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【イベントA】勇気を出して戦闘開始!【Part7】- 1 :名も無き異能都市住民:2010/09/01(水) 22:28:00 ID:LSdmH88c0
- <<ルールとか>>
・ここは、各スレでなんらかのイベント・クエスト・戦闘が発生した場合に使います。
・雑談も可能ですが、日常の範囲で済むかどうかは各自で判断してください。
・クエストスレはA・B・Cの3つがあります。開いている場所ならどこでも使って構いません。
・逆に、使用中の場合は混乱の元になりますので、同じクエストスレで2つのクエストを進行させることはやめてください。
・クエストで使われている場所を、クエスト以外のスレで使うことは『構いません』。
時間軸が異なる・平行世界である、など解釈は自由です。
・またクエストスレと他のなりきりスレに、同時に現れることは『構いません』。
ただしそれによって起こり得る弊害は自力でなんとかしてください。
・GM役をあらかじめ決めておくとスムースにことが運ぶかもしれません。
・識別をしやすくするために、トリップをつけると幸せになれるかも
前スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12841/1274535056/
- 2 :灰堂曇/白衣の男 ◆FA/Bw.T3QU:2010/09/01(水) 22:39:21 ID:sn9myzSMO
- //>>1乙ッッ
前>>1000
「ふむ、成る程。ワープか……
……くく、面白い。そういう考え方もある訳だ」
対してこちらは面白くて仕方ないようで。
「ん……? ああ、これか」
自らの纏う白い衣に視線を落とし、
「その問いに答えるのなら、答えは『両方』だよ。
私は仕事柄この服を着ていて、私の仕事は趣味のようなものだ」
仰々しく両手を広げ、眼鏡の男は笑う。
- 3 :ヴェーダ/模造品:2010/09/01(水) 22:44:23 ID:LSdmH88c0
- >>2
「……違うのかね、と聞いてみたいが恐らく複雑なのだろうね。
ここの一般住人もよくわかってはいないだろうし、ワープ程度の認識がちょうどよいのかもしれないね」
ふむ、と少しだけ思考を回す。
……ということは、
「つまり貴方はマッドな感じのサイエンティストというわけか。医者と言う可能性も無きにしも非ずだがね。
研究成果はどうかね、出ているかい?」
うん?と首を傾げるその表情は微笑。
奥の方に何かを隠したような、そんな微妙な色ではあったが。
- 4 :灰堂曇/白衣の男 ◆FA/Bw.T3QU:2010/09/01(水) 22:54:28 ID:sn9myzSMO
- >>3
「私の考えとしてはある地点とある地点のあいd――いやまぁ詰まる所ワープだな」
こんなに簡単に持論をねじ曲げる研究者がいいのか。いいか。
「そう、イグザクトリィという奴だ」
わざとらしく指を鳴らして。
「ああ、まあ……それなりには、と言った所かな」
苦笑しながら頭を掻く。ダメだこいつ。
「時に灰色のイケメンよ、私からも一ついいかな? いや、この問いも含めれば二つ、か」
どこのダンブルドアだなんて突っ込みは無粋よ。
す、と相対する男の手を指差し、
「“それ”は、なにかな? 研究者として――いや、一個人としても中々に興味をそそるフォルムじゃないか」
- 5 :ヴェーダ/模造品:2010/09/01(水) 23:04:07 ID:LSdmH88c0
- >>4
「ふむ、実にいいじゃないか」
口の端が吊り上がる。
歯を剥き出しにしたその顔は、どこか強気の笑みに似ていて、
「”それなりに”と言える程度に安定して成果が出ている実験。素晴らしいことだね。
世の中には死ぬほどマッドな実験でも、求めたものが現れないことが多いのだから」
「はははイケメンだなんてそんな本当の事を」
うぜぇ――。
「……ああ、これかね?」
全体像が見えるように持ち上げて見せる。
包丁に近い形状、普通のつばのない片刃の剣……に似ているが、その剣は明らかに普通ではなかった。
なんせ峰の部分がごっそりと抉れ、そこにギターのような弦が5本通っているのだから。
恐らく演奏も可能なのだろうが、そんな形にして何が目的なのか。
「特注品でね。
私は魔法を少し使うんだが、程度が低いからそれの補助用だ」
- 6 :灰堂曇/白衣の男 ◆FA/Bw.T3QU:2010/09/01(水) 23:13:44 ID:sn9myzSMO
- >>5
「くく、全く仰る通りだ。
どころか、予想以上に失うことだって有り得る」
目を細め、昔を回顧するように言う。
「ふむ、……」
片手を口に当て、刀身をじっくりと眺める。
と、五本の弦に視線が移る。
「……ん、君はあれかな。
いわゆるミュージシャンという奴かな?」
- 7 :ヴェーダ/模造品:2010/09/01(水) 23:18:52 ID:LSdmH88c0
- >>6
肩をすくめ、
「研究を始めた時点で喪失は加算されていくからね。
赤字になるかならないかで切るのが一番だが、続けないと出ないものもあるというのが恐ろしいところだ」
細く、長く息を吐いた。
ぽーん、と伸びる音がした。
剣に張られた弦が鳴らされる音だ。
「ミュージシャン……いやいや、そんな大層なものではないよ。
少しばかり音楽が好きなだけの、ただの人間さ」
そう言いながらも演奏する辺り芸人根性か何かなのだろうか。
- 8 :灰堂曇/白衣の男 ◆FA/Bw.T3QU:2010/09/01(水) 23:28:43 ID:sn9myzSMO
- >>7
「因みに私の異名は灰なのに赤字の人だ。嘘だが」
なんでもないように嘘を吐き、
「ふむ、それでも大したものだと思うよ。私は」
言いながら、興味深そうにその様子を眺める。
「……さて、と。君については興味深くて仕方がないが、
そろそろ帰らなくては」
両手を白衣のポケットに突っ込んで言う。
「縁が合ったら、また遭おう。
ラ・ヨダソウ・スティアーナ」ひゅん。
空気を裂くような音。
男は、姿を消した。
- 9 :ヴェーダ/模造品:2010/09/01(水) 23:36:25 ID:LSdmH88c0
- >>8
「紙幣が灰になって行くのだね、分かります。
……うむ、こちらこそ程よく心地よい時間を感謝するよ」
意味はないだろうが、灰堂のいた方向にひらひらと手を振った。
「……さあ、目的は果たしたし、2Pカラーのよい白衣の人とも出会えた。今日は幸いな日だね。
願わくば、早く準備が終わらんことを」
風が吹いた。
轟、という大音が駆け抜け。
灰色の長髪を揺らしていた影は、最早その場のどこにもいなかった。
- 10 :黒澤小百合:2010/09/02(木) 19:58:14 ID:SSMHlh/20
- 【イデアの箱庭・荒野フィールド】
「さて、相手はどのような手段に出ますかね。
やはり例の『叫神機』とやらを出してくるのか。」
先に箱庭へとログインした小百合は、手首の様子を確かめるふりをしつつ
袖口に仕込んだ無数の紙片の中から幾つかを選び出している。
(相手がどのような攻撃をしてくるかは未知数……
となれば、ただ時間一杯私の『能力』を使うだけか……。)
- 11 :萌葱アテナ:2010/09/02(木) 20:03:13 ID:7gFzKdaU0
- >>10
荒野フィールドにアテナもログインする。
「……」
目付きは鋭く小百合を見ている。
「行くよ、F・F」
両手のグローブを打ち合わせると、全身を真紅の魔力が包みこむ。
魔力が霧散した次の瞬間にはアテナは変身を済ませている。
その格好はタンクトップにホットパンツ、ニーソックスと言った出で立ちで、全て真紅を基調としたものだ。
そして、構えを取り口を開く。
「いざ、尋常に……勝負!」
- 12 :黒澤小百合:2010/09/02(木) 20:23:09 ID:SSMHlh/20
- >>11
「『ブラックレーベル・ソサイアティ』ッ!!!」
小百合は己の袖口から、一枚の紙片を引き抜く。
その瞬間、アテナの目の前に数百の規模では
収まりきらないほどの数の兵士が現れた。
「あいにく、『私』は戦えないのでね……。
この『米陸軍第三軍団』――通称『鉄槌軍団』に貴方の相手をしてもらいましょう。」
小百合の能力は、『書物の内容を具現化すること』。
そしてその戦い方は――
――古今東西を問わず軍団を呼び出し『数の力によって相手を制圧する』。
「その昔、パットン将軍は言いました。
『荒削りの勇気など訓練された弾丸の前には無力だ。』とね。」
無数の弾丸が四方からアテナへと放たれる
- 13 :萌葱アテナ:2010/09/02(木) 20:31:26 ID:7gFzKdaU0
- >>12
眼前に展開される軍団を見てアテナは――。
「数百、ですか。懐かしい……!」
地面を凹ませ跳躍。
「イィィィイィィィジィィィイィィィィィィスッッッッッ!」
アテナの叫び声に答えるように叫神機が空間を引き裂き、現れる。
空中からコックピットに乗り込んだ。
ズシィィィンッ
地面を揺らし、大地に立つ鉄の巨人はゆっくりと小百合に向けて歩を進めていく。
(これも、あたしの本気、ですよ)
呼び出された部隊にイージスに搭載されている4門のチェーンガンの掃射が襲いかかる。
- 14 :黒澤小百合:2010/09/02(木) 20:56:05 ID:SSMHlh/20
- >>13
「やはりきましたか……叫神機ッ……!」
不運にもチェーンガンの弾丸を受けた兵士達が
細切れにになって吹き飛び荒野に赤い花が咲く。
しかし、十重二重にも及ぶ兵士たちの肉の壁により小百合へと弾丸が届かない。
「HQより『レイダース』、『ウォーホース』、『ストライカー』HBCTへ。
前進し、対象を制圧、無力化せよ。」
<<レイダース了解。>>
<<こちらストライカー、任務了解。>>
<<ウォーホースよりHQ、任務了解した。>>
数千の単位の歩兵および装甲車が動き出した。
世界最強の練度、装備を誇る米軍の中でももっともハイテク化が進んでいるとされる
第三軍団、第四歩兵師団の主力部隊がたった一人を『殲滅』するためにその力を振るうのだ。
無数の歩兵からM4アサルトライフル、M2重機関銃、ジャベリン対戦車ミサイル、M120 120mm迫撃砲が。
遠距離からはHIMARS自走砲による重砲撃が。
そして、米軍主力戦車M1エイブラムスの44口径120mm砲が。
まさに嵐のようにイージスへと降り注ぐ。
この数の暴力に対しアテナはどう対応するのか。
- 15 :萌葱アテナ:2010/09/02(木) 21:01:28 ID:7gFzKdaU0
- >>14
イージスの性能は高火力、重装甲。
並の兵器では傷は付かない。
「舐めないでくださいよ!」
イージスの右腕のパイルバンカーに魔力が集中し。
ズドォン!
そのパイルバンカーを地面に叩きつける。
「ブレイク、アースッ!」
杭を打ち込んだ瞬間に魔力を開放、前方に向けて扇形の衝撃波を放つ。
その威力は成程統一国軍と互角に渡り合うだけの実力を感じさせるほどの圧倒的なもの。
イージスを倒すにはそれではまだ荷が重い、ロストテクノロジーと異界の技術の結晶であるイージスの性能は伊達ではないのだった。
- 16 :黒澤小百合:2010/09/02(木) 21:29:37 ID:SSMHlh/20
- >>15
衝撃波によって歩兵はなすすべなく消し飛び、
戦車はまるでプラスチックでできているかのように横転する。
「ハハハ!進め進め!弾が飛んでくる歩行へ進め。
敵がいる方向へ進め。死が待ち構える方向へ進め。」
しかしそれでもなお、陸を覆いつくし雲霞の如く集う精兵たちを壊滅させるに至らない。
そもそもの数が圧倒に多すぎるため、一部をなぎ倒したところで致命的な打撃を与えられないのだ。
「一部をなぎ倒したところで、私が兵力を『補充』する。
いくらでも代えが効き、死を恐れず勇猛に戦う不滅の軍隊――」
――ゴォオオオォッ
エンジン音。
「ほら、すぐに『増援』がやってきた。」
場所はイージス直上、新たな敵は空から。
――――AC130U『スプーキーⅡ』ガンシップ。
圧倒的な重武装――5門の25mmガトリング砲と1門の40mm機関砲、
そして105mm榴弾砲を備えた『空飛ぶトーチカ』。
その対地攻撃力は、まさに凶悪の一言だろう。
「どんな犠牲を払おうと、我が敵を倒す。
我々は海岸で戦い、上陸地で戦い、野原や街で戦い、丘で戦う。
我々は、決して降参しない。」
今度は陸空同時の猛攻撃が展開される。
- 17 :萌葱アテナ:2010/09/02(木) 21:44:35 ID:7gFzKdaU0
- >>16
敵戦力は圧倒的。
成程、数の暴力とは恐ろしいものだ。
先程の自信もうなずけるというもの。
「……!」
しかしイージスは歩みを止めない。
「イージスでかいし……いい的ですね」
空にはさらなる増援。
あまりに凄まじいその火力に歯噛みする。
イージスは両腕の装甲を展開し、片膝をつく防御体制になった。
「術紋、魔力炉と接続……!」
弾雨をイージスで受け止めながらコックピットの中で術式を構成する。
背部の刺青が発光している。
「接続……成功……、システム発動……」
コックピットの中で凄まじい魔力が発露する。
バガァッ!
装甲の一部が大破、コックピットも何れ殺られる可能性がある。
だが、アテナは動じず、術式を組み上げる。
- 18 :黒澤小百合:2010/09/02(木) 21:59:26 ID:SSMHlh/20
- >>17
イージスが片ひざをついたのを見て、小百合は勝ち誇る。
大きな、つまり立っていられないほどのダメージをあたえとと判断したのだ。
「ふふ、1812年の戦争での勝者はチャイコフスキーただ一人でしたが
今回の闘争での勝者は私のようですね……!」
兵士はイージスへと殺到し、至近距離から銃弾や砲撃を浴びせかけてくる。
小百合はこのまま一気に勝負を決めるつもりなのだろう。
「その昔、マキャベリはいいました――
『相手に傷を与えるなら仕返しができないほど深い傷のほうがよい。』と。」
小百合の精神性を反映するかのように、その攻めには容赦がなかった。
- 19 :萌葱アテナ:2010/09/02(木) 22:10:46 ID:7gFzKdaU0
- >>18
弾雨の中、アテナは魔力を練り続ける。
「舐めないで、くださいよ、舐めないでください!あたしは、まだ終わってません!」
そうさけぶと同時、両手のグローブが音声を発する。
【system-start】
魔力が爆発的に増大する。
【mode-change】
内部で、金属音が響く。
【Mode――Παλλ?διο!】
聞きなれない言語が響く。
ギリシャ語だ。
意味はパラディオン――神像。
次の瞬間、コックピットを打ち砕き、弾雨の中にアテナは身を晒す。
全身を真紅と黄金の魔力が包み、そこに現れたのは――。
――白銀に輝く戦女神だった。
「狂――」
両腕を合わせ。
「――波動ッッ!」
気と魔力の混合により生まれる無色の力『波動』を目前に向けて撃ち出す。
その力は先程の衝撃波などお話にならないレベルの破壊をもたらす。
アテナの小さい体にイージスを動かすだけの出力を流しこみ制御する形態、パラディオンモード。
アテナの奥の手であった。
- 20 :黒澤小百合:2010/09/02(木) 22:47:18 ID:SSMHlh/20
- >>19
――ドオォオッッ!!!
すさまじい音と共に地面と人とをえぐり飛ばしながら
衝撃波は破壊を振りまく。
「え……ぁ……?」
一瞬にして兵力の3分の1を失った小百合は
わけがわからないといった様子で声を出した。
しかし、目の前に広がる人と鉄の残骸を目の当たりにして
次第に、意識は現実へと引き戻されて。
「――――英雄め。」
最初に口から出た言葉は呪いの言葉。
小百合は『英雄』が嫌いだった。
神に祝福された剣を振るい、幾万の兵をなぎ倒す。
「――――英雄め。」
その研ぎ澄まされた精神性と人徳によって
苦しむ民を救い、太平の世を築く。
「なるほど、あなたは『私』とは違う。
ハハッ、異世界の英雄――――嫉ましい。」
小百合はその強力な異能を除けば、まぎれもなく『人間』であった。
強い精神も、身体能力も持たない、ただの人間。
英雄とは雲泥の差がある凡百の者。
「その栄光を塗りつぶしてやる。英雄は死ぬのだ。
『我ら』名も無き兵卒に。決して歴史に残らぬ闘士によって。
英雄はその亡骸を谷底へと投げ捨てられる。」
だからこそ小百合は己の攻撃の手段として『軍団による数の力』を選んだ。
歴史を動かしてきたのは一握りの英雄かもしれないがその英雄の力となったのは
まぎれもなくただの民衆の力。
「おオオオオオぉおぉぉッッ!!『ブラックレーベル・ソサイアティ』ッ!」
透き通るような、白銀の光に包まれた神々しい戦女神アテナを討たんと対峙するは
軍用色(カーキー)と黒鉄の、敵を殺す、それだけに特化した機械と人の軍勢。
『
残忍な彼らは、傷ついて追い詰められた狼のようになかなか死ななかった。
彼らは下品で不潔で悪臭を放っていた。
そして、私は彼らを愛していた。
- ダグラス・マッカーサー』
対照的な2つの勢力が威信をかけて激突する。
- 21 :萌葱アテナ:2010/09/03(金) 05:42:30 ID:7gFzKdaU0
- >>20
声が聞こえた。
ソレは圧倒的な感情が込められているのであろう呪詛の言葉。
「英雄、ですか……。そう呼ばれるのは3年ぶり、ですかね」
銃撃を受けながらも凄まじ速度で前進しながら呟く。
「でも、英雄ってのは、祭り上げられるんですよ、その器になくとも、ね」
苦笑し、目の前に波動を打ち出し銃弾のない空間を作り上げると跳躍した。
宙返りして、空気を蹴り急加速。
「あたしがなりたかったのは――」
波動の力を込めた蹴撃が空高くから襲いかかる。
ドゴォンッッッ!!!
着地点を中心に数十メートルに渡って衝撃波が放たれる。
「……ッ!グ……!」
兵士を吹き飛ばしながら駆けるアテナの表情が苦痛に歪む。
自らの体に十メートル超の機体を動かす力を注ぎこむのだ、そこに無理が発生しない訳が無い。
- 22 :黒沢小百合:2010/09/03(金) 21:24:02 ID:SSMHlh/20
- >>21
戦闘開始からアテナは衝撃波を幾度はなっただろうか。
兵士や戦車が吹き飛ばされるたび、その開いたスペースへと
潮が満ちるように他の兵士がなだれ込んで戦闘を継続する。
被害規模の大小の違いはあれど、ビデオテープを巻き戻して
再び再生するように、その光景はなんども戦闘開始から繰り返された。
しかし、果て無き徒労のように見えたアテナの攻撃は
そのつど小百合の軍勢に僅かばかりの『綻び』を与えていたのだ。
「ばっ……バカなッ……『補充』が追いつかないッ……!?
私が、この私が力負けしているというのッ……!」
綻びは、やがて亀裂となり、亀裂はそこから破壊を生む。
小百合を攻撃から守る『堤防』の役割を果たしていた軍勢は、
幾度もの攻撃によってついに決壊した。
「う、うわぁあぁあぁあああッッ!!!」
丸裸になった本丸。小百合は初めて目の前の少女に恐怖した。
- 23 :萌葱アテナ:2010/09/03(金) 22:05:49 ID:7gFzKdaU0
- >>22
駆けるアテナは襲いかかる弾丸をその身に受けながら駆ける。
装甲は砕けながらもその速度は速くなる一方。
「アアアアアアッ!!あたしはッ!英雄なんかじゃないっ!」
叫びは荒野の空気をびりびりと震わせ、駆けるアテナはその走る跡に大穴を残しゆく。
丸腰の小百合に向かいアテナは最後の一撃を放つ。
「fistーー」
振り上げる右拳に宿る光は辺りを昼間の様に照らし、アテナと小百合の姿を強く世界に浮かび上がらせる。
「ーーcarve outーー」
踏み切ったアテナは小百合の至近に着地する。
後は振り上げた拳の破壊を叩きつけるだけだ。
「ーーa futuerアアアアアアッッッ!!!!!」
全力の全力、全てを込めたその拳は小百合に届くのだろうかっ!?
- 24 :黒沢小百合:2010/09/03(金) 22:34:26 ID:SSMHlh/20
- >>23
「あ……あ……」
迫り来るアテナを見つめて小百合はガタガタと震えていた。
その場にぺたんと、力なく座り込んで。
――カサッ
その表紙に、袖口に仕込んだ紙片の一枚が落ち
小百合の手に偶然触れる。
「く、くそぉぉおッッ!!!」
半ば、捨て鉢に何が書かれているか分からない
その紙片の内容を具現化させる。
しかしその時
――ゴボォッ
水音にも似た鈍い音が響く。
アテナの拳が、小百合の下腹部に深くめり込んでいた。
「グギッ……!!!」
小百合が奇妙な『音』だしてアテナへと抱きつくように
前のめりに倒れる。
- 25 :萌葱アテナ:2010/09/03(金) 23:48:38 ID:7gFzKdaU0
- >>24
「ッ!!!ラァッァシィァッ!!!」
手応えを感じ方咆哮の如き声を上げるアテナ。
倒れる小百合を受け止めようとする。
「……英雄なんかじゃ、英雄なんかじゃないんですよ」
その声は、何か痛みを孕んだ物だった。
- 26 :黒沢小百合:2010/09/04(土) 00:03:11 ID:SSMHlh/20
- >>25
「く、くく……く……。」
小百合を受け止めたアテナの腕を
ぬらりとした暖かい液体が濡らす。血だ。
これが仮想空間ではなく実戦ならば最早助からない
ほど、大量に出血している。
その時であった。
――――ガサッ
先ほど、小百合が最後に『具現化した』紙片だ。
風が吹き、ちょうどアテナがその内容を見える位置に飛んできたのだろう。
その紙片は、米軍軍事教本の一部。そこには
『ピンを抜いた瞬間から、手榴弾君は私たちの味方ではありません。』
そう、書かれていて――
「くく、く……ぐ……ギッ……」
小百合の体から力が抜ける。
次の瞬間、その体のちょうど胸ポケットの部分が爆ぜた。
爆炎はそのまま小百合の体をぐちゃぐちゃに吹き飛ばす。
その小百合と抱き合う体勢であった、アテナの運命は。
- 27 :萌葱アテナ:2010/09/04(土) 00:11:39 ID:7gFzKdaU0
- >>26
「ガァッ!!」
爆風に吹き飛ばされアテナは地面を転がっていく。
装甲の表面には大きな罅が入っている。
「グ……あっ……あああああああああああああああ!!」
叫び声を上げるアテナ。
何が起きているのか。
「あ、あっ……!!ああああ!!」
装甲が、『内側』から砕かれていった。
「あ、グッ、嫌あああああああっっっ!!」
装甲の全てが砕け散る。
「ガァッ!!」
そしてアテナは制御を失った力が暴走。
ぶちゅ
全身から血を吹き出し、意識を失った。
- 28 :【GM】レジスタンス<アルバトロス> / 統一国軍:2010/09/04(土) 21:01:25 ID:7gFzKdaU0
- 【公園】
公園に120人ほどの集団が集まっている。
その中心には赤毛の少女が立ち、集団に話しかけている。
「皆!油断はしないこと、手伝ってくれる人が居るからって気は抜かないんだよ!」
皆<ハイ!副長!
総員統制の取れた動きで、配置に着く。
【ビル】
ビルのロビーに100人ほどの集団があり、白いスーツで黒髪ロングの女が杖を持ちその集団に指示を飛ばす。
「総員、作戦開始まで時間は余り無い、速く配置につけ。協力者が来るとは言え、気体はするな」
「我々だけでも奴らを打倒せよ!」
皆<アイ!マム!
訓練された精兵の如く配置につき、それぞれ杖や剣を手にとっている。
【駅前】
駅前の広場に30人ほどの繋ぎの集団がいる。
その集団は10機ほどの巨大ロボを整備しているようだ。
そして、指示を飛ばしているのは白衣の幼女だった。
「みなさーん!頑張ってくださいねー!頑張ったらご褒美有りますよ!」
皆<ウオオオオオオオオオ!愛香チャンマジ天使!
他の2つの地点とは毛色の違う叫びがそれに答える。
戦闘開始まであと僅か、協力者は現れるのだろうか。
- 29 :セシベル・S・コープス:2010/09/04(土) 21:08:06 ID:s7wVE9sU0
- 【ビルの自動ドアから悠々入ってくる、奇妙に目立つ格好の青年】
【いつも通りの袖しかないようなジャケットに腰のギリギリまで下げ、裾も高さに合わせたジーンズ】
【今時のスニーカーを履き頭に王冠を乗せた金髪の青年】
【如何にも上機嫌な様子で入ってきたその青年は、右手にCDディスクのケースを持っていた】
調子はどうだい? お、可愛いじゃないオンナノコ。隊長?
是非とも俺の愛を君にあげたいのだがザンネン。俺の聞いた話では愛するべきはこれから来る奴と聞いたよ。
もっとも、君のような清楚で可憐で美しいヒトには俺の愛はデッカすぎるかもしれないし!?
【入るやいなや白スーツの女に一方的に話しかけ、それから周囲を見回す】
ねぇ、放送室どこ?
- 30 :蟹沢柘榴:2010/09/04(土) 21:09:12 ID:ZOM.z7ps0
- 【公園】
「なんだか、聞き覚えのある声がしたと思ったら」
ざり、ざり、地面の砂を摺って姿勢よく歩く人影一つ。
「今晩は、アテナさん。何かのお祭りですか?」
黒い髪白い肌黒い着流し、色彩と言う概念が欠落したようなその存在の中で、瞳と帯だけが腐り落ちた果実のような不快な赤色をしている。
人肉と同じ味をしているという果実の名を持つ青年が、現れた。
- 31 :【烏天狗】イザヤ:2010/09/04(土) 21:09:18 ID:k6nVC4j20
- 「さァてェ、妖怪の力の見せ所さねェ。
住まわせてもらッてる土地なンだ、ちゃンと護らなきゃァな。」
【公園】に。その上空から、銀の翼がゆっくりと降りてきた。
翼の主は髪から服まで黒ずくめの男。目だけが黄色くらんらんと輝いている。
「加勢するぜェ、手間にゃァならねェ」
彼の体の周りを細かい銀の粒のようなモノが飛び交い始めた。
- 32 :【GM】レジスタンス<アルバトロス> / 統一国軍:2010/09/04(土) 21:12:20 ID:7gFzKdaU0
- >>29
入ってきた青年に目線を向ける白スーツの少女、オイジュス。
「調子かい?悪いはずがない、これから戦争だしな」
中性的な口調は不機嫌に聞こえるが、戦闘前の緊張感から着ているようで。
>>30
「柘榴さん!?」
振り向くアテナ。
「いや、どっちかというと喧嘩ですね。凄くおっきな」
部隊を一瞥しながら言う。
>>31
「今回も、手伝ってくれるんですか」
頭を下げながら言う。
- 33 :レラ=バニッシュ:2010/09/04(土) 21:15:57 ID:hGStfPTM0
- 【公園】
「ここか」
少女は上空から軍団を見下ろす。
「統率は取れているらしいな。戦力になるかは解らんが」
そんな独り言を呟きつつ、高度を下ろしていく。
「アテナ」
軍団の最前に居る赤毛の少女へ話しかける。
「僕が征服する前にやられては面倒だからな。今回も手伝ってやる」
そういって握った拳を見せる。
少女の服装は何時ものラフな物と違い、強固な鎧の様な物を身に着けていた。
- 34 :セシベル・S・コープス:2010/09/04(土) 21:16:35 ID:s7wVE9sU0
- >>32
フッフッ……ダメだよ駄目、硬い顔だ。
そんなんじゃあ誰一人にも勝てやしないよ。
【したり顔でにやけつつ両手を天秤のように顔の横へ並べ首を振る】
で、放送室どこ?
- 35 :【烏天狗】イザヤ:2010/09/04(土) 21:18:49 ID:k6nVC4j20
- >>30
「ほゥ、こりゃァ…鬼だろ、あンた。なンだか珍しい妖気じゃねェか。
俺も妖さねェ、翼は作りモンだがこれでも烏天狗なンだ。まァ、仲良くやろうぜ?」
黄色の目が面白そうにそちらを見やった。
>>32
「あァ、妖怪は住処を大事にするンだ。此処に住むから、此処を護る。
至極当然の事さねェ」
くつくつと笑い、部隊を眺める。
- 36 :蟹沢柘榴:2010/09/04(土) 21:18:51 ID:ZOM.z7ps0
- >>32
「喧嘩ですか。へえ」
部隊を一瞥。
そしてしばらく考えて、
「……先輩の面倒事に付き合うのは後輩の役目ですよね。
お手伝いしますよ」
一回だけ浅く頷いて、言った。
- 37 :蟹沢柘榴:2010/09/04(土) 21:20:28 ID:ZOM.z7ps0
- >>35
「……よくお解りになられましたね、角がないのに」
少しだけ目を丸くして、振り向いた。
「烏天狗、ですか。懐かしい響きです。
宜しくお願い致しますね」
きっちりお辞儀。
- 38 :【GM】レジスタンス<アルバトロス> / 統一国軍:2010/09/04(土) 21:22:52 ID:7gFzKdaU0
- >>33
「や、レラ」
ひらひらと手を振る。
「ありがとうね、今回も、頼むよ」
少し緊張が溶けた表情だ。
>>34
「フッ、こういう顔だ。そもそも戦闘前ににやける輩なぞ、死ぬだけだ」
杖を右手で握り締めながら。
「放送室か?分からんな、この階の事務所でアナウンスできたはずだが」
素っ気ないが一応教える。
>>35
「ありがとうございます。アタシたちも、この街を守るために、頑張りますから」
杖や銃器や剣を持つレジスタンスのメンバーが完全に戦闘態勢に入り、敵を待つ。
>>36
「……えと、お願いします」
ばっ、と頭を下げる。
「皆!手伝ってくれる人も来た!絶対、負けられないからね!」
よく通る声で皆を鼓舞する。
- 39 :エミリオ・ウォルフレム:2010/09/04(土) 21:24:30 ID:gJtcMvY.0
- 【駅前】
「……何だろう、あれ」
スクールバッグを肩にかけた学ランの少年が、遠巻きに男達とメカを眺める。
少女には気付いておらず、むしろメカに男の子回路をときめかせているように見えなくも無い。
少年は無意識のうちに、メカに向かって歩を進めていた。
- 40 :【GM】レジスタンス<アルバトロス> / 統一国軍:2010/09/04(土) 21:24:38 ID:7gFzKdaU0
- //場所の把握が難しいのでキャラ名前欄に【公園】【ビル】【駅前】と、いる場所着けてくれると嬉しいです!
- 41 :【駅前】ディス大人ヴァージョン ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/04(土) 21:25:44 ID:WVrfsEdY0
- 【駅前に一人の影が現れた】
「…人前に出るのは恥ずかしいけど…
ここはでるしかないか…」
【Tシャツとズボンをはいた女性である…何だか恥ずかしそうにしている】
- 42 :【烏天狗】イザヤ:2010/09/04(土) 21:28:04 ID:k6nVC4j20
- >>37
「大体、種族によッて妖気の感じが違うのさねェ。
鬼、ッてェ事は近接格闘とかに長けてンのかい?
そンじゃァ俺ァ援護に回った方が良いかもしれねェなァ」
にっこりと笑う。周りの銀の霞が集まり、一つの形を実体化する。……それは剣。
古式の銀の剣を一本手にとって、蟹沢に聞く。
「あンたは武器はいらねェのか?」
- 43 :【公園】レラ=バニッシュ:2010/09/04(土) 21:30:18 ID:hGStfPTM0
- >>38
「別に貴様を守りに来た訳でない。飽く迄も僕の目的だからな」
アテナから目線をはずし、また戻し。
「まあ、頼まれたのならやってやる」
鎧で覆われた漆黒の右腕を向ける。
鎧に目を向けていると、少女の鎧には黒い線が幾つも入っている事が解る。
- 44 :セシベル・S・コープス:2010/09/04(土) 21:30:20 ID:s7wVE9sU0
- >>38
NO、NO、レイディー。君の笑顔が勝利を招くのさ。
君に付いてきた部下たちもそう思ってる。普段からその顔なら尚更!
みーんなカワイイ子の笑顔が見たくて、見れない奴は負け組さ。
そうだろォ! ぶォオオオオオオオオオオオオオオオイズぇええんガーーーーーーァアアアルズ!?
【スーツの女の後ろで戦闘態勢を保つ兵たちに振り返り、愉快な半狂乱。男は叫ぶ】
【それから飛び跳ねるように事務所まで駆け抜けていった】
- 45 :蟹沢柘榴 【公園】:2010/09/04(土) 21:31:55 ID:ZOM.z7ps0
- >>38
「ええ。お任せくださいね」
もう一度頷きながら、誰にも見えないようにちろりと舌舐めずり。
口から覗く舌の色もまた不快な赤色をしていた。
>>42
「妖気……はぁ、俺はそういうのにどうも疎くて……
鬼ですので一応、それなりに力はありますねえ」
あ、どうも、と言いながら、ぼんやりとイザヤの術を見ていた。
きれいだな、と素直に思う。
「武器、は。要らないですね、持ってても途中で放り投げちゃう性質でして」
- 46 :【GM】レジスタンス<アルバトロス> / 統一国軍:2010/09/04(土) 21:35:52 ID:7gFzKdaU0
- >>39
機械はガシャガシャ動作確認をしている。
「あ、危ないですよー!」
少年に走り寄る10歳も行かないような白衣幼女。
背中にはランドセルのようなリュックを背負っている。
>>41
ロボットは配置につく。
「あの、協力者さんですかー!?」
愛香はディスに話しかけるが、ディスとは気づいていない様だった。
>>43
「ありがと!」
フフ、と分かった様な笑みを浮かべる。
「アタシも、行くか」
ガキィンと拳を打合せ、返信する。
>>44
「笑うのは、苦手だ」
引きつった笑みを浮かべてみる。
「やはり、戦場しか、無いのだろうね」
杖を振り、漆黒のドレスを身にまとう。
>>45
「戦えるんですか……?あ、いや、逆か。戦えるからここにいるのかな」
>>ALL
そして、戦闘が始まる。
公園、ビル、駅前に大量の魔法陣が展開、そこから大量の兵士が現れる。
ブゥン
異能都市の上空に無数のホログラム画面が展開され、軍服の魔道士が表示された。
「フハ、フアッハハハハッハハハッハハハッハハハハハッハ!!!!!!」
高笑いを上げる。
「今度こそ、今度こそ貴様らを皆殺しにしてやる、必ず、必ずだ!!!ハアッハハハハハh!!!」
そして、血走った目以外は普通の無表情に戻り。
「命令だ、殺せ、殺し尽くせ、都市を死体で埋めよ、我々の正義に背きし鉄槌をくだせ!我らの正義を示せ!」
その声に答える様に兵士たちが杖を構え、3箇所で同時に戦闘が開始。
まずは無数の魔法弾が放たれる。
その威力は大したものではないが、牽制には十分な数の脅威だ。
- 47 :【公園】レラ=バニッシュ:2010/09/04(土) 21:44:13 ID:hGStfPTM0
- >>46
「僕の邪魔はするなよ。
貴様のする事は出来る事だけで良い。他のすべては僕が守り、敵も潰す」
レラの前に魔法陣が展開される。
そこから現れたのは銀色の剣。刀身部分は水晶の様に透きとおっている。
それを右手で引き抜き、アテナへと振り返る。
「解ったか。絶対に無理はするな」
その言葉の直後、レラの前に小型の機械が射出され、盾を作る。
そして敵の軍勢へと弾丸の様に突っ込んでいく。
「この僕を魔法程度で落とせると思うな!!」
- 48 :セシベル・S・コープス:2010/09/04(土) 21:44:52 ID:s7wVE9sU0
- >>46
【事務所にたどり着いた頃、ロビーから爆音が響いた】
……フン、やってるな……。
だ・け・ど♪ 俺は俺の気分通りにやるぜ、ベイビー。愉快に痛快に、明るく激しく。
馬鹿馬鹿しくて腰が踊る、そんな気楽な戦場で。
【CDケースからCDを取り出す。事務所の放送機材にCDをセットし、一曲目でループ再生】
【ボリュームは大きめに、スイッチを】
死ぬなら楽しく。オン。
《デッデッ♪ デデデデデッデデデデデッデデデデデッ♪》
【ビル全体を揺らすように、リズミカルな管楽器が破裂するように鳴り響いた!】
- 49 :【駅前】ディス大人ヴァージョン ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/04(土) 21:45:01 ID:WVrfsEdY0
- >>46
「はい、見ての通りの協力者ですよ…っと!」
【突然聞こえてきた声を聞いて上空を見る】
「ひとまず…詳しいことはこいつらを倒した後でね!」
【そう言ってディスは銀の刀を抜きはじめた】
「とうっ!!」
【掛け声とともに女性は高く飛び上がって弾丸をかわし、兵士たちに向けて鋭いキックを撃ち込みに行く】
(思った通り…子供の時よりもずっと軽く動く…!)
【その破壊力はかなりの物のはずである】
- 50 :【公園】烏天狗イザヤ:2010/09/04(土) 21:46:19 ID:k6nVC4j20
- >>45
「そうかィ、ンじゃァ剣は俺が使うぜ」
担ぐようにして剣を取り、地上で一度羽ばたいた。
銀の翼から送られた風が公園の空気を少し揺らす。
「さァて、始まッたッ!お互い頑張ろうぜッ!」
魔法弾が空をきらきらと明るくしたのを見て、彼は地を蹴り空に舞い上がる。
>>46
「なンらかの法で魔力を具現化してあンのか、この量は…やべェな」
更に彼の体を銀の霞が覆う。
「『銀色烏【翼】四千羽』。」
背の翼が二対に増え、別々に動き始める。機動力を高めて、全弾を回避する算段だ。
降り注ぐ雨のような攻撃を、必死で避ける。しかし余りの攻撃の多さに、攻撃には転じれない。
【攻撃無し】
- 51 :【駅前】エミリオ・ウォルフレム:2010/09/04(土) 21:46:40 ID:gJtcMvY.0
- >>46
「ん?……あ、いや、すみません。つい……」
注意され、そちらに向かって向き直りつつ謝る。
「って、あれ?貴方……」
何かを思い出しそうになったか、少し考え込んだ。
数秒してから思い出したか、何か言おうとした瞬間、上空のホログラムの何者かの哄笑で遮られる。
そして、出現した大量の兵士に気付く。
「……あー。僕のパターンだ、これ」
誰に言うでもなく、がっくりと肩を落としながら溜め息をつき、とりあえず手近な車の後ろに飛び込むように隠れる。
- 52 :蟹沢柘榴 【公園】:2010/09/04(土) 21:48:54 ID:ZOM.z7ps0
- >>46
「そりゃあ、戦えなかったら逃げますよぉ」
くすくす。先日見せたような笑みを零す。
「……ふーん」
不味そう。表示された軍服の男を見て率直に思った感想。
次いで兵士たちを見、にっこりと笑んだ。
「あ、よかった。こちらの方々は左程不味そうではなさそうですね」
表情そのまま、歩き出す。
まず一発試しに当たってみて、威力は問題なさそうだと判断。
適当に避けるような動作を見せながら、徐々にスピードを速めて接近。
身体中に当たる弾が皮膚を破く。
そこからゆるゆると流れだす血液もこれまた、不快な赤色をしていて、
――――腐臭がする。
>>50
はい。
それだけ言って、彼はゆるゆる歩み始める。
風が彼の前髪を撫でて、――一瞬だけ額の角の跡を露わにした。
- 53 :【GM】レジスタンス<アルバトロス> / 統一国軍:2010/09/04(土) 21:53:41 ID:7gFzKdaU0
- >>47
「前線部隊ッ!防御陣!」
前線部隊が魔法陣を展開し、魔法弾の威力を減衰させ、レラへの攻撃を減衰させる。
「射撃ッ!」
銃を持つ部隊が敵軍に向けて銃撃を開始、戦場にちの花が咲く。
>>48
「総員進撃、倒せ、死ぬな!」
杖を持つ部隊が魔法弾を撃ち落とし、剣を持つ部隊が相手の部隊と接触、白兵戦を開始した。
>>49
魔力弾がディスの体に数発襲いかかるものの、致命傷を与えるほどではない。
ズドォン!
兵士が円形に吹き飛び、宙を舞う。
>>50
ドドドドドドオドドドドオ!
減衰するものの敵軍の数はおよ1000オーバー、一人一発としても千発の魔法だんだ。
>>51
「危ないです!」
リュックサックからアームが二本伸び、そのアームに装備された二門のレーザーカノンが火をふく。
「みんな!頑張ってくださいね!」
ロボットが魔法弾に突っ込んでいき兵士をケチらし始める。
>>52
魔法弾が皆を襲うが、前線部隊が威力を減衰させている。
敵部隊長「砲撃開始!」
5発の光の光条が柘榴とイザヤに襲いかかる。
- 54 :【駅前】ディス大人ヴァージョン ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/04(土) 22:02:05 ID:WVrfsEdY0
- >>53
「残念ながらこの程度…何とかなるのよね…!」
【傷ができた場所を包帯で覆い、僅かな傷を塞ぐ】
「さあ、ここからが本番…てね!!」
【そう言うとディスは包帯を】
しゅるしゅるしゅるしゅるしゅる
【四方八方に向けて勢いよく伸ばし始める。兵士たちの中から敵を撃破しようとたくらんでいるようだ】
- 55 :【ビル】セシベル・S・コープス:2010/09/04(土) 22:02:50 ID:s7wVE9sU0
- >>53
【前奏の間にセシベルはビルの二階に上がった。それから、巨大なバズーカを構える】
【狙いはビル入口の天井。重厚な金属音が男の手のひらを伝わり、快感にぶるっと背を震わせる】
【流れてくるのは『マンボNo.5』。戦場で聞くには愉快すぎるくらいの】
《 ハァアアアアアアアアアアアアアアア 》
ウッ!♪
【愉快だ】
ドカァアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!
【引き金を引き、破壊の化身が『二階窓際の床=一階入り口近くの天井』を吹き飛ばす!】
【白兵戦を味方ごと押しつぶせればよし。たとえ敵が外にいようと、分断できればそれでよし】
【二階を吹き飛ばしたセシベル・S・コープスは、また階段を登って三階へ向かった】
- 56 :【駅前】エミリオ・ウォルフレム:2010/09/04(土) 22:03:18 ID:gJtcMvY.0
- >>53
「……ま、いいや。パターンなら諦めよう。ついでに楽しんでみよう」
何気なく上空を見て、いつだかの少女が言った言葉とともに、一瞬その発言をした少女の笑顔を幻視する。
「というわけで、とりあえずは……」
車の上に飛び乗り、両手の掌から、高圧の水の弾をマシンガンのように連発する。
殺傷能力は低いものの相当痛く、何発も集中して受ければ鎖骨や肋骨ぐらいは折れるかもしれない。
その両手を動かし、兵士が特に密集していると思われる箇所へ向けて、撃ちまくる。
「関わっちゃったしなぁ、あの時……」
横目でちらりと愛香を見て、以前巻き込まれた戦闘を思い出し、自嘲的に、しかし曇りなく笑った。
- 57 :【公園】烏天狗イザヤ:2010/09/04(土) 22:04:04 ID:k6nVC4j20
- >>53
「おンやァ、弾が減ッて来たかィ、それじゃァ反撃さねェ」
2対の翼の機動力でも相当数の被弾がある。
抗魔の力は然程優れておらず、体から流れた血が地上に落ちて行く。
そんな赤を振り払うように、彼は銀の剣を構えた。
十字架のように逆さに持ち、左手を添え。そう、それは武器ではなく儀式剣。
「はァッ!」
圧。妖怪という異存在への畏怖。
無自覚の威圧感が増幅され、その姿を見た兵士の心に恐怖を刻み込もうとする。
「さァて、上手く中から壊れてくれるとありがてェなッ!」
【敵兵士達に軽精神攻撃。】
- 58 :蟹沢柘榴 【公園】:2010/09/04(土) 22:05:50 ID:ZOM.z7ps0
- >>53
「っと、」
アレを喰らっちゃあ流石に。危ないかなあ。
彼はそれを避けるために、地を蹴りつけて移動。「前方」――即ち、「前線部隊の真っただ中」に。
赤黒い血液――触れると腐蝕するそれを振り撒きながら、適当に誰かを掴もうと、腕を伸ばした。
- 59 :【公園】レラ=バニッシュ:2010/09/04(土) 22:06:21 ID:hGStfPTM0
- >>53
「フン、その程度で」
手に持った銀の剣で目の前の空間を裂く。
その太刀筋は一本の線となって残り、
次の瞬間、その太刀筋が縦に広がり、異次元へと扉と化す。
異次元への扉が銃弾を吸い込んでいく。
「お前ら下がれぇ!!」
左手の端末から淡く緑色に発光する粒子が噴き出し、それらは剣の形を取って固まる。
その長さは100m前後。
少女はその剣を一度高く掲げ、薙いだ。
- 60 :【公園】烏天狗イザヤ:2010/09/04(土) 22:06:35 ID:k6nVC4j20
- //すみません、被攻撃コピーし忘れました。。。>>57の直前に付け足してください。
雨のような弾を避けるのに一杯一杯だった。
その光の帯に気づくのが遅れ、…いや、気付いていても逃げられなかったか。
光がわき腹を掠め銀の翼に穴を開ける。
「ぐあ、ァァッ!」
焼くような痛み、しかしそれと同時に敵の攻撃への違和感を感じる。
- 61 :【GM】レジスタンス<アルバトロス> / 統一国軍:2010/09/04(土) 22:12:28 ID:7gFzKdaU0
- >>54
兵士たちの中でも近接特化の剣装備の兵士がディスに飛びかかっていく。
しかし、その速度は一般から見れば速いものの、異能都市の住人からすればたいしたことはないのだろう。
何人かは包帯に絡み取られるが、数人が接近、剣を振り下ろす。
>>55
ズドォンッッッ!!!
落ちてくる天井は味方と敵、双方に大きな被害をもたらす。
「なんだ、アイツは!どっちの味方のつもりだおい!」
そう叫びつつも、落ちてくる天井を魔法砲撃でうちおとし、兵士を蹴散らす、
>>56
兵士の一部(20人くらい)がエミリオのほうを向き、攻撃を始める。
前に立つ五人が魔法障壁を張り、威力を減衰、防御し、後ろに立つ他の兵士が魔法弾を打つ。
>>57
兵士の動きが恐怖で一瞬止まる。
だが、兵士立ちの首につけられた首輪がショックを流す。
バチィツ!
「「「「「「「我らの正義がその程度で止まると思ったか!」」」」」」」」
そう叫ぶと、100発ほどの魔法弾が一斉にイザヤに向けて放たれる。
>>58
柘榴の手に、一人の兵士がつかまれる。
そして一部の兵士の武装は値によって腐っていく。
「てーっ!!!」
数十発の細い光の線が柘榴に伸びる。
>>59
「皆避けろッ!!!」
アテナが皆に指示を飛ばし、すぐ皆がどく。
ズバァァァッ!
長大な光の剣は一直線に兵士を薙ぎ払い、吹き飛ばす。
- 62 :【駅前】ディス大人ヴァージョン ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/04(土) 22:16:50 ID:WVrfsEdY0
- >>61
「甘い…これくらい…で!!」
【ディスは余った包帯を鋭くとがらせて】
ガキイン!!
【振り下ろされた剣を防ぎに行った】
「てえいやぁ!!」
【さらに飛びかかってきた兵士たちに向けて勢いよく包帯に巻かれた兵士を投げ飛ばした!】
「…ちょっと数が多いかな」
【流石に困り始めたようだ】
- 63 :蟹沢柘榴 【公園】:2010/09/04(土) 22:17:49 ID:ZOM.z7ps0
- >>61
「わー」
掴んだ。手ごたえあり。みしりと骨の軋む音。しかしここで握り潰してはいけない、慎重に。
光の線。ああ、多いな。でも、
「怖い怖い」
”丁度壁に成り得る物を持っていた。やったね”
掴んでいた兵士を光の線が伸びてきた方向に向ける。盾にでもするかのように。
貫通はするだろうけど、少しは弱まってくれるだろう、と考えて。
- 64 :【ビル】セシベル・S・コープス:2010/09/04(土) 22:22:27 ID:s7wVE9sU0
- >>61
世の中はもっと愉快で、楽しく、そして!
【三階に辿りつくと同時、三階の床と天井もバズーカで砲撃!】
【二倍の瓦礫と事務機器が誰も彼もを圧殺せんと迫る!】
理解不能であるべきだァアアアアアアアアアアアアアアアアああああああああああああああああ!!
【そして瓦礫が落ち終わった大穴からひょいと足を踏み出し、落下】
【落下中にバズーカをしまい、楽しそうな顔で急上昇していく壁を眺め】
フッフッ、今日の気分は『こんな気分』だ。何もかもを愛してあげたい。フフフフフ…。
- 65 :【駅前】エミリオ・ウォルフレム:2010/09/04(土) 22:22:39 ID:gJtcMvY.0
- >>61
「うわっ……!」
左腕で攻撃を続けつつ、右腕で水弾を連射して魔法弾を防御しようとするが、
一発が右上腕を掠め、掌が明後日の方向を向く。
その瞬間、左肩に魔法弾が直撃、車の上から吹き飛ばされ、兵士たちから見て車を挟んだ向こう側へと倒れる。
頭を反射的にかばいはしたが、背を打ちつけたため、倒れたまま、微かにしか動かない。
- 66 :【公園】烏天狗イザヤ:2010/09/04(土) 22:25:03 ID:k6nVC4j20
- >>61
「ちィィィッ!」
畏れが効かない。いや、効いたとしても心の底から揺さぶる程にはならない。
その事実に、少しだけ顔が歪む。
そして、視界を覆う程の圧倒的な物量。
穴の開いた翼では、到底避けきれないだろう。
「仕方がねェ。『銀烏【鏡】四千羽』ッ!」
剣と傷ついた翼が銀色に霧散し、彼の手元に集まる。
そのまま、空中を撫でるように。其処に銀の鏡が出来上がる。
「さァて、そのまま返すぜ。」
魔法弾は鏡に当たると、向きを反転され逆方向に飛んでいく。
イザヤを狙った兵士の下に。
「魔力消耗が激しいのが難点だが、そうはいっちゃァいられねェ、しッ!」
残る一対の翼で空を飛ぶ。軍の元へと近付いていく。
【カウンター攻撃。】
- 67 :【公園】レラ=バニッシュ:2010/09/04(土) 22:25:24 ID:hGStfPTM0
- >>61
「フン……」
緑色の剣は粒子に戻り、暫くして消滅する。
それと同時に少女を守る盾に成っていた小型機械が火花を上げて落下する。
敵の軍団の多過ぎる魔法弾に耐え切れなくなったのだ。
「チィッ……」
機嫌悪そうに落ちていく小型機械を眺め、首を横に振る。
次に、少女は銀の剣を横に構えると、上空から敵の軍団に向かって突撃を始めた!
- 68 :【GM】レジスタンス<アルバトロス> / 統一国軍:2010/09/04(土) 22:29:51 ID:7gFzKdaU0
- >>62
愛香がリュックサックのジェットで空に浮かぶ。
「あまり動かないでくださいねー!」
ディスに向かって叫ぶと、愛香は二門のレーザーカノンを放射、
そのまま地面をなぎ払う様に動かしディスの周囲数十メートルの兵士を吹き飛ばす。
だが兵士も伊達ではない、空に向けて数十の光条が伸びる。
「あ、ヤバいです!」
>>63
兵士たちはそれを見て声を揃えて言う。
「「「「「さようなら、我らが仲間よ!正義の糧となるが良い!」」」」」
容赦なく仲間ごと柘榴を攻撃するどころか、追加で更に光の線が増える。
>>64
「グッ、!むしろ来なければよかったのにいいいいいいいいいい!」
そう叫ぶとオイジュスは上に向けて魔法陣を展開。
「収束砲!」
落ちる瓦礫などを全て蒸発させる。
>>65
吹き飛ばされたのを見て、後ろに立つ兵士のうち5人ほどが剣を持ち走りだす。
>>66
吹き飛ばされた魔法弾は100人の兵士を50人ほどにした。
だが、まだ他の地点には大量の魔道士。
数というのはコレほど厄介だったとは。
敵部隊長「奴を叩け!」
一部の魔道士が空に浮かび、イザヤに向けて飛ぶ。
剣を持つ魔道士が接近し、剣を振ると同時、後ろの魔道士が魔法弾を放つ。
>>67
魔法弾の弾幕を張ると同時、先程空に飛び立った魔道士の一部がれらに向けて飛んでいく。
>>ALL
【都市郊外】
都市郊外に魔法陣が展開されている。
そのサイズは2キロほどだ。
いまだ機動は指定内ものの、魔力がうっすらと出ている。
これは、一体なんなのか。
しかし、都市内で戦闘をしている者たちにはいまだ気づく者は居ないだろう。
- 69 :【公園】レラ=バニッシュ:2010/09/04(土) 22:35:34 ID:hGStfPTM0
- >>68
「邪魔、だあああっ!!」
横に構えた剣をそのまま振りまわす様に振る。
そこから伸びた太刀筋が再び異次元との境に成り、魔導士を吸い込んでいく。
- 70 :【駅前】ディス大人ヴァージョン ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/04(土) 22:36:18 ID:WVrfsEdY0
- >>68
「えっと…わかった!
あんまり動かなければいいんだね」
【そう言ってガッツポーズをとる…】
「何がやばいの!?
とりあえず…あれを止めといた方がいいのかな!?」
【そう言うとディスは光の線が延びる方にいる兵士に向けて勢いよく包帯を伸ばし、倒そうとする】
- 71 :【ビル】セシベル・S・コープス:2010/09/04(土) 22:39:27 ID:s7wVE9sU0
- >>68
笑えよ笑えよ! 楽しいだろ!?
この世界はてんでなっちゃいない。誰も彼も真剣だ。誰も彼も切羽詰っている!!
笑うことを無くして、自ら負け続ける!
【空中でくるっと一回転して、ネコのように体勢を整え地面に降りる。数秒後、王冠が彼の頭に落ちて乗っかった】
だけど俺は俺さ。君たちに強要はしない。俺はベストを尽くすよ、君たちと違って。
そのベストにせいぜい! 巻き込まれないよう頑張るがいい!! そして惚れろ!!!
【男は狂っていない。しかしそれは狂っているも同じ状態】
【狂わず歪まず、ただしたいことをする素直な生物。『正常な人間』から見れば、純粋とは狂気なのだ】
【大口を開けて哄笑したあと、ふと思い出したように敵軍のほうを向いて手のひらを差し出す】
あ、攻撃どうぞどうぞ。続けて結構。
- 72 :【駅前】エミリオ・ウォルフレム:2010/09/04(土) 22:39:55 ID:gJtcMvY.0
- >>68
「……こんなんじゃ、ダメ……かな」
口だけが動き、小さな声で呟く。兵士たちはもちろん、ディスや愛香にも聞こえないだろう。
片手をついてゆらりと起き上がり、走ってきた兵士達を鋭い眼差しで睨みつけ、地に着けた右手を蒼く発光させた。
瞬間、地面から巨大な水の手が生え、兵士達へ向けて拳を振り下ろした。
水を密度を高めて重くしているため、そのプレッシャーは人間を潰してしまうほど。
万が一息があったとしても、水の手の中に引き込まれ、溺死の危険も免れない。
- 73 :【公園】烏天狗イザヤ:2010/09/04(土) 22:41:37 ID:k6nVC4j20
- >>68
「なるほどなァ、数の暴力。それァ確かに怖いもンだが。」
残った兵士達を見る。空中で近接戦を始めるつもりだ。
魔法弾の痛みで、こちらはろくに腕も振るえないというのに。
しかしその目は不敵に笑う。銀の靄が濃くなって。
「でも、数じゃァ、俺の勝ちさねェ」
敵の剣が体を掠めると同時、キィン、という音が響いた。
金属質な甲高い音――いや、それは鳴き声。
靄が次々に収束し、小さな小さな烏の姿を作り出す。
金属の翼、金属の嘴。一羽が弱くとも、集まって攻撃すれば一片も残さない。
「『銀烏【烏】四千羽』、久しぶりに暴れてきなァ」
わん、と空気が震えた。雲のような烏の群れが幾つにも別れ、魔法弾に、剣士に、
次々襲い掛かる。弾はその身をもって防ぎ、そして敵はその嘴をもって消す。
集団に集団の暴力が襲い掛かる。
「畜生、もうもたねェぞ、銀烏、早くしやがれッ!」
【敵に広範囲攻撃。】
- 74 :蟹沢柘榴 【公園】:2010/09/04(土) 22:42:06 ID:ZOM.z7ps0
- >>68
「……これはちょっと」
流石の俺でも気持ち悪い。
なんだろう、洗脳でもされているの?
「まあ、知ったことではないけれど――ね」
ぎりり、と足と腕に力を込めて――掴んでいた兵士を、投げ飛ばす。
それと同時に横っ跳び、とりあえず光から逃げる。
「うーん……ちょっと困りましたね。狙撃されるばっかりだと、やられてしまう」
- 75 :【GM】レジスタンス<アルバトロス> / 統一国軍:2010/09/04(土) 22:44:33 ID:7gFzKdaU0
- >>69
異次元に飲み込まれるのも気にせず何人もの兵士が突っ込んでくる。
「数では負けん!物量で押しつぶせ!!!」
地面からは大量の魔法弾、空からは無数の兵士の突撃が襲いかかる。
>>70
「きゃうっ!!!」
光の線が一発当たり、地面に勢い良く堕ちていく。
そして、ディスの包帯を食らった兵士が転倒、光の線が無差別に周囲の兵士にダメージを与える。
>>71
ぴく、ぴく。と口元が震える。
「……進撃だ!全てたたきつぶせ!」
そして、命令通り仲間が敵軍にかかり、後ろからオイジュスも指示を飛ばしつつ魔法を打ち込み、堅実に敵を減らしていく。
「おっと、ながれだま」
ついつい、セシベルに向かい、威力が低い魔力弾を撃ってしまう。
わざとじゃないよ!!!
>>72
襲いかかる鳥についばまれ、襲われ兵士は次々と、地面に堕ちていく。
兵士の数はあと300か。
>>73
兵士たちは画一化された嗜好のもと柘榴をおそう。
杖を持つ部隊が接近、魔力刃で槍のようになった杖で突きを放つ。
- 76 :【ビル】セシベル・S・コープス:2010/09/04(土) 22:54:36 ID:s7wVE9sU0
- >>75
あいとぁッ!!?
【ぱこーん!と頭が一瞬首から離れたんじゃないかと思うくらいの勢いで打たれる】
【よろよろとその場でたたらを踏み、女のほうを向く。笑顔で。】
フフフ……レイディー。惚れたなら魔法じゃなくてキスを返してくれないか。
【不意に袖からバズーカ砲を取り出す。そこにロケット弾を装填し肩に担ぐ】
【女のほうを向いたなら砲身は女に向くはずだが……男はそれを逆に持っていた。つまり背中に砲身を向けた状態】
働きが足りないか? それともテレ隠しか? オーケー、ならどちらも満たそう。
君が照れる暇もないくらい働けば文句はあるまい?
【装填しながら女に笑みを向け続け、】
それっ!!
【終わった直後に、後ろ向きの引き金を親指で押しこむ】
ボシュッ!!
【軽い音と共に、敵兵の群れに向かってロケット弾が飛んでいく。着弾すれば大爆発だ】
- 77 :【駅前】ディス大人ヴァージョン ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/04(土) 22:54:45 ID:WVrfsEdY0
- >>75
「うわわわ!危ない!!」
【ディスは慌てて愛香に向けて包帯を伸ばし、受けとめようとする】
「く、危ない…じゃないの!」
【光線がディスの体に何発か命中してしまうが、それでも愛香を受け止める方に回った】
- 78 :【公園】レラ=バニッシュ:2010/09/04(土) 22:55:02 ID:hGStfPTM0
- >>75
「数でどうにかなると思っているのか?」
剣の刀身が黄色く、薄く輝き始める。
柄から刃の先端へと環状の光がゆっくりと湧き上がっていく。
銀の柄の剣を両手で持ち、右に構えて。
「この僕をっ……嘗めるな!!」
その剣を思い切り左に振った。
その瞬間、その太刀筋が敵の軍団へ飛んでいく。
太刀筋は異次元の扉、触れた個所を異次元へと転送する。
もし触れてしまえば強度に関係なく真っ二つだ。
- 79 :蟹沢柘榴 【公園】:2010/09/04(土) 22:55:04 ID:ZOM.z7ps0
- >>75
「っち……」
腕を振るう。裏拳。これで幾らか払われればいいが、と思った。
ざくざくと振るった腕に刃が突き刺さって――
「……腐れ。何もかも。
腐って堕ちて蝕まれて敗けよ!」
血の飛沫が舞い飛んで、腐臭は強くなる。
- 80 :【公園】烏天狗イザヤ:2010/09/04(土) 22:56:34 ID:k6nVC4j20
- >>75
武器の形を崩し、管理下から離れた烏達は兵士達を襲い続ける。
しかし魔法弾に打ち消されたものもあり、半分も残っていないだろう。
「変形は、次が最後かもしンねェな…」
被弾した烏は霧散しイザヤの元へ戻っていく。彼を取り巻く銀の靄が一層濃くなっていく。
【攻撃無し】
- 81 :【GM】レジスタンス<アルバトロス> / 統一国軍:2010/09/04(土) 23:05:00 ID:7gFzKdaU0
- //すいません!スイマセン!見落としてました!
兵士は水に飲み込まれていくが、一部の兵士が水に向かって魔力弾を撃ち、破壊しようとする。
- 82 :【駅前】エミリオ・ウォルフレム:2010/09/04(土) 23:11:57 ID:gJtcMvY.0
- >>81
「数が多いなら……一撃で全てさらってやる」
左肩の痛みを必死で堪え、意識を集中する。
水の手が魔法弾で削られ始めた瞬間、自ら術を解いて分解、大量の水へと戻し、兵士達を吐き出す。
直後、大量の水がうねり、津波のように兵士たちの戦列へと襲い掛かる。
高さにして5m、幅にしておよそ10m。
残りの力のほぼ半分を使った、渾身の一撃である。
//おk−
- 83 :【GM】レジスタンス<アルバトロス> / 統一国軍:2010/09/04(土) 23:17:21 ID:7gFzKdaU0
- >>76
「お断りだ!私は軍人、戦に生きるもの。そう言うのは分からん!!!」
ドドドドドドドドドド!と兵士に向けて容赦なく砲撃を雨あられと放ち、吹き飛ばしながら言う。
その口元は、力を振るう高揚感で緩んでいる。
「っ、と。避けろっ!」
指示を飛ばし、ロケット弾の着地点からこちらの軍が退避、敵兵士も退避するが間に合わないものが爆風に食われる。
兵士の数はあとおよそ200ほどだ。
>>77
愛香は包帯に受け止められる。
「す、すいません、ありがとです!」
そう礼を言うと、地面に立ち、ディスに向けて光線を放つ兵士をビームで蹴散らす。
>>78
太刀筋に飲み込まれ、敵部隊が大きく数を減らす。
「いまだよ!総員進軍!」
アテナの指示に従い、レジスタンスの兵士たちが、魔力砲撃と白兵戦を開始。
敵の残党をほぼゼロまでに減らそうとする。
>>79
襲いかかる兵士が血の侵食に飲み込まれ、腐り、死んでいく。
数はほぼゼロと言っていいほどで50人程度とあとは隊長格のみだろう。
>>80
数が減る兵士の一部がイザヤに魔力砲撃を放つ。
相手も疲弊しているのか、その威力は低い。
>>81
津波に飲み込まれ残り300の兵士が大きく数を減らす。
残りは150ほどか。
>>ALL
都市郊外の魔法陣が起動する。
凄まじい魔力が放出され、都市にまで、その魔力は届く。
- 84 :蟹沢柘榴 【公園】:2010/09/04(土) 23:23:46 ID:ZOM.z7ps0
- >>83
「あー、痛いなあもう……」
それに、あれだ、
――――お腹が、空いてきてしまったよ。
倒れゆく兵士たちをちらりと見て、咽を鳴らす。
「……えーっと、?」
魔力だとかそういうものに弱い彼ですら察知出来たそれ。
一体何だ? 訝しげに、そちらを見た。
- 85 :【駅前】エミリオ・ウォルフレム:2010/09/04(土) 23:25:11 ID:gJtcMvY.0
- >>83
「やっば……疲れてきた……」
左肩を庇いながら近くの建物の壁に隠れ、力をセーブしながら、右手の指先から高圧の水を単発で放っていく。
更に圧力を高めたため、威力と正確さは上がり、三発も当たれば兵士は倒れ、頭に当たれば脳震盪を起こし、気絶ぐらいはするだろう。
「嫌だ、本当に嫌だ。嫌な予感しかしない……!」
魔法陣の軌道を違和感として感じ取り、瞬間、左肩の傷を右手で多いながら身を竦ませた。
表情に浮かんだ畏怖は、まるで――力無い少年のようだった。
- 86 :【公園】烏天狗イザヤ:2010/09/04(土) 23:25:17 ID:k6nVC4j20
- >>83
「よし、後、もうちょいかィ…ッ!」
烏が蹂躙した方向からの突然の砲撃。被弾した烏の回収の為、『翼を作っていなかった』。
威力は低くとも、彼の体は頑丈とは程遠い。今までも、必死で避けることで致命打を防いでいたのだ。
一対の翼では機動力を欠き完全に避けきれず、砲弾がまともにイザヤの体に吸い込まれた。
弾き飛ばされ、呼吸の仕方を忘れたかのように悶える。
「ぐっは、ぁ、ぁ、くそ…ッ」
意識が手放され。そして、その体がシュゥシュゥと自動で回復し始める。
何者かの魔力によって。
【イザヤ、一時戦闘離脱】
- 87 :【公園】レラ=バニッシュ:2010/09/04(土) 23:26:21 ID:hGStfPTM0
- >>83
「フン、やっと動き出したか……」
地面に足を着け、一息。
終わりが見えた事に&したその瞬間だった。
「何……!?」
魔力が都市にまで放たれた。
その魔力は処女の機動性を低下させる。
「な、何だ……これは」
少女の特有の体質。
強力な魔力のある状況下では行動が制限されるのだ。
- 88 :【駅前】ディス大人ヴァージョン ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/04(土) 23:27:32 ID:WVrfsEdY0
- >>83
「どういたしまして…!私も一緒に戦うよ!!」
【そう言って近くにいる兵士に向けて鋭い蹴りを放ちにいく】
「…ん?何だか違う空気が流れてきたような…?」
【そう言ってふと、都市郊外に向けて顔を向けた】
- 89 :【ビル】セシベル・S・コープス:2010/09/04(土) 23:33:41 ID:s7wVE9sU0
- >>83
愛することを知らんとは……寂しいな。だが大丈夫、俺が教えてやろう。
そうだな……まずはお手本だ。見ておくといい。
【目を細めて妖艶に微笑み、くるりと反転、敵軍に向き直り悠々と歩いて前線まで到達する】
【そしておもむろに自分の腰に手を添え、それからゆっくり、見せつけるようにズボンのチャックに指を這わす】
手っ取り早い愛はコ・レ♪だな。
だが……うンむ。参ったな。俺の愛はちぃいいーーーー〜〜〜〜っと激しいんだ。
君じゃ受け止めきれんかもしれんな。
要するに穴にブチ込むワケだが………………穴が二つや三つではとても足りん。ンフフフフフ……
【勢い良くチャックを降ろす。そこからずるりと長い棒状のモノが飛び出て――】
さぁ兵隊たちよ!!! 特別製のアイのカタチだァ!!!
女は[ピー]、男は[バキューン]。
向けて立つがいい!!! 穴を開けて、愛を注いでやるゥうううううううううううウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッッッぜ!ゼ!ZE!ぜ!ずゥぇぇぇぇぇぇぇぇえええええええええええええぇええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!
【――鉛の弾丸が噴き出した!!】
【ズボンのチャックから四本の銃身が束ねられた極小バルカンが炸裂音を連続させる】
【本人は可笑しそうに笑いながら、腰をうねらせてセクハラど真ん中のその兵器で弾幕を張る!】
- 90 :【GM】レジスタンス<アルバトロス> / 統一国軍:2010/09/04(土) 23:37:15 ID:7gFzKdaU0
- >>84
兵士たちは動きを見せず、倒れ伏す。
攻撃も凄まじい弾幕等はなくなり、驚異ではない。
だが、郊外で発現した魔力が、まだ、終わっていないのだと、そう感じさせる。
「……!コレは!?大規模転移陣……!?」
アテナが慌て始める。
>>85
兵士たちは一人また一人と倒れ伏していく。
愛香が、その魔力を感じ叫ぶ。
「……私の構想にあった奴だ!都市一つの転移が目標だったけど、この規模なら、もしかして……!?」
>>86
敵部隊長「舐めるな!我々は、まだ戦える!」
そう言いながら他の兵士に襲いかかるも数が少なくなったならば、意味はなかった。
>>87
「大丈夫!レラ!?」
レラに向かって駆けるアテナ。
>>89
「ひ……ひぃ……卑猥だぁぁああああああ!?」
そう叫ぶとオイジュスは魔力弾を乱射、セシベル『ごと』敵兵士を殲滅していく。
バルカンの銃弾と魔力弾の雨が、降り注ぎ、敵兵士をほぼ抹殺する。
>>88
兵士は次々と蹴りで吹き飛ばされていく。
愛香はその中で右手の端末を操作する。
「……やっぱり、この反応!」
愛香は端末を操作し、全部隊に連絡をする。
>>ALL
『皆さん!コッチは全部囮!敵の本命は都市外部の魔法陣です!』
『統一国軍の主力艦【リヴァイアサン】……全長2キロの超大型魔力戦艦をこちらの世界に呼ぶために、都市の戦力を集中させていたんです!』
皆に連絡が通る。
『転移で、郊外まで送ります。術師は恐らく少ないです、なんとか、呼び出す前に!』
アテナ「みなさん!ごめんなさい、もう少し、付き合ってください」
協力者と部隊のメンバーに叫ぶアテナ。
オイジュス「行くぞ、倒さねば、この都市が滅ぶ!」
- 91 :【駅前】ディス大人ヴァージョン ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/04(土) 23:42:20 ID:WVrfsEdY0
- >>90
「…成程…最初からそれが目的で…!」
【ディスは歯をぎちぎち鳴らして郊外に目を向ける】
「分かった!いくよ!うまくいったと思わせといて…直前で
叩き潰してやる!!」
【ぐっと拳を握って転移に応じるようだ】
- 92 :【公園】レラ=バニッシュ:2010/09/04(土) 23:43:11 ID:hGStfPTM0
- >>90
「僕は大丈夫、だが……!?」
糸が切れた人形の様にその場に倒れるレラ。
動くのは首から上だけらしい。
「チッ……こんな時に厄介な!」
連絡を聞き、機嫌の悪そうな顔がさらに悪くなる。
「僕は大丈夫だ、少し離れていろ」
- 93 :【公園】蟹沢柘榴:2010/09/04(土) 23:43:19 ID:QYyPcDfoO
- >>90
「……はあ」
よくわからない。
よくわからないけれど、非常に拙い事態であることはわかった。
「それじゃ」
倒れ伏した兵士を見。
僅かに顔を曇らせたあと、腕を掴んで、乱暴に引き抜く。
「――行きましょうか」
ぶらん、と引き抜いた兵士の腕をぶら下げて、
返り血も拭わないまま、アテナの声の方へ歩き始めた。
- 94 :【公園】イザヤ:2010/09/04(土) 23:46:48 ID:k6nVC4j20
- >>90
[大規模な力の奔流だ。このようなモノを人間が起こせるとは…]
イザヤの傍で声が響く。それは土地の声。彼の契約した土地の意思。
[我からの妖力転送はこれまでだ。取りあえずは、死にはすまい。
この後も戦うかは好きにせい。しかし、命無くさば主の野望も其処までぞ]
「…あァ、解ッてらァ、ありがとなァ」
「しっかし、こンぐらいで音を上げてちゃァ、神様ァ勤まンねェだろ…ッ!」
銀の翼、銀の鎌。瞬時にそれらが生成される。
術発現媒体を魔力から妖力にシフトした。正真正銘、これが最後の燃料だ。
「行ってくらァ」
地を蹴り、転移魔方陣の元へと空を翔ける。
- 95 :【ビル】セシベル・S・コープス:2010/09/04(土) 23:48:24 ID:s7wVE9sU0
- >>90
愛の形を! 俺の愛の形を! 見返りが欲しいんだ俺は!
愛の、愛の全てを注ぐよ!! だから君は笑っていてくれェ! 君は笑って死んでいってくれェエエエエエエエエエ!!!!!!!!
スパーン!!
愛たァッ!? おっと! 愛が好きすぎてつい愛たぁっと叫んでしまった!
【遠慮なしの魔法弾がセシベルの頭をブッ叩いて、倒れながら巫山戯た台詞を言い切り倒れた】
ン? なんだ行くのか? 君が行きたいと望むなら俺はついていこう。
【グラグラ揺れる頭を両手で押さえて立ち上がる】
- 96 :【駅前】エミリオ・ウォルフレム:2010/09/04(土) 23:51:28 ID:gJtcMvY.0
- >>90
「……無理だよ……こんなの……!勝てるわけない……」
左肩を押さえつつ、誰にともなく、搾り出すように声を上げる。
出血は収まったが、左腕は動かせない。どうやら骨折、あるいは脱臼したようだ。
「でも……戦うだけなら、できるかな」
強がるように笑い、立ち上がり、愛香の方へ頼りない足取りで近づいていく。
- 97 :【GM】レジスタンス<アルバトロス> / 統一国軍:2010/09/04(土) 23:55:41 ID:7gFzKdaU0
- >>91
愛香が残党を殲滅、端末をいじり、アテナとオイジュスの共振器と動機する。
「これで、行けますね。……はぁ、倒さないと!」
プログラムを走らせる。
>>92
「……、わかった」
拳を打合せ、魔力干渉を防ぐフィールドを展開し、レラの状態を緩和する。。
「愛香から来た……」
ホログラムを操作し、術式に通す。
>>93
こちらに来る柘榴が人の腕を持っているのに一瞬顔を引きつらせるが、すぐ元に戻る。
「ありがとうございます」
そう言うと転移魔法に魔力を走らせ、起動する。
>>94
「自分で行くんですね」
と、イザヤを見送り、術式を修正。
>>95
ふざけたセシベルのセリフに、くすり、と笑いをこぼし。
「付いて来い、行くぞ」
そうそっけなく言う。
>>96
「……大丈夫ですか?」
そう言いつつも端末を高速で操作する。
>>ALL
3つの地点で同時に転移が始まる。
「「「転移、開始ッ!」」」
一瞬景色が歪み、次の瞬間には都市郊外、荒野地帯に現れる。
そこには巨大な魔法陣と、5人の魔道士、それと軍服の魔道士のみがいた。
そして、濃密な魔力が空間を満たしている。
軍服の魔道士はこちらに気づくと、狂った笑みを浮かべる。
「クハハハハッハッハッハハハハハハハハハハハッハh!!!よォこそォォォォッ!
わざわざ私の兵と遊んでくれて礼を言うよ!コレで貴様らとこの都市は終わるのだからなァアアアア!」
魔法陣の光は一層強くなり、魔力も増えていく。
「まだ、時間はあるのでね、そこのエレメンツとでも遊んでてくれ給え、絶望にはまだ速い、足掻き私を楽しませろ」
周囲にたつ5人の魔道士がこちらに向けて歩き出す。
- 98 :【駅前→郊外】ディス大人ヴァージョン ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/05(日) 00:02:04 ID:WVrfsEdY0
- >>97
「任せときなさいっての!」
【どこかで見たようなスマイルをして、ディスは転送されて行った】
【郊外に転送され、じっと魔道死に向けて目を向ける…】
「勝ち誇るのは…勝利を確信してからにしなよ!!」
【そう叫ぶとディスは銀色の刀を構えて】
「魔法陣をつぶしてやれば…てやああああ!!」
【魔道し達に向けて勢いよく突っ走り始めた】
- 99 :蟹沢柘榴:2010/09/05(日) 00:02:18 ID:QYyPcDfoO
- >>97
一瞬だけ引きつったアテナの顔を見て、少しだけ淋しそうに笑った。
無理もない。だってどう見ても不気味だもの。
そう考えながら、転移する感覚に目を伏せる。
所変わって、先程の不味そうな男を見て顔をしかめる。
「……元気な御方ですねえ」
持っていた腕を口元に寄せて、小指をくわえて齧り取る。
血が溢れて肉が裂けて骨を砕く、その感覚、
「……ああ、美味しい」
それに酔い痴れながら、微笑を浮かべて歩きだす。
- 100 :【ビル】セシベル・S・コープス:2010/09/05(日) 00:04:29 ID:s7wVE9sU0
- >>97
!! お前ソレっ―― だぁぁああッ!?
【驚き慌ててオイジュスの顔を指差そうと腕を振り上げた瞬間】
ドシャッ
【転移。あんまり慌てていたからか、不恰好に崩れた姿勢でつま先から着地し、地面に倒れ伏した】
……
なぜ笑った? 今どうして笑った? 俺のジョークか? これが愛なのか?
俺には分からん。ヒトが笑う理由なぞ全く分からん。どうでもいいとこで笑い、俺のジョークで泣く人ばかり。
なぜだ。全てが謎だ。ヒトという生物は全てが意味不明だ。なのに秩序を求めたがることも意味不明だ。
さんざ愛だ愛だと俺は叫ぶが、愛が何かなど全く分からん。ただ、今の笑顔が愛だと思う。俺にはそんな気がする。
教えてくれ。何が愛なのか。どうすれば愛となるのか。
どうすれば君が、貴様が笑うのか。
【地面に顔を突っ伏した間抜けな姿勢のまま、オイジュスに淡々と問う】
- 101 :エミリオ・ウォルフレム:2010/09/05(日) 00:06:36 ID:gJtcMvY.0
- >>97
「大丈夫な、訳が……」
小さく抗議の声を上げかけた途端、転移が開始する。
転移されてみれば、絵に描いたような悪の魔道士、そして五人の取り巻き。
気分が悪くなるような魔力の充満した空間。
バカでかい魔法陣。
「……何だかもう、一生分の嫌な予感を感じた気がする。むしろ楽になってきた」
溜め息を深く吐き、軽く右手をスナップし、息を整えて、向かってくる五人の魔道士を見据えた。
- 102 :【公園】レラ=バニッシュ:2010/09/05(日) 00:09:41 ID:hGStfPTM0
- >>97
「大丈夫だ、僕は動ける」
そんな言葉を何度も言いつつ、アテナに距離を取るように命じる。
この言葉は自分に言い聞かせている節もあるのだろう。
「切り札だが……使うしかないか」
鎧に一筋の、淡い緑色の線が走る。
鎧中に走る黒かった線が緑色へと塗り替えられ、
ガシャン!
少女が宙に浮いた。
「動く……フン、これで大丈夫だ」
鎧の形状が変化し、全身から刃の様なパーツが跳び出し、歪な形と成る。
淡い緑色の粒子が鎧から空中に放たれる様は幻想的で。
自信ありげな顔を浮かべ、転送される。
- 103 :【烏天狗】イザヤ:2010/09/05(日) 00:10:01 ID:k6nVC4j20
- >>97
「さァて、よッくもまァ人間がこンなレベルの魔力を扱えるようになッたもンだ。
鎌一つでどうにかなるもンじゃァねェが…」
「無理でも通すさねェ」
「『銀烏【翼】六千羽【鎌】四千羽』。暴れるぜェッ!」
三対の巨大な翼と、銀の鎌が瞬時に生成される。
黒装束で、死神のような、その出で立ち。
翼はそれぞれが複雑に動き、無数のフェイントをかけながら鋭角な軌跡で魔導師に向かって行く。
【攻撃無し】
- 104 :【GM】レジスタンス<アルバトロス> / 統一国軍:2010/09/05(日) 00:15:08 ID:7gFzKdaU0
- >>98
赤毛の魔道士がディスに向けて跳躍、殴りかかる。
「燃やせ、燃やせ、燃やし尽くせ!イェア、ファイヤアアアアアアアアアアアアア!」
全身に焔を纏いその攻撃の威力を上げる。
>>99
アテナは柘榴に近づき、頭を下げる。
「あの、ごめんなさい」
何に対してかは明白だろう。
そして、大剣を持った金髪の少女が雷を纏いこちらに駆けてくる。
>>100
「愛など知らん、生粋の軍人だからな。」
そう答える。
「私は人というものが苦手だ。心の裏で何を考えてるのか判らんからな」
だが、と続ける。
「貴様はバカでひどく迷惑だが、『分かりやすい』。私としては貴様の様なものの方が好ましいのさ」
手を差し伸べ。
「さあ、来るぞ。立て、そして協力しろ」
青い髪の大男が歩く道を冷気で凍らせながら接近してくる。
>>101
「一応、治癒はしておきます」
エミリオに治癒魔法を使い、痛みと薄い傷を緩和させる。
「無理は、しないでくださいよ?」
ディスを襲う魔道士に攻撃を放ち援護をしている。
>>102
「……うん、大丈夫、レラは天才だから、大丈夫だよ」
それを認めることでレラを勇気づけようとする。
そして鎧を纏うレラに一瞬見惚れるが現実に引き戻された。
「……来るッ!」
岩の槍を持つ、6歳ほどの幼女がすさまじい勢いでこちらに駆けてきている。
>>103
「くっははは、行け」
傍に控える最後の一人に命令し、イザヤを迎撃させる。
黒い髪の少女だ。
「……死ね、死ね、死ね!」
影の槍が数十本展開され、ファランクスの様にイザヤに向かって襲いかかる。
>>ALL
「クアハッハハハ!仕上げといこう……!」
魔法陣の前で呪文を唱え始める。
- 105 :蟹沢柘榴:2010/09/05(日) 00:20:32 ID:QYyPcDfoO
- >>104
「いえ、いいんですよ」
いつものように微笑んで、腕を掴んだまま少女を見る。
「……そ、――れっ」
腕を、少女に向けて「投げた」。
それと同時に走りだす。
- 106 :【駅前】ディス大人ヴァージョン ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/05(日) 00:25:06 ID:WVrfsEdY0
- >>104
「ちょっと…炎は苦手なんだから…
勝負は」
【ディスは慌てて立ち止まり】
「お断り…よ!!」
【その拳に向けて勢いよく刀を振りまわした】
「…何か始めるつもりみたいだけど…
そうはいかないんだから!」
シュルシュル、
【脚の部分の包帯をうごめかせ、勢いよく伸ばしに行く!!】
- 107 :【ビル】セシベル・S・コープス:2010/09/05(日) 00:25:20 ID:s7wVE9sU0
- >>104
【ばし!と手を握る】
【セシベル・S・コープスの固有能力『接触対象の身体強化』】
【常に垂れ流す温かい魔力と触れることにより、魔力を感じる力を持つものはソレが分かるだろう】
【筋力と生命力、瞬発力など身体面を強化する魔力が、オイジュスの手へ流れる】
協力すればいいんだな?
そうすれば、そうさ、これは約束だ。果たせ、約束を。お前は笑う。笑うのさ。俺が――
全身全霊で敵を撃つから射つから打つからそして討つからぁあああああああああああああ討つツツツツつつつつつつつつつつつつつつツツッツウッツウツツツツtttttttttttttttttttttttttttttttttttttっつつ!!!!!!!!!!!!!!!
【そしてセシベルは意識的に『身体強化の魔力』をオイジュスに、強烈に流し込む】
【煮えるマグマのようなソレを受け入れれば、セシベルと接触していなくても暫く強化状態になる】
来いよぉおおおおおおおおおおおおおおおおおオラァアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!
【しかし何よりも煮えるマグマのように燃え盛るのは、こいつ自身だった。手ぇ離さないし。】
- 108 :エミリオ・ウォルフレム:2010/09/05(日) 00:25:30 ID:gJtcMvY.0
- >>104
「こんな事もできるんですか。……ありがとうございます」
治癒魔法で痛みが和らぎ、僅かながら、左腕が動く程度にはなったようだ。
「無理、しなきゃいけないんでしょう?……なら、無理します」
魔法陣の魔道士へ右掌を向ける。
変色した水が滴り、渦を巻くように伸ばした腕の周りを、蛇のように旋回する。
「……耳障りなんですよ!」
魔法陣の前で呪文を唱える魔道士に、変色した水の弾を放つ。
二重螺旋を描いて旋回しながら放たれた水弾は、相当の衝撃力に加え、眩暈や吐き気を催す程度の毒性も備えている。
- 109 :【公園】レラ=バニッシュ:2010/09/05(日) 00:27:32 ID:hGStfPTM0
- >>104
「フン、貴様の魔力緩和には世話になった。ここは礼を言わせて貰おう」
ジェットブーツの効果無しに地面から浮く少女。
そして振り返り、幼女を見る。
「少々残酷だが、貴様には実験台に成ってもらおう」
右手で顔を覆い、言葉と同じく残酷に嗤う。
左手で敵を指差すと、鎧の装甲が飛んでいく。
歪に変形し、尖った鎧の一部は淡い緑に発光する軌跡を残しながら突撃していく。
- 110 :【烏天狗】イザヤ:2010/09/05(日) 00:31:19 ID:k6nVC4j20
- 「死なねェさ、俺ァこンな所じゃァ倒れねェンだ。
そこまで磨いた技なンだ、誰かの理由で使わせられちゃァもったいねェやなァ。」
研ぎ澄まされた感覚の中、密集した槍の一本を踏み台にして。
踊るように、片足を上げて鎌を真っ直ぐ振りかぶる。
わき腹の傷が痛んだ。塞がった傷が裂ける音がした。
殺意も敵意も全て排除して、『斬る』という唯一つの透き通った意思が残る。
シャン、と、全く何の手ごたえも無く鎌が振るわれる。
一瞬の無音、そして恐ろしく純度の高い斬撃が槍の密集郡と、その向こうの少女に放たれた。
- 111 :【GM】レジスタンス<アルバトロス> / 統一国軍:2010/09/05(日) 00:36:31 ID:7gFzKdaU0
- >>105
バチィツ!
電撃を放ち、腕を吹き飛ばす。
「雷槍……」
右手に雷が集まり槍と化す。
「ラァッ!」
そして、その槍を高速で投擲した。
雷の槍は高速で柘榴に襲いかかる。
「……波動――」
アテナが魔力にノリ高速移動、間に入り。
「撃!」
『拳』で、雷を粉砕した。
そして柘榴に叫ぶ。
「今です、近づいて倒しちゃってください!」
>>106
ガキィン!
「ヒャッハァ!燃えろ燃えろ!バーニーングッッッッ!」
拳から血を吹き出しつつも、詠唱する魔術師に伸びる包帯をつかもうとする。
包帯を燃やすつもりなのだろう。
>>107
手をつかむと、暖かな力が流れこむ。
「ほう、貴様の力か」
感心した表情で言う。
が。
「ちょ、おいおいいおいおい、強すぎないかい!?」
ちょっと慌てつつも手は離さない。
害意はないことが分かっている体。
「十分だ、モウいいぞ」
そう言うと杖を構え。
「舐めるな、エレメンツ如きが、『元』統一国軍最強に勝てると思っているのか」
魔力が収束し、すさまじい勢いでチャージされていく。
まだ撃つことはできないようだ。
「時間を稼げ、コレを撃つまでだ」
せしベルに言う。
>>108
「得意じゃないんですけどね、魔法」
と苦笑する。
そして水弾の標的となる魔道士は振り返り、笑う。
「くっはぁ!」
徐々に魔法陣の起動が始まっているようで所々から金属のフレームのような物が現れている。
そして、表れたフレームが変形し、魔道士を守る。
>>109
「珍しいね、ありがと」
そう答え、楽しげに笑う。
「ああああああああああああああ!」
幼女が岩の巨槍を突き出すが、装甲に砕かれ、吹き飛ぶ。
次の瞬間には岩の体験が握られ、装甲を切り払おうとしている。
>>110
「……え、強い?でも、殺すよ、それも」
無表情で、斬撃に向け槍を伸ばすが、砕かれ、大きな傷が腹部にできる。
>>ALL
「ふあはっはは、あがけあがけ、それでこそ楽しみがあるものだ」
詠唱により、戦艦の骨組みが表れた。
- 112 :【駅前】ディス大人ヴァージョン ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/05(日) 00:40:32 ID:WVrfsEdY0
- >>111
「そうはいかない!!
戦ってるのは包帯ではなく私なんだから!!」
【そう言って伸ばした手に向けてふたたび】
「でいいりゃあ!!」
【片方の足で渾身のキックを放つ!刀は相手に向けて向けられたままだ】
「あがいてるんじゃない…ぶっ潰すつもりなのよ!!」
【包帯は詠唱している魔術師に向けて飛んでいく】
- 113 :蟹沢柘榴:2010/09/05(日) 00:43:50 ID:QYyPcDfoO
- >>111
投げられた腕を弾く、少女のその動作のうちに随分と接近していた。
「ありがとう、ございます――」
アテナに礼を述べながら、少女に手を伸ばす。
少女の小さな顔を、掴もうとしている。
掴めたならば、凄まじい勢いで地面に叩きつけるつもりだ。
- 114 :【公園】レラ=バニッシュ:2010/09/05(日) 00:46:02 ID:hGStfPTM0
- >>111
「解ったら早く他人の手伝いでもしてろ」
少し表情を崩し、そういう。
「できると思うか? そんなことが」
伸ばした指と腕を横に振る。
すると右肩の装甲が飛び、大剣を抑える。
それと同時、先程の鎧の一部が動き出し、背中から襲う!
- 115 :エミリオ・ウォルフレム:2010/09/05(日) 00:47:44 ID:gJtcMvY.0
- >>111
「いや、楽になりましたよ。これなら……多分いけます」
と、左手を握ったり開いたりして感触を確かめ、口元に笑いを浮かべる。
「僕じゃあれには勝てないな。なら……時間を稼ぐ。邪魔をしてやる。イラつかせてやる」
動くようになった右手を前に構え、左手を腰だめに構え、拳を握ったまま、あれ呼ばわりされた軍服の魔道士へと走り出す。
右手の先から高圧水弾を連発しつつ、左手の魔力を高めながら突撃を行う。
- 116 :【ビル】セシベル・S・コープス:2010/09/05(日) 00:49:09 ID:s7wVE9sU0
- >>111
アルデベルもナーボもトールース・ドーナも俺の出身セーベン島も、この都市も、
俺も君も貴方も私も世界も星も宇宙も虫もゴミもガラクタも、全部、全部を愛で繋げるゥウウウウウウウウ!!
そのために犠牲を、愛のために、この身もこの星もこの世界も、ゴミもガラクタも全部を、
全てが愛を! 誰もが一片の愛を!! 知るために壊すのさ!! 欲しいから滅びるのさ!!!
愛も分からない世界なんか誰も望んでないんだ!! 誰も望まない世界を、俺が壊すんだぜェエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!!!
【オイジュスの手を離し、前に立つ】
【袖から大量のアサルトライフル『Abt-K-nicf』を取り出す】
【弾幕を張るためにあるような超連射力と超反動のそれを、4つも取り出して、両手、両脇に挟み】
ガガガガガガガガガガッガガガガガッガガガガ!!!!!!!
【一体どうやって撃ってるのか、全てを同時に発射!! 弾丸が空間を食い破り、空気をズタズタに裂いて押し寄せる!!】
- 117 :【烏天狗】イザヤ:2010/09/05(日) 00:52:37 ID:k6nVC4j20
- >>111
「あァ、強いさねェ。俺の鎌ァ防ごうなンざ思わねェ事だなァ」
【鎌】形態の能力は、斬撃の飛翔。
その速度と威力は郡を抜き、攻撃に特化した形態である。
それは、もはや飛翔というよりも『斬撃範囲の拡大』。
振るった直後にその先を切り裂く。
「そろそろ沈んでもらおうかィッ!」
くる、と鎌を回して、上に掲げる。そして、まるで自由落下のように鎌が振り下ろされた。
飛翔する斬撃は、少女の腕を狙っている。
>>112
「ディス…?なンでそンなに大きくなッてンだ、おい、ディスッ!」
戦場で、見知った少女に良く似た人物を見かけ、思わず声を上げた。
焔使いで近接格闘、彼女の能力との相性の悪さに舌打ちする。
「銀烏、輪形態ッ!ディス、渡すぞッ!」
身体能力を強化する銀の輪が、ディスの体に向かって放たれた。
受け止めれば装備され、戦闘の助けとなるだろう。
- 118 :【GM】レジスタンス<アルバトロス> / 統一国軍:2010/09/05(日) 00:55:31 ID:7gFzKdaU0
- >>112
「ファイヤアアアアアアアアアアアアア!」
と叫びながらケリを喰らい吹き飛ぶ。
「舐めるなだ、燃えろッ!」
ふらふらしつつも巨大な炎弾を放つ。
そして、包帯の伸びる先の魔道士は。
「おっと、いいものが先にきたね」
鉄板の装甲の裏に隠れようと駆け出した、包帯が先か、隠れるのが先か。
>>113
頭はつかまれたものの、そこから柘榴の体に電撃を流そうとしている。
ダメージを喰らうとも、手傷を追わせる。そういうつもりのようだ。
>>114
「ん、そうするよ」
そう言うと両腕のグローブに波動を溜め。
「波動弾3連!」
バババ!と言う音と共に、波動弾をうち、相手の大剣に当て、体制を崩させる。
そして、鎧の一撃を喰らい、幼女は倒れた。
>>115
「無駄だというのに、消えろ、うるさい!」
先程のあがけとの言葉と矛盾したことを言いながらも詠唱を続ける。
だが、水弾に気を取られ、集中がみだれているようだ。
>>116
「成程、巻き込まれなければ頼もしすぎるな」
冷気をまとう男は氷で弾丸を防ぐがすべてを防ぐことは叶わず、傷を追う。
「下がれ、巻き込まれるぞ」
先程までバンバン流れ弾を当てていたのは気にしない。
「収束拡散砲撃!」
集まった魔力を男に向かって放つ。
着弾点を中心に、魔力の壁が数十メートル広がっていく。
>>117
「あ、アアアア!」
黒い影が少女の周囲を防ぐ様に展開されるが、それすらも無意味。
その防御ごと切り裂いて、少女の腕が落ちる。
>>ALL
「……、マズイか?いや、大丈夫だ!我々が負けるるはずがないのだから」
詠唱が続き、戦艦の装甲が完成する。
まだ武装が転移されていないが、あと10分と少し行ったところか
- 119 :蟹沢柘榴:2010/09/05(日) 00:59:25 ID:QYyPcDfoO
- >>118
「――――ッ」
熱いのと痛いのが身体中を駆け巡る。
それでも、
「……我慢することには、少しばかり自信がありますよ……!」
ぎりっと歯を食い縛る音。
そのまま、少女を掴んだ手を、地面に叩きつけようとした。
- 120 :【ビル】セシベル・S・コープス:2010/09/05(日) 01:00:42 ID:s7wVE9sU0
- >>118
了解!!
【素早く武装を解除、その場に落として飛び退く】
【広がる魔力の壁を眺めてほうと息を吐く】
なんだこれは? 収束してるのか拡散してるのかどっちなんら? ……
【舌をベロンと出して】
喋りすぎたか……舌が麻痺した……
- 121 :レラ=バニッシュ:2010/09/05(日) 01:01:00 ID:hGStfPTM0
- >>118
背中に刺さった鎧は腰に、大剣を止めた鎧は右肩に収まった。
「そいつの処分はお前に任せる、僕は先へ進む」
そういうと詠唱中の魔術士の元へと浮かびながら移動していく。
「飛べ、そこだ」
魔術士を指差した。
歪に曲がった剣の様な鎧の一部が魔術士へと飛来する。
- 122 :【GM】レジスタンス<アルバトロス> / 統一国軍:2010/09/05(日) 01:01:20 ID:7gFzKdaU0
- >>119
ごすっ
そして叩きつけられ、少女は意識を手放した。
「倒す、倒しますよ!」
アテナはそれを確認すると同時、軍服の魔道士に向けて駆ける。
両手には、人が殺せるだけの力を込めて。
- 123 :【GM】レジスタンス<アルバトロス> / 統一国軍:2010/09/05(日) 01:01:51 ID:7gFzKdaU0
- //ミスったー!
気にせんでください!
- 124 :【駅前】ディス大人ヴァージョン ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/05(日) 01:02:17 ID:WVrfsEdY0
- >>117
「えっとこれにはいろいろわけが・・・あ〜もう!!
終わったら説明する!!」
【切羽詰まった感じの口調で言う】
「あ、これは」
【ディスが銀の輪を手に取ると瞬く間に腕に装備される】
「力がみなぎってくる!ありがとう!
助かるよ!!」
【微笑んで頭を下げた】
>>118
「残念ね…今の私は…負ける気が」
【そう言うとディスは巨大な炎弾に向けて】
「しないのよ!!」
【そう言って猛烈な勢いで刀を投げつける。その投げる力は凄まじいだろう】
「にげ…られてたまる…かぁああああ!!」
【しかし僅かに炎が包帯に燃え移り、少しずつ蝕んでいく】
「燃やされる前に…食いつかせてやる!!」
【そう言うと包帯が銀烏の力を受けて】
ドギュウウン!
【炎に消えて行きながらさらなる速さで魔術師へと向かっていく!
間に合うか…?】
- 125 :【烏天狗】イザヤ:2010/09/05(日) 01:07:50 ID:k6nVC4j20
- >>118
そう、其処だ。痛み、恐怖、それは――畏怖。
人間が忘れていたものを、もう一度思い出させる。
この少女は死んでも戦うつもりだろう。
ならば、その心を折りにかかる。
「『銀烏、【剣】四千羽』。」
鎌が砕け、収束する。
先程、兵士達に圧を放った剣が四本、彼の体の周りに浮かんだ。――そして。
威圧の、畏怖の圧力が、物理的に空間を揺らす。
黄色の目が少女を見据えて離れない。漆黒の中、銀の剣とその目だけが浮かび上がる。
(さァて、根競べと行こうじゃねェか。)
【精神攻撃】
- 126 :エミリオ・ウォルフレム:2010/09/05(日) 01:08:44 ID:gJtcMvY.0
- >>118
「大人なら、自分の言った事に責任を持って下さいよ!!」
と叫び返し、連射を一旦止め、左手に力を集中し、前に突き出す。
軍服の魔道士との距離はおよそ3m。
「(……連射できるなら……同時発射もできる、筈……!)」
左掌を中心に、霧のように尖った水弾が数十発、虚空に現れる。
目標は魔道士と、魔道士を守る装甲。
一瞬の間の後、ショットガンのように、密度を特に高めた水弾が同時に発射された。
- 127 :【GM】レジスタンス<アルバトロス> / 統一国軍:2010/09/05(日) 01:09:40 ID:7gFzKdaU0
- >>119
ごすっ
そして叩きつけられ、少女は意識を手放した。
「倒す、倒しますよ!」
アテナはそれを確認すると同時、軍服の魔道士に向けて駆ける。
両手には、人が殺せるだけの力を込めて。
>>120
「収束したのをぶち込んで拡散させるんだよ、戦艦とかの装甲を抜いて中で拡散させたりな」
軽く説明し、噛んだのを見て肩を震わせてしばらく笑う。
「ックッックッツツ……、さて、行くぞ」
残った魔術師の方へ、杖を持ち直し、走っていく。
>>121
アテナは既に走り出している。
戦意どころか殺意を込めた拳を握って。
「ヒィっ、守れ!」
装甲の一部が動き、魔道士を守ろうとする。
>>124
炎弾を突き抜け、炎使いの魔道士の肩を貫き、今度こそ意識を刈り取る。
「来るな、エレメンツ!守れ、私を守れ!」
叫ぶ声はむなしく響き。
ザクッ
包帯に捕らえられた。
「止めろ、正義だぞ、私は正義だ、負けるはずがないんだ、ヒャハハハハ!」
狂った笑みも、今は虚しい。
>>125
洗脳により精神を画一化された少女は、右腕のあった場所を押さえばがらも影を篤郎とする。
そして、イザヤと目が合う。
「……あ……」
声にならない声が漏れる。
ビクッ、と体がすくみ、うずくまる。
「……嫌、嫌、嫌、嫌、やめて、やめてください、ごめんなさい」
- 128 :【GM】レジスタンス<アルバトロス> / 統一国軍:2010/09/05(日) 01:11:37 ID:7gFzKdaU0
- >>119
ごすっ
そして叩きつけられ、少女は意識を手放した。
「倒す、倒しますよ!」
アテナはそれを確認すると同時、軍服の魔道士に向けて駆ける。
両手には、人が殺せるだけの力を込めて。
>>120
「収束したのをぶち込んで拡散させるんだよ、戦艦とかの装甲を抜いて中で拡散させたりな」
軽く説明し、噛んだのを見て肩を震わせてしばらく笑う。
「ックッックッツツ……、さて、行くぞ」
残った魔術師の方へ、杖を持ち直し、走っていく。
>>121
アテナは既に走り出している。
戦意どころか殺意を込めた拳を握って。
「ヒィっ、守れ!」
装甲の一部が動き、魔道士を守ろうとする。
>>124
炎弾を突き抜け、炎使いの魔道士の肩を貫き、今度こそ意識を刈り取る。
「来るな、エレメンツ!守れ、私を守れ!」
叫ぶ声はむなしく響き。
ザクッ
包帯に捕らえられた。
「止めろ、正義だぞ、私は正義だ、負けるはずがないんだ、ヒャハハハハ!」
狂った笑みも、今は虚しい。
>>125
洗脳により精神を画一化された少女は、右腕のあった場所を押さえばがらも影を篤郎とする。
そして、イザヤと目が合う。
「……あ……」
声にならない声が漏れる。
ビクッ、と体がすくみ、うずくまる。
「……嫌、嫌、嫌、嫌、やめて、やめてください、ごめんなさいぃっ!」
総叫び、声を上げ、ぶつぶつ言い始める。
洗脳と恐怖がせめぎ合っているのだ。
>>126
暑い戦艦の装甲に小さい穴をあけ、魔道士の足から血が吹き出す。
攻撃がマトモに通ったようだ。
//さっきからすいません本当に
- 129 :蟹沢柘榴:2010/09/05(日) 01:16:03 ID:QYyPcDfoO
- >>127
「ええ、でも」
少女から手を離して、彼も駆け出す。
自身の赤黒い、腐蝕の血液を塗した拳を作り――
「殺すことは、あなたにはさせたくない。
だから、」
俺がやりますよ。と告げて、
拳を男に向かって、放つ。
- 130 :【ビル】セシベル・S・コープス:2010/09/05(日) 01:16:36 ID:s7wVE9sU0
- >>128
フッ……不本意だが、まぁいいさ。
【笑顔を眺めて満足そうに顎を撫でて、ついていく】
- 131 :レラ=バニッシュ:2010/09/05(日) 01:16:37 ID:hGStfPTM0
- >>128
ガンッ!
装甲に阻まれ、鎧は一度帰還する。
「フン、どうやらアイツを落とせば終わるらしいな」
アテナの意思からそれを感じ取り、速度を上げて前進する。
「飛べ、そしてブッ潰せ」
その言葉で鎧が一斉に飛び出す。
ガン、
ガッ、ガガガガガガガッ!!
一つが先に突き刺さり、次の瞬間大量のパーツが突き刺さり、装甲を破壊しようとする。
- 132 :ディス大人ヴァージョン ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/05(日) 01:17:06 ID:WVrfsEdY0
- >>128
【魔道士が意識を失ったのを確認すると、その目を詠唱する魔術師に向けた】
「正義正義うるさい!!」
【そう言うディスは包帯で相手をとらえたのを確認して】
「悪いけど私はあんたの正義につきあってる暇がないのよ!!」
【そう言って魔術師に向けて突っ走って行く】
「取りあえずいま自分が考えてることは」
【そう言って右腕を振りかざす】
「あんたの顔を…一発ぶんなぐっておきたい…って」
【銀烏の腕輪が巻かれた腕が僅かに光って】
「だけ…だぁ!!」
【そう言って全力の拳を魔術師に向けて振るわんとする】
- 133 :エミリオ・ウォルフレム:2010/09/05(日) 01:19:10 ID:gJtcMvY.0
- >>128
「…………通った…か」
限界を超えた力の行使で、攻撃が通ったのを確認するのがやっとな程まで視界が霞む。
「……あとは、他の人達が……やってくれるかな?」
片膝をつき、もはや高慢さの影もない魔道士の方へ、霞んだ目を向ける。
限界を超えた付加と疲労で、もはや立ち上がることも困難なようだ。
//いえいえ
- 134 :【烏天狗】イザヤ:2010/09/05(日) 01:19:54 ID:k6nVC4j20
- >>128
(敵の本命は…あそこかィ。ならばせめて乱すぐらいはしとかねェとなァ)
空気が物理的に重いと錯覚するかのような、異質な空間の中で彼は思案する。
ずずず、と圧が装甲の影の魔導師に伸びていく。
洗脳を恐怖で上書きする、その難業に、彼の体は最早一歩も動けなくなっていた。
敵の二人へ、精神方面からの刃が迫る。
圧力範囲から逃れれば、攻撃は解除されるだろう。
【影の少女:重精神攻撃、魔導師:軽精神攻撃】
- 135 :【GM】レジスタンス<アルバトロス> / 統一国軍:2010/09/05(日) 01:23:25 ID:7gFzKdaU0
- >>129
包帯で釣り上げられる男の腹に拳が当たり、腐り始めていく。
「ヒィィィイィィ!嫌だ、嫌だ、死にたくない!嫌だ!」
>>130
「装甲、だな」
魔法弾を装甲に向けて放ち、傷を作る。
>>131
傷が広がるように装甲の表面にヒビが入り、しばらくして砕け散る。
>>132
「正義をぶじょ――ごぶぉぁっ」
皆まで言う凍tも出来ず顔面に拳が突き刺さる。
>>133
魔道士自体は弱いのか他の人員により、もう詠唱も止められている。
>>134
「あ、やめて。ごめんなさいごめんなさい、お母さんはころさないでごめんあさいごめん……な、さい」
とブツブツ呟き、気絶した。
「あひxtい、たぁあcvhっすけて、くghsれェッ!」
精神攻撃を食らう前に既に来るって居るようなものだったが、更に巨富を感じ命乞いを始めた。
- 136 :蟹沢柘榴:2010/09/05(日) 01:28:51 ID:QYyPcDfoO
- >>135
「…………」
命乞いの声と言うのは、誰が言っていても不快だな、と。
眉を寄せながら思った。
「……そのうち、腐り落ちて死ぬでしょう。
ゆっくりじっくり時間を掛けて死ねますから、遺言でも考えておくと。いいですよ」
はあ、と溜め息を吐いて座り込む。
大分、疲れた。
- 137 :【ビル】セシベル・S・コープス:2010/09/05(日) 01:31:19 ID:s7wVE9sU0
- >>135
奴らの言う正義が何か。その答えを見せてもらおう。
正義を見せろ俺に!!!
【袖から金属片が繋がったようなものをずるずると引き出す】
【やがてそこから容積を無視して巨大な砲身が引き出される】
【用意には暫く時間がかかるだろう】
- 138 :エミリオ・ウォルフレム:2010/09/05(日) 01:32:20 ID:gJtcMvY.0
- >>135
「あー、これが……リンチってやつかなぁ。いや、でも前半はリンチされ側だったし、痛み分け……?」
などとぼんやりと考えつつ、ほとんど音だけで状況を判断し。
「詠唱が終わったんなら……これで全部、解決かな?解決……だといいな」
脱力したように、一気にその場に、倒れるように寝転がる。
後半部分は、力なく呟かれた。
- 139 :ディス大人ヴァージョン ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/05(日) 01:32:23 ID:WVrfsEdY0
- >>135
「ふう…取りあえずやったから…
後は何かあった時のために自分は待機しておこう」
【妙にすっきりした顔になって辺りを見回し、様子が違わないかなどを探す】
「…街で静かに暮らしておけばこうならなかったのに…
欲を持つからそうなる…」
【少し悲しげな顔でそう呟いた】
- 140 :レラ=バニッシュ:2010/09/05(日) 01:34:02 ID:hGStfPTM0
- >>135
「……ふ、」
装甲を破壊すると小さく息を吐く。
攻撃を終えたパーツは装甲から離れ、元の場所へ戻り、装着される。
「……くそっ、少し、キツイな……」
地に足を着けると、ゆっくりと深呼吸をする。
- 141 :【烏天狗】イザヤ:2010/09/05(日) 01:35:49 ID:k6nVC4j20
- >>135
「…すまねェな」
苦しそうな顔で、少女の傷を見る。
治癒術を展開しようとしたが、もう妖力も残っていないどころか、自分の傷も
酷い有様だった。
- 142 :【GM】レジスタンス<アルバトロス> / 統一国軍:2010/09/05(日) 01:38:37 ID:7gFzKdaU0
- >>136
「あが、ああああああああ!」
叫び、腹から徐々に腐食していくのを感じる。
アテナは、柘榴に近づき。
「……ごめん、なさい。本当はあたしが、あたしがやらなきゃいけなかったのに
柘榴さんに手を汚させちゃって……」
覚悟を決めたはずなのに、自分の手を汚すこと無く、他者に始末をさせてしまった。
それが何よりも申し訳なかった。
>>137
男は既に虫の息、その砲身の砲撃を受ければ絶命は必至だろう。
>>138
愛香がそっと近づき、エミリオに不慣れな回復魔法を駆ける。
「すいません、本当に。お礼は、難しいですけど、いつかお礼させてください」
>>139
魔法陣の光は徐々に弱くなっていく。
「あは、居たい、ちゃめrgb@あ、ああああああああああああああああ!」
男は叫び声をあげながら腐っていく。
>>140
戦艦も完全な転移はされず、無事街は守れたようだ。
アテナは、レラに言う。
「大丈夫だから、休んでて」
そう言い、男に向かい。
「……コレで、あんたの野望は潰えたよ」
>>141
少女はうっすらと目を開け、イザヤを見る。
「……あの、私、貴方を襲って、ましたよね?すいません、本当に」
その瞳には理性の光が戻っていた。
そしてまた、意識を手放す。
- 143 :蟹沢柘榴:2010/09/05(日) 01:42:23 ID:QYyPcDfoO
- >>142
「いえ。俺の手は、もうすっかり汚れきってますから」
アテナの頭に手を置こうとしたが、両手とも血塗れであることに気付きひっこめる。
「あなたの手は、殺すためじゃなく救うために、未来を切り開くためにあるでしょう?
だから、汚しては駄目なんです」
ふっと笑う。いつもと同じように。
- 144 :エミリオ・ウォルフレム:2010/09/05(日) 01:42:52 ID:gJtcMvY.0
- >>142
「お礼なんていいですよ、慣れっこですし。………そうだ、やっぱり貴方、あの時の人だ……」
無様に寝転がったまま、回復魔法を受けて少しずつ体力が戻っていく。
その最中、愛香を見て、得心がいったような調子で言葉を搾り出す。
- 145 :ディス大人ヴァージョン ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/05(日) 01:43:56 ID:WVrfsEdY0
- >>141
「あ、イザヤ!ありがとう!」
【そう言ってディスは銀の腕輪をはずしてイザヤに投げ返す】
「せっかくだから、お返しに直しておくね」
【そう言うとディスは包帯をイザヤの傷に向けて伸ばしていく】
>>142
「ふう…疲れ…たぁー」
【そう言って力なくその場に座り込む】
「…そう言えば攻撃をけっこうもらってたんだったなぁ…」
【背中にいくつか浅めの穴が開いており、なかなか痛々しい】
「終わったみたい…良かったね、アテナ」
【そう言って軽く顔を上げた、】
- 146 :レラ=バニッシュ:2010/09/05(日) 01:46:12 ID:hGStfPTM0
- >>142
「今は……そうさせて、もらおう」
少女は地面に身体を投げ出す。
それと同時に、鎧から緑色の光は消えていった。
- 147 :【烏天狗】イザヤ:2010/09/05(日) 01:47:16 ID:k6nVC4j20
- >>142
「いンやァ、襲って無かったぜィ。襲わせたのは男の意思だ」
呟くように溢して。すまねぇ、ともう一度呟いた。
>>145
「おう、ディス…で合ってるよなァ?大丈夫だったかィ?
出来ればこいつの傷も治してやッてくれィ、腕は治るか解らねェが、綺麗に切ったから…」
足元に横たわる少女を見やって、呟く。
- 148 :【ビル】セシベル・S・コープス:2010/09/05(日) 01:48:28 ID:s7wVE9sU0
- >>142
【曲線パーツを組み合わせ、先端についたマウスピース状のパーツを咥え】
ナルホド。これが貴様の、答えか。
所詮、
正義だッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
【歯を思いっきり噛み締める。】
ドゴオオオオオオオオオオオン!!!!!!
【爆音が、1mは超える巨大な砲弾を射出する!】
【着弾と同時にギリギリまで詰め込まれた爆薬は紅蓮の炎を噴きだして破裂するだろう】
- 149 :【GM】レジスタンス<アルバトロス> / 統一国軍:2010/09/05(日) 01:50:04 ID:7gFzKdaU0
- >>143
「はは、人なら、もう殺しちゃってます」
寂しげに笑う。
一度だけ、そう一度だけ殺したのだ。
この手を地で染めたのだ、憎しみでただ、憎しみのみで命を奪い取ったのだ。
なぜか、寂しくなり、頬を涙が伝ったが、拭うことはしない。
>>144
「えと、あ……ああああああああ!」
思い出した。
自分が助けられたときにいた人であった。
>>145
「うん、そうだね。終わった、終わったんだ」
実感する。
そしてディスと目を合わせ。
「それよりも、縮んでないの?あたしはモウ戻っちゃったんだけど?」
>>146
「……おやすみ」
そう言うと拳を打ち合わせ簡易的な回復を駆けておく。
>>147
少女は答えないが、その表情は穏やかだった。
>>148
腐りかけで死に体の男に砲弾が着弾、焔に包まれ、その生命を終わらせた。
>>ALL
「終わった、のかな」
焔を見てアテナが呟く。
「この子達も、生きてるなら、助けないと」
倒れたエレメンツを見て、転移指定する。
- 150 :蟹沢柘榴:2010/09/05(日) 01:54:15 ID:QYyPcDfoO
- >>149
「大丈夫。そうやって泣けるのなら、あなたはまだ穢れていない」
ふっと笑んで血を拭い、今度こそアテナに触れて、涙を拭った。
「終わり、でしょうか。それでは俺は、」
ちょっと休みますよ。
血を流し続けてふらついていた彼は、地面に倒れこんだ。
- 151 :ディス大人ヴァージョン ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/05(日) 01:54:58 ID:WVrfsEdY0
- >>147
「そう、ディス」
【素早く返した】
「うん、分かってる…この子も助けなきゃいけない子だって分かってるから」
【ただならない悲しげな顔をしながら少女に向けても包帯を使って腕をつなげようとしている】
>>149
「多分…終わったと思いたいな」
【そう言ってかっこつけた顔をするが…】
「えっと、多分個人差があるんじゃないk」
【と、言うと同時にディスの体が目に見えてちぢみ始めた】
「あ、どうやら今じかんがきたみたいなの」
【段々口調も幼くなっていく】
- 152 :エミリオ・ウォルフレム:2010/09/05(日) 01:57:57 ID:gJtcMvY.0
- >>149
「お元気そうで何よりです。……もしまた何かあれば、巻き込まれる形じゃなく、僕の意思で力になりますよ」
だいぶ回復したか、体を起こしつつ言う。
左肩も傷は癒えたが、それでも少しはぎこちない。
「……あるいは、それが理由……だったのかもしれませんね」
ぼそりと呟き、視線を所在なさげに揺らす。
- 153 :【烏天狗】イザヤ:2010/09/05(日) 01:59:01 ID:k6nVC4j20
- >>149
「さァて、魔力も妖力も枯渇しちまッた、しばらく休むかねェ…」
翼が砕け散り、ゆらゆらと銀の霞がイザヤに吸い込まれていく。
「救いは出来ねェが、這い上がるンだ、其処からなァ」
転移する少女を見ながら、呟いた。
>>151
「それなら良いさねェ、…っと、戻っちまった。なンかの魔法かねェ?」
- 154 :【ビル】セシベル・S・コープス:2010/09/05(日) 01:59:40 ID:s7wVE9sU0
- >>149
堅っ苦しくヒトを縛り、安寧という名の圧力の元に縛るガラクタが。
善悪正誤も関係なく、世界を救い滅ぼす愛の暴走には勝てん。
【二回目の砲撃を準備。砲弾を装填しオイジュスに目を向ける】
さぁ、討つか?
- 155 :レラ=バニッシュ:2010/09/05(日) 02:01:55 ID:hGStfPTM0
- >>149
ゆっくりと目を開いた。
そして、次に身体を起こすと鎧を解除した。
鎧はパーツごとに分かれ、一つに集まり合体し、剣の形を取って地面に突き刺さる。
その剣を杖に身体を起こした。
- 156 :【GM】レジスタンス<アルバトロス> / 統一国軍:2010/09/05(日) 02:03:11 ID:7gFzKdaU0
- >>150
涙を拭われ、少し、笑みがこぼれた。
「……ありがとう、ございます」
倒れる柘榴を受け止め、優しく地面におろす。
>>151
少女の腕は包帯でつながれた。
然るべき治療をすれば治るだろう。
「ありがと、手伝ってくれて」
微笑む。
そして縮んだディスを見て、笑う。
「ッフフフ!ディスもちっちゃくなった!」
>>152
「あの、その節は本当にありがとうございました!」
礼儀正しく頭を下げる。
「治癒、は限界ですから、病院行ってくださいね?」
と言う。
>>153
「えと、協力、感謝します」
アテナは近づき礼を言う。
「あとは転移するだけですから」
>>154
「やめろ。十分だ」
杖を振り、言う。
「砲撃系として、いつか貴様と戦いたいものだ」
先程の戦いを思い出し,言う。
>>ALL
そして、転移人が起動、皆は公園に転移し、解散する。
- 157 :【GM】レジスタンス<アルバトロス> / 統一国軍:2010/09/05(日) 02:03:46 ID:7gFzKdaU0
- >>155
「転移するから、帰ろ?」
そう言うと転移陣を起動した。
- 158 :ディス大人ヴァージョン ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/05(日) 02:06:15 ID:WVrfsEdY0
- >>153
「あう〜…お薬をのんでおっきくなったの〜」
【軽く微笑みながらドンドン小さくなっていく】
「うー…せっかくおおきくなったふくえらんだのに…なの」
【段々服もぶかぶかになる】
>>156
「あう〜いいの…またまもることできたからなの」
【そう言って笑った】
「もとにもどっちゃったの…うー、ふくがおっきくてうごけないの…」
【元の大きさに戻ったディスは、ぶかぶかになった服の中で困った顔をしていた】
「こーえん…もどったんだなの!」
【また微笑み返した】
- 159 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/05(日) 02:07:10 ID:WVrfsEdY0
- //戻ってたw
- 160 :【ビル】セシベル・S・コープス:2010/09/05(日) 02:09:01 ID:s7wVE9sU0
- >>156
フフフフフフフフフフフフフ!! いいなぁ!
俺としても合法的にお互いの了承を得て股間のバルカンを穴に捻り込める機会は願ってもない機会!
【不気味な新月状に細めた目と口で笑い】
だが、まぁ、気分が向いたらだ。
俺が『貴様と戦いたい気分』になるか『貴様を殺したい気分』になるか『貴様を[ピー]したい気分』。
いずれかになったら、ヤるだろう。さらばだ。
【ガチャガチャと砲台を解体して袖の中に仕舞い込み、ポケットに手を突っ込んで猫背気味に歩き去っていく】
/おつー
- 161 :【GM】レジスタンス<アルバトロス> / 統一国軍:2010/09/05(日) 02:10:08 ID:7gFzKdaU0
- >>158
「あはは、面白い」
ぶかぶかのディスを見て笑う。
AGカフェの時はぎゃくにパツパツだったのだが。
「うちくる?服貸すよ」
ディスに提案。
アテナと体格は似ているため大丈夫だろう
>>159
「ひ、卑猥だあああああああああああああ!」
セシベルの発現に顔を真赤にして、叫ぶオイジュス。
「糞っ、戦うことになったらぼこぼこにしてやる、覚悟してろ」
- 162 :レラ=バニッシュ:2010/09/05(日) 02:10:33 ID:hGStfPTM0
- >>157
「くふっ……そう、ですね」
顔は見せず、声で反応し、帰っていく。
明らかにその反応と口調は異質で、その動作には人間味というものが存在しなかった。
- 163 :エミリオ・ウォルフレム:2010/09/05(日) 02:11:56 ID:gJtcMvY.0
- >>156
「……病院に行く暇があれば」
と言おうとした時に転移し、公園へと戻された。
あたりを見回すと、どうやら自宅近くの公園であると分かる。
「とりあえず、保険証なんて持ってたっけ?」
そう言いつつ、自宅へ向けて歩いていく。
まだ僅かに痛む左肩と、体の節々に残る筋肉痛が、さっきまで起こっていた事を証明していた。
//お疲れ様でございまする
- 164 :【GM】レジスタンス<アルバトロス> / 統一国軍:2010/09/05(日) 02:13:49 ID:7gFzKdaU0
- >>162
「……?」
違和感を感じたものの、疲れているのだろうと判断し、見送った。
>>163
「……あの、気をつけて。なんか有ったら家に来てくださいね」
そう言うとエミリオを見送った。
- 165 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/05(日) 02:14:13 ID:WVrfsEdY0
- >>161
「あうあう〜。たすかるの!
きょうは『あてな』のおうちにいくことにするの…」
【少々申し訳なさそうに言う】
「なんだかきゅうにつかれたの…」
【謎の液体を飲んだ後の効果なのか、かなり気だるそうだ】
- 166 :【GM】レジスタンス<アルバトロス> / 統一国軍:2010/09/05(日) 02:14:56 ID:7gFzKdaU0
- >>165
「うん、そうしよう」
そして、部隊の皆を引き連れて、帰っていった。
//完全に終了です!
- 167 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/05(日) 02:16:43 ID:WVrfsEdY0
- >>166
「あうあう〜!いくなの〜」
【そう言って非常に楽しげに歩いて行った】
//おつかれさまー
- 168 :レラ=バニッシュ:2010/09/05(日) 02:22:05 ID:hGStfPTM0
- >>164
「ああそうだ」
思い出した事があるらしく、振り返り、顔を向ける。
「貴方の家に忘れものをしてしまいましたので、近々取りに伺いたいのです」
その瞳は緑色に煌めく、間違いなく異質な瞳。
「それでは、これで」
左手で宙に線を描く。
その指の動きに合わせて一本の光のレールが作られた。
「最後に一つ」
小さく礼をすると笑みを零し、頭を下げた。
「ありがとうございますね?」
上がった時の瞳の色は紅色に煌めいていた。
小さな笑い声を発しながら光のレールに飛び乗ると、笑いながら去って行った。
- 169 :小夜:2010/09/06(月) 22:02:54 ID:ZOM.z7ps0
- 「あっぢい……クソ、もう九月だってのに」
箱庭、森林フィールド。
さらさら流れる小川に素足を浸す少女が一人。
「……ていっ」
足を蹴りあげる。ぱしゃりと水飛沫が舞った。
- 170 :【水行】キヨラ:2010/09/06(月) 23:30:55 ID:k6nVC4j20
- 水飛沫がざぁ、と飛び散って。
「やぁ、しばらく、だね。」
電子世界に、紺の着流しを来た男が現れる。
銀というより白に近い髪。深い深い濃紺の瞳。
一匹の妖が、小夜の前に現れた。
- 171 :小夜:2010/09/06(月) 23:35:14 ID:ZOM.z7ps0
- >>170
「――――――――」
誰か来た。対戦希望者か。誰だ。
気だるい頭で一瞬考えて――何もかもが吹き飛んだ。
「――――――――」
何を言っていいのか分からない、それ以前に。
今目の前に居る、人物が現実か虚像かすらわからなかった。
何も言わずに、ただただ硬直。
- 172 :【水行】キヨラ:2010/09/06(月) 23:48:48 ID:k6nVC4j20
- 周りに、霧が現れる。
温度が、少し下がる。
「人間の、」
指をさして。
「小夜。」
頷いた。
「やっぱり。こんな場所があるなんて、ね。
幻想であっても、水がある限り僕は其処に行けるみたいだよ。
…大丈夫?」
動かない小夜を気遣うように。それでも眼は穴が開いたように深く深く。
一歩、近寄る。
- 173 :小夜:2010/09/06(月) 23:52:40 ID:ZOM.z7ps0
- >>172
「あ、う」
指された指を見、頷く青い瞳を見。
ぐるぐるぐるぐる回転し続ける頭が、唯一発することを命令出来た言葉は、
「…………きよら?」
彼の名前、だけだった。
- 174 :南瓜:2010/09/07(火) 00:02:34 ID:k6nVC4j20
- >>173
「あ、覚えててくれたんだ。良かった。」
すぅ、と、笑ったことすら感じさせないほど微かな笑みを浮かべた。
「人探しをしに、此処に来たんだけどね。
君を見つけたから、入ってみちゃったよ。」
まさか、会えるなんてね。と呟いて、少し真剣な表情になる。
「此処には、大切なものはあるの?」
以前と同じ質問をする。
- 175 :小夜:2010/09/07(火) 00:13:34 ID:QYyPcDfoO
- >>174
「――――っ」
何か言おう、と、ようやく頭が落ち着いてきたころに投げ掛けられる問い。
そうか彼は、まだ、向こう側――
「……あるよ」
なら、
「うるさい家族が。優しい友達が。変人揃いのご近所さんが。
無職だけど最高にかっこいい人が。変態だけど頼れる人が。今はテレビでしか見ない強い人が。
――まだまだたくさん」
こちら側に、引きずり込んでやる。
まっすぐに言い放った。
- 176 :【水行】キヨラ:2010/09/07(火) 00:21:56 ID:k6nVC4j20
- 「そっか。やっぱり、ね。それじゃぁ、また逃げないつもりなんだ。」
寂しそうに言う。小川の傍に腰掛けて、素足を水に浸した。
ぞぞぞ、と流水が盛り上がり、人形のようにいくつか小さな人の形を作り出す。
たくさんの人に囲まれた少女と、一人で立つ青年。
その二つが相対している。
「君を妖に出来ないか、色々考えたんだけど。
人間の妖化は、理性を置いてけぼりにされてしまうから。
…だから、今、まだ考えているよ。君を、」
妖にしたい。
ただ真っ直ぐに、狂った言葉を言い放つ。
- 177 :小夜:2010/09/07(火) 00:29:03 ID:QYyPcDfoO
- >>176
すこしだけ身体を強張らせて、人形を見渡す。
考える、ややあって口を開いた。
「……人間では、駄目なの?
いっしょに、居ることは不可能じゃ、ないよ」
人形の隙間から。
細く小さな腕を、キヨラに伸ばす。
- 178 :【水行】キヨラ:2010/09/07(火) 00:37:15 ID:k6nVC4j20
- >>177
「僕が人間になっても、結局世界は妖のものになるんだよ。」
「それに、人間を憎む気持ちは、僕にだって少しはある。このままじゃ
この世界は壊れてしまう、人間によって。だから――ッ」
差し出された手に、思わず手を伸ばす。
白い肌、僅かに鱗が幾片か、見えた。
それに気付いて、手を引っ込める。腕のそれを、隠すように。
「僕は、妖(あやかし)だ。僕の友は、皆人間に殺された。
だから、何で、君に、人間の君に、こんな事言ってるのかも解らないんだ。本当は。」
眼を少し伏せて、零すように言葉を紡ぐ。
水面がざわざわと波打った。
- 179 :小夜:2010/09/07(火) 00:43:52 ID:QYyPcDfoO
- >>178
「…………」
目を細める。
黙ってキヨラの言葉を、聞いていた。
「……私は、あなたと――妖たちと。『いっしょに』居たいな。
だから私は、」
伸ばした腕の先、指を動かして、
「一旦だけ、あなたの、敵になるよ」
人差し指をキヨラに向けた。
- 180 :【水行】キヨラ:2010/09/07(火) 00:58:59 ID:k6nVC4j20
- >>179
「君は。君は、あいつと同じような事を言うんだね。
イザヤも、そう言って、僕らから離れて行ったんだよ。」
僕だって、一緒に、居たい。
争いなんて、本当は。
消えるような声で呟いた。その声は、届いたか、否か。
「君の敵には、なりたくないけど。僕以外のたくさんの誰かが、幸福になるから。
僕は、この道を進むしか無いんだ。――倒れるまで、ね」
無意識か。その手が腰の刀に触れた。
「――大切なもの、奪おうとするのは、それだけで、これ程辛いのに。
どうして人間は。どうして――。」
- 181 :小夜:2010/09/07(火) 01:05:15 ID:QYyPcDfoO
- >>180
「……いい? よく聞きなさいよ」
人差し指は突き付けたまま。口を開く。
「私は死なない。あなたを殺す気も毛頭ない。
そこで待ってなさい、私があなたを引きずり込んでやるから。
人間ってのは弱いくせに傲慢で、それでも足掻き続ける生き物なのよ」
彼女なりの宣戦布告にして、決意表明。
言い終えると、腕を下げた。
- 182 :【水行】キヨラ:2010/09/07(火) 01:21:22 ID:k6nVC4j20
- >>181
「ふふ、君は。どこまでも我侭だね、敵なのに、殺さずに引きずり込もうとするなんて。」
可笑しそうに笑って、最後にため息をついた。
「それが通る日が来ればどんなに良いか。
僕の力も、僕の位置も、種族の境界も、全部全部無くなれば。
…君の大切なものの一つになりたかった、よ。」
「――待ってる。そんな日を、ずぅっと。」
- 183 :小夜:2010/09/07(火) 01:26:10 ID:QYyPcDfoO
- >>182
「悪いけど、これは願望ではなく宣誓よ。
たとえあなたが嫌がろうともこっちに引きずり込んで大切に大切にしてやる!」
すこしだけ顔を赤らめて、やや上ずった声を張り上げた。
「……待ってて。いつか絶対」
あなたといっしょに居られるようにするから。
それを言い切って、ログアウト。
少女の存在は、粒子になって消え失せた。
- 184 :【水行】キヨラ:2010/09/07(火) 01:31:41 ID:k6nVC4j20
- >>183
「――その日が来たら、僕も。大切に、する。」
小夜の居た場所に向かって、呟いた。
彼の体は電子では無い。実体として電脳世界に割り込んでいる。
「――逆雨。」
彼の体が、ぽつぽつと雨のように天空へと登っていく。そうして、彼は完全に電脳世界から消え去った。
//絡みありがとうでした!
- 185 :怪人爆弾男:2010/09/08(水) 20:59:34 ID:/55Xo8R60
- ―ドオオオォォォ……ン
異能都市ビジネス街。
そこは火の海と化していた。
―ドガアアァァン……!!ガアアァァン……!!
そこかしこで爆発が起こる。
その中心に居るのは、怪人。
「ウオオオォォォォォ!!!」
皮膚は岩石のように黒く輝き、ひび割れの間からはマグマのような光が漏れる。
腕や肩や背中には、筒のような器官と鱗のようなものが多数張り付いている。
ベルトらしき部分にはXの字を二つ重ねたような紋章が描かれていた。
―ボンッ…………ドオオオォォォン……!
腕の筒から、皮膚と同じ黒い塊が発射され、着弾と同時に炸裂する。
「付近の住民を避難させろ!
分析班、奴の能力の分析を急げ!!」
駆けつける異能都市観測局。
消防隊も出動しているが、怪人によって消火活動を阻まれている状態だ。
「だ……誰か戦える者は居ないか!?
我々には手に負えきれない!」
観測局は悲痛な声を上げていた。
- 186 :アブリア:2010/09/08(水) 21:31:18 ID:7jE6yumoO
- >>185
「…………」
何時の間に居たのだろうか、助けを求める観測局の局員の足許に少女が一人立っていた。
眠たそうに半分程閉じられた青の双眸をじっと局員に向けている。
- 187 :車椅子の魔女:2010/09/08(水) 21:32:06 ID:PBnIervYO
- 『水を落としましょう』
『天蓋に湛えた水を』
『地の火を削ぐ雨を』
車椅子に腰掛けた魔女は世界に語りかける。世界はその言葉に騙され変容していく。
サアサアと雨が、降り出した。触れることも、濡れることもない偽りの雨が。
ただ火災の勢いだけが失われていく。まるで雨に打たれる様に
「花火の季節はもう終わりだと思わないかね?」
そこに居るのが当然のように、しかし忽然と老婆は存在した
- 188 :怪人爆弾男:2010/09/08(水) 21:37:07 ID:/55Xo8R60
- >>186
「!?
何処から入ってきた!
早く逃げるんだ!」
局員が、足元に立つ少女に気づく。
「こっちだ、早く!」
少女の肩を掴み、エリア外に逃がそうとする。
>>187
「グオオオォォォ!」
怪人が唸る。
老婆の存在に気づき、腕に付いた筒を老婆に突きつける。
―ボンッ…!
爆裂する黒い塊が老婆に放たれた。
- 189 :アブリア:2010/09/08(水) 21:43:48 ID:7jE6yumoO
- >>188
局員がアブリアに触れようとした瞬間、少女の足許に展開される青の魔法陣。
それが回転し始めると、淡い青の光を帯びた魔力が少女の周りを渦巻いて局員の伸ばした手を拒む。
「…………アブリア、手伝うぞ」
ぼそり、と感情の篭らない声音でそう言うと、局員に背を向けてトテトテと怪人に向かって歩いていった。
- 190 :白い甲冑:2010/09/08(水) 21:49:04 ID:PLjoDKEY0
- 爆発によって崩れた建物の瓦礫が、ゆっくりと持ち上がる
その下から現れたのは純白の甲冑
本来あるべきスリットや間接部が存在しない不可思議に、のっぺりとした甲冑である
それは、ごく僅かに煤で身を汚しながらも、平然とその中から歩み出で、ゆっくりと重厚感のある動きで怪人の方へと進んでいく
- 191 :車椅子の魔女:2010/09/08(水) 21:50:51 ID:PBnIervYO
- >>188
『聞こえないか?虫の声だ』
『鈴の鳴る音轡の鳴る音』
『耳を傾けるには、少し此処は煩いね』
ダン、と跳ねる音。車椅子の進行方向としては想像し難い、垂直方向へ逃れながら老婆は言葉を紡ぐ。
怪人の聴覚から侵入してくる言葉に従って世界は少しずつ静寂に近付いていく。
>>189
「お人形さん、私のは全部巻き込んでしまうから、不都合なら言って下さいな」
- 192 :怪人爆弾男:2010/09/08(水) 21:57:15 ID:/55Xo8R60
- >>189
「うわっ」
魔力の渦に圧倒され、局員が後ずさる。
「君は……能力者か……」
怪人は老婆に気を取られており、アブリアには気づいていない。
>>190
「グオオ…」
瓦礫から現れた甲冑に気づき、唸り声を上げる。
―ボンッ!
先ほどと同じように、黒い塊を発射する。
>>191
―ドガアアアァァァン!
―ボンッ……ボンッ……
塊は老婆に当たらずに爆発する。
怪人は老婆を狙い、更に塊を打ち出す。
怪人は言葉は理解していないようだが、怪人の耳は順調に塞がれている。
- 193 :白い甲冑:2010/09/08(水) 22:02:21 ID:PLjoDKEY0
- >>192
発射された塊は放物線を描き、甲冑に着弾する
轟音が響く。炸裂した塊が灼熱の炎を放ち、甲冑を衝撃と熱で焼き殺さんとした
けれど、甲冑はそんな事などなかったかのように、平然と歩みを続けている
損傷が無いわけではない。着弾した部位は黒く焼け焦げ、衝撃で歪んでいる。
だが、どうやら中にいるであろう人物にまで衝撃は伝わらなかったようだ。
ゆっくり、ゆっくりと甲冑は怪人との距離を詰めている
- 194 :アブリア:2010/09/08(水) 22:12:00 ID:7jE6yumoO
- >>191
「…………」
自分が人形だという事に気付いた事に少々驚く(勿論表情に変化は表れていないが)も、少女は味方と思しき老婆に向けて親指を立て。
「…………もーまんたい」
この間レンタルショップで借りた映画の中で多用されていた言葉を紡いだ。
>>192
「…………」
怪人から約10mの地点、少女の歩みが止まる。
す、と突き出された両手。再び展開された魔法陣から放たれる青の光が少女の肌を淡く濡らす。
「…………マリオネスティッタ」
少女の指先全てから糸の様な物が怪人に向かって伸びた。
その正体は水。常軌を逸した圧力で放出された水は鉄をも斬ると言われている。所謂ウォーターカッター。
薄い魔力の膜で包まれている事により、どんなに距離が離れても水の勢いが落ちない様になっている。
少女が手を振り下ろすと同時、十本の斬糸が怪人の身体を斬り刻まんと迫る。
- 195 :車椅子の魔女:2010/09/08(水) 22:22:53 ID:PBnIervYO
- >>192
『雨の降る音、虫の鳴く音』
『此処にある音……っ」
空中ではそこまで自由に動きが取れるわけではない。
障壁を展開していたのか、爆発に比し思った以上にダメージは通っていないが、詠唱が止まってしまった
「けほっ……けほっ!久々に動くと勝手が分からないものだね」
吹き飛ばされ、遥か後方の地に墜ち、額や口の端から血が流れる。上手く姿勢は直した為に、転倒は免れたようだ
墜落の音や、己の起こした爆発音さえも、しかし小さくなっていく。
>>194
「ありがとう。少し耳が聞こえなくなるかもしれないよ、忠告だけ…」
遠くの老婆の声は、しかし耳元で聞こえた。
- 196 :怪人爆弾男:2010/09/08(水) 22:29:01 ID:/55Xo8R60
- >>193
怪人は拳を握る。
「グオオォォ!」
腕に付いた筒の反対側から、黒い煙が噴出する。
自ら甲冑に歩み寄り、歪んだ部分を殴りつける。
>>194
―ジュウウゥゥゥ…!
高温の肉体に水の刃がぶつかり、蒸発する。
その身体を切り裂くことは敵わなかったが、黒い皮膚の破片がいくつか飛び散る。
「グ…!」
怪人がアブリアに振り返る。
>>195
弾丸が障壁に阻まれたのを知って、ゆっくりと歩き出す。
耳が聞こえないのがわかっているのか居ないのか、老婆から目を離さない。
―ドスッ…ドスッ…
ゆっくりと歩き始めた。
- 197 :白い甲冑:2010/09/08(水) 22:36:16 ID:PLjoDKEY0
- >>196
振りかぶられた拳に、今度は反応を示した
両の腕を交差させ、歪んだ部位を狙ってきた拳をブロックする
ご、と言う重々しい音と共に甲冑が僅かに後ろへ押された
そのまま反撃することはせずに、のっそりとした動きで、後ろに跳躍
距離を取ると、甲高い音――耳の聞こえない怪人には届かないかも知れない――を響かせ始める
よくよく見れば、甲冑の全面に付いている微小の孔が開いているのがわかるだろう
何かをするつもりのようだが、音という明確な指針が無い現状で、怪人に解るだろうか?
- 198 :アブリア:2010/09/08(水) 22:39:59 ID:7jE6yumoO
- >>195
「…………」
両の五指で水の斬糸を操っていた彼女は老婆の声、続いて鳴り響いた爆発音に気付き視線を其方に遣った。
――――お年寄りは大切に。
以前からとある人物にそう教えられていた彼女は斬糸を維持しつつ、老婆の元へと駆け出した。
>>196
「…………」
効果は薄い。地に落ちた黒い破片と、途中で途切れた斬水糸を順に見た少女は、展開していた魔術を解除する。
負傷した老婆を庇う様に立つと
コ ッ ペ リ ア
「記憶映す水人形」
自身の能力名を紡ぐ。
怪人と少女の間の地面から泉が湧き出る様に水が噴き出した。
直ぐさまそれは収束、人の形を成した。
一般的な成人男性に近い体格を持つ水の人型。数にして十五。
例えるならばそれは少女と老婆を護る兵。
少女は其処で動きを止める。
怪人の出方を窺っているようだ。
- 199 :車椅子の魔女:2010/09/08(水) 22:46:55 ID:PBnIervYO
- >>196
「ああ不便だね、老いというのは……素晴らしい」
くっくっと、何が面白いのか、この状況で笑い出す。
「何処までかかった事やら……どれ【聞こえぬ音】は【起こらぬ事】だ」
爆炎を撒き散らされる瓦礫の街という現実が、雨の降る音と虫の鳴く音しか聞こえない幻に、浸食されていく。
完璧にかかっている(雨と虫の声以外聞こえない)のならば、最早聞くことが出来ない爆発は【起こらない】
仮にかかっていないなら、また重ねて唱えるだけだ
今は上手く動かない身体を車椅子に預けて待つだけである。
>>197
『……おや、悪いね。思った以上に爆発が強くてね』
それは脳に直接送られる思念波だ。危機的状況であるのに、その思念には焦りの揺らぎが無い。
- 200 :怪人爆弾男:2010/09/08(水) 22:58:03 ID:/55Xo8R60
- >>197
―ボンッ!
無数の孔には興味を示しているようには見えない。
そのままの体勢で、塊を打ち出す。
―ボンッ!ボンッ!
一発ではない。
三発の塊を甲冑に向けて発射する。
>>198、199
怪人の歩みはアブリアに阻まれる。
「グオオオオォォォォ!」
突然怪人は咆哮し、ひざまづく。
見れば、肩、背中の多数の筒の穴が、赤く輝いている。
―オオオオォォォォォ!
明確な、それでいて誰に対してでもない怨を持った声。
「爆裂」に特化した力が、弾ける。
―――…………ォォォォォオオオオオ!!!!
魔女の魔術を上書きするほどの、「爆発音」が迫る。
―ゴオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォ!!!!!
怪人の背中から、肩から、灼熱の炎が噴出した。
地面を走りながらコンクリートを溶かし、水の兵隊に爆炎が迫る。
- 201 :白い甲冑:2010/09/08(水) 23:08:07 ID:PLjoDKEY0
- >>199
『問題ない』
声ではなく、此方も又不可思議な手段を用いてその声に応える
揺らぎの全くない声は、機械のようにも思えた
>>200
何かをしようとしていた甲冑は、発射された塊に咄嗟に防御を固める
着弾する寸前までには孔は閉じており、どうやら開きッ放しにしておくと不都合があるようだった
――着弾する。
一発、何でもないよう重ねるように前面に出した腕が受け止めた。
二発、重ねた腕が衝撃で揺らぐ。弾かれた、と表現しても良い。防御は崩れた
三発、既に損傷していた部位が打ち抜かれる。甲冑の巨体が揺らぎ、地に片足を着いた
穴の空いた部位からは中に居ると思しきものの影が見える。のっぺりとした、甲冑と同じ白い形の何かだ
- 202 :アブリア:2010/09/08(水) 23:09:32 ID:7jE6yumoO
- >>199
「…………???」
少女は不思議でならなかった。
あの老婆は如何様にして此方に語りかけてくるのだろうか。
だって口動いていないじゃないか。
「…………」
「…………!」
思案した後ある答えに辿り着いた。
「(…………いっ○く堂)」
きっとあの老婆は腹話術を使っているのだ、と。声が遅れて聞こえてくるよ的な芸の逆をやっているのだろう、と。
一人納得していた。
>>200
迸しる炎熱が水の兵を次々と薙ぎ倒し、水の蒸発音すら飲み込んでいく。
「…………!」
為す術の無い藍色は灼熱の紅に飲み込まれた。
水人形が盾となったお陰も有り、炎の勢いは弱くなっていたが矢張り火の威力は絶大。
生身の人間ならば瞬く間に炭と化していただろうが、彼女は魔力で動く人形。死に致る事は無い。
それでもぶすぶすと身体中から黒煙を立ち上らせる少女の肌には幾つかヒビが走っていた。
立ち上がった少女は、地を蹴り怪人に向けて疾駆。
「…………きて、イグアス」
静寂を湛えた洞窟に響き渡っているかの様に波打つ声。
瞬間、彼女を護るかの様に膨大な水が渦巻き始めた。
- 203 :車椅子の魔女:2010/09/08(水) 23:21:34 ID:PBnIervYO
- >>200
「あら、負けたか。暗示が甘かったか、意味が通じなかったか……」
すっと、怪人に向け指を指す。
『ヒランヤⅡ』
より正確には放たれた爆発、その手前の空間を指し示す
黄金色の障壁が爆発の被害を抑えんが為に顕れたのだった。
「防げなければ、それまでのこと……」
>>201
『そう、じゃあ頑張りなさい。私は無理みたいだからね』
諦めの思念にも、弱気が感じられないという矛盾。どういう思考回路なのだろう
>>202
「良いものを、あげようか」
魔女はアブリアに向けて、今持つ魔力の大半を、魔弾に乗せてアブリアに譲渡した。
- 204 :怪人爆弾男:2010/09/08(水) 23:29:58 ID:/55Xo8R60
- >>201
―ゴオオオオォォォォッ!!!
老婆やアブリアに放った炎が逆流し、甲冑にも迫る。
獄炎と言う言葉が似合うその炎は、我先にと迸る。
>>202
―オオオオオォォォォォ…ッ!!
炎の波は、辺り一帯に埋め尽くされ、満足したように周囲に揺蕩う。
まさに火の海と言う表現が正しいだろう。
怪人は砲台のような体勢のまま、黒い爆裂弾を打ち続ける。
―ドンッ!ドンッ!ドンッ!
力技で水の渦を壊そうとしているのか、背中から何発も連続で打ち続ける。
>>203
「グオオオォォォ!」
何をやっても通用しないことに憤りを感じたのか、
怪人が立ち上がり、老婆に向かって走り出す。
「オオオオオォォォォォ!」
黄金色の障壁に腕を振り上げ、殴り壊そうとする。
- 205 :車椅子の魔女:2010/09/08(水) 23:37:13 ID:PBnIervYO
- >>204
『水を落とそう』
『天蓋に湛えた水を』
『地の火を削ぐ雨を』
障壁を壊されるかもしれない。しかしそんな事は些細な事だ。
『水を落とそう』
『天蓋に湛えた水を』
『地の火を削ぐ雨を』
己など何とでもなる。この獄炎の火勢を弱める事が、今出来る私の仕事だ
『水を落とそう』
『天蓋に湛えた水を』
『地の火を削ぐ雨を』
繰り返す。繰り返す。繰り返す。
- 206 :白い甲冑:2010/09/08(水) 23:46:28 ID:PLjoDKEY0
- >>203
その不可思議な思念に、疑念を重ねることはしない。
返すのは、短い、了承の言葉だけ。
>>204
完全に停止した風に見える甲冑に炎が迫り来る
眼前に迫る死にも、それは抵抗の様子を見せず、炎がその表面を撫でんとした時に漸く動き出した
轟という爆音。その喧しさは空港にも似ている。
触れんとしていた炎は、何かに叩かれたように地面に押しつけられ、甲冑に空いた大穴には手が届かない
けれど放つ熱量は膨大であり、常人であれば死は間違いなく。それはこの甲冑に於いても同じ事だった
徐々に片膝を突いていた甲冑が傾いでいく。ゆっくり、ゆっくりとした動きで。
それを押さえつけられた火は歓迎するように受け入れて――その途中、甲冑の背から影が飛び出した
甲冑が完全に火に沈む。穴から火が躍り込み、その内を灼熱地獄に変えるも、数瞬遅し。
中身は――空にいた
飛び出した影。中空に浮かぶ其れは、背に昆虫の其れににた翅を展開し、浮かんでいる。
地を見下ろすそれは、幾分スリムになった甲冑。
けれど、甲冑と絶対的に異なるのはその右腕である。筒状のそれは怪人の筒にも似ている、銃身。
何を発射するのかはわからないが、発射するための機関であるのは確かである。
そして前面には甲冑の其れに似た孔が幾つ空いており、既に爆音を撒き散らしていた。
銃身をゆっくりと怪人へと向ける。向けられている側からは、その中に薄緑の粒子が集まりつつあるのが解るだろう
- 207 :アブリア:2010/09/08(水) 23:48:23 ID:7jE6yumoO
- >>203
力が漲る、とは恐らくこの様な事を指すのだろう。生きる為には魔力が不可欠な彼女にこの思わぬプレゼントは真に有り難い。
軽くなった身体、強く地を踏み締め少女の駆ける速度は上昇していく。
>>204
怪人が放った弾は悉く着弾し、爆発を上げる。
だがしかし、揺れる黒煙の中から少女は飛び出し徐々に怪人に肉迫していく。それほどに水の壁が強固なものだという事が解る。
「…………!」
突如、少女を護っていた水流が縦に割れた。否、斬り裂かれたのだ。
地を駆ける小柄な彼女。その身の丈を超す巨大なデスサイズが小さな手に握られていた。
金色の線で幾何学的な模様が描かれた黒い柄。それに取り付けられているのは刃紋が緩やかな波を描く群青色の刃。
「…………偉大な水の一撃。痛いぞ?」
疾駆の勢い其の侭、擦れ違い様に巨大な刃が横一閃に振るわれた。
- 208 :怪人爆弾男:2010/09/08(水) 23:55:15 ID:/55Xo8R60
- >>205
―ガンッ!ガンッ!
拳を何度も打ち付ける。
癇癪を起こしたように、全身から黒い煙が吹き出している。
炎は確かに弱まっているものの、先ほどのようなただの火事ではない。
消える気配は一向に無い。
>>206
怪人は鈍かった。
甲冑を溶かし、それで敵を一体排除したと思い込んでいた。
宙に浮かぶそれに気づかず、今はただ、魔女の障壁を殴り続けている。
>>207
「グアアアァァァ!」
怪人は悲痛な声を上げる。
岩石のような皮膚が引き裂かれていた。
シューシューと音を立てて水蒸気が昇る。
だが、怪人から吹き出すのは血ではなかった。
爆炎が吹き出し、更に一帯の業火に勢いを与える。
- 209 :車椅子の魔女:2010/09/09(木) 00:04:40 ID:PBnIervYO
- >>208
弱まっている、ということはいずれ消えるという事だ。今の己に元を断つ力は無い、二者に任せるばかりだ。
ただ、繰り返す。繰り返す。繰り返す。
(障壁は……Ⅱだからどうか、そろそろ崩れるか……何にせよ後は流れに委ねるだけ)
黄金の障壁は度重なる衝撃と炎熱に曝されミシミシと音を立て削り落とされていく
- 210 :白い甲冑:2010/09/09(木) 00:05:45 ID:PLjoDKEY0
- >>208
轟音が響く。響く――甲冑の身体から凄まじい音が響く。
銃身を向けたままの甲冑は、此方に気が付いていない時間を利用して十全に準備を整え終えた
そして、放つ
放たれた薄緑の弾丸は、軌道上の空気を喰らいながら成長し、輝きを増しながら左斜め上から迫り行く
射道は、首から入り、右の脇を通り抜けるような線を描いており、命中すればタダでは済まないだろう
放った後も轟音は止まず、向けられた銃身は微塵も動かぬまま
- 211 :アブリア:2010/09/09(木) 00:08:14 ID:7jE6yumoO
- >>208
「…………!」
両手で柄を握ると鎌を回転させると、水が円盤状の盾になり豪炎を凌ぐ。
やがて盾の役割を果たしていた水を一旦刃に収束させると
「…………鎮火、開始」
怪人に向けて鎌を振るった。
放たれた水は直ぐさま歯車の様な形を為す。円盤の如く薄く伸ばされたそれは、業火を“斬り裂き”ながら怪人へと向かう。
- 212 :怪人爆弾男:2010/09/09(木) 00:20:15 ID:/55Xo8R60
- >>209
いずれ止まると思われていた炎は、怪人の身体から吹き出す爆炎で、勢いを取り戻していた。
ただひたすらに、壁を殴る。
その姿は、みっともない駄々っ子のようにも見える。
>>210
「グオオオォォォ!」
黄金の障壁に、最後の一撃を加えようと、拳を振り上げ、全身から黒い煙を噴出させる。
そのとき、右上から風を切る音が聞こえた。
怪人が甲冑に気づき、振り向いた時にはもう既に遅い。
いや、むしろ気づいた事が命取りといったところか。
弾丸は、怪人の胸を貫いていた。
>>211
胸を貫かれた怪人は、その場に跪く。
その隙に、アブリアの歯車が、追い討ちをかけるように怪人を切り裂いた。
「グアアアアァァァ!」
怪人はその場に倒れる。
胸の穴から、歯車の斬り口から、爆炎を噴射しながら。
「グ…グアア…ァァ」
怪人はその場にのたうち回っていた。
//もう一レス続きます。
- 213 :怪人爆弾男:2010/09/09(木) 00:23:35 ID:/55Xo8R60
- >>全員
うめき声を上げながら、その場にのた打ち回る。
「オオォ…グオオオォォォ!」
うめき声が、突然叫び声に変わる。
―ゴオオオオオォォォォォ……ォォ…ッ!
怪人が立ち上がり、全身の器官から、周囲の炎を吸い込み始めた。
直後、全身の筒状の器官が剥がれ落ちる。
「おい……何が起こっている?」
消火活動に当たっていた観測局が、異変に気づいた。
「まずい、奴の体表の温度が急激に上昇している!」
観測局の分析班が叫ぶ。
全身がヒビ割れ、マグマのような光が噴出する。
「伏せろ!自爆するつもりだ!!!」
観測局の隊員たちが一斉に地面を滑りながら伏せる。
―カッ!
怪人の肉体が炸裂した。
真紅の爆炎が、ビルのガラスを溶かし飲み込む。
コンクリートは粉々に砕け、鉄骨はひしゃげる。
―ゴオオオオオオオオォォォォォォォォォッッ!
巨大な火柱が、異能都市に上がった。
- 214 :車椅子の魔女:2010/09/09(木) 00:29:32 ID:PBnIervYO
- >>212>>213
「稚気にしては、少し凶暴がすぎるわ……!?」
一層高まるその力、圧倒的な爆発を察知し、新たな障壁を展開していく。
但し、自分に、ではなく都市や、周囲の人間に。
老婆は車椅子ごと火柱に呑まれて、消えてなくなる。まるでそれが当然であるように。
- 215 :アブリア:2010/09/09(木) 00:32:14 ID:7jE6yumoO
- >>213
ドミノ倒しを行うが如く、拡がる紅蓮が都市を塗り潰していく。
ただ破滅という概念だけを孕んだ業火の波が視界に在る。
予想だにしない事態を前に、彼女は得物を前に突き出す事しか術を持ち合わせていなかった。
「…………イグア――――
偉大な水の名を冠す宝具の力を解放せんとした瞬間、小さな彼女の身体はは瞬く間に炎に飲み込まれていった。
- 216 :白い甲冑:2010/09/09(木) 00:34:14 ID:PLjoDKEY0
- >>213
怪人の肉体が輝きだした瞬間、甲冑は空へと逃げた
大きく邪魔な銃身は何処へ消えたか既に無く、身軽な其れは高く遠くへと飛ばんとするも
しかし、全てを殺しさる死の熱線には無意味
逃げ、飛ぶ最中に襲い来た熱に翅を焼かれ、地上へと落ちて炎に飲まれた
- 217 :怪人爆弾男:2010/09/09(木) 00:41:32 ID:/55Xo8R60
- >>214,215,216
―ゴオオオオォォォォ……!
火柱は、次第に勢いを失っていく。
たった5分ほどだろうか。
一瞬で現れた火柱は、以外な程早く消え去ってしまった。
―パラパラ……
轟音が収まる。
そこかしこから煙が立ち上り、もはや燃える物も無いらしく、パチパチと燻っているだけだった。
「ぜ……全員生きてるか?」
観測局の隊員達が立ち上がる。
魔女の障壁によって、ほとんど軽症で済んだようだ。
「なんとか、我々は無事のようですが、直接戦闘を行っていた能力者達の安否はまだ……」
隊員の一人が、他の隊員の肩を借りながら、脚を引きずって答えた。
肩を貸す隊員も、所々に火傷が見られる。
「救急車を呼べ!
負傷していない者は怪人と能力者を探せ!」
十数名の観測局員が、三人と怪人を探し始めた。
【怪人の撃退には成功】
【参加者の安否:不明】
- 218 :アブリア:2010/09/09(木) 00:47:07 ID:7jE6yumoO
- >>217
焦土と化した大地。
炎があらゆる生を洗い流した戦場に大の字で横たわる姿が在った。
ロココ調にあしらわれた藍色のドレスは焼け焦げ、僅かに余った布地が小さな身体を何とか包んでいた。
半分程開かれた瞳は虚しく天蓋に向けて投げられている。
絶命してしまったのだろうか。
- 219 :白い甲冑:2010/09/09(木) 00:51:07 ID:PLjoDKEY0
- >>217
建造物が歪み、奇妙な現代芸術の様相を呈した街並の中
ひび割れたコンクリートに突き刺さるようにしてそれは居た
全身にひび割れを持つ、白い甲冑。頭から落ちた筈なのに、それは大の字を描くようにして転がっていた
表面の損傷はひび割ればかりであり、熱線による損傷は軽微である。恐らくは、火柱から距離を稼げたことが幸いしたのだろう
元々生死の解りづらい様態ではあったのだが、この有様では全く生きているのか死んでいるのかわからない
と、がさり、とわずかであるがその甲冑が動いた。どうやら生きてはいるらしい
- 220 :名も無き異能都市住民:2010/09/09(木) 00:58:16 ID:PBnIervYO
- 球形の、黄金色の術式が、不気味に脈動し、虚空に漂っている
- 221 :怪人爆弾男:2010/09/09(木) 01:01:38 ID:/55Xo8R60
- >>218
「……居ました!
例の少女です!」
局員の一人が、少女に走りよる。
「大丈夫か!おい!」
「揺らすんじゃねぇ!さっさと担架に乗せろ!」
怒鳴られながら、局員は少女を担架に乗せる。
「生きてるのか…?」
局員は脈を確かめる。
>>219
「おい、あれじゃないか!?」
「よし、早く降ろせ!」
続いて甲冑が発見された。
「これ、生きてるのか?」
「そもそも生き物か?」
「動いた!生きてるぞ!」
多少無礼ながらも、無事に救急車に乗せられた。
果たして病院で治療できる生き物なのだろうか。
>>220
「…あれ、何だと思う?」
「UFO?」
手の空いた局員が三人ほど集まってきた。
- 222 :名も無き異能都市住民:2010/09/09(木) 01:06:43 ID:PBnIervYO
- 術式は眩く光を放つ、どうやら何がしかの力が発動したようだ。
眼も眩む輝きの後、どさりと音がした。視力が回復した時、そこに一糸纏わぬ、下半身の欠損した少女が気絶して転がっている事に気付くだろう。
- 223 :炙リア:2010/09/09(木) 01:08:12 ID:7jE6yumoO
- >>221
…………――――
脈は無い。ただ無情な静を保つのみで、命が駆動する証は其処に無い。
瞬きすら行わない少女の虚ろな双眸が更なる絶望感を喚起させた。
- 224 :白い甲冑:2010/09/09(木) 01:11:36 ID:PLjoDKEY0
- >>221
救急車で運ばれた後、甲冑が水のように解けて無くなり、中から金髪の人物が出てきたのだという
検査の結果、肉体を構成する物質が人間の物と似通っていることが判明した為に、
ある種隔離された状況ではあるものの、人間と同じ治療を受けているという
- 225 :怪人爆弾男:2010/09/09(木) 01:16:49 ID:/55Xo8R60
- >>222
「うぁっ!?」
その光に目を押さえる。
「何が……?」
局員の視線の先には、下半身の無い少女。
「何が起こったんですか!?
なんなんです、この子は!?」
「俺に聞くな!
そこのお前、こいつも救急車に乗せろ!
お前らは引き続き車椅子の老婆の捜索を続けろ!」
>>223
「だめだ…」
「いや、諦めるな、心臓を叩け!
動かなかったら人工呼吸だ!」
隊員は少女の心臓に刺激を与えるため、胸を数回叩く。
>>224
「まず一人生存確認!」
「念のため、怪人の捜索も続けろ!
もしかしたらまだ生きてるかも知れんぞ!」
- 226 :炙リア:2010/09/09(木) 01:25:00 ID:7jE6yumoO
- >>225
柔らかなヒトのそれとは異なる硬い感触が隊員の手に伝わった。
破れた服の間から見えるのは蒼く煌めく宝石。ソフトボール大のそれが少女の胸元に埋まっていたのである。
「…………!」
それは突然の出来事。
リクライニングされていたシートが元に戻るかの如く、少女の上体が勢い良く起き上がった。
- 227 :名も無き異能都市住民:2010/09/09(木) 01:33:57 ID:PBnIervYO
- しかして『老婆』の行方はその日、遂に判明しなかった。
後日、少女が『それは わたし です』などと言っている姿が確認される事となる
- 228 :怪人爆弾男:2010/09/09(木) 01:36:38 ID:/55Xo8R60
- 爆発の中心部だった場所には巨大なクレーターが出来上がっている。
「おい、あいつは……」
クレーターの中心に、金髪の男が倒れ付していた。
「もしかしてあいつが本体か!
とっ捕まえてやる!」
「おい、気をつけろよ!」
「大丈夫だ、気絶してる」
金髪の男は担架に乗せられ、観測局の手によって運ばれている。
>>226
「うわっ!?」
急に起き上がった少女に、局員が後ずさる。
「……だ……大丈夫か?」
おずおずと聞いた。
>>227
「畜生、車椅子も見つかりやしねぇ」
「意外とあの女の子がそうだったりしてな」
「馬鹿なことを言ってないで手を動かせ!」
- 229 :炙リア:2010/09/09(木) 01:41:24 ID:7jE6yumoO
- >>228
「…………」
舒に辺りを見渡すと、ぴょんと担架から飛び降りる。
命に別状は無いようだが。
「…………もーまんたい」
とひび割れた顔を隊員に向けサムズアップ。
其の侭何処かへと歩いていった。
//お疲れ様でしたー
- 230 :怪人爆弾男:2010/09/09(木) 01:44:45 ID:/55Xo8R60
- >>229
「……ああ、それなら良かった」
そう言って、立ち去る少女を見つめていた。
「……じゃねぇよ!大丈夫そうには見えねぇよ!」
「一応、少女、生存確認……」
【イベントクリア!】
//皆様、長々とお疲れ様でした!
- 231 :犬上耶麻:2010/09/19(日) 22:56:11 ID:ciPgOX4I0
- 夏の熱気が若干冷え、全身からあふれ出す汗の量も幾分か少なくなったかと思う、しかし、残暑が厳しい夏の終わりかけの日。
彼女――犬上耶麻は、通行人が沢山流れている異能都市のメインストリートの端っこでアイスを食べながら、一枚の紙をぺらぺらと見ていた。
「なんか変なバイト。ま、お金が振り込まれていたから、やらないわけにはいけないけど……」
耶麻の手にあるのは最近、噂のバイト――意味不明正体不明、謎の高額バイト――通称、ぬらりバイトである。
昔の妖怪である、ぬらりひょんの如く、いつの間にか、バイト斡旋所に張られている紙。
内容は、唐突であり、ある一軒家の前にある土手の石を拾って来て欲しい、ある少女にナンパして失敗して欲しいなど、エクセトラ。
本当に首を傾げるものばかりで、しかし、高額なバイトである。
たった石を拾ってくるだけで5万円という破格なバイトということで、ぬらりバイトを探すフリーターや高校生は多いが、
不思議と、見つかる場合はあっさりと見つかるのに、見つからない場合はいくら頑張っても、見つからない。
三週間、掲示板を見ていた人の目の前で、初めてきた客が、ぬらりバイトを見つけるという奇天烈なことさえあったそうだ。
前振りが長くなったが、少しはしょらせて貰うと、彼女――犬上耶麻は今バイトを受けていた。
報酬は前払いの7万円。そこで止めてもいいのだが、彼女の性格からお金だけ貰ってはいさよなら、は出来ない。
ぬらりバイトの方もそういうことがわかっていてやっているのかは、不明だが、彼女は異能都市のメインストリートの端に佇み、
アイスを舐めながら、紙に書かれた内容を眺める。
【同じ、ぬらりバイトの紙を持った人の顔に、アイスをぶちまける】という意味不明な内容に首をかしげた。
「めんどくさいことにならなきゃいいんだけど……」
- 232 :霧怪人:2010/09/22(水) 21:00:25 ID:/55Xo8R60
- 深い霧が街を覆っていた
何かの記念に作られた広場だったが、その広場だけを綺麗にすっぽりと、霧が包み込んでいた。
ざわざわと声が聞こえるということは、何人か霧の中に取り残されているのだろう。
「キャアアアァァァ!」
霧を引き裂くような叫び声が響き渡る。
突然、赤い飛沫が霧に混じって消えた。
「クククッ……!」
同時に、紫の影が見える。
笑い声のような薄気味悪い鳴き声を発し、影は霧の奥に消えた。
「ギャアアアアアアァァァアァッ!」
そしてまた叫び声。
霧に混じる赤い飛沫。
「ククククッ……」
そして、不気味な鳴き声。
霧の中に、何かが居た。
- 233 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/22(水) 21:24:26 ID:WVrfsEdY0
- 「…あう?なんなのかなの…」
【霧の中に一人の少女がいた】
「……わるいひとがいるのかなの!?」
【そう言って身構える……】
//ここは自分が出るしかあるまい
- 234 :霧怪人:2010/09/22(水) 21:32:43 ID:/55Xo8R60
- >>233
―ザザザッ
「クククッ……」
ディスの背後を、何かが走り抜ける。
同時に殺気を感じたかもしれない。
だが、よほど視力が優れているものでないと、霧によってその姿は紫の影にしか見えないだろう。
- 235 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/22(水) 21:36:27 ID:WVrfsEdY0
- >>234
「…あう…?
てきがいるのかなの…」
【ディスは殺気を瞬時に感じ取り辺りを見回した】
「……よくみえないの…
おそとがなの…」
【ディスは全身から包帯を伸ばし、注意深くあたりを見回す】
- 236 :霧怪人:2010/09/22(水) 21:46:04 ID:/55Xo8R60
- >>235
ディスが包帯を伸ばすと、先端のひとつに何かが触れた。
「……た……助け……」
霧の向こうから、かすかに声が聞こえる。
人型の影がよろよろと歩いていた。
―ザシュッ……!
「……ガボッ……!」
影が、倒れた。
紫色のもうひとつの影が、その影を通り過ぎた。
- 237 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/22(水) 21:49:04 ID:WVrfsEdY0
- >>236
「あう…ひとが!」
【ディスは眼を丸くして言う】
「う〜…ゆるさないの!
そこなの!」
【もう一つの影に向けて包帯を伸ばしに行く。】
【巻きつけて捕まえるつもりのようだ】
- 238 :霧怪人:2010/09/22(水) 21:53:35 ID:/55Xo8R60
- >>237
男の影が光る。
その光は、紫の影に吸い込まれた。
「ククククッ……!」
男の生命力を食っているようだった。
やがて、ディスが近づいたのを感じて、影は姿を消す。
背中と首から血を流した、サラリーマン風の男の死体が、その場に取り残されていた。。
- 239 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/22(水) 21:56:18 ID:WVrfsEdY0
- >>238
「うう…ひとじゃないのかなの?」
【ディスは体を震わせながらあたりを見る】
「…でももしきりだったら『でぃす』はどうしようもないの〜…」
【汗をかきながらディスは剣帯に止められた銀の刀に手をかける】
「……あうあう、よわきだとたおせないなの!」
【再びあたりを見回すディス】
- 240 :霧怪人:2010/09/22(水) 22:00:16 ID:/55Xo8R60
- >>239
―シュッ……
また背後に、気配が通り過ぎる。
―シュッ……
今度は目の前だ。
まるで隙を伺うように、紫の影はあちこちを移動していた
- 241 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/22(水) 22:03:24 ID:WVrfsEdY0
- >>240
「う〜…どこからくるのかわからないの…」
【ディスは軽く眼を回す】
「わからないときは」
【そう言って包帯を激しく蠢かせる】
「ぜんぶにこうげきしてみるの!」
【そう言って猛烈な勢いで自分の周囲に一斉に包帯を伸ばして攻撃した!】
- 242 :霧怪人:2010/09/22(水) 22:07:39 ID:/55Xo8R60
- >>241
「クカカッ!」
影が、宙に浮き上がる。
「カカカッ!」
ディスの斜め後ろで、紫色の影がひょいひょいと包帯をよけていた。
だが、ぎりぎりよけていると言った感じだ。
「キャアァッ!」
別の方向からも声が聞こえた。
紛れも無い、人の声だ。
包帯に手ごたえはないが、このまま続ければ、確実に霧に取り残された他の一般人を貫いてしまうだろう。
- 243 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/22(水) 22:10:30 ID:WVrfsEdY0
- >>242
「あうあう…よけられたらだめなの…
まだひとがいるなの…」
【ディスは慌てて包帯をひっこめる】
「…こうげきしてきたらどこからくるかわかるんだけどなの…」
【ディスはあたりを見回して、溜息を吐く】
「…このきりをふきとばしてみようかなの…」
【そう言うと両手を合わせて包帯をこね始めた】
- 244 :霧怪人:2010/09/22(水) 22:15:21 ID:/55Xo8R60
- >>243
「……」
突然、鳴き声が聞こえなくなった。
―タッ……
ディスの背後で、着地音がする。
「クカアァッ!」
―ヒュンッ……
ディスの背後で、霧が集まる。
その霧は、鋭い鎌の形を成し、ディスに襲い掛かってきた。
- 245 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/22(水) 22:18:28 ID:WVrfsEdY0
- >>244
「やっぱり…」
【ディスは背中の包帯で素早く銀の刀を抜きとって】
「きりがなくなったらこまるのかなの!」
【素早く鎌に向けて振るった】
「みえないのはいやなんだけどなの!」
【そう言いながらディスは振り向いて見る】
- 246 :霧怪人:2010/09/22(水) 22:25:42 ID:/55Xo8R60
- >>245
―サァッ……
鎌は剣に切り払われ、霧散する。
「ク……」
振り返ると、鎌がある一帯だけ、霧が無い。
その中心に居るのは、紫色の怪人だった。
全身鱗に覆われていて、口がある場所には黒い何かがはまっている。
肩と背中からは、同じ紫色の筒が生えており、そこから途切れることなく霧が漂っていた。
腰にはベルトのようなものが巻かれており、バックルにはXの字を2つ重ねたような紋章が彫り込まれている。
「ククッ……!」
怪人は、一瞬と惑ったようなそぶりを見せ、素早く霧の中に身を隠した。
その一帯も、鎌が崩れて再び霧に覆われていった。
- 247 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/22(水) 22:29:26 ID:WVrfsEdY0
- >>246
「あうあう…みえたなの!てきのすがたがなの!」
【ディスは軽く頷くと霧の中に消えた影を見た】
「こっちも、じゅんびはできてるなの!」
【そう言うとディスは、両手に巻かれていた包帯を、巨大なうちわの形に変えていた】
「これで…」
【そう言って大きくうちわを振り上げて】
「そうだなの〜!!」
【勢いよく振り下ろした。】
- 248 :霧怪人:2010/09/22(水) 22:34:26 ID:/55Xo8R60
- >>247
うちわによって、一瞬だけだが台風のような豪風が起こった。
豪風は、勢い良く霧を払わ……無かった。
払われた場所に、他から水の粒子が集まり、霧を作り出す。
まるで、この霧自体が、あの怪人によって現れているようだった。
しかし、霧を払った一瞬、霧の向こうに、女性が座り込んでいるのが見えた。
おそらく、先ほど叫び声を上げた本人だろう。
- 249 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/22(水) 22:37:19 ID:WVrfsEdY0
- 【一瞬で戻って行く霧を見て】
「…むうん…すこしだけむこうがみえたけどなの…
これじゃあだめかなの…」
【ディスは困り果てた顔になる】
「…あう?どうしたの!」
【そう言ってディスは座り込んでいる女性に向かっていく】
- 250 :霧怪人:2010/09/22(水) 22:41:55 ID:/55Xo8R60
- >>249
「……きゃ……あ、人ね」
どうやら、この女性もあの怪人に襲われたらしかった。
右腕に鋭い切り傷があり、血を流している。
「ここは危険よ、早く逃げて……。
早くここから出て観測局や警察に知らせないと……!」
そう言って、女性は歩き出そうとする。
「クククッ……!」
しかし、再び怪人の影が、二人の近くを通り過ぎた。
「きゃ……!」
- 251 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/22(水) 22:43:50 ID:WVrfsEdY0
- >>250
「あうあう!あぶないの!」
【そう言ってディスは包帯を女性の腕に巻きつけて止血しようとする】
「『でぃす』のほーたいがあったらふせぐことできるとおもうの!
だからあとはまかせてなの!」
【そう言うとディスは再び周囲の影に向けて目を配る】
「これいじょうはさせたくないなの…」
- 252 :霧怪人:2010/09/22(水) 22:47:27 ID:/55Xo8R60
- >>251
包帯を見て、驚いたような顔を見せる。
「あなた……能力者なのね。
……出口、どっちかわかる?
私には何も出来ないけど、せめて、観測局に連絡を……」
影は、再び見えなくなった。
- 253 :ホイ:2010/09/22(水) 22:54:36 ID:PBnIervYO
- 霧の外側、スッポリと広場を覆う霧を見て首を傾げる。
とりあえず味を確かめて、普通の霧では無いことは解った。意外と美味
となれば口を開けて突撃するのみである。
- 254 :白い女:2010/09/22(水) 22:58:10 ID:hGStfPTM0
- 「……全く何か解らないけど、厄介事には変わりないしね」
上空から煙の中へ飛び込む女。
去っていく戦闘機が見える。
その数秒後、小さな黒い影が女の後を追っていく。
- 255 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/22(水) 22:58:12 ID:WVrfsEdY0
- >>252
「あう…きがついたらこうなってたから
わからないの…にげたほうがいいのかなの…」
【ディスは慌てながらも女性の周囲を包帯で覆う】
「あうあう、おそとにでんわできるかなの?」
【そう言ってあたりを見回す。】
>>253
【霧の向こうに包帯を巻いた少女が見える…まだ気づいてないようです】
- 256 :霧怪人:2010/09/22(水) 23:01:33 ID:/55Xo8R60
- >>253,254
「クククッ……」
怪人が笑う。
新たな獲物が巣に掛かったと。
怪人の周りだけ霧が晴れ、同時に鎌が生成される。
>>255
「あ、ありがとう」
包帯に戸惑いながら、広場を走りぬける。
広場から出る直前、また別の百足のような怪物とすれ違ったのは別の話。
- 257 :ホイ:2010/09/22(水) 23:07:03 ID:PBnIervYO
- >>255
なにやら見覚えのある、とても特徴的な影がぼんやり近づいて来ているようだ。…結構はしゃぎながら。
>>256
「ぬ?」
霧は視界を奪い、光を遮る。ホイの眼は、光量がわずかに増した空間をボンヤリとだが認識した。
ともあれ今は食事中。中の事情を知らぬホイは、この霧をたんといただく腹積もりである。
- 258 :白い女:2010/09/22(水) 23:08:13 ID:hGStfPTM0
- >>256
「トランヴェル、お願い」
黒い影に向かって右腕を向ける。
すると黒い影は形を変え、女の腕に張り付いた。
「先ずは状況の把握、かな」
警戒しつつ、霧の中をゆっくりと進んでいく。
- 259 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/22(水) 23:09:30 ID:WVrfsEdY0
- >>256
「あうあう…よかったの、ぶじにでられたみたいなの」
【ほっと一息ついてディスは…再び向き直る】
「……あいてがみえないのはやっかいなの…
あっちからきたらこうげきできるんだけどなの…」
【包帯をうごめかせながら呟く】
>>257
「あう〜?ひょっとして『ほい』なのかなの?」
【少し首をかしげながら影を見る】
「そこにいるのはほいなの〜?」
【大声で特徴的な影に向けて言う】
「ここにはてきがいてあぶないの〜」
>>258
「ん?もひとりきたの」
【なんとなくディスは気配を感じ取った】
「そこにいるのはだれなのかなの?」
【霧の向こうから少女の声が聞こえて来る】
- 260 :霧怪人:2010/09/22(水) 23:13:43 ID:/55Xo8R60
- >>258,259
怪人は思案する。
少女と新たに入ってきた女は、警戒心が強い。
ならば、狙うのは油断している、奴しか居ない。
>>257
―ダッ!
怪人が走り出した。
「ククカカッ!!!」
ホイの背後の霧が晴れ、巨大な霧の鎌が現れる。
鎌の後ろには、紫色の怪人が飛び掛っていた。
―ヒュンッ……
鎌は、ホイに振り下ろされた。
- 261 :白い女:2010/09/22(水) 23:23:02 ID:hGStfPTM0
- >>259
「……ん、この声」
悪い視界の中を声の聞こえた方向に進んでいく。
やがてディスの目の前に何度か会った女が現れる。
「やはりキミか、僕だよ」
手の甲から右腕全体にかけてが銀色の翼の様な物で覆われている。
恐らくは盾であるのだろう。それは思ったより巨大だった。
>>260
「……」
周囲を眺め、視界に敵を捉えようとする。
目の前には少女。さらに怪我人を連れている。
守るのは自分の仕事だ。
- 262 :ホイ:2010/09/22(水) 23:24:14 ID:PBnIervYO
- >>259
聞き覚えのある声だ。ホイは返事をする。
「ぬう、ディスか。ちぢんだな」
正確には元に戻った、なのだが……元凶たるホイにはその自覚は無い。
「てき?……さっきのか?」
ホイはあまり事情を理解していないが、先程自分が見つけた霧の中の異変がディスの言う敵であるのだろうかと考えている。
>>260
「に!?」
などと思っていた矢先の襲撃である。油断していたホイは、とっさに下半身をグンと伸ばして、目標となったであろう上半身を逃がす。
とはいえ完全に避けれるはずもなく、その背には大きく鎌によって切り傷が刻まれている。
血の一滴も出ない、虚ろな傷口が。
- 263 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/22(水) 23:28:51 ID:WVrfsEdY0
- >>260
「あう?!あっちからなの!」
【ディスはホイのいる方から音を感じた】
「う〜、こうげきしないとなの!」
【ディスは急いでそちらの方へと走って行く】
>>261
「あう〜。『しろ』だったなの〜」
【安心した風に言う】
「あうあう、なんだかこのきりをだしてるてきがいるなの。
『でぃす』だけだとむずかしからなんとかしないとなの!」
【軽く慌てながら言う】
「あう〜。『しろ』ののーりょくなの…」
【じーっと銀の翼を見る】
>>262
「あう〜。ちいさくなったんじゃなくてもとにもどったなの〜」
【近づきながら言う】
「うん!なんかかぜがふいたらてきがこーげきしてくるの!
きおつけてなの!」
【大声を出しながらディスはホイの近くへ行こうとする】
- 264 :霧怪人:2010/09/22(水) 23:31:09 ID:/55Xo8R60
- >>261
だが、視界に入るのはすばしっこく動く紫の影だけ。
詳細な姿は霧に邪魔されて見ることが叶わない。
>>262
ホイを切り裂くと言う仕事を終えると、
鎌は霧散し、晴れた空間をまた曇らせる。
怪人は、一撃で止めをさせなかったと知ると、そのまま走り抜けた。
>>263
「ククッ!」
―タッ……
少女、ディスの気配を感じ、飛ぶ。
また再び、怪人は霧に姿を消した。
- 265 :黒い男:2010/09/22(水) 23:33:50 ID:wMyJxSMQ0
- 霧に分け入る影が一つ。
特に目的を持って来た訳では無さそうだが、何処となく不穏な空気を感じ取っているようだ。
「……」
微風に混じった僅かな鉄の臭いに男は顔を歪ます。
しかし彼は四分の警戒心と六分の好奇心とに従って、ゆっくりと歩を進めて行った。
- 266 :白い女:2010/09/22(水) 23:41:29 ID:hGStfPTM0
- >>263
「ああ、僕も手伝うよ。
といっても、僕に出来る事も少ないけどね」
そういいつつディスに近付いていく。
ここまで濃い霧だと少し離れただけで見えなくなりそうだ。
「これは僕の力じゃないよ」
腕の盾を左手の甲で数回軽く叩く。
カンカン、と金属の音がした。
>>264
「捕まえるのは簡単じゃないね……」
捕捉を簡単にあきらめると自身や周囲の誰かに刃が回った時にぐ事に集中した。
- 267 :ホイ:2010/09/22(水) 23:47:15 ID:PBnIervYO
- >>263
なるほど、これがディスの言っていた敵か。確かにこれは許せない。
いつも着ている大事に着ているお気に入りの服がバッサリと裁たれてしまった。クロスに修繕を頼まなければいけない。
見た目にはよくわからないが、ホイはむかついている。
「わかった。ホイはへいきだから、ディスはディスをまもる」
「ホイはホイをまもる。『てき』はなぐる」
声に敵意を乗せながらホイは周囲を警戒する。自分に何が出きるかを思考しながら
- 268 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/22(水) 23:49:09 ID:WVrfsEdY0
- >>264
「…あう、またみえなくなったの…
こまったの…このままだとこうげきができないの!」
【霧の向こうを見て悔しそうに言う】
「…あっちからくるようにするにはなの…」
【うー、とうなりながら考える…】
>>265
「あうあう…だれかいるのかなの…」
【首をかしげながら気配のした方を見る…】
>>266
「あうあう、ありがとなの…
『でぃす』もてきがみえなくてこまってたなの…」
【頭をぽりぽり掻きながら言う】
「そうなの〜。でもたすけてくれるひとがいるのはいいことなの!」
【微笑みながら言った】
>>267
「…わかったの。
『でぃす』はたたかうの!」
【ゆっくり頷いて言った】
- 269 :霧怪人:2010/09/22(水) 23:54:51 ID:/55Xo8R60
- 広場の外。
観測局の局員が、ぞくぞくと集まってきた。
「……またけったいなものだな……」
「怪人……ってこの前の奴とは関係ありますかね」
「さぁな、あの金髪の奴も、未だに寝てるしな」
未だに観測局は、霧の中に脚を踏み出せずに居た。
その様子を、ビルの上から眺める影が一つ。
「……でかい巣を作った割には、未だに戦闘もろくにしてないじゃないか……。
助け舟が必要かな」
ビルの上に立っていたローブの男は、ローブに飲み込まれるようにして姿を消した。
>>265
「クククッ……!」
また一人。
今日は豊作だ。
>>266
―ガササッ……!
突然、霧の向こうの藪の中から、怪人が飛び出した。
怪人の周りだけ霧が晴れ、晴れた霧から刃が生まれる。
「クカァッ!」
―シュンッ!
鎌は、また振り下ろされる。
>>267,268
「クカァッ!」
白い女に、鎌と共に怪人が飛び掛っている。
- 270 :黒い男:2010/09/22(水) 23:59:07 ID:wMyJxSMQ0
- >>268
気配はするが、その方向からは殆ど足音がしない。
不気味とも感じられる程、静かだ。
>>269
「……」
何か聞こえた、気がする。
男は警戒心を強め、立ち止まる。
辺りを見回しているようだが、濃い霧のため何も見えない。
- 271 :白い女:2010/09/23(木) 00:02:55 ID:hGStfPTM0
- >>268
「だから僕から離れないで、護るから」
と、笑顔を見せつつ。
>>269
「……チィッ!」
直後、振り返り右腕の盾を向ける。
鎌を防ぎ切りはしたが押され、バランスを崩した。
まだ戦闘をする余裕は無い。
目的は相手の正確な視認。うまくいけば捕捉まで。
- 272 :ホイ/くらやみ:2010/09/23(木) 00:05:54 ID:PBnIervYO
- さて、敵はどうやってこちらを確認しているのか。とりあえず『視覚』から確認してみよう。
「ヒカリをたべる」
ホイの眼、邪気眼である光奪眼が周辺のありとあらゆる『光』を奪っていく。そこに産まれるのは、光が像を結ばない完全な『闇』だ。
当然、怪人だけでなく、他の人間も巻き込むが、ホイはそこまでは考えない。
>>269
声のよくする方へ『闇』と共に突撃する。ポッカリと霧の中に現れた暗闇の空間が向かってくる恐怖!
ちなみにホイにも何も見えていない。闇雲な突撃である。ホイはそこのところも考えない
- 273 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/23(木) 00:09:32 ID:WVrfsEdY0
- >>269
「…あう!きたなの!」
【ディスは飛びかかってきた怪人の声を聞いて】
「そこかなの!」
【勢いよく包帯を伸ばしていく】
>>270
「あう〜…あしおとはしないなの…
ふしぎなの…」
【若干気にする顔で言った】
>>271
「うん…『でぃす』もできることをするなの!」
【そう言ってバランスを崩しそうになった白い女の背中を包帯で支えようとする】
- 274 :霧怪人:2010/09/23(木) 00:18:25 ID:/55Xo8R60
- >>271
―バサァッ
盾に鎌が弾け、霧と化す。
攻撃に失敗した怪人は、再び霧に逃げようとするが…。
>>272,273,274
ホイ、いや、黒い謎の塊が、光を食いながら突撃してくる。
更に、ディスの包帯が怪人に迫る。
「クカッ!」
驚いた怪人は、霧を自分の身の回りに集め、身を守ろうとするが、所詮は霧。
防御力をまったく発揮しなかった。
―ザバアアアァァァッ!!!
突然、水の壁が怪人を守るように現れた。
包帯ははじかれ、ホイは行く手を阻まれる。
「ククッ……!?」
怪人がうろたえた。
この壁は、この怪人の能力ではないらしい。
―ザザザザザ……
水の壁の上に、誰かが立っていた。
霧の怪人のように、全身を鱗が多い、紋章の入ったベルトをした怪人だ。
しかし、身体は青黒く、分厚く表面がテカる、皮のローブのような物を身につけていた。
「皆さん、今晩は」
この怪人は、言葉を話すようだ。
- 275 :白い女:2010/09/23(木) 00:23:39 ID:hGStfPTM0
- >>272
……暗い。
何処からか光が奪われつつある。
太陽の陰り等では無く、人(?)為的に。
>>273
「っと、ありがとう」
包帯の支えを得て、素早く立て直す。
>>274
相手の姿を捉え、目で追う。
すると海神の様子が可笑しい事に気付く。
その様子の元凶である壁に目を向けると同時に聞こえた声に言葉を返す。
「今晩は」
と、行って目を向けて、
見えた姿に少々苦い顔をする。
「僕、魚は嫌いなんだけどな……」
- 276 :黒い男:2010/09/23(木) 00:25:40 ID:wMyJxSMQ0
- >>274
「!……あっちか」
派手な水音。
それは男がその正確な位置を知るのに十分なほどはっきりと聞こえた。
やや早足で、しかし慎重にその場所へ向かう。
>>273
小さ目の足音が聞こえたかと思うと、黒い帽子を被った男が歩いてくるのが見えるだろう。
良く見るとそれが昨日のラーメン店の店員らしき人物であることが分かるかもしれない。
最も、覚えていればの話だが。
- 277 :ホイ:2010/09/23(木) 00:29:30 ID:PBnIervYO
- 何か突然水の中に入ってしまった。驚いて能力行使を中断してしまう。周囲に光が戻ってくる。
>>274
ガボガボと水に突撃を繰り返している。
ついでに賞味。霧よりも美味である。
- 278 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/23(木) 00:30:01 ID:WVrfsEdY0
- >>274
「よし!こんどこそつかまえ…あう!?」
【突然現れた水の壁に驚くディス】
「…あう〜。そこのひとがやったなの?」
【少し警戒しながら言う】
>>275
「あう、どいたしましてなの…
あのひとはなんなのかなの…」
【首をかしげながら言う】
「おさかなさんきらいなの〜…」
【少し感心する】
>>276
「あう、あのおみせのひとなの」
【嬉しそうに手を振る】
「たすけにきてくれたの〜?
ありがとなの〜!」
- 279 :霧怪人:2010/09/23(木) 00:38:45 ID:/55Xo8R60
- >>275
「魚、か」
青黒い怪人は自分の身体を見渡す。
「モデルはそんな感じじゃないかな」
飄々と答えた。
>>276
「一、二、三人……そっちにもう一人……。
四人か。
十分すぎるね」
壁がゆっくりと地面に沈んでいく。
着地すると、紫の怪人は、青い怪人に走り寄った。
>>277
「君は代わった生き物だね。
ぜひ怪人にしたいよ。
水が欲しければもっとどうぞ」
壁が消えてしまった変わりに、ホイの頭の上に、魔方陣が浮かび上がる。
ざばぁ、っとただの水がとめどなくあふれ出した。
>>278
「……君達には、ぜひこいつを倒して欲しいんだけどね。
我ら、スケイルの目的のために」
怪人のベルトのバックルを突付く。
「うん……少しもったいないけど、これならお前を強く出来る。
もう臆病に隠れなくていいんだ」
すると、紫の怪人の姿が、突然膨れ上がった。
周囲の霧が晴れ、怪人に吸い込まれる。
背中から、霧が固まった脚が6本生え、手足が退化する。
顔面の皮膚を破り、目玉が6つに増えた。
紫色の怪人は、5メートルほどもある巨大なアシダカグモのように、姿を変えた。
「さぁ、これと戦ってくれるかな」
- 280 :白い女:2010/09/23(木) 00:44:02 ID:hGStfPTM0
- >>278
「さぁね……ただ、さっきまでの奴よりかは頭は良さそうだよ」
喋るし。
等と言いつつ身構える。
「外見も苦手だし、食べるのも好きじゃない」
>>279
女は一度顔を見ただけで目線から外してしまう。
「さっさと何処か言ってくれると有難いんだけど……」
青黒い怪人にそう言い放ち、変化した霧の怪人の方を向く。
「まだ残るっって言うんならブッ潰すけどさ?」
- 281 :黒い男:2010/09/23(木) 00:46:07 ID:wMyJxSMQ0
- >>278
「んー……」
少女の姿を視界に捉えて、少し気恥ずかしげに頬を掻く。
暇だからブラついていたら此処に来てしまった、等と言える訳がない。
とりあえず彼は軽く手を振り返すことにした。
>>279
「キモッ」
正直な感想がそれだった。
……しかし、どうやらコイツと闘わなければならないらしい。
これは腹をくくる他無い、と覚悟を決める。
男は半身となり、相手の出方を見ることとした。
- 282 :ホイ:2010/09/23(木) 00:48:25 ID:PBnIervYO
- >>279
「がぶぶばば……ばば……が…」
水の中で何か言ってるが当然意味のある音が聞き取れる筈もなく。
まあおおよそ『おまえは誰だ』などと言っているのだろう。ワンテンポ遅れている怪人百足女であった。
しかしなにやらあの蜘蛛は先程の霧怪人であるらしい。
的がデカく殴りやすい。実に良い変化だ。クレバー(?)なホイには実に良い的だ。
ザバァ!と水の中から出てきて突撃をかます。実に聡明(ワンパターン)だ。
- 283 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/23(木) 00:48:53 ID:WVrfsEdY0
- >>278
「あう…てきをたおしてほしいってことなの?
よくわからないの…」
【不思議そうに首をかしげて言うが…】
「…あうあう、おっきくなったの…
あう!やるつもりなの!」
【再び包帯をうごめかせ始める】
>>280
「あうあう…でもいまはあのくもさんを
たおさないとかなの!」
【顔をあげて言う】
>>281
「あうあう、がんばるの〜」
【軽く手を振って行った】
- 284 :霧怪人:2010/09/23(木) 00:53:32 ID:/55Xo8R60
- >>280
「ぜひそうしてくれ」
笑顔でそう言った。
怪人の笑顔が理解できる人間は少ないだろうが。
蜘蛛となった怪人は、じっと白い女をにらんでいた。
>>281
「カカカカカッ!」
笑い声のように、蜘蛛が鳴いた。
―ズン…
蜘蛛が歩き出す。
視界に黒い男は入っていないらしく、踏み潰してしまいそうだ。
>>282
突撃され、よろめく蜘蛛。
しかし、脚を振り上げ、ホイにたたきつけようとする。
脚は先ほどの鎌のように鋭く研ぎ澄まされていた。
>>283
「じゃあ、後はよろしく。
僕は別の場所で見ていることにするよ」
マントを翻し、青黒い怪人の姿は消えた。
蜘蛛は、ホイを振り払いながら、広場を闊歩していた。
- 285 :白い女:2010/09/23(木) 00:58:29 ID:hGStfPTM0
- >>284
「そうだね……っていっても、触れるのは嫌だから、」
そういうと左脚で宙をなぞる。
その線に合わせ氷の板が作られて。
>>284
「こうするよ」
左脚でその板を蹴る。
居たは真っ直ぐに蜘蛛の元へと飛んでいく。
- 286 :黒い男:2010/09/23(木) 00:59:33 ID:wMyJxSMQ0
- >>284
「前見て歩け。危ねぇだろ」
踏み潰すか踏み潰さないか。
ギリギリのタイミングで男は大跳躍。
蜘蛛の眼の前まで飛び上がる。
「こいつぁサービスだ。代金は要らねぇぜ?」
鋼鉄すらも超越した強度を誇る鉄の右腕。
それを蜘蛛の眼の一つへと鋭く激しく容赦無く叩き込む。
- 287 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/23(木) 00:59:44 ID:WVrfsEdY0
- >>284
「あうあう…ほっておくつもりなのかなの…」
【ディスは少しどこか嫌そうな顔をして言う】
「…『ほい』があぶないなの!こうげきなの!」
【そう言ってディスは勢いよく包帯を鋭くとがらせてクモ男に伸ばしていく】
- 288 :ホイ:2010/09/23(木) 01:03:34 ID:PBnIervYO
- ギヂ、と蜘蛛の脚を百足の下半身、その強固な外骨格で受け止め、反動でやや後方、蜘蛛からみて前方に弾き飛ばされる。
「ふくのかたきの……びーむ」
先程周辺から奪った光を、光線にして眼から放つ。
霧の中であった為そこまで威力は無いが、霧が晴れたからこそ出来る攻撃である。やるだけやるのだ。
また、あまり関係ないがパキパキと音が鳴っている。背中の傷が塞がっていく音だろうか?
- 289 :霧怪人:2010/09/23(木) 01:10:21 ID:/55Xo8R60
- >>285
板が蜘蛛の顔面に迫り、
それを蜘蛛は脚ではじく。
―ザシュッ……!
しかし、軌道がそれただけで、板は別の脚の一本に突き刺さった。
>>286
―ザグッ……!
「クカカカカカカッ!!!」
蜘蛛が叫び声を上げた。
目の一つに拳が突き刺さっている。
肩だった部分についている筒から霧が発生し、鎌となって黒い男に襲い掛かる。
霧の操作能力は未だ健在のようだ。
>>287
―ドスッ!
とがった包帯は、氷の板が刺さった脚に突き刺さる。
ドサ、っと脚が崩れ落ちた。
「クカアァァッ!!!」
悲鳴なのだろうか、叫び声を上げた。
>>288
「ククッ!!!」
蜘蛛はしゃがんだ。
ビームは背中の一部を剥ぎ取っていく。
蜘蛛はホイに向き直る。
- 290 :黒い男:2010/09/23(木) 01:18:42 ID:wMyJxSMQ0
- >>289
「あぁ、気持ち悪いッ!」
拳を引き抜く。
そのまま跳躍しその場を離れようとするも、若干遅く。
「クソッ……しくった」
地面に着地した時彼の左肩には血が滲んでいた。
軽く斬られたらしい。
男は顔を上げて蜘蛛を睨みつけると、能力発動のための演算を開始した。
- 291 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/23(木) 01:19:37 ID:WVrfsEdY0
- >>289
「あう〜…きいている…
のかなの?」
【少々不安そうな顔になって言う】
「それじゃあもいっぱつなの!」
【そう言って包帯を下腹部に向けて勢いよく伸ばしに行く】
- 292 :ホイ/くらやみ:2010/09/23(木) 01:23:31 ID:PBnIervYO
- >>289
眼前には、また闇。目という感覚器官が一切役に立たない無明の闇が広がっていく。ホイは、この闇の中……前方に広がっていく闇の中に潜んでいる。
多分動かずどっしり先程の場所に
- 293 :白い女:2010/09/23(木) 01:27:33 ID:hGStfPTM0
- >>289
「あまり前には出たくないし……」
近くの小石を拾い上げる。
目の前で浮かせたそれを右足でたたき落とし、
衝撃で跳ね返ったところを左脚で蹴りつける。
右足での蹴りで電気を帯びた石に地面との接触でヒビが入り、
続く二撃目で小さく砕けた石一つ一つが氷で覆われ、無数の散弾と成って襲いかかる。
- 294 :霧怪蜘蛛:2010/09/23(木) 01:33:31 ID:/55Xo8R60
- >>290
―シュウウゥゥゥ……
更に3枚、合計4枚の鎌が背中から生成された。
まるでそれは、翼のようにも見える。
翼で飛ぶ蜘蛛が居れば恐怖以外の何者でもないが。
着地した黒い男に、追い討ちを掛けるように、更に二枚の鎌を振り下ろす。
>>291
地面に倒れた脚は、霧となって消える。
「カカアァッ!」
怒ったのか、叫びながら脚をディスに突き刺そうとしてくる。
しかし、腹部に包帯が刺さり、後ずさりしたため、それは叶わなかった。
>>292
黒い塊だろうと、関係なく脚を突き刺そうとする。
ホイに、鋭い脚が2本迫る。
>>293
―パキンパキパキン!
氷の散弾は、全て鎌にはじき返された。
先ほどのように霧が集まっただけのものではなく、まるで実体化しているようだ。
―ブンッ!
全ての散弾をはじき返すと、白い女にむかって、ブーメランのように鎌が投げられた。
- 295 :黒い男:2010/09/23(木) 01:38:41 ID:wMyJxSMQ0
- >>294
「同じ手は食わねぇよっ!」
男はまるで重力を無視するかのような軽やかなフットワークで鎌を避ける。
その最中に於いて彼は、『近くに有るもので最も重いモノ』を探していた。
演算はほぼ終了しているようだ。
- 296 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/23(木) 01:43:13 ID:WVrfsEdY0
- >>294
「あうあう、…ほかのひとのこともあるからはやくおわらせないとなの!」
【少し辺りを心配しながらディスは包帯を引き戻す】
「こんどはこれなの!」
【そう言って銀の刀を包帯で結んで蜘蛛に向けて切り込ませる】
- 297 :白い女:2010/09/23(木) 01:44:29 ID:hGStfPTM0
- >>294
「やってみるしか……」
向かってくる鎌に左脚を向ける。
元が霧で出来た者なら……。
「凍れッ!!」
鎌に合わせる様に左脚を振る。
- 298 :ホイ:2010/09/23(木) 01:45:19 ID:PBnIervYO
-
【全体攻撃アンド眼くらまし注意】
>>294
闇の広がる空間に突き立てられる二本の脚はしかし、獲物を捉えることは出来なかったようだ。
ドガ、と地面を破砕する音が聞こえるだけで、百足女の悲鳴は聴こえない。
「……こんどは、ひろいぞ」
闇の内側を食い破るように眩い光が、破壊の力を伴った光が前方に向かい拡散していく。
収束していないが、状況的に先程より光が多い為威力はさほど変わらない。
- 299 :霧怪蜘蛛:2010/09/23(木) 01:52:10 ID:/55Xo8R60
- >>295
重いものはたくさんあった。
電柱や銅像、記念碑。
「カッ」
小さく鳴くと、地面に刺さった鎌を振り上げる。
その勢いで、鎌を黒い男に発射した。
>>296
蜘蛛は脚を振るい、剣をはじこうとする。
しかし、蜘蛛は馬鹿だった。
剣をはじくことには成功したが、脚を一本、それも剣をはじいた脚が、地面に倒れた。
>>297
―ぱきんっ
音を立て、一瞬鎌が止まる。
―パラパラパラッ
霧が氷の粒子になり、その場に散らばる。
更に、脚に直接はじかれた粒子が、先ほどの氷の散弾のように、蜘蛛の身体をえぐった。
>>298
「クオオオォォォ!?」
蜘蛛の装甲は、それほど弱くは無い。
しかし、折られた二本の足や、包帯による傷、目の傷は、肉をむき出しにしている。
光は徐々に傷口から蜘蛛を蝕んでいた。
- 300 :白い女:2010/09/23(木) 02:07:40 ID:hGStfPTM0
- >>299
「上手く行ったね……。なら。次はッ!」
小さく飛び上がり地面に手を突き、所謂逆立ち状態になると回転を始める。
その状態で両足を開く。
まず左脚から刃を生み出し、そこを通る右足が電気を付加。
それと同時に刃を蹴り飛ばし、襲わせる。
- 301 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/23(木) 02:09:45 ID:WVrfsEdY0
- >>299
「ぬう、でもだいじょうぶ…
みたいなの、よかったの」
【ディスはほっと一息つく】
「・・・でもまだまだなの!」
【再び刀を構えて様子を見る…】
- 302 :ホイ:2010/09/23(木) 02:12:28 ID:PBnIervYO
- >>299
どうやら効いたようだと思うやホイは再び蜘蛛に突撃する。
ボウ、と淡い光を体に纏わせながら。近付くにつれ、それが酷く熱を放っていると分かるだろう
- 303 :黒い男:2010/09/23(木) 02:14:18 ID:wMyJxSMQ0
- >>299
男は広場の中央の巨大な銅像に目をつけた。
あれなら数十トンは有るだろう。
男は発射された鎌を右腕で弾き、ニヤリと笑む。
【能力発動】
【自身をオブジェクト(以下O)A】
【蜘蛛をOB】
【銅像をOC】
【と設定する】
【OAにかかる全重力をOBへ移動】
一連の操作を行うと、男は跳躍。
蜘蛛の上空20mほどの位置で静止する。
「さぁ……楽しい楽しい殺戮タイムだ」
そう呟いた男の顔はこれから起こるで有ろうことへの残酷な愉悦に歪んでいた。
【OAからOBへの重力の移動を解除】
【同時に】
【OCにかかる全重力をOAへ移動】
数十トンもの重さを追加された男の体は蜘蛛の胴体めがけて落下を開始する。
それはさながら隕石の如く。
蜘蛛の体を完全に破壊するために、墜ちる。
- 304 :霧怪蜘蛛:2010/09/23(木) 02:21:49 ID:/55Xo8R60
- >>300,301,302,303
「クアアアアアアアァァァァァ!!!!」
蜘蛛が激昂した。
背中から霧を吹き出す。
―ジャララララララン!
霧は形を変え、数百の刃となる。
―ジャララララララン!
まるで果物が木になっているように、大量の刃が霧にぶら下がっている。
それを一気に周囲に放とうとした瞬間、電撃が蜘蛛を襲った。
「グガアアアアアアァァァァ!!!!!」
白い女が放った刃が霧を伝わり、蜘蛛の全身に電撃を浴びせた。
直後、熱く燃えるホイが、蜘蛛の腹に穴を開けた。
そして、止めに、黒い男が落下する。
――……ゥゥゥゥゥゥゥゥウウウウウウウウウ……ズンッ!!!!!
蜘蛛の頭が、潰れた。
【↓もう一レスあります】
- 305 :霧怪蜘蛛:2010/09/23(木) 02:25:17 ID:/55Xo8R60
- 【↑の続きです】
「ククッ……ククククッ…!」
蜘蛛の身体が、霧散する。
後に残ったのは、あの紫色の怪人、つまり本体だ。
「クッ……ククッ……!!」
怪人は地面にのたうちながら立ち上がろうとする。
紫色の怪人といったが、全身が焼け焦げ、どちらかといえば漆黒の怪人というほうがしっくりする。
「クククッ……!ククククッ……!」
何かを訴えるように、手を突き出し、よろよろと4人に歩み寄る。
鳴き声はもう笑い声のようには聞こえない。
もはや救いを求める亡者の声だ。
「クク……クッ……クククッ…………!!!
ククククッ……ク……クッ………………クカアアァァッ!!!!!」
―バタッ……
怪人はひときわ大きな声を上げると、その場に仰向けに倒れる。
その直後……。
――ドガアアアアアァァァァァン!!!
炎を上げて爆散した。
【霧怪人スケイルミスト、爆散】
【イベントクリア!】
- 306 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/23(木) 02:29:16 ID:WVrfsEdY0
- >>304-305
「あうあう…たお…したのかなの…」
【少し不安そうにして怪人の姿を見る】
【その瞬間】
ドガアァァァアアン!
「あうあう!?あついなの!」
【爆散する炎が包帯に燃え移ってメラメラし始める】
「あうあう!けさないとなの!」
【慌ててポンポンと燃え移ったところを叩き始めた】
- 307 :ホイ:2010/09/23(木) 02:35:41 ID:PBnIervYO
- 知ってるか?一度ついた勢いは中々止まらないんだ。慣性とかいうのが働くんだそうだ。
そんな事をテレビのお兄さんが言っていました。
言ったとおり中々止まりません。光熱はなくなったもののそのままホイは何処かへ突撃していきました
- 308 :黒い男:2010/09/23(木) 02:40:42 ID:wMyJxSMQ0
- >>304-305
止めを刺したのを確認すると、能力を解除。
少しの間残酷な征服感に浸っていたが、不意に虚無感に襲われた。
「俺は、一体……」
その後に言葉は続かない。
ただ握り締めた手をじっと見る。
男はしばし立ち尽くしていたが、それが無駄だと悟ると無言でその場を去ろうとした。
その時だ。
「ぐッ……ああ……ぁッ……!?」
強烈な頭痛、目眩。吐き気。
思わず地面に膝を衝く。
「一体……何だ……ってんだ……」
彼はその言葉を発すると同時に気絶。
地に伏したまま動かなかった。
- 309 :白い女:2010/09/23(木) 02:41:15 ID:hGStfPTM0
- >>305
「終わった、と」
右腕の盾を軽く撫でると盾は動き、離れる。
そのまま空中で鷹の姿に変わり、女の肩に乗る。
「爆発するのって何でだろうね?
アレかな、証拠隠滅とか捕獲からの情報漏洩を防ぐためだろうか?」
等と独り言を。
>>306
「ん、大丈夫かい?」
ディスに向かって左脚を振る。
冷気が放たれて上手くいけば包帯を凍らせる。
- 310 :霧怪蜘蛛:2010/09/23(木) 02:46:18 ID:/55Xo8R60
- ―バタバタバタ……!
「爆発音がしたぞ!こっちだ!」
観測局がついに広場に突撃してきた。
完全に後の祭りという奴だった。
「怪人……!怪人はどこだ!」
煙が晴れると、そこには白衣の男が倒れていた。
「まさか……こいつか?
……前と同じパターンだな……」
>>307
「ん?おい!謎の飛行物体だ!追え!
手がかりかもしれない!」
「お、ああ!」
―ドタドタドタ…
役に立たなかった観測局は、明後日の方向に走り始めた。
>>308
「怪我人だ!怪我人を運べ!」
芝生の奥に、まだ動く人影があった。
切り傷を見ると、怪人に襲われた被害者だろう。
良く見ると、似たような怪我人や遺体が、意外と多くまだ広場内にいたようだ。
観測局は、遺体や怪我人を運び出す。
無論、黒い男も運び出そうとする。
- 311 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/23(木) 02:49:02 ID:WVrfsEdY0
- >>309
「あうあう、あつくなくなったの…」
【包帯が燃えていた部分はちょうどよく凍ってたちまち火は消えうせた】
「ありがとなの…たいへんだったの」
【いつも通りの無邪気な顔で頭をぽりぽり掻いた】
>>308
「あうあう?!どしたの!」
【慌ててディスは男に近づいていく】
>>310
「あうあう、やっとひとがきたの…」
【少しボーっとした顔で言う】
「う〜ん…おはなししないとだめかなの…
『でぃす』もうねむーいの…」
【眼をゴシゴシさせて言った】
- 312 :白い女:2010/09/23(木) 02:55:39 ID:hGStfPTM0
- >>310
「……あ、連れて行かれた」
黒い男が拾い上げられ。
「もうここは大丈夫そうだね」
傾れ込む観測局の人間を見てそう呟く。
>>311
「どういたしまして」
小さく笑って。
「それじゃ、、僕はこれで」
背中を向けて小さく手を振ると帰って行った。
- 313 :黒い男:2010/09/23(木) 02:56:39 ID:wMyJxSMQ0
- >>310
男は病院に運ばれてから丸一日目を覚まさなかったようである。
怪我自体は大したことも無かったが、何か他の病気であるといけないから、という理由で三日間ほど入院を余儀なくされた。
入院生活は本人曰く「つまらなくて病気になりそうだった」そうだ。
健康って、大事だね!
>>311
男は少女が近づく頃には観測局によって運ばれている最中だった。
- 314 :霧怪蜘蛛:2010/09/23(木) 03:00:33 ID:/55Xo8R60
- 「前の被疑者も目を覚ましてないのになぁ」
観測局の局員が、男に駆け寄る。
脈があることを確認すると、担ぎ上げた。
「体に外傷は無し……。
爆発音はなんだったんだ?」
そういうと、観測局の車に駆けて行った。
>>311
「……君は能力者かい?
協力ありがとう。
後は私達が処理するよ」
観測局の一人が、話しかけてきた。
一応帰ってもいいのだろう。
>>312
「ご協力、誠に有難うございました!」
観測局員が、去る白い女に頭を下げた。
- 315 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/09/23(木) 03:02:36 ID:WVrfsEdY0
- >>312
「あうあう〜
さよならなの〜!」
【そう言って大きく手を振り見送った】
>>313
「あう〜…いっちゃったの・・
だいじょぶかなの…」
【不安げに運ばれる姿を見つめていた】
>>314
「えっと…うん、のーりょくしゃなの!
こちらこそなの…あとはまかせるねなの!」
【軽く頭を下げる】
「さよならなの〜!」
【ディスは大きく手を振り、帰っていった】
- 316 :黒い男:2010/09/27(月) 23:07:11 ID:wMyJxSMQ0
- /ここ借りますね。
- 317 :黒い男:2010/09/27(月) 23:09:35 ID:wMyJxSMQ0
- /補足:日常αの>>505参照ー
- 318 :ティファニア・ハートランド:2010/09/27(月) 23:12:54 ID:SSMHlh/20
- >>316
壁|ω・)
- 319 :黒い男:2010/09/27(月) 23:15:12 ID:wMyJxSMQ0
- >>318
/カモンッ。
- 320 :ラウル・ゲレロ:2010/09/27(月) 23:35:56 ID:SSMHlh/20
- 日常α>>505
――キ廚й0ttョオ」さんがログインしました。
新しい人物が近くにログインしたらしいが
名前の部分が不明瞭で聞き取れない。
「……どうやら機械ですら俺の名前がわからんらしい。
まったく、傑作だ。トム・ソーヤーとでも名乗れということか。」
ログインした男は、見上げるような巨漢。
トレンチコートの上からでも分かるほど鍛え上げられた太い二の腕が目を引く。
男はなにやらぼやきながら周囲を見回しているが……。
- 321 :黒い男:2010/09/27(月) 23:41:22 ID:wMyJxSMQ0
- >>320
「おい、そこのトム・ソーヤさんとやら」
背後から不意に響く静かな、且つやや失礼な言葉。
音もなく接近していた男は平然と言葉を続ける。
「ちょいと……暇潰しの御相手を願えませんかね?」
闇の中で男の顔が大きく歪んだ。
- 322 :ラウル・ゲレロ:2010/09/27(月) 23:54:14 ID:SSMHlh/20
- >>321
「ん、俺かい?」
くるり、と振り向いて黒い男を見つめる。
男はとくに得物などを持っている様子はない。
「暇つぶし、ねぇ。
つまりあんたは、腕試しがしたいんだろう?
この俺を手ごろな『相手としてみたわけだ。』」
(金にもならん戦いは好かんが……まぁ、体を動かせば気もまぎれるか。)
ラウルはこの都市に居ついてからその巨体を生かし
安酒場の用心棒などをして生計を立てていた。
「いいだろう、お相手させていただこう。」
自分の記憶をとりもどす糸口をまったくつかめず
途方にくれていたラウルは気分転換に、と黒い男の申し出を受ける事にした。
(ま、適当にやって切り上げればいいだろう……。)
- 323 :黒い男:2010/09/28(火) 00:03:37 ID:wMyJxSMQ0
- >>322
「ん、その通りだ」
相手は見上げる程の大男。
肉弾での勝ち目は無いと見て良いだろう。
「……感謝する」
しかし男は返事を言い終わるか言い終わらないかの内に地面を蹴り、相手へと肉薄する。
「らァッ!」
そして懐に潜り込み、相手の鳩尾を標的に左の拳を放った。
- 324 :ラウル・ゲレロ:2010/09/28(火) 00:15:19 ID:SSMHlh/20
- >>323
ラウルは用心棒としての場数もある程度あったが、
なぜかこ、ういった荒事には体が自然に反応しているように思えて仕方が無かった。
黒い男の拳を斜に構えてかわすと、
そのまま脇固めを試みた。
腕を取り、相手の腕を捻りあげながら
自分の体を落とすことによって相手を固める技だが果たして……。
- 325 :黒い男:2010/09/28(火) 00:23:09 ID:wMyJxSMQ0
- >>324
男には相手がこれから何をするのか、『頭では』全く分かっていなかった。
しかし体は知っていた。
何が来るのか。
どうすればそれを回避できるのか、を。
男の体は反射的に手を引き戻す。
そして同時に左脚を踏み込み、半ば無意識的に鋼の右腕を以てして正拳突きを打ち出す。
男は自分の体が何故此処までの動きを、いわば『戦い慣れ』ているのか、分からなかった。
- 326 :ラウル・ゲレロ:2010/09/28(火) 00:40:15 ID:SSMHlh/20
- >>325
掴まれそうになったので手を引き戻す、
至極まっとうな判断ではあるが、それによってわずかではあるが
ロスタイムが生じる。
攻撃に『対応』しているだけであったラウルは
その正拳をある程度、余裕を持って迎えることができた。
右の拳を掌で受け、防御。
今度はそのまま掴んで、力まかせに投げようと試みる。
- 327 :黒い男:2010/09/28(火) 00:50:55 ID:wMyJxSMQ0
- >>326
右腕を掴まれた瞬間、男の口に僅かな笑みが浮かぶ。
両脚を大地に垂直に立て、腰を、腕を、肩を、全身を回す。
真っ向から力で反発し、逆に相手を投げようとしているように見える。
無謀な挑戦。それは誰の目にも明らかだ。
しかし男には秘策があった。
「……おらッ!」
力がぶつかり合う瞬間、男は能力を行使。
相手に掛かる重力を全て近くに転がっていたベンチへと移動させる。
これにより相手を無重力状態とし、そのまま投げ飛ばさんと全身に力を込めた。
- 328 :ラウル・ゲレロ:2010/09/28(火) 01:00:02 ID:SSMHlh/20
- >>327
「……ッッ!」
奇妙な感覚と共に、体がふわりと浮く。
ひっぱられる感覚と共に、体が真横へととんだ。
「グッ!」
(チッ、異能者か……やっかいだな。
だがビームを出すだとか、そういった派手な能力ではなさそうだ。)
どう、とラウルの体が地面に叩きつけられたが
そのまま、受身を取って立ち上がり。
「何かは分からんが、手品が使えるらしいな。」
ラウルはにやりと笑う。
// 歯が痛いので今日はそろそろ切り上げてもいいでしょうか……。
- 329 :黒い男:2010/09/28(火) 01:06:47 ID:wMyJxSMQ0
- >>328
/オッケーです。自分も眠気がマッハで文章がめちゃくちゃ……。
問いに対して、無言の肯定。
そしてそのまま相手へともう一度接近しようとした。
が。
「……ぐッ!?また、かよ……ッ!」
「ッ!…………」
突然頭を押さえて苦しみ出し、地に倒れ臥す。
そのまま、男の意識は深い闇に沈んでいった……。
【 イェルサ 様がログアウトしました。】
- 330 :馬霧 真琴:2010/10/05(火) 18:08:39 ID:SrJDr6dQ0
- 【箱庭】
今、彼女には仕事が無い。
彼女の場合、仕事は少々“特殊”な部類に含まれる為、仕事が無い日の方が多い。
学生なら勉学に部活と、様々な活動をするが、彼女は学生でもない。
睡眠の後、持て余す時間をどのように使うかといえば、自らの身体を鍛えること程度しかない。
「…、…、…、…、…、…、…、…、…、」
上下お揃いのジャージに運動靴。
首にタオルを巻き、走る。
そう、彼女には仕事が無い。
だからこそ、何時仕事の依頼が来ても良いようにと、体を動かすことに主眼を置くことにしている。
市街地をランニングする様は、少々浮いていて…。
- 331 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/10/05(火) 18:34:29 ID:WVrfsEdY0
- >>330
【箱庭内部】
「…あう〜。ここのとっくんはやっぱりいいなの…」
【手に持った刀を見つめながら一人の少女が呟いている】
- 332 :馬霧 真琴:2010/10/05(火) 18:56:48 ID:SrJDr6dQ0
- >>331
幼女の隣を駆けていく人影。
その人影はディスの横を駆けて数メートル先で止まった。
止まったと言っても足は交互に動いている。
「あんた、、また、、、、、?」
息を整えることなく、途切れ途切れに話す。
- 333 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/10/05(火) 19:00:12 ID:WVrfsEdY0
- >>332
「あうあう?こんばんわなの〜」
【ふと振り返って頭を下げた】
「うん、たまにここでとっくんするなの〜
ここだとけがしてもへーきだからなの!」
【刀をしまいながら言う】
- 334 :馬霧 真琴:2010/10/05(火) 19:19:20 ID:SrJDr6dQ0
- >>333
「あっ……こんばんわ…。」
遅れてあいさつをする。
「うん、それは分かるんやけど…。あんたみたいな小さい子がそんな大きなモノ(刀)持ってるんみたら……」
足の動きを止めて両足で地面の上に立つ。
「危ないやん…。」
- 335 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/10/05(火) 19:23:35 ID:WVrfsEdY0
- >>334
「あう、あぶなかったかなの…」
【少し困った顔で言う】
「けんのつかいかたはいろんなひとにおしえてもらってるけどなの…
やっぱりまだひとりでつかうのははやいかなの」
【頭をぽりぽり掻きながら言った】
- 336 :馬霧 真琴:2010/10/05(火) 19:31:33 ID:SrJDr6dQ0
- >>335
「教えてもらってるっていっても…。」
顎に指先を当てて答える。
「余計なお世話かもしれんけどな…、それは扱い方間違えれば自分が大怪我するシロモノなんや。」
額から溢れる粒の汗をタオルで拭い。
「練習するんは勝手やけど、本物(真剣)はマズくない…?」
- 337 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/10/05(火) 19:34:12 ID:WVrfsEdY0
- >>336
「あうあう、だいじょぶなの!
これでけがしたことはいちどもないからなの!」
【得意げに言う包帯少女】
「それに、ここでのとっくんならだいじょぶだからなの〜」
- 338 :馬霧 真琴:2010/10/05(火) 19:44:16 ID:SrJDr6dQ0
- >>337
「…?ちょっと待って…。」
今この幼女は何と言った?
“ここでの特訓なら大丈夫”?
何が大丈夫なんだろうか。
「どういうこと…?」
- 339 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/10/05(火) 19:47:00 ID:WVrfsEdY0
- >>338
「あうあう、ここってはこにわ?だよねなの?」
【辺りを見回しながら言う】
「ここではけがしてもおそとにでたらへーきなんだとおもうけどなの…
どこかからはいらなかったかなの?」
【不思議そうな顔で言う】
- 340 :馬霧 真琴:2010/10/05(火) 19:53:17 ID:SrJDr6dQ0
- >>339
「ケガをしても外に出れば平気…?」
なん…だと…!
「マップガイド見て来たんやけど、そんなん初耳やで…。いや…ウチが見逃してた可能性の方が高いな……。」
顎に手を当てたと思えば、ブツブツとつぶやき始める。
「じゃあさ…。ここ…箱庭…やっけ?森とかも行くん可能なんかな…?」
- 341 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/10/05(火) 19:56:41 ID:WVrfsEdY0
- >>340
「あう〜、『でぃす』はほかのひとにきいたからしってたんだけどなの…」
【少し頭をぽりぽり掻く】
「あう、いけるとおもうよなの〜。
おもったらかわるんじゃないかなの?」
【どこか自信なさそうに言う】
- 342 :馬霧 真琴:2010/10/05(火) 20:02:08 ID:SrJDr6dQ0
- >>341
「マジで…?」
思ったら変わる?
やったら…
今度神州さん家の社さんと来てみるか、とつぶやき。
「へぇ…誰から聞いたん…?」
怖いので実際には試さないヘタレである。
- 343 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/10/05(火) 20:04:16 ID:WVrfsEdY0
- >>342
「あうあう〜…
たしか…『さゆり』にきいたの…」
【ちょっと頭をうつむかせて言う】
「ほかにもともだちいるなの〜?」
【顔をあげて嬉しそうに言う】
- 344 :馬霧 真琴:2010/10/05(火) 20:15:14 ID:SrJDr6dQ0
- >>343
「さゆり…?誰それ…。」
黒沢小百合。
千夜の社長秘書兼都市警備部門主任であり、非常に優秀な人物である。
だが、会ったことが無い人物を知っているなど、ここの主要部に関する情報を持っていないのも事実である。
「…ギクッ…。」
友達。
……聞くな。
「ウチ、最近此処に来たばっかりやから友達おらんのよ…。」
ニート予備軍でもある。
- 345 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/10/05(火) 20:18:42 ID:WVrfsEdY0
- >>344
「あうあう〜…ともだちなんだけどなの…
なんだかさいきんつめたいからあんまりあってないなの・・・」
【少しさみしげに言う】
「あう〜。それなら『でぃす』おともだちさいしょになるなの!」
【そう言って人差し指を立てた】
- 346 :馬霧 真琴:2010/10/05(火) 20:24:25 ID:SrJDr6dQ0
- >>345
「ん〜…あんたとその“さゆり”って人がどういう関係か知らんけど…それ、キツイな…。」
何度か瞬きをして、差し出されたディスの人差し指を見つめる。
「くぁえdrftgyふじこlp;@w」
あ、固まった。
- 347 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/10/05(火) 20:27:45 ID:WVrfsEdY0
- >>346
「うん…いつかなかなおりしたいなっておもってるんだけどなの・・・
あう?」
【急に固まってしまった真琴の顔をうかがう】
「…?どうしたの?」
【不思議そうな顔で覗き込んでいる】
- 348 :馬霧 真琴:2010/10/05(火) 20:38:11 ID:SrJDr6dQ0
- >>347
返事が無い。
ただの屍のようだ。
…ではなく……。
「……いや、何もないで…?」
ズズズ、と足を擦りながら後ろに下がる体。
だが両手の掌はディスの前でストップを掛けるようにしている。
友達、友達、友達、、、、
表情は苦笑を浮かべながらも、ディスにストップをかけている。
正直に言えばこの子の好意は素直に嬉しい。
- 349 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/10/05(火) 20:40:09 ID:WVrfsEdY0
- >>348
「あう〜…」
【少し不安そうな顔で言う】
「……もしかして…やだったかなの?」
【ちょっと悲しそうだ】
- 350 :馬霧 真琴:2010/10/05(火) 20:45:33 ID:SrJDr6dQ0
- >>349
「いや、そんなことは無いで…。アンタの気持ちは嬉しいんやけど、ウチがちょっとワケアリでなぁ…。」
この子の気持ちが嬉しいのは事実。
「理由を話すには飴が1000個あっても語り終えられんからな、そこは勘弁してな…。」
メガネをくいっと。
ちょっとズレていたらしい。
- 351 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/10/05(火) 20:49:06 ID:WVrfsEdY0
- >>350
「あう〜…えっと…
いえないことがあるなら、きかないなの」
【ちょっと俯き加減で言う】
「じゃあきもちはともだちでいーかなの?」
【ちょっと首をかしげて返した】
- 352 :馬霧 真琴:2010/10/05(火) 20:58:28 ID:SrJDr6dQ0
- >>351
「ああ…ありがとうな。助かるわ、そういうの…。」
真琴は深呼吸を二度繰り返し、姿勢を正す。
メガネのレンズ越しに見つめるその瞳は、しっかりとディスを視界に収めている。
「あ〜…こういうの緊張するわ…。ウチは馬霧 真琴(うまきり まこと)…。よろしく…(キリッ」
駄目だこいつ
- 353 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/10/05(火) 21:02:23 ID:WVrfsEdY0
- >>352
「あうあう、どういたしましてなの!」
【微笑みながら頭を下げる】
「『まこと』なの!うん!よろしくなの!
あう、こっちのなまえは『でぃす』なの〜」
【嬉しそうに自分を指差した】
- 354 :馬霧 真琴:2010/10/05(火) 21:13:50 ID:SrJDr6dQ0
- >>353
「ディスか…。ディス、ディス、ディス…うん、(多分)覚えたで…。」
珍しく笑みを浮かべた。
「まぁ…練習するんは良い心がけやと思うけど、次は師匠と一緒に練習するんやで…?」
ディスをしっかりと視界に入れて、キリッは抜いて。
「こんな格好やし、汗かいたからウチそろそろ帰るな…。」
すると、ディスに小さく手を振ると、どこかに歩いていく。
ま、迷子になるでしょうね(笑)
- 355 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/10/05(火) 21:16:51 ID:WVrfsEdY0
- >>354
「あうあう、ありがとなの」
【どこか嬉しそうに言う】
「うん!つぎからはいっしょにやるなの!
またあおうねなの〜!」
【微笑みながら手を振って見送った】
「あう〜、『でぃす』もかえろうかなの…」
【そう言ってディスもどこかへ歩き出す】
- 356 :------:2010/10/06(水) 22:32:09 ID:k6nVC4j20
- 【イデアの箱庭:街フィールド】
ビルが立ち並ぶその仮想空間に、それは居た。
名前を検索しても決して引っかからない、黒い影。
その情報は箱庭には全く無く、一つ言えるのはそれは箱庭に存在しないモノだということ。
おぼろげながら人の形をしたその影は、夜の街の路上に腰を下ろして敷物を道路に敷いていた。
何か売っているのだろうか、全てが虚構の、こんな場所で。
- 357 :酒呑屋 虎姫:2010/10/15(金) 21:51:40 ID:q7kOoWuk0
- ……
【星明りが眩しい公園に一つ、ベンチの上に小さな点】
【暗闇の中で星明りを含み、ゆらゆら立ち上る煙。タバコだ】
【ほっぺたを押し潰したいのかと思うくらい膝頭に肘ついた腕に体重をかけて】
【手に持った白いタバコを吸うでもなくじーーーーーっと見つめている】
【腕を縮め、フィルタに口をつけた】
すー……
かッ! ペッペッ、やっぱダメっ。
【思い切り顔をしかめてタバコを地面に吐き捨てる。何がしたかったんだ】
- 358 :黒沢小百合:2010/10/25(月) 20:39:54 ID:SSMHlh/20
- 【イデアの箱庭・高原フィールド】
――ドッ
突如地面が眩い爆炎と共に吹き飛び、
『ブラウン・ベス』フリントロック式マスケット銃から吐き出された
弾丸が降り注ぐ。
ナポレオンの大陸軍をワーテルローで破った
英国の精鋭擲弾兵部隊、通称『グレナガディアーズ』は
高原に無数に配置された武装した兵士の姿を模した木製の標的を
次々に殲滅、撃破していく。
「…………この規模の敵部隊殲滅までにおよそ72分。
事前に計算した殲滅予想時間を23分超過……ですか。」
(ダメ……どうしてもうまくいかない……。
何故、『スタンド』が思い通りにうまく動かせないの……。)
傍から見ていれば、どの兵士も士気旺盛に見え、
非常に高い練度を保っているように見える。
しかし、彼女は己の『不調』を感じ取っていた。
己の『スタンド』をいつものようにうまく動かせない……。
その不安感は、まるでレンガに植物がゆっくりと侵食し、
根を張り巡らせて行く過程のように、じわじわと小百合の心を蝕んでいた。
- 359 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/11/03(水) 23:33:17 ID:bw8uxc4Q0
- 【海岸】
左手にピル○ル、右手に釣竿。
ぷかぷかとパイポを口で揺らしながら、彼女は視線を空に向ける。
「んー…………釣れんなあ…………。網で魚捕まえた方が早いかもしれん…………」
白い溜め息を一つ。
貧乏ゆすりをしながらその女性は、目を閉じる。
- 360 :鉄鎧を着込んだ竜人:2010/11/03(水) 23:40:17 ID:7W2gVuqE0
- >>359
「ふむ……釣り、か」
後方より、粗野な雰囲気の男性の声。
「こんな夜に……?」
と、自問し、ああ釣るものによってはそういう事もあるか、と自答。
「━━━━釣れているか?」
釣人への定型句として。
声の主は、そう訪ねる。
- 361 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/11/03(水) 23:55:47 ID:bw8uxc4Q0
- >>360
「まあぼちぼちやね。
たまに小物が食いつくくらいやから……釣れてる、とはよう言わへんわ」
軽く笑い、振り返って彼女は言う。
傍に竿を置いて立ち上がった。
「自分こそこんな時間にこんなとこにくるなんて、どうしたんや?」
暇だったのかもしれない。
その女性は、饒舌だった。
- 362 :竜人インザ鎧:2010/11/04(木) 00:03:54 ID:7W2gVuqE0
- >>361
「ただの夜の散歩、さ。こんな時間だ。暇なものでな」
そう応えた男━━━━竜人は、いかにも妙で。
(竜人種にそのような風習があるのならばともかく)鉄鎧姿でこのようなところにいることも、
夜闇で目視は難しいが、鎧に僅かに付着している『赤黒い血痕』も。
竿を置いた時に僅かに身構えたことを除けば、基本的に不動。
口数も少ないその様子は、饒舌な彼女との対比で余計に際だって感じらられた。
- 363 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/11/04(木) 00:14:53 ID:bw8uxc4Q0
- >>362
「暇なら寝たらええやん。もう日、跨いだで?」
くぁ、と欠伸を洩らしながら背を反らした。
割と長い時間同じ姿勢でいたから、背骨が鳴る。
「――――ところでな、おっちゃん。漫才は好きか?」
目尻に浮かんだ涙を袖で拭きつつ、もう一度湧き出る欠伸を噛み殺した。
左右で異色の瞳が血痕を捉える。
不審やな、と思い、しかし首を突っ込むのは返事の後、と割り切った。
- 364 :竜人鎧男:2010/11/04(木) 00:30:47 ID:7W2gVuqE0
- >>363
「夜風も良かろう。都合上、朝は遅いものでね」
背を反らす千年の様子を目で追いながら。
……切れ長の眼は、夜闇でも赤く目立つ。
「漫才か。好んで見る事も無いが、嫌いという事もないな。
随分と唐突だが……漫才でもやっているのか?」
質問の意味を計り兼ねているのか、やや間をおいて。
血痕へと移る視線を追い、僅かに堅くなった声で、応える。
- 365 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/11/04(木) 00:39:48 ID:bw8uxc4Q0
- >>364
「んー…………ま、海沿いで浴びる風って独特やし、わかるわ。
ぶっちゃけ私も釣りそんな好きやないし、そんな感じの理由でここ来たしな」
アキレス腱を伸ばしながら、胸の前で腕をクロスさせる。
次に、上に向かってぐ、と腕を伸ばした。
そして下に向かい、下ろす。掌を床に届かせるほど腰を折った。
「漫才って呼べるようなもんはやってへんよ。
どっちかって言うと私突っ込みやし、ボケがおらんかったらなんもでけへん。
…………ボケるの好きやけどね」
体を起こして竜人さんに瞳を向けた。
「さってさてさて。
嫌いやない、って?んじゃ一つ、」
特に、血痕を。
朱鷺色に金色、二色の瞳で以って睨む。
――――どうせ物取りかなんかやろ。若しくは正義な組織と敵対するなんかや。
だって、
――――……悪人顔やしな……ッ!
「付き合ってもらおか?」
次の瞬間、彼女は右手にハリセンを握った。
- 366 :竜人の男:2010/11/04(木) 00:55:29 ID:7W2gVuqE0
- >>365
「ふむ、違ったか」
応えた後。その睨視を受け、半身に構える。
「それは構わんが━━━━」
思うところがあるのか、一瞬言い淀むが。
「━━━━ただの漫才では、ないのだろう?」
構えは半身。千歳へと右半身を向け、両腕は降ろして。
小さく口元を歪め、ハリセンを握る千歳へと相対する。
- 367 : ◆u2YjtUz8MU:2010/11/04(木) 01:09:24 ID:7W2gVuqE0
- // ちとせ で一発変換で出ると信じて名前のところ確認してなかた
// 名前ミスすみませんorz吊吊吊
- 368 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/11/04(木) 01:12:48 ID:bw8uxc4Q0
- >>366
「漫才と言うよかコントやな、コント。台本ないけど。
――――即興や。即興。ノリと勢いがあれば、どんな会話でも爆笑を作れんねんで?」
ハリセンを振り上げた。
「ほな始めんで。只今を以って〝開幕〟や」
声は静かに、鍵語を奏でる。
ブザーが鳴った。
どこからと特定するには少し難しい、空間から響くように、耳障りなブザー音がこの場に響く。
同時、
「いまや!必殺先手必勝、届け私のこの思い!!」
ハリセンを握る手に力を込め、
「星屑ハリセンバスター!!!!!!!」
ハリセンを投げつけた。
中:すいません……寝落ちするかもしれんので、明日とかに持ち越してもよかですか?
- 369 :竜人の男:2010/11/04(木) 01:15:32 ID:7W2gVuqE0
- >>368
// 取り敢えず中の人※のみ先に返信。
// 開始時間的に予想は出来ていた事。
// 故に当然無問題。のんびりいきませう
- 370 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/11/04(木) 01:17:44 ID:bw8uxc4Q0
- 中:うい、ありがとー!
んじゃとりあえず、今日のところは寝ますねー。ありがとうございます。おやすみなさいー!
- 371 :竜人の男 ◆lIzmaNandU:2010/11/04(木) 02:22:04 ID:7W2gVuqE0
- >>368
開幕。
漫才か、戦いか、コントか。
いずれにせよ、台本など無い、結末など定まらないそれは 向かい合う両者が紡ぐ即興劇。
「――――ッ」
防御、否。
近接して切り結んでいるわけでもなく、組み合っているわけでもなく。
目視不能な魔術を受けているわけでもなく、銃弾ほどの高速で飛来するわけでもなく。
ならば、投擲が行われ得る程度の距離があれば、相応の動体視力、反射神経と身体能力が揃っていれば回避は可能だ。
『横方向』への跳躍。
真っ直ぐ半身で構えたその姿勢からは行い難い筈のその行動を、僅かに重心を揺らすことで無理矢理行う。
人型であっても、その脚力は竜種と等しい。
身体の大きさから総合的な筋力は竜には遠く及ばないが、それでも文字通りの『人外』の領域でありこの程度の無理ならば力を以て押し通す。
「ハリセンは投擲具、か。突っ込みであるのなら、普通に叩くのではないのか」
着地し再び体勢を戻すと、懐より小さなナイフを取り出す。
「さて。
俺はハリセンも何も持ってないし、笑いを作る事は難しいかもしれないが……」
先程の千年の発言を受けて、軽くそう述べ――――
「――――故に、今持っているこの勢いを以て応えよう!」
投擲には投擲を、と。
抜かれたナイフは、そのまま剛力を以て真っ直ぐ投げられ千年へと飛来する!
- 372 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/11/05(金) 00:20:33 ID:bw8uxc4Q0
- >>371
そのハリセンは空気の抵抗をもろに受け、
竜人さんのいたところに届く頃には勢いを失っていた。
けれど彼女は自信満々に笑い、答える。
「ハリセンが突っ込みの道具や思たら間違いや。
今時の流行りはボケ突っ込み言う、突っ込みがボケっちゅう変なもんやで。
性に合わんしようわからんけどな」
とん、とん、と二、三度、靴のズレを正すように爪先で路面を小突いた。
目を伏せ、姿勢を落とす。
「笑いなんてもん、ノリでどうとでもなるわ。道具なんかいらへん。
ノリが悪けりゃなっかなか生まれんイケズな奴でもあるけどな!」
迫るナイフの勢いは、彼女からすれば〝遅い〟。
ハリセンを投げてフリーとなった右手がナイフに向かい、
「忍びに対して飛び道具とか、自分ええ度胸してるなあ……ッ」
聞こえない程度の声量で嘯き、掴み、握り、隠す。
袖の中へと仕舞い、傍目からは消えたように見える手品を見せ付けた。
動体視力が優れているなら、簡単に見破れるけれど。
そして、返す手で投げ返すものは、
「お返し、」
開封され、白が靡くティッシュ箱。
全力投魂、箱が、四角形が、直方体が、人類の叡智が、投げつけられる。
「や!!!」
数は十。狙いはおざなり。
同時に、ティッシュ箱に隠れるようにして竜人さんに向かい駆け出した。
- 373 :竜人の男 ◆lIzmaNandU:2010/11/05(金) 01:44:54 ID:7W2gVuqE0
- >>372
「ふむ。
ノリと勢い。それを以て対すれば良いという事ならば……
"突っ込み"相手に慣れない俺でどこまで足り得るかは分からないが、一応は問題無いか」
千年の言葉に対し、軽く応える。
構わない、と言った手前。
まともに付き合えもしないというのは不味いからな と、小さく付け足すと。
「……忍、か。なるほど確かに、暗器の類は専門だろう。
だが、初撃の一撃は当たれば僥倖、効かないのならばそれも良し」
一瞬、鋭くなる眼光。
吊り上げるように歪められた口元は、恐らく人間であったならばただの笑みとしか見られない程度のものだが。
しかし、覗く牙、鱗の歪み。それらは、まさに獲物を喰らわんとする獣を彷彿とさせるもので。
獰猛な気配を感じさせる様相を以て、千年の前で消える――――隠されたナイフを見。
「だが、忍が飛び道具を得意とするのなら……」
――――その身を、力が駆け巡る。
竜種の、竜種としての、竜種であるが故の力。
其処に起こるは、純然たる理を越えた、非理にある現象。
古より語られる竜族の力、特殊な性質を持った息吹<ブレス>。
「この息吹が、こちらの得意とするものだ――――ッ!!」
飛び道具に対し、飛び道具で返し。
次いで、障壁を以ての疾駆を行うならば、それごと迎え撃とうと……不意に口を広げた。
迫るティッシュ箱に対し開かれた口腔内に灯った小さな火花は、数瞬の間の後爆発的に広がり出し、ついには溢れ出す。
放射状に進むその炎熱は、ティッシュ箱へと触れる頃には1m程に、千年へと触れる頃には人間大の壁となる程に広がり。
返り討ち焼かんと、ティッシュ箱へ……そして、その先にいる、駆ける千年へと。向かい、放たれた――――!!
- 374 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/11/06(土) 00:06:34 ID:bw8uxc4Q0
- >>373
ティッシュ箱の端に火が灯り、煙が上がる。
ドラゴンブレス
――――〝竜の吐息〟…………ッ!!!
計算は外れた、しかし問題ないと彼女は判断した。
手で顔を、直接ブレスに触れるのを防ぐために庇う。
ティッシュ群がブレスに包まれ、簡単に燃えた。
「ちゃうなあ、忍びが得意なんは飛び道具やない、」
そして、煙が溢れる。
辺りを覆いつくさん、と一つのティッシュ箱につき、〝五メートル四方の部屋を真白に染め上げる量〟の煙が瞬間的に放たれた。
「――――『暗器』や」
さて、
――――互いの距離は幾らだったか、ブレスとの距離は、風向きは、
後何秒で煙が晴れるか、次に相手はどうするか、考えよか。
- 375 :竜人の男 ◆lIzmaNandU:2010/11/06(土) 01:12:18 ID:7W2gVuqE0
- >>374
「これは……ッ」
紙が燃えれば、そして燃え尽きれば。煙が上がるのは道理ではあるが。
この量の煙が、さらに瞬間的に広がるなど と、思考を巡らせる。
「なるほど 暗器を用いる、か」
この竜人も、先程放ったようなブレスの類が効かない相手の為に中距離〜遠距離用の戦術として多少の暗器を使うが、
あくまでそれは補助的なものであり、その技術も、用意している種の数も本職には遠く及ばない。
(煙が出た時点では、駆けてはいたがまだ俺との距離は多少はあった……が、今は見えんな)
人と比べれば非常に優れた視覚や嗅覚を有していても、犬やその他感覚器官が特化して進化した動物には遙かに及ばず。
故に、煙の前には何も見えず、相応の距離がある以上嗅覚を頼る事も出来ず、相手の大きな動きもなければ音も聞こえない。
「……暗器には暗器を、と同種で返しても意味は無かろう」
目の前に広がる煙の先の見えない相手に、そう軽く言うと。
「端から薙いでも良いが、ここは……」
この短時間。
忍が無策という事は無かろうが、致死級の罠は無かろう ――――ならば、後退は不要。
竜人の思考が導き出した結論。それは、あくまで真っ直ぐ……
「――――進もうッ!!!」
先程千年が駆けてきた方向にぶつかるように、右腕は肘鉄を構え真っ直ぐ跳躍する。
瞬間的なものであるその跳躍は、爆発的な速度で――――ただ、突き進む。
- 376 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/11/07(日) 21:05:58 ID:bw8uxc4Q0
- >>375
進む先、竜人さんの視線の先から二条、煙を裂いて光が飛んだ。
光線だけれど、一般に言われるような〝光線<ビーム>〟ではなく、ただの光の筋。
触れたところで痛みも熱もなく、辺りを照らすだけのもの。
それが、千年のいたところから、伸びてきた。
二秒。
次いで音が訪れる。
パパー、と汽笛のようなクラクションが鳴らされた。
「はい!!まさかのトラックが――――」
煙を掻き分け、突撃してくる。
フロント部分で異様に目の大きな女性―――何かのアニメのヒロインと思しき絵―――が笑い、
側面部では、セーラーブレザースク水ナースメイド魔女っ子ハロウィン衣装スーツ執事ふわふわけも耳etc、
数々の衣装を着こなしたその女性――――〝返送探偵、瞳。『お便り、お返ししまーすっ☆』〟――――がポーズを決めるトラックが、やってきた。
「――――ドーン!!!」
- 377 :竜人の男 ◆lIzmaNandU:2010/11/07(日) 22:02:13 ID:7W2gVuqE0
- >>376
「車……トラック、かッ!」
光の間隔、そして次いで訪れた音。
認識の元となるものがあれば、行動は早い――――が、進行は止めない。
人の攻撃と異なり、車の進行はあくまで単純。ならば、勢いを十分に付けた今ならば……
「――――ッ!」
……急停止。
走ってきた勢いを、そのまま上へ。地を蹴り跳ぶ力へ。
爪は大地を捕らえ、大柄な人間程度の竜人の体躯を宙へと飛ばす。
「痛"トラック"は、初見だな……!」
トラックの高度を超え、しかし自身の加速を殺してしまっていた為飛び越しきれず。
数歩、トラックの上を倒れるように前のめりになりながら駆け、そのままトラックの過ぎた、煙の無い後方へと着地する。
持ち前の脚力のお陰か、不安定な着地ながらも即座に体勢を立て直す、が。
トラックの回避の際に千年を完全に見失った以上、攻撃に移る事は出来ない。
先制攻撃の利は今、千年にある。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
さて。
残存しやすい特殊な措置が取られていればともかく、そうでなければ……
――――もうすぐ、煙が晴れる頃だ。
- 378 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/11/07(日) 22:19:34 ID:bw8uxc4Q0
- >>377
煙が晴れる。
そして、トラックは、その側面を段々と開けていっていた。
中でつけられた大きな照明が、その光量で以って海を照らす。
そして、細い赤の光が幾条も燈った。
辺りに伸び、景色を作り、一つの作品を、絵を、生み出す。
そして、それら一切をを遮るように、トラックの中に設置されたステージの中央で彼女は仁王立つ。
「――――」
目の前、置かれたスタンドマイクに片手を沿え、口許に寄せる。
開き、唱えた。
「一曲目、聞いてください…………!」
提げていたエレキギターを構える。
「神田川」
「あなたは、もう忘れたかしら――――」
それはもう、非道い音外れだった。
- 379 :竜人の男 ◆lIzmaNandU:2010/11/07(日) 22:50:19 ID:7W2gVuqE0
- >>378
「……………」
呆然と、開くトラック、そして作られていくステージを見る。
戦闘が始まったと思ったら、一曲始まっていた。
催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてない、もっとよく分からないカオスの片鱗。
……戦闘的な面から見れば、どう考えても隙中の隙。
だが、別に相手を捕らえようだとか、殺してしまおうだとか。そういう目的で始まった事でない以上、
別に攻撃の意志のない行動をする相手に攻撃する必要は無い と感じるのが、この竜人の性質だった。
ただ。しかし。それでも。
人で無いながらもこの街で暮らしている以上、一般的な感覚は有しているわけで――――
「……一つ、言いたいが」
体勢は、崩さず。
しかし、僅かに顔を顰め告げる。
「ステージに登るのは、もう少し練習してからの方が良いのではないか?」
――――なんというか、それでいいのか。他にないのか。
真意はよく分からないが、音外れに対する、彼なりの苦言なのかもしれない。
- 380 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/11/09(火) 22:17:20 ID:bw8uxc4Q0
- >>379
「――――、」
歌が止む。
渋々と言った表情でマイクから口を話し、金と朱鷺、二色の視線を竜人さんに向けた。
首を傾げ、再び開ける。
「――――練習せんとステージに上るアホや思われてんのか? 私」
目にほんの僅かの悲しみと、それを隠して尚余り得る怒りを乗せて睨んだ。
これが結果なのだ、と。
音外れは百も承知、自分はどれだけ練習をしてもこれ以上にはならかった、と。
弾けず、飾りと伏したギターを握る指は白く。
- 381 :竜人の男 ◆lIzmaNandU:2010/11/09(火) 23:11:17 ID:7W2gVuqE0
- >>380
「ふむ、練習はしている、その結果……か」
そう、一言言うと。
何かを思案するかのように右手を口元に当て、しばし沈黙する。
「いや、初対面である以上どのような性質なのか分からないからな。
……まぁ、そこは謝ろう。先程の迂闊な推測に基づいた失言、申し訳ない」
人よりも爬虫類――――厳密に言えば、竜――――に近いその顔からは感情は覗えない。
しかし、人間の男性と比べても大差ないその声色から感じられる感情は、確かな謝罪。
「しかし――――」
しかし。
「大衆へと聞かせるのは勧められない、な。
……だが、今は周囲に俺しかいない夜の海岸だし問題無い、か」
思った事をハッキリ言う。
それが常に良いこととは限らない事など、この竜人の外見から感じられる年齢的には当然知っていると思われるが……
それでも、そういう性格なのか 言葉は、止まらない――――
「楽才が無くとも、他の才があろうし。
それに、個人で行う分には自由だ。何も、好きな事や趣味が必ずしも得意だとは限らないだろう」
――――なんというか、それでいいのか。配慮はないのか。
真意はまさしく言葉通りなのだろう、素で言っている辺り、彼は所謂KYなのかもしれない。
- 382 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/11/10(水) 01:24:55 ID:bw8uxc4Q0
- >>381
「続いては二曲目ェー!!!!」
トラックから降りてくる。
ギターを片手に、残った手はマイクを握り、光を浴びながら彼女はやってくる。
一歩一歩をぞんざいに扱い、大股でのっしのっしと歩いて、やがて互いの距離は箒二本分まで縮んだ。
竜人さんの謝ろうに対し、欠片も反応を見せず、彼女はただ一方的に振舞う。
ギターのボディーを肩に乗せ、笑った。
マイクを突き出し、口の端を吊り上げてやはり、笑う。
「でかい口叩いたんや、なんか歌ってくれや」
- 383 :竜人の男 ◆lIzmaNandU:2010/11/10(水) 02:24:33 ID:7W2gVuqE0
- >>382
降りてくる千年に一瞬反撃の姿勢を取るが、その行動を見、困惑し。
「なんか、と言われてもな……」
この竜人は、外見通り平時に特別歌など歌う事はない。
環境の都合上、偏った音楽を聴く機会が多い程度で、自ら鑑賞する事も無い。
――――だが。
取り敢えず振られた以上、断る理由も無い。
其処に問題がない限りは、彼の思考に否定は存在しない。
言葉通り、歌わせるのが目的?ならば否定する理由はない。
歌わせて、隙を突くのが目的?……慣れぬ事に手を出す以上、
今こうして考慮していても、歌い始めてしまえば隙はある……が、それを恐れるつもりはない。
……そう、5、6秒の間思考を巡らせ。
「ならば……」
故に、歌い始める。
その歌は、全く以て平々凡々。上手くもなく下手でもない。
平時に歌う事がないことを考えると、経験相当のレベルよりは十二分に上手いといえるだろう。
――――否。
良く聞けば、感じ取れるだろう。
紡がれる音、その高低はどこかおかしい。
竜人として人より優れた耳を持つが故に、好んで聞いてはおらずともメロディを知る事が出来るが……
所詮は、一切の訓練を経ていない上に趣味の範囲の練習すらしていない以上、上手く歌えるわけがないのだ。
それなら、何故。『下手』では無く『平凡』たるのか。
歌われる旋律は、メロディとそれを紡ぐ音より成る。
この竜人が紡ぐ音は、力強く、夜の海岸によく響く。
声質は粗野だが、それは不摂生などで潰れた声ではなく、純粋にそのような声質だ。
口調とそれによる発声の流れが、『低い』声を『粗野』と印象付けている。
だが、それは形を変えれば雄々しい発声となる。
近接戦闘の経験故か、無意識に発声に際して自然たる呼吸の流れを成し、最低限の形を作っている。
聞く者の身に染みるその低音は、音楽と身に合わせ研鑽を積んだ本職とは比べるべくもない未完成なものだったが。
『素人』の域は遙かに超える音を成していた。
……………
高低はどこかずれている。
しかし、声がそれを補い、総じて聞けばそれは決して良いとは言えないまでも断じて下手とは言えないレベルで歌いこなしている。
……最も、その手の知識を一切持たないこの竜人の知るところではないが、
その理が成り立っているのは歌っているのが"熱血系ロボットアニメのテーマソング"ということが大きいだろう。
他の種類の曲だったら、力強い声、勢いの良さがそれほど重要でない曲であったら。
本来のレベル相応に下手糞で散々な結果に終わっていたことを考えると、無知なりにそれなりに聞こえる偶然を引き当てた、といったところか。
- 384 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/11/11(木) 22:28:08 ID:bw8uxc4Q0
- >>383
「ッ…………」
――――このおっさん、できる……!!
歌が、ではなく。
その生真面目さが。
突っ込むつもりだった。
照れて歌わない、声が凄く小さい、思い切り音を外す、
これらの内のどれかを踏めば、即座にハリセンで横っ面を叩くつもりだった。
しかし、竜人は渋い声を〝それ相応〟レベルの歌として見せつける。
――――突っ込めん……ッ。
無理矢理突っ込むことは出来る。
『普通やないかーい!!』
そう叫び、ハリセンで叩いたら、それで突っ込みとしては成り立つ、
しかし、
そんな、苦し紛れの突っ込みでいいのか、と。
ツッコミストとして、そんな、下らない、てきとうな突っ込みでいいのか、と。
「――――………………」
汗が頬を伝う。
気温ゆえか冷たいと感じ、でも、構わずに右手を天に突き出した。
「……、つっ……次の曲行ってみよぉー………………」
目は、アスファルトに向けられていた。
- 385 :竜人の男 ◆lIzmaNandU:2010/11/12(金) 00:24:35 ID:7W2gVuqE0
- >>384
「次の曲、か……」
言われ、しばし思案する。
先程の歌も、自身が聞いた事のある歌の中でその頻度が比較的高く記憶に残っていたものだ。
嗜まない分野故、「次」の候補自体浮かばない。……となれば、同じ方向性で行くしかない。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
突っ込みどころしかないのがボケや天然の類であるならば。
突っ込みどころが無いのが冷静沈着クールな類であるならば。
生真面目な性質の者は、その真面目さ故に向いた方向性次第で両方へ、大きく振れる。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
「(※某ラックにより歌詞は表示できません)――っ★」
――――再び歌い始めた竜人。
しかし、おかしい。
何処かが、おかしい。
……それもその筈だ。
同じ方向性……『アニメソング』の括りではあるが、"燃え"と"萌え"は違うのだ。
先程の力強い勢いのある声の合った歌から、キャライメージとの関連が重視される類の曲に移る――――それも、この竜人とは似てもにつかない類のキャラの。
相変わらず声質は良いが、それも今や異質なものとなる。
良い偶然が何度も続くことは、より良い偶然だ。
先程の偶然はあくまで偶然であり、それが続くほど特別良い偶然ではなかったらしく――――
今度の歌は、相当酷い。なんというか、ギャップが。
無駄にこの竜人の声域は広いようで、キーはオクターブ下げられているが高音低音しっかり歌えている。しかし、最早そんな事は関係なかった。
- 386 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/11/14(日) 02:01:39 ID:bw8uxc4Q0
- >>385
「……くうっ…………」
拳を強く握り締め、歯の隙間から息を洩らす。
またしても、竜人さんは彼女の目論見とズレたことをしてくれた。
歌わなければ、そう。
〝お笑い〟によく登場する〝キレキャラ〟を演じられたかもしれないのに、――――
『なんで歌わへんねん!歌えや!!なんや自分、照れとんのか?!あぁッ?!』
頭に描いていた言葉が幻響となって飛び交っていた。
――――なのに、なのに、この竜人さんは律儀にも自分の言葉に従い、歌ってくれた。
ガクリと肩を落とし、方向性から見直そうかと彼女が考え出した頃、違和感に気付く。
「…………これ、って……」
「―――ッ!!」
きた、
きた……ッ……!!!!!
恋河院の苗字に恥じぬ恋焦がれようで待ちわびた、ボケが。
千年、名に恥じぬ時を体感しながらも待ち続け、漸くボケが訪れた。
この真面目で不審な竜人さんが、初めて。初めてボケてくれた…………!!!
右足を踏み出し、アスファルトに溜まった砂利を蹴り上げて一歩。
一瞬の躍動を得て宙を行く体に、更に勢いをつけるため左足で地を蹴って、二歩。
そこから先は、単純に地を蹴ることの繰り返し。
竜人さんに向かう道中、道半ば、互いの距離は丁度一メートルくらいで右手に握るハリセンを振り上げた。
「なんで、――――」
笑みが込み上げる。
普段浮かべている口許だけのややシニカルな笑みよりも、遥かに笑顔らしい笑顔を、顔全体で現した。
口を大きく開け、腹の底から体を楽器とし、アンプともし、その幼さの残る声を張り上げる。
「――――なんで、アニソンやねぇええええええええええええええん!!!!!!!!!」
振り上げたハリセンを、振り下ろす。
単純で簡潔な、たったそれだけの行為に一体どれほどの思いが込められていたか。
肩から伝わる力を、
無駄なく肘が腕の先に伝え更に強く、
そして手首が、指が、ハリセンを包む掌が、〝スナップを利かせる〟ために連動し、ハリセンのヘッドを最高速度へ持ち上げる。
狙うは竜人さんの頭。
もっと言えば側頭部。
自身の身長では脳天にまで届かないと踏んだ上で、斜めに竜人さんの頭蓋を貫くことを決め、振り下ろす。
- 387 :竜人の男 ◆lIzmaNandU:2010/11/15(月) 21:47:20 ID:7W2gVuqE0
- >>386
スパーン、と。
ハリセンの景気の良い音が響き、そして静寂が訪れる。
クリーンヒット。
綺麗に頭に直撃したハリセンは、武器としての役割はともかく、突っ込みとしての役割を華麗に決めていた。
「……………」
真面目、その果ての天然。
ボケようと思ってボケたわけではなく、しかし。
「すまんな、歌の類はこの手のものしか分からない。
だが……上手く、繋がっていたようで何よりだ」
取り敢えず、ボケになっていたのか、と。
突っ込まれてから気が付いたのか、どことなくずれた返答を行う。
そして、数拍おいてから。
ふと、何か思うところのあったのか、返答に次いで質問する。
「しかし――――普通に漫才?になっている気がするが、大丈夫か?」
最初の暗器飛び交う流れからの転換への疑問を、吐き出した。
- 388 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/11/16(火) 22:18:54 ID:bw8uxc4Q0
- >>387
「大丈夫だ、問題ない」
咳払いを一つ。
頭に叩きつけた姿勢からハリセンを引き、その場に立った。
サイドポニーを揺らしながらもう一度息を一つ。
「まあ冗談は置いといて、なんや、自分?
こっちより殺し合いのが好みやったか?」
- 389 :竜人の男 ◆lIzmaNandU:2010/11/18(木) 01:37:57 ID:7W2gVuqE0
- >>388
「別に、好みと言う事はないさ。
ただ、最初と流れが変わっている気がして、な。大丈夫なら良いんだ」
ハリセンで叩かれたところに触れながら。
……竜人の強靱な鱗など関係無しに、そもそもハリセンなので殆ど痛みはなくとも、
叩かれたところというのは一挙動が状況を分けるような状況で無ければ気になるものだ。
「……まぁ、その目的があればともかく。
今は命を奪うのも奪われるのも理由はないし、望んではいない」
その一言に、言外に不穏な意味を感じさせながらも ここでの殺し合いには否定の意を示し。
「最も、軽く闘うことは想定していたし、最初のやりとりで確信したつもりだったが……気が付いたら歌っていた」
――――気が付いたら、とはなんだ一体。
- 390 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/11/18(木) 01:48:35 ID:bw8uxc4Q0
- >>389
「ふーん…………」
雇われ殴り竜人さんか、と彼女は考える。
――――殺し屋?
どちらかと言えば、目の前の竜人さんは喧嘩屋かもしない。
瞬技を以って敵を仕留め証拠を残さず退散する、如何にもな〝暗殺者〟イメージとこの人はかけ離れすぎている。
歌をリクエストすれば歌う、
無茶なリクエストにも答える、
「……………………」
嫌いじゃない、と。
頭を叩いた感触がまだ残る右腕を一振り。
リズムは会わないけれど、この竜人さん、嫌いじゃない、と彼女は思う。
「…………自分が付けてた血、なんやねんな」
- 391 :竜人の男 ◆lIzmaNandU:2010/11/18(木) 02:23:08 ID:7W2gVuqE0
- >>390
「む……」
唐突な発言を受けて。
注意深く見ていれば気が付くかもしれない程、ほんの一瞬の硬直の後。自分の鎧を見、そこに付着している血痕に気付く。
「残っていたか。 何、少々――……」
……と、そこまで言うと言葉を切り。
4、5秒ほど思案し 再び言葉を繋げる。
「……――仕事の依頼で、この近辺で荒事を済ませてきていてな。
仕事の内容は依頼である以上話せないが、此の血は位置からしてその際の返り血の筈だ」
位置と、黒ずみ方。色は淀んできてはいるが、まだ完全に固化はしていない以上、古いものでは無かろう、と。
- 392 :【GM】ダンジョンアタックッ!:2010/11/19(金) 21:01:21 ID:7gFzKdaU0
- 獣の森入り口――。
10cm程の妖精、ナビコが、ふよふよと辺りを飛び回っている。
どうやら、森に入る人をナビゲートする役割を持つようであった。
森には鬱蒼と木が茂っており、人を寄せ付けない雰囲気が漂っている。
時たま獣の唸り声が聞こえ、恐ろしい気配を感じさせるが、ここは初心者向けダンジョン、それほど恐ろしい所ではない。
ナビコは入り口の看板の上に座り、挑戦者を待っている。
- 393 :桐島 悠斗:2010/11/19(金) 21:09:47 ID:5yNrU12o0
- >>392
「…ふぅむ」
都市の住人に聞いてみた所、この世界に慣れたいならばダンジョンがお勧めとの事
襲われた時の護身術を身に付けるのには最適らしい
「随分と、物騒だな…」
嫌々ながらも来てみたが、やはり気は進まない
ただ、他に人がくるならばいい交流になるわけだし
とりあえず様子だけ見てみよう
「……ん?」
ふと、看板の上の妖精に気づく
小さい…不思議生物だ
「…」
じーっと見つめている
- 394 :白銀帝&シロ ◆FA/Bw.T3QU:2010/11/19(金) 21:12:00 ID:sn9myzSMO
- 「という事でダンジョンですってよシロさん」
「がう」
森の入り口に、小さな銀狼を抱えた銀髪少年が現れた。
抱えられた狼は、随分と不機嫌そうだ。
「ほらほら、先客も来てるみたいだし急がなきゃー」
「……がーう」
どうでもいいわー、とでも言いたげに小さく吠え、銀の仔狼はそっぽを向いた。
- 395 :【GM】ダンジョンアタックッ!:2010/11/19(金) 21:14:48 ID:7gFzKdaU0
- >>393,394
ゴメンナサイッ!、ここ未だ使用中だったので、イベントスレBでやりますッ!
- 396 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/11/20(土) 18:35:28 ID:bw8uxc4Q0
- >>391
「仕事の依頼、ねえ…………」
口に、不愉快を示す歪みを浮かべ、悟られまいと顎を上げて空を見た。
ハリセンの先をひょこひょこ揺らしながら、さてと思案顔を作り、月を見る。
――――戦う意志はない、か。
「…………おっちゃんかやられた側、どっちが正義やと思う?
被害者と加害者とかゆう関係じゃなくて、警察か泥棒か、て意味でな」
- 397 :竜人の男 ◆lIzmaNandU:2010/11/21(日) 18:06:33 ID:7W2gVuqE0
- >>396
「正義か悪か、は俺には何とも言えないが」
軽くそう前置いて。
「所謂警察の側か、といえば、今回は確かにそちらの方向の筈だ」
――――微妙に、ぎりぎりアウトな感じだが。あまり迷うことなく、そう答える。
明確に依頼主の素性を明かす事は無いが、そうでないならばあまり気にしない性分らしい。
「そして、その手の方向と繋がりがある以上、実状はともかく明確な泥棒やその類との関連はない。
フリーランスとして大抵の依頼を受けているとはいえ、クリーンで無くともブラックでは無いからな」
二極寄った立場に関する、この質問。
果たして、どちらかに属する者か――――と。表には出さないが、若干の警戒を込め。
- 398 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/11/21(日) 20:02:42 ID:bw8uxc4Q0
- >>397
「ふーん…………ならええわ」
たん、たんとその場で小刻みに跳ねる。
ボクサーを意識した、リズムあるそのステップに連られて、金のラインがあるサイドポニーの髪が揺れた。
にた、と笑う。
左右非対称の髪型、
紺色のジーパン、
ビビットな色彩のTシャツ、その上から羽織った同じ調子のパーカーと、マフラー。
兎に角、派手な出で立ちだった。
ぱたぱたとフード部分がステップにあわせて揺れる。
スニーカーが、アスファルトを叩き、硬質のゴムが音を鳴らしていた。
「なら、これは模擬やな。とりあえず決着つけよか」
まだ続行、――――
- 399 :竜人の男 ◆lIzmaNandU:2010/11/22(月) 18:27:41 ID:7W2gVuqE0
- >>398
「ふむ。警察関連の者か?――――まぁ、良い。
そういうことなら……」
殺し合いは好むところではない とは言っていたが、その顔に浮かぶ好戦的な笑み。
騙る必要のある場面でなかったことや、その生真面目な性質からしてその言は偽りでは無かろうが……
それは、個人的な考えや意志などの先 竜種としての本能。
「さあ――――――――
交わされた会話、寸劇 次いで、会話。
そして、再び……
始めようかッ!」
――――劇<交戦>は、続く。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
次は、こちらが先手だ――――と、言わんばかりに。
先の言葉を紡ぐと同時、早々の火炎の息吹が千年に向け迸った。
- 400 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/11/23(火) 00:45:13 ID:bw8uxc4Q0
- >>399
「警察ほど綺麗やないよ。でも、そやね。
警察より執着心はあると、」
火に飲み込まれ言葉が消えた。
迫る炎に対し、彼女が行った動作は三つ。
一つ、跳躍。前方の空中、火炎を乗り越えるために、アスファルトを蹴った。
二つ、計四本の仕込みナイフを、両手に二本ずつ握る。
三つ、忍術と呼ばれる独特の技を放つため、握ったナイフに式を打ち込んだ。
「思う、で……ッ!!!」
足、スニーカーの下を炎が奔る。
空へと身を投じ、今、自由落下に身を委ねた彼女が眼下に立つ竜人さんに瞳を向けた。
宛も走り幅跳びの選手のように両手を、羽搏くようにして後へと広げる。
背筋、腹筋、加えて腕に力を込めた。
体は撥条なのだと、意識する。
伸ばせば縮む、伸ばせば、伸ばした分だけ応えて力を放つんだ、と。
金のラインが入った髪を後へ流す女性は、空から迫っていた。
- 401 :竜人の男 ◆lIzmaNandU:2010/11/23(火) 18:33:35 ID:7W2gVuqE0
- >>400
火炎の息吹<ブレス>。
それは魔術や、果ては異能ですらない 竜種としての『身体能力』。
故に、それを放つ力さえ残っていれば乱発も可能――――だが。
「上から、か――――ッ!!」
近距離での戦闘になるのならば、それもまた良し と、右腕を肘鉄に構え突き出して千年へと跳躍する。
なにも、その力は息吹のみではない。竜の力、人型の身体 双方を活かしたものこそ、この竜人が得意とする武。
双方、落下の加速、跳躍の加速を以て同方向へと迫る以上その速度は事実上大きく上がり、刹那の間を以て衝突するだろう。
振り下ろされる力が先か、鉄製の肘当てに包まれた、文字通りの肘『鉄』が入るのが先か。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
後ろ手に構えられたナイフ、式を――詳細はこの竜人には知り得ぬ事だが――打ち込まれたそれへの対策が、一切無い事はなかろう。
しかし、人よりは幾分か重いその身体、加えて鉄鎧までも着込んだ身を相当の速度で跳躍させる脚力。
そして、肘による一撃を以て打ち砕かんとするその右腕は、確かに攻撃にのみ向けられており、千年へと迫る――――
- 402 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/11/25(木) 22:53:35 ID:bw8uxc4Q0
- >>401
「らっしゃァ!!!!」
彼女が吠え、引き絞った弓を放った。
矢は四つ。それぞれ竜人さんの右足、左足、右肩、右の二の腕を狙い、豪速で奔る。
- 403 :竜人の男 ◆lIzmaNandU:2010/11/28(日) 17:21:59 ID:sfpv2SUw0
- >>402
(四発――――ッ!)
放たれた四発。
千年の腕の動きと共に、後ろへと引かれていた左腕が煌めく。
夜の灯を反射する竜爪。半身の影に隠れていたそれが、引き絞られ、横薙ぎに振るわれる。
前の腕は初手。後腕は次手。
攻勢に出た肘鉄の構えの右腕に対し、左腕は千年の構えたナイフへの防御。
「捌き切れない、か……だがッ!!」
戦闘に於いて重要な部分たる脚部を護らんと、振るう腕の角度の修正を以て足へ放たれるナイフを弾く。
――――しかし、そうなると。
足と肩や腕との間に開く距離差。
全弾を弾く事は叶わず、残りの二本のナイフは変わらず進む。
「こちらからも……ぐっ……一発、行くぞ――――ッ!!」
大きく、ナイフを弾くほどに振るわれた左腕は、そのまま重心たる身体を中心に回転運動を生み。
身体の向きが変わった事で、肩へ放たれたナイフは腰部の鎧に当たり、二の腕に放たれたナイフは背中へと刺さる。
身体へ直撃した一発に小さく呻くも、回転が4分の3転にさしかかり、千年に背が向いた時。
肘鉄に構え曲げられていた右腕を後ろ手に伸ばし、短くも鋭く整った竜爪は揃えられ一本の剛健な槍となり。
回転の勢いを乗せ、千年の腹部へと真っ直ぐに突かれた――――
- 404 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/11/29(月) 00:09:32 ID:bw8uxc4Q0
- >>403
――――なんて、遠いのか。
感じる。思う。
戦とはこれほどに、思う儘には進まない。
ナイフでの一撃を与え、
それに対し、肘鉄の一撃を貰う。
こちらは宙に浮いている。だから、その一撃で吹き飛ぶ筈だった。
「(――――あかん、打撃やったらええけど、刺されたら内功、関係あらへん――――!!!!)」
吹き飛び、転がりながら地面を得ての再衝突。
そうなれば貰える。勝利を手に納めることが可能だった。
だのに、竜人さんはナイフを弾き致命傷を防ぎ、自身の思惑とは別の一撃を放つ。
これは今相対している敵の運なのだろう。
偶然、
奇遇、
或いはその仲間。
計算とは呼べない、安っぽい、杜撰な、てきとうな、下らない先読みだけでは答えは得られない。
――――堪らない、
手を抜けば即、致命を喰らう。
どこの世にこんな刺激的なことがあるだろうか。いや、あるまい、と彼女は思う。
全力を以って接しなければ牙を向かれる。なればこその、〝戦〟。
――――儘ならない戦が、劣勢の戦が、腹の前に危険がある戦が、堪らない
だからこそ、胸がこんなにも熱く高鳴る――――ッ!!!!
歯を強く握り、笑みを洩らす。
伴い、歯軋りの音が鳴った。
緩んだ姿勢に活を叩き込み、右足を跳ね上げる。
狙うは竜爪の先端。最も一撃の意味が重くなるだろう、先端を狙った。
しかし、踏み場がなく力の籠もらないその一撃は軽い。竜人さんの槍を蹴散らすには程遠く。
しかし、しかし、
「ラアアアアアアアアアア!!!!」
しかし、振るう。
- 405 :竜人の男 ◆lIzmaNandU:2010/11/30(火) 00:05:19 ID:wPAZMjgw0
- >>404
力も、智も。
運も、策も、才も。
全て等しく、全て内在する戦場。
その中で、今。
この瞬間の運は、千年に相対する竜人が勝った。
後の瞬間は、果たしてどうなるかは分からない。
それは、今。
この瞬間より、紡がれる。
勝敗を分ける、その一瞬が訪れるまで。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
――――故に、この竜人はその腕を伸ばす。
人間と比べ遙かに優れた力を有しているとは言っても、あくまで体型相応の限界はあり、
伸ばす腕を全力で蹴られれば、それは容易に弾かれる。 ……が。
それが力の乗っていないものならば、不動を貫く事はかろうじて出来る。
――――理由も無く命を取ること、取られることは望まない 確かにこの竜人は告げた。しかし……
(……ぐ、う――――ッ!!)
しかし、蹴られたのは先端。
正面に在るものを穿たんと迫るそれは、正面以外からの衝撃を受け、僅かに。極少しだけ、軌道を逸らす。
――――元来、人の前に立ちふさがる存在 竜。
竜人の中に流れるその血は、例え模擬的なものとはいえ『戦』を。
人との交戦を、『不要』なものとは断じない。
それは、角度にして数度……二桁にも見たぬ程度の角度だが、腹部の中央目掛け進むそれは、僅かに脇腹の方へと軌道を変え、進む。
――――意志より、心よりも奥。本能が求めるもの――――『戦闘』。
それを以て理由とし、それを以て命を賭する。
唯その内に在る、戦闘を求める竜種としての魂が。
蹴られ、逸らされながらも、その軌道を千年の身体から完全には外さずに留めていた。
- 406 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/11/30(火) 01:22:16 ID:bw8uxc4Q0
- >>405
服を、肌を、臓を、槍が貫いた。
熱い痛みが感覚神経を伝い脳に届き、何倍にも増やして体へ流す。
歯を食い縛って表情を殺し、竜人さんを睨んだ。
正確には、竜人さんの腹。
甲冑の守りがなくとも、その種族ゆえの体躯と強靭さで、軽い蹴りは恐らく届かないと思う。
けれど、今、竜人さんの顔は、互いの距離が零の今なら、簡単に狙える。
頬にナイフを滑らせれば効く。少なくともノーダメージじゃない。代わりに、零距離からの殴りを喰らってしまうだろうけど。
「(――――いや、そんなことより)」
腹に刺さった、この太い槍をどうしよう。
切り落とそうにも、太過ぎる。
引き抜こうにも、竜人さんの腕には力がありすぎる。
非力な自身の体では、抜けない。
かといって放って置けば次の瞬間に振り回され、投げられてしまう。
なら、抜こう。
案としては二つ。或いは、どっちなら可能か、という選択肢。
後に向かって進むか、自身にとっての前方へ竜人さんを吹き飛ばすか。
「(いやいや――――)」
不意に、思考に間が差した。
そも、この腹を貫く一撃を貰ったのが既に負けではないか、と、心が呟く。
忍の任務は諜報、密偵、暗殺、が殆ど。
どれも見つかった時点でアウトな職ばかりで、ましてや一撃を貰うなんて失格もの、と嘯いてしまう。
「(――――ま、それはそれ、っちゅうことで)」
けれど、すっぱりと考えを切った。反省点の多いこれまででしたと思考にピリオドを打ち込む。
間に引っ張られて期を失えば、更に自身はカスに近づく。
だから、兎に角、蹴ろう。蹴って、この場を崩す。
視界に意識を、左足を竜人さんの胴に向けて突き出した。
竜人さんの腕が、彼女の腹を突き刺している以上、互いの距離は零。
勢いはつかない、しかし、その代わり〝床<竜人さん>〟がある分、力は込められる。
体重差で、竜人さんじゃなく彼女の体が、後に向かって動いた。
- 407 :竜人の男 ◆lIzmaNandU:2010/12/01(水) 23:12:51 ID:AK7LD5Ic0
- >>406
反作用は千年の身体を後方に飛ばすが、蹴られた竜人も人型にしては鉄鎧を含め重い程度であり。
零距離、それも先程の僅かに軌道を逸らす程度のものとは違う、確りと力の込められた一撃。
体重の差もあり千年の方が大きく動いた、とはいえ。竜人の身体も相応の速度で弾かれ、地へと墜ちる。
(ぐっ――――これは)
その落下の角度は、あまりに良いとは言い難く。
背で受け身を取ろうと思考を巡らせるのも、僅か刹那 刺さったナイフが、それを不可能にしている。
……最も、ナイフが深く食い込み、肉を抉り臓を漁るのを考慮に入れなければ可能だろうが。
(危険、か。……だが、余裕は――――ないッ!!)
受け身を取り致命を負うか。受け身を取らずに大きな隙と相応の衝撃を受けるか。
判断に思考を巡らせる間も無い落下までの時の中で、無意識下で選択する。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
「が……ッ!!」
身を捻り、右肩を、次いで身体の下敷きになった右腕を強かに地へと叩きつける。
脳髄に響く激痛。
自身の体重もあってか、力の乗った蹴りにより強く弾かれた勢いを受けた落下の衝撃に耐えきれなかったようで。
強靱な肉体に身に纏った装甲もあり、滅多に感じる事の無い感覚だが、伝わる痛みからおよそ自分の受けたダメージを理解する。
背を下に落ち身を貫くか、受け身を取り肉を抉るか。
その二つと比べれば、幾分かはマシだっただろう、と ノイズ混じりの思考を巡らせ、そして"次"に意識を向ける。
――――場は、崩された。
竜人は相応のダメージを受け、横向きに倒れ伏す。
視界には千年の姿を捕らえてはいるが、まず即座には立て直せない、怪我を負った箇所を下にした体勢。
この竜人が再び行動を起こすとしても、千年が行動を起こすのならばそれよりも確実に遅れたものとなるだろう。
- 408 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/12/05(日) 18:31:26 ID:bw8uxc4Q0
- >>407
「(つっ、――――)」
鮮血が軌跡として舞い、その果に、彼女はわき腹を押さえながら地面に転がった。
ダブルアクセルを決めた後、俯せに伏す。
顔、肘、膝の肌が、服を貫いたアスファルトによって破られた。
そんなことよりも、わき腹。
穿たれ、空いた穴から血が流れる。
落下の衝撃が二倍、三倍となってそこから広がり、体を苛んだ。
「……ぐっ、いったいなあ……………………。
ほんま洒落んならんで、これ。大怪我やないですか」
――――立つ、
「自分、随分とえげつい攻撃してくれるやん。
いっつもどんなことしてるん?」
再びの問い。〝貴方は何をしているの?〟
「………………でもすぐに復帰せえへんとこ見ると、毎日毎日戦ってるっちゅう訳じゃなさそうやな」
――――為に、力を込める。けれど、体は持ち上がらず。
場は、根比べのものへと。
中:うわあああああああああ………………ごめんなさい……投下したつもりになってた……!!お待たせしました……!
- 409 :竜人の男 ◆lIzmaNandU:2010/12/08(水) 19:59:15 ID:2ebJouJw0
- >>408
しばらくの間を置いて、衝撃で揺れていた思考も動き出し。
ぐぐ、と 左腕に力を入れる。入る。
落下の際に一気に出された空気が肺に戻ったか、荒い呼吸ながらも。
「荒事――――だ、先程も言った通りな。
時折警察の類からも受けるが、それでも行っているのは同じ。
……最も、戦闘と呼べるような事は滅多にないが」
千年の問に答え始める。
そして、余り問題がなかったらしい左腕を地に突き……その力だけで、ゆっくりと身を起こす。
起こされた身体。
右腕は、余り横方向に飛ばなかった為か鱗は一切擦り切れておらず、
表面上に見える傷は、肩当てが落下の際に不味い影響でもしたか肩口から血が零れている程度。
しかし、その腕は不自然に肩から下がそのまま重力に従い地についている。原因から考えても、骨への影響だろう。
「それでも――――この身体にものを言わせるだけじゃどうしようもない場面も、
それこそ今の一撃のような事を行うこともある場面も出てくる。
荒事とは言っても半分以上は傷つけず無力化出来る程度の相手である以上、
戦いと呼べるようなのはそんな"プロ"が相手の時ぐらいだ。
自己鍛錬も含め、常日頃からこれほどの怪我はすることは無いさ」
立ち上がろうと身体をかがめ――――ようとして、身を止める。
刺さったナイフが、体内で動く それを感じての静止。
幸い、出血は多くない。
慣れない規模のダメージに動きは鈍るが、肉体的には損害を受けていない箇所に限ればまだ動く事は出来る範囲だ。
再び、少しの間を置いて。
肺に正常に空気が巡り、呼吸も整いかけ ゆっくりと、少しずつ。
「……ああ、それと。"えげつい攻撃"なのは――――
俺の武は、元来が武術と本能にある狩猟技術の混合でな。
模擬的であるとは言え、戦いは戦い……不殺を重視し無力化を狙うなんて真似はしていない以上、
重視していたのが人に対する武術より、仕留める為の方向に向いたもの、だからだろう」
そして、付け足すような えげつい攻撃と呼ばれた事への答と共に――――
竜人は、立ち上がった。
// 大丈夫だ、問題ない
// むしろ投下したつもりになってたわけじゃないのに遅れててすみませぬ
- 410 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/12/09(木) 22:43:23 ID:bw8uxc4Q0
- >>409
「ふうん…………」
短く答え、息を吐く。
火傷したような痛みを放つわき腹に、左手を当てた。
穴が開いている。
それに、流れ出る血が暖かいのも、分かる。
伴い、寒さを感じてきた。
どれだけ血を流しただろう。
身の内の二分の一、三分の一を零せば死ぬんだったか。
不味い、と思う。
さって、と言葉を落とした。
けら、へら、と笑いを浮かべ、軽い体を起こす。
先までの、立ち上がりかけの姿勢で固まっていた心はどこへ行ったろう。
「………………次の一撃や。それで決めたる。
殺しはせんけど、覚悟してな?」
腰を落とし、身を低く。
宛も撥条が縮むように、膝を曲げた。
- 411 :竜人の男 ◆lIzmaNandU:2010/12/11(土) 21:39:47 ID:POyamJ9o0
- >>410
「了解、だ」
起きた千年に対し、小さく口元を歪め――――恐らく、笑みであろう表情を浮かべる。
湧き出す昂ぶり。
種としての本能か、あるいはこの竜人の本質か。
この場に、模擬的なものではあれど命と命交わす戦場に、心の奥底がざわめく。
「だが――――甘んじて受けるつもりはない。
こちらからも……それに、答えよう」
魂は熱く、されど思考は巡り。
見る限り、自分の方がダメージとしての被害は小さい。
しかし、大量出血による影響はあれど、相手は五体満足。
攻撃力・防御力は、片腕の使えない自分よりも相手の方が優位。ならば……
「――――――――来いッ!!!!」
前に向ける右腕が壊れた以上、今までの半身の構えは解き。
左腕を腰に構え、右足を一歩前に出し。千年の出方を見、待つ――――
- 412 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/12/11(土) 23:27:35 ID:bw8uxc4Q0
- >>411
メッシュの入ったサイドポニーの先に、乾いた血が張り付いていた。
横目で確認し、一つ溜め息を吐く。
服の洗濯、怪我の手当て、家に帰るのが遅くなった言い訳含め、先を見れば道が暗い。
しかし、なら、だからこそ、今この一瞬に全力を尽くし、満足を得よう、と更に身を縮める。
分かり易い構だった。
腰を低く、低く落とし、距離をためる。
誰の眼にも、ましてや相手が戦闘を行うものなら尚更わかりやすい、〝突撃〟の構えだった。
二色の瞳が、竜人が構えるのを見届け『――――――――来いッ!!!!』の声を見据え、
そして、次の瞬間、彼女がためにためた力を放し、加速した。
真正面。
ドン、と地響きを鳴らしたその一歩で加速を終え、彼女は、速度を以って迫る。
- 413 :竜人の男 ◆lIzmaNandU:2010/12/13(月) 17:52:34 ID:PLzk3NdM0
- >>412
明確な突撃の構え。
それに対し、竜人が取るは迎撃。
攻に攻で答えるには力が足りず。
しかし、一撃を受けてから反撃をする余裕など 渾身の突撃の前には一切存在しないだろう。
――――故に、迎撃。
弾き、逸らし、そして叩き込む。
得意とする戦法の一部、相手の攻撃に対する答の部分にその力の全てを込めて。
腰に据えられた左腕の手を握り締め。
加速し、迫る千年との接触を待、構える――――!!!
- 414 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/12/17(金) 22:26:05 ID:nxKbZ6QI0
- >>413
竜人さんの手前3m、ここからは自身の必殺の間合い。
致命成り得る一撃を、秒を擁さずに叩き込むことの出来る瞬殺の距離。
そして、同時に、反撃を企てる竜人さんからしても、必殺の間合いだろう。
自分の一撃に合わせる迎撃の構を見せた相手に、彼女はそう思う。
――――行く、
お互い様のフロントライン。
飛び込めばそれを以って始まる戦場へ、勢いを保つための〝継ぎ〟としての一歩で踏み込んだ。
未だ最速。直線。最短の道を行く。
上下左右、フェイントをかけずに、純粋に速度だけの疾走。
右手はいつの間にか、二つの四角錘を底面同士で張り合わせて縦に引き伸ばしたような暗器――苦無<クナイ>――を握っていた。
右手の位置は後方。流すようにだらりと、慣性の法則に任せている。
突き出すことはなく、姿勢を維持したまま2mと半分まで迫っていた。
「行く、で――――ッ!!」
- 415 :竜人の男 ◆lIzmaNandU:2010/12/21(火) 14:38:10 ID:PLzk3NdM0
- >>414
決死の間合いに、自身では到底出せない速度で踏み込んだ千年に対し。
弾ける小さな火花を、赤から橙へ。橙から白色へ変化させ――――荒れ狂う激流と変え解き放つ。
一度、二度。
既に幾度も使用しており、その存在は完全に把握されているであろう力。
息吹。
相も変わらず――――否。
より火力の増したそれは、口腔より千年に向け放たれる。
至近距離に於いて、放射状に広がる始点の部分に近いそれは、
先程までの人を覆い尽くす程のものと比べ僅か半分弱程度と狭範囲。
しかし、広がるはずのものが狭域に存在している以上その『密度』は濃く――――
火力の増大も含め、この竜人が生身の人間ならば吐き出している当人も大きな被害を被るであろう程の熱量。
避ければ、直線を、最短を駆けてきた速度は落ちるだろう。
避けなければ、火炎に焼かれ視界も遮られ速度は落ちるだろう。落ちると推して。
生と死が幾重にも交差する、僅か刹那の刻。
放たれた火炎が、その始まりを告げる。
- 416 :恋河院千年:2010/12/25(土) 21:11:13 ID:61lMEQVcO
- >>415
目の前、後ろに流れていく世界が紅蓮の息吹に燃やされた。
相手の、竜人さんの姿が朱に塗られて見えなくなる。
焼けた空気が頬を撫で髪を包んで端から焦がし、そして〝竜の吐息<ドラゴンブレス>〟が身に触れた。
熱い、燃えている。
けれどそれで構わない、と彼女は笑った。
「(今喰らってるんなら、完全にこっち向いてるっちゅう……ッ!!)」
これ以上の致命なりうる怪我を負う前に、意識が飛んでゆく前に、力を込め、体内で練りあげ暗器に仕込んだ術式を起動した。
鈴を鳴らしたような、小さく短い、コロンと言う音が響く。
同時に彼女の姿がその場から消え、失せた。
- 417 :竜人の男 ◆lIzmaNandU:2010/12/25(土) 21:30:03 ID:PLzk3NdM0
- >>416
消える姿。
確かに、人の燃える臭いがした。
それは、はっきりと感じることが出来る。
が――――その姿は何処へ?
正面からの高速での突撃、そのままぶつかるのならば力の差を以て、
そして其の速をも逆に自ら用いて迎え撃っていた。迎え撃っていたが。
消えた姿、その前には迎撃も行う対象を失い。
(視認が不可能になっただけか?別角度からの攻撃か?
――――)
考える間は、無い。
だが、一瞬でも。その二択を思考に入れた時点で。
迎撃の一撃は振るわれず、突撃への対策は期を逃した。
刹那の攻防、果てしなく鋭敏になったその感覚は、その五感を伝う程度の行動があれば即座に反応するだろうが……
それは、どれだけ速いといえどあくまで行動の『後』。千年を遙かに上回る速度でなければ、最善の対策は決して不可能。
無抵抗な被弾は選択肢に無く。
ならば残るは防御か、捨て身か。
攻防を共になす『迎撃』の選択は、この瞬間に潰えた。
- 418 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/12/25(土) 22:01:35 ID:krbM97ow0
- >>417
不意を突くと言うよりは、その攻撃はあまりにも直線的だった。
後、背中に穿たれる苦無。それは如何なる奇術の表れか。音なく刹那に放たれ、そして漸く風切りの音を呼んでいた。
研ぎ澄まされた竜人さんの感覚を以ってすれば掴めよう。
一撃の始点は5m後方。突如としてそこに現れ飛び出した苦無の速度は、〝疾い〟。
そして気付く。鈴の音が、体に触れていることに。接着したナイフから、鈴の音が零れていた
「〝点移<ポイント>〟…………!!!」
術式を込めたナイフ、苦無、手裏剣――総称して〝暗器〟――をマークとして用いる瞬間移動の忍術。
不意を突く為に使う。
しかし、彼女は感じる。
「(…………あんまりにもわざとらし過ぎたかもしらんなあ……………………)」
相手が武士、或いは騎士、道を重んじる頑固な敵ならば、自身の正面からの突撃を受け止める。
彼女が見たところ、竜人さんは武士でも騎士でもないが、それに近い心を持っていた。
もし、自分の眼が節穴ならば、
もし、相手がそれ以前にこの技を知っていたら。
「(……ま、やられるやろ。しゃあない)」
- 419 :竜人の男 ◆lIzmaNandU:2010/12/25(土) 23:34:49 ID:PLzk3NdM0
- >>418
「そこ――――――ッ!!」
背後より迫る刃 不意のその一撃に対し、左腕を後ろへ向けながら振り向く。
この光景を見ていたものがいるならば、背後から迫る苦無の存在を最初から把握していたように感じられる、その反応。
しかし、相対す千年には明確に感じられる、その『遅れ』――――
身を後ろへと向けるその瞬間には既に苦無は眼前、1mも無く。
左腕を伸ばし振るった時には、もう既にその身を穿っているだろう。
それは、思考を巡らせるまでもなく。経験から、刹那に導かれた『答え』。
(間に合わ、無…………)
"苦無はその身に到達し、一撃を受ける。"
その答えと共に、苦無は身体に刺――――
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
一撃。
苦無はその身を――――――――否。腕を貫通し、身の僅か手前で止まっていた。
意識を越え、反射的に取られた防御反応。
経験が導いた答えを覆す、経験による無意識下で取られた肉体の反射。
腕は届かない。それが認識されるよりも速く、引かれる肘。
曲げられた腕は勢いを以て、腕を振るうよりも速く。
苦無と身体への間に滑り込んで、その身を穿つ一撃の盾となった。
正面からの突撃に対し、正面から当たる それは確かだった。
この類の技を、過去に受けた事はない それも確かだった。
しかし、その身体は意識を越えそれを補う行動を取った。
「――――――――。」
防御、ただその一点を行い。
一切の迎撃は無く、一切の反撃は無く。しかしながら……
不意の一撃に耐え、確かに意識を保ち――――立つ。
- 420 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/12/27(月) 20:21:47 ID:krbM97ow0
- >>419
「なっ――――?」
――――やっぱりわざとらし過ぎたのか。
或いは、過去にこの手の一撃を受けたんだろう。
受け止められも、なんら不思議じゃない。
そう、不思議じゃない、――――
しかし、それにしては些か竜人さんの防御は拙い。
捨て身の防御、しかも腕。
ブレスがあるから腕がなくても戦えるんだろうけれど。
自身の技を躱すだけなら、もっと選択肢があった筈。
だから、賢い手ではない、と彼女は思う。
「(…………まあダメージたまってるやろうし、重かったんやろ)」
〝仕方がなかった〟んだと思考を切り捨てた。
兎も角、相手は一撃を受け止めそこに立っている。
ならばやるだけであり、従って彼女は右手を振り上げた。
二撃目を放つ。
同じ場所。
先の苦無の軌跡を辿るよう、空を裂き高鳴る音を背に、二つ目の苦無が竜人さん目掛けて飛んでいく。
- 421 :竜人の男 ◆lIzmaNandU:2010/12/30(木) 18:58:13 ID:ZEY3X7sE0
- >>420
不意の攻撃。
それに耐えた竜人に迫るは、次の一手。
「再び、か――――ッ!」
再び放たれる苦無、しかし今度はそれをしかと見据え。
『左腕を振るい』 苦無を叩き落とす。
(少々、厳しいが……まだ、大丈夫か)
腕を苦無に貫かれながら振るった以上、当然傷より血が迸るが……確かにその腕を以て攻撃へと応えた。
肩から、腕全体の骨に大きなダメージを受けた右腕。
苦無に貫かれ、どこか筋繊維が切れたのか腕先に力が入らない左腕。
しかし。
捨て身の防壁、飛来する刃が貫通していても。
その肉体は、上腕部の筋力を以てその腕を振るう事を可能としていた。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
だが……確かに、攻撃の手は止まっている。
右腕で防ぎ、ブレスで牽制し、左腕で薙ぐ。
左腕で払い、右腕で貫き、ブレスで焼き払う。
安定した一連の流れは、確かに封じられ。
大規模ではなくとも手早く連続で放たれた攻撃、それに対し反撃に転ずる事が出来ずにいた。
健常ならば、薙ぎ払う事が可能だった二撃目の苦無の攻撃に際し、同時に攻撃をも行っていただろうが――――
今取った行動は、ただ打ち払うのみ。
- 422 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/12/30(木) 19:47:59 ID:krbM97ow0
- >>424
――――また、止めるのか。
彼女はそう思う。
暗器。彼女が扱う得物は、小さいけれどれっきとした武器である。
則ち、対人においては〝まともに喰らえば一撃で〟仕留めることができる。
背中にぶつけた時点で勝利。ましてや、死角から投じたのだから、勝利は確定している。
だのに、相手はダメ押しの一撃をも薙ぎ払う。滅茶苦茶だ。
「(………………竜の血をひいてる、っちゅうこともあるんやろうけど)」
普通、背中に突き刺されば死ぬだろう。っていうか死ね。
彼女は思い、けれど、自分も確かに、脇腹に穴が空いていることを思い出す。
「(…………これが異能都市の普通かもしれんなあ………………。
ふーこもそういうバケモンやし、ハールシリーズの壱姫も似たようなもんや。
ほんま、忍に辛い世界やでここ…………一撃必殺とか夢のまた夢やわ)」
「………ま、そんでも。これで終わりやわ」
さて、そろそろ幕引き。
全力で走っている頃は脳内麻薬が痛みを忘れさせてくれていたけれど、
今、こうして冷静に自分と相手の状況を比べ、自分の傷を思い出したら激痛が走り始めた。
貧血で倒れる前に、痛みを堪えきれず情けなく泣き出す前に、叩きつけよう。
「行くで竜人、んな動かん体で四方八方塞がりの針山、いったいどう切り抜けるか見せてくれや…………!!!」
痛い、と舌が泣き言をなぞる。
同時に堪らんなあと嘲笑を洩らし、彼女は両腕を振り上げた。
カ ゲ ブ ン シ ン
「〝同一性多重存在のォ、術〟!!!!」
四方八方、空中で投げたナイフ全てを始点と置き、その全てから。
掲げた腕を振り下ろすと同時、竜人さん目掛けて幾つものナイフが投げられる。
- 423 :トルクファ≠ルエゥロ/竜人の男 ◆lIzmaNandU:2010/12/31(金) 01:07:55 ID:ZEY3X7sE0
- >>422
機、と この竜人は感じた。
攻撃が止まったその瞬間。千年が両腕を振り上げるその瞬間、全身に力を加える。
――――ナイフは、放たれ。
左腕は貫かれ、右腕は砕け。
――――ナイフは、迫る。5m、4m。
さて。他に力を加え、それを解き放つ事が可能な場所は――――
――――風を切り、加速を以て。3m、2m。そして……
……跳躍。
「竜人、ではない。
……否、確かに竜人と呼ばれる種ではあるが、俺にはルェウロという名前がある、人間よッ!!」
そう叫びながら、千年に向かい、やや上よりに、斜め前方に。
溜められた力は、放たれたナイフには僅かに劣れども、遜色ない加速を以て。
四方を囲まれ、八方を囲まれ。
右にも左にも後ろにも、そして前にも。逃げ場がないというのなら。
上へ。
周囲を包む包囲網を越え、天へと跳ぶ。
「どう切り抜けるか、など。
腕が無くとも、脚はある。四方八方の道が無くとも、天地は確かに存在している。
ならば、答えはこれだ――――ッ!!」
ナイフをより確実に回避するため、上へと力をかけすぎた。
これでは、千年の位置まで到達する頃には勢いは削がれ、
突撃どころかたいした衝撃にもならない速度になっているだろう。
故に、竜人が――――ルェウロが取った行動は。
空中にて身体を回転させ。
千年に目掛け振り下ろされる、剛脚の踵落とし。
- 424 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/12/31(金) 19:36:48 ID:krbM97ow0
- >>423
「(ほんまタフやなあ…………!!)」
「ルェウロ、ね」
見誤った、と彼女は思う。
自分はもう躱すことができない。
だから、今出来る最大の技。全方位からの一斉投擲御を行った。
宙を舞い、体を捻り、届かない距離を埋めるように足を伸ばし、自身に向けて一撃を放つルェウロさんを見る。
タフネス。彼女は諦めたように笑い、せめてもの防御として頭上で腕を交差させる。
躱すことはできない。
血を流しすぎた。かと言って、今更参ったを言っても手遅れで、彼女は身を固める。
「………………覚えとくわ」
考える間も、そろそろ終わりだろう。
ほら、こうして思う頃に。
衝撃が身を貫き、体がくの字に折れ、どんどん地面へと――――
- 425 :トルクファ≠ルエゥロ/竜人の男 ◆lIzmaNandU:2011/01/05(水) 00:00:47 ID:N1bmMzlY0
- >>424
計算か、偶然か。
片腕と共に技を失い。
そして、もう片腕と共に力も失い。
しかし、それでも。
それでもそれは、この戦闘に於いて『致命』となる事ではない。
――――その身が健在ならば。
両の腕を潰され、自身の得意とする武 その大半を失っても。
確かに与えた一撃が存在している以上、力を技を盾に怒濤の攻撃を『耐える』ことを以て、
本来ならば痛烈なれどあくまでそれで終わり、大局には響かぬ一撃を『致命の隙』に。
そして、回避も、防御も健常ならば可能であったであろう一撃を『決定的な一撃』へと変えた。
「これで、終わり――――」
先程の千年の言葉が、ふと頭を過ぎり、口を突いて出。
回転を以て振られ、重力に従い叩きつけられたその一撃は、昂ぶる中でも理性は失っていなかったのか、
地へとついた片足がつっかえとなり完全に踏み抜かれる事はなかったけれど 確かに千年へと一撃を加えて。
深夜に行われた漫才<模擬戦>は――――終幕となる。
- 426 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2011/01/05(水) 22:29:41 ID:krbM97ow0
- >>425
そして、沈む。
金髪が混じった黒いサイドポニーが宙を舞い、
むなしく外れた幾多の苦無が運動エネルギーを失って落下し、
彼女は、上昇する視界にルエゥロさんを見つけ、口許に笑みを零し、
そして、沈む。
アスファルトに、強かに体をうちつけ、けれど気を失わず空を見上げる形となった。
「――――はー…………」
洩らす溜め息は、白く、まだ体に体温があることを教えてくれる。
自分らしい戦いができたか、と問いかけ、否と心が返した。
なら、機会があればまたルエゥロさんと戦おう。決め、頭に、刻む。
「……………………帰らな、なあ…………」
正直、歩きたくない。
「……………………お疲れさん、」
自分と、
恐らく傍に立っているであろうルエゥロさんに。
- 427 :トルクファ≠ルエゥロ/竜人の男 ◆lIzmaNandU:2011/01/08(土) 02:48:51 ID:vNGj0cAs0
- >>426
地に、両足を付く。
腕が使えない状況での不安定な着地、バランスを崩し転倒してもおかしくはないが しかし耐え、立つ。
「相当時間も経ったようだし、確かに帰宅すべき時間だろうな。
……といえど、その傷だ、帰るのに支障があるだろうが……ううむ」
水平線 その先にまだ陽は浮かんでいないが、光は溢れ始めていて。
一瞬そちらへと視線を巡らせた後、千年の方へと向くと小さく唸り。
自身の爪が貫いた腹部の傷、倒れる千年の外傷は、見る限りは非常に大きなものに見える。
自分にはまだ体力・脚力には若干ながら余裕がある以上、
ならば肩を貸そうか――――とも考えるが、貸す肩はこの戦闘で壊れて。
どうしたものかと、生真面目な竜人は生真面目に思考を巡らせ、答えを出せずに沈黙する。
「……………ああ。お疲れ、だ。 お互いにな」
――――貸す肩も、差し出す手も今は無い。だが。
沈黙していたところ、千年より発せられた言葉に。
確かに、そう応えた。
- 428 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2011/01/08(土) 22:57:29 ID:krbM97ow0
- >>427
「………………ま、一眠りしたら動けるやろ。そんじゃ、また、な?」
ルエゥロさんの言葉を聞き、彼女は体の力を抜く。
「……でも、寝たら起きれんようなるなあ…………。
…………………………ほんま世の中思い通りにならんわ」
だらりと床に投げ出した手に、抜いたばかりの力を込めて体を起こした。
ふら、と体が揺れる。
おっとっと。口で呟きけらと笑った。
「お互い様ちゃうわ。こんなでっかい穴空けといて、お互い様で済ますとか呑気やな」
つつ、と。再び口で言う。
「けど、支障はないわな。足にもらったわけちゃうし。ちょっと頑張れば歩ける」
言った言葉の証明として、彼女は一歩を踏み出した。
海と正反対の方向。この都市の中央部へ向き、右足を前へ出す。
「恋河院千年。裁判所所属の裁判官で、電化製品で有名な〝If〟社の跡継ぎや。覚えといてな?」
ふら、ふら、と体を揺らしながら手をひらひらと振り、彼女は歩いていく。
- 429 :トルクファ≠ルエゥロ/竜人の男 ◆lIzmaNandU:2011/01/10(月) 22:30:39 ID:vNGj0cAs0
- >>428
「こちらも、この腕では暫く仕事すら出来ないし、お互い様さ」
戦闘中は一切思考すらしていなかったが、やはり日常への懸念は残る。
良い医者に付けば、持ち前の肉体の回復もありそれほど長引く事はないだろうが……
それでも、自身の武の根幹たる腕を両方とも潰した以上、暫くは荒事を行う事など出来ないだろう。
……まぁ、それを差し引いても後悔などはないが、な と、小さく付け足して。
「それでは、また会う機会があれば」
また。
この都市にいれば、いつかは出会う事があるだろう。
広い都市だが、ここはそういう場所だ。
「千年、か。
忘れはしないさ。このような邂逅は、生まれて初めてだ」
振り返す手は今はなく、故に歩いていく千年にはっきりとそう応えると。
海とは同じく反対、しかし中央部とは少し外れる方向に向かい。
白む空の下、深夜の灯りも消え朝の始まる前の、静まる町へと歩き去っていった。
// 月にして2ヶ月以上、35ターンに渡っての戦い。毎度返レス遅れての申し訳なさが迸ります。
// 非常に楽しめた素晴らしき模擬戦でした、お疲れ様です!
- 430 :光速:2011/01/17(月) 21:01:08 ID:sicV56OY0
- 【異能都市、とある海上】
寒空の下、並行する漁船のようなボロ船が五艘。
その戦闘の船に立つ、メガホンを持った男が、波の音に声をかき消されそうになりながらも、何かを喋っていた。
「あー、今回の作戦の指揮だ。
指揮と言っても観測局のだ。
助っ人の諸君はほぼ自由行動で構わないが、今から説明する概要は耳に入れておいてくれ」
男はイベント参加者と観測局員を一瞥する。
局員には等しくライフジャケットが装着されていた。
参加者にも同じものが配られているが、戦闘の邪魔になる場合もあるため、装着するかは個々の自由となっていた。
「20日ほど前に白い怪人が港を襲った。
怪人は居合わせた異能者に撃退されたが、数日前に同種、あるいは同固体と思われる怪人が複数、
この先の海域に出現、漁船を沈めた。
その後も同じ事件が合計六回、そこで我々観測局が、漁船に偽装した船で怪人をおびき寄せ、撃退することになった」
そして、男は併走する船を指さす。
船団には、所々に継ぎ接ぎのような補強が施されている。
「あの船は廃船寸前の船を激安で購入したものだから遠慮はいらない。
大して持たないだろうが船は気にせず存分に暴れてくれ。
ちなみに、途中離脱用の転移陣も各船に設置してある。
非戦闘員の局員は怪人が出現しだい港に戻ってくれ。
では、間もなく例の海域に到着する。
準備を怠らないように。以上」
そう言って、男はメガホンを下ろした。
- 431 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2011/01/17(月) 21:23:00 ID:HnkBBDEo0
- >>430
「潮風……うわー、来るんじゃなかった」
他の職員と同じように、ライフジャケットを着てガタガタと震えている、紅いコートの男。
底の見えぬ海原を見渡しながら、歯をガチガチと鳴らす。
「面白そうな感じだから来たけど、完璧にミスったわ……。
いや、これから面白い感じになるんだろうけど、俺には合わない。
分かってた筈なんだけどなー」
冷や汗を額に浮かべながら、ボソリと呟く。
「……せめて泳げるように、なっときゃ良かった」
- 432 :有澤零砂:2011/01/17(月) 21:28:06 ID:i6WWeuFEO
- >>430
(少年がライフジャケットを着込み釣竿を海に垂らし)
「戦闘データを取るには実戦だね…とりあえず耐水性はばっちりだけど…なんか不安。」
(その隣には黒みをおびた鉄色の、人型の2.5m程のロボットが立っており)
『まぁ、大丈夫だろ。それよりも、今回は手加減なしで良いよな?』
(流暢な合成音声で尋ねる。)
「まぁ…いつもは非殺傷だしね、
今日は派手にやってもいいよ、おっと…なにかかかったかな。」
(なにか竿にかかったらしい。)
- 433 :ゼオラ=アドヴァルド:2011/01/17(月) 21:31:09 ID:VsubwHk20
- 「……」
何時もとは違う服装の少女。
黒統一な点は同じだが、今日はパーカーとジーンズと言う普段と比べて動きやすそうな服装である。
「ま、暇潰し程度になりゃあいいか」
等と言う。
その表情の何処かには不安点があり。
(俺、泳いだ事あったっけ……?)
等と頭の隅で考えていた。
- 434 :侵略の手2:2011/01/17(月) 21:34:28 ID:sicV56OY0
- >>431
海を見渡すクロスの視界に、白いものが入った。
思わず波のしぶきかと見間違えそうなそれは、長い間同じ場所で揺らめいていた。
――ニヤッ
海の底でも目立つ、白銀の怪人。
不適に笑い、波の間にそれは潜り込んで、消えていった。
>>432
釣り針の糸に、イカが掛かっていた。
白銀の立派なイカだ。
しかし、釣り糸の先には、同じイカが10匹ほど群がっているのはやはり異常な光景だろう。
>>433
少女の背後で船の器具を点検していた男が、船の淵でぜーぜーと声を荒げていた。
「おい、大丈夫か?」
同じく観測局の男が、心配そうに声をかけた。
「あ、ああ。たぶん船酔いだと思う。
今まで船酔いなんてなったこと無かったんだが……」
「普段ちゃんと体調管理してるのか?
仕方ない、ここは変わってやる。その辺で横になってろ。
もうだめだと思ったら隊長に言って港にもどれ」
「ああ……わかった」
観測局の男が持ち場を交代し、体調の悪そうな男は船の平らな所で横になっていた。
- 435 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2011/01/17(月) 21:37:41 ID:HnkBBDEo0
- >>434
「……?」
目が、合った。 気がした。
「のほぉおおおおおおお!?」
奇声と共にクロスは飛び上がるように立ち上がる。
「お、お、お、お前ら!!
いま見たか!? 魚人いたぞ魚人!! 白い魚人!!」
少しパニック気味になりながら、海の底の方向を指差す。
しかし、そこには黒い闇のような海が広がるばかり。
「マジだって! いまいたんだって! 嘘じゃねぇよ!!」
- 436 :有澤の人:2011/01/17(月) 21:44:02 ID:i6WWeuFEO
- >>434
「うわぁ…流石にあれを食べるのはないか。」
(釣竿をそのまま離して海に投げ込む。)
『なにやってんだ…もったいない。』
(もったいない無さそうな合成音声で喋るロボ)
「烏賊が10匹ほどつりに群がってたら気味悪い!流石になにか近づいてるよ!」
『まぁ確かに、警戒に越した事はないな、いつでもやらかせるぜ?』
(と武器を準備するロボット、右腕にはスタンロッド、左腕にはサブマシンガンを構える、他の武器はまだ構えない。)
- 437 :ゼオラ=アドヴァルド:2011/01/17(月) 21:45:51 ID:VsubwHk20
- >>435
その様子を何となく見続け、何となく目線を離した。
特に興味を引く点は無かったようだ。
>>435
クロスの方に少女が歩いてきた。
「魚人ぐらいでうだうだ言ってんじゃねぇよ。
今日はそれをブッ潰しに来たんだろうが」
早速微妙そうな顔をしている。
「喰えそうだったら捕まえてきてくれ。俺は腹が減った」
- 438 :光速:2011/01/17(月) 21:55:55 ID:sicV56OY0
- >>全員
有澤がそれを海に投げ込んだ瞬間、大量のイカが海から飛び出してきた。
それも有澤が釣り上げた10匹だけではない。
見た感じその3倍。
約30匹のイカが空中に浮遊していた。
『行け!』
どこからか、声が聞こえた。
「「「「「キキイイィィッ!」」」」」
その途端、30匹のイカが、その船団に向かって降り注いだ。
イカの頭部先端は鋭く、船体に衝突したイカは船に穴を開け、再び飛び上がり、また落ちてくる。
「能力者以外は全員退避!退避せよ!」
観測局員が逃げ惑い、次々と転移陣で港に戻っていく。
しかし数名、体を抉られて海に落ちたり、その場に倒れた者も居る。
無差別に落ちてきているようだが、防御を考えなければ体に風穴を空けられてしまうだろう。
- 439 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2011/01/17(月) 22:03:08 ID:HnkBBDEo0
- >>437
「え、えええええ何を言ってるんスかゼオラさん」
テンパっているのか、何故か敬語。
「俺はああいうなんか、気味悪いの苦手なんだよ。
というか、よく『食う』っていう発想が出来るなオイ!?
今回のフィールドは海だし……俺、泳げねぇんだ……」
>>438
「!?」
気付いた時にはもう遅く、
クロスの腹に無数のイカが……
「いだだだだだだ痛い痛いっていだだ痛い」
当たりまくったが、風穴が開くことは無かった。
「うわイカじゃん何コレ、ヌルヌルなんですけど。
触手か? 触手プレイか何かなのか?」
ガスガスと突進してくるイカ達。
しかしクロスに当たっても鈍い音を立てて跳ね返されるだけである。
魔術か何かを使っているわけではなさそうだが……
「ってー、なんだよこりゃ。もしかして攻撃受けてんのか?」
白い砲弾の雨を気にすることなく、クロスは船の甲板を歩き、
負傷して歩けなくなった観測局員を転移陣に放り込む。
「これで全員かな……あ痛っ」
最後に頭にぶつかって来たイカを掴み上げ、
「痛いって言ってんだろうがァアアアアアア!!」
海に向かって投げ返した。
「ったく、キリが無ぇな。もしこれが攻撃だとしたら、イカに指令を出してる奴を叩かなきゃな……」
イカがぶつかった箇所をさすりつつ、船のヘリに足をかけて広い海原を見渡す。
- 440 :有澤零砂:2011/01/17(月) 22:07:58 ID:i6WWeuFEO
- >>437
(遠くからその様子を見て。)
「あの女の子わりと怖い…」
『あれくらい普通だろ』
>>438
『はっは!お出ましだな!』
「とりあえず、僕は守りを固める、あとは任せた。」
(少年が手榴弾のような物を足元に投げると周囲にドーム状の光の壁が展開される。)
『了解っと!』
(ロボットはドームの中からサブマシンガンを飛んでいる烏賊に連射する、内側からは攻撃が通るようだ。)
- 441 :ゼオラ=アドヴァルド:2011/01/17(月) 22:11:49 ID:VsubwHk20
- >>438
「丁度良い飯だな。
美味く焼けるかな……っとォ!」
漆黒の炎を両手に溜める。
それを打ち出し自身へと襲いかかるイカの勢いを相殺し、上空へ跳ね返していく。
「フン、調理完了だ」
暫くして落ちてきたイカを手に取り。ぱくり。
美味しいのだろうか。そもそも食べれるのだろうか。
>>439
「俺は腹が減ったんだ」
二度目。
「後で俺の飯作れな」
既に焼きイカを租借中である。
>>440
「なんだよ?」
紫色の膝くらいまでは有るだろう長髪を白いリボンで結んでいる。
何処となく目付きが悪く、恐い。
- 442 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2011/01/17(月) 22:14:44 ID:.6prKP66O
- 「はぁ……死ぬかと思った……」
【いつの間にか船上にいる白服の男、服も髪も全身ビショビショの水浸しである】
「いやぁ、良い船旅になり……あれ?」
【魚とかに噛まれながら、男は辺りを見回す、どうやら海中でも無事だったようだが、全身ビショビショだから近づきたくない】
- 443 : ◆hx91.Gw8sk:2011/01/17(月) 22:15:09 ID:6n2sZE8Q0
- //参加しまっすー。
//最初から乗っていたという事でお願いします。まずかったら変えてくださいな。
>>438
「……」
白い怪物って、コレ?
首を傾げながらも鞄を開き、粘土のような塊を取り出す。
それを千切って、自分の目の前にポイッと。
ベシャリと船の上に落ちたそれは少しの間を置いて光り輝きだした。
その光は縦に伸びるように広がり、消え去り、光の中からは一体のマネキンのような物体が現れた。
「……頑、張っ、て……」
そう言われた人形は頷くような動きを見せ、腕を振り上げ
「―――ッ」
スパン、と。
降り注ぐイカの胴体を狙い、手刀で叩き落とす。落とす。落とす。
- 444 :光速:2011/01/17(月) 22:25:30 ID:sicV56OY0
- >>439
イカを放り投げたクロスの背後から、声が聞こえた。
「ここに居るぜ」
――ペタッ、ペタッ
背後から何かが歩いてくる足音が聞こえる。
そこには、海底に見た白い怪人が立っていた。
>>440
有澤が打ち落としたイカが落下し、海や船に落ちる。
イカの内側から黒い液体が染み出した。
黒い液体はジュウジュウと音を立てながら、船体を溶かした。
酸だ。
イカを破壊すると、イカ墨のような色の酸に変わるようだ。
>>441
炎に焼かれたイカを咀嚼しようと歯を閉じた瞬間、イカは解け始めた。
ジュウジュウと口の中で音を立てる。
それは焼かれたからではなく、イカの身から流れ出す黒い液体。
酸がゼオラの口の中を溶かし始める。
>>442
船に上がった上弦の目の前に、一人の男が居た。
服装を見るに、観測局員のようだ。
上弦は見ていないだろうが、先ほど船酔いに悩まされていた局員だ。
「くっ……苦しい……」
局員は苦悶に歪んだ表情を見せているが、どこも怪我をしていない。
おそらく物陰で寝ていたため、逃げ遅れてもイカの雨を避けられたのだろう。
>>443
叩き落されたイカは、何匹か再び舞い上がるが、
その殆どは活動を停止して黒い酸に変わった。
しかし、イカの一匹が、手刀が直撃した際にマネキンの腕に張り付いていた。
マネキンの腕から、頭部めがけてイカが突撃してきた。
- 445 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2011/01/17(月) 22:30:04 ID:HnkBBDEo0
- >>441
「よく食べるなぁ、お前。
ま、そんなに言うんだったら、後で作ってやるよ。
ちょうど俺も、イカ飯とゲソの唐揚げが食いたくなってきたところだ」
と、そこであることに気付き、
「みんな、そろそろ足場を変えないか?
結構やべぇ」
イカによる攻撃で、船に浸水していることに気付く。
>>444
「そろそろ移動しないと……!?」
背後から、声が、
「ッ!!」
相手を確認することもなく、声の大きさで距離を判断。
振り向きざまに右足を踏み込み、右手の裏拳を相手に向けて振り放った。
- 446 :有澤零砂:2011/01/17(月) 22:38:25 ID:i6WWeuFEO
- >>444
「これは面倒な…なるべく海の上に撃ち落とせる?」
『やってみる…がドーム内からじゃ狙いずらいんでな、行ったんでるわ。』
(といいドームから出ていく)
>>441
「ひぃっ何にもないですっ!」
『綺麗な嬢ちゃんだなって話してただけさ、ハッハッハ。』
>>445
「確かに、どうせ海の中ならあちらの方が有利でしょうし…」
『とはいえそこに居るなら隙は見せられねぇ、こっちは次のタイミングを見つけてから飛ぶぜ。』
- 447 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2011/01/17(月) 22:45:40 ID:.6prKP66O
- >>444
「ん?これは大変だ、船酔いかい?」
【多分、アレだったのだろうが、男は気にせず局員に話し掛けた】
「しかし、船酔いにしては異常な苦しみ方だな?
イカだらけだ、避難したほうが……」
【ビショビショのまま、男は薬を取出し、局員に近づく、その間も周りには気を配っている】
- 448 : ◆uotUYGHVwM:2011/01/17(月) 22:51:37 ID:6n2sZE8Q0
- //攻撃とかじゃないけど一応全体に対しての動きがあるよっ
>>444
パキン、と陶器が割れるような音が響いた。
突撃してきたイカはマネキンの頭部に深々と突き刺さった。
だが、マネキンはそれがどうしたと言わんばかりに顔面に刺さっているイカを握りつぶした。
溢れ出る酸に手と顔が溶け、少し崩れるも、身体を動かすという事に関しては何の問題も無いらしい。
>>445
「……」
クロスの言葉に小さく頷きを見せ、辺りを見回す。
小さな足場を幾ら作り出しても、酸ですぐに溶かされてしまう。
ならば。
粘土を千切り、今度はそれを海の中へと放り込む。
「…」
海の底から、突き刺すように光が何筋も伸びていく。
それが突然消えたかと思うと、次はゴゴゴゴ、と地響きのような音が周囲へと響き
「……足、場……」
酸で溶かされかけた船が、宙へ浮いた。
いや、海の中から現れた何かに乗り上げた。
海中から浮かび上がったのは巨大な客船。
酸で溶ける事に変わりは無いが、先程までの船より数十倍大きく、ちょっとやそっとでは溶けきりはしないだろう。
- 449 :ゼオラ=アドヴァルド:2011/01/17(月) 23:03:13 ID:VsubwHk20
- >>444
「食えねぇ」
そうと解ると吐き出した。
下を出して指先で軽く当たってみる。
「ちょっとヒリヒリする……」
>>445
「いいか、俺は、飯が、食いたいんだ」
少し喋るたびに舌先を指で触りながら。
「あと、アイツは、食えない――」
酸になったいかを見てから、白い怪人を見て。
再び>>444
「――ぜッ!!」
跳び出した。
影で造り出したナイフに唾液を吹きつける。
普段から口内に毒針を仕込んでいる少女の唾液は麻痺毒。
その毒付きの刃を怪人目掛けて振り下ろした。
「烏賊捌きと行くか!」
>>446
「怯えんなよ。取って食ったりしねぇ」
さっき怪人食べようとしてたけど。
「ガタガタ震える暇あったらさっさと弾でも撃っとけ」
- 450 :光速:2011/01/17(月) 23:13:27 ID:sicV56OY0
- >>445
クロスの右手は、怪人の背中から生えた触手の内二本に絡めとられ、受け流された。
「いい反応だ、能力者。
我々、スケイルに来る気は無いか?
妙な肌を持っているようだしな」
そう言って、右腕から触手を離す。
>>446
クロスと格闘している怪人が、急に振り向く。
「今だ!」
そう叫んだ瞬間に、残りの4本の触手が切断され、イカの形に変形する。
怪人から切り離されたイカが4匹、ロボットに向かって突進していく。
>>447
「やっ……やめろ……近づくな……。
ぐっ……ぐあああああぁぁぁぁぁ!!!」
突然、男が空に向かって絶叫した。
男の腹に、怪人たち共通の紋章が浮かんでいるのが上弦の目に入る。
男の体が、紋章を起点に真っ白な鱗に覆われていく。
鱗は全身に広がり、足元から顔面までがすべて鱗に覆われてしまった。
「うおおおお……おおお……」
全身が鱗に覆われると、一枚、一枚また一枚と剥がれ落ちる。
白い身体、手足についた刃、背中のマフラー状の器官が露出し、足の裏側に、少しだけ鱗が残った。
観測局の男は、上弦の目の前で怪人に変貌した。
>>448
「まずいな、こんなでかいリングじゃすぐに海に潜れなくなる……」
怪人が、残ったイカ達を自らの周囲に集合させる。
その数はすでに一桁まで減っていた。
>>449
飛び掛ってくるゼオラを見て、怪人は巨大船から飛び出し、音を立てて海に沈む。
怪人の姿が消えた瞬間、今度は巨大船の後ろから怪人が再び飛び出し、船上に着地した。
「あぶねぇ、かすったぜ、譲ちゃんよ」
再び、海の中から数十匹のイカを引き連れて。
- 451 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2011/01/17(月) 23:20:33 ID:HnkBBDEo0
- >>448
「お、お、お、」
いきなり景色が下へと下がってゆく。
「こりゃいい感じだね、多少はハデに暴れても大丈夫そうだ。
お前スゲェ能力持ってるな。名前は?」
>>449
「ああ、はい、わかったわかった」
冷や汗を垂らしながら、怪人と対峙するクロス。
「無事、帰れたらな……」
>>450
(こいつ……)
クロスに緊張が走る。
(今のは、俺の最速だった筈だ。
それがいとも簡単に受け流された……)
急いで距離を取り、構える。
「悪いが、俺は好き勝手に生きるのが好きでね。
いきなりイカ投げつけてくる奴の仲間になる気は無いぜ」
そう言いつつ、足を踏み込み、
「追撃……!」
しようとした、が、海の中に逃げられた。
「……くそ」
海の中は相手のフィールド。
やすやすと攻撃は出来ない。
相手はまた船上に上がってきたが、どうせ攻撃を仕掛けても海の中にまた逃げられるのがオチだ。
「なんとかして、アイツの動きを止めたいモノだが……」
相手のスピードを考慮しつつ、クロスは策を練る。
攻撃は、まだしない。
- 452 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2011/01/17(月) 23:21:00 ID:.6prKP66O
- >>450
「……」
【男は黙ってそれを見る、しかしビショビショの額に一筋の汗】
「参ったな……まさかこれは予想外だった……」
【なんでこうなったのか理解出来ていないようだった、局員は元から怪物だったのか……それとも無理矢理怪物に変えられたのか……】
「これは……」
【真意を確かめる為に、男は相手の様子を伺うようにした】
- 453 :有澤零砂:2011/01/17(月) 23:31:58 ID:i6WWeuFEO
- >>448
「これはありがたい、沈んでびしょ濡れも避けれそうだ。」
『あーこれならもっと火力重視でもよかったな。』
>>449
「さっき躊躇わずに烏賊食べといて何をっ…
まぁ確かになにもしないのは駄目かっ。」(少年もPDWを構えておく。)
『あーあ好感度さがっちゃった。』
「うるさいなぁ!」
>>450
『てめぇ背中に目でもついてんのかっ?まぁ、俺もだけどなっ!』
(即座に反応し、烏賊を撃ち落とすが一つ迎撃が間に合わず、被弾する。)
『…これで仕留めたつもりかい?』
(被弾箇所は少し装甲が凹み、溶けた程度ですんだ、それなりに固そうだ。)
「こっちに来てたらまずかったかな。」
(その頃少年は物影に隠れていた。)
(まだ攻めには転じないらしい。)
- 454 :ゼオラ=アドヴァルド:2011/01/17(月) 23:36:04 ID:VsubwHk20
- >>448
「ク・ク。
有難く使わせて貰うぜ?」
青年に明るくも悪い笑みを向けて。
>>450
「っざってぇな。
烏賊は黙って捌かれてろ」
ナイフを闇に戻しつつ睨む。
もし、傷が付いていれば。もし、麻痺毒が効くのであれば。
それはゆっくりと海神の身体に回って行き最後にはその動きを止めるはず……。
>>451
「安心しろ。
今日に限っては大丈夫だ」
怪人を追って振り返りざまに発し、
「今日は俺が居るからな」
>>453
「裂かれたいのか」
首をグルンと向けて零砂を睨んだ。
「邪魔だけはするなよ」
- 455 :エシリア・ロッド ◆uotUYGHVwM:2011/01/17(月) 23:43:06 ID:6n2sZE8Q0
- >>450
白い怪人発見。
手を返し、引くような動作と共にマネキンが飛び上がり、エシリアの前に着地。
視線を其方へと向け、次の動きに合わせて構えをとる。
>>451
「強、度は…大、体、見た、ま、まで、す……。
少、し、くらい、な、ら、全然、平、気、だと、思い、ま、す…」
クロスを横目で見て、そう答えて。
「…エシ、リ、ア・ロ、ッド……で、す……」
>>453
「風、邪、引い、ちゃ、い、ます、し、ね……」
>>454
「は、い……どう、ぞ……」
- 456 :光速:2011/01/17(月) 23:52:20 ID:sicV56OY0
- //最後に全体攻撃有
>>451
「別にもう一度こいつらを降らせてもいいんだが……。
そこの妙な皮膚の男が厄介だな」
怪人の周りを飛び回るイカは、キィキィと鳴き声をあげていた。
そして、怪人は新たに現れた怪人を見た。
「お前が魔将が言ってた俺の部下か……。
白いのは俺に合わせたのか?」
>>452
体色は白いが、全身が毛に覆われた新たな怪人は、獣のような外見をしていた。
二枚のマフラーのような器官は風になびかず、不自然な動きをしている。
おそらく、これも体の一部なのだろう。
「グググッ」
怪人はくぐもった鳴き声をあげると、漁船から飛び上がる。
驚異的なジャンプ力は、今まで乗っていた漁船全体を揺らした。
新たに現れた怪人は、海から現れた怪人の横に着地した。
>>453
「お前も厄介な体だな。
もう全員纏めて溶かすか」
>>454
「何か毒を仕込んでいたようだが、残念だったな。
俺は触手か手足なら切断してもすぐ再生するんだ」
そう言って、ゼオラに向かって何かを投げた。
触手の切れ端だ。
触手にはゼオラのナイフのものであろう傷がついていた。
毒が回るよりも早く自ら切り落としたということか。
>>455
海から現れた怪人が、片手を挙げる。
それに反応するように、イカ達が全員の頭上に移動した。
「お前ら、全員溶けて無くなれ」
そして、もう一度手を上げて合図を送る。
「グググッ」
すると、白い獣の怪人が飛び上がり、イカ達をすれ違いざまに次々と切り裂いていく。
空中で切り裂かれたイカは黒い酸となって、イベントの参加者に降り注いだ。
- 457 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2011/01/17(月) 23:56:46 ID:HnkBBDEo0
- >>454
「はッ……ありがたいね」
こんな少女の言葉に……安心できる。
男として微妙な気分だが、今はありがたい。
>>455
「おうおう、エシリア、な。
覚えるように努力しよう。
俺はクロスね。忘れたらまた聞き返してくれ」
そういいつつ、クロスは船のヘリに立つ。
「んで、お前ら。
釣りは好きか?」
船体にジャラリと、鎖が落ちた。
その鎖の先には……
>>456
「逃がすかよ!!」
酸が降り注ぐ中、クロスは白い怪人に飛び掛る。
怪人を捕まえる気だ。
拘束できなくとも、しがみつければクロスとしては御の字だろう。
クロスの皮膚が酸によって溶けてゆくが、それでもクロスは怪人へと両手を伸ばす。
- 458 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2011/01/17(月) 23:59:34 ID:.6prKP66O
- >>451-455
「いいなぁ〜……みんな仲良さそうで……」
【ゼオラとクロスの掛け合い、有澤とエシリア……4人を羨ましそうに見ながら】
>>456
「……そうか、元から怪人だったか……」
【安堵したように息を吐く、しかし、眼にはまだ疑いの色が】
「まぁいい、まずは動きを……ん?」
【酸が降り注ぐ、男は辺りを見回し行動に出る】
「お節介かもしれないが、任せてくれよ!」
【男は何か粉を撒いた、それは元素の粉、マナの粉
それは盾の様な効果を引き起こし、みんなを守ろうとする】
- 459 :有澤零砂:2011/01/18(火) 00:05:34 ID:i6WWeuFEO
- >>454
「とって喰うよりたち悪いよそれ!」
『ハッハッハ、射線に立たなきゃ何もしねぇよ。』
>>455
「それに、ライフジャケットを着てるとはいえ、流されるのは勘弁だしね。」
>>456
「僕はほぼ一般人だから巻き込まないで欲しいんだけどさ…あちちち!」
(再び手榴弾のようなものでドームを開くが僅かに浴びたらしい)
『お前はそこで寝てろよ…さて、今はがら空きだなぁ。』
(左肩から電磁バリアを展開し、酸の被弾を押さえつつ本体の烏賊怪人に接近し、スタンロッドで攻撃を仕掛ける。)
(とはいえそれなりに被弾しているのか体から僅かに酸による白い煙が上がる)
- 460 :ゼオラ=アドヴァルド:2011/01/18(火) 00:12:16 ID:VsubwHk20
- >>456
「うぜぇよ。イカ」
掲げた掌に炎を宿す。
集まった炎が弾けあい荒れ狂う。
それを、一息で、船の床に叩きつけた。
轟音。
一点に過剰なまでに集められた炎が床に打ち付けられた事で弾かれ、周囲の風景を漆黒に染める。
立ち上る炎が酸から守る防御壁となり、周囲の人間全員を守る盾になった。
>>457>>459
「ハッ、聞こえねえなァ!」
炎の音に掻き消されて聞こえて無かった。
>>458
「……フン」
今ほどに存在を確認。
「守りは安泰か?」
- 461 :エシリア・ロッド ◆uotUYGHVwM:2011/01/18(火) 00:18:31 ID:6n2sZE8Q0
- >>457
「クロ、ス……さん……覚え、まし、た…多、分…」
こくり、と頷き視線を白い怪人に向け
「釣…り……?」
>>456
降り注ぐ酸の雨。
これを全て防ぎ切るには、今の状態では不可能だろう。
次の段階へ以降。粘土を千切り、握る。
>>458
だが、ここで上弦の動きに気付いた。
恐らく盾の役割を果たすのであろう粉が撒かれる。
ならば、防御はもう必要無いだろうと判断。
先程握った粘土をマネキンに投げつける。
粘土は空中で光り輝き、その光はマネキンを包み込み
ドレスアップ ブラックショール
『装飾昇華 黒ノドレス』
人形の腕が光と共に空を切る。
裂かれた光の中から現れるのは漆黒のドレスを身にまとった女性の人形。
カキョン、と言う音と共に首が動き上空の獣の怪人を捉え
――ッ!!
腕を振り上げると、身にまとっていたドレスが伸び、鋭く尖り、集まり。
無数の漆黒の槍となって、怪人に向かう。
- 462 :侵略の手2:2011/01/18(火) 00:26:21 ID:sicV56OY0
- //レス番入れ替え有
>>457
「まだ残ってる奴ら、全員来い!」
「キキキイィッ!」
飛び掛ってくるクロスと、立ち構える怪人との間に、イカの集団が壁のように群がる。
そしてクロスにイカ達が次々とまとわりつき、その動きを制限する。
>>458
「悪いが、こいつは俺の上司が観測局員に仕込んだ怪人だ。
今は意識は消えているが、元はただの観測局員だ」
上弦の呟きを聞いて、怪人が答えた。
>>459
「向かってくるか、無謀な奴め」
怪人は触手を2本をスタンロッドの根元に巻きつけて動きを取れなくし、
残った4本を突き出し、ロボットを串刺しにしようとする。
>>461
「グググッ」
――ガギギギッ!
空中で、獣の怪人は体をねじり、
唸りながら腕の刃で漆黒の槍を次々と受け止め跳ね返す。
>>460
さらに獣の怪人は、受け止めた漆黒の槍を、ゼオラに向かって跳ね返した。
エシリアが放った漆黒の槍が、今度はゼオラに牙をむいた。
- 463 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2011/01/18(火) 00:30:49 ID:HnkBBDEo0
- >>461
甲板にジャラリととぐろを巻く鎖。
その先は、クロスの腰の当たりに巻きつけられていた。
クロスにとって、鎖程度ならすぐに召喚できる。
>>462
「……ッ くっそがぁああああああああ!!!!」
イカにまとわりつかれたまま、クロスは黒い海の中へ。
水しぶきを上げ、海水に飲み込まれていった。
「ガボッ ごぼべばっ がぶっ ごぼごぼごぼごぼ」
- 464 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2011/01/18(火) 00:32:01 ID:.6prKP66O
- >>460
【男は親指を立てて頷く】
「敵がまだ強力な力を発揮しない限りな」
>>461
「よしっ、いい子だ!気を付けて行きなさい!」
【エシリアに対して言葉を投げ掛け、男は怪人に向き直り】
>>462
「……そうか」
【眼を閉じ、男は怪人の言葉を聞く】
「全く……彼にも家族がいるだろうに……」
【眼を開くと男の目付きはかなり鋭く……怒りに満ちている】
「真実を話さなければ私も起こらなかったのに……」
【男は飛び上がり、元局員に接近し手を伸ばした……何かするつもりだ】
- 465 :有澤零砂:2011/01/18(火) 00:40:30 ID:i6WWeuFEO
- >>458>>460
「おおっ…ナイスディフェンス!後でなんか奢りますよ!」
『こりゃ安心して烏賊の相手ができそうだ!』
>>462
『ちっ…めんどくせぇな!』
(即座に四本の触手に対し逆手のサブマシンガンでの牽制と電磁バリアでの妨害を行う。)
「一機じゃ手数が足りない…辛いな」
(そういいつつ少年は物陰からPDWでの射撃を行う)
- 466 :エシリア・ロッド ◆uotUYGHVwM:2011/01/18(火) 00:41:50 ID:6n2sZE8Q0
- >>462
「……」
斬撃や刺突のような攻撃は効果が薄いか。
弾かれた槍はゼオラの方に落ち始めた瞬間、だらりと垂れ、黒い布の一部に戻り
「な、ら……コレ、な、ら……!」
空で靡いていた布の一部が再び集まり、形を作り上げる。
捻れ、重なり、作り上げるのは大きな手。人一人ならすっぽり掴めるくらいの大きな拳。
それが宙でぐるりと向きを変え、今度は獣人を捕まえようと大きく手を開き、迫る。
>>459
「こ、の暗、い、海、に落ちた、ら…回、収、が、大変、です、s」
そう言いかけた瞬間。
>>463
落ちた落ちたよ落ちやがったよあの男。
しかもイカに纏わり付かれてるからか、それとも元々カナヅチなのか、泳げないっぽいし。
「クロ、ス、さ…ん…!?」
すぐさま、右手を振りかざし、人形を操作。
甲板に残っている鎖を手繰り寄せようと、黒いドレスから腕が伸びる。
- 467 :ゼオラ=アドヴァルド:2011/01/18(火) 00:42:59 ID:VsubwHk20
- >>462
「う、がッ……ッ!?」
漆黒の槍が胸から斜めに刺し、串刺しになった。
数秒間、強烈な痛みと驚きで動く事も出来なかったが、その後にゆっくりと彼女の身体が闇に解け始める。
槍の元で再び人の形を為した少女はゆっくりと身体を起こした。
「……」
少女の足元には白いリボンが。
それを丁寧に拾い上げると胸元に丸い穴のあいたパーカーのポケットにねじ込んだ。
- 468 :侵略の手2:2011/01/18(火) 00:55:34 ID:sicV56OY0
- >>463
「落ちたか。
そのまま沈めておけよ」
海底のイカに声をかけたのか、イカはさらにクロスへの拘束を強めた。
>>464
「ふん、元に戻そうってか?
無駄だ、古の魔術は貴様如きには理解できん」
獣の怪人は、背後に迫る上弦に反応し、
背中のマフラー状の器官を動かす。
その器官もまた、鋭い刃となっており、上弦を切り裂こうとした。
>>465
しかし、銃器程度では弾丸は触手にはじかれてしまった。
触手を手元に戻し、怪人は少年を指差した。
「やっぱりあっちを狙った方がいいのか」
しかし、物陰に隠れていて狙い辛い。
怪人は再び海に隠れ、そこから攻撃を狙おうと走り出す。
>>466
普通の状況なら、巨大な手ぐらいは切り裂くことで回避できただろう。
しかし、上弦に気をとられていた獣の怪人は、簡単に巨大な手に捕らえられてしまった。
「グググッ!?」
獣の怪人が、巨大な腕に締め付けられている。
>>467
獣の怪人は、エシリアの巨大な手に捕らえられ、攻撃の絶好のチャンスとなっていた。
- 469 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2011/01/18(火) 00:59:20 ID:HnkBBDEo0
- >>466>>468
「がぁあああああああ!!」
ただ水中でもがき苦しむ。
(くそ……ただの足手纏いじゃねぇか俺!!)
それしか、出来ない。
- 470 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2011/01/18(火) 01:05:00 ID:.6prKP66O
- >>468
「戻す?そうだな……錬金術的にね?」
【男の錬金術と元来の錬金術の基本は全く違っているのだが……】
「……」
【切り裂かれる直前、巨大な手に捕まれる元局員……】
「……ちゃ〜んす!」
【男は凶悪な、悪そうな顔を浮かべて笑う】
「ぬぅぅんっ!」
【男の手の平に、翡翠色の光の玉が浮かぶ】
【全てを癒すような暖かい輝き……しかし】
グッ
【男はそれを握り潰し、手の内に無理矢理秘める……そしてそのまま……】
「ヌゥゥゥンッリャァァァァ!!」
【強力な拳を元局員に放つ、あろう事か、癒しのマナの力を攻撃に使ったのだ】
【それは再生と破壊の攻撃となる……そう、男は破壊の力で魔術を破壊し、再生の力で局員を救おうとしたのだ】
- 471 :ゼオラ=アドヴァルド:2011/01/18(火) 01:07:38 ID:VsubwHk20
- >>468
ゆっくりと準備を始めた。
腰を落として遠投の構え。狙いは獣の怪人。
口内の毒針を一本取り出し、右手に持ってその手はそのまま左肩の方へ。
じっくりと頭に狙いを定め、次の瞬間。
―――シュンッ
放つ。
一瞬にして振られた右手の刃は空中で闇を纏う。
「槍……痛いでしょ……?」
ククク。と笑う。
滞空中の僅か一秒未満で針は闇を纏う槍と化し、獣の頭へと飛んでいく。
それと同時に少女も消えて、怪人の背後。
「痛い……? ねえ、痛い……?」
空中で身体を捻ると同時に手に持ったナイフで首を切り裂きにかかった。
- 472 :有澤零砂:2011/01/18(火) 01:07:57 ID:i6WWeuFEO
- >>466
「…大変になりそうだね。」
(少し唖然としながら言う)
>>468
「なるほど、次は僕を狙うと…迷彩の使い時か。」
(烏賊怪人が海に飛び込んですぐに、ロボットが消える。
いや、正確にはそこに居るし、注意すればその辺りが僅かに歪んでいるのに気づくかもしれない。)
「烏賊よりも魚を釣りたいんだけどね、本当は…さて」
(自らを囮にするつもりらしく、姿が消えたロボットの付近へ向かう。)
- 473 :エシリア・ロッド ◆uotUYGHVwM:2011/01/18(火) 01:16:13 ID:6n2sZE8Q0
- >>468
「……!」
捕らえた。が、ここまでだ。
このまま握りつぶすには少し力が足りない。
それどころか、少し力を抜けば簡単に抜け出されてしまいそうな気もする
だが、今はこれで十分だろう。
そう判断し、視線はクロスの鎖の方へ。
>>469
このままではイカの力に負け、引き上げる事は到底出来そうに無い。
少しばかり獣人を掴んでいる力が緩むかもしれないが、仕方が無い。何時までも沈まれていてもどうしようも無いし。
すう、と息を吸い込み。
「……ッ!!!」
腕を振り下ろす。
それに合わせ、鎖を掴んでいる黒い腕は上空へと勢いよく伸びる。
じゃらりと鎖は腕に引かれ、更に強い力を篭めてクロスを引き上げようとする。
- 474 :侵略の手2:2011/01/18(火) 01:24:37 ID:sicV56OY0
- //レス番入れ替え有
>>470
「グアアアアアァァァァァッ!!!」
獣の怪人は、叫び声を上げた。
体中の皮膚が剥がれるように、局員の元の姿が露になる……
「グググググッ」
……が、再び全身が白い鱗に覆われ、すぐにまた怪人の姿となってしまった。
>>471
直後、怪人の頭に、黒い槍が突き刺さった。
「グッ……グハッ……」
怪人は、赤い血を滴らせてなお唸っていたが、
さすがの怪人も頭を貫かれれば命は無い。
さらに、止めの首狩り。
「グッ……」
最後に小さく唸ると、怪人の体はオレンジ色に光りだした。
――カッ!
―――ドオオオオオォォォォォォンッ!
白い怪人は、巨大な手と上弦、ゼオラを巻き込んで、炸裂した。
>>472
怪人は、用心しているのか、なかなか現れない。
しかし、どこかで音はする。
ペタ、ペタという、怪人の足音は。
>>469,473
いくら群れてもイカはイカ。
さらに厳密に言えば、イカはクロスを締め付けているだけであって、沈めているわけではない。
もうじきクロスは持ち上がるだろう。
- 475 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2011/01/18(火) 01:29:16 ID:.6prKP66O
- >>471>>474
「戻ったか!?」
【局員の姿が戻り、安堵の表情を浮かべたのだが……】
「そんなッ!?」
【すぐに局員は怪人の姿に戻ってしまう、しかも、そこにゼオラの攻撃である】
「ま、待ちなさいッ!!」
【男は必死にゼオラを止めようと叫ぶが、もう遅かった】
「クソッ!」
【爆発に巻き込まれ、吹っ飛ぶ】
- 476 :有澤零砂:2011/01/18(火) 01:31:30 ID:i6WWeuFEO
- >>474
「…いつでも来てくださいよ。」
(そう呟き、PDWを持つ手に力を込める。)
(そしてロボットは何も言わず機会をうかがっている。)
- 477 :ゼオラ=アドヴァルド:2011/01/18(火) 01:33:17 ID:VsubwHk20
- >>474
「ッ……フッ」
少女は軽く吹っ飛んでいき、そのまま着水。
寒さを感じつつも急いで入水。クロスの救出へ向かった。
- 478 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2011/01/18(火) 01:36:38 ID:HnkBBDEo0
- >>473
引き上げられた体。
体にはイカがまとわりつく。
「ええい、くそ、離れろ!!」
必死にイカを引き剥がす。
(本当はアレ使ってもいいが、ちょっと回りに人がいる以上危険だからな……)
- 479 :侵略の手2:2011/01/18(火) 01:44:35 ID:sicV56OY0
- >>475
――ドサッ……
上弦の目の前に、一人の男が落ちてきた。
それは、観測局の男。
外傷はまったく見られず、あれだけ槍が深々と突き刺さっていた頭部も傷ひとつ無かった。
胸が上下しているところを見れば、生きていることもわかる。
しかし不思議なことに、観測局の男からは、生命力だとか生気といった物がまったく感じられなかった。
>>476
突然、有澤の足元が、ジュウジュウと音を立て、黒い液体があふれ出してきた。
同時に有澤の足元だけが溶け始め、その液体の中に有澤を引きずり込もうとする。
足元に穴が空き始め、その下に白い怪人が居るのが見える。
白い怪人は、口から黒い液体を吐き出していた。
>>477,478
イカは再びクロスに纏わりついてくるが、ただ纏わりつくだけで何もしない。
司令官が現在居ないためか、単純な行動しか出来ていないようだ。
現在、有澤の足元が溶け始めており、上弦の目の前には先ほどまで怪人化していた男が倒れていた。
- 480 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2011/01/18(火) 01:52:29 ID:.6prKP66O
- >>479
「ぬうっ!?」
【地面に叩きつけられ、男はノロノロと起き上がる】
「ッ!?大丈夫ですか!?」
【起き上がった瞬間、局員に急いで駆け寄る……しかし、何かおかしい……】
「生きている……よな……しかし……」
【生命力が感じられない……男はとりあえず局員を背負う】
- 481 :ゼオラ=アドヴァルド:2011/01/18(火) 01:54:33 ID:VsubwHk20
- >>478>>479
//引き上げられたらしいので付いて行った事に……。
―――サクッ
クロスの身体に張り付いたイカを切り裂いていく。
顔に酸がかかり若干の血を流すが気にしない。
- 482 :有澤零砂:2011/01/18(火) 01:58:32 ID:i6WWeuFEO
- >>479
「あぁ…!下からか!」
(少年は何も抵抗が出来ずに飲まれていく、ただ怪人には視界の端で空間の歪みと電流が迸るのが見えるかもしれない。)
- 483 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2011/01/18(火) 02:00:41 ID:HnkBBDEo0
- >>481
「悪い、助かった」
イカの束縛から解けたクロスは、少しムスッとした表情で立ち上がる。
「少し、離れていてくれないか?
流石に腹が立った」
>>479
「……使いたくなかった、が、
使わせて貰うぜ」
クロスの体が輝く。
バッドエンドトリガー
「 紅獄罰骨 、発動」
ガシンと甲板に降り立ち、辺りを睨む。
辺りに怪人の姿は……ああ、そこの解けた床の中か?
「酸による潜行か。これで船の中も海の中も自由自在か?
だったらァ……船も海も吹き飛ばせば済む話だ」
クロスの右腕が変化する。
それはまるで、魔獣の首。
大きく開けられた口の中には牙が並び、そこには砲身のような穴がある。
「お前らァ、死ぬんじゃねぇぞ!!」
砲身に、光が収束されてゆく。
グレゴリオ
「極刑砲『砕悪』!!!!」
クロスの能力。
それは――金属操作。
金属を召喚し、自由に操る能力。
その能力によってクロスの体は金属と融合している。
銃弾程度では、少し痣が出来るか出来ないか程度だ。
そして、クロスの操る金属は、酸によって反応し、爆発するのだ。
そう、金属とは、ただの鉄ですら酸化すれば熱を発し、種類によっては強烈な爆発を起こす。
グレゴリオ
「極刑砲『砕悪』、装填! 素材、セシウム!!」
セシウム。少量でも浴槽に放り込めば、浴槽ごと吹き飛ばす危険金属。
それを砲弾サイズで砲身に詰め込み、
「発射ァ!!!」
怪人のいる船に向かって、発射した。
砲弾は船体を貫通して海に届き、
海水によって酸化。
――爆発。
- 484 :ゼオラ=アドヴァルド:2011/01/18(火) 02:12:05 ID:VsubwHk20
- >>483
「……」コクッ
無言で頷くと闇に消えた。
少々離れた船上から見てる。
- 485 :侵略の手2:2011/01/18(火) 02:15:24 ID:sicV56OY0
- //最後に全体攻撃
>>480
上弦は気づいただろうか。
上弦が男を背負った瞬間、男の体から、大きなエネルギーの塊――
――小さな鱗の形をした何かが飛び出したことを。
その鱗は、港の方に向けて飛んでいった。
>>481
クロスにしか向かっていかないイカは、難なくゼオラに切り裂かれていく。
ジュウジュウと甲板を溶かしながら、イカは消えていった。
>>482,483
「――不味い」
空間の歪みか、それともクロスの膨大な邪気に対しての感想か。
怪人は液体を下に向け、船の下に潜りこもうとする。
その瞬間、セシウムの砲弾が、海に飛び込むが、遅すぎた。
「ぐあああああぁぁぁぁぁっ!!!」
怪人はその爆発を受け、海に沈むことなく、逆に空に放りだされた。
右半身が焼け焦げ、腕はもうまともな形をしていなかった。
背中の触手も、すぐに再生できるような状況ではないだろう。
「くっそ……ただでは死なんぞ……!」
―ブシュウウウウゥゥゥゥッ!!!
怪人は、ありったけの黒い酸を体外に放出する。
口からだけでなく、ダメージによる傷口からも、酸を放出し始めた。
怪人であっても、酸のダメージは受ける。
ましてや、傷口から酸を噴射したら、更なるダメージは明確だろう。
「じゃあな、能力者共、最後の足掻きだ!」
先ほどの怪人と同じ用に、怪人の体がオレンジ色に輝き始めた。
当然、次の瞬間怪人は、
――ドゴオオオオオォォォォォン!!!
炸裂した。
しかし、その衝撃で、死ぬ直前に放出した酸が、船全体まで広がる。
黒い雨が再び船に降り注いだ。
- 486 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2011/01/18(火) 02:17:34 ID:.6prKP66O
- >>481
「ゼオラ!酸!酸!、綺麗な君の顔が!」
【気にしないゼオラに注意する、物凄く心配そうである】
>>481>>483>>484>>485
「ッ!?」
【男は瞬時にその場から離れる、聞こえるかはわからないが叫んだ】
「二人ともこっちに来なさい!私の背後に隠れろ!!」
【その瞬間、強力なマナのシールドを展開させる】
【男は必死だった為に、鱗には気付かなかったが、マナのシールドは広範囲に渡ったが果たして……】
- 487 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2011/01/18(火) 02:25:29 ID:HnkBBDEo0
- >>485>>486
「すまん助かる!」
コートを急いで脱いで頭の上に翳すも、すぐさま溶けてゆく。
「熱っ! あちちちちちちちちち!!」
飛び込むようにシールドの中に逃げ込んだ。
「くっそー、3万もした靴と手作りのコートが台無しだ。
このボンテージパンツも高かったんだぞ、くそー」
悪態をつきつつ、焼けた皮膚を撫でた。
「今回はてこずったぜ。くそ!」
- 488 :ゼオラ=アドヴァルド:2011/01/18(火) 02:28:19 ID:VsubwHk20
- >>485>>486
「……」
いつの間にかそこには少女が居た。
頬の酸の付いた部分を撫でると小さく頷いた。
- 489 :有澤零砂:2011/01/18(火) 02:28:58 ID:i6WWeuFEO
- >>483
(とっさに最後の手榴弾のような装置で爆発のダメージを押さえきるが共に吹き飛ばされる。)
「巻き込まれたあげくいいところまで持っていかれちゃったか。」
『このチャージ済みのレールガンはどうすればいい?』
>>485
「…あれをなんとかしてよ。」
(ため息混じりに上空を指差して言う。)
『了解、このままじゃ収まりがつかないんでな。派手な花火だ。』
(上空へと膨大なエネルギーの塊が放たれ、一人と一機に降り注ぐはずだった酸を蒸発させる。)
「相殺には過剰火力だったかな…?」
>>486
「僕らはカウント無しですか、悲しいですね…。」
(しょんぼり顔でそちらを見てみる)
- 490 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2011/01/18(火) 02:34:33 ID:.6prKP66O
- >>487
「HAHAHAHA!そんな元気があれば服なんて小さい小さい!」
【朗らかにに笑い、クロスを眺める】
「ある意味最悪の条件が勢揃いでしたからね、護りに撤して正解だった!」
【人事だと笑っていた】
>>488
「ぬぉっ!?びっくりしたぁ!!」
【多少驚いたものの、すぐに笑顔】
「大丈夫かい?痛くない?」
【綺麗なハンカチを渡す、錬金術製なので溶けないよ】
>>489
「いや、最初はゼオラと君を呼んだんだよ?、クロスさんの技の巻き添えにならないようにね?」
【困ったように笑いながら】
「そうしたら酸の雨さ……だから結果として三人になった訳だよ……ほら、おいでおいで」
【元気づけるために手招きをする】
- 491 :侵略の手2:2011/01/18(火) 02:37:26 ID:sicV56OY0
- 酸は上弦のシールドによって妨げられ、船が沈むようなダメージは起こらなかった。
しかし、白い怪人の爆発の中から、もう一枚鱗が飛び出し、港に向かった。
やがて、爆発が収まり静かになったころに、観測局員が漁船の転移陣から現れた。
最初にメガホンで喋っていた男とは別の人間だ。
「ご苦労様でした、皆さん。
これで異能都市の漁産業がまた再開できます。
後始末はこちらで引き受けますが……。
どうして船が巨大化してるんでしょうか……」
【港】
船の方角から飛んできた鱗2枚を、ローブの男が手に取った。
「影将の復活……あともう2枚か」
【イベントクリア!】
【また長時間お付き合い有難うございました!】
- 492 :有澤零砂:2011/01/18(火) 02:44:24 ID:i6WWeuFEO
- >>490
「それなら、いいんですけど…次はあいつも頭数に入れてあげてください。」
『……』
(そう言って自分の隣の急に黙ったロボットに指を指して)
>>491
「よし…これで魚の値段が落ち着く…」
『それが目的だったのかよ!』
「違うよ、データもちゃんととったよ…まぁ正直なところ力が足りないのが解った、帰ったら調整だ。」
- 493 :ゼオラ=アドヴァルド:2011/01/18(火) 02:44:40 ID:VsubwHk20
- >>490
素直に受け取ると頬を拭いた。
酸で皮膚が焼け、赤く痛々しくなってしまっている。
「……すぐ、もどる」
>>491
パーカーの穴のあいた部分を擦りつつ、話を聞いていた。寒い。
ポケットから白いリボンを取り出すと大事そうに眺めている。
- 494 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2011/01/18(火) 02:46:12 ID:HnkBBDEo0
- >>489
「悪いな、一発くらいは奴に入れてやらんと、気がすまなかった」
少し大人気なかったかな、と誤魔化すようにハハハと笑う。
>>490
「うっせ。命だけなんとか助かるとか、ダサすぎだろ俺」
そのまま船の甲板に寝転がる。
>>491
「おう、話せば長くなる……が、目的は果たせたんだ。
それで良しとしようぜ。で、俺は流石に疲れた……」
ゆっくりと目を閉じ、
「あとは、頼んだ」
寝てしまった。
//クエストおつかれさまでした!
- 495 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2011/01/18(火) 02:53:18 ID:.6prKP66O
- >>491
「終わったか……」
【男は背負った局員を他の局員に頼み、病院に運んでもらう事にしたのだった】
//お疲れさま!久しぶりのイベント楽しかったです!
>>492
「……あぁ、わかったよ、気を付ける」
【頭を下げながら、男はその言葉を胸に刻む】
>>493
「そうか、それなら安心だけど」
【安心半分、心配半分の表情でゼオラを見るのだった】
「裏はどうなったんだい?、クロスさんとの食事を楽しみにしていたようだが……私と帰るかい?」
【リボンを見つめるゼオラに聞き】
>>494
「ははははは、いつも格好良かったらダメですよ、私の見せ場が無くなりますからね?」
【元素調合で毛布を作り出し、クロスにかけた】
- 496 :侵略の手2:2011/01/18(火) 02:58:30 ID:sicV56OY0
- >>492,493
「つきましては、港の方で医療班が待機しているので、怪我のある方は足をお運びください。
重症の方がおりましたら観測局の方で病院までお運びいたします」
観測局の男はその後の対応についてずっと喋っていた。
>>495
「ああ、また怪人化の被害者ですか……しかも今度は同僚とは…」
どうやら、怪人化した人間が元に戻ると、昏睡状態に陥るのはよくあることらしい。
しかも局員の話では、全員まだ目覚めておらず、今も病院で原因究明がされているとか。
>>494
「また、報酬については……あら、寝ちゃったよ」
「おい、こいつ銃字森じゃね?」
後ろからやってきた観測局の男が、クロスを見て言った。
「あ、本当だ。
俺こいつの店行ったことあるよ」
「マジか、じゃあお前よろしく」
「いや、先に病院だろ」
ごちゃごちゃいわれながら、クロスは怪人となっていた局員と一緒にわっしょいわっしょいされて行った。
- 497 :ゼオラ=アドヴァルド:2011/01/18(火) 02:59:13 ID:VsubwHk20
- >>494
「……おやすみ」
そういうと振り返って。
>>495
小刻みに震えだした。本当に寒いらしい。
「今日は……。か、帰る……」
そう言い終わるのが早いかどうかのスピードで闇に溶けて行った。
- 498 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2011/01/18(火) 03:03:44 ID:.6prKP66O
- >>496
「そうか……」
【表情は崩さなかったが、内心は悲しい】
「いつか、目覚めるといいですね……」
【男は局員に頭を下げ、今後の回復を祈った】
>>497
「寒いか、ならば私のコートを……早いッ!?」
【コートを渡そうとしている間の出来事だった】
「私も帰るか……」
【その場の全員に挨拶をして、男は歩いていった】
- 499 :有澤零砂:2011/01/18(火) 03:05:30 ID:i6WWeuFEO
- >>491
//お疲れさまでした。
>>494
「…まぁ、次に同じような事がないようにしてくれればいいですよ。」
(少しだけため息をついて。)
>>495
「…ありがとうございます。」
(それだけいい深く頭を下げる、逆にロボット側はどうでも良さそうにそれを見ている)
>>496
「僕は大丈夫ですよ、少し『普段着』が溶けただけですから。」
(そこまで目立った外傷もないらしい)
「自分はそろそろ陸地が恋しいので帰るとします。」
「今日はいろいろとありがとうございました、あとお疲れ様です。」
『まっ、次に会うときは味方でいれるといいな。』
(そう言って帰っていく。)
/皆さんお疲れさまでした。
- 500 :『ジボル』:2011/01/23(日) 23:23:35 ID:0st.eZ8I0
- 【小さな茂みががさがさ揺れる】
【そしてぴょこんと長い髪の逆立った頭が飛び出した】
〜〜〜……。
【今までずっと都市から離れた山野で生活を営んでいた野人の少年】
【その少年から見れば、目と鼻の先にある綺麗に舗装された道路がなんだか恐ろしい領域のようで近づけないのだ】
【茂みの中でくるくると首を忙しく動かして、見慣れない文明を眺め続けた】
- 501 :/GM:2011/01/28(金) 21:46:10 ID:.ViFOavA0
- 【繁華街近くの公園】
観測局の者は焦っていた。
とある筋から入った情報に拠れば、本日、襲撃があるとのこと。
しかし、迎撃できるであろう能力者は今は居ない。
「くっ……能力者は居ないのか…!」
クソッタレとばかりに地面を蹴る観測局員。
僅かに水気が混じった砂の塊が、飛んだ
- 502 : ◆uotUYGHVwM:2011/01/28(金) 21:51:19 ID:6n2sZE8Q0
- //参加おk?一人はちょっと不安だけんども…
- 503 :/GM:2011/01/28(金) 21:54:12 ID:.ViFOavA0
- >>502
//おkですよー。
- 504 :エシリア・ロッド ◆uotUYGHVwM:2011/01/28(金) 21:57:56 ID:6n2sZE8Q0
- カツン、カツン。
靴が地を擦り、叩く音が聞こえる。
夜の闇の中に一人。顔だけを見れば少年のような男が、男に向かい歩いてきた。
「……すいま、せん……遅、れ、まし、た……」
大き目の鞄を両手で抱えながら男の目の前に立ち、ペコリと頭を下げる。
- 505 :観測局員/GM:2011/01/28(金) 22:03:17 ID:.ViFOavA0
- >>504
「きみは…能力者か!」
靴を擦る音、固い何かがぶつかる音に、観測局員が振り向いた。
白衣が同時に揺らめいた。
エリシア・ロッドを見つめるその瞳は期待の眼差しが浮かんでいた。
しかし、変わった男だ、やはり能力者だからか。
「君、話は聞いているかね?」
- 506 :新嘗草平:2011/01/28(金) 22:07:06 ID:3zBsx8Z.0
- 「ここか、件の現場は」
若い男が着流しを風になびかせ、顎に手をやりながら闊歩する
「どれ、ここの責任者とやらは何処にいる?」
あたりを見回しながら、それらしき人物を探し始めた
- 507 :エシリア・ロッド ◆uotUYGHVwM:2011/01/28(金) 22:10:29 ID:6n2sZE8Q0
- >>505
「一、応は…」
期待の色が見えるその瞳に、少し戸惑いながらもそう答えて。
周りを見渡し、こてんと首を傾げ。
「…あ、れ…他、の人、は…?」
>>506
「…あ…」
来た。他の人。
「こん、ば、んは……」
問いかける男に挨拶と共に一礼。
顔を上げ、そっちの人です、と指を挿して。
- 508 :観測局員/GM:2011/01/28(金) 22:15:29 ID:.ViFOavA0
- >>506
「ああ、そうだ。一応、この現場は私が仕切ることになっているのだが…」
この公園には、この男と数人の男性。
この男性がブリーフィングを担当し、他の男性は伝令やら機会の類をいじっている。
>>507
「もう一人来てくれた。一応、情報提供者も参加する話だったが、まだ姿が見えん。」
やれやれ、といった表情を見せる観測局員。
「では、ふたりとも。ブリーフィングを開始するがいいかね?」
- 509 :新嘗草平:2011/01/28(金) 22:21:09 ID:3zBsx8Z.0
- >>507
「ん、ああこんばんは。見たところお前が責任者……ではなさそうだな」
一瞬、目の前の男が責任者かと思ったが直ぐに自分でそれを否定する
「あっちか、わざわざすまんな」
右手を礼の形に立てると、指差された方向に歩き出した
>>508
「お前が責任者か。詳しい説明を受けずにここにきてしまったからな。情報が欲しい」
「ぶりーふぃんぐ……とやらが何かは知らんが、とりあえず分かるだけの事を教えてくれ」
男は横文字に拒絶反応を起こしながらも、責任者の男に対し、説明を促した
- 510 :エシリア・ロッド ◆uotUYGHVwM:2011/01/28(金) 22:26:24 ID:6n2sZE8Q0
- >>508
「…どう、した、ん、でしょう……」
何か嫌な予感がしないでも無いが、説明が聞けるのならば誰でもいい。
確認の言葉に、頷きを返して。
>>509
「……」
少なくとも責任者ってなりでも無ければ格好でも無い。
参加者です、とゆったりとしたペースで付け加えて。
- 511 :観測局員/GM:2011/01/28(金) 22:30:06 ID:.ViFOavA0
- >>509
「分かった。では簡単にだが、既出の情報をまとめよう。ふたりとも、見て欲しい。」
局員は、真面目な目をした後、機械を弄る男性に声を掛ける。
機械をいじる男性がノートパソコンを運んで来れば、ある画面を指す。
それは、この都市の繁華街の一部のマップだった。
青を基調とした背景に、赤い点がいくつか浮かぶ。
赤い点は、どれも二つのペアで固まっていた。
「これが、今回の問題だ。彼らの出自は退魔の者…とのことだ。」
>>510
「君も状況を把握するために頭の隅に置いていて欲しいのだが、いいかね?」
かなりマイペースな人物のようだが、一応話を聞いてくれるだけでマシだ。
- 512 :新嘗草平:2011/01/28(金) 22:39:13 ID:3zBsx8Z.0
- >>511
「退魔か、同業を生業にする者としてはつまらん話だな」
憮然とした表情で腕を組みながら
「二人組で行動しているのならそこを崩す必要があるな。敵は何が目的か分かっているのか?」
頭を人差し指で刺激しながら、説明をしている男に尋ねる
- 513 :エシリア・ロッド ◆uotUYGHVwM:2011/01/28(金) 22:49:49 ID:6n2sZE8Q0
- >>511
こくこく、と再度頷く。
画面を覗き込み、うーん…と小さく声を上げ。
「こ、れ…都市、の、地図、で、すよ、ね…?
そ、の、退魔、の、人が、もう、都市、の、中に…?」
- 514 :観測局員/GM:2011/01/28(金) 22:54:40 ID:.ViFOavA0
- >>512
「同業者か。情報提供者からの話では、魔を滅ぼしたいらしい。ここは多い、だから目につくのだろう。」
うむ、と顎に手を当てる局員
「…同業者を倒すのは、問題にならないのか?」
彼は“しがらみ”のことを聞きたいのだろう。
しかし、局員の男は草平の返事を聞く前に顔を顰めた。
その原因は臭い。正確には腐臭。
>>513
「都市の中でも一部だ。既に一般人、或いは能力者の振りをして侵入したようだ。」
男は顰めっ面から鼻を摘む。
「今回の敵の縄張りは、繁華街の中とのことだ。ただし、迎撃体制は整っているやもしれん。注意してくれ。」
確かに、鼻を摘みたくなる腐臭が漂ってきた。
『観測地点より、行動が確認されました!』
男が腰に指す無線機より、男の声が聞こえた。
- 515 :新嘗草平:2011/01/28(金) 23:02:48 ID:3zBsx8Z.0
- >>514
「同業同士の確執など、俺の生まれる前から存在している」
嫌悪感を仄めかせながら応え、首を振る
「そう言うのが嫌いで、俺はここに来た。今更ためらいなど無い」
そう言った途端、眉をひそめ、あたりを見回す
右、左、右、と見ておもむろに立ち上がる
「この匂い……穢れの臭いだな。敵はもう動いているのか?」
無線機の声を聞き、懐に手を突っ込んだ
そこから取り出したのは、琥珀と翡翠のでできた二つの玉
「……さて、御祓の時間だ」
- 516 :エシリア・ロッド ◆uotUYGHVwM:2011/01/28(金) 23:04:21 ID:6n2sZE8Q0
- >>514
「普通、の人、に…。大変、そ、う、です、ね……」
臭いを感じていないのか、鼻を摘んだりする事も無く、溜息。
「分かり、まし、た…」
ゆっくりと頷いて。
>>515
無線機から聞こえる、何かが始まった事を告げる声。
それを聞き、何かを思い出したように顔を上げ。
「あ、の…。僕、は、エシリ、ア・ロッ、ド…で、す…」
ゆったりとそう名乗り、深々と頭を下げて。
- 517 :戦闘開始!/GM:2011/01/28(金) 23:13:56 ID:.ViFOavA0
- >>515>>516
『接敵!せっ…』
無線機から聞こえる声は男性のものだった。
が、言葉半ばでノイズにかき消される。
ザッ―
ザザー――
そして、ノイズが一つ、二つ。
『よぉ…“敵”さん。気分はどうだい、なーんてな』
『オーホッホッホッホッ――私にはむ……『五月蝿い』』
賑やかであろう二人の女性の声。
先ほど見せられた二人組の一部だろう。
腐臭強くなってきた。
――近くにいる…!
そして彼女たちは現れた。
老若男女の関係も無く構成された一団は、腐肉特有の腐臭を匂わせながら繁華街を抜け、こちらに現れた。
その一団の指揮官は―――地伏 千鶴(ちふせ ちづる)
退魔に属しながらも、死体手繰りと呼ばれる能力を使用する、退魔の鼻つまみ者。
彼女の燃えるような赤髪は、揺れていた。
釣り上がった目の眼差しは彼女の気の強さを示すように。
そして、オーホッホッホッホと一昔前のお嬢様の高笑いが木霊する。
ルッカだ。
彼女は持っていた大きなカバンを開くと、カバンの口を地面に向けた。
中身は様々な武器だ。
短剣・弓と矢・鞭・クナイetc……
地面に無造作に散らばったそれらは、ルッカの“能力”だ。
正確には彼女は退魔では無い。
が、海外で悪魔祓いをしていた経験を買われた。
ルッカの足元には紅き魔法陣が描かれる。
ルッカの金髪のツインテールドリルが上下に跳ねた。
「往きますわよ、チフセ!!」
地伏とルッカの能力で出来上がったのは腐人の軍団。
彼らは何から生まれたかは、能力者本人しかわからぬだろう。
軍団は動き始める。
彼らは…自らの生まれを知らず、自らの使われ方を知らず、自らの意思を知らず。
そろそろ大通りに軍団の第一陣が差し掛かる頃だ。
生きた人間を捕まえれば、そのまま噛み付き、肉を咀嚼する。
大方食べ終わると、彼らは我が顔で再び歩む。
そんな彼らは――何の矜持も無い、只、本能に従うだけの“魔物”と化した元・人間。
“魔物”と化した腐人の後ろで哂う、地伏とルッカ。
ルッカの声が相変わらず五月蝿い。
その一団を避けるようにすり抜けた一つの影。
夜闇に融けるように黒い装束のその人物に気付けるのは難しいだろう。
- 518 :新嘗草平:2011/01/28(金) 23:33:57 ID:3zBsx8Z.0
- >>516
目の前の男……エシリアの言葉を受け、ちら、と視線を合わせ
「新嘗(しんじょう)……草平だ。新嘗でいい、下の名前は好かん」
とだけ答え、数歩歩いてから思い出したように
「……死になさんなよ。寝覚めが悪い」
>>517
目の前に見える地獄絵図を見つめ、一言
「穢らわしい」
「ここまで死を愚弄する者も珍しいが……まさか退魔の者だとは……木乃伊取りが木乃伊になったか!」
そう言うと翡翠の玉を上に投げる
「かけまくもかしこしおんいざなみのみことよ
くさぐさのもののなかりせば
こよいはかいじんをぐして
かえすものはかえし
あるものはあらんことを
かしこみかしこみももうす」
其れは祝詞でも、呪でもない、神への言葉
神懸は繁華街のビルに木霊し、それぞれが重なって独特の響きを生む
やがて、翡翠の玉が淡く、そして厳かに発光する
「返すものは返す……土に還れ、死者どもよ」
その言葉を引き金にして、死魂の類を滅するイザナミの神懸りを得た玉が、正確に死者に向かって飛んで行く
- 519 :黒沢小百合:2011/01/28(金) 23:47:54 ID:SSMHlh/20
- >>517
まるで地の底から這い上がってきたような
地獄の軍団が蠢く大通りを、小百合は見下ろしていた。
ちょうど、大通りに面したホテルの10階、
裕福な旅行者が夜景を楽しみながら、食事を楽しむはずの
展望レストランには今、彼女しか居ない。
他の宿泊客は既に公民館や役所、警察署へと避難するか、
自室に篭って震えているからだ。
「相手は退魔のものだと聞いていましたが、
これではどちらが魔かわかりませんね。まったく、面倒な事をしてくれる。」
『こちら、シエラ12よりHQ。すごい数の化け物です。
今のところ、一般市民に被害が出ただとかの情報は入っていません。』
「よろしい、シエラチームは哨戒続行しなさい。」
小百合は、インカムからもたらされる情報を聞きながら忌々しげに顔をゆがめ、呟く。
「時代遅れの退魔どもめ、そのおろかな行為は血によって贖ってもらうぞ。」
- 520 :エシリア・ロッド ◆uotUYGHVwM:2011/01/28(金) 23:48:10 ID:6n2sZE8Q0
- >>518
「…新嘗さ、ん、です、ね……。よろ、し、くお願、い、しま、す…」
視線を合わせられ、微笑みだろう。口元を少し上げてそう返して。
「……は、い。頑張り、ま、す…」
>>517
「……うわ、ぁ……」
今時あんな笑いする人間が存在する事に軽く声を漏らし。
更に彼女らが生み出した腐敗した人らしき物の軍団を見て、今度はため息を。
「……」
さっきの人が鼻を押さえていた理由はコレか、と今更納得をして鞄を開き手を突っ込む。
握られ、取り出されるのは粘土のような塊。
それを千切って、放り投げ
メーカー・キャスト
「『人形精製』発動」
能力名を呟くのと同時。
放り投げられた塊が光を放つ。
光り輝く塊は地に落ちるのと同時に、幾つかに分かれた。
更に、その塊は光の中で形を変え、質量を増し
キャスト・ヒューマン
『役:人間』
光が消えた。
その中から現れるのは、エシリアの身長の半分程の高さの人形。
それが、ざっと数えて20体。
様々な武器を携えた人形が、エシリアが手を上げるのと同時に武器を構え
「……」
下ろすのと同時に、腐人の軍団目掛け、駆け出した。
- 521 :GM:2011/01/29(土) 00:10:56 ID:.ViFOavA0
- レス番入れ替えあり。
>>518
翡翠の玉が淡く光るとき、彼ら腐人の軍団は陽の属性に圧され、消えていく。
“国生み・神産み”は彼ら退魔の外れ者の中でも、特に強力とされている。
「攻撃力は高いようだけど、おいそれとやられるわけにはいかない!」
『オーホッホッホッホッホホォ〜。貴方方、少しは出来るようですが――次はそうはいきませんわよ?』
「千の記憶(サウザント・メモリー)…」
『アラベスクですわねっ!』
アラベスク。「アラビア風の」の意。華麗に装飾された楽曲。
再び生まれる腐人の軍団。その数、約10。
しかし、その躰は華美に装飾された鎧を身に纏う死霊の騎士(アンデットナイト)がいた。
『カルテットを組みなさいな。』
四人で一組を組むアンデットナイト。
それぞれ、新嘗とエリシアに向かい、隊列を組んで進んできた。
残りの2名は、二人を守るように、前につく。
確かに、翡翠の珠の光により、腐人の軍団は滅んだ。
が、今度は精鋭を出してきた。
彼らは一斉に剣を抜き、新嘗に斬りかかろうとする。
>>520
役:人間(キャスト・ヒューマン)が腐人を切り裂く前に、翡翠の光で既に滅んでしまった腐人の軍。
しかし、彼ら、キャスト。ヒューマンに襲いかかるのは、精鋭たる死霊の騎士。
彼らの華美な鎧の前では、小さな人形の攻撃は余りダメージになるとは言えない。
しかし、数で押す彼らの手段としては正解であった。
腰の辺りから蓄積されるダメージは、死霊の騎士の装甲を剥ぐ、までとは行かないが、
着実にダメージを与えている。
>>519
「始めるとしよう。」
『そうだね。始めよう。』
廃ビルの屋上の上、金髪でツンツン頭のスーツ…何時からクリーニングに出していないのか分からない程、シワの寄ったスーツを着ている男――御宿 楊(ぐすく よう)
そして、御宿の隣に立つ、裾を折ったジーパンにパーカーを羽織る小学校高学年程の男の子――アガーテは御宿の声に明るく返す。
目下には華々しい…目に毒とも思える異能都市の繁華街が広がる。
少年――アガーテの特技は遠見の法。
文字通り遠くを見る術。
正確には目の前の鏡から、覗き込むような形だが。
『ねぇ、楊。インカムで話している人がいるよ。僕達の邪魔をするのかな?』
「まーだ断定は出来ない。もう少し様子を見よう。」
廃ビルの屋上から、下界の惨事を人事のように見つめるような二人。
- 522 :黒沢小百合:2011/01/29(土) 00:32:22 ID:SSMHlh/20
- >>520
「さて、そろそろ殲滅に乗り出さねば。
あまりいい気にさせておくと、後で市民がうるさい。」
小百合はいつものように、袖口に仕込んだ紙片を引き抜き、
己の軍団を具現化。
大通りで戦闘を繰り広げる、4人の精鋭死霊騎士の前に
新たに現れたのは、マスケット銃で武装した、砂漠の軍団。
難攻不落三重城壁に守られたの東ローマ帝国首都にして最大の要塞、
コンスタンティノープルを攻略した、オスマントルコの主力部隊。
イェニチェリ
「『新しき兵』の前にカビの生えた亡者は粉砕される。
さらば、旧世代、そして退魔の亡霊たち。」
小百合は下の様子に夢中で、自分が見られていることに気づいていない。
- 523 :新嘗草平:2011/01/29(土) 00:38:42 ID:3zBsx8Z.0
- >>521
進軍する骸の行進と相対し、憤然とした面持ちで腕を組む
「死者にも衣装か、意味のない事だ
その鎧ごと飛ばしてやろう」
剣を抜く死者の騎士を見て、脇にさした刀に手をかける
「すぅ……」
その姿勢を維持したまま、深呼吸をし……
「生魂(いくたま)!」
全身に血管が浮き出、首筋の筋肉が弛緩する
「足魂(たるたま)!」
怒髪天を衝くかの如く髪が逆立ち、足元の地面にヒビが入る
「御休魂(みやすたま)!!」
鈍色の気波が吹き出し、山を舐め尽くす業火の様に石油畳に広がる
「新嘗草平之上、国常立御命(クニドコタチノミコト)!!」
ゴオッ! という音をあげて、男の周りを風が荒ぶ
はためく気波に乱れる着物を風にまかせ、かちゃ、という音ともに手を柄にかけると
「八百万の神よ、ご覧あれ」
その刀を、竿ごと振り抜いた
振り抜いた作用で起きた只の衝撃波
其れは、字の如き"神速"で死者の軍勢へと放たれる
- 524 :エシリア・ロッド ◆uotUYGHVwM:2011/01/29(土) 00:49:27 ID:6n2sZE8Q0
- >>521
「……」
小さな人形達による連撃。
鎧を纏った騎士にも、効果は無い訳では無さそうだ。
だが、少し力不足だろうか。
ならば。
ふ、と息を吐き力を篭める。
20体の人形のうち、半数が突然光を放つ。
ぐにゃりと歪み、うねる光は残った人形の腕を覆い、形を変える。
「……これ、な、ら…!」
光の中から人形が手にしたのは、自身の身長程の長さがある槍に剣、斧に槌。
一目で先程までの装備とは大きさも威力も違う事は分かる。
目標は4体のうち、まず一体を撃破。
一体の騎士目掛け、駆け抜け、武器を振り上げ、一斉に振り下ろす。
- 525 :GM:2011/01/29(土) 01:08:48 ID:.ViFOavA0
- >>522
「――どうだ、アガーテ」
『一度曲げればなんとか狙えるんじゃないかな。』
「了解。観測頼む。」
彼――御宿 楊は一度廃ビルのアジトに戻り、アサルトライフルを手にして戻ってきた。
銃口には、お手製のサイレンサー。
銃口が指し示すのは、道路の中央。
この騒ぎだ。少々発砲音が鳴ろうと誰も気づかないだろう。
そして、発砲。
『ここっ!』
「……曲がれ」
一度放たれた弾丸。
普通に撃たれた弾丸なら、このままアスファルトに穴を空ける結果となるが、
一度放たれた弾丸は――角度を変え、小百合の腰部に向かっていった。
上手く行けば、手首・或いは袖口。
まぁまぁといった処では左脇。
>>523
「馬子にも衣装っていうでしょ?」
人体活性術を経由し、放たれたそれは、“只の衝撃波”とも言えない程非常に強力で、新嘗に迫った四人の死霊の騎士は息絶える。
しかし風により、粉塵と化した死霊の騎士“だったもの”が新嘗へと降り掛かる。
「それにしても…国常立御命なんてなぁ。天地創造クラスの大神格なんて洒落にならないわよっ!」
人類を始め天地間に生存する一切の生物の生命、生活力の根源。
それが国常立御命。
一介の肉塊が対処するレベルではない。
『クニドコタチノミコトって何よっ!答えなさい!』
「いいから、行くわよ!あんなの並の退魔じゃ欠片の力も借りれないクラスよ!」
なんとなく、ヤバいというのは分かったらしい。
先程までの地伏千鶴の表情の変化で読んだらしい。
>>524
しかし、それは騎士。
残った3人で協力して、攻撃を防ぐ。
「千の記憶(サウザント・メモリー)」
『トロイメライ』
トロイメライ。夢想的な趣のある、器楽用の小曲。
エリシアの首を取ろうとするアンデットがまた、増えた。
今度は死霊の剣士13人。
「あの人形使いっぽい子を狙って!」
『これは戦術的撤退ですわ!決して敗走ではないですのよ!』
彼らは、命令された動きをする。
改められたキャスト・ヒューマン、しいては術者であるエリシア・ロッドを狙い、行動を開始する。
彼らは各自分散し、エリシアが逃げられぬ体制を整えようとする。
二人で一箇所をカバーする動きだ。
- 526 :GM:2011/01/29(土) 01:10:43 ID:.ViFOavA0
- 【路地裏】
様々なゴミや、ビルの排水管が這い回る路地裏にて、二人は対峙していた。
二人の勝負を見守るのは、月のみ。
真琴はナイフを握る手から汗が止まらないのを自覚した。
――こいつ…出来る……!
真琴と“何者か”は対峙していた。
“何者か”は漆黒の衣に身を包み、空虚な瞳だけが真琴を見ていた。
ふたりの距離は3m。その気になればいつでも殺れる距離でもある。が、真琴の“必殺”の距離では無い。
真琴が相対する相手は、目しか確認出来ない文字通り漆黒の戦装束、得物は30cm程度の短い金属製の槍、手槍2本。
腰をどっしりと落とした相手は、自らの眼前で両手をクロスさせている。
真琴に向けられるのは、2本の穂先。美しい刃紋が真琴の首を狙う。
真琴も自らの構えを見せる。
逆手に持ったナイフを顎の辺りまで上げる。
刃はもちろん相手に向けている。
互いに“必殺”の距離に入り込もうとするも、相手に阻まれる。
感覚にして10分、実際の時計の動きでは2、3分程度のにらみ合い。
――この構え…
一瞬真琴が思考の海に溺れそうになった時、僅かな隙と見た黒装束は動く。
ふと、黒装束の姿が消えた。
真琴は自らの体捌きでは音を出してしまう。だが、相手は自分以上の体捌きを見せ、更には音を消して見せた。
それは獣めいた動きで、一瞬で真琴の首を落とさんと迫る。
真琴は振り向き様にナイフを振るう。
どうにか、この攻撃は回避出来た。
――もしかして…“馬霧”?それとも……
あの獣めいた動きは馬霧のそれと非常に酷似していた。
幼少期からの研鑽を積み重ねてようやく手に入れる技術。
幼い頃からこの動きに慣れていなければ関節に過負荷を掛け、そのまま壊す結果にも十分成り得る。
黒装束は動きを止めない。
壁から地面へ、地面から壁へと移動を繰り返し真琴の急所を狙う。
どのような動きで可能なのか、真琴の目を以てしても完全に消えたように見える。
ある程度狙いを絞れ、攻撃を防げるのは真琴自身が暗殺者で狙いどころ(急所)が分かるからだろうか。
既に人の領域を超えた動きを見せる黒装束。
速度でも、一撃の重さでも叶わない。
なら……。
能力の使用。
「(なっ……!?)」
真琴がばら蒔いた毒は直接神経に作用するものだ。
だが、神経に作用するまでの時間を稼ごうと動き回り、その毒を攪拌しようにも相手は一切ひるむ様子も無ければ衰える様子も無い。
「(まさか……!耐毒…)」
毒を使う退魔の一族はいる、と話を聞くが、毒を完全に味方に付けているのは馬霧だけだと推測を立てていた真琴。
お互いに高速戦を得意とするのか、独自の体捌きで二人の姿はブレては金属音を立て、ブレては金属音を立て火花が散るという動作を繰り返している。
真琴の躰は様々な部分――特に血液が集中する部分が集中的に斬られているため、真琴の躰は血に染まっている。
「(“魔切”のほうか…!)」
馬霧が魔切と名乗っていた頃は聞いたことがある。
随分古い話で御伽話として聞いた覚えがある。
うろ覚えながら、馬霧と名乗る前の馬霧…“魔切”が純血の魔“も”討伐していた時代があった。
その当時の魔は強力であったという。純血の魔を討伐しようとする“魔切”は自分の命を掛け魔を討伐するのが当然であった時代だ。
当時の生還率は2割に満たなかったという。
その、当時の“魔切”が彼女――黒装束だろう。
真琴の首に迫る一本の手槍。
その腕をつかみ、地面に叩きつけようと腕をつかむも、黒装束のもう一本の腕の手槍が首筋を撫でようとしていた。
だが、狙いが分かっていた真琴は相手を壁に叩きつけようとする!
――……はっ!!
小さくくぐもり声ながらも、女性を思わせるには十分な声だ。
真琴がナイフで黒装束の首を獲ろうとしようにも、黒装束は捕まえられない。
そして、黒装束は“いつのまにか”真琴の頭上にいて……。
真琴の肩に乗ったと思えば…
戸惑い無く真琴の首を撚(ひね)る。
ドサリと倒れ伏す真琴。ゆっくりと広がる血の海。
対する黒装束は無傷だ。
黒装束の攻撃により、血が無くなり過ぎた真琴。
倒れ伏す真琴を見た黒装束は、真琴の顔を見て、真琴の血を指で掬い舐める。
黒装束は再び、“何かに突き動かされるように”街の中へと消えていった。
――――――狩りの時間だ…。
- 527 :黒沢小百合:2011/01/29(土) 01:16:42 ID:SSMHlh/20
- >>525
――バスッ!!
鈍い音と共に、小百合の袖口が吹きとぶ。
「――――ッ!!!」
咄嗟の事に小百合は、声も上げられなかったが、
安全な場所を求めて、窓際からビル内部へと駆ける。
(狙撃能力……!?
私を狙える位置の窓はすべて監視していたのに……!)
――ダンッ!!
厨房へ転がるように入り込み、扉を閉める。
しかし、恐らく相手は何らかの能力で狙撃を行う能力者。
ここも、完全に安全とは言いがたい。
『下』のイェニチェリは指揮をしなくても勝手に戦うだろうが
小百合本体がやられてしまえばその瞬間能力も解除される。
(逃げ延びなければ……とりあえず、ここは。
地下の駐車場までたどり着ければ……。)
厨房を横切って、非常階段へと向かう。
適当な階で物資搬入用のエレベーターを見つけ、
地下駐車場までたどり着くつもりだ。
- 528 :新嘗草平:2011/01/29(土) 01:29:02 ID:3zBsx8Z.0
- >>525
「……なんとか、一撃で終わらせる事ができたか」
振り抜いた刀を元に指すと、腰を屈め、三十秒かけて常人とは思えない量の息を吐き出す
(久しぶりの雄詰の理、やはり負担も大きい……使いどころを考えねば)
顔を上げると死者使いの退魔達を睨めつける
「貴様ら、先ほどのあれは神懸りではないぞ」
指差しながら退魔師にむかって抗説を垂れはじめた
「ただ、体の穢れを"全て"取り除いただけだ。最後の発声は御祓の締めの決まり文句に過ぎん。
本物の神懸りなどすれば、俺の体ごと此処らは吹き飛ぶさ」
そう言うと、再び刀に手をかけ
「……まあ、今の所はそんな荒業は出来んがな。
……さて、無駄話も終わりだ。命を愚弄する行い、その命を以って償え」
中腰の姿勢を維持し、退魔の者目掛けて駆け出す
- 529 :エシリア・ロッド ◆uotUYGHVwM:2011/01/29(土) 01:35:00 ID:6n2sZE8Q0
- >>526
「……」
まだ、あの騎士を落とすには力も数も足りない。
確実にダメージは入っているようだが、後一歩が足りない。
――なら、やるか。
やるのは久しぶりだが、まあ、何とかなるだろう。
握っていた塊を、握り――潰す。
ボトボトと地に落ちた塊、手の中に残る塊。
それら全てが闇を切り裂き、全てを照らす光を放ち始める。
二人の女には見えただろうか。光に照らされた彼の表情が。
今まで、完全に無表情だったエシリアが、口元を微かに笑みの形に歪めたのが。
ドールズ・ウォー
『人形戦線』
光は闇を切り裂いた。
切り裂きながら、別れ、収束し、形を変えた。
無数に散らばった光の中から生み出されるのは
刀に剣に槍に斧に槌に薙刀に弓に銃に鎧。
様々な白い武装を纏った人形が、10,20,30……いや、100か。
エシリアを囲み、現れた人形はエシリアを狙う剣士に一斉に顔を向け
「……いき、ま、す……!」
散。
ある人形は銃を構え、ある人形は駆け出し、ある人形は武器を振り上げる。
白い人形が視界を覆い、一斉に攻撃を仕掛ける。
- 530 :GM:2011/01/29(土) 01:48:17 ID:.ViFOavA0
- >>527
“狩人”は闇から闇へと消えていく。
自らが進む際の気配を消し…。
喧騒で慌てる周囲を尻目に、音を頼りに進む。
逃げる人々とは進行を逆にして。
そして、音が聞こえた。
その音とは小百合が階段を降りる際の僅かな音。
聡明な小百合なら、非常階段であろうと静かに動くだろう。
空虚な――感情を宿さない漆黒の瞳は、小百合が降りている非常階段に向けられている。
「(…………)」
そして、それは掛けた。
この騒ぎの中、逃げる最中に冷静であろう行動“だからこそ”
この黒装束は怪しいと踏んだ。
この件に関わる人間(攻め手)なら消さない。
反抗する側なら……消す。
これが指示だ。
//所変わって廃ビルの屋上//
『駄目だったね。』
「ああ、仕方が無い。次は上手くやるさ。」
『もし、狙えそうな位置に入ったら教えるよ。だから準備していて。』
「了解。」
アサルトライフルを持つ男は、観測手たる少年と言葉を交わすと、
スコープからの世界に目を向けた。
>>528
彼女らを追う前に現れるのは、>>522のイェニチェリ。
彼らは、四人の死霊の騎士の前に現れた。
そんな彼らは、死霊の剣士を容易く粉砕する。
そんな中、素直に追いかけられるだろうか。
逃げながらでさえも、腐人を造り続ける彼女たちを追うのには時間が掛かるだろう。
加えて>>529の軍勢。
容易に抜けられる数ではないだろう。
>>529
例え、エリシアの表情が白日の元に晒されようが、彼女たちは後ろを向いている。
気付くはずは無い。
そんな中、展開される“人形戦線”
それはあたかも、小百合の兵を彷彿とさせるものだった。
観る人にとっては、どのような軍隊にみえるのだろうか。
聖地奪還に燃える十字軍か。
“人形戦線”は数の優位もあり、圧倒的だった。
死霊の剣士は数で劣る上に、イェニチェリの軍も交えて大乱闘の様相を見せる。
死霊の剣士団の壊滅は秒読みだ。
「こちら千鶴。救援を頼む。」
『了解した。神酒姉妹、頼む。』
「「わかったでー。」」
- 531 :GM:2011/01/29(土) 01:49:13 ID:.ViFOavA0
- 【繁華街 廃ビル3F】
この廃ビルで唯一、広いスペースがある部屋。
このフロアの中心には、巫女服の娘が二人座っていた。
割れた窓から吹き込む風が黒髪を揺らす。
上階である4Fには、彼女たちのリーダーである御宿楊とその相棒であるアガーテがいる。
彼女たち姉妹は結界師と呼ばれる、ある特定の土地に対して効力を発揮する結界を編む一族の傍系に当たる一族だ。
姉である神酒 結(かみき ゆい)は様々な様式で結界を創り上げる。
妹である神酒 繋(かみき つなぎ)様々な様式で結界と土地をつなぐ。
既にばら蒔かれた結界の破片…
それは空き缶の中に入れられていて―――
それは張り紙の裏にこっそりと書きこまれていて―――
それは配られるポケットティッシュに織り込まれていて―――
この都市に散らばった“それ”は実に数百に当たるだろう。
その行使者たる結は、結という名の如く点と点を結び、結界として機能させる。
ただし、それは作りあげた(結い上げた)だけ。
そこで、土地と結界を繋げる役目を持つのが妹の繋。
そして、張った結界と土地そのものを繋げるのが妹の能力だ。
彼女たち姉妹を例えるのならば、姉の結が自動車、妹の繋がガソリンの関係となる。
自動車はガソリンが無くては走らない。
――“人外の因子を持つ者の攻撃的異能を25%低下させる結界”は都市の繁華街の中でもこの廃ビルを中心に、繁華街の端まで展開されている。
能力の範囲が広すぎるのだ。
彼女の能力では結界の範囲が狭ければ狭いほど、人外の攻撃的異能の威力を削ぐ結界を張ることも出来る。
離れた位置から都市を見れば、薄い紫の半球状の膜が都市の一部分を覆っていることに気がつくだろう。
取ってつけたような、神棚。
姉妹を外界と隔てるように展開されている床の陣。
陣の一番外の輪に灯る焔が揺れる。
淡く宿ったロウソクが8本、ゆらゆらと揺れていた。
- 532 :黒沢小百合:2011/01/29(土) 01:52:42 ID:SSMHlh/20
- >>530
(確かこの階には、搬出用エレベーターがあったはず……。)
小百合は、2,3階ほど階段を下りると、
重く開けづらい防火扉に手をかけた。
彼女の周りには、いつの間に具現化したのか、
護衛の兵士が数人侍り、周囲を警戒している。
奇襲は難しいが、兵士を全員屠る事が出来るほどの
戦闘力さえあれば、小百合の拿捕、殺害も容易い。
ここで小百合を止める事が出来なければ、
エレベーターによって直接、地下の駐車場へと降りられてしまう。
何故小百合がそこを目指しているのかは分からないが。
- 533 :新嘗草平:2011/01/29(土) 02:04:13 ID:3zBsx8Z.0
- >>530
行く手を遮る死者の群れ、人形の軍勢、南蛮の兵
「此のままでは……!」
ままよ、とばかりに先程の翡翠の玉を思い切り振りかぶって投げつけた
投げられた玉は逃げる二人を追いすがるように追従する
「イザナミとイザナギ。二つの玉は比翼連理の如く呼び合う
さて……
かけまくもかしこしおんいざなぎのみこと
わがねがいせいせいしんみょうにつうずれば
れんりのえだひよくのとりをとりかえみたまわんことを
かしこくかしこくももうす」
懐に入れておいた琥珀の玉が光だし、神通で新嘗の頭に行く先を示す
「追跡再開だ」
活性化した双脚は、ビルの間に間を跳躍し、迂回をしながら駆け抜ける
- 534 :エシリア・ロッド ◆uotUYGHVwM:2011/01/29(土) 02:11:39 ID:6n2sZE8Q0
- >>530
「……」
人形と兵士と死霊が溢れる視界の中。
敵の女二人を探すだけ探すも、捉える事が出来ず。
目の前の死霊の軍団も全滅まで後数秒と言う所か。
「……」
気づけば、一瞬視界の端に見えた黒沢の姿も始めは横にいた新嘗の姿も消えていた。
どうしようか、と考えるのもとりあえずは後。
意識を人形一体一体に集中し、残り少ない死霊の軍勢に武器を振るう。
- 535 :GM:2011/01/29(土) 02:14:23 ID:.ViFOavA0
- >>532
『楊、彼女は背が高い人のようだね。』
非常階段が併設される大型施設なら狙えるのだろうか。
小百合は女性ながら178cmとモデルのような体型だ。
護衛の兵士の中に女性一人。それも侍らしているのなら、自ずとRuler(支配者)と推測するのは簡単である。
「ああ、そのようだな。どれ、一つ賭けに出てみようか。」
賭けと行っても、当たるも八卦当たらぬも八卦。
実は小百合が居る場所と、彼らがアジトとしている廃ビルは意外と近い距離だったりする。
「じゃあ、引くぞ」
『うん、良いよ』
スコープの中に小百合を捉えた。
そして、引き金を引いた。
“狩人”は小百合の行動を見る。
空虚な瞳に映すのは、降りようとする光景。
恐らく、一階にだろうと、踏んだ狩人は、物陰に隠れ、一撃を加えられるタイミングを待つ。
そして、シアン化水素を生成/精製を開始する。
シアン化水素は沸点が常温付近のため、気温が低いと液状、高いときは気体になる。
非常に揮発しやすく、沸点より低温でもよく蒸発して容易に中毒の原因となる。
もし、小百合が此処を通る際、濃度では独特の形容しにくい刺激臭のようなものを感じるだろう。
>>533
「お、追いかけてきた!」
『まずいですわ!まずいですわ!』
彼女たちは追いかける珠に気付くが撃ち落としたところで追いつかれているのが眼に見えるので、落とさない。
否、落とせない。
そして、彼女たちはアジトである廃ビルの扉をくぐる。
そして、階段を駆け上がる。
上から来るようなら、空中で弾丸に襲われるハメになるだろう。
>>534
すると、エリシアの腕目掛け、風の刃が掛ける。
狙いはどこでも良い。
集中力を途切れさせられるのなら。
残念ながら夜闇の中では敵の姿は確認できないだろう。
- 536 :エシリア・ロッド ◆uotUYGHVwM:2011/01/29(土) 02:30:27 ID:6n2sZE8Q0
- >>535
「……ッ!?」
人形を操るために振り上げた右腕。
その腕に、何かが裂ける感触。次いで、痛みが走る。
何処だ、と周囲を見渡すも刃が届く位置にいる敵など居る筈も無い。
驚きと痛み。
その瞬間、人形の動きがが止まった。
- 537 :黒沢小百合:2011/01/29(土) 02:33:10 ID:SSMHlh/20
- >>535
「よし、ここまでくれば……。」
『狩人』が一回に網を張ったその頃、
小百合は物資搬入用のエレベーターを使い、既に
地下の職員用倉庫まで降りていた。
そしてそのまま、幾つかの扉を抜けて
地下駐車場にある『目的』――小百合の自家用車へとたどり着く。
かつてソ連の最高指導者であったヨシフ・スターリンは暗殺を恐れ、
一見、普通の乗用車のように見えるものの、装甲車並みの防御力を備えた
専用の車を使用していた。
小百合も、それと同じく自分の車に
アサルトライフルどころかロケット弾の1発や2発ははじき返すほどの
重装甲を施している。
「……新聞の切り抜きは……。
よし……これだけあれば……。」
小百合がわざわざ地下駐車場の車を目指したのは、
ただ単に防御のためだけではない。最初の狙撃で、失った『紙片』を
補充するためだ。
- 538 :新嘗草平:2011/01/29(土) 02:34:59 ID:3zBsx8Z.0
- >>535
「ふむ……あのビルの中に入ったか
」
繁華街の廃ビルを臨み、腕を組む
「彼奴ら、俺の玉に気付いていながら落とさなかったな……自身の力には自信がないという事か?
ならば、戦闘主体の仲間がいる可能性も……」
自らの思索を噛み締めるように呟く
思考の欠片を重ねると、おもむろに腰を下ろした
(大陸の術を使うのは面白くないが……)
懐から取り出したのは祝詞の書かれた札
「"あゔ、ぁた"」
不慣れな異国の単語を何とか言い切ると
札が意志を持ったように浮かび上がり、新嘗の
体の周りを浮遊する
「式神の術は道に外れているが……今更の話だ」
誰ともなしにつぶやくと、脚を踏みしめ、ビルにむかって飛んだ
式神の札を誘導デコイにしながら窓に飛び込むつもりである
- 539 :GM:2011/01/29(土) 02:45:24 ID:.ViFOavA0
- >>536
そこで、ある音が聞こえた。
「…よお。小僧、少し遊ぼうか。」
筋肉隆々で、アゴヒゲが立派な男――が、フェンスに寄りかかっていたが、
つぶやきを残す頃には、姿が見えなくなっていた。
そして、再び風の刃3連が追加される。
>>537
「あれは確か…。」
『黒沢小百合。千夜の警備の人だったと思うよ。』
「覚えた。ミルミーナを呼ぶ必要があるな。」
『かもね。』
姿が見えなくなった。
もう小百合には手出し出来ない。
しかし、狩人は時間がたっても降りてこないことに疑問を持ち、地下駐車場へ入っていた。
そこで、目立つ動きをする人物が一人。
見れば車の中で何かをしている。
――怪しい。
そう踏んだ狩人は小百合の視界から隠れるように、身を隠しながら小百合に近づく。
>>538
「ターゲットか。」
『だね。…何か浮いてるね。』
「囮…だろうな。まぁいい。」
アサルトライフルの引き金をあっさりと引く。
弾丸は、まっすぐに式神の札へと誘導されていく。
- 540 :エシリア・ロッド ◆uotUYGHVwM:2011/01/29(土) 02:53:45 ID:6n2sZE8Q0
- >>539「……ッ!!」
気配。声。
其方を振り向いた頃には既に男の姿は無く
「ぐっ……う……ッ!!」
バサリとコートが突風に靡き、切り裂かれる。
頬を掠めた刃が作った赤い線からは液が滲み、頬を伝い、落ちる。
「……」
このままだと、やられる。
構え直し、人形を数体、自分の身体を守るように浮遊させる。
- 541 :黒沢小百合:2011/01/29(土) 02:54:39 ID:SSMHlh/20
- >>539
「しかし、これは予想以上に大規模に
攻勢をかけてきましたね。魔の討伐にしては大規模すぎる。
退魔は一体何を考えているのか……。」
小百合は安全な車内で思案に暮れる。
「ここは、一度本社に戻り治安維持部隊、
及び多方面の組織に助力を申し出るほうが懸命、か。」
小百合は自分ひとりで事態を収拾できない
悔しさに歯噛みしたがこのままでは、被害が大きくなりそうだ、と判断し
車を出す。
――目的地は、千夜本社。
黒沢小百合:一時撤退
// ごめんよ、そろそろねないと……。
// せっかく参加したのに中途半端でごめんなさい。
- 542 :新嘗草平:2011/01/29(土) 03:06:59 ID:3zBsx8Z.0
- >>539
銃弾を受けた紙は、炎上して灰燼と化す
「二撃目は……させん!」
そのまま空中で身体をひねると、
肘を突き出し、空気抵抗を軽減させる
万有引力に従い、放物線を描きながら加速するその体は
窓ガラスへと、到達した
- 543 :GM:2011/01/29(土) 03:15:15 ID:.ViFOavA0
- >>540
ぶわっと音がした。
「行くぜ小僧。気張れよ」
魔法行使の準備をしながら移動していたのか、いつの間にか、男が拳を振り上げている。
今にも殴りそうな、愉悦の表情で大きな拳を振り下ろす。
その拳は“拳を振り抜く為“に拳に風を纏われている。
方や2m近い身長の、筋肉隆々な男の高所から振り下ろされる拳はさぞかしダメージが大きいだろう。
>>541
「一度体制を整えるために撤退か。そうだな、それも悪くは無い。」
『確かに。一度足踏みを揃える可能性は否めないね。』
「ま、挨拶がわりにはちょうど良いだろう。」
>>542
しかし、紙を貫いたはずの弾丸が、新嘗とっての背中に迫る。
まず、ありえない。
と思われるだろうが、それがこの男の力なのだ。
「フヒヒヒ……」
窓に到着した新嘗が見たのは、哂う男の姿だ。
その男は、脂肪を大量に躰に蓄え、ヒゲは伸ばしっぱなしといった、如何にも不潔そうな人間だ。
椅子に座り、太腿にノートパソコンを置き、新嘗の姿を見ていた。
キリッとした表情でEnterボタンを押せば、新嘗の正面には、“既に勢い付いた”巨大な鉄球が現れていた。
其れが新嘗に迫るのと、曲がった弾丸が迫るのはほぼ同時だろう。
- 544 :エシリア・ロッド ◆uotUYGHVwM:2011/01/29(土) 03:26:49 ID:6n2sZE8Q0
- >>543
音がする方向。
振り向くのと同時、人形が壁を作る。
1体、2体、3体と。重なり、庇い支え合い、エシリアを守る盾と成る。
振り下ろされた拳を、連なった人形が受け止め、押さえる。
一番前にいる人形の纏った鎧に拳が激突し、亀裂が生じる。
風が捩れるように唸り、鎧の破片が吹き飛ばされる。
だが、人形の背中を支えるように、別の人形が後ろへとピッタリとくっついている為か、その壁は崩れない。
- 545 :新嘗草平:2011/01/29(土) 03:26:50 ID:3zBsx8Z.0
- >>543
前門の鉄球
後門の弾丸
「しくじった、か……!」
諦観の念を押し殺し、次の策を練る……が
(無理、か)
どうしても次か思い浮かばない
(なら……せめてこれだけは!)
刀を握り、今度は刀身を剥き出しに思い切り振り回す
弾丸を削り、鉄球を刀で受け止めたまま、その体は反対の建物に叩きつけられた
「ぐ……ごふっ!」
破損した内臓から溢れる血液が、口伝いに着物を染める
(イザナギによる回復は体力切れを引き起こす……悪手を選んでしまったか)
身動き取れず、ビルの男を睨みつける
- 546 :GM:2011/01/29(土) 03:37:30 ID:.ViFOavA0
- >>544
「ほぉ…防ぐか…」
「とでも思ったか?」
砂利を踏む音がする。
男は右ひざを僅かに折り、またも風を足にまとい、左足でエリシアの脇目がけて蹴ろうとする。
男に取って、エリシアの脇はちょうどいい高さだからだ。
「これで大人しく寝てな。俺らはこれで撤収だからよ。」
にぃ、と男は哂う。
>>545
「これで俺達の挨拶は終わりだ。じゃあな。」
無線機を操作し、墜ちた男を見る。
「朱鷺見、撤収だ」
『神酒姉妹を本拠地に送ってからまた戻ってきてね。後はストロム待ちだね。』
「ああ、皆の話を聞いて、改めて編纂が必要だ。こんなレベルの奴等がウヨウヨしているのなら当然だろ。」
ただ、男は笑みを浮かべていた。
勝ち誇った笑みでは無く、捜し物を見つけた笑みだった。
- 547 :新嘗草平:2011/01/29(土) 03:50:36 ID:3zBsx8Z.0
- >>546
(何……だ? 追撃がこない?)
霞む視界の中、男は黙ってビルを見つめる
数巡にして、すでにその眼力は失われたに等しい
やがて、ある結論に思い至る
「情けを……かけられた、だと……!」
其れは、男の最も嫌いとする行為
総毛だつ身体を引きずり、手負いの身体で建物から這いずりでようとする
(舐める、な……よ! こんな、傷……)
そして、建物のへりに手を掛けた所で
(ぐ…………ぁ)
その意識は消失した
- 548 :GM:2011/01/29(土) 04:04:09 ID:.ViFOavA0
- >>547
『彼、悔しそうな表情だったよ。何も言わなくても良いの?』
「…ただ、彼は見る限り人間だ。“魔”では無い。俺が撃ち殺すのは“魔”だけだ。まだまだ牽制だ。」
退魔の人間が居なければ、物事は進めやすくなる。
それにあの身体能力は驚異だ。今のうちに手足だけでも潰しておきたかった。
男は息を大きく吸い、
「もう聴いていないだろうが…お前は驚異だ!だが俺は戦いたい!その力をだっ!!知りたいんだ!」
この男なら、自分を殺すだろう。
彼が新嘗に求めた役割――それは本人でなければ分からないだろう。
それに、退魔でしか出来ない役割がある。
- 549 :派手な怪人:2011/02/06(日) 23:23:29 ID:sicV56OY0
- 「ククククク……フハハハハ!」
ゆらゆらと幽鬼のように浮かびながら、その怪人は笑う。
怪人の周囲から、絶えず爆竹のような連続的な爆発音が鳴り響いていた。
「我が爆粉の前に逃げ惑え人間ども!」
怪人は、背中に奇妙な模様の描かれた翼を供え、
巨大な青黒い二つの目、そして派手な横縞模様の身体をしていた。
その翼を振れば振るほど、爆発する粉塵が撒き散らされる。
足元では、一般人が爆発に騒ぎ、逃げ惑っている。
爆発は対して大きなものではないが、それでも火傷を負った何名かがその場に倒れ付している。
- 550 :酒呑屋 虎姫:2011/02/06(日) 23:35:50 ID:CxYvGEpI0
- >>549
【地面を高速で削り取るように駆ける黒い風。それが急にかくんと向きを変えて怪人の方へ接近し】
【やがてがりがり引っ掻くような音を立てて怪人の下前方でストップした】
ひょーーー、うるっさいねぇ。
花火の時期には随分早いぜそこのヴァケモノ。
【がり、と最後に擦れる音。女が地面に突き立てた刀を引き上げた】
【高速で駆け、ブレーキと方向転換を刀を地面に擦る抵抗で行っていたのだ】
みんなの街の警備員さん、酒呑屋 虎姫だ。
この僕がいる限り、街の平和は給料の額程度には乱させないぜ?
【挑戦的に笑い、刀の切っ先を向ける。爆風の残りが黒いジャンパーをはためかせた】
- 551 :派手な怪人:2011/02/06(日) 23:42:04 ID:sicV56OY0
- >>550
「ふん、人間風情が俺に口出しをするか。
何だその刀は。俺を戦うとでも言うのか?」
怪人は不敵に笑う。
バサッと音を立て地面に降り立つ。
「今ならまだ死なずに逃げれるが、どうする……!?」
――バサッ!
翼を振るい、虎姫に接触と同時に爆発する粉塵を浴びせようとする。
- 552 :酒呑屋 虎姫:2011/02/06(日) 23:55:24 ID:CxYvGEpI0
- >>551
そりゃこっちのセリフだぜ!
今ならそうねー……殺さずに昆虫採集の標本として虫ピンで串刺しにするだけで勘弁してやるぜ?
【刀をするりと鞘に納め、にやりと笑ってとんとんとその場で小さくステップを踏む】
【粉塵が近づいてくる。それでも黙って跳ねる。怪人を睨みつけ、ニカッと笑い……帽子に手をやった瞬間】
【爆発。人ひとりを呑み込むには十分な爆炎が上がり、虎姫の姿を飲み込み――】
――いやっほっ!!
【次の瞬間、威勢のいい掛け声が怪人の『後ろ』から上がる】
【爆発の煙が晴れた所にあるのは帽子だけ。接触の瞬間に帽子を投げて誘爆させ、派手な爆発で目を引かせて素早く背後へ跳んだのだ】
【相手の虚をつく――そして背後から、納めた刀を】
そぉれッ!!
【横薙ぎに抜刀! 狙うは胴体!】
- 553 :派手な怪人:2011/02/07(月) 00:05:45 ID:sicV56OY0
- >>552
胴体はかなり貧弱、そして柔らかそうに見えた。
そこを狙った虎姫の判断は正しいだろう。
――ガッ!
巨大な目は背後までをカバーしていた。
振り上げた腕の表面の甲殻が、刀の動きを阻んでいる。
甲殻に刀が食い込んでいるのを見ると、まったくのノーダメージではないだろうが……。
「標本か、やれるものならやってみろ!」
後ろを向いたまま翼が開き、その両の羽が撃ち合わされた。
――ブワッ!
粉塵が再び周囲に舞い散った。
- 554 :酒呑屋 虎姫:2011/02/07(月) 00:14:05 ID:CxYvGEpI0
- >>553
!! づっ……!
【柄を握ったまま連続で爆発を受ける。白い肌が黒く焦げ、爆ぜて血が噴き出…】
こん、のッ!!
【痛みに歯を食いしばり、激情して】
【刀を無理矢理腕力で引きぬきその勢いで胴体、そして粉塵へ向かって】
【むしろ爆発を起こして相手ごと吹き飛ばしてしまえ、とヤクザ蹴りを繰り出す】
【うまくいけば、反動で地面に降りることもできるだろう】
- 555 :派手な怪人:2011/02/07(月) 00:23:17 ID:sicV56OY0
- >>554
「ングッ……!」
怪人は蹴り飛ばされたが、その衝撃を利用してそのまま翼を広げた。
空中で旋回、虎姫を視界にとらえる。
「焼き切ってくれる……!」
額から、真紅の光の線が延びた。
レーザーのようなものだろうか、地面がジュッという音と共に穴が開く。
そのまま光の線を発しながら、首を動かし虎姫を切断しようとする。
- 556 :酒呑屋 虎姫:2011/02/07(月) 00:36:19 ID:CxYvGEpI0
- >>555
うおおおおッちょまっ!!
【こちらは蹴りの反動で空中に放り出された状態。まぁ体勢を立て直せばいいやと考えていたが】
【相手に羽があるのを忘れていた。空中での制動は圧倒的に相手のが早い】
ッ『剣気』!!!
【慌てて刀を地面に向け、一瞬で神経を集中させる。漆黒の刀に黒い粒子がまとわりつき】
【刃が高速で伸びる! 粒子で模造した刃が地面に突き刺さり】
縮めェェエーー!! 如意棒ォオオー!!
【切っ先が抜けないように力を込めると刃が縮み、引っ張られて地面に低い姿勢で転がり落ち】
そしてもっかい伸びろぉオラァアアアア!!!
【地面に片膝を付きながら納刀。そして抜刀術らしからぬ『両手』でしっかり柄を持ち】
【柄を膝で押さえながら一気に振り上げる!】
【刃が『剣気』で一気に伸び、黒い殺意がその『羽』を狙う!!】
- 557 :派手な怪人:2011/02/07(月) 00:46:03 ID:sicV56OY0
- >>556
「くっ……!」
とっさにかわしたものの、翼の端を剣が掠めた。
ヒラヒラと薄っぺらい羽が地面に落ちる。
その瞬間、ガクンと怪人の体勢が崩れる。
かろうじて宙に浮いているものの、もう急な回避などの飛行は不可能だろう。
「この……俺の羽を…!」
このまま空中に居たら、避ける前にやられる。
怪人は落ちるように地面に降り立った。
- 558 :酒呑屋 虎姫:2011/02/07(月) 00:57:43 ID:CxYvGEpI0
- >>557
当エアラインは緊急着陸の体勢へ入ります。ようこそ地上へ。
【腰の酒入りひょうたんを取り、空中に放り投げて刀で切る】
【刀の刃が酒で濡れると同時、酒を媒体に黒い炎がゆらめき始める】
でも残念なことにここが終着じゃあないんだなぁ。
【燃える刃をひゅんと振るう。僅かに地面に触れた切っ先から轟音と共に爆炎が膨らみ破裂した】
アンタが行くのはもうちょっと下。
ま、ありていに言っちゃ可哀想だけど。
【顔の流血で赤い線を描かれた頬。白い肌に鮮明な赤……その鮮血と同じ色の瞳を細く歪ませる】
『地獄』デス♪
さぁ、行くぜェ! あっがっいってっ、みせろぉおおおオオオッ!!
【空中での不利を取り返すように、高速で駆け】
【さらに地面を切っ先で叩き、炎の破裂を利用して更に速く、速く――】
【さっきと今度はまるで逆。地上の者が空中の者へ、炸裂する刃を振りかぶり、振り下ろした!】
- 559 :派手な怪人:2011/02/07(月) 01:07:43 ID:sicV56OY0
- >>558
怪人は落ちる時にも注意を払わなければならないとは考えていた。
しかし、翼は宙に浮く程度にしか機能しない。
それでも、落下速度を遅くするぐらいは出来るはずだ。
ぎりぎりまで虎姫を引き付け、刃を振りかぶった瞬間、羽をめいっぱい広げた。
「……ぐあああぁぁぁっ!!」
怪人の肩から腹に、一本のラインが深々と刻まれた。
しかし、まだ息の根を止められたわけではなかった。
「ぐはっ……」
地上との接触の衝撃で、傷口から体液が飛び散る。
ゴロゴロと怪人は無様に転がった。
- 560 :酒呑屋 虎姫:2011/02/07(月) 01:17:13 ID:CxYvGEpI0
- >>559
……チッ、しぶとい! さすが虫!
除虫剤でも撒いたほうが早いかな……。
【納刀する。それから無防備に柄から手を離し、大股で近寄る】
【殺せたら殺せたでいいのだが、不意に怪人に興味が湧いた。普段の勝手気ままな気まぐれだ】
……地獄に落とす前に聞かせてもらいましょうか。なんでこんな事を?
返答によっちゃーもしかしてもしかすると万が一の確率で生き延びれるカモよ?
【頬から垂れた血を袖で叩いて拭いつつ、ニヤニヤ口の端を吊り上げて問う】
- 561 :派手な怪人:2011/02/07(月) 01:32:57 ID:sicV56OY0
- >>560
「そんなことは……決まっている……」
傷を庇いながら、怪人はゆっくりと立ち上がった。
「我々は昔……人間よって生み出され……支配されていた……。
しかし、俺達の帝王は気づいた。人間は俺達よりも下等で脆弱な存在だと。
今度は……俺達が支配する番だと……!
それには貴様らのような能力者は邪魔者に過ぎん……」
羽の模様に異変が起こる。
もやのようにオーラがかかり、模様の一つ一つが光っていた。
「このまま逃げたところで、俺はもう生き延びることは出来ないだろう……。
しかし……貴様も道連れだっ!!!」
――バサッ
ダメージを受けていない方の羽が、開いた。
羽には新たに目玉のような模様が浮き出しており、その中心にはエネルギーが渦巻いていた。
「死ねぇ!!能力者ぁ!!」
模様の中心に、炎が見える。
炎は模様から浮き出るように肥大し、光に変わった。
目玉の模様から、直径20センチはある熱線が放たれた。
- 562 :酒呑屋 虎姫:2011/02/07(月) 02:00:02 ID:CxYvGEpI0
- >>561
【大人しく話を聞いていた。しかし、相手が羽を開くとすぐに】
いいねぇ!! 簡潔で分かりやすい決断だ!!
【凄まじい速さで上体を翻す! 木枯らしを起こす速さで柄に右手を添え鞘に左手を添え】
けどまぁ見誤ったな! アンタは半分しか正解してない!
【熱線が発射され、体を穿つまで0.01秒足らず。その0.00999999...秒まで体のバネを軋ませ、蓄え……】
僕ぁ鬼だ。半人半鬼だ。
【人では有り得ない、密度高く織り込まれた筋肉繊維】
【めり、と膨張し、それが一瞬に、全てを加速させる】
すゥうううらっしゃァアアアアアアアア!!!
【地面がヒビ割れ、クレーターを作り壊れる】
【大股で踏ん張って、鞘を引く! 柄を抜く! 刃を熱線に――叩きつける!!】
【柄の中で未だ燃えていた黒炎が、衝撃を増幅させ炸裂。熱線を爆散させ】
【爆炎の中からすうっと伸びる、美しく反った打刀の刃。一直線に怪人の首へ、伸びる】
- 563 :派手な怪人:2011/02/07(月) 02:08:49 ID:sicV56OY0
- >>562
「――……ッ」
何かを言おうとしたようだが、観念した。
そんな顔で、怪人の首に刀が走り、通り過ぎる。
ぐらりと首が、不安定にゆれる。
首が重力に引っ張られ、身体との接触を完全に拒否した時――
――ドオオオオォォォォンッ!!!
怪人は爆散した。
巨大な火の玉が消滅し、あちこちから煙が立ちはじめる。
その中心に、カラン、と音を立て、青い鱗のようなものが落ちた。
- 564 :酒呑屋 虎姫:2011/02/07(月) 02:19:06 ID:CxYvGEpI0
- >>563
【切った勢いでまた足元が砕け、砕けた足場が爆風で土煙を上げる】
【しばらくしてから静かに刀を納め、怪人のいたところへ】
……これは…鱗?
【足の先端を引っ掛けて蹴り上げ、右手でキャッチ】
【硬質のそれを指でつまんでまじまじと見つめる】
- 565 :派手な怪人:2011/02/07(月) 02:24:32 ID:sicV56OY0
- >>564
その鱗は、表面に怪人達の共通の紋章が刻まれていた。
もっとも、それは虎姫が他の怪人を目にしたことがあればわかることだが。
それよりも、エネルギーに敏感なものならわかるかもしれないが、鱗には膨大なエネルギーが内包されていた。
そのエネルギーの正体は一定ではなく、邪気のようでも、魔力のようでも、あるいは生命力と呼ばれるものの類だった。
そして、虎姫が内包している力にも似たものが感じ取れるかもしれない。
この鱗は、殺戮や戦いを通して放たれたエネルギーを、全て吸収していたのだ。
- 566 :酒呑屋 虎姫:2011/02/07(月) 02:32:28 ID:CxYvGEpI0
- >>565
……。
【結構他人の気配や力に疎い虎姫でも、そのただならぬ力の気配は伝わる】
【割と慎重に鱗を帽子の中に……】
あ。
僕の帽子ぃいいいいいいい!!
【最初の爆発で粉々に吹き飛んでいます】
【中に酒とか入ってたのになぁ、と肩を落としながらジーンズのポケットにしまいこみ】
しかし……俺『達』が支配する、ね……。
あんなのが何人もいるのか、ちょっと気が遠くなるかなぁー。給料上げてもらわないと。
【そう独りごちながらも微笑。なぜか獰猛さを感じさせる笑みのまま、虎姫は家路についた】
/おつありさまー!
- 567 :名も無き異能都市住民:2011/02/07(月) 21:54:44 ID:HnkBBDEo0
- 「だから……てめぇは誰なんだよ!!」
『俺はお前だって言ってんだろうがァアアアアアアアアアア!!!』
街から離れた遠い地。
二つの紅がぶつかり合う。
「戦う理由は!?」
『お前がそれを聴くのか!?』
「……ああ、愚問か」
黒い装甲がぶつかり合い、凶器と凶器が衝突し砕け散る。
『俺は! 全て失った! 全てだ! 何のしがらみもなくなった!
重りも縛りもなくなった俺は、どこまでも飛んでゆける!』
「ああ、そうだろうな。俺も、『護るものがなくなれば、何も考えずに強くなれるんじゃないか』と思っていた。
何もなければ身も軽くなって、どこまでも飛んでゆけるんじゃないかと思っていた。」
拳を握る。
「今、その答えが出るワケだ。俺は本当に強くなったのか……?」
『ああ、見せてやる。これが全てを捨てた……俺の、強さだァアアアアアアアアアア!!!」
エンドブレイク・スーパーノヴァ
「『逢魔箇時乃紅貴星」』
二つの星が弾け、辺りが真っ赤な光に包まれる。
轟音が響き渡り、大地が抉れ雲が吹き飛ぶ。
力の本流が収まった頃、そこには鬼神が倒れ、鬼神が立っていた。
「……ああ、なるほどな」
「わかったか?」
「ああ、理解した」
片方が、ゆっくりと目を瞑る。
「俺は、しがらみを捨てて軽くなったんじゃない」
「ああ」
「ただ、しがらみを背負っても飛べないくらい、翼が弱くなっただけだった」
「……ああ」
「ハッ……まったく、やっと気付いたよ」
「ああ、俺もやっと気付いた」
「行くのか?」
「ああ。お前は?」
「聞くなよ」
「……そうだな、すまねぇ」
「謝るな。『俺達』で出した結果だ」
倒れる鬼神をその場に残し、鬼神は背を向け去っていった。
- 568 :未知数『Y』&一百千万億 ◆FA/Bw.T3QU:2011/02/12(土) 19:51:42 ID:TtKRpVAI0
- 【クエスト:未知数『Y』】
ニノマエ
「……時に 一 博士。あんな告知で、本当に、人が来るのか?」
「さあ? どうっすかねえ。正直微妙な感じがするっすけど」
「…………そんな考えで、大丈夫か?」
「大丈夫っす、問題ないっす」
大男の問いに、白衣を着た青年はそう答えた。
―――イデアの箱庭。
ステージは、コンテナの放置された廃埠頭。
錆び付いたコンテナの上に、二つの人影があった。
「と、いうか。俺としては、わざわざ、この『箱庭』で、戦う理由が、分からないのだが」
その男は、月を眺めながらそこにいた。
随分と図体のでかい男で、2mは余裕で超えている。
短く整ったその髪は青い。細く、鋭く、刺すようなその瞳も、また青。
そして、その身に纏うボロ布のような外套も―――やはり、青だった。
「え? 雪男っちは僕が戦闘に巻きこまれて本当に死んじゃってもいいんすか?」
その青年は、ノートパソコンを手に座っていた。
白衣を着た茶髪の青年。
年は大体、二十代前半―――といった辺りか。
コンテナの縁に腰掛けているが、しかし立ったところで大した背丈は無さそうだ。
「……俺は、困らないが。科の皆が、困るだろうな」
大男は、その口調と同じくゆっくり頷く。
「そうっすよねぇ? 僕みたいな優秀な人材を失ったら、あの人達は―――」
「使いっ走りが、いなくなるしな」
「ああ、僕はパシリっすか……そっすか……」
皆ひどいっす、と呟いて、青年はノートパソコンを弄り続ける。
大男はただその後ろに立ち、仮想の夜空を見上げていた。
- 569 :赤い装いの漂流者:2011/02/12(土) 20:57:45 ID:W1EFsZoc0
- 「……はて」
面白い施設に迷い込んだくさい
「ふ…戦闘の気配に惹かれて来てみれば…くくく…」
「…」
中二病っぽいことを口走るが真実は本当に只の迷い人であった
キャラ設定も概ね迷い人であった
- 570 :黒沢小百合:2011/02/12(土) 21:00:56 ID:SSMHlh/20
- >>568
「ふう、今日の仕事もこれをこなせば終わりか……。
終わったらまたクロスさんのところで一杯やって帰ろう……。」
部下は全て出払ってしまっていて、
結局自分で研究者の依頼に応える事になった小百合。
それなりに仕事をこなしてきたようで既にお疲れのご様子。
- 571 :未知数『Y』&一百千万億 ◆FA/Bw.T3QU:2011/02/12(土) 21:04:13 ID:TtKRpVAI0
- 「さーて、と……そろそろ時間っすね」
「誰も、いないが」
「ヒーローは遅れてやって来るものっすよ」
「……別に、今回の俺達は、悪者では、無いだろう」
軽口を叩く青年。
溜息を吐く大男。
コンテナの上にある二つの人影は、しかし未だ不動。
「ちなみに、『今回の』、というのが、ミソだ」
「強調しなくていいっすから。っていうか誰に言ってるんすか雪男っち」
「次元の、向こうだ」
「そんな異能(プログラム)組んだ覚えはないっすよ」
容姿は、先の通り。
研究者然とした青年と、青く蒼く碧い大男が、居た。
……なんて、会話をしていると。
誰かが箱庭にログインしてきた―――
>>569
「おおっ、人っすよ雪男っち人人人ー!」
「落ち着け」
大男がその大きな手で、青年の頭を軽く叩いた。
「……よくぞ、来てくれた、赤い人。協力、感謝する」
「っていうか、そもそも協力者かどうかを確認しなきゃっすよねえ」
コンテナの上で一礼した大男。
その近くにいた青年が、赤い漂流者に問う。
「やあ、どうもどうもっす。やっぱ、張り紙を見てここに?」
>>570
「おお、こちらにも協力者の方が……! 感涙っすー!!」
コンテナの縁でわきわきとテンションが上がっている様子の青年。
「……随分と、お疲れの、ようだが。大丈夫か?」
青の大男が、心配するようにそんな事を言った。
- 572 :佐宗スグル:2011/02/12(土) 21:07:43 ID:onviSg/.0
- >>568
「おー、おー、おー!
この都市の技術レベルを観察する機会がこうも上手く転がり込むとは」
真紅の番傘に顔を隠す、濃緑の着物に白衣の男。
『箱庭』とやらの中にして、不審者にしか見えない男は妙にテンションが高いようだ。
「さー、何が起きるのやら」
- 573 :セシベル・S・コープス:2011/02/12(土) 21:08:05 ID:oZOblovo0
- この俺を差し置いて……
この世に楽しいことが存在する! それが許せん、何よりもな!!
【びゅんっ!と高速落下してきたかの如く低い姿勢で着地(ログイン)】
【頭に小さな王冠、露出の多い服装の青年が現れた】
【身振り全てに自信を湛えて、ゆっくりと金髪を払う】
今の俺は――『お節介を焼きたい気分』。
- 574 :赤い装いの漂流者:2011/02/12(土) 21:08:46 ID:W1EFsZoc0
- >>571
「(…貼り…紙…?)」
今晩の寝床も知れぬ旅人である彼は
当然ながら、その様な存在に気を配る余裕は無かったのだが…
「あ、あぁ…張り紙な、張り紙…はっはっは当然だろう、ああ見まくっておるぞよ…」
この歳で迷子とかさすがに無いなーと思ったので
見栄バリアーを張った
「超協力者だぜ、超…」
サムズアップ
- 575 :黒沢小百合:2011/02/12(土) 21:18:28 ID:SSMHlh/20
- >>571
「問題ありません。」
小百合は疲れているせいか妙に愛想が悪い。
それともわざと、感情を隠そうとしていないのか。
「とりあえず、手早くはじめてしまいましょう。
秒殺してしまってもよろしいのでしょう?」
- 576 :未知数『Y』&一百千万億 ◆FA/Bw.T3QU:2011/02/12(土) 21:24:12 ID:TtKRpVAI0
- //全体攻撃ありますー
>>572
「人っすよ人ォ! 三っ! 人っ! 目゙ッ!!」
「いい加減、落ち着け」
目っ! と言いかけたタイミングで、再び大男が青年に手刀。
なんか音が濁った。
「ようこそ、番傘の、殿方。どうぞ、よろしく」
やけにスローな喋りの大男が、頭を下げた。
>>573
「『これ』が、楽しくなるかは、貴方達、次第だ」
「っていうかもうむっちゃ楽しいんすけど」
頭にたんこぶをこしらえた青年が、そんな事を言った。
「『お節介』なんてとんでもないっす!
来て頂いただけで感謝感激雨あられっすよー!!」
>>574
「ああ。それならば、よかった」
「何かの手違いで関係無い人を―――
―――『箱庭』の中とはいえ、手に掛ける事にならなくて、っすね」
うんうんと頷く二人。
容姿は180度違えど、まるで親子や兄弟のようだと感じさせた。
「まあ、『箱庭』に迷い込む、なんて事は、都市伝説、だろうからな」
「あっはっは。それもそうっすねー」
>>575
「秒殺……あっはは、されちゃいそうっすね? 雪男っち」
「いいや。その心配は、無い」
自信でもなく、過信でもなく。
ただ確信から、大男はそう答えた。
「では、ご忠告通りに。手早く、始めよう。
……俺が、『試験対象』だ。名は、三つ、ある。
未知数『Y』。人工生命Y-80。それから、雪男……イエティ、という奴だな」
男はそこで言葉を切り、コンテナの上から飛び降りる。
アスファルトに降り立った彼は、未知数『Y』は、告げた。
「――――――《致死の宿命(フェイタル・フェイト)》」
己の異能の名を告げた大男の雰囲気が、変わった。
誰もがそう感じるほどに、何かが切り替わった。
冷たい、冷え切った、冷え冷えした雰囲気。
もしも魔力の扱いに長けるものがあれば、その雰囲気の正体に気付くだろう。
それが、氷の力を帯びた魔力である―――という事に。
「『避ける事の出来ない死という宿命』。その名こそ、俺の力に相応しい」
青く蒼く、そして碧い男が、言い放った。
「……この台詞も、『箱庭』の中では些か迫力に欠けてしまうが。
まあ、いいさ―――」
そう前置きをして、彼はその左腕を掲げ、振り下ろす。
その動作を引金にして、初撃が放たれた。
「―――『雹嵐(ヘイル・ストーム)』!」
身を裂くように冷たい風を伴い、上空より降り注ぐのは無数の氷塊。
その様子は、まさに『雹の嵐』だった。
雹や霰よりも鋭く尖った“それ”が、各々に対し明確な敵意を持って墜ちてくる!
- 577 :佐宗スグル:2011/02/12(土) 21:39:49 ID:onviSg/.0
- >>576
「はい、こちらこそ宜しくですよ?」
『Y』とか言うの、元気だな。
っていうか人工生命なんだ、×××と同じだな。
……などと思いながら、お辞儀を返す。
そして、途端の寒気と氷撃を感じて――
「名乗られれば名乗らねば。
無意味な肩書は『“肺臓”』、意味ある偽名は『佐宗スグル』。
そして『番傘の色男』とは僕のことよ」
本当に色男かどうかは兎も角として。
番傘を高速回転させ、氷塊の群れを受け止める。
氷塊の中でも小さい幾つかは、雪男へ向かって勢い良く弾き返してゆく。
「もうちょい観察……隙と他の出方を見ないとな」
- 578 :赤い装いの漂流者:2011/02/12(土) 21:39:59 ID:W1EFsZoc0
- >>576
「はっはっはっは、いや…マジで、ホント…関係者関係者」
都市伝説扱いされてたまるか、と、見栄の鎧を更に厚く…
「(……さて)」
次第に集まった面子の様子を目の端で観察した結論
どうやらこの場所での『協力』というのは―――
「…バトル展開…か」
――目の前で気配を膨らませる男の打倒であるらしい
男の挙動で風が荒れる
次いで上空に無数の気配―――降り注ぐ
「伸びろ、"金箍棒"」―――ズ…!
旅人の纏う上着の下から、それを巻き込み伸びる黒棒
「ォお―――らッ!」
ヒュガガガガガガガガガガ!!!!
それを頭上で振るう
先端に布をあしらった長物―"如意金箍棒"―が迫る氷解を打ち砕く
「良いねぇ…《致死の宿命(フェイタル・フェイト)》…雰囲気ある名前じゃん」
氷塊が舞い散る只中で、赤の男は不敵に笑う
ボロボロになったコートを投げ捨てて
「―――名前負けして…くれるなよ?」
2m程度に収めた長尺武器を背中に構え、旅人は臨戦態勢へと移行した
【構えのみ、立ち位置変化無し】
- 579 :セシベル・S・コープス:2011/02/12(土) 21:43:55 ID:oZOblovo0
- >>576
コチラこそどうぞヨロシク、俺はセシベル・S・コープス。覚えておいた方がいい。
後で貴様『ら』は、この神々しい俺の名前を100回呼んで許しを乞う事になるからな。
なぜ100回呼ぶか。
【ジャキン!と金属音。男の両袖から『AvKa11』と名付けられた45発装填のアサルトライフルがすべり出し、握られる】
それは貴様らの口の穴が、
【その場で一回転ターン。背を向け、また相手に向き直った時には『18cG』と呼ぶ18発装填の拳銃が口に咥えられ】
これから! 99個! 増えることになるからだァアアアアアアアアハッハッハッハアァアアーーーーア!!!
【さらにジャケットの背中から『IMIN』――重機関銃の銃口が顔を出す】
【まるで全身が銃器となったような凶悪なフォルム、そして凶悪に笑う声】
【しかしそれも聞こえなくなる――】
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!!
【空気を削るような火薬の燃焼音!】
【『雹の嵐』を迎え撃つ『鉛の雲霞』、空間の一部が薄く鉛色に染まるような一斉射撃が】
【雹を迎え撃ち、そして大男と――小柄な方の男も狙い、放たれる!】
【まるで言われた事を理解していない!】
- 580 :黒沢小百合:2011/02/12(土) 21:47:10 ID:SSMHlh/20
- >>576
「貴様がなにをしようが、
私はこの『スタンド』を思い切りかますだけだッ!」
小百合の目の前に、突如出現する城壁。
――万里の長城。
秦の始皇帝によって北方民族の侵入を防ぐため
建造された巨大な城壁。
それは小百合に具現化され、雹を受け止めはじき返す防御壁となった
- 581 :未知数『Y』 ◆FA/Bw.T3QU:2011/02/12(土) 21:59:42 ID:TtKRpVAI0
- //再び全体攻撃ありますー
「っちょ……僕を巻きこむ気っすか!?」
「そのPCさえ生きていればデータは取れるのだろう」
「ひでえっす!!」
青年はノートPCを抱え立ち上がる。
戦闘領域から距離を置くため、コンテナの向こうへと移動していった。
>>577
「『番傘の色男』―――中々に粋な呼び名だ」
丈夫な傘だな、と感心した様子で頷く。
そうして帰ってくる氷に対しては、
「……しかしながら、クールさが足りていない気もするな」
その両拳に氷を纏わせ――受け止め、その拳へと同化させ、『回収』した。
こっちの方がもっとクールじゃなかった。
>>578
「名前に関しては、あの茶髪が付けたものだからな……
……が、保障はしよう。俺は弱くないぞ?」
砕かれていく氷塊を眺めながら、こちらもにやりと笑みで返した。
>>579
「おいおい、困るな。人の話はしっかりと聞いて欲しいものだ」
拳へと集まっていた氷が地に落ちて、その形を変える。
「宜しくセシベル、覚えたぞ―――『勝たせて貰って有難う』と言う為にな!」
―――その形は、盾。
横殴りというには地面に並行過ぎる鉛の雨に大して、地面から生えるように氷の盾が生まれた。
雪男はそれで耐え忍んだようだ。
『ぎゃーっ!? ちょちょちょ、雪男っち! なんでコンテナの奥まで狙われてるんすか!!』
「知らん」
……青年の方も、どうにか無事だったらしい。
>>580
「おお、これは―――これは、何だ?」
誰もが知っているであろう歴史的建造物を前にして、男の口から出た言葉はそれだった。
人工生命の基礎知識には、歴史はインストールされていないらしかった。
氷のつぶては、まるでただの雨粒のように城壁に弾かれた。
「……やはり質より数、というのは通用しないらしい―――ならばッ!」
未知数『Y』は右の手で拳を作り、そしてそれを地面へと強く叩きつけた。
今度の攻撃は、これが引き金。
「『氷碑(グレイシャル・モノリス)』―――」
轟音。
灰色のコンクリートを裂いて、地の奥底から巨大な何かが現れる。
丁度『Y』と参加者達の間から、遮るように。
それは巨大な、巨大な、巨大な巨大な―――巨大な、一枚氷。
「―――圧し潰せッ!」
数量が駄目ならば、今度は質量。
25mプールの水をそのまま凍らせたような『それ』が、参加者達を圧し潰さんと倒れ来る!
- 582 :黒沢小百合:2011/02/12(土) 22:08:22 ID:SSMHlh/20
- // すいませんちょっと落ちます……。
- 583 :赤い装いの漂流者:2011/02/12(土) 22:09:02 ID:W1EFsZoc0
- 「(…能力者達か…!)」
それぞれがそれぞれ
ここに集まっていた『協力者』達は氷塊の一撃をいなして行く
異常で特殊な強度の傘
圧倒的な大火力を容赦無く掃射する銃器
何も無い所から具現したビックリ城壁
「(奥深ぇなぁ!……この街)」
目を見張る戦闘能力に感嘆した
>>581
「(………さて)」
考察
敵の挙動を観察しながら次の一手を考える
「(近付きたい…けど、背中っから>>579の一斉射ぶち込まれっとうまくねぇな…)」
共同戦線では無い現状、敵以外の動きにも細心の注意を払わなければならない
「―――おぉ?…伸びろ…よっとォ!?」
―――ギュンッ
巨大な氷の板の側面に、伸びる棒に掴まり滑り出る
「(お、これ……チャンスじゃね…!)」
回り込める
そう確信した男は《致死の宿命(フェイタル・フェイト)》に接近しようと
氷壁の直ぐ脇を駆け抜ける――!
「一発、かますぜぇ…!!」
【移動:立ち位置からGMキャラに向けて迫る】
- 584 :佐宗スグル:2011/02/12(土) 22:16:35 ID:onviSg/.0
- >>581
「生憎、俺は顔からしてクールじゃないんでね……」
番傘を下げ、蝋燭より白い顔と左頬の大きな焼印を露わにする。
焼印の下には何やら文章が刺青されているが、異世界の文字なので恐らく読めないだろう。
「さあ、随分ダイナミックな攻撃だな。
が、是正するには弱過ぎる……ここは頼んだぞ、『対抗の赤筆(カウンタライタ)』!」
口の左端が吊り上がり、ニヤリと笑ったような表情の男。
逆さにした番傘――『対抗の赤筆(カウンタライタ)』に乗って、それを再び高速回転させる。
フワリと浮き上がった番傘は地表付近を滑るように走り、氷の壁に潰されないよう逃げる。
「……んで、ついでに!」
そして回る番傘の骨から小さな炎弾が5発ほど発射され、雪男へ飛んでゆく。
- 585 :セシベル・S・コープス:2011/02/12(土) 22:24:26 ID:oZOblovo0
- >>581
こっちのセリフぅうううううううりりリリリりりりりララララララララァアアアア!!!!!
【両手のアサルトライフルを左手に纏め、それでもなお二つのトリガーを左指だけで引き撃ちまくり】
【右手で忙しなく空になった弾倉を取り換える。反動の強い銃を抑えつける、腕力の荒業と見て取れる】
チッ、逃げたか。
【コンテナの奥へ引っ込んだほうへの銃撃をやめる。後で始末すると考えてはいるが。】
【銃撃一時中断。全ての銃器に弾丸を装填して】
【そして見上げる、氷の巨壁】
フッ……デカイな。だが氷は、俺の弾丸に勝てる硬さではない。
【しかし、この厚さ。小質量の銃弾を幾ら撃ち込もうとも、容易に貫通はできないのは明白だ】
ギャンブルだ。ゾクゾクするじゃあないか、ン?
【ほんの僅かな逡巡の後、にやりと笑って唇に指を這わせた】
【そして駆ける。氷から逃れる後退でなく、倒れこむ根本へ前進!】
【氷の根本へ拳銃、アサルトライフル、重機関銃の弾丸を集中させ――】
そこだ。
【倒れこむ板の根本は、つまり90度の角。板の厚さがどれほどだろうと、人ひとり通り抜ける穴を】
【厚み1mもない角に開けるのはごくごく容易!】
バガッ
【銃弾の連打で脆くなった氷をスライディングで蹴り砕き、大男のすぐ横へ仰向けに滑り出る】
【その距離僅か2m弱】
顎だ。
【左腕のアサルトライフルを顎に向け】
ガガガガガッ!!!
【連射!】
- 586 :未知数『Y』 ◆FA/Bw.T3QU:2011/02/12(土) 22:34:50 ID:TtKRpVAI0
- //全体攻撃のようなものがありますー
>>582
//了解です、また機会があれば!
//ありがとうございましたー
>>583
ゆっくりと倒れゆく氷碑。
その破壊力は計り知れず、しかし故にスピードは遅い。
「―――……っ!」
赤い男が氷の壁を回りこむと、雪男が咄嗟にそちらに反応した。
「やはり、俺は予測が甘いか―――ッ!!」
『Y』は>>579の射撃を耐え忍ぶために造ってあった氷の盾を、その右拳で打ち砕く。
砕かれ生まれた氷塊は、平均的な男性の握りこぶしよりも一回り大きい。
そんな氷の砲弾とも呼べるようなモノが、一つ二つ―――三つ。
攻撃にしては温い。
しかし反撃にしては十分なそれが、赤の漂流者に向けて飛来する!
>>584
(見た事の無い字だな)
氷碑を呼び出すその直前、ふっとそんな事を思考した。
「ッ―――炎か!!」
相性が悪い。
氷の盾を作っても、効果は薄いと判断して―――跳躍。
背後のコンテナに跳び乗ろうとジャンプした。
が、
「っ! ゥぐ―――これが、『痛み』か……成程、『X』も文句を言う訳だ」
左足の内側に被弾。
雪男はコンテナの上で屈みこむ。
>>585
「下、だと……ォッ!?」
コンテナの上に跳躍したにしろ、やはり大した距離は取れない。
飛来する無数の銃弾。コンテナの縁が弾け飛んだ。
『Y』は銃弾を避けんと後ろへと更に移動。
しかし。
銃弾に弾き飛ばされたコンテナの破片が、その身にざくざくと突き刺さった。
『おおお……流石は異能都市民。驚きの戦闘力っすー!!』
「…………そこだと巻き添えになる。出来るだけ離れてくれ、一博士」
言うと、雪男はゆっくりと立ち上がる。
「数量でも質量でも通らない―――それならば、そちらの『量』を奪わせて貰うとしよう」
両手を広げ、両腕を伸ばし―――そうして今度は拳を握り締める。
「『凍界(フローズン・フィールド)』!」
氷が使われた事で下がっていた気温が、更に、更に下がっていく。
そうして、世界はマイナスの世界へと変貌する。
コンテナには白く霜が降りた。埠頭の周りの水面は凍っていく。
周囲から『熱量』を奪う凍結の術式は、参加者達の体温をも奪い、行動を制限するだろう。
「……派手な攻撃も大事だが、こういう姑息な手段というのはそれ以上に重要だと思うね」
まあ、受け売りの知識だが―――と、呟く『Y』。
見れば、自身の身体は『凍っていない』。
奪った熱量は、自らの周囲にばら撒く事で発散しているようだ。
更に後ろにとん、とん、と跳躍して、参加者達から距離を置いた。
- 587 :赤い装いの漂流者:2011/02/12(土) 22:50:00 ID:W1EFsZoc0
- >>586
「見ーえた…ッ」
敵を目視
間には再び迫る氷塊――如意棒を構え直し
接近速度を更に加速する
氷塊と肉薄し
――コン
「―――ふ」
棒の側面をに、"当てた"
―――シュッ
氷塊をなぞる様に超至近距離を滑り、回る
「よ――っと」
滑らかな動きはまるで一種の舞いの様に迫る破壊をすり抜ける
そこに何も存在しなかったかの如く、氷塊は勢いを殺される事無く飛び続けた
「(範囲効果かァ…?やけに寒ぃぞ…!)」
内側からジワジワと熱を奪われつつも、離れ行く敵を追う
「時間、掛けられねぇ――――みてぇだなッ!!!」
遂に、敵に肉薄
金のリングを先端にあしらった鉄棒を
――ギュルッ
全身を一回転―――遠心力を破壊力に上乗せして叩き込む!
【攻撃:横薙ぎの一撃】
- 588 :佐宗スグル:2011/02/12(土) 22:51:17 ID:onviSg/.0
- >>586
「流石雪男、このくらいの出力でもどうにかなるもんだ」
逆さの番傘の上でニヤケ顔のまま、うんうん頷いていたが。
「……うっ、冷えて来たな。
寒いのは苦手なんだぞ、私は」
寒さにブルッと震え、腕をさすり、しかしニヤケ顔は変わらない。
と言うより、実は彼はニヤケ顔以外の表情を採りたくても採れないのだが。
「……あっ、逃げられるぞ。
んじゃ、とりあえずこれで」
尚も番傘を回して中に電気を溜め、それを細い稲妻の形に纏めて雪男へ射出する。
大した電撃ではないが、多少は痺れさせられるだろうという目論見である。
- 589 :セシベル・S・コープス:2011/02/12(土) 22:52:43 ID:oZOblovo0
- >>586
まだああああだだだだだだだだだッ!!!!!
【コンテナを削り飛ばす勢いで連射しつつ飛び起きる】
【だが、連射の途中で違和感を感じた】
寒……。これは……広域の魔法か……?
【急激に奪われていく体温。青年は異変に弱かった。特に、魔法・魔術系統の異変には。】
【青年は人ではなく、『魔力で象られた生命体』。影響は常人では考えられないくらい受けやすいのだ】
舐めるな、この俺の、情熱、愛、愛、愛!!
この程度で凍ると思うか! えぇ!? どうなんだァオラアアアアアア!!!
【気炎を上げながら左手のアサルトライフルを撃ち続ける――が】
……チッ……
【右腕がマトモに動かなくなってきている。撃ち尽くしたが、弾倉を取り換える右腕が凍りついたように動かない】
参ったな……誰かいないのか。
【ギシギシ軋む足で僅かに後退。すぐに足も凍りつき始めた】
- 590 :未知数『Y』 ◆FA/Bw.T3QU:2011/02/12(土) 23:05:00 ID:TtKRpVAI0
- >>587
「力を、受け流したのか……!」
驚愕というよりは、驚嘆。
そんな戦い方もあるのか、というような。
「……っ、回避は出来そうに―――ないッ!!」
凍て付くほどに冷たい空気。
その中から更に氷の魔力を抽出し―――左腕に集中。
……つまる所、左腕に氷を纏わせた。
しかし―――或いはやはり。
装甲代わりの氷は砕け、それどころか恐らく左腕の骨も砕けただろう。
苦痛にその顔が歪む。
だが、その表情に浮かぶのは、未だに笑みだ。
「近付いたな―――忠告だ、逃げた方がいい」
砕けた氷は宙を舞い、そうして再び左腕に。
その際、まとめて鉄棒をも凍らせた。
逃がす心算は無いらしい。
>>588
「づ、ぐ……―――!」
稲妻も、直撃。
痺れて動けないのか――動かないのか。
兎も角そのままの姿勢からは動きそうにない。
>>589
「―――どうした、終わりか? セシベル」
にやりと口角を上げて、挑発するように笑う。
しかもしっかり名前を呼んでいる辺り完全に挑発である。
「……さて、そろそろ決着にしたいと思ってきたんだが」
『ええー? もうちょっといたぶられて欲しいんすけど』
「…………分かったよ」
かちかちと、ぴしぴしと、雪男の足が、地面を覆う氷と同化し始めた。
氷は足だけに留まらず、太腿、腰、胴、腕―――と、雪男を凍らせていく。
これで、雪男はその場から『動けない』。
「―――しかし、俺は詠み唱える」
―――離れたほうが、やはり身の為だ。
最後にそう告げると、未知数『Y』は歌でも歌うかのように、何かを唱え始めた。
詠唱だ。
何か、大きな手を打つための布石のようだ。
詠唱が終わる前に息の根を止めるか、詠唱より来る『何か』に対して身を固めるか。
【攻撃無し】
- 591 :赤い装いの漂流者:2011/02/12(土) 23:18:22 ID:W1EFsZoc0
- >>589
赤い漂流者は敵とほぼ同位置
更に共同戦線では無いと考えている節があり、救助にはいかなそう
>>590
「(獲った―――…いや…まだか)」
振り抜きの姿勢で舌打ちひとつ
「いやぁ、近付かんと俺の場合始まらなくて―――って!」
連撃に移行する前に―――武器が凍る
「ち、お前、そういう忠告はホントやる前に言えってのッ!」
――ガンッ!!
腕まで凍りつきそうな如意棒への侵食を、躊躇無く武器を蹴り捨てる事で回避
距離を取る
中空で2、3回転して着地
その頃には鉄棒は敵の手中で完全に凍りついた
「(反応がァ……くそ、鈍いぞコンチクショウ…やーべ、体温だわこれ落ちてんの…!)」
赤いマフラーを口許まで上げるが、所詮内側から下げられる体温には効果は無く
「つーかオイ…!?でけぇの来そうだな!」
反応の遅れは判断の遅れに繋がり
敵の行動を抑える一手を出し損なう
【詠唱に対する行動無し】
- 592 :佐宗スグル:2011/02/12(土) 23:23:41 ID:onviSg/.0
- >>589
「おーい、大丈夫か!
オイラで良ければ守りを手伝うぞ」
少し回転の鈍り始めた番傘を無理矢理回し、舞い上がりながらセシベルに声を掛ける。
「何が来るか分からないし、守り切れる保証はないけどな?」
>>590
「ヒット! ……でも、こっちもそろそろキツイな」
凍って靡かなくなった、男のポニーテール。
身体もどんどん震えてくる。
そして、相手はどうやら大技でも繰り出しそうな様子だ。
「逃げるが勝ち、とは言えないな。
これも貴重な体験だし」
とりあえずは、セシベルのほうへ飛行する。
- 593 :セシベル・S・コープス:2011/02/12(土) 23:36:33 ID:oZOblovo0
- >>590
フッ、フッフフフフフ……
俺が本当の本当に本気になるのは、俺の愛を享受するべき存在がいる時のみだ。
【不敵に笑う。その時、魔法を扱う者なら視えるだろう】
【セシベルの体から湯気のように湧き上がる、紫の魔力】
その時こそ終わりだ。お前のな。
【細めた目が見据えるのは>>592】
>>592
よく来てくれた、我が愛すべき――あ〜〜〜、まぁ女じゃないのはこの際仕方ないとしよう。
見た目が整ってりゃオトコでも構わないしー。
【>>592を見て開口一番けっこうアブナめな事を口にし】
協力といこう。端的に言うぞ。
俺の能力は『他者の身体強化』。体力、筋力、反射神経、信号伝達速度その他諸々だ。
そして強化された筋繊維はそれが生み出す熱量も増加させる。つまり寒さ対策も出来ると。
【飛ぶ番傘に対し右手を差し伸べる】
【この冷え切った中、セシベルの右手からは逆に灼ける熱さを感じるほどの魔力が溢れている】
【薄い唇に微笑みを浮かべて】
分かったな? というわけで、俺を背負え。お姫様抱っこでも構わないぞ?
俺に触れてないと発動しないんだ俺の能力は。
【右手を差し出しながらこんな状況で何を言ってるんだか】
- 594 :未知数『Y』 ◆FA/Bw.T3QU:2011/02/12(土) 23:40:53 ID:TtKRpVAI0
- //攻撃最後でっす!!
>>591
「――――――――」
距離を取った様子を見つつ、詠唱を続行する。
楽しげに浮かべた笑みが、不敵さを孕んでいた。
>>592
「――――、―――」
詠い、唱えて、息継ぎを一つ。
セシベルの方へ向かっていくのを止めようともしない。
>>593
「――――――――、」
詠まれ、唱えられ、歌われていたそれが、止まる。
「―――準備は、整ったぞ」
セシベルの能力が発動するか。
雪男の術式が発動するか。
―――どちらが、先か。
「しかし、強いな。本当に。
やはり最初から、これを使うべきだった」
押され気味―――否、圧倒的な不利。
にも関わらず、その表情に浮かぶのは余裕。
「あくまでこれから用いるのは『模造』の術式だ。
『原典』通り『相手は死ぬ』とまでは行かないが、しかし――――――」
周囲を覆う冷気が引いていく――――――まるで、周囲の冷気を『集める』かのように。
先程の『凍界』とは全く逆の動きだ。
そうして、力が集まっていき―――臨界点へ。
雪男は、Y-80は、未知数『Y』は、詠唱の最後に言葉を紡ぐ。
「―――『創られの凍土に吹く吹雪(エターナル・フォース・ブリザード:レプリカ)』ァ!!」
『ぜったいれいど』。
そんな名前の技が、とあるゲームに存在する。
当たれば必殺、相手を瀕死に追い込むような技が。
雪男が放ったのは、それに限りなく近いモノだった。
集めに集められた膨大な冷気が、彼を中心に爆発した。
異常なまでに高まった『凍結』の力が、万物を凍て付かせる極限の『静止』を生む。
術者である『Y』も、その中心にいたのではただでは済まないレベルの、『凍結』。
その範囲は、冷気爆発の及んだ周囲10m程だ。
しかし、『模造(レプリカ)』とはいえその威力は強大。
氷の欠片や、凍結の力を孕んだ烈風―――それらが辺りに舞う事は間違いなかった。
- 595 :赤い装いの漂流者:2011/02/12(土) 23:50:29 ID:W1EFsZoc0
- >>594
対象との距離は僅か5m弱―――確実に、直撃の位置
そして
「エター……ナル…?」
その名を
「…なん……だと…」
その偉大なる名を冠する技が
「――――…ぎ、が…!ぁあがぁがぁあああ!!」
成す術の無い男を蹂躙する
くすんだ赤い煌きが
伝説の模倣の只中に潰えた
- 596 :佐宗スグル:2011/02/12(土) 23:58:14 ID:onviSg/.0
- >>593
「何から何まで女じゃないが、このポニーテールは自慢だぜ。
まあ、今は残念ながら凍ってる訳だが。
……いや、意外と冗談言えるもんだな」
緊張感が無いにも程がある。
「ふむふむ、把捉了解。
んじゃ、君は傘に乗って、そして僕におんぶされて貰おうか。
……って、なんかすげー魔力だ」
セシベルの右手を掴み、引き寄せ、背中に負う。
>>594
「傘よ回れ、骨よ火を吹け、冷撃が来るぞ……」
熱を取り戻してきた手で、番傘の骨に刻まれた炎の術式を深く刻み直す。
そして発火した番傘は、燃え盛る巨大な独楽となった。
男は火炎独楽の先端を雪男へ向け、強烈な凍結に耐えようとする。
「……やべっ、これが噂の究極奥義か」
それでも押し負けているか、番傘には穴が幾つが開き、その骨もギシギシ軋んでいる。
「……が、人の命を負ってる以上、あっさり凍死ってわけにも逝かないのだな!」
この一撃で焼き払えるか。
火炎独楽の先端から、蓄積された炎が火炎放射として射出され、氷撃の中心たる雪男へ向かう。
それと同時に火炎独楽は、縁からどんどんとボロボロ凍って砕け始める。
- 597 :セシベル・S・コープス:2011/02/13(日) 00:11:17 ID:oZOblovo0
- >>594 >>596
【熱い魔力は触れた瞬間にスグルへ流れこみ、力を増大させる】
肉体に宿った僅かな魔力や、他者の魔力に頼るだけの『魔法使い』とは格が違う。
俺はまさに『魔力』そのもの、『魔法』そのものだ。素晴らしいだろう?
【しかしそれ故に、さきほどの凍結魔法での消耗は激しく】
【魔力を浪費しないよう完全にもたれかかりながら喋っている】
だが……俺も、ただおぶさっているだけじゃあプライドが許さん。
【右手を左袖に突っ込み、金属製の細長いタンクを引き摺り出す。刻まれた文字は『Fuel』】
【足でスグルの体を挟んで踏ん張り、背を反らせ思いっきりそれを投擲する!】
燃えろ、俺の、愛ッ!!
【素早く拳銃を取り出し、タンクを撃ち抜く!】
【薄い鉄板を銃弾が貫通した瞬間、穴から火が噴出し、タンクが炸裂!!】
【『Fuel』――燃料(ガソリン)約3Lは一気に燃え広がり、雪嵐を防ぐ壁となる!】
- 598 : ◆FA/Bw.T3QU:2011/02/13(日) 00:18:05 ID:TtKRpVAI0
- 冷気の奔流が、氷塊の砲弾が、
極限の静止が、絶対の停止が、
解けた。
『Y』は爆心地で息絶え、既に『箱庭』からいなくなっていた。
【未知数『Y』―――クエストクリア!】
が、しかし。
「―――ひゅー、寒い寒い。
こんな威力でも、伝説の模倣が出来ても、
術者が死んじゃったら意味無いじゃないっすか全く」
茶髪の青年が、ふらりとその場に現れる。
「……あ、でもアレっすね。
これだけの威力を引き出して、しかもこの貧弱な僕を
『生き残らせる』程度の制御力は賞賛に値するっすね」
ぱちぱち、とノートパソコンを小脇に抱えながら、青年は手を打った。
「―――と、いう事で。
人工生命Y-80《雪男》の実地性能試験、これにて終了。
皆々様方、ご協力有難う御座いました――――――っす」
参加者達がいるであろう方面を適当に見当を付けて、深々と礼をした。
>>595
「―――赤い人、見失っちゃったっす。
……ま、流石にあの距離で直撃じゃあ、ね」
あとでログ漁らせてもらってティッシュ箱でも渡すっすね。
なんて、小さく呟く。
>>596 >>597
雪男に対して放たれた火炎独楽。
更にその炎を加速させるような潤沢な燃料。
伝説の再現であるような『静止』は、その行動で幾らか弱まった。
しかしその攻撃目標は、もう『箱庭』にはいない。
>>ALL
「お疲れ様っす! 皆々様の勝利っす!
いやあ、開発者としては悔しい結果ですけど、随分と勉強になったっす!」
やけにテンションの高まった白衣の青年が、そちらに歩いていって再び深々と礼をした。
「えーっと、今回のは告知どおり『ボランティア』だとかに近いような形なんすよね……
……だから、えっと、その、後ほどティッシュでもお送りするっす!」
スケールが小さすぎる上に割に合わない感じだった。
「それでは、改めまして。
本日は本当に、本ッ……当に。有難う御座いました!!
またいつの日か、縁が合ったその時に、っすね」
これでもかと言うほどの感謝をばら撒き、そうして青年は『箱庭』を後にした。
//クエスト終了です!
//参加していただきありがとうございましたー!
- 599 :佐宗スグル:2011/02/13(日) 00:32:37 ID:onviSg/.0
- >>597
「ナイス支援!」
雪男のほうを見たまま、セシベルにガッツポーズを見せる。
瓦解の進みゆく番傘。
タンクよりの炎の壁が無ければ、まだ治まらないだろう余波によって結局凍死していたか。
>>598
「ふう……あれ、死んじゃったの?」
ようやく落ち着いたらしい冷撃。
ほぼ浮力を失った番傘で、どうにか地面へ降り立つ。
「ひい、大した戦闘力、そして大した科学力だこと。
こりゃー参考になるぞ……覚えてるうちに後で黒苺にメモらなきゃな。
お疲れさん! こっちこそ超参考になったさ、それでお礼は充分よ」
と、言いつつ。
宿代とか、それに値するモノとか欲しかったかも。
だが、当然もう遅い。
//お疲れ様でしたー!
- 600 :赤い装いの漂流者/ログアウト:2011/02/13(日) 00:35:21 ID:W1EFsZoc0
- 「…………ふもっふ!?」
どこかのログイン端末前でガバッと起き上がる負け犬
「……あ?死んで無い…?」
何かチカチカする画面には『ログアウト』とか『またのご利用をお待ちしております』とかの文字が見えて
「仮想現実、こえー…」
緊張感やらが抜けきった表情でグタリと机に突っ伏した
「(……伝説級の一撃の直撃は……流石に死ぬってぇ……)」
「(……でも)」
グッと
天井に拳を突き上げて拳の先の――何かを視る
「(武器も失くして…体温下げられて、身動き取り辛くて…大技来て諦めるしかねぇ状況で…)」
「……コレなら貫ける、って思えたのやら」
中空に一度
仮想『エターナルフォースブリザード』を思い描き、パンチを放つ
頭に靄が残る
けれど
「―――…は!?…これはまさか…!」
何かに気付こうにも
「………疲れがピークなのかも知れんなぁ…」
靄は深く払拭出来ないままで
ゆっくりと立ち上がると「今晩はあったかい場所で寝よう…」と呟いてその場を後にした…
- 601 :セシベル・S・コープス:2011/02/13(日) 00:41:42 ID:oZOblovo0
- >>598
ガァンッ!
【青年がログアウトした直後、青年がいた地面に銃痕が刻まれる】
ふん、逃げ足の速い……。
【まだルールを理解してなかった。】
【不満げに呟きながらスグルの背から降りる】
>>599
フッ、俺も貴様に感謝せねばならんな。
【なんとか耐え忍んだようだ。安堵してスグルの肩に顎を乗せ、覗き込むように微笑む。近い近い。】
【その後すぐ背中から降りて】
これで終わりのようだな。いい暇つぶしになった……フ、フ。
【両手をぱんぱんと叩き合わせ】
では、さらばだ。また会おう。
【軽く手を振り、姿を消した。ログアウトしたようだ】
/ありおつさまー
- 602 :佐宗スグル:2011/02/13(日) 00:52:24 ID:onviSg/.0
- >>601
「うおっ」
顎を載せられ、若干びっくりする。
顔は相変わらずニヤケているが。
「おう、あばよー。
それじゃ私も戻りますかね……電脳の神よ、さらば」
そして、変な風貌だった男も姿を消す。
//乙でしたー
- 603 :名も無き異能都市住民:2011/02/20(日) 00:09:25 ID:VaXq3Dpk0
- ふいに意識が覚醒した。
『……』
ここはどこだ。
真っ先に思うのはそれで、
『――』
探査システムを起動、させようとして気付く。
自己診断プログラムが「ご覧のありさまだよ!!」な己を示していることに。
『…………』
生きてんのは意識野と魔術回路のごく一部だけかあ……。
相当回復しないと換装システム起動しないじゃんなんなの馬鹿なの死ぬの。
電力供給は何でか知らないから有線でされてるからそこから動力は引っ張ろう。その辺の処理は流石に可能だし。
回路で修復メソッドを走らせて、回路自体の復帰と――-
『――――』
おいなんてこった。
コミュニケートシェルがどっか行ってんぞ物理的に。
誰だ持ってったのないと困るんだよ対人的な意味で。
『――……』
どーしよー……。
千夜の格納庫の何処かで、あくまで人の言葉に訳せばそんな感じの思考をつらつらと巡らせて。
彼、アマデウスは静かに己の修復を開始した。
- 604 :名無しの通り魔:2011/02/20(日) 21:15:26 ID:s42RcinY0
- 「アアア温かい。ヒトと言うのは温かいモノですなア。
ワタクシ寒くて寒クテ凍え死んでしまいそウだったんデスよ。
温めてくれてアリガトウゴザイマスねぇ、フロイライン?」
ばちゃびちゃべちゃぼちゃっ、
地面を叩く、液体の音。路地裏のほうから、そんな音が聞こえてくる。
聴覚を刺激するその音につられて、あなたがその角を曲れば、次に刺激されるのは嗅覚だ。
錆びた鉄の、生臭。何を意味しているのかは、あなたならば直ぐに分かるだろう?
「少々、着物が汚れてしマウのが難ですケドねぇ。マ、いいです。
別に一張羅ッてわけジャアないし、アアア、アハハハハ!」
そして、あなたの視覚が夜闇に慣れたころに。
ヒトの生首を頭上に持ち上げて、断面から垂れ流されるソレを浴びている、襤褸を纏った誰かの姿が見えるだろう。
――――さて、あなたはどうします?
//突発的・通り魔ちゃんとの戦闘小イベント。遊びに来てネ!
- 605 :灰色の巫女:2011/02/20(日) 21:20:47 ID:FCIa6weI0
- >>604
【通り魔の後ろで、がさり、という音】
【灰色の巫女服を着た女が、様子を見て、はっとした表情で路地の奥へと逃げてゆく】
- 606 :名無しの通り魔:2011/02/20(日) 21:27:25 ID:s42RcinY0
- >>605
「……アレ、」
ぼどっ。
首を、投げ捨てた。子供が飽きた玩具を放り投げるような軽さを持って。
「イイニオイ。生きてる肉の、芳純豊潤芳醇な芳香。アアア素敵。
もし、もし、ソコの『肉』。御待ちなさいナ、フフフフフフフフフフフッ」
振り返って、一瞬だけ見えた巫女。
彼女を「肉」呼ばわりし、襤褸を纏った通り魔――フードに隠れて顔は見えないが、小柄。多分、子供――は、そちらへ駆け出した。
- 607 :灰色の巫女:2011/02/20(日) 21:32:22 ID:FCIa6weI0
- >>606
【巫女の進む先は、袋小路】
【巫女は、目の前にそびえる壁を見上げると、くるりと振り返る】
【その目に浮かぶのは、深い悲しみの表情】
【そして巫女は、通り魔を前に、祈るように目を閉じる】
- 608 :赤い装いの漂流者:2011/02/20(日) 21:38:06 ID:Fc9qohaE0
- 「Just a moment…だっけ?」
>>606の背後から人の気配と、通る声
「…通りすがりだが、見過ごせねー事…してんじゃねえよ」
赤い装いの男が現れた
- 609 :名無しの通り魔:2011/02/20(日) 21:46:02 ID:s42RcinY0
- >>607
「職業柄。お祈りってタクサン見てきたんですけどネ。
巫女サンの、本職の方のお祈りってイウのは初めテ見ましたの。フフフ。
ヤッパリ様になってラッシャイますノねェ」
にこり。フードの奥からでも僅かに見える唇が、三日月のカタチ。
>>608
「……アレアレアレ。ワタクシ、もしかして挟撃ってやつをサレテルのでセウか。
キャアア怖い、コワイ助けてータスケテー! ……フフフ」
子供の姿と子供の声で、助けを求める動作をやって見せるのだから、相当性質が悪そうだ。
通り魔は、懐から一本。カッターナイフというやつを取り出して、
「――――ッテ。言ったら、そこのオニイサン。アナタ、正義の味方ッポイですよね、
ワタクシのコト、助けてクレます? うふふふ」
新しい玩具を与えられた子供の笑みを浮かべた。
《ちきちきちきちきちきちきちきちきちきちきちきちきちきちきちきちきちきちきちきちきちきちきちきちきちきち》
悪魔の囀りのような、蝙蝠の笑い声のような、かすかな音。
カッターナイフの刃を押しだすノック音。天国の扉のノック音になるかどうかの運命は、二人に委ねられた。
- 610 :灰色の巫女:2011/02/20(日) 21:48:41 ID:FCIa6weI0
- >>609
【巫女は、片側の壁、数本の配管が這っている側に、両手をつく】
【すると突然、配管のプラスチックの被覆が弾け飛ぶ】
【中からは、電線から引き込まれたばかりの高圧の電撃が通り魔に向けて飛ぶ】
- 611 :赤い装いの漂流者:2011/02/20(日) 21:52:11 ID:Fc9qohaE0
- >>609
「俺が助けんのは、そこの嬢ちゃんだろ…状況的に考えて」
カッターナイフの音に反応するように
腰のホルスターから黒い棒を取り出す
手の中で一回転させ、先端を通り魔に向ける
「…ったくよォ…何かキメてんのか?ヤバイ雰囲気だしやがって…」
>>610
「オイ、嬢ちゃんは逃げ――――…って、おいおい…」
逃走を促すように声を上げるが
「能力者かい…!」
既に巫女さんは闘争モードであった!
- 612 :名無しの通り魔:2011/02/20(日) 22:00:19 ID:s42RcinY0
- >>610>>611
「ンフフ、そりゃあソウですよね、か弱い女性が傷付けられそうになって、」
余裕たっぷりといった様子の言葉は、爆ぜる電撃の音に遮られることとなる。
ばぢぃっ、という空を駆ける電撃の音と同時に、ばがぁん、という地面が凹む音がした。
通り魔の立っていた地点のコンクリートが――――べこりと、凹んでいるのだ。
「…………アラアラアラアラ、オニイサン、助けに来なくっても良かったんジャアないデスノ?」
そしてそのクレーターの上に、通り魔の姿はなく。
声は、二人の頭上から降り注いできた。
フードの奥に隠れていた小さな頭――濁った緑の髪と、黒い瞳の、中性的な子供の顔。べろりと舌を出して、唇を湿して。
それを支える身体は、路地裏を構成するビルの壁面に、「垂直に立っている」。
子供は、しゃ、しゃ、と。カッターナイフを振るう。当然その刃が二人に到達することはないのだが、
「白いナニカで構成された斬撃」――それが、軌跡に発生。一拍置いて、二人に一つずつ、平等に飛来する。
- 613 :灰色の巫女:2011/02/20(日) 22:06:38 ID:FCIa6weI0
- >>612
んっ……!
【顔を背けながら、慌てて衝撃波を手でかばう】
【そこから流れ出る血に、はっとした表情を浮かべると、慌てて踵を返す】
【が、その先はもちろん、高い壁】
【巫女がそこに手を突くと、壁はぐにゃりと曲がって、向こう側へと続く道を作る】
- 614 :赤い装いの漂流者:2011/02/20(日) 22:12:57 ID:Fc9qohaE0
- >>612
「いや、うん…まぁ、ここからは自分の為に動こうと思う…」
俺、邪魔には…なってねぇよなぁ…とか考えつつ
コンクリートの爆ぜる音と同時に視線を上に
「はい出た!ビックリ人間!」
シャキン、と伸びる黒棒――如意金箍棒(にょいきんこぼう)――
「―――飛ぶ斬撃…!」
キィン!!
薄暗い路地裏に、白く線を引き迫る刃を弾く
「(……やれやれ、こっちも能力者…!異能バトルに干渉しちまったって訳か…!!)」
――ガッ
「伸びろ―――金箍棒ッ!!」
地面に付けた如意棒が伸び、赤い男を上昇させる
高度を、壁に垂直に立つ通り魔より上に取り
「―――せぇえのッ!!」
瞬時に縮む如意金箍棒の切っ先を下に向け
ヒュォン――!!
自然落下の勢いで通り魔に突撃する
- 615 :名無しの通り魔:2011/02/20(日) 22:20:44 ID:s42RcinY0
- >>613
「……オヤ。吃驚しました、アノ能力があったらこの都市から大工サンが消えてしマウ」
目をぱち、くり、瞬き二回のち笑顔。
追撃として、もう一本。斬撃を飛ばす、狙いは「脚」だ。
>>614
「いいデスねぇ、自分に正直な御方、ワタクシ大好きでゴザイます」
ステキな反応。子供は嬉しそうに笑いながらそう言って、
「――――実はデスネ、飛ばすダケが能じゃないデスノヨ?」
しゃ、しゃっと。中空にバツの字を描く。
やはり現れるのは「白い斬撃」で、それは「中空に留まった」。
がきぃん、と音がして、静止した斬撃と棒の先端が接触。
弾かれるかどうかは微妙だが、その間に通り魔は次の一手の準備を整えている。
- 616 :灰色の巫女:2011/02/20(日) 22:25:47 ID:FCIa6weI0
- >>615
【壁をまたごうとしたところで、斬撃は正確に巫女の足首に大きな傷を残す】
【倒れこんだ足が、依然壁の向こう側に残るため、壁は開きっぱなしとなる】
どうして……あなたは、私を、殺そうとするのですか?
【倒れたまま上半身を起こし、キッと通り魔を見つめる】
- 617 :赤い装いの漂流者:2011/02/20(日) 22:29:57 ID:Fc9qohaE0
- >>615
「……ありがとう、全然嬉しくねぇ……っ!」
ギンッ!
【留まる斬撃】に勢いを殺され、攻撃は止まる
即座にそれを弾き、再度中空に戻る
「(空間に、物理領域を生み出す力か?…だとしたら…遠近、更にはトラップにまで使い放題…)」
ビュォオオ―――ガッ!!!
地面にまで如意棒を伸ばし――突き立て
「―――厄介だなァオイ!」
棒を基点に一回転
回転蹴りを側面から放つ
- 618 :名無しの通り魔:2011/02/20(日) 22:38:26 ID:s42RcinY0
- >>616
「……殺す? ワタクシがアナタを、殺すのですか?」
そういえばこの女、ようやく口を聞いたなあ、と。ぼんやり考えながら、きょとんとした表情と声を返す。
「良く誤解されがちナノですが、ワタクシ共、『社会の害虫』ッテノは、意外と快楽殺人者ばっかりってわけジャアなかったりするノですよ。
『害虫』にソンナ高度な思考する脳回路、アルと思います? ないんですよネ。
ワタクシの場合ですと、ただただ単純に『肉をキりたい』だケですの。その欲望の延長線上にたまたまヒトの死があるワケで。
ホカの『害虫』もダイタイそうでゴザイマスよ、『食べたい』とか『踏み潰したい』とか、ショセンはその程度ナノデス」
さも「それが当然だろう」とでも言うように。流れるような滑らかさで、歪んだ言葉を口にする。
>>617
「ウフフフン。アナタが嬉しくないと、ワタクシのメシが大変美味しゅうゴザイマス」
弾き合う攻撃と攻撃、それの衝撃が空気に霧散して行く、刹那の間。
その間に、通り魔は上体を横にぐりんと大きく捻っており、
「―――――ィイイイイィィイツ!!」
その勢いを乗せて、刃を振るう。カッターナイフの脆さを、能力で補った白い斬撃・近接バージョン。
狙いは蹴りを放つ脚。コンクリートを凹ませて壁に立つその力をプラスしているが――悪く言えば、大振りすぎる。
- 619 :灰色の巫女:2011/02/20(日) 22:43:08 ID:FCIa6weI0
- >>618
【その言葉を聞いて、合点のいったように頷く】
ですが生憎、私はここで死ぬわけには、ゆかぬのです
私は、この悪夢から、抜け出なければなりません……
それが、巫女としての、定め
【とはいえ、足をやられた状態では、動くのもままならない】
【じっと目をつぶり、精霊に祈るのみ】
- 620 :赤い装いの漂流者:2011/02/20(日) 22:52:20 ID:Fc9qohaE0
- >>618
全身で蹴りを振るう身体は勢いを殺せない
「他人の不幸でメシウマすんじゃねぇ―――で」
白々した斬撃が突き出した足に接触する―――その刹那
「(その動きは)読んだ…!金箍棒ッ!!」
――グンッ!
しなる長尺の鉄棒が、男の身体全体を後方に逸らした
「―――ぜっ!!」
そして弓なりの棒は高飛びの要領で勢い良く男を中空に、三度跳ね上げた
>>619
「(あの足…チ、時間掛けられねーぞ!!)」
空中で足に深々と傷を負った巫女を見る
その様子に舌打ちをひとつ残し
「セカンドアタック―――…落ちろォ!!!」
赤の男は、空を回り
通り魔が大振りした隙を狙い―――渾身の踵落としを打つ
- 621 :名無しの通り魔:2011/02/20(日) 22:58:10 ID:s42RcinY0
- >>619>>620
「ウン、ウン。諦めチャッタ肉をキるよりは、生きる意志のアる肉をキる方がタノシイ。
その意気デスヨ、ッ、」
きゃらきゃらと嬉しそうに巫女に語りかける、その言葉はまたしても対峙する彼等に遮られることとなる。
自分の振ったカッターナイフが、盛大に空を切った、しまった、と目を見開いて、
「――――――――――ッッ!!」
目の前に居たはずの赤い男の姿を探せば、すぐに見つけられた。
ただし、視認したのは、眼前に迫った踵。
男の踵に、確かな手応え。
通り魔の子供の身体は軽々と地面に、自分の作ったクレーターの辺りに叩きつけられた。
「……………………ク、ソがァアっ…………!!」
ぱらぱらと、コンクリートの破片を撒き散らしながら、ふらりと立ち上がる。
その動きは酷く緩慢で、追撃は容易に入るかもしれない。
- 622 :灰色の巫女:2011/02/20(日) 23:03:37 ID:FCIa6weI0
- >>621
【巫女が、手をつく】
【すると、クレーターが落とし穴のように大きく陥没する】
【その下は、最早使われなくなって封印された、ビルの地下室】
- 623 :赤い装いの漂流者:2011/02/20(日) 23:10:34 ID:Fc9qohaE0
- >>621
「1HIT―――!!」
着地
同時に急速に縮んだ鉄棒は手に戻る
――タンッ
間髪入れずに、次の行動へ移行
「能力者相手に、余裕はやれねぇってな!!」
追撃の気配
一足飛びで再び接近した男は、ふらつく通り魔に鉄棒による一撃を振り下ろす
>>622
「(―――ん!?)」
その瞬間、地面の変化する様子が見えた
タイミングが合えば、長物による近接攻撃は空振りに終わるかもしれない
- 624 :名無しの通り魔:2011/02/20(日) 23:18:43 ID:s42RcinY0
- >>622>>623
「ぎゃ、ッ!!?」
失策、これで二回目。
巫女が「地形を操作する能力」を持つかもしれないということくらい、推測できたのに。
まあ、推測できたとしても、ダメージを受けた直後に跳んで回避なんかできないだろうが。
蛙が拉げた時に出すような声をあげて、下へ落ちる。
その結果、赤い男の一撃は空を切ることとなった。
「――――――絶ッ対、赦さネェ赦せネェ……お前ら、絶対絶対絶対!!
カケラが見えなくなるまで、キりキザんでやラァあああッッ!!」
下、通り魔が落ちた其処から、呪詛の声が響き渡る。
通り魔は既に立ち上がっており、わなわなと肩を震わせながら、カッターナイフを握り締め、咆哮。
その場に留まったまま、物凄い勢いで刃を振り回すその様子は、癇癪を起して暴れ回る子供そのもので。
空を斬って斬って斬って斬って、白い斬撃が通り魔の周囲を覆い尽くし。
その姿が、隠れてしまったその瞬間。
《時なんか、止まってしまえ――――――何故ならアナタは》
声が、聞こえた。
歌うようなどこか美しい旋律、しかしそれでも幼さは残したままの。
《 ウ ツ ク シ イ 》
それが止んだ瞬間。
蕾が開いて華が咲くような、そんな光景。
子供の周囲に留まっていた斬撃が、一斉に――――無差別、無慈悲に、全方向へ飛び回る。
- 625 :灰色の巫女:2011/02/20(日) 23:23:01 ID:FCIa6weI0
- >>624
【巫女が再び手をつくと、徐々に、ゆっくりと入り口が狭まってゆく】
【それは、弾け飛ぶ衝撃波を封印された地下室の中に閉じ込めるかのように】
【幾つかの衝撃波は、閉じてゆく入り口に跳ね返され、反射する】
- 626 :赤い装いの漂流者:2011/02/20(日) 23:34:43 ID:Fc9qohaE0
- >>624
「―――む…ぬ!」
大きく空を切る一撃
通り魔は下に落ちた
「(穴か―――正面からしか攻め手がねぇのは…!)」
一方からしか進行出来ない穴下に飛び込む事は
敵の【飛ばす斬撃】に狙い撃ちにされる可能性がある
このまま、巫女を連れて場を離れるか…と
倒れる巫女を確認した―――その一瞬の気が緩みかけた瞬間
―――ゾワリ―――
「……!!」
穴の下から、力が蠢く気配
眼下の景色が―――勢い良く、白む
「しまっ―――!!?」
手元の棒を伸ばし、湾曲させ渦を巻く
傘状に組んだそれは防御の姿勢
ギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャ!!
「―――ち、ぐ…ぁああ!!」
正面から攻め来る刃と自身の棒で組んだ盾が火花を散らす
>>625の一手で射出点は狭まっている様子だが
急ごしらえの防御では総てを防ぐには足りない
赤のコートごとその身は徐々に切り傷を増やしていく
- 627 :名無しの通り魔:2011/02/20(日) 23:39:11 ID:QYyPcDfoO
- >>625>>626
硬質な音がいくつもいくつも。斬撃が、巫女の作り出す天井に突き刺さる音か。
閉じてゆく地面の向こうから、甲高い子供の悲鳴。自分で放った攻撃に切り刻まれる、その苦痛。
「――――――――――死ね!! 死ね死ね死ね死ね死ね死んでしまえェエエェエぇえッッ!!!
お前らなんか、お前らなんか――――」
僅かに漏れる咆哮は、通り魔の子供が生まれて初めて「他人の死」を願った証。
彼は、死ぬ間際に。「害虫」から「狂人」へ、成長できたのだろうか。
あんまりな、――最低の成長だ。
――――やがて、声は聞こえなくなってくる。
最後にぽつりと響いたのは、「しにたくない」という曇った啜り泣きの声。
それを最後に、この路地裏の喧騒は、ぷつりと途切れて――――消え失せた。
//戦闘はここいらで終了。あとはお好きにおねげえしますだ
//ひとまず、ありがとうございましたー!
- 628 :灰色の巫女:2011/02/20(日) 23:48:20 ID:FCIa6weI0
- >>627
【ほっ、と一息ついたところで、自分の傷を改めて見る】
【そして、不思議そうにした後、ふと呟く】
これが……“痛み”というものなのですね……
- 629 :赤い装いの漂流者:2011/02/20(日) 23:53:06 ID:Fc9qohaE0
- >>627
「―――ッがは…!…はぁ!…はっ…!」
刃の嵐が収束を見せ、かろうじて凌ぎ切った男は荒い息で膝をつく
「ば…か野郎…!死にたくねぇ奴が…殺すんじゃ、ねぇ…!」
クソ、と小さく吐き捨てて
如意棒を支えに立ち上がる
「(……これも、また…この街の側面のひとつ、か…)」
傷だらけの身体と
通り魔の生が潰えたクレーターとを順に見て
「……ち」
歪んでやがる、と呟いた
>>628
棒をホルスターに収め、巫女に近付く赤い男
「…おう、助かった」
生きてるな、と確認して
「医者の場所は……悪い、知らんが、せめて大通りまでは連れて行ってやるよ」
傷だらけの手を差し出した
- 630 :灰色の巫女:2011/02/20(日) 23:58:04 ID:FCIa6weI0
- >>629
ありがとう、ございます……
【手を借りて起き上がり、片足の代わりに、手を差し出してくれた男に体重を預ける】
私は初めて、死、というものが何かわかった気がします……
“あの者たち”が殺された時でさえ、それが真に意味することはわからなかったというのに……
【ふと、遠い目をする】
- 631 :赤い装いの漂流者:2011/02/21(月) 00:05:14 ID:Fc9qohaE0
- >>630
「……そうかい」
歩けなさそうな巫女を背負い歩き出す
「俺は…正直、分からねぇなまだ」
死んだ事無いし、と弱々しく苦笑して
「ただ」
ふ、と"死"が災害の様に訪れた路地裏を振り返り
「死にたくねぇ奴は、死なない方が良いな…って、そう思うわ」
一度だけ目を伏せて
人通りの多い明るい場所へと進んでいった
- 632 :「F」:2011/02/22(火) 21:01:18 ID:s42RcinY0
- イデアの箱庭。
誰かが選択したフィールドは、「白銀の森」。
突き刺さるように冷たい空気の中で、木々も大地も湖も空も、凍りついてしまった世界。
「――――うーん、ちょっとあったかくなってしまった。
この街が冬のあいだに、帰ってこようと思ったのにぃ」
誰かが声を発すると、それは空中で凍りついて、白銀に染まる。
冬の前では、何もかもが色を失くしてしまうのか、
「わたしもまだまだ。ですね、わふん」
――――――――否、だ。
その証拠に、「彼女」は、藍色の毛並を冷たい風に揺らして。
満月みたいな金色の瞳を、爛々と輝かせている――――
- 633 :赤い装いの漂流者:2011/02/22(火) 22:21:46 ID:Fc9qohaE0
- 「……さみぃよ」
ブルリと震えて身を起こす
「…ったく、誰だァ?人がまだ来ぬ春を満喫していた最中に…!」
春の野原のほのぼのフィールドが一変して白銀に上書きされた
ざすざすと雪の原を踏み締め
寒そうに白い息を吐いた
- 634 :「F」:2011/02/22(火) 22:43:37 ID:s42RcinY0
- >>633
「わたしが冬を満喫できなかったのでここで満喫するのです!
文句あるんだったらお外出なさい!」
わふぁわふぁ!
アホ臭いこと極まりない憤慨音を立てながら、少女の声で喋るのは――――狼だ。
藍色の毛並と、金の瞳を持った、狼。人語で喋る。
//おう、ごめんなさい……見逃してた
- 635 :赤い装いの漂流者:2011/02/22(火) 22:51:40 ID:Fc9qohaE0
- //書き込んでから「これ1時間前のレスじゃん…!」って気が付いたの
//なんか逆にゴメン…
>>634
鼻水をすすりながら寒風に目を細める
「っせえ!俺のが先に入ってたんだよ…!なけなしの小銭で……って」
ざすざす大股で歩きながら声の主を確認すると…
「……うぉ!?喋る犬っころ…!」
マジか、と驚嘆の声を上げる
犬が最新テクノロジーにログインしたとかシュールな光景だなぁとか一瞬頭をよぎりつつ
「森の主か…!美輪さんボイスか…!」
興味深そうに近付いて行く
- 636 :「F」:2011/02/22(火) 22:55:03 ID:s42RcinY0
- >>635
「――――――――――――」
一瞬の、空白。
そして狼は、
「――――犬じゃ! なくて!! 狼!!! です!!!!
サイズ見なさいよサイズ!! どう考えてもわんわんのサイズじゃあないでしょう!!?」
盛大に、吼えた。
尚、中の人的な脳内CVは小林画伯である。どうでもいい。
- 637 :赤い装いの漂流者:2011/02/22(火) 23:03:13 ID:Fc9qohaE0
- >>636
ビリビリビリ…!
「―――っ!!」
至近距離のハウリングが鼓膜を揺する
ドサドサドサドサ!!
「…ぬぉお…!?」
ついでに震動は森に響き、木の上に降り積もった雪が赤いのを押しつぶした
ボコ!
「……ホントだ…!近付くとでけぇ…!」
雪山の頂から赤頭が顔を出す
「でも、オオカミぃ…?何かそれにしちゃあ…野生を感じねぇぞ?」
訝しげな目で眺めて
- 638 :「F」:2011/02/22(火) 23:11:29 ID:QYyPcDfoO
- >>637
「わふん。わたしは都会派ウルフですからね、ちょっと野生を思い出してみようと思って。
旅に出て、帰ってきたところなんですが……冬のピークが終わっちゃってて悲しかったので、この箱庭に入ったってワケです」
どこの七色の人形使いだ。
とにかく狼は、鼻先を天に向けてドヤポーズ。
「……ところで、わたし、お腹が空いたんですよね」
藪からレーヴァテイン並の唐突さで、目の前の彼に視線を戻す。
赤ずきんならぬ赤男と狼さん――――おばあちゃんがいないのが残念だ。
- 639 :赤い装いの漂流者:2011/02/22(火) 23:17:48 ID:Fc9qohaE0
- >>638
「いや、それ以前に人間臭すぎるだろ……」
もう何か喋りも流暢過ぎるし、表情コロコロ変わるし
「都会派ねぇ…時代も変わるもんだなぁ…」
「…って」
「ん?」
コテン、と首を傾げた
ちなみに、現在雪山埋まり中
- 640 :「F」:2011/02/22(火) 23:24:33 ID:QYyPcDfoO
- >>639
「そりゃー、わたしはただの狼じゃあなくて!
誇り高きじんr……」
誇りを語るのを中断して暫しの思考。目の前に傾く頭。
ああそういえばここ、
「……ヴァーチャル空間でしたよ、ね、
……ねえ、いきなりでアレなんですけどもその、一口くらい」
いただけません、か。
そう告げる大きな口のなかには、鋭い牙がずらずらり。
…………何を一口くらいいただけませんか、と問うたのかの判断は、赤男に任せよう。
- 641 :赤い装いの漂流者:2011/02/22(火) 23:30:47 ID:Fc9qohaE0
- >>640
「言い切れよっ!誇り捨てんなっ!!」
ヤバイ!バーチャルだろうが痛いモンは痛い!
「あぁ、ほらすっげえ歯並び良いし…!肉切る形状だしっ!っていうか一口で頭逝くだろそれ!?」
フンフンフン!!と気合い(生存本能的な)を込めて全身を動かそうとするが
ふりふり動くのは赤髪長髪のみ
「待て!待て待て待て!がぁああ!抜けろぉおおお!!!」
さながら髪はしっぽの様に
ふりふりふりふり扇情的に動くのみである
- 642 :「F」:2011/02/22(火) 23:34:05 ID:QYyPcDfoO
- >>641
「あーはいはい、人狼っすよ人狼」
誇りのほの字もありゃしねぇ適当な紹介であった。
「えー……じゃあ頭とは言いませんから、指とか。そんなんでいいですよ」
痛いことには変わりねぇぜ!
じりじり、近寄ってくる。
- 643 :赤い装いの漂流者:2011/02/22(火) 23:46:14 ID:Fc9qohaE0
- >>642
「なんて都会派っ!!?」
なんてこった!現代の無気力な風潮が俺を殺す!!?
「指!?指ってか!?馬鹿、それが埋まってるから………ん?」
指?手…?
「(それだ…!!)」
「……ち、仕方ねぇ…お手上げだ」
ふぅ、と溜息を吐き
慌てていた様子が諦めた様に落ち着いた
「良いぜ、手の一本ぐらい…くれてやらぁ」
素っ気無く言い放つ
「ただし」
視線を、雪に埋もれる下に向ける
「この様だ…お前にくれる手も、こん中さ」
雪が邪魔だよな、と付け加えて
「悪いが、自分で掘り出して……そんで、喰っちゃくれねぇか?」
ふ、と笑い目を伏せる
………
……
…
「(……さぁ…!乗って来い…!テメェが雪を掘り返した瞬間…!その鼻っ面ぁギャン言わせたらぁ…!!)」
相手に雪を掘らせてギャン言わせたる作戦(仮称)であった
- 644 :「F」:2011/02/22(火) 23:51:32 ID:QYyPcDfoO
- >>643
「わっふん、仕方ないですねぇ……」
何の疑いもなく乗りやがった。野生どこだ。
狼は前足二本を使い、ざくざくと雪山を掘り――
「…………あっ、やったあ! 古びたお守り見つけた!」
(某BGM)
――――何、だと――
※ちなみに中身はモンハンは見る専なので細かいところをつっこまれると泣きます。
- 645 :赤い装いの漂流者:2011/02/23(水) 00:01:01 ID:Fc9qohaE0
- >>644
「(――掛かったなアホがぁああ!!)」
掛けるアホウに乗るアホウ
幻想的な白銀世界が人間一人と狼一匹のアホアホ空間に替わって行く
「(お、おぉ!徐々に動く!…さぁ…!もう少し…!)」
伏せた顔で内心ほくそえみ
自由を勝ち取るその瞬間を待ち焦がれる
が
【古びたお守りを手に入れました】(某BGM)
「―――っんでやねんッッッ!!!!」
スパーン!
鼻っ面へお見舞いするハズの一撃は、逆水平チョップのツッコミになりました
- 646 :「F」:2011/02/23(水) 00:08:21 ID:QYyPcDfoO
- >>645
「わーいやったぁ! これこそ炭鉱夫のよろこびギャインッ」
><←こんな感じの顔。
「――――ったたた、何をするだァ……」
後ろにちょっと引いて、前足で顔を押さえるポーズをとっている狼。
今なら、微妙に掘られた雪山から、逃げ出せるかもしれない。
- 647 :赤い装いの漂流者:2011/02/23(水) 00:19:31 ID:Fc9qohaE0
- >>646
―――ボコン!
「よっしゃ…復活…!」
雪山から
「…って、何じゃこりゃぁああああああ!!」
―――赤髪のユキダルマン(雪だるまに手足が生えた感じ)が現れた
「ああもう…!何が何やらだなチクショウ…!」
頭を抱えようにも手が届かなかった
「……」
「くっそぉおお!お前なんか女王の護石引けぇえええ!!!!」
ユキダルマン(赤)は幻想的な白銀世界改め
わふわふなアホ世界を転がりながら逃げていった
余談だが
最終的にユキダルマン(赤)は全長100メートル近くまで肥大し
「……も、無理……」
脱出不可能の男は強制ログアウトされたのであった
- 648 :「F」:2011/02/23(水) 00:25:29 ID:QYyPcDfoO
- >>647
「……な、赤という色に似合わず、氷雪系能力者……!?」
ちがう
「あーあ……逃げられちゃった。
……でも、よく考えたらヴァーチャル空間でお腹いっぱいになっても意味ないですね」
今更気付いた。
狼は、大きな欠伸をひとつ――――
「…………んー、今日はここで過ごしましょうか、ね」
――――次の瞬間には、狼が居た地点で。
一人の少女が伸びをして、かりそめの月を眺めていたのだった。
//ありがとうでしたー!
- 649 :ゼオラ=アドヴァルド/ミラージュ&アイン:2011/02/26(土) 21:04:06 ID:VsubwHk20
- ―――迎撃予定ポイント。
奴は間もなくここから都市への侵入を行う。
それを、少女の手元のレーダーがそう伝えている。
少女は小さく溜め息を付くとレーダーから目を外し、視線を前方へ。
……今回、自分は戦うことが出来ない。
それが何よりも悲しく、口惜しい。
だから、その為に、都市に自ら攻撃予告の張り紙をばら撒き、応援も呼んでみたが……。
- 650 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2011/02/26(土) 21:10:40 ID:.6prKP66O
- >>649
「ん〜……」
【そこに白い服の男が姿を現わした、手を開いたり閉じたりと忙しなく動かしながら】
「ここが予定の場所で合っているな?」
【誰に尋ねるでもなく、周りを見ながら呟き……ゼオラを発見する】
- 651 :ゼオラ=アドヴァルド/ミラージュ&アイン:2011/02/26(土) 21:36:29 ID:VsubwHk20
- >>650
「……」
小さく頷いた。
そして上弦にレーダーの画面を視える様に向ける。
真紅の光点が画面中央付近に写っている。
- 652 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2011/02/26(土) 21:48:28 ID:.6prKP66O
- >>651
「……」
【レーダーをじっと見つめ、うんうんと頷く】
「この点がターゲットだね?」
【そう聞いた後、男は腕を組み、迎え撃つ準備に移る】
- 653 :セシベル・S・コープス:2011/02/26(土) 21:59:06 ID:xL1m0ujs0
- フフフン……あんまり今日は気が乗らんな。
すなわち今日は……『最小限で最大限の気分』。
【拳銃一つをトリガーガードに引っ掛けてくるくる回す】
【回し方が下手クソ過ぎて一回転ごとに変な方向へバンバン撃っているが。】
む?
やあレディー奇遇だねこんな所で出会うなんてそうだこの近くにコーヒーの美味しい喫茶店があるんだ一緒に行かないかいもちろん俺のおごりさ女性に金を払わせるなんて野暮な真似はしないよなんだったらそこにチーズケーキをつけてもいいさどうだい
【少女を見るやいなやばひゅん!と瞬間移動さながらに近づきマシンガントーク】
- 654 :有澤零砂:2011/02/26(土) 21:59:29 ID:i6WWeuFEO
- 「うー、寒い。」
『ならなんでこんな金にならない事に首突っ込むんだ。』
「ドアだ。」
『はっ?』
「無差別破壊が家に来ないとは限らないだろ!」
『あ…そう。』
(何か言い合ってる少年とロボットが。)
- 655 :ゼオラ=アドヴァルド/ミラージュ&アイン:2011/02/26(土) 22:08:55 ID:VsubwHk20
- >>652
「……そう」
その光点の脇に書かれている数字が数を減らしていく。
段々と近づいている。と言うことだろうか。
>>663
「……」
目を逸らした。結構苦手なタイプだから。
その裏で思考を巡らせ、数秒。視線を男へ向け。
「少し、用事に付きあってくれたら……」
>>654
「……こんばんは」
少年に近付いていく。
話の内容から、もう一人の男とは違い、内容は知っている様だ。と思案して。
「……来る……!」
有澤に話しかけようとした時、手元のレーダーが音を鳴らした。
その音に驚きつつ、レーダーを見て、次に上空へ視線を向けた。
少女の視線の先の空には一点の光。
それは上空から一直線に降りてきて、壮大な音と砂煙を辺りにまき起した。
「ここか……。
ターゲットも居る……。戦闘を開始する」
巻き上がる砂煙の中から男の声。
曖昧なシルエットは立ち上がり―――
>>652>>653>>654
「はあぁッ!!」
煙の中から唐突に何かが投げつけられた。
それは鋭い刃……その先端は不気味な紫の光を放っている。
- 656 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2011/02/26(土) 22:15:14 ID:.6prKP66O
- >>655
「ゼオラ、あまり変な人と関わらないほうが良いよ……」
【明らかな嫌悪感を出してセシベルを見ながら】
「さて、結構早く来たね……後ろに隠れて……」
【早速戦闘をしかけて来たな、と呟いた男の周りに剣が発生する
戦闘が出来ない少女を庇うように立ちふさがり、刄一つ一つに剣を投げ相殺を狙う】
- 657 :セシベル・S・コープス:2011/02/26(土) 22:18:08 ID:xL1m0ujs0
- >>655
オーーーーぉケーーオーケー!
応援要請、達成目的は攻撃に対する迎撃、だね。ただマヌケ面を晒して歩いていたワケじゃない。
ただスズランのように可愛らしい少女を見ると顔が緩んでしまうだけだ、フ、フ、フ。
【ニヤニヤ顔を直そうと拳銃を持ってない左手で自分の頬をさする】
報酬は君の笑顔。少しだけだが調子が上がってき――
【そこへ、鋭い刃が飛来する。その瞬間、ギランと目が怒りを剥き出しに見開かれ】
――俺を見ろ。俺は今何をしてる? 分からないなら分からせてやる。
【刃に向かって歯を食いしばったまま、籠もった声で唸り…拳銃の銃口を正確に刃を向け】
俺はァ!! 『女の子と話を話をしているんだ』ァアアアアアッ!!!!!!!!!!
【ただ邪魔されただけで大激怒! 拳銃を指で撃ってると思えないスピードで連射!】
【撃ち出されるのはフルメタルジャケットのライフル弾。貫通性と強度は鉛の比ではない】
- 658 :有澤零砂:2011/02/26(土) 22:23:43 ID:i6WWeuFEO
- >>655
「いきなりか…!」
『物騒だねぇ!』
(ロボットは少年の前に立ち飛んできた刃を、
左腕のチェーンブレードで切り払う)
- 659 :アイン/ゼオラ=アドヴァルド:2011/02/26(土) 22:31:56 ID:VsubwHk20
- >>656
『……お願い、上弦』
少女は後方に下がっていく。
刃一つ一つが剣に弾かれる。
「そこか」
シルエットが腕を構え、その先を上弦に向ける。
砂煙に白煙が混ざると同時に上弦に向かって飛来する小形のミサイル。
>>657
『お願い……』
セシベルの影に隠れる様に背後に周り、そこから距離を取って逃げていく。
刃は撃ち抜かれ、セシベルの元に届くころには既に威力を失っていた。
砂煙から飛び出したそのシルエット。
それはセシベルの放つ銃弾を物ともせず、高速で接近。
「……煩い奴だ」
先程と同じ様な光る刃を構え、切り抜ける攻撃を行った!
>>658
「捕捉……私と同じようなタイプか」
セシベルの傍を抜け、緩やかな曲線を描いてターン。
その動作中に有澤とそのロボットを見つけ。
「悪いが沈めさせてもらう!」
速度を落とす事なく高速で接近。
ロボットに向かって拳を放った!
跳び出したシルエット……第一の敵。
その大きさは大人の男性と殆ど変らない。
が、その外見は全身に紅い軽めの鎧を纏った外見をしている。
- 660 :セシベル・S・コープス:2011/02/26(土) 22:38:54 ID:xL1m0ujs0
- >>659
む?
【銃撃をやめて目を凝らす。そこに迫る刃】
おおっとっ!
【刃をギリギリ越えるベリーロール。足を引っ込めたすぐ後に刃が空間を切り裂いた】
【地面をくるっと一回転し、地面に手をついて顔を上げる】
……アイツは女か?
【砂煙でよく見えなかった。ついぼやきつつ拳銃を向ける】
- 661 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2011/02/26(土) 22:42:46 ID:.6prKP66O
- >>659
「任せなさい!」
【輝く白い歯をキラリッと輝かせ、自信満々の笑顔を浮かべる】
「ははははは!そんなミサイルで私を仕留められると思うか!?」
【ミサイルに向けて一筋の光を飛ばす、光は一つが二つ、二つが四つというように倍々と増えていき、すぐに無数の光の球となる。
威力こそ無いものの、ミサイルに衝撃を与えて打ち落とすと言う算段だ】
「そして、遠くからじゃなくて降りて来てもらおうか!?」
【光の球のすぐ後に再び剣を発生させ、シルエットに向けて投げていく】
- 662 :有澤零砂:2011/02/26(土) 22:44:33 ID:i6WWeuFEO
- >>659
『同じようなねぇ…無差別破壊犯と一緒にしないで欲しいねぇ。』
『簡単には沈まねえよ!』
(真正面から拳をチェーンブレードで受け止めようとする。)
(少年は後ろに下がり様子を見ている)
- 663 :アイン/ゼオラ=アドヴァルド:2011/02/26(土) 22:55:58 ID:VsubwHk20
- //レスの順番そうさです。
>>662
ガンッ!!
拳とブレードが撃ち合い、甲高い音を鳴らす。
「フンッ、それは済まなかったな」
すると、後方宙返り。
返り際に空中で光る刃を投げつけて、ロボットの元を去る。
>>661
「ならばこの通りだ!」
現れたのは既に砂煙の外。
ロボットの元から上弦の元へと移動し、先程セシベルへと行った攻撃の様に斬り抜ける攻撃を行う。
しかし、その刃のサイズは大きい。所謂大剣と言ったところか。
>>660
「……残念だが、私は男性型でね」
肉眼と機械の視線。
その二つの視線でセシベルを捉える。
「焼けろッ!」
脚部のブースターで移動のベクトルを変え、宙返りを行う。
胸部装甲を開き、小形ミサイル数発をセシベルの元へ飛ばした!
『……ミラージュ……!!』
少女が声を上げた。手元のレーダーが告げたのだ。
先程までの真紅の装甲を纏った男は一度三人から距離を離し、始め降りてきた地点へと立つ。
「アイン、よくやってくれました」
「……ミラージュか、少々遅いぞ」
上空から現れる新たな声、新たな敵。
その姿は全身をマントで覆い顔すら見えず、解るのは曖昧な形だけ。
アインと呼ばれた男はその声のした方向へと移動する。
ミラージュと呼ばれた新たな対象は宙を浮いたまま、三人に視界を向けて。
「教えてあげますよ……」
ミラージュの背中から大量の何かが飛び出す。
それらは三人の周囲を覆う様に張り付く。
「幾ら壁をこしらえようと!
最強になるべくして生まれたこの私の前には無意味な事だと!!」
三人に張り付いた大量の小形機械がミラージュの合図とともに光の弾丸を打ち出した!
- 664 :セシベル・S・コープス:2011/02/26(土) 23:08:12 ID:xL1m0ujs0
- >>663
なぁるほどぉーーーー……それじゃあしょうがない。
しょうがないよなぁ?
ブッチッ壊ッさッれッてッもッ、ショウガナイっ!!!
【背中から細長く、殆ど均一な太さの棒のような物が飛び出す】
【それを手で引き抜く。数少ない出っ張った部分であるグリップを握りスコープを覗く。狙いは一瞬、弾頭だ】
ファイアー・アンド・フィアー!!
【ガォン!とミサイル分を連打。ミサイルの頭を撃ち抜き空中で爆発させ】
火砲に、恐れ慄け(おののけ)!!
【長大な銃砲をいとも軽々振り回し、視線にまっすぐ、頭部めがけ大口径のスナイパーライフルを三連発!】
- 665 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2011/02/26(土) 23:09:55 ID:.6prKP66O
- >>663
「ん!?」
【迎え撃つかどうするか……そう考えていると、ミラージュが現われたのに気を取られる】
「チッ!」
【上手く攻撃を避ける事が出来たが、少しばかり服を切り裂かれてしまう】
「って!いきなり凄いのが来たな!?」
【さらにはミラージュの攻撃が始まり、対処出来ず体に光球を受けながら走り出す。
元素を用いて壁を作り、男はそこに隠れた】
「はぁ……はぁ……どうするか……最初からダメージを受け過ぎだ……」
- 666 :有澤零砂:2011/02/26(土) 23:14:50 ID:i6WWeuFEO
- >>663
『謝るなら最初から言うなっつーの!』
(再びチェーンブレードで受け止めようとするが今度は、
位置が悪かったらしくチェーンブレードが手から離れて飛ぶ。)
(現れた対象に気付き)
『最強ねぇ…』
(遠くの少年が手榴弾のような装置を投げる、
それは障壁を展開し飛んできた光の玉を防ぐ)
『この様子なら10年あとは中古だな。』
(ロボットはやれやれと首を降るそぶりを見せ)
「すごい…あれ位の火力を積みたいなあ…」
(後ろにいる少年は感心していた)
- 667 :ミラージュ&アイン/ゼオラ=アドヴァルド:2011/02/26(土) 23:24:35 ID:VsubwHk20
- >>664
「チッ……」
腕を交差させてミラージュの前に立つアイン。
一発、二発、三発と全ての攻撃を腕についた板の様な物で受ける。
「狂っているな、貴様!」
セシベルの元へと突撃していく。
引いた左腕にお付けられた先h五度防御に使った板のよな部分が稼働し、剣の様な形となってそれを振り下ろした。
>>665
「逃げるなら、攻撃はしませんよ」
大量の小型兵器を背中に納めながら彼女はそう言う。
>>666
「駆動兵器……。
良いでしょう! 貴様に見せてあげますよ!」
マントの下、その腰の辺りから二本の太い光線が放たれる。
光線ではあるが、素材は粒子の塊んあので焼ける事は無い。
「私が最も強いと言う事を!」
そして、続けざまに右腕から一発。
- 668 :有澤零砂:2011/02/26(土) 23:35:31 ID:i6WWeuFEO
- >>667
『ぬぅっ!』
(最初の二発を受ける、が踏みとどまっているが、)
『おわっ!』
(右腕からの一発を受けて吹き飛ぶが。)
「カラード!大丈夫?!」
『大丈夫だ!自分で言うなよ、そんなこと!』
(吹き飛びながら肩からミサイルを撃つ)
- 669 :セシベル・S・コープス:2011/02/26(土) 23:35:46 ID:xL1m0ujs0
- //>>664今足して追記
【熱中しすぎて完全に周囲には目が向いておらず】
ッ!
【撃ち終わってから周りの異変に気付く。もう光弾は周りを覆っていて】
ぐおッ!!
【光が雨のように降り注ぐ。皮膚は衣服と共に削り取られ血が噴き出し】
なァんだーア俺の愛を邪魔するヤツはァーー!!!?
【脅すように狙撃銃を、狙い全くつけず空中真上に放つ。発射音が耳をつんざくように響いた】
>>667
狂っているさ、この世は全部!! 俺のみが正常だから俺が狂っているように見えるだけさ!!
俺は世界の真理を知ってる! 世間体ではない、正義ではない、悪ではない、大義ではない!
ましてや金では全くない!!!!!
【光弾を受けて噴きだした血液は、空気に触れると赤い粉状の結晶となってキラキラ光り】
欲求、執念、そしてそれは――愛だァアアアアアアrrrrラララララララララアアアアア―――イイぃいい!!!!
【その緑の瞳はまるで狂っているように純粋だった】
【握り拳をぎゅうっと強く握り、離す】
【その手からまるで手品のように、四角いタイルが貼られたような手榴弾が飛び出す】
【低い姿勢で地面を蹴る! 後退しつつ放り投げる。前髪を切られ、額からまた血が噴き出す】
【しかしすぐに血液が結晶化し、出血を止めた】
装甲でも、ブッ飛べ!!!
【ピンを抜かれた手榴弾がアインの足元へてんてんと転がっていく】
- 670 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2011/02/26(土) 23:35:48 ID:.6prKP66O
- >>667
「……ッ!」
【その言葉を聞いて、男は何度か頷く】
「ははははは!そうだな、私はもう戦えないからな!」
【極自然に男は振る舞い、背を向けて走り出す】
【男の背中はどんどん小さくなるが……】
「んっん〜!これでどうだぁ!!」
【逃げた男の姿がユラユラと揺れて消え去る……それは男が作り出した幻の様なもの、実際はコソコソしながらミラージュの背後に回っていたのだ】
「満身し過ぎるとこうなるって事さ!」
【男は虹色のマナの球体を手の平に作り出し、それを握り潰す……】
「これでも食らえぇ!」
【マナの強力な力を圧縮した拳は劇的な破壊力を誇る……
ミラージュに当たるか避けられるか、それともまた部下に防がれるのか……そんな事を考えながら、男は拳をミラージュに向けて繰り出す】
- 671 :ミラージュ&アイン/ゼオラ=アドヴァルド:2011/02/26(土) 23:49:46 ID:VsubwHk20
- >>668
「最強であると自らが言う理由、貴様を破壊する事によって証明してあげましょう!」
ニサイルを受けてもひるまず立ちつくしている。
マントによって防がれた様に見えるが……?
「これが、我が兵器にして我が力ぁ!」
左腕に持った拳銃を構える。
まずは一発放ち、次に銃の中腹辺りから伸びた支えを掴み、狙いを定めてもう一発。
>>669
「理解できんな……ぐぅっ!!?」
爆発を受け、軽く吹き飛んだ。
空中で数回転し、地面に落ちた後も数度転がる。
腕に力を込めて飛び上がると、そのままブースターの力で浮遊。
さらに高速で接近を開始して、
「まぁいい、お前を沈めるだけだ」
光る刃を右手で二本投げつけ、その後にもう一ど腕の刃で突進をしかけた!
>>670
「チッ……野暮な!
貴様等となど目を伏せてでも戦えますよ」
まるで解っていたかの様に身体を反転。
拳を振るった上弦に対しその足を向け、
「燃えろ!」
脚部スラスターを稼働させ、その熱が上弦を襲う。
- 672 :有澤零砂:2011/02/26(土) 23:59:41 ID:i6WWeuFEO
- >>671
『厄介な防御を持ってるじゃねぇか…。』
(立ち上がり姿勢を整える。)
『拳銃?さっきのと比べりゃ急にちゃちくなったじゃねえか?』
「いやまて、避けろ!」
『へっ?』
(少年の警告も意味なくロボットは回避せず被弾する。)
- 673 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2011/02/27(日) 00:01:09 ID:.6prKP66O
- >>671
「ほらほら、ダメじゃないか……君は科学者なんだろ?多分……」
【そう言って笑う男の左手には青い塊が握られていた】
「私は錬金術士!無から有を作り出す!」
【青い塊からは強烈な冷気を感じ取れる、氷の爆弾……通称『レヘルン』だ】
「私を接近させたのは間違いだったな!私は元素を操れる……元素から様々な物を創る事が出来る!!
つまりは、臨機応変に戦えるのさ……
この距離ならば飛び道具も使えないだろう?
ならば私の優勢!どうだぁ!?」
【冷気の塊をその場で爆発させる、熱を相殺させるつもりだ……相殺が出来たのならば……今一度、力を圧縮した拳を繰り出すだろう……】
- 674 :セシベル・S・コープス:2011/02/27(日) 00:04:53 ID:xL1m0ujs0
- >>671
理解出来ないなら教えてやる!
『俺を沈めるだけ』のお前と、
『世界中の全てを破壊したいし世界中の全てを守りたい、美しい物を手当たり次第に収集するのもいい、世界一の女を抱きたい、世界中の料理を回転テーブルに乗せて腹いっぱい食べたい、たんぽぽを見たい』。
そんな俺とお前、どっちが、強いか!!
【両腕の袖を揃えて突き合わせ、素早く離す。袖の中から円筒型のバズーカを取り出した】
ぬっ!
【しかし構えるより先に刃が襲いかかる! 咄嗟にバズーカの砲身を斜めに構え刃をガード】
【砲身は刃を二回受けてギリギリまで切り込まれ……そこへダメ押しの突進】
じゃあこっち!!
【刃でボロボロになった砲身を持ち、機構部分を突進の刃に叩きつける!】
【炸裂砲弾は入ってるものの、機構部分にも刃は喰い込んで止まり、もう使い物にならなくなった】
【刃にバズーカが食い込んだ状態】
ッ……
【殺しきれなかった衝撃で後ろに吹き飛ぶ。空中で体勢を整え、服の袖からマウスピースのような物を取り出して咥えた】
- 675 :ミラージュ&アイン/ゼオラ=アドヴァルド:2011/02/27(日) 00:11:34 ID:VsubwHk20
- >>672
「無駄な口を叩く……!」
拳銃から発射される弾丸は高出力で巨大。
その弾丸のサイズは拳銃に似つかわしくない。
「消費エネルギーが大きいだけは在りますね……」
拳銃の弾倉を取り払うとマントの下にしまいこみ、新しい物を取りつけた。
>>673
「錬金術師なのに考えるだけの脳も無いんですか。この後私がどうなるかも」
ミラージュが起動したのはスラスター。
熱が発したと同時、少女は高速で上弦の元を離れていく。
>>674
「望みと強さは同じ値では測れまいよ」
更に接近していくアイン。
右腕を伸ばすと同時に右の板も刃に形を変えた。
「でやぁッ!」
身体を捻って時計回りの回転を加え、
周囲を薙ぐように右腕とその刃を振るった!
- 676 :有澤零砂:2011/02/27(日) 00:22:06 ID:i6WWeuFEO
- >>675
(再び吹き飛び、壁に叩きつけられる。)
『悪いがそういう「性格」でね…』
(ロボットは立ち上がりもせず右腕からガトリングを装備し、発射する。)
「勝てるのか…?あれに、こんなときに何もできないなんて。」
(少年はなにもできずに動かない。)
- 677 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2011/02/27(日) 00:28:13 ID:.6prKP66O
- >>675
「え……?」
【間抜けな声を上げて、攻撃を外してしまう】
「フンッハッ!フンッハッ!」
【しばらくは宙を泳ぐが、男は鳥では無いので落ちていってしまう。】
「ぬぁぁぁぁぁ!?」
【地面に向かい真っ逆さまに落ちていくが……】
「ぬぅぅぅんっ!!」
【風のマナを用いて、足場を作り出した……その足場は上弦が足を踏み出す度に現われる】
「逃がさんぞ!ミラージュ!レラを返して貰おうかぁ!!」
【男の身体能力はそれほど高くはないが、それでも十分な程の速度を上げてミラージュを追い掛ける
とてもじゃないがスラスターに追い付けるわけではないのだが、男は圧力を掛け続ける】
- 678 :セシベル・S・コープス:2011/02/27(日) 00:28:59 ID:xL1m0ujs0
- >>675
望まないで強くなれるか!!!!!
【先ほど壊れたバズーカを放り投げる。砲身は切られてひしゃげ、発射は出来ない】
【もし衝撃を与えて発射しても――】
【――砲弾が筒に詰まり、筒ごと炸裂し周囲を破壊する『暴発』となるだろう】
ぐうッ!!
【胸を横一文字に斬られる。肋骨が露出するほどの深さ。体にダメージが蓄積していく】
う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛ッ!!!!!
【ヒートアップした頭から脳内物質が分泌され、痛みは感じなくなった。マウスピースを強く噛む】
【カチッ、とスイッチの音がし、ジャケットをめくりあげて背中から背負う形の巨大な大砲がせり上がる!】
ガシャン ガコッ
【肩に50cmはある砲身が乗り、炸裂砲弾が装填される。その状態でざっ、と一歩――近づいた】
【マウスピースの発射スイッチを、噛む】
【爆音と共に、ほぼゼロ距離で砲弾が発射される! 命中すれば巨大な砲弾は爆発し】
【その爆発はさらに、地面に転がったバズーカの暴発を誘発するだろう】
- 679 :ミラージュ&アイン/ゼオラ=アドヴァルド:2011/02/27(日) 00:43:26 ID:VsubwHk20
- >>676
「ダメージ……?
マントでの攻撃減退が出来なくなっている……耐久力がもう低いと言う事ですか」
マシンガンでの攻撃はやはりマントによって防がれる。
相変わらずミラージュにひるむ様子は無いが言葉から察するにダメージは在るようである。
>>677
「出来そこないの割には十分働いてくれましたよ」
上弦の方を見たまま下がっていく。
右手からビームを打ち出し、スラスターの方向を変えて今度は接近。
振り上げた右腕に光が集まり、刃が形成される。
「沈みなさい!」
上弦がビーム弾に当たるならその追撃。
回避ならそれを潰す様に移動して、刃を振ってくるだろう。
>>678
「貴様ッ……!!」
その姿を見せ防御行動をとる。
が、爆風自体には効果が薄く、吹き飛ばされる。
その無防備な状態に二度目の爆発。
高く撃ち上がった頂点付近で体勢を整える。
砲弾の直撃を受けた腕の装甲は破壊され、人間の腕が露出している。
その腕で背中の大型サーベルを引き抜き、構える。
構えた刃には紫色の光が浸る様に満たされていく……。
- 680 :有澤零砂:2011/02/27(日) 00:49:31 ID:i6WWeuFEO
- >>679
『少なくとも無敵じゃねぇ!なら勝てない理由はねぇ!』
(ガトリングを撃つ手を止めずに、少しづつ立ち上がり。)
『撃てるだけ撃ちまくる!』
(肩からはミサイルを発射し、弾幕を厚くする)
- 681 :セシベル・S・コープス:2011/02/27(日) 00:53:19 ID:xL1m0ujs0
- >>679
ぐあああッッ!!
【勿論爆風に晒されるのは本人も同じ】
【重装のキャノンを担いでいても、爆炎が体を焦がし、吹き飛ばす】
【後方へ3mほど宙を舞い、背中の大砲が引っかかって地面に投げ出され、大砲も壊れる】
ガっぁ……はぁ…ッ!
【地面を転がり、仰向けになって止まる。深かった横薙ぎの傷は爆風にさらに抉られ】
【血はだくだくと流れる。結晶化が間に合わない。肺に穴が空いたようだ、呼吸が苦しい】
っ……
【唸ることも出来ず、血まみれの服の袖から最初の拳銃を取り出す。仰向けのまま、ピタリを腕に狙いを付けた】
- 682 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2011/02/27(日) 00:57:01 ID:.6prKP66O
- >>679
「おいおい、あまりあの子の悪口は言わないで貰おうか?」
【身を捻りながら避ける、しかし、それはミラージュの追撃の格好の的である……】
「アゾット!!」
【上弦の手に輝く物体……それはナイフの様に見えるし、ただの柄にも見える】
「テェリャッ!!」
【その物体から虹色の線が走り、大剣の形を成す……
錬金術によって創られた武器……アゾット剣である】
「さぁ、ミラージュ!私は沈まなかったぞ!?次はどうする!?」
【アゾット剣でミラージュの刄を受け止め、鍔迫り合いの形を保つ】
- 683 :ミラージュ&アイン/ゼオラ=アドヴァルド:2011/02/27(日) 01:10:28 ID:VsubwHk20
- //順番操作!
>>682
「フッ!」
上弦を蹴り、スラスターで浮遊して距離を開ける。
「戯言を! 貴様等は遊ばれていると言う事も知らずに!」
腰の横に装着されたビーム砲から二本の太いビームが飛び、
「吹きとべ!」
拳銃から一発、拳銃サイズではありえないクラスの太いビームがと飛ぶ。
>>680
「子供の玩具風情が!」
ガトリング弾とミサイルの嵐、
動かず全ての攻撃に自ら命中。
ミサイルの起こした爆風によってミラージュの姿が途切れる。
「私は最強になるべくして造られた兵器!
そう……私は“真紅の魔戦機”!!」
全身を真紅の鎧で覆った少女。頭頂部の角が凄い3倍感。
肩から側面全体を覆う様に併設された巨大な盾と胸の中心には何かの紋章が彫り込まれている。
翼の内側から小型の機械を射出し、左手を掲げる。
左手首の辺りから刃が伸び、巨大な砲身の様な右手の銃口からは直接刃が。。
小形機械の援護射撃を受けつつ回転しながらカラードと呼ばれたロボットに突き進む。
>>681
「はああぁぁぁっ……!!」
刃を正面に構え、息を深く。
その度に刃に浸る紫の光が強くなり、
「沈めぇ!!」
身体を捻り、回転の力を使って強く剣を一度振った。
刃よりも巨大な紫色の衝撃波が襲いかかる!
- 684 :セシベル・S・コープス:2011/02/27(日) 01:23:29 ID:xL1m0ujs0
- >>683
……フッ…フフフフフッ……!!
【衝撃波が迫ってくる。避ける術はない】
【倒れこんだまま、執念の渦巻いた目で拳銃を構える。目線と、サイトと、腕】
【全てが吸い込まれるように一直線に並び――】
ッ――!!
【破裂音と共に重い銃弾が放たれる。腕を狙ったただ一発】
【その数瞬後、衝撃波がセシベルを飲み込んだ。触れた部分を切り刻む剣の衝撃】
【脇腹が吹き飛ぶ。胴体の八割が波に呑まれ、噛み砕かれたかのように赤い飛沫を上げて散った。】
【もはやかろうじて『繋がっている』状態。拳銃が、腕がぱたりと落ちた】
- 685 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2011/02/27(日) 01:28:42 ID:.6prKP66O
- >>683
「……グッ!」
【ミラージュに蹴られ男は態勢を崩す、しかし男はミラージュを睨み付ける!】
「ふん、遊ばれていた?
私は結構楽しかったがね?」
【ははは、と笑いながらまたも向かおうとするが……】
「はぁ!?なんだそれは!?」
【二本のビームもそうだが、拳銃のビームにも驚きの顔を見せる】
「くっそぉ!!」
【拳銃のビームを避け反撃をしようとするが、二本のビームを避け切れずに肩と腰に受けてしまう】
「ぐ……はぁっ……!」
【膝を足場に着き、呻く】
- 686 :有澤零砂:2011/02/27(日) 01:31:31 ID:i6WWeuFEO
- >>683
『ちっ間に合わねぇ!』
(迎撃しようにもガトリングの砲身が連写のため熱くなりすぎオーバーヒートを起こし一時的に止まる。)
『こんなときに…!』
(そのまま攻撃は直撃)
(しなかった。)
「今の発言、取り消せ。」
(ミラージュとロボットの間に少年が割り込み、)
(左腕の刃は、先ほどロボットが落としたチェーンブレードで、)
(右の砲身の刃は腕から血を流しながら、受け止めた。)
- 687 :ミラージュ&アイン/ゼオラ=アドヴァルド:2011/02/27(日) 01:36:52 ID:VsubwHk20
- >>684
「ック……!!」
放つと同時に銃弾が腕に直撃。
そのダメージで刃を落とす。
弾丸は腕を貫き胴体にも着弾。
衝撃で身体が曲がり吹っ飛ばされ、そのまま地面へと落ちて行った……。
>>685
「良かったですねぇ、人生の最後を楽しく飾れて」
翼からとんだ小形の機械。
それがもう一度上弦を覆い囲み、発射される。
>>686
「事実を突きつけて何が悪いと?」
チェーンブレードを蹴って距離を開け、
刃の消えたミギウデの砲身からビームが零砂に向かう。
- 688 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2011/02/27(日) 01:46:39 ID:.6prKP66O
- >>687
「ふ……ふふふ……まだまだだぁ!!」
【そう叫んだ後、上弦が姿を消す……一瞬で】
「私はね、まだまだ健康だからね!なんだっけミラージュちゃん……そうだそうだ!
沈めぇい!!」
【次に現われたのはミラージュの目の前……何もない空間から上弦の手が、腕が、全身が現われミラージュの顔に手を向ける】
【ミラージュを掴もうと腕を伸ばす、捕まえることが出来たなら……空中四方に作り出した壁に叩きつけるつもりなのだ】
- 689 :セシベル・S・コープス:2011/02/27(日) 01:51:33 ID:xL1m0ujs0
- >>687
【普通だったらこのまま死んでおしまい、数多ある異能都市の死体の一つとなる】
【しかし、彼は変化していく】
【死んだ体は徐々に、水面が端から凍っていくように、硬質な何かに変化していった】
【ある傷からは鈍色の金属に、別の傷からは眩く輝く宝石に、次々と貴金属へ変化して】
【やがて全身が鉱物に変わると、その上から錆のような物が全身を覆い、野暮ったい塊になった】
【そしてそれ以降動かなくなった】
- 690 :有澤零砂:2011/02/27(日) 01:53:37 ID:i6WWeuFEO
- >>687
「あいつは僕の相棒だ、」
(ビームを直撃するがチェーンブレードを地面に突き立て踏みとどまる。)
「少なくともあいつの頭脳には、感情を、精神を、魂を打ち込んだ。」
(口からは言葉と血を吐き)
「それをだ、玩具扱いされて、」
(チェーンブレードを地面から抜き前に構え、起動させて、)
「悪くないわけ無いだろ。」
(地面を蹴りパワードスーツのブースターで、ミラージュ目掛けて翔んだ。)
- 691 :ミラージュ&アイン/ゼオラ=アドヴァルド:2011/02/27(日) 02:02:26 ID:VsubwHk20
- >>688
「ぐうぅ……何時の間に!」
頭を覆う装甲を捕まれ、叩きつけられる。
衝撃によって装甲全体に電気が走る。
上弦を追ってきた小形機械が上弦を狙い打つ。
それと同時に上弦を押しのけ、空中へ。
>>689
「アインもあの程度だと……やはり、役に立たない」
アインとセシベルを交互に眺め、そう呟く様に。
>>690
「なら、どうすると言うんですか。
玩具を失った子ども一人で、何か出来るとでも?」
小形機械を背中の翼に収める。
少年に攻撃行動は起こさず、ただ機械の瞳を向けるのみ。
- 692 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2011/02/27(日) 02:10:49 ID:.6prKP66O
- >>691
「よし!このまま一気に!!」
【このまま攻め切る為にさらに一撃を加えようと拳を振り上げ】
「なっ!?またかっ!?」
【小型機械に狙い撃たれている事に気付き、対策を考える】
「まだ逃げられたか……まぁ良い……一撃くれてやったぞ!」
【ミラージュに押し退けられて体制を崩すが、間一髪で地上の壁に隠れる】
- 693 :有澤零砂:2011/02/27(日) 02:15:40 ID:i6WWeuFEO
- >>691
「一矢ぐらいは報いてみせるさ。」
(そう少年が言って、突撃しようとしたとき、
ロボットの背中の背負った迫撃砲から砲弾が放たれ、二人の間で爆発する。)
『おいおい、黙って相棒の台詞を聞いてたら「失った」って、まだ死んじゃいねえよ…。』
「カラード、良いから。」
『黙ってろ、相棒。』
(砲身が覚めたガトリングを再び構え。)
『俺もそいつをギャフンと言わせなきゃすまぬぇんだ。』
(少年は何も言わずそこを離れた。)
- 694 :ミラージュ&アイン/ゼオラ=アドヴァルド:2011/02/27(日) 02:21:17 ID:VsubwHk20
- >>692>>693
「残念ですが、貴方達との遊びは此処までです」
ミラージュの移動する先。
そこにはセシベルとの戦闘で破壊されたアインが倒れていた。
「アイン、貴方はよく働いてくれました。
……ッフフ。ですが、もう、貴方は戦えない」
ミラージュがアインの元へと近づいていく。
少しずつ近づくたびに不気味な笑いは大きくなっていく。
やがたどり着いた少女は左手を高く掲げると、手首装甲から光の刃を伸ばし、
在ろうことかその刃をアインと呼ばれた男へと振り下ろした。光る刃に切り裂かれた装甲は熱を帯びたて赤くなる。
「所詮、研究所も『この程度』しか作れない。
ならば、こんな物、そんな所に頼る必要など在ろうか!」
男の上げる痛みに悶える声も耳に入らないのか、その刃を振りかざし続ける。
「いや! 無い! 無意味!」
ガン! ガン! ガン!
装甲は傷付き、ついに背部装甲が穴を開けた。
「ならば! 力を借りる必要もない!」
ミラージュは右手の刃を高く振り上げる。
その刃を一度振り、男の背中へと突き刺した。
「ミラージュ……貴様ぁ…!」
「クズに用は無いと言う事です。
……まあ、何れ処分するつもりだったので、その時期が早まっただけの事」
男の突き刺さった刃を高く振り上げ、男を投げ上げる。
左手に構えた拳銃の銃口は天の、アインを指す。
放たれたビーム砲によって胸を打ち砕かれたアインは空中で爆散した。
「この瞬間!」
少女の目の前に落ちてきたアインの頭部パーツを踏み付ける。
私は『研究所』からの離反を宣言する!
この私こそが最強で在る以上、私以外の生物は必要ない!!」
笑い声を上げてからそう声を上げた。
- 695 :有澤零砂:2011/02/27(日) 02:34:53 ID:i6WWeuFEO
- >>694
『おいおい、急にどうしたんだ?』
「何をするつもり…ですか。」
(1人と1機は唖然とした表情でその様子を見て)
『「研究所?」』
(首を傾げた)
- 696 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2011/02/27(日) 02:37:21 ID:.6prKP66O
- >>694
「おいおいおいおい!」
【事の一部始終を見ていて、自然と声をもらす】
「味方をあんなにするか、普通!?」
【壁に隠れながらミラージュの次の行動を観察する】
「け、研究所から!?」
【まさかの発言に息を呑み】
「最強最強って……なんだって……」
【壁から姿を現わし、ミラージュに叫ぶ】
「ミラージュ!お前そんな下らない事の為に他の生物を巻き込むんじゃない!」
【男はレラと同じ姿(と言っても今は全身メカの様なものだが)をするミラージュの発言、行動に怒りを顕にしている】
- 697 :ミラージュ/ゼオラ=アドヴァルド:2011/02/27(日) 02:51:00 ID:VsubwHk20
- >>695
頭部パーツを蹴り飛ばすと拳銃で撃ち抜いた。
「あんなクズしか作れなかった場所に用は無いって事ですよ。
小さく跳び、脚部のブースターで身体を浮かせる。
>>696
「私は味方だなんて思ってませんでしたよ。唯の手駒かと」
あっさりとした様子でそう言って。
「まず、滅ぶべきは下等なる貴様等人間ですよ。今回は退いてあげましょう……」
そう言うと、翼のスラスターを起動させ、夜の空に消えて行った……。
『……お疲れ、様』
少女が奥の方から出てきた。
胸の辺りに資料の様な物を抱く様にして抱えている。
- 698 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2011/02/27(日) 02:55:23 ID:.6prKP66O
- >>697
「お、お前!」
【食って掛かろうとしたが、ミラージュはすぐに飛んでいってしまった……】
「くっ!逃げるな!!」
【しかし、上弦には追い掛ける術はなく、苦虫を噛み潰したような表情】
「ゼオラ?……あ、あぁ……有り難う……その資料は?」
- 699 :有澤零砂:2011/02/27(日) 02:56:55 ID:i6WWeuFEO
- >>697
「…とりあえず、無差別破壊は。」
『あの様子なら関係ないみたいだな。』
(少年はため息をついて、飛んでいくのを見送った。)
「…まぁまずは、」
『事情を話してもらおうか。』
(背景を全く知らない1人と1機は奥から出てきた少女に詰め寄った)
- 700 :ミラージュ/ゼオラ=アドヴァルド:2011/02/27(日) 03:04:15 ID:VsubwHk20
- >>698
「……今までの、物」
ミラージュの飛んで言った方向を見つめつつ、そう答えた。
>>699
視線を動かし、少年を捉える。
「……あの張り紙は、嘘」
表情を固定した顔で、そう言い放つ。
- 701 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2011/02/27(日) 03:07:54 ID:.6prKP66O
- >>700
「そうか……」
【簡単な説明に相づちを打ちながら】
「すまないな、まだあの子を取り戻す事は出来なそうだ……」
【申し訳なさそうにゼオラに謝りながら】
- 702 :有澤零砂:2011/02/27(日) 03:08:57 ID:i6WWeuFEO
- >>700
「うん、それはそうだよね。」
『なんとなくそんな気はしてたな。』
(と頷きながら言うが、)
「じゃなくて、今のあいつに関する事情だよ!」
『巻き込んで黙りは勘弁してくれよ?』
- 703 :ミラージュ/ゼオラ=アドヴァルド:2011/02/27(日) 03:16:38 ID:VsubwHk20
- >>701
「大丈夫、解ってる……。
でも、次は勝てる」
小さく頷いて。
>>702
僅かながらに細められた瞳が「「めんどくさい」と訴える。
手に持っていた資料を開き、中の一枚を取り出す。
「ミラージュ。研究所で造られた魔戦機しりーずの一つ」
- 704 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2011/02/27(日) 03:21:12 ID:.6prKP66O
- >>703
「有り難う、そうだよな……次は勝って、必ず君のもとにレラを取り戻そうじゃないか!」
【上弦も、頷きながら言葉を発する】
「よし、次は勝つ!絶対だ!」
【気合いを入れる】
「じゃあ、私は待ってるよ、一緒に帰ろう」
【気合いを入れた後、二人と一機の会話を見守ることにした】
- 705 :有澤零砂:2011/02/27(日) 03:30:53 ID:i6WWeuFEO
- >>703
「そんな露骨な表情されても困るんだけど。」
(と言いながら資料を受け取り目を通し。)
「あと、一つ言っておくよ。」
「君達がなんの目的であれと戦ってるか詳しくは知らない、
聞く限りじゃ誰かを助けるためみたいだけど。」
「けど最後まで付き合わせてくれ、どうしても…あいつの目にもの見せたいんだ。」
『必要な時だけ呼んであとはお払い箱、なんてやめてくれよ?』
- 706 :ゼオラ=アドヴァルド:2011/02/27(日) 03:37:07 ID:VsubwHk20
- >>705
「……えー」
困ったような声をする。
「あの鎧は、外部装着型。
で……友達、が。あれに囚われてる、の……」
「……大丈夫」
広げた右手に強大な闇の魔力が集まる。
手を閉じると同時にそれが拡散して。
「戦いたい……けど、
出来ない、から……お願い」
>>704
「……帰ろう?」
上弦の手を引き、有澤に向かって小さく手を振ると帰って行った。
//長い間お疲れ様でした!
- 707 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2011/02/27(日) 03:42:24 ID:.6prKP66O
- >>706
「あ、あぁ」
【ゼオラの手を握り返し、上弦は歩き出す】
「足元に気を付けるんだよ?」
【上弦も、有澤に手を振り、ゼオラと歩いて帰っていった】
//お疲れさま!
- 708 :有澤零砂:2011/02/27(日) 03:49:11 ID:i6WWeuFEO
- >>706>>707
「なるほど、だいたい解ったよ。」
(ざっと目を通した資料を返して)
「解った、やれる限りの事をするよ。」
「わかりました、ありがとうございます。」
(そう答え、二人を見送る。)
「カラード、君はアインと呼ばれていた、残骸を回収して帰還後、
自動修理機に入れ、僕は病院に行ってから帰るよ。」
(そう言ってしばらくあとには、1人と1機は居なくなっていた。)
//お疲れ様でした。
- 709 :名も無き異能都市住民:2011/03/05(土) 21:00:36 ID:WVrfsEdY0
- 【異能都市の少し人通りの少ない道】
「ふふふ〜♪上手くいったな〜」
【嬉しそうにスキップをしながら歩くレインコートの少女】
「ちょっと待ちなさい」
【後ろから聞こえた声に立ち止まり、ゆっくりと振り向いた】
「…?あら?あなたどこか出会ったことありましたかぁ?」
【先ほどと変わった喋り方で振り返る少女】
「なんで今になってやってくるの…あの子のいるところに…
答えろ!!」
【そう言ってメガネの女性が少女に拳銃を向ける】
「…もちろん目的があってのことですよぉ?
あなたが知らなくてもいいですけどねぇ?」
【少女は余裕を持った態度で答えた】
「もしあの子に関することなら、絶対に許さないわ。」
「あっそう。もう済んでますけどねぇ?」
【コートから覗く顔は、不気味に笑っている】
「まさか…そんなこと…」
【女性の構えた拳銃はがくがくと震えている】
「無駄だってわかってますよねぇ?そんなの撃ったって私は倒せませんよぉ?」
【ニッコリと笑って、乗除はゆっくりと歩いて行った】
- 710 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2011/03/07(月) 20:13:17 ID:WVrfsEdY0
- 【とある家のベッドの上】
「うぅ…う…」
【顔を赤くした少女が苦しそうに胸を抑えながら呻いている】
「くる…し…」
【ゴロゴロと転がりながら悪夢を見るように眠っていた】
- 711 :ロザリア・ロートシルト:2011/03/18(金) 23:03:40 ID:SSMHlh/20
- >>710
なんとも形容しがたい歌声とも呪文ともとれるような
ロザリアの声がディスを包み込む。
「――――――。」
ロザリアの部屋からは何時もの古風な調度品は消え去り、
ベッドを中心とした幾何学的な模様の方陣と、なんらかの規則性をもった
無数の燭台のみが部屋に置かれていた。
「――――――――。」
『火』というのは破壊の象徴とも、暖かい生命の象徴としても扱われる。
ロザリアは、燭台にともされた火によってディスの生命力を底上げする魔術的儀式を
あれ以来、不眠不休でずっと続けていた。
- 712 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2011/03/18(金) 23:11:29 ID:WVrfsEdY0
- >>711
【長く長く続いていた儀式…の効果がようやくあったのだろうか】
「……すー…」
【苦しそうな表情はだいぶ収まって、ゆっくりと寝息を立てるぐらいに放った】
「うー…」
【…それでも時折苦しそうな表情をすることもある。もしかしたら単に腹部に攻撃されただけではないのだろうか】
- 713 :ロザリア・ロートシルト:2011/03/18(金) 23:19:16 ID:SSMHlh/20
- >>712
「だいぶ安定したわね……。
もう、大丈夫かしら……。」
生命の気配を感知する事に長けた吸血鬼であるロザリアは
ディスの回復を感じ取っていた。
無数の燭台を倒さぬよう、ゆっくりとベッドへ近寄ると
いまだ意識の戻らないディスの頭を撫でる。
- 714 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2011/03/18(金) 23:21:56 ID:WVrfsEdY0
- >>713
「すぅ…すぅ…」
【そっとなでられたディスの顔は本当にただ眠っているだけの様に見える】
「うー…」
【ディスは時折汗を垂らしながら胸の中央のあたりを服越しに掴んだりしている…】
【何度か昏睡している間にこの動作は行っている】
- 715 :ロザリア・ロートシルト:2011/03/18(金) 23:32:59 ID:SSMHlh/20
- >>714
(あれは……確か、刺されたところだったかしら。
痛いのは分かるけれど、今は我慢してね……。)
既に応急処置は施したが、やはり内部のダメージが大きいのだろう。
それに関しては、ディスの回復力を底上げする事で対応したが、
やはり、感知にはある程度の時間を要するかもしれない。
「ディス……。」
ディスの手を包み込むように握り。
- 716 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2011/03/18(金) 23:38:35 ID:WVrfsEdY0
- >>715
【ゆっくりとディスの手を握るロザリア】
【しかし魔力を感知できるのであれば、何かを感じるかもしれない】
「…すー…」
【握った手…いや、その下にある胸の中心あたりから不気味な魔力が流れてくるのが】
- 717 :ロザリア・ロートシルト:2011/03/18(金) 23:48:53 ID:SSMHlh/20
- >>716
「……これは…………。」
ディスの命を助けることのみに集中していたため
今まで気が付かなかったが、ディスのものではない異質な感覚に気づくロザリア。
「ごめんね……。」
ディスの衣服をはだけさせ、胸の様子を確認する。
- 718 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2011/03/18(金) 23:54:04 ID:WVrfsEdY0
- >>717
【衣服をはだけさせるともっと異常なことになっていた】
【ディスがあの少女に手刀を打ち込まれた胸を中心にして
黒い根のようなものが這い回るように四方八方へ伸びていたのだ】
「うう…」
【ディスが呻くたびに黒い根は脈動している】
- 719 :ロザリア・ロートシルト:2011/03/18(金) 23:55:57 ID:SSMHlh/20
- >>718
「これは……趣味が悪いわね。
なんらかの呪い……かしら……。」
魔術的なものだと判断し、とにかく解呪を試みる。
- 720 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2011/03/18(金) 23:58:47 ID:WVrfsEdY0
- >>719
【解呪の呪文を唱えると…僅かながら黒い根は少しだけ中心に戻ろうとするが】
「うぅ…ああああ!あうぅ…ああああ!!」
【ディスは突然胸を押さえて悲鳴をあげながらのたうちまわり始める】
- 721 :ロザリア・ロートシルト:2011/03/19(土) 00:05:23 ID:SSMHlh/20
- >>720
「くっ……ディス、我慢して!!」
持ち前の怪力でディスを押さえ込みながら、
必死に解呪を続ける。
ディスになるべく負担をかけないよう、
効率的に呪術を取り除けるよう、細心の注意を払うロザリアの
集中力がどれほど持つか分からない。
- 722 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2011/03/19(土) 00:10:02 ID:WVrfsEdY0
- >>721
「うぅぅううう!!ああああ!!」
【ディスは苦痛のあまり押さえ込んでいるロザリアの体を持ち前の怪力で掴んでくる】
「だすげ…だれがぁ…ごわい…やぁぁぁああ!!」
【解呪の効果は聞いているように見えるが、ある一定の場所より後に根は戻らない。】
- 723 :ロザリア・ロートシルト:2011/03/19(土) 00:19:17 ID:SSMHlh/20
- >>722
「ぐっ……あ……。」
ディスの爪が腕に食い込み、
その痛みで集中を切らしてしまうロザリア。
「はぁ……はぁ……ぐぶっ……。」
今まで相当無理していた分が一気に噴出したのか
その場で吐瀉物を吐き出し、その場に崩れ落ちる。
- 724 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2011/03/19(土) 00:22:29 ID:WVrfsEdY0
- >>723
「はぁ…あう…う…」
【解呪の効果が切れた途端に再び苦痛が和らいだ顔になるディス】
「…ん…そこに…だれ…よんで…」
【うわ言のように何かを言い始めた】
- 725 :ロザリア・ロートシルト:2011/03/19(土) 00:30:16 ID:SSMHlh/20
- >>724
「う、う……。」
ロザリアはベッドにもたれかかるようにして、
うめき声を上げている。
顔色も悪く冷や汗をかいており、
今のを引き金として、体力が尽きてしまったのかもしれない。
- 726 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2011/03/19(土) 00:33:42 ID:WVrfsEdY0
- >>725
「…あ…う?」
【しばらくしてディスは】
「…ん?」
【ゆっくりを眼を開けてゆっくりと起き上がった】
「よんでたのは…だれなのかなの?」
【ぼーっとあたりを見回している。】
【どこか上の空の顔だ】
- 727 :ロザリア・ロートシルト:2011/03/19(土) 00:38:24 ID:SSMHlh/20
- >>726
ベッドの脇に、蹲ったまま動かないロザリアの姿が
あることに、ディスはすぐ気づくだろう。
顔面はいつにも増して蒼白で、息も荒い。
命に別状はなさそうだが、目を覚ます様子がない。
// ごめんよ、そろそろおつるん。
- 728 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2011/03/19(土) 00:41:41 ID:WVrfsEdY0
- >>727
「あう…ろざりあ…
つかれてるの…かなの?」
【少し心配そうな顔でディスはロザリアの体を持ち上げてベッドに乗せる】
「…だれかようがあるのかなの…『わたし』に…」
【ロザリアを見た後、ふと扉のほうを見てつぶやいた】
「……いかなきゃ…」
【ディスはそう言って部屋からゆっくりと出ていった】
//おつおつー
- 729 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2011/03/19(土) 19:47:56 ID:HnkBBDEo0
- 【ID・パスワード確認】
【Now loading...】
【Now loading...】
【ようこそ電脳仮想空間『イデアの箱庭』へ】
電子の世界に現れた、一人の男。
真紅のコートに身を包み、仮想の世界を見渡す。
「アイツの携帯に勝手に挑戦状送ったけど、来るかなー。
まぁ、忙しそうだし無理しなくてもいいんだけどさ」
そう言いつつも男は空間上に設定ウィンドウを開く。
「小細工ナシで行きたいから、フィールドは『平地』でいいか。
風速設定も弱めにしておこう。時間帯設定は『夜』で……そういえば今日は満月だったっけか。
スーパームーン現象がどーのこーの言ってたし、それを反映させよう」
電子世界が設定に基づき、月明かりの眩しい夜の平原へと姿を変える。
「夜とはいえ結構明るいな。いい月だ」
そう言いつつ、近くにあった岩に腰を落ち着ける。
「あとは待つのみ、か」
- 730 :黒沢小百合:2011/03/19(土) 20:14:58 ID:SSMHlh/20
- >>729
『――黒沢小百合様がログインしました。』
ふいに、機械的なアナウンスがどこからともなく聞こえたかと思えば、
彼女が、光に包まれて姿を現す。
黒いビジネススーツ、腰まで届く艶やかな黒髪、切れ長の鋭い瞳――。
そこに不機嫌そうな表情を加えれば、いつもの『黒沢小百合』の完成となるのだが……。
今日の小百合の顔には至極楽しそうな、笑みが張り付いていて。
「ふふ、まさか貴方からお誘いを受けるとは思いませんでしたよ。
以前、この私に負けた事を忘れてしまったのですか?」
開口一番、岩に腰掛けたクロスに挑発的な言葉を投げかける。
- 731 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2011/03/19(土) 20:22:45 ID:HnkBBDEo0
- >>730
「だーかーら!!」
岩から立ち上がり、拳を握り締める。
「リベンジしに来たの! リベンジ!
ったく、超火力超兵力でフルボッコにしやがって!」
ギリギリと奥歯を鳴らし、ガシガシと足元を踏みつける。
「あれトラウマになったんだぞ! 仮想空間とはいえ痛覚も再現しやがるし!
あああああもう思い出すとムカついて仕方ないわ」
笑う小百合とは対照的に、クロスは不機嫌そうな顔で相手を睨みつける。
「今日こそは徹底的に俺がお前をぶっ潰してやる。精神安定剤の準備でもしておくんだな!」
- 732 :黒沢小百合:2011/03/19(土) 20:38:58 ID:SSMHlh/20
- >>731
「ふふふ、あの時は楽しませていただきましたよ。
貴方のズタボロになった死体の酷い事といったら、今でも思い出すだけで
この上ない優越感に浸る事ができる。」
相手を蔑むようで、それでいてどこか卑屈な笑みを浮かべる小百合。
何時もは、クロスに対等のように接するが心の奥底では見下しているのか。
「さて、これ以上、特に語り合うべき事も無いでしょう。
……もっとも、はじめから『語り合うべき事』など無いのかもしれませんが。」
ぶわり、と静電気を浴びたかのように彼女の髪が逆立つ――。
小百合が極度に興奮した時に見せる『戦闘体勢』だ。
「死ぬ準備はいいですか。」
戦端を開いたのは小百合。
袖口に仕込んだ、紙片へと手を伸ばす。
- 733 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2011/03/19(土) 21:12:43 ID:HnkBBDEo0
- >>732
「ハッ、言ってくれるわ」
両義手を握り締め、打ち鳴らす。
「わかった、始めよう」
それと同時に、クロスから紅い電流のような、黒い炎のような邪気が噴き出す。
バッドエンドトリガー
「 紅獄罰骨 、発動!!」
金属の召喚、操作が始まった。
クロスの周りに金属が鎧として形成され、その身に装着されてゆく。
相手は小百合。彼女は典型的な魔術師タイプ。自身の防御力は紙並だ。
だが、その紙並の防御力は、彼女の能力による超火力と圧倒的兵力、
そして洗練された兵の布陣を考えれば、憂慮するには至らない。
通常ならば相手がまだ見える位置にいるこの距離で、速急に攻撃を打ち込み決着をつけるべきだ。
だがクロスは、あえてそれをしなかった。
このチャンスの一瞬を、自身の強化と準備に使った。
これは傲慢でも驕りでもなく、クロスの性格による。
「今日こそは、真正面からテメェをブチのめす」
奇襲による勝利ではなく、相手の実力とぶつかり合い、そして力ずくで打ち勝つ。
それが今のクロスにとっての「勝利条件」であった。
「行くぜ小百合。地球の歴史程度の貯蔵で、俺の止めれるものならば止めるがいい」
- 734 :黒沢小百合:2011/03/19(土) 21:35:44 ID:SSMHlh/20
- >>733
小百合は奇襲に対する自分自身の防御力の低さを認識している。
それゆえ、自身の攻撃力では一撃で殺しきれないあろうクロスに対する初手は
『防御を固める』事であった。
――ズッ
今まで何も無かった平原に突如現れたのは、軍勢ではなく巨大な城壁。
彼女は『コンスタンティノープルの三重城壁』を具現化したのだ。
(驚きましたね、てっきりすぐに突っ込んでくるものかと思いましたが……。
なるほど、彼らしい――それと同時に腹が立つ。)
クロスとは長い付き合いだ、彼の考えなどおおよそ予想がつく。
真っ正直とも、男らしいともいえるクロスの考えは小百合のプライドを逆撫でした。
「その思い上がりを叩き潰してやるぞ銃寺森クロス。」
ふたたび、彼女は『具現化』を続ける。
いずれ、この壁を突破し自分の前に姿を現す男のために。
- 735 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2011/03/19(土) 21:42:36 ID:HnkBBDEo0
- >>734
「よーしよし、用意は十分か」
始めの掛け声などは「開始の合図」とは呼べない。
今からだ。
今からやっと、始まるのだ。戦闘が――
――否、戦争が。
「侵略、開始」
クロスは始まりのゴングを打ち鳴らそうと、第一の城壁に向かって拳を打ちつけた。
- 736 :黒沢小百合:2011/03/19(土) 22:04:34 ID:SSMHlh/20
- >>735
轟音を立てて崩れる石壁。
しかし、いくら破壊力があるとはいえ、拳の一撃だけでは堅固な城塞は崩せない。
「その昔、ベンジャミン・フランクリンは言いました。
『質の悪い鋼から作られたナイフが良かったためしはない。』と。
……あなたの『鉄』の拳は、その程度なのですか?」
拡声器かなにかで、増幅された小百合の声が響く。
「『鉄』には同じく『鉄』を……。
ふふ、見ものですね……。」
クロスの後方、いつの間に具現化されたのか
恐るべき勢いで迫る無数の騎兵が見えるだろうか。
ティムール
「チンギス・ハーンの末裔、サマルカンドの『鉄』が貴方を仕留めることでしょうよ。」
『鉄』を意味する名前を持ち、己の名前を冠した王朝を一代で作り上げた男、ティムール。
ティムールは当時としてはさほど珍しくない名前であり、彼自身も覇道のさなか同じ名前を持つものと
何度も戦っている。
ティムール
――これ以上なく、鍛え上げられた『鉄』。
彼の軍勢が、ときの声をあげながら突撃してくる。
- 737 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2011/03/19(土) 22:14:33 ID:HnkBBDEo0
- >>736
「……手間がかかりそうだな」
やれやれと息を吐きつつ城壁を見上げた、その矢先。
聞こえてくるのは迫り来る兵達の雄たけび。
「おいおい、これだけの数をよくもまぁ平然と出せるものだよ」
そう言いつつクロスの周囲に何本もの凶器の群が形成されてゆく。
剣、鑓、鉈、鎌、鎚、刀、斧、杭、
クロスの周囲の空間が瞬く間に金属の冷たい光に埋め尽くされてゆく。
「一掃させて貰おうか!」
射出。
凶器の群は平行に降る雨のように、弾丸の勢いでもって目の前の軍勢へと撃ち放たれた。
- 738 :黒沢小百合:2011/03/19(土) 22:20:16 ID:SSMHlh/20
- >>737
次々と兵士たちが倒れるが、
何分、数が多く全てを倒しきれない。
「お前はそこで死ぬのだ。
城壁と兵によって逃げる事も出来ず……!」
――ドウッ――ドウッ――!
多数の弓、そして鉄砲による攻撃が、四方八方からクロスに加えられる。
おそらく、彼女はこの音を聞きほくそえんでいる事だろう。
- 739 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2011/03/19(土) 22:35:29 ID:HnkBBDEo0
- >>738
弾丸と弓の雨がクロスへと降り注ぐ。
だがクロスの纏う装甲には、それに耐えられるだけの強度を有していた。
「ムッカつく! その余裕の声とかマジでムッカつく!」
全弾撃ちつくしたところでも数が足りない。
また、いくら自分の装甲が弾丸や弓に耐えられようと、ひっきりなしに打ち込まれては耐えられる保障は無い。
「あああもう! やってられるかァアアアア!!」
クロスはしゃがみ込むようにして足腰に力を溜めると、
地面が砕け散る程の勢いで空高くへ飛び上がった。
「ちょと早いけど本気だすぞー」
すぅ、と息を吸い込み、
――肉の杯は塵となり、骨は砕けて灰となる
Dead bodies on the ground.
――しかし御霊は残響し、魂響となりて囁き叫ぶ
The ghost crawled out, the ghost crawled in.
詠唱、開始。
- 740 :黒沢小百合:2011/03/19(土) 22:45:06 ID:SSMHlh/20
- >>739
「やったッ!こうなることを予想していたぞッ!
何故、私が大砲や爆撃を使わず、『弓と鉄砲』のみをつかったと思う?」
地上の兵が、消える。
代わりに、現れたのは数十もの『爆撃機』。
「お前は敵を一掃するために必ず『多大な隙を見せざるを得ない詠唱』を行なうッ!
まさか、空へ飛び上がるとは思わなかったが、最大限に利用させてもらおうッ!」
小百合は、地上軍に目を奪われているうちに
直上から爆撃を加え、ダメージを与えるつもりだったのだろうが……。
「死ねェエェェェェッッ!!!!」
先を争うように、空中のクロスへと突撃する爆撃機。
プロペラで、ズタズタにひき潰すつもりだ。
- 741 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2011/03/19(土) 22:52:51 ID:HnkBBDEo0
- >>740
「ぐぶっ!?」
プロペラが、クロスの四肢に食い込んだ。
関節が嫌な方向へと曲がる。
装甲の一部がひしゃげ、弾けとんだ。
(やだねぇ、兵を扱う人間は。“戦略”をしっかり立ててきやがる)
そんなことを思いつつ、クロスは自身を轢いた機体へと手を伸ばす。
(だが、これで終わるとは……もちろん思ってもいねぇんだろうな)
もう片手には、一振りの刀剣を形成。
――喰らわれし者の信念は、喰らいし者の糧となり、
His appetite is filled up.
――腹で満ちる夢によって我が幻想を現創す
And he realize one's long-cherished wish.
詠唱しながらも、その刀剣をプロペラの中心部、機体のエンジンへと向けて突き刺す!
- 742 :黒沢小百合:2011/03/19(土) 22:59:57 ID:SSMHlh/20
- >>741
刀剣は容易に鉄板を貫き、エンジンに到達。
異様な音と共に、炎と黒煙が噴き出す。
しかし――。
「ハハハ!この私の勝利はもう決まっているのだ!
悪いが、このまま『叩き潰させてもらう』ッ!」
爆撃機――――SBD『ドーントレス』はクロスに衝突した時点から既に、
コンスタンティノープルの城壁へ向け、急降下を始めていた。
「ふふ、この私の完全勝利のようですね。クロスさん?」
既に、無人となったコックピットの無線機から小百合の勝ち誇った声が聞こえた。
- 743 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2011/03/19(土) 23:20:24 ID:HnkBBDEo0
- >>742
轟音。
城壁の前に黒煙と炎が吹き上がり、夜空を真っ赤に照らした。
火に包まれる爆心地。だが、その周りには、まるで卵のように転がる巨大な金属の塊があった。
プロペラごと機体の一部を巻き込むように、その卵は奇怪な構造をしている。
ヒュンッ
爆撃機に突き刺した刀剣が、爆発の勢いで空に舞う。
ヒュンッ ヒュンッ
(ああ、これでいい。爆撃機は墜ちた。それでいい)
(小百合自身も既に不要と思っているようだが、
下には城壁と軍勢があった。その上から落ちた、爆撃機。……ああ、それでいい)
ヒュンッ ヒュンッ
(これで一掃できたかどうかは今は確認できんが、まぁ、やりやすくはなっただろ)
刀剣が月明かりを受け、落下を始める。
(俺も巻き込まれるってことは計算外だったが、こっちだって落下までに何も出来ないワケじゃあ無い
金属が熱されれば確かに、熱伝導で俺もやべぇ。でも言い換えれば、金属は熱を逃がしやすいってことでもあるんだよ!)
金属の卵が、震える。
ヒュンッ ヒュンッ
――血潮は鉄《クロガネ》、肉は銅《アカガネ》、骨は銀《シロガネ》、心は黄金《コガネ》
The body is created by inorganics, minerals and metals.
――千滅の焔、色持たぬ温度、終わり無き無限を孕む鋳造の炉
The heart is created by flame, blaze and Gehenna.
――光放つ鉱石、無念の魂により、
Cross and growing soul ...
――今、此処に
has to be doing just...
ヒュンッ ヒュンッ
――我、神の名においてこれを鋳造する。汝ら罪なし。
CAST IN THE NAME OF GOD, YE NOT GUILTY.
ザクリ
卵に刀剣が突き刺さった。
クロスブレイム
「極刑鬼神『咎喰十字』!!!」
黒い装甲を身に纏い、クロスが孵る。
「計算を間違ったなァ小百合ィイイイイ! 俺たちにとって、勝ち誇っていい時は!
相手が負けを認めた時と、相手の死体を確認した時だけなんだよォオオオオオ!!」
燃え上がる炎の中、紅の光を全身から発してクロスは哂う。
「完全勝利ィ? 笑わせんな! それは俺の死体に向かって吐け!」
- 744 :黒沢小百合:2011/03/19(土) 23:37:44 ID:SSMHlh/20
- >>743
「ふふ、力を持つものにあえて『力』で挑戦する……。
至極、貴方らしいというべきか……。」
壁越しにも聞こえるほどのクロスの声。
感心したように、呟く小百合。
「確かに、私は間違いを犯してしまったかもしれませんね。
しかし、『あなたも間違いを犯してしまった』としたら?
この私の真骨頂は『圧倒的兵力』。まさかたった一機のみで終わる、と?」
――――ブゥオオオオオオッッ!!!
怒り狂ったスズメバチの羽音を思わせる、多数のエンジン音。
小百合は一機だけではなく、数十機の爆撃機を具現化していた。
さきほど、クロスと共に落ちたのは一機だけ。つまり、『残弾』は大量にある。
「死ね。」
クロスめがけて、一気に数重の爆撃機がダイブする!
- 745 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2011/03/19(土) 23:47:48 ID:HnkBBDEo0
- >>744
「んなこたぁ承知の上だ」
圧倒的兵数。圧倒的火力。
それを前にして、クロスは哂う。
「だからァ! 本気モードになってんだろうがッ!!」
クロスの装甲の刀剣翼が展開。
それと同時に、酸化セシウムを撒布。
轟音。
爆風の勢いに乗り、クロスは一気に跳躍した。
「らあああああああああああああああ!!!」
雄たけびと同時に、全身の装甲がガシャリと開き、の隙間から杭を覗かせる。
ギルティエア
「紅爆昇華」
そして回転すると共に射出。
クロスに群がるもの全てに対し、金属の鑓を何本も撃ち放つ。
爆撃機の抱える火薬に当たれば火花を散らし、一気に爆発するだろう。
- 746 :黒沢小百合:2011/03/19(土) 23:55:45 ID:SSMHlh/20
- >>745
鑓に打ち抜かれ何機ものSBDが炎上、爆発四散していく。
しかし、これだけの数が相手だ。
そうそううまく、爆弾かエンジンを射抜けるわけはない。
胴体を少し貫いた程度では、爆撃機は墜落しない。
「ハハハハ!!いつまで避けられるかなぁ!!!!
お前がいくら我が軍に損害を与えようと、私はいくらでも『追加』できるのだッ!」
しかも、叩き落すたびそれ以上の数の航空機が追加される。
現状、爆風に乗って敵の突撃、銃撃を回避しているもののこれではすぐに逃げ場が無くなる。
ジリ貧に近い状態だ。これでは、以前と同じく、
小百合の元にたどり着く前に大きなダメージを食らってしまう。
- 747 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2011/03/20(日) 00:05:29 ID:HnkBBDEo0
- >>746
(爆発――よし!!)
回転が止まる。
そして、
――ビュオンッ
爆炎の中から黒い装甲が飛び出した。キリの無い突撃に耐えられなくなったのだろうか。
紅の光を発し、爆発を纏って一気に空から小百合のいる城へと飛んでゆく。
(さぁ、泡でも吹くか?)
鬼神が拳を握り締め、一直線に小百合に向かう。
- 748 :黒沢小百合:2011/03/20(日) 00:21:02 ID:SSMHlh/20
- >>747
「チッ、あの高さなら城壁は飛び越してしまうか……。
まずいな、まだやつには余裕があるか……。」
小百合は何時もの不機嫌な表情を浮かべ
傍らに止めてあった、M1126『ストライカー』装甲車に乗り込み、
城壁近くから距離をとる。
「食い止めろ、ヤツを叩き落せ。」
後ろから、爆撃機編隊が迫る。
戦闘機ほど小回りが聞かないため、空戦は得意ではないSBDだが
一応の武装として、12.7mm機関砲が搭載されており、攻撃力は劣らないだろう。
- 749 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2011/03/20(日) 00:39:46 ID:HnkBBDEo0
- >>748
爆撃機の群が黒い装甲を飲み込む。
否、黒い装甲が減速したのだ。
ちょうど編隊の中心辺りにきたところで、
パチン
どここから指を鳴らした音が響く。
それを合図に、小百合に迫っていた黒い装甲は轟音と共に爆発。
装甲を刀剣と変化させ、四方八方にブチ撒けた。
「指揮を執るってのは大変だよな。常に現場の様子を把握して的確な指示を出さなきゃならねぇ」
気付けばクロスがもう一人、既に城壁の中に足を踏み入れていた。
「圧倒的火力と兵力の最大の弱点。それは戦場の把握が難しいってコトだ。
無線技術が発達した今でも、戦場把握は難関と言われている。
だからこそ、それができる者が隊を率いる者になれるっていうんだが……
いかんせん、相手が悪いね。俺は一人だ」
クロスがもう一人いるのではない。先ほどの黒い装甲の中身がなかったのだ。
あれは外殻だけ形成されたフェイク。爆発に紛れて召喚したニセモノなのだ。
「相手も多数の兵士で形成される軍隊ならば、戦場の把握はしやすかったかもしれない。
川の流れを見るが如くだ。だが、その川の中から水滴一つを見つけ出すことは出来るか?」
さて、と、ここでクロスは言葉を切る。
「また爆撃でもするか? その間に俺はまたフェイクを作ってお前に差し向けよう。
それとも兵力を差し向けるか? 今の俺は銃弾の雨を駆け抜けてやろう。
それともご自慢の戦闘兵器で相手をするか? やれやれ、お前はまだわかっちゃいねぇ!」
クロスの周囲に、また金属の凶器郡が形成されてゆく。
「今の俺の持つ暴力は、ただの一兵士のモノじゃねぇ。
もはや“戦術”の域だ!!」
凶器の群を従えて、クロスは小百合の乗る装甲車へと走りだした。
- 750 :黒沢小百合:2011/03/20(日) 00:53:14 ID:SSMHlh/20
- >>749
「ハハハ!!!速度を維持しきれず、
自殺覚悟で我々に飛び込んできたか!!あはははははッ!!!!」
小百合は、装甲が爆発した瞬間、
クロスを粉砕したと狂喜したが、すぐに違和感に気づき。
「待てよ……我が攻撃隊は、どれもクロスに接触していない。
機銃で撃破したとしても、アレだけの爆発は……まさか……!?
い、いや、撃破したはず……したはずだ……。」
もし、これが昼間ならスタンドで具現化したものと刺客を共有でき能力を使い、
目視でも、爆発したものがクロスの外殻のみであったと気づいただろう。
しかし、今は夜間。暗すぎて、目視で確認できなかった。
「もしや……生きているのか……?
偵察機は、地上、空中両方を至急哨戒し、報告せ――。」
偵察機を四方に散開させようとしたとき、小百合は気づいた。
窓の外、自分の装甲車へと接近する『悪鬼』を。
「ひっ……あぁっ……!!!?」
彼女は、驚き取り乱して声をあげることしか出来なかった。
- 751 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2011/03/20(日) 00:56:46 ID:HnkBBDEo0
- >>750
ガシリと、装甲車を掴む。
「るぅ……ラララらららららららららららららららららぁあああああああ!!!」
両腕から紅い光が放たれる。
まるでエンジン駆動のような爆発により、両腕を外部的に動かし、
「どりゃぁああッ!!」
装甲車を投げ飛ばそうと、両腕を振るった。
- 752 :黒沢小百合:2011/03/20(日) 01:07:12 ID:SSMHlh/20
- >>751
16.5トンもの重量を誇るストライカー装甲車が
いとも簡単に宙を舞う。
「があぁあぁぁぁッッ!!!!」
―― 一瞬の浮遊感の後、車体の側面に叩きつけられる。
防御姿勢をとっていたものの、一瞬意識が飛ぶほどの衝撃。
どうやら頭を撃ってしまったらしく、視界が流れ出た血で赤く染まった。
(う……ぅ……逃げ……なきゃ……。)
幸い、出入り口はふさがれていない。
這いずりながら、そこから外へ脱出し手近な草むらへと転がり込んだ。
- 753 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2011/03/20(日) 01:12:06 ID:HnkBBDEo0
- >>752
装甲車から抜け出す人影を、見逃すクロスではない。
「逃がすかよ!!」
また距離を取られれば、一方的な展開になるのは分かっている。
クロスは鎖を形成すると、小百合の足に向けて放つ。
- 754 :黒沢小百合:2011/03/20(日) 01:16:26 ID:SSMHlh/20
- >>753
「く……!」
ダメージを受け、這うことしか出来ない小百合に
鎖をかわすことは不可能。足を絡め取られてしまうが……。
「おのれ……ならば、ここで……!!!」
小百合は、また己の袖口に手を伸ばす。
この場でクロスとの決戦を行なうと決意したようだ。
- 755 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2011/03/20(日) 01:22:09 ID:HnkBBDEo0
- >>754
「……なんだ、逃げねぇのか」
ジャラリ、とクロスは鎖を手放した。
「逃げないんだったら、コイツはいらねぇな。来いよ、出すんだろ? 切り札」
グッと拳を握り締め、小百合に向かって突き出す。
「俺はそれを乗り越えて、心ゆくまでお前をボコる!」
突き出された拳に光が溜まってゆく。
周りの空気がザワつき、やがて拳に飲み込まれてゆく。
大量の金属がいま、圧縮されていっているのだ。
- 756 :黒沢小百合:2011/03/20(日) 01:36:32 ID:SSMHlh/20
- >>755
「ふ、ふふ……。」
小百合は、クロスの様子を見て、『笑った』。
「この私を、貴方は本気で怒らせた……!」
ゆるくなった鎖から足を抜き、
ふらつきながらも、立ち上がる小百合の顔は『歪んでいた』。
憎悪に。恐怖に。歓喜に。興奮に。
「お前は今、この私に情けをかけたな。
さきほどの私に攻撃を仕掛ければ、容易に始末できたというのに。
『私の最大攻撃に打ち勝てる』……お前はそう思っているわけだ。
勝てるチャンスを捨てて……ふざけるなよ……!」
小百合の歯軋りが、聞こえてくる。
小百合の握り締められた手の音が、聞こえてくる。
「人間は負けない……!」
小百合の最終攻撃。
かつて、クロスを葬ったソレは既に始まっている。
「生命は……負けないッ……!」
太古から脈々と受け継がれた、生命の躍動が空間を包む。
- 757 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2011/03/20(日) 01:44:38 ID:HnkBBDEo0
- >>756
「情け? 奢り? 人間は負けない?
お前……それは、俺に、向かって、言っている、のか?」
クロスの歯がギリリと鳴る。
「ただ俺は負けたくねぇんだよ! お前にも、そして“歴史”にも!」
クロスの拳が闇に包まれる。
斥力を押さえ込み、クロスは拳を振りかぶり、
「教えてやる。歴史を創るのは……」
その拳、必殺につき
「いつだって、今生きている人間だ!!」
エンドブレイク・スーパーノヴァ
逢魔箇時乃紅貴星
その名の通り、重力を持つ程の膨大な質量が込められた創星の拳。
- 758 :黒沢小百合:2011/03/20(日) 02:08:13 ID:SSMHlh/20
- >>757
――命が、あふれ出す。
生命への賛歌。偉大な自然への賛歌。
とうとうと流れる時への賛歌。紡がれる文化への賛歌。
彼女の具現化したのは、『この命溢れる星の創生の記録』。
「ジョージ・サンタヤナは言いました。
『歴史を記憶せぬものはそれを繰り返す呪いに掛かっている』と。」
忘れ去られた太古の昔から。
「コフィ・アナンは言いました。
『我々は、人類史上かつてないほど運命を共有している。』と。」
今、この時間、共に歩むものたち。
「チェ・ゲバラはいいました。
『私たちは新しい運命、即ち明日へと出発しなければならない』と。」
そして、それらは未来に続く。
未来に続くべく、立ちふさがる悪鬼を倒すのだ。
- 759 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2011/03/20(日) 02:22:33 ID:HnkBBDEo0
- >>758
溢れ出す生命。迫り来る歴史。
その中で、クロスは右拳を振り回す。
「誰が何を言ったかなんて知るか!」
自分を飲み込もうとする海を割る。吹き上がる大地を吹き飛ばす。
「何が呪いだ! 何が運命だ!」
雹降らす雲を裂く。天を落とす空を破る。
「たった46億年ぽっちの歴史でドヤ顔してんじゃねぇ!」
牙を剥く恐竜を抉り、敵意剥く人々の群を潰す。
「小百合、テメェは……!」
銃を壊す。戦車を叩く。飛行機を墜とす。戦艦を貫く。
「タマには! 自分の言葉で! モノを語りやがれぇええええええ!!」
やがて拳は、小百合の目の前まで……
- 760 :黒沢小百合:2011/03/20(日) 02:33:38 ID:SSMHlh/20
- >>759
「愚かなッ!お前の行為は自分を生み出した……
この文明そのものを踏みつけ!否定するにも等しいのだぞッ!」
激昂した小百合が、クロスに向かって吼える。
この歴史の奔流の中を逆行するクロスに、彼女は恐怖した。
小百合は、否定したかったのだ。
運命に敢然と抗う、クロスを。
拳が、迫る。
しかし小百合は最後まで、目を見開いて。
「認めないッ!認めないッ!認めないッ!
断じて、断じて、絶対に、絶対に、絶対に、否――!」
――ベゴッ
拳が、小百合の横っ面を捕らえた。
「ギャウッ!!!!!!」
もんどりうって小百合が倒れ、
ソレと同時に、具現化された全ての物が消え去る。
「……ぅ……ぶげ……が……あ……。」
しかし、彼女にはまだ息があった。
全身の毛穴という毛穴から、血を噴出したその姿は
吸いきれなくなるまで水を吸わされた海綿にも似ている……。
- 761 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2011/03/20(日) 02:44:36 ID:HnkBBDEo0
- >>760
「確かに歴史は絶対だ。でも、超えられないものではない」
クロスは言い放つ。
倒れる小百合の後ろ、少しだけ掠った創星の拳は大地を大きく抉って遠くの果てまで続いていた。
「お前の能力は素晴らしいものだけど、決して“過去”が最強であることを証明するわけではない。さぁ、て」
そこまで話したところでニヤリと鬼が笑う。
「前回はひたすらリンチにされたからなァアアア? 俺はどうしてやろうか」
クククと笑い、手を伸ばす。
クロスの背後には、様々な凶器がまた姿を現した。
- 762 :黒沢小百合:2011/03/20(日) 02:52:50 ID:SSMHlh/20
- >>761
「ぐっ……ぶ……い、い゛やだ……。
まだ…………ぐ……ギ……。」
小百合は、ずりずりと体を引きずりクロスから距離をとろうとしたが
そんな状態でクロスから逃げ切る事など出来ず。
「や……め…………ぶぐゅゥ……。」
怯えと、憎悪が混じったようなような視線をクロスに一瞬向けたが、
すぐに、諦めたように目を閉じた。
クロスがトドメを刺そうと、放って置こうと、彼女は長くない。
すぐに、死亡と判断され箱庭から排出されるだろう。
- 763 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2011/03/20(日) 02:58:43 ID:HnkBBDEo0
- >>762
目を閉じる小百合に、クロスはたじろぐ。
「あ、ちょ、死ぬなよ? まだ死ぬなよ!?
俺はまだお前に苦痛を与えてないんだから!
前に俺がやられたみたいにリンチにして斬って砕いて細切れの肉片に……
ってオイ、転送始まってんじゃねぇかおおおおおおおおーォォイ!!」
小百合の胸元を掴んでガクガク振るが、既に時遅し。
彼女は光となって箱庭から排出された。
「チクショー!!」
- 764 :黒沢小百合:2011/03/21(月) 22:42:27 ID:SSMHlh/20
- 【イデアの箱庭・平原フィールド】
「フィールド……草原……天候……夜、微風……。
たしか、こうでしたか……。」
先日、クロスに敗北を喫した際とまったく同じ条件のフィールドに
降り立った小百合は未だ敗北が信じられないといった様子で、辺りを見回す。
当然抉れた地面や焼け焦げた大地など二人の戦いの痕跡など
残っておらず、穏やかな風がさっと草を揺らすのみ。
「私は……何度負けているんだ……。
都市を襲う敵を前に膝を折り、一度勝った相手にすら完膚なきまでにやられて……。」
しかし、敗北感は真綿で首を絞めるようにじわじわと彼女を苦しめる。
小百合は、何故だか瞳に熱いものがたまるのを感じ、月を見上げた。
- 765 :朝宮暁:2011/03/22(火) 21:22:08 ID:/k2gysHgO
- 【イデアの箱庭・真昼の草原】
「…………久々だなあ」
ごろ、と草原に寝転んで暁は呟く。
仮想の草はそれでも暁の首筋をくすぐり、暁はかすかに笑みを漏らす。
「はてさて……誰かくるかね」
- 766 :黒沢小百合:2011/03/22(火) 21:37:05 ID:SSMHlh/20
- >>765
【Now loading...】
【黒沢小百合さんがログインしました】
静かな草原に響く機械的なアナウンス。
それと同時に、暁の元へ転送されてきたのは
切れ長の瞳が特徴的なスーツの女性。
千夜の幹部の一人、黒沢小百合だ。
「…………お手合わせして頂いても大丈夫ですか?」
どこか、思いつめたような表情の彼女は
開口一番、暁を誘った。
- 767 :朝宮暁:2011/03/22(火) 21:43:55 ID:/k2gysHgO
- >>766
「うへえッ!?」
暁の喉から異音が出た。弾かれるように立ち上がり、小百合を見る。
――千夜グループの大幹部。辣腕とすら言われる異能都市の治安維持の責任者。
嫌な汗が流れる。断りたいが、断ったら断ったでなんか嫌なことになりそうな気がする。
が――――
「……」
小百合の表情を見て、暁の表情も変わった。思い詰めたような顔。何があったのかは伺い知れないが、
「……いいっすよ。……この距離で良いんすか。肉弾戦はできないんっすよね?」
何はともあれ、暁は構えた。
- 768 :黒沢小百合:2011/03/22(火) 21:53:58 ID:SSMHlh/20
- >>767
「……ええ、私は知っての通り格闘戦は不得手です。
が、貴方こそ良いのですか。そのような事を言って。」
口元に笑みをたたえ、暁に背を向ける小百合。
「この私に遠距離での戦いで勝てるものなどいない。
……気が変わったなら、いつでも掛かってきて結構ですよ。」
そのまま、ゆっくりと挑発するように距離を離していく。
一見、無防備なようだが彼女は暁をしっかりと見ているのだろう。
ヘタに突っ込めば、手痛い一撃を食らう。
かといって、距離を離されても苦戦は必至だ。
- 769 :朝宮暁:2011/03/22(火) 21:59:32 ID:/k2gysHgO
- >>768
「この距離じゃあフェアじゃねえからな」
小百合の言葉に不敵に笑って暁は言う。
「確かにあんたの能力は遠距離じゃ無敵だろうな、マジに恐れ入るよ。
だけどそもそも、あんたの能力は戦争向きだが決闘向きじゃねーよ。顔を合わせた時点で、」
中途半端な敬語はどこへやら。すっかり遣る気になった暁は、後ろに下げた右足に力を込める。
「俺が有利だ。……そう判断するぜ。もっと下がんなよ。フェアに行きたい」
- 770 :黒沢小百合:2011/03/22(火) 22:07:12 ID:SSMHlh/20
- >>769
「フェアに……。」
暁の言葉を聞いた小百合は残忍な笑みを浮かべながら、
小ばかにしたような調子で呟く。
「……慢心は死を招くぞ。」
――ザッ
暁の背後で『踏み込み音』。
小百合は、暁が下がるよう促した時にはもう
己の能力で兵士を具現化していたのだ。
短剣を携えた古代の兵士が、首を掻き切ろうと迫る。
- 771 :朝宮暁:2011/03/22(火) 22:14:11 ID:/k2gysHgO
- >>770
「あんた、分かってねーな」
微かに聞こえた踏み込み音は、暁の背中で起きた爆発によって掻き消された。
足に力を込めて、地を蹴る。爆ぜたと思われた暁の背中には、紅蓮に燃える翼があった。
羽搏き、前へ。
「必死になって汚え手を使って勝つのは、どうしても勝たなきゃいけない時だけで良いんじゃねえか?」
爆発によって得た推進力のまま、凶刃から逃れた暁は突き進む。
両の手足に焔造りの籠手と脚甲を纏い、小百合へと。
- 772 :黒沢小百合:2011/03/22(火) 22:36:04 ID:SSMHlh/20
- >>771
「どうしても勝たなければならない時、だと?
闘争に負けても良い戦いなどあるものかッ!」
暁が動いたと同時に、小百合も
己の袖口に仕込んだ紙片へと手を伸ばす。
「……貴様をくびり殺しその翼を?いでやるッ!」
勢いのまま突撃する暁の前に
現れたのは、壁のごとく隙間なく突き出された無数の槍。
サリッサと呼ばれるそれらは6mもの長さを誇り
小百合と、暁の間を地獄の剣山のように塞いでいる。
彼女が召喚したのは古代マケドニアの重装歩兵隊。
彼らの改良型ファランクス戦術は機動力こそ無いが、その突撃力、防御力は折り紙つき。
古代オリエントを席巻したその強さを、暁はその身をもって思い知る事になるだろう。
- 773 :朝宮暁:2011/03/22(火) 22:46:15 ID:/k2gysHgO
- >>772
「勝ちを目指すのは当然だわな……ッ!」
槍衾を前に暁は翼を広げ、空気の摩擦を増大させる事で突進にブレーキをかけた。
眼前に迫った槍の鋭い鋒を幾つか蹴り払い、紅蓮の翼を再び羽搏かせる。
ばさり、という翼が大気を打つ音、だん、という地を蹴る音が重なった。
暁は上空へと飛翔する。槍の届かぬ上空へ。
「けどな、卑怯な真似してもぎ取った、実力で勝たない勝ちよりも、実力で負けた敗けのが次に繋がんだよ……!」
暁は再び背後に爆発を起こし、爆風を翼に受けて小百合へと突き進む。
紅蓮の翼から、羽搏く度に火の粉を散らし。
- 774 :黒沢小百合:2011/03/22(火) 23:01:42 ID:SSMHlh/20
- >>773
「ふん、卑怯の何が悪いのか。
そんなもの、負けた側の言い訳にしか過ぎない!」
顔に降りかかる火の粉を鬱陶しそうに払いのけ
暁を叩き落すべく次の手を打つ。
あの飛行能力と機動性は厄介だ。
人海戦術で相手を足止めし、距離を保ちながら
じわじわとダメージを与えるのが小百合の戦術。
人の壁を飛び越えて直接本体を狙える暁には、このセオリーが通用しない。
「イカロスは太陽に近づきすぎた事で蝋で固めた翼を溶かされ死んだというが、
まったく、あれではまるでヤツ自身が太陽のようですね……!」
マケドニア重装歩兵の背後、新たに具現化されたのはブリトンの長弓射手。
引き絞られた弦から解き放たれた矢は、黒い塊となって空中の暁へと一斉に襲い掛かる。
板金鎧をも貫く威力を誇る長弓だ。当たればただではすまないだろう。
- 775 :朝宮暁:2011/03/22(火) 23:18:35 ID:/k2gysHgO
- >>774
「卑怯な勝ちでも勝ちは勝ち。全く同意だね。だがよお」
過剰とすら思える程の無数の矢によって構築された黒い塊を前に、暁は舌打ちを一つ。流石にあれは、避けられない。
(そんなら……!)
左右の炎――焔造りの籠手から紅蓮の炎が迸る。それは空中で一つになり、あるものを形造った。
「……焔鳥、緋鷹」
火の鳥。
翼を広げれば五メートルは有りそうな大きな鳥。暁と同様に火の粉を散らし、それは矢の塊へと飛翔した。
「だが、卑怯で拾った勝ちは次に続かねえよ。本当に実力がある奴には卑怯な手も通用しねえ。だから実力を――磨くしかねえんだよッ!」
放たれた火の鳥は矢の塊へと突っ込んだ。焔が矢を補食し、黒い塊に穴を開ける。焔で作られた突撃回廊。
暁は火の鳥を盾にするようにその後に続き、突撃回廊を潜り抜ける。
(もうちょいで……“届くッ”)
- 776 :黒沢小百合:2011/03/22(火) 23:38:09 ID:SSMHlh/20
- >>775
「チッ、殴る蹴るしか脳のない輩かと思ったが
あの熱は厄介かもしれん……!」
あの調子ではいくら矢を放ったところで
燃やされ、無効化されてしまう。
槍を突き出したところで、結果は変わらないだろう。
「仕方ない、一度距離をとり体勢を立て直すしかないか。
これは戦略的撤退だッ!」
4輌のM163対空自走砲を具現化し、そのうちの一つに乗り込むと
それぞれ東西南北、べつべつの方向へと走らせ撹乱を試みる。
小百合が現在乗っているのは、南へ向かう車輌だが、
塊のように見える量の矢の中を、火の鳥を盾に突っ込んでくる暁には
彼女がどれに搭乗したか見えづらかったはずだ。
- 777 :朝宮暁:2011/03/22(火) 23:49:53 ID:/k2gysHgO
- >>776
「ッ……」
(しくった……っ!)
舌打ちを一つして暁は推進に制動を掛けて滞空する。高度を維持したまま、四方に視線を巡らせた。
「探れる距離でもねえ……」
生命の焔を操る暁にとって、生体反応を探るのは造作もない事だ。――離れていなければ。
再び舌打ちをして、暁は両腕を広げた。焔が渦巻く。
「順繰りに行くしかねえ……! 届かなくなる前にッ!」
暁の両手から先程と同じ炎の鳥――緋鷹がそれぞれ飛び立った。
それは弾丸宛らの速度で、それぞれ二台の車輛へと火の粉を撒き散らし飛翔する。
//書き込み時間の末尾が偶数なら北と南に向かう車輛、奇数なら西と東に向かう車輛に大きな火の鳥が突進。
- 778 :黒沢小百合:2011/03/23(水) 00:06:50 ID:SSMHlh/20
- >>777
m163の最高時速は60kmほど。
草原を走る際はもう少し落ちるため、追いつくのは容易だろう。
しかし、追いついたところで暁の勘は外れ。
このタイムロスは、小百合に十分すぎるほどの時間を与えてしまった。
「フフフ、やった。敵はこの私を見失ったようだ。
このまま、嬲り殺しにしてやる。」
全ての車輌を止め、その周囲に軍勢を展開。
さきほどの古代、中世の軍勢ではなくどれも最新鋭の機甲部隊だ。
「対空戦闘を開始。敵は熱源を自在に操れるようだ。
ミサイル攻撃は熱誘導を避け、レーザー誘導を使用せよ。」
東西南北、4方向からの一斉射撃。
小百合は、ここで暁を確実に『殺しに』来た。
- 779 :朝宮暁:2011/03/23(水) 00:16:17 ID:/k2gysHgO
- >>778
「外したか……!」
舌打ちをすると同時に暁は翼を羽搏かせた。しかしその翼は暴力の嵐の前に小鳥の羽根程にも頼りない。
「ク……!」
回避し、迎撃し、爆風に煽られ――直撃寸前に焔の壁を展開し、また爆風に煽られ――
――――暁は遂に、地に墜ちた。
(……何とか、近付く手段を考えねえと……!)
地面に叩きつけられた暁は、満身創痍の体が訴える激痛を無視し、思考を巡らせる。
- 780 :黒沢小百合:2011/03/23(水) 00:28:22 ID:SSMHlh/20
- >>779
「見ろ!小賢しい小僧が堕ちたぞ!
格好をつけず、さっさと襲い掛かってくればいいものを!
本当に私に近づけるとでも思ったいたのかッ!!」
小百合の興奮した、甲高い高笑いが聞こえてくる。
いくらか、飛んでくる弾丸は減ったがそれでもなお、
移動する事さえ難しい圧倒的な弾幕が暁を襲う。
いまだ直撃弾こそないが、すぐに狙いを修正し致命的な一撃を叩き込んでくるはずだ。
どうにか、接近し小百合を叩かなければ暁に勝機はない。
- 781 :朝宮暁:2011/03/23(水) 00:40:41 ID:/k2gysHgO
- >>780
「よっ……と大口叩いた以上は、なんとかしてえが……!」
立ち上がるだけで痛む体に悪態を着きながら、暁は腕を一閃させた。籠手から生まれたのは焔造りの壁。
それを盾に、暁は弾幕から身を隠して思考する。
(どうする……飛ぶのは却下だ。相手がどこに居るかも解らねえ。何か使える物は――――)
かさ、という音。
「……これだ」
暁の居る地点から、然程大きくもない火柱が立ち上る。それはきっと小百合の居る場所からでも見えるだろう。
その火柱は徐々に――徐々に大きくなっていく。
高さがではない。
――規模がだ。
フィールドは真昼の草原。燃えるものには事欠かない。
炎は一瞬のうちに、無差別に広がった。煙と炎が草原を蹂躙する。それは勿論――小百合の居る場所も同様だ。
暁は、炎と煙、そして造り出した焔の壁を盾に移動を開始した。
- 782 :黒沢小百合:2011/03/23(水) 00:49:53 ID:SSMHlh/20
- >>781
「チッ、これでは……!」
小百合は、車内にいたため熱波や炎を
直接喰らう事は無かったが暁の炎は砲弾を一瞬で無力化できるほど高温。
まともに巻き込まれた兵士が倒れ、戦車が爆発、炎上していく。
「クソッ、一旦部隊を下がらせろ。
これではまともに戦う事すら出来ん……!」
さすがの小百合もたまらず、部隊を後退させる。
暁が小百合の位置を掴んでいるなら、接近のチャンスとなるだろう。
- 783 :朝宮暁:2011/03/23(水) 01:00:44 ID:/k2gysHgO
- >>782
火炎は縦横無尽に広がって行く。風向き等は最早関係無い。燃え盛り、焼き潰す紅蓮地獄。
「弾幕が止んだな……!」
紅蓮に塗り潰された草原の中、暁は涼しい顔で言葉を紡いだ。
炎は暁自身の制御から離れつつある。しかし、元は自分の産み出した焔。自身の周囲に燃え盛る炎を制御する程度ならば、造作もない。
「行くか……!」
暁は翼を広げて空中に駆け上がる。煙が多少鬱陶しいが、炎を操るこの身には慣れたもの。
「さあて……消すなりなんなりしなきゃ煙に巻かれるかこんがりウェルダンかの二択だぜ、黒沢さんよ」
- 784 :黒沢小百合:2011/03/23(水) 01:20:55 ID:SSMHlh/20
- >>783
(……空中から消化剤を撒いたところで、
あの能力ではすぐに、炎を出されてしまう。
ここは、攻撃するしかない……!)
先ほどは、火に巻かれかけ少し怯んだが
冷静さを取り戻した小百合は、どうするべきか思案する。
「ええいッ!敵がまた性懲りもなく空に上がったぞッ!
対空戦闘だ!やつをこれ以上進ませるなッ!」
再び、地上軍からの猛烈な射撃が開始された。
いや、それだけではない。
――Mi-24『クラカヂール』
日本ではNATOコードネーム『ハインド』の名前で有名な攻撃ヘリも暁の背後から迫っている。
強力な武装と堅固な装甲を持つこの大型機は、暁にとって大きな脅威となるだろう。
「陸、空の連携によってヤツを撃墜する。
ヤツが陸上からの攻撃に対応すれば空から。逆もまたしかり。
近づけさえしなければ私の勝利は確実なのだ。」
- 785 :朝宮暁:2011/03/23(水) 01:39:46 ID:/k2gysHgO
- >>784
「ちっ……!」
暁は舌打ちを漏らす。
あの能力なら人海戦術で自分の周囲の火だけでも消化させると思っていた。
つまり、火が消えた場所に小百合が居るとして進むつもりだったのだが、当てが外れた。
「……そんなら、我慢比べと行こうかァッ!」
魂の熱を全力で出力し、身体能力の強化倍率を引き上げると同時、紅蓮の翼は二対となり、大きく広がった。
燃え盛る紅蓮の大翼は羽搏く度にごう、ごうと音を立てて大気を燃焼させ、その度に強烈な熱波が地上に、空中に発散される。
熱波ですら、硝子を容易く融解させる程の高温。
「行くぞオラァッ!」
弾幕に向け、紅蓮の大翼を叩き付ける。大翼は弾幕を薙ぎ払い、あまつさえ地表に向けて巨大な爆風を放射する。
暁はそのまま飛翔、ハインドに向かい――
「こっちもだウラァッ!」
紅蓮の翼を叩き付けんと、羽搏かせる。
(三分以内に――蹴りをつけるッ)
- 786 :黒沢小百合:2011/03/23(水) 01:56:26 ID:SSMHlh/20
- >>785
黒煙、炎、絶叫、爆音。
のどかだった草原はもはや地獄のようだった。
炎上する車輌、炭化した兵士。
ハインドは炎に包まれながら爆散し、破片が地面に降り注ぐ。
しかし、その地獄の中に兵士たちは
狂ったように飛び込んでは暁へと攻撃を行ない、果てる。
「だ、ダメ……これ以上は、私が持たない……。」
先に根をあげたのは、小百合のほうだった。
いくら車内に退避しているとはいえ、それほどの高温を発する者が近くにいるのだ。
車内の温度も上昇し、ぴりぴりと小百合の肌を焼く。
彼女は耐え切れず、上着を脱いでそれで顔を覆い車外へ転がり出た。
「げほ……げほ……ぐるじい……。」
猛烈な熱気と、煙の中小百合が向かうのは地面にあいた『穴』。
小百合は『カッパドキアの地下都市』を具現化し、その中へと逃れるつもりだ。
もし逃げ込まれ、入り口を閉ざされれば暁の勝機はきわめて薄くなる。
今のうちに一撃を叩き込み勝負を決めてしまいたいが
残存の軍団が異様な勢いで突撃してきた。
特にハインドは危険だ。あの質量はなかなか溶かしきれるものではない。
どろどろに溶けた状態で体当たりを食らえば、後の状態は酷い物になるだろう。
- 787 :朝宮暁:2011/03/23(水) 02:10:05 ID:/k2gysHgO
- >>786
(残り二分……持つと良いが……!)
「く……の、――るァぁッ!」
翼で弾幕を受け、そのまま薙ぎ払う。弾幕を放ってきた一団へと熱波を振り撒いて。
「埒が開かねえ……一気に燃やすしかねえ……!」
草原を燃やした事が、裏目に出た。小百合の具現化したカッパドキアの地下都市への入口に、立ち上る煙によって気付けない。
だから暁は、地表を一気に焼き尽くす事に決めた。場所が解らない以上、そうするさかない。
「――……当たれよ――!」
熔けかけのハインドから逃れるように、暁は地へと急降下する。強烈な熱波を爆炎に変えて。
//書き込み時間末尾が奇数ならば、小百合のやや近くに急降下。偶数ならば、小百合から離れた位置に急降下。
- 788 :黒沢小百合:2011/03/23(水) 02:27:22 ID:SSMHlh/20
- >>787
小百合は、暁の位置を確認しようと猛烈な熱波の中を逃げながらも振り向く。
その目に、飛び込んできたのは――。
一面の炎、降り注ぐ巨大な爆炎。
小百合の身体能力では、それから逃れる事はかなわない。
炎に飲まれる直前、彼女の断末魔が元は草原だった地獄に響く。
「あづいよおおお゛おおお゛!!!!!
火がぁあ゛あぁあ゛あぁおぉおお……いだいぃいいぃ……!!
や゛とのかみさん、だずけてぇえ゛えぇ゛・・・…。」
全てが終わった後、彼女がいた場所には何も残っていなかった……。
【黒沢小百合さんの死亡を確認しました。】
【身体データを初期化。箱庭外へ排出します。】
システムメッセージが、暁の勝利を知らせた。
- 789 :朝宮暁:2011/03/23(水) 02:33:57 ID:/k2gysHgO
- >>788
紅蓮の翼を消し、暁は息も絶え絶えに倒れ伏した。
「運勝ちだな……っは、カッコワリイ……」
本当に、運。
あれだけでかい口を叩いて、運で勝ったと思うと、幾分情けない。
「……にしてもよ、」
ごうごうと燃え盛る周囲。
「これ、どうすんだよ」
その言葉を最後に、暁の意識はぷっつりと途切れた。
- 790 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2011/03/29(火) 22:54:04 ID:WEhMfl5k0
- 【虎姫邸B1F】
【表向きボロい木造一軒家の地下には怪しげなカプセルや巨大なコンピュータが並べられ】
【虎姫はモニターの前に座っていた】
【茫然自失で椅子の背もたれにもたれる『ソレ』】
【画面に映し出された言葉の羅列】
【己の生まれて今に至る事を全て著した文章の最後の考察には】
【――『転移元のどちらかの意識が主となるか、2つの人格の同居があり得る』】
じゃあ……
『僕』は誰なんだ?
【虎姫はどちらの人格でもなかった。転移元の2つは確かにあるし断片的な記憶もあるのに】
【主となり動いている『僕』はぽっかりと浮いている】
【自分は誰で、いつ生まれ、どこから来たのか。それを問うことが彼女を今まで支えた物だったのに】
【ずっと悩まされてきた自分という存在は――答え合わせをすることすら叶わない】
【事実は虎姫の精神を摩滅させるには充分だった】
- 791 :名も無き異能都市住民:2011/04/03(日) 20:37:36 ID:SSMHlh/20
-
『――番組の途中ですが予定を変更して臨時ニュースをお送り致します。
今日、8:30分ごろ、都市中心部の繁華街で暴動が発生し多数の負傷者が出ている模様です。
詳しい状況は不明ですが、現在確認されているだけで市民21名、警官7名が負傷しています。
現在も中心部は危険な状況であるため、市民の皆さんは外出を控えてください。
繰り返します――。』
お茶の間のテレビからラジオ、街頭の大型モニター。
異能都市の全ての放送媒体に、緊急のニュース速報が流された。
『――ただいま、続報が入ってきました。
どうやら、暴動は非常に大規模なもので即時鎮圧が非常に難しい状況との事。
異能都市中央警察署は会見で――。』
あなたが、このニュースを見てどのような行動を起こすかは自由だ。
自分の力を暴動の鎮圧に使うもよし、無関係と判断して思い思いにすごすもよし。
- 792 :名も無き異能都市住民:2011/04/03(日) 20:38:26 ID:SSMHlh/20
- 【イベントのお知らせ】
・暴動鎮圧依頼
【日時】
・4/3 21:00開始予定
【場所】
・当スレ(イベントA)
【概要】
都市中心部、繁華街において突如暴動が発生。
警察および現地の自警団が鎮圧に向かったが
暴徒の中に異能者が混じっており、鎮圧に手を焼いている。
都市住民の異能者に協力を依頼したい。
【勝利条件】
・暴動の鎮圧。
【敗北条件】
・参加者全員の撤退。
【備考】
・繁華街には逃げ遅れた都市住民が多数いる。
戦闘だけでなく、彼らの救助に当たられたし。
- 793 :テルメス/ニット帽の男:2011/04/03(日) 21:13:40 ID:LIzoKx..0
- >>791
「くっそ……なんだよいきなり……」
男は逃げ惑う人ごみの中を走っていた。
散歩をしていた時に突然、大挙して押し寄せる人ごみに遭遇してしまったのだ。
「暴動……危ない……?
俺も早く逃げたほうがいいのかな……」
男は逃げ惑う人々の言葉に聞き耳を立て、何が起こったのか推測するが、
暴動が起こったという事位しかわからなかった。
「うわっ!」
男は突然、同じく逃げていた後ろの人間に押されてその場に倒れた。
- 794 :名も無き異能都市住民:2011/04/03(日) 21:24:55 ID:SSMHlh/20
- >>793
テルメスが倒れこんだ時ちょうど、
ビルの屋上に設置された巨大な看板が、
火炎に包まれ群集の中に落下するのが見えた。
暴徒が逃げる群衆を追い、この辺りまでやってきたのだ。
しかし、これは投石だとか火炎瓶だとかそういったレベルではない。
ただの暴動で、これほどの破壊力を持つ兵器が使われるだろうか。
- 795 :アシュレイ:2011/04/03(日) 21:29:21 ID:mPPuwk.A0
- >>791
「少し、放送が遅かったようです、ね!」
力を入れた「ね」の一言で、少女は道端にあった駐車禁止の標識を引っこ抜く。
そして大きく振りかぶり、近くまで押し寄せていた暴徒の一団をなぎ払った。
少女の馬鹿力と、標識で殴られるという強すぎる衝撃で彼らは遠くへ吹っ飛び、道路で2、3度跳ねて動かなくなった。
「エリアクリア。さあ行ってください!」
少女は背後にいた数人の市民に呼びかける。
始め、少女の力を目の当たりにして呆然としていた彼らだったが、
近くで爆発音がした途端、蜘蛛の子を散らすように走り去っていった。
- 796 :テルメス/ニット帽の男:2011/04/03(日) 21:32:38 ID:LIzoKx..0
- >>794
「暴動っていうか……戦争じゃないか。
逃げないと、これは」
男は立ち上がり、再び走り出そうとする。
しかし、目の前は看板からあちこちに炎が引火し、通れそうに無かった。
「げっ……回り道するしかないのかよ……」
仕方なく、人ごみを掻き分けて暴動が発生したらしい方に向かって走る。
- 797 :佐宗スグル:2011/04/03(日) 21:43:14 ID:onviSg/.0
- >>794
「暴動……ねえ。
こんなのは僕の世界じゃ無かったし、新鮮っちゃあ新鮮だけれど」
真紅の番傘で顔を隠しながら、騒動のまっただなかへ向かう男。
その顔は相変わらずニヤケていて、
「ここは俺の終の棲家になる……はずなわけだし。
観測よりも制止を優先ってね。
たのもー!」
しかし、心情は深刻に現場へ転がり込んだ。
威勢が良いのか悪いのか、微妙な叫び声と共に。
- 798 :ロージェンス:2011/04/03(日) 21:53:20 ID:1sJsd2CgO
- >>794
鎖巻きの黒装束はパニックの中、逃げ惑う群衆を路地の外に見ていた。
「……、暴動? 派手ねぇ」
転がっていたラジオから聞こえる放送に口元を歪める。
ジャラジャラと耳障りな音を鳴らして人の入らない薄汚い路地を駆け出した。
看板の落ちた地点に向けて、混乱を運びに。
- 799 :鳶貴 / 変異体:2011/04/03(日) 21:53:45 ID:DOElDTKU0
- 繁華街の一角にある、雑居ビルの屋上。
「あぁ…!なんという事だろうか!またしても事件が起こるとは!何ともお粗末な防備じゃないか…?」
上擦った声で高らかに揺らいだ感情を吐き出す大柄の人影。
身に付けた鎧が闇の中で目立たぬような鈍い光を映しながら、赤い果実を片手に街を見渡す
「…鳶貴さん。汚名返上の機会だという事はわかりますが、貴方の身体はもはや貴方だけの…。」
パリン、空に響くガラスが割れるような音。
濃紺のスーツの女性が忠告を言い渡す前に
異形は片腕を何もない空間に穴を開けるようにして腕を突っ込み、みるみる内にその姿を消してしまう。
数秒とかからずに空になったその場所に残されたのは、甘い臭いを放ち散らばる白い果肉。
「………。」
女は一人、ひとりでに閉じていく裂け目を眺めながら下で起きている暴動を再び確認して姿を消す。
「それでは五月蝿い者どもの『生命』の程をいただくとしようか…。」
逃げ惑う民衆の中で一人、含み笑いをしながら暴動の場へと向かっていった。
- 800 :名も無き異能都市住民:2011/04/03(日) 21:55:30 ID:SSMHlh/20
- >>795-797
暴動の中心地と思われる、大きな交差点が見えた。
激しく炎上する乗用車、打ち壊され散乱したショーウィンドウ。
逃げ遅れ、暴徒の餌食となった人々の亡骸。つい一時間ほど前まではここも、
人々の幸せで満ちていたはずが、今は混乱と狂気が渦巻く地獄と化している。
>>795
「うおおおあああああ!!!!」
暴徒の集団を相手に戦うアシュレイに目をつけたのか、
遠くから数人の暴徒が拳銃を発砲しながら駆け寄ってくる。
理性をまったく感じられない、くすんだ瞳を殺意にぎらつかせ、
異様な雄たけびを上げる様はゾンビにも似ている。
>>796
――――ヒュゴオォオオオォッ!!!
テルメスの左側、1m程の場所に巨大な火球が着弾。
爆音と共に爆ぜたそれは数人の市民を飲み込み、一瞬にして焼き尽くした。
地獄のようなその惨劇を引き起こした張本人は、
15mほど先にいるフード付きジャケットを身につけた青年。
ファイアースターター
――発火能力者。
火炎を自在に発生させるオーソドックスかつシンプルな能力。
小細工も何もない。この能力は単純に強力だ。
>>797
「君、この先は危険だ!!早く逃げろ!!!
ここは我々がどうにかする、はやく!!」
スグルのいる場所は警官隊の封鎖線のすぐ近くらしく、
多数のパトカーが道を塞ぎ、それをバリケードのようにして暴徒の攻撃を防いでいる。
「ここも長くは持たない!はや――」
警官がふいに倒れた。
彼は運悪く、頭部に直撃弾を受けた。
暴徒はどうやら火器で武装したものも多いらしい。
- 801 :名も無き異能都市住民:2011/04/03(日) 22:04:10 ID:SSMHlh/20
- >>798
血の、肉の、人の焦げる臭い。
暴動が発生して1時間しかたっていないというのに、
ロージェンスのいる路地裏にすら、独特の死臭が漂っている。
「……主よ。我らをお守りください。」
ゴミ箱の陰に隠れていた、浮浪者が呟く。
路地裏の先は、地獄へとつながっているのだ。
>>799
角を一つ曲がった途端、断続的に聞こえていた悲鳴と絶叫、
発砲音、爆発音がより一層、大きくなった。
無数の焼け焦げた死体、燃える乗用車。
幾人もの暴徒が、思い思いに略奪を行なっている。
「……オオ゛オ!!!」
鳶貴に気づいた数人の暴徒が、
鉄パイプや手斧を振り上げて襲い掛かってくる。
- 802 :名も無き異能都市住民:2011/04/03(日) 22:08:05 ID:SSMHlh/20
- ・現在の状況
アシュレイ……暴徒の集団と交戦中。鳶貴と同じ地点。
テルメス………発火能力者と交戦中?ロージェンスと同じ地点。
佐宗スグル……警官隊のバリケード付近。暴徒の近く。
ロージェンス……テルメスと同じ地点。発火能力者の近く。
鳶貴……………暴徒の集団に遭遇。アシュレイと同地点。
- 803 :佐宗スグル:2011/04/03(日) 22:10:14 ID:onviSg/.0
- >>800
「えげつないことになってるな、これは」
一応は研究者である以上、「動かなくなった生き物」は見慣れてはいる。
それなのに思う、それだから思う、えげつないと。
「大丈夫ですよ、警官さん。
俺っちはこれを止めるために来たわけd……」
警官に返答し、守護線に加わろうとしたところで。
倒れた警官に、蝋燭より白い彼の顔がもっと白くなった。
「……おいおい、流石に目の前で死ぬなんて、勘弁してもらうよ」
若干ビビる。そして周りを見る。
鎮圧に回る能力者はまだ多くないと判断したが、しかし彼は警官を助けようと思う。
頭を撃たれたとはいえ、「魂がまだ居る」ならば、彼の治癒魔術で癒すことが出来る。
「死ぬな、警官さん。
頑張って一緒に街守りましょう」
そんなわけで、とりあえずは怪我人の治癒に回ることにした。
彼は番傘を盾にしながら警官の頭に触れる。
傷が綺麗だから、治癒には×分……レス数にして2レスと行ったところか。
- 804 :テルメス/ニット帽の男:2011/04/03(日) 22:13:40 ID:LIzoKx..0
- >>800
「うわあっ!?」
テルメスは火球の勢いに吹き飛ばされ、
ビルの壁面に叩きつけられ、その場に落ちた。
「いでで……わわっ!」
服の端が燃えていたのに気づき、あわてて叩き消す。
それから立ち上がり、フード付きジャケットの青年を見た。
「あいつがやったのか……。
くそっ、コンクリだと不利なのに……やるしかないか」
テルメスは男に向かって走る。
コンクリート地面では、テルメスは能力の発揮がうまくできず、
普通の人間よりも多少強力な筋力しか残されていない。
それを発揮するにも、まず間合いをつめなければならない。
- 805 :アシュレイ:2011/04/03(日) 22:19:30 ID:mPPuwk.A0
- >>800
<クロノヴェール起動。小規模範囲で固定>
システムが立ち上がると同時に、アシュレイに迫っていた数発の銃弾がひしゃげ、潰れた。
超密度の時間が、銃弾を容易く潰したのだ。
<通常火力による排除を選択>
アシュレイの両手が縦横に走る光に包まれ、次の瞬間にはもう、彼女の手には鉄塊が握られていた。
毎分6000発の凶器、20mm対物重ガトリング。
その砲口が、カラカラと回りだし――
「……!」
連続する轟音と発射炎。
まき散らされた砲弾は暴徒たちの身体を一瞬のうちにボロ雑巾に仕立て上げた。
死臭が、一気に濃くなった。
- 806 :ロージェンス:2011/04/03(日) 22:25:28 ID:1sJsd2CgO
- >>801
「――ハァアアイ。お盛んだねぇ、キミタチィィィ!?」
路地裏から地獄の入り口に躍り出たロージェンスに、武装した暴徒が銃口を向ける。
だが、遅い。
『敵意』を向けられた時点で彼女は行動を始めていた。
手近な暴徒を獣のように絡めとり、浴びる銃弾の盾にしつつ暴徒の火器を奪い応戦。
ある程度の被弾はあれど、幾つかの武器を奪いつつ物陰に隠れる事に成功した。
(……嗚呼、なぁんかすっごいニオイ。焦げてる焦げてる……)
早速、奪った火器の弾倉を調べる。
一般的な拳銃弾の9mmがあれば、自分の銃で扱えるのだが……。
などと思いながら、ロージェンスは炎に包まれた地獄の様子を窺う。
助けて下さいとか言う浮浪者ウゼェなんて愚痴りながら。
- 807 :鳶貴 / 変異体:2011/04/03(日) 22:32:32 ID:DOElDTKU0
- >>801
一歩毎に近づいていく戦渦の悲鳴。
そして角の先で目にした惨状。
怪物の手の甲に描かれた魔方陣の一つが、小さな赤い光を灯す。
「……まるで地獄じゃないか?キミ達もそう思うだろ?」
手にしていた盗品を投げ出して襲い来る集団に対し、右腕を眼前に突き出し掌を見せる。
次の間には、手中で渦を巻いてた炎が多数の暴徒に向かって放たれた。
そして肥大する恐怖の叫びの中、辺りの気配を探り索敵を始める。
- 808 :名も無き異能都市住民:2011/04/03(日) 22:33:59 ID:SSMHlh/20
- >>803
卓のいる地点だけでもかなりの数の警官が
負傷し、それでも戦闘を継続している。
この辺りは、警官の到着が早かったためか
一般人の負傷者は少なく、避難も進んでいるようだ。
盾にできるほどなのだから、番傘の強度に心配はないのだろうが……
問題は『火』。暴徒は度数の高い酒やオイルを利用した火炎瓶を
時折投擲してきている。
>>804
――――ドグオッ!!!
ヤツに明確な狙いなどないらしく、
四方八方にあの巨大な火の玉を投射し、
それが爆裂する様を見ては狂ったように笑っている。
いや、彼だけではない。暴徒は皆、
喜びの声をあげながら人を襲い、殺し、死んでいくのだ。
やつらからは理性が感じられない。
>>805
「ギャァッッハハアァハ!!!!」
暴徒たちは、笑いながら死んだ。
苦痛の呻きでも、恐怖による叫びでもなく『喜びの声』をあげながら。
――奴らは狂っている。
そう思わずにはいられないだろう。
こんなものが人間であるものか。
「おお〜っと、イキのいい姉ちゃんだなあ。
おい、おれと×××してくれよォォォ。なあぁ〜。クヒィッ!!」
『ひ、ひい……たすけて……。』
狂ったような笑みを浮かべた一人の暴徒が、アシュレイの前に現れた。
片手に、まだ義務教育も終わっていない男の子を乱暴に抱え、その首筋に
大柄な軍用ナイフを突きつけている。
>>806
暴徒の持っていた武器は大半が粗悪な改造銃か、
免許さえあればだれでも手に入れられる市販モデルのもので
特殊な武器ではない。
9mm弾の補給は十分だろう。
ロージェンスにとって今、最も脅威となりえるのは
この先、20mほど先にいる『発火能力者』。
かなりの高火力を扱えるようで、
彼にやられたと思しき被害者の遺体が周囲にいくつも転がっている。
- 809 :名も無き異能都市住民:2011/04/03(日) 22:37:58 ID:SSMHlh/20
- >>807
「うばぁああぁッヒャッヒャhッヤ・・・ヒ……y……あ」
火に巻かれた暴徒たちは苦しみの声をあげたが、
それは途中で狂った高笑いに変わり、そして消えた。
――明確な敵の気配。方向は……下。
突如、鳶貴の足元が崩落し
1mはあろうかという巨大な掌が彼を握りつぶさんとする。
- 810 :名も無き異能都市住民:2011/04/03(日) 22:39:35 ID:SSMHlh/20
- ・現在の状況
アシュレイ……人質を取った暴徒と対峙。鳶貴と同じ地点。
テルメス………発火能力者と交戦中。ロージェンスと同じ地点。
佐宗スグル……警官隊のバリケード付近。暴徒の近く。
ロージェンス……テルメスと同じ地点。発火能力者の近く。
鳶貴……………新手の敵と遭遇。アシュレイと同地点。
- 811 :テルメス/ニット帽の男:2011/04/03(日) 22:48:02 ID:LIzoKx..0
- >>808
男は火の玉を避け、飛んでくる遺体やガレキを避け、走りつづけた。
「狂ってる……。
俺達と同じか、目的が無くてやってるならそれ以上だな」
そして、男に近づく跳躍する。
「こんの……やらあ!!!」
跳躍で勢いをつけ、火の玉を操る男に殴りかかった。
- 812 :佐宗スグル:2011/04/03(日) 22:50:51 ID:onviSg/.0
- >>808
「けっこー自信満々に構築してるとはいえ……」
目の前で撃たれた警官の傷は、もう半分ほど治ったか。
少なくともその場から一人で逃げるのには支障の無いレベルだろう。
しかし、この警官に向かって「逃げろ」などと言うわけにも行かないし、
他の怪我した警官達に対して「治療させろ」と言うわけにも行き辛い。
「……火はちょっぴり不味いよね」
そう簡単には燃えないようにしてあるし、燃えても自己再生するとは言え、
結局は番傘なので強い火は苦手だ。
火炎瓶の一つが近くに着弾して番傘の端が焦げたことで、危機を実感しつつ。
「ファイブかクロナが来てくれるまでは、踏ん張るよ……。
あの子らのほうが、普通に僕より強いしな」
番傘に染み込んだ弾き返しの魔術を拡張し、防御力を引き上げる。
火への耐久力は大差無いが、それでも多少はマシ。
部下が来るのを期待しながら、急ぎの治療を進める。
- 813 :ロージェンス:2011/04/03(日) 22:52:58 ID:1sJsd2CgO
- >>808
地獄の中には災いを振り撒くフード付きの男がいた。
それと対峙するニット帽の男……あいつ、何処かで?
「イヤ。それはともかく……」
ジャリッ、とピアスを鳴らす。
それだけで一挙に現れた多数の拳銃。どれも獅子の彫刻が施されたそれの弾倉を取り出し、9mmを詰め直す。
……彼女が記憶喪失とは信じられないほど手慣れた様子で詰めていく。
「どっちも男だし、どっちからも嫌われてみたいなァ……。
フード付きのほうが激しそうだから、ソッチにするかなぁ。んでも、ニット帽のほうもネチっこさそうで……」
なにやらワケわからない独り言を呟いた後……。
「――よし、フードにしよう」
幾つかの弾倉を腰に巻き、拳銃をフード付きの男へ発砲しつつ鎖をガチガチ鳴らして疾駆する。
- 814 :アシュレイ:2011/04/03(日) 22:58:28 ID:mPPuwk.A0
- >>808
<保護目標を確認>
アシュレイは右のガトリングを躊躇いもなく投げ捨てると、制服の懐から拳銃を抜いた。
この距離で、拳銃を正確に当てるのは非情に難しい。
――人間ならば。
小さな発砲音を伴った光弾は、暴徒の頭、左側を削って抜けていった。
幸運なことに、アシュレイは人間ではなかった。
射撃戦に特化した各種センサーは、拳銃での狙撃という離れ業をこなすのに最適だった。
- 815 :名も無き異能都市住民:2011/04/03(日) 23:06:04 ID:SSMHlh/20
- >>811
テルメスをフードの青年が見据える。
マズい、相手は気づいていたのだ。
無理もない、逃げだすか、その場で腰を抜かし
死ぬのを待つ群衆の中を一人、こちらに向けて走ってくるのだから。
青年の口の端が釣りあがると同時に、
彼の周囲に炎のヴェールが出現。このままテルメスが突っ込めば
それに巻き込まれてしまう。
>>812
撃たれた警官はまだ意識が戻らない。
確かにこれでは逃げるのは無理だ。
『こちら中央06!中央06!本部聞こえるか!
我々だけではこれ以上持たない!!どうにかしてくれ!」
別の警官が、無線機へ向けて怒鳴る声が聞こえる。
ジリジリと押され始めているらしい……。ここも長くは持たない。
>>813
ニット帽の男――テルメスがフード男に殴りかかろうとした瞬間、
すさまじい勢いで火柱が上り、ヴェールのように彼を包み込んだ。
あれなら、視界が悪くロージェンスの姿は確認できないはず。
容易に近くまで接近できるはずだ。
>>814
「べっ――」
男はマヌケな断末魔と共に、後ろにのけぞり倒れる。
それと同時に、少年も解放され地面に投げ出された。
「あ、ありが……ありがと……。」
震えながら、礼を言う少年。
どうやら、恐怖のあまりそこから動けないらしい。
近くでは、なにやら新たな敵が現れたようだ。
ここに放置するのは危険すぎる。
- 816 :鳶貴 / 変異体:2011/04/03(日) 23:08:31 ID:DOElDTKU0
- >>809
肉を焼かれながらも笑っていた。
暴徒達の異様な光景に、真っ黒な球状の顔に描かれた目を細くする。
「何やら様子がおかしいな。洗脳か?あるいは異法を用いた昂揚か?
…ククククク!考えるだけ無駄だ、まとめて消してやろう…!」
燃える死骸の中で両腕を広げ笑う、鎧の怪物。
そして辺りに張り巡らされた索敵の術が反応を示す。
確認した気配は四つ。
>>814火薬の臭いを撒き散らす者と先程の狂人の類、それに小さな反応。
そしてもう一つ。
「―――地中か。」
地が砕かれ揺れる。
突如として現れた人丈程もある巨大な人の手。
そしてその掌に吸い込まれて掴まれてしまう。
暗い銀色の鎧を拘束している巨大な手中の中から、赤い光が差し込む。
その明りは先程に暴徒を焼き払ったその時よりも輝きを増していた。
「邪魔を…してくれるなよッ!!」
怒りの声を張り上げた矢先、自らを中心として周囲を巻き込んだ爆発が起こった。
掌の中で光を放つ、その異変に気付かなければたちまちに焼かれてしまうだろう。
- 817 :佐宗スグル&Fe-105(イツカ):2011/04/03(日) 23:15:53 ID:onviSg/.0
- >>815
グル「治癒が進んでるってことは、魂の切れ端だけでも残ってるはずなんだがなあ……」
傷はほぼ治ったが、ニヤケ顔は不安げだ。
警官の魂を信じるしかない。
そして、戦況はかなり不利らしい。
この警官を安全な所へ移動させてから、戦線へ加わろう……と思ったところで。
ツカ「ボクが来たよ、兄さあああああああああんっ!」
ギアスのナイトメアよろしく、後方から凄い勢いで一人の少女が突進してきた。
半袖短パンの少女の手には、不釣り合いに長く重そうな剣。
グル「久し振り、ファイブ! 頼む、敵を蹴散らして……」
ツカ「ファイブじゃ無くてイツカだよ! そして言われなくてもボクが引き受けた!」
グル「イツ……カ……?」
ぽけーっとしているスグルの横をランドスピナで走り抜け、暴徒へ迫る少女。
そのまま暴徒を真っ二つにせんと剣を振り抜く。
- 818 :テルメス/ニット帽の男:2011/04/03(日) 23:20:57 ID:LIzoKx..0
- >>815
「なっ!?」
突然こちらを見たフードの男に、驚いた瞬間。
テルメスの視界は炎のオレンジに支配された。
「っ……!やるしかない……!」
突然、テルメスの体が鱗に覆われ、
そのまま炎に飛び込んだ。
そして、そのまま炎を突き破り、
その中から、灰色の怪人が現れる。
「うおおおおお!!!」
全身は灰色の鎧にも見える甲殻で覆われている。
両手首に鋸上の刃を持ち、下顎が二つに割れて湾曲した牙が突き出していた。
怪人は、右腕の刃をフードの男に振り下ろした。
- 819 :名も無き異能都市住民:2011/04/03(日) 23:23:12 ID:SSMHlh/20
- >>816
鳶貴が放った爆発によって、
彼を握りつぶさんとした掌が爆散。
砕けた骨に焼けた筋が付着するだけのグロテスクな代物にその姿を変えた。
「ヴォォオオアア゛ア゛ァアァア゛アッッ!!!!」
地底から響くおぞましい怒声。
それと共に、勢いよく飛び出すのは青白い肌をした巨人であった。
鳶貴によって片手を失ったヤツは痛みを紛らわすかのように、
腕を振り回し暴れまわっている。
>>817
イツカと名乗った少女は、
弾幕の中を疾走し、暴徒の集団に肉薄。
その勢いのまま、横に薙がれた剣によって3人の暴徒が息絶えた。
「う……。」
それと同時に、警官が短く呻く。
彼の魂は、ちゃんと体に舞い戻ったのだ。
- 820 :アシュレイ:2011/04/03(日) 23:26:10 ID:mPPuwk.A0
- >>815
「あちらへ。ラジオによると警察がバリケードを築いているそうです」
背後、細い路地を指し示す。
「私もこの近辺を掃除したら向かいますので――」
アシュレイは投げ捨てたガトリングを拾い、構え直した。
「後ろを見ずに走ること。いいですね?」
- 821 :ロージェンス:2011/04/03(日) 23:29:07 ID:1sJsd2CgO
- >>815
「へぇ……、私は無視して野郎同士で闘りあっちゃうワケ
――ちょっと、妬いちゃうなぁァァァッ!?」
――ダンダンダンッ!
発火能力者の後ろを捉えるように接近しつつ多数の発砲。
しかし、走りながらでは射軸がブレて能力者に向かう弾はその一部。
(なんだ……、この感覚)
一発毎に地面に垂れる両端から発砲の衝撃を吐き出す鎖のせいで、軸の揺れる身体だが。
――トン、トン、トン。
右へ左へとステップを踏みつつ制動していくことで
走りながらでも徐々に狙いが安定していく。
- 822 :Fe-105(イツカ)&佐宗スグル:2011/04/03(日) 23:36:48 ID:onviSg/.0
- >>819
グル「おかえり、警官さん。戦える? それとも休む?」
にっこりニヤケるという難易度の高い表情を採りながら、スグルが声を掛ける。
ひとまず一安心か。
スグルは立ち上がり、早くも3人撃破したイツカにも声を掛ける。
グル「あんまり無理するな、ファイ……じゃない、イツカ!
君は『女の子』なんだからな?」
自慢げな笑みを浮かべつつ、剣の血を振り払いながら、一旦暴徒から距離を取るイツカ。
飛び交う銃弾をいくつか受けているようだが、気にする様子は殆ど無い。
「女の子」どころか、「人」の気配も薄い……そんな少女だ。
ツカ「安心してよ、兄さん! ぜーーーんぶボクが叩くから!」
グル「全然分かってない……」
そして、イツカは再び暴徒へ突進。
見た目よりずっと重たい(501kgの)タックルで集団を蹴散らそうとする。
- 823 :鳶貴 / 変異体:2011/04/03(日) 23:39:35 ID:DOElDTKU0
- >>819
黒と赤の肉片が所々に飛散する。
肩や腹部に付着した『汚れ』を払いながら、異様に低い男の声でケタケタと笑う。
「おやおや、そんなに痛くしてしまったかね?
この程度で赤子のように喚くとは―――」
鋭利な返しの付いた刃先のような指を刺して挑発している。
案の定、その声ははすぐに巨人の怒号によって掻き消されてしまうのだが。
「―――赤子のような可愛げは無いな。耳障りだ。」
再びその手を暴れる青白い巨人に向け、術式の展開による魔力の明りを灯す。
だが今度は黄色いような更に眩しい光に変っていた。
どうやらまた何か魔術を放つ気のようだ。
- 824 :名も無き異能都市住民:2011/04/03(日) 23:41:55 ID:SSMHlh/20
- >>818
テルメスの腕についた刃は、
突撃する彼の勢いを得て、異様な唸りと共に男の頭上に落下した。
彼はとっさに腕を頭上に掲げ、
それを受け止めようとしたが火炎のヴェールで視界が悪くなった事が災いし
右腕のひじから先を切断される。
「いでええよおおあああああっひゃぁああぁあぁっ!!!!」
しかし、それでも青年は笑いながら
左手をテルメスへ向ける。
この至近距離であの巨大な火球を放つつもりなのか。
>>820
『う、うんっ……。』
少年は、ゆっくりと走り出す。
が、その姿が液体に呑まれ、消えた。
「あアアアアああぶなぁああぁあいいィ……イヒッ!!!
なあ、お嬢ちゃん……ヒヒィッ……欲求不満なのか。なあ。フヒョッ!!」
たしかに、頭部に銃弾を命中させたはずの男が立っていた。
彼は、能力者だったのだ。
体は、一部が液状化しそれが触れた部分が
シュウシュウと音を立て、溶けている。
「心理学のセンセー曰く銃ってのは男の象徴なんだろう?
そんなドデカいの……ヒヒッもってよお。なあ。」
弾丸が当たる瞬間、この能力を使って防御したのだろう。
>>821
「ブッ……!!!!」
テルメスに向け、火球を放とうとした瞬間
ロージェンスの放った弾丸の一発が、青年の頚部を捉えた。
力を失ったやつの体が、ぐらりと揺れる。
笑い声を上げることもなく、彼は倒れ――いや、倒れない!
何がヤツをそこまでさせるのか。
ほぼ死に体の体勢から足を踏み出して建て直し、
再び炎を放とうとしている!
- 825 :名も無き異能都市住民:2011/04/03(日) 23:50:11 ID:SSMHlh/20
- >>822
「す、すまん……何かは分からんが、
君が治してくれたのか……残念だが、まだ体が……。」
警官のダメージは予想以上に深く、まだ動けそうにない。
頼みの綱は、前線へとひとり突撃したイツカ。
「ギァッ!」
イツカのタックルを受けた男が
短く呻いて吹き飛び、消火栓を吹き飛ばした。
しかし、さすがに集団に一人で突っ込んだのは少し無謀だったかもしれない。
タックル後の隙を囲まれ、5人の暴徒が一斉に工具やブロックなどの鈍器を振り下ろした。
>>823
「オォオオォオッ!!!」
光で、鳶貴の位置に気づいた巨人は
すぐ脇に横転していた市営バスを『両手で掴み』力任せに
投げつけてきた。
――さきほど、吹き飛ばしてやったはずの片手がもう再生している。
巨体に見合った怪力と、高い再生能力。
中々に厄介な相手だ……。
- 826 :ロージェンス:2011/04/04(月) 00:01:34 ID:1sJsd2CgO
- >>824
「チッ……、狂ってやがる」
頚に弾を喰らってなお火球を放とうとしている。
『敵意』はある程度感じるのだが、なんというか稀薄だ。いや、指向性を持たないと言うべきか?
そこで、炎のヴェールから出てきた“灰色の異形”に気が付く。
その姿は一目で言えば、異様。
灰色の甲殻に包まれた辛うじてヒト――いや、やはり異形。
(くっ、こんなやつも――!?)
その異形の正体は知らない。
しかし、どのみち近くに居ると危ない!
ロージェンスは能力者に対する追撃を止め、その場から距離を取るために走る。
爆炎、爆風が何処までくるか分からない、だからとにかくここから遠くを目指して。
- 827 :アシュレイ:2011/04/04(月) 00:04:45 ID:mPPuwk.A0
- >>824
「能力者!」
アシュレイの顔に緊張が走る。
「成程……今回の騒動、根本がきな臭くなりましたね」
今まで制服姿だったアシュレイの身体中に、黒っぽい金属粒子が舞い始めた。
それは徐々に彼女の身体を包み、黒金の装甲と成っていく。
「何か企みがあるようですが……とりあえず今はそんなことどうでも良いですね」
再び、両の得物が回転を始める。
「今は命のやりとりの時間。そうでしょう?」
- 828 :テルメス/ニット帽の男:2011/04/04(月) 00:05:31 ID:LIzoKx..0
- >>824
「こいつっ!」
男の左手も叩ききろうと、再び腕を振り上げようとしたとき、
発砲音がして男が倒れがかった。
「なんだ!?」
後ろを振り返り、ロージェンスを見た。
「あいつは……!
……はっ……!」
そこで、背後の気配に気づいた。
奴はまだ生きている。
ローブの男に振り向くと同時に、腕の刃で胴体を狙って切りつける
- 829 :Fe-105(イツカ)&佐宗スグル:2011/04/04(月) 00:05:53 ID:onviSg/.0
- >>825
グル「僕ちんの細腕じゃ担いで行くのは厳しいな……。
よし、もう少し此処に居ようか」
スグルは左手で治療を続けつつ、右手で番傘を閉じる。
そしてそれをブンブン振って小さな炎弾を連射し、飛んで来る弾丸やら火炎瓶やらを迎撃する。
ツカ「よっしゃ……って、ちょっと不味いかも?」
一方のイツカはピンチの模様。
体勢を低くし、左手でガードの体勢を採る、が。
ブロックが一つ、イツカの頭にクリーンヒットした。
ツカ「あっ……が、い、だ、う、ぎ」
呻き、よろめくイツカ。
頭蓋骨に当たる部分にヒビが入り、皮膚が裂けて流血し始めた、しかし。
ツカ「……えん、ざ、ん。演算に支障無し。まだまだこれからだっ!」
キイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン。
長く甲高い機械音が、イツカの周囲に響き渡る。
そして足をしっかり踏ん張らせ、右手一本で剣を振り抜き、自分を囲む暴徒を叩き飛ばそうとする。
- 830 :鳶貴 / 変異体:2011/04/04(月) 00:14:55 ID:DOElDTKU0
- >>825
周囲にまだ残っている建物と並ぶような大きさの巨体。
何十トン程もある大型の車両を、まるでオモチャのように軽々と投げ飛ばす身体能力。
「極めつけに再生能力(リジェネレート)か?忌々しい!」
人の形をしているが、互いに人間と呼ぶには程遠い存在であった。
投げつけられたバスに向けて、魔方陣の光が揺らめき指先から閃光が放たれる。
エネルギーの弾丸のような閃光はバスのタンク部分を射抜き
両者の中間あたりの距離で爆発を引き起こす。
ガシャァン!
金属が叩きつけられる音。
爆風で背後の壁に打ちつけられた鎧の怪物は、顔を僅かに歪ませながらも
今度は両腕を突き出している。
「…来るなら来い。そっくり返してやろう。」
意味深げな言葉を放ち、口元を引きつらせ巨人の方に身体を向けた。
再度行われる投擲に対して何か策を思いついたようだ。
- 831 :名も無き異能都市住民:2011/04/04(月) 00:21:56 ID:SSMHlh/20
- >>826-828
青年が最後ににぃ、と笑顔を浮かべた。
それと同時に――
――ズッ――バグオォオオォッッ!!!!!!
彼の体が膨れ上がり、爆音と共に爆ぜ
周囲に一層巨大な炎と猛烈な爆風を振りまく。
死を覚悟した彼は、最後に周囲を巻き込んで自爆を行なったのだ。
ロージェンスの指向性を持たない敵意という推測は正しい。
彼らは『標的』はどうでもいいのだ。破壊することさえ出来れば。
>>827
「フヒョォオオォッ!!!もう我慢できねェッ!イッちまいそうだ!!!」
不健康なほど痩せた男の体が、完全に液状化し
ジュウジュウと物が溶ける音を響かせながら、飛び掛ってきた。
「フヒャホッ!!!フヒィィィイッ!!!!」
どうやら、あれは強力な酸に近いものらしい。
まともに喰らえば、先ほどの少年のように……。
>>829
「殺してやるぅううバッ!!!」
トドメの一撃、とばかりに再び武器を振りかぶった暴徒たちを、
イツカの剣がまとめて切り裂いた。
『周辺を確保しろ!まだ敵が残っているかも知れん!!』
警官隊が、負傷者の本格的な手当てに当たり始める。
この場にいた無数の暴徒は、壊滅した。
>>830
巨人は、投擲が効果を発したのを見て味をしめたのか
今度は、横転した乗用車を片手で一つづつ掴み、一斉に投げつけてきた。
バスよりも車体が軽い分、スピードが早い。
鳶貴の対抗手段とは一体……?
- 832 :Fe-105(イツカ)&佐宗スグル:2011/04/04(月) 00:34:29 ID:onviSg/.0
- >>831
グル「アホイツカ! 無理っつーか、無茶じゃないか……。
早く一回戻って来なさい!」
相変わらずのニヤケ顔で、怒った声を飛ばすスグル。
『こっち』はとりあえず落ち着いてきたようだから、彼も手当てを手伝おうと思ったのだ。
ツカ「ご、ごめんなさい、兄さん。頭割れちゃった」
グル「ああ、もう。ちゃちゃっと直しちゃうからな」
スグルは番傘を再び開き、逆さにしてぐるぐる回す。
浮力を得て浮遊した番傘にイツカと警官を載せ、スグル達は一旦退却。
グル「死ぬほどヤバい怪我の奴は私の方に来てくれ!
応急処置だけならすぐ出来るよ!」
と、叫んだ。
- 833 :テルメス/ニット帽の男:2011/04/04(月) 00:35:22 ID:LIzoKx..0
- >>831
「っうあああっ!」
怪人は吹き飛ばされ、地面に打ち付けられる。
そのままゴロゴロと転がっていった。
「う、ううっ」
怪人からはシューシューと煙が立ち上り、
甲殻の一部が焦げたように黒く染まっていた。
「くそ……でも……倒したか……」
怪人の体が、鱗のようなものに包まれた。
鱗はそのまま剥がれ落ち、テルメスが怪人の中から現れた。
「くそっ、さっきのあいつは……いや、早く先に進もう……」
体中から煙を上げたままヨロヨロと立ち上がる。
- 834 :アシュレイ:2011/04/04(月) 00:42:53 ID:mPPuwk.A0
- >>831
「…………」
飛びかかってくる酸を、アシュレイは冷静に見ている。
あれを食らえば、超硬化ミスリルの装甲とて無事では済まない。
済まないが――
<クロノヴェール発動。時間密度大に設定>
もはや潰す程度では済まない密度の圧縮時間が、アシュレイを取り囲む。
- 835 :ロージェンス:2011/04/04(月) 00:46:15 ID:1sJsd2CgO
- >>831
――爆音。
ロージェンスは叫んだ声と共に吹き飛ばされ、瓦礫に激しく背を強打する。
爆風と衝突の衝撃を、腰に巻きつけた鎖が傍らに横たわる焼けた肉塊に乱暴に吐き出す。
ぐじょお、と嫌な音がした。
「――あ……ぇ、つっ……!」
頬が熱い、身体が痛い、出すものも無いのに吐き気だけが込み上げる。
ロージェンスはよろよろと立ち上がると、ふらつく身体を支えて物陰へと隠れる。
(……、ダメだ。もうこれは使えない)
ぐっしゃぐしゃになった拳銃を捨て、腰から同じタイプの拳銃を取り出す。
追加を魔導器から取り出そうとするが筐体が壊れて取り出せない。
この状態で積極的に戦線へ復帰するのは困難だろう、せめて死体にならないようにしなくては。
煤けた黒装束はその場で、辺りの様子を窺う。
- 836 :鳶貴 / 変異体:2011/04/04(月) 00:56:15 ID:DOElDTKU0
- >>831
魔方陣の中心には蝋に灯された火のような、銀色の幻想的な光が揺らめく。
その数は両の手を合わせて四つ。
この奇怪な怪物は攻撃の際、この様な合図が常に見受けられていた。
「………早い!」
突き出した腕の前方、すなわち鳶貴の正面の空間に亀裂が入る。
そして先の攻撃よりも早い速度で飛んでくる車両。
投げつけられた車の一つがヒビに到達する。
欠片飛び散り、あらわになる魔力で形成された『別次元の空間』。
巨人から見れば靄や霞が鳶貴の近くだけを覆っているようにしか思えないだろう。
そしてその中に、車が瞬く間にして次々と消えていくのだ。
鉄の塊が飛び交う中でその『空間』に触れない、鳶貴の正面ではなくその横や別の方に飛んでいく車は
そのまま後ろで地面に跳ね転げながら落ちていく。地と擦れ合う中で壊れたタイヤや部品があちこちにばら撒かれる。
「…言っただろう!ではプレゼントだ!」
青白い肌の怪物の頭上目掛けて手を掲げる。
同じ『空間』が真上に作り上げられたのだ。
そして投擲した時より失速してるものの、先程吸い込まれていった車の雨が降り注ぐ!
- 837 :名も無き異能都市住民:2011/04/04(月) 01:00:53 ID:SSMHlh/20
- >>832
「俺たちは何とか大丈夫だ。君たちは、
近くの公園に市民が避難しているからそこに向かってくれんか。」
頭をハンカチで押さえた年配の警官が、スグルたちに促す。
彼の話では、搬送が難しい重傷者を近くの公園に移送し、そこで治療しているらしい。
>>833
暴動は収束に向かっているらしく、
絶え間なく聞こえていた暴徒たちの絶叫や銃声がだいぶ小さくなってきた。
まだ、戦いの音が聞こえる方向へ向かえば敵の残党がいるはずだ。
>>834
クロノヴェール範囲内に飛び込んだ液体は、
全方位から凄まじい圧縮を受け、スローモーションのように
ゆっくりと地面に降下して行く。
「グ……ギッ……!!」
一瞬、男のうめき声が聞こえたが
そのまま液体は地面に染み込み、消えた。
>>835
周囲には死体が幾つか転がっている程度で、
あの怪人以外に動くものはない。
戦闘自体も収束に向かっているらしく、
銃声が聞こえる頻度も目に見えて減少した。
今なら、比較的安全に戦線離脱できるだろう。
可能なら、警官隊や救護班を探すのもいいかもしれない。
>>836
「ガファァアァァァァッッ!!!!」
頭上から降り注ぐ鉄塊。しかし、乗用車では重量が軽すぎ
高い際勢力を誇る敵に決定的なダメージを与えるに至らない。
――ピキッ!!
いや、脆くなった地盤がその衝撃で崩れた。
崩落した岩盤に巨体が飲まれる。
- 838 :Fe-105(イツカ)&佐宗スグル:2011/04/04(月) 01:13:18 ID:onviSg/.0
- >>837
グル「おう、把捉了解です。行くぞ、イツカ?」
ツカ「うん……ああ、なんかくらくらするよ」
グル「すぐマシになるさ。さあ、急ごう」
後頭部をさすり、血がべっとり付いた手を見て「うえっ」とか言っているイツカ。
そのイツカの頭のヒビにスグルは手を触れ、治癒魔術を掛ける。
するとすぐに流血は止まり、傷も塞がり始めた。
グル「おお……こりゃ大仕事になりそうだ」
そして公園へ到着。
かなり命が危険そうな怪我人から順番に、×秒(1/3レス)に1人のペースで素早く応急処置を進める。
魔力と体力の消費が凄いが、仕方が無い。
それが任務なのだから。
- 839 :ロージェンス:2011/04/04(月) 01:15:49 ID:1sJsd2CgO
- >>837
(……へぇ。もう、ほとんど片付いてきちゃったのね……)
なら、後は安全な場所まで逃げるだけ。そもそも暴れに来ただけだし、鎮圧作戦に興味はない。
幸運にも擦り傷くらいで特に目立った外傷は無いし、爆発での火傷も軽微だ。
しかし、打ち身が酷い。
マトモに動けない状態で残党に出会したら面倒だ。
「……でも、救護班に捕まるってのも、なぁんか癪だわ」
素直に救助されれば良いのに、あえて救護班の来なさそうな見通しの悪い路地を探す。
痛む身体を引きずるようにしてロージェンスはゆっくりと路地を歩く。
- 840 :アシュレイ:2011/04/04(月) 01:18:08 ID:mPPuwk.A0
- >>837
「目標沈黙……。警察のバリケードがまだ機能してると良いのですが」
機能していれば、火力支援に回ることが出来る。
元来、彼女はそういう火力にものを言わせる「仕事」に長けている。
「向かいましょう」
アシュレイは脚部のスラスターを吹かすと、路地から大通りに出た。
- 841 :テルメス/ニット帽の男:2011/04/04(月) 01:21:20 ID:LIzoKx..0
- >>837
男は道を曲がり、戦場からの離脱を試みる。
「っと、これ貰っとくか……」
しかし、あまり軽症でもないため、
暴徒に殺されたと見られる警察だか自警団だかから拳銃を拝借する。
弾丸は十分とはいえないが、二丁手に入った。
「弾入ってるかな……よし。
今度から怪人態にならなくて済むようにこういうの持っておこうかな……」
ぶつぶつと呟きながら歩いていく。
「怪人がわざわざ人間態で銃持ってるってのも情けないよな。
まあ、人間として暮らしてるんだし、それぐらい……」
- 842 :鳶貴 / 変異体:2011/04/04(月) 01:30:19 ID:DOElDTKU0
- >>837
「……4つも作動させるのは出力テスト以来の試みだったが…。
全て同系統に組み込み安定させた分、何とか上手くいったようだ…。」
辺りで半壊した車の中を踏み分けながら巨人の方へ歩み寄る。
空間から逸れて通り過ぎて壊れた車の部品がこちらの方にも飛んできたらしく
鎧の所々が歪に折れ曲がっていたり、へこむ等して変形していた。
「流石に車だけではそこまでダメージを与えられなかったか…受けたとしても再生しているか。」
手の甲に描かれた陣形に魔力を送り術式を組み込む。
再びその手を輝かせたが、今度は黒色に光る半透明の煙がその周りを覆っていた。
「どれ、先程のようにまた地面から飛び出されても困る。『駄目押し』というやつだ」
腕をしならせ、再び頭上に手あげる。
辺りの車数台や瓦礫が集まっていき、見る見るうちにその形を剣へと変えて巨人目掛けて落ちた。
- 843 :名も無き異能都市住民:2011/04/04(月) 01:35:18 ID:SSMHlh/20
- >>838
公園のあちこちに重傷者が寝かされ、治療を受けている。
続々と救護班も到着しており、優れた治癒能力を持つスグルの活躍があれば
多数の人々が命を取り留めるだろう。
>>839
この路地は偶然にも行きに通った場所と同じ路地だ。
ここには暴徒は来なかったらしく、破壊の跡はない。
「おお、主よ感謝いたします!感謝いたします!」
高齢の浮浪者は、やはりあの場所にいて壊れたように同じ言葉を呟いていた。
このまま、路地を辿っていけば、安全な区域に抜けられるはず。
>>840
警官隊がバリケードを築いて封鎖を行なっていた
箇所は、かなりの激戦区だったらしく無数の死体が転がっており、
分隊支援火器のような大型の銃器を握ったまま息絶えた暴徒の姿もも見える。
警官隊は負傷者は多いものの、どうにかここを守り抜いたらしく
負傷者の手当てや、周辺の捜索を行なっているようだ。
>>841
上空で警察のヘリが飛んでいるのが見える。
しかし、もう銃声が聞こえないことから戦闘は完全に収束したと見ていいだろう。
犠牲は多かったが都市の脅威は撃退された。
>>842
――――ドガァアアァアッッ
轟音と共に、瓦礫の剣が墓標のように地面に突き刺さる。
しかし、妙だ。あれだけうるさく叫びまわっていた巨人の事。
断末魔の叫びくらいありそうなものだが、敵の反応がない。
――巨人の姿は、そこになかった。
崩落し、下水道に落ちたヤツはこの下水道を使い
どこかへと逃げ去ってしまったのだ。
とにかく、敵は去った事に変わりない。
- 844 :名も無き異能都市住民:2011/04/04(月) 01:38:24 ID:SSMHlh/20
-
暴動鎮圧作戦――成功。
・市民の被害
負傷者478名、死者57名。
・警官隊および治安隊の被害
負傷者263名、死者19名。
・暴徒側の損害
死者72名、逃走6名
- 845 :テルメス/ニット帽の男:2011/04/04(月) 01:53:29 ID:LIzoKx..0
- >>843
男は物音がする度に銃を向ける。
そしてただのガレキが崩れた音だと安堵する。
「そろそろ銃声も無くなってきた、なんとか帰れるかな」
男は拳銃を懐に入れる。
そのまま持ち帰るつもりのようだ。
「ヘリうるさいなー……」
男はぶつぶつ言いながら歩き続け、被害のあった一帯から脱出した。
- 846 :鳶貴 / 変異体:2011/04/04(月) 01:58:18 ID:DOElDTKU0
- >>843
小気味よい肉に刃が差し込まれる音が聞こえない。
それもその筈、既に怪物の"気配"は遠くの方へと移動していた。
現れた時と同じように地中を伝う方法で。
恐らくは崩落した際にできた地下の何らかの施設を利用しているのだろう。
「………逃したか?クソッ…。」
悔しさのあまりか、屈んで地面を殴りつける。
「まぁ、いい…。それなりの成果とデータは出せた。
これで少しは俺の処遇を考えるはず……!」
一先ずこの危機が去った、そう改めて認識する。
しかし今回の一件で都市の被害はかなりのものだろう。
犠牲者も多くでたはずだ、更にこういった勢力への警戒は増すと思われる。
「そうなると動き辛くなるか…?
…第一に、奴等は何物だ?能力を持たぬ暴徒にしたって何かがおかしかった…。」
一段落ついたことで、落ち着いて周りの物事を考えている。
「…まぁいい、今は―――」
近くで倒れている、逃げ遅れた瀕死の市民を見つけると嬉々とした表情で近寄っていく。
そして虫の息で恐怖に引きつった顔を大きな手で鷲掴みにすると
残り僅かな「生命」のエネルギーを抽出して、妖しい光を放つ赤石を作り手の中で砕く。
破壊された鉱石は砂の様に崩れて風に運ばれる。
怪物は騒動鎮圧の為だけに訪れた協力者では、なかったのだった。
- 847 :Fe-105(イツカ)&佐宗スグル:2011/04/04(月) 01:58:25 ID:onviSg/.0
- >>843
グル「……ああ。人助けなんかするから、ジン達は俺を「ヌルい」って言うんだろうな」
ツカ「あんな変なお兄さんの評価なんて気にしちゃダメだよ、兄さん?」
グル「……そうだけどさあ」
愚痴りつつ応急処置を進めるスグル。
魂さえあるならば、魔力と時間を掛けることでどんな「物理的な怪我」でも治せる。
それが研究者的に良い魔術なのか悪い魔術なのか、何となく彼には分からなかった。
そんなこんなで時は過ぎ、魔力はほぼ尽きる。
重傷者も殆ど片付いたようなので、スグルはイツカと共に郊外の借家へ帰ることにしたのだった。
- 848 :ロージェンス:2011/04/04(月) 01:58:53 ID:1sJsd2CgO
- >>843
「……、……」
立ち止まった。
そして同じ事を繰り返す爺さんに銃口を向ける。
ありもしない偶像にただひたすら助けを乞い、感謝する姿が馬鹿馬鹿しい。
それで救われるなら私の無くなった記憶もさっさと戻して欲しいもんだ……でも、アリエナイ。
いくら乞いても得られない、いくら頼んでも叶わない、感謝を食って不幸を吐き出す偶像になんの意味がある?
……。
しばらく考えて銃を仕舞い、ため息を吐くと
――ガスッ
老人のこめかみに蹴りを入れて立ち去っていく。
- 849 :アシュレイ:2011/04/04(月) 02:08:25 ID:mPPuwk.A0
- >>843
「既に無力化されていましたか……しかし」
アシュレイは黒煙の漂う空を見上げる。
「原因のよくわからない騒動でしたね……まあ、事の外郭に居たわけですし、無理もないですが……」
辺りには死者の匂いと負傷者のうめき声に混じって、狂気の残り香が漂っている。
しかし、人ならざるアシュレイにはその残り香を感じる感覚はなく、武装を解除し、その場を去るまで、それに気付くことは無かった。
- 850 :怪人イベント/吹雪と暗殺者:2011/04/04(月) 21:04:29 ID:LIzoKx..0
- 異能都市は吹雪いていた。
ただの吹雪ではない。
ビル街のある限定された地区に、超局地的な猛吹雪が起こっている。
周囲のビルは殆ど吹雪の被害に会い、風圧と氷結で扉を開け閉めするだけでも一苦労だ。
その中のあるデパートが入ったビルの屋上で、棘だらけの緑色の怪人、ダーネスが胡坐をかいていた。
「あーあ、流石に寒いな、こりゃ」
まったく寒そうな素振りを見せずに真っ白なため息をつく。
なぜ彼がこのような場所でボーっとしているかというと、
それはやはりこの吹雪がスケイルの怪人の仕業だということに他ならない。
とは言え、ダーネスの仕業でも無い。
吹雪の主は、ダーネスの視線の先にいた。
ダーネスが見つめる吹雪の先には、ビルの5階程度の巨大な影が見える。
吹雪のせいでそれは巨大な人型だということしかわからないが、
ゆっくりと進行しつつ、時折ビルにぶつかっては体勢を立て直す。
「しかし、こいつかなり強力だけどのろまだな」
ダーネスは視線を巨人の足元に下ろす。
観測局や自警団、警察などが壊れたビルからの一般人の救助を行っていたが、
吹雪のせいかあまり順調ではない。
「ベイのやつも俺に押し付けてなんか研究してるし、
アイルも復活したとたんどっかいっちまったしな……。
能力者の奴ら、早くこねぇかな。
来てもやること無えんだけど……いや、ちょっとぐらい暴れてもいいよな」
【ダーネスを狙うのも、巨人を狙うの、逃げ惑うのも自由です。
ただしダーネスとの戦闘は吹雪により困難で、強制的に巨人との戦闘に持ち込まれる場合もあります】
- 851 :黒沢小百合:2011/04/04(月) 21:17:06 ID:SSMHlh/20
- >>850
「次から次へと!
まったく、ここまで集中されては……!」
大規模な暴動がおきたかと思えば今日はこれだ。
昨日は、出張で出払っていたため出撃できなかったが今日こそはと
決意を固めた小百合が、ビル街の異変の中に足を踏み入れた。
- 852 :怪人イベント/吹雪と暗殺者:2011/04/04(月) 21:28:33 ID:LIzoKx..0
- >>851
ビル街には猛吹雪が吹き荒れ、視界はあまり良好とは言いがたい。
唯一はっきりと見えるのは、ビルの陰と、それと同じぐらいの中心部の巨人の影。
「あの女……」
ビルの上からダーネスは小百合を見つける。
「おいおい、いきなり上物じゃないか。
よし、デカブツ、まずはあいつを踏み潰してみろ」
―ウオオオオォォォォ……
遠吠えにも似た唸り声が、巨人から発せられる。
同時に巨人が進行方向を変え小百合の方に歩いてきた。
灰色の毛むくじゃらの足が露になっていく。
一歩進むごとにズシン、ズシンと地鳴りがする。
また、小百合に近づくにつれて吹雪も強力になっていく。
しかしながら巨人の動きは遅く、落ち着いて避ければ踏み潰されることはまず無いだろう。
- 853 :黒沢小百合:2011/04/04(月) 21:39:49 ID:SSMHlh/20
- >>852
「この猛吹雪の中、ビル街でヘリは飛ばしにくいな……。
地上戦力に頼るほかないか……。」
自分の周囲に兵士を展開し、索敵。
熱源を感知するサーマルゴーグルのおかげで、
遠くからでも巨人を補足できた。
「やつの動きは遅い。距離をとっての射撃で対応する。
全隊、任意に射撃。後が厄介だ……あまり撃ち漏らすなよ。」
もはや勝ったも同然とばかりに、ある程度距離をとってから
歩兵銃および自走砲で攻撃を加える。
あのスピードなら移動→射撃の繰り返しで安全に殲滅できると踏んだ。
- 854 :Fe-107(クロナ):2011/04/04(月) 21:41:04 ID:onviSg/.0
- >>850
「迷惑ですね。ええ、非常に迷惑です」
無表情に、しかし何処かイラついたようにメイド服の少女は言う。
怪人や巨人とは違った意味で、彼女には「人間らしさ」が薄い。
「こういう環境に有利そうなイツカさんは治療中。
その治療を進める息子様はそもそも基本的に役立たず。
どちらかが来ることにゴマ塩ほど期待しつつ、『撤去』しますか」
『箱庭』での雪男戦で「息子様」こと佐宗スグルがそれなりに頑張ったことを、彼女は知らない。
目の前の強烈な吹雪に、眉を少しピクリと動かす。
そして袖から艶のある黒い剣を取り出し、吹雪の真ん中へ歩き出した。
- 855 :怪人イベント/吹雪と暗殺者:2011/04/04(月) 21:53:53 ID:LIzoKx..0
- //最後のは全体攻撃になります
>>853
サーマルゴーグルによって確認できるだろうか。
青白く、体温が低い巨人の、唯一他よりも熱を持った部分。
腹に取り付けられたベルトのような器官には、Xを二つ重ねたような、怪人達の紋章が刻まれていた。
また、運がよければ、ビルの屋上にサーマルゴーグル越しで真っ赤に染まったダーネスも確認できるかもしれない。
―オオオォォォン……
巨人が唸り声を上げる。
巨人の分厚い毛皮に跳ね返され、地面に落ちる弾丸もあれば、
そのまま毛皮を通り抜ける弾丸もある。
地道だが、確実にダメージは通っているだろう。
>>854
「……んー……。
倒されるのが目的とはいえ、これは相手が余裕過ぎるだろ……。
しかも、なんかまた能力者っぽい奴が来てるな。
よし!」
ダーネスは立ち上がる。
「デカブツ、一発かましてやれ!」
――オオオォォォン……
巨人が両腕を上に上げた。
同時に、吹雪の向きが変わった。
まるで上昇気流のように、上に向かって吹き抜ける吹雪。
巨人の周囲に雪が集まり、巨大な氷塊をいくつも作り出した。
「落とせっ」
巨人が両腕を振り下ろすと同時に、全ての氷解が地面に落ちていく。
さらに氷塊のいくつかはビルにぶつかり、氷塊に加えてガレキも落下する。
- 856 :黒沢小百合:2011/04/04(月) 22:01:38 ID:SSMHlh/20
- >>855
「ふん、多少の遠距離攻撃手段は持っているようだが
あの程度ではスグにカタがつくか。」
轟音と共に、氷塊と瓦礫が兵士に降り注ぐ。
しかし、何分兵士の数は多く壊滅には到底至らない。
そして、肝心の小百合は『地下』に退避していた。
地下鉄の入り口から、地下に入り攻撃を回避したのだ。
よほどの突破力がない限り、彼女本体の攻撃は難しい。
- 857 :Fe-107(クロナ):2011/04/04(月) 22:04:16 ID:onviSg/.0
- >>855
「大規模物理攻撃です……か」
氷のように冷たい目をして、しゅたたたたたたたたたたと少女は駆け出す。
降って来る氷塊を巧みにかわし、巨人の足元へ接近する、が。
「あっ……っと」
すぐ近くに着弾しそうな氷塊を避けようとしてふらついたところに、
別に降って来た瓦礫の一部が左肩を掠める。
しかし足は止めず、走る勢いで右手から黒い剣を鋭く投擲、巨人の足に突き刺させようとする。
- 858 :怪人イベント/吹雪と暗殺者:2011/04/04(月) 22:14:44 ID:LIzoKx..0
- >>856
「よしよしよーし……。
……あれ?あの女……どこ行った?」
ダーネスは辺りをキョロキョロと見渡し、
「畜生あのアマ逃げやがった!
いや、兵士が居るからにはまだ近くで見てるはずだ!」
流石に怪人と言えど、一度注意を外せばすぐに対象は見失ってしまうようだ。
ダーネスはビルから飛び降りる。
コンクリートを陥没させ、ダーネスは着地した。
「いいなデカブツ!お前はその兵士と能力者の相手をしてろ!」
そう巨人に言い残し、闘将自ら黒沢の捜索を開始した。
>>857
――オオオォォォンッ……
巨人の右足に、黒い剣が突き刺さった。
巨人は唸り声を上げてのけぞったが、
すぐに体をかがめて地面に巨大な手の平を叩きつける。
そしてそれをそのまま地面に滑らせ、
黒沢の兵を何人か巻き込みながらクロナに向かってくる。
まるで子供が砂遊びでもしてるかのように、コンクリートの地面が砕けながら迫る。
- 859 :黒沢小百合:2011/04/04(月) 22:21:34 ID:SSMHlh/20
- >>858
兵士たちは相変わらず、
距離を保ちつつ、巨人に対して砲撃を続けているが、
肝心の彼女の姿はない。
軍事車輌や航空機のような移動手段を具現化した様子はなかったし、
以前の戦闘で小百合本体の運動能力では、それほど遠くまで行けないことも
ダーネスには分かるだろう。
では、何処へ消えたのか。
彼が地下鉄の入り口を発見できれば……。
- 860 :Fe-107(クロナ):2011/04/04(月) 22:27:39 ID:onviSg/.0
- >>858
「やはり陸戦は……私は、苦手ですね」
巨人が怯んだところで急接近、剣を引き抜いて更に斬り掛かる
……という流れがクロナの頭にはあった。
そのための、剣の投擲。
が、思ったよりも機敏に次の攻撃に入られた。
通常の人の域を超えた跳躍力で迫る攻撃を飛び越えようとする……が。
「やっ、かい……で、す」
巻き込まれて飛んで来る兵が激突し、バランスを崩して地面に落ちる。
しかしすぐに立ち上がり、痛がる表情も見せていないが、明らかに少しふらふらしている。
「……不利です。何か、考えなくては」
投げた剣は、まだ取り返していない。
すなわち現在武器無し状態である。
策を練るにも、寒さのせいかどうにも頭が回らない。
ひとまずクロナはストレートの携帯を取り出し、スグルへ電話してみることにした。
隙だらけである。
- 861 :リューン=エンブリス:2011/04/04(月) 22:38:05 ID:d5zYOXU.0
- >>858
「最近は平穏な生活を送れていたけど。
やはり、そう簡単にはいかないみたいだね」
近隣の、怪人の位置からはやや離れた位置にあるビルから出てきたのは、
ベージュ色の長髪をポニーテールに纏めた、灰色の眼をした少女。
逃げる人々から1歩遅れて、買い物袋を片手に。
現在怪人の影響により吹雪いている地区よりは僅かに外れたところだが、
怪人の進行に伴いその移動経路に存在するビルに避難勧告が行われた――――といったところだろう。
「何処かの魔物でも流れてきた、のかなぁ。それとも、昨日の暴徒騒ぎの続き?
まぁ、何にせよ……近くで現れたんだし、逃げるわけにもいかない、よね」
逃げる人々とは反対。怪人の方へと歩を進め。
「取り敢えず、誰が戦ってるのか分からないけどこちらに意識は向いてないみたいだし……
先手、といこうか、な――――」
懐より、短杖を取り出して。
紡がれるは、初手にして牽制。怪人の意識を散らす為の術式。
『無数の小さな風の刃』が、不規則な軌道で怪人に向かい飛来する。
一つ一つは微少。故に巨大な怪人に対してはダメージを与えるには至らないだろうが、
毛皮に防がれ気にも止められない……ということのないように、刃は鋭く。
- 862 :ジル:2011/04/04(月) 22:38:38 ID:0ebeJXvA0
- >>858
「んー……何コレ超常現象?
……いや、人為的なものかな?」
吹雪の中、遠目に巨人を見上げて呟く。
食糧の買い出しに来ていたのだが、どうやら何事かが起きているようだ。
「……むふふー、見逃せないな」
口角を軽く吊り上げる。
好奇心(或いは野次馬根性)が強いジルはこのテの事件に目がないようで、バイクを具現化するとフルスロットルで雪男の近くへと向かっていった。
- 863 :怪人イベント/吹雪と暗殺者:2011/04/04(月) 22:45:22 ID:LIzoKx..0
- >>859
「ちっ、どこ行きやがった……。
飛行機やヘリなんかは吹雪で飛ばせ無いし、仮にやったとしても見えるだろ……。
やっぱ車で逃げたか――」
目に付いた兵士を殴り殺し、砲台があれば叩き壊す。
拳銃弾程度では傷一つ付かず、バルカンでえぐられても瞬時に回復する。
「……もしかして……」
ダーネスはふと思い出した場所に向かう。
「ここか……?」
他の幹部ならば、地下鉄なんて存在を知らなかったかもしれない。
しかしダーネスは、普段から街をうろつき、地下鉄も剣山の姿でよく利用していたのだった。
「ここだとしたら、絶対罠とかあるだろうな……爆弾系は勘弁してくれよ……?」
ダーネスは地下鉄に脚を踏み入れた。
>>860
――ズンッ、ズンッ
巨人が歩いてきた。
隙の塊となったクロナに手を伸ばし、掴みかかろうとする。
――が。
>>861
――オオオアアアァァァ……
風の刃が、巨人に突き刺さる。
巨人は唸り声を上げてビルに倒れた。
巨人にもたれかかられたビルは激しく揺れ、
コンクリートの塊を落とすが、ビルとしての形はかろうじて残した。
>>862
バイクで走ってきたジルが巨人に到達する直前、
リューンの攻撃によって巨人がビルに倒れこんだ。
その衝撃で、ビルの壁がコンクリートの塊となり、ジルに飛んでくる。
- 864 :ゆすら:2011/04/04(月) 22:50:59 ID:szdvlyFo0
- >>863
圧倒的な白と冷気が支配するビル群の中、吹雪に襲われる目を細めながら行く小さな人影がある。
特注品らしいサイズの巫女装束を身につけた、小さな少女だ。
ただしその緋袴は吹き付ける雪のせいで、赤と白のまだら模様になっている。
「……次の任地は厄介な場所と聞いてはいたがの。これほどとは思わなんだ」
彼女は懐から「超解! 異能都市タウンマップ」というタイトルの本を出し、ぺらりと開く。
「ふーむ……やはり」
遠くに見える巨大な影と、それに向けて発砲する兵士達の姿を順番に見てから、再び本に目を落とし、
「あんなのがいるとは、どこにも書いてないのう……」
少女は疲れた息を吐いた。
- 865 :黒沢小百合:2011/04/04(月) 22:55:39 ID:SSMHlh/20
- >>863
地上に展開している兵力は
数こそ多かったが、補充もされなかったため壊滅させる事は出来た。
しかし、それが逆に不気味を煽る。
地下鉄は既に避難が完了しているのか人影はなく、
ところどころに荷物などが打ち捨てられている。
「フン、やはり出てきたか。」
見つけた。あの女だ。
構内に一人、護衛もつけず立っている。
- 866 :Fe-107(クロナ)&電話(スグル):2011/04/04(月) 22:57:53 ID:onviSg/.0
- >>863
ロナ「も――し、も……しザー」
グル「クロ……ナ――かザー?ザーザーザー」
ロナ「……使ザーって、良――い?ザー」
グル「ザー――えっ?」
一応繋がった。が、雑音だらけで会話にならない。
そんなことをしている間に、巨人に捕まってしまう
……と思ったら、別の能力者のお陰で助かったようだ。
ロナ「……もう、いいです。独断で行きます」
電話を切ってポケットに仕舞い、左手で右腕を強く掴み、クロナは宣言する。
ロナ「私が私に命ずると私が言う。
コードネーム『Fe-107』の名のもとに、人工××――そう、『人工天使』として敵を撃破せよ」
そこそこのサイズのコンクリートの破片がクロナにも当たるが、しかし微動だにしない。
巨人がコケている今が変形のチャンス。
そして、クロナは自分の右腕を左手でへし折った。
- 867 :ジル:2011/04/04(月) 23:01:05 ID:0ebeJXvA0
- >>863
「うえっ!?」
視界の隅に映り込んだコンクリートの塊。
ジルは考えるよりも前にハンドルを切っていた。
「……ッ!!」
勿論雪道で急にハンドルを切れば無事では居られない。
ジルは盛大に滑る。見事に転ぶ。
運良く大怪我こそはしなかったものの、ジャージのあちこちが破れ、擦り傷を数カ所作ってしまった。
「……なろー、やったな」
ゆらり、と立ち上がる。
口元がヒクヒクしており、どうやらプッツンきてしまったご様子である。
「覚悟しなー……鉛玉ブチ込んだらぁぁああぁぁあああっ!!」
具現化したのはRPG-7。
ロケットランチャーが鉛玉と呼べるかは甚だ疑問であるが、ともかくジルは雄叫びとともにそれを巨人の顔面めがけ放った。
- 868 :リューン=エンブリス:2011/04/04(月) 23:03:58 ID:d5zYOXU.0
- >>863
「……おおお!?」
下手に怪人の方へと歩を進めていたせいで、崩れるコンクリートの一部が足下へと落下し、身を退く。
「危っない。当たったら……アレだね、確実に」
冷や汗を流しながら、そう呟いて。
やや離れた位置だったからか、特に高所にて崩れたものが降ってきていた。
落下に伴う大きな加速を受けたそれは、僅か数cm遠くまで風に流されていたら頭蓋を容易に砕いていただろう。
「……取り敢えず、ひとまずは倒れたみたいだけど。
これで終わり、じゃないよね……多分」
風の刃の現れた場所を見られていたのなら、自身の存在には気付かれているだろう。
それで、怪人が相対していた『何物か』と自分。意識は少なくともその2人には向かっている、と推測し。
数歩後退し、杖を構え直し――――怪人の様子を窺う。
- 869 :怪人イベント/吹雪と暗殺者:2011/04/04(月) 23:14:00 ID:LIzoKx..0
- >>864
突然、ゆすらの目の前が、暗黒に染まった。
まるで、全ての色が失われたように。
「ちょうどいいわ。
ダーネスを手伝いにきたらこんなところに獲物が居るなんて」
ゆすらの背後から、声がする。
吹雪の音は継続して聞こえており、雪の感触もそのままだ。
しかし、足音は無い。
あるのは気配と声。
そして、確かな敵意が何者かからゆすらに向けられている、
>>865
「久しぶりだな。
同僚に恵まれなかったらしくてな、俺一人とあのデカブツだけだ」
ダーネスは、黒沢の周囲に円を描くように駅内を歩く。
「困るんだよ。
お前ら能力者にはちゃんとあのデカブツを退治して貰わないと」
ジャキン、と音を立てて両腕の針が伸びた。
発射準備完了とでもいった感じに。
「さあ、外に出てデカブツと戦うか、ここで死ぬか選べ」
銃でも構えるかのように、針を黒沢に向けた。
>>866,867,868
――オオオォォォン……!
巨人がゆっくりと立ち上がる。
三人は気づけるだろうか。
巨人の体躯が、先ほどより縮んでいる。
ビルの5階ほどまであった体が、一階分ほど縮んでいるのだ。
しかし、それでも巨体には変わりは無い。
しかも、どういうわけか今までつけたはずの傷が全て回復している。
――ウオオオォォォンッ!!!
巨人が、再び叫び声を上げた。
吹雪が上昇気流のように舞い上がる。
そして巨人の周囲に再び無数の氷塊が現れた。
氷塊はさらに増え、巨人は氷解の雨を降らせる準備をしているようだ。
- 870 :怪人イベント/吹雪と暗殺者:2011/04/04(月) 23:16:20 ID:LIzoKx..0
- //申し訳ありません、一部訂正します
巨人が、再び叫び声を上げた。
吹雪が上昇気流のように舞い上がり、
ジルのロケットランチャーの弾頭は風に釣られて明後日の方角に飛ぶ。
そして巨人の周囲に再び無数の氷塊が現れた。
- 871 :Fe-107(クロナ)&電話(スグル):2011/04/04(月) 23:27:42 ID:onviSg/.0
- >>869
「……何か、違いますね」
自分で折った右腕をぷらぷらさせ、ようやく無表情から少し痛そうな表情に代わるクロナ。
巨人の傷が治っていることはともかく、サイズまで何か違うような気がしないでもない。
もっとも彼女は忘れっぽい性格なので、確証は得られていないようだが。
「でも、私ももう違います。一気に仕留めに行きます」
クロナの頭上、背中、そして折れた右腕からどす黒い光が迸る。
まず頭上に生成されたのは、血のように鮮やかな赤い天使の輪。
次に背中に生成されたのは、漆黒に染まった天使の翼。
そして折れた右腕の代わりに出現したのは、立派なマシンガン。
「……攻撃開始。押して行きます」
右腕のマシンガンより、魔力で構成された黒い弾丸を連射する。
広範囲に満遍なくばら撒くことで、巨人本体を傷つけるだけでなく氷塊も減らす作戦だ。
もっとも、氷塊が増える速度に追い付くほどの重い弾幕ではない。
- 872 :ゆすら:2011/04/04(月) 23:29:34 ID:szdvlyFo0
- >>869
「ほう?」
ゆすらは本を懐に戻し、目の前の暗闇を見据える。
彼女の瞳には何も映っていない。しかし、さも見えているかのような真っ直ぐな視線を向けている。
「私を獲物扱いとは、また随分な扱いだの。不敬な態度には慣れておるが、蔑まれるというのは、中々ない経験じゃ。
ぬし、良ければ姿を現してはくれんか。そんな面白いことを言うような相手には興味がある」
ゆすらの口の端は吊り上がっている。
こんな状況下にあって、彼女は楽しむような笑みを浮かべているのだ。
- 873 :ジル:2011/04/04(月) 23:33:08 ID:0ebeJXvA0
- >>869
「ちっくしょー……当たんねー」
口惜しげに目を細める。
しかし、ジルはそんなに簡単に諦めるような奴ではない。
ジルの頭に次に浮かんだ文句は、コレだ。
「なら、近づけばイイっ!」
非常に単純な策である。
しかし、やってみる価値は有る。
ジルが次に出現させたのは戦車である。
素早く乗り込むと、全速力で巨人の足元に走り寄る。
「当たれぇっ!」
そして、今度は右足に戦車砲を撃つ。
巨人の挙動は目に入っていないようだ。
頭に血が上っているためか。
- 874 :黒沢小百合:2011/04/04(月) 23:38:04 ID:SSMHlh/20
- >>869
「猪武者めがッ!私が何のために
この狭い空間にお前を誘い込んだと思っているのかッ!?」
――ガシャアァッ!!!
女の目が見開いたと同時に、
地下鉄構内の『防火シャッター』が降ろされ彼女の姿を隠す。
「クキヒィッ!!ようやくッ!ようやくお前を殺せるなぁ……!」
通風孔から、白い煙が噴出し始めた。
あれは、『催涙ガス』だ。まずここにダーネスを閉じ込め
ゆっくりと料理するつもりらしい。
- 875 :リューン=エンブリス:2011/04/04(月) 23:43:37 ID:d5zYOXU.0
- >>869
「だよ、なあ」
倒せていない。やはり、倒せていない。
「氷塊……は、砕いても無駄……そうだね、多分」
突如怪人の周囲に現れた氷塊。飛ばすのか投げるのか、はたまた他の何かか。
氷である以上、より硬い物をぶつければ壊れはする……だろうが、果たして、壊してどうなるのだろうか。
全てを粉微塵にするなど、到底不可能。ならば、今行える程度の半端な破壊では恐らく意味はないだろう。
「……んー」
―――― 戦闘中の判断を瞬時に行うことが可能なほど戦闘『慣れ』していない、この少女の思考は。
そして、並程度にすら扱えない自身の炎魔術では解凍には長い時間がかかる。
幾つかの選択肢を思案するが、出てきた結論は、自身の力ではあの数の氷塊は『どうしようもない』という事実のみ。
「あれも当たったら"アレ"だろうし……
となったら、何か適当な物でもあると良いけど」
―――― 怪人に相対しているこの場に於いて、確かな時間の経過をもたらし 故に。
ならば、と。
周囲を見渡し、何を思ったか先程のコンクリート片を幾つか風術を操り、空中へ浮遊させる。
―――― コンクリート片が一通り浮遊した頃には、既に怪人は次の行動に移ることが可能となっているだろう。
- 876 :怪人イベント/吹雪と暗殺者:2011/04/04(月) 23:53:57 ID:LIzoKx..0
- >>871
マシンガンは巨人を貫き、氷塊を砕く。
巨人はうめき声を上げるが、氷塊を生成し続ける。
氷塊を生成してる間、風によってマシンガンの弾丸も流され続ける。
巨人に命中した弾丸はそれほど多くはなく、砕けた氷塊も再び巻き上げられて新たな氷塊を作り出す。
しかし、巨人の傷は治り、体躯がまたほんの少し縮んだ。
>>872
「周囲の色を奪ったのに、私が見えているかのように振舞うなんて、
神格を感じて来ただけのことはあるわね」
再び周囲の色が戻った。
そこに立っていたのは、全身がベージュの羽毛に覆われた、仮面を被った怪人。
「私の魔力でも見えていたのかしら。
でも、どうでもいいわ。やっぱり私には鱗怪帝以外の神は神じゃないもの」
怪人の左腕に、鍵爪のような武器が現れた。
怪人はそれを、すばやく、性格にゆすらの腹に突き刺そうとする。
それ以上に恐ろしいのは、怪人が動くとき、何の移動音もしないことだ。
>>873
巨人の脚に、戦車の砲弾が命中する。
煙が上がり、巨人の足は吹き飛んだかに見えた。
しかし、どういうわけか巨人は五体満足。
戦車に正面から挑み、掴みかかる。
そして、また巨人は縮み、いまや戦車よりも少し背が高い程度になっていた。
――オオオォォォッ!
しかし怪力はあるらしく、戦車をそのまま放り投げ、上昇気流で吹き飛ばすつもりのようだ。
>>874
「催涙ガスッ!?」
罠は予想していたが、まさかの非殺傷。
白い煙が充満する前に、針を黒沢に発射する。
そして急いで防火シャッターを破壊しに向かおうとするが、
「糞、もう前がっ……!」
怪人の強靭さは催涙ガスの効果をある程度和らげているものの、
皮膚にダメージを与えてダーネスの再生効果が鈍くなった。
しかも視界は煙によって完全に遮断された。
>>875
巨人は戦車に気をとられている。
しかし、上昇気流は常に巨人の周りに吹き荒れる。
リューンはコンクリート片を正しく操作できるだろうか。
- 877 :ジル:2011/04/05(火) 00:04:11 ID:0ebeJXvA0
- >>876
「よっし命中ぅ!……ってちょ待あぁぁぁああぁぁあああ!?」
当たった瞬間ガッツポーズ。
しかしそれが仇となり、為す術もなく放り投げられてしまう。
「ヤバいヤバいヤバいっ!?
えと、解除っ!」
さすがに戦車で上空から地面に叩きつけられては無事では済まない。
爆発と衝撃によって木っ端微塵になってしまうだろう。
ジルは戦車から脱出し、近くのビルの屋上に着地しようとする。
- 878 :ジル:2011/04/05(火) 00:06:09 ID:0ebeJXvA0
- >>877
//訂正
//「えと、解除っ!」→「だ、脱出!」
- 879 :黒沢小百合:2011/04/05(火) 00:09:38 ID:SSMHlh/20
- >>876
本当は即効性のあるVXガスでも流し込んでやりたかったが
万が一、地下に残留してしまってはマズい。
そこで小百合は、まず動きを止めるべく非殺傷のガスを送り込んだ。
「とりあえず、足止めは成功したようですね。
さて、どうなるか……。」
地上に脱出した小百合は、ガスの充満する狭い空間に対ガス装備の兵士を具現化。
捕獲用のネットを射出する特殊な銃でダーネスの捕獲を試みる。
- 880 :Fe-107(クロナ):2011/04/05(火) 00:14:45 ID:onviSg/.0
- >>876
「小さく……なってますね、多分」
やはり縮んでいる……ような気がする。
しかし、それが「傷が治ってゆく理由」なのかは、クロナには判断できない。
そもそもクロナの視界は若干ぼやけ始めていて、巨人の傷が治っているのかどうかも良く見えない。
見えないので、攻撃を続けるしかない。
そう、「意味の分からない」巨人本体に向けて。
天使細胞の演算能力を僅かながら借りたクロナは、そういう風に判断した。
「く……るしいですが、一気に行きます、よ」
左手に2本の黒い剣を召喚し、上昇気流に負けないようミサイルのように飛行する。
そして勢いに任せ、巨人目掛けて2本の剣を投擲。
上昇気流と縮んだ巨人の輪郭を考慮し、最悪巨人の顎にでも当たるよう下気味に投げた。
更にそれを支援するように再び黒い弾丸を掃射する。
これも気流と巨人のサイズを考慮し、かなり下気味に放っている。
- 881 :ゆすら:2011/04/05(火) 00:16:08 ID:szdvlyFo0
- >>876
音のない凶器に、ゆすらの腹はあっさりと貫かれた。
裂かれた腹は多量の血を吐き出し、怪人の羽毛を染める。
疑いようもない重傷だ。
「ほうほう……」
ただ、ゆすらの表情は痛みで歪まない。
相変わらず――いや、むしろ強くなった笑みを浮かべている。
「音のない攻撃とはまた、風変わりだの。しかも速く、正確で、鋭い。
面白い……実に面白いのう、この街は!」
ゆすらが声を張り上げると同時、凍ったアスファルトを突き破って、巨大な水蛇が現われた。
水蛇はその水でできた身体を素早くくねらせ、怪人とゆすらを中心にとぐろを巻こうとする。
- 882 :リューン=エンブリス:2011/04/05(火) 00:21:52 ID:d5zYOXU.0
- >>876
風に揺れ、操作が難しい……が、おおよそ自身の周囲に巡らせさえすれば。
後は単純。故に無理矢理。
精密な動作は捨て、全てのコンクリート片をおおよそ展開すると――――『力を、加える』。
「あー……うう、これで良し、と」
先程まで風に揺れ、術式と吹雪の間で揺れ動いていたコンクリート片が ふと静止する。
空中で、風も、重力すらも無視しコンクリート片が浮かぶ様子は、なんらかの超常――――異常な様子に映る。
……しかし、次の行動に移るのには一端間を置いて。
風に逆らい、さらに複数のコンクリート片を各自別個に動かしたことによる、魔力・精神力の消耗。
それにより、少女の行動は一段階鈍くなる。しかし……巨人の意識は、戦車に向かっている。ならば。
「ここは、まだ行くしかない、って……!」
――――巨人の方へと、杖を向け。
今度は、明確に認識できる、巨人の収縮具合。
このサイズなら、"これ"は――――『岩石の杭』は、よく刺さるだろう。
直径は、およそ30cm。 太く、1m強に及ぶ先端の鋭く尖った岩石質の杭が、巨人目掛け放たれた。
- 883 :怪人イベント/吹雪と暗殺者:2011/04/05(火) 00:32:38 ID:LIzoKx..0
- //順番入れ替え
>>879
「……なんだこりゃ」
ネットを被ったダーネスは呟き、
「俺の怪力を舐めてんのかあ!」
持ち前の怪力と針でネットを引きちぎる。
「さっさと逃げねえと、畜生!」
――ボゴォッ!ボゴォッ!ボゴォッ!
適当に歩いてぶつかった壁を、片っ端からぶん殴り穴を開けていく。
殺す気でかからなければ、いずれ防火シャッターも破壊し脱出してしまうだろう。
万が一地下が崩れても、おそらくダーネスならば多少の傷は負っても脱出できる。
//>>877,880,882に全体攻撃あり
>>877
ビルの屋上に着地したジルを見据えた巨人は、
なんとビルの壁面に指を食い込ませ上り始めた。
――ウオオオォォォッ!
しかも体躯が小さくなったためか、
それなりにすばやくなっている。
しかし、
>>880
クロナの攻撃が壁を登ろうとする巨人の背中を捉えた。
――グオオッ
巨人が一瞬唸り、
――パキッ
巨人に皹が入る。
>>882
――パキイイィィィンッ!
リェーンの杭で、巨人の体が割れた。
肉体が粉々に砕け、辺りに氷が散らばる。
「グオオオオオオオ!!!」
妙な声質の巨人の声が聞こえる。
巨人の残骸だった氷の中から、巨人をそのままスケールダウンしたような怪人が現れた。
「グオオオオッ!」
しかし、驚いている暇は無い。
先ほどまで空中に浮かんでいた氷塊が、巨人が怪人となったせいなのか、制御を失って大量に振ってくる。
>>881
「……腹を突いた程度じゃ死なない、か。
不本意だけど、勝てそうに無いわね」
水の蛇をちらりと見て、割れた巨人を見る。
「ダーネスの馬鹿を助けなきゃ。吹雪も収まったから飛べるしね」
とぐろが完全に巻き終わる直前、数枚の羽根を残して怪人は消え去った。
眼で追うことが出来れば空中に飛んでいるのが見えるだろう。
そして、ゆすらの方にも氷塊は振ってくる。
- 884 :怪人イベント/吹雪と暗殺者:2011/04/05(火) 00:34:22 ID:LIzoKx..0
- //小百合以外に全体攻撃でした
- 885 :ジル:2011/04/05(火) 00:45:14 ID:0ebeJXvA0
- >>883
「あだッ!?」
運動音痴のため着地は失敗。
盛大にコンクリの床に顔面を叩きつける。
「ううぅ……痛いぃ……」
若干、というかかなり涙目で立ち上がる。
ちくしょー、とか毒づきながら赤くなった鼻を抑える。
「痛覚なんて組み込むんじゃ……いや、それはダメか」
ぶつぶつ呟きながらビルの下を覗き込む。
そこには壁をよじ登る怪人の姿があった。
「うえっ!?壁登っちゃう!?
ハ○クですか!?超人ハル○リスペクトしちゃってるんですか!?……あ、やられた」
やかましく喚いていたが、砕ける怪人を見て一安心。
ふぅ、とため息を吐いたところで。
「へぶっ!?」
脳天をそれなりの大きさの氷塊が直撃。
氷は砕けたが、相当痛かったらしく頭を抱えてぷるぷる震えながらうずくまっている。
- 886 :黒沢小百合:2011/04/05(火) 00:45:33 ID:SSMHlh/20
- >>883
「ネット程度ではやはり止まらんか。
音響閃光弾に切り替えろ。とにかく、ヤツには
最大の苦痛を味わわせてやらねば気がすまん。」
小百合はどうあっても、ダーネスを捕縛するつもりらしい。
今度使用するのは、閃光音響弾。
平衡感覚と視覚聴覚を失わせるオーソドックスな非殺傷兵器だが
この狭い空間ではこうかは何倍にも跳ね上がるはず。
防火シャッターを破壊し、早く外に出るかどうにかして炸裂を止めねばならない。
- 887 :ゆすら:2011/04/05(火) 00:49:53 ID:bUy5vWhg0
- >>883
飛び去る怪人に目を奪われる間もないまま、ゆすらは飛んでくる氷塊の対処に追われることになった。
ゆすらは地面を強く踏みならし、
「水霊よ、従え!」
ゆすらの呼びかけに応じ、水道管の水や地下水がアスファルトを割って吹き上がり、
その勢いある水が氷塊をことごとく破壊していく。
「かき氷の方は、これで良いが……」
氷塊の雨の中、なんだか小さくなってしまった巨人と、それと戦う数人の能力者の姿がある。
見たところ優勢に見えるが、まだ状況は不透明だ。援護の手は、いくらあっても良いだろう。
ゆすらは巨人の真下の水に巨人を強い勢いで撃つように命令する。
当たれば、鉄に穴を開けられるほどの威力を持つはずだが……。
- 888 :リューン=エンブリス:2011/04/05(火) 00:52:09 ID:d5zYOXU.0
- >>883
「何か出てき、た……ぁ!?」
上空より迫る、先程の氷塊。
ビルの崩壊によるコンクリートとは比較にならない。当たれば、確実にアレだろう。
身をかがめ、上向きに流れる風を発生させる。が、その程度でとまる質量ではなく、
そのまま氷塊はリューンの頭上へと迫り、その頭蓋を砕……
「危ない危ない危ない。
……けど、対策はまぁしてあるから、ね。大丈夫」
……く、ことはなかった。
空中に浮遊していたコンクリート片 その僅かな質量が氷塊を阻み、頭上に留める。
氷塊の前では容易く砕け散るであろうその存在が、微動だにすることすら無く。
頭上数十cmのところで、氷塊を支えている。コンクリート片とぶつかり砕けた破片は、風に流されて。
「っと、あれは……?」
身をかがめながら、氷塊の下で巨人の中から出てきた怪人の様子を見る。
……大丈夫、とは言っておきながら、そこそこの確信ぐらいまでは持ってはいても。
自身を容易に押し潰すことのできる氷塊は、眼前数十cmまで加速し降ってきていて。
どうにも紙一重なその防御(回避)に、背筋に冷たい汗が流れる。
- 889 :Fe-107(クロナ):2011/04/05(火) 00:52:36 ID:onviSg/.0
- >>883
「やりました……!……?」
何か出て来た。
いや、そんなものは気にして居られない。
次々降り注ぐ氷塊を飛び回って回避しようとするが、
「し、まっ……」
漆黒の天使の翼に何発か氷塊を受け、大きくバランスを崩す。
マシンガンからまた黒い弾丸を連射して氷塊を撃ち落とそうとするが、
寒気で冷えていた上に傷付いた翼ではすぐにバランスを取り戻せない。
そのまま地面に墜落してしまったクロナは、更に振って来る氷塊から地を這い回って逃げている。
表情こそ希薄だが、逃げ回る動きはかなり必死。
- 890 :怪人イベント/吹雪と暗殺者:2011/04/05(火) 01:05:07 ID:LIzoKx..0
- >>886
「……!」
閃光音響弾が投げられた瞬間、ダーネスは何かに感づいて、明らかに狙ってシャッターから離れた。
高速で近づいてくる仲間の気配を察したためだった。
――シュッ
突然シャッターが切り裂かれたように割れ、
それが崩れ落ちるか早いか、ベージュ色の何かが飛び込んできた。
「姑息な手を使うのね、人間って。
人のことは言えないけど」
閃光弾を拾い上げ、自らの羽毛の中に入れる。
小さな音と淡い光が発されただけで、本来の狙った効果は発揮されない。
「結構痛かったわ」
「……助かった、アイル」
催涙弾の煙が晴れたとき、緑の怪人と、ベージュの羽毛を持った仮面の怪人が立っていた。
>>887
「グオオオオッ!!!」
怪人が水に押されて上に吹き飛ぶ。
流石に体に穴を開けるにはいたらなかったようだが、
確実に傷を負わせた。
しかも、今度は治らない。
>>885,888,889
元巨人の怪人が吹き飛ばされた。
怪人は水の勢いによる傷で抵抗することは出来ず、
空中なのでろくな行動も取れない。
チャンスだ。
特にジルにとってはまさに目の前に飛んできた。
- 891 :黒沢小百合:2011/04/05(火) 01:12:51 ID:SSMHlh/20
- >>890
高速で駅構内へと飛び込む何かを、
小百合は視認し、唇をかんだ。
「……しまった!敵の増援かッ!!
クソッ、少し時間をかけすぎた……!!」
捕縛にこだわるあまり、新たな敵との合流を許してしまった。
もはや、これ以上の猶予はない。
被害が大きいため、使いたくはなかったのだが……。
「仕方ない、天井を爆破しろ。
敵を倒すためだ。少々の犠牲は致し方ない。」
小百合の指示と共に、構内の天井部分が小さく炸裂する。
線路への被害を避けるため脆い地点に最小限の爆破を行い
構内の天井だけを崩落させたのだ。
- 892 :ジル:2011/04/05(火) 01:17:06 ID:0ebeJXvA0
- >>890
「……オイ、お前」
すく、と立ち上がるジル。
表情は陰になっていて良く見えない。
しかし。
「 覚 悟 は 出 来 て ん だ ろ う な ?」
その声は低く、溢れる闘気は修羅。
そして、一瞬鋭い眼光が走る。
次の瞬間、現れたのは。
全長6m近いガトリング銃。
何の因果か『復讐者』の名を冠する30mm機関砲。
「消えな。塵も残さずに」
ジルが口元を歪めてそう言い放つ。
刹那の間を開けて。
毎秒3'900発の鋼鉄の嵐が復讐の名の元に吹き荒れた。
- 893 :Fe-107(クロナ):2011/04/05(火) 01:17:54 ID:onviSg/.0
- >>890
「……い、たい、です」
這い回っている間に、胴や腕に幾つか氷塊を食らってしまった。
身体は痛むが、一方翼の方は回復してきたため、それを使って急浮上。
「仕返し、します、よ」
クロナは痛い右腕をどうにか持ち上げ、狙いを定めて怪人に向け一発だけ魔力の弾丸を放った。
その後再びバランスを崩したため、大人しく低空飛行に切り替える。
- 894 :リューン=エンブリス:2011/04/05(火) 01:22:39 ID:d5zYOXU.0
- >>890
「ん、これは……」
好機、なのだろう。
怪人は、リューンの位置/体勢からでは見えない『誰か』の放った水に飛ばされ、行動を取ることができず。
こちらは、行動を取ることができる。ならば、この好機を逃さず利用すべきだろうが……
「……さて、どうするか」
既に消耗している以上、持っている大技を放つことはできず。
ならばと、先程のような岩石の杭を叩き込もうにも、吹き飛ばされているところに命中させるのは至難。
「――――何もしないよりは何かする方が良い、って言うよ……ねッ!」
考えても、取れる行動は少なく。
ならば、相手に大きな被害を与えることができるかは定かではないが、
確実に放て、確実に飛ばされる怪人にも届く『小さな風の刃』……最初に使用した術式を、再び行使する。
……先程の巨大な形態の際に放ったものよりも一回りは小さいが、怪人は一回りどころではなく小さい。
鋭さは変わらないその刃。命中すれば、先程以上の効果は見込めるだろう、という推測の元。
水により吹き飛ばされた怪人に、再び刃が様々な軌道に乗り迫る。
- 895 :ゆすら:2011/04/05(火) 01:23:27 ID:bUy5vWhg0
- >>890
巨人が吹っ飛ぶのを確認したゆすらは、懐から一枚の符を取り出し、
それを口元に寄せて何事かを呟く。
そしてその符を、どういうわけか口にくわえた。
すると、符が抵抗するように雷光を走らせ、ゆすらの口元を傷つけた。
「っ……!」
一瞬顔をしかめたが、すぐに元の表情に戻った。
ゆすらは周囲を見回し、近くに「手頃」なバスが乗り捨ててあるのを発見する。
「…………」
ゆすらはバスに駆け寄ると、車体の下に手を入れ、持ち上げようとする。
普通ならば、そんなことでトン単位の車体が持ち上がるはずはないのだが――。
「……!」
驚くべき事に、軽々とゆすらはそれをやってのけた。
リフトアップしたバスを構え直し、それを元巨人の怪人向けて投げつける。
地上を走るときとは比べものにならない速度で、怪人にバスが迫る。
- 896 :怪人イベント/吹雪と暗殺者:2011/04/05(火) 01:31:11 ID:LIzoKx..0
- >>891
「そういうこと。
でもたぶん、正面衝突では今の状態の私達はあなたには勝てないと思うわ。
私不意打ち専門だしね」
「おい、ちょっとぐらいは……」
「全身爛れかけてる癖に無茶言わないの。
さっさと逃げるわよ」
確かに、ダーネスの体は催涙ガスを長時間浴びたせいで不気味な凹凸が出来ていた。
今のダーネスは再生能力を発揮することが難しいらしい。
「くっ、言い返せん」
そして、天井が爆破される。
ダーネスは降ってきた岩を殴り飛ばしながら逃げる。
ベージュの怪人はというとさっさと構内で羽根を広げ、器用に飛んで逃げてしまった。
>>892
毎秒3900発の恨みが怪人の胸を貫き、
怪人はビルから離れたところに飛んでいく。
>>893
さらに魔力の弾丸が命中。
その勢いで更なる上空に怪人は飛んだ。
>>984
そして、切り裂く風が怪人にまとわりついた。
全身に切り傷の刻印を刻まれ、
>>895
最後に落下しかけ、下から飛んできたバスと衝突。
以上が2秒もかからず行われた後、
「……っァァァァァアアアアア!!!」
――ズッ……ズウウウゥゥゥン……
異能都市の上空で、怪人は炸裂した。
そして、吹雪が止んだ異能都市の夜空は、とても静かになった。
【イベントクリア!】
【スケイルダーネス、ベージュの怪人(スケイルアイル):逃走】
【巨大怪人スケイルブリザード:爆散確認】
- 897 :黒沢小百合:2011/04/05(火) 01:43:41 ID:SSMHlh/20
- >>896
「さすがにこの崩落では無傷ではいられまい!
さあ、すぐに瓦礫の撤去にかかれ。ヤツを捕縛するのだ。」
崩落した地盤を見て、小百合は笑う。
これならば怪人とて回避できまい、と。
しかし、もう2人の怪人は逃げ去った後。
彼女のヒステリックな喚き声が、崩落現場に叫び渡るのはもう少し後のお話。
- 898 :ジル:2011/04/05(火) 01:43:55 ID:0ebeJXvA0
- >>896
/毎秒じゃなくて毎分だた……orz
/毎秒3'900発とかどんなオーバーテクノロジーよ……。
「ふ、ふ、ふ……」
不気味な笑いを浮かべ、爆散する怪人を眺めていたジル。
怪人の欠片までもが風に流されて見えなくなるまでずっとそこに佇んでいた。
「……はぁ、帰ろ」
暫くした後、大きくため息。
脳天の痛みに顔をしかめながら踵を返し、去っていく。
「ってか、頑丈さだけはそのままにしといて良かったな。
人間と同じまで脆くしてたら潰れてたよ、全く」
「……あ。買い物しなきゃ」
最後の台詞はそんな感じで。
ジルはいつもの日常へと回帰していった。
/イベおっつんー。
- 899 :ゆすら:2011/04/05(火) 01:46:58 ID:bUy5vWhg0
- >>896
「……まったく、とんだ大仕事だわい。まだ神社にも着いておらんというに」
くわえた符を吐き出し、ゆすらはぼやいた。
街は静かになったが、戦闘の影響か、この場に良くない霊が集まりつつある。
おそらく、戦いの気配や兵士の死体に群がってきているのだろう。
「なんともまぁ、薄汚れた街だの。こんなに早く雑霊どもが寄ってくるとは」
ゆすらは地面に手をつき、自身の内にある神気を地面に撃ち込んだ。
すると、地面の奥底にある巨大なエネルギーの流れから、清浄なエネルギーが噴出し、場を清めてゆく。
「……眠れ、民草よ。ぬしらにはその権利がある。
神にも邪魔されぬ、絶対の権利が、な」
黙祷をささげながら、ゆすらは場が清めつくされるまで、そこにずっと立っていた。
//イベントお疲れ様でした。
//機会があれば、また参加したく思います。
- 900 :リューン=エンブリス:2011/04/05(火) 01:58:36 ID:d5zYOXU.0
- >>896
「今度は終わった……かな?」
炸裂音を聞き、空中に静止したコンクリート片の間から出て様子を窺う。
どうやら、吹雪も晴れ、怪人も消えたことで状況は落ち着いたようだ、と認識し。
「……なんとかなった、みたいだね。
夜も遅いし、帰ろうかな……あ」
思考は日常へと再び戻ったのか、腕にかけていた、買い物袋を見て。
術式が主であまり激しい動きはしていないと言っても、屈んだり後退したり 中身は恐らく、酷いことに。
「ううむ、忘れてた。
腕にかけてたのに忘れるものかなあ。
実際忘れてた以上、忘れるものなのか」
……などと、些細なことを一人呟き、勝手に納得しながら。
氷塊が散ったり吹雪いた後の惨状は、恐らく公的機関が何とかするだろう、と。
頭の片隅で軽く考え、買い物袋の中身から思考をそらしつつ 少女は、そのまま帰路についた。
――――さらに忘れていた、空中で静止……"固定"されていたコンクリート片は、
押しても引いても動かない、撤去の出来ない謎の浮遊物体として残り続け。
翌朝思い出した少女が急いで片付けにくることになる……というのは、今から数時間後の話。
//クエスト乙でしたーっ!
- 901 :Fe-107(クロナ):2011/04/05(火) 02:03:05 ID:onviSg/.0
- >>896
「ようやく迷惑が片付いた……と言ったところですか」
敵の撃破を感覚して一息つき、クロナは天使細胞をOFFにする。
鮮赤色の天使の輪と、漆黒の天使の翼と、右腕のマシンガンは消滅。
自分で折った右腕も再生を開始した。
無表情な顔も、何処か安堵しているように見えなくも無いかも知れない。
「……しかし、怒られるんでしょうね、息子様に」
ボロボロのメイド服や傷付いた全身を眺め、呟く。
ほんの僅かに肩を落としながら、クロナもすたすたとその場を立ち去った。
//お疲れ様でしたー、ありがとうございました
- 902 :怪人イベント/吹雪と暗殺者:2011/04/05(火) 02:03:59 ID:LIzoKx..0
- 【イベント終了より数秒後】
ローブの男、ベイが、遠く離れたビルの屋上から怪人の爆発を見ていた。
爆発現場から、何か光る鱗のようなものが飛んできて、ベイはそれをキャッチした。
「……ダーネスに続き、アイルも復活……。
あとは、レストが揃えば鱗怪帝は……」
「復活するんでしょう?」
突然、背後から秘書風の女が声をかけた。
「アイル、さすが早いね」
「ほめても何もでないわ。
っていうか何一人でかっこつけてんのよ」
ローブの男は、にやりと笑う。
そして思い出したように行った。
「ダーネスは?」
「人間態でこっちに向かってるわ。
軽症だけど回復能力が使えなくなってるから治療の用意お願い」
「解った」
それだけ言うと、二人は何処かに去っていった。
【描写不足と思った部分の自己補足】
・結局巨人の能力は?
巨人の姿は実は全部氷で、ただの冷気、氷操作能力をいじくられた怪人した
氷を魔力的な何かで変質させて動かしてたけど、
傷を負うたびに形を整え、それに有した魔力や氷分だけ縮みました
・ベージュの怪人はどうして閃光弾を無効化できた?
ベージュの怪人は暗殺専門の幹部で、羽毛で行動音を完全に消すことが出来ます
それを利用して羽毛の中に閃光弾を突っ込み、音を最小限にしました
閃光が小さくなったのは羽毛の中に突っ込まれたせいと、
色を吸収する能力で光の色を最小限に抑えたから…?(ここは俺も解ってない)
- 903 :名も無き異能都市住民:2011/04/10(日) 20:40:54 ID:jmYB91Sw0
- 【イデアの箱庭】
この場所には珍しい人物。
千夜学園の制服を身に纏い、肩の辺りまで伸びた髪が緩やかな風に揺れる。
閉じられた瞳は開かれた。
双眸は青から虹へと至る。
この人物の視界は線が走り、突然の頭痛が頭を駆け抜ける。
様々な線、それら全てが致命傷と成り得る攻撃手段である。
無論、視界の共有など出来はしない。
――ズキズキ……
鈍い痛みの頭痛。
未だ顔には苦痛の証を出さない。
―――ズキン…ズキン…
脳に直接、棒を差し込まれたような感覚。
ひどい頭痛。秀麗な顔には“耐える”様が見られる。
――――
イタイイタイイタイ
この先に視える線の世界がなんとなく知りたいと思い、試してみたものの痛みは壮絶なものとなる。
背筋を垂れる冷たい汗。額に浮かぶ玉のようなもの。
肉体…あるいは本能が“この先に進な”という警鐘か。
小さな手を握りしめる。
力を入れられた拳は白く染まる。
次第に荒れていく息。不規則な心音。
「――――っ!!」
ジクジクと痛む眼と脳。
その痛みにようやく慣れ始めた頃…。
ふっと意識が……飛んだ
- 904 :虫眼鏡を持った人:2011/04/12(火) 23:01:42 ID:.6prKP66O
- 【人々が行き交う夜の異能都市、その中に一際怪しい人影がある】
「ややや!?これは珍妙不可思議な……さては妖の類か!?」
【昇天ペガサスミックス盛りの女性を虫眼鏡で見ながら何やらブツブツと言っている】
【女性に殴られるのに、時間はかからなかった】
- 905 :帯刀している女:2011/04/12(火) 23:13:42 ID:uMOJ9mFc0
- >>904
頭頂部が渦巻く塔の様に盛られた不思議な女性。
未知との遭遇で驚愕する様に怒りをかっている不思議な人物。
それを端から不思議そうに眺めているレディーススーツの女性。
「………あの。」
大丈夫か、と虫眼鏡を持つ人物に声を掛けた。
- 906 :虫眼鏡を持った人:2011/04/12(火) 23:20:33 ID:.6prKP66O
- >>905
「やややッ!?帯刀!?おぬし、辻斬りでござるなッ!?」
【真っ赤な手形が残る頬を見せながら、虫眼鏡から片目を覗かせて見せる人物】
「して、麒麟児と呼ばれし名探偵である、拙者に何用か?」
【その人物は、シャーロック・ホームズに影響を受けたであろう成り立ちである】
- 907 :帯刀している女:2011/04/12(火) 23:30:04 ID:uMOJ9mFc0
- >>906
「……失礼ですね。」
眉に皺を寄せながら首を振って否定する。
「……と言うよりも、失礼ですよ。初対面の人に向かって妖怪だなんて…。」
冷ややかな目線で頬の赤い自称名探偵を見ている。
珍しいトレンチコートの格好をしている人物はこの広い都市でもそう見かけないだろう。
不思議そうに首を傾げながら、自分も虫眼鏡に顔を近づけた。
- 908 :虫眼鏡を持った人:2011/04/12(火) 23:37:06 ID:.6prKP66O
- >>907
「しかし、おぬしも見たであろう!?あの珍妙不可思議なマゲを!
しかも拙者に一撃くれよった!」
【依然として虫眼鏡を向けられるが】
「ふむ、そこな女子よ、近過ぎでござろう?拙者が見えなくなるでござる!」
- 909 :帯刀している女:2011/04/12(火) 23:50:03 ID:uMOJ9mFc0
- >>908
「は、はぁ……。あの…本当に髷なんでしょうか?ちょっと違うような…。」
目の前の探偵の不思議な言動に困惑している。
確かに自分もあんな奇抜な髪型は見たこと無いが、かといって知っている髷とも違う。
もしやあのマゲは今の流行だったりするのかな。
「……はい?あ、失礼しました…。」
レンズ越しには白黒の丸が広がるばかりで何も見えない。
下がるように言われた事に気が付き後ろに少し下がる。
それでも一歩分の距離は近いように感じるだろう…。
「えと……た、探偵…何ですか?」
おずおずと名乗っていた職業を尋ねる。
- 910 :虫眼鏡を持った人:2011/04/13(水) 00:04:56 ID:.6prKP66O
- >>909
【ふむ……と少しだけ考えるのだが】
「いや、あれは間違いなくマゲであろう!天を貫くようなあの様は……まさか一国の主だったりするのでは!?」
【思考が完全に一人暴走をしている名探偵であった】
「あいや、よくぞ聞いた!拙者は世に麒麟児と呼び称される名探偵!
『浅井光之助秀春』(アザイミツノスケヒデハル)でござる!
気楽にマクシミリアンとでも、お呼び申されい」
- 911 :帯刀している女:2011/04/13(水) 00:21:29 ID:uMOJ9mFc0
- >>910
「え゙ぇ!?そ、そ、それって…女王様じゃないですか!?な、尚の事失礼です!無礼ですよ!」
飛び出してきた一国の主説を鵜呑みにし冷や汗を流している。
暴走が連鎖する!
「………ど、どうも。…まくしむりゃあんさん?」
威勢に押され緊張気味に頷く。
名前を噛み気味に呼んだ事が恥ずかしいのか、顔は地面の方へ向いていた。
「あの、私はナルミ。ナルセナルミです。」
脇差を手で抑えながら、よろしくと綺麗なお辞儀をした。
- 912 :浅井光之助秀春(マクシミリアン) ◆6xc12amlNk:2011/04/13(水) 00:28:37 ID:.6prKP66O
- >>911
「あいや待たれぃ!……
アレが姫君であるならば……こんな街中で独り身で出歩くなぞ……まさか……何か事件の匂いではござらんか!?」
【彼は自称名探偵……事件が大好きである、これは二人で暴走を続ける事になるであろう】
「はっはっは!めんこい娘さんでござるな!……ナルセナルミ……ナルナルでござるな!」
【懐からパイプを取出し口にくわえる……パイプからはシャボン玉が出てくるのだった】
- 913 :鳴瀬 成美:2011/04/13(水) 00:45:23 ID:uMOJ9mFc0
- >>912
「…追われている身、という事でしょうか?」
事件の臭いを漂わせた途端、ナルミの表情は険しくなる。
怪しい名探偵の言葉をまるで疑わない。
「………。」
口の端を真っ直ぐに結びながら目を伏せている。
頬は髪を盛っていた女性に殴られたかのように赤い。
「なるな、なるなる…?」
空へと上っていくシャボン玉を見詰めながら首を傾げていた。
- 914 :浅井光之助秀春(マクシミリアン) ◆6xc12amlNk:2011/04/13(水) 00:51:12 ID:.6prKP66O
- >>913
「うむ、きっとそうであろうな!ナルナル!拙者とおぬしでこの事件を解決するぞ!」
【もはややる気が全開!探偵はすぐに昇天(ryを追い掛けん勢いだ】
「ふむ……」
【目を伏せるナルミを見て、探偵は一言】
「おぬし、恥ずかしがり屋でござろう?」
- 915 :鳴瀬 成美:2011/04/13(水) 01:04:30 ID:uMOJ9mFc0
- >>914
「…助太刀致しましょう。ハイレムの教のままに。
な、なるなる…。」
静かに力添えを約束するが、どうにもその呼ばれ方が気になってしょうがないようだ。
難しい顔で麒麟児と立てられた名探偵を見る。視線で訴えかける戦法のようだ。
「…………。」
またまたそっぽを向いて口を紡いでしまう。図星なのだろう。
「そ、それよりマクシムミリアムさん……追わなくてよいのですか?」
恥ずかしさのあまりか話を挿げ替える。相変わらず名前は言えていない。
- 916 :浅井光之助秀春(マクシミリアン) ◆6xc12amlNk:2011/04/13(水) 01:14:14 ID:.6prKP66O
- >>915
「うむ、何でござろうかナルナルよ!」
【視線に気付き、何か思い当たった様で、手をポンッと叩く】
「参ろうか!ナルナル殿!!」
【どうやら相手が殿を付けて貰いたがってると勘違いしたようだ】
「恥ずかしがり屋で当たりの様でござるな!
気になさるな!拙者も大名の前では人見知りでござるよ!はっはっは!」
【そうして、探偵は昇天(ryを追い掛けていく……この後二人は、追い掛けた先のキャバクラで、怒られてしまう訳なのだった】
//眠気が限界なのでここらで失礼させて頂くでござる!
- 917 :鳴瀬 成美:2011/04/13(水) 01:44:39 ID:uMOJ9mFc0
- >>916
「!?
いや、その…ちが…!はぁ…。」
何故か付け足された事に動揺しながら、余計に顔を難しくしてしまう。
しかし何がとは言えない自分に溜息が出た。
「…………。
…先ほどは平気な顔で女王様にご無礼を働いたのでは…。」
相変わらず顔を赤くしたまま
MAXなアレを探偵の後に続き追いかけて行く。
ピピピピピ!
その最中、聞きなれた呼び出し音がスラックスから鳴り始める。
「…はい、鳶貴さん。はい…え?い、いえ…それらしき子供の姿は…今はマクシミルアームさんと…
いえ、探偵…らしいです。いいえ、先程会ったばかりで…はい…今、女王を…ですから、一国の女王様を…。」
通話を終え、辿り着いた先で囲まれ怒られながら悟る。
この探偵は麒麟児と呼べるかどうか
そもそも探偵かどうかも怪しい、と。
しかし、気付くのがあまりにも遅すぎたのだった―――。
- 918 :■■■:2011/04/26(火) 22:48:22 ID:FRwfC/wE0
- 《……起動。起動。起動》
《住民ID認証中……完了》
「――――住民票の書きかえって、面倒臭いモンなんですねえ」
《肉体データおよび精神データインストール……完了》
《「フィールド:草原」選択を容認、セットアップ……完了》
《ログインします――》
「……ん、まあ」
《――「イデアの箱庭」へようこそ、■■■様》
「お久しぶりです、仮想世界さん」
若草の絨毯に降り立ったのは、一人の少女。
ゆたかな藍色の髪に紛れるように、同色の尖った耳が頭に在って。
尾?骨の辺りからは、やっぱり藍色の尾はふさふさと揺れている。
懐かしげに、かりそめの世界を見渡す瞳は、満月の色によく、にていた。
- 919 :一号:2011/04/26(火) 23:02:57 ID:AEtrRDlM0
- 草原のフィールド。
見渡すばかりの緑の中に、モノクロームの人影が立つ。
何処か作り物めいた―実際作り物だが―ソレがまず初めに思ったのは疑問だ。
……どういうことでしょうか。
一号が選択したフィールドは射撃場。
リアルでは出来ない、己の損壊を苦としない場所だからこそ選んだのだが、
……まさかシステムバグ?
そうだったら通報せねばと思考を刻んだ彼女は視界の片隅に人影を見た。
>>918
藍色の少女に近寄るモノクロームの女性。
携えたクーラーボックス、天涯製と刻印のある箱を持つ姿はまるでピクニックの如く。
そしてスカートを摘まんで一礼する長身が纏う服装は、
「――――先客だったのですね、と一号は納得します」
黒と白の色彩が眩しい、いわゆるメイド服。
鉄面皮を通り越した無表情で少女を見つめ、
「このフィールド選択は貴方ですか、と一号は確認をとりますが、よろしいですか?」
- 920 :■■■:2011/04/26(火) 23:11:53 ID:FRwfC/wE0
- >>919
「ええ。最近春なんだか冬なんだかあやふやじゃあないですか、
だから此処だけでも、と思って。春っぽいフォールドを選んだんです」
まるで服か何かを選んだ理由を答えるような軽さの言葉。
しかしその言葉の実態は、「戦場を選んだ理由」、である。
「……本当は、さっさとお家に帰ってお花見したかったんですよねえ。
でも、ごたごたしている内に花が散っちゃったわけですよ。
あーあっ、桜を見ながらおいしいご飯、食べたかったなーあっ」
次に少女の口から紡がれたのは、やっぱり軽くて口当たりのいい、世間話みたいな。
ただ、その言葉を垂れ流す唇は、
「――――てなわけで。ひとつ、お花でも咲かせませんか?」
……まったくもって「てなわけで」で繋がるような文ではなかったのだが、まあ、とりあえず。
少女は、笑っている。
//ヒャッハーさっそくお休みの時間だぜェー! よろしくです!
- 921 :一号/レス速度遅延中:2011/04/28(木) 00:17:04 ID:PfRjJvl60
- >>920
「成程と一号は納得します。
……花ですか、と一号は言葉を切って思考しますので少々お待ちください」
周囲を見回す。
一面緑色で華がないですねと2秒で結論して、
「桜を見たいのでしたらそのように設定すれば擬似的にでも感覚を味わえるとは思いますが、と一号は意見を述べておきます。
ですがご要望に答えられないようでは侍女タイプの機械人形としては失格ですので」
再度スカートを摘まむ。
軽く振る。
鈍い音が響き、落ち、拾い上げるのは、
「――拳銃、まあいわゆるハンドガンですねと一号は補足します」
それも二丁。
両手持ちの物騒さを纏いつつ、
「Ja. ご要望は花ですね?と一号は確認しておきます。
少々熱いですが、このようなもので宜しければ」
一号は御奉仕しますよ。
だらりと左右の手は下ろされているが、目は確りと少女を見つめていた。
- 922 :■■■:2011/04/28(木) 16:17:46 ID:QYyPcDfoO
- >>921
「花ってのは、仮初めのソレじゃあ楽しめませんよぅ」
ぷーっと頬を膨らまして駄々をこねる様はとても子供らしい、けれど。
「……最近のメイドさんってのは、随分とお熱いのをお持ちなんですねぇ。
でも、ええ――嫌いじゃあないです」
両の脚は大きめに開いて、膝をかるく曲げて重心は下に下に下に。
上体はぐたっと地に這う――寸前で手を着いて、がりりと軽く土をひっかく。
ただしい獣の姿勢を保って、
「あかいお花のサかせあいっこでも、致しましょう」
かち・かち
牙を二回、ゴングのかわりに打ち鳴らし。
歪んだ唇が描くのは、笑みのかたち。
- 923 :一号/レス速度遅延中:2011/04/28(木) 23:58:20 ID:oPkgizws0
- >>922
「そういうものですか、と一号は疑問に思いつつも納得しておきます」
人の情緒と言うものはいまいちよくわからない。
今もそう、花はどんなものであっても花ではないだろうかと悩む程度には。
「Ja. 赤をご要望ですね?」
己の色を思う。
……白と黒ですね。
人と違って血も流れぬ身では難しいかと、そこまで考えて、
「……血で白を赤に変えてお揃いーね私達ーということですか?と一号は尋ねておきます」
確か前戯れに聞いた曲がそんな事を言っていた。
多分そういうことなのだろうと、不意に右腕をハネ上げ、
「それでは一号なりにご奉仕させていただきます、と一号は宣言します」
低い姿勢の少女へ一発。
それも容赦なく額狙いの。
- 924 :■■■:2011/04/29(金) 20:53:06 ID:FRwfC/wE0
- >>923
「いやあ、何処ぞの店長さんとは違ってわたし、真紅は似合いませんよぅ」
恐らく女中人形である彼女も見知っているだろう、「何処ぞの店長」を思い出して、うすく。
唇を横に引き延ばしながら、
――――、
消える、
「……サラマンダーなぞ比べ物にならないほどのご奉仕スピードですね、ビビりますわぁ……
わたし、思うんですけどねー。メイドすぁんのご奉仕ってモンは」
錯覚。
少女の周囲がかちんと凍りついたかのような、そんな。
藍色と金色の輝きは、中空に線を描いて、
銃弾がギリギリ当たらない場所、メイドから見て右へ移動していた。
移動の間の出来事を細かく描写すると、「ケモノが四足で横に跳ぶ」ような動作。
ジャンプと呼ぶには高さが足りないその跳躍の着地姿勢は、当初と変わらぬ低い姿勢、
「ゆーっくり、時間をかけて瀟洒に行うほうが、ご主人さまも喜ぶと思うんですよー、ッ」
そこからの、タックル。
斜め前、メイドの胸辺り目掛けて、右肩をぶつけるような攻撃を繰り出した。
動作はやっぱり先程のケモノのそれによく似ていて――やっぱり、周囲が凍りつく錯覚。
- 925 :一号/レス速度遅延中:2011/04/30(土) 19:12:17 ID:2uB0xumg0
- >>924
ああ、と頷いて、
「店長様は寧ろ赤……いえ、紅くらいしか似合わないでしょう、と一号はテキトーに決めつけてみます。
それと、」
似合う色の話を続けようとして、少女の事を何と呼ぼうか決めていないことに思い至る。
……少女様では変かと。
ならば、
「お嬢様は白があいそうですね、と一号は推考してみました」
一発目、直撃なし。
目の前の少女が右に移動しているのを確認して、
「瞬間移動とはやられました、と一号は判断します」
実際には高速移動だろうが認識的には瞬間移動の方が近いだろう。
そのスピード、機械の目すら追い抜くそれに驚嘆する。
……速さが足りないですか。
「主人が望む物を望む時にお出しするのが最適なご奉仕だと一号は認識しております。
お嬢様のお望みを叶えたつもりですが?と一号は問いかけて――――」
タックルが来る。
獣の動き、相応の速度を備えた打撃は狙いが胸部。
ここは、と思って、
「―――――せっかちですねお嬢様、と一号は感想を抱きます」
使うのはクーラーボックスに左腕、左のハンドガンの3つだ。
まずは左腕を振り、天涯工業製クーラーボックス”ひえちゃいますの!!”を揺らす。
当然重たい物体なのでろくに動かないが、
「追加しましょうか、と一号は判断します!」
持っているハンドガンを連射―――後方へ向かって装填数8発を全て打ちこみ反動を利用。
結果としてクーラーボックスが跳ねあがった。
回避も兼ねて追加で右へ回れば、
「簡易ですがハンマーをどうぞ、と一号はご奉仕します」
少女を迎撃する打撃の完成だ。
- 926 :■■■:2011/04/30(土) 20:58:16 ID:FRwfC/wE0
- >>925
「白、ですか……メイドさんはどうでしょうね、メタリックなシルバーなど」
如何でしょうか。
そこまで紡ごうとしたことばが、スピードで引き伸ばされてうすくなって、消えた。
「命短し、歩けよ乙女って言葉があるじゃないですか、いや気のせいだったかもしれないですけどッ、」
たっぷりとした重量を湛えたクーラーボックスが、自身に迫るのが見える。
……正確には、自分がクーラーボックスに突っ込もうとしてるのかもしれないけど。
スピードを重視したエモノとの戦闘での最適な手、「攻撃を先読みしてその軌跡に迎撃」。
だからこそこちらは読まれないように動かなければならないのに、なんともまあ、
……キレイに入っちゃったなあ。そう、脳の端っこの辺りで考えた。
「あれって『※マッハの速度で』って付け加えるべきだと思うんですよね、そんな感じの性格なモンで!」
先程は周囲が凍りついた、さて次は――「少女自身が凍りつく」。
急発進からの急停止。それを可能にする、彼女(ケモノ)の驚異的な脚力は、地面を抉って土を撒き、
優雅に宙を飛行する四角がギリギリ当たらない場所で身体を止めた。
しかし、避けてばっかり貰ってばっかりじゃあ気が喰わず。
それでもさすがにハンマー(簡易と言えども、重い)を真っ向から撃ち返す力はないので、
「――――fang,」
ぱきん、
謎の、罅割れ音。響かせて、このターンを活用して「何かを仕込む」。
- 927 :一号/レス速度遅延中:2011/04/30(土) 23:09:13 ID:2uB0xumg0
- >>926
回る。
クーラーボックスの重みに引かれるようにスカートを揺らして、
「――と」
指運で撃ち尽くした左ハンドガンのマガジンを落とす。
同時に袖から―まさに魔法のように―零れた替えの弾倉を引きずり出して、
……自動式は便利ですね。
再装填。
手持ちの弾数を15発と、己のステータスを脳内で書き変えて、
「どこぞの本のタイトルのようですね、と一号は記憶を探ります。
もう少し落ち着かれても構わないとは思いますよ?と一号は一応述べておきますが――」
恋せよ乙女じゃなかっただろうかと思ったところで音。
ガラスを踏み割ったような、小さいが堅い音を認識して、
……異能者ですか!
何をされたかは不明だ。
なんせまだはっきり分かる被害の確認が出来ていない。
だから、
「迷わず行けよと一号は行動します」
大きくバックステップ。
少女の機動力からすれば楽に追いつける距離ではあるが、
……離れないよりはマシと判断します。
着地、すぐさましゃがんで、
「にしてもお嬢様、まさか異能者だったとは、と一号は素直に感情を吐露します」
クーラーボックスの金具に一発。
それだけで紐が外れ、重量のある音と何故か金属のぶつかり合う音が草原に落ち、
「先ほどのひび割れ音、何かご用意しておられるのですねと一号は期待してみます」
モノクロの侍女が再び双の銃を構える。
- 928 :■■■:2011/04/30(土) 23:33:16 ID:FRwfC/wE0
- >>927
距離はふりだしに戻る。
然しもう、準備は出来たから、まあいいとしよう。
「――――fire!」
「火」、もしくは「撃て」、の意味を持つ合図で、メイドの腹あたりを狙ってそれは放たれる。
少女の中指の先から掌の付け根までくらいの長さをした「氷柱」だ。
上手く当たらなければ死に至らないし、射出された数も1。
そんな攻撃は、正しく「牽制」の意味合いを持っていた。
「迷いませんよー超進みますっ!
冬生まれの都会派ウルフはそうそう止まれませんよ!」
「当てる」ことより、「もう一度近付く」ことが少女にとって重要なのだ。
氷柱の射出と同時、駆け出す。
- 929 :一号/レス速度遅延中:2011/05/01(日) 23:51:59 ID:JRC7HOEE0
- >>928
「Ja. 躊躇なしのいい女ですねお嬢様、と一号は判断します」
残り弾数14発。
余裕はまだまだある―――
と、普通なら思えるのだが。
「氷柱―――!?と一号は驚きを露わにします」
……語尾だけがどうにかならないものでしょうか。
ともあれ回避だ。
それも身を動かすのではなく、
「まさしく暴走超特急ですねお嬢様、と一号は適当に呼び名をつけておきます」
右のハンドガン、残弾6から3発。
氷柱に撃ち込んで砕いて、
……しかしまあ、速い。
動くのは距離を取る、その行動だけでいいと判断する。
……こういう場合、銃はいいですね。
遠距離でも近距離でも威力がそれなりに出るのが好みだ。
ヒット&アウェイが出来れば問題なく最強だと自信を持って言える。
だから、
「いいですかお嬢様、そのクーラーボックスは危険ですよ、と一号は忠告しておきます」
またステップで下がる。
鉛の弾を5発、少女目がけて牽制として撃ちこみながら。
- 930 :■■■:2011/05/03(火) 22:46:05 ID:FRwfC/wE0
- >>929
「なっかなかイイ感じの二つ名じゃないですか、ふふふっ」
体勢を低くして地を蹴る、蹴る、蹴る、
重心は前へ進むことしか知らなくて、ほとんど倒れてしまった上体からぶらさがった二本の腕。
そのうちの左のかたっぽを地面に軽くつけて、かるく制御を取る。
「――――そりゃあ、重そうですものね、ぇ――ッ」
放たれた五発。ぜんぶを回避しながら前進するのはどうやっても無理だ。
脚は止めない進行方向は変えないまま、身体を捻って最小限の回避行動。
ぢりっぢぢっと頬を、二の腕を、――脚は避けとこう。咄嗟に動かした左脚以外は肉を抉って後方へ。
し、と息を吐くだけの音。声にも満たないそれを口から迸らせて、
下げていた腕のうち、地面につかなかったほう――右腕を、逆袈裟がけに振るう。
何時の間に「仕込んだ」んだか、「鋭い獣の爪」が生えているその掌は、メイドの胸部に線を曳かんと迫る――
- 931 :一号/レス速度遅延中:2011/05/05(木) 22:48:37 ID:GxzmOoqo0
- >>930
……む。
「Ja. 色々と楽しむために持ち込んだのですが、と一号は困ってみます」
受け答えをしつつも思考。
今の手持ちは14から3と5を引いて6発だ。
左右1発ずつは残っているが、
……当たるものでしょうか。
当たらないだろうな、と言葉を追加する。
何せ今叩きこんだ5発、全て最低限の被害で突破されたのだ。
どうしたものでしょうか、と浮かんだ瞬間に、
「――――!?」
警戒の薄れた一瞬を狙われた。
振るわれた一閃、襲いかかる爪が来て、
……その位置はいけないと判断します!
下がり、傷を浅くしようと試みながらガードとして使うのは右腕。
有機素材を使ったそれは、爪を弾くことなく受け入れ、引き裂かれ、赤の潤滑液が散るが、
「肉を切らせてブチ込めということですね、と一号は断言します」
少女の腕が振られきる、その時を左のハンドガンで狙い撃つ。
……顔は女の命と言いますし――――
最初に狙ったのはノーカンで。
今回は肩を狙うことにする。
斬撃の衝撃で照準が揺れたが、2発、確かに打ち出した。
- 932 :■■■/すごく時間が開いてしまった、ごめんなさい:2011/05/20(金) 21:52:06 ID:n.3fc5/.0
- >>931
「あら、……ほんとうに良く出来てらっしゃる」
散った赤を見て笑んでしまうのはケモノの性か。
横に伸びた唇から、ちいさく牙が見え隠れ。
銃口。吸い込まれそうなほどに暗い穴。
対した直径を持たないそこから、無限の闇が広がる気がした。
……ああやっぱり近代兵器は苦手ですね、本能がイヤがってますもん。
た、たん、鳴り響く、連呼。
右腕を大きく振り被った直後の姿勢、左の肩をまるまる差し出すようなそれ。
避けるヒマはなくて、捧げた分だけきれいに貰う。
「……、っ」
あーやっべ、……片方潰しちゃった。
悲鳴は上げないけれども、表情は苦虫踊り食い大会決勝戦の瞬間のそれに似ている。
体勢を立て直すべく、無意識にバックステップ――
……あれっ、銃持った人に対して距離を取ってはいけないのでは?
そう思った、のは、華麗に着地を決めてからであった。本能って怖いね。
- 933 :一号/レス速度遅延中申し訳ない:2011/05/29(日) 22:49:17 ID:NowRKPqw0
- >>932
「褒め言葉ですね、と一号は感謝します」
礼を述べたところで少女の左肩から赤が散る。
距離を取ったのを見れば思考が動いて、
……好機!
残りの4発を全弾、”少女が前進できないように”着地地点を狙って撃ちこみ、
「それではご奉仕タイムと参ります、と一号は宣言します」
己は前進。
クーラーボックスの横まで来て、蹴り開ければ鈍い金属の音。
片手を突っ込んで引き抜けば、
「Ja. サブマシンガンで御座います、と一号は構えます」
短機関銃。
近距離戦闘を得意とする火器の一種だ。
流石に両手持ちなんてことはないが、片手には替えの弾倉を持って準備完了。
一瞬だけ風が止んだ。
「――――お楽しみくださいませ、と一号はご奉仕します」
直後。
炸裂音の連打と共に、フルオートの大量―30発単位で、時折途絶えて装填/再開しながらの―射撃がぶちまけられた。
- 934 :■■■/すごく時間が開いてしまった、ごめんなさい:2011/06/09(木) 22:35:04 ID:6DXDmZ8o0
- >>933
ぱしゅん。
ぱ、ぱぱぱぱららら、ら、らら。ららっ、たらららら
一発目が、華麗に着地を決めた少女の腹を穿つ。
そこからグリッド線でも曳いてゆくように、穴で構成される線が伸びて、
しだいに線はぐちゃぐちゃ。乱れて、ぐるぐる。
文字に表した通りの「蜂の巣」。少女の躰に無数の穴。
そこから赫が噴き出して、まるで趣味の悪い前衛芸術作品みたいなブツが出来上がっていく。
ぱららったらららぱぱぱぱ、
奇怪なダンスでも踊るかのように、少女の身体が仰け反って、 「――――――――、」
ぱぱっ、ぱぱぱったたたた。
銃声、鳴りやまぬ、 「――――、」 血霧が舞って抉れた肉が地に落ちてひしゃげる音、
ぱぱぱらららlalalaらっぱぱパ「――――ぱきン」ぱぱしゅっぱたららららら、ららら。
「――――――――。」
――――――その中に、ささやかにささやかな「罅割れる音」が混じったことに、気付ける、だろうか?
- 935 :一号/レス速度大幅遅延中:2011/06/19(日) 19:15:48 ID:T3rZbDHQ0
- >>934
撃ちつくすという言葉が一号は好きだ。
「――――――」
何せ、”撃ち”、そして”尽くす”のだ。
相手のために。
銃火器を扱うシリーズの一員としてはなんと心躍る言葉だろうか―――
かきん。
軽い金属音がした。
「―――終了ですね、と一号は武装解除します」
撃ちに撃って、そして尽くしきって。
予備の弾すらもなくなったサブマシンガンを投げ捨てる。
……これで終了ですか。
あっけないな、と一号は思う。
「お嬢様、やはり人は鉄と火薬の化身には敵わないものなのでしょうか、と一号は尋ねます」
そして前進。
最早今は赤の溜まりでしかない少女へ無手で歩み寄る。
傲慢か気の緩みか、罅割れの音には気付かずに。
- 936 :■■■:2011/07/02(土) 21:43:46 ID:6DXDmZ8o0
- >>935
――――。
ざーっと風が草を靡かせて走る音。
それだけが箱庭の内部を支配する。罅割れ音は、止んだ。
何もしなくたって、もうすぐ機械音声が少女を排除するという胸のアナウンスを告げるはずだ。
そのはずだ。きっと、そのはずなのだ。
――――、
既に少女は声を発する機構をだめにして、音を紡げないけれど。
もしも口がきけたなら、無機質な人型の問い掛けに、こう返しただろう。
「わふん、確かにそうでしょうねぇ。
でも、イキモノ――とくにヒトってのは……えげつない程に、あきらめが悪いんですよ」
――――――きぃ、いいいいイん―――――、
が、がぎがぎばきっ! びぎっぴきぴきぴきぴき、
がしゃ、―――――ぎぃいいいイ――――ん――!
少女だったモノ、赤いかたまりが凍りつき、それを中心に――寒気が、冬が、広がっていく。
一番最初に、冷たい風が吹き荒れて周囲を凍らせんと荒れ狂い。
次に、狼の牙みたいな棘状の氷をいくつもいくつも、世界に形成。
最後に、それが地に落ちて破片が狂い――剣の舞は吹き荒ぶ。
≪――「ノチウ」の身体機能停止を確認≫
≪肉体データおよび精神データアンインストール準備……完了。ログアウトします≫
≪お疲れ様でした。お休みなさいませ≫
冬の嵐がようやく静まった、そんな頃に。
機械音声が思い出したかのように、仕事を始める。
凄烈な、自然の猛威を置き土産(若しくは最後っ屁)に、狼少女――ノチウは仮想世界から消え失せた。
//たいへんお待たせいたしました、こちらからのレスは以上になります
//長い間のお付き合い、ありがとうございましたっ!
- 937 :一号:2011/07/10(日) 11:20:06 ID:VbafpxcE0
- >>936
「な――――」
風が唸り、黒白の人型は歩みを止めた。
進まぬ姿の周りには氷牙が形成される。
思考は危険だと判断している。
だが急激な温度変化に鋼の肉体は付いて行かない。
一部動作によって高温を保っていた箇所こそまだ動けど、最早凍て付きは時間の問題だろう。
大体こんなもの――自然の脅威に、どう抗えというのだ。
「お嬢様、」
呼吸すら凍る。
周囲の牙が己を噛み砕く予測も簡単についている。
それでも、貫かれるよりも、伝えねばと判断を下した。
きっと届かないだろうけれども。
「これが、人の抗いの力ですか?と一号は尋ねます」
直後。
凍れる狼―大神の牙が、人型を引き裂き、打ち砕き、全てを静止させた。
<<システムメッセージ:戦闘決着を確認>>
<<全データのアンインストール後、リフレッシュ処理を開始します.........完了>>
<<お疲れさまでした。またの御利用をお待ちしております>>
//気付けば3カ月近いじゃないですかー!レス遅くてホント申し訳ありませんでしたー!
//こちらこそ、長い間ありがとうございました
- 938 :不気味な二人組:2011/07/17(日) 22:46:25 ID:3EaBc40s0
- 「おい聞いたかよ、戦将レストがついに復活したってよ」
とある公園で、二人の男が会話をしていた。
一人は赤いワイシャツに黒いズボンの男、もう一人は尖った髪でラフな格好の男だった。
「本当か、これは鱗怪帝の復活が近いってことだよな」
「ああ、帝王が復活すればついにこの街との全面戦争が始まるな」
「へっへっへ、だが俺達同士の戦いも始まるけどな。
しかし四将の枠が全部埋まっちまってるのは厳しいぜ」
尖った髪の男は不気味に笑っていた。
「まあ、流石にレストは強すぎたしな、狙い目はアイルの枠だぜ」
「そういえば、既に復活してる奴はどのぐらい居るんだ?」
そう聞かれて、尖った髪の男は指を折って数え始めた。
「えーっと、四将除くと、俺達と、イグニスの奴と、イカ野郎……ああ、あいつはやられたんだっけ?」
「イグニスもやられたらしいぜ。あとテルメスの奴がうろついてるって話も聞いたぞ」
鱗怪人と遭遇したことがある者には解るかもしれないが、
その二人からは微かに怪人の気配が漂っていた。
- 939 :No.31:2011/07/17(日) 22:54:47 ID:dL9W2t9U0
- 白いワンピースを着た少女が、二人の近くにゆっくり歩いてきた。
観測局が身柄を預かっているその少女は、
自由時間を散歩に使っているようだ。
蒸し暑い空気を胸に吸い込んで、その青い目は夜空を見上げる。
「この街の夜は暑いわね。少し冷やしておいた方が良いわ」
そんなことを呟いているようだ。
- 940 :Fe-107(クロナ):2011/07/17(日) 22:59:07 ID:onviSg/.0
- 「まったく、あの人たちは私をコキ使い過ぎですね」
うんざりしたように溜め息を吐きながら、
両手に買い物袋を提げたメイド服の少女は公園へ入ってきた。
>>938
「ちょっと休憩でも……おや」
ベンチにでも座ろうかと思ったところで、二人を発見。
ちらちらそちらを見つつ、
「……変な感じですね、何でしたでしょうか」
首を傾げる。
- 941 :不気味な二人組:2011/07/17(日) 23:10:21 ID:3EaBc40s0
- >>939
「街の西の方の話はあんまり聞かないな。
多分俺達が思ってるよりも復活してる奴は多いと思うぞ」
「そうかぁ、でもまあ、鱗怪帝が復活したらどうせ全怪人が蘇るからな。
今数えても意味はないか」
二人の男は近くにNo.31が居ても構わずに話し続けていた。
しかし、No.31の呟きを聞いて、話しかけては来ないものの自然に話題は気温の話に切り替わる。
「ったく、陸は暑いからさっさと海に帰りたいぜ。
でもこの辺の海汚いしな」
頭の尖った男は呟いていた。
>>940
二人はベンチの近くに立っており、
ベンチに座るには二人に近寄らなければならない。
ガラの悪い二人だったが、近くにNo.31が立っても特に反応を見せないところを見ると、
いきなりカツアゲされたりなどという心配はなさそうだ。
- 942 :No.31:2011/07/17(日) 23:18:30 ID:dL9W2t9U0
- >>941
(海に帰る?…船乗りかしら、でもそんな風には見えないし…)
彼女は人工異能者だ。それ故に、第六感や異能探知能力は元々ゼロに等しく、
同じ方法の人工異能者に共鳴するのみ。なので、彼女が二人から不審な気配を
感じないのは当然とも言えた。なので好奇心旺盛な彼女は、二人に話しかけていた。
「ねぇ、おじさんたち。海に帰るって、船にでも乗ってるの?
私、海は見たこと無いけれど、一面水なんでしょう?涼しそうね、
私も行ってみたいわ」
さほど警戒心無く話しかけるNo.31。
だが、彼女の周りの空気は摂氏にして10度以上低くなっていた。
違和感を感じてもおかしくは無いだろう。
>>940
(あれは、メイド服と呼ばれる代物ね、ということはあの人はメイドさん。
どこかの大きな屋敷に勤めているのかしら?)
メイド服で公園にいる違和感に、No.31はそちらを向いて不思議そうな表情を作る。
- 943 :Fe-107(クロナ):2011/07/17(日) 23:32:07 ID:onviSg/.0
- >>941
ちらちら見たり首を傾げたりするのを一旦止めて、ベンチ付近へ行く。
が、やっぱり引っかかっているようで、
「科学の顔が強い都市ですから、海が汚いのは仕方ないでしょう。
どれほど汚いのか、程度は知りませんけれど。
しかし、海に帰るとは、水陸両用の新人類か何かですか」
話しているうちに、何か気付くかも知れない
――と思いつつ、ひとまず軽い調子でそう話し掛けた。
>>942
こちらを見ているらしいのを感じ取った彼女は、
「おや、ごきげんよう。今日も暑くて嫌になります」
そう言いながら軽くお辞儀する。
基本的に勘が悪いので、温度が低い云々には気付いていない。
- 944 :焔魔堂 宗也:2011/07/17(日) 23:32:25 ID:1sJsd2CgO
- >>941
夜の公園。怪しげな会話。
とくれば、偶然聞いてしまう人もいるもので……。
そんな話を“聞いてしまった”西洋混じり東洋風の男。
白いカッターシャツに濃紺のスラックスを着て、腰には皮造りのウエストバックを提げている。
今日は厚い本が入るくらいのそれとは別に鞄を持っていた。
彼は粗雑な面差しを不快に歪めて、物騒な事を話す二人組を見やる。
(……奇術の練習、どうしようかな)
- 945 :不気味な二人組:2011/07/17(日) 23:41:29 ID:3EaBc40s0
- >>942
「ああ?なんだおめえは」
「おい、やめろよ」
急に話かけられて、髪の尖った男は敵意をむき出しにする。
しかし殺意などというものではなく、チンピラのそれだ。
その男を、赤いワイシャツの男が制止する。
「何だよ、邪魔すんな」
「気づけよ。こいつの回り、やけに温度が低い」
「ん?……ああ、本当だな」
その指摘に、チンピラの敵意は本物の警戒心に変化する。
>>943
「あんだよ、お前には関係ないだろうがよぉ!」
新人類と言われ、男は怒鳴った。
根っからのチンピラなのだろう。
「だから誰彼構わず突っかかるのはやめろよ。
悪いな、こいつ怒りっぽくて」
すかさずそれを静止する赤いワイシャツの男。
>>944
「ったく、人が増えてきやがったぜ、なぁルース」
「……別に聞かれて困る話とかはしてないだろ、多分」
思いっきり怪人に関することを喋っていたが、
しらばっくれるようだった。
どうやら赤いワイシャツの方はルースという名前らしい。
- 946 :No.31:2011/07/17(日) 23:51:07 ID:dL9W2t9U0
- >>945
急に向けられた敵意に、少女の水色の髪がぶわ、と逆立つ。
怯えと戸惑いが彼女の能力を揺らめかせ、ほんの少し能力が暴走した。
ぴきき。
それは少女の視線の先の、二人組みの後ろの木の幹が凍った音だ。
いや、正確には幹の一部が『氷に置換された』音だった。
後ろを振り返れば幹の一箇所が透明になった、不自然な木が見えるだろう。
少女の周りの温度がさらに下がる。
「ご、ごめんなさい、私、海を、ちょっと知りたくて。興味があったのだけど」
何とか能力を隠そうと彼女は目を閉じて謝る。
>>943
「こんばんは。ごめんなさい、私が怒らせちゃったみたいね」
すまなさそうに少女はクロナに謝る。
彼女からも、人工的な異能の気配が漂っている。
- 947 :Fe-107(クロナ):2011/07/18(月) 00:02:15 ID:onviSg/.0
- >>944
(集ってくるのですね、ふむ)
思考を口にするのをどうにか我慢しつつ、宗也に一瞬顔を向ける。
「が、多くで会話が進めば、ボロも出るでしょうか」
そう声に出して呟く自分が一番ボロを出しているかも知れないことには気付かない。
>>945
「いえ、関係無いのなら良いのですが。
どうも気配に覚えがありまして……初対面でしたか?」
動揺もせず、尖った男にそう言う。
覚えている気配とは吹雪の怪人の時に感じた気配なのだが、
その時の気配が引っ掛かっていることにはまだ気付いていないし、
それが怪人に共通する気配だとは知らないし、
そもそも怪人が複数居ることも彼女は知らなかったりする。
「ええ、すぐキレる人は生憎身内に居らず、新鮮なので構いませんが」
続けてワイシャツの男へ変な答えを返す。
>>946
「いえ、大丈夫です。
それより、貴女も落ち着いてくださいな」
幹に氷が発生したことを知ってか知らずか、
しかし異能力を持つことには気付いたらしく、無表情にそう応える。
- 948 :焔魔堂 宗也:2011/07/18(月) 00:11:07 ID:1sJsd2CgO
- >>945
(赤いほうが杉下タイプでツンツンが亀山タイプ……いいコンビ)
宗也は二人組の様子を見て、そんな感想を得た。
特に問題も無さそうだし、と鞄を開いてマジシャンが使うようなステッキを取り出す。
ブン、と振るって。
杖先から飛び出させた折り紙の鶴は、杖の動きに沿って浮かんでいる。
唐突に奇術の練習をし始めた。
>>946
音に視線をやり、凍った幹を見て感嘆の息をつく。
(アレ、涼しそうでいいなぁ……)
実は氷に置き換わっている事に、宗也は気付いていなかった。
>>947
見られた事には気が付いていない様子で、じっと折り紙の鶴に集中している。
なんとなく、なんとなくだが、クロナのほうへ飛んでいっている気がしないでもない。
- 949 :不気味な二人組:2011/07/18(月) 00:17:36 ID:3EaBc40s0
- >>946
「あんだ?怪しい能力使いやがって、それで俺がビビるとでも……」
「お前は少し黙っとけよ」
警戒する髪の尖った男を諌めながらも、ルースは右手を誰からも見えない位置に回した。
ルースという男も少し警戒しているのだろう。
「近くは無いけど、海ぐらい今日び誰でも行けるだろ」
>>947
「お前みたいな奴しらねーよ!」
尖った髪の男は怒鳴りつける。
一方ルースは、気配と言われ、少し驚いた顔をした。
「なあ、ヌラタ。今日はもう帰ろう」
尖った髪の男はヌラタというらしかった。
>>948
「……なんだありゃ、手品師か?」
ヌラタと呼ばれた男は、焔魔堂の行動を見て、首をかしげた。
しかし、すぐに興味を無くした様に他所を向いてしまった。
- 950 :No.31:2011/07/18(月) 00:27:04 ID:dL9W2t9U0
- >>949
「ごめんなさい、驚いて制御が外れたの。
危害を加えるとか、そういう気は無いから安心してね?」
「私、観測局の保護観察中だから、余り遠くにはいけないの。
今も、自由時間を使って散歩に来ただけだし、この街から出ようとしたら
拘束状態に戻っちゃうわ。出歩くまで結構大変だったんだから」
そういって、ふぅ、と少女はため息をついた。
>>947
「うん、早く統制したいんだけどね」
目を閉じたまま、返答する。
どれだけ制御しても、彼女の目は微量な温度を奪い続けるので、
これ以上何もしないためには目を瞑るしかないのだ。
「お姉さんも異能者なの?」
- 951 :焔魔堂 宗也:2011/07/18(月) 00:30:48 ID:1sJsd2CgO
- //眠気でギブアップ……。落ちます。
//宗也スルーでよろしく
- 952 :Fe-107(クロナ):2011/07/18(月) 00:35:21 ID:onviSg/.0
- >>948
「念動力でしょうか……」
マジックや奇術と呼ばれるモノを良く知らない彼女は、
少し興味を奪われたようにそちらへ目をやる。
そして右に提げた買い物袋を地面へ置くと、向かい来る折り鶴へ人差し指を向け、
「……おいで?」
呼んでいる。
>>949
と、その姿勢のまま再び二人の男へ向き直すと、
「そうですか。では勘違いだった……ということ、にでもしておきましょう」
と返すが、どうにも結局気にかかるようで。
首をかしげて更に捻るという違和感にまみれたポーズを採りながら、
「ええ、『お気をつけて』」
とだけ言った。
>>950
怪しい姿勢を(鶴を指差す人差し指を除いて)解除すると、
次はNo.31のほうを向き、
「統制、ですか。未完成、或いは発展途上なのでしょうか。
難しいものですね」
目を瞑った様子を見て言う。
「異能者……とは、少しズレがありますね。
私は人の創りし天使ですので」
そして問いに対し、躊躇い無く答えた。
- 953 :Fe-107(クロナ):2011/07/18(月) 00:36:35 ID:onviSg/.0
- >>951
//リロってなかったー、お疲れ様です
- 954 :不気味な二人組:2011/07/18(月) 00:40:26 ID:3EaBc40s0
- >>950
ルースとヌラタは観測局の名を聞いて、少しうろたえたような表情を見せる。
「……おい、帰ろうぜ」
「ちょっと不味いな」
二人は顔を見合わせて数歩引き下がる。
>>952
「ああ、なるべく気をつけて帰ることにしよう」
「……チッ、厄介な奴らだな」
そういい残して、二人はNo.31とクロナに背を向ける。。
なぜか二人は足早に、周囲を警戒するように立ち去った。
- 955 :No.31:2011/07/18(月) 00:48:14 ID:dL9W2t9U0
- >>952
「どちらかというと、発展途上ね…10台前半の被検体は安定してないから、
後半になるまで待たなきゃいけないのよ。多分後2年くらい」
そして次のクロナのセリフに驚いて目を開く。
「天使?!人が作った天使って、本当に?
…全然、そうは見えないわね。私が生粋の異能者じゃないからかもしれないけど」
感心して声をあげる。
>>954
(観測局の名に警戒してるの?どうしてだろう、指名手配犯かしら)
その様子に少し不信感を抱いたNo.31は、二人が立ち去るまで目で追っていた。
だが、それ以上追ったりという事はしない。
局に戻って、報告はするかもしれないが。
- 956 :Fe-107(クロナ):2011/07/18(月) 00:59:58 ID:onviSg/.0
- >>954
「……ええ、お疲れ様です」
また軽くお辞儀をして、二人を見送る。
……結局正体などは掴めなかったが。
拠点であるスグル宅に戻れば何か分かるかな、と考える。
>>955
「悠長な話なのですね、なるほど。
うちはどうも即戦力重視なようでして」
ほう、と続けた後。
「ええ、人工なので、普段は翼も輪も無いのです。
そう見えず、感じ取れなくても仕方がないかも知れません」
何でもないようにそう返す。
天使を名乗りつつ黒髪ロングなのに、違和感を覚えるかは分からない。
- 957 :No.31:2011/07/18(月) 01:08:11 ID:dL9W2t9U0
- >>956
「というより、能力が範囲系だから、巻き込むというのが正解かもしれないわね。
もっと上手く能力を使う訓練をしたいのだけど」
うーん、と首をかしげて。
「人工か…、野望のある人は何でも自身で作りたがるのよ。
あなたが作られた目的って、何なの?」
そして、胸に手をあてる。
「私も人工的に能力を発現させられた一般人だから、興味があるの。
私達が作られた目的は、人の手で、人を異能者の高みに誘い、超える技術を
確立するためよ」
- 958 :Fe-107(クロナ):2011/07/18(月) 01:19:29 ID:onviSg/.0
- >>957
「努力あるのみですね。
私も正直大したことは出来ませんので」
ふむ、と頷く。
「目指すは飛躍した存在、ですか……。
私達のコンセプトは、私自身も良く知りません。
私の仕事は、マスタ達の研究を手伝い、そしてマスタを賛美することでした。
そのマスタも今は行方不明で、心配でならないのですが」
今度は、はあ、と溜め息を吐く。
- 959 :No.31:2011/07/18(月) 01:36:48 ID:dL9W2t9U0
- >>958
「そうね。努力…でも、ここらへんにあるもの凍らせたら怒られるのよ。」
少女の能力を訓練するには、凍っても問題ない場所にいくしかないだろう。
「そっか、理由や目的が分からないなら、どうして良いか難しいわよね。
…あなたにとって、マスタは、大事な人なのね。
会えなかったら、心配よね。」
少し寂しそうにNo.31は言葉を返す。
「心配だよね…」
そしてもう一度、小さく呟いた。
- 960 :Fe-107(クロナ):2011/07/18(月) 01:50:09 ID:onviSg/.0
- >>959
「では、かき氷屋でもやってみましょうか?
良い具合に夏ですし」
無表情……というより、真面目な顔でそう返す。
「ええ、分かりませんが、しかし信じています。
天使とは、悪いことをするために創造されるものではないはずですから」
悪徳天使など、何処の世界にも探せば居るのかも知れないが。
「私が居なければ、マスタも心配に違いないのです。
ですから、必ず見つけてあげなくてはならないのです。
どちらも、どちらも裏切ってはならないのです。
大事な人は大事にしなければならないのです。
そういう人が、貴女に居るのかは分かりませんが……」
と話していたところで、
「……あっ、つい長居してしまいました。
息子様が空腹で死んでしまいます……では、この辺で」
今度は深くお辞儀をすると、
置いていた袋を右手に引っ掴み、足早に公園を去って行った。
- 961 :ジル:2011/07/23(土) 23:41:39 ID:4CJfBIkc0
- [ イデアの花園| ]
[ステージ:草原 夜|]
[jgkgいklあsdc さんがログインしました]
何故自分はここにいるのだろうか。
その問いの答えは『エラー蓄積のため』と言うことにしておこう。
合理的な理由など到底見つからない。
「にしても、ストレス発散の為に闘おうだなんて」
「随分人間臭くなったもんだ、私も」
そう呟いて、ジルは自嘲的に微笑んだ。
- 962 :ジル:2011/07/23(土) 23:56:49 ID:4CJfBIkc0
- />>961は無しで!
誰もいない、夜の資材置き場。
妙に明るい月明かりが其処に居る人物の影を地面にくっきりと浮き上がらせる。
[エラーが蓄積しています]
[エラーが蓄積しています]
[エラーが
「五月蠅い」
無機質な、しかし僅に苛立ちを含んだ声が響く。
登録されていない種類のエラー。
それにジルは困惑していた。
しかし−−対処法は何故か解る。
それを身体が求めている。
「『何かにこの苛立ちをぶつけたい』」
- 963 :名も無き異能都市住民:2011/07/24(日) 00:07:58 ID:SSMHlh/20
- >>962
――ブオロロロ……キッ。
その時、ジルの背後で車が一台ゆっくりと停車した。
黒塗りの、一見何処にでもありそうなワゴン車だが……。
最近、都市に流れている噂を耳にしたことは無いだろうか?
『夜、路地を歩いていると黒い車に連れ込まれさらわれる。』
その後の展開は、殺人鬼に解体されるだとか奴隷として売られるだとか。
人によって話す内容はまちまちだがそういった噂に共通した部分があるのは確かだった。
――ガチャッ
「やあ、この辺の子かな?ちょっと道にまよってしまってね。
都市中心部の金融街はどちらへ行けばいいのかな?」
ワゴン側面の扉から、若い男が一人降り立ち親しげに笑みを浮かべながら
つかつかとジルへと近づいてくる。しかし、どこか妙だ。
この男の体付きはプロレスラーか、それとも軍人か、と見紛うばかりの見事な物で
そり上げた頭髪と、耳につけた金のピアスなど、どうみても金融関係の人間には見えない。
そもそも、ここは中心部からだいぶ離れており、迷ったとしてもこんなところに出る物だろうか。
- 964 :ジル:2011/07/24(日) 00:15:56 ID:4CJfBIkc0
- >>963
「……金融街なら、今貴方が来た方向に真っ直ぐ飛ばせば着きますよ」
顔すら見ずに、ひたすら無愛想に。
男の様子とは対象的にダウナーな態度を取る。
「用はそれだけですよね?
さっさと行ったら如何ですか」
まるで興味が無い、とでも言わんばかりに突き放す。
- 965 :名も無き異能都市住民:2011/07/24(日) 00:23:18 ID:SSMHlh/20
- >>964
「そうかい、ありがとう。」
男は、そう言いながらごく自然に――
携帯電話か、財布でも探っているかのような様子で懐に手を入れた。
しかし、ある程度の知識があれば分かるかもしれない。
この男は、脇にホルスターで拳銃を吊っている。と。
- 966 :ジル:2011/07/24(日) 00:34:31 ID:4CJfBIkc0
- >>965
ジルは男を見ていない。
そのため男の持つ拳銃に気付かない。
しかし−−ジルは男の居る方向から敏感に『死の匂い』を感じ取っていた。
即ちそれは彼が『ストレス発散』の『お手伝い』をしてくれる、と言うこと。
「願っても無いことだ、全く」
傍にでも居なければ聞こえないであろう小さな声で呟くジルの口角は、これでもかと言うほど−−
−−歪に吊り上っていた。
- 967 :名も無き異能都市住民:2011/07/24(日) 00:49:03 ID:SSMHlh/20
- >>966
男は無言で、拳銃――。
少し変わった形状の、余り見かけないタイプの物。
その引き金を絞る。
狙いは、ジルの心臓。
サイレンサーを装着しているのか発砲音は非常に小さく
近くに人がいたとしても気づく可能性はほとんどないだろう。
- 968 :ジル:2011/07/24(日) 00:55:50 ID:4CJfBIkc0
- >>967
ぱすっ
ばたっ
気の抜けるような発砲音の後、糸の切れた操り人形のようにジルの身体は地面に倒れ込む。
−−料理をより美味しく食べるのにはスパイスが欲しい。
これはつまり、そう言うこと。
- 969 :名も無き異能都市住民:2011/07/24(日) 01:03:07 ID:SSMHlh/20
- >>968
ジルの胸から生えた、一本の細長い針のような物体。
そう、男の持っていた銃は専用の針を発射する麻酔銃だったのだ。
「……今月はこれで4人目……。
はは、なんていい商売だ。次はコート・ダジュールあたりに別荘でも買うとするか。」
男はにやりと笑みを浮かべると、銃を懐に仕舞い倒れたジルに近づく。
後ろから、車がゆっくりとよってくるところを見ると敵はこの男だけではない。
- 970 :ジル:2011/07/24(日) 01:11:37 ID:4CJfBIkc0
- >>969
男が近寄って来る。
他にも沢山の気配が感じ取れる。
これは大漁だね、嬉しいことだ。
そろそろ、良いタイミングかな。
「ばあ」
目をかっと見開く。
男の足首を掴む。
「酷いなあ、『か弱い私』にこんなことするなんて−−ね?」
終いに、にっこり微笑んだ。
- 971 :名も無き異能都市住民:2011/07/24(日) 01:18:43 ID:SSMHlh/20
- >>970
ジルの体を男がその大きな手でむんずと掴もうとした
ちょうどその時であった。
「なっ……こいつ――。」
まだ動けたのか。そういい終える前に、
男は再び懐のホルスターに指を滑らせる。
つかまれた足を一歩引き、ジルの手を振りほどこうとしながら。
- 972 :ジル:2011/07/24(日) 01:20:44 ID:4CJfBIkc0
- >>971
「あう」
掴む力は弱く、いとも容易くふり
- 973 :ジル:2011/07/24(日) 01:25:49 ID:4CJfBIkc0
- >>971
「あう」
掴む力は弱く、いとも容易く振り解かれる。
しかしそんなことは如何でも良い−−それはスパイスに過ぎないから。
「よいしょっ、と」
立ち上がろうとするその動作はいやに緩慢で隙だらけ。
その間に発砲することも可能であろうし、組み伏せることだって出来るだろう。
- 974 :名も無き異能都市住民:2011/07/24(日) 01:31:44 ID:SSMHlh/20
- >>973
――パスッ――パスッ
男は力任せに、軍用ブーツを履いた足を振り上げ
ジルの頭へと振り下ろすと、そのまま2発、3発と次々に
麻酔弾を体へ打ち込んだ。
「おい、何をやっているんだ。
さっさと仕事を片付けてずらかっちまおう。」
「おう、すまん。どうやら当たり所が悪くて
薬剤の効きが悪かったみたいだ。もう終わる。」
運転席の窓から顔を出した男が、忌々しげな声を出した。
ジルに見えるかどうか分からないが、車内にはもう人影はない。
- 975 :ジル:2011/07/24(日) 01:40:17 ID:4CJfBIkc0
- >>974
僅に上がっていた頭に蹴りが炸裂する。
身体ごと跳ねるほどの衝撃。
アスファルトに顔面が衝突する。
「……ストレス発散しようとしてるのに、逆に溜めちゃあ意味無いよね」
頭を蹴られたのが余程苛ついたか、ごきあらく
- 976 :ジル:2011/07/24(日) 01:44:14 ID:4CJfBIkc0
- >>974
僅に上がっていた頭に蹴りが炸裂する。
身体ごと跳ねるほどの衝撃。
アスファルトに顔面が衝突する。
「……ストレス発散しようとしてるのに、逆に溜めちゃあ意味無いよね」
頭を蹴られたのが余程苛ついたか、語気荒く。
針を打ち込まれようが意に介さず立ち上がり、二人を睨み付ける。
「じゃあ、始めようか」
そう言って−−10tトラックを召喚する。
- 977 :名も無き異能都市住民:2011/07/24(日) 01:51:16 ID:SSMHlh/20
- >>976
男は、ジルにまったく麻酔銃が効いていない事を覚ったのか、
その場から素早く離脱し、例の黒いワゴンに転がるように飛び乗った。
――ブルンッ
車内では慌てた様子で言葉を交わす男たちの姿が見える。
一気に踏み込まれるアクセル。泥を跳ね飛ばし、少しから回りした後、
しっかりと地面を捕らえ加速する車体。
敵は逃げるつもりのようだが、どうするか……。
- 978 :ジル:2011/07/24(日) 02:00:09 ID:4CJfBIkc0
- >>977
「逃がすかよ」
人は慌てると動作に無駄が多くなる。
その為か、男達の乗ったワゴン車が走り出す頃には、無人のトラックがぶつかる直前にまで迫っていた。
「殺しはしないけど……たっぷり遊ばせて貰うよ」
聞こえてはいるまい。
まあ聞こえていようと居まいと如何でも良い。
何ら支障は無い。
トラックの衝突により、男達に怪我は無いだろうが恐らく車は使い物にならなくなるだろう。
ジル自身そうなることを望んでおり、ある程度調整はした。
- 979 :名も無き異能都市住民:2011/07/24(日) 02:09:51 ID:SSMHlh/20
- >>978
――ガシャアァアンッ
黒いワゴンの側面にトラックが衝突し、車体は半回転。
ごろん、と真っ黒い腹を見せた。
「くそっ、あのガキッ!!」
割れた窓からもそもそ、と這い出た2人は、
悪態をつきながらも、ジルに銃を向ける。
あれは、この辺でも流通している軍の横流し品だ。
麻酔銃ではなく、人を殺傷する目的で作られた凶器。
「死ねッ!!」
――バラララッ、カンッ、チュインッ!!
2丁の銃が、ジルに対して火を噴いた。
- 980 :名も無き異能都市住民:2011/07/24(日) 02:25:31 ID:4CJfBIkc0
- >>978
肩を銃弾が掠める。
痛みなんて知らない。
腿に鉛玉がめり込む。
機能に支障は無い。
何発撃ち込まれようとジルはへらへらと、或いはニヤニヤと笑っている。
当たり前だ。其処まで柔に造られてないから。
「そっちが銃を使ってるんだから、私も使って良いんだよね?」
その言葉とともにジルが召喚したのはマシンガン。
それも分隊支援兵が持つような、重機関銃。
「−−Fire」
息つく暇も無く、発砲。
無論、体幹は狙わないが。
- 981 :名も無き異能都市住民:2011/07/24(日) 02:33:27 ID:SSMHlh/20
- >>980
「……!」
男たちは、突如現れた銃火器を見て
顔面を青くし、その場から一目散に駆け出した。
そこに降り注ぐ、鋼鉄の嵐。
圧倒的な暴力による蹂躙だ。
「ぐえっ!!!」
車を運転していたと思われる男の右足が爆ぜる。
通常のライフルでも当たり所が悪ければ四肢が吹き飛ぶ。
軍用分隊支援火器の弾丸なら、容易く骨を吹き飛ばしてしまうのだ。
「ひっ、おれの……おれの、あ、あ、あし……。
あぁああぁぁ……っがっがが……。」
その場に倒れた男は、感覚が痛みに追いついていないのか
しばらく呆然とおのれの足を見つめていたが、すぐに泡を吹き気を失った。
- 982 :ジル:2011/07/24(日) 02:42:38 ID:4CJfBIkc0
- >>981
「壊れちゃった……人間って脆いんだね」
気を失った男をつまらなさそうに一瞥し、逃げ去る男の背中を目で追う。
ここで見逃しても良いが、それでは腹の虫が治まらない。
「『仲間を見捨てて逃げるとは何てひどいやつなんだろう』−−これはお仕置き、だね」
瞬間、ジルの身体が淡く発光する。
地を蹴る。
瞬時に男に肉薄する。
そして。
「−−吹っ飛べ」
渾身の力で、殴る−−!
- 983 :名も無き異能都市住民:2011/07/24(日) 02:49:00 ID:SSMHlh/20
- >>983
振り返らず、一心不乱に走る男。
その後頭部にジルの拳がめり込み、その形を歪に変形させた。
哀れな犠牲者は脳漿をこぼしながらコンクリート壁まで
吹き飛びべちゃりと嫌な音を立てた。
- 984 :ジル:2011/07/24(日) 03:01:40 ID:4CJfBIkc0
- >>983
「……」
自分の拳。
男の死体。
交互に2回ずつ見て、溜め息。
−−未だ人間にはなれそうも無い。
−−だって、こんなに脆くはなれないもの。
−−ストレス解消?
−−ならなかったよ、何でか。
ジルが去った後、其処には何も残されて居なかった。
夜はまた静寂を取り戻し、何も起こらなかったとでも言うような顔で口を閉ざす。
妙に埃っぽい匂いだけが、その場に残されていた。
- 985 :イザヤ:2011/07/31(日) 22:06:13 ID:dL9W2t9U0
- イデアの箱庭、森林区。
小川の流れる心地よいせせらぎの中、
この地区の季節は春に設定されていた。
風が涼しく、過ごすには良い場所だと言える。
そんな中、石に腰掛けた男が、何やら珍妙な剣を眺めていた。
普通の剣の真ん中を抉り取ったかのような形状のその剣は、
それ故に剣先に重心が来るのだろうが、どうも扱い辛い。
「ふーむ、もっと良い形があるかもしンねェなァ」
男はひとりごちて、剣を眺め続ける。
- 986 :黒沢小百合:2011/07/31(日) 22:25:00 ID:SSMHlh/20
- >>985
「探しましたよ。」
思索に耽るイザヤに背後から声が掛けられた。
この声は……黒沢小百合の声か。
基本的に彼女は、部下のプライベートに立ち入るタイプではない。
探した、という事は何か仕事の話を持ってきたと見て間違いないだろう。
- 987 :イザヤ:2011/07/31(日) 22:48:26 ID:dL9W2t9U0
- >>986
その声に、男――イザヤは振り返る。
「あぁ、あンたか」
笑って、剣を座っていた石の上に置き、立ち上がった。
「わざわざこンなところまでなンの用だィ」
珍しい、というように烏天狗は声をつむぐ。
- 988 :黒沢小百合:2011/07/31(日) 23:03:28 ID:SSMHlh/20
- >>987
「最近、麻薬事件の増加によって
我々、都市警備部門は厳しい批判に晒されているのはご存知ですね?」
小百合は、そういって週刊誌をイザヤへと差し出す。
内容は千夜をはじめとした、独自戦力を持ち都市の治安維持を行なっている
自警団や警察組織をバッシングするもので。
特に、メディアへの露出も多く目立つ存在である小百合は
『自尊心が衣服を着て歩いているような女』だとか『市民殺しの暴君』だとか、
徹底的にこき下ろされている。
「こういった批判は最もです。我々、千夜の都市警備部門がこれほど
強力な戦力を備えているのは、市民を守るため。結果が出せていないというのならね。
……そこで、私は今までにない規模で麻薬の取締りを進めるつもりでいます。そこで……。」
小百合が取り出した一枚の書類。そこには『麻薬対策特別チーム』の文字が躍る。
「あなたを、これのリーダーとして抜擢したい。
……どうです、貴方のキャリアアップにも繋がると思うのですが。」
彼女の目が何よりも雄弁に語る。
『嫌とは言わせない。』と。
- 989 :イザヤ:2011/07/31(日) 23:27:15 ID:dL9W2t9U0
- >>988
「ああ、話は聞いてるぜ。麻薬か、市民の不満が権力に向くのは仕方のねェ事だな」
さて、どうしたものかと呟きながら小百合の話に耳を傾けていたイザヤは、
不意の一言に驚いて見返す。
「俺に任せてくれるのかィ?」
何よりも野心に満ちたその顔が、答えを言葉より早く彼女に伝える。
「やる。やらせてくれ。」
書類を受け取ろうと、小百合に近付いた。
「任せてくれ。麻薬組織も千夜への不満もどちらも解消してみせるさ」
- 990 :黒沢小百合:2011/07/31(日) 23:39:00 ID:SSMHlh/20
- >>989
「それでは、私から夜刀神さんのほうに報告して、
手続きを済ませておきますから、明日からでも業務を開始するように。
それと、今まで私が独自に収集したデータを後で貴方のオフィスに送っておきますから
一応、全て目を通しておくように。」
この特別対策チームは、千夜以外にもいくつかの組織や自警団、
警察の麻薬対策課などと連携した、大規模なもの。
市民に対して、治安維持組織が全力を持って問題に対処しているという
アピール効果も狙っての物だ、もし失敗すれば小百合や治安維持組織の担当者だけでなく、
イザヤ自身の失脚すら十分にありえる。必ず成功させなければならない。
「我々は、様々な治安維持組織の中でも規模が大きく、
このプロジェクトの中核を担う事になります。他の組織の担当者とも
密接に連携をして、任務を遂行してください。」
- 991 :イザヤ:2011/07/31(日) 23:46:03 ID:dL9W2t9U0
- >>990
「あァ、解った。…随分大規模だなァ、やりがいがある」
概要を頭でまとめて、改めてその大きさと、千夜の占める割合に驚く。
「公安や、異能が絡むなら観測の力も借りなきゃなァ。
一枚岩になる為には良い事案じゃねェか」
コキコキと首を鳴らす。
「実行中に何か起きなきゃ良いけどな」
そう、最近のテロの多さといい、計画が上手く行っているときほど慎重に動かねばならない、
とイザヤは思っていた。
緻密に計画を練れば、不慮の事態の対応も早い。
特に人は一人の能力は狭いが、集団にすることで相乗効果を発揮する。
まるで集団を一つの体内器官のように動かせれば、彼の負担も減るだろう。
組織運営の核を学べる、良い機会だ。
「ありがとなァ、またとないチャンスを譲ってくれるたァ」
- 992 :黒沢小百合:2011/07/31(日) 23:58:30 ID:SSMHlh/20
- >>991
「貴方に期待しているからですよ。
人と妖怪の架け橋になるという貴方の夢。
こんな所で潰されるようでは……ね。」
ふん、と鼻を鳴らす小百合。
そのまま、ログアウト用端末へと歩を進め、
指を伸ばして捜査しようとしたところで思い出したように振り返り。
「……どうやらこの麻薬事件、ただの利益目的ではないようです。
もし困ったなら、オールドタウン3番街にすむ『准将』と呼ばれる人物を尋ねなさい。
彼は、独自に麻薬関連の捜査を行なっている人物です。彼の知識は助けになるかと。」
――『黒沢小百合さんがログアウトしました。』
小百合は、ただそれだけを告げて。
- 993 :オリハルコン武器を手に入れろ ◆6xc12amlNk:2011/08/01(月) 21:11:51 ID:.6prKP66O
- 荒れた道を馬車が走る
馬を操るのは鎧を来た三人の男
真ん中の男が手綱を取り、二人は馬車内の客人のご機嫌とりをしたり、手綱を持つ男と世間話をしたりする
「いやぁ、旦那も無茶言うよな」
「そうそう、あんな幼女をカリオストロ様の城に連れて行くとかさ」
「遠いんだよな〜!
まぁ、新しい鎧を作ってくれるらしいから有り難いっちゃ有り難いんだけどな!」
三人は今回の仕事の愚痴を口々に零す
朝から出発してこの時間だ、相当距離のある所なのだろう……
三人の会話のネタが尽き始めた頃、辺境の地に巨大な城が見えてきた
「やっと着いたぜ!」
「おう、嬢ちゃん!着いたぞ!」
「俺等はあまり近付く訳にいかないからあとは自分でなんとかしてくれ!」
三人は、馬車内にいる少女に声をかける
- 994 :ゼオラ=アドヴァルド:2011/08/01(月) 21:19:48 ID:kgxnmc8.0
- >>993
馬車のへりに脚をかけ、次の一歩で外に出る。
城の大きさが十分に感じられる距離。
「……」
貰った地図と見比べて、内部のどの辺りにあるのかを調べている様だ。
- 995 :オリハルコン武器を手に入れろ ◆6xc12amlNk:2011/08/01(月) 21:30:03 ID:.6prKP66O
- >>994
地図に印されているのは城の中枢、手書きで王冠マークが描かれている
そこは目指すだけならば簡単に辿り着ける場所、しかし今回は“侵入”し”盗む“のが目的
見張りだって存在する、そう簡単には行かないだろう
「じゃあ、俺たちはそこの森で隠れてるから」
「帰る時は森まで来てくれよ!」
「馬に餌をあげないといけないしな」
『マジ、いきなり重労働とかキツいっすわwwこちとら高貴なペガサスユニコーンすよwww』
鎧の三人が少女に集合場所を教え、白馬がウザイ喋り方をする
夜闇に乗り、今こそ少女の任務が始まる
- 996 :ゼオラ=アドヴァルド:2011/08/01(月) 21:38:38 ID:kgxnmc8.0
- >>995
「……」
位置が把握できたのか、地図を折りたたんでしまい込む。
三人+馬の方を見て、小さく頷く。
この馬からは凄みは感じられないのだけれど、それはきっと感じ取る力が無いだけなんだと自身に言い聞かせ。
三人+一匹に手を振って、城の方へ向かう。
侵入経路を探す為に、少しだけ近づくつもりだ。
- 997 :オリハルコン武器を手に入れろ ◆6xc12amlNk:2011/08/01(月) 21:49:14 ID:.6prKP66O
- >>996
少女が城を目に映すと正門から大きな橋が降りてくる
その瞬間、大きな地響きと共に白銀に黄金の装飾を施したド派手な戦車の大群が現われる
それらは土埃を上げながら、遥か彼方へと走りさるのだ
ここに来て、少女はその城の危険性を知る
なんとしても見つかってはいけないと直感するのだ
しかし、それなのに
いくら探しても、侵入出来そうな場所が無い
- 998 :ゼオラ=アドヴァルド:2011/08/01(月) 21:56:50 ID:kgxnmc8.0
- >>997
「……大変」
目の前の光景に思わずため息を漏らす。
思った以上に難しいな。と。
少女は城に向かって目を凝らす。
壁に窓があるかどうか。それを調べているのだ。
- 999 :オリハルコン武器を手に入れろ ◆6xc12amlNk:2011/08/01(月) 22:04:49 ID:.6prKP66O
- >>998
少女が目を凝らすと窓は存在する事がわかった
しかし、遠目ではわかりにくいが、これまた白銀に黄金の装飾が施された枠である
窓硝子には、上弦のアトリエで見たようなマナの姿が描かれている
- 1000 :ゼオラ=アドヴァルド:2011/08/01(月) 22:10:48 ID:kgxnmc8.0
- >>999
少女はまた小さく息を吐いた。安堵の息だ。
窓があれば、取りあえず侵入できる。
「……」
しかし、目の前の端を渡らなければ城に近付く事は出来ない。
どうしたものか。と首を捻る。
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