の黒薔薇は、私を気遣う言葉を掛けてくる。
ああ、血の色なんかではない。
とっても綺麗な・・・私の子たちなのだ。
- 168 :名も無き異能都市住民:2012/07/22(日) 22:52:24 ID:sGP6umW60
- >>167
「そんな顔をするんじゃないと言ったんだ。
キミには健気で柔らかな笑みが似合う。そう、春の様な」
フフッ。
膝を曲げ、視線を合わせて笑みを交えた顔を向ける。
血を映した真紅の瞳は少女を暖かく受け入れるだろう。
「そうだ。彼女へ幾つ持って行く事にしようか。キミに決めて欲しいな」
- 169 : ◆5xLUrFqMCE:2012/07/22(日) 23:03:22 ID:lqJN2xqQ0
- >>168
「へ、変なこと言わないで下さい・・・」
言われなれてない言葉に、少し照れる。
デートのお誘いは何度かあったが、こういう風に言う人は初めてだ。
顔が赤くなってないか、心配になる。
「そうですね・・・一本だけ、と言うのも捨てがたいですけど、
いっそのこと10本纏めて花束でも良いと思います。」
プレゼントなら、花束が良いだろう。
一本だけと言うのも、花の魅力が引き立つが、少し寂しい。
「花束にするばら、黒薔薇だけのと他の花を混ぜる場合がどうなさいます?
紫の薔薇と白い薔薇を混ぜるのがオススメですよ」
- 170 :名も無き異能都市住民:2012/07/22(日) 23:13:34 ID:sGP6umW60
- >>169
「別に変な事ではないだろう?
僕は思った事を言ったまでさ。沈んだ顔より笑顔の方が良いのは当然だよ」
ハハ。と幾分か楽しげな声を上げる。
最後に強く頭をギュッと押してから手を離した。
「成程、それがいいね。
だけど、紫の花は除いてもらおうか。
白と黒。僕と彼女の思いが半分づつだ」
なら五本と五本。
日記帳を脇に挟み両手の指を全て立てつつ答える。
ふと、手袋をしていない白く細っ来い右の指を一つ折り、
「キミは何色が好きかな?」
と尋ねた。
- 171 : ◆5xLUrFqMCE:2012/07/22(日) 23:22:47 ID:lqJN2xqQ0
- >>170
「私・・・ですか?」
迷う。
花は、どれも綺麗。
赤も、青も、白も・・・それぞれの良さがある。
ふと、母上との会話を思い出した。
『そうだ、ハルミラ』
「なぁに?ははうえ」
『この薔薇・・・貴方にあげましょう』
「うわー!お日様みたい・・・ははうえありがとう!」
『ふふふ、その薔薇の花言葉は、「無邪気」「さわやか」・・・貴方にぴったりだわ』
「えー、私りっぱなレディーです!」
『もう少し大きくなったら、他の薔薇を上げましょうね』
「楽しみにしてます!」
そう、確かあの薔薇の色は・・・。
「オレンジ・・・オレンジが良いです」
まだ、私は立派なレディーではないようです、母上。
ふふ、赤やピンクはまだ早いですよね。
//そろそろ明日もあるので終わって良いですか?
あと、明日はこれないです。
- 172 :名も無き異能都市住民:2012/07/22(日) 23:29:42 ID:sGP6umW60
- >>171
「オレンジ……良い色だ。
ならそれも一つ。中央に差しておいてくれないか。
僕と彼女の間を取り持ってくれたんだ。せめてものお礼さ」
日記帳を再び手に持つと、真紅の人差し指をピンと立ててそう言った。
//了解です。ではまた火曜日、よろしくお願いいたします!
- 173 : ◆5xLUrFqMCE:2012/07/22(日) 23:32:35 ID:lqJN2xqQ0
- >>172
//はい、こちらこそ
では、おやすみなさい
- 174 : ◆5xLUrFqMCE:2012/07/24(火) 22:19:07 ID:lqJN2xqQ0
- 居ますかー?
- 175 : ◆5xLUrFqMCE:2012/07/24(火) 22:27:16 ID:lqJN2xqQ0
- あ、親帰ってきたんで、居ますかーなんて言っちゃったけど無理みたいです
- 176 :名も無き異能都市住民:2012/07/24(火) 22:30:34 ID:sGP6umW60
- >>175
了解ですよー。
雑談スレの方で声を掛けてくれれば出向きますんでそっちもよろしくですー。
- 177 :詳細情報媒体スレ>>205:2012/07/25(水) 20:18:40 ID:do5XJmGE0
- 「協力ありがとうございましたー!」
額から玉のような汗を出している男。
先ほど協力店舗の軒先にポスターを張らせてもらったばかりだ。
何度もお礼をした後、首にかけたタオルで汗を拭き取る。
「さあもうちょっとだ!残りはさくっと終わらせてしまうぜー!」
歪みに何度も飲まれた男は、この日に限り、一度も歪みに飲まれることなく闘祭のポスターを貼り終えた。
公共交通機関の始発が走りだす頃から始めて、都市中を駆けずり回ってようやくこの時間に終わった。
「げっ…こりゃ本格的に課長にどやされる!早く報告終わらせないとー!!いっそげー!!」
腕時計の二本の針が示す時間は相当なものだった。
夜も深まり、これからは魔が動き始める時間。だから男は焦っていた。
「だーやべぇぇぇーーーーーーーー!」
と大声を上げ、走り始めた男に突き刺さるのは、帰宅途中のサラリーマン達。
そんな視線に気づくこと無く男は走り去っていった。
- 178 : ◆5xLUrFqMCE:2012/07/27(金) 22:21:03 ID:lqJN2xqQ0
- >>172
//時間があるので投下しておきます
「ふふ、了解しました」
きゃぴきゃぴ話す花たちを綺麗に、しかし手早く纏める。
白と黒のコントラストの中のオレンジは、異質に見えるが太陽のようにも見える。
白とオレンジ・・・うん、いいかも。
纏めた後は、キラキラ輝く紙で花を包む。
ねーねー綺麗?と話しかけてくる花に微笑み一つ。
お客さんが居る前で、流石にお話は出来ない。
そうだ、良いこと思いついた。
「よければメッセージカード、書きませんか?」
折ると綺麗な月型になるメッセージカードを差し出す。
コレなら、飾りとしても綺麗だ。
「もれなくおまけもつけますよ?」
- 179 :名も無き異能都市住民:2012/07/27(金) 22:31:29 ID:haugAEa.0
- >>178
「メッセージカード……?」
額に真紅の手を乗せて、目を閉じる。
元々花を贈る予定も無かった上の想定外だからか、結構悩んでいるようだ。
10秒程だろうか。「うぅむ」と唸った挙句に顔を上げると、
「いや、申し訳ないけど断らせてもらうよ。
既に彼女に送る『歌』を準備してきたからね」
そう、少女に微笑みを携えて答えた。
僅かに顔を傾けて、ふぅと息を吐く顔には何処か陰りがあった。
この表情はお互いの認識の違いから。
少女は知る由も無いだろうが此方の行動は少女を否定しかねないのではと感じたから。
だが、この花束は紛れもないプレゼントであるし中央に添えられた彩は感謝の証であることも確か。
- 180 : ◆5xLUrFqMCE:2012/08/05(日) 15:33:00 ID:lqJN2xqQ0
- >>179
//すいません、パソコン故障してて投稿できませんでした
「そうですか、残念です」
まぁ、押付けはよくないだろう。
「歌・・・ですか、私は良いと思いますよ」
微かに陰る顔は、見なかった事にする。
歌か、懐かしい。
精霊歌、魔力がこもる歌。
後で久々に歌おうか。
「はい、これおまけです」
小さな白い箱をだす。
開けてみないと、分からないプレゼント。
「よかったら、開けてみてください」
さぁ、何が出てくるかな。
- 181 :名も無き異能都市住民:2012/08/05(日) 16:55:48 ID:haugAEa.0
- >>180
//了解です、大丈夫ですよ!
「これは……?」
小さな白い箱を受け取る。
上から、下から、横から。じっくりと眺めたり、
押してみて重さや、叩いてみて硬さ、他には材質等を調べてみたが……中身は解らない。
真紅の瞳を僅かに細めて聞いては見る者の……答えてくれそうには無い。
「ここで開けなくちゃ、ダメ……かな?」
こういった物を受け取った経験が無いので対処法が解らない。
中身にもよるが、驚いて取り乱すところを見られても困る。格好悪いし。
- 182 : ◆5xLUrFqMCE:2012/08/05(日) 21:53:23 ID:lqJN2xqQ0
- >>181
//花火大会いってきました
「ふふ、良ければ開けてみて下さいな」
軽く警戒するように話す彼。
中身を言わなかったのが裏目に出たかも知れない。
「ああ、中に変なものは入ってませんよ」
しかし、此処で言うのもつまらないだろう。
びっくり箱、なんてことではなんだけどね。
- 183 :名も無き異能都市住民:2012/08/05(日) 22:42:37 ID:haugAEa.0
- >>182
//おぉ羨ましいw
「プレゼント。と言う物には余りなじみが無いんだけど……」
今買おうとしている花束は事実プレゼントなのだがそう行った意味合いではない。
人の目の前で渡され、その反応を直に期待されると言うのは恥ずかしく緊張する物だと実感したようで、
少しの間少女の方を気弱な雰囲気を醸しつつ眺めていたのだが……。
「解ったよ……。
キミにそうせがまれたら、これ以上は拒めないよ」
何処か諦めた風で溜息を吐く。
そして、一つ息を入れてから純白の箱に手を掛けた。
- 184 : ◆5xLUrFqMCE:2012/08/05(日) 22:55:05 ID:lqJN2xqQ0
- >>183
「なんですかぁ、私が強要してるみたいに」
心外です!
思わずジトーっとした目で見てしまう。
事実、お願い(という名の強要)をしているが、彼女は気付いていなかった。
気持ちを落ち着かせるために、お茶を一杯。
幾分ましになった気がする。
//今日は此処までで大丈夫ですか?
明日はちょっと無理なので、今度は明後日になりそうです。
- 185 :名も無き異能都市住民:2012/08/05(日) 23:04:24 ID:haugAEa.0
- >>184
「でも、ここで開けて欲しいんだろう?
僕は別に家に帰ってからでも構わないんだけどね」
ニヤニヤとした笑みを浮かべながら、開けかけた箱から一度手を離す。
その手の先は少女の頭。グシャグシャとちょっと強めに撫でるだろう。
//大丈夫ですよ。
//それではまた明後日ー。
- 186 :黒沢小百合:2012/08/10(金) 22:10:00 ID:SSMHlh/20
- 【異能都市・142番貧民街】
治安が悪く、麻薬や武器密売といった違法な取引が
日常茶飯事に行なわれている都市のスラム街に
警察等の治安維持組織が立ち入ることは珍しくないし、
時には戦闘に発展することもある。
142番貧民街――。
正確な名称は誰も知らず、便宜上付けられた呼び名さえ
何通りもあるようなこのスラム街の一角。まだ発表されていないが、
ここは昨日、都市の異能者と『闇祓騎士団』の構成員が戦闘を行なった場所であり、
小百合はその調査のためにここに訪れたのだった。
「カイマン、エマーソン、アジットはここから東を。
キリュー、マッコールは向こうの建物の住人に改めて事情を聞け。」
小百合は部下に指示を与え、放置された銃や壊れた刀剣、
未だ濃く残る血痕なども採取されていく光景を、眺めつつ自分でも辺りを探索することにした。
- 187 : ◆5xLUrFqMCE:2012/08/11(土) 21:53:25 ID:lqJN2xqQ0
- //今大丈夫ですか?
- 188 :名も無き異能都市住民:2012/08/11(土) 21:55:48 ID:haugAEa.0
- >>187
//私は大丈夫ですよ、やりましょう!
- 189 : ◆5xLUrFqMCE:2012/08/11(土) 22:04:57 ID:lqJN2xqQ0
- >>185
抵抗するほど嫌ではなく、大人しく撫でられる事にする。
にやにやとした笑みが少しカンに触るが、そういう歳なのだろう。
ああ、髪が乱れる。
「そういうものじゃないですか、プレゼントって」
諦めとも、呆れとも取れる声で、私は呟いた。
- 190 :名も無き異能都市住民:2012/08/11(土) 22:19:08 ID:haugAEa.0
- >>189
「開けるよ、開ける」
少女が少しいじけた雰囲気を醸すので、笑みを交えながら軽く謝罪の言葉を述べた。
黒い書を大事そうにテーブルに置くと、言葉通りに白い箱に手を掛け開けた。
- 191 : ◆5xLUrFqMCE:2012/08/11(土) 22:24:31 ID:lqJN2xqQ0
- >>190
箱が開けられていく。
こういう時間は好きだ。
「はいはい、ありがとうございます」
大人気ないと自分でも思うが、やはり少し子供扱いは嫌いだ。
- 192 :名も無き異能都市住民:2012/08/11(土) 22:27:32 ID:haugAEa.0
- >>191
「して、中身は?」
開ける瞬間までは少女の表情の変化を眺めている。
箱が空くまでそれを楽しんでから、中を覗き込む。
- 193 : ◆5xLUrFqMCE:2012/08/11(土) 22:38:50 ID:lqJN2xqQ0
- >>192
中に入ってたのは小さなぬいぐるみだった。
熊と兎の中間のような愛らしい顔の。
「ふふ、これは特別製でですね、不思議な力があるんです」
ふと、ぬいぐるみのリボンが曲がっているのに気付き、軽く直す。
「なんだか、分かります?」
- 194 :名も無き異能都市住民:2012/08/11(土) 22:46:20 ID:haugAEa.0
- >>193
「へぇ、ぬいぐるみ」
取り出したぬいぐるみの愛らしい顔に僅か顔を緩める。
しかし、少女の手前でだだ緩みという訳にもいかないので直ぐ様正す。
「……解らないな、正直、こういった物には疎いんだ」
純白の人間は元々は真人間。
生まれながらに力がある訳でも、魔術の知識がある訳でも、そういった種族でもない。
故に理解できず、首を振ってから少女に答えを求めた。
- 195 : ◆5xLUrFqMCE:2012/08/11(土) 22:57:14 ID:lqJN2xqQ0
- >>194
「生きてるんですよ、この子」
今はまだ、動きませんけど。
「人工生命体・・・って言うんですかね、子供の遊び相手に作られました」
リボンについている小さな宝石のような物を見せた。
「コレが命の元です、このぬいぐるみは代えのきく体になってます」
- 196 :名も無き異能都市住民:2012/08/11(土) 23:08:25 ID:haugAEa.0
- >>195
「なんだって?」
驚きのあまりそれが勢いとなって口に乗る。
見つめ直し、耳などを強く摘まんでみるが動く気配は無い。
「成程……。
若しかすると、造られたのは誰かの能力によってかな?」
もし、そうだとすれば……余り良いとは言えないが。
- 197 : ◆5xLUrFqMCE:2012/08/11(土) 23:23:27 ID:lqJN2xqQ0
- >>196
「能力ではないですね、純粋な研究の結果による物です」
何故そんな事を聞くかと思ったが、少し考えたら分かった。
「ああ、悪用なんてされませんよ」
最初の頃は、主人の命令絶対!だったらしけど。
「この子達はですね、悪意がだいっきらいなんです、正義の塊みたいな物ですから」
「命を吹き込むのは簡単です、主人となるある程度知能のある生物の血を宝石に垂らすだけ」
其処まで言うと、ふぅと私は息をはいた。
「別に、ぬいぐるみだけ欲しいなら宝石をお返しいただければ結構ですよ、個別でも使えますから」
//親が帰ってきたので今日は此処までになりそうです。
じゃあ、また明日お願いします
- 198 :名も無き異能都市住民:2012/08/11(土) 23:40:11 ID:haugAEa.0
- >>197
「成程、いい子だ。
いや、大切に可愛がらせてもらうよ」
不思議な物もあるんだね。
そう思いつつ、ぬいぐるみの頭を撫でてあげる。
「この子はキミが持っておくべきでは無いのかな
……これは僕には似合わないよ」
ぬいぐるみの愛らしさもだし、正義の塊である点も。
//了解です。またお願いします。
- 199 : ◆5xLUrFqMCE:2012/08/12(日) 21:47:11 ID:lqJN2xqQ0
- >>198
//居ます?
- 200 :名も無き異能都市住民:2012/08/12(日) 21:50:58 ID:haugAEa.0
- //おるよ!
- 201 : ◆5xLUrFqMCE:2012/08/12(日) 22:08:14 ID:lqJN2xqQ0
- >>198
「そうですか・・・ちょっと処理に困ってたんですけど、まぁ仕方ないですね」
しょうがないか、所詮オーバーテクノロジーと言うものだ。
「この子はですね、前の主人が目の前で殺されてしまって、そのショックの影響なのか
なかなか次の主人が見つからないんですよ・・・貴方は前の主人と似ているし、この子も
契約できるかなって思って・・・すいません、私の我侭でしたね」
- 202 :名も無き異能都市住民:2012/08/12(日) 22:22:06 ID:haugAEa.0
- >>201
「いや、引き取らせてもらうよ。
この子の愛らしさは魅力だ。その境遇を聞けば引き取らざるを得ないしね」
我儘で済ますどころか、むしろ、少女の気丈さには感心している所だ。
だが、少々引っ掛かる部分があるのも事実。
眉間に手を添えて悩む素振りを数秒間見せた後、少女に向きなおる。
「だが、どうだ。この縫い包みは生きて居るとキミは言ったろう?
なら、キミの言葉使いは少々目に余るよ。
処理、だとか、どうだ。物を扱うような口で語るのはやめて欲しい」
口調は少女を咎める為に僅か厳しい物。しかし、ぬいぐるみをなでるその手つき、顔は優しげ。
純白の人間は意識の中で縫い包みと自分を重ねていたのかもしれない。
何処か似た存在だと思ったのかもしれない。物としか扱われない運命を嫌ったのかもしれない。
- 203 : ◆5xLUrFqMCE:2012/08/12(日) 22:34:43 ID:lqJN2xqQ0
- >>202
「・・・そうですね、しかし、この子は作られた命、道具と言う線引きをしたほうがこの子たちにも都合がいいんです
自分は本物の命では無い、自分は何なんだろう・・・そういう風に考えこまないようあえて道具、という逃げ道を作る
それは大切な事なのです・・・悲しい事ですが」
事実、自ら石を砕いてしまう子も居ると言う。
狂う前に、主人に自分の変わり果てた姿を見せないために。
本当は生まれないほうが良かったかもしれない、しかし生まれてしまって生きている。
命とは、難しいな。
- 204 :名も無き異能都市住民:2012/08/12(日) 22:55:52 ID:haugAEa.0
- >>203
「造られた命か……」
造られた命。それは在る程度使い道が決まっていると言う事であって。
決められた運命のレール。荒部られたそれを認識するだけで憎悪によって吐き気が急激に襲ってくる。
「……この子は、僕が可愛がらせてもらう」
僕とこの子は似た様な物だ。
置かれたレールを脱することができた僕なら、助けることが出来るはずだと。
- 205 : ◆5xLUrFqMCE:2012/08/12(日) 23:03:07 ID:lqJN2xqQ0
- >>204
//すいません、今日は此処までになりそうです
お休みなさい
- 206 :名も無き異能都市住民:2012/08/12(日) 23:10:39 ID:haugAEa.0
- >>205
//了解です。おやすみなさいです。
- 207 : ◆5xLUrFqMCE:2012/08/14(火) 22:06:45 ID:YtRoFiEg0
- //今大丈夫なら反応ください
- 208 :黒沢小百合:2012/08/22(水) 21:56:28 ID:SSMHlh/20
- 【AGカフェ】
「ふう。久しぶりに一息ついた心地がしますね。
まったく、この都市は少し厄介ごとが多すぎる。」
ごとん、とカウンター席に置かれたのはインスタントのブリトーと、
ライムを瓶口に挿したコロナ・ビール。
普段小百合はワインなどを嗜むのだが、
本当にリラックスしたい時には、こうしたモヒートやコロナビールなどを
飲むのが常である。
- 209 :ジャスティン=アンダーソン ◆NSEW/xeQlk:2012/08/22(水) 22:34:13 ID:7gFzKdaU0
- >>208
ドアベルが静かな音を鳴らし、一人の人影が店の中に入り込む。
ドアは音もなく締まり、かつん、とステッキが床と触れ合う硬質な音がそれに続いた。
僅かに身動きする気配の後に、息を少し吐き出して。
「ふぅむ、案外居心地が良いようだね」
そこに立っていたのは、大柄な美丈夫。
彫りの深い顔立ちと、口元には静かな笑み。
、鮮やかな金髪をオールバックにした髪型。
細身かつ、ストライプの入ったスリーピースのダークスーツで鍛えられた体を包む。
少々無骨な印象のステッキは、大柄さによってその物々しさがかえって打ち消される結果となっている。
「――どうやら、店員は居ないようだね?
そこな人、開いているようだから入ったのだが、勝手がわからなくてね。
メニューはどうすればいいのだろう?」
少々の独白の後に、人当たりの良い笑みを浮かべて、小百合の元に近づく男。
朗々とした口調と、絵に描いたような困り顔で小百合に店の勝手がわからない事を相談した。
- 210 :黒沢小百合:2012/08/22(水) 22:48:41 ID:SSMHlh/20
- >>209
「ここは半ば放置されていますから、
皆、材料を使って料理をしたり冷蔵庫に入っている酒を勝手に飲んだり。
そのように思い思いにすごして金だけを置いていくんですよ。よく経営が成り立っている物だ。」
普段なら不機嫌な表情か、はたまた嘲るような笑みを返すところだが、
今日の小百合はリラックスしていることもあってか、男の問いに応えた。
しかし、それでも愛想がいいとは言いがたく
一通り説明すると、男のことなど知ったことではないとばかりに酒を煽る。
- 211 :ジャスティン=アンダーソン ◆NSEW/xeQlk:2012/08/22(水) 22:59:21 ID:7gFzKdaU0
- >>210
「っはは、中々愉快な営業形態のようだね。
毎日散歩をしてはいるが、この異能都市、やはり来てみて良かったというものだ。
では、少々奥へお邪魔させてもらうとしようか。応えてくれて感謝するよ」
相手の態度を柔らかく受け止め、変わらぬ笑みを浮かべたまま礼を言い奥へと行く男。
奥で軽く何かを弄る音が響き、皿と酒を持って戻ってきた。
服の乱れも無く、手早い動作だ。
持ってきたのはアブサン酒と薄く切ったサラミと塩とレモン。
客の少ない店内をきょろきょろと見回して。
「ふぅむ」
と思案すると、小百合の座るカウンターに近寄って行き。
目障りにならない程度の間を開けて、一人で飲み始めた。
アブサン酒を注いだグラスに渡したスプーンの上に角砂糖を置き、アブサン酒を軽く掛けて湿らせる。
そうした状態で火を付け、少々焦げた状態のそれに水を注ぎ消火。
角砂糖をグラスに注ぎ、よくかき混ぜて口に含む。
「――ん、これが有るとは予想外だった」
上機嫌な様子でサラミをつまみ。
静かに酒飲みをしているのだった。
- 212 :黒沢小百合:2012/08/22(水) 23:11:02 ID:SSMHlh/20
- >>211
男が飲み始めると、小百合の機嫌が目に見えて悪くなった。
小百合は若くして金と地位、そして強力な能力を持つ著名人。
当然、お近づきになりたいとごまを擦る者や、それらを狙う者も後を絶たない。
小百合は自分に話しかけて、尚且つ席は幾らでも空いているのに
わざわざ自分の近くに座ったジャスティンを、そうした類の人物であろうと
判断したのだ。
(――気に入らない。)
自分ひとりのリラックスした世界に没入していた小百合は、
それを邪魔されたことに、かなりの苛立ちを覚えていた。
- 213 :ジャスティン=アンダーソン ◆NSEW/xeQlk:2012/08/22(水) 23:15:10 ID:7gFzKdaU0
- >>212
「――ああ、済まないね。
一人酒も乙なものだが、どうせなら誰かと呑むほうが好みだったのだが。
嫌な思いをさせる積りは無かった、と言っても機嫌を損ねさせてしまったのは申し訳なかった」
視線の圧を感じ、苦笑を浮かべて顔を向け、頭を下げる男。
杖を取り、場所を奥のテーブルへと移し、残りの酒を口に含む。
どうも、そういうつもりは無く、ただ単に酒飲みの付き合いが欲しかっただけのようだった。
が、相手の意志を無視してまで傍らで酒を呑むつもりも無く。
静かに奥で一人酒を楽しむことにしたようだ。
気配は嫌に薄く、意識をしなければそこにいることも忘れられそうだろう。
- 214 :黒沢小百合:2012/08/22(水) 23:41:18 ID:SSMHlh/20
- >>213
小百合の『病気』が始まった。
自身の認めぬ相手をとことん嫌悪する不寛容の病。
異常なまでのプライドと偏執的自己愛からくる傲慢の病。
「フン、殊勝なことだな。
ただ、その貴様はその殊勝さをもう少し早く、発揮するべきだった、なあ。」
謝ったはずのジャスティンに対し、嘲るような微笑を向けると
奥へと移動した彼に、グラスに移した酒を浴びせかける。
- 215 :ジャスティン=アンダーソン ◆NSEW/xeQlk:2012/08/22(水) 23:48:32 ID:7gFzKdaU0
- >>214
「――お、っと。
いい酒は、浴びるよりも嗜む方が好みなのだが」
迫る酒に対して、一陣の風が吹く。
男に迫る酒は、次の瞬間に消えて、テーブルに有った空のグラスにそっくりそのまま入っていた。
要するに、グラスから浴びせかけられた酒を、グラスで掬ったのだ。
一息にそれを飲み干し、困ったような顔を浮かべて。
ステッキに軽く触れて、手を離す。
「酒が入っているからといって喧嘩早いのはお勧めしない。
理性的で無い行動は、時に不必要な争いも招きうる。
少なくとも、振りかかる火の粉をそのままにしておく程私も寛容ではないのだよ?」
この都市に良く居る、魔術師だったり異能力者だったり、気の達人である様子は無い。
あくまで、只のよく鍛えられた人間に過ぎない、と言える男。
これだけを見れば、只の戯言にしか聞こえないし、見えないことだろう。
- 216 :黒沢小百合:2012/08/23(木) 00:04:48 ID:SSMHlh/20
- >>215
「……ハッ、大きく出たな。
そんな小手先の技が使える程度の輩が
あまつさえこの私に勝てると思っているとは。」
くつくつ、と喉を鳴らす女の顔は、愉悦に満ちていた。
小百合は争いを、そして圧倒的な勝利を好み、そうした歪な自尊心と、
獣じみた攻撃性を満たすために寧ろそうした不必要な争いを好き好んで
起している節があり、今回、そのはけ口として不幸にもジャスティンを見つけたという
所だろう。
「少し、思い上がりを正してやるのもいいだろう……なあ。」
小百合の腰まで届く、艶やかな黒髪は静電気を帯びたように逆立ち始め……。
- 217 :ジャスティン=アンダーソン ◆NSEW/xeQlk:2012/08/23(木) 00:13:23 ID:7gFzKdaU0
- >>216
「私はただこの場を収めたいだけだよ。
勝たずとも、争いを回避し、争いに巻き込まれない者こそが最も強いのだしね」
ゆっくりと立ち上がると、一万円札をテーブルに置き。
傍らのステッキを手に取ると、軽く握りしめて歩き出す。
威圧感を顕とし、力を見せつけようとする黒沢に、嫌に冷めた瞳を向けて。
脇を通り過ぎるようにしてジャスティンはドアへと歩いて行く。
軽く外へと誘うような目線の動きには、僅かな配慮。
ドアの前に立ち、一言口を開く。
「――憩いの場だろう? やるなら外にするべきだ」
一言そう言い残して。
小百合が留めないのであれば、ジャスティンは外に出ていくはずだ。
- 218 :黒沢小百合:2012/08/23(木) 00:27:06 ID:SSMHlh/20
- >>217
「後悔するぞ?」
小百合は、挑発的に緩んだ瞳でそれに応え、
外へと歩み出るジャスティンの背中を見送った。
「――バカな男だ。」
小百合は、店の外へとでるつもりなどなかった。
自身の能力であれば、相手が攻撃できなであろう『店の中』から
外に出たジャスティンを一方的に攻撃できる。
小百合は勝利を得るためならその卑劣な行為をためらいなく実行できるのだ。
外に出た瞬間、無数の槍が壁のように押寄せ
ジャスティンを串刺しにしようとするだろう。
- 219 :ジャスティン=アンダーソン ◆NSEW/xeQlk:2012/08/23(木) 00:35:32 ID:7gFzKdaU0
- >>218
「――千夜グループ警備部門主任の黒沢君。
君の方向性はある程度理解できたし、君の行動もある程度予測できた。
要するに――後悔する必要は無い、という事だよ」
無数の槍を前に、男はステッキを手元でくるりと回す。
ぶぅん、と風をかき回すそれとは異質な、物が高速で動く、羽音のような音が響き。
ジャスティンに迫る槍の尽くが爆砕し、粉砕し、炸裂した。
破片がジャスティンの頬に切り傷を作るも、血は流れず。
一瞬の押し寄せる槍の壁の隙を付き、強くしゃがみ込み、地面を蹴る。
大地がずん、と揺れ、男は高く、高く、十数メートルの高みへと跳躍。
「ぬ、ぅっ!」
ステッキの先端を掴み、遠くの電柱に向けて振るう。
すると、持ち手の部分がワイヤーで伸び、電柱に巻き付き、途端に巻き上げ。
翼も異能も無く、ジャスティンは都市の夜空を飛翔した。
「気分を害して済まなかった。
又いずれ会おう――〝お嬢さん〟!」
高笑いと捨て台詞を残して。
巨漢は、天を舞いながら〝敗走〟するのであった。
手傷を与えるでも無く、負傷は己のみで、戦いを避けて逃走する。
間違いなく、状況だけを見れば男の負け戦だったことだろう。
- 220 :黒沢小百合:2012/08/23(木) 00:49:32 ID:SSMHlh/20
- >>219
「ハッ、やはりただの詐欺師、
三流は三流らしく、頭を下げて私に従っていればよかったのだ。」
店の中、具現化した無数の兵士と
感覚を共有していた小百合は、飛び去ったジャスティンをあざ笑う。
周りの客は、その光景をみてまたはじまったとばかりにため息をついた。
- 221 :キルリス:2012/08/25(土) 00:14:06 ID:do5XJmGE0
- 【異能都市港湾地区103番倉庫街-13E周辺】
黒猫のキルリスは、主の食べ放題の甘言に釣られ、やってきた。
日中は釣り人から小さな魚のお零れを貰い、夜には港湾労働者の肉を頂いたところだ。
そのような事を可能にするのは、常時発動型の術『猫の足音』
外見と中身の違いを隠し、力を隠蔽させる効果も含めている。
とある神と関連があり、“力を隠蔽する”術式をより効果的にする為に使用する術式。
猫の足音そのものにも力を隠蔽する効果はあるが、今のキルリスは更に力を隠蔽しているが為に、普通の黒猫と思わせていた。
外は暗く、要所に設置された街灯と月明かりだけがこの地区の道標となる。
とある、倉庫街の軒先。軒先で雨宿りをするかのように黒猫は丸まり、己のオッドアイを見せていなかった。
「ナァ・・・・・」
か細い鳴き声の後、黒猫はオッドアイの瞳を開けて、周囲を見始めた
- 222 :名も無き異能都市住民:2012/08/25(土) 00:39:36 ID:SSMHlh/20
- >>221
目標の『13E』倉庫には歩哨の類は見受けられず、
明かりや話し声、音、匂いといった敵の痕跡らしきものは全く見られない。
恐らく、存在隠蔽のための何らかの術式の働きだろう。
倉庫周辺に歩哨はいないといっても、
察知、迎撃といった術式の存在は十分考えられる。
どう近づくべきだろうか。
- 223 :キルリス:2012/08/25(土) 00:57:24 ID:do5XJmGE0
- >>222
黒猫は立ち上がった。
毒針が仕込まれた尻尾は地面と水平になっており、少々建物もうろつくも突破口は見受けられない。
ならば…
「にゃぁ………」
黒猫は動きを止め、欠伸をするように、口を開く。
そして再び歩き始める。
倉庫といっても、窓があり、換気扇やパイプ等は存在する。
そうでなければ、倉庫という場所は機能を果たさない。
自然と、足は通りに面する出入口から、倉庫と倉庫の間の細道を選ぶ。
このネコの躰をもってすれば、垂直に立った配管を上がるなど造作もないことだ。
- 224 :名も無き異能都市住民:2012/08/25(土) 01:14:47 ID:SSMHlh/20
- >>223
窓こそ全て締め切られていたが、
パイプや雨樋を伝って上へと昇ると、換気扇を発見する事ができた。
作動はしておらず、体をねじ込んで内部へと侵入する事が可能だろう。
明かりがついていないため、内部の様子はよく分からないが、
少なくとも換気扇をくぐったところで敵に鉢合わせする事はないだろう。
- 225 :キルリス:2012/08/25(土) 01:24:56 ID:do5XJmGE0
- >>224
ていよく換気扇を見つけたキルリス。
動作している様子も無い以上、躰を傷つけるとは思えない。
成猫とはいえ、お世辞にも大きいとは言えない躰。
頭、胴、尾と続けて換気扇をくぐり抜けていく。
猫特有のしなやかさで、音も小さく着地。
改めて侵入経路である換気扇を見つめれば、そう高くない距離から落ちていた。
さて、ここは作られた二階か、それとも一階か。
それを把握するためにオッドアイの猫は当然のように視線で哨戒を始める
- 226 :名も無き異能都市住民:2012/08/25(土) 01:36:35 ID:SSMHlh/20
- >>225
倉庫内部の作りは簡素なもので、
ただ物を置くための空間が広がっているだけで2階は無かった。
しかし、船の積荷と思われる1m四方のコンテナが山と積まれ
ほとんどアスレチックのようになっており、必要とあらばソレらを伝って
天井部に備え付けられた、大型荷物を吊り上げるためのクレーンや鉄骨まで
達する事ができる。
しかし、内部にはまったく敵の気配がない。
本当に敵がいないのか、それとも隠蔽術式の効果かは分からないが、
もう少し詳しく探索を行なう必要があるだろう。
- 227 :キルリス:2012/08/25(土) 02:17:02 ID:do5XJmGE0
- >>226
硬い感触。恐らく金属製のもの。
みれば、アスレチックのようになっている。
だがキルリスの思考には、登るという選択肢は無い。
「…生肉ばかりでは飽きるにゃ」
音も無く、コンクリートの床と肉球が触れる。コンクリートの感触は冷たいものだ。
黒猫が言葉を発したあと、黒猫の口には火の粉が溢れ、火燐は次第に大きくなっていく。
火燐が床のコンクリートに触れ、「じゅっ」と音が鳴った。
口から火燐を零す猫は、無遠慮に歩きまわる。
尻尾は床と水平、しかし頭と視線は止めどなく動きまわり。
そして、倉庫の中央部に辿り着いた。
天井のクレーンというモノの存在には気付いていない。
知らないのだ。それがコンテナ等の重量物を移動させる機械のクレーンと「認識」していない。
勿論、使用目的は不明、使用方法等知る由もない。
黒猫は、コンクリートの床に爪を立てる。
この黒猫の久しぶりの爪研ぎ。しばらくやっていなかっったのだろう。
古龍の爪を相当に無理して圧縮し、猫サイズに当て嵌めたそれは非常に頑丈で、鋭い。
ガリガリ、ガリガリ。
前足から始める爪研ぎは、次第にコンクリートに独特の爪痕を刻んでいく
- 228 :名も無き異能都市住民:2012/08/25(土) 21:55:45 ID:SSMHlh/20
- >>227
火燐によって仄かに明かりが灯り、
目視による探索が可能になる。
コンテナ以外に存在するのは例のクレーン以外に、
隅の開いたスペースに無造作に止められた黄色のフォークリフト。
更によくよく見ると、そのフォークリフトやコンテナはかなり長い間放置されているらしく
座席や蓋に埃が積もっている。
しかしフォークリフトは最近誰かが移動させたのか、
埃の上に轍が1〜2m程、できているのがみえる。
- 229 :キルリス:2012/08/25(土) 22:23:39 ID:do5XJmGE0
- >>228
黒猫は、爪研ぎに満足したのか「伸び」をして、再び散策を始める。
チロチロと漏れる火燐はそのままに、とにかく歩きまわる。
二度三度、キョロキョロと眺めては、散策する。
暗がりに舞い踊る火の粉は、傍から見ればおかしな光景だろう。
「にゃ〜〜」
鳴いて、再びキョロキョロ。
火燐が照らしだした先に、何かがあった。なんと手頃なところに『暗くて』『狭い』ところがあった。
そこはちょうど黄色い何かのしたなのだろうか。
「にゃにゃにゃ〜」
黒猫は気分良さげに、フォークリフトの下へと潜っていく。
フォークリフトの下、繊維や髪等、色々な物が複雑に絡み合った埃を見つけては、前足でちょっかいをかけていく。
前足で埃にちょっかいを出せば、フワフワと宙を舞う埃。其れを追いかけて、更に前足でちょっかいをかけていく。
そうする内に、フォークリフトの下から出てしまい、轍が出来た辺りに着地した。
口から火燐を出すものの、尻尾は左右にゆっくりと揺られており。
//次レス遅くなる
- 230 :名も無き異能都市住民:2012/08/25(土) 22:54:29 ID:SSMHlh/20
- >>229
フォークリフトの下にはちょうど隠すように、
四角いマンホールのような蓋があった。
恐らく、日光にあてたり通常の室温で保存できない物を
入れておくための部屋か何かがあるのだろう。人気のない倉庫の
隠された地下室。
敵が隠れるにはまさにうってつけだ。
- 231 :キルリス:2012/08/25(土) 23:22:44 ID:do5XJmGE0
- >>230
「にゃっにゃっ!」
黒猫のちゃっかいによって舞い上がるホコリの塊。
浮いた埃を前足で叩き、追いかけ、浮き上がった埃をジャンプ、時には猫パンチで四方八方から追い掛け回すキルリス。
その光景は、たんぽぽの綿毛にじゃれつく猫を想像したら分かりやすいだろう。
そのうち埃の塊は再びフォークリフトの下へと舞い込んでいく。
埃に夢中で気づいては居ないが、鋭い爪が、四角い蓋と擦れあい、嫌な音を立てる。
その音にキルリスは驚き、フォークリフトの下、ちょうどタイヤの真横で身を伏せる。
- 232 :名も無き異能都市住民:2012/08/25(土) 23:39:24 ID:SSMHlh/20
- >>231
敵がいるならば音に気づきそうなものだが、
いつまでたっても、敵が出てくる気配はない。
そもそも、移動した後こそあるが中に入った後で
どうやって、このフォークリフトを蓋の上へと移動させたのだろうか。
- 233 :キルリス:2012/08/25(土) 23:52:56 ID:do5XJmGE0
- >>232
先ほどタイヤの真横に躰を移動させたせいか、綿埃はどこかに消えていて。
そもそも人が近くを歩いただけでふわりと動く綿埃だ。
キルリスの急激な姿勢変化で起きた風で飛んでいってしまったのかもしれない。
もう見えなくなってしまった綿埃。
それを気にすること無く、キルリスは口から火の粉を落としながら轍の跡に続く。
その先に何があるか。もしかすると何も無いかもしれない。
「出入りできにゃいにゃ」
ポロリと口から溢れ、舞う火燐はひらひらと暗い倉庫内を仄かに灯す火となり、床の様子をキルリスにみせつける。
論理的な思考は無い。『考えて』も単純なこと。只、あるがままに進むだけだ。
ふわりと欠伸が出た。その時零れた火燐は更に明るく周囲を照らす
- 234 :名も無き異能都市住民:2012/08/26(日) 00:31:57 ID:SSMHlh/20
- >>233
轍の跡の先、といってもほんの1〜2m程度のもので、
元あった場所から例の蓋を隠すために移動させた、といった様子だ。
その先に何があるかと問われれば、
すぐに途切れて何もない、と言わざるを得ない。
やはり、情報どおりここに敵の拠点があるのであれば
地下しかなさそうに見える。
- 235 :キルリス:2012/08/26(日) 00:51:14 ID:do5XJmGE0
- >>234
何も無い。
口から溢れる火燐が照らす先には何もなかった。有るのは埃をかぶったコンクリートの冷たい床。
黒猫は尻尾を立て、踵を返し、再びフォークリフトのところへと戻ってきた。
だが、真横を通過しフォークリフトから距離を取る。
ちょうどそこは、爪研ぎをしたところ。
爪研ぎの跡が視覚的なマーキングとなり、黒猫をこの場所まで戻した。
黒猫は口を開く。火燐溢れる口から、溢れる炎は埃に塗れた床を灼く。
口から周囲の魔力を調達し、更に炎の勢いは加速する。
「―――」
今は知るものがほとんど居ないであろう言語により、術は構成される。
龍種のブレスを作る器官が存在しない為、その代替手段であるが……それは余りにも高温で。
球体に炎が巻き付くように炎の玉が形成され、規模が大きくなる。炎の玉の大きさは約50センチ程度だろうか。
そして、それをフォークリフト目掛け吐き出した。
倉庫内のスプリンクラーが作動し、水がキルリスの躰を濡らすが、炎の勢いは衰えない。
だが、
- 236 :アイリス:2012/08/26(日) 01:00:43 ID:do5XJmGE0
- >>235
//一番下の「だが、」は無視で
- 237 :名も無き異能都市住民:2012/08/26(日) 01:06:57 ID:SSMHlh/20
- >>235
フォークリフトは炎に包まれ、一瞬でぱっと炎に包まれる。
既に動力源のオイルもなくなっていたために、爆発したりすることはなかったが
スプリンクラーですら消火出来ないほどの強力な火は、すぐに倉庫の壁面に燃え移り始める。
しかし、この段になっても敵は姿を現さない。
- 238 :キルリス:2012/08/26(日) 01:18:21 ID:do5XJmGE0
- >>237
この黒猫の皮下は古龍時代の鱗で覆われている。
距離が離れている上に、鱗自体が炎には強いため、さほど影響を受けることはない。
そして、未だ口から火燐を漏らすキルリスは、入ってきた換気扇の方へと歩みを進める。
まるで、入ってきた入り口へと戻るように。興味を失ったかのように、その足は早かった。
と言っても、所詮は猫の速度。たかがしれている。それに速度も『逃げる』ような速度でもなく、かといって『歩く』ほど遅くも無く。
「にゃ………」
とん、とジャンプし、1m四方のコンテナに昇る。
トン、トン、と手際よくあがっていくと、もうすぐ換気扇が見えてきた。
そして出るかと思われたが、上から再び“拠点”を眺める
- 239 :名も無き異能都市住民:2012/08/26(日) 01:38:51 ID:SSMHlh/20
- >>238
拠点からはやはり、慌てて飛び出してくるだとか
なんらかの行動をとる様子はない。
――実は、この時点で既に敵は避難を完了していた。
換気扇を潜った時点で、すでにこのアジトに
張り巡らされていた感知網によって騎士団はキルリスに気づいていた。
感知しただけなら、ただの猫だで済むかもしれない。
しかし特に興味のない生物が気まぐれで寄り付かぬよう、隠蔽術式には
『この場所に目的のある者』しか、ここに入れない仕組みの人払いの結界が
組み込まれていたのだが、それを破って入ってくるという事は尋常の猫ではなく
ここに用がある――つまりは使い魔の類であると判別することも出来た。
となれば迎撃するか、逃亡するかの二択。
例の地下へ入り込んできたところを攻撃すべく待ち構えていたのだが、
入り込んでくる気配がない。
ここで敵は仲間を呼ばれることを懸念し、『転移術式』を以って隠れ家を引き払ったのだ。
- 240 :キルリス:2012/08/26(日) 01:46:25 ID:do5XJmGE0
- >>239
口から漏らす炎は次第に少なくなり、キルリスはそのまま闇へと消えていく。
後は主に状況を伝え、そのまま『食事』に向かっていった
- 241 :高向谷 司朗:2012/08/27(月) 21:57:18 ID:hqJp2y1E0
- 【AGカフェ】
「えーっと……」
司朗はAGカフェで、魔導書を前に唸っていた。
「うーんと……」
首をかしげ、"いかにも"な苦悶の表情とポーズをする。
「んー……あーっ……」
いらだたしそうに頭を掻いたりするのも、どこか芝居がかっていた。
そして、五分ほどたった頃だろうか。
――チーン
「……きた!」
司朗は突然キッチンに入り、電子レンジを開ける。
厚手の手袋を嵌め、オーブン用トレーをレンジから取り出した。
「……!」
司朗の顔がほうっと明るくなる。
トレーの上に載っていたのは、サラミとチーズが敷き詰められた、
スーパーなどで売っている、オーブンレンジで出来るお手軽ピザだった。
「……司朗、お前勉強する振りをしてピザが出来るのを待っていただろう」
司朗の腰にぶら下げられている魔道具が、
呆れたように司朗に言った。
「そうだよ」
「季節感の無い奴め……」
- 242 :欠け耳のボロッブ:2012/08/27(月) 22:44:51 ID:SSMHlh/20
- >>241
――がらんごろん、がたっ。
ドアベルが楽しげに歌い、新たな来客を知らせる。
ここまではいつもどおりだが、その後になにやら妙な音が響く。
「ぬ、ぐ?……っとと。」
目を向けると、入り口一杯に広がる小汚い黄色のリュックサック。
背負ったソレがひっかかり、立ち往生している様子の小鬼の姿が見える。
ぐいぐいと強引に中に入り込む途中で破れた箇所から2,3小箱や紙束が落ちたが
それに気づかないようすで、手近な卓につく。
- 243 :高向谷 司朗:2012/08/27(月) 22:57:12 ID:hqJp2y1E0
- >>242
「ん?
小鬼のおっちゃん、なんか落ちたよ」
司朗はコーラの缶を右手、ピザを左手に持ってキッチンから出てきた。
司朗はそのまま落ちた荷物の周りで右往左往する。
「……ごめん、拾ってあげたいけど手が一杯なのよ」
荷物をテーブルに置けばいいのに。
ボロッブの座った席の近くに、司朗が読みっぱなし(というか眺めていただけ)の魔導書が置いてある。
タイトルは"三つ首竜の邪悪な魔術千選"。
千種類の術について記されているものの、その使用法は一切書かれていない。
よく見ると図書館のラベルが貼ってあった。
- 244 :欠け耳のボロッブ:2012/08/27(月) 23:12:29 ID:SSMHlh/20
- >>243
「ありゃあ、すまんこって。
ちょいとまってくれなあ。」
既に、鯖と豆の2種類の缶詰を開け、
もそもそと舌鼓をうっていた小鬼はよいしょという掛け声と共に席を立ち、
それらを拾いに来た。
リュックから落ちた紙束や小箱はいずれも微弱な魔力を帯びており、
値札のようなシールが貼り付けられているところを見ると、この小鬼は商人であるらしい。
「よっこら。」
――がしゃがしゃ。
拾おうとかがんだ拍子に、リュックから様々な品物が零れ落ちる。
- 245 :高向谷 司朗:2012/08/27(月) 23:21:12 ID:hqJp2y1E0
- >>244
「ああもう、ピザが冷めるっ」
司朗はピザとコーラを乱暴にテーブルに置き、品物を拾おうとした。
「……おっちゃん、それなんか腐ってない?
中身何?」
小箱や紙束を見て、司朗は呟いた。
司朗は魔術の勉強をして入るものの、まだまだド素人。
魔力を目で見るようなことは出来ないようだったが、しかし、何か違和感を感じたらしい。
ボロッブが手を伸ばす小箱を見ながら言った。
「ひょっとしてこっちも?
うひい」
リュックから落ちた品物群を、
人差し指と親指で摘み上げるようにして拾う。
失礼な思い込みだった。
- 246 :欠け耳のボロッブ:2012/08/27(月) 23:39:26 ID:SSMHlh/20
- >>245
「中身? こりゃあ、ええとだな……。
ワイバーンの心臓の琴線の三等品だね。
養殖モンだが触媒としてはええもんだよ。」
拾い上げた箱のラベルを確認して、それを読み上げるボロッブ。
大量の物品を所持しているため一つ一つをいちいち憶えていないのだ。
「腐ってなんかねえだよ、
より良い物をより安く、がうちのモットーさね。」
それなりの量のアイテムが床に散らばったが、
小鬼が拾い上げるだけでアイテムの姿がいずこかへ消えてしまうので
全てを回収するのは存外早かった。
「っとっと、兄ちゃんには手間をかけたもんだ。
いやぁ、ありがとうよォ。」
司朗が拾った物を求めるように、手を差し出しながら。
- 247 :高向谷 司朗:2012/08/27(月) 23:50:24 ID:hqJp2y1E0
- >>246
「そうなの?
最近なんか目がおかしいなあ。
なんかアイテムが消えて見えるし」
拾ったアイテムをボロッブの手に置き、自分の目を擦った。
「まあそんなこたいいや。
おっちゃん商人の人?
それ全部売りもんなの?すげえなあ」
司朗は椅子に座り、コーラのプルタブを上げる。
そしてボロッブの背中のリュックを見ながら言った。
「ワイバーンの心臓の琴線だとか触媒だとか言うぐらいだから
ちょっと想像付く感じだけど、どんなもん売ってんの?」
- 248 :欠け耳のボロッブ:2012/08/28(火) 00:11:17 ID:SSMHlh/20
- >>247
「そーともよ。どれもこれも、
魔術の品やら、儀式に使う触媒やらそんなさね。
ええとだな……。」
どんなものを売っているのか、という問いに応じるように
手近な卓の上にいくつかの商品――遠眼鏡、鍋、なにかの牙でつくられたのネックレスを置く。
それらも先ほどと同じようにいきなり掌に現れたところを見ると、
この小鬼は魔術の素養があるのだろう。
「ええと、たとえばこりゃあ魔法の遠眼鏡っつーて、
かけりゃあ、大抵の言語は翻訳されて見えるっつー単純な代物。
『翻訳』の魔術が永久化して付与されとるんだな。」
最初に拾い上げたのは遠眼鏡。
箱よりも付与されている魔力量が多いため、例の違和感が強いかもしれない。
- 249 :高向谷 司朗:2012/08/28(火) 00:22:54 ID:hqJp2y1E0
- >>248
「ん?この遠眼鏡も腐って……」
最後まで言いそうになるが、さすがに遠眼鏡が腐るという表現はおかしい。
「いや、今の無ーし。
そんで、大体の趣旨?は解ったよ」
ふんふんとピザをほおばりながら頷いた。
「もしかしたら俺もその内大魔術使うときとかにお世話ンなるかもね。
魔術修行中の身だし、素人に毛が生えたようなもんだけど。
そんときゃろよしくね」
そう言って笑った。
- 250 :欠け耳のボロッブ:2012/08/28(火) 00:35:43 ID:SSMHlh/20
- >>249
「おうおう、修行中ならええのがあるでよ。
アルケミー・ラボ・インダストリー社製の長寿シリーズ!
効率よいトレーニングのお供『マジックサプライ』なんてどうさね?」
とん、と卓に出されるのは杖から水を出す老魔術師のイラストが描かれた紙パック。
これは、所謂スポーツ飲料の魔力版。消費した魔力を経口補給できる魔力飲料水であり、
テレビCMなども時折みかける。
「初心者ってのは魔術書ばかり買いあさって、こういう便利なアイテムを
知らんモンでよ。仕組みは昔の魔法薬やら霊薬やらとまったく同じだが、味は特別飲み易い。
いまなら新発売のストロベリー風味が10%OFFにしとくが。」
- 251 :高向谷 司朗:2012/08/28(火) 00:49:34 ID:hqJp2y1E0
- >>250
「魔術書なんか買ってないよ、これ図書館からの借り物だよ。
こんな高い本、学生アルバイターの収入じゃ買えないよ」
屁理屈をこねながら先ほどの"三つ首竜の邪悪な魔術千選"を裏返す。
裏には定価1050と書いてあった。
「これはちゃうねん」
司朗は即座に否定した。
そしてマジックサプライを見る。
「へー、よくCM見たけどそういう飲料だったんだ。
普通のスポーツ飲料かと思ってた。
……ためしに一本、いくら?」
- 252 :欠け耳のボロッブ:2012/08/28(火) 01:07:13 ID:SSMHlh/20
- >>251
「しかしまあ、魔術書漁りはまあ基本ではあらあな。
一度、『幻想通り』の古書露店なんかにいってみるとええよ。」
魔術師の最大の武器は『知識』とも言われる。
学んだ知識全てが武器となる魔術師にとって、学習――。
特に本と言う媒体から先人の知恵を学ぶのは基本中の基本。
「一本、1異能$だよ。青銅貨1枚半でもええがね。」
市販のスポーツドリンクとほとんど値段的には変わらない。
マジックアイテムといえば高価な印象があるが、最近は大量生産による
安価な価格設定が可能なのだ。
- 253 :高向谷 司朗:2012/08/28(火) 01:17:15 ID:hqJp2y1E0
- >>252
「じゃあ異能$で。
意外と安いなあ、エナジードリンクのが高いぐらい」
貨幣を手渡した。
「効果の程は今度魔力を大量消費したときに確かめるとして……。
幻想通り?あんまり聞かない場所だなあ」
そう言って、ピザの最後の一口を飲み込んだ。
そして、手に取った魔導書を眺め、ある事に気付く。
「……そういえばこの本返却期限もうすぐじゃん!
ごめんおっちゃん、また今度ね!
あ、俺高向谷司朗!」
司朗はピザとコーラの代金を置きながら叫ぶと急いでカフェを飛び出していった。
- 254 :欠け耳のボロッブ:2012/08/28(火) 01:25:09 ID:SSMHlh/20
- >>253
「はいはい、毎度あり……。
っとと、おーい!お釣りと商品!」
駆け出していく司朗はこともあろうに、
商品とお釣りを両方忘れていってしまった。
「あーりゃりゃ、まあ若けえってこったなあ。」
そんな司朗を呆然と見送り、ボロッブは再び食事に戻るのだった。
- 255 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/08/28(火) 22:12:51 ID:vljhfSlg0
- 【公園…】
「……あついのー」
【何やら元気なくベンチに寝転ぶ少女がいる】
「うー、ほーたいかえとけばよかったかなの…」
【暑さに弱いのか、ちょっと辛そうである】
- 256 :峰岡 海賀:2012/08/28(火) 22:15:37 ID:JMt6hiJc0
- >>255
「アジぃ〜」
と、言って自動販売機でアイスコーヒーを買う青年
「ゴクッゴクッ、プハッ、ふぅ、やっぱり飲んでもあちぃな〜」
と、言うとディスを見つける
「おっと…ホイ」
アイスココアを買うとディスに向けてポイっと投げる
- 257 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/08/28(火) 22:21:23 ID:vljhfSlg0
- >>256
「あ、」
【ディスは飛んできたアイスココアを素早くその両手でキャッチした】
「ありがとなの、いただきますなの〜」
【そう言ってすぐさま缶を開けて飲み始める】
「…あうー、ちょっとげんきになったの」
【そう言ってゆっくりと起き上がった】
「うー、ありがとなの〜」
【見ると結構汗をかいているようだ…】
- 258 :峰岡 海賀:2012/08/28(火) 22:40:39 ID:JMt6hiJc0
- >>257
「どういたしまして」
と、言うと笑う
「…おっと、ハイ」
そう言うと、背中にしょってたバッグから使ってないタオルを取り出し渡す
- 259 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/08/28(火) 22:51:45 ID:vljhfSlg0
- >>258
「ん、ありがとうなの〜」
【もらったタオルを手に取り、顔を吹き始める】
「あつーいひはにがてなの…
ぜんぜんうごくきしないからなの」
【そう言ってあちこちを吹いている】
【見ると包帯も蒸れているように見える】
- 260 :峰岡 海賀:2012/08/28(火) 22:54:17 ID:JMt6hiJc0
- >>259
「確かにね〜、でも正直、寒いよりはこっちと方が俺は好きだな」
「そういえば、どうして包帯を巻いてるの?」
- 261 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/08/28(火) 22:56:45 ID:vljhfSlg0
- >>260
「そうなのー。
『でぃす』はしろーいゆきがいっぱいふるときのほうがすきかなの」
【そう言って空を見上げた】
「あう?ほーたいなの?
これは…」
【そう言って手を動かすと】
しゅるしゅる
【右手の包帯がひとりでにほどけていく】
「こうやってうごかすのにつかえるからと…
けがいっぱいあるからなの」
【チョット得意げに答えている】
- 262 :峰岡 海賀:2012/08/28(火) 23:07:22 ID:JMt6hiJc0
- >>261
「ディスっていうんだ…俺は峰岡 海賀
会うことは多分あまりないだろうけどよろしく」
「冬が好き…か…」
と、言うと少し顔が曇りとても小さな声で言う
「…俺とは正反対だな」
確かに正反対だろう、『もう一人の自分』は寒いのが弱点であることからして
「…わ、わ、わ、ちょっと、包帯とボロボロの物以外に着るものないの!?
っていうか…毛…?」
気付けば包帯とボロボロの衣服しか体に身につけてないことに気付き、慌てる
(それとさっき一瞬見えた傷…なんだったんだろ…?)
- 263 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/08/28(火) 23:11:52 ID:vljhfSlg0
- >>262
「あう?『みねおか』なの〜!
わかったの!よろしくねなの」
【そう言って大きく頷いた】
「あうー、ゆきがだいすきだからなの〜。
あついのはすごくよわいからそっちのほうがすきなの」
【そう言って頷く】
「あうー、おふくはもらうことおおいけどなの…
これがいちばんうごきやすいからなの」
【ほとんど無地のシャツとズボンというシンプルな服装である。おしゃれとは無縁そうだ】
「あう、けじゃなくてけがなの〜」
【一瞬見えた傷をまた包帯で覆って返す】
- 264 :峰岡 海賀:2012/08/28(火) 23:15:50 ID:JMt6hiJc0
- >>263
「雪…熱に弱い…」
と、呟く
「そ、そう…でも、なるべく服も取り換えた方が良いよ…?」
「あ!、『毛が』じゃなくて『怪我』か!」
納得したように手を叩く
- 265 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/08/28(火) 23:27:37 ID:vljhfSlg0
- >>264
「あうー、そうなの」
【大きくうなずきながら言う】
「そうかなの…
わかったの、ほかのふくもらえるかきいてみるなの」
【笑顔で答える。割と物分かりは良いようである】
「そうなの、けが なの〜。
それもいっぱいあるからなの。
みられたらびっくりしちゃうかもしれないからあんまりみせられないなの」
【腕を軽くさすりながら言う。痛そうにはまず見えない】
- 266 :峰岡 海賀:2012/08/28(火) 23:30:30 ID:JMt6hiJc0
- >>265
「ふむ…寒さ…」
少し考え込むが
「あぁ、そうしたほうがいいよ、…変な大人に絡まれる可能性があるしね」
と、言うとフッと笑う
「…」
(わけありって奴か…?)
- 267 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/08/28(火) 23:50:37 ID:vljhfSlg0
- >>266
「んん?どうしたの?」
【寒さと言う言葉を聞いてふしぎそうに見つめる】
「でもどんなかっこしたらいいのかよくわかんないの…」
【そう言って困った顔をする】
- 268 :峰岡 海賀:2012/08/28(火) 23:52:26 ID:JMt6hiJc0
- >>267
「いや、なんでもないよ………」
思考を止める
「うぅ〜む、誰かそう言った物を相談できる人っていないの?」
- 269 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/08/28(火) 23:55:25 ID:vljhfSlg0
- >>268
「そっかなの〜」
【納得…したかどうかは分からないがひとまずそれでわかったようだ】
「あうー、おうちにいっしょにすんでる『ろざりあ』だったら
もしかしたらおようふくもらえるかもしれないの…
あ、そういえば『くりすます』で『じょーげん』からもらったおふくもあったかなの…」
【どうやら交友は広いようである】
- 270 :峰岡 海賀:2012/08/29(水) 00:00:13 ID:JMt6hiJc0
- >>269
「うむぅ……じゃあ、そのロザリアっていう
じょ、……女性?から色々と聞いてみたら?」
と、提案してみる
「……む…」
ふと、少し遠くのビルの屋上を見る
「……?、気のせいか……?、人影が見えたような気がしたが…」
- 271 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/08/29(水) 00:02:30 ID:vljhfSlg0
- >>270
「あうーわかったの、
きいてみようなの!」
【割とあっさりと了承した】
「? だれかそこにいたの?」
【ふしぎそうな顔で峰岡が見た方向を振り返る】
- 272 :峰岡 海賀:2012/08/29(水) 00:06:26 ID:JMt6hiJc0
- >>271
「そうそう、女の子はやっぱりオシャレしないと
……怪我も長い服を着れば大体隠せるしね」
と、笑いながら答える
「……、多分いなかった……と思う」
と、言うが顔からは冷や汗がたれてる
//戦闘突入がしたくなってしまった……いいですか?
- 273 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/08/29(水) 00:09:54 ID:vljhfSlg0
- >>272
「あうー、
おしゃれなの…やったことないなの〜」
【ディスの髪の毛は若干ボサボサ髪であるが、綺麗な銀色の髪飾りが止めてあって可愛らしい】
「あう、そうなのかなの…
なにかにおいしなかったかなの」
【そう言って辺りをくんくんと嗅ぎまわる。ディスの鼻はかなり効くようだ】
//構いませんぞ
- 274 :峰岡 海賀:2012/08/29(水) 00:18:22 ID:JMt6hiJc0
- >>273
「そうなんだ……女性は、自分の美しさには気を付ける者だよ?」
と、笑いながら言う
「…………?」
キランと光った気がした、そして目を凝らして見ると
白い服を着た男がスナイパーライフルを持っているのが見えた
「ッ!、まさか!?」
何故か狙撃主は狙いを峰岡からディスに変える
「危ないっ!」
銃弾が発射されると同時にディスを突き飛ばし
そのまま銃弾が右腕に当たる
「うぐっ!、なっなに!?」
当たった瞬間、腕から煙が噴き出てくる
「え、液体窒素弾か!?」
そう言う間にも相手の狙撃は止まらない
- 275 :SUIT 狙撃主:2012/08/29(水) 00:20:16 ID:JMt6hiJc0
- >>274
「………チッ」
当たった場所が右腕だったことに舌打ちする
狙撃主は無線を取り出す
「第一攻撃失敗、第二攻撃に移れ」
と、指示を出すと同時にディスと峰岡の周りから5人ほどマスクを被った
黒づくめの戦闘員たちが出てくる
- 276 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/08/29(水) 00:25:19 ID:vljhfSlg0
- >>274
「あうー、そんなにきれいかな…」
【少し不安そうに答えるよりも早く】
「のっ!!?」
【突然突き飛ばされたために凄まじい勢いで地面に倒れこんでしまった】
「うー…きゅうになんなの…
あう!?だ、だいじょぶなの!?」
【腕から吹き出す煙を見てかなり驚いている】
>>275
「あうー、なんなのこのひとたちなの…
なんか、いやなにおいがするなの…」
【戦闘員たちの姿を見て不安そうな顔をする】
「しりあいなの…かなの?」
- 277 :峰岡 海賀:2012/08/29(水) 00:29:51 ID:JMt6hiJc0
- >>275
「くそっ!、俺が狙いか……!」
と、言うと動かない腕をフラフラさせながら立ち上がる
>>276
「ディス………隠れてて
こいつらは人間じゃないから……」
と、言うのもうなずける、なぜなら戦闘員達は
全員顔が死人の顔で呼吸もしていない、臭いを嗅げば死体の匂いがする
- 278 :SUIT 狙撃主:2012/08/29(水) 00:32:02 ID:JMt6hiJc0
- >>276>>277
「01から03の三つは強化タイプ人間の捕獲
04から07の四つはターゲットの冷却だ、さっさと移れ」
と、狙撃主が命令すると同時に戦闘員達はサブマシンガンを取り出して放つ
- 279 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/08/29(水) 00:36:48 ID:vljhfSlg0
- >>277
「あうあう…
たしかにそういうにおいはしないの…」
【周囲の人間を警戒しながら答える】
「あうー!
だいじょぶなの!『でぃす』もたたかえるからなの!」
【ぐっとガッツポーズをして答えた】
>>278
「あうー!うったらだめなの!」
【ディスは思わず包帯を峰岡の前へと勢い良く伸ばしていった】
しゅるしゅるしゅる
【包帯は発射された弾丸を次々と受け止め、地に落としていく】
「そんなことしたらけがしちゃうなの!
はやくかえってよなの!」
【ディスはそう言って全身の包帯を激しく動めかせ始めた】
- 280 :峰岡 海賀:2012/08/29(水) 00:44:39 ID:JMt6hiJc0
- >>278
「ぬわっ!」
いくらか体に受けるが幸いまだ致命傷には至ってない
>>279
「こ、これって…!」
包帯を目の前にして驚く
「もしかして、ディスが…?」
- 281 :SUIT 狙撃主:2012/08/29(水) 00:47:12 ID:JMt6hiJc0
- >>279>>280
「チッ、なんて面倒な能力だ」
ディスの包帯をスコープで覗きながら言い、無線機を持つ
「全員、接近戦に移れ」
と、指示を出すと同時に戦闘員達の腕から剣の形をした骨が飛び出て装備する
そして全員二人に向かって突撃していき、狙撃主の方はディスの腕に向けて狙撃する
- 282 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/08/29(水) 00:53:12 ID:vljhfSlg0
- >>280
「あうー、そうなの!
こんなこともできるんだよなの!」
【やや得意げな表情である】
>>281
「あう!そんなのだめなの!」
【ディスは腕から包帯を伸ばして一気に戦闘員たちに伸ばし始める】
びしっ
「ん?あうー、いまのはなんなのかなの!」
【ディスの腕に確かにライフルの一撃は命中したが…
どうやら包帯が弾き返してしまったようだ。それでも衝撃はかなりのもののはずだが】
「あう!そこでうってるんだねなの!」
【軽く起こったディスはその辺の石を包帯でつまみ上げて】
「えいやっ!なの!」
【狙撃手の斜線上に向けて凄まじい勢いで投げつけた】
- 283 :峰岡 海賀:2012/08/29(水) 00:56:31 ID:JMt6hiJc0
- >>281 >>282
「うわっ!」
なんとか避け続けていたが、グサリと胸に刺さる
「ウグフッ!」
そのまま胸を貫通する
- 284 :SUIT 狙撃主:2012/08/29(水) 00:59:00 ID:JMt6hiJc0
- >>282
「ッ!」
サッと石を避ける
「チッ、場所を掴まれたか」
と、悪態をつくと同時に峰岡の状態を見る
>>283
「よし、そのまま冷却しろ」
指示すると同時に峰岡の胸に刺さった骨から蒸気が出て、どんどん凍り始める
- 285 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/08/29(水) 01:02:06 ID:vljhfSlg0
- >>283
「あうあう!
だいじょぶなの!!?」
【ディスは刺さった骨を見て慌てて包帯で骨を縛る】
「これはあぶないの…
はやくとらないとなの!」
【患部を抑えつつ骨を抜き取ろうとしている】
>>284
「うー、そんなことさせないの!
なんだかよくわからないけど、さむいのきらいっていってたからなの!」
【そう言うとディスは包帯を兵士たちに向けて一斉に勢い良く伸ばした】
【包帯にもかかわらずかなりの切れ味になっている】
- 286 :飼い主 ◆U9t0l68smw:2012/08/29(水) 01:03:34 ID:ry7wfIlo0
- >>284
>>283
「狙われているのか、不幸な事だ。」
【赤いマントの男が、遥か空中から見下ろしていた。】
「峰岡くん、流石お気に入りだ。」
- 287 :峰岡 海賀:2012/08/29(水) 01:05:49 ID:JMt6hiJc0
- >>284 >>285 >>286
「グバッ!」
血反吐を吐くもどんどん凍る
そしてどんどん心臓の動きが遅くなっていく
- 288 :SUIT 狙撃主:2012/08/29(水) 01:08:03 ID:JMt6hiJc0
- >>285
スパスパと死体の手足が取れるが、そこから触手が飛び出てくっつく
そしてどんどん近付いていく
>>287
「絶対に仕留めろ…!」
- 289 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/08/29(水) 01:13:17 ID:vljhfSlg0
- >>286
「うん?
またにおいがふえたかなの…」
【辺りを見回しながらふしぎそうな顔をする】
>>287
「あうあう!
それはだめなの!」
【ディスは思わず泣きそうな顔になって答える】
「……?
なにかなの?」
【だが、峰岡の中に嗅覚などで何かを感じたのだろうか。
ふしぎそうな顔でその姿を見る】
>>288
「うー…
とまってくれないならなの…」
【ディスはくっついていくのを見て不満気な顔になり】
「これでどうなの!」
【そう言って敵の頭上から凄まじい勢いで包帯を振り下ろし、真っ二つにしようとしている】
- 290 :飼い主 ◆U9t0l68smw:2012/08/29(水) 01:24:04 ID:ry7wfIlo0
- >>287
「哀れなもんだ、でも面白そう」
【彼はそういうと突然、峰岡の前に現れた。】
>>288
「やぁ、噛ませ犬の戦闘員のみなさんこんにちは!」
【彼は、いつもの不快感を催す、独特な口調で煽った。彼
は絶好調である。】
「今日もお仕事大変ですね!でも、仕事はやりがいが必要だと
思うんです!だから─。」
>>287
「えい!」
【彼はそういうと手の平から凍りつつある峰岡を溶かす程度火炎を
出し、峰岡に火炎を突き出した。】
>>288
「ボクは、みんなに、やりがいをプレゼントしようと重い
まーす!」
>>289
「やぁ、こんにちは、悲劇のヒロインとでも言うべきかな?」
- 291 :峰岡 海賀:2012/08/29(水) 01:27:30 ID:JMt6hiJc0
- >>288>>289
「…」
既に息は止まっているが…
>>290
「…」
目には何も映ってはいない、しかしどんどん体の状態が変化していくのが分かる
しかも飼い主の火炎も合わせてその変化は急速だ
- 292 :SUIT 狙撃主:2012/08/29(水) 01:29:59 ID:JMt6hiJc0
- >>289
真っ二つになった戦闘員はその場から瞬時に蒸気を上げて溶けだし
最後にはあとかたも無くなってしまうが、後ろから戦闘員が気配を消して近付いてくる
>>290
戦闘員達は表情一つ動かさず
その男に向けて剣を挟み撃ちにして突き出す
そして狙撃主は
「なんだあの男は!?、ここまで来て邪魔をするな!」
と、言うと頭部に狙いを定めて撃つ
- 293 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/08/29(水) 01:32:57 ID:vljhfSlg0
- >>290
「あう!あぶないなの!」
【急に峰岡に向かって放たれた炎に驚き、包帯を引っ込める】
「そんなへんななまえじゃないの!『でぃす』がなまえなの〜」
【首を横に振って答えた】
「それより…なんか『みねおか』へんになってるなの…」
>>291
「んん…なんでだろなの…
しんでるひとのにおいじゃないの…」
【悲しげな顔をしながらもかなり困惑している】
「なんか、かわってるきがするなの…」
>>292
「あうー、やっつけたなの!」
【2つに切れば大丈夫!そう思ったディスは大きく拳を握る】
「んんん…たおしたはずなんだけどなの…
におうようなきがするなの…」
【ディスはそう言って辺りの匂いを嗅ぎ始める・・・気配は消していても匂いはわかるだろうか】
- 294 :飼い主 ◆U9t0l68smw:2012/08/29(水) 01:40:26 ID:ry7wfIlo0
- >>291
(遅かったかな?まぁ、いいや、もう一回炎、撃っちゃお)
【彼は手全体を被うような火球を作りだし、峰岡に向かって
再び突き出した!】
>>292
【彼は撃った弾丸を視認して、顔を斜めにすることで回避した。】
「邪魔?困難があったほうが達成感があるでしょ?」
【彼は明るい口調で、狙撃手を煽った。】
「さっきはごめんね、手がすべっちゃって、邪魔する気なかったん
だ!」
【引き続き明るい口調で言う。どうみてもわざとだ。】
>>293
「大丈夫!ただちょっとムラムラしてるだけさ!」
【無垢な子供相手にも容赦ない、今日はいつにも増してテンション
が高いようだ。】
「なに、そこのお友達と少し遊べばすぐに戻るって!」
- 295 :峰岡 海賀:2012/08/29(水) 01:47:34 ID:JMt6hiJc0
- >>292 >>293
そして遂に変態を遂げる
体の色は緑色に髪の色は紫、血が白くなり地面に当たるとジュワリと地面が溶け
背中からは巨大なラフレシアが…しかしラフレシアの出る胞子と熱気の量がいつもより
少ない、おそらくまえに液体窒素の蓋をされたせいだろう
>>294
「ヴ…グ、グゥ…」
今まで奇妙な叫び声を上げなかった変異峰岡が少しだけ
声らしい声を出す、そしてその火球はラフレシアの中におさまると、熱気の量が増える
- 296 :SUIT 狙撃主:2012/08/29(水) 01:52:17 ID:JMt6hiJc0
- >>293
臭いはある、死体の匂いだが、かなりキツイだろう
そしてあと一歩の所まで近付く
>>294 >>295
変態を遂げた峰岡を見てギリギリと歯を食いしばる
「おのれ………、?、待て、何故『ここまで声が来る?』
あそこまでは目視は出来ても声は普通届かない…どういうことだ…?」
//すみません、良い所なんですが今はこの辺で終わらせても良いでしょうか?
- 297 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/08/29(水) 01:54:12 ID:vljhfSlg0
- >>294
「あうー?
むら…むら?」
【意味がよくわからないようでふしぎそうな顔をしている】
「あそぶって…なの?」
【危なそうな峰山を見て言う】
>>295
「あう!?かわっちゃったの!」
【ひどく驚いた表情で答える】
「あう、だいじょぶ…なのかなの?」
【しかし怖がったりせずに心配そうな顔…驚くほどに豪胆である】
>>296
「んん…このにおい…
うしろからなの!」
【ディスは振り返り、凄まじい勢いで足元から包帯を振り上げた】
//わかりました。また明日ー。
- 298 :飼い主 ◆U9t0l68smw:2012/08/29(水) 02:01:02 ID:ry7wfIlo0
- >>297
「まぁ、あと10歳をとればわかるって!僕はそんな下劣な
趣味なんかないからね!」
【良く分からなそうな顔をしているディスに向かって笑い
ながら言った─しかし、言葉にはどこか虚しく、冷たい物がある】
>>295
(まだ本気じゃないのかー・・・・)
【彼は再び。手のひらを覆うような火球を作り出した。】
「なら、とことんやるよ。」
>>296
「まぁまぁ、そう起こらないでって!君達なら抑えられるよ!
無様な姿を晒しながらね!」
【毒を吐きながら彼は再び狙撃主を煽る】
「いや、晒しても晒さなくても失敗しちゃえば死んじゃうかな?」
//わかりましたー。おつかれさまでーす
- 299 :峰岡 海賀:2012/09/03(月) 19:26:33 ID:yCpPUnAA0
- >>297
しかしそんなディスを見向きもしない、気付いているのか気付いていないのか…
>>298
「ッ!」
そんな火球を見ると
ブァッと近付いて噛みついて火球を『食べる』
- 300 :SUIT 狙撃主:2012/09/03(月) 19:34:25 ID:yCpPUnAA0
- >>297
そしてその死体は溶けて消滅する、もう他には見当たらない
>>298
「おのれ…!」
ギリ、と歯を鳴らすとライフルで狙い、一発撃つ!
- 301 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/09/03(月) 19:39:36 ID:vljhfSlg0
- >>298
「うーん?
よくわからないなの…」
【不思議そうな顔で見つめていたディス】
(なんかへんなかんじするの…)
【どこか冷たい物言いに首を傾げている】
>>299
「?…うーん、もしかしてきこえてないのかなの…」
【心配そうな顔で答える】
>>300
「よしなの!あとひとりだとおもうなの!」
【そう言うとディスは再び小石を拾い上げて】
「えい!!」
【狙撃手へ向けて勢い良くぶん投げた。狙いはライフル…のスコープの辺りである】
- 302 :飼い主 ◆U9t0l68smw:2012/09/03(月) 19:49:41 ID:ry7wfIlo0
- >>299
「お、だんだん調子が戻ってきたね。」
【彼は変異する峰岡を見て口を吊り上げた。】
>>300
「集え、風よ。」
【突然、彼のマントが勢いよく揺れ、それとともに弾丸は見えない
何かに押されるように、彼から逸れた。】
「こんな事をしていてもいいのかい?早くしないと大変な
事になるよ。」
【彼はわざとらしく言った。まるで結果を知っているように。】
「ほら、もう一回。」
【彼は手の平に火球を作った。】
>>301
「いずれは分かるさ、いずれは・・・・ね。」
【彼は何かを含んでいるような物言いで言った。】
【彼は
- 303 :峰岡 海賀:2012/09/03(月) 20:04:58 ID:yCpPUnAA0
- >>301 >>302
「!」
さらにバクリと食べる。
そしてその背中のラフレシアは前見た時以上に熱風の量と胞子の量が増えている
- 304 :SUIT 狙撃主:2012/09/03(月) 20:07:05 ID:yCpPUnAA0
- >>301
「なに!?」
その小石はスコープに直撃して割れる、そして同時に破片が狙撃主の目に
グサリと刺さる
「うぐぁ!?、おのれ…撤退だ」
目を抑えながらその場から立ち去ろうとする
- 305 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/09/03(月) 21:12:19 ID:vljhfSlg0
- >>302
「あうー、そうなのかなの…」
【不思議そうな顔で答えた】
>>303
「うー…なんかとてもあついなの…」
【額を拭いながら答えた】
>>304
「あう?まってなの!
ちょっとはなしをきかせてもらうの!」
【ディスは駆け足で追いかけようとする】
【子供とは思えない速さで後を追う】
- 306 :飼い主 ◆U9t0l68smw:2012/09/03(月) 21:18:18 ID:ry7wfIlo0
- >>303
(へぇ、炎を餌とするのか。ずいぶん奇妙な生き物だ。)
【彼は手に顎をつけながら考えた。何か企んでいる様だ。】
>>304
「ロックグレイブ」
【立ち去ろうとした瞬間、その道を塞ぐように巨大な
岩の杭が出てきた。これでは立ち去れない。】
「責任は取るべきですよねぇ?それに失敗してノコノコ
逃げたら殺されるよ、君。」
【もちろん、僕じゃなくて君の組織の人にねっと付け加えた。】
>>305
「うん、まぁまずはこれをとめよう!」
(まぁ、止める気なんてさらさらないんだけどね。)
【彼は内心でそうおもいながら、ディスに笑顔で語り
かけた。】
- 307 :峰岡 海賀:2012/09/03(月) 21:21:36 ID:yCpPUnAA0
- >>304 >>305 >>306
「!、トールバー!」
狙撃主の姿を視界に入れるとその狙撃主に向けて火球を放つ!
- 308 :SUIT 狙撃主:2012/09/03(月) 21:23:12 ID:yCpPUnAA0
- >>305 >>306 >>307
「ッ!、くそっ!」
パッと懐から四角い小さな箱を取り出し、真ん中のボタンを押す
するとバシュッ!、と音が鳴って狙撃主の姿が消えていた
転移装置の様な物だったらしいが…
- 309 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/09/03(月) 21:29:20 ID:vljhfSlg0
- >>306
「あう、わかったの!」
【大きく頷いて峰岡を心配そうに見つめる】
>>307
「あ、そんなことしたらなにもきけないかもなの!」
【慌てて峰岡に大きく手を振る。熱くてなかなか近寄れないようだ】
>>308
「…あう?きえちゃったの…」
【不思議そうな顔であちこちを見回す。ディスの嗅覚ならば隠れていても見つかりそうだが…】
- 310 :飼い主 ◆U9t0l68smw:2012/09/03(月) 21:48:09 ID:ry7wfIlo0
- >>307
(さて、そろそろいいかな。)
【彼は変異した峰岡を見てそういうとマントの懐からひとつの
杭を出す。】
//峰岡がトナルプを操れるようになるイベントとか
用意してある?
>>308
(興ざめだなぁ・・・・。こんな時にサーチアイなんて
使いたくは無い。)
【彼は手から火球を出し、狙撃手が居たあたりにばら撒いた】
- 311 :峰岡 海賀:2012/09/03(月) 21:51:29 ID:yCpPUnAA0
- >>308
クンクンと臭いを嗅ぐが臭いが消滅している
居ないのに気付くとディスの方を向く
>>309 >>310
「…………トゥーヴァー!」
背中のラフレシアの様な物からツルが出てきてディスと襲う!
どうやら自我を持っていないようだ
//一応考えてあるけどまだ未完成
- 312 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/09/03(月) 21:55:50 ID:vljhfSlg0
- >>311
「あう!あぶないなの!」
【ディスは体中の包帯を動かして】
バシュウン!
【伸びてきたつるを切断して攻撃を防いだ】
「ちょっとまってなの!
みかたなの!『でぃす』はなの!」
【慌てた様子で両手を振って語りかける】
- 313 :飼い主 ◆U9t0l68smw:2012/09/03(月) 22:02:19 ID:ry7wfIlo0
- >>311
「ウィンドカッター」
【飼い主の背後からつむじ風が発生し、ツルを切断した。】
「これでも使いますか。」
【さきほどの杭を彼は持った。】
もちろん、ただの杭ではなく、彼を凍結させるために作った
杭だ。液体窒素、ドライアイスを原料にさらに凍結の
エンチャントを何重にも施した特別製である。
//杭刺して峰岡がトナルプを操れるようになるとか
ありませんよね
>>312
「今の彼には意識がないよ。」
【彼は諭すように言った。】
- 314 :峰岡 海賀:2012/09/03(月) 22:07:21 ID:yCpPUnAA0
- >>312
「ヴガァアアアアアアアアアアアアア!!」
そんな言葉が聞こえないようだ、その証拠に先程からツルの攻撃がやまない
>>313
「ヴゥ………」
クンクンと飼い主の臭いを嗅ぐ
「…………エモノノ………ニオイシナイ」
- 315 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/09/03(月) 22:11:51 ID:vljhfSlg0
- >>313
「あうう…
それじゃあむりやりとめるしかないのかなの…」
【不安げに答える】
「そのもってるのはなんなのかなの?」
【じっと杭を見つめる】
>>314
「うう、とまってなの〜!」
【ディスは必死で包帯を動かしてつるを切断していく】
「ええい、つかまえるなの!」
【そう言って包帯を勢い良く伸ばし、峰岡を縛ろうとし始めた】
- 316 :飼い主 ◆U9t0l68smw:2012/09/03(月) 22:17:00 ID:ry7wfIlo0
- >>314
(まったく、アレがいればすぐに済むものの・・・・)
【彼はそう言った後、峰岡についている、ラフレシアの
元に浮遊で移動した。】
(ホムンクルスは食べないのかい?ずいぶんと贅沢な
ものだ。)
>>315
「使えば彼が凍るのさ。彫像のようにね。」
【彼は薄ら笑いを浮かべながら言った。】
- 317 :峰岡 海賀:2012/09/03(月) 22:19:44 ID:yCpPUnAA0
- >>315
「トールガァアアアアアア!!」
大きく息を口から吸うと火炎を吐きだし、包帯を焼く!!
そのせいでその火がどんどんこっちに向かう!!
>>316
「!、ドッゴラァアアアア!!」
飼い主に向けて火球を放つ
- 318 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/09/03(月) 22:26:04 ID:vljhfSlg0
- >>316
「あうー…こおったらとまるのかなの?」
【不安そうに答えていく】
>>317
「あうあう!あぶないなの!
これは、だめなの〜!」
【ディスは慌てて包帯をドンドンほどいて途中で切り取り、それ以上の燃焼を防ぎに言った】
「うう…とめるにはそうするしかないのかなの…」
【包帯の面積が少なくなって傷だらけの体があらわになっている】
- 319 :飼い主 ◆U9t0l68smw:2012/09/03(月) 22:41:58 ID:ry7wfIlo0
- >>317
「勘は利くのか、へぇ。」
【さもつまらなさそうに彼は放たれた火球を風の障壁
で防ぐ。火球は広がり、散った。】
「でも、つまらなくなったから終わりだね。」
「ストレングス」
【彼は自身に身体強化の魔法をかけた後、人間とは
思えぬスピードでラフレシアに向かって杭を突き出した。】
杭が刺されば、内部の液体窒素、ドライアイスなどが
エンチャントによって爆発的に広がり、すぐさま氷漬けとなるで
あろう。
>>318
「とまるよ。だって火を吐くんだぜ、普通止まるだろ。」
(植物は大抵凍れば生命活動が止まるんだけどね。)
【彼はそう思いながら言った。】
- 320 :峰岡 海賀:2012/09/03(月) 22:48:12 ID:yCpPUnAA0
- >>318 >>319
「ッ!!」
一瞬で凍る、しかし、氷漬けにもなっているのにも関わらず
ラフレシアの様な物の部分は氷漬けになっていない
どうやら前に液体窒素や氷を受け過ぎてある程度は耐性を身につけてしまったようだ
しかしラフレシアの様な物は凍らなくても体の部分は凍っている
溶け終わるまでにタイムラグがあるはずだ
- 321 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/09/03(月) 22:52:51 ID:vljhfSlg0
- >>319
「あうー、それならしょうがないのかなの…」
【少し心配しながら答える】
>>320
「あうあう…ほんとにだいじょぶかなの…
このままなんてことないかなの…」
【そう言って不安そうにずっと見つめている】
- 322 :飼い主 ◆U9t0l68smw:2012/09/03(月) 23:07:20 ID:ry7wfIlo0
- >>320
「あれ?耐性ができてるのか?」
【彼はそう言った後、再び同じ杭を取り出し、
ラフレシアに突き出した。】
- 323 :峰岡 海賀:2012/09/03(月) 23:17:31 ID:3Ne9af.w0
- >>321 >>322
突き出した筈の杭がまったく効果を出さない
どういうことだろうか?
すると氷漬けになっている筈の体が動き、無理矢理氷を壊す
「ハァ、ハァ、…」
キョロキョロと周りを見渡す
そして真下に氷の結晶があり、そこに自分の姿が写る
「ア、アァ、…ウワァ、これが…俺の化け物としての姿」
まだ変態が終わっていないが、どうやら氷漬けのショックで自我を戻したらしい
- 324 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/09/03(月) 23:20:44 ID:vljhfSlg0
- >>323
「あう?きがついたなの?
よかったなの〜」
【ディスは安心した顔で答える】
「えっと、だいじょうぶなのかなの?」
【ディスはじっと心配そうに見ている。
全くといっていいほどその姿に驚いてないようだ】
- 325 :飼い主 ◆U9t0l68smw:2012/09/03(月) 23:27:48 ID:ry7wfIlo0
- >>323
「へぇ、目が覚めたか。」
【ショックを与えると自我が戻るのかと、彼は
考えた。】
「気分はどうかな?峰岡くん。」
- 326 :峰岡 海賀:2012/09/03(月) 23:37:43 ID:3Ne9af.w0
- >>324
「あ…ディ…」
ディスの焼けた包帯の跡が目に入る
「あ、あぁ…」
一歩、また一歩と後ずさる
>>325
「あ…んた…は…」
さらにもう一人の姿を見て目の色が恐怖に染まる
「うっ、うわぁああああああああ!!」
バッと駆けだすとラフレシアの様な物からツルがのびてビルをよじ登って逃げていく…
その速さは時速100キロは超えていそうだ
//すみません、あんまり長引かせるのもアレなんでこれで終了です、お疲れさまでした
- 327 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/09/03(月) 23:56:38 ID:vljhfSlg0
- >>326
「あう?どしたの?
そんなにおどろかなくてもなの」
【そう言って近づいていくが】
「あ、ちょっとまってなの!
…あう…いっちゃったなの…」
【追いかけようとしたが、さすがに凄まじすぎる速さのために追いつけず、途中で足を止めた】
>>325
「なにかあったのかなの?」
【不安そうに峰岡が見つめていた男の顔を見る】
- 328 :飼い主 ◆U9t0l68smw:2012/09/04(火) 00:06:38 ID:ry7wfIlo0
- >>326
「随分と嫌われたものだ、僕も。」
【彼は無表情にビルによじ登る彼を見ていた。】
「まぁいいか。」
>>327
「どうやら嫌われ者みたいだね、ぼくは。」
【彼はやけに無表情だった。】
「さて、自分は遊び終わったことだし、帰るよ。」
【彼はそう言った後、公園から立ち去った。】
- 329 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/09/04(火) 00:12:48 ID:vljhfSlg0
- >>328
「あうー…
どうしてきらわれてるのかなの…」
【ディスはふしぎそうに答えるが】
「あう、わかったの。
またねなの〜」
【そう言って大きく手を振り見送っていった】
「『でぃす』もかえろかなの…
でもしんぱいだなの…」
【困った顔をしながらディスは公園を去っていった】
//お疲れ様ですー
- 330 :ロザリア・ロートシルト:2012/09/04(火) 23:12:20 ID:SSMHlh/20
- 【AGカフェ】
「うーん、うーん……。」
ロザリアは頭を悩ませていた。
黄昏の護民団結成にあたり、その宣伝活動に頭を捻っていたが
闇祓騎士団対策協議会なるものが先に結成されてしまい、
テレビ局や雑誌の注目がそちらに向いてしまった。
しかも悪いことに、初っ端から役員が襲撃されるなど
スキャンダルに事欠かないこの協議会はそういったメディアの格好のネタになっている。
「こちらもどうにかするしかないわねえ……。
なにか派手なPR……成果がないと……。」
あまりにも長く悩む物だから、ブランデーの氷がとけ結露した水分が
カウンターに小さな水溜りを作っている。
- 331 :名も無き異能都市住民:2012/09/06(木) 20:57:45 ID:do5XJmGE0
- 【街中】
『いよいよ“今年最強”が決まる』
大きな文字で、目を引くのは闘祭のポスター。
「刮目せよ」「期待して待て」等、煽り文句にしては誇張された文字が踊るが、
内容は決勝戦の開催を知らせるもので。
“今年最強”に違和感を覚えるのは当然だ。
最強の座は次の開催の間のものでしか無い。勿論、このような称号に興味が無い者も多いだろう。
パブリックビューイングの会場やネット中継をする等、様々な方法で決勝戦を盛り上げようとしていた。
決勝戦終了後は、表彰式。決勝戦が終わってからすぐに始まるのだろう。
と、ポスターを貼り終えた直後、携帯電話の着信が鳴る。
「はぁっ?! もう決着かー! いや、俺の仕事が遅かったのか。
まぁいいな!!」
通話を終了し、貼り終えたばかりのポスターを剥がした。
背負っていたリュックサックに折り畳んで仕舞いこんだ。
決着がついた時点でこのポスターの役目はなくなる、だから折っても構わないとの判断だ。
『エキシビジョン開催! 今年はタッグだ!』
闘祭決勝戦の隣に貼られたのは、タッグエキシビジョンの案内だ。
決勝戦、表彰式が終わり順位が確定し次第、順次繰り広げられるというものだ。
基本的なスタンスは『闘りたい奴はペア組んで闘れ』といった大雑把なものだ。
詳細は以下のように書きだされていた
・基本的に2vs2
・ペアは事前に決めても良いし、その場で決めても良い。
・チーム名をつけるか付けないかは任意
「マジ疲れた!! マジ疲れたわー!!」
携帯電話の着信音が鳴る。
小太りの男は携帯電話を手に取り、電話をし始めた。
内容はポスター二枚が貼れたかどうかの確認、質問の受付等どれくらい時間掛かるだろうという、半ば雑談めいたものだった。
電話をしながらも、渡すチラシの内容を確認している小太りの男。
“見てくれ”からウザそうな男はイスに腰掛けていた。椅子から、ピキ、と音が鳴った。
-----------以下中の人向け-----------
テンプレ
【ペア選手】
【チーム名】任意
【対戦希望ペア】
【一言】
///注意事項(異論・質問・文句等は「あ」の人までどうぞ)///
・自キャラ同士でペア結成可能。ほかの人とのペア決定はどのスレでも結成可能。
・タッグ戦は原則「申請承認制」とする。(AペアがBペアに対戦希望を出す。Bペアが了承することで対戦を決定)
一つのペアに対し複数の対戦希望が出た際は一番早く対戦希望を出したペアを対戦相手とする。
・対戦カードが決まり次第、始める。基本的に戦闘フィールドは『闘技場』で固定
・名前欄には使用キャラ名に加え、ペア選手を記入
--------記入例--------
801アイリス【アスカリオテ】 [sage] 投稿日:2012/07/31(火) 19:12:41 ID:do5XJmGE0
【ペア選手】アスカリオテ
【チーム名】チームヴぁんぱいあ
【対戦希望ペア】特攻野郎Aチーム
【一言】お手柔らかに
- 332 :黒沢小百合:2012/09/07(金) 00:31:41 ID:SSMHlh/20
- 異能都市の一角。
中東を思わせる建物が立ち並ぶ地区の露店街に小百合の姿があった。
体力に余裕のある日は、こうして町を物見遊山がてら歩いて帰るのが常であり、
特にこうした何があるか分からない露店などを覗き見るのを好む彼女にとって、
この界隈はお気に入りの場所であった。
「……ええ、銀貨2枚ですか。分かりました。
では、その本と……そうですね、六分規……でしょうか。
それをお願いできますか?」
雑多に置かれた織物や良く分からない香辛料、原色が目にまぶしい装飾品など
露店の商品を吟味し、時折気まぐれに骨董品や古書を買う姿は小百合が
年相応の女性らしさを持っていることをうかがわせる。
- 333 :飼い主 ◆U9t0l68smw:2012/09/07(金) 00:39:00 ID:ry7wfIlo0
- >>332
「〜♪」
【場違いな、派手な赤いマントを羽織った、長身の男
が歩いてきた。】
(さて、羊はどこにいるのやら。)
【何かを探すような仕草であたりを見回す。かなり
浮いているだろう。─ただ本人は気づかないが。】
- 334 :黒沢小百合:2012/09/07(金) 00:46:58 ID:SSMHlh/20
- >>333
小百合は余りにも場違いな男を見て、
嘲るように軽く鼻を鳴らしはしたものの、それ以上彼に興味を示すことはなかった。
こちらから好き好んで係わり合いになりたい、
と思えるような相手ではなかったからである。
- 335 :飼い主 ◆U9t0l68smw:2012/09/07(金) 01:12:35 ID:ry7wfIlo0
- >>334
【嘲られたのを気づいたのか、黒沢の方を見る。】
(ずいぶんと露骨、悪趣味をお持ちだ。)
【彼はそう考え、黒沢を、まるでモルモットを観察するように
見た。】
- 336 :黒沢小百合:2012/09/07(金) 01:33:06 ID:SSMHlh/20
- >>335
観察するような男の目線に気づいた小百合は、
再び嘲りの微笑を浮かべると、そのままぷいと踵を返し
何処かへと立ち去る。
男は危険人物であるかもしれないが、
まだその事を知らない小百合にとってはとるにたらない、
おかしな人物としかうつらなかったようだ。
// うぐぐ、ごめんよ。
// まともに絡めなかったけど今日はそろそろ落ちます。
// またこんど余裕がある時に絡んでやってね。
- 337 :飼い主 ◆U9t0l68smw:2012/09/07(金) 01:50:25 ID:ry7wfIlo0
- >>336
(ふぅん、やっぱりね。)
【彼は、もうこの態度、行動、仕草の時点で、彼女の
性格の大体を把握していた。冷徹、冷酷、人を傷つけるのが
何よりも好きな、シリアルキラー・・】
(魔法生物如きって言っていたから、プライドも無駄に高い
のだろう。)
【彼は、冷めた目つきをしながら、黒沢を見送った。】
//あいー、わかりましたー、おつかれさまでーす
- 338 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/09/07(金) 19:46:39 ID:HnkBBDEo0
- 「ハッ、あいつらが『最強』、ね」
モニターを見ながらクロスは缶のプルタブを上げる。
「ま、アテナも頑張ったなー。何にしろ表彰台に立てたのは凄いよ、うん。
帰ってきたら何かお祝いしてやろう。アテナが大会で活躍してくれたから最近の客入りもいいしな、うん。
ケーキとかでいいかね。アイツ、好き嫌いあったっけなー」
ソファーに座り、目を細める。
「いや、懐かしいね。思い出すよ。前大会の決勝を」
- 339 :アスカリオテ:2012/09/07(金) 20:47:48 ID:do5XJmGE0
- 【AGカフェの前 公道】
独特のエンジン音を響かせ、法定速度を大いに超える速度で走る黒い車。聞こえる音から僅かに離れているだろうと思われる。
音は次第に近づいてきており、その車のドライバーは反対車線から大きくハンドルをきり、後輪がスキール音と共にアスファルトに半月状のタイヤ痕を付ける。
車は勢いに任せ、車体を大きく急カーブするも、ドライバーは片手でハンドルを操作していた。
路肩からちょうど10cmぴったりにつけられた車。きっちりと縦列駐車のスペースに車体を押し込んでいた。
シートベルトを外す際、ドライバーがハンドルから手を離した時、黒い車は赤い車へと変貌を遂げた。
車のドア部分がせり上がり――いわゆる『ガルウイング』と呼ばれるものだ――からドライバーが姿を表した。
「車と、やらは中々楽しいものじゃ。どれ、一息入れるとするかの。」
そうして、来客を知らせるベルとともに一人の来客がAGカフェに姿を表した。
- 340 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/09/07(金) 20:53:57 ID:HnkBBDEo0
- >>339
――カラン、とベルが鳴る
「はい、いらっしゃいませー」
店長はノッソリとソファーから立ち上がり、缶ジュースを片手にカウンターの中へ。
「注文が決まったら遠慮なく言ってくれ。あ、これお冷」
氷の浮かぶグラスを席に置きつつ、クロスの目は店内のテレビ画面に釘付けだ。
それでも手元の作業が狂わないのは慣れだろう。
- 341 :アスカリオテ:2012/09/07(金) 21:12:34 ID:do5XJmGE0
- >>340
視線の移動だけで『喫茶店』の中を見取り、一度振り返り、ベル音の発生源を見て。
視線は、店内のtv画面へと映る。
老婆は迷わずカウンター席に腰掛け、『跳ね馬』が描かれた車のキーをカウンターに置いた。
「あれは……、闘祭じゃったかの。
聞くところによれば、今年は『タッグ戦』とやらも開催するらしいの。」
冷たい水が注がれたグラスには手を付けず、ちらりとメニューを見た。
まず、知らないメニューばかりだ。
「メニューが何を指すかわからんでの。そこの者や、今日の良い葉でミルクティーを淹れた後、
メニューの説明をしてくれんかの。年寄りにはわからんからの。」
某高級車のキーを放り出したまま、目はメニュー、耳は闘祭とクロスの方へと傾けられていた。
- 342 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/09/07(金) 21:20:13 ID:HnkBBDEo0
- >>341
「そうそう。いやー、今年も盛り上がったな。楽しませて貰ったよ」
そう言いつつもクロスは言われた通り、茶葉の入った缶を取り出しお湯を沸かし始めた。
「ああ、メニューの名称がわからんか? それは言語的な問題? それとも単語の意味的な?
すまんなお客さん、ちょっと待っててくれ」
そう言うとクロスはレジの下の戸棚を開ける。
「確か写真つきのメニューの試作品が……あったあった」
料理や飲み物の写真がついたメニューが引っ張り出される。
写真はどれも小奇麗に並べられており、シンプルなフォントが並ぶ。
「これなら大体は分かるだろう。なんなら写真を指さしてくれればいいし、
さっきみたいに『こういうのが欲しい』と言えば、材料がある限りは作るぜ。
うちの店はメニュー作っても見ないで好き勝手に頼む奴が多いからなー」
と、そこでクロスはようやく老婆の姿をまじまじと見る。
「婆さん、この店は初めてかい? 俺はクロス。銃寺森クロスだ」
- 343 :アスカリオテ:2012/09/07(金) 21:50:53 ID:do5XJmGE0
- >>342
「まだ老けこむのは早かろう。いつとて祭は子供だけのものではありはせんのじゃ。
大人とて、祭を楽しむといいじゃろうて。何事も楽しまなければ損、じゃからのう。」
差し出された写真付きのメニューを見て、うむ、と悩む様から見るに、
単語が何を差すのか分かっていなかったのだろうと推測するには十分だった。
「ではの、この『いちごのミルフィーユ』とやらを食すかの。
それにしても、好き勝手な注文に対応できるのも店員の腕の見せ所じゃの。」
メニュー写真で見る限り、美しく重ねられ、純白のクリームに添えられたみずみずしいいちごが美味しそう、それだけで選んだ。
隅のほうから選んだのは偶然だろう。
「妾の名はアスカリオテ・フォン・ルズィフィール・ルじゃ。この店はアイリが世話になっとるそうだからの。
どのようなところかと様子を見に来た次第じゃ。」
まじまじと感じるクロスの視線。
返すは鮮やかな翡翠の瞳と口元の笑窪。
経年で白くなった髪で僅かに皺が隠れても、よく見える部分の皺は重なり、見るからに『老婆』といったところだ。
カーディガンにクラシックドレスという格好も加味すれば、アイリスの教育係と言われてもおかしくはない。
- 344 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/09/07(金) 21:58:19 ID:HnkBBDEo0
- >>343
「ミルフィーユねー。あったっけ……ああ、あったあった」
大きなミルフィーユを取り出すと、それを二切れ皿の上へ。
ホイップクリームを上から絞り、そこに朝入荷したイチゴを切ってミントと共に乗せる。
ちょうど紅茶もできたみたいで、紅茶と共にミルフィーユもアスカリオテの前へと出した。
「アイリ? アイリって……もしかしてアイリス、だよな?
え? あ? えーとアスカリオテ、お前はアイリスの……何?」
クロスは言葉を選ばず率直に質問。
- 345 :アスカリオテ:2012/09/07(金) 22:10:11 ID:do5XJmGE0
- >>344
「ほう……これがミルフィーユとやらかの、しかし…、こやつはクリームに挟まれておるの。
さて、如何に攻略すべきかの。」
ミルフィーユが載る皿を手に取り、いろんな角度から見つめてみる。
見る限り、ケーキに近いもの、あるいは亜種、ケーキの派生から生まれたものなのだろうと推測をし。
押せば、クリームが横に広がる。倒して食べれば問題は無く、綺麗に食べれるはずだが、果たして横に倒して食べるのは『正しい』のか。
『ケーキは上から入刀する』という固定概念に囚われたままだ。
アスカリオテの手のミルフィーユは再びカウンターに置かれる。
その後は紅茶の香りを嗅いでみようとソーサーに手を伸ばそうとした時に、クロスからの質問が来た。
「アイリと妾の関係、とな。簡単じゃよ。
アイリは我が子孫、妾はアイリの祖先といったところかの。」
何故、といった疑問に口を挟むことの無い、言外の圧力がその言葉に込められていた。
- 346 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/09/07(金) 22:16:08 ID:HnkBBDEo0
- >>345
「ああ、なんだ。つまりアイリのお祖母さ……」
そこでクロスのシナプスが「待った」をかける。
アイリスを孫ではなく「子孫」と言った。そして自身を「祖先」と。
違う。
スケールが違い過ぎる。
孫、親、祖母の三代ってレベルではない。
もっと遠い、何か、吸血鬼の寿命の限界を知ることになりそうな、そういう……
「あー、アイリスの血縁の者か。紅茶の件についてはお世話になってるッス」
クロスは考えるのをやめた。
これだけ分かれば充分だし、なんか質問とかできないような威圧感があるし、
何より……女性に歳を尋ねるのはいかがなものか、という男の勝手な気遣いもある。
「アイリスはどうしてる? 最近アイツ忙しそうでさー」
- 347 :アスカリオテ:2012/09/07(金) 22:32:14 ID:do5XJmGE0
- >>346
「アイリはの、今は闇祓騎士団といったか、人外迫害集団の手合いの対抗策とやらで
動きまわっておるの。いったい何に目覚めたものか、空いた僅かな時間に拳法の修練をしているの。
まとめれば、大方女性関係じゃよ。」
あながち間違いでは無い。
闇祓騎士団の対抗策で、拠点の性質上ロザリアや巴と多く話す機会がある。
さらにロザリアはリーダーという立場上、話す機会も多くなる。
またリリシアが来城した際にもリリシアの存在を気取っていたのも事実。
さらには己を高める為にアテナを師と仰ぎ、『突き』の修練を少しずつだがこなしている。
性別が男女二つしかない以上、どちらかに偏る可能性も否めないが、各項目に女性陣が多いのもまた事実で。
「…、む、紅茶の件といったの。この香り、本国から取り寄せたものかの。
妾らの時代では濃い目に淹れて、少し甘く味付けるのが流行りじゃったか。懐かしい…ものじゃ。」
- 348 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/09/07(金) 22:44:47 ID:HnkBBDEo0
- >>347
「ああ、そうか。やっぱりそっちで忙しいのか。
それに拳法の修行? アイツが!? ……くっ……くふふふふふ」
台所をペシペシとたたきつつクロスは笑う。
「に、似合わねー!! 絶対に似合わねーって!!
今度合ったらからかってやろー。そうだ、『参考にするといいよ』ってジャッキー系の映画でも渡してやるか」
クロスはこれでもとっくに成人した男だが、それでも性格が子供っぽい。
それは初対面のアスカリオテにも充分わかるだろう。
「ああ、その紅茶はそうだよ。砂糖入れても入れなくても美味しいよなー。
渋みも丁度いいし、俺もお気に入りだよ。冷やして水出ししても美味しい。最近はクッキーにも使わせて貰ってるよ」
- 349 :アスカリオテ:2012/09/07(金) 23:01:00 ID:do5XJmGE0
- >>348
「蒔いた種が芽吹くように、いつかあ奴の修練が功を奏す日が来ると良いのじゃが、あれでは時間も掛かろうに。
何を思って拳法を選んだのか知らぬが、あれでは遊んでいるようにしか見えぬの。
ジャッキーが何かは知らぬが、その様子から察するに資料にならぬものなのじゃろうな。
ふふふっ……これはどうじゃ。アイリの修練場所を滑るようにしてみるのじゃ。
修練の最中に滑って転ぶなどなんと滑稽な様なのだろうの」
クロスよりはマシだが、このアスカリオテも意外と子供っぽいところがある。
このように小さなイタズラを考えては財力に任せて簡単に設置してみせる無駄にある行動力。
そしてイタズラを考案した頃には言い訳までも同時に作り上げ、其れらしく話す演技や脚本を描く。
「ほう、茶菓子に混ぜるのは本国でもしておったの。時々燻製の料理の香り付けにも使用されておったわ。
甘味に限るなら、淹れた茶のジュレにしたりの。」
そういって、一口飲んでみれば、違和感を覚える。
クロスの淹れ方が悪いのでは無い。茶葉の味そのものが落ちていた。
「……ロブソールの小童め…。」
つぶやきはクロスの耳に入るか入らないかの大きさで、紡がれた。
- 350 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/09/07(金) 23:07:24 ID:HnkBBDEo0
- >>349
「もちろん、ジャッキー映画はただの娯楽作品だ。面白いけどなー!! でももちろん資料にはならんぜケケケ。
例えるならば……茶会の作法を教える為にルイス・キャロルを読ませるようなモンだ。
っていうかマジで? マジであのアイリスが転んだの!?
うは、見てぇー!! その様子を動画で撮って編集してぇー!!」
想像してクハーッと笑い声を上げつつ頭を抱えるクロス。
「ジュレ? ああ、ゼリーみたいなアレか。あー、色々使い方があるんだなー。
ちょっと試してみるとすっか。なんかもったいない気もするけどな。
……って、何か言ったか?」
- 351 :アスカリオテ:2012/09/07(金) 23:20:26 ID:do5XJmGE0
- >>350
「暇じゃったからのぅ。 仕方あるまいて。
じゃから奴は己が部屋で修練をし始めての。 部屋の外に仕掛けようにもおチビちゃんが毎日城内を駆け回るからの
仕掛けるに仕掛けられんの。 のう、アイリにだけ引っ掛かるようなものは無いかの。」
城内でも意外と暇を持て余しているのか、一時的に同居する童女と遊んで、童女が眠ってしまえば
少し時間が空く。
アイリスを鍛えようにも、アイリスが『自分で成し遂げてみせる』と言い、頑として首を縦に振らない。
とにかくこの老婆は、暇なのだ。
「いや、何も言っとらんの。 もったないかの。 ここで言うコレのように際限なく使われていたはずじゃ。」
といえば、老婆は一番最初に出されたお冷に目を向けた
- 352 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/09/07(金) 23:37:57 ID:HnkBBDEo0
- >>351
「ハハハ、婆さん意外と時間を持て余してるって感じだな。吸血種ゆえか?
こう長い時間を生きる吸血種は何かしらの技能や知識を極めてるとは思うけど、そういうのは無いのかよ」
そう言いつつクロスは、アスカリオテが飲まないお冷のグラスを持ち、自分の方へ。
今の時代でこそ際限なく使われる水、その中にある氷をカラカラ回しながら話を続ける。
「俺とかはなんていうか、この年になってもまだ時間が足りないと思うし、やりたいことでいっぱいだ。
ときどき自分が何人も欲しくなるよ。一日があと二倍の時間欲しいくらいだ」
- 353 :アスカリオテ:2012/09/08(土) 00:01:31 ID:do5XJmGE0
- >>352
「結果的に時間を持て余していることになるのは事実じゃ。 妾は『待って』おるのじゃよ。
それでじゃ、妾が外に出たのはの。 極められるとも思ってはおらん。 じゃが極みに如何に近づくか。 それが妾らの種の特権よ。」
アスカリオテは自らの両手を開き、その両手に視線を移した。
何を思うのか、翡翠の瞳はまるでビー玉のように無機質であった。
アスカリオテが何を待っているのかは決して話はしないだろう。
その時が来るまで待つ必要がある。だが、その時は未だ来ず。
「やりたいことがあるのはいいことじゃろう。 こうやって歳をとれば、行動が億劫になるのじゃ。
じゃが、主は妾と違い、若い。 時間は有限、やりたいことが多くある以上、取捨選択する必要が出てくるじゃろう。
じゃが…、やりたい事以外に考えず我武者羅にやるのが若者の特権じゃ。 良い、悪いは別として我武者羅な若人の有り余るエネルギーはどの方向に向いても
結果に繋がるじゃろう。 勿論、実績は問わずじゃが。
何事であろうと、年寄りに出来るのは見守ることだけじゃよ。 …、いかんの。歳を取ると説教臭くなってしまう。 悪かったの。」
そうやって、老婆は笑みを浮かべて見せた。
皺くちゃの眉間と口元。笑窪も出来ていた。
- 354 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/09/08(土) 00:24:33 ID:HnkBBDEo0
- >>353
「……」
「待っている」
何を?
気になる……が、どうせ話はしないだろう。そこは流石にクロスでも分かる。
「そ、か。いつか『その時』が来ればいいな。
しっかし『取捨選択』なー。俺ってそれが一番苦手なんだよなー。
いや、俺ってば自分でも自覚できるぐらいのワガママだから、なんでも手を伸ばすどころ伸ばし過ぎちまって……
説教? ああいい、説教は大好きだ。聞くのも垂れるのも頭ごなしに言い返すのも、な」
カランカランと回していたグラスの中の氷はとけ、今はただの水だ。
それをクロスはグイッと飲み干し、グラスをゆっくり置く。
「しかし、俺もまだ婆さんから見れば若いんだろうけど……
でももし俺が年老いた時、婆さんみたいになりたいね。今のアンタみたいに笑えると最高だ」
皺だらけの顔。それを見て、クロスは少し、あこがれた。
自分の寿命は有限である。しかしクロスはそれでいいと考えている。
だからこそ、アスカリオテの姿は素直に素敵だと思ったのだろう。
「っとー、もうこんな時間だ。悪いな、人間は眠る頃なんだ。
えっと、皿は食べ終わったらそのままカウンターに置いておいてくれ。どうせ明日になったら一気に洗う」
そう言いつつクロスはエプロンを脱ぎ、「STAFF ONLY」と書かれたドアの方へ。
「あ、アイリスに伝えといてー。『頑張れー』ってさ」
そう言って軽く手を振ると、ドアの向こうへと消えていった。
- 355 :アスカリオテ:2012/09/08(土) 00:37:18 ID:do5XJmGE0
- >>354
「おチビちゃんや、大いに悩むのじゃ。 何を切り捨てるか、大いに悩むのじゃ。 悩むも若人の特権じゃ。
悩んだ先に答えは無いかもしれぬ。 後悔があるかも知れぬ。 悩んで得た答えは例え凡俗なものであろうとも己だけの答え。
凡俗なものであればあるほど、先達がいる。 歴史書、自伝書。 様々なところに意外と答えが答えが転がっているものぞ?」
アイリスへの伝言に、頷いてみせたアスカリオテ。
言葉を紡いだ後には、もうクロスの姿は無かった。
老婆は、その後、小一時間ほどすれば、出ていく。綺麗に食べ終えた皿と、中身がほとんどなくなった中身はその場に置かれ、
代わりに都市最大の価値がある紙幣一枚が挟まれていた。
- 356 :黒沢小百合:2012/09/09(日) 23:22:18 ID:SSMHlh/20
- 【AGカフェ】
「……くふぅ。」
今日は久方ぶりに事件が多かったようで、
ふらふらとした足取りでカウンター席に向かう小百合。
(麻薬関連は多少落ち着きを見せているが、さすがに根強い……。
いくつか末枝を叩いただけでは。それに騎士団関連にもそろそろ
本格的に取り掛からねば、バッシングが更に厳しくなるか。)
都市の治安維持組織の中でも最も大きな部類に入る千夜都市警備部門でさえ、
いくつか平行して問題が起こると、すぐに人員不足に陥ってしまう。
それほど、この巨大都市には様々な問題が渦巻いているのだ。
- 357 :ハフバル ◆U9t0l68smw:2012/09/09(日) 23:26:16 ID:ry7wfIlo0
- >>356
「わんっ」
(ああ、カフェだった。コーヒー飲もうかな。・・・)
【動物がコーヒーを飲む、なかなかシュールである。
一匹の羊らしき生物―、そろそろいいだろう、と思い
また再び来たのだろう。】
- 358 :黒沢小百合:2012/09/09(日) 23:54:48 ID:SSMHlh/20
- >>357
「……ん。」
最初は疲れのせいか客が入ってきたことなど
気にも留めていなかったが、犬の鳴き声に反応して気だるげに振り向く。
「…………。」
野良の犬でも入ってきたのか、と顔を向けた先にはこの前の怪生物。
そうだ、この生き物は犬の様な声で鳴くのだ。
「……行政命令21条、魔法生物その他危険生物類取り扱い違反。殺処分だ。」
獲物を見つけた小百合は、先ほどの憔悴しきった様子が
まるで嘘の様に目をらんらんと輝かせながらやってくる。
- 359 :ハフバル ◆U9t0l68smw:2012/09/10(月) 00:04:48 ID:ry7wfIlo0
- >>358
【一目、黒沢の姿を見た後、ハフバルは背中から
プラカードを出した。】
[オフなんだから仕事の事忘れましょうって。]
どうも、前の事は気にならなくなったらしい。動物の
くせに切り替えがやけに早い。
【プラカードを出した後、ハフバルはレジに向かい、
やはり背中の切れ込みから、コインを器用に取り出して
払い、コーヒーカップを尻尾に巻きつけて持ち、
黒沢のいるテーブルまで持ってきて、おいた。】
なんというか、あまりの豹変ぷりと危機感の
無さに脱力しそうだ。
- 360 :黒沢小百合:2012/09/10(月) 00:20:21 ID:SSMHlh/20
- >>359
「人間と対等口を利くな。
矮小な混ぜ者の分際で……。」
小百合はハフバルの主張など知らぬという風に、
つかつかとヒールの音を響かせながら歩み寄り……。
そのまま思いっきり、右足をハフバル目掛けて振りぬいた!
- 361 :ハフバル ◆U9t0l68smw:2012/09/10(月) 00:27:04 ID:ry7wfIlo0
- >>360
(よっと)
【ハフバルは右足を避ける際にさりげなく、いつも尻尾に
つけてある小型地雷―威力は少ない、おもちゃレベルを彼女が
踏む場所を予測して設置する】
矮小な混ぜ者、程度としか思わない彼女ならこんな事を
するなんて考えないだろう。
【ハフバルは背中からプラカードを出した】
[まぁ、落ち着いて、取引しよう、うん]
こんな状況で取引とは言ったものだ。まちがいなく
舐めていると思われるだろう
【ハフバルは
- 362 :黒沢小百合:2012/09/10(月) 00:46:57 ID:SSMHlh/20
- >>361
小百合は強力な異能者ではあるが
身体能力は平均以下と言わざるを得ない。
蹴りは容易くかわされ、狙い通り小型地雷が彼女に足に炸裂した。
「あっ……、うっ!?」
爆竹のような軽い破裂音と共に、彼女の体が揺らめき
そのままバランスを崩して背後に倒れこみ尻餅をつく小百合。
「き、さ、ま……。」
座りこんだまま、肩をわなわなと震わせ袖口にその白魚のような指先を突っ込んだ。
なにかがやばい。逃げるか、防御の体勢をとるか。それとも彼女に先手を取って一撃を加えるか。
このままでは、確実になにかを仕掛けてくる。
- 363 :ハフバル ◆U9t0l68smw:2012/09/10(月) 00:58:52 ID:ry7wfIlo0
- >>362
(銃か。)
【ハフバルは背中の切れ込みを開き、プラカードを出した。】
[話聞いてよ、聞かないとこの失態、マスコミにばらすよ?]
ここまでプライドが高い彼女にとってこの言葉はいくら
冷静さを失っていようと注目するものであろう・・・おそらく
ハフバルは、ここまで法律を知っているとなると、恐らく
なんらかの組織に属していると踏んだ。
それに、こんなただのキメラ如きに負けたと知られると、
ハフバルは知らないが―属している千夜都市警備部門の信用は
ガタ落ちだろう。
(次は、ここで殺しにかかってくるか、冷静となるか・・・)
【そのかわいらしい顔とは似合わない、まるでピエロを
観ているような目で黒沢を見た。】
- 364 :黒沢小百合:2012/09/10(月) 01:15:59 ID:SSMHlh/20
- >>363
小百合の指先が袖口から引き抜いたのは、
暗記だとかの類ではなく、一枚の古びた紙切れ。
魔力などの類も付与されていない、完全な『ただの紙』なのだが……。
「貴様は私を怒らせた……。
始末してやる……始末だ……。」
瞬間、彼女の背後から無数に繰り出される槍衾。
とっさに対応しなければ、ハフバルは一瞬で針鼠と化すだろう。
- 365 :ハフバル ◆U9t0l68smw:2012/09/10(月) 01:24:27 ID:ry7wfIlo0
- >>364
(だめだ、話にならない!)
【ハフバルは背中の切れ込みから丸い鉄球を出すと、尻尾で
叩いて飛ばした。】
突然、ハフバルに向かって繰り出された槍衾は突然曲がり、その丸い鉄球
に引き付けられた。丸い鉄球はビクともせず床に落ち、そして
やり槍衾をまるで引き付けられるように丸い鉄球に向かい、
床に刺さった。
(くそー、ホムンクルス生、そううまくはいかんかー)
【ハフバルは背中の切れ込みを開く。】
- 366 :黒沢小百合:2012/09/10(月) 01:43:05 ID:SSMHlh/20
- >>365
ハフバルの背後から掛かる影。ともすれば見落としてしまいそうだが、
それをよくよく見れば斧を振り上げている事に気づくはずだ。
音もなく、いつのまにか背後に敵が出現している。
それに……。
全面から繰り出される槍は、一向に勢いを落とす気配がない。
鉄球に吸い寄せられ、音を立てて槍が折れようともどこからともなく
雲霞のように虚空から現れる新たな兵士が攻撃を加えてくるのだ。
鉄球の吸引力に限界があるなら、長くは持たないかもしれない。
- 367 :ハフバル ◆U9t0l68smw:2012/09/10(月) 01:58:39 ID:ry7wfIlo0
- >>366
(場所を考えろ、ここカフェだぞ・・・)
【ハフバルは下の影を見て、すぐさま、尻尾についた小型の地雷
を斧を振り下ろされる場所を予測し、設置した。】
前面から出てくる槍は変わらず鉄球に吸い寄せられる。
そもそも、この鉄球は、永久的な磁力のエンチャントを何度も加えた
物。千年単位くらい経たねば劣化しない物である。
(さっさと退散と!)
【ハフバルは、五感のうち聴覚、嗅覚を消した後、背中の中からまたひとつ玉を取り出し、尻尾
で叩き割る。】
玉を砕いた途端、中から強烈な光と轟音、そして大量
の煙―濃い黒色をした強力な催涙ガスが勢いよく吹き出し、カフェ
に充満する。この中ではさすがに見つけ出すことは困難であろう。
煙が充満した後には、ジェット音が響いた。恐らくいなく
なったのであろう。
//そろそろ時間なので落ちます。ちょっと無理やりですが、
ありがとうございました。
- 368 :黒沢小百合:2012/09/10(月) 02:07:26 ID:SSMHlh/20
- >>367
――バギッ
振り下ろされた斧が、カフェの床板を砕いた。
「ぐっ……そんなものでこの私をたばかるつもりかッ!
げほっ……クソッ……。」
小百合の能力――『ブラックレーベル・ソサイアティ』は書物の内容を具現化する能力。
具現化されたとは感覚を共有できるため、
誰か一人でもハフバルの姿を捉えていれば、この煙の中でも正確な攻撃が出来る。
小百合は再び手を袖口に這わせ、暗視ゴーグルを具現化しようと紙を繰り出したが時既に遅く。
ハフバルは、ジェットによる高速移動でカフェから離脱していて。
「――――〜〜ッ!!!」
既にカフェを後にしたハフバルの耳を、小百合の癇癪じみた怒声が突いた。
// おつよー。レスが遅くてごめんね。
- 369 :高向谷 司朗:2012/09/11(火) 21:59:33 ID:vkur4Cww0
- 「天ぷらうどん!エビ二つね」
司朗は駅前の立ち食いうどんの店主に言った。
「なんつーか、もう九月だよ。
この時間帯になるともう涼しいよなー」
数分と立たずにうどんが出る。
それを受け取ってまずエビからかじる。
「……ちょっとぉ。
エビ小さくなったんじゃないの?
衣ばっかりじゃんか」
- 370 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/09/13(木) 22:18:18 ID:vljhfSlg0
- 【AGカフェの扉が開かれる】
カランカラン
「はぁ、全く…
失礼します…」
【そこにはボロボロになった少女の姿が見える】
「うう…優勝することが出来たのはいいですが…
どうもいいことばかりじゃないっぽいですね…」
【溜め息をつきながら席に座り込んだ】
- 371 :名も無き異能都市住民:2012/09/13(木) 22:33:32 ID:ry7wfIlo0
- >>370
「あー、なんだこのプログラム。」
【携帯を弄っている、千夜高校の制服を着ている青年が入ってきた。
学ランタイプのようだ。】
- 372 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/09/13(木) 22:42:42 ID:vljhfSlg0
- >>371
「おや・・・?
あの人はだれなんでしょう」
【疲れきった顔でその青年を見る】
「何か困りごとでもあるんですか?」
【かるく青年に向けて声をかけた】
- 373 :名も無き異能都市住民:2012/09/13(木) 23:03:42 ID:ry7wfIlo0
- >>372
(10GB・・・・いくらなんでも大きすぎる。なんなんだろうか。)
突然、送られてきたのだ、10GBのプログラム―不明の圧縮形式の。
「うわっ!」
【あまりにも深く考えていたのか、彼は少し驚いた。】
「あ、いや、なんでもないです。」
【彼は驚いたせいか、少しあせっているように言った。】
- 374 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/09/13(木) 23:10:02 ID:vljhfSlg0
- >>373
「そんなにびっくりしなくていいですよ〜。
私はこのとおり非常に疲れていますので。」
【かるく手を振りながら答える。どうやら制服を見ればわかるが、彼女も千夜学園の学生のようだ】
「にしても、かなり焦ってるように見えますね。」
【かるく笑いながら言う。よくよく見ると彼女は闘祭に出場し優勝を収めたあの人物のようである】
- 375 :ハフバル ◆U9t0l68smw:2012/09/13(木) 23:22:28 ID:ry7wfIlo0
- >>374
「あ、いや、まぁ、いろいろと。」
【彼は愛想笑いをしながら、質問に答えた。】
そんな正体不明な10GBのプログラムの事なんかわからない
と思ったのだろう。
「あれ?確か闘祭で優勝した人ですよね?」
- 376 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/09/13(木) 23:33:59 ID:vljhfSlg0
- >>375
「ははぁ、そうなんですか」
【かるく頷いてから】
「え?あ、そうです。
そんなによく知られてるんですかねぇ」
【嬉しそうではあるが、その笑顔には疲れが見える】
- 377 :名も無き異能都市住民:2012/09/13(木) 23:46:02 ID:ry7wfIlo0
- >>376
「いや、うちのクラスでも有名ですよ、防人さん。」
(うれしそうだけどなんか陰りがあるわな。)
【彼はもっていたトートバッグからノートパソコンを取り出し、
テーブルに置いた後、スマートフォンをノートパソコンとつないだ。】
「ところで、なんか疲れているように見えるんですけど・・・」
- 378 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/09/13(木) 23:54:21 ID:vljhfSlg0
- >>377
「いやー、私もすっかり有名人ですか。
なんというか大変ですよー。サインとかも考えてなかったのにです。」
【どうにか明るく振舞ったが、その後大きくため息を付いた】
「いや、チョット町中歩いてたら
その辺の不良っぽい人にストリートファイト挑まれたりしたんですよ。
こんな胸だけの女が優勝なんて納得できんぜ!とか失礼なこと言われまして。」
【かなり不満気な顔で言う】
「しつこかったんで軽くひねってから追い払いましたけど・・・
見かけだけでナメられるとかが以外にあるんだなぁと・・・思いましたね。」
【どうやらそのあとも力試しをしたい人やらに絡まれ勝負を挑まれていたらしい】
「・・・そんなこんなでひどーくお疲れなんですよ…」
【そこまで行って再びため息を付いた】
「あ、注文忘れてました。すいませーん。
とりあえず野菜ジュースを…」
- 379 :名も無き異能都市住民:2012/09/14(金) 00:06:59 ID:ry7wfIlo0
- >>378
「有名人になったら大変なんですね・・・」
【彼は防人の内心を察するように、同情しならうなづいた。】
まぁ、確かにこんな普通の学生が闘祭に勝ったら、難癖をつける
人も出てくるだろう。まぁそんな難癖つけるくらいなら
闘祭の予選突破でもしてから言うべきであろう、と彼は
考えていた。
「あ、サイダーで。」
これからの私的頭脳労働に備え、砂糖を補給する。そのための
サイダーだ。
【注文をした後、彼はノートパソコンを操作し、黒いウィンドウ
を呼び出した。】
- 380 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/09/14(金) 00:11:13 ID:vljhfSlg0
- >>379
「まあ、何となくわかります。
ああいうことを言うのは大抵弱い人です。
普通に私より強い人だったら、難癖つけるなんて真似しませんからね」
【そう言って微笑んだ。】
「あ、どうも」
【鶫の方には野菜ジュースが運ばれてきたようだ。ニンジン主体の色合いだ】
「ふー、疲れに染みます。
勝負なら箱庭で存分に受けますって・・・!」
【軽い喋り方に変わった。どうやら話をできて気が楽になったようだ。】
- 381 :名も無き異能都市住民:2012/09/14(金) 00:20:25 ID:ry7wfIlo0
- >>380
「まぁ、そうですよね。」
【彼は防人の口調の変わりっぷりに少し苦笑した、が明るい
苦笑だ。】
「さて、一丁がんばりますか、と。」
【彼はサイダーを一気に飲み干し、ノートパソコンのキーを
目にも見えぬ凄まじい速さで打った。彼がキーを打つごとに
黒いウィンドウに文字が現れ、どんどん下に流れていく。】
「野菜ジュースですか、トマト入りは地雷と思うんです、
アレ。」
【彼は野菜ジュースを飲む防人を見ながら言った。】
- 382 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/09/14(金) 00:25:45 ID:vljhfSlg0
- >>381
「そうですよー。
出来れば箱庭の映像とかを見てからがいいです」
【そう言って軽く伸びをした】
「…なかなか速いスピードですね。
かなりとくいなんですか?」
【その指の速さにかなり驚いているようである】
「そういえば、確かにドロリとした感じになりますよね。
トマトはジュースに向きません。やはりニンジンですよ。」
【そう言ってまたごくごくと飲み始める】
- 383 :名も無き異能都市住民:2012/09/14(金) 00:34:33 ID:ry7wfIlo0
- >>382
「ああ、まあ一応。」
彼は俗に言う「パソオタ」である。タイピングなどお手の物
だ。
「トマトはジュースに向きませんよね、本当。ニンジンは
果物と混ぜるとなかなかいい感じですよね。」
【彼はそういうとノートパソコンを見る。黒いウィンドウの
一番下にはcompleteの文字が。作業が終わったらしい。】
(次は解凍だ。不明な圧縮形式かぁ。また逆コンパイルするのか。)
不明な圧縮形式というが、それでも機械語でできていたのだ、
できない事はないだろう。
【彼は再び、パソコンのキーをあの速さで打つ。】
- 384 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/09/14(金) 00:36:51 ID:vljhfSlg0
- >>383
「ふーむ、私はネットを楽しむ以外の知識はさっぱりです」
【興味深そうである】
「ですね。やはり味が淡白な方が愛称がいいんじゃないかと思います。」
【同意するように頷いた】
「…これは一体何の作業なんでしょう?
学校の課題とかですか?」
- 385 :名も無き異能都市住民:2012/09/14(金) 00:56:35 ID:ry7wfIlo0
- >>384
「いや、私的な用事ですね。」
逆コンパイルと言ってもわからないだろうし、用事で彼
は済ませた。
【彼はしばらくキーを打った後、彼はブラウザを起動した・・・が】
(ここは無線LANないんだな。)
【ネットにはつながらない。やる事はひとつ。】
(勝手に拝借しますか。)
【彼はそういうともうひとつ黒いウィンドウを呼び出す。】
- 386 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/09/14(金) 01:00:01 ID:vljhfSlg0
- >>385
「なるほど…
しかし、随分とハイテクな仕組みですね。
よくわかんないですけど…」
【パソコン素人の鶫にはタダの数字やら英語やらの羅列にしか見えないのだろう】
- 387 :名も無き異能都市住民:2012/09/14(金) 01:17:37 ID:ry7wfIlo0
- >>386
「まぁ、分かればけっこう納得しますよ。」
【彼はそういうと再びキーに指を走らせる。今やっているのは
他人の無線LANアクセス―いわゆるハッキングである。
しかし、見かけでは黒いウィンドウに文字が走っている
ようにしか見えない。】
「基本は英語の単語ですから。まぁ、数字とかはなんかは
こう種類とか判別するみたいな役割もってますし。」
- 388 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/09/14(金) 01:24:47 ID:vljhfSlg0
- >>387
「ふーむ、難しそうですねえ。
まあ、頑張ればどうにか判別できそうですが…」
【ジロジロとパソコンを見つめる】
- 389 :名も無き異能都市住民:2012/09/14(金) 01:29:20 ID:ry7wfIlo0
- >>388
【黒いウィンドウに文字が流れ、conectという単語が最後
に出てきた。】
(よし、できた。)
まだコンパイルには時間がかかるだろう。それまでネット
サーフィンだ。公共の場なので裏サイトとかは見れないが。
「まぁ、普通の人が見ると頭が痛くなるだけですから。」
【彼はそういうとブラウザの更新ボタンをクリック、ホームページ
が出た。検索バーに、ニュースといれる。】
- 390 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/09/14(金) 01:36:24 ID:vljhfSlg0
- >>389
「ふーむ、確かにそうですね…
なんか文字を見てたら眠くなって来ましたよ…」
【そう言ってあくびを一つした】
「流石に疲れが押し寄せてきます…
今日はもう一休みしたほうがいいですかね…」
【目を軽くこすっていう】
- 391 :名も無き異能都市住民:2012/09/14(金) 01:40:59 ID:ry7wfIlo0
- >>390
「疲れたときは休んだほうがいいですよ、後がつらい
ですから。」
ちなみに彼は勉強に疲れたとか思って体育などはよくサボる
性格である。
【ニュースサイトを開く。トップ記事は闇祓騎士団の
襲撃事件などがあった。】
(まぁ、自分はちゃんと人だし。しかし、ただのテロと変わらない
んじゃねこれ。)
【彼は一通り見た後、ノートパソコンを閉じて、トートバッグに
入れて、携帯を持った。】
「じゃ、自分はそろそろ家で作業するので。」
【彼はそういうと携帯をいじりながらAGカフェから立ち去った。】
- 392 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/09/14(金) 01:44:24 ID:vljhfSlg0
- >>391
「わかりました。
また今度会えたらいいですね〜」
【そう言って大きく手を振り見送っていった】
「闇祓騎士団・・・何とかしなければいけませんね。
彼らを倒すというのも…」
【そう言って鶫は外へと去っていった】
//お疲れ様です
- 393 :神無 鏡華:2012/09/14(金) 22:40:43 ID:dL8H4NjE0
- とある公園。
近くに通りや広場が位置しているからか、人々の声がこちらにまで聞こえてくる。
ただ公園内に人気はなく、そのせいか公園は静寂と喧噪が入り交じる不思議な空間と化していた。
ふと、何もないはずの場所に、小さな闇が現れる。
最初は霧のような無形の状態で漂っていたそれは、やがて明瞭な人の形をとる。
「…………」
闇からでてきたのは一人の少女。紫色の髪に蒼と翡翠のオッドアイ。
死神の少女、鏡華は静かに地に降りたつと、辺りを見回す。
「こっちに来てから初めて死んだね、いや死んでないけど、いや死んでるけど」
「……まあいいや、着るもの……」
なぜか全裸の鏡華はもういちど辺りを見回し始めた。
- 394 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/09/14(金) 22:54:47 ID:vljhfSlg0
- >>393
【ちょうど箱庭から実体化する人影が見えた】
「ふー、箱庭で挑まれるなら悪い気はしませんが…
ん?」
【その学生らしき少女は目の前の全裸の少女を見つめて】
「え、えええええ?!
こんなところで裸なんてチョット…!」
【慌てて目を隠した】
- 395 :神無 鏡華:2012/09/14(金) 23:07:00 ID:dL8H4NjE0
- >>394
「ボクだって好きでこの格好をしてるわけじゃないんだけど」
ため息混じりに振り替えって相手が見知った人物だと分かると、
「なんだキミか、ちょっとまってくれ、確か着替えがどっかに……ああ、あった」
特に探す素振りも見せていないのにも関わらずそんなことをぶつぶつとつぶやいていた数秒後。
突然、空中に服一式が現れた。
鏡華はそれを手にとってとりあえず着ると、
「お騒がせして悪かったね、久しぶりの部類にはいるのかな?この場合は」
- 396 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/09/14(金) 23:09:02 ID:vljhfSlg0
- >>395
「え、えっと…
そうなんですか…あ、もう着替え終わりましたか?」
【ゆっくり目を開けると…着替えたばかりの鏡華の姿が確認できた】
「あ、はい…
お久しぶりですね。何があったんですか?」
【そう言って軽く手を振った。どうも裸になっていたのが気になっているようだ】
- 397 :神無 鏡華:2012/09/14(金) 23:32:25 ID:dL8H4NjE0
- >>396
「知り合いの子と一戦交えて見事に負けて死んでた、それで今生き返った」
「裸だったのは生き返った時に身体を一から作り直したせいだね」
さも当然のことのようにそういい放つ。
「まあ死ぬ、っていうのはあくまで比喩表現だけどね、死神には死の概念がないし」
「まあ一度ゲームオーバーになってコンティニューした、とでも思ってくれればいいよ」
わかるような、わからないような例えを出す。
「全く、いくらなんでもあそこまで本気でこられるとはおもわなかったよ」
その時のことを思い出して不機嫌になっているのか、表情はあまりよろしくない。
- 398 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/09/14(金) 23:43:31 ID:vljhfSlg0
- >>397
「一度死んだ…?
なるほど、死神さんだからよみがえるんですか…」
【少し驚きながら答える】
「その、戦った相手というのは一体誰なんでしょう?」
【気になったらしい…不安げな顔で答える】
- 399 :神無 鏡華:2012/09/15(土) 00:07:46 ID:dL8H4NjE0
- >>398
「キミとも面識のあるあの子……いや、わざわざ名前を隠してあげておく必要ももうないか」
そういうと、鏡華はどこからともなく一枚の写真を取りだし、鶇に渡すだろう。
そこにいたのは、二人の少女と、一人の少年。
二人の少女のうち、一人は鏡華。そしてもう一人は、桃色のロングヘアーの、髪型を除けば鶇にも見覚えがあるであろう少女。
「……桜花 恣乃」
「キミも知ってるはずだ、あのいっつもおどけたりふざけたりしてるあの子だよ」
この際だから少しあの子について話しておこうか、と鏡華は一つ前置きをして、
「元々恣乃は無能力者の単なる人間だった。いたって普通のね」
「で、一年半くらい前に事故で死んだ。そしてボクと契約を結んで死神になった」
「今はもう生き返ってまた人間に戻ってるんだけど……」
「ああ、死神についてとかは面倒だし説明は省くよ」
そこまで一息に話して、途端に鏡華は黙りこむ。
- 400 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/09/15(土) 00:11:15 ID:vljhfSlg0
- >>399
「む…この子は、あの死神さんですか?」
【じっとその顔を見つめ答える】
「桜花恣乃…それが彼女の名前ですか…
あの子は元は普通の人間だったんですか」
【写真をじっと見つめている…】
「契約ですか…なぜ契約を結ぶことになったんでしょうね。
…今は人間になっているんですか?」
【顔を上げてふしぎそうに答える】
- 401 :神無 鏡華:2012/09/15(土) 00:27:37 ID:dL8H4NjE0
- >>400
「そこらへんは……まあ死んでも条件次第で契約を結んで生き返れるってことだけ知っておいてくれれば」
かなりアバウトだ。
「で、問題はここからなんだ」
「恣乃は自分が死神であったことを否定している。というか記憶喪失の『フリ』をして、
それ以前のこと全てを無理矢理なかったことにしようとしている」
「そのせいでボクが恣乃に話しかけてもただの変なやつ扱いしてくるし……」
「で、そのたびにムカついて攻撃を仕掛けるんだけど、今回は見事に負けて今に至るのさ」
やれやれとでも言いたそうにため息をついて首を横に振る。
若干話が逸れてきている気がしないでもない。
- 402 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/09/15(土) 00:30:44 ID:vljhfSlg0
- >>401
「以外にアバウトなんですね…
契約というからには割と厳かなものかと思ったのですが…」
【チョット穏やかな顔で答える】
「つまり自分は最初から人間だったと、
それ以外でないと思いこもうとしてるというわけですか…」
【少し不安そうな顔で尋ねてみる】
「それで何か彼女にとって大変なことが起こったりしないですか?」
- 403 :神無 鏡華:2012/09/15(土) 00:43:13 ID:dL8H4NjE0
- >>402
「そんなものだよ、まあでも個人差はあるかな」
鏡華がアバウトな部類に入るということは想像に難くないだろう。
「大変なことが起こるかはわからないけど、恣乃の心が持たないだろうね」
「例えばキミは、常に自分の力の限界を越えた荷物を背負ったまま生活できるかい?」
「荷物は物凄く重大な悩みとか、トラウマとか、そんなものだと思ってくれていい」
真剣な表情で問いかける。
- 404 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/09/15(土) 00:47:55 ID:vljhfSlg0
- >>403
「なるほど…貴方だからってことですね」
【なんだか納得してしまった】
「たしかにそのとおりです・・・
悩みをずっと抱え込んでいたら心が壊れてしまいます。
そういうのは吐き出せる相手がいるのがいちばんなんですが…」
【鶫は思い悩んでいるようだ】
「打ち解けられる相手はいるんでしょうか…?」
- 405 :神無 鏡華:2012/09/15(土) 01:00:09 ID:dL8H4NjE0
- >>404
「いたとしても恣乃の方から話がでることはまずないだろうね」
「今の恣乃は何も知らない覚えてないの一点張りだし」
お互いのことをよく知る鏡華でも恣乃の反応はただただ拒絶だけだった。
ただ、それは以前からの長い付き合いである鏡華だからこそなのかもしれない。
「……無理矢理恣乃から話を引き出す方法はまあ、あるんだけどね……」
渋い顔でぽつりとつぶやく。
- 406 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/09/15(土) 01:03:48 ID:vljhfSlg0
- >>405
「ふーむ、あっちから言い出さないととてもムリですね…」
【うーん、と唸ってから口を開いた】
「引き出す方法?それはなんですか?」
【思わず嬉しそうにするが、そこでまた頭を下げる】
「や、ひょっとしてあぶない方法ですか?」
- 407 :神無 鏡華:2012/09/15(土) 01:18:02 ID:dL8H4NjE0
- >>406
「やること自体は簡単さ」
鏡華は左手にはめた三つの指輪を鶇に見せる。
透明な宝石がはめ込まれたそれは、一見ただの指輪のようだが……
「これを三つとも恣乃の体に触れさせる、それだけでいい」
「ボクの能力は複製。この能力で恣乃自身を複製しちゃおうっていうことなんだけど……」
「まあ、本当に『話ができる』ってだけで事態の解決にはなんの役にもたたないね」
「ただ、恣乃を悩ませてるトラウマについては一部始終を知ることができる」
- 408 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/09/15(土) 01:20:52 ID:vljhfSlg0
- >>407
「なるほど…確かにそれならトラウマを知ることが出来るかも知れませんね…
貴方の能力なら…でもやはり根本的な解決にはならないですね」
【納得はしたが、悩みは尽きない】
「・・・あ、そういえば、ただ気になっただけなんですが・・・
私の複製は今どうなってるんでしょう」
【思い出した様に答える。】
- 409 :神無 鏡華:2012/09/15(土) 01:32:57 ID:dL8H4NjE0
- >>408
「ボクの知ってる以上の何かがあることは間違いないはずなんだけど……」
頭を掻いてため息をつく。
鏡華なりに恣乃のことを思っているらしい。
「……やめておいた方がいいと思うけど……聞きたいのかい?」
ろくなことをされていないということは、今の言葉から十分に想像できるだろう。
「聞きたいなら一から十まで全部包み隠さず教えてあげるけど?すこし反応も見たいし」
話したいという欲求が言葉の節々から感じられる。
- 410 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/09/15(土) 01:37:50 ID:vljhfSlg0
- >>409
「向こうが話す気になる時は来るんでしょうかね…
無理やり効き出すというのもあれですから」
【困った顔を続けている】
「えっと…………そうですね。
多分いい扱いではないんですよね」
【喋り方で何となく察している】
「まあ、知りたいかどうかと言われると怖いですが、
気になりますね。チョット教えて下さい」
【と、言いつつ若干引きつった顔である】
- 411 :神無 鏡華:2012/09/15(土) 01:45:54 ID:dL8H4NjE0
- >>410
「それはもう時に任せるかカミサマにでも頼むしかないね」
今の段階ではどうしようもないのだろう。
「最初は普通に能力の効力や対象を調べるだけだったんだけどね……」
「実戦での実験で相手してるときに死ぬ直前までいたぶったり傷つけたいっていう欲が……ね……出ちゃって」
「素直に謝るよ、ごめん」
弱々しい声をだしながら頭を下げる。
- 412 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/09/15(土) 01:49:35 ID:vljhfSlg0
- >>411
「まあそうですね。
心を開くことが出来ればいいんですが」
【そう言って頭を下げた】
「えっと、たしかに私の能力は追い詰められるほど強くなるという目測がありますけど…」
【かなり驚いてるようだ】
「……私の複製は、お亡くなりに?」
【ショックを受けた顔をしてる、用に見える】
- 413 :神無 鏡華:2012/09/15(土) 01:59:59 ID:dL8H4NjE0
- >>412
「……凄まじい最期だったよ、やった張本人がいうのもなんだけど」
「だって!絶望に泣き叫ぶ顔が!声が!見たかったんだ!聞きたかったんだ!仕方ないだろう!?」
いつもの様子はどこへいったのか、情熱に燃え熱弁する鏡華の姿はどこか清々しいものがあった。
- 414 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/09/15(土) 02:02:34 ID:vljhfSlg0
- >>413
「……うう、一体どんな最期だったのやら。」
【思わず興味本位で呟いた】
「研究に使うのに許可はしましたけど、
さすがに欲求を満たすために使われるのは勘弁願いたいですよ…」
【その顔は明らかにドン引きした顔である】
- 415 :神無 鏡華:2012/09/15(土) 02:13:40 ID:dL8H4NjE0
- >>414
「とりあえず死因は衰弱、とだけ……」
それ以上は語らせないほうが身のためだろう。
「……それじゃあボクはこれで、これ以上いたら本人にまた欲求をぶつけそうだ」
自制のためか、両手を握りしめながら鶇に背を向け、歩き出す。
- 416 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/09/15(土) 02:16:52 ID:vljhfSlg0
- >>415
「はあ、そういうことなら、そういう事にしておきます。」
【鶫もさすがに効くつもりは無さそうだ】
「ええ・・・さすがに現実でぶつけないでくださいね。
その、勝負するなら箱庭でもいいですから」
【あはは、と乾いた笑いを浮かべながら手を振り見送った】
「ふぅ・・・一先ずあの子をどうしたら良いでしょうね…」
【改めて悩み顔をしながら立ち去っていった】
- 417 :ハフバル ◆U9t0l68smw:2012/09/15(土) 22:00:05 ID:ry7wfIlo0
- ガサガサ・・・・
【一匹の犬くらいの大きさの羊もどきが、公園のゴミ箱を
漁っていた。いかにも窮屈そうだが、尻尾を使って、
ゴミを回収しているようだ。】
- 418 :ルファス:2012/09/15(土) 22:10:36 ID:RRIFCANoO
- >>417
「……おいおい、何処の馬鹿だよ、こんな動物を街に野放しにしやがったのは」
「動物に罪が無いのは知ってるが、子供や老人に衝突して取り返しが付かない事になる前に……悪いが、撃つ」
ゴミ漁りをしている様子を偶々見かけたのだろう青年が、あきれ顔で側まで歩いてきた。
そして、当たり前のように銃を取り出して……。
- 419 :ハフバル ◆U9t0l68smw:2012/09/15(土) 22:14:38 ID:ry7wfIlo0
- >>418
(やけに男の人には嫌われるなぁ。)
ハフバルはそう考えながらゴミ箱を漁る。勿論、この余裕を
保っているからにはそれなりの理由はあるのだ。
【銃を構えているルファスに気づいていないかのように、
いつもの調子でゴミ箱を漁る。撃つならいまのうちかも
しれない】
- 420 :ルファス:2012/09/15(土) 22:24:13 ID:RRIFCANoO
- >>419
「……悪く思うなよ」
銃口を向け、トリガーを一度、二度、三度、一切の躊躇い無く引く。
放たれた弾丸は一直線に、その身体に穴を開けようと迫るだろう。
- 421 :ハフバル ◆U9t0l68smw:2012/09/15(土) 22:32:22 ID:ry7wfIlo0
- >>420
(なんというお約束。)
【突然、背中が開き、ハフバルに向かっていった弾丸は、
まるでそこに吸い込まれるように開いた背中に向かい、
入ってしまった。】
(次撃ったら、テレビぶつけてやる)
【そう思いながら、ゴミ漁りを続ける―、少しガタガタうるさく
なっている。怒っているのだろうか】
- 422 :ルファス:2012/09/15(土) 22:52:10 ID:RRIFCANoO
- >>421
「……野生生物じゃないな、改造生物か、キマイラか、まあ、どうでも良いか」
「だったら、尚更放置出来ない訳だしな」
青年は異能を起動させ、再度弾丸を放つ、その弾丸は、如何なる原理か先よりも弾速が明らかに早い。
そして、狙いは、背中では駄目だと悟ったのか、その四肢にと変えられている。
- 423 :ハフバル ◆U9t0l68smw:2012/09/15(土) 22:57:18 ID:ry7wfIlo0
- >>422
【が、その弾丸もやはり引き寄せられるように急に方向が
背中に変わり、弾丸は吸い込まれた。飛び道具
は全て吸い込まれるのだろうか。】
(いや、だめだ、ここで攻撃をしたら害のある生物と
思われる。)
【黙々と、現状維持をした。その限界はいつ来るのだろうか。
念のため、ハフバルはいつも尻尾の裏につけてある小型
地雷をゴミ箱に設置した―しかし、ルファスの目には尻尾
でゴミ箱に触ったくらいにしか認識しないだろう。】
- 424 :ルファス:2012/09/15(土) 23:15:29 ID:RRIFCANoO
- >>423
「……ふむ、厄介だな」
「しかし、無抵抗なのが気にかかるな、穏やかなのか、それとも」
「……せめて、会話が成り立てば良いんだが、動物にそれを期待するのも酷だしな」
ため息を吐き、射撃を一旦止め、青年はどうするか考えているようだ。
逃げるには、丁度良いチャンスに見えるが……。
- 425 :ハフバル ◆MEJt74LpSg:2012/09/15(土) 23:27:19 ID:ry7wfIlo0
- >>424
「わんっ」
【背中の切れ込みから、プラカードが出てきた。】
[魔法生物だとか偏見で発砲するのやめてくれ]
(話通じてくれよ〜)
- 426 :ルファス:2012/09/15(土) 23:44:40 ID:RRIFCANoO
- >>425
「ああ……会話、通じるのか……」
仕組みがどうなっているのかさっぱり解らないが、通じるならば良い……と、今は思う事にした。
「偏見、って言うがな、人工の魔導生物なんて、悪意を持って他人に危害を与える為に作られるヤツの方が多いんだ」
「例外が居ないとは言わないが、街中をうろついていて警戒するなってのも無理な話だろ?」
- 427 :ハフバル ◆MEJt74LpSg:2012/09/15(土) 23:48:04 ID:ry7wfIlo0
- >>426
(だよなぁ・・・・。サポート向けなんて一部だよなぁ・・)
改めてハフバルは魔導生物の処遇に絶望した。
【ハフバルは新しいプラカードを出した。】
[それならもっとうまく作るだろうよ。こんな丸っこい
体じゃ走れるに走れない。]
- 428 :ルファス:2012/09/15(土) 23:58:31 ID:RRIFCANoO
- >>427
「まあ、わざわざそんなプラカードを持ち歩いて、こうして撃ってきた人間である俺と会話をするくらいなんだ、悪意が無いのは理解してやるが……」
「でも、銃弾が効かない生き物が戦闘向けじゃないとか言われても説得力が全く感じられねえよ……」
青年は、呆れたようにため息を吐く。
- 429 :ハフバル ◆MEJt74LpSg:2012/09/16(日) 00:09:30 ID:ry7wfIlo0
- >>428
(銃弾が効かないっていうより、金属が効かないんだけどね。)
ハフバルは別にわざわざ銃を防ぐために作ったのではなく、
本来は物を作るために作った強力すぎる電磁石を利用しているだけであ
る。
「きゅーん」
【尻尾を振り、高い声で鳴きながら、背中から再びプラカードを出
す。】
[応用だよ、応用。制作用の物を利用してるだけ]
- 430 :ルファス:2012/09/16(日) 11:46:57 ID:RRIFCANoO
- >>429
「言い分は判ったし、疑いもしないさ、だが、初見でお前を無害だと思えってのも無理な話だと思うぞ?」
「今回は信じて戦闘は止めにするから、お前も出来るだけ人を避けろよ、絶対に良い思いはしないだろうからな」
そういって、青年は背中を向ける。
これ以上は用が無いと判断したのだろう。
- 431 :ハフバル ◆U9t0l68smw:2012/09/16(日) 13:29:58 ID:ry7wfIlo0
- >>430
(人を避ける、ね。)
勝手に作られ、勝手に避けられ、人とは割と傲慢だ―
【ハフバルは背中からプラカードを出した】
[肝には命じておくよ]
【プラカードを出した後、ゴミ箱から降りて、別の
公園へと去って行った。】
- 432 :黒沢小百合:2012/09/16(日) 23:07:24 ID:SSMHlh/20
- 【路地裏】
異能都市に無数に存在するスラム。
ここは開発中区域であるクニナシ地区に近いこともあって
殊更治安が悪く、犯罪の温床となっていた。
「よろしい、アルファからチャーリーを歓楽街方面の出口近辺で遊撃させろ。
やつらを一網打尽にする。この私に逆らえばどうなるかを思い知らせてやれ。
エコー、フォックストロットチームは、哨戒中のデルタチームと協力して――」
しかし、こうしたスラムは警察や千夜の麻薬対策強化によって
たびたび、大規模なガサいれが行なわれるようになった。
ガサ入れによる末端の売人の大量検挙、違法な店の摘発は
翌日の新聞各紙や雑誌をにぎわせ、一見派手に見えるが、
『人』の多さは異能都市の最も顕著な特徴であってそうした下っ端など
いくらでも替えが利いてしまう。
根を絶たねばいけないのだが、そうした根まではとてもたどり着けぬのが現状であった。
- 433 :艮 鬼門 ◆NSEW/xeQlk:2012/09/16(日) 23:59:04 ID:7gFzKdaU0
- >>432
「――ん、あ。
千夜の――、偉い奴らか。面倒……不幸だな」
スラム街を歩く、一つの学生服。
引きずる足は、地面に二筋の真紅のラインを引き続ける。
青年の現在地からラインを辿っていけば、そこにあるのは麻薬の売人の死体。
「なんか、有ったのか?」
己を取り囲み銃を構える麻薬捜査班達を前に、無表情に棒立ちする青年。
警戒をされている理由は、複数。
一つは返り血だらけで、どうみても麻薬の売人を殺した張本人だということ。
そして、その麻薬の売人から金銭も麻薬も見つからなかったことのその二点だ。
「眠い、んだけど。
誰か、リーダー、居ない、のか?」
血まみれの右手で目元を拭うと、血が顔に塗りたくられる。
その血を拭き取ろうと左手で血をこするが、その手も血まみれだから無意味だった。
ふと、暗色の瞳を上に向ければ――、その視線の先にはたまたま黒沢小百合が在るのだった。
- 434 :名も無き異能都市住民:2012/09/17(月) 00:03:11 ID:ry7wfIlo0
- >>433
(ちっガサ入れかー)
【一人の麻薬の売人が、殺されているもう一人の売人を見ている
。幸い、鬼門、捜査班の死角であるビルの裏に彼は居た。】
- 435 :黒沢小百合:2012/09/17(月) 00:24:22 ID:SSMHlh/20
- >>434
上空には市警のマークをつけたヘリがそこかしこに飛び、
サーチライトで地上を照らしている。
死角、といってもそんなものはすぐに変化してしまう。
この近くでも、先ほどから怒声や発砲音が響き、不用意に動けば
捜査官に鉢合わせしてしまいそうだ。
とにかく、隠れて運良く嵐が過ぎ去ることを祈るか
それとも一か八か、夜陰に紛れて密かにこの場を後にするか
どちらか選ばなければならないだろう。
- 436 :名も無き異能都市住民:2012/09/17(月) 00:34:45 ID:ry7wfIlo0
- >>435
(参った・・・)
これはもう詰みか。しかし、間違いなく今出たら死は
免れないだろう。
(例のブツー、あの変な赤いマントを着た魔術師から仕入れた
麻薬と、そしてサービスだといわれてつけられた怪しい黒い石。)
切り抜けられる物は何もない、いや。
【あたりを見回すと、ゴミ箱と、割れた窓があった。割れた窓
は人が入れるくらいの大きさだ。どうやらビルに通じているらしい。
彼は、そこらへんの石を拾って、ゴミ箱に投げつけた後、割れた
窓に入り、下にかがんだ。】】
- 437 :黒沢小百合:2012/09/17(月) 00:49:55 ID:SSMHlh/20
- >>436
――たったったったっ
ビル内へと入り込んだのと前後して、数人の足音が聞こえてきた。
もう少し、先ほどの場所でいると判断していれば彼らと鉢合わせしていただろう。
一応、危機をどうにか回避した……のだが。
その後がよくなかった。窓は物置のような場所に通じており、
その物置から出るためのドアは古く、ノブがさび付いてしまっていて
開かないためどこにもいけなかったのだ。
無理やりこじ開けることもできるだろうが
そうした場合外の集団に確実に音で気づかれてしまうだろう。
- 438 :名も無き異能都市住民:2012/09/17(月) 00:59:32 ID:ry7wfIlo0
- >>437
(なんと・・・今度こそ本当の詰みか。)
いや、でも物置だ―と思った。
(物に隠れるのはいいが。)
外の集団にばれずに隠れるにはかがんだ状態で窓の横に行き
一時しのぐか、それとも音をたてる覚悟で、窓の横に行き
すばやくそこにある置物に影に隠れるかだろう。
【彼は音を立てないようかがみんだ状態で窓の横に移動した。】
- 439 :黒沢小百合:2012/09/17(月) 01:16:31 ID:SSMHlh/20
- >>438
窓の横、外から四角となる位置まで移動すると
外の集団の会話が辛うじて聞こえた。
『クソッ、ついてねえ!
サツの野朗!発情した犬みてえにかぎ回ってやがる!』
『ブロンクスの野朗はどこだ?
はぐれ……おい、サツだ!殺れ!!』
――ダンッ!!ダンッ!!
窓の外で、銃撃戦がはじまった!!
- 440 :名も無き異能都市住民:2012/09/17(月) 01:24:48 ID:ry7wfIlo0
- >>439
(銃撃戦か。)
このまま警察が巻き込まれるなり死ぬなりすれば
自分は見つからずにすむだろう。それに、銃撃戦だ、いちいち
音を把握している余裕もない。
(このまま置いてある物に隠れれば・・・・。)
【彼はそう考えると、かがみながら、忍び足で
物置においてある、窓から見えないように物の裏に潜んだ。】
- 441 :黒沢小百合:2012/09/17(月) 01:42:41 ID:SSMHlh/20
- >>440
しばらく銃撃戦は続いたが、
売人側が逃げ出すか、死ぬかしたようで
窓の外からは警官の声が聞こえだす。
しかし、物の裏へと隠れたあなたを見つけることは出来ず
ついにそのままどこかへと立ち去っていった。
そして、時間は流れる。
幾ばくか夜が静けさを取り戻し、大規模な捜査が終了するまで
ついに見つかることはなかったのだ。
// このへんで〆
- 442 :名も無き異能都市住民:2012/09/17(月) 01:56:48 ID:ry7wfIlo0
- >>441
(良かった・・・。)
【捜査が終了した後、彼は窓から外にへと出た。】
外にはいくつもの弾痕と飛び散った血液、警察、売人の死体が無差
別にころがっていた―断然制服を着た人よりも売人の死体の方が
多い。
(そろそろ足を洗おうかな・・・・。)
【そんな事を考えながら、彼はビルの裏を後にした】
//おつかれさまでーす
- 443 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/09/19(水) 21:35:49 ID:vljhfSlg0
- 【・・・とある料理店。どうやらここは大食いメニューの丼で有名な場所のようであるが】
「あうー、おいしいなの〜」
【その少女はボールいっぱいにカツやら生姜焼きやらが山盛りになったスペシャル丼を
かる〜くスイスイと食べ続けていた】
「ん?・・・なんかへんかなの?」
【いろんな人にその様子を見つめられてディスはチョット食べづらそうだった】
【ディスはその手の人々には有名であるようで、入った途端から死線が突き刺さっていたのである】
- 444 :高向谷 司朗:2012/09/22(土) 22:22:22 ID:Dnkg9kSs0
- ――パラ、パラ
コンビニで、雑誌をめくる司朗。
読み始めて現在約三十分である。
「……何を読んでいるんだ?」
腰にぶら下げた、竜の刻印が動いて喋る。
「エロ本」
司朗はそう答えて、また読みふけった。
「……つまんね」
十分後、そう呟いて司朗はコンビニを出た。
(あつかましいな、こいつ)
ティルヴァは心の内にそう言った。
- 445 :ルファス:2012/09/23(日) 22:10:19 ID:RRIFCANoO
- >>444
「……っと、ごめんよ」
偶々通りかかった青年が、雑誌を取ろうとした際に、肩と肩が衝突する。
歩調はそれ程早くなかったが、予期せぬ衝突故か、勢いは少しばかり強く、体勢を崩す位はしてしまうかもしれない。
- 446 :高向谷 司朗:2012/09/23(日) 22:17:28 ID:Dnkg9kSs0
- >>445
「いって……うっわ!」
肩がぶつかって、司朗は少しよろけた。
ガシャンという音と共に、司朗は商品棚に衝突した。
グラグラ揺れる商品を、司朗は慌てて押さえつけた。
「ふー……ったく、気をつけてくださいよ」
悪態をついて、司朗は振り返った。
「……で、そんなに急いででも読みたい雑誌って何かな?
ん?」
そう言って、司朗はルファスが手に取った本を覗き込んだ。
- 447 :ルファス:2012/09/23(日) 22:27:30 ID:RRIFCANoO
- >>446
「ああ、悪い、少しばかり急いでいて周りが見えなくなっていたみたいだ……っと、危ねえ」
揺れる商品を慌てて抑えながら、ため息を吐く、崩れなかったのは不幸中の幸いか。
「……雑誌、と言うか地図が目当てなんだけどな、街の名所ガイドとか、そういう類の奴」
「地形だとか道だとか、把握してないと仕事に支障が出るんでね」
- 448 :高向谷 司朗:2012/09/23(日) 22:38:03 ID:Dnkg9kSs0
- >>447
「ああ、ならこれだね。
魔っぷる」
司朗は毒々しい色のりんごの雑誌を選び出した。
「って言ってもこの街は地図よりも馴れたほうが早いんだよな。
この街には最近来たのか?それともこの辺の地区に疎いだけ?」
おせっかいっぽく、司朗は質問攻めにする。
「歪みで結構場所変わったりするからなあ。
地図よりもこっちかな、合わせて見てもいいけど」
新聞を取って、その端っこに書いてある"歪み予報"を指差した。
異能都市の空間の歪みを大雑把に知らせるものだ。
あまり当てにならないとも言われているが。
- 449 :ルファス:2012/09/23(日) 22:43:34 ID:RRIFCANoO
- >>448
「ああ、ありがとう、折角勧められたんだ、それにしてみるか……ぶっちゃければ、裏道とかがそこそこ判れば十分だしな」
「少し前にこの街に流れてきてね、何でも屋なんてのをやらせて貰ってるんだ、厄介事が多い街だから、それなりに稼がせて貰ってる」
問われるがままに、素直に事情を話す、別に隠す必要は微塵もないし、会話をするのも悪くはない、そんな気分だったのだ。
「……ああ、そっちはもう使わせて貰ってる、最初は歪みを把握してなかった所為で酷い目にあったからな」
- 450 :高向谷 司朗:2012/09/23(日) 22:54:13 ID:Dnkg9kSs0
- >>449
「何でも屋?
俺はしがない大学生の高向谷司朗だ。
よろしく」
司朗は手を差し出した。
「何でも屋かあ。
危なそうだな、しがない大学生も竜の魔術系統を巡る抗争に巻き込まれたりするし、
この街で裏道なんかに率先していくとなると、
そりゃあもう危険がいっぱいだろうな」
とかいいつつ、先日も司朗は、
路地裏でドンパチやらかしたところだが。
「いって」
見えない空気のハンマーに殴られ、司朗は呟いた。
腰につけている魔道具の仕業であった。
- 451 :ルファス:2012/09/23(日) 23:08:02 ID:RRIFCANoO
- >>450
「ん、ああ、宜しくな、俺はルファス=エルシャード、先にも言ったが“何でも屋”だ」
「ドライブの運転手や猫探しから、憎い奴の額へ鉛玉をプレゼントまで、大体の事は請け負わせて貰ってる」
差し出された手を軽く握った後、懐から、名刺を取り出し差し出す。
拒絶されなければ、そのまま空いた手にその名刺を握らせるだろう。
「危険だから仕事になるんだよ、安全な事をわざわざ金払って俺に依頼する奴なんて、よっぽど余裕があるか、切羽詰まってる奴だけだ」
「今回のも、とてもじゃないが真っ当な依頼じゃないしな」
「……ん、調子が悪いのか?」
- 452 :高向谷 司朗:2012/09/23(日) 23:14:42 ID:Dnkg9kSs0
- >>451
「おおう、名刺……俺も就職活動のときは作らないとな」
名刺入れなど持っておらず、財布のポケットの一つに収めた。
「で、今回の仕事ってのは?
いや、言えないのは承知で聞いてるけど、
もし聞けたらなー、なんて」
完全な興味本位である。
他意はないらしい。
「いや、魔術系統を巡る抗争ってのが気に食わなかったらしく……。
別に肩ぶつけられたからって訳じゃないぞ、心配無用」
- 453 :ルファス:2012/09/23(日) 23:31:04 ID:RRIFCANoO
- >>452
「就活が終わってからにしろよ、就職前に作ったって会社名も役職も入れられないじゃないかよ……」
呆れ顔。
この子馬鹿なんじゃないだろうか、と、表情が物語っていた。
「ん、ああ、裏路地に集まってる悪ガキ共が、ヤの付く職業の方から幸せな気分になれるお薬を纏めて買うらしいんだ」
「でも、そんなガキが集まってるだけじゃ、一般人は兎も角、本職の連中はビビらないだろうし、寧ろ、半端に闇に片足を踏み込んでる絶好のカモだと思うだろう」
「だから、舐められて量を減らされたりしないように立ち会うのが一つ」
「もう一つは、万が一お巡りさんに見つかった時に、逃げる為の用心棒、って所かな」
声量を落とし、他には聞こえないように内容を話す。
どう聞いても、マトモなお仕事ではなかった。
- 454 :高向谷 司朗:2012/09/23(日) 23:45:54 ID:Dnkg9kSs0
- >>453
「同じく就職活動に来てる奴に渡すんだよ、会社側に渡すわけじゃないぞ。
特別講師なんかと名刺交換する学生までいるんだぞ、最近は。
そういう奴はゼミ名入れてるらしいよ。それにそう高いもんじゃないし、名刺なんて」
ちゃんと考えてるよ、と言わんばかりの顔をした。
「っていうかもしちょっと言い間違えただけでもそういう顔すんの?ルファス君。
よくないねー、いや、ほんとよくない、そういうの」
嫌みったらしく言った。
それ以前に、下手したら大学生の司朗の方が年下ではないだろうか。
それもついさっき会ったにも関わらず君付けである。
「そういう仕事なんだ。
っつーかそれって普通に言っていいの?
聞いたの俺だけどさ、下手したら公務執行妨害でしょそれ」
- 455 :ルファス:2012/09/23(日) 23:56:37 ID:RRIFCANoO
- >>454
「成る程ね、ちゃんと考えていたんだな……やれやれ、時代の差を感じると言うか、老いたと思うよなぁ……」
「悪かったな、世情に疎くって、今回は素直に浅学を恥じさせて貰う事にする」
嫌味に一々突っかかっていく程、青年は子供ではない。
普通に聞き流して、そのまま会話を続けるだろう。
「ああ、良いんだよ、お前が言わなければ済むだけの話だしな」
「それに、法律なんて気にしているようじゃこんな仕事は出来ないさ、傷害や殺人は当たり前のようにしなきゃならないんだからな」
- 456 :高向谷 司朗:2012/09/24(月) 00:07:50 ID:Dnkg9kSs0
- >>455
「まあ、流石にいちいちそういうこと警察に告げ口したりしないけどさ、
最近は薬関係はやめといた方がいいよ」
司朗は耳打ちするように言った。
「少し前まで――今もかな?――薬関係が今までにないぐらい横行してて、
警察だけじゃなくて千夜警備が大々的に動いてるってよく聞くんだよ。
あ、これ幇助になっちゃうのかな?」
とは言え、司朗も本格的に調べたわけではなく、
ニュースをボーっとみていて、なんとなく多いな、と思った程度だが。
「まあ、結構怖い所が大規模に取り締まってるんだってさ。
直接関わって無くても気をつけてよ、ほんと」
- 457 :ルファス:2012/09/24(月) 00:18:37 ID:RRIFCANoO
- >>456
「忠告ありがとう、でも、今更依頼の破棄なんて出来ないから、念には念を入れて当たらせて貰うとする」
「解ると思うが、俺みたいなフリーの何でも屋は信頼が第一なんだ、俺が依頼を破棄するのは、料理屋が出す飯にゴキブリを入れてるようなもの、お前みたいな就活生が、会社の説明会をサボるようなものだからな」
絶対にやってはならない事なんだ、と青年は言う。
時と場合によるが、依頼の破棄は失敗するよりも信用に傷を付ける事になる。
「まあ、精々気を付けるよ、俺もヤク中達と心中するのはごめんだからな」
「……さて、と、俺はそろそろ帰るか、何か依頼があったら名刺の連絡先に連絡してくれれば聞いてやるし、少しばかりは値引いてやるよ」
- 458 :高向谷 司朗:2012/09/24(月) 00:28:40 ID:Dnkg9kSs0
- >>457
「まあ危険な事しないのが一番なんだけどな。
俺も帰るよ、そんじゃねー」
司朗はそう言って、手を振りながらその場を立ち去った。
「危険な事をしないとはよく言ったものだ。
お前のように無償でやらかす者も危険だと思うが?」
「こないだおっさんから菓子折り貰ったじゃん?
俺はああいうので十分だね」
10分後、司朗とティルヴァの会話である。
「それにしても、お前がああいう行為に対して何も言わないとはな。
しかも名刺を持っていないからと言って、情報を変わりに人脈広げか」
「あ、解った?いやー、根は悪い人じゃなさそうだったし。
警察の人だって裏社会に情報屋何人か持っとくもんだよ。
まけてくれるって言ってたし、そのかいあったじゃん」
司朗は名刺を見ながら帰路に着いていたのだった。
- 459 :ルファス:2012/09/24(月) 00:35:01 ID:RRIFCANoO
- >>458
手をひらひらと振って別れを告げた後、レジに本を持って行き、青年もその場から立ち去り、夜の闇に消えるのだった。
「……無償で情報を得られたのは有り難い、喩え、それが、大体見当が付いていたような情報でもな」
「しかし、何を考えて肩入れしてくれたんだか、まあ、俺に悪影響さえ及ぼさなければ、構わないけどさ」
- 460 :レラ=バニッシュ:2012/09/26(水) 21:48:47 ID:lvAfSw0M0
- ───AGカフェ。
少女がテーブルに広がった無数の紙面に向かい合い、ペンを握っていた。
手元のシンプルかつ無骨なデザインの小型端末や、紙面の一部を睨む様にし、時折ペンを動かしノートに何かを刻んでいく。
かと思えば端末の操作一辺倒になり、夢中になって画面を突っついていた。
が、それも数十分前の話。
次第に目を閉じる回数の多くなってきた少女はついに机に頭を倒し、底の見えない眠りへと向かっていった。
ペンは左手で握られたまま、文字を書いた姿勢のままで直立し、頭もノートの上にある。
静かに、緩やかで大きな呼吸を繰り返す。安らかな笑顔を浮かべて。
- 461 :石崎 賢一 ◆U9t0l68smw:2012/09/26(水) 21:53:34 ID:GFududEw0
- >>460
(また無線lanを忘れてしまった・・・・。)
一人のトートバッグをもった学生服の青年が入ってきた。
耳にはヘッドホン、帰りの途中なのだろうか。
(あー、寝てる。)
彼はレラを起こさないように、静かに、別のテーブルに
座った。
- 462 :レラ=バニッシュ:2012/09/26(水) 22:10:29 ID:lvAfSw0M0
- >>461
テーブルに広げられた紙面の情報量はかなりの物。
その内容も都市で起こった事件に関するものの様子。
大量の紙面は全て数ヶ月前に起こった爆破事件の記事の物で、その中央には写真も置いてある。
Tシャツホットパンツの少女という外見からは想像できない記事で、中々奇妙な光景である。
- 463 :石崎 賢一 ◆U9t0l68smw:2012/09/26(水) 22:18:08 ID:GFududEw0
- >>462
「うわぁ、ブラック・・・・。」
少女の外見と、そしてテーブルの状況の組み合わせは、彼には
シュールに見えた。
(起こすと絶対にトラブルになるフラグだこれ・・・。)
【そう思うと彼は、トートバッグからノートパソコンを
取り出し、電源をつける。】
ウィィン・・・・と眠り浅ければ起きるくらいの音量
の駆動音が鳴った。
- 464 :レラ=バニッシュ:2012/09/26(水) 22:34:22 ID:lvAfSw0M0
- >>463
青年は起こさまいと気を配っていたのだろう。
その効果が出ているのか少女は年相応さが良く出た無垢な寝顔を崩すことは無かった。
ただ、それは青年の行動によっては。の話。
すやすやと言う擬音が良く似合っていた少女に小さなアクシデントが降りかかった。
それは唐突は浮遊感の様なもの。机等で軽い睡眠状態に陥ったときに、ときたまに起こるアレである。
突如として身体を震わせた少女は「ふぁ……」と間の抜けた声を発し、身体を起こした。
何が怒ったのか理解出来ていないままの目覚めらしく、また、随分と心地の良い眠りだったらしく。
寝惚けた顔のまま周囲を眺め、右手でくりくりと目を擦っていた。
少女の視界が左右に揺られ、周囲を探っていく。
目覚めの原因を見つけようとしているのだろう。
しかし、少女は目覚めの原因ではなく一人の青年を見つけてしまった。
締まりのなくぼーっとした顔で青年を見つめ、少し意識がはっきりしてくると再び青年に視線を向けて強く睨んだ。
それは先程までの年相応さ溢れる寝顔からも緩い寝ぼけ眼からも、そして少女の外見からも想像付かないだろう酷く鋭くキツいもの。
プライドの高さは視線を見れば一目瞭然。それ故に羞恥の感情で頬を紅く染めている。
- 465 :石崎 賢一 ◆U9t0l68smw:2012/09/26(水) 22:59:51 ID:GFududEw0
- >>464
(あれ、突然殺気めいたものが・・・・)
【じっと睨んでいるレラを見て、冷や汗をかいた。】
(起こさないようにしたけどな・・・・)
【どう言えばいいのか考える彼は焦っているように見えた。
というより彼は女性経験も少ない。こういう状況は苦手
なのだ。】
- 466 :レラ=バニッシュ:2012/09/26(水) 23:06:39 ID:lvAfSw0M0
- >>465
「……」
特に何をするわけでもないが、依然としてキツい視線は外れない。
無言の圧力等と形容されるプレッシャーが青年を襲い続けると言うこと。
ガタリ。
そう音を立てて少女は立ち上がった。
青年の居るテーブルの脇を通り、その奥の厨房へと進む。
運の悪いことに、青年の位置は厨房への通り道への中だった。
おまけに、相当機嫌が悪いらしく前を通るタイミングで「フン……」と鼻をならす風な息を吐いていく。敵意の塊である。
- 467 :石崎 賢一 ◆U9t0l68smw:2012/09/26(水) 23:13:21 ID:GFududEw0
- >>466
(うわぁ・・・・。)
これは弁解の余地(機嫌的な意味で)がない、と彼は
思った。どう言っても動いてくれないような気がする。
【彼はそう考えると頭を抱えた。】
(宿題やりにきたら修羅場とかなんなんだよ・・・。)
- 468 :レラ=バニッシュ:2012/09/26(水) 23:20:36 ID:lvAfSw0M0
- >>467
少女が厨房に消えた後、冷蔵庫を開く音が聞こえ、その後食器が擦れる音も響く。
数分後にはケーキを手にして元の席へと戻って行くのだが、青年の視界でまた少し不思議なことが起こった。
別段、不思議と言うわけでもないのだが、それは少女の背丈であった。
テーブルからは頭頂部。柔らかそうな蒼の髪のみが見える。
小さい。明らかに小さいのだ。
- 469 :石崎 賢一 ◆U9t0l68smw:2012/09/26(水) 23:43:43 ID:GFududEw0
- >>468
(随分と小さい・・・・・。)
ここで身長小さいなどと言ったら間違いなくそれは地雷を
踏む行為であろう。彼にはそんな事をする勇気などない。
(よく座れるなぁ・・・)
【そう思いながらも、その小さい背を見ていた。】
(そういやノートパソコンつけっぱなし・・・。)
【彼はそう思うと、スマートフォンを取り出して、操作
した。】
- 470 :レラ=バニッシュ:2012/09/26(水) 23:50:10 ID:lvAfSw0M0
- >>469
少女は再びテーブルに付くとその上に皿を叩きつけるように置く。
スプーンで救い一口食べると、青年を再び強く睨む。
敵意を剥き出したまま、そのまま食べ進めていくので青年としては休まるところが無いだろう。
- 471 :石崎 賢一:2012/09/27(木) 00:07:53 ID:GFududEw0
- >>470
(埒があかない。)
【自分の精神衛生上よくない、そう判断したのか
彼は口を開いた。】
「あの・・・何かしましたか?」
- 472 :レラ=バニッシュ:2012/09/27(木) 00:17:01 ID:lvAfSw0M0
- >>471
青年の疑問にはまず「あ?」とワンクッションリアクションを挟む。
だがそのクッションすら硬く衝撃を吸収できそうない。
「何がだ」
静かに、それだけを聞き返す。
口調や表情からはイライラの募りが容易に読み取れる。
話しかける前よりも酷くなってしまったかもしれない。
- 473 :石崎 賢一:2012/09/27(木) 00:28:16 ID:GFududEw0
- >>472
「睨むのやめてくれませんか?」
【さっきとは違い、申し訳ないという気持ちもあるが
毅然さもあるはっきえいとした口調で言った。】
(さっきよりイライラしてる・・・・)
腹を切って言ってみたがさっきよりも
悪化しているような気がする
しかし、気が楽になるのを考えればここではっきり
言うほうがいいだろう
- 474 :レラ=バニッシュ:2012/09/27(木) 00:35:10 ID:lvAfSw0M0
- >>473
「……チッ」
明確な舌打ち。
それは青年の耳にもはっきりと聞こえらことだろう。
ケーキを今までより大きめに抉ると、銀食器ごと乱暴にくわえ込む。
口から食器だけ引き剥がし、お皿の上に添えて置くと食器の代わりにペンを持ち、テーブルへ向かった。
- 475 :石崎 賢一:2012/09/27(木) 00:43:58 ID:GFududEw0
- >>474
(なんかめっちゃ怖いんだが)
舌打ちで返すとか面倒臭いなこの人 、そんな事を
考えた。
【面倒臭さそうな目でレラを見た。】
(ていうか人の話聞けよ・・・)
- 476 :レラ=バニッシュ:2012/09/27(木) 00:59:34 ID:lvAfSw0M0
- >>475
テーブルに向かってからは青年がまるで透明人間になったかのよう。
今までとは真逆で一切視線を向けず、ただひたすらに端末や紙面を睨みペンを動かす。
しかし、中途半端な寝覚めだった為か、少しするとまた頭が下がってくる。
頭がふらふらとテーブルから離れたり近寄ったりと繰り返す。結局まだ眠いらしい。
- 477 :石崎 賢一 ◆U9t0l68smw:2012/09/27(木) 01:26:38 ID:GFududEw0
- >>476
「・・・・・・。」
勝手に怒って、勝手に無視、ネットでの経験によって煽り
耐性がついている彼でも流石に今の状況は多少の怒りを覚える。
それでも多少だが。
【彼はそう思うと、ノートパソコンをカタカタと打ち始めた。】
- 478 :レラ=バニッシュ:2012/09/27(木) 01:31:40 ID:lvAfSw0M0
- >>477
青年を無視した少女への対応。
結果としてカフェ内には静寂の支配する空間となった。
ガンッ。
しかし、それを崩したのが少女の額。
遂に頭が落ちたらしくテーブルの面にぶつけてしまった。
……が、起きる気配は無く静かな寝息は静寂の中で良く響いていた。このまま居れば起きることは無いだろう……。
- 479 :石崎 賢一 ◆U9t0l68smw:2012/09/27(木) 01:55:46 ID:GFududEw0
- >>478
(・・・・・。)
結局何がしたかったのだろうか。
【彼はそう思いながら、携帯にデータを移した後、ノート
パソコンをしまい、agカフェから去って行った。】
- 480 :高向谷 司朗:2012/09/27(木) 22:50:27 ID:Dnkg9kSs0
- 公園、司朗はため息をついた。
「彼女欲しいな」
「ブーッ」
司朗の腰にぶら下げた魔道具が、
つばも出ないくせに噴出した。
「>>444からおかしいと思っていたが、遂に色ボケたか?」
「おま、彼女欲しいは世界中のあらゆる男性共通のため息だろうが」
司朗は食って掛かる。
「しかしほんとに、なんでこんな事呟いたんだ?俺」
司朗は首をかしげた。
- 481 :石崎 賢一 ◆U9t0l68smw:2012/09/27(木) 22:58:21 ID:GFududEw0
- >>480
「彼女ほしいとか言う人ほどそういう努力はしていないと
思う。」
【トートバッグ、耳にヘッドホンをかけた学生服の青年が、司朗を
見て言った。】
「カフェで角生やしていた人じゃないか・・・。」
- 482 :高向谷 司朗:2012/09/27(木) 23:05:24 ID:Dnkg9kSs0
- >>481
「いや、マジでそんなつもり無いんだって!
気付いたら口から出てたって言うか、
俺さっきまでそこのたこ焼きの事考えてたし!」
司朗は目の前のたこ焼き屋を指差した。
なるほど、確かに香ばしい匂いが漂ってきている。
「司朗、そこまで追い詰められて」
「違うんだー!俺はスタンド攻撃を受けているー!」
司朗は叫んだ。
「一応フォローしておくと、こいつは結構ファッションに気を使う性質だ。
毎日顔を洗って肌の手入れをしているしな」
今日は以前のように、服に汚れがあったりせず、身体の傷もすっかり完治。
確かに清潔感のある格好で、彼女が居て驚かれるような顔もしていない。
居なくても驚かれないだろうが。
- 483 :石崎 賢一 ◆U9t0l68smw:2012/09/27(木) 23:14:48 ID:GFududEw0
- >>482
「そこまで出来たなら出会いでも探していれば
普通にできるよ、きっと。恐らく」
【明るい、励ます口調だが多少は毒が混ざっているような気
がしてならない。】
「ところで二人しかいないのに、もう一人、別の声が
聞こえたような。」
【彼は目を細めて、怪訝そうな顔をして言った。】
- 484 :高向谷 司朗:2012/09/27(木) 23:28:48 ID:Dnkg9kSs0
- >>483
「今更過ぎるだろ常識的に考えて」
司朗は立ち上がった。
「こいつは宇宙から来た芋虫が俺に取り付こうとして失敗した結果、
こんな状態に封印されてしまった謎の生命体ティルヴァだ」
「なんだそれは」
どうやら大半が嘘らしい。
- 485 :石崎 賢一:2012/09/27(木) 23:39:09 ID:NXRRLMvE0
- >>484
「中学生ですらもっとマシな嘘話でっちあげるぞ、それ」
【彼は多少、呆れた口調で言った。】
「そもそもから宇宙きた芋虫って、無理矢理すぎるだろ
知的生命体なんだからもう少しまともな嘘は出なかったのか?」
【変な嘘をつかれたティルヴァに若干、同情しながら言った。】
- 486 :高向谷 司朗:2012/09/27(木) 23:47:21 ID:Dnkg9kSs0
- >>485
「その中学生の妄想以下の漫画が意外と面白いんや……。
っていうか異能都市では十分ありえると思うけどなあ」
司朗は落ち込んだ。
ある漫画からの引用だったらしい。
「じゃあ、曽祖父が作った肉体強化細胞を動かす為に、
細胞に取り付いた三千人の怨霊がこいつ、って言うのはどう?」
「どこから出てきたんだそれは」
嘘、というかホラだろうか。
- 487 :石崎 賢一:2012/09/27(木) 23:53:59 ID:0jUxqPdw0
- >>486
「一番重要な細胞がないぞ、それ。どうみても無機物だろ
そのアクセサリー。あと芋虫はいくらなんでもちょっと・・」
そんな漫画は彼は知らない。基本、彼はゲームぐらいしか
しないタイプだ。
- 488 :高向谷 司朗:2012/09/28(金) 00:02:21 ID:Dnkg9kSs0
- >>487
「細胞が中に入ってるかもしれないじゃないか。
それに芋虫ってのもあくまで見た目的な喩えだぞ」
そういうものらしい。
「ならある事件で大失態を犯し、左遷されてしまった俺が、
警視庁の陸の孤島と呼ばれる窓際部署で出会った……」
「もういいだまれ」
ティルヴァは司朗のエンジンにブレーキをかけた。
そもそも司朗は警察以前にまだ学生である。
「私はティルヴァ、このプレートに封印されていたドラゴンの首だったが、
現在は完全な身体となり、別のところに本体がちゃんとある」
「中学生の妄想みたいな出自しやがって」
「うるさい」
なるほど、真相もそんなもんだったらしい。
- 489 :石崎 賢一:2012/09/28(金) 00:13:39 ID:XENk/re20
- >>488
「芋虫より信憑性あるよ、それ・・・て、ドラゴン?」
【信じられない、とでも言うような表情でプレートを
見た。】
「え、架空の生物じゃないんですか、それって・・・」
多少、彼は困惑していた。
- 490 :高向谷 司朗:2012/09/28(金) 00:21:46 ID:Dnkg9kSs0
- >>489
「君ィ、異能都市に住んでてそりゃねーぞ。
竜が普通に暮らしてるし、訳のわからんケダモノが自販機の整備してるし、
サイボーグ用義手ショップと魔道具店が並ぶのは普通の光景、
怪人が攻めて来たり、図書館で本読んでると悪魔が契約を持ちかけてくる。
そんな街だろうがこの街は」
一部司朗の経験が入っている。
「俺は生まれも育ちも異能都市の高向谷司朗。
こないだまでは非能力者だったけど、
こいつに関わって能力を手に入れてしまったうれしいやら悲しいやらの大学生だ。
ティルヴァってのは本当にこいつの名前な」
- 491 :石崎 賢一 ◆U9t0l68smw:2012/09/28(金) 00:28:32 ID:GFududEw0
- >>490
「そんな事があったのか・・・・。」
【精々、彼は自分と同じくらいの年齢の少女が同じ人とは
思えぬ運動能力で、戦っているぐらいしか見たことが
ない。】
「サイボーグはまだしも、魔道なんてあったのか・・・。」
【軽いカルチャーショック的な物を受けているようだ。】
(未来からプログラムが送られてきたのも、そこまでおかしく
はないな・・・それだと。)
- 492 :高向谷 司朗:2012/09/28(金) 00:39:24 ID:Dnkg9kSs0
- >>491
「で?君はなんなんだ?
この辺でそのぐらいの年頃だと、大体は千夜の生徒かな……」
意外とこの街の裏社会を知らないところを見ると、
都市の外部の人間だったりするかも知れない。
とは言え司朗が見てきたものは表社会に平然とはみ出してきているものばかりだが。
- 493 :石崎 賢一 ◆U9t0l68smw:2012/09/28(金) 00:49:44 ID:GFududEw0
- >>492
「まぁ、そうです。特に異能絡みには巻き込まれていない(はず)
高校生です。」
異能都市生まれだが、彼は事件にはとくにあっていなかった。
しいて言えば昨日、少女に因縁をつけられたくらいだ。
「司朗さんって、なんかドラゴンと関係あるんですか?」
- 494 :高向谷 司朗:2012/09/28(金) 00:57:35 ID:Dnkg9kSs0
- >>493
「俺、千夜の大学受けたけど落ちたんだよなー、ははは。
今は南西の地区の大学に通ってるけど」
司朗は頭を掻いて言った。
「まあ、俺も異能事件に深く関わったのはこいつと会ってからだけど……。
小学生のときにクラスに竜族の血が混ざってるとか言う奴は居たけど、
あれは見た目は人間だったな、目付きは説得力あったけど」
司朗は小学生時代も、
そういう種族などの境界が比較的引かれていない学校に通っていたのだろう。
「ちなみにこいつは、暇つぶしに古物商通り歩いてたら、
カッコいい妙に引かれるものがあってさ。
安いから買ったら急に喋りだしたって訳」
- 495 :石崎 賢一 ◆U9t0l68smw:2012/09/28(金) 01:10:54 ID:GFududEw0
- >>494
「はぁ・・・。」
(竜族の血が混ざったクラスメート・・・。シュールな
響きだな・・。)
「古物商・・・・。運命的だな、それって。」
【彼は一通り、聞いて納得、そして驚いた後。】
「じゃあ、そろそろ遅くなるのでこれで。」
【彼はそう言うと、公園から去った。】
//ありがとうございましたー、おつです。
- 496 :高向谷 司朗:2012/09/28(金) 01:17:37 ID:Dnkg9kSs0
- >>495
「運命的?
うーん、どうなんだ。600円で買った運命って。
……おう、それじゃーな」
司朗は石崎を見送った。
「……異能の事件に引き込まれて迷惑か?」
「……。
もっと金出してもいいぐらいだけどな!」
司朗は大声で言った。
「……というか司朗、お前名前を聞いたつもりだったのではないか?」
「あ」
- 497 :ディス&鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/09/29(土) 22:01:49 ID:vljhfSlg0
- 【異能都市の中央公園。いつものようにのんびりしていたディスは】
「ふぁー…あう?
あのひとどうしたのかなの?」
【通りがかった学生…鶫がやたら辺りを見回しているのが気になったようだ】
「すいませんなの〜。
なにかこまったことあるなの?」
【そう言って手を振って鶫へと歩いて行く】
「あれ?あなたはいつぞやの
包帯の子じゃないですか?
なんでここに?」
「あう?ここはいつもいるところなんだよなのー」
【鶫は驚きながら、ディスは好奇心たっぷりに会話をする】
- 498 :石崎 賢一 ◆U9t0l68smw:2012/09/29(土) 22:33:12 ID:GFududEw0
- >>497
(あー、ゲームしたいな、月曜日だる)
【耳にヘッドホンをかけ、学生服を着た黒髪の青年が
公園の前に立っている。どうやら携帯をいじっている
らしい。】
- 499 :ディス&鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/09/29(土) 22:46:18 ID:vljhfSlg0
- >>498
「あうー?
だれかにみられてるきがする?
そんなことあるなの?」
【ディスは鶫の相談をまじめに聞いていた…】
「あう?もしかしてあのひとかなの?」
【そう言って石崎を指さした】
「え?いや、その人は別に」
「ちょっときいてみるねなの〜」
【そう言ってディスはひとまず、といった感じで石崎へ走っていく】
「あ、ちょっとー…関係ありませんってば…」
- 500 :石崎 賢一 ◆U9t0l68smw:2012/09/29(土) 23:39:01 ID:GFududEw0
- >>499
「ん?」
【走ってくるディスを見て、彼は疑問に思った?】
(ん?誰だ?てか包帯巻きまくってるな。)
変わったファッションもあるものだと彼は思った。
- 501 :ディス&鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/09/29(土) 23:43:23 ID:vljhfSlg0
- >>500
「あうー、こんにちはなの」
【ディスは礼儀正しく頭を下げる】
「あのひとをずっとみてるひとって、
このひとなのかなの?」
【ジーっと石崎を見ながら言う、が】
「だから関係ありませんってばぁー」
【慌てて後ろから鶫が走ってきた】
「申し訳ありません。なんか変なこと言ったみたいで」
「あうー?へんかなの?」
【鶫が頭を下げる横で不思議そうな顔でディスが答えた】
- 502 :石崎 賢一 ◆U9t0l68smw:2012/09/30(日) 00:02:09 ID:GFududEw0
- >>501
「ん?ああ、こんにちは。って見ている?」
【一応、彼は挨拶をした。そしてその後、走っている防人
に気づいた。】
「え?変な事?」
【彼はあまり状況を飲み込めていないようだ。】
「あの、その子は・・・・。」
- 503 :ディス&鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/09/30(日) 00:08:41 ID:vljhfSlg0
- >>502
「すいません…
この子、私が最近誰かに見られてる気がすると言ったら…
勘違いして貴方がそうなんじゃないかって…」
【代わりに頭を下げる鶫】
「あう、ちがったんだなの…
…ごめんなさいなの」
【ディスも釣られて頭を下げた】
「この子ですか?
ちょくちょく顔を合わせるだけで、妹とかそういうのではありません…」
【そう言ってぐるぐる包帯の少女の方を見る】
「あうー、でもおともだちなの〜」
【ディスは元気いっぱいに答えた】
- 504 :石崎 賢一 ◆U9t0l68smw:2012/09/30(日) 00:14:46 ID:GFududEw0
- >>503
「ああ、そうなんですか。それはまだ災難で。」
【とくに不快には思っていないようだ。】
ちなみに彼は三次元より二次元のほうが好きなタイプ、
よほどの事じゃないかぎりは興味はもたない。
「ああ、お友達ね。」
年齢が離れているし、妹にも見える。
「ところで、なんでそんなに包帯を・・・。」
- 505 :ディス&鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/09/30(日) 00:22:16 ID:vljhfSlg0
- >>504
「ええ、優勝したからですかね…
自分で言うのもいやらしいんですが、注目が集まるようになりまして…」
【恥ずかしがりながら答える鶫】
「そうなの。おともだちなの!」
【大きくうなずいて答えるディス】
「あう?これは、いろいろうごかせるからこうしてる、とおもうなの〜」
【そう言って腕を覆うように巻かれた包帯を見せる】
「いっぱいうごかせるんだよなの!このほーたいをなのー」
- 506 :石崎 賢一 ◆U9t0l68smw:2012/09/30(日) 00:34:27 ID:GFududEw0
- >>505
「まぁ、優勝した人は嫌でも注目しますしね。」
【彼は気の毒そうに防人に言う。】
そういう彼はまったく注目していなかった、否、興味がなかった
。精々、ニュースの立ち聞きぐらいでしか心に留めていなかった。
「いろいろ動かせる?どういう意味?」
【彼は不思議そうに聞いた。】
(え?包帯動くの?何、ファラオとかそこらへんの生まれ変わり?)
包帯=エジプトあたりを考えてしまう。俗に言う先入観だ。
- 507 :ディス&鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/09/30(日) 00:37:43 ID:vljhfSlg0
- >>506
「ええ、でもそういうふうに近づいてくる人といえば、
まあストリートファイトをする人なんですが…
今回はなんか...観察されているようなそんな気がするんですよね…」
【首を傾げて答える】
「あうー、こんなふうになのー」
【そう言って手を振ると】
しゅるしゅるしゅるしゅる
【腕の包帯の一部が解け、まるで蛇のようにうねりながら漂いはじめたのだ】
「うわー、それって君の能力なの?」
【凄く楽しそうに隣で鶫が見ている…】
- 508 :石崎 賢一 ◆U9t0l68smw:2012/09/30(日) 00:48:09 ID:GFududEw0
- >>507
「ストリートファイト・・・・」
(なんてワイルドなんだ。女子高生の生活とは思えん。)
ある意味、驚愕した。
「観察・・・。なんか後ろめたくて、関係が深い人
がしそうなような。とりあえず心あたりとか無いのですか?」
【彼は考えるそぶりをしながら言った。】
(観察・・。それだけじゃなぁ・・・。)
「うわ、包帯が漂ってる・・・。」
【異能を見慣れたものなら驚かないだろうが、彼は
一般の高校生だ、かなり驚く。なんで浮いているかは考える
と頭が痛くなりそうだ。】
- 509 :ディス&鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/09/30(日) 00:54:05 ID:vljhfSlg0
- >>508
「正直、闘祭で優勝する前はそういう事はあんまりなかったんですけどねぇ…」
【そう言って鶫は溜め息を付いた】
「関係が深い人…心当たりといっても、
割と学校で知り合った人が多いですし…
でも深いって言う程でもないと思うんですが…」
【かなり困った顔で言う】
「うーん、目星がつきませんね。
もしかして念視だったりするんですかね?」
【そう言って冗談交じりに答えた】
「あうー、ちょっとびっくりさせちゃったかなの?
もどしたほうがいいかなの?」
【軽く包帯を漂わせながらディスが言う】
【ほんの少しだけ傷だらけの地肌が見える・・・】
- 510 :石崎 賢一 ◆U9t0l68smw:2012/09/30(日) 01:06:30 ID:GFududEw0
- >>509
「念視・・・・。念視?」
(念視=能力、能力=?)
【彼は、少し考えた後】
「そういえば、防人さんの能力って、どうやって
手に入れたんですか?」
関係なさそうだが、ヒントにはなるかもしれない。
「ああ、いや、そちら次第で大丈夫です。」
(なんでこんなに地肌傷だらけなんだ?)
【わざわざ包帯で隠しているあたりなにかあるのだろう。
彼はそれ思い、気にしないことにした。】
- 511 :ディス&鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/09/30(日) 01:09:53 ID:vljhfSlg0
- >>510
「むー、さすがに考えすぎですかね」
【鶫は少し考えてから言う】
「私の能力ですか?
うーん…よくわかんないんですよねー。
半年以上前に手に入れた力なんですが…
個人的には突然手に入れたように思うんですが…
どうもその辺が曖昧で、ある日突然!って気分なんですよ…」
【どうやら鶫にもよくわからないらしい…】
「あうーわかったの。
じゃあここまでにしとくなのー」
【そういうと包帯は元通りに腕に巻かれた】
「誰かがいるって言うなら、匂いでわかるかもしれないけどなのー」
- 512 :石崎 賢一 ◆U9t0l68smw:2012/09/30(日) 01:22:17 ID:GFududEw0
- >>511
「ある日、突然・・・。」
(後天的なのか?それとも元々そういう能力が眠っていて
何らかの拍子で目覚めたのか。)
友人関係はそこまで深くない。家族に関しては疑って
いないのだろうか。いや、考えすぎか。
「答えなくてもいいんですけど、家族の方に能力を
持っている方といますか・・・?」
【申し訳なさそうに、弱気で言った。】
「においねぇ。」
(匂いの対策かぁ・・・。してあるのかな。)
「何か、他の人の匂いはしないの?この公園の外から。」
- 513 :ディス&鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/09/30(日) 01:32:01 ID:vljhfSlg0
- >>512
「家族は…その…」
【鶫は少し顔をしかめる】
「親は私が子供の時に…
私の姉だけは生きのこったんですが…今も昏睡していて…」
【そこまで行ったところで口を止めた】
「…あ、すいません。ちょっと重い話になっちゃいましたね」
【慌てて明るく振る舞う鶫。】
「ほかのひとのにおい…
うーん」
【辺りを嗅ぎまわりながら言う】
「いろんなひとのにおいがまじっててわかりにくいなの…
かいだことないあたらしいにおいはちょっとするけどなの…」
【そう言ってあたりを見回す。うまく隠れてるのかそれとも誰も居ないのか…】
- 514 :通行人:2012/09/30(日) 01:48:02 ID:Dnkg9kSs0
- 「あそこのにんにくラーメン旨かったぜ」
「くせーよ!」
なんかものすごいにんにくの匂いがディスの鼻を邪魔して何所かに去っていった。
- 515 :石崎 賢一 ◆U9t0l68smw:2012/09/30(日) 01:52:22 ID:GFududEw0
- >>513
「いや、すいませんね、嫌な事思い出させてしまって・・・。」
【まずい事を聞いたと思い、彼は申し訳なさそうな顔
をしてあやまる。】
いくら原因を探すとはここまでやっていいはずはない―
彼は内心で強く後悔をした。
「いろんな人の匂い・・・・。それって公園によく
来る人の匂い?」
(公園に来ない人の匂い、別の匂いならあらかじめ
つけておいたっというのもありえる。)
- 516 :ディス&鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/09/30(日) 01:57:43 ID:vljhfSlg0
- >>514
「むっ、なんだかいやなにおいがしたなの!」
【そう言って軽く鼻をふさぐ。】
「…たべもののにおいがしたの」
【どうやら完全にニオイのもとを見失ったようだ…】
>>515
「…いえ、大丈夫ですよ。
ただ、やっぱり過去のことは苦しいものです」
【軽く手を振りながら返した】
「ひとまず匂いがわかるなら…
どうです?」
【そう言ってディスを見る】
「あうー、たぶんあんまりこないひとかもしれないの…
でも、もしかしたらあたらしくきたひとかもしれないの…
それと…」
【そう言って鼻を鳴らした】
「…ごはんのにおいでしゅーちゅーできないなの…らーめんのにおいなの…」
【すごくもどかしそうな顔で答えた。通行人が発したにんにくの匂いのせいかも知れない。】
- 517 :石崎 賢一 ◆U9t0l68smw:2012/09/30(日) 02:17:16 ID:GFududEw0
- >>516
(新しくきた人、黒か。)
【彼は念のため、携帯電話で文字を打って、防人に見せた。】
[つけられている可能性が高いです]
「食べ物の匂いか、うん、仕様が無いね。」
【スッパリあきらめた。そして匂いによって空腹感が沸いてくる。】
「さて、んじゃ自分はそろそろ腹減ったので、家にでも帰ります。」
【彼はそう言った後、公園から立ち去った。】
//あと1レスして落ちます・・・・たぶん
- 518 :ディス&鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/09/30(日) 02:20:34 ID:vljhfSlg0
- >>517
「・・・ふむ」
【鶫は携帯電話を見て頷いた】
(りょーかい)
【手を軽く振りながらそのような合図をしたあと】
「ああ、そういえばお腹が空きますね…
帰りになにか食べて行きましょうかね」
【そう言って頷いた】
「あうー、『でぃす』もなにかたべてくなの〜!」
【大きく頷きながらディスも言う】
「じゃあまた!」
「さようならなの〜!」
【そう言って二人は大きく手を振って見送っていった】
「えーっと、お腹が空いてるなら私が軽くおごってあげましょうか?」
「あうー?うれしいけど…いいなの?いっぱいたべちゃうけどなの…」
【そう言って二人は公園から出ようと歩き出した…】
- 519 :名も無き異能都市住民:2012/09/30(日) 02:31:28 ID:GFududEw0
- >>517-518
公園の遥か遠くに、ミリタリーコートを着て、フードを
深くかぶった人影がかがんでいた。
「量子ネットワーク解除っと・・・。」
男は立ち上がると、コートの腕をまくった。腕には、
まるでスマートフォンが厚くなったような、ハンドベルト式の
携帯端末をつけている。男はそれを覗き込む。
(嬢ちゃんに関してはとくになし。つけられているらしいが
関係なんかないと。もうひとりがプログラムもちのニュービー・・・。あれはニュービーとか
じゃねぇぞ、ハッカーのハの字すらない。回収するのは
簡単そうだ。)
男は一時、思考にふけった後、端末を操作する。男の
体は数字と粒子となり、散った。
//こんどこそ本当におつかれさまでーす
- 520 :ディス&鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/09/30(日) 02:33:51 ID:vljhfSlg0
- >>519
「?」
【ディスは一瞬不思議そうな顔で公園を振り返ったが】
「どうしたの?」
【鶫に聞かれて振り返って】
「あうー、なんでもないの。
もしかしたらとりさんだったかもなの」
【そう言って微笑み返し、ディスはそのまま鶫と一緒に去っていった】
//お疲れ様ですー
- 521 :ルファス:2012/10/01(月) 22:58:09 ID:RRIFCANoO
- 【街の裏通り】
「……やれやれ、随分と片付くまで時間が掛かったが、本日のお仕事はこれで終わり」
「前金と報酬だけの仕事だから、残業手当とは無縁なのは悲しい所だな―――!」
闇を切り裂くのは銃声。
スーツ姿の一人の中年の額に穴が穿たれ、血と脳漿を撒き散らしながら、ばたりとその場に倒れる。
語るまでもなく、これは殺人行為、だが、それを行った青年は、悲しむ様子も喜ぶ様子も見せず―――本当に、ただ、あるがままだった。
- 522 :神無 鏡華:2012/10/01(月) 23:09:45 ID:dL8H4NjE0
- >>521
「またずいぶんと派手だねえ」
背後からコツコツと響く足音。
どこか楽しげな雰囲気さえするその声色は、明らかに年端もいかない少女のそれだ。
「こんばんは、いい夜だね」
青年が振り返ったなら、そこには黒いローブを羽織った一人の少女がいるだろう。
ただ、ローブのせいで顔は隠れ、性別は声からしか判断がつかないが。
- 523 :ルファス:2012/10/01(月) 23:16:29 ID:RRIFCANoO
- >>522
「地味に終わる可能性も有ったんだけどな、派手過ぎた事へのクレームは、最後まで引き渡しを拒んだこのオッサンに言ってくれ」
青年は、当たり前のように中年の持っていた鞄を逆様に。
ばさばさと散らかる書類の中から、ファイルに丁寧に入れられた書類を見つけ、それを手に取る。
「少し暑すぎるけれど、まあ、空は良い感じに澄んでいる、悪くはないな」
「それと、最早定型文になりつつある使い古された台詞だが――『お嬢さん、夜道は危ないから早く帰りなさい』とだけ言わせて貰おうか?」
- 524 :神無 鏡華:2012/10/01(月) 23:33:00 ID:dL8H4NjE0
- >>523
「まあ、別にいいんだけどね。派手だろうがなんだろうが」
少女は死んだ男の方へと近づき、
「ん、死にかけっていうことはないね、ちゃんと死んでる」
死んでいることを確認して、楽しそうに言う。
「まあ、ボクにもやらなきゃいけないことがあるし、悪いけどその親切は受け取れないな」
クツクツと不気味に笑いながら、青年の方に振り替えって言う。
- 525 :ルファス:2012/10/01(月) 23:42:35 ID:RRIFCANoO
- >>524
「物さえ手に入れば生死は問わないらしいからな、よくも怪我をさせてくれたな、なんて恨みを買って面倒な事にならないよう、楽な方で済まさせて貰った」
「本当は素直に受け渡して貰えれば、もっと楽だったんだがな、まあ、そうそう上手く事は運ばないらしい」
「……ああ、その死体が欲しいなら持ち帰ってくれても構わないぞ、金を払って死体処理屋を呼ばなくて済むなら俺も大歓迎だ」
まあ、若い死体なら兎も角、これに需要があるとは思えないがな。
そんな事を付け加えた後、青年は少女に向き直る。
「だろうな、そう言われて素直に帰るような良い子がこんな場所を彷徨くとは最初から思ってないよ」
- 526 :神無 鏡華:2012/10/01(月) 23:51:05 ID:dL8H4NjE0
- >>525
「貰っちゃっていいなら遠慮なくいただくよ、使えなくもなさそうだし」
少女が男に触れると、男は淡い光に包まれる。
そして光が収縮し、消え去ると、そこには男の死体はもうなかった。
「それにしても、その手慣れた様子を見ると、キミは殺し屋か何かかい?」
何の躊躇いもなく人の素性に足を踏み入れようとする。
答えるも答えないももちろん自由だ。
- 527 :ルファス:2012/10/01(月) 23:58:39 ID:RRIFCANoO
- >>526
「本当に貰っていくとは思わなかったけれど、処理費が浮いたのは素直に嬉しいし、これはこれで良しとしておくか」
青年に、死体の用途を気にする様子は全く無い。
いや、死体の用途とは少し異なる点に興味は有るのだが―――それを聞くべきか否か、少し決めかねているのだ。
「“便利屋”とか“何でも屋”と俺は名乗っているよ、と言っても、物騒な依頼が大多数だから、殺し屋と言われても否定は出来ないな」
「で、そんな君はどんな事をやっているんだい、頭に風穴が開いた死体を拾う人間が、日なたの人間だとは思えないが……」
- 528 :神無 鏡華:2012/10/02(火) 00:10:02 ID:dL8H4NjE0
- >>527
「へえ、キミみたいな人たちはボク達にとって味方だからね」
「どんどん物騒な仕事をこなしていってよ、ただやりすぎには注意しなよ、『事故』が起こっちゃうから」
一体何を言いたいのか、少女は不気味な笑いを交えながらそんな事を話す。
「ボクのことなら特定の人を対象にした殺し屋、とでも思ってくれればいいさ」
正確には違うのだが、そこまで間違ったことは言っていないのだし、別にわざわざ詳細を言うこともないだろう。
- 529 :ルファス:2012/10/02(火) 00:19:28 ID:RRIFCANoO
- >>528
「言われなくても稼がせて貰うさ、わざわざ貧困生活を満喫しようとは思えないしな」
「それと、忠告なのかどうなのか判断に迷う台詞だが……今は素直に聞いておく事にしようか」
気紛れなのか理由は解らないが、何やら警告じみた台詞を聞かされた。
無視するのは簡単だが、そこまで暴れる趣味はない、それに、不要な面倒は抱えたくなかった。
「特定の人物限定の殺し屋か、同業、とは言えないが、無縁と呼ぶのもまた間違ってる気がするな」
「詳細は……聞かないでおこう、その方が、これからも友好的な会話が出来そうだしな?」
- 530 :神無 鏡華:2012/10/02(火) 00:26:45 ID:dL8H4NjE0
- >>529
「なに、こっちの問題だしそこまで気にする必要もないよ」
「まあ、仲良くできるといいね」
若干の諦めを漂わせながら、少女は言う。
「それじゃ、ボクはそろそろ行くとしよう」
「機会があればまた会うだろうし、その時を楽しみにしてるよ。それじゃ」
最後まで不気味な笑みは崩さすに、少女は青年に背を向け去っていった。
/時間の問題でここらへんで落ちます
/絡みお疲れさまでした
- 531 :ルファス:2012/10/02(火) 00:30:42 ID:RRIFCANoO
- >>530
「ああ、それじゃあな」
ひらひらと片手をほんの僅かな間だけ振って、去りゆく背中を見送ると、青年もその場から立ち去った。
後日、裏通りで大量の血痕が発見されるも、当然ながら死体の発見は出来なかったそうだ。
//絡みありがとうございましたー、楽しかったです。
- 532 :黒沢小百合:2012/10/02(火) 22:25:57 ID:SSMHlh/20
- 異能都市は様々な次元から旅人や移民がやってくる超多民族都市であり、
当然様々な文化圏から言語や習慣、風俗が持ち込まれ、都市と言う土壌にばら撒かれている。
小百合は都市の一区画――。
ダークエルフやオーク鬼、ゴブリンなどが多く暮らす界隈にある
千夜が資本出資を行なっている子会社の紡績工場を訪れた帰り、
恐らく彼ら土着の文化と思われる祭事を見かけた。
動物の骨で出来たオブジェや、幾何学模様の旗、
壁面に描かれた絵図などで飾り立てられた街の一角に祭壇が築かれ
そこに食べ物や香料が備えられている。
なにやらよく分からないものを売る出店の姿も見られ、
興味をそそられた小百合は縁日のようだな、などと考えながら
その場を見てまわることにした。
- 533 :ディス&鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/10/02(火) 23:14:17 ID:vljhfSlg0
- >>532
【その中の一角に学生らしき姿も見える】
「……こういうのとかは私の能力でどうにかなるでしょうか…」
【どうやら自身の能力に使えそうなアイテムを探しているようだ】
「んん?これとかもよさそうですね…
あの、これっておいくらに…」
【そう言って店員に色々交渉している。どうやら民芸品のナイフをみつけたようだ】
- 534 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/10/02(火) 23:14:47 ID:vljhfSlg0
- //名前をミスったです
- 535 :黒沢小百合:2012/10/02(火) 23:42:53 ID:SSMHlh/20
- >>533
「……。」
(ふむ、あれは何時ぞやの新人能力者だったか。
闘祭では運良く優勝したようだが……果てさて。)
小百合は、ちょこちょこと店を探し回る鶫に対し
自分から声を掛けるようなことはしなかった。
別段、親しい間柄でもなく声を掛ける用事もないからである。
- 536 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/10/02(火) 23:47:11 ID:vljhfSlg0
- >>535
「むー、思ったよりもお安いですね。
ありがとうございます…っと!」
【途端に陰に隠れていた男の腕を掴んだ鶫】
「万引きは犯罪ですからそれを忘れずに…
次にやったら容赦しません」
【そう言って万引きしようとした男を睨みつける鶫】
【何か言おうとした男であったが、優勝者であることに気づいたためか、押し黙ってその場から駆け足で去っていった】
「やれやれ全く…
休む暇も無さそうです…」
【呆れた顔をしながらあたりを見回す。】
「ふーむ、あの人もここに…いろんな人が集まりますね、ここは」
【小百合と目があい、少し感心したように答えた】
- 537 :黒沢小百合:2012/10/03(水) 00:04:41 ID:SSMHlh/20
- >>536
「……なるほど、4異能$ですか。
では頂きましょう。そうですね、それと……その右から2番目のものを。」
当の小百合はその辺りの民芸品のテントを覗いているようだった。
呪い師風のエルフから木彫りのトーテムのような物を購入し、いくらかの紙幣を渡す。
どうやらこの催しはダークエルフの祝祭のようだが、
周囲には人間等他種族もそれなりにおり、この地域に受け入れられているようだ。
- 538 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/10/03(水) 00:07:25 ID:vljhfSlg0
- >>537
「…呪い人形とかにも効果はあるんでしょうかね」
【ボソリとシャレにならないことを呟いてその様子を見た】
「まあ、仕事の合間の休み、なのでしょうね。
憧れとはいえ、私が干渉するのも少し…」
【鶫はどこか気を使うかのような雰囲気である。】
【そう言っている間にも次のものを探しに行く…】
- 539 :黒沢小百合:2012/10/03(水) 00:40:38 ID:SSMHlh/20
- >>538
鶫がそうした買い物に夢中になっている間に、
小百合は家路についたのか、いつのまにか姿を消していた。
ちなみに小百合は例のトーテム以外にも、
なにやらよく分からない品を大量に買っていったとか。
- 540 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/10/03(水) 00:42:00 ID:vljhfSlg0
- >>539
「うーむ、まあいいですかね」
【鶫はしばらく小百合のことを考えていたが】
【すぐに踵を返し、買い物を続けた】
「何を買いに行ったんでしょうね?」
【そう言ってあたりを探ったりもしていたようである…】
- 541 :黒沢小百合:2012/10/03(水) 23:01:50 ID:SSMHlh/20
- 異能都市の街角広場の一角に人だかりができていた。
その輪の中心には数人の兵士がおり、
一人の騎士を羽交い絞めにして警棒で顔や腹を打ち据えている。
「まるで風車に戦いを挑むドン・キホーテの如き男。
貴様はスズメバチの巣を突付いた様だなぁ……?」
兵士を操っているのは、黒沢小百合その人。
その気性ゆえ敵の存在に枚挙の暇がない彼女であるが、
こうして目立つ場所で事を構えることは珍しい。
- 542 :飼い主 ◆U9t0l68smw:2012/10/03(水) 23:06:21 ID:GFududEw0
- >>541
「〜♪」
(あー、ハフバル探すのめんどくさくなってきたなー、このまま
逃がそうかなー)
そろそろ本来の目的を忘れそうな飼い主、それでいいのか。
「ん?」
【赤いマントを羽織っている男が、輪の中心で起こっている
惨劇を興味深そうに見ている。ぶっちゃけ目立つ。】
- 543 :黒沢小百合:2012/10/03(水) 23:22:58 ID:SSMHlh/20
- >>542
周囲の野次馬や見物人の話を聞く限り、
どうにも騎士風の男となんらかのトラブルを起こした小百合が
彼を口汚く罵り、それを受けて騎士の方が決闘を挑んだらしい。
とはいえ、彼にとって不幸であったのは小百合の能力を知らなかった事。
見るからに都市の近代的文化に順応できなさそうな古風な男であり、
恐らく中世に近い文化圏の世界から訪れた男なのだろう。
「タレス曰く、汝自身を知れ。
そしてメナンドロス曰く、他人を知れ。
貴方はその双方が欠けていたようですね。」
顔面を潰され、朱色に染めた男がその場に崩れる。
小百合はそれを一瞥すると、興味を失ったように踵を返して
見物人の一角を割り、歩き出す。
- 544 :飼い主 ◆U9t0l68smw:2012/10/04(木) 00:19:34 ID:GFududEw0
- >>543
(しかしまぁ、顔面まで潰す事は無いと思うけどね。)
月の無い夜中に背中を刺されそうな女だ―
【彼はそう思うと、赤いマントの内側のズボンのポケットに手
を入れ、歩く小百合を見る。その目は、興味
、見るよりは、観察と言ったほうが正しいだろう。】
- 545 :黒沢小百合:2012/10/04(木) 00:27:49 ID:SSMHlh/20
- >>544
自ら手を汚さない小百合の戦い方は実にスマートな物で
男の悲惨な様子とは打って変わって、返り血の一つもついていない。
周りの人々も救急車を呼んだり、倒れた男を携帯電話のカメラで捕ったりと
幾人かは残っていたが、大半はショーは終わったとばかりにこの場から離れていくため、
自然と輪は消えてしまった。
- 546 :飼い主 ◆U9t0l68smw:2012/10/04(木) 00:30:52 ID:GFududEw0
- >>545
(なるほど、狡猾でサディスティック、高い能力によって高い地位に
いる反面、他人には恨まれやすく、そして自身が常に優位でないと
気がすまない・・・と。)
【輪が消えた後でも彼は小百合を個人的に分析しながら、やはり見物―いや観察を
続けている。】
- 547 :黒沢小百合:2012/10/04(木) 00:38:35 ID:SSMHlh/20
- >>546
「貴方に一つ忠告をするなら、あまり他人をじろじろと見るものではない。」
小百合は飼い主のそばを通り過ぎる際に、ぴしゃりとそう言い放った。
好奇の目とは少し違う、観察の色の濃いその見かたを見抜いていたのだ。
とはいえ、それ以上何かをするでもなく
ただ不快なだけであって、興味はないといった風に歩き去る。
- 548 :飼い主 ◆U9t0l68smw:2012/10/04(木) 01:05:03 ID:GFududEw0
- >>547
「あまり人を口汚く罵らないほうが
いい。無用のトラブルを引き起こ、いやむしろ引き起こして
自分の力を誇張したいだけなのかもしれないね。」
【彼は、歩き去る小百合に背を向け言った。それには
多少の罵りの意味もあるのだろう。】
「争いは、同じ精神同士のものでしか起こらない。」
- 549 :黒沢小百合:2012/10/04(木) 01:10:51 ID:SSMHlh/20
- >>548
小百合は話など聞く価値もない、とばかりに
一方的に飼い主を罵り、そのままたちさっていったため、
聞こえていたかどうかは定かではない。
しかし、彼女は双頭危険な人物だと考えたほうが良さそうだ。
//そろそろねむいので〆
- 550 :飼い主 ◆U9t0l68smw:2012/10/04(木) 01:21:25 ID:GFududEw0
- >>549
「やっぱり挑発と受け取ったか、聞いていないか。」
【彼はむしろ、危険な人物というより、弄りがいのある人物―
まるで新しい玩具を見つけた赤ん坊のように、その濁った目を、
どす黒い光で輝かせていた。】
「ま、いいや。ハフバル見つけるまでの暇つぶしとしては
面白い。」
【そう考えると、彼は、そこから立ち去った。】
//おつでしたー。
- 551 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/10/04(木) 22:56:27 ID:vljhfSlg0
- 東京は色んなアニメが見られるのだァ!!
それはともかくヒマっぽいです
- 552 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/10/04(木) 22:59:58 ID:vljhfSlg0
- //ミスりました
- 553 :ルファス:2012/10/07(日) 22:45:26 ID:RRIFCANoO
- 裏路地の一角から漂うのは、今さっき流れたであろう濃厚な血の匂い。
「……二十一、二十二、っと、まあ大体こんな所で全部だろ」
その源が何か、興味を持って足を踏み込んでみれば、月明かりに照らされた銀髪の青年が目に入るだろう。
青年の周りには、青少年達が倒れていて、その彼等は皆、額や胸に風穴を空け、身動き一つする様子は見られない。
素人が見ても、玄人が見ても、一見すれば『死んでいる』と理解出来るような、悲惨な姿を晒していた。
余談だが、この場所は少しばかり名前―――悪名が流れていた、中規模の不良グループの溜まり場だったらしい。
とあれば、倒れている人物の正体は、考えずとも知れるだろう。
- 554 :名も無き異能都市住民:2012/10/07(日) 22:56:47 ID:lvAfSw0M0
- >>553
路地裏、青年の元に一人、歩いてくる。
純白の衣服に身を包んだ純白の肌に白髪の人間だ。
細い路地を抜けると周囲を見渡し、小さくため息を吐いた。
口元に手を当て、何か暗く悩む様子を見せた。
その後に青年を見かけ、迷いなく歩み寄っていく。
暗がりから抜けた人間に月の光が差し込むと、白髪は白金の輝きを帯びる。
それに加え、特徴的なのは真紅の相貌と左手の手袋。
純白に塗れたシルエットに、挿された真紅は良く映えると同時、その人物がアルビノであると知らせた。
「こんばんは、今日は月が綺麗だね」
- 555 :ルファス:2012/10/07(日) 23:09:42 ID:RRIFCANoO
- >>554
声のした方向に視線を向けて、それに少し遅れて身体も其方に向き直る。
その時には、既に手の中に握られている大型拳銃―――それもまた、現れた人物に向けられていた。
「嗚呼、良い月だな、薄汚い街には不釣り合いな、良い月だ」
「ただ、此処は月見をするには向いてないだろう――何も見なかった事にして、余所に足を運ぶのが賢明だと思うぜ?」
青年の言葉を意訳すれば、見逃してやるからとっとと失せろ、といった所か。
有無を言わさないような強い口調だったが、青年はこの惨事を見られても、眼前に現れた人物をまだ撃ち殺そうとはしていない。
それは即ち、青年は、これから発生するかもしれない余計な手間を無くしたいだけで、害意は無いことの証明にもなる。
その気になれば会話を成り立たせる事も出来なくはないだろう。
- 556 :名も無き異能都市住民:2012/10/07(日) 23:17:19 ID:lvAfSw0M0
- >>555
「そう行きたいけどね、僕は困っているんだ」
現れた時に一度周囲を見渡している。
それはつまり、この惨状を理解し、その引き金が誰かも知って居ると言う事。
その上で会話を続ける。というのは青年にどう映るのだろうか。
純白の右手は青年の拳銃を指差し。
「それ、苦手なんだよね……下ろしてくれると嬉しいな」
苦笑を浮かべつつ、頼む口。
けれども下ろさない内から脚は青年の元へ。
- 557 :ルファス:2012/10/07(日) 23:29:44 ID:RRIFCANoO
- >>556
純白の衣服に包まれた足が前に一歩踏み込んだ瞬間、だろうか。
銃口が火を吹き、僅かに遅れてどむ、という音が響き、その脚の僅か先の地面が砕け散る。
「ああ、こいつを降ろすのは別に構わないが、その前に事情の一つ位は説明して貰いたい所だな」
「納得出来る理由があれば、こいつはちゃんと降ろすし、何なら俺が此処から立ち去っても構わない」
「……理由が納得出来なくかったら、まあ、二時間後にでも脚を運べ、それまでには退いてやる、俺もこんな場所に長々といる趣味は無いからな」
「だが、何も語らずに、これ以上こっちに無遠慮に脚を運ぶなら、悪いが、そこの連中と添い寝をさせてやる事になる」
「俺としても不本意な話だからな、出来れば、簡単に事情を話してくれると助かるんだが」
- 558 :名も無き異能都市住民:2012/10/07(日) 23:42:39 ID:lvAfSw0M0
- >>557
「手厳しいね」
銃口が火を吹けば険しい顔をする。
到底間に合わない行動ではあるが、反射的にサッと脚を退く。
「まぁ、安心してよ。僕はキミを信頼しているつもりだから」
そうすれば冷静な顔をしたまま突拍子もない発言をする。
両手を目一杯。とまでは行かないが高く上げて抵抗の余地なしをアピールしつつ。
尤も、この都市では魔力やその他多くによってこれでも完全な無力の証明にはならないが、やらないよりかはマシだろう。
「歪みに巻き込まれたのかな……兎に角、迷ってしまってね。
折角見つけたキミなんだし、良ければ明るいところまで送ってほしいのさ」
この都市を語る上で外せない程のファクターである歪み。
簡単に言えば、不定期で場所が変わる。と言う物。
それは一切の予測が不可能で、歪みが起きた事は一般人にはわかりにくい。
その為、一般住民の悩みの種の一つでもある。現に純白の人間はそれで悩んでいる様子だった。
- 559 :ルファス:2012/10/07(日) 23:54:59 ID:RRIFCANoO
- >>558
「不用意に近寄るのを許した所為でさっくり殺される、なんてのはごめんだからな、手厳しいと評されるのも、慢心して死ぬより万倍マシだ」
「臆病だ弱虫だと嘲笑ってくれても構わない、だが、このやり方が間違っているとは、俺は思わない」
脚を引いたのを確認したからか、それ以上、銃口から弾丸が吐き出される事は無かった。
そして、青年はため息を吐きながら、拳銃を腰のホルスターに収納する。
「……信頼、なんて言葉を初対面の相手に使うなよ、言葉の価値が安くなるだけだ」
「まあ、それでも大体の事情は解った、歪んでなさそうな大通りまでは案内してやるよ、それで構わないよな?」
懐から携帯端末を取り出して、少しの間操作した後、青年は、そう声を掛ける。
さっきまで向けられていた鋭い敵意は、既に其処には存在していなかった。
- 560 :名も無き異能都市住民:2012/10/08(月) 00:04:38 ID:lvAfSw0M0
- >>559
「勿論、それで十分さ」
青年の提案に大きく頷く。
表情はここで初めて柔らかみを帯びると、改めて青年の元へ。
「だってそうじゃないか。
武器をキミが捨てない限り、僕は下手にでられない。
キミが此処で一番強いって言うんなら、傍に居た方が安全だろう?」
惨状を理解しての発言だったらしい。
真紅の左手で周囲の空気を撫で、周りを見ろ。と言う風。
- 561 :ルファス:2012/10/08(月) 00:13:06 ID:RRIFCANoO
- >>560
「なら、着いてこいよ、ちょっと道は複雑だけれど、大した距離じゃない、道筋さえ正しければすぐに出られるさ」
言うが早いか、行動するが早いか、言葉を放つと同時に、青年は背中を向けて、裏路地の中でも一際細い道に向けて歩きだした。
その様子は一見無防備だが。
それでも、戦いに馴れた人間なら、それでいながら警戒を絶やしていない事に気付けるかもしれない。
「ああ、弱くはないつもりだけど……でも、あんなアウトロー気取りの餓鬼を倒した所で、何の自慢にもなりやしないな」
「まあ、頼まれた事を受けたんだ、大通りまでは何があっても連れて行ってやるよ、依頼した側が裏切らない限りはさ」
- 562 :名も無き異能都市住民:2012/10/08(月) 00:31:53 ID:lvAfSw0M0
- >>561
「僕は余り信用されてないみたいだけど、安心してよ。
キミが居なければ僕は帰るのにも一苦労するだろうから……」
青年の気配。そして台詞。
その両方から気を許されていない事を察し、首を横に振った。
「依頼。と言う事は報酬がお望みかい?
大方そう言う仕事なんだろう? タダ働きを嫌うタイプの」
背後、数メートル後を追いかけつつ。
前を向いている青年には知り得ないだろうが、茶化す口調にお似合いな笑みを浮かべていた。
- 563 :ルファス:2012/10/08(月) 00:49:52 ID:RRIFCANoO
- >>562
「警戒するのは職業病だよ、それに、この場所で警戒を怠るような奴がどうなるか、知らない訳じゃないだろう」
「まあ、連れて行こうと思う程度には信用しているんだ、それで今は譲歩してくれ」
青年の言葉は、きっと真実だろう。
青年にとって、この人物は間違いなく自分の行った行動の目撃者であり、殺してしまったほうが都合の良い人物だ。
なのに、生かしてわざわざ道案内をするのだから、悪意が無いだろう、と信用しようとしているのだろう。
「用意してくれるなら遠慮なく貰うが、わざわざ要求する程金には飢えてないから安心しておけよ」
「それに、普段は殺したり殺されたりの仕事ばっかりだしな、たまにはこんな慈善事業も悪くない、そう思ったんだよ」
そういえばあの時も、謎の装甲に身を包み、街で暴れていた怪人的なナニカとの戦闘を止めたりもしなかった。
わざわざ会話をしようと試みて、ペンや紙を渡したりもしなかっただろう。
今になって思えば、最初からそんな事ばっかりだ―――そう思って、青年は一人苦笑する。
- 564 :名も無き異能都市住民:2012/10/08(月) 01:10:05 ID:lvAfSw0M0
- >>563
「それも確かだ」
ククッ。と笑い青年の正しさを論理づけて理解した。
「端から撃ち抜かれなかっただけマシだと言う事だね」
恐ろしい環境だよ。と続けて顔は苦笑を露わにする。
「なら今度僕の驕りでもいいからキミと話がしたいな。勿論、キミの職業についてさ」
青年の苦笑を知る訳も無く、此方は軽快に話を続ける。
その割には声は冷静で落ち着きに溢れており、気配からは極僅かに棘を感じるだろう。
あれだけ青年に求めておきながら、此方も完全に心を許している訳でないのが解るだろう。
「しかし、その言葉は聞きたくなかったな。
追手の中にそう言った種類の人間もいる可能性を知ってしまった以上、情が移ってしまうかもしれない」
意外性を皮肉にしたちょっとした冗談だ。
追手がかかっている様な人間が、今更そんな事で躊躇したりはしないだろう。
何よりも血の色をそのままに映して映える瞳には、その程度では止まりはしない強い意志があった。
- 565 :ルファス:2012/10/08(月) 09:20:08 ID:RRIFCANoO
- >>564
「こっちに人を撃つ趣味は無いって事を理解してくれたなら幸いだな、お陰で助かるよ」
「難儀なのは、こんな恐ろしい場所でもマトモに話せる奴がいるって事だな」
「全員イカレた連中なら、こうして『本当に困っている人なのか?』『道に迷っているだけなら手を貸すべきじゃないのか?』と悩む事は無いってのに」
「まあ、そんなマトモな奴等がいるから、ちょっとした平穏を楽しむ事も出来てる訳なんだけど………」
やれやれ、とわざとらしく首を振るが、言葉に秘められた響きは疑いようが無いくらいに真摯なものだった。
「そうだな、こんな場所でなく、明るい場所で出会えたら、ゆっくりたわいない話で時間を潰すのも悪くないだろう」
「不幸にも出会い方が最悪だったから、今は互いに思う事があるだろうしな」
信頼されていないのは感じるが、それを青年が気に掛ける事は無い。
元々青年にとって信頼は何度もの依頼の成功を重ねて勝ち取るもの、または、互いに触れ合って絆と呼べるものが生まれて初めて得られるものだ。
だから、初対面の相手から完全な信頼を得られるなんて思っていないし、それで構わないとすら思っていた。
「どこまで本気で言っているのかは知らないし、何が原因で追われているのかも知らないが、俺は躊躇う必要なんてないと思うがな」
「日常生活のそれはそれ、仕事――或いは大切な事に関するそれはそれ、だ、情が完全に要らないとは言わないが、心を殺さなきゃいけなくなる時もある」
「俺だって、依頼なら赤子も妊婦も老人も、老若男女の区別無く撃ち殺すし、そいつ等が自分の命を狙って追ってくるならやっぱり命を奪うさ」
「でなければ、他の誰でもない、自分が生きていられなくなるんだからな」
本当に難儀な事だ――そう呟く青年は、本当に疲れ切っているようで。
こうして見ず知らずの他人の道案内を買って出るような性格の人間である青年は、少なからずその現状に負担を感じているのだろうと思わせた。
- 566 :名も無き異能都市住民:2012/10/08(月) 22:49:47 ID:lvAfSw0M0
- >>565
「助かった。で言えば僕の方だよ。
キミの悩みが事実なら僕は歪みに殺されていたからね。
キミにありがとう。と言っておくことにするよ。僕はまだ死にたくないからね」
喋る口は早口気味。
口調も何処か演劇染みては居るが、この人間なりの本意ではある。
「油断や慢心は厳禁だとも。
勝負……それも唯の賭け事やスポーツみたいなお遊びじゃない。
その中に生きるなら。ましてそれを『此処』でしようと言うなら無茶以外の何物でもない事は重々承知さ。僕だって経験はある」
口に手を当てて微笑んで、懐かしむ風。
ここでこの動作は少々奇妙に映るだろうが、純白の人間にとってはそれでも『大事な一瞬』に違いは無いらしい。
「キミも難儀だね。その仕事、向いてないんじゃない?」
心中察し。とでも言いたげに口を開く。
その次は少々の間を開けて、スルーされたと思ったのか所謂ジト目の反応で尋ねる。
「……で、アレは仮定では無いよ。確りとした僕のお誘いさ」
- 567 :名も無き異能都市住民:2012/10/08(月) 23:28:38 ID:RRIFCANoO
- >>566
「なら俺は、どういたしまして、と素直に言うべきかな、変に格好付けて礼を拒む必要なんて無いだろうし」
ふ、と口元を僅かに弛ませながら青年は道を歩き続ける。
表の通りに近付いてきたのか、静寂が支配していた筈の暗い空間に、明るい世界の喧騒が混じってくる。
「油断や慢心をしていなくとも、無茶や無謀を避けていても、死ぬときはあっさりと簡単に逝くんだけれどな」
「まあ、それでも俺もお前も生きていられてる―――互いに運は良かったんだろう、多分だけどな」
「向いてない、とは良く言われる、ただ、この仕事位しか俺に出来る事は思い当たらなくてな」
「それに、不平不満はあるし、疲れもするけれど、案外この仕事は嫌いじゃないんだ」
こうして、奇妙な出逢いもあったりするしな―――そう付け加えて、青年は空を見上げる。
雲の隙間から覗く月は、相も変わらず柔らかな光を地上に降らせ続けていた。
「出会い頭に銃を突きつける俺みたいなのを相手に、雑談のお誘いとは、また酔狂な奴だなぁ……」
「まあ、いいさ、何か聞きたい事があるなら言ってくれれば答えるよ」
- 568 :名も無き異能都市住民:2012/10/08(月) 23:49:23 ID:lvAfSw0M0
- >>567
「それがいいよ」
クスリ。と笑うとそれ以上話を広げようとはせず。
周囲を眺め、次第に明るくなってくると安心してか大きくため息を吐いた。
「中々怖いことを言うね、キミは……」
腕を組み、首を下げ目も伏せる。
声のトーンは解り易く落ち、頭をそれを受け入れようとしているのだろう。何度か小さく頷いていた。
「ただの一般人が住むには恐ろしすぎる世界だね……」
自ら体現した言葉なのだろう。
先程笑んで語った過去と同じものなのだろう。
「嫌いじゃないって―――あぁ、唯の雑談では無いよ。
キミはああいった仕事をやっているんだろう? 僕の手伝いもして欲しいのさ」
青年との雑談を切って、それよりも大事な話をする。
出会った場所を思い返す様な口をしながら、その後願う。
- 569 :ルファス:2012/10/09(火) 00:08:38 ID:RRIFCANoO
- >>568
「一般人でも、余計な事に脚を突っ込まなければそこそこに長生きは出来る筈さ、そうでなきゃ街として成り立たないだろう」
「抗争に巻き込まれた、なんて事も、ちゃんと管理されている場所なら滅多に無いだろうしな」
「そんな場所に限った話なら、死因は殺人より、寧ろ交通事故とかの方が多いんじゃないのか?」
「まあ、好奇心に任せて余計な事に関わってしまったら、即座にアウト、そんな物騒な世界なのは否定しないがな」
生き抜くことは出来なくもないが、やっぱり物騒な物事が付き纏うのは、この街にある以上避けられないだろう―――それが、青年の意見のようだ。
「依頼を受けるのは内容と報酬次第で、だな」
「道案内と違って、尊い人命を頂戴するお仕事は、流石に無料でとは言えないさ、それじゃ殺した奴も浮かばれないだろ」
「それと内容だ、多少物騒でも拒みはしないが――依頼の内容に故意に嘘が含まれていたと俺が判断した場合、即座に依頼は破棄させてもらう」
- 570 :名も無き異能都市住民:2012/10/09(火) 00:23:55 ID:lvAfSw0M0
- >>569
「街としては。ね」
飽く迄も。と言いたげに。
詰まる所、街の様に平穏でない場所での生活の事を言っているのだろう。
「と、なればやはりキミは運がいい。無論、僕もだね」
「それは確かだよ……」
苦笑を浮かべつつ、猫に手をかまれたかの様に腕を振る。
恐らくはそれに近い経験があるのだろう。それを感じさせる雰囲気だ。
「徹底しているね。
だけどそれくらいの方が渡す側も安心できる。
……どうだろうね。いや、やはり。『他人』に頼むのは筋違いか……」
青年に対して一度は『依頼』をする気でいた。
しかし、直ぐ様それは裏返ったようで。唇に真紅の手を当てて、深く悩む素振りを見せた。
- 571 :ルファス:2012/10/09(火) 00:35:47 ID:RRIFCANoO
- >>570
「街としては、な、管理の行き届いていない場所なんて悲惨の一言だ、そんな場所での生活は満ち足りてる云々の前の問題が山積みだろうしな」
「まあ―――本当に運が良い人間には、こんな場所に脚を踏み入れる機会は訪れないんだがな、それでも悪くはないんだろう」
自分の現状を考えてしまったからか、青年は、はぁ、と大きなため息を吐く。
「身に覚えがある、って感じだな……まあ、わざわざ細かい事までは聞かないでおくけどさ」
やれやれ、とわざとらしく呆れた様子を見せた後、青年は懐に手を入れて、一枚の紙片を差し出すだろう。
「なら、決まったらここにでも連絡をしてくれよ、その気になったならそれで良し、気が変わったなら焼き捨てるなり好きにしてくれればいい」
紙片には、電話番号と思われる番号が書き連ねられていた。
無造作に書き殴られた文字だが、解読に苦労する必要は無いだろう。
- 572 :名も無き異能都市住民:2012/10/09(火) 00:47:46 ID:lvAfSw0M0
- >>571
「だけど、もしも……いや、もしもでないね。事実だよ」
仮説の様な出だしにでもしたかったのだろうが、直ぐにそれを破棄してしまう。
「『徹底管理され、尚且つ問題が見えなかった』としたら」
真実として伝えるのは、青年に頼みたい依頼とも関係しているのだろう。
この人間の、アルビノの真紅の瞳は血を映しているから紅いと言われる。
「そう、『見えなかった』。隠されていたんだよ」
人々の争いの末に流れる血。それを数多見てきた瞳である。
「まぁ、聞かれずとも話したさ」
苦笑は僅かに緩くなる。
大方、全ての話が先ほどの告白に繋がっているのだろう。
紙片を受け取り、取り敢えず目を通す。
受け取った際の安定行動。『取り敢えず確認する』。
「あ、あぁ……解ったよ」
だが、確認する以上の意味は無く。
電話を持ってない以上この紙切れは紙切れ以上には成り得ない。
が、それを告げず、何時か遭えた時でいいか。と気ままな答えを出して折りたたんでポケットにしまう。コミュ障に付き。
- 573 :ルファス:2012/10/09(火) 01:00:36 ID:RRIFCANoO
- >>572
「知らされない場所にある汚い真実、まあ、良くある話だよな、不都合なものを好んで見せたがる管理者はいないだろ」
「でも―――良くある話だから、即ち正しい、なんて訳がある筈がない」
多数決が正義、そんな訳がないだろう、と青年は付け加える。
その理屈が通れば、間違った認識が広まればそれは二度と直らない事になる、人を言いくるめたら勝ちになる―――そんな歪んだ世界への第一歩になるだろう。
「つまり、街の秘密を暴く為に色々やる、管理側から秘密を暴くのを防ぐために刺客が送られるから退治しろ、って事か?」
「……微妙な反応だが……ああ、そうか、俺の不注意だったな」
「ほら、こっちが俺の職場、何でも屋の住所だ、大切な話なら、盗聴やらに気を使いたくなるのは当然だよな」
盛大に、勘違い。
だが、結果としては良い方向に向かっているのが何とも言えなかった。
//ね、眠気が限界に……。
//続きを次の夜に回して貰う事はできるでしょうか……?
- 574 :名も無き異能都市住民:2012/10/09(火) 01:09:18 ID:lvAfSw0M0
- >>573
「何を以て正しいか。それは如何様にも切り替わる」
だけども、だよ。と実に『らしい』口調で続ける。
今までのこの人間らしく、演劇じみた飄々とした喋り。
全てを知って居るかの、自分が正しいと言い切っている喋り。
「だけど、その結果が――――僕さ」
純白の髪も、純白の肌も。真紅の双眸も。
特徴の塊でしかない人間がその歪みの象徴たる物だと。
真紅の瞳は細められた。
それが審議の意を示していることは明らかで。
「うん。大方それで合っているよ」
と、頷いた。
「あぁ、うん。ありがとう。こっちの方が助かるかな」
口元に手を当てて、思わず安堵の笑みを浮かべた。
その度合いは酷く大きかったらしく、今までとは違う、ビンと張っていた者が緩んだ温かく年相応な笑み。
//大丈夫ですよ。
//それではまた明日、ですね!
- 575 :高向谷 司朗:2012/10/09(火) 21:41:36 ID:Dnkg9kSs0
- 「んー……なんじゃこりゃ」
司朗が公園のベンチでめくるのは、
軽く百年以上はたっていそうな本であった。
本の正体は、司朗が地下暗黒街で発見した、
ティルヴァの関係者の子孫が書いた研究手帳である。
「おっ?おっ?」
ティルヴァの身体が戻った今、無理に読み返す必要は無いと思われたのだが、
その子孫というのはティルヴァの関係以外の魔術も研究の範疇だったようで、
内容は雑多だが、もはや魔導書の一種と呼べる代物と化していた。
とはいえ、ページによって違う言語で書かれていたり、
司朗には難しすぎる魔術の方が多かったり、
勉強にはなるが、今すぐに役に立つ術はあまり無いと言える。
「うーん……」
とりあえず、司朗はページ一杯に書かれた魔法陣の読み方がわからずに、
ひっくり返したりしてみるのだった。
- 576 :高向谷 司朗:2012/10/09(火) 22:11:14 ID:Dnkg9kSs0
- //このレスはαスレに移動しました
- 577 :ルファス:2012/10/09(火) 23:30:13 ID:RRIFCANoO
- >>574
「先天性白皮症……アルビノの健常者なんて珍しいな、とは思ったが、成る程な、訳ありだったのか」
「しかし、さっきまで話をしていた内容から、そんな話に飛ぶとは思っていなかった、随分と大きな歪みに関わる話になってきたな―――ああ、悪くない」
歪みが大きければ、生み出される波紋も相応に大きくなる。
その波紋の源にいれば、水面に更なる刺激を与え、波紋の形を変える事だって出来る筈だ。
それに――――。
「俺は構わないさ、どんな事情が有っても依頼は依頼、その時に俺が触れる場所の詳細さえ教えて貰えれば十分だ」
「ああ、喜んで貰えたなら何よりだ、やっぱり、気にしていたんだな」
そして、青年の勘違いはまだ終わらないらしく。
//申し訳ないが、早朝から働き続けだった為か、疲労で此方も体調がアレな事になってしまってます
//互いに不調なら、明日にまた引き継ぎなおしませんか……?
- 578 :名も無き異能都市住民:2012/10/10(水) 21:35:27 ID:lvAfSw0M0
- >>577
「それとは別」
青年の脳内で構築されたであろう繋がりを一息に壊してしまう。
記憶なく生まれ落ちた瞬間から既にこの色、いや、色等無く。
「僕自身である理由等無いかも知れない。
結果の象徴としての役割は僕の『力』さ」
睨むかの如く鋭い瞳を青年に注ぐ。
自らの存在する意味など無い。力だけが存在価値。そう語る。
「それ自体は難しくないさ……いや、ここで話すのは野暮だね」
首を振り、貰った情報を示して。
「それもそうだね……こしたことはない、かな」
何処か、僅か、噛み合わない。何故か。
- 579 :ルファス:2012/10/10(水) 23:18:48 ID:RRIFCANoO
- >>578
「必死になって推測しようとしていた俺に謝れ、いや、本当に謝られたらそれはそれで困るんだがな」
えー、と不満の声を上げてみせるが、内心は不満なんて無い。
初対面の相手である自分に、事情を全て明かして貰えるなんて始めから思っていなかった。
「無関心な対応で悪いが、其処だけ語られても、残念だが俺には何も言えないな、俺はお前の力も何も知らないんだから」
「だから、そっちが踏み込んだ内容を語る気になったら、その時に教えてくれ―――それと、其処を右に曲がればもう繁華街に出れる筈だ」
- 580 :名も無き異能都市住民:2012/10/10(水) 23:46:18 ID:lvAfSw0M0
- >>579
「フッ……悪いね。
それと序でで申し訳ないけど、力に関しては、秘密だよ」
そちらの砕けた態度に合わせたのかウィンクをして。
特徴的な真紅を指振り、青年に笑いかけて見せた。
「まぁ、正式な依頼になれば、軽く話すよ」
青年の指差しに視線を合わせていく。
街の光が大きくなった事を知れば、身体も視線と同じ方を向く。
そのまま軽やかに駆け出すと去り際に「ありがとう」と続け後ろ手に手を振り光を目指していった。
そこは繁華街。アレ程目立つ姿も人並みに飲まれては既に雑多の一つでしかなくなっていた。
- 581 :ルファス:2012/10/10(水) 23:51:40 ID:RRIFCANoO
- >>580
「なら、それでいいさ、無理な詮索はしない、俺だって嫌だからな」
「依頼なら何時でも受け付けてる、気が向いたら連絡してこいよ―――っと」
雑踏の中に紛れるまで見送って、青年は繁華街に背を向ける。
自分には、此方の世界の方が相応しい―――そう思いながら、夜の闇へと再び脚を踏み出す。
- 582 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/10/13(土) 20:15:25 ID:vljhfSlg0
- 【辺りの匂いをくんくんと嗅ぎながら包帯を体に巻いた少女が歩いていた】
「うーん…やっぱりあそこがいいかなの…」
【そう言ったディスの足は自然とAGカフェに向かっていた】
「やっぱりここのごはんがおいしいかなの」
【そう言って微笑むと、扉を開く】
カランカラン…
「こんばんはなの〜
なにかたべたいの!」
【そう言って元気よく少女は扉を開けた】
- 583 :アリス・ザ・ナイトメア:2012/10/13(土) 21:19:25 ID:lvAfSw0M0
- >>582
「寄越しなさい」
お付きの兵士から電話を受け取ると回線越しの相手へ向かって怒号を飛ばす。
「ちょっと貴方! 一体何やってんのよ!
私の呼び出しを三度も無視するなんてどう言う事よ!?」
電話越しだと言うのに指を三本立ててそれを叩きつける動作をする。
それだけでも飽き足ら無かったのか、テーブルを叩き付けて怒りを剥き出しにする。
「良いかしら、貴方解っていて!?
私と貴方はライバルなのよ!? 赤と黒の関係がお解りでない?」
相手が口を挟む暇などない程に捲し立てていく。
その都度彼女の怒りの度合いもたかまっていき、やつあたりの規模も大きくなっていく。
「私は赤、貴方は黒、其々の王国を治める者同士なのよ?
だから私と貴方には決闘を行なう義務があるの、これもルール……あら?」
ここまでしゃべって気付く。
「この電話繋がってないじゃないの!!」
真っ赤な携帯電話をお付きの兵士に投げ付け乱暴にテーブルに座る。
別の兵士が差し出した真っ赤なイチゴのたくさん乗ったパフェもまた乱暴に口に含み、肘をついた腕に頭を乗せて不満感を隠そうともしなかった。
- 584 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/10/13(土) 21:22:58 ID:vljhfSlg0
- >>583
「あう…?なにしてるのかなの?
あのひとなの…」
【なにか大きな声でしゃべっている女性を見てディスは少し驚いた顔をしている】
「あうー、たべものが…
だいじょぶなのかなの?」
【そう言いながらパフェを見つめ始める】
「あのー…
ここすわっていいのかなの?」
【そう言って隣の席に座りに行く。どうやらディスはカウンターの他にもその位置の椅子によく座るようだ】
- 585 :石崎 賢一 ◆U9t0l68smw:2012/10/13(土) 21:30:55 ID:GFududEw0
- (あー、昨日はどうなること思った。)
なんなんだ、あのフードの男―
昨日の恐怖はなかったように、今日は始まっていた。
【ひとりのヘッドホンをかけ、トートバッグをさげている青年がAG
カフェに入ってくる・・・・が突然の怒鳴り声の嵐に顔をしかめた。】
(なんなんだ、もっと静かにしてくれよ・・・)
- 586 :アリス・ザ・ナイトメア:2012/10/13(土) 21:46:44 ID:lvAfSw0M0
- >>584
ディスの視界にいたのは余り歳の変わらない少女だ。
フリルのぶんだんに取り付けられた真っ赤なドレスを身に纏っていて、
それだけで無く、頭上の王冠、さらにその戴きには巨大な真紅の宝玉が見えている。正に『赤の女王』と言ったところだろうか。
近付いてきたディスに対し、睨み付け拒絶的な態度に思えたが、
「別に、構わないわ」
と、ディスの座ろうとした席を指差せば兵士が軽く椅子を拭く。
「因みに、これは私のよ」
真っ赤なパフェを掬いつつ。
>>585
怒号が治まったかと思えば今度は沈黙が支配する。
静かにこそなったが決して心地の良い物ではない。
少女の隠す気の無い不快感が場を重くしていた。
- 587 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/10/13(土) 21:49:28 ID:vljhfSlg0
- >>585
「あう、こんばんわなのー」
【誰かが入ってきたのを音で聞き、振り返る】
「?…どうしたの?
だいじょうぶなの?」
【心配そうな顔で顔をしかめる石崎を観る】
>>586
「あうー、ふいてもらわなくてもいいのになのー」
【少し驚いた顔で答える】
「でも、ありがとうなの」
【そう言って微笑みながら座った】
「そっかなの…おいしそうなの…
『でぃす』もたのんでみよなのー」
【そう言ってメニューを手に取りじっくりと中身を確認し始めた】
- 588 :石崎 賢一:2012/10/13(土) 22:14:09 ID:GFududEw0
- >>586
(まさに女王だな…場の支配的な意味で)
彼はいままでこういう状況など経験したことはない
【彼は主に兵士に同情の目を送りつつ、あたりを
見回す。】
>>587
「ああ、ディスか。久しぶり」
【彼は愛想笑いしながら手を一回振った。】
「ああ、いや大丈夫だよ。」
【そうい彼の顔の色は優れない】
「ところで隣座っていいかな?」
- 589 :アリス・ザ・ナイトメア:2012/10/13(土) 22:23:32 ID:lvAfSw0M0
- >>587
ディスから礼を受けると無言のまま返礼で返す。
その後彼は女王の後ろに静かに戻っていき、携帯電話をポーチにしまった。
パフェを大きなスプーンで味を余す事なく掬う。
ウットリとした視線をスプーンに向け、
「赤赤とした大きくてまぁるいイチゴ。
宝石の様で綺麗で甘美。まさに完璧。
クリームはきめ細やかで甘くかつ滑らかな肌触り。
純白を彩る真紅のラズベリーソース……美しいわ」
>>588
よく見れば、兵士も女王と同じくらいの子ども。
赤のロングパンツに白いロングコートという服装で統一された彼ら。
兵士らしく赤い鞘に入ったサーベルを帯刀している。
コートの背には背番号が大きく刻まれている様で、女王の後ろに付いているのが三番、料理を運んできたのが七番だ。
それも、数字で示されているのではなくて、彼らの背中をトランプに見立ててハートの数で表されていた。
- 590 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/10/13(土) 22:26:48 ID:vljhfSlg0
- >>588
「ひさしぶりなのー『けんいち』だったかなの?」
【軽く笑いながら言う】
「うーん、でもなんかきぶんわるそうなんだけどなの…
もしかしてどこかわるいなの?」
【じーっと見つめながら答える】
「おとなりいいよなのー。
どーぞなの。」
【そう言って軽く椅子を引いてみせる】
>>589
「ふーむ、よくわからないけどとってもおいしそうなの…
すいませんなのー」
【軽く手を上げ、店員に呼びかける】
「これたべたいんだけどなの」
【そう言ってアリスが食べているのと同じモノを注文した】
「……あう?ちょっとおおきいの?
それをたべていいなの?なんだかうれしいなのー」
【ディスはどこか上機嫌に答える。どうやらちょっと大きいのを出せるようだ】
- 591 :石崎 賢一:2012/10/13(土) 22:41:53 ID:GFududEw0
- >>589
(あんな子供なのにがんばって…)
あんなヒステリーな女王に仕えている兵士に彼は
尊敬の念を抱いた。
間違いなく現代では速攻ブラック入りだ。
(ん?背中…ハートの女王ってやつか?)
【彼はアリスの服装や仕草を見ていた。】
>>590
「ああ、ありがとう。」
【彼はそう言うと椅子に座った。】
「いや、本当に大丈夫だから。」
【彼は笑って答えた。しかし、その顔はぎこちない。】
- 592 :アリス・ザ・ナイトメア:2012/10/13(土) 22:57:03 ID:lvAfSw0M0
- >>590
「あら、良ければ一口あげようと思ったのだけど……まぁ、いいわ。美味しいわよ?」
ディスが注文したのを聞き、掲げたスプーンを下ろす。
そして口に含み確りと味わい、至福の味と言わんばかりに表情を咲かせ。
「ん〜……パーフェクトね」
と感想を口にする。
運んできたのは彼女の兵士。
何故ならこれは彼女の特注品に他ならず。
ニーズやコスト諸々の面から一般化はされて居らず、故に兵士のハンドメイド。
テーブルに運ばれたパフェは酷く大きく。
カップの縁はディスの目線と同じにあって。
戴きは更に上の額まで届かんとしていた。
最下層に敷き詰められたシリアルはラズベリーソースで浸されて。
その上はクリームとラズベリーソースで紅白の螺旋が描かれ更にこれも極上品のプラムが一つ鎮座する。
果肉の赤いドラゴンフルーツを使ったアイスが盛られ、その脇には光で輝ったチェリーが三つ。
更にイチゴを挟んだショートケーキまでもが乗っており、頂上に存在するのは赤く丸く、綺麗で甘美なイチゴ。
……流石に赤過ぎはしないだろうか……。
>>591
女王の見てないところでも柔和な笑みを浮かべる少年。
今カフェに存在するのは二人のみ。
しかし、その二人、何れも美男に見える。
気性の荒く怒りっぽい赤の女王はかなりのミーハーらしい。
少女の頭上には金の枝の様なものが絡み合った王冠を付けている。
その戴きには角柱状の巨大な真紅の宝石が鎮座しており、彼女の地位を口無くとも物語る。
ドレスも紅白入り混じった物にしろ、メインは赤。
さらに女王感極まりないと感じさせるのはその派手さだろう。
- 593 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/10/13(土) 23:22:23 ID:vljhfSlg0
- >>591
「うーん…
そう…なのかなの?」
【それでもやはり納得はできてないようである】
「……」
【顔色を確認しつつ、何気なく匂いを嗅ぎ始める。何となく体の異常を感じられないかを調べてるように見える】
>>592
「あうーやっとはこばれてきたのー!」
【ディスのもとにもパフェが運ばれてきたようだ】
【そのデザインは間違い無くいちごパフェであるが…】
「あう?それとちがうなの…
これはおみせのじゃないなの?」
【じーっとアリスが食べているパフェを見始めた】
【ディスが食べようとしているパフェも普通のよりも一回り大きいが…】
- 594 :石崎 賢一 ◆U9t0l68smw:2012/10/14(日) 00:04:00 ID:GFududEw0
- >>592
「そんな甘いパフェなんて良く食べられるな・・。」
【彼はそうつぶやいた後、ちらりと兵士を見て少し悔しい・・とまではいかなくても
多少の理不尽な感じに襲われた。イケメン的な意味で。】
(ぐぬぬ―リア充め、元は取れているのかこんちくしょう
給料よさそうだな色々と)
現代人思考が抜けきらない賢一であった。
>>593
【パフェを見てげっそりした。】
(甘ったるそうだ・・・・。見ていただけで吐き気がするような)
【とくに異常はない。昨日の事を気にしているだけで
体には異常は出るわけはないのだが。】
「いや、本当だって。ほら、パフェ食べないと
溶けるよ。」
【話を誤魔化すように、彼はせかす。】
- 595 :アリス・ザ・ナイトメア:2012/10/14(日) 00:24:24 ID:lvAfSw0M0
- >>593
「あー……、ん?」
スプーンに多めに盛ったパフェを口に運ぼうとした瞬間、視線を感じ硬直する。
ゆっくりとディスの方に視線を移し、目線が合うとスプーンを口から離す。
「自分のがあるじゃない……だけど食べたいのね?」
そう言うとスプーンをディスの方へ近づける。
「今回は特別よ?」
>>594
「私の好みよ。悪いかしら?」
至福の時間を汚されては。それもお気に入りの品をダメ出しされては。
と、不快感を全面に押し出した表情が復活し、それは石崎に突き刺さりそうな程に向けられる。
兵士が子どもなら女王もまた子ども。
余りにも俗世的でない彼女たち給与形態は謎である。
もしかしたら、彼女たちの国では労働の基準とか姿勢と言うものが根本的に違うのかもしれない。
- 596 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/10/14(日) 00:27:19 ID:vljhfSlg0
- >>594
「ん、わかったの。
とけるのはもったいないからねなの」
【どうやら異常がないのに安心したようで、言われたとおりにパフェを食べ始めた】
「おいしいなのー。『けんいち』もたべてみないの?
あまいのはげんきがでるからなの」
【そう言いながら微笑み返す】
>>595
「あう、たべていいなの?」
【しばらくじっと見つめていた後に、ニッコリ微笑んだディスは】
「ありがとなの!あーん…」
【嬉しそうに口を開けてスプーンを咥える】
「むーん、こっちはこっちとあじがちがうなの!
でも、あまくておいしいなの!うーん」
【どうやらとても美味しいらしい】
「すごくおいしい、なの〜!」
- 597 :石崎 賢一:2012/10/14(日) 00:45:43 ID:GFududEw0
- >>595
「いや、別に。」
【彼は不快感のある表情を見て咄嗟に言った。】
「ただ、人には色々な好みがあるし・・・自分は甘いものが苦手
なので。」
>>596
「甘いものが苦手なんだよね。」
【彼は少し笑ながら言った。】
「ちょっとコーヒーもってくるね。」
【そういうと彼は席を立った。】
- 598 :アリス・ザ・ナイトメア:2012/10/14(日) 01:11:21 ID:lvAfSw0M0
- >>596
「この私の特別よ?
美味しいに決まってるじゃない」
ディスの笑顔を見て此方も表情を明るくする。
しかし、笑顔の質は僅かに違い、こちらは優越感が押し出された、余裕溢れる物。
……まぁ、あるいみ女王らしいと言えばそうか。
>>597
ディスの口からスプーンを引き抜き、それをサーベルに見立てそちらに向ける。
「解っているなら。
口出し、しないで頂戴」
そう言い放ち、フン。と鼻を鳴らすと銀のサーベルを離し、そのままパフェを口に運んだ。
- 599 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/10/14(日) 01:16:39 ID:vljhfSlg0
- >>597
「あう、そうだったの?
ごめんねなの…」
【ちょっと残念そうな顔をしながらパフェを食べる】
「こーひー…
にがいのはにがてなの…」
【軽くため息をつきながら答えた】
>>598
「なるほどなの…
ひとくちなのはちょっとざんねん…だけどなの」
【そう言ってディスはまた自分の方のパフェを食べる】
「こっちもおいしいからうれしいなの〜」
【またニッコリ笑った】
- 600 :石崎 賢一:2012/10/14(日) 01:31:55 ID:GFududEw0
- >>599
「いや、大丈夫だよ。」
【彼はコーヒーをテーブルに置いた。】
「まぁ、子供だからね。」
【彼は苦笑しながら言った。】
>>598
「はいはいっと・・あと向けるなら自分の
スプーンのほうが」
【余計なことを言うのは彼の悪い癖である。】
「あとスプーンは人に向けるものじゃない。」
- 601 :アリス・ザ・ナイトメア:2012/10/14(日) 01:46:10 ID:lvAfSw0M0
- >>599
「流石に沢山はあげられないわ。
……油断したら全部持っていかれそうよ」
ディスをどこか訝しげに眺めながら。
>>600
向けているスプーンは先程ディスに貸していたアリスの物である。
そして、アリスは余計な事を口出ししてくる人間が嫌いである。
「あら、だったらあなたは何がお好みかしら?
ピストル? おっきな剣がいいかしら?
あぁ、そうね」
兵士を呼び出すと真っ赤なポーチを受け取り、なかを漁る。
取り出したのは樽に突き刺し人形を飛ばす某黒ひげに使う玩具の剣。
「貴方にはこれで十分よ」
そういって、じっくりと見せつけるとそれを投げ付けた。
- 602 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/10/14(日) 01:48:37 ID:vljhfSlg0
- >>600
「だいじょぶならいいなのー。
でも、むりしちゃだめだよなの」
【じっと見て答えた】
「あのあじはよくわかんないなの…
なんだか…へんなあじってかんじで、
くちのなかよごれてるみたいなの…」
【そう言ってコーヒーを見つめる。どうも匂いも避けているような動作を見せている】
>>601
「うー…ごめんなさいなの…
これでもがまんしてるんだけどなの…」
【しょんぼりした顔でパフェを食べる】
「ちょっとしかたべないと
いっぱいたべたくてがまんできなくなるなの…」
【どうやらディスも悩んでいるようだ。】
- 603 :石崎 賢一 ◆U9t0l68smw:2012/10/14(日) 02:10:24 ID:GFududEw0
- >>601
【彼は投げられた玩具の剣を掴んだ】
(そうだ、よく考えればこいつ女王っぽい。)
こんな我侭なやつにそんな事を言ったら
悪化にするに決まっている。
ステレオタイプな日本人である彼にとって、我侭な
女というのは一位、二位を争うほど嫌いなものだ。
【彼はしかめっ面をした後、玩具の剣テーブルに置き、
アリスのほうにすべらした。】
>>602
「ああ、わかった。」
(といってもどうせまた来るだろうな。ずっと見られている
ような気がする。)
「まぁ、ねぇ。子供の口は苦いものを毒って感じるからね。」
【彼はコーヒーを飲みながら言った。口に広がる苦さが
たまらない。】
- 604 :アリス・ザ・ナイトメア:2012/10/14(日) 02:21:22 ID:lvAfSw0M0
- >>602
「本当だったのね……」
ディスの様子を見て驚きを露わにする。
が、落ち込んだディスを前にして真面目な表情を浮べ。
「……まぁ、いいんじゃない? 抑えななさゃ行けないってのも……別段無さそうだし」
ディスの身体を眺めつつ、そんな事を口にして。
「貴方、美味しそうに食べるじゃない?
見てる側も結構気持ちの良いものよ……これはもうあげないけどね」
そういうと、特注パフェを全て掻き込んでしまった。
>>603
「何か言いなさいよ……面白く無いわ」
かと言って喋らないのも不正解だった様子。
顔を曇らせると滑って来たプラスチックの剣を乱暴に掴みポーチに投げ入れた。
「やっぱり来そうに無いわ……お前達、帰るわよ」
二人の兵士は返礼を返すと一人は空のカップを片付け、
もう一人はポーチを受け取ってから女王の手を取って立ち上がらせた。
すると兵士は退いて、女王を先頭に置いて店を後にして行った。
- 605 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/10/14(日) 02:25:55 ID:vljhfSlg0
- >>603
「そうなの…
においもきらいなの。なんかへんなきぶんになってなの…」
【鼻のきくディスにとっては珈琲の匂いも刺激的すぎるのだろう】
「ん、こっちのにおいのほうがいいなのー」
【そのためなのか一回り大きなパフェがみるみるうちに消えていく】
>>604
「あうー、そう、なのー」
【ちょっとうろたえながら答える】
「うーん、そうなのかなの?」
【自分の体を見ながら首を傾げた】
「そんなにおいしそうにたべてるよにみえるなの?
…もしつくってくれたらたべたいなの〜」
【そう言って軽く笑った】
「あう、またねなの〜」
【微笑みながら手を振って見送っていった】
- 606 :石崎 賢一 ◆U9t0l68smw:2012/10/14(日) 02:35:33 ID:GFududEw0
- >>604
「・・・・・。」
【彼はまるで聞こえないようにしている。我侭な者と付き合える
程、彼は大人ではないのだ。】
>>605
そしてアリスが去った後、ふぅーと息をついた。
「だめだ、アイツ苦手だ。」
【彼はそういうとテーブルにつっぷした。】
「よくパフェそんなに食えるなぁ・・・。」
無知は幸せ―今程実感している時はない。
- 607 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/10/14(日) 02:48:17 ID:vljhfSlg0
- >>606
「むー、いやなひとじゃなかったみたいだけどなの…もぐもぐ」
【そろそろ無くなりそうになっている…】
「あうー、いっぱいたべられるからなのー。
ずっとがまんしてるからたまにこういうのをなの」
【軽く笑いながら答える】
「ふう、ごちそうさまなのー」
【そしてあっという間にパフェを平らげてしまった】
「ふぁー…
そろそろねむいなの…」
【そう言って近くの椅子に腰掛ける】
「…うとうと…
もうがまんできないの…おやすみなさいなの…」
【そう言うとディスは】
「すー…‥すー…」
【あっという間に眠りについてしまった】
【近くの店員が特に問題なく見ているのを見ると…どうやらよくあることのようである…】
//おやすみなさいです
- 608 :石崎 賢一 ◆U9t0l68smw:2012/10/14(日) 02:58:39 ID:GFududEw0
- >>607
「自分には嫌なヤツだと思うわけさ。」
【彼はため息をついて、やれやれとした仕草をした。】
「我慢?糖尿病か?てここで寝るのか。」
【椅子にこしかけたディスを見て、彼はトートバッグから
長いタオルを出し、ディスにかけた。安物だから
大丈夫だろう。】
「さて、帰るか。」
【彼はそういうと椅子を立ち、カフェから出た。】
//おつかれさまでーす
- 609 :高向谷 司朗:2012/10/14(日) 22:36:19 ID:Dnkg9kSs0
- 【秋祭り会場】
「そんなに寝てたのかよ俺……せっかくの休日が……」
緋河神社前で催されている秋祭り。
出店だらけの通りを歩きながら、司朗はため息をついた。
「学業に影響が出なくてよかったではないか」
司朗の腰にぶら下がっている、板状の魔道具が喋る。
「そうかなあ……まあプラス思考でいくか、プラス思考、プラス思考……。
あ、イカ焼き一つね」
司朗は手近な出店の店主に、イカ焼きを所望した。
「プラス思考よりも、思考の上書きの方が得意らしい……」
「何?なんか言った?」
「……いや」
「おっちゃん、高いよ!ちょっとまけろ!」
そう言いながら、司朗はイカ焼きを一つ手に入れた。
- 610 :黒沢小百合:2012/10/14(日) 22:53:43 ID:SSMHlh/20
- >>609
「ふむ……ゆすら様は今日は留守のようですね。
久しぶりにお会いしたかったのですが……。」
友人の不在を確かめ、境内から秋祭りの中に歩み入る小百合。
彼女は此処には多少の恩と縁があり、時折お布施を送ったりもしている間柄なのだ。
「む……竹細工ですか。
ふむ。なかなか趣があって良いですね。
お一つ、いただけますか。」
冷徹で血も涙も無いようなイメージが市勢に伝わっている小百合であるが、
こうした祭りやマーケットなどをうろつくことを好む一面がある。
周囲もまさかこんなところに本人が来るとは思っていないのか、
とくに気づいている人間もいないようだ。
- 611 :高向谷 司朗:2012/10/14(日) 23:05:02 ID:Dnkg9kSs0
- >>610
「うーん、ソースが中々の美味……。
もうちょっと手ごろな値段だったらなあ。
……つってもソースも市販品だよねこれ」
イカ焼きを頬張りながら歩く。
「……あれは……」
「何?どったの?」
ティルヴァが小百合を見て呟いた。
一方の司朗は、小百合の事を知らないと見え、疑問符を頭に浮かべる。
というか、この人ごみの中、ティルヴァが誰を見て呟いたのかも解っていない。
「……いや、なんでもない」
ティルヴァは眼を伏せた。
「なんだよー」
司朗は笑い気味に言った。
以前惨敗した相手が近くに居るとも知らず。
- 612 :黒沢小百合:2012/10/14(日) 23:18:54 ID:SSMHlh/20
- >>611
小百合とて司朗の事を憶えておらず
この場で両者が一度合い見えていることを知るのはティルヴァだけ。
彼女は細工の露店を物色しながら司朗たちの方へと近寄ってくる。
ある程度近づけば、司朗も小百合の存在に気づくかもしれない。
なにせこの所たいしたゴシップも無く、都市の週刊誌はネタが無い時の
定番として小百合のあることない事を書き綴っているからだ。
ついこの前も、有名俳優と熱愛の噂がどうのと騒がれたかと思えば、
麻薬組織と裏で繋がっているだとか、警察の情報を闇祓騎士団に売っているだとか、
例は枚挙に暇が無い。
- 613 :高向谷 司朗:2012/10/14(日) 23:32:02 ID:Dnkg9kSs0
- >>612
「……あ、黒沢小百合だ」
司朗は呟いた。
小百合に気付いたらしい。
(気付いたか……揉め事は起こしてくれるなよ)
「ほら、あの熱愛報道の」
「……?」
しかし、その覚えは戦いのものとは無関係のようで。
「ほら、先週タカの奴が言ってたじゃん?
なんか結構大騒ぎしてて、聞きたくも無いのに聞かされて」
「流石にお前の大学での会話を盗み聞きするほど、
私はプライバシーに疎いわけじゃないから……な」
何しろ司朗は小百合と戦ったとき、一度も顔を合わせていないのだ。
一度戦ったなどと、知るわけが無い。
「いやー、でもありゃ嘘だと思うな、俺。
タカの奴が大騒ぎする情報はガセネタだって相場が決まってんだから。
俺の大学じゃ有名だよ」
司朗はそう言って笑った。
- 614 :黒沢小百合:2012/10/14(日) 23:48:04 ID:SSMHlh/20
- >>612
「む。」
司朗の呟きは不運にも喧騒をすり抜けて
小百合の耳へと届いてしまったようで、彼女の表情は露骨に悪くなった。
そればかりか、向こうはつかつかと司朗のほうへと歩み寄ってくるではないか。
「張本人の前で 例の根も葉もない話をネタに笑うとは
貴方はなにを考えているのか?あなたは少しデリカシーと言うものを
身につけたほうがよいと見える。」
どうやら、小百合自身慣れているとはいえ気持ちがよいものではない
その話題を聞かされ、さらには笑いのネタにされていることに不快感を感じているようだ。
- 615 :高向谷 司朗:2012/10/15(月) 00:00:54 ID:Dnkg9kSs0
- >>614
「あっ、すいません」
司朗は帽子を取って頭を下げた。
育ちがいいのか悪いのか。
「デリカシー……なんだか妙に心に刺さります」
なんだかやたらと精神的ダメージを受けているようだった。
「っつーかあんなので騒ぐ男ってのもあれだよなあ。
なんていうか、キャピキャピしてるって言うか男らしくないって言うか。
うわっ、スゲー恥ずかしくなってきた」
なんだか問題が変わっているような気がしないでもない。
- 616 :黒沢小百合:2012/10/15(月) 00:18:16 ID:SSMHlh/20
- >>615
「……分かればよろしい。
今後は考えなしの発言は慎むことだ。」
小百合はそんな司朗の態度に
毒気を抜かれてしまったのか、ふんと鼻を鳴らすと踵を返し
その場を立ち去っていく。
// うぐー、ごめんよ。ほんとはここからスリにでも会わせたかったんだけど
// なんだかすごい眠気がきてしまって……。
- 617 :高向谷 司朗:2012/10/15(月) 00:23:56 ID:Dnkg9kSs0
- >>616
「どうもすいませんでしたっ!」
去る小百合に、司朗は頭を下げて見送るのだった。
「あー、男らしさってどうやれば身につくんだろう。
……景気づけに太鼓叩きに行こう!」
それから数分後、太鼓の前で30分あまりソイヤッソイヤッして、
汗だくになる司朗が目撃されるのだった。
「本当に思考の上書きが得意な奴だ……」
- 618 :欠け耳のボロッブ:2012/10/17(水) 23:10:52 ID:SSMHlh/20
- 数え切れぬほどの多様な文化の入り混じった土地柄である
異能都市では、それは輸送手段ひとつとっても、
様々な違いとなって現れている。
通常のトラックや輸送車などが使われる一方、
馬や中型のモンスターに牽引させる馬車も見かけるし、
反重力で浮遊する輸送機や胴に荷物を括りつけた飛龍が
空を翔る光景は珍しい物ではない。
「よっこいしょ、っと。これで全部かねぇ。
おい、この木箱の中を確認しといてくれ。」
異能都市東地区にある魔術関連の品を扱う店の前に、
幌馬車が止まり、荷物の積み下ろしを行なっている。
その中を小鬼がぴょこぴょこと走り回り、品物を確認したり
店主と見られる人狼と話をしたりしている。
- 619 :高向谷 司朗:2012/10/19(金) 22:44:04 ID:Dnkg9kSs0
- 「……これだ」
司朗は肩に包帯を巻いていた。
先日の戦いで負った傷である。
手に持っているのは、百年近く前の魔術研究家の研究手帳。
それのとあるページを見つけ、ようやく目的のものを見つけたのだった。
「……確かにその術は有効だ。
しかし、あくまで昨日お前が使った術よりもわずかに有効なだけで、
全力を投じたとしてもあの防御を破壊できる確立は――」
「ああもう、じゃあほかにティルヴァのやり方で、俺が修得できそうな方法があるっての?」
司朗はリベンジの為、何やら新たな術を学び始めたようである。
「……逃げればいいのではないか?」
「ぽかんとするぞこのヤロー」
- 620 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/10/20(土) 20:54:32 ID:/3xl4ACY0
- 【どこかの商店街にて】
「よくわからないけど…きけんなにおいがするなの…」
【この周辺は闇祓騎士団が動いていた場所…かも知れない】
「わるいにゅーすばっかりでしんぱいなの…
みんなどうしてるのかなの…」
【不安そうな顔で空を見上げた】
- 621 :ハフバル ◆U9t0l68smw:2012/10/20(土) 23:05:57 ID:GFududEw0
- >>620
(闇祓騎士団とか本当に物騒だなここ・・)
>>620
もっと別の場所に行けばよかったか―
一匹の羊らしき小動物―しかし顔は猫、どうみても
普通の動物ではない。
商店街をてくてくと歩いていた。
- 622 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/10/20(土) 23:10:27 ID:/3xl4ACY0
- >>621
「んー?
あのこはなの…」
【猫?らしき生き物に興味を示し、ディスはかけ出していく】
「ここはあぶないよなの。
なんか、あぶないにおいがするからなの」
【しゃがみこんでハフバルを見つめる】
- 623 :ハフバル ◆U9t0l68smw:2012/10/20(土) 23:14:57 ID:GFududEw0
- >>622
(あー、なんでこんな場所に来たのかな、ああ、そうだ
歪みだ。)
羊らしき生き物が、首をかしげディスを不思議そうに見てい
る。
ハフバル自身も、動物型のホムンクルスだ、一応嗅覚
も人よりは鋭い。ただ、歪みに巻き込まれただけである。
- 624 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/10/20(土) 23:22:22 ID:/3xl4ACY0
- >>623
「あうー、ちゃんとしゃべれるかなの…」
【心配そうに見つめながら言う】
「…あう?よくみたらなの…
……でもほっとけないよねなの」
【見覚えはあるように見える、しかしどうも言ってられないと思ったのかハフバルを抱えあげようとする】
- 625 :ハフバル ◆U9t0l68smw:2012/10/20(土) 23:36:20 ID:GFududEw0
-
羊らしき小動物は身体を一歩引いた。
「きゅーん。」
大丈夫、とでも言っているのだろうか、多少、力
が入っているようにも見える。
- 626 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/10/20(土) 23:40:01 ID:/3xl4ACY0
- >>625
「あう?だいじょぶなのかなの?
それはよかったの〜」
【ディスはホッとしたように言う。何となく動物に好かれそうなオーラがにじみ出ている】
「こわいひとはちかくにいないかなの?
あうー、このままほおっておくのもなんだかわるいきがするの…」
【かなり困ったふうな表情で頭をポリポリと掻く】
- 627 :ハフバル ◆U9t0l68smw:2012/10/20(土) 23:52:11 ID:GFududEw0
- >>626
「きゅーん・・・」
ハフバルはやはり一歩退いている。
(なんか、改造らしき事をされているなこの少女)
ハフバルは、見た目は動物だが思考や、習性は
限りなく人に近い。動物に好かれそうな人でも
ハフバルは、そこまで懐かないのだ。
ハフバルは、周りを見回している。警戒でもしている
のだろうか。
- 628 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/10/21(日) 00:00:49 ID:/3xl4ACY0
- >>627
「あうー?こわがられてるのかなの…
そんなにこわくみえるかなの?」
【不思議そうな顔でハフバルを見つめる】
「ん?」
【辺りの匂いを嗅ぎながら釣られて見回し始めた】
- 629 :羊の人 ◆U9t0l68smw:2012/10/21(日) 00:16:15 ID:GFududEw0
- >>628
「くぅーん・・・」
やはり、ハフバルは警戒したまま…というわけでもなく、
ハフバルは地面に座った。
顔も前よりはやわらかくなっている。警戒を解いたのであろう。
「わんっ!」
ハフバルは、ディスに向かって元気よく鳴いた。
- 630 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/10/21(日) 00:21:58 ID:/3xl4ACY0
- >>629
「あうー、とくにあやしいものはなさそうなの…
あう、あんしんしたのかなの?」
【そう言って再び座り込む】
「あうー、いいこいいこなの。
よくみたらかわいいの〜」
【微笑みながら頭を撫でようとハフバルに向けて手を伸ばす】
- 631 :羊の人 ◆U9t0l68smw:2012/10/21(日) 00:37:03 ID:GFududEw0
- >>630
「きゅーん♪」
目を細めて、手を受け入れいる。気持ちよさそうだ。
長い尻尾を振っている。
- 632 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/10/21(日) 00:40:03 ID:/3xl4ACY0
- >>631
「うふふ、なでなでなのー」
【どうやらディスも楽しいようだ。ひたすら撫でている】
「ここにはこわいひともいないみたいだから、やっぱりだいじょぶかなの…」
【そう言って辺りを見回した。感じの悪そうな人間は何人か通っているようだが】
- 633 :ハフバル ◆U9t0l68smw:2012/10/21(日) 00:53:18 ID:GFududEw0
- >>632
「きゅーん」
撫でられながらハフバルはあたりを見回す。といっても
ハフバルは自らが積極的に悪人を倒そうとは思わない、
ある意味で無駄がない、悪い意味で利己的な
生物なのだが。
しかし、外側は無害そうな生物、撫でられる物である。
ただし一部は除くが。
- 634 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/10/21(日) 00:56:05 ID:/3xl4ACY0
- >>633
「ふう、みんなゆっくりしてるみたいなの…
もういいかなの?」
【微笑みながら立ち上がる】
「えっと…おなまえはなの…」
【そう言ってハフバルをじっと見つめる。思い出そうとしてるのだろうか…】
- 635 :ハフバル ◆U9t0l68smw:2012/10/21(日) 01:18:19 ID:GFududEw0
- >>634
「わんっ!」
ハフバルは一度、ディスに向かって鳴いた後、
名前も言わず―いやしゃべれないのだが。
ハフバルは商店街の人ごみに紛れ、去っていった。
最後まで尻尾をディスに向けて振りながら。
//眠くなってきたので、今日はこれまで。
おつかれさまでしたー
- 636 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/10/21(日) 01:21:33 ID:/3xl4ACY0
- >>635
「あ、またあおうねなの〜!」
【立ち去ろうとしているのを見て慌てて手を振り、見送っていった】
「あうー。またあえるといいなの。」
【名前を言えなかったのを軽く悔やむような顔で、ディスも人ごみの中へと歩いていった】
//どうもお疲れ様でしたー
- 637 :高向谷 司朗:2012/10/24(水) 22:19:35 ID:Dnkg9kSs0
- 「日中はあったかいのに夜は寒いなあ。
完全に秋だわ」
司朗は身体を手で擦りながら歩いていた。
「ファミチキください!」
通りがかりのコンビニで某チキンを購入し、貪り食う。
「うおっと、飲み物が欲しくなるな。
缶コーヒー缶コーヒー……。
原田のおっちゃんのところでお茶でも貰うかな」
呟きながらも駅前のベンチに座る。
司朗は季節を満喫しているようだった。
- 638 :名も無き異能都市住民:2012/10/24(水) 22:42:52 ID:SSMHlh/20
- >>637
例のコンビニを眺めていると、やはり駅前という好立地もあって
次から次へと客が店に入り、袋を下げて出てくる。
その狭い駐車場など、普通の車からUFO。
背中に蔵のついたワイバーンや、ペガサスなどが
ひっきりなしにやってきて、なんとも面白い。
――ざざあー。
と、ふいに歪みによく似た時空の捩れから
水の飛沫が吹き出たかと思うと。
――ドガァッ
そこからまるではじき出されるように、
木造船の船首が突き出たではないか。
- 639 :高向谷 司朗:2012/10/24(水) 22:53:16 ID:Dnkg9kSs0
- >>638
「おっちゃんのところでお茶を……」
「ギャグじゃねえよ!?」
ティルヴァが呟いたのを、司朗は即座に否定する。
「っておい!……ちょまっ!写真写真!」
UFOを見て、司朗は携帯電話を取り出した。
携帯をUFOに翳した、次の瞬間。
「うわっ……うわあああ!!?」
時空のねじれから出現する船首を、携帯のカメラ越しに目撃する。
司朗は携帯を取り落とし、全身の毛が逆立ったかのようなジブリ風演出で驚いていた。
ここで司朗の鼻先紙一重で船が止まったりしたら個人的にますますジブリ。
- 640 :名も無き異能都市住民:2012/10/24(水) 23:06:35 ID:SSMHlh/20
- >>639
甲板からロープが投げ落とされ、
それをするすると下り降りてきたのは、
いかにも船長という風体の髭面の男。
そのまま、目を細めて周囲を見回し――。
「あれぁ?間違えたなぁ?
とはいえ……だいたい、目的地だ。
今回もよい船旅だった!」
どこぞから取り出した、望遠鏡でコンビニ方向を覗きつつ
ひとり納得した後、司朗にはまったく気づいていないのかそのまま
コンビニに向けて歩き出すのであった。
ちなみにUFOは持ち主がいつの間にかコンビニから戻ったのか、
ふよふよと浮かぶと、いきなりばしゅんと急加速してどこかに飛んでいってしまった。
- 641 :高向谷 司朗:2012/10/24(水) 23:13:27 ID:Dnkg9kSs0
- >>640
「あれも客かえ……。
風体はアレだけど、普通にコンビニ行ってるし」
司朗はため息をつくと、顔を両手で叩く。
「ええい、こんなもんで驚いてたまるかって。
UFOもそうだ」
落とした携帯を拾ってポケットに入れると、
再びベンチに戻ってチキンの続きを味わい始めた。
「時空渡航船かなんかかな。
異次元とか一度行って見たい……かなあ?」
司朗は首をかしげた。
- 642 :名も無き異能都市住民:2012/10/24(水) 23:41:18 ID:SSMHlh/20
- >>641
ゆがみの中から半分突き出た船の周囲は、
まるで穏やかな海に停泊しているように空間に波が立ち、
時折飛沫のようなものまで舞っている。
見たところ完全に木造で、まさに大航海時代の船といった風だが、
乗組員の姿は見えず、気配や生命力なども感じない。
「はっはは!少年よ!
どうやら船旅に興味がおありか!」
と、首をかしげる司朗の背後から野太い声。
見れば、例の男が胡椒の瓶と酒、果物をこれでもかと詰め込んだ
コンビニの袋を片手に、快活に笑みを浮かべている。
「若い頃はなんでも経験しておくもんだ!どうかね一杯!」
同時に、差し出された飲みかけのラム酒が瓶の中で水音を立てた。
- 643 :高向谷 司朗:2012/10/24(水) 23:56:34 ID:Dnkg9kSs0
- >>642
「うおおっ、なんだなんだ」
突然話しかけられ、司朗は軽く飛び上がる。
「え?少年?そう?そんな若く見えるの?」
司朗は二十歳である。
海の男から見ればまだまだ若輩だろうが、世間的には少年と言えるが微妙な年齢。
普通はガキ扱いするなと怒るかもしれないが、司朗はなぜか喜んでいた。
「それなら一発。
……うおっしゅ!」
呑み馴れない度数の酒に、司朗はむせ込んだ。
「……エホッ……というかあんたその格好……」
何というか、シュールだ。
中の品物は船旅に必要であろう物が多いとはいえ、
海の男風格好+パンパンのレジ袋というのも中々ミスマッチだ。
司朗は言い出しそうなのを途中でラム酒と一緒に飲み込んだ。
- 644 :名も無き異能都市住民:2012/10/25(木) 00:08:26 ID:SSMHlh/20
- >>643
「うわっはははは、良い飲みっぷりだ。
ここらでわしも一発……。」
既に出来上がっているのか、むせこむ司朗を見て笑う男は
新たなボトルに口を付け、ごぼん、という水音と共にその3分の1を飲み干した。
「わしの顔になんぞついとるか?
ダンディーな海の男は身だしなみにも気をつけるのだなあ。」
たしかに、指には宝石が輝いているし
腰から下げた刀剣の鞘や、ベルトに無造作に突っ込まれた古風なピストルには
見事な装飾が掘り込まれているのが見える。
しかし、顔はどう見ても海賊のそれでダンディーというよりは凶悪というほうが似つかわしい。
- 645 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/10/25(木) 00:08:35 ID:/3xl4ACY0
- 「先ほどの騒音は一体何なんでしょう!」
【遠くから足音が聞こえてくる。急いでるように見える】
「このあたりからでしたか…」
【そう言って素早く駅前に一人の学生が現れた】
「…巨大な…船?
またいったい何が…ん。」
【駐車場のあたりをじっと見て、二人の姿を見る】
「あのー、高向谷さん。
あの人はどなたなんでしょう?」
【そう言って海賊?のような人物を指さした】
- 646 :高向谷 司朗:2012/10/25(木) 00:21:45 ID:Dnkg9kSs0
- >>644
(どぎつい指輪……。
趣味悪い……趣味悪いんだが……)
司朗はマイナスな感想を飲み込みつつも、
何かい言いたげな顔で。
(このステレオタイプな格好は……)
司朗は言葉を探す。
「イカすじゃん!」
コテコテの海の男という格好は、司朗の何かに触れたらしかった。
というか、酒が回ってきたのか?
>>546
「おー、防人じゃないか」
司朗は瓶を持って手を振っていた。
「いや、全然知らんおっさんだけど」
- 647 :スリージェイ船長:2012/10/25(木) 00:40:28 ID:SSMHlh/20
- >>645
「おうよ、良くぞ聞いた!」
瞬く間にボトルを一本飲み干した男は、
防人が司朗に対して発した言葉を捕まえて、大きな声を出した。
「新たな発見を追い求めて数多の波を乗り越え、風を操り、
時には大烏賊や海賊と戦う海の男、キャプテン・スリージェイとは
このわしのことよ。」
――げふう。
名乗りを決めたところで、腹に溜まったアルコールをげふうと吐き出す
なんともしまらない男であった。
>>646
「海とはきまぐれな美女のようなもの。
広く、そして様々な危険と冒険が転がっている。
海の男がかっこいいのは自明の理というものだ!」
にい、と歯を見せて笑う男の金歯がきらりと光る。
- 648 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/10/25(木) 00:44:26 ID:/3xl4ACY0
- >>646
「知らないんですか…
まあ確かに見たことはありませんが…」
【そう言ってその男をじっと見た】
「ところでそれは…
お酒…ですか?」
【じっと瓶の銘柄を見て言う】
「飲んでいい年齢、なんですか?」
>>647
「え、はぁ…
つまり船乗りの人なんですね…
スリージェイさん、よろしくお願いします」
【そう言って頭を下げた】
「私の名前は…むっ…」
【自己紹介しようとしたところで、鶫は思わず鼻を塞いだ】
(酒臭い…)
「ふぇっと…すいません」
【どうもきついらしい】
- 649 :高向谷 司朗:2012/10/25(木) 00:51:29 ID:Dnkg9kSs0
- >>647
「おおーっ、イカす口上!
よっ、大統領!じゃねえや大船長!」
司朗は拍手しながら叫んだ。
「職業:海の男ってかおっさん。
冒険、男なら憧れざるをえない!」
名前を明かしてもおっさん呼ばわりであった。
「俺は高向谷司朗!
大学生!魔法使い(見習い)!」
>>648
「俺はぴったり二十歳だよっ」
そう言って酒をあおった。
「いやーうれしいな!
一日に二回も若く見られたよ。
肌年齢には自信あるもん俺」
なんだそりゃ。
- 650 :スリージェイ船長:2012/10/25(木) 01:02:11 ID:SSMHlh/20
- >>648-649
「若者よ、海は良いぞ!
君らも機会があれば船に乗ってみるといい!」
――ひゅばっ
と、独りでに船からロープが投げ落とされて。
「おっと、そろそろ出航の時間だ!
積荷は鮮度が命の、イチヂクとサーディン。
届け先を待たせるわけにはいかんのだ!」
それを引っつかむや、船は唸りをあげながらゆがみの中へと引きずり込まれていく。
その勢いを利用して、ターザンのように甲板に上がると帽子をとって手を振り、
そのままゆがみの中へと飛沫を残して消えた。
// 今日はそろそろ落ちるんよ。からんでくれてありがとー。
- 651 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/10/25(木) 01:05:25 ID:/3xl4ACY0
- >>649
「ああ、そうなんですか。
それなら…って路上でお酒は二十歳でもまずいですよ!」
【一瞬納得しそうになって慌てて声をかけた】
「健康に気を使ってるのはいいんですが…
さすがに飲み過ぎるのは良くないですよ」
【減っていくお酒を見ながら言う】
>>650
「むー…随分と豪快な人でしたね…」
【若干興味深そうな顔で見送っていった】
//お疲れ様です
- 652 :高向谷 司朗:2012/10/25(木) 01:15:40 ID:Dnkg9kSs0
- >>650
「おー、元気でなジェイのおっさん」
拳を振り上げて、
変な呼び名で見送った。
「ストレングスの暗示を持つスタンド……!」
司朗は訳のわからぬ事を呟いていた。
>>651
「なんだとぉー、
じゃあ公園のブランコでワンカップ飲んでるおっさんにも同じ事言えんのかー」
やはり回っている。
絡み酒だ。
「どーおせーおいーらーは底ー抜けーバケーツー」
司朗は歌いながら歩き去っていった。
ティルヴァが居るから人に迷惑は掛けないと思うが、
ドブに落ちるぐらいはするかもしれないような足取りだった。
- 653 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/10/25(木) 01:17:36 ID:/3xl4ACY0
- >>652
「あーその、いいますよもちろん。」
【少し反応に困りながら答える】
「あ、足元に気をつけてくださいよー!」
【大きく手を振りながら心配そうに見送っていった】
「…お酒の匂いがまだしますね…」
【そう軽く呟きながら鶫は去っていった】
- 654 :萌葱 アテナ ◆NSEW/xeQlk:2012/10/26(金) 23:12:54 ID:7gFzKdaU0
- 「――ふーっふふんふー♪
今日はお客さん沢山来たし、闘祭出てほんと良かった!
……まあ、優勝できなかったのはかなーり、悔しいけど」
都市の公園、そこで小さな屋台の掃除をしている少女が居た。
掃除をしている屋台は、標準的なものよりも一回り小さい程度で、エンジンを載せている様子は無い。
椅子の数は5つ程の、小さな小さな店である。
そして、そんな小さな店を掃除しているのも、また小さい少女だ。
この都市の一部の人間には顔が知れている程度の小学生、萌葱アテナ。
上はセーターで、下はホットパンツに黒いタイツ。
セミロングの赤毛は今はバレッタで邪魔にならないように纏められている。
知る人ぞ知る異能の拳士、異世界の英雄。
しかし、その実今の少女は学校に通いながらカフェでバイトをするお菓子屋志望の武人に過ぎない。
ただ、そんな少女であろうとも、力には危険が迫るのは当然であり、屋台には防弾加工などがさり気なく施されていたりする。
椅子を屋台の収納スペースに仕舞いこむと、ほっと一息。
軽く体を温めてから屋台を引いて帰ろうと、その場で軽く体を動かし始めるのであった。
- 655 :名も無き異能都市住民:2012/10/26(金) 23:32:07 ID:SSMHlh/20
- >>654
公園は大きな道路に面しているため人通りが多く、
掃除をする間もランニングやサイクリングを楽しむ人々や、
帰路を急ぐ会社員の姿もちらほらと見える治安のよい場所。
しかし、そんな公園にも問題はあり。
――ぶろろろろ
新たに近づいてくるのは白のバイク。
フルフェイスヘルメットにジャンパーという服装の男の二人乗り。
本来、この公園内はバイクやスクーターの類の
進入は禁止されているのだが、例の道路から公園をはさんで反対側に
近道するために入り込んでくることも多く、最近はバイカーギャングの溜まり場に
なる事もあるようだ。
- 656 :萌葱 アテナ ◆NSEW/xeQlk:2012/10/26(金) 23:38:02 ID:7gFzKdaU0
- >>655
「……はぁ」
マナーがなっていないな、と思いつつも、自分の注意を素直に受け入れはしないだろうとも思う。
自分はあくまで只の小学生であって、彼らの不法を取り締まる権限など何処にもない。
それに、外見なども有って、どうしても舐められるのは間違いない。
どうしようか、と迷いつつ、屋台を引いて彼らの後ろを付いて行こうとする。
何か事故を起こした時にすぐに動けるように、といういつもの少女らしいお節介である。
二人の男はバイクであり、こちらは生身で屋台を引いている身。
しかしながら、健脚の少女は自転車をこぐぐらいの速度で屋台を引いていた。
- 657 :名も無き異能都市住民:2012/10/26(金) 23:55:48 ID:SSMHlh/20
- >>656
何の変哲もない、少しマナーが悪いだけの通行人。
普段なら、それで済んだのだろう。音楽を聴きながらジョギングを楽しむ男も、
ベンチに座り、誰かを待っている風のサラリーマンも。
誰もバイクの男達に気など払っていなかった。
――パララララッ
アテナと、例のバイクがちょうど真横に並んだ時だった。
聞き様によっては小気味よい音。しかし、それは横流しされた
軍仕様のUZI機関銃の銃声。
至近距離からの典型的なドライブ・バイだ。
- 658 :萌葱 アテナ ◆NSEW/xeQlk:2012/10/27(土) 00:02:51 ID:7gFzKdaU0
- >>657
「――殺気!?」
アテナの体にも、精神にも、未だに戦場の残り香は残っている。
昨今の危険な都市の状況が、アテナの中で失われつつ有った戦場の感性を取り戻させていた。
地面を蹴り、転がり込むように屋台を挟んだ状態へとアテナは移動。
UZIの放つ銃弾は屋台へとぶつかり、木の板を吹き飛ばしていく。
が、しかし内部には複数枚の薄い合金を組み合わせた防弾装甲が有る。
UZI程度の口径では到底打ち抜ける防御力では無い。
「……殺しに来てる、ね。
他の武器の存在は確認できてないけど――あの二人だけじゃない可能性もある。
とりあえず――、変身」
小さくつぶやき、遮蔽物越しにアテナは即座に変身。
そして、屋台のカウンターを飛び越えるようにして、白い華は銃弾の前に踊り出た。
拳士のような軽装ながらも、飾り布がところどころにあしらわれた服装は、所謂魔法少女のそれ。
だが、その本質は戦闘の為に作り上げられた、専用のバトルドレスだ。
銃弾を受けた瞬間に服が砕け散り、銃弾のエネルギーを破壊に消費させることで無効化。
アテナは一歩で間合いを詰めると同時に、横薙ぎに右足を振りぬき、バイクごと男たちを一〇m程吹き飛ばし、意識も刈り取ろうとする筈だ。
- 659 :名も無き異能都市住民:2012/10/27(土) 00:14:15 ID:SSMHlh/20
- >>658
運悪く銃撃に巻き込まれたジョギング中の男が声も無く倒れ、
周囲にいた数人の散歩客たちも蜘蛛の子を散らすように逃げていく。
アテナの蹴り――。
それはあと、ほんの10cmというところで空しく空を切った。
敵は発砲と同時に、命中も確認せずに
思い切り加速して離脱に入ったからである。
装備はそれなりだが、恐らく素人だろう。
- 660 :萌葱 アテナ ◆NSEW/xeQlk:2012/10/27(土) 00:19:59 ID:7gFzKdaU0
- >>659
「――く……ッ。
どうせ、暗殺しに来るんだったら他人を巻き込まないくらいの良識は持っていて欲しいよ!
そこの人たち! 早く警察と救急を! 私は追いかけますから!」
蹴りの回避をされながらも体勢を整え、前傾の姿勢を作る。
そして、周囲に言葉を投げかけると同時に、アテナは地面を蹴る。
大地がごうん、と揺れて、黒い夜に白い線がバイクのルートを追従して一直線。
右腕に魔力を練り上げ、地面を再度強く蹴り、前方へと跳躍。
振りぬいた右腕を前へと振り下ろし、魔力を開放する。
「――――竜咬!」
螺旋状にうねる魔力弾を、高速で発射したのである。
狙いはバイク。
バイクのタイヤに穴を開けるか、機関部に叩きこみバイクの動作を停止させるつもりだ。
- 661 :名も無き異能都市住民:2012/10/27(土) 00:36:58 ID:SSMHlh/20
- >>660
近接戦闘に長けた能力を持つアテナであれば、
バイク程度なら瞬時に喰らいつくのは容易。
――ズッ
魔力弾はバイクのエンジンを一撃で粉砕。
さらにはその余波で、車体を真ん中から二つに叩き割った。
「げえっ!!」
勢いよく投げ出され、一人はランニングコースの舗装された道に叩きつけられた。
しかしもう一人。運転を担当していた男は、飛ばされた方向が運良く柔らかな芝生の上だったことも
あって上体を起こし、ジャンパーの中に手を入れて探っている。
恐らく、彼も銃を持っているのだろう。
- 662 :萌葱 アテナ ◆NSEW/xeQlk:2012/10/27(土) 00:41:32 ID:7gFzKdaU0
- >>661
攻撃の瞬間、アテナはバイクのテールランプに足を掛けた。
爆風と同時に、アテナはその勢いを生かして跳躍する。
「――――し、ッ」
と、ん。
静かにアテナはバイクを蹴り、体を勢いのままに回転させる。
回転の勢いを蹴り足を突き出すのに使用し、男の顎を蹴り抜こうとするだろう。
そして、蹴り足の着地の直後に、その反動で蹴り降ろしを蹴り上げにつなげる。
顎を叩いた対角線上の側頭を蹴り飛ばし、更に衝撃を強めようとするはずだ。
爆風に乗じている為、狙いがつきづらい。
少なくとも、取り出して即座に急所を狙えるような速度で動いては居ないだろう。
- 663 :名も無き異能都市住民:2012/10/27(土) 00:54:46 ID:SSMHlh/20
- >>662
「がッ……!!」
アテナの素早い動きはジャンパーと言う
もたついた服装の中から銃を取り出す暇を与えなかった。
フルフェイスのヘルメットは衝撃で破損し、
男はそのまま意識を失って地面に体を横たえた。
- 664 :萌葱 アテナ ◆NSEW/xeQlk:2012/10/27(土) 00:57:18 ID:7gFzKdaU0
- >>663
「――ッ、ふぅ。
えーっと、これを使って」
蹴り倒した後に、衣装の飾り布を外していく。
外した布は二mほどの二本の帯となって、それらを使って二人の男を捕縛するだろう。
捕縛した後に、アテナは二人の服を弄り、なにか身分の証明になるものが無いかどうかを確認するはずだ。
- 665 :名も無き異能都市住民:2012/10/27(土) 01:20:08 ID:SSMHlh/20
- >>664
男の服から出てきたのは小銭の入った財布と
それ以外はポルノ雑誌の切り抜きだとか、外れの馬券だとか。
免許証や市民IDなど、身元の判明しそうなものはなかった。
「どうせスラムの奴らだろ……。」
「警察は?誰か通報したのか?」
「おいアレ……アテナじゃね?闘祭の……。」
その後、野次馬が出来始めた頃にようやくパトカー、救急車が到着。
アテナや、周囲の目撃者から簡単に状況を聞いた後
負傷者や、今回の犯人を移送して行った。
- 666 :萌葱 アテナ ◆NSEW/xeQlk:2012/10/27(土) 01:22:47 ID:7gFzKdaU0
- >>665
「――はぁ、帰ろ」
溜息を履くと、地面を強く蹴って茂みの中に飛び込んでいく。
そして、森の中を抜けて屋台を回収すると、ボロボロの屋台に涙目になりながらも屋台を引いて去っていくのであった。
- 667 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/10/28(日) 00:05:10 ID:/3xl4ACY0
- 「………」
【ふと空を見上げながら、一人の少女が首を傾げていた】
「…ん?…んぅ…」
【不思議そうな顔でジーっと空をみあげていた。少し様子が違うように見えるのだ】
「…どうしたのかなの?…なんだか…へんなの…」
【じっと空を見て、鼻を鳴らして、不思議そうな顔をしたまま公園のベンチで空をみあげていた】
「…あ、そういえばもうすぐおかしをもらえるなの…
たのしみなの…」
【ぼーっとしたまま微笑んだ】
- 668 :高向谷 司朗:2012/10/29(月) 22:19:52 ID:Dnkg9kSs0
- 【AGカフェ】
「うわっ、コーヒーこぼした」
司朗はカフェで、研究手帳を読んでいた。
これを書いたドレイクという男、どうやら文才があるらしく、
書いてある魔術の内容はわからなくても、
端っこのコメント、ラクガキなどが結構面白いのである。
魔術に関係の無い、当時の政治に対する不満なども書かれている。
普通ならばそれなりに貴重な資料なのだが、
司朗はそんなものにコーヒーのしみを作ってしまった。
「どうしよ、ティッシュティッシュ……」
司朗は手帳にティッシュを押し当てて回復を図っていた。
- 669 :スリージェイ船長:2012/10/30(火) 22:54:43 ID:McrgrouA0
-
――ずがーん。
爆音と共に現れる空間の裂け目。
そこから潮風と飛沫を吹き上げながら現れるは
中世を思わせる古風な帆船であった。
「とうっ!!」
しゅるしゅると甲板から垂らされたロープを伝い、
アスファルトに降り立つは貴族と言う風体のきちんとした服に身を包んだ、
山賊髭の赤ら顔。
腰のボトルをぐい、と煽ると
そのまま『AGカフェ』と看板の掲げられた店へと足を踏み入れる。
- 670 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/10/31(水) 20:28:26 ID:/3xl4ACY0
- 「おかしほしいのー!」
【ディスはそう言いながら通りを、他の子どもと一緒に歩き回っていた】
「ディスちゃんはそのまんまでもできていいなー」
「そうだねーやくとく?だよねー」
【周りの友達は皆それぞれのお化け風の格好で答えている】
「えへへ、わざとじゃないんだけどねなの〜」
【下げているかぼちゃの形をしたバスケットにはお菓子がぎっしりと詰っている…】
- 671 :名も無き異能都市住民:2012/11/02(金) 22:59:53 ID:McrgrouA0
- 【異能都市西部・亜人居住区域】
都市西部の亜人――リザードマンらが
多く居住する区域の一角で、火の手があがった。
火元は冒険者や旅人向けの宿のようだが、
喧嘩の中で誰かが火の魔術を使ったとか、はたまたただの火の不始末だとか。
そういった、通常の火事とはいささかその性質が異なっているようだった。
――なぜなら、混乱と恐怖、そして死が蔓延している。
その発生源。
「ギャッ!!!」
木箱の中に隠れた獣人の子供が、その箱ごと刺し貫かれる。
死の発生源たる灰外套の集団はそれを感慨なく火の中に投げ込むと、
宿の扉をけり開け、やじうまに対しでたらめに魔法を放ちながら路地裏へと駆け込んでいく。
- 672 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/11/02(金) 23:22:50 ID:/3xl4ACY0
- //イベAとはちがう時間ということで一つお願いします。
>>671
「…ん、あう?へんなところにとんできたの」
【不思議そうな顔であたりを見回す少女】
「なんでなのかなの?
もえてるみたいなの…」
【不安そうな顔をしながら、背中に刀を背負ったまま路地裏の方へと走っていった】
- 673 :名も無き異能都市住民:2012/11/02(金) 23:33:23 ID:McrgrouA0
- >>672
窓と言う窓からもうもうと黒煙を吐き出す
『龍の鱗亭』と看板のかけられた建物。
内部ではかなり火が回っている様子で、
さらには、その周辺に無数の負傷者が取り残されている。
一体、何が起こったというのか。
- 674 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/11/02(金) 23:36:04 ID:/3xl4ACY0
- >>673
「あうー!もえてるなの!
ひ、はにがてだけどなの…あうー…」
【ディスは少し迷ったが、辺りの負傷者を見て頷き】
「ごめんなさいなの!
いま、あのなかにだれかのこってるなの?」
【近くに水がかぶれるものはないかと辺りを見回しながら大声で言う】
「でもひをけすにはどうしたらいいのかなの…」
【ディスは心配そうにその炎を見ている】
- 675 :ハフバル:2012/11/02(金) 23:45:16 ID:GFududEw0
- >>673
龍の鱗亭内部
(げっ、火事…何が起きたんだ?)
一匹の客である子羊らしき生物が突然、起きた
火事で驚いていた。
- 676 :名も無き異能都市住民:2012/11/02(金) 23:52:43 ID:McrgrouA0
- >>674
周囲に残るは取り残された負傷者のみで、
ディスの言葉への返答は痛みや恐怖の呻きのみであった。
幸い、近くに水道を見つける事ができた。
消火するにはまるで足りないが、被ることぐらいはできるだろう。
>>675
ハフバルの寝ていた部屋は火元から離れていたらしく、
まだ炎は回ってきていないが、煙がかなり充満している。
恐らくハフバルは背が低く、
煙を吸い込むのが遅かったため気づくのが遅れたのだろう。
- 677 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/11/03(土) 00:11:00 ID:/3xl4ACY0
- >>676
「うー…みんなつらそうなの…
ようし」
【ディスは水道を見つけるとそこへと駆けていき目一杯蛇口を回した】
バッシュウウ!!
【大量の水が吹き出してディスの体をびしょ濡れにしていく】
「ふう、ずぶぬれならだいじょぶなはずなの!」
【全身をずぶ濡れにしたディスは、店の中へと勢いよく駆け込んでいった】
「これがあればなんとかなるなの!」
【同時にポシェットから耐火仕様の包帯を取り出して辺りを見ながら走っていく】
「ひとまず、じゃまになるところはなの…」
【辺りを見回し、誰かいないだろうかと部屋の間取りを確認する】
- 678 :ハフバル:2012/11/03(土) 00:23:14 ID:GFududEw0
- >>676
(もう煙がまわっているのか…)
このままでは煙を吸って意識が混濁してしまうであろう…
とはいえ背が小さいので人よりは意識を保てる時間はある
だろうが。
ハフバルは念のため尻尾を使い背中の倉庫から酸素マスク
を取り出し、装着する。羊がマスクをつけた姿は
どうみても怪しい。
マスクをつけた後、ハフバルは部屋から出た。
- 679 :名も無き異能都市住民:2012/11/03(土) 00:28:54 ID:McrgrouA0
- >>677
内部、特に入ったばかりの恐らくレストランスペースとして使われていた
場所は既に天井まで炎が回っており、そこに4,5つほど斬り倒された死体が転がっている。
一階奥、2階への階段共に炎と煙で塞がって進めそうに無い。
恐らく、生存者もいないだろう。
>>678
しかし、通路は既に炎にまかれ
崩れ落ちた二階の床板や梁などで塞がれている。
ここまで炎が広がると、生半可な水や消化剤では無意味だろう。
- 680 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/11/03(土) 00:33:12 ID:/3xl4ACY0
- >>678-679
「うー…ひとがやられてるの…
なんでこうなってるのかなの…」
【ディスはとにかく心配している…】
「うえのほうには…だれもいないのかなの…
これじゃあひをけせないなの…」
【鶫は耐火包帯の形を変化させていく】
「うちわにしたらけせるかなの…」
【そう言ってうちわに変化させた包帯を凄まじい勢いで振るった】
【突風となって周囲に吹き荒れる。すぐさま火を消せそうに見えるが…】
- 681 :ハフバル:2012/11/03(土) 00:39:38 ID:GFududEw0
- >>679
(参った・・・・。)
どこか逃げられる場所はないだろうか・・・・。
それに・・・・。
切り倒されている死体―これは間違いなく人為的
な物、間違いなく襲撃者がいる。
(窓から出るか・・・。)
ハフバルはレストランスペースに入り、出られそうな
窓を探す。多少、段差があったとしても尻尾を
使えば逃げられる。
- 682 :名も無き異能都市住民:2012/11/03(土) 00:42:50 ID:McrgrouA0
- >>680
既にだいぶ回っている炎は風程度では消しようがなく、
むしろ炎を煽る結果、建築物にショックを与える結果にのみ終わり、
天井から既に炭化した柱などが、ごとごとと落ちた。
この様子では、もうこの建物も危ない。
>>681
レストランスペースまでこられたなら、
窓なり、それこそ入り口なりから容易に脱出できるだろう。
- 683 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/11/03(土) 00:45:59 ID:/3xl4ACY0
- >>682
「あうー、これじゃあだめだったの…
もうあぶないかもしれないの…」
【辺りを不安がったディスは辺りの匂いを嗅いで、ひとまず誰も居ないのを確認すると】
「…しょうがないなの!!」
【慌てて出口へとかけ出していった】
- 684 :ハフバル:2012/11/03(土) 00:51:42 ID:GFududEw0
- >>682
(しかし、いやな予感がするな・・・。)
もう荒らし終わった後なのか、それとも・・・・。
入り口で待ち伏せしているか―
あまりにもうまく行き過ぎている・・・。そう感じた
ハフバルは入り口ではなく、窓から出ることにした。
しかし、敵がいる可能性もあると思い、ハフバルは
窓を、できるだけ用心深くのぞいた。
- 685 :名も無き異能都市住民:2012/11/03(土) 00:59:44 ID:McrgrouA0
- >>683-684
その後、再び敵の襲撃などはなく、
騒ぎも大きくなったこともあって消防隊、警官隊、救護隊らが
続々と駆けつけ、事態の収拾に当たった。
ディスやハフバルは状況を聞かれたかもしれないし、
そうしたことを望まないなら、この場から立ち去ってしまうこともできる。
とかく、この都市には対立や攻撃の火種が渦巻いているという事を
身に染みて学習する機会となったかもしれない。
// 今日は軽めにこの辺で〆。
- 686 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/11/03(土) 01:02:43 ID:/3xl4ACY0
- >>684-685
「ん…
あぶなかった…のかなの」
【ディスはあたりを見回し、大変なことになっているのを改めて思い知った】
「ほんとうにきけんなことになってるのかなの…」
【ディスはたまたま出くわしただけなのでなにが起こったのかはよくわからない】
「いちおうおはなししたほうがいいかなの」
【近くにいた警官に事情を色々と説明していった】
- 687 :ハフバル:2012/11/03(土) 01:11:14 ID:GFududEw0
- >>686
(やっかいごとになってはたまらないな・・・・。)
なんでも屋らしい男、三度襲撃してきたあの女、
おそらく公務員にはろくなヤツはいまい―
変な事件に飼い主―厄介事しかない・・・
ハフバルはやってくる警官などを避けて、どこかへ
逃亡した。
- 688 :名も無き異能都市住民:2012/11/04(日) 21:53:22 ID:gSogigCY0
- 「雨の降る日は」
言葉通り、雨が降っていた。
細かく、長く降り続くこれは、分類で言えば細雨だろうか。
季節的表現に置き換えれば、液雨になるのだと思う。
そんな中で、傘も刺さずに、ただベンチに座るだけの姿がある。
いや、正しくは小さなナイフを眺めているのだったが、遠巻きから見れば変わらない。
雨の妨害も手伝って、ただ真っ白い姿の、長身の人間が、途方に暮れて焼けでも起こしたのか、ただ雨に打たれているだけにしか見えないだろう。
「気が滅入る」
- 689 :高向谷 司朗:2012/11/05(月) 21:55:49 ID:Dnkg9kSs0
- 【ショッピングモール】
司朗は、いつも同じ帽子を被っているわけではない。
あくまで被る事が重要で、一つの帽子にこだわっているわけでは無いのだ。
「うーん、このストライプ入ってるのもいいけど、
チェックも捨てがたい……」
二つの帽子を手にとって見比べる。
被ってみても、どちらもそれなりに似合っている。
というか、こういうものは慣れだが。
「……!」
ふと顔を上げた先に、黒い生地に、白い一本線の帽子を発見する。
即座に被ってみると、やはりこれもぴったりである。
「ああーっ!もう!」
二択が三択になり、司朗は唸るのだった。
- 690 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/11/10(土) 21:40:59 ID:/3xl4ACY0
- 【AGカフェ・そこに傷つきうなだれる少女が座っている】
「はぅ…いったい…
なにが…あったのかなの…」
【かなり疲れた表情、と言うよりも苦しそうな表情である】
「あのとき…なにかみたきがするけど…
おもいだせないの…あぶない…きがするなの…」
【蹲ったまま苦しげにつぶやいていた】
- 691 :名も無き異能都市住民:2012/11/19(月) 21:59:21 ID:gSogigCY0
- 【病院付近の公園】
「あぁ、しかし、困ったね……」
憂鬱そうにため息を吐く、純白の人間。
ベンチに背を持たれ、黒い空を広く、眺めていた。
溜息は留めどなく溢れ、それだけが流れる時間を感じさせる。
「何か、無い物かな……」
- 692 :?:2012/11/19(月) 22:18:06 ID:dL8H4NjE0
- >>691
「うう……」
この季節になると夜は今までと比べものにならないほど寒くなる。
もっと厚手のパーカーを着るべきだったか、と少し後悔しながら少女は歩く。
「……ん」
見覚えのある人物を視界にとらえ、足が止まる。
別段話すこともないし通り過ぎてもいいのだが、
「こんばんは、久しぶり」
なんとなく、用もなしに話しかける。
- 693 :名も無き異能都市住民:2012/11/19(月) 22:29:43 ID:gSogigCY0
- >>692
「……ん、あぁ」
声を掛けられると間延びした声を上げ、少女を視界に落とす。
珍しく意識を飛ばしていたのだろう、首を横に振って意識をリセットする。
「久し振りだね……暫く、見なかった」
脚が使えないからだろう。
ベンチの脇に立てかけていた松葉杖に凭れ掛かり座り直す。
白磁の如き肌に白い絵の具そのままの目。その中央の真紅の瞳。
身体を構成するたったの二色は、今日はどちらも何処か色が薄い。
- 694 :?:2012/11/19(月) 22:39:22 ID:dL8H4NjE0
- >>693
少し相手の方に近づいたところで、少女は松葉杖の存在に気がつく。
少女の記憶が確かならば、この男が松葉杖を使っていることは見たことがない。
次いで、若干元気がなさそうな様子だということも感じ取る。
「あんまりよくないことがあったっぽいね」
男の隣に座り、空を見上げる。
詳細を聞こうとしないのは、ただ単に興味がないのか、彼女なりの配慮なのか。
- 695 :名も無き異能都市住民:2012/11/19(月) 22:45:35 ID:gSogigCY0
- >>694
「その通り。
……つい先日さ、……ん」
少女の問い掛けにも聞こえる言葉に、笑みを浮かべつつ口を開く。
その笑みもいつも寄り薄れて見えるのは、途切れた言葉の後には肯定の意味合いを示す言葉が続くからだろう。
「……そう言えば、キミにも名前が無いんだったね」
そして、脱線。
隣に座った少女をチラリと眺めると、視線を同じにする。
- 696 :?:2012/11/19(月) 22:57:44 ID:dL8H4NjE0
- >>695
「名前、ね……」
視線だけ男に向ける。だが空を見上げる男を見て、またすぐに元に戻した。
自分の名前。
あると言っても、ないと言っても、今の少女にとっては正解であり、また不正解でもあるだろう。
ただ、
(『……』)
「無いよ」
脳裏に浮かぶ一つの記憶は、少女にそう答えさせるだけの何かがあった。
「で、なんでそんなことを?」
頭の思考を切り替え、問いかける。
- 697 :名も無き異能都市住民:2012/11/19(月) 23:09:30 ID:gSogigCY0
- >>696
「大した事はないんだ」
少女の心の内等知りはしない。
偶々、話す相手が名前が無かっただけの事らしく。
「見ての通り、脚の骨が折れてしまってね」
一対の松葉杖に、右脚のギプス。
細く華奢な脚がこれまた白い包帯に巻かれ三倍近く膨れ上がっていた。
衣服は色も生地も薄い、水色の患者衣。
浴衣型のそれを着ているという事は、入院中なのだろう。
「原因も、解っているんだ。
先日、仕方無かったとは言えコンクリート片を蹴りつけてね……」
脚力にはそれなりに自信があるが、防御力は素の人間そのもの。
それも、筋力なんかは全くなので人間の中でも下位の方。
- 698 :?:2012/11/19(月) 23:25:15 ID:dL8H4NjE0
- >>697
「そ、ならいいや」
なにか聞いた理由でもあるのかと思ったがそうではないらしい。
「それはまた災難だね」
特に感情も込めずに定型句を言う。
あまり体の造りが強くなさそうだと言うことは外見だけでもなんとなくわかる。
華奢な足が堅いものを思い切り蹴ろうものならこうなるのも当然だろう。
「じゃあここで不味い病院食を毎日のように口にしてるってわけね」
ここの病院まで不味いのかは知らないが、病院食などどこも等しく不味いだろう。
「そう考えると急にかわいそうに思えてきたわ、不思議」
- 699 :名も無き異能都市住民:2012/11/19(月) 23:33:16 ID:gSogigCY0
- >>698
「少なくとも吐き出す程では無いとは言っておくけどね」
舌の肥えた人間なら間違いなく満足は出来ないだろう。
そう考えて、それもそうか。と思い直し。
「まぁ、それはどうでも良いんだ。
何故、僕が名前の話をしたか。それが関係するんだ」
捲れない様にだろう。浴衣の縁を抑えながら、マシな方の脚をパタパタと。
「名前が無いと保険とか入れないだろう? こういう時に少し面倒だと思ったね……。
あぁ、別に、お金の話じゃないんだ。
ただ、書類だよ。何から何まで書かされて面倒この上なかったよ……名前を付けるべきかと悩んだよ」
一際大きく。溜息を吐いて方を竦めた後に俯く。
「特に。僕なんかの学歴が存在しない人間は更にね……」
- 700 :?:2012/11/19(月) 23:46:22 ID:dL8H4NjE0
- >>699
「あー……」
確かに、それはかなり面倒くさそうではある。
実際、名前を持たないせいで苦労した経験は少女にも何回かある。
「名前ね、いいんじゃない?あっても別にそこまで悪いことはないと思うけど」
名前を名乗らない少女が薦めるのも変な話ではあるが。
偽名をひとつ持っておく、というのも思い付いたが、本来偽名は本名を隠すために使うものだ。
名前を持たない人間が使うのならそれはもはや本名に等しい。
「まあ、深く考えることもないんじゃない?フィールだよフィール」
- 701 :名も無き異能都市住民:2012/11/19(月) 23:57:57 ID:gSogigCY0
- >>700
「恐らく……いや、確実に思うだけだろうけどね」
スッと目は研ぎ澄まされて、また夜空へ向く。
アンニュイな雰囲気や疲れきった様な表情は、髪を撫でる夜風に吹かれてしまったみたいに。
「どうせ名乗りを上げても、それは偽名でしかないんだ。
『僕』が『僕』たる名前は、きっとそんな物じゃない筈だからね」
下手に名前を持たないだけに、その思いは少し違った物なのだろう。
少女の方を向き、軽く微笑みかけた。
風が少し強くなる。
胸元まで伸びた襟がはためくと、慌てて押さえ。
「少し、寒いね……やっぱり、言われた通りに病室暮らしが一番かな」
と、視線を少女に戻しつつ。
- 702 :?:2012/11/20(火) 00:11:37 ID:dL8H4NjE0
- >>701
「ふーん……よくわかんないや」
考え方の違いを少し感じながら、相手の話を聞く。
「まあ、だったら今のままでいいんじゃない?」
寒さに体を少し震わせながら、たちあがる。
「そう感じるなら、今のままが一番ってことだよ、きっと」
「それでも、名の一つでも持っておいて損はないだろうけど」
風避けにフードを被る。
「それじゃ、私はそろそろ帰るね。早く脚治しなよ、お大事に」
男に軽く手を振り、少女は歩き出した。
- 703 :名も無き異能都市住民:2012/11/20(火) 00:26:57 ID:gSogigCY0
- >>702
「キミだって持ってないじゃないか」
また肩を竦め、首を振る。
少女がベンチから離れると追うように松葉杖を杖にして立ち上がる。
「あぁ、ありがとう」
そう返し、背後に見えていた巨大な病院へと脚を運んでいった……。
- 704 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/11/21(水) 22:37:39 ID:/3xl4ACY0
- 【公園のベンチに包帯を巻いた少女が座っている】
「あうー。かばんにいれといたらすこしらくになったかなの」
【少し微笑みながら足をぶらぶらさせている】
「ふー…
ちかくにまたいたりしないかなの…」
【心配そうにあたりを見回す】
- 705 :オーレリア=グラムハイト:2012/11/21(水) 22:59:34 ID:gSogigCY0
- >>704
「うー……寒いよー」
コートの端を掴み縮こまる。
今日の服装は何時もの魔法少女風の衣装では無く、一般普通の物。
青いフリルスカートにブーツ。
クリーム色のコートの下はデフォルメされた狸の描かれたTシャツ。
見を震わせながら少女は歩いていく。
その傍らを通るのは機械製の銀の狼。
- 706 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/11/21(水) 23:04:33 ID:/3xl4ACY0
- >>705
「ん?あう〜・・・
みたことあるひとなの」
【立ち上がって少女の姿をじっと見る】
「こんばんわなのー。
えっと、そっちのいぬさんもなの」
【そう言って大きく手を振りながら近づいていく】
- 707 :オーレリア=グラムハイト:2012/11/21(水) 23:14:29 ID:gSogigCY0
- >>706
「んー……あ、こんばんは!」
ディスを見付けると少女は大きく手を振る。
デフォルメされた狸もウィンクを向けている。
「えっとねー。
ナツメはいぬさんじゃないよ? オオカミさんなんだよ?」
- 708 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/11/21(水) 23:19:18 ID:/3xl4ACY0
- >>707
「えーっと・・・
ここにもいたのかなの?こんばんわなの」
【Tシャツのたぬきにもふしぎそうに目を向けた】
「あうー。
ごめんなさいなの…きょうはなにしてたのかなの?」
【ディスは少し興味の有りそうな顔で答える。ちなみにディスは季節変わらず同じような格好であった】
- 709 :オーレリア=グラムハイト:2012/11/21(水) 23:47:39 ID:gSogigCY0
- >>708
ディスの視線が狸に向いたのを見ると、少女の瞳がパッと輝く。
「ドタヌキちゃんかわいいよね!」
ドタヌキちゃん。
平日夕方から異能都市放送曲によって提供中の教育番組に出てくるマスコットである。
デフォルメされた二足歩行された狸。特徴はそれだけで、後は普通の狸……ドタヌキである。
シャツの裾を引っ張り、ドタヌキちゃんがよく見えるようにする。
「ナツメはおこってないって!」
銀の狼を撫でて、その後小さく頷く。
一切の音は無いが、まるで会話しているかのようだった。
「きょうはおさんぽと、そざいあつめだよ!」
少女の手には何時もの杖と、ナツメの背には大きなカゴが引っ掛けられている。
錬金術に必要な素材でも集めに行くのだろう。
- 710 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/11/21(水) 23:53:29 ID:/3xl4ACY0
- >>709
「あうー?ちょっとみたようなきがするなのー」
【じーっとドタヌキちゃんを見つめて答える】
「そうなんだなの…
ありがとうねなの」
【なつめの頭をナデナデして微笑み返した】
「そざいあつめなの…
『なつめ』のためのなの?」
【そう言って座り込んだままオーレリアを見上げる】
- 711 :オーレリア=グラムハイト:2012/11/22(木) 00:11:54 ID:gSogigCY0
- >>710
「このTシャツ、あたらしくかってもらっちゃった!」
この少女はそうとうドタヌキちゃんが好きなのだろう。
番組本来の年齢層はディスよりも小さい子どもだが、マスコット性も相まってかかなりの年齢層に人気なのだ!
銀の狼は鼻先をディスに向けた。
少しの間眺める様な仕草をしていた。
「ちがうんだよ。
せんせいみたいなすごい『れんきんじゅつし』になるためのべんきょうをするの!」
先生。とは少女の通う錬金術の学校の先生……つまり、上弦の事なのだろう。
自主学習の為の素材集めらしい。
- 712 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/11/22(木) 00:14:54 ID:/3xl4ACY0
- >>711
「へー・・・
ちょっとかわいらしいの…」
【なんだか羨ましそうだ。ディスもなかなか幼いほうである】
「せんせー…『じょーげん』なんだなの…
れんきん…てなんだかむずかしそーなの…
それって、ほーせきみたいないしつかったりするのかなの」
【何となく…ディスは疑問を持って答えた】
- 713 :オーレリア=グラムハイト:2012/11/22(木) 00:31:09 ID:gSogigCY0
- >>712
「うーん……ほうせきみたいないしもつかうよ?
だけど、まだわたしはあんまりむずかしいことはできないよ?
せんせーはとってもすごいこともできるんだけどね!」
何時も授業で見せてもらっているのだろう。
脳裏には少女の憧れの図が浮かんでいる様子だった。
- 714 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/11/22(木) 00:37:16 ID:/3xl4ACY0
- >>713
「そっかなの…
かんがえておこうかなの…」
【少し考えるかのような声で答えた】
「あ、ううん、なんでもないの…
『じょーげん』はずーっとげんきかなのー…」
【慌てて首を振って話を始めた】
- 715 :オーレリア=グラムハイト:2012/11/22(木) 00:53:02 ID:gSogigCY0
- >>714
「うん、せんせーはげんきだよ?
ちょっとへんなことをするときもあるけど……やさしいよ?」
ハニカミを見せたあと、大きく笑う。
そして、思い出したのかハッとして。
「そうだ、わたしはそざいをあつめにいかなくちゃ。じゃあね! 」
そう言うと歩き出す。
途中で振り返り、また大きく手を振った。
- 716 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/11/22(木) 01:01:17 ID:/3xl4ACY0
- >>715
「うん、そうだよねなの…
とってもいいひと、のにおいがするからなの」
【ディスは大きく頷く。嬉しそうに微笑みながら】
「そっかなの、いそがしいんだねなの…
じゃあまたねなの〜!」
【ディスはそう言って大きく手を振り、見送っていった】
「ふぁ…ちょっと眠いかもなの」
【ベンチに再び座り込み、アクビをしながら言った】
- 717 :欠け耳のボロッブ:2012/11/29(木) 22:44:07 ID:McrgrouA0
- 【異能都市 エルフ居住区画】
「あいよ、ご注文の電飾はこれで全てでさ。
今回、ちょいと納入が遅れたのでサービスで魔術式の飾りつけもつけときやした。
……今後ともご贔屓に!」
今回、ボロッブが取引を行なったのは都市に住まうエルフのコミュニティであった。
大きな樹木のウロや壁面に住居を構えているそのコミュニティで、クリスマスの時期ということもあり
ネオンや飾りなどで樹木をクリスマスツリー風に飾りつけようという事になったらしくのだが、
時期的に少し遅かったため、品物の準備に少し手間取った。
「……っと。しかし、偏屈なエルフにはめずらしいなぁ。」
木々の枝や根を伝い地面まで降りたボロッブは
大樹をみあげ、白い息を吐く。
エルフというと人とのかかわりを避けたり、独自の自然信仰を持っていたりするものだが
このコミュニティーは都市と積極的に融和を進めているようだ。
- 718 :名も無き異能都市住民:2012/12/09(日) 22:40:56 ID:McrgrouA0
- 地下深くに位置する都市の暗部、地下暗黒街。
その目玉である闘技場『地獄の釜』では、今日も新たな惨劇の幕が
あがろうとしていた。
「「「殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!!」」」
既に前座の試合で興奮した観客が叫び、フェンスを揺らし、空き缶や瓶を
アリーナ内へと投げ込んでは口汚く選手を罵る。
今日のメインイベントは『メイズ・オブ・チェーンソーデスマッチ』と銘打たれており、
実際にアリーナの中には4〜5mほどの壁やフェンスで迷路が作られている。
その中心部には、少し開けた場所があり現在、ロージェンスはここで他の選手と
『モンスター』の出現を待っている状態だ。
- 719 :ロージェンス:2012/12/09(日) 22:58:00 ID:1sJsd2CgO
- >>718
薄汚れたローブ、傷の目立つブーツ。
淀みきった黄色の瞳が収まる頭は錆び付いたかのような風体だ。
「ぁー」
メリメリと亀裂が動く。
音を出す、発声する。
「……ここ、何処だっけ――あぁ、そうだ闘技場だっけ」
記憶のリンクが進む。
ログインと意識のリンクにややラグを感じる。
いつものことだ。
――……せ!殺せ!殺せ!殺せ!!』
煮え沸く釜の底。
五月蝿い外野はたぎる死臭に恍惚を浮かべて、騒ぎ散らす。
「さ、って……来るなら早く、来なさいよ?」
お飾りの迷宮に囲まれたアリーナの中央、そこにロージェンスは立っている。
小汚い姿に不釣り合いなまでにギラギラする装飾品をガシャンと打ち鳴らして。
諸手に拳銃を生成する。
「どっからでも、死体にしてやるよ――バケモノ共」
迷宮の出口に向かう破落戸共の終着駅
――改札口が臨戦態勢を整えた。
- 720 :名も無き異能都市住民:2012/12/09(日) 23:11:01 ID:McrgrouA0
- >>719
『レディ――ド・ジェント――今回のだ――は!
メイズ・オ――――デスマッチだ!!兄弟、金はも――たか?
まだなら――かけこみな!!――だぜ!!ヘイ、死にぞこないの――
これから――――準備は良いか?』
MCによる観客へのアオリがはじまる。
寄せ集めの機材による酷いハウリングで、まともに何を言っているか聞こえないが、
これが意味することは一つ。もうすぐ、地獄の釜の蓋が開くのだ。
今回の参加者はロージェンスを入れてきっかり10人。
戦いなれていそうなものはそのうち5人。残りは未だ何が起こっているのか分からない
と言う風に辺りを見回す女や、『逃げるだけだ、大丈夫だ、生き残れる』と自分を励ますように
ぶつぶつと呟く貧相な男など明らかな素人ばかり。恐らく、彼らは生き残れないだろう。
――カァァァンッ!!!
――グゴゴゴゴ、ドッ!!!
ふいに、試合開始を告げるゴングが鳴らされ、それと同時に迷路の向こうで扉が開く。
――――ギュイイイインッ!!!
それと同時に、耳障りなほどに響き渡るは巨大なチェーンソーのエンジン音だった。
今回のルールは、迷宮内を一定時間逃げのびる事。ただし、この迷路には『チェーンソー』を
持ったモンスターが放たれている。
- 721 :ロージェンス:2012/12/09(日) 23:32:24 ID:1sJsd2CgO
- >>720
ひい、ふう、み……。
銃口で指差しながら、人数を確認する。
(うーん……十人かー、肉盾候補は三人くらいかな。妥当ね)
ふふん、と笑って。
チェーンソウの駆動音を聞く。
どうやら相手は“そういうもの”らしい。
「……おい、そこの木偶の坊。お前だよ、オ・マ・エ」
始まるや否や、すぐさま独り言を呟く貧相な男に向かう。
他の参加者……特に戦い慣れていそうな奴らは気にしていない。
「あんた、私の“用心棒”になれ。一緒にあの迷宮を歩くだけで良い、難しく考えるな」
そして唐突に協力を持ち掛ける。
獅子の装飾が施された拳銃をチラつかせ、元から悪い人相をより悪く見せて。
「協力してバケモノから逃げるだけだ、簡単だろう?」
武力は端から期待していない、ただの“つっかえ棒”を欲しているのだ。
- 722 :名も無き異能都市住民:2012/12/09(日) 23:48:26 ID:McrgrouA0
- >>721
参加者は試合開始のブザーと共に蜘蛛の子を散らすように、
迷宮内へと駆け込んでいくが、戦いなれていそうな1人はこの場に残るようだった。
例の男も、手近な入り口から迷宮内へと駆け込もうとしていたが……。
「う、うひいいひいっ!!!や、やめろ!
私に近寄るな!私はお前等とは違うんだ!!
私はッ!わたしはなあ!!!」
男はロージェンスから声を掛けられると、顔を引きつらせて
迷宮内へと駆け込もうとする。よほど精神的に切羽詰っているのか
それとももとよりプライドが高いのか。
そこへ――。
――――ギュゴゴゴゴゴッ!!!
「う、ひがごがばああああああッッ!!!!」
振り下ろされたのは、人の身の丈はあろうかと言う刃を持つ巨大なチェーンソー。
鮮血を撒き散らし、真っ二つとなった男を悠然と見下ろすのはその得物の巨大さに
比例して3〜4mはあろうかという黒い頭巾で顔を隠した巨人であった。
「お、おお、お。」
巨人はまるで痙攣するように、感情のこもらない声をあげると
一歩一歩踏みしめるように、ロージェンスへと近づいてくる!!
- 723 :ロージェンス:2012/12/10(月) 00:10:55 ID:1sJsd2CgO
- >>722
巨人の一歩に踏みにじられる亡骸を見下しながら。
獅子ノ帝銃へ炎の魔弾を装填する。
数発分と、圧倒的に量は少ない。
「……ごちそーさん、くくっ」
息絶えた男から得た嫌悪感。
これでストゥクスの水嵩を僅か上げる。
持続性も期待できない上に、質もさほどよろしくない。
オードブルとしても、やはりそこそこだった。
「全くもって使えない、木偶の坊だったわ――でも、アイツは使えるのかしら?」
残った一人を脇見して、近付いてくる巨人から少し離れる。
ちょうど、巨人と自分の間に、残った一人が居続けるように立ち回るつもりだ。
(……あの巨人、とても理性的とは思えないけど……。敵対心はあるみたいね)
行動の指向性は確認できたが、それが意識的なものかどうかは確認できない。
そこを逆手にとり、自らに敵対心が向いているのだ、と歪曲して捉える。
こうする事で、微々たる量で質も悪いが、水嵩を得る事が出来る。
- 724 :名も無き異能都市住民:2012/12/10(月) 00:23:43 ID:McrgrouA0
- >>723
巨人から感じる意思は敵対心というよりは、
寧ろロジックのような物に近い。目の前にて気がいるから、チェーンソーを振り下ろす。
よけられたら、どちらにいるか確認する。逃げたら追うという具合にプログラムに近い。
しかし、一人残った人物――奇しくもロージェンスと同じ女性であったが、
それから感じられるのは純然たる殺意。そして功名心であった。
彼女は、ここで『逃げる事が推奨されている』巨人を倒し裏社会で名を上げよう
と考えているらしい。この闘技場は都市の上流階級にも人気があり、
彼女の思い通り行けば、その目もあるだろうが……。
――ギュイイイィイィッ、ドガァッッ!!!
その目論見は、脆くも崩れ去る。
壁をぶち破り、女の体を一瞬でズタボロに引き裂いたのは、
ロージェンスと相対する巨人とは趣向を変える為か、小型の戦車のような車輌の全面に
無数のチェーンソーを溶接した特性のマシン。
「おおお、おおお……。」
前方には、チェーンソーを振り上げいまにも切りかからんとする巨人。
後方には、様子を伺うようにエンジンをふかす殺人マシン。この状況をロージェンスはどうするか。
- 725 :ロージェンス:2012/12/10(月) 01:00:38 ID:1sJsd2CgO
- >>724
(やっぱり、人造兵器か、あの巨人……んにゃろう、対策済み――だと思ってるわけ?)
ロジックがどうであれ、振る舞いが『そう見えれば』そこから抽出できる。
なんであれ、一応の水嵩を増すことは出来る。
ただ、この状況では絶対量を確保し難い。
そこに。
「――っ、二体!?」
供給源候補をすり潰した戦車型の敵を振り返り、ぞっとする。
前方の巨体、後方の戦車。
どちらも一撃必殺ならば……。
「あぁ! クソッ、鎖と源流が使えれば――」
こうはならなかった。
その一言を押し込めて四発、巨人の胴体に互い違いの二行二列の弾痕を残すように、狙いを定めて。
……炎の魔弾を撃ち出す。
そうして、巨人へ、その後ろの迷宮へと駆け出す。
予想されるチェーンソウの追撃に注意を向けながら、出来うる限り速く。
- 726 :名も無き異能都市住民:2012/12/10(月) 01:12:33 ID:McrgrouA0
- >>725
「おおおお、おお、お。」
――ビスビスッ、ビスッ!!
奇声、というには些か静か過ぎる呟きを漏らしながら
力任せにチェーンソーを振り下ろす巨体に4つの銃創が空く。
狙い通り、二行二列。
しかし、巨体ににあっタフネスを持つ巨人は
銃創から火を噴出しながらも、武器を地面にたたき付けたが、
既に底にロージェンスの体はなく、無数の火花が散ったのみであった。
「おお……おお……。」
ゆっくりと振り向く巨人。
- 727 :名も無き異能都市住民:2012/12/10(月) 01:18:05 ID:McrgrouA0
- // >>726追記
このスピードなら、問題なく逃げ切って迷宮内部へと逃げ込める――。
が、敵はロージェンスをやすやすと迷宮内へと入らせるほど甘くは無かった。
――パシュッ!!パシュッ!!
はるか後方にあったはずの改造車から発された機械音。
『丸ノコ』の刃を、まるで手裏剣のように射出したのだ。
その数およそ6。流石に骨を切断する威力はないだろうが
肉程度は容易に切り裂くだろう。当たり所が悪ければ大量に出血する恐れがある。
- 728 :ロージェンス:2012/12/10(月) 01:23:50 ID:1sJsd2CgO
- >>726
「……よし」
条件は満たした。
振り返り始める巨人が、完全にこちらを向く前に、完了させなければ。
ロージェンスは迷宮へと駆け込み、曲がり角を探し飛び込まなくてはならない、なぜなら。
――巨人から、より強い火柱が上がるからだ。
互い違いの四点を繋ぐと、太陽を意味する記号の配列になる。
魔弾が上げた火柱を起因に、
記号の象徴を要素に、
炎の属性を増幅する単純な魔術を発動させた。
タイミングは調整できない。
曲がり角を見つけられなければ、巨人諸共、黒こげだ。
……最悪の場合は、焼死体が一つ出来上がるのみ。
- 729 :ロージェンス:2012/12/10(月) 01:41:03 ID:1sJsd2CgO
- >>728 //追記
そこに飛翔する丸鋸。
殺戮円盤の射出を音で察知したロージェンスは振り返る。
軌道には自らの左腕。
咄嗟に、左手に握っている空の獅子ノ帝銃を放り投げる。
だが、そう簡単に当たるものではない。
6つあった内の一つの軌道を変えた程度だ。
残る5つはロージェンスの左腕周辺へと到達するだろう。
――腕輪だらけの左腕へと、突き刺さった丸鋸は皮膚には到達さたが、肉を裂くことは無かった。
――背中に巻いた使えない鎖に絡まり、自らの回転によってはじかれるようにしてにげていくものもある。
結果として、滑り込むように迷宮内部には入れた。
だが、後に襲い来る脅威に対しては無防備に成らざるを得なくなる。
地面に突っ伏したまま、自らの攻撃をやり過ごさなければならないからだ。
- 730 :名も無き異能都市住民:2012/12/10(月) 01:49:25 ID:McrgrouA0
- >>728-729
「おお、お――。」
地に伏したロージェンスには、ずしん、ずしん、と地を揺らす巨人の足音が
徐々に近づいてくるのをその身で感じる事ができるはずだ。そして……。
「オ゛ッ――。」
ふいに、巨人の一本調子の声がふいに乱れると同時に、
迷路の仕切り壁の向こうに巨大な火柱が立ち昇るのが見えるだろう。
――ずっ、ずっ、ずっ、ずっ!
しかし、足音は止まらない。それどころか、速さを増して
壁の向こうから迷路の、ロージェンスのほうへと近づいてくる!
- 731 :ロージェンス:2012/12/10(月) 02:07:30 ID:1sJsd2CgO
- >>730
「……バケモノが」
狭い間隔の地響きを胸に受け、ガチャリと鳴るペンダント。
極彩色のカービン銃を生成し、三発の魔弾、はじける種子を装填する。
抽出できる魔力が希薄過ぎる。
そのうえ、魔導機のストックを破壊された。
「カツカツ……良いのは語感だけね」
引き摺るように起き上がって、その跡に種子を一発植え付ける。
向かってくるだろう壁にも、保険として一発。
あの巨体だ、直接踏まなくても振動で爆裂する。
種子の爆裂には放電を伴う、うまくいけば感電させてなにかしら不具合を引き起こせるかもしれない。
「電気に気を巡らせられるほどの神経は無さそうだけどね……」
一発を残し、罠を張り終えると即座に逃げ出す。
左腕を垂らし、右腕で抱えるように武器を持って迷宮内部を走る。
- 732 :名も無き異能都市住民:2012/12/10(月) 02:19:57 ID:McrgrouA0
- >>731
「おお゛お゛お゛お゛。」
――ドガァァアッ!!!
暴走した巨体は壁面をまるで焼き菓子のように、
容易く粉砕しロージェンスのいる通路へと足を踏み入れようとした。
しかし、例の種子から放たれた電流がその巨体を駆け巡る。
生物は脳から筋肉への命令の伝達に電気信号を使用する。
そのため、強烈な電気を流されると体が麻痺し、痙攣を起こして動けなくなってしまう。
巨人は、壁の種子からの電流によって、その場に片膝をついた。
それだけなら、数十秒か数分の後には立ち上がっていたかもしれない。
しかし、床に仕掛けられていたもう一つの種子が振動を感知し、放った電流は
巨人に止めを刺すのに十分だった。
――どう、と地面に体を横たえる巨人。
まだ、死んでいないが再び起き上がる前に、炎がその肉体を燃やし尽くすだろう。
- 733 :ロージェンス:2012/12/10(月) 02:37:37 ID:1sJsd2CgO
- >>732
巨人が倒れる音を背に聞きながら、手頃な角に滑り込むようにして身を隠す。
傷口の具合を確認しつつ、損害を確認するため。
丸鋸によって破壊され、
腕に食い込むようにして割れた腕輪を外しはじめた。
(……獅子ノ帝銃がごっそりオシャカだよ、どのみちあと一挺の余裕しかないけど)
脅威が一つ減った、ということは供給源が一つ減った事と同義。
現状、持久戦は望めない。
かといって敵勢力が不明なぶん、短期決戦も分が悪い。
……そもそも、そんなリソースが、今は無い。
「……」
息を潜める。
戦車型のアイツがどこから来ても対応出来るように。
壁に背を付け、耳をすます。
- 734 :名も無き異能都市住民:2012/12/10(月) 02:54:45 ID:McrgrouA0
- >>733
――ぐごごごご。
例の戦車型は、エンジン音こそ聞こえるものの、
こちらへはむかってきていないようだった。あの巨人にロージェンスの処理を任せ
別の参加者を探しに行ったのだろう。
この狭い迷路内で、あの戦車型と鉢合わせは避けたいところだが
かといって拾い中央広場に戻ったところで、あの戦車が都合よく出てくるだろうか。
あの目立つ広場に留まれば、別の敵に目を付けられるかもしれない。
- 735 :ロージェンス:2012/12/10(月) 21:59:42 ID:1sJsd2CgO
- >>734
向かってきていないのならば、都合がいい。
一息吐いて、ゆっくりと立ち上がる。
(……そういや、あと時間はどれくらい?)
残り時間を気にして。
周辺に他の参加者がいるか、迷宮内部を探しに歩き始める。
右手に獅子ノ帝銃、左手に孔雀ノ皇銃。
気合いで疲労の色を隠しながら、都合のよい供給源を探す。
- 736 :名も無き異能都市住民:2012/12/10(月) 22:18:42 ID:McrgrouA0
- >>735
電光掲示板に表示された残り時間を表すバーは既に、半分以上を過ぎている。
そらに参加者とモンスターの数を示す人型の表示があり、参加者は10の人型のうち
6つが消えて残りは4つ。つまり、ロージェンスを除いてあと3人の生存者がいる。
モンスター側は、4つのランプのうち1つが消えて残りが3つ。
先ほど倒した巨人以外に、倒されたモンスターはいないという事か。
「う、うう……う……。」
迷宮内部を探索するうち、男の呻き声が聞こえた。
見れば、片腕を切断された青いジャケットの男が壁にもたれかかるようにして
助けを求めるようにロージェンスを見つめている。
「だ、だず……だ……かほッ……ごっ……。」
未だ残る片腕を伸ばし、口をパクパクと動かしたが
血まじりの咳と共に、その場に膝をつく。
- 737 :ロージェンス:2012/12/10(月) 22:42:34 ID:1sJsd2CgO
- >>736
「へーぇ、助けて欲しい?
べつに良いけど……助けて欲しけりゃ、まず答えろ。
――どんなバケモノに襲われた?
小さいか? 大きいか?
速いか? 遅いか?」
青ジャケットの袖口を注視する。
まずは出血量、切断面の様子は……。
チェーンソウを冠しているんだ、おおよそ察しが付く。
「……オイ、立てよ。死に損ない」
膝をついた男の顎を下から蹴り上げる。
電光掲示板に映された人型の表示
残る三人のうち一人がこのような有り様。
いや、もしかすると既に脱落と見なされているのかもしれない。
- 738 :名も無き異能都市住民:2012/12/10(月) 22:59:15 ID:McrgrouA0
- >>737
切断面はやはり、チェーンソーで切られたように
ズタズタに引き裂かれ骨まで露出しているのだが少し妙な箇所がある。
傷口が『古い』のだ。戦闘開始直後にこの傷が付けられたとしても、
既に出血は止まり乾き始めている。この男は、身体能力を強化するタイプの異能者なのだろうか?
「げぶッ……ぎゥ……!!」
ロージェンスの蹴りで半ば、エビゾリのような体勢と化す男。
「ぎ、ギ…・・・ギヒャアアハハハハハハァーッ!!!
ひっかかったぜェ!!このクソアマがよォーッ!!」
その腹部からバリバリと音を立てながら、
ロージェンスへと向けて無数のチェーンソーが飛び出した!
- 739 :ロージェンス:2012/12/10(月) 23:21:30 ID:1sJsd2CgO
- >>738
「――ククッ、あぁっ、良いね……良いねぇッ!!」
面となり迫るチェーンソウの回転鋸。
刃の動きが徐々に、徐々に遅れる。
そう見える。
同時に自分の身体が重たく感じる。
だが、動けないわけではない。
懐かしい感覚だ。
今なら、この奇襲に反応できる。
宙に上がった足を引っ込めるように、後ろ向きに倒れ込む。
距離は取らず、むしろ近付くようにして身体を捻る。
――背中の鎖にチェーンソウが引っ掛かる感覚。
青ジャケットの足元、腹から突き出るチェーンソウと地面の間隙、
そこに足から身を滑り込ませ、前面から側面へと脱出するつもりだ。
- 740 :名も無き異能都市住民:2012/12/10(月) 23:36:01 ID:McrgrouA0
- >>739
――ギャオオオッッ!!!
高速回転するエッジが皮一枚のところを通り過ぎるものの、
ロージェンスの狙い通り、側面へとのがれることはできた。
「いてェ……このアバズレがよォーッ、オレのハンサムな顔に蹴りを入れやがった。
だから、オメーズタボロだ。なあ……ズタボロにしてやらあぞ……ギヒャヒャッ……。」
敵は、ロージェンスが体勢を整えるのを待っているかのように
ゆっくりと立ち上がると、例の欠損した片腕部分からも『チェーンソーを生やし』
それを研ぐように壁面に押し付けながら、徐々にスピードを上げつつ距離を詰めてくる。
- 741 :ロージェンス:2012/12/10(月) 23:59:13 ID:1sJsd2CgO
- >>740
転がるように、距離をとる。
掻き乱されバリだらけになった鎖が、えらく身体を締め付ける。
所々、血がにじむ。
興奮で痛覚が鈍化しているため、今のところ支障はない。
ひとまず立ち上がって、敵の姿を確認する。
「ふっ……また一層不細工になって、まぁ……」
ガシャリと右腕を振り、落とした獅子ノ帝銃を敵目掛けて蹴りつける。
――中身は空、これ自体はただのデコイ。
狙いは、次。
左腕で構えた孔雀ノ皇銃から撃ち出す、はじける種子。
どこでもいい、無数に生やしたチェーンソウの何処かに当たれば、恐らく。
あの巨人と同じ運命を辿るだろう。
- 742 :名も無き異能都市住民:2012/12/11(火) 00:12:24 ID:McrgrouA0
- >>741
――ヒュンッ!!
男の体はまるでぶれる様に横へスライドし、
ジグザグに帝銃や、種子を回避しながら迫ってくる!
「ギャハハハァッ、『タネ』は割れてんだよォ!!
クソアバズレがァッ!!火と電撃だろォがあッ!!!」
あの戦いは、この男に見られていたのか?
いや、あの場には巨人と例の特殊車輌の搭乗員以外の気配は無かった。
ならば何故?兎角、現状的に幾つかの手の内はばれている。
そして、男はパワータイプの巨人と違い
銃弾を回避する程度のスピードがある!
「脳天ンンンンンン!!!!!!」
ぶん、とふりあげた右腕。肘と、手首部分からそれぞれ刃。
ロージェンスの脳天から正中線を一直線に裂くように、振り下ろされる。
- 743 :ロージェンス:2012/12/11(火) 00:36:17 ID:1sJsd2CgO
- >>742
蹴り飛ばした獅子ノ帝銃は情けなく地面に転がり、
いきどころを失った種子は壁に設置された。
目論見は瞬く間に看破されていく。
棘のように生えるチェーンソウの軌道は、縦一閃。
横に避ければ……などという考えは真っ先に否定した。
敵の振り上げた右腕の下、脇の下をくぐり抜けるようにダッシュする。
振り下ろされる腕、肘から生えるチェーンソウに背筋を撫でられそうな距離。
「――!」
そこで、投げ捨てた獅子ノ帝銃へ向かってダイブする。
その最中、自らの足元に、
未だ右手に持っている獅子ノ帝銃で炎の魔弾を一発、打ち付ける。
- 744 :名も無き異能都市住民:2012/12/11(火) 00:50:57 ID:McrgrouA0
- >>743
「ボゲがァァァアァアッッ!!!
俺の『能力』をこれだけ見て、何故まだそれが通るとおもうゥ!!」
――ズブォッ!!!ギュォオオオォッ!!!
ロージェンスの行く手を遮るように、
男の脇腹から新たな刃が飛び出し白銀のエッジが高速で回転する!
この男は、体から自由自在に武器を生やせる能力者だったのだ。
「カッさばきィッ!!!」
待ち受ける刃。このタイミングで停止はできるのか。
それとも、足元に打ち付けた炎の魔弾が回避の布石となるか。
- 745 :ロージェンス:2012/12/11(火) 01:14:26 ID:1sJsd2CgO
- >>744
この距離、このタイミング。
まず、回避は出来ない。
よって、右腕で白銀を受けるしかない。
――無いよりはマシ、程度の腕輪でもって威力を減衰させようと試みる。
そして、炎の魔弾は火柱を吹き上げる。
だが、それだけ。
精々が、ロージェンスを敵の視界から遮りつつ、炎熱で攻撃する程度。
むしろ、飛び付く先のチェーンソウに回避を阻害され、自らも炎熱の被害を受けかねない。
総合すると、ロージェンスはチェーンソウに右腕を叩き付け、押し抜けようとする。
飛距離が足らず、ブーツ底を火柱が焦がすだろうし。
不時着する形で、体勢を整えるのは厳しい。
もちろん、右腕は無事では済まない。
ある程度の硬度がある、滑らかではない幾つかの装飾品がチェーンソウの刃に引っ掛かり、
ロケットなども巻き込まれ、歪に破壊され、やがて刃が肉を抉る。
火柱が上がった後、ロージェンスの抵抗は
堅い物を捉えた手応えと、肉を裂く感覚を敵に与えるはずだ。
そして、どしゃあ、と地面に墜落する。
- 746 :名も無き異能都市住民:2012/12/11(火) 01:30:51 ID:McrgrouA0
- >>745
――ギュオオオオオオォオォッ!!!
チェーンソーがロージェンスを捉え、
金属が擦れる音に水気を含んだ独特の唸りをあげる。
「にくぅううううう!!ブッダギレロォオオオオオォッ!!!!!
ウヒャハハハハハハハァーッ!!!!!」
敵はロージェンスに一撃を加えたことに狂喜し、
火柱に焼かれながらも、笑いながら体を横に回転させて鋸の刃を振りぬく。
さすがに、例の巨人ほどのタフネスは持ち合わせておらず、振りぬいた後には
体からブスブスと音を生じさせながら、4歩、5歩ほど前によろめきそのままにたりと笑って、
地面に墜落したロージェンスへと振り向く。
「しんだかぁ……?にくのてごた、てごてへええぇっ!!
バッサリだあ。死んだかあ……?もっと切り刻ませろォ……。」
そのまま、全身から突き出た鋸の刃をぎゅいん、ぎゅいんと脅すように
回転させては止め、回転させては留めを繰り返しながらゆっくりとロージェンスへと迫る。
- 747 :ロージェンス:2012/12/11(火) 02:03:13 ID:1sJsd2CgO
- >>746
振り抜いたその勢いで、ズタズタになった獅子ノ帝銃が脇を掠めて飛んでいった。
血の飛沫が追従して弧を描く。
振り向いた先のロージェンスは、右腕の肘から下を二枚に割かれて、小さな血溜まりを作っていた。
左腹部に食い込み、裂傷を押し広げる鎖の両端は右肩に絡まっている。
それでも脚は、まだ動いている。
ずりずりと身体を押し出して遠ざかろうと身を捩る。
左手は喉元に当てられていて、なにか口ごもっている。
「来たれ、グリュプス」
微かに聞こえる途切れ途切れの発声を拾えば、このような言葉になるだろう。
敵の頭上、数メートルかそこいらの位置に。
鷲の頭と獅子の身体に大きな両翼を持つ、幻獣を象った全長21メートル弱の機械が即席で建造された。
百トンを超す超重量の塊が前触れも僅かに、瞬間的に現れる。
- 748 :名も無き異能都市住民:2012/12/11(火) 21:43:44 ID:McrgrouA0
- >>741
勝負は一瞬でついた。
勝利を既に確信し、薄ら笑いをあげながら近づく男は、
逃げようと身をよじることも、上を振り向くことすらなく。
「うへ――――。」
不快な笑いを残したまま、機械に押しつぶされ。
地面と、機会の隙間から赤黒い血が流れ出しロージェンスの物と交じって
そこらを真っ赤に染め上げた。
- 749 :ロージェンス:2012/12/11(火) 22:25:25 ID:1sJsd2CgO
- >>748
揺れる地面、その振動で壁に打ち付けられた種子がはじけた。
敵を押し潰した機械は地面にめり込んだまま、ガラクタのように佇む。
「……くっ、時間は――」
魔力が枯渇し、朦朧とする意識の中、残り時間を確認する。
立ち上がることも出来ず、天を睨む。
手元の銃には魔弾もただの弾すらもない。
- 750 :名も無き異能都市住民:2012/12/11(火) 22:38:41 ID:McrgrouA0
- >>749
地に倒れたロージェンスからでは、
壁が邪魔になり先ほどまで辛うじて見えていた掲示板が見えない。
――ドルンッ!!――ギュイイイイイィッ!!!
エンジン音。チェーンソーの駆動音。
――――ガオオオォオオォオォッッ
猛獣のような唸り声をあげながら、迫ってくる。
ヤツだ。例の『改造車輌』が、不運にもロージェンスを見つけたのだ。
――『わあっわあっ!』
もう、よく聞こえないが周囲の歓声が大きくなる。
『モンスター』を2匹仕留めたロージェンスの死に、観衆が興奮しているのか。
- 751 :ロージェンス:2012/12/11(火) 23:15:12 ID:1sJsd2CgO
- >>750
「見え――クソ、騒がしい連中だ」
せめて、立ち上がって視界を確保しようと、
左腕で上半身を少し起こして、出来た隙間に膝を擦り込ませる。
たったこれだけで、息が切れる。
壁に左手を突き、立ち上がろうと踏ん張る右足が血で滑る。
後ろに壁のようになっている装甲だけの傲レル幻銃。
その下から流れるバケモノの血と、自分の血、混ざってわけの分からない……。
ついには体勢を崩し、血の池に右を下に倒れた。
出血が酷い、もう動けない。
果たしてやってくるのは、
モンスターか、時間か。
- 752 :名も無き異能都市住民:2012/12/11(火) 23:33:19 ID:McrgrouA0
- >>751
立ち上がり、周囲を見回すがここでは死角となって
結局掲示板は見えず、また例の改造車もエンジン音だけが
徐々に近づいてくるのみで姿は見えない。
――バキッ、バキッメシャッ
壁をなぎ倒すような音。おおよそ、壁2枚ほど向こう。
改造車がロージェンスの位置目掛けて、一直線に進んできているのだ。
先ほどの男しかり、技や位置といったロージェンスの情報が『モンスター』へと流れているとしか
思えない。恐らく、運営側が今回の参加者側で実力が飛びぬけているロージェンスを
優先的に排除しようとしているのだろう。
――ギャギャギャッッ、バギィッ!!
あと、壁は1枚。もう、改造車の強力なエンジンによる地面の振動すら感じられる。
ロージェンスとヤツとの間には、強度的に頼りなさげなブロック塀しかない。
もはや、これまでだろうか。
――バギィッ!!
ブロックの一角を突き破り、チェーンソーの先端が覗く。
その時であった。ロージェンスの体が光のリングに包まれて、どこかへと『転送』されていく。
ウーウーとサイレンが鳴らされ、現実離れした浮遊感と落下感が、互換を塗りつぶしていく。
『制限時間』をロージェンスは逃げ切ったのだ。
- 753 :ロージェンス:2012/12/11(火) 23:56:41 ID:1sJsd2CgO
- >>752
狙われている。
微かにだが、そう感じていた。
今、それが何故かが、分かったような気がした。
(……ああ、そうだ。それでこその私だ――どうだ、クソ野郎共、女山羊はまだ生きているぞ)
死に損ないの眼に灯った火は、
今はまだ影すら踏めない“奴ら”に向けられている。
振動と轟音、歓喜の雄叫びが壁を貫き牙を覗かせた瞬間。
感覚が失せた。
「――っ……!」
意識が現実に還ってくる。
死を予感させる悪寒と、噛み合わない全身の感覚を引っさげて。
遅れて、イベントの記憶がフラッシュバックする。
仮想と現実の不整合が綯い交ぜに処理されるなか、ロージェンスは静かに笑う。
――勝ったのだ、と。
- 754 :名も無き異能都市住民:2012/12/12(水) 00:10:51 ID:McrgrouA0
- >>753
その後、すぐに愛想のない闘技場の係員から
賞金についての説明が書かれた書類を渡されるだろう。
それ曰く、賞金は現金でこの場で貰うことも指定された口座に振り込むことも、
また金や宝石といった形で受け取ることも可能らしく、また異能$、共通貨幣、金貨、
クレジットといった都市で流通している様々な通貨で受け取ることもできるのだそうだ。
ちなみに、今回の試合では参加者側に一人死者が出たそうだ。
箱庭のようなバーチャルリアリティーシステムで運営されている物の、
それは参加者よりも、観客に被害が及ばないようにする性質が強く、
100%という事は稀だが、筋肉痛や強いショックのような形でダメージも残る。
最初にロージェンスから逃げようとした男。
どうやら、ヤツは攻撃を受けた際の強いショックにより心臓麻痺を起こしたらしい。
- 755 :ロージェンス:2012/12/12(水) 17:13:10 ID:1sJsd2CgO
- >>754
受け取りは共通貨幣を選んだ。
共通、というのだから汎用性はあるのだろうという安直な考えだ。
書類を受け取ろうとして、異変に気付いた。
「……ちっ」
右腕の感覚がおかしい。
しばらくの間は麻痺しているだろう。
さすがに二枚に割かれれば、こうもなる。
待つ間、耳に入ってきた話では、今回の死人は一人らしい。
誰かは知らない、知らなくていい。
「まぁ、こんなもんか。これだけあれば……」
賞金をその場で受け取って、中身を確認すると、
足早に地獄の釜から抜け出した。
- 756 :ハフバル:2012/12/15(土) 22:52:06 ID:GFududEw0
- パチパチパチ・・・
白い粉雪がただ深々と降り積もる。公園は粉雪が
降り積もってできたカーペットにしかれ、ときどき
なる、北風の音とともに、パチパチっと何かが
はじける音がした。
そのリズムが、まるで永遠に続くように、規則正しく
なっている。
乱雑に積み上げられた石の囲いにひとつ輝く橙色の
光―火のまわりに、一匹の子羊らしきものが、囲いの端に作った
堀にて、はくにはあまりにも奇抜すぎる、奇妙な靴らしき
ものを、短い手を器用に使いながら磨いていた。
- 757 :柊宇都 綾:2012/12/15(土) 23:25:33 ID:gSogigCY0
- >>756
側を通りかかる馬。
その馬が、一般普通の物でない事は少し目にすれば直ぐに解ることだろう。
胴体から伸びる首は二つ。其々の頭は紅と蒼の光を放っている。
さらに、胴体は黒ベースに所々の銀の光沢。
見るからに機械。
そして、それに跨る少女もまた普遍であった。
「……」
膝まで伸びているだろう闇色の髪。
それは前髪も長く顔の左半分を完全に覆っていた。
極めつけは、背中の刃。
少女の背丈よりも大きく、身体よりも重そうな大剣を二本も背負っていた。
かつ、かつと歩む馬。
その歩が止まったのは、ハフバルの側。
「……」
跨る少女が、じっと眺めている。
- 758 :ハフバル:2012/12/15(土) 23:52:14 ID:GFududEw0
- >>757
機械の馬―面妖な。
堀にて、靴をただもくもくと磨く手を止めると、
その少女が乗る馬を見る。
羊はよく見れば胴体だけ羊、顔は猫そのものだ。
何を考えてこんな顔にしたのかは知らないが、
なかなかバランスがよく整っている風に見える。
猫の顔は、まるで人に例えるなら宝石を見つけたように―
キラキラと好奇心で輝いているように見える
羊らしき生物はじっと機械でできた馬と剣を背負った
少女をじっと見た後、背中の切れ込みから、プラカード
とマジックペンを尻尾で器用に巻いて取り出し、その
プラカードに文字を書いた。
[変わった馬ですね]
- 759 :柊宇都 綾:2012/12/15(土) 23:59:15 ID:gSogigCY0
- >>758
「……」
見えたハフバルの様相に、僅か目が見開かれた……ように見える。
どちらにしろ誤差の範囲内だろう。
馬から飛び降り、ハフバルに近付いていく。
側まで来るとしゃがみ込み、プレートを見るとまた驚く……が、やはり外見上は変化無い。
「変わった、羊」
- 760 :ハフバル:2012/12/16(日) 00:08:16 ID:GFududEw0
- >>759
「ワンッ」
長く、巻いてある尻尾を、まるで無邪気な子犬のように
激しく左右に振った。顔の表情も、同様に、やわらかく、
微笑むよう。
それと同時に、その短い手を巧みに使って、プラカードを裏にまわし、マジックペンで
ささっとペンで文字を描く。
[羊扱いしてくれて嬉しいよ。]
なにせ某年増やら傲慢な背が低い不健康そうなやつに
ゲテモノなど罵倒されたのだ、最近、こういわれる
だけで嬉しい。
顔は猫、鳴き声は犬だが。
- 761 :柊宇都 綾:2012/12/16(日) 00:31:19 ID:gSogigCY0
- >>760
「……」
ハフバルを眺めたまま、動かない。
ほんの僅か細められた瞳は、観察しているようだった。
ファンタジー生物はこれで二匹目になる。
一匹目は耳の欠けた子鬼……らしき商人。
そして、今度は羊と猫と……色々混ざった奴。
「触っていい?」
取り敢えずお決まりの。
- 762 :ハフバル:2012/12/16(日) 01:10:56 ID:GFududEw0
- >>761
「ワフッ」
コクっと、猫の頭でうなずいた。
ハフバルの毛は積もっている雪のように純白で、
そしてまるで綿で、できた雲のようにふわふわと
している。あったかそうだ。
しかし堀からは出ない、モコモコな毛皮が生えていたとしても
寒いものは寒いものだ。
- 763 :柊宇都 綾:2012/12/16(日) 01:31:57 ID:gSogigCY0
- >>762
「ありがとう」
小さく頷くと手を伸ばした。
遠慮無し、と言った風に耳を掴みぐにぐにする。
人(猫)によってはこれくらいの方が気持ちいいと言う意見もでるのかもしれないが……少し痛いかもしれない。
長い髪が大きく揺れた後、身体も震えた。
ブーツにも覆われていない素肌……所謂絶対領域を始め、それ以外にも露出が無いわけでもない。
もふもふに触れていても、吹いてくる風はやはり寒いのだろう。
- 764 :ハフバル:2012/12/17(月) 22:34:39 ID:GFududEw0
- >>763
「わふぇー・・・・・」
気が抜ける声を出しながら目を訝しげに細めた。尻尾は
丸まったまま、小さく振っている。
そのうち、耳を掴んでいる手を尻尾でピシピシと
軽い力でたたいた。どうやらやめてほしいらしい。
そのうち、丸めていた尻尾を伸ばし、堀の地中に入れた。
尻尾が揺れ動くたびにガサゴソと聞こる。そのうち、
尻尾が、毛皮のブランケットを巻きながら戻ってくる。
尻尾を綾の前に、差し出した。毛皮のブランケットが
風に吹かれ、少しはためいた。
//昨日はすいません、レスもできなくて・・・・
- 765 :柊宇都 綾:2012/12/17(月) 23:08:54 ID:gSogigCY0
- >>764
「ん……」
手を叩かれると、じっとハフバルの顔を見る為に耳を引っ張り上げた。今度は間違いなく痛い。
が、猫の表情から読み取るスキルを持ってないので首を傾げるのみ。
だが、その後に尻尾に興味が言ったためか結果として手を離した。
向けられた毛皮のブランケットに視線を注いでいる。
差し出された形のそれを受け取ってもいいのだろうと読み取り、受け取ると、
「ありがとう」
と再び。
- 766 :ハフバル:2012/12/18(火) 00:03:11 ID:GFududEw0
- >>765
「わふ・・・・。」
小さい手で、掴まれたせいか少し紅い耳を、小さい
右腕でさする。
多少、目から涙が出ている気がしないでもない。
「くぅーん・・・・。」
耳を離された後、耳を尻尾でさすりながら、機械馬の
方を向いた。
ハフバルは、まるで玩具を見る、楽しそうな赤ん坊のように、乗ってきた
機械馬を見ている。
どうやら気になるらしいが・・。
- 767 : ◆RYO/n8uupE:2012/12/18(火) 00:15:52 ID:gSogigCY0
- >>766
「……?」
しゃがんだ姿勢のまま、ブランケットを膝に掛ける。
ハフバルの視線の先を置い、少女も機械馬を見上げた。
……!!!
機械馬は紅蒼の光を点滅させながら、身体に電撃を走らせた。
顔代わりの光と同じ色の電撃の音は、馬の嘶きにも聞こえた。
首を前に倒し、ハフバルを見つめ返しているように感じられる。
- 768 :柊宇都 綾:2012/12/18(火) 00:20:06 ID:gSogigCY0
- //名前ミスやんね……。
- 769 :ハフバル:2012/12/18(火) 01:00:27 ID:GFududEw0
- >>767
「わふぅ・・・。」
嘶きがわりの電撃―分かっているのか。
同じ動物型といえど機械と意思?を交わすのは
初めてだ。
電撃を見て、ハフバルは、多少目を見開いて
もこもこの毛を、少し逆立てた・・・ように見えた。
なにせ静電気とかそういうのを通しそうなもこもこの
毛をしているのだ、電気を見るとつい驚く。
電撃を発した馬の頭を、電撃をハフバルは目を
見るように、じっくりと見る。
意思があるのかを感じ取るように。機械なのに
感情などがあるのかを確かめるように。
尻尾の振る速度がいつのまにか速く、激しく
なっていた。
- 770 :柊宇都 綾:2012/12/18(火) 01:19:00 ID:gSogigCY0
- >>769
機械は機械。言葉を発する事は無い。
が、其々十二、合計二十四の光の瞳はハフバルを見ているように感じられる。
感じられるだけで無い。
それは明確な意思を持っているかの様で、最早視線と呼べるだろう物だった。
言葉の変わりに電撃が嘶き、絶えず身体を走り回る光からはバチバチと音がする。
ここで一つ、小さな物だが雷がハフバルの視界の内に入った。
真紅の輝きを放った雷は、間違いなくこの機械馬が起こしたものだろう。
機械馬の、気立つ様な雰囲気を察したのか、少女は歩み寄り頭に手を翳した。
すると一転して落ち着いた様子を見て、膝を曲げ丁寧に座した。
- 771 :ハフバル:2012/12/18(火) 02:00:43 ID:GFududEw0
- >>770
怒っているのか―?
バチバチという電撃特有の刺激音と、紅い光がハフバル
の前を通り過ぎ、一瞬、ふわふわの毛皮を逆立て、
ビクッと目を見開いた。
その後、少女によって宥められた?のかおとなしく
なった機械馬を見て、安堵をしたように
尻尾を下ろし、わふっとため息を漏らした。
しかし、それでもハフバルは機械馬の光る瞳を
見続けている。
その様子は、多少の恐怖が入り混じっているのか、
微細ながら震えている
//すいません、眠気が限界なので明日に
もちこしで大丈夫でしょうか・・?
- 772 :柊宇都 綾:2012/12/18(火) 02:14:49 ID:gSogigCY0
- >>771
「どうどう」
凛とした雰囲気の馬も、主たる少女の前では静かに口を閉じた。
未だ身体には電撃が走っているが、その威力は今までに比べて微細な物になっていた。
少女は再びハフバルの前に戻るとまたしゃがむ。
耳の次は尾に興味を示したらしく視線を注いでいる……。
- 773 :柊宇都 綾:2012/12/18(火) 02:15:38 ID:gSogigCY0
- >>771
//了解ですよ。
//おやすみなさいませ……。
- 774 :黒沢小百合:2012/12/19(水) 22:24:13 ID:McrgrouA0
- この時機に街を歩くと都市のいたる所でクリスマスだとか、
年越しの祭事だとか、新年を迎える儀式だとかの様々な催しを見る事ができるが、
それと同じくらい、都市の警察組織や自警団の姿を見る機会も多い。
これは年末休み、冬休みなどで人が多くなるこの時機にあわせ、
大小あわせ100近い組織が『年末特別警戒期間』と銘打って大々的に
治安維持キャンペーンをおこなっているからであり、小百合率いる千夜の都市警備部門も、
都市の警邏を強化していた。
「ふぅ、これで31件めですか……。
まったく、次から次へとですね。」
小百合は酒に酔ったあげく、口論から喧嘩となり繁華街のど真ん中で
戦闘を始めた異能者2人を鎮圧したところであった。
この時機は飲み会のシーズンであり酔客の喧嘩などが絶えず、
小百合もその始末に追われているようだ。
- 775 :ハフバル:2012/12/19(水) 23:24:59 ID:GFududEw0
- >>772
ふわふわとやわらかい質感のある丸っこい胴体から
伸びる尻尾は、まるで植物のぜんまいのように
渦巻状に収められている。
「ワン・・・」
子羊はひとつ、しゃがんでいる少女に向かってなく。弱弱しく、
そしてもし握れば簡単に壊れてしまいそうな、微かなと鳴き声とともに、白い吐息が霧の
ように漂い出て、そして冬の澄み切った空気と
とけあい消える。
身体全体を小さく震わせた。短い手足は
多少の赤みを帯て、カクカクと小さく、身体を抑えるには
心細いと思えるように震えていた。
//おくれてすんません・・・
- 776 :柊宇都 綾:2012/12/20(木) 20:21:30 ID:gSogigCY0
- >>775
確かに、機械馬の顔は怪物然としていていた。
頭部のシルエットこそは馬に近いが口や鼻と言った凹凸を見せるパーツは存在せず、表面は透明なカバーでつるつる。
カバーの下からは其々の頭に六個の光が二列に並び、発光の余波で光は回路らしき物の上にあると伺える。
そう言えば、綾の匿まっているとある少女にも、初めは怖がられた。
……が、その時もだが機械馬にそれなりの愛がある綾はそのフォルムが恐怖だと気付かず。
「寒い?」
ハブバルに手を伸ばし抱き上げようとした。
拒まなければ、動物に慣れない故の少々強引な掴みの後にしゃがんだ綾の膝上に置かれその上から抱かれるだろう。
- 777 :ハフバル:2012/12/20(木) 22:30:46 ID:GFududEw0
- >>776
「わふ・・。」
強引なつかみに、ハフバルの肌が食い込み、形がくにゃっと
変わる。
目を細め、しかめっ面をしつつハフバルは抵抗もせずに、
そのままなすがままにされた。
抱かれるハフバルに、少女の体温がふれる。
暖かい―
飼われていた時にはこんな事はなかった。
過去を回想しながら、ハフバルはその暖かさを
感じた。
- 778 :柊宇都 綾:2012/12/20(木) 23:57:09 ID:gSogigCY0
- >>777
長い髪や瞳と同じ、闇色の衣服とそれに映える少女の白肌に包まれるハフバル。
無口・無表情に加えて前髪に覆われた顔。
と、人を寄せ難い外見をした少女だがハフバルに対した振る舞いは荒い物の、何処か暖かみを持って感じられる筈。
少女は顔を寄せて身体全体を押し当てる様にして抱く。
人を超えた域にある大きく柔らかい胸の感触もハフバルを包む。
「……暖かい」
- 779 :エシリア・ロッド ◆uotUYGHVwM:2012/12/24(月) 23:41:54 ID:6A7M1ng.0
- 黒く澄んだ夜空に月が煌き、白い世界に光を注ぐ。
雪が降り積もる小高い丘の上に落とされた数々の影、影、影。
「全員整列!!」
「「「Sir,yes,sir!」」」
葉巻を蒸かし、赤い帽子に赤いコートを羽織るウサギの人形。
その前に一列に並び、返事を返す赤い集団。
「今日ノミッションハ困難ヲ極メル!ソノ理由ガ分カルカ?ジョナサン!!」
「Sir!第一に、誰にも見られてはいけない。第二に、子供達が寝静まる午後11時〜午前6時までに数万の配達をこなさなければならないからであります!sir!」
「ソノ通リダ!ソノ鮮ヤカナ手並ミ、サンタハ東洋ノNINJAト何カ関係ガアルノデハ無イカト言ワレル程ダ!!
ダガ、貴様ラウジ虫共ハコノ町ノ子供達ノ為ニ、ソノサンタニナラナケレバナラナイ!!」
「ヨシ、ソレデハ最後ノブリーフィングヲ始メル!B地区ノ担当ハ誰ダ!?」
「Sir,私です,Sir!」
「マイクカ!良イカ、コノ角ノ家ノ太郎君ノ家ニハ気ヲ付ケロ!
人間ヨリ数段知覚能力ノ高イ犬ヲ何頭モ飼ッテイルオ宅ダ!油断スレバ不審者トシテ喉元ヲ食イチギラレルゾ!!
次ダ、E地区ノ担当ハ誰ダ!」
「Sir,私であります!sir!」
「ケニー、良イカ良ク聞ケ。先遣隊ノ情報ニヨルトE地区ノコノ地点、大時計台ノ辺リニ『対サンタ部隊』ノ本部ガアルラシイ。……出来タラデ良イ、本部ノ設備、武装、破壊出来ルダケ破壊シロ。
頭カラノ連絡ガ乱レレバ、アイツ等モ上手ク動ケナクナル筈ダ。ダガ、絶対ニ人ハ殺スナヨ?イイナ?」
「Sir,yes,sir!」
「……」
「ヨシ、ソレデハブリーフィングハ終了ダ。イイカ、ウジ虫共!今日マデニ俺ガ教エラレル事ハ全テ教エテキタ!コノ日ノ為ニ!コノ時ノ為ニ!
……今コノ瞬間カラ、貴様達ハウジ虫ヲ卒業スル!一人前ノ兵士トシテ、戦場ニ飛ビ込ムンダ!!」
「……ハァ」
エシリアの吐いた真っ白な溜息が、渦を巻くようにして空中の中で少しずつ消えていく。
「準備ハイイカ野郎共!!」
[[「Sir,yes,sir!!」」」
「ヨシ……健闘ヲ祈ル!行ッテコイ!!!」
吠えるように口にしたウサギの言葉を合図に、赤い集団はトナカイが繋がれたソリに乗り込み、都市の夜景の中に溶けるように消えていった。
「……ね、ぇ、ジャッ、ク……。
今の、小芝居、は、必、要なの……?
結局、僕、が、全部、操、作、して、るじゃな、い……」
「キャキャキャ!!細ケエ事ハイインダヨ!コノ方ガソレッポクテ、オ前モ気合ガ入ルダロ!?」
「……そうで、も、無い、かも……」
「アァン!?俺ノパーフェクツナ劇ニケチ付ケルッテノカ!?」
リンリンと鈴の音が都市に鳴り響く。
丘の上の声も、鈴の音も、やがて全て雪に吸い込まれて消えていく。
明日の朝、都市の子供達は口を揃えてこう言うかもしれない。
「サンタさんが本当に来た」と。
- 780 :黒沢小百合:2012/12/27(木) 23:18:58 ID:McrgrouA0
- 今日は、都市の公園数箇所で千夜主導による、
貧困に苦しむ人々に向けた食糧の配給が行なわれていた。
その責任者は都市警備部門である小百合。
小百合はなにか問題が無いように、もっとも大きな公園にテントを張って待機しつつも
そこから他の事案や、メディア向けのインタビューに対応していた。
「ふー……、ようやく一段落付きましたね……。
撤収作業も終わり、疲れた……。」
配給終了の時間を過ぎたものの、まだ少しだけ残った人々に
パンと暖かいコーヒーを配っている光景を横目に見つつ、小百合はテントや、
もう使わない機材などの撤収作業に当たっていた。
- 781 :高向谷 司朗:2012/12/29(土) 22:38:24 ID:N22/iHaM0
- 「火のようーじーん」
心地の良い拍子木の音。
これが聞こえてきたりすると、年末を実感する者も多いだろう。
「さむっ……あー、さみい」
町内会に引っ張り出された哀れな男が一人。
帽子を深く被り、首を縮めて司朗は町内会の一団の最後尾あたりを歩いていた。
「おいコラ司朗、もっと張り切って行け」
「うえー……」
メンバーの年長に無理やり拍子木を押し付けられ、司朗は唸った。
「ったねえ……。
こうなったら自棄だ、火のォーよーゥじんッ!」
「その調子だその調子!火のよーじん!」
- 782 :名も無き異能都市住民:2012/12/29(土) 22:52:42 ID:IRZRROfE0
- >>781
『火の用心!』
――ボシュッ!!!
司朗がそう叫んだ瞬間であった。
2,3m程度離れた場所のマンホールが吹き飛び、
微かな硫黄臭がしたかと思った瞬間、そこから火柱があがる。
「……グ、ズ。」
――べちゃっ
ヘドロにも似ているが、オレンジ色で一見マグマにも
見える流体状の『腕』がそこからのぞく。ぽつ、ぽつ、と体表で泡がはじけるごとに
そこから小さな炎が噴出している。
- 783 :高向谷 司朗:2012/12/29(土) 23:01:28 ID:N22/iHaM0
- >>782
「……!?」
町内会の一団の、最前列を歩いていた老人が
腰を抜かしてひっくり返る。
「……ちょ、ま!おっちゃん大丈夫?!」
司朗は前列に飛び出して老人を起こすと、
マンホールを睨み付けた。
「皆ちょっと下がって下がって!もしかしたらニュースでやってるミュータントとかかも!
……またマンホールかよ、勘弁してくれ」
町内会の人々に逃げる準備を促し、司朗もまた後ずさりする。
「……変身人間シリーズ?」
その腕を見て、司朗は呟いた。
- 784 :名も無き異能都市住民:2012/12/29(土) 23:08:34 ID:IRZRROfE0
- >>783
「グ、ググ……ム。」
狭いマンホールから体を搾り出すように、
ゆっくりと地上に這い出してくる異形。
腕のように見える部位が6本。
恐らく頭部と思われる場所には、同じく6つの切れ込みのような瞳があり、
それぞれがカメレオンの瞳のように、あらぬ方向に視線を向けている。
「グ、ム……。」
体を全て地上に出した異形は、くぐもった苦悶の声のような音を体から発しながら
腕を探るように伸ばし、ゆっくりと司朗たち町内会の一団へと近づいてくる。
- 785 :高向谷 司朗:2012/12/29(土) 23:21:13 ID:N22/iHaM0
- >>784
(こいつは話の通じそうな相手じゃないよなあ)
司朗は心の内に呟いた。
「何やってんだ、逃げるぞ!」
「先行っといて下さい、流石に住宅地に野放しはやばいですよ!」
「き、気をつけろよ」
司朗は後ろから肩を叩かれ、振り返る。
腰から板状の魔道具を取り外し、目の前の異形に掲げた。
Starke Wind wird Schuppe und leuchtet!
「強き風よ!鱗となりその輝きを示せ!」
魔道具を中心に周囲の風が回転し始め、司朗の手元に透明な空気の壁を作り出す。
町内会の人達が逃げる為のサポートだ。
「今の内今の内!」
「逃げろ!逃げろー!」
司朗以外の町内会のメンバーは逃げ始めた。
- 786 :名も無き異能都市住民:2012/12/29(土) 23:29:12 ID:IRZRROfE0
- >>785
「グ、グ……。」
異形の動きは遅いが、液状の体を広げるように近寄ってくるため
見た目の大きさはかなり大きくなっていく。
「ム……オ……。」
やがて司朗の風の壁へとたどり着くと、
それを突破できないのか液体が障害物に当たった時のように、
壁の壁面でゆっくりと広がっていき……。
「ム、ウ、ン。」
……風の壁を覆い、取り込もうとしている!
体を大きく広げて、四方から風の壁を包み込んで司朗を襲おうとしているのだ。
- 787 :高向谷 司朗:2012/12/29(土) 23:40:09 ID:N22/iHaM0
- >>786
回転する気流で出来た壁であり、流体の壁である。
ただの壁と同じようには行かず、触れるたびに風に弾かれ、そう上手く取り込めるものでもないだろう。
飛び越えるなどすれば簡単に司朗にたどり着くが、壁に沿って司朗に辿りつく事はまず出来ない。
「回転力アップ!そんでもって、飛んでけ!」
更に気流の回転の速度が上がり、加えて壁は司朗の手から離れる。
まるで地下鉄を掘るための壁状のドリルのように、壁は回転しながら飛んでいく。
威力は高くは無いが、異形を遠ざける程度の事は簡単だろう。
「多分、アレは触ったらヤバイよな……」
司朗は、液体が飛び散ってきても対処できるように、
両手両脚に角を出現させ、後ずさりした。
- 788 :名も無き異能都市住民:2012/12/29(土) 23:51:22 ID:IRZRROfE0
- >>787
取り込もうとする異形であったが、
結局は風の壁に阻まれ、ある程度までくると弾き飛ばされ、
またある程度までくると弾き飛ばされ、を繰返していた。
そうした中で、高速回転する壁を打ち込まれた異形は……。
「モ、モ……モ……。」
体内に、空気のドリルが回転しながら食い込み
そこを抑えようとするかのように腕を伸ばす。しかし、
柔らかな体を引き裂いて、背中へと貫通。体に風穴を開けることに成功した!
――ボフッッ!!!
と、開いた穴から火柱が飛び出して回転する気流に乗り、周囲にばら撒かれた!
- 789 :高向谷 司朗:2012/12/30(日) 00:02:54 ID:N22/iHaM0
- >>788
火柱が出現すると同時に、その衝撃で気流の壁が消え去った。
司朗はそれと同時に地面を蹴る。
「概ね予想の範囲内だ!」
近くにあった電柱を蹴り、三角跳びに空へ逃れた。
Lauf Silbernen Wind, Stosse Purpur Nebel!
「走れ銀の風、紫の霧を貫け!」
再び手に持っていた魔道具に、気流が回転しながら集中していく。
今度は壁状でなく、細長くねじれた棒状に――とは言え、気流なので目には見えないが。
「食らえっ!!!」
気流の槍は回転しながら、異形の頭へと向かう。
「ブレイク……ドライバアアァァー!!」
更にその先から司朗は急降下し、
気流の槍の、司朗に向いている方の尖端を蹴った。
身体をねじり、まさにねじ回しの如く、異形の頭に気流の槍をねじ込もうとする。
- 790 :名も無き異能都市住民:2012/12/30(日) 00:11:01 ID:IRZRROfE0
- >>789
三角飛びに逃れた際、今まで戦っている場所を客観的に見られるようになった。
そのため、地面に一人の男が倒れている姿を見つける事ができるだろう。
――先ほどの町内会の一員の老人が、気絶し取り残されている!
「モ゛、モ゛、モ゛……。」
脳天に穴を開けられ、隙間の奥の瞳がぐるんと白目をむき、
開いた穴から大量の炎が噴きだす。その炎が、老人の上へと降りかかってくる!
- 791 :高向谷 司朗:2012/12/30(日) 00:23:47 ID:N22/iHaM0
- >>790
「んなっ!?あのじいちゃん!」
司朗は目を見開き、叫んだ。
「くっそ……ジジイじゃ守り甲斐がないわ……。
……じゃなくてティルヴァ、頼むっっ!!!」
「任せろ」
司朗は魔道具を老人の方に向かって投げつける。
魔道具が司朗の手を離れた事により、気流の槍は飛び散り消滅した。
魔道具が、司朗の使った壁の魔術と同じように、
いや、それよりも熟練した、老人の周囲をドーム上に多い尽くすような空気の壁を作り出した。
それは、この魔道具を支配するドラゴン、ティルヴァの技術によるものだ。
「グッジョブ、ティルヴァ!
……しっかし、ティルヴァが居ないと魔法が使えないときた」
体表から火柱が出ているこの敵と戦えたのは、
気流によって直接触れずに攻撃できたところによるものが大きい。
しかし、司朗に残されたのは角による肉体強化と感覚強化の技だけだ。
- 792 :名も無き異能都市住民:2012/12/30(日) 00:40:22 ID:IRZRROfE0
- >>791
「……も゛、おぉ……。」
しかし、異形も既に大きなダメージを受けているようで。
心なしか体も小さく、色も赤から黒色に変わりつつある。
――ボシュッ!!!
と、いきなり異形の体のほとんどがはじけ飛び、
熱せられた体が周囲に撒き散らされた!!
ティルヴァの守る老人は大丈夫だろうが、司朗はどうだろうか。
- 793 :高向谷 司朗:2012/12/30(日) 00:50:41 ID:N22/iHaM0
- >>792
「やるっきゃない、俺なら出来る!」
司朗は全身の角を開放し、気流を読み取り、
撒き散らされる体の破片の、飛んでくる軌道を全て読む。
「破片が放つ熱で気流が歪むから、少しは解りやすいぜ……!
司朗くんならやれる!避け切ってやるうー!」
右に左にステップしながら体の破片を避け、
どうしても避けられない破片は火傷するのも構わずに殴り飛ばす。
そうしてダメージを最小限にする、が。
「極大の破片ーッ!」
目の前に迫る避けきれそうにない大きな破片。
「うおおーっ!!!」
まるで某電脳映画のように膝を折り曲げて身体をのけぞらせ、
左頬を掠めながら破片が飛んでいく。
そして、大きな穴の空いた帽子が、空を舞った。
「ったあっ……!」
司朗は地面に倒れ付した。
頬の肉を焦がしながらも、何とか致命傷は避けたのである。
「っとあっちい!!!」
しかし地面に落ちていた破片で背中を火傷し、司朗は飛び起きた。
- 794 :名も無き異能都市住民:2012/12/30(日) 01:02:46 ID:IRZRROfE0
- >>793
――ベチャッ、ベチャッ、ベチャッ
と、敵は爆散したはずなのにまだ例の足音が聞こえる。
もしや、こういう敵にありがちな細切れにしても集合して再生するのであろうか?
しかし、司朗の周囲に落下した破片は冷えたマグマのように黒く固まり、動く様子がない。
――ベタッ、ベタッ!!
先ほどの方角を見れば、6本足のクモのような形に変化した
例の異形が先ほどよりも高速で、例のマンホールへと逃げ込もうとしている!
あの敵は、熱したヘドロを鎧のように纏っていたのだ。
あのクモのような魔物が本体。
見たこともない魔物、おそらくミュータントだろうか。
- 795 :高向谷 司朗:2012/12/30(日) 01:11:34 ID:N22/iHaM0
- >>794
「まだ生きてやがるのか!
んにゃろー、俺の帽子を!」
司朗は飛び上がる。
「ブレイクキイイィィック!!!」
角による筋力強化に加え、気流の流れから最も空気抵抗が少なく、
追い風を受けられる位置角度を割り出し威力を底上げした司朗の必殺キック。
蜘蛛のような生き物の体表が熱い可能性もあるが、そんな事はお構いなしに放った。
- 796 :名も無き異能都市住民:2012/12/30(日) 01:27:37 ID:IRZRROfE0
- >>795
かさかさとフォルムどおり虫を思わせる
動作で、逃げ出したミュータントを背中を司朗が急襲した。
「きゅ、ブ……!」
外皮を纏うという性質は、脆弱な本体を守るための物だったのか。
蹴りを食らったミュータントは体液を撒き散らしながら、潰れてしまう。
その体液はかなりの高温で、司朗にダメージを与えるかもしれない。
- 797 :高向谷 司朗:2012/12/30(日) 01:36:18 ID:N22/iHaM0
- >>796
「おりゃああっ!!!」
ミュータントを蹴り潰した後、司朗は足から角をびっしりと出現させ、
虚空を蹴るように足を振った。
内部からの角で靴はずたずたになり、衝撃で焦げた靴がバラバラになり飛んでいく。
「うおっ、ちょっと焦げた……。
皮の厚い足の裏でよかったよかった」
「終わったようだな、司朗」
司朗は左足で跳ねながら右足の裏に息を吹きかけた。
そこに、板状の魔道具が飛んでくる。
「おうよ。
さーてと、警察に連絡して……あ、じいちゃんが気絶してるから救急車と後……。
あーっ、もう。この寒い中裸足はきついな……」
ひょこひょこと歩きながら、司朗は魔道具を腰に引っ掛けるのだった。
- 798 :名も無き異能都市住民:2012/12/30(日) 02:01:59 ID:IRZRROfE0
- >>797
老人は大事無く、後日警察からささやかながら謝礼金が届けられた。
しかし、ミュータントの被害はここ最近増え続けている……。
近々、ミュータントによる大きな事件が起こるのではないか。
そんな思いが、人々の心にうっすらと渦巻き始めていた。
// 〆。ごめんちょっとおくれた。
- 799 :川堀アミル:2013/01/02(水) 00:15:53 ID:gSogigCY0
- 【街中】
「もぉーいーくつねーるーとぉー」
掛ける少女。
靡く鮮やかな翠のツインテールと……頭上の餅。
両手でがっちりと掴み上げた餅は少女の軌跡となって地面にくっついていく。
直線道の後から曲がった先でもまだ続く。
なんと、それを辿れば途切れる事なく少女の家までたどり着くのだ。
「おーしょーぉーがーつー……っと」
後ろを振り返り率直な感想を呟くと、頭上に掲げたまま餅を千切り口に運ぶ。
餅、伸び過ぎにつき。
- 800 :名も無き異能都市住民:2013/01/02(水) 00:29:29 ID:IRZRROfE0
- >>799
と、ふいに肌を刺すような、ぴりぴりとした感触。
目の前の空間がぐにゃりと歪み、真っ暗になったかと思えば
別の光景が目の前に広がる。
――まず飛び込んできた光景は、人の山。
『新春うまいもん市』なるのぼりがその辺に立てられた公園らしき場所は、
老若男女問わず、凄まじい数の人でごった返していた。
『うまいよー』
『ハイッ、残り10名さま分早いもの勝ちッ』
『焼きたてあがりましたーいかがですかー』
鼻腔を、様々なニオイがくすぐる。
油の香ばしい匂い。砂糖やクリームの甘い匂い。
パンの焼けるにおい。ソースとしょうゆの匂い。かつおぶしだろうか、ダシのようなにおい。
餅にあう、おかずを見つける事ができるかもしれない。
- 801 :川堀アミル:2013/01/02(水) 00:52:25 ID:gSogigCY0
- >>800
「お、おぅ?」
変貌した周囲に驚きを隠せない様子。
人の山に、同じ数だけありそうな良い匂い。
鼻をひくつかせ香ばしい匂いに右を向き、甘い匂いで左に釣られ。
焼いてもいない、持ち出した時は突き立てだったけど今は味気ないよく伸びる餅を口の中で転がしつつ。
様々な匂いのするままに、フラフラと歩いていく……。
- 802 :黒沢小百合:2013/01/02(水) 01:04:42 ID:IRZRROfE0
- >>801
屋台はたこ焼きやポップコーンなどメジャーなものから
イタリアン、中華、B級グルメに新鮮な食材など様々なものが揃っていて。
そんな中を見回るうちに、どこかで見た事があるような顔を見つける。
「はむはむ……ううむ、久しぶりにこういう場にOFFで来たような気がしますね。
気を張らないでよいと言うのは、なんと楽なのでしょうか。」
ニット帽にマフラーと暖かそうな格好をしているが、
何度か、テレビやニュース、雑誌などで見覚えのある顔。
黒沢小百合、といったか。
ベビーカステラの袋を片手に持ち、ハンバーガー早食い選手権なる
看板が立てられた会場のベンチに座り、のんきにそれをつまんでいる。
- 803 :川堀アミル:2013/01/02(水) 01:19:22 ID:gSogigCY0
- >>802
良く解らない場所に飛ばされ不思議がったアミルちゃんだったが、
その顔や仕草に悩みや迷いは無く、何時も通りの笑顔を浮べて屋台の数々を回っていく。
新年を迎えたと云う事でレラや綾、海を超えた先の国の人からお年玉やお小遣いを貰っている。
現在暇人真っ盛りのアミルちゃんは時間的余裕にも溢れていた。
手に付かない仕様らしい餅のお陰でべた付くこと無くポーチにも手が伸ばせる。
「おやぁ?」
少女の頭大の餅を抱えたまま視界を巡らせ、小百合に気付いたのか目が行った。
テレビは見るがニュースには縁のないアミルちゃん、しかし以前会った時の記憶があるようで。
精々顔見知りの関係なのだが、そんな事を気にするアミルちゃんでもなく。
小百合の傍に駆け寄って、隣の椅子にこしをおろす。
「やっぽ!
アミルちゃんだよーww」
- 804 :黒沢小百合:2013/01/02(水) 01:28:37 ID:IRZRROfE0
- >>803
「……む?」
一方の小百合は、アミルにあったことを忘れていたようで、
(´・ω・`)?といった風の表情を浮かべ。
しかし、オフという事もあってかいつもほどの
攻撃性を見せるでもなく、そのまま隣に座ることを許し。
「……食べます?」
見た目が少女と言うこともあって気を許しているのか、
ベビーカステラを一つ差し出して。
- 805 :川堀アミル:2013/01/02(水) 01:47:36 ID:gSogigCY0
- >>804
「やっほ! アミルちゃんだよ!」
もう一度挨拶を交わし。
餅を片手にして、開いた手を振る。
「んじゃあ、いただきますーwww」
大きく、首を曲げて頭を下げるとベビーカステラを一つ手にし口にする。
微笑みを一層強くする反応を見るに、美味しかったらしい。
席についてからもキョロキョロとあたりを見回し落ち着きの無さの目立つアミルちゃん。
突如立ち上がると何処かへと駆けていってしまう。
暫くすると餅を抱えた逆の手に何かを買ったのだろう袋を抱え帰ってきた。
「うぅむ……おいしそうなのが一杯でアミルちゃん悩んでしまったよ」
座り直すと袋から紙を一枚膝上に敷いてその上に餅を置いた。貰ってきたのだろう。
少女の苦悩を表したのかふわふわだったツインテールも少し絡まり気味。
袋から出した串団子を頬張り悩み続けている……。
- 806 :黒沢小百合:2013/01/02(水) 02:01:52 ID:IRZRROfE0
- >>805
「騒がしい子ですね、ううむ。
どこの誰だったかな……。」
小百合はベビーカステラと一緒に買っておいたイカ焼きをむぐむぐ。
焼きそばと、カップ豚汁も買いこんであるなど報道される小百合のイメージから
全く想像がつかない姿である。
「ふふふ、私も貴方ほどの年齢の時、
こうしたお祭りなどで少ないお小遣いの中何を買うか、悩んだものでしたよ。
……む、このきな粉棒、あたり付ですね……。」
悩むアミルを見て、微笑ましげに笑う小百合。
ちょうどハンバーガー早食い大会も始まり、場は盛り上がっている。
- 807 :川堀アミル:2013/01/02(水) 02:12:48 ID:gSogigCY0
- >>806
串団子を頬張りつつ小百合の呟きに目を向ける。
そして悩みに浸かった表情を払拭させて笑みで満たすと。
「アミルちゃんはアミルちゃんだぞww」
と、楽しげに返すのだった。
袋から次に取り出したのは白い紙箱。
零れないように。と入れてもらった物なのだろう。割り箸も取り出し手に取る。
「ぜんぶは食べられそうにないよ……」
このアミルちゃん、意外にも胃の許容量は小さい。
直ぐに身体を動かしてしまうので結局はそれなりに食べるのだが。
「くんくんすんすん。
それもおいしそうだなぁ……」
きなこ棒を眺めつつ焼きそばの匂いに釣られる。
ハッとして白箱の蓋を開けると中のぜんざいを美味しそうに食べはじめた。
- 808 :黒沢小百合:2013/01/02(水) 02:25:35 ID:IRZRROfE0
- >>807
「きなこ棒、よければ差し上げますよ。」
小百合は、きなこ棒を眺めるアミルを見てこれが欲しいのかな、と考えた。
どうせ一本10円そこそこのもの。
小さいので、ぜんざいをたいらげてもおなかに収まるだろう、と
それを編みえるに差し出す。
ちなみに、小百合は既に2本食べたがあたりはでなかった。
「……さて、私はそろそろお暇します。
あまり、夜遅くまで出歩いてはいけませんよ?」
小百合はイカ焼きを食べ終えると、すく、と立ち上がり。
そのまま風を切るように歩いて、人ごみに紛れ何処かへと消えていった。
// そろそろ〆
- 809 :川堀アミル:2013/01/02(水) 02:39:55 ID:gSogigCY0
- >>808
「んー。
アミルちゃん嬉しい! おやつにするよ!」
受け取ったきなこ棒を眺め袋にしまった。
中の人がきなこ棒を知らない為に味や当たり外れは書かれないのだ。
「うん、アミルちゃんもそろそろ帰るよー。
あと少しでお腹いっぱいになったし、帰って眠っちゃう……」
純真な子どもかと見紛う程の16歳。
持たれた頭の目を擦りつつ小百合に別れを告げた。
ぜんざいも串団子も食べ終えると立ち上がり、お土産に田楽を買って帰るアミルちゃんなのだった。
//お疲れ様ですよー。
- 810 :黒沢小百合:2013/01/04(金) 23:14:42 ID:IRZRROfE0
- 【異能都市 中心部】
小百合は元日こそ休みを取ったが、
それ以外の日は出ずっぱりで都市の治安維持に当たっていた。
何故なら年末年始は休みという事もありトラブルも多く、当直の人員だけでは
とても対処できなかったからである。
今回も、闇祓騎士団による立て篭もり事件があったという事で
中心部の繁華街に急行。これを鎮圧した。
結果的には、闇祓騎士団の名を騙る別のテロリストの金銭目的の犯行であり、
人質に被害は無かったが、働きづめの小百合は機嫌が悪く遅れて駆けつけた
警察や治安維持部隊に罵声を吐き散らす始末であった。
「……全く、癪に触る……。」
事件現場、戦闘で崩れた瓦礫に腰を下ろし不機嫌そうに頬杖をつく。
- 811 :高向谷 司朗:2013/01/16(水) 22:47:47 ID:N22/iHaM0
- 【異能の山、山道の麓付近】
「だりゃあっ!」
岩を砕く司朗の回し蹴り。
知ろう本人にはそんな力は無い為、角の能力による筋力強化である。
「っ……いてて……。
……こいつは……?」
司朗は泣き所を押さえてしゃがみこむ。
司朗の足に生えていた角が折れていた。
「……どういうこった?
ここまで脆かったか?これ……」
踵に生えて脚部を筋力強化させていた角。
直接岩に当たる位置ではないのに、蹴りつけた時の衝撃だけで折れてしまったのである。
- 812 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2013/01/16(水) 22:53:04 ID:kYpcwhEo0
- >>811
【異能の山…の上の方から降りてきた学生がいる】
「わっせ、わっせ…
…ん?」
【重そうなリュックを担ぎながら山からその少女は降りてきた】
「軽く運動した帰りに…
む?何をしてらっしゃるんです?」
【汗を書いていることから運動してきたらしきことがよく分かる】
【でもその格好は普段通りの千夜学園の制服であった】
- 813 :高向谷 司朗:2013/01/16(水) 22:57:54 ID:N22/iHaM0
- >>812
「……こっちが聞きたいとこだが。
なにそれ?ここに住んで仙人に転職すんの?」
司朗は立ち上がって大荷物を指差してきた。
「学生服着た仙人とか確かに新しいけど、売れるかなあ」
司朗は首を傾げていた。
- 814 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2013/01/16(水) 23:01:30 ID:kYpcwhEo0
- >>813
【山を見上げながら鶫は答える】
「いえ、この山を一番上の方まで登るのを試みてたんです」
【リュックを下におろして軽く額の汗を拭い取る】
「あ、ちなみに中身はなんでもないですよ」
【そう言ってリュックを開けると、川原の石がぎっしりと詰まっていた】
「仙人にまでなるつもりはありませんが、
私の戦い方から判断してやっぱりからだが資本だと思いまして」
【そう言って腕を軽く伸ばしてストレッチをしている】
- 815 :高向谷 司朗:2013/01/16(水) 23:07:47 ID:N22/iHaM0
- >>814
「あー……石焼芋屋さんか、小さい頃の夢だったよ」
石を見て司朗は言った。
「芋は好きでも嫌いでもなかったけど、
いぃーしやぁーきぃもー、って言いたかった。
わらび餅とか竿竹とかでも良かったんだけど」
腕を組んで頷いた。
「……ん?なんだ鍛錬か。
早く言えよー!」
笑いながら肩を叩いてくる。
- 816 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2013/01/16(水) 23:12:49 ID:kYpcwhEo0
- >>815
「焼き芋はたしかに大好きですけど…
今は近くに芋はありませんからちょっと無理ですよ」
【かるく笑いながら言う】
「…はぁ、しかし…
最近はあんまり聞かないですね。
その竿竹とわらび餅は…」
【そこまで行ってかるく笑った】
「簡単にいえば鍛錬ですね。
なんというか、少し本格的にやってみようと思いまして。
こう体を動かすと、箱庭とはまた違った実感が湧くんですよ」
- 817 :高向谷 司朗:2013/01/16(水) 23:26:36 ID:N22/iHaM0
- >>816
「筋肉の鍛錬は箱庭じゃ出来ないもんなー。
あれは戦い方、頭を鍛えるほうだからな」
司朗は鶫の意見に大いに賛同した。
「結構計算外のこととか起こるし……な……」
司朗は鶫の頭の上を見上げる。
あんぐりと口を開けて。
「……こんな感じで」
突然、鶫の頭の上に、巨大な鎌が振り下ろされた。
異能の森に住む巨大蟷螂、パラドックスジャイアントカマキリである。
右の鎌は出っ張りが付いた鋭い矛のようで、左の鎌は大きく広がり盾のように。
正にパラドックス(矛盾)!
- 818 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2013/01/16(水) 23:32:09 ID:kYpcwhEo0
- >>817
「所詮は電子の世界ですから
純粋に強くなれるならこっちがいいですね」
【そう言って微笑むが】
「想定外のことですか?
それは確か…」
【鶫はそこまでいったところで上から降りてくる影に気づく】
「にぃっ!?」
【石がたっぷりはいったリュックでその巨大な鎌をかろうじて受け止めてみせた】
「謎の生き物じゃないですか!
知りませんよこんなの!」
【かなり驚いているようである】
- 819 :高向谷 司朗:2013/01/16(水) 23:40:00 ID:N22/iHaM0
- >>818
「……うわっ、でっか!」
ワンテンポ遅れて驚く司朗。
「いや、俺もちょっとビックリして頭動いてなかった!
どりゃあああっ!!」
司朗は角を出現させた拳を振り上げて飛び上がり、
リュックで受け止めた右手の矛のような鎌を殴りつけた。
「ってえええっ!」
司朗が殴りつけた矛が砕け散ると同時に、
司朗の拳の角も砕け散った。
拳を押さえ痛がる司朗に、カマキリは左腕の盾のような鎌を振り上げ、叩き潰そうとしてくる。
- 820 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2013/01/16(水) 23:44:25 ID:kYpcwhEo0
- >>819
「でかいですか?!
そんなに!」
【鶫はよくわからない返しをしている…】
「おっっと…
ありがとうございます。助かりま…あっ!」
【鉾が砕け散り身動きが取れるようになったところへ、司朗が攻撃されそうになっている!それを見て】
「危ないっ!」
【リュックから1つ石を取り出し】
「でやっ!!」
【力を込めて勢いよくカマキリへ向けてぶん投げた】
- 821 :高向谷 司朗:2013/01/16(水) 23:50:13 ID:N22/iHaM0
- >>820
「ファッ!?」
カマキリの破片が司朗に降り注ぎ、司朗はそれを見上げた。
「こんの、やろっ!」
司朗は両手を交差させる。
そして、右手を前に、左手を腰に移動させ、構えを取った。
まるで拳法家のような動きである。
「ハアッ!!!
ブレイクキイイイィィィック!!!」
飛び上がり、カマキリの腹部にキックを叩き込んだ。
カマキリはその衝撃で、地面に倒れ伏す。
「今だ、防人!」
絶好のチャンスである。
- 822 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2013/01/16(水) 23:53:00 ID:kYpcwhEo0
- >>821
「おおっ…
やりました」
【ほっと一息ついた所で】
「えっ?
あ、分かりました!」
【倒れ伏したカマキリに向けて、先ほど石を投げた時に力をためた右手を】
「名前はないですが…
とりあえず!」
ゴォォォ!
「アッパー!!!」
【勢いよく振り上げてアッパーを打ち込んでいった】
- 823 :高向谷 司朗:2013/01/16(水) 23:57:44 ID:N22/iHaM0
- >>822
鶫の一撃でカマキリは完全に沈黙し、動かなくなった。
「…… 知ってるか、カマキリの雌が交尾後に雄を食べちゃう事は有名だけど、
実は雄はほとんどの場合は逃げ切れるんだ。
虫かごの中だと逃げる場所がないから食べられちまうんだってさ」
司朗は着地し、かっこつけたポーズを決めながら、カマキリに人差し指を向けて言った。
「ナッイース!防人!」
そして、鶫に向かってサムズアップ。
- 824 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2013/01/17(木) 00:04:10 ID:HrlHSLJw0
- >>823
「はぁ、外だとほんとにびっくりします…
何とかなりましたね」
【倒れ込んだカマキリを見てため息を付いた】
「…なるほど、よくわかりませんがよくわかりました」
【突然のカマキリ豆知識をただ何となく聞いていた鶫は】
「ええ、急でしたけど何とか繋げられました!」
【こっちも親指を立てて笑顔で返していった】
- 825 :高向谷 司朗:2013/01/17(木) 00:10:08 ID:N22/iHaM0
- >>824
「まあ、こういうのが出てくるのも箱庭にはないリアルの良さっつーか……」
腕を組んで頷く司朗。
「拳法習って強化したブレイクキック、上手く行って良かったわ」
あの構えは、本当に拳法からのものらしかった。
「さてと、いつまでもこんなところに居ちゃ危ないな。
この山にはこういう昆虫を食べる食虫植物があるらしいからな」
一体それはどれほどの大きさなのだろうか。
「んじゃ、お先に!」
司朗は手を上げて、走り去っていった。
「……なりたかったなあ、焼き芋屋さん……」
なぜか、そんな呟きが聞こえてきた。
- 826 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2013/01/17(木) 00:15:10 ID:HrlHSLJw0
- >>825
「ええ、なんだかすごく実感がありましたよ。
コレがリアルでの戦い方だって感じで」
【嬉しそうに拳をぐっと握った】
「しかし、あれはなかなかすごい必殺技でしたね。
私にも出来たら面白いんですが・・・」
【かるく笑って見せながら言う】
「そうですね。
ひと登りで何にも出くわさなかったのは奇跡ですよ…
とりあえずわたしも帰りますね」
【頷いて再びリュックサックを背負って】
「じゃあ、さようなら!」
【大きく手を振りながら鶫も歩いて行った】
「…リュックサックに傷がついてしまいました…
どうしましょう…」
【困った顔でリュックを見つめながら山を去っていった】
- 827 :欠け耳のボロッブ:2013/01/27(日) 23:57:00 ID:IRZRROfE0
- 異能都市の市内を探せば、ほぼ毎日どこかの区画で『祭り』ガ開かれている。
多くの次元、種族が入り乱れたこの都市では元いた場所の文化を持ちこみ、
そのまま暮らしている人々が数多く居る。そうして持ち込まれた文化の中には
衣食、知識、技術、芸術、宗教などがありその中には『祝祭』も含まれているのだ。
規模の大小、方向性は様々だが今回行なわれているのは
大いに食べて飲んで、騒ぐといった方向性のもの。
通り一つか二つ程度のエリアに、様々な食べ物や酒、祭りならではの派手な装飾品、
お土産の類の出店が並び、この祭りを知る物も、噂を聞きつけてやってきた物見遊山の客も、
はたまたただ通りかかっただけも者も皆一様に祭りを楽しんでいた。
そして、その一角に『魔法の装飾品』なる看板を掲げた店があった。
店主は赤褐色の肌をしたゴブリン。片耳が欠けた薄汚い風体の冴えない人物だが、
取り扱っているものからは、たしかに『魔力』の波動を感じられるだろう。
- 828 :ルファス:2013/01/28(月) 00:11:08 ID:RRIFCANoO
- >>827
「祭りの時のこの手の品物なんて、子供騙しにしかならない出来の悪い偽物ばかり、ってのが俺の認識だったんだけれどな……」
一歩間違えれば、ただ店主に喧嘩を売っているだけだと思われても仕方ないだろう。
そんな発言をしながらも、偶々此処を通りすがった青年の視線は、店に並べられた品物に向けられている。
青年は魔術を専門にしてはいない、だが、魔術を扱う人間と相対する機会は沢山有って、魔力の込められた品物がどんな物か、実物を感覚で知っていた。
だから、これらの品物は偽物ではなさそうだ―――と、何となく理解出来たのだ。
「何か、役に立ちそうな物が置いてあれば嬉しいんだけど……」
- 829 :欠け耳のボロッブ:2013/01/28(月) 00:22:39 ID:IRZRROfE0
- >>828
「より良い品をより安く、がモットーのボロッブ商会でやして。」
にへへ、と黄ばんだ歯を見せながら耳を入れて
子供ほどの背丈の小鬼がルファスのほうへ近寄ってくる。
「冒険者向けの商品がご入用ですかな?
生憎、今日は祭りでやすから品は少ないですが置いてありやす。」
と、何もない場所で引き出しを開けるような動作。
すると、本当の引き出しのようにそこからいくつかの物品が現れたではないか。
「『解読』の魔術がかけられた1000言語対応魔法のモノクル、
エルフ謹製の魔法の保存食レンバス、従来品より12時間以上持続時間の長い、
使い捨て式魔法の灯火なんかが現在のお勧めですがいかがでやしょ。」
- 830 :ルファス:2013/01/28(月) 00:37:58 ID:RRIFCANoO
- >>829
「まあ、確かに必要なのは冒険者用の品物なんだが、ちょっと方向性が違ってな」
「今見せられたそういった品に魅力を感じないと言えば嘘になるが、今は、熊を一撃でノックアウト出来るような、護身用の道具が欲しいんだ」
最近感じるのは、自分の深刻な力不足、自分の技術でカバー出来ないような、致命的な非力さ。
結局の所、自分が相手に出来るのは、良くも悪くも『人間』までが限界なのだ。
それが―――何よりも気に入らない。
「無いなら無い、で構わないけどな、そうしたら、そっちの品物をゆっくりと見せて貰う事にするよ」
- 831 :欠け耳のボロッブ:2013/01/28(月) 00:54:10 ID:IRZRROfE0
- >>830
「護身用というより、武器が欲しいなら
こんなとこ探すより、武器屋に行ったほうが――。」
流石にそんなものは、この祝祭で売るには相応しくない。
と、ボロッブはルファスの発現を一蹴しようとした――。
が、一つの商品を思い出して。
「あたりゃあ、クマだって気絶すると思うがねえ……。」
ごとん、と出したのは正真正銘の『打ち上げ式花火』。
とはいえ、これは目立ちすぎるしこんなものを持つなら拳銃を持ったほうが100倍良いのは明白だ。
- 832 :ルファス:2013/01/28(月) 01:02:12 ID:RRIFCANoO
- >>831
「……ああ、やっぱりそう思うよな、祭りの場に合わない品なのは解っちゃいるが――もしかしたら、ってのが捨てられなくてな」
悪かった忘れてくれ、と、言って、この場らしい品物を漁る事に専念しようとした矢先。
目の前に現れた、どうみても打ち上げ花火を見て、思わず苦笑いをしてしまう。
「……ああ、間違いなく注文通りだな、武器が欲しいとは確かに言わなかったよ」
「しかし、こんな物まで置いてるとは……正直侮ってたな、というか売れてるのか?こんなの……」
凄い店だな、と思う反面、誰が買うんだこんなの、とも思い、ちゃんと店が利益を出しているのか、僅かに不安まで覚えた。
どうみても、大衆の興味は引けど、購入意欲をそそるかは怪しい品物だ。
- 833 :欠け耳のボロッブ:2013/01/28(月) 01:23:46 ID:IRZRROfE0
- >>832
「魔術の品を扱うと、どうしても個人のお客さんの要望に答えなければならんでねぇ。
このジャパニーズ・カンシャクボールもその手の類の余りモノでさあ。」
ひょい、と打ち上げ式花火をしまいこみ。
店に並べられていた他のラインナップも見てみると、
大手メーカーの正規品に交じり、なんとも怪しげな品やあからさまなコピー商品などが
雑多に並べられていて、まるで古い駄菓子屋を見学している気分になる。
事実、駄菓子の類も置かれており『なめくじチップス』だとか、
『爆発ボンボン』だとか、『クラーケンの足』なるスルメだとかを亜人の子供が買いあさっている。
「武器、っちゃあなんだがこういうのもあるでよ。
『マジカル・10徳ナイフ』。」
10徳ナイフといえば、缶切りやら鋏やらが仕込まれたアレだが、
これも魔法の品で、念じるだけで刃先が缶切りやはさみに瞬時に変わるらしい。
どちらかといえばびっくり商品の域を出ないが……。
- 834 :ルファス:2013/01/28(月) 23:06:30 ID:RRIFCANoO
- >>833
「どんな職業でも、客の求めには全力で応じなきゃならないのは変わらないんだな……まあ、当たり前か」
怪しげな駄菓子に興味が湧いたのは確かだが、ただ、買ってみようとは思えなかった。
そもそも、明らかに亜人向けの品物、人間が口にして良いのかすら怪しい領域だ。
「普通の十徳ナイフで良いじゃないかと心から思った、制作者はあれか、十徳ナイフの刃を変えるのすら面倒だったのか」
「……ああ、そうだ、武器が無いなら、何か物を収納出来る魔道具とかは置いてないのか?」
そんなのがあるなら、打ち上げ花火を買ってみるのも一興だ。
携行さえ出来れば、使い道はどこかであるだろう。
- 835 :欠け耳のボロッブ:2013/01/28(月) 23:21:12 ID:IRZRROfE0
- >>834
「『より良い商品をより安く』。
何度でも言いやすが、それがウチのモットーでして。
……んぁあ、収納ですかな。ややや、それならばいいのがありますぞ。」
そういって取り出したのは、
何の変哲もないジェラルミン風素材のアタッシュケース。
「企業戦士の強い味方、『マジックユーザーズ』社の最新式収納ケースでさ。
軽くて頑丈、従来品の1.7倍。おおよそ4m×4m程度の収納空間を実現。
それで価格は49000共通貨幣ときた。文句なしにお勧めの品ですぞ。」
マジックユーザーズ社といえば魔道具の製造で一定のシェアを得ている企業だ。
大手の企業の品ということで、魔道具によくある使い方の不明瞭さや動作・効果の不安定さに
ついては安心できる。
- 836 :ルファス:2013/01/28(月) 23:32:21 ID:RRIFCANoO
- >>835
「もう少し値段が張ると思ってたけど、案外そうでもないんだな」
十万は掛かるかな、と考えていた青年にとって、彼の台詞は、良い意味で予想外な台詞だった。
「元々お手ごろ価格だったのか、店のモットーとやらの御陰なのかは知らないが……折角だしな、買わせて貰おうかな」
「そうだ、ついでにその花火も買いたい、と言ったら、少しは値引きして貰えるかい?」
手早く決めて問題無さそうなものはさっさと決断する、それが青年のやり方だ。
騙されている可能性も考えはしたが、この街はそんなセコい商売をする輩に優しい街ではない。
悪事を働くにしても、やると決めたなら、相応の覚悟をもって大きく踏み込む事が必要だ。
ちょっと小金稼ぎ……程度の気持ちで踏み込んだ人間がどんな道を歩むかは、良く知っていた、だから、信じた。
- 837 :欠け耳のボロッブ:2013/01/28(月) 23:41:42 ID:IRZRROfE0
- >>836
「そうですなァ、こちらの花火は手作りの数少ないモンですから
多少値が張りやす。110000、いや105000で手を打ちやしょ。」
例の魔道具よりかんしゃく玉のほうが値が張るらしい。
それなりの値段になってしまったが、ルファスなら問題なく買えるだろう。
「打ち上げ式のモノなんで、打ち上げ台なんかもついとります。
それ込みで、105000。それ以上は負かりませんなあ。」
にかあ、と黄色い歯を見せて笑うボロッブ。
- 838 :ルファス:2013/01/28(月) 23:52:32 ID:RRIFCANoO
- >>837
「そこまで妥協してくれたなら、十万まで下げてくれよ、こっちもそれ以上の値下げは求めない」
「有る程度こっちが値下げを要求する事を考えて、その値段を言ってるんだろ?」
買えない値段ではない、やっている事が非合法なだけに報酬は多く、金銭的には問題は無い。
だが、本当にそこが値下げの限界なのか、それには疑問を覚えるべきだと思う。
相手はプロの商人だ、拳銃の抜き撃ちで相手が自分に勝てる見込みがほぼ無いように、売り買いで競っても勝ち目は無いだろう。
だが、無傷のまま勝ちを譲るのは、負けを認めたようで不愉快だ―――まあ、つまりは下らない意地なのだが。
とにかく、その意地が、更に少しで構わないから値下げをさせよう、と青年の決意を促した。
- 839 :欠け耳のボロッブ:2013/01/29(火) 00:02:27 ID:IRZRROfE0
- >>838
「それ以上は負かりませんなあ、と言った矢先。
お客様の要望に答えるべきか、男としての誓いを守るか!
悩むところですなあ。」
うう〜ん、と大げさに悩む様子を見せるボロッブであったが、
では、こうしやしょう。と手を打って。
「ついでに、この『レンバス保存食・サワークリーム風味』を10パックつけて。
それできっかり、110000共通貨幣。どうですかな。」
負けるどころか、別の商品を抱き合わせられてしまった!
- 840 :ルファス:2013/01/29(火) 00:13:20 ID:RRIFCANoO
- >>839
「おっけー、交渉決裂だ、アタッシュケースだけ買うことにしよう、49000だったな」
あっさり切り上げる。
相手も、打ち上げ花火なんて滅多に売る機会が無いものを売るチャンスを逃さないだろう、と思ったのだ。
それに、アタッシュケースを買っただけでも用は既に済んでいる、あくまでも花火はオマケなのだから、これくらいの対応で良い筈だ。
- 841 :欠け耳のボロッブ:2013/01/29(火) 00:19:59 ID:IRZRROfE0
- >>840
「ありゃあ、しかたねえべな。
それなら、こいつだけで手を打ちましょう。」
ほい、と体全身を使ってアタッシュケースをルファスへと手渡す。
小鬼は交渉が決裂したことを気にするようすもなく、にかあと笑みを浮かべている。
こうした切り替えの早さもスキルの一つなのだ。
「共通貨幣だけでなく、異能$、金貨、キャッシュ、EGなんかも
取り扱ってやすがお支払いはどうします?」
- 842 :ルファス:2013/01/29(火) 00:28:08 ID:RRIFCANoO
- >>841
「ああ、今はそれだけで十分だ、それと、支払いは共通貨幣で」
今は持ち合わせがそれしかないんだ、と、付け加えるように言った後、青年は、代金を釣りが出ないように支払うだろう。
少し花火は惜しい気もしたが、相手に乗せられて余計な物を付け加えられなかっただけマシ……だと信じておきたかった。
「……なあ、この店って普段は何処で営業してるんだ?」
- 843 :欠け耳のボロッブ:2013/01/29(火) 00:35:54 ID:IRZRROfE0
- >>842
「ははあ、まいどまいど。」
代金を受け取り、それを無造作にひょいと上に投げると
貨幣は地面に落ちることなく、解けるように何処かへと消え去る。
「普段は中央区画近くで店を出してやす。
ええと、名刺がだな……ええと、これでやして。」
がさごそ、とポケットを漁り少しよれよれになった名刺を取り出す。
その拍子に、クッキーについているおみくじやら、歯磨き粉のチューブやらが
ポケットから零れ落ちた。
渡された名刺には店の住所と例のモットー、そして『ボロッブ商会』の文字。
写真や地図、文字はぐにぐにと動いたり、色を変えたり、互いに戦ったりと忙しない。
店は大小多くの魔術師ギルド事務所が多く立ち並び、亜人などが数多く住む
通称『ファンタジー通り』と呼ばれる場所にあるようだ。
- 844 :ルファス:2013/01/29(火) 05:41:37 ID:RRIFCANoO
- >>843
名刺を受け取り、少しの間眺めるとそれを仕舞い込む。
とりあえず、これで今やるべき事は無くなった、そう判断したのだろう。
「大体の場所は解った、もし何か必要な物が出来たら、また世話になるかもしれないな」
「出来れば、その時こそ少し値引いて貰いたいが……」
冗談混じりにそう言って、青年は背中を向ける。
//文を書きながら寝落ちてしまった……ごめんなさい
//これで締め、で大丈夫ですかね?
- 845 :欠け耳のボロッブ:2013/01/29(火) 23:41:40 ID:IRZRROfE0
- >>844
「ははあ、今度は勉強させていただきやす。」
やはり、あの黄色い歯を見せて笑う小鬼。
雑踏のなかへと立ち去るルファスの背後から、お菓子をせがむ子供達の声と
ボロッブの快活な笑い声が聞こえた。
// 〆!絡みありがとうございましたー。
- 846 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2013/02/10(日) 21:28:25 ID:OhByE3hs0
- 【千夜総合病院。その一室に一人の少女が入院している】
「…はぁ…」
【両手足に包帯をまかれたまま退屈そうにしている】
【以前の戦闘の傷はまだ治っていないようである】
「……」
【なにか考えているような顔をするが、またすぐにため息を返した】
「あぁ、身動き取れないのはやっぱり…落ち着きません…」
- 847 :高向谷 司朗:2013/02/10(日) 21:37:27 ID:N22/iHaM0
- >>846
「VIPからきますた」
突如枇杷を持った帽子の男が扉をノックした。
「元気ですかー!
美味い枇杷貰ったから持って来てやったぞ!」
一体何所から聞きつけたのやら、現れたのは高向谷司朗。
「超暇そうだな!」
- 848 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2013/02/10(日) 21:43:08 ID:OhByE3hs0
- >>847
【動ける首だけでじっと司朗を見つめる】
「元気に見えます?」
【無気力な声で司朗に問いかける】
「暇ですよ。その上いつもの調子で人助けしにいったら…
相手がとんでもなく強くて、この有様ですよ」
【若干苛立ってるかのような声で答える】
「あ、でも枇杷は頂きたいですね」
【時折いつもの調子でしゃべっている】
- 849 :高向谷 司朗:2013/02/10(日) 21:49:34 ID:N22/iHaM0
- >>848
「おう、食え食え」
枇杷はザルに入って、水がポタポタと滴っている。
ついさっき水道で洗ってきた物らしい。
皮は剥いていないが、皮を入れる空容器と、
剥いた後に手を拭くためのウェットティッシュもあり、至れり付くせりである。
「機嫌悪そーだな!
枇杷は疲労回復に良いらしいぞ」
対照的に、司朗はテンションが高めな声で言った。
「とんでもなく強い相手か。
どんな能力だった?」
- 850 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2013/02/10(日) 21:53:04 ID:OhByE3hs0
- >>849
「はぁ…ご覧のとおり手は動かせないので
おねがいしますよ」
【かるく微笑んで返す】
「ご飯を食べたら怪我が治る体質になりたいです…」
【じっと枇杷を見つめながら答えた】
「なんと説明すればいいのかわかりません…
こっちの行動全部が読まれてるようで…
もうどうしたらいいのかわからない。八方ふさがりでしたよ」
【首を大きく振りながらつぶやいた】
- 851 :高向谷 司朗:2013/02/10(日) 22:00:14 ID:N22/iHaM0
- >>850
「マジかよ……」
司朗が何故そこまでショックを受けているか。
それはこの枇杷と司朗の関係にあった。
司朗が何故見舞いに枇杷を持ってきたかというと、
自分で皮を剥いて食べるのが面倒なので、鶫に押し付けに来たのである。
「よっしゃ!全部剥いたる!」
しかしそんな事を口に出して言うのもあれなので、
司朗は次の瞬間には枇杷の皮むき機に変身するのであった。
「まあ、正体がわかってればそこまでの苦戦はしねーか。
正体わかってても苦戦する奴にはするけど」
- 852 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2013/02/10(日) 22:04:49 ID:OhByE3hs0
- >>851
「ありがとうございます。
銃のダメージは結構きついもんですよ」
【皮を向いているのを見て嬉しそうに言う】
「いえ、何度か会ったことはあるんですけど。
あの能力はやっぱり読めません」
【きっぱりと返す】
- 853 :高向谷 司朗:2013/02/10(日) 22:15:20 ID:N22/iHaM0
- >>852
「銃かー。俺撃たれたことあったかなあ。
……ああ、防人に撃たれたっけな」
勿論それは箱庭での戦いで、チャージしたオモチャの鉄砲だが。
「能力かー。
もっと強い能力欲しいなー。
最近なんか"角"も調子悪いみたいだし」
ため息をついた。
「そういえば前から聞きたかったんだけど、
防人の能力ってメガネ強化したら視力矯正機能が強化されてよく見えるようになるの?
それとも度がきつくなって何も見えなくなるの?」
- 854 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2013/02/10(日) 22:22:32 ID:OhByE3hs0
- >>853
「まぁ、普通の銃くらいの威力はありますが」
【そう言って頷いた】
「強い力…
確かにそうですね…
私に足りないのはそれかもしれません」
【目をぐっと閉じて悔しげに言う】
「さぁ…試したことないですからねえ。
できるかどうかはわかりませんよ」
- 855 :高向谷 司朗:2013/02/10(日) 22:35:36 ID:N22/iHaM0
- >>854
「とりあえず一通り剥いて種取っといたぞ」
司朗は皿に山盛りになった枇杷を差し出した。
「親戚の果物農家から送られてきたんだ。
美味いぞ」
そして、鶫の呟きを聞いて頷きながら言った。
「鶫の能力は、道具を強化するんだよなあ。
なんか能力や技に名前つけたりするつもりはないのか?」
強い力にはあんまり関係はなさそうだが。
- 856 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2013/02/10(日) 22:49:46 ID:OhByE3hs0
- >>855
「技名ですか…
そういうのはあんまり考えてませんでしたね…
そのほうがかっこいいかもしれませんね
気分で強くなるかもしれません」
【ちょっと嬉しそうに言う】
【やがて剥き終わったのを見て】
「あー…ありがとうございますー。
じゃあさっそく…」
【そう言って大きく口を開ける】
「食べさせてくだされば…」
- 857 :高向谷 司朗:2013/02/10(日) 22:55:11 ID:N22/iHaM0
- >>856
「なん……だと……。
しょうがねえな」
そう言いつつ、枇杷を差し出した。
「普段はどうやって食ってんの?
点滴?看護婦……看護師さん?」
そういえば今は看護婦って言っちゃダメなんだったか、と呟いた。
- 858 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2013/02/10(日) 22:58:20 ID:OhByE3hs0
- >>857
「やー、助かります」
【そう言ってびわをむしゃむしゃと食べ始めた】
「んー、たしかにコレは甘酸っぱくて美味しいですねー。
産地直送は違いますね」
【口をモゴモゴさせながら答える】
「病院食は、食べさせてもらいますね。
両手もこんな状態ですから。
不便以前に…」
【天上を見上げながら答える】
「やはり、このまま何もせずに居るのが…
何より苦痛です」
- 859 :高向谷 司朗:2013/02/10(日) 23:08:37 ID:N22/iHaM0
- >>858
「まあただ重症なだけじゃ全治に何週間も何ヶ月もかからんだろ。
異能都市の医者だからな」
呪いや特殊な病気でもなければ、と付け加えた。
「手が治ったら本でも持って来てやろうか?
その頃には歩けるようになってるか」
そういいながら、枇杷を次々と差し出していく。
- 860 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2013/02/10(日) 23:14:43 ID:OhByE3hs0
- >>859
「そうですね。
でもゆっくり治すのが一番体にいいとも言っていましたね。」
【自分の体を見ながら言う】
「魔法の回復に頼ると代謝が下がるからと…
生命力を上げる術がこの部屋には施されてるらしいですよ」
【同時に天上を見上げる。上には護符のようなものが貼ってあるようだ】
「んー、もし直ってなかったらで頼みますよ。
もぐもぐもぐもぐ」
【鶫もドンドンと差し出される枇杷を食べ続ける】
- 861 :高向谷 司朗:2013/02/10(日) 23:20:30 ID:N22/iHaM0
- >>890
「俺は入院したとき安くて最速コース使ってたけどなあ」
以前、ティルヴァの因縁の相手に腹をぶった切られたときなどである。
「気合だ気合……これで最後な」
そう言って、枇杷の最後の一つを差し出した。
ちなみに右手で枇杷を差し出しつつ、
左手で司朗もバクバク食べていた。
- 862 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2013/02/10(日) 23:24:25 ID:OhByE3hs0
- >>861
「そういうコースも有るんですか…
選択を誤ったかもしれません」
【ため息を付いて答える】
「病は気からとも言いますし。
それが正解かもしれませんね
あ、はい」
【そこまで行った所でその一つを食べた】
「…それは怪我人の分ではないんですかね…」
- 863 :高向谷 司朗:2013/02/10(日) 23:29:37 ID:N22/iHaM0
- >>862
「いや、まあ時間があるならゆっくりで良いと思うぞ。
俺なんかは大学の授業の関係もあったからな」
おそらく安くて最速コースというのは、患者の身体に相当負担をかけるのではないだろうか。
司朗にはそこまで金はない。
「なんだよ、半分以上はお前にやったぞ。
俺だって食いたいわい!」
外気に晒したせいでやや表面も乾いていた。
それでも美味い。
- 864 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2013/02/10(日) 23:39:32 ID:OhByE3hs0
- >>863
「確かに…
ゆっくりのほうが安全かもしれませんね」
【少し考えてから答える】
「さすがに大変そうですね。
身体をいたわれたらいいんですけど」
【そこまで行った所で】
「むー…
まぁあなたが持ってきたものですし、文句は言いませんよ」
- 865 :高向谷 司朗:2013/02/10(日) 23:47:55 ID:N22/iHaM0
- >>864
「非常においしゅうございました」
そして、食い終わった頃に気付く。
この部屋には、もう一人居た事を。
「……あ、すまんティルヴァ。
お前にやるの忘れたな」
「気にしては居ないが……」
司朗の腰にぶら下がっている魔道具、ティルヴァ。
「やべ、怒ってる?」
「いや、気にしては――」
「す、すまんティルヴァ!」
ティルヴァは怒っているようには見えないが、
司朗は何か勘違いしたのか。
「……イラッ」
「ティルヴァ!まだ家にあるから!な!
そうだ、帰ってすぐ食おう!
それじゃ防人!ゆっくり体治せよ!」
どう見ても勘違いされている事に対して怒っていたが、司朗は走って病室を飛び出してしまった。
- 866 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2013/02/10(日) 23:51:22 ID:OhByE3hs0
- >>865
「ん?あ…ティルヴァさんすいません…」
【エンブレムに向けて申し訳なさそうな顔をする】
「ん、怒ってるわけじゃないといって…
あれ?ちょっと!」
【まるで慌てているのを見てかなり戸惑っている】
「は、はい…そのうち良くなりますよ」
【そう言いながら見送っていった】
「…はぁ、退屈しませんね・・・」
【そう言って天井をじっと見上げた】
「力がほしいです」
- 867 :黒沢小百合:2013/02/14(木) 00:30:59 ID:IRZRROfE0
-
小百合は考えを纏めたり、はたまた一人になりたい時に決まって、
中心部を一望できる事がウリの丘の上にある住宅地へと足を運び、
その中にある小さな公園で景色を眺めることにしている。
ベンチ以外には砂場とブランコ、小さなジャングルジムがあるだけの
狭い公園だが景色は例の住宅地内でも1,2を争うほど素晴らしく、
この冬の時間帯では子供どころか出歩く人の姿もない。
「………………。」
街頭の明かりによって白く輝きを帯びた呼気が、夜の静けさの中に溶け
その向こうに都市中心部の、宝石箱のようなネオンサインの群れが不規則な輝きを放つ。
まるで、全て時間が制止した中で都市だけが蠢いているような感覚を憶えつつ、
小百合は缶コーヒーのぬくもりで指を温めながら、ぼんやりと思考を巡らせるのであった。
- 868 :黒沢小百合:2013/02/15(金) 23:42:26 ID:IRZRROfE0
- 【異能都市東部・市街地】
異能都市東部を流れるレブラ川で死体が見つかった。
人死にやテロは日常茶飯事、路地裏に入れば死体など珍しくない程
治安に問題がある異能都市ではあるが、その死体は千夜の下部企業の重役であった。
「……不審な点はないな、処理屋に渡して終いで良いだろう。
作業を切り上げて撤収準備にかかれ。」
処理に当たったのは、治安維持部門主任の黒沢小百合。
主任といえども現場に出る治安維持部門の体質的に異例の事ではないが、
後ろ暗い噂の多い小百合が身内の事件を処理したとあって、人々はこの一件から噂を広げていた。
現に、とあるタブロイド誌のWEB版は千夜内部の抗争の果て、
小百合が例の被害者の殺害を主導したのだ、などと根も葉もない記事が掲載される始末である。
- 869 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2013/02/26(火) 22:20:21 ID:OhByE3hs0
- 【異能都市の中央公園】
「……ふっ…!」
【なんども腹筋をしている学生がそこにいた】
「…基礎体力はいいかもしれませんが…
能力の強化はこういうトレーニングだけではっ…!」
【難なく腹筋をこなしていく鶫】
「如何ともし難いですね…!
ふう」
【どうやらノルマを達成したらしく、一休みするかのように立ち上がってベンチに座った】
「…能力の強化ってどうやるんでしょうか…」
【かるく頬に手を当てて息せき切っている…】
- 870 :リーナ:2013/02/26(火) 22:32:24 ID:hbFQZ4nY0
- >>869
「風呂上りの一服!」
公園の、道路を挟んで向かいにある銭湯。
頭から湯気を立ち昇らせるデニム生地に身を包んだ少女。
腰に手を当て、牛乳をイッキする。
「ぷはーっ!
俺の胃袋に会心の一撃ーっ!」
一人で騒がしい少女は、牛乳瓶をゴミ箱に投げ入れる。
その声は十分鶫に届くだろう。
「よっしゃ!帰るぜ!
……しまった!ペットボトルのとこに捨てちまった!」
少女はゴミ箱をあさり始めた。
- 871 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2013/02/26(火) 22:35:08 ID:OhByE3hs0
- >>870
「ん、この声は」
【汗をタオルで拭いながら声のした方へ駆け寄っていく】
「どうしたんですか?
なんだか先ほどから困ってるみたいですけど…」
【ゴミ箱を漁っているのをじっと見ながら尋ねる】
- 872 :リーナ:2013/02/26(火) 22:39:21 ID:hbFQZ4nY0
- >>871
「おう!鶫じゃねえか!
それが牛乳瓶をペットボトルの所に捨てちまっ」
ドンガラガッチャーンなどと形容できそうな盛大な音を立て、
ゴミ箱がひっくり返る。
「……で、鶫は何やってんだ?」
せっかく風呂に入ったところだというのに、
リーナはベトベトになってしまった。
- 873 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2013/02/26(火) 22:51:18 ID:OhByE3hs0
- >>872
「そうなんですか…あ、でもそのままあさってたら中身が…」
【慌てて手を伸ばそうとするが】
「あー…中身がこぼれてしまいましたね」
【残念そうな顔であちこちに散らばったゴミをみつめる】
「あー、私はちょっと軽く運動をしてました。
基礎体力をつけてたんですよ」
【確かに鶫の額にはうっすら汗が見える】
「しかし…能力の強化ってどんなトレーニングが必要なんでしょうね」
【軽く目を閉じながら、かなり困った顔で答える】
- 874 :リーナ:2013/02/26(火) 23:02:04 ID:hbFQZ4nY0
- >>873
「ちくしょー、また風呂入らなくちゃ……。
家の下宿、時代に似合わず風呂無いんだよな」
ぶつぶつ言いながら後片付けをするリーナ。
「能力の強化?
うーん……俺にはわからないな」
リーナは首をかしげた。
「あっ、そういえば兄さんが言ってたんだけど、
能力は意図的に強化することは難しいけど、小さいきっかけで成長することがあるから、
きっかけが来るのに備えて鍛えるのは無駄じゃないって言ってたぜ!」
リーナは人差し指を立てて言った。
「あと、バイトの先輩が、黄金長方形見れば成長するって言ってた」
- 875 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2013/02/26(火) 23:11:16 ID:OhByE3hs0
- >>874
「うーん…
お風呂がないのは大変なんですね…」
【鶫もなんとなく片付けを手伝い始める】
「わかりませんか…
?小さいきっかけ…
なるほど…きっかけですか…」
【どこか納得した風な返答だ】
「黄金長方形?…計算か何かですか?」
【どうも理解が難しいようだ。不思議そうな顔で答える】
- 876 :リーナ:2013/02/26(火) 23:18:36 ID:hbFQZ4nY0
- >>875
「さあー?帽子被った変な先輩が漫画で読んだって言ってただけだからなー」
リーナは呟いた。
「そういえばその先輩、
異能の山の都市伝説で能力を変化させたって噂だぜ」
異能の山の都市伝説。
力を求めて異能の山を訪れた者の前に現れるという"進化の領域"。
試練に打ち勝てばその望みが叶えられるという噂で、そこそこ知られているが眉唾な噂話だ。
ついでにその話に黄金長方形は大して関係ない。
- 877 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2013/02/26(火) 23:23:22 ID:OhByE3hs0
- >>876
「変な先輩…
その人はエンブレムを持っていましたか?」
【なんとなーく当てがついた鶫は何気なく尋ねた】
「異能の山の都市伝説…
その試練とやらはどんなものなのかはわかりませんが…」
【少し考え事をしている】
「まぁ、言ってみる価値はあるかもしれませんね…
神様がポンとくれるわけでも無さそうですし」
【遠方に見える小高い山を見てつぶやいた】
- 878 :リーナ:2013/02/26(火) 23:28:41 ID:hbFQZ4nY0
- >>877
「そーいえばなんか腰からぶら下げてたよーな。
それ使った腹話術が得意だったなあ」
腹話術じゃない、本物だ。
「止めないけど気をつけろよー?
異能の山は山道以外は超危険だからな!」
びしっと親指を立ててグッドラック。
- 879 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2013/02/26(火) 23:38:09 ID:OhByE3hs0
- >>878
「腹話術…でしょうかね?あれは…」
【違うような、そう言って不思議そうな顔で返す】
「そうですね、危険な獣もいっぱいいるようですし
でもそこって山道にあるようなものなんでしょうかね」
【進化の領域、その場所がきにかかっているようだ】
- 880 :リーナ:2013/02/26(火) 23:46:14 ID:hbFQZ4nY0
- >>879
「ええーっ!?
あれ本物だったのォー!?」
リーナは叫んだ。
夢にも思わなかったというやつだろう。
「山道で遭遇したって話は聞いた事無いぜ。
というかどこにあるって場所が決まってる場所って訳じゃないらしいしな!」
奇妙な話だ。
都市伝説と割り切って笑い飛ばす事も出来るが、
しかしここは異能都市。
簡単にそう言い切ることも出来ない。
- 881 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2013/02/27(水) 00:08:31 ID:OhByE3hs0
- >>880
「えっと…そうなんです」
【頭を下げて言う】
「やはり場所は常に変わってるってことでしょうか…
或いは都市伝説故に不定なんでしょうかね…」
【悩んでいるようだ…】
- 882 :リーナ:2013/02/27(水) 00:16:05 ID:hbFQZ4nY0
- >>881
「さあ〜。
俺は行った事無いからそこまで詳しくは知らないぜ」
やはり、実際に行ってみるか、もっと情報を集めなければならないようだ。
「よしっ、片付け完了!」
何かと思えば、ようやくゴミ箱が片付いたらしかった。
- 883 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2013/02/27(水) 00:20:26 ID:OhByE3hs0
- >>882
「…なんにしても興味深いです。
とりあえず試しに行って見ることにしますよ」
【そう言って軽く手を降った】
「ふー、一応瓶も戻せましたし…
片付けもそれなりに体力を使うみたいですね」
【ふたたび鶫は額を拭った】
- 884 :リーナ:2013/02/27(水) 00:25:32 ID:hbFQZ4nY0
- >>883
「俺はもう一度風呂入って帰るぜ!
片付けの手伝いありがとな!」
鶫に手を振り返し、リーナは再び銭湯に入っていった。
- 885 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2013/02/27(水) 00:45:45 ID:OhByE3hs0
- >>884
「ええ、わかりました。
貴方もお元気で!」
【かるく手を振りながら見送っていった】
「…さて、準備の必要がありますかね」
【かるく空を見上げながらつぶやいた】
- 886 :黒沢小百合:2013/03/11(月) 23:05:20 ID:IRZRROfE0
- 【AGカフェ】
『マクレーブスの意見はなんたる見当外れか。
まったく現状を理解していない。リグヌ社は我々の業務における重要な――。』
AGカフェのカウンターにて、メモ帳にペンを走らせる小百合。
どうやら日記を書いているようで、もう長いこと根を詰めているのか
側に置かれたマグカップのコーヒーにはミルクの膜が張っている。
- 887 :高向谷 司朗:2013/03/14(木) 21:39:13 ID:hbFQZ4nY0
- 竜震裂――とある魔術流派の中でも伝統的な奥義。
魔術としては単純なものだが、強大な威力に違わず多大な精神力を消費、
また単純ゆえに奥深く、竜震裂を極めることはその流派を極めることと同義とされていた。
「ぶはあっ!」
司朗は箱庭端末から現実世界に飛び出して叫んだ。
司朗の日課、箱庭内での竜震裂試し撃ちである。
以前現実世界で試し撃ちを行った際あまりの精神力の消費により気絶してしまった司朗は、
精神力の消費をリセットできる箱庭内で竜震裂を撃ち、身体を慣らすという修行法に切り替えていた。
「あまり無茶はするな、司朗」
「だーいじょうぶ、一日一回だけだから」
腰のエンブレム、司朗の相棒であるティルヴァは言った。
精神力は文字通り精神から来るもの。
精神力は回復するが、それをひねり出す司朗の精神は確実に蝕まれてしまうはずである。
いかに箱庭と言えど記憶は消えない、つまり、心のダメージを消すことは出来ないはず。。
幼少期から精神コントロールを行う修行を受けた生粋の戦士ならまだしも、
司朗はただの一般人であった。
- 888 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2013/03/14(木) 22:08:10 ID:OhByE3hs0
- >>887
「…ん?」
【その端末の近くをたまたま歩いていたのは、見覚えのある学生の姿である】
「司朗さん、こんにちはー。
箱庭で修行をしてらしたんですか?」
【いつもの調子で鶫は微笑み返した】
(…うーん…試練を受けてきたことを同説明すべきだろう)
【微笑み返しながらも頭の中でかるくそのようなことを思考する。試練を受けてきた風格があるというわけでもないからだろう】
- 889 :高向谷 司朗:2013/03/14(木) 22:20:48 ID:hbFQZ4nY0
- >>888
(嫌な事も無いのに精神が磨り減る感覚ってのも気持ち悪いもんだな)
端末前で思案するように胡坐をかく司朗。
その顔には疲労が見て取れる。
「司朗」
「……ん、おっ。よう防人」
ティルヴァに声を掛けられ顔を上げる。
鶫への挨拶の際にはすぐにいつもの表情に戻り、立ち上がる。
「ああ、竜震裂を極めるための日課だ」
そう行って構えを取った。
- 890 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2013/03/14(木) 22:25:46 ID:OhByE3hs0
- >>889
「成る程…依然見たことあるあの技ですね。
あれは、かなり強いですよね」
【かつて一緒に戦った時のことを思い出しながら言う。力を合わせてどうにかなったと想い出す】
「然し、ひどく疲れてるみたいですね…
そんなにきつい技なんですか?」
【心配そうに顔色をうかがう鶫。普段箱庭から出た時には疲労というものは無いから気になるのである】
- 891 :高向谷 司朗:2013/03/14(木) 22:35:01 ID:hbFQZ4nY0
- >>890
「なんてったって飛竜神様の息吹だからな」
ニヤニヤしながらティルヴァの宿るエンブレムを見るが、
やはり普段はただの道具、反応は示さない。
「まあそんなことはいいや。
そっちはどうなんだよ、首尾よく能力は進化したのか?」
露骨な話題転換。
心配を掛けまいとしているのか?
理由は近いが、正しいともいえない。
真意は"男としてのプライド"である。
(努力は秘めるもの……特に、いずれ戦う予定の相手にはなっ)
- 892 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2013/03/14(木) 22:38:28 ID:OhByE3hs0
- >>891
「神様のちからですか…
さすがにそこまでだとすごい力になるでしょうね」
【興味深そうにエンブレムを見つめる】
「あ、えーっと…試練を乗り越えましたし。
能力は進化してる、と思いますよ」
【ポリポリと頭を掻きながら答える鶫。…コレは隠しているのか、はたまた未だ試してないのだろうか】
- 893 :高向谷 司朗:2013/03/14(木) 22:44:53 ID:hbFQZ4nY0
- >>892
「乗り越えたのかよー!
やったじゃねーか!どんなんだった?」
眼を輝かせて聞いてくる。
「俺の時はやばかったなー。
能力無かったときだから素手で挑まなくちゃなんねーもんな」
しみじみと回想するが、
一体どんな相手だったのだろうか。
- 894 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2013/03/14(木) 22:47:33 ID:OhByE3hs0
- >>893
「どんなん…うーん、
色々と心をえぐられるような、
若干嫌ーな試練でしたね。」
【かるくその時のことを思い出しながらため息を付いた】
「でも、色々と思うことはありましたよ。
自分の心が随分とフワフワしてたみたいなこともです」
【気のせいか少しだけ顔が凛々しくなったような…雰囲気になっている】
「…あなたの試練はどんなふうなのだったんでしょうね。
相手によるんでしょうが、能力がないともっと大変なんでしょうか」
【どこか心配そうな顔で返した】
- 895 :高向谷 司朗:2013/03/14(木) 22:57:48 ID:hbFQZ4nY0
- >>894
「俺のときはあれだ、クーガンって居ただろ」
ティルヴァの身体を奪い、
司朗の持つ頭を奪取するために司朗を襲った魔術師。
鶫も病院での戦いには参加していたはずだ。
「あいつ、最後には自分の身体とティルヴァのボディ合体させてただろ。
あれが青くなって、クーガンの身体の部分が見たこと無い女の人になって、
さらにトゲトゲ……まあ、今の俺の能力の角と似た形なんだけど、そんな相手だった」
ようは、ケンタウロスの馬部分が青い竜になっている、全身に角を生やした女性ということだろう。
形状は司朗が一度倒された相手、つまり恐怖の象徴として理解できるが、
女性と言うのは何かの暗示なのだろうか。
「実は試練の時、やってみたら一回だけ竜震裂が使えてさ、
上半身引き裂いてやった」
ティルヴァが手を貸したわけではないが、完全に素手で勝利したわけでもないらしい。
- 896 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2013/03/14(木) 23:03:54 ID:OhByE3hs0
- >>895
「ふむー…あの謎の人ですか。
…そんな相手が…」
【試練の内容を聞いてより興味深く答える】
「しかし、よくわかりませんね。
その女の人というのは、何か関係のある人だったんでしょうかね」
【自分の試練に現れたのは見覚えのある人ばかり。だから司朗に何らかの関連がある人なのじゃないかと考える】
「ふむ…助力なくして技を使用できたってことですか…
まぁ試練の世界ですし、あり得ることでしょうね」
【必殺技が使えたことについては、鶫もあまり来にしてはいないように見える】
「…私は家族や、姉が出てきて結構心に来るものがありましたよ…」
【少しだけその時を思い出して、またため息を付いた】
- 897 :高向谷 司朗:2013/03/14(木) 23:13:10 ID:hbFQZ4nY0
- >>896
「謎の人って……あいつ一応ティルヴァの古い知り合いだぞ」
別にクーガンの素性に謎はあまり無いらしい。
「俺に関係ねえ……。
……心当たり無いなあ、特別好みのタイプってわけでも、
チェンジってほどでもなかった」
あごに手を当てて思い出そうとする。
「あ、ちなみに竜震裂使った少し後に疲労でぶっ倒れたけどな」
まあ、その場のノリ=気合のおかげで撃てたのだろう。
「ん?そんなのと戦ったの?そりゃあクるな……。
お疲れっした」
鶫に手を合わせる。
なんだかいろいろごっちゃになっている。
- 898 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2013/03/14(木) 23:26:37 ID:OhByE3hs0
- >>897
「…ああ、そうだったんですか」
【少し恥ずかしそうに答える鶫】
「うーむ、もしかして忘れてるだけって可能性もあるかもしれないですが…」
【経験で言えば、知らない人は出てこないはずだろうと思った】
「確かに、必殺技を使った後は一気に疲れますからね…」
【同意するように頷いて答える】
「まぁ、本人ではないのですが…
なんどもその時の姿を見せられたりして、なかなか辛かったです」
【少し恥ずかしげな顔をしている】
- 899 :高向谷 司朗:2013/03/14(木) 23:34:46 ID:hbFQZ4nY0
- >>898
「お袋の若い頃……おばあちゃんの若い頃……
小学校のときの先生……バイトの後輩……
防人にも似てないし……千夜の警備の人……悪魔の人……
高校の頃好きだったアイドル……」
知り合いの女性を回想しているが、思い浮かばない様子だ。
「本人だったら怖すぎるわ!流石の俺でも心折れるわ!
……そのときの姿?あ、いや、聞くまいよ」
流石に空気は読めるらしい。
空気を読む角の能力者は伊達じゃない。
- 900 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2013/03/14(木) 23:42:24 ID:OhByE3hs0
- >>899
「…やっぱり思い浮かびませんか?
まぁ、気になりますけど、気にしてもしょうがないですね」
【そう言って軽くため息をつく…】
「ええ、…まぁ、目の前に自分の過去が色々と見せられて。
なかなか…」
- 901 :高向谷 司朗:2013/03/14(木) 23:49:14 ID:hbFQZ4nY0
- >>900
「まったく検討もつかんにゃあ」
ジェスチャー込みでまさにお手上げ。
「まあ、俺の運命に関係するものならいずれわかるだろ。
関係しなかったらそれまでだし」
司朗があきらめの言葉を言う。
「……」
すると、なぜかティルヴァから妙な雰囲気が流れてきた――気がする。
(姉貴関連の話なんだろうなあ、
触れちゃいけないけど興味は沸く自分の野次馬根性がちくしょー!)
司朗は心の中で叫んでいた。
- 902 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2013/03/14(木) 23:53:27 ID:OhByE3hs0
- >>901
「ん、まぁそうですね。
そのうちわかっていくものなんですよ。きっと」
【そう言って頷いた】
「…なんかティルヴァさんから変な雰囲気が…」
【どうしたんだろう。と思いじっとティルヴァを見つめる】
- 903 :高向谷 司朗:2013/03/14(木) 23:59:23 ID:hbFQZ4nY0
- >>902
「ん?俺の空気を読む能力は反応しなかったけど」
その能力は、
角を出現させなければ使えないのではないだろうか。
「私は何も言っていないが」
「だそうだぜ」
ティルヴァは特に意識はしていないらしく、
司朗にもよくわからなかったらしい。
「まあ、その内戦おうぜ。
それまでには竜震裂、習得しとかないとな。
それじゃーな!」
司朗はそう行って立ち去った。
- 904 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2013/03/15(金) 00:04:35 ID:OhByE3hs0
- >>903
「そうですか…
あぁ、特に何も無いならばいいんですよ」
【そう言って微笑み返した】
「わかりました〜。
いつかパワーアップした私を見せてあげますよー!」
【嬉しそうに手を振り見送っていった】
「…せっかくだからちょっとだけ」
【なんとなく鶫は端末の方へと歩いて行った】
- 905 :黒沢小百合:2013/03/27(水) 22:52:47 ID:IRZRROfE0
-
地下暗黒街の一角に、いまにも火をふかんばかりに、
顔を真っ赤にした小百合の姿があった。
小百合はつい先日、暗黒街で名器『古天明平蜘蛛』なる
触れ込みの茶器を手に入れたのだがそれは真っ赤な偽物。
家に戻るなり、立派に見えた茶器は魔術による偽装が溶けて、
ぼろぼろと表面の塗り薬がはげはじめる始末。
「あの商人め、この私を舐めればどうなるか思い知らせてやる……!」
そう意気込んで、暗黒街に踵を返したものの、
既に購入した店はきれいさっぱりなくなり、別のテナントが入っている始末であった。
- 906 :神無 鏡華:2013/03/27(水) 23:04:31 ID:dL8H4NjE0
- >>905
「また物騒な雰囲気だね、どうしたんだい?」
そんな時、聞き覚えのない少女の声が聞こえるだろう。
面白い所に遭遇したと興味たっぷりの死神、神無鏡華は、初対面だというのにやたら馴れ馴れしく話しかける。
様々な魔術用具を抱え込んでいるあたり、ここら一帯にも何回か来ているのだろう。
「それで?良ければ事情を話してくれないかい、協力できることがあればしようじゃかいか」
面白そうだから、という本心は話さずに、善人の面を被ってそんなことを持ちかける。
といっても、露骨に胡散臭い口調や雰囲気が信じられるかどうかと言われると、簡単には首を縦に振れないだろうが。
- 907 :黒沢小百合:2013/03/27(水) 23:15:50 ID:IRZRROfE0
- >>906
そんな鏡華に、忌々しげに視線を向け。
「ここに店を出していた骨董品を売る男を見かけてはいないか。」
ここに足を踏み入れるのは殆どが表を大手を振って歩けぬ連中。
この目の前の女も、身にまとう雰囲気からしてそうした輩であることは間違いなく、
普段の小百合ならば、声を掛けられたところで歯牙にもかけず無視するのだが、
今回は怒りが先にたっているのか極短く、極めて事務的ながら言葉を返した。
- 908 :神無 鏡華:2013/03/27(水) 23:27:09 ID:dL8H4NjE0
- >>907
「なんだ、偽物でも掴まされたのかい?」
クスクスと笑いながら問う。
バカにした感じではないが、薄気味悪い笑い方はそれだけで嫌悪感を呼び起こすかもしれない。
「生憎と骨董品には興味がなくてね、よく覚えてはないなあ」
「でもどうせ暗黒街を住処にしてるようなヤツなんだ、どっか別の場所でまた同じようなことしてるんじゃないかい?」
一度顔を見ているであろう小百合ならば見ればすぐに分かるだろうし、難しいことではない。
ただし、暗黒街の広さを考慮しなければ、
- 909 :黒沢小百合:2013/03/27(水) 23:36:50 ID:IRZRROfE0
- >>908
薄気味悪い笑いに嫌悪感を隠す事すらせず、
不快である、と威嚇するように顔を歪め。
「フン、自ら声を掛けておいてそれか。
知らないのであれば声など掛けるな。好奇心は猫をも殺すのだから。」
小百合の口をついて飛び出す罵倒の言葉。
恐らく、売人は最早は暗黒街どころか表にも顔を出すまい。
つまり、最早捕縛することなど不可能に近いのだ。
そうした鬱憤を晴らすかのように、鏡華へと矛先が向いたのだろう。
- 910 :神無 鏡華:2013/03/27(水) 23:45:44 ID:dL8H4NjE0
- >>909
「怖いなあ、もっと笑いなよ。」
そんな小百合にも全く怖じける様子もなく、ニヤニヤと笑いながらそんなことを話す。
「声をかけるな?それは無理な話だね。好奇心のない人間なんてつまらないだろう?」
矛先が自分に向いていると理解してなお、少女は挑発的な態度をとる。
藪が自分の前にあるのだ、つつかない道理はない。
- 911 :黒沢小百合:2013/03/27(水) 23:56:01 ID:IRZRROfE0
- >>910
小百合の顔から赤みがさっと引き、
まるで能面のような無表情な表情が顔面に張り付いた。
「聞くところによるとだ、『笑う』という行為は本来攻撃の色を含むそうだぞ。
動物が牙を見せる行為……それが人間の笑うという行為の源流だとか……。」
そして、ぎり、ぎり、と。
口角が徐々に、獣を思わせる角度に持ち上げられ……。
小百合は、鏡華の言うとおり笑って見せた。
「つまりだ、お前は私の攻撃を誘ったのだ。
お前は。お前のようなクズの××が。この私を。」
この地下暗黒街は揉め事は禁止――。
建前上、そうされているが人気のないところで一人になれば
即刻、背後から首を掻かれ、金を持ち去られるような場所。
表の世界でも危険人物とされる小百合が、この場所で刃を抜かない道理がない。
- 912 :神無 鏡華:2013/03/28(木) 00:07:59 ID:dL8H4NjE0
- >>911
「その通り、よく知ってるね」
クスクスと、不気味でも静かだった鏡華の笑みが、動く。
不気味な笑みが、狂気と狂喜を含んだ嗤いに変わる。
「藪に潜んでたのは蛇なんてつまらないものじゃなかったみたいだね、安心したよ」
首につけたペンダントに触れ、大鎌を召喚。
いつでも戦闘に移れる状態だ。
- 913 :黒沢小百合:2013/03/28(木) 00:30:37 ID:IRZRROfE0
- >>912
「……そっ首刎ね飛ばし、×××を貴様の口に詰め込んで――。」
小百合が、そこまで口上を述べた時だった。
どこからか、小さな『香炉』が両者の間に投げ込まれ……。
――ぼふん!
そこから、紫色の煙が噴出し狭い通路を満たした。
- 914 :神無 鏡華:2013/03/28(木) 00:41:47 ID:dL8H4NjE0
- >>913
「……!?」
毒の類かと一瞬疑うが、それならばわざわざこんな色付きのものを使うのは道理に合わない。
だが恐らくただの煙幕というわけでもないのだろう。
「ッ来い!」
少なくとも吸わない方が懸命だと判断した鏡華は、右手に魔力を集中させ、それを振り払って風を巻き起こす。
噴出したものがただの煙や薬の類ならばそれで被害はある程度抑えられるだろうが……
- 915 :黒沢小百合:2013/03/28(木) 00:55:30 ID:IRZRROfE0
- >>914
しかし、霧が晴れた時。
小百合の姿は掻き消えたようになかった……。
「ケッ、あの『千夜のクソ姫』に此処で暴れられちゃあたまらねーや!
ホレ、おめえらも何時まで見てんだ。散れっ、散れッ。」
例の『香炉』はこの界隈で店を構える商人の一人が投げたもののようで、
霧の晴れた後、中身を使いつくして転がる香炉を店から出てきた小男が拾い上げる。
どうやら、あの香炉は『転移』術の一種がこめられていたようで、
小百合はあのまま何処かへ飛ばされてしまったらしい。
- 916 :神無 鏡華:2013/03/28(木) 01:09:01 ID:dL8H4NjE0
- >>915
「あーあ、久しぶりに面白い相手と殺り合えると思ったんだけどね」
「それにしても、『千夜のクソ姫』だなんてすごい二つ名だね、あの子も」
明らかに年上の小百合をあの子呼ばわりしながら、少し残念そうにする。
先程まで確かに在った狂気の嗤いは いつの間にかすっかり消え去っていた。
といっても、何を考えているか覚らせない不気味な笑みはそのままだが。
「それにしてもそれ、面白いね。一個くれるかい?」
小男の持つ香炉を指差して問いかける。
欲しいものなら金に糸目をつけないのは、鏡華の持つ大量のおそらくここで買ったのであろう道具を見れば予想できるだろう。
- 917 :黒沢小百合:2013/03/28(木) 01:25:51 ID:IRZRROfE0
- >>916
小百合の異名、あだ名は数多い。
『暴君』、『現代の皇帝ネロ』、『大悪人』、『女帝』など。
黒い噂の絶えない小百合はタブロイド誌のかっこうのネタとしてよく取り上げられ
表の社会でも『冷徹なビジネスウーマン』、『悪人』というイメージが専攻している。
店に引っ込んでいく店主は、鏡華に振り向くこともなく乱暴に指さし。
その方向には、ワゴンに満載された例の香炉があった。
ワゴンセール品だからこそ、おしげもなくつかえたのだ。
// ごめんよー。そろそろ寝ないとだからそろそろ〆でお願いします。
- 918 :神無 鏡華:2013/03/28(木) 01:32:30 ID:dL8H4NjE0
- >>917
「これは有り難い、遠慮なく貰うとしようか」
持てる限りの香炉を詰め込み、釣りだけで一日暮らせる程度の金を置いて、鏡華は去っていった。
//いえいえー、絡んでくださってありがとうございました、お疲れさまでしたー
- 919 :ディス ◆My6NsjkSfM:2013/03/28(木) 22:09:47 ID:OhByE3hs0
- 【町中】
「わるいひとのにおいがするなの…」
【ディスはそういうことを言ってアイスを餌に誘ってきた大人を追い払っていた】
「…うーん
へんなひとについていったらあぶないもんねなの…」
【そう言ってふと、近くにあった家をちらりと見る】
「?…
うーん、どこかでみたような…なの」
【不思議そうな顔で見つめている】
- 920 :名も無き異能都市住民:2013/04/03(水) 22:38:37 ID:IRZRROfE0
-
路地裏の一角、既に路線が廃止され完全に寂れた駅の構内。
輸送されてきたコンテナが一時的に置かれていたであろう倉庫も、
今は朽ちた木箱や、ネズミの死骸が転がるだけの打ち捨てられた空間になっていた――。
はずが。今日の倉庫には歓声と怒号、罵声が満ちていた。
不良やゴロツキ、腕自慢が集まり、違法な賭け試合を行なうファイトクラブが、
ここで行なわれていたのだ。
飲食物から麻薬、武器、あるいは魔術書といった類の物売りが
ござを広げ、商売を営む姿すら見え、そこかしこでディーラーが賭けをつのっており、
それらもなかなか盛況のようだ。
- 921 :名も無き異能都市住民:2013/04/14(日) 23:30:19 ID:hJ75UAJc0
- 「あぁ、俺はここに居たのか。」
『認識』が存在を形成する事を今になって
…そう、今になって理解する
「いや、居るとか居たとか居ないとか……そうだな、今の俺には」
「……ま、詮無きことか」
知らず漏れる呟きに、気持ちも普通に沈む
吹き抜ける風
それが自分の知っている物か−−−知っていた物か
懐かしい物かどうかすら、今の自分には分からなくて
「やれやれ…気紛れが過ぎるな、こりゃ」
ただ悪戯にざわつく気持ちだけが、妙に居心地の悪さを加速する
かつて
あるいは、いつも
自分は、どう動いたのだろうか
「……」
歩き出すための
あるいは、何かを廻す為の一歩目すら分からな過ぎて−−−重過ぎて
天上の月すら見上げず
ただ、ただ頭を垂れる
見下げたそこに
地に足が着いているのすら、今の自分には分からない
【つづかない】
- 922 :名も無き異能都市住民:2013/04/20(土) 23:02:25 ID:IRZRROfE0
-
都市の一角――スラムに近く、治安の悪い街角に人だかり。
わあわあと騒がしく、歓声や罵声が飛び交うその中心で
二人の人物が徒手での戦いを繰り広げている――ストリートファイト賭博だ。
「現在の王者の勝ち、いやあ強い、強いが……!!
現在のチャンピオンに勝利すれば1000異能$だ!
挑戦者は誰かないか?挑戦者はーっ!!」
どうやら、誰でも飛び入りで参加できるようで胴元と思われる男が
声を張り上げながら新たな賭けや、挑戦者を募っている。
- 923 :文月 七瀬:2013/04/20(土) 23:13:55 ID:DZx18W5I0
- 「ついにはこんな所までを、歩くようになってしまったか」
スラム。
景色から察せられる治安とは不釣り合いな制服姿。
ブレザーは汚れ無く元の形も崩れて無く、Yシャツにも不要な皺は無い。
規律において完璧なその姿は余りにも不釣り合いだった。
本人もそれは自覚済みのようで、出てくるのは溜め息。
>>922
「……なんだ、あれは」
程なく歩いて見つけた人だかり。
耳に届いたのは朗報と言える物だった。
直ぐ様足は動き、帽子が落ちない様に片手で抑えながら、もう片方の手で人だかりを掻きわける。
胴元の元へとたどり着くと、身なりを整えてから声を発した。
「どうだ。私にやらせてはくれないだろうか?」
- 924 :名も無き異能都市住民:2013/04/20(土) 23:40:06 ID:IRZRROfE0
- >>923
胴元の男は七瀬が言うが早いが、ぐいと背中に手を回して笑みを浮かべた。
人はそれなりに集まっているものの、
参戦者がおらず、困っていたと言うところだろうか。
「殺しと、銃と刃物は無しだ。戦意喪失か失神すれば負け。
賞金は1000異能$、いいな?」
そのまま人ごみを書き分け、中心の開いたスペースへ。
「さあ、次の試合はチャンピオンと、飛び入りのガキだ!!
さあ、賭けろ、賭けろよ!!どっちが勝つかだ、さあかけるなら今だぜ!」
今日のチャンピオンは、意外にも女性。
鮮やかなオレンジ色の頭髪から牛のような太い角がのぞき、
露出度の高い装いの背から、蝙蝠を思わせる大きな翼。悪魔種だ。
「んー、次はキミかあー。よろしーく。」
壁に足をかけて、解しながら気の抜けたような声色で話しかけてくるが……。
- 925 :文月 七瀬:2013/04/20(土) 23:50:09 ID:DZx18W5I0
- >>924
どん。と背中を押され力無くよろめく。
何か一言挟むと思っていたのだが、予想を裏切られた。
中央のスペースに押し込まれる。
目に見えるのは、ほぼ全角度から向けられる瞳と……向かい合う一人の女。
一人、でいいのだろうか。明らかに人間じゃない。
振り返り、胴元の男に確認を取る。
「能力の使用は?」
- 926 :名も無き異能都市住民:2013/04/21(日) 00:06:34 ID:IRZRROfE0
- >>925
「ご勝手に。」
「あら、無視かよー。カチンとくるなあー。」
胴元の男は勝負にかけようとするギャラリーの対応に追われ、
先ほどの短い説明にわをかけてぶっきらぼうに答え、女は試合相手である自分よりも
ルールを気にする様子の七瀬にぶーぶーと頬を膨らませていたが。
「賭ける者、もう賭ける者いないな?
よおしなら早速初めだ、行けッ!!!」
――カランッッ
それからさほど間をおかずに賭けがなくなったのか、
胴元は矢継ぎ早にまくし立てると木箱の上に置かれていたベルを引っつかんで
乱暴に鳴らし、試合開始を告げた。
「っとっと、もうかー。あらためてよろしーく。」
そんなやたら忙しない胴元と違って女は妙にのんびりとしており、
無防備に七瀬へと近づくと、ようやくファイティングポーズを作って、
ゆっくりと握りこぶしを前に突き出す。
ボクシングの試合などでおこなわれる、試合開始直後に対戦相手と
拳をあわせる動作だろうか。
- 927 :文月 七瀬:2013/04/21(日) 00:18:03 ID:DZx18W5I0
- >>926
思った以上に無愛想な返事。
始めの笑顔は何だったんだ。スラムの人間はこういうものか。
男が無愛想だったのは仕事に追われていたからだったのだが、納得がいかなかったようで。
背後から聞こえる声に振りかえると、先ず「すまない」と口を開き。
「中には人間がいる物とばかりな。許してくれ」
と詫びた。
勝負の合図であるベルが鳴るのだが、女はゆったりと、近付いてくる。
悪魔然とした風貌にそうは感じさせない雰囲気。それが演技の可能性もあるが、動作には見覚えがあった。
同居人の少女『セセリ』が見ていたビデオにあった。気がする動き。
「よろしく」
と、同じように拳を突き出して乗ろうとする。
- 928 :名も無き異能都市住民:2013/04/21(日) 00:30:19 ID:IRZRROfE0
- >>927
「人間は戦うの好きだもんねぇ。」
ちょん、と拳同士をかちあわせると
女は後ろに飛びずさって一端、アップライトスタイル気味に構えてから……。
「こんな風に、さッ……!!」
きゅ、とスニーカーの摩擦音を残して、軽くそれでいて鋭いステップからの上段蹴り。
突き出すように放たれたそれは空気を裂いて、七瀬の頭部を狙い迫る。
- 929 :文月 七瀬:2013/04/21(日) 00:48:53 ID:DZx18W5I0
- >>928
挨拶の後に此方も距離を取る。
此方の構えはおおよそ見た事もない、よく言えば独特と表せられる物だった。
だが、少々の知識のある物ならその構えが非効率的であると解る筈だ。
そもそも、七瀬はもともと武器を使っていたのだ。
それを失ってから、紆余曲折。歪な型に落ち着いた。
足を前後に開いて腰を下ろし、背はだらりと曲がる。
左腕こそ動く意思がある様に見えるが、右腕はその逆でだらりとしていた。
衣服に似合わないキャップのの奥にある瞳が蹴りを見つめ、傾れた上体を更に横に逸らす事で回避する。
それと同時に動きだす。低姿勢の身体が更に傾き、左腕を前に突き出した。
「嫌いか、お前は?」
けれども瞳は悪魔を見失っておらず。キャップの奥から邪悪めいた眼光が、覗く。
- 930 :名も無き異能都市住民:2013/04/21(日) 01:11:27 ID:IRZRROfE0
- >>929
「いーや……!」
(んー、クラウチングスタイルの変形、じゃーないな。
このコ、トーシロって感じじゃないけど……どうかな。)
動作を巻き戻すかのように蹴り足を胴にひきつけて
七瀬の拳を足で受け止めてガード。その衝撃でバランスを崩さないあたり、
体幹がかなり鍛えられていると見るのが普通だろうが……。
まるで、大きな岩を殴りつけたとでも形容すれば良いだろうか――。
バランスと体のしなやかさで衝撃を受け流したと言うよりは
元々地面に確りと固定された大きく重いものに弾かれた、ような感覚。
「だぁいすき……!」
ぺろ、と舌で唇に湿り気を加え左腕を取ろうとする。
- 931 :文月 七瀬:2013/04/21(日) 01:38:09 ID:DZx18W5I0
- >>930
手に伝わる感覚。
風貌からは想像できない堅牢さ。
ふっ、と笑みを零し声を上げて答えた。
「だろうな!」
返る反応に、口元が緩む。
即座に手を引き、取られるのを防ぐ。
そして、上半身を逆にひねらせ、荒々しく逆の手でもう一発。
獰猛な動きと低姿勢な構えに加え、獣の様な掛け声も混じる。
大凡外観からは想定できないスタイル、アクションだ。
- 932 :名も無き異能都市住民:2013/04/21(日) 02:17:52 ID:IRZRROfE0
- >>931
(……素直に取らせてはくれないか、
んー、やっぱり戦いなれてるな、でもセンは細そうだ、し――。)
――バギョォッッ!!
次の瞬間だった。
激しく肉がぶつかり、潰れる音が響き、
七瀬の拳に先ほどと同じく、硬い感触が伝わる。
捻りを加えた一撃を女は回避することなく、顔面でモロに受け止めたのだ。
(っつ――。)
しかし、それは回避の仕損じでも、防御の仕損じでもなく、
その実、非常に好戦的な物――。
七瀬が手ごたえを十全に感じる程の時間もなく、
女の拳が、ごうと唸りをあげながら眼前に迫る。
そう、女は七瀬の拳を受けながらも自身の拳をあてにきたのだ。
- 933 :文月 七瀬:2013/04/21(日) 02:48:38 ID:DZx18W5I0
- >>932
パワー・スピードのどちらも初撃とそう変わらない物。
相手には難なく受ける事が出来る攻撃で、そうする物だと思い込んでいた。
が、
(当たった―――!?)
感触は同じく岩にも近しい硬い物。
しかしガードでは無く、ヒットの感覚に一瞬だけ目を見開いた。
そして、女の意図に気付くのにまた一瞬。
一瞬が積み重なり、最早すら間にあわず、拳を受け入れるのを覚悟する。
振り返ってきた拳が響かせる音もまた重い物。
一瞬足りなかった。が、間に会った。
覚悟の時間すら設けられなければそれで決着が付いただろう一撃。
(肉を斬らせて。と言う奴か―――。
コイツ、普通の戦闘とは違うストリートファイトをやり慣れている―――!!)
復活の際の肉体変化で、身体能力は人間を凌駕している七瀬だが、受けた拳には大きく身体をのけぞらせた。
二歩、三歩後ずさり首を振る。受けた数は同じだが、余裕の差は歴然だろう。
拳を受けた際のスタンスの違いも大きいが、何より七瀬は拳を受ける事に未だ慣れていなかったのだ。
- 934 :名も無き異能都市住民:2013/04/21(日) 22:04:48 ID:IRZRROfE0
- >>933
女の拳の一撃は、その女性的な体から想像できないほど重く、
大上段に振りかぶった岩の塊を叩き込まれたかのよう。
しかもそれをカウンター気味に喰らったのだから、
意識を完全に刈り取られないどころか、未だ立っている七瀬のタフネスも
たいしたものだが……。
――キュッ
後ろに仰け反り、たたらを踏む七瀬。
上に大きく跳ね飛ばされた視界の外で、
女のスニーカーのソールが高い摩擦音をあげた。
ほんのニ、三歩と侮る無かれ、その僅かな意識の空白は、
続けざまに攻撃を叩き込む隙としては十分すぎる。
女はそのまま、大きく踏み込んでから小さく跳ね、
膝を突き出して膝蹴りを繰り出して、崩れた七瀬を追った。
狙いは腹部、膝を突き刺して戦意喪失を狙うといったところか。
- 935 :文月 七瀬:2013/04/22(月) 22:11:03 ID:Ie6GqrN.0
- >>934
受けた拳は硬い岩の如き一撃。
まだ失神に至らないのは身体強化のお陰に違い無かった。
本人もそれを自覚していて、それだからこそ。
「未だだッ!!」
まだ足り無い。
自分の力が出てないままでは。
無理な体勢からの一撃には違い無い。
崩れたまま、右腕を鋭い速度と勢いで。
「シャァァァァッ!!」
迫る腕は正に蛇のごとく。
女の膝に噛み付こうと、猛然と喰らい着いていく。
- 936 :名も無き異能都市住民:2013/04/22(月) 22:55:32 ID:IRZRROfE0
- >>935
七瀬の右腕は確かに鋭く、早かったが……。
崩れた体勢から放たれたそれは、所謂、『手打ち』のパンチ。
ハンドスピードのみで放たざるを得ないそれは、幾ら早くとも
ウェイトは乗らず、腰の捻りを加えることも出来ず、いささか威力を欠くといわざるを得ない。
対照的に、女の膝蹴りは加速も十全であり
あの、見た目に反して異様に硬く、重い体をそのままたたき付ける様に放ったのだから
その違いは天と地ほどの差があろう。
- 937 :文月 七瀬:2013/04/29(月) 21:58:54 ID:DZx18W5I0
- >>936
勢いを込めて放った決死の反撃も、跳ね飛ばすには至らず。
真正面からの衝撃を往なす事も出来ず、跳ね飛ばされてしまった。
地面に投げ出され、立ち上がろうとするもよろめき膝をついてしまう。
帽子を深くかぶり直し、小さく舌打ちしてから。
「すまない、私の負けだ……」
- 938 :名も無き異能都市住民:2013/04/29(月) 22:10:10 ID:IRZRROfE0
- >>937
「……っと。」
着地と同時に更なる追撃の構えを取っていた女だったが、
七瀬の言葉を聴くと蹴り足を下ろして、にいーと笑ってみせ。
「かちぃー……。」
顔のよこでちょきちょきと蟹のようにピースをして見せるのだった。
結果:文月七瀬・賞金獲得失敗!
- 939 :文月 七瀬:2013/04/29(月) 22:22:35 ID:DZx18W5I0
- >>938
「……済まないな。私の腕が足らなかった。
生身での戦いと言う物を学んでおく必要があるようだ」
苦し紛れの声にも関わらず、それは何処か楽しげで。
最後に小さく礼をすると踵を返し早々に去って行った。
- 940 :神無 鏡華:2013/05/04(土) 22:43:56 ID:dL8H4NjE0
- 「ここをこうして……いやでもそれだとここが……」
広場。
人がちらほらと見かけられるその場所で、鏡華は足元の魔方陣に悪戦苦闘していた。
今は緑色の光を放つそれは、鏡華が何かを書き換えるように地面をなぞると青色に変わる。
絶え間なく変化する光彩のグラデーションは素直に綺麗だといえるほどのものだが、鏡華の行動の不気味さと、回りにあるいくつかの訳のわからない物体がそれを台無しにしていた。
実際、周りにいる人間から注がれる鏡華への視線には、少なからず負の感情がこもっている。
「ここをこうすれば……?あとは……」
左へ右へ、ブツブツと独り言を呟きながら魔方陣の中をうろついては、魔方陣を書き換える。
- 941 :シノン=アルベル:2013/05/04(土) 22:56:05 ID:7cIhx4sY0
- >>940
鏡華の元に、歩み寄る影が、一つ。
夜の闇を眩く塗り替えるグラデーションに負けないくらい、闇に抵抗して映る白い燕尾服の少年。
おそろいの色をしたシルクハットを取ると、夜風に金の柔かな頭髪をふわりと靡かせ、碧の瞳を緩ませた。
「少し、宜しいでしょうか?」
少年は胸の前にシルクハットを持っていくと小さく礼をした。
逆の手にはハードケースの鞄。一体何が入っているのだろうか。
- 942 :神無 鏡華:2013/05/04(土) 23:10:00 ID:dL8H4NjE0
- >>941
「……ああ、そうするとここがダメなのか……ん?」
と、そこで相手に気づき、憑き物でも落ちたように鏡華の纏う雰囲気が変わる。
といってもそもそも元々が相手に不気味な印象を与えるようなものなので、大した変化とは言えないのだが。
「随分と恭しいね、そんな態度で接したりされるのは慣れてないんだけど」
相手の態度にむず痒いものを感じながら、鏡華は足元の魔方陣を指差し、
「公共の場所を一人占めしてこんなものを広げてたのは謝るよ、一応人が少ない時間帯を利用させてもらったんだけどね」
- 943 :シノン=アルベル:2013/05/04(土) 23:18:39 ID:7cIhx4sY0
- >>942
鏡華の少年へと向けられた第一声に、気を落とした素振りを見せた。
目を落とし、困りながらも、悲しい。そんな表情。
「いや、すいません……癖な物で」
少々苦しげでも、言葉の後には笑みがこぼれる。
柔らかい物腰で、朗らかな笑顔を見せる少年だが、身なりや言葉遣いは整っていた。
随分と、鏡華よりも小さく、恐らく年齢は二桁に差しかかるか、少し超えた辺りに見えると言うのに。
「そうじゃないんです。
何を……してるのかな、と思いまして」
静かに首を横に振ると、少しだけ目を細めて魔法陣に視線を向けた。
それでも目に入る光が抑えられなかったのか、帽子をかぶるとフリーになった手で光を遮りながら。
- 944 :神無 鏡華:2013/05/04(土) 23:35:31 ID:dL8H4NjE0
- >>943
「育ちがいいんだね、それとも別の理由かい?」
純粋な好奇心からだろう、臆面もなくそんなことを聞く。
相手のプライバシーをこれっぽっちも考慮しないのは、鏡華の一つの特徴でもある。
答えるか答えないかはもちろんシノンの自由である。
「ああ、これかい?なんてことはないよ。新しい魔術の理論を組んだのはいいんだけど、魔方陣を作り上げるのが上手くいかなくてね」
答えながら、足で魔方陣をコツコツと叩くと、光が淡く、柔らかなものに変わる。
直接目に入れてもほとんど気にならない程度の光量には抑えられたか。
「あと言ってなかったけど、あんまりここにいないほうがいいよ?書き換えを間違えたら何が起こるかわからないからね」
例えば辺り一帯巻き込んで大爆発とか、などととんでもないことを平然として言う。
- 945 :シノン=アルベル:2013/05/04(土) 23:50:52 ID:7cIhx4sY0
- >>944
「さぁ……どうでしょう。気付いた時からこうでした。
特に教えを受けた訳でも無くて、友達と遊んでいる間に自然と……」
今まで以上の輝きと温かみを持った笑顔で、鏡華に答えた。
鏡華と喋りたかった。如何にもそういった感じ。
なんだろう、この書き方だと変態にしか見えない。事実ではあるけど。
「魔術の理論……それは興味深いですね」
光が抑えられると深く、熱心な瞳を足元の陣に向けた。
一度ぐるりと見渡して、適当な目星を付けたのだろう、じっと一点を見つめた。読み解こうとしているのだろうか。
「もし、爆発なんかが起こったら、あなたはどうするんですか?」
より近く、陣を見る為かしゃがみ込む。
会話の際には首を上げ、鏡華を見上げながら。
- 946 :神無 鏡華:2013/05/05(日) 00:06:23 ID:dL8H4NjE0
- >>945
「……そうかい」
どういう生き方をしたらこんな純粋な笑みができるんだろうかと、鏡華は心の底から疑問に思う。
人の不幸を唯一無二のご馳走とする鏡華には、シノンは少し眩しい存在だった。
「爆発が起こったらその時はその時さ、まあとりあえず死ぬだろうね」
「まあ、どうやってもボクがコレを発動しない限りは爆発なんて起こらないから、安心するといい」
要するにさっきのは単なる冗談だったのだろう。
「見るのは構わないけど、勝手に書き換えたりとかはしないでくれよ?」
そんなことをされたら一発でわかるのだが、書き直すのが面倒なのである。
シノンの性格からして勝手にすることはないだろうが、念のため。
因みに書いているのは一種の転移魔法である。細部はまだ整っていないため、読めたとしてもそれが限度だろう。
- 947 :シノン=アルベル:2013/05/05(日) 00:40:36 ID:7cIhx4sY0
- >>946
「後は……職業柄、ですかね」
手持ちの鞄をコトリと床に置く。
「ある程度は自分でも学んで……と、どうしました?」
視線を躱されたのを感じ、思わず尋ねてしまう。
「爆発しないようにしてくださいね?
……まぁ、大丈夫なんでしょうけど」
口調的にも、実際にも、下から目線でそう願う。
その後に続く言葉は、鏡華を信じきった『大丈夫』とは少し違う気がした。
「安心してください、そんな事はしませんよ。
少し、見せていただくだけですから」
少年らしい。柔かな笑み。ショタい。
目もくりくりとしていて、優しげ。多分大丈夫、だろう。
- 948 :神無 鏡華:2013/05/05(日) 00:49:22 ID:dL8H4NjE0
- >>947
「何でもないよ」
簡潔にそれだけ答えて、自分の作業に戻る。
「……ここが間違ってるのかな……じゃあこれに変えれば……そしたらここがまた……」
完全に自分の世界に入り込み、魔方陣を静かに見つめては書き換えを繰り返す。
よっぽどのことがない限りはずっとこのままだろう。
- 949 :シノン=アルベル:2013/05/05(日) 01:02:08 ID:7cIhx4sY0
- >>948
鏡華が自らの作業に入りだしたのを見て、立ち上がる。
鞄を持って、身体の前に持ってきて、ぺこ。と頭を倒す。
「それでは、僕は失礼しますね。楽しかったです」
聞こえているのだろうか。
その確認はしなかったけれど、少年は嬉しげな笑みを浮かべて帰っていくのだった。
//お疲れ様でしたー!
- 950 :神無 鏡華:2013/05/05(日) 01:15:03 ID:dL8H4NjE0
- >>949
「……よし」
シノンが立ち去ってしばらく後。魔方陣を書き終えた鏡華は魔方陣の中心で立ち上がる。
そこでやっといつの間にかシノンがいなくなっていたことに気づくが、時間が時間だからと納得する。
「――――」
言葉ではない、だがしかし明確な意味を持つ音が口から紡がれる。
魔方陣の持つ光は次第に強くなり、そして……
あたり一帯を爆音と爆炎が包んだ。
何のことはない。失敗である。
「……あー、どこを間違えたかな。わりと自信あったんだけど……」
爆発に巻き込まれ、形容しがたいほどのグロテスクな状態になった体を見ながら、残念そうに呟く。
明らかに助かる見込み0の致命傷だが、鏡華の態度は落ち着き払っていた。
「まあいいや、コレを治したら再挑戦しよう。あーいったい……一回死んだ方が早いかなこれ……」
物騒なことを平然と呟きながら、鏡華は転移陣を足元に作り出す。
そのまま魔術を発動すると、爆発の痕跡もそのままに去っていった。
//こちらこそお疲れさまでしたー
- 951 :名も無き異能都市住民:2013/05/07(火) 22:44:37 ID:dL8H4NjE0
- 人気のなくなった広場。
いつもなら暗闇と静寂が支配するその場所に、二人の少女の言い争う声が木霊する。
一人は紫の髪に蒼と翡翠のオッドアイ、身長から年齢を推測するならば13か14といったところか。
いつもなら気だるそうに、不機嫌にしているその瞳には、怒りや悲しみといった感情が剥き出しになっていた。
少女の名は神無 鏡華、死者の魂や死期の訪れた人間を導く死神である。
もう一人は桃色の髪にアメジストのような瞳を持つ、14か15歳程度の少女。
鏡華の殺気だった視線を一身に受けてもなお、動じることなく面倒くさそうに、どうでもよさそうにしている。
「――いい加減、目を覚ませって言ってるんだ!」
「うるさいなあ、だから何のことかっていつも聞いてるじゃん」
鏡華は身長差もお構い無しに恣乃と呼んだ少女の胸ぐらを掴み、自分の前に引き寄せる。
「そうやって目を背けて逃げ込むことがアイツの願っていたことなのかって聞いてるんだ、恣乃!」
「……目を背けてなんてないし、逃げてもないよ。そもそもあんたは誰、私の何」
恣乃はそれでも心底面倒そうにそう問いかける。その目は目の前にいる鏡華のことすら見ていなかった。
「ッ……あくまで道化を貫き通すつもりかい……」
わかってはいたことだ。と鏡華は無理矢理にでも自分を納得させる。
それでも目の前の少女の言葉は、少なからず鏡華の心臓をえぐりとる一言だった。
「それで?言いたいこと言ったみたいだしそろそろ帰っていい?これ以上相手するのは流石に面倒なんだけど」
「……ああ、今日はもういいよ。どこへでも行けばいい」
掴んでいた手を離し、俯きながら静かに言う。
恣乃はそんな様子の鏡華を一瞥すると、何も言わずに去って行く。
「……本当に、どうしてこうなったんだろう」
自嘲するように小さく笑いながら、鏡華はその場に座り込む。
ひんやりとした夜の空気は、嫌でも血が上った頭を冷まさせてくれた。
- 952 :レラ=バニッシュ:2013/06/01(土) 00:07:56 ID:3Z2n9vI20
- ――――レラホーム。
「あーくそ。痛いなもう」
つい先日の事である。
嘗ての学友にちょっとちょっかいを出しに言ったら危うく殺されかけた。
というか、多分死んでいたのだろう……その現実と、それを免れた原因が最近頭の中を駆け巡り、どうも気分が晴れない。
作る発明品もスライド爆弾とか、バウンド爆弾とか、爆発できない爆弾とか、
息詰まる結果無理に作って全部爆弾とか、そういった日々を過ごして居て、簡潔に表すと少女は憂鬱だったのだ。
「暇だな――――呼ぶか」
左手首に付けられた自作の端末を構え、タッチパネルを操作したり、浮かび上がったホログラムディスプレイに手を添えたり。
ちょっとした暇潰しも兼ねて数少ないお友達()を呼ぶ事にしたらしい。『直ぐに来い』と書いたメールを送信するのであった。
- 953 :名も無き異能都市住民:2013/06/01(土) 00:29:00 ID:.6prKP66O
- >>952
メールをしてから数十分、メールの返事は無い
さらに待つ事十数分、遠くから複数の力強い蹄の音が聞こえてくる
その中で一際目立つ白馬が一頭
荒れ狂う吹雪の様に美しいたてがみ
魔獣の力強さを体現したような大きな一角
月明かりに照らされるシルエットは上質な物語の一説……
要するに凄い美しい白馬と三頭の黒馬がレラの家に近づいてくる
白馬上に人の姿は見えない
あとに続く三頭の黒馬を駆るのは同じ姿の鎧の騎士達
異能都市の幻想区画から来たのだろう、機械を扱うレラとは全く逆の存在である一行がレラの家にやってくる
- 954 :レラ=バニッシュ:2013/06/01(土) 00:38:40 ID:3Z2n9vI20
- >>953
メールの返事を待ちつつ、その間本国のデータにアクセスし報告に目を通す。
余りにもやることが無くなったので仕事をする。という珍しいパターンである。
今時の人間の変身速度を見くびっていたか……とアウテリートを評価していた時、何か騒がしい事に気が付いた。
「騒がしいな……」
毛頭、迎える気は無い。
前と同じように玄関のカギは開けてあるし、そもそもドアも開いている。
勝手に入ってくるだろうとの考えだったが、普通じゃないのがあの親子だと、少女は認識している。
玄関から入っても良し、騒ぎを嗅ぎつけた少女が出てくるのを待つのも良し。
ただし、どんなに待っても少女は出て来ないので庭に回るのも在りだろう。ソファにごろんとしてるレラが見えるだろう。
- 955 :名も無き異能都市住民:2013/06/01(土) 01:02:21 ID:.6prKP66O
- >>954
馬四頭がレラハウスの前まで辿り着く
馬はそれぞれ鳴き声をあげながら騎士達の指示に従いながら停止する
三人の騎士の内、一人が白馬に駆け寄り白馬の背から小さい何かを下ろし
その間に二人の騎士は家を眺めながら談笑
不思議と四頭の馬も仲良さそうに談話している様に見えた
騎士の一人が白馬から何かを下ろし終えると二人の騎士に合流する
少しの間三人で何かを話すと一斉にレラハウスに向き直り
騎士1:「れ〜ら〜ちゃぁ〜ん!遊びましょ〜!」
騎士2:「君は完全に包囲されている!早く出てきなさい!!今なら間に合うぞ!」
騎士3:「わかる、わかるよレラちゃんの気持ち…恋する乙女ってのは難儀だよなぁ……」
白馬:「うはwwwwwwwwwおkwwwwwwwww」
黒馬1:「嗚呼、なんと美しい月夜だろう……世界はこんなにも美しいと言うのに……なんて残酷なのか……」
黒馬2:「いざ行かんッ!!友情と言う名のピリオドにッ!!恐れはいらぬぞ夜遊びッ!」
黒馬3:「みんなぁ!プロテインは食ってるかい?プロテインを食って君もレッツ筋肉♪」
三人の騎士が大きな声を上げレラを呼ぶ
果ては馬四頭も二足立ちで、あろう事か人語を解して騒ぎ立てる
- 956 :レラ=バニッシュ:2013/06/01(土) 01:16:32 ID:3Z2n9vI20
- >>955
何やら変な声が聞こえてくるのだ。
確か、上弦の連れの三騎士……もとい三馬鹿。
それに加え騒がしい白馬もいる様だ。大変悩ましい。
最近収まっていた頭痛もぶり返してきそうな勢いである。
アウテリート本人の声が聞こえないのが一番の疑問だった。
玄関を開けておけば猪の様に迷い無く入ってくるのだろうと思っていたが、声すら響かないとは。
送ったメールの件とは関係ない可能性も否定できなくは無いかもしれない。
「……なんだ、馬鹿どもが揃って」
それから数分後、ついに痺れを切らしたのかレラが姿を現した。
身につけている物はホットパンツにピタリと身体に張り付くタイプの蒼いタンクトップ。
あとは首と右ひざを固定するように巻かれた包帯のみ……そして、頭上のネコミミ・ユニット。
靴すら履かず、宙に浮いたままのお出ましである。
前述の通り彼女は非常に軽装なのに浮かんでいた。そして冷ややかな瞳で一瞥した。
- 957 :名も無き異能都市住民:2013/06/01(土) 01:34:07 ID:.6prKP66O
- >>956
レラが出てきたのを確認した騒がしい面々
レラの姿を確認した騎士や馬は足元から頭の天辺までレラを眺め
騎士1:「レラちゃんさぁ、なんで旦那や嬢ちゃんが好きそうな格好してんの?猫耳って…浮いてるし……」
騎士2:「これは中々…うむうむ……けしからんな……浮いてるけど」
騎士3:「レラちゃんの気持ちわかる…わかるぞぉ…胸以外は幼女体系だから服装だけでもセクシーにしたいんだよなぁ……浮いてるのはよくわからないけど」
白馬:「うはwwwwwwwwwおKwwwwwwwww」
黒馬1:「嗚呼、まさに月の輝く世に舞い降りた天使……馬なら良かったのに」
黒馬2:「面妖な奴!?宙に浮くとは、まさか貴公……妖の類かぁッ!!」
黒馬3:「なんだぁその貧弱な体は?ちゃんとプロテイン食ってるかぁ?胸だけじゃダメだぞぉ?」
皆思い思いにレラの服装や現状の感想を言い合う
しかし、全て共通しているのは茶化している雰囲気である
- 958 :レラ=バニッシュ:2013/06/01(土) 01:54:46 ID:3Z2n9vI20
- >>957
猫耳を手でひっつかみ、軽く触ってから手を離す。
「これか?」と言ってから視線を集中させると、触れても無いのにぽこ。ぽこ。と動いた。
まるで本物の猫耳の様な質感と動きも疑問だろうが、最もなのはレラがこれを付ける事に嫌悪感を示して居ない事である。
「それより、何の様だ」
まるでそこにソファが在るかのように。
空中に浮いたまま、虚空に背を預けるとそのまま転がり、脚で騎士を指した。
- 959 :名も無き異能都市住民:2013/06/01(土) 02:22:03 ID:.6prKP66O
- >>958
耳が動くと、騎士と馬はみんなでおぉ……っと唸る
レラがどんな考えかはわからないが、男達には受けは良さそうだ
騎士1:「おっと、そいつは酷いな……レラちゃんが嬢ちゃんと会いたいって言うから連れてきたのに……」
そう言うと騎士2が地面に転がっている何かを両手で持ち上げながらレラに見せ付ける
騎士2:「ほら、レラちゃんが死ぬほど会いたがっていたお嬢だ」
騎士2が差し出した手に持たれていたのは鼻提灯を膨らませながら、涎を垂らし、だらしない寝顔を晒した少女だった
小さな少女の髪色は美しい翡翠色
全身を白い服で包んだその姿に幼いながらも美しさを携えた顔立ち
それはレラがよく知る少女の面影がある
騎士3:「俺達はここで焚き火してるから、ゆっくり楽しんでくれよ!」
騎士1は説明する
どうやらアウテリートは上弦にわがままを言い、体が変化する薬を作ってもらったらしい
性格も知識も普段のアウテリートと変わり無いが、体は小さな少女なのですぐ眠くなるらしい……ちなみに効果はもうすぐ切れるらしいが
白馬:「っていうか、レラちゃん…ここら辺に美味しい草ない?」
- 960 :レラ=バニッシュ:2013/06/01(土) 02:46:12 ID:3Z2n9vI20
- >>959
受けの方向性を勘違いしているらしく、得意気な顔を披露する。
因みに断っておくが機械製ではない。100%天然素材であるこの猫耳は。
「……どういうことだ?」
白馬は確か上弦の所有物だった筈だ。と思い返す。
見た事が無い黒馬だったが、数から騎士達の乗り物だとすると……一人、白馬の分が足りない。
アウテリートがそこに乗って居るべきなのだろうが、見るかぎりは乗って居ない。
しかし、やはり乗っていたようだ。レラの思いがけない方法で。
「ただの暇潰しだがな」
騎士2に言葉を返しつつ、地面に転がっていた何かを眺めると、アウテリートに似ている。という事は解った。
……が、小さくて何かギャグめいたアトモスフィアの少女はサイズの関係も合ってイコールで結び付かなかったようだ。
説明を聞くと、納得はしてない物の理解はしたらしく、頷いたが……次には顔を歪め。
「なら地面に置くなよ」
と、至極正論を叩きこみつつ、アウテリート(小)に向かって手繰り寄せるようなジェスチャーをとった。
すると少女はふわりと浮きあがり、翡翠の縦ロールをを靡かせながらレラの元へと浮遊する。
そのまま緩い速度で移動していた少女はレラの傍までくると移動を止め宙に停滞した。
ここは住宅街。ゼオラが穴開けた奴とは別の。
ちょっぴり高級な土地なので緑には溢れているが住宅街なので芝生は無さそうだ。
仮に合ったとしても食べてしまうのはノーマナーかもしれない。
- 961 :名も無き異能都市住民:2013/06/01(土) 02:59:30 ID:.6prKP66O
- >>960
騎士1:「さっきまで微睡んでいたとはいえ、起きていたんだけどなぁ……」
騎士2:「本当なら寝る時間だったのに、レラちゃんからメールが来るもんだからなぁ……行くって聞かなくてさ」
騎士3:「おいおい、浮かせるのは良いけど気を付けてくれよ!嬢ちゃんに何かあったら俺達が旦那や奥方様…果てはメイドや執事達に怒られちまう」
騎士達はアワアワしながらレラとアウテリートの様子を眺めている
馬達はレラハウスの色んな所を齧っていた
騎士と馬達は、レラハウス前で焚き火する気満々であった
- 962 :レラ=バニッシュ:2013/06/01(土) 03:04:41 ID:3Z2n9vI20
- >>961
「安心しろ……僕が信用できないのか?」
腕を振り払い、静止の動作を見せつけながら。
……騎士たちは知らないだろうが中は爆弾だらけである。とてもじゃないが普通じゃない。
「チッ……フン!」
振り上げた腕を、機敏な動きで馬に翳す。
青い光が腕の軌道を添う様に発し、拡散した電撃の様に消えていく。
その瞬間、馬たちの頭に軽い痛みが走るだろう。脳髄に直接攻撃を仕掛けたのだ。情けが無い。
焚火を止める気は無いらしい。
ただ、住宅街の大通りに面した家なので大変迷惑である。
- 963 :名も無き異能都市住民:2013/06/01(土) 03:16:26 ID:.6prKP66O
- >>962
騎士達:「「「信用できないな!」」」
仲良し騎士三人は声を揃えて口を開く
三人は敵でありながらアウテリート達に世話になっているので頭が上がらない
なので必死にしつこく、気を付けろと何度も注意する
馬達:「「「「うぁべべべべッ!?」」」」
頭から煙を上げながら馬達はそこら辺に転がる
どうせ、すぐに起き上がるのだから遠慮をする必要はないだろう
騒がしい中、宙に浮いたアウテリートは涎を流しながら安らかに眠っている
- 964 :レラ=バニッシュ:2013/06/01(土) 03:29:54 ID:3Z2n9vI20
- >>963
「ふん……解っているさ」
そう言うと腕を振り直し、背を向けるとふわりと漂い屋内へ帰って行った。
アウテリートもレラに連れられで同じように引かれていった。
//そろそろ眠気が……!
//今日はここまででおねがいします……。
- 965 :名も無き異能都市住民:2013/06/01(土) 03:43:18 ID:.6prKP66O
- >>964
騎士1:「くそぅ……心配だなぁ……」
騎士2:「やはり俺達がここで待機するしかないか……」
騎士3:「とりあえず、焚き火をして落ち着こう」
白馬:「何か食うものくれよwwwwwwwww」
黒馬1:「ふ、我らは騎士の誇り高き軍馬……姫君が危機に陥れば疾風迅雷の如く駆けよう」
黒馬2:「軍馬の魂を込めた我が蹄!雷が如く刄となりて悪を滅さん!」
黒馬3:「この筋肉で、何かあったら頑張っちゃうよ!プロテインを食って元気100倍!」
やはり、心配なのか騎士と馬は落ち着きの無い様子
騎士よりも乗り物の馬の方が頼りになりそうである
//了解、お疲れさま!
//お休みなさい!
- 966 :レラ=バニッシュ:2013/06/01(土) 09:49:15 ID:Xn/bIE0c0
- >>965
【屋内】
「さて、どうしたものか……」
ふわりと漂い廊下を抜け、リビングへと回帰してきた。
そのままの流れでソファへと落ち着くとアウテリート(小)も隣に降ろして溜息をついた。
「なかなかどうして……暇潰しにはなると思ったのだがな」
子守を任された。
暇は潰れるが、どうも面倒そうではある。
一定のリズムで収縮を繰り返す鼻提灯を眺めながら、頬に手を回し軽く摘んだ。
//おはようございます!
//お返ししておきますね!!
- 967 :アウテリート(小) ◆6xc12amlNk:2013/06/01(土) 20:15:57 ID:.6prKP66O
- >>966
普段から絹のような肌を持つアウテリートであるが、少女化した事により、さらに良い触り心地になっていた
「むにゅ…お父しゃま……」
夢を見ているのか、摘まれているのが気持ち良いのか…安らかな寝顔をしている
「むむにゅ……カプッ」
不意に、レラの手を掴み口に含んだ
- 968 :レラ=バニッシュ:2013/06/01(土) 20:37:06 ID:m0Ci3Z5c0
- >>967
「父様父様と……っ!?」
指を口に含まれると、ピクリと身体を跳ねさせる。
口の中に含まれる奇妙な感覚から逃れようと指を引き抜こうとするが、顔をみて踏みとどまったようだ。
「フン……」
アウテリートの背中に手を伸ばし、身体を寄せさせた。
頭を豊かな胸のクッションに置き、後ろから手を回して指を含ませていた。
- 969 :アウテリート(小) ◆6xc12amlNk:2013/06/01(土) 20:49:57 ID:.6prKP66O
- >>968
「もごもごっ……」
美味しいのかどうなのか…レラの指を口に含むのはやめない
「むにゅ……むむむ……」
しかし、舌で指を舐めているうちに微妙な表情になって行き……そのまま噛んだ
とは言っても大して痛くないのだが……
「むにゅ…あまり美味しくありませんわ……」
多少舌足らずではあったものの、いつものアウテリートの口調で寝言を言う
- 970 :レラ=バニッシュ:2013/06/01(土) 20:59:23 ID:3Z2n9vI20
- >>969
「美味しいもそうでないもある物か……」
少し頭に来たのかムッとした表情をした。
頬の奥まで無理矢理指を突っ込むと吐き出させる。意地が悪い。
ティッシュで指を吹いてから向かい合わせるとアウテリートを眺めながら……悩んでいた。
「どうしたものか……」
- 971 :アウテリート(小) ◆6xc12amlNk:2013/06/01(土) 21:05:00 ID:.6prKP66O
- >>970
「むにゅにゅにゅ!?」
頬を押されると驚いたような声を上げ、鼻提灯がパチンッと弾ける
「ぶはぁっ!?い、一体なんですの!なんですの!?」
舌足らずだが、反応はアウテリートその物
翡翠色の髪を振り回しながら辺りを見回し
「あら?レラじゃありませんの?なんで……はっ!?まさかついに我慢できずに私の寝込みを!?」
- 972 :レラ=バニッシュ:2013/06/01(土) 21:37:24 ID:3Z2n9vI20
- >>971
「一体なんだとは僕のセリフだ。それは何だ一体」
今のサイズは同じくらいなのだろう。
レラの威圧感が増して見える。
「これがそうだと言うなら酷い話だ」
ゴミ箱に向かってティッシュを投げた。
ティッシュが紙である事を差し引いてもコースは外れていたのだが……謎の力で軌道が変わったのかゴミ箱に入りこんだ。
- 973 :アウテリート(小) ◆6xc12amlNk:2013/06/01(土) 22:14:21 ID:.6prKP66O
- >>972
「あ、あらぁ…?」
涎を拭いながら困ったような表情
しかし、レラの姿を見て何かを納得したように
「レラ、大きくなりましたわね?やはり成長期か何かですの?」
小さくて短い両手をレラの胸へと伸ばそうとするが届かない
ごみ箱に関しては恐らくレラの発明か何かかと考え、特に言及はしない
- 974 :レラ=バニッシュ:2013/06/01(土) 22:21:36 ID:3Z2n9vI20
- >>973
「……」
何故アウテリート自身が小さくなっている事に気付かない?
そう疑問を抱くと同時に、知らないのであれば説明しなければならないという事実が面倒に感じた。
元々、アウテリートの願い出で造った薬だと聞いていたが本人が気付かないとはどういうことだろうか。
「その手は降ろせ」
取りあえず、向かう先が不審だったので釘を刺しておく。
- 975 :アウテリート ◆6xc12amlNk:2013/06/01(土) 22:37:36 ID:.6prKP66O
- >>974
「いいじゃありませんの!いつもより良い感触な気がしますわ!」
必死に手を伸ばして触ろうと頑張る、やはり小さくてもアウテリート本人である
「はて?そう言えばここはどこですの?」
- 976 :レラ=バニッシュ:2013/06/01(土) 22:49:04 ID:3Z2n9vI20
- >>975
「ダメだ」
薄手の蒼タンクトップ一枚しか噛んでいないそれは、確かに何時もより柔かそうな印象を伝えるだろう。
頭上のネコミミはぴこ、ぴことうねり、威嚇の様に毛を立たせる。
レラの力でも取っ組み合いで拮抗している。珍しいパターンである。
でも多分本気を出されれば負ける。
「僕の家だ。
騒がしい騎士と馬どもがお前を運んできたぞ」
見回せば、見覚えのある殺風景な部屋。
以前より、何処となく整理がついてみえるのは最近できた同居人のお陰か。
- 977 :レラ ◆6xc12amlNk:2013/06/01(土) 23:05:31 ID:.6prKP66O
- >>976
レラに抑えられながら両手をバタバタ動かすが今一つ届かない
そこで不意にアウテリートの視界に猫耳が入る
手をバタつかせるのを止め、それをマジマジと見つめるとまたしても何に気付いたように
「はっ!?レラがあざとい猫耳を!?おのれレラ!お父様を渡しは……いや……レラはまさか私狙いですの!?」
どっちにしろレラに迷惑な勘違いをするアウテリート
一通り好き放題してからアウテリートは手をポムと叩く
「そうそう、お姫様気分を味わう為にあの三人と四頭に任せたのでしたわ!」
- 978 :虹 ◆6xc12amlNk:2013/06/01(土) 23:06:45 ID:.6prKP66O
- //名前欄凄いミスり方しちゃった
//許せサスケ……
- 979 :レラ=バニッシュ:2013/06/01(土) 23:18:20 ID:3Z2n9vI20
- >>977
「えぇい変わらん奴め!」
取っ組み合いのままレラの目が一瞬だけ見開かれる。
するとアウテリートの身体が浮かび上がり、レラに押し出されソファーから突き落とした!
「小さくなって可愛げがあると思ったらコレだ……」
ソファの上から見下ろしながら、ゆったりと脚を組んだ。
「あぁ、お転婆姫、やっと思い出したか」
やれやれ。と言った様子である。
大きく溜め息を付いて肩を竦めた。
//アイツはもう許した!
- 980 :アウテリート ◆6xc12amlNk:2013/06/01(土) 23:32:19 ID:.6prKP66O
- >>979
ソファから転げ落ち、床に座り込む形になる
「もう!乱暴はいけませんわよ、ソレに私はいつだって可愛いですわ!」
座り込んだままプンスカと頭からマンガチックな煙を出しながら
「そう、私はお姫様ですわよね!可愛い!美しい!そう!!レラがどうしても会いたがっていたお姫様ですわ!!」
ちんちくりんなまま、いつもの様なお嬢様ポーズをして高笑いを上げる
- 981 :レラ=バニッシュ:2013/06/01(土) 23:42:49 ID:3Z2n9vI20
- >>980
「……ああ、そうだな」
アウテリートがコレなのは何時もの事だし、
今回、アプローチを仕掛けたのは自分からなので、会いたくない訳では無かった。
故に、否定せず、隣のソファーを叩きながらもう一度口を開いた。
「まぁ、座れ」
- 982 :アウテリート(小) ◆6xc12amlNk:2013/06/01(土) 23:52:25 ID:.6prKP66O
- >>981
「あらあらぁ?素直ですわねぇ?いつもそうなら私がもっと可愛がってあげますのに……」
ふんすとドヤ顔をしてそう言うと、ピョインッとジャンプしてレラの隣に座る
「それで?私に何かご用ですの?ん〜……?」
小さいながらも美しさを備えた少女、アウテリート(小)は挑発的な視線を送りながらそう尋ね
- 983 :レラ=バニッシュ:2013/06/02(日) 00:08:03 ID:3Z2n9vI20
- >>982
「……黙れ」
確かに普段より素直だが、やっぱり基本は刺々しいままである。
身体を横に倒し、ソファの肘置きに頭を預け仰向けになってアウテリートの方を向く。
「別に、な。
暇が紛れれば良いかと呼んだだけだ」
そのまま手を後頭部へと持って行き、組み上げる。
薄布一枚だけに覆われた胸ヤバイ。横乳ヤバイ。
「何か無いか?」
- 984 :アウテリート ◆6xc12amlNk:2013/06/02(日) 00:13:44 ID:.6prKP66O
- >>983
「あらあら、ツンデレですわね!おほほほほ!」
レラがどんな態度を取ろうとアウテリートは基本的には変わらず
「暇つぶしねぇ……」
小さいアウテリートは何かを考えるように唸り、レラの全身を眺める
レラの格好を見ながら何かを閃いたように
「……揉みましょう!」
清々しい笑顔でそう言い放つ
- 985 :レラ=バニッシュ:2013/06/02(日) 00:20:26 ID:3Z2n9vI20
- >>984
無言のまま左腕をアウテリートに向け、腕に力を込めた。
一瞬ピンと腕を張らせた瞬間、ほんの小さな衝撃が起こりアウテリートのデコを叩く。
「馬鹿か」
右手は隠すつもりなのか胸の上に置かれた。
僅かな重みで僅かに沈む。質感ヤバイ。
「んー……」
しかし、今日のレラは何処となく上の空めいた雰囲気だ。
肘置きに頭を預け、天井を眺めている……。
- 986 :アウテリート(小) ◆6xc12amlNk:2013/06/02(日) 00:26:45 ID:.6prKP66O
- >>985
「にょふっ!?……つぅ〜……全く、そんなエロスーツ着てるくせにつれないですわね……」
デコを撫でながら膨れっ面をして、レラをじっと見て
「どうしたんですの、レラ……私の可愛さにやられましたの?」
- 987 :レラ=バニッシュ:2013/06/02(日) 00:33:11 ID:3Z2n9vI20
- >>986
「誰がエロスーツだ馬鹿めが……」
実際ヤバイ。
軽く身体を起こし反論に掛るが、その際にも揺れる揺れる。
しかし、すぐにぽふっと寝転がってしまう。
「んー。そうだなぁ……」
包帯の上から首を抑えると、うわ言の様に。
実際、年中暇ならアウテリートは毎日レラの家の中。という訳ではない。
きっと、それ以外の何かがあるのだろう。
- 988 :アウテリート(小) ◆6xc12amlNk:2013/06/02(日) 00:42:35 ID:.6prKP66O
- >>987
「実際いやらしい服装ですわよね!猫耳といい、何を狙ってるんですの」
笑いながらペチペチとレラを叩き
「全くレラはいつも自分から話しませんわねぇ……素直に私に会いたいって言っていいんですわよ?」
- 989 :レラ=バニッシュ:2013/06/02(日) 00:47:12 ID:3Z2n9vI20
- >>988
「これも、これも。
確りと理由が合って着てるし付けてるんだ。
……お前の様なのと一緒にしないでくれ」
つるつるした表面の身体にぴったり張り付いたタンクトップを強調するように引っ張りながら、猫耳はひよひよと揺らぐ。
……一体何が違うと言うのだろうか?
「理由なら話しただろ。暇だからだ。」
確かに、暇そうではある。何となくいつも以上に。
「少なくともお前に会いたかったわけではない」
- 990 :アウテリート(小) ◆6xc12amlNk:2013/06/02(日) 00:58:09 ID:.6prKP66O
- >>989
「いや!間違いなく受け狙いですわ!間違いないってお前みたいなってなんですのよ!私ほどの淑女はいないといいますのに……」
ペチペチとレラのお腹辺りを平手で叩く、服の質感的に良い音が出るだろう
「じゃあ、騎士達を呼びましょうか?少なくとも賑やかにはなりましてよ?」
- 991 :レラ=バニッシュ:2013/06/02(日) 01:05:31 ID:3Z2n9vI20
- >>990
「少なくとも僕はそうじゃない」
つまり僕以外は受け狙いの可能性がありますね。ごめんなさい。
「自分で言う内はたかが知れてるぞ。少しはまともな服に着替えたらどうだ」
「あとやめろ、痛い。痛いだろ」
お腹を押さえて蹲ってガード。
「えぇ……っ。
えぇ……っ」
なんか微妙な顔。
- 992 :アウテリート(小) ◆6xc12amlNk:2013/06/02(日) 01:23:37 ID:.6prKP66O
- >>991
「やっぱり他の人にはいやらしく映るんじゃありませんの!」
ふんすふんすと勝ち誇りながらそう言うが
「私の服は可愛いですわよ!可愛さ!可憐さ!美しさ!妖艶さ!過ごしやすさ!なんでもありますわ!」
ちなみにアウテリート(小)の服装はいつものアウテリート服と同じデザインである
「もう、人の服装をバカにしたり、案に微妙な反応したり!わがままですわね!!」
- 993 :レラ=バニッシュ:2013/06/02(日) 01:30:25 ID:3Z2n9vI20
- >>992
アウテリートの言葉に一瞬にして真っ赤に染まる顔。
「だっ、……なんだっていいだろ!?」
両腕で身体を隠しアウテリートから逃げる様にソファの端に寄っていく。
普段周りを気にしないレラではあるが、流石にアウトと判断したか。初々しい反応である。
「これが、これがか!」
反撃に転じたのかアウテリートの太腿をペチペチ叩く。
「これがまともな服か!」
「フン……何と言おうと僕は天才だからな。
アウテリート、お前には僕を楽しませる必要がある」
- 994 :アウテリート(小) ◆6xc12amlNk:2013/06/02(日) 01:41:11 ID:.6prKP66O
- >>993
「よくありませんわ!どう考えたってレラじゃなくてエロですわエロ!」
レラと似たような発音でエロと連呼しまくる小さいアウテリート
しかしレラだって負けずにアウテリートを攻撃
「今時絶対領域ぐらい誰だって作ってますわよ!それに見なさいな!この可愛らしさ!!まともと言わずになんといいますの!?」
ミニスカートにサイハイソックス……腋丸出しノースリーブ
白い服はネクタイで隠れて分かり難いが、胸の下からヘソまで一筋のライン、緑スケルトン仕様
それを見せ付けながらドヤ顔をする
「騎士達もお父様も似合うと言ってくれてますわ!ちょうどいいですわ!騎士達を呼びますわ!暇なのでしょう!?」
- 995 :レラ=バニッシュ:2013/06/02(日) 01:45:54 ID:3Z2n9vI20
- >>994
「やめろよ!
接点が特に無いだろ!」
ただ単に二文字なだけである。
そしてこの争い。ビジュアルも含めて小学生感が凄い。
「お前だって大概じゃないか!」
飛びかかり掴みかかればスケルトン部分を指さし突き刺し。
「じゃあ呼びたければ呼べばいいだろう!? なんだってしろ!」
ちょっと煽られてヤケクソになってる。
- 996 :アウテリート(小) ◆6xc12amlNk:2013/06/02(日) 01:58:41 ID:.6prKP66O
- >>995
「うるさいですわ!えーろえーろ!……きゃっ!?んんぅ……こら!やめなさいな!!」
レラが飛び掛かったらただの子供のじゃれあいである
子供なのに格好は子供っぽくない二人であった
「じゃあ!呼びますわよ!?白黒はっきり着けようじゃありませんの!!」
- 997 :レラ=バニッシュ:2013/06/02(日) 02:14:48 ID:3Z2n9vI20
- >>996
「呼べ、呼べよ!!」
抵抗を封じる為に馬乗りになって両手を上げさせた状態で抑えつける。
必死な表情で叫びながら騎士たちの登場を促すのだった。
場面的に最悪である。
- 998 :アウテリート(小) ◆6xc12amlNk:2013/06/02(日) 02:34:09 ID:.6prKP66O
- >>997
「あっちょっと乱暴はいけませんわよ!もう!ダニエル!ジョニー!マイケル!!助けてくださいな!!」
呼べと言われたら呼ばざるを得ない……呼んだらまず、騎士達にレラを退けてもらおうと考えていたが……
騎士達を呼んでたった数瞬の事だった……
突如として部屋の壁が粉砕され美しい光彩と共に白馬が突っ込んでくる
真っ白なたてがみは焔の様に揺れ……そこらの魔獣であれば一瞬でひれ伏す程の威圧感と神々しさ放つ
続いて黒馬達もガラスを突き破りながら部屋に乱入し、その黒い体躯は先程見た時と打って変わり、悪夢の様な漆黒を携えていた
白馬:「……」
黒馬1:「自ら黄泉の門を叩くか月夜の天使よ……」
黒馬2:「そうはさせぬぞ妖め!いざ!正義の蹄で悪を滅さん!!」
黒馬3:「筋肉ッ!筋肉ッ!パワーッ!マッソォウッ!!」
まさに最悪の場面……馬四頭はとてつもない威圧感を放ちレラを見据える……動物特有の殺気を放ちながら
ちなみに、三騎士は遅れて肉や野菜の付いた串を持って登場した、バーベキュー中だったみたいだ
- 999 :レラ=バニッシュ:2013/06/02(日) 02:44:47 ID:3Z2n9vI20
- >>998
「ぉおぃ!?」
さり気無く破壊された壁に驚きを隠せない。
発音とニュアンス的には投げスカリボイスな感じ。
「……っ」
馬四匹と相対し、荘厳さ極まりない雰囲気と体躯の大きさに息を呑む。
ここで潰される訳には行かない。ととっさにとった行動が。
「……コイツがどうなってもいいのか!?」
人質である。
アウテリートを浮かばせると、身体の動きを封じる。
そして手を差し向けて「それ以上近づくな」と威嚇しながら全員を眺めた。
//うにゅ、そろそろねむいです……。すいません、ここまででお願いします。
- 1000 :アウテリート(小) ◆6xc12amlNk:2013/06/02(日) 03:05:11 ID:.6prKP66O
- >>999
「あら?あらあら?なんだか訳の分からない事になってしまいましたわ……」
でも楽しそうだから放っておこうと浮かびながら考えて
騎士1:「おいおいおい、レラちゃんが人質を取ったぞ?モグモグ」
騎士2:「俺達じゃ勝てないしなぁ……モグモグ」
騎士3:「嬢ちゃん楽しんでるだろあれ、モグモグ」
やはり三騎士は頼りにならない、適当に座って肉を食っている
白馬:「うはwwwwwwwwマジヤバいっしょwwwwwwwwヤバいっしょwwwwwwww」
黒馬1:「我々光闇の軍馬と対を成そうとは愚かなり月夜の天使よ」
黒馬2:「おのれゲスめッ!妖魔の悪しき魂!この蹄で塵へと還さんッ!!」
黒馬3:「筋肉は力だけじゃないッ!速度ッ!精密さッ!そしてパウワァァァァッ!!」
そして馬達はやる気満々である……人質を取られているのですぐには飛び掛かって来ないが、退くつもりは毛頭無いようだ
//了解でござる!
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