■掲示板に戻る■ ■過去ログ倉庫一覧■
【日常α】異能都市、夏を迎える【17回目】- 1 :名も無き異能都市住民:2012/05/25(金) 23:32:31 ID:do5XJmGE0
- ≪ルールとか≫
・基本age進行で
・コテもコテ無しもどんどん来い
・レスの最初に自分のいる場所を明記してくれるとやりやすいです
・イベントを起こしたい場合は空いているイベントスレをお使い下さい
・多人数へのレスは可能な限り纏めて行うようにしましょう
・無意味な連投・一行投稿はできるだけ控えるよう心がけてください
・戦闘可能ですが、長引く場合や大規模戦闘に発展した場合はイベントスレへ移動してください
・戦闘が起きた場合、戦闘に参加したくない人を無理に巻き込むことはやめましょう
・次スレは>>950を踏んだ人にお願いします
前スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12841/1328455238/
- 2 :名も無き異能都市住民:2012/05/28(月) 00:41:35 ID:SSMHlh/20
-
『ギッ――。』
短い断末魔と共に、路地の石畳を鮮血が濡らす。
首を一刀のもと断ち切られた哀れな犠牲者が既に物言わぬ肉塊となった
もう一人の上に、なかば放り出すようにして捨て置かれる。
――犠牲者は若い男女。共に獣人であった。
「…………。」
彼らを害したのは、殆んど襤褸の様な黒いローブに身を包んだ5人。
得物である刀剣についた血を拭い、それを鞘に収めると何事も無かったかのように
ゆっくりと大通りへと向けて歩き出す。
- 3 :馬霧 真琴:2012/05/28(月) 00:58:52 ID:do5XJmGE0
- 「ふーん……」
殺られたのは人外であろう。
今世間を騒がせている人外狩りだろう。
「…ま、いっか。」
んん〜と鼻歌を刻みながら、コンビニの袋を持ち、移動する退魔一人。
だが、この血の具合から殺されてそう時間が立っていないのは見て取れる。
鼻を刺激する慣れた香り。
「(ま、一応、自衛の準備はしておくか。)」
ポケットに手を突っ込み、飛び出しナイフの感触を確かめて。
- 4 :シュヴァルティア・リントヴルム:2012/05/28(月) 20:57:14 ID:dL8H4NjE0
- 『…………主よ』
「……?」
人気の少ない公園。
水色のツインテールに紅の瞳を持つ少女が一人、ベンチに座っていた。
先ほどの会話からわかる通り、実際には一人ではないのだが、
その片方は声が聞こえるだけで、少女以外からは見ることも触れることもできないようになっている。
『この都市に来た目的は何だ?』
「…………」
問いかけられるが、少女は何の反応も見せない。
もう片方の声も近く来てやっと聞こえる程度なので、少し遠くから見たら少女が一人で
ベンチに座っているようにしか見えないだろう。
- 5 :清白水命:2012/05/28(月) 21:10:46 ID:IrsgDsYs0
- >>4
「私も耳に痛い質問に聞こえますよ」
近付いてくる少年は涼しげな色の狩衣を着ている
短く切られた髪は白に近い水色。同じ色をした瞳はどこか昏い
「失礼、立ち聞きするつもりはありませんでした。」
年相応のボーイソプラノ。背中には体格に不釣り合いな弓がくくりつけてあるが、矢は一本も持ってはいないようである。
「私の名はキヨシラミズノミコト。うざったければ好きなように呼んでくれて構いません」
どうせ有って無いような名前ですから。
最後にそう付け加えた。
- 6 :シュヴァルティア・リントヴルム:2012/05/28(月) 21:18:50 ID:dL8H4NjE0
- >>5
『む……?』
「…………?」
声の方向に顔を向ける。
当たり前ではあるが、見知らぬ顔だ。
『その姿から見るに狩人か?貴様』
少し警戒している感じの厳格そうな低めの声が聞こえる。
- 7 :じお:2012/05/28(月) 21:28:12 ID:IrsgDsYs0
- >>6
警戒に満ちた視線。
それを向けられても仕方のない格好だが。
「御安心を。今はただの浮遊霊ですから。実体は有りますが。」
ニコリ、どこか引きつった笑顔を向ける。
「こんな格好ですが、普段着です。警戒なさらず。」
………………少し引きつった笑顔のまま近付いてゆく。
- 8 :シュヴァルティア・リントヴルム:2012/05/28(月) 21:38:10 ID:dL8H4NjE0
- >>7
『随分と人間らしい浮遊霊もいたものだな』
霊ということには大して興味がないのか、無関心な様子だ。
『そんな不自然な笑顔で近づかれて警戒するなと言われてもな』
『まあいい。変なマネをしたら魂ごと消されると思え』
「…………」
どこからともなく響く声との会話をよそに、少女はただ何も言わずに座っている。
話す気がないのだろうか。
- 9 :清白水命:2012/05/28(月) 21:48:07 ID:IrsgDsYs0
- >>8
「ああ、すみません。」
引きつった笑顔を仕舞い込むと、形容しようがない無表情が現れる。
「死に至る病、というやつですよ。」
何の脈絡もなく引きつった笑顔に対する言い訳をする。
キェルケゴールを少しかじったことがあるようだ。
「あれ、声の出所が…?」
少し違和感を感じるが、その理由を詳しくは解らないようである。
- 10 :シュヴァルティア・リントヴルム:2012/05/28(月) 21:54:10 ID:dL8H4NjE0
- >>9
『何があったのかは深く聞くまい。興味もない』
相変わらずの無愛想。
『今ごろ気づいたのか。我は声こそ聞こえるが今は見えも触れもできんよ』
『姿をさらすこともできなくはないがな』
と、そこで少女が自分の右隣を指す。
そこに居る、ということなのだろうか。
- 11 :清白水命:2012/05/28(月) 22:08:54 ID:IrsgDsYs0
- >>10
「正直、情けない話です。」
その視線は少女の指し示す空間に向けられている。
「ふむ…」
目に見えない空気中の微細な水滴をいくつか、その辺に飛び回させる。
しかし、何にもぶつからなかった。
「ああ、物理的な実体が無いのですか。いや、むしろ私の居たところでは実体の有る方が少数派でしたが。」
少し顔が明るくなるが、瞳の奥に何かどよどよとしたものがある。
- 12 :シュヴァルティア・リントヴルム:2012/05/28(月) 22:14:16 ID:dL8H4NjE0
- >>11
『そういうことだ、正確には違うのだがな』
『話したいことがそれだけなら、もう帰らせてもらうぞ』
その言葉とともに、今度はベンチに座っていたはずの少女すら消え去った。
//今日これ以上続けられそうにないんですいませんが落ちます
- 13 :清白水命:2012/05/28(月) 22:18:39 ID:IrsgDsYs0
- >>12
//乙かれさまでした。
「おーすごい、消えた消えた〜」
そうひとりごちると、清白水命自身も霧となって消え去った…
…りはできず、のんびりと散歩を再開した。
- 14 :ヴァージニア:2012/05/28(月) 22:45:56 ID:Qd8hlgrg0
- 夜もだいぶ暖かい季節となってきた。
未だに冬物のコートを着ているヴァージニアは、気温の変化というものが感じられなかった。
恒温動物には生存の為に体温を調節する機構が備わっているのだが、
吸血鬼というものは、あまりそのあたりを気にする必要はないらしい。
不死の呪縛は、ありとあらゆる感覚すらも奪う。
今日は血液を仕入れに、以前のショップを訪れていた。
複数個のパックを鞄にしまうと、急ぎ足で家に向かおうとする。
物騒な世の中だ。特に人外には生きにくい社会となってしまった。
- 15 :名も無き異能都市住民:2012/05/28(月) 22:53:01 ID:SSMHlh/20
- >>14
いつのまにか、人通りの少ない通りへと差し掛かってしまったらしく
街灯の明かりだけが、アスファルトとコンクリートを無機質に照らしている。
――ザリッ。
背後で、光の届かない路地裏の奥で。
何かが一瞬、蠢いた気がした。
- 16 :ヴァージニア:2012/05/28(月) 23:09:28 ID:Qd8hlgrg0
- >>15
「…!」
僅かな音に反応し、腿のホルスターから銃を引き抜くと、
不穏を感じる方向へと銃口を向けた。
気配からして、それが友好的なものではない。
もしかしたら件の人外狩りの可能性も考えられる。
- 17 :名も無き異能都市住民:2012/05/28(月) 23:23:11 ID:SSMHlh/20
- >>16
闇の中からゆっくりと歩み出てくるのはローブを眼深に被った人物。
以前、ヴァージニアを襲撃した集団の者と同じ装束であることから、
巷を騒がせている『人外狩り』である事は間違いない。
「……穢れた血は絶やさなければならぬ。」
男の物と思われる、しわがれた声。
ゆっくりと鞘から引き抜かれる刃が、街灯でぎらりと光った。
- 18 :ヴァージニア:2012/05/28(月) 23:39:22 ID:Qd8hlgrg0
- >>17
「やっと……」
彼女の奥底に眠る、吸血鬼の本性が前面に押し出される。
今まで見たこともないような、邪悪な笑みを浮かべる。
「やっと、あの時の仕返しができる……」
不気味に赤く光る眼を、人外狩りにしっかり向けて、照準を合わせる。
躊躇することなくトリガーを引く。
- 19 :名も無き異能都市住民:2012/05/28(月) 23:52:16 ID:SSMHlh/20
- >>18
「…………。」
甲高い金属音、発光、火花……。
放たれた銃弾は、刀剣によって切り落とされた。
しかし、敵はそこから一息に反撃に転じようとせず剣を構えてじり、と距離を詰めるのみ。
警戒しているのか――。
――ザリッ!!
別方向から、踏み込み音。
「――ィェアッ!!!!」
気合と共に、大上段から振り下ろされる白刃。
やつは警戒しているのではない。仲間の攻撃を待っていたのだ。
そう、奴らは『個』ではなく『チーム』で狩をする……。
- 20 :ヴァージニア:2012/05/29(火) 00:00:56 ID:Qd8hlgrg0
- >>19
「ふーん。銃弾を斬り落とすことができるんだ。
だったら、これは防げる?」
ヴァージニアはやや下向きに銃口を向けて、連続で発砲する。
狙っているのは人外狩り本体ではなく、その人物の持っている影だ。
これは彼女の『影を攻撃対象として選択できる』能力だ。
しかし、目先の人物に集中しすぎてしまった。
本来、戦闘が得意ではないヴァージニアは、複数の殺気を捉えることができない。
結果として、別方向から振るわれた刃に気付かず。
「ッ…!?」
斬撃をもろに受け、鮮血が周囲に迸る。
- 21 :名も無き異能都市住民:2012/05/29(火) 00:14:34 ID:SSMHlh/20
- >>20
正面の敵はただならぬ気配を感じ取ったのか、
咄嗟に横へと身を転がし、地域のゴミが一緒くたにぶち込まれた
ブリキ製の大型ゴミ箱の影へと、飛び込む。
しかし、体のどこかに被弾したようでかすかにではあるがくぐもった声が聞こえた。
「……シィッ!!」
問題は、続けざまに叩き込まれる斬撃。
襲い掛かってきた敵は、一人ではないようで、前後から無数の斬撃が
ヴァージニアを襲う。
さらにマズいことに、ヴァージニアは斬撃をもろに受けてしまった。
切り口から、無数の退魔術式が一気に体内に流し込まれ、まるで体内の血管と言う血管で、
棘の生えた虫かなにかが一斉にのたうつような、おぞましい痛みが駆け巡るだろう。
- 22 :ヴァージニア:2012/05/29(火) 00:23:24 ID:Qd8hlgrg0
- >>21
「群れなきゃ、私一人も倒せないの?」
傷口から迸る血液が、次第に形を変えていく。
それは、無数の蝙蝠となって、ヴァージニアの周囲を埋め尽くす。
残存魔力量の問題ゆえ、複数の蝙蝠を具現させる場合、一時的にしか扱うことはできないが、目晦ましの効果は十分だった。
蝙蝠たちが次々と消失していく中で、彼女はその姿を消していた。
存在度数を極限まで低くした、陰術を使用した。これで、人外狩りの一人の背後に周り、手刀で胸を貫こうとする。
「……楽しい、とても」
興奮による快楽物質の分泌により、痛みをあまり感じていないようだった。
しかし、ダメージはきちんと通っているし、再生力も一時的に低下させられているようだ。
- 23 :名も無き異能都市住民:2012/05/29(火) 00:35:36 ID:SSMHlh/20
- >>22
敵の振るう得物には、退魔術式以外にも
魔法に対する効果を持つ術式があるようでその効果ゆえに、
一度剣が振るわれると、多くの蝙蝠が消え去ってしまい効果時間は予想以上に短かった。
「…………。」
手刀が、敵を貫かんとしたとき、
六角の青白い障壁が展開されそれを受け止める。
――防御術式だ。
「……くあッ!!!」
左右より、二人。
陰術により存在を認識しづらいはずのヴァージニアに打ちかかる。
それも、例の障壁の展開で大まかないちを掴んだ、というだけでは説明できない正確さで。
恐らく敵は人外探知の魔術を用いているのだろう。
そうでなければ、陰術の効果中にこれほど正確な攻撃はできまい。
推測ではあるが、この術式を応用し人外と人間を見分けているのではないだろうか。
- 24 :ヴァージニア:2012/05/29(火) 00:44:51 ID:Qd8hlgrg0
- >>23
「何なの、こいつらは……!」
彼等は人外を狩るエキスパート。
だからこそ、吸血鬼等の性質は知っているし、十分に対策も打っている。
現に能力を使った一発を除いて、他の攻撃は全て無効化ないし回避されている。
左右から来る攻撃を、前転で無理な姿勢のまま回避する。
「殺す、絶対に殺す……!」
ぎりぎりと奥歯を噛みしめながら、普段彼女が使うことのない言葉で罵る。
影を攻撃対象とする能力の、第二段階を発動させる。
これは、影から影に攻撃対象を行うことができる能力だ。
銃口を人外狩りに向け、連発して引き金を引く。高低差を無視した銃撃が、彼等に迫る。
- 25 :名も無き異能都市住民:2012/05/29(火) 01:17:33 ID:SSMHlh/20
- >>24
「小賢しい呪いの術だ。各々、気をつけろ。」
先ほど、ヴァージニアの影への銃撃を喰らったと思われる男の声。
それを聞き、敵はその場で陣形を組み先ほどの『障壁』を一斉に展開する。
ヴァージニアの攻撃を見極めるべく、あえて『受け』へと回ったのだ。
弾丸自体は、障壁に容易く受け止められる。
しかし、伸びた影へと弾丸の影が着弾。陣を組んだ敵は3人だが、
その中の2人が呻き声をあげ、よろめいた。
「……これは。」
相対する敵の一人が少し驚いたような声を漏らす。
敵は変則的なヴァージニアの攻撃を未だ掴むに至らないようで、
牽制か、ヴァージニアに対して剣を向けつつ何か呪詛のようなものを唱え始めた。
- 26 :ヴァージニア:2012/05/29(火) 01:29:56 ID:Qd8hlgrg0
- >>25
自分が有利な状況にいることを確信すると、彼女も魔術式の展開を開始する。
下級の風属性による魔術で、威力は極端に低いがその詠唱速度は素早い。
これは相手の呪詛の式に割り込み、突風で紡いだ言葉を吹き飛ばすことで呪言に綻びを生じさせ、詠唱妨害を行うものだ。
「アンタたちと同じように、少しはシミュレートしてるから」
隠し持っていたナイフをくるりと一回転してしっかり握りこみ、相対する敵の一人に目がけて飛びかかった。
狙いは首。描き切って息の根を止めるつもりだ。
- 27 :名も無き異能都市住民:2012/05/29(火) 01:33:04 ID:SSMHlh/20
- >>26
しかし、敵の術式は突風を物ともせず完成する。
無音であっても、詠唱が完成する類の術か。
――パシュッ
眩い閃光が一瞬、走ったかと思えば……。
敵の姿が、掻き消えている。どこへ――?
- 28 :ヴァージニア:2012/05/29(火) 01:40:37 ID:Qd8hlgrg0
- >>27
「…チィッ!」
手を翳して、強烈な光を遮る。
詠唱妨害は成功してなかったようだった。
「……どこに消えた?」
周囲に目配りして、敵の姿を探している。
しかし、集団が一瞬で消えたと言うことは、逃走したのだろうか。
- 29 :名も無き異能都市住民:2012/05/29(火) 01:47:46 ID:SSMHlh/20
- >>28
視覚、聴覚、そして吸血鬼の感覚を持ってしても、
敵の居場所をつかむ事はできない。
敵たちは、自分が不利と悟るや一瞬で撤退を判断し、逃げ出したのだ。
人員に限りある『闇祓騎士団』は、古くからの騎士道精神よりも、
こうした戦略的、合理的判断を好む傾向があるようだ。
- 30 :ヴァージニア:2012/05/29(火) 01:55:39 ID:Qd8hlgrg0
- >>29
「完全に、消えた……」
敵が完全に居なくなったことを確認すると、彼女の瞳から赤光は消えていた。
感情の高ぶりが治まり、痛みが戻ってきたので、彼女は辛そうな表情を浮かべる。
「死ぬかと、思った……」
吸血鬼の持つ本性は心の奥底に隠れ、素のヴァージニアが戻ってきた。
恐怖が心を支配する、情緒が安定しない年頃なので、目もとに涙を浮かべている。
殺されるかもしれない、という恐怖と共に、自分自身に眠る得体のしれない感情もまた怖いと感じた。
ヒトを殺すことに何の躊躇も持たなかった。それがまた彼女を怯えさせる要因となってしまっていた。
- 31 :神無 鏡華:2012/05/29(火) 23:10:13 ID:dL8H4NjE0
- 人気のすくない広大な空き地。
「うわぁっ!?」
突如、そこにかなり大きい爆発音が鳴り響く。
土の地面は深く抉られ、クレーターが空き地につくられる。
幸いにして怪我人は一人を除いていないようだが、その轟音はかなり遠方まで響き渡った。
「ああ痛いなもう……全身血だらけだよ。服が……」
爆発をもろに食らったただ一人の怪我人にして、爆発の元凶である少女がつぶやく。
爆発でぼろぼろになった服は血で真っ赤に染まり、あたりには小さい肉片が飛び散っている。
「これじゃ死神じゃなくてゾンビじゃないか。全く……」
死んでいない方がおかしいような重傷を負いながら、鏡華は平然とそう言った。
- 32 :八代真人:2012/05/29(火) 23:28:02 ID:1sJsd2CgO
- >>31
「……爆発? 戦闘でもあったのか」
恐る恐る、クレーターを覗き込みながら八代真人は呟く。
さきの轟音と現状から鑑みれば、何が起きたかは分かる。
飛び散った小肉片、鉄のような臭いが煤けた空気に混じっているような気がした。
「ん、何かある……よく見えないな」
眼鏡に手をかけ、少し外す。
遠くにピントを合わせるため。
たった一人の怪我人を見るために。
- 33 :神無 鏡華:2012/05/29(火) 23:38:12 ID:dL8H4NjE0
- >>32
「一応スペアはあるけど……血が止まるまで待つか」
服を脱ぎ捨て、回復魔法を発動する。
鏡華は回復系統の魔法が不得意中の不得意なので、血が止まるとしても10分は必要だろうが。
「あーあ、腕とお腹が抉れてるし、面倒だなあ全く」
ピントが合い、クレーターの中心に目を向けたなら、
そこには中学生かそこらの紫色の髪を持つほぼ全裸の少女がいるだろう。
ただし、体の所々が抉れ、骨のようなものなども見えているので、どうやっても吐き気しか催さないだろうが。
- 34 :八代真人:2012/05/29(火) 23:51:45 ID:1sJsd2CgO
- >>33
「――っ!?」
背筋が強張り、肝が冷えた。
思わず凝視してしまう。
(少女の死体? この爆発で?
いや、それにしては……)
真人は感じた妙な違和感を確かめるべく、咳払い一つ。
「そこのキミ! 聞こえるか! 聞こえたら頷いてくれ!」
大きく声を張り上げてみる。
あれでも軽傷の部類、という場合が無きにしも非ずなのだ、この都市は。
- 35 :神無 鏡華:2012/05/30(水) 00:00:43 ID:dL8H4NjE0
- >>34
「……ん?」
突然呼ばれて、少し面倒くさそうに声の方向に顔を向ける。
頷きはしていないものの、平然と体を動かしているので死んでいないということはわかるだろう。
「ああ、こんな爆発だし人が来てもおかしくないか」
「この格好は人間には少しショッキングかな?まあどうでもいいか」
惨死体もかくやといった格好で八代の方へ近づく。
姿が姿なのですぐには分からないだろうが、血に塗れた少女の顔は以前一度みたことがあるはずだ。
- 36 :八代真人:2012/05/30(水) 00:17:18 ID:1sJsd2CgO
- >>35
(おっ、生きてる)
首が動いて安心し。
(……て、ちょいちょいちょいっ!?)
平然と近付いてくる事に慌てて。
互いに顔に見覚えがある。
とはいえ、火災の中で一度だけ。
一方は半身損壊のていで、印象がかなり異なるが。
こちらの男は眼鏡の有無程度だ、誤差の範疇だろう。
「あぁ、えと……こりゃまたずいぶんと……。
大丈夫そうに、見え……なくもなくない、というか……」
だいぶしどろもどろだ。
多少引きつった顔で、乾いた笑いを零していた。
- 37 :神無 鏡華:2012/05/30(水) 00:29:28 ID:dL8H4NjE0
- >>36
「そんなにあわてなくてもいいんじゃないかい?」
呆れながらもう数歩近づき、
「ん?……見覚えあると思ったら火事のときの」
そこでやっと一度見た顔だということに気が付く。
「やっぱりこの姿は色々と危なそうだね」
「あと数分たてばとりあえず大体は治るだろうから、まあ我慢してほしいな」
かなりの無茶ぶりであることには気づいていない。
だが実際、欠けた肉の部分は少しずつ元通りになっている。
鏡華の言葉通り、あと数分もすればおおかたの傷は治るだろう。
「安心しなよ、全身が細切れになろうが死なないから」
痛みはあるけど、これぐらいは許容範囲さ、と少し不気味に笑いながら付け足す。
- 38 :八代真人:2012/05/30(水) 01:07:03 ID:1sJsd2CgO
- >>37
「火事の時のって……あー、あの魔術師。
……その身体、魔術でどうにかならないのかい」
服も含め、身体の欠損も、と。
話しぶりからして魔術に疎いことは容易に分かるだろう。
「確かに、死にはしなさそうだけどな……。
どうして、こんな状態になってるのさ」
爆発のクレーターを指差して、尋ねる。
- 39 :神無 鏡華:2012/05/30(水) 01:17:51 ID:dL8H4NjE0
- >>38
「どうにかしてる最中だよ、見えないだろうけど治癒魔法を発動してる」
「服に関してはもう少し待って欲しいね、血が止まらなかったらまた血塗れになるし」
羞恥心というものが欠落しているのか、体を隠すことさえしない。
「これかい?少し新しい魔術の研究をしてたんだよ」
「箱庭で何回か試して、安定してきたからこっちで最後に調整しようとしたらこれさ。
向こうと違ってこっちはいろいろと不安定だからね、まあときどきあるんだ」
口ぶりから察するに、過去に何回か同じ経験をしたことがあるようだ。
鏡華にとってこの爆発は、マンガでよくあるような実験の失敗での爆発のようなものなのかもしれない。
- 40 :八代真人:2012/05/30(水) 08:40:38 ID:1sJsd2CgO
- >>39
「ときどき、こう、ね。
魔術ってのは便利なんだか不便なんだか……
とにかくこの状況はその“失敗”のせいなんだな?」
目が届く範囲で他に負傷者は見当たらない。
他に懸念するような事は無い。はず。
「ああ、そうだ。この辺りに神社って見なかったか?」
思い出したように言う。
手元には『神出鬼没の神社百選』と題されたハンドブック。
- 41 :神無 鏡華:2012/05/30(水) 20:48:25 ID:dL8H4NjE0
- >>40
「何事にも長所と短所がある。便利な時も不便な時もある、それだけだよ」
「ボク以外に怪我したのはいないはずだよ、わざわざ人気の少ない場所でやったんだし」
それ以外で気にすることと言えば、せいぜい空き地の地形が変化したことぐらいだろう。
「神社?知らないよそんなの」
「というか、なんだいその胡散臭そうな本」
訝しげに八代の持っているハンドブックを見る。
- 42 :八代真人:2012/05/30(水) 22:32:21 ID:1sJsd2CgO
- >>41
「やっぱり無いんだな……」
神出鬼没の神社百選、さすがに見つかるほうが少ない。
「ん、まあ。神社を探してて……見ての通りまったく、役に立ってない。
火事場に来た一人、ゆすらってのが神社住みらしいんだが、それが何処なのかさっぱりで」
とにかく手当たり次第に当たっている感じだ。
「……ああそうだ。あの火事場で何か気になる物とか、引っかかるような事とか、なかったか?」
- 43 :神無 鏡華:2012/05/30(水) 22:52:07 ID:dL8H4NjE0
- >>42
「ゆすら……あの水使いのことだったっけ」
うすらぼんやりと覚えているようだ。
「火事で気になったことかい?そう、だなあ……」
記憶を探りながら、血が止まってきたので着替えを取りだそうとする。
事前に物質隔絶魔法で保管していたのだが、
「……やけにごちゃごちゃしてるな。まあいいや、全部一度だすか」
隔絶空間が服だけでなく他のいろいろなものでいっぱいになっていることに気づく。
そして隔絶空間にある物質をすべて呼び出せば、
「ああ、火事のときのやつをそのままにしてたのか」
「さっきの話だけど、気になったものといえばこれぐらいかな」
割れた机やら人形やら、服と一緒にいろいろなものが出てくる。
着替えながら、火事の時に保管したそのいろいろなものを指さす。
- 44 :神無 鏡華:2012/05/30(水) 23:03:45 ID:dL8H4NjE0
- >>42
「ゆすら……あの水使いのことだったっけ」
うすらぼんやりと覚えているようだ。
「火事で気になったことかい?そう、だなあ……」
記憶を探りながら、血が止まってきたので着替えを取りだそうとする。
事前に物質隔絶魔法で保管していたのだが、
「……やけにごちゃごちゃしてるな。まあいいや、全部一度だすか」
隔絶空間が服だけでなく他のいろいろなものでいっぱいになっていることに気づく。
そして隔絶空間にある物質をすべて呼び出せば、
「ああ、火事のときのやつをそのままにしてたのか」
「さっきの話だけど、気になったものといえばこれぐらいかな」
割れた机やら人形やら、服と一緒にいろいろなものが出てくる。
着替えながら、火事の時に保管したそのいろいろなものを指さす。
- 45 :八代真人:2012/05/30(水) 23:16:48 ID:1sJsd2CgO
- >>43
「そう、その水使いだ。あと、出来ればあの白いのにも話を聞きたいと思っている」
気楽な一声で何処からともなく出てくるもろもろ。
少し、ギョッとした。
「……ほとんどガラクタにしか見えないけど、あの時に回収したものか?」
瓦礫やら石膏の彫刻やらごろごろしたものをはしに除けながら、破けた紙を慎重に寄り取る。
(なんで、あんなものが挟まって……)
割れた机からはみ出す白いプラスチック板に首を傾げた。
そして、少女を象った人形を手に取って、おずおずと口を開く。
「……これは、あなたの持ち物ですか?」
疑問文。
- 46 :神無 鏡華:2012/05/30(水) 23:26:26 ID:dL8H4NjE0
- >>45
「少し一部屋だけ何か違う感じがする部屋があってね」
「どうせならってことで保管したまま忘れてたんだよ」
石膏の首を持ち上げ、
「もう少し苦しんでたり絶望してる感じのがあるとよかったんだけどね」
残念そうに眺める。
「ボクにそんな少女趣味があると思ってるんだったらボクの全力を以て叩き潰すよ」
冗談めかしながら、しかし明確に感じ取れる殺気を放つ。
- 47 :八代真人:2012/05/30(水) 23:59:39 ID:1sJsd2CgO
- >>46
「……違うみたいだね」
コレット、と名前が刺繍してある。
持ち主か人形、どちらかの。
「一つだけ雰囲気の違う部屋か、たぶんジェームズ氏の私室かな。
あの机なんか変だよな……プラ板か? いや模様、か?」
白いプラ板に見えた模様を確かめるべく、天板を引き剥がしにかかる。
壊れてても丈夫である。
「……それ、とても無感情に見えるよね、とても精巧なのにも関わらず。
だからこそ気味が悪い、俺もあまり好きじゃないね。彫刻ってのは全部そんなものなのかな?」
生きていない顔の彫刻。
喜怒哀楽の表情に微細な変化をつけて複数個。
そのどれも、感情が欠落している。と真人は感じた。
そこで、割れた机の天板が剥がれる。
白いプラ板に刻まれた模様が姿を表した。
その模様は『何かの術式』ではある。
それが何なのかは、熱や衝撃などの外的要因による損壊が酷く、分からない。
なにより半分だけだ、術式の意味が欠損している、分かるはずがない。
もう片側の割れた机に残りのプラ板が見える。
酷く変形しているのは天板越しからでもよくわかるだろう。
- 48 :神無 鏡華:2012/05/31(木) 00:13:44 ID:dL8H4NjE0
- >>47
「つくりものの感情なんて面白くないし、そういう意味ではたとえどんな表情だろうがボクにはいらないね」
「人の絶望に必要なのは深い深い負の感情さ、それがなければ意味なんてない、そう思わないかい?」
石膏の首を後ろに放り投げ、八代に問いかける。
「何かの術式が組み込まれてたみたいだね」
「あいにくと見覚えはないから、どんなものなのかは見当がつかないけど」
術式に軽くふれる。
もちろんそれだけで分かるわけではないが。
「正直ボクには興味のない代物だね、この術式が何かも分からないし」
「全部みれたからといって解明できる確証もない」
- 49 :八代真人:2012/05/31(木) 00:32:30 ID:1sJsd2CgO
- >>48
「さあ、哲学的だということ以外は分からないな……。
経験した事は無いが、絶望は多分、あんたが言うようなものなんだろう?」
「この悪戯書きみたいなのが術式とはね……分からないのは俺も同じだ。
作らせた本人に聞くしかないか、望みがあってないような状況に変わりはないな」
一枚の書類を見て、ため息をつく。
この机を作らせた男――明石燐太郎の名が載っている契約書だ。
素材まで用意するほどだったようだが、受け取り拒否の殴り書きがある。
- 50 :神無 鏡華:2012/05/31(木) 00:45:48 ID:dL8H4NjE0
- >>49
「まあ、熱く語ってもしかたないし、これ以上は控えるよ」
「どうしても聞きたいっていうなら、手段がないわけじゃないよ」
「本人に聞けないなら、本人と全く同じモノに聞けばいいのさ」
鏡華の能力を知らない八代にはなにを言っているのかわからないだろう。
鏡華の能力は複製能力。手にはめている指輪で触れたものを複製し、召喚することができる。
かなり面倒ではあるが、人の記憶や魂ごと複製することもできる。
つまり、その能力を使って明石を複製し、そっちから聞き出そうというわけだ。
「ただ、面倒だし興味ないからやりたくないんだよなあ……」
- 51 :八代真人:2012/05/31(木) 08:50:13 ID:1sJsd2CgO
- >>50
「キミの言うその方法は召喚かなにかかい?」
転がっていたプラケースに手を伸ばす。
内側に白い粉が付着しているのを観察して、手元に置いた。
人形の脇に。
「明石燐太郎には連続放火魔の容疑がかけられている。
三年程前から行方知れずでね、今年の一月頃、放火の現場で一度だけ目撃されている。
で、それっきり目撃情報は上がってない……あくまで俺の知る範囲ではね」
つまり今も行方知れずだ、と付け足して。
資料を見せ付けるようにして、ひらひらと。
「日付を見る限り、この依頼書が作られたのは今年の三月。
手配書が出されたのは二月も終わりの頃だったかな……。
ジェームズ氏は明石に会い机の製作依頼を受けた、にも関わらず治安維持組織に通報は無い。
それが故意か過失かは抜きにしても、彼が最後の目撃者というわけだ」
興味が無い、という言葉は無視して一方的に話し続ける。
思考の整理という意味合いが強いのだろう。
ほとんど独り言だ。
「そして奇しくもさきの火事で死亡している。
あの放火は口封じか……。
だとするとコレットは巻き添え?……いや、そんな風には……」
あの時、彼女は何者かに襲われていた。
燃える館の中で“あの男”の存在がただ一つだけ異質。
脈絡が見えない。
- 52 :神無 鏡華:2012/05/31(木) 20:58:35 ID:dL8H4NjE0
- >>51
「間違ってはいない、というか正解さ」
「……いろいろとややこしい事件だね」
「部外者のボクとしてはこれを全部キミに預けてさっさと帰りたいんだけど」
人間の世界に、死神である鏡華が必要以上に関わるのはあまりいいことではない。
「……ボクもうかえっていいかい?大したことも言えなさそうだし」
本格的に興味がなくなってきたのか、八代の言葉を聞き流しながら欠伸混じりに言う。
- 53 :八代真人:2012/05/31(木) 21:08:24 ID:1sJsd2CgO
- >>52
「とりあえず、この3つは預からせてもらうよ。
ご協力、感謝します」
依頼書と人形、そしてプラケース。
「ああ、構わないよ。魔術のほう、今度は成功するといいね」
それじゃ、と背を向けて何処かへと去っていく。
結局、最後まで身分を明かすことはしなかった。
- 54 :神無 鏡華:2012/05/31(木) 21:16:08 ID:dL8H4NjE0
- >>53
「今度あったら何かデザートをおごってほしいな」
預けてからそう告げる。
「たぶんもう大丈夫だよ」
自分のことを明かしていないのはこちらも同じだ。
軽く手を振って見送る。
八代を見送った後、しばらくして何回か爆発音が轟いたらしいが、それは関係のない話だろう。
- 55 :高向谷 司朗/勝手に名所シリーズ:2012/05/31(木) 22:10:30 ID:NntjvIzM0
- 【昼食時、都市内のとあるビル】
司朗は、ある少し高いビルの展望台まで来ていた。
それなりに景色の良い場所なのだが、入場料は取られず、
ビル一階のエレベーター前では展望台で食べる用の弁当とお茶まで売られているぐらいだ。
周囲にはOLや学生が何人かいるが、人数はそれほど多くは無い。
「今日もいい景色だなあ……。
天気も良いし」
ここは知る人ぞ知る隠れスポットであり、司朗のお気に入りの場所であった。
「今日は……シュウマイ弁当か、いいね」
一階のエレベーター前で売っている弁当は日替わりである。
劇的に安いわけでも美味いわけでもないが、日替わりというのは大きな楽しみの一つだ。
- 56 :アドルフ・グリンデルワルド:2012/06/01(金) 22:18:47 ID:IrsgDsYs0
- 【スポーツ用品店 NOW BEST】
全面ガラス張り、二階立ての真新しい建物。
[開店セール実施中]と大書されたアドバルーンが揚がっている店の中。
胸に【店長 A.Grindelwald】と書かれた名札をつけた少年がモップをかけている。
- 57 :ヴァージニア:2012/06/01(金) 22:35:26 ID:IH7s5mgc0
- >>56
「……?」
いつもの景色と違うと思えば、新しい建物がそこに建っていた。
どうやら、スポーツ用品を売っているようだった。
しかしスポーツ用品と言われても、どんなものを指すのか分からないので
窓を通して中の様子をずっと覗いている。
- 58 :アドルフ・グリンデルワルド:2012/06/01(金) 22:48:20 ID:IrsgDsYs0
- >>57
一階には車やバイク、小型の船や飛行機。
二階にはインラインスケートや各種自転車、その他ありきたりなものが並べられている。
//裏設定330参照
ふと、掃除をしていた少年がヴァージニアに気付いたようで、モップを壁に立てかけてると。
「あっ、いらっしゃいませ。」
インラインスケートで走ってきた。
「いらっしゃいませ。僕は店長のグリンデルワルドといいます。
開店してから初めてのお客さんなので、不慣れなこともあるかもしれませんが、よろしくお願いします。」
満面の営業スマイル…ではなく、本当に初めての来客に喜んでいるようだ。
- 59 :ヴァージニア:2012/06/01(金) 23:01:35 ID:IH7s5mgc0
- >>58
「うっ……」
咄嗟に腿のガンホルスターから銃を引き抜いて構えようとするが、寸前のところで押しとどめた。
置かれている環境は確かに分かるが、さすがに条件反射が過ぎる。
「ええと、何を売ってるのかな」
誤魔化すように懐にしまいこむと、店内を一瞥する。
お金を持ち合わせていないので、冷やかしになってしまうのだが。
- 60 :グリンデルワルド:2012/06/01(金) 23:13:44 ID:IrsgDsYs0
- >>59
「見ての通り、でっかいの(船、飛行機、車)からちっこいの(ピンポン玉)まで、なんでもありますよ。」
店内はほとんどガラス張りであり、中央には大きな吹き抜け。
一瞥すればラインナップは大方掴めるだろう。
「飲み物・お菓子はタダですから、どうぞご自由にくつろいでください。」
インラインスケートを履いたまま、その場で手をつかずにバク転する。
サービスでアクロバットをしてみせた。
- 61 :ヴァージニア:2012/06/01(金) 23:34:26 ID:IH7s5mgc0
- >>60
「どうも」
とりあえず会釈をして、店内に入ってみる。
乗ったことのない乗り物がたくさん置いてあった。
椅子に座って、ひとつひとつを見渡していく。
自転車や単車……こういうものがあれば、移動が楽になるのかな、とか思っていた。
更に階段の方を見る。この店には地下があるのか、とちょっと気になっていた。
- 62 :グリンデルワルド:2012/06/01(金) 23:48:55 ID:IrsgDsYs0
- >>61
「地下…ですか。」
少し逡巡した表情を見せるが、
「悪い人じゃなさそうだし、案内します。
階段が少し暗くて急なので、気を付けてくださいね。」
インラインスケートにロックをかけると、そのまま歩きだした。
常夜灯のついた階段を降りると、そこにはだだっぴろい空間がある。
車やスケートボードなどが自由に走れるジムカーナ場、長い長い射撃練習場、アーミーナイフや銃砲が陳列されたエリアがある。
- 63 :ヴァージニア:2012/06/02(土) 09:55:16 ID:18ugauY20
- >>62
(悪い人じゃなさそう、か……)
先ほど、銃を向けようとした彼女は考える。
吸血鬼の血に心が冒されつつある自分が、良い人ではないはずなのだ。
商人に必要なのは、人を見抜く力にあるのだが、アドルフにそれは欠けているのか。
地下に足を踏み入れ、ずらりと陳列された銃器や刃物を見て改めて思う。
この少年は接客に携わることよりも、専らメカニックに向いているのだと。
- 64 :アドルフ:2012/06/02(土) 18:17:57 ID:IrsgDsYs0
- >>63
彼がヴァージニアを"悪い人ではない"と判断した理由は、至極単純。
撃たなかったから。
もしヴァージニアの銃口がアドルフに向けられそうになったなら、すぐさま彼の二丁拳銃が火を吹いただろう。
「あ…、」
ヴァージニアの視線の先に気付き、
「支払いはツケで構いませんから、どうぞお好きなものを。
ただ今セール中、全品二割引!」
踏み倒される可能性も無いではないが、信用されたければこちらが信用すべし、という信念の下での発言である。
「あ、でも【Classifisd Laboratry】て書いてあるドアは絶対に開けないでくださいね。
危なすぎたり、試作中だったりして売れないもの、
最高機密情報がありますから。」
要は、誰にも見られたくない実験室。
「それ以外なら、どうぞご自由に。
紅茶、持って来ましょうか?」
- 65 :ヴァージニア:2012/06/03(日) 13:19:28 ID:ZatTOYOs0
- >>64
「スポーツ用品店なのに物騒なもの扱ってるね」
そう言いながら、商品の物色を始める。
身体能力がそれほど高くないヴァージニアには、銃火器などの武器を活用しなければ、
まともな戦いを行うことができない。
先の実戦では常に吸血鬼の力に振り回され、上手く戦闘を運ぶことができなかったので、
己の能力とは無関係のベクトルから力を得ようとしているようだった。
(絶対に開けちゃ駄目って言われると、開けたくなる……)
ちょっとだけなら覗いてもいいよね、と思い。
「じゃあ、紅茶ください」
紅茶を淹れている間に一瞬だけ覗こうと考えた。
- 66 :アドルフ:2012/06/03(日) 19:30:00 ID:IrsgDsYs0
- >>65
「地下【Underground】ですからね。
ここには そういうもの も需要があると判断しましたから。
あ、はい、しばしお待ちを。」
ローラースケートで走り出したかとおもうと、あっという間に姿を消した。
コンクリートの壁や天井に、タイヤの跡が残る。
【classified laboratry】
【軍事機密の研究室】
人の体温を感知して照明が点くその部屋は、体育館ほどの広さがある。
出入口のある中二階(?)に当たる位置からは全景が見渡せる。
金属加工に使われる機械や、化学物質の合成に使われる機械、用途不明のもの。
また、軽機関銃や手榴弾といったものも乱雑に置かれている。
カラフルな液体の入った試験管やフラスコ、熱の冷めやらぬガスバーナー。
巨大なスーパーコンピューター、作りかけに見える謎の機械。
天井にあるスピーカーからは、他の部屋の物音が増幅されて聞こえる。
かちゃかちゃと、陶器のぶつかり合う音に、湯を沸かす音が混ざっている。
- 67 :ヴァージニア:2012/06/03(日) 21:04:23 ID:Se5W8qFM0
- >>66
「商品の開発室になってるのかな……」
一瞬だけ見ようと思っていたのだが、興味が沸いたので中に入ってみることにする。
触れるのは危険な気がするので、周辺に置いてある機械や道具には触らないように歩く。
スピーカーから別の部屋の音が聞こえることを考えると、ここは店の監視もかねているのだろう。
早めに出ればいいのに、興味津々で色々なものを見ているから
紅茶を作っている時間はとっくに過ぎているだろう。
- 68 :アドルフ:2012/06/03(日) 21:31:07 ID:IrsgDsYs0
- >>67
「〜〜〜〜〜〜〜♪」
紅茶をいれながらの鼻歌は、ボヘミアン・ラプソディー。
トレイに紅茶とお菓子を入れ、鼻歌交じりに階段を下りていく。
地下に入って初めて見たものは、開け放たれた秘密の扉。
中に入り、空いている右手で銃を抜く。
天井に向けて引き金を引くと、反響する轟音とともに暴徒鎮圧用のゴム弾が飛び出した。
- 69 :ヴァージニア:2012/06/03(日) 21:45:16 ID:Se5W8qFM0
- >>68
銃から放たれる轟音に、思わず体を震わせてしまった。
紅茶を淹れて戻ってきたのだろう。ついついそのことを失念していた。
「…まずい」
つい本音が口に出てしまった。
- 70 :アドルフ:2012/06/03(日) 22:07:20 ID:IrsgDsYs0
- >>69
「………何にも触れていないでしょうね?」
くるくると銃を右手で遊ぶ。
「僕はむしろ研究の成果を自慢してひけらかしたいタイプなので、ここに入ったこと自体は不問にします。何なら解説してまわりましょう…
しかし、ここにはAC兵器(A:核兵器、C:化学兵器)に成り得るものや安全性が確立されていないものがごろごろしているのです。」
銃を懐に仕舞い、トレイを左手に階段を下りる。
「とりあえず"触らない"という約束を守れるのなら、追い出したりはしません。
美術館か何かのように鑑賞するには自由ですから。」
紅茶を注ぎ、ヴァージニアに渡す。
優しい甘さの、ストレート。
- 71 :名も無き異能都市住民:2012/06/03(日) 22:09:01 ID:IrsgDsYs0
- //sageわすれ
- 72 :ヴァージニア:2012/06/03(日) 22:50:31 ID:Se5W8qFM0
- >>70
「……たぶん」
自信なさそうに、おどおどした姿勢でそう答える。
安全性などを考えると、多分じゃ済まないだろう。
核兵器や化学兵器といい、もし事故を起こしたら取り返しの付かないことになる。
「触らない。大丈夫です」
事の重大さが分かってきたので、素直に従う。
紅茶を口に含んで、緊張を解いた。
- 73 :アドルフ:2012/06/03(日) 23:28:18 ID:IrsgDsYs0
- >>72
「最低限の良識は持っているつもりですから、AC兵器そのものは置いていません。…材料があるというだけですから、そっちの心配は無用です。
それよりも危険なのは、例えばそこに置いてあるインラインスケートです。」
話を一旦切り、紅茶を一口飲む。
「インホイールモーターと高性能キャパシタを組み合わせた"動力付きインラインスケート"ですが、常人が扱える代物ではなく、完成はしたものの店頭に並ぶことはありません。」
「ここにあるのは、試作品や作成中、失敗策だったりして売ることができないものです。
人の理を外れたようなヒトなら或いは扱えるのかもしれませんが、そのような方ならそもそも必要としないでしょう。」
カップを置くと、すっと立ち上がる。
「ここから出ませんか?見る分にはいいですが、売り物は一つもありませんよ。」
にこやかな微笑みを向けた。
- 74 :ヴァージニア:2012/06/03(日) 23:59:01 ID:Se5W8qFM0
- >>73
「うーむむ……」
専門知識は全く分からないヴァージニアであったが、
もしかしたら、この辺りにある試作品が使えるかもしれないと考えたりする。
しかし本人が売り物では無いと言ってるので、ここに長居しても無駄だろう。
「はい。勝手に入ってすいませんでした」
紅茶の最後の一含みを飲み干し、カップを置く。
今は客としてこの店を利用しているのだ。余計なことはしないほうがいい。
- 75 :アドルフ:2012/06/04(月) 00:12:31 ID:IrsgDsYs0
- >>74
「なに、興味があるのは良いことですよ。」
お気になさらず、と言うが早いかインラインスケートで滑り出す。
紅茶が置きっぱなしになっているが気付く様子もなく、階段を数段飛ばしで上る。
- 76 :ヴァージニア:2012/06/04(月) 00:20:16 ID:Se5W8qFM0
- >>75
「なんでそんな若いのに、お店をやろうと思ったの?」
恐らく自分と同世代ぐらいだろうと判断し、訊いてみる。
階段をスケートで数段飛ばしてあがってるのを見て、凄いなーと感じている。
そういえば壁や天井にも跡がついていたような、と思い返している。
- 77 :アドルフ:2012/06/04(月) 00:43:56 ID:IrsgDsYs0
- >>76
「話すと長いですが。
小学校を出た辺りからさる科学者に師事していました。
しかし最先端技術は軍に持っていかれて、普及するのは世代遅れの物ばかり。
師匠と二人での特許関連の資産は山ほどありましたから、二人で国を出て最先端技術を世に広めるべく別々に国々を巡っていました。
しかし本格的な設備を持たずに研究を続けるのは限度があったので、僕はここに根を下ろしたわけです。」
国を出たのはほんの少し前だが、なぜかすごく昔のことのように感じる。
「今は師匠とは連絡がとれませんが、元気にしていると思い…いえ、元気でない師匠など考えられません。」
ばっ、と両手を広げる。
「この店は研究費を稼ぐ場でもありますが、僕と師匠の思い描いていた理想郷でもあるのです。
誰からも縛られず、自分の努力の結晶を人の為に。」
ブラウンの瞳は、口で表現しきれなかった感情を表していた。
- 78 :ヴァージニア:2012/06/04(月) 00:52:17 ID:Se5W8qFM0
- >>77
「ふぅん。そうすると君は、夢を叶えてるんだ」
自分たちの発明が世の為人の為に役に立つように、店を持った。
そこに至るまでの過程は、とても困難なものだったろう。
夢を追ってついにここまで辿りついた。壮大なバックグラウンドが思い描ける。
しかし、それもスタートラインに立っているにすぎないのだろう。
「夢があるっていいね。羨ましいよ」
- 79 :アドルフ:2012/06/04(月) 01:06:34 ID:IrsgDsYs0
- >>78
「ええ、ありがとうございます。
今のところ、お客さんはあなた一人ですから、そしてこの建物には二人しかいませんから、のびのびと買い物ができますよ。」
ドアを開けて、ヴァージニアが出るのを待つ。
「こう見えてガンスミスですから、銃の修理なども承っております。数日後に取りに来てくれるならオーダーメイドの銃も作れますよ。」
- 80 :ヴァージニア:2012/06/04(月) 01:15:04 ID:Se5W8qFM0
- >>79
「じゃあ、銃を作って貰おうかな。人を殺す為の」
自分の今持っている銃は、人外に対して大きな力を持つもの。
人間に向けて撃っても、貫通作用が働きうまくダメージを与えることができない。
人間を仕留められる銃が欲しかった。前回のような襲撃で確実に掃討できるように。
「い、いや、やっぱりいい……」
自分で何を言っているのか、改めて確認する。
人を確実に殺す為の銃。そんなものを自然と求めている自分がそこに居た。
- 81 :アドルフ:2012/06/04(月) 01:29:09 ID:IrsgDsYs0
- >>80
「そうですか。おすすめするのはホーローポイント弾と拳銃か軽機関銃の…
え、要らない!?
…そうですか、ゆっくりどうぞ。」
アドルフ自身は、兵器や殺意の存在に嫌悪感は持っていない。
むしろ、生物として当然の事と考えている節がある。
「一階、二階なら兵器以外の物が並んでいますよ。
人を殺すべくして作られた物は、総て地下にしか売っていませんから。」
ヴァージニアのことを彼なりに心配しているようだ。
//すみません、明日に回してもいいでしょうか。
- 82 :ヴァージニア:2012/06/04(月) 01:36:38 ID:Se5W8qFM0
- >>81
「ごめんなさい、気分が悪くなって…」
人に対する殺意が、最近治まらないでいる。
度重なる襲撃や、過去の苦い経験がそれを強めている。
兵器という人に対しての暴力装置を見るだけで、その思いは肥大化してしまう。
目の前の少年に対し、牙を向けてしまうかもしれない。
吸血鬼の本能は、彼女を徐々に浸食しているのだ。
「上に…」
階段を足早に登って行く。
暗い場所や、殺人の道具から一刻も早く遠ざかれるように。
// 把握しましたー。
- 83 :アドルフ:2012/06/04(月) 20:33:23 ID:IrsgDsYs0
- >>82
//復活しました
ガラス張りの建屋の中にそそぎ込む、高い昼の陽光。
対人兵器に嫌悪を感じているものの、戦闘時にアシストしてくれる物を欲しているのだろう、とヴァージニアのニーズに当たりをつける。
「練習してモノにするまでに時間がかかりますが、インラインスケートなんかを使ってみませんか?
僕は今、商品になった中での最新型を履いています。
こいつの凄いところは…」
長ったらしい説明が始まる。
要約すると、一種の弾み車とダクテッドファンを内蔵しており、高い高速性能と最大20秒の飛行能力、鉄骨をも曲げるキック力を得られるという。
「練習の結果次第では空を飛びながら逃げることもできるので、汎用性は高いと思いますよ。」
しかしインラインスケートなど履いたならば、戦闘スタイルの大きな変更を強いられる。
簡単には買ってくれないかな、と思いつつ相手の出方を窺った。
- 84 :ヴァージニア:2012/06/04(月) 23:06:37 ID:pzHfX6b20
- >>83
陽光を浴びないように、彼女はローブを深めに被る。
地下は地下で、地上は地上で吸血鬼の体は難儀なものだ。
「空を飛ぶ靴なら、既に履いてるよ」
正確には飛ぶ訳ではないのだが、彼女の靴は少しだけ浮いている。
これは能力による他者へ及ぼす弊害を減らすもので、彼女は影を踏むと相手を踏みつけることになってしまうのだ。
「それに、なんか歩きにくそう……」
やはり初めてみるものは戸惑ってしまうようだ。
- 85 :アドルフ:2012/06/05(火) 17:46:05 ID:IrsgDsYs0
- >>84
「確かドラえもんも地面から3mm浮いているんだそうです。
浮いているのに、滑らない…
機会があったら、研究したいですねぇ。」
東西問わず、昔話に空飛ぶ靴は出てくる。
作ってみたことはあるが、靴と呼べる大きさではなかった。
「それなら、これはどうですか?」
早業で黄色と黒の拳銃を抜きつつ、自身もその場で半回転。
金属製の棚に照準するや否や撃つ。
拳銃から出た音は間の抜けた空気漏れの様。
しかし棚を少し凹ませた弾は、青白いスパークを放った。
「完全オリジナルの"スタン弾"です。
瞬間的な高圧・少電流で人ならすぐに気絶しますよ。」
ぽろりと落ちた弾を回収しにいく。
「無用な戦闘を避けたいとき、護身用、拘束用など用途は様々。
射程が30mと短いのが難点ですが、口径さえ合っていればどんな銃にも使えますよ。」
弾に触れると、顔をしかめて耳朶をつまんだ。
- 86 :ヴァージニア:2012/06/05(火) 19:05:56 ID:FzY6Qwe.0
- >>85
「ドラえもん?」
未来のロボットなど、彼女は知らない。
彼女の靴は科学ではなく魔術のレベルで作られている。
基盤となる法則がそもそも違うのだから、滑らないのは当然だ。
「気絶……。気絶なんて生ぬるい」
人を殺したがっているのだと気付くのに、時間は掛からなかった。
心が荒みきっていて、殺意が抑えきれないのだ。
「だめ、そういうのは……」
自制を働かせ、そう言いきった。
- 87 :アドルフ:2012/06/05(火) 19:50:35 ID:IrsgDsYs0
- >>86
「気絶した相手をなぶって弄んで挽き肉にするという手もありますが。
あ、どらえもんの件は流してください。」
銃のコーナーへ行ったときもそうだった。
凶暴な発言をした後、理性を取り戻したか自制を効かせたかで発言を打ち消す。
フラストレーションが溜まっているはずだ。
「箱庭で喧嘩するのもいいですがいつもというわけには………
迫ってくる黒服の男たちを銃で撃ち殺しまくるという古典的なゲームにリアリティを付けたものがありますが、どうです?」
白いハンカチで先ほどの銃弾をくるみ、懐にしまった。
- 88 :ヴァージニア:2012/06/05(火) 21:00:29 ID:FzY6Qwe.0
- >>87
「リアリティとか、そういうのじゃなくて…
そういう殺意を誘発するのは、ちょっとまずい……」
本能のままに感情を解き放てば、ゲームなんかで満足するはずがない。
特に彼女は吸血鬼なのだから、相手の血を見るまで、その匂いを嗅ぐまで治まらないだろう。
そう言うと彼女は二輪車などの乗り物を見て回る。
移動手段のみに着目し、とにかく殺意を誘発するものを避けているようだ。
- 89 :アドルフ:2012/06/05(火) 21:13:59 ID:IrsgDsYs0
- >>88
一口に二輪車と言っても、形態は様々。
人力や動力付き。
舗装路用や悪路用。
実用性、頑丈さ、軽快さ。
格好良さ、派手さ、簡素さ。
「どういったものをお求めですか?
スポーツ用品店とはいえ、大排気サイドカー付きのものから三輪車まで、よりどりみどり。
オーダーメイドも受け付けていますよ?」
求めている物がわからないので、とりあえず聞いてみる。
- 90 :ヴァージニア:2012/06/05(火) 21:25:54 ID:FzY6Qwe.0
- >>89
「とにかく、素早く移動できるものなら……」
エンジン付きの乗り物がどれほどの値段か分からないが、
高速で移動できるものがあれば、これからの生活において困ることが少なくなる。
件の集団から襲撃される確率も極端に減るだろう。
「私でも、乗れるのかな……」
自転車にも乗ったことがないので、乗り物についての知識が全くといっていいほど彼女は持ち合わせていない。
- 91 :アドルフ:2012/06/05(火) 21:40:27 ID:IrsgDsYs0
- >>90
「大丈夫ですよ。
タイヤが太いので、クラッチさえ注意すれば自転車より楽なんです。」
一般常識さえあれば免許の筆記試験もらくらく合格できる今の時代、誰でも乗れると言って良いくらいだ。
「簡単で安いのは少排気量の原付ですが、遅くて華奢なのが難点。
大排気量車は速くて丈夫ですが、重くてでかくてなにより高価。
う〜ん、どれがいいですか?」
間をとるという手もあるが、中途半端な感じがする。
アドルフ自身も頭を抱えて悩み始めた。
- 92 :ヴァージニア:2012/06/05(火) 22:08:26 ID:FzY6Qwe.0
- >>91
「タイヤ? クラッチ?」
知識が全くないので、よく分かっていないようだ。
「とにかくスピードがあったほうがいいかな」
重いものなら、吸血鬼の持つ力でなんとかなる。操作なども慣れれば平気だろう。
値段に関しては、綾に了承を貰えば買って貰えるかもしれない。
- 93 :アドルフ:2012/06/05(火) 22:16:53 ID:IrsgDsYs0
- >>92
「わかりました。いま持ってくるので、少々お待ちを。」
がしゅっ、と。
インラインスケートが床を蹴る音を残して、アドルフは階段に吸い込まれるように消えた。
30秒ほどすれば、大型のエレベーターからレース用の大型バイクを押しながら戻ってくるだろう。
近くのテーブルの上には、個包装されたクッキーが好きなだけどうぞとばかりに積み上げてある。
- 94 :ヴァージニア:2012/06/05(火) 22:51:31 ID:FzY6Qwe.0
- >>93
「これ、たまに道を歩いてると見る」
あんまり見たこともない自動二輪に目を丸くしている。
どういう仕組みで動くのか、そこがまず不思議で仕方ない。
- 95 :アドルフ:2012/06/05(火) 23:13:29 ID:IrsgDsYs0
- >>94
「単純ですよ。」
事も無げに答える。
「基本は自転車にエンジンその他を乗せたものと考えてください。
ただ、自転車と同じように操作すると大事故を起こすのでそこは注意してくださいね。」
各部に指を指しつつ説明する。
「右グリップ付け根の回るところがアクセル、右レバーが前輪ブレーキで、右ペダルが後輪ブレーキ。
左レバーがクラッチで…」
怒濤の説明が止まる。
「クラッチというのはエンジンの力を伝える部品の一つで、自由に繋いだり切ったりできます。
…そして最後に左ペダルがギアチェンジです。
これだけは覚えておかないと走らせることもままなりません。
説明書を付けておくので、分からなくなったら闇雲に試してみる前に確認してくださいね。」
ふぅ、と一息ついて、ヴァージニアに顔を向ける。
「ここまでで何か質問は?」
- 96 :ヴァージニア:2012/06/05(火) 23:30:32 ID:FzY6Qwe.0
- >>95
「動けば大丈夫」
止まることを念頭に入れてない時点で、ちょっと危うい。
説明書の確認すらしないかもしれない。
「とにかく速度が出れば、振り切れるから」
振り切る、というのは人外狩りに対してだろう。
生存確率を上げる為には、自分が人外だと認知させる時間を短くすること、
さらに尾行がしにくいこと、攻撃を受けにくいことなどが挙げられる。
速度を求めるのは、こういう事情があるのだった。
- 97 :アドルフ:2012/06/05(火) 23:44:11 ID:IrsgDsYs0
- >>96
「最高時速372km。
遊び心で420kmまで出せるのを作ったことがありますが、さすがに街中でそこまでは出せないでしょう。」
さらっと言う。
420km/hのバイクは材料費だけで家が建つほどなので別の意味で売れないのだが。
「振り切る…追いかけられるのを想定しているのですか。」
問題はないだろう。レース用なのだから。
「舗装していない道路では、性能がガタ落ちになる上に操縦が難しくなるので注意してくださいね。
他に欲しい物はありませんか?」
- 98 :ヴァージニア:2012/06/05(火) 23:55:48 ID:FzY6Qwe.0
- >>97
「うん。結構な頻度で追い掛けられてるよ」
どうやら、怪しい事件に巻き込まれやすい体質らしい。
「いや、今のところはこのバイクだけでいいよ。
あんまり高いの買うと、迷惑掛けちゃうし……」
自分のお金で買うわけではないので、遠慮しなくてはならない。
それでも、この二輪車だけでも十分かかりそうだが。
- 99 :アドルフ:2012/06/06(水) 00:09:25 ID:IrsgDsYs0
- >>98
「はい、では」
胸ポケットからカード電卓を取り出す。
「本体価格×0.8で…」
開店セール中。
「こうですね。これでも安くあげているんですよ。」
提示された価格は、軽自動車が2台買えるほど。
「大晦日までに払ってくれれば、利子は一切付けません。
定期点検や修理も格安で受け付けていますよ。」
顔は微笑みを保ってはいるものの、内心では飛び上がらんばかりに喜んでいる。
- 100 :ヴァージニア:2012/06/06(水) 00:15:30 ID:FzY6Qwe.0
- >>99
「んー。まぁ、大丈夫かな」
提示された金額を見ても、金銭感覚がないのか平然と言い放った。
請求書が届いたあと、彼女の主人はどんな顔をするのだろう。
- 101 :アドルフ:2012/06/06(水) 00:20:32 ID:IrsgDsYs0
- >>100
「そうですか、お買い上げいただき誠に有り難うございます。」
ぺこりと頭を下げる。
「あのぅ…、自力で乗って帰りますか?それともトラックで送りますか?」
- 102 :ヴァージニア:2012/06/06(水) 00:26:15 ID:FzY6Qwe.0
- >>101
「練習がてら乗って帰ってみるよ」
この時点で嫌な予感しかしない。
そもそも自転車にも乗ったことがないのに、いきなり乗れるのだろうか。
- 103 :アドルフ:2012/06/06(水) 00:37:03 ID:IrsgDsYs0
- >>102
「練習がてらですか、ちょっと待っててくださいね。」
加速をつけるとそのまま飛び上がり、吹き抜けから二階へいく。
数秒後に飛び降りてきた彼が持っていたのは、肘と膝を防護するものだった。
「怪我には気を付けてくださいね。ヘルメットはイスの下に入っていますから。」
もう一度深々と礼をする。
「これのお代は要りません。
またのお越しをお待ちしております。」
//もう落ちるです。
//おつき合いいただいて、感謝です。
- 104 :ヴァージニア:2012/06/06(水) 00:49:29 ID:FzY6Qwe.0
- >>103
「ありがと。それじゃあ、またね」
特に安全面に関しては、怪我をしても大丈夫なので防護は要らないな、と考える。
彼女はバイクに跨り、キーを捻って起動する。
クラッチを繋いで、スロットルを捻り、発進を始める。
「なんとなくでも行けるね」
中の人の知識が追いつかないので後はイメージで進行する。
しかし慣れていないので、カーブが曲がれずに壁に激突していた。
// お疲れさまでした。
- 105 :名も無き異能都市住民:2012/06/07(木) 22:14:29 ID:SSMHlh/20
- 異能都市の路地裏では一日に何百、何千と言う犯罪が行なわれている。
その種別は窃盗、殺人、麻薬・武器取引、違法な魔術の行使など多岐に及ぶが……。
『う……うう……。』
後頭部から殴られたのか、ぐったりとした様子の男性を
犯人と思われる男女が乗用車のなかに運び込んでいる。
――『人攫い』。
以前から異能都市でふえつつある犯罪であり、
一説には人身売買組織の暗躍だとか、臓器摘出に使用されるのではないか、
はたまら魔術の生贄にされる、などと様々な噂が飛び交っている。
- 106 :高向谷 司朗:2012/06/07(木) 22:22:02 ID:NntjvIzM0
- >>105
ドラグブラスト
「竜震裂っ!!!」
突然、乗用車が凄まじい勢いの、奇妙な軌道の竜巻に襲われる。
竜巻は、岩を引き裂いてしまうほどの威力を持っていた。
乗用車は粉々に出来なくとも、車内に運び込むことが困難になるほどの大きな衝撃を受けるだろう。
「救急車には見えないな!
何やってんだてめえら!」
竜巻の放たれた方向から声が聞こえる。
見ると、帽子を被り、腰にエンブレムをぶら下げた男が走ってくるのが見えるだろう。
- 107 :名も無き異能都市住民:2012/06/07(木) 22:37:22 ID:SSMHlh/20
- >>106
『……やべぇ、おい何見てるんだ!
人がきやがったぞ!クソ!』
『異能者だ、逃げろ!!!』
派手なカラーリングの施されたボンネットが吹き飛び、ぐわんと音を立てて
煉瓦壁にぶつかる。竜巻の風圧は、その乗用車を容易に引き裂いた。
男たちはどうやら、この周辺にたむろするストリートギャングのようで
腰にさげた手錠にいくつもの銃をアクセサリのようにぶら下げていたが、
異能者が相手と分かると、抵抗せず一目散逃げ出した!
- 108 :高向谷 司朗:2012/06/07(木) 22:46:18 ID:NntjvIzM0
- >>107
司朗は移動速度を上げるような異能を持っておらず、
普通の人間よりも足が速いということも無い。
唯一出来る遠距離攻撃が、必殺技を兼ねた竜震裂のみ。
「もう一発ぅ……」
再びエンブレムを取り外し、男達に向かって構えた。
エンブレムの周りに、四つの魔導文字が浮かび上がる。
ドラグブラスト
「竜震裂!!!!」
再びの竜巻が、男達に襲い掛かる――かと思われた。
それは大きく湾曲し、男達の前に回りこんで、進行方向の地面を破壊しようとする。
男達に直接当てようとしたのではなく、足止めだ。
「っしゃあ、竜震裂プラス気流眼の湾曲撃ち、なかなか使えるな!」
同時に司朗は走り出していた。
- 109 :名も無き異能都市住民:2012/06/07(木) 22:52:42 ID:SSMHlh/20
- >>108
『うおッ!!』
『こっちだ、こい!』
目の前のアスファルトが砕けて巻き上がり、
小さな竜巻を作ったが、男たちは路地の生ゴミ山を足がかりに
アパートの非常階段へよじ登ると、そのまま建物内へと逃げ込んだ。
路地裏の構造を知る彼らの知恵、とでもいうべきか。
うまいことに逃走と同時に、竜震裂からの防御も兼ねている。
- 110 :高向谷 司朗:2012/06/07(木) 22:58:53 ID:NntjvIzM0
- >>109
「ちっ、追うかよ、仕方ない」
「馬鹿者め、竜震裂はあと一発だけだぞ。
もっとよく考えて使え」
エンブレムの、竜の紋章が動いて声を発した。
「解ってるよ、一応考えてるさ。
一応警戒、気流眼の結界!」
周囲に邪気が満ちる。
司朗の気流眼によって、周囲の空気の流れを読むことが出来る。
つまり、周囲十数メートルほどの大きな動きならば、
壁の向こうの様子も読み取ることが出来るのだ。
ただし、相手が動いていない場合は探知不可能である。
そして、司朗もまた生ゴミを利用して非常階段を登り、アパートへ侵入した。
- 111 :名も無き異能都市住民:2012/06/07(木) 23:12:58 ID:SSMHlh/20
- >>110
アパート内の滞留した気流。
その中を動くものをいくつも感じる事ができる。
階段を上り下りするもの、部屋を行き来するもの……。
このアパートの住人の動きと、先ほどの男たちの動きを判別できるほど
正確な探知でなければ、逆に混乱が生じるかもしれない。
『…………。』
敵は二手に分かれたようだ。一人は、階段を降り通りに出ようとしているが、
敵のもう一人は、司郎の動きを階段の影から伺っている。
制止しているため、動きが分からないはず。
- 112 :高向谷 司朗:2012/06/07(木) 23:24:15 ID:NntjvIzM0
- >>111
「よし、これが奴だな。
……一人?」
司朗はどれが男の動きかは容易にわかったようで、
その気流に違和感を感じる。
「射程外に出たか……?
それともどっかで……ええい仕方ない!」
その間にももう一人は逃げていく。
意を決して、階段を下りる男を司朗は追った。
音を立てて勢い良く走り出す。
階段の影に隠れている男には、司朗が自分にどの程度近づいているか、手に取るように解るだろう。
司朗は階段に差し掛かった。
- 113 :名も無き異能都市住民:2012/06/07(木) 23:37:45 ID:SSMHlh/20
- >>112
男は階段を下り下りる司郎を一度やり過ごしたかのように見えた。
しかし、影から銃だけをゆっくりと突き出し狙いを定めて――。
――バゴォッ!!
45口径の改造銃が火を噴き、弾丸が飛び出す。
背後からの奇襲に対応できるか。
- 114 :高向谷 司朗:2012/06/07(木) 23:51:18 ID:NntjvIzM0
- >>113
「――っ!」
何所に隠れていたのかは解らなかった。
しかし、銃の爆炎は司朗にとって容易に探知可能で、
発砲音は普通の人間にだって聞こえる。
問題は、高速で発射された弾丸を、避けられるかどうか。
「っだあああ!」
司朗は階段を蹴り、転がり落ちた。
その左太股を、弾丸が掠めていく。
階段の柵に、司朗は背中を打ちつけた。
「いたっ……いや、痛くねえ……!
それより奴だ!」
背後の一人を無視し、司朗は前方の男に飛び掛る。
同時に気流眼の結界を解除、気流の、気流を操る能力で、気流を掌の一点に集中させ、
空気を圧縮したボールを作り出す。
そして、階段から降りる男の頭の横に、そのボールを翳した。
「圧縮、そして炸裂……!」
このボール自体はまだ未完成であり、対した攻撃力は無いのだが、至近距離だ。
成功すればボールが一気に炸裂し、男の脳を揺らし、破裂音は鼓膜を破るだろう。
しかし、不安定な体勢から飛び掛ったため、よほどの不意打ちでなければ避けられてしまうかもしれない。
司朗はあくまで気絶、生け捕りを狙っている。
- 115 :名も無き異能都市住民:2012/06/07(木) 23:55:46 ID:SSMHlh/20
- >>114
「う――ガッ。」
圧縮された大気の玉が炸裂、
放出された気流の衝撃が、男を襲いその意識を刈り取った。
――しかし。
「てめえはこれにてお終いだオラッ!!」
背後の男が、半狂乱で喚き散らしながら
拳銃を乱射しつつ走りよってくるではないか。
この至近距離。いくら狙いが定まらない銃撃とはいえ、
『ラッキーヒット』を期待するに十分。
- 116 :高向谷 司朗:2012/06/08(金) 00:04:46 ID:NntjvIzM0
- >>115
「いでっ!っ……二回目かよ……」
不安定な体勢からの一撃で、司朗は再び階段の柵に背中を打ち付けていた。
そして、その体勢は命取り。
「まっ――ぐああああっ!!!」
司朗は寝転んだ形で上半身だけしか起こせず、
右わき腹に、一発、二発と銃弾が打ち込まれた。
- 117 :名も無き異能都市住民:2012/06/08(金) 00:20:47 ID:SSMHlh/20
- >>116
しかも、この男は例の『大量に銃をぶら下げた』男。
弾倉が尽きるなりすぐさま銃を交換してしまうため、
リロードによる隙が生じにくい。至近距離から一方的に打ち込まれる形だ。
「ハハハッ!!こいつよええぞ!!!
異能者だとビビって損したぜ!!」
――ダンッ、ダダンッ、バスッ
このままではやられる……。
- 118 :高向谷 司朗:2012/06/08(金) 00:31:50 ID:NntjvIzM0
- >>117
「防……御……結界……!」
司朗は、エンブレムに触れた。
次の瞬間、司朗と男の間の地面に、魔導文字が発生し、
文字を結ぶように、ガラスのような壁が出現する。
壁は、皹が入りながらも銃弾を遮った。
「そして、最後の一発だ……。
俺が甘ちゃんだからそいつを殺さずにいたと思うか?
生け捕りにしたほうが警察が後で楽だと思ったけどさ……」
戦闘に関しては素人の司朗。
その目には威圧感だとかそんな重厚なものは感じられなかったが、
"マジ"の覚悟は感じられる。
「…自分が危なくなったら流石にやるぞ……」
エンブレムの周囲に、四つの文字が浮かび上がった。
結界は脆いらしく、あと何発かで壊れるだろう。
その瞬間に竜震裂、ドラグブラストを打つつもりだ。
- 119 :名も無き異能都市住民:2012/06/08(金) 00:49:54 ID:SSMHlh/20
- >>118
――ダンッ、ダンッ、ガチッ
「チッ、銃を……クソ、もうないのか?」
銃を全て撃ちつくしたのか、ぶら下げていた銃は
全て床に投げ捨てられ、なくなってしまっていた。
攻撃手段を失い、敵は上階へと逃げようとしている。
このアパートへ入ったルートを逆に移動し、路地に戻ろうとしているのだ。
- 120 :高向谷 司朗:2012/06/08(金) 00:59:14 ID:NntjvIzM0
- >>119
「……二兎追うもの二兎は得ず、と……」
流石にこれ以上の無茶は無理だと判断したようで、携帯を取り出した。
ここで奴を追って、目の前に確保した一人が目を覚まして逃げられては、骨折り損というもの。
「もしもし、警察――はい、武装していました……。
一人は逃亡、一人動きを止めました――。
あ、あと被害者がいるので、念のため救急車お願いします――」
- 121 :名も無き異能都市住民:2012/06/08(金) 01:06:37 ID:SSMHlh/20
- >>120
既にアパートの住人が警察に連絡していたため、
思いのほか早く救急車とパトカーがやってきた。
幸い、弾丸は抜けており倒れた男のほうも
足に流れ弾を喰らったものの、別条はないとの事で
取調べによってあの男も、すぐに足がつくことだろう。
後日、司郎はいくらかの謝礼金をうけとったそうな……。
// 〆!
- 122 :柊宇都 綾:2012/06/08(金) 22:51:18 ID:ElM9U72Y0
- ―――夜。
闇が空を支配する。
追い詰められた光は点として存在するのみ。
明りとしては存在するが、それは光としては届かない。
「……」
微かな星の明りが地表を照らしていた。
光になり得るはずの月は厚い雲に覆われてその姿を見せようとはしなかった。
その為にこの公園の人通りは何時もより少なく、綾の練習には絶好の機会となっていた。
身の丈以上。目測で2mはあるだろう刀に手を掛けていた。
水色の帯の巻かれた刀を握り、虚空に作り出した敵のイメージを強く睨む。
深く腰を落とし、小さく長く息を吐いて行く。
そして、次の瞬間、ビュン。と強い一振り。
太刀筋は見えない、光が走った後には既に納刀されていた。なぜなら、それが居合いの一撃だったからだ。
水色の帯の巻かれた細身の刀。名を『居合白鳴』と言う。
銀の鏡の如き鮮やかさを持つ刃の一太刀。
それは一瞬ではあるが星の光を受けて反射し、それは光の筋を作った。
――――月!!
光の一太刀が雲を割る。
顔をのぞかせた月は綾に柔らかい光を浴びせる……。
- 123 :アイリス:2012/06/09(土) 21:25:37 ID:do5XJmGE0
- 【AGカフェ】
ある人相手に出した手紙は、既に返事と必要な物が返ってきた。
そうしてアイリスは、いつものごとくAGカフェへと現れた。
一夜城のように、閉塞した場所ではなく、ここAGカフェで頭をすっきりさせようとやってきたのだ。
いつでも飲んでいいかのように用意されていたカップにコーヒーを注ぎ、いつものカウンター席に腰掛けた。
「忙しくなる……か。」
千夜学園へと足を進め、手に入れた其れ。
其れは退学届。
カウンター席、カップをお供に退学届に記載する内容を書き込んでいく
- 124 :軍服の少年:2012/06/09(土) 21:28:12 ID:1BBSxSE20
- 「…………、」
人影があった。
薄汚れた軍服を纏った、それほど背の高くない少年。
軍帽を目深に被っていて、髪の色や瞳の様子は全くと言っていいほど見えない。
「…………、」
人影があった。
ニュースを騒がせたテロがあった場所、復旧作業が続くターミナル。
少年は工事中を示すコーンを乗り越えて、その場所へ侵入していた。
「…………、……騒音。」
工事現場特有の、重機が打ち鳴らす轟音。
それを耳にまっすぐ入れて、顔を顰めていた。
- 125 :東西南北良方 ◆NSEW/xeQlk:2012/06/09(土) 21:48:57 ID:7gFzKdaU0
- >>123
「ちーっす、っていつも通り居ねーかアイツぁ」
ドアを開け、一人のチンピラじみた青年が店に入って来た。
学ランの中に真っ赤なアロハを着るセンスも、蛍光色の黄色と黒の横縞の髪も、サングラスも。
何もかもが、独特すぎて理解を受けない様な毒々しさ。
肩には学生鞄を背負っており、休日だというのに学校に行っていたようで。
カウンターに見覚えのある人を見つけると、呑気な笑みを浮かべて近寄って行き、話しかける。
「ういっす、アイリス先輩――、って、退学届、っスよねそれ?」
肩越しに書類を覗きこみ、何故、と問いかけるような口調と表情を浮かべる。
普段の飄々とした態度とは違い、歳相応の態度だった。
- 126 :アイリス:2012/06/09(土) 22:01:37 ID:do5XJmGE0
- >>125
必要事項を書き終えた退学届を懐にしまい込む。
これはいざというときの保険であるそれは、今使用する手札では無い。
良方へ目を向ければ、笑みを作ってみせる。
「まあ、そうだね。だが今直ぐに提出するものでは無いからね。
ところで、その格好じゃあ今日も学校に行っていたのかな?」
良方の少し変わった頭を見て、相変わらずだ、とつぶやいて。
対するアイリスも千夜学園の制服だ。
- 127 :東西南北良方 ◆NSEW/xeQlk:2012/06/09(土) 22:09:44 ID:7gFzKdaU0
- >>126
「ん、そうか。だったらいいんだけどさ。
折角の学校なんだし、やめるなんて勿体ねぇと思ったんだよ」
日常に身を置かなかったからこそ、日常を好む。
故に、学校という物もこの青年は大好きであって、自主的にとは言えど、やめることには何かをいいたかったのだ。
そして、アイリスの言葉には首肯を返して。
「ちょいと吸血鬼の嬢ちゃんと殺し合いになっちまってね。
なんとか止めてきたんだけども、ちょいと入院しちゃっててさ。で、さっき先生にプリント貰って、土下座してきたわけだ」
アロハシャツの腹を捲れば、包帯が広範囲に巻かれている。
そして、吸血鬼と殺し合い、と言っていたが、この男は人外狩りをする類に思えるだろうか。
- 128 :アイリス:2012/06/09(土) 22:18:09 ID:do5XJmGE0
- >>127
「へぇ……吸血鬼と殺し合いに、ね。
その話、詳しく聞かせてくれるかな?」
これからロザリアと組んでしようとしていることは、闇祓騎士団への抵抗だ。
いつか…闇祓騎士団の手が千夜学園の生徒へと伸びようとする頃に退学するだろう。
そもそも年齢に対する立場を明らかにする上で生徒になったのだ。
それが、意図せず他の者を巻き込むのなら、退学すればいいだけだ。
「……痛々しいね。お嬢ちゃんといったけれど、もしかしてヴァージニアかな?」
アイリスが知る、お嬢ちゃんと形容される人物は一人だけ。
綾が血を与えた者、ヴァージニアだ。この情勢だ。こういった人外の事件には世間は敏感になっているはずだ。
- 129 :東西南北良方 ◆NSEW/xeQlk:2012/06/09(土) 22:26:26 ID:7gFzKdaU0
- >>128
「ん、構わないぜ、先輩の頼みとありゃ当然だ」
これでも、昔進級の為の課題を手伝ってもらった恩は忘れていない。
闇祓騎士団自体は知らないが、都市の中にきな臭い色が有るのも分かっているし。
目の前の良い先輩は、どうやらその手の事に関わっているようにも見える、面倒事には、慣れているのだ。
「あー、そうそうその子。この前マント弄ってやったりしたんだけどさ。
ちょいとキレ気味で、防人ちゃん、だったっけな。その子と険悪だったから間に入ったんだけども。
どうもね、人間嫌い、憎い、ぶっ殺すー、的なこと言って殺しに掛かってたから、ちょいと止めようとしたら、これ、って訳」
腹を戻しながら、苦笑を浮かべて。
あ、と追記するように声を漏らして、コーヒーを勝手に入れながら言葉を続ける。
「気絶して起きたら病院だったけど、多分後悔してたし、同じようなことにはならない――と思う。
ま、多分だし、俺は全うとはいえねーけど人間だから、確証は無いんだけどさ」
- 130 :アイリス:2012/06/09(土) 22:42:01 ID:do5XJmGE0
- >>129
「……これは問題だね。」
良方の話を聞き、呟いた。
世間は先述の通り、人外が起こす事件には敏感だろう。
その中で起こった、学生と吸血鬼の大立ち回りだ。
そして、学生が腹に負傷を負っている。ならば、世間はどう見るだろうか。
少なくとも断言は出来ない。
「…済まない。同族が君に怪我を負わせてしまった以上、僕は君に謝らなければならない。
話を聞く所、君に責は無い。だからせめて、その傷を治す手助けをさせてくれないかな。」
アイリスは術を紡ぐ。
――我は の子。古の契約と盟約に従いて、顕現せよ。
――地の砂に宿りし再生の焔よ。眠りを覚まし、癒し給え。
――傷ついたその躰を再び燃やし給え
「生命の炎<ライフ・オブ・ブレイズ>」
良方に熱くない火の粉が降り注ぐ。
それを浴びれば、躰の底から暖かくなる感覚に襲われるだろう。
徐々に躰の傷が癒えていき、自然回復の力を活性化するものだ。
しかし、ヴァージニアの行動を知った以上、アイリスは綾に問い詰めなければならない。
従者の責任は主の責任。知りませんでしたでは済ませられない。
人外が世間に厳しい時だ。その中で、この行動。綾は、ヴァージニアの行動に対し、どのように責任を取るのだろうか。
- 131 :東西南北良方 ◆NSEW/xeQlk:2012/06/09(土) 22:52:11 ID:7gFzKdaU0
- >>130
「だろうねぇ、俺自体が気にしてないつっても、他のやつがそうは言わないし」
サングラスを外し、眉間を指でもみほぐしながら、ため息。
右目には0、と数字が浮かび僅かな異能の気配を漏らしていた。
暫くして、サングラスを元に戻すと、どうすりゃいいんだかねぇ、とひとりごちる。
「まあ、俺の勝手なおせっかい、ってのもあるけどさ。
とりあえず、治してくれるなら嬉しいよ、内臓損傷は流石に2日3日じゃ治らんしさ」
自然治癒の活性は、元々人間の遺伝子を操作して作られた、『人間の異種』である良方の優れた治癒力を莫大に増大させる事となる。
額に脂汗が浮かび、数分後にはおそらく傷は痕すら残っていなかった事だろう。
アロハシャツの前をはだけ、包帯を外しながら、コーヒーを口に運び。
「まあ、なんだ。今の俺ぁ、能力あんまり制御できねーから役立たずだけどさ。
なんか力になれることとか有ったら、なんでも言ってくれ。
俺はアイリス先輩も、ヴァージニアも嫌いじゃないからさ。
それに、人外だからって可愛い女の子に襲いかかるような輩とかちょっとむかつくしって訳だ」
特有の、茶化すようではないが飄々とした軽い態度で。
協力の意思と、敵対はあり得ない意思を見せた。
- 132 :アイリス:2012/06/09(土) 23:05:57 ID:do5XJmGE0
- >>131
良方の腹の傷の程度は分からないが、内臓損傷という言葉が出た以上、
それだけの被害を被ったのだろう。
だが、腹に巻かれた包帯を取り払った以上、相応の効果を齎したのだろう。
「例え、君のお節介であろうと、こちらとしては助かっていてね。
本来ならば、僕達で何らかの処罰を与えるのが道理なのだろう。だがそれは今では無い。」
良方は、ヴァージニアを嫌いでは無いという。
それだけの傷を負わされてもだ。
だが、もう一人の存在がどう思っているのか、分からない。
「協力の申し出はありがたい。僕が見る限り、君は『人間』だろう?
だが彼等は――人外に協力する人すらも、敵と言い放った。
…少し、話が長くなるけれど、良いかな?」
コーヒーのカップを、傾けて。
頭の中で、アイリスは良方を外部の協力員(可能性)として組み入れる。
- 133 :東西南北良方 ◆NSEW/xeQlk:2012/06/09(土) 23:11:30 ID:7gFzKdaU0
- >>132
「ん、まあお手柔らかにしてあげてくれ。
反省してもらえりゃ俺としちゃ良い訳だし」
サングラスを指で上げながら。
相手の問に、僅かな間。
「まあ――――、一応は、な」
人間かどうかと問われて、一瞬逡巡するが、一応人間と言っていいと思ったから同意。
アロハシャツの前を閉めながら、首肯して。
「事情なら幾らでも聞くさ、なんであんなにブチギレてたのかも気になるしな」
勝手に持ってきたクッキーを齧りながら。
良方は静かな態度で相手の瞳をサングラス越しに見据えていた。
- 134 :アイリス:2012/06/09(土) 23:27:55 ID:do5XJmGE0
- >>133
「ヴァージニア自身には酷くて口頭注意だろうね。非常に軽いものになるだろう。
だが、彼女の主は違うだろう。僕とて秩序を気取る気は無いからね、決断を下すのも僕では無い。」
ヴァージニアは吸血鬼になって日が浅いと聞く。
故に自らを律する手段を確立出来ていないのだろう。
そういった意味では、ヴァージニアの処分は非常に軽いものとなるだろう。
「――闇祓騎士団、というのは知っているかな?
彼等は人外排斥を是とする集団でね。おそらく君も目にしているニュースだろうけれど、それが僕達の相手だね。
彼等は犯行声明を出してね。その内容は『たとえ人間といえど、人外に協力する者はその同類と見なす』ということだ。
だから、君の身も危なくなる。能力が安定していない以上、安易に協力してくれ、とは言えない。
こういう者たちがいる、頭の中に残して欲しい。」
エリュシオンズ・ナウ紙 5月14日夕刊の夕刊を差し出して。
【お知らせ】情報媒体スレ【告知】
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12841/1246470122/190
- 135 :東西南北良方 ◆NSEW/xeQlk:2012/06/09(土) 23:36:39 ID:7gFzKdaU0
- >>134
「……そうか、ならまだ良かったけど」
多少安心した様子で、良方は息を漏らして。
そして、コーヒーのカップを傾けつつ、アイリスの話を聞いて。
「成る程――、分かった。
まあ、だからつって、協力をやめるつもりはさんさら無いんだけどさ。
それに、能力抜きでも多少以上には戦えるし、そうだな。
ぶっちゃけて言うと、何様だって思って個人的にむかつくから有ったら倒す、ってつもりだな、俺は」
サングラスの奥の右目を軽く閉じて。
犬歯をむき出しにして、良方は笑った。
楽観ではなく、確りと予想した上で、ある程度ならば平気と予想を立てた。
まあ、理由は彼らしいシンプルなものだったが。
- 136 :シロード・スィヴエア:2012/06/09(土) 23:41:41 ID:1sJsd2CgO
-
「あっぷるぎろちん……。
へー、林檎って首斬り台に載ってるもんなのかー」
真っ黒い衣服に、真っ白い頭の長身の男が入ってきた。
「あ、どうもこんばんは、ちょいと、お邪魔しますよーっと……おぉっ、黒い黒い」
サングラスで蓋をした真っ赤な目を少し細めて、話し込む二人の姿を見る。
- 137 :アイリス:2012/06/09(土) 23:46:50 ID:do5XJmGE0
- >>135>>136
「――そうか、ありがとう。
では、もう少し僕の話に付き合ってもらおうかな。」
ムカつくから倒す。シンプルな理由だ。
そういった意味では、非常に心強い。
「僕とロザリー、ロザリアと話をする機会があってね。
僕もロザリアも闇祓騎士団については思うところがある。
頻発する強襲事件、少年グループによる人外の襲撃、模倣犯。そういった、世間が人外に向ける目は冷たい。潜在的な恨みも存在するだろう。
だから、僕たちは組織立って闇祓騎士団に抵抗しようとしているんだ。
以前から協力してくれる人外は居たんだけどね、個と組織だ。
組織立って行動するとはまた別だからね、改めて協力してくれる者たちを探しているんだ。
君は、それでも協力してくれるかい?」
そういい、アイリスは良方を見ようとするが、その瞳はシロード(>>136)へと向けられて。
「やぁ、シロード。もう躰は大丈夫なのかな?」
シロードは憶えているか分からない。
以前あったテロの際に出会った人物、後に城へ案内した者と同一人物だ。
- 138 :東西南北良方 ◆NSEW/xeQlk:2012/06/09(土) 23:50:36 ID:7gFzKdaU0
- >>136
「うわ、目立つ頭だなぁ、アンタ」
けらけら、と笑いながら不躾な言葉をぶつける良方。
悪気はない、あと自分の頭を棚に上げてるのもいつも通りだ。
「お邪魔します、つっても店長も誰も居ねーぞ。
コーヒーくらいなら淹れてやってもいいけど」
店の中を見回せば、店長などが不在だということが分かるだろう。
>>137
「――組織とかそういうの潰すのは得意だ。
これでも、元カノッサ機関、異能者狩りの東西南北 良方さんだぜ?
組織行動もお手の物、頼りになる後輩は、格好いい先輩にいいとこ見せたいわけでして。
つー訳で、当然協力させてもらうさ、まあ何が出来るかは分からねーけど、な」
よく回る口で、軽薄ながらも、しかし中身は有る言葉を連ねていって。
口元をへらへらと緩ませながらも、サングラスの奥の瞳は笑っていなかった。
少なくとも、相手の組織が人ならざる者を狩るように、彼もまた尋常ならざる異能を持つ者を狩る者なのだ。
- 139 :シロード・スィヴエア:2012/06/10(日) 00:06:12 ID:1sJsd2CgO
- >>137
「おかげさまで、先日は軽ーく運動できたくらいだ。何も問題はない」
適当に座り、くるりと二人を視界に入れる。
>>138
「アンタも大概だ」
スゲー頭だな、と思うだけで口にはしない。
ふと、言われて気がつく違和感。
店内を見渡して、はて、と首を傾げる。
「……セルフサービス、とかいうやつかな。
どれどれ、市販品とはなーにが違うんだろーなー」
カウンターを越えて、キッチンへ。
棚という棚を漁って見つけ出すと、嬉々とした表情で淹れ始める。
- 140 :アイリス:2012/06/10(日) 00:13:34 ID:do5XJmGE0
- >>138
「助かるよ。そういった経験を持つ者は即戦力として非常に頼りになる。
これから宜しく頼むよ。」
アイリスは、頼りになる後輩の言葉を聞けば、直ぐに紙ナプキンに自身の連絡先を書き示し、右手を差し出した。
握れば、その真っ白な手は冷たく感じられるだろう。
「それで、君の経験を聞く限り、何処にも振り分けられそうだけれど、
真に力を発揮できる場所は実働部隊が良いかな。
――-君の経験、皆に伝えてくれないかな?」
笑みを浮かべて、アイリスは独断する。
今は猫の手でも借りたい状況である。その中で組織に属していた経験を持つものは非常に貴重である。
良方の活躍の場は戦いだけでは無い。実働だけでは無い。組織運営でも穴を啄いてくれるだろう。
そうして、アイリスの頭の中は組織図の調整が図られている。
>>139
「なら、良かったよ。ちょうどいい、君にも少し話をしておきたいことがあってね。」
カウンターを越えて、キッチンへ移動するシロードを視界に収めて。
アイリスは口を開く。
「闇祓騎士団を知っているかな?」
闇祓騎士団。
一般的な認識は、先日の犯行声明で人外排斥を声高に叫ぶ、過激な集団であるというだろう。
報道を知らずとも、多くの人外が彼等に殺されている点、更には襲撃されている者もいるという噂程度は聞いた事があるかも知れない。
- 141 :東西南北良方 ◆NSEW/xeQlk:2012/06/10(日) 00:18:52 ID:7gFzKdaU0
- >>139
「イカしてるだろ?」
にぃ、といい笑顔を浮かべて見せて。
カウンターの向こうを漁って、コーヒーを入れる図を見て、馴染むなぁ、と小さくつぶやく。
アレくらい図々しいほうが何かと人生良い感じに生きれるだろうと思う。
「居るときゃ居るんだがね。
割りと店に居ないことが多い、まあお代っぽいの置いておけば大丈夫だし」
自分のコーヒーを啜りながら、楽しそうな図を見て。
>>140
「あいよ、期待に添えるようにせいぜい頑張るさ、よろしく」
に、と口角を吊り上げ、右手を握る。
こちらの手はと言えば、傷跡が多く、戦いに身をおいていた事が分かる。
「んー、そうだな。組織行動をする上でのノウハウなら多少は持ってるし。
戦場での実働に関しちゃ、そのために生まれて育てられてきたしな。
――ま、なんとかなるんじゃないかね、なんとかするさ」
首肯を返して、ふと、己の右手に視線を落とす。
己の持つ知識や経験がどれほど役に立つかは分からないが。
少なくとも、己の存在意義が能力だけではない事は、少し以上に嬉しかった。
- 142 :シロード・スィヴエア:2012/06/10(日) 00:39:12 ID:1sJsd2CgO
- >>140
「ああ、知ってるよ」
角砂糖を摘んで、しげしげと眺めながら答える。
「もっとも、その組織に組織で対抗しようとしているキミほどには、物を知らないけどね」
珈琲要るかい?
と、気の抜けた声で問いかける。
>>141
「うんにゃ、似合わない」
むしろ、オカシイ。
ケタケタと口角を吊り上げて、シャフ度で笑いかける。
「む、お代か……そいつぁ、失念してたわ」
文無し宣言。
- 143 :アイリス:2012/06/10(日) 00:46:54 ID:do5XJmGE0
- >>141
「心強いその言葉、頼りになるね。」
良方の力は、アイリスは知らない。
だが、経験を持つという人種は限りなく少ないだろう。
良方の経験は、刻んできた傷跡が物語っている。
それだけで、十分アイリスたちには心強い。
「ああ、なんとかしよう。大きく君に頼ってしまうと思うけれど、
一応、僕自身も実働に振り分けるつもりでいるからね。宜しく頼む。」
アイリスは現在では、多くの仕事を抱えることとなる。
情報管理、避難誘導、実働、そしてトップの仕事。
実際に戦場を共に駆ける時は少ないかもしれない。
>>142
「頂こう」
シロードの申し出を素直に受けて、コーヒーを待つ。
「だろうね。あれは実際に交戦したものでなければ分からないと思うよ。
それでだ。君は彼等――闇祓騎士団について、どう思っているのかな?」
一夜城に宿泊できるシロードにとっても対岸の火事では無い。
彼等は、アイリスの顔を知り、名前を確認してからアイリスと刃を重ねあったのだ。
必要最低限の情報、顔と名前、種族程度は把握しているかもしれない相手に、組織立って対抗する。
その為の布石だ。答え次第で、アイリスの動きは変わる。
- 144 :東西南北良方 ◆NSEW/xeQlk:2012/06/10(日) 00:51:10 ID:7gFzKdaU0
- >>142
「やっぱり? よく言われる。
でも、イカれてるくらいがイカしてるってのが俺の持論なんだ」
気を悪くした様子も無く、腰ほどまで伸ばしたもみあげを軽く整える。
ロングヘアなのか、ショートヘアなのか。
わけがわからない髪型だが、きっと着にしたら負けなのだろう。
「……まあ、アイリス先輩にでも借りとけ。
知り合いなんだろ?多分」
>>143
「まー、任せときなさいって!
んでもって、明日も補修だから、俺はそろそろ行くわ。
何か有ったら、連絡するから、これ、俺の連絡先ね」
紙にさらさらと連絡先を書くと、良方は開いてに差し出し。
軽く手を振り、会釈すると店を後にしていった。
- 145 :シロード・スィヴエア:2012/06/10(日) 01:15:40 ID:1sJsd2CgO
- >>143
返事一つ、棚からカップを出す音二つ。
節操無く物色して回っているのは聞くだけでも分かった。
「どう思うか、ね。
――非常に気になる、と言った具合かな」
ほい、と珈琲を持ってきて答える。
珈琲は素人が淹れたと分かる、何とも中途半端な出来である。
「なんというか、行動と動機に齟齬が見え隠れすんだよなー、変な所で冷静というか。
ま、伝聞だの新聞だのが専らのソースな意見だから、知ったか振りも甚だしいがな」
自分の珈琲をすすり、ふむーと首を傾げる。
>>144
「うーん、腹を割った仲ってやつ?
バッサリと深くまで入ったし、知り合いには違いない」
但し書きとして、物理的にバッサリと、である。
- 146 :アイリス:2012/06/10(日) 01:27:59 ID:do5XJmGE0
- >>144
「ああ、これから宜しく頼むよ。」
頼りになる者、理由を知って、彼等の素性を知ってなお、闘うと言ってくれた者にアイリスは手を振り、見送る。
吸血鬼勢・リリシア・イメル・キョーコ・クロスと、この現状を知り、協力してくれそうな面々に声を掛けていかなければならない。
そうやって、力を増していくことで、彼等に対応できるのだろうか。
――いや、なんとかしなくちゃね、アレも作れるのなら作るんだし
良方の連絡先を確認後、さっと携帯電話に良方の連絡先を登録した。
>>145
シロードが淹れたコーヒーを飲んで、表情を変えることは無かった。
だが、言葉は気になった。
「そう、彼等は冷静だ。
不利を悟れば、退却すら辞さない。だけど、彼等は声明を発表しつつも犯行を重ねているんだ。大胆かつ冷静にね。
彼等の声明を発表するような動機は分からない。そういった行動、それに準ずる行動をする場合、声明は必要ない。
相手である人外を警戒させる。黙って行動している限り、彼等の行動は噂の域を出ないはずだ。もしかすると怪談になるかもしれない。
…、現実的な話をするのなら、組織内での派閥でもあるのかもしれないよ。
彼らは原則的にチームで行動するようでね、そのチームを見るだけでも違う。
君が本当に気になるのは、どちらかな?」
再び、コーヒーを飲み。
それから角砂糖半個とミルクを少し多めに淹れて、味を確かめるように一口飲めば、シロードに向き直り
- 147 :シロード・スィヴエア:2012/06/10(日) 01:57:09 ID:1sJsd2CgO
- >>146
「……どちらといえば前者のほうだが、なるほど派閥があるとすれば、すんなり通るな」
アイリスが珈琲に角砂糖やミルクを入れる様子を観察していたが。
言われてから、なるほどなぁ、と頷いた。
「人外を殺す事に目的意識が向いている派閥と、その活動を吹聴――いや、公表する事でなにがしか得をする派閥か。
一枚板な組織かと思えば、そんなわけありませんよー、て考えなのかな?
んでもなー……なんか組織として、人外に協力する人間も殺しますってのがイビツに感じるんよ、個人的に」
違うもんかね、と呟いて。
角砂糖を珈琲に落として、バラける様を少し眺める。
- 148 :アイリス:2012/06/10(日) 02:17:40 ID:do5XJmGE0
- >>147
アイリスは、コーヒーを一口飲む。
「組織として、派閥は存在するだろうね。
何らかの原因で人外に恨みを持つもの、それとは別に殺害を楽しむ者、公表することで何らかの利益を得る者。
簡単に想像するとこんなところだね。
ただ、人外に協力する人間も殺す、これは分からないね。本当の狙いが分からないんだ。
可能性としてあり得るのは、禍根を断つという意味かもしれない。
ただ、言えることはひとつ。
彼等、闇祓騎士団は僕達人外の敵ということだね。勿論、僕は降り注ぐ火の粉は払う。
既に襲撃を受けた者もいる。これから襲撃を受けるものもいるだろう。だから僕たちは一つに纏まり、抵抗するんだ。」
シロードの意思が気になる。良方のように、話を聞いた上で共に戦うと言ってくれるのならアイリスは協力を要請するだろう。
組織立って行動することも、彼の耳に入っている。その辺りを了承してくれるのなら、話は早い。
目的はある。行動原理もある。組織名が無く、構成員も少ない。その象徴も未だ決まっておらず。
「シロード、君にも協力してほしい。本当は直ぐに答えが欲しいけれど、こればかりは個人の意志だ。
君の意志を教えてほしい。答えはいつでも良いさ。次、会った時でも、ね。」
コーヒーご馳走様、と言い、飲み切ったカップをカウンターに置く。
お代はシロードの分も含まれており。
済まないが、そろそろ戻らないといけないと言えば、その姿は金の粒となり消えて行くだろう。
- 149 :シロード・スィヴエア:2012/06/10(日) 02:45:52 ID:1sJsd2CgO
- >>148
「考えておくよ」
にこやかにアイリスを見送り、置かれた代金に目をやる。
また、借りが増えたな、と胸中でカウントアップ。
「僕達人外が一つに、か……。
異世界の人間も人外に一括りに纏めてくれるとは、底が知れんね」
シロードも元居た世界では人間にカテゴライズされていた。
だが、人外しか入れない一夜城に入れた、という事は、こちらの基準に照らし合わせるとやはり人外なのだ。
彼処がその一夜城だと断じるにはやや抵抗があったが、今の発言で確信せざるを得なくなった。
ぐいっと、珈琲を沈澱した砂糖ごと飲み込んでカフェを出る。
……後片付け? 洗い物は済ましたよ。
- 150 :レラ=バニッシュ:2012/06/11(月) 22:48:56 ID:ElM9U72Y0
- ―――公園。
「いっづ、ぁ……」
ベンチに横になり、呻きを上げる。
ここ数日は頭痛が特に酷いことになっている。
外側から叩かれる痛みと内側は膨れて破裂するかの様な痛み。
先日、河平に連れられて病院に行ったが、原因は解らないらしく。
「っく、ぅ……!」
時折頭を押さえては呻く声を漏らすのみ。
如何した物か。と頭を抱えるがその思考すら痛みが阻む。
- 151 :名も無き異能都市住民:2012/06/12(火) 22:39:08 ID:dL8H4NjE0
- >>150
「あれ?」
「どうしたんだ?」
その近くを通りかかる手を繋いだ幼い少年と少女。
かなり似ている顔つきに服装、銀色の髪、蒼の瞳とすべて同じなので双子だとわかるだろう。
「大丈夫ですか?」
「あ、ちょ、おい……」
少女が駆け寄り、手を繋いでいるせいで少年がその方向に引っ張られ体勢を崩す。
それでも手ははなさず、少女と一緒にレラへと駆け寄る。
「どこか悪いんですか?怪我は?」
少女が問いかける。
- 152 :レラ=バニッシュ:2012/06/12(火) 23:00:40 ID:ElM9U72Y0
- >>151
「ッ……?」
痛みの中に聞こえた声。
苦しげな表情を浮かべたまま其方を見る。
「……解らんのか」
ジロリと向ける瞳は鋭く、少なくとも友好的では無い。
それだけを言うと視線を外してしまった。
- 153 :名も無き異能都市住民:2012/06/12(火) 23:18:31 ID:dL8H4NjE0
- >>152
「ちょっと待ってくださいね」
鋭い視線に臆する様子はない。
少女は手を繋いでいない方の手をレラに伸ばす。
「俺は離れた方がいいか?」
「うーん、これの効果次第かな。とりあえず近く手握ってて」
そんな会話を交わしたあと、少女はレラの額に触れようとする。
もし少女の手がそのまま触れたなら、能力を妨害する何かがない限り、痛みは引いていくだろう。
- 154 :レラ=バニッシュ:2012/06/12(火) 23:56:19 ID:ElM9U72Y0
- >>153
「……貴様の遊びに付き合う暇は無いぞ」
額に手を当てられると視線だけを動かして其方を見る。
効果は無いか、少なくとも低いのどちらかなのだろう。苦しそうな表情は相変わらずだ。
- 155 :名も無き異能都市住民:2012/06/13(水) 00:10:27 ID:dL8H4NjE0
- >>154
「あれ?おかしいな……」
効果がないことがわかり、少女は首を傾げる。
更に力を強くすることも考えたが、それは少し危険でもあったりする。
「効果がないならとりあえず普通に応急処置するしかないだろ、ほら」
少年が水の入ったペットボトルとタオルを取り出し、水をかけてタオルを濡らす。
そしてそれをレラの頭に乗せようとする。
- 156 :レラ=バニッシュ:2012/06/13(水) 00:16:51 ID:ElM9U72Y0
- >>155
「なんだ、貴様たちは……」
相変わらず視線を向ける訳でも無く其方をにらんでいる。
タオルを乗せられることに抵抗はしないが、瞳は訝しげなまま。
「幾ら善意でも、押し売りでは賛同できんな」
フン。と鼻で笑うのみ。
自分から動く気は無いらしい。
- 157 :名も無き異能都市住民:2012/06/13(水) 01:33:31 ID:dL8H4NjE0
- >>156
「妹が重度のお人好しなんだ、許してくれ」
外見に似合わない大人びた雰囲気を漂わせて少年が言う。
少女を妹と呼ぶあたり、どうやらこちらが兄らしい。
「押しつけがましくてすいません。どうしても放っておけなくて」
少女がニコリと笑う。
裏表のない完全な善意での行動なのだろうとわかる、純粋な笑みだ。
「それで、どうですか?体調」
心配そうな顔になって少女が聞く。
- 158 :レラ=バニッシュ:2012/06/13(水) 01:42:08 ID:ElM9U72Y0
- >>157
「それが必要ないと言っているんだがな。
そう言う認識があれば常識で止める判断はできる筈だが」
兄と思わしき方に視線を向けると、また睨む。
元々乏しい協調性が頭痛によってさらに殺がれているらしい……。
「話を聞けと言った筈だ……。
貴様が何をしたのかは解らないが、恐らく効きはしない」
やっと体を起こすと少女と向き合う。
頭を押さえて苦痛の表情を浮かべる。
- 159 :名も無き異能都市住民:2012/06/13(水) 01:53:57 ID:dL8H4NjE0
- >>158
「そこまで言うなら手当する意味もないか。おい、行くぞ」
「え、ちょっと?」
その場に留まろうとする少女を無理矢理引きずって、少年は去って行った。
- 160 :レラ=バニッシュ:2012/06/13(水) 02:00:34 ID:ElM9U72Y0
- >>159
「……フン。
いい頃合いだな。僕も帰るか……」
ゆっくりと立ち上がる。
着地の振動が響いたのか呻き、よろめく。
そのままふらふらと歩き去って行った……。
- 161 :アイリス:2012/06/14(木) 20:50:18 ID:do5XJmGE0
- 【AGカフェ】
アイリスともう一人がドアを開ける頃、チリンと音が鳴った。
アイリスにとっては普段と同じ座る箇所。
今日は童女と一緒にこの店へとやってきた。
とはいっても、童女は眠たそうにしており、アイリスの膝の上に座ってしまうと直ぐに眠ってしまった。
昼寝を取らずに朝から晩まで遊びまわっていたせいか、小さな寝息をたてる童女の頭を撫でて。
「アル、クロスお兄ちゃんが来たらケーキとフルーツを食べ……眠ってしまったか。」
千夜学園のブレザーのラベル(下衿)をぎゅっと掴んで、ワイシャツに顔をすりつけているようにも見える。
さて、とばかりにアイリスは術式を描き始める。
それは今後使用するであろう、術式だ。
羊皮紙に万年筆でサラサラと描く術式はアイリスを除く誰もが見慣れないもの。
収集と集計を組み合わせた、シンプルなものだ。
- 162 :ゼオラ=アドヴァルド:2012/06/14(木) 21:35:20 ID:ElM9U72Y0
- 「いらっしゃいまーせー」
アイリスの入店と同時に発せられる気の抜けた声。
それは厨房から包丁の刻むリズムに紛れて向けられていた。
声の主は長い紫色の髪をポニーテール状に結った少女。
手にした包丁で板チョコを少々厚めに刻んでいた。
良く見れば、少女の衣装はなんどか目にしたことのあるだろう、この喫茶店の制服だった。
- 163 :アイリス:2012/06/14(木) 21:40:53 ID:do5XJmGE0
- >>162
包丁で板チョコを刻む音の中、声に反応したのはアイリスだった。
カウンター席に座り、懐で眠る童女の頭を撫でている。
「…今日は初めましての店員だね。
オーダーはいいかな。」
流石にチョコレートを切っているとは知らないが、とりあえずオーダーが可能かどうか確認してみることにした。
ゼオラがカウンターからアイリスの姿を見られるのなら分かるはずだ。
アイリスがカウンターに視線を向けたまま、ゼオラに声を投げかけたことに
- 164 :ゼオラ=アドヴァルド:2012/06/14(木) 22:03:32 ID:ElM9U72Y0
- >>163
アイリスが声を掛けると、包丁を動かす手を止める。
包丁を倒して置き、調理台越しにアイリスを眺める。
「……」
アクションはそれだけ。
口の代わりに手を差し出す事もしなければ、その代わりの口も無い。
何も感じない、驚くほどに無機質な瞳がそちらを眺めるのみである。
- 165 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/06/14(木) 22:14:03 ID:HnkBBDEo0
- 「っだー! やっと手続き終わったー!!」
ドターンと思いっきりドアを開けてクロスが入店。
私服のままドカドカと入り、ソファーに向かって落ちるように座る。
「ったく、あの会社め。せっかく俺が鉱脈引き当てたってのに買取に値引きなんざ仕掛けやがって」
そのままグチグチと言いつつ辺りを見回す。
- 166 :モルフィ:2012/06/14(木) 22:28:40 ID:IrsgDsYs0
- >>165
「あっ、あれかな?」
しわくちゃになったメモを握りしめ、ひらひらとAGカフェに向かう青い蝶々が一匹。
人差し指の長さに満たないその体躯は8歳児の少女そのもの。
偶然車の途切れた道路をひらひらと渡り、カフェに…
後ろから突然、烏が襲いかかってきた。
「わ…きゃあ!」
紙一重で避けきれず、弾き飛ばされてガラス窓にぶつかる。
「うにー、痛い…」
葉っぱで作られた洋服が大きくはだけたみっともない格好で、地面に落ちていく。
- 167 :アイリス:2012/06/14(木) 22:30:10 ID:do5XJmGE0
- >>164
「せめて、イエスかノーかだけでも答えてくれるとありがたいんだけどね、
まあいい。チョコレートケーキとショートケーキとフルーツパフェ、アイスティーとホットミルクを。
ホットミルクはは大さじ二杯の蜂蜜で甘みをつけてくれるかな。」
アイリスは手を止め、無機質な瞳を見る。
その瞳は空虚というイメージをアイリスに覚えさせた。
中身が無い、外見だけのもの。
空っぽの器。
そんなゼオラの瞳に、アイリスは見つめ返す。
- 168 :ゼオラ=アドヴァルド:2012/06/14(木) 22:37:38 ID:ElM9U72Y0
- >>165
「いらっしゃ……」
音と同時に口を開き、それから目を向ける。
目に入った店主の姿に口を閉じ、出ていた言葉をかみ殺して。
「おかえりなさいまーせー」
言い直した言葉は妙に気の抜けた声と微妙なアクセント。
>>167
「……イエス」
ボソリ。と、アイリスの注文の終わりから、僅かな間を以て返す。
瞬きと同時に顔の向きもアイリスから外れると自分の作業はそのままに、
調理台に置かれた足場から降りたらしく姿を消すとその数秒後に冷蔵庫が開いた。
- 169 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/06/14(木) 22:43:10 ID:HnkBBDEo0
- >>166
「……」
クロスの目がソニックブームを起こすような速度でグリリと動き、その少女の肢体を凝視する。
(まて、落ち着け俺落ち着くんだ、あんな場所に都合よく幼女があんなはしたない格好で倒れているわけがない。
あれは俺の性癖を知り尽くした何者かが仕組んだ孔明的罠か何かに違いない。
いや待て待て待て待てしかしここで手を出さずにいつ出すんだっていうちょっと待とう俺落ち着こう。
これ以上前科を増やすわけにはいかないし今度こそムショ送り確定だぞ。タダでさえ災害指定受けてんだ
落ち着け俺落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け)
凝視している。
>>168
「……オイィちょっと待てゼオラぁ!?」
ソファーからバッと飛び起きツカツカと詰め寄る。
「やめたんじゃ無かったのかゴルゥア! いきなり辞めるって言ったり先日の件といい、
お前は一体なーにがしてぇんだよ。なーにが!!」
- 170 :アイリス:2012/06/14(木) 22:49:36 ID:do5XJmGE0
- >>168
「…………」
アイリスが知る、AGカフェの店員は、クロスにアテナ。
二人共調理の様子を見たことがあり、味も美味だった。
だが、この店員は分からない。
「ああ、それからフォークは3つ用意してくれるかな。
この子の分なんだ。」
店内に人気が増えたことが気になったのか、童女が目を覚ました。
くりくりとした赤い瞳、さらさらとした銀色の髪の童女だ。
童女はにぃに…、と目をこすりながら呟く。
>>169
ゼオラが対応する客に、アイリスがいた。
いつものカウンター席に、今日は懐に2つか3つ程度の童女付きで、だ。
「やあ、クロス。そんなに慌ててどうしたのかな?」
完全に術式を描く手を止めたアイリス。
その手は童女の髪を撫でた後、三つ編みを作ろうとしていて
- 171 :ゼオラ=アドヴァルド:2012/06/14(木) 22:59:24 ID:ElM9U72Y0
- >>169
「やめてない」
以前、クロスの元に届いた手紙には『飽きた。しばらくお休み』と書かれていた。
その主張どうりなら、確かに『辞めて』はいない。
「ちょっとだけ……」
クロスに向かい、意識しなければ聞こえない程の声を漏らす。
尤も、それはいつも通りの事なので慣れて居るのであれば問題はなさそうである。
が、内容に問題がある。
クロスに返答をしたつもりらしいが、やはり主体性は無く言葉の意味も薄めだ。
>>170
「……イエス」
消え入りそうな声は距離が離れて居る事で更に薄弱に。
冷蔵庫からフルーツパフェ用のフルーツを幾つか手に取って帰ってくると再び台に上がりカウンターの向こうを眺める。
アイリスの腕に抱かれた童女をガラス玉でしかない瞳で眺め、意図を知ると。
「……イエス」
とだけ返した。
- 172 :モルフィ:2012/06/14(木) 23:04:24 ID:IrsgDsYs0
- >>169
「うに〜」
よろり、と起きあがると勝手にドアノブが回り、ドアの動きに呼応したベルが小さく歌う。
本当は念動力で動かしたのだが。
「えっと〜、AGカフェって、ここで良いんですか?」
葉っぱの服を少し直す。
が、かなりの部分がちぎれて無くなっており、放送するのにモザイクが要るか要らないか、と悩むような格好だ。
「あの、ここに来れば優しくてトイザらスで紳士的な格好良い店長がお仕事をくれるかもしれない、と聞いたのですが。」
×トイザらス→○デンジャラス。
紳士的、という言葉から店長はたぶん男の人。
懇願する目でクロスを見つめる。
「お願いです、私を雇ってください!」
お願いします、ともう一度繰り返した。
- 173 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/06/14(木) 23:11:06 ID:HnkBBDEo0
- >>170
「おい、この幼女どこから連れてきた? 誘拐か?
今日は幼女パーティーか何かか? 俺はもしかして幻覚系能力の術中にかかってるのか?」
何かクラクラしそうな顔でアイリスと、その傍らの少女達を見る。
目が犯罪者のソレになっているが、必死に自制しているようだ。
「ああ、ちょっと借金を返す為に鉱脈を掘っててな。
店の売り上げで返すのも面倒だったんで、鉱脈を掘り当てて売っぱらってきた。
器物破損で数千万とかやってらんねーわ。ビルの支柱を折っただけだぜー?」
グチグチと言いつつイスに座る。
「お前こそ、今日はどうした」
>>171
「ああ? だって……いや、もういいわ」
手紙はムカついたんで暖炉に放り投げたのを思い出し、確認が取れないため大人しく黙ることにした。
「ちょっと……? ん? 何か言ったか? ホレ、何でも遠慮なく言ってみろ」
ゼオラの口元に耳を向ける。
>>172
「あー、ちょい待ってー」
シフト表を取り出し、メンバーの確認。
「うーん、みんな不定期だしなー。いや、でも時々忙しいときは入ってくれると助かるし……」
パタンとシフト表のファイルを閉じ、
「でも、君働いて大丈夫? その、年齢的にこれ以上小さい奴を雇うと目をつけられそうなんだよなー。
一応、年齢とか聞きたいんだけど……明らかに10歳越えてないよね?」
とりあえず、確認。
- 174 :アイリス:2012/06/14(木) 23:19:09 ID:do5XJmGE0
- >>171
童女は目をこすった後、ゼオラを1秒ほど見つめると、にこーっと笑ってみせた。
寝起きでボンヤリとしているのか、声が漏れた。
『にぃに、ここどーこ?お姉ちゃん誰?』
幼さ故か、落ち着かずにキョロキョロとすれば、途中まで編んでいた三つ編みが解けた。
アイリスが隣の席に座らせようとするも、ブレザーのラベルを掴んで離さない。
再びゼオラを見つめているが、キョトン、と不思議そうな表情を浮かべていた。
「アル、ここはAGカフェというところでね、僕のお気に入りさ。
だからアルも連れてきたんだよ。このお姉ちゃんはねぇ……、……」
アイリスはゼオラの名前を知らない。
その為、言葉が続かなかった。
>>173
「……クロスが僕をどういう目で見ているかは分かった。
だけどね、この子は僕の身内さ。“ちょっとした事情”で僕と一緒にいるだけだからね。」
クロスに言葉を投げる。その言葉は僅かに冷たさを宿しており。
仮にクロスが童女に飛びかかってきたら、魔眼を全開にして対応する。
そう心に決めたアイリスであった。
そして童女はというと、
アイリスの肩越しにクロスをじーっと見つめれば、笑ってみせた。
幼い故に矢張り落ち着かない。
先ほどからゼオラとクロスと>>172に視線が移り放題である。
「…ふむ、話は分かった。
君の場合、値段の交渉中、ないしは交渉後に『足元みやがって』と言い、壁を殴ったのだろう?それで、ビルの支柱を折ってしまった、と。
…まあいい。君の破壊癖は前々からそうだ。今更驚きはしないね。
で、今日の用件は、君に呪紋付きの剣を作って欲しくてね。これが出来るのは君しか居ないだろう。」
- 175 :モルフィ:2012/06/14(木) 23:31:17 ID:IrsgDsYs0
- >>173
「うぐ…え〜っと、そのぉ………。」
目があさっての方向に泳いでいく。
蝶だけに、バタフライで。
外見年齢、 8歳。
精神年齢、12歳。
実 年齢、 2歳。
…………。
「でも、働かないと何もできないんです。」
所持金0、身につけているものは葉っぱだけ、持っているのはしわしわの紙切れ一枚。
「ある程度年を取らないと、雇ってもらえないんですか?」
うにー、と頭を抱える。
どうすれば歳を取れるのだろう、と必死に考える。
>>174の膝の上の童女の視線には気付かないようだ。
視線に気付けるようなら、そもそも烏の奇襲など受けないわけで。
- 176 :ゼオラ=アドヴァルド:2012/06/14(木) 23:31:34 ID:ElM9U72Y0
- >>173
「……クロス」
フルーツを分断しながら口を開く。
その手を止めることなく其方に真っ直ぐな視線を向ける。
片手に桃を取りつつ器用にも皮を剥いて行く。
息を吸った様で小さく胸を上げるとその空気を頬に貯めた。
ぷっくりと膨らんだ頬は所謂怒りのジェスチャーで。
「……ゼオラ、マグロじゃないもん」
>>174
少女と視線を交わす。
数秒そうして固まっていたが、パチリと大きく瞬きをした。
少女なりに意思を通したつもりなのだろう。絶対に伝わってないが。
「……ゼオラ」
アイリスの言葉に続けるように口を開く。
そうした後で、ひとりフッと息を吐く。何かの意味があるのだろうか……。
- 177 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/06/14(木) 23:39:22 ID:HnkBBDEo0
- >>174
「いや、いや? 壁殴ってないですよ!? 今回はしてませんよ!?」
前科ならあるようだ。
冷や汗と共にツッコミを入れつつも、呪紋つきの剣とやらに興味を示す。
「剣かー。それくらいなら作れるけど、その呪紋とやらはどーするんだ?
出来れば、それについては紋の製図か……せめて何らかの指定があれば助かる。
剣も色々種類あるし、好みを聞きたいね。重さとか、長さとか、用途とかさ」
>>175
「いや、そこまで深刻にならんでいいよ。ただの確認だ。
別に少女を雇うことに何も問題は無いけど、俺の信用度に問題があってな。
最近はお気に入りの通学路で小学生の観賞をしてるだけで、みどりのおばさんがアンチマテリアルライフルをブッ放つようになってきた。
ただ見てるだけだってのにだよ? ロリコンは命がいくつあっても足りねぇな!!」
要するに、クロスの店に少女がいると、「まさか、あのロリコンついに誘拐を……」と思われやすいらしい。
「まあ、その辺りは俺がなんとかする。働くんだったら、この履歴書にいろいろと書いてくれ。
仕事についてはこれから教えるよ。ゆっくり慣れていけばいい。金がいるんだろ?」
そう言って履歴書を渡す。
名前やら種族やら、簡単な自己紹介を記入すればいいようだ。
「ようこそ、Apple Guillotineへ」
>>176
「……」
思い出した。
先日の戦闘、ついカッとなって色々と言ってしまった記憶がある。
「えー、軽率かつ酷い発言をしてしまい、非常に申し訳ございませんでした」
そこは謝った。
「っていうか、こんな表情されたら謝るしかねーだろ……卑怯だぞ……」
- 178 :アイリス:2012/06/14(木) 23:47:52 ID:do5XJmGE0
- >>176
勿論童女には何も伝わっていない。
童女はキョロキョロ、ゼオラの桃を剥く様子を見ながら、アイリスの膝の上に立ち、手足をバタバタさせる。
「僕はアイリス、この子はアルだ。
まだまだ幼いからね、自分の名前がちゃんと言えなくてね。アルだからね。」
『ゼオラお姉ちゃん!!アユはねぇ、アユ!』
やはり落ち着かない。
カウンターに手をついて、足で軽く跳ねながら、元気よく自分の名前を告げた。
これでアイリスが事前に訂正した意味が分かるはずだ。
元気に言えたね、と言い、アイリスは童女の頭を撫でる。
>>177
冷や汗をかくクロスに、両手を肩の高さまで上げる。
アイリスが真横に手を伸ばすと、剣が一本出てくる。それを童女の手の触れないところへと置く。
クロスなら見たことがあるかも知れない。以前、クロスと戦った際に使用していた武器だ。
「勿論、抜かりない。
素材も呪紋も用意できているからね。この剣と同じ長さ、重量配分でお願いしたい。」
そして取り出す素材は不思議なものだった。
既に軽く磨かれているのか、木目模様らしきものが走っている。
それから呪紋を取り出した。
それは、クロスが見たことが無いであろうものだ。禍々しさを感じるであろうそれは、記号とも文様とも取れないような、不思議な紋だ。
剣の輪郭が既に書かれており、その限られたスペースいっぱいに書き込まれている。
- 179 :モルフィ:2012/06/15(金) 00:00:43 ID:IrsgDsYs0
- >>175
「あんちまてりあるらいふる…?」
Anti material rifle...?
…などという変換はできず、受け流す。
「ロリコンだから?ひどい、年齢と恋愛は無関係です!」
履歴書をみる。ペンを持…たず、宙に浮いた履歴書に踊るペンがインクを放つ。
名前 Morphy
種族 新種(不明)
自己紹介 料理は得意ですがバリエーションが乏しく、知らないことばかりです。
未熟者ですが、がんばります!
満面の笑みで、履歴書とペンを渡す。
「えへへ。これからよろしくお願いします、店長さん!」
よほど嬉しいのか、顔が少し赤くなっている。
- 180 :ゼオラ=アドヴァルド:2012/06/15(金) 00:16:50 ID:ElM9U72Y0
- >>177
クロスの言葉を聞くとスッと頬の空気を抜く。
表情は普通。いつも通りの凍りついたそれだ。
「許す」
>>178
「……イエス」
アイリスに指定された返答を忠実に守って居る様だ。
小さく頷く。というジェスチャーで伝える。
フルーツパフェと言う物は思いのほか簡単だ。
フルーツを切り分けてパフェグラスに盛り付けるだけ。
冷蔵庫と調理台をもう一往復し、アイスとコーンを手に戻ってきた。
パフェグラスも取りに行き、コーンを3分の1程盛ってからその上にアイス、生クリームを乗せる。
後は切り分けられたフルーツだが、それの数は多い。
桃やパイナップルは見せていただろう。だが、少女の前には数倍の種類のそれがあった。
グラスに盛られたアイスは言わば土台。フルーツをそれに乗せてパフェと言う物を作り上げていく。
グラスの淵に添えたり、アイスに差し込んだりする。
そうしてできた物はフルーツの山。奥のアイスが見えなくなるほどに積み重ねられた芸術品だった。
- 181 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/06/15(金) 00:20:02 ID:HnkBBDEo0
- >>178
「流石アイリスだ。ぬかりないね」
目の前の剣を懐かしく思いつつも片手に取り、もう片方の手で素材の金属を持つ。
どうやら質量を比べているようだ。
「うん、素材の方が若干重めだから、加工の余裕はありそうだな。
しかしこの紋の方は……なんだこりゃ、見慣れない紋だ。
なんか見てるだけで気が滅入りそうな紋だけど、本当にこれでいいのか?」
そう言いつつも剣と素材を秤に乗せ、重さを確認。
紋の入れる手順や加工に使う道具の考察を始めている辺り、作る気は満々といったところだろう。
>>179
「ああ、それで正確に心臓の部分を撃ってきやがった。普通の人間だったら死んでたぞ!」
死んでいない辺り、クロスも普通の人間では無いのだろう。
そんな世迷言を言いつつも、クロスは履歴書を確認。
「へー、新種ってことは、最近になって発見された種族って感じか?
まあ、その辺りとか俺は詳しくないんだけど。それよりだ」
クロスの目が怪しい感じにキラリと光る。
「さあ、貴様の店員服を考えねばな!!!!」
どうやらこの店、一人一人に合わせてデザインしているらしい。
ちなみにこれは完全に店長の趣味だ。
コンセプトは同じでありつつも、店員によって服が全員異なるのは、この店長の趣味からだろう。
「どうしよっかなー。やっぱりレースフリルは必要だよなー。
スカートの長さはどれがいいんだろうなー。っていうかお前、面白い服を着てるな」
>>180
「わーいやったー許されたー!」
小躍り。
「あ、そうそう、お前に言いたかったんだけどさー」
様々な作業を進めつつ、顔を向けずにゼオラに言葉を投げる。
「お前さ、最近なんか色々やってんの? その辺り俺よくわかんねーんだけどさ。
その、アレだ。うまく言えねーけど、えーと、うん。あんま無理すんなよ?」
クロスとしては何気なく言った……つもりである。
- 182 :アイリス:2012/06/15(金) 00:29:41 ID:do5XJmGE0
- >>180
「…これは立派だ。
さっそく食べさせてもらおうか。アル、アーンてしてごらん。」
童女の腹に手を回して、フォークで桃を刺し、生クリームを軽くつける。
童女は小さな口を空けて、桃を食べた。
甘みが心地よいのだろう。
童女はにこーっと笑みを作ってみせた。
『ゼオラお姉ちゃん!おいしいのー!
ににぃ、もっと欲しいの』
こぼれた果汁を自前のハンカチで拭く。
アイリスも別のフォークでフルーツを食べていく。
「…、うん、美味しいね。ゼオラはここで働いて結構長いのかな。
いやね、君の慣れた手つきを見ていれば、自然とそう思えてね。」
>>181
「問題ないよ。
これは、そういうものだからね。」
古い本から、刑罰や処刑の際に使用された術式を武器に刻みこむのだ。
アイリスがしようとして、クロスに頼んでいるのは、闇祓騎士団と同じことだ。
ただ、呪紋が違うだけである。
「で、できそうかな、クロス。」
アイリスの、クロスを見る目は挑発的である。
出来るものならしてみろ。
自分が頼んでいる立場で関わらずだ。
だが、クロスの返事は大凡予想できていた。クロスはアイリスに瞳を返し、声を張るのだ。
―――俺に任せておけ、アイリス
- 183 :モルフィ:2012/06/15(金) 00:46:44 ID:IrsgDsYs0
- >>181
「制服、決められるんですか?わーい!
この服ですか?これはその辺の葉っぱを切り貼りしただけですよ。」
紙と鉛筆を取ると、あまり上手くはないが早く描き上げようとする。
スカートはミニと膝上の中間、袖は殆どない。
飛びやすいが、露出が多いと言われるかもしれない。
青を基調としたシックな感じのデザインで、白いフリルが施され、要所の赤いワンポイントが全体を引き締める。
胸と帽子に【AG cafe】とあしらわれている。
「これでどうでしょうか…」
かたん、鉛筆を置いた。
- 184 :ゼオラ=アドヴァルド:2012/06/15(金) 00:56:45 ID:ElM9U72Y0
- >>181
小躍りに関してはスルー。
「……?」
クロスの唐突な言葉に思わず首を傾げた。
自分をねぎらう言葉なのだろう。
「ありがとう……。でも、大丈夫」
>>182
「……別に」
指先についてしまった生クリームを洗い落とし、
濡れた腕を拭きつつ返答を返した。
それが終わる頃くらいにキッチンタイマーが規定時間の経過を告げた。
冷蔵庫まで足を運ぶと予め中に入れていたショートケーキとチョコレートケーキを取ってきた。
ショートケーキはオーダー分の一切れだが、チョコレートの方は完品。所謂ホールという奴であった
何処か味気ない円形のそれにチョコレートソースを上塗りして、最後に始め刻んでいた板チョコを振りかけた。
それを切り分け皿に乗せ、二つのケーキをアイリスの前に出す。
「特製」
チョコレートケーキを眺めながらそう言う。
振りかけられたチョコレートがケーキ本体とは別の食感を生み出す。試作品に過ぎないが自信作ではあるようだ。
- 185 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/06/15(金) 01:02:39 ID:HnkBBDEo0
- >>182
「フッ、言ってくれるじゃねぇか」
クツクツと喉の奥で鳴らしつつ、剣をアイリスへと返し、
「俺に任せておけ、アイリス。
次にお前が来るときまでには、仕上げておいてやるぜ!」
素材の金属を片手に言い切った。
「この素材、見たことも無い特殊なものだが、加工が出来ないわけじゃ無さそうだ。
骨は折れるだろうが、金属が相手となっちゃ負けるわけにも行かないんでね。
だって俺は金属使いだぜ? せめて加工ぐらいは出来なきゃメンツが立たん」
素材の金属を、錆びないように紙でくるみ木箱のケースに入れた。
>>183
「お前意外と絵心あるじゃねーか!」
赤いワンポイントも、店名のリンゴをモチーフにすれば雰囲気に合ったものが作られるだろう。
「んじゃ、早速布とか買って、今度くるまでに作っておくぜ。
ああ、着替える場所は『STAFF ONLY』と書かれたドアの中を右に進むと、扉がある。
そこの中が女性用のロッカールームだから、そこで着替えるといいぜ。
今日は、そうだなー。もう夜も遅いし、仕事は今度ってことで……よし」
カウンターの中に入ると、冷蔵庫から紅茶を取り出す。
「飲むといい。店の味を覚えるのも大事な仕事なのだ。牛乳とかガムシロップは要るか?」
グラスによく冷えたアイスティーを注ぎ、モルフィの前に出した。
>>184
「自分で大丈夫って言う奴が一番信用できねーんだけど、まーいっか」
頭を軽く掻きつつも、漂ってくるいい匂いに鼻を鳴らす。
「お、チョコケーキ作ったのか。俺にもくれよ。小腹が減ったんでね。ちょうど茶菓子も欲しかったところだ」
- 186 :アイリス:2012/06/15(金) 01:15:50 ID:do5XJmGE0
- >>184
そうしてアイリスは童女にフルーツを食べさせながら、自分もフルーツを摘み。
フォークの先で、生クリームとスポンジを切り、パフェからパイナップルを取り、童女の口に運ぶ。
童女は嬉しそうに、にこにこしながらケーキを食べる。
『美味しいのー。ににぃも食べるの』
笑みを浮かべたアイリスは、童女にケーキを食べさせて貰い。
再びハンカチで童女の口元を拭き、頭を撫でる。
お腹の関係で、パフェのアイス部分はアイリスが食べるようで。
「じゃあ、アル。次はこっちね。」
そうして、チョコレートケーキも、フォークで切り離し、童女の口に運ぶ。
パリパリと、チョコを噛み砕く音がする。
『お姉ちゃん、美味しいのー!!』
「では試しに僕も頂こうか。」
…口の中で甘さが広がり、程よく冷やされたチョコレートとスポンジの食感の違いが面白い。
また、香りも良い。
「…美味しいよ、ゼオラ。
こういうチョコレートケーキは久しぶりだ。」
アイリスは笑みを浮かべてみせた。
こういう会話の合間にも、アイリスと童女はパフェの殆どを完食してしまう。
童女はともかく、アイリスの食べる速度が速かった。2つのケーキもなかなかにペースが早い。完食も直ぐだろう。
>>185
「ああ、それは実家の鉱脈で取れる、『ダマスカス鋼じゃないか』と言われているものだからね。
クロスが始めて見たのは仕方ないよ。」
そういうと、アイリスの目の前にはパフェとケーキ2つ。
大凡7割はアイリスの胃に消えていったのだ。
糖で脳を休ませようとしているのだろうか。
「――だから、クロスをこうして待っていたんじゃないか。君以上に金属に精通している人物は知らないからね。
クロスで加工できなかったら、一度実家に戻さないといけないんだ。あ、研究用に欲しかったら、余った分はあげるよ。」
ああ、とまだ何かを言いたいようなアイリス。
さしあたって急ぎでもなさそうだが。
- 187 :モルフィ:2012/06/15(金) 01:21:23 ID:IrsgDsYs0
- >>185
「褒められたのは初めてです…ありがとうございます………」
顔を赤らめ、下を向く。
それを引き上げさせた、紅茶の香り。
「すごい…アイスなのに紅茶の香りがする。
………あ、ストレートでいただきます。」
自身よりずっと重いグラスを少し傾け、口のところまで飛んで飲む。
「透き通っていて、ほんのり甘くて、優しい渋み…
いままでこんなにおいしい紅茶を飲んだことありません。」
感動と尊敬の入り交じった目で、クロスを見つめる。
「こんなにおいしいの、作れるようになるのかなぁ。
……うん、練習して、いつか作ります!」
がんばるぞー!
右手を高く挙げる。
葉っぱの服がずり落ちてしまい、慌てて元に戻した。
- 188 :ゼオラ=アドヴァルド:2012/06/15(金) 01:32:00 ID:ElM9U72Y0
- >>185
「……いい」
表情を変化させないままフッと笑い、賛同の言葉を述べる。
クロスの曖昧さに助けられたとでも言いたそうな物言いだ。
「ん……」
さらに二つ切り分ける。
一つはクロスの物。もう一つは自分の物。
柔らかめのケーキの上に刻んだ板チョコを塗す。
皿に乗せるとフォークを添えて、クロスの元に差し出した。
>>186
パフェとケーキを食べていく二人を眺める。
二人に視線を注いではいるが、比重はアイリスに傾いているようだった。
ガラス玉は少々大きく映って見え、そこから驚きに近い興味を抱いていることを理解できるだろう。
「……ありがとう」
フォークを左手に持ち、側面でケーキを上から押していく。
チョコレートの破片がパキパキと気持ちの良い音を立てる。
そうして一口大に切り分けたそれを口に含む。
- 189 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/06/15(金) 01:36:10 ID:HnkBBDEo0
- >>186
「え? は? ダマスカス? これが!? マジでぇぇええええ!?」
素材を入れた木箱を前に、クロスの目が飛び出る。
「ちょっと待てよそれ、製法が古代に失われた金属じゃねーか!
それを!? 俺が!? ちょっと待てよオイオイオイ人生に数度の大チャレンジじゃねーか」
大見得を切ってしまったことを少し後悔。
しかし、やはり相手は金属。ここで引けばクロスの心臓に宿る邪気眼が泣くだろう。
「くっそー、こりゃ思ったより骨が折れることになりそうだぜ。
近々千夜のデータベースを借りて研究する必要がありそうだ」
大変そうだ……と言いつつも、目には遠足前日のようなワクワクした輝きが灯っている。
「確かバナジウムを使った層を作るんだっけか。木目金の刀剣製造法にも似た……
……どうしたアイリス、まだ何かあるのか?」
>>187
「落ち着けクロス落ち着くのだ、ここで手を出せばまたサツに追われ軍隊が出動する。
災害指定を受けている俺は戦時国際法の対象外になってるからアイツらは平気な顔で劣化ウラン弾を撃ち込んでくるだろう。
それだけはいかん、いかんのだ。落ち着けクロス。落ち着くのだ」
必死に自分の煩悩と戦っている。
早急に服を作る必要がありそうだ。
「ああ、この店の紅茶は色んなところから仕入れていてな。
茶葉によって抽出の時間や温度が異なるが……まあ、何度も淹れて慣れればいいさ。
このカウンターの中にある棚だけど、茶葉が入っているビンがあるだろ?
ここにある茶葉なら、勝手に使っていいぜ。練習に淹れるもよし、お客様に出すもよし、自分用に淹れるもよしだ。
特別な茶葉は、あっちの棚。あっちは慣れてからチャレンジしてみるといい」
鼻血を抑えながら説明を続ける。
>>188
「お、サンキュー」
サクリとフォークを入れて口に運ぶ。
「んー、なかなかうめーぞコレ。
時々こうやって来て、ケーキ作っといてくれると助かるんだけどなー。
材料使っていいから、これからは暇があったら作ってくれよ」
クロスは口に頬張りながら喋る。お行儀が悪い。
- 190 :アイリス:2012/06/15(金) 01:46:47 ID:do5XJmGE0
- >>188
ゼオラの視線がアイリスにささる。
だが、アイリスにとって不快なものではなかった。
「…ん?どうしたのかな?
美味しいものは素直に美味しいというのは当然じゃないか。
実際に自分で食べてみて、どうかな。」
童女に食べさせつつ、自分の分もちゃっかり食べているアイリス。
手の動きだけを見てみれば、忙しないものになるだろう。
ショートケーキのいちごを童女にあげて、ショートケーキとチョコレートケーキをまんべんなく食べ進む。
2つのケーキはみるみるうちに減っていき、皿の面積だけが広がっていく。
後、一口のところで、童女と一緒に分け合う。
「アル、今日は大お祖母様と一緒に歯を磨こうね。アルからも頼んでみるんだよ。」
『分かったの!おばあばと一緒にね、歯磨きするの!』
都度都度童女に話しかけるアイリス。
元気に答える童女の頭を撫でて。
>>189
「あくまで『じゃないか』と言われているものであって、本物かどうかは分からないよ。
実家の方でもまだ確定したデータが出ていないからね。というより、それが分からないみたいだね。
だからクロスに頼んだんじゃないか。」
なんでも無いような表情でアイリスは告げた。
ダマスカス鋼と呼ばれるものではないかもしれない。類似品のような、ただ構造が似ているだけなのかもしれない。
それは門外漢のアイリスには全くわからないものだ。
ただ分かるのは、鉱物というものだけ。
「…、いや、まだ幼い子がいるからね。クロスはイエスかノー、それだけ答えてくれれば良いよ。
…例えば、“彼等”に組織だって対抗しようとするだろう?組織立っての行動でも、協力してくれるかな、と思ってね。」
アイリスが気にしているのは、ここが闇祓騎士団によってマークされること。
彼等の宣言は、人外に味方するものも容赦はしないというものだ。
以前協力を申し出てくれた良方もここには来るだけに、ここが被害に合う可能性も考えてのことだった。
- 191 :モルフィ:2012/06/15(金) 01:52:37 ID:IrsgDsYs0
- >>189
「災害指定…劣化ウラン……」
聞いたことはないが、文脈からして良い意味でないことは薄々わかる。
「はい、カウンターの中ですね。」
ティッシュを捩り、鼻栓を作りながら話を聞く。
「あのー、お茶、ほとんど残ってしまったのですがどうしましょうか?」
初めての給料が入ったら、コップや自分用の食器を買った方が良さそうだ。
//すいません、中の人の限界が近いので一足先に離脱しても良いでしょうか。
- 192 :ゼオラ=アドヴァルド:2012/06/15(金) 02:01:04 ID:ElM9U72Y0
- >>189
「……そう」
自らも口に入れ、これは成功だったと評す。
クロスも同等の評価をくれたのが純粋にうれしいのか、
表情を大きく動かす事はしないにしろ、口元に手を当てて笑んだ。
―――時々こうやって来て――――暇があったら――――
向けられた言葉に、思わず視線を逸らす。
そうしたことで、自分がここに来た意味を思い出した。
「クロス」
名前を呼ぶ。
何時もは意思に乏しい瞳が、真摯な意思を送る。
クロスが目を合わせれば、いつも通りにゆっくりと口を開き、いつも通りに小さな声で呟くだろう。
「無理」
>>190
「別に」
アイリスに向ける渇いた返事。
美味しいかそうでないかが少女の中で疑問だったのではない。
ただアイリスを眺め「良く食べる」と思っただけの事で。
しかし、ただのそれだけでは無い。
アイリスとアルという童女。二人の様子が『羨ましかった』。
自分もそうされたいわけではないが、人とのふれあい――特に身近な者との――に掛けた少女にとってはどこか羨む箇所はあったのだろう。
- 193 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/06/15(金) 02:19:14 ID:HnkBBDEo0
- >>190
「イエスだ」
即答だった。
「ここは俺の城だ。かつて実験体にされ、失敗作と罵られ、“廃棄”される為だけに狙われ続けた俺が、
そんな俺がやっと作り出した、俺の城だ。俺の店だ。誰の指図も受けないし、誰の侵略も赦さない」
クロスの脳裏に思い出される過去。命を狙われ続けた人生。
それらを全て跳ね除け、運命という流れをたった二本の両手で捻じ伏せ手に入れた安住の地。
「もし、この店を、この店の奴らを、俺の下で働く人々を、俺の店に来てくれる奴らを傷つけるならば。
ブラッドイーター ブラッドジャンキー バッドエンドトリガー
このApple Guillotineの店長、『 処刑人 』、『 紅鬼 』……『 紅獄罰骨 』の銃寺森クロスが相手になる」
どうやら、この店が被害に合うと聞いて少し頭に血が上ったようだ。
ザワリと、邪気が漏れ出していた。
イエスかノーかで答えればいいというのに、怒気の篭った言葉が出てくる。
>>191
「ああ、別に飲みきれなかったら残しても大丈夫だよ。
俺が後から使用ゲフンゲフン処理しておくから」
そういう生き物なのだ、ロリコンは。
「それじゃあ、今度からよろしくな」
>>192
「……」
いつもなら「はあああ!? 無理とか言うんじゃねーよケチ!!」などと言ってゴネるところだろう。
しかしクロスは、何も言い返せなかった。何故だろう、それはクロスにも分からない。
ただ、「ああ、本当に無理なんだろう」という説得力が、ゼオラの台詞にはあった。
「……そうか、無理か。そりゃ……残念だ……」
クロスはただ、乾いた笑いしか、出せなかった。
- 194 :アイリス:2012/06/15(金) 02:27:46 ID:do5XJmGE0
- >>192
「……、そうか。
そろそろ、アイスティーとホットミルクを出してもらえるかな。」
童女の頭を撫でて、ゼオラを見つめて。
何を思っているかすら分からない、ビー玉のような瞳。
空虚の少女の視線から、アイリスは何も読み取れない。
「アル、お姉ちゃんにいうことがあるだろう?」
『うん!ゼオラお姉ちゃん、ごちそうさまでした!!』
ゼオラににこーと笑いかける童女。アイリスの傍から離れない。
これから、様々な術式を組み上げることで、先に糖を多く摂るのが目的のアイリス。
「ゼオラ、抱っこ、してみるかな。」
>>193
漏れだした邪気に童女が反応し、アイリスの肌にはゾワリと鳥肌が立つ。
相変わらず、“底が見えない”
「…、ありがとう、クロス。確信はあったんだけどね、確証が欲しかったんだ。
クロス、少し抑えてくれないかな。この子が少し驚いているんだ。」
漏れだした邪気に反応した童女。
まだ3歳だが、アイリスを遥かに越える才覚の欠片がちらりと見えてきている。
クロスは感じるかもしれない。
童女の内から発せられる、紅蓮の業火を支配し行使する力。
「……、本当に良かったよ、クロスが味方でね。」
- 195 :モルフィ:2012/06/15(金) 02:29:19 ID:IrsgDsYs0
- >>193
「はい、よろしくお願いします。
明日から、一生懸命働きます!」
それではまた明日、と。
ドアが開き、ベルが清らかに歌った。
//乙ですた。
- 196 :ゼオラ=アドヴァルド:2012/06/15(金) 02:38:34 ID:ElM9U72Y0
- >>194
「……イエス」
アイスティーとホットミルク。
指定されたそれを他の注文から随分と時間をおいて準備を始める。
正直、忘れていた。中の人が。
幸い、それ程時間のかかる物では無かった。
トレーに二つのカップを乗せてアイリスの隣までやってくる。
童女と視線を合わせ、じーっと眺めてから再びパチリと目を閉じて視線を外す。
品物を出し終えるとトレーを脇に抱え、退こうと思った所に思わぬ提案。
「……ノー」
この答えにアイリスはどう感じたのだろうか。
ただの気まぐれで言った事なら何とも思わないだろう。羨ましさの篭った瞳だと感じて居れば意外に思うのだろう。
実際、少女には既に『時間が無い』。とある準備の為に今から出向かわなければいけない場所があった。
それも否定の要因の一つだが、もう一つあった。とてもじゃないが、純粋そのものと言える童女に触れる気には成れなかった……。
>>193
「それじゃ、今まで……ありがとう」
緩く瞬きを繰り返す。
その間に真摯な瞳は立ち消えて、残るのは普段の少女。
口は喋らないくせに曖昧でいい加減。
表情も固く意思の疎通の苦手な何時もの少女だ。
感謝の言葉を述べるが、その意図はクロスに伝わるのだろうか。
「『暫く、お休み』……」
顔の横に左手を持ってきて小さく手を振った。
自らの影を媒介に巻き上がった闇が少女を一瞬だけ包む。
次の瞬間に闇は散って、少女の存在毎消え失せるのだった……。
- 197 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/06/15(金) 02:51:15 ID:HnkBBDEo0
- >>194
「……すまん」
ついやってしまったとばかりに、自身を落ち着ける。
やはりどうも、クロスは感情的になりやすい。
「それでも、やっぱり心配だな。俺だって一人の人間でしか無い。
いつでもここにはいないし、護りきれないこともある。
そういう時は、もしかしたらお前を頼りにしちまう時もあるかもな」
そう言って苦笑しつつ、使ったコップを片付け始める。
「夜も遅い。俺はそろそろ寝させてもらうよ。
お前と話せないともなると、夜族と生活リズムが違う人間ってのも時には不便に感じるぜ。
じゃあ、おやすみアイリス」
そう言うと「STAFF ONLY」と書かれたドアの向こうへ。
>>195
「やれやれ、今度はどんな風な奴かな。
ここに来るバイトの連中は大抵、一癖も二癖もある奴らばっかりだからな」
まるで期待してるかのように、その後ろ姿を見送った。
>>196
ベッドに入ったところで、ゼオラの言葉を思い返す。
ゼオラにはもう、あえないかもしれない。
うっすらと、そんな気はしていた。
だがしかし、それはゼオラの事情だ。
そもそも自分はゼオラと長い付き合いでありながら、彼女のことを全く知らないのだ。
「…………俺らしくねーな」
そうつぶやき、瞳を閉じた。
//みんなおやすみ〜
- 198 :アイリス:2012/06/15(金) 02:54:27 ID:do5XJmGE0
- >>196
幾度と無く血に染まった手に、純粋そのものの童女は触りづらいだろう。
そして、ゼオラという名の、空虚な少女は消えていった。
「…ごちそうさま、ゼオラ」
『お姉ちゃんバイバーイ!』
ゼオラが消えた場所に、童女は手を振る。
手を振れば、火の粉が出たかと思えば、あっという間に消えていった。
>>197
「何かあれば、僕を頼ってくれると良いさ。
クロスには協力してもらってばかりだからね。僕も協力しよう。
…、君が望むなら、人間の生活リズムに合わせられるよ。…、おやすみ、クロス」
クロスを見送り、アイスティーとホットミルクを楽しむ。
アイリスたちが店を出たのは、約一時間後だった。
- 199 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/06/15(金) 23:33:13 ID:HnkBBDEo0
- 「っあー、寝覚めが悪い」
嫌な夢を見た。遠い昔の記憶を。
失敗作と蔑まれ、価値を奪われ、他人の都合だけで命を狙われ、
「あーやだやだ。久々に酒でも飲むかね」
土日のランチタイムに向けて業者に注文は終わらせてある。
掃除もしてあるし、他に目立った仕事は無いだろう。
後はバイトに任せても大丈夫なハズだ。
そう判断したクロスはジャケットを着て外に出た。
「しかし、この町もキナ臭くなってきたね。
騒々しいのは大歓迎だが、斬った張ったの理由が種族狩りとはつまらねぇ」
タバコに火をつけ、煙を吐き出す。
「さーて、どこの居酒屋に行こうかね」
- 200 :アイリス:2012/06/15(金) 23:45:55 ID:do5XJmGE0
- >>199
「クロスじゃないか。どうしたんだい、こんな夜中に」
紫煙が空気に混ざり合う頃、私服姿のアイリスを見かけるだろう。
ジーンズにジャケットを羽織る様は大学生に見えるかもしれない。
外を出歩くクロスが珍しいのか、真っ直ぐにクロスへと向かっていっていた。
- 201 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/06/15(金) 23:59:54 ID:HnkBBDEo0
- >>200
「あー? いや、仕事も済んでるしフラフラしようと思ってさ。
どっかで酒でも飲もうかと思ってたんだよ……ってか、お前も珍しい格好してんな」
タバコの火を消し、携帯灰皿の中に放り込む。
「お前はどうした、出かけてたのか?」
- 202 :アイリス:2012/06/16(土) 00:06:58 ID:do5XJmGE0
- >>201
「消さなくても良かったのだけれどね。
僕も色々と思うことがあって、お酒を飲みたくなったからこの格好なんだよ。
流石に制服じゃあ、お酒を飲めないだろう?
どうだい、バーにでも行ってみるかな。勿論、君が良ければだけれど。」
いずれ退学するかもしれない学校だ。
少々手厳しい指導を受けたところで問題は無い。
勿論、アイリスにも思う所があるため、時折外で飲みに出かける。
年齢を疑われない格好で、夜の繁華街にも足を運ぶのだ。
- 203 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/06/16(土) 00:14:43 ID:HnkBBDEo0
- >>202
「あ、吸ってて良かった? じゃあ次の一本は吸わせて貰うぜ」
そう言って懐から缶のケースを取り出して一本とりつつ、
「バーに行くのはいいけど、アイリスは本当にいいのか?
お前確か千夜んトコの学生だろ? ……ま、そこまで口うるさく言うつもりは無いけどな」
クロスの足が繁華街に向かう。
「適当なところに入ろう。いろいろと話したい。時間はあるか?」
- 204 :アイリス:2012/06/16(土) 00:24:46 ID:do5XJmGE0
- >>203
「いや、良いよ。
その内退学するだろうからね。今のうちに色々としておきたい。」
繁華街へ向くクロスの隣に並んで、アイリスも足を進める。
躊躇する様子など見られることは無い。
一夜城では実に堂々とワインを飲んだりと、意外と酒を口にする機会が多い。
「あまり飲める方では無いけれど、大丈夫だ。クロスとも話をきっちりしたいと思っていたからね。願ってもないチャンスだ。
クロスから誘ってもらえるなんて嬉しいよ。」
この様子から、繁華街のバーにでも入り、飲むのだろう。
- 205 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/06/16(土) 00:29:44 ID:HnkBBDEo0
- >>204
「た、退学ゥ!? お前、それマジで!? あ、二名で」
バーに入り、席に座る。
「おいおい、退学するなんてどうした。 あ、店員さん、俺ジン。ロックで!」
注文しつつも話を続ける。
「確かに通学は面倒だけど、退学は勿体ねー気がするなー。何か理由でもあるのか?」
- 206 :アイリス:2012/06/16(土) 00:42:05 ID:do5XJmGE0
- >>205
「まあ、彼らが生徒に出だししてきたらだけどね。
火種が僕である以上、僕がいなくなれば、余計な火種は生まれないはずだ。
僕はレミーマルタンVSOP、ストレートでお願い。」
注文をして、席に腰掛ける。
AGカフェ以外でこうやって『誰かと共に』酒を傾けるのは始めてだ。
「辞めたところで問題ないからね。
逆に、枷が無くなって好きなように活動できるからチャンスと言えば、チャンスかもしれないよ。
どうせなら、いろいろな事をしてみたいからね。」
- 207 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/06/16(土) 00:47:42 ID:HnkBBDEo0
- >>206
「おいおい、なんだそりゃ。悪いのは相手じゃねーかよ。
なんで俺の方がいなくなっ……」
脳裏に蘇る。
赤く染まった教室。
燃え盛る学び舎。
「……チッ」
軽く舌打ちをしつつ、グラスを口元で傾けた。
「まぁ、お前がそう判断したんだ。間違いではないだろうな。
で、もし学校やめて時間が出来たら何するんだよ。
お前は男女どっちにもなれるんだっけ、やれることは一杯あるだろうな」
- 208 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/06/16(土) 00:48:25 ID:HnkBBDEo0
- ///間違えたー
///二行目、ただしくは「なんでお前の方が」だー(´・ω・`)
- 209 :アイリス:2012/06/16(土) 00:58:36 ID:do5XJmGE0
- >>207
「考え方としては『一を切り捨て十を助ける』だね。
今回は偶々、一が僕だった、という話さ。最初に彼等に襲われたのは僕だからね。」
その内、反闇祓騎士団を掲げる組織を作り上げる。
そのトップであるロザリアは目立つこととなるだろう。
そして、裏で糸を引くアイリスもその内衆目に晒されるだろう。
「そうだねぇ、なんでもいいんだよ。したいと思ったことならね。
術式の研究でも良い。試しに働いてみるというのもいいだろうね。
それに、僕は強くなりたい。今後は余った時間をそちらに充てても良い。
それより、クロス。どうしたんだい?いつもと様子が違うじゃないか。」
アイリスにはやりたいことがたくさんあるが、それより気になること。
AGカフェの時と違い、クロスが感情的になっていないことに気がついたアイリス。
心配と言えば大げさ、少し気になっただけだ。
- 210 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/06/16(土) 01:06:22 ID:HnkBBDEo0
- >>209
「うーん、昔のことを思い出してナーバスになってるかもしれねーな。
今みたいに安穏として生活してると、今度は昔の失態を思い返すようになってな。
いやはや、残念ながら人間ってのは、自分で勝手に悩むように出来ているらしい」
グラスの中の氷を回し、眉をひそめて苦笑する。
「あー、俺が昔、どっかの『研究所』の実験体だったって話したっけ?」
- 211 :アイリス:2012/06/16(土) 01:11:13 ID:do5XJmGE0
- >>210
眉をひそめ、苦笑するクロス。
過去に憑かれた様子を初めて見るアイリスは、クロスに視線を合わせて、
グラスの中身をかき混ぜる。
「昔、か。大お祖母様も昔を懐かしむようなことを言っていたね。
クロスの昔は気になるね。勿論、“研究所”の話も知らない。
……、それは僕が聞いて、良い話なのかな。」
昔のクロスを知らないアイリスは、興味があるかのような視線をクロスに向ける。
だが、アイリスが言葉で示した以上、話さなくとも気にしないようではある。
- 212 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/06/16(土) 01:35:42 ID:HnkBBDEo0
- >>211
「あー、お前なら別にいいか」
もう一杯、同じ酒を注文し、クロスは語り始める。
「俺って元は実験体だったのよ。モルモット。
この俺の能力の基礎も、その研究所で勝手に埋め込まれた。
でもさー、この金属操作能力だけど、ちょーっと問題があってな。
勝手に体と金属が融合していって、最終的には鉄の像になっちゃうワケよ。
んで、俺は『失敗作』として廃棄されることになった」
酒が運ばれてくる。それを飲み、クロスは続けた。
「そこで、研究所の元職員だった男が、まだ赤ん坊だった俺を連れて逃げ出してくれたワケ。
俺はソイツを親父って呼んでたよ。親父自身も俺に何か思い入れがあったらしいけど、詳しくは知らん。
で、逃亡生活開始。もうホント逃げてばっかりwww住んでた町とか燃やされたwwwww親父と俺必死wwwww」
酒が回ってきたのだろう、クロスは何故か笑いながらも話は続く。
「ついに親父死亡wwww俺マジギレwwwwwwww全員血祭りにしたけど、俺の金属化は止まんねーのwwwww
もうねwwwどうしろとwwwwwwwwマジ失敗作wwwwwww最終的に死ぬってのに逃げてばっかりだから、
なかなか処分できずに被害は広がるばかりwwwwwwwテラ迷惑wwwwwwwwwwwww」
机をバンバンと叩き爆笑していたが、いきなりピタリと止まる。
「……正直、死のうと思った。自分に価値なんてねーんだって。
でもさ、ある日ムカついたんだよね。どうして他人の都合で自分の人生を左右されなきゃいけないんだって」
酒を飲み、グラスをガツンとテーブルに叩きつけるように置く。
「だから、最後まで足掻いた。足掻いて足掻いて足掻いて足掻いて、自分の体にも足掻いた。
自分の金属化も制御してやった。研究所からの処分班とやらも全部ブッ飛ばした。
欲しいと思ったもの、全部手に入れてやろうと必死だった。俺の人生は俺のモンだ。誰の口出しも赦さねぇ」
クロスはグラスの中の氷を転がしながらアイリスを見つめる。
「なあ、俺は思うんだよ。
犠牲を払わなきゃ手に入らないモノに、価値なんて無いんじゃねーの?
対価ならわかるけど、なんで犠牲を払わなきゃいけねーんだよ。
一を捨てて十を取るなんて、もう嫌だ。そんな十なんて欲しくねぇ。
俺なら、一も十も手に入れる為に全力で足掻くね」
- 213 :アイリス:2012/06/16(土) 02:10:35 ID:do5XJmGE0
- >>212
クロスの昔を聞き、グイッと酒を一気に煽るアイリス。
40度ある酒を煽ったのは、なんとなく、だ。
クロスの過去を聞いて、クロスの想いを聞いて、決して同調できるわけではないけれど、『心意気』として呑み込む。
舌を通し、感じる味。喉が焼ける。アルコールが血流に乗り、それは僅かにアイリスの顔全体を紅く染める。
「クロス、僕の家名はフォン・ルズィフィールだ。家は膨大な領土を持つ、施政者側の立場だ。
例え、落ちこぼれと蔑まれようとも、一族の中に名を連ねる以上、そのような行動は取れない。
時として『十のために一を切り捨てる』決断も必要だ。それは全体を守るための手段の一つ。
一は一だ。例え、それが王族でも。たとえそれが農民でも、価値は同じくして一だ。時にはその一に自分も含まなければならない。」
視線はクロスに移り、お互いが見つめ合う形になる。
酒のせいで若干赤いものの、普段通りである。
――支配階級として生きる以上、責務だと考えている。
言葉にしない、アイリスの考えであった。
お代りを頼めば、直ぐに運ばれてきた。再び其れに口をつけ、喉が僅かに動く。
「クロス、僕は思うんだ。
犠牲と対価の線引きってどこだろうね。個人の価値観の違いである以上、明確な線引きは出来ないだろう。
目安として、命を懸けるか懸けないかの違いかな。
僕の犠牲は、『僕の知り合い』に大いに関連する。それ以外は、私事でも対価と判断する。
勿論、僕の知り合いが絡んでいる場合は、『全力』さ。
使えるものを使い、動かせるものを動かす。それから僕自身も動く。それが、僕の手段。
だから…強くなりたいんだよ。犠牲を出さないために、ね。知り合いの顔を見続けていたいからね。」
全く、誰の影響だか、とため息をつきつつ、笑みを浮かべてみせた。
アイリスは自分を勘定に入れていない。それでも、ここでの生活を続けてきて、強くなりたいと思わせるには十分な経験を積んだのだ。
- 214 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/06/16(土) 02:18:24 ID:HnkBBDEo0
- >>213
「なるほどな、その『一を切り捨てる勇気』ってのも、一つの回答なんだろう。
同意はできん。が、その決断は決して否定もできん」
クロスはそこで、ニヤリと笑う。
「もし、切り捨てる一を選ばなきゃいけない時が来たら、俺を選ぶといい。
俺だったら切り捨てられようが、見捨てられようが、
犠牲にされようが贄にされようが餌にされようが、必ず戻って来る。必ずだ」
- 215 :アイリス:2012/06/16(土) 02:26:19 ID:do5XJmGE0
- >>214
「………」
クロスの指に軽いデコピン。
ニヤリと笑ったところがアイリスの琴線に触れたのかもしれない。
「何の根拠があって、必ず戻ってくるなんていうのかな。
僕のように『そういう種族』でもない以上、説得力に欠ける物言いだね。
それに言ったじゃないか。友の顔を見続けていたい、ってね。
それに、格好つけるのなら僕の前でするのはおかしいだろう?
好きな人に、その言葉はいうべきだ。分かったかな?」
そういい、アイリスは僅かに赤くなった顔でクロスに告げる。
『本当のように聞こえるから困る』という言葉は口にしなかった。
それを口にしてしまえば、クロスを一に据えなければならないような気がして。
- 216 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/06/16(土) 02:33:49 ID:HnkBBDEo0
- >>215
「いって。テメェ、俺を知らないだろ。こう見えても三回死んでるんだぜ?」
額をさすりながら言うが、決して自慢できるものではない。
「んだよもー、せっかく格好つけたってのにさー。
俺としては少しでもお前の決断を軽いものにしてやろうと……いや、やめよう。
この話は多分、お互いに譲らないまま終わりそうだ」
クツクツと笑いつつ、グラスの中の酒を飲み干した。
「でもまあ、あまり無理すんなよ?
何かあったら気軽に俺の店に来ていいからさ」
そう言って帰り支度を始めた。
そろそろ帰るつもりなのだろう。
「店員さん、会計ー!
あ、そうそうアイリス。お前に頼まれてた剣あるだろ?
あの素材の製法はだいたい分かったから、日曜日には出来そうだわ」
- 217 :アイリス:2012/06/16(土) 02:42:50 ID:do5XJmGE0
- >>216
「三回“も”だろう?
既に店と従業員を預かる身なんだ。
そう易々と死なれたら、僕が困る。空いた時間にAGに行けなければ、いったいどこのカフェに行けと言うんだい?」
アイリスも、クロスに倣い、グラスを飲み干した。
そろそろ帰る時、というのは容易に予想がついた。
懐のカード入れから、黒いカードを店員に差し出して。
「クロス、その気持ちは貰って行くよ。
だがクロス。たまには君の話も聞きたいね。
剣は勿論だけど、行くのは夜になりそうだ。
その時は美味しいものを準備して待っていてくれ。」
いずれ、施政者側に立つかもしれないアイリスにとって、今回の組織運営は自らへの試金石となるものだろう。
アイリスという器は、果たして上に立つべきものなのかを示すものとして。
そして、剣の作成の目処がたった以上、笑みを浮かべて素直に喜ぶ。
その剣の詳細は受け取った際に話すだろう。
- 218 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/06/16(土) 02:48:24 ID:HnkBBDEo0
- >>217
「まあ、なんとかなるだろ」
自分の死後については無計画。
考えてなかったというところ、やはりクロスらしい。
「ああ、じゃあ次は日曜日に。何つくろっかなー。ケーキとかいいなー」
そういいつつ立ち上がり、自分の分は現金で払って店をる。
「今日はお前と話せて良かったよ。やっぱりアレだ、人と話すってだけでも気が晴れるもんだな」
嬉しそうに笑いつつジャケットを羽織る。
いつものクロスだ。
「じゃ、またなー!!」
ブンブンと手を振って、夜の街を後にした。
- 219 :アイリス:2012/06/16(土) 02:52:37 ID:do5XJmGE0
- >>218
「また日曜日の夜に。
おやすみ、クロス。」
クロスに手を振り返し、アイリスは夜の街から一夜城へと戻っていく。
羽根を使い、転移する。
一夜城に戻れば、まだまだする作業がたくさんある。
その作業に腐心すべく、ワインとともに自らの執務室へと消えるのであった。
- 220 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/06/17(日) 15:21:04 ID:trmDr2BE0
- 【箱庭内・戦闘フィールド】
「さて、今日も頑張っていきますか」
【制服を着た学生が、風呂敷包みを抱えて歩きだす】
「外が不穏な空気に包まれている以上は、やはりもっと強くならねばなりません」
【そういったところで中からおもちゃをガサゴソと取り出し始める】
「さて…とりあえず、力の調整から」
【とりあえずけん玉を手に取り、力を送り込み始めた】
- 221 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/17(日) 15:24:54 ID:6eoG.XVg0
- >>220
「これはどうも、お久しぶりです」
そこに懐かしく、優しいあのカレー屋の主人が現れる。
「どうもこんにちは」
- 222 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/06/17(日) 15:28:12 ID:trmDr2BE0
- >>221
「ん…誰か来たみたいですね」
【ふと、声の聞こえた方向を振り返る】
「あ、あなたは!カレー屋さん!」
【軽く驚いた雰囲気である】
「わざわざここに来るなんて、どうしたんですか?
カレー屋と関係が…?」
【どうやら普通のカレー屋さんだと思っていたようである】
- 223 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/17(日) 15:32:53 ID:6eoG.XVg0
- >>222
「ハッハッハ、まぁ、僕も時には体を鍛えるために此処に来るんですよ」
軽く苦笑いしながら言う。
「ところで、貴方もここに来たという事は…?」
- 224 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/06/17(日) 15:35:13 ID:trmDr2BE0
- >>223
「なるほどー、たしかに体力は基本ですからねえ」
【納得したように頷いた】
「えっと、そうですね。貴方と同じ理由でここに来てます。」
【そう言って右手で拳を作り上げる】
「せっかくおんなじ理由同士ですから、ちょっと勝負して見ませんか?」
【楽しそうな顔で答える】
- 225 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/17(日) 15:42:09 ID:bRED6nxc0
- >>224
「…、えぇ、構いませんよ」
そう言うと、両手を握り、右腕をバッ!と頭より少し上に置き、右手の五指を開き
しかし軽く曲げ
左腕はスゥ〜っ、と脇腹の近く、しかし少し遠い所に手の甲を翳す形の構えをとる。
「さぁ、…何処からでもかかってくるが良い!
このウィル!、女性であろうと容赦せん!」
- 226 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/06/17(日) 15:46:06 ID:trmDr2BE0
- >>225
「…っと、カレー屋さんなのに凄まじい気迫です」
【少しウィルの発する気迫に軽くたじろぐが、すぐに体制を整えて】
「いいですよウィルさん。私も全力で行きます。
あ、後私の名前は防人鶫(さきもりつぐみ)です。」
【そう言うと先ほどまで力を溜め込んでいたために、光をまとっているけん玉を大きく振って】
「よろしくっ!!」
【勢い良く振り回した。】
【するとけん玉のヒモがドンドンと伸びていき、ウィルに向けて玉が脇腹付近へ飛んでいく】
【鉄球のような威力の一撃になるかもしれない】
- 227 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/17(日) 15:56:58 ID:bRED6nxc0
- >>226
(中々の気合いと精神力…磨けば素晴らしい戦士になるやもしれん)
と、考えるがすぐその考えを捨て去る。
「防人…か。
分かった、では参る!」
その飛んできた鉄球を左手で「バシィッ!!」っと弾きながら言う。
「コオオオオオ…」
その場に一瞬、大きな呼吸音が響くが直ぐに止む。
「伝われ!、大地を貫く波紋!」
そう叫び、右拳を地面に叩きつけると地面が割れる!
そしてヒビが一直線に防人に近付いて行く!
- 228 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/06/17(日) 16:02:04 ID:trmDr2BE0
- >>227
「やっぱりこれでは遅いですねッ…」
【けん玉の玉をすぐに手元に戻してつぶやく】
「一体どんな技なのか…わかりませんがっ!」
【地面に伝わっていくヒビを確認するとすぐに】
タンッ
【ステップを踏んで右へとよけていく。すると】
「おつぎはっ!」
【今度はおもちゃの鉄砲を懐から取り出して】
ダンッダンッ
【弾を二発ほど打ち込んでいく。威力は鉄砲…よりは低いがそれなりの威力はあるようだ】
- 229 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/17(日) 16:10:17 ID:bRED6nxc0
- >>228
「コオオオ…」
また、同じような呼吸音が聞こえてくるがまた直ぐに止む。
そして右手にはコーラの入ったコップがいつの間にか握られていた。
「グビィ!」
そして一気に口の中に放り込む!
ただしそのまま喉は動いていない。
「…波紋カッター!」
すると歯の間から円盤状の黒い液体、コーラが物凄い回転をしながら玉に向かって飛ぶ!
そしてそのコーラと弾丸はぶつかりッ!、両方とも一緒に落ちる!
「おもちゃの弾丸程度ではこの僕は倒せないぞ!」
コップを放り投げながら言う。
- 230 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/06/17(日) 16:15:42 ID:trmDr2BE0
- >>229
「うわっと…一体どうなってるんでしょう…
不思議な能力です」
【突然歯の間から飛んできた円盤状の物体をみてひどく驚いた】
「たしかにその力は普通の力ではどうしようもないですね、ならば…!」
【そう言うと鶫は鉄砲に更なる力を込め始める】
「もうちょい時間稼ぎがほしいところですがっ!」
【そう言って鶫は軽くけん玉を振った。先ほどと同じ威力で飛んでいこうとしている】
- 231 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/17(日) 16:34:41 ID:bRED6nxc0
- >>230
「良かったら、習ってみるかい?
教える事も可能だよ、この能力は」
と、冗談混じりで答える。
「どれ、少しその要望に応えてあげるか」
すると、そのけん玉を紙一重で避ける、そのまま攻撃することも可能だが
そのまま、両手を目の前に置く。
「コオオオオォォォ」
今度は、先程よりも長い呼吸音が響く。
すると両手の間から光が出てくる。
- 232 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/06/17(日) 16:38:47 ID:trmDr2BE0
- >>231
「教えることが出来る、ですか。
片手間にできるものだったらぜひ教わりたいですがね」
【こちらもやや冗談めいた言い方で返す】
「ん、大技ですかね…
なんでしょうか、あの光は」
【鶫も負けじと力を貯めこんでいく】
「ならば、こちらが先に行きますよ!!」
【そう言うと金色に光り輝いた鉄砲を構えて】
ガァン!
【引き金を引く。その弾は先程よりも威力が上がっており。ライフルを超えるほどの威力になっているようだ】
- 233 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/17(日) 16:51:30 ID:bRED6nxc0
- >>232
「生半可な覚悟では覚えられないよ。
僕も最初は生半可な気持ちでやって、かなりキツかったからね」
そう言うと、光が段々と大きくなってくる。
「コオオオオオオ」
「花緑青の波紋疾走(エメラルドグリーン・オーバードライブ)!!」
その緑色の輝く光の弾を右手で握り、投げだされる!
そしてその弾丸に当たり、パワーを打ち消し合う!、と思いきや
その光は弾丸を包み、優しい色になってゆき、その弾丸の勢いを消してゆく。
「花録青の波紋疾走、…それは相手のパワーを優しく包むことにあり…」
と、呟くと同時に、光が無くなり、威力がなくなった弾丸がポトリと落ちる。
- 234 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/06/17(日) 16:56:51 ID:trmDr2BE0
- >>233
「…なるほど、時間を取れないならばちょっと無理そうですね」
【少し残念そうに答える】
「これは!力が消えていってる?」
【勢いが消えて行くのを見て、かなりびっくりしているようだ】
「力を打ち消してるんですね…
なるほど、たしかに凄まじい力です」
【鶫は全身に力を流し始めた】
「さすがに遠距離での戦いは無理そうですね。
やはりここは、」
【そう言って今度はプラスチック製の模造刀を取り出した】
「強烈な近接攻撃が必要ですね」
【全身の力が刀の方に流れこみ始めている】
- 235 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/17(日) 17:24:12 ID:bRED6nxc0
- >>234
「ま、基礎を覚えれば寿命による時間はある程度余裕を持てるよ」
と、右手をヒラヒラさせながら応える。
「フフフ、近接戦か、元々、この能力は近接戦が主目的だからね。
良いだろう、全力でかかってくるが良いッ!!」
- 236 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/06/17(日) 17:27:10 ID:trmDr2BE0
- >>235
「…若返り効果があると?
だったらすごくきになります」
【急に食いついたように見える…】
「わかってます…
私は常に全力です!」
【そう言うと勢い良くかけ出していった】
「まず一撃を…!」
【まるで陸上選手のような速さでウィルに迫っていく。刀を振りかざしてむかう。】
- 237 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/17(日) 17:34:39 ID:bRED6nxc0
- >>236
「その通りイィィィッィ!!」
ビシィイッ!、と効果音がならんばかりに指を差す。
「そうか、ならばこちらも…全力だッ!」
そう言うと、こちらも走り出す。
「甘いわぁァッ!」
右足を大きく上げ、足の裏の平で刀をそのまま受け止めるッ!
- 238 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/06/17(日) 17:48:31 ID:trmDr2BE0
- >>237
「うー、なんか知りたくなって来ました!
でも続けられるか心配です!」
【すっかり嬉しそうな顔で言う】
「んっ!?刀を止められるなんて!」
【足の裏で止められた刀を見て、ひどく驚いた顔になる】
「でもまだっ、テはありますよ!」
【そう言うと両手のうちの右手を離して手袋に力を込める】
「これでどうでしょうね!!」
【そう言ってウィルに向けて勢い良く右手を振りぬこうとする】
- 239 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/17(日) 17:57:11 ID:bRED6nxc0
- >>238
「フッフッフ、こう見えても僕は200歳くらい生きてるんだよ
つまりこの能力を止めたらヨボヨボの爺さんになっちゃうわけさ」
「コオオオオ」
刀を受け止めたまま、またあの呼吸音が響く。
「銀色の波紋疾走(メタルシルバー・オーバードライブ)!!」
すると右足が輝き、そのまま刀にその輝きが写るッッ!!
その輝きが防人の腕に届いた瞬間ッ!
ビリビリビリィッ!!っと、腕が痺れる!
- 240 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/06/17(日) 18:00:03 ID:trmDr2BE0
- >>239
「まじですか。
それはたしかにきになる…」
【どんどんのめり込み始めている】
「この音は!?」
【突然聞こえてきた先ほども聞いた音に鶫は軽く驚いた】
【同時に】
ビリビリッ!!
「わいたっ!!」
【突然腕に走るしびれ。鶫は思わず刀を手放し腕をさすった】
「謎だらけ過ぎます…これは痛い…」
【左手を痛そうにさすってウィルの方を見る】
- 241 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/17(日) 18:04:22 ID:bRED6nxc0
- >>240
「良かったら教えてあげよう。
とっても厳しいがね」
「僕の勝ち、だね」
防人のビッ、と延ばした手が防人の首の近くに置いてある
その気になれば防人を気絶させることも可能だ。
- 242 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/06/17(日) 18:08:29 ID:trmDr2BE0
- >>241
「今私には…何となくもっと力が必要なんじゃないかと、
そう思うことがあるんです」
【そう言って先ほどとは一点、真面目な顔になった】
「…そうですね。出来れば教えていただきたいですが…
貴方の言うとおりかなり厳しいのでしょうね」
【気にして入るようだ】
「えっと、やっぱりさっきのビリってやつが来るんですかね?
なんとなく、危なそうです」
【左手の力を保持したまま、冷や汗を流しつつ言う】
- 243 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/17(日) 18:28:05 ID:knavjgoE0
- >>242
「…『基礎』ならばすぐに覚える事は可能だぞ。
しばらく息が出来なくなるが心配はない。
現実世界に戻った時に教えてあげようか」
と、聞いてくる。
「まぁ、これは対生物を意識したものだしな。
応用次第では機械にもダメージを与えられる。
僕並みに修行をすればさっきみたいに地面を割る事も可能だが
- 244 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/17(日) 18:29:11 ID:knavjgoE0
- >>243の続き、ミスった
「僕並みに修行すればさっきみたいに地面を割る事も可能だが
力のコントロールはさほど難しくないよ」
と、笑ってやさしく言う。
- 245 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/06/17(日) 18:31:15 ID:trmDr2BE0
- >>243-244
「…基礎ですか…
ひとまずそれくらいならやってみましょう…か」
【若干たじろいでいるが、それでもやってみようかと思ったようだ】
「極めればより強い力も手に入るということですか…
心配ではありますが、試してみる価値があるかもしれません!」
【ぐっと拳を握って返した】
- 246 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/17(日) 18:35:29 ID:knavjgoE0
- >>245
「習うつもり…かい?」
と、真面目な顔をして聞く。
「そういうことだけど…。
一つ質問させてくれ、君は吸血鬼という種族をどう思う?
いきなりだがこの『波紋法』に真っ先にかかわる話だ。
その返答によっては、僕はあまりこの『波紋法』を教えさせる気はない」
- 247 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/06/17(日) 18:38:23 ID:trmDr2BE0
- >>246
「まあ、無理なら仕方ないですが…」
【真面目な顔に若干気圧されて言う】
「吸血鬼…そんなに関わりのある話だったのですか…
そうですね…吸血鬼とは…」
【しばらく考えた後、口を開いた】
「…血を吸って、人間を超える強さを持っている恐ろしい生き物ですが…
この街にいる人の中には良い吸血鬼もいます…
恐ろしくはありますが、悪い吸血鬼もいる。
ですから…危険な隣人…ってところですかね」
【どうやら自分なりの考えを持っているようだ】
- 248 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/17(日) 18:41:17 ID:knavjgoE0
- >>247
「無理じゃあないが、基礎だけでも覚える時はほんの数秒だが
かなりつらいぞ…」
「…」
その考えを聞き、数秒黙っていたが…
「良いだろう、覚悟があるなら教えてあげよう。
ただし!、僕は先生というものをやったことがない。
だからもし習うとしたら実戦形式で行くぞ」
- 249 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/06/17(日) 18:53:24 ID:trmDr2BE0
- >>248
「…まあ今まで色々つらい目にはあってきていますが…
それくらいじゃないと無理なんだろうと思います。」
【それなりに戦ってきた経験はあるようだ。】
「えっと、はい!ぜひともです!」
【若干焦りながら頭を下げた】
- 250 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/17(日) 19:00:35 ID:knavjgoE0
- >>249
「…」
目を瞑り、黙る。
その場に、奇妙な間が空き
その間が永遠に続くかと思われた時ッ!
カッ!っとウィルの目が開くッッ!!
「よし分かった。
今度、僕の店に来るんだ。
そしてその時に、この波紋法を教えよう」
- 251 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/06/17(日) 19:04:27 ID:trmDr2BE0
- >>250
「あ、はい!わかりました!
ヒマができたらお店に行きます」
【至って真面目のつもりで言っているようだ】
「さて、恭の所はここまでにしましょうか?
そろそろ夕食の時も近いようですし」
【出口を指さしながら言う】
- 252 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/17(日) 19:08:07 ID:knavjgoE0
- >>251
「あぁ、準備をして待っているよ」
と、優しく言う。
「あぁ、そうだな、ではまた、現実で会ったら教えてやろう」
そう言うと、出口に向かい、その場から消える。
- 253 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/06/17(日) 19:11:19 ID:trmDr2BE0
- >>252
「ええ、楽しみにしてますね」
【大きく手を振りながら返した】
「いつか会いましょうね!
さようなら!」
【鶫もまた出口に向かい、箱庭から消えていった】
//お疲れ様でした
- 254 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/06/17(日) 21:33:35 ID:HnkBBDEo0
- 「よし、まだ使えそうだな」
喫茶店Apple Guillotine。
店長のクロスはカウンターの中で、何かの機械の組み立てをしている。
どうやら部品を洗っていたようで、今それを組みなおしているらしい。
「でーきた。氷もってくるか」
完成した機械に巨大な氷をセット。
そして横についたハンドルを思いっきり回し始めた。
シャリシャリという音と共に、機械の下からは削られて雲のようになった氷がカップの中へと入ってゆく。
そう、カキ氷だ。
「そろそろ、こういう季節になったよなー! 今度は練乳とかも買ってくるか」
- 255 :レラ=バニッシュ:2012/06/17(日) 21:59:09 ID:sGP6umW60
- カチャリ。と静かに扉が開く。
扉の影から現れた小さい姿は溜息を吐きつつ入店してきた。
「成程、もう真夏が近いのか」
ガリガリと氷を削る音が聞こえ、奥に人が居ると知る。
カウンターまで歩いて行き、椅子の上に立って厨房を見渡している。
- 256 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/06/17(日) 22:06:34 ID:HnkBBDEo0
- >>255
「ん? ああ、来てたんか。いらっしゃい」
かき氷にドクペをドッパドッパと入れ、客の前だというのに食べ始めるクロス。
「もう暑くなってきたからなー。
今のうちにと思って倉庫から引っ張り出して来たんだ。
お前も食べるか?」
- 257 :レラ=バニッシュ:2012/06/17(日) 22:12:47 ID:sGP6umW60
- >>256
「今な」
テーブルの上に立っていると言うのに視線の高さはさほど変わらない。
普段は宙に浮いたりしているので解りにくかったが、今は背の低さが際立って見える。
「なら貰おうか」
椅子に座ると、ホットパンツの背部ポケットから小さな端末を取り出す。
それ越しにクロスを眺めながら会話をする。
- 258 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/06/17(日) 22:16:46 ID:HnkBBDEo0
- >>257
「おう。味はどーする? イチゴとかメロンとか、色々あるぞ」
そう言いながらカキ氷機に器を入れ、ハンドルに手をかけてガリガリ削る。
「そういえば、その機械はなんだよ」
ふと、レラの操作する端末に気付き、それを指差した。
- 259 :レラ=バニッシュ:2012/06/17(日) 22:26:13 ID:sGP6umW60
- >>258
「携帯情報端末。所謂PDAという奴だ」
ホットパンツのポケットに入るほど薄く、
レラの手でも十分に双さが出来る程度にスマート。
中々の高性能機の様だが、やはり自作品なのだろう。
「元々、僕の国では国民全員に配布されるものらしくてな。
尤も、僕のこれはオリジナルだ。通信規格等は統一してあるから問題は……あ、イチゴで頼む」
PDAの背をクロスに向けたまま画面を弄る。
タッチパネル方式らしく、左の親指は忙しなく動いている。
- 260 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/06/17(日) 22:30:13 ID:HnkBBDEo0
- >>259
「へー。やっぱり薄型ってカッコイイな。自作とか憧れるぜ。
でも俺が使うとなると、ある程度頑丈じゃないと、すぐに壊れちゃってさー」
そう言いつつ、器に盛られたカキ氷に真っ赤なイチゴシロップをかける。
「カキ氷だけど、まだ商品化はしてないから、お代はいいや」
トン、とレラの前に置いた。
- 261 :レラ=バニッシュ:2012/06/17(日) 22:35:26 ID:sGP6umW60
- >>260
「お前はこういうのは作らないのか?」
携帯端末をずらし、クロスと真正面から向き合う。
少女の表情は何処か疑問めいている。
「……因みに、商品化すると幾らになる?」
スプーンを手に取り、かき氷の側面を削り、中を弄る。
僅かに目を細めて訝しげな顔をするあたり、何か言い出しそうな雰囲気だ。
- 262 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/06/17(日) 22:51:04 ID:HnkBBDEo0
- >>261
「細かい作業はいいんだけどさ、やっぱり電子系のプログラミングとかが、どうも出来なくて。
1と0を扱う作業は苦手なんだよなー。俺は理系じゃねーんだよ」
苦笑しつつ、またカキ氷をパクつく。
「ああ、カキ氷が商品化したら?
うーん、商品化するにあたって、どのぐらいまで完成度を上げるかによるな。
フルーツやら何やらを一緒に盛り付ければ人気出るだろうけど、そうすると値段も高くなる。
今のこのシロップのみの状態なら、100円〜200円取れればトントンってところだろうな」
- 263 :レラ=バニッシュ:2012/06/17(日) 22:56:46 ID:sGP6umW60
- >>262
「そうだったのか。
趣味の機械弄りの延長でそいつを動かす位はやっていると思って居たのだが」
かき氷にスプーンを突き差し、氷を掬い取る。
マゼンタに近い色のイチゴ味のシロップのかかった氷をじっと眺めてから口に含む。
冷たさに一度目をキュッと閉じると頭を押さえる。
「冷たい物でもとればいいと思ったが、そう言う訳でもなさそうだな……」
はぁ。と溜息を吐き。
- 264 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/06/17(日) 23:00:34 ID:HnkBBDEo0
- >>263
「物理的な機構を組むのは好きなんだけどな。
あと魔術やら陣、紋を扱ってると、電子工学にまで頭が回らないってのもある。
ま、そういう難しいのはお前らに任せるとするぜ」
そして器に残ったカキ氷を一気に口の中に流し込んだ。
「で、どうしたんだ? 溜息ばっかりついて。何かあったのかよ」
- 265 :レラ=バニッシュ:2012/06/17(日) 23:11:54 ID:sGP6umW60
- >>264
「僕も魔術は得意では無いな。
……どうも身体が受け付けん体質の様だ」
もう一口かき氷を味わうと視線をクロスに向ける。
「最近、頭痛と微熱が続いていてな。
正確に言えば、脳がオーバーロードを起こして熱が出ているから頭が痛いのだろうが」
右手で額のあたりを押さえる。
アイスを食べた時に良く頭の痛みでは無いのだろう。
- 266 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/06/17(日) 23:14:29 ID:HnkBBDEo0
- >>265
「……ソレ普通に熱か風邪なんじゃねーの!?
おいおい、こういう時にカキ氷なんて冷たいもの食べると逆にマズいんじゃなかったっけ。
ちょい待て、熱を見させろ」
カウンターから身を乗り出し、レラの額に自分の額を近づける。
熱を見るなら手でも良さそうであるが、クロスの両手は義手であるが故、温度を見ることは出来ないのだ。
- 267 :レラ=バニッシュ:2012/06/17(日) 23:24:53 ID:sGP6umW60
- >>266
「理解力の無さを押し付けるのはやめろ」
額を当てられても一切のアクションを見せずかき氷を口にする。
「そもそも、熱だと言っているんだから触れても熱いに決まってるだろうが」
スプーンを口から引きはがすと邪魔だと言わんばかりにクロスの頬を叩く。
カウンターのテーブルに置いたままだった携帯端末を操作し、とある画面を表示させる。
そこに映っているのは真紅の鎧を身に着けたレラの様だった。ビルの上からカメラに向かって睨みを利かせている。
「流石の僕でも二人分を同時に処理するのは無理の様だな……」
端末に表示されているのはニュースサイトの記事の様だ。
数か月前に発生したビル街での大規模な爆破テロ。それの首謀者として挙げられているのがこの写真の人物だ。
- 268 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/06/17(日) 23:30:17 ID:HnkBBDEo0
- >>267
「おごふっ、」
頬を叩かれ頭をカウンターの机にぶつけるが、叩かれることくらいは既に覚悟済みだったようで。
というか本来なら顔を近づけた時点で殴られると思っていたようだ。
クロスはぶつぶつと「くっそー、マジレスしやがって」などと言いながら頭を上げる。
「えー熱じゃねーのかよー。天才の体の構造ってよく分かんねーなー。
……って、ちょい待て。このなんか真っ赤な格好した奴ってお前?
なにこれ、お前っていつからこういう格好するようになったんだよ。前身真っ赤とか恥ずかしくねーの?」
自分のことを棚に上げつつ、クロスは端末を覗き込む。
- 269 :レラ=バニッシュ:2012/06/17(日) 23:41:24 ID:sGP6umW60
- >>268
「少しは黙ったらどうだ。
口を開くたびに馬鹿をまき散らしていることに何故気づかん……」
スプーンをクロスに差し出しながら面倒そうに口を開く。
スプーンについては「拭け。もしくは如何にかしろ」という事だろうか。
「ぼっ、僕じゃない!」
バン! とテーブルを叩き立ち上がろうとするが、
脚が付いていないのでそれが出来ずバランスを崩しそうになってなんとか立ち直る。
コホンと咳払いをして仕切り直し。
「半分は僕だ。
その半分すら、『奴』に居場所を与えたくは無いのだがな」
画面に映し出された少女は何処か奇妙だった。
レラであるのに、違う様な。人であるのに、違う様な。
しばらく眺めればその疑問は解決するだろう。
画面における真紅の割合が多かったために気づかなかったのかもしれない。
通常ではありえない箇所が真紅に煌いていた。
―――――瞳。光の通されたガラス玉の様な、純粋な煌きを帯びる瞳だ。
依然、クロスを睨む少女の瞳は紫色。これは紛れも無く人間の物だとわかるだろう。
- 270 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/06/17(日) 23:51:08 ID:HnkBBDEo0
- >>269
「俺は元から馬鹿キャラだからな。黙ったぐらいでそれを払拭できるとは思っちゃいねーですー」
そう言いつつ代えのスプーンを渡したところで、テーブルが叩かれる。
「お前じゃない? じゃあ何だってんだよ」
マジマジと端末の画面に映し出される、レラとそっくりな何かを見ながら答える。
「サイボーグ? クローン? それともまたパラレルの世界から何か来たか?
悪いが、俺達の住む場所は『異能都市』だ。不思議なことはたくさん起こる。
このお前のソックリさんだって、心当たりが『在りすぎる』せいで分かりゃしねぇ。
何なんだ? 教えてくれよ。お前じゃないってことは、よく分かった」
目の色を見比べつつ、クロスは問う。
「こいつ、何者だ?」
- 271 :アイリス:2012/06/17(日) 23:52:07 ID:do5XJmGE0
- 【AGカフェ】
ドアベルが鳴り、来客を知らせる。
来客は素直に、いつも座っているカウンター席に躊躇すること無く腰掛ける。
「済まない、クロス。遅くなったね。
例のものを受け取りに来たよ。」
そうやって、遅れてきたのはアイリスであった。
今日も私服ではある、が、先日クロスとバーで飲んだ時の服装とは違っていた。
用事は勿論、依頼していた武器の受け取りだ。
名前や施した呪紋の効果など、聞かれれば気安く話すだろう。
- 272 :レラ=バニッシュ:2012/06/18(月) 00:01:23 ID:sGP6umW60
- >>270
「それくらいの気楽さで済めば楽だろうな……っと」
スプーンを受け取るとかき氷に真上から突き刺す。
シロップのせいか、溶けやすくなっていて、グラリと傾いたところを慌てて抑えた。
「僕にもわからんさ。
『ソイツ』が動いている間、僕には記憶も意識も無い。
あれから部下には解析を頼んているのだがそもそも姿が見つからない。と」
顔は同じ。髪の色、形、質感もだ。
クロスには良く向けられる、意地の悪そうな笑顔もそっくりだ。
「ただ、僕の嘗て居た場所である『研究所』が起因していることは確かだろうな」
- 273 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/06/18(月) 00:04:43 ID:HnkBBDEo0
- >>271
「おお、来たなアイリス」
カウンターの中から軽く手を振り、「ちょっと待ってろ」と言うと同時に『STAFF ONLY』と書かれたドアの中へ。
戻ってきた時には、木の箱を抱えてやってきた。
「出来たぜ。こいつだ」
箱を開ければ、中には布袋に包まれた剣型の何かが入っている。
「あとは、自分で空けてみな」
布に入った刀剣をもち、アイリスへと手渡した。
>>272
「なんだそりゃ。ドッペルゲンガーの一種か何かか?
それともお前の別人格が夜中に暴れてるとかじゃねーよな?
何にしろ、自分と同じ顔の奴が好き勝手に暴れてるってのは、嫌な感じだ。
現場を押さえられればいいんだが……」
その時、耳に入ってくる「研究所」という単語。
クロスにとって、それは……
「おい、その『研究所』ってのは、何だ?」
- 274 :レラ=バニッシュ:2012/06/18(月) 00:15:49 ID:sGP6umW60
- >>273
「まぁ、僕が言いたいのはそう言う事だ」
今更ながらに脚を組むとスプーンでクロスの顔をピシッと指す。
「何だ。って……お前が今更聞くものでもないだろう」
キョトンとした表情。
言葉と反応から見れば、想像している物と同じものらしい。
- 275 :アイリス:2012/06/18(月) 00:16:47 ID:do5XJmGE0
- >>273
箱を開け、布袋に包まれた剣を取り出す。
刃に触れぬよう慎重に、柄をしっかりと握る。
『ダマスカス鋼らしきもの』で出来た刃に、びっしりと刻まれた呪紋。
お陰で鋼独特の紋様を楽しむことは叶わない。
刃を覆い隠すほどに刻まれた呪紋が照明に反射する。
幾何学的な紋様というより、記号を崩し、交わらせたようなもの。
ルーンでも無く、その他のものでも無い。
「重さも体感では大差ない、ね。呪紋もきっちりと書き写されている。
これで、彼等にも対抗できる。
ありがとう、クロス。いい仕事をしてくれたよ。報酬はどうしようか。」
そう言いながら、紋様を眺める様は冷たく。
近くで話される研究所の話にも耳を傾ける。
- 276 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/06/18(月) 00:32:43 ID:HnkBBDEo0
- >>274
「……っあー、マジかよ。思い出したくもねーっつーのにさー!」
色々と思い出したのか、イラついたように床を踏み鳴らす。
「え、なに? 今回のその偽レラみたいな事件も研究所が原因の可能性あるわけ?
あーやだなー。また巻き込まれてたりしたらどうしよー。っていうか、やっぱりまだ潰れてねーのかよ。
あらかた施設はブッ壊したハズなのに、ゴキブリみたいな奴らだな……!!」
ブツブツと文句を言いながら、クロスはドクペの缶を開けた。
「お前も厄介なところに籍を置いてたなぁオイ。
ま、これも何かの縁だろ。この紅いお前を見かけたら、できる限りデータを集めるようにするぜ」
>>275
「あー、ちょい待て。報酬やら何やらの話の前に、話すべきことがある。
その剣には一つ問題があるんだ」
クロスはまるでアイリスの口を塞ぐかのように掌を前に出しつつ、話を進める。
「その紋な、刻むのに結構手間がかかった。
お陰で俺も力が籠もってしまってな。
その剣が、俺の邪気を少量だけど帯びるようになっちまったんだ。
流石に俺の能力で操作できる程では無いが、お前がこの紋の効果を使う時になって多少の影響が出る可能性もある。
影響が出なければ、それが一番いいんだが……万が一を考えないわけにもいかない。
俺の『ものを創る人』のプライドにかけて、使う人が使いこなせないものを渡すわけにもいかない。
アイリス、その剣をお前が完全に使いこなす為にも、頼みがある」
クロスはネクタイを緩めるとシャツのボタンをあけ、首の辺りをナイフで浅く切った。
その血をグラスにいれ、アイリスに渡す。
「飲んでくれ。
俺の邪気を取り込めば、その剣を完全に使えるようになるだろう」
- 277 :アイリス:2012/06/18(月) 00:56:15 ID:do5XJmGE0
- >>276
「……」
クロスが作成した剣はクロスの力が籠り、使いこなすにはクロスの血液を飲む必要がある。
見たところ、何も感じないが、作成者であるクロスが言うのなら、信じるほかない。
だが、アイリスには疑問が残る。
血を介し、力に慣れる、とでもいうのだろうか。
仮に血を介するというのなら、何処かの内臓器官に“能力の大元”があると考えられる。
「クロス。君の血を飲むのは躊躇しない。
けれど、2つ聞かせてほしい。
まず一つ目。この紋は君に刻まれることにより、力が篭ったと言ったね。君の血を飲まなければ、どのような影響を齎すのかな?
勿論、君の血を飲みたくないと言うわけでは無い。少し気になっただけでね。
もう一つは、僕に与える影響だ。
おそらく、君の血は僕の体に何かしらの影響を与えるだろうね。
例えば、クロスの邪気を優先的に探れる、というものだったり、何かしらの能力の影響が僕の体に現れる、だったりね。
それに、君は吸血鬼に血を飲まれるリスクを分かっているのかな?君自身が露見することになる。」
アイリスの脳裏によぎったのは、バーで飲んだ時の言葉だった。
“もし、切り捨てる一を選ばなきゃいけない時が来たら、俺を選ぶといい。
俺だったら切り捨てられようが、見捨てられようが、犠牲にされようが贄にされようが餌にされようが、必ず戻って来る。”
吸血鬼に血を飲まれるリスクを織り込み済みで、意図的にこういった仕込みをしたのかも知れない。いや、意図せずこのような形になったとも考えられる。
会話の中でクロスが自身の言葉に説得力を持たせるために、ワザとこのようなやり方を選んだかもしれない可能性もある。
……アイリスの考え過ぎなら良いのだが。
「考え、過ぎかな。」
小さく呟いた言葉。
この言葉はクロスの耳に入るのか。
- 278 :レラ=バニッシュ:2012/06/18(月) 00:57:09 ID:sGP6umW60
- >>276
「十中八九そうだろうな。
最近、『アイツ』の記憶らしきものが頭の中に移りこんでくる。
それを考えれば『アイツ』は僕の頭の中に住んでいると見て間違いないだろう」
過負荷の原因。
少女の小さな体の中で「レラ」と言う少女と「真紅の瞳の少女」が動いているのだと言う。
「データなら誰よりも信用できる筋に頼んでおいたんだがな、最近連絡が取れない。
解った事があると連絡をよこした後、久しぶりには『飽きた』等と連絡をよこしてきて一切連絡がつかん。
……こうなれば貴様に頼むしかないかもな。思う存分暴れておいてくれ」
既にとけ切ってしまったかき氷。
最後に一口分だけ救い上げて口に含むと席を立った。
「予定があるなら言えと言うのに……まぁいい、僕は帰らせてもらうぞ」
アイリスとの会話の内容を気にしてだろうか。
足早に歩みを進めながら店を後にした。
- 279 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/06/18(月) 01:05:04 ID:HnkBBDEo0
- >>277
「……チッ。いちいちお前は細かいやっちゃのー!
いいから飲め! 飲むんじゃオラ!!」
面倒になったのか、クロスはグイグイとグラスをアイリスの押し付ける。
どうやら、剣の紋の影響云々がどうのこうのという話の信憑性は低い。
クロスには別の目的があるんだろう。
「吸血鬼に血を飲まれるリスクなんざ承知の上じゃ! テメェーだから飲ませられんだよ! 分かったらさっさと飲め!!」
その顔には必死さすら生まれている。
>>278
「おいおい大丈夫か、その頼まれた奴は。
情報屋ってのは、ある意味一番命を狙われやすい立場だぞ。
まあ、そういうことなら協力させて貰うぜ。
今の研究所が『何をやっているのか』ってのも気になるしな」
立ち上がるレラ。
その姿に手を振る。
「ああ、気を使わせてもらって悪いね。ありがとう」
- 280 :アイリス:2012/06/18(月) 01:15:13 ID:do5XJmGE0
- >>279
「だがね、クロs―――」
グイグイと押し付けられるグラス。
クロスの血液はアイリスの意思…、本能に従いアイリスの体に流れ込む。
グラスに注がれたもの、全てだ。クロスの必死な顔に、初めて気付いた。
……、それもそうだ。
――ものを創る者を自称するのならば、このような『不備』を残すわけ無いじゃないか
「ク、クロス……」
ドクン、と心臓が跳ねた。
クロスの血液は、アイリスの中へと取り込まれていく。レラを見送る余裕すらない。
言葉が出ない。処理できない情報がドンドンと濁流のように流れこんでくる。
さて、クロスの血液はアイリスにどのような影響をあたえるのか……?
- 281 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/06/18(月) 01:22:28 ID:HnkBBDEo0
- >>280
「……よし、飲んだな?」
グラスを片付け、ネクタイを締めなおすクロス。
今のところ、アイリスの体に目立った影響は起きていない。
「よし、これでいい。報酬は……そうだな。
この前の紅茶、また欲しいな。そろそろなくなってきたんでね」
早急に話を進めるクロス。
血液を飲ませた本当の理由は、クロスは明らかにしない。
「その剣、使いこなせるといいね。
お前が対抗する『彼ら』ってのは、やっぱりアレか? 吸血鬼を狩ってる奴らのことだろう?」
ふと、クロスの右目を覆う眼帯の内側から、わずかに光が漏れた。
「どうやら、一度だけ……か。使いどころを見誤らないようにしねーとな」
- 282 :アイリス:2012/06/18(月) 01:32:11 ID:do5XJmGE0
- >>281
「………はぁ」
体に早急に影響は無いようである。内心では安心していたアイリス。
ため息。
どういったことをしたいのか、そう聞いたところで『細かいことぁいいんだよ』と突っぱねられそうである。
目立った呟いた言葉は、キーワードとして意味を成さないだろう。
「分かった。三種を一キロ程度、準備させよう。
キロ単位だからね、少し用意に時間が掛かるけれど、二週間程度を目安にしようか。」
勝手に量を決め、渡せる期間の目安を告げるアイリス。
クロスの狙いは分からない。聞いたところで答えもしないだろう。
「そうだね、使うのは彼等限定だ。
『痛覚倍増』はさぞ辛いだろうね。」
- 283 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/06/18(月) 01:42:07 ID:HnkBBDEo0
- >>282
「き、キロ単位!? そんなに用意できるのかよ!! でも嬉しいぜ、あれ美味しかったから!」
わーいわーいと喜んでいたが、「痛覚倍増」という言葉にビクンと体が跳ねる。
「つ、痛覚倍増!? おいおい、俺になんて紋を刻ませやがる。
いや、外傷に反して痛覚が大きいんだから、小さいダメージで敵を殺すことなく動きを止められるのか。
だとしたら『相手を制圧する』という点においては効果は大きいのか?」
ブツブツと独り言を言いつつ考察をするが、「なんにせよ取り扱いは注意だな」と最後に呟いた。
「さーて、俺はそろそろ寝るぜ。実はその剣の紋入れが終わったのは、今日の夕方でね。
実は昨日から寝てないんだわー」
ヘラヘラと笑いつつ、エプロンを外してフラフラと歩いていく。
「おやすみ、アイリス」
そして『STAFF ONLY』と書かれたドアの向こうへと消えた。
そのドアの内側で。
「ありがとう、アイリス」
一人、呟く。
おそらく自分の嘘なんてバレていただろう。
それでもアイリスは、飲んでくれた。
ありがたい限りだ。
「さて、俺も動くとするかね」
クロスはニヤリと笑いつつ、寝室へと上がっていった。
- 284 :アイリス:2012/06/18(月) 01:53:09 ID:do5XJmGE0
- >>283
クロスが刻んだ紋は、『痛覚倍増』という名の術式。
かつてのフォン・ルズィフィールが使用した、由緒ある処刑用の術式である。使用用途はスパイのあぶり出し等様々だ。
如何に残忍に、如何に辛く、を考えられた術式である。その紋を刻んだ剣の名は、エゼル。
アイリスの実家があるところの古語で、『呪い』という意味を持つ。
この術式が乗る武器で斬られると、傷口から術式が流され強制的に痛覚を過敏にさせることになる。
衣擦れや風すらも痛みを感じさせるよにすることが出来る邪な術式だ。
解除そのものはできるが、痛覚に関する術式が限りなく少ない、と推測される以上、これ以上無い術式だ。
「……おやすみ、クロス。
君は安住の地を手に入れ、このカフェの一国一城の主となったんだ。
無茶な行動はさせないよ?」
紡がれる言葉は小さい。壁を挟んだ向こう側までは聞こえないだろう。
こうして、アイリスは去っていく。
これで、ある程度の準備は整った。後は、拠点の一夜城でいくつかの術式を作り、纏め上げるだけである。
- 285 :オーレリア=グラムハイト:2012/06/18(月) 22:34:43 ID:sGP6umW60
- ―――公園。
「わ、あわ……」
今日も公園で採集に励む少女。
しかし、今日は運悪くアクシデントに遭遇してしまったようだった。
杖を両手でしっかりと握りしめて身体の前に持ってきて如何にか戦う姿勢を作る。
が、脚はガクガクに震え、腰は完全に引いている。とても戦える状況でないのは誰にとっても明白だろう。
そんな状態に仕立て上げた敵はどうやら青いボールのような奴らしい。
少女と相対する蒼い球体は三体。何れも呑気にも笑顔を浮かべて少女とその傍らの狼を眺めていた。
- 286 :アドルフ:2012/06/18(月) 23:15:20 ID:IrsgDsYs0
- >>285
ぱんぱん、ぱぱぱぱん。
何かが破裂するような音を引き連れ、数発のゴム弾が青い球体めがけて飛翔する。
「何ですか、あなたたちは!」
右手に銃を構える、14歳位の白衣の少年。
左手には物々しいトランクを持っている。
「早く警察へ。戦えなければ逃げてください。」
青い球体に視線と照準を固定したまま少女に言った。
- 287 :オーレリア=グラムハイト:2012/06/18(月) 23:54:13 ID:sGP6umW60
- >>286
ぱちんとゴム弾に撃たれると青い球体はだらりと倒れてしまう。
……どうやら倒してしまったようだ。弱い。
「ふぅ……こ、こわかったぁ」
大きくため息を吐くと、構えていた杖を地面に付いて支えにした。
どうやらアレだけの弱さのモンスターに怯えていたようである。
少しの間大きく何度も息をしていたが、調子が戻ってきたのかクルリと振り返ると少年の方を見た。
「ありがとうございます! たすかりました!」
杖を水平に持ち、大きくお辞儀をする。
- 288 :アドルフ:2012/06/19(火) 00:04:30 ID:IrsgDsYs0
- >>287
あれ………?
………ちぇっ、新兵器のテストをしたかったのに。
心の中でそう呟いてから銃をしまい、少女の方を向く。
「いえ、礼を言われるようなことはしていませんよ。」
直線的なデザインの度が入っていない眼鏡のレンズに、緑色の文字や何かの図が明滅している。
「怪我はありませんか?
簡単な応急措置ならできますよ。」
いろいろな機械の力を借りているとはいえ、アドルフ自身は生身の人間。
治療には慣れているのだ。
少女に一見外傷は認められないが、念のために聞いてみた。
- 289 :オーレリア=グラムハイト:2012/06/19(火) 00:21:13 ID:sGP6umW60
- >>288
「あっと……だいじょうぶです!」
まだ戦闘に入る前だったので怪我はないだろう。
薄らと浮かんだ涙を拭い、笑顔を浮かべる。
暖かい笑顔を浮かべる少女は珍しい服装をしていた。
青と黄色の入り混じった愛らしくもあるが奇抜な服だ。
手にしている独創的な杖と平時では見えないが、少しでも動けば中が見えてしまいそうな程ミニのスカートは、『知識のない物』にとっては何かのコスプレにしか見えないだろう。
- 290 :アドルフ:2012/06/19(火) 00:36:15 ID:IrsgDsYs0
- >>289
「そうなんだ、良かった良かった。」
ぱんぱんと白衣の裾を直す。
「それはそうと、その杖は一体どんなものなんですか?」
青と黄色という色遣いで愛らしさを出したという非常に優れたデザインの服装よりも、謎の杖に興味が向くのは技術者の悲しい性である。
- 291 :オーレリア=グラムハイト:2012/06/19(火) 00:42:38 ID:sGP6umW60
- >>290
「えへへ〜……」
笑みを浮かべると恥ずかしそうに頬を掻いた。
穏やかな色素の薄い茶色の髪は風に吹かれてさらさらと流れている。
「えっと……このつえですか?」
首を傾げる少女。
身の丈と同じほどの長さの杖の先端には良く解らないオブジェクトが付いていた。
それの効果は少女にもわからないようで。
「ごめんなさい……わからないんです」
と、残念そうな顔をして首を振った。
- 292 :アドルフ:2012/06/19(火) 00:57:54 ID:IrsgDsYs0
- >>291
「あらま…ええ!?
よく分からないものを構えてた!?」
そりゃもう、びっくり。
さっきの球体に向けて構えていたのは何だったのだろうか。
……とすると、横の狼が気になる。
良い人もいれば悪い人もいるこの都市で、自分の身も満足に守れない少女が果たして生き残れるだろうか。
この狼が、少女を守ってきたのではなかろうか。
そう考えて、今度は視線を狼に向ける。
興味のままに行動する、技術者の悪い癖だ。
- 293 :オーレリア=グラムハイト:2012/06/19(火) 01:10:58 ID:sGP6umW60
- >>292
「えへへ……もらいものなんですよ、これ」
杖を眺めながらまたさっきとは違う趣の笑顔を向ける。
「ナツメがどうかしたんですか?」
狼の名前はナツメと言うらしい。
視線を向けらナツメは向き返すだろう。
銀と黒の入り混じった中型の狼は……機械だった。
- 294 :アドルフ:2012/06/19(火) 01:39:06 ID:IrsgDsYs0
- >>293
「ナツメというんですか。可愛い名前です。」
警戒せずに狼に近づき、撫でてみた。
ふかふかの毛皮の下のーー堅い感触。
「助ける必要はなかったみたいですね。余計なことしちゃったかなぁ。」
機械と解っても、ナツメを撫で続ける。
「もらいもの…ナツメをくれた方がいらっしゃるのですか。」
その時、眼鏡が甲高い電子音を鳴らし始め、レンズに黄緑色の文字がいくつか表示される。
「あっ、大変だ大変だ、大事なことを忘れていました。」
わたわたと慌てて立ち上がり、
「すみません、大事な用事を忘れていました。
また今度!」
インラインスケートで滑り出すと、考えられないようなスピードで舞い上がり、ビルの壁を蹴ってどこかに消えてしまった。
//打ち切ってしまってすみません、限界です…
//乙でした
- 295 :オーレリア=グラムハイト:2012/06/19(火) 01:53:15 ID:sGP6umW60
- >>294
「い、いえ!
わたしはとってもこわかったしたすけてもらってうれしかったです!」
恥ずかしそうにお礼を告げる。
ナツメに近寄ってしゃがみ込むと同じように優しく撫で始めた。
「あっ……さようなら〜!」
咄嗟の出来事で声を掛ける間もなく離れていってしまった少年。
ビルの壁を蹴る姿は最早小さくて見えない程。
それでも手を振って声をかけ、少年に別れを告げた。
//お疲れ様でした!
- 296 :アイリス:2012/06/19(火) 23:07:06 ID:do5XJmGE0
- 【一夜城】
今日もアイリスは術式を作成する。
本日着手するのは、闇祓騎士団への抵抗に対し、約束をしてくれた人に向けた、『証』のようなもの。
物理的なモノでは、襲撃の際に回収されてしまえば致命的となる。
故に体内に入れるという方法を取る。必要でなければ、其れでいい。なにかしら、使用方法も見つかるはずだ。
一箇所に集合というのは、各個人の都合の問題で非常に困難だろう。
それを踏まえて、アイリスは準備をしていた。
装飾品といった、日常的に持っていてもおかしくは無いもの。
「…『らしく』しないとね。」
呟きはアイリス以外誰も居ない暖話室に響く。
簡単だ。いくつも用意したペンダントトップで判別させればいいのだ。
そうして、アイリスは術式を描いていき、体に溶け込ませていく。
- 297 :ロザリア・ロートシルト:2012/06/19(火) 23:29:43 ID:SSMHlh/20
- >>296
ふいに背後で、魔力の乱れがあった。
「あら、おじゃまだったかしら。」
『きゅいーっ。』
聞き覚えのある声と、真の抜けた鳴き声。
振り返れば、空間転移から抜けた直後のロザリアが
もふもふと呼ばれる生物を抱えているはずだ。
- 298 :アイリス:2012/06/19(火) 23:48:12 ID:do5XJmGE0
- >>297
「いや、問題ではないね。
むしろ、こちらから君に会いに行こうかと思っていたところさ。」
アイリスはメイドを呼ぶと、ワインを用意させる。
それは、赤ワインであった。如何にも『高級品』といた風体のラベル。
それは、こちらでいう一本100万円はくだらない、というものだ。
「君に断りなく、色々と準備を進めていてね。
丁度いい。掛けてくれるかな。」
準備されたグラスは2つ。一つはアイリスのもの。もう一つはロザリアのものだ。
ロザリアとは何度も会った仲だ。その存在は気配でわかる。振り返れば…………もふもふしてそうなのがいた。
アイリスは目を奪われる。
その愛らしさ。もこもこしていそうな、柔らかな毛。
これは体毛だろうか。それにしても、どんなベッドよりも柔らかそうだ。
アイリスの口からは言葉が出ない。その愛くるしいもふもふに目を奪われているからだ。
- 299 :ロザリア・ロートシルト:2012/06/20(水) 00:09:31 ID:SSMHlh/20
- >>298
「ふふ、それじゃ遠慮なく。」
ロザリアは微笑をたたえて先に席につくと、
もふもふしたのをテーブルの上に置いた。
『きゅうーっ。』
「わたあめ。いい子にしているのよぉ。」
もふもふ、という生物は都市に出現して久しく、
おとなしく害もないので、街中でもたまに見かける事がある生物だ。
AGカフェの天井にも勝手に住み着いているらしく、たまに天井裏から
きゅうきゅうと鳴き声がしたり、一階に下りてきたのにお客さんがどんぐりをあげている
光景に出くわす。
ロザリアのもふもふ『わたあめ』は平均より少し大きく、毛並みもふんわりしている。
「パトロールの際に貼り紙やチラシを撒いていたんだけど
効果が現れ始めたようで私の巡回地域では路地裏をうろつく
人外もだいぶ減っているわ。しかし、これだけではどうにもね。」
もふもふに眼を奪われたアイリスを知ってかしらずか、ロザリアはため息をつく。
やはり一人でカバーできる範囲には限界があり、こうしたパトロールの効果もほとんど
しないよりはマシのレベル。根本的な解決が必要なのだが。
- 300 :アイリス:2012/06/20(水) 00:26:37 ID:do5XJmGE0
- >>299
ロザリアの言葉は半分程度しか頭の中に入っていない。
それほど、もふもふが愛らしいのだ。
「そんな時だからこそ、僕達の存在をアピールするべきではないだろうか。
これからに備えて、いくつか準備をしてきた。」
そういって、差し出したのは数枚のA4用紙。
パソコンで作成されたのものなのか、記号の四角の横に簡単に纏められた内容が書かれて、既にいくつかチェックマークが付けられていた。
大雑把な内容として、
・対闇祓騎士団の組織構成(実働・情報管理・避難誘導)についての人員の割り振り。
・人外の協力者及び人間の協力者の纏め
・情報管理についての手段と管理方法
・お互いが協力者同士と認識出来る術式の作成
この全てにチェックが入っていた。
また、紙の隅っこの方に、文字が並ぶ。
エリュシオン、人外同盟、ロイヤルナイツ、それぞれ組織名のように見えるかもしれない。
ロザリアと会わない間に、それなりにしてきたようである。
そうして、自分がしてきた成果をロザリアに披露しながらも、見つめるはわたあめ。
そのもふもふに手を伸ばそうとして。
- 301 :ロザリア・ロートシルト:2012/06/20(水) 00:44:21 ID:SSMHlh/20
- >>300
「どれどれ、少し拝見させてもらうわね。」
ロザリアが顔の横でぱちん、と指を鳴らすと
淡い光と共に、丸眼鏡が現れた。
それを掛けると、養子に記載されている事項に目を通していく。
もふもふはテーブルの上をもそもそと動き回っていたが、うごきはのろまの一言。
難なく触れる事ができるだろう。手触りは完全に綿そのものだ。
- 302 :アイリス:2012/06/20(水) 00:53:55 ID:do5XJmGE0
- >>301
綿そのものの触り心地に、アイリスは自然と笑みを浮かべる。
優しく撫でてやれば、柔らかな感触が手に伝わる。
また、鈍間な動きが愛らしさを助長していく。
「人員の割り振りについては、まだまだ詰める余地がある。
そこは、各人の能力と適性に合わせて配置していきたいね。現状では僕が全てを兼任しなければならないね。
情報に関してだけど、それはまた今度、見せよう。
お互いが協力者と認識できる術式はちょうど今出来たところだ。装飾品で“らしく”偽装し、実は術式で判別させるものだ。」
簡単ではあるが、捕捉を加える。
その間に、ワインを飲み、わたあめを撫でて。
「ロザリア・ロートシルト。
今が、決断するべきだと思うよ。」
わたあめを撫でる手が止まる。
青い瞳はロザリアの瞳を見据えて
- 303 :ロザリア・ロートシルト:2012/06/20(水) 01:08:12 ID:SSMHlh/20
- >>302
「この街の人外いえ、市民全ての安全が掛かっているんでしょう。
皆を守り導くのは貴族に課せられた義務。改めてお受けしましょう。代表の座を。」
以前はあまりの唐突さに取り乱したが、
あれから十分に。十分すぎるほど時間を経て練られた答えは、
アイリスの瞳のようにまっすぐなもの。
『きゅうっ!』
わたあめもそれに釣られてか、引き締まった声(本人曰く)を出すのであった。
「書類のほうは読ませてもらったわ。
やはり、協力人員が現状少ないのがネックだけれどまだ、
対外の協力を取り付けていない以上しかたないわねえ。」
- 304 :アイリス:2012/06/20(水) 01:20:15 ID:do5XJmGE0
- >>303
「よろしい。ならば表明してくれるかい?
マスコミを通じて、我らは闇祓騎士団に抵抗すると、ね。
名前は君に任せよう。人員は僕が確保する。」
わたあめを撫でる手が再び動く。
ロザリアの答えを経てから再び動き出した。
「少数精鋭、といえば良いさ。
何と言っても、協力してくれるのは、良方、クロスだ。ロザリーも居るんだ。本気になれば国とも戦えるさ。
これから増えるであろう人員も含めれば、それは強大な戦力となるだろうね。
それに、対外の協力を得るのはこれからだ。君が闇祓騎士団に対抗すると表明してからでなければ、動けないさ。」
ロザリアは知らないだろうが、アイリスは闇祓騎士団に対抗するだけの武装を準備している。
更にこれから礼装の作成を予定しているアイリス。
それだけで、強力な武器となり得るだろう。
現在、高確率で協力してくれるであろう者の候補は3名、更に3名の協力者候補がいる。
- 305 :ロザリア・ロートシルト:2012/06/20(水) 01:39:59 ID:SSMHlh/20
- >>304
「現状はそれで問題ないわ。
戦力的には十二分にやつらに対応できる。
事務関係がもう少し必要な感があるわね。」
戦力は十分過ぎるほどだが、これから増える人員を管理する内務的なポジションが欠けている。
この点はアイリスやロザリアもかなりの負担を確保しなければならないだろう。
とはいえ、巨大な勢力が誕生する事は事実。
闇祓騎士団の面々も、こちらに注視せざるを得ない事は確実といえる。
「とにかく、任せておいてくださいな。
……といっても、マスコミにもアポイントを取らないと。
何処かの放送局にテレビ放映してもらうのが一番いいのだけれど。」
- 306 :アイリス:2012/06/20(水) 01:48:21 ID:do5XJmGE0
- >>305
「…、その辺りは僕がしばらく尽力しようか。
人員に余裕が出来れば、事務に割り振ってくれて構わないさ。
ロザリー、君はトップとして、凛とした姿、皆を率いていく姿勢を見せれば良い。」
そういう、内務的なことは適正が必要になってくるだろう。
その上で人員の素養を見ながら、割振ればいい。
勿論、負担は大きい。だが、こういった内務面は疎かに出来ないのも事実。
アイリスはロザリアには、コチラの心配をしてほしくないようである。
「その辺りは全面的にロザリーに任せよう。
どういう形であれ、闇祓騎士団に対抗する意を世間に示せることが出来れば良いさ。
この時勢だ。マスコミ各社は我々を大々的に取り上げるだろう。それだけで効果があるのさ。」
- 307 :ロザリア・ロートシルト:2012/06/20(水) 01:55:50 ID:SSMHlh/20
- >>306
「ええ、それじゃあ明日から報道各社に交渉してみようと思うわ。
それに、私たちに協力してくれそうなコミュニティの捜索も
もっと手広く行なわないと。問題は山積みねえ。」
ワインにようやく、口を付けるロザリア。
ほふう、と息を吐くと席から立ち上がって。
「とりあえず、話しが一まとまりした事だし
今日は変えるわねえ。わたあめ。きなさいな。」
『きゅぅっ。』
ロザリアが声を掛けると、もふんもふんと転がってうでのなかに収まる。
そのまま、ロザリアとわたあめはゆっくりと転移し、談話室を後にする。
// 今日はこの辺でー。
- 308 :アイリス:2012/06/20(水) 01:58:38 ID:do5XJmGE0
- >>307
「一応、経過の連絡は欲しいね。」
まだまだするべきことがある。
まずは組織の名前、闇祓騎士団への抵抗の表明等。
ロザリアを見送ったアイリスは自室へと戻り、礼装の作成を進める。
//おつよー。拾ってくれてありがと!
- 309 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/20(水) 21:48:40 ID:Jg4V.g1A0
- 【ウィルのカレー屋】
少し異能都市の場所としては変わったところ。
そこに行くまでの道のりに地形変化がない。
店の看板には<OPEN>の字が。
「…、最近、客が少ないな」
なんとなく呟く、別に来なくても生きていけるからいいが。
- 310 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/06/20(水) 21:56:02 ID:trmDr2BE0
- >>309
【と、その時カレー屋の扉が開く】
「ウィルさん。どうもこんにちは!」
【制服を着た学生。先日箱庭内で戦闘を行った少女である】
「えーっと、また会いましたね。
まずは…カレー注文したほうがいいですか?」
【ちょっと周囲を見回してから言う】
- 311 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/20(水) 22:00:28 ID:Jg4V.g1A0
- >>310
「やぁ、防人君か」
こんにちはと手を振る。
「あぁ、まぁ座って。
修行に関しては今はまだ準備中だからね」
と、椅子を引く。
「どんなカレーが食べたいのかな?」
- 312 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/06/20(水) 22:03:46 ID:trmDr2BE0
- >>311
「はい、ああその…
まだ修行という感じではないですねー」
【あたりを見て納得したように口を開く】
「そうですね…
うーむ…」
【頭を斜めにして唸る】
「スタミナが付きそうなカレーがいいですねえ。
美味しくてなおかつスタミナが付きそうなやつを…」
【と言って答えた】
- 313 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/20(水) 22:09:15 ID:Jg4V.g1A0
- >>312
「いや、修行自体は何時も僕がやってる場所でやるつもりなんだ。
まだ器具とか作成途中だからね」
クスッと笑って言う。
「スタミナ…、だとしたらニンニクだな
飲み物とじゃどうする?」
- 314 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/06/20(水) 22:11:27 ID:trmDr2BE0
- >>313
「あ、そうですよね。
わざわざお店で殺ったらそれこそ色々被害が出そうですし」
【ちょっと恥ずかしそうに言う】
「飲み物とですか。
良くわかりませんので合うものとでお任せします!」
【まさかの丸投げ宣言である】
- 315 :柊宇都 綾:2012/06/20(水) 22:12:31 ID:sGP6umW60
- カレー屋に新たな来店を告げる音がする。
入ってきたのは闇色の長い髪を持った高校生くらいの少女だった。
同じく闇色の、右のみの瞳で周囲を眺め、とある一点に視線を留めそれに向かって前進する。
>>310
「防人」
探していたのは同年代の少女だった。
目の前まで歩み寄ると、右の闇色はじっと見つめている……。
- 316 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/20(水) 22:12:55 ID:Jg4V.g1A0
- >>314
「店でやったら僕の懐が一気に無くなるよ」
苦笑いしながら言う。
「よし、じゃあシンプルに牛乳だね
少し待っていてくれ」
- 317 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/20(水) 22:14:10 ID:Jg4V.g1A0
- >>315
「あ、いらっしゃ…」
その子を見た瞬間、ただならぬ気配を感じ取る。
「…カレーは運ぶけど、僕は席をはずしておいた方が良いかい?」
- 318 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/06/20(水) 22:17:33 ID:trmDr2BE0
- >>315
「…ん、あ、貴方は…」
【ふと振り向いて、その姿を見る】
「久しぶり…でしょうか?
えっと、何の御用でしょう?」
【ただならぬ雰囲気に少し身構える】
>>316
「わかってます。ここで暴れるなんてことにはなりませんから」
【笑顔で返す】
「わかりました。お待ちしておりますよ!」
- 319 :柊宇都 綾:2012/06/20(水) 22:34:05 ID:sGP6umW60
- >>317
「構いはしない」
無機質な動きでウィルに視線を向け、闇一色での瞳を向ける。
顔の左半分は髪によって隠されているが、たったの半分でも歳の似つかわしくない、美貌として誇れる顔立ちだと言う事が解るだろう。
また、無機質に口を開き、短い返答を返す。
>>318
「ヴァージニアが世話になった」
自分の身の丈以上……2mを優に超える刀を腰から外し、席に着く。
柄を上にして席に立て掛けると鶫の方を向く。
依然、病院で会った時からは立ち直ったのだろう。
今の瞳には意思があった。病院で会った時よりも前に共闘をした時よりも、厳しい瞳をしていた。
- 320 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/20(水) 22:37:58 ID:Jg4V.g1A0
- >>318
「ホッ、良かった」
もし本当になってたらどうなったことか、と安堵する。
「あぁ、少し待っていてくれ」少し待っていてくれ」
>>319
「分かった。
…なにか注文するかい?
一応此処は店だしね、別に注文しなくてもいいけど」
ほんの少しでも場の空気を和らげようとする。
が、この言葉に和らげようとする文が入っていない気がするが気にするな!
- 321 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/06/20(水) 22:41:11 ID:trmDr2BE0
- >>319
「ヴァージニア…というと」
【ふと何があったかを思い返す】
「…あの時のことですか…
いえ、私は大したことはしてませんよ。
ただ、あの子自身がどうにかしたいと思ってたんだと思います。それに…」
【しばらく考えてから口を開く】
「私だけじゃありませんでしたからね」
>>320
「はい、ゆっくりまってます!
美味しい物への楽しみですから」
【笑いながら言う】
- 322 :柊宇都 綾:2012/06/20(水) 22:48:57 ID:sGP6umW60
- >>320
「必要ない」
短い言葉でキッパリと、明確に拒否を示す。
今の少女は鶫に用があるだけで、カレーには興味が無いのは明らかである。
>>321
「聞いている」
他の一人は確か、良方とかいう男だったはずだ。
彼ともまた初対面では無い。何時か話は聞きたいと思って居るところだった。
「ヴァージニアは、僕の子のようなものだ。
あの事実を知らなかったのは、親と言う存在において重大な過失だ。詫びさせてほしい」
静かに、深く頭を下げた。
長い闇色の髪がゆらりと揺れて、すぐにまた流れて真っ直ぐになる。
- 323 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/20(水) 23:01:35 ID:Jg4V.g1A0
- >>321
「あぁ、少し待っていてくれ」
そう言うと、台所に向かう。
>>322
「わかった」
こちらも簡潔に言う。
あんまり長い言葉は嫌いなんだろうと思ったから。
- 324 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/06/20(水) 23:13:18 ID:trmDr2BE0
- >>322
「ええ、あの人のほうが大きな怪我でしたからね
私も感謝しなきゃいけないほどです」
【軽く頷く】
「そんなに頭を下げなくていいですよ。
その、頭を上げて下さい」
【下げられるのは慣れてないらしい】
「その…これからがだいじょうぶであれば
私はそれでいいんですよ。あの子が無事で、
尚且つ大きな事にならなければです」
>>323
「ゆっくりでいいですよー」
【そう言って笑い返した】
【そう言って微笑み返す】
- 325 :柊宇都 綾:2012/06/20(水) 23:22:09 ID:sGP6umW60
- >>323
「すまない」
元々、ここはカレー屋だ。
鶫が客としてきていることもあって、いまはその邪魔をしていることに他ならない。
>>324
鶫に言われるとゆっくりと頭を上げる。
漆黒の瞳は意思を従えつつもただ静かに、鶫に視線を送る。
「僕は、その時の状況を知る必要がある。詳しく、教えて欲しい」
ヴァージニアの処分を決める必要がある。
だが、その判断材料が少ないうえに、このままヴァージニアに会ってしまえば『自制が効かなくなる』。
- 326 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/20(水) 23:24:24 ID:Jg4V.g1A0
- >>324
「OK、ちょっと待っててね」
>>325
「謝る必要はないさ、別に問題があるわけじゃないんだ」
そう言って、台所に向けて姿を消す。
- 327 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/06/20(水) 23:30:26 ID:trmDr2BE0
- >>325-326
「そうですね、ひとまず知って置かなければならないでしょう。
あなたこそに。」
【そして一呼吸置いて】
「では、」
【彼女に襲われた時の彼女の行動、そしてどのようにして元に戻っていったか。
それを自分の知る範囲で事細かに伝えていった】
【詳しくはイベントスレへ!】
「…以上があの時にあったことですね」
【そう言ってゆっくり頭を下げた】
- 328 :柊宇都 綾:2012/06/20(水) 23:39:59 ID:sGP6umW60
- >>327
鶫の話を聞き終えると、静かに頷いた。
「防人はどう思う」
ヴァージニアが『子』である以上、『親』である綾には責任が存在する。
責任とは、ヴァージニアの行動に対する責任である。綾は処罰を与えなければいけない立場にある。
綾ははっきり言って何を課すか決めかねている。それのヒントを鶫から得ようとしているらしい。
- 329 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/20(水) 23:57:42 ID:Jg4V.g1A0
- >>327-328
(親として…か)
何気なく作っている最中気になって少しだけだが聞きとる事が出来た。
吸血鬼関連なのは別問題、元々彼は吸血鬼だろうがなんだろうが
命は命だと割り切っている。
鍋のお玉をかき混ぜながら思う。
そして思わず口を出していた。
「君自身がその子を大切に思ってるなら、怒ってあげればいいんじゃないか?
下手に処罰を加えて、恐怖の意識とか、そう言った物を与えるより
『怒って自分の罪を認識』させればいいんじゃないか?
子が大変な事をしたときに親が怒るようにさ、『道を間違えたなら正しい道に戻してあげればいい』
おせっかいだったね、すまない」
言い終わって謝る。
因みに台所はラーメン屋の厨房が見えているあんな感じだ。
- 330 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/06/20(水) 23:59:36 ID:trmDr2BE0
- >>328
「私は…
あの子のおもりが何であるかを知りたくなるかもしれませんね」
【しばらく考えた後に口を開く】
「責任を追求するのは全部済んでからです。
今は、あの子にのしかかっているおもしを、一緒に抱えるか…
あるいは」
【顔を上げる】
「あの子を守り続けるか、ですかね」
>>329
「あ、急がなくていいですよー。
カレーは待つほどに美味しいんです」
【呑気そうな喋り方で返した】
「貴方の言うこともまた一理ありますね。
まあ、親子というのはそういうのなんです、多分ね。」
- 331 :柊宇都 綾:2012/06/21(木) 00:19:26 ID:sGP6umW60
- >>329
綾はヴァージニアを溺愛していると言っても過言では無い。
それ故に、少々評価にブレはあるだろうが、綾自身は少女を優秀だと判断していた。
きっと、今までの傾向も踏まえれば既に彼女には罪の意識がある。
そんな状況で今更罪を説いたところで意味が無いのは明らかだと綾は考えた。
>>330
「重石?」
吸血鬼としての縛り。それは度々少女を苦しめている。
今回の騒動もこれが原因に他ならないだろう。
今の綾とヴァージニアの間に『間』があるのは事実だった。
二人の『間』が今回の原因とも、言いかえることが出来るかもしれないと言うのだ。
「今日は、助かった」
そう、短く告げると立ち上がり刀を手に取った。
最後に小さく頭を下げると店を去っていく。
ドアの前まで来たところでウィルに向かい。
「次は、客として」
それだけを言うと、店を後にする。
- 332 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/21(木) 00:27:53 ID:Jg4V.g1A0
- >>330
「勿論、分かっているさ、だがそろそろできた」
そう言うと、銀トレイに乗せてカレーと牛乳を運んでくる。
>>331
「…」
無言、完全なる無言。
「ん?、あぁ、何時でも来なよ。
基本的に閉めてる時間は不定期だけどね」
それじゃあね、と言って手を振りながら見送る。
- 333 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/06/21(木) 00:32:09 ID:trmDr2BE0
- >>331
「彼女のおもしを共有すべき。
と、私は思います。まあ個人的にはですけどね」
【ちょっとニッコリ微笑んだ】
「こちらこそ、また何かあったら相談に乗ります!
それじゃあまた!」
【そう言って大きく手を振って見送っていった】
>>332
「っと、ありがとうございます!
わー、凄く美味しそうです!」
【眼の前に置かれたカレーを見て実に嬉しそうな顔になった】
「いただきますよ!」
【そう言ってスプーンを手に取り、カレーをすくい取って口に運んでいく】
- 334 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/21(木) 00:37:49 ID:Jg4V.g1A0
- >>333
「どうだい?、ニンニク入りのカレーは初めて作るけど。
まぁ、前に行った波紋の応用でそのカレーにも波紋を流していたから
体にパワーは溜まるはずさ」
ニコニコと笑いながら言う。
- 335 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/06/21(木) 00:42:34 ID:trmDr2BE0
- >>334
「もぐもぐ、うー、パワーがみなぎってくる…予感がします!」
【食べながら何処か嬉しそうに言う】
「しかし、これは実に、美味しいですよ。
なんというかパワーを感じるというか…
香ばしい風味です」
【口の中でモグモグさせながら答えている】
- 336 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/21(木) 00:44:41 ID:Jg4V.g1A0
- >>335
「そうかい、良かったよ」
「…、修行に関してはまた後日言うよ。
弟子希望者がもう一人増えてね。
一人一人やるよりも一緒にやった方が比較対象もあって
やりやすい」
- 337 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/06/21(木) 00:48:00 ID:trmDr2BE0
- >>336
「ん、そうですね。
言葉に出来ないくらいの美味しさです」
【そのうち夢中になって食べ進めていく】
「え、そうなんですか!
もうひとりいるならちょっとやる気出ちゃいますね。
ぜひともどんな人なのか、見てみたいです」
【そう言って牛乳をごくごくと飲んでいく】
- 338 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/21(木) 00:51:55 ID:Jg4V.g1A0
- >>337
「フフフ、料理人としてそう言われると
とても嬉しいよ」
「えっと、一言で言うなら
…パワフルな子、かな?
萌葱アテナっていう名前だったか」
- 339 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/06/21(木) 01:01:32 ID:trmDr2BE0
- >>338
「常連さんになってしまいそうですね。
というか、もうなってます」
【嬉しそうな顔で返す】
「ほうほう、名前からしてどうやら私とおんなじ女性のようですね。
なんというか、幾分か親近感が持てるかもしれません」
【そう言ってまた牛乳を飲む】
- 340 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/21(木) 01:04:50 ID:Jg4V.g1A0
- >>339
「そっか。
これで収入減も増えて安楽だよ」
「…、あんまりああいうタイプは得意じゃないんだがなぁ。
ま、僕は少し眠りにつくよ、色々と最近あったからさ
全然寝てないんだ、それじゃあ」
そう言うと、カレー屋の自分の部屋に行く。
//お疲れさまでした、そしてすみません。
- 341 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/06/21(木) 01:08:28 ID:trmDr2BE0
- >>340
「こちらこそ、資金提供いたしますよ」
【笑顔で答えた】
「苦手なタイプですか?
若干気になりますね…」
【と、首を傾げたところで】
「あ、ありがとうございます。
どうぞおやすみなさーい」
【そう言って大きく手を振り見送っていって】
「ふー、美味しかったです」
【全て食べ終えてから、しばらくのんびりしていたようだ】
//おつかれさまでした〜。よくわかんないけど気にしないで下さい
- 342 :神無 鏡華:2012/06/21(木) 20:53:26 ID:dL8H4NjE0
- 『がっ……』
月明かりを受け、鋭く光る鎌が中年ぐらいの男の心臓を貫く。
呻き声は小さく、一瞬で止まる。
深く突き刺さった鎌を勢いよく引き抜くと、真っ赤な血が吹き出し、地面と少女を紅に染め上げる。
「はい終わりっと……、もう少し楽しみたかったけど、人が来ると面倒だしね」
少し残念そうに男の死体を見る。
男の体には、致命傷となった心臓の傷の他にも、体の至るところに切り傷、火傷、凍傷といった様々な傷があった。
そしてそのどれもが、全て急所から外れたところにつけられている。
……いや、あえて外された、と言った方が正しいだろうか。
「……足りないなあ……、もう一人探そうかな」
鎌を肩に担ぎ、獲物を求めて周囲を見る。
- 343 :艮 鬼門 ◆NSEW/xeQlk:2012/06/21(木) 21:19:03 ID:7gFzKdaU0
- >>342
「――不幸の、気配がするな」
陰鬱が、後ろから迫る。
そして、相手の近くの死体が、急速に腐敗していき、紅い血は黒く腐っていく。
相手がもし振り返れば、そこには一人の不吉が有る。
「不幸、だなぁ。このまま、俺もその鎌で殺されるんだろう?
いたぶられて、嬲られて、刻まれて、貫かれて、引き裂かれて。
――本当に、嫌な日だ」
学生服、黒縁メガネ、長めの黒髪と言った、普通の高校生のような風貌。
だが、隠し切れない異なる気配は、隠す気も最初から存在しない。
口元には、〝嬉しい〟とでも言うかのような笑み。だが、口から溢れるのは、不幸だ、というため息混じりの言葉。
どう見ても強そうではない、だが、警戒を抱かせる不快さを持つ青年。
そんな青年が、前髪奥の眼鏡のレンズ越しに、泥沼の瞳を向けていた。
- 344 :早見川 健治 ◆5s2/gBPZGA:2012/06/21(木) 21:33:33 ID:pYc/UFHE0
- >>342>>343
そんな中、奇抜な格好の男が音楽を引きながら歩いてくる。
「♪〜、♪〜、っと」
その現場の様子を見て音楽を止める
「おっとぉ、これまた奇妙な場所に来ちまったもんだ」
そんな呑気な言葉を出す。
音質は自分と陽気だ。
「フフッ、久しぶりだねぇ、神無さん?」
- 345 :神無 鏡華:2012/06/21(木) 21:42:18 ID:dL8H4NjE0
- >>343
「……ただのウサギってわけじゃなさそうだ」
様々な負の感情が入り乱れたような、原因なんて何もないはずなのに催す不快感。
面倒臭そうに後ろを振り返り、鬼門を見る。
「…………」
外見は至って普通。
だが、やはり異様な不快感が消えることはない。
(能力者、それもかなり面倒なタイプだね)
一通り相手の値踏みを終える。
死神という種族の性質上、死期の訪れていない人間を狩ることはできないが、
「まあ、殺さなければ問題はないか」
「……楽しませてくれるんだろうね?」
静かに、しかしその内に眠る狂気を隠そうともせずに、鏡華は笑った。
>>344
そんな矢先。
「って、なんでキミがここにいるんだい?」
出鼻をくじかれ、さらに相手に好印象を持っていないせいか、小さく青筋を浮かべてといかける。
- 346 :艮 鬼門 ◆NSEW/xeQlk:2012/06/21(木) 21:49:57 ID:7gFzKdaU0
- >>344
「機嫌が、良さそうだな。
……イラつく、ムカつく」
ぼそり、と目線を合わせないようにしつつ、青年は声を漏らす。
相手に対して、こちらはどこまでも、陰鬱。
それも、どろどろとしているどころか、へばりつくかのような嫌な気配を纏っている。
要するに、一般的にはあまり関わりあいになりたくないタイプの人間だろう。
と言っても、外見自体は無害そうな事極まりなく。
見ただけでは、危ない要素は見受けられないだろう。
その事実が、また本質との不整合を生み出し、不気味さの源となっている。
>>345
「戦うとなれば、ウサギにも負ける自信はあるけど。
俺、勝てないし。勝つ気も無いし」
無気力、無感動、無感情な無味乾燥な無色な笑みで将来無職な青年は、言葉を吐く。
危険と分かっておきながらも、それを回避する気も見せない姿。
その姿は、自信からの物か、それとも他の何かに由来する物なのかは定かではない。
相手の言葉、笑みにふるり、と身体を震わせる。
死にたくない、なぁ――と一言聞こえるかどうかわからない程度に小さく呟き。
問に対する、言葉を朴訥と並べ立てていく。
「俺と遊ぶと、きっと、楽しくはない。普通のやつなら、間違いなく。
ただ、お前みたいな、何かを甚振る生き物なら。
きっと、俺の肉を裂くのは――楽しいんだろう、さ」
敵意は無い、戦意も無い、殺意も無い。
只々、鬱々と、まるでカビでも映えそうなほど湿度のある気配が満ちているだけ。
なのに、危害を感じるその形質は、人の形をしているが、異形と例えて差し支えない。
- 347 :早見川 健治 ◆5s2/gBPZGA:2012/06/21(木) 21:55:25 ID:pYc/UFHE0
- >>345
「いやぁ、最近事務所が崩れて新しい事務所をね。
何処に新しく立てようか考えてここに来たんだけどさ」
そう言って、肩をすくめて首を振る。
「まさかこんな場面に出くわすなんてね」
>>346
「機嫌が良い?
まさか!、最悪さ、こんな場面に出くわすことになって一気に
最悪な気分だよ、あ、これ表面上だからね?」
ククッと笑う。
「まぁそんなカリカリなさんなって。
気楽に行こう気楽に、人生楽しまなきゃ損よ?」
随分と気軽に話しかけてくる。
- 348 :神無 鏡華:2012/06/21(木) 22:11:47 ID:dL8H4NjE0
- >>346
「あー、今すぐ殺りたいのはやまやまなんだけど」
少し戸惑ったように言って、健治の方を見る。
先ほどまでの狂気が嘘のようだ。
>>347
「キミだけおいてけぼりも何だし、一応聞いておくけど、キミも戦うのかい?」
鎌の先を健治の方へ向ける。
敵に回るならば容赦は一切しないと、彼女の雰囲気が物語る。
- 349 :艮 鬼門 ◆NSEW/xeQlk:2012/06/21(木) 22:15:57 ID:7gFzKdaU0
- >>347
「……ちょっと待て。
あまりお前みたいな奴と話すのに慣れていない」
何かを口に出そうと思うも、相手の態度や口調に何も喋れない。
そして、喋れないならそれでいいやと割り切り、口を噤んだ。
無言。そして、相手のようなタイプは苦手なタイプであり、目線などは合わせない。
と言っても、平時から他人との接触は嫌っているため、対して変わりはしないのだが。
相手の言葉、気楽な口調、それらが癇に障る。
だからといって、殺すなどという物騒な事には直接繋がりはしない。
そもそも、直接的な戦闘力など、この男は一般人並みでしか無いのだから。
「楽しめないし、それでいい」
一言、そう吐き捨てて。
青年は、陰鬱な気配をより強め、濃くしていくだけだった。
>>348
「そうか。だったら、帰ってもいいか?
俺、眠いんだ。そこの変な奴と二人で殺し合ってれば、俺はそれ眺めつついいところで帰るから」
あふぅ、とあくびをしつつ、そのまま背を向けて歩き出そうとする青年。
どこまでが本気で、どこまでが嘘なのかもわからない無感情。
どちらにしろ、止めるならばため息をつきつつ諦めるだろうし、止めなければ本当にどこかに消えて行くかもしれない。
- 350 :早見川 健治 ◆5s2/gBPZGA:2012/06/21(木) 22:20:34 ID:pYc/UFHE0
- >>348
「うん?
つまり殺し合い?、止めとけ止めとけ、『今の状態』ならともかく
『その後の状態』じゃあ君は俺に勝てないよ」
挑発的な顔を浮かべながら言う。
なんというか……ムカつく。
>>349
「ほー、そうかそうか。
随分と暗いね、生まれつきかい?」
と、しつこく声を掛けてくる。
「だったら楽しめるように色々と言えばいいじゃん。
行動を起こさないと、なんも起きないよ」
ベーっと舌を出して言う。
- 351 :神無 鏡華:2012/06/21(木) 22:34:02 ID:dL8H4NjE0
- >>349
「悪いけど殺し合いを中断するのはボクの中ではあまりいいことじゃないんだ」
正確には彼女というより死神としての感覚と言った方が正しいかもしれないが、気にすることではないだろう。
「まあそんなわけでもう少し待ちなよ」
>>350
「安心しなよ、殺すつもりはないから」
「ただ少し生と死の境界線をさまよわせる程度に痛めつけるだけだよ」
クツクツと不気味な笑いを浮かべる。
>>349-350
「さてと、じゃあ始めようか」
唐突に話を変える。
紅く光る左手の指輪に触れ、能力を発動する。
鏡華の前方に黒い何かが浮かび上がり、ゆっくりと形を成していく。
四つの足に鋭い牙、後ろに一つついているものは尾の形をとる。
数秒後には、黒いシルエットの狼がいた。
「どっちからやればいいんだろうね、これ」
二人を交互に見ながら言う。
- 352 :艮 鬼門 ◆NSEW/xeQlk:2012/06/21(木) 22:41:19 ID:7gFzKdaU0
- >>350
「語る必要と理由が無い」
しつこさに対して、苛立ちを覚えはしない。
だが、面倒とは思ったようで、それは雰囲気からも感じて取れた。
もとより、人と関わりを持つ事が苦手な上に、対人恐怖気味なのだ。
「面倒。それに、俺は最悪で、最低でいい。
これまでそうだったし、これからもそれでいい」
相手の言葉に、無表情で、目線を合わせずに。
楽しめるようにする、という行動の全てを否定してみせた。
幸せになりたくないし、楽しくなりたくないし、嬉しくなりたくないのだ。
>>351
「――そうか。どうせ、帰ろうとしても逃がしてくれないんだろ」
嘆息と共に、転身。
そして、スラックスのポケットに手を突っ込み、細身のナイフをシースから引きぬいた。
細身ながらも堅実な作りで、切れ味の尖そうな鈍色の刃は、ぎらりと煌く。
「お先に。あっちの変人から、どうぞ」
右手を早見川の方に差し出し、先に攻撃するように促す。
そして、青年はといえば、ナイフをお手玉しようとして失敗し掌に大きな切り傷を作っていた。
ぽたり、ぽたりと、鮮烈なほどに紅い血を零して、あーあー、と声を漏らしているのだった。
隙だらけで、隙にあふれているからこそ、逆に異様なほど隙だらけ。
ナイフを手元で軽く握り、持つ姿は、素人以外の何者でもない。
- 353 :早見川 健治 ◆5s2/gBPZGA:2012/06/21(木) 22:47:21 ID:pYc/UFHE0
- >>351
「いやぁ、殺されないと俺、能力発動できないし」
いきなり自分の事ネタばらし。
「…、召喚獣?」
>>352
「ふぅん、ま、いいけどさ」
「だけどさっきこう言ったじゃん?
『楽しめないし、それでいい』最後の言葉はともかく
一瞬だけど楽しめる事を期待してたからこんな言葉言ったんだろ?
矛盾してないかい?」
さすが探偵、こういった所で鋭い。
「……、最初の生贄は俺ですかあああああ!?」
- 354 :神無 鏡華:2012/06/21(木) 23:00:54 ID:dL8H4NjE0
- >>351
「ん?いや、折角二人分戦力がいるんだし別々に当てればいいのか」
ただの狼が能力者の相手になるのかが少し疑問だったが、まあ足止め程度にはなるだらう。
というか相手の言葉を全部無視している。
「というわけでアイツの相手をしてくれ、わんこ」
鏡華の言葉に従い、狼は鬼門に向かって駆け出し、かみつこうとする。
といっても、所詮はただの狼、対処は楽だろう。
どうせ完全に分断して戦うことなどできはしないだろうが、
それでも二人同時に相手をするよりかはマシなはずだ。
鏡華が鬼門の相手をしたくない、というのもあるが。
>>353
「じゃあ殺さなければいいのか、実にすばらしいじゃないか」
「殺さないでおけば無能力なんだし、無抵抗で痛めつけられるも同然だろう?」
足元に赤い魔法陣を展開する。
陣から火球が三つ程浮かび上がると、健治に向かって飛んでいく。
速度は大したことないので、よけることはたやすいはずだ。
- 355 :艮 鬼門 ◆NSEW/xeQlk:2012/06/21(木) 23:08:40 ID:7gFzKdaU0
- >>353
「別に、矛盾が俺の本質。
生きる情熱が無いのに死にたくないとのたまって、変わりたいのに変わる事を恐れる。
ただ。俺は、どん底に居るのが一番楽だと思っているから、最悪で最低で――いや、最悪で最低〝が〟いいと思っている、だけ」
息を吸い、泥沼の瞳をただ向ける。
そして、口を開き、呪詛のように何かが口から漏れる。
「信じるときっと裏切られる。幸せだから不幸が怖い。愛せばいつか憎まれる。勝てば敗北者に恨まれる。
喜べばいつか落ち込む。何かを得れば得たものをいつか失う。殺せばいつかくる報いを恐れる。成功すれば失敗が怖い」
淡々と、機械が文字を印刷していくように、『並び立てられていく』言葉。
その言葉は、感情が宿らないが故に、逆に生々しく吐き出され、そして落ちていく物。
心が腐った青年が吐き出す、恐れの呪詛。己の存在意義。
「だったら俺は、信用しないしされなくていい、不幸のままでいい、憎まれたてもいい、敗北者のままがいい、落ち込んでいたい
何も持たなくていい、報いを恐れ続けたい、失敗し続けたい。――――最低で有れば、それ以上落ち様は無い。絶望が俺の寝床でいい」
最低最悪、絶対弱者。
高い所で落ちるのが怖い、何かを失うことが怖いならば。
――何も失うものが無ければいい、落ちる高みに居なければいい。
どん底から失うものが無いから這い上がれると人は言う。
だが、這い上がってまたどん底に落ちるのは、恐ろしくないだろうか。
だから、どん底を這いずり、永遠にどん底に居座り続けるという選択を、この青年はしたのだ。
理解は得られ難い、そして、理解などはなから求めていないのが、この青年――艮鬼門だった。
>>354
迫りくる狼を前に、青年が見せたのは、逃走。
だが、間に合わず、後ろから地面に倒される。
とっさに転身し、正対するも目の前には大口を開ける猛獣が居るのだ。
当然ながら、非力な男子高校生の膂力では如何ともし難いのである。
「――――ぐ……ぅ」
駆け寄る狼によって、押し倒され、左腕に噛み付かれる青年。
肉を引きちぎられ、血を吹き出し、痛みに顔を歪ませる。
掌を貫通するほどの傷を負い、鬼門は叫び声を上げる。
「ぎ――――ィァ――……ッ!!」
余りにも、弱すぎた。
だがおもむろに狼の喉を、血まみれの左腕でつかもうとするだろう。
もしそれが成功すれば、喉笛と脊髄を貫通するような傷が狼の首に出現する筈である。
- 356 :早見川 健治 ◆5s2/gBPZGA:2012/06/21(木) 23:15:13 ID:7/6UMTOg0
- >>354
「あ、そういう考えを思いつくのね」
ハハハ、と笑うと顔を一変して
「ふざけんな!!」
避けれられる筈の火球、だが痛い目に遭いたくない彼は…
「バクゥ!!」
そのまま火球を飲み込む!!
「ウッ、ヴゥッ!!」
そのまま喉が焼け、呼吸が出来なくなる!
>>355
「良くわからないね、君は
常人である俺には君の事が理解できない、ま
君は理解されたくないんだろうけどね」
- 357 :神無 鏡華:2012/06/21(木) 23:30:35 ID:dL8H4NjE0
- >>355
左手は狼に難なく触れる。
『……っ!』
突然傷を与えられた狼はのたうちまわり、やがて動きが少し鈍くなると、
ガラスが割れるような音と共に、消え去った。
「ここまであっけないとは思わなかったよ……まあいいや」
「だったらボクが相手するだけさ、嫌だけど」
最後にボソッと本音をつぶやいて、鬼門に火球を放つ。
>>356
「おっと、そういうのは駄目だよ」
小さく右手を振ると、喉につかえていた火球が消え去るだろう。
「勝手に死なれたらボクが困るんだ」
魔法陣を新しく書き換えると、今度は小さなカマイタチを何個も打ち出す。
例え当たっても浅い切り傷程度の威力しかないので、致命傷にするには難しいかもしれない。
- 358 :艮 鬼門 ◆NSEW/xeQlk:2012/06/21(木) 23:37:42 ID:7gFzKdaU0
- >>356
「理解……を得られないままのほうが…………ッ気楽だ……。
誰……かに、自分を。……ッ理解されるなんて……、……ぐ……ぅ。気色悪……い」
狼と格闘しながら、淡々と、表情は変えずに。
顔に血を飛散らせながら、言葉を吐き出していく。
今のピンチも、また最低に近い事態。
だからこそ、この状況こそ居心地がいい、これ以上悪くなりようが無いほどに、ピンチなのだから。
>>357
「ああ、痛い。死にそうだ、苦しい、辛い、憎い、熱い、揺れる――」
ぼんやりと言葉を漏らしながら、砕けた音と同時にゆらりと起き上がった。
眼鏡はどこかへと吹き飛び、前髪越しの瞳は、よりどろどろと淀み、腐る。
ナイフを投げ捨て、青年はぐちゃぐちゃに引き裂かれた左腕を右手で強く握りしめ、何かを引きずり出す動作をする。
ずるり、と音が無いのに、そんな音がしそうな動作と共に。
青年の右手の上に、左腕の傷と同じような裂傷が浮かんでいる。
それを手の中でこね回すと一本の刃のようにして、空間に浮かぶ傷を握りしめて火球を前とする。
「痛み、を。教えてやる。 お前が与えた傷を、お前にも与えてやる。
存分に、俺を不幸にしろ、叩き落とせ。だが――――お前も、一緒にだ」
傷つけられる事を拒まない。故に、火球を生身で受ける。
服を焦がし、脇腹の一部が炭化する。その傷が、黒い球となって3つ浮かび上がる。
何が起こるのかは分からないが、この異能、傷を媒介としている事は間違いない。
黒球はゆらり、と浮かび。
先程の火球と同じほどの速度で、相手に向かい射出される。
もし当たれば、〝先ほどの火球によって鬼門が受けた傷〟と同じダメージが球の当たった部分に与えられるだろう。
- 359 :早見川 健治 ◆5s2/gBPZGA:2012/06/21(木) 23:44:54 ID:7/6UMTOg0
- >>357
「オーマイゴッド!!
死なせてくれよぉ、頼むよぉ」
すがるように言う。
「…」
普通は見えないカマイタチ、だが彼は見えるように動き
全て避け切る。
>>358
「当然だね。
理解されたい人間もいるらしいけど、俺も理解されるのはゴメンだ」
- 360 :神無 鏡華:2012/06/22(金) 00:02:02 ID:dL8H4NjE0
- >>358
「あれは……」
こちらに向かってくる黒い球。
触れたらロクなことがないのは確実だろう。
防護壁を張ろうとするが、健治にカマイタチを放っていた生成が遅れる。
結果、間にあわずに球は鏡華に直撃する。
「あっつ!?」
いきなり体に火傷を負い、少し驚いた様子を見せる。
「傷の複製か、本格的に面倒な……」
>>359
「ちっ、地味にいい反射神経してるね」
舌打ち混じりに悪態をつく。
>>358-359
「ん?」
不意に、少女の携帯の着信音が鳴り響く。
「……はぁ、アイツからかな」
戦闘中だというのに通話を始め、しばらく誰かと話し込む。
「……上司さんからちょっとおとがめ食らったからお開きにするよ、悪いね」
魔法陣を消し、二人にそう告げると、背中を向ける。
いきなりにも程がある上、あまりにも勝手だ。
- 361 :艮 鬼門 ◆NSEW/xeQlk:2012/06/22(金) 00:04:15 ID:7gFzKdaU0
- >>359>>360
「――――帰る、かね。……ああ、服が台無しだ」
ため息を吐くと、血を垂れ流しながら、どこかへと歩き去っていくのであった。
- 362 :早見川 健治 ◆5s2/gBPZGA:2012/06/22(金) 00:06:02 ID:7/6UMTOg0
- >>360>>361
「ハア、まったく、嫌な一日だったよ」
そう言うと、ギターを取り出し、音楽を弾きながら帰る
- 363 :早見川 健治 ◆5s2/gBPZGA:2012/06/23(土) 13:21:38 ID:BZyg4mrc0
- 【空き地】
そこへ奇抜な格好の男が一人。
「うーん、ここにしようかな?」
- 364 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/06/23(土) 13:29:21 ID:trmDr2BE0
- >>363
「特訓、とは言えこれ以上何をすれば…」
【空き地に通りかかる少女の姿】
「ん?誰かそこにいますね」
【ふと振り返り、健治の姿を見つけると、大きく手を降り始めた】
- 365 :早見川 健治 ◆5s2/gBPZGA:2012/06/23(土) 13:31:46 ID:BZyg4mrc0
- >>364
「うん?」
防人の姿を見つける。
「おおお!、お譲ちゃん
久しぶりだねぇ」
こちらも大きく手を振る
- 366 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/06/23(土) 13:33:54 ID:trmDr2BE0
- >>365
「どうも、お久しぶりです!」
【うれしそうにちかよっていく】
「ここで何をしていらっしゃるんです?
空き地に何か御用でも…?」
【そう言ってあたりを見回す】
- 367 :早見川 健治 ◆5s2/gBPZGA:2012/06/23(土) 13:38:27 ID:BZyg4mrc0
- >>366
「ハッハッハ
本当に久しぶりだね」
こっちも笑って返す。
「ん?、あぁ、前に事務所が崩れただろ?
だからここに新しい事務所建てようかなって」
- 368 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/06/23(土) 13:42:22 ID:trmDr2BE0
- >>367
「ええ、元気そうで何よりです。」
【健治の姿をジロジロ見ながら言う】
「へぇ、新しい事務所が立つんですねえ。
…もう既に間取りとかは決めてるんですか?」
【空き地の広さを確認するようにあたりを見回し始めた】
- 369 :早見川 健治 ◆5s2/gBPZGA:2012/06/23(土) 13:44:26 ID:BZyg4mrc0
- >>368
「あぁ。
…いや、まだだから此処に来たんだ」
と、事情を説明する
- 370 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/06/23(土) 13:46:06 ID:trmDr2BE0
- >>369
「なるほどー。そういうのは業者の方に色々相談するのが一番だと思いますよ」
【指を立てて説明する】
「例えばどんな場所がほしいかとか、どんなのを置けるスペースがほしいかなど、
そういうのを考えていくといいと思いますね」
- 371 :早見川 健治 ◆5s2/gBPZGA:2012/06/23(土) 13:49:26 ID:BZyg4mrc0
- >>370
「あぁ、分かってるさ」
と、顎に指を置いて言う。
「確かに、でも中には悪徳業者もいるからな。
自分の目で見ないと納得がいかないんだ」
- 372 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/06/23(土) 13:50:59 ID:trmDr2BE0
- >>371
「確かに信頼出来る筋の業者でないと心配ですね」
【納得するように頷く】
「それで、この空き地は場所としてはどうでしょう?
よさそうですか?」
- 373 :早見川 健治 ◆5s2/gBPZGA:2012/06/23(土) 13:52:58 ID:BZyg4mrc0
- >>372
「うむ、その通りだ」
「ん?、あぁ、そうだな。
『良い方』だ。
もうちょっと面積が狭ければなぁ」
- 374 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/06/23(土) 14:01:45 ID:trmDr2BE0
- >>373
「まあだからと言って一から自分で組み上げるというわけには行きませんね」
【ちょっとふざけるように言う】
「もっと狭いほうがいいですか?
そのほうがいいこともあるんですかねえ」
【不思議そうな顔をして言う】
- 375 :早見川 健治 ◆5s2/gBPZGA:2012/06/23(土) 14:03:19 ID:BZyg4mrc0
- >>374
「うむ。
できなくはないんだが、そういうのはちゃんと免許みたいなのないと」
「いや、ただ単に俺が広い場所が嫌いなだけだ」
- 376 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/06/23(土) 14:09:32 ID:trmDr2BE0
- >>375
「あとは、信頼できそうな人を探すだけでしょうかね…
で、大体の目星はついたりしてます?」
【じっと見つめている】
「ああ、なるほど。たしかにそれは重要ですね。
狭い場所のほうがいいという事なら」
【どうやら納得したらしい】
- 377 :早見川 健治 ◆5s2/gBPZGA:2012/06/23(土) 14:12:20 ID:BZyg4mrc0
- >>376
「ん?
あぁ、昔の親友から此処を聞いてな。
そのお陰ってワケだ、ま、親友でも確認したこともあったしな」
フフ、と笑う。
「納得してくれたか」
- 378 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/06/23(土) 14:14:44 ID:trmDr2BE0
- >>377
「なるほど、それなら安心安全でしょうねえ」
【親友ならば、と鶫は思っている】
「ええ、もちろん。
性癖などに関してはどうしようもありませんからね」
- 379 :早見川 健治 ◆5s2/gBPZGA:2012/06/23(土) 14:18:17 ID:BZyg4mrc0
- >>378
「あ、あぁ」
「…性癖?
…いや、なんでもない」
と、そこで言葉を切り。
「譲ちゃんは何しに此処へ?」
- 380 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/06/23(土) 14:25:40 ID:trmDr2BE0
- >>379
「なにか変なコト言いましたかね?
いえ、お気になさらず」
【笑いながら言う】
「私ですか?私は・・・
特訓をしようかなーと思いながら歩いてたらここに来てしまったんです」
【要するにぶらりと来てしまったということだろうか】
- 381 :早見川 健治 ◆5s2/gBPZGA:2012/06/23(土) 14:38:35 ID:BZyg4mrc0
- >>380
「特訓…、特訓ねぇ。
ま、頑張れや、俺には何も助言できねぇ」
肩をすくめて言う。
「んじゃあな。
ガンバれよ」
//すみません、急用です、お疲れさまでした
- 382 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/06/23(土) 14:42:03 ID:trmDr2BE0
- >>381
「そうですね。ひとまず自分なりに頑張ってみるつもりです。
またあいましょうね!」
【そう言うと鶫も手を振りながらその場を去っていった】
//おつかれー様です
- 383 :萌葱 アテナ ◆NSEW/xeQlk:2012/06/23(土) 21:46:09 ID:7gFzKdaU0
- AGカフェ
「ふっふっふっふー……!」
人の大分少なくなってきたカフェで、ほくそ笑む少女が一人。
ウェイトレス衣装で、セミロングの赤毛をバレッタで纏めた、活発な印象の少女。
そんな少女は今、客の居ない店内で、手書きのレシピを眺めて、にへら、と緩んだ笑顔を浮かべているのだった。
結構豪快気味な文字で、大きな紙にグリグリと何かを書き。
それをカウンター前に貼りつけた。
紙には、新メニュー!と無駄に男らしい手書きの文字で大きく書かれ。
・クレープシュゼット(レモン/オレンジ)
・抹茶ムース
・和パフェ(抹茶、黒蜜)
と和テイストが二品、少女らしい物が一品といった感じとなっているのだった。
値段は一律350円、お試しでどうぞ、と言った感じだろう。
- 384 :モルフィ:2012/06/23(土) 21:56:10 ID:IrsgDsYs0
- >>383
ぱたぱた、ひらひら。
「?
先輩、シュゼットって何ですか?」
人差し指の長さに満たない体に、青い蝶の羽、青い髪、青い服。
カウンターの隅っこで、ラテアートの練習中だったペーペーの質問である。
能力で作られたラテアートは立体的で、カフェオレの上にミルクでできたクロスのフィギュアが浮かんでいた。
- 385 :シロード・スィヴエア:2012/06/23(土) 21:57:25 ID:1sJsd2CgO
- >>383-384
「――新メニューだ!ドドンッ!」
そんなテンションで入店してきた、黒いスーツ姿の色白サングラス。
吽形像のようなポージングで、入り口付近。
しばらくそのままでストッピング。
- 386 :蟹沢柘榴:2012/06/23(土) 21:58:34 ID:1BBSxSE20
- >>383
「……やあ、和風メニューが増えるんですか?」
からんころーん、ドアベルが鳴って、来訪者の存在を示す。
黒髪赤眼の青年――蟹沢柘榴が、店の中へ入ってきた。
出勤しに来たのだろう、未だ制服は着ておらず、代わりに夏らしい浴衣を纏っている。
「抹茶パフェ……かあ、白玉と餡子を多めに乗っけてくれます?」
くすり、と穏やかに笑って、カウンター席に着く。
まだ時間があるからもう少しゆっくりしよう、と思っているらしい。
- 387 :萌葱 アテナ ◆NSEW/xeQlk:2012/06/23(土) 22:06:05 ID:7gFzKdaU0
- >>384
「えーっと、たしか最近入ったもルフィちゃんだよね!
そうだねー……、じゃあモルフィちゃん、ちょっと休憩しない?
ラテアートもうまく出来てるし、甘いもの食べさせたげる」
口で説明するよりも、食べてもらったほうが速いだろうと思い、アテナは笑顔を向けて、奥から人形サイズの椅子とテーブルを取り出してくる。
それを机に置くと、休憩していいよーと促すだろう。一応先輩らしい姿を見せている。
>>385
「いらっしゃいませーっ!」
くるりと振り返って、にこりと笑顔を振りまき。
カウンターの開いた席を引いて、案内するだろう。
この都市に居る以上変人には慣れっこ過ぎて驚きはしないのだった。
>>386
「あっ、柘榴さんお久しぶりですっ、いらっしゃいませーっ!
魔界帰りで、ふと和風メニューを増やそうと思ったのです!」
格好を見て、涼しそうだなぁとヒトコト呟きつつ。
アテナはシフトを思い出し、まだ余裕が有ると判断して、席へと案内。
魔界帰りのAさんは和風メニューに目覚めたようだ。
「はい、了解です、しばしお待ちをー!」
そう言うと、キッチンへとしばし引っ込んでいくだろう。
- 388 :モルフィ:2012/06/23(土) 22:17:42 ID:IrsgDsYs0
- >>385-386
「いらっしゃいませー!」
アテナの声にハモるように、タイミングを合わせて挨拶をする。
>>387
「甘いもの………
…いえ、後でいただきます。」
甘いもの、と聞いて緩んだ表情を引き締め直す。
「まだまだ勉強したり経験を積んだりしないと。
手伝わせてください。」
ひらひらと、アテナについていく。
- 389 :シロード・スィヴエア:2012/06/23(土) 22:25:42 ID:1sJsd2CgO
- >>387-388
「おぉ、可愛い店員さんだ。
よもや店員がいるとは思わなかったわけだが……。
あ、和パフェ一つ、お願いできるかな」
と、モルフィに言いながらカウンターに座る。
「俺はシロード、君の名前を聞きたいね、是非とも」
そうして、アテナに顔をぐっと近づける。
白い髪先が僅かに青色であるのがわかるほど。
- 390 :蟹沢柘榴:2012/06/23(土) 22:32:37 ID:1BBSxSE20
- >>384
「……魔界帰り……?」
お盆にはまだ早いですよ、と考えたりしたけれど、
どうもそういう意味でもなさそうである。首を傾げた。
とりあえずキッチンへ消えていくアテナを見送り、んーっと伸びをした。
勤務始めまであと30分はあろうか、と、時計を見ながら考えていた。
>>388
「……あれ、あたらしい従業員さんですか。
やあ、これはまた店長の好みそうな……否、何でもないです」
モルフィを見て、柘榴はしばしきょとんとした顔をしていた。
しかしすぐに柔らかな笑みを浮かべて、会釈をひとつ。
「初めまして、僕は蟹沢柘榴(かにさわざくろ)、といいます。
僕もこの店のアルバイト店員です。これからよろしくお願いしますね?」
- 391 :萌葱 アテナ ◆NSEW/xeQlk:2012/06/23(土) 22:37:40 ID:7gFzKdaU0
- >>388
「食べて味を覚えるのも勉強だと思うんだけどー」
むむぅ、と眉間にしわを寄せるも、直ぐに笑顔。
といっても、用意するのはパフェのため、殆ど手間はかからない。
粗方の材料の下準備は済ませてあるのだ。
「――よぉっし」
器は予め冷蔵庫で冷やしたのを用意しておいた。
それを取り出すと、ぬるくなる前に、手早く手作りの抹茶アイスを丸く器からこそげ取り、盛る。
サイドに程よく粒を残した甘過ぎない程度のつぶあんを添え、白玉を少々多めに。
もう一つ、抹茶を練り込んだカステラを小さく切った物を3切れほど添え、軽くきなこを掛ける。
作業自体は大したものではないが、それぞれが全部アテナの手作り、盛る前に手間がかかっているのだった。
「……っとまあ、こんな感じかなぁ。
盛るだけだから大して勉強にもならないだろうし、今度仕込みの所から教えるよ。
抹茶アイスの作り方にはちょっと拘りがあるしねーん」
にへへ、と笑いながら、アテナは器とスプーンを盆に乗せ、歩いていくだろう。
>>389
「わたしは萌葱アテナ、と言います。
すいませんが、パフェを運ばなければなりませんので、もうしばらくお待ちくださいませ」
にこり、と営業スマイルを向けて、アテナはうまく相手を躱して柘榴の元へと歩いて行く。
見た目こそ只の小学生だが、しっかりと訓練された店員っぷりであった。
まあ、頭の中では、変わった人だなぁと思ってはいたのだが。
>>390
「修行に出てたんですよー。というわけで、抹茶パフェ白玉つぶあん多めおまたせしましたー!」
奥からパフェとスプーンの乗った盆を持って歩いてきて。
柘榴の前へと置くと、修行帰りとネタばらし。
アテナの目を見れば、僅かに邪気が漏れている事がわかっただろう。
- 392 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/23(土) 22:38:22 ID:M3/IxBZo0
- >>387
「やぁ、こんにちは」
アテナが「ししょー」と呼んで慕っている男が入ってくる。
- 393 :萌葱 アテナ ◆NSEW/xeQlk:2012/06/23(土) 22:40:06 ID:7gFzKdaU0
- >>392
「あ、いらっしゃいませーっ!って、ウィルししょー!」
笑顔で振り返ると同時に、きょとんとした表情で驚くアテナ。
カウンターとテーブル、どっちの席にしますかー?と聞きに行くのだった。
- 394 :モルフィ:2012/06/23(土) 22:50:20 ID:IrsgDsYs0
- >>389
「あ、あの、すみません、その………」
しどろもどろ。
「私はまだぺーぺーなので、勝手が分からないんです。」
そこまで言ったところで、さっきの張り紙を思い出す。
「抹茶と黒蜜、どちらになさいますか?」
>>390
深く一礼する。
「私はモルフィといいます。
まだペーペーなので、びしばしご指導をお願いします。」
>>391
「すごい………」
手際も盛りつけも、今のモルフィが遠く及ばないレベルにあった。
「ふむふむ、それをああして………」
念動力で、冷蔵庫から取り出され、減った分の食器を棚から補充した。
その後、またひらひらとアテナの後ろについていく。
>>392
「いらっしゃいませー!
師匠!?」
後半はアテナに向けられた台詞である。
「先輩の…師匠で………」
パニック再来。
- 395 :シロード・スィヴエア:2012/06/23(土) 22:50:27 ID:1sJsd2CgO
- >>390
「アルバイト……ここは従業員とか雇ってるんかい?」
突然、脇から問いかけてくる。
にやにやした色白サングラス。
>>391
「あいよ、いつまでも待つぜ、アテナちゃん」
ケタケタケタ、と。
楽しげに笑っている。
- 396 :シロード・スィヴエア:2012/06/23(土) 22:54:17 ID:1sJsd2CgO
- >>394
「そうだね、黒蜜」
にやにや。
「勝手が分からない? そんなはずは無いだろう。
自分勝手の“勝手”と同じ意味で良いんじゃあないのかい?」
- 397 :蟹沢柘榴:2012/06/23(土) 22:58:29 ID:1BBSxSE20
- >>391
「修行ですか……ふむ、それにしたって修行で魔界に行くとは。
凄いガッツの持ち主ですね、っと、ありがとうございます」
スプーンを手に取り、白玉を掬う。
「……成程、成長なされたんですね」
>>392
「いらっしゃいませー……まだ勤務時間じゃないんですけど一応」
カウンター席に座っている浴衣の青年が、ウィルに声をかけた。
彼の目の前には抹茶パフェ。どうやら、例の新作メニューらしい。
>>394
「モルフィさんですね、よろしくお願いします。
しかし、こんなに小さいのに……働き者なんですねえ」
まずモルフィの背の美しい翅に視線が行って、その次に全体を見渡す。
モルフィのような小さな子供が働かなくてはいけない理由、そんなものを考えたり。
>>395
「え? ……ええ、店長にお話ししてみれば、面接、してくれるんじゃないでしょうか。
ただ、アテナさんとかモルフィさんに手を出すようでしたら、滅されますよ。絶対」
先程から今までのシロードの行動をちゃっかり見ていたのか。
そんなことを言ってみた。
- 398 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/23(土) 23:05:27 ID:M3/IxBZo0
- >>393
「やぁ、こんにちは。
ちょっとここで働いてるって聞いて気になったね」
ニコリと笑う。
>>394
「あ、前にアテナ君にいきなり
弟子希望されて思わず弟子にしてしまった。
この辺に住むカレー屋のウィルです」
と、名刺を渡す、裏にはカレー屋の道のりがある。
何気に宣伝。
>>396
「隣、いいですか?」
隣のカウンター席を掴んで言う
気のよさそうな男。
>>397
「あ、どうも
すみません、お邪魔でしたか?」
- 399 :萌葱 アテナ ◆NSEW/xeQlk:2012/06/23(土) 23:09:05 ID:7gFzKdaU0
- >>394
「冷たい物は冷たいまま食べてもらいたいでしょ?
だから、お客さんに出すまでにぬるくならないように気をつけること。おーけー?」
ちょっとした注意事項というか、心持ちをアドバイス。
そうしながらも、小柄な身体を動かして、小動物の様に店の中をアテナは動きまわる。
通り過ぎた所は布巾で拭かれたり、水が補充されたりしている。
昔から家事をしていた上に、将来はお店も開きたいと思っていたのだ、この位は出来るのだった。
「あ、個人的な師匠だから、モルフィちゃんは気にしなくてもいいんだよ?
いつも通り、いつも通りでいいからねー」
とっさにフォローを入れて。
>>397
「いやぁ、魔竜さんと3ヶ月くらい戦って来たんですけど、結局引き分けでして。
でも、少々以上には強くなったと思います。心構えも、決まりましたしね」
強く、真っ直ぐな瞳で笑み。
じゃあ、奥行ってきますねーと言って、奥にとてて、と小走りで消えていく。
>>395
奥に行く道すがら、変わったお客さんが新人に話しかけている姿を見る。
すかさず、間に入り込んで口を開くアテナ。
「すいません、えっと、その子はまだ入ったばっかりの子なのであんまり意地悪しないでもらえませんでしょうか?
パフェは直ぐに運びますので、申し訳ありません」
モルフィとの間に入るようにして、アテナは笑顔を向ける。
接客は、笑顔。だから、どういう客が来ようと、笑顔は消さない。
深々と頭を下げると、アテナはモルフィに奥に行くように促した。
少なくとも、アテナはこの程度の展開では動じることはない。
客商売に従事して2年。臨機応変の対応はお手の物だった。
数十秒後には、綺麗なみつ豆ときなこアイスの黒蜜パフェが運ばれてくるだろう。
みつ豆ときなこアイスがうまく絡み、新ジャンルの味わいを醸し出す、新メニューであった。
>>398
「ふふふー、結構しっかり店員しているでしょう?
一人でならある程度店を回せる程度には慣れているんです」
キビキビと動きまわり、パフェを運び、水を注ぎ、オーダーを聞き、テーブルを拭き、新人と話し、客の間に入る。
元気の有り余るこの若さだからこその手際だったろう。
「あと今なら新メニューがお勧めですよー!
和パフェとクレープシュゼット、どれも350円なのです!」
さり気なく自分レシピの新メニューの宣伝。
宣伝するのは自信が有るのと、反応がきになるからの両方だ。
- 400 :モルフィ:2012/06/23(土) 23:23:03 ID:IrsgDsYs0
- >>396
「好き勝手にやってたら、大変なことになっちゃいます。」
言っていることが、理解できていないようである。
>>397
「えへへ…、ありがとうございます。」
働き者、に反応して照れた。
こう見えて、就職する前はNEETもといルンペン。
物心ついたときには依るべの無い孤児だった。
>>398
「初めまして、モルフィと言います。」
ぺこりと会釈した後、ウィルの名刺がふわりと浮き上がる。
一度目を通した後、モルフィより遙かに大きいそれがカウンターに向かって飛び、壁に張り付いた。
>>399
「あ、はい、おーけーです。
すごい………」
すべての行動が無駄になっておらず、手際も言うに及ばず。
いずれは、こういうことも出来るようにならなければならないのだろう。
とりあえず、調理場の皿洗いを始めた。
- 401 :シロード・スィヴエア:2012/06/23(土) 23:27:47 ID:1sJsd2CgO
- >>397
「はははっ! 滅される、なんて脅して、本当はキミが手を出したいんじゃないかい?」
ここの店長がどのような人物か知らないからこその反応。
「あんな可愛い店員がいれば、ついつい手が出てしまう……そうだろう?」
>>398
「あ、構いませんよ。わざわざ離れてしまっては彼女の負担になるだけでしょうからね?」
そう言って、アテナを横目でチラリと見る。
>>399
「ふふ、分かってるよ。だからこそ弄るのさ」
運ばれてきた黒蜜パフェをスプーンで一口。
「キミみたいなコが、そういった笑顔を向けてくれる。
これ以上に楽しい事はない……うん、美味しいね、コレ」
賛辞の声は、アテナの詫び言とどこか似通った響きだった。
>>400
「違うね、全然違う。
そもそも勝手というのには、自分で判断するという意味合いがある。
……分かるかい? もうパフェは用意されてしまったんだ」
嫌みたらしく言いながら、パフェを一口。
皿を洗いに奥に引っ込む姿を見て、ふふんと鼻で笑った。
- 402 :蟹沢柘榴:2012/06/23(土) 23:33:47 ID:1BBSxSE20
- >>398
「いえいえ、まさか。ごゆっくりどうぞ。
……さて、お客様も増えてきたし、僕も出ようかな……」
いつの間にかパフェの器は空っぽになっていた。
それを持って立ち上がり、厨房の方へ歩いて行く。
>>399
「まりゅう?」
ちょっとだけ声がひっくり返った。
それどんなレベルの修行なんですか経験値どんぐらいですかなどと声を掛けようとしたが、
すでにアテナは奥に引っ込んで行っている。
「……若さって、すっごいですねぇ……
いや、僕が老けてるとかそういうわけでもないんですけど……」
器を流しに浸けて、追従するように彼も奥のスタッフルームへ。
>>400
スタッフルームから戻ってきた柘榴は、白黒の給仕服を着ていた。
おそらくこれが彼の、この店での「正装」なのだろう。
「勤労意欲があるのはいいことですけど、無茶はし過ぎないでくださいね。
何か困ったことなどあれば、相談、乗りますから」
先輩として、ね。と付け加えて、笑った。
>>401
「違います。ここの店長は店員を護る立派な店長であり、少女を愛する立派な紳士です。
手を出せば……そうですね、ちゃちゃっと捌かれて冷蔵庫にしまわれちゃうんじゃないでしょうかね」
やたら真剣な顔で、諭すように言う。
そこに一切の冗談味だとかジョークだとかは混じらない。純粋な警告。
「……まあ、可愛らしいということに、否定はしませんけどねえ……
勿論手は出しませんよ、あなたとは違うんです!」
しかしなんだかんだで彼は男の子であった。
//うぐう急用が出来ました故、私は此処で離脱します
//柘榴はこのまま店の端っこで作業してることにしといてください
//絡み、ありがとうございました!久々の複数絡み楽しかったです!
- 403 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/23(土) 23:38:59 ID:M3/IxBZo0
- >>401
「あ、ありがとうございます」
そう言って、椅子に座る。
>>399
「ああ、そうだね。
僕もバイトを雇おうかな、客の入りが少ないけど」
「いやいや、ちょっとアテナ君が此処に働いているのを聞いて
様子を見に来た、つまり冷やかしだからさ。
強の所入らないよ、次来た時にもらうよ」
>>400
「はじめまして」
ニコッと笑って言う。
>>402
「あ、さようなら」
「さて、様子見だけだし、お金も今は持ってないから
次来た時に注文するよ、アディオス」
そう言うと自分も店から出る。
//すみません、明日速いんでこの辺で…お疲れさまでした、楽しかったです。
- 404 :萌葱 アテナ ◆NSEW/xeQlk:2012/06/23(土) 23:46:17 ID:7gFzKdaU0
- >>400
「ま、今はできなくてもいいからさ。
一つ一つ、踏みしめながら覚えていくのが一番早いから。
だから、がんばろ。私も頑張るしねー!」
よーっし、きあいれてくぞー、と軽く自分の頬を叩き。
アテナは他の食材の確認を終え、ウェイトレスとして、接客を開始する。
>>401
「一応、これでもあの子の先輩ですから。
後輩を護るのも先輩の仕事。そう思いませんか?」
後輩を奥に引っ込めた理由は相手だと言外に述べる。
「――ありがとございます、お客さん。
私が作ったメニューなので、やっぱり褒めてもらうと嬉しいです」
それでも、礼には礼を。
頭を下げて、賛辞には礼節を以て返答とする。
にへへ、と口元を緩める姿は、年齢相応だった。
>>402
「うーっし、柘榴さんも入ったし、こっからが正念場ー!」
給仕服に着替えた柘榴を見て、気合を入れる。
今日は新人も居るのも有って、気合満点であるのだった。
>>403
「あ、そうなんですかー。
だったら、またのご来店をお待ちしておりますっ!」
そう言って頭を下げ、アテナは師匠を見送った。
- 405 :モルフィ:2012/06/23(土) 23:54:26 ID:IrsgDsYs0
- >>401
「自分で…判断…うにー。」
頭を抱える。自分の判断のみで動く自信も経験も無いのだから。
>>402
「はい、ありがとうございます。」
勤勉は美徳、技は見て盗め。
それが載っていて、サボタージュや手抜きが載っていない、彼女の脳内辞書である。
皿洗い中も、時折視線はアテナとざくろに注がれる。
//乙でした。
//ざくろが変換できないのです、すみません。
>>403
「どうもありがとうございました。
またのご来店を心よりお待ちしています。」
型にはまった、挨拶である。
//乙!
>>404
「はい、一つ一つ、確実に。」
何かを口ずさみ始める。
「いっちにっち一歩、三日で三歩、さーん歩すすんで…」
さがっちゃいけない。
復習は大切だけれども。
- 406 :シロード・スィヴエア:2012/06/24(日) 00:03:44 ID:1sJsd2CgO
- >>402
「おっかない店長様だね。ここで働くのは無しにしよう、命は惜しい」
恐ろしい鉄の紳士。
ニュアンスは違えど、そんな風聞を思い出した。
毒々しい紅色に彩られた又聞きの噂だ。
凄惨な筋書きがついて回る傍らに幼女、というアンバランスさが印象的だった。
「……うん、確かに俺とは正反対。若いっていいわー」
愉快愉快、と呟いた。
彼がどのような勘違いをしているのか、よくわかったからだ。
>>404
「実にその通り。そのキミだからこそ、このパフェが作れたのだろう」
みるみるうちにあと一口。
「やっぱり、そっちの笑顔のほうが好い、うん」
>>405
「ふふふ……」
頭を抱える様子を見ながら、最後の一口を食べ終える。
さすがにこれ以上は酷だろう、と。
ただ見るだけに留まる。
- 407 :萌葱 アテナ ◆NSEW/xeQlk:2012/06/24(日) 00:07:35 ID:7gFzKdaU0
- >>405
「二歩下がっても、そのあと3歩歩けばいいだけだよー」
と言いつつ、手が開いたため奥を覗く。
客も少ないからそれが終わったら休憩ねーと一言伝言。
それを言えば、アテナは接客に戻っていく。
>>406
「ちなみに、学校が夏休みになったら屋台を引く予定なので、よかったらその時もぜひ!」
さり気なくというか、堂々と宣伝。
移動カフェを運営するつもりで、その一環としての分も含みの新メニューだった。
「だったらもう少し言動に気を使って下さいよ。
一応これでも先輩なんですから、後輩を虐められたらそりゃ怒りたくもなりますよ」
- 408 :モルフィ:2012/06/24(日) 00:19:33 ID:IrsgDsYs0
- >>406
「……あ、食器を下げましょうか?」
食べ終わったことに気付き、ひらひらとシロードのもとへ飛ぶ。
>>407
「おおお、名言です…」
進んでいるつもりでムーンウォーク中、という洒落にならないこともある。
そうなる前に、先輩の言葉はきちんと理解して取り入れる。
休憩、との言葉でさっきのラテアートを思い出し、見てみる。
クロスの人形は未だ溶けず、茶柱のごとく立ったまま浮かんでいた。
- 409 :シロード・スィヴエア:2012/06/24(日) 00:41:41 ID:1sJsd2CgO
- >>407-408
「そうだね、見かけたらお邪魔させてもらおうかな」
夏休みってなんだろなー、という疑問は飲み込む。
「言動には細心の注意を払ってるんだけどねぇ、これでも駄目と言われるとは……」
まだまだだなぁ、と腕を組む。
とてもワザとらしい。
「あぁ、お願いしようかな……でも運べるのかい?」
モルフィに食器を頼み。
懐から代金をカウンターに置いて、席を立つ。
そうして、来るときとは正反対、何も言わず音も立てず。
静かにカフェから立ち去った。
- 410 :萌葱 アテナ ◆NSEW/xeQlk:2012/06/24(日) 00:42:58 ID:7gFzKdaU0
- >>408
(――それにしても、あのラテアートは流石に私にも無理だなぁ。
アレ、てんちょーに見せたら笑いながらメニューに加えてくれそうだし、あのまんま練習させておこっかな)
練習させておけば、いつか店長の目に止まる時に言い出来栄えになっているだろうと踏む。
新人の成長を見守りながらも、アテナはテーブルをきゅぅきゅうと拭くのであった。
>>409
「またのお越しをお待ちしております!」
と、シロードを見送り頭を下げ。
時計を確認すると、アテナも奥に引っ込んでいくのであった。
引っ込む時に、そろそろモルフィちゃんも上がっていいよーと言うのも忘れずに。
- 411 :ゼオラ=アドヴァルド:2012/06/24(日) 00:48:14 ID:sGP6umW60
- ざわり。
何かが揺れる感覚が店内を包んだ。
それはたったの一瞬で、直ぐに平穏が帰ってくるだろう。
だが、帰ってきた平穏には静寂の少女が付随していた。
漆黒の衣服に身を包んだ少女は、黄色の瞳で周囲をゆっくりと見渡す。
足元に広がっていた闇が収束し、僅かな闇色の輝きを放った後に消えると、それから少女は厨房へと歩きだした。
手には大きな紙袋が握られている。買い出しにでも行っていたのであろう。
- 412 :モルフィ:2012/06/24(日) 01:01:34 ID:IrsgDsYs0
- >>409
「ご来店いただき、ありがとうございました。
またのお越しを心よりお待ちしています。」
食器がふわりと浮き上がり、そのまま飛んでいく。
モルフィがその後ろをひらひらと追いかけているように見えるだろう。
//乙でした
>>410
「お疲れさまでしたー!」
アテナを見送った後、カフェラテに浮かぶ白いクロスとにらめっこ。
「白だけだと石膏像みたいで味気ないし…
色をつけると食べ物じゃなくなるし…
………そうだ、ミルクとコーヒーを適宜混ぜて色の違いを表現できないかな?」
誰もいなくなった調理場で、練習を再開した。
//乙でしたーっ!
>>411
//すみません、眠いんです…
- 413 :高向谷 司朗:2012/06/24(日) 21:57:04 ID:NntjvIzM0
- 「……クッ……無い……無い……!」
司朗は街を駆け抜けていた。
何かを探しているらしく、周囲を見渡しながら走っていた。
しかし、その腰にはエンブレムがぶら下がっており、
帽子も欠かさず頭に乗っかっている。
記号として司朗を表す物で、欠けた物は無い。
「……騒がしいな、どうした」
エンブレムが司朗に問いかけた。
「無いんだよ、見つからないんだ!」
「だから何を探しているんだ」
エンブレムはイライラしたように聞く。
「中華料理屋だよ!
いますっごいかに玉が食べたいのに、中華料理屋が見つからないんだ!」
「……激しく馬鹿馬鹿しいな」
- 414 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/24(日) 22:22:02 ID:Xx/EU9MQ0
- >>413
そんな所に、『カレー屋の店主』が現れる。
「あ、君は前に来てくれた客の…」
相手が場違い過ぎる…。
一応、料理はカレー以外も作れるが。
- 415 :高向谷 司朗:2012/06/24(日) 22:28:50 ID:NntjvIzM0
- >>414
「ん?……ああ、カレー屋か。
うん、悪い」
司朗は一旦立ち止まり、品定めするようにウィルを見た。
「悪いがカレー屋に用はねえ」
失礼発言を一発、司朗は再び走り出した。
「ったく、見つからないなあ」
とはいえ疲れたのか、多少ゆっくり目にである。
- 416 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/24(日) 22:30:39 ID:Xx/EU9MQ0
- >>415
「やぁ、どうした…」
次の発言に絶句する。
「……、そう…かい」
困ったような顔をする。
「何を探しているのかな?」
追いつきながら言う。
- 417 :高向谷 司朗:2012/06/24(日) 22:34:53 ID:NntjvIzM0
- >>416
「中華料理屋だよ、中華」
ため息をついた。
「突然食いたくなったのに、近所の某将がつぶれてると来た。
んで、探してるんだけど某将どころか中華自体無い」
その走りはやがて歩きに変わった。
「近所に無いか?中華」
- 418 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/24(日) 22:39:00 ID:Xx/EU9MQ0
- >>417
「中華料理屋か…」
少し考え込む。
「フム、気の毒だね」
そしてこちらも歩き出す。
「…、作れるけど…、ある程度は」
- 419 :高向谷 司朗:2012/06/24(日) 22:44:31 ID:NntjvIzM0
- >>418
「やめろやい、食べたいメニューが食べれないだけで気の毒とか」
大げさに手を振りながら言った。
「……作れる?
カレー屋が?」
眉をひそめた。
「……やめとくよ、
俺が何食いたいかも言わない内に出来るなんて、
あんまり信用できないね。
カレーは確かに美味かったけどさ」
- 420 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/24(日) 22:47:47 ID:Xx/EU9MQ0
- >>419
「あ、そうか、すまない」
「うん?、何かおかしいかい?」
と、首をかしげる。
「そうか。
あれ?、ある程度ってのは中華料理の種類がある程度作れるって意味だったんだけど
まぁ、そう言うなら」
少し残念そうな顔をする。
- 421 :高向谷 司朗:2012/06/24(日) 22:54:10 ID:NntjvIzM0
- >>420
「人に出せるもの作れるんだったらそっちで店開けばいいだろ」
あんだけいろんなもの冷蔵庫から出せるんだから出来るだろ、と呟いた。
「俺はカレー屋のままで良いと思うけどね。
今度食いたくなったら行くよ」
そう言って、キョロキョロと周囲を見渡す。
「おっ、やっとあった!
……どうだ?あんたも」
見つけた中華料理屋を指差しながら聞いた。
- 422 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/24(日) 22:56:44 ID:Xx/EU9MQ0
- >>421
「…、そうつぁそうだ。
ハハハ、ごめんごめん」
笑って恥ずかしそうに言う。
「うん、ありがとう。
次来たらもっと美味しいもの作ってあげるよ」
…何気に宣伝している気が…。
「あ、良いのかい?
じゃあ僕も同行するよ」
- 423 :高向谷 司朗:2012/06/24(日) 23:03:03 ID:NntjvIzM0
- >>422
「楽しみにしてるよ」
そう言って
中華料理屋の扉を開けた。
「二人、行ける?
……どうもっ。
カウンターでいいよな?」
答えも聞かずにカウンター席に座った。
「かに玉定食一つね!」
メニューに目的のものを見つけ、大声で言った。
- 424 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/24(日) 23:07:13 ID:Xx/EU9MQ0
- >>423
「うん、楽しみにしててくれ」
にこやかに言う。
「うん、構わないよ」
そう言って、座る。
「…、えびチリ定食を一つ」
静かに言う。
- 425 :高向谷 司朗:2012/06/24(日) 23:14:36 ID:NntjvIzM0
- >>424
「……で、実際のところどうなのよ?
言ったら悪いが……あんなへんてこな店で繁盛してんの?
前行った時はへんな看板まで掛けててさ。
通好みの客でなければ入りにくいと思うんだけど」
メニューが来るまでの時間、司朗は言った。
「やっぱり土地が高いのかなあ。
人通りの良い場所なら少しぐらい変でも人入るからね。
まあ、その分忙しいけどさ」
- 426 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/24(日) 23:26:04 ID:LtdIWBrE0
- >>425
「ん?」
届けられたえびチリを食べながら応える。
「あぁ、繁盛はしてないけど…、そうだな。
あそこは異能都市の中では地形が変わらない場所だからな」
と、考えながら言う。
「土地を買う金も少ないのもあるけど
やっぱり、場所が一定の所の方が安心出来るからさ。
探せば他にあるかもしれないけど、…、あそこが良いって思ったしね」
- 427 :高向谷 司朗:2012/06/24(日) 23:33:19 ID:NntjvIzM0
- >>426
「んーこれだこれ、これを求めてたんだ」
遅れて届いたかに玉を食べ始める。
概ね満足のようだ。
「ん、ああそっか……。
でも歪みの多い少ないなんて統計でしかなくて、何所でも出るもんだろ。
ほっといたら消えるものだし。
まあでも確かに、結構重要かな」
感心したように言った。
「まあ、満足してるならいいけどさ。
……おっ、でかい蟹」
- 428 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/24(日) 23:35:41 ID:LtdIWBrE0
- >>427
「あぁ、やっぱり、一定の場所にあったほうが
良いこと多いしな、来た人も覚えやすい」
スープを掬って飲む。
「あぁ、まぁ、充分に満足しているさ。
…、ホントにデカイ蟹だね」
- 429 :高向谷 司朗:2012/06/24(日) 23:43:22 ID:NntjvIzM0
- >>428
「なら俺が口出しするわけには行かないなあ」
でかい蟹の欠片を咥えながら言った。
「ごちそうさまっと。
んさってと、腹ごしらえも済んだところで、
もう一度特訓行ってみるかな」
席から立ち上がり、お冷を一気飲み、
背伸びをした。
- 430 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/24(日) 23:45:08 ID:LtdIWBrE0
- >>429
「フフ、ま、別に言われて何だって話なんだけどね」
お冷を飲む。
「ごっつぁんでしたっと。
特訓?、誰か勝ちたい相手でもいるのかい?」
- 431 :高向谷 司朗:2012/06/24(日) 23:53:55 ID:NntjvIzM0
- >>430
「いや、別に取り立てては居ないけど……。
強いて言うなら自分……?」
何かと物騒な世の中である。
強い能力を持って損は無いだろう。
「まあ、そういう相手が居た方が張り合いもあるけど、
今まで戦った奴は全員勝ちたいな」
今まで模擬戦で戦った相手は、引き分けで終わっている。
その相手達に置いて行かれない様、自分を高めるのだ。
- 432 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/06/24(日) 23:57:59 ID:LtdIWBrE0
- >>431
「自分に…、勝つか。
自分に勝つこと、難しいね。
常に自分と人間は戦っている様な物だからね」
深く考え込む。
「あぁ、僕の場合。
弟子が出来て困っているよ、どちらも勝ったせいでね。
それも僕の能力は他人も覚える事が出来るし」
ハァ、と息を付く。
「それじゃあね、また会おう」
2千円札をその場に置いて立ち去る。
- 433 :高向谷 司朗:2012/06/25(月) 00:04:31 ID:NntjvIzM0
- >>432
「自分に勝てない奴が、他人に勝てるわけが無い、とも言えなくもないぞ。
まあ、人生経験は俺よりもあんたの方が上だろうが」
背中の気流眼をなぞりながら言う。
「なんだそりゃ、自慢か?
じゃあ、まずはその弟子って奴に挑戦して、
それでからあんたを倒してやろうかな」
挑発的に言って、ウィルを送り出した。
「あ、めずらし」
自分の会計を済ませつつ、二千円札を見て呟いたのだった。
- 434 :ジャスティン=アンダーソン ◆NSEW/xeQlk:2012/06/25(月) 21:37:24 ID:7gFzKdaU0
- 異能都市、中央公園
「――――ふぅむ、本社移転前に出張で結局本社には行けずじまいだったが。
中々興味深い街のようじゃぁないか、この異能都市という街は」
ベンチに座り、そう呟いたのは壮年の男だ。
身長は凡そ190cm、身体は比較的細身だが、それは絞られた結果の細さだと言う事は想像に難くない。
その恵まれた体躯を仕立ての良い3ピースのスーツに身を包んだ、ノーネクタイの姿はどこか貫禄を感じさせる姿だ。
その手には、近くのカフェテリアで買ったと見える、コーヒーとサンドイッチ。
それをぱくつきながら、妙に貫禄のある男は、都市の中心の公園で、静寂を楽しむのであった。
経済やニュースに興味の有るものならば、この男性が有る企業の社長だということにも気づけるだろうし、
どちらにしろこんな時間に公園で食事を取る大男は目立たないはずはなかったろう。
- 435 :エンデュミオン:2012/06/25(月) 21:55:58 ID:IrsgDsYs0
- >>434
「それには同感だよ。
…尤も、私も最近来たばかりなんだけどね。」
ぱっかぱっか、歩いて来る一角の天馬。
その周辺には、心地よい冷気が漂っている。
「ああ、どこかで見たと思ったら新聞の経済欄だ。
小太りの禿が多い中で、その引き締まった体格は印象に残っているよ。
私がどうやって新聞を読んだのかは、どうか突っ込まないで欲しいけれどね。」
星空の写り込んだ雄々しく透明な角が額から伸びている。
「袖擦り合うも多生の縁…
エンデュミオン、と言うんだ。よろしく。」
高めの中性的な声で、そう宣った。
- 436 :ジャスティン=アンダーソン ◆NSEW/xeQlk:2012/06/25(月) 22:04:27 ID:7gFzKdaU0
- >>435
「どうにも落ち着くかと思っていれば、納得だ。
これだけ静謐な気の中なら、都市の中でも星も楽しめるというものだ」
驚く事は無く、サンドイッチを飲み込んでから男は口を開き。
僅かに口元を歪め、ニヒルな笑み――CMや新聞でも見られるそれ――を浮かべた。
「――ため息が出るほどに美しいな。
成る程、ペガススでもユニコーンでもなく、お前はお前、という事か。
私はジャスティン。ジャスティン=アンダーソンだ、よろしく、エンデュミオン」
男は、立ち上がり、紳士としての礼を取る。
気高く美しい存在には、それ相応の礼節を払いたい。
頭を下げ、上げ。そうしてベンチに座り直すと、この存在が新聞を読んでいる所を想像してみた。
「ふむ。あまり追求はしないことにしよう」
と、探究心はあるものの、相手の誇りに関わる事かもしれないのならば触れないことにする。
それは、彼にとって正しいこと、であるからだ。
- 437 :エンデュミオン:2012/06/25(月) 22:32:03 ID:IrsgDsYs0
- >>436
「エリュシオンの星空は、私の知る限り最も美しいよ。
私の故郷も年に数日はこれよりも美しく見えるけれども、殆ど年中吹雪いていてね。」
おそらく人の生きていられる場所ではない、非常に高い山の頂上付近のことである。
男に合わせ、一礼する。
「それは有り難い。何せ、みっとも良いものではないからね。」
不意に、話題を変える。
「仕事熱心だね。好感がもてるよ。
人は隙あらば手を抜くものだと思っていたけれど、認識を改める必要がありそうだね。」
本社の移転前に出張して来たという呟きと、スーツ姿。
また、社長が単身で出歩いていることに今更ながら気が付いたのである。
- 438 :ジャスティン=アンダーソン ◆NSEW/xeQlk:2012/06/25(月) 22:40:27 ID:7gFzKdaU0
- >>437
「雪景色もそれはそれで美しいものだよ。
それに、そういう困難な場所に挑むのは個人的に趣味でね、興味が湧く」
くくく、と楽しげに笑い、極寒の山中を思う。
不可能を可能とし、通れぬ道を通り、壊せぬものを壊してみせる。
それを成して当然と誇るのが、男の進む王道だった。
「なに、私ほどの天才になればこの程度は趣味で事足りるよ。
少々南の方へ飛んでいてね。簡単に言うと子供たちの命と人生を救ってきた帰りだ」
どうしようもないほどに高い自信は、彼なりの裏付けが有ってこその物。
そして、自信はあれど、その力を彼なりに正しいことに使用するのも彼のやり方だった。
白い歯をきらめかせながら苦笑し、オールバックにした金髪を整え。
「どうも、部下には私にボディーガードが必要ないと思われているみたいでね。
仕事が無い時は大抵自由に出歩けるんだよ」
外見だけで言えば、大男であり、鍛えては居るがその程度。
銃器などで狙われれば死んで当然の外見だろう。
- 439 :エンデュミオン:2012/06/25(月) 23:11:08 ID:IrsgDsYs0
- >>438
「見上げたものだよ。
自信、勇気、人徳、愛情…
完全無欠だね、学校の教科書や伝記に載る日が来るよ、保証する。」
"人間"のイメージを、ことごとく裏返す。
ジャスティンの総てをひっくり返せば、エンデュミオンの持つ人間のイメージそのものとなる。
「ボディーガード要らず!?
…優れた精神は、優れた肉体にこそ宿る…
そうは言うけれど、それを地で行く人は初めて見たよ。」
大企業の社長などではなく、一国の主にこそ分相応しいのではないのだろうか。
「それでも、用心することを強く勧めるよ。
闇祓騎士団と名乗る武装グループが居てね…
人外を標的に無差別ゲリラ殺人を行っている近頃有名な集団なんだけれど。」
いったん話を切り、どう表現するべきか少し考えて。
「あの手の組織は、えてして暴走するんだ。
大義など、ねじ曲げて。
…よくあるパターンは、資産家、知識人、政治家なんかが狙われる。
ジャスティン、あなたが死ねば人類全体の損失になる。
だからこれはお願いとして言うよ。
ボディーガードか、信頼できるパートナーと行動した方が良い。」
金色の目は、真剣である。
- 440 :ジャスティン=アンダーソン ◆NSEW/xeQlk:2012/06/25(月) 23:24:52 ID:7gFzKdaU0
- >>439
「何、大したものではないよ。
私はただ私の考える正しさに従って行きているだけだ」
己の正しさを信じ、義を重んじる。
それだけをただ貫く事が、この男のあり方で生き方だった。
「鍛えてこそいるが、普通の人間と変わりはしない。
だが、それを覆す力は、私の技術が開発しているからね。
足りない力は補えば良いだけ、足りない知は学べば良いだけ。
何によっても補う事が出来ない心の強さこそが、人のみならず、生きる物の強さを決めると思っているがね」
様は、力は鍛えれば身につき、知力は学べば宿り、金はそもそもおまけにすぎない。
心の尊さだけは、生まれ持ったものに他ならず、身体も知識もそれの前には意味のないものと語る。
武力の点で見れば、一企業として最高クラスの力を持つ男だが、その価値観は独特と言える物だ。
「何時の世も、戦争は起きる物だ。
そして、その戦争を終わらせる為の組織が、私の会社なのだがね」
傭兵事業、軍需産業。
それらは、戦いを起こすためのものではなく、戦いを終わらせるための物。
必要以上の技術、兵器の外部流出はさせず、自社の兵士を貸し出す形なのもそのためだ。
「――心配は嬉しいがね、身軽でいたいんだよ私は。
心配が要らないという証明が、必要かね?」
ゆっくりと立ち上がり、男は笑む。
よく見れば、彼の立つ地面は僅かに凹んでいる事が分かるだろう。
体格が良いのを加味しても、尋常ではなく重かった。
- 441 :エンデュミオン:2012/06/25(月) 23:52:27 ID:IrsgDsYs0
- >>440
「なるほどね。
古来の神話は、力の強い者が英雄だった。
今が神話に変わるような遠い未来、あなたの名は気高さは永遠に語り継がれることだろう。」
「泥沼化した戦争は、両国とも終わらせたいのに終わらせられない。
…そんな両国からすれば、神か仏のようだろうね。」
反戦非戦と連呼していれば、戦争は無くなり世界は平和になる。
そう考える人たちは、おそらく戦争していなければ平和だという馬鹿げた誤解をしているのだろう。
少なくとも目の前の男は、そういった人種の対極にある。
「…いや、証明は要らないよ。
火の無いところに煙が立たないように、
実力無くして自信は生まれ得ない。」
耕された畑でもない限り、ちょっとやそっとでは地面は凹まない。
それに、誰かに見られれば
………否、無用な心配だった。
- 442 :ジャスティン=アンダーソン ◆NSEW/xeQlk:2012/06/26(火) 00:02:48 ID:7gFzKdaU0
- >>441
「は――、それは当然。そうなるべく生きてきたのだからね。
私の夢は今も昔も〝正義のヒーロー〟で有るという事なんだから」
争いを根絶する事は出来ない、だからこそ。
せめて起きた争いをすみやかに終わらせてみせる、そして力を以て抑止しよう。
それこそが男の正義で、男のポリシーだった。
「そうか。私も、私のダンディズムが有ってね、あまり見せたくはなかったんだ。
配慮してもらえて有難い、礼を言うよ。エンデュミオン」
頭を下げ、そして時計を確認。
ふぅ、と溜息を吐き、スーツの襟を正し、傍らのステッキを手に取る。
それを軽く棒術のように回転させ、左手で受け止めると、軽く伸び。
「幾ら心配されないとはいえ、そろそろ本社に戻らなければならないようだ。
またいつか、私の会社にでも遊びに来るといい。部下達には言い含めておくからな。
では――良い夜を。エンデュミオン」
そう言うと、軽く後ろ手に手を振って、軽快な動作で歩き去っていった。
背中は上機嫌で、今宵の邂逅は楽しいものであったようだった。
- 443 :エンデュミオン:2012/06/26(火) 00:16:37 ID:IrsgDsYs0
- >>442
「あなたの会社は、きっと居心地の良い場所なんだろう。
いつか、行かせてもらうよ。
私の居た山は…案内する必要はないか。
楽々と制覇するだろうね。」
「明日も今日のように良き日たる事を願うよ、ジャスティン。」
歩き去っていくのを見送った後、翼を広げ、ゆっくりと飛び去った。
- 444 :高向谷 司朗:2012/06/27(水) 22:36:15 ID:NntjvIzM0
- 【とある美容院】
「本日はどのようにカットいたしますか?」
「適当に握ってくれ」
「……」
「……」
「……この写真みたいな感じで」
「かしこまりました」
司朗は髪を切り、美容院から出てきた。
「阿呆」
「うるさい」
エンブレムは呆れたように言い、司朗はそれに応酬する。
「そもそもどうせ帽子を被り、
見えなくなる髪型を調節して何の意味がある」
「伸びきる前に切るのは必要だろ。
ったく、さっさとお前の過去探しに行くぞ」
司朗は今日も今日とて、エンブレムの情報を探しに、
骨董店や魔道具屋、雑貨屋を探して歩き始めた。
- 445 :ジャスティン=アンダーソン ◆NSEW/xeQlk:2012/06/27(水) 22:43:18 ID:7gFzKdaU0
- >>444
「――――ふ、む」
唐突。
空から男が落ちてくるだろう。
仕立てのいいスーツを身に纏った男は、ビルから飛び降り、着地したのだ。
金髪をオールバックにした、子供のように煌く碧眼の男性。
右手にはステッキを握り、スーツの裾の乱れを軽く直して振り向いた。
「おっと、済まなかったね。少年。
……さて、撒けたようだ」
振り返り、謝罪してから顔を上げ当たりを確認し嘆息。
有能過ぎるのも困りものだ、と苦笑を零していた。
上を見れば、十数メートルは有る高さから飛び降りたと理解できることだろう。
- 446 :早見川 健治 ◆5s2/gBPZGA:2012/06/27(水) 22:51:58 ID:YKbgvag20
- >>444-445
そんな所に奇抜な格好の男が
ギターを弾きながら歩いてくる。
「あ〜か〜い〜ゆうひっ、…、おんやぁ?」
深く被っていたハットを少しあげて。
「どういう状況何かねこれは」
- 447 :高向谷 司朗:2012/06/27(水) 22:57:04 ID:NntjvIzM0
- >>445
空から落ちてきた男を眺め、司朗は思案した。
「……今日は降人注意報出てたか?」
「そんな警報は無い」
切ったばかりの頭をポリポリと掻き、
男に近づいて息を吸った。
「撒けた?誰を?警察?マフィア?機関?
あんた捕まえたら褒賞金出る?ちなみに俺二十歳な?
俺ってそんな若い?スキンケアのお陰かな?」
「司朗、貴様そんなことしていたのか……」
>>446
「俺に聞くな、俺に。
キャラ被ってんだよ!帽子キャラがな!」
勝手に帽子を指差して言った。
とは言え、司朗の帽子は黒く、サイズも全然違うのであった。
「冗談はさておくとして、
本当に俺も今落ちてきたのを見たところだからな」
- 448 :ジャスティン=アンダーソン ◆NSEW/xeQlk:2012/06/27(水) 23:01:08 ID:7gFzKdaU0
- >>446
「言ってしまえば、サボタージュ、つまりサボりと言う事だ。
小言の五月蝿い部下にせっつかれていてね、つい逃げ出したという訳だよ」
手元のステッキを軽く回して、先端をカッ、とぶつけて。
にぃ、と悪戯気な子供のような笑顔を中年男は浮かべてみせる。
外見は、それほど若いわけではないが、満ちる活力と雰囲気が年齢を若く見せやすい。
>>447
「先ほども言った通り、サボりだよ、サボり。
撒けたのは私の部下。――まあ、捕まえられれば部下から謝礼が出ても可笑しくないがね」
くく、と楽しそうな笑い声を漏らして、男は軽く気を向ける。
捕まえるかい?と問いかけるかのように、だ。
「先ほどの呼びかたについては謝らせてもらうよ。
済まなかったね、青年」
呼び方を変えて、そして頭を下げて。
手元のステッキを軽く握って、当たりを軽く見回した。
- 449 :早見川 健治 ◆5s2/gBPZGA:2012/06/27(水) 23:05:03 ID:YKbgvag20
- >>447
「キャラ被り?
残念だったね、俺は相手を見下したりする
ムカつくキャラだ!
そ・れ・に」
メメタァっという音が聞こえた気がした!!
そしてハットを取ってギターケースの中にしまう。
「フフフッ」
そして違うハットを取り出す、…カウボーイが被ってる様なハットだ。
「やっぱりこれだねぇ、うん。
フーンそうかい、ま、どうでもいいけどな」
>>448
「なぁるほど、部下に追いかけ回されるのは
確かに嫌だねぇ」
ちょっとばかし気の毒そうな目で見る。
「で、サボったわけだし、帰りにくいんじゃないか?」
- 450 :高向谷 司朗:2012/06/27(水) 23:13:52 ID:NntjvIzM0
- >>448
「なんだ、てっきり事件かと」
ふーん、情けないとため息をついた。
「やーめーてー、まだまだ若く見られたいの!
……と言うか俺の名前は司朗だ、高向谷司朗(たこうだにしろう)」
帽子をぬいで、お辞儀のふりをする。
>>449
「自分で自分をムカつくキャラとか言っちゃう人って……。
……友達居る?」
馬鹿にしたような表情でわざとらしく手を振った。
「どうでも良いなら聞くなよな。
っつーかそのギター何所に仕舞うんだよ」
キターケースの中から帽子を取り出したのを見て言った。
- 451 :ジャスティン=アンダーソン ◆NSEW/xeQlk:2012/06/27(水) 23:21:06 ID:7gFzKdaU0
- >>449
「まあ、逃げ切れるからこそ逃げているんだが。
それに、私の部下をやる以上は私に着いて来られる程度には優秀でなければならない。
言わば――訓練のようなものさ、気まぐれが9割方だがね」
追われるのも、それはそれで面白い。
ただ、男はその状況も楽しんでみせるだけだった。
「さっきも言った通りの理由だ。
私を捕まえられなかった時点で彼らの負けだ、何も私には恥ずべき点は無いよ」
堂々と、当然だと信じてそれを疑わないのがこの男のあり方である。
>>450
「ふむ。事件の方が良かったのかい?」
首を傾げ、男はなんとも言えない表情で問いかける。
「ふむ、司朗か。良い名だ。
どうせなら、君と一緒に居るもう一人の名前も気になる所だが、まず私からだ。
私の名前は、ジャスティン=アンダーソン。ジャスティンとでも、ヒーローとでも好きに呼んでくれればいい」
意味在り気に青年に流し目を送る男。
どうやら、飛び降りている時にエンブレムの声を聞いていたようだった。
- 452 :早見川 健治 ◆5s2/gBPZGA:2012/06/27(水) 23:26:12 ID:YKbgvag20
- >>450
「うん?、…」
顔が曇る。
「親友が一人…、死んだ人も入れるなら殺された恋人が一人。
あと異能都市内でそれなりに話してくれるのが一人だな」
少し顔に影を入れて。
「あぁ、このギターは裏側が空洞でね。
そこから色々と入れる事が出来るのさ」
自慢気に言う。
>>451
「へぇ、なるほど。
優秀かどうかが簡単に決まるワケだ」
効率的かどうかは別だがね、と笑いながら。
「なぁるほど。
君はあまり後悔しないタイプだね」
- 453 :高向谷 司朗:2012/06/27(水) 23:35:57 ID:NntjvIzM0
- >>451
「ニュースとかで見るよりは目の前で起きてくれたほうがいいけど……。
いや、起きないにこしたこたあ無いと思うよ」
手を振って否定した。
「一緒に居る一人?
この人とは会ったばっかりだけど……」
「私か?」
一"人"と言われたせいで健治と勘違いしたようだが、
エンブレムが先にそれに答えた。
「悪いが私は、名前を覚えてない。
人間だったかどうかも解らない、適当に呼んでくれ」
「俺はエンブレムって呼んでるけどな」
>>452
「いや、そういうのはヤメろ。
真面目に返すなおい」
制止するように手を突き出した。
「内側が空洞……?
ギターケースは内側に空洞になってるもんだろ?」
「異次元か空間湾曲の類だと言いたいのか」
言っている意味がよく解らなかったようである。
そこを司朗がぶら下げているエンブレムが聞いた。
- 454 :ジャスティン=アンダーソン ◆NSEW/xeQlk:2012/06/27(水) 23:42:19 ID:7gFzKdaU0
- >>452
「後悔をしないのではなく、後悔をしたくないだけだよ。私はね。
後で何か言い訳の出来る状況を作りたくないからこそ、最善で最高であり続けなければならない。
後悔をしない、というのは存外に大変な生き方だ」
後悔、という言葉には、なんとも言えない表情を返し。
後悔をしたくないからこそ、後悔しないような生き方を選び続けている、と答えた。
男の生き方は、文字通り全力投球。その場で出来る手段、思考の中で己が出来る最高を選び続ける生き方なのだ。
>>453
「そう言う答えの出せる若者がこの都市に居ると言う事は、少々以上に嬉しいと思えるね。
変なことを聞いてすまなかった」
はは、と笑いながら軽く謝罪し。
エンブレムが答えた声に、コクリと首肯をしてみせる。
「では、君の友人に習って私もエンブレムと呼ばせてもらうよ。
よろしく、エンブレム」
エンブレムにも挨拶を交わして、周囲を再度確認。
追手の気配がまだ無い事に対して、給料カットかな……と小さく呟いていた。
- 455 :早見川 健治 ◆5s2/gBPZGA:2012/06/27(水) 23:45:37 ID:YKbgvag20
- >>453
「ん?、あぁすまない」
「いやいや、見てもらった方が早いね」
そう言うと、ギターケースの裏側を見せて
上についている小さいスイッチを押す。
すると裏側がパカッと開き、空洞が出てくる。
「というまぁ、簡単な仕掛けさ」
>>454
「後悔をしたくない、か。
フフッ、そういう考え方、色々な人達に教えたいもんだねぇ」
ハットを深く被る。
- 456 :高向谷 司朗:2012/06/27(水) 23:52:46 ID:NntjvIzM0
- >>454
「ああ、よろしく」
エンブレムは目を二回瞬かせた。
カチカチと金属音が鳴る。
「部下さんたちもかわいそうなこって」
呟きを聞いて、司朗はやれやれと手を振った。
>>455
「ただの隠し底か、当てが外れたな?」
「ふん」
司朗がからかう様に言うと、エンブレムはふてくされたように言った。
- 457 :ジャスティン=アンダーソン ◆NSEW/xeQlk:2012/06/27(水) 23:58:50 ID:7gFzKdaU0
- >>455
「人が一番後悔したくないと思う時は、後悔してもどうしようもない事が起きた時だ。
だからね、むしろ後悔出来る人間は幸福だ、だから私は教えたくは無いよ」
少しだけ、己の過去に思いを馳せて。
首を軽く振り、虚像を払いのけて今を見据えた。
>>456
「――――さて、そろそろ追いかけっこの再開のようだ。
またいつか、二人共。もし良ければ日曜朝7時半に、市営テレビのチャンネルを見てくれたまえ! では!」
そう言い残すと、唐突にしゃがみ込み、ジャンプ。
地面を陥没させながら近くのビルに向けて飛翔しながら、ステッキを振りかぶり。
持ち手の湾曲部分をビルの屋上の角に引っ掛け、身体を持ち上げ飛び移る。
そうしながら、ビルからビルの間へと飛翔し、消えて行くのだった。
なお、もし後でテレビ欄を確認したのならば、所謂特撮ヒーロー物の番組がやっていただろう。
スポンサーは株式会社ロイヤル・ロード。社長は――この男と同姓同名なのであった。
- 458 :早見川 健治 ◆5s2/gBPZGA:2012/06/28(木) 00:03:49 ID:YKbgvag20
- >>456
「フフ、こぉんなのも分からないんだ?
バカだねぇ」
とってもムカつく笑顔を見せて言う。
殴りたい、この笑顔。
>>457
「…、ワケありってやつか」
すこしハットを深く被る。
「ん?、…、あぁ、アンタあの番組のしゃ…」
言い終わる前にその場から消えてしまった。
「…、アディオスってか」
「さて、俺もそろそろ帰るか。
んじゃあな」
ギターを取り出し、また弾きながら帰っていく。
- 459 :高向谷 司朗:2012/06/28(木) 00:05:22 ID:NntjvIzM0
- >>458
「いや、お前の説明が悪いと思う」
司朗はそこにピッと指を突きつけるのだった。
「つーか近所迷惑だよ!」
- 460 :高向谷 司朗:2012/06/28(木) 00:08:32 ID:NntjvIzM0
- //送信ミスなのだ…
>>457
「ん?テレビ?
ちょっと意味わかんないよ」
司朗はジャスティンの後姿を見送った。
――その後、司朗は新聞を見た。
「んー、物腰がなんかアレかと思ったけど、
やっぱ偉い人だったのか。
あのおっさん」
>>458
「いや、お前の説明が悪いと思う」
司朗はそこにピッと指を突きつけるのだった。
「つーか近所迷惑だよ!」
指を突きつけながら、司朗は健治を見送った。
- 461 :黒沢小百合:2012/06/28(木) 23:45:09 ID:SSMHlh/20
- 【千夜記念病院】
『背中から腰部にかけてのアザは完治しています。
変身系能力者によく見られる現象と相違ないことから、
後遺症の類などもないかと。』
「そうですか。それを聞いて安心しました。」
小百合は例の昏睡事件以降、定期的に検診を受けていた。
なんらかの後遺症や、精神的な影響が出ていないかを見るためのものであり、
今日はその最終日。
少し晴れやかな様子で病院を跡にした小百合は
人気のない路地裏に入ると、渡された封筒に火をつけて灰にし、
それを水路へと流し。
「なんだか肩の荷が下りたような気分ですねえ。
AGカフェによって……今日はブラジルの豆を挽いてみましょうか……。」
そのまま、いつもの家路を辿り始める。
- 462 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/06/29(金) 21:47:55 ID:ZbJEi1qo0
- 【人がいない路地裏・夜】
「昼間だったがこんな路地裏に誘い込まれ
これから死にゆくお前たちにはほんの少しばかり、同情してやろう」
目の前には多数の魔よけタイプの武器を持つ3人の男。
そして尊大な物言いで、その者は言う。
顔は、妖しい雰囲気を感じさせるほどの美形で、一応男の顔をし
体は黒いスーツを纏い、手袋をし、脇にはバイクのヘルメットを抱えている。
「さて、お前たちを今日の私の晩飯としよう。
安心するが良い、何も感じず、ただ無気力に取り込まれるだけだ。
痛みもない」
そうは言うが男たちは恐怖に震えていた。
死ぬのが怖いのだろう、だがこれはある意味自業自得だ。
「なにせ、君たちから襲って来たのだからね。
生きたまま取りこまれるのは嫌だろう、楽にしてやる」
ヒュッ、と右手を振るうと同時に三人の男たちの首が一斉に吹き飛ぶ。
「やれやれ、時間がもったいないが、まぁ食事が取れただけ
マシというものか」
そう、罪悪感もなにもない声で死体に近付く。
そして右手が死体の一つに触れると
死体がじょじょに吸い込まれていく。
- 463 :ジャスティン=アンダーソン ◆NSEW/xeQlk:2012/06/29(金) 21:59:12 ID:7gFzKdaU0
- >>462
路地裏前で、かつん、と革靴のソールがコンクリートを叩く音が響く。
同時に、ステッキの音が続き、一人の存在感が近づいていく。
血の飛び散る路地裏を歩くのは、一人の男性だ。
仕立ての良いストライプの入ったダークスーツ、オールバックにした金髪に、煌く碧眼。
長身の体躯は、活力と覇気が張り詰めている事は想像に難くない。
光景を見て、ぴくりと眉毛を動かして。
おもむろに口を開いた。
「噂の闇祓騎士団、及び――人じゃない何者か、か」
状況の確認のように、男は言葉に出し。
気をつけろと言われた存在を殺している目の前の存在は、警戒すべき存在だと理解していた。
同時に――それ以上に、目の前の存在は己の正しさの敵だと言うことよ。
「――――振り向くといい、悪役。そして聞け。
何の理由があろうとも、悲劇的な過去があろうとも。お前は私の正しさに反する存在だ。
だから殲滅をするが――――申し開きをする気はあるかね?」
両手をステッキに添え、仁王立ちの状態で男は相手を目で射抜く。
人であり、異能の気配は無い、パッと見では只の紳士であり、騎士たちよりも弱く見えかねないだろうか。
- 464 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/06/29(金) 22:06:19 ID:ZbJEi1qo0
- >>463
「…」
気配に気づき、捕食を止める。
「ほう?、悪役か。
なるほど、確かに私は悪役だろうな、ククク。
そういうお前が正義の味方か、なに、申し開きなどせんよ、悲劇的な過去も何もないしな。
フム」
そしてゆっくりと振り向く。
その顔に…『邪な笑み』を浮かべて……。
「殺せるかね?、お前が!、この私を!、この俺を!
『残滅する』とか言ったな…、よかろう、やってみろ!
『正義の味方』ァアアアアア!、このッ『ツェペリン・デミラス・アイゴー』に向けてッッ!」
両手を広げ、そう叫んだッ!
その姿、正に『悪』ッッッ!
- 465 :ジャスティン=アンダーソン ◆NSEW/xeQlk:2012/06/29(金) 22:20:52 ID:7gFzKdaU0
- >>464
「知っているかね?
私は〝出来ることしかすると言わない〟のだよ」
挑発するように笑うと同時、ステッキを腰に差し、両腕をクロスさせるように構える。
同時に、隆起する筋肉によって、みちみちとスーツの生地が張り詰めていく。
男の双眸に真紅の光が宿り、シャツを透かして赤いラインが身体に浮かんでいき。
「Trance――――〝Iron Worf〟!」
クロスした腕を一気に腰まで引き、胸を張り天を仰ぐ。
力強く猛々しい姿と同時に、男は肺から空気を音へ加工して吐き出した。
「オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛――――――――ッ!!」
途端、首元と両手首から銀色が広がっていき、男の身体を覆い隠していく。
まるで水銀のような銀の液体が、男の表面をのっぺりと包み込み。
次第に声はごぼごぼと水音に取って代わる。
脊髄のコネクタから、液体金属のナノマシンが流れ込み、神経を掌握。
五感が万能の一感に取って代わり、肉体の駆動原理は異種のそれへと変貌し、人が認識できない世界を認識し始める。
そして銀の塊は、その姿を急速に変化させて、大地を引き裂く衝撃を当たりに撒き散らす。
『鋼の狼に敗北は存在しない。――――私が正義だ』
犬型の頭部から伸びるのは二本のアンテナ。
マッシブなボディは流線型ながらも、無骨さも併せ持つストロングかつスマートなスタイル。
鋼の人狼が、月下に現れた。闇に輝くのは、ボディに刻み込まれた赤い線。
大地が砕け、人狼は壁を蹴りながら遥か数十mまで飛び上がった。
超重量、だというのに高い運動性を誇る脅威が、天から爪を振りかぶり相手の身を真っ二つとしようと迫っている。
- 466 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/06/29(金) 22:27:29 ID:ZbJEi1qo0
- >>465
「ホウ、そうか
ならば見せてみるのだな」
そう言い放ち、じょじょに体を変えて行く
ジャスティンを見て思わず呟いた。
「………、か、カッコいい…」
体を震わせて言う。
「…、おっとイケない」
正気に戻り、その爪を見て一言。
「……、やっぱカッケぇなぁ」
そして真横のビルに向けて走る。
「HYEEEEEE、YAEEEEEE!」
奇妙な叫び声を上げてビルに片足を突っ込む。
その片足はそのまま壁に埋まり、そして人間技ではない速度によって
重力を感じず、壁を走り抜けてその一撃を避ける。
- 467 :ジャスティン=アンダーソン ◆NSEW/xeQlk:2012/06/29(金) 22:39:50 ID:7gFzKdaU0
- >>466
爪に触れたコンクリートの地面は切り裂かれるどころか、着地の瞬間に地面が陥没し粉砕した。
そして、振り向くこと無く追いすがるように狼は跳躍。
壁をがりがりと削りながら、爪を壁に引っ掛け肉体を射出。
『どこに逃げようと、私の鼻は逃しはしないぞ!』
音を嗅覚で感じ、光を聴覚で感じ、味を嗅覚で感じてしまうかのような異様な感覚。
最初の頃はそれだけで頭が狂いかねなかった、360度全てを感じる異様な一感。
それを唯一つ、正義であると言う理由で乗り越えた男は、相手の速度でも、相手の居場所も動き、筋肉の駆動に至るまで認識していた。
大地から天に向けての飛び蹴り、重力に反するそれはしかし音速に近い速度で迫っていく。
同時に、びぃぃぃいぃん、という何かの反響音のような音が周囲に響いているのが分かるだろう。
天から大地かのような軌道で迫る蹴り足は右。
もしわずかでも触れたならば、触れた部位が爆裂し肉が砕け散る事となるだろう。
- 468 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/06/29(金) 22:45:02 ID:.44YVBGM0
- >>467
「フム、身体能力も
俺が知る吸血鬼に勝るか」
走るのを止め、そのままビルに体当たりをして中に入る、
廃ビルだったようだ。
「触れる事=即死か。
ウム、素晴らしいな」
まるで賛美するように言う。
「では、少し芸を見せようか」
- 469 :ジャスティン=アンダーソン ◆NSEW/xeQlk:2012/06/29(金) 22:52:45 ID:7gFzKdaU0
- >>468
『正しさを示す為には、誤ちに負けない力が必要だ』
ノイズ混じりの声で、蹴りをコンクリートに叩きこむ。
外壁はびぃん、と震えて直後足の当たった部分が砂と化す。
そのまま人間というよりは獣に近い極めて前傾姿勢の疾走体勢で駆け抜け、1秒しないタイミングで中に駆け込んだ。
『追いかけっこにはもう飽いたか、奇遇だな。私もそう思っていたところだ』
-Gradius-
機械音声が響くと、両腕の装甲が隆起し腕の側面からブレードが展開される。
同時に、脚部装甲の脛部分からもブレードが展開。
口の部分が獣のように開き、排熱。閉じると同時に継ぎ目は消えていく。
身体の体勢が低くなっていく。
腰を落とし、上半身を前へと倒す、独特の体勢。
人の姿に近いが、人とは全く異なる挙動をこの自称ヒーローは可能としている。
- 470 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/06/29(金) 22:57:16 ID:.44YVBGM0
- >>469
「うむ、やはりカッコいいな」
そう言うと、右手を見る。
「…、よし」
何がよしだかわからないが右手を握る。
まるで何かを掴んでいるように。
嗅覚も空気抵抗も感じない、ただの芝居だろうか?
「フム、やはりヒーローというものはかっこよくなくてはな」
何時の間にあったのか、左手にカメラを持ち
パシャパシャと撮っている。
- 471 :ジャスティン=アンダーソン ◆NSEW/xeQlk:2012/06/29(金) 23:03:05 ID:7gFzKdaU0
- >>470
『視認できない武器か、厄介だな。しかし無意味だ』
相手の動作、言葉が終わった直後に、男の言葉が響く。
視覚を持たず、統合的な感覚である完成一感を持つ男に視認できない武器は観測できる物だ。
なにせ、見えない物であるまえに、そもそも視覚という概念で物事を認識していないのだから。
特段、概念的な異能を持つわけでもない、魔力を持ち世界の法則を持っていたわけでもない。
それでもこの世の不条理に挑むために突き詰め続けた力。
文字通りに、正義の力たれと望まれた姿が、目の前には存在していただろう。
『棺には私の写真集を入れておくかね?』
軽口を叩きながら、直後右腕がブレる。
その瞬間、右腕のブレードが鞭のように伸び相手の胴体へ横薙ぎに振るわれる。
もし当たれば、鞭だが鋭い刃の切れ味が発揮されることと成る。
- 472 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/06/29(金) 23:07:12 ID:.44YVBGM0
- >>471
「フム、この能力は
同じタイプの能力者しか視認はできない筈なのだがな。
まぁ、そこは正義の味方のご都合でいいか。
ちゃんとした設定もあるようだし」
メタな事言う。
「お、出来れば頼む。
ならばもう少し撮っていたいものだな。
自分で撮った者以外は飾りたくない」
言い終わる前に天井にジャンプし、貼りつく。
なんとか攻撃をかわす。
- 473 :ジャスティン=アンダーソン ◆NSEW/xeQlk:2012/06/29(金) 23:15:31 ID:7gFzKdaU0
- >>472
『――――それ自体が見えなくとも、それ以外がそれを見せる。
存外、広い目で見れば世界でわからないものはそうそう無いものだ』
例えば、見えない、認識できない武器を持っていたとして。
握っている手を見れば柄の丸さや太さの予想は付く。
構え方に依って形状や長さは予測でき、重心のとりかたでそれはより確証を増していく。
それ自体がもし見えなかったとしても、それが有るという事はそれ以外が証明するのだ。
『そうかね。だが、事務所を通して貰いたいところだね。
故に、写真撮影は中止してもらおうか』
前傾姿勢のまま、左腕を床に伸ばし、コンクリートに指を伸ばす。
そのまま、まるで豆腐をつかむかのように容易くコンクリートを削りとり、手の中で転がし野球ボールサイズのコンクリート球を創りだした。
腕を振りかぶり、投擲。相手のカメラを粉砕する威力、速度でさらには相手の骨を砕く為にコンクリートの弾丸は迫りゆく。
- 474 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/06/29(金) 23:21:15 ID:.44YVBGM0
- >>473
「なるほど、実に柔軟な発想だ。
君は俺にとって尊敬に値する。」
そう言うと、カメラを捨てて天井を左腕で『殴って』粉砕し
そのまま二階に上がり、弾丸を避ける。
「さて、質問、普通、剣などといったものは長すぎると同時に
重くなる、ならばこの剣は長いと重いと思うか?」
そう言うと、普通なら届かない筈の距離に向けて剣を振るう。
「それは否だ」
まるで新聞紙を振るかのように軽く振ると同時に
天井に普通なら見えない刃の亀裂が走り、ジャスティンに向けて円を書くように
縮んでいく。
これには同じ能力でなくては見ることはできても触れることはできない。
つまり…、防御するのは難しい。
- 475 :ジャスティン=アンダーソン ◆NSEW/xeQlk:2012/06/29(金) 23:33:11 ID:7gFzKdaU0
- >>474
『心臓病の軍人崩れがヒーローをするにはこれくらいしなければいかんのだよ。
そして、その尊敬は必要無い。私はお前を尊敬する気など欠片も無いのだから』
弾丸は二階の天井にめり込んで、粉砕。
そして上から聞こえる声に、男はノイズ混じりの声を返す。
「それは『否だ」ろう?』
異能とは、世界の法則をひっくり返す事象、あり得ないが常識たる非常識の論理。
ならば、常識など意味は無いし、考慮する必要は無い。
だからこそ、アイアン・ウルフは己の一感を研ぎ澄ませていく。
天井に対する力のかかり方、亀裂の広がり方で軌道を読んでいく。
見えている、見えない刃はその軌道も、その威力も観測されていくのだ。
見えているならば、避ければ良い。
ギリギリまで観測した狼は、大地を蹴り、天井を粉砕。
二階に上り、着地。
『3年ぶりにまともな傷を負ったよ、驚いたね』
脇腹に一閃。
銀色の奥で身体が傷ついていたが、流れる血は装甲の圧迫で止血されていく。
同時に、狼の肉体はその攻撃の性質を受けて徐々に変化し始めていた。
- 476 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/06/30(土) 13:37:10 ID:BQ9yRaHM0
- >>475
「なに、俺から勝手に尊敬に値するだけであって
別に君から尊敬されるつもりなど全くないよ」
そう言って、小さく笑う。
「正解、質問じゃなくて問題だったな。
さて、どうするかな?」
そして円が終わりを告げるッ!、がっ!
「ほう、いいものだな、お前のその身にまとうソレは。
まぁ、私は使うつもりなど毛頭ないがな。
さて、…3年ぶり、フフ、ならばその傷を負わせた相手と戦いたいものだな。
しかしまともな傷、ね…、まともじゃない病気なら持っているんだろ?」
そういうと、右足を大きく上げる。
「どうやら君が俺を残滅出来るというのは本当の事の様だ。
少し質問する、君は正当防衛を…認めるかねッ!!」
そして床に向けてかかと落としを入れるッッッ!!
その場から亀裂が走り、床が崩れていく!
「フッ!」
落ちる前に男は天井に張り付く。
- 477 :ジャスティン=アンダーソン ◆NSEW/xeQlk:2012/06/30(土) 13:46:36 ID:7gFzKdaU0
- >>476
静かに獣は立つ。
咆哮を響かせること無く、ただ冷静に相手を狩る為に思考を、感覚を巡らせる。
硬化した装甲の表面に小波が浮かび、そして消えた。
『安心しろ。私以外には使えない、私以外には必要無いものだ。
悪役にも正義が有るだろうが、これは私の正義の為の力。私以外の力ではあり得ない。
もう死んだ。私がこの手で屠ったからな。
そして――――直にお前も』
右足の駆動を確認し、僅かに膝が曲がり重心が調節され。
かかと落としによって地面が粉砕したその状況。
『認めよう。敵を前に抗うのも、また正しさだ』
男は、立っていた。
脚部から射出されたアンカーを壁に突き刺し、身体を空中に固定していたのだ。
狼の毛が逆立ち、体が一回り大きくなったかのようにすら見える。
両の腕がブレ、十字を描くように銀色の軌跡が駆け抜けていく。
先ほどと同じ、鞭剣。違うのは、二本であるという点と振動により威力を上昇させているという事だろう。
- 478 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/06/30(土) 14:01:41 ID:BQ9yRaHM0
- >>477
「フゥ〜、そうかい。
少し安心したよ、ソレが他にもあると思うと毎日安心して眠れやしない」
溜息をつく。
「そうか、屠ったか、残念だな」
まったく残念そうに見えない。
「俺を狩る、か。
まぁ、その破壊力ならば並みの相手じゃ簡単だろうな」
そう言うと、クックッと笑いだす。
「久しぶりだ、ここまで俺に対して苦戦させてくる奴は。
頼みがある、死ぬときになる前に君の名前を教えてもらいたい、まぁ
君からすれば名乗りたくないだろうがな」
「……、認めるのか、ある意味偽善だな。
考え方にもよるが」
そもそも俺も一種の正当防衛なんだがな、と、常人ならば聞こえないほど小さくつぶやく。
「…、二刀、いや、他にも武装がありそうだな。
ならばこちらも出し惜しみせずに使うか」
そう言うと、張り付いた天井に『立ち』、歩き出す。
「屋上辺りにでも行こうか、ここじゃ音が立ち過ぎて目立つ。
俺は目立つのは大嫌いだからな」
そして、静かに窓に向けて歩く、『背』を、戸惑いもせず向けて。
- 479 :ジャスティン=アンダーソン ◆NSEW/xeQlk:2012/06/30(土) 14:16:39 ID:7gFzKdaU0
- >>478
『感謝しろ、眠れなくなる前に私がお前を眠らせる』
強い言葉、だがその言葉に見合う実力を確かにこの男は持っている。
そして、相手の言う破壊力、という言葉には反応を返さない。
確かにそれも強みではあるが、真の強みはそこではないのだ。
『言っただろう。アイアン・ウルフだ。
これを着ている限り、私にそれ以外の名も所属も存在しない』
名を隠すのは、正義に関わった故に悪に狙われる物を増やさぬため。
所属を隠すのは、個人の義によって動くから。
だから、真の名は口にしない。ヒーローは秘密こそが美徳なのだ。
『誰しもが誰しもの正しさを持っている。
だが、それでも私の正しさは他者ではなく自身の義に因るもの。
だからこそ――――私が正義だ。言ったはずだ、〝何の理由があろうとも〟とな』
アンカーの一部を外し、一方のアンカーを引き高速で窓から飛び出す狼。
窓から飛び、向かいのビルに四肢をつけると同時、壁を凹ませて壁を垂直に駆け抜け、屋上に着地した。
四肢のブレードは最適化され、完全一感は究極的に研ぎ澄まされ、半径数百mで動作するネズミまでもを確認する。
- 480 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/06/30(土) 14:27:19 ID:BQ9yRaHM0
- >>479
「じゃ、死ぬ間際に感謝の言葉を贈ろう」
そう言って、屋上につく。
「フム、君は一般的なヒーローじゃなく
ダークヒーローみたいなものだね、まぁ、それでも一般的なヒーローに似通った性格だが」
「正しさ、…、どれだけ自分の正しさが
強いかで勝敗が付くな、俺は正しいものなんて存在しないとは思ってるが」
そう言うと、左腕を右胸に『突っ込む』。
「正義か、なら、俺は『小物の悪』にでもなろうか。
…、アレ、どこ入れたっけ」
右胸から左胸まで移動する、全然痛くなさそうだ。
そして左腕が止まる。
「お、あったあった」
左胸から左腕を引き抜くと同時に、左手には剣が握られていた。
「ふぅ、さて、こっちはしばらく防御に入らせてもらおう。
そちらからどうぞ」
右手には、透明な剣、左手には謎の剣。
- 481 :ジャスティン=アンダーソン ◆NSEW/xeQlk:2012/06/30(土) 14:37:03 ID:7gFzKdaU0
- >>480
『それでも。〝それでも〟だ。
私は私が正しいと信じている。だから私はそれを貫く』
知覚範囲を最適化し、不要な情報を取り込まないように再設定。
屋上に限定された知覚は、密度の高い情報を彼に与え続けることと成る。
二刀を見て、息を吐く。おそらく、本気だろうとそう思った。
来いと言われる前に、狼は既に行動を開始していた。
屋上が僅かに震えると同時、コンクリートに罅が入り100を超える数のコンクリート片が全て相手に飛来する。
四方八方、前後左右下から超振動を与えられた弾丸が襲い掛かってくる。
当の本人は、両の腕を構えたまま、足を強く地面に食い込ませているだけ。
これで止めがさせるとも思っては居ないが、隙を見つける為の行動だ。
そして、得体のしれない相手の力を、ある程度観測するため、でもある。
- 482 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/06/30(土) 14:45:48 ID:BQ9yRaHM0
- >>481
「…、良いね君。
そこまでの信念を持つ人間は初めて見たよ」
とても嬉しそうに言う。
「狼君、その攻撃は少し、俺の事見くびってない?」
その弾丸を『全身に受ける』
「…、君のそのブレードの様な攻撃じゃないと、すぐにこうなる」
脳に受け、心臓に受け、目に受け、しかし
それは直ぐに回復していく。
- 483 :ジャスティン=アンダーソン ◆NSEW/xeQlk:2012/06/30(土) 14:53:15 ID:7gFzKdaU0
- >>482
『――――いや、それでいい。
信じていた、避けもしないと』
全身に弾丸を受けた瞬間、その亀裂から無数の銀色の鞭が吹き上がる。
全てが振動し、肉に触れれば肉を弾けさせ、骨に触れれば骨を割砕する。
先ほどの礫は、布石。聞くとも思ってはおらず、それを防がせることで、二陣目を当てるためのもの。
食い込ませた足から、銀色の刃を階下を通して這わせていたのだ。
それが出来たのは、統括的な感覚を持つ事が出来る彼の感覚故。
己の刃が何処を這いずり、どういう速度で移動し、そのまま攻撃すればどうなるか。
相手の行動パターンを予測し、回避をしないであろうと予想。
同時に、効いていない事にたいする心の隙を見つける為の礫。
50を超える数の剣鞭は四方八方、縦横無尽。
肉を削ぎ、引き裂き。骨を砕き、微塵と化すために。
超振動の刃の檻が、相手の周囲に展開され、迫りくるのだ。
- 484 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/06/30(土) 14:59:58 ID:BQ9yRaHM0
- >>483
「…、忘れていたよ。
これは殺し合いであって決闘ではなかったことにね」
銀色の鞭の動きを目で一瞬見るが。
「物体が体に入っても、無意味だ」
その体に触れた瞬間、鞭の動きは止まる。
「土に還れ(リターン・トゥー・ダスト)」
そして徐々に鞭の色が茶色くなり、土になり
崩れ落ちる。
- 485 :ジャスティン=アンダーソン ◆NSEW/xeQlk:2012/06/30(土) 15:04:55 ID:7gFzKdaU0
- >>484
『成る程、意味は無いと――――――?
舐めるな悪役ッ! 無意味と宣うと言うのならば――意味を持たせればいいだけのことッ!』
無意味、無駄だと言われ正義は激昂。
未だ鞭の数は半数以上残っており、その鞭が束ねられ5本に収束。
そして、その速度が爆発的に上昇していく。
命中すれば土に帰るというのならば、違う手段でダメージを与えれば良い。
即ち、鞭を音速に達しさせる事によるソニックブーム。
鞭自体で傷を与えられないのならば、形無き衝撃派を叩きこむのみ。
臨機応変と言うよりも、相手に効かないならば効くようにするために進化していくようなその様は、兵器と言うよりも生物のそれに近い光景だったろう。
四肢をもぎ取り、胴体を引き裂くために。
超音速に限りなく近い速度で鞭は振るわれていく。
- 486 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/06/30(土) 15:09:50 ID:9V5aaV2Y0
- >>485
「ほう?、感情の昂りが激しいな」
そう言うと、その音速の攻撃に目を向ける。
「衝撃波、ね」
そう言って、その実体のある剣に目をやる。
「…、それなら前に受けた」
そう言うと、その衝撃を、真正面から『受けた』
普通なら胴体は千切れ飛ぶだろう、だが。
「…、耐えられるようになっているとはいえ、やはり痛いな」
その体は……、『耐えて』いた。
- 487 :ジャスティン=アンダーソン ◆NSEW/xeQlk:2012/06/30(土) 15:16:55 ID:7gFzKdaU0
- >>486
『――――前に受けた、耐えられる。
要するに、耐性の獲得という訳か』
鞭を切り離し、飛散させてから男は思考に結論をつける。
という事であれば、これ以上戦闘を長引かせるとこちらが不利になっていくだけ。
ならば、結論は一つ。今直ぐに殺す。
『マスドライバー・セット・オン』
狼は、四肢を大地に付けブレードを収納する。
獣のような体勢で、狼は相手に相対する。
この体勢から、一体何が来るのか。
ただ、雰囲気の違いだけは、如実に緊張感として現れている。
狼の牙は、獲物を捉える為にある。
正義の刃は悪を裁く為にある。
意思を携え、魔力も異能も気も持たぬ男は、正義と正義を貫くための力を掲げ、そこに立つ。
耐えられようが、そのまま叩き潰し続けてみせる。
その意思が、狼の肉体をより攻撃的に再編しつつあった。
- 488 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/06/30(土) 15:24:57 ID:9V5aaV2Y0
- >>487
「判断能力抜群。
使う本人の能力も凄いな」
そう言うと、二刀を構える。
「さあて、どう攻めるつもりかな?」
- 489 :ジャスティン=アンダーソン ◆NSEW/xeQlk:2012/06/30(土) 15:40:27 ID:7gFzKdaU0
- >>488
『――――ふ、ンッ』
直後、屋上が爆発した。
正しくは、踏み切った両足の力により屋上の半分が砂塵と化して爆散しただけだが。
奥の手、その札をこの男は何一つの迷いも無く切ってみせた。
装甲は風を飲み込み、より加速させるように進化していく。
四肢は速度を産み、威力を叩きこむための機関へと成り下がる。
一歩踏み出す毎に、地面が破砕されていき、相手の逃げ場は消えていく。
音速の壁を越え、前傾姿勢から肩を突き出すタックルへと体勢が変化。
要するに――――突進攻撃というシンプルな回答。
只のタックルと違う点を述べるとするならば。
威力と速度、それに尽きる。
全身の装甲は超振動と、螺旋に練られる力を纏い、ぶつかるもの全てを粉微塵にして駆け抜ける。
そして、それを当てる為の超感覚により姿勢制御と、加速。
シンプル故に、弱い点が殆ど存在しない、文字通りの必殺技。
名は、〝ロイヤル・ロード〟。王の駆け抜けた後塵に、敵は一つとして残る事はない。
- 490 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/06/30(土) 15:51:29 ID:9V5aaV2Y0
- >>489
「…」
なくなった屋上を見ても動じない。
そしてそのまま落ちる。
亀裂が真下に入り、崩れたからだ。
そのお陰で、直線状にはおらず、避ける…?
「やれやれ、ちゃんと計算してなかったのかい?」
そして壁に張り付く。
- 491 :ジャスティン=アンダーソン ◆NSEW/xeQlk:2012/06/30(土) 15:52:14 ID:7gFzKdaU0
- >>490
/*吹き飛んだのはジャスティンの後ろ側で前側は吹き飛んでないんです……*/
- 492 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/06/30(土) 16:03:57 ID:9V5aaV2Y0
- >>491
//あ、じゃあやりなおしますね。
「…、避けるのは不可能か」
そう言うと、構えを解く。
「…(真横に行っても風圧が酷い、マトモに受けたら塵になる、なら)」
そう思うと、見えない剣を足元に付き刺す。
「フッ!」
そしてグルンと周り、真下に穴を作る、
その穴を作るスピード、光速に近いッ!
そしてそのまま穴に落ちていく。
- 493 :ジャスティン=アンダーソン ◆NSEW/xeQlk:2012/06/30(土) 16:07:39 ID:7gFzKdaU0
- >>492
『――――舐めるな、見えている』
駆け抜け、ビルの屋上から飛び降りると同時、目の前のビルの壁を蹴り、加速。
相手が穴から落ちた刹那に、壁を砂塵へと変えながら迫る狼が見えるだろう。
少なくとも、装甲に触れれば先ほどの壁と似たような事態になるのは間違いない。
耐性があろうと、そのまますりつぶせば良い。
壁を蹴り砕きながら体勢を整え、穴を落ちる相手を狙っていた。
- 494 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/06/30(土) 16:16:27 ID:9V5aaV2Y0
- >>493
「凄い執念だな。
できればもっと違うところで戦いたいものだ」
そう言うと、落ちながら窓に目をやる。
やる場所は…さっきの死体の場所。
「…、よし、行くか」
そう言うと、剣を身体に収納し直し、見えない剣をその路地裏に向けて振る。
「よいっしょっと!」
そしてそのあまりにも距離がある場所に剣の切っ先が突き刺さる。
「戻ってっと!」
そしてグーンと男の体がその窓に行く。
- 495 :アイリス:2012/07/05(木) 21:47:22 ID:do5XJmGE0
- 【AGカフェ】
いつもと同じように、フラリとやってきたアイリス。
少し蒸し暑さを感じているのだろうか、今日は肩まで伸びる髪をポニーテールにまとめていた。
真っ白なうなじから、鮮やかな髪を覗かせながら、アイリスは普段通りのカウンター席に着く。
今日の目的はこれといって無い。
無いわけでは無いが、優先度が低いものであり出会った時にでも伝えればいいこと。
汗をかいている様子は見受けられないが、自然と目は氷や水といった、冷たいものに注がれていき。
「誰か、冷たい飲み物を淹れてくれる者はいないかな。」
最近は闇祓騎士団の影響が大きいこともあり、メイドたちの外出は控えさせている。
その為にアイリスに飲み物を淹れる者がいない。
「ああ、今日は蒸すね。」
とある人物に会えれば僥倖だが……。
- 496 :ロザリア・ロートシルト:2012/07/05(木) 22:06:31 ID:SSMHlh/20
- >>495
アイリスから程近い場所の空間が、
まるで水面のように波うち、ぐにゃりと歪んだ。
「……ふう。」
軽く息を吐きながら、現れたのはロザリアはであったが、
どうしたわけかドレスは泥で酷く汚れ、薄い金色の頭髪は
乾燥しはじめた泥で灰色に染まっていた。
「シャワー、浴びたいわねぇ……。」
しかし、さっと腕を動かすと汚れは瞬時に消え去って。
- 497 :アイリス:2012/07/05(木) 22:13:48 ID:do5XJmGE0
- >>496
「浴びてくると良い。それとも、拭くかな?
ともかく、僕はまだここで涼んでいくつもりさ。冷たい飲み物を淹れてくれる誰かが来るまでね。」
アイリスの瞳は一瞬ロザリアに向けられたが、すぐに戻された。
その一瞬で、ロザリアが汚れているのは見て取れた。
用件の予想はついた。
先日、現役の団員を捕まえた旨の内容を送らせたはず。
その件に加え、他に何かあるのだろう。
「ああ、そうだ。ロザリー、君に相談しておきたいことがあってね。
一応、こんな物を用意してみたんだ。」
アイリスは何も無いところに手を伸ばし、戻すと、握ったままの手をカウンターの上に置く。
- 498 :ロザリア・ロートシルト:2012/07/05(木) 22:22:43 ID:SSMHlh/20
- >>497
「あら、居たのねえ。最近この時間には居なかったから、
例のアレの取り扱いで忙しいのかと思ったわ。」
乱れた髪を整えたところで、要約アイリスに気づく。
発言から察するに、例のメッセージはちゃんと届いているようだ。
「これは……?」
とてとてとカウンターに近づいてくるロザリア。
- 499 :アイリス:2012/07/05(木) 22:36:35 ID:do5XJmGE0
- >>498
「アレはね、巴にあげればいいよ。あとは彼女に会うだけ。
彼女はそれだけで結果を出すだろうからね。」
アイリスはカウンターに置いた手を広げてみせた。
それは、ジャラ、と安っぽい金属音を立てた。
それは、ちょっとした貴金属を合わせた装飾品だった。
「どうだい?これで仲間を見分けるのは。
組織だって行動する以上、判別は必要だろう?一部、銀に弱い人外もいるからね。
それらも含めて、さ。」
それは、ロジウムメッキされた、ネックレスや挟み込むタイプのピアスといった、装飾品。
しかし、トップには、本物の宝石が使われている。
手に取り、かざしてみれば分かるはずだ。色調や光沢が良く、硬さもある。
学生を始めとした若い世代が多いため、こういうものにしたのだろう。
- 500 :ロザリア・ロートシルト:2012/07/05(木) 22:50:16 ID:SSMHlh/20
- >>499
「ふむ……かなりいいと思うわ。しかし、宝石は本物でなくてもいいわねえ。
宝石は魔術で使われることもあるけれど、今回は量産性を重視したほうがいいと思うわ。」
カウンターに広げられたそれを軽く検分する。
目立たず、携帯しやすく、使いやすい。機能面は十分だ。
「私も一夜城へ行って話すべき事があるのだけれど、
ここであった事だし今、見せておいたほうがいいわねえ。」
空間を軽く裂くように、指で一筋の線をカウンターに描く。
すると、そこから差し出されるようにいくつかの書簡が現れた。
マスコミや報道機関、いくつかの自警団や私兵集団からの宛名が書かれている。
「協力や報道してくれそうな組織をてあたりしだいあたったのだけれど、
今のところ興味を示してくれたところはこの辺ね。残念ながら、
これだけでは心もとないけれど……。」
興味を示した報道機関は中堅どころの新聞が1つと、
小規模〜個人運営のラジオ局3つ、残りはゴシップ中心の3流、4流出版社10社。
インパクトと言う点では、かなり見劣りする。
しかし、戦力を保持する組織からは、都市にいくつか存在する
『魔術師ギルド』の中でも、なかなかに名前が売れており戦力もしっかりしている
『近代都市魔術師連盟』を筆頭に、傭兵集団や自警団、個人の私兵、アイリスたちと同じく、
義憤にかられた異能者らから問い合わせが来ているようだ。
- 501 :アイリス:2012/07/05(木) 23:08:50 ID:do5XJmGE0
- >>500
「逆さ。これがいざというときの保険の一つにするんだ。
万が一に備えてね、魔力を貯めるタンクとして有効に活用してもらいたくてね。
この程度安いものだし、このレベルの宝石なら、持つもの同士の回線を繋いでも問題無いだろうからね。
それに、この間交戦した時に、何かしらの探査の術式を使用している形跡が見受けられた。
その時の囮にでも使えるだろう。」
よく見てみれば、分かるはずだ。
本物の宝石部以外はメッキ加工だが、宝石そのものは純度が高いものである。
市場価格で大凡100万程のものだが、少数精鋭を気取る以上は相応の物を持って置かなければならないだろう。
「どれ……殆ど必要じゃないね。
やはり、公的機関だろうね。法に護られている存在は何と言ってもそれだけで強いからね。
ロザリーは引き続き、協力してくれそうな所を探してほしい。ところで、どういった内容で組織にあたってみたのかな」
そういって、目だけを動かし、書簡を覗き見る。
正直にいって、及第点で中堅新聞社、合格ラインとして近代都市魔術師連盟、自警団、異能者らだ。
それ以外はいても居なくともさして変わりは無い。
- 502 :ロザリア・ロートシルト:2012/07/05(木) 23:27:14 ID:SSMHlh/20
- >>501
「ふむ、まあお金の心配がないなら
良い物を使うに越した事はないけれど……。
ま、大丈夫ならいいわ。」
性能と言う点では、もはや言う点はない。
量産もある程度可能ならば、こちらがこれ以上口出しする事ではないだろう。
「公的機関……警察も考えたのだけれど、
現段階では私たちが主導するというよりはあちらに
主導権を握られる形になってしまうわ。そのためには、マスコミ関係の
もっと大きなところと協力するか、戦力・協力団体をかき集めるか……。
未だ、知名度が低くて人外のよりどころにはなりきれていないのが現状ね。」
- 503 :アイリス:2012/07/05(木) 23:38:09 ID:do5XJmGE0
- >>502
「ロザリー、これについては君が心配する必要は無いよ。
ものも僕が準備できるものは商人を通して融通しようじゃないか。」
アイリスはボロップという商人と多額の取引をしてきた。
一夜城にある家具もそうだ。
「個人的には、ロザリーが挙げた二つを中心に据え、今は味方の確定が急務だね。
僕も個人的な繋がりから、いくらか協力は取り付けている。だけど、僕一人では心許ないのも本音だ。
ここの人外は自ら進んで戦火に飛び込むのが好きだからね。結果はどうであれ、ね。」
引き続き、僕は味方を探そう。それから、協力の約束を取り付けた暁にはアクセサリーを渡してみようか。
それとも、ロザリーも直接話してみたいかな?それなら、君にも動いて欲しいね。」
アイリスは、貴金属類を身につけないだろう。
それは、自らを城主とする一夜城があるからだ。
- 504 :ロザリア・ロートシルト:2012/07/05(木) 23:50:00 ID:SSMHlh/20
- >>503
たしかに、この立派な城を作り上げてしまうような
名家の出身であればこの程度の出費は問題ないだろう。
魔術的要素の付与も、彼女自身魔術の心得はあるようだし
最悪ロザリア自身が行なえば問題ない。
「ええ、とにかく私も直接いろいろな場所を回ってみる。
人外のコミュニティ、特にエルフやドワーフ、リザードマンと言った
数の多い種族の顔役や、魔術師系ギルドにはまだいくつか心当たりがあるから。」
しかし、困ったのは『マスコミ関係』への協力である。
ロザリアはそういったコネを持ち合わせていないし、人外は機械よりも
魔術に頼る物が多い性質上、そうした方面にコネを持っているとも思えない。
- 505 :アイリス:2012/07/05(木) 23:56:27 ID:do5XJmGE0
- >>504
「そちらは任せよう。
僕は公的機関や報道関係へと協力を持ちかければ良いね。
結果はコウモリにでも報告させよう。」
やはり、小百合に会わなければ話は始まらないようだ。
小百合はアイリスが知る唯一の報道関係へのコネを持つ人物だ。
その際に僕達の事を“ポロッと”話してもらえばいいだけだ。
「それで、もうひとつだ。
ロザリー、僕達の組織名、考えてくれたかな?」
- 506 :ロザリア・ロートシルト:2012/07/06(金) 00:01:34 ID:SSMHlh/20
- >>505
「ええ、お願いするわねぇ……。」
とりあえず、今は書類を再び
空間の裂け目の中にしまいこんで。
「ええ、とりあえずいくつか考えてきたわぁ。
『薔薇の騎士倶楽部』とか『特攻淑女Aチーム』とか」
- 507 :アイリス:2012/07/06(金) 00:06:09 ID:do5XJmGE0
- >>506
「……済まないが、組織名から目的が分からないね。
残念だが、却下だ。」
薔薇騎士はそれとなく腐臭が漂い、特攻淑女Aチームは米軍コマンド部隊出身の腕利き4人組。
何故か、こういった印象を覚えた。
「そうだね……『円卓』はどうかな。」
- 508 :ロザリア・ロートシルト:2012/07/06(金) 00:35:21 ID:SSMHlh/20
- >>507
「円卓、アーサー王かしら。
彼らの最終的な結果を見ると、それは少し同意しかねるわねえ。
うーん『暁の護民団』とか『守護者』とか……。」
ロザリアは、名前に何らかの形で
夕暮れを表す単語を入れたいと思っていた。
――夕暮れだとか逢魔ヶ刻だとか。
昼の存在である人間、夜の存在である夜種の両者を守るという意味と
闇を祓って均衡を崩そうとする闇祓騎士団に対抗して、夜の訪れである夕方を
意味する名、そういった意味でだ。
- 509 :アイリス:2012/07/06(金) 00:52:48 ID:do5XJmGE0
- >>508
「何か、足りないね。
僕らの目的は、人、人外関係なく、闇祓騎士団へ抵抗する者達だ。
結果的に、人、人外を守ることになるから……人妖の境界線を示す言葉がいいかな。
…黄昏だ。『黄昏の護民団』というのはどうかな。」
人は明るい内に活動し、妖は夜に活動をする。
人妖の入れ替わりを示す言葉を入れれば、『人妖共に』『護る』のでは無いか、と想像をふくらませて。
境界線を示す言葉を頭の中の辞書から引っ張ってくると、こんな単語が出てきた
- 510 :ロザリア・ロートシルト:2012/07/06(金) 01:02:23 ID:SSMHlh/20
- >>509
「黄昏……そうね、これはなかなか語感がいいわ。
じゃあ、黄昏の護民団で決定という事にしましょう。
結構、ネーミングだけでも難産だったわねえ。」
とりあえず、これで名乗るときに多少は権威がつくというもの。
ロザリアは気に入ったのか、名前を口に出してニヨニヨとしていた。
「他に……何か話し合っておくべきことはあるかしら?」
- 511 :アイリス:2012/07/06(金) 01:12:53 ID:do5XJmGE0
- >>510
「『黄昏の護民団』…か。都市の民を護るという意味では、公的機関と連携を取りやすいかもしれないね。
もし違和感があれば、『黄昏の護衛団』にでもすれば良いだろう。」
外見は出来上がった。骨子もアイリスが少しずつ完成させている。
あとは、組織として動き出すまでもう少し。
「今は特に無いね。組織図なんかは既に作り上げているからね。
その他諸々は僕が色々と準備しよう。後は巴にアレの血を吸ってもらえば良いだけさ。
そろそろ僕は城に戻るとするよ。まだまだすることはたくさんあるからね。良い夜を、ロザリー。」
以前共闘したガルテラだったか。
その人物に出会えば声を掛けてみよう。術式の破壊を試みた数少ない頭脳派だ。
自分たちの組織に加わってもらえば、戦力アップと自身の負担の軽減が見込めるのだ。
アイリスは懐から羽を取り出し、使用する。
金粉が舞い、アイリスの姿は消えていた
- 512 :ロザリア・ロートシルト:2012/07/06(金) 01:43:24 ID:SSMHlh/20
- >>511
「ええ、それでは御機嫌よう。
うまく行くといいわね。」
軽く掌を見せて、アイリスを見送る。
「面白くなってきたわね……。
私もやれることをやらないと……。」
ロザリアの姿が存在感を失い、消える。
彼女は再び、町へと繰り出したのだ。
- 513 :ヴァージニア:2012/07/07(土) 23:13:53 ID:y80AxkFw0
- ヴァージニアは商店街をうろついていた。買い物をしにきたのだ。
血液を必要な分だけ購入し、紙袋に瓶詰のそれをいっぱいに敷き詰めて、
店を出て行くと、大通りへと足を進めていた。
最近は蒸し暑い季節となった。夜になってもその気温はなかなか下がらない。
しかし、彼女の周りは異常な涼しさを纏っていた。怖気というものだろうか。
これに彼女が気付いたのは、最近のことだ。
自分から異様な気が滲み出てて、周囲を浸食している。
ほとんどの場合、これに当てられた人はみな自分を避けて歩く。
「何か、変だな…」
現在表に出ている便宜上善なるヴァージニアは、その支配率の変化に気付いていなかった。
そもそも彼女は、自らの悪を封じる存在だということも知らない。
よって、いつもと違う感覚に戸惑っていた。
- 514 :東西南北 良方 ◆NSEW/xeQlk:2012/07/07(土) 23:25:35 ID:7gFzKdaU0
- >>513
「ん……? おう、久しぶりじゃねーか、ヴァージニア」
そんな声が、後ろから聞こえてくるだろう。
もし後ろを振り返れば、斬新な外見の男がそこにいる。
蛍光色の黄色い髪の坊主をベースに襟足ともみあげだけをやたらと伸ばし、黒と黄の縞にした髪型。
顔にはサングラスで、服装はピンク基調のアロハシャツにだぼだぼのサルエルパンツ。
中々突き抜けた外見をしているも、口元には人のよさそうな笑みと、葉巻が一つ。
異様な気配の中をまっすぐに歩いてくる男は、不思議な気配を持っているだろう。
- 515 :ヴァージニア:2012/07/07(土) 23:37:37 ID:y80AxkFw0
- >>514
「あなたは……」
ヴァージニアはそちらに目を遣る。そして、思い出したくない記憶が蘇る。
以前、彼女がその手で半殺しにしてしまった者だ。
そのときはしきりに現実逃避をしてしまい、その後の記憶がぼんやりとしていたが。
無事だったことを確認すると、彼女は安堵の表情を浮かべる。
「ごめんなさい…」
深々と頭を下げて、己の非礼を詫びる。
身に覚えがないが、聞かされたことによれば、自分がしてしまったことなのだ。
罪悪感から、彼女は謝りだした。
- 516 :東西南北 良方 ◆NSEW/xeQlk:2012/07/07(土) 23:46:01 ID:7gFzKdaU0
- >>515
「なぁに、死にかけるのは不本意ながら慣れてるしよ。
お前さんが無事だったらそれでいいんじゃねーのかね、俺も無事だし。
……つか、様子から見るとこってり絞られたか。ま、気にしてもいいけど負い目は感じなくてもいい」
煙を吐き出しつつ、にぃ、と笑顔を浮かべてひらひらと手を振った。
ぴらり、とシャツを捲り腹を見せるが薄い縫合痕が残る程度で、傷は間違い無くふさがっている。
サングラスを外して案外童顔気味な顔を僅かに苦笑の形にする。
「んー、そうだな。悪いと思ってんならジュースでも奢ってくれや。
それでチャラってことで。……あと、煙草おーけー?」
それでも気になると言うのなら、ジュース程度で十分だと語り。
指に挟むシガリロを軽く振り、煙草は大丈夫かと問いかける。
愛煙家としてはマナーをある程度護るのが主義だった。
- 517 :ヴァージニア:2012/07/08(日) 00:05:25 ID:y80AxkFw0
- >>516
「だってただの人間なのに……」
自分とは違い再生能力が無いのに、既に傷が癒えている良方を見て驚く。
この都市の医療技術は素晴らしいものだ。
「ジュースあったかな……煙草はだいじょうぶ」
紙袋の中からごそごそと漁って、血詰めの瓶を取り出す。
トマトジュースに見えなくもないが…
そのどう考えても危ない液体を、良方の方へ差し出す。
- 518 :東西南北 良方 ◆NSEW/xeQlk:2012/07/08(日) 00:14:55 ID:7gFzKdaU0
- >>517
「あぁ……、『ただの』って言うと語弊が有るかもしんねぇなぁ。
絶賛遺伝子操作な試験管ベイビーなハイパー能力者が良方さんだからさ。
あとはアイリスにちょいちょいと術式とか使って直してもらったのもあるんだけど」
シャツを元に戻しつつ、自分の右目を見せる。
右目にはぐるぐると渦を巻く邪気と、複数の異能の気配が入り交じっている。
どことなく自然ではない、〝不自然〟さ。言い換えれば人工的な気配。
「血はなぁ。抜かれるのは慣れてるんだけど、飲むのは慣れてねぇんだわ。
つー訳で、ちょいとカフェにでも洒落込みませんかい、お嬢さん?」
苦笑を浮かべつつ、受け取った瓶を戻す。
血を主食とするつもりは今のところは無い。
そもそも人間には血の催吐性も有って飲めばゲロを吐くのは間違いなかった。
ふと、そういえば近くにAGカフェが有ったと思い至り。
ヴァージニアをAGカフェに誘うこととした。
/*アイリスさんにも因るんですが、このままβに移動してAGカフェはいかがでせうか*/
- 519 :アイリス:2012/07/09(月) 22:24:09 ID:do5XJmGE0
- 【AGカフェ】
アイリスは、ここAGカフェに足繁く足を運ぶ
様々な理由が挙げられるが、大きな要因としては、人との待ち合わせや話し合いに使えるからだろう。
それに美味の食事も提供されることもある。
なんだかんだで、喧騒が落ち着くのかもしれない。
と頭の中で思考のリソースを割きつつ、アイリスは今日も術式を創りあげていく。
どれもこれも、一夜城――対闇祓騎士団のものだ。
「少数精鋭とは聞こえが良いけれど、もっとフットワークの軽いものが必要かもしれない。
それに彼等と対抗できる者がいると心強いか。出来れば、戦闘経験者であれば、なおよし、ではある。」
アイリスの小言は続く。
小言はツラツラと紡がれていくが、術式の作成の手も止まることは無い。
今は多くの者に、自分達の存在を示し、更に協力を約束してくれた者達にもひと通りの説明が必要だろう。
また、此処が戦場になる可能性もある。
それも含め、様々な人物と会い、話す必要が出てくる。
「会っておく人数は……大凡七人か…。」
その中で此処にきそうな者は5人ほど。
できるだけ手を回しておきたいのが本音だ。
- 520 :栖狩ビィ:2012/07/13(金) 22:40:37 ID:sGP6umW60
- 「ぁ……」
気がついたときには既に手遅れ。
周りの景色に見覚えはないし、道筋に印なんか付けていない。
忙しなく動いていた翅は少女の不安を表すかの如く勢いを落としていくと、数秒後には地面にペタリと足を付いた。
黄色のスカーフをフワリと揺らし、背後を見てもそこは闇。
今通ってきた場所のはずなのに不安と恐怖しか見えなかった。
街灯の明かり。
何処となく光の側という物は落ち着く。
そう言えば無意識にこの光を追ってきていた。
「んぅ……」
迷子。どうしようもない事実だった。
- 521 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/13(金) 23:27:41 ID:trmDr2BE0
- >>520
「…ん?そこにだれかいるのかなの?」
【突然後ろの方から少女の声が聞こえてくる】
「どーしたの?ここになにかようあるかなの?」
【声から判断してかなりの少女であるようだ…】
- 522 :栖狩ビィ:2012/07/13(金) 23:43:35 ID:sGP6umW60
- >>521
「……ぁ」
音を頼りに向き直る。
同じ年代の少女。安心感が湧き上がり、それは緩い表情にも現れる。
ディスをガラス玉の様な透き通る瞳が眺めた後、首は横に。
「ビィ、無い」
- 523 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/13(金) 23:56:13 ID:trmDr2BE0
- >>522
「そっかなの、じゃあ…
まいごになっちゃったのかなの?」
【そう言ってディスも同じく綺麗な目をビィに向ける】
「もうちょっとひとがいっぱいいるところにいこっかなの?」
【全身に包帯を巻いた群青の髪の少女は、そう言って近寄っていく】
- 524 :栖狩ビィ:2012/07/14(土) 00:13:24 ID:sGP6umW60
- >>523
周囲をもう一度眺めてから力無く頷いた。
黄色のスカーフを巻いた首うなだれてしまう。
「ビィ、行く」
少女の服装は全体的にタイトで、ピッチリとした服を着ていた。
上半身には黒のシャツに、その上から黄色の薄手の物を羽織っていた。
黄色の上着のの背部は膝丈までのロングで、裾は燕尾服の様な切れ目を持つ一方、
前は腰までの作りとなっていて、タイトな黒の七分パンツとの隙間からは臍を露出させていた。
何よりも特徴的なのは背中だろう。
シャツと上着、共に肩から大きな切れ目が入っており、そこから薄く透明な翅が同じく膝ほどまでのびていた。
- 525 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/14(土) 00:37:09 ID:trmDr2BE0
- >>524
「あうー、そっかなの、じゃああっちがいいかなの。
あっちはごはんのにおいがいっぱいするからなの!」
【そう言ってディスは指さした方向へ向けて歩き出した】
「えーっと『びぃ』でいいねなの。
それじゃいこなの!」
- 526 :栖狩ビィ:2012/07/14(土) 11:36:08 ID:sGP6umW60
- >>525
「……?」
ディスの指した方を見て首を傾げる。
鼻を利かせるつもりで嗅いでみても、ご飯の匂いと言う奴は一切しない。
だがこの少女には解るらしく、ここで燻ぶるよりはマシかと後をついて行くことにした。
「ビィ、解った」
暫くディスの斜め後ろをキープして歩いていたのだが、少し足を早め横並びになるとディスの袖を引く。
「人、名前?」
ガラス玉の瞳は透き通るばかりで色を余り移しては居なかった。
ボソボソと小さく、音調がほぼ一定に揃えられた声で訪ねた。
- 527 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/14(土) 11:54:21 ID:trmDr2BE0
- >>526
「うん、そうしよなの。」
【袖にくっついていたビィを見て微笑み返した】
「そうなの、『びぃ』ってよんでるの、
おなまえじゃないかなの?」
【そう言って動きをあわせて歩き出した】
- 528 :栖狩ビィ:2012/07/14(土) 12:12:06 ID:sGP6umW60
- >>527
「ビィ、名前」
こくこくと頷きながらそれで正しいと示す。
頭上から伸びる二本の何かが揺れる。
先端がわずかな膨らみを帯びている。髪では無さそうだが……?
「人、名前?」
ディスを眺めながら答える。
瞳は丁度通りかかった街灯の光が写り込み、より強い光を持った。
- 529 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/14(土) 12:24:10 ID:trmDr2BE0
- >>528
「そうなの、たぶんそれがおなまえなの〜」
【そう言って頷いた】
「あうー、『でぃす』のおなまえは『でぃす』なの〜。
よろしくねなの」
【そう言って自分を指さして答える】
「あうー。なにかなの?それはなの」
【伸びている二本の毛?のようなものに興味を示し、じっと見つめ始めた】
- 530 :栖狩ビィ:2012/07/14(土) 12:39:50 ID:sGP6umW60
- >>529
「ディス、名前?」
ディスが答えると何処か安心したように表情を緩める。
「ディス、よろしく」
「……?」
指さした先にある二本の何か。
目線を上に向け、頭上のそれに意識を向けたのだろう。
ふわふわと揺れ始めたそれは少女の意志で動く様だった。
「ビィ、しょっかく」
- 531 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/14(土) 13:25:45 ID:trmDr2BE0
- >>530
「そう、それでいいなの」
【ニッコリ微笑んでいる】
「しょっかく?もしかして、
おもったとおりにうごいたりするのかなの?」
【そう言って軽く触れようとしている】
- 532 :栖狩ビィ:2012/07/14(土) 13:46:56 ID:sGP6umW60
- >>531
「ビィ、解った」
大きく頷いて答える。
「ビィ、蜂さん」
触覚をふわふわと動かしながら。
光を取り込んで明るみを帯びるガラス玉の様な瞳も、よく見れば虫特有の複眼と呼ばれる物だ。
- 533 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/14(土) 14:12:37 ID:trmDr2BE0
- >>532
「あうー、なるほどなの!
はちさんなの!おっきいはちさんなんだねなの〜」
【割と普通にディスは納得している】
「じゃあ、どのあたりにすんでるのかなの?
きになるなの〜」
【そう言ってディスが進んでいく先は、人通りの比較的多いとおりである】
- 534 :栖狩ビィ:2012/07/14(土) 14:34:19 ID:sGP6umW60
- >>533
すんなりと受け入れたディスに僅かな驚きを持ちつつ大きく二度頷いた。
少女は人型の何かと言うよりかはほぼ人そのもの。
顔も普通で服も着ているし、乏しい物の表情もあるようだ。
触覚や複眼も特徴的だが注視しなければ解りにくく、彼女を人でないと捉えるには乏しいポイント。
唯一、背中から伸びる翅だけが人でないと言うサインになるだろう。
「家、あっち」
異能都市と海を跨いだ場所にある機械都市からやってきた少女。
現在は同じ仲間と住宅街に一軒家を借りて同居中。
周囲を見渡すと見覚えのある風景が広がってきた。
家への道筋を指差し、ディスに示して見せた。
- 535 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/14(土) 15:03:05 ID:trmDr2BE0
- >>534
「あうー、いろんなひといるんだなの〜」
【どうやらディスは普通に感心しているようであった】
「あうー、あそこにおうちあるんだねなの」
【そう言ってジーっと住宅街の中へ入っていった】
「あうー、おっきいおうちなのかなの〜」
【そう言ってビィの家を見つめて言う】
- 536 :栖狩ビィ:2012/07/14(土) 15:14:20 ID:sGP6umW60
- >>535
足を進めるディスについて行き、住宅街へ。
僅かに追い越し先行していく。ディスが道を間違わないようにしているようだ。
「家、こっち」
家が建ち並ぶ場所なだけにそれなりの賑やかさを持っている。
近くには大きくない物の公園もあり、子どもが遊んでいるのが見える。
さらに少し進むと立ち止まる。外見は至って普通の家だ。
「家、ここ」
- 537 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/14(土) 15:40:34 ID:trmDr2BE0
- >>536
「あうー、ここがおうちなのねなのー。
…みつかってよかったねなの!」
【笑顔になって家を見つめる】
「ここにすんでるんだねなのー。」
- 538 :栖狩ビィ:2012/07/14(土) 15:52:07 ID:sGP6umW60
- >>537
コクリと大きく頷くと薄らと笑顔を浮かべた。
「ディス、ありがとう」
家に向かっていき二度チャイムを鳴らす。
家の中からドアに駆け寄ってくる音が聞こえ、それが止むと扉が開いた。
出てきたのは水色のワンピース一枚を着た女性。ディスと何度か顔を合わせた事のある川平だった。
「川平、ただいま」
『ビィ、お帰りなさい……あら、ディスちゃんじゃないですか、どうしたんです?』
黄色の少女を抱き締めると抱え上げ、頬擦りする。
ふと視線をそらすと側にディスを見つけ、ビィとディスを交互に眺め不思議そうな顔をした。
- 539 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/14(土) 16:00:08 ID:trmDr2BE0
- >>538
「こちらこそなの〜。
やくにたててうれしいなの!」
【そう言って笑いかけた】
「あう、こんにちはなの〜。
…あう?もしかして『かわひら』なのかなの?」
【意外な知ってる人物の登場にディスも目を丸くしている】
- 540 :栖狩ビィ&川平:2012/07/14(土) 16:15:51 ID:sGP6umW60
- >>539
『えっと、そうだけど』
普段とは違い、ラフな格好をしている為印象は違って見えるだろう。
髪は整えられずに僅かに跳ねを見せており、身に付けた衣服もだらしない。
大方、家の中でだらけにだらけていたのだろう……。
『二人って……』
面識あったかな。
そう思いつつまた二人を交互にみる。
『まぉ、折角来たんですから、おやつでも食べますか?』
別に問題はないか。と、悩む表情を吹き飛ばし、にっこりと笑みを浮かべながら。
- 541 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/14(土) 16:21:01 ID:trmDr2BE0
- >>540
「あうー、ひさしぶりなの〜。
もしかして『びぃ』のかぞくだったなの〜?」
【不思議そうな顔でビィに顔を向けた】
「まいごになってたからここまでつれてきたんだよなの!
…おやつ?」
【その言葉に一瞬目の色が変わる】
「もちろんなの!たべるなの!」
【そして笑顔で即答した】
- 542 :栖狩ビィ&川平:2012/07/14(土) 16:33:45 ID:sGP6umW60
- >>541
『家族の様な物ですよ』
フフッ。と笑いビィの頭を撫でる。
それに嬉しげに応える黄色の少女。
『あがって待ってて下さい、直ぐ準備しますからね』
ビィを下ろすとディスに手招きしつつ自身は家の中へ。
ビィがディスを待ち、リビングに通すだろう。
部屋の中央には大きなテーブルがあり、四方向にあわせて五つの椅子がある。
椅子が二つおかれた側の一つに座り、その隣にディスを招いた。
- 543 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/14(土) 16:37:15 ID:trmDr2BE0
- >>542
「そっかなの、
なんかにてるかもなの〜」
【そう言って軽く笑った】
「わかったの、おじゃましますなの〜」
【そう言ってディスはゆっくりと玄関から上がっていった】
「なんかたのしみなの〜」
【そう言って頷いた】
- 544 :栖狩ビィ&川平:2012/07/14(土) 16:50:57 ID:sGP6umW60
- >>543
席に着くと間もなく川平がトレイにお皿を二つ乗せてやってきた。
その皿を二人の前に並べる。大きなホットケーキが二枚だ。
『蜂蜜とチョコソース、好きな方を使ってくださいね』
その二つを差し出しながら優しげな笑みを浮かべる川平。
ビィは蜂蜜を受け取るとホットケーキに大量にかけていく……。
- 545 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/14(土) 17:20:56 ID:trmDr2BE0
- >>544
「あうー、おいしそなの〜!」
【ディスはその大きなホットケーキを見つめて嬉しそうに微笑んだ】
「じゃあ『でぃす』はこっちかなの!」
【そう言ってディスはチョコソースをホットケーキにかけていく】
「いいにおいなの〜」
- 546 :栖狩ビィ&川平:2012/07/14(土) 17:34:56 ID:sGP6umW60
- >>545
『ゆっくり食べてくださいね』
二人の向かいのイスに座ると微笑んで眺める。
『アミルが入れば遊び相手になるのでしょうが……』
「……?」
『遊びに行ったんですよ。朝から』
蜂蜜の海からホットケーキをフォークで引き揚げながら不思議そうな視線を向けるビィ。
それに気付いた川平はアミルが不在の理由を告げた。
どうやらこの家にはアミルも一緒に住んでいるらしい。
- 547 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/14(土) 17:40:03 ID:trmDr2BE0
- >>546
「あうー、なるべくそーするの!」
【ニッコリ笑いながら答える】
「いただきますなの〜!」
【そう言ってフォークで器用に分けながらホットケーキを口に運んだ】
「もぐもぐもぐ……うー、あまくておいしいの!
すごくおいしいなの!」
【とても嬉しそうな顔で返す】
「あう?『あみる』もここにいるなの?
しらなかったなの〜」
【驚いた顔で答える】
- 548 :栖狩ビィ&川平:2012/07/14(土) 17:56:45 ID:sGP6umW60
- >>547
『そう言われると嬉しくなります』
笑みを一層強め、ディスに視線を向ける。
『ええ、アミルも一緒ですよ。
レラ様も本当は一緒なんですが……今はちょっと』
そう苦みを混ぜつつディスに視線を向けた。
アミルや川平、それにビィも居る。ディスは知らないがまだ一人。
この大人数での共同生活はレラに取っては苦しくてたまら無いのだろう。
- 549 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/14(土) 17:58:31 ID:trmDr2BE0
- >>548
「まいにちたべたくなるかもしれないなの」
【そう言ってホットケーキをドンドン食べていく】
「そっかなの〜。
ほんとにかぞくなんだねなの〜。」
【何処か羨ましそうな表情を見せる】
「『れら』はあんまりいないなの?」
- 550 :栖狩ビィ&川平:2012/07/14(土) 18:24:25 ID:sGP6umW60
- >>549
『簡単な物なのにそこまで褒めて下さるなんて……うれしい限りです。
毎日ホットケーキもアレですけど、これぐらいならばお出しできますよ』
ビィが川平に一切れ差し出した。
ビィに向かって微笑むと、フォークをくわえて一口食べる。
『甘いです……』
蜂蜜浸けの川平には甘過ぎたらしく、少々苦しそう。
戻ってきたフォークでもう一切れ分切り分けるとそれをディスに向ける。
「ディス、食べる」
切り分けられたらホットケーキからは蜂蜜が滴り落ちている……相当甘そうだ。
『ええ……本来はレラ様の家なのですけど、余り居たくないようで』
レラの事を良く知った川平故に、こう行ったことも解るのだろう。
「ビィ、寂しい」
『ですね……』
本人は寂しく思うようだが。
- 551 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/14(土) 18:32:41 ID:trmDr2BE0
- >>550
「あうー、かんたんなのでも
とってもおいしいからだいすきなの!」
【大きく頷き返した】
「んー、たべさせてもらってるの〜。」
【何故か楽しそうに言う】
「あうー?『でぃす』もなの?
わかったの!いただきますなの〜!」
【そう言って頷くとためらいなくホットケーキを食べた】
「ん〜?んー。あまいなの〜。」
【美味しい、と思ったかどうかは不明だがあまり抵抗は無さそうに食べた】
「あうー。『れら』のおうちだったなの?
みんなといっしょのほうがたのしいとおもうんだけどなの…」
【残念そうな顔で答える】
- 552 :栖狩ビィ&川平:2012/07/14(土) 18:48:03 ID:sGP6umW60
- >>551
『ディスも覚えればこれくらい簡単ですよ』
焼くだけですし。と付け加えて笑みを浮かべる。
ディスが食べたのを見て、嬉しそう。
ビィはこの蜂蜜漬けのが大好きなようだ。
『そうですね……まぁ、レラ様は変わった人ですから』
クスリと笑いつつ楽しそうに。そんなのでいいのか。
『今は居ないだけで、直ぐに戻って来ますよ』
- 553 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/14(土) 18:53:14 ID:trmDr2BE0
- >>552
「あうー、またおぼえたいことがふえたの〜」
【そう言ってディスは嬉しそうに微笑んだ】
「はちみつもおいしいねなの〜」
【はちみつまみれのホットケーキを見つめながら言う】
「そっかなの〜。
かえってくるならだいじょぶなの。
しんぱいすることないねなの〜」
【安堵したかのように答える】
- 554 :栖狩ビィ&川平:2012/07/14(土) 19:20:41 ID:sGP6umW60
- >>553
『自分で作るものなら自由に作れますしね』
川平も料理は決して得意ではない。
故のホットケーキで、本人はもう少し上手くなりたいらしい。
「ビィ、好き」
ホットケーキを縁に寄せ、蜂蜜をごと飲むように口に運んだ。
最早ホットケーキと蜂蜜、どちらがメインなのか見間違えそうである……。
それご最後の一口で、食べ終えると口元を拭いて椅子を降り、川平の元へ。
『偶に、ですけどね。
あ、街でレラ様を見つけたら帰ってくるように声をかけておいてくれませんか?
ビィも寂しがってますし……勿論、私もてすけどね』
- 555 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/14(土) 19:32:42 ID:trmDr2BE0
- >>554
「そうだねなの、
そしたらたべてもらえるかもしれないもんねなの〜」
【そう言って嬉しそうな顔になる。どうやら誰かのことを考えているようだ】
「『でぃす』もすきかもしれないの〜」
【そう言うとディスの方のホットケーキも口の中に完全に消えていった】
「あう、もちろんなの〜。
みんなさみしがってるならほっとくわけにはいかないかなの」
【胸を張って答えた】
- 556 :栖狩ビィ&川平:2012/07/14(土) 19:37:18 ID:sGP6umW60
- >>555
『食べさせたい人でも居るんですかー?』
お皿を下げる途中でディスの顔を眺める。
その純粋な笑顔にこちらも笑みを向けてからキッチンに消えていく。
『ええ、お願いしますね。
優しいディスちゃんにはプレゼントですよ』
キッチンから帰ってきた川平の手にはトレイの代わりに飴玉があった。
しゃがみ、ディスと目線をあわせてから頭をなでると飴玉を握らせた。
- 557 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/14(土) 19:50:00 ID:trmDr2BE0
- >>556
「ん、そうなの。
いっしょにすんでるから、たまにはなにかつくってあげたいっておもうなの」
【そう言って頷いた。】
「あう、わかったの…」
【どうやら撫でられるのが好きらしい。頭をなでられ、嬉しそうだ】
「あう、これもらっていいなの?
すごくうれしいなの!」
【大きく頷きながら言った】
- 558 :栖狩ビィ&川平:2012/07/14(土) 20:19:11 ID:sGP6umW60
- >>557
『日頃のお礼って奴ですね……いいですね、そう言うの』
ディスを眺め、やさしく頭を撫でる。
『あげますよ、食べてくださいね。
何時でも遊びに来てくださいね。アミルやビィも喜びます』
そばに寄ってきたビィの頭も撫でる。
- 559 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/14(土) 20:23:38 ID:trmDr2BE0
- >>558
「そうなの、
たまにはおんがえししないとだからなの」
【微笑みながら言う】
「うん、ゆっくりたべるからねなの。
もちろんあそびにいったりするの!
『れら』にもあいたいからねなの!」
【同意するように頷くと】
「じゃあ、そろそろかえるねなの!
このあめさん、おうちでいっしょにたべるからなの〜!」
【そう言うと、嬉しそうに飴玉を持ちながら出口の方へ向かっていく】
「ありがとうございましたなの〜!」
【そして玄関で改めて大きく頭を下げて挨拶し、家から立ち去っていった】
//長々とありがとうございました!
- 560 :神無 鏡華:2012/07/15(日) 21:20:33 ID:dL8H4NjE0
- とある広場。
「……ふむ」
鎌を斜めに振り降ろす。
夜の闇を吸い込むように、虚空を斬り裂きながら黒い跡が空中に描かれる。
すべての死神が必ず所持している鎌。一つ一つ効果は違えど、その外見と役割は共通している。
即ち、生者を死へ誘い、死者をまた新たな生へ誘うことだ。
死神と鎌は切っても切れない関係にあり、死神にとっては鎌を所持していることこそが
自分の存在の証明につながっていると言っても過言ではない。
もっともそれは種族の死神だけのことなので、一慨には言えないのだが……
「はあ……」
鏡華にしては珍しく深いため息をつく。
その間にも鎌を振り上げたり真横に凪いだりと、その動作をやめることはない。
箱庭ならともかく、一般人もいる広場なので、結構危ない。
- 561 :高向谷 司朗:2012/07/15(日) 22:20:03 ID:NntjvIzM0
- >>560
「いい湯だったァー」
司朗はバスタオルを首にかけて、
小脇に洗面器を抱えて歩いていた。
「……少し疲れたな、昼間の特訓のせいかな」
ため息をつきながら、司朗は広場に入った。
少し休もうと思って、ベンチと自販機を探す。
「ん……?」
その目で神無を見つけた。
「危ないなあ、箱庭でやればいいのに」
- 562 :神無 鏡華:2012/07/15(日) 22:35:13 ID:dL8H4NjE0
- >>561
「ん……?」
司郎の声に気づき、鎌を振る手を止める。
そして肩に鎌を担いでから司郎へと向きなおる。
「キミか、久しぶりだね」
少し暗かった表情を隠すように、怪しげな微笑を浮かべる。
が、その表情にはやはりどこか悲しさのようなものが残っていた。
「箱庭を使わないのは単なる気分さ、好戦的な奴とでくわして模擬戦やることになるのも嫌だしね。」
「今はあんまりそういう気分じゃないんだ」
そこまで言って、少し間をおいてから、
「で、キミは何でここに?」
- 563 :高向谷 司朗:2012/07/15(日) 22:45:21 ID:NntjvIzM0
- >>562
「向こうの銭湯に行ってて。
……いや、実家に風呂はあるんだけど、
たまには金払ってでもでかい湯船に入りたくてさ」
そう言って、近くの銭湯の方角を指差した。
「まあ、この時間帯は殆ど人は居ないけどね」
周囲を見渡しながら言った。
「おっ、自販機……。
汗掻いてない?なんかいる?おごるよ」
- 564 :神無 鏡華:2012/07/15(日) 22:59:57 ID:dL8H4NjE0
- >>563
「銭湯ね……ボクはあんまりそういうのには興味ないな」
「もちろん体が汚れれば洗うけど、それ以上のことに意味を見いだせない」
軽く自分の体を眺める。
軽く汗をかいてはいるが、気になるほどではない。
結構そういったことにはルーズなのであった。
「風呂に一度入るとなかなかでてこない知り合いはいたけど、やっぱりよくわからないな」
ぼそっとつぶやく。
「無糖のコーヒーがあったらそれで」
断る理由もないので、遠慮無く司郎の言葉に甘えることにした。
- 565 :高向谷 司朗:2012/07/15(日) 23:09:42 ID:NntjvIzM0
- >>564
「あいよ」
司朗は自販機で、コーヒーを買う。
自分はカフェオレだ。
「はい。
まあ、風呂は個人の好みの違いだけど……。」
無糖コーヒーを手渡しながら言った。
「で、それはただの素振り?」
肩に担いだ鎌を指差しながら言った。
- 566 :神無 鏡華:2012/07/15(日) 23:20:49 ID:dL8H4NjE0
- >>565
「ありがとう」
司郎からコーヒーを受け取り、プルタブを開ける。
「たまには触って感覚をわすれないようにしないとだからね」
「いくら魔術を主軸にして戦ってるとはいえ、鎌が使えなくなるなんてことがあっちゃいけない」
担いだ鎌を肩から降ろし、司郎に見えるようにする。
鏡華の持つ鎌は、司郎と面識のあるとある少女が持っている鎌と全く同じ外見だ。
既視感くらいはあるかもしれない。
- 567 :高向谷 司朗:2012/07/15(日) 23:38:46 ID:NntjvIzM0
- >>566
「そうか……なんで?」
司朗は首をかしげた。
「妙な理由でもあんのかね。
前も持ってたけど」
鎌を見ながら言った。
少女とは面識があっても、少女のことは一切合財知らない。
//過去ログで鎌のシーン探してたらレス遅くなったお…さーせん
- 568 :神無 鏡華:2012/07/15(日) 23:58:18 ID:dL8H4NjE0
- >>567
「ボクたちにとってこれは自分の存在意義みたいなものなんだよ」
「これがないと自分が存在している意味すらないといっても過言じゃない」
漆黒の刀身を眺めながら言う。
「とにかく、ものすごく大事なものってことさ」
- 569 :高向谷 司朗:2012/07/16(月) 00:02:47 ID:NntjvIzM0
- >>568
「なら、狙うときはそいつをぶっ壊せばいいんだな……」
頷きながら言った。
物騒である。
「まあ、簡単に出来るとは思わないけどよ」
ため息をつく。
そして、残っていたカフェオレを一気に飲んだ。
- 570 :神無 鏡華:2012/07/16(月) 00:16:52 ID:dL8H4NjE0
- >>569
「壊せるなら、ね。
もし壊せたら破壊不可の鎌を壊す危険因子としてボクたちの全勢力をもって潰しにいくと思うよ」
冗談めかしていうものの、その顔はかなり本気だった。
下手なことはしない方が賢明だろう。
「……少し、質問していいかい?」
不意に、鏡華がそんなことを口にする。
視線を鎌に向け、真剣そのもの表情で問いかける鏡華には、どこかいつもと違う雰囲気があった。
- 571 :高向谷 司朗:2012/07/16(月) 00:23:19 ID:NntjvIzM0
- >>570
「自分の実力はわかってるつもりだよ。
出来るようになってから実行する」
つまり、出来ないやらない。
裏を返せば、その内狙うかも、という意味も含んでいるかもしれない。
「質問?なんじえ」
司朗はふざけたような口調で、
表情は頭の上に疑問符を幻視するほど本気の悩み顔。
別に馬鹿にしているわけでは無いのだが。
- 572 :神無 鏡華:2012/07/16(月) 00:31:30 ID:dL8H4NjE0
- >>571
「……ほどほどにしておきなよ」
一応念をさしておく。
あり得ないとは思うが、万一のことがあってはならない。
「そこまで不思議そうな顔をしなくてもいいだろう……まあいい」
呆れ気味にそういってから少し間をおいて、
「見知らぬ人間百人の命と自分の一番大切な人一人の命、キミにとって大切なのはどっちだい?」
- 573 :高向谷 司朗:2012/07/16(月) 00:42:00 ID:NntjvIzM0
- >>572
「ありがちな質問だなあ……。
そんなこと、その時にならなきゃわかんないよ。
俺結構優柔不断だから、時と場合による、としか」
司朗はいとも簡単に回答を放棄した。
司朗は今まで異能を持たずに暮らしており、修羅場、地獄の類を経験したことが無い。
本気で悩んだことの無い人間が、答えられるわけが無いのだ。
「ただ、大切な人が"俺のことはいいから皆を!"
とか言ったら俺は百人の側を取るね。
当人の意思を尊重する形で」
一応、本気の回答である。
- 574 :神無 鏡華:2012/07/16(月) 00:51:17 ID:dL8H4NjE0
- >>573
「まあ、そうなんだろうね」
実際にそんな状況になることなどないに等しい。
それなのにちゃんとした自分の回答を用意しろという方が無理な話だ。
「……うん、わかった。答えてくれてありがとう」
手に持った鎌を首飾りの状態に戻す。
何か鏡華なりに思うところはあったようだ。
「それじゃあ、ボクはこれで」
コーヒーが入っていた空き缶をごみ箱に投げ入れ、司郎に背を向ける。
- 575 :高向谷 司朗:2012/07/16(月) 00:56:17 ID:NntjvIzM0
- >>574
「まあ、あわよくば選択する側じゃなくて、
俺のことはいいから〜って言える人間になりたいけどね。
そっちの方がカッコいいじゃん?」
かっこよさのために、自分を犠牲にするのだろうか。
余りにも軽すぎるが、その単純さは同時に司朗の強みでもある。
「そんじゃねー。
……って言うかどういう意図だったんだ、あの質問。
ああいう答えでよかったのか?」
司朗もまた、空き缶をゴミ箱に捨てるのだった。
- 576 :黒沢小百合:2012/07/20(金) 22:58:00 ID:SSMHlh/20
- 今日の小百合は、珍しくも今日一日、どこぞの企業や組織との会合予定も無く、
これといって重大な事件も発生しなかったため、仕事を早めに切り上げ
夕方から中心部の超巨大ショッピングモールをぶらぶらと見てまわっていた。
「ふぅ、私事とはいえこれほど物を買い込むなら
誰か荷物もちでも連れて来ればよかったかな。」
そうした状況に気と、財布の紐が緩んだのか
小百合は久々に宝石や服、化粧品などを買い込み、
カートには紙袋が5つ6つも入っている。
(久々に、色々買ったな……。
使う機会なんて、私にはありはしないかもしれないのに。)
さすがに歩き疲れた小百合は、フードコートの片隅。
都市の通りを窓から眺めることのできる席に座り、コーヒーで一息つくのだった。
- 577 :アドルフ&タリスマン:2012/07/20(金) 23:36:11 ID:IrsgDsYs0
- >>576
「お隣、よろしいですか?」
茶髪に古いセンスの服をきた、14歳ほどの少年。
何故か二人いて、外見に寸分の差もない。
しかし片方はハンバーガーのトレイを、もう片方は2〜3の買い物袋をそれぞれ持っている。
トレイを持っている方が、小百合にそう問うた。
- 578 :黒沢小百合:2012/07/20(金) 23:40:47 ID:SSMHlh/20
- >>577
「どうぞ。」
小百合は二人をさっと一瞥し、
その問いに答えた。しかし小百合は元来、人を信用しない性質であり
私的な交友をあまり持ちたがらない。
カートをそれと分からないように、二人組みの子供と自分の間に寄せ
不完全ながらも壁のようにした。
- 579 :アドルフ&タリスマン:2012/07/20(金) 23:56:59 ID:IrsgDsYs0
- >>578
「ありがとうございます、」
軽い音をたててトレイを置いた後、食事を始める。
『マスター、あのカートは…』
「ん、タリスマン、どうかしたのか?(もぐもぐ」
『いえ、何でもありません。』
タリスマンと呼ばれた方が荷物を置き、小百合に近づく。
『私はアンドロイドのタリスマン、彼はアドルフです。
しがないスポーツショップ兼研究所をやっています。』
一礼した後、小百合に名刺を差し出す。
なかなか手の込んだホログラムがついており、アドルフとガラス張りの店のミニチュアがそこにあるかのようである。
- 580 :黒沢小百合:2012/07/21(土) 00:17:43 ID:SSMHlh/20
- >>579
(ははあ、なるほど。
この私に近づいておきたいという事か……。)
小百合は、差し出された名刺に鼻を鳴らしたが、
一応の礼儀として受け取り、名刺入れに仕舞う。
名前が売れており、尚且つ資産家として知られる小百合の下には、
時折、資金の融資願いや売れない芸術家や研究者などがパトロンになってくれと
頼み込みに来る事がある。
「それで、この私に一体何か……?
名刺を渡すという事は、何か用件があるのでしょう?」
そうした類の人種だと判断した小百合は、
あえてこちらからは名刺を渡さずその返答を待つことで、
タリスマンと名乗る目の前の子供がどうでるか反応を見ることにした。
- 581 :アドルフ&タリスマン:2012/07/21(土) 00:46:04 ID:IrsgDsYs0
- >>580
『いえそれが…
特になにもないんです。』
アドルフはここに来て日が浅いため、小百合がどのような人物かとんと把握していない。
況やタリスマンをや………と言うわけでもないようだ。
資金力は、VSS(//裏設定>353)を自力で建造し、かつ不自由なく研究に打ち込めるほどにはある。
『あるとすれば…いえ、お願いですね。
マスターはあの年ですが、一つの国から恨みを買っていまして。』
当のアドルフは、我関せずとばかりに食事中である。
大した問題と考えていないためだ。
『どうか、マスターに危害を加えないでほしいのです。
ただの人間ならマスターは負けることはありませんが、異能者に襲われた経験というのが全く無いので、もしかしたら…という事態も考えられるのです。』
お願いします、と。
深々と頭を下げた。
- 582 :黒沢小百合:2012/07/21(土) 01:13:48 ID:SSMHlh/20
- >>581
「……そんな事は私の預かり知る所ではない。
あなた達が犯罪者であるなら別ですが。」
いきなり何かと思いきや、危害を加えるな、とはどういうことか。
この私が、他人に見境無く襲い掛かる人種に見えるとでも言うのか、と
小百合は苦々しげに顔をしかめた。
「それとも、この街の治安維持に当たるこの私に向けて
わざわざそういう発言をするという事は、なにか後ろめたい事がおありか。」
- 583 :タリスマン:2012/07/21(土) 01:35:24 ID:IrsgDsYs0
- >>582
『勝手に軍をやめましたから…犯罪者と言えば犯罪者です。』
自らの意志で軍に入ったわけではないのだが、向こうからすればそんなことは関係ないのだろう。
新聞の切り抜き(//情報207)を渡し、話を続ける。
『こういうわけで、いつの間にかマスターが賞金首になってしまったのです。』
そのアドルフは、タリスマンが目を離した隙にどこかに行ってしまったようだ。
そんなことは露知らず。
『誰がいつ襲ってくるや分からない状況になってしまったので、力のある貴方にお願いしているのです。』
- 584 :黒沢小百合:2012/07/21(土) 01:52:24 ID:SSMHlh/20
- >>583
「…………。」
(ソレ見たことか、やはり『お願い』がやってきた。
まったく、他所のいざこざを誰彼持ち込まれては困る。)
例の新聞紙の切り抜き曰く、依頼主は公的な機関である。
小百合は立場上、捕縛の義務があり無下に断ってヘタに問題を起こすわけにもいかないのだ。
「貴方たちはよほど頭が回らないと見える。
いいですか、貴方が愚かにもお願いをしているのは
貴方たちを追う立場にある人間であるのですよ。逃げ延びたいなら、
おとなしく地下にでも潜伏すべきであったのに。」
小百合は半ば恫喝を込め、視線を横に流した。
しかし、このショッピングモールでいざこざを起こすのはさすがにマズイ。
24時間営業している店も多いこの場所で仕掛けるには人が多すぎるのだ。
(……どうしたものか。やられるとは思わんが、場所がマズイ。
どうにも、脅しに乗って逃げればよし。まあ、仕掛けるならかまわんが…・・・。)
兎角、現状は様子見の体勢だが……。
- 585 :タリスマン:2012/07/21(土) 02:07:28 ID:IrsgDsYs0
- >>584
『そうですか、残念です。
それでは人混みを盾に雑踏に紛れて逃げるとしましょうか。
マスター!………?
………!!!!!!!!!!!』
ようやく気が付いたようである。
『マスター、マスター!
どこですか〜!!』
買い物袋を持ち、足早にフードコートを離れようとする。
- 586 :黒沢小百合:2012/07/21(土) 02:27:55 ID:SSMHlh/20
- >>585
この場であえて追うそぶりはみせず、
能力によって密かに具現化した、一般客を装った捜査官で
密かに追跡を試みる。
もし、気づかず途中で尾行を巻くこともしなければ
隠れ家や行動パターンを調べられてしまうだろう。
- 587 :眠いのでナレーションで失礼します。:2012/07/21(土) 02:43:15 ID:IrsgDsYs0
- >>586
タリスマンはアドルフを拾うと、アドルフの作った車でまっすぐ帰ってしまう。
しかし、その車がくせ者。
小型ガスタービンとモーターのハイブリッドというイカレた発想の車である。
町中はモーターを使っての安全運転だが、ハイウェーに乗ると一変。
ガスタービンにそのままクラッチをつなぎ、600km/hをたやすく越える馬鹿げたスピードで振り切ってしまうだろう。
追いつくことができた場合、ガラス張りのスポーツ用品店が目にはいる。
地下には彼の研究所がある。
体育館ほどの大きさのダミーと、隠し扉の奥の本物の施設。
本物の研究施設には非常に強力なセキュリティーが施してあり、進入は不可能に近い。
//すみません、眠いのです…。
//乙でした。
- 588 :名も無き異能都市住民:2012/07/21(土) 16:43:28 ID:Fu1GHthY0
-
…意味が、分からんな…
【女が公園のベンチに座っていた。】
【身長170cm程度、長い黒髪に黒目、隻眼の、片目の潰れた年の若い女である。年齢20代前半くらいであろうか。】
…「楽園」という巨大都市の詳細を調べて来い…期限は特に指定無し…
…何を、どう調べりゃいいのかしら…そもそもここが「楽園」…?
【上は黒のタンクトップ。下は動きやすそうな紺色のズボン、】
【黒いコートを袖で縛って腰に巻いていた。裾の所に銀色の幾何学模様が刺繍されている。】
…で、報酬前払いで…それがこの三振りの…
【傍に目をやる。】
…妖刀…。
【そこには、三本の日本刀。新品なのだろう。どれも真新しく、傷一つない。】
…「白百合」…
【一振りは、刃渡り4尺、鞘、鍔、柄まで純白の太刀。】
…「九十九」…
【一振りは、刃渡り3尺6寸、どこか禍々しい妖気を放つ太刀。】
…「鳳凰」…。
【一振りは、刃渡り3尺。赤色の鞘に収められた、熱を放つ太刀。】
…やれやれ…使い方もまるで分からんわ。みたところ全部普通の刀じゃないっぽいんだけど…まあ、武器のことはいいか…。
…とりあえず、「楽園」…誰がこっちの住人らしい人に聞いてみようかしら
【簡単に言うと、右も左も分からない女。】
【昔から愛用している古びた巨大な大剣を一撫で、つまり合計四振りの得物と共に、誰が来ないか待っていた。】
//新参者ですが…どなたか絡んでください
- 589 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/21(土) 18:33:11 ID:ZwBRku0I0
- >>588
【しばらくして、女性の前に一人の少女が通りかかった】
「おなかいっぱいなの〜」
【顔以外のほぼ全身に包帯を巻いた薄着の少女である】
【何かを食べた後らしい。非常に満足した表情で歩いている】
- 590 :名も無き異能都市住民:2012/07/21(土) 18:38:18 ID:Fu1GHthY0
- >>589
…
(…怪我人…?)
【まず女は相手の姿に驚いた。】
【全身の包帯。流石に顔までは巻かれていないようだが、それでも女の目を引くものだ。】
…おうい。そこの女の子、ちょ、ちょっと…
【とは言え、格好の奇抜さはどっちもどっち。あまり気にする様子もなく、】
【ベンチから立ち上がり、刀達を腰に差し直しながら相手に声をかける。】
- 591 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/21(土) 18:39:41 ID:ZwBRku0I0
- >>590
「ん?よばれたようなきがするの」
【少女は立ち止まり、声の聞こえた方向へ振り向いた】
「あう?いまよんだのって・・・そうなの?」
【そう言って女性の顔を見つめる】
- 592 :名も無き異能都市住民:2012/07/21(土) 18:42:18 ID:Fu1GHthY0
- >>591
【視線に対しては頷き返し。】
…少々、聞きたいことが…って、あんたそれ…大丈夫なの?
【腰に太刀三振り、背中に大剣を帯びてから、女は尋ねようとしたが、】
【やはりその前に相手の包帯が気になったらしい。そっちについて言葉を投げかける。】
- 593 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/21(土) 18:44:38 ID:ZwBRku0I0
- >>592
「あう?ききたいことあるの?
なんでも・・・はむりだけどきいていいよなの〜」
【初対面の割に結構親しげに話す】
「あう?これなの?
だいじょぶだいじょぶなの〜。きにしないでいいよなの」
【そう言って包帯が巻かれた右手を振り回した】
- 594 :名も無き異能都市住民:2012/07/21(土) 18:57:50 ID:Fu1GHthY0
- >>598
…ふーん…
【相手が大丈夫というのなら、大丈夫なのだろう。そう考え本題に入る】
…好都合。
…「楽園」てのはここかしら?どんなところ?
【質問。】
- 595 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/21(土) 19:05:46 ID:ZwBRku0I0
- >>594
「あうー?
そういえばここをそういうひともいるけどなの」
【不思議そうに首を傾げる】
「ここはいろーんなひとがすんでるまちなんだよなの。
ふつーのひとも ちょっとちがうひともいっぱいいっぱいすんでるところ。
なかよしのひともいっぱいなの」
【どうやら比較的簡単に説明したようである。】
- 596 :睡蓮 ◆dA/IAnjlnQ:2012/07/21(土) 19:09:37 ID:Fu1GHthY0
- >>595
…ははぁ…ここであってたみたいね…やれやれよかった。迷子になったらどうしようかと思ってたところよ。
(…ふむ…向こうと同じようなもんかしら…)
【とりあえず、目的地にはついていたため一安心。】
…んじゃ、もう一つ。ここでは「こういうもの」持ってて差し支えないかしら?
…まあ…いわゆる「剣士」って奴らね…こっちにもいる…?
【自分が特殊な存在だったらいろいろとやり辛い。】
【腰の刀を指差しながら、問いかけた。】
- 597 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/21(土) 19:14:02 ID:ZwBRku0I0
- >>596
「あうー、ここはちょっとまいごになりやすいからきをつけてねなの!」
【親指を立てて注意するかのように言う】
「あう?それはけんなの?
だいじょぶだよなの!ふだんからひとにむけなかったらなの!」
【そう言うとディスは、背中を見せてみる】
「『でぃす』ももってるからねなの!」
【・・・よく見ると装飾を施されたカタナが背中に帯で括りつけられていた】
- 598 :睡蓮 ◆dA/IAnjlnQ:2012/07/21(土) 19:17:25 ID:Fu1GHthY0
- >>597
…剣というか、刀ね。ま、同じようなもんよ。
(…なるほど…概要が微妙に分かってきたわね…いわゆる「能力者」がこっちにもいるって訳か…)
【薄く笑う。】
…あらら…へえ、あんたがそれ扱うの…
【刀を見ながら。】
- 599 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/21(土) 19:25:42 ID:ZwBRku0I0
- >>598
「あうー、ちがいわからないけど、
とりあえずもっててもだいじょうぶなものだよなの〜」
【大きく頷いて答える】
「あうー、でもまだあんまりつかえないけどなの〜」
【背が足りないらしく、上の部分がディスより高いところにある。地面で引きずらないためだろう】
- 600 :睡蓮 ◆dA/IAnjlnQ:2012/07/21(土) 19:30:05 ID:Fu1GHthY0
- >>599
…ふーん…
【思考。】
…あんた、今暇?
…よかったら私が、その刀使えるようになる練習台になってあげようか。
【模擬戦を申し込む!】
【もともと、喧嘩っ早い彼女だ。当たり前な流れといえば、当たり前である。】
- 601 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/21(土) 19:34:16 ID:ZwBRku0I0
- >>600
「あう?たしかにひまだけどなの・・・」
【そう言ってしばらく首を傾げる】
「いいよなの!とっくんってことだよねなの!」
【そう言って頷いた】
- 602 :睡蓮 ◆dA/IAnjlnQ:2012/07/21(土) 19:39:15 ID:Fu1GHthY0
- >>601
…そそ。特訓特訓。
(…しめしめ。やる気になった…新入りの刀を試すにはちょうどいいわね)
【離れて少女から距離を取る。近距離でも遠距離でもない、ちょうど中距離に立った。】
…準備ができたら言って頂戴!
(…さて、どれにしようかな…)
【腰の刀に手を伸ばす。】
- 603 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/21(土) 19:43:15 ID:ZwBRku0I0
- >>602
「あうー、ここよりもきにしないでたたかえるところあるけど、
ここでやるなの?」
【突然ディスは何かを思い出した様に答える】
【・・・見ると少女の指差す先に見慣れぬ機械のようなものが置いてある。
転送装置に見えなくもない】
「『でぃす』はどっちでもだいじょぶだけどなの!」
- 604 :睡蓮 ◆dA/IAnjlnQ:2012/07/21(土) 19:47:57 ID:Fu1GHthY0
- >>603
…あ、あ?
【ずっこけそうになる。】
…何じゃそりゃ…?ここじゃダメなの?
【転送装置を見、】
…い、いやいや。確かに…郷に入っては郷に従え、って言うしね…
…よし、任せるわ。あんたの好きにして頂戴。
【中の人共々来たばかりの女。】
【相手のいう通りに動くだろう。】
【転送装置に乗れと言ったら乗るし、ここでやれと言ったらここで戦うはずだ。】
- 605 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/21(土) 19:50:34 ID:ZwBRku0I0
- >>604
「あうー、あっちのをつかったらけがでもだいじょぶなばしょにいけるんだよなの」
【そう言って転送装置を操作し始めるディス】
「だからとっくんにいいばしょなんだよなの!
とりあえずいくよなの〜」
【そう言ってディスがボタンを押すと、二人の姿は別の場所に転送されるだろう】
【ちなみにその場所は透き通るような宇宙に覆われた草原である。仮想空間らしいが】
「ここならだいじょぶだよなの〜」
- 606 :睡蓮 ◆dA/IAnjlnQ:2012/07/21(土) 19:55:37 ID:Fu1GHthY0
- >>605
…うお…!
【柄にもなく驚く。】
…ここから、確かに邪魔されず戦えそうね。えっと、「怪我でも大丈夫」ってどういうこと?
…怪我しても治るのかしら。それとも元から殺傷能力のある攻撃はできないのかしら。教えてくれない?
【距離を取りながら聞く。】
【仮想的に殺害可能なのか、はたまたあくまで「模擬戦」の範疇は越えられないのか。】
【それによって戦法が変わるからだ。】
- 607 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/21(土) 19:57:25 ID:ZwBRku0I0
- >>606
「えーっと、かんたんにいうとねなの。
ここでしんだりするようなのをうけても、
おそとにもどされてもとどおりになるからおもいっきりたたかえる、らしいの。」
【ディスも詳しいことはわからないようだ。】
【箱庭内で死亡した場合、外部に転送されるということだろう。勿論復活した状態でである。】
- 608 :睡蓮 ◆dA/IAnjlnQ:2012/07/21(土) 20:01:50 ID:Fu1GHthY0
- >>607
(…ははあ…格ゲーみたいなもんか。つまりここでどんだけひどい怪我を受けても…例え首を刎ねられても元の公園に戻ると無傷でいられるってわけね。)
【状況を飲み込む。】
…あいわかった。さて、やるわよ。そっちの準備はどう?
【お互い公平なように中距離に立ち、】
【腰の刀を見ながら言った。】
- 609 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/21(土) 20:17:48 ID:ZwBRku0I0
- >>608
「えっと、こっちはなの。
だいじょぶだよなの。」
【そう言って背中の刀を抜こうと必死で手を伸ばす】
「あうー、とどかないの。
しょーがないの。これでなの」
【そう言うと背中の包帯が突如としてうねるように伸び始めた】
しゅるしゅる
【そして包帯が刀を引きぬいてディスの手元へと持っていく】
- 610 :睡蓮 ◆dA/IAnjlnQ:2012/07/21(土) 20:25:19 ID:Fu1GHthY0
- >>609
【三振りのうち、真ん中の刀を引き抜く】
【鞘、鍔、柄まで白銀の刃渡り4尺の長太刀だ】
【太刀であるが…】
…ええ、これは確か…白刀「白百合」…
…って、なんじゃこりゃ!?刃がないじゃないか…
【刃が無い】
【いや、正確には「峰側に刃がついている」】
【通常あるべき刃側は完全に潰れており、鈍器と分類できるものだ】
…
(…あの野郎…何が報酬だ…マジで…意味が分からん…)
(…刀じゃないじゃないか。物を斬れなくて…なにが白「刀」よ…)
【確かめるように一度振ってから、相手を視認】
…おろろ…やっぱ…あんた「能力者」か…
…ますます結構…。相手が能力者なら…加減はいらんわね…
ドンッ!
【その場で一歩踏み込んで、構える。白刀「白百合」を頭上へ】
…
一
撃
だ
【所謂「大上段」】
【直後、相手にジワリとした圧力が降りかかるだろう】
【女の放つ威圧である】
- 611 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/21(土) 20:34:21 ID:ZwBRku0I0
- >>610
「あうー?それは、へんなけんなの〜」
【実に不思議そうな顔で答える】
「…あうー。なんかすごくつよそうなにおいがするなの…
でも、なんとかなるよねなの!」
【そう言ってディスも銀色の刀身を持つ刀を構える】
【ただ、少女であるためかちょっと持ち方があまり型にはまってはいない…】
- 612 :睡蓮 ◆dA/IAnjlnQ:2012/07/21(土) 20:39:31 ID:Fu1GHthY0
- >>611
…ま、まあ、あんまり突っ込むな。正直、私もよく分からんのよ…
(…「普通の刀じゃない」ってのはこういう意味だったのかしら…やれやれ…)
(…確かに、扱いなれるまで時間がかかるわよねこれは…)
【ジリジリと相手に近づこうとする】
【近づけたのなら、右足で踏み込もうとするだろう】
(…構え見る限り…剣術の達人ってわけじゃないわね…)
(…ま、いい…なら…正攻法で…)
【踏み込まれたら「危険」と本能的に分かるはずだ】
- 613 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/21(土) 20:48:13 ID:ZwBRku0I0
- >>612
「あうー。もしかしていろんなのがあるのかなの〜」
【不思議そうな顔で言う】
「…うー、なんかちかくにいったらあぶなそうなの…」
【ディスの体はすこしずつ後ろに下がっている。普通の人に比べても感じ取りやすいのだろうか】
「でもやっぱり、けんだけでなるべくやってみよなの!」
【そう言ってディスは身構えている。うっかり包帯を体から伸ばしそうになっているようだが】
【ディスも負けじと踏み込もうとする】
- 614 :睡蓮 ◆dA/IAnjlnQ:2012/07/21(土) 20:55:30 ID:Fu1GHthY0
- >>613
(…あの包帯が…するすると巻きついてくるか…?まあ、そうなれば切断すればいい…)
ダンッ
【互いの踏み込みは成立する】
【細かい礫が足元から舞う。女の足元を見てみれば、右足が地面を「踏み抜いて」いるのが分かるだろう】
【踏み込みながら…】
…があああああ!!!
重
切
【キチガイのように雄叫びをあげながら大上段の白刀「白百合」を相手に向けて振り下ろそうとする】
【直撃すれば打撃系のダメージを受けて吹き飛び、後方に壁があればそれをぶち抜き悶絶することなるだろう】
【運が悪ければ戦闘不能になるほどの威力だ】
【しかし、相手の対応によっては回避、迎撃も容易く】
【特に少女の場合は、「踏み込もうとし」かつ「万全の態勢」でいるため、その回避率はグンと跳ね上がるはずだ】
【完全回避すら可能かもしれない】
- 615 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/21(土) 20:59:27 ID:ZwBRku0I0
- >>614
「う!きた…!」
【ディスはその凄まじい雄叫びを聞いて、すぐに横に飛んで攻撃を避けに行く】
【とは言えその凄まじい一撃なので、わずかに余波が起こりそうな威力であるが…】
「こんどはこっちなの!」
【するとディスは避けた勢いで刀を横に薙ぐようにして振るった。】
【僅かな好きを狙っているように見えるが、ディスの方は剣術はまだ未熟のためか、少々遅い】
- 616 :睡蓮 ◆dA/IAnjlnQ:2012/07/21(土) 21:03:37 ID:Fu1GHthY0
- >>615
…あら
【一撃必殺を真髄としている女にとって、回避されることは極めて危険だ】
【防御を考えないため、カウンターの格好の餌食である】
…ち…このっ!!
【ズドオオオオオン!!!!】
【「白百合」を勢いのまま地面に打ち付ける】
【怪力と体重を乗せた渾身の振りは、地面の「砂利」を四方八方に飛ばし】
【それにより、少女の攻撃の失敗を狙う】
【少女がそれでも刀を降り抜けたのなら、女は脇腹を切り付けられるだろう】
- 617 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/21(土) 21:12:48 ID:ZwBRku0I0
- >>616
「あうっ、よくみえないの!」
【飛び散った砂利が一瞬視界を塞いだことでディスの攻撃は僅かにずれてしまう。】
「うーん…」
【ディスの攻撃は更に、砂利がいくつか当たったことによって剣の軌道がぶれてしまっている】
【それでもどうにか振りぬく動きを止めずに攻撃を仕掛けていく。ただしその威力は削られているだろう】
- 618 :睡蓮 ◆dA/IAnjlnQ:2012/07/21(土) 21:19:16 ID:Fu1GHthY0
- >>617
…っ
【右脇腹損傷、出血】
【威力が減退したことにより深手にはならない】
(…目が見えんのなら好機…!)
(…畳み掛ける…!どうせなら、もう一振り試すか)
【右手で白刀「白百合」を持ち】
…ええとこれは…神刀「九十九」…
(…今度は…まともな、刀なんだろうなあ)
【左手で刃渡り4尺の大太刀、神刀「九十九」を携えてから、相手の方に向き、再び右足で踏み込もうとする】
- 619 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/21(土) 21:36:21 ID:ZwBRku0I0
- >>618
「んー…うごきがよくみえないの〜」
【目の中に砂が入ったのだろうか。目を開けられないでいる】
「えっと…においがするほうは…
こっちかなの!」
【ディスは踏み込む気配のする方へ必死に剣を振りに行く。狙いが甘い】
- 620 :睡蓮 ◆dA/IAnjlnQ:2012/07/21(土) 21:43:16 ID:Fu1GHthY0
- >>619
…匂いで分かるんだ…
ドンッ!
【踏み込み】
【足元の地面を女の足が踏み抜く】
…っ!
【キィン!!!】
【右手の「白百合」で相手の剣を受け止める】
…ちっと痛いけど…どうせ公園に戻りゃなおるんだからいいわね…!
【左手の「九十九」を相手の剣を持つ手首にあてがおうとし、】
【(あてがえたのなら)女はなんとそのまま彼女の手首を切り落としてしまおうとするはずだ】
【轟ッ!!】
…!?
(…なるほど…「こいつ」もただの刀じゃねぇな…)
【相手には、「九十九」から発せられる威圧が降り注ぐだろう】
【それにより、女の行動が知覚でき、少女は例え目か潰れていても正確な回避が可能となるはずだ】
- 621 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/21(土) 21:51:13 ID:ZwBRku0I0
- >>620
「ん?とめられたのかなの?
それならなの…」
【ディスは一瞬押し切ることを考えたが…】
【突如として襲い掛かる威圧感に驚いたディスは】
「う、やばいきがするなの!」
【すぐさま後方へステップを踏み、結果的に剣戟を交わすことが出来た。】
「うーん、なんとなくけんだけだとだめそうなきがしてくるの…」
【ディスは悩み顔で答える】
「あうー、ほーたいつかってもいいかなの〜」
【そう言っていそうな方向へ声をかけていく】
- 622 :睡蓮 ◆dA/IAnjlnQ:2012/07/21(土) 21:57:44 ID:Fu1GHthY0
- >>621
…あ?なに言ってんの…あんた…
【チャキ】
【残心、構えを解く】
…私とあんたは敵同士よ。いい?戦争で敵兵士に武器使っていいか聞くわけ?
【言うまでもないといった口調で肯定する】
【さらに、仕切り直すため、相手の視界が戻るまで待つようだ】
…
(…なるほど…「九十九」…だいたい、こいつに関しては分かってきたわよ…)
(…今の威圧…そして…こいつの名前…九十九…)
- 623 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/21(土) 22:02:11 ID:ZwBRku0I0
- >>622
「…あう、そういえばそうだったの」
【目をこすってからディスはゆっくりと目を開ける。】
「わかったの。じゃあここからはほんきでいってみるからなの!」
【そう言った瞬間】
しゅるしゅるしゅるしゅるしゅる
【全身の包帯がいくつか解け、一気に蛇のように周囲に蠢き始める】
「じゃあいくよなの!」
【そして先端を鋭く尖らせ、睡蓮に向かって勢い良く飛んでいく】
【切れ味はまるで刃物のようになっているだろう】
- 624 :睡蓮 ◆dA/IAnjlnQ:2012/07/21(土) 22:11:15 ID:Fu1GHthY0
- >>623
(…この刀をくれたあいつの言葉…そして…私の勘が正けりゃ…)
【不動】
【その場から動かない】
(…おそらく…こいつは…)
【そして、相手の包帯が接近する瞬間…】
…「九十九」――――――
――――――「槍」になれ!
【ザシュ】
【左手の「九十九」が「太刀」から鋼鉄の「槍」へと瞬時に姿を変える】
…やっぱり…なるほど化け刀か…
【槍を器用に揺らして相手の包帯を巻きつけようとし】
…ほれ、かもん
【それが成れば、女は思いっきり槍を引っ張って相手をこちらに引きつけようとするだろう】
【片手でも、大の大人を凌駕する怪力。正面から対抗するには相当の筋力が必要だ】
【右手の白刀はその場から動かさない】
- 625 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/21(土) 22:17:03 ID:ZwBRku0I0
- >>624
「あうー、かわったの!!」
【形状が槍へと変化したのにかなり驚くディス】
【しかし包帯がそのやりに巻き取られ、引っ張られそうになったのを見て】
「ぬっ…!ひっぱられて…」
【ディスはなんとその場で踏ん張るかのような姿勢を撮り始めた】
「ぬうううううううううううう…!!」
【…その怪力に抗するかのようにディスはじっと手足に力を入れ始めた】
【ディスの体はわずかにしか引っ張られていないのである。その子供の体とは裏腹にとてつもない怪力を持っているように見える・・】
「まだまだ!」
【更にディスの体から包帯が次々と伸び始め、睡蓮を狙いに行く】
- 626 :睡蓮 ◆dA/IAnjlnQ:2012/07/21(土) 22:27:54 ID:Fu1GHthY0
- >>625
…お…こいつ意外と…
【ギリギリギリギリギリギリ】
【綱引きが始まる】
…力で私に対抗しようなんて、いい度胸じゃないの!!
…いくわよ…!!
…せえのっ…!
【腹から声を出し、全力で両足で地面を踏みしめ腰を落とす】
【「白百合」を鞘に納め、「九十九」を両手で握り――――――】
…だあああああああ!!!
【…そして、「九十九」を手放した】
【いかにも両手で引っ張るように態勢を整え、気合いを入れながら手放したのである】
【包帯の両端で、互いに引力を加えていた状況。】
【片方の引く力が急に無くなったのだ】
【当人は手を離した瞬間、腰を下ろし…】
(…狙うは本体…!)
歩
法
・
行
【ダンッ!!】
【達人なら三間(約5.4m)瞬時に跳ぶといわれる歩法を用いて、相手に接近し始める】
【鞘に納めた「白百合」を手にかけ、相手へ向けて最短で間合いを詰めようとした】
【包帯は無視】
【接近の過程で回避しきれなかったそれが当たり、出血する】
- 627 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/21(土) 22:37:37 ID:ZwBRku0I0
- >>626
「うぬううううう…なんかつよいなの…」
【ディスはどうにかその場で踏みとどまっていたのだが…】
「あう!?あうあうあう〜!」
【さすがに両手で、更に力の入る姿勢で引っ張られては抗しきれなかったのだろう】
「あうー!」
【勢い良く引っ張られ、睡蓮の方へと飛んでいく】
「うー、まだなの〜!このー!」
【だがディスもタダでは転ばない。引っ張られた勢いで空中を飛び、睡蓮の顔に向けてかかとを落とそうとしている】
- 628 :睡蓮 ◆dA/IAnjlnQ:2012/07/21(土) 22:46:47 ID:Fu1GHthY0
- >>627
…結構。力比べだ
…行くぞ
ダンッ
【両足で地面を踏みしめる】
【女の両足が足元の地面を踏み抜き、細かいヒビを作る】
【白刀「白百合」を再び大上段へ。仁王の如き怪力にものを言わせ、女は――――】
…ぬええええええええいいい!!!
重
切
【そのまま、相手の「踵に」刀型の鈍器「白百合」を振り下ろそうとし、】
【相手の攻撃と自分の攻撃で相殺しようとするだろう】
【相手のかかと落としの方が女の攻撃より強かった場合、】
【彼女は太刀の攻撃を「跳ね飛ばされ」ダメージをくらうことになる】
- 629 :睡蓮 ◆dA/IAnjlnQ:2012/07/21(土) 22:49:51 ID:Fu1GHthY0
- >>627
/すいません…ちとわかりにくいので訂正…
…結構。力比べだ
…行くぞ
ダンッ
【両足で地面を踏みしめる】
【女の両足が足元の地面を踏み抜き、細かいヒビを作る】
【白刀「白百合」を再び大上段へ。仁王の如き怪力にものを言わせ、女は――――】
…ぬええええええええいいい!!!
重
切
【そのまま、相手の「踵に」刀型の鈍器「白百合」を振り下ろそうとし、】
【相手の攻撃を自分の攻撃で相殺しようとするだろう】
【少女のかかと落としの方が女の攻撃より強かった場合、】
【女は太刀の攻撃を少女に「跳ね飛ばされ」ダメージをくらうことになる】
- 630 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/21(土) 22:50:24 ID:ZwBRku0I0
- >>628
「あたったのかなの…!!」
【ディスの激しい攻撃が白百合にヒットする。】
【しかし空中で発動した一撃と構えて十分に力を溜め込んでいた一撃では力の差は生じてしまう】
「あうー!」
【ディスはその威力に逆に跳ね飛ばされてしまった。】
「うーん…なら、つぎは!」
【しかしディスの包帯はまだとどまらずに睡蓮へと迫っていく。】
【ディスの包帯の力はその物量にあるようである。一撃が軽くとも次から次へと休みなく飛んでいくのである】
- 631 :睡蓮 ◆dA/IAnjlnQ:2012/07/21(土) 23:00:24 ID:Fu1GHthY0
- >>630
(…まずいわね…存外軽いから…「業」にまで持っていけん…)
【再び右手に「白百合」、左手に「九十九」を持ち直し】
…しゃあない…覚悟決めるか。…どうせ「ニノ太刀不要」…
【物量作戦は、単発の攻撃を得意とする女にとって極めて相性が悪い】
【ましてや、それが遠い距離からの攻撃となるとなおさらである】
…接近戦なら…一撃だ…
【しかし、それでも】
【勝負を決める「一撃」を放つため】
【女の闘志は消えていなかった】
…まだまだ…!!
【駆け出す】
【「全ての包帯を無視」して、相手へと一秒でも早く接近しようした】
【当然、包帯は次から次に直撃するだろう】
【背中は背負った大剣で守られているため無傷であるが、その他の部位は無数の切り傷が生まれる】
- 632 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/21(土) 23:15:11 ID:ZwBRku0I0
- >>631
「あうー…!むししてこうげきなんて…」
【ディスはひどく驚いた顔でその姿を見る】
「…ならこっちだってなの!」
【ディスは再び刀を構えて…力を込め始める】
「…ほんきでいきたいけど…なの!」
【そう言って勢い良くかけ出していく】
【…ディスの刀に何か力が帯び始めたように見える…】
- 633 :睡蓮 ◆dA/IAnjlnQ:2012/07/21(土) 23:21:28 ID:Fu1GHthY0
- >>632
…さて最後…
一 撃 だ
【ダンッ!】
【踏み込み。踏み込みながら…】
壱
乃
太
刀
・
雲
耀
【「九十九」と「白百合」で×字の斬撃を放つ】
【鋒は音速を超え、周囲に衝撃波を散らすほどだ】
【直撃すれば吹き飛び、悶絶することになるだろう】
【運が悪ければ戦闘不能に陥ってしまうかもしれない】
【だが、相手の対応によっては回避、迎撃も容易く】
【特に少女の場合は構えているため、回避率は跳ね上がるはずだ】
- 634 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/21(土) 23:28:02 ID:ZwBRku0I0
- >>633
「そっちがいちげきならこっちは…」
【そう言うとディスが構えていた銀色の刀が突如として黒い光を放つ】
ガギィン!!
ズガァン
【…よく見るとその刀は10の節に枝分かれしたいびつな黒い剣に変貌していた】
「じゅっかい…いくの!!」
【そしてディスはそのいびつな形状の剣を勢い良く斬撃へ向けて振り下ろしていった】
【そのままその先、相手に向けてぶつけるために】
【ディスが振り下ろした攻撃はたった一発に見えた】
【だが、すさまじい剣撃は一回に収まらず】
ギュギュギュギュギュギュギュ
【10回もの剣撃が睡蓮へと襲いかかってきた】
- 635 :睡蓮 ◆dA/IAnjlnQ:2012/07/21(土) 23:33:12 ID:Fu1GHthY0
- >>634
【ドオン、という爆音にも似た音が響き渡る】
【女の「一撃」と、少女の「10撃」】
【双方同時に放たれたその攻防は、結果として…】
…ぐ…
【相手の斬撃が、女の左肩を深くえぐっていた】
【彼女の「一撃」が相手の攻撃を崩したのはその9発目まで】
【最後の「10発目」は崩しきれずに、直撃してしまう】
…参った。こりゃ敵わん。降参だ降参。
【両の太刀を鞘に納めながら言う。どくどくと体中から血が出ており、表情に血の気がない】
- 636 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/21(土) 23:47:32 ID:ZwBRku0I0
- >>635
「あう…
ここまでやってやっとかてた…の…」
【ディスが激しく息を荒げながら答える】
「…うう…やっぱりだめなの…
ほんきはきけん…」
【ディスの刀は既に元の形へ戻っていた】
【ディスの方は倒れこんでおり、かなりの満身創痍であるらしい】
「…だいじょぶなの。こっちももう、うごけない…からなの…」
【そう言って力なく手を降った】
- 637 :睡蓮 ◆dA/IAnjlnQ:2012/07/21(土) 23:52:57 ID:Fu1GHthY0
- >>636
…ち…おしかったわね…あと一発捌けときゃ…私の勝ちだったんだけど…
【ディスとともに、再び転送装置へ】
…このボタンをこうすればいいのかしら…ポチっとな…
【公園に戻る】
【確かに、あったであろう傷やダメージが消えていた】
…ふむ、こりゃすごいわね。ほんとに戦ってたのか、不思議になるほどだわ
【そう言って相手を見】
…さて、私はそろそろいくわ…戦った相手には、名前は名乗るわよ…ロータス…ロータス・ブラック…
…また、どこかで会いましょうか
【去ってゆく…】
//乙でした!
- 638 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/07/22(日) 00:00:34 ID:ZwBRku0I0
- >>637
「あうー…ありがとなの…
でもあんなにかわされるなんて、やっぱりすごいなの…」
【元気なく答え、その瞬間に転送されていった】
「そうなの、『でぃす』もげんきだからなの!
あうー、わかったの!『ろーたす』じゃあねなの〜!」
【微笑みながらディスは手を振って見送っていった】
//お疲れ様でしたー
- 639 :アリス・ザ・ナイトメア:2012/07/23(月) 22:31:40 ID:sGP6umW60
- 「どーして夏は暑いのかしら?」
都市に住む人々の憩いの場となっている公園。
幾つかあるベンチの一つに紅白のドレスを身にまとった少女が陣取っていた。
ベンチに座ると足がつかないので白のタイツに赤のメリージェーンのスラリとした脚をぶらぶらしながら退屈そうな顔を浮かべていた。
「いっその事涼しくして見ようかしら、それも面白そうね。
気温を12度辺りまで下げたらみんなは驚いて暖炉に集まるのかしら」
悪戯好きな少女らしくその様子が滲み出ている笑顔に切り替えると大事そうに抱えたイチゴのソフトクリームをパクリと口に含む。
表情をコロリと変えて正に至福の時とでも言わんばかりの笑みを浮かべ大きく頬を上下させていたのだがまた直ぐに表情を切り替えた。
何か大きなことに気が付いたようで、目と口を大きく見開き腕を伸ばして視線の中央にソフトクリームを置きもう片方の手は頬に置くと言うオーバーリアクションを取った。
「大変よ! それじゃあこのアイスが食べられなくなっちゃうわ!」
- 640 :詳細情報媒体スレ>>205:2012/07/25(水) 20:07:32 ID:do5XJmGE0
- 主要交通機関や掲示板、各店に協力してもらったのか、闘祭のポスターを張る男
ポスターを張る男を見つめる視線にはペコペコと頭を下げていた。
既に参加者募集が始まっている期間でありながら、ようやくここまで進んできたのはこの男の仕事の遅さが原因だった。
歪みに巻き込まれて、何処か分からない場所にたどり着くこと235回。
男はようやく、都市の主要機関にポスターを貼り終えた。
「ふぅー、この地区はこれでおしまいっと。それにしても随分と遅れちまったなぁ……
こりゃ課長からどやされるや!」
男はポスターが刺さったリュックを背負うと再び走っていった
- 641 :アリス・ザ・ナイトメア:2012/07/25(水) 22:42:26 ID:sGP6umW60
- >>640
「変な男ね……気でも振れたのかしら」
アイスを片手に一連の流れを見ていた少女。
目を細めた訝しげな視線を男の背中に向けて、姿が消えるまで見つめていた。
男の姿が見えなくなるとやれやれと首を振った後に赤いイチゴのアイスを一口。
大きく口を動かしその味を楽しんでいたが突然襲い掛かる頭痛に顔を歪め額に手を当てた。
- 642 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/07/25(水) 23:19:29 ID:ZwBRku0I0
- >>641
「このポスターは何でしょうね」
【一人の学生がポスターの近くまで歩いて行く】
「…今年も始まるんですか…
今回は私も出てみましょうかね」
【何処か嬉しそうな顔でつぶやいている】
- 643 :アリス・ザ・ナイトメア:2012/07/25(水) 23:32:16 ID:sGP6umW60
- >>642
「それは何なのかしら?」
頭痛も幾つか抑えられてきた頃。
手を離しまた小さく首を振ると防人の元へ近づいて行く。
紅と白の散りばめられた特徴的な衣服。
フリルを大量に使い少女的なイメージを前面に大きく押し出したそれは所謂ゴスロリと呼ばれるそれ。
白のタイツに赤のメリージェーン。ワンポイントに留まらなく散りばめられたハートのマーク。
トランプのハートを連想される衣装。その少女の頭上に輝くのは紅い宝玉。
「お祭りか何かかしら?」
紅いイチごのアイスを右手に。
左手ではエナメルレッドのスーツケースを引っ張って。
- 644 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/07/25(水) 23:42:06 ID:ZwBRku0I0
- >>643
「闘祭と言うものです。
年に大体一度くらいの戦うイベントですよ」
【そう行って学生服の少女は振り向いた】
【ニット帽を被った栗色の髪の千夜学園を着た学生である】
【胸の部分が何処か窮屈そうなくらい大きいが】
「まあ、食べて飲んでみたいなのじゃないんですけどね。
これを楽しみにしている人もいたりするそうですよ」
【ポスターを指さしながら答える】
- 645 :アリス・ザ・ナイトメア:2012/07/25(水) 23:57:04 ID:sGP6umW60
- >>644
「闘祭?」
防人の隣に並び、闘祭のポスターを眺める。
少女は幼くまだ背は小さいので首の角度は結構急だ。
むーっ。と端々までポスターを眺めて数分。
クルリと顔を防人に向けて、
「やっぱり、貴方は出るの? そんなことを言っていたみたいだけど」
- 646 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/07/26(木) 00:00:29 ID:ZwBRku0I0
- >>645
「ええ、そのつもりです。
前回は能力がなかったもので」
【そう行って微笑み返す】
「せっかくだからトップ目指して見ちゃったりしますよ」
- 647 :アリス・ザ・ナイトメア:2012/07/26(木) 00:18:49 ID:sGP6umW60
- >>646
「へぇ?」
驚きと疑問の入り混じった何処かコミカルな声を上げる。
首を傾げて僅かに目を細め、声と同じ意味合いの顔を向けた。
「貴方みたいなのが? トップ?
ちょっと甘く見過ぎてるんじゃないの?」
ふぅん。と何処か納得のいかなさそうな声を吐き、アイスを一口。
少女らしい笑みを浮かべつつその味を楽しんでいたが、突然表情を一変させる。
「そうね、私も参加しようかしら」
- 648 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/07/26(木) 00:23:50 ID:ZwBRku0I0
- >>647
「甘く見過ぎでしょうかね…
でもそれくらいの気概がなければ出来ないと思います」
【真剣な顔で答える】
「貴方も?…む」
【一変した表情を見て驚く】
「なんとなくですが…ただ事じゃなさそうな気配がします」
- 649 :アリス・ザ・ナイトメア:2012/07/26(木) 00:46:22 ID:sGP6umW60
- >>648
「ま、そんなことなんてどうでもいいわ」
スーツケースを引き寄せしゃがみ、ガサゴソと中を漁る。
トランプやライオンのぬいぐるみや赤い長靴が見える中、一本のバットを取り出した。
木製のバット。そこには一匹のフラミンゴがプリントされていた。
「見て居なさい」
同じくスーツケースの中からハリネズミのぬいぐるみを取り出し投げあげる。
振りかぶった後に渾身の力を込めて振り抜かれたバットに撃ち抜かれたハリネズミは「ぴきゅう」と奇妙な音を上げて打ち上げられていった。
防人の元へ向き直りバットを杖にする。
「楽しそうじゃないの!
日頃の憂さ晴らしに怨念返し。纏めて発散してあげるわ!」
- 650 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/07/26(木) 00:48:57 ID:vljhfSlg0
- >>649
「ふむ…なるほど…お!?」
【何処か感心した表情で少女を見ていた鶫は】
「あの、今のは一体何を?」
【かなり呆然とした表情では飛んでいったハリネズミを見送る】
「確かに日頃のうっぷんを晴らすのにも良い舞台かもしれませんね。」
- 651 :アリス・ザ・ナイトメア:2012/07/26(木) 01:08:02 ID:sGP6umW60
- >>650
「ちょっとした意気込みよ」
ふぅ。と溜息を吐いてスーツケースの中にバットを押し込もうとする。
ぎゅうぎゅうに詰め込まれたスーツケースにはなかなか入らず、強く差し込むと無理やり閉じた。
「楽しみができたわ。ありがとう。
貴方と会うのを心待ちにしているわね」
踵を返すとスーツケースを左手で引っ張って帰って行く。
去り際に一度振り返り、小さく手を振った。
暫くすると落ちてきたハリネズミのぬいぐるみが木に突入し木の葉と擦れて音を立てる。
最後に地面に落ちてきたとき再び「ぴきゅう」と鳴いた。
- 652 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/07/26(木) 01:19:32 ID:vljhfSlg0
- >>651
「そうですか…
やる気があるのはたしかにいいと思いますね」
【鶫も同意して頷いた】
「わかりました。
もっともそこまでお互いがいければいいですね」
【大きく頷きながら見送っていった】
「あ、あのハリネズミ…
持ってってあげたほうがいいんでしょうか…」
【近くで音がしたので鶫はハリネズミのぬいぐるみを拾いに歩いていった】
//おつかれさまです
- 653 :名も無き異能都市住民:2012/07/27(金) 22:51:51 ID:dL8H4NjE0
- とある広場。
いつもなら人で賑わっているその場所は、今日に限って人気がまったくなかった。
原因は、広場の中心にいる二人の少女。
「…ら……ぁっ!」
片方は齢15、6程。
桃色の髪に、アメジストを連想させる紫の瞳。
白と黒を基調にした服は、ところどころ血と思われる液体で紅く染まっている。
名も無き少女は右手に持った大鎌で、もう一人の少女に切りかかろうとする。
「間に合え……!」
もう片方は齢13か14といったところ。
少し深めの紫の髪に、蒼と翡翠のオッドアイ。
華美な服は黒いローブに隠れ、いつもとは少し違った印象を受ける。
名は神無 鏡華。死期の訪れた人間を死へ誘う死神だ。
鏡華は瞬時に物理障壁を発動し、少女の鎌をはじく。
長い間戦い続けているのだろうか、広範囲に渡り地面や木々を破壊したあとがある。
広場の周辺では騒ぎになっていてもおかしくないだろう。
- 654 :萌葱 アテナ ◆NSEW/xeQlk:2012/07/27(金) 23:00:12 ID:7gFzKdaU0
- >>653
「――――ちょっとそこの人たちっ!」
闘う二人に割り込む声が有る。
凛とよく通る、幼い声だ。
事情は分からないが、戦闘音、周りのざわめき。
それらから、間に入りづらい戦闘の場に、少女はあえて割りこむことを選択した。
バイト帰りであり、ランドセルを背中に背負った姿。
赤毛のポニーテールは風になびき、くろぐろとした瞳は街灯の灯りを受けて爛々と煌く。
服装は動きやすいホットパンツにTシャツ、ニーソックスという物。
そんな何処にでも居る小学生のような少女が。
心配そうな瞳で二人を見据えて、広場の入口に立っていた。
- 655 :黒沢小百合:2012/07/27(金) 23:13:54 ID:SSMHlh/20
- >>653
――キィイイィィィイ
二人の少女が死闘を繰り広げる広場に、
上空から轟音と、烈風が降り注ぎ埃やチラシなどが、
空へと吸い上げられる。
「貴方達都市治安維持条例に違反しています。
ただちに戦闘行為を中止し、我々の指示に従いなさい。」
――その根源は、広場上空に飛来した一機のアパッチロングボウ攻撃ヘリ。
その腹には、『千夜治安維持部隊』の文字が見える。
都市の武装組織のなかでは最大級の組織であり、同時に過激な手法を取る事でも
恐れられている。
- 656 :名も無き異能都市住民:2012/07/27(金) 23:14:24 ID:dL8H4NjE0
- アテナの存在に気づいたようで、
「……騒ぎすぎたね、とりあえずお預けだ」
少女に追撃しようとしていた鏡華が、吐き捨てるように言う。
どうやら争う気はなくなったようだ。
「……誰だか知らないけど、次からはわけのわからない言葉並べて襲うのはやめてね」
「よく言うよ、道化師が。……じゃあ」
二人がそんな会話を交わすと、鏡華の足元に魔法陣が浮かび上がる。
それは転移魔法だったらしく、数瞬後には淡い光と共に鏡華は消え去った。
>>654
「いやー、ごめんね。騒ぎになっちゃってる?」
残った桃色の髪の少女が、困った様な笑いを浮かべてアテナに近づく。
先ほどまで殺し合いをしていたのが嘘のような、陽気な声だ。
- 657 :萌葱 アテナ ◆NSEW/xeQlk:2012/07/27(金) 23:18:33 ID:7gFzKdaU0
- >>655
「――って、治安維持部隊!?
……黒沢さん、かな?」
真上でばたばたと響き渡るヘリの音。
その組織の名は、ある程度荒事に関わる身であれば当然として理解できる。
そして、それに関連する人物についても知っており。
どうするべきか、迷い、思考をする。
>>656
「はい、結構騒ぎになっちゃってましてですね。
その、治安維持舞台に目を付けられると色々面倒ですし……その逃げたほうがいいんじゃないかと」
ヘリを見上げながら、アテナは軽くつま先を地面にぶつけ、体勢を整えて。
少し慌てた様子で、説明をする。
- 658 :?:2012/07/27(金) 23:18:52 ID:dL8H4NjE0
- >>655
「不可抗力ですよ、ふかこーりょく」
「仕掛けてきたのは向こうなんだし、逮捕とかは勘弁してほしいなあ」
上空を見上げ、聞こえるはずもないのに不服を唱える。
- 659 :黒沢小百合:2012/07/27(金) 23:25:58 ID:SSMHlh/20
- >>657-658
「よろしい、武器を捨て部隊員の指示に従うように。
貴方たちには黙秘権があり、弁護士をつける権利が――。」
既に地上からも、人員がやってきていたようで
ヘリの到着から30秒ほど遅れて2台ほどのパトカーが広場に到着する。
降り立った警官たちは、銃を構えつつ謎の少女とアテナへと近づく。
- 660 :?:2012/07/27(金) 23:36:16 ID:dL8H4NjE0
- >>657
「あはは、少し行動に移すのが遅れちゃった」
それでもどこか余裕のある笑みを浮かべる少女。
逃げるだけならいともたやすい、ということなのだろうか。
>>659
「ちょっとちょっと、この子は何の関係もないから銃向けるのはやめたげてー」
軽い口調で警官たちに話しかける。
身振り手振りを加えてアテナが関係ないことを説明しようとしているようだが、
右手にもった鎌まで振り回されて危なっかしい。
- 661 :萌葱 アテナ ◆NSEW/xeQlk:2012/07/27(金) 23:39:02 ID:7gFzKdaU0
- >>659
「……あっちゃー」
はぁ、と溜息をついて。
武器など当然持っていない、只のバイト帰りだ。
両手を上げて、アテナは無抵抗をしめす。
「とりあえず、私は戦ってないんですけど」
なんとなく、一緒にしょっぴかれそうな気配を感じた。
そのため、予め先ほど割り込んだだけ、と警官には申し開きをしておく。
>>660
「そうみたい、ですね……。
逃げるだけなら何とかなりそうですけど、後で目を付けられるのが……」
はぁ、と溜息を一つ。
そして、少女が身振り手振りをする度に鎌が振り回される様を見て、慌てて動く。
「ちょっと、とりあえず鎌置きましょうお姉さん!」
物騒な物は置いておくべきだろう。
少なくとも、発砲をされたくないのであれば。
- 662 :黒沢小百合:2012/07/27(金) 23:44:48 ID:SSMHlh/20
- >>660-661
『武器を捨てろ!
捨てる意思が無いなら、発砲する!』
『名前、年齢、住所、社会保障番号、
分かる範囲で答えるんだ。』
いまだに武器を握る謎の女には2人の警官が銃を向け、
また別の警官が、先に武装解除した(しているようにみえる)アテナへと
歩み寄り、質問を開始する。
- 663 :黒沢小百合:2012/07/27(金) 23:46:33 ID:SSMHlh/20
- // 途中送信したので追記
この警官たちは、千夜の治安維持部隊ではない
都市の正規の警察官たちだ。恐らく、たまたま近くにいたために
独自にやってきたか、協力を打診された、といったところだろう。
小百合はアテナを嫌っているが彼らなら悪く扱われる事はあるまい。
- 664 :?:2012/07/27(金) 23:57:57 ID:dL8H4NjE0
- >>661
「えー?めんどくさ……」
とは言っても撃たれる訳にもいかないので、鎌を地面に置き、そのまま右手をポケットにつっこむ。
「まあ、万が一ってこともあるし、ね」
アテナにぎりぎり聞こえるかといった声量でつぶやく。
>>662
「名前無し、年齢言いたくない、住所忘れた、とりあえず一軒家、社会保障番号とか何それ」
警官の質問を、答えになっていない答えで返す。
余計に怪しさがますばかりだが、本人はまじめに答えたらしい。
表情にふざけている様子はなかった。
「質問に答えたんで帰っていいでしょーかー、家で傷の手当したいんだけど」
不機嫌そうな顔で警官に訪ねる。
放っておいたら本当に帰ってしまいそうだ。
- 665 :萌葱 アテナ ◆NSEW/xeQlk:2012/07/27(金) 23:59:25 ID:7gFzKdaU0
- >>662
あまり表に警戒を見せる様子は無いが、静かな瞳で警官と目線を合わせる。
隙、気配、重心の置き方など、即座に暴力に応じるつもりがないかどうか。
それらを確認した上で、おそらく普通の警官だろうと当たりを付け、協力的な対応を取ることを決定する。
「名前は萌葱アテナ、年は……10歳、です。
住所は……えっと、今居候させてもらってるんですけど、〜〜、です。
社会保障番号の方は、私持ってないです」
異世界から現れ、勝手に1,2年住み込んでいたアテナ。
色々自力で何とかしながら千夜に入学したものの、色々足りないものだらけだった。
経歴を漁れば、住民票にも載っていない、異世界出身の少女だと分かるかもしれない。
それでも、言える範囲の事は答えた、という様子をアテナは警官に見せている。
>>664
「えっと……、治安維持部隊の息がかかってないっぽいので。
逃げようと思えば、逃げられなくもないかも知れません」
どうしても逃げる気なら、と前置きした上で。
軽く耳打ちをした。
- 666 :黒沢小百合:2012/07/28(土) 00:13:10 ID:SSMHlh/20
- >>664
『よろしい、わかった。ならばステキな場所に案内しよう。
パトカーに乗りなさい。署で事情聴取だ。』
警官は非協力的な謎の女の態度に
ため息をつき手錠を取り出すと、それを手にはめようとする。
こうした人種は都市に多い――というか極端に多すぎるのだが、
だからといって警官と言う職務についている以上見逃すわけにもいかないのだ。
>>665
『萌葱アテナ……、と。』
警官は聞き出した名前や住所を手持ちの
PDAに打ち込み、なんらかのデータを照合している。
犯罪者データベースか、それとも住民票かなにかか。
どちらにしろ、今のアテナには咎められる事など無いのだから……。
『上のビデオデータを拝見したが、
君はここに居合わせただけのようだね。
……もう行っていいよ。』
上、といって親指で上のヘリを指す。
恐らく、機体搭載のカメラの事だろう。
それにはアテナが後からやってきた事がばっちりと映っていたのだ。
- 667 :萌葱 アテナ ◆NSEW/xeQlk:2012/07/28(土) 00:18:09 ID:7gFzKdaU0
- >>666
「あ、はいわかりましたっ!
ご迷惑をお掛けしてすいませんでした!」
深々と頭を下げると、鎌の女性の方に視線をちらりと向けて。
少し以上に心配そうな表情を浮かべて、公園の外に出る。
「どうしよう、かなぁ。
首突っ込んじゃったし、このまま帰るのも……」
小さくつぶやくと、アテナはとりあえず気を張りながら、近くのコンビニで状況が変化するのを待つことにした。
何も起こらなければきっとそのまま帰っていくだろう。
- 668 :萌葱 アテナ ◆NSEW/xeQlk:2012/07/28(土) 00:18:39 ID:7gFzKdaU0
- /*途中投稿すいませぬ!*/
- 669 :?:2012/07/28(土) 00:32:36 ID:dL8H4NjE0
- >>665
「……まあ、逃げるか。警察の相手も飽きてきたし」
欠伸を一つして、近づいてくる警察を見据える。
>>666
「ほらやっぱり万が一が起きちゃった」
「私がおこしたっていえなくもないけど、まあどうでもいいや」
右手をポケットから引き抜き、手錠の鎖めがけて振り抜く。
右手に握られていたのは大振りの、何の変哲もないナイフ。
鎖など到底切れたりしない……はずなのに、耳障りな金属音をたてて、鎖が切断される。
「私を捕まえたいなら軍隊でも持ってきなー!そんじゃ!」
ポーチから一枚のカードを取り出し、地面にたたきつける。
カードが淡い光を放ったかとおもうと、一瞬にして2m程の、手品にでも使われそうな外見の箱が現れる。
「開けゴマ!」
少女の言葉に反応するように、箱についた扉が開くと、
そこから吹き出した黒い霧が辺り一帯を一瞬にして埋め尽くすだろう。
霧は数分後には消えるだろうが、その時にはすでに少女は別の場所へ転移しているだろう。
- 670 :萌葱 アテナ ◆NSEW/xeQlk:2012/07/28(土) 00:33:34 ID:7gFzKdaU0
- >>666
「あ、はいわかりましたっ!
ご迷惑をお掛けしてすいませんでした!」
深々と頭を下げると、鎌の女性の方に視線をちらりと向けて。
少し以上に心配そうな表情を浮かべて、公園の外に出る。
「どうしよう、かなぁ。
首突っ込んじゃったし、このまま帰るのも……」
小さくつぶやくと、アテナはとりあえず気を張りながら、近くのコンビニで状況が変化するのを待つことにした。
何も起こらなければきっとそのまま帰っていくだろう。
>>669
「……やっぱり、逃げたかー」
はぁ、と溜息をついて。
アテナはコンビニでお菓子を買うと、そのまま家路につくのだった。
- 671 :黒沢小百合:2012/07/28(土) 00:42:52 ID:SSMHlh/20
- >>669
『ムッ、貴様ッ!!』
警官は即座に引き金を引く。
通常の犯罪者でも一瞬の判断が命取りになるのだから
相手が異能者ともなれば、なおさらのこと。
――バスッ、バスッ!!
しかし、霧の中でおおよその狙いをつけて放たれた弾丸は
少女を掠めることなく、数m先の煉瓦壁を空しく傷つけるだけだった。
- 672 :名も無き異能都市住民:2012/07/28(土) 23:19:54 ID:SSMHlh/20
-
『闇祓騎士団』を狙っているものは何も、
治安維持組織ばかりではない。
『馬鹿者どもめが、我らに機械の矢など効かぬ。』
『嘆かわしい事です、この都市は化け物どもに
迎合した堕落した者と、剣すら握れぬような軟弱者ばかり、とッ――。』
――ドスッ
重症を負い、血を這って逃げようとしていた男の背後。
闇の中に一筋の刃がひらめき、その背をぱっくりと断ち切る。
路地のあちこちには、同様の死体が7つほど転がっており
それらは皆、この辺を根城とするギャング組織の構成員であった。
こうした都市の暗部の勢力にも人外は存在し、
当然、闇祓騎士団を潰そうと画策している組織もあるのだ。
『よし、こんなものだろう。
あの機械の矢はいささか音が大きい。
すぐここにも街の者がやってくるぞ。』
しかしながら、尋常の戦力では騎士団を潰す事は叶わない。
火の粉を振り払った団員たちは刃にべったりとついた血を拭い、得物を収めると
その場を立ち去っていく。
- 673 :ガイスト:2012/07/28(土) 23:38:26 ID:IrsgDsYs0
- >>672
団員たちが足を向けた先、いかにも人外といった風情の男が座り込んでいた。
10代前半という外見に関わらず髪は白く、肌もまた石膏のように白い。
白黒の逆転した目は隠された凶暴性を滲ませ、視線は虚ろに虚空に向けられていた。
団員たちが何もしてこない限りはこちらも何もしない。
もっとも、座っているだけで邪魔ではあるのだが。
- 674 :名も無き異能都市住民:2012/07/28(土) 23:56:41 ID:SSMHlh/20
- >>673
『…………たしかに馬鹿者が多いようだぜ。』
団員の一人が、先ほどの発言になぞらえた台詞を吐く。
憎い相手を前にして、さきほどよりもなお忌々しさを増した言葉が、
掻き消えてしまわぬほどの刹那に、既に団員全員が柄に手をかけていた。
『逃げんとは、これはまた愚かだな。』
――ザリッ
一人が、地を蹴ると共に襤褸が風に翻る。
人を斬ったばかりだというの、まるでに鏡のように
街灯のおぼろげな光を反射する刀身がぎらりと飢えたように閃いた。
- 675 :ガイスト:2012/07/29(日) 00:07:54 ID:IrsgDsYs0
- >>674
「フン…」
斬りかかる相手が目に入っていないような動きで、ゆっくりと立ち上がる。
しかしほとんど見えないような−触れると切れそうな−ワイヤーが男の腕から伸び、二人の間に井の字形のネットを張る。
「思慮が足らんな。」
刀では到底斬れない強度を誇るワイヤーだが、念のためにバックステップで回避できるよう体勢を整えた。
- 676 :名も無き異能都市住民:2012/07/29(日) 00:17:51 ID:SSMHlh/20
- >>674
ワイヤーの圏内にまず入ったのは、
最初に突撃した一人の男の体でも、またその得物でもなく。
その体に直接付与された、『防御術式』であった。
――バシッ!!
防御壁が瞬時に展開し、ネットを弾き飛ばし、
突進にあわせて、ぐいと推し進めていく。
このままならば、自信のネットによって絡み取られるか、
切り裂かれるかだろう。
さらに……。
――ヒュォッ!!
突撃した一人の頭を越える様、孤を描くように飛来する物体がある。
鋭く回転しているため、正確になにかと判断しにくいがどうやら短刀であるようだ。
短刀の着弾から間をおかずして例の男の初撃がくる。
そして、たとえそれを回避しても後続の間髪入れぬ追撃に晒されるだろう。
この敵は、チームでガイストを追い詰めてくる。
- 677 :ガイスト:2012/07/29(日) 00:30:07 ID:IrsgDsYs0
- >>676
「群狼。マスターならこの戦法への対処を得意とするが…。」
仕方あるまい、と呟いて。
「プロト、起動。」
瞬間、彼の背中にオーロラの翼が生えた。
頭上にエンジェル・ハイロゥが白く輝き、瞬きをして開いた目は血のように赤い瞳をもっている。
無言で彼は、防御を兼ねた攻撃を繰り出した。
何の変哲もない、単なるエネルギー放射。
しかしそれは全方向に、車をも軽々と吹き飛ばすほどの威力があった。
- 678 :名も無き異能都市住民:2012/07/29(日) 00:46:29 ID:SSMHlh/20
- >>677
――バシッ、バチンッ!!
放出されたエネルギーの波が、防御術式とぶつかり
まるで小さな稲妻がおちたかのような破裂音を路地裏に幾度と無く響かせる。
『むッ、ぐぬ……!!』
『中々に強いが、この程度ではな。』
鍛え上げられた騎士といえど、さすがにこの奔流の中を
強引に吶喊する事は叶わずその場でどうにか後退を堪えるだけで精一杯。
しかし、例の『術式』は未だに健在だ。
――ゥー、ゥー
さすがに、これほどの騒ぎを起こし続ければ
ほとんど見捨てられたような路地にも警官はやってくる。
サイレンの音が、此方に近づきつつあった。
- 679 :ガイスト:2012/07/29(日) 00:59:48 ID:IrsgDsYs0
- >>678
さて、この群狼にどう対処するか…ん?
僅かな隙にそういうことを考えていると、緊急車両のサイレンが聞こえてきた。
しかし悲しい哉、警察か消防か救急か、またどこに向かっているのか判断できなかった。
「あちらを助けるべきか…。」
エネルギー放射をやめると、サイレンの音源に向けて飛び去ろうとする。
音源に集中するあまり、後方への注意が殺がれていた。
- 680 :名も無き異能都市住民:2012/07/29(日) 01:18:10 ID:SSMHlh/20
- >>679
パトカーは何を隠そう、『この』騒ぎを聞きつけて
やってくるのである。別段、ここで持ちこたえて敵をひきつけさえいれば
もう少しでこの場に援軍が押寄せるだろう。
『少し、時間をかけすぎたか……。
まあいい、今日はそれなりに破廉恥なものどもを駆除できた。
あまり、無理をすることもあるまい。』
『グッ、目の前に敵を残して、引くと仰るか……!』
騎士団としても、あまり事を大きくしすぎると都合が悪い。
万が一、団員を欠く事にでもなれば少数精鋭の騎士団には大きな打撃となるからだ。
『自ら虎口に飛び込むはただの愚者というものだ、エミリオ。
血気に逸る気持ちも分かるが、年長者のいう事は聞くものだ。』
――パシュッ
集団の指導的立場にあると思われる老齢の騎士が、
なんらかの物体を地面にたたき付けると瞬く間に、猛烈な煙幕が路地に広がっていく。
この煙に乗じて、逃げるつもりだろう。
- 681 :ガイスト:2012/07/29(日) 01:31:10 ID:IrsgDsYs0
- >>680
「賢明な判断だ。」
リーダー格と思しき騎士にそう言った。
術式などが入っていない煙幕など彼の前にはないも同然だったが、追撃する意志はなかった。
「プロト、停止。」
翼も光輪も消え去り、目も白黒の逆転したそれに戻る。
空中をそれなりのスピードで、警察とは知らずに緊急車両の元へ何か手伝えはしないかと飛んでいくのだった。
- 682 :名も無き異能都市住民:2012/07/29(日) 01:49:28 ID:SSMHlh/20
- >>681
煙はその後十数分もの間残り続けた。
晴れた頃には、当然帝の姿など無くあたりには、
ただ被害者の死体が無残に転がるだけであった。
- 683 :萌葱 アテナ ◆NSEW/xeQlk:2012/07/29(日) 15:30:51 ID:7gFzKdaU0
- AGカフェ。
客足も落ち着き、静かな店内で机を拭く少女がいる。
ぱたぱたとせわしなく動く、赤毛の少女だ。
ウェイトレス服はブラウスにショートパンツ、エプロンという動きやすい格好。
赤毛はポニーテールに纏められて、布巾を頭に被っている。
「むっふっふー……新メニューも好調だし、夏限定のレギュラーメニューにしてもいいかも!」
新メニューとして数週間前に実験的に販売し始めたスイーツの売れ行きが想像以上に良く、上機嫌なのはそのため。
和風パフェに盛りつけるための抹茶と黒糖のカステラが焼きあがったのを確認すると、取り出して落ち着かせるために暫く置く。
鼻歌を歌いながら自家製アイスを作る姿は、見た目相応の光景だったろう。
- 684 :レラ=バニッシュ:2012/07/29(日) 15:49:10 ID:haugAEa.0
- ―――カラン、カラン。
ドアが開き、それに付随した鈴が鳴る。
現れたのは蒼い髪の少女。アテナの友人の一人だった。
「外は暑いな……」
真っ直ぐにカウンター席まで歩いて行き、たどり着けば登る様にして椅子に座る。
窓の外を眺めながらそういうが、顔に汗などは見られず紅潮している風でもない。
レラの見ている方とは逆側の窓には四脚の機械が止まっているのが見える。それに乗ってきたのだろう。
- 685 :萌葱 アテナ ◆NSEW/xeQlk:2012/07/29(日) 15:53:42 ID:7gFzKdaU0
- >>684
ドアベルが鳴ると同時に、キッチンの奥からひょこりと表れる。
入ってきた客の正体に気がつけば、にこりと微笑みを浮かべ。
「あ、レラいらっしゃーい!
冷たいものでも食べるー?」
と駆け寄っていき、食べるよね?ね?という様子を見せた。
なにやらとても嬉しそうだが、まあ脳天気気味なのは戦闘時や真面目モード以外の平常運転だった。
- 686 :レラ=バニッシュ:2012/07/29(日) 15:58:56 ID:haugAEa.0
- >>685
「そうだな……じゃあ、貰おうか」
少し思案する様を見せてから頷いた。
レラ自身、食への興味が薄く、食事に来たわけでも無かったのだが、
アテナに詰め寄られるとどうも簡単には断りきれないらしい。
- 687 :萌葱 アテナ ◆NSEW/xeQlk:2012/07/29(日) 16:05:06 ID:7gFzKdaU0
- >>686
「りょーかい、じゃーちょっと待ってて」
そう言うと、カウンターの奥のキッチンへと引っ込んでいくアテナ。
ちょうど落ち着いてしっとりとしてきた抹茶と黒糖のカステラを確認。
冷蔵庫から手作りのバニラアイスを取り出すと、良く冷やした器に盛りつけていく。
カステラを切り分け、抹茶と黒糖を各自一片づつ添え、くず餅を幾つかアイスの周りに入れる。
きなこをさらりとふりかけ上から黒蜜を掛ければ、和パフェ黒蜜味の完成だ。
予め入れておいた冷たい緑茶をコップに注ぎ、盆に乗せ。
アテナは危なげない様子でレラの前にそれを置く。
「ふっふっふーっ! アテナ特製AGカフェ夏の新メニュー!
和風パフェ、黒蜜きなこだよ! ご賞味あれー」
アテナはうきうきした表情で、レラの感想を心待ちにしていた。
- 688 :レラ=バニッシュ:2012/07/29(日) 16:23:38 ID:haugAEa.0
- >>687
「アテナも研究を怠らないと言う事か」
出てきた和風アイテムをじっと目を凝らして眺める。
先述の通りレラの食への興味は薄い。美味しければそれでいいと言ったタイプの人間だ。
しかし、やはり綺麗に盛り付けられると食欲をそそられる。
目の前のパフェはまさにそれの当てはまる品で、スプーンを持つ手も何処となく乗り気だ。
「余り和風の物を口にする習慣は無いのだが……うん、旨いな」
先に、詳しくない事を断っておいてから一つ口にする。
それから小さく頷くと、先の断りが必要なかった物と思えた。
「しかし、夏か……」
いつの間にか梅雨も去ったのか陽の光はジリジリと肌を指すものになっている。
普段、陽にあたらない青白い顔色をした少女には機械から入口へのたったの数mでも辛かった事を思いだす。
- 689 :萌葱 アテナ ◆NSEW/xeQlk:2012/07/29(日) 16:33:52 ID:7gFzKdaU0
- >>688
「まあねー、努力ってのは嫌いじゃないしさ、料理も武術も魔法もね」
腕を組んで、えっへんとドヤ顔。
料理には興味がなくとも、その涼やかさは夏の暑さを僅かにでも忘れさせてくれる。
そして、ドキドキしながらレラの反応を待っていたアテナは感想を聞いて、うへへーと緩んだ顔を見せた。
「レラにも好評だし夏限定メニューにしちゃおっかな」
うんうん、と頷いて。
何円くらいで売るかを考えて。
レラのぼやきに思考を引き戻されて、苦笑。
「あっついけど私はきらいじゃないかなぁ、夏って。
なんか元気になっちゃうし、アイスが美味しいし、お祭りとかあるしさ」
窓からカンカン照りの外を見て。
やっぱり暑すぎるのは嫌かも、と前言撤回していた。
- 690 :レラ=バニッシュ:2012/07/29(日) 16:57:38 ID:haugAEa.0
- >>689
「そう言うのは程々にしておくべきだ。身体を壊すぞ」
割と、ソフト目に「努力は控えておけ」と伝えた。
相手がアテナだからそうしたのであって、他人が言えば真っ向からその理論は叩き潰されるだろう。
レラは誇れる頭脳がある為に自らを天才と呼び高すぎる自尊心から周囲の人間を見下す必要がある。
優れた人間とそうでない人間によって上限の差があると考えるレラにとっては、努力というものはあまり好きでは無かった。
美味による綻びも消え、真顔で忠告を告げる様子からそれは感じ取れるだろう。
「すまないな。余り気の利いた事は言えず。
ただ味の保証はできるだけだ。クロスに食べさせるのが順当な流れだろうな」
スプーンの先をアテナに向けてそう言う。
その後、もう一口分を救い上げ口に運んだ。
「僕にとっても、大事な時期だ。
特にこの月の最終日、7月の31日はな」
カウンターテーブルの上に置かれた小型端末を眺める。
移されたカレンダーの7月の31日は火曜日の列にあることを確認し「そうか」とつぶやいた。
- 691 :萌葱 アテナ ◆NSEW/xeQlk:2012/07/29(日) 17:06:58 ID:7gFzKdaU0
- >>690
「むー、結構楽しいんだけどね、自分を追い込むのって。
でも心配してくれてありがとね、レラ」
自分の限界に挑戦することが好きなアテナとしては、努力は好ましいものだ。
武の本領は才ではなく、積み上げられていく努力によるものと認識しているのもその理由の一つだ。
ただ、それを絶対とせずに、自分は好きだよ、とだけ言ってのけるのがアテナの人間性だ。
それでも自分に忠告をしてくれたことに対する感謝をアテナは忘れない。
「そだねー、前の柑橘系タルトもそうだったし。
だったらもうちょっとレシピを吟味したほうがいいかなぁ」
黒蜜もうちょっと甘みを抑えて――、やらブツブツ呟くちびっこ料理人だった。
「7月31日――うーん、闘祭くらいしか思い当たる節は無いなぁ。
あ、因みに私も出るから応援よろしくねっ!」
思い当たるイベントと言えば、そのくらいだった。
- 692 :レラ=バニッシュ:2012/07/29(日) 17:24:54 ID:haugAEa.0
- >>691
「フン……」
如何言った意味だろうか。
僅かに視線を逸らしつつ鼻で笑う。
アテナの事は認めているのだが、直線的過ぎるところだけはレラの好みには合わないようだ。
パフェをスプーンで弄りつつアテナを見る。
細められた瞳は深々と見つめている。観察と言った風な、視線。
「そういば、そんな物もあったな。
応援くらいはしてやろう。頑張れよ」
フッ。と笑みを見せ激励の言葉を掛ける。
言葉としては薄くありきたりだがレラの言葉にしては十分すぎる程である。
- 693 :萌葱 アテナ ◆NSEW/xeQlk:2012/07/29(日) 17:32:17 ID:7gFzKdaU0
- >>692
「むー」
とりあえず唐突にレラの髪の毛をわしゃわしゃと撫でることにしたようだ。
強いが柔らかく優しい手つきで、仲直りの気持ちが感じられるだろうか。
「どしたの?」
自分に向けられた視線に気が付き、ふと首をかしげてみせる。
「ふっふっふー、レラの応援が有れば100人力だよ!
勝ってなんとかしてログハウスを改築するんだ!」
素直に喜ぶアテナ。
素直でないレラが、珍しく応援をしてくれた事が嬉しかったのだ。
- 694 :レラ=バニッシュ:2012/07/29(日) 17:41:32 ID:haugAEa.0
- >>693
「ッ、な、なんだ急に……」
驚きの表情を見せるが、そのまま縮こまる。
スプーンを持つ方とは逆の右手で頭を撫で続ける手を掴む。
外そうとするが、余りにも非力な為にちょっと力を籠めれば居座る事は簡単だろう。
「別に、何でも……」
目を逸らした後瞳を閉じる。
小さく息を吐き目を開けるとそこにはいつも通りのレラの顔。
「ログハウスかー……」
旧ログハウス。以前アテナの友人もいた時にそこに住まわせてもらっていた。
ミラージュが暴れ全壊させてしまった事は部下の河平から聞かされた。
「あぁー……兎に角、悪かったな」
- 695 :萌葱 アテナ ◆NSEW/xeQlk:2012/07/29(日) 17:57:53 ID:7gFzKdaU0
- >>694
「いや、なんか無性に撫でたい気分になっただけー」
ゆるい笑顔を浮かべて、手を掴まれれば素直に手を外す。
嫌がらせのつもりは欠片もなかった。
「ならいいんだけどさ」
なんだったんだろ、と疑問に思いつつも。
とりあえず気にしない事にする。
「ん、別に立て直すくらいどうってこと無いしさ。
あの掘っ立て小屋、いつか建てなおさなきゃって思ってたからむしろちょうど良かったというか。
ま、気にしないで、ね」
に、と笑顔を浮かべて。
気にしていないのは事実で、それをまっすぐに伝える。
そして、先程から引っかかっていた7月31日、それを思い出した。
「って、31日ってレラの誕生日じゃんか!
えっと、なんか食べたいご飯とか無い? ケーキも作るよ?」
お金はないため、気の利いたものはプレゼントできないが。
それでもご飯くらいなら美味しいものを作るつもりはあった。
- 696 :レラ=バニッシュ:2012/07/29(日) 18:09:26 ID:haugAEa.0
- >>695
「それなら別に……」
大人しく手を外せな起こりはしない。
俯き目な顔は何処か紅かった。
「丁度良かったからと言っても破壊されてそれでいいとは……まぁ、解った。
闘祭の優勝賞金でもう一度立て直すんだったな。それなら尚更頑張ってくれ」
気まずそうな顔をした後に大きく頷く。
気にしなくてもいい。という言葉を強めるための誇張表現だと解ってはいるのだが、当事者からすれば素直に流せるわけにもいかず。
目下、闘祭優勝のモチベーションになると言うのなら、その後でもいいか。とか考えていた。
「別に気を遣わなくてもいい。本当の誕生日じゃないからな。
ただ昔世話になっていた人に適当に付けられただけだ」
大切な日。とはそう言った意味。
パフェを掬い上げ美味しそうに頬張ると口から引き出したスプーンを向けて。
「別にこれでも構わんぞ? 十分な味だ」
- 697 :萌葱 アテナ ◆NSEW/xeQlk:2012/07/29(日) 18:14:13 ID:7gFzKdaU0
- >>696
からからと、楽しそうに笑い声を上げて。
最後にくしゃりとレラの髪を軽くかき回した。
「ん、電線引いてガスも引ければいいんだけどねー。
水道は井戸掘ったら水脈当てたから大丈夫なんだけど」
あまり来にしていないことを言いすぎても、と思い。
ログハウスをどうするかに思いを馳せていた。
なお井戸は素手で掘った。
「むー……、だったら今度私の新メニュー一番にごちそうしたげる。
だから好きなものとか有ったら教えてほしいなって、レラの好きなものを作るからさ」
それでは、アテナが納得できなかった。
だから、レラの好きなものをやっぱりつくりたい、そう思う。
- 698 :レラ=バニッシュ:2012/07/29(日) 18:27:30 ID:haugAEa.0
- >>697
「ぁ、……やめろと言った筈だ!」
油断していたからかビクリと身体を跳ねさせる。
同時に外見相応の子どものような声を発してしまい、それが恥ずかしくてさらに赤くなる。
終いには声を荒げて怒鳴ると顔を逸らしたままパフェを食べ進める。
「これもそうじゃないのか?
別に好きなメニューなんか無いぞ、お前の好きにしろ」
いじけてしまった様で、返事は何処かぶっきら棒。
- 699 :萌葱 アテナ ◆NSEW/xeQlk:2012/07/29(日) 18:40:58 ID:7gFzKdaU0
- >>698
「ふっふ、油断大敵ー」
にぃ、と笑ってみせる、アテナ。
精神年齢的にはどっちもどっちだろうか。
「むむぅ……、ほっぺたおちるくらい美味しいの作ったげるから!
んじゃ、そろそろバイト終わりだし、ちょっと着替えてくるよ」
そういって、アテナは奥に引っ込んでいき。
戻ってくるとレラがパフェを食べ終わるのを待ちいっしょに帰ろうとすることだろう。
- 700 :レラ=バニッシュ:2012/07/29(日) 18:45:56 ID:haugAEa.0
- >>699
「解った。
……待っておく」
そう返事を返し、残り少なくなったパフェを食べる速度を上げる事にした。
いじけた風だったがやはりアテナの事は良い友達だと思って居るのだろう。小さくため息を吐きつつそう続けた。
- 701 :高向谷 司朗:2012/07/30(月) 21:26:03 ID:KbES/2ag0
- 【公園】
俺にとって、この間の戦いは衝撃的なものであったことは違いない。
腹を切り裂かれ、河に落ち、生死の境を彷徨ったせいなのか、
俺の瞳は少しだけ乾いてしまった。
さすが都市の医者というべきか、傷跡は残らなかったものの、心が何か化学変化を起こしたようだ。
しかしだ。
バースト バースト バースト
「圧縮弾!圧縮弾!……圧縮弾!」
バースト バースト
「……圧縮弾!圧縮弾!」
バースト
「圧縮弾オオオォォォ!」
気流眼が使えなくなったのは俺にとってそれ以上の衝撃に違いない。
「やかましい!」
「あっ、ごめんなさい」
司朗は、公園で叫んでいたが、近所の人に怒られた。
「……っかしいなあ」
- 702 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/07/30(月) 22:18:28 ID:vljhfSlg0
- >>701
「うー、なんかようやく疲れが取れてきたかのようです」
【大きく伸びをしながら制服を来た少女が公園を歩いてくる】
「何か騒がしい声が聞こえてきますね…
一体何があったんでしょう」
【ゆっくりと騒音…もとい声の聞こえる方へと歩いて行く】
- 703 :高向谷 司朗:2012/07/30(月) 22:23:33 ID:KbES/2ag0
- >>702
「やっぱり、無くなってる……」
司朗は自分の背中の首筋を触る。
やはり、背中の気流眼自体が無くなっている。
「病院では一度使用していたな。
原因が精神的なものとは考えにくい」
司朗が腰にぶら下げたエンブレムがカチカチと音を立てて動いた。
あの事件の後、エンブレム=ティルヴァは故郷へ帰ったのだが、
残されたエンブレムを介して会話が出来るのだ。
「……あれ?鶫さん?
この間はありがとな、何とか退院したよ」
司朗は鶫に気づいて振り向いた。
- 704 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/07/30(月) 22:26:38 ID:vljhfSlg0
- >>703
「ん?ああ、司朗さん!
元気になったんですね」
【大きく手を振り挨拶している】
「こちらこそ、助けに慣れてよかったですよ。
私も大したダメージを受けずに済みました」
【頭を下げていった】
「先程から大声が聞こえていたのですが…
一体何があったんです?」
- 705 :高向谷 司朗:2012/07/30(月) 22:30:32 ID:KbES/2ag0
- >>704
「流石にこの都市の医者はスゲーな。
あんなにざっくりいってたのに、傷跡一つ残ってない」
腹の傷は、完全にふさがっているようである。
「……ん?ああ……。
ちょっと、気流眼が使えなくなってな」
少し目を逸らしながら、よそよそしく言った。
過剰に心配されたく無いのだろう。
- 706 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/07/30(月) 22:34:28 ID:vljhfSlg0
- >>705
「ええ、ほんとに凄いですよねー。
実は私も色々戦いに巻き込まれて色んな負傷をしたんですよ。
全身を切られたり刺されたり、あるいは体中を何度も殴られたりとか」
【軽く言っているが、どうやら相当な命のキケンを乗り越えてきたらしいことがわかる】
「えっと…大丈夫でしょうか?
能力が使えてない、ってことですか?」
【どうやら気になったらしい。じっと見つめている】
- 707 :高向谷 司朗:2012/07/30(月) 22:39:52 ID:KbES/2ag0
- >>706
「使えないって言うか、無くなった……って言った方が正しいか。
背中に会った筈の眼が無くなってるんだ」
未だ目を逸らし、頭を掻いている。
「最初はクーガンって奴に負けたショックだと思ったんだけど、
見たとおり病院では使えてたんだ。
なんか別の原因だと思うんだけど……」
病院で腹の傷が開いた後、何かあったと司朗は想像しているが、
特に思い当たる節は無い。
- 708 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/07/30(月) 22:44:52 ID:vljhfSlg0
- >>707
「無くなった…
能力がなくなるなんて想像も出来ません…」
【うーん、と下を向いて唸る】
「何か別の原因ですか。
でも私が見た限りではあの時に何かあったようには思えませんでしたが…」
【不思議そうな顔で答える】
- 709 :高向谷 司朗:2012/07/30(月) 22:51:22 ID:KbES/2ag0
- >>708
「……まあ、もともと能力を持て余してた奴が元に戻っただけなんだ。
それでいいのかも知れないな」
ふっ、と格好つけて言った。
が、どこかやせ我慢にも見えるか。
「竜道術はアイツが居なくなったせいでそれ自体消え去ったらしいし、
竜震裂だけは使えるらしいけど、ティルヴァはもう使わせてくれないらしいけど、
ピンチの時は助けてくれるらしいから心配は要らないや」
司朗は言った。
それに付け加えるように、ティルヴァが喋りだす。
「ティルヴァと言うのは私の本当の名だ。
……一応恩人だからな、それぐらいの義理は果たそう。
だが、不当に強い力を与えるのは、司朗のためにもならん」
- 710 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/07/30(月) 22:55:05 ID:vljhfSlg0
- >>709
「なるほどね…
まあ、それならばしょうがないのかもしれません」
【つぐみもムリにフォローはしない。彼女自身もその自体について考えるのは難しいのだ】
「色んな術を持っていたんですねぇ…
ティルヴァ…あのエンブレムのお名前ですか」
【今になって気づき】
「離れたところに行ってしまったんですか。
でもまぁ、ピンチの時に手を貸してくれるならそれでいいんでしょう」
【そう言って笑いながら頷いた】
【そして、ティルヴァの言葉を聞いて少し考えた…】
「本来の能力とかがあったりするんでしょうか?
司朗さんには…」
- 711 :高向谷 司朗:2012/07/30(月) 23:00:35 ID:KbES/2ag0
- >>710
「本来の能力か。
さあなあ、専門家ならわかるかも知れないな」
投げやりに言った。
「故郷に帰ったんだってよ、クーガンとかの竜道師がかつて栄えた、今は無人の谷に。
まあ、こいつでいつでも会話できるから、
今までと立場的に殆ど変わりは無いんだけど」
つい、別れの際に司朗が突っ込みを入れたことだ。
「……っつーか、そういやお前、いつでもこっちに来れるんだってな?」
エンブレムをゲートに、いつでもこっちに来れるらしかった。
- 712 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/07/30(月) 23:06:57 ID:vljhfSlg0
- >>711
「そうですね、なにか能力を見出す方法がわかればいいんですが…
やっぱりよくわかりませんねぇ」
【頭を掻きながら答える】
「そうですか。その谷と言うのはいなくなってしまった場所なんですね…
それは通信機の代わりになるんですか…」
【じっとエンブレムを見つめる】
「えぇ?すぐにでも来れるんですか?
いろんな機能があるんですねぇ」
【感心しているようである】
- 713 :高向谷 司朗:2012/07/30(月) 23:12:39 ID:KbES/2ag0
- >>712
「そう簡単に手に入ったら悪の組織類も簡単に計画が進むだろうに」
ため息をついた。
「これは竜道板って言って、竜道術師には結構普及してたツールらしいんだ。
他の魔術にも結構適正はあるらしいよ、俺はティルヴァの力を介してしか使えないけど」
司朗には殆ど仕えないらしいが、なんだか色々便利なものらしい。
「って言うか、谷も地図で見たらいくら都市の外とは言え意外と近いところだったり、
色々と拍子抜けなんだよ……」
- 714 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/07/30(月) 23:16:40 ID:vljhfSlg0
- >>713
「それは同感です…」
【納得したように答えた】
「なるほど…そんな万能アイテムがあるとは驚きですね…
魔術に適正があるってことは…
そちら関係でなにか学んでみたりとかはどうでしょうか?」
【なにか思いついたように鶫は答える】
「この都市の近くにあるんですねぇ。
私は街以外の知識を殆ど持ってないからそこは驚きですよ」
- 715 :高向谷 司朗:2012/07/30(月) 23:20:38 ID:KbES/2ag0
- >>714
「そうだなあ……。
でも、そこまでして異能を持つ意味ってあるのかな」
司朗は首をかしげた。
「魔術に適正があるのはこのツールであって俺じゃないけど……。
まあ、それも面白そうだな。
気まぐれでやってみるか」
少しはその気があるようである。
- 716 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/07/30(月) 23:27:42 ID:vljhfSlg0
- >>715
「異能を手に入れるかどうかの考えは人それぞれですからね…
そこは司朗さんが決めることでしょうね」
【そう言ってじっと司朗を見つめた】
「あ、そうなんですか…
でも、その気があったのならば嬉しいですよ。
なんかお役に立てたような気がします」
- 717 :高向谷 司朗:2012/07/30(月) 23:31:40 ID:KbES/2ag0
- >>716
「まあ、さっきも言ったとおり、
異能を持ってなかった奴が元に戻っただけだから」
まあ、今まで戦った奴からの闇討ちには気をつけないと、と付け加えた。
「……ちょっと出たかったんだけどな、闘祭」
司朗は呟いた。
- 718 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/07/30(月) 23:35:40 ID:vljhfSlg0
- >>717
「それはある意味では正しいことなのかもしれませんね。
ひとまず、気をつけておいたほうがいいでしょうね」
【大きくうなずき答えた】
「闘祭…
確かにあの闘いではいろんな人と出会えますからね。
戦った後に色々知り合いができるかもしれませんし…」
【何処か楽しげに答える】
「あ、すいません。こんな事言って」
- 719 :高向谷 司朗:2012/07/30(月) 23:39:31 ID:KbES/2ag0
- >>718
「いや、別にいいよ。
それにしても、気流眼を失ったのはいいとしても、
その理由が曖昧なのが腑に落ちないなあ」
アゴに手を当てて眉をひそめた。
- 720 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/07/30(月) 23:43:28 ID:vljhfSlg0
- >>719
「理由はこれから見つけるかしていけばいいでしょうね。
ひとまず今は休んだほうがいいかもしれません」
【じっと見つめながら言う】
「何かあった時は私も手を貸しますよ。
お助けできることがあればいつでもいいですよ」
【どうやら気を使っているようだ。能力がない状態では心配なんだろう】
- 721 :高向谷 司朗:2012/07/30(月) 23:47:07 ID:KbES/2ag0
- >>720
「さあて、休むも何も、今までも行き当たりばったりだし……。
あ、暫くティルヴァの谷に旅行に行ってみるのも面白いかな。
丁度大学も休みになるし」
思いついたことを言った。
「そんなに心配しなくても、ティルヴァが居るから大丈夫だって……。
まあ、こいつもあんまり頼らせるつもりは無いらしいけど」
「私は自立を促す」
- 722 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/07/30(月) 23:52:21 ID:vljhfSlg0
- >>721
「それは良い提案です。
休みは旅行に行くのがいちばんですよ!」
【嬉しそうに頷いた】
「大丈夫ですよ。
頼れる人間がいることはいいことです。」
【大きく頷いた】
「多分そのティルヴァさんもそういう人の一人ですよ」
- 723 :高向谷 司朗:2012/07/30(月) 23:57:21 ID:KbES/2ag0
- >>722
「頼れる……」
司朗は竜道板を見た。
「人間?」
人間ではなくドラゴンだった。
頼もしすぎる。
「まあ、お約束な冗談は置いておくとして……」
- 724 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/07/31(火) 00:03:05 ID:vljhfSlg0
- >>723
「そこは言葉のアヤですよー!
気にしないで下さい!」
【ちょっと恥ずかしそうに答えた】
「ひとまず、私が色々言うことではありませんね。
司朗さんがやりたいようにするといいと思います!」
【つぐみはそう言って頷いた。】
- 725 :高向谷 司朗:2012/07/31(火) 00:07:47 ID:KbES/2ag0
- >>724
「やりたいように、ねえ」
エンブレムの正体を見つけ出した今、特にするべきことは無いのが現状。
気流眼が消えた原因を探るにも、手がかりが不足しすぎている。
「まあ、暫くはのんびりすることにするよ。
腹の傷も、見た目が消えただけで、
まだ体力は万全じゃないかもしれないし」
司朗はそう言って、公園の外に向かって歩き始めた。
「それじゃ。俺は帰るよ。
またね」
「さらばだ、鶫」
司朗は立ち去った。
- 726 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/07/31(火) 00:11:29 ID:vljhfSlg0
- >>725
「わかりました。
ゆっくり養生してくださいね」
【大きくうなずいた】
「さようなら!司朗さん!
ティルヴァさん!」
【そう言って大きく手を振って見送っていった】
「さて、私も夏休みに何をしましょうか…」
【つぐみも色々考えながら立ち去っていった】
//お疲れ様でした
- 727 :名も無き異能都市住民:2012/08/01(水) 00:36:41 ID:SSMHlh/20
- 【地下暗黒街】
「さあさ、闘祭第一試合、黒沢小百合vs萌葱アテナがはじまったぞッ!
賭けたい奴はもうおらんかね、もう札残り少ないよ!!」
闘祭を楽しむのは一般市民だけでなく、裏の世界の者たちも同様。
ここ、地下暗黒街では本日は闘技場の開催を中止し代わりに闘祭の映像を中継する
特別のモニタを設置し、試合の勝者を予測する違法な賭けを行なっていた。
『アテナだよ、30枚くれッ。』
『こっちは黒沢10枚、いや15。おいモリソン爺さんはやらんのかい?』
『あぁ?わしゃあ、もうちっと戦況見てかけるぁ。
こういうのは焦ったら負けじゃて。』
- 728 :アイリス:2012/08/01(水) 22:34:25 ID:do5XJmGE0
- 【AGカフェ】
いつも通りにカウンター席に腰掛け、店員が見当たらないカフェに報道各社の紙面が広がった。
それらは全て過去のものだ。
紙面上で集めるのは『闇祓騎士団』の最近の動向だ。
だが、有用な情報は見つけられず、紙面を占めるのは闘祭のことばかり。
注目選手として、幾人かの選手の名前が挙げられ、特徴も書かれていた。
アイリスは諸事情につき、少しの間都市を離れており、その間の情報収集を行えていなかった為、情報の齟齬の修正を行う必要があった。
外で買ってきたのか、湯気立つカップコーヒーに砂糖一匙、ミルク二匙を流し込み、混ぜる。
黒い液体はすぐさま色を変える。
「さて、闇祓騎士団の行動も含め、そろそろシステム<術式>を完成できればいいのだけれど。
そろそろ勧誘も進めつつ協力者に物を渡さなければならない。
……ふぅ、まったく、まるで道が見えないね。どちらに振ろうともどちらも疎かになる。困ったものだ。」
ふぅ、と溜息を付けば、未だに着ている制服のブレザーを脱ぎ、ネクタイを解いた。
- 729 :ガルテラ:2012/08/01(水) 23:09:16 ID:KbES/2ag0
- >>728
「ふむふむ、楽しみですねえ。
こういう対戦カードになりましたか」
右手にカンテラを持った男が、左手に雑誌を持ってカフェに入ってきた。
彼もまた、闘祭に魅せられている者の一人である。
「鶫さんはシードですかあ。
幸先良い……んでしょうか」
大会に優勝するのが目的ならば有利であるが、
大会の参加目的が戦いたいということならあまりよくないスタートである。
「でもまあ、応援させてもらいましょう」
そう言って、雑誌をテーブルに置いた。
「……おや!貴方は。
お久しぶりです、その節はどうも」
ガルテラはsのときようやくアイリスに気づいた用で、お辞儀をした。
- 730 :アイリス:2012/08/01(水) 23:21:27 ID:do5XJmGE0
- >>729
闘祭の特集が組まれた紙面には、黒沢小百合・萌葱アテナ・シロード・スィヴエアにチェックが入っていた。
この三人はアイリスと交友関係が有り、その中でも特にアテナにはより大きなチェックが入っている様子である。
師と仰ぎ、基礎を教えてもらった相手。この三人の中ではアテナだけが頭ひとつ分、『特別』であった。
「久しいね。…、君はガルテラ、だったかな。
あの時は乗り切れて良かった。彼等は僕達にとって非常に面倒な存在だ。勿論、君にもだ。
何と言っても『人外と人外に与する人間の殺害』が目的だからね。
あの時以降、襲われてはいないかな?」
あの時、彼等闇祓騎士団と遭遇したのは偶然であった。
だが、それが結果としてガルテラとの繋がりを作ることに成功していた。
ガルテラと出会えた。
あの襲撃以降から会いたいと思っていた相手が現れ、アイリスの顔は僅かにほころんで。
- 731 :ガルテラ:2012/08/01(水) 23:28:26 ID:KbES/2ag0
- >>730
「はい、ガルテラです。
貴方も闘祭に興味がおありが?」
ちらりとアイリスの手元の紙面を勝手に覗き見する。
「あの集団……。
結局噂は聞いているものの、
実際に襲われたのはあの時だけです。
貴方も無事のようで安心しました」
一般人が見れば油断を誘発する、
ガルテラの無害そうな笑顔はさすが悪魔というべきだろうか。
とは言え、安心は口先ではなく本心であるのだが。
「失礼ですが、貴方の名前はお聞きしましたっけ?」
- 732 :アイリス:2012/08/01(水) 23:47:13 ID:do5XJmGE0
- >>731
「ああ。前回は参加できなかったからね。
今年こそは参加をしようと思っていたんだけど、大事な用事が入って、戻ってきた頃には受付期間が終わっていたよ。
今年はタッグ戦というものがあるみたいだから、そちらに出場できたら出場してみようと思っているよ。
この三人、黒沢小百合、萌葱アテナ、シロード・スィヴエアが僕の注目選手でね。
まったく…、一回戦から当たってしまうなんて籤の神はまったくもって分かっていないね。」
指先で指し示すのは本戦の一回戦、黒沢小百合vs萌葱アテナの対戦カードだ。
早くも優勝候補の一角が激突との前評判だ。
このカードが早く観れて嬉しい半面、勿体無い気がするのも半面である。
「良かった。一度背を任せた仲の相手が彼等に倒されていないか、或いは傷を負わされていないかと気になっていてね。
彼等の武器、いや、術式は非常に強力だ。報道を見る限り、襲われた人外の中で生き残っている者は極僅か。他は例外なく殺害されている。
僕らは“極僅か”の中の二人だね。僕は、君に会えて嬉しく思う。」
ガルテラに向けるアイリスの顔は、微笑み。
アイリスの目的はガルテラのスカウトである。
「ああ、そうか。あの時は……、では改めて名乗ろうか。
アイリス・フォン・ルズィフィール。一夜城の主だ。以後お見知りおきを。」
ガルテラの人畜無害そうな顔、話の腰を折らぬ丁寧な姿勢。
偶然とはいえガルテラに会えた幸運は微笑みという喜色で現れた。
- 733 :ガルテラ:2012/08/02(木) 00:01:14 ID:KbES/2ag0
- >>732
「なるほど、私は先の戦いの通り、
直接戦うことよりもサポートの方が性に合っていまして。
――まあ、あの時はさんざんたる結果でしたが――
参戦はせずに観戦だけにとどめておこうかと」
件の集団との戦いは、あまりガルテラにとっては満足いく結果ではなかったようである。
「ああいった人外排斥目的の輩と戦ったのは初めてではないですが、
今回の一団はまた今まで経験した中でも強力な部類に入ります。
まあ、その分この都市の人でない者達もまた、強力な力を持っているようですが」
ある意味ではバランスが取れているのか、と呟いた。
「一夜城、噂には聞いています。
直接行った事はありませんが、部下は何度かお邪魔しているようで……その城主様でしたか。
対抗するつもりではございませんが、私も名も無き城を異界に持っていまして少し興味が……。
こちらこそよろしくお願いいたします」
もしかすると、一夜城の一般に開放しているエリアで、
少し騒がしい、顔まで黒ずくめの黒子のような格好の一団を見たことがあるかもしれない。
- 734 :アイリス:2012/08/02(木) 00:20:02 ID:do5XJmGE0
- >>733
「それも一つの楽しみ方だね。歓声を聞くだけで思いのほか、心揺さぶられることに気がついたよ。
言われてみれば、ガルテラはずっとサポートに回ってくれていたね。
何をするつもりかまでは分からなかったけれど、ずっと気を引いてくれて助かった。改めて礼を言わせてくれないか。
あの時、君が彼等の気を引いてくれなければ、皆が危なかった。…ガルテラ、ありがとう。」
3秒ほどの間を置き、アイリスが紡いだ言葉は感謝の意。
勿論、闇祓騎士団の一部を相手取るガルテラ、ツェペリンのお陰で騎士団員の捕獲に成功したのも事実。
これは二人の助けがあって初めて成せたことだ。
「一夜城にはいつでも来ると良い。一夜城は人外に開かれた城でね。勿論ガルテラも歓迎だ
黄昏の護民団…、騎士団に対抗する為の組織の拠点にもしている。人間、人外関わらず協力してくれる猛者もいる。
どうだい、ガルテラの力を僕達に貸してくれないかな。」
アイリスは一度言葉を切れば、持ち込んだコーヒーを一口飲む。
ガルテラのいう、名も無き城に大いに興味がある。建築様式、建築方法、維持や危機管理の方法などだ。
「異界の城…、僕も興味がある。一度、覗かせて貰ってもいいかな?」
恐らく黒ずくめの黒子達は、遊んでいるだけなのだろう。
害を与える様子も無いことからメイド長で話が止まっているはずだ。
メイドは騒がしいだけでは注意することなどしない。それがお客様ならなおさらだ。
- 735 :ガルテラ:2012/08/02(木) 00:41:56 ID:KbES/2ag0
- >>734
「私にはあまり満足できませんでしたが、
お役に立てていたのならそれ以上のことは無いですよ」
とは言うものの、あくまで自衛のための行為。
ガルテラは進んで人のためになるようなことはあまりしないし出来ないのだ。
「私が戦うのは、自らのためのみです。
……勿論この街は好きですが、悪魔としてのけじめでしょうか、
無償で私が力を振るうことは、自ら枷をかけているので出来ないんですよ。
だから、残念ですが……」
ガルテラは目を瞑って言った。
そして、アイリスに背を向ける。
「と、ここで断れば様になるのですがね」
不意を撃つように、顔だけ振り返った。
「私の部下達が一夜城で騒ぎ、さぞかしご迷惑をおかけのことでしょう。
その責任は、彼らを纏める私が取らねばなりません。
取引としては変則的ですがどうでしょう、
その"おわび"として、私、いや我々が街を守るために動く、というのは」
ガルテラは、自分に枷を掛けていて動けない。
しかし、屁理屈をこねてでも街は守りたい、そんな気持ちから生まれた言葉であった。
ちなみに我々というのは、ガルテラの部下達を含めてのことである。
「勿論、私の城にもいずれご招待いたしますよ。
"商談"の相手としてね」
いちいちたいそうな名前をつけるのは鼻につくかもしれないが、
商談相手というのもまた、ガルテラが自分の枷を騙すための名前ばかりのものであった。
- 736 :アイリス:2012/08/02(木) 01:09:38 ID:do5XJmGE0
- >>735
「メイド長から聞いている。このところ、騒がしい集団が僕の城に時折発見されるとね。
そうか、ガルテラ達だったか。その“お詫び”とやらを、しかと聞き届けた。」
黒子が騒いでいるのはガルテラから聞き及んだ情報。それに合わせる形で騒がし過ぎる、だがお詫びをするのなら良い、と言葉を続けた。
本来、このような態度を取る必要は無いのだが、ワザと『騒がしくて迷惑している』ように言う。
何か異常があれば、メイド長からアイリスへの報告となる、職務上のもの。決しておかしくは無い。
リリシアと話していても思う。悪魔に必要なものは対価。
それは形あるもの、無いものと多岐に渡る。
そういった面だけを見れば、人間より悪魔のほうがよほど確りしている印象を持つ。
「ふふっ、商談相手か。
僕を商談相手に選ぶ以上、生半可なものは用意してくれないようにしてくれると嬉しいね。」
変則的な取引。契約は街を守る。対価は黒子の騒ぎを“意図的に見逃す”
悪魔とのやり取りが不慣れなアイリス。ガルテラの提案に合わせる形の回答をした。
この回答が正しい、正答といえるのかは、ガルテラには分かってもアイリスには分からない。
- 737 :ガルテラ:2012/08/02(木) 01:21:57 ID:KbES/2ag0
- >>736
「契約は成立です」
ガルテラは憑き物が落ちたかのような顔で言った。
本来悪魔は憑く側のものなのだが。
「私への用事は、先ほど言った"黒ずくめ"を通じてください。
これからは一日に一度は訪れさせることにしましょう。
……存分に騒げますからね」
小さく笑いながら言った。
アイリスの対応は、普通の悪魔と対峙するには解らないが、
少なくとも、ガルテラという悪魔との取引の形としては模範回答であった。
- 738 :アイリス:2012/08/02(木) 01:30:24 ID:do5XJmGE0
- >>737
「分かった。メイド長から通達を出させるようにする。
ふふっ、余り大きく騒がないようにしてくれ。」
街を守る。アイリス達黄昏の護民団と目的は違えど、結果として『街を守る』という終着点にいきつく以上、協力していてもおかしくは無い。
辻褄を合わせるシナリオを描く必要があるが、これはこれで良い。
ガルテラとは別に、アイリスは笑みを浮かべて立ち上がった。
「分かった。目に余る状況なら、僕から直接伝えるとしようか。
今宵はこれで失礼するよ、ガルテラ。」
懐から取り出すは羽。
それを摘めば、アイリスの姿は消えて行くだろう
- 739 :ガルテラ:2012/08/02(木) 01:38:52 ID:KbES/2ag0
- >>738
「ええ、ご連絡お待ちしています。
ではまたいずれ」
そう言って、羽根を受け取り、
消えるアイリスの姿を見送った。
「さて……黄昏の護民団……と言いましたか、彼女達は。
メンバーは他に誰でしょうかね」
そう言って、AGカフェから退出し、
ガルテラは暫く後に、カフェに行ったというのに、
何も口にしていないのを思い出すのであった。
- 740 :高向谷 司朗:2012/08/03(金) 23:20:17 ID:KbES/2ag0
- 「ふう、やっぱり家に風呂があっても、
たまには金払ってでかい風呂入りたいよなあ」
銭湯から、洗面器を抱えた、帽子の男が出てきた。
今風呂を上がったところなのだろう。
男は帰路につく。
「おっと……牛乳忘れてた」
途中紙パックの自販機を見つけ、フルーツ牛乳を購入。
一休みに、近くの公園に入っていった。
- 741 :イクス・エターナー:2012/08/03(金) 23:36:55 ID:iGkCISWU0
- 宵の刻。作業服姿の若者はぼーっと星空を見ていた。
「ああ……今回はだいぶ負けたからなァ、3日くらいここが定位置かもな」
自販機の裏側、その若者は無気力な様子で座っていた。
よく見れば、その自販機のコンセントは、彼の背中に接続されていたことに気付くだろう。
「――暇だ、著しく暇だ」
――音楽でも聞こうか。
そう考えた彼はポケットからウォークマンを取り出し、そのイヤホンを耳に当てる。
直後、そのウォークマンの充電器らしきコンセントを、彼は自らの首に――突き刺した。
痛みで僅かに顔が歪む。ブチッと音が鳴り、コンセントは無事、彼の首筋と癒着する。
そこで、彼は帽子の男が自販機を訪れたのを確認することになる。
「お、暇つぶしの相手発見っと」
その男が公園へと曲がっていくのを、忍び足で尾行する。
しかし男が公園へ入るためにその身を右へ翻した辺りで、自販機のコンセントがピンっと張りつめた。
「(――うおっ、やべっ!!)」
引っこ抜けるコンセント、ずっこける若者。
ここまですれば、尾行されていた当の本人も気付くことができるだろう。
- 742 :高向谷 司朗:2012/08/03(金) 23:45:43 ID:KbES/2ag0
- >>741
「……?」
帽子の男、司朗は物音を聞き、振り向いた。
見れば、作業服の男が何かに引っかかったのか、倒れている。
「大丈夫ですか」
洗面器に紙パックを入れ、
司朗はイクスに手を差し伸べた。
(どうやってこんなところでつまづくんだろう……)
司朗は内心に浮かんだ疑問を押しつぶした。
- 743 :イクス・エターナー:2012/08/03(金) 23:55:59 ID:iGkCISWU0
- >>741
「ああ、悪ぃな。」
差し伸べられた手を取って立ち上がる。
そして、後ろに転がっているコンセントを、自分の背中にぶっ刺した。
帽子の男の視界の端で、自販機の光が再び灯るのを確認できるだろう。
「本日は、この自販機をご利用いただきありがとうございます。」
若者は、帽子の男に笑顔を浮かべた。所詮、営業スマイルである。
- 744 :高向谷 司朗:2012/08/04(土) 00:04:55 ID:KbES/2ag0
- >>743
「いえ、どういたしまして」
司朗だって、異能都市の住民である。
大きな驚きはみせず、まあそーいう仕事の人なんだろうな、と自身を納得させた。
「何所の会社のアンドロイド?」
しかし、ビミョーに司朗との想像は事実と食い違うようである。
- 745 :イクス・エターナー:2012/08/04(土) 00:19:17 ID:iGkCISWU0
- >>744
「ああ、俺は正真正銘、生身の人間だぜ?」
さっきの営業スマイルとは口調が一変する。
これが彼の素なのだろうと、恐らく誰しもが分かるように、彼は態度を崩した。
「まあ、あれだ。コレが本当の自家発電ってやつ。」
と、いいながら、彼は無造作に携帯ゲーム機のコンセントを肩に差込み、実践してみる。
起動するだけするが、プレイはしないまま電源を切った。
「今の時代、電気ってのは高く売れるからな。困った時はこれで凌いでる。」
そういって親指で後ろの自販機を指差した。
そうして彼は、頭をかきながら言葉を続けた。
「で、なんでこんな所に貼り付けになってたかっつうと、それはアレだ。
恥ずかしい話、博打で負けた借金だな。うん。」
そんな彼の様子は、語る内容に相応しく、ノリの軽い印象を与えるだろう。
- 746 :高向谷 司朗:2012/08/04(土) 00:30:15 ID:KbES/2ag0
- >>745
「ああ、人間だったか、悪い……」
そう言って、コンセントを繋ぐところを見た。
「生身の人間だぜって言われて発電を実践されても説得力は無いと思うが。
普通の人間にはそんなことは出来ん」
ロジックがおかしいなどと、何所からか些細なことを指摘する声が聞こえた。
しかし、それは司朗の声とはいささか違う。
「あと博打はやめておけ、身を滅ぼ――」
「っだ、こいつ、やかましい!」
司朗はその、イクスを諭そうとする声を遮るかのように、
腰にぶら下がっている板状のアイテムをポケットに入れた。
「……いや、初対面なのにツレが変なこと言ってすまん」
この男も何か、普通でない要素があるらしかった。
- 747 :イクス・エターナー:2012/08/04(土) 00:47:42 ID:iGkCISWU0
- 「ああ、ロジックなら前文明の奴等に聞いてくれ。
今の科学じゃ、寧ろ絶対不可能だって証明されてるぐらいだ」
そういいながら、イクスは自らの胸――心臓の辺りに少し触れた。
まるでその中に、自分の人体以外のものが入っているかのように、どこかよそよそしく。
「あん?身を滅ぼす? いいんだよ、人生、楽しくなきゃ意味ねぇじゃん。」
そういって自販機の様子を見に戻ろうとした時、イクスは初めて、その声の異変に気付いた。
そして直ぐ、帽子の男の様子から、腰に下げてあるモノがその異変の原因であることに気づく。
「あれ?もしかしてアンちゃんも変なヤツを"飼ってる"のか?」
- 748 :高向谷 司朗:2012/08/04(土) 00:56:52 ID:KbES/2ag0
- >>747
「あー、多分そういう技術的な意味じゃなくて、
文章の組み立ての方のロジックを言ってるんだろうけど……」
板状のアイテムを入れたポケットで、ガチガチ音が鳴る。
何かが動いているのだろうか。
「ちょっとまて、飼ってるとかそういうことは……」
「ふっ……ざけたことを抜かすなあ!」
司朗のポケットから、巨大な魔法陣のような文字が浮き出した。
その中から、窓から顔を出すように、巨大な青いドラゴンの首が出現する。
「私はこの男に恩義はあるが、
飼われると評されるほどまでに落ちぶれた覚えはない!
今すぐ訂正しろ!」
「解った、解ったから戻ってろ、な!
あくまでこいつとは"友達"であって、そういう主従関係じゃないから!」
今にも全身出てきそうなそれを、司朗は必死に押し戻す。
- 749 :イクス・エターナー:2012/08/04(土) 01:07:47 ID:iGkCISWU0
- 違和感の原因である板状のモノを見ていると突然、魔方陣のようなものから竜の首が現れた。
その怪異は間違いなくイクスを睨み付けているようで――。
「(うおお、マジか。)」
イクスは恐怖よりもむしろ、好奇の眼で、そのドラゴンを見ていた。
――あ、これ、さっきの俺の発言に怒ってんのか。
「悪かったって、んな怒るんなよ。 俺のたァ色々と勝手が違うのは分かったからさ」
覗き込むドラゴンの相貌。それにイクスは宥める様に答えた。
そしてその視線は、帽子の男へとシフトする。
「こりゃ面白いな、一体どういう仕組みだ……?」
- 750 :高向谷 司朗:2012/08/04(土) 01:18:39 ID:KbES/2ag0
- >>749
「戻れっ……戻れってんだ!
ふう……」
ドラゴンは魔法陣の中に押し戻され、魔法陣は消え去った。
とは言え今や能力を持たない司朗がドラゴンの力に勝てるわけも無く、
単に"悪かった"という台詞に鼻息が荒いながらも身を引いただけだ。
「複雑な仕組みは無いよ、ただ、このカードが"扉"の役割を果たしてるだけで」
単純に、プレートは魔道具であり、
先ほどまで喋っていたドラゴンの本体はここではない別の場所に居て、
扉越しに話していただけであると言う話だ。
「ふう……もう一度言うけど、こいつは友達だ。
悪いけど、飼ってるとかそういうことは言わないように」
本当は、司朗も怒るつもりだったのだ。
しかし、ドラゴン――個体の名はティルヴァのあまりの剣幕に、
自分が怒るタイミングを逃したと言うわけだ。
- 751 :イクス・エターナー:2012/08/04(土) 01:38:39 ID:iGkCISWU0
- 魔方陣が掻き消えた後の静寂、それにイクスは少しばかり安堵した。
涼しげな風が、街を駆けた。
「ああ、なるほど。それがどっか別の所に繋がってるって訳か」
"扉"という言葉を、イクスなりに理解した。
つまり亜空間かどこかから、あのアイテムを通して呼び出しているということだろう、と。
「ああ、それは本当にすまなかった。てっきり何かの力を封印してるモンかと思っててな。」
頭を掻きながら話を続ける。
「俺のはどっちかっつうと"寄生"に近いな。 マヤ文明の発明したであろういわゆる永久機関が、ここに。」
そういってイクスは、自分の胸を指差した。
彼の血流の流れやリンパ管の流れとは別に、可変的なエネルギーの流れを持つ。
紆余曲折あって、今では体と様々な機械とのリンクを測れるようになったのだ。
今回の場合、永久機関による半永久的なエネルギーの放出を、電力に換算して供給しているのだ。
「うん、怒られたらなんか喉が渇いたな。ちょっと拝借するか。」
そういって、イクスは自分が担当する自販機に近寄り、なけなしのコインを投入する。
そしてボタンを押し、缶のコーラが出てくる瞬間に、彼は自分に刺さったコンセントを引き抜いた。
「――こうしてやると、残った在庫を全部吐き出してくれる訳だが……。」
自販機の下にかがみこみ、落ちてきた飲み物を確認している。
そして、帽子の男の前に戻ってきた時には、その手に二つの缶コーラが握られていた。
「丁度2つだったからやる。 受け取れぃ!!」
そういって、缶のコーラを軽く投げ渡そうとする。
- 752 :高向谷 司朗:2012/08/04(土) 01:50:36 ID:KbES/2ag0
- >>751
実は亜空間などと言った高尚な場所ではなく、
街の外の離れた国にある寂れた谷に住んでいることは、イクスは知る由も無い。
「いやまあ、確かにこの間まで色々あって封印されてたんだけどさ……。
いや、そのときから友達だったけど」
実際は師弟(司朗の方が弟子)という方が正しかったのだが。
今でも司朗は師事することは多いのだが、
封印が解けてからは互いに認める友達である。
「ああ、なんかアンちゃん"も"とか気になること言ってたな。
さっきからどうの言ってた奴がそれか」
一応一通りの話は流さずに聞いていたようである。
「おっ、サンキュ……コーラを投げんな!」
司朗は二つとも受け取るのだが。
「……うん?いらない?
物で解決出来ると思うな?根に持つねえ」
ティルヴァはイクスに聞こえない声で拒否(ポケットに入っているからなのだが)したらしい。
「……っつーわけで、一緒に飲もうぜ。
"あげる"」
司朗は一本を更にイクスに渡した。
返却ではなく、これもまた譲渡である。
- 753 :イクス・エターナー:2012/08/04(土) 02:03:58 ID:iGkCISWU0
- 「ハッハッハ! そんな現金なこと考えてねえさ。
ゆっくり仲直りしようぜ、な?」
投げ渡されるコーラを「サンキューな」といいながら受け取る。
「あ、そうだ、コンセント戻して置かねえと」
と、言いながら、自分の背中に自販機のコンセントを挿入する。
二度に渡って投げ渡されたコーラの中身は少し荒ぶったが、それでも大惨事には至らなかった。
「それ、開ける時に気をつけろよ。」
コーラを一飲みする。喉を過ぎる音。
「あ、これあんまり冷えてねえな。客がいない時はコンセント外してたからか?」
……どうやら勤務態度は宜しくはないようだ。
- 754 :高向谷 司朗:2012/08/04(土) 02:16:15 ID:KbES/2ag0
- >>753
「だから投げるなって言ったんじゃん……。
おっとと」
司朗は警戒しながらゆっくりとプルタブを上げた。
泡は出たが、吹き零れまでは行かなかった。
「ちゃんと仕事しろよ……」
コーラを啜りながら言った。
「まあ、コーラ奢ってもらっただけよしとするか。
悪いな、こいつが突っかかって。
まあ、なんとかなだめておくよ。
さて、水分も補給できたし、そろそろ帰るわ」
そう言って、洗面器を小脇に抱えて司朗は公園を出て行った。
- 755 :いくっさん:2012/08/04(土) 02:23:49 ID:iGkCISWU0
- 「おう、夜道には気をつけてな」
イクスは彼の背中が消えるのを確認してから、コーラを一気に呷った。
「――あと二日か…。」
彼はまた自販機の裏に隠れ、天上の月を眺めた。
「ま、ゲームのレベル上げでもしながら待ってっか」
そうして、夜は更けていった。
- 756 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/08/04(土) 03:34:58 ID:HnkBBDEo0
- 「ぬ、が……疲れた……」
夜中。
明かりの消えたAGカフェ店内に店長が現れる。
見たところ状態としては満身創痍。疲れ果てているようだ。
「やっぱ駄目だな、俺の能力は既に『完成』している。
これ以上はどうしようもないんだ。いやはや、若い頃みたいにはいかないね」
トントンと肩を叩きつつソファーに横になり、
「でも、ま。対策は取らせて貰ったさ。
こっちはこの街で築いてきたものが壊されようとしてんだ。
悪いが、必死に足掻かせてもらうぜ……」
そう呟くと、静かに寝息を立て始めた。
- 757 :名も無き異能都市住民:2012/08/06(月) 23:42:58 ID:hJ75UAJc0
- 【都市部】
「……おぉ、"闘祭"か」
蒸し暑い夏の夜
旅人風のくたびれた格好の男は街頭で流れるニュースに足を止めた
「(相変わらずというか何というか…)」
バトル展開−−しかもかな〜り派手目な−−に事欠かない街だな、何て
いつ以来か……久しぶりに訪れた都市で思い
「変わらねぇなぁ」
誰にともなく呟いた
何だか少し、その事に嬉しさを感じる自分に苦笑を漏らし
今度の滞在はどの位になるかなぁ、何て考えながら夜なお賑やかな街を歩いて行った
- 758 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/08/06(月) 23:54:05 ID:vljhfSlg0
- 「いまだれかいたよーな?」
【去ってからしばらくして、近くを少女が歩いてきた】
「きのせいかなの…
どこかでみたようなの…」
【首を傾げながらあたりを見回していた】
- 759 :ハフバル:2012/08/08(水) 01:53:08 ID:Us7NJGQA0
- 「くぅーん・・・」
一匹の小動物が、町にあるゴミに尻尾を巻きつつ拾っては
背中にいれつつトボトボと歩いていた。
- 760 :アドルフ・G・グリンデルヴァルト:2012/08/10(金) 21:50:42 ID:SEakzVeM0
- 【異能都市の外れ、広大な荒野】
果たしてここを都市に含めていいのか疑問である。
それほどまでに広く、何もない荒野。
正確に言うなら、数日前まで何もなかった荒野。
今その荒野にあるのは、数kmの電磁カタパルトと急造の巨大な格納庫。
カタパルトの始点に位置するその格納庫からは、全幅が500mをも超える巨大な全翼機がゆっくりと進み出る。
それを横から見ている少年は、銀髪に濃いサングラス。
背後にオーロラの翼を生やしたその姿で、少し緊張した目をその全翼機に向けるのだった。
- 761 :高向谷 司朗:2012/08/10(金) 22:20:44 ID:a8Y6fB0.0
- 公園に居たのは、青い竜、ティルヴァと、帽子の男、高向谷司朗。
司朗はなぜか、左腕を骨折しているらしく、ギプスを巻いていた。
「――ってことがあったんだ」
司朗はティルヴァに向かって、その左腕の理由を話していたらしい。
「そんなものと戦って、よく左腕一本の損傷だけで帰ってこれたものだ」
ティルヴァは大きくため息をついた。
「まあ、実際はあっちこっちヒルに噛まれたり、
色々と攻撃されたりしたけど、病院ですぐに治ったよ。
この腕も一週間以内に治るってさ」
「……この間の入院といい、金は何所から出ているんだ?」
「う……それを言うな」
- 762 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/08/10(金) 22:29:35 ID:vljhfSlg0
- >>761
「あうー、ちかくにびょーいんのにおいがするなの…」
【公園に包帯をグルグル巻いた少女がやってくる】
【先程から公園にいたようである…】
「んー?こっちかなの!
だれかなの〜?」
【そう言って司朗の方へと歩いて行く】
- 763 :羊の人:2012/08/10(金) 22:39:43 ID:Us7NJGQA0
- >>761
>>762
クゥーン・・・・
【犬のような動物の鳴き声がした】
「ニャー」
【猫のような羊のような、小動物がトボトボと歩いていた。】
- 764 :高向谷 司朗:2012/08/10(金) 22:40:30 ID:a8Y6fB0.0
- >>762
「あのがきんちょは……」
ディスを見つけて、司朗はその方向を向いた。
しかし、ディスの目に入るのは、司朗よりも先に、
体躯の大きな青い竜の方だろう。
「久しぶりに見たな。
……鼻のいいやつだ」
青い竜の正体は、エンブレムなのだが、
ディスに知る由は無いだろう。
- 765 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/08/10(金) 22:48:35 ID:vljhfSlg0
- >>763
「ん?なきごえがするなの…
ねこさん?いぬさんかなの?」
【鳴き声のする方を振り返ってみる】
「あうー?ねこさん…
よりもひつじさんかなの〜」
【座り込んで小動物を見つめた】
>>764
「あう?でっかいひと…
うーん、なんかちがうかなの〜」
【じーっと竜を見つめて驚きの表情を浮かべる】
「ん?もひとりは…『しろー』なの〜。
だいじょぶなの?けがしてるみたいなの!」
【慌てて駆け寄っていく】
「…だれかなの〜?」
【同時に竜の方へと顔を向けた】
- 766 :高向谷 司朗:2012/08/10(金) 22:54:07 ID:a8Y6fB0.0
- >>763
「なんじゃあの……モンスター」
とりあえず、自分の理解の及ばない生物は基本的にモンスターである。
害は無い様に見えるが、異能都市の生物だ、ただの擬態である可能性も高い。
>>765
「おう、久しぶり……」
言いながら、ティルヴァをちらちらと見る。
「……こいつ、エンブレムな」
そう言って、腰にぶら下げていたエンブレムを見せた。
なるほど、竜の紋章と確かに似ている。
- 767 :ハフバル:2012/08/10(金) 23:01:45 ID:Us7NJGQA0
- >>765
「くぅーん・・・」
【羊のような小動物は、巻いてある特徴的な尻尾を振りつつ
防人を見た】
>>766
「ワンッ」
【突然、小動物の背中からプラカードが出た】
[ノー]
なぜか英語である。
- 768 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/08/10(金) 23:07:02 ID:vljhfSlg0
- >>766
「そうだねなの、
ひさしぶりだよねなの〜…
もしかしてけがしてたの?それでずっとびょーいんになの?」
【軽く鼻を鳴らしながら心配そうに答えた】
「あう?そうなの?!」
【またしてもびっくりしてドラゴンに向き直る】
「なんでこんなにおっきくなったなの?」
【不思議そうに見つめている】
>>767
//すいません。名前間違えてました
「ん?どうしたの?
なにかたべたいのかなの?」
【じっと小動物を見ながら答える】
「どこかわるいのかなの〜?」
【そう言いながらあちこちを見つめる】
- 769 :高向谷 司朗:2012/08/10(金) 23:13:03 ID:a8Y6fB0.0
- >>767
「ノーじゃねーよ!
何が言いたいんだよ!」
司朗は叫んだ。
「まあ、敵意はなさそうだけどな……」
>>768
「いや、まあこいつの関係で病院に居たことは居たけど……」
再びティルヴァをちらりと見る。
「退院した後、最近また無茶してこの通り」
ははは、と笑った。
「色々あってな、記憶と体が戻ったのだ。
私は本当の名は"ティルヴァ"だ」
- 770 :ハフバル:2012/08/10(金) 23:17:28 ID:Us7NJGQA0
- >>768
「くぅーん」
【なきつつ首を振った。】
「きゅーん」
【ゴミ箱を小さい手足でつきつつ、尻尾でそこらへんの石を
器用に巻きつけ、地面に文字を書いた】
ごみ箱 中身
>>769
【背中にあったプラカードが下がり、再び新しいプラカード
があがった。】
[まぁまぁ落ち着けって]
やたらフランクである。
- 771 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/08/10(金) 23:20:48 ID:vljhfSlg0
- >>769
「あうー、なにかあったみたいだし…
そのときにけがしたなの?」
【どうやら竜との戦いの話はなんとなく聞いているようだ】
「けががすぐになおらなくなっちゃうかもしれないなの〜」
【怪我をジーっと見つめながら言う】
「きおく?あうー、よくわからないけどもどってきてよかったなの〜
…えっと、よろしくねなの!『てぃる』なの〜」
【ちょっと変な略し方で答えた】
>>770
「あう?
なか…ごみ?」
- 772 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/08/10(金) 23:21:38 ID:vljhfSlg0
- >>771
.//ごめん、途中で書き込んでしまった
>>770
「あう?
なか…ごみ?」
【不思議そうに文字を眺めた後…ゴミ箱の方に顔を向けた】
「あそこになにかあるの?」
- 773 :高向谷 司朗:2012/08/10(金) 23:27:17 ID:a8Y6fB0.0
- >>770
「落ち着いてるよ」
ため息をついた。
「変な生き物だ。
言えた義理ではないがな」
ティルヴァは、ハフバルを鋭く見下ろした。
竜にとってはそんなつもりは無いのだが、
睨みつけるような目付きに見えてしまう
>>771
「その時の怪我は全快したけど……。
まあ、異能の山ってとこに行って来て、
それでまたモンスターにやられちまって」
異能の山。
耳にしたことがあるかもしれない。
街の近くにある、街の異能の力を受けた山のことだ。
そこには能力を進化させるという奇妙な噂が流れている。
「大丈夫だって、医者には一週間足らずで治るって言われたし」
「ティル……まあ、よいか」
- 774 :ハフバル:2012/08/10(金) 23:40:29 ID:Us7NJGQA0
- >>772
「くぅーん」
【尻尾を使って文字を再び書く】
中身を背中に入れてくれ
>>773
「わんっ」
【尻尾を振りつつ、うなづいた。】
【そして再びプラカードが背中から出てきた】
[謎の生物なので]
なんか自覚しているらしい。
- 775 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/08/10(金) 23:42:33 ID:vljhfSlg0
- >>773
「んん?おやまなの?
…もしかしてあっちのほうにあるおやまにいってきたなの?」
【そう言って遠くに見えるお山を指さした】
「あぶなくなかったのかなの?」
【そうつぶやく。どんな山なのかはあまり聞いてないのかもしれない】
「そっかなの〜。
でもなおるまではむりしちゃだめだからねなのー」
【かる〜く怪我に触ろうと試みながら言う】
「あうー、よろしくねなの〜。
おなまえながいからちょっとみじかくしちゃったけどなの」
【よかったかなの?と言って上目遣いでティルヴァを観る】
>>774
「んんー、なかを?
ちょっとまってねなの〜」
【層言ってゴミ箱の中に手を突っ込み、ガサゴソ探り始める】
「なにがはいってるのかなの〜?」
【首を傾げながら言った】
- 776 :高向谷 司朗:2012/08/10(金) 23:49:36 ID:a8Y6fB0.0
- >>774
「そうかい……」
どうしろと言うんだ、というような顔で言った。
>>775
「めちゃくちゃ危ないけどな……」
むしろ、危ない目に会いに行ったのである。
「まあ、観光用の安全な道もあるらしいな。
今度はそっちにも行って見るかなあ」
腕を組んで考える。
「短くするのは構わないが、長いか?」
- 777 :ハフバル:2012/08/10(金) 23:59:31 ID:Us7NJGQA0
- >>776
「きゅーん・・・」
【尻尾を振りつつ、動いている】
>>775
「わんっ」
【突然、背中が開いて、機械の腕、ufoキャッチャーみたいな
腕がゴミ箱の中をあさり、ゴミを取り出した。】
「きゅー・・・」
【キャッチャーでつかんだゴミを背中に落とした。
落としたゴミは背中の開きの中へと消えていった】
「くーん」
- 778 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/08/11(土) 00:09:55 ID:vljhfSlg0
- >>776
「あうー、あぶないなの…
いかないほうがいいんだねなの」
【納得したように答える】
「あう、そっちだとあぶなくないなの?
あぶなくないみちあるんだねなの…」
【驚いた表情で答える】
「きにしないでなの〜。
たぶんよめないからかもしれないなの〜」
【慌てて手を振る。要するに難しい発音なので覚えられないということなのだろう】
>>777
「あうー!?のみこんじゃったなの!
それにてが…」
【びっくりした顔でジーっと機械の腕を見る】
「のみこんだのかなの?」
- 779 :高向谷 司朗:2012/08/11(土) 00:16:17 ID:a8Y6fB0.0
- >>777
「変な生き物も多いなあ、この街は」
頭を掻きながら立ち上がった。
>>778
「まあ、仕方ないことではあるが。
好きに呼べばいい」
「うい、そろそろ行くぞ」
司朗はティルヴァの前足を叩いた。
「うむ。ではさらばだ、ディスと謎の生物」
「んじゃまたなー」
そういい残し、ティルヴァはのしのしと、
司朗はスタスタ公園を去っていった。
- 780 :ハフバル:2012/08/11(土) 00:53:23 ID:Us7NJGQA0
- >>779
「わんっ」
【再びプラカードをあげた】
[Good Bye]
なぜか再び英語である
>>778
「ワンっ!」
【背中から別のプラカードが出てくる】
[ゴミ回収のノルマ達成したから餌もらいにいくわ]
やけにリアルな内容である
【尻尾で石を巻き、文字を書いた後、尻尾をふりつつ、
別の場所へとぼとぼと歩いていった】
さようなら たのしかった
//んじゃ寝ます、おつ。
- 781 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/08/11(土) 00:56:03 ID:vljhfSlg0
- >>779
「わかったなの、
へんなことじゃなくてよかったなのー」
【そう言って微笑みかけた】
「わかったなの〜。
またあおうねなの!」
【大きく頷いて見送った】
>>780
「あうー?おしごとしてるなの?
そういうことするどーぶつもいるんだなの〜」
【感心しているようだ】
「あう!こちらこそなの!
またあおうねなの〜!」
【大きく手を振りながら見送った】
「…あうー、そろそろかえんないとしんぱいするよねなの」
【辺りを見回した後、ディスもその場を去っていった】
//御ふたりとも乙ですー
- 782 :高向谷 司朗:2012/08/11(土) 22:18:00 ID:a8Y6fB0.0
- 【箱庭、荒野ステージ】
岩があちこちから突き出した荒野のステージ。
司朗は岩から少し離れ、拳を構えていた。
「……」
その右腕は、どう考えても岩に対抗できそうには見えない、
弱弱しい一般人のそれであった。
しかし、司朗は構えを解かず、意識を右腕と眼前の岩に向けていた。
「でええあああっ!!」
司朗は勢いをつけて拳を突き出した。
岩は砕け散るには至らなかったものの、岩の表面が大きくえぐれ散る。
「いっ……てて……」
司朗は拳をさするが、その拳も赤くなっているのみで、
傷を負うほどのダメージは見られない。
「こんなもんか、新しい能力……。
中々単純で使いやすそうだ」
拳をさすりながら、岩の欠片を手にとって、まじまじと眺めた。
- 783 :名も無き異能都市住民:2012/08/11(土) 22:35:58 ID:SSMHlh/20
- >>728
まるで遠雷のように、
何かが裂ける様な微かな音が響いた事に司郎は気づくだろうか。
そして、それから10秒と間を置かず……。
――ドガアァッ!!
司郎から30mほど離れた、朽ちて幹だけが残った枯れ木が爆ぜた。
いや、岩が、草原が、何もない場所が、降り注ぐ榴弾の暴力的火力によって
クレーターへと姿を変えていく。
- 784 :高向谷 司朗:2012/08/11(土) 22:43:13 ID:a8Y6fB0.0
- >>783
「うひゃあっ」
その光景に、司朗は目を瞑り、耳を押さえた。
「……わとっと。
なんだか凄い人が訓練してるっぽいなあ。
それとも軍隊?」
そろそろと目を開け、降り注ぐ榴弾を見物し始める。
「近づいたら巻き込まれるかなあ。
収まるまで待って見るか」
- 785 :名も無き異能都市住民:2012/08/11(土) 22:58:14 ID:SSMHlh/20
- >>784
ものの10秒もしないうちに
司郎は自分が相手の『攻撃範囲内』のまっただなかに
入っていることに気づくはずだ。
例えば現在配備されている最新鋭の兵器などの中には
半径数十mを破壊できる物も存在しており、今回使われている物は
最新鋭とはいかない物の、それでも司郎の位置では爆風や爆音の被害を被るだろう。
近づいたら、などというレベルではない。
最早巻き込まれているのだ。
- 786 :高向谷 司朗:2012/08/11(土) 23:06:53 ID:a8Y6fB0.0
- >>785
「……ちょっとまて、なんかこっち来てるぞ。
……逃げた方がよくね?」
そう呟いた直後の爆風。
「わっ……耳っ!耳!」
爆音に、耳に痛みが走った。
鼓膜が破れたほどではないようだが、十数秒間、音を失ってしまう。
「……マナーの悪い奴が居たもんだ……。
ログインしてる奴が居ることぐらい確認しやがれ……!」
耳を押さえながら叫んだ。
「何所だ……!?直談判だ……!
とりあえず一番でかいの……!」
周囲の兵器の中で、最もサイズの大きいものを見つけて叩くつもりだ。
- 787 :名も無き異能都市住民:2012/08/11(土) 23:19:26 ID:SSMHlh/20
- >>786
――大地が裂ける。
そういっても過言ではない猛爆であった。
周囲の兵器、といっても砲弾が大半。それらはどちらの方角から
飛んでくるかも分からない有様。
しかし、そうした砲弾に交じって北西の方角から
比較的低空・低速で飛行機が飛んできているのが分かるだろうか。
もしかしたらその方向に相手がいるのかもしれない。
- 788 :高向谷 司朗:2012/08/11(土) 23:30:44 ID:a8Y6fB0.0
- >>787
「あれかこの無差別爆撃やって遊んでるのは……」
走りながら目を細めると、
周囲の兵器とは違う動きをしている飛行機を発見した。
「……あれは……あたっ!」
爆風に煽られ、司朗は転倒する。
「……あったまきた」
司朗は立ち上がり、頬を叩く。
そして、しゃがみこんでクラウチングスタートのポーズを取った。
司朗の足のかかと、膝、腿部分から、奇妙な角のような物が二本ずつ生える。
「だあっ!」
地面を蹴ると、司朗は人間には到底不可能な速さで走りだす。
出現した角が、どういう原理か、異能なのか、筋力を強化しているのだ。
「あの高さなら捉えられる……!」
対象は低空飛行をしている。
またもや驚異的脚力で飛び上がり、今度は手首部分に二本、角が生えた。
「だあああらっ!!!」
飛行機の翼が一般的な素材ならば、司朗の拳は翼を突き破り、
司朗の身体をそのまま固定するだろう。
- 789 :黒沢小百合:2012/08/11(土) 23:46:47 ID:SSMHlh/20
- >>788
G型装備のスツーカは装備された
低空飛行しつつ対戦車砲で対地攻撃を行なうための機体。
急な運動性はそれほど考慮されておらず、
速度も最高時速376kmと同年代の航空機と比べても劣るため、
銃弾を見切る事ができるものもおおい異能都市の者なら、飛びつくのは容易だろう。
機体装甲を突き破り、固定された司郎。
このままうまくいけば相手の下にまで連れて行ってもらえるかもしれないが――。
「……? なにやら、異常が起こっているようだな。
機体のトラブルにしてはおかしい。爆撃に巻き込んだ、か……いや。」
この時点で、ようやく小百合は司郎に気づいた。
しかし、小百合の取った行動は護衛兼観測機として随伴させていた
メッサーシュミットbf109による、司郎への攻撃であった。
(また、私に喧嘩を売ってきた愚か者か……。
まったく、ゆっくりと訓練することもできませんね。)
小百合は恨みを買っている事や、その知名度から
こうした公共の場所で訓練すると一般の異能者から因縁をつけられたり、
挑戦をされることも日常茶飯事。
小百合はそのたびに叩き潰してきたが、今回もそれと同類と思われているのだろう。
- 790 :高向谷 司朗:2012/08/12(日) 00:12:40 ID:a8Y6fB0.0
- >>789
「アホー!何所のどいつだかしらねーけど急に割り込んできやがって、
人が居るフィールドと居ないフィールドの見分けもつかねーのかめくら野郎ー!」
司朗は風に煽られながら、罵りの叫びを上げる。
「何の恨みがあって人の訓練邪魔しやがって……うわっ!」
背後に見えるは護衛機。
機銃による攻撃に、司朗はうろたえる。
「ひいいっ!」
機体にぴったりと身体を張り付けて防御行動。
翼に大量の弾痕が付けられる。
「んなろーっ!」
左腕で翼の装甲を剥がし、盾として目の前に構える。
が、それによって右腕の固定が甘くなり、部品を巻き込みながら右腕が外れてしまう。
「うわあーっ!!!」
そのまま手足をバタバタさせながら司朗は荒野に落ちる。
- 791 :黒沢小百合:2012/08/12(日) 00:24:37 ID:SSMHlh/20
- >>790
振り落とされた頭上、
攻撃を受けたスツーカが黒煙を吐いたかと思えばそのまま炎上四散した。
「フン、身の程知らずめ。
貴様はネズミ捕りにかかったまま、炉にくべられるネズミのように。
そこから動くことすら出来ずに死ぬのだ。」
小百合は圧倒的に攻勢に強いタイプの異能者。
一旦、優勢になれば圧倒的火力によって殲滅戦を行なう事ができる。
今回もご多分に漏れず、落ちたところにその対戦車砲で襲い掛かるは別のスツーカ。
一機が撃墜されたところですぐさま他の機が攻撃に移り、
次から次へと体勢を整える間も無く迫る軍勢に打ち勝つのは容易なことではないはずだ。
- 792 :高向谷 司朗:2012/08/12(日) 00:37:38 ID:a8Y6fB0.0
- >>791
「いってえええ!
……気流眼か使えたらぁ……!」
対する司朗は、"今のところ"筋力強化しか持っていない、
はいて捨てるほど居る能力の持ち主である。
「いや、戦いに"もしも"はねえ!
……あの飛行機、いくら箱庭とはいえ味方に攻撃しやがった……。
もう少しで爆発に巻き込まれるところだったぞ」
司朗は相手の正体を見極めるのに重大なヒントを得た。
しかし、流石にそれだけで正体がつかめるほど司朗の頭の周りはよくないようだった。
そもそも、考え込む時間など無いのだ。
「うわっ、次のが来た!」
司朗は足に角を生やして前のめりに飛んだ。
そのまま転がりつつも、起き上がって走り出す。
「くっそー、荒野ステージじゃ隠れるところもねえ!
いや、あの火力じゃ隠れても無駄か……。
大体俺一人に対してあの火薬量ってどうよ!
……うわああっ!」
すぐ足元に、砲が着弾。
直撃はしなかったものの、司朗はその衝撃で吹き飛ばされた。
- 793 :黒沢小百合:2012/08/12(日) 00:48:29 ID:SSMHlh/20
- >>792
「……フン、全面攻勢だ。
目標、敵異能者。野戦砲、狙いを密にしろ。」
吹き飛ぶ司郎に容赦なく攻撃が降り注ぐ。
遠くからの砲撃は、その精度・頻度を増したように思えるし、
編隊を組んだスツーカ攻撃機が砲弾の雨を縫い、司郎を猛追する。
- 794 :高向谷 司朗:2012/08/12(日) 01:01:31 ID:a8Y6fB0.0
- >>793
「うわあああーっ!!!」
司朗はその直撃を食らう。
恐ろしいのは、吹き飛んだときに仰向け落ちた為に、
その砲撃が飛んでくるのを目の当たりにしなければならなかった点だろう。
司朗の姿は、着弾の衝撃により、砂埃に隠れた。
――――――
――――
――
「うわっ!!!」
司朗は箱庭へのアクセス装置から飛び起きた。
「はあっ……はあっ……」
「……見ていたぞ」
現実世界に戻ってきた司朗に声を掛けたのは、
腰にぶら下げていた竜のエンブレム、ティルヴァだった。
「ああもう、畜生……あんなわけの解らん奴に……奴らに?
……負けちまった」
司朗は俯いた。
「……」
「……ふう」
ティルヴァがため息をつく。
「――敗北を涙として流してはならない、敗北はよく噛み砕き飲み込むことで、
次の一歩を踏み出す為の養分とするのだ」
ティルヴァは諭すように司朗に告げた。
「……おう、解ってるって!」
司朗はぐっと拳を握り締めて見せる。
「だいたいなー……、ああいう自分勝手な奴が居るから、
都市の事件がいつまでたっても無くならないんだよな」
司朗は空を見上げながら、先ほどの相手を確認することも無くアクセス装置を後にした。
相手が千夜の都市警備部門主任とも知らずに。
- 795 :アドルフ:2012/08/12(日) 22:38:57 ID:SEakzVeM0
- 【箱庭、草原フィールド】
地下研究施設を破棄して以来、新しい武器などの試験に箱庭を使うようになった。
今回の主役は、黒い盾。
切り立った崖に立て掛けられたそれは、暗黒物質を含んだ合金製。
光も熱も衝撃も吸収してしまうその試作品に、500mほど離れたところから砲口を向ける。
撃った。
ぱっと見はライフルのように見えるその折り畳み式のバレルは3mに達し、20mmの砲口からは槍のように細い金属が音の10倍を越える速さで盾を目指す。
"槍"がまとう衝撃波が草原を耕し、安眠を妨げられた土が一拍遅れて舞い上がる。
アドルフが常時携行している兵器の中で2番目に強力な破壊力を持つ槍が、盾を破らんとする。
槍が盾に触れたその瞬間、 何も 起こらなかった。
槍の持つ運動エネルギーが余すところなく盾に吸収され、変形すら許されなかった槍が地面に横たわる。
「凄い…素晴らしい!
暗黒物質を防震合金に加えただけで、この効果。
宇宙まで採集に行った甲斐がある………!」
ふははははと笑い声をあげる、サングラスの少年。
銀の髪をかき上げ、達成感に溢れる表情で真っ黒な盾を見るのだった。
- 796 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/08/14(火) 22:12:10 ID:vljhfSlg0
- 【周囲のセミがけたたましくなく公園】
「いま、なにかみえたかなの?」
【不思議そうな顔であたりを見回す少女】
「あしがなかったようなの・・・。」
【あちこちを不思議そうに見回していた】
- 797 :高向谷 司朗:2012/08/14(火) 22:28:03 ID:a8Y6fB0.0
- >>796
「……熱いのに悪寒が……」
虫の知らせか何かが走ったのか、司朗は背中を掻く。
「能力者が攻撃を?」
悪寒の源泉を探して辺りをうろつく司朗、
やがて公園に辿り付くのだった。
- 798 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/08/14(火) 22:30:44 ID:vljhfSlg0
- >>797
「んー?
ぼんやりしかみえないなの〜」
【あちこちをうろつきながら少女は歩いていた】
「あうー?
だれがいるなの〜?」
【暗がりから少女は司朗の前に飛び出してきた】
【包帯ぐるぐる巻の姿は夜中にはインパクト抜群だろう】
- 799 :高向谷 司朗:2012/08/14(火) 22:38:31 ID:a8Y6fB0.0
- >>798
「あー、いきなり出るな、危ないから。
車に轢かれたりしたらどうする?」
ディスが見たのはファイティングポーズを取る司朗。
白い包帯は、暗闇では目立つ。
それが勢いよく飛び出してきたら、普通の目の人間は誰だってビビるだろう。
「なんか悪寒を感じたんだが、まさかディスじゃあるまいし」
- 800 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/08/14(火) 22:44:06 ID:vljhfSlg0
- >>799
「あうー、そのときはとめるなの!」
【そう行って手を前に出す】
「びっくりさせちゃったかなの?
その、いきなりでてきたからかなの?」
【そういって申し訳なさそうにいう】
「あうー?さむいなの?
あついとおもうんだけどなの〜」
【少し不思議そうに答える】
「あう、そいえばここにはへんなひとがとおってるみたいなんだけどなの〜」
- 801 :高向谷 司朗:2012/08/14(火) 22:51:57 ID:a8Y6fB0.0
- >>800
「止められた車超迷惑……」
そう呟いた。
「まあ、寒いっつーか悪寒だわな。
なんか憑き物でもあるかな……。
厄除けの呪文とかどんなんだったか……」
ぶつぶつ言いながら、自分の肩をもむ。
「ん?変な人っつっても都市は変態だらけだし……」
- 802 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/08/14(火) 22:55:58 ID:vljhfSlg0
- >>801
「あうー、そうだよねなの」
【素直に反省するように頭を下げた】
「つく?なにかくっついてるようにみえないけどなの…」
【そう行ってあちこちから司朗の姿を見るが…】
「ん?」
【揉んでいる肩の方にふと目を向ける…なにか見えたのだろうか?】
- 803 :高向谷 司朗:2012/08/14(火) 23:06:41 ID:a8Y6fB0.0
- >>802
「言葉通じなくても呪文って効果あんのかなあ……。
やっぱ物によるか……」
首を傾げつつ、公園前の通りの路地を覗いたり、
大通りの方を見てみたり、"変な人"を探そうとする。
「やっぱなんも居ないなあ」
ディスに背を向けた。
- 804 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/08/14(火) 23:08:58 ID:vljhfSlg0
- >>803
「あうー、じゅもん?
なにかにつかうのかなの?」
【不思議そうに答える】
「いないかなの…
あ、ひとはみえなくてもなの」
【そう行って林の奥の方を指さす】
「あそこにひかってとんでるのはみえるかもなの」
【人魂のことだろうか…司朗に見えるかどうかはわからないが…】
- 805 :高向谷 司朗:2012/08/14(火) 23:20:09 ID:a8Y6fB0.0
- >>804
「厄除けじゃん、くわばらくわばら」
桑原は本来雷避けの呪文といわれているが、
まあ、無いよりましだろう。
「民間伝承をないがしろにしちゃいかんよ」
信じすぎると痛い目を見ることもあるが。
「あれ……?
何だアレ……」
普通ならキャーキャー騒ぐものだが、
異能都市なんかに住んでいると感覚が鈍るものである。
しかし、得体の知れない物体、頭の中の疑問符は消えない。
- 806 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/08/14(火) 23:25:17 ID:vljhfSlg0
- >>805
「そっかなのー。
なにかとなえてたらいいことあるってことかなの」
【感心している。興味を持ったらしい】
「でんしょう…あうー、まだよくわかんないなまえなの〜」
【どうやら民間伝承は知らない言葉だったらしい。一応歳相応のようである。】
「ほたるさんかなの?
ひかるってほんにかいてあったからなの…」
【そう行って人魂らしき影を見る。】
【お盆の時期であるからなのだろうか…】
- 807 :高向谷 司朗:2012/08/14(火) 23:33:56 ID:a8Y6fB0.0
- >>806
「まあ、俺も最近そういうの勉強したんだけど……」
うんうん頷きながら言った。
司朗は近頃、ティルヴァに教えを乞い魔法の類の勉強をしている。
とはいえ民間伝承のような、基礎の基礎の基礎辺りからなのだが。
「うーん?蛍にしちゃあでか過ぎるな……。
まあ、害は無さそう……だ、け、ど」
目を細めて人魂を確認する。
- 808 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/08/14(火) 23:38:36 ID:vljhfSlg0
- >>807
「あうー、『でぃす』はぜんぜんなの〜。
おぼえたほうがいいのかなの?」
【困った顔で言う】
「あうー、もえてるみたいにみえるんだけどなの〜」
【どうやら人魂はただふよふよとその場で浮いているだけのようである】
【青白い光を放ちながら右へ左へと揺らめいている】
「もしかしてまいごなのかなの?」
- 809 :高向谷 司朗:2012/08/14(火) 23:48:56 ID:a8Y6fB0.0
- >>808
「さあ、どうだろうな……」
人魂がさして何もしないので、あまり興味なさげに呟く。
「……あ、盆に来たなら、
きゅうりとなすに割り箸刺しといたら帰れるんじゃないか?」
突然顔を上げて呟いた。
精霊馬のことを言っているのである。
- 810 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/08/14(火) 23:54:01 ID:vljhfSlg0
- >>809
「あうー?なすときゅうり?
そうだなの…おみせでうってるかなの!」
【なにか思い立ったように言う】
「いまからかってくるの!
あとわりばしもなの〜」
【居ても立ってもいられないという様子でディスは近くのお店に駆け込んでいく…】
【人魂は相変わらず一つだけが辺りをさまよっている…】
- 811 :高向谷 司朗:2012/08/15(水) 00:01:07 ID:a8Y6fB0.0
- >>810
「あ、まじで?半分以上冗談なのに……」
声をかける間もなくディスは走って言ってしまう。
「ここまで首突っ込んだら真面目に返してやらないと祟られるかなあ」
目を押さえて俯いた。
「……ティルヴァさ、なんかそういう、
媒体から精霊的なものを召喚する術とか無い?」
「漠然とした質問だが、お前のやりたいことは解った。
が、こういうものは正確な魔法よりも心のほうが大切だ、
心配せずともよい……」
司朗は腰にぶら下げた魔道具に話しかけるが、
軽くあしらわれてしまう。
司朗は仕方なく、人魂を見ながらディスを待つことにした。
- 812 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/08/15(水) 00:10:02 ID:vljhfSlg0
- >>811
【しばらくして…】
「あうーかってきたの!
おやさいとおはし!」
【そう言って割り箸、ナス、きゅうりの入った袋を下げて現れた】
「えーっと…これで
さしたらいいなの?」
【そう言って割り箸を片手に持ちながらナスを見つめる】
- 813 :高向谷 司朗:2012/08/15(水) 00:15:42 ID:a8Y6fB0.0
- >>812
「……本当にこんなもんで出来るんかね」
眉をひそめた。
「問題はあれが行くか来るかで迷ってるかどうかだけど……」
きゅうりの精霊馬は馬、下界に戻ってくるためのもの、
なすの精霊馬は牛をあらわし、天に帰るためのものである。
「まあ両方つくりゃいいか」
司朗はきゅうりを勝手に取り、割り箸を刺して馬を作ってみせる。
それを地面に置いた。
「なすにもこうやってみな」
- 814 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/08/15(水) 00:21:29 ID:vljhfSlg0
- >>813
「あうー、そっかなの!
そうやってつくるんだねなの!」
【きゅうりが馬に変わったのを見て微笑みながら言う】
「こういうふうにすれば…
いいのかなの」
【ディスは包帯をうねうねと動かしながら】
「えっと、あしがよっつだからなの…
これで・・」
【ナスの下の方に割り箸を刺してみせた】
「できたの〜。おうまさんなの!」
【とても嬉しそうに茄子の牛を見せた】
「これでまいごにならずにかえれるねなの!」
【人魂の方を見ていった。】
- 815 :高向谷 司朗:2012/08/15(水) 00:29:11 ID:a8Y6fB0.0
- >>814
「心が篭ってりゃ大丈夫だろってさ、ティルヴァは」
自分でも半信半疑だが、そう言った。
「まあ、あとはあいつしだいってコトで……。
迷った霊はろくなことにならないぞ、マジで」
手を合わせて般若心経のような物をつぶやき始めた。
- 816 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/08/15(水) 00:35:33 ID:vljhfSlg0
- >>815
「ん、わかったの!」
【ディスは微笑むと、軽く手をあわせて答える】
「えっと…
みちにまよったらこれにのってくださいなの…
ちゃんとおうちにかえれますなの」
【ある程度の知識を持っているのか、祈るような姿勢で答える】
「……」
【人魂はディスの周りを回っており、今にも乗り移りそうであったが】
【司朗の般若心経が功を奏したのか、おとなしくナスの上に移動をはじめる】
- 817 :高向谷 司朗:2012/08/15(水) 00:43:55 ID:a8Y6fB0.0
- >>816
「般若波羅蜜多ー……えーっと……心?
……色即是空、空即是色?」
うろ覚えにも程があるが、まあ熱意ぐらいは伝わるであろう。
「迷うと子孫も悲しむからな、こいつらに乗ってちゃんと行ってください」
手をすり合わせる。
- 818 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/08/15(水) 00:48:07 ID:vljhfSlg0
- >>817
「あうー、ちゃんということきいてくれたみたいなの!」
【嬉しそうにナスの上に乗っかった人魂を見つめる】
「じゃあねなの〜。
ちゃんとまよわないでねなの〜」
【そう言って手を振ると】
フワッ…
【突然人魂の乗っかったナスの牛が浮き上がり始めた】
「あう!ちゃんとおくってくれるなの?」
【それに答えるかのように、ナスは割り箸で出来た足を器用に動かしながら】
…
【空に向けて走りはじめた】
- 819 :高向谷 司朗:2012/08/15(水) 00:50:36 ID:a8Y6fB0.0
- >>818
「帰り道で迷ってたのかね、あれは」
空に向かうナスを見て安心したようで。
「来年はちゃんとしろよー、
何所のどいつかしらねーけど……」
司朗は手を上げて見送った。
「ん……で、きゅうりはどうすんだ」
- 820 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/08/15(水) 00:57:30 ID:vljhfSlg0
- >>819
「あうー、さよーならなの〜」
【そう言って空にむかって消えていったナスを見つめ続けた】
「あうー、まいごにならないように
いっぱいつくったほうがいいのかなの?」
【首を傾げながら言う】
「あう、こっちはのってくるのだっけなの…
こまったの…つれてくるだけだとまたまいごになるの…
またなすかってこようかなの?」
【そう言ってジーっときゅうりの馬を見る】
- 821 :高向谷 司朗:2012/08/15(水) 01:03:36 ID:a8Y6fB0.0
- >>820
「所詮元は野菜よ、食ってしまえばいい」
声がしたかと思うと、司朗の腰から青いドラゴンの首が飛び出し、
有無を言わさずきゅうりを食ってしまった。
「これこそ本来の役目を果たせたというものよ……」
「お前なぁ……」
ティルヴァは割り箸を噴き出した。
割り箸はゴミ箱にストライク。
- 822 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/08/15(水) 01:12:19 ID:vljhfSlg0
- >>821
「あう?なんのこえ、あう!」
【急に現れたドラゴンの首にかなりビビるディス】
「あうーびっくりしたなの…
きゅうにでてこれるなんてしらなかったの〜」
【じっと首を見つめ続ける】
「でも、これでひとまずだいじょぶってことかなの?」
【不思議そうな顔で返した。ディスには子供にしか見えないモノが見えるのかもしれない…】
- 823 :高向谷 司朗:2012/08/15(水) 01:24:27 ID:a8Y6fB0.0
- >>822
「うむ、すまない」
平然と言った。
「ひとまずは大丈夫だろう。
だが肩入れはしすぎるな、情け心に付けいれられると厄介なことになるぞ。
この街の奴らは力押しで解決を図る奴が多いが、
悪霊というのはそういう物質的な属性は通用しないから性質が悪いのだ」
グダグダと長ったらしく言う。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「ここに居る奴らもまず害は無いだろうが、
何かあれば自称専門家の友人よりも寺院等を優先して頼ることだ」
「は?ここに居る奴らってなに?」
司朗は首をかしげた。
「どうでもいい話よ、行くぞ」
「ちょっとまてよおい!」
どうやら、司朗だけに視えていないのだろう。
ティルヴァは公園の外に歩いていき、司朗はそれを追いかけて行ってしまった。
- 824 :ディス ◆My6NsjkSfM:2012/08/15(水) 01:32:02 ID:vljhfSlg0
- >>823
「あうーきにしないでいいの」
【軽く頷きながら言う】
「あうー、あんまりかかわんないほうがいいってことかなの?
…よくわからないけど…そういうことだよねなの」
【長く言われたことを軽く噛み砕いて言う】
「あう、ここにいるひとたちはだいじょぶなんだなの!
それならあんしんなの!
でも…うん、もちろんなにかあったらきいてみるねなの」
【あたりを見回して答える。ティルヴァに見えているものはディスにも見えたようだ】
「あ、ふたりともまたねなの〜!」
【やがて去っていく二人を見送っていった】
「あうー、いっぱいみえるけど…
きょうはかえらないとなの〜」
【そう言って周囲に見えたものに軽く頭を下げながら帰っていった】
- 825 :中村/L.A.B.社開発部主任:2012/08/15(水) 12:00:10 ID:xm/dFKGs0
- 異能都市内部で最近増加し始めている次元を超えた怪物達。
それに対抗する為に幾つかの企業は大型の機動兵器開発に乗り出し始めた。
今までの全長5mほどのパワースーツクラスではなく、15m以上のロボットクラスへ。
L.A.B.はそんな数多い企業の一つで、その中でも割と古株に位置する。
元々はロボットクラスの兵器の武装開発がメインであったが、遂にロボットクラスの兵器を開発し始めたのだ。
「さて…後5分で時間ですが…来てくれますかね…」
私は中村慎、L.A.B.の開発部主任を務めている。
今私がいるこの本社会議室で、我が社が開発する始めてのロボットクラスの兵器…、
YX-02 JET-2のテストパイロットと待ち合わせているのだ。
待ち合わせの時間まで後5分…この会社は大きく広い、迷っていなければいいのだが。
中村慎は白髪が混じった栗色の髪を持つ頭に手を当て、
まだ一度しか会っていないテストパイロットを待っている。
- 826 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/08/15(水) 12:06:39 ID:vljhfSlg0
- >>825
「えっと…あれ?
どうなってるんでしょうこの建物…」
【鶫は会社内に入ってしばらく建物の中を歩き回っていた】
「うー、大きな会社は必然的に複雑になるものなんでしょうかね…」
【どうやら道に迷っているようだ。】
「約束の時間に間に合わなくなってしまいます…
どうしたら…」
【もしかしたら中村には監視カメラなどを通じて動きが見えてたりするかもしれない】
- 827 :中村/L.A.B.社開発部主任:2012/08/15(水) 12:12:52 ID:xm/dFKGs0
- >>826
「主任、しゅに〜ん」
「何だね今村君…私は今だいじな用があると」
「違います違います、待ち人さん凄い迷ってますよ」
ツーサイドアップの髪が揺れて、此方に話しかけてきた。
案の定、どうやらテストパイロットは迷っているらしい…。
仕方が無い、誰かに迎えに行かせ…ん?
「…今村君、君は確かYXの調整をしていたはずだが」
「はい」
「終わったのかね……?」
「いいえー、ちょっと休憩に来ましたー」
「……首にされたくなかったら彼を迎えに行きなさい」
「はいー!」
話しかけなければばれなかった物を……と思いつつ。
動力炉の調整がまだ終わっていない事に少し安堵する。
テストパイロットに良い言い訳ができた。
- 828 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/08/15(水) 12:15:06 ID:vljhfSlg0
- >>827
//「彼」じゃないですよ!
「おや?どうしたんでしょう?」
【廊下の先から誰かが向かってくるのに気づいた鶫は】
「あのーすいませんが…
待ち合わせの部屋に行くにはどうしたらよろしいでしょうか?」
【やってきた社員?と思われる女性に向けて声をかけた】
- 829 :中村/L.A.B.社開発部主任:2012/08/15(水) 12:28:11 ID:xm/dFKGs0
- >>828
//うわホントだマジすいません、もうボケたと言う事にしてください
やってきた女性はツーサイドアップの黒髪を持つ、
身長的には標準だが、大きめの眼鏡が印象的だ。
「その待ち合わせの人から迎えるように言われましてー。
急いでいくので、振り切られないようにちゃんと付いてきてほしいんですが。
大丈夫ですか?」
彼女の服装であるスーツや、彼女のどこかゆっくりな雰囲気が重なって。
あまりはやそうには見えない、だが彼女の発言を聞いた周囲の社員が、
まるで危険を避けるように階段を、道を空けている。
速いかどうかはともかく、危険なのは伝わるだろう。
- 830 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/08/15(水) 12:31:51 ID:vljhfSlg0
- >>829
「あー、ありがとうございます!
ここは本当に複雑で困ってたんですよー」
【申し訳なさそうに頭を下げる】
「急いでですか?
ええ、大丈夫だと思います!」
【不思議そうに辺りを見回しながら、よくわからないのでひとまず同意する…】
- 831 :中村/L.A.B.社開発部主任:2012/08/15(水) 12:42:55 ID:xm/dFKGs0
- >>830
「じゃあ、行きますねードンッ」
ドン、と彼女が声を発した瞬間彼女の体はブレたかと思うと。
もう既に200m先の階段に後50mと言う所まで迫っている。
しかも通り過ぎた所に軽い突風が吹くほどのスピードで。
周囲の社員はまたかー!や、ああ書類が!などと叫びながらその背中を見ている。
ぽかんとしていたらすぐさま見失ってしまうだろう。
- 832 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/08/15(水) 12:46:57 ID:vljhfSlg0
- >>831
「ええっ!!?はやっ…!」
【凄まじいスピードに鶫は目を丸くする】
「でも…追いつけというなら…」
【すぐに鶫は自分の履いている靴に力を送り込み始めた】
「やって…見せましょう!」
【そういった瞬間に足に力を込めて勢い良く走りはじめた】
「こっちも急ぎます!!」
【その足はオリンピック選手以上の速さとなって足の早い女性へと迫っていく】
【周囲からすれば溜まったものではないかもしれない】
- 833 :中村/L.A.B.社開発部主任:2012/08/15(水) 13:08:43 ID:xm/dFKGs0
- >>832
階段のカーブに差し掛かった彼女はふっと息を吐くと、
殆ど直角に曲がり、階段を一足で登っていく。
減速なんて物がない、速度を維持し続ける。
それほどの速度を出しながら、彼女は尚も。
「あの人ちゃんと追いついてるかなー?」
余裕綽々に後方の人物に注意を向けている。
- 834 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/08/15(水) 13:17:53 ID:vljhfSlg0
- >>833
「ぬぇえええい!!
これもテストの一環なんですか!?」
【しかし鶫もまた靴の力で凄まじいスピードで女性に迫っていく】
「問題無いです!!
ちゃんとついてきてますよ!!」
【金色の光を放つ靴で床にヒビが入らんばかりのスピードである】
- 835 :中村/L.A.B.社開発部主任:2012/08/15(水) 13:24:33 ID:xm/dFKGs0
- >>834
言われた彼女はんー、と指を顎に当てて少し考えると。
少し立った後に口を開いた。
「んー、まそう言う事にしとこうかー。
あ、後階段は80段は続くから、頑張ってねー」
後方の人物にそう言うと、さっきよりも僅かに速度を上げて。
明らかにまだ余裕のある様子で階段を登っていく。
もっともこれは慣れた場所だからであり、知らない場所だったらばこうはいかない。
そして、下から聞こえてくる騒々しい足音を聞いて会議室の中村はさらに頭を痛めるのだった。
- 836 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/08/15(水) 13:27:55 ID:vljhfSlg0
- >>835
「は、はちじゅうだん!?
エレベーターのほうがいい気がしますけど!?」
【と言いつつも再び靴に力を込めながら走っていく】
「ええい、負けてたまるものですか!!
新しい兵器のテストはこうでもなければ駄目ってことでしょうね!!」
【変な解釈をしながら走り抜けていく】
- 837 :中村/L.A.B.社開発部主任:2012/08/15(水) 13:34:06 ID:xm/dFKGs0
- >>836
「まぁ普通に考えたらそうだよねぇー。
でも今私達がいるのが7階だから、会議室のある17階まで速度維持できたら、
結果的にはこっちの方が速いんだよねーはい後60だーん」
余裕綽々の彼女は速度維持をしながら階段の数を数えられるほどの様だ。
へんな解釈をしている後方の人物が大分追いついて来ているが、彼女は気にも留めない。
後12分くらいかなー、なんて考えながら速度を維持して上がっていく。
- 838 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/08/15(水) 13:38:46 ID:vljhfSlg0
- >>837
「わかりました、まだまだ行けますから!!」
【大きく頷いてドンドンと近づいていく】
「それでもまだ!行って見せますよ〜!」
【どうやら速度を維持し続けているようだ】
- 839 :中村/L.A.B.社開発部主任:2012/08/15(水) 13:43:42 ID:xm/dFKGs0
- >>838
12分後には会議室の扉の前で、ちょっと肩の埃を払っていた。
なんだかんだで辿り着いたはいいが、どうしたものかな。
後方の人、息切れてないといいけどーと考えつつ。
「しゅぅに〜ん、お客さん連れてきましたー」
「ああ、解った…では席にお連れして―――」
振りむいた中村が見た時、防人はどんな様子だっただろうか。
- 840 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/08/15(水) 13:45:35 ID:vljhfSlg0
- >>839
「はぁ…はぁ…
お、お待ちしましたァ…うぅ…」
【かなりフラフラになりながら鶫は立っていた】
「えっと…
合格…ですか!?」
【汗だくになった顔を上げて必死な顔で言う】
- 841 :中村/L.A.B.社開発部主任:2012/08/15(水) 13:55:11 ID:xm/dFKGs0
- >>840
私は一瞬、は?と言う顔つきなったに違いない。
だが、今村君が出した意味不明だが言いたいことは分かるジェスチャーで大体は察せた。
正直に言ってしまえば、何をやっているんだと怒るべきだったのだが。
彼女の必死なかおを前に、そういえるほど私は鬼ではなかった。
「―――一先ずは及第点と言った所だ。
次回はもう少し体力を残せるように努力したまえ。
では今村君、彼を席に案内して何か体力が付く食事を準備したまえ。直にな」
「はいー」
意地悪ではない、半分は本当の事だ。
ここまで来るのに体力があの程度しか残らないなら、
アレを動かすのは40分少々が限界になる―――試作機故に調整不足もあるが。
なによりも動力のYXを駆動させられるか―――彼の能力が上手く適合するといいのだが。
- 842 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/08/15(水) 13:59:11 ID:vljhfSlg0
- >>841
「はぁ…良かったです。
しかしアレでもまだ及第点ですか…
鍛える必要がありそうです…あ、後一つですが…」
【疲れた顔を上げて言う】
「私は彼ではなく、彼女というのが正しいと思うんですが…」
【たしかにその格好は千夜学園の女学生の制服である】
【更に胸もかなり大きく、一目見れば女性と分かりそうな姿であった】
- 843 :中村/L.A.B.社開発部主任:2012/08/15(水) 14:09:06 ID:xm/dFKGs0
- >>942
「む、すまなかったな。
年齢を重ねるとどうにも物覚えが悪くなる。
失礼を働いてしまった事は詫びよう」
仮にも主任と言う立場から、頭は下げる事はできない。
だがこちらの謝罪の意思が伝わればいいのだが、と思う。
「さて、まずは自己紹介からさせてもらおう。
私は中村慎…このL.A.B.で開発部の主任を務めている。
今そこで料理を準備しているのは今村紫、YX-02の動力部を担当している」
「因みに年齢は若く見えるらしいですけど28歳ですよー」
奥の方から聞こえてきた声曰く28らしい。
雰囲気や童顔な今村の様子からは28の落ち着きは感じられない。
- 844 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/08/15(水) 14:12:33 ID:vljhfSlg0
- >>843
「いや、大丈夫です。
わかっていただければ」
【慌てて手を振り、言葉を返す】
「こちらも自己紹介します。
私の名前は防人鶫(さきもりつぐみ)。千夜学園の高等部出身です。」
【そう行って頭を下げた】
「28歳ですか…見掛けによらず若々しいですね
よろしくお願いします」
【少し生真面目な顔立ちになっている】
- 845 :中村/L.A.B.社開発部主任:2012/08/15(水) 14:27:17 ID:xm/dFKGs0
- >>844
「多分これからなが〜い付き合いになると思うので、
仲良くしましょぉね〜」
そう言ながら、彼女は料理を運んできたが…。
一人分には余りにも多すぎる量だ…種類も多く描ききれない。
恐らく3人分は・・・いやそれ以上はあるだろう。
「さて鶫君…まずは食事でもしながら本題について話し始めよう。
―――いただきます」
「ふふふ〜いただきまーす」
落ち着いた様子の中村と、早く食べたい様子の今村は対照的だ。
広い会議室の机の一角を大量の料理が占拠すると言う、異様な状況で。
食事は始まった。
- 846 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/08/15(水) 14:32:01 ID:vljhfSlg0
- >>845
「あ、はい。なるべく仲良くします…
って、すごい料理の量ですね…」
【軽く驚きながら運ばれてくる食べ物を見つめる】
「そうですね、いただきます」
【ちょうどお腹が空いていたので鶫はすぐに料理をとって食べ始めた】
「むぐ、おおこれは…美味しいですねえ」
【どうやら気に入っているようだ】
- 847 :中村/L.A.B.社開発部主任:2012/08/15(水) 14:51:52 ID:xm/dFKGs0
- //ロボットの外見はどうします?自分で決めますかい?
>>846
今村の視線は真っ直ぐに中村にしか向いていない。
無言で箸を進める様子に安心したのか、自分も直に食べ始めた。
中村箸を進める手を中断して机に設置してあるコンソールの様な物を操作し始める。
「さて、まず現在開発中のYX-02だが。
進行度については実物を見てもらったほうが速いだろう」
会議室自体が下にスライドしていく。
10分もするとかなり大きなドックのような場所が会議室の窓から広がっていた。
そこに目立つように、装甲が取り付けられたばかりの17m程の二速歩行の機動兵器が鎮座していた。
- 848 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/08/15(水) 14:58:51 ID:vljhfSlg0
- >>847
//思いつきそうにないので決めていただいていいですよ〜
「む、ん!?
むぐむぐ、んん!これは!?」
【突然スライドしていく会議室にびっくりして辺りを見回すが】
「んお、ロボットですか!?
にしても、なかなかデカいですねー!」
【席を立ち、大きな機動兵器を見つめてかなり盛り上がっている】
「乗り方はどんなんでしょうね?」
- 849 :中村/L.A.B.社開発部主任:2012/08/15(水) 15:18:56 ID:xm/dFKGs0
- //この後どうしましょうか、普通にテストするかぶっつけ本番で実戦か…
>>848
外見は装甲全体が鋭角で、そこに紅蓮を思わせる赤い炎のような装飾とカラーリングがされている。
フェイスタイプもマスクを付けた様な感じになっており、緑色のアイライトが睨み付ける眼光の様だ。
両腕部は肘から大型のパイルの様な物が伸びており、掌に当たる部位にも何か放出口の様な穴が見える。
脚部も大型だが装甲がカバーの様になっており、安定性を重視しているように思える。
腰や肩等にハードポイントが設置されている為、追加の換装装備があるのだろう。
「全長17.65m、重量20t、出力はYX無しでも6000mwを誇る。
推力も260,000 kg、センサーは40000mまでなら障害なく索敵が可能だ」
「OSも操縦者の特性に合わせてオートでカスタムしたり、ダイレクトモーションリンクの精度を調整してくれるんですよー。
もっとも、まだメイン動力炉のYXの出力が期待域をだしてくれないんですけどね……」
食事をしながら今村は頭を抱えている。
どうやら肝心の動力炉が希望する出力を出せないらしい。
- 850 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/08/15(水) 15:25:27 ID:vljhfSlg0
- >>849
「ほうほう…
デザインも割りと…私の好きな感じですねえ」
【じーっと機動兵器を見つめながら嬉しそうな顔をする】
「うーん、難しいことはわかりませんけど…
要するになかなかの能力ってことですかね?」
【振り返って中村をみる】
「ひとまず調子を見るのも悪くないかもしれませんね…
あ、でも食べた直後は色々やばいですよね…」
【お米を口につけたまんま答える】
- 851 :中村/L.A.B.社開発部主任:2012/08/15(水) 15:52:26 ID:xm/dFKGs0
- //勝手に決めてしまいましたが、文句が有れば変更します…m(_ _)m
>>850
「まぁ、機動兵器としては標準の少し上と言った所だ。
もっとも、この機体は対人を目的とはしていないがね。
何、もう少し話をしてからでも特に遅くは―――」
直後、ドック内に警報が鳴り響いてくる。
聞いた中村は即座に表情を変えて。
「鶫君、どうやら悠長にテストをしている暇は無くなってしまったようだ。
今出ている警報は次元振動警報といってな……簡単に言えば次元を超えて何かが来る、
それも此方に敵意を持つ何かが来ると言う事だ、今村君―――すぐにYXを搭載したまえ、口答えは聞かん」
「了解です―――!」
言うが否や今村は走り出した。
先ほどとは桁違いに速いスピードで会議室を飛び出し、
作業員に指示を加え、自身もコンソールから球体状の物体―――YXの調整を急ぐ。
中村は険しい表情で鶫に向かって。
「鶫君、突然本当にすまないが―――YX-02を頼みたい。
殆ど見ず知らずの私がいっても何の意味も無いかもしれん。
だが、アレは我が社の威信を賭けた兵器であり、人々を守る剣なのだ」
- 852 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/08/15(水) 15:59:38 ID:vljhfSlg0
- >>851
「はい、なるべく熟考し…
て?」
【突然鳴り始めた警報を聞いて驚きの顔をする】
「何かが…?
一体誰が来るってことですか?」
【少し戸惑った様子で中村を見る…】
「えぇ?私が乗るんですか?
…ぶっつけ本番というのは…」
【と、そこまで行って少し考える】
「いや、ぶっつけ本番でもやって見せます。
どうにかしてみますよ!!」
【覚悟を決めたように鶫はYXに向けて走りだす】
- 853 :中村/L.A.B.社開発部主任:2012/08/15(水) 16:15:42 ID:xm/dFKGs0
- >>852
「特にパイロットスーツの様なものはないからとにかく中に早く入って!
中に入ったらOSの指示に従って設定を急いでしてね!」
「今村さん!対象の実体化まで後12分です!」
「じゃあ3分で起動させるから!急いで!」
屈み込んだYXの胸部部分が開いている。
どうやら其処がコクピットに当たるらしい。
乗り込めば内部は広い空間が広がり、全周を見渡せるモニタが設置されている。
コクピットと言う風ではなく、どちらかと言えば透明な壁に囲まれた部屋に近い。
- 854 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/08/15(水) 16:18:19 ID:vljhfSlg0
- >>853
「わかりました。ここに乗り込めばいいんですね!」
【鶫は言われるまま開いたコクピットに乗り込み、シートに座り込んだ】
「ふーむ、閉塞的な雰囲気はしませんね。
乗り心地も、なかなか悪くありません」
【シートに座りながら微笑む】
「で、えーっと、この後どうすればいいんですか?
すいません、動かし方がよくわからなくて…」
【乗ってみたはいいもののかなり困惑しているようだ】
- 855 :中村/L.A.B.社開発部主任:2012/08/15(水) 16:23:39 ID:xm/dFKGs0
- >>854
シートに座った鶫に機械的なアナウンスが話しかける。
その声は優しげな男性のものであった。
『おはようございます、マスター。
まずはマスターに合わせダイレクトモーションリンクを調整します。
ついでと言うのはなんですが、本機体YX-02コード『JET-2』には個体名称がありません。
識別と暗号の為、マスターに名称を設定していただきたいのですが……』
シートからプラグが伸びて腕や足にひっついていく。
どうやら体感操縦システムらしい。
- 856 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/08/15(水) 16:30:12 ID:vljhfSlg0
- >>855
「はい、わかりました…っと」
【腕と足にくっついたプラグに若干の違和感を覚えながらも答える】
「名称…?名称ですか…
そうですね…」
【暫く考えるポーズをしながら考えた後】
「暫定的ではありますが…『ガーディアン』でお願いします!」
【大きな声を挙げて言う】
- 857 :中村/L.A.B.社開発部主任:2012/08/15(水) 16:41:26 ID:xm/dFKGs0
- >>856
『調整完了―――ガーディアンですね。
名称設定を完了、マスターシステムに登録。
では、これよりガーディアン戦闘態勢に移行します。
シートをモーションリンクパーツに変形を開始しますので、お立ちになってください』
立ち上がると同時にシートだったものはたちまち大小さまざまなパーツへと変形。
コクピット内の各所に設置されていく。どうやらモーションリンクセンサーのようだ。
一方、外では機動準備を完了し、カタパルトへと機体を運搬していた。
- 858 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/08/15(水) 16:50:06 ID:vljhfSlg0
- >>857
「はい、えっと…
これで大丈夫なんですよね…!」
【シートの形状が変形したのを見届けると、軽くファイティングポーズを取ってみる】
「さて…月次なセリフですが、矢でも鉄砲でもなんでも来い!です!」
【ひとまず動作チェックのつもりなんだろう】
「でも…思うままに動くってことでいいんでしょうか?」
- 859 :中村/L.A.B.社開発部主任:2012/08/15(水) 16:57:16 ID:xm/dFKGs0
- >>858
『その通りです、ダイレクトモーションとNASOKの処理能力により、
人体が可能な動きをほぼ全て再現しています。
武装は腕部のリアクターパイルを使ったリアクターナックル、
拳部に内蔵したエネルギー放出機構エナジーブラスター、
脚部装甲をスライドし適切な位置からエナジーを放出し攻撃力を高めるエナジーブレッド。
現時点でガーディアンに搭載されている武装は以上になります―――出撃準備が完了したようです。
マスター、衝撃に注意を』
ガシャン、と音がして発射まで後十秒と言ったところだろう。
アナウンスは衝撃に注意するように呼びかけている。
恐らく踏ん張れと言う事なのだろう、対象の実体化まで後4分を切っていた。
- 860 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/08/15(水) 17:01:06 ID:vljhfSlg0
- >>859
「ふーむ、武装はパイルバンカーに
エネルギー弾といったところですね…」
【感心しながら周囲の情報を見る】
「あ、はい…
なるべく衝撃に備えますよ!」
【出撃を待つように身構える】
(…このメカに私の能力は効くんでしょうかね?)
【心のなかでそう考えながらじっと待つ】
- 861 :ガーディアン/YX-02:2012/08/15(水) 17:09:58 ID:xm/dFKGs0
- >>860
カタパルトから射出されたガーディアンの目の前に、
やや歪みが生じた場所があった。どうやらそこが次元振動の発生源らしい。
ついでに言えば、現時点ではあの振動に手出しは不可能だとアナウンスは告げる。
『なお、マスターの異能は効果発動と共に、
その一部をエネルギーとして変換しますので、異能をは効果があります。
先ほどのチェックの結果、マスターは強化系と判断しますが、正答でしょうか?』
ガーディアンはそう答えを確かめるように聞く。
- 862 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/08/15(水) 17:12:38 ID:vljhfSlg0
- >>861
「よし、行きますよ!」
【射出され、空を軽く飛ぶ感覚を感じながら優雅に着地する】
「を、それはありがたい助言ですね。
能力を変換してくれるのはありがたいです。
えーっと…分類はよくわかりませんが、強化系かと思います
自分が確認した所、力を送り込んだものの力を高める。そんな能力だと思います」
【慎重に説明を返した】
- 863 :ガーディアン/YX-02:2012/08/15(水) 17:29:58 ID:xm/dFKGs0
- >>862
『了解いたしました―――。
時間が有ればYXの解説もしたかったのですが、そうも行かないようです。
次元振動が安定しています―――アグレッサー、現出してきますので戦闘準備を』
現れたのは大型の獣の様な機械で、此方を発見すると。
すぐさまミサイルを発射してきた!しかしガーディアンは慌てる事も無く。
『マスター、両腕のエナジーブラスターはシールドとしても使用できます。
有効に活用してください、私は戦闘機動には殆ど介入は出来ませんので…』
ミサイルが迫る中でガーディアンはそう言うと。
目標をデータ解析し始めたようだ。
- 864 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/08/15(水) 17:35:08 ID:vljhfSlg0
- >>863
「えーっと、わかりました。
敵が…アレが敵ですね?了解!」
【鶫は頭の中でイメージする】
「エナジーブラスターオン!」
【そう行ってシールドを展開し攻撃を防ぎに行く】
「今のうち…攻撃!」
【そう行ってもう片方の腕からエネルギー弾を発射するようにイメージした】
- 865 :ガーディアン/YX-02:2012/08/15(水) 17:46:23 ID:xm/dFKGs0
- >>864
攻撃をミサイルで防ぎ煙によって視界が封じられている状態から、
右腕を突き出しそこから三発エネルギー弾を発射する。
エネルギー弾は命中するがダメージを受けた相手は駆け出してこっちに突っ込んでくる。
アグレッサーの口を開けた中からキバと同時に砲台が見える。
組み付かれればアレを食らってしまうだろう、そうなる前に殴り飛ばすなどしなければ
- 866 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/08/15(水) 17:48:27 ID:vljhfSlg0
- >>865
「むう、仕掛けてくるつもりですか…」
【口を開けて突っ込んでくるのを見て、右手のパイルを起動させる】
「ひとまずこれで粉砕です!!」
【そう行ってエネルギーを乗せた一撃を的に向けて撃ちこみに行く】
- 867 :ガーディアン/YX-02:2012/08/15(水) 17:56:31 ID:xm/dFKGs0
- >>866
パイルは打ち込まれた瞬間、相手が爆ぜる様に吹き飛んでいく。
しかし、崩れた箇所は何故か瞬時に再生していく。
しかし崩れた箇所から見えた部分は核のようで、どうやら核を壊さねばならないようだ。
『マスター、次のリアクターパイルの使用の瞬間までに、
YXを起動させます―――能力の使用をお願いします』
「来たか…」
「YXの出力、ナビゲートします―――!」
戦闘を遠くから見ている中村達は緊張していた。
YXはある特定の能力を媒介にエナジーを増幅し、出力とする。
だがトリガーとなる能力が未だ不明であり、それ無しではただのデッドウェイトになってしまう。
そう、これは賭けだ―――YXが起動するかは彼女にかかっている。
- 868 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/08/15(水) 18:01:14 ID:vljhfSlg0
- >>867
「よしやった!!…って!?
再生してるじゃないですか!?」
【再び驚きの顔を浮かべる鶫】
「いや、あそこを壊せばいいんですね…
能力発動ですか?…わかりました」
【鶫は同意するように頷いた】
「行きますよ!私の能力…ゴーです!!」
【そう行って鶫は力を発しはじめた。】
【彼女の能力は触れた物質の性質を高める能力。うまく行けばフルスペックの力を発揮できるかもしれない】
「ぬうううううー!全力で能力使いますからね!!」
【今までになく力を入れる。機動兵器は鶫を通して金色のエネルギーが全体を駆け巡り始めるだろう】
- 869 :ガーディアン/YX-02:2012/08/15(水) 18:08:02 ID:xm/dFKGs0
- >>868
「YX出力上昇―――希望域突破!
さらに上昇してます―――!」
「適合したか―――!」
『YX―――出力上昇、次元干渉システム良好に起動。
YXの出力の安定を確認、変換開始』
金色のエネルギーは駆け巡った後、中央部のYXに集中していく。
YXはそのエネルギーが適合したのか、信じられないようなエネルギーを発していく。
フェイスパーツのマスクが開き、排熱の煙が放出される。
全身に走る銀色のエネルギーによってガーディアンはいま100%以上の性能をたたき出している―――!
ただし、その代償は必ず存在する。それを上手く制御しなければ大きな反動が待つだろう。
だが、そんな余裕はない、殴り飛ばされたアグレッサーはもう既にこちらに向かってきているのだ!
- 870 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/08/15(水) 18:11:40 ID:vljhfSlg0
- >>869
「ようし…!これで全力を出して行けます…ね!!」
【鶫はエネルギーをためた拳をぐっと握ってYXの出力を高める】
「じゃあ…参りますよ!」
【そう行って右手にエネルギーを集中させて】
「狙いはコア一点!!
喰らいなさい!!」
【そう行って凄まじい力を載せた右腕を勢い良く突き出した】
- 871 :ガーディアン/YX-02:2012/08/15(水) 18:18:19 ID:xm/dFKGs0
- >>870
激突したリアクターパイルは一撃でアグレッサーの外装を破り。
その内側のコアに向かってパイルの衝撃力を打ち出していく!
爆発音と共にアグレッサー粉々に砕け散り、機能限界か、
YXもそのエナジー供給を終了した。
『他のアグレッサーの反応はありません。
お疲れ様でした、マスター。オートパイロットで戻りますので、休息を』
ガーディアンはそう言うとシートを再び用意した。
- 872 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/08/15(水) 18:21:20 ID:vljhfSlg0
- >>871
「よし、こんどこそ仕留めた!!」
【ぐっと右手を握り、じっと相手を見つめた…】
「ふぅ…さすがに反動が大きいみたいですね。
疲れました…はぁ」
【鶫はつかれた顔で再び出来上がったシートに力なく腰掛けた】
- 873 :ガーディアン/YX-02:2012/08/15(水) 18:36:34 ID:xm/dFKGs0
- //一応これで終わる…予定。
>>872
その後、体力の問題もありアグレッサーについての説明や、
YXがどういうものなのかなどの説明は後日に回すことになった。
また、YXをどこでも呼び出せると言うカプセルのような物を渡された。
だがしかし、YXが何故彼女に適合したのかは解らない。
単に大きなエネルギーで開いたのか、それとも―――。
防人鶫はアグレッサーとの戦いにまだ一歩を踏み出したばかりだ。
これからそれがどうなっていくのか、それはまだ解らない―――。
- 874 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/08/15(水) 18:39:41 ID:vljhfSlg0
- >>873
【鶫はひとまず疲れた体でそのカプセルを受け取った】
【よくわからないが適合したなら使っていこう。そう思い鶫はお礼を言った】
【ひとまず帰りはしばらく休んでからにしたようである。果たしてこれからどうなるのか。それは鶫も知らない】
/./どうもお疲れ様でしたー
- 875 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2012/08/15(水) 23:20:12 ID:HnkBBDEo0
- ―― ガチャッ
今日も義手のメンテナンスだ。もう慣れたものである。
この義手は様々な思い入れもある一品モノで、代えは決して無い。
なので壊さないように、壊れたとしても何時でも自分で直せるように、日々のメンテナンスは重要なのである。
「あー、このビスは取り替えておくか」
小さいネジをゴミ箱に向かって放り投げ、クロスの能力で新たにネジを創造。
それを穴に入れてクルクルと回す。
「あ、やっべ。軸部分のパーツは向こうの部屋だ。
確か削りだしは終わってるから、取りにいかんと」
パーツによっては自身の能力で生み出すものと、外部で鋳造するものを混ぜているようだ。
喫茶店にはあるまじき工房部屋へと向かう。
今日もAGカフェにはゆっくりとした時間が流れていた。
- 876 :高向谷 司朗:2012/08/17(金) 21:38:31 ID:a8Y6fB0.0
- 【箱庭、市街ステージ】
誰も居ない街のビルの屋上で、
司朗は魔術の練習、研究していた。
ばふんとマヌケな音を立て、風が吹きぬける。
「呪文の言葉が弱いかなあ……」
再び詠唱、
そしてそよ風。
「だめだこりゃ。
まだ基礎鍛錬が足りないかな……」
遅れて、三度目の風が吹いた。
「うおっ、帽子がっ!」
風に帽子が吹き飛ばされ、
ビルの下に落ちてしまった。
- 877 :アドルフ・G・グリンデルヴァルト:2012/08/17(金) 22:08:49 ID:SEakzVeM0
- >>876
帽子がアスファルトに落ちる直前、強い上昇気流が突発的に巻き起こった。
市街ステージのビルの下にいた銀髪にサングラスの少年が起こしたのだった。
帽子は映画のフィルムを逆に回したかのように吹き上げられ、司朗のもとへと飛んでゆく。
- 878 :高向谷 司朗:2012/08/17(金) 22:15:13 ID:a8Y6fB0.0
- >>877
「どうせ箱庭だし諦めるか……おっ?」
諦めモードに入った司朗の前で、
帽子が上昇気流に乗って戻ってきた。
「いやあ、不思議なこともあるもんだ」
帽子を手に取り、被りなおした。
「気流眼があればなあ、こんな風……。
あれ?」
ビルから身を乗り出すと、いつか見た少年が立っていた。
「今のは……あいつかな」
- 879 :アドルフ:2012/08/17(金) 22:27:37 ID:SEakzVeM0
- >>878
屋上を見上げると、………そういえば名前を聞いていなかったっけ。
ポケットに手をつっこんだまま、音もなく司朗と同じ高さまで浮かび上がる。
「おひさしぶりです、いえ、初めまして…でしょうか?」
サングラスを外すと、紫色の瞳。
肌は石膏のように白く、オーロラのような翼が生えている。
「いろいろあってこんな姿になってしまいました。
アドルフ・G・グリンデルヴァルトと申します。」
優雅に礼をした。
- 880 :高向谷 司朗:2012/08/17(金) 22:33:34 ID:a8Y6fB0.0
- >>879
「変身能力なんてこの街じゃ珍しくも無いがなー……。
いわば俺の角だって変身能力といえなくも無いし。
まあ戻れないなら少し大変だけど」
角、と言っても司朗には生えているようには見えない。
司朗はうーんと唸りながら翼を見ていた。
「おう、俺は高向谷司朗(たこうだに しろう)」
司朗は気さくな雰囲気で手を上げた。
- 881 :アドルフ:2012/08/17(金) 22:46:38 ID:SEakzVeM0
- >>880
「変身…というより………うーーん………
バイオロイドに人の魂が乗っている、という感じですか………」
うまく説明できる言葉が見つからず、四苦八苦。
「一遍死にかかりまして、いきながらえた代償ともいえます。」
「つ、角というと……、ユニコーンとかに生えているあれですか!?」
変身ということは、使うときに生えてきたりするのだろうか。
「高向谷 司朗さんですね。
よろしくお願いします。」
声変わり前の声でそう言い、一礼した。
- 882 :高向谷 司朗:2012/08/17(金) 22:52:55 ID:a8Y6fB0.0
- >>881
「まあ、まずバイオロイドがわかんねえけどさ。
有機的なロボットかな?」
バイオという言葉のイメージからである。
「死にかけたかー。
走馬灯とか意外と見えないよな、あれ」
詳しいことは聞かず、ただ陽気に笑う。
「いや、まあ文字通り、角だけの能力なんだけど」
袖をめくって右手を翳す。
すると、手首から銀色の角のようなものが二本生えてきた。
「これだけの――まあちょっと生やした場所の力が強くなるだけの能力」
ただ角が生えているだけであり、
体中が化け物じみた外見になったりということは無いようである。
「全部で四十本あるんだけどさ」
- 883 :アドルフ:2012/08/17(金) 23:05:50 ID:SEakzVeM0
- >>882
「そんなイメージで大体合ってますよ。構成物質は全く違いますが。
あの時ですか。走馬燈以前に下半身を吹き飛ばされて即座に意識を失いましたし。」
あっはっはー、と笑ってみせる。
右手に生えた銀色の角を見、
「すごい。そんな能力があるんですか。」
しげしげと見つめながら、硬度はどれくらいだろうかと考える。
「ええっ、40本!
ものすごいことになりそうですね。」
手に全て生やして、凶悪なメリケンサックの様にするイメージが浮かんだ。
- 884 :高向谷 司朗:2012/08/17(金) 23:13:09 ID:a8Y6fB0.0
- >>883
「硬さは……意外と脆いんじゃないかな。
刺したりすることがメインじゃないっぽいから」
実際に硬さを試したことは無かった。
「角出してもなぜか服破れないんだよなー。
変なところで便利な能力」
肩に角を生やしてみせ、角を引っ込める。
また二本、二本セットでしか生えないのだろうか。
――なるほど、角は服を突き破ったように見えたが、跡形も無く穴は消えていた。
- 885 :アドルフ:2012/08/17(金) 23:25:41 ID:SEakzVeM0
- >>884
「刺さない角、なるほど………」
何を考えているのだろうか。
「実体があるのに服をすり抜ける………これもまたふしぎですね。」
おそらく無駄に考えているアドルフの後ろの方から、漆黒の巨大な全翼機が無音で飛んで来る。
- 886 :高向谷 司朗:2012/08/17(金) 23:30:09 ID:a8Y6fB0.0
- >>885
「なんか飛んできたな。
うわっ、嫌なこと思い出した」
機体を見て、司朗は唸った。
何か飛行機にトラウマがあるらしい。
- 887 :アドルフ:2012/08/17(金) 23:38:17 ID:SEakzVeM0
- >>886
「……?
ああ、あれですか。」
嫌がっている以上、隠した方がいいだろう。
そう考えると、携帯電話のようなものを取り出し、二言三言しゃべる。
すると巨大な機体は俊敏な動きで上昇し、あっと言う間に雲の上に隠れた。
「どうなさいましたか?」
- 888 :高向谷 司朗:2012/08/17(金) 23:41:53 ID:a8Y6fB0.0
- >>887
「いや、単に箱庭で突然爆撃されたことがあって」
成す術も無く死亡したということだ。
「……箱庭でしょっちゅう死んだりしてるから、
馴れちゃって走馬灯見ないのかなあ」
首をかしげた。
- 889 :アドルフ:2012/08/17(金) 23:53:45 ID:SEakzVeM0
- >>888
「奇しくもあれも爆撃機と言えば爆撃機なんですよ。
C/B-05 Space Cruiser …といったところでしょうか。」
「今、名付けました。
宇宙を航行する能力を持つ、輸送機兼爆撃機です。」
翼幅500mを越える巨体が、雲から透けて見える。
爆撃機を私有する人は、そうはいないだろう。
「もしかして…、いや何でもありません。
しっかし死ぬのに慣れるとは恐ろしいことですね。」
身震いした。
- 890 :高向谷 司朗:2012/08/18(土) 00:03:53 ID:a8Y6fB0.0
- >>889
「へー」
輸送機兼用の爆撃機、
一杯爆弾輸送できるからだろうか、
と思ったが口に出さず飲み込んだ。
「実はこの箱庭って、死を恐れない兵士を作るための、
いわば洗脳に近い装置だったりして……」
ビルの下を覗き込んだ。
「おっと、こんな時間か……そろそろ帰るとするよ。
……たとえばこんなこと、ここじゃ平気でできちゃうもんなあ」
ビルの縁を蹴飛ばした。
司朗は落下していく――が、
既にログアウトしてその身体は消え去っていた。
- 891 :アドルフ:2012/08/18(土) 00:13:42 ID:SEakzVeM0
- >>890
C/B-05の爆撃機能は、いわばオマケ。
宇宙から未知の物質を採取する目的で建造されたからである。
「そうかもしれませんね。
ロボット兵を使った方が手っとり早いと思いますが。」
しかし異能者を前にしてはブリキの玩具同然なのかもしれない。
「おー、紐無しバンジー。
タイミング外すと痛そうですねぇ。
さよーならぁー」
落ちていく司朗に手を振った後、全翼機のテストを再開するのだった。
- 892 :黒沢小百合:2012/08/19(日) 00:36:18 ID:SSMHlh/20
- 【地下闘技場】
地下闘技場では一ヶ月に一度、
著名な戦奴や剣闘士による大規模な試合や、
特殊な趣向を凝らした賭けが行なわれる。
そうした催しは地下世界の住人だけではなく、
表の権力者階層や、激に飢えた人々にも人気がある。
今回の趣向は、どこぞの伝説か何かを模した物で
騎士のような衣装を着せられた20名ほどの参加者が、
巨大な竜一頭を相手に戦うというものだった。
「……ふぅむ、この賭けには乗らないでよかった。
この調子では、あと3分持つかどうか。」
高所に設けられた、VIP専用の観戦ルームから
闘技場内を見下ろし、小百合は嘲笑的な言葉を零す。
竜は四肢を鎖でつながれ、ある程度の機動力を奪われていた物の、
その尻尾や、ブレスで既に半数の参加者を消し炭や物言わぬ肉の塊に変えていた。
- 893 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/08/19(日) 13:13:45 ID:uu4uE7O.0
- 【地形の変わらないカレー屋】
いつも通りポツンと一通りの少ない所にある
というより地形が変わらないから何時もそこにある
- 894 :ジャスティン=アンダーソン ◆NSEW/xeQlk:2012/08/19(日) 13:19:33 ID:7gFzKdaU0
- >>893
「――散歩も乙なものだが、少々腹が減ったね」
仕立てのいいスリーピースのスーツに身を包んだ男が道を歩く。
長身と、鍛えぬかれた黄金比を持つその体格は、いい意味でよく目立つ。
ステッキを軽く突きながら、周囲に意識を向けると、五感が匂いを捉えた。
「カレー、か。なかなか悪くない選択だ」
そう決めると、悠然と踵を返して歩き出す。
店の前に立ち、開いているかを確認した後に、ドアを開け、店内へ。
「失礼するよ」
一言そう中に向かって声を掛けて。
スーツの男は店内を僅かな笑みを浮かべて見回していた。
- 895 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/08/19(日) 13:29:26 ID:uu4uE7O.0
- >>894
「…」
入ると同時にど真ん中の厨房の隣に置いてある畳で瞑想をしている大男が見える
「…いらっしゃいませ」
ゆっくりと目を開けながら言う
そしてニコニコと笑いながら立ち上がる
「ご注文はいかがなさいますか?
日本風のカレーに本場カレー、ナンもあります。
飲み物も何かつけましょうか?」
店の中にはテーブルが七つ、椅子が七つと言う簡素なものだ
- 896 :ジャスティン=アンダーソン ◆NSEW/xeQlk:2012/08/19(日) 13:36:22 ID:7gFzKdaU0
- >>895
「ほう……」
(均整の取れた体系、落ち着いた所作。
かなり出来るな……)
ちらりと相手を確認し、戦力を図るのは長年の癖だ。
手近な椅子に座ると、ジャスティンは相手の言葉を聞き。
「本場式カリー、ナンよりもチャパティの方がいいね。
飲み物は牛乳で頼むよ」
外見や服装は豪奢だが、案外にも良い物を食べようとはしない。
食に頓着しない事でいざ戦場に行くとなっても対応できないことの無いようにしているというのもあるが。
どちらかと言うと、庶民的というかその地に根付いた類の物を食べるのが好きだった。
- 897 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/08/19(日) 13:40:26 ID:uu4uE7O.0
- >>896
「なにか…?」
その相手のこちらを見る目に気付き聞く
勿論、意図は知っている
「…分かりました。
しかし珍しいですね、カレーに関しての事をここまで詳しく言うなんて」
少し驚いたように言う
「どうやら自分では気づいていない様ですが結構お疲れの様ですね」
- 898 :ジャスティン=アンダーソン ◆NSEW/xeQlk:2012/08/19(日) 13:45:42 ID:7gFzKdaU0
- >>897
「いや、君はかなり〝できる〟部類の人間だろう?
こんなところでカレー屋をやっているのが少々不思議に思っただけだね」
意図に気づいている事を知って尚、余裕を崩さず。
包み隠すこと無く、感じたことを口にする。
まあカレー屋をやっているのと同じように、こっちのスーツ姿も似合わないのかもしれないが。
「っはは、数年程あっちの戦場を歩いていた事が有ってね。
よく食堂や、現地の傭兵に飯を食わせてもらっていたのさ」
軍隊と同じ隊の傭兵たちと共に戦場を歩いていた事が有る。
その頃に現地で食べた味は、間違いなくレストランなどで出る味ではない。
戦場の味、それは苦いながらも辛く、懐かしい味だった。
「体調管理は特技でね、何。
サプリメントでも飲んで後で調整でもすれば直ぐだよ」
相手に言われて、軽く額に指を置き、とんとん、と叩く。
目を瞑り、納得。
- 899 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/08/19(日) 13:50:06 ID:uu4uE7O.0
- >>898
「ハハハ、まさか見抜かれてしまうとは
貴方も、かなり”できる人”なんでしょう?
フフフ」
気付いていながらもやはり笑う、どうやらあまり隠しごとが得意な人間じゃないらしい
その証拠に笑い方が楽しそうだ
「なるほど、それならば余程の修羅場を体験したのですね
分かりました」
そう言うと厨房に入っていく
「フフ、僕は他人の疲労とか病気とかを見抜くのが得意なんですよ」
- 900 :ジャスティン=アンダーソン ◆NSEW/xeQlk:2012/08/19(日) 13:57:23 ID:7gFzKdaU0
- >>899
「そりゃあもう、当然だね。
少なくとも、生身の人間同士であればそうそう誰かに劣るつもりは無いさ。
まあ、不要な時に力は振るわない主義だ、安心するといい」
自信家でありながらも、嫌味ではない在り方。
それは己の力を認識した上で、何処まで出来るかを知り、それ以上には奢らない性質からだ。
余裕の有る態度も、自分を良く認識できている、ということの証左だろう。
「修羅場を治めて、起こらないようにするのが私の仕事だからね。
どうしても鉄火場に出向かざるを得ないのは仕方のない事だ」
目を薄く開き、椅子にだらしなくない程度に背を預ける。
ステッキを机に立てかけると、浅く息を吐いて、肉体に意識を巡らせた。
疲れを抜く為に、体の力をある程度抜く事にしたようだ。
「私はそういう特別な力は何もなくてね。
出来ることを出来るだけ突き詰めることしか出来ないのさ」
- 901 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/08/19(日) 14:03:06 ID:uu4uE7O.0
- >>900
「ハッハッハ!、なるほど、それならば、僕もそうそうにやられる事は無いですよ」
と、言うとその昔味わったようなカレーの臭いが鼻を付く
「ふむ、警察とか国連に似たようなものですか?」
疑問に思ったので聞く
「そうなんですか、よかったら教えてあげましょうか?
寿命も延びますよ」
- 902 :ジャスティン=アンダーソン ◆NSEW/xeQlk:2012/08/19(日) 14:10:14 ID:7gFzKdaU0
- >>901
「いや、軍需産業と傭兵事業をやっている。
最強の個人兵力と呼ばれるのを目指していてね。
あらゆる争いを最高効率、最小犠牲で終息させるのが私の目的さ。
力と言うものは持っているだけで抑止力と成る。ましてや他と異なる絶対的な力なら、なおさらね」
相手の質問に、朗々とした声で応えていくジャスティン。
大柄ながらも相手より2回りは小さい体は、力の塊だ。
そうまでして力を求め、闘うための戦力を整えるのは、ひとえに戦わないためだ。
「――教えてもらいたい所だが、おそらく気功や生命力の類と通じる技法だろう?
どうも、私はそういったものと相性が悪くてね」
苦笑を浮かべる。
肉体のほぼ半分が機械化されているのだ。
気功や生命力とは、元の病弱な肉体も相まって相性は極めて悪かった。
- 903 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/08/19(日) 14:18:15 ID:uu4uE7O.0
- >>902
「なるほど……まぁ、個人的な質問を先程からしていますが
もう一つ、貴方がそんな企業を作ろうと思ったきっかけは?」
皿にカレースープを移しながら言う
「ふむ、そうなんですか……残念です
病気や細菌などにも強くなれる方法なんですがね……できました」
銀トレイに頼まれた物を乗せて持ってくる
- 904 :ジャスティン=アンダーソン ◆NSEW/xeQlk:2012/08/19(日) 14:25:52 ID:7gFzKdaU0
- >>903
「――強いて言えば、戦場が嫌でね。
もっと言うと、ヒーローに憧れていた、それだけさ。
私は私の正しさに従って正しさを貫くに足る力を求めて、突き進んだ過程が今の姿、という訳だよ」
淀みなく、絶対的な基準を自己に持つ為に揺らがない態度、所作。
先ほどから崩れない笑みを浮かべたこの男は間違い無く正義だが、善人か悪人かは判断がつきにくい。
戦場で戦争を終息させるために戦力を投入し、蹂躙するのは見方にとっては善でも悪でもあるのだから。
「向いていないことを突き詰めるよりは、得意を高めるほうが効率が良い。
ただ、君のその善意には感謝を返そう」
一言礼を言って話を打ち切り。
カレーを受け取ると、手をあわせて軽くお辞儀をして、カレーを食べ始める。
慣れた所作で食べるその動作は、成る程現地の作法を知っている動きだ。
- 905 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/08/19(日) 14:37:38 ID:uu4uE7O.0
- >>904
「…………、なるほど。
そんな子供が抱く様なその夢、ある程度は実現できたんですね
僕は肯定もしませんし否定もしません、ですが応援はしますよ
貴方が決めた正義が実のを」
にこやかに言う。
実際正義や悪などは形など持っていない、どんなものであろうとどんな行動であろうとそれは
正義や悪などは分からない
「そうですか、分かりました。
それで僕の本業ですが、………味はいかがですか?」
まぁ、味に関しては人によるだろうが、食べてみれば体が少しずつ軽くなっていくような感覚は受ける
- 906 :ジャスティン=アンダーソン ◆NSEW/xeQlk:2012/08/19(日) 14:43:29 ID:7gFzKdaU0
- >>905
「正義とは正しさを貫くこと。
それが善性に因るものでも、悪性に因るものでもね。
私がどちらなのかは視聴者に任せるとして、私はただ私を貫くだけさ」
なにせ、ヒーローだからね。
そう、最後に冗談めかして笑いをこぼして。
ヒーローが善か悪かを決めるのは、ヒーロー自身では無い。
だから、せめて自分は自分の正しさに背を向けないでいく、その意思だけがジャスティンの芯だ。
「――ふむ、中々に懐かしい、素朴な味だね。
成る程、薬膳――? いや、違うか」
味についての感想と、体の癒しに対して思考を巡らせていた。
- 907 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/08/19(日) 14:54:56 ID:uu4uE7O.0
- >>906
「……………どっかのアメコミヒーローにそんな人いたな……………」
と、上を向きながら言う
「硬い意思ですね………分かりました
それにしてもそんなことよく僕にペラペラと話せましたね?」
「あぁ、体の疲労が回復していくならそれは先程言った僕の小さな異能ですよ
体の元気のない細胞に元気を送る能力ですかね、……能力じゃなくて呼吸法ですが
まぁ子供っぽく言うならそんなところでしょう」
- 908 :ジャスティン=アンダーソン ◆NSEW/xeQlk:2012/08/19(日) 15:02:14 ID:7gFzKdaU0
- >>907
「私は私で有ることを隠さず生きているし、胸を張って生きている。
聞かれればそりゃあ答えるとも。恥ずべき点で無いならば当然ね」
要するに、己の人生を誇っているのならば、何も隠す事無く生きていける。
だからこそ、初対面の者であろうとも、男は男の夢も意思も語ることが出来る。
そもそも自伝の出版やインタビューを良く受ける身で有る以上、男の意思は男を知る多くに知られている物だ。
「成る程。この世は存外に不思議が多い。
――その不思議も超えて、力を示すのは中々に重荷だね。
だが、だからこそそれを成すべき価値もある、か」
食は良く進み、静かながらも中々の速度でカレーは平らげられた。
そして、一万円札をテーブルに置くと、優雅な所作で男は立ち上がる。
ステッキを軽く手にとって、一瞬息を吐き出して。
「美味だった。
またいつか、カレーを食べに来させてもらうよ。
ごちそうさま」
そう言い残すと、釣りはいらないよ、と言い残して男は店を後にしていくのだった。
- 909 :ウィル ◆5s2/gBPZGA:2012/08/19(日) 15:07:26 ID:uu4uE7O.0
- >>908
「そうですか……………大胆なお方だ」
フフフと笑う
「そうですね……………僕もこの呼吸法を見つけて最初は驚いた者です」
と、言うとお辞儀をする
「ありがとうございます
またお越しくださいませ」
そう言うと、こっちは食器の片付けに入るのであった
- 910 :高向谷 司朗:2012/08/22(水) 21:16:30 ID:a8Y6fB0.0
- 【正午、異能都市海水浴場】
「海である!」
司朗は両手を振り上げ、照りつける太陽に向かって叫んだ。
服装は海パンにシャツ、トレードマークの帽子は今日は麦わら帽子であった。
「いやあ、若干時期逃した気がするけど、やっぱ海はいいなあ」
微妙にクラゲが増殖し始めているが、
日差しが強く、泳ぐには絶好の天気であった。
「おい、泳ぐぞ!」
司朗は背後のティルヴァに向かって叫んだ、が。
「いい年してはしゃいでるな、お前は……」
ティルヴァは日陰で丸まっていた。
珍しく、今日は蒼い飛竜の姿を見せていた。
司朗が交通費を浮かせる為に連れてくるように頼んだからだ。
「何だるそうにしてんだよ、海がどうとか言い出したのはお前だろ!」
「話をしただけだ、行きたいとは言っていない」
ギャーギャーと砂浜で司朗は叫んでいたが、
ティルヴァは乗り気では無いようだった。
- 911 :ハフバル:2012/08/23(木) 17:07:54 ID:ry7wfIlo0
- 「きゅーん」
一匹の犬みたいな、羊みたいな生き物が、公園
のベンチで寝ていた。
- 912 :アルパン:2012/08/23(木) 17:12:48 ID:HPSLda420
- >>911
そこへ歩いて現れる動物、それは…
「……(´◉◞⊖◟◉`)」
アルパカだった
- 913 :ハフバル:2012/08/23(木) 17:24:03 ID:ry7wfIlo0
- >>912
「わ・・・わん」
【ハフバルは騒然とした。まるで鳩が豆鉄砲を喰らったように。
こんなところにアルバカが歩いているのだから。実に個性的な表情で】
(ア、アルパカ・・・)
- 914 :アルパン:2012/08/23(木) 17:26:28 ID:HPSLda420
- >>913
チラリとそのアルパカがハフバルを見ると
テクテクと近付いていく
そして
「……(´◉◞⊖◟◉`)」
ペコリとお辞儀をする
- 915 :ハフバル:2012/08/23(木) 17:46:48 ID:ry7wfIlo0
- >>914
「わんっ」
【お辞儀をし返した。動物間での礼儀だろうか】
- 916 :アルパン:2012/08/23(木) 17:49:20 ID:g0cTisUU0
- >>915
「……(´◉◞⊖◟◉`)」
するとジッと見つめる
数分程たつと目を地面に向ける
すると
「……(´◉◞⊖◟◉`)ビーッ」
目から熱戦が発射される、そして地面を焼いて文字を彫る
内容は
<あなたのおなまえは? わたしはアルパン>
- 917 :ハフバル:2012/08/23(木) 17:51:36 ID:ry7wfIlo0
- >>916
(ビームとはまた器用な・・・)
【ハフバルはそういうとベンチを降り、巻いてある尻尾を伸ばし、
文字を書いた】
ハフバル アルパカですか?
- 918 :アルパン:2012/08/23(木) 18:01:06 ID:BK2HlcHc0
- >>917
「……(´◉◞⊖◟◉`)」
文字を読むとまた目から熱戦を出す
<ハルバルですね アルパカですよ>
と、出した後
<あたなはオスですか メスですか? 私はメスです>
- 919 :ハフバル:2012/08/23(木) 18:13:44 ID:ry7wfIlo0
- >>918
(なんと・・・・・!)
だがフラグは立たないだろう。誰得にも程がある
【尻尾を使って地面に文字を書く】
オス
- 920 :アルパン:2012/08/23(木) 18:30:53 ID:ubnwit2U0
- >>919
「……(´◉◞⊖◟◉`)」
じっと見詰めた後
ハフバルを見る
<あなたの種族は何ですか?>
- 921 :ハフバル:2012/08/23(木) 18:38:04 ID:ry7wfIlo0
- >>920
【ハフバルは尻尾を使って地面に文字を書いた】
<わかりません 厳密に言えばホムンクルスでしょうか>
- 922 :アルパン:2012/08/23(木) 18:39:03 ID:ubnwit2U0
- >>921
「……(´◉◞⊖◟◉`)」
<かんじよめません>
- 923 :ハフバル:2012/08/23(木) 18:46:21 ID:ry7wfIlo0
- >>922
(漢字が読めない・・・)
漢字が読めない、ということは作られたわけではなく、あくま
でも自然の生物なのだろう―ハフバルはそう考えた。
<わかりません、が、ホムンクルスだとおもいます>
- 924 :アルパン:2012/08/23(木) 18:47:31 ID:ubnwit2U0
- >>923
「……(´◉◞⊖◟◉`)」
<ホムンクルスとはなんですか?>
- 925 :ハフバル:2012/08/23(木) 18:58:07 ID:ry7wfIlo0
- >>924
(やっぱり自然生物か、人語を理解できる知能はあるのか)
作られたものでもハフバルは錬金術師のサポート用、知能は
人レベルだ。
<ひとに、つくられたいのち、でしょうか>
- 926 :アルパン:2012/08/23(木) 19:10:47 ID:ubnwit2U0
- >>925
「……(´◉◞⊖◟◉`)」
<いのちとはなんですか?>
- 927 :ハフバル:2012/08/23(木) 19:19:49 ID:ry7wfIlo0
- >>926
(参った・・・)
生命を説明する―なかなか難しい事だ。人間ならば無機物か
有機物かなど簡単に済ませられるのだが、生き物だと・・・
<もえて、あつくなるものです。>
- 928 :アルパン:2012/08/23(木) 19:22:26 ID:ubnwit2U0
- >>927
「……(´◉◞⊖◟◉`)」
<こんなふうですか?>
毛が銃の様にピッと一本地面に突き刺さると発火する
- 929 :ハフバル:2012/08/23(木) 19:28:44 ID:ry7wfIlo0
- >>928
(厳密には違うが・・)
ハフバルは、命を無機物、有機物で考えるような生き物だった。
この考えた方は、ハフバル自身というより、飼い主の
錬金術的な影響が大きいだろう。
<まぁ、そんなものですね>
- 930 :アルパン:2012/08/23(木) 19:29:54 ID:ubnwit2U0
- >>929
「……(´◉◞⊖◟◉`)」
<わかりました、でもなんでわたしたちみたいなのはこんなふうにあかくないんでしょうか?>
- 931 :ハフバル:2012/08/23(木) 19:57:44 ID:ry7wfIlo0
- >>930
(しかし毛が発火したな・・・どういう原理なんだ)
<それはなかでべつのものがもえているからです>
- 932 :アルパン:2012/08/23(木) 19:59:30 ID:ubnwit2U0
- >>931
「……(´◉◞⊖◟◉`)」
<そうなんですか、ありがとうございます
じゃあいのちはどうやってできるんですか?>
- 933 :ハフバル:2012/08/23(木) 20:09:13 ID:ry7wfIlo0
- >>932
植物的なことが一番わかりやすいだろう─
<いのちあるものが、じぶんのいのちをつかってできます>
- 934 :アルパン:2012/08/23(木) 20:20:33 ID:ubnwit2U0
- >>933
「……(´◉◞⊖◟◉`)」
<どうやってつかうのですか?>
- 935 :羊の人:2012/08/23(木) 20:34:29 ID:ry7wfIlo0
- >>934
(知識に貪欲だな・・・・)
<それぞれそだつばしょに、じぶんのいのちをわけます>
- 936 :アルパン:2012/08/23(木) 20:36:37 ID:ubnwit2U0
- >>935
「……(´◉◞⊖◟◉`)」
<なるほど、ありがとうございます、ところであなたをつくったのは?>
- 937 :羊の人:2012/08/23(木) 20:55:17 ID:ry7wfIlo0
- >>936
(あの飼い主か・・・・)
あの飼い主から生まれたとは認めたくはない、だが事実である。
<どこかにいるかいぬしです。>
- 938 :アルパン:2012/08/23(木) 21:00:57 ID:ubnwit2U0
- >>937
「……(´◉◞⊖◟◉`)」
<かいぬしっていうかたはどのようなものなのでしょうか?>
- 939 :羊の人:2012/08/23(木) 21:10:18 ID:ry7wfIlo0
- >>938
【ハフバルは少し嫌な顔をした後、文字を書いた】
<さいていなおとこですね>
- 940 :アルパン:2012/08/23(木) 21:15:29 ID:h8vgxNMU0
- >>939
「……(´◉◞⊖◟◉`)」
<おとことはなんでしょうか?>
- 941 :ハフバル:2012/08/23(木) 21:41:04 ID:ry7wfIlo0
- >>940
<にんげんのおすですね>
【ハフバルはそう書いた後】
<そろそろ巣に帰りますね。>
【ハフバルは公園から立ち去った。】
- 942 :アルパン:2012/08/23(木) 21:44:31 ID:h8vgxNMU0
- >>941
「……(´◉◞⊖◟◉`)」
<こたえていただきありがとうございました、ハフバルさん>
と、彫るよパッと消える
- 943 :シュヴァルティア・リントヴルム:2012/08/23(木) 22:42:38 ID:dL8H4NjE0
- >>910
『……主よ』
「…………?」
そんな中、少し場違い感のある少女が、浅瀬の方でぷかんと浮いていた。
名はシュヴァルティア・リントヴルム。不可視の『何か』もやはり一緒のようだ。
シュヴァルティアは薄手の、明らかに水着ではない青色のワンピースを一枚だけ着て、空を仰ぎ見たまま動かない。
『……海には何の用が?』
「……」
リントヴルムの問いにも答えず、じっとたたずむ。
- 944 :高向谷 司朗:2012/08/23(木) 22:51:54 ID:a8Y6fB0.0
- >>943
「ったく……これなら大学の友達と来ればよかったよ」
司朗は仕方なく一人で泳ぐ事にし、
帽子とシャツをティルヴァの傍らに投げ捨てて海に向かった。
しかし、そこにシュヴァルティアを見つけ、司朗はまたティルヴァをたたき起こす。
「!?……ティルヴァ!ほら、水死体水死体!
ドザえもんだぜ!?」
ティルヴァの首を叩きながら、司朗はわめきたてた。
「喚くな、そんなに私の気を引きたいか」
しかし、ティルヴァは気にもせずに今度は本格的にいびきをかき始める。
「おっさん臭いいびき立てやがって……。
……一人で見に行くか」
砂を巻き上げながら、司朗は走ってきた。
- 945 :シュヴァルティア・リントヴルム:2012/08/23(木) 23:01:53 ID:dL8H4NjE0
- >>944
//書き忘れてた、「シュヴァルティア」→少女、「リントヴルム」→何かです。
『日焼けしたいのだったら砂浜に……ん?』
「……」
リントヴルムが司郎に気づく
シュヴァルティアはなおも動かない、いつも通りリントヴルム任せのようだ。
『貴様は……久しぶりだな、いつ以来だ?』
リントヴルムが声をかける。
- 946 :高向谷 司朗:2012/08/23(木) 23:04:46 ID:a8Y6fB0.0
- >>945
「あ、生きてた……」
残念そうな顔をした。
不謹慎である。
「って言うかよく見たら知ってる顔じゃんよー。
冗談きついぜ」
ため息をついた。
「久しぶりだな、で、なにやってんの?」
- 947 :シュヴァルティア・リントヴルム:2012/08/23(木) 23:13:14 ID:dL8H4NjE0
- >>946
『知らん』
答えは必要最低限の簡素なもの。
そうとしか答えようがないのだろう。
「……」
本人も無言無感情無表情のままで、答える気配は今のところない。
『突然海に来たと思ったらこうやって浮かんだまま答えも動きもしてくれない』
『日の出から今までずっとだ』
退屈で仕方がないのだろう、欠伸混じりでリントヴルムが言った。
- 948 :高向谷 司朗:2012/08/23(木) 23:20:37 ID:a8Y6fB0.0
- >>947
「そいつは大変だなあ」
そう言って、司朗は無言でシュヴァルティアを見つめていたが、
五分と立たずに背伸びをしたり肩をまわしたりする。
「このまま岸まで連れて行って、
いやしの歌吹いたら仮面に封印されたりしないかな?」
そう呟いて、司朗は浅瀬に座り込んだ。
「上になんかあんのかな?」
上を見上げた。
- 949 :シュヴァルティア・リントヴルム:2012/08/23(木) 23:29:54 ID:dL8H4NjE0
- >>948
『……なんだそれは』
リントヴルムは未プレイのようだ。
と、そこでシュヴァルティアが首を横に振る。
『……主よ、知っているのか?』
「……」
首を縦に振る。
こちらは一応しっているらしい。
「……おひさま」
司郎が上を見上げて、少したって。
「おひさま、みたかった」
シュヴァルティアが、ぽつりと言った。
- 950 :高向谷 司朗:2012/08/23(木) 23:38:38 ID:a8Y6fB0.0
- >>949
「いいよなあ、青空は。雄大だ雄大。
あっちの青空はおっさん臭いけど」
司朗は日陰で寝ているティルヴァを見て言った。
蒼い鱗は空と同じ色をしている。
「別に海に来なくても見えるけどな。
自転車飛ばしながら見る空もなかなかいいもんだぞ」
そう言って、水平線に目を向けた。
「まあ、障害物が無いのは大きいか。
海日和だ!焼き蕎麦!とうもろこし!かき氷!」
そして後ろを振り向くと、数々の売店。
- 951 :シュヴァルティア・リントヴルム:2012/08/23(木) 23:50:44 ID:dL8H4NjE0
- >>950
『あっち……あの蒼い竜か』
ティルヴァの方を見ているのだろうか、リントヴルムが懐かしげに言う。
面識はあっても懐かしがる程のものでもないはずだが。
「……!」
『食べ歩きでもするつもりか?生憎と金の類はあまり持ち合わせてないぞ』
シュヴァルティアがゆっくりと体を起こす。
見た目こそなにも変化はないが、瞳の奥に、何か一つの感情が渦巻いていた。
- 952 :高向谷 司朗:2012/08/23(木) 23:58:43 ID:a8Y6fB0.0
- >>951
「自分で言ってて腹減ってきたな。
焼き蕎麦にしよっと」
司朗は砂浜を走っていく。
が、途中で立ち止まった。
「なんか食う?
ついでに買ってくるけど」
立ち並ぶ売店は、大抵の定番物は売っているようだ。
「あ、金ねーの?
おごりは少しきついけど、まあ200円ぐらいなら……」
みみっちいのか太っ腹なのか。
- 953 :シュヴァルティア・リントヴルム:2012/08/24(金) 00:04:06 ID:dL8H4NjE0
- >>952
「……甘いの」
『かき氷だそうだ』
瞬時にリントヴルムの翻訳が入る。
たった一言で正確にシュヴァルティアの意思を汲み取るあたり、かなり慣れている。
- 954 :高向谷 司朗:2012/08/24(金) 00:10:12 ID:a8Y6fB0.0
- >>953
「うーい」
司朗はがま口を握り締めて走っていった。
戻ってきたときには、手から香ばしいソースの匂いを漂わせながら。
「味指定しなかったし適当に赤いのにしたけどよかったか?」
司朗は山盛りのかき氷を手渡す。
そして、波打ち際に座った。
「っただきまーす。
あつっ……この味この味……!
なんで海で食うと美味いんだろうなー」
やたらと海を堪能している。
- 955 :シュヴァルティア・リントヴルム:2012/08/24(金) 00:22:36 ID:dL8H4NjE0
- >>954
「……ありがとう、いただきます」
かき氷を受け取り、食べずにしばし眺める。
いったい何がしたいのか、上から下から左から右から、いろいろと視点を変えて眺める。
『主よ、それは見るだけのものではないぞ』
リントヴルムの言葉に小さくうなずいて、一口目をゆっくりと口に運ぶ
食べ終わる。一口目から完食まで10秒足らずである。早い。
「……ごちそうさまでした」
- 956 :高向谷 司朗:2012/08/24(金) 00:29:18 ID:a8Y6fB0.0
- >>955
「変な奴……」
蕎麦を口にかき込みながら呟いた。
「っし、腹ごしらえも済んだし俺は泳ぐ!」
食べ終えると、司朗は背伸びをして海に飛び込んだ。
海が水しぶきを上げる。
司朗の泳ぐスピードは、人間としてはごく平凡だった。
- 957 :シュヴァルティア・リントヴルム:2012/08/24(金) 00:35:53 ID:dL8H4NjE0
- >>956
『たしかに変ではあるがな……』
「……?」
その言葉にシュヴァルティアは小さく首を傾げる。
無自覚らしい。
『主よ、我々はどうする?』
「……」
海に入り、さっきより少し深い場所にいくと、……浮かぶ。
その後シュヴァルティアは『おひさま』を沈むまでずっと見続けていた。
//眠くなってきたので落ちます、絡みありがとうございました
- 958 :高向谷 司朗:2012/08/24(金) 00:41:20 ID:a8Y6fB0.0
- >>957
「ん?なんだあの黒いの……」
司朗は大分沖のほうまで泳ぎ、
海面から突き出す黒い三角形を発見した。
「……サメじゃね?」
それから、司朗と巨大鮫の死闘が始まったのはまた別の話である。
//乙でしたー
- 959 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/08/24(金) 21:17:58 ID:vljhfSlg0
- 【異能都市の海水浴場】
【異能都市は様々な歪みによって出来上がる世界。となれば海岸があっても不思議ではないのだろう】
ザバザバザバザバザバ
【暑い日差しの中でもごった返す海、の中をかなりのスピードで泳ぐ人が居るようだ】
「ぷはぁっ!」
【水着の女性がすごい勢いで飛び出している…
まるで陸上競技のような速さで会った】
「…さすがにこういうところで能力を使うのはいけませんでしたかね…」
【頭を掻きながら足につけたビーチサンダルを見つめていた…】
- 960 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/08/24(金) 21:21:03 ID:suMB9HGQ0
- そんな中、とっても暑いのにも関わらず
全身黒いライダースーツと黒いヘルメットを被る男が
砂浜を歩いている
周りにはバイクがなさそうだ
「ほう…」
そして防人に気付く
- 961 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/08/24(金) 21:28:13 ID:vljhfSlg0
- >>960
「なんか変な格好の人がいますね…」
【青と黒のボーダーの水着で余計にそのスタイルが強調されている鶫】
「…ん、どこかで見たような人ですね」
【ふとその姿を見て、誰か大体察しがついたようだ】
- 962 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/08/24(金) 21:30:42 ID:suMB9HGQ0
- >>961
あれ?、なぜか一度目をそらしてまた見ると
女性の体系になっていた
「あら?、どうかしたのかしら?」
- 963 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/08/24(金) 21:36:05 ID:vljhfSlg0
- >>962
「…?
気のせいだったかな?」
【不思議そうな顔をしてその人物を見つめるが】
「あ、いえ…自分の知っている人間に似ていたように見えたもので…
気のせいだったかもしれません」
【頭を下げて謝る鶫】
- 964 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/08/24(金) 21:38:10 ID:suMB9HGQ0
- >>963
「いえいえ、構いませんわ
ところで、その方は、何時頃に会いましたの?」
と、魅了されそうな声で聞いてくる
- 965 :名も無き異能都市住民:2012/08/24(金) 21:39:30 ID:ry7wfIlo0
- (うーむ、にしてもここはどこだ・・・)
間違いなく歪みのせいだろう。最近慣れてきたが、それでも
場所が変わるのは勘弁してほしい
【半袖のyシャツにクリーム色のチノパンをはいた、ラフな恰好の
青年が歩いていた。】
- 966 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/08/24(金) 21:43:45 ID:vljhfSlg0
- >>964
「えっと…
いつでしたか…」
【声をきにしながらも質問に答えている】
「…どうも曖昧です、印象はあったような気もしますが…」
>>965
「…?
あの人はだれなんでしょうか?」
【不思議そうな顔で見つめる】
「もしかして迷った人なんでしょうか?」
- 967 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/08/24(金) 21:47:34 ID:suMB9HGQ0
- >>965
「変わったお方がいますねぇ」
そう言う自分自身もとっても変わっているが…
>>966
「そうですかぁ。
もし思い出したら言ってくださいね?」
(ふむ、思い出せん、こんな小娘に会った事があるのか?)
- 968 :名も無き異能都市住民:2012/08/24(金) 21:51:06 ID:ry7wfIlo0
- >>966
(迷った・・・のか)
自分が迷っているのか分からない、そんな状態であった。
「あ、まぁ、そんな感じです。」
>>967
(こんな日中に黒ずくめ、熱くないのか?)
というか、この人はなんか人間ぽくない気がする。
「いや、黒づくめでこんな熱い中いるのもどうかと・・・」
【とりあえず曖昧な回答をした。】
- 969 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/08/24(金) 21:55:00 ID:vljhfSlg0
- >>967
「ええ、もしかしたら私の見間違いの見当違いかと思います。
最近いろんな人に出会うので…」
【手を振りながら答える】
「しかし…そんな格好でなぜこのような所に?」
【ふしぎそうに尋ねてみた】
>>968
「そうですかー。
もしかして飛ばされてきたんじゃないですか?」
【水着のまま尋ねていく】
「まあ、ここは危ない場所ではありませんからゆっくりしていいと思いますよ」
【軽く微笑みながら返した】
- 970 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/08/24(金) 22:03:29 ID:suMB9HGQ0
- >>968
「ウフフ、そうでしたわね」
と、こちらも言う
「ところで、貴方のお名前を聞かせてもらえないでしょうか?」
>>969
「あら?、そうなんですかぁ。
この都市は以上に人が多いですものね〜」
と、言う
「あぁ、私、火の光が苦手なんです、アルビノで」
- 971 :高向谷 司朗:2012/08/24(金) 22:10:53 ID:a8Y6fB0.0
- 暇だけど、ヤルキ、デナイ
- 972 :高向谷 司朗:2012/08/24(金) 22:11:25 ID:a8Y6fB0.0
- //ごめんスレ間違えた^q^
- 973 :名も無き異能都市住民:2012/08/24(金) 22:12:17 ID:ry7wfIlo0
- >>969
「飛ばされた?」
(え?未来ってそんなに進歩してるの?)
「ああ、はい。」
普通の男なら喜ぶだろうが彼はそういう類の人間ではなかった。
>>970
(ん?名前?あれ、名前なんだっけ?)
ここにくるまでの間、彼は何千年も眠っていた。それがゆえに
彼は自身の事はど忘れしていた。
(名前・・・どうしよう)
「あ、名前ですか、いやちょっと、ど忘れしちゃって・・・」
- 974 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/08/24(金) 22:16:22 ID:vljhfSlg0
- >>970
「ええ、それに様々な種類いますからね」
【同意するように頷いた】
「そういう事なんですか…
特に夏場は厳しそうですね…」
【心配そうな顔で答えた】
>>973
「はい、もしかしたら歪みに巻き込まれたのかと思いまして」
【そう言ってじっと見つめる】
「もしかして初めてこの都市に来た人…
とかだったりします?」
【戸惑い用を見て言う】
- 975 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/08/24(金) 22:20:19 ID:suMB9HGQ0
- >>973
「あら?、記憶喪失ですか?
大変ですわねぇ〜」
まるで他人事だ
>>974
「そうですわねぇ〜
特に最近は吸血鬼とかいう化け物までここにきてるらしいですねぇ」
自分自身だろうが
「うふふ、心配してくれて、ありがとう」
- 976 :名も無き異能都市住民:2012/08/24(金) 22:29:33 ID:ry7wfIlo0
- >>974
「いえ、ちょっとまぁいろいろありまして」
【彼は慌てて言葉を濁した】
(んな2000年経って目覚めたなんて信じてもらえないだろう
しなぁ・・・)
>>975
「んまぁ、記憶喪失みたいなものですね」
(名前だけは失ってもいいやって思ったのが仇だった・・・)
出来事や自分の経歴は覚えているのだが名前に関しては
どうにでもなるという気持ちでおざなりにしていたのだ
- 977 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/08/24(金) 22:32:05 ID:vljhfSlg0
- >>975
「気にすることはありませんよ。
ここはそういうところなんです。いろんな生き物がいてその人々が暮らす。
そんな世界ですからね」
【そう言って頷いた】
「しかし海水浴場に来たのには…
何か理由が?」
【思い出したように質問する】
>>976
「そうですか…
まあいろんな事情がありますよね」
【納得したように返した】
- 978 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/08/24(金) 22:40:26 ID:suMB9HGQ0
- >>976
「そうですかぁ
不幸ですわねぇ〜」
>>977
「フフフ、貴方は変わっていますわね
違う種族ときいたら誰だって恐れますのに」
「いえいえ、私はただ散歩してただけですわ」
- 979 :名も無き異能都市住民:2012/08/24(金) 22:45:32 ID:ry7wfIlo0
- >>977
「まぁ、ちょっと時代が進んでて驚いて。」
【彼は苦笑しながら言った。】
歪みやら携帯電話やら彼の生きていた時代ではなかったのだ。
>>978
「まぁ、不幸というより、自分の不注意ですね」
【彼はやはり苦笑しながら言った。】
(この人は西洋の人なのだろうか。)
放浪期間中にテレビやらなんやらを見てこういう話し方=貴族
か西洋人というイメージがあった。
- 980 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/08/24(金) 22:54:17 ID:vljhfSlg0
- >>978
「以前からこの街に居て…
割りとこの街のことは知っているつもりでして」
【チョット恥ずかしそうに言う】
「散歩のためですか…
その格好、暑そうですね…」
>>979
「ふーむ…
時代を越えてやってきたということでしょうか」
【ふしぎそうな顔をしながら言う】
「まあ、すこしずつ馴染んでいくのが良いのではないでしょうか。
色々見て回れば発見があるかもしれませんね」
- 981 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/08/24(金) 23:01:41 ID:suMB9HGQ0
- >>979
「そうなのですか?
ならばしかたありませんわね」
>>980
「そうなんですかぁ、すごいですわね」
「いえいえ、この程度じゃ熱いとも思いませんわ」
- 982 :名も無き異能都市住民:2012/08/24(金) 23:16:12 ID:ry7wfIlo0
- >>980
「んまぁ、そんな感じですね。」
【実際は2000年も寝てたんだけどね】
「んまぁ、携帯電話とかおもしろいですし。」
>>981
「ええ。」
「ところで、なんでこんな熱いのに黒づくめなんですか?」
(なんか人間とは気が違うな)
(黒い服装、人とは違う気、間違いなく人以外だろう。)
- 983 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/08/24(金) 23:22:52 ID:vljhfSlg0
- >>981
「まあ…それでもまだこの街のことはよくわからないことも多いんですけど」
【そう言って頷く】
「へえ…もしかして通気性がかなりいいんですか?」
【少し興味を持っているようだ…】
>>982
「なるほど…
たしかに新しい物ではありますね」
【納得しているようだ】
「他にもパソコンとかもありますよ?」
- 984 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/08/24(金) 23:28:56 ID:suMB9HGQ0
- >>982
「あぁ、日の光が苦手なんですわ
あ、別に浴びても灰になったりしないわ」
>>983
「フフフ、そうですわね、ここは謎が多いわ」
「いえいえ、ただ、むかしこれよりも熱いものを受けた事があるだけですわ」
- 985 :名も無き異能都市住民:2012/08/24(金) 23:39:11 ID:ry7wfIlo0
- >>983
「ぱそこん?」
【彼は語調をあげた。】
(携帯は知ってるけど?なんだそりゃ)
彼は携帯などは見たことがある。だがパソコンは見たことがない・
・・・家電量販店など行っていないのだから。
>>984
(わざとらしいなぁ・・・)
嘘をつくのが下手なのだろうか。ていうかそんな種族いるのか?
「日の光を浴びると灰になるなんて、不思議ですよねー」
住んでいる場所と時代のせいか、彼は吸血鬼なんぞ知らないのだ。
- 986 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/08/24(金) 23:47:47 ID:vljhfSlg0
- >>984
「よくわからない所も多いですが…
いいところだと思います」
【そう言って頷いた】
「それより熱い?…炎ですか?
それともそれに類する魔法…?」
【どうも疑問に思うと質問してしまうようだ】
>>985
「説明が難しいですが…
今の時代の情報ツールといったところですね」
【そう言って頷いた】
「ノートのサイズで世界中の情報を知ることができるシロモノですよ」
- 987 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/08/24(金) 23:55:07 ID:suMB9HGQ0
- >>985
「あぁ、下の下だな、そんな出来そこない」
ツェペリン自体は別に言ったことは本当だ、日の光を浴びても灰にならない
灰には……浴びると皮膚が硬化して石になってしまうのだ
>>986
「あぁ、良い所以前に面白い所だ」
「いえいえ、違いますわ、もっと強力な物、……言っても分からないでしょう」
- 988 :名も無き異能都市住民:2012/08/25(土) 00:02:59 ID:ry7wfIlo0
- >>986
「それは便利そうですね」
(のーとってなんじゃそら)
やはり時代が違うと不便である、のーと、とはどのくらいの
大きさなのか
「今はどこでも人と情報とか交換できるんですね」
>>987
(ああ、やっぱりそっちの人なのね。)
出来損ない、というのは知っている、または自分がそれより
上だからこそ言える事だ。やはりそういう種族なのだろう。
「出来損ない?あなたは浴びても灰にならないのですか?」
【彼は疑問に思って聞いた。】
- 989 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/08/25(土) 00:09:51 ID:vljhfSlg0
- >>987
「面白いところ…
たしかにそう見えるかもしれませんね」
【少し納得してるようだ】
「もっと強いものとは…
さすがにわかりませんね。それ以上に凄まじい熱というのは・・・」
【ふしぎそうな顔をして言う】
>>988
「ええ、時代の進歩というものなんです。
それが」
【そう言って微笑んだ】
「しかし街に出たりしたら目が回るかもしれませんね。
真新しいものがいっぱいあるかも知れません」
- 990 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/08/25(土) 00:20:03 ID:suMB9HGQ0
- >>986
「ん?、まぁ、ここまで話したらね
私の場合は、灰になるんじゃなく、石化するの
弱点と言っちゃあ弱点だけど、その状態でも今の状態でも
何をされても死なないから、あるものを除いてね」
>>989
「フフフ、分かってくれたかしら?」
「`熱`じゃないわよ」
- 991 :名も無き異能都市住民:2012/08/25(土) 00:28:26 ID:ry7wfIlo0
- >>989
「時代の進歩・・・ですか」
(自分たちが生きていた時代とはだいぶ違うらしい。術
などなくても電気が作れる・・・便利なもんだ。)
>>990
「不便な体ですね」
(何をされても死なない・・・・。)
「あ、じゃあそろそろ自分は寝床を探すので、これで。」
【ふたりに手をふりつつ、彼は向こうへ歩いて言った。】
- 992 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/08/25(土) 00:30:40 ID:vljhfSlg0
- >>990
「熱ではない・・・
うーん、なかなか難しいですね。
かなりやばいものだということはわかりましたが・・・」
【首を傾げて言う】
>>991
「ええ、そんな感じです。」
【そう言って頷くと】
「わかりました!
いい寝床が見つかるといいですね。さようならー」
【そう言って大きく手を振り見送っていった】
- 993 :ツェペリン ◆5s2/gBPZGA:2012/08/25(土) 00:58:12 ID:V.QyB9Ng0
- >>991
「あぁ、ま、だからこそスーツを着こんでいるんだよ」
「じゃあね」
>>992
「いや、熱ではないんだが、人間相手じゃ余程その力を極めない限り
人間に対してやってもあまり効果は無い、応用しだいだが」
そう言うと歩き出す
「じゃあね」
- 994 :防人鶫 ◆My6NsjkSfM:2012/08/25(土) 01:01:54 ID:vljhfSlg0
- >>993
「ふーむ、興味深いですね・・・
どんなものなのでしょう・・・」
【ふしぎそうな顔で言うと】
「あ、はい!
さようなら!」
【元気よく手を振って見送っていった】
「さて、もうひと泳ぎ・・・」
【そう言って鶫は海の方へ走っていった】
- 995 :名も無き異能都市住民:2012/08/27(月) 23:03:45 ID:haugAEa.0
- 街に生命が降りた。
人々は一瞬にして恐怖に駆られ、一帯は瞬く間に混乱で溢れかえる。
何故なら、人々全てがそれを見た瞬間にそれが怪物であると認識した為であった。
「シ───ャッ!!」
認識に違わず、怪物は怪物らしく行動を開始した。
蜘蛛の子を散らしたかのように逃げていく人々。
彼らの内の運の悪い一人が怪物の標的となり胸を、鋭利な刃物のような腕で貫いた。
それだけ。それだけであったが人々の混乱は加速して、その中心の怪物は、ゆっくりと頭部を動かし周囲を眺めるのだった。
- 996 :ルファス:2012/08/27(月) 23:21:44 ID:RRIFCANoO
- >>995
人々が我先に逃げようと慌て、混乱状態に陥る街中。
人の流れに逆らうように、怪物に向かって歩く人影があった。
その人影を良く観察したのなら、それがコートを羽織った銀髪の青年である事と、その青年の手に拳銃が握られている事に、化け物は気付けるだろう。
「出てくる時間と場所を間違えたようだな、化け物、お前みたいな奴は真夜中に人気の無い路地裏を徘徊するのがお約束だろう」
「と、語っておいてなんだが、化け物が会話に乗ってくれるなんて最初から期待していない、だから、さっさと此処から失せるんだな――!!」
語りながら持ち上げられた腕。
握られた拳銃は怪物の頭に向けられている。
そして、無造作にトリガーが引かれ、放たれる銃弾が、空気を切り裂きながら化け物の頭蓋を撃ち抜かんと迫るだろう。
- 997 :名も無き異能都市住民:2012/08/27(月) 23:37:59 ID:haugAEa.0
- >>996
「カッ──」
僅かな声と共に頭を仰け反らせる。
血が吹き、飛び散り地面に赤い斑点模様を描く。
首を戻した怪物は正に垂れ流しと言った様に血を流していた。
その始点は額。青年の狙い通りの位置であっただろう。
だが、怯む様子もなく青年を標的に定めたのだろう。
僅かに腰を下ろした前傾姿勢となって青年を眺めていた。
怪物は怪物だった。
一般的な人のフォルムからは外れては居ない。
しかし、人のフォルムそのままと言うのが怪物らしさを引き立たせていた。とでも言うのだろうか。
体表の殆どが白く、その身体の至る所には黒い筋が入る。
しっかりと頭には顔らしき形も残り、やはりそれは人間のパーツとほぼ同じに見える。
が、口から発するのは奇声のみでまともな会話は不可能に見える。
知能も余り高くはないようで、直線の軌道を描いて青年に、怪物の速度で接近し、
「シッ!!」
鋭い横の蹴りを放つ。
- 998 :名も無き異能都市住民:2012/08/27(月) 23:56:46 ID:RRIFCANoO
- >>997
「頭を撃たれても簡単には死なないか、化け物らしいのは良いと思うが、実際に相手にしてみると面倒なだけだな」
「弾だって消耗品、少しでも節約させて貰えるとありがたいんだがね!」
軽口を叩きながら、青年は化け物の駆ける軌道を凝視する。
まるで、人外の速度で駆けるそれがどんな動作をしているかが、全て見えているかのように。
いや、実際に青年には、化け物の動きが、その挙動が、視界に収まる全てがゆっくりと見えていた。
「――“知覚加速”」
青年の力によって極限まで加速された思考は、青年が世界と同速で歩む事を許さない。
全てを置き去りにした、超低速の世界、停滞する数歩前の世界をその視界に映し出す。
今は、反動を恐れ、そこまで思考を加速させていないが、化け物の早さを緩慢な動作として捉える事位は簡単に行えたのだ。
だから、突然放たれる鋭い蹴りに対しても、青年は精神的に余裕を持って、その脛に拳銃のグリップを力一杯叩き付けようとする、という迎撃法を選ぶ事が出来た。
だが、もし相手にフェイントを掛けられていた場合、この青年の一撃は空を裂き、隙を晒す羽目になる。
(……化け物らしく馬鹿なら有りがたいんだけどな)
だが、万が一この攻撃で化け物が怯んだなら、青年はさっき撃った場所にもう一度、と言わず二度も三度も弾丸を撃ち込もうとするのだろう。
- 999 :名も無き異能都市住民:2012/08/28(火) 00:13:12 ID:haugAEa.0
- >>998
言うなれば、青年の思惑通り。
繰り出された蹴りに対するカウンター。
怪物が人の速度で無くても見切る事は用意であった。
正に狙い通り。蹴りは予想通り。コース、速度共に変化は見られない。
しかし、青年の持つ拳銃越しに伝わる怪物らしさ。
脛。人間であれば急所と言える位置へのクリーンヒット。
だのに蹴りは止まる様子を見せないのだ
。
グリップ『如き』では止まらない怪物だと、青年は理解できるはず。
- 1000 :ルファス:2012/08/28(火) 00:23:27 ID:RRIFCANoO
- >>999
「く、此奴、無駄に頑丈に出来てやがるっ……」
ゆっくりと流れる時間の中、青年は心の中で舌打ちをする。
あらゆる事象をゆっくりと、思考を持って観察する事は出来ても、身体は世界と同じゆっくりとした速度でしか動かない。
だが、化け物如きに素直に蹴られるのは、青年にとって癪な事だった。
だから、グリップ越しに触る堅い感触を認識した瞬間、青年は後ろに飛び退く動作をとる。
結果から言えば少しはマシになったかもしれないが、鋭い突きは身体に見事に命中し、青年の身体が浮き上がり、数m先へと吹き飛んでいくのだった。
■掲示板に戻る■ ■過去ログ倉庫一覧■