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【イベントB】日々の積み重ねが異能都市【第6の区切り】- 1 :名も無き異能都市住民:2010/06/05(土) 23:21:38 ID:fqURxG6Q0
- <<ルールとか>>
・ここは、各スレでなんらかのイベント・クエスト・戦闘が発生した場合に使います。
・雑談も可能ですが、日常の範囲で済むかどうかは各自で判断してください。
・クエストスレはA・Bの2つがあります。開いている場所ならどこでも使って構いません。
・逆に、使用中の場合は混乱の元になりますので、同じクエストスレで2つのクエストを進行させることはやめてください。
・クエストで使われている場所を、クエスト以外のスレで使うことは『構いません』。
時間軸が異なる・平行世界である、など解釈は自由です。
・またクエストスレと他のなりきりスレに、同時に現れることは『構いません』。
ただしそれによって起こり得る弊害は自力でなんとかしてください。
・GM役をあらかじめ決めておくとスムースにことが運ぶかもしれません。
・識別をしやすくするために、トリップをつけると幸せになれるかも。
前スレ
【イベントB】このろくでもない素晴らしき世界【五個目】
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12841/1269958304/
- 2 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/06/09(水) 22:28:09 ID:WVrfsEdY0
- //おつ〜
前1000
「あうあう〜。それでいいなの〜!」
【うんうん、と頷いた】
「あう〜…どこかなの〜。
ゆき…」
【少しして、ディスは頭の中に雪が降った光景を思い浮かべた】
【やはり少し前に見た雪はインパクトが大きかったらしい】
「ゆきがふってるところかなの〜」
【ぼんやりした返答を返した】
- 3 :朝宮暁:2010/06/09(水) 22:31:41 ID:/k2gysHgO
- >>2
「んじゃ雪原でどうだ?」
雪と聞いて最初に思い付いた場所がそこだった。
「薄く雪が積もった真昼の雪原で土曜の9時から。……どうよ?」
- 4 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/06/09(水) 22:35:06 ID:WVrfsEdY0
- >>3
「あう〜。せつげんなの〜!いいなの!」
【大きく頭を縦に振って同意した】
「うん、そのときにたたかうなの!
わかったなの!!」
【ガッツポーズをして言った】
- 5 :ウリュー:2010/06/09(水) 22:38:06 ID:PBnIervYO
- 「15位……流石大穴(わたし)」
どうやら勝手にトトカルチョをしていたようだ。
「大会賞金は残念でしたが、いや異能都市、分の悪い賭けが大好きな人が多くてよかった」
小銭は稼げたようだ。これで ねんがんの アパートを……
「あ!質の良い魔石ですね、これ下さい。丁度お金が入ったんですよー♪」
浪費癖さえなければ、買えたのだが。
- 6 :朝宮暁:2010/06/09(水) 22:44:17 ID:/k2gysHgO
- >>4
「おう、……んじゃ、そういうことで」
やはり煮え切らない表情で言って、踵を返してスタジアムから出て行く。
「……女殴んのはなあ……」
なんてことを、呟いて。
- 7 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/06/09(水) 22:49:02 ID:WVrfsEdY0
- >>6
「あう〜!まけないからねなの〜!」
【大きく手を振って見送った】
「よし、がんばらないとなの!」
【大きくうなずいてディスもスタジアムを出て言った】
- 8 :名も無き異能都市住民:2010/06/10(木) 23:22:17 ID:Im38dyfs0
- 「………き、のう…?」
【"箱庭"センター】
《闘祭2010》の日程表を前に首を傾げる"赤マフラー"の男
「………」
住所不定
無職
独男
「マジ?」
此度のトーナメント
そのファイナリスト"甲"であった
- 9 :名も無き異能都市住民:2010/06/12(土) 01:33:46 ID:PhD2K7o60
- 「……」
嗚呼、遅刻
一日違いというとんでもない誤算
「……」
百通り(大袈裟)も考えたスタジアムへの登場シーン
華々しい歓声に包まれる爽快感
あと諸々
「…」
全部パー
ファイナリストは人がはけた箱庭に佇み途方に暮れる
「……失格…とかには、なってねーよな」
- 10 :名も無き異能都市住民:2010/06/12(土) 01:35:22 ID:HnkBBDEo0
- >>9
「大丈夫だ 俺は一回も出たことが無い」
紅いコートをゆらし、男は何故か得意げに言う。
「このまま逆皆勤賞を達成してやる!!」
- 11 :甲/ファイナリスト:2010/06/12(土) 01:40:53 ID:PhD2K7o60
- >>10
「それ、ほめられたモンじゃねーし…運営の人にゴメンなさいしとけよ」
赤いマフラーを翻し、男はふはぁと息を吐く
「まぁ、良いか」
ふ、と表情を緩めて
「俺とお前の決戦だしな」
- 12 :名も無き異能都市住民:2010/06/12(土) 01:44:18 ID:HnkBBDEo0
- >>11
「……うん、実はいつも電話で怒られてる(´・ω・`)」
ショボン、とした顔でベンチに座る。
ベンチが金属製の辺り、どうやら能力で構築したもののようだ。
「さてと。どうよそっちは、万全か?」
- 13 :甲/ファイナリスト:2010/06/12(土) 01:50:20 ID:PhD2K7o60
- >>12
「おっ前、ワリと有名人だからよー…あのスタンドのファン連中の微妙な盛り上がりは…見てられなかったぜ」
紅に染まったスタンド
そこの人達はどうにもイマイチいつも盛り上がり損ねていた
それも、まあ"らしさ"かと片付けて
「はぁ?それをお前が聞くかぁ?」
やれやれ、と肩を竦めて
「そっちこそ大丈夫かよ……暁(一回戦)ん時みてーな感じにゃしてくれんなよ?」
- 14 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/06/12(土) 01:56:40 ID:HnkBBDEo0
- >>13
「うあー、そんなに人がいたのかー」
自覚無いようだ。
「ああ、俺?
もうバッチリよ。ヘマはしねぇ」
ベンチの上で背を逸らし、上に目を向けながらクケケと笑う。
「いろいろと、決着ついたんでな」
- 15 :甲/ファイナリスト:2010/06/12(土) 02:03:06 ID:PhD2K7o60
- >>14
「あぁ、あとPTAの人達とかも来てたな…ギラついた眼で」
主に子供達を守る会的なアレ
まぁ、それはいつものことなので置いておいて
「上等、なら問題ねーな」
その笑みを、はん、と笑い飛ばして
「決勝で闘う俺の相手にゃ申し分ねえ」
腰に手を当ててニヤリと見下ろした
- 16 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/06/12(土) 02:06:16 ID:HnkBBDEo0
- >>15
「うわ、やっぱり来なくて良かったー」
少し青い顔で溜息を漏らす。
なんか最近マークされてるんだよなー。
この前普通に公園を散歩してる途中、幼女に話しかけただけで通報されたし。
やれやれと鼻を鳴らし、そして、
「おう、全力で叩き潰してやる。覚悟しな」
ニヤリと笑った。
「で、いつにする?」
- 17 :甲/ファイナリスト:2010/06/12(土) 02:10:01 ID:PhD2K7o60
- >>16
「ん、まぁそんなの決まってんだろ」
パン、と拳と掌で小気味良い音を立てて
「ぜーんぶの戦いが終わったあとだよ」
それでこそ"決勝戦"だろ?と続けた
- 18 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/06/12(土) 02:15:39 ID:HnkBBDEo0
- >>17
「なるほど、トリを狙うか。そりゃ盛り上がるだろうなwwwwww」
クハハと警戒に笑う。
「んじゃ、俺達はしばらく観戦か。
のんびりと過ごすとしよう」
ぐでー、っとベンチの上に横たわる。
- 19 :甲/ファイナリスト:2010/06/12(土) 02:21:13 ID:PhD2K7o60
- >>18
「せいぜい盛り上げるとしよう」
くっくく、と忍び笑いで応えて
「つーても」
「通算で…確か負け越してるからな、まぁ今回で並ばせて貰おうか」
- 20 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/06/12(土) 02:23:26 ID:HnkBBDEo0
- >>19
「は? 勝ち越し?
それはさせねーよ」
全身のバネを使って体をしならせ、その勢いで立ち上がる。
ベンチは能力で分解して消した。
「今度も俺が勝つ! んで差をガーッと広げさせて貰うぜ?
そろそろ俺が最強の座につくんだもんね!!」
ランと燃える目。本気で言っているようだ。
- 21 :甲/ファイナリスト:2010/06/12(土) 02:29:24 ID:PhD2K7o60
- >>20
「馬っ鹿言え、お前、これまでの差っつったってこーんなもんだべ?こんなモン」
指をクッと縮めて小ささアピール
「くくく…異能都市全土を巻き込んだトーナメントだからなァ…これに勝っちゃうともう、なかなか取り返せない差がついちゃうなぁ…」
ふふんと笑いながらギラギラした眼を向けた
意地っ張り全開
結局の所
野良試合だろうが公式戦だろうが
《クロスとバトル》になった甲はいつでもこんな感じである
- 22 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/06/12(土) 02:33:54 ID:HnkBBDEo0
- >>21
「は? いいや、もっと差がついてたね。
もうこんぐらいついてたから!!」
腕いっぱい広げるクロス。
やっぱり、甲が相手だと……意地を張りたいらしい。
「……オーケーオーケー。
そう言うんだったらテメェ、次の戦いじゃ思いっきり差をつけて勝ってやる。
俺が圧勝してやるかんな!!」
もう甲の額にクロスの額がつくくらい顔を近づけ、
ギリギリと歯を噛み鳴らしながら甲を睨む。
「今回は映像記録残るからなァ、
お前が泣いてるとこみんなの前で見せてやる。覚悟しやがれ!!」
結局の所
これもまた、いつもの甲との喧嘩と変わらないのであり、
そして、クロスの反応もまたいつもの通りなのであった。
- 23 :甲/ファイナリスト:2010/06/12(土) 02:43:12 ID:PhD2K7o60
- >>22
「アホぬかせ!お前、ぜってーフルボッコにして放送禁止フェイスにしてやんぜ…」
あぁん?と顔を捻りながら額をぶつけた
「全都市ネットだからな…"もうカンベンしてくだちゃい"って言わせるのが今から楽しみでしかたねえな…」
クククとかフフフとか
なんかそんな感じに笑いながら
今にも殴りあいそうな雰囲気であった
けど
「ま、そういう訳だから……クク、毎日欠かさず首を洗っておくのだな…」
数々の想いが交錯した異能都市バトルトーナメント《闘祭2010》
その晴れの決勝戦だから、今はお預け
ビッと首を指差して体勢を離した
- 24 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/06/12(土) 02:48:14 ID:HnkBBDEo0
- >>23
「ハン、てめぇこそ。当日は負けた言い訳でも考えておけよ!」
そう言ってぶつかった額を少し名残惜しそうになで、
「……ああ、くそ。やりてぇな、くそ」
少し拗ねたように呟きつつ後ろを向く。
疼く体を抑えるよう、自分に言い聞かせながら。
「それじゃ、全てが終わった時が、始まりの時。
その時が来たら……」
首だけ振り向き、
「暴れようぜ」
ニカッと笑う。
そしてクロスはその場を後にした。
これ以上、この場にいれば……我慢できなくなってしまいそうで。
- 25 :甲/ファイナリスト:2010/06/12(土) 02:56:33 ID:PhD2K7o60
- >>24
「てめえは黒瑪瑙に病院の手配でも頼んで来やがれってんだ」
鼻を親指でぴん、と弾いて
「あぁ」
クロスとは反対方向に踵を返した
「ド派手にな」
ニッと笑いその場を後にする
昂ぶった感情を表すように思わず振り上げた拳―――その振り下ろす先は、まだ遠い
【本日のオチ】
「……ふぅ」
カッコ良く、我ながら別れたモンだ
と余韻に浸るログアウト場所
しかし
「―――――…」
なんか隣のターミナルにクロスが居て
微妙な空気になりましたとさ
- 26 :ディス/vs暁 ◆My6NsjkSfM:2010/06/12(土) 21:07:37 ID:WVrfsEdY0
- 【箱庭内部……真昼の雪原フィールド】
【あたり一面銀世界。雪も燦々と降り続けている】
「あう〜!ゆきなの〜!」
【……大会のフィールドであるにもかかわらず一人の少女が】
【雪玉を転がしていた】
【……あちこちの大会を流すモニターにその光景がしっかり映っている】
- 27 :朝宮暁:2010/06/12(土) 21:11:44 ID:/k2gysHgO
- >>26
「これからの季節、涼みたくなったらここに来るとしようかね」
火を点けた煙草を口にくわえて暁が雪原に立つ。
降り頻る雪に煙草をくわえたまま口笛を吹こうとして、しゅうと白い息が漏れた。
「よう嬢ちゃん。始めるか?」
- 28 :ディス/vs暁 ◆My6NsjkSfM:2010/06/12(土) 21:16:45 ID:WVrfsEdY0
- >>27
「あう?あ、『あかつき』こんばんわなの〜」
【見るとディスはすでに雪だるまを作り上げている】
「うん、ここはいろんなきせつみられそうなの!
…あう、そうなの。たたかうなの」
【少しだけまじめそうな顔になって】
「あ、これはらはちょっとはなれてなの」
【雪だるまの位置から少し離れてから、改めて身構えた】
- 29 :朝宮暁:2010/06/12(土) 21:19:44 ID:/k2gysHgO
- >>28
「おうこんにちは。ああ、雪だるま壊さないようにってか? オーケーオーケー。……離れても溶けるかもしれねーが」
ディスの言葉に応じて暁も雪だるまから離れる。
「――ああ、そうそう。始めに言っとく事有るんだが、ちっと良いか?」
- 30 :ディス/vs暁 ◆My6NsjkSfM:2010/06/12(土) 21:25:46 ID:WVrfsEdY0
- >>29
「あうあう〜。きおつけたりはするなの〜」
【軽くうなずいて言う】
「…あう?なにかなの?」
【身構えるのをやめて首をかしげた】
- 31 :朝宮暁:2010/06/12(土) 21:35:59 ID:/k2gysHgO
- >>30
「まあアレだ。お前と闘うっつーのにちと気が引けてた訳だ。ちょい前までな」
唇から煙草を離し、ふうと紫色の煙を吐く。
「幼女相手に拳叩き込むのはどうなんだ? ってよ。……これでもビッチとなんちゃって美少女以外にはフェミニスト気取っててな。
……けどま、そりゃ失礼通り越して無礼だっつーのに気付いてなあ。本気で来る相手に加減してたら一回戦で戦ったあのバカとかわんねーし。
……それに加減して勝てる相手じゃねえしな」
――ごうと焔が風を呑んだ。暁の両手足が焔を纏い、持っていた煙草が灰となって雪風に舞い散る。
「そんな訳で、遠慮なくブン殴る。顔面ボコボコにして腹に蹴り叩き込んで血ヘド吐かして俺の焔でこんがりウェルダンにしてやる」
暁は構えを取る。左半身を前に右半身を少し引いた、オーソドックスな半身の構え。
「――覚悟しな、嬢ちゃん」
- 32 :ディス/vs暁 ◆My6NsjkSfM:2010/06/12(土) 21:40:24 ID:WVrfsEdY0
- >>31
「そうなの…やっぱりそうおもってたなの」
【ちょっとだけ面白そうな顔をしている】
「…うん、そうじゃないと『でぃす』もこまるなの」
【そう言うとディスの顔はどこかまじめな顔へと変わる】
「わかったの…『でぃす』もほんきなの」
【そう言うと全身から無数の包帯が周囲へと伸び始める】
【どうやらこれが臨戦態勢のようである】
- 33 :朝宮暁:2010/06/12(土) 21:46:35 ID:/k2gysHgO
- >>32
「……んじゃ、始めっか」
普段の快活な表情がすとんと落ち、真剣味を帯びた無表情がディスを睨む。
暁はディスの全身から伸びる包帯を警戒しているのか、その場に留まりステップを踏むように時折上体を揺らす。
「…………」
それは、何かを待っているようにも見える。
- 34 :ディス/vs暁 ◆My6NsjkSfM:2010/06/12(土) 21:49:55 ID:WVrfsEdY0
- >>33
「…う〜ん…なにをするかわからないなの」
【ディスはわずかに困った顔をしている】
「でも、やっぱりいかないとなの!」
【そう言うとディスは全身の包帯を激しく蠢かせ】
「こうげきなの〜!!」
【勢いよく暁に向けて伸ばしていく】
- 35 :朝宮暁:2010/06/12(土) 21:55:24 ID:/k2gysHgO
- >>34
「それを――」
暁は足元の雪を蹴り上げた。蹴り上げられた雪が空中に舞い、雪煙となると同時に素早く体を捌く。
「――待ってたぜッ」
包帯の伸びる先から逃れた暁は、横から包帯へと手を伸ばし、包帯を掴もうと試みる。
- 36 :ディス/vs暁 ◆My6NsjkSfM:2010/06/12(土) 22:06:20 ID:WVrfsEdY0
- >>35
「あう。みえなくな…あう!?」
【一瞬目がくらんだが…包帯を掴まれたことを感覚で感じた】
「うう、そんなことしたらなの!!」
【そう言うと包帯の表面から】
ジャキジャキジャキ
【無数の棘が勢いよく生え始める】
- 37 :朝宮暁:2010/06/12(土) 22:13:19 ID:/k2gysHgO
- >>36
「甘え、この位なら耐えれんぜ……!」
包帯から生えてくる棘だったが暁の手は焔の籠手を纏っており、棘が手に刺さる事は無かった。
「殴るよりも蹴るよりもウェルダンが先になったなッ!」
暁が雄叫んだ瞬間、包帯を掴んでいる左手の焔が一回り大きくなり、ごうと音を立てる。
どうやら包帯伝いにディスへと焔を燃え移らせるつもりらしい。包帯が燃えるのならば、包帯からディスへと焔が伝って行くだろう。
- 38 :ディス/vs暁 ◆My6NsjkSfM:2010/06/12(土) 22:18:36 ID:WVrfsEdY0
- >>37
「あう…このままじゃもえちゃうなの…
こうなったらなの!」
【ディスは驚き、こちらに伸びようとしている焔を見て】
「てやぁ!」
【突如、シャキン、という音がしたかと思うと】
「…あぶなかったなの」
【包帯が消し炭となりながらハラハラと落ちていく】
「ほのおはあぶないなの…つぎはこっちと」
【見るとディスは右手に銀色の刀を構え】
「こっちでたたかうなの!」
【左手にはきれいに巻かれた…別の包帯らしきものを持っている】
- 39 :朝宮暁:2010/06/12(土) 22:32:30 ID:/k2gysHgO
- >>38
「っ、」
舌打ちを一つして、燃え滓となって雪風に舞い散る包帯の向こう側にいるディスを見る。
「ヤッパ抜いて来たか。……上等――」
一歩。暁が鋭い踏み込みを打って疾駆を始めると同時、その背中に紅蓮の翼が広がった。
熱波を撒き散らして紅蓮の翼が羽搏く。暁はその翼の後ろに魂の熱を収束して爆発を起こし、爆風を翼で受けて急激に加速し――
「――だっつの!」
――跳躍。
空中に躍り出た暁は焔を纏う右脚をディスへと向ける。暁の両手と左脚の焔が消え、その分か右脚の焔は一層激しく燃え上がった。
「天、」
焔造りの翼が羽搏いた。翼の背後で再び爆発が起き、紅蓮の翼は爆風を受けて再び暁を急激に加速させる。
「……翔ッ」
焔を纏う暁の右脚は、今や焔を纏う魔槍と化した。紅蓮の魔槍は強烈な熱波を放ちながら、弾丸宛らの速度でディスへと、
「――――脚!」
――――肉薄する。
ディスにとって、これは見覚えのある技だろう。昨日暁と肩を並べた二人の少女との戦いで、六号と呼ばれた鮫の少女の腹を貫いた技なのだから。
- 40 :ディス/vs暁 ◆My6NsjkSfM:2010/06/12(土) 22:40:13 ID:WVrfsEdY0
- >>39
「あう…あれがくるなの…
ならこっちは」
【ディスは空を見上げる…覚悟を決めた顔で頷くと】
「こっちのほーたいはどうなの!」
【そう言って手に持っていた包帯を使い、暁の軌道上に編み合わせて】
しゅるしゅるしゅる
【分厚い壁を作り出し始める、その包帯はサツキという人物によってもたらされた耐火性をもつ包帯】
「くるなら…とめてみせるなの!」
【覚悟をした顔で刀を構える。迎え撃つつもりらしい】
- 41 :朝宮暁:2010/06/12(土) 22:50:05 ID:/k2gysHgO
- >>40
「包帯なんぞ――ンだこりゃッ!?」
燃やし突き破るつもりだった暁は思わず叫ぶ。包帯が、燃えないのだ。
それだけではない。ただの壁なら蹴り倒す事も可能だ。一回戦では鋼の壁を赤熱させて蹴り飛ばしている。
しかし、柔軟な包帯で作られた壁は謂わばクッションに似た働きをし、紅蓮の魔槍の切っ先は包帯の壁にめり込むだけだ。
「っちィ……! なら、加速だッ!」
暁の背後、翼の後ろで立て続けに爆発が起きた。どごん、どごん、どごん、と轟音と熱波を撒き散らして放たれる爆風を紅蓮の翼で受けて推力に変える。
「う、おォォオォォ――――ッ!」
雄叫びをあげ、暁は包帯の壁を圧し飛ばしてディスを貫こうとその勢いを加速していく。
- 42 :ディス/vs暁 ◆My6NsjkSfM:2010/06/12(土) 23:01:36 ID:WVrfsEdY0
- >>41
「とめられた…でもすぐにとんでくるなの」
【ディスは確実にこちらに行こうとしている暁に少し不安そうな顔になる】
「…おそくなっただけでいいなの…これであてられる…」
【そう言うとディスは手に持った剣を構えて飛んでいく】
「あててやるなの!!」
【包帯の壁の後ろからディスは勢いよく刀を横に薙ごうとする
【壁ごと暁を切り裂きに行くつもりだ】】
- 43 :朝宮暁:2010/06/12(土) 23:16:40 ID:/k2gysHgO
- >>42
暁の視界が拓けた。
「――――!」
雪原の白を欺く包帯の壁を切り裂いて暁の眼に映ったのは、刃の白。
振り抜かれた刃は暁の右脚に当たる。――紅蓮の魔槍に。
薙ぎの横からの軌道。加えてディスの怪力によって暁の体勢が傾いだ。刃は暁の右脚を覆う焔の具足に深々とめり込んでいた。
「上ッ、等だあァア!」
小規模な爆発を自分の周囲で連続して引き起こし、暁は爆風によって体勢を建て直して着地する。
左脚に集中していた焔は再び両手足に灯る。強烈な熱波を周囲に放ちながら、暁はディスへと疾駆する。
――左脚からは、血が。
「うォおらァぁああああ――――!」
暁は叫び声をあげ、自らディスの刀剣の間合いへと凄まじい勢いで踏み込んだ。
- 44 :ディス/vs暁 ◆My6NsjkSfM:2010/06/12(土) 23:21:02 ID:WVrfsEdY0
- >>43
「うう…もうちょっと…とめる…
んだからなの!!」
【激しい前進の前に少し不安になりつつも…】
「このままちからまかせに…」
【ディスの体も少し後ろへと飛びそうになるところで…包帯などを地面に打ち込み、体を支える】
「このおおおおおおお!!」
【両手で銀の刀を持って、強引に横へと引いていく】
- 45 :朝宮暁:2010/06/12(土) 23:38:27 ID:/k2gysHgO
- >>44
「……っぎ、ンの……!」
焔の具足にめり込んだ刃が骨に達し、灼けるような痛みに暁はギリギリと歯を食い縛る。
「上等……だッ!」
しかし、それでも暁はディスへの突進を止めない。
――――不意に、雪銀の世界に赤が散る。
「ッ――、ぎ……!」
暁の右脚が空を舞って、赤い血が飛沫となって積もった雪に落ちていく。
太い血管が多数集まる太股が切断された。――誰もが一目で分かる、致命傷。
しかし、右脚が飛ぶと同時に暁の左脚は最後の踏み込みを終えていた。
「屁のつっぱりはァ、」
その両腕はディスへと伸びる。――ディスを掴もうとしているのだ。
「要らねェんだよォ――!」
- 46 :ディス/vs暁 ◆My6NsjkSfM:2010/06/12(土) 23:41:59 ID:WVrfsEdY0
- >>45
「うう…きまったなの!」
【ディスは少しばかり不安な顔を解くが…】
「あう!?」
【突如伸びてきた両腕に驚きの顔をしたまま掴まれることとなる】
「はなしてなの!こんなことで…」
【慌てたディスはそこから暁を引きはがそうと片手を掴まれた腕に伸ばす】
「まけないなの!!」
【そう言うとディスの体から暁に向けて再び鋭くとがった包帯を伸ばす。】
- 47 :朝宮暁:2010/06/12(土) 23:53:26 ID:/k2gysHgO
- >>46
「っぎ、」
暁の喉から声が漏れた。包帯が体中に突き刺さる。怪力で押してくるディスの片手に左腕が軋む。
――だが、一度掴んでしまえば、
「こっちのもんだ……!」
暁の背後に展開された紅蓮の翼が熱波を撒き散らして羽搏いた。片足となった暁の腕はディスを確りと掴み、そしてそのまま暁の片足は地を離れる。
――――瞬間、天地が逆転した。
羽搏いた紅蓮の翼が、ディスを掴んだ暁を空へと運び、二度目の羽搏きで姿勢を入れ換える。
「フェニックス――……」
――――即ち、頭を地に向け、脚を天に。
紅蓮の翼が熱波を撒き散らし、三度目の羽搏きを打つ。
暁は雪原の大地へと加速する。頭を地に向けたままに。
鳳凰は地へと急降下。弾丸宛らの速度で相手と共に頭から地へと落ちるその技は、乾坤一擲、暁の全てを擲つ垂直落下式の、
「……――バックドロップ――――ッ!」
- 48 :ディス/vs暁 ◆My6NsjkSfM:2010/06/12(土) 23:57:16 ID:WVrfsEdY0
- >>47
「うあう?!あわわわ〜!!」
【自らの体もともに宙へと飛んでいく】
「ま…まけ」
【ディスはどこかあきらめた顔をして】
ずばあぁぁぁぁん!!
【雪原の大地へと落ちて行った】
【クレーターの中心には】
【暁と…地面に突き刺さって犬神家状態になってるディスがいた】
- 49 :朝宮暁:2010/06/13(日) 00:11:36 ID:/k2gysHgO
- >>48
「はっ、は、……あー……クソが……」
クレーターの中心、満身創痍の暁は白い溜め息を吐いた。
太股から大量に出血したためにその顔は白く、紫色になった唇は小刻みに震えていた。
「勝った……て、のに――たち、あがれ……ね」
消えそうなか細い声を出して、暁は呟く。やがて、大きく息を吸って、
「――るォッ、しゃあああああああああああ!!!」
そう叫び、意識を擲った。
- 50 :ディス/vs暁 ◆My6NsjkSfM:2010/06/13(日) 00:15:17 ID:WVrfsEdY0
- >>49
「………」
【ディスの体はしばらく突き刺さったまんまになってたが】
【ログアウトします】
【という音声が流れると、ディスの体は外へと消えて言った】
【ディス:敗北/勝者:暁】
- 51 :すえぞお:2010/06/13(日) 21:50:22 ID:nWKoaA8o0
- 【箱庭:密林エリア】
「…………」
何をするでもなく、箱庭内に再現された木々の中を歩き回る。
…対戦相手を探しているのだろうか。
「…体、鈍ってなけりゃあいいが」
- 52 :黒沢小百合:2010/06/13(日) 22:01:43 ID:rSRBD9/U0
- >>51
――パラララ――ドドォーン――
少し離れたところから、戦闘音が聞こえる。
規模から見て2、3人どころではない軍団規模の戦闘。
恐らく、すえぞおにはこの張本人が分かるだろう。
空には個人レベルでは到底所有不可能な数のF-111戦闘機と
ヒューイ戦闘ヘリが飛び交っているのだから。
- 53 :すえぞお:2010/06/13(日) 22:06:06 ID:nWKoaA8o0
- >>52
「…………」
…はて、俺はいつ戦場に迷い込んだだろうか、と。
張本人はわかるが、まさかここで出会うことになろうとは。
「…たまには、わるかない」
何を考えたか、自らその鉄の雨の中へと。
…と見せかけて、歩兵が掘ったであろう壕を伝って張本人を探しにいく。
- 54 :黒沢小百合:2010/06/13(日) 22:15:44 ID:rSRBD9/U0
- >>53
小百合の姿はすぐに見つかった。
木の骨組みとビニールシートで作った即席の指令所のようなもので
地形の地図を確認しながら、兵を指揮している。
「おや、アレは……」
汗を拭うため近くのイスにかけてあるタオルを取ろうとして
木々の間にすえぞおの姿を見つけた小百合は
兵員輸送車を具現化すると自らそちらへと近づいてきた。
今日の小百合は迷彩柄のズボンと黒いタンクトップを身に着けており、
いつもの秘書姿よりもいくぶんか、ワイルドに見える。
「お久しぶりです、一瞬、ロストワールドの世界に迷い込んだのかと思いましたよ。」
- 55 :すえぞお:2010/06/13(日) 22:19:13 ID:nWKoaA8o0
- >>54
「よう、久し振り。相変わらず元気そうっていうか元気すぎ―――」
ピチュン。
流れ弾が、こめかみのあたりに命中する。
…だらだらと血が滴り、地面に生えていた草を溶かす。
「―――るもの困りもんだな」
しかし、何事も無かったかのように黒沢に歩み寄り。
そのいでたちを上から下へと眺めてから。
「よけりゃ、相手してくれないか?」
- 56 :黒沢小百合:2010/06/13(日) 22:30:07 ID:rSRBD9/U0
- >>55
「ロストワールド、というよりはエイリアンですね……。」
すえぞおの体液で解けていく草から
エイリアンシリーズに登場するエイリアンの酸性の血液を連想して。
「えぇ、それは願っても無い事です。
私も、すえぞおさんに相手をしていただこうと思って
こちらからやってきたのですよ。」
にい、自身ありげなと笑みを浮かべてすえぞおを見つめ。
「貴方はよい『標的』になってくれるでしょう……。」
- 57 :すえぞお:2010/06/13(日) 22:35:18 ID:nWKoaA8o0
- >>56
「おいおい、人の腹食い破って生まれた覚えはねーぞ」
体内に残留した異物、銃弾は強酸の血液によって分解される。
異物除去システムとしても成立しているらしい、よくできたものだ。
「…お?…そりゃあ良かった。丁度いい。」
そんな黒沢に対し、にやり、と口元を吊り上げる。
それは、得物を前にした肉食獣のようでもあって。
「的、か…まぁいい、ここで襲えば一瞬だけど、それじゃあ意味無いしな
10分待つ、新しい司令所でも作ってこい」
こちらが離れたのでは、ターゲットの位置がわかったままだ。
遠距離で有利になる黒沢であれば、これくらいでいいバランスだろう、と考えたらしい。
- 58 :黒沢小百合:2010/06/13(日) 22:46:35 ID:rSRBD9/U0
- >>57
「ふふ、お優しい事ですね……。
その10分、ありがたく使わせていただきましょう。では……。」
小百合が先ほどの兵員輸送車に乗り、
ジャングルのいずこかへと消えてから9分。
すえぞおの頭上には常に数機の攻撃ヘリが飛び回っている。
彼の位置を確認しながら要塞を作り、10分経過と同時にそのまま攻撃を仕掛けるつもりだろう。
- 59 :すえぞお:2010/06/13(日) 22:52:52 ID:nWKoaA8o0
- >>58
「…そろそろか」
周囲を見回すが、黒沢の姿は見当たらない。
「…………」
しかし、その嗅覚は、大まかな位置を探し出していた。
たとえ車に乗っていても、僅かな臭いが空気中に漂う。
「…臭いが消えるまでに」
――――10分が経過した。
攻撃ヘリの的にならないよう、なるべく大きな、あるいは枝葉の密集した樹木の下を潜り、
硝煙が立ち込めるジャングルを走り出した。
たとえヘリに据えつけられた機銃でも、生い茂った樹木を破壊するには時間がかかるだろう。
- 60 :黒沢小百合:2010/06/13(日) 23:11:27 ID:rSRBD9/U0
- >>59
一方小百合はすえぞおから北、
川向こうの少し開けた場所に陣地を構築していた。
『クロウラー11よりHQ、敵を見失った。』
『クロウラー6よりHQ、敵影を発見できない。』
『ドラゴンフライ・4、敵の姿は無い。』
『バタフライ・リーダーよりクイーンチェアへ、敵性勢力の気配を確認できない。』
「ふむ……。」
いつかは敵影を見失うだろうと予想はしていたが、
想定より早くすえぞおの姿を見失った。
(地上兵力を投入し、燻りだすか……
いや、航空支援がし辛いこの地形では彼は倒せないだろうし……)
1分ほど考えた結果、小百合は最初から強力なカードを切っていく事にした。
小百合が選択したカード、それは……
「ナパームで石器時代に戻してやれ。」
すえぞおを最後に確認した場所を中心に、既に展開していた航空機から
『ナパームB』と呼ばれる特殊焼夷弾が投下された。
「全て燃え尽きる、残るのは地獄だけだ。」
従来のナパーム弾より広範囲に拡散し10分以上燃え続ける
ナパームBは本来、使われるべきではない残虐な兵器の一つといえる。
- 61 :すえぞお:2010/06/13(日) 23:19:38 ID:nWKoaA8o0
- >>60
10分、そう遠くは移動していない。
集中砲火さえ受けなければ、すぐに追いつける―――
「………!」
そんな中、上空の爆撃機より焼夷弾が投下される。
着弾、炎上。生い茂った密林は、一瞬にして地獄絵図へと変貌した。
大量の水分を保有する植物でさえ、見るも無残な姿へ。
「……ち」
常人であれば、この時点で蒸し焼きになってしまうだろう。
幸い、分厚い甲殻が断熱材の役割を果たし、焼き竜にはならずに済んだ。
しかし、黒沢の目的は焼殺ではない。本来の目的は、何の問題も無く遂行されている。
「………」
逃げ場が、無くなった。上空からは丸見え。
…手当たり次第に攻撃機を破壊していくしかなさそうだ。
- 62 :黒沢小百合:2010/06/13(日) 23:35:05 ID:rSRBD9/U0
- >>61
「HQより空中騎兵隊各機へ。『王』はその絢爛たる衣を剥がされた。
王冠ごと頭蓋を叩き割り、その首を井戸へと投げ落としてやれ。」
ファントムライダー
『F-4乗りの勇猛さが龍殺しに劣らない事を証明して見せますよ。』
『クロウラーリーダー了解、リトルジョン、カーター、ついて来い。』
『バタフライ任務了解、攻撃を開始します。』
F-111とF-4戦闘機からなる戦闘機体が上空を舞っている。
先ほど、ナパーム弾を投下してきたのもこの部隊だ。
- 63 :すえぞお:2010/06/13(日) 23:47:46 ID:nWKoaA8o0
- >>62
「………」
見上げれば、鋼鉄の鳥が空を舞う。
…飛ぶこともできるが、戦闘機に勝てるスピードなど出せるはずも無い。
直線上にしか吐き出せない火球では、高速の戦闘機を捉えられるかどうか。
「…まさかこんな早く積むとは」
ピストル程度ならともかく、大口径の機銃となればダメージは大きい。
しかし、数発であれば致命傷には至らないはずだ。
「………っ!!」
まだ焼かれていない森を目指し、一目散に駆け出す。
…指揮官が居る場所まで焼夷弾をばらまきはしないはずだ、ならば、逃げ回っていても自然にその場所があぶりだされるはず。
- 64 :黒沢小百合:2010/06/14(月) 00:03:29 ID:rSRBD9/U0
- >>63
「ハハハハ!!! 逃げろ逃げろ、
ドブネズミのようになァ!!!」
すえぞおの狙い通り、森に逃げ込もうとするたび、
先回りするように、進行方向上の森が焼かれていく。
しばらく逃げ回りこの辺一体の木が焼けていくうちに、
ある程度視界が利くようになってきた。
どうも、戦闘機はあたりかまわずに爆撃を行っている事から
敵は火が回る可能性のある森の中を避けているらしい。
この辺には北に大きな川があったはずだ。
その向こうならこの辺りでいくら山火事を起こそうと
川を越えてまで火が回ることは無い。
- 65 :すえぞお:2010/06/14(月) 00:11:45 ID:nWKoaA8o0
- >>64
「あぢっ… …ま、またかっ!」
…焼夷弾以外の攻撃が無い。
もしかして、これはからかわれているのだろうか?
「………だとしたら」
高見の見物、黒沢ならやりそうなことだ。
遠くから、安全な場所からの爆撃。
「…誰がドブネズミだって?」
エンジン音や爆音にかき消されるような声。
…しかし、発達した聴覚に地獄耳補正が加わり、それはすえぞおの耳に届いた。
不意打ちのように、頭上をかすめていく戦闘機へ向けて火球を放つ。
当たろうが当たるまいが、牽制くらいにはなるだろう。
煙が上がっていない、川へ向けて駆け出す。
- 66 :黒沢小百合:2010/06/14(月) 00:23:00 ID:rSRBD9/U0
- >>65
「マズいな……流石にそろそろ気づくか。」
すえぞおの体温がミサイルでロックできるほど高くない上、
機銃で攻撃しようにも、スピードが違いすぎて逆に攻撃しづらいのだ。
「仕方ない、ここはもう少し攻撃方法を変える必要があるようです。
地上部隊を送り込んで圧倒する。」
小百合はすえぞおの周辺に地上部隊を送り込んできた。
歩兵と重砲による連携攻撃のほうが効果的であると判断したのだ。
- 67 :すえぞお:2010/06/14(月) 00:28:32 ID:nWKoaA8o0
- >>66
尤も、焼夷弾もかなりの殺傷能力を持つはずだが。
熱に対してはかなり強いらしく、甲殻の表面を焦がすのみで、ダメージは小さいようだ。
「…やっぱり舐めてんのか」
そんな事も露知らず、完全に舐められているものと思って司令官を襲撃せんとする。
一歩一歩、焼け焦げた大地を踏みしめ、次の攻撃へ備え。
「―――ぉぉぉぉおおおォォオオオオッ!!」
咆哮を上げ、まだ姿の見えない敵に向かって威嚇する。
規模は、装備は、陣形は。…弱点を突かなければ、突破は難しい。
- 68 :黒沢小百合:2010/06/14(月) 00:37:09 ID:rSRBD9/U0
- >>67
「ふふふ、蛮勇を振るうのもよし。
その英雄的行為の結果、惨めな地獄に落ちるのだから。」
小百合の敷いている陣地は川べりの
見晴らしの利く場所にあり、重機関銃搭載の巡視艇と
対空機関砲、さらには野戦砲が各所に設置された重砲撃陣地だ。
「各隊、敵が有効射程内に入り次第任意に戦闘開始。
残弾を残すな、ここで使い切ってかまわん。」
まずは、野戦砲による砲撃が始まる。
- 69 :すえぞお:2010/06/14(月) 00:43:39 ID:nWKoaA8o0
- >>68
「……っち…」
正面から突っ込んだのでは命がいくつあっても足りない。
…隊に向かって、斜めに横切るように、時折切り返しながらジグザグに接近する。
時折爆風に巻き込まれ、体勢を崩すがその都度翼で姿勢を建て直し。
「ウガァアぁあぁアあアアッ!!」
空気を震わす咆哮で自らを奮い立たせ、脳内には過剰なほどのアドレナリンが分泌される。
このまま負けたのでは気が済まない、せめて司令官――黒沢小百合に一矢報いなくては。
隊に接近し、まずは一人、最も近い兵士の肩口に食らいつく。
- 70 :黒沢小百合:2010/06/14(月) 00:55:26 ID:rSRBD9/U0
- >>69
「接近を許したか、全方位から押し包むようにして、
やつを消耗させろ。己の身を盾にして奴の勢いを削ぐのだ。」
近接戦では、もう野戦砲は使えない。
出欠覚悟で歩兵を前進させ手榴弾と対戦車ライフルで応戦させる。
(マズい、予想以上の硬さですね……
ここにたどり着く前に羽の一本は引きちぎってやるつもりだったのに……!)
「火力が足りなければ、巡視艇からも攻撃させろ。
多少の同士討ちはかまいません。」
『恐れながら、この周辺は水草が多く推進も浅い場所が多々あります。
最悪の場合、艦が航行不能になってしまう可能性も……』
「私は『巡視艇からも攻撃させろ』と命令したはずです。
わかったらさっさと攻撃を始めさせろッ!!!」
同時に水上の巡視艇を要塞近くまで寄せ、
重機関銃を浴びせかけ四方八方から弾幕を貼り、
どうにかここでし止めにかかるつもりだ。
全戦力が集中しているため、一旦突破する事ができれば……。
- 71 :すえぞお:2010/06/14(月) 01:06:47 ID:AXRozTjwO
- >>70
「ぁあアあアぁアァあああアアッ!!」
叫びとも咆哮ともつかぬ声を上げ、川へ猛進する。
…翼はもがれてこそいないが、爆風を受けた際に骨折、機能しなくなっているようだ。
「黒沢ァ!誰がドブネズミだって!?」
無数の銃弾を浴び、甲殻が抉れ、弾き飛ばされる。
しかし、ここさえ抜ければ―――
―――びちゃっ。…嫌な音がした。
「………っは?」
一瞬にして、視界の右半分が真っ暗になる。
直前に見たものは、こちらを正面に捉えた機銃の発射口。
「……っが…ぁああぁっ!!?」
…目を撃ち抜かれた。射角が深かったためか、脳までは至らなかったが、もはや再起は不能。
巨体を河原に横たえ、泥にまみれながら、激痛に悶絶する。
- 72 :黒沢小百合:2010/06/14(月) 01:15:00 ID:rSRBD9/U0
- >>71
すえぞおの周りに、次々と兵士が殺到して、
潰されないように注意しながらも止めとばかりに銃弾を叩き込んでくる。
ほとんど、公開処刑に近い格好だ。
「ふふふ、終わりですね。
どれ、どのような姿になったか見に行ってみるとしましょうか。」
小百合は、姿を見るために
すえぞおへとちかづくべく車に乗り込んだ……。
- 73 :すえぞお:2010/06/14(月) 01:20:14 ID:AXRozTjwO
- 「ぎァ…が…っ…!」
角や甲殻は無残にも砕け、その四肢は地面を捉える事も適わず。
全身から噴き出す強酸性の血液は川を流れ、水に入った兵士たちの足を焼く。
「……の…やろっ…」
なまじ生命力が強いばかりに、リタイアする事ができない。
…そんな中、司令官を乗せた車が近くまで乗り込んでくる。
- 74 :黒沢小百合:2010/06/14(月) 01:34:13 ID:rSRBD9/U0
- >>73
「その昔、聖ゲオルギウスは人々にキリストを尊ぶ事と引き換えに
毒を撒き散らし、人々を襲う龍を倒した。」
力なく倒れるすえぞおにゆっくりと近づく小百合。
何を思ったか近くの兵士に、丈夫そうな鉄の棒を
すえぞおの口に差し込ませて大きく開けさせた。
「知っていますか?彼は『槍』を口内に突き刺し龍を倒したのです。
生憎、ここには『槍』はありませんから、これで代用するとしましょう……。」
小百合が持ってきたのはM72LAWロケットランチャー。
現代戦車の複合装甲を突き破るほどの威力はないが
扱いや取り回しが簡単という利点がある。
これを体内に打ち込んで止めをさす気だ。
「では、ごきげんよう。すえぞおさん。」
小百合はすえぞおをいたぶる事を心底楽しんでいるようで
ニタニタと嫌な表情を浮かべながらその狙いを口内に定めた。
- 75 :すえぞお:2010/06/14(月) 01:42:10 ID:nWKoaA8o0
- >>74
霞む視界、だがそこには確かに指揮官――黒沢が居た。
知り合いだとかはどうでもよく、今の自身にとっては最大の敵。
冷たい金属の棒が舌に触れ、無理矢理に広げられる。
しかし、その口元は不気味に吊り上って。
「……お気遣い… どう――― ――も」
死なば、もろとも。
バクンッ
最後の力を振り絞り体を持ち上げ、更に黒沢をひと呑みにする。
…スポーツマンシップだとか、そんなこととは程遠い生き物だ。
- 76 :黒沢小百合:2010/06/14(月) 01:53:16 ID:rSRBD9/U0
- >>75
「……!?」
引き金に指をかけたその時、
すえぞおの体が動いた。
「きゃぁ――――」
一瞬の出来事。
瀕死のすえぞおが恐るべき速度で、
小百合に飛び掛りその全身を飲み込んだのだ。
小百合は悲鳴をあげたがそれは
最後まで空気を響かせる事無く、口腔の中へと消えた。
「あ、が、が、がが、ぐ……」
強烈な消化液と牙、圧力により、
小百合の体が瞬く間ににひき肉と化していく。
彼女は力を振り絞ってLAWの引き金を引いた。
――が、砲身も、砲弾も、
強力な消化液によって、既にその仕事を果たす事はできぬほど
どろどろに溶けきってしまっていた。
「あ゛っあ゛っあ゛っあ゛っあ゛っあ゛っ……あ゛っ…あ゛っ……あ゛…………」
小百合もすぐに、形を失うだろう。
【黒沢小百合――死亡】
- 77 :すえぞお:2010/06/14(月) 01:59:33 ID:nWKoaA8o0
- >>76
最後の一瞬まで気を抜くべきではなかった。
優秀な指揮官だったが、好奇心と嗜虐性が仇になったようだ。
「……ざま、み… ……」
…引き金は引けなかったが、結果はあまり変わらなかったのかもしれない。
川原で倒れたため、通常よりも出血が酷く、既に視界は闇に閉ざされ。
「……… ろ」
小百合の悲鳴を聞きながら、自らも動く事をやめた。
…同士討ちだが、すえぞおとしてはこれで満足だったのかもしれない。
【すえぞお――死亡】
【直後、二人は箱庭外に転送された。】
- 78 :ランジュ:2010/06/14(月) 22:29:45 ID:7jE6yumoO
- 【千夜記念病院 正面玄関】
診療時間はとうに過ぎ、昼とは対照的に夜らしい静けさが建物を包み込む。
硝子張りの自動ドアが開き、襤褸を纏った少女が出て来た。
特別室……其処に入院しているニナとの面談が有ったのだ。
一般的な面談とは異なり時間は無制限。許可さえ下りれば何時でも面談が可能である。
とは言っても勿論容易に許可される事は無く、患者の親族、関わりの深い友人、又は事件の関係者でなければならない。
「…………」
彼女が浮かない表情をしているのには理由が有った。
一つはニナが目覚めない事。
そしてもう一つは。
「……有り得ん」
耳が四つに増えた事だ。
- 79 :遊馬/一割だけ猫:2010/06/14(月) 22:37:52 ID:BXgiA4u60
- 「…………」
異能都市
夜の病院
ぶすっとした顔で歩いてくる、帽子を被った白衣の男が一人
何か嫌な事が起こったのか、仏頂面で病院の方へと歩いて行く
- 80 :ランジュ:2010/06/14(月) 22:45:18 ID:7jE6yumoO
- >>79
仏頂面と仏頂面が擦れ違う。
遊馬に一瞥をくれ其の侭行ってしまうかと思ったが、ふと思う事が有った。
「其処の青年」
振り返って遊馬へと声を掛けた。
「病院の診療受け付けはもう終わっているぞ」
患者なのだろう。
彼女はそう思っていた。
- 81 :遊馬/一割だけ猫:2010/06/14(月) 22:49:24 ID:BXgiA4u60
- >>80
「…………」
ピタ、と止まる男の動き
「そう、ですか……」
被った帽子を少しズラし、話しかけてきた女性の方に向き直る
「わざわざありがとうごさいま……」
言いかけたところで
「…………」
ゴシゴシと目を擦る
「……………?!」
耳が……四つ?
- 82 :ランジュ:2010/06/14(月) 22:57:52 ID:7jE6yumoO
- >>81
「……? どうした青年、奇異な物を見た様な顔をして」
遊馬の表情を目にし、少女はふっと軽く笑った。
そして直ぐ様気付く
「……!!!」
今自らの身に起きている異変に。
少女は様々な生物が混ぜ合わさったキメラ。人間の耳が有る部分には金色の毛に覆われた狐の様な耳が生えているのだが、今はそれが頭にも生えているのだ。
緩いウェーブの掛かった金髪を掻き分け、金毛の猫耳がぴこぴこと。
「こっ、これはだなっ……気が付いたらこの様になっていて……!!」
あたふたすると同時に四つの耳は激しくぴこぴこしていた。
- 83 :遊馬/一割だけ猫:2010/06/14(月) 23:04:47 ID:BXgiA4u60
- >>82
「と、とりあえず落ち着いてください」
片手を胸の高さまで上げた
しかし、その視線を目と耳を交互に向けられる
「その……似合ってると思いますよ」
何をいえば良いのか分からず、とりあえず思いついたままの事を言ってしまう
「あと……聞き取りやすそうじゃ無いですか。それって」
- 84 :ランジュ:2010/06/14(月) 23:08:07 ID:7jE6yumoO
- >>83
「む、無理はしなくて良いぞ青年……変なら変と言ってくれ」
少女は少し諦めた様な、何処か哀愁漂う眼差しを明後日の方向に向けていた。
- 85 :遊馬/一割だけ猫:2010/06/14(月) 23:14:33 ID:BXgiA4u60
- >>84
「俺も似た様な状況ですからね、あまり人の事は言えませんよ」
明後日の方を向く少女に向かって慰めの言葉をかける
「い、いや別に変だと言うわけでは……」
耳が
「わけでは……」
四つ
「……クフッ!」
吹き出した
- 86 :ランジュ:2010/06/14(月) 23:19:29 ID:7jE6yumoO
- >>85
「似た様な状況……だと……」
予想外だった。この怪奇現象が自分だけではなく他の者にも起こっているという事が。
同志を見付けた、という感動が少女の心に満ちていた。
そこで聞こえた遊馬の笑い声。
「…………ぐすっ」
背を向けてちょっと泣いた。
- 87 :遊馬/一割だけ猫:2010/06/14(月) 23:25:09 ID:BXgiA4u60
- >>86
「ええ、実は俺も……」
と言いかけたところで泣き声が聞こえてきた
「ああ、すいません! そんなつもりでは!」
わー、何やってんだ俺は! と内心慌てながら駆け寄る
「すみません、決してそんなつもりは!」
じゃあどんなつもりかと聞かれたら答えようもないが
「その……これを見てください」
そう言って男は帽子を外す
その下には……
ピョコン
……黒毛の猫耳がはえていた
- 88 :ランジュ:2010/06/14(月) 23:31:04 ID:7jE6yumoO
- >>87
「…………」
ぶすっとした表情で立つ四つ耳キメラ。赤くなった眼は遊馬には向けられていなかった。
遊馬が帽子を外した時、ちらりと視線を出てきた猫耳に向けたが、直ぐに逸らした。
「ふん、黒猫耳に白衣……
需要は其方の方が高いだろうが、莫迦者め」
僻んでいるのかコレは。
- 89 :遊馬/一割だけ猫:2010/06/14(月) 23:36:59 ID:BXgiA4u60
- >>88
「いや、そんな事言われても……」
流石に需要については頭が回らなかったのか、二の句が告げなくなってしまつた
「ええと……四つ耳というのもアリなんじゃ無いでしょうか」
多分
「突然生えてきたんでここで取ってもらおうと思ったんですが……」
そう言って今はもう閉まってしまった扉を見て溜め息をつく
- 90 :ランジュ:2010/06/14(月) 23:46:05 ID:7jE6yumoO
- >>89
「ふっ……此の容貌を愛でる稀有な存在など此の都市に……」
いないのならば増やすのみ。
謎の野望が少女の中で燃え上がっていた。
「難病奇病何でも治療する千夜病院も、流石にお手上げな気がするんだ」
此の一件には神すら凌駕するとんでもない力が働いている。そう思った。
- 91 :遊馬/一割だけ猫:2010/06/14(月) 23:52:41 ID:BXgiA4u60
- >>90
「が、頑張ってください!
俺も応援しますよ!」
何が何だかよく分からなかったが、とりあえず元気の出た様子の少女を見て同調する
「そんな……それじゃ俺はどうすれば……」
少女の言葉を聞いてガックリとうなだれる
「一体全体何処の誰がこんな事を……!」
男の言葉には静かな怒りが表れていた
- 92 :ランジュ:2010/06/14(月) 23:57:29 ID:7jE6yumoO
- >>91
「応援感謝する、青年」
ビシィッとサムズアップ。
女のくせに何処か男前。
「きっと私達の知らない場所……知らない者達が世界に干渉したのだろう
まったく、恐ろしい話だ」
「諦めるしかないな……
本日より異能都市“エリュシオン”は猫耳都市“エリュシニャン”に改名するしかあるまい」
何言ってんだコイツ(AA略)
- 93 :遊馬/一割だけ猫:2010/06/15(火) 00:04:45 ID:BXgiA4u60
- >>92
「え、ええ」
(でも、具体的にどうやって進めて行く気なんだろう?)
男の頭上には?マークが浮かんでいる
「被害に会う立場からすれば迷惑な話ですよ、全く!」
憤慨した様子で溜め息をつく
「…………」
想像して見た
街中を歩き回る猫耳、猫耳、猫耳
「……新たな趣味に目覚めそうです」
- 94 :すえぞお:2010/06/15(火) 00:11:13 ID:nWKoaA8o0
- 「だがちょっと待ってほしい」
猫耳だけでは納得いかない。
どうせなら、せめて逆関節が欲しい。
「…で、こうれはどういうこった?」
- 95 :ランジュ:2010/06/15(火) 00:15:35 ID:7jE6yumoO
- >>93
「まぁ私は元から獣耳属性……周りが猫耳になった所で感動は薄いがな……」
本当にどうしたのだろうかコイツは。
>>94
「…………」
竜だ。でかい竜だ。
「…………」
凝視。
- 96 :すえぞお:2010/06/15(火) 00:17:38 ID:nWKoaA8o0
- >>95
「…………」
…見覚えのある顔。
しかし、何か違う気がしないでもない。
「…………」
凝視返し。…大学時代とはかなり容姿は変わっているが
一部の模様や、目つきなどはあまり変わっていない。
- 97 :遊馬/一割だけ猫:2010/06/15(火) 00:19:31 ID:BXgiA4u60
- >>94
「あ、すえぞおさん」
猫耳をつけた知り合いを見つけ、声をかける
(体が体だからか、違和感が無いな……)
「いつぞやはお世話になりました。そういえば今まで礼らしい礼も言えませんでしたね」
そう言って頭を下げる
>>95
「まあ、確かにあなたにとってはそうかもしれませんね」
いや、貴方のソレは既に新たな属性を開拓していると思います。とは言えなかった
「そういえば貴方は、今日は何の用でここに来たんですか?」
- 98 :ランジュ:2010/06/15(火) 00:23:03 ID:7jE6yumoO
- >>96
そういえばこんな感じの竜がいたな。
彼女の脳裏を過ぎる記憶。
沈黙する事数秒。
「……変な顔だな」
流石に竜顔猫耳はインパクト抜群だった。
>>97
「私か? 友人の見舞いでな
少々厄介な事が有って特別室の方にいるがな」
「当然といえば当然だが、手続きに少々骨が折れたよ」
やれやれと肩を竦め。
- 99 :すえぞお:2010/06/15(火) 00:24:17 ID:nWKoaA8o0
- >>97
「…………」
顔は知っている、しかしまた何か違う。
そして致命的なのは、名前を思い出せない。
「……いつぞや?」
いつぞやって、いつだろう。
…硬い甲殻の上に猫耳。
というか、頭の形状からすると犬耳にも見える。
- 100 :すえぞお:2010/06/15(火) 00:25:22 ID:nWKoaA8o0
- >>98
「……耳4つに言われたかねえよ」
久々に交わした挨拶がこれである。
「………」
そんでもって、やっぱり名前が出てこない。
…もう年なのか、と頭を抱えて。
- 101 :遊馬/一割だけ猫:2010/06/15(火) 00:29:25 ID:BXgiA4u60
- >>98
「へえ、そうなんですか。特別室に……」
男の頭をある違和感が襲った
(特別室? この病院でそんな所に回されるのは極少数。そして俺はその内の一人を知っている……)
「あの、もしかしてその人って女の人ですか?」
>>99
「あの時、すえぞおさんが運んでくれなかったらどうなっていた事か……」
男は目の前の龍の様子には気づかない様子で話を続ける
「とはいえ、まだ右腕は戻ってませんけどね」
そう言って男は左手で右肩を抑える
- 102 :ランジュ:2010/06/15(火) 00:33:32 ID:7jE6yumoO
- >>100
「慣れれば可愛いものさ、ほれ」
横の耳ぴこぴこ、上の耳もぴこぴこ。
ぴこぴこしまくり。
「どうしたすえぞお。悩み事か?」
名前はちゃんと覚えていました。
>>101
遊馬から感じる違和感。
彼の様子から彼女は何と無く悟った。
此の者はメリトについて知っている、と。
「あぁ、その通りだ
名はメリト……今はニナ・シュガリアだったか」
「貴様も知っているだろう?その名を」
- 103 :すえぞお:2010/06/15(火) 00:35:26 ID:nWKoaA8o0
- >>101
「……あ、それか」
思い出した、結局腕は使い物にならなかったらしく。
…あれはその後食べたのだろうか、こいつが。
「ところで… あ、なんだ 名前が出てこないんだが」
名前が思い出せないのは老化しだした証拠だろうか。
>>102
(…あ、ランジュだ)
こっちの名前は思い出したらしい。
「で、何でこう 猫耳祭りみたいなことになってんだ?」
「………」
遊馬との会話に耳を傾ける。
…ニナに何があったのだろうか。
- 104 :遊馬/一割だけ猫:2010/06/15(火) 00:45:08 ID:BXgiA4u60
- >>102
「無論、知ってますよ。
最も、最近に俺があった時は随分と様子が違うみたいでしたけど」
男は彼女がもう一つの人格を抱えていることを知った上ではぐらかす
「一体彼女に何があったって言うんです? いまの彼女は……狂気を楽しんでいる」
恐ろしい事を言うかのように、その声は震えている
>>103
「幸い義手だったんで助かりましたけどね。今は他の人に修復を頼んでいる所です」
さすっていた腕を元に戻す
「遊馬です。漢字で書くと読み辛いってよくいわれます」
- 105 :ランジュ:2010/06/15(火) 00:48:55 ID:7jE6yumoO
- >>103
「おぉ、私の名を覚えていてくれたか
忘れていたら灰燼にしてやろうと思っていたがな」
サラっと怖い事言った。
「私が聞きたい位だ
此れ程強力な呪術を使う者だ。相当な実力者だろうな」
>>104
「…………」
口を一文字に結び、無言で遊馬の言葉に耳を傾けていた。
「起きたか……“メリト”」
ぽつり、と彼女は呟いた。
- 106 :すえぞお:2010/06/15(火) 00:51:29 ID:nWKoaA8o0
- >>104
「………あ、そうなんだ」
義手だとはさっぱり気付かなかった。
主に中の人が。
「あー、そうだそうだ…思い出した」
次出会う時にまた名前を聞くのかもしれない。
>>105
「おい待て名前忘れたくらいで灰にされちゃかなわんぞそれ」
冗談で言っているようには聞こえない。
眉間に皺をよせ、冷や汗を流す。…汗腺は無いので、漫画的表現で。
「…んで、ニナにナニかあったのか?
ちょっとうまい事言ったかな、とどや顔。
- 107 :遊馬/一割だけ猫:2010/06/15(火) 00:55:45 ID:BXgiA4u60
- >>105
「メリト……? そういえばさっきもその名前が出てましたね。一体何者なんですか、彼女は?」
呟きに反応すると、抱えていた疑問が溢れ出す
>>106
「ええ、普段は人工皮膚で覆っていたのでパッと見は分からないですけど」
実際都市内で義手であったのを知るのは極少数であっただろう
「……何というか、老けましたか?」
目の前の龍の様子を見て、ふとそう尋ねる
- 108 :ランジュ:2010/06/15(火) 01:03:34 ID:7jE6yumoO
- >>106
「案ずるな、刹那の間に終わる……目が覚めたら天国か地獄か……ふふふ」
黒い笑みがひたすらに恐怖を振り撒いていらした。
「…………」
「……最後に言いたい事は?」
見れば禍々しい左手に黒炎が纏われていた。
>>107
「メリトは私の立ち上げた組織、“虹の同志”に身を置いていた際に生まれた人格だ
彼女は出会った頃には既にメリトと名乗っていたが、人格はまだまともな方だったよ」
「野望の為数え切れない程の修羅の中を駆け巡った結果、あの様に冷酷な人格が生まれてしまった……
責任は……私にあるのだよ」
- 109 :すえぞお:2010/06/15(火) 01:05:57 ID:nWKoaA8o0
- >>107
「まー、何事も無かったようで…」
…何事も無かったわけではないだろうが。
「………いやまさか」
既に年齢で言えば50歳ほど。
人間換算すればまだまだ若いが、ちょっとぐさりと来る。
>>108
「丁重にお断りします」
前脚を左右に振り、No thanks youの意思表示。
「………」
「…………」
「…すいませんでしたッ!!」
…その場からものすごい勢いで逃げていった。
- 110 :遊馬/一割だけ猫:2010/06/15(火) 01:16:00 ID:BXgiA4u60
- >>108
「……それじゃあ彼女がニナさんの元々の人格なんですか?」
虹の同志という言葉に引っかかる所はあるものの、其れを聞く事はしなかった
「……でも、あの人はまだ完全に溺れてはいませんでした。楽しんでいても……その、どこか辛そうな気がして……」
頭の中の想いをうまく言葉にできない
そのもどかしさが男を苛ませる
>>109
「そうですね、普通の人よりかは大丈夫だったのかもしれません」
そう言って苦笑いを浮かべる
「それならいいんですが……っていってしまった。お気をつけてー」
走り去る姿に声をかけて見送った
- 111 :ランジュ:2010/06/15(火) 01:25:54 ID:7jE6yumoO
- >>109
「逃げる事ないだろう……」
冗談なのに、と走り去るすえぞおの背を見ながら呟いて
>>110
「いや、“彼女”は後天的に生まれた存在だ。
メリト……いや、ニナの中で微量ながら存在していた残忍な心が人を殺めていく内に肥大化し、本来の人格すら押さえ込む様になってしまったのだろう」
戦場に導いたのは紛れも無く自分。獣を育て上げてしまったのだ。
彼女は数年にも渡り、罪悪感に苛まれていた。
「…………そうか。それは知らなかった。
“彼女”の悲しみ、それを理解する必要が有るみたいだな」
- 112 :遊馬/一割だけ猫:2010/06/15(火) 01:42:37 ID:ZjbyTZAw0
- >>111
「そんな事が……」
改めて知ったニナの過去に言葉を失う
「しかし主人格を押さえ込むほどの精神力とは……余程鬱屈としていたんでしょうか」
罪悪感を感じている少女の姿を見て
「……俺は貴方たちの関係を詳しく知っているわけでは無いですけど……」
オホン、と咳払いをして
「まず、彼女を救えるのは自分だって気付いてください。道を間違えた原因が分かるなら、解決の道も分かるはずです」
そしてもう一つ、と指を立て
「もし、一人じゃダメだと思ったら、仲間を頼る事を忘れないでください。この世界はそんなに残酷なものじゃないんですから」
「おっと……こんな時間ですね。
つい話しすぎてしまいました」
腕時計を確認して呟く
「それでは俺はここら辺で失礼します。
……ああそうだ」
思い出したように顔を上げ
「勿論、いざと言う時は俺も手助けしますよ。さっき応援する、って言ったばかりですからね」
そういえば何を応援するのか言ってませんでした、と頭を掻く
「それでは、今度こそさようなら」
そう言って病院を後にした
- 113 :ランジュ:2010/06/15(火) 02:11:31 ID:7jE6yumoO
- >>112
「あぁ、ありがとう助かるよ」
遊馬を見送り
「さて……」
彼女もその場をあとにした。
- 114 :沢桐 創:2010/06/18(金) 21:13:26 ID:bIOL8W8U0
- ―ザ…ザーン…
箱庭、海岸ステージを、男が歩いていた。
砂地に足跡を残しながら、男は海を眺めた。
足音は波の音にかき消される。
「…今日は海岸か」
男は海に臨む。
立ち止まり、その場に暫く仁王立ちしていた。
- 115 :黒金鋼 ◆FA/Bw.T3QU:2010/06/18(金) 21:18:15 ID:9qS3TsAM0
- 同じく。
箱庭、海岸ステージ。
「海かー……」
久々に見たなぁ、なんて呟きながら海岸を歩いてくる男。
黒いロングコートが、潮風にはためく。
>>114
「……お」
と、仁王立ちする沢桐に気づく。
「よう。あんたが対戦相手か?」
片手を上げ、声を掛ける。
- 116 :沢桐 創:2010/06/18(金) 21:22:32 ID:bIOL8W8U0
- >>115
声に気付き、振り向いた。
「…ああ、来たのか」
緑の眼が黒金に向く。
「そうだ、俺が対戦相手になるな。
…なら、さっさと始めるか」
黒金の目の前まで歩いてきた。
- 117 :黒金鋼 ◆FA/Bw.T3QU:2010/06/18(金) 21:27:37 ID:9qS3TsAM0
- >>116
「そうだな、何事も早い方がいい」
頷くと、ボクサーのような構えを取る。
黒金の左手の甲に、透明なガラス玉のような物が“填め込まれている”のが見えるかもしれない。
「……先手は譲るぜ?
どっからでもかかって来ると良い」
どこか自信ありげな笑みを浮かべる。
今のところ全戦全敗の癖に、全くその自信はどこから湧いてくるのだろうか。
- 118 :沢桐 創:2010/06/18(金) 21:33:19 ID:bIOL8W8U0
- >>117
「どっからでも?
じゃあ…」
身を屈める。
ギシギシと音を立てる足は、機械で出来ていた。
―バシュンッ!
砂埃を巻き上げ、飛び上がる。
威力は自由落下に任せ、踵落としの体勢をとった。
「上からいかせて貰おうかあぁ!」
スピードはそこそこに、黒金の脳天を狙う。
- 119 :黒金鋼 ◆FA/Bw.T3QU:2010/06/18(金) 21:39:27 ID:9qS3TsAM0
- >>118
「だー、砂っ、砂……」
右腕で砂煙を払いながら言う。
「上、なら……――」
左腕を天にかざすように突き上げ、
「――シールドォ!!」
叫ぶ。
すると黒金の左手が、まるで粘土のように形を変え“盾”の形を取る。
盾は灰色の――硬化の邪気を纏っていて、強度はそれなりにあるだろう。
- 120 :沢桐 創:2010/06/18(金) 21:46:49 ID:bIOL8W8U0
- >>119
―ガインンッッッ!
踵落としはシールドに阻まれ、沢桐は弾き飛ばされる。
着地した沢桐は、間髪入れずに攻撃に移った。
「今度はこっちだ!」
―ビュンッ!
立ち上がらずに、右足を伸ばす。
黒金の足元を掬うように回し蹴りを放つ。
- 121 :黒金鋼 ◆FA/Bw.T3QU:2010/06/18(金) 21:53:56 ID:9qS3TsAM0
- >>120
「う……おぉっ!?」
随分と呆気なく姿勢を崩し、仰向けに倒れこむ黒金。
体格が大きいせいか、倒れこんだだけでも砂煙が辺りに舞う。
「あーあー素敵に黒いコートが台無しじゃねえか箱庭だから関係ねぇけど」
追撃を恐れる事もなく、愚痴をこぼす。
大の字に寝そべったまま、回避行動をとろうとする様子は無い。
油断しているのか、余裕なのか。それともただ間抜けなのか。
- 122 :沢桐 創:2010/06/18(金) 21:59:01 ID:bIOL8W8U0
- >>121
「どうした…、反撃しろ」
反撃のチャンスを与えるかのように、ゆっくりと立ち上がる。
だが、黒金が動く様子は無い。
「いつまでも寝転がってるって言うなら…」
左足を天高く振り上げる。
青い義足が月の光を反射する。
「踏み…潰すぞ!」
心臓を狙い、足を振り下ろした。
- 123 :黒金鋼 ◆FA/Bw.T3QU:2010/06/18(金) 22:07:43 ID:9qS3TsAM0
- >>122
沢桐が義足を振り下ろすその瞬間。
黒金は“笑っていた”。
ガィィンッ! と、金属同士がぶつかり合うような音が響く。
「……あー、痛ってえな。心臓止まるかと思ったじゃねーか」
はっは、と黒金は笑う。
「そうだよな、何も常に邪気を開放しとく必要は無いじゃねえか。なあ?」
沢桐の足が、己と触れるその瞬間。
黒金は、全身に邪気を張り巡らせたのだ。
「さて。反撃がお望みだ、っつーなら――」
がし、と黒金の右腕が沢桐の足を掴む。
「――いくらでもお返ししてやらぁぁあッ!」
その右腕をそのまま右へ。砂浜に叩きつけるつもりだ。
- 124 :沢桐 創:2010/06/18(金) 22:16:34 ID:bIOL8W8U0
- >>123
―バアァンッ!
「かはっ…!」
仰向けで砂浜に叩き付けられ、肺に衝撃が伝わる。
しかし、苦悶の顔は、直ぐに薄笑いに変わった。
「…そうだ、それでいい!」
―ドウンッッッッッ!
沢桐の足の裏から、風圧のジェットが噴射される。
ジェットは空気弾となり、黒金を襲う。
同時に、沢桐は黒金から離れ、ジェットの勢いで身体を起こし、体勢を立て直す。
- 125 :黒金鋼 ◆FA/Bw.T3QU:2010/06/18(金) 22:26:18 ID:9qS3TsAM0
- >>124
「が、ぁ……ッ!?」
“風”という見えない攻撃に、硬化のタイミングを逃がしてしまう。
黒金はそのまま数メートル程吹き飛ばされた。
「げふっ……」
立ち上がりながら、数回咳き込む。内部へのダメージが通ったのだろうか。
「砂っ、砂が……」
……砂が口の中に入っただけだった。
「……っしゃ、行くぞうらあぁぁ!」
姿勢を立て直し、地面を蹴る。
灰色の邪気を纏った右拳を叩き込む為に――駆ける。
- 126 :沢桐 創:2010/06/18(金) 22:38:17 ID:bIOL8W8U0
- >>125
―ドンッ!
再び足の裏からのジェット噴射で加速する。
「上等だあああぁぁぁ!」
迫る拳を避けない。
黒金の拳が腹を抉るが、それ以上に相手の懐に踏み込み、足を突き出す。
「うおおおおぁああああぁぁ!」
痛み故か、それとも気合を入れているのか、叫んだ。
沢桐の右足が、黒金に向かって突き出された。
- 127 :黒金鋼 ◆FA/Bw.T3QU:2010/06/18(金) 22:48:01 ID:9qS3TsAM0
- >>126
(やっと、一撃って所か――)
と、考えていた時。
沢桐の右足が、迫って来た。
「ま、ずい……ッ!!」
この時、黒金は邪気を全て右拳に集中させていた。
故に、右拳以外の防御は――手薄。
「……が、ぁぁあッ!!」
沢桐の蹴りが、身体の芯を叩く。
再び黒金は吹き飛ばされる。
硬化していない状態で叩き込まれた一撃。
それこそ、再起不能になっていてもおかしくない。
だが。
「――……っ!」
ゆらり、と。
おぼつかないにしても、黒金は起き上がった。
「……冗談抜きで、かーなーり、効いた」
口の端から血を零しながらも、黒金は笑う。
「でもまあ、流石にもう敗けられないしな」
かかってこい、と右手でジェスチャーする。
- 128 :沢桐 創:2010/06/18(金) 22:59:29 ID:bIOL8W8U0
- >>127
「はーっ…はーっ…」
肺、腹と続けて衝撃が襲ったためか、息が荒い。
腹を押さえながら、呟く。
「…手ごたえ…あったぜ」
腹を押さえていた右腕を掲げ、地面に振り下ろした。
「もっと…速さを!」
緑の眼の輝きが激しくなり、毒々しい色となる。
―バサアアアァァァッ!
沢桐の姿が消えた。
同時に、視界が失われる程の砂埃が周囲に巻き起こる。
沢桐の移動音は聞こえるものの、どこから聞こえるかははっきりしない。
- 129 :黒金鋼 ◆FA/Bw.T3QU:2010/06/18(金) 23:06:27 ID:9qS3TsAM0
- >>128
「……な、何処に……ッ!?」
辺りを見回す黒金。
「ちっきしょう……なんだよ格好つかねえじゃねえか……」
舌打ちをし、悪態をつく。むしろ格好悪い。
(一体次の攻撃は何処から……?)
「……いや、考えてても仕方ねえ。こうなったら――」
すぅ、と深呼吸をし、そして。
「ぬ、お、おおおおおぉぉッッ!!」
身体の底から、喉の奥から。
叫ぶ。
黒金の全身から灰色の邪気が滲む。
全身に“硬化”の邪気を張り巡らせているのだ。大気に滲み出るほど。
- 130 :沢桐 創:2010/06/18(金) 23:17:23 ID:bIOL8W8U0
- >>129
―グオオオォンン…グオオオォンン…
F1のエンジン音のような音が、周囲を回っていた。
沢桐は恐らく、黒金の周囲をグルグルと回り、攻撃のチャンスを伺っている様だった。
しかし、黒金は硬化を始め、更に隙が無くなる。
痺れを切らして、沢桐は行動に移した。
―カッ
突然、黒金の周囲が緑に照らし出される。
それと同時に、黒金の右腕、そして背中に衝撃が迫る。
二方向からの同時攻撃。
いや、厳密には「同時」ではないが、沢桐の驚異的な脚力は、それを可能にしていた。
- 131 :黒金鋼 ◆FA/Bw.T3QU:2010/06/18(金) 23:26:53 ID:9qS3TsAM0
- >>130
「――――ッ!!」
迫る衝撃の気配に、黒金は咄嗟に振り向いた。
否、“振り向いてしまった”。
『右腕』と『背中』に迫る攻撃が、振り向いたことにより『左腕』と『正面』を叩く。
全力で硬化していたとはいえ、沢桐のその驚異的な脚力は――
「がッ……ぐ、ああぁぁッ!!」
数メートル――いや、十数メートルは吹き飛んだだろうか。
途中何度も地面を跳ね、そしてやっと停止する。
「今の、は……?」
黒金は朦朧とする意識の中、思考する。
同時の攻撃、衝撃。自らを照らした光。
思考する。思考する。思考する――――。
思考にばかり意識が回り、周囲には気が回っていないようだ。
- 132 :沢桐 創:2010/06/18(金) 23:33:46 ID:bIOL8W8U0
- >>131
「…ああ、もう少しだ」
沢桐は瞬間移動でもしてきたかのように突然現れた。
連続での高速移動は多量のエネルギーを消耗するのだろうか。
先ほどとは打って変わって、吹き飛ばされた黒金にゆっくりと歩み寄ってゆく。
「もう少しで、光速に…!」
呟きながら近づいてきた。
歩きながらも、沢桐は少しよろめく。
これもエネルギー消費のためだろうか。
- 133 :黒金鋼 ◆FA/Bw.T3QU:2010/06/18(金) 23:39:47 ID:9qS3TsAM0
- >>132
「光、速……?」
聞こえてきた言葉。
思考のピースが、ぴったりと、嵌まった。
「……はっはー、そういう事か。そういう事かよ」
黒金は笑みを浮かべた。
楽しそうに。とても、楽しそうに。
「……光速、か。ならよぉ――」
左手で沢桐を指差す。
キィィィン……!
甲高い音がして、黒金の指先に、赤い、光が、灯り。
「――あんた、“光”は避けられんのか?」
赤い閃“光”が、沢桐の心臓目掛け放たれた。
- 134 :沢桐 創:2010/06/18(金) 23:52:39 ID:bIOL8W8U0
- >>133
沢桐を貫く光。
閃光は、沢桐の肩に風穴を空けた。
偶然か、必然か、沢桐は膝を突いていた。
吹き出した血も緑に淡く輝いていたが、大気に触れた途端エネルギーを失い、赤い血に戻る。
沢桐の眼の光は弱まっている。
「…試す気か」
立ち上がり、黒金になおも歩み寄る。
「光を放つと言うなら…放つよりも先にお前を潰せばいい」
そう言うと、再び眼が輝き始めた。
が、その光は明らかに先ほどよりも弱い。
「うおあああぁぁぁ!」
黒金に向かって走り出した。
沢桐の踵に搭載されていたピストンが炸裂し、スタートダッシュを助ける。
- 135 :黒金鋼 ◆FA/Bw.T3QU:2010/06/19(土) 00:01:43 ID:9qS3TsAM0
- >>134
「試すつもりはねえんだけどよ」
上体だけ起こした状態で、黒金は言う。
「やっぱりほら、敗けるつもりもねえんだわ」
黒金の左掌に、赤い光球が生まれる。
先程とは比べられない程に、大きな。
「……光速を目指すあんたは今――」
左掌を沢桐に向け、
「――あんたが目指す“光”に敗ける――ッ!!」
赤い光球から、走る閃光。
その閃光は――
- 136 :沢桐 創:2010/06/19(土) 00:17:28 ID:bIOL8W8U0
- >>135
「光とか光速とか、今の俺には勝てないだろうな。
しかし―お前にそれが操り切れるかが問題だ」
光の球の完成前に飛び上がる。
黒金に足を向けると、ジェット噴射によって、沢桐は空中で加速した。
「速さ比べでもしようか…!」
―ボウッ…!
音速を突破し、更に数倍、数十倍と加速してゆく。
沢桐にの身体に、空気抵抗で火がつく程に。
「うおおおおおぉぉぉぉぉ!」
光球が輝くのが先か、沢桐の蹴りが当たるのが先か―
- 137 :黒金鋼 ◆FA/Bw.T3QU:2010/06/19(土) 00:25:09 ID:9qS3TsAM0
- >>136
赤い光球が輝き、光は放たれた。
「……勝ち敗けに拘ってるようじゃ……」
しかし。
それが沢桐を貫くよりも早く、そして速く。
沢桐の蹴りが、
「……まだまだ駄目だ、っつー訳か」
黒金に直撃した。
「 」
最後に黒金は、何かを言おうとしたが――
【黒金鋼 死亡――ログアウトします】
【11位決定戦 勝者:沢桐 創 敗者:黒金鋼】
- 138 :沢桐 創:2010/06/19(土) 00:37:00 ID:bIOL8W8U0
- >>137
「…ッがハァッ…!ハァッ…!ハァッ…!」
息を荒げ、地面にしゃがみ込む沢桐。
顔の右半分が焼け焦げており、少し金属製の頭蓋骨が覗く部分まである。
恐らく、光球がまともに当たった部分のだろう。
「いてぇ…畜生…!」
全身がガクガクと震えて、バフッと音を立て砂浜に倒れる。
「ハァ…ハァ…でも…勝ったぞ、畜生…!」
月に腕が掲げられ、直ぐに倒れる。
潮風が傷に沁みる痛みに、眼を瞑った。
- 139 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/19(土) 21:02:03 ID:fqURxG6Q0
- 「……さて、うまくいけば今回で終わりだが……」
何時も通り、公園。
異界への入り口を前に、四脚の機械の上に座っていた。
- 140 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/19(土) 21:17:50 ID:.6prKP66O
- 【馬の蹄の叩く音、空に見えるは白い光!】
「今日こそ私はあの子を……」
【瑠璃色の片目と紫の片目を持つ男が馬に乗り現われた】
「やぁ、レラ!元気かい?」
- 141 :"16":2010/06/19(土) 21:21:30 ID:ZOM.z7ps0
- 「…………うーいっ!!」
はたはた風に乗って靡く赤いマントが、赤い金魚の尻尾のように見える。
それでも彼女はヒーローなのだ。お祭りの水槽の中で動く死にかけの魚ではない。
「正義が働かねばならない気がしたので飛んできますた!」
- 142 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/19(土) 21:35:02 ID:fqURxG6Q0
- >>140>>141
「……二人か」
呼びかけには華麗に無視。
二人と異界への入り口を順番に見て。
「さ、これをつけろ」
渡したのは耳に装着するタイプの通信機。
「そして、直ぐにでも言ってもらおう。
御覧の通り、事が穏便に済みそうでは無いからな」
異界の入り口を指差した。
その先も漆黒の闇。夜が空を覆う。
だが、その夜の闇が紅かった。
屋敷が燃えていたのだ。
「……できるだけ、急げ」
- 143 :"16":2010/06/19(土) 21:39:03 ID:ZOM.z7ps0
- >>142
「わ、火事!?」
燃え盛る闇を見て吃驚。しながら通信機を耳に着けた。
じゃりじゃりと砂を蹴って、ブーツの底を鳴らす。
「急ぐさ。ひとりでも多く人を救わなくちゃね」
にっと笑って、入口へ歩を進める。
- 144 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/19(土) 21:45:58 ID:.6prKP66O
- >>142
「なんだい、つれないなぁ……
まぁ、確かに遊んでいられないかもね……」
【屋敷の惨劇を見ながら眼を細める】
「……あぁ、私は神風のごとく駆け出そう」
【耳に通信機を付け、馬を走らせる】
【闇の中に向かい、白い光が駆ける】
- 145 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/19(土) 21:55:08 ID:fqURxG6Q0
- >>143>>144
「解ると思うが、その通信機は世界間での会話も可能だ」
二人があちらへと脚を踏み入れると。通信を一旦切った。
「……頼むぞ」
異世界。
小高い丘の上に建てられた屋敷が赤に染まる。
その周りを取り囲む街の人々。
「もう我慢できねぇ! 今日であいつも終わりだ!」
等と言い、手にした農具を掲げている。
町の人々の反逆らしい。
「待って下さい! なんでこんな事するんですか!!」
町人たちの近くには縄で結ばれた桃色の髪をしたメイド服の少女。
どうやらこの屋敷で働いている子ども……が涙を流しながら叫んでいた。
今回は無事に着地に成功する。
- 146 :"16":2010/06/19(土) 22:01:51 ID:ZOM.z7ps0
- >>145
とんと音を立てて着地。
きっと黄色い瞳を光らせて、屋敷に駆け寄った。
「…………消、火ァあああー!!!」
人々を掻き分けて、屋敷の前へ。
すうううぅ、と大きく息を吸って――
《覚醒めよ古の空を統べる存在》
《dragonica》
――吐く。
暴風の勢いを持ったそれは凍てつく氷の冷たさを伴って、炎の勢いを弱めようと吹き荒れる。
少女は、ひとまず炎を鎮静しようと試みた。
- 147 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/19(土) 22:07:22 ID:.6prKP66O
- >>145
「急げ!一刻も早く!!」
【着地の瞬間に馬は光の線となる】
「おい!大丈夫か!?一体何が?」
【まず涙を流す少女の救出を試みるが……】
- 148 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/19(土) 22:13:47 ID:fqURxG6Q0
- 通信が再開した。
すぐさま少女の声が流れてくる。
「……よし、通じた。
何が起こっている? 報告をしろ」
>>146
火の術を使った訳でもない、ただ単純な放火。
入り口付近の炎はやんだ様だ。
町人C『おい譲ちゃん、なんて事しやがる!』
炎を消された町人が起こった様子で喋り掛けていた。
>>147
『あっ、……』
町人A『おい、誰だアンタら!』
少女の前に町人が遮る。
町人E『最近ここの屋敷近くに何度か着てた人たちじゃないんですか?』
町人D『白い男と小さい女……確かにその通りだが、あと1人は何処へ行った?』
町人A『えぇい! 今更計画を止める訳にもいかねぇんだ、止めろ!』
- 149 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/19(土) 22:18:46 ID:.6prKP66O
- >>148
「うむ、察するに町の住人達がクーデターを起こしているらしい……多分、屋敷が狙いだ!」
【レラに簡単に状況を説明する】
「すまない!貴方達の話も聞こう、しかしこれはあまりに酷い……
力付くで、その子を解放してもらう!」
【理由がわからなければどちらが悪などわからない……
上弦は町人が怪我をしないように、手から光を放つ……
相手のエネルギーを奪い、気絶させる光】
- 150 :"16":2010/06/19(土) 22:21:19 ID:ZOM.z7ps0
- >>148
「なんか知らないけど、お屋敷が燃やされてる!
メイドの子が泣いてるよ!」
ほとんど喚くように通信を返した。
「こっちの台詞だよ! 中にまだ、人が居るんでしょう!?
反乱起こすのは勝手だよ、でもこの子みたいな無関係な子まで殺そうとするのは違うでしょ!!」
泣いているメイドの少女を指差して、怒鳴り返した。
- 151 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/19(土) 22:28:45 ID:fqURxG6Q0
- >>149
「ふむ、そうか……」
少女は考える。
町人A『止めろッ!』
FGH『うらあぁ!』
三人一斉に別方向から農具を振りかざしてきた!
普通の人間の放つ普通の攻撃とは言え、三人同時は厳しそうである。
>>150
「解った。引き続き頼む」
冷静な少女の声。
A『馬鹿を言え、俺たちが狙ってるのはあくまでも領主だけだ!』
H『アイツが来てから街の人少しづつ行方不明になってんだ。それをアイツに聞いてもしらないの一点張りさ!』
C『だから暗殺者を雇って強、奴を殺すのさ!』
町人Cが屋敷を指差し、燃える3階を指差す。
暗殺者は中に居る。そういうことらしい。
- 152 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/19(土) 22:35:07 ID:.6prKP66O
- >>151
「……」
【暗殺者と言う声に眉を潜める……】
「だから…私は話を聞くと言ったじゃないですか!?」
【上弦はここで能力を発動、農具を分解……】
「止めるんだ……私は今急いでいる……手間をかけさせないでくれ」
- 153 :"16":2010/06/19(土) 22:35:17 ID:ZOM.z7ps0
- >>151
「そっちも命令よろしく!」
叩きつけるような大声で会話を打ち切って、
「じゃあなんで燃えてるのさ! おかしいでしょ!
ああもう……そいつが燃やしたってこと!?」
ぎっと視線を上にあげて、指差された先を睨む。
町人が肯定を返した場合、すぐにでも飛びこもうと考えている。
- 154 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/19(土) 22:50:10 ID:fqURxG6Q0
- >>152
H『こいつ……術者か!』
F『邪魔ぁされると困るんだよ!』
G『譲ちゃんに手を出すつもりはねえよ! 少しは落ちつけ』
『ひぐっ……ぐすん』
奥の方で屋敷を見て泣いている。
>>153
「了解だ」
通信機を通して聞こえたのであろう「暗殺者」の言葉に血相を変えて叫ぶ。
「屋敷に跳びこめ! 今すぐにだッ!!」
C『火をつけたのは俺たちだ』
A『暗殺者さんには悪いが確実に殺すためにな』
H『そもそもアイツ、どこか怪しいんだよな、あのナリで暗殺者って……』
- 155 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/19(土) 22:54:53 ID:.6prKP66O
- >>154
「……OK」
【両手をあげて無抵抗の構え】
「じゃあ、その話を信用して私は屋敷に行く……
」
【町の者達を一瞥し、上弦馬を走らせる】
「貴方たちの話を信じよう……
だが……それが嘘なら……わかるな?」
【そんな冷たい言葉だけが、そこに響いた】
- 156 :"16":2010/06/19(土) 22:55:41 ID:ZOM.z7ps0
- >>154
「言われなくてもッ!!」
地を蹴って、宙に浮かぶ。
ぎりっと町人たちを睨みつけて、ばか! と叫んだ。
すっと後ろに少しだけ引いて――勢い良く前進。ガラスを突き破って、三階に突入しようと試みた。
- 157 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/19(土) 23:04:24 ID:fqURxG6Q0
- >>155
FGH『止める!』
馬に掴まって動きを止める。
G『譲ちゃんには手を出さないが、アイツは殺す!』
FH『お前はなんであんな奴の味方をするんだ!』
>>156
A『馬鹿か、譲ちゃんあぶね……飛んだ!?』
CD『クソッ、空を飛ばれちゃとめれねえ!』
「そこには誰が居る!?」
三階の部屋。
三階はこの1フロア飲みらしく、相当な広さである。
辺りを紅い炎が舞い、熱が襲う。
『貴方は……この間の人たちの……!』
「何を、言ってるの……」
黒い大鎌を
振り下ろす少女とそれを剣の鞘で受け止める茶髪の男。
- 158 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/19(土) 23:10:02 ID:.6prKP66O
- >>157
「……邪魔だどけ」
【馬が暴れ、町人を振り払おうとする】
「私は暗殺者に用がある……
それとも何か?
世界には私を邪魔をするルールでも出来たか?」
【上弦は屋敷へ進むのを止め、呆れたように町人を見る】
- 159 :"16":2010/06/19(土) 23:11:22 ID:ZOM.z7ps0
- >>157
「……ッ」
熱が身体を包みこんで、顔を顰める。が、体は強化されているし大丈夫だろう、と無視した。
「鎌もった、小さい女の子、と……剣を持った茶髪の男の人!
どっちを、どうすればいいの!?」
通信機に手をあてて、半ば慌てながら訊いた。
- 160 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/19(土) 23:22:22 ID:fqURxG6Q0
- >>158
FGH『うわっ!』
三人は跳ね飛ばされる。
そのうち一人は頭を打って動かなくなったようだ。
H『何でお前はあんな奴の味方をするんだ!』
F『アイツは街の人を襲っているというのに……!』
上弦の事情をしらない町人には上弦こそが悪者に見えている……。
>>159
「……ッ、子どもの方が目的だ!
だが……どっちも殺すな! まずは止めろ!」
少女の声が響く。
お互いシトリンには気付いている様だが手が出せない状態のようだ。
- 161 :"16":2010/06/19(土) 23:28:48 ID:ZOM.z7ps0
- >>160
「了、解!」
きりっと歯を鳴らし、大きく息を吸う。
吐き出したのは先ほどと同じ、氷のブレス。
二人の足元を凍りつかせようと、暴風が地を這う。
- 162 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/19(土) 23:30:33 ID:.6prKP66O
- >>160
「別に私はシュコダだっけ?
あの人の味方をするつもりは無いよ」
【頭を打った町人に近寄り、マットを作り出した後に寝せる】
「暗殺者って小さい女の子だろ?
私はその子に会いたいだけなんだが……」
【馬をどうどうと撫で、上弦は話を続ける】
「要するにあれだろ?
町の人たちが行方不明になって、疑心暗鬼になった君達は屋敷に火を付けた……
本当にシュコダさんだかが犯人なのか?」
- 163 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/19(土) 23:39:38 ID:fqURxG6Q0
- >>161
「今使えるのは貴様だけだ、頼んだぞ!」
『貴方、そこに居るのなら手伝って下さい! この子を止めましょう!』
「……ッ!!」
大鎌を振り回す少女とそれをなだめようとする男。
どう見ても少女の方が悪だが狙いはその少女だと言った。
>>162
F『あぁ、すまねぇ』
マットを作り出すさまを見て思わず謝る。
A『ああ、確かに小さい女の子だったぜ』
H『あのナリで暗殺者は怪しいと思うが、腕は確かだった』
C『その筈だぜ』
D『アイツが来てから街に異変が起きたんだ』
- 164 :"16":2010/06/19(土) 23:44:39 ID:ZOM.z7ps0
- >>163
かちかちぴきぴき。地がだんだんと凍ってゆく。
ブレスの残滓を軽く吐く、空気が白く色づいた。
「とりあえず、落ち着いてくれなきゃ困る……!」
一緒に来ていた白いお兄さんはまだ来ないのかな。早く来てほしいのに。
そう考えながら、早く、早く二人の足元まで凍り付け! と念じていた。
- 165 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/19(土) 23:46:48 ID:.6prKP66O
- >>163
「私はその少女に逢いたくて、ここまて来たんだ……
あの子は私の大切な存在であってな……」
【屋敷を見ながらそう言い、町人を見やる】
「じゃあ、まずは……殺すなんて考えずに、捕獲をしよう……
どうも何か嫌な感じがするよ……」
【町人達にどうかと尋ねる】
- 166 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/19(土) 23:55:16 ID:fqURxG6Q0
- >>164
炎が消えようと、足元が凍りつこうと少女は攻撃をする。
男はそれを避け、防ぐ。が。
『っつぁ……』
避けそこね、肩に傷を作った。
>>165
F『大切な存在?』
D『あぁ……そんな事言ってたな。よく解らんが』
A『おい、屋敷の炎が消えたぞ』
H『捕獲? いやな感じ?』
B『そういえば、あの子が来たのはこの屋敷が来たのとほぼ一緒だったかな……』
新たに来た青年がそんな事を呟いた。
- 167 :"16":2010/06/20(日) 00:00:28 ID:ZOM.z7ps0
- >>166
「ああ、もう!」
機動力は削げた。だろう、多分。
でも、上半身は動くから攻撃が続いてしまう。
なら、
「止まって、よ!」
駆け出す。
腕を伸ばして、少女の窯を握る腕を掴もうとした。
- 168 :"16":2010/06/20(日) 00:01:43 ID:ZOM.z7ps0
- //窯握るわけねえだろ……鎌だよ……
- 169 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/20(日) 00:02:25 ID:.6prKP66O
- >>166
「……あぁ、とっても大切なんだ……」
【消えた屋敷に突入したいが、町人を説得するのが先決だ】
「あの子と屋敷が同時……
そして屋敷が現われてから不可解な事象……」
【……上弦は頭の中に浮かぶ白いシルクハットを見た】
「それは……まさか……別の黒幕がいるんじゃないか?」
- 170 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/20(日) 00:12:34 ID:fqURxG6Q0
- >>167
「何……?」
少女が消えた。
「じゃま」
そして、背後から斬撃が送られる。
『やらせませんッ!』
しかし、それを男が止める。
斬撃を防がれ、宙を舞って距離を離す。
二人をにらんでクルクルと鎌をバトンの様に回した。
この少女、中々に強敵。
>>169
F『……そうか、なら先ずは捕獲でもしてこいよ』
屋敷への道を開ける。
C『もしかしたらもう死んじまってるかも知れねぇけどな』
A『黒幕? 俺達が見たのはこれで全部だぜ』
H『あとお前らもな』
シルクハットは街に現れていないらしい。
- 171 :"16":2010/06/20(日) 00:17:22 ID:QYyPcDfoO
- >>170
「え」
するっと腕が空を泳ぐ。
しまった、と考えた時には少女が鎌を振る音が聞こえて、青年に防がれていた。
「……っち……」
平和的交渉は絶望的だね、と舌打って、少女に向き直る。
とりあえず少女の動きを止めないと、殺されてしまうだろう。
- 172 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/20(日) 00:20:51 ID:.6prKP66O
- >>170
「まずはシュコダの捕獲に向かう……
恩に着る……出来ればその娘の縄も解いてあげてほしい」
【上弦は馬にまたがり、そう言うと、馬で屋敷に突っ込んだ】
「うおぉぉぉりゃぁぁあ!!!!」
【シノンが黒幕じゃないのか?
そんな疑問を抱き、上弦は適当な部屋に突入した】
- 173 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/20(日) 00:26:18 ID:fqURxG6Q0
- >>171
『止めましょうか、彼女を。
先ずは……武器です!』
青年が少女の武器を指さsと、銀色の刃が飛んでいく。
――サッ
黒い鎌に触れることなく通り過ぎて行った。
『どういう技でしょうか……?』
>>172
A『解った。だが、殺すなよ』
少女の縄を解放した。
「そこは……二階だ」
声が聞こえてくる。
やはり、館の内部はあの場所と同じ。
レラのナビと上弦の知識があれば直ぐに頂上へ着くだろう。
- 174 :"16":2010/06/20(日) 00:33:56 ID:QYyPcDfoO
- >>173
思考する。
さっき、姿を消した。今、攻撃が擦り抜けた。
ということは、実体を持っていない霊体? あるいは何かと融合した身体なの?
考えれば考えるほど厄介だ、としか思わない。
とりあえず肉弾戦はこちらが十割不利、ということは然程考えなくてもわかったので、
「――――ッ!」
ブレス。ある程度威力を絞った、雷の。
それを少女に向けて放つ、狙いは電流を浴びることによる麻痺。
- 175 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/20(日) 00:34:05 ID:.6prKP66O
- >>173
「レラ聞こえるか?道案内を頼む!!」
【屋敷内に馬を走らせながら、上弦はレラに聞いた】
「急ぐぞ!!」
【上弦は気合いを入れる】
- 176 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/20(日) 00:41:37 ID:fqURxG6Q0
- >>174
「あなたは……何」
少女の左手から雷。それも紫色の。
お互いの電撃がぶつかりあい、衝撃を起こし相殺する。
「じゃまなんだけど」
その間にも青年を抜け、少女は空中から大鎌を振る。
>>175
「ああ、了解した」
少女は的確に道を教えていき、
「……そこの扉だ!」
暫く進んだ後、階段を上がった先の大きな扉にたどり着く。
この部屋だけが、館とあの場所の違い。
- 177 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/20(日) 00:46:03 ID:.6prKP66O
- >>176
「さすがは天才少女!今回は認めよう!」
【レラに礼を言い、扉を見据える】
「見たことの無い扉か……
いくぞ!!」
【覚悟は既に決まっている……
上弦は馬もろとも、扉を壊して飛び込もうとする】
- 178 :"16":2010/06/20(日) 00:50:40 ID:QYyPcDfoO
- >>176
「何、って」
相殺された攻撃に舌打ち/近寄ってくる少女の殺意を確認
ブーツの底をぎりりと圧迫/床に走る罅
「ボクは、」
蘇る、男の声/「自分すら救えない奴が、」
思い出す、女の声/「手段は、」
「――――、」
一瞬の躊躇/振り下ろされる刄
「…………正義の」
「ヒーローになれると思ったら大間違いだ」/「手段は、あるよ」
「――――――ヒーローだっ!!!」
絶叫/悲鳴/慟哭/咆哮
全部。
全部振り払って捨てて、振り下ろされる刄を右腕で受け止める。
腕を覆う白い竜の鱗が、きぃんと高い音を鳴らした。
- 179 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/20(日) 00:57:25 ID:fqURxG6Q0
- >>177
「フン、今回だけでは困るな」
鼻を鳴らし、得意気に。
>>177>>178
「そう、正義」
黒い鎌の紅い目。その中央の
黒い瞳がシトリンを睨む。
腕と大鎌。力は拮抗し、動きが止まる。
が、直ぐに鎌を引き後ろに下がった。
さっきまで少女がいた場所に男が剣を落とす。
『なるべく気配を消していたのですが……やりますね』
青年とシトリン。それと向き合う漆黒の少女。
- 180 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/20(日) 01:01:30 ID:.6prKP66O
- >>179
「あぁ、そうだな……」
【少しだけ笑い、上弦は真剣な顔に戻る】
「シュコダァ!ゼオラァ!!どこだ!!」
【三人の間に白い馬に乗った上弦が現われる】
【上弦は辺りを見回し、三人を確認した】
- 181 :"Dragonica":2010/06/20(日) 01:06:44 ID:QYyPcDfoO
- >>179
「正義。正しい義。正しい。ただしい。
教えて、君にとっての『正しい』って、なに?」
ぱきぱきぱき、罅が走るような音。
白い少女の腕を脚を顔を、同色の鱗が包む。
「ボクは、ボクの信じるモノを正しいと思うよ」
黄色く光る硝子球の瞳だけが、変わらなかった。
少女の側頭部から生える二本の白い角、手の先から生える白い爪、腰から生える白い尾。
なにもかも変化していく少女の黄色い瞳は黒を映す。
「君は、ボクが信じられるココロを」
ぱきん。
少女は完全に白い異形となった。
その中に残された「シトリン」の名残、黄色い水晶の瞳が黒の少女に語り掛けた。
- 182 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/20(日) 01:15:01 ID:fqURxG6Q0
- >>180>>181
『それは……?』
驚く瞳の青年。
少女はただ見つめている。
「正しい……?
そんな物、無いよ」
異形に向かって両手を会わせて走っていく。
「人の目によって変わるものを信じるなんて……愚か」
淡く碧色を氷の氷柱を差し込まんとしている。
- 183 :"Dragonica":2010/06/20(日) 01:21:55 ID:QYyPcDfoO
- >>182
持っている?
と声に出した瞬間には、黒の少女は駆け出していた。
「ない。んだね。そうか、それは」
とても、可哀想。
そう呟きながら、すっと一瞬だけ息を吸って、
吐き出したのは炎の球。氷にぶつけて、溶かそうと試みた。
「不変の真実だけを信じるのには、もう疲れちゃったんだ」
ぴ、と軽く裂けるような音。
鋭い爪の生えた右手を、軽く振ったのだ。
それだけで空間に亀裂が走り――黒の少女に向かって飛んでゆく。
- 184 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/20(日) 01:24:53 ID:.6prKP66O
- >>182
「あ、あるぇー?
おかしいぞレラ!なんか反応が無い!」
【レラに助けを求める】
「くっそぉ!タイミングが悪かったか……
だよなぁ、目の前にもっとすごいのいるじゃないか!」
- 185 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/20(日) 01:32:56 ID:fqURxG6Q0
- >>183
「あ、そう……だから、なに?」
両手を離す。
氷柱も二つに別れ、細い氷柱が二つ。
「……くらえ」
炎の玉を潜り抜けるように氷柱を打ち出した。
そして、
「……はぁ……ッ!!」
もう片方の氷柱で炎の球を打った。
氷は砕けるが、炎は上方へ飛んで行った。
「……」
亀裂が少女に襲いかかり、腕を切断した。
「おい、お前……殺す気じゃないだろうな?」
通信機から少女の声が聞こえてくる。
その声は酷く冷たい。
>>184
上弦の目の前の光景>>183
- 186 :"Dragonica":2010/06/20(日) 01:38:27 ID:QYyPcDfoO
- >>185
「殺さないさ。ただ、」
打ち出された氷柱が脇腹に突き刺さる。血は人間の名残を残していて赤かった。
「加減が、ひどく難しい」
突き刺さったそれをひっ掴んで抜く。ぶしっと血が吹き出した。
ぽいと放って、黒の少女を眺める。とてもとても穏やかな視線。
「大丈夫だよ、もう一人も来たし。殺そうとしたら止めてくれるでしょう?」
- 187 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/20(日) 01:47:23 ID:.6prKP66O
- >>185
「ゼオラ!」
【馬から飛び降りゼオラに駆け寄る】
「大丈夫か!?シュコダさんは?
ゼオラ、私がわかるかい?」
- 188 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/20(日) 01:49:59 ID:fqURxG6Q0
- >>186
『……大丈夫なのですか?』
青年が声をかけてきた。
「フン……そうだな。奴の強さだけは保障する。貴様を十分に消せる位だ」
>>187
少女は距離をとった。
シトリンと少女は敵対している。
つまり、上弦と敵でもある。
『上弦さん!』
青年が声をかけた。
- 189 :"Dragonica":2010/06/20(日) 01:55:33 ID:QYyPcDfoO
- >>188
「ボクは、大丈夫さ。
あなたは大丈夫なの? 一撃もらっていたじゃない」
穏やかな凪の海。それを思わせるような優しい声色が返ってきた。
「わあ怖い。じゃあ、殺さないように注意を払わなきゃ」
黒を見る穏やかな瞳に、わずかに波打つそれは敵意と呼ばれるもの。
ゼオラを「悪」と判断して、動いている。
- 190 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/20(日) 02:00:49 ID:.6prKP66O
- >>188
「……」
【淋しそうにゼオラを見た後……
上弦はシトリンを見る】
「これはどうなってるんだ!?」
【二人を止めようと走るが、青年に呼ばれ振り向く】
「誰だ!?」
>>189
「おい、これはどんな状況だ!?」
【シトリンに疑問をぶつける】
- 191 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/20(日) 02:05:24 ID:fqURxG6Q0
- >>189
『……まだ、大丈夫です』
まだ。を強調して。
>>190
『僕ですよ……』
シトリンの隣で手を振る青年。
『彼女が、以前貴方の探していると言っていた子なのでしょう?』
『お願いします。止めて下さいよ』
- 192 :"Dragonica":2010/06/20(日) 02:09:20 ID:QYyPcDfoO
- >>190
「この女の子が敵。今のところは。
保護するべき女の子なんだけどこっちに敵意飛ばしてるから、とりあえず抑えようとボクは考えてる」
穏やかな声で上弦に答えた。
>>191
「そっか。なら大丈夫なうちに反乱起こった理由とか聞くからね」
視線を向けたゼオラに、語り掛ける。
「ねえ。知り合いなんでしょ、このお兄さん。
ボクは一旦外れるから、二人で話してくれないかな。
そしたら、もう戦わなくていいかもしれない。だめかな?」
駄目、と言われたときのために。一応の戦闘体制は解かないまま。
- 193 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/20(日) 02:13:12 ID:.6prKP66O
- >>191
「……あぁ、私が探していた子だ」
【青年の隣に移動し、上弦はシトリンとゼオラを見る】
「止めるにしたって……どちらを止める?
本来ならばどちらも鎮圧出来れば良いのだが……
こいつは私では扱えそうに無いし……」
【シトリンを見ながらそう言い】
「ゼオラだったら止められるかも知れないが、警戒してしまって今は敵対関係だ……
私に何か……」
【上弦は少し考え】
「レラ、何か作戦は?」
【レラに尋ねた】
>>192
「うむ、確かにいい考えだが……
凄く危ない気がするよ
少し二人とも落ち着いてくれ」
【シトリンとゼオラに向き直り】
- 194 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/20(日) 16:03:27 ID:fqURxG6Q0
- >>192
『はい、僕が話せる事なら何でも話しましょう』
そう言って少女を見た。
>>193
「バカが。その白いのに何が合ったかは解らないがお前と一緒に来ただろう?」
「さらに喋れている以上止めると言う選択肢が入る理由が解らんな」
>>192>>193
「今一町人側の動きが読めん。先ずは戦闘を止めろ」
レラの声が二人の耳に届く。
「……」
少女は相変わらず大鎌を回している。
- 195 :"Dragonica":2010/06/20(日) 16:06:44 ID:QYyPcDfoO
- >>193
「うん、今この子にお兄さんと話してくれないかって頼んだところ」
上弦にはわかるだろうか。
異形と化した少女の息が、途切れ途切れて粗くなっていることを。
>>194
「止めたいところだけど……聞く耳持たず?」
鎌を回す少女を見て、苦笑。
どうにか上弦が宥めてくれないだろうか、と考えながら見守るのみ。
- 196 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/20(日) 16:17:18 ID:.6prKP66O
- >>194
「待っていろよレラ!後馬鹿って言うんじゃない!」
【軽口でレラに反抗しながら、止める為に上弦は動く】
「二人とも落ち着け!今ここで戦ってちゃ誰かの思うつぼじゃないか!」
【ゼオラに戦闘を止めるように問い掛ける】
>>195
「君も、あまり無茶をするんじゃない
息が苦しそうだぞ?
そう言う変身系は負担がかるって相場が決まっているんだから……」
【ゼオラとシトリンの間に仁王立ち、どちらかがまた戦闘を始めたらすぐに止められるように】
- 197 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/20(日) 16:22:51 ID:fqURxG6Q0
- >>195>>196
「誰かのって……誰の?」
少女は消えた。
上弦の後ろ、シトリンの後ろ。
男に向かって鎌を振る。
『っぐぁ……!』
突然の攻撃に対抗できなかったのか、背中に傷を受けた。
少女の狙いはあくまでもこの男らしい。
- 198 :"Dragonica":2010/06/20(日) 16:28:20 ID:QYyPcDfoO
- >>196
「うん……」
確かに、強大な力に身体がついていけない疲労もあった。
しかしそれ以前に――少女は病に冒されていた。
疲労と発作がじわじわと身体を蝕んで、息が苦しくなる。
>>197
「な……」
血が舞うのを呆然と眺める。
何でだよ――何でこの子、話を聞いてくれないの!
「――――ァッ!」
憤ると同時、ブレスをゼオラの足元に放つ。
凍てつく氷の暴風は、人間の姿の時に放ったそれと凍り付くスピードが桁違い。
- 199 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/20(日) 16:34:38 ID:.6prKP66O
- >>197
「ん!?そうだった!」
【振り向き、青年の状態を確認】
「ゼオラァ!!」
【怒鳴りながら上弦は青年とゼオラの間に入る】
「私の話を聞いてくれ、ゼオラ……」
【上弦がゼオラを見て、訴えかけるが】
>>198
【氷のブレスを見てから上弦はゆっくりと】
「もう変身を解きなさい、二人なら君も多少楽になるだろ?」
【ペシペシと叩きながら】
- 200 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/20(日) 16:40:06 ID:fqURxG6Q0
- >>198
「よけたね、つぎはないよ?」
『クッ……』
男は逃げるように離れていく。
だがこの少女から逃れる事は簡単そうには見えない。
「……ッ!?」
シトリンの炎にい脚を焼かれそうになる。
靴の先と服の裾が凍る。
>>199
「何……?
何もないなら、じゃなまだけ」
少女の脚に紫の雷が走る。
雷を利用して少女は加速。すれ違いざまに上弦に蹴りかかる。
- 201 :シトリン・シックスティーン:2010/06/20(日) 16:46:21 ID:QYyPcDfoO
- >>199
「ん、ていうかもう……」
限界なんだよね。
ブレスの残り、冷たい吐息を吐き出して、少女は膝を付く。
ばらばらと鱗が剥がれ落ちたあとの少女の顔色は蒼白だった。
「投薬、一回し損ねたからだいぶキツいや……」
ごそりとポケットを漁る。薬を探しているのだ。
>>200
「くそ、」
かすっただけか。
しかし今は追撃も出来ない。
探り当てた薬を口に放り込んで、飲み干す。一瞬だが確実な隙。
邪魔者を放り捨てるには十分な隙が、出来てしまった。
- 202 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/20(日) 16:55:48 ID:.6prKP66O
- >>200
「……すまないね……ゼオラ」
【一言そう言って、上弦は蹴りを片手で受け止める……】
「落ち着きなさい、大丈夫……私はいつだって君の味方だ……
でも、今は戦いを止めなさい」
【上弦の手が光、ゼオラを包む】
【もし、ゼオラが指輪を付けていたのだとしたら、効果が現われるだろう】
【上弦の指輪は付けている人を悪意から護る力がある
それを最大に働かせ、ゼオラの暗殺者としての目標を殺害するという悪意にを打ち消す
悪意が上弦の力を越えていたり、指輪を付けていなければ効果は無いが】
「……」
【そして、上弦はゼオラを抱き寄せようとする】
>>201
「任せなさい、君が回復するまで私が持ち堪えよう!」
【安心するようにと言って、上弦は二人を見やる】
「その病気を治すのはかなり難しいかもしれないが、元気になる薬は作れるぞ?」
- 203 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/20(日) 17:05:17 ID:fqURxG6Q0
- >>201
少女はシトリン刃を加えない。
と、いうより見てはいなかった。
>>202
悪意に雷は阻害され、消える。
「じゃまだって……言ってるでしょ!!」
次の瞬間、その何倍もの雷が少女を中心に発生する。
怒りが、悪意が、指輪の限界を超えたのだ。
雷は拡散し、シトリンを、上弦を、そして男を、襲う。
- 204 :シトリン・シックスティーン:2010/06/20(日) 17:11:16 ID:QYyPcDfoO
- >>202
「ん、ありがとう……本当?」
薬はじわじわと効能を発揮する。
だんだんと生気の色を戻す顔が、微かに笑みの形を作った。
>>203
「――――!」
上弦の説得が失敗したのだろう、と考えた瞬間。
力が抜けて鉛のように重くなった手足を、必死で動かした。
自分が逃げるため、ではなく、男を守るため。
駆け寄って、自身の身体を雷から守るバリケードのように使って男を覆い、
「あ、ぎッ――――」
背中を雷に打ち据えられて、ずずっと床を滑る。
- 205 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/20(日) 17:19:52 ID:.6prKP66O
- >>203
「ん〜……参ったな……
仕方がない……ゼオラ、来なさい」
【地面を叩き、発生させるのは雷を防ぐマナの盾、シトリンと男を護る為に展開する】
【しかし、雷は上弦に命中……なのだが】
「ゼオラよ、まずは私を倒さないと目的を達成出来ないよ?」
【余裕の笑みを浮かべているが、一筋の汗を流す】
>>204
「あぁ、本当だ!」
【シトリンに向き直るが、ゼオラの雷でシトリンが倒れていた】
「無茶をするなよ?
私が出来るだけカバーをする」
【協力をし、双方被害無く事を納めようとしている様だ】
- 206 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/20(日) 17:34:35 ID:fqURxG6Q0
- >>204>>205
「……上弦、邪魔しないで」
「私はかえりたいの」
少女は闇の刃を作り出す。
走りだし、消える。
現れたのは盾の裏。
「……終わり」
刃を振りかざし、またも男を狙う。
コレが止める事が出来なければ、男の首は飛ぶ。
- 207 :シトリン・シックスティーン:2010/06/20(日) 17:42:42 ID:QYyPcDfoO
- >>205
「……、…………」
びくりびくりと身体が痙攣。
声を出そうとして失敗し、ひゅうひゅうと喉から息が漏れだす。
いくら外傷に対する強化を行われていても、あれだけの雷を浴びれば動けない。
電流による麻痺により、行動不能に陥った。
>>206
「!、!! ――――!!!」
ぎりりと黄色い瞳の奥、瞳孔が引き絞られる。
身体は動かない動けない、使えるのは
「――――――!!!」
相当に弱まった、ブレス。
炎も氷も雷も伴えなかったただの風。
それが、ゼオラの目のあたりをめがけて飛んでゆくが――
- 208 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/20(日) 17:47:42 ID:.6prKP66O
- >>206
「ダメだ……人を殺したらいけないよ……
安心しなさい……私が帰らせてあげるから……ね?」
【素手で鎌を受け止める
ザックリと上弦の腕を切り裂くその鎌を上弦は自身の骨で止めた】
「私を信じなさいゼオラ、君を迎えに来たんだ!」
【必死にゼオラに呼び掛け、上弦叫ぶ】
>>206>>207
「二人共動くなぁ!!」
【腕から大量の血を流しながら怒鳴る】
「いい加減にしないかぁ!!」
【瑠璃色の眼を光らせながら怒鳴る】
「いいか、この青年は私が預かる!
お前達は戦うな!喧嘩をするな!!」
- 209 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/20(日) 17:52:34 ID:fqURxG6Q0
- >>207>>208
「……ッ!!」
少女の視界がブレスを打とうとする姿を捉えた。
その隙で、鎌を振る手が一瞬遅れて。
そのおかげで上弦が二人の間に割って入る時間が取れた。
「……本当?」
少女は刃を戻し、ゆっくりと二人から離れた。
- 210 :シトリン・シックスティーン:2010/06/20(日) 18:02:54 ID:QYyPcDfoO
- >>208
はっはっと短い息を繰り返しながら、顔をあげる。
ようやく身体の感覚が戻ってきた。
「ごめ……で、も……誰も、死なせたく、ない……!」
苦しそうに起き上がって、自分以外の三人を見る。
>>209
「あ、やっと、落ち着いた……」
ほっと一息、安堵の表情。
座り込んだまま胸を撫で下ろした。
- 211 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/20(日) 18:07:44 ID:.6prKP66O
- >>209
「私が今まで嘘を吐いた事かあったかい?」
【血塗れの腕を隠し、上弦は優しく語る】
「本当だとも、私は君を迎えに来たんだ……一緒に帰ろう」
【片手を伸ばし、ゼオラに差し伸べる】
>>210
「死なせないさ!
その前に君が死んでしまいそうじゃないか……」
【懐から瓶を取り出してシトリンに放る】
「私特性栄養ドリンクだ、美味しいぞ?」
【気休め程度のドリンク、今はそれくらいしか無い】
「まずはシュコダを町人の前まで連れていくんだ……
その後に理由を聞けばいいんだ……」
- 212 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/20(日) 18:10:54 ID:fqURxG6Q0
- >>210>>211
「……」
少女は二人から距離を置いた所で立っている。
『ありがとう、ございます……』
血を流している男。膝を付いている。
地は床にたまっていく。尋常な量じゃない。
- 213 :シトリン・シックスティーン:2010/06/20(日) 18:15:08 ID:QYyPcDfoO
- >>211
「あり、がと……」
放られた瓶を受け取って、封を開けて口を付ける。
外傷に対する再生力が強化されていてよかったな、と考えた。
>>212
「わ、大丈夫ですか!? ……あだっ」
立ち上がって駆け寄ろうとして……足が縺れて転倒。
あんまりかっこよくない。ていうかかっこわるい。
- 214 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/20(日) 18:18:33 ID:.6prKP66O
- >>212
「……」
【距離を置いたゼオラを寂しそうに見ていたが】
「喋るな、その傷が塞がるかはわからないが」
【光と水のマナの力を最大限に発揮し、青年の傷の治癒を試みる】
「お前がシュコダだね?
傷が治っても余計な動きはするなよ……
違っていてもだ」
>>213
「よし、取り敢えずこの場は静かになったな……
すまないな、ここまで頑張って貰って……
有難う!」
【誠心誠意の感謝の言葉をシトリンに放つ】
- 215 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/20(日) 18:22:35 ID:fqURxG6Q0
- >>213
『……危ない、です……!!』
喋ろうと思ったが、思いのほかきつかったらしく。
手で静止させるようなポーズをとるのみ。
>>214
『以前会った時と随分と変わりましたね……』
『何に焦っているのです……?』
男は上弦に柔かな笑みを送る。
- 216 :シトリン・シックスティーン:2010/06/20(日) 18:27:15 ID:QYyPcDfoO
- >>214
「いいのさ。ボクは」
正義のヒーローだからね!
満面の笑みでそう返す。
>>215
「……はは、かっこわるいや」
顔だけ上げて、笑ってみせる。
「…………ああ駄目だ、薬回って眠くなってきた……ごめん、ボク、ちょっと寝るよ……」
全身に回りきった疲労が少女の最後の意識を奪って、
少女は一時の眠りについた。
//うあおちょっと離席……放置しといてください
- 217 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/20(日) 18:29:42 ID:.6prKP66O
- >>215
「ん?まぁ……私も余裕が消えてしまってね……
大切なものを失うのが怖くてね……」
【同じく笑みは優しく、青年に語り掛ける】
「この町の人も、大切なものを護る為にこんな事をしたんだ
それを止める事は私には出来ない」
【多量の汗を浮かべて上弦は笑う】
「私はゼオラを連れて帰る気で来たよ」
>>216
「お?ヒーロー!いいねぇ、私もそんな格好良い人間になりたいなぁ!」
【眠りに落ちるシトリンに作り出した毛布をかけ、上弦は笑った】
//了解!いってらっしゃい!
- 218 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/20(日) 18:34:49 ID:fqURxG6Q0
- >>216
「……」
幼女はただ視線を注いでいた。
//了解いたしました。
>>217
『大切なもの……?』
『なら、何故彼らは私のところに?』
男はこの一連の流れが全く理解出来ていないらしい。
- 219 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/20(日) 18:40:07 ID:.6prKP66O
- >>218
「私の本来の目的はそこのゼオラを取り戻す事だ……
町の現状は最初は知らなかった」
【ゼオラを見ながら話す】
「しかし私たちが来たらこの惨状だ……
町の人が次々と行方不明になっているらしい……
それで、町人は人々が消え始めるのと同時期に現われた貴方が犯人と仮定した訳だ」
【青年の治療を終え、上弦は立ち上がる】
- 220 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/20(日) 19:23:55 ID:fqURxG6Q0
- >>219
『ありがとうございます』
青年は立ち上がる。
その瞬間フラフラとした感覚に襲われるもなんとか持ち直す。
『さぁ、私は知りません。
私はここに住んでいるだけで……』
- 221 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/20(日) 19:26:49 ID:.6prKP66O
- >>220
「だから、町人に会って誤解を解こう、それが一番じゃないか?」
【上弦は青年を見つめ言い聞かせる】
「いいか?ゼオラも攻撃を止めてくれた……
ここで町人から逃げたら本当に貴方が犯人扱いされてしまう……だから」
- 222 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/20(日) 19:35:20 ID:fqURxG6Q0
- >>221
『無論、逃げるつもりはありませんよ。
お話をして、解決までもっていきます』
大きく頷く。
「……」
後ろの方でじっと立っている。
- 223 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/20(日) 19:39:01 ID:.6prKP66O
- >>222
「よし、じゃあ行こう!」
【上弦は青年を立たせ、シトリンを馬に乗せる】
「ゼオラ、馬に乗りなさい……
一応頭の良い馬だからちゃんと言う事聞くから」
『でしょ?マジヤバイっしょ!?』
【青年に肩を貸して歩きだす】
- 224 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/20(日) 19:45:27 ID:fqURxG6Q0
- >>223
「……」
上弦を無視し、一人でに歩いていく。
『はい、解りました』
――――館前
町人A『おい、帰ってきたぞ!』
上弦達の姿を見ると立ち上がり、視線を向けた。
- 225 :シトリン・シックスティーン:2010/06/20(日) 19:45:52 ID:ZOM.z7ps0
- 「……ほは」
ぱちり。瞼を開ける。起きた
「うわ、馬だ……乗ったの初めてだ……」
ほへーと物珍しそうな顔をして、揺られる揺られる。
- 226 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/20(日) 19:54:29 ID:.6prKP66O
- >>224
「……はぁ……」
【ゼオラに無視をされるのがかなり辛いようだ】
「みんな!連れてきた!
手荒な真似はするなよ!
あくまでも話し合いなんだからな!」
【町人達に釘をさしながら】
>>225
「目が覚めたか?まぁ、おとなしい馬だから心配せずにね?」
『うはw俺おとなしい馬!
マジヤバイっしょ!?』
【でもうざい馬だった】
- 227 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/20(日) 20:02:40 ID:fqURxG6Q0
- >>225>>226
C『あの白いの、美味く行ったみたいだな』
D『……譲ちゃんも生きてるみたいだな』
町の人達は上弦達と男を囲い。
「……?」
その奥では桃色の髪をした少女とゼオラが何かを話していた。
その表情はとても楽しげで。
- 228 :シトリン・シックスティーン:2010/06/20(日) 20:05:58 ID:ZOM.z7ps0
- >>226
「マジヤベェwwwwwwwwwwwパネェッスねwwwwwwwwwwwwwwww」
ウザさで負ける気がしなかった。
>>227
「うーん……やることないよね。話聞いとこ」
その場に座って、話を聞く態勢に入った。
- 229 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/20(日) 20:15:16 ID:.6prKP66O
- >>227
「あぁ、被害もあまり出ていないし、君たちも約束を守ってくれたようだしね」
【町人と青年に視線を送り、話し合いを促す】
「いいか?もめ事はなしだ……」
【そして、視線はゼオラ達の方へと】
>>228
『ちょwwwwうぜぇwwww』
【うざさ最強のコンビである】
- 230 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/20(日) 20:24:36 ID:fqURxG6Q0
- >>228>>229
A『で、人が消えたのは結局コイツのせいなのか?』
町人は睨むようなめで男を見る。
『い、いや。僕の仕業じゃありませんよ』
H『お前じゃ無かったら誰がやったっていうんだよ!』
何やら険悪なムード。
二人の少女は楽しそうに話している。
- 231 :シトリン・シックスティーン:2010/06/20(日) 20:30:09 ID:ZOM.z7ps0
- >>229
「おめーのほうがwwwwwwwっうぜーしwwwwwwwwwwwwwwっうぇwwwwwwwwwwww」
これはひどい
>>230
「なんという温度差……」
楽しそうに団欒する少女たちをちらりと見て、
とりあえず青年の説明が始まるのを待っている。
- 232 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/20(日) 20:39:09 ID:.6prKP66O
- >>230
「喧嘩をするなよ?怒るぞ?」
【おとなしくするように上弦も睨む】
「この人のせいでは無い様だ……
私も犯人まではわからないが、この人は信用して良いようだ」
【気を取り直して上弦はゼオラ達を見て、話に耳を傾けている】
>>231
「君達、少し静かにしないか?
いや、まぁ……私の馬が悪かったよ……」
『ぶひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!』
- 233 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/20(日) 20:43:29 ID:fqURxG6Q0
- >>231
そのうちの桃色の髪を持つ少女が心配そうに男を見る。
その合い、シトリンと目が合った。
>>232
G『お前が言うようならそうかも知れないな……』
B『じゃあ誰が……?』
少女に視線を向けている町人Bが言う。
- 234 :シトリン・シックスティーン:2010/06/20(日) 20:46:17 ID:ZOM.z7ps0
- >>232
「(・3・)ぷぇー」
うぜぇ……
>>233
「んー? 大丈夫かい?」
そう言えばさっき泣いてたよね、と思い出して声をかけた。
- 235 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/20(日) 20:50:02 ID:.6prKP66O
- >>233
「さぁな……私にはわからないんだ……
でも、必ず黒幕がいるだろう」
【町人達に言い放ち、青年を見る】
「いいか?これからは双方協力して原因を究明するのが先決だ……わかったかな?」
【双方に確認を取りながら】
>>234
「……」
【もう、何も言うまい……】
- 236 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/20(日) 20:54:19 ID:fqURxG6Q0
- >>234
『あ、はい。大丈夫です』
シトリンに頭を下げる少女。
『あの……助けていただき、ありがとうございました』
>>235
F『まあ、こいつじゃねえならそうだろうな』
H『新たな犯人探し、頑張りましょうよ』
町人と領主は握手を合わす。
『ありがとうございます』
如何にか解決に至ったようだった。
- 237 :シトリン・シックスティーン:2010/06/20(日) 20:57:55 ID:ZOM.z7ps0
- >>235
勝手に馬の鬣をどうにかこうにかみつあみにしようとしている。
もうだめだこいつ。
>>236
「お礼はいいのさ!
だってボクは正義のヒーローだからね!」
胸を張って、笑う。
「問題はこれで解決、かな?」
- 238 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/20(日) 21:03:18 ID:.6prKP66O
- >>236
「うん、よかった……
これで悲劇は回避されたか……」
【上弦は青年と町人を見て笑う】
「これで……私の役目は終わりか……?」
【周囲を見渡し、ゼオラ、青年、町人を見る】
>>237
『やべぇ!俺がオサレヘアーになってしまうっしょ!?』
【なんだかんだで楽しそうな白馬である】
- 239 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/20(日) 21:10:48 ID:fqURxG6Q0
- >>237
『か、かっこいいです!』
少女は声を上げて立ち上がり、シトリンの手を強引に掴んで握手。両手で。
『私、お話が有るんで……』
少女はもう一度頭を下げると青年の方へ。
「ああ、少し腑に落ちない部分もあるが……恐らくな」
久し振りに機械越しの少女の声が。
>>238
「さて、ゼオラも見つかったんだ。さっさと帰ってこい」
レラの声が聞こえてくる。
『ええ、え。それは……』
青年が話している傍に、桃色紙をした少女が寄っていく。
そして、二人は話を始めた。
チラチラと二人。そしてゼオラの方を見ている。
- 240 :シトリン・シックスティーン:2010/06/20(日) 21:14:04 ID:ZOM.z7ps0
- >>238
「……できたっ! あ、リボンがないや……」
何やってんだこいつ。
>>239
「ふぉあ……ふ、ふふーん!」
そう言われたのは実は初めてであった。
悪い気はしない。ていうか嬉しい。照れ臭そうに笑う。
「うん、無理しないでね!」
「そうだよねえ、結局『人が消えた』ってのは、何だったの……?」
かくんと首をかしげた。
- 241 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/20(日) 21:16:47 ID:.6prKP66O
- >>239
「任せろ……すぐに帰るさ……」
【脂汗を浮かべて応える】
「ゼオラ、帰ろう……」
【ゼオラの方へ向かうが、現在も辺りを気にして、青年と少女の会話を聞いている】
>>240
『おいおいマジヤバイっしょ!?
適当なゴムで留めとこうぜ!?』
【三つ編みたてがみの馬……シュールだ……】
- 242 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/20(日) 21:20:35 ID:fqURxG6Q0
- >>240>>241
少女から引き続き通信が。
「そろそろ帰ってこい。
だがな、そこの奴らに見られると都合が悪い。森の中に移動しろ」
との事らしい。
>>241
「さあな、消えたんだろ」
「どうなったかは知らないが未だ帰ってきていない。という事なんじゃないか」
>>241
「うん、かえる……」
少女は上弦の近くによって。
- 243 :シトリン・シックスティーン:2010/06/20(日) 21:26:33 ID:ZOM.z7ps0
- >>241
「ゴム……あー輪ゴムしかないや」
抜くとき気を付けてね!
>>242
「それでいいの……?
ん、わかったよー」
立ち上がって砂を払い、伸びを一回。
「かえろっか!」
- 244 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/20(日) 21:28:32 ID:.6prKP66O
- >>242
「了解……すぐに帰るよ……」
【レラにそう言い、ゼオラに向かって笑う】
「……ゼオラ」
【血塗れな腕とは逆の腕でゼオラを抱き寄せる】
「よかった……やっと……」
【嬉しそうな笑顔で涙を流す】
>>243
『アッー!やめろぉ!!俺の美しき白髪がぁぁぁぁ!!』
【スーパーロデオタイム】
- 245 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/20(日) 21:36:47 ID:fqURxG6Q0
- >>243
「僕らが解決する義理も無いだろ」
>>244
「何……なんで、ないてるの?」
不思議そうな眼で上弦を見る。
「なかないで」
>>243>>244
――それから暫く。森。
「あとはそこに飛び込めば完了だ」
再び現れた異界への入り口。
その向こうでは四脚の機械に乗った少女がこちらを見ている。
「おい、後ろ。何か来てるぞ」
入り口の向こうの少女が二人の背後を指差した。
桃色の髪をしたメイド服の少女が追いかけてきたのだ。
- 246 :シトリン・シックスティーン:2010/06/20(日) 21:43:52 ID:ZOM.z7ps0
- >>244
「ギャアアッちょっやめっやめっギャアアアアッ」
自業自得である。
華麗に空中回転して着地。
>>245
「……なーんか、臭う気もするんだけどなあ……?」
首をひねる、が、帰るのが先決だろうと考えて首を振った。
「あれ……ついてきたの?」
- 247 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/20(日) 21:45:47 ID:.6prKP66O
- >>245
「いや、嬉しいだけさ……」
【強く抱き締め、頭を撫でる】
「泣かないよ……うん、ゼオラ……よく戻ってきてくれたね……」
【やっと、ゼオラが自分の近くに来てくれたのを、上弦は喜んでいた】
「……ん?あの人は……」
【少女を眼にすると、上弦は立ち止まる】
「どうしたんだい?」
>>246
『うひょ〜!?これは40点行ったな?マジヤバイっしょ!?』
【離れて見るとわかるが、白馬は見た目だけなら美しく気品に溢れていたのだった……見た目だけなら……】
- 248 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/20(日) 21:54:14 ID:fqURxG6Q0
- >>246
「僕もな。だが探す必要もあるまい」
>>247
「そう……」
撫でられていた。
>>ALL
「っは……はぁ」
急いで走ってきたらしく、息を切らして。
途切れ途切れに言葉を発する。
「わ、私、も……つれて、いって……く、だ、さい……!」
メイド服の少女は深く頭を下げた。
- 249 :シトリン・シックスティーン:2010/06/20(日) 21:59:09 ID:ZOM.z7ps0
- >>247
「もったいねー……黙ってれば100点ってこういうのを言うのかな」
おまえが いうな
>>248
「……んー、そっか」
ヒーローな自分としては探したいところだが、レラの協力がないと出来ないであろうことはなんとなくわかった。
そのレラが乗り気でない今はこれ以上言っても無駄なんだろう、と思った。
「おお……? いいの、メイドさんだったんじゃないの?」
目を丸くする。
- 250 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/20(日) 22:02:18 ID:.6prKP66O
- >>248
「なんだよ、反応低いなぁ……
よしよしよし!」
【メチャクチャ嬉しそうだ】
「レラ……こう言っているがどうする?」
【上弦はレラに問う】
>>249
『カッケくね?俺?マジヤバイっしょ!?
見とれちゃってんじゃね?』
- 251 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/20(日) 22:08:35 ID:fqURxG6Q0
- >>249
「そうだ」
少女は入り口の向こうで頷いて見せた。
『はい。私が、行きたい…って、いったら、「いいよ」って、言って、くれたので』
>>250
「……」
目を閉じて撫でられる。
「僕としては問題ない。それよりも早く帰ってこい」
- 252 :シトリン・シックスティーン:2010/06/20(日) 22:11:11 ID:ZOM.z7ps0
- >>250
「マジヤベェね……」
うんうん頷いていた。
>>251
「……、……まあいいや」
少し唇をとがらせながらも渋々頷いた。
「あ、いいんだ……ならおいでよ、友達なんでしょ?」
ゼオラを指差しながら笑って、異世界の入り口に足を伸ばす。
- 253 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/20(日) 22:16:45 ID:.6prKP66O
- >>251
「了解……すぐに戻るよ」
【レラに返事を返し】
「いいってさ、おいで……」
【少女にそう言い、ゼオラに向き直る】
「ゼオラ、行こうか?」
【片手でゼオラを抱き抱え、歩き出す】
「格好良い所は見せられなかったけど……今回はよしとしようかな……」
【馬も隣を歩き、レラのもとに歩き出す】
>>252
『だべ!?いやぁ、姉ちゃん話がわかるねぇ!!』
【ノリノリで白馬は歩いていった】
- 254 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/20(日) 22:27:42 ID:fqURxG6Q0
- >>252
『お友達……と、いいますか』
「……そう」
黒い少女が桃色の少女の言葉をみなまで言わせず頷いた。
>>253
「いこ……?」
ゼオラは少女に手を伸ばし、導き、異界へと飛び立った。
――――世界と世界の間。
4人と一匹は世界を離れ、元の世界へ移動する。
その間の、いうなれば世界と世界をつなぐトンネル。
その途中で少女は気付いた。
背後から、何かとてつもなく巨大なものが襲ってきている。
竜の様な頭。大きな翼だが、左の羽は腐敗しきっている。
そして全身は銀色の鎧の様なものに包まれていた。
その化け物が、少女を喰らう。
――――異能都市。
「……ご苦労だったな」
異世界から帰ってきた四人と一匹に声をかける。
黒い少女は自身の身体に違和感を感じた。
だが、それに変化は無く。首をひねる。
- 255 :シトリン・シックスティーン:2010/06/20(日) 22:32:16 ID:ZOM.z7ps0
- >>253
「はあ、うん、まあいいや……」
こくこく頷くのみだった。
>>254
「ん、友達なら一緒に居るべきだよ……ね?」
ぞくっとした。
肌が泡立つ感覚、と同時に、
自分の中に眠っている竜が、唸るように吠えたのが聞こえたような、そうでないような。
あまりに曖昧な感覚だったから多分気のせいだろうと思った。
「んー……帰って来たッ!」
- 256 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/20(日) 22:35:04 ID:.6prKP66O
- >>254
「あぁ……ゼオラが……」
【ゼオラが少女と行ってしまったのでショボーン】
「ただいま……」
【怪物に気付かない上弦はゼオラの異変には気付いた】
「どうした、ゼオラ?」
- 257 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/20(日) 22:43:19 ID:fqURxG6Q0
- >>255
「ご苦労だった」
少女は四脚の機械の上で脚を組み、座っていた。
「貴様には何れ報酬をやろう」
偉そうな幼女である。
>>256
「ん、ああ。問題はねえ。何処か身体に違和感があったきがしたんだが……」
返答は所謂裏ゼオラからのものだった。
>>ALL
『あ、あの』
桃色の少女が声を上げる。
『名前、言ってませんでしたよね。
私、ユリウスって言います。よろしくお願いします……』
深く。頭を下げた。
- 258 :シトリン・シックスティーン:2010/06/20(日) 22:47:18 ID:ZOM.z7ps0
- >>257
「べ、べつにボクはっ……ヒーローだからっ……」
ほ、ほほほほほほほほ報酬なんてっ……
と言いかけて、
「…………有り難く頂きますっ……!」
土下座。
ヒーローだって財政難。
「ゆりうす、って言うんだねー。ボクはシトリン。よろしくー」
笑って手を振った。
- 259 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/20(日) 22:47:36 ID:.6prKP66O
- >>257
「あぁ……そうか……表のゼオラは無事なんだよな?」
【ゼウラにそう問い掛ける】
「君が出てきたとしたら……
もう私は近寄らない方が良いみたいだな」
【安全面、そしてゼウラが上弦に抱く嫌悪を配慮し、上弦は離れる】
「ってえぇえぇええ!?
ユリウス!?」
【超驚きの声】
- 260 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/20(日) 22:54:45 ID:fqURxG6Q0
- >>258
「何が欲しい? 金か? 武器でも作ってやろうか?」
少女の手元に光が現れ、
光が晴れると銃に変わる。
『はい、シトリンさん、よろしくですっ』
もう一度強引に手をつかみ、振る。
上弦とゼオラを見れば、酷く困っている様だ。
>>259
「……あ?」
違和感の原因が解った。
「アイツが……いねえ!」
ユリウスも慌てだし、驚きの声を上げる。
- 261 :シトリン・シックスティーン:2010/06/20(日) 22:59:22 ID:ZOM.z7ps0
- >>260
「あー…………
…………現金で」
この前衝動買いしたばっかりなので。
「よろしく……って、何が起きて……?」
慌て始める周りの人々を見て、目をぱちくり。
- 262 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/20(日) 23:00:16 ID:.6prKP66O
- >>260
「なにぃ!?おい!それはどう言う意味だ!?」
【上弦が叫ぶ、ゼウラに向けて問い掛ける】
「くそっ!!なんだ!何がどうした!?」
【意味もなく辺りを見回し、上弦は何度も叫ぶ】
「おい!ここまで来て……それは無いだろ……」
- 263 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/20(日) 23:07:04 ID:fqURxG6Q0
- >>261
「……いいだろう」
なんか憐れむ追うな目で見たぞ今。
>>261>>262
「おい、今解った」
焦りの表情を見せるレラがノートパソコンを動かしている。
「世界と世界の間に閉じ込められたらしい」
少女は画面から目を離さないまま言う。
- 264 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/20(日) 23:09:19 ID:.6prKP66O
- >>263
「おい!今から助けに行くぞ!!」
【ゼオラを助ける為に上弦は馬にまたがる】
「レラ!場所は!?」
- 265 :シトリン・シックスティーン:2010/06/20(日) 23:11:20 ID:ZOM.z7ps0
- >>263
「世界と、世界の、」
あいだ?
首を傾げることしかできなかった。
「それは、どういう――」
ことなの? と訊こうとして、自分の中の竜がぐるると唸るのがまた聞こえる。
- 266 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/20(日) 23:19:20 ID:fqURxG6Q0
- >>264
「今からは不可能だ。行く手段が無い」
少女の表情からは焦りの顔が簡単に見てとれる。
「だが……そうだな。4日だ、4日で行けるようにして見せる」
>>265
「知らん。僕にもよく解らん!」
それだけ言うと座っていた機械の中に乗りこむと、機械の操作をし始めた。
「……チッ」
舌を鳴らすゼオラ。
酷く不快そうな顔をしている。
- 267 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/20(日) 23:21:47 ID:.6prKP66O
- >>266
「クソッタレ!どれだけ……どれだけ私の邪魔をすれば気が済むんだ!!」
【上弦が怒鳴る、空に向かい怒りを露にする】
「クソッ!!四日じゃ遅すぎる!!」
【しかし上弦じゃ何も出来ないのが事実】
- 268 :シトリン・シックスティーン:2010/06/20(日) 23:23:25 ID:ZOM.z7ps0
- >>266
「――――――」
貴様、だから世界を渡る時に吠えてやったと言うに。
何をして居るのだ。不甲斐無いにも程が有る。貴様が英雄を名乗る等浅はかにも程が有る。
だから早よう儂に、
「…………くそ!」
身体を明渡せと言うて居るのじゃ。
脳に響き渡る竜の声に、少女も顔を顰めた。
- 269 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/20(日) 23:31:45 ID:fqURxG6Q0
- >>267
「仕方ないだろ! まだどうすれば良いのか解らないのに……!」
切羽詰まった様子の声が聞こえた。
>>268
「仕方ない、報酬は後だ!
24日。ゼオラを助け出す!」
そう言って、機械に乗りこんだ少女は飛んで行った。
「……くそがッ!」
怒りに身を震わせた少女は帰路へと向かう。
『あ、あの……あいがとう、ございました』
頭を下げて、ゼオラについて行った。
- 270 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/20(日) 23:35:02 ID:.6prKP66O
- >>269
「わかってる!わかってる!」
【深呼吸をして落ち着く】
「ゼオラ、何処へ行くんだ?
私の家にこないか?」
【上弦はなんとか、ギリギリに落ち着きを取り戻し、ゼオラを呼び止める】
- 271 :シトリン・シックスティーン:2010/06/20(日) 23:36:31 ID:ZOM.z7ps0
- >>269
「了解、だよ……」
戦慄く唇でそれだけ言って、空に舞い上がる。
噫、愚か愚か。ニンゲンの小娘の御前に何が出来よう?
どうせ御前は死に損ないの塵だ。早よう身体を明渡せ。
儂が活用して遣ると言うて居る
「煩いッ!!」
――は、吼えて居るが好いわ小娘が。
少女は赤いマントをはためかせて、消えていった。
- 272 :レラ【第一部:無輪の花】:2010/06/20(日) 23:38:34 ID:fqURxG6Q0
- >>270
「断るッ!
よくこんあ時にそんな事が言えるな……」
振り返ってあおれだけを言うと、ユリウスの手を連れて帰って行った。
- 273 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/20(日) 23:44:07 ID:.6prKP66O
- >>272
「こんな時だからこそ言っているんだよ……」
【離れて行くゼオラを見て、上弦はため息を吐く】
「やはり、私じゃダメか……
早く誰か王子様に助けて貰いたいな……」
【上弦はその場に倒れ込む……血を流し過ぎたらしい】
『……惨めだな、元気出せよ』
【馬が隣で座っているだけだった】
- 274 :シノン&ゼオラ:2010/06/24(木) 21:33:16 ID:2MFSZVbA0
- 『完成、なんとか間にあったか』
公園。
四脚の機械の上に少女が座り、ノートパソコンの様な何かを動かしていた。
『よし、貴様ら。行けるな?』
少女はシノン、ゼオラを見下ろし。
その言葉に応える二人。
『あとは他が来れるかだが……』
- 275 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/24(木) 21:39:59 ID:.6prKP66O
- >>274
「心配しなくても、私は来たぞ!」
【響く蹄の音、風を切る音、そして透き通る様な甘い声】
「はっはっはっはっはぁ!!
さぁ早く行くぞ!!」
【瑠璃色と深紅のオッドアイの男が馬に乗り現われた】
- 276 :シトリン・シックスティーン:2010/06/24(木) 21:40:19 ID:ZOM.z7ps0
- 壁|∀・)
「今日はきちんと投薬してきたんだもんね!!!」
- 277 :シノン&ゼオラ:2010/06/24(木) 21:48:48 ID:2MFSZVbA0
- >>275>>276
『集まったか……解っている通り、急ぎだ』
『早速だが行ってもらおう』
少女は二人の背後を指差した。
そこには青い世界が広がる。
巨大な青いクリスタルの様な物で埋め尽くされた世界。
高さも、広さも検討が付きそうになかった。
- 278 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/24(木) 21:52:32 ID:.6prKP66O
- >>277
「急ぎならすぐに行こう!
誰か乗るか?馬に乗った方が早いぞ?」
【自分の前に座るかを尋ねる、その方がバランスが取れて安全運転になる】
【高さも何もかも不明だ……空を飛べるこの馬の方が安全だろう】
- 279 :シトリン・シックスティーン:2010/06/24(木) 21:54:14 ID:ZOM.z7ps0
- >>277
「すごく……青いです……」
見るだけで寒くなってしまいそうな寒色の世界を見て、一つ身震いを起こした。
それでも、
となりの上弦を見る。彼は大事な少女を救いに来たらしい。
ならば、
「……ヒーローの、出番だね」
気合い入れて人助けをしなければ名折れだ。
少女はマントをはためかせて、青い世界へ踏み出した。
- 280 :シノン&ゼオラ:2010/06/24(木) 21:57:35 ID:2MFSZVbA0
- >>278
『さっさと行け。急ぎだと言っただろ?』
睨むような視線の幼女。
>>279
『頼むぞ』
シトリンの背中にそう言葉を投げかけた。
青い。
そとから見れば青かった世界。
内から見れば光が刺しこんでいて思ったより明るかった。
正面。その水晶の壁に目的の少女は取り込まれていた。
- 281 :シトリン・シックスティーン:2010/06/24(木) 22:02:28 ID:ZOM.z7ps0
- >>280
サムズアップひとつ。
見上げた世界は何もかも青くて気が狂いそうだった。
「……みつけた」
水晶の中に眠る黒の少女を見つけて、補色である黄色い瞳を細めた。
がん、と拳と拳をぶつけて、一歩、また一歩と歩き始める。
- 282 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/24(木) 22:05:48 ID:.6prKP66O
- >>280
「いや、だから馬の方が早いだろって?」
【なぜ伝わらなかったのか疑問に思いながら、渋々走りだす】
【馬は空を走り、辺りを見回す】
「……いた!」
【上弦もゼオラを見つけだし近寄っていく】
- 283 :シノン&ゼオラ:2010/06/24(木) 22:12:48 ID:2MFSZVbA0
- >>281>>282
『早いも何も直ぐそこだろうが……』
機械越しに聞こえてきた少女の声。
少女は水晶の壁の中に埋め込まれ、眠っている。
少女の呼吸に合わせ、水晶全体が光を帯び、
またそれに合わせこの空間に風の様な音が流れる。
二人が少女に近付くとき、目の前を巨大な銀の龍が遮った。
『問おう、貴様らは何だ』
その物は巨大。
頭は竜だが形状は人の物をしていた。
左の翼は鋼鉄のもの。右の翼は溶け落ちていた。
- 284 :シトリン・シックスティーン:2010/06/24(木) 22:16:36 ID:ZOM.z7ps0
- >>283
「…………」
息を呑む。大きい。自分の何倍あるだろう。
だがしかし、
「何って。そんなの決まってる」
答えは、手に入れたのだ。
「そこの女の子を助けに来た、正義の――――ヒーローだよ」
- 285 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/24(木) 22:28:17 ID:.6prKP66O
- >>283
「こいつ……」
【見たことの無い生物だ、上弦は息を呑む】
「私は、錬金術士だ……
そこの少女を、大切な少女を迎えに来た錬金術士だ!!」
- 286 :シノン&ゼオラ:2010/06/24(木) 22:31:32 ID:2MFSZVbA0
- >>284
『何故、助ける』
巨大な銀は剣を振り下ろした。
竜は6m程あるだろうか。
それから見るに、剣も4m以上はありそうである。
壁一面の水晶よりも透きとおった剣。
柄の部分に存在する女神がじっとシトリンを見ている。
>>285
『何故、迎えに来る』
竜の尻尾が地面を叩き、そのまま抉る。
『私の邪魔をするか。それが何を意味するか解っているな』
剣が地面にたたきつけられる。
強い、強い衝撃が二人を襲った。
- 287 :"Ddragonica":2010/06/24(木) 22:36:28 ID:ZOM.z7ps0
- >>286
「何故? その女の子を私が助けたいから。それだけ」
もうそれ以上会話は要らないだろう。
なら、私は、
「起きろ、空を統べるモノ。"Dragonica"」
戦う。
とんと地面を蹴れば、宙に浮いた。
ぱきぱきと罅割れていく肌が鱗に変化していく奇妙な感覚を味わいながら、少女にも竜にも成りきれぬ異形は息を吸う。
- 288 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/24(木) 22:41:56 ID:.6prKP66O
- >>286
「何故……決まっているじゃないか、その子が私にとってかけがえの無い存在だからだ……」
【瑠璃と深紅の眼を光らせて男は言い放つ】
「くっ!?」
【剣の衝撃を受け、馬と吹き飛ばされるが……】
「お前の邪魔をしたとしたらどうなるのか私は知らない……
でも、私はその子を助け出したいんだ!!」
【体から光粒子を放ち、上弦は構える……
そこには虹色に輝く、光の大剣があった】
- 289 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/06/24(木) 22:44:14 ID:HnkBBDEo0
- ――ドン!!
地面を駆ける衝撃。
その衝撃が、いきなり真っ二つに割れた。
「なーんだ、こりゃ」
真っ二つに割れた衝撃波の真ん中。
そこから暢気な声が響く。
「いやー、変な空間の裂け目があって、勝手に入ったら面白いことになってんのな。
剣呑な雰囲気だね。ヤバそうでクライマックスな空気がバリバリと漂ってやがる」
頭をボリボリと掻き、紅いコートを靡かせて、
銃寺森クロスは口を三日月のように歪ませてニヤリと笑う。
「混ぜろよ。ちぃと、暴れたい気分だ」
しかし、その目は怒りに満ちていた。
- 290 :シノン&ゼオラ:2010/06/24(木) 22:47:46 ID:2MFSZVbA0
- >>287
『助けて。何になる』
巨大な剣を持った竜。
空いている手を向けて「ふん」とだけ。
淡い緑に光る球が一直線に跳んだ。
>>288>>289
『助けることを望まなかったら』
『このままが彼女の幸せだったとしたら』
さらに竜はその手を上弦へ向けた。
一本伸びた指を上弦の方へ。次にクロスの方へ。
そして二人を取り過ぎてカベへと指が行った。
『よかろう。いくら増えても同じ事』
指が刺した線が光を帯び、光の柱が立ち上がった。
- 291 :"Ddragonica":2010/06/24(木) 22:54:10 ID:ZOM.z7ps0
- >>290
「私が幸せになる。そこのお兄さんたちが幸せになる。
その子を、幸せにする。そうなるんだよ」
飛来する光球、それに合わせて息を、吸う、吸う、吸う、吸う、吸う、
まだまだ。肺が悲鳴を上げるまで。
「私にその子の幸せは測れない。だけどそれは貴方も同じこと。
その子の幸せはその子にしか分からない――だからまずは」
きゅううううっと悲鳴を上げる内臓。もう限界だ。それでいい。
「その子に起きてもらって、何が幸せかどうかを訊くのが先決だろう!!」
限界まで練り上げた竜の吐息――ブレス。
雷を伴ったそれを、光球に、その向こうの竜に、届くようにと。
念じながら、吐き出した。
- 292 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/24(木) 22:54:57 ID:.6prKP66O
- >>290
「何?」
【光の柱に飲み込まれる】
【光の柱が消えた後、そこにいたのはボロボロの上弦】
「そのままが幸せ……どう言う事だ?」
【今にも気を失いそうになりながらも、構えを崩さずに問い掛ける】
「それはどう言う意味だ!?」
- 293 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/06/24(木) 22:57:54 ID:HnkBBDEo0
- >>290
「おい、なんか五月蝿いなお前」
光の柱が立つ前に、クロスは大地を駆けて竜へと走る。
クロスがさっきまでいた場所に光柱が次々と立つが、それが紅の男に当たることは無い。
指先を見て着弾点を予測しているのだ。
「なんだ、お前がボスか?
お前をブッ飛ばせば、ソイツは助かるんだな?」
竜の話は聞いちゃいない。
クロスの行動の原動力は「自分がどうしたいか」
ただ、それだけ。
クロスは究極に自己中心的性格であり、凶悪に我侭なのだ。
「だったら、やることはただ一つ!!」
跳躍。
竜の鼻先まで一気に飛び上がり、
「テメェをブッ飛ばして、押し通すまでだ!!」
>>291
「そのマント……お前、シトリンか?」
- 294 :巨大な人型竜頭+女神像の付いた剣:2010/06/24(木) 23:05:55 ID:2MFSZVbA0
- >>291
『だが、待ってほしい』
銀の鎧は雷を受ける。
だが、怯みもせず両方の手をシトリン向ける。
『価値のある物体……後で取り込んでくれよう』
合わせられた手からは渦を巻いた高圧の風がはじき出される。
>>293
『私はずっと見ていた。この少女を』
『酷く絶望してもう立ち直れそうになかった』
竜の尻尾が向けられる。
尻尾は上弦を貫こうと
伸びる。伸びる。伸びる。
>>294
『通って何になる』
透きとおる刃を持つ女神像の付いた剣を構え。
『私は終わりではないのだ。ただ終わりを決める物』
薙いだ。
- 295 :"Dragonica":2010/06/24(木) 23:10:16 ID:ZOM.z7ps0
- >>293
白い肌に浮かぶ硬質な白い鱗、どこかしこも鋭くとがっていて触りづらそうなフォルム。
異形のかたちをしているそれが、クロスを見た。
「……やあ、ボク、ヒーローやってるよ」
細められて笑う黄色い瞳は、紛れもなくシトリンと呼ばれる少女のものだった。
>>294
「待てないからここに来てるんだよ!」
がうっと吼えるように吐き捨てた。
「後で……って、わっ」
風。不可視。
それにあっけなく呑み込まれて、自分の意志とは関係なしに宙を舞う。
- 296 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/24(木) 23:15:10 ID:.6prKP66O
- >>294
「そんな筈あるか!」
【上弦は血を吐き出しながら怒鳴る】
「ずっと見ていた?ふざけるな……だったらわかるだろ……
私はその子の傍にいたんだ!!」
【虹色の大剣を地に突き刺し、尻尾を防ぐ】
「その子は笑っていたぞ!
楽しそうに私と話してくれた!
お菓子を食べる時だって、最後に逢った時だって笑ってくれてたんだ!!」
【瑠璃と深紅のオッドアイ……否……片目の深紅が瑠璃に塗り潰されていく】
「あの笑顔が嘘だと言うつもりか!?
私にはわかるぞ!あの笑顔は本当の笑顔だったんだ!!」
【身体中からマナの力が溢れ出す……】
- 297 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/06/24(木) 23:17:55 ID:HnkBBDEo0
- >>294
――ギンッ
剣の刃がクロスの体を捉えた。
そのまま飛ばされ、大地に叩きつけられる。
――ドォォオオオン
瓦礫が飛び、土埃砂埃が舞い上がる。
しかし、次の瞬間にはそれを紅い光が吹き飛ばした。
「勝手に……」
クロスの右目が燃え上がる。
「勝手に、人の終わりを決めてんじゃねぇえええええええええええええ!!!」
バッドエンドトリガー
紅獄罰骨 が発動した。
クロスの体は紅い紅殻に包まれ、鬼のような姿へと変貌してゆく。
「終わりがなんだ! 決めたからなんだ!
偉そうにモノ言いやがって、何様のつもりだ!!」
バッドエンドトリガー
凶悪な終焉への引き金。
自分の邪気眼はそう呼ばれ、恐れられた。
何回も他人の人生を終わらせた。
何回も他人の世界を壊してきた。
「終わらせる? なんだそりゃ、諦めやがって。
そういう、すぐに諦めるような根性無し、俺は大ッ嫌いなんだ!!」
バッドエンドトリガー
不幸な終末への引き金。
自分の力はそう呼ばれ、恐れられた。
でも、
この力で何人もの人を救えた。
この力で何人もの友と戦えた。
「勝手に終わらせられんのは、もうウンザリだ!!」
右目の瞳に十字が走る。
煌々と溢れる紅の中、クロスは歌うように、
詠唱を、始めた。
――肉の杯は塵となり、骨は砕けて灰となる
Dead bodies on the ground.
――しかし御霊は残響し、魂響となりて囁き叫ぶ
The ghost crawled out, the ghost crawled in.
――喰らわれし者の信念は、喰らいし者の糧となり、
His appetite is filled up.
――腹で満ちる夢によって我が幻想を現創す
And he realize one's long-cherished wish.
>>295
「ハッ、いい姿だ。てめぇ、それは命削ってやってるわけじゃねぇだろうな?」
少し威嚇するように、左目が少女だった者を射抜く。
- 298 :巨大な人型竜頭+女神像の付いた剣:2010/06/24(木) 23:27:45 ID:2MFSZVbA0
- >>295
『いや……価値もないか』
竜はそれだけをいい、視線を外す。
>>296
『お前には解るまい』
竜の眼は光っていない。
深い、深い闇がそこにあった。
『彼女は遠い世界で絶望していたのだ』
『絶望の中で恐怖を見た』
『それは、今も同じだろう』
右手を向けた。
淡い緑の光線が上弦に飛ぶ。。
>>297
『根性無し。それはお前らの事だろう』
『私とて愚かでは無い。終わりの選択くらいできる』
『価値ある物が無いだけだ』
その言葉が終わると同時、この空間を謎の金属音が包んだ。
- 299 :"Dragonica":2010/06/24(木) 23:29:51 ID:ZOM.z7ps0
- >>297
「ガリッガリに削れてるものをさらに削ってどうすんのさ!」
べっと舌を出して顰め面。
>>298
「――――――――竜の主食を、知ってるかい?」
暴風に身体を揉まれながらも、少女は笑って呟いた。
「極上の御馳走は、」
す、
「荒れ狂う、『嵐』だ」
ぅ、うううううううううううううううううううぅうぅぅう。
暴風を、吸いこんだ。
全て食べ終えた後、異形は体勢を立て直して竜を睨む。
- 300 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/06/24(木) 23:34:29 ID:HnkBBDEo0
- >>298
「ああ、俺は根性無しさ。
諦めないことを諦めた、ヒーローになれなかった処刑人さ。
だから……自分に少しでも似てる奴がいるとブン殴りたくなるのさ」
ギリリ、と奥歯を噛み閉める。
「ホンット、お前何様だよ。価値が在るとか無いとか勝手に決めやが……?」
唐突に響いた金属音。
クロスは警戒をMAXまで引き上げる。
(何かの呪文の発動準備か? それとも別の減少?
……とにかく、早く詠唱せねばな)
――血潮は鉄《クロガネ》、肉は銅《アカガネ》、骨は銀《シロガネ》、心は黄金《コガネ》
The body is created by inorganics, minerals and metals.
――千滅の焔、色持たぬ温度、終わり無き無限を孕む鋳造の炉
The heart is created by flame, blaze and Gehenna.
――光放つ鉱石、無念の魂により、
Cross and growing soul ...
――今、此処に
has to be doing just...
――異形の舞台が幕を開ける!!
open the “Freaks circus”!!
>>299
「ケッ、それなら構わねぇ。
……せいぜい、足引っ張るんじゃねぇぞ!!」
- 301 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/24(木) 23:38:19 ID:.6prKP66O
- >>298
「……だったらどうしたんだ……」
【大剣を肩に担ぐ、同時に光線は上弦の肩を貫通する】
「だったら!私があの子の絶望を払ってやる!!
怖かったら一緒にいて励ましてやる!!
あの子が笑顔になるまで一緒にいてやる!!
あの子が誰かと笑えるなら私がその誰かになってやる!!
それが駄目なら、いつでもその誰かのもとに連れていってやる!!」
【全身の血が消えていく、上弦は臆さずに歩き出す、ゆっくり着実に、巨大な竜の、ゼオラが眠る水晶の前に】
- 302 :巨大な人型竜頭+女神像の付いた剣:2010/06/24(木) 23:43:09 ID:2MFSZVbA0
- >>299
『ほぅ。それは知らなかった。次から覚えておこう』
竜の頭が人の言葉を紡ぐ。
『お前にも価値があったのだ。私の知識に成った』
剣を構えた。
居合の様な動き。次の瞬間にはそれを振り抜く。
―――!!
光の刃がシトリンに向かって放たれる。
>>300
『諦めた、だけか』
『自ら考えて、自らの意思で判断しないのか』
『お前の諦めという盲信は何を根拠にしている』
『信じるには、信じるに足る証拠がいるのではないのか』
―――バチン。
尻尾が地面を叩き抉り。
クロスに向かって一直線に飛びかかった!
>>301
『そうだろう』
もう一度指を動かす。
それは上弦との間に壁を作る。
『それがお前にできるのか』
- 303 :"Dragonica":2010/06/24(木) 23:47:23 ID:QYyPcDfoO
- >>300
「こっちのセリフだよ、まったくもう」
鳴り響く不協和音に、彼女も顔色を悪くする。
>>302
「お褒め頂き――」
光。見えた瞬間には届く。
その前の動作、剣を振る動きを見定めて、
「――ありがとうね!」
ぐるん、あるいはびゅんと薙ぐ音。
白い鱗に覆われた尻尾を、動作に合わせて勢いよく振った。
- 304 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/24(木) 23:51:12 ID:.6prKP66O
- >>302
「出来る!いや、やってみせる!!」
【一閃、光の線が縦に走り、虹の柱が生まれ……壁を断ち切った】
「どうした!もう終わりか!?
まだまだまだまだ!!
私の想いはこんな物ではないぞ!?
さぁ、来い!!あの子を想う心なら!誰にも負けんぞぉ!!」
【瑠璃の瞳は尚鋭く、ミントグリーンの髪は風に揺れる
今、上弦には賢者の石による絶大的な力も……絶大的な負担も、束縛もない……】
【真なる『虹色の錬金術士』の姿がそこに在った】
- 305 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/06/24(木) 23:51:50 ID:HnkBBDEo0
- >>302
「根拠? 証拠? なんだそりゃ?」
クロスの体が詠唱を終わらせ、更に紅く輝く。
「そんなどーでもいいモン、とっくの昔に捨ててきた。
俺は何も信じない。ただ、俺の思い描く未来を、この手で作るだけだ」
全ての準備は整った。
クロスはその手に巨大な剣を能力で形成する。
その剣の名は、
ブレイム
「極刑剣『咎喰』」
『咎を喰う』と名づけられた、処刑の刃。
それを逆手に持ち、
「根拠も証拠もあるものか!!
俺はやりたいことをやる為に、この世界に生きている!!」
処刑の刃を自身の腹に突き立てた。
「その覚悟、見せてやるぜぇぇえええええええええええええええええ!!!」
青い世界を染め上げるように、
紅が溢れた。
- 306 :巨大な人型竜頭+女神像の付いた剣:2010/06/25(金) 00:05:18 ID:2MFSZVbA0
- >>303
『その程度で』
『止められると思うな』
剣全体が青く光る。
女神の瞳も蒼くひかり。
尾に合わせるように剣が『動く』
>>304
『愚かだな』
竜の左手が向けられる。
直後、上弦の足元が円形に光。
そのあと、光の柱が立ち上がる。
>>305
『それも悪くは無い』
紅く染まる空間を竜は見向きもしない。
意思が無いかのように、ただ居る。
『惜しいな』
剣の女神はただ静かにたたずんでいる。
- 307 :"Dragonica":2010/06/25(金) 00:10:40 ID:QYyPcDfoO
- >>306
「――――――」
息を呑む、二回目。
ずるっと尾をナニカが滑る感触、次いで
「――――!!」
衝撃。
身体を水晶の壁に叩きつけられて、白い鱗がぱらりと何枚か落ちる。
ひゅ、と内臓から息が漏れた。
「――――……」
力を無くしてずるずる、壁を滑るようにゆっくり降下していく。
半開きの瞼が、伴ってゆっくりと降下。
地面に到達したときには、完全に目を閉じた状態になっていた。
- 308 :極刑鬼神 クロスブレイム ◆CROSS/.AzE:2010/06/25(金) 00:12:52 ID:HnkBBDEo0
- >>306
――ギンッ
迫りくる尻尾。
それを弾き飛ばし、クロスが姿を現す。
「ハン、興味も無ぇってか。
いいね、こっちは思いっきり、お前のことを嫌いになれる」
紅い光の中から現れるのは、
黒い紅殻に包まれた姿。紅殻の表面には紅い魔術回路が走り、ネオンラインのように輝く。
頭からは二本の角を生やし、腰には刀剣のような羽がズラリと並ぶ、
まるで悪魔とも鬼とも言えるような、異様な姿。
クロスブレイム
「極刑鬼神『咎喰十字』」
ズザリと大地を踏みしめ、
「圧し通る」
――ダンッ
紅い残像を残し、
クロスは一瞬にして、水晶の前へと瞬動した。
「もう面倒だ。先に……コイツをぶち壊す」
黒い少女の前に浮かび、鬼神は拳を握り締めた。
- 309 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/25(金) 00:13:06 ID:.6prKP66O
- >>306
「……!?」
【再び光に飲まれ、上弦は消えるが】
「あぁ、愚かだよ……人間はね……愚かだ……」
【光の中、上弦が立っていた……全身を光に蝕まれ、白いコートはボロボロだった】
「でも、それでいいじゃないか……
君も、ゼオラを救う為の方法として戦っているんだろ?
でも、そのやり方は間違いなんだ……
だから、私を信じてほしい……
愚かな人間からのお願いだ!」
- 310 :巨大な人型竜頭+女神像の付いた剣:2010/06/25(金) 00:19:28 ID:2MFSZVbA0
- >>307
『まだ、お前の終わりも来ていない』
『起きろ』
Dragonicaの脳内に言葉が響いてくる。
>>308
『悪くは無い』
『悪くは無い』
二度呟き、次にこう、
『だが惜しい』
言った。
『この空間での私は神にも等しいのだ』
『私の石が無ければ彼女を取り出すことなどできぬ』
>>309
『力だ』
竜は剣を落とした。
剣は地面に垂直に刺さり、
上下逆に取り付けられた女神は正しい向きとなって空間を一望する。
>>全員へ。
『力だ』
『助けてほしくばその力、私にぶつけるがいい』
竜は地に足をついて。三人へ順番に首を向けた。
- 311 :"Dragonica":2010/06/25(金) 00:25:07 ID:QYyPcDfoO
- >>310
う、と呻いて頭を振りながら立ち上がる。
今ここで気を失えば奴が暴れる。それだけは避けたい。
だから必死の思いで繋ぎとめた意識が、声によってはっきりと戻る。
「――力」
力。自分の力ではないんだけども。
上等だ、と言わんばかりに異形は息を吸って、
「――――――a!!」
吐き出す。
岩をも穿つ雨の、山をも崩す風の、海をも割る雷の、
すべてがない交ぜになった――嵐のブレス。
それを、竜に向けてぶちかます。
- 312 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/25(金) 00:30:15 ID:.6prKP66O
- >>310
「そうか……それが貴方が私達に課す試練か……」
【眼を閉じ、上弦は呟く】
「わかった……わかったよ……」
【瑠璃色の眼が光り輝く……
上弦の周りには虹の光】
「世界に存する我らがマナよ……
どうか我に力を貸し給え……
我が名は上弦……真名をパラケルスス……
我が名はパラケルスス……
我が名は……テオフラトゥス・フィリップス・アウレオルス・ボンバストウス・フォン・ホーエンハイムなり……」
【上弦の体に光が渦巻く……
自然を司るマナの精霊……その力が上弦に注がれる……】
「イグザスノシス・アクシオーマ・デイテロン……」
【呟く呪文……大剣が飛散する】
【青い世界に虹が架かり、全てを照らし出す】
「受けよ我が剣……アインツェルカンプ……」
【巨大な光の力、刄、塊と化したマナの力が、一点に、巨大な竜へと注がれた……】
- 313 :極刑鬼神 クロスブレイム ◆CROSS/.AzE:2010/06/25(金) 00:36:49 ID:HnkBBDEo0
- >>310
「神様如きが、何様だ」
やれやれ、とクロスは振り向く。
「お前、アイツのなんなんだよ。意味わかんねーよ。
アイツの為だのなんだの言って護ってて、
んで今は次に『助けて欲しくば〜』とか言っちゃって、わざわざ攻撃を受け入れる」
ガン、と水晶を叩く。
水晶は割れなくとも、世界が揺れるような衝撃が空間をゆるがす。
「何なんだよお前は! 目的が見えねーよ!!
終焉だの価値だの勝手に決めやがって!
神がなんだ! ふざけんな!!」
水晶に叩きつけた拳が、紅く輝いてゆく。
少しずつ、クロスの周りの空間が歪む。
「ああ、ぶつけてやるよ。
お前のその気に食わない、鼻っ面に思いっきり叩きつけてやる。
そして俺は、日常を取り戻す!!」
空間が歪んでいるのではない、拳の周りの光が歪んでいるのだ。
まるで、ブラックホールに吸い込まれてゆくように。
「お前の決めた終わりなんて知ったことか!!」
圧縮。
金属を召喚し、それを能力で次々と圧縮していっているのだ。
否、圧縮と言うのも生ぬるい。強いて言えば、爆縮。
その天文学的な量の質量の金属を、その拳一つに爆縮しているのだ。
「俺の、拳は!」
一つの惑星にも匹敵する程の質量。
それを拳に納め、射出する。
「終焉をブチ抜く拳だ!!」
バッドエンドトリガー
不幸なる終末への引き金。
そう呼ばれた男の拳が、終焉を壊す為に、神なる竜へと撃ち放たれた。
- 314 :巨大な人型竜頭+女神像の付いた剣:2010/06/25(金) 00:42:53 ID:2MFSZVbA0
- >>311
嵐が竜の胴を貫く。
竜の胴を雨が打ちつけ、
風が切り刻んでいき、雷が崩す。
>>312
胴を分かたれ上と下、二つの物体になった竜。
それに光の刃が降ろされ、竜の身体を狙う。
上弦の光は竜の全てを壊していく。
>>313
クロスが襲いかかる。
残った部分は首一つ。
拳が放たれ、潰れた。
>>全体へ
「貴方達の心、よく解りましたよ」
竜は消えた。
しかし、言葉は声となり耳を通して伝わってくる。
……残ったのは剣の女神。
- 315 :極刑鬼神 クロスブレイム ◆CROSS/.AzE:2010/06/25(金) 00:46:19 ID:HnkBBDEo0
- >>314
「また、諦めちまったか」
星を放った拳をゆっくりと開き、深く、息を吐き出す。
そして体制を建て直し、ゆっくりと振り向いた。
「で、今度はお前か?」
紅い光を放つ右目で女神を睨む。
- 316 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/25(金) 00:46:29 ID:.6prKP66O
- >>314
「はぁ……はぁ……」
【息を切らし、上弦は肩で息をする】
「ゼオラは!?ゼオラはどこですか!?」
【声は剣の女神のものだろうか?
上弦はゼオラの水晶の前に行き、全体に呼び掛けた】
- 317 :"Dragonica":2010/06/25(金) 00:46:33 ID:QYyPcDfoO
- >>314
「――――――――ぁ」
ブレスの残滓を吐き終えて、異形はひとつ咳き込んだ。
ポケットに手を伸ばして薬を探す。
「で、その子放してくれるの?」
薬を口に放り込んで、出方を見る。
- 318 :巨大な人型竜頭+女神像の付いた剣:2010/06/25(金) 00:49:13 ID:2MFSZVbA0
- >>315>>316>>317
「彼女を出してあげましょう」
ただし、と女神は続けた。
「私はこれから彼女に付いていきます」
三人を同じように見て。
- 319 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/25(金) 00:51:06 ID:.6prKP66O
- >>318
「あぁ、それで結構だ……
有難う……有難う……」
【水晶の前で何度も礼の言葉を述べる】
「やっと……やっと……」
- 320 :"Dragonica":2010/06/25(金) 00:52:07 ID:QYyPcDfoO
- >>318
「…………?」
ついて行くって、
「それはどういう意味?」
よくわからない。
異形が首を捻ると、鱗がぱらりと落ちた。
- 321 :極刑鬼神 クロスブレイム ◆CROSS/.AzE:2010/06/25(金) 00:52:58 ID:HnkBBDEo0
- >>318
「ああ?」
まるで文句をつけるように剣へと歩み寄り、ガンを飛ばす。
「おいちょっと待て。そもそもお前誰だよ。
ゼオラのなんだって言うんだよオイ」
- 322 :女神像の付いた剣:2010/06/25(金) 01:05:09 ID:2MFSZVbA0
- >>319
「ええ、では早速。と行きたいのですが……」
他の二人に目を向ける。
>>320>>321
「私が興味を持ったからです」
「駄目でしょうか。
もっとも、ダメと言われたら彼女を解放することはできません」
「私は……竜破壊の戦士、グレンデルと言われていました」
声だけが響く空間。
- 323 :"Dragonica":2010/06/25(金) 01:08:31 ID:QYyPcDfoO
- >>322
「ぐれんでる……えーっと、あの竜はなんだったの?」
ちょっと待て待て一から話を組み立て直そう。
頭のつくりがあまりよろしくない少女は額に手をあてた。
- 324 :極刑鬼神 クロスブレイム ◆CROSS/.AzE:2010/06/25(金) 01:10:09 ID:HnkBBDEo0
- >>322
「なに? グレーテル?」
それちゃうクロス、それはグリム童話や。
「つーか、お前も何様だよ。叩き折るぞ」
勝手に刀身を拳でコツコツと叩き始めた。
「ったく、なんでこの世界はこう、ゼオラの意志を聞かない奴が多いかなー。
じゃあ聞くけど、お前を連れて行かないメリットとして、ゼオラが復活できないってのがあるけど、
お前を連れて行くメリットはあるのか? そして、それをゼオラは善しとするのか?」
- 325 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/25(金) 01:10:11 ID:.6prKP66O
- >>322
「あぁ、私は貴方を疑ったりはしないよ……」
【上弦は微笑みながら言う】
「話が着くまで待ってるから……頼んだよ?」
【深々と頭を下げた後、ゼオラの水晶に視線を移した】
- 326 :女神像の付いた剣:2010/06/25(金) 01:18:04 ID:2MFSZVbA0
- >>323
「あれは私の化身ですよ」
―――ヴン。
僅かな光と共に剣の後ろによみがえった竜。
>>324
「できるものならやってみなさい」
生意気な女神である。
「私は彼女の力になります。
この空間から覗いていた時、絶望する少女を見つけ、誓いました」
>>325
「はい、では少々お待ちを―――」
安らかな笑みを浮かべる。
- 327 :"Dragonica":2010/06/25(金) 01:20:05 ID:QYyPcDfoO
- >>326
「ヒャッ」
びっくらこいた。
「へ、へぇ……ってことはこれで一件落着?」
- 328 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/25(金) 01:21:55 ID:.6prKP66O
- >>326
「……あぁ……」
【上弦はそれを見ると自分の服を直して行く】
「……」
【綺麗な身だしなみで、ゼオラに心配をかけぬ様に】
「よし……と……」
【後は待つのみである】
- 329 :極刑鬼神 クロスブレイム ◆CROSS/.AzE:2010/06/25(金) 01:23:51 ID:HnkBBDEo0
- >>326
「てめぇ……」
生意気な相手にクロスはこめかみの血管をピクリと振るわせる、が、
「……まぁいいわ。力になるってんなら、それでメリットデメリットでプラマイゼロだ。
ただし、もしその言葉が嘘だって分かったら……次は粉々に叩き折るからな」
ただの脅しなのか本気なのか分からないことを言いつつ、クロスは武装を解除する。
それは事実上、「警戒を解除した」ということに他ならなかった。
ガラン、と音をたてて落ちた装甲を蹴りながら、クロスは歩き出す。
「じゃあ、さっさと帰ろうぜ。流石に、疲れた」
- 330 :女神像の付いた剣:2010/06/25(金) 01:27:40 ID:2MFSZVbA0
- >>327>>328>>329
「では―――」
竜が剣を引き抜いた。
少女のもといへ動いていき、剣を構える。
そして水晶の壁を剣で切りつける―――!!
周囲は光にのまれ、辺りの景色は塗り替わる……。
【公園】
「「でばんなかった」」
少年と少女がいじけている。
- 331 :シトリン・シックスティーン:2010/06/25(金) 01:30:49 ID:QYyPcDfoO
- >>330
「……おお」
光に包まれて、戻ったときには白い鱗が完全に剥がれ落ちていた。
少女に戻ったヒーローは、レラに真っ先に向かっていった。
「報!酬!! 報!!酬!!!」
これはひどい
- 332 :極刑鬼神 クロスブレイム ◆CROSS/.AzE:2010/06/25(金) 01:32:13 ID:HnkBBDEo0
- >>330
「おーっすレラ、ただいまー」
軽く手を挙げて二人に挨拶。
「いやー、いきなり勝手に飛び込んじゃってすまんねー。
ま、うちの従業員が助かって良かったわ」
暴れて満足なご様子。
- 333 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/25(金) 01:35:32 ID:.6prKP66O
- >>330
「……」
【戻ってきた……ゼオラが……】
【上弦にとってそれほど嬉しい事はなかった……】
「……ッ」
【涙を必死に隠し、上弦は戻ってきた……上弦はゼオラを見つめる】
- 334 :レラ&ゼオラ:2010/06/25(金) 01:38:18 ID:2MFSZVbA0
- >>331
「これはひどい」
歪んだ顔で見ていた。
「まあ、渡すものだ。少し待っていろ」
四脚兵器のふたを開け、中に入り込んだ。
暫くしてジュラルミンケースが運ばれてきた。
「ほら、約束の金だ」
ケースの
中には札束が一杯。
>>332
「御苦労だった」
背中に剣を背負った少女が適当そうに手を振った。
「まあ、助けてくれた事には素直に感謝しよう」
>>333
少女は遅れてやってきた。
「……?」
上弦の顔をしたから見つめる。
- 335 :シトリン・シックスティーン:2010/06/25(金) 01:41:32 ID:QYyPcDfoO
- >>334
「ヒャッハー金だ金だぁー!!!」
お前は本当にヒーローなのかと小一時間
「……うん、正義かんりょー!」
天に向けて拳を突き出して、少女は笑った。
- 336 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/25(金) 01:43:42 ID:.6prKP66O
- >>334
「……グスッ」
【必死に涙を堪えている顔が見えた】
「ぜ〜お〜ら〜!」
【結局、我慢出来ずにゼオラを抱き締める】
「よかった〜!やっと帰ってきたぁ〜!」
【とても格好が悪い男である】
- 337 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/06/25(金) 01:43:49 ID:HnkBBDEo0
- >>334
「クックック。しかしくそー、終始馬鹿にされっぱなしだったぜ。こりゃ見返すしかねぇな」
と、ゼオラを……否、ゼオラの持つ「剣」を「視」ながら言う。
「さて、と。俺は一足先に帰るぜ。
もともと俺は……ただ首突っ込んだだけだ。
この『物語』には関係ねぇ」
悟ったような顔で呟いた後、みんなに背を向ける。
「じゃあな」
そしてクロスは、何も受け取らずにその場を後にした。
>>335
「……」
うーむ、と少し何かを考えつつ彼女を見ていたが、
「……ま、今回は俺が何か言うことは無いな。もともと俺に、その資格はねぇ」
何も言わず、そそくさと帰っていってしまった。
- 338 :レラ&ゼオラ:2010/06/25(金) 01:48:35 ID:2MFSZVbA0
- >>335
「ああ、御苦労さまだ」
少女もにっこりと笑った。
>>336
「わっ……」
抱きしめられ、すこし驚く。
「……ただいま」
>>337
「……ばいばい」
クロスの背中に小さく手を振っていた。
- 339 :シトリン・シックスティーン:2010/06/25(金) 01:51:16 ID:QYyPcDfoO
- >>337
「……なんだい。小姑かっての」
不貞腐れながら見送った。
>>338
「じゃあボクも帰るよ!」
またね、と手を振って彼女は空へ消えていった。
- 340 :レラ&ゼオラ:2010/06/25(金) 01:53:10 ID:2MFSZVbA0
- >>339
「ああ……」
見送って。
「ふわぁ、あ……僕も久し振りにねるかな」
大きく欠伸をして機械に乗りこみ飛んで行った。
『……でばんなかった』
いじけたまま何処かへ歩いて行った。
- 341 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/25(金) 01:54:35 ID:.6prKP66O
- >>338
「お帰り……ゼオラ……」
【頭を撫でて、いい忘れた言葉を言う】
「今度はもう、誰にも渡さないからな!」
【あの時の失敗をまだ気にしているらしい】
「今日は!待ちに待った日!ゼオラ!一緒に寝ようじゃないか!!
あ、みんなもどうだい?」
【みんな疲れているのに、ゼオラが帰って来た事で、一人だけ元気なのでした!】
- 342 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/06/25(金) 01:57:02 ID:2MFSZVbA0
- >>341
「ただいま」
笑顔になってそう答え。
「今日、は…一緒……ね……」
- 343 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/25(金) 02:02:54 ID:.6prKP66O
- >>342
「……あぁ……今日は一緒だ!!」
【ゼオラを白馬に乗せ、走っていく】
【白馬もこう言う時だけは、静かなのだった……】
『空気読む俺マジヤバイっしょ!?』
【白馬は上弦とゼオラを乗せアトリエへとむかうのだった】
//お疲れさまです!
//この後、続けるなら続けましょう
//でも、眠いと思うので天才さんの好きにしてください
//先に言っておきます、お休みなさい!
- 344 :血霧一馬:2010/06/27(日) 23:21:08 ID:h.aW/sUg0
- 「あー、腹が減った」
褐色の肌の青年が煙草を咥えながら唸る。
茶色に染めた髪に、焼けた褐色の肌。
長身で、全身を白い服装で整えているのは、ホストのようにも見える。
実際、ホストに近い職業にもついたこともあったが、
今は止め、別の職業についている。
「血が吸いてぇ」
唸るように、あるいは呻くように呟く。
「誰か、いざこざ起こしてねぇかな」
- 345 :――――:2010/06/29(火) 21:23:45 ID:7jE6yumoO
- 果てしなく続く黒い闇。
地平線の向こうを確かめる気すら削がれてしまう程の無限の暗黒が拡がる空間。
二人の、全く同じ姿をした女が対峙していた。
一人は腕を組み、氷を彷彿させる微笑を浮かべている。
その視線の先、もう一人の女は歯を食いしばり、沸き上がる憎悪、怒りを抑え込んでいるようだった更に彼女は檻の中に居た。
小鳥用の、シンプルな形状の鳥籠を大きくさせた様な檻。
中に居る女は矢の様な視線に明らかな敵意を乗せて、眼前の女を睨み付ける。
「あんた……一体何をしたのよ……」
内に秘めた怒りが静かに彼女を声を震わせた。
『黒沢小百合……だっけ? あんたはあいつと闘り合ってた時に“私と入れ代わった”んだっけ?
その際、あんたは気を失った。覚えてないのも無理無いわね』
放たれた怒気をものともせずに、檻の外に立つ彼女は肩を竦める。
『別に教えてあげても良いけど……耐えられるかしらね、ふふ』
不敵な、しかし何処か妖艶さを秘めた微笑。
取っておきのプレゼントを隠し持っているかの様な雰囲気すら窺える。
「御託並べないでさっさと教えなさいよッ!!」
我慢の限界なのか、彼女は声を張り上げる。殺伐とした黒の世界にその声が木霊した。
『はいはい、急かさない急かさない』
落ち着きなさいな、と両手を突き出し言葉の槍を往なすと
『……それじゃ、大人しくしてなさいね』
と言うと、女は檻の中の彼女へと歩み寄る。
そして右手をゆっくりと上げ、その指先で
「な、何を……」
『フフッ……』
とん、と彼女の額を突いた。
「…………!!!!!」
瞬間、彼女の表情がみるみる内に強張っていく。
やがてそれは怯えの色を明確に示し始めた。
――――
苦悶の表情を浮かべながら漆黒の剣を構える蔡生。
静かな闘志と怒りを湛えた眼差しを向ける甲。
艶やかに微笑みながら対峙する魔女。
恐怖と困惑が入り交じった悲鳴を上げながら互いを傷付け合う若者達。
そして、絶望の色を顔に浮かべ、血溜まりに倒れる仁樹。
ビデオテープを巻き戻すかの様に、彼女の頭に血生臭い映像が容赦無く流れ込んでくる。
仁樹の身体に突き刺さる桜色の刃に
此方を見据える甲の瞳に
蔡生が握る見慣れた虹色の刃に
自身の姿がはっきりと映っていた。
「――――!!!」
ダムが決壊したかの様に膨大な量の記憶が、“メリト”が見てきた光景が彼女の脳内を蹂躙する。
息が詰まる。呼吸の仕方が分からない。
身体が震え始める。全身を黒い感情が這い回っているかの様な錯覚。
『……』
その様子を傍観していたメリトは愉快だと言わんばかりに口許に笑みを零す。
『それは私の“今までの記憶”。私が“生まれ”た後、目にし、触れ、聞き、味わい、感じてきたものの全て。
そして私が、同時に“ニナ・シュガリア”が犯してきた罪の全て……。』
『どうかしら? 身に覚えの無い数多の咎に頭の中を目茶苦茶にされる気分は?』
「あ゛ぁ゛っ……嫌ぁッ!!! 嫌ぁぁぁぁ!!!!!」
うずくまりながら頭を掻き毟り、悲鳴を上げる。指の間からは、頭皮が裂けて噴出した血液が流れ出る。
『“初めて知る”記憶が多かったかしらねぇ。まぁ無理も無いわ』
『こんな“地獄すら凌駕する凄惨な過去”なんて、生温い貴女には“荷が重過ぎる”もの』
淡々と言葉を紡ぐ。その表情には先程の冷笑は無く、微かな哀の感情を帯びていた。
「いや……あぁ……嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌――――」
ふるふると頭を振るい纏わり付く忌まわしい記憶を振り払おうとするがかなう筈も無く、矢継ぎにどす黒い記憶が脳内を埋め尽くしていく。
涙と血が混ざり合ったものが手の甲を伝い、ぽたぽた黒い地に落ちる。
「嫌ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!!!!!」
ピシリ。硝子が軋み皹割れた様な音と共に、漆黒の世界に、純白の亀裂が幾つも走った。
- 346 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/07/03(土) 23:27:25 ID:PMt0ERXQ0
- 【路地裏】
「しーあわーせーはーあーるいーてこーない」
幼さを残した歌声に、ゴミ箱が倒れる音が紛れこんだ。
青いポリバケツから出てきた袋を踏み、袋からはみ出たキャベツの芯を蹴飛ばす。
へら、と笑い、ゴミ箱をもう一度蹴飛ばした。
「だーからあるいていくんだよー」
つかれた、と呟いて煉瓦に腰掛ける。
「歩きたくないんやけど。どうすりゃええのんさ」
- 347 :暗黒近親:2010/07/03(土) 23:42:08 ID:/k2gysHgO
- >>346
「なら、」
生温い夜の闇がゆらりと揺らいだ。輪郭を成し、質量が産まれ質感が出来る。
闇が凝縮して、たん、という小さな足音一つ。
「――死ねば良いじゃん。手伝おうか?」
煉瓦に腰掛けた千年の前に産まれたのは現れたのは黒い少女黒い化物。
夜闇に紛れる輪郭は曖昧で、ただ親切心を張り付けた顔だけが厭に白い。
「お好みは何死? 何でも有るよ?」
- 348 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/07/03(土) 23:55:19 ID:PMt0ERXQ0
- >>347
唐突に訪れた二つの姿に、あらと右に首を傾げた。
バケモノではなく、黒い少女に目を留めて彼女は言う。
「し、四、詩、死………………と。んん、死?」
次に、左に首を傾げた。
横で纏めた髪が揺れ、幾本か入った金色のラインが、歪に光を返す。
「ああ、〝死〟ね。いいなーほんまに。
死ねば考えなくて済むし食べなくても済むし、楽ね」
彼女は、からからと甲高く笑った。
「けどなー…………、くく」
立ち上がり、
「〝死〟ね、〝死〟。ふは、素敵。素敵や、ああ、そう。ほんとに、うん」
「わかってるて。お好みの死に方ね、りょーかいりょーかい」
「もし、死ぬんやったらなあ…………あれがええわ。宇宙葬」
首をかくかく揺らしながら彼女は答えた。
- 349 :暗黒近親:2010/07/04(日) 00:06:21 ID:/k2gysHgO
- >>348
「あやっぱ面倒だから自分で死んでくんない? てか私がゴミカスみたいな生塵を殺すとか、ほら、なんか汚れそうだし」
黒い化物がぐにゃぐにゃと蠢いた。その輪郭が闇夜に紛れ、次の瞬間には化物は黒いベンチになっていた。
顔だけが白い少女はそれに腰掛けると、怠そうに息を吐く。
「……ちょっと聞いてる生塵? 理解できてるゴミクズ? 早く死ねッつってんだけど。ホラ、死ねって。出来るだけ笑える感じで」
- 350 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/07/04(日) 00:13:37 ID:PMt0ERXQ0
- >>349
「んーちょっと無理やな。自分、んな簡単に死ねるにんげんやないし。
ってか君なかなか言うね。好きやでそう言う子」
へらへら。
不意に彼女は、少女に向けて、一歩歩いた。
背は特別に低いということもなく、座った少女を見下ろす立ち位置。
唇を三日月型にひん曲げて、呟く。
「なあ、聞くけど君、今幸せか?」
- 351 :暗黒近親:2010/07/04(日) 00:24:56 ID:/k2gysHgO
- >>350
「目の前にデカイ犬の糞が居て幸せな訳無いから。頭使って物言ってくんない? つかはよ死ねってカス」
少女は千年を軽く見上げて笑顔で言葉を紡ぐ。そのままの表情でがりがりと頭を掻き毟り、ああ、と息を吐いた。
「不幸よー不幸。私超不幸。暇だし。だから暇潰しに死んで下さい。ね、お願いします。はーやーく。こういえば良いの?」
- 352 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/07/04(日) 00:36:22 ID:PMt0ERXQ0
- >>351
「そか」
嬉々とした様子で彼女は呟き、同時に右腕を振り上げた。
その頂で中華包丁のような刃物を握り、自然に、
ごくごく当たり前のように少女に向かって、踏み込みも気合も入っていない、
けれど勢いと殺意だけははっきりと感じられる一撃を振り下ろす。
- 353 :暗黒近親:2010/07/04(日) 00:46:12 ID:/k2gysHgO
- >>352
振り下ろされた刃は白い皮膚を裂いて黒い肉を断ち、黒い臓物を割って黒い骨を斬る。
頭から股まで両断された少女は黒い血を撒き散らした。それは夜闇に溶け、やがて消える。
ずるりと少女の右半分が右側に倒れた。ずるりと少女の左半分が左側に倒れた。
「ちょっと」
ごぼ、とか。
――がぼ、とか。
汚泥が沸き立つ様な音を立てて少女の右半分の断面、丁度腹の辺りから少女の顔が出てきた。
「いきなり何をしてくれちゃってんの? いきなり人襲うとかマジ最悪なんだけど」
腹から出てきた少女は笑う。両断された少女も半分ずつ笑う。
- 354 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/07/04(日) 00:58:20 ID:PMt0ERXQ0
- >>353
「ああ、――――」
刃物は少女の体を捌き、尚、勢いが止まず、路面を砕く。
彼女の目に、普通とは違う黒い血、黒い骨、黒い臓物は異常と映らなかったのか、
二つに分かれた死体、血溜りを真っ直ぐに見ながら、軽く震えた。
「――――コレや」
くつ、と先ず忍び笑いが漏れた。
左手を顔に当て俯き、次いで笑いを零す。
震えながら笑い、笑い、笑い、
『ちょっと』
止み、
『いきなりナニをしちゃってくれてんの? いきなり人襲うとかマジ最悪なんだけど』
冷めた顔を指の隙間から覘かせて、溜め息交じりに彼女は言う。
躊躇なく足を振り上げ、笑う少女の顔に向けて落とした。
「うるさいな…………今、ええとこなんや。なあ?」
- 355 :暗黒近親:2010/07/04(日) 01:08:51 ID:/k2gysHgO
- >>354
存外あっさりと潰された少女の頭。足の突き込まれた頭蓋から覗くのは黒い脳髄。
――――のようなナニカ。
「あーあ」
砕かれた生首は喋りながらボールのように転がった。重い頭はバウンドせず、月の光に黒い脳髄を晒す。頭蓋に穿たれた孔から、腕が伸びる。
「お前、良いよ死ななくて」
黒い腕の黒い指先はかりかりとアスファルトを掻いて動く。
その動きはヤドカリに似ている。少女の生首、少女の頭は今や物言う黒いヤド。
「私が殺すからさあああああああ」
始めに両断されたの右半分が千年に向かって黒いナニカを吐き出した。それは空中で形を変えて黒い猛犬となり、千年の喉に噛み付こうと肉薄する。
- 356 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/07/04(日) 01:23:25 ID:PMt0ERXQ0
- >>355
背を反らして上半身を後に倒し、重心を後に下げる。
約30°倒れた頃に、右肩にのみ力を込め、手を一本の棒として横に振るい、猛犬に刃をたたきつけた。
止めることを念頭に置いていなかったため、彼女の体はそのまま不恰好に回る。
倒れながら、やや遅いスピードでくるくる、回っていた。
「……………………殺す? やて?」
しかし、目を少女の頭に向けたまま、彼女は問う。
- 357 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/07/04(日) 01:25:05 ID:PMt0ERXQ0
- 中:絡んでもらっておいてごめんなさいですけど、寝落ちしそうなので、明日に持ち越してもいいでしょうか…………?
- 358 :暗黒近親:2010/07/04(日) 01:30:59 ID:/k2gysHgO
- >>356
叩き落とされた猛犬は黒い泡を吹き出してアスファルトにその体を擲った。
「そうだけど?」
がばりと大きく開いた黒い犬の口から、赤子の頭と同じくらいの大きさになった少女の頭が覗き言葉を紡ぐ。
「お前を」
言葉を引き継いだのは黒い手のヤドカリのヤドとなっている少女の生首。
「私が」
更にその言葉を引き継いだのは始めに両断された黒い少女。左右同じように唇を動かし、千年に笑顔を向ける。
「殺す訳よ」
――そうして一巡。言葉を締め括ったのは犬の口から顔を除かせる少女。
言葉の終わり槍を持った黒い腕が犬の腹を突き破って伸び、その手に持った黒い槍を千年の腹に向けて擲った。
- 359 :名も無き異能都市住民:2010/07/04(日) 01:31:58 ID:/k2gysHgO
- >>357
//大丈夫ですよー
- 360 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/07/04(日) 21:25:39 ID:PMt0ERXQ0
- >>>>358
彼女は、ヤドとなった少女のみを見ていた。
「ああああーーーー!!無理やね、無理無理」
言葉のトーンは高く、しかし、籠もった感情の温度は低く言う。
回転の勢いに、腕の力を込めて加速。
素の状態振る最高速より幾分か疾く、威力を伴った刃物による一撃を以って、槍への迎撃、
彼女を中心とした円状の軌跡を描きつつある、横振るいの一撃を槍に向けて放った。
「全っ然無理!!こんなんばっかじゃ足りんわ。」
彼女は次の動きへ向けて、左手を伸ばした。
- 361 :暗黒近親:2010/07/04(日) 21:35:09 ID:/k2gysHgO
- >>360
横薙ぎに弾き飛ばされた黒い槍は空中で形を変える。柄がささくれ、そのささくれが翼となり、刃は嘴となる。――鳥だ。
鳥が羽搏き、嘴に形を変えた刃は再び千年へと肉薄する。
「足りん足りん? 足りねえのはあんたの頭だよ脳足りん」
少女の顔が一斉に言葉を紡いだ後、ずるりとそれらの輪郭が溶けだした。
溶けた少女たちは夜闇に紛れ、また一つの輪郭を貌造る。
- 362 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/07/04(日) 22:09:44 ID:PMt0ERXQ0
- >>361
「かもねえ…………自分がマゾヒストならよかったんやけど」
全く、
右足のみでアスファルトを踏み、踏ん張り、黒い鳥に背を向けている姿勢で体が一瞬、速度を落とす。
左足は慣性の法則に従い尚も動きを止めず、半身が黒い鳥に向いた。
「生憎とサディストでさー…………くふは、たまらんのよな」
左目で、肉薄した鳥の位置を確認。
伸ばしきった左手で裏拳を放つ、
そう決めて、彼女は左肩に力を込めた。
同時に右足でアスファルトを蹴り、加速。
「殴るとか?蹴るとか?ついでに言えば、壊すとか?」
- 363 :暗黒近親:2010/07/04(日) 22:22:26 ID:/k2gysHgO
- >>362
「うわなにそれキモっ。変態じゃん。マジ死ね」
鳥は夜闇に回帰した。少女は嘲いながら手を伸ばし、その手に闇を凝縮させる。貌造られたのは――チェーンソー。
「ハッハー!」
機嫌良く笑って少女はチェーンソーを機動させた。ぎゅいいいい――という独特の音を響かせ、黒いチェーンソーの刃は回転を始める。
「ヘイ糞塵っ!」
チェーンソーを振り被り、
「お前の腹から飛び出るぅ?」
狂い染みた笑みを浮かべ、
「んんンンナッポリタァアあんン!」
加速する千年の腹に向けて、回転を続ける凶悪な刃を閃かせる。
- 364 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/07/04(日) 22:52:17 ID:PMt0ERXQ0
- >>363
「だから――――――――」
げらげらと笑い、腕を振り切ったところで回転を止め、チェーンソーを見た。
にや、と彼女は口端を吊り上げる。
右手で握る刃物を、宛ら盾のように体の前に構えた。
「――――――――そういうの大好き。仲良くなれそうやわ」
左手で刃物の頂を握り、完全に受け止める姿勢になった。
- 365 :暗黒近親:2010/07/04(日) 23:11:28 ID:/k2gysHgO
- >>364
「ィィイいいぃッ」
少女はそのままチェーンソーを振り抜いた。
人外の膂力を込めて振り払われたチェーンソーは、回転音と刃音を混ぜ合わせた異様な音を響かせて、
「ッハぁあああああ!」
構えた刃物に打ち込む。
「……あ? 何か言った? 私蠅語分かんないから」
- 366 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/07/04(日) 23:24:49 ID:PMt0ERXQ0
- >>365
「ツンデレね!ツンデレやな了解しとるわボケコラカスぅッ!!!」
この、重い刃物を片手で自在に振ることが出来る自分は、かなり腕力の強い方だ。
そしてそれを自在に振るということは、それに見合った〝技〟も備えている。
腕にのみ視線を向ければ、パワーとテクニックにおいて完璧と言っても、決して過言ではない。
ともすれば、力任せに振るわれたチェーンソーは簡単に受け止めれる。
躱すのではなく、受け止める。
安全確実な『躱し』ではなく、多少のダメージを無視してでも一撃を当てる『防御』を、
この〝駆け引き<戦い>〟の次点で〝後の先〟を得る為に、
相手が近くにきて、尚且つ自身の技を以ってすれば一撃を与えられる、『防御』をした。
彼女はそう思っていた。
「っとぉおおおおおおお?!!!」
チェーンソーを受け止め、その瞬間。
足が浮く。
刃物が、突っ張った腕を無視して体にぶつかり、そのまま自身に押し付けられて、次の瞬間体が宙を舞った。
「…………ハっ、」
小さく、ぶつ切りにされた息の音を残して、闇に向かい彼女は飛んでいく。
- 367 :暗黒近親:2010/07/04(日) 23:33:36 ID:/k2gysHgO
- >>366
「ワーオ派手に吹っ飛んだねえ? 吹かれりゃ吹っ飛ぶ? 塵的な? まあゴミだもんねえ」
回転を停止したチェーンソーを担ぐように肩にやって、少女はひゅうと口笛を吹いた。
ゆっくり、ゆっくり、少女は千年が吹っ飛んだ方向へ歩いて行く。たん、たん、すたたん。踊るようなステップ。
「ど、こ、ま、で、と、ん、だ、か、な、な。な? おーいどこー? 生きてんなら返事してくんない? 殺しに行くからさあ」
- 368 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/07/04(日) 23:55:35 ID:PMt0ERXQ0
- >>367
「ヘーイマイハニー?!自分は生きてんでー!!!」
まず声がした。
次に空を裂く、ゴッ――――という音が響く。
「…………そんで、これお返しや」
四角柱が迫る。
少女に向けた面は250mm四方の正方形、
人が思う、柱のイメージをそのままにした石柱が、真っ直ぐに少女に向けて迫っていた。
- 369 :暗黒近親:2010/07/05(月) 00:12:35 ID:/k2gysHgO
- >>368
少女の腹部に石柱が直撃した。少女の腹は見事に吹き飛び上半身が空を舞う。そこには、下半身だけが残された。
黒い下半身。夜闇との境界が、輪郭が曖昧な黒い足。二本の足と、腰。
かつん、
――――かつん。
二本の足が歩いてくる。腰の断面から少女の頭が生えてきた。ついで、腕が、胸が、腹が生えてきて――元通り。
「つうかアンタやっぱ脳足りん? 脳ミソ、足りてるう? アレだけやってまだ気付かないとかウケる通り越して超ドン引き……
……あ、忘れてた」
黒い腕を伸ばす。夜闇を凝縮させる。チェーンソーを作る。
「良い加減諦めた方が、あ、やっぱ諦めないで。ほら、攻撃してきなよ?
“ギャー今の一撃は大ダメージだ超効いた肋骨折れたーギャー!”
ほら! 後少しで私死ぬから! ガンバ!」
さっきから。或いは、始めから。
彼女に対する物理的な攻撃はまるで意味を為して居ない。切っても再生。潰しても増える。
彼女は意思を持ち質量を持った夜の闇。夜闇は切っても、消えはしない。
- 370 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/07/05(月) 01:10:55 ID:PMt0ERXQ0
- >>369
「んー? 後ちょっと?」
たん、たん、とアスファルトを駆ける音が届き、
けれど、彼女はまだ姿を見せない。
「そか、後ちょっとやな!!!」
再び石柱を、少女がいるであろう、と彼女が思う場所に向かって奔らせた。
狙いは正確に、上半身目掛けてそれは行く。
彼女は闇の中、飛んだ。
持ち前の身の軽さを生かし、壁に向かって飛んで、その壁を蹴って対面の壁に向かい、それの繰り返し。
所謂壁ジャンプ。
某配管工がアスレチックで見せる、アクロバティックな技を彼女は行って見せた。
――――こっちから少女が見えないように、多分、少女も見えないだろうけれど。
「っかしーな………………なんで殺せん…………」
首を捻りつつ、少女の真上を陣取れるよう、もう一度飛んだ。
- 371 :暗黒近親:2010/07/05(月) 01:25:56 ID:/k2gysHgO
- >>370
「ああ、もう無駄なのに」
凄まじい速度で上半身に殺到して来る石柱に対し、少女はチェーンソーを振り払う。
「こんなに投げ付けて勿体無い!」
瞬間、チェーンソーが巨大化した。全長1メートルにも満たないチェーンソーは一気に三倍以上の長さになり、投げつけられた石柱を一息で両断された。
「……でも今の攻撃良いよー? ナイスだよー? さあ早く次を撃ちなよー? めうちょっとだよー? ……全部徒労に終わるけど」
振り払われたチェーンソーはいつの間にか元の大きさに戻っていた。彼女の持つものは彼女も含めて伸縮自在。この程度の事は容易くやってのける。
「で? 次は? 次はどうするの? ねえ?」
ニヤニヤと笑いながら少女は待つ。
- 372 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/07/05(月) 01:39:15 ID:PMt0ERXQ0
- >>371
「次って言われてもなー…………」
声は頭上から。
空を裂いて迫る、刃物の奏でるヒュウという音と共に、降ってきた。
彼女は、少女の目の前のアスファルトに、右手で握る刃物をたたきつけた。
「私にはこれしかないし、これやで?」
着地すると同時、少女に向けて左手を伸ばす。
- 373 :暗黒近親:2010/07/05(月) 01:50:56 ID:/k2gysHgO
- >>172
衝撃に飛散するアスファルトの欠片に黒い少女は思わず瞑目した。
完全に、無防備。
何かをやるなら――――今だ。
- 374 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/07/05(月) 21:48:35 ID:PMt0ERXQ0
- >>373
自身が飛ばした欠片に、左手が傷つけられる。が、構うことはない。
強引にそのまま伸ばし、少女の頬に手を添えた。
「自分じゃ、君殺せんわ」
一歩、瓦礫と化した路面に刺さった刃物から右手を離し、踏み込んだ。
刃物を跨ぎ、少女の眼前。
左手を添えた頬の反対側の頬。
彼女は、少女にとっての左頬に右手を添える。
「今の自分か、今からの自分かはわからんけど――――
――――とりあえず、君を〝殺せ<スクエ>〟ん。力不足やわ」
更に一歩、
互いの距離は、互いにとって〝近い〟。
両頬に添えた手に、僅か、力を込めて引き寄せる。
「ごめんな」
言った次、彼女は少女の唇に自身の唇を重ねた。
- 375 :暗黒近親:2010/07/05(月) 21:56:47 ID:/k2gysHgO
- >>374
「――――…………」
黒い少女は千年の唇を抵抗無く受け入れる。引き寄せられた少女の体はいかにも華奢で、仄かに暖かい。
がらん、と音がした。
――――それはきっと、少女の武器が落ちる音。
か細い腕がおずおずと千年の腰に回される。少女は唇を合わせたまま微かに息を吐き、千年に体を押し付ける。
千年の唇を何かが撫でた。
温かく、湿った、それは舌。
- 376 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/07/05(月) 22:10:08 ID:PMt0ERXQ0
- >>375
求めるように口を広げて更に、更に、彼女は顔を近づける。
そして、彼女は少女の舌を噛んだ。
噛もうなんて強さではなく、ましてや食い千切ろうとするほど強くなく。
ぴり、と舌に痛みが走る程度。
咄嗟に身を引いてしまうような、ほんの少し、神経が震える程度の痛みを与えた。
それも一瞬。
噛んで、刹那も時が立たない間に、少女の手をするりと抜けて、距離を置こうと半歩、足を引いた。
- 377 :暗黒近親:2010/07/05(月) 22:14:44 ID:/k2gysHgO
- >>376
「あゃ、考えてぅ事はおんなひ?」
ぺっと吐き出した唾液には血が混じる。ニヤニヤと笑う少女は舌を軽く突き出したまま言葉を紡ぐ。
「誘っえ、こっぃに舌いえてきたらくちびうごと噛み千切おうといたのに」
長い舌を口の中にしまいこみ矢張り少女はニヤニヤと笑い続ける。
「ざーぁんねぇん。折角滑って最高にキモチワルイお前のクチビルにも耐えたのに。あーあーぁー?」
- 378 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/07/05(月) 22:30:53 ID:PMt0ERXQ0
- >>377
「んー…………?」
へらへらと笑いながら、彼女は地面に先が埋まった刃物に手を掛ける。
両手で刃物の、柄と呼べる穴に手を入れごりごりと前後に揺らし、二秒ほどで引き抜いた。
「いんや、私の流儀に従っただけよ?
ぜってー殺すって決めた相手にはチュウすんのが自分の流儀。
ほら、誓いのキスを、ってよく言うじゃん?」
ぶん、ぶん、と振るい、刃物に付いた土を払い落とす。
「ま、たまに勘違いしてその後までしてくる奴いるから、ようやんねんわ。さっきの」
これは仕切りなおしか、
それとも逃げるタイミングか、
今は殺せない、
力不足。ゆえに〝<誓った><決めた>〟心を表してのペーゼ。
彼女は、言葉を続ける。
「続きはあれやね。君殺してから、その後じっくりや」
- 379 :暗黒近親:2010/07/05(月) 22:37:34 ID:/k2gysHgO
- >>378
「ああそう? 私はあれだね、よくチュウするよ。口移しなんかも。
いつだっけ、どっかの男でちょっと遊んでたんだけど、ソイツお前並に役立たずでさあ。奥さんの舌を口移しで食わせてやったら超絶叫」
ぶふっ、と吹き出してけらけらと笑う。
「あっそ。まあどうでも良いや。精々頑張れば、きゃはっ応援してます先輩ぃーィ」
両手を口許に寄せて身を捩り、
「ィイイ!」
一閃。振るわれた右手から投擲されたのは黒い塊。それは空中で形を変え、槍となって千年へと翔る。
- 380 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/07/05(月) 22:59:50 ID:PMt0ERXQ0
- >>379
「はは、笑えんわ」
疾いと思う。
自身の、恐らく胸か腹を目掛けて飛んでくる、あの黒い塊は疾い。
でも目で追えているし、今まで対処できていた。
なら、幾らか余裕を持つことができているんだとも、思う。
――――ようわからんな、あの子。
兎も角、応援されているなら次へ持ち越し確実に殺す。
笑いながら彼女は決め、膝を折り曲げて跳躍への簡単な助走とし、飛んだ。
向かう先は斜め後ろ。
自身へ向かってくる、槍へと姿を変えた黒い何かを足元に見れるくらい、高く。
しかし、決して真上ではなく、〝斜め〟に彼女は飛んだ。
逃げる、
決めた。
ポケットを弄り、球を一つ握りつつ、少女を向いた。
「あんなァ!!!」
- 381 :暗黒近親:2010/07/05(月) 23:07:30 ID:/k2gysHgO
- >>380
「アハハナニソレ蛙みたい。超ウケる」
言いながら唾を吐き捨て、瞬間少女の体が微かにぶれた。
身震いするような動きの後、少女の体には腕が八本。それぞれに黒い槍を握っている。
「黙れよ臭い。死ね」
何事かを叫んだ千年に向け、黒い少女は黒い短槍を一斉に投げ付ける。
夜を裂いて黒い穂先が駆け抜ける。向かう先には当然千年。
- 382 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/07/05(月) 23:34:32 ID:PMt0ERXQ0
- >>381
――――覚えやッ!!!!
彼女は必死に、目に焼き付ける。
少女の持つ槍が、飛ぶ瞬間、飛んだ瞬間、駆ける瞬間。
それぞれが真っ直ぐ飛べばどこに来るか、必死に記憶して推測し、覚える。
「つれないこといわんといてぇ――――」
自分の神経をフルに稼動して、躱す。
見た光景から弾き出した最適な体勢に向け、彼女は動き出した。
「――――YA☆!!!」
球を少女に向かって投げながら、身を捻る。
自身の体をできるだけ、点に。
線ではなく、点になるよう体を捻った。
投げられた球は、少女と千年の中心より、やや千年寄り。
丁度、槍と交差したくらいで炸裂し、光を放つ。
「忍法目晦まし!!!!〝穴開き包丁〟――(彼女が握る刃物)――はくらわんでも流石に目潰しは通用するやろ?!」
- 383 :暗黒近親:2010/07/05(月) 23:49:13 ID:/k2gysHgO
- >>382
「おま、えェェ――――ッ!」
黒い少女は始めて感情の滲む叫びを上げた。――効いている。
明確に少女の動きが一瞬鈍った。しかし閃光の中を幾筋かの黒槍が走る。
だが、狙いは甘い。偶然が味方して掠める程度。
- 384 :恋河院千年 ◆X7kkkkkkkk:2010/07/06(火) 00:02:05 ID:PMt0ERXQ0
- >>383
光が溢れたこの場所では、自分も目を開けられない。
だから、さっき見た景色を頼りに槍の飛ぶであろう位置を推測して、壁を走る。
「っしゃああ!!!三十六計!!三十六計や!!!」
叫び、彼女は足音を殺したまま全力で駆けた。
後を向いても視界は殆ど真黒。
目蓋越しに光が少し、突き刺すだけで残り全部は真黒で、何も見えない。
「またな!!次は絶対殺すで、約束やし!」
踏んでも死なない少女、
斬っても死なない少女、
穿っても死なない少女、
…………次はどんな手を使おうか。
彼女は考え、しかし結論が出るわけもなく、悩む。
- 385 :暗黒近親:2010/07/06(火) 01:25:42 ID:/k2gysHgO
- >>386
「それは、こっちの……!」
目が物を認識出来るようになった時には、相手はいない。
黒い少女は押し黙る。八本になっていた腕は元のように二本に戻り、少女は静かに空を見る。
「があああああああああああああァアアアアアア――――!!」
少女の口から絶叫が迸る。血走った目は辺りをさ迷い、体からは無数の黒い帯が辺りに伸びてアスファルトと建物に突き刺さる。
「クソがっ! クソがぁ! ふざけんン――なッ! 殺す! 絶対に殺すっ! 殺すのは私だ! 刻んで砕いて便器に流してやる……クソがッ!」
- 386 :カノン・カペルマイスター/人型(男性):2010/07/07(水) 00:29:15 ID:W6qy.Hmo0
- ざざり。
鉄塔の上で蹲る様に座る人影にノイズが走る。
……またかー…。
不調な時―例えば人型を取る時の”力”が減っているとき―などはよく姿がブレるが、
「補充きっちりしてるもんなあ」
何が悪いんだろうなあ、と首を傾げ。
じっと続けていた作業に没頭した。
- 387 :首狩あやめ:2010/07/10(土) 23:41:30 ID:el9opMa60
-
箱庭―――仮想空間の草原にて一人の少女が佇む。
夜空のような美しい黒髪、清楚だが凛々しい顔立ち、身体を包み込む剣道着と袴。
手に握る刀は真剣であり、その切っ先の煌きが業物だとわかる。
「疾っ」
彼女は軽く刀を振り下ろす。軽くと言っても型に相応しい力に合わせての振り下ろしなので、
風切音は鋭く、そこから彼女は流れるように刀を走らせる。
彼女の習う流派にある【浮雲】から【晴嵐】、そして怒涛の攻撃である【轟風乱】渾身の振り下ろし【雷震】
まるで舞踏のように次々と繰り出される技だが、それら全てが実践の血と肉によって練りこまれた殺人技である。
最後、刀身が空気の摩擦熱で湯気さえ漂わす無双の突き【月喰(つきはみ)】を放ち、少女の舞は止まる。
驚くことに何十もの技を繰り出したというのに彼女の呼吸は少しも揺らがず、わずかに肌が朱色に染まった程度であった。
「さて、今宵の敵は誰でしょうか?」
- 388 :首狩あやめ:2010/07/12(月) 00:26:00 ID:9sSlmAR.0
-
「誰もこない……(´・ω・`)」
少女はしばしの沈黙の後、箱庭を立ち去った。
格好つけただけに、恥ずかしそうに頬を赤く染めながら―――
- 389 :セシベル・S・コープス ◆JBbLACK.JY:2010/07/12(月) 21:29:56 ID:8enTxEs20
- 【街中。街中である】
ははははははははははははhあはあっはあはハハハ破覇波は伯貼ハ!!!!
ヒィィイイイイやああぁあああああっはっははははは!!!!!
【コンクリートが跳ねる。鉛の華が開く】
【あたり一面を襲う台風の目に、男がいた】
【金糸と見紛う長髪、端正な顔立ち、袖の長いコートと極端に腰履きなジーンズ】
【それに靴だけ身につけた男が、両手にガトリングガンを持って乱射している】
【人にも、街にも、少なくない被害を与えながらその目は少年のように光っているのだ】
―――――ーーーーァアあ!!
【声にならない歓喜の声を上げて、台風の目は鉛玉を撒き散らしながら走り始めた】
- 390 :セシベル・S・コープス ◆JBbLACK.JY:2010/07/13(火) 00:32:16 ID:8enTxEs20
- 【時間は経ち、一人による鉛玉の行進は次々に場所を移して】
【銃身の唸る音が、不意に止まった】
はぁ〜……ああ。
【腕から重火器をぶら下げて、男は空を見上げる】
【煌々と照る光を見つめて、無邪気な瞳を涙に歪ませた】
【――とても嬉しそうに。】
ひゃっほおおおおおおおおおおおおおっっっら!!!
【行進再開、銃身の焼け付き膨らんだガトリングガンを放り投げ、今度は袖からアサルトライフルを取り出す】
【鉛の嵐がまた始まる】
- 391 :遊馬:2010/07/13(火) 00:39:16 ID:BXgiA4u60
- 「何やら、非常にうるさいですね」
耳を抑えながら、音源を探そうと当たりを見回す白衣の男が一人
「この街を何処かの紛争地区とかと勘違いしてるんでしょうか」
はあ、と息を吐き
「眠れないんですよ、こっちは……」
よく見ると男の目には大きなクマができていた
- 392 :セシベル・S・コープス ◆JBbLACK.JY:2010/07/13(火) 00:49:51 ID:8enTxEs20
- >>391
やぁ、そこの!
【ぴたりと行進を止めて、自身のこめかみに指を当てる】
【そこから何かをなぞるようにぐるぐると円を描き】
寝たい? ならば眠ればいいのさ!
しかしそれなのになぜ君は眠れないのか。その理由を聞こう!
【アサルトライフルを(とうてい収まると思えない)コートの中に収めて】
【さきほどまでこめかみをかき回していた指で遊馬を勢い良く指差す】
- 393 :遊馬:2010/07/13(火) 01:02:09 ID:BXgiA4u60
- >>392
「貴方は……ん?」
話しかけてきた男の顔を見て……いたのだが、やがてその視線はセシベルの手にあるアサルトライフルに移る
「あ、貴方がこの騒音の原因ですか……!」
そう言うとブルブルと体を震わせる
「眠れない理由!? 聞きたいなら聞かせてあげましょう!!
ようやく最近仕事に復帰できて遅れを取り戻す事徹夜を3日、それもようやく終わってさあ寝ようと思った矢先!」
そこで男はふう、と息を吸って
「貴方が街中でドンパチやってるから、うるさくって眠れなかったんですよ!!」
怒りをぶつけるかのような大声で叫び、ビシィッと人差し指をセシベルに突きつけた
- 394 :セシベル・S・コープス ◆JBbLACK.JY:2010/07/13(火) 01:13:48 ID:8enTxEs20
- >>393
ンーフフフフ成程ナルホド、よーーーく分かった。
【本当にわかったのか否か、殆ど聞かないうちに余裕綽々の笑みで怒声を遮って】
【ぱちっと目を開く。長い眉毛と仄かに憂いを含んだ瞳は本当に男性か疑いたくなるほど艶がある】
すなわち。君には『眠りたい』という欲望が足りない。
【そして断言。】
本当に『眠りたい』『意識を手放してしまいたい』と思っているのならば!
その欲望はたとえ満員電車、公衆トイレ、飛行機のジェットエンジンの内部だろうと眠れる筈!
つまり! 俺のせいではないッ!!
【言い終えると同時に空に向かってアサルトライフルを乱射。火薬の炸裂する音がやかましく辺りを揺らす】
- 395 :遊馬:2010/07/13(火) 01:23:26 ID:BXgiA4u60
- >>394
「ああ……何を言うかと思ったら……」
セシベルの言葉にまたブルブルと体を震わせる
「それができてたら苦労しませんよ……わかりますか? 徹夜しすぎて火照りすぎて逆に眠れない人間の気持ちが……」
先程とは打って変わって静かな、だがそれでいて氷の様な怒りをもった声で呟く様に答える
「ですから! 騒ぐなら箱庭にでも行って一人でやってください!」
そういう男の声は銃声によって遮られた
「だあああああ! うるせえ!! 誰かこの騒音野郎をどっか連れていってくれえええ!!」
怒りの余りいつもの口調を失って乱暴なそれになっている
- 396 :セシベル・S・コープス ◆JBbLACK.JY:2010/07/13(火) 01:36:51 ID:8enTxEs20
- >>395
フ、フ。それは無理だ。
なぜなら、俺も欲望に従って生きている。
そして今日の気分は『他人の安否も物の損得も気にせず街中で銃を乱射したい』気分。
【如何にも楽しそうに嬉しそうに、言葉の節々に浮いた気持ちが乗って】
【手指を波打たせながら淡々と喋り続ける】
【すると突然両手のひらを翻し、手の甲を遊馬に向けて】
俺の身を迸る欲望の火照り! 性欲色欲肉欲愛欲に始まり呼吸排便食欲睡眠欲!
獲得欲支配欲反発欲模倣欲、自立・遊戯・養護・拒絶・攻撃欲!!
【数えるたびに何度も何度も、指を折っては伸ばしを繰り返して叫び】
無論、止めたければ止めるがいい。君の『欲望』に従ってな。
【次の瞬間には肩の力を抜いてゆる〜く笑っている】
- 397 :遊馬:2010/07/13(火) 01:48:23 ID:BXgiA4u60
- >>396
「な……なんて自己中な人なんだ……」
目を見開きながら驚嘆とも怒りともつかない声を上げる
「言われなくても、止めさせてもらいますよ! 今の精神状態なら思う存分貴方を吹っ飛ばせそうな気がしますからね!!」
そう言って右手の人工皮膚を引っ張り、中の機械部分を露出させる
「うおおおおお! 行くぞリフューザー!!」
男が戦いに赴く為の雄叫びをあげた瞬間
「うるせえんだよ!! 赤ん坊が起きちまったじゃねえか!!」
路地裏の住宅に住んでいた住民の投げた缶が男の後頭部を直撃した
「ガッ!?…………ふにゃ……」
そのまま気が抜けたかのように崩れ落ち、気絶してしまった
//すみません。眠気が酷いので今日はもう落ちます。気絶した遊馬はほっといてくれて構いません
- 398 :セシベル・S・コープス ◆JBbLACK.JY:2010/07/13(火) 01:56:45 ID:8enTxEs20
- >>397
さぁ! 互いに熱い肉体と魂のぶつかり合いでなんかもうヒートアップしようじゃないか!
滾る! 滾るぞこの身に巡る数千の魔の粒子が、震えをあげ
「うっせバッキャローこちとら二日酔いでアッッッッタマきてんだ死ねッ!!!!」
ヒュー ゴンッ!
ぬごぉっ!?……バタッ
【木造建築の二階から重そうな空き瓶がジャストミート】
【後頭部で空き瓶が砕け散り、あまりに予想外の一撃であっさり気絶した】
「ったく、死ね。マジ死ね。刀でも投げたりたい気分だわ。寝直そ。あー死ね」
【やけに肌の白い住民がぼやいたのを最後に、また街は静寂を取り戻した】
/おつおつありがとさまでしたー
- 399 :黒沢小百合:2010/07/13(火) 23:33:53 ID:rSRBD9/U0
- 【イデアの箱庭・雪原フィールド】
「進め、進め、動くもの全てを蜂の巣にしろ。
建物は爆破、橋は落とせ、住民は射殺せよ。」
雪原の半ば廃墟のような場所を多数の兵士達が進軍し、
瓦礫の影や木の後ろなどに配置された標的がわりのマネキンを蜂の巣にしている。
(この前のふがいない成績……これでは千夜が、ひいては夜刀神さんが安く見られる……。)
それを指揮する黒髪の女性は尋常ではない気迫をまとい
大声を張り上げて周囲の兵士に指示を飛ばしている。
- 400 :じんうけ!/GM:2010/07/17(土) 21:04:41 ID:ZOM.z7ps0
- 「はい」
「えー」
「うー」
「やってまいりましたーじんうけ来襲祭!!」
箱庭内・市街地フィールド。
クラウンを被った白衣の女・神羽鏡子。
氷の爪を手足に纏った狼少女・フェンリル。
適当な段差に腰掛ける黒髪の少女・小夜。
刀を腰に下げた狼女・イメル。
四人の女が、来るべき戦士たちを待ちうける。
【参加受付開始しますー】
- 401 :アイリス:2010/07/17(土) 21:19:48 ID:.5XiCeT60
- 「やぁ。皆。」
耳障りなノイズの後、アイリスが姿を現した。
「星天が瞬くこの時間、君たちは何をするのかな?」
- 402 :じんうけ!/GM:2010/07/17(土) 21:25:47 ID:ZOM.z7ps0
- >>401
「簡単な王冠奪い合いゲームすんのよ。ビラ撒いたんだけど、見なかった?」
頭に王冠を乗せた鏡子がアイリスに「いらっしゃい」と声をかけて、ビラを軽く振る。
「まあ、まだ参加者が少ないから待機中だけどね」
- 403 :銀髪の女性 ◆X7kkkkkkkk:2010/07/17(土) 21:30:35 ID:PMt0ERXQ0
- 「よお」
凜、とした声が飛ぶ。
なんとなく澄んでいて不思議と通る彼女の声が、箱庭に響いた。
ワ ク
「自分とこの〝異能都市トーナメント出場権〟譲っちまったし、溜まってんだ」
かつかつと足音を鳴らしながら近づいてき、五人の前に仁王立つ。
ベルトに差した二本の刀に手をかけ、少し、彼女は笑っていた。
「付き合ってもらってもいいか?」
- 404 :アイリス:2010/07/17(土) 21:32:39 ID:.5XiCeT60
- >>402
「ふふっ……。」
僅かに俯き、笑い声を零した。
皆はきっと……
「今更さ、“理由”なんて要らない。こうやって向かい合っている時間はそういう質(もの)だと解釈しているんだけどね。」
クスクス。
案外、彼女たちは暴れたいだけかもしれない。
>>403
「おや。誰かと思えばリグヌの主じゃないか。こんな処で会えるとは光栄だ。」
何故スカートタイプの制服かはさておき、アイリスはスカートの裾をつまみ、ちょこんと礼。
形式ばった挨拶だ。
- 405 :じんうけ!/GM:2010/07/17(土) 21:41:02 ID:ZOM.z7ps0
- >>403
「……おい社長来たぞ社長」
「どういうことなの……」
「まあいんじゃね?」
「そんなことよりおうどんたべたいです」
一瞬で終わるじんうけ会議。
そして、
「もちろんいいわよ。断る理由なんてないもの。
ルールは把握してるのよね?」
王冠をかぶった女がに、と笑って見せる。
>>404
「あら、すっかり出来上がってるのねこちらのレディは」
「ジェントルじゃね?」
「外見的にはどう足掻いたってレディだからいいのよ」
くすっと白衣の女が笑うと、黒髪の少女が立ちあがる。
「さ、て? まあ参加者もいらっしゃったわけだし。
そろそろ」
女の背後には、大きめの時計。
赤い針が真上を向いているそれの、突起部分に手を置く。
「歯車、回し始めましょうか」
それでは。
ゲームスタート。
女がそう宣言するのと同時、突起部分を半ば叩くようにして押し込む。
赤い針は動き始め、王冠の女を守るように三人の少女たちがアイリス、ふーこの前に立ちはだかった。
【PC側の先攻となります】
【攻撃の際には、小夜、フェンリル、イメル、鏡子、若しくは全体攻撃、他PC 誰を狙った攻撃なのかを明記してください】
- 406 :銀髪の女性 ◆X7kkkkkkkk:2010/07/17(土) 21:51:20 ID:PMt0ERXQ0
- >>404
「ん?…………」
ぼけ、と惚ける。
まず思うところは、なぜこういうやつがここにいるんだ、と。
こういう奴は大体が城の一室の暖炉の傍。
金の装飾があしらわれた高い椅子に腰掛け、これもまた金の装飾があしらわれた高いティーポット片手におほほほ言っているもんじゃないか、と。
こういう場では感じると思っていなかったそんな雰囲気を、感じ、しかし、
――――ま、
「私はお前のこと知らねーし、光栄かどうか判断つかねーけど…………怪我させたらわりーな。よろしく」
彼女は握手を求め、手を差し出した。
>>405
「あ?ルール?こういうのは往々にして吹っ飛ばしゃあ勝ちって相場が決まってんだろ?
そういのはちゃんと分かってる。私に任せろ」
黒い鞘から黒い刀身の刀――銘を天麩羅――を抜き、口の端をゆがめる。
そこから先は、速かった。
一歩、三人の中央に向かって踏み込み、すると彼女の体が跳ねた。
大きく三人を乗り越える軌道の跳躍。
狙うは最初から大将である王冠の女。
宙で一回転しつつある彼女は、下を向いて三人の動向を見ていた。
- 407 :アイリス:2010/07/17(土) 21:59:00 ID:.5XiCeT60
- >>405
「…時計仕掛け、というわけだね。」
クスクス。
もう夜の種族の時間だ。
背景にぽっかりと浮かぶ、虹色の瞳。
邪眼の起動。此処は箱庭。遠慮は要らない。
「僕の性別なんて今更どうでも良いよ。」
本当にどうでも良い。
自分の性別が分からない。
男であり、女である自分にはっきりとした性別があるのだろうか。
あると言われればある。が、永久に固定されるワケではない。
「最近飢えていてね。」
ぐんにゃりと歪む背後の空間。
ほんの一瞬の間を置くと、波打つ。
見えぬ糸でゆっくりと引かれるように現れたのは剣の柄。
アイリスはその剣を逆手に持つ。
見れば、近戦を戦闘方法とする者がいる。
>>406
「やれやれ…」
ふーこが差し出した手にちょこんと触れれば、彼女は行ってしまった。
この感じ……
「僕もいかないとね。」
剣は得手としないが不得手ともしない。
イメルに笑みを向けると、ふーこの後を追いかけるように走り出した。
【攻撃対象 イメル】
- 408 :じんうけ!/GM 【1ターン目】:2010/07/17(土) 22:05:12 ID:ZOM.z7ps0
- >>406
「ちょっと頭お借りしますねー、小夜ちゃん」
「おぶぅ!?」
げしぃん。
赤いリボンのついた黒いおかっぱ頭を踏みつけて跳躍、銀髪を靡かせる女に空中で対峙したのは、藍色の髪の狼少女。
「てめぇリル!? 後で覚えとけよコルァア!!」
「あとでですよ。さて、社長さん、
ラスボス倒すにはまず周りの敵を片づけてから、に、しとかないと」
にやりん。
鋭い犬歯を光らせて笑う少女の爪は、
「後でしんどくなりますよッ!?」
つめたい氷で出来ていた。
零下の冷度を纏う鋭い爪は、ふーこの懐を喰らわんと迫る。
>>407
「指名が来てしまった」
困ったな、とぼやくその顔は微塵も困ったような表情をしていない。
うっすらと笑みすら浮かべて。
「では、姫君の期待に応えるよう努力するとしようか」
抜刀。
柄に刻まれた、狼の紋様が光って、
「狼神招来――咆哮せよ我が牙」
彼女自身にも、光る紋様が刻まれる。
迫るアイリスへ、右から左への横薙ぎの斬撃が振るわれる。
- 409 :銀髪の女性 ◆X7kkkkkkkk:2010/07/17(土) 22:21:03 ID:PMt0ERXQ0
- >>407>>408
「巻き込まれんなよ!!!」
上から声が降り注ぐ。
向けられたのは、さっき手を交わした人に、その人と相対する刀の子。
下を見れば、斬りあいてえと思うけれど、でも。
「さっさと奪って被って逃げんのが一番楽だろうが!!
それに、大体な――――」
彼女の視界に於いて、世界は反転している。
天麩羅を構えフェンリルさんい向かい、しかし彼女は刀を振り下ろさない。
「――――王様じゃねえ三下が私に向かってきたところで、触れねーまま落ちるのがオチだボケ!!!」
藍の髪の少女に、重さがかかった。
下へと引っ張る力、星が、土地が、少女に向けて放つ引力が強化される。
ぐん、と。
唐突だった。
それの発動は、瞬間だった。
- 410 :アイリス:2010/07/17(土) 22:26:00 ID:.5XiCeT60
- >>408
口上から、稲妻に関連したものが出てくると踏んでいたアイリスは、
踏ん張ると、前のめりになり、その後バク宙。
イメルとアイリスの距離は約2m程に広がる。
金と黒の髪が数本、風に乗り……何処かへ舞っていった。
「(この地に宿りし御霊よ――)」
唇の僅かな動き。
「やれやれ。準備運動なしの体育も中々スリリングなものだね。」
尤も――この程度の動きで壊れる体ではないのは承知している。
「思っていたよりも、君は良いね。」
あの日、妹のフェンリルを探しまわり、疲れ果て眠った彼女を見たとき、
出来るとは思ってもいなかった。
自分が妹助けに協力すると言った時、僅かに魅せた片鱗。
「嗚呼――実に、良いね。」
アイリスの姿がその場から掻き消えた。
イメルの嗅覚を刺激する、僅かなバラの香気。
イメルの嗅覚を以てすれば、アイリスの行き先はイメル自身に向かっているのが手に取るように分かるだろう。
>>409
ちらりとふーこを一瞥。
あらあら、巻き込まれそうだ、と心の声が聴こえたような気がした。
「(これは…Sレベルか…な)」
- 411 :じんうけ!/GM 【2ターン目】:2010/07/17(土) 22:33:40 ID:ZOM.z7ps0
- >>409(フェンリル、小夜)
「あう、あ!?」
ぐいん。
下へ下へ下へ引っ張られる、もがいてみても何も変わらなかった。
このままでは地面に叩きつけられて狼の挽肉一丁出来上がり、
そう思った瞬間に、
「ヒトの頭踏みつけた罰が下ったんだよ! ほい、選手交代!」
黒いそれ、「影」が狼少女を呑みこんだ。
少女一人を呑みこんで体積を増やした影を踏み台にして、黒髪の少女が上に。手には黒い扇子。
「暗黒舞踏――『閃』!」
ばっと開いた扇子を、薙ぐように振るう。
影で作られた黒い刃が、ふーこに飛来した。
>>410(イメル)
「何、が」
薔薇の香り。それがイメルの感覚を刺激した時には、アイリスの姿が消えていた。
人を酔わせる魔性の甘い香り。ここまでぴったりな表現があっただろうか、と頭の隅っこで考えた。
「良いんだ!?」
この魔を相手にするのなら、必要なのは「身体能力の底上げ」ではなく「異能の付加」だろう。
そう判断したイメルは、先ほどとは違う紋様を光らせる。
輝いたのは、龍のそれ。攻撃は無い。
- 412 :銀髪の女性 ◆X7kkkkkkkk:2010/07/17(土) 22:43:57 ID:PMt0ERXQ0
- >>410>>411
小洒落た戦いをするな、と思う。
いつか、昔の自分はああいうのを夢に見たっけ、とも振り返る。
再び胸中で呟くは、
――――ま、
切り替える為の、言葉。
それはそれ、これはこれ。
彼女は思い、下を見る。
「言ったろうが!!!」
さっきまでの旋毛が完全に地面に向いていた状態を九十度とするなら、
現在、体が前に傾きつつある今は四十五度、或いは百三十五度くらい。
抜いていた天麩羅に妖力を込める。
――――落とせねーな、
黒い刀身に、漢字のような、独特の変な文字が浮かび上がり発光。
淡い蒼として妖力を纏った刄が、小夜さんが放つ黒い刃に向けて振るわれた。
- 413 :アイリス:2010/07/17(土) 22:48:24 ID:.5XiCeT60
- >>411
「さあ…」
ふわりと香ったバラの香気。
バラが敷き詰められたバスで突然 ってしまった。
その為、無駄にバラ臭い。
「なんだろうね。」
アイリスの視る世界は歪なものだった。
どこもかしこも線がヒシヒシと走る。
イメルにも、フェンリルにも、小夜にも、鏡子にも、ふーこにも。
今日は矢鱈と線が多い。
丁度、アイリスはイメルから見て右斜め前の位置にいた。
「(血の礎と契約に従い――)」
言葉の前に口を動かす。
何か良いに対しての答えでも無い。
「秘密、さ。」
線走る、イメルの右手首の出っ張った骨の部分から親指と人差し指の線をなぞろうと、
逆手に持った短剣を順手に戻し、線をなぞろうとする。
>>412
……これは巻き込まれるパターンだと判断したアイリスは、そっとひっそりと射程範囲から離れようにも
否、離れられない。
自覚の無いまま、僅か、本当に僅かだが引きずられている…!
- 414 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/07/17(土) 22:51:44 ID:hjH4KKUc0
- セッけぇぇええええええ!!!
【箱庭に突如光の柱が構築され、人形に収縮する】
【現れたのは、鞘ごと肩に担いだ黒服。無邪気そうな笑みで吠えて】
いちぃにぃさんよん、四人と二人。
一対一でも無い喧嘩なんて楽しい所ないじゃない!?
【地面を踵で蹴ってくるっとターン。コートがはだけて電脳の風に揺れ】
というわけでこの酒呑屋、偶然なことに『二人力』。
お遊び付きあわせてもらおうか!!
【血のように赤い瞳が、挑戦的に歪んだ】
- 415 :じんうけ!/GM 【2ターン目】:2010/07/17(土) 22:57:40 ID:ZOM.z7ps0
- >>412(小夜、リル)
「かかったね?」
にやり。黒髪の少女が笑う。
足場にしていた黒い塊が、もごもごもごもごと蠢いているのが。見えるだろうか。
「それは囮だ! 喰らえッ、ウルフバズ――――カァ!!!」
「わぎゃ――――――ッ!!?」
刄と刃がぶつかり合って小さな破裂を起こしたのと同時。
黒い塊から先ほど呑まれた狼少女が射出され、塊が形を失くして黒髪の少女が宙に踊る。
>>413(イメル)
「ふははは! 私は知っているぞ、アイリス、お前の能力は――」
かづん。
コンクリートの地面に、刀が突きつけられる音。
「『眼』を使う能力だと、な!」
それと同時、光が迸る。
雷の斬撃を地面に打ってフラッシュを焚く。いわゆる、目晦まし。
まあ、それを放った張本人であるイメルもその恩恵をしっかりと受けて、目が眩んで行動不能に陥っているのだが。
わうーと間抜けな声を出しながら目をこすって悶えるイメルの背後では、白衣の女がぷりぷりしながら逃げていた。
「ちょっと、そういうのするんだったら先に言いなさいよ!」
ずれる王冠を片手で抑えて、白衣の裾をはためかせながら女は逃げる。
- 416 :じんうけ!/GM 【3ターン目】:2010/07/17(土) 23:00:58 ID:ZOM.z7ps0
- //おげええええ2じゃないよおおお3だよおおおおお ごめんなさい……
>>414
虎姫がログインすると同時、イメルが目晦ましのフラッシュを焚いた。
閃光が迸る。
「っと、増え、た!」
それを行った張本人は相変わらず目をしぱしぱさせている。
狼少女はふーこに向かってロケットのように射出されている最中で、黒髪の少女は宙に舞っている。
王冠を被った女は、逃げていた。
- 417 :銀髪の女性 ◆X7kkkkkkkk:2010/07/17(土) 23:09:51 ID:PMt0ERXQ0
- >>415>>413
もう一回転、
次は刃に炎を上乗せし、大刀として斬り付ける技を使おう、と考えていたけれど。
「だああああああああ!!!!!!!!こっちくんなって!!!!!」
天麩羅を離し、抱きとめようと手を広げた。
その拍子に、重力魔法が解けてしまう、が気にしている余裕はなくて。
「人を撃つとかお前ら何考えてんだ!!!」
言ってるうちにフェンリルさんがやって来て、宙で回転途中だった彼女は、抱き締めた。
- 418 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/07/17(土) 23:10:16 ID:hjH4KKUc0
- >>416
うおっまぶしっ。
何なに? 歓迎のフラッシュとか記念撮影はマネジを通して
【おどけを途中で切って、指をついっと天に向ける】
【冠をかぶった女、黒髪、そして狼少女を指さして『どこかで見た耳だなぁ』と思い】
【そしてイメルを指さして――ぐやり、と顔を歪ませる】
アンタかぁ……♪
【べろんと出した舌に指を押し当て、嬉しそうに笑う】
【再会を祝す笑みにしては、まだ一回しか会ってないし、それにこの間会ったばかり】
【そして何よりも――それは確かに純粋だが、あまりに獰猛すぎる笑みだ】
- 419 :アイリス:2010/07/17(土) 23:12:56 ID:.5XiCeT60
- >>414
「なるほど、二人分ね。じゃあ期待しておこうかな。」
アイリスはクスリと笑みを向けた。
>>415
「あらあら、気付かれてしまったか。秘密にしておきたかったんだけど仕方ないね。」
アイリスは目を潰されながらも、笑みを絶やすことは無かった。
そして、最後の言葉が紡がれた。
................................ウィンド・オブ・マルドゥーク
「我が力となりて――七の風の一」
短剣を触媒にした中級風魔法。
イメルの背後から突然の突風が発生した。
イメルから見て、右斜め後ろから迫るそれは、巨大なハンマーで叩かれたような衝撃を与えるだろう。
勿論それは、術者すら巻き込む程の規模で――
>>417
「もうすぐ、イメルが行くかもしれないよ。だからきっちりと巻き込んでね。」
あとはどうにでもできそうだ。
魔眼がバレたところでどうという問題は無い。
- 420 :じんうけ!/GM 【4ターン目】:2010/07/17(土) 23:19:54 ID:ZOM.z7ps0
- >>417(小夜・リル)
「あーのーひあーのーときーあーのばーしょーで」
「きーみーにあーえーなかーあったらー……じゃなくて!!」
謎のロマンス(ヒーローじゃない方の)が芽生えかけて朽ちる。
「ちょっと何してるんですか小夜ちゃ……って落ちてるゥーッ!?」
「ハッハー飛行能力なんかねえよ! バーカおぶぅ!」
そして始まるショートコント。散々である。
小夜と呼ばれた少女が地面に叩きつけられるように背中から着地した。
>>418>>419(イメル・鏡子)
「あ、この前の痴女――ッ!?」
ようやく回復した目を擦り、虎姫を見て声を上げると同時。
アイリスの、風魔法がイメルに叩きつけられる。
吹っ飛ばされた彼女をばしりと受け止めたのは、王冠を被ったままの白衣の女だった。
「あーっ畜生、樒連れてくりゃよかった、わ!」
白衣の内側から取り出したのは、三本の試験官。
それを地面に叩きつけて割ると、中から飛び出したのは――蠅。
一本につき二匹、合計六匹の蠅は、耳障りな羽音と独特の軌跡を伴って、虎姫とアイリスに迫る。
速度は普通の蠅の飛行するそれと同じ、決して速いとは言い難い。
- 421 :銀髪の女性 ◆X7kkkkkkkk:2010/07/17(土) 23:28:15 ID:PMt0ERXQ0
- >>419>>420
「イメル?だれだよそれ!!」
フェンリルさんを抱えたまま着地、同時に、やはり抱えたまま駆け出した。
大きく一歩を跳び、その勢いがなくなると一歩を継ぎ足す、まるで飛び石を跳んでいくような駆け方。
天麩羅は――――もう、後でいい。
「おい、大丈夫か?」
フェンリルさんに話しかけながらも、小夜さん目掛けて走る。
- 422 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/07/17(土) 23:31:27 ID:hjH4KKUc0
- >>420
誰が痴女じゃ! 暑いから脱ごうとしただけでしょうが!!
【怒りながらばっとコートをはだける。あんまり暑いからかTシャツじゃなく黒のタンクトップ】
さーそこの白衣どきな! 僕は! その狼っ子と斬り合いたい!
【ルールも把握していない、さながら暴走列車である】
【ハエがくねくね軌道を変えて飛来してくるが、涼し気な顔で柄に手を添え】
ふんっ! せいっ、はァッ!!
シィンッ!! シィンッ!! シィンッ!!
【煌めかない黒い刃が目にも止まらぬ速さで地面を走る度に、彼女も次々軌道を変えてハエを撹乱する】
【一瞬の内に抜刀し、地面に刺して、峰で自分の体を『漕いで』加速・方向転換しているのだ】
- 423 :アイリス:2010/07/17(土) 23:38:09 ID:.5XiCeT60
- JASRA○の方から来ました。
>>420
「キョウコ、君も参戦でいいのかな?」
アイリスはきっちりと巻き込まれた。
そして、独特の羽音が発する位置と魔眼を通して視る。
先程と比べ増えたのは少数だ。
自分に向かってくるのも数匹確認できる。
順手に持った短剣を逆手に持ち替え、鏡子を見つめる。
>>421
「苦戦しているようだね。」
だが、手伝えるほど自分は手練ではないことを自覚しているアイリスは、せめて状況を把握しようと…。
>>422
「彼女は僕と刃を交えていたんだ。続きをしたいものでね。」
笑みを浮かべたまま、虎姫を見つめて。
- 424 :じんうけ!/GM 【5ターン目】:2010/07/17(土) 23:43:41 ID:ZOM.z7ps0
- >>421(小夜・リル)
「わ、わたしは大丈夫ですけど……あの、わたし一応敵であって……」
「いった、いたたたたたたた……」
少女は背中をさすりながらも、しっかりと扇子を握って立ち上がる。
リルは氷の武装がすっかり解かれていて、臨戦できなかった。だめじゃん。
>>422(鏡子)
「ルール把握してねェーッ!!!」
白衣の女は王冠を抑えながら絶叫。どうしようこれ。
そして、自分のあてが外れたことに後悔していた。
ああいう笑みを浮かべる系統の人間なら、まず「蠅を斬り伏せる」行動を取るんだろうと読んでいた。
むしろそうしてくれないと「攻撃にならない」。完全に、読み違えた。
ち、と舌打ちしながら後ろへ一・二歩バックステップ。その間に、新たな管を取り出した。
>>423(鏡子・イメル)
こ、来ないでください!
「しょーがないでしょこの子がヘタレたんだから……起きろ!」
「……んあぁ?」
ぺちぺちと頬を叩けば、ようやく起き上がる。
頭を振り振り、鏡子を見る。
「ああもう、どうでもいいから! あの飛ばした蠅、アレをあんたの雷で撃ち落としなさい!」
「えー? どういうことd……はいやらせていただきます」
有無を言わせぬ鏡子の瞳に怖気ついたイメルは、立ち上がって刀を軽く振る。
小さな雷球が六、蠅と同じ数のそれが、虎姫やアイリスではなく「鏡子が飛ばした蠅」に向かって放たれる。
何かの策略であることは間違いないだろう。
- 425 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/07/17(土) 23:55:05 ID:hjH4KKUc0
- >>423
あにー? 僕だってねぇ、……
【後ろからの声に振り向き不満げな声を漏らすが、話し合ってる暇はない】
【歯ぎしりしながらガシガシ頭を掻き】
あーんもー分かったよぉ! 別の誰かとやりゃいーんでしょ別の誰かと!!
【嘆きながらも爆速で白衣のほうへ向かっている】
>>424
ルール? 把握してるよしっかりと!
【ぎらり。それだけで武器と同じ、危険な雰囲気を放つ犬歯を剥き】
王冠被った大将首、ブッ斬り落とせばウチの勝ち!
ベルゼブブ
大概そんなもんでしょ『蝿の王様』!?
【抜刀術の加速を中断し、走りながらコートから両腕を抜き】
【肩にひっかけた状態で鏡子に飛びかかるように、高くジャンプした】
- 426 :銀髪の女性 ◆X7kkkkkkkk:2010/07/18(日) 00:02:18 ID:PMt0ERXQ0
- >>424
「敵だってのに、なんでするかってか?決まってんだろ」
小夜さんとの距離を2mほど空けて彼女は止まった。
緑色の瞳で、じぃと小夜さんを見て、軽く笑う。
「やられたことやり返さねーと気がすまねーんだよ。
意表を突かれたら意表を突き返すって具合に、」
抱えたままのフェンリルさんを、あらん限りの力を振り絞り。
無論即行で重力魔法による補助も展開し、文字通り全力で。
しかし、なるべく死なないように加減に気を使いつつ、小夜さんに向かってフェンリルさんを投じた。
「でもなあ!!!流石に大丈夫じゃなかった気ぃ悪いから聞いたんだよ!!!!!!」
- 427 :銀髪の女性 ◆X7kkkkkkkk:2010/07/18(日) 00:05:03 ID:PMt0ERXQ0
- 途中投下…………
>>426続き。
どこが当たるかなんて考えてない。
兎に角、きっちりかっちり『やられたことはやり返す』。
――――目標見失ってるけどな。
自嘲めいた自覚は一応しているけれど。
自分で止める気は、更々なかった。
>>423
人を抱えて走った挙句、その人を投げつける辺り、猪突猛進。
もう既に彼女の眼にはやりたいことしか映ってないみたいで、
多分、いろいろと無茶苦茶だった。
- 428 :アイリス:2010/07/18(日) 00:06:42 ID:.5XiCeT60
- >>424
アイリスは二人のやり取りから、“雷の網”を連想させた。
「(我が血脈に連なる聖霊よ――)」
僅かに動く唇。
そして、指を鳴らすと同時、アイリスはその場から跳んだ。
ハエより高い位置だが、一時的なものだ。
「なら、僕に勝ったら好きなものをプレゼントしようかな。」
再び、イメルに目を向けると笑みを零す。
「さあ、仕切りなおしだよ。」
>>425
「助かるよ。彼女は僕の相手だからね。」
中空から、声をかけながら、鏡子に向かう様を一瞥。
>>427
どう見ても若手芸人の無茶です。本当に(ry
- 429 :じんうけ!/GM 【6ターン目】:2010/07/18(日) 00:15:33 ID:ZOM.z7ps0
- >>425(鏡子)
「まあ、それに近いけども――」
あれこいつ賞品とかそういうの目当てじゃないんだ? まあいいけど。
そう思いながらも、管を割る。中から出てくるのは、
「――残念だけど、あたしは蠅しか扱えないような低級では、ない!」
銀色の光沢を持った、中型の蟷螂。
それが鎌を振れば、きぃんと硬質な音がして、虎姫に向かって斬撃が「飛ぶ」。
>>426(小夜・リル)
「ワァー裏切られたァー!! いい人だと思ったのにぃー!!」
「ワァー飛んできたァー!? ちょっ呑むの間に合わな、」
ごづん。
頭と頭がコンニチワ、少女二人は仲好く昏倒。
その向こうで王冠を被った女が頭を抱えて大きく溜息を落とした。
>>428(鏡子・イメル)
《一点集束》
白衣の女が、ぼそりと口を動かした。
人間の使うそれではない、「蟲」の言語。それが放たれると、蠅が一点に集まった。
地点はちょうど跳び上がったアイリスの、真下あたり。
《轟け吹き荒れろ、》
イメルが放った雷球が、集束した蠅に当たる、
《神風》
それと同時。
蠅の身体が破裂――――爆発が巻き起こる。
吹き荒れる爆風に、王冠が飛ばされた。
「その言葉、確かに聞いたわよ――イメル! 走れ! 王冠をキャッチしろ!」
なおも続く爆風に抗うように足で踏ん張って、イメルに命令。
イメルはそれに忠実に、飛ばされた王冠に向かって走る。
- 430 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/07/18(日) 00:25:40 ID:hjH4KKUc0
- >>429
うわっ待ったタンマタンマ、空中じゃよけらんッ
【慌てて身を縮こまらせて体をコートで覆うが】
ズパンッ
【黒服は横一文字に真っ二つ。納刀された鞘が回転しながら鏡子に向かって飛び】
【鏡子に届くことなく、手前に落ちて、一度だけ跳ねて、終わり】
【その間約三秒】
【蝿の爆風で市街地に埃が舞い散り、切り裂かれた姿も覆い隠してしまう】
- 431 :銀髪の女性 ◆X7kkkkkkkk:2010/07/18(日) 00:32:11 ID:PMt0ERXQ0
- >>429
「よっしゃあ!!!勝ったッ!!!!」
劇画タッチの彼女がガッツポーズでコマを占拠すること数秒。
さて、次ぎだ、と口に出して呟き達成感を帳消し。
天麩羅は落としたままだけれど、気にしない。
遊びなんだ。
なら、前の教訓を生かして拳を使おう、と。
「…………へー……?」
そして、彼女は宙に舞う王冠を見つけた。
ここからだと間に合わない、けれど。
「重力使いがいるところで投げるとか、勇気あんだな、アイツ」
私のこと忘れてやがったか?と軽く思い、ともすればやることは一つ。
「良いとこ取りィ!!!!!!」
ぐっ、と右手で掴み、引き寄せるイメージ。
右手の平を向け、魔術を発動。重力を操り、手繰り寄せる。
イメルさんか、別の誰かに先に取られたら、もう無理だけれど。
- 432 :銀髪の女性 ◆X7kkkkkkkk:2010/07/18(日) 00:33:51 ID:PMt0ERXQ0
- あーもう…………!
>>428
ところがどっこい、ちゃっかりと彼女は調子に乗った。
賭けである。それもごく一方的な。
相手はまだ、盤上にもう一人相手がいることすら知らないのに、
自身の魔術の行使が早いか、イメルさんの方が早いか、彼女は賭けを強要した。
- 433 :アイリス:2010/07/18(日) 00:42:39 ID:.5XiCeT60
- >>429
「但し、僕から逃げ切れたらね。」
爆風に巻き込まれたアイリス。
僅か前方に落下するはずであったその体は、たまたまイメルが進む方と同じであった。
――キキッ
数匹のコウモリが飛ぶ虫を啄みにきた。
彼らは木と木を往復しながら、餌の虫が来るのを待っている。
「(この身に宿し魔脈より太古の契約に基づき、我に力を与え給え――)」
再び、短剣を触媒に魔法を行使。
準備は――整った。
後は……
「追って…いるね。」
ちらりと見えた、イメルの進行速度から予測を立て、イメルに向け短剣を投擲した。
>>432
分の悪い賭けは嫌いでは無い。アイリスのものは投擲して地面に刺さった時点で発動するものだ。
圧倒的な分の悪さ。
知ってか知らずか、自ずとアイリスは賭けの舞台に乗っていた。
丁か半か、、、、
引き寄せが勝つか――自らの行使が勝つか――
アイリスは、着地と同時に王冠に向け駆ける意志を決めていた。
- 434 :じんうけ!/GM 【7ターン目】:2010/07/18(日) 00:45:24 ID:ZOM.z7ps0
- >>430(鏡子・イメル)
見れば、爆風は蟷螂もろとも周囲の物体を吹き飛ばしている。
強烈な風の中、抗うことなく吹き飛ばされる王冠、それを追いかけるイメルの姿。見えるだろうか。
白衣の女は風に抗うのに精いっぱい、狼女は背を向けている。
無防備。その三文字のみ。
>>431(イメル・小夜)
「あっ、あっ!?」
重力によってぐいっと引っ張られる王冠。
イメルの目指す地点から、大きく逸れた。
――が。
「……見せ場無しのままギャグ要因として終わってたまるか、っつーのよ!」
ふーこの足元から、黒い何かが伸びる。
それはフェンリルの下敷きになった小夜が操った影。伸びたそれは、ふーこの集中を乱そうと。
手の形を作り出して、擽ろうと蠢き近づいた。
>>433(イメル)
「――――ッ!!」
あ、ともう、とも付かぬ呻き声。
走るイメルの右の太腿に、短剣が突き刺さった。
ぐらりと前につんのめって……それでも踏み止まって走る。
しかしそれは、相当なロスになった。
- 435 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/07/18(日) 00:59:59 ID:hjH4KKUc0
- >>434
【三秒】
【見えるだろうか、灰色の市街地に色濃い黒、そしてその影に隠れた白が】
【見えるだろうか、飛来し近づいてくる危険な武器と、それに隠れ落ちた使い手が】
【見えるだろうか、彼女はそれ単体で走ったところでけして速くない。しかし彼女は速い】
【虎姫の黒は『影』の黒。気を惹き、その隙にぴたりと着く。彼女は『比較されて』初めて速いのだ】
【吹き飛ぶ王冠と】
【どちらが『速い』だろう】
ふんにゃあああああああああ!!!
【肩だけにかけたコートを脱ぎ捨てるのは早かった。くるまるように見せかけて白い肌を隠し】
【コートと重量ある刀を投げる反動で地面に落ちた】
【全力疾走、鏡子の前まで駆けて刀の鞘を足で蹴り上げてキャッチ】
シィンッシィンッシィンッシィンッシィンッ!!!!!
【吹きすさぶ嵐の中、僅かな鞘鳴りの音が連続した】
【地面を裂き、ビルの壁を切り裂き、黒い疾風が三次元を跳ね回る。爆風を貫く】
【そして王冠に――手を伸ばす】
- 436 :銀髪の女性 ◆X7kkkkkkkk:2010/07/18(日) 01:10:52 ID:PMt0ERXQ0
- >>434
「その根性は嫌いじゃねーけど、あめえな、お前」
蠢きにわずか、体が飲まれる。
くすぐったいと感じながらも、彼女は視線をずらさなかった。
「擽っても私の加減が狂うだけだっての。こちとら何年間これの練習してきたと思ってんだよバカが。
んな簡単に違えるようじゃ、まだまだだわ」
振り返って彼女は言う。
右手を下ろし、まあいいや、と零して重力を消す。
「どうせやるなら最初飛ばしてきた刀で私の腕落とした方がよかったな。
そっちのが確実だし、いてえ」
時計をちら、と見て微笑む。
ラスト直前に波乱を呼べたかな、と自問し、軽く満足を得た。
「…………わりい。上から目線で物言うの癖になってんな。なおさねえと。
んじゃ、お仲間によろしく言っといてくれ」
小夜さんに言い、そして彼女は姿を消す
>>433
しかし、彼女はそこで姿を消す。
急にイデアからログアウトしたのか、完全に姿が消えてしまった。
中:ねむけがががが…………!
途中ですがごめんなさい、個人的に切がいいな、って思えたので、寝落ちしないうちに落ちときます。
楽しかったです。ありがとうございましたー
- 437 :アイリス:2010/07/18(日) 01:15:49 ID:.5XiCeT60
- >>434
だが、それは地面なり人体なりに“刺さって”からが本番なのだ。
「ブラックアイス」
短剣から魔力が発せられ、魔法が成立した。
イメルの周囲に広がるのは凍てつくような冷気。
本来なら、地面を伝った冷気が氷を作り出し、一瞬のうちに氷像と為す魔法。
だがアイリスのレベルではイメルの足を凍らせるのが限界だろう。
「(―今が勝機…だろうね。)」
そして、アイリスは王冠に向け――駆けた。
>>436
知らずに賭けから降りた彼女。
その理由を知るはずも無く。
その後を知るはず無く、アイリスは王冠へ向け駆けていた。
普段のグータラっぷりからは想像出来ない早さであり、現在出力出来る速度だ。
その速度は、ヒュン――と音が鳴るほどで。
- 438 :【最終ターン】:2010/07/18(日) 01:20:30 ID:QYyPcDfoO
- ち、ち、ち、
時計の赤い針は、もうすぐ一周。
>>435>>436
虎姫の手が、王冠に伸ばされて。
同時にふーこが操る重力が消える。伴って、ぐらりと不自然に王冠が揺れた。
>>437
今度こそ、イメルはぐっと明確に呻く。
凍り付いた脚は上手く動かなくて、伸ばしかけた手が無意識に引っ込んだ。
王冠に手をかけるのは、虎姫か、アイリスか。
【ダイスロール】
【末尾が0から4ならば虎姫、5から9ならばアイリスに】
【王冠が、受けとめられる】
- 439 :アイリス:2010/07/18(日) 01:25:33 ID:.5XiCeT60
- >>438
届かなかった。
だが――アイリスは試合に負けて勝負に勝った。
「残念だ。彼女に負けてしまった。」
イメルの足に刺さった剣は既に抜けて、アイリスの手元に戻っており。
「じゃあ皆。次は皆でデートだね。日取りが決まったら僕に教えてくれると嬉しい。」
ザザッ
――御機嫌よう。――
スカートの端をつまみ、上品に一礼したかと思えば、走るノイズ。
ノイズの後、アイリスは箱庭から姿を消した。
//お疲れ様でした。
- 440 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/07/18(日) 01:31:11 ID:hjH4KKUc0
- >>438
って、お、わっ。
【手を伸ばした瞬間、意思を持ったようにするりと王冠が避けた】
【完全に「取れる!」と思っていたから、勢いを殺せず手をばたばた、よって姿勢も空中で崩して】
ちょっ、っとま、今と、る、うおぉぉわっ!!?
【どかーん!】
【不自然な格好で思いっきり地面に衝突、爆風に起こされた粉塵が衝撃で舞い】
【王冠も虎姫と一緒に落ちたようで、粉塵の中に消えて】
【塵のもやが晴れた時には】
っつーあいてててて……
…あ
……えと、どーもー……。
【起き上がって気まずそうに照れ笑いを浮かべる虎姫】
【頭に王冠をのっけて、なんだか申し訳なさそうに小さく手を振る】
- 441 :じんうけ!:2010/07/18(日) 01:35:50 ID:QYyPcDfoO
- >>439 >>440
「……うわあ……」
「……うん、どーも……」
じんうけにとって最悪のパターン。
虎姫に王冠とられたのはまだしも、アイリスとの勝負にも負けた。
「……はいはい完全敗北敗北! ちくしょうおめでとう!
賞品としてなんかやるから望み言えよコンチクショー!」
白衣の女がやけくそ気味に虎姫を指差した。
脚を押さえて蹲るイメルは、「アイリスに、何されるんだ……?」と言いながら真っ青になっていた。
- 442 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/07/18(日) 01:42:10 ID:hjH4KKUc0
- >>441
おっ勝った。
【勝ったとなれば現金なものである】
ひゃっほーう勝った勝ったー! わーい!
【両手上げてぴょんぴょん跳ね回り】
え? 賞品?
うーーーん……あーー、えーっとォー……
あ、ちょっと人探してほしいかな!! 最近会ってない人多いんだけどさ!
特にね! ちょっとね!
【両手を合わせて本当に嬉しそう】
- 443 :神羽鏡子:2010/07/18(日) 01:46:37 ID:QYyPcDfoO
- >>442
「探し人? はあまあ、いいわよ。
鼻が利くヤツが二人いるし」
ふーこに対する聞くに耐えない暴言を吐き続ける小夜、
伸びたまま動かないフェンリルを抱えたイメルをログアウトさせて、
鏡子は訝しげに虎姫を見た。
- 444 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/07/18(日) 01:53:53 ID:hjH4KKUc0
- >>443
おっ、初代王様。
これ返すね、ほい。
【頭の冠を鏡子の頭に乗っけて「似合うな…」とか言って】
んで……特徴は……
んーえーっとね、背ぇはあんまり高いって印象もないし低い印象も無くて
なんか四六時中ナヨナヨしてる線の細い、あ、でも男ね。
コンビニのおでんパシらされてたからどっかの家のお手伝いさんかな。
あと病院に入院してたのも見たから、体壊したりしたのかな……。
まっ、生きてるか死んでるか分かったら、教えてよ。頼むね。
【一息に並べ立てて笑っているが……。】
- 445 :神羽鏡子:2010/07/18(日) 01:59:55 ID:QYyPcDfoO
- >>444
「……、…………ッ」
王冠を頭に乗せたまま、息を呑んで凍り付く。
茶色の瞳が見開かれて、ふるりと小さく震えた。
脳裏に浮かぶのは、あいつと全くおなじつくりをした身体を持った全くべつのイキモノ。
歪みから脱出するときにちらりと見た、忌々しいアレ。
「――ああ、その子なら、知ってる、よ?」
ややあって、多少強張った唇から言葉を洩らす。
「とおく。とても遠いところ、に、旅に、出た、んだよ」
表情は、ぎこちない笑みだった。
- 446 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/07/18(日) 02:05:35 ID:hjH4KKUc0
- >>445
【笑顔のまま】
……
『よくわからないところまで』?
『旅を楽しんでるだろう』?
【笑顔のまま】
大体分かったよ、あーーあ大体分かっちまった。
あの狼女の言ってることとオマエおんなじ事言いやがる。
【笑顔が――冷たく平べったい無表情に変わる】
『死んだ』んだな?
- 447 :神羽鏡子:2010/07/18(日) 02:12:29 ID:QYyPcDfoO
- >>446
「…………嘘が下手くそなの、マジでどうにかしたいわ」
嘲笑。
情けない自分に向けた。
先に帰してよかった、とそこだけ安心した。
「もう、嘘ついたって意味ないか。
その通り。死んじゃった、よ。いとも簡単に。
遺体がないから正式な墓は作ってやれなかったけど」
なんでここまで簡単に言えるようになったんだろう。
慣れてしまったのか。いやはや。
「空は、死んだ。よ」
まっすぐに、虎姫を見た。
- 448 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/07/18(日) 02:16:08 ID:hjH4KKUc0
- >>447
……そっかい。
不謹慎だけど安心した。んで。
空殺したの、僕だわ。
【こめかみを引っ掻きつつ、事も無げに言い放つ】
- 449 :神羽鏡子:2010/07/18(日) 02:18:35 ID:QYyPcDfoO
- >>448
「……は?」
殴られるんだろうな、と思って歯を食い縛っていたらこれだ。
何が起きた? と問い掛ける目はぱちぱちと二回瞬きした。
「……なに、言ってんの」
- 450 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/07/18(日) 02:24:35 ID:hjH4KKUc0
- >>449
正確には『死ににいかせた』っていうかな……。
入ってきた依頼を空ちゃんに喋った。空ちゃんと関係のある子がピンチだとも言った。
当日来たのが病み上がりで、依頼も危険だってのは分かってたけど行かせた。
……悪い。
【それだけ言って、あっさり、人死にがどうのという話にしてはあんまり呆気無く、頭を下げる】
- 451 :神羽鏡子:2010/07/18(日) 02:29:11 ID:QYyPcDfoO
- >>450
「……それに関しては、共犯だよ。あたしも。
あいつの手錠の鍵を外したのは、あたしだ」
口を閉じて、また開く。
「……手錠を外してくれ、って懇願したのは。空。だったよ」
今でも脳裏に焼き付いて離れない、「外してくれないなら舌を噛む」と宣言する彼の姿。
なんであの時、自分は鍵を持っていたんだろう。
「でも。空を殺した。のは、あたし、だね」
涙が出ないのは、きっと出し尽くしたからだろう。
- 452 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/07/18(日) 02:40:33 ID:hjH4KKUc0
- >>451
……僕のお願いも叶え終わったみたいだし、もう帰るね。
【虎姫は――悲しくなかった】
【人にいくら干渉しても、彼女は全く真に感情を動かすことは無かった】
【鏡子も涙は流さない。でも、違うのだ。そういう表面上のこととは全く。】
【すれ違うように鏡子の隣をすり抜けようとして、ぴたと立ち止まり】
ごめん。だから、泣かないで。
【鏡子は泣いているのだろう。おそらくは、心の中で。】
【心にもない慰めを囁いて、虎姫は去っていった】
- 453 :神羽鏡子:2010/07/18(日) 02:44:23 ID:QYyPcDfoO
- >>452
「……泣いてないのに。へんなの」
立ち尽くしたまま、なにもない地点をぼうっと見て。
流れない涙の訳を考えて、そしてやっぱり先に帰してよかったとそう思って、
彼女は、ずいぶんと長いこと、戦場のあとに立ち尽くしていた。
- 454 :セシベル・S・コープス ◆JBbLACK.JY:2010/07/19(月) 20:20:27 ID:/s9fSkXA0
- そうだな、今日は……
『人を愛したい』気分だ。
ハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!!
【全身から湧き上がる愉悦に身を任せ笑い始める男】
【袖が長く体を覆う布は胸までしか無いコート、ギリギリ腰履きの、でも裾はそれでピッタリなジーンズ】
【シャツは着ていないしパンツもどうだか、色々と危ない格好をした青年だ】
さぁ! 俺の愛する、まだ見ぬ恋人よ。待っていてくれたまえハーーーーハッハッハ!!
【周囲に人はゼロ。おそらく始めに見つかった人が彼の被害者になるだろう】
【流麗な金髪を一度だけ振り、手で梳いてから歩き始めた】
- 455 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/19(月) 21:00:12 ID:WVrfsEdY0
- 「うーおなかいっぱいなの」
【お口をもぐもぐさせながら包帯を巻いた少女が歩いている】
「もぐもぐ」
【その顔はどこか幸せそうだが】
- 456 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/19(月) 22:05:11 ID:WVrfsEdY0
- //絡みに行ってるように見えない…気がする
>>455
「う〜?なんだろあのひとなの」
【しばらくしてモグモグをやめた少女は】
「?」
【目の前の少しうるさくしている男に向けて首をかしげた】
- 457 :セシベル・S・コープス ◆JBbLACK.JY:2010/07/19(月) 22:36:54 ID:/s9fSkXA0
- >>456
むん!?
【ぐるりと首を180度回してディスを補足するや、体ごと向き直り】
これはこれは、陽を模してしかし日輪さえ陰る向日葵のような少女!
今日この日に君のような子に会うとは奇遇も奇遇そして運命!
【前髪を払いのけて白い歯を零す。金糸のような長髪が風になびいた】
名も知らないお嬢ちゃん! 俺と一緒に愛と欲望の渦へ飛び込もうじゃないかァー!
【大きく腕を広げて抱きしめようとする。相対する者としてはけっこうな怖さがあるかも。かも】
- 458 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/19(月) 22:39:11 ID:WVrfsEdY0
- >>457
「あうあう?えっと、なにかな、の?!」
【ディスは尋ねる間もなく、抱きしめてくるセシベルを見て】
「う〜…まずわ、こんば、んわなの」
【若干後ろに下がりつつ頭を軽く下げる】
- 459 :セシベル・S・コープス ◆JBbLACK.JY:2010/07/19(月) 22:46:26 ID:/s9fSkXA0
- >>458
む……?
【後ろに下がった相手を見て、訝しげに顔を歪めて】
ああ! まずは自己紹介ということだな!
【手のひらにぽんと拳骨を降ろす。それから自分の胸に手を当てて、気後れなく】
こんばんは。俺の名前はセシベル。フルネームはセシベル・S・コープス。
歳と職業、趣味、特技、取得資格予定は伏せておこう。俺はミステリアスを好む。
さっ、君の自己紹介は私の腕の中で聞こうじゃないか。
なぁにベッドの中がいい? フフフそれでも構わないさだけどその時には君が満足に
言葉をつむげるような状態ではないかもしれん何故なら俺も男だからさハーッハッハetcetc...
【両指をワキワキ蠢かして、腰だめに構えた男はジリジリとディスににじり寄る】
- 460 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/19(月) 22:49:31 ID:WVrfsEdY0
- >>459
「あうー。えっと『せしべる』だねなの〜。
あうあう!こっちもじこしょーかいするなの〜!」
【若干身の危険でも感じてるのか。塀の上に飛び乗って自己紹介を始めた】
「こっちのおなまえは『でぃす』なの〜!」
【まあ名前を言うだけなのだが】
- 461 :セシベル・S・コープス ◆JBbLACK.JY:2010/07/19(月) 22:55:51 ID:/s9fSkXA0
- >>460
ふっ。
【さっきまでディスのいた所に手を伸ばす。外したと分かるや、また構え直した】
【伸ばす腕や掴む速さは凡人レベル。格闘の距離で戦う人なら難なく躱せるだろう】
ンフフフフフ……やるじゃないか。
よーし分かった、ディス、ディスだな。フフフ良い名前だ……どれくらい良いかと言うならば――
おっと、これは下ネタだ。
【口を押さえて】
- 462 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/19(月) 23:01:26 ID:WVrfsEdY0
- >>461
「あう〜?えっと、いいなまえなのはわかったけど…」
【ディスはまた手を伸ばされるのを見て】
「あう〜。なんだかびっくりなの。
はじめてあったのにこんなによってくるなんてなの」
【再び後ろに素早く下がってかわすのを試みる】
- 463 :セシベル・S・コープス ◆JBbLACK.JY:2010/07/19(月) 23:05:03 ID:/s9fSkXA0
- >>462
フフフ……今日の俺は『誰かれ構わず愛したい気分』。
モチロンのこと劣情も含まれている! ンフフハハハハハハ!!
【やっぱり腕は外れるが、構わず笑い始めた】
というわけで、ディス。おとなしくコチラへカマーン!
【両手をぱんぱん叩き合わせてにっこり笑う】
- 464 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/19(月) 23:08:37 ID:WVrfsEdY0
- >>463
「あうあう、えっと…きゅうにはびっくりするなの」
【セシベルテンションの高さに少し困った顔になっている】
「う〜、あたまなでるだけならいいけどなの〜」
【やや離れた場所で言う】
- 465 :セシベル・S・コープス ◆JBbLACK.JY:2010/07/19(月) 23:16:00 ID:/s9fSkXA0
- >>464
【微笑みながら、遠くを見るように目を細めて】
仕方ないのさ、恋は突然……そして愛は必然。
【三秒はかけてゆっくり瞼を閉じると、次の瞬間カッと目を見開き】
人は! 恋せずには!! ッ生きていけないのだ!!!
【握りこぶしを震わせて絶叫。後ろに書き文字「ばーん」だの書いておけば似合います】
というわけでさぁ、おいで。
頭だけで我慢できるワケないだろう俺のような変態は頭の上から足の先まで!
【飛び掛ってくるワケではないが、らんらんと輝く瞳は輝いてるくせにメチャクチャ濁っている】
- 466 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/19(月) 23:19:25 ID:WVrfsEdY0
- >>465
「うう〜。こいってなんなのかなの…
よくわからないなの。なんだかいろんなこと…いっててなの」
【頭から湯気を激しく噴き出している。知恵熱の再来である】
「えっと…それはなの…
ちょ、ちょっとまってなの…だんだんよくわからなくなって…なの」
【頭を抱えて片方の手を前に出して言った】
- 467 :セシベル・S・コープス ◆JBbLACK.JY:2010/07/19(月) 23:28:34 ID:/s9fSkXA0
- >>466
? 体調でも悪いのか?
それはいけないな、さぁ俺の膝の上にくるといい。
【地べたに座って膝を叩く】
- 468 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/19(月) 23:31:08 ID:WVrfsEdY0
- >>467
「う〜…ひさしぶりにわからないことだらけだったからなの」
【ふー、とため息をついて膝を折る】
「えっと、だいじょぶなの〜。しばらくいろいろかんがえられなくなるけどなの」
【慌てて両手を振って言う。と言っても大丈夫には見えないが】
- 469 :セシベル・S・コープス ◆JBbLACK.JY:2010/07/19(月) 23:37:52 ID:/s9fSkXA0
- >>468
そうはいかない。
俺は愛することを欲している。よって君に、例え押し付ける形であろうと!
俺が飽きるまでは君を愛するべきなのだ!
【ディスの言葉を半ばで遮って、ディスの襟に手を伸ばす。掴んで引き寄せる気だ】
- 470 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/19(月) 23:39:25 ID:WVrfsEdY0
- >>469
「えっと!?あう〜!」
【ディスはどうにか立ち去ろうと立ち上がるが】
「う〜…あたまがくらくらするの」
【その場に頭を抱えてしまう。掴まれはするだろう】
- 471 :セシベル・S・コープス ◆JBbLACK.JY:2010/07/19(月) 23:47:35 ID:/s9fSkXA0
- >>470
むっ……
【捕まえはするが、無理に引き寄せるのをやめてこちらから歩み寄り】
暑い時期は熱中症の危険もある。『くらくら』が終わるまで座ってたほうがいい。
この近くに自販機はあったか……。
【周囲を見回しながらディスの額に手を当てる】
- 472 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/19(月) 23:50:15 ID:WVrfsEdY0
- >>471
「あう〜。そいえばきょうはあつあつなの」
【少しだけ警戒心が薄まったらしく。僅かに顔を上げる】
「あう〜…ありがとなの…
しんせつなの〜」
【手を当ててみると少し熱があるように感じるかもしれない】
- 473 :セシベル・S・コープス ◆JBbLACK.JY:2010/07/20(火) 00:00:51 ID:/s9fSkXA0
- >>472
君がフラフラしていたら俺のパーフェクトな愛の告白を聞き逃すかもしれないだろう?
それだけだよ、それだけ。
【額をぺしぺし軽く叩いて腕を解き、どこかへ走り去る】
【ちょっとしてから】
ハァ……ハァ……さぁ、買ってきたぞ。
受け取るがいい。なぁに気にするな君の笑顔に比べればこんなものは二束三文の価値も無い……
【缶ジュース(りんご)を二本持って帰ってきて、ディスに差し出す】
【青年はというと汗ダラッダラ、こっちのほうがフラフラしているくらいで。】
ふ、フフフ……二本買わなきゃ死んでいたカナ?
【もう一本の方を開けて……】
あ。
【手から缶が逃げ出した。跳ねて転がって、中身が地面に吸い込まれる】
- 474 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/20(火) 00:03:21 ID:WVrfsEdY0
- >>473
「あう〜。こくはく…ってなんなのかなの」
【片目を軽く閉じてセシベルを見送る】
【しばらくして】
「あうあう、だいじょぶなの?
えっと、どこにあったかなの」
【喜んでジュースを受け取るが】
「あ、おちたなの!」
【ディスは包帯を勢いよく伸ばして落ちたジュースをゲットしようとしてる】
- 475 :セシベル・S・コープス ◆JBbLACK.JY:2010/07/20(火) 00:07:38 ID:/s9fSkXA0
- >>474
近くに自販機がね……ハハ。
【その『近くの自販機』には今しがた出来たばかりな銃撃の横穴がでかでかと空いてます】
お、おぉ……助かった。
【中身は若干零れたけど、まだ入っている】
- 476 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/20(火) 00:11:49 ID:WVrfsEdY0
- >>475
「そっかなの!ちかくにあったの!
…あう〜?」
【不思議そうに自販機を見る】
「もしかしてこわれてたのかなの」
【じーっと自販機の穴を見つめている】
「あう〜よかったなの。
はい、どーぞなの」
【缶を包帯に巻きつけてセシベルにゆっくりと持って行った】
しゅるしゅるしゅる
- 477 :セシベル・S・コープス ◆JBbLACK.JY:2010/07/20(火) 00:18:10 ID:/s9fSkXA0
- >>476
フッフ、まぁ気にすることじゃない……。
おっとありがとう。
【包帯からジュースを受け取って一気飲み】
ふぅ…………、ん?
はて、何をしようとしていたのか……フラフラしてたら忘れてしまった。
今は――うん、そうだな、今は『魚を食べたい気分』だ。
【そういうと缶を無造作に投げ捨て、ディスを見る目も普通の青年の目に戻って】
ではさらばだ、少女。
俺はこれから魚屋に用がある!
【そういって青年はばたばたと忙しなくどこかへ走り去っていった】
/からみおつおつー
- 478 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/20(火) 00:22:18 ID:WVrfsEdY0
- >>477
「あう〜。ありがとなの」
【ディスも微笑んでジュースをごくごくと飲み始めた】
「あう〜?おさかなたべたいなの?
あう〜」
【先ほどとの変化にかなり戸惑っている】
「えっと、あう〜!さよならなの〜!」
【少し戸惑いながらも手を振って見送った】
「……うーん、きゅうにどうしたのかなの〜」
【首をかしげながらまたジュースをごくごくと飲んで、その場を歩いて行った】
//こちらこそおつおつお
- 479 :フェンリル:2010/07/23(金) 21:58:52 ID:ZOM.z7ps0
- 誰もいない夜の墓地、夏の夜風は生温い。
名前のない四つの墓標を見て、首を傾げた。
「……やっぱり、……ですねえ」
- 480 :イザヤ:2010/07/23(金) 22:56:49 ID:4IyEzrhU0
- 異能都市の隅、ひっそりとそこに森はある。
千夜ビルを都市の中心とするなら、その対極。
家々は少し小さく、また古びており、車の通りも少ないような。
そんな区画と小さな草原を挟んで隣り合い、そこに森はあった。
森から男が一人出てくる。
草原に寝転がり、のんきに月を見始めた。
- 481 :八剣絵名/女子高生:2010/07/23(金) 23:04:03 ID:h6Ifgnbg0
- さく、と軽い音。
草が押しつぶされて、
「……あれ?」
ブレザータイプの千夜学園制服を纏う鬼っ子一人。
橙の瞳が辺りを見回して、
「…………草原?」
戸惑うような振舞。
恐らく気付かぬうちに歪みに巻き込まれたのだろう。
- 482 :イザヤ:2010/07/23(金) 23:13:06 ID:4IyEzrhU0
- >>481
「おンやァ、こンな時間に人たァ珍し…」
言いかけて。
「いや、人じゃァねェやな、お仲間かィ」
ニヤリと笑って上体を起こす。黒装束の上の黒髪が揺れ、
微々たる妖気が漏れてくる。
- 483 :八剣絵名/女子高生:2010/07/23(金) 23:18:32 ID:h6Ifgnbg0
- >>482
……ぬ。
イザヤの妖気に背筋が撫でられるような感覚を覚えて、
「確かに人、ではありませんが……」
相手は何なんでしょうか。
角は生えてないみたいですし、ああでも黒髪ってことは和製…いやいや何を考えているんだボクは。
「……ええと、今晩は?」
- 484 :イザヤ:2010/07/23(金) 23:28:26 ID:4IyEzrhU0
- >>483
ざぁ、と妖気が更に拡大した。
「……あァ、解ッた、あンた鬼だな?良く見たら角があるじゃァねェか。」
他の妖怪は久しぶりさねェ、と呟いて、立ち上がる。
背はそんなに高くないが、どこまでも黒い出で立ち。
装束はどこか山伏装束に似ている。
「こンばンは。…こンななりじゃァ解らねェなァ、どれ」
背中に、細かい銀の靄がかかったかと思うと、そこに銀色の翼が現れた。
「烏天狗。…知ッてるか?…現代ッ子共は知らねェ可能性もあるからなァ…」
- 485 :八剣絵名/女子高生:2010/07/23(金) 23:38:17 ID:h6Ifgnbg0
- >>484
ひ、と息をつめた。
分類としては妖怪のくせに、妖気に慣れていないようで。
「……ええと」
……どうしましょう…。
素直に思ったことが一つある。
それは、
「あんまりにも黒づくめなので…黒の組織の方かと…」
アポトキシン的な。
「烏天狗は勿論知ってますよう。小さい頃、何度か実家の山で御見かけしました」
- 486 :イザヤ:2010/07/23(金) 23:44:59 ID:4IyEzrhU0
- >>485
「ありゃァ、嬢ちゃンは妖気は駄目かィ、ッかしィな、別に
敵意なンざねェンだが。慣れてねェ、のかねェ」
ざわざわと妖気が引いていく。
「黒の組織…?なンか解らねェが、烏天狗は黒装束が一般なのさァ。
それに俺もこッちが落ち着かァな。」
「あンたはあンたで、妖怪らしくねェ格好だなァ。学校かィ?」
「そうかィそうかィ、そりゃァ話が早ェやな。俺ァイザヤ、烏天狗のイザヤだ。
本来なら翼があるンだが、ちょィと無くしちまッてねェ。これで代用さねェ」
翼の一部が欠けて、銀の粉が舞う。
――いや、それは銀の烏。小さな烏が寄り集まり、見えやすいサイズの烏となって、イザヤの手首に止まった。
- 487 :八剣絵名/女子高生:2010/07/23(金) 23:49:06 ID:h6Ifgnbg0
- >>486
「あ、う、」
何だかよくわかりにくいが、収めてくれたのは分かった。
ので、
「有難うございます…」
多分ケモミミがあったらたれてる。
「あ、ええと、黒の組織ってのは漫画で…こう…ペロッこれは青酸カリみたいなアグレッシブ少年の敵というかってそうじゃないです」
……何を解説してるんですか…!!
きっとまだ混乱しているんだなと判断。
頭をふるりと一度振って、
「はい、学生やってます。
イザヤさんですね、ボクは八剣絵名と申します」
丁寧に一礼。
顔を挙げたその先には銀鳥の姿が!
「……か、」
かわいい……!!という呟きは気のせいじゃない。
だって手伸ばしてるし。
- 488 :イザヤ:2010/07/23(金) 23:58:32 ID:4IyEzrhU0
- >>487
「あァ、あれだ、探偵モノの漫画だな、知ッてるぜィ。酒の名称が名前になッてンだよな、洒落てるねェ」
お前も何故それでわかる。
「学生かィ、俺ももう少し学びたいンだがねェ、中々時間が作れねェ」
ふぅ、とため息をついて。
「あァ、これァ銀烏(シロガネカラス)だ。妖術じゃァねェぜ、魔術さねェ。
良いだろォ」
ざぁ、と掌から巻き起こる銀の小さな竜巻。それは、全て銀烏が舞って作り出している。
月光が当たり、なんとも幻想的な霞が出来ていた。
「まだ妖術や神通力ァ修行中でねェ、人間について調べてたら先に魔術が出来るようになッちまッた」
- 489 :八剣絵名/女子高生:2010/07/24(土) 00:03:27 ID:h6Ifgnbg0
- >>488
「あ、わかります?
ぶっちゃけ創立者は酒豪ですよね。酒マニアでもいいです」
結局あれどうなったんだろうと中の人は本気で心配しています。
「ふわあ」
間抜けな声が零れたが気にしない。
気にならない。
……綺麗なものを前に、他のことを気にせず素直に凄いと、綺麗だと思えるようにありたいですし。
「なんというか、凄いですね…!!実用性もあって、素敵で、とか本当に凄いです…!!」
其れに比べてボクなんて雷落とすくらいしかないですし、と苦笑いを浮かべて。
「魔術だとか妖術だとか神通力だとか、この凄さの前には関係ないですよホント。
…・…あれ、妖怪的には其れだと駄目でしょうか…?あれ?」
- 490 :イザヤ:2010/07/24(土) 00:23:07 ID:4IyEzrhU0
- >>489
「なンでもアガサって酒の名前があるらしくてなァ、黒幕はもしかしてッてェもッぱらの噂らしいじゃねェか。」
だから何故(ry
「いンや、俺ァこれだけなンだよ。これがねェと飛べもしねェし、
まァ粘土遊びみてェなもンさ。コイツで形を作ッて、使うンだ。」
銀烏は飛び回り、思い思いの形を作る。
「綺麗かィ、ありがとなァ。妖気で作りゃァもッと出せるンだが、いかンせンこの地の妖力は小せェンだ」
「雷ィ?十分じゃァねェか。それに見たとこ若ェンだろ、こちとらもうすぐ200だッてのに。」
そのうちたくさん出来るようにならァな、と笑う。
「妖怪なァ…この街は俺達を受け入れてくれるンだが。…
昔は共存出来てたンだがねェ、俺達は今、どういう位置づけなンだろなァ」
少し哀しそうに呟く。
- 491 :八剣絵名/女子高生:2010/07/24(土) 00:31:51 ID:h6Ifgnbg0
- >>490
「でもそれだと道具与えて甘やかしてる意味がわかりませんよねえ。止めてほしいとかそんな甘い話でもあるまいし」
結局あれはry
「ボクも雷しかないですし。そんな情けなくとかないです、一緒ですよ一緒。
寧ろ汎用性が高い分素敵じゃあないですか」
手を伸ばして銀鳥をとらえようとしてみる。
無論潰さないように配慮はしているが。
「えーと、今年で……17…ですかね……。成人式もまだです」
「今は、……そーですねえ」
思考する。
……ええと。
「良き隣人、というか。
ホント、おとなりさんって感じじゃあないですかねえ」
上手くは言えないが、そうではないだろうかと。
「同じマンションに住んでるし、凄く傍に居るけど違う人。
仲が良かったり、仲が悪かったり、はたまた無視し合ったり。……そんな位置に、いるんじゃないですか」
- 492 :イザヤ:2010/07/24(土) 00:41:13 ID:4IyEzrhU0
- >>491
「…壮大な釣りの可能性も無きにしもあらず、…難しい問題さねェ」
絵名の動きに、イザヤが人差し指を銀の霞に向ける。豆粒のような銀烏が寄り集まり、
手乗りサイズの烏となって絵名の指に舞い降りた。
「…そいつら、言ッとくが飯食うからな、自立行動の力が必要らしいンだ。」
「それに、性質は金属だからなァ、潰れやしねェから、遠慮なく遊んでやンな」
「へェ、成人式、かィ。3年後か、楽しみさねェ、さぞ別嬪になッてる事だろうに」
にこにこ笑っている。自身の年齢故、若い同種は嬉しいようで。
「…この街なら、そうなンだがねェ。…未だに妖怪と人間の確執が強い地域もあるのさね。
退魔衆も動き出したみてェだしな、どうなるか、解らねェンだが。
…絵名は、いじめられたり、してねェよな?
俺ァ、人間と妖怪が共に住める世界を目指してンだ。まァ、途方も無い夢だがねェ」
- 493 :八剣絵名/女子高生:2010/07/24(土) 00:56:23 ID:h6Ifgnbg0
- >>492
はわあああああ!とでもついてそうな表情で舞い降りた銀鳥を撫でたり掴んでみたり持ってたクッキーを粉砕して与えてみたり。
楽しそうです。
「やっだそんな別嬪さんだなんて、大して変わりませんよう」
照れ隠しか、空いた手によるツッコミが飛ぶ。
――――――鬼種の力が存分に発揮されたであろう素早い本気ツッコミだが。
「え、あの、その、ボクはですね」
……言えない――!!いじめられるどころか仕返しでブチ撒けて怒られたとか言えない――!!
中学生時代はやんちゃをしたものだ。
しかし今その黒歴史記憶はいらないので放置しておこう。
瞬間的にテンパる頭で答えを考えて、
「……い、いじめられてませんよ!大丈夫、人間の友達一杯います!
おんなのこかわいいです!!」
……あれぇ――――!!!
- 494 :イザヤ:2010/07/24(土) 01:08:57 ID:4IyEzrhU0
- >>493
ついばむ烏達。銀細工のような体だが、その中に餌を入れていく。
「いやいや、年頃の女子の成長ッぷり――!」
過程が見えなかった。突っ込みが炸裂してから、イザヤの体が数メートル後退して地面に激突するまでの。
「……やッぱり、ほンまもンの鬼、さねェ…」
よろりと立ち上がる。
「難儀な体さねェ、力の加減は難しいだろうに。…本場のツッコミ、重かッたぜィ…」
少し困ったような顔になったものの、にこりと笑って。
「まァこンだけ強かッたらいじめられる心配も無いだろォなァ。…女色、かィ?」
最後の言葉に引っかかる。
- 495 :八剣絵名/女子高生:2010/07/24(土) 01:14:00 ID:h6Ifgnbg0
- >>494
かわいいなあかわいいなあ、という心の声が目に見えるようだ。
顔に書いてあるってレベルじゃねーぞ!
「Σう、うわああああ!!だ、大丈夫ですか?!すいません思わず本気で―――!!!」
……やってしもうたぁ――――!!!
脳内の感情を兄の使うような関西弁モドキで補完。
慌ててイザヤに近寄り、ざっと上から下まで眺めて、
「い、いつもはちゃんと加減してるんですけどっ、うわあええとその骨とかイってませんか?!」
女の子がツッコミいれて心配するところがソレというのもどうなのかという話だが異能都市だから仕方ないね。
「違いますよ女の子は純粋に――――可愛いんです」
力説。
「恋とか愛とかじゃなくて、ほら、猫って可愛いですよね?そういう感覚です。
別に百合百合しいわけじゃないですからっ!ちゃんと恋愛してみたいなあとは思っているんですから!!」
- 496 :イザヤ:2010/07/24(土) 01:40:18 ID:4IyEzrhU0
- >>495
「骨は折れてねェが、…まさかこれ程までの力たァ思わなかッたぜェ…」
よろと立ち上がる。少し恨めしそうな目で見て、思いついたように。
「…こいつらは群れて溶け合って形を作る。
何らかの形を取れば、何らかの能力がそれに付随する。…例えば」
餌を食んでいた烏達のうち何匹かがイザヤの手元に集まり、群れて溶け合い、形を作る。…ハリセンの形を。
「こんな風に。…ちッたァ加減しろィッ!」
スパーーーーァン!
それはもう、良い音だった。ハリセンでしばかれたにしては全然痛く無いだろう。
「ハリセンの形の特性は、良い音が鳴る事さねェ。大きなハリセンを作れば作るほど良い音がなるみてェだ。」
何だその駄目能力。
「…猫とかと同列かィ、他の女子は。」
呆れたように絵名を見る、黄色の鳥類の目。
「ちゃんと恋愛、…怪力は隠さねェと、妖怪でも無い限り病院送りだぜィ?」
- 497 :八剣絵名/女子高生:2010/07/24(土) 01:53:16 ID:h6Ifgnbg0
- >>496
女で、しかもまだ子供と言えど一応純血統種だ。
そこらの鬼よりは力がある、のだが。
……それを完全に忘れてましたよねー。まさに怠慢…
「うう、ホントにすみませ―――あいたぁっ?!」
すぱーん。
いい音でしばかれたが、
「って、あれ、……痛くない、ってホントにそれそんな能力なんですか!?
ボケに対するアイテムとしては優秀ですけど……えええええ」
「何を言うんですか。ボク以外の全ての女子は可愛いのです、愛でる対象です」
ぐっと拳を作ってさらに力説。
「この可愛いという感情がこの怪力から来ていても、可愛いものは可愛いのです。
……まあ、うん、確かに病院送りフラグは立っちゃうんですけどね」
肩を落とし、
「御父さん、どうやって御母さんとお付き合いしてたんだろう…」
呟きは小さく。
聞こえるか聞こえないかはギリギリといったところだろう。
- 498 :イザヤ:2010/07/24(土) 02:06:43 ID:4IyEzrhU0
- >>497
「武器みてェな形にすりゃァ有意義な能力は付随するンだがねェ、別にそうじゃねェ形に関しては
中々変な能力が付く訳さねェ。この前盃にしてみたら中の酒を増やす能力になって、ありゃァ重宝したなァ」
ハリセンを肩に置いて笑いながら、説明する。
「まァ、持ッて生まれたもンは仕方がねェ、その力が役に立つことも多いだろうしなァ。」
「付き合いは相手の全てを受け入れる事さねェ、良いとこ、悪いとこ、全部曝け出すもンさね。」
「さァて、俺ァそろそろ森に戻るぜィ、ねぐらを作らなきゃァならねェからなァ。
どうも歪みに巻き込まれたみてェだが、この道を通ッてきゃ都市の中央に出ると思うぜィ」
男は森に戻ろうとする。黒い影に黒い姿が飲み込まれて。
「お仲間に会えて、楽しかッたぜェ。家が完成したら、また来てくンなァ」
声が、響いた。
//眠たいので落ちます!夜遅くまでありがとうでした!
- 499 :八剣絵名/女子高生:2010/07/24(土) 09:28:57 ID:ALu5jB.Y0
- >>498
「まさにどこぞの青狸の倍にする鏡みたいな素敵能力ですねそれは…。
……眼鏡や望遠鏡だとどうなるんでしょうね?」
他にも色々と気になる形状はあるのだが割愛しておく。
……そう、別に服を作ったらどうなるのかなとかは考えてませんから!!
「役に立つ、といえばまあ役には立ちますかねえ……缶潰しとか」
素手でリンゴだって潰せるし。
ともあれふむふむと頷いて、
……あれ?うちの御父さんはつまり御母さんの怪力を受け入れて……!?
自分は今、家族のとんでもない性癖に気付いてしまったのではなかろうか。
多分きっと恐らく高確率で誤解だろうが。
「あ、どうも道案内有難うございます。……はい、また、ご縁があったら」
森に戻る姿に会釈を送り、自分は指された道を歩み出す。
たまには迷うのもいいものですね、などと思いながら。
- 500 :名も無き異能都市住民:2010/07/24(土) 21:00:27 ID:7gFzKdaU0
- 異能都市郊外、一面の平野を前にハーフパンツにTシャツの赤毛の少女が立っていた。
「f・fはオーケー、イージスもすぐ動かせる……!」
「後は協力者さんを待つだけ……だね」
目をつぶり精神統一を始める。
あたりの空気はピンと張り詰めていた。
- 501 :イザヤ:2010/07/24(土) 21:04:39 ID:A4ACtmIo0
- >>500
黒装束の男が、何時の間にやら現れていた。
「さァてと、俺ァ協力者だぜィ。…何と戦うかは知らねェが。
此処で良かッたかィ?」
- 502 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/24(土) 21:06:20 ID:WVrfsEdY0
- >>500
「う〜…ちょっとほんきでたたかってみようかなの」
【一人の包帯を巻いた少女が平野に向けて歩いてきた】
「あう〜?『あてな』なの〜!!」
【嬉しそうな顔で走っていく】
- 503 :名も無き異能都市住民:2010/07/24(土) 21:08:03 ID:7gFzKdaU0
- >>501
声を掛けられ閉じていた目を開く。
「あ、はいそうです此処です!」
よろしくお願いします!と頭を下げる。
>>502
「あれ、ディス? 手伝ってくれるの?」
走ってくるディスに手を振り、笑顔で話しかける。
- 504 :レラ=バニッシュ:2010/07/24(土) 21:09:51 ID:7hcwnxwgO
- >>500
「貴様か」
空からやってきて徐々に高度を落としつつ。
少女が浮いている原因である靴や、少女の左手首。
更には右腕そのものが科学の結晶で作られていた。
背中の剣は違うようだが、それも少女の武器であることには代わり無さそうだった。
「今回はこの僕が協力させて貰おう」
次に少女は前回の時にさんかしたアミルの要望だと言った。
- 505 :フェンリル:2010/07/24(土) 21:11:19 ID:ZOM.z7ps0
- 「病み上がりのリハビリ、させていただきましょうか」
ざり、と赤いスニーカーは地を踏みしめて、少女をまっすぐと立たせる。
「参加。しますよ」
ぐいっと伸びを一つ、深呼吸二つ。
金色の瞳は、月のように輝いて。
少女のかたちをした獣がそこに居た。
- 506 :黒沢小百合:2010/07/24(土) 21:12:42 ID:SSMHlh/20
- >>500
――――バババババババ
耳を劈くようなローター音が平原に響き渡る
TV局や地元警察が使用するような小型ヘリではなく
兵員輸送用の大型ヘリがアテナの目の前にゆっくりと腰を下ろすように着陸した。
中から次々と飛び出してくる武装した兵士達の中、
一人、場違いな長髪をなびかせた美しい女性がいるのが見て取れる。
「どこの武装勢力かはわかりませんが、
この都市の攻撃計画があると聞いては黙っていられません。
尤も、単純な力押しでこの都市の防衛網を突破できるとは思えませんがね。」
彼女も、敵を撃激するためにこの場所へと現れたのだ。
- 507 :GM アテナ:2010/07/24(土) 21:16:06 ID:7gFzKdaU0
- >>504
「はい、そうです」
空から来た少女を見て、答える。
「ありがとうございます!」
>>505
ぺこり、と頭を下げ礼を言う。
「これだけ入れば……奴らにも対抗できる、と思います」
両手に金属で補強されたグローブ、F・Fを嵌めながら呟いた。
>>506
「おぉ……頼もしいです」
空から来た大型ヘリを見て感嘆の声を上げるアテナ。
「あたしも、準備しないと、ね!」
「イージス!」
空間を切り裂き8メートルほどの大きさの巨大な人形ロボットが現れる。
地面に着地したイージスは地面をズシン!と揺らした。
- 508 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/24(土) 21:16:26 ID:WVrfsEdY0
- >>503
「あう〜!うん!『でぃす』たすけにきたなの!」
【少し元気な声で微笑んだ】
「わるいひとはほっておけないの!」
【そう言うディスの顔はどこか気合いが入っていた】
>>504
「あう。『れら』もきたなの」
【嬉しそうな顔をしながら言う】
「いっしょにがんばろなの!」
>>505
「あうあう!『ふぇんりる』もうだいじょぶなの〜?」
【少し心配そうにしながらも】
「うん!いっしょにたたかえるのうれしいなの!」
【とても嬉しそうな顔である】
>>506
「…あう〜。おっきいなの〜」
【ディスは少しボー然としながらヘリを見る】
「あう、もしかしてなの〜」
【どこか覚えのある匂いが微かにするのを感じたらしい】
- 509 :レラ=バニッシュ:2010/07/24(土) 21:21:05 ID:7hcwnxwgO
- >>507
「……ふむ、なかなかだな」
現れた巨大ロボ、イージスに目を向けた。
暫く鋭い目付きで眺めると満足したようで不適な笑みを向けた。
「……で、何をすればいい?」
- 510 :フェンリル:2010/07/24(土) 21:23:02 ID:ZOM.z7ps0
- >>507
「ええ、相手の軍隊さんはこの街の戦力を舐めすぎですよ」
くすくす。
笑いながら、靴紐チェック。異常なし。
「で、わたしは近接戦闘特化なんで、突っ込んでいきますのでね」
援護よろしくしていただけたらなーとか……とか言いながらもじもじし始めたぞこいつ。
突っ込んで後先考えないタイプだ。
- 511 :イザヤ:2010/07/24(土) 21:27:58 ID:A4ACtmIo0
- >>508
「よう、ディス。またディスと一緒に戦うのかィ、久しぶりさねェ」
- 512 :黒沢小百合:2010/07/24(土) 21:29:08 ID:SSMHlh/20
- >>507
「敵軍戦力の概要は事前の報告にて把握しています。
航空支援及び重砲での支援を行いますから、近接戦闘はまかせましたよ。」
女性はどうみても軍人というより、秘書といった服装で
戦闘にむいている体つきをしているとは思えない。
魔法、もしくは自身の異能を頼りに戦うタイプなのだろう。
どこからか新たに兵士が現れこの周辺に簡易な物ではあるが
機銃陣地と重砲陣地を構築し始めている。これが彼女の能力だろうか。
- 513 :GM アテナ:2010/07/24(土) 21:34:24 ID:7gFzKdaU0
- >>508
呼び出した機体、イージスの動作確認をしながらディスと話す。
「うん、ありがとね」
ニコリと笑顔を向ける。
「アイツら、あたしが連れて来ちゃった様なもんだから、あたしがケリを着けなきゃいけなかったんだけどね」
苦笑しつつ、動作確認を進めていく。
>>509
「あたしの自慢の相棒ですからッ!」
胸を張り誇らしげに言い放つ。
「えと、ですね。情報によるとそろそろ相手部隊がこっちに向けて侵攻してくるはずです」
「なので、皆さんにはそれを倒す、又は足止めしてもらおうと言うことで」
よろしくお願いします、と軽く頭を下げる。
>>510
「相手機体は、あたしが戦った時より数段性能が上がっているはずです」
油断しないように念を押すアテナ。
「情報では、3体の機体がメインの筈です」
大体このイージスと同程度だとイージスを指さしながら説明する。
「多分指揮官の人型一体と戦闘用の非人型2体、の筈です」
「油断はしないでください、怪我されると、悲しいんで」
真剣に心配して言う。
>>512
「はいッ、了解です!」
つい、レジスタンス時代の癖で敬礼をしてしまう。
(どうも、リーダーに似てるなぁ……)
とか思いつつ、動作確認を終わらせる。
>>all
平野の向こう側、そこから3体の大きな影が見えてくる。
「……来ました」
全体に警戒を呼びかけるアテナ。
敵機体は、真紅のカラーリングが施された7メートルほどの人型、
フクロウのような姿をした機体が上空に一体、狼の姿をした5メートルほどの機体が一体だ。
狼の姿をした機体は、凄まじい速度でこちらに向かって接近してきている。
フクロウの機体は上空を旋回し、こちらの様子をみている。
人型の機体は後方に立って、動かないところを見ると指揮官だろうか……?
- 514 :イザヤ:2010/07/24(土) 21:39:43 ID:A4ACtmIo0
- >>513
「さァて、何が来るか解らねェやな、とりあえず…3000羽程、出しておこうかねェ」
手から銀の霞が噴出し、それが背中で実体化する。
銀の翼が形作られ、その姿を現した。
- 515 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/24(土) 21:40:06 ID:WVrfsEdY0
- >>511
「あうあうー。『いざや』なの!またいっしょにたたかえてうれしいなの!!」
【楽しそうにしながら言う】
「だいじょぶなの!『でぃす』まえよりつよくなってるなの!」
【ぐっと腕を握って言った】
>>513
「あう〜。こまったときはみんないっしょなの〜。
だからいっしょにやっつけよなの!」
【微笑んで言った】
【そして再びまじめな顔になって向こう側の機体を見る】
「…う〜…おきいのとたたかうのはにがてなの…
でも」
【空を飛ぶ機体を見上げてみる】
「わるいひとならおいはらうの〜!」
【全身から包帯を伸ばして待機する】
- 516 :フェンリル:2010/07/24(土) 21:42:20 ID:ZOM.z7ps0
- >>513
「はい、大体わかりました――っと、怪我は……うん、がんばりますん」
目をそらしてはははー。
突っ込むので怪我が絶えません。わぁい
そして、三機の敵を見やる。
「……へー……狼のかたち。ですか、へぇえー……
ねえ、あの狼のやつ、貰っていいですか?」
わくわくうずうず、面白そうだ、と言わんばかりに尻尾を振る。
ぎらりと輝いた瞳は、狩りをするそれではなく、縄張りを争う、同族と戦うためのそれ――に、よく似ていた。
- 517 :黒沢小百合:2010/07/24(土) 21:49:24 ID:SSMHlh/20
- >>513
「きましたか……くく、侵略者は己の血を浴び罪を贖う。
現代戦略において力押しとは下策でしょうに。」
彼女は、微かに笑いながら袖口に仕込んだ何かを引き抜く。
その瞬間であった。
VADS
「M163対空自走砲、攻撃を開始せよ。
友軍航空隊到着までに敵に損害を与えるのだ。」
突然、何も無い空間に火砲を装備した装甲車が現れた。
砲塔横にマウントされた4基の対空ミサイル発射装置とM61 20mm対空機関砲が
迫り来る侵略者に対して襲い掛かる。
- 518 :レラ=バニッシュ:2010/07/24(土) 21:54:24 ID:7hcwnxwgO
- >>513
「フン、了解だ」
アテナの言葉が終わると同時、頷いて。
漆黒の機械で作られた右腕を前に出す。
「来い――」
その腕を内側から外側へと振る。
直後、少女の背後空中に半径5m程の光輪が現れる。
光輪から五本の鉄製の頑丈そうな指が現れ、次に肘までが現れた。
次に光輪の下の方からは銀色の脚が現れ、少女の背後の地面に足を付ける。
やがて全てを表した機械は全長4m程だろうか。
銀色の身体を持つ鉄の巨人。
全体的に直線で描かれたその装甲。
肘の辺りと踵からは反り返る刃が月の光を浴び、光る。
少女は既に乗り込んでおり、操作形態を自己操縦から手動操縦に切り替えた。
「起動だ――ツムガリ」
周囲に目を向け、
「距離的に他の奴らは狼型を狙う、か……」
動き出す。
背と腰に取り付けられた合計6つのブースターを全起動させ、
「潰すのはアイツだッ――!」
真っ先に人形機械の元へと進みだした!
- 519 :GM アテナ:2010/07/24(土) 21:57:00 ID:7gFzKdaU0
- >>514
上空を舞うフクロウ型の機体が両翼に装着された魔導機銃を撃つ。
高圧縮の魔力弾はイザヤに向けて高速で飛んでいく。
「危ないです!」
アテナはイザヤに向けて叫んだ。
アテナもイージスのコックピットに乗り込み戦闘準備を始める。
>>515
『ありがと、ね』
コックピットの中からそう礼をいった。
ふくろう型の機体は上空から獲物を狙うように地面を見ている。
丁度いい鴨だと操縦士は思ったのか、上空から急降下し、ディスを襲おうとする。
爪を以て相手の命を奪おうとするその姿は、正に猛禽。
>>516
『気をつけてくださいねー!』
コックピットの中からスピーカーで言う。
『どうぞー!じゃ、私は後方から援護行かせてもらいますッ!』
いいよ、と許可をし、アテナもイージスの背部ブースターに魔力を圧縮し高速移動の準備を始める。
>>517
後ろに立つ、指揮官機が一瞬たじろいだように見えた。
狼型の機体、ウルフは小百合の方に向かって獣特有の全身のバネを使った動きで接近していく。
撃たれる前に潰すプランの様だ。
>>518
指揮官の機体――スルトはこちらに向かってくる、ツムガリを確認し、戦闘モードに入る。
バックパックから長刀を取り出し、構え、接近する相手を待つ。
- 520 :イザヤ:2010/07/24(土) 22:02:29 ID:A4ACtmIo0
- >>519
「こりゃァ、物理的な攻撃じゃァねェな、ッてェ事はだ」
更に噴出す銀の霞。
「逆撫鏡、1000羽ッ!さて、俺ァ奴を狙うかねェ、烏と梟、お似合いじゃァねェかッ!」
掌が空を滑り、銀の霞が滑らかな鏡のような薄い膜に形作られる。
魔力弾は、その面に当たるや否や跳ね返された。同じ速度のまま、真っ直ぐフクロウ型の機体に迫る。
その軌道は、急降下した場所を狙っていた。
その弾と一呼吸遅れて、後ろを烏が猛スピードで追い上げる。上空を取るつもりだ。
- 521 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/24(土) 22:02:54 ID:WVrfsEdY0
- >>519
「うん、こちらこそなの!」
【そう言ってほほ笑むと】
「あう、こっちにくるなの!」
【ディスは自分に向けて降下して来るフクロウメカを見て】
「そんなことでまけないなの!」
【ディスは全身の包帯を】
ジャキィィィィィン!
【硬化して来るフクロウへと向けて無数の針のごとく伸ばしていく!】
- 522 :フェンリル:2010/07/24(土) 22:06:36 ID:ZOM.z7ps0
- >>519
「――――――――――――」
許可をもらった瞬間。
に、と笑ったかと思えば、彼女の姿は消え失せていた。
「――――――おい、お前」
ぐぁん、
地の抉れる音。彼女の立っていた地点が、ぐりんと抉られていた。
「この街は、」
処変わって、彼女が存在するのは「イージスの機体」。
機体と垂直に/地面と水平に、屈むような姿勢で。とん、と足音。
「わたしのナワバリ、ですよ?」
ぱきぱきぱきぱきぱきぱき、彼女の手足が凍りついていく音。
零度の鋭い爪が彼女に生えて、
――どぉん
イージスの鋼鉄のボディを力いっぱい蹴って、宙を猛スピードで横切る。
狼機体に接近が成功したなら、そのスピードを惜しげもなく乗せた/氷で武装された飛び蹴りが、放たれるだろう。
- 523 :レラ=バニッシュ:2010/07/24(土) 22:08:32 ID:7hcwnxwgO
- >>519
「背部からの武器を確認……刀か」
尚も銀の身体を進ませ、
「奴らの頭は其れ程進んで無いらしいな……」
その武器に怖じ気づく処か不適な笑みを浮かべ、ツムガリに戦闘姿勢に取らせる。
「そんな刀で僕を! このツムガリを斬れるか!?」
退いた右腕をスルトの胸部目掛けて勢い良く打ち出した!
もし刺されば拳に空いた穴から鉄の棒が射出たれるパイルバンカー方式となっている。
- 524 :黒沢小百合:2010/07/24(土) 22:15:00 ID:SSMHlh/20
- >>519
「その昔アリストファネスは言いました、
『味方からではなく敵から学んだ。町の周りに高い壁をめぐらせる事を。』と。」
「数の力を以ってすれば出来ない事など何もない。
川を埋め、未開の大地を切り開き、英知を持って太陽に迫らんとする我々に
たった一騎の突撃を食い止める事ができないはずはない。」
アインシュタインは宇宙最強の力は複利の力であると言った。
しかし、地球上において最強の力は紛れもなく『民衆の力』である。
彼女の兵団は皆、銃を手に取り反撃した。
重砲、拳銃弾、ライフル弾が嵐の容易吹き荒れ、突撃してくる一機へと迫る。
よける、よけないではない、そもそも避けるための空間を与えない圧倒的物量攻撃だ。
- 525 :GM アテナ:2010/07/24(土) 22:19:36 ID:7gFzKdaU0
- >>520
オウルは急降下しながら魔力シールドを張る。
機動性能優先の機体のため、防御には優れないが、降下しながらであれば十分な防御性能を発揮する。
一旦表面で止められた魔法弾は硬化する速度で弾かれ明後日の方向へ飛んでいった。
フクロウの柔軟な首を再現したのか、ディスに襲いかかりつつも首だけはイザヤの法を向いている。
>>521
伸ばされた針を弾くように翼の表面が、毛羽立つ。
次の瞬間には毛羽立った無数の翼が、ディスに向けて飛ばされる。
飛ばされた羽は鋭く驟雨の様にディスを狙う。
>>522
『わわっ! びっくりしたじゃないですか!』
機体に走る衝撃は、しかし超重量の機体を動かすことはない。
『……fire!』
ウルフを襲うフェンリルを支援するように、両手の平に圧縮した魔力を魔力弾として撃ち出す。
が、ウルフはその獣そのものの敏捷な機動で、跳躍し魔力弾をよけるが、襲いかかるフェンリルの蹴りが
機体を大きく揺らす。
>>523
部隊長『ふは、フハハハッ!! この前のスクリューミルとは話が違うのだよ、少女よッ!!』
スピーカーから耳障りな声が聞こえ、それと同時に、機体表面から長高熱の炎が噴出す。
炎の勢いで後ろに大きく飛び、鉄の棒を回避する。
手に握られた刀にはより高圧縮、高熱の炎が集まっている。
ちから
部隊長『見せてやろう、コレが我々の技術力だッ!!』
振り上げた刀を振り下ろすと同時、刀にまとわせた高圧縮の炎は相手に向かって高速で飛んでいく。
>>524
宙に舞い、フェンリルのケリを食らっている、ウルフに無数の銃撃が襲いかかる。
機動性を重視した、フェンリルの機体の防御性能は低い。
小さい穴がフェンリルの装甲に明けられていく。
が、狼の口が、相手に向けられる。
開いた口に大量の魔力が圧縮され、咆哮の様な音と共に小百合に向かって打ち出される。
純白の魔弾は小百合飲みならず、その部下たちの生命も奪わンとしていた。
- 526 :フェンリル:2010/07/24(土) 22:25:18 ID:ZOM.z7ps0
- >>525
空中でくるりと一回転。
体勢整えてー、
「……もういっちょ!」
ぱきぱきぴきん。
氷の武装が形を変えて、大きな大きな氷柱を作り出す。
切っ先はもちろん狼の機体に向けられて、掌底突きのかたちで突き出された。
- 527 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/24(土) 22:26:42 ID:WVrfsEdY0
- >>525
「うぐ〜!!さすがにぜんぶまもれないなの!」
【ディスは周囲に激しく包帯を振るいながら地上をかなりの速さで走り始めた】
「こんなこーげきふせいでやるなの!」
【激しく振りまわされる包帯はいくつかの羽を弾き飛ばすがいくつかディスの体に赤い線をつけていく】
「まだまだ、こっちはそれだけじゃないなの!」
【走る速さはスプリンターさえもしのぐ速さである。周囲を走りながらフクロウの攻撃の様子を見る】
- 528 :レラ=バニッシュ:2010/07/24(土) 22:28:52 ID:7hcwnxwgO
- >>525
「……チィッ、炎かぁ!」
左肩に付けられた左側全体を覆う盾。
其れ全体で炎を受けつつ前進していく。
「目障りだっ!!」
盾が熱で変形し炎の通り道で抉れていく。
其れを気にせず肩から機械へと突っ込んでいく。
- 529 :イザヤ:2010/07/24(土) 22:29:44 ID:A4ACtmIo0
- >>525
「ありゃァ、弾かれちまッたかィ。」
オウルをやり過ごし、その更に上空を取る。
首だけこちらを向けた梟。その目に映るものは。
「銀烏、4000羽ッ!、鎌形態、天裂地割ッ!」
極大の大鎌。
「さァて、鎌の切味、とくとご覧あれェッ!」
大分距離があるはずだが、彼は気にせず鎌を振るった。
その斬撃は、鎌の射程を優に超え、梟へと「飛ぶ」。
- 530 :黒沢小百合:2010/07/24(土) 22:37:22 ID:SSMHlh/20
- >>525
彼女の異能は言うなれば数の力、
爆発的な攻撃力を発揮するが、個々の力は弱いために
容易に各個撃破去れてしまう。
「やっかいですね……!」
(簡易塹壕まで走るか?いや、間に合わない……!)
超人的身体能力を誇るものも多い異能都市にあって、
通常の身体能力しかもたない小百合は守勢に回ると非常に脆い。
「くっ……!」
魔力弾がとどく一瞬前、小百合はふたたび袖口から何かを引き抜いた。
直後、魔力弾はその一体を飲み込み、対空戦車や機関砲が爆発、炎上していく。
しかし、小百合がいたその場所には彼女の死体ではなく
確固たる存在感を持った鋼鉄の塊が鎮座していた。巨大な盾にも似たそのフォルム。
「――『フォレスタル級航空母艦』を具現化した……!」
彼女は、巨大な鉄の塊である戦艦を具現化して盾にした!
- 531 :GM アテナ:2010/07/24(土) 22:39:59 ID:7gFzKdaU0
- >>526
小百合に向けて魔弾を撃った後の硬直……その状態で氷柱による攻撃を食らい体制を崩し地面に叩きつけられる。
しかし、まだ機体の動作を止めるまでには至らないようだ。
咆哮を模した音声がフェンリルに放たれる。
それが普通の咆哮であれば相手の戦意を喪失させる程度だ、しかし――コレは兵器、只の咆哮であるはずはない。
魔力で強化された咆哮は物理的な威力を以てフェンリルに襲いかかる。
>>527
空中から羽を飛ばし、ディスに襲いかかるが、走るディスに致命傷を与えるには至らない。
>>528
指揮官『クク……目障りなァッ!! 正義である我らには向かうとはなんと愚かな!!
粛清してくれようッ!!』
【system:レーヴァテイン――起動】
無機質な音声と共に機体の周囲の炎の勢いが倍増する。
なぜか、その凄まじい熱でもスルトには影響を与えていないようだ。
そして、その焔はツムガリの機体を焼き尽くそうと圧倒的な破壊を振るう。
>>529
ディスを追いかけつつもイザヤに対する警戒を緩めないオウル。
相手の放った鎌を回避しようと、急回避しようとするが、完全には避けきれず左翼の機銃を切り落とされた。
オウルのくちばし部分が開き、超音波による音波攻撃がイザヤに放たれる。
振動により、固いものを砕く武装だ、喰らえば骨と背部の翼は折れるだろう。
>>530
フェンリルにその攻撃を向けているウルフは、小百合に対する攻撃を一旦中断しているが、内部の操縦者
は目を向いているようだ。
(ど、どこから出しやがった、あんなでかいのォッ!!!!!)
しかし、フェンリルの法を向いているウルフに小百合に対する追撃はできようはずもない。
操縦者はコックピットの中で只歯噛みするのみだった。
- 532 :フェンリル:2010/07/24(土) 22:49:09 ID:ZOM.z7ps0
- >>531
「――――――ッ」
五感が鋭すぎるのも考え物ですね。と、吹っ飛ばされながら彼女は思った。
肋が何本か逝った感触がして、オートマティックに口から血が零れる。
宙に跳んだのはちょっと失敗だっただろうか、と今更後悔して、きょろりと辺りを見回す。
彼女は、体勢を整えられるような足場を探していた。
樹でもいいし、岩でもいい。建物でも。
足がつけられれば、体勢が整えられるのに。
- 533 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/24(土) 22:52:53 ID:WVrfsEdY0
- >>531
「う〜…こうなったらいっきにいかないとなの!」
【ディスは逃げていてもらちが明かないと思い】
「こっからはほんきなの!」
【そう言うと…今まで相手の攻撃を払っていた包帯を一か所に集め始めた】
「なんとかかくれないとなの〜」
【その形はだんだん鋭くなっていき、ディスの前方をうまく隠す程度になって行く】
【その形は大きな槍にも似ている…】
【攻撃準備中】
>>532
「あう!あぶないなの!『ふぇんりる』!」
【ディスは慌ててポケットから予備の包帯をフェンリルに向けて投げる】
「うけとめてなの!!」
【ディスはフェンリルを受け止めるクッションとなるようにふわふわになった包帯を展開していく】
- 534 :イザヤ:2010/07/24(土) 22:55:04 ID:A4ACtmIo0
- >>531
ギィィィィィ、不快な振動に翼がきしむ。骨が鳴る。
「…ッ!?なンだ、これァッ!?このままじゃァまずい、なァッ…!」
急旋回、そして上空から羽ばたき、真下に向かって加速する。音は大きくなれど、急速に動く標的に向かって
丁度良い振動数を発揮出来ない。
「直接切り裂いてやらァ、更に追加2000羽…ッ!」
銀色の鎌が更に大きさを増して、その長いリーチの刃が闇に光った。
オウルに激突する直前に空中で前転のように体を丸め、遠心力を利用する。
鎌の切っ先が超速で、オウルを貫かんと迫った。
- 535 :レラ=バニッシュ:2010/07/24(土) 23:01:15 ID:7hcwnxwgO
- >>531
「ちっ、少々マズイな……!」
機体温度が上昇して行く。
間違いなくこのままでは駆動系が焼けて機能停止、もしかすると大爆発すらあり得る。
そんな状況での、少女の選択は意外とあっさりした物だった。
「ふん、意外とやるらしいな」
少女は不適な笑みを崩さずある一つのボタンに手をかけた。
「研究段階の機械では無理があったか……仕方ないが」
少女の視界が赤くなる。
周囲のモニターが一斉に警告サインを向けていた。
「貴様も一緒に……連れていくッ!!」
―――ガコッ!
機体が真っ直ぐにスルトへと突っ込んでいく。
ブースター起動させ高速で近づいていく。
そしてスルトの周囲まで近づいていき。
「ハーッハッハッハー――大爆発だっ!!」
周囲に炎が燃え上がる。
その少し離れた所。
少女が中に浮いていた。
- 536 :黒沢小百合:2010/07/24(土) 23:06:43 ID:SSMHlh/20
- >>531
「……帳の後ろに身を潜め、在にして陰。
『我ら』は力を持った『魂』<<スピリット>>であった。」
ジャン・ラシーヌの言葉を小百合は呟く。
夜の帳に身を隠し、鋼鉄の翼で大気を切り裂いて戦闘区域に進入したものがあった。
それら漆黒の機体は、恐らく現代以上に発達しているであろう
異界の機甲部隊のレーダー探査網をすり抜け、迫る。
「B-2『スピリット』だッ!!」
一機で同重量の金塊と同価値と言われる米軍最先端技術の結晶。
音もなく忍び寄り破滅の扉を開く黙示録のラッパ吹き。
独特のフォルムを持ったステルス爆撃機の代名詞とも言えるそれは、
戦闘が行われている場所の真上に密かに達すると腹から密かに鋼鉄の雨をばら撒いた。
破滅が始まる。
- 537 :GM アテナ:2010/07/24(土) 23:09:41 ID:7gFzKdaU0
- >>532
好機、と感じたウルフは後一押しで崩れそうな機体の脚部をたわませ、フェンリルに向かって走る。
しかし、フェンリルの足元には大岩が。
フェンリルが足をつけるまでに攻撃が出来ねば、逆にウルフがピンチになるだろう。
>>533
空中に静止し、イザヤに攻撃を放つオウルはディスのその攻撃準備には気づいていない。
>>534
超音波攻撃の範囲から相手が抜け、コッチに向かって襲いかかってくる。
機銃で襲いかかるイザヤを撃つが、操縦者が動揺している上に、機銃は片方のみ……
当るはずはない、相手の鎌を避けようと、高速起動をするが、左翼に大きな裂け目ができた。
まだ飛ぶことは出来ているようだが、それも長くは続かないだろう。
>>535
ドゴンッッッッ!!!!!
と空気を震わせる爆発音が辺りに響き渡る。
燃え上がる焔の奥より、真紅の機体が現れる。
指揮官『クク……クヒャハハハハハ!! 残念だったなァ……』
機体の装甲の大半は砕け、焦げていたが、動作停止には至らないレベルだったようだ。
纏っていた焔は消え、左腕はちぎれ落ちている。
指揮官『正義に負けは存在しないのだッ!! 起動ッ!レーヴァテインッ!!』
大破した機体に焔が纏わり付く。
指揮『クッヒヒヒヒアハッハハッッ!我らの正義に粛清されよッ!汝の罰は火葬なりッ!!』
焔を纏った刃を少女に向けてふるおうとしている。
>>536
ばらまかれた鋼鉄の雨は、オウル、スルト、ウルフの3つの機体に大きなダメージを与える。
それぞれ、あと一歩でトドメを差されるまで装甲にダメージを追っている。
- 538 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/24(土) 23:19:37 ID:WVrfsEdY0
- >>537
「あう〜…よおくねらうなの…」
【ディスが持っていた包帯は御柱のごとき太さを持った形をなしている】
「ほそいほーたいだとだめだったけどなの…」
【やがてその包帯の槍をオウルに向け、じっと集中する】
「これなら」
【包帯の槍はどの言葉の後、脈動するかのごとく震えたかと思うと】
「どうだなの〜!!!」
ドシュウウウウウ!!
【勢いをつけてオウルに向けて猛烈な速さで伸びていく!!】
- 539 :フェンリル:2010/07/24(土) 23:20:01 ID:ZOM.z7ps0
- >>533
「あふん」
ぼふん。
ディスちゃんありがとう、と言おうとして、なにかがおかしいことに気付いた。
減速している。
>>537
「――――――――」
包帯のクッションに覆われて減速した彼女と、全力で走る狼の機体。
さてどちらが速いでしょう? と問われたら、
「――――――――!!!」
そりゃあ、機体でしょう。ね。
突っ込んできた機体は、足場にしようとしていた岩ごと粉砕音をたてた。
- 540 :イザヤ:2010/07/24(土) 23:21:00 ID:A4ACtmIo0
- >>537
攻撃した瞬間、骨が軋んだ。
「…グゥッ!」
超振動は内部から彼の体を蝕んでいた。思わず、鎌を元の小さな烏達に戻す。握る事が難しかった。
「畜生、やッてくれンじゃねェか…そのザマじゃァもう長くは飛べなさそうだなァ」
ニヤリ、と笑う。鎌から分解された銀の烏達は彼の背中に集まり、更にもう2対の翼を構成した。
【攻撃無し】
- 541 :黒沢小百合:2010/07/24(土) 23:28:19 ID:SSMHlh/20
- >>537
「アレを受けても、まだ戦闘を継続するとは……
並外れた頑丈さですね、しかし……」
小百合は、既に体勢を立て直していた。
地上軍は既に先ほどの陣地に再び配置されており、
今すぐにでも、攻撃が可能だ。
「目の前で敵の軍勢が戦列を組み前進する様は不快極まる。
攻撃せよ。攻撃せよ。攻撃せよ。攻撃せよ。攻撃せよ。」
空中、地上両面からの攻撃が始まる。
- 542 :レラ=バニッシュ:2010/07/24(土) 23:31:04 ID:7hcwnxwgO
- >>537
「火葬? バカを言うな」
少女はスルトに向かって真っ直ぐに――否、僅かに横に逸れながら移動する。
その角度は10度にも満たないほんの僅かな曲線。
「炎? 魔術? そんなものがこの僕を倒せる物かッ!!」
炎は触れない。
少女をダイヤモンド型の結界が守っている。
それが炎を遠ざける。
少女の左手首に取り付けられ機械から淡い緑色の光――粒子が噴出、
それは長い剣を形取り、固まる。
「おおおぉぉぉっ!!!」
僅かな曲線を描くその行き先はスルトの真横。
緑の剣は長さ100mを越え、
少女の速度は時速100kmが近い。
「……一太刀だ」
その速度を、その長さを持って。
レーザーブレードで一刀両断を狙う。
- 543 :GM アテナ:2010/07/24(土) 23:38:19 ID:7gFzKdaU0
- >>538
オウルに向かって伸ばされた包帯は左翼を完全にちぎり取る。
オウルは地面に勢い良く墜落していく。
>>539
しかし、フェンリルに襲いかかるウルフの爪はフェンリルに当ること無く、宙に浮いていた。
『大丈夫?』
アテナの機体、イージスだ。
イージスの右手に仕込まれたパイルバンカーがウルフの腹部を貫き、持ち上げていた。
丁度内部の機関部に、大穴が空いたのかウルフの動きは停止している。
>>540
空から降り注ぐ鋼鉄の雨と、ディスの攻撃により大破し、地面に墜落していくオウル。
最後の一撃とばかりに先程よりも威力の低い超音波攻撃を放つが、直撃しても致命傷を与えることすら出来ないだろう。
>>541
残るは焔を纏う指揮官機、スルトのみ……だ。
>>542
焔は効かず、さらに少女に機体を真っ二つにされてしまう。
内部の緊急脱出装置で、操縦者である迷彩服の魔術師が地上に降り立つ。
指揮官「な……な……ななな……ッ! 我がスルトが敗れるだトッ!!」
絶望の表情を顔に浮かべ、おののく。
指揮官「く……くひッ!!もう……いい、我と共に滅びるガ良いッ!!」
スルトのレーヴァテインシステムの制御を外し、焔を暴走させる。
暴走した焔は無差別に燃え広がっていく。
早く、中心のコアを破壊しなければいけないだろう。
>>all
突如空間が歪み、そこからアテナと同い年程度の黒髪の少女が現れた。
純白のドレスの様な服に、白銀の杖を持った少女だ。
「オイジュス!見参ッ!
わが友アテナの危機と聞き、戦場へはせ参じたッ!!」
が、戦闘は既に架橋に入っているようだった。
「おそかっただとっ!!」
『遅いよ、オイジュスッ!』
アテナの叫び声がスピーカーから聞こえる。
『スルトを止めなきゃこの街が、危ないのッ!!』
皆にも聞こえるようにアテナは叫ぶ。
『内部コアは繊細だから、焔に焼かれないようにすrれば、大丈夫! 皆、お願いっ!』
- 544 :フェンリル:2010/07/24(土) 23:41:29 ID:ZOM.z7ps0
- >>543
「…………あ、あー……のーぷろぶれむ。です、ありがとう」
そういえば怪我しないように、って言われたのにこのザマだなー、
そう思って苦笑い。地面に降りた。
「……炎、は、ぶっちゃけ嫌なんですけど……」
行かなきゃなんないんでしょうね。
そう呟いて、少女は地を駆ける。
- 545 :イザヤ:2010/07/24(土) 23:47:14 ID:A4ACtmIo0
- >>543
「もうその手は読みきッたぜェ!あンたらの指揮官潰しに行くンだ、じゃますンじゃねェッ!」
3対の翼がそれぞれ別に動き、迅速な回避行動を行う。そのスピードは、先程よりも数段早く。
「さァて、どうしてくれようかッ!乱妖嵐舞、4000羽ッ!」
2対の翼が崩れ、靄となり、そして一枚の扇を形作る。
扇はゆっくりと開き、そして。
「さァ行くぜ、全て消し去れ、妖雷――ッ!」
真横に落ちる雷。それが最も近いような。
真っ白い光の柱が、指揮官スルトの機体のコアに一直線に向かっていく。
- 546 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/24(土) 23:49:21 ID:WVrfsEdY0
- >>539
「あう、えっと…なにかわるいことしちゃったかなの」
【ディスはとてつもなく不安そうな顔になる】
「ご、ごめんなさいなの〜!」
【ディスが何だか頼りない声でフェンリルに呼び掛ける】
>>540
「よし!やったなの!」
【ディスがすごくうれしそうな顔になってガッツポーズする!】
「あうあう!おまえがわるいやつなの!?にがさないなの!」
【ディスは槍を散らばして魔術師を捕まえようと包帯を伸ばそうと…するが】
「…あう!ひはにがて…『おいじゅ』?あう〜!!わかったなの!
あそこをこわせばいいんだねなの!」
【ディスは笑顔になって言うと】
「よーし!ならがまんして」
【そう言ってディスは、ポーチを背中から出して新しい包帯を取り出す】
「いけばいいなの!!」
【その包帯を勢いよくコアに向けて伸ばしていく!】
「いっけーーーーーーー!!なの!!」
【包帯は鋭い剣の形へと変わってコアへと一直線になって行く】
- 547 :黒沢小百合:2010/07/24(土) 23:53:06 ID:SSMHlh/20
- >>543
広がっていく炎、その中心へと躍り込んでいく味方。
瞬間、自分のすべき事が理解できた。
「いけっ……!」
小百合は新たな兵団を出現させる。
十数機のヘリコプターからなるそれらは、炎が広がる
平野上空へと達すると、山火事の消火などに使われる薬剤を散布し始めた。
炎の広がりを早い段階で足止めし、少しでも勢いを削いで
コアへ突入する味方を援護するつもりだ。
- 548 :フェンリル:2010/07/24(土) 23:55:42 ID:QYyPcDfoO
- //おうふごめんなさい>>544に追加……!
「……氷槍、起動――――」
きちきちきち。
機械の駆動音、ただしそれは大分改良された模様で。
「――――突!!」
だぁんと地を蹴り。
巨大な氷の槍となった左腕、それをコアへ向けて。
>>546
「大丈夫です」のジェスチャー。
- 549 :レラ=バニッシュ:2010/07/24(土) 23:58:35 ID:7hcwnxwgO
- >>543
「全36機起動停止……やはり、無理があったか」
音を立てて崩れていく36機の小型機械。
少女を守る結界を形成していた物だ。
左腕の剣の光が弱まっていき、やがて消える。
「残されたエネルギーも少ないか……」
避ける事のできる炎は避け、そうでない物はその身で受ける。
なら。と言って左腕をコアへと向ける。
熱とそれから来る痛みで意識が朦朧とする中構え、コアに狙いを定め。
手首に取り付けられた機械から淡い緑色の物質が射出された。
「落ちろ……カトンボ!!」
- 550 :GM アテナ:2010/07/25(日) 00:04:49 ID:7gFzKdaU0
- >>544
凄まじい速度で焔は広がっていく。
『無理は……しないでっ!!』
フェンリルにそう言い、アテナも両腕のパイルバンカーを合体させ、魔力を集積し始める。
そして、炎の中を駆け抜けフェンリルがコアに氷の槍を突き刺す。
コアシールドの表面が凍結していき、砕けやすい状態になる。
>>545
雷はコアを守るシールドにダメージを与え、ひび割れを作っていく。
後一撃でコアが露出し、破壊に至る。
>>546
指揮官「ヒハッ、燃えろ、全部燃えろおおおおおおおおおおおおッ!!」
狂った笑いを上げながら指揮官は焔の中に佇む。
ディスの方を向き話しかける。
「任せたぞ、少女よッ!!」
男前な笑みを浮かべオイジュスも白銀の杖を構える。
「術式、高速起動……砲撃術式――貫通特化!」
杖の先端に大きな魔法陣が浮かび、白銀の魔力が圧縮されていく。
そしてディスの放った剣の包帯はコアシールドに突き刺さり、シールドを破壊した。
>>547
『ありがとッ!!』
魔力による火のため普通の炎よりは消化の効果は薄いがそれでも炎の広がる速度は若干弱まった。
>>549
炎の中のコアにレラの放つ淡い緑色の物質が命中する。
次第にコアに罅が入っていき、壊れていく。
そして、力を貯めるアテナとオイジュスは――
>>all
『T・G・A2ッ!!上位駆動ッ!!』
イージスの両腕のパイルバンカーが真紅の光をコアに向けて撃ち出す。
「コレが私の【副砲】だよッ!!コンベルゲンスカノンッ!!」
圧縮された白銀の魔弾がコアに向かって打ち出される。
ダメージを受けていたコアはいとも簡単に破壊された。
フェンリルの氷槍によりシールドを凍らされ、そこにダメ押しの雷とディスの包帯……
最後にトドメを刺したレラの攻撃……。
さらには炎の広がりを止めた小百合の働きがなければ都市まで炎は広がっていただろう。
この場にいた一人でも居なければ成し得無かった勝利、それがそこにあった。
一瞬の静寂……。
コックピットから顔を出したアテナが叫ぶ。
「皆さんッ!! ありがとうございましたァッ!!」
それは完全な勝利だった!!
- 551 :フェンリル:2010/07/25(日) 00:10:27 ID:QYyPcDfoO
- >>550
――――――ぱきん
氷の槍が砕け散り、宙に舞う。
その光景は、使い古された言葉で言うなら「幻想的」。
ロマンもへったくれもない言い方をするなら、「季節外れ」。
とにかく、ひんやりとした冷気が夜空に漂って――――
「――――――――――ッ!!!」
狼は、勝利の咆哮を上げる。
- 552 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/25(日) 00:10:36 ID:WVrfsEdY0
- >>550
「あうあう!とまったなの!やったなの〜!!!」
【ディスは大きくこぶしを突き上げて喜んだ】
「ありがとなの!『おいじゅ』…『あてな』…それとここのみんななの!」
【微笑みながらあたりを見回して笑顔で言った】
「……あう、あのひとはつかまえないとなの!」
【そう言ってディスは改めて魔術師に向けて包帯を伸ばし、拘束しようとしている】
- 553 :黒沢小百合:2010/07/25(日) 00:15:53 ID:SSMHlh/20
- >>550
「任務完遂、ですか……。」
ヘリから情報が送られてくるため、
状況は手に取るように分かる。
敵勢力の沈黙を確認した小百合は、
後方で一人満足げに笑みを浮かべると
気を引き締めなおして残り火を消すべく、尽力し始めた。
// GMおつー!
- 554 :レラ=バニッシュ:2010/07/25(日) 00:23:27 ID:7hcwnxwgO
- >>550
「……チィッ、手間取らせる……」
地に足を付ける。
そして次第に身体も地に付いていく。
「少々、甘く見たか……。帰ったらまず、データ整理か……?」
首だけを動かし、味方の方を見る。
「助けは望み薄か……今回は……僕、の」
言葉を紡ぐ口の動きを止め、意識を失った。
- 555 :GM アテナ:2010/07/25(日) 00:29:54 ID:7gFzKdaU0
- >>551
コアの動作が停止し、炎も徐々に消えていく。
アテナもコックピットから降りるが、喜ぶ前に、敵の指揮官を捕まえねばならない。
>>552
「ディス!そこの捕まえてッ!!」
とディスに言うが、迷彩服の魔術師は、光に包まれている。
指揮官「クヒヒヒヒヒヒヒヒ!!貴様らを甘く見ていたようだなッ!!
覚悟していろッ!!次こそ貴様らに死という厳罰を……あ――て―――る」
光が消えると共に、指揮官は消えていった。
「……ッ!!また、来るのか……」
アテナはこの都市に迷惑を掛けたくないがゆえに悔しげな顔をする。
その横に、純白のドレスを来た黒髪の少女が降り立つ。
「なに、また来たら倒せばいい。私も居るのだからな」
アテナの肩を叩き、言うオイジュス。
>>553
敵指揮官は逃げ、部隊の本陣も無くなっては居ない。
真の脅威は去った訳ではないが、しばらくはこの年の平和が守られるだろう。
>>554
アテナは倒れたレラを抱きかかえ、イージスのコックピットへ載せる。
治療のため森の中の不法建築ハウスに連れて行くつもりらしい。
//イザヤさん寝ちゃいましたかね……?
- 556 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/25(日) 00:33:11 ID:WVrfsEdY0
- >>555
「あうあう…つかまえられなかったなの」
【包帯はむなしく空を掴む】
「…その、ふたりともごめんなさいなの…もうちょっとはやかったらつかまえられたのになの」
【ディスは二人に向けてかなり申し訳なさそうに頭を下げた】
- 557 :フェンリル:2010/07/25(日) 00:35:40 ID:QYyPcDfoO
- >>555
「……あ」
ぼけっとしてたら敵は逃げましたとさ。完。
「……(´・ω・`)」
詰めの甘過ぎる彼女であった。
とぼとぼと、肩を落としながら去っていった。
- 558 :GM アテナ:2010/07/25(日) 00:41:02 ID:7gFzKdaU0
- >>556
「……大丈夫だよ、多分。今度来たら捕まえちゃお?」
笑顔を浮かべ、ディスを励ますアテナ。
オイジュスも笑みを浮かべている。
>>557
アテナは去っていくフェンリルにぺこりと会釈をして見送った。
>>all
「じゃ、行くよ!」
皆に礼を言いつつ、アテナとオイジュスはコックピットに乗り込む。
アテナはオイジュスとともに、レラを連れイージスで森の中の不法建築ハウスへ帰っていった。
//終わりです!お疲れ様でしたッ!!
- 559 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/25(日) 00:43:43 ID:WVrfsEdY0
- >>558
「あう、うん!こんどこそつかまえてみせるからなの!」
【そう言って再びガッツポーズを決めて行った】
「あう〜〜!またねなの〜!
こんどもたすけるからねなの〜!」
【微笑んで手を振り見送った】
「……おなかすいたなの…」
【そう言うとディスは少し弱弱しくその場から立ち去って行った】
//お疲れさまでした〜!
- 560 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/29(木) 21:11:15 ID:WVrfsEdY0
- 【箱庭…まだフィールドは設定されておらず、真っ白な部屋の様になっている】
「ふ〜…そろそろくるかなの」
【ディスはそう呟いて…当人がやってくるのをじっと待っていた】
「おなかすいたなの〜…おにぎりもってきてよかったなの〜」
【…わけでもなく、美味しそうにおにぎりをパクパク食べ始めた】
- 561 :アテナ:2010/07/29(木) 21:14:08 ID:7gFzKdaU0
- 赤毛の活発そうな少女が白い部屋に現れる。
友人である少女の姿を見つけ、駆け寄る。
「や、ディス。来たよ」
笑顔で話しかける。
- 562 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/29(木) 21:17:29 ID:WVrfsEdY0
- >>561
「ん?」
【ディスの方はご飯粒のついた顔で振り返った】
「あう〜!『あてな』きたなの〜!」
【ディスは慌てておにぎりを一気に口の中に詰め込んだ】
「むぐむぐむぐ」
【少し慌てているみたいだ】
- 563 :アテナ:2010/07/29(木) 21:18:29 ID:7gFzKdaU0
- >>562
「いいよいいよ、ゆっくり食べてて。
あたしもちょっとアップしとくから」
両手にグローブを嵌め柔軟を始める。
- 564 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/29(木) 21:20:34 ID:WVrfsEdY0
- >>563
「むぐむぐ…ごくん」
「あうあう!おまたせなの!」
【ディスは微笑んで手を挙げた】
「えっと…ここはいろんなところでたたかえるんだよなの〜!」
【そう言って手を振って辺りを見回す】
「どこがいいかなの〜」
【ニッコリして言う】
- 565 :アテナ:2010/07/29(木) 21:22:02 ID:7gFzKdaU0
- >>564
「食べ終わった?」
丁度柔軟も終わり、ディスを見る。
「へぇ……。得意なところは市街地が森なんだけど……」
考え込む。
「街中がいいかな」
- 566 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/29(木) 21:26:30 ID:WVrfsEdY0
- >>565
「ん!おわったなの〜」
【ご飯つぶをつけたまま微笑む】
「あう〜まちなのねなの!いいの!」
【そう言って近くにあった端末のスイッチを押すと】
≪戦闘フィールド:街を展開します≫
【一瞬にして今にも人が出てきそうな町の中心に周囲が変化した】
「よし!はじめよなの!」
【そう言ってディスはアテナに顔を向けて真面目そうな顔をした】
- 567 :アテナ:2010/07/29(木) 21:30:06 ID:7gFzKdaU0
- >>566
周囲の変化に一瞬驚くが、すぐ元の表情に戻る。
「うん、始めよ」
力強い笑みを浮かべ、両腕のグローブ【f・f】を打ち合わせる。
甲高い音と共に真紅の魔力の渦がアテナの全身を包む。
魔力の渦が消えた跡には赤を基調としたタンクトップとホットパンツとニーソックスに身を包んだ
アテナがいた。
「魔力波、展開」
足元に魔力の波を作り出し、地上から数センチ浮き上がる。
- 568 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/29(木) 21:33:19 ID:WVrfsEdY0
- >>567
「とっくんだからって、『でぃす』よわくできないから」
【そう言ってディスは包帯を全身からシュルシュルと伸ばし始める】
「ほんきでいくよなの!」
【言うが早いか】
しゅるしゅるしゅる
【包帯が勢いよくアテナに向けて飛んでいく!】
- 569 :アテナ:2010/07/29(木) 21:36:10 ID:7gFzKdaU0
- >>568
「当然、あたしも本気で行くからねッ!!」
足元の魔力の波に乗り、滑るような高速の機動でディスに近づいていく。
「波動弾、三連ッ!!」
右腕に魔力と気を圧縮し、無色の力を創りだすと同時、それをディスの包帯に向けて放つ。
その間に左腕に力を貯めており、いつでも追撃可能な状態だ。
- 570 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/29(木) 21:40:34 ID:WVrfsEdY0
- >>569
バシュバシュバシュウン!
「あうあう…」
【包帯は次々とアテナのうった波動に弾き飛ばされちぎれとんだ】
「ぬ〜…おもったよりつよいなの!!」
【ディスはそう言って僅かにのけぞった】
「でも…まだまだなの!」
【そう言ってディスは再び全身の包帯を蠢かせ始めた】
- 571 :アテナ:2010/07/29(木) 21:44:10 ID:7gFzKdaU0
- >>570
「厄介だね、その包帯!!」
滑る移動で、ディスに肉薄する。
「まずは一発ッ!」
地面を両足で踏みしめ、その反動を背骨を通し左腕に伝える。
そして、左腕でディスの腹めがけて突きを放とうとする。
「波動発勁ッ!!」
当たれば、浸透勁の打撃と無色の力が体内に叩き込まれるだろう。
- 572 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/29(木) 21:49:15 ID:WVrfsEdY0
- >>571
「うう、これぐらいでなの!」
【ディスは慌てて腕でお腹を覆う…が】
ドゴオン!!
「あうあう!」
【威力は殺しきれずに勢いよく後ろへと滑って行く】
ズザザザザザ
「うう…だけどなの!!」
【下がりながらディスは前方に包帯を伸ばしていく】
しゅるしゅるしゅるしゅる
【包帯はアテナの体を貫こうと迫ってくる】
- 573 :アテナ:2010/07/29(木) 21:52:20 ID:7gFzKdaU0
- >>572
「ッシィーッ!!」
振り抜いた腕を引き、すぐさまファイティングポーズを取る。
「さっすが、この程度じゃ沈まないよねッ!」
アテナの防御は弱いため回避をしなければ、致命傷を追うのは必至だ。
ゆらゆらと滑る機動で、包帯を回避していくが、右腕に裂傷が出来る。
「避けそこねちゃった、な」
左腕に先程より強い力を貯め、攻撃を避け続ける。
- 574 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/29(木) 21:56:01 ID:WVrfsEdY0
- >>573
「これぐらいまだまだなの!」
【腕をぶらぶらさせて僅かに微笑む】
「ほーたいだけだったらかてないかなの…」
【そう言うとディスは刀帯からゆっくりと銀の刀を引き抜く】
「こっちだってまけないよなの!」
【片手にかまえて待つ】
(う〜…ひだりのてがうまくうごかないの…
『あてな』ほんとにつよいなの!)
【心の中でディスはそう呟いた】
- 575 :アテナ:2010/07/29(木) 21:59:57 ID:7gFzKdaU0
- >>574
「あたしも、まだまだ……!」
包帯を大きく避け、足元の魔力の波を爆発させ6メートルほどの高さに跳躍する。
「加速術式、展開」
ディスとアテナの間に3つの魔法陣が現れる。
「波動弾ッ!」
その魔法陣に向けて左腕の波動を放つ。
放たれた波動は先程より強力な波動弾だ。
魔法陣を通った波動弾は先程の数倍の速度でディスに向かって飛んでいく。
- 576 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/29(木) 22:02:35 ID:WVrfsEdY0
- >>575
「あうあう!またくるなの?」
【ディスは魔法陣を見て】
「こういうのはとんで」
【その場で勢いよくジャンプするが】
「あうあう!」
【すんでのところで足に命中してしまったらしく】
ぐるぐるぐる
「めがまわるの〜〜!!」
【脚を軸にして空中でぐるぐる回ってしまった】
「こ…の!」
【地面に勢いよく銀の刀を突き刺してどうにか回転を止める】
【今は行動なし…】
- 577 :アテナ:2010/07/29(木) 22:06:23 ID:7gFzKdaU0
- >>576
「あちゃ、避けられちゃった。結構早かったんだけどね……」
地面に降り立ち、隙だらけのディスに向かって走る。
(タフだなぁ……魔力多く無いし、温存しないと……)
身体強化のみで高速でディスに迫っていき、右腕で普通の打撃を放つ。
狙いは顔面の容赦無いコースで、突きを放つ直前に加速術式で拳を加速させた。
- 578 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/29(木) 22:10:49 ID:WVrfsEdY0
- >>577
「あう?はや」
【ディスが顔をあげて仰天しているうちに】
ドグシャア
【アテナの拳は見事にディスの顔面に突き刺さった】
「〜〜〜〜」
【拳の衝撃のまま猛烈な勢いで仰け反るディス。結構手ごたえはあるかもしれない】
- 579 :アテナ:2010/07/29(木) 22:13:27 ID:7gFzKdaU0
- >>578
「畳み掛けるよッ!」
右腕で顔面を打ち抜き、そのまま膝蹴りを胴体に放つ。
(いくらタフでも、急所は急所ッ)
膝は鳩尾に向かっており、当たればかなり痛いだろう。
- 580 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/29(木) 22:17:43 ID:WVrfsEdY0
- >>579
【ディスは顔面に食らったまま】
ドスン!
【鳩尾にも勢いよく膝が突き刺さった】
【が…ここでおどろきのこえが】
「あぐー…まえ…えな…けど」
【膝が刺さった状態でディスの声が、とぎれとぎれにきこえてきたのだ】
「そこ…なの!」
【突然ディスの周囲にあった包帯が直ぐ近くに来たアテナに向けて勢いよく伸びてきたのだ!】
【顔面に拳が刺さっているのだが…狙いは腕やひざを中心に伸びている】
- 581 :アテナ:2010/07/29(木) 22:20:45 ID:7gFzKdaU0
- >>580
確かな手応え。
普通の相手ならば、コレで昏倒しているはずだ。
だが、この異能都市にいる人間が普通である筈などない。
(まだ、意識が残ってるなんてッ!)
驚愕と共に、急いで後ろに退避するが、全ての包帯を避けきることは叶わず
左足と脇腹に包帯が突き刺さった。
「ーッ!」
激痛を感じるもそのまま後ろに飛び、包帯を回避する。
「強いね、ディスも」
魔力により、出血と痛みを抑えながら言う。
- 582 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/29(木) 22:24:47 ID:WVrfsEdY0
- >>581
【ディスは改めて地に足をつけるが】
「う〜…」
【鼻血がデロデロと流れている上にきもちわるそうに口を押さえている】
「なんだかあたまがぐらぐらするし…すごくきもちわるいなの…」
【顔色が悪いが、お腹を押さえているわけでもない…どうも異常である】
「でも…まだまだなの」
【先ほどより動きが鈍くなっているが、包帯は再び軌道をうねらせてアテナに向かっていく】
しゅるしゅるしゅるしゅる
【先ほどに比べれば回避が容易かもしれない。様々な方向から向かってくるが…】
- 583 :アテナ:2010/07/29(木) 22:28:01 ID:7gFzKdaU0
- >>582
(……様子が、おかしい?)
ディスの様子を見て一瞬訝しがるが、迫り来る包帯を見て考えるのを中断する。
「マジックミサイル×30」
低威力の遠距離魔法を包帯に向け放ち、機動をそらすと同時、ディスに向かって魔力の波に乗り走っていく。
「波動撃ッ!」
タメの少ない打撃がダメ押しのごとくディスに放たれる。
右腕には圧縮された波動がまとわれている。
- 584 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/29(木) 22:31:29 ID:WVrfsEdY0
- >>583
「うぐぅ…やっぱりほーたいだけじゃなの」
【ディスは少しだけその様子を見て、後ろに下がろうとする】
「またくる…の!」
【ディスは慌てて刀を構えて波動を防ごうとする】
ドゴォン!
【再びディスは後ろに下がる…】
「う〜……しびれるなの」
【しかし次の行動は起こさない…少なからず先ほどの攻撃が効いているのかもしれない】
- 585 :アテナ:2010/07/29(木) 22:35:15 ID:7gFzKdaU0
- >>584
(魔力は、半分くらいか……。
パラディオンも考えとくべきだね……)
自己の残りの魔力を確認し戦闘プランを立てる。
そして、手応えを感じるが、油断せずもう一歩踏み込む。
「加速術式、連続展開ッ!」
拳と足による連撃を術式により加速し、凄まじい速度で放つ。
一発の威力は波動撃には及ばないが、その怒涛の連撃は凄まじい勢いだ。
- 586 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/29(木) 22:38:30 ID:WVrfsEdY0
- >>585
「うー…ぜんぶまもるのむずかしの」
【ディスがそう言うとポーチから勢いよく包帯が伸びてくる】
「たてに…」
【そこまで言うと包帯はディスの前を防ぐように展開されていくが】
【まだ完全に完成していないのでところどころが連撃に押されて凹んでいく…】
「うぐ…う〜」
【ディスは困った顔でそれを内側から見ていた】
- 587 :アテナ:2010/07/29(木) 22:41:10 ID:7gFzKdaU0
- >>586
ズガガガッガ、と怒涛の連激が放たれるが、その都度アテナの魔力も減っていく。
(……いくら消費少ないと言ったって、連続で使うと、ね)
包帯の盾を凹ませるが、ディスに届くほどではない。
(埒があかない)
全身の強化を無意識に強くし、加速もより早くなっていく。
- 588 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/29(木) 22:44:09 ID:WVrfsEdY0
- >>587
「くうー…こうなったらなの…」
【ディスはそろそろ限界が近付いてきていることが分かると】
「これで」
【ディスは盾の後ろから刀を構える】
「どうだなの!」
【勢いよく縦の後ろから銀の刀を突き出した!!】
【瞬間】
ドゴォン!ドドドドドドド
【包帯が千切れ飛び、猛烈な連激をディスはその身に受ける】
- 589 :アテナ:2010/07/29(木) 22:49:11 ID:7gFzKdaU0
- >>588
包帯の盾を連撃が突き抜けると同時、ざくり、とした感触が左手に伝わる。
「ぁーッウ!」
勢い良く突き出した左手の骨すら貫通して銀の刀が手に左手に突き刺さっていた。
「痛ぁああああああッ!」
叫び声をあげるが、刀から左手は抜かない。
むしろ左手で刀の刀身を鷲掴みにしていた。
「つっかまーえたー!」
左手から血を吹き出させながら、右腕を全力で振りかぶり、ディスの腹めがけて残りの魔力すべてを込めた一撃を放つ。
「波動撃ッ!」
- 590 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/29(木) 22:53:27 ID:WVrfsEdY0
- >>589
「うう〜!まずいなの!」
【ディスも後ろに下がろうとしたが…刀をわしづかみにされた状況では動けず】
ドボォッ!!
【お腹が猛烈な勢いで拳の形に凹んだ】
「うぶぅ〜!!」
【ディスは口を押さえて…地面に頭を向け】
「う〜〜……」
【……リバースを始めた…(状況は放送規制につき説明できません!!)】
- 591 :アテナ:2010/07/29(木) 22:55:48 ID:7gFzKdaU0
- >>590
「ッし!」
会心の一撃だ。
しかし、魔力は既に尽きている。
この先ディスが戦うのならば、気のみか、パラディオンの発動をしなければいけないだろう。
そして、リバースしているディスを見下ろし。
(ちょっとやりすぎちゃったかなぁ……)
「大丈夫?ディス」
左手から血をダラダラ流しながら心配そうに聞いた。
- 592 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/29(木) 22:57:35 ID:WVrfsEdY0
- >>591
「え・・・えと…だいじょぶなの」
【あらかたリバースしてディスは微笑んで顔を上げた】
「う〜…だけど…なんだかもうからだうごかないし」
【そう言うと周囲の包帯も頼りなさそうにふにゃふにゃしている】
「ほーたいもうごくうごかせないの…もうちゃんとたたかえないからなの」
【ディスはゆっくり頭を下げて】
「こーさんなの!」
【ちょっとだけ大きな声で言った】
- 593 :アテナ:2010/07/29(木) 23:00:17 ID:7gFzKdaU0
- >>592
「大丈夫ならいいんだけどさ」
と安心したふうな表情で言う。
「ん、じゃあたしの勝ちね」
笑顔でディスに言う。
「いやぁ……でも危なかったよ、コレで来られたら魔力足りなくて……」
魔力切れの影響が来たのかふらつき、地面に座り込む。
「ぎりぎり、って所だね」
へへ、と笑う。
「また今度、やろ?」
- 594 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/29(木) 23:03:34 ID:WVrfsEdY0
- >>593
「うん…きぶんわるいだけなの!」
【刀を杖にしてゆっくり立ち上がる…そう言えば痛がる様子は先ほどからなかった】
「あうあう…うまく、やってたかなの…『でぃす』…なの」
【軽く微笑んで、また座り込む】
「うん、またこんどねなの…つぎは…まけないなの」
【そう言って小さくガッツポーズした】
- 595 :アテナ:2010/07/29(木) 23:05:54 ID:7gFzKdaU0
- >>594
「うぅ……左手痛ぁ……」
左手をぶんぶん振ると血もびちゃびちゃ飛び散る。
「止血止血……」
魔力は切れたが、気の容量は残っていたため、それで止血をする。
「ん、アレだ。ライバルだねアタシたち」
ニコリと笑顔を向ける。
- 596 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/29(木) 23:07:50 ID:WVrfsEdY0
- >>595
「あう〜…だいじょぶかなの」
【そう言うとディスはひょろひょろと包帯を左腕に向けて巻きつけようとしている】
「あうあう、らいばる!いいなの!
『でぃす』と『あてな』はらいばる!うれしいなの〜」
【嬉しそうにほほ笑んだ。激闘の疲れとダメージの影響でどこか頼りないが】
- 597 :アテナ:2010/07/29(木) 23:10:07 ID:7gFzKdaU0
- >>596
「ありがと、ディス」
おとなしく包帯を巻かれている。
「お互い、強くなってこう。ね?」
その言葉は楽しげに弾んでいる。
「f・fもお疲れさん」
両手にハメられたグローブを労ると甲高い音が帰ってきた。
- 598 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/29(木) 23:13:53 ID:WVrfsEdY0
- >>597
「こちらこそなの…なんだか、たたかえてうれしいの」
【軽く微笑んで言う】
「うん!もっとつよくなるねなの!」
【ガッツポーズをして言った】
「それに、『あてな』のおともだちさんもなの〜」
【グローブに向けても微笑んだ】
「う〜…そろそろでないとだけどなの…」
【ディスはため息をついて座り込んだままである】
「た…てない…なの〜」
【座り込んだままため息をついた。腹をぶんなぐられたのに随分と平気そうだ】
- 599 :アテナ:2010/07/29(木) 23:15:40 ID:7gFzKdaU0
- >>598
「あたしも、嬉しかったよ」
少し照れながら答える。
ディスの言葉にグローブは甲高い音で返す。
ゆっくりと立ち上がり、ディスの方に向かって歩き。
「肩、貸す?」
と聞いた。。
- 600 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/29(木) 23:20:30 ID:WVrfsEdY0
- >>599
「うん、なんだかいっしょにつよくなれたきがするなの」
【ニッコリほほ笑んで言った】
「あう、おねがいなの〜」
【ディスはおとなしく肩を貸されることにした】
「つぎこそまけないんだからなの〜」
【ちょっとディスは強がってみせた】
- 601 :アテナ:2010/07/29(木) 23:23:05 ID:7gFzKdaU0
- >>600
「この町の人は、強いね」
しみじみと感じる。
前の世界に居た人々より、何処か力強いと。
「あたしも、がんばらないとなぁ」
ディスに肩をかしながら呟く。
「次もあたしが勝っちゃうよ!」
挑戦的な笑みを浮かべディスに言い放つ。
「じゃ、帰りますか」
ディスと共に現実世界へ帰還していく。
- 602 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/29(木) 23:25:37 ID:WVrfsEdY0
- >>601
「うん、みんなつよいなの!がんばろなの!」
【そう言ってディスはにっこりとほほ笑んだ】
「あう〜。こんどはまけないからなの〜!」
【微笑んだまま強気の声を上げる】
「うん、かえろなの」
【そう言って肩を貸された状態で現実世界へと帰っていった】
//おつかれ〜
- 603 :捕食する何か/『鬼』:2010/08/01(日) 01:35:31 ID:xm/dFKGs0
- 「う…ぁぁ…」
路地裏には人の死骸が転がっていた、年齢は20歳くらいだろう。
それを人間が食っていた。肉を食い千切り、骨ごと。
人間の格好は学生服を着ており、恐らく10代後半だろう。
時々上げる呻き声には声変わりを終えた低い声が聞こえる。
もっとも、それが人語を解するかはわからないが。
- 604 :緑乃壱 瞑輔:2010/08/01(日) 01:40:02 ID:HnkBBDEo0
- >>603
「ゆらぁ……りぃ、と」
フラリとその場に現れたのは、刀を左手に持った青年。
緑に染まった髪の毛を掻き揚げ、新緑のコートを夜風に揺らせている。
コートの中にはTシャツと袴という、よくわからない服装であり、
耳についた大量のボディピアスは風にゆれ、ジャラジャラと不愉快な音を立てる。
「血の匂いにつられて来たら、まぁた剣呑な感じになっとるねぇ。
ナニコレ、一般的な夜食とはかけ離れてるんですケド」
- 605 :捕食する何か/『鬼』:2010/08/01(日) 01:46:23 ID:xm/dFKGs0
- >>603
「ぁあ、う、ぐぁ」
後ろの声にも意にも介さず捕食しつける人間。
辺りには鉄臭い血の匂いが充満し、異様な雰囲気を醸し出している。
気付いていないのかどうかは分からないが、
今襲えば確実に命を刈り取る事ができるだろう。
- 606 :舞草雪莵:2010/08/01(日) 01:48:11 ID:7jE6yumoO
- >>603
「――――」
少し距離を置いて、その惨劇を見詰める人物がいた。
瑠璃色の着流しに純白の羽織り、瞳の様子を窺う事が出来ない細い目。
色の薄い、小さな長方形レンズのサングラスを一度押し上げると、その人物は緩やかに歩を進めた。
からん、ころん。仄暗い路地裏に木霊する下駄の唄。
程良い距離と感じたのか、その人物は動く。
地を一蹴り、疾風の如く駆けながら懐から鈍い銀の光を放つ小刀を取り出す。
刃を最大の威力で叩き込める距離。
瞬間、逆手に握った小刀を何の躊躇いも無く袈裟に振るった。
- 607 :捕食する何か/『鬼』:2010/08/01(日) 01:51:40 ID:xm/dFKGs0
- >>606
「あぁぁ…!うぁ…」
その振るわれた刃を右手で人間は握り締める。
素手の為か、刃は止まったものの刃は骨に達し、勢い良く血が吹き出す。
そんな事を意にも介さず食事を続ける人間。
さっきとは違い言葉は発せず、まるで速く終えたいと感じさせる焦りが見えた。
- 608 :緑乃壱 瞑輔:2010/08/01(日) 01:57:53 ID:HnkBBDEo0
- 「……ッ」
咄嗟に身を隠した。
何だ? 何が起きている?!
「……なんだよ……あれは」
自分は辻斬りという殺人鬼。
多くの人間を殺してきた。
でも、あれは違う。あの殺し合いには、『何も無い』
命のやりとり、狩る側、狩られる側、生きるか死ぬか。
そうではない、「ただ、在るから殺す」、それだけである、と、緑乃壱は感じた。
彼がそう感じただけで、実際はどうであるかは分からないが、
そう感じてしまった彼は、始めてみる「殺しの空気」に緊張を覚えていた。
「そうか、あんな殺し方もあるのか……」
そう呟きながら、物陰に隠れて二人を見守る。
- 609 :舞草雪莵:2010/08/01(日) 02:04:53 ID:7jE6yumoO
- >>607
「おやまぁ見事な反射神経で」
大体の鬼であるならば接近を感じ取る事が出来ぬ侭、閃く刃に命を刈り取られてしまうのだが、目の前の鬼は此方を見ずとも刃を受け止めた。
「だからと言って怖じけづく舞草ではないよ――――」
判断は一瞬。柄から手を離すと同時に左足を軸にして回転。
その勢いを利用し、掌打を鬼の背に叩き込まんとす。
舞草家に伝わる「制気術」。体内を流れる気を操るその技術を使い練り上げた気を掌に集約させた。
それが生み出す威力は鬼の強固な肌を破り、鋼の様な骨を砕くまでに引き上げられていた。
- 610 :捕食する何か/『鬼』:2010/08/01(日) 02:11:45 ID:xm/dFKGs0
- >>609
反応できず、人間はなすすべもなく吹き飛ぶ。
近くの壁に激突した鬼は、正気に戻ったのか分からないが、
ゆっくりと立ち上がり、首を鳴らし、折れた骨を強引に戻していく。
「ぅくぁ―……」
さっきの呻き声とは違うハッキリとした声で、
人間は言う。
同時に右の足を地面にコンコンと当てると、
地面が波を打つように流動し、目の前の攻撃してきた相手に向かっていく。
- 611 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/08/01(日) 02:14:53 ID:.cnuApvE0
- >>608
いよう。調子ど?
【同じく影に隠れて見ている女】
【ひょいと首を引っ込めて瞑輔を見ると、にかっと笑いまた殺し合いを眺める】
うひゃあー〜〜〜、エゲツなッ。
怖いねぇ。ありゃー敵を敵と思ってないような斬り方だぜ。
【独り言のように、見世物を見る笑い方】
- 612 :舞草雪莵:2010/08/01(日) 02:23:07 ID:7jE6yumoO
- >>610
「いやはや、なんと打たれ強い」
感心のかけらも感じられない軽々しい口調で呟くと、身構えて波を迎え撃つ体勢になる。
彼は無闇やたらに相手へと攻撃を仕掛けるタイプではない。
相手を観察し、微かに生まれる隙を突いて常に最大限の攻撃を叩き込む事を善しとしている。
体力の面で勝る鬼と力を温存しながら長時間戦える様に、父から厳しい教えを受けていたからだ。
彼は鬼を見る、波を見る。
全ては鬼を葬る確実な一手を導き出す為に。
- 613 :緑乃壱 瞑輔:2010/08/01(日) 02:23:23 ID:HnkBBDEo0
- >>611
「おいっす。……って、なに普通に話しかけてんだよお前!」
いつの間にか現れた彼女にビクゥと身を震わせる。
「まぁ、お前の感想にはムカつくことに同意だねぇ。
ありゃぁ、稲を前にした農民みたいな狩り方だ。
ああいう手合いとはァ、関わりたくないぜぇ。殺しにくいしな」
それは目の前にいる彼女のことも含まれるのだが、この際それは置いておく。
「お前はわざわざ、この殺しを見に来たのかい?」
- 614 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/08/01(日) 02:28:04 ID:.cnuApvE0
- >>613
あによー、どうせアンタもボクも大して変わんないでしょ。
おんなじ匂い♪ ちのにおいン♪
【妙な節をつけて人差し指をくるくる回す】
僕にゃ似てるかもね、あのやり方。拳と刀、奇襲と受身。あと心持ち?
【瞑輔の問いにぶんぶんと頭を振って】
まっさかー。僕はただ、夜道の散歩をフラフラっとしてて、お酒呑んで気分良くなって
そしたらたまたま殺し合いっぽいのを見つけて、たまたまここに居合わせて、
たまたま観察してるだけだよ。
- 615 :捕食する何か/『鬼』:2010/08/01(日) 02:28:23 ID:xm/dFKGs0
- >>612
「……」
彼が行ったのは一種の幻覚術の一種である。
認識したら勝ちだと思ったのだが、そうやら思った以上に無関心らしい。
まるで動じず、結局相手に到達前に消えてしまった。
「…思った以上に、きつい逃げになりそうだな」
- 616 :緑乃壱 瞑輔:2010/08/01(日) 02:39:15 ID:HnkBBDEo0
- >>614
「そりゃ……」
言葉が詰まった。反論できない。
「ま、別にいいけどよ。お前がそれでいいなら」
遠吠えのように呟き、また目の前の戦闘に目を向ける。
「たまたま……で、こんな場所に来た、か。
やっぱりこれも因果、あるいは性質ってヤツかね。
つくづく、報われないね、俺たちは。
しかし、ちっくしょー。俺まだ今日は一人も辻斬ってねーよ。
御陰で懐が寒い寒い。おい、ちょっとお前さん、俺に飯おごってくれよ」
この血の匂いが溢れる場で、平然と瞑輔は虎姫の食事を提案する。
- 617 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/08/01(日) 02:46:47 ID:.cnuApvE0
- >>616
んじゃ、ここに居させてもらおうかな〜っ?
【無防備に腰を下ろし、上機嫌そうな顔つきで帽子に手を突っ込む】
なーにが報われないよ、好きで斬り合って生きて死んでんのに。
世の中やりたくったってやれない趣味の人多いのに幸せモンだよ。
【頭から大きな酒瓶を一本と裂きイカの袋を指に挟んで引っ張り出し、ビニールの切れ目を噛んで引き切る】
【それから大きく開いた袋の口をさも当然と言わんばかりに瞑輔に差し出し】
これしかない。全部取らないでよ。
【片手で酒の栓を開けるのに集中しながらそう言った】
- 618 :舞草雪莵:2010/08/01(日) 02:51:21 ID:7jE6yumoO
- >>615
波の消失を確認。その不自然さから、彼は今の波が能力による物であるという可能性を否定した。
「面妖な手を使いますねぇ
だけど無用に終わったようですなぁ」
にんまりと口の両端を吊り上げた薄気味悪い微笑み。
「逃げる? こりゃまたどうして
喰い逃げを許す程、舞草の人間は優しくはぁないですよ?」
言って両の手を組み合わせた。そして目にも留まらぬ速さで結ばれる印。
印を結び終えた彼の目の前で巨大な陣が回転を始める。
西洋の魔法等に見られる陣に幾つもの漢字が書かれたその陣の中央から、黒く尖った巨大な“何か”が出て来た。
「さぁて、お勘定の刻ですよ
閻羅への帰り道、先導はワタクシ、舞草雪莵が務めさせていただきます」
「――――ミサキ」
彼がその名を呼んだ瞬間、その“何か”が割れた。
中に見えるのは肉、そして舌。
形状から察するに、それは嘴。それもとてつもなく大きな。
ぽぅ、と嘴の中に赤い光が灯るや否や、凄まじい量の炎が放たれた。
路地裏の道いっぱいを埋め尽くすかの様に、紅蓮の絨毯は宵闇を洗い流しながら鬼へと向かう。
- 619 :捕食する何か/『鬼』:2010/08/01(日) 02:59:27 ID:xm/dFKGs0
- >>618
「成功したら逃げる気だったんだ」
そう言って骨を直した後、相手に向かい言う。
「食い逃げか…勘違いなんだがな、仕方がない」
相手はこちらの言葉を言い訳にしかとるまい。
…しかし、殺せばいいと言う訳ではないのだ。
つまり俺は「この強敵に対し、殺さずに尚且つ逃走する」という選択肢を取らざるを得ない。
と、相手はこちらを燃やして殺す気らしい。
どう対応するか考える暇はないだろうし、ここは空中へ逃げるしかない。
「ハッ!」
両足に軽く力を込め跳躍する。高さは3mくらい。
炎を避けられるかは分からないが…
- 620 :緑乃壱 瞑輔:2010/08/01(日) 03:01:51 ID:HnkBBDEo0
- >>617
「別に好きで……いや、好きなのか、ねぇ。自分でもわかんねぇや」
そう言いつつ、裂きイカに手を伸ばす。
「お、すまねぇな。
殺り合ってんの見ながら、ってのも悪くはねぇ」
イカをくちゃくちゃと噛みながら、また殺し合いに目を向ける。
「でも、なんであの二人は殺し合ってんのかね。
やっぱり理由なんて無いのか? ちゃんと理由があるなら、知っておきたいね」
- 621 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/08/01(日) 03:09:00 ID:.cnuApvE0
- >>620
僕も好きかどうかは分かんねーぜ。
【片膝を立てて酒の栓を開け、瓶の口に直接口をつけて酒を飲む】
でも僕は、刀握りながら笑うタチだから、狂ってんだなってのだけ分かる。
まぁ、結論好きなのかねぇ。
終わったら聞きな。速攻で追っかけてさ。
……ってうわ、すげっ! ねぇねぇ火ぃ出たよ! ねぇ!
【>>618を見てやたら興奮し、男の腕を強くゆする】
- 622 :緑乃壱 瞑輔:2010/08/01(日) 03:18:07 ID:HnkBBDEo0
- >>621
「ちょ、やめろ! ゆすんな斬りたくなるだろ!!」
うがーと歯を剥いて怒りつつも、同じく炎に染まった景色を目にする。
「うはー、異能使いか。すっげぇなぁ。
俺もああいう異能とかぁ、欲しかったぜぇ。
そうすりゃぁ、もっと楽に人が殺せたことだろぅによぉ」
- 623 :舞草雪莵:2010/08/01(日) 03:19:38 ID:7jE6yumoO
- >>619
何らかの事情が有ったとしても、舞草の人間には関係の無い事。
“鬼であるならば”殺す理由になってしまうのだ。
故に彼は眼前の鬼を殺す。理由は“鬼だから”。何の感情も抱く事なく、事務的に、機械的に殺しを“熟す”。
猛る火炎の波は地を焼き、遺骸を灰燼に変えながら路地裏を染め上げる。
其処は濛々と立ち上がる煙と肌を焼く熱波で、常人ならば数分とも居られない様な小さな地獄へと化した。
揺らぐ焔の草原に立ち、彼が見上げた先には先程の鬼。
低めに放った炎、鬼の身体能力を以って避けられても致し方ない、と内心呟きながら、彼は再び印を結ぶ。
「空中に逃げたのが仇となりましたね。避けられますか?」
言葉の終わり、先程の嘴からバスケットボール並の火球が五つ吐き出された。
それぞれ狙いをずらして放たれたそれは、一直線に鬼へと向かう。
- 624 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/08/01(日) 03:25:37 ID:.cnuApvE0
- >>622
だって凄いじゃん!?
あーでも暑っつ……この時期に熱燗は好みじゃないんだけど。
【手のひらで自分を扇いで舌を出す】
ワーオ、やっぱアンタあれだよ。
人殺すの好きだよ。絶対。
【両手を天秤のようにしてやれやれと溜息】
- 625 :捕食する何か/『鬼』:2010/08/01(日) 03:27:43 ID:xm/dFKGs0
- >>623
「……行けるか?」
(…いつでも構わん、待ちくたびれたぞ)
俺は自分の中の『鬼』会話した後、俺は右手に意識を込め、目を閉じる。
次に目を開いたときには腕は黒く鋭角的な腕に変わっていた。
「切り裂け、鬼の腕!!」
火急3つを引き裂いて無効にするが、残りの二つは直撃した。
……普通なら死ぬが、どうやら鬼の生命力は予想以上だ。
まだ、やれる。
俺は落下しながら地面に着地した後、
右の腕を振るい、黒い刃のような衝撃波を飛ばす。
- 626 :緑乃壱 瞑輔:2010/08/01(日) 03:33:29 ID:HnkBBDEo0
- >>624
「すっ、好きじゃねーし!!
別に人殺すのは……義務感でやってるだけだし!!」
なんだこの中高生みたいな会話。
「やれやれ、今日はそろそろ消えるとすっかね。
この様子じゃ、今夜は誰も切れなさそうだ。
次の夜に期待するぜ」
ゆらりと立ち上がると、下駄を鳴らして歩きはじめる。
「裂きイカ、ありがとぅよぉ。
懐が暖まったら、次の機会になんかおごるぜ。
殺意が沸かなかったらなぁ」
ひひひと笑い、そのまま夜の闇の中に溶け込んでいった。
- 627 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/08/01(日) 03:36:33 ID:.cnuApvE0
- >>626
ほーかい。んひゃぼくもかへる。
【イカをもぐもぐしつつ立ち上がり、尻をぱしぱしと払う】
なんか頭痛してきちゃった。
今日は大人しく寝よっと。
【殺し合いを一瞥してから、なんだか走る怖気に体を震わせた後】
【虎姫はあっというまに駆けて見えなくなった】
- 628 :舞草雪莵:2010/08/01(日) 03:40:37 ID:7jE6yumoO
- >>625
「ほぅ……これは中々」
思わず感嘆の声を漏らす。対峙している“彼”からは鬼の気を感じ取ってはいたが、どうも“普通”の鬼とは異なるようだ。
だがそんな事はどうでも良い、結局は鬼に変わりは無い。
舞草の者として為すべき事は唯一つ。
「ミサキ!」
声に応えるかの様に嘴が火球を吐き出し衝撃波を相殺させる。
「純な人間ではないようですねぇ
何と言いますか、こう……鬼にとり憑かれてしまっている。違いますかね?」
興味が無かった訳ではない。個人的に抱いた疑問。そして聞き出した情報を今後の役に立てる為に彼は問い掛けた。
- 629 :捕食する何か/『鬼』:2010/08/01(日) 03:53:41 ID:xm/dFKGs0
- >>628
「悪いが、ノーコメントだ、これ以上人を殺されたくない」
そういいながら黒い腕からは意識を離さない。
今でこそ俺の中の『鬼』とか言うのは俺に従っているが、
相手を巻き込んでいいものではない。
「生憎、殺されようとしている状況で、相手と話せる余裕もないッ!!」
そう言って再び2,3、黒い刃のような衝撃波を飛ばす。
- 630 :舞草雪莵:2010/08/01(日) 04:11:59 ID:7jE6yumoO
- >>629
「ふふふ……その生にしがみつく所は人も鬼も変わりは無い様ですねぇ」
喉の奥をくつくつ鳴らしながら口を三日月型に歪めた。最早“笑う”という動作ではない様に思えてしまう薄気味悪く、不気味な笑顔。
「無闇に飛び道具を放てば良いという訳では有りませんよ
技の出所、充分な距離、対象に意識を向ける余裕さえ有れば」
小さな動作で身体を捌き、紙一重の所で刃を躱していく。
「避ける事は難しくはぁないです」
ドッドッと重い音と共に陣から突き出た嘴から吐き出される火球。
彼が先程発した言葉からすればこの様な攻撃行動は不粋の一言。相手の隙すら突いていない攻撃。
勿論火球の直撃など期待してはいない。
火球の発射と同時、彼は駆け出していた。火炎の球に身を隠し距離を縮めようという算段なのだ。
落ちていた小刀を広い上げ、刺突の構えを取りながら、相手への接近を試みる。
//ごめんなさい、眠気が酷いので今日はこの辺でorz
//また後日続きの方をお願いしたいです。
- 631 :斉藤義孝/『鬼』:2010/08/01(日) 04:29:43 ID:xm/dFKGs0
- >>630
(……どうやら敵は火球に身を隠して接近する算段のようだ。
浅い考えだ。どうする?)
「左腕の拘束を解除する。
一筋縄じゃいかないらしい」
そう言って左腕も黒く変色し、鋭角的な腕となった。
俺は両腕で構えを取り、足で地を蹴って接近する。
(敵の構えは刺す型らしい。どうする)
「…こうするッ!」
俺は両腕で火球をいなしながら、相手の右に移動するが――?
- 632 :舞草雪莵:2010/08/02(月) 17:09:47 ID:7jE6yumoO
- >>631
火球が通過し、同時に鳴るは甲高い風斬りの音。
剥がれ落ちた火の粉の花吹雪、その中で伸ばされた腕。
握られた刃は虚しく空を穿っていた。
「おや、外れだ」
わざとらしい驚きの声を零した彼は、前につんのめり転倒。
当たる、という確信が有ったのであろうか。
何はともあれ、彼は背を天に向けて晒しながら倒れ伏している。
外ならぬ好機であろう。
- 633 :斉藤義孝/『鬼』:2010/08/05(木) 18:42:02 ID:xm/dFKGs0
- >>632
「一意専心!」
(いざッッッッ!!)
右腕と左腕に力込め、左手を使いジャンプし、
空中からその背を狙った回転攻撃しながらの赤い爪閃の嵐が、相手に襲い掛かり、さらに――
「はあぁぁーーっ!」
遠心力を使って勢いを増した大型の爪閃が凄まじい速度で発射される!
回転爪閃と巨大爪閃は間が在り、相手がすばやく復帰したならば、
その背後から仕掛けることも可能であるが――
- 634 :舞草雪莵:2010/08/05(木) 18:58:54 ID:7jE6yumoO
- >>633
――――轟、と風が鳴った。
「あー、しまったしまった
ボクとした事がぁ詰まらないミスを」
地に俯せる彼はへらへらと薄ら笑いを浮かべていた。
絶体絶命の危機が迫っているというのにも関わらず、その表情からは余裕すら窺える。
「いやぁー、死にたくないな。うん、死にたくない
ボクにはまだまだやらねばならない事がたーくさん有るからね」
――――何かが風を斬る、否、風を薙ぎ払う音。
――――それは厄災の到来を告げる音。
「だから助けて欲しいなぁ――――」
「ね、ミサキ」
ぎゃああ、というけたたましい鳴き声と共に、義孝と雪莵の間を黒く巨大な何かが通過した。
義孝の放った爪閃はその漆黒に直撃した。
雪莵を護るかの様に飛来したのは四枚の翼をはためかす巨大な烏。
義孝から受けた一撃により背から血を噴き出していながらも、その勢いは衰えなかった。
巨鳥の羽ばたきにより生み出される風は、猛る嵐となり近くに居る者を悉く吹き飛ばすであろう。
- 635 :斉藤義孝/『鬼』:2010/08/05(木) 19:04:02 ID:xm/dFKGs0
- >>634
「づぇぁっ!」
吹き飛ばされた男は着地するも、バランスを崩して倒れてしまう。
状況は劣勢。目の前の巨鳥と、その奥の男と退治するのは無謀だ。
しかも、これで殺さずに逃げる、というのがさらに難しくなった。
(どうするのだ?)
「……考えていない。
もとより、無茶無謀の手なんでな」
そう言って、起き上がろうとするが――?
- 636 :舞草雪莵:2010/08/05(木) 19:16:17 ID:7jE6yumoO
- >>635
「よーしよし、よく頑張りましたねぇ」
巨鳥の通過時に飛び乗ったのか、彼は大烏の背の上でしゃがみ込み、その漆黒の頭を撫でていた。
突如、烏の進行方向に巨大な陣が展開された。それは先程嘴を、いや、この大烏を召喚する際に用いた物と同じ物だ。
その陣を通過した瞬間、烏は陣に吸い込まれる様に消えていった。
乗っていた烏が消え、虚空に放り出された後
「よっ、と」
カラン、と下駄で地を叩いて着地。ニコニコとした薄気味悪い表情は依然変わらず。
義孝が起き上がるのを待つかの様に、その場で立ち尽くしている。
- 637 :斉藤義孝/『鬼』:2010/08/05(木) 19:45:11 ID:xm/dFKGs0
- >>636
「……(よし、逃げる)」
(レッツ・逃走、か)
次の瞬間、倒れた状態で地を滑る様に動きながら、
男は狭い路地に入っていった!
その速度はスポーツカーの如き速度だが、カーブに入ってもきっちりと曲りきっている――!!
- 638 :舞草雪莵:2010/08/05(木) 20:02:43 ID:7jE6yumoO
- >>637
目の前で逃走を謀る義孝の背を悠然と眺める。
追う気配は無さそうである。
「あーあ、逃げられてしまいましたなぁ
舞草の者として恥ずかしい恥ずかしい」
それを悔やむ様子を微塵も感じさせずにそう呟いた彼は、す、と手を前に。
開かれた掌から沸き上がる様に顕れた一羽の烏。
鳴き声一つ、羽ばたいて何処かへ飛んで往く。
「其方は任せましたよ」
どうやら烏に義孝の後を追うつもりなのだろう。
「簡単に逃げ切れると思わない方が良いですよ……
舞草の眼は、彼岸の彼方まで追い続けます……」
静けさを取り戻し始めた路地裏に染み渡る声。
薄気味悪い微笑みと共に、彼の姿は消えていく。
- 639 :小鳥遊 薫:2010/08/06(金) 23:14:31 ID:qUYKsP6M0
- 【小高い丘】
「夜――また…来ちゃいました。」
以前訪れた場所と同じところ。
薫では車でなければ来れない場所。
夜が息絶えた場所が知りたかったが、知りたく無い。
矛盾を内包した気持ち。
気持ちの整理の時間はたくさん使った。
泣き続け、目を腫らし続けた日を過ごしてきた。
それでも、夜は―――戻ってこない。
あの日、彼女は言った。
“自分は死んだ”と。
風が無く、ジメッとした空気。
山独特の爽やかさは僅かなものだ。
「夜…。もうすぐお盆です。精霊棚を用意すれば…来て…くれますか?」
薫には、結果が分かっていた。
あの日、自分に会いに来た夜は―――
薫は、花束と団子、日本茶を置くと、車に戻る。
薫は手を合わせなかった。
合わせたくなかった。
時は傷を癒すと言い出したのは誰だろうか。
時が心の傷を癒そうとも、自分の手から零れた“夜という少女の存在”は決して戻らないのに――
でも、その傷には、今、カサブタが出来始めている。
理性の仕業か、時の癒しか。或いは両方かもしれない。
薫には分からない。
カサブタが取れた頃、自分は今まで通りやっていけるか。
だが、カサブタは乾く前に剥いでしまうと跡が残ってしまう。
カサブタという蓋をした傷から、何時かは――決壊してしまいそうで…。
「夜、私は帰りますね。また…来ます。」
薫は愛車のカブトムシに乗り込むと、ギアをローに入れ走りだした。
- 640 :黒沢小百合:2010/08/11(水) 21:44:36 ID:SSMHlh/20
- 【イデアの箱庭・平原フィールド】
遮る物が何もない広大な草原。
風が草原に吹くたび、雑草がさあさあと爽やかな音を立てる。
「んー……風が気持ちいいなあ……。
自然の風とは違うけれど、たまには。」
その草原で女性が長い黒髪を風になびかせながら
人工の空に浮かぶ三日月を見つめていた。
- 641 : ◆uotUYGHVwM:2010/08/11(水) 22:15:45 ID:waizRv/I0
- //いらっしゃいますかねー
- 642 :黒沢小百合:2010/08/11(水) 22:21:32 ID:SSMHlh/20
- >>641
いるよー
- 643 :名も無き異能都市住民:2010/08/11(水) 22:38:13 ID:waizRv/I0
- 広がる草原。
月に照らされた草が風に吹かれ、靡く。ただそれだけ。
――の筈だった。
小百合の視界の中に、妖しく月の光を反射する"何か"が蠢いていた。
- 644 :黒沢小百合:2010/08/11(水) 22:42:07 ID:SSMHlh/20
- >>643
「……?」
小百合はそれを目にしても別段、
警戒するだとか何らかのアクションを起こす事はなかった。
油断している、といえばまったくその通りだろう。
箱庭内という特殊な環境が彼女から警戒という感情を忘れさせた。
- 645 :名も無き異能都市住民:2010/08/11(水) 22:47:00 ID:waizRv/I0
- >>644
蠢く"何か"は、ゆっくりと。
そりゃもうゆっくりとした速度ではあるが、確かに小百合の方へと動いていた。
よく見れば、それは固体と液体の中間のような物体。
黒い、テカテカとしたスライムのような姿形をしていた。
「んあ……。何だい、此処……」
突如、それが喋った。
- 646 :黒沢小百合:2010/08/11(水) 22:53:55 ID:SSMHlh/20
- >>645
「あれは……?」
うごめく何かをはっきりと確認して
ようやく小百合は警戒態勢を取った。
(……なんでしょうね、あれは。
もっとも、まともな相手には見えませんが。)
警戒態勢といっても、己のスタンド本体を出しておくだけではあるが。
- 647 :名も無き異能都市住民:2010/08/11(水) 23:00:22 ID:waizRv/I0
- >>646
ずりゅり、と音がした。
水が流れるような、うねる様な。そんな音。
それと同時に、目の前の物体は姿を変えた。
身体を起こし、捻るように4本の棒が伸び、その先が五つに分かれる。
「粘土で人を作っている時を早回しで見た」ような感じ。
数分、ずりゅりずりゅりと音を響かせ、それは人として一応完成した形となっていた。
色も先ほどのように黒一色では無く、透明に近い銀髪。異常な程に白い透き通った肌が月明りに照らされる。
「っとぉ……。ふう……」
腰まで届くような長髪をかき上げ、夜空に浮かぶ月を見上げる。
「……何だい、此処。現実の世界じゃないね……」
- 648 :黒沢小百合:2010/08/11(水) 23:09:39 ID:SSMHlh/20
- >>647
目の前に現れた奇妙な生物に
女はいぶかしげな視線を浴びせる。
「はは、現実離れした貴方が何を言うやら。」
小百合はその生物に声をかけた。
人語を解すのなら、それほどの危険はなかろうという判断だ。
「ここはイデアの箱庭。高度なテクノロジーで処理された仮想空間ですよ。」
- 649 :名も無き異能都市住民:2010/08/11(水) 23:21:27 ID:waizRv/I0
- >>648
「現実離れ?いやいやいや。
自分が知ってる現実では、これくらい普通じゃったよ?」
自分の身体を指差し、口の端をニタリと上げる。
「ほへぇー……人間てのは何時の間にそんなもん作り出したんだい?」
と言うか。呟いて、くるりと振り返る。
銀色の髪に銀の瞳。男とも女とも付かない、中性的な顔。
「その自分に話しかけてくるアンタは何なんだい?危ないとは思わないのかい?
それとも、人の言葉が分かるならある程度は平気だとでも思ってるのかい?」
- 650 :黒沢小百合:2010/08/11(水) 23:30:03 ID:SSMHlh/20
- >>649
「人間は進化する生き物です。
その英知は近い将来、あらゆることを可能にするでしょう。」
小百合はその生物に話しかける物の、
警戒態勢は解かず、襲い掛かられても十分に対処可能な程度の距離をとっている。
気配や、その場の状況を読む能力があれば奇襲は難しいと分かるだろう。
「交渉の余地があるなら、それにこしたことはありません。
人間の言語を操る以上ある程度の知能があり意思の疎通が可能なわけですから。
もっとも、何らかの攻撃を加えてくるならこちらも反撃を加えるまでです。
――それで、あなたはどうなのでしょうね?」
挑発的な小百合の視線が、目の前の生物へと向けられた。
- 651 :名も無き異能都市住民:2010/08/11(水) 23:35:37 ID:waizRv/I0
- >>650
「おうおう……大層な自信じゃのう」
けたけたと笑う姿は子供のようにも見える。
しかし、体格だけで考えるとひょろりと細く長く、性別と共に年齢もハッキリと分からない、と言ったところ。
「ほう……。まあ、確かに。自分とあなたは意思疎通が可能。それは確かじゃ」
が。
「それだけじゃ。意思の疎通など大した意味を持たんわい」
パチン、と指を鳴らす。
ぽつ、ぽつ、と静かに。徐々に激しく。雨が降り注ぐ。
- 652 :黒沢小百合:2010/08/11(水) 23:43:28 ID:SSMHlh/20
- >>651
「どちらかが真意を隠せば、たしかに意味など無いでしょうね。」
ぽつり、ぽつりと降り出す雨。
身を隠す物などない平原にいる両者の体を
その雨は容赦なく濡らしていく。
「これは貴方が?真意は分かりかねますが
一体、何をなさる気で……?」
何時でも攻撃できるよう、態勢を整えて。
- 653 :名も無き異能都市住民:2010/08/11(水) 23:48:18 ID:waizRv/I0
- >>652
「真意など無いわい。そんで、黙って見てれば分かるわ」
降り注ぐ雨。
パシ、パシ、と雨が草に当たる音が聞こえる。
筈だった。
聞こえる音は雨が優しく草に、地に降り注ぐような音では無い。
バシ、バシッ。弾き、砕くような音。
それが次第に激しく、大きな音を立て始める。
「――まあ、あなたが生きていたら、じゃがのう」
『時雨蜂』
月夜に照らされる無数の弾丸。
雨のように見えたそれは、銀色の妖しい光を放ちながら小百合へと降り注ぐ。
- 654 :黒沢小百合:2010/08/12(木) 00:03:09 ID:SSMHlh/20
- >>653
「……!」
何かおかしい、そう思うより先に体が動いた。
袖に仕込んだ書物の断片、濡れているものの幸いにも
文字は潰れたり流れたりしていない。
「『ブラックレーベル・ソサイアティ』ッ!」
小百合が具現化した物。それは――
――ティムール朝の首都として栄えた『青の都』サマルカンド。
サマルカンドは地中海性気候圏に位置し、夏は雨が極端に少ない。
雨という気候のうえに雨の少ないサマルカンドを上書きし、雨をかき消した。
もっとも、もう一度雨を降らされれば意味は無いだろうが時間稼ぎにはなる。
- 655 :名も無き異能都市住民:2010/08/12(木) 00:16:48 ID:waizRv/I0
- >>654
「……チッ」
舌打ち、共に小百合。そしてその後方を見る。
スタンドは見えない。だが何か居ると言う感覚はあるらしい。
次いで、右掌を下に向け、指を弾く。
ずりゅり、と先ほどと同じ音が響いた。
「じゃあ、こいつはどうだい……?」
手の先から伸びるのは黒い水。
ポタポタと零れ落ちる雫が草を押しのけ、地に吸い込まれる。
『痣波』
腕を振るった。
それに続いて、撓るように黒い水が振るわれた。
その黒い水は、水である筈なのに、地を、草を抉り取りながら小百合へと向かう。
- 656 :黒沢小百合:2010/08/12(木) 00:24:51 ID:SSMHlh/20
- >>655
黒い水はサマルカンドの石畳をまるで
泥のように飲み込みながら、小百合へと迫る。
「チッ……まどろっこしい……!」
小百合は石でできた街中を走り少しでも
高いところへ、高いところへと逃げ場を求め駆ける。
「はっ……はっ……くぅっ!!」
小百合は逃げながらも振り向きざまに
新たなページから召還を試みる。
――ドカラッ――ドカラッ――
召還されたそれは、謎の生物の視界の外から馬蹄の音を響かせ迫る……!
- 657 :名も無き異能都市住民:2010/08/12(木) 00:32:05 ID:waizRv/I0
- >>656
「ほらほら、どうした人間!!」
黒い水は石畳を抉りつつ、這うように小百合を追いかける。
のだが、液体の筈のそれはその中に抉り取った物体を沈める事はしない。
全て、抉り取り、弾き飛ばしているのだ。
形状は液体。性質は固体。
「逃がさないよ……!」
黒い水が人間の拳のような形を作り、瓦礫の中を突き進む中
「――んあ?」
その蹄の音の方へ、ゆっくりと身体を向けた。
- 658 :黒沢小百合:2010/08/12(木) 00:47:14 ID:SSMHlh/20
- >>657
――ヒュンッ!ヒュンッ!
合成弓から放たれる多数の矢が謎の生物へと迫る。
ティムール
小百合が具現化したのは『鉄』の軍勢。
一代で己の名を冠するティムール朝を打ち立てた
モンゴル=テュルク系の軍事指導者であるティムールの
天才的とも言える采配の元、数百の弓騎兵が一体となって動くそれはまさに圧巻の一言。
敵に大きなダメージを与えるため、効果的に考え抜かれた
布陣で打ち出される矢の弾幕を回避するのは困難だろう。
完全に奇襲を行う形となったティムールの軍勢とは異なり、
小百合は苦しい立場へと追いやられていた。
それほど身体能力の高くない小百合では素早く逃げられず
黒い水がもうすぐそこまで迫っているからだ。
「チィッ……安全な場所へ逃れなくては……!
クソッ、クソォッ……!!!」
悪態をつきながら、小百合はまた何かを具現化する。
具現化したそれに転がるように小百合は乗り込むが、
『水』はもう小百合から4,5mも場所へ迫っていた。
- 659 :名も無き異能都市住民:2010/08/12(木) 01:00:07 ID:waizRv/I0
- >>658
「……へえ」
迫り来る矢の弾幕。
それへの対処は
「それが人間の力かい?」
何も無し。
降り注ぐ矢の雨に、身体は幾度も貫かれた。
だが、倒れはしない。悲鳴も呻き声を上げる事すらも、何もしない。
ただ、不気味に口の端を吊り上げ、笑う。
「くき、くきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃ!!!」
絶叫にも近い甲高い声を上げ、狂ったように笑う。
そのまま、身体を貫いた矢はまるで水に沈むかのように、男の身体を伝い地へと落ちていく。
男の身体から垂れるのは、血でも臓腑でも無く、ただ、透き通った液体。
「どうしたァ……人間んんんん!!!お主の攻撃はぁぁぁぁぁ……その程度かぁぁぁぁぁ!!!」
吼えた。
それと同時。小百合に迫っていた黒い水が、うねり、上空へと跳ねた。
「そんな攻撃……わっちには……」
ぼこん、と音がした。
上空で小百合を狙うように蠢く水が、一瞬で二倍、三倍へと増していった。
「無駄ァ!!!」
弾けた。
周囲に弾けた黒い水は、その一つ一つが人間の拳を作り上げていた。
小百合と、そして小百合が召還した軍勢を打ち倒すために。
蠢いていた黒い拳はどんどんと数を増し
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!!!!!!!!!!」
月を。夜空を覆い隠すほどに増えたその黒い拳が、小百合達へと降り注ぐ。
- 660 :黒沢小百合:2010/08/12(木) 01:12:36 ID:SSMHlh/20
- >>659
小百合が転がり込んだ先はUH-1『イロコイ』汎用ヘリ。
これに乗り、空へと逃れるつもりだったのだが――
空から降り注ぐ黒の拳。
「くっ、あ……!?」
飛び立ったところを、叩き落そうとするかのように
猛襲する黒い水にヘリはなすすべなく飲まれた。
「――――――ッ゛ッ゛!!!」
小百合は黒い水に飲み込まれ、その勢いに弄ばれる。
圧倒的な勢いの前に小百合の右腕は根元からもぎ取られ、
右足は不気味な音と共にねじれ、そして――
- 661 :名も無き異能都市住民:2010/08/12(木) 01:23:59 ID:waizRv/I0
- >>660
「……ふむ」
小百合が黒い水の中へと消えていくのを確認し、手応えを確かめるために肩をちょいちょいと動かす。
「これまでのようじゃの」
すい、と手を横に振るった。
それと同時に、小百合、ヘリに石畳。それに軍隊を押しつぶしていた黒い水が、パシャリと音をたてて降り注いだ。
色は黒いままだが、"ただの液体"になったようだ。
「さて……人間はまだ生きておるかのう……」
ずりゅり、と音がした。
身体の半分以上は崩れかけている。だが、血の一滴も出ていない。
本来ならば血肉が見える部分は、透き通った水で覆われて、溢れていた。
- 662 :黒沢小百合:2010/08/12(木) 01:36:19 ID:SSMHlh/20
- >>661
――ズリュ
何かが擦れるような水音がした。
――ガコン
謎の生物の近くの、恐らく元はヘリだったのだろう
バラバラに砕けた鉄片の一部がゆっくりと動いた。
「ごぉぉrtt!!!ッ゛……tっる……kさま、しda……!!」
そこにいたのは先ほどの人間だったもの。
右腕と両足は無残にももぎ取れていたが、出血はしていない。
それどころか、傷口からは焼け焦げたような煙が上がっている。
「ごrしtッッ……yる……きさま…じゅブゥ…ごぉおお゛おoッ……!」
『それ』は一本だけ残った腕でのたうつように、
その場を這い回っている。もう命は助からないだろう。
- 663 :名も無き異能都市住民:2010/08/12(木) 01:47:23 ID:waizRv/I0
- >>662
「まあまあ、無残な姿になっちまって……」
そう言って、また子供のようにけたけたと笑う。
悪いと言う感情。そう言うのを全く感じていない笑顔。
「まあ、人間。コレからは喧嘩売る相手は選べって事じゃのう」
月の光を背に、それだけがその位置にあるとハッキリ分かる銀色の瞳が小百合を見下ろしていた。
(まあ……具現化する能力と言った所かのう……。具現化する物が違っていればどうなったかは……)
そんな事を一人で思い、くすりと笑い。
「さて……此処が現実じゃないとすれば、死んでも問題なかろう?」
その返答を待たず、くるりと振り返り
「じゃあの」
それだけを言って、何処かへと歩き去っていった。
//お疲れ様でした&ありがとうございましたー
- 664 :??????????:2010/08/13(金) 00:22:24 ID:VsPc7kLM0
- 鉄塔の上に立つ人影。
靡く外套、夏に似合わぬその姿。
人影は、夜闇に向け一言放つ。
「さあ━━━━━━━━
祭りの、始まりだ」
====================
……と言うわけで、異能都市・夏祭りのお知らせ、再掲です。
本日、8月13日(金)より4日間、8月16日(月)まで『異能都市・夏祭り』が開催されます。
詳細は以下のURLを参考にしてください。
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12841/1246470122/92
- 665 :ロザリア・ロートシルト:2010/08/13(金) 21:01:38 ID:SSMHlh/20
- 【夏祭り会場】
「よいしょっと、これで大体全部ねぇ。
こっちが冷凍でこっちが……」
『HEYッ!ロザリー、それをこっちに運んでくれYO。
カスタマーが既にウェイトしてるんだYO!』
少し遅れて設営を完了した屋台が一つ。
ロザリアは今年もお店を出すようです。
- 666 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/08/13(金) 21:10:13 ID:WVrfsEdY0
- >>665
【同じく夏祭り会場】
「もぐもぐもぐ、う〜ん…まだいろいろあるの…」
【たこ焼きを食いながら歩く少女】
「う〜ん…どこがいいかなの」
【辺りを見回している…祭りの会場にはやや不釣り合いないつもの服装である】
- 667 :アテナ:2010/08/13(金) 21:12:19 ID:7gFzKdaU0
- 夏祭り会場
簡単なテーブルと、キッチンを作った屋台で呼び込みをしている少女が居た。
赤毛にTシャツ短パンの赤毛の少女でエプロンをしている。
「いらっしゃーぃっ!!紅茶おいしいですよー!」
のぼりには紅茶、軽食と書かれている。
「お客さん来ますかねぇ……」
白衣の上にエプロンを着た少女が呟く。
「ふ……、アテナの紅茶とご飯は美味しいからな、問題あるまいよ」
イスにふんぞり返って紅茶を飲む、白ワンピースの黒髪の少女。
それを見てアテナと愛香は声を揃えて叫ぶ。
「「働けっ!」」
賑やかな気配は祭りの中でも特に目立つだろう。
>>665
「むむ、商売敵……?」
屋台のほうを見ながらアテナが呟く。
>>666
「紅茶と、軽食やってまーす!」
売り子をやっている愛香とアテナの声が響く。
- 668 :レラ=バニッシュ:2010/08/13(金) 21:24:04 ID:7hcwnxwgO
- >>667
「そうまでして生活費稼ぎか。ご苦労だな」
向こうから何か巨大な物が歩いてきたと思ったら見覚えのある四脚の機械であった。
態々それを言う為にやってきたらしい。
「まあ、一つ貰おうか」
- 669 :アテナ:2010/08/13(金) 21:26:40 ID:7gFzKdaU0
- >>668
「やほ、レラ」
アテナが勢い良く右腕を上げ挨拶をする。
「紅茶とクッキーのセットでいい?」
ホットサンドを焼きながら聞く。
紅茶は冷やされており、クッキーもすぐ出せる状況だ。
「アテナ、私もたべたいのだが」
紅茶を優雅に飲みながらオイジュスが言う。
「「だから働けって」」
愛香とアテナの声がサラウンドで響く。
- 670 :ロザリア・ロートシルト:2010/08/13(金) 21:28:07 ID:SSMHlh/20
- >>666
「あらディス、貴方も来ていたのねぇ。」
仮設テントの下で売り子として働くロザリア。
動くときによくみにつけるラフな服装を今日も着ている。
「何か一つ、サービスしてあげるわ。
好きなものを持っていってね。」
ラーメンバーガーだとか餃子ドッグだとか変なメニューばかり並んでいる。
>>667
(ふふふ、この今流行りにのった
辛そうで辛くないラー油を使ったうちの商品に敵はないわぁ。)
確かに店ののぼりには「今、話題沸騰のラー油いり」と書かれているが
そもそもメニューが微妙だ。「ミックスベジタブルテンプラジュース」だとか「いちごどうふ」は
一体どういう客層に需要があるのだろうか。
- 671 :レラ=バニッシュ:2010/08/13(金) 21:29:49 ID:7hcwnxwgO
- >>669
「やあ、貴様も苦労している様だな」
奥の少女に目(機械のレンズ)を向ける。
「ああ、それで構わない」
- 672 :アテナ:2010/08/13(金) 21:31:57 ID:7gFzKdaU0
- >>670
メニューをチラリと見て驚愕する。
「な……!ラー油!流行を取り入れてくるとは流石……!」
こちらのメニューは紅茶と軽食がメインで、夏祭りなのに欧米チックだ。
>>671
「700円ね」
そう言うと焼けたホットサンドを皿の上に置き、紅茶をカップに注ぎ、クッキーと共に持ってきた。
「ま、クッキーは普通かもしれないけど、紅茶は自信あるよ」
ニッ、と眩しい笑顔をレラに向ける。
- 673 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/08/13(金) 21:32:34 ID:WVrfsEdY0
- >>666
「あう〜?あそこがいいかなの〜」
【少し迷う顔で見つめる】
「あう〜!『あてな』がいるなの〜!」
【どこか楽しそうである】
>>670
「あう〜?『ろざりあ』もここにおみせだしてたなの〜!」
【微笑みながら歩いていく】
「ここのごはんおいしそうなの〜…
どれにしよかなの?」
【首をかしげて迷っている…どれも見たことないからだと思われるが】
- 674 :アテナ&愛香&オイジュス:2010/08/13(金) 21:35:44 ID:7gFzKdaU0
- >>673
「やっほーディス。お茶飲んでかない?サービスするよ」
ニコニコ笑顔で、ホットサンドを見せる。
「此処のお茶は絶品だ、是非飲んでいってくれ給え。ああ、コレは宣伝だよ」
オイジュスがディスに向かって優雅に紅茶を飲みながら言う。
「「はたら……、働いてる!?」」
- 675 :レラ=バニッシュ:2010/08/13(金) 21:38:47 ID:7hcwnxwgO
- >>672
「貴様の紅茶は悪くない味だからな」
機械上部の蓋が機械の細い手によって開けられ、内部へ。
出てきた手には千円札が。
逆の手では同じタイミングでアテナからクッキーと紅茶の皿を受け取り、機械の中へ。
- 676 :ロザリア・ロートシルト:2010/08/13(金) 21:42:37 ID:SSMHlh/20
- >>672
対照的な2つの店、そこには一つの問題があった。
ロザリアの店は焼き物系の食べ物が非常に多い。
そしてラー油などを使っているために臭いと煙が多めに発生するのだ。
それらは風に乗ってアテナの露店のほうへと流れてきている。
>>673
「ふふ、十分に考えて決めなさいな。
ほら、そこのスペースが開いてるから座って考えるといいわ。」
ロザリアが指差す先には、いくつかの簡易テーブルが。
ここに座って食べ物を食べたり、休んだりする事ができる。
「お水は無料だから欲しくなったら言ってね。」
- 677 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/08/13(金) 21:44:40 ID:WVrfsEdY0
- >>674
「あう〜!おちゃなの?
おちゃだいすきだからのむの〜」
【嬉しそうに屋台に顔を向ける】
「あうあう、『おいじゅ』もこんばんわなの〜!
ここのごはんもおいしそなの〜」
【楽しそうに言った】
>>676
「あう〜…ここにすわってみるの〜」
【そう言ってアテナの屋台を気にしつつもテーブルに座った】
「うん、のどかわいたらねなの〜!
…どれにしようかなの?」
【首をかしげながら言った】
- 678 :アテナ&愛香&オイジュス:2010/08/13(金) 21:47:08 ID:7gFzKdaU0
- >>675
「ほめられると嬉しいよ」
ニコニコ笑っている。
「はい、お釣りね」
300円を差し出す。
「ほらー!オイジュスも愛香もしっかり呼び込みするっ!生活かかってるんだからね!」
少し怒りながら言う。
「紅茶と、軽食やってますですー!!」
愛香が呼びこみをし、オイジュスは
「ふむ、このホットサンドは絶品……!」
などと言いつつ、一応のぼりを持って宣伝をしている。
>>675
こちらに流れ来る臭気に反応する。
「……、むむむ。紅茶のかほりが殺されちゃう……!!」
愛香の方を見て言う。
「宣伝とかイイから、あっちから来る煙何とかして!」
「了解ですっ!」
愛香は屋台の裏に走り、機械を組立始める。
>>677
「うん、自信はたっぷりだよッ」
ディスの方に自信ありげなかおを見せる。
「ああ、久しぶりだね。少女よ」
オイジュスはつまみ食いをしながら口を開く。
- 679 :レラ=バニッシュ:2010/08/13(金) 21:53:43 ID:7hcwnxwgO
- >>678
「ああ、要らん。持ち歩くのが面倒だ」
お釣拒否。
機械は手を初めとした全ての動きを止めている。
恐らく中ではクッキーと紅茶を味わっているのだろう。
- 680 :ロザリア・ロートシルト:2010/08/13(金) 21:56:48 ID:SSMHlh/20
- >>677
「じゃあ、私はそろそろ接客のほうに戻らないと。
何か欲しいメニューがあったら、こっそり私に頼むのよ。」
『HEY!HEY!焼きいちごどうふが切れてきたYO!
ちょっくらどうにかしておくんなましー』
「はーい。」
ロザリアは店の手伝いを行うため、忙しそうに動き回っている。
メニューには先ほどのもの以外にもカリフォルニアレインボースパイダーロールだの
肉巻きおにぎりだのが並んでおり、なぜかきゅうりの浅漬けもこっそり売られていた。
>>678
アテナたちがてんやわんやしている間にも、
また別の物を焼き始めたのか濃い煙が漂ってき始めた。
はやくなんとかしないと。
- 681 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/08/13(金) 22:03:07 ID:WVrfsEdY0
- >>678
「あう〜。それにいいにおい…」
【くんくんと紅茶の匂いを嗅ぐ…】
「うー。いいにおいなの〜!」
【よく見ると別の場所の匂いをいつの間にか嗅いでいた】
「うん、こーちゃももらっていいのかなの〜」
【手を振って微笑みながら話しかけてきている】
>>680
「あうあう〜!わかったなの〜!」
【ニコニコしながら手を振って見送った】
「うーん…どれもおいしそうなの…
どれにしようかなの〜」
【いろんなものを見て唸っている…少し時間がかかるかもしれないが・・】
「うん!きめたなの!」
【そう言って大きく首を縦に振った】
- 682 :アテナ&愛香&オイジュス:2010/08/13(金) 22:04:29 ID:7gFzKdaU0
- >>679
「あ、そう。じゃあありがたく貰っとくよ」
そのままお釣りの箱にお金を入れる。
屋台の奥からは愛香の声が響く。
「ふふふふふ、縁日にオーバーテクノロジーを持ち込むなんて……、テンション上がっちゃいます!」
しばらくすると屋台の周辺に円錐状の機械を置いた。
そうするとロザリアの屋台から流れる煙と匂いが紅茶の匂いを殺さず、しかし縁日らしさをなくさない
絶妙なレベルで遮断される。
「ふふふふふ、コレ、縁日以外じゃ意味ないですっ!」
テンションの高い愛香。
>>680
「ふふふふふふふふ、怪しげな屋台敗れたり!」
やたらめったら楽しそうである。
「焼きいちごどうふですか、ちょっと気になりますね、アテナさん。ちょっと抜けてきまーす」
愛香はそいういうとロザリアの屋台に歩いて行き話しかける。
「えと、オススメはなんですか?」
>>681
「はいはい、りょーかい」
笑顔で応対しアイスティーを入れる。
「はい、300円ね」
- 683 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/08/13(金) 22:08:50 ID:WVrfsEdY0
- >>681
「あうあう!さんびゃくえん…」
【金額を聞いて頷きながらポケットをあさり始める…】
「う〜ん…これでいいかなの?」
【そう言って100円玉3枚を(ややへこんでいる)取り出して渡した】
「どんなあじなのかなの〜!」
【そう言って恐る恐るアイスティーに目を向ける】
- 684 :レラ=バニッシュ:2010/08/13(金) 22:09:45 ID:7hcwnxwgO
- >>682
「うん、やはり美味いな」
さっきは悪くないとか言ってたのに今では美味しいとはっきり。
「アイツは何をしているんだ……」
- 685 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/08/13(金) 22:10:08 ID:WVrfsEdY0
- >>682
//あう、出すのが速すぎた上にアンカーミスしたすいません…
//書いてしまったので一応
「あうあう!さんびゃくえん…」
【金額を聞いて頷きながらポケットをあさり始める…】
「う〜ん…これでいいかなの?」
【そう言って100円玉3枚を(ややへこんでいる)取り出して渡した】
「どんなあじなのかなの〜!」
【そう言って恐る恐るアイスティーに目を向ける】
- 686 :ラルフ=ハインケルン:2010/08/13(金) 22:13:10 ID:xm/dFKGs0
- 「夏祭りねぇ…結局この数日間矢野のところには着いてないし…」
バイクの燃料は有り余っているものの、
いくらなんでもこのままでは迷いっぱなしである。
そんな事を俺はバイクを降りて動かしながら夏祭りを見て考えていた。
- 687 :ロザリア・ロートシルト:2010/08/13(金) 22:17:59 ID:SSMHlh/20
- >>681
「あら、ディスどれがいいのかしら。」
ディスの元気な声を聞いて、
ロザリアがこっそりと店先から抜け出してきた。
>>682
『OH!オススメはそうさなぁ、ロコモコなんかどうだい。
ご飯の上に卵とハンバーグのせてグレイビーソースをかけたやつ。
あ、オプションでラー油もあるよ。つらそうでつらくないやつ。』
妙にテンションの高い南米系の男性が応対に出てきた。
店のメニューを良く見るとボルシチだとかケバブだとか色んな国の料理が
節操なく売られているようだ。
あと、トーテムポールのような木彫りの工芸品やネックレスなども
余ったスペースで売られているため何の店か良くわからない。
- 688 :アテナ&愛香&オイジュス:2010/08/13(金) 22:20:22 ID:7gFzKdaU0
- >>683
「はい、頂きました」
ニコリと笑いお金を受け取る。
「あ、砂糖は入ってないからお好みでね、あとコレオマケであげる」
シュガーポットとクッキーを渡す。
>>684
「はは、素直なレラだ」
うれしそうだ。
「愛香は仕事が早いよねぇ」
愛香の機械で煙と匂いがかなり抑えられている。
「まぁ、開発モードに入るとアレなんだけど」
苦笑するアテナ。
>>686
「いらっしゃーい!紅茶と軽食、美味しいですよーっ!」
赤毛の少女、アテナの活気のある声が響いている。
>>687
「そうですね、じゃあ焼きいちごどうふとそれで、ラー油もおねがいしますね」
白衣の上にエプロンをした少女が答える。
「はぁー、凄いですねぇ。ウチの屋台も負けてられないなぁ」
- 689 :レラ=バニッシュ:2010/08/13(金) 22:24:18 ID:7hcwnxwgO
- >>686
人混みの中で矢鱈に目立つ機械が一つ。
楕円形の球体から脚が4つ。
さらに球体からは細い腕の様な物もついていた。
目立つ。
>>688
「世界征服の為には先ずはアイツを部下にするか……?」
大きすぎる独り言。
- 690 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/08/13(金) 22:27:09 ID:WVrfsEdY0
- >>687
「あう〜。うん、『でぃす』は」
【微笑みながらメニューに指を指していく】
「これとこれ、がたべたいなの〜」
【ゆびさしたのは肉巻きおむすび(5個ぐらい)とラーメンバーガーである。】
【妙すぎる組み合わせだ…】
>>688
「あう〜!ありがとなの!
とってもうれしいの!」
【微笑みながらシュガーポットとクッキーを受け取った】
「いただきますなの〜!」
【ニコニコして紅茶をすすり始める】
「あ〜う〜!とってもおいしいの〜!」
【飲んだ途端、とても嬉しそうな顔になった】
- 691 :ラルフ=ハインケルン:2010/08/13(金) 22:30:14 ID:xm/dFKGs0
- >>688
「ん…店か…」
道知ってるかな…と考えながら、
俺はバイクを少し止めて聞く。
「すいません、矢野探偵事務所ってどこか知りませんかね?」
>>689
「……」
アレは、なんか見たことあった気がする。
どこだったかな、えーと、あ、そうだ。
つい最近見た映画だ、ライトセーバー持っている奴らが戦う…
なんだったかなぁ……
- 692 :ロザリア・ロートシルト:2010/08/13(金) 22:31:04 ID:SSMHlh/20
- >>686
なにやらいろんな意味で刺激的な臭いの
煙が奥のほうの屋台から漂ってくる。
>>688
「OK!ちょっとまってネ!」
注文からおよそ一分ほどで
焼きいちごどうふとロコモコがでてきた。
「熱いから、すこし覚まして食べてくれYO!」
ロコモコは普通においしそうだが、
いちごどうふはどうなのだろうか。
味はどうあれ30くらい体力が回復しそうな気がする。
>>690
「こら!一つだけといったでしょう。
もう、ディスは本当に食いしん坊ねぇ。」
くすくすと笑いながらおどけるように怒るふりをして。
「一応、商売だからあまり多くはあげられないのよ。がまんしてね。」
肉まきおむすびを一つだけくれた。
- 693 :アテナ&愛香&オイジュス:2010/08/13(金) 22:34:08 ID:7gFzKdaU0
- >>689
「はは、世界征服とかあたし達苦手でね、説得は大変だよ」
休憩なのかアテナも紅茶を飲み始める。
>>690
「そう、よかったぁ!」
美味しいとの反応を受け、安心の声を上げる。
「周りが普通に屋台やってるのに紅茶とお菓子ぐらいで生けるかなって心配だったんだよね」
>>691
「矢野探偵事務所ですか……?」
しばらく考えこみ。
「わかりませんけど、そう言うのなら繁華街とかにありそうですよね」
>>692
「早い、侮れない……!」
はふはふとロコモコを冷まし食べ始める。
「……美味しい。辛そうで辛くない少し辛いこの味がまた、絶妙で……」
そう言いつつパクパクとロコモコを食べる。
「そして、焼きいちごどうふ……!私の味わったことのない味覚の新境地……!」
恐る恐る箸を伸ばし、口に入れる。
「……美味しい、の?かなぁ?」
微妙な表情だった。
- 694 :セシベル・S・コープス ◆JBbLACK.JY:2010/08/13(金) 22:35:55 ID:e.bw5dlQ0
- 【害客来たる】
フン♪ フン♪ フー♪
【上機嫌に歩く、整った顔だちの男】
【相変わらず露出度の高い袖長・それ以外は短いコート、ギリギリまで下げたズボン】
【コートの中(といっても背中も胸もほぼ晒している)は裸でズボンはパンツのゴムが見えない】
【履いてるか履いてないかは秘密ってヤツさ】
【まぁ、とにかくそんな男が歩いていた】
【ふと横を見ると、射的屋の看板が見えた】
【ウホッ、いい出店…】
「にいちゃん、やってくかい?」
いいのか!? ならばやろうじゃないか!
【セシベルは意気揚々と景品たちに向かい、軽くそれらを一瞥する】
多いな…… フンッ!!
【唐突に袖に手を突っ込み、重機関銃を取り出す】
【あっけにとられる店主や周囲を尻目に、ニンマリと口を歪め】
ガガガガガッガガガラララララララララ!!! ヴィイイイイイイ!イ!イ!イイイ!!イイン!ンンン!ンンンンンンン…
終わった終わった…! さて、次だな。
【景品と景品台とテントの布を粉微塵に粉砕して満足気に歩き去っていく】
【被害総額、被害者はご想像にお任せします】
【再度言おう。害客来たる】
- 695 :レラ=バニッシュ:2010/08/13(金) 22:36:36 ID:7hcwnxwgO
- >>691
「おい、貴様」
機械を通してラルフに声が伝わる。少女の物だ。
「何を見ているんだ」
>>693
「この天才である僕の頭脳があれば簡単だ!」
その後機械から聞こえる高笑い。
- 696 :ラルフ=ハインケルン:2010/08/13(金) 22:39:16 ID:xm/dFKGs0
- >>692
「何か危険そうな雰囲気の匂いだなぁ。
味はどうなんだろ」
屋台を見ながらそう呟く。
中の人が聞いたら多分すんごく怒りそうだけれど。
と、ベルトが僅かに警戒音を発したが、すぐに消えた。
……近くにアンサングでもいるのかね。
>>693
「そうかー。
困ったね、こりゃ」
そう言って、バイクのコンソールをオンにして、
またマップを出す。困った、どうやらまだメールは届いてないらしい。
俺は始めてきた所では迷うので、地図が真面目に欲しいのだが…
- 697 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/08/13(金) 22:40:30 ID:WVrfsEdY0
- >>692
「あう、ごめんなさいなの、よくばりさんでなの」
【反省顔で頷いた】
「ありがとなの…う〜。ちょっとおなかすいてておおくたのんじゃったなの…」
【大人しく席に座る】
>>693
「あう〜!だいじょぶなの!これがあったらほかのひとにもまけないなの!」
【微笑みながらクッキーをつまむ】
「これもおいしいからだいじょぶ!なの!」
【もぐもぐしながら言った】
- 698 :アテナ&愛香&オイジュス:2010/08/13(金) 22:48:44 ID:7gFzKdaU0
- >>694
暴れる客を見て顔をしかめるアテナ。
「……、黙らせたほうがいいのかなぁ」
両手にさり気無くグローブを嵌め、男の方へ視線を向けている。
視線に多少の戦意が含まれている。
>>695
「はは、頑張ってみて」
楽しげに笑い、自分の紅茶を楽しむ。
「いやー、でも祭りっていいね、うん」
祭りの喧騒を感じながらアテナは言う。
>>696
「御免なさい、力になれなくて」
済まなさそうに言う。
「あ、紅茶と軽食やってるんですけど、どうですか?紅茶とお菓子のセットで700円ですけど」
>>697
「そうか、よーし!頑張るかなぁ!」
自信がついたのか張り切ってキッチンへ向かう。
「イギリスのロッククッキーって奴参考にしてみたんだよね」
堅焼きせんべいと似た食感のクッキーで、イギリスの家庭のお菓子の筆頭である。
>>698
- 699 :アテナ&愛香&オイジュス:2010/08/13(金) 22:49:28 ID:7gFzKdaU0
- //ぐああ、途中投稿、そして絡みすぎて捌き切れねぇ
- 700 :ロザリア・ロートシルト:2010/08/13(金) 22:50:57 ID:SSMHlh/20
- >>693
『HEY、良かったらそこに休憩コーナーがあるから、
ゆっくりしていってなァ。無料の水もあるから好きに飲んでくれい。』
男が指差した方向、といっても店のすぐ隣だが
いくつか簡易のテーブルとイスが用意されている。
テーブルには紙コップと水差しが用意されており休憩していけるようだ。
>>694
「んー……花火が始まったのかしらねぇ。
それにしては何か変なような。」
遠くに響く機関銃の音をロザリアはぼんやりと聞いた。
>>697
「気にしなくていいわ、とりあえず私はまた店に戻るから。
ディスもお祭りを回ってくるといいわよ。」
ロザリアはまた店に戻り忙しそうに動き回り始めた。
// おふろに入るのでここで落ちますお。
皆さんありがとうございました!
- 701 :ラルフ=ハインケルン:2010/08/13(金) 22:51:09 ID:xm/dFKGs0
- >>694
「わーあんなところにめんどうくさそうなきゃくがいるよー(棒読み」
元格闘王のラルフさんとしてはちゃんと遊べとぶちのめしたい所だが、
ここでやったら間違いなくもっと迷惑なので、我慢我慢。
煽りはするがな。
>>695
「機械から女の子の声がするなんて驚きだ」
(え?ちょっと気になったから見ただけだけど?)
逆です逆。
しかし、機音声、女性なのか。
あのロボットはそもそも喋ってないなぁ。
「そういうアンタこそ、なんなのかちょっと気になるんですが」
- 702 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/08/13(金) 22:52:31 ID:WVrfsEdY0
- >>698
「あう〜。がんばなの〜」
【頷いて言った】
「あう〜。ろっくくっきー?
そうなんだなの〜。とってもおいしいのなの!これはいいおみせだとおもうなの!」
【微笑んでいる】
>>700
「あう!わかったなの!おしごとがんばってなの〜!」
【そう言ってほほ笑みながら見送って行った】
「もぐもぐ、とってもおいしの〜!」
【肉巻きお結びをディスは嬉しそうな顔でほおばった】
- 703 :レラ=バニッシュ:2010/08/13(金) 22:59:09 ID:7hcwnxwgO
- >>698
「ふん……祭りなどただ煩いだけだろう」
余りお祭りが好きではない様子。
その時、上空の方で光る緑色の光が見えただろうか。
「……、この反応」
少女がそう言ったのはそれと同時。
- 704 :レラ=バニッシュ:2010/08/13(金) 23:00:40 ID:7hcwnxwgO
- >>701
「フン、失礼な奴だ。僕は人間だぞ?」
すごく偉そう。
- 705 :アテナ&愛香&オイジュス:2010/08/13(金) 23:01:21 ID:7gFzKdaU0
- >>700
「ありがとうございますっ!」
にこりと笑うとすごい勢いでロコモコと焼きいちごどうふを平らげた。
>>702
「食費をコレで稼ぐのさー!」
目は金欲で燃えている。
「クロスさんのお店で今度だそうかなって思ってるんだ」
えへへ、と笑う。
>>703
「あたしの所は祭りなんてなかったからね、新鮮なんだよ」
元の世界を思い出し、少し寂しそうな表情をする。
「ん、どしたの」
そう言うとアテナも空を見上げる。
- 706 :セシベル・S・コープス ◆JBbLACK.JY:2010/08/13(金) 23:02:36 ID:e.bw5dlQ0
- >>698
フン♪ フン♪ フー♪
【鼻歌を歌いながらも目は周囲の人々、主に女性に向けられている】
【顔→胸→尻の順番から全く外れない視線はともすれば変態。そうでなくても彼は変態である。】
【そうこうするうちにアテナにも目が行き】
む、ん、あー。
【横目とかじゃなく堂々と顔、胸、尻…は店で隠れて見えないが、見て】
フフフ……どうにも違うらしいな。
【頭を振る】
>>701
……
【すかさずその声に振り向いて、つかつかと歩み寄り】
【ジロジロと暫く男を睨みつけ】
グッ!
【なぜか勢い良く親指を立ててにぱっと笑顔】
【全く意味不明の行動をして、また周囲の女性に近寄ってはしげしげ眺める作業に戻った】
- 707 :アテナ&愛香&オイジュス:2010/08/13(金) 23:04:48 ID:7gFzKdaU0
- >>706
「うわすごい格好」
男の格好を見て呟く。
そして、男にジロジロ見られ、居心地悪そうに睨みつける。
「なんですか……、全く」
そう言うと両拳をイライラを紛らわせるかのようにごすっ、とぶつけ、拳の金属板同士が甲高い音を響かせる。
- 708 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/08/13(金) 23:13:44 ID:WVrfsEdY0
- >>705
「そっかなの〜。おかしつくるのじょうずたとうらやましいなの〜」
【指をくわえてうらやましそうな眼になる】
「あう〜。そうなの!『くろす』」もたぶんよろこんでくれるの!」
【何度もうなずいて言った】
>>706
「あう〜?あのひと…まえにあったことあるひとなの」
【若干首をかしげながらセシベルを見る】
「こ、こんばんわなの〜」
【恐る恐る手を振って言った】
- 709 :ラルフ=ハインケルン:2010/08/13(金) 23:17:24 ID:xm/dFKGs0
- >>704
「へー、そうなのか」
まぁ、人によって見え方って違うよね、なんて思いながら、
俺はとりあえず、適当に調べる為にバイクを出す準備をする。
>>698
「いや、いいよ。
そろそろ別のところに向かうさ」
そう言ってバイクのエンジンを入れる。
人がいるところでガソは迷惑なので電力モードで行く事にしよう。
>>706
勢いよく立て指は見られない。
なぜなら見る前にバイクで去っていってしまったからだ。
男の行動に若干の意味不明さを覚えながら、ラルフは去っていった。
//負担が大きそうなので落ちます。
ではではー。
- 710 :セシベル・S・コープス ◆JBbLACK.JY:2010/08/13(金) 23:18:01 ID:e.bw5dlQ0
- >>707
人が集まるのだぞ。
【突然にそう切り出し、にっこり笑う】
【顔立ちはいいのに万人に嫌悪感を抱かせる笑いとはこういうのなんだろうか】
つまり人間観察の絶好の機会じゃないか!
しかもオマツリ、知ってる、俺は知ってるぞ。ちょっとタガを外せる貴重な機会なのだろう?
本性が見える、本心が見える、真実が見える、見ィイイイイイえる見える見える見える
ついでに浴衣の中も見てみたいものだフフフフーーフッフフフフ!!!
それはさておき。
【狂ったように笑っていたのが一瞬で冷める様子はまるで瞬間芸である】
聞きたいことがあるのだが。
>>708
うん? 誰だ。
【挨拶を完全スルーで即答】
- 711 :レラ=バニッシュ:2010/08/13(金) 23:20:03 ID:7hcwnxwgO
- >>705
「ここの奴らと居るだけでも騒がしいと言うのに態々祭りなど……」
機械からため息が聞こえる。
淡い緑色の光は炎。
それがだんだんと近づいて来ていて、
『どーん!!!』
落ちてきた。
レラに直撃。
>>709
「不可思議な奴だ……」
去る姿にそう声をかけた。
- 712 :アテナ&愛香&オイジュス:2010/08/13(金) 23:21:05 ID:7gFzKdaU0
- >>708
「料理好きだしね、趣味になると何でも上達するよ」
得意げに。
「うん、紅茶だけだとアレかなって思ってちょっと頑張ってみたんだ」
>>709
「そうですか……」
(チッ、道聞いておいて何も頼まねぇとは太い野郎だ)
普段はいい子なんです、普段は。
>>710
「ええ、そうですけども」
嫌そうな顔をしながら。
「……、狂気系って奴かな」
ボソッと割と容赦のない一言。
「なんですか」
素っ気ない対応。
>>711
「はは、まあ普段からお祭りみたいだしね」
苦笑。
そして空から落ちる炎がレラに直撃するのを目の前で目撃。
「なななな、なぁーッ!?」
- 713 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/08/13(金) 23:24:44 ID:WVrfsEdY0
- >>711
「あう〜?まえにあったことなかったっけなの?
ほら、きゅうにこう、」
【はぐはぐのポーズをしたディス】
「……してきたとおもうんだけどなの」
>>712
「あうあう〜。すきになったらとくいになるなの!
『でぃす』もすきになりたいなの〜」
【ニコニコしている】
「うん!これはこうちゃといっしょだともっとおいしいの!
じょうず!なの!」
【そう言ってまた一個クッキーを口の中に放り込む】
- 714 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/08/13(金) 23:25:19 ID:WVrfsEdY0
- //またミス…>>711じゃなくて>>710です…すいません
- 715 :レラ&アミル:2010/08/13(金) 23:28:56 ID:7hcwnxwgO
- >>712
『やっほー!』
機械の上からパタパタと手を振る少女。
その笑顔は穏やかと言うよりは呑気。
「き、さ、まぁっ!!」
機械の蓋が開き中からレラが飛び出す。
そしてパンチを繰り出すが見事に止められる。
『にひひーww』
「ふん……」
- 716 :セシベル・S・コープス ◆JBbLACK.JY:2010/08/13(金) 23:32:46 ID:e.bw5dlQ0
- >>712
ここらでかわいい女の子とか見かけなかったか。
そうだな可愛ければ何でもいいができれば物凄く力が強かったり
シャーペンの本体を猛烈な勢いを投げつけてくるとなおいいのだが。
【無邪気な笑みを浮かべて首を傾げる】
【やけに限定された条件だ】
>>713
ここで俺は人違いじゃないのか?と突っぱねることもできる。
だが女性に恥をかかせるのは美徳ではない。
というわけで。
【ディスに向かってニヤリと笑い】
今抱きしめてしまえば真実に変わるッ!!!
パンッ!
【猫だまし! すかさずディスに向かって両腕を伸ばして抱きつこうとする!】
- 717 :アテナ&愛香&オイジュス:2010/08/13(金) 23:35:32 ID:7gFzKdaU0
- >>713
「今度教えてあげるかい?」
笑顔で。
「うん、紅茶と会うと思ってね。今回の目玉だよ」
>>714
「あっ!えっと、統一国軍の時はありがとでしたぁっ!」
ぺこりとアミルに頭を下げる。
>>716
「いや、見てないですよ」
そっけなく。
「紅茶セットは700円だ、買え」
横から黒髪に白いワンピースの少女が割り込み、宣伝を始める。
「紅茶と焼き菓子の盛り合わせで700円だ、美味いから買いたまえ」
強引に売りつけようとしている。
- 718 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/08/13(金) 23:39:05 ID:WVrfsEdY0
- >>716
「あうー。おぼえてな…あうっ!?」
【突然の猫だましに一瞬目を閉じ…】
「あうあう!?」
【抱きつかれてしまった】
「いいのいいの!はなしてなの!」
【思わぬことのためかやや取り乱しながら手で押して離れようとしている】
>>717
「あう〜?いいの?
あう!やらせてくれるとうれしいの!」
【頷いて言う】
「とってもあうの〜。もぐもぐ」
【そう言ってあっという間にクッキーを食べて行った】
「おいしかったなの!」
【手を合わせて笑顔で言った】
- 719 :レラ&アミル:2010/08/13(金) 23:42:05 ID:7hcwnxwgO
- >>717
『どういたしましてー!』
「えぇい、離れろっ!」
レラはアミルを剥がそうと力を込める。
だがアミルの方が何倍も強いので離れない。
端から見れば微笑ましい光景である。
- 720 :セシベル・S・コープス ◆JBbLACK.JY:2010/08/13(金) 23:49:09 ID:e.bw5dlQ0
- >>717
なんだそうか。だったら人の事をジロジロと見るな。
視姦は男の特権なのだよンフフフフフフ!
【満足気に目を細める】
む?
ほう! だが旨いかどうかは食べてみなければ分からんだろう?
どれ、まずは一つ食わせてみるといい。試食は心を動かすと言う。
【手のひらを差し出して】
>>718
フッフッフ……まぁ大体思い出したぞ…っと。
【ぱっと腕を解いて】
そう邪険にしないでもいいじゃないか。
女は男に恋をして、男は女に恋をするものだというのに!
【悲しそうに肩を落として】
- 721 :アテナ&愛香&オイジュス:2010/08/13(金) 23:51:26 ID:7gFzKdaU0
- >>718
「うん、じゃあ今度ね」
約束、と言うことなのか指を差し出す。
「お粗末さまでした」
ペコリと頭をさげると、食器を片付ける。
>>719
「あはは、仲良しですねー」
楽しげに笑うアテナ。
アテナファミリーでもこの程度はよくあることである。
>>720
「……、えと。性犯罪者?」
コレでも子供、たまには心ない一言も言っちゃうよね!
「ふむ、よいだろう」
店長(アテナ)の許可も得ずに、奥からクッキーをもってきて差し出す。
「いぎりすとやらのロッククッキーとやらだそうだ、うまいぞ」
食感はかたやき煎餅で、味はしっかりとクッキーという食べ応えのあるクッキーだ。
- 722 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/08/13(金) 23:55:10 ID:WVrfsEdY0
- >>720
「あう〜…でもやっぱりきゅうにはびっくりするなの」
【少し申し訳なさそうにしている】
「う〜・・・よくわからないけど…そゆことなんだなの?」
【首をかしげている】
>>721
「あう、たのしみなの!」
【とても嬉しそうに言った】
「あうあう、おいしいおかしもっとつくれたりするのかなの?」
【何だか楽しみそうにしている顔だ】
- 723 :レラ&アミル:2010/08/14(土) 00:03:53 ID:7hcwnxwgO
- >>721
「これが仲良く見えるか! 解ったらさっさとコイツを引き剥がせ!」
『うぇーん、だんちょーアミルちゃんの事が嫌いになっちゃったのー?』
涙を流しながらも抱きつくアミル。
- 724 :セシベル・S・コープス ◆JBbLACK.JY:2010/08/14(土) 00:07:42 ID:e.bw5dlQ0
- >>721
愛の求道者とも言える。
【言えません】
ではいただいて。
【ひょいっとつまみあげて口の中に放り込む。一口。】
ボリボリボリボリ ゴックン
うん、旨い。旨いが――お菓子盛り合わせということは、実は旨いのはこれだけという罠だったりもする。
違う、他の菓子も旨い、と証明できるモノがあればーーーー……是非とも買いたいのだがなぁ。
【うーんと唸りつつ腰を曲げて悩んでいるよう】
>>722
人を愛するのに時間は必要でない。
人を愛するのに手順は必要でない。
人を愛するのに段階は必要でない。
愛が!
【人差し指を天に突き立てる】
愛こそが!
【上げた手をぐっと握り】
時間と手順と段階を全てまとめて昇華(スキップ)させるのさ!
【その場でくるっとターンし、にっこり笑う。暑苦しいと感じる人が大半だろう】
- 725 :アテナ&愛香&オイジュス:2010/08/14(土) 00:10:28 ID:7gFzKdaU0
- >>722
「まずは簡単なのからね」
穏やかに微笑み。
「そうだねー、今はケーキに挑戦中かな」
コレが奥がふかいんだよ、と真剣に語り始める。
>>723
「とりあえず困ってるのか」
そうつぶやくと、アミルに近づき。
「えと、困ってるみたいだから、ちょっと離れません?」
と穏やかに提案する。
>>724
「なるほど、覚えとこう」
変なことを吹き込まれる魔法少女が一人。
「ふふ、舐めるな。此処の目玉は菓子のみではない、そう紅茶だ」
ニヤリと笑い、奥から紅茶を出す。
「ホットの方が香りは死なないのだがな、だがこの紅茶は絶品だぞ」
- 726 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/08/14(土) 00:15:19 ID:WVrfsEdY0
- >>724
「あうあう、えっと…つまり…」
【セシベルの言葉に対してディスはかなり動揺している…と言うよりもよくわかっていない】
「……あいでなかよくなれるなの?」
【よくわからない感じで首をかしげた】
>>725
「あう〜。うん!かんたんなのだったらすぐにできるもんねなの!」
【微笑みながら手を合わせる】
「けーきなの!あう〜。『でぃす』はつくってるところみたことあるの!
たいへんそだけどがんばなの!」
【ニコニコして返した】
- 727 :レラ&アミル:2010/08/14(土) 00:16:25 ID:7hcwnxwgO
- >>725
『にゃ、なんだお前は』
じろーっと見つめる緑髪の少女。
『もしかしてアミルちゃんの恋敵か、お前もだんちょーを狙ってるのか!』
いってる事が滅茶苦茶だが話す気は無いらしい。
- 728 :セシベル・S・コープス ◆JBbLACK.JY:2010/08/14(土) 00:27:18 ID:e.bw5dlQ0
- >>725
そうか……だが俺を満足させる飲み物はそうは存在するまい。
ゴク
うめぇ。
【即答。すぐにほぼ一息で飲んでしまい、ほっと顔を綻ばせる】
ほう……! こんな美味しい物もあったのだなぁ……!
>>726
正解で、不正解だ。
愛で仲の悪くなるなんとも妙ちきりんな人も存在する。
【遠い目をして、ディスの頭に手を置こうとする】
- 729 :アテナ&愛香&オイジュス:2010/08/14(土) 00:28:13 ID:7gFzKdaU0
- >>726
「うん、あたしも最初は簡単なのからだったからね」
ニコリと笑い、クッキーを一つ口に運ぶ。
「うん、スポンジがねー、難しいんだよ」
>>727
「ぅえ!?いや、違う違う。困ってるみたいだから止めようとしただけ」
顔の前で手を振り違うと意思表示。
>>728
「そうだろうそうだろう、ほら、十分喰ったな?700円だ」
手を差し出す。
- 730 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/08/14(土) 00:33:23 ID:WVrfsEdY0
- >>728
「あう〜?そういうこともあるなのー…
なんだかふしぎなことなの」
【首をかしげ言った】
>>729
「あう〜。かんたんなのってなにがあるのかなの?」
【アテナの顔をじっと見る】
「あう〜…えっと、ちゃんとやくのむずかしいんだよねなの」
【少し自分の記憶をひも解きながら言った】
- 731 :レラ&アミル:2010/08/14(土) 00:35:33 ID:7hcwnxwgO
- >>729
『なんだ違うのか』
ほっとした表情。
「おい、アミル」
『おん?』
「何故貴様がここにいる?」
『だんちょーが帰ってこないから探してた!』
「はぁ……」
以前レラが見せた帰りたく無い素振りの理由は恐らくこの少女にあるのだろう。
『さあ、だんちょー。帰るぞ!』
「やだ」
コイツはまだアテナ達の家に居座るつもりらしい……。
- 732 :セシベル・S・コープス ◆JBbLACK.JY:2010/08/14(土) 00:42:58 ID:e.bw5dlQ0
- >>729
フフ……やはりこうなるか。
【袖の中に手を突っ込み、ごそごそやりながらふと思い出したように】
あ、金ならこの間使い切ったんだった。
【袖から手を抜き】
仕方ない。俺の髪か爪か涙のどれかをやろう。さっ、選ぶがいい。
>>730
不倫というのは恐ろしいぞぉ。気をつけるんだぞ。
【ディスの頭をぽんぽん叩きつつからからと笑っている】
- 733 :アテナ&愛香&オイジュス:2010/08/14(土) 00:44:27 ID:7gFzKdaU0
- >>730
「そうだねぇ……やっぱクッキーとかかな、うん」
そう言い、クッキーを又一口。
「そうそう、火がねぇ……、まだお店には出せないよ」
残念そうに。
>>731
「あ、なるほど。だからか」
アミルとレラの掛け合いを見て帰りたくない理由がなんとなく分かった。
「レラ、そろそろ遅くなってきたから、屋台閉めたら一緒に帰る?」
さり気無くアミルに先手を撃つ。
>>732
「……、髪も爪も涙もいらん、どうやらそろそろ店を締めるようだしな、私がおごっておこう」
ポケットから小銭を出し、レジに突っ込む。
- 734 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/08/14(土) 00:48:15 ID:WVrfsEdY0
- >>732
「む〜…またしらないことばがでてきたなの…」
【なかなか難しそうな顔である】
「…えっと、きおつけるねなの」
【ひとまずディスは頭を下げた】
>>733
「そっかなの〜。『でぃす』もおうちにかえったらつくりかたおしえてもらおかなの?」
【ニコニコして言った】
「あう〜…まだあんまりなんだなの…
だいじょぶ!がんばったらおいしいのができるの!」
【両手を握って身を乗り出す】
- 735 :レラ&アミル:2010/08/14(土) 00:51:19 ID:7hcwnxwgO
- >>733
「んー、そうだな……そうさせて貰おう」
『アミルちゃんの事がそんなに嫌い?』
「あまり好きではないな」
『あ、アミルちゃん世紀の大ショックだわ……およよ……』
よろよろとレラから後退っていき、機械から落ちた。
『アミルちゃんだんちょーの事しんゆーだと思ってたのに……』
「お前何かと仲良くなるバカが何処にいるんだか……」
機械に上がりつつ涙を流し続ける。
- 736 :セシベル・S・コープス ◆JBbLACK.JY:2010/08/14(土) 00:53:17 ID:e.bw5dlQ0
- >>734
愛ゆえにということもあるということだ。
【いったい何を見たのやら。】
>>733
太っ腹というやつだな!
太っ腹というには少し細いが、どれ、ハグでもしてやろうか。
【嬉しそうに笑いつつ両腕を広げるが】
む?
そうだこんなことをしている場合じゃない。人を探していたのだ……
じゃあな!
【くるっと反転して、見ずに片手だけ上げて走り去っていった】
- 737 :アテナ&愛香&オイジュス:2010/08/14(土) 00:56:39 ID:7gFzKdaU0
- >>734
「うん、それがいいよ」
笑顔を返す。
「うん、諦めないのがあたしだからね!食費の許す限りは頑張るよー!」
燃えるアテナ。
>>735
「ちょっとかわいそうかも」
と言いながら屋台にカバーをかける。
「ま、しばらくは泊まってってもいいよ。この前も言ったけどね」
レラに向けて笑顔を見せる。
「さて、片付けも終わったし、あたしたちは行くよ」
>>735
「お断りし……、ふぅ」
去っていく男を見送る。
「台風みたいだったな」
「オイジュスー!愛香ー!帰るよーォッ!」
「了解です!」
「分かったが、それにしても働くと腹が減るな」
「「働いてないだろう」」
がやがやと騒ぎながら森の奥へと歩いていった。
- 738 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/08/14(土) 00:59:02 ID:WVrfsEdY0
- >>736
「うーん…むずかしいことがまだまだいっぱいあるんだなの」
【少し困った顔になった】
「あう〜!またねなの〜」
【ニコニコして手を振った】
>>737
「あう〜。きいてみるの!」
【微笑みながら言う】
「あうあう!がんばなの〜!またねなの〜!」
【大きく手を振り見送って言った】
「あうあう、もっといろんなところ言ってみるの〜」
【ディスはそう言ってまたほかの露店に歩いていく】
- 739 :レラ&アミル:2010/08/14(土) 01:03:49 ID:7hcwnxwgO
- >>737
「ああ、帰ろうか」
アミルを無視し、アテナ達についていく。
四脚機械を自動操縦モードにし、自身は機械の上へ。
左腕につけられた端末を操作し、通信をする。
「川平、アミルを連れて帰れ。そして二度と家から出すな。僕に近づけるな。」
『団長様は少々アミルにキツく当たりすぎでは?』
「フン、奴はあれくらいでないと理解できないだろう?」
一方的に通信を切り、祭り会場をあとにした。
- 740 :綿鬼大御神:2010/08/14(土) 01:04:56 ID:HnkBBDEo0
- 祭りの喧騒が少しずつ薄れてゆき、やがて全てが眠ってゆく。
夜を彩っていた堤燈も一つ、また一つと消えてゆき、
そして街は所々に街灯がついているのみとなった。
祭りの中心である神社。 そこも例外でなく、堤燈は消えて人気も無い。
ただ神社の賽銭箱に、一人の少女が座っていた。
「やれやれ、一日目が終わったか」
ぐーっと体を延ばし、空気を深く吸い込む。
「ま、この調子でいけば、ぼちぼちじゃな。
ようやく儂も活力を取り戻せるじゃろう。
もう、一年何もせずに、ただ眠って過ごすなど真っ平じゃからのう」
- 741 : ◆FA/Bw.T3QU:2010/08/14(土) 20:07:33 ID:9qS3TsAM0
- 異能都市内、とある廃れたコンテナ埠頭。
錆びかけたコンテナが辺りに放置される中、一つの人影がそこに在った。
「夏祭りとは、良いものですね」
腰ほどまである長い黒髪が風に揺れ、
赤い瞳を楽しそうに細める。
「出来れば、もう少し楽しみたかったのですが……」
恐らくは20代前半の女性。
年に似合わないセーラー服を着て、その上から赤い浴衣を羽織っている。帯は巻いていないようだ。
そして頭の横には、夜店で売っているヒーロー物のお面が乗っていた。
「……まぁ、気楽にやるとしましょう」
コンテナに腰掛け、遠く広がる街を眺めながら。
その女性は小さく呟いた。
- 742 :萌葱 アテナ:2010/08/14(土) 20:12:03 ID:7gFzKdaU0
- 異能都市のコンテナの積み上げられた埠頭に10歳程度の赤毛の少女が現れる。
先程まで出店をやっていたのかエプロンを着ており、ほんのりと焼き菓子の香りが漂っている。
「ここでいいのかなぁ……」
埠頭をキョロキョロと見回している。
- 743 : ◆FA/Bw.T3QU:2010/08/14(土) 20:15:01 ID:9qS3TsAM0
- >>742
「……早速、ですね」
ふふ、と楽しそうに笑みを浮かべる。
「そこのお嬢さん。
あなた、駅前の張り紙を見て来てくれたのかしら?」
コンテナの上で、足をパタパタさせながら尋ねる。
- 744 :萌葱 アテナ:2010/08/14(土) 20:17:02 ID:7gFzKdaU0
- >>743
コンテナを見上げながら答える。
「あ、こんばんは!」
とにこりと笑う。
「ハイ、挑戦者っていうのが気になって」
- 745 : ◆FA/Bw.T3QU:2010/08/14(土) 20:19:13 ID:9qS3TsAM0
- >>744
「ええ、こんばんは」
微笑んで、挨拶を返す。
「成る程……あぁ、先ずは来てくれてありがとう」
――嬉しいわ。
そう言ってまた笑う女性。
- 746 :萌葱 アテナ:2010/08/14(土) 20:24:54 ID:7gFzKdaU0
- >>745
「はい、どういたしまして」
と答え、女性に質問する。
「そういえば、挑戦て書いてあったんですけど、誰と戦うんですか?」
疑問を口にする。
- 747 : ◆FA/Bw.T3QU:2010/08/14(土) 20:29:02 ID:9qS3TsAM0
- >>746
「誰と戦うんですか、って――」
きょとんとして、彼女は続ける。
「――私こと、未知数『X』よ。
紙には名前を書いた筈だけれど……」
言うと、赤い浴衣を脱ぐ。
セーラー服の右胸には、『X』の字の刺繍があった。
- 748 :萌葱 アテナ:2010/08/14(土) 20:30:58 ID:7gFzKdaU0
- >>747
「え!?貴方がXなんですか!?」
驚くアテナ。
「てっきり『私がXだー!フハハハ!』とか言う仮面とか付けた感じの人だと思い込んでました!」
やたらと具体的なイメージを口にする。
- 749 :彩子/『X』 ◆FA/Bw.T3QU:2010/08/14(土) 20:34:10 ID:9qS3TsAM0
- >>748
「ええ。彩子(サイコ)、という名前も有るけれど」
ゆっくりと首肯。
「ふふっ……私の上司――の、上司はそんな人らしいわ」
上司がいるらしい。
しかも、その上にはフハハと笑う上司がいるらしい。
- 750 :萌葱 アテナ:2010/08/14(土) 20:36:09 ID:7gFzKdaU0
- >>749
「はあ、彩子さんですか」
話を聴くアテナ。
「あ、自己紹介してませんでした」
気づく。
「萌葱アテナ、です。趣味は拳法、特技は魔法ですッ!」
自己紹介。
- 751 :彩子/『X』 ◆FA/Bw.T3QU:2010/08/14(土) 20:40:56 ID:9qS3TsAM0
- >>750
「もっとはっちゃけてしまうと、X-15という呼び名も有るのよ」
と、訳の解らない事を笑顔で吐くと、
「アテナちゃん、ね。今日は宜しく」
そう言うと笑んで、軽く会釈。
「名前は一度名乗ったけれど、礼儀として――」
顔を上げると、彩子と名乗った女性は口を開く。
「――私は未知数『X』、またの名を彩子。
歳は3ヶ月、特技は超能力よ」
超がつくほど胡散臭かった。
「……まぁ、未完成ではあるけれど、ね」
- 752 :萌葱 アテナ:2010/08/14(土) 20:43:05 ID:7gFzKdaU0
- >>751
「名前がたくさんっ!?」
驚くアテナ。
「はい、よろしくお願いしますっ」
勢い良く答えるアテナ。
「……、色々と突っ込みどころは有りますが、負けませんよ?」
戦意を込めた瞳でXを見る。
そこには敵意も何もなく、ただ純粋な戦意のみがあった。
- 753 :彩子/未知数『X』 ◆FA/Bw.T3QU:2010/08/14(土) 20:54:04 ID:9qS3TsAM0
- >>752
「謎の多い女、という事で。そこはお願い」
名前がたくさんあろうとも、突っ込み所だらけでも。
挑戦状は叩きつけた。
「……ええ、こちらこそ」
不敵な笑みを浮かべて、彩子は――未知数『X』は言った。
「それでは、そろそろ始めようかしら?」
――人は後々来るでしょう。
と小さく笑い、彼女は両腕を横に広げる。
「《吊られた手(ハングド・ハンド)》」
ぽんっ、と軽快な音がして、彩子の周りに幾つかの《手》が現れる。
ティッシュ箱くらいなら握りつぶせそうな大きさの《手》で、見た目は空気の入った手袋のようだった。
その《手》の中の、また幾つかが集まり、空中に足場を造っていく。
コンテナを軽く蹴り、彼女は《手》で出来た足場へと飛び移る。
「――先手は、私で良いわよね」
彼女の周囲を舞っていた《手》。
その内の一つが握りこぶしの形を作り、アテナめがけて飛来する。
- 754 :萌葱 アテナ:2010/08/14(土) 20:58:23 ID:7gFzKdaU0
- >>753
「はい、尋常に、しょうぶッ!」
飛来する手がアテナに当る瞬間、アテナは両手のグローブを打ち合わせる。
キィンと甲高い音が響き、真紅の魔力がアテナを包む。
「行きますっ!!」
魔力が霧散した瞬間、手はXに打ち返された。
魔力のベールから現れたその姿は先程とは違い、ホットパンツとタンクトップとニーソックスで
それらは全て紅を基調にしたものだった。
その姿は、魔法少女、というものを連想させるかも知れない。
- 755 :彩子/未知数『X』 ◆FA/Bw.T3QU:2010/08/14(土) 21:04:57 ID:9qS3TsAM0
- >>754
「うふ、可愛らしい拳闘士……いや、魔法少女ね。
これが時代の最先端――!」
うふうふふ、なんて笑いながらその姿を眺める。
跳ね返された拳は、別の《手》によって受け止められ、再び彼女の周囲を浮遊する。
「……あら、跳ね返されてしまうとは……
では、これなら――?」
今度は、『X』の周囲の手、全てが攻撃へと回る。
――それは、例えるなら拳の雨だ。
降りしきる雨のように隙間無く。
- 756 :萌葱 アテナ:2010/08/14(土) 21:12:00 ID:7gFzKdaU0
- >>755
(スゴイ量……!)
こちらに降り注ぐ手の驟雨を見て驚く。
「でも……やることは一つだけ……!」
拳を打ち合わせると甲高い音が響き渡る。
「魔力波展開……!高速、機動ッ!」
魔力の波を足元に展開し、波の上を滑るように凄まじい速度で拳の雨に突っ込んでいく。
「まずは、一発ッ……!」
右拳に魔力と気を集中させ、無色の力を練りあげる。
「波動撃ッ!」
拳を手の波に振る。
拳の波に当たった瞬間拳に貯められた力が開放され、アテナが通れるサイズの穴が出来るまで
吹き飛ばされる。
「加速ッ!」
左拳のグローブから甲高い音が響き、目の前に魔法陣が展開される。
そこを通るとアテナの速度が2倍ほどになり、凄まじい速度で相手に肉薄する。
(力を貯める時間は無い……!だったら)
アクセル
「加速!」
左拳の目の前に小さな魔法陣を作り、拳を加速させて突きを放つ。
速度は早く、相手の顔面を狙うコースだ。
- 757 :彩子/未知数『X』 ◆FA/Bw.T3QU:2010/08/14(土) 21:21:38 ID:9qS3TsAM0
- >>756
「流石、挑戦して来てくれるだけの事はあるわね――」
口角を少し上げて、にっこり(或いはにやり)と笑う。
すさまじい速度で迫りくるアテナの拳。
ひゅん、と音がした。
直後。拳の軌道上から『X』が姿を消した――否、“落下した”。
足場になっていた《手》を解除することで、落下し……そして、避けたのだった。
「――ただ、直線的過ぎるんじゃあないかしら」
不敵で、どこか少し歪な。
笑みを浮かべて『X』は言った。
(……直撃していたら、多分もう負けてましたね)
地面に着地する時、倒れかけた。
どうやら、身体能力は低いらしい。
- 758 :萌葱 アテナ:2010/08/14(土) 21:25:17 ID:7gFzKdaU0
- >>757
加速した拳を振り抜き、そのまま空中で回転しながらコンテナの上に立つ。
「流石、ですね」
拳を構え、魔力の波の上に乗りながら言う。
(さっきの動きから考えると近接が苦手な中遠距離型かな)
相手のタイプを分析する。
(だとしたら、近くで戦うようにすればいけるはず……!)
右腕に魔力と気を込め、無色の力を創りだす。
「波動弾!」
拳を振り抜くと、先程の打撃よりは威力が低いが牽制には十分すぎる威力の力が飛ばされた。
- 759 :彩子/未知数『X』 ◆FA/Bw.T3QU:2010/08/14(土) 21:37:07 ID:9qS3TsAM0
- >>758
(――しまった)
ほんの少し。
ほんの少し油断していた所に、波動弾が飛んでくる。
無論、それを咄嗟に回避できるような身体能力は無く――
「うぁ……ッ!」
――直撃。
軽々と吹き飛ばされる『X』。
隣のコンテナの上まで飛ばされ、その場に倒れこむ。
どうやら、『X』は常人以上に脆いらしい。
「……うふ、ふふふ」
だが、笑っていた。
「少し、楽しくなってきましたよ。本当に――!!」
彼女の周囲に、再び《吊られた手》が現れる。
どうも先程より《手》のサイズが二周り以上大きくなっているようだ。
大きさを増したその《手》達は、先程と同じようにアテナへと飛来する。
- 760 :萌葱 アテナ:2010/08/14(土) 21:43:04 ID:7gFzKdaU0
- >>759
「当たったッ!」
相手が飛ばされたのを確認したと同時、コンテナを蹴り、飛ぶ。
足場となったコンテナは足跡が然りと凹みとして残っていた。
「手を抜ければぁ!」
両腕のグローブが甲高い音を発する。
「加速陣連続展開ッ!!」
目の前に5つの魔法陣が作り上げられ、底を通ることにより、爆発的な速度の上昇をする。
(加速したはいいんだけど……)
目の前から来る手を見て言う。
「対処法どうしよー!!」
魔法陣で拳を加速させながら手を払うが、全てを払える筈は無く、何発かがアテナの体に命中する。
そして、一つがアテナの鳩尾に命中した。
「ガァッ!!」
うめき声をあげるが、加速は止まらず、手を全身に受けながら前進していく。
「正面から、倒すッ!!」
- 761 :ロザリア・ロートシルト:2010/08/14(土) 21:44:08 ID:SSMHlh/20
- 【廃コンテナ埠頭】
さあさあ、と風に揺れる木の葉音にも似た音を立て
黒い霧が辺りに立ち込める。
「あらあら、面白そうな催し物だと思ってきたのだけれど。」
それはある一点に集い、徐々に人の形を成していく。
完全に霧が晴れたとき現れたのは黒いドレスに身を包んだ少女だった。
- 762 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/08/14(土) 21:48:28 ID:7hcwnxwgO
- 闇が。
うねり、広がる。
それはまるで水の様。
沸き上がる闇からは何かが上がる。
それは人の形。
黒い少女。傍らには黒い猫。
- 763 :彩子/未知数『X』 ◆FA/Bw.T3QU:2010/08/14(土) 21:52:20 ID:9qS3TsAM0
- >>760
「――速い……ッ!」
薙ぎ払われる手を見て、冷や汗が顔を伝う。
「ふ、ふふ――“素晴らしい”」
賞賛の言葉を小さく零し、彼女は言う。
「正面から突っ込んでくるその姿勢……“彼”を思い出すわ。
ならば、私も――」
相対するのは二つの《手》。
それはまるで人のように構えを取り、アテナの拳を受け止めんとしている。
>>761
「いらっしゃい、夏祭りの裏番組はここよ」
ふふ、と笑う。
赤い瞳が少女を見据え、空中に二つの《手》が生まれる。
手袋を膨らませた様な見た目のその《手》は手のひらを上に向ける。
――掛かってきてもいいのよ?
とでも言いたげに。
>>762
「……大盛況ね、私はとても嬉しいわ。いらっしゃい、お嬢さん」
ぽん、と無駄に軽快な音がする。
また二つの《手》が生まれて、少女と猫と、相対する。
- 764 :萌葱 アテナ:2010/08/14(土) 21:58:21 ID:7gFzKdaU0
- >>763
「アアアアアアァッ!!」
咆哮の如き叫び声は埠頭の空気をビリビリと震わせる。
アクセルアクセルアクセルアクセル
「加速加速加速加速!!」
グローブは絶え間なく甲高い音を出して、拳を加速させる。
そして、襲いかかる手の全てをなぎ払い、Xの目の前に立つ。
「波動――」
右拳だけではない、両拳に魔力と気を込め、無色の力を作り上げると、突っ込んでいく。
「――双掌!!」
両手の平をあわせ、震脚の応用を持って、勁の力と共に波動を撃ち出す。
その威力は波動撃の3倍程だ。
ただし、波動弾とは違い近接技、5メートル程の舎弟しか無い。
- 765 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/08/14(土) 22:01:57 ID:7hcwnxwgO
- >>763
『じゃあ……』
「うん、ありがとう」
消える少女に声をかける黒猫。
少女の闇が黒猫を覆う。
闇の中から斬撃が手を襲う。
「少し……お邪魔しようかな」
- 766 :ロザリア・ロートシルト:2010/08/14(土) 22:13:17 ID:SSMHlh/20
- >>763
「演者は一人、とばかり思っていたのだけれど。
そうとは限らないようねぇ。ありがたいわ。」
少女は衣服の袖で口元を隠し、にやりと笑った。
「では、さっそく参りましょうか。
長々と口上を垂れるのも無粋でしょうし。」
術を使うべくロザリアの体内の『回路』に魔力が循環し、
その魔力が体からあふれ出す。
「古き縁を以って赤き盾が命じる。
雷光よ、形を成せ――。」
――ズドァッッ!!
凄まじい轟音と共に、壊れて灯りの消えた街灯を稲妻が穿った。
雷を受けた街灯はまるで機能を取り戻したかのように炎を持って辺りを照らす。
「――神経を形成し、血管を形成し、臓腑を形成し、身体を形成し
その確固たる四肢を持って立ち上がれ。」
地に落ちた雷光。
それは、空中で激しく放電したかと思えば、細胞と細胞が、
神経と神経が絡みついていくかのように、身体を形成し――。
「大いなる天雷の具現よ、その怒りを以って我が敵を討て。」
現れた数十mはあろうかという雷光の体を持つ巨人。
巨大な拳を振り上げ、まずはふたつの手のひらをなぎ払うおうと
それを真横に振りぬいた。
- 767 :彩子/未知数『X』 ◆FA/Bw.T3QU:2010/08/14(土) 22:18:22 ID:9qS3TsAM0
- >>764
「! 《吊られた――」
幾つもの《手》が重なり、壁を形作るが――
「――ぐ、うっ……!」
――その殆どは波動に掻き消された。
辛うじて残った一つの《手》がクッションとなり、衝撃を和らげる。
『X』は吹き飛び、別の《手》で受け止められた。
「……あなた、は。本、当に強い。わね」
息も切れ切れに、空中で呟く。
「そろ、そろ――、反撃ね」
『X』は、小さな《手》を無数に作り出し、その中に閉じこもった。
……かと思えば、その外で大きな《手》が一つ生まれた。
「――――」
《手》の中の『X』は何も言わない。
大きな《手》は、近くのコンテナを持ち上げ――そしてアテナ目掛けて放り投げる!
>>765
『――――』
二つの《手》それぞれが重なり、壁を作る。
斬撃は片手を切り裂き、消滅させた。
しかし、もう片方の手はどうやら無傷のようだ。
『――――!』
生き残った(?)《手》が拳を形取り、黒猫へと飛来する――!
>>766
「――?」
何か凄い音がしたような。
そんな間の抜けた事を考える。
『『――――!!!!』』
少女と相対していた二つの《手》は、雷光の巨人を見て(?)慌てたような素振りを見せる。
凄まじい速度でその場から逃げ去ろうとする《手》。
片方の《手》は辛うじて巨人の拳から逃れるが、もう片方の《手》は消滅した。
(……消された……?)
それなら、と今度は5つほどの拳が現れ、集まり、少女へと飛んで行く!
- 768 :??????????:2010/08/14(土) 22:19:16 ID:ZOFN495E0
- >>767
「━━━━ッハァ!!」
太い掛け声と共に飛来するは、一つの大斧。
全長2mに及ぶ無骨なそれは、回転しながら彩子へと迫る。
- 769 :萌葱 アテナ:2010/08/14(土) 22:22:09 ID:7gFzKdaU0
- >>767
「……!大きい!」
作られた手を見て驚く。
(どうしよう……、さっきので魔力はもうほとんど無い……!)
投げられるコンテナを大きく飛びすさって、避ける。
アテナは気の容量は並外れていたが魔力は人並みだったのだ。
「……ッ!!」
魔力も込めず、波にも乗らず、そのまま地面を蹴り、相手に近づいていく。
その速度はただの身体強化だけの物で、先程より遥かに遅いものだった。
- 770 :黒猫?:2010/08/14(土) 22:30:20 ID:7hcwnxwgO
- >>767
「そこにはもう居ないよ」
闇が晴れる。
言葉の通り、既に存在はせず。
女は剣を振る。
透明の刃に銀の峰。
鳥を模した優雅に作りの剣を、美しき動きを持って。振る。
- 771 :ロザリア・ロートシルト:2010/08/14(土) 22:33:39 ID:SSMHlh/20
- >>767
飛来する5つの拳。
雷光の巨人はその巨体を振り回してそれらを叩き落そうとするが
大きすぎて小回りがきかないため、うまく防御的機能を果たさない。
「天雷の具現よ、その暴勇を奮え。
下々の民を薙ぎ、王侯を叩き潰せ。」
ロザリアの言葉を聴いた雷光の巨人は、
手のひらではなく、その術者である少女を目掛け、拳を振るう。
防御を捨てたのだろうか――否。
「ふふ、力づくではレディーに対する礼がなっているとはいえませんわねぇ。
野蛮にも、拳で殴りつけようとするなど粗暴にも程がありますわ。」
どうやったのかはわからないが少女は、先ほどとまったく違う場所へと
瞬時に移動して、拳を回避していた。
高速移動とも、違う何らかの移動法。
それが何かを突き止めない限り、この少女を捉えることは難しそうだ。
- 772 :彩子/未知数『X』 ◆FA/Bw.T3QU:2010/08/14(土) 22:39:06 ID:9qS3TsAM0
- >>768
――ザシュ。
《手》で造られた球に、大斧が直撃する。
「――――ッッ!?」
中の様子は見えないが、間違いなく大慌てしているのが解る。
創り出された《手》が、大斧を引き抜いて球の横に浮かぶ。
【E:2mの大斧】
穴からちらりと外の様子を伺う黒髪赤眼の女性。
「賑やかで良いですね――いや、でもあのびっくり系は本当に耐性無いんですけど」
>>769
(? どうしたんでしょう……?)
心配はするが手は抜かない。
コンテナを投げた《手》はいつの間にか消えていて、人の手と同じサイズの《手》が、まるで蟲の群れのように宙を舞う。
拳の群。
三文字で形容出来る《それ》は、アテナの動きを抑える為に飛んで行く――!
>>770
拳は地面へとめり込み、コンクリートの欠片を辺りに散らす。
灰色にくすんだ地面から脱出しようとしていた《手》は、透明な刃に切り裂かれ、消えた。
「……今、何が」
呆然とする『X』。
あの人、強そうだ――なんて考えて、また幾つかの拳を創り上げ、今度は周囲の地面を砕く。
コンクリート片で攻撃するつもりのようだ。
>>771
「異能都市は……超人ばかりですね」
《手》の殻から顔を覗かせ、小さく呟く。
五つの拳は目標を見失い、『X』の元へと戻って行った。
「……ごめんなさいね、何せ生まれてから短いもので。
挨拶程度の礼儀しか教えられていないのですよ」
(今のは、何でしょうね。雷光で――光? 光の速度で移動……冗談みたいですね)
無し無し、と己の思考に首を振る。
- 773 :萌葱 アテナ:2010/08/14(土) 22:45:39 ID:7gFzKdaU0
- >>772
(”アレ”は負担が……、でも……!!)
襲い来る手を払いのけるが、先程とは違い加速も何も無い動きではたかが知れている。
しばらくするとアテナは手の群れに飲み込まれてきた。
(……術紋……、魔力炉と……接続……!)
手に囲まれ見えなくなった中で、術式を創り上げる。
手の群れの中からこれまでの戦闘の中で最も大きい力が発せられる。
(接続……成功……、システム発動……)
手の群れから頭が痛くなるほどの甲高い音が大音量で発せられる。
だが、まだ動きは見えない。
手の群れの中で、何が怒っているのか。
とにかく、ここで倒さねばマズイことが起こる、群れの中からの力はそんな気配を感じさせた。
- 774 :ロザリア・ロートシルト:2010/08/14(土) 22:52:49 ID:SSMHlh/20
- >>772
「ふふ、この私が教えて差し上げましょう。
もっとも、教えて差し上げるのは礼儀ではなく、敗北の味ですけれど。」
少女の姿がふたたび、瞬時の別の場所へ移動する。
街灯のそばから木箱のそばへ移ったかと思えば、こんどは
コンテナの陰へと。なにかの近くにいどうしているのだろうか。
「ほらほら、ぼんやりしていると捕まってしまいますわよ?
雷の拳に握る潰されると感電するのか、それとも圧死するのでしょうかねぇ。」
巨人が巨大な『手のひら』を開き、
術者たる少女をひねり潰そうとするかのごとく手を伸ばしてきた。
- 775 :紫色の髪をした女:2010/08/14(土) 22:53:39 ID:7hcwnxwgO
- >>772
コンクリート片が襲う。
女は睨む――瞬間、閃光が走る。
紅く、淡い光を連れる細い閃光。
それが女の左目から打ち出され、コンクリート片を砕く。
「さあ、遊ぼうか」
女の髪に隠された右目は遠い『X』を捉える。
そして腕を伸ばす。
文字通り――伸びる。
一直線に、真っ直ぐに、女へと延びていく。
- 776 :髭の大男:2010/08/14(土) 22:56:17 ID:ZOFN495E0
- >>772
「がはは、失敗か。まぁ、これで上手くいっちまっても面白くねぇがな!」
豪快に笑うは、たっぷりと髭をたたえた一人の大男。
「いやまぁあれだ、挑戦、とやら━━━━受けに来たぜ、Xとやら」
髭を撫でながら、笑みを浮かべて告げる。その眼光は鋭く。
「しかし━━━━いやぁ、うっかりだな!武器を相手に奪われるとは!はっはっはっはッ!
……だが、俺は別に武器が無くても問題ない!がっはっはっはっは!!」
何がおかしいのか一人大きく笑うと、ふと声を止め口元を大きく歪め笑みを浮かべて。
「これで抜けねぇのなら━━━━もっと、大きく行くぜ!!」
空の右腕を大きく振りかぶると、《手》の球体へと大きく振り切った。
━━━━しかし、『投擲』が行われる程の距離。
大男とはいえ、その拳撃は十数m先の相手に当たる事はあり得ない。
……しかし。腕が振るわれると同時、男の姿は揺らぎ━━━━否。
男の拳が大気を揺らし、『衝撃波の壁』が現れたのだ。その姿の視認を妨げるほどの規模のものが。
「気張れよ!手を抜くと……文字通り、『手』を抜いたりした日にゃ、ペシャリ! だぜ」
- 777 :彩子/未知数『X』 ◆FA/Bw.T3QU:2010/08/14(土) 23:09:38 ID:9qS3TsAM0
- >>773
「捕縛完了、私の勝t――?」
アテナに対して、勝利宣言をしようとした『X』。
(……何でしょう、この感覚は)
危機感。
人間としての本能であるべき“それ”が、『X』には足りなかった。
ただ自分の背筋を掛けた悪寒に、小さな違和を感じて《手》の群れの力を強める。
通常であれば、身動きが取れない程度に《手》の群れが拘束する。
>>774
「……生憎、虐げられて喜ぶのは私の仕事ではないので」
《手》で構成された球が、後ろへと飛び、そして巨人の手をかわす。
球から剥がれ落ちた幾つかの《手》が、巨人に飲まれる。
バヂッ、と火花が跳ねて、《手》は消滅した。
(あの巨人、どうすれば――っ!)
>>775
「悪魔の実の……? ――ではなくてッ!」
どうやら生み出せる《手》の数に限界が来たのか、新たな手は生まれない。
その代わり、球から幾つか《手》が離れ、伸びる手を払おうとする。
>>776
「――彩子(サイコ)、と呼ばれる私が言うのもなんですが……
……狂人(サイコパス)ですね、そのテンションは」
駄洒落だった。
と、球を構成する《手》が幾つか消えて、今度は大きな一つの《手》となって衝撃波を阻もうとする――
壁となった筈の《手》は、衝撃を大方削り――消滅した。
『X』には、僅かに残った衝撃波が届いた。
恐らく“衝撃波(それ)”が、引き金となった。
「――――う、あッ……!」
もはや足場だけとなっていた《手》が全て消滅して、『X』は落下していく。
あまり高さは無かったが、全身を地面に打ち付けて、『X』はうずくまった。
「……ぅ、ふ――はぁ、」
息も切れ切れに、『X』は立ち上がる。
各個の攻撃を応対している手だけが、辛うじて動いている。
本体――『X』は、それこそつついてしまうだけで倒れてしまいそうだった。
- 778 :萌葱 アテナ:2010/08/14(土) 23:18:23 ID:7gFzKdaU0
- >>777
手の塊となった、アテナ。
だが、その戦意は潰えていない。
「――、行きます」
そうつぶやくと同時、両手のグローブが音声を発する。
【system-start】
魔力が爆発的に増大する。
【mode-change】
内部で、金属音が響く。
【Mode――Παλλ?διο!】
聞きなれない言語が響く。
ギリシャ語だ。
意味はパラディオン――神像。
「アアアアアアアアアアアアアッ!!」
咆哮とともに、アテナを覆う手の全てが10メートル以上吹き飛ばされる。
「本気の、本気っ!行くよッ!!」
手が吹き飛ばされた点に立つのはアテナ。
ただ、その姿は先ほどと全く違うものだ。
全身に追加された装甲、グローブにはパイルバンカーが搭載され、魔力が凄まじい勢いで吹き上がっている。
「波動撃ッ!!」
タメ無しで放たれる波動撃はXに向けて凄まじい速度と威力を持って襲いかかる。
- 779 :ロザリア・ロートシルト:2010/08/14(土) 23:20:22 ID:SSMHlh/20
- >>777
うずくまず『X』を見て、ロザリアは勝利を確信しほくそえむ。
「勝ったッ!これで勝利ッ!」
本体を掴み損ねた雷光の巨人は、
その体を捻ったような体勢のまま、逆の手を振りかぶり、
その体の捻りを生かした猛烈な勢いで再び拳を横に振り抜いた。
- 780 :闇色の獣:2010/08/14(土) 23:24:42 ID:7hcwnxwgO
- >>777
「つれないなぁ、仕方ない」
女はそう小さく呟く様に言うと、地面を駆ける。
その最中形状を変化させ、次には獣へと。
獣はその勢いを保持したまま『X』に向かって跳ぶ。
すると女は形を変え、2つの翼を用いて飛行を始めた。
「こんなのは如何かな?」
鳥は速度を上げ『X』へと飛んでいく。
突き立てるのは嘴ではなく同じように鋭く、美しい剣。
- 781 :髭の大男:2010/08/14(土) 23:31:04 ID:ZOFN495E0
- >>777
「狂人たぁ失敬な!『強靱』なら分かるがな!」
洒落には洒落で返す。……そのセンスが、外見同様オヤジレベルだが。
「俺はただちょいとこーいうことが大好きなだけの、ふつーのおっさんだよ!ハハハハハ!」
手の関節を鳴らしながら、地に落ちた彩子へと一歩ずつ歩み。
「そうだな━━━━どちらかといえば、同じ狂気で言うなら『戦闘狂』……のが近いかもな」
それだけ言うと、大きく息を吸い込み━━━━━━━━
「━━━━━ォォォォッッッ!!!!!」
それは、声にして音の形すら保っていない、ただただ巨大な雄叫び。
先程の拳撃が『真っ直ぐ』ただ放たれた衝撃なら、これは声帯による振動が加わった『波打つ』衝撃。
振動が主となり、そして拳と声の差もあってか先程のように大きな威力といえる程の力は持たないが、
恐らくこの振動はまともに当たれば行動に大きく支障をきたすだろう。
- 782 :彩子/未知数『X』 ◆FA/Bw.T3QU:2010/08/14(土) 23:38:52 ID:9qS3TsAM0
-
――――それぞれに対して、闘っていた《手》が、消える。
>>778
――――振り払われた《手の群》が、消滅する。
呆然と、何もせずそこに立つ『X』。
放たれた一撃を、正面からしっかりと見据えて――
――笑った。歪んだ笑みだった。
周囲に土煙が舞う。
>>779
少女の勝利宣言に、土煙に飲まれる『X』は何も言わない。
負けを認めたのか、それとも、何も“言えない”のか。
>>780
土煙の中で、『X』の心の臓より少し下に、鋭い剣が突き刺さる。
余りに呆気無さ過ぎる。
かと言って、何かがありそうな訳でもない。
>>781
――どちらも、大して変わらないですよ。
空耳か、そんな声が聞こえた気がした。
放たれたその衝撃が、止めになった。
そしてその衝撃で、土煙が晴れて――――
――――――――
――ひゅん、ひゅん。
風を切るような音が連続する。
土煙が晴れると、『X』は仰向けに横たわっていた。
その隣に、灰色の髪をした白衣の男が、いつの間にか現れている。
「くく、随分と散々な目に遭っているね――それとも、自ら遭いに行ったのか」
楽しそうに笑う、その男。『X』は何も言わない。
「……さて。彼女はもう口が聞けないようだから、代わりに私が礼を言おう。
こんな阿呆みたいな事に付き合ってくれて、至極感謝する」
やけに仰々しく礼をする。
「私は彼女を介抱してあげる必要がある――なにせ、私の部下の部下、らしいからね」
くく、と小さく男は笑う。
その顔に、歪んだ笑みを浮かべて。
「そうだな、最後に質問やら何やらがあれば受け付けるが――」
特に無いかな、とでも言った様子で見渡す。
- 783 :萌葱 アテナ:2010/08/14(土) 23:42:10 ID:7gFzKdaU0
- >>782
倒れるXを見る。
「――――ッ!!」
声にならない雄叫びを上げて空を見上げるアテナ。
勝利の雄叫びは埠頭に響き渡る。
そして前を見ると目の前に灰色の男がいた。
「……、質問ですか?」
装甲は未だ維持したままで。
「そう――ですね。Xさんが何者か、知りたいです。戦った相手のこと、何も知らないのは嫌なので」
真摯な瞳で灰色の男を見ながら言う。
- 784 :ロザリア・ロートシルト:2010/08/14(土) 23:47:15 ID:SSMHlh/20
- >>782
少女に勝利したかと思えば、
いずこともなく現れた謎の男に訝しげな視線を向けるロザリア。
「あなたは、一体……?
これは祭りに浮かれた騒ぎの一つとは違うのかしら?」
男の浮かべる不愉快な笑いに、
ロザリアは興がそがれたとでもいう風に言葉を放つ。
「喝采と栄光に溢れるはずの勝利者に向けられるものが
拍手と花束ではなく、ブ男の卑下た笑いとはね。」
- 785 :アリス:2010/08/14(土) 23:52:03 ID:7hcwnxwgO
- >>782
「そうだね――」
鳥は宙を返り、足をつける頃には人の姿に。
「やはり、僕も彼女が誰か。と言う事が気になるね。強いて言えば」
- 786 :髭の大男:2010/08/14(土) 23:59:05 ID:ZOFN495E0
- >>782
「ふふふふふ、違い分からないのならそれもまた良かろう!」
雄叫びを放った故か、一度だけ大きくため息をつくと。くつくつと小さく笑いながら言う。
「ガッハハハ!
『此処』で挑戦状なんぞを出したんだ、どう思ってるかなぞ知らんが自分からこうなりに来たのと同じだろうよ!」
『手』の消滅と共に離れた大斧を再び拾うと、それを大地へと突き立て再び髭を弄りながら男へと向かう。
「質問んン?」
何を言っているのか、本気で分からないとでも言うような顔をして。
「特にないね。俺は挑戦状を出したのがどこのどいつか見に来て、あわよくば一戦やりたかっただけさ」
……この男には、戦いを挑んだ、戦いに乗った。その結果でしかないのだろう。
状況に対して、何かを思うところなど無く……否。何かを思う事すらしていない、そのような様子だ。
「……ぁあ、そうだ」
しかし、周囲の者の回答を聞き、何かを思ったかのように髭を弄るのを止めると。
「お前さんはやっこさんの上の人かい?俺が来た時には既に戦闘中だったみてぇだが、中々どうして。
挑戦状出すだけあって面白ぇ奴だったし、俺もやっこさんには興味あるな。一体何物なんだ?」
- 787 :白衣の男 ◆FA/Bw.T3QU:2010/08/15(日) 00:04:31 ID:9qS3TsAM0
- >>783
「彼女は――一言で言えば“人工生命”だ」
横たわっている『X』を一瞥し、言う。
「私が大昔に凍結した実験のはずなんだがね。
私の不在を良い事に、部下が勝手に始めたそうだ」
止められなかった私の責任でもあるが、と顔を上げ――。
「……ん、君は……アテナ君か?」
よくよく見ると。
灰色の髪に灰色の瞳。
銀縁の眼鏡に高い背。
くく、と笑うあいつだった。
>>784
「貴重な時間を奪った挙句、興を削いでしまったのなら申し訳ない」
申し訳なさそうに頭を下げる男。
再び頭を上げ、話し始める。
「これは夏祭りとは全く関係の無い、商品も賞金も、ましてや栄光も無い戦いだ。
……しかし、彼女はそれなりに強くあった筈なんだが」
>>785
「あちらの子に言ったとおり、彼女は造られた能力者だ。
阿呆な研究者の、勝手な都合でね」
苦虫を噛み潰すような表情を浮かべ、灰色の髪をした男は言う。
「彼女がなぜ、挑戦状を叩きつけたのかは私も解らない。
恐らくは知りたかったんだろう。
自分には、どれ位の力があるんだろう――とね」
>>786
「私は洒落は好きだがね」
くくくと笑って、答える。
「彼女は、少し無謀すぎた。
或いは、そう造られてしまったんだろう」
『造られた』。
そう男は言う。
「彼女は、とある小さな研究所生まれの人工生命だ」
――――――――
「……と。流石に、そろそろ彼女を運ばないといけない。
こちらから質問を募っておいて悪いが――まぁ、恐らくまた『遭う』事になるだろう」
その時はその時で。
男は笑って、『X』を抱きかかえる。
「それでは、また次回――」
――――ひゅん。
風を切る音がした。
その場から『X』は消え、白衣の男も消えた。
- 788 :萌葱 アテナ:2010/08/15(日) 00:08:51 ID:7gFzKdaU0
- >>787
「人工生命――!」
アテナの世界でも有った計画だ。
その時はアテナが、計画を潰したのだが。
そして男をよく見ると……。
「あ、え!?灰堂さんッ!?」
驚きやら困惑やらでイッパイイッパイだった。
そして、消えていくXと灰堂を見送り、口を開く。
「……Xさん、ナイスファイト」
装甲を解くが、体が反動でマトモに動かない。
地面にそのまま無様に倒れこむ。
「あ゛ー、やっぱし来たかー!動けないー!」
- 789 :ロザリア・ロートシルト:2010/08/15(日) 00:10:17 ID:SSMHlh/20
- >>787
「消えた、か。」
もう誰もいないその場所を見つめて、
ロザリアはポツリと呟いたかと思うとそのまま
黒い霧に姿を変えどこかへ去っていった。
- 790 :アリス:2010/08/15(日) 00:16:42 ID:7hcwnxwgO
- >>787
と、するとね――。
女は苦笑を浮かべ、消える一組の男女を見送った。
「まあ、よくあるはなしだよね」
>>788
「大丈夫? 帰れるかい?」
女は歩いていき、少女の前でしゃがみ込む。
- 791 :萌葱 アテナ:2010/08/15(日) 00:18:18 ID:7gFzKdaU0
- >>790
「ちょっと無理かも……いててて……」
先程の装甲を纏った姿の反動の様だ。
「明日は一日寝こむかなぁ……こりゃ」
呟き、ため息を吐く。
「あぁー、でも、楽しかった!」
- 792 :髭の大男:2010/08/15(日) 00:22:24 ID:ZOFN495E0
- >>787
「ふむ、あれだけの奴を作り出すたぁ中々面白ぇが……」
何かを思案するように再び髭をなで始めたが。
「……消えちまったし、戻るか!」
男が消えて暫くした後、考えに区切りがついたのか斧を背負い都市へと歩いていった。
- 793 :アリス:2010/08/15(日) 00:22:27 ID:7hcwnxwgO
- >>791
「まあ、僕も楽しめたよ」
女は笑う。
その右目は前髪に隠れ見えないが黄金の左目が真っ直ぐにアテナを見る。
- 794 :萌葱 アテナ:2010/08/15(日) 00:25:04 ID:7gFzKdaU0
- >>793
アリスの黄金の左目を真紅の目で見返す。
「えと、なんですか?」
- 795 :アリス:2010/08/15(日) 00:27:49 ID:7hcwnxwgO
- >>794
「何だと言われるとただの暇潰しだよ」
少女に微笑みかけながら喋り、
「立つかい?」
必要なら。と、手を差し出す。
- 796 :萌葱 アテナ:2010/08/15(日) 00:29:10 ID:7gFzKdaU0
- >>795
「そうですか」
なんとなく微笑む。
「あ、ありがとうございます」
ぬぬぬ、と声をあげながら手を掴み、ぬぐぐぐ、と言いながらゆっくりと立ち上がろうとしている。
- 797 :アリス:2010/08/15(日) 00:33:11 ID:7hcwnxwgO
- >>796
「よい、しょ」
口ではそんなことを言ってはいるが実際には力を込めていない。
戦闘にも使用した腕の収縮。
そりを利用してアテナを引き上げる。
- 798 :萌葱 アテナ:2010/08/15(日) 00:35:32 ID:7gFzKdaU0
- >>797
「おー」
感心した声を上げるアテナ。
「魔力は……、残滓程度だけど、あるな……。森までなんとかなりそうかな?」
両手のグローブが甲高い音を発すると、全身を淡い光が包む。
「よい、しょ」
試しに一歩を踏み出すと、ぎこちないながらも歩けるようだ。
- 799 :アリス:2010/08/15(日) 00:41:49 ID:7hcwnxwgO
- >>798
「フフッ、どういたしまして」
腕を戻しつつ。
「なら大丈夫だね。だけど少々心配だ。僕が少し送っていこうか?」
- 800 :萌葱 アテナ:2010/08/15(日) 00:43:03 ID:7gFzKdaU0
- >>799
「あ、お願いしたいかも」
ふらふらしつつもゆっくりと公園に向かって歩いていく。
「えと、森の中結構入り組んでるから、入り口までお願いできるかな?」
そう言うと公園の森に向けて歩いていく。
- 801 :アリス:2010/08/15(日) 00:49:10 ID:7hcwnxwgO
- >>800
「ならば僕が送っていこう」
女は地面に両手をつける。
そして一瞬が経過すると四足歩行の闇色の獣がそこにいた。
「さ、乗るんだ」
アテナの側へよっていく。
- 802 :萌葱 アテナ:2010/08/15(日) 00:50:24 ID:7gFzKdaU0
- >>801
「おお、凄いね。あたしは殴って蹴ってしか出来ないもん」
感心しつつ、獣の背に乗る。
- 803 :アリス:2010/08/15(日) 00:56:01 ID:7hcwnxwgO
- >>802
「それができるのは凄いことだよ」
「僕にはできないからね。僕から見れば凄いことだよ」
ゆっくり公園へと向かっていく。
- 804 :萌葱 アテナ:2010/08/15(日) 00:58:00 ID:7gFzKdaU0
- >>803
「そう、かな」
少し照れたような笑みを浮かべる。
そろそろ森の入口に付いたようだ。
「あ、大丈夫。ここで降ろしてくれていいよ」
手元のホログラム画面で何かを操作していた。
- 805 :アリス:2010/08/15(日) 01:02:40 ID:7hcwnxwgO
- >>804
「そうだよ、僕はキミを凄いと思う」
アテナが降りるのを確認すると人の姿に戻る。
「どういたしましてだ」
着ている黒いワイシャツのネクタイを正しながらアテナに向かってそう言う。
- 806 :萌葱 アテナ:2010/08/15(日) 01:03:38 ID:7gFzKdaU0
- >>805
「うん、送ってくれてありがとう」
ニコリと微笑。
「あ、そうだ名前、聞いてなかったね」
ふと気づき。
「あたしは萌葱アテナ、きみは」
- 807 :アリス:2010/08/15(日) 01:09:21 ID:7hcwnxwgO
- >>806
「名前、ね……」
ふむ。と小さく唸り腕を組む。
暫く考え口を開いた。
「僕はアリス。キミはアテナだね」
- 808 :萌葱 アテナ:2010/08/15(日) 01:11:42 ID:7gFzKdaU0
- >>807
「アリス……、うん覚えた。よろしく、アリス」
そう言い、微笑んだ。
「そろそろ来るかな」
森の奥から木をなぎ倒して15メートル程のロボットが来る。
「送ってくれてありがと、またどこかで会えたら、ね」
そう言うと、ロボットの掌に乗せられ、森の奥へ消えていった。
- 809 :アリス:2010/08/15(日) 01:18:06 ID:7hcwnxwgO
- >>808
「会えた時は――そうだね。楽しみにしてるよ」
現れたロボットに驚く事なく、見送って。
「さ、帰ろうか」
『……』
振り返るとそこには少女が居た。
女は黒猫へと戻ると少女の傍らへ。
少女と共に闇の中へ消えていった。
- 810 :浅片仁樹:2010/08/16(月) 20:20:29 ID:ejyJgb6I0
- 箱庭空間、市街地フィールド
「なんつーか……精巧、っつーの?すげーのな…」
そこを物珍しそうに歩く男が一人
髪の色、瞳の色はともに黒。
上背のある身体を前かがみ気味に――猫背気味にして
その虚構の街を往く
- 811 :名も無き異能都市住民:2010/08/16(月) 20:28:28 ID:SSMHlh/20
- >>810
――カチッ
仁樹の背後で、軽い金属音がした。
恐らく仁樹にはそれが銃の安全装置をはずす音だと分かるだろう。
- 812 :浅片仁樹:2010/08/16(月) 20:35:20 ID:ejyJgb6I0
- >>811
「でもどっか現実と違うのは――…っと」
背後から届く金属音に
冷や汗と共に舌打ちをひとつ
「……《こういう場所》だからって、いきなりそういうのはないんじゃねえの…?」
立ち止まり―――振り返ることはなく
- 813 :黒沢小百合:2010/08/16(月) 20:40:17 ID:SSMHlh/20
- >>812
「こういう場所だからこそ、ですよ。」
仁樹の背後の人物の声にはきき覚えがあるはずだ。
過去に幾度か銃口を向けられた危険な女。
「もしこれが現実の市街地ならば、
今頃貴方は冷たい骸となって横たわり金品を持ち去られているでしょうよ。」
- 814 :浅片仁樹:2010/08/16(月) 20:48:07 ID:ejyJgb6I0
- >>813
「……ご尤も、だな。
っつっても現実の市街地でやったらその時点で殺人犯だけど」
軽口を叩きながら。コイツならそれくらいやってそうだな、とも思う。
黒沢小百合。
「……つーか何回目だよ、お前にその鉄の塊向けられんの」
毎度毎度ビクビクなんですけど、などと続けて
- 815 :黒沢小百合:2010/08/16(月) 20:54:24 ID:SSMHlh/20
- >>814
「さあ、私も忘れてしまいましたよ。」
くるん、と銃を指に引っ掛けて
銃口の向きを仁樹からはずす小百合。
「貴方がこの『箱庭』に入るまで随分待ちましたよ。
私はこの前貴方に再びであった時から、この瞬間を待ちわびていました。」
くく、と僅かに笑って。
「さあ、数年前のあの夜の続きをしましょう。」
- 816 :浅片仁樹:2010/08/16(月) 21:04:02 ID:ejyJgb6I0
- >>815
「だよなー
随分とまあ…因縁づいたこって」
ふ、と小さく笑い
「………いいね」
小百合の方へ振り返る
「この中だったら、幾らでも―――大歓迎、だ」
「異なる場所で年を重ね、経験を得て大きくなった
その結果を―――過程を」
「ぶつけ合おうぜ、小百合!」
全身を駆け巡る衝動を感じる
鼓動は早まり、拳に自然と力が篭る
「お前には―――――負けらんねえ!」
過去から現在へと時を超え
開幕のゴングが、今鳴り響く!
- 817 :黒沢小百合:2010/08/16(月) 21:18:22 ID:SSMHlh/20
- >>816
「ふふふ、フェミニストだと思っていましたが貴方も中々……!」
仁樹の返答を聴いた小百合は、
機先を制すべく己の袖口に仕込んだ紙片を引き抜く。
「貴方さえいなければ、あの時もう幾人かの異能者を殺せた物を。
私は仁樹、貴方という『過去の失敗』の象徴を乗り越える……!」
小百合と仁樹の間をさえぎるように現れる、
黒十字の紋章入りのマントを身に着けた歩兵の軍団。
――『チュートン騎士団』
中世ヨーロッパに数多く存在した騎士団、騎士修道会の中でも
1、2を争う規模と練度を誇り、形を変えつつも現在まで存続する古豪の騎士団である。
「チュートン騎士団、総員抜剣。目標、浅片仁樹。」
まるで巨大な城壁のように、一体となった白金色の人の波が仁樹へゆっくりと迫る。
- 818 :浅片仁樹:2010/08/16(月) 21:30:35 ID:ejyJgb6I0
- >>817
「そんなんじゃねえ、よ!」
そうと決まれば、この距離は不味い
即座にバックステップを繰り返し、小百合との距離を取る
その間を埋めるように現れた騎士の軍勢に
「さーて、英雄共のお出ましか?」
相手の能力はよく知っている
そして、相手の性格も――よく知っている
ならば焦ることはない
「まずは―――」
左腕を天に伸ばし、そのまま流れるようにゆったりと、体の前で弧を描かせる
その軌跡に生じる、無数の水粒―――まるで雨天時に時を止めたような光景
「―――ゴッ!!」
その掛け声と共に
雨粒は貫く弾丸となり騎士団へ降り注ぐ!
- 819 :黒沢小百合:2010/08/16(月) 21:45:32 ID:SSMHlh/20
- >>818
騎士の身に着けている鎖帷子は
その特性上、斬撃には非常に強いが衝撃、刺突に弱い。
弾丸を受け、ばたばたと兵士が倒れるが
それでも小百合は意に介さない。
「そのような攻撃ではッ……!」
騎士らは味方が倒れても、その屍を踏み越えて着実に進軍してくる。
それどころか後ろから補充の兵士が次々と送られてくる。
「徐々に輪を縮めて包囲するのだ。
相手は一人、物量でどうにでも料理できる……!」
いつの間にか背後からも歩兵隊が迫ってきている。
ある程度自由に兵士の出現場所を操作できるため容易に包囲攻撃に持ち込めるのも
小百合の能力の利点の一つだ。
- 820 :浅片仁樹:2010/08/16(月) 22:01:00 ID:ejyJgb6I0
- >>819
「っと……囲まれたか」
ちょいと不味いかな、などと呟いて。
「物量で?」
小百合の発言を反復し
「面白いこと言うじゃあねえか!」
腰を落とし、地面に左手を着く
「さ、て……じゃあ俺も、物量利用させてもらおうか!」
刹那、仁樹を中心に小さな天災が生じる
大量に水を放出し、それを巫力でコントロール。流れる方向を示してやれば―――
「史実に詳しいお前なら……コイツの恐怖も知ってんだろ」
津波。
仁樹の前後に立ちふさがる兵士たちへと、水の壁が襲いかかる!
- 821 :黒沢小百合:2010/08/16(月) 22:13:37 ID:SSMHlh/20
- >>820
「あっ……!」
水を放出し始めた時点で、
小百合は仁樹がやろうとしていることを理解した。
自然の力を止めることは人間では難しい。
「くっ、仕方ありませんね……!
少し癪ではありますが――。」
小百合はとっさに、軍用のヘリを具現化して
乗り込み、空中へと逃れた。
「危なかった、ついこの前も水にやられたというのに。」
小百合の眼下では、先ほどまで偉容を誇っていた
騎士団がなすすべなく、濁流に飲まれている光景が広がっていた。
もう少し小百合の判断が遅ければ、小百合もあの濁流に飲まれていただろう。
- 822 :浅片仁樹:2010/08/16(月) 22:25:31 ID:ejyJgb6I0
- >>821
「ふっ―――…っと、小百合は…?」
ひとまず軍勢は退け、その大将を捜すと
空中からヘリのプロペラ回転によって生じる音が耳に届く
「……マジかよ」
「この状況だと完全に的なんだよなー……さて、どうすっか」
- 823 :黒沢小百合:2010/08/16(月) 22:32:03 ID:SSMHlh/20
- >>822
「どこもかしこも水浸しですね……
これでは効果的に地上兵力を運用するのは少し難しいか。」
小百合は上空から、辺りの様子を見回し
次に打つべき手段を考える。
市街地は道路が整備されているため戦車などの
運用が比較的やりやすいが、この状況では少し厳しい。
ならば、水の届かないある程度の高度からの遠距離攻撃が望ましい。
「いいでしょう、近代兵器の威力を
時代遅れの魔術などに頼っている貴方に教えてあげましょう。」
小百合は、そういって新たな本のページを取り出した。
具現化されたそれは、ビルの窓から静かに仁樹を狙う。
赤い照準用レーザーサイトが仁樹へと密かに向けられた事に彼は気付くだろうか。
- 824 :浅片仁樹:2010/08/16(月) 22:42:34 ID:ejyJgb6I0
- >>823
戦車の運用条件など、詳しいことは知らないが
「アイツが地の利を使わないはずがない」
そうだ。敵は必ず上から来る
経験則からの自信は
「ッ―――ほらなッ!!」
そのまま、敵の狙いを素早く察知することにつながる
大きく一歩を踏み出し、一足で「空」を蹴り―――そのまま、空中を駆け出す
左右に加えて上下。三次元的な動きで、相手に的を絞らせないことが目的だ
(撃たれてからでは遅すぎる……狙われてからでもまだ遅い)
(――なら、的を絞らせず「撃たせない」!)
そのまま―――ジグザグの走り方のまま、目指すのはビルの屋上
- 825 :黒沢小百合:2010/08/16(月) 22:54:56 ID:SSMHlh/20
- >>824
「なるほど、素早く動きこちらに狙いを絞らせないつもりですか。
しかし、それではなぁッ!」
集中砲火。その言葉が生ぬるく思えるほどの弾幕。
四方八方から放たれる弾丸はおおよそ『仁樹がいるであろう方向』へと
向けてほとんどあてずっぽうに放たれた物だがその数が尋常ではない。
この周辺の建物ほぼ全てから放たれているのではないかと
思えるほどの銃弾。仁樹に命中するものがあってもまったく不思議ではない。
「これが『数』の力です。一見、洗練されていないように見えても、
結局は目的を果たせばよいのですよ。」
- 826 :浅片仁樹:2010/08/16(月) 23:06:48 ID:ejyJgb6I0
- >>825
「ッ……やっぱ、そうくるよなァ!!!」
『絞りきれ無いなら大雑把に』。その発想で来るであろうことは予測できていた
ただ
「ぐッ……多すぎだろ、マジで…!」
弾幕を見越し、備えとして巫力の膜を自身の周囲に纏うが、それはもともと対魔法用
実弾による攻撃の、それもこれほどの物量では
緑の燐光を放つその膜も大した妨げにはならず
「ッ――――ぐぁああっ!」
銃弾が彼の身体の至る所を貫き――急所だけはなんとか守りきったものの―――
肢体から鮮血を吐き出しながら
「クッ―――――…ソ!」
彼の背後、当然そこにも高層ビルがそびえ立っており―――放たれた弾幕によってガラスが割れたそこへ転がり込んで
なんとか落下による死を免れる
- 827 :黒沢小百合:2010/08/16(月) 23:21:49 ID:SSMHlh/20
- >>826
「『無駄』なんだよォ!便所を這い回る
ネズミのようにコソコソと逃げたところでなァーーーッ!!!」
追撃の弾丸が仁樹へと降り注ぐ。
それだけではない、下の階から大勢の人間の足音が聞こえる。
小百合が、送り狼として具現化した兵士達の足音だ。
「ヒィヒャハアアハハハハハ!!!!貴様はここで死ぬんだよォォォ……!
フヒッ!さっさと死ね!死ね!じねぇえええぇえぇえッッ!!!!!ヒハハハァハハッ!!!」
小百合自身も、髪を振り乱し
狂ったように笑いながらヘリのドアガンを操作して
ほとんどあてずっぽうに弾丸を撃ち込む。
こうなった小百合は止められない。
仁樹が負けを認めようと、瀕死の状況になろうと容赦なく攻撃を加えてくるだろう。
- 828 :浅片仁樹:2010/08/16(月) 23:41:38 ID:ejyJgb6I0
- >>827
「ぐッ……ち…っくしょうめ
アホみたいに撃ってきやがって…」
這うようにして建物の中の柱の影に隠れ、外からの弾丸をやり過ごす
(傷口は両腕、片足…腹とか、色々)
(心臓と脳…特に心臓はなんとしても守らなきゃだな)
「さて……下からも来るし、どうしたもんか…」
荒い息使いで外を睨み。小百合の狂ったような声を聞く
「………負けたくねぇー…」
心臓に手を当てて。そこに住まう狂気に触れる
「負けたくねえし、ちょいと―――」
溢れ出す黒と青の混色。
狂気を正気で操縦する
「力、貸してもらうとすっかね」
体中の傷口は、邪気が体外へ流れ出る放出口となる
- 829 :黒沢小百合:2010/08/16(月) 23:55:44 ID:SSMHlh/20
- >>828
「う〜ん…?出てこないなぁ?
どこかで……くふっ!ガタガタ震えているのかなぁ〜?くひひひひはっ!!!
それともさっきので死んだ?死んだかなぁあああぁあっひゃははははッ!!」
仁樹が潜むビルの周りを周回するように、
ヘリを動かし、サーチライトで室内を照らしながら仁樹を探す小百合。
「でも隠れても無駄だよぉぉぉぉ……
『コレ』ぶち込めばなぁあぁあぁ……グヒィッ!フヒッ!」
小百合の登場する機体UH-1Y『ヴェノム』には
『ハイドラ70』ロケット弾が搭載されている。
対人及び対資材用弾頭M151を搭載したハイドラ70は
優に50mもの殺傷範囲を誇る。
「……『死ね』。」
今までの狂ったような声からは想像もつかない、
体の心から底冷えするような冷徹な声と共に、数発のそれが発射された。
- 830 :浅片仁樹:2010/08/17(火) 00:11:03 ID:ejyJgb6I0
- >>829
弾丸が放り込まれると同時、爆発が連続して生じる
ビルのその階と上下階は爆発によって機能を失い、さらにそこから上の階は支えを失い横倒れ―――
その時だ
倒壊するビルの、その砕けた窓から
漆黒の人影が飛び出した
男の皮膚の至る所は――恐らく出血していた部位だろう――黒い鱗のようなものに覆われており
男の衣服は度重なる爆発で襤褸と化している
それによって男の胸部――心臓を中心に描かれた、タトゥーのような紋様が確認できる
五芒星の中心に、燃え上がる瞳。
男―――仁樹は不敵な笑みと共に
小百合の乗るヘリの全面に浮いていた
「よう………随分とゴキゲンじゃねえか?」
- 831 :黒沢小百合:2010/08/17(火) 00:23:29 ID:SSMHlh/20
- >>830
「なッ……!?」
この爆発で生き延びるとは小百合は思っていなかったらしく
ヘリの前で笑みを浮かべる仁樹を見て驚愕の声をあげた。
「……化け物めッ!」
ヴェノムのGAU-16 50口径機関銃が火を噴く。
それと同時に速度を上げつつ後退し、とにかく仁樹から距離をとろうとする。
小百合は模擬戦を頻繁に行うが、
その死因の中でも乗機を撃墜されての墜落死は多い。
回避行動を取っているとはいえ小百合は死を覚悟した。
- 832 :浅片仁樹:2010/08/17(火) 00:39:52 ID:ejyJgb6I0
- >>831
「逃がさねー……」
全身の鱗は、失血死を防ぐため
しかし、それ以前に血を失いすぎた
そして痛みも―――
(これ以上は持たねえ……)
駆け出す
放たれた銃弾が左の肩を貫き、潰した
大きくのけぞり、それでも残った右から黒い波動を――全てを呑みこまんとする、狂気と正気の入り乱れたそれを――――
「ら……ぁぁぁあああああああッ―!」
小百合の乗る鉄塊に向け、放った――!
- 833 :黒沢小百合:2010/08/17(火) 00:46:43 ID:SSMHlh/20
- >>832
「回避しろ回避しろ回避しろ回避しろ回――」
機体がガクン、とゆれた。
それと同時に床に投げ出される小百合。
苦痛と恐怖が思考を塗りつぶしたが、それもすぐに消える。
爆発、炎上し破片を撒き散らしながら
引力に引かれて地上へと落下していくヴェノム。
黒い波動を回避するには、あまりにも距離が近すぎた。
ここで回避を選択せず、銃弾を浴びせればどうなっていただろう。
しかし、小百合が選んだ選択肢は『回避』。
その結果、彼女の命は摘み取られてしまった。
――黒沢小百合、『死亡』。
- 834 :浅片仁樹:2010/08/17(火) 00:57:30 ID:ejyJgb6I0
- >>833
黒い波動も、差異はあれど仁樹が身を守るのに用いた障壁と同じもの
銃弾を浴びせれば、あるいは掻き消すことができたのかもしれないが
「はッ……どんなもん、だ…」
左腕が潰され、気の途切れそうな痛みに苛まれながらも
彼女に勝ちたいと、その想いだけで男は立ち続け
右の腕を、大きく天に掲げた
―――浅片仁樹 vs 黒沢小百合
勝者―――浅片仁樹
//絡みありがとうございましたー!!
- 835 :アイリス:2010/08/17(火) 02:57:29 ID:e.EaiaRE0
- 【箱庭】
見上げれば、月。
今までは只の月に見えていたが、今は違う。
暁と会い、話していくうちに失った時間を取り戻したくなった。
空間を操り、自らの愛剣であり、自らの名を冠する剣――アイリスを取り出す。
逆手に持つと、月明かりに光が反射された。
何時見ても美しい剣だ。
飾れば芸術品、使えば魔法使用時の触媒となり得る。
それに、女性化したことで視得た邪眼の“進化”の可能性。
それが知りたくなった。
“ ”れば、すぐだろうが…。
“そういう方法”では進化したく無い。
それが残った純粋な心か、暁の影響か…
- 836 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/08/17(火) 03:07:12 ID:/k2gysHgO
- >>835
「仮想の月も悪くないね。二重投影の世界でも、月見の興はさして変わらない様に思える。
――其れは同じく投影の投影となった此の身故か。外に戻ればまた違うのか、さて」
凛然たる響きを持った声と共に、地を踏む微かな足音が仮想の月夜に小さく小さく谺する。
真紅の髪眼の女だ。フォーマルな意匠をした漆黒の凱套を着込み、腰には剣を帯びている。女はアイリスの隣迄進み、月を矯めつ眇めつ言葉を紡ぐ。
「何かの考え事かな。箱庭の中で思索に耽るとは珍しい。思索の為の逍遥には、誂え向きでは有るけれど」
- 837 :アイリス:2010/08/17(火) 03:18:39 ID:e.EaiaRE0
- >>836
「投影の投影は鏡で何重にも写すようなもの、とは言えないかな?鏡で自分を見ても自分と認識出来るようにね。」
投影された者であっても姿形、果ては能力まで自分と全く変わらない。
血のように朱く、美しい髪、灼眼の瞳。
女性にしては背が高い。隣の女性<ひと>はそんな人だった。
ちらりと視線を向けてみれば、中世の麗人と称するに相応しい人だろう。
戦場に出れば、戦場の薔薇と讃えられていただろう。
そのような出で立ちは叔母に似ていた。ただ、“近寄りがたさ”を除いては…。
「少しね。人は進化を繰り返す。ならば人から外れた身で合っても進化は可能なのか、なんて――こんな月夜に相応しくないことを考えていてね。」
邪眼の先に視得るもの。
それは、なんだろうか。
「仮に進化するのなら、どのようなものになるか。目に見えない先<未来>のものを追い掛けたくなってね。ほら、月にいるウサギを捜すようにね。」
触れれば壊れそうな程細く、繊細な指が月を指さした。
月明かりが――愛剣を照らす。
- 838 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/08/17(火) 03:36:47 ID:/k2gysHgO
- >>837
「そうだね。確かに変わらないか。形而上の本質の投影は像、像の投影は像、かな。像の姿は投影しても変わらない、只、鏡の中に有るという事以外は。
――鏡写しの月も悪くないね。揺らぐなら、或いは水面か」
興惹かれた様子で微かな風に涼しげな眼を微かに細める。夜風が真紅の色彩と凱套の裾とを微かに揺らした。
アイリスの隣に立った蔡生は、続く言葉にふむと小さく呟いて、口を開く。
「月夜には相応しい考え方に思えるけれど。あれは変化の象徴だ。細り、広がり、消え、満つる。
――其れにしても、進化か」
女は瞑目して楽しそうに笑う。真紅の瞳が瞼に隠れ、其だけで夜は微かに明度を落とす。
「進化何て意志の問題だよ。人は脆弱だ。だから強くなりたい高みに立ちたいと考え、試行錯誤する。
けれど夜の徒は強靭だ。産まれ持った力だけで十分な高みに在る。
だが――進みたいと願うならば、意思は存在の在り様を変化させる」
女は眼を開き、再び月を見る。
「雲を縒ろうと月に手を。――良い事じゃないか」
- 839 :アイリス:2010/08/17(火) 03:57:55 ID:e.EaiaRE0
- >>838
「鏡で見ても、月は只在り続けるようだね。月は月、決して手の届かない所。」
アイリスも興味を惹かれた。
学も有り、容姿も優れる。
そして、近くに居れば分かる。
母とは違う隙の無さ…隙があるように見え、否見せているのかも知れない。
「生まれ持った力以上の存在も、いるもの。」
――突き進む。
誓いまでとはいかない。
漠然とした思い。“劣等感”
劣等感を埋めるには、突き進めば良い。
「“持つ者”と“持たざる者”その差を埋めるものは、なんだろうと思ってね。」
元々有する力・経験・鍛錬etc...
「貴方は、“持つ”人なんだと思う。ねぇ、少し話を聞いてくれないかな?」
叔母に近い人。傍に居れば思い出す。
“ ”に片足を踏み込んだ――怪物。
隣の麗人<ひと>が瞼に隠れれば、アイリスの視界はヒビだらけに変わった。
視界に映るものにはヒビ、ヒビ、ヒビ、ヒビ、ヒビ、ヒビ、ヒビ、ヒビ、ヒビ、ヒビ、ヒビ――――――-
アイリスが視る世界は途端に罅割れたものへと変わっった。
- 840 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/08/17(火) 04:10:38 ID:/k2gysHgO
- >>839
「杯に浮かべて飲み干した事は有るけどね」
ふふ、と戯ける様に女は笑って月に手を伸ばし、其の白い手を月影に翳す。
其の動きは如何にも緩やかで全くの肉体的緊張が見られない。
常に異常への防備的意識を固める事が意識的な隙の無さだとするなら、女の其れは確かに隙と言える。
「“意思”かな。――私は元々は無才の弱者だったから。今でも持たざる者だけれどね」
翳した手を下ろし微かに笑って瞑目。
「聞きたいなら聞いたら良いし、遣りたいなら遣れば佳い。
ただ、私の答えは君の答えに成り得ない。私の答えを通して君の答えを探ると善い」
女は静かに笑ったまま不動。
――来るなら、好きにしなさい。
そう言ってる様にも思えた。
- 841 :アイリス:2010/08/17(火) 04:27:13 ID:e.EaiaRE0
- >>840
「そういうのは、風流というのだったかな。」
隣の麗人に月を譲るように、月に伸ばした手を引っ込め。
この瞳だ。極力、彼女には触れたくは無いと思った。
だが、此処でアイリスの好奇心が牙を剥き始めた。
自らを持たざる者と語る彼女。
それが“知りたくなった”のだ。
快楽主義者を思わせる笑みは、少女のそれでありながら、その実、牙は研ぎ澄まれている。
「昔、神に奉納するダンスがったようだね。演舞という名前だったかな。今日は――月に奉納したい気分でね。」
手に持った短剣を逆手で持つと、左手薬指を自らの手で切り落とした。
アイリスは切り落とした指から何かを引きぬき、ポケットに仕舞った。
「一つ、どうかな?」
切り落としたはずの指は、再び戻っており。
アイリスは彼女の隣にいたまま、呟いた。
- 842 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/08/17(火) 04:37:44 ID:/k2gysHgO
- >>842
「単なる遊びだよ。――おや、月に奉納」
蔡生は面白そうにアイリスの言葉を反芻し、軈て微かな笑みを漏らす。柔らかな笑みは真紅の鮮烈な色彩と違って穏やかだ。
「善いね。月見の興は此れ迄だが、続きましては刃交の興か。私で佳いなら付き合うよ」
蔡生もまたアイリスの隣に在った継言葉を紡ぐ。
気配は、変ぜず。
臨戦の気配等無く、矢張り隙にも見える自然体の侭、蔡生は誘いに諾と答えた。
- 843 :アイリス:2010/08/17(火) 04:47:01 ID:e.EaiaRE0
- >>842
彼女に背を向け歩き出した。
一歩。
カツン、とローファーのかかとが地面とぶつかり、澄んだ音を奏でる。
二歩。
三歩。
一歩目の音が鳴り止まぬうちに、二度の音。
この辺りで丁度、彼女とアイリスの間は2.5m程となった。
アイリスは彼女の背を見つめる。
“線”に溢れた世界。
終わりを見せる視界。
柔らかな風が、アイリスの頬を撫で、長く伸ばされた髪を揺らした。
「お酒は無いけれども、大丈夫だよね。」
この“演舞”は、果たしてどの様な形となるか。
悪鬼同士のぶつかり合いか、はたまた演舞のように流麗なものとなるか。
自らを手繰る“鎖”を解き放ったことで、ひとり分の躰に内包する二人分の力が漏れ始めている。
- 844 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/08/17(火) 04:56:19 ID:/k2gysHgO
- >>843
「酒は無くても十分に酔えるさ。屹度ね、では」
アイリスへと振り向いた女の顔には微かな笑みが浮かんでいた。
「始めようか」
――――其の言葉は月夜に響く。
あらゆる音が其の言葉の為に音量を低くした様な、相対的に通り響き渡る、凛然とした女の声。
姿勢は無造作、矢張り自然体。
ただ相対し――そうして、戦いは始まるのだろう。
- 845 :アイリス:2010/08/17(火) 05:05:58 ID:e.EaiaRE0
- >>844
短剣を持つ手を軽く振るい。
「うん、始めよう。」
アイリスも笑みを浮かべた。
彼女の落ち着いた女性の笑みとは違う、童女が浮かべる笑みを浮かべて、アイリスは足に力を入れた。
魔眼は様々なものの線を映し出す。
まずは、腕に狙いを定め、駆けた。近寄ることが“出来れば”腕から落とす心算だ。
金と黒が交じる髪は、バサバサと靡き、薄い闇の中、踊る。
年若き“吸血鬼”は今、夜刀神に挑む――
- 846 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/08/17(火) 05:18:40 ID:/k2gysHgO
- >>845
ずだん、という音。空を斬ると言うよりは空を絶つような音。
――――雷瞬、それはあまりにも唐突だった。
放たれたのは斬戟。間合いを潰して来たアイリスを狙う、オーソドックスな袈裟切りの剣。
尋常に無いのは其の速度。其の漆黒の刀身は気付けば抜かれ、そして切先はアイリスの首へと肉薄する。
力を伝える猶予としての躰の遊びが無い故に生まれる、制止から最高速を叩き出す斬戟。
其れは宛ら雷の様にも見える。気付けば、天から地へと落ちている。気付けば、直ぐ目の前へ肉薄している。
雷の落ちる最中を見る者は居ない。――――其れは正しく、雷瞬の斬戟だった。
- 847 :アイリス:2010/08/17(火) 05:36:54 ID:e.EaiaRE0
- >>846
ドスッ―――-
ボトリ―――
袈裟斬りはざっくりとアイリスの首を綺麗に切り裂いていた。
これの何処が“持たざるもの”だ。
――嗚呼、この“人“も叔母のような怪物だ。
膝を付くアイリスだった躰。
切れた髪がサラリと風に舞うと、空に浮かんでいき、次第に金色の粒子へと消えていった。
ドクドクと流れる血はアイリスの服を濡らしていく。
もう少し時が経てば真紅に染まるだろう。
――だが、アイリスの躰は動いた。
吸血鬼の死とは、まだまだ程遠い。
まだまだ“首が落ちただけ”なのだ。
パクパクと動く口。
その力量は一般的に言うならば“絶望的な差”
だが、アイリスは止まらない。
アイリスの手は、アイリスの顔の両頬を掴み、首に載せる。
「あ、―――ははははははははハハハはハハハははハハハは―――」
笑い出したい衝動を抑えられなかった。
血が滲み出す首からは、次第に傷が消えていき、アイリスの顔には再び童女のような笑みが浮かんでいた。
「接近戦でも勝てる気は――しないね。」
そして、大地に孔を開けて、再び駆けた。
先程の間合いの詰め方とは余りにもかけ離れた速度だ。
- 848 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/08/17(火) 05:49:05 ID:/k2gysHgO
- 女の動きには動作の前段階が全く無い。まるで呼吸の様に殺しに掛かる。
――――二つの意味で、其れは呼吸。
一つは其の侭。当然の様に剣を振るい、当然の様に殺しに臨む。
二つは動作として。凡そ生物の持つ動きの中で最も視覚に依って知覚し難い、微かな呼吸の様に斬戟を打つ。
他者が息を吸うのを誰が気に掛ける物か。胸を空かせ、自然と空気が肺に収まる其の動作を、一体誰が警戒しよう。
そんな、極端に発生を気取り難い斬戟を、雷瞬の迅速を以て放つ。此れが、夜刀神蔡生の技量。
躰で産み出した力を猶予無く、生み出した瞬間に刀に伝える事で静止から最高速を叩き出し、宛ら雷の落ちる様に一瞬で斬戟を放つ“雷瞬の術理”。
躰の内側の様々な部位を一斉同時に機能させる事に依り、他者からは認識され難い呼吸の動作と同様に、全身を少しずつ機能させる事に依って発生を気取られ難くする“呼気の術理”。
女が無造作に放った斬戟は、見る物が見れば其の本質を看破出来る。
即ち、様々な流派に伝わる動きの基本にして神髄たる術理を一つに纏めた斬戟であると。
>>847
「成程、此れは骨が折れそうだ」
高い再生能力。恐らくは紅血の徒にしても規格外の位階に在る――アイリスにそんな見当を付け、蔡生は薄笑んだ。
地を捲り上げて肉薄する、如何にも尋常の域を外したアイリスに蔡生は相対した侭、不動。
――不動と言っても、此の女の不動は他者の不動と大きく意味合いが異なるが。
何せ、
「は、」
――――不動の次には予備動作も加速も無い、掛け値無しの最高速で雷瞬の斬戟が放たれるのだから。
再び放たれた斬戟はアイリスの両膝を刃の向かう先に収め、気付けば肉薄していた。
さて、見極めなければ。
――――蔡生は仄笑みの下で思考する。
- 849 :アイリス:2010/08/17(火) 06:08:39 ID:e.EaiaRE0
- >>848
ここ異能都市では、種族としては比較的一般的とされる吸血鬼。
だが、アイリスの血統が他とは段違いに違うのだ。
200年クラスの吸血鬼ですら、血だけで殺せる。
他の吸血鬼にとって劇毒とも言える血液を持つ。
先程は危険予知のようなもので、“偶然”“首だけで済んだ”ものだ。
夜刀神の党首にとっては小手調べだが、アイリスにとっては“重症”
無論、次の剣戟の速度、造作から切っ先の速度は目に追える速度では――無い。
更にその剣が振られる気配などアイリスに読み切れる訳も無い。
夜刀神の党首の手には、確かに両膝を切り落とした感触があった。
アイリスはゴロゴロと転がり、夜刀神の党首に近づいた。
「―――痛い、ね。これが生きている“感覚”なんだね。」
だが、先程より早く駆けた訳はある。
勢いをつければ、この躰の何処かを犠牲にして、少しでも自分の間合いに近づけるから。
夜刀神の党首にとっては些細な問題。
だが、アイリスにとっては重大な問題だ。
勿論、この後は予想している。
絶望的な力量の差を見せつけられつつも、一矢ならぬ一指報いたいと思うのも自然で……。
夜刀神の党首の躰の、最も近い部位である足首を撫でようと手を伸ばす。
- 850 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/08/17(火) 06:17:05 ID:/k2gysHgO
- 女の握る剣からは黒い陽炎が揺らめいて居る。夜天月下に在る其の陽炎は視認し難いが、其れも常人ならばの話。
尋常な者等一人も居ない此の月下。漆黒の刀身から湧出し揺らめく陽炎は、徐々に其の勢いを増し始めていた。
>>849
「痛みに生の実感を求めるのは危うい様な気もするが」
蔡生は其れだけ云うと再び腕を返す。放たれるのは雷瞬呼気のあの斬戟。
下方に転がるアイリスの頭を断ち斬ろうと、其の斬戟は放たれた。
――――つまり、蔡生は攻手を優先した。
無論、こうなればアイリスは蔡生の足首を撫でる事が可能。
- 851 :アイリス:2010/08/17(火) 06:23:34 ID:e.EaiaRE0
- >>850
「そんなものかな。」
同じく短い返答。
地面に転がるなんて、なんて似合わないんだろう、と思う反面、
泥臭く、まではいかないが土に汚れるのも悪くは無いと思った。
――じゃあ、線でもなぞろう……かな。
夜刀神の党首の足首に、線があった。
人として、程度は別にして、弱い部分はあるべきで。
その部分に走る線を―――撫でた。
その後、アイリスの首は再び地面に転がった。
- 852 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/08/17(火) 06:33:47 ID:/k2gysHgO
- >>851
足首が落ちたと感じると同時、蔡生は片足で後ろに跳躍して間合いを取った。
「何かをする、とは思っていたが」
自身の身体を意識下で完全に掌握している蔡生は、エンドルフィンを増産させて痛覚を最低限に抑え、アドレナリンに依って止血を行う。
再生は可能。切断面は余りに綺麗。――取り敢えず足は後で拾おう。そう考え乍ら蔡生は笑みを深くする。
「まさか、斬られるとは」
夜刀神蔡生の肌は人間と同じく柔らかい。決して固い訳では無いが、然し“強い”。
人間ならば容易く切断される斬戟でも、並みの刀剣の切れ味では精々が彼女の肌に打撲の痕を残すだけ。
――其れが、切断された。
「面白いな、ふふ。本当に面白い。此れが君の異能か?」
- 853 :アイリス:2010/08/17(火) 06:47:49 ID:e.EaiaRE0
- >>852
再び切れた首を摺り寄せ、胴体とくっつける。
見慣れぬ者からすれば、ホラーだ。
一度座り、膝もくっつける。
再生の速度は早い。
だが、その速度は、後に使えるだけの分を先に使っているだけに過ぎない。
二度の首の切断、一度の両膝の切断。
後々費やせるのは精々一度の首の切断程度だろう。
一度目の首の切断で血そのものを多くを消費している。
「うん。これが僕の魔眼。名前は知らないのだけれどもね。」
クスクス。
夜刀神の党首が、初めて笑みを深くした。
それが嬉しかった。
だからアイリスも童女のような笑みを消さない。
「しかし、貴方の躰には驚かされるね。強い。並以上…特上の強さだよ。」
そう、線を見て。
並なら、全身に走る線が見える。
だが、この人は違う。
線を視る魔眼だからこそ、蔡生の強さが際立つ。
- 854 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/08/17(火) 06:58:17 ID:/k2gysHgO
- >>853
「面白い力だ。本当に」
簡単な左手の動きと共に蔡生は落ちた足首から下を引き寄せる。靴を履くように切断面を繋げ、再生を開始。
程無くして繋がった足首を軽く回し、視線は再びアイリスへ向かう。
「此れでも夜刀神の皇族だからね。早々他に引けは取らない。君も大した物だ。
私の斬戟を眼で追えない者から手傷を受けたのは、正真正銘此れが初めてだよ」
異様に再生能力。自分と違って素質に富んだアイリスに微かな感慨を得て、笑みを深くする。
「本当に面白い。楽しい。――だが、其れが本気かな。未だ未だ奥が有りそうだが」
- 855 :アイリス:2010/08/17(火) 07:09:06 ID:e.EaiaRE0
- >>854
「夜刀神と言うんだね。僕はルズィフィール家だよ。」
お互いがあるべき世界では、これ以上無い有名な家名だろうが、
生憎、世界が違う。だが、自分と似た様な立場であると感じられた。
「ははっ…それにはこの目のおかげとしか言えないね。この目が無ければ貴方の皮膚に傷ひとつ負わせることが出来なかった。」
アイリスもまた、笑みを浮かべる。全力をぶつけるには、完璧な相手だ。
ただ、相手は強い。だから簡単に全力を出させて貰えるかはまた別の問題で。
「この状態だとね。今の状態なら精々再生は数回だろうね。血液そのものが足りていないもの。」
空間を操り、ミネラルウォーターを取り出し、頭から、掛けた。
- 856 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/08/17(火) 07:21:24 ID:/k2gysHgO
- >>855
「――成程。此の都市の面白い所だ」
蔡生もアイリスと同じ事を考え、興味深そうに首肯する。面白い物だとアイリスの眼を見る。
其の魔眼も興味深い。恐らくは、見る事に依って相手に効果を発揮する魔眼では無く、何かを見る魔眼。
此の身は自身という個体を対象に発動する呪を神性の不可侵に依って抵抗するからだ。
「ルズィフィール、」
ぞあり、と――其の言葉と共に。
何かが軋み何かが歪み何かが静かに何かに依って呑み込まれる。
世界が眩めく様な錯覚。風景が揺らぎ、女の周囲が静かに歪んだ。
ゆらり、ゆらりと立ち上るは黒い陽炎。
景色を歪ませ炎の様に揺らめき消える其は絶えず女の足許か湧出する。
「私は君の奥を視てみたい」
浮かぶのは笑み。解放するのは“夜刀神”の片鱗。アイリスがそうである様に、蔡生もまた“底”を見せていない。
- 857 :アイリス/♀:2010/08/17(火) 07:41:29 ID:e.EaiaRE0
- >>856
アイリスの魔眼は自己完結型。
魔眼所持者の視界にしか映らない線。
つまり、魔眼所持者以外、その線が何処にあるかなど分かりはしない。
故に線をなぞる箇所と、実際に攻撃される箇所が違う時もある。
「勿論。僕も見せるのだから、貴方にも見せて欲しい。」
金と黒が入り混じる髪から、完全な金髪に移行したアイリス。
夜刀神の“力の解放”に世界が哭いている。
「僕は夜刀神を識<し>りたい。」
蔡生の“力の解放”に呼応するように、自らの血の力を開放するアイリス。
アイリスを中心に360度、大地に亀裂が走る。木々がざわめき鳥が逃げる。
朱き何かが、アイリスを包みこめば、渦を巻きながら巻き上がる。
それは、どこから出ているのか。
アイリスの体からだ。風がアイリスを避けるように吹く。
「始めよう。」
虹色の瞳孔は変わらないが、アイリスが視る世界は、更に多くのヒビに包まれる。
- 858 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/08/17(火) 07:47:54 ID:/k2gysHgO
- 其の力は威圧感と云うより唐突に現れた巨大な影。ある日空が割れて何かの影が世界を覆う。
巨大な物に対した時の原始的な恐怖を呼び起こさせる力が女の気配に感じられた。
畏怖を知る得る霊長ならば。恐怖の本能を持つ生物ならば。其の気配は等しく平等。静かに寄り添い害して侵す。
其の圧力は並みではない。凡そ異能と神秘の世界に身を置く者ですら感じ得ない筈の圧力。
――恐怖で人は死ねるかと問えば、答えは是だ。
人でも動物でも、極度の恐怖に依って起こされる激しい緊張は無意識の内に全身の筋肉に過剰な力を入れさせる。
酷ければ腹筋が胃袋を締め付け横隔膜を圧し上げ、激しい嘔吐と共に極度の呼吸困難に陥る場合もある。
要は火事場の馬鹿力と同じ理屈。本能による力が外に向くか自分に向くかの違いだけ。
女の気配は其れを強制的に引き起こす。暴力的に、無理矢理其処に在る者総てに死を圧し付ける。
――――見た者は死ぬ。
常陸国風土記、夜刀神に関する記述の一つ。
女の気配は其に疑心を持つ事を赦さない。常人ならば確かに容易く死に至る。人とは次元違いの“神”。
――――放逐された忌神、夜刀神の神性。
>>857
「さあ、始めよう。……此の言葉を云うのも久しいな」
気配の苛烈さとは裏腹に、くすりと可笑しげに笑う女の表情は懐古の色を微かに湛えた。
然し其の色は直ぐに失せ、薄桜に艶めく唇が続く言葉を静かに紡ぐ。
凛然と響く声。決して大きな声では無い。だが、彼女と敵手足り得るアイリス以外の総てを力の気配の前に沈黙させた今、相対的に彼女の声は良く通る。
そして告げる。
「“お前は私を殺せ”」
其れは、
「“私はお前を殺す”」
殺戮の契約。
「――――征くぞ我が敵。死に逝く覚悟は出来てるか」
気配が更に苛烈さを増す。
女は、此処に。
――――夜刀神蔡生は此処に在る。
- 859 :アイリス/♀:2010/08/17(火) 10:12:20 ID:e.EaiaRE0
- >>858
>>858
思わず体が震えた。
目の前の相手に、だ。
神性を宿すのは姉だが、姉には無い圧倒的な恐怖。
短剣を持つ手が震える。
自らの震えを隠すように、ぎゅっと、愛剣の柄を握りこんだ。
膝も震えてきた。
――これが武者震い……
元々容姿端麗であるが、アイリスは容姿端麗な者を見慣れているが、“人でありながら神”の夜刀神を美しいと思った。
それに、これが彼女の“本当の姿”なのだとも。
アイリスの家系は女系家族で、女性程大きな力を持つ特色がある。
アイリスは只、女性に成れるだけだが、それに則りそれなりに血統の力も利用出来る。
「ははっ…敵となり得るといいんだけどね。」
未だ発展途上である魔眼を全開にする。
魔眼の全開と同時に、アイリスを覆い隠すまでに成長した朱い何かが大きな渦を作り、渦巻いていた。
先の方は、ちぎれては消え、ちぎれては消え……を繰り返すが、再び朱の渦となりて舞い戻る。
イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ
二人分の力を以てしても血統の力を完全に制御することは不可能だ。
だが、出力そのものを制御出来るほどに落としてしまえば夜刀神の党首に傷ひとつ付けることは出来ないだろう。
――此処は箱庭<仮想現実>命は捨てられる。
頭の何処かで囁く声。
脳に直接針を刺されて、すり鉢とすり棒で細胞を一つ一つ潰されていくような痛み。
あまりの痛みに左手で頭を抑えるアイリス。
蔡生には、どのように見えるのだろうか。
蔡生が放つ“夜刀神の神性”に中てられるように見えるだろうか、それとも関係無いようにみえるのだろうか。
「死を分かつまでの契約、受理しよう。」
アイリスは一度に短くなった髪を掻き上げる。
そして……
「君の血は僕の為にある。総て、一滴すら失うこと無く僕が貰い受け、我が物とする。」
通ずるは明確なる死。
「君は僕を殺せ。死こそ我らがやすらぎ。我らは死翔の翼を以て――冥界へと旅だとう。」
蔡生の口上に返すように、死の契約。
死が二人を分かつまで、死への輪舞曲<ロンド>を踊る、契約。
- 860 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/08/17(火) 16:31:50 ID:/k2gysHgO
- 世界を軋らせる圧迫感は決して感覚のみの物ではない。今や世界は正しい意味で圧倒されている。
――夜刀神は放逐された神。世界から異物として弾かれた神。
“神性”と云う神の力、即ち文字通りに次元違いのエネルギー、現世には有り得ぬ膨大な力が噴出すれば、現世に根付く他を圧すのは当然の事。
夜刀神蔡生が神性を解放した今此の瞬間、時間は限られていると云えども放逐された神は現世へと帰還しているのだ。
神が顕現するのは神域に他ならない。故に此の場は現世より乖離した異界と化しているとも云える。
「いいや、紛う事無く君は敵さ」
女の語り口に変わりは無い。女の容姿もまた同じ。然し今の女の言葉には神託の響きが在り、女の容姿には神々しさが入り交じる。
人とは思えない程と、此の世の物とは思えない程と形容され、ともすれば現世から浮き立ち、見る者に依っては異常とすらされる容貌も、今此処に在っては尋常だ。
神は神話の中に在りてこそ尋常。神性の解放された場所、異界とも云える此の場に於いてのみ、神染みた蔡生の容姿は相応しい。
「意思を持って立ち向かう以上、私にとって其れは敵だ。君は怯えて居るか? 恐怖からの錯乱で私に刃を向けるのか?
――君はそうじゃないだろう。或る意味で君は英雄とすら言える。悪神に立ち向かうのは英雄に他ならないのだから」
震えるアイリスの姿を映す真紅の瞳は、然し其の視界に脅える者を映さない。痛みに頭を抑える姿も、神性に当てられた為とは思わない。
――――夜刀神の神性は“根絶の権能”。当てられていれば、死を具現するのだから。
殺戮の契約を返すアイリスの言葉に女は首肯し剣を翻す。其の柄の下に刻まれた其の刃の銘は、“夜刀神”。
「――――さあ、英雄譚を綴り上げろ」
斯くて、幕は開かれる。
- 861 :アイリス:2010/08/17(火) 21:53:55 ID:e.EaiaRE0
- >>860
――……居心地が良いのは気のせい…かな?
本来ならば、魔の存在と云う括りの為にこの異界は居心地が悪いものだろう。
だが、逆に、それが居心地の良さを生み出している。
それは夜刀神が生み出した神域故か、旧くは神を始祖とする血統の恩恵か。
勝てる見込みの無い強大な敵との闘い。
彼女が云うような“英雄譚”で間違いないだろう。
「女神は護るものが相場だと思うのだけれど――」
女神とはいえど、この“感じ”は“マズイ”
だが、―――力は神に相応しい。
青みがかった虹色の邪眼。
その視界に広がるのは線が少ない“人<神>”と背景。
「―――嗚呼、行くよ…。」
自らの名と同じ銘を持つ短剣を構える。
それは構えとは言えない姿
――今、この眼に映る光景が現実ならば…
この思いは何処の誰に向けられたものだろうか
- 862 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/08/18(水) 14:58:13 ID:/k2gysHgO
- >>861
――――夜刀神蔡生が動いた。
行ったのは標的であるアイリスに向けて疾駆する“走る”と云う単純な動作。
然し、静止から最高速へ過程無く至る雷瞬の術理と、初動を極端に捉え難くする呼気の術理を使った其の疾駆は出鱈目だ。
腕を振る事で勢いを付け、足場を蹴る事で地面反力を得て前に進む従来の走行と異なり、女の疾駆には其れが無い。
生物が動く時の気配である躍動感の全く無い動作は、眼で視認して居てもともすれば何故動いているのかが解らない程。
気付けば踏み込んでおり、対応しようとした瞬間には肉薄している。そんな疾駆。
蔡生は衝撃波にも似た暴風と全身から揺らめく漆黒の陽炎と共に地を薙ぎ払い、アイリスへと肉薄する。
「――――」
間合いを詰めれば自然次の動作へと移行する。今正に放たれようとしているのは疾駆と同様に雷瞬呼気の術理を利用した斬戟。
だが、其の速さ重さは先程よりも増している。神性の解放と共に身体能力も底上げされている。
人と同じ体格で在り乍らも桁違いの筋力を持つ夜刀神。人と何が違うのかと云えば筋肉を動かすエネルギーの量が違う。
筋細胞をスライドさせる為に行われる加水分解反応量が違う。其れに加えて筋肉に直接作用する神経ホルモンが分泌される。其れは並みの人外を容易く凌駕する。
其れが、更に。魔力に依って体を動かすの同様、神性と云うエネルギーをブースターとして使う事で底上げされているのだ。自然、斬戟の速さ重さも変わってくる。
「は――――」
短い呼吸音と共に斬戟が放たれる。アイリスを両断しようと放たれる其の軌跡は唐竹。
其れは唯の斬戟に他ならない。然し相手の程度に依れば文字通りの必殺必中を具現する斬戟。
――――ずだん、と云う風切り音ならぬ空断ち音。
衝撃波の如き刃風と神性の陽炎を纏い、漆黒の刃は放たれる。
- 863 :アイリス:2010/08/18(水) 22:51:26 ID:e.EaiaRE0
- >>862
マズイ、直感的にそう“思わせる”には十分なものだった。
夜天に塗り潰されることなく、否、万物に闇を落とす夜天すら蔡生を際立たせる脇役に過ぎない。
星は彼女の背を遠く眺め、夜天は衣となり彼女を覆う。
“夜刀神”は、いうまでも無く、アイリスが行使出来る力を大きく上回っていた。
この速度は今までの非では無い。
“動いた”と認識出来そうな頃には既に肉薄され、得物が自らを目掛け、振り下ろされている。
そんな状態。
まるでタネのない手品。
時でも弄ぶような、蔡生の接近にアイリスの視神経は追いつけない。
否、追いつけない。脳の処理が追いつかない。
まだまだ種として未熟ながら、宿す血統の力と魔眼、犯した禁忌で得た力だけでようやく今の蔡生と刃散らす前段階にいれているだけで。
並の種なら、“神性”に当てられて終了、だろう。
「――-z___________________」
ふっと、息が漏れた。
此処が箱庭で無ければ、少女の溜息の瞬間だが、今は違う。
命という天秤を放棄した、投影された箱庭での出来事。
現実<リアル>には影響しない。
ただ、当人たちの“経験”が脳に刻み込まれる場所。
蔡生は“私はお前を殺す”と言った。
ならば、狙うは一撃必殺だろう。
先程から、急所・致命傷を負わされている。
彼女に躊躇など有りはしない。
今までを視る限り、どの様な“格下”、“格下に見せようとしても“油断すらしない。
彼女は――決して慢心などしない。付け入る隙を見せても、それは甘き香りを放つ罠<ハニートラップ>
「………、、、……」
口を開ける余裕すらない。
開ける暇があれば腕か足を動かすべきである。
蔡生はそういう手合いだ。
夜天から独立し、浮かび上がる凶刃。
夜天を引き連れているとさえ錯覚するような光景。
―――彼女から“動いてくれた”
これが最初で最後のチャンスだろう。
これを逃せば……後は消えてリアル<現実>に戻るだけ…。
アイリスが覚悟を決め、一歩を踏み出そうとした時、“既に凶刃に引き裂かれていた”
一歩、といっても30cmにも満たない歩幅は、まるでアイリスのよう。
――――もう、遅かった。
甘く見ていたワケでは無い。
他人<ヒト>を見縊れる程の剛の者でも無い。
ただ何の因果か、偶然“ ”に至ってしまった、迷子。
進むべき道すら見えていない若輩の者。
その若輩者には、蔡生が放つ“必殺“など見切れるはずも無く……。
アイリスは、真っ二つに割られた竹の如く、縦に半身を分断される。
だが、最後の抵抗なのだろうか、左手の人差し指、右手の短剣は蔡生の心の臓を狙っており……。
無論、心の臓を突いた“程度”では、神としての夜刀神蔡生に滅びはないだろう。
崩れ行くアイリスの体。
膝が折れ、地面に付いた。
既に二度の再生で大半の魔力を使い果たしている。次に期待は出来ない。
飛び散る血液が次第に金色の粒子となり、蔡生を彩る。
その姿はギリシャ神話の知恵と武勇で神々を畏れさせた―――アテナ<戦女神>―――を思わせる神聖さに華を添える。
目を閉じる前、アイリスは―――確かに“神”を目にした。
- 864 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/08/19(木) 11:37:13 ID:/k2gysHgO
- >>863
心臓へと迫るアイリスの短剣と己が心臓の間に、漆黒の刃を滑り込ませる。
アイリスの一撃は命を擲って放つ決死の一刺。蔡生が刀を振るうと同時に突き放たれた、剣士で有るならば確実に存在する“振り終わり”を突くカウンター。
だが、蔡生は其れを受ける。
漆黒の刃を伐ち放ち、アイリスが短剣の切先を心臓に向けた瞬間、蔡生は握る剣に急激な制動を掛ける。
急制動を掛ける事に依って発生した上肢帯の緊張と振った勢いを利用して刀を引き寄せる筋肉群に伸長短縮サイクルを起こし、斬戟を打つ為に使った筋肉を弛緩させると同時に刀身を躰に引き寄せた。
筋肉を動かして刀を戻すのではなく、躰の反応を利用して刀を引き寄せる。筋肉に力を入れると云う挙動を必要としないだけに、其の動きは文字通りの段飛ばしに速い。
――――此れもまた、ある流派の秘剣を伐つために用いられる、流派の神髄たる術理だった。
刹那を分割した六徳の間に漆黒の刃は短剣アイリスと心臓の間に割り込み、其の軌道を逸らす。文字通り、紙一重程の差で。
「見えず、追えず。――然し反応したか」
金色の粒子と為って飛び散る血に僅かばかり眼を細めて蔡生は言う。紅の血が金の粒子と変わる其の幻想的な光景の中に在って、真紅の瞳はアイリスだけを捉えていた。
意思を持って刃を交えた以上、夜刀神蔡生にとって其の瞬間の相手は敵に他ならない。相手に対し友宜が有ろうと恩愛が有ろうと哀愍が有ろうと敵ならば斬り征す。
故に“剣征”の異名を取る。剣聖と云うには凄烈に過ぎ、其の業も一切の濁り無く殺害する為に磨かれた物で有るが故。
「此れも初めてか。――末恐ろしいな」
神座す異界と化した投影世界の片隅で、真紅の髪眼の女神は細めた切れ長の眼に微笑の色合いを滲ませる。
――――ふと、心を奪われた。
絶対者たる神の激烈な気配と超越者たる神の玲瓏な気配を併せ持つ、紛う事無き神性を帯びた一柱の女は、其の白皙の美貌に微かな感動を浮かべる。
「――……綺麗だ」
油断も隙も其処には無い。何者かが唐突に現れ襲いかかっても、漆黒の閃きと首が一つ落ちるだけ。
其れはふと漏れた言葉。眼を閉じたアイリスに、命を擲つ意思に、夜風に、金の粒子に、白い月に。
――――夜に金の粒子が飛び散り、黒き陽炎の対流が其れを舞い躍らせる。
上向けば月天。
月に、舞い散る。
- 865 :アイリス:2010/08/19(木) 20:42:20 ID:e.EaiaRE0
- >>864
既に目を閉じているアイリスには、闇色に金色の光という降臨にも等き幻想的な光景を視ることは叶わない。
さらには、その先に立ち上る黒き陽炎で舞う金色の粒など……。
次第にアイリスの体は光の粒子と変わり…蔡生を彩る絵の具へと変わっていく。
勝者:夜刀神 蔡生
- 866 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/08/20(金) 10:00:03 ID:/k2gysHgO
- >>865
“敵”の躰が完全に光の粒子と霧散するのを確認し、蔡生は自らの愛剣である異形の刀を一度振り払って漸く其の切先を返した。
暗黒色の結晶体の様な刀身は緋金の装飾が施された鞘へと納められ、金属質な光沢を持つ暗金色の枝が絡み合った様な形状の鍔が、鯉口の縁に触れ微かな音を立てる。
納刀と同時、蔡生の周囲から立ち昇っていた黒い陽炎も其の力を弱くして行く。黒い陽炎は徐々に湧き立つ勢いを失い軈ては消え、神域の異界は元の投影世界へと戻る。
「…………」
女は無言の内に投影世界の月を仰いだ。夜空から光を奪った都市の夜では見られない様な、大きく、円い金色の月。
――――其処に、金の粒子が昇って往く。
其れは宛ら、金色の雪が月へと堕ちる様に。
月の児が還ったか。薄桜色の唇がふとそんな言葉を紡いだ。女は零れた言ノ葉に苦笑し、そして強ち間違っても居ないなと笑みの質を変える。
「――然し、末恐ろしいな」
ぽつり、そう呟いて。
女もまた、投影世界から姿を消した。
- 867 :詩人さん ◆JBbLACK.JY:2010/08/21(土) 21:29:34 ID:e.bw5dlQ0
- 【公園の片隅。小さな木組みの丸椅子に腰掛けギターを鳴らす青年】
【青年は男である、という事がかろうじて分かる。そういう姿である】
さん付けですよ、さん付け。
♪ ♪
♪.......♪ … ♪〜 ♪〜♪......〜
【音の断片と断片。時々メロディアスな流れを生み出すや、ぶちんと切れる】
【うっすら微笑みながらまた次の音を生み出す。まるでギターと戯れているような光景】
- 868 :イザヤ:2010/08/22(日) 22:17:08 ID:k6nVC4j20
- イデアの箱庭、首都ステージ。
そこに顕現する、黒を重ねた妖怪。
銀の翼で空を翔け、手に持った剣で現れた仮想の敵を倒していく。
薙ぎ、突き、袈裟斬り、両断、そのどの動作も荒いが、
翼の推進力と方向転換の速度に助けられ、止まる事を知らないかのようだ。
- 869 :名も無き異能都市住民:2010/08/22(日) 22:52:19 ID:E4Ka56rgO
- >>868
その仮想敵NPCの中に、一つの銀が混じる。
白い刃を持つその人影は、敵NPCを踏み台にして宙を翔ける。
そして銀髪を振り乱しながらイザヤの前に踊り出ると、
「ほいさっ」
刃の切っ先を、イザヤに向けて突き出した!
- 870 :イザヤ:2010/08/22(日) 23:00:11 ID:k6nVC4j20
- >>869
「―――ッ!?」
突如訪れるイレギュラーな攻撃、それも単一の概観の仮想敵でなく。
咄嗟に返し刃でその白刃を受け止める。
「いきなり―ッ!?」
そして言葉は途切れ、攻撃の主をまじまじと見つめた。
- 871 :名も無き異能都市住民:2010/08/22(日) 23:05:37 ID:E4Ka56rgO
- >>870
――ギィンッ
甲高い音が響く。
相手は刃を受け止められるのが想定できていたのか、
弾かれた刀の反動をうまく受け止めて宙に飛ぶ。
そこからスタリと床に着地し、足元に刃を突き刺した。
「ふふ、腕が落ちたわけでは無いようじゃな」
長い銀髪を風に流す小柄な体。
「久しいのう、イザヤ」
- 872 :イザヤ:2010/08/22(日) 23:19:29 ID:k6nVC4j20
- >>871
「―――綿鬼。」
剣が落ちた。
慌てて降下しようとしたが、銀の翼が弾けて散り、無様に尻餅をついて。
そして、直ぐに立ち上がる。
「…綿鬼。」
数歩躓いたように歩いて、其処で足を止めた。
「…すまねェ、長く顔も見せねェで。」
目を背けて、妖気が揺れた。
- 873 :わたおにのおおみかみ:2010/08/22(日) 23:26:42 ID:E4Ka56rgO
- >>872
「ほぅ、よく分かったな……ちと待て」
綿鬼の情報が更に鮮明に表示される。
とは言っても平仮名のみ。
どうやら情報登録をする時に漢字の変換の仕方が分からなかったようだ。
「ううむ、機械というのはよく分からん。
イザヤ、今度……い、イザヤ!?」
尻餅をついて地面に降りるイザヤへと少女は駆け寄る。
「そんなに謝るでない。落ち着けい。
その……イザヤにも諸事くらいあるじゃろうて」
- 874 :イザヤ:2010/08/22(日) 23:37:51 ID:k6nVC4j20
- >>873
「…退魔の奴に、中途半端に封印されてなァ。…ッたく、土地神を
封印するたァどういう領分だィ。
…気がつきゃァ長ェ時間が経ってやがった。」
その時間すら、妖にとっては一瞬であろうが。
話している内に落ち着いたのか。
いつもの佇まいを取り戻して、目を合わせる。
「まさかこンな場所で…
現世の狭間で会うたァ思わなかッた」
少し笑って、いきなり綿鬼を抱きしめようとする。
- 875 :わたおにのおおみかみ:2010/08/22(日) 23:40:55 ID:HnkBBDEo0
- >>874
「うふぅえ!?」
いきなり抱きしめられ、しばし硬直。
しかし暴れることは無いが、困ったような視線をイザヤに向ける。
「その、別に構わない、が、その……
ここは仮想空間いであの……なんとかというモノで、
記録が残る、から……」
あたふたと表情を変える。
うれしいやら恥ずかしいやらで一杯一杯のようだ。
- 876 :イザヤ:2010/08/22(日) 23:45:08 ID:k6nVC4j20
- >>875
「ただいまァ」
その言葉は気にせずに、腕の中の存在を確かめるように。
たとえ虚構の世界だとしても暖かさを感じていた。
「…記録が残らねェ所なら良いのかィ?」
たっぷり抱擁した後、やっと離れた。
綿鬼の肩を持って意地悪く笑う。
- 877 :わたおにのおおみかみ:2010/08/22(日) 23:52:00 ID:HnkBBDEo0
- >>876
「え、ええと……その、あー」
記録が残らないところ、と聞いて色々と考えてしまったのだろうか。
顔を赤面させて、またあたふたと視線を動かす。
「その、あー……お手柔らかに、頼む、ぞ」
両手で自分の服を掴み、ぎゅっと握った。
そして、
「おかえりなさい」
にへら、と頬を緩ませて笑った。
「しかし、お主もヘマをしたのう。
退魔の奴……とは人間か?
ともあれイザヤを封印するとは……
……八つ裂いておくか?」
ピクリ、と綿鬼の額から神力が漏れ出す。
- 878 :イザヤ:2010/08/23(月) 00:04:03 ID:k6nVC4j20
- 「ッは、記録さえ残らなけりゃァ良いンだなァ?」
わしわし。赤面する綿鬼は相変わらず可愛い、と、言葉には出さずさらりとした銀髪を弄って。
おかえり、の言葉に少し黄色の目を大きくした。
目を閉じて、深呼吸して、もう一度。
「ただいま」
同じように、頬を緩ませて、笑う。
「退魔か。…対妖にしちゃァ余りにも効果が強くてなァ、
術者は其処までの手練じゃァねェと思うンだが、どうも納得いかねェ。
封印を引っぺがすのに必死で、銀烏使う余力すらァ無かッたンだ、どうも
俺ァあのテの攻撃に弱いのかねェ。」
頭を掻いた手が、その神力に反応してびくっと震えた。
「やめとけやめとけ、どうせそンなに大した奴でもねェンだ、
見かけたら懲らしめ様たァ思ッてンだが、裂くンじゃァねェ」
苦笑し、漏れ出す神力を押さえ込むように妖気を放つ。
- 879 :わたおにのおおみかみ:2010/08/23(月) 00:11:14 ID:HnkBBDEo0
- >>878
「だってー……腹が立つんじゃもん」
少しイライラしたように、草履で足元をガシガシと踏む。
妖気に押さえ込まれた神力は、すごすごと綿鬼の中へと戻っていった。
「ま、我ら妖の者は策も立てられ易いしのう。
仕方なし……と言えるのかもしれぬ」
はー、と溜息を吐く。
そこで思い出したようにぴょこんと頭を上げ、
「そうじゃイザヤ、聞きたいことがある!
部屋は綺麗か?」
- 880 :イザヤ:2010/08/23(月) 00:23:21 ID:k6nVC4j20
- >>879
「腹が立つなァ俺も一緒さねェ、ただ俺ァ人間との共生が信念なンだぜィ?
退魔であろうとも、殺しちゃァいけねェや」
にこにことイザヤは綿鬼をなだめるように言って、
綿鬼の唐突な質問に首をかしげる。
「…あァ、最近、巣を新調したからなァ、
街外れの森ン中に作ッたンだが、中々綺麗だぜ?
前よかちょィと狭ェがなァ。…あァ、…来るかィ?」
途中で合点がいったのか、目を細めて聞いてみる。
- 881 :わたおにのおおみかみ:2010/08/23(月) 00:28:50 ID:HnkBBDEo0
- >>880
「うむ、行く!
いい加減、ふかふかの布団で寝たい……」
どうやら綿鬼の住処である神社は、やっぱりボロボロで内部も汚いようだ。
まぁ、一年間寝っぱなしだったり、ろくに参拝客もいない神社なら仕方ない……のかも、しれない
「どこじゃ? 場所教えてくれ! もう穴だらけの布団は嫌なのじゃ!」
ちょっと必死。
- 882 :イザヤ:2010/08/23(月) 00:42:01 ID:k6nVC4j20
- >>881
「解ッた解ッた、ンじゃァ当面はこッちで寝ながら神社の修繕さねェ、
どうせ飯もろくに作ッてねェンだろ、片付けにいッてやらァな。
綺麗にすりゃァ参拝客も増えるだろうに、ッたく」
呆れたように、それでも自然な笑みを浮かべて。
「この都市の歪みの近くなンでなァ、確か森に続く小道が
日が沈んだら現れるンだ、それをずゥッと辿りゃァ、
後は俺の妖気伝いにこりゃァ良い。一度場所が解りゃァ
次からも直ぐ来れるさねェ、便利な場所なンだ」
「…ンで、実際神社は掃除してたかィ?」
痛いところをついてみる。
- 883 :わたおにのおおみかみ:2010/08/23(月) 00:47:59 ID:HnkBBDEo0
- >>882
「料理は作れなくはないぞ!
ただその……材料が、手に入らなくてのう」
それもまた自分の不摂生が祟った結果なのだが。
「うむ場所は分かった。それじゃあ先に行ってるぞい。
神社の掃除? それは……あ、あー
あれー なんかー 回線のー 調子がー 悪いようじゃー」
棒読みしつつ、急いで設定画面を開いてログアウトを選択。
「仕方ないがー 先にー 現実に戻っておるぞー」
逃げるようにログアウト開始。
綿鬼の姿が足元から分解されてゆく。
「その……待っておるからな」
こうして綿鬼は、一足先にイザヤの巣へと向かった。
- 884 :名も無き異能都市住民:2010/08/27(金) 21:11:20 ID:PLjoDKEY0
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[ログインに成功しました。箱庭へようこそ]
[設定フィールド:荒野]
ごつごつとした岩が転がる荒野に一つの影が構成される。
少しばかりノイズの乗った(それはこの場ではあり得ないことだが)肉体の其れは、視線を辺りに遣って自分の状態を把握しようとする
辺りは見渡す限りの荒野である。生命の影は欠片もない。
それは何故このような場に自分が居るのか皆目見当も付かないといった様子で、一歩足を踏み出した。
すると、その足下に氷晶の花が咲いた。それを合図にするように、周囲一帯が一斉に花開き、荒野を真白に染め上げていく。
気が付けば設定を切り替えたかのように、周囲は雪景色となっていた。
そうしている間に肉体のノイズは取り去られ、しっかりとした肉体が現れる。
総身真白の男性体。肌も髪も目も、肉をひっくり返しても同様であろう。纏う装束も又真白であり、真白の荒野にあっては風景にとけ込んでしまう。
一度とけ込めば、注視した処で気が付くのは困難であろう。今、知る事が出来るのはひとえに此処が地平線まで続く銀世界ではないからだ
一歩、一歩と男が歩むたびに雪原は広がり、また消えていく。
- 885 :名も無き異能都市住民:2010/08/27(金) 21:23:29 ID:PLjoDKEY0
- //age忘れた
- 886 :オイジュス・エル・アンドヴァリ:2010/08/27(金) 21:29:40 ID:7gFzKdaU0
- 「ふむ……修行も兼ねてきてみたはいいが……」
白いスーツに身を包んだ長い黒髪の少女があたりを見回す。
「荒野であるのに雪景色とは又面妖な……」
ざく、ざく。と地面の雪に足跡を刻みながら歩いていく。
- 887 :名も無き異能都市住民:2010/08/27(金) 21:37:19 ID:PLjoDKEY0
- >>886
現れた人影に気が付いたのか、男は歩む足を止めてゆっくりと振り返る。氷晶の進軍は止まり、雪原は周囲一帯に留まる
その顔に浮かんでいるのは疑問の色。先ほどまで誰もいなかったのに突然誰かが現れたのだから、訝しむのも当然だろう
少女を視界に捉えた男が口を開く。だが、その声は訳のわからない音の羅列であり、意味を成さない。
ただ、声を掛けられたという事実は認識できるはずだ
- 888 :オイジュス・エル・アンドヴァリ:2010/08/27(金) 21:39:10 ID:7gFzKdaU0
- >>887
「……?」
目の前に居る男に話しかけられたのは判ったが、何をしゃべったのかは分からない。
「キミは、何者だい?別に言わなくてもいいがね」
穏やかに微笑み話しかける。
見た目に反した中性的な口調が特徴的だ。
- 889 :名も無き異能都市住民:2010/08/27(金) 21:43:47 ID:PLjoDKEY0
- >>888
少女の声は一応通じているようで男はまた答えを返してくる。
けれど、それは先ほどと同様、意味を成さない音の羅列。
どうやら、男は自分の言葉が解されていないことに気が付いていないようだ。
身振り手振り、顔色からどのような事を話しているのか推測するのも難しいだろう。
顔は表情というものを知らぬかのように動かないし、当然通じていると想っている男は身振りも手振りもしはしないからだ
ただ、それよりも問題なのは、こうして話している間にも周囲――雪原の範囲内の温度は下がり続けているという事だ
- 890 :オイジュス・エル・アンドヴァリ:2010/08/27(金) 21:45:25 ID:7gFzKdaU0
- >>889
「……うむ、全く分からん」
話を聞き、呟く。
「一体何語なのか判別もつかんし……」
そして、体がぶるる、と震える。
「……寒い、な。キミの能力かい?」
- 891 :名も無き異能都市住民:2010/08/27(金) 21:50:47 ID:PLjoDKEY0
- >>890
わからん、という言葉に漸く言葉が通じないと言うことを悟ったのだろう、非常にぎこちない身振りをし始める。
『通じていない。そうか。すまない。どうやら、(口に×を置いているが。今ひとつジェスチャーの意味がわからない)』
時折、よくわからない身振りもあるが、大体の意味はくみ取れるだろう
と、そこで身を震わせているのに気が付いたか。
『寒い。そうか。すまない。私は、(空気を掻き回すようなジェスチャー。次いで、それを抱き込むようなジェスチャー)。やめられない』
どうやら、この寒さは彼の能力のせいではあるようだが、やめる事は出来ないようだ。
『ここは、何だ』
- 892 :オイジュス・エル・アンドヴァリ:2010/08/27(金) 21:53:18 ID:7gFzKdaU0
- >>891
「ああ、どうやら通じないようだ。私の知らない言語体系でね」
苦笑する、ジェスチャーからなんとなく読み取ろうと注意深く見ている。
「……なるほど、やめられないのか」
両腕で体を抱き、震える。
「ここかい?私が聞いた話だと、戦ったりする場所のようだな。修行に来てみたんだ」
- 893 :名も無き異能都市住民:2010/08/27(金) 21:59:20 ID:PLjoDKEY0
- >>892
『いや、おそらくは(また意味のわからないジェスチャー。口を指した後に空を指している)。いや、通じないのは同じか』
やれやれと言った風にジェスチャー。本人には何となく理由がわかっているようだ
『こればかりは、仕方ない』
また済まないと言うジェスチャーをしつつ、何か説明をしているようだがわけのわからないジェスチャーばかりだった
『なるほど。戦闘か』
その答えに少し考え込むようにして
『此処にいてもすることがない。良ければ、付き合おう』
どうやら修行を手伝ってくれるようだ
- 894 :オイジュス・エル・アンドヴァリ:2010/08/27(金) 22:01:47 ID:7gFzKdaU0
- >>893
「む……?」
ジェスチャーがよく解らなかったようだ。
「まあ、いい。こっちの言葉がつじているのならある程度の意思の疎通は取れるだろ……あ、地面に文字書けばいいんじゃないか?」
丁度地面には雪が積もり、描きやすい。
「ほう、手伝ってくれるのかい。嬉しいが、いいのかい?」
足元の雪を軽く蹴飛ばしながら聞く。
- 895 :名も無き異能都市住民:2010/08/27(金) 22:06:06 ID:PLjoDKEY0
- >>894
『そうだな。一方でも、通じないよりは。字か。(そこで、指にもう片手を翳して×を描く)。だめだ』
文盲なのだろう、字は書けないようだ。出身によってはそう珍しいことでもない
それに書けたとしても、言葉が違うのだから、果たして通じる文字が書けたかどうか怪しいところだ
『いいとは?』
何の対策もなしに、棒立ちのままジェスチャーをして問いかける
- 896 :オイジュス・エル・アンドヴァリ:2010/08/27(金) 22:08:03 ID:7gFzKdaU0
- >>895
「成程、書けないか。いや、そもそも言語体系からして違うのだから理解も無理、か。ボディーランゲージだな」
頷く。
「ふむ、ケガをさせないか――」
言っているうちに思い出した。
「――そういえば仮想空間だったな。ならば問題はないか」
- 897 :名も無き異能都市住民:2010/08/27(金) 22:12:02 ID:PLjoDKEY0
- >>896
『あまり(また意味のわからないジェスチャー。おおかた意味が通じないとかその辺りだろう)』
そこで肩を揺らして
『(身を切るようなジェスチャー)。問題ない』
現実だろうと何だろうと問題がないという事らしい
と、そこで仮想空間という言葉に引っかかったか
『なるほど。別の(空を掻くジェスチャー。空間という意味だろうか)か。確かに問題ないだろう』
そこで頷いたが、先ほどまでと同じように棒立ちのままだ
- 898 :オイジュス・エル・アンドヴァリ:2010/08/27(金) 22:13:58 ID:7gFzKdaU0
- >>897
「そうだな」
苦笑するオイジュス、顔は冷気で赤くなっている。
「ふむ、ならば始めようか」
スーツの腰に指していた杖を引きぬく。
「F・B・D 防護服展開」
- 899 :オイジュス・エル・アンドヴァリ:2010/08/27(金) 22:14:28 ID:7gFzKdaU0
- //うぉっと途中投稿ですすいませんっ!!!
- 900 :オイジュス・エル・アンドヴァリ:2010/08/27(金) 22:15:45 ID:7gFzKdaU0
- >>897
「そうだな」
苦笑するオイジュス、顔は冷気で赤くなっている。
「ふむ、ならば始めようか」
スーツの腰に指していた杖を引きぬく。
「F・B・D 防護服展開」
体を白銀の魔力が包み、次の瞬間には漆黒のドレスに身を包んだ少女が現れる。
「ある程度は冷気も緩和出来ているようだな」
- 901 :名も無き異能都市住民:2010/08/27(金) 22:20:16 ID:PLjoDKEY0
- >>900
『ふむ。不思議な』
突如として変わった服装に首を傾げている。
『だが、まぁ、冷気を防がれるのは(また意味のわからないジェスチャー)』
そこで首を振って、手を振り抜く。剣を鞘から抜くようなその動作の後に、手には氷で出来た剣が握られていた
そして、いつの間にか真白の装束の上に、半透明な氷の甲冑を纏っていた
『始めよう』
剣を構え、待ちの姿勢を取った
//うわぁあすいません。なんか今頃飯が……速攻ですませてきます。本当に申し訳ない。
- 902 :オイジュス・エル・アンドヴァリ:2010/08/27(金) 22:23:50 ID:7gFzKdaU0
- >>901
「剣士か、厄介な」
目付きは鋭く、先程までの少女の視線とは違う、軍人の目付きがそこにはあった。
「F・B・D、炎熱弾と電撃弾複数」
杖に命ずると、数発の炎弾と雷球が生成される。
「shot!!」
声と同時に炎弾が5発打ち出される。
- 903 :名も無き異能都市住民:2010/08/27(金) 22:34:47 ID:PLjoDKEY0
- >>902
放たれた炎弾に最早ジェスチャーをする余裕もない為に、また口から意味のわからぬ音列が吐き出される
それには驚きの声でも含まれているのだろうが、やはり意味は伝わらない。
飛んできた炎弾の幾つかを剣で切り払いつつ、横方向へ跳躍。
その際にわざと派手に雪をぶちまけるように飛ぶことで放たれた弾の幾つかに雪を被せる。
上手いこといけば消し去れただろう。
その後雪地ではないかのように容易に着地するや、少女に向けて突進する
- 904 :オイジュス・エル・アンドヴァリ:2010/08/27(金) 22:38:07 ID:7gFzKdaU0
- >>903
雪に炎弾が呑み込まれ、雪が溶けるのを見て、そこに雷球を打ち込む。
「感電し給えよ!!」
そして、近づいていく男を見て、慌てて距離を取る。
(近接はマズイ)
「F・B・D 術式展開」
【short cannon!】
眼前に魔法陣が展開され、そこから突進する男に向けて光の奔流が放たれる。
- 905 :名も無き異能都市住民:2010/08/27(金) 22:46:26 ID:PLjoDKEY0
- >>904
遠距離が基本となる相手だ。当然、接近には何かしら対策を講じてくるとは思っていたのだろう。
魔法陣が展開されたのを見た途端、男は剣を振るう
すると果たしてどこから湧いたか、男の眼前に巨大な一枚の氷壁が現れる。
そこに訪れる光の浪。その威力故に光は氷壁を打ち崩したが、期待したほどの傷を男に与えることは出来なかったようだ
崩れた壁の向こうで男は何かに頷くようにしたのち、再びの突撃を敢行する
今度は走る途中で剣を振るい、空中に横向きの小振りな氷柱を三本ほど形成し、少女の方へと飛ばす
手数を増やしていくつもりらしい
- 906 :オイジュス・エル・アンドヴァリ:2010/08/27(金) 22:49:10 ID:7gFzKdaU0
- >>905
「ほう、やるね」
感心した声を上げる。
「ならば、術式複製開始」
魔法陣が目の前に描かれ、5つの魔法陣に転写される。
【short cannon!】
5つの魔法陣からの光の奔流が氷中を打ち砕き、一つの光が、相手に向かっていく。
- 907 :名も無き異能都市住民:2010/08/27(金) 22:54:39 ID:PLjoDKEY0
- >>906
氷柱が射ち落とされた事に目も向けず、ただ迫り来る光に視線を遣る
そして、まるで吸い込まれるように迫っていた光は男の剣に命中した。
破砕音が響き渡り、剣が無惨に砕け散る。
だが、氷柱の時と同じように、砕けた剣に目も向けず、男はただ少女へと向かって走る。
今度は両腕を振るって、空中に先ほどの物よりも幾分大きな氷柱を四本形成し、放つ
その大きさ故なのか、速度は先ほどの物よりも遅く、男の後を追うような形になっている
- 908 :オイジュス・エル・アンドヴァリ:2010/08/27(金) 22:59:44 ID:7gFzKdaU0
- >>907
「ふむ、このレベルでは難しいようだ」
相手の作った氷柱を見て。
「術式展開」
【convergence cannon!】
目の前に魔法陣が一つ描かれる。
魔力が魔法陣を中心に圧縮されていく。
「さて、撃ち合いといこうか。術式複製」
小さい魔法陣が10個ほど作られ、光の線が相手に向けて打ち出される。
その間にも魔力は魔法陣へ圧縮されている。
- 909 :名も無き異能都市住民:2010/08/27(金) 23:09:02 ID:PLjoDKEY0
- >>908
走る速度を僅かに落とし、両手を前に翳す。すると、手を起点にして傘のような形の氷が形成される。
反らす事を目的として作られた其れは、砕け散ると同時に光を見事方々に反射し、右斜め後ろを追尾してきていた氷柱の一つを打ち砕く
砕けた氷が奇妙な光を宿しているように見えたのは、光の反射のせいだろうか?
一方、幾ら反射したと言ってもダメージが無かったわけではなく、傘を握っていた手は片方だけではあるものの、赤く腫れているようにも見えた
流石に手痛いダメージだったのか、男は足を止めた。けれども、ゆっくりと、ではあるが残った三本の氷柱は確実に距離を狭めている
徐々に氷柱が迫り行く中、その影に隠れるようにして男は何かをしているようだ
- 910 :オイジュス・エル・アンドヴァリ:2010/08/27(金) 23:13:02 ID:7gFzKdaU0
- >>909
「ふむ、何をするかは知らんが、打ち砕かせてもらおう!」
魔法陣の中心に圧縮された魔力は凄まじい密度のようだ。
「属性付加……雷轟、烈風」
魔力球が雷と風を纏う。
そして、足を止めた相手に狙いをつけ……。
【――shot!!】
撃ち出す。
密度、範囲、貫通力そのどれもが先ほどの砲撃よりも遥かに上、更に風が雪を舞い上げ、
雷がその電気抵抗で熱を発生させ雪を溶かす事により、電撃の範囲を広げていく。
- 911 :名も無き異能都市住民:2010/08/27(金) 23:23:08 ID:PLjoDKEY0
- >>910
先行していた三本の氷柱は、もうあと僅かというところで放たれた砲撃に打ち砕かれる。
キラキラとした光を宿したまま、辺りに散らばり、通り抜ける雷を受けて、しかし、なおも残っている
さて、雪原を味方に付けた砲撃は徐々に男に迫り行く
だというのに男は何ら対処をする様子を見せず、ただ喰らい際に腕を、抉るように上へと振るっただけだった。
轟音と共に男が吹き飛んでいく。纏っていた甲冑は最早原型を留めて居らず、その下の装束も、酷く損傷している。
だが、その肉体が消えない処を見るに即死ではなかったようだ
さて――果たして少女は、先ほどまでに砕いた氷が雪に紛れながらも、未だ存在していることに気づけるだろうか。
その氷は何かの形を描くようになっている事に気が付けるだろうか。
そして、自らの足下で何かが蠢いているのを探知出来るだろうか?
そのどれにも気が付くことが出来なければ、無惨にも足下から生えた氷の牙にその身を貫かれる事だろう
- 912 :オイジュス・エル・アンドヴァリ:2010/08/27(金) 23:27:49 ID:7gFzKdaU0
- >>911
「運がいい……いや、純粋な実力か。私の【副砲】を受けてこれとは」
魔力の消費で疲弊した表情を一瞬うかべる。
「油断はしない、この雪原は、厄介だからね」
炎弾が生成され、地面に向けて打ち出される。
寒さで鈍った体を暖めると同時に、雪を消し、機動性を手に入れるつもりだ。
そして、それは図らずとも雪の中の罠をあぶり出すことになるだろう。
- 913 :名も無き異能都市住民:2010/08/27(金) 23:36:02 ID:PLjoDKEY0
- >>912
先ほどよりも随分と距離を取られた状態で、男は起きあがった
表面上の傷はかなり深いが、それでもまだ戦闘を続行出来るレベルであるらしい
目を爛々と輝かせ、腕を振るいどこからともなく再び剣を手にする
楽しそう、と言う表現がピッタリな顔で、一歩一歩と少女に向かって歩み寄ってくる。
炎によって炙られ、消えた雪の下から現れつつあったのは氷柱の先端部だ
それから一拍ほど置いて、まるで真下から打ち上げられたかのような速度で氷柱が現れた。
- 914 :オイジュス・エル・アンドヴァリ:2010/08/27(金) 23:40:09 ID:7gFzKdaU0
- >>913
「結構ひどいダメージのはずなんだがね、どうやら予想以上に丈夫なようだ」
微笑む。
そして、地面から現われる氷柱を見て呟く。
「やはりな、予想通りだ」
杖を相手に構え。
「さて、行こうか」
そういうと同時、小型の魔法陣が数十個展開されていく。
【lain shot!】
降り注ぐ雨のごとく、無数の光の線が相手に向けて放たれた。
- 915 :名も無き異能都市住民:2010/08/27(金) 23:45:45 ID:PLjoDKEY0
- >>914
降り注ぐ光芒に、男は剣を振るう。一振り、二振り、三振り……
剣に追従するように幾つも氷塊が出来ては消し飛んでいく。
無論、先ほどまでのように無傷で防ぐなどという芸当は当然出来ていない。
副砲の傷に加えて、此度の光の傷が幾つも刻まれている。
普通の人間ならば致命傷になるような傷も幾つか見えるような気もするが、男は全く止まらない
降り注ぐ光の中、楽しそうに剣を振るいながら進軍する
- 916 :オイジュス・エル・アンドヴァリ:2010/08/27(金) 23:51:41 ID:7gFzKdaU0
- >>915
「……人間ではない、または普通の人間では無い、か」
突き進む様を見て呟く。
「ならば、私の全力を以て行かせてもらおう」
【spread convergence cannon!】
「ッ!」
これまでの魔力砲とは格段に違う。
魔力球が凄まじい速度でチャージされていく。
5メートルほどに膨れ上がった魔力球が1メートルほどの球になり、またチャージがされる。
その間も相手の進軍を止めるかのように、雨のような弾雨が相手を襲う
- 917 :名も無き異能都市住民:2010/08/28(土) 00:00:50 ID:PLjoDKEY0
- >>916
疲れを知らぬように男はひたすらに腕を振り、氷の軍勢を引き連れて死の雨の中を進軍する
一つ二つ三つ。傷は幾つも肌を抉り、白い肌の内部。外と同じように真白の血肉を露出させる
それでも止まらない。痛みなど知らぬ死人のようにただひたすらに前へと進む
そして男の目は、新たに作られた魔力球を捉えた
その巨大さと、チャージの早さ。そして、形態の異様さに、男は眉を顰めて、危険性を悟ったようだ
剣は止めぬまま、氷を生み出し続けながら、歩みを少し早める。スキップから駆け足へと
そのせいで傷は更に増えるが、未だ命を止めるに至らないか、男の歩みは止まらない。
そして、どこからかずぞぞ……と音がする。
風が悲鳴を上げるような奇怪な音を立てて、男に向かって何かが集中していくのが感じられた
二者の距離はいまだ少女有利。だが、このままでは男の距離に入るだろう。
少女の必殺は間に合うだろうか
- 918 :オイジュス・エル・アンドヴァリ:2010/08/28(土) 00:08:39 ID:7gFzKdaU0
- >>917
魔力球は圧縮され、内部で凄まじい魔力が渦巻いている。
「ッ!間に合うか……」
相手の動きを見て、呟く。
「加速術式、バレルタイプ、多重展開」
魔法陣の前にリング上の魔法陣が数十個展開される。
そして、圧縮された魔力球は8メートルほどだ。
本来人間サイズの生物に打ち込むものではない魔法、圧縮拡散砲撃。
その術式が今放たれる。
「行くぞ!」
【system limit break ――fire!】
魔力球はこれまでの比ではない、光の津波と化して打ち出された。
そして打ち出された魔力は目の前の加速術式の魔法陣を通り、その速度を上げる。
よく見ると、その魔力の波は無数の小さい魔力弾の集合体で有ることがわかるだろう。
着弾点で拡散し、広域を魔力で破壊しつくす術式であった。
- 919 :名も無き異能都市住民:2010/08/28(土) 00:25:25 ID:PLjoDKEY0
- >>918
放たれた光。怒濤の如く全てを流し、奪い取っていく光。
男の喜びは頂点に達した。まるで別の何かを見ているようだ
未だ男の距離ならず、さりとて少女の距離ともならず。中間の距離。
避けるつもりも無いのか、男は剣を構え、それに氷の軍勢が追随する
密集陣形にも似た形のそれは確実に光を迎撃するつもりのようであった
男が剣を振るう。揮われた剣に倣って氷が巨大な魔力球に殺到する。
狙うのは中心部。まるで道を造らんとしているかのように、ただ中央のみに殺到する。
流石の数に、ごくごく僅かながらも魔力球に穴が空く。実際それは、針の穴ほどで、弾の特製には影響しない程度の物。
道を造った後の氷は、虚しい破砕音を響かせ消えてしまった。
男は振った剣を一瞬にして構え直し、突きの型を取るや、瞬時に突きだす。切っ先より目に見えない物が放たれる
それは魔力球の中心部、先ほど氷が作った道を通り抜け、少女目がけ空を駈ける。
そして、威力削がれぬ魔力球は男の身体に着弾する。瞬間、炸裂し、周囲の銀景色を無骨な、破壊の跡へと変えてしまう
男の姿は何処にも見えない。遺体は当然のように消え去っている
男が最後に振った剣から放たれたのは、絶大の冷気。
目に見えぬ凶器は、軌跡の空気を凍てつかせながら、少女へと迫り行く
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- 920 :オイジュス・エル・アンドヴァリ:2010/08/28(土) 00:30:51 ID:7gFzKdaU0
- >>919
光の波濤は相手を飲み込む。
そう、必殺の一撃、コレでダメならば先ず手はないのだ。
ここで決めねば、意味はない。
そして、光が消えさった後には、何も残っていなかった。
それを見て一言。
「強かったね、キミは」
そう言うとログアウトしようとしたその瞬間。
「――な!」
全身を凍てつかせる暴力的なまでの冷気。
それは防護服を着用しているオイジュスの防御すらも無視し、すべてを凍てつかせる。
「――引分け――か」
そうつぶやくと、体が砕け散り、元の世界へと帰っていった。
[オイジュス・エル・アンドヴァリ logout]
- 921 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/08/28(土) 14:15:18 ID:e.bw5dlQ0
- 【箱庭内】
【緑豊かな森の世界。木々が生い茂るが、生物はまったく見当たらない】
【――ひとりを除いて。】
【黒衣に身を包んだ女が草花の中に座禅を組んでいた。膝の上には抜き身の刀】
【普段のちゃらんぽらんな空気を一ミリも含まない玄妙な空気が緩やかに流れる…】
【風が吹いても、彼女だけは揺れない。そう思わせるほど微動だにしない。】
- 922 :神羽朱華:2010/08/30(月) 20:12:21 ID:ZOM.z7ps0
- 赤より淡く、桜より濃い。
朱色の髪を揺らす少女が、荷物を持って立っていた。
「……」
場所は、リグヌビル入り口前。
空には相棒である蟲。
別にそれほど変わった光景じゃないだろうに、彼女の中ではいろいろな感情が渦巻いていた。
- 923 :銀髪の女性 ◆X7kkkkkkkk:2010/08/30(月) 20:18:50 ID:VqV2vGds0
- >>922
「よ」
ナップサックを背負った彼女が、朱華さんの頭に手を置いた。
上下揃いの黒いスーツ姿に、大小二本の日本刀をベルトに挟んだ井出たち。
常と変わらない。
表情も、手の温度も、常と変わらなかった。
「待たせたか?」
- 924 :神羽朱華:2010/08/30(月) 20:21:27 ID:ZOM.z7ps0
- >>923
「……別に」
普段の威勢のよさのあまり感じられない、小さめの声。
眼を合わせないまま、歩き出した。
「……行こう」
ぃい―――――ん、と、甲高い羽音――藜のそれだけが、夏の夜の空気に響き渡る。
- 925 :銀髪の女性 ◆X7kkkkkkkk:2010/08/30(月) 20:30:51 ID:VqV2vGds0
- >>924
「………………」
急だったか、と彼女は軽い後悔をした。
失敗かもしれない、とも思う。
でも、今から、嘘でしたなんて下らないことを言うような、情けない真似はしたくない。
――――迷ってんのかもなー…………。しょうもねー。
「私は場所がわかんねーから道案内任せるな」
数歩後。
朱華さんの右斜め後を歩き出す。
歩幅は、朱華さんに合わせて小さ目。
刀が揺れて触れ合う音と、靴音。鞄の音。
それらが、鳴っていた。
- 926 :神羽朱華:2010/08/30(月) 20:35:49 ID:ZOM.z7ps0
- >>925
「……ターミナルから電車に乗って、結構かかるよ」
ゴム製のブーツの底は、恐ろしいほど音を立てなかった。
ろくに口も開けないまま、ターミナルへ向かう。
宙を踊る赤い蟲だけがおろおろと二人を見比べていた。
- 927 :銀髪の女性 ◆X7kkkkkkkk:2010/08/30(月) 20:39:29 ID:VqV2vGds0
- >>926
「まあ郷って言うくらいだし、そりゃ遠いか」
口調は軽く、また、彼女の歩調も軽い。
藜さんを見上げて、微笑みが浮いた。
「………………心配か?」
視界に訪れたターミナルを見つつ、こっそりと呟く。
- 928 :神羽朱華:2010/08/30(月) 20:44:20 ID:ZOM.z7ps0
- >>927
「……そりゃあそうでしょ。今まで養ってもらってた親の所行って、この人の子どもになりたいでーす、って、
どんな顔して言えばいいんだろう」
自動ドアが機械的に二人を歓迎する。
彼女はとりあえず、乗車券売り場へ歩き出した。
- 929 :銀髪の女性 ◆X7kkkkkkkk:2010/08/30(月) 20:49:19 ID:VqV2vGds0
- >>928
「あー…………」
考えていなかったと素直に思う。
ポケットから財布を取り出しながら、値段表を見上げた。
彼女は小さい苦笑を洩らす。
「…………お前が言うパターンもあんのか………………。
私が、『お宅の娘さんを私に下さい』って言うつもりだったんだけど、自分で言うか?」
どこまでよ、と、とりあえず遠いところを指で差しながら尋ねた。
- 930 :神羽朱華:2010/08/30(月) 20:54:51 ID:ZOM.z7ps0
- >>929
ここ、と言いながら厳つい漢字の並ぶ駅名を指差して、女の言葉を聞いて財布を持ったまま三秒硬直。
ややあってぎちりと首を動かして、ようやく女の方を見た。
「…………や、な、なななによその嫁入り文句みたいなのは……」
心底あり得ない、とでも言いたげな顔をしていた。
- 931 :銀髪の女性 ◆X7kkkkkkkk:2010/08/30(月) 21:00:09 ID:VqV2vGds0
- >>930
――――私の実家とは全然ちげーな。
思い、言う間に、券売機に札を入れる。
「意味は間違ってねーだろ。お前から『あんたの娘にしなさい!』って言ったわけじゃねーし。
私が欲しいからわざわざ郷まで行くんだろ?」
朱華さんの財布を見ながら、しかし、三枚分の切符を購入して、一枚を朱華さんに差し出した。
- 932 :神羽朱華:2010/08/30(月) 21:03:16 ID:ZOM.z7ps0
- >>931
「………………は、ぁあああああああああああああああああっ!!?」
咽から迸る大声。周りの通行人がなんだなんだと二人を見やる。
多くの視線の先にいる彼女は、顔をその髪と同じ色に染めていた。
「べっつに!! あたしが!! あんたを!! 欲しいわけじゃ!! ねーし!!!」
叫べば叫ぶほど、野次馬の視線は増えてゆく。
赤い蟲はやっぱりおろおろ宙を彷徨っていた。
- 933 :銀髪の女性 ◆X7kkkkkkkk:2010/08/30(月) 21:13:16 ID:VqV2vGds0
- >>932
あ? と言いたげに、眉が吊り上る。
なんでコイツは急に大騒ぎを始めたんだ、と。
周囲の視線が気になって、不機嫌な顔になったわけじゃなく。
単に、意味がわからない、と。
そんなおかしなことを自分は言っただろうかと、彼女は不思議に思っているだけ。
「……あ、」
「私が欲しい、ってお前が私を欲しいって意味じゃねーからな。
私が、って目的語じゃなくて主語だから」
ほれ、早く取れ、と切符を揺らした。
- 934 :神羽朱華:2010/08/30(月) 21:15:50 ID:ZOM.z7ps0
- >>933
「さ…………っきに言えー!!!」
読解力不足が招いた悲劇である。穴があったら埋まりたい(おもに中の人が)。
ばしぃと勢いよく切符をもぎ取って、ズカズカとホームへ向かう。
- 935 :銀髪の女性 ◆X7kkkkkkkk:2010/08/30(月) 21:18:57 ID:VqV2vGds0
- >>934
「ってかそういう勘違いするってことは私のこと好きなのか?
ひょっとしてお前、私欲しい?」
げらげらとした下品な笑いじゃない。
けれど、上品な笑いでは決してなく、中庸。
ほれ、と藜さんに向かってもう一枚切符を差し出しながら、彼女も後を追う。
- 936 :神羽朱華:2010/08/30(月) 21:24:32 ID:ZOM.z7ps0
- >>935
「ちっがう違う違う違うー!!! ああもういいわよほらさっさと!!
もうそろそろ出るわよ!!!」
頭から湯気が出ているように見える錯覚。
蟲は未だおろおろしながら切符を咥えて、主の後に続いた。
- 937 :銀髪の女性 ◆X7kkkkkkkk:2010/08/30(月) 21:30:20 ID:VqV2vGds0
- >>936
「そうか…………。知らなかったわ。
結構一方的な感情だと思ってたし後ろめたかったけど、好かれてんのか。ならいいや」
気まずい雰囲気が溶けたな、と肌で感じ、
しかし錯覚かもしれないとも感じていて、
「………………っしゃ。こっから長いな」
乗り込み、席を探してキョロキョロ。
- 938 :神羽朱華:2010/08/30(月) 21:33:13 ID:ZOM.z7ps0
- >>937
「うるっさいわよ!!!」
一方的、の意味はあまり考えないようにして、ぼすんと席に座る。
向かい合わせの座席の片側。隣に藜と荷物を待機させて。
さっさと座れ、と不機嫌そうな視線で語った。
- 939 :銀髪の女性 ◆X7kkkkkkkk:2010/08/30(月) 21:41:25 ID:VqV2vGds0
- >>938
はい、はい、とてきとうに頷き対面の椅子に座る。
ベルトから刀を抜き壁に立てかけて、持っていた荷物は朱華さんに倣い、隣に。
窓に張り付き光を遮っていたカバーを外し、景色が見えるようにしてから、漸く落ち着いた。
「…………あ、ここに座るか?」
とん、とん、と自分の腿の上を叩く。
- 940 :神羽朱華:2010/08/30(月) 21:46:55 ID:ZOM.z7ps0
- >>939
「いらんわ!!」
主、車内では静かに。おろおろした蟲が窘めるように翅を動かす。
ややあって、がたんごとんがたんごとんがたん、と重たい音が響き始めて、窓の景色が横へ横へと流れてゆく。
彼女は足を組んで、ふっと瞼を下した。
- 941 :銀髪の女性 ◆X7kkkkkkkk:2010/08/30(月) 21:53:52 ID:VqV2vGds0
- >>940
「でも実はちょっと魅力的な提案だろ?」
目蓋を閉じた朱華さんに、不敵に満ちた声が掛けられる。
窓から覘く景色を見つつ、時折藜さんと朱華さんを見ていた。
「どんくらいかかる?」
- 942 :神羽朱華:2010/08/30(月) 21:56:22 ID:ZOM.z7ps0
- >>941
「いらんわっ」
ふん、と鼻を鳴らす。
窓の外はだんだんと緑が多くなってゆく。
「三、四時間。寝ときゃいいと思うわよ」
しぱしぱ瞬きを繰り返しながら、見ているのは足元だった。
- 943 :銀髪の女性 ◆X7kkkkkkkk:2010/08/30(月) 22:05:58 ID:VqV2vGds0
- >>942
「…………ちっ……つれねーな。………………ってか遠いな」
んじゃ寝るか、と彼女は目蓋を閉じる。
行きゃなんとかなるだろと楽観し、腕を組む。
背凭れと椅子に、体を沈めた。
- 944 :神羽朱華:2010/08/30(月) 22:10:09 ID:ZOM.z7ps0
- >>943
「……………………ぉやすみ」
蚊の羽音よりも小さいのではないか、そんな声でぽそりと呟いて、少女も目を閉じる。
がたんごとんがたんごとんがたんごとんがたんごとんがたんきぃいーん、
単調な音が何回繰り返されただろうか。ぐらぐらと頭が揺れるころには、目的地はすぐそこまで迫っていた。
- 945 :銀髪の女性 ◆X7kkkkkkkk:2010/08/30(月) 22:22:29 ID:VqV2vGds0
- >>944
夢を見る。
いつの頃の夢かは、もうわからない。
「………………ん、」
きっと幼い頃。……………………今よりは。
目の前で輝くのは白金色の長髪に、刀。
水が舞う。
自身の黒い矢印も、舞う。
精霊、妖、
どろどろとした、不定形の夢の中で彼ら彼女らは踊っていた。
長い間、そんな夢を見ていた気がする。
――――また会いてーな…………。今だったら認められっかもしんねー。
これは、後悔。
「…………ん?」
漸く彼女は目を醒ます。
- 946 :神羽朱華:2010/08/30(月) 22:27:23 ID:ZOM.z7ps0
- >>945
「は……な、なに寝てんのよ! もう着くわよ!!」
自分も今さっき起きたのに。
荷物を取って立ち上がり、ドアの外へ。
「さ、行くか」
幾分か声のトーンを落として、彼女は改札をくぐる。
少し古びた木製の駅の建物の外には、緑と土色が広がっていた。
- 947 :銀髪の女性 ◆X7kkkkkkkk:2010/08/30(月) 22:40:10 ID:VqV2vGds0
- >>946
「んあ?」
のんびりと刀を拾い、鞄を手に朱華さんに続いた。
「………………田舎だな。羨ましい」
切符を回収ボックスに投げ込み、伸び。
凝った体が音を鳴らす。
首も捻り、続けて音を鳴らした。
「まずお前ん家行くか」
- 948 :神羽朱華:2010/08/30(月) 22:45:49 ID:ZOM.z7ps0
- >>947
ききききき、だとかりりりりり、だとか何かの虫が鳴く声が聞こえてくる。
聞こえてくるのはいいのだが、四方八方から、それも大量に喚くように鳴いているので、どこか不快。
頭蓋に割り入って脳髄に直接響くような、そんな。
「はいはい。ついて来て」
そういう彼女も、不快そうに顔を顰めていた。
- 949 :銀髪の女性 ◆X7kkkkkkkk:2010/08/30(月) 22:51:18 ID:VqV2vGds0
- >>948
「…………っ、」
郷、
蟲の郷、
なるほどと言えば、成る程か、と彼女は思う。
「………………お前、蟲使いだろ?」
その理解を彼女は顔には浮かべない。
- 950 :神羽朱華:2010/08/30(月) 22:55:23 ID:ZOM.z7ps0
- >>949
「…………」
ぴたり。
歩む足を止める。
宙にいた蟲のおろおろが、今日一番強くなった。
「……言ってなかったっけ。あたしね、落ちこぼれなのよ。
蟲の言葉、わかん、ないの。何故か、藜だけは分かるけど」
それだけ言って、再び歩き始めた。
- 951 :銀髪の女性 ◆X7kkkkkkkk:2010/08/30(月) 23:04:16 ID:VqV2vGds0
- >>950
「………………聞いたこと、あった気がしないでもねーな。
藜はわかんのか?こいつらの言葉」
きょろきょろと辺りを見渡しながら、流す。
掘り下げたいと思う心は、無きにしも非ず。
けれど、やっぱり。ネイディハールもそうだけれど。
――――気にしてんだろーな、多分。
「歩いてどんくらいよ?」
- 952 :神羽朱華:2010/08/30(月) 23:08:09 ID:ZOM.z7ps0
- >>951
「どうなの? あ、うん……藜も分かんないんだって」
おろおろ。少し弱まったけど。
「10分も歩けば着くでしょ。それまでこれ、我慢してね。悪いけど」
これ、とはつまり蟲の声だろう。
つかつかと振りかえらずに歩き続ける。
- 953 :銀髪の女性 ◆X7kkkkkkkk:2010/08/30(月) 23:18:12 ID:VqV2vGds0
- >>952
「気にはなるけど、あんまり嫌じゃねーな」
余所者に対しての警告か、とも考える。
鞄重いな、とか下らないことも考えながら、右斜め後ろを歩き続けていた。
「藜とどうやったら喋れんの?なんかコツあんのか?」
- 954 :神羽朱華:2010/08/30(月) 23:21:40 ID:ZOM.z7ps0
- >>953
「そう。あたしはムカつくけどね」
がんっと足元の小石を蹴って、緑の茂みの中へ飛ばす。鳴き声が増幅した。
「さあ。よくわかんないけど、何故か喋れた。ほんとに何故かはわかんない……
っと、着いたよ」
一軒家。木造一戸建て。
ごくごく普通の家に、彼女は帰って来た。
- 955 :銀髪の女性 ◆X7kkkkkkkk:2010/08/30(月) 23:26:51 ID:VqV2vGds0
- >>954
「うざいって感情より珍しいって気持ちが勝ってるだけだよ。
いつもこんななら怒るかもしんねーな」
田舎だから、と勝手に大きな家を想像していた。
軽く息を整え、朱華さんの隣に立つ。
「私から入るか?それともお前から行くか?」
- 956 :神羽朱華:2010/08/30(月) 23:31:34 ID:ZOM.z7ps0
- >>955
「普通の人が長いこと滞在するなら、物の三日で発狂するでしょうね」
よくあるのよ、この郷に来た人が発狂して踏切に入ったり崖から落ちたりなんだのするの。
それが日常だ、とでも言わんばかりにさらりと言った。
「……あたしから行く」
ぴんぽん、と一応インターホンを鳴らして。
小さな小さな声で「ただいま」と告げて、そろそろと戸を開けた。
- 957 :銀髪の女性 ◆X7kkkkkkkk:2010/08/30(月) 23:42:34 ID:VqV2vGds0
- >>956
「ふーん…………」
ま、大丈夫だろうと彼女は思う。
そのくらい滞在するかもしれないけれど、多分、自分は大丈夫。
〝普通じゃない街〟で生まれ、『異能都市』に来たのだから。
――――そもそも人じゃねーしな。
自嘲になるだろうか、と。
「ん。入っていいのか?」
玄関前で一礼。
開いた戸を掴み、もっと開ける。
- 958 :神羽朱華:2010/08/30(月) 23:46:22 ID:QYyPcDfoO
- >>957
「ま、あんたなら大丈夫でしょうね」
そう言いながら、靴を脱ぐ。
彼女が脱いだブーツの横には、女物の靴が一組。
「いいよ……お母さーん、いるー?」
はいはーい、という声が遠くから響いて、次いでぱたぱたと急ぐ足音。
- 959 :銀髪の女性 ◆X7kkkkkkkk:2010/08/30(月) 23:52:16 ID:VqV2vGds0
- >>958
「………………」
お母さん、か。
靴を脱ぎ、後に続く。
急に緊張が胃を走り、でも、慣れていると殺し、背筋を伸ばす。
「………………、」
眼を瞑った。
- 960 :神羽朱華:2010/08/30(月) 23:58:27 ID:QYyPcDfoO
- >>959
「――まあ朱華、あなた何処に行ってたの!
郷中探しても見つからなかったからどれだけ心配したと思ってるの!」
「……ごめんなさ、」
「まったく。あなたの家出癖にはほとほと手を焼かされる!
……で、そちらの方は?」
黒い髪の、エプロンを着けた女性。何の変哲もない、ありふれた主婦。
この人が、少女朱華の母親なのだろう。
- 961 :銀髪の女性 ◆X7kkkkkkkk:2010/08/31(火) 00:03:32 ID:VqV2vGds0
- >>960
「…………朱華を、拾いました」
頭を下げた。
60°。常より深く、頭を下げる。
銀髪、
ややあほ毛気味に跳ねた銀髪が、旋毛で目立っていた。
スーツ姿ではいるけれど、その銀髪は良いイメージを与えにくいかな、と彼女は思う。
- 962 :神羽朱華:2010/08/31(火) 00:09:23 ID:QYyPcDfoO
- >>961
「まあ、するとこの子を保護してくだすってたんですか?
どうもすみません、ご迷惑おかけしました……あ、こんなところで話すのも何ですから、どうぞ上がって……
朱華、あなたはちゃんと説明しなさいよ!」
母親も深々とお辞儀、その後急いでスリッパを引っ張りだした。
朱華は苦い顔をして、つかつかと廊下を歩く。
- 963 :銀髪の女性 ◆X7kkkkkkkk:2010/08/31(火) 00:17:24 ID:VqV2vGds0
- >>962
「ありがとうございます」
ぺこ、ともう一度頭を下げてからスリッパを履き、続く。
とっとこと朱華さんペース。
「…………家出癖あったのか」
- 964 :神羽朱華:2010/08/31(火) 00:22:36 ID:QYyPcDfoO
- >>963
「この子ね、気に入らないことがあったらすぐ家を飛び出すんです。
私と喧嘩しては家出、元当主様にあしらわれては家出……」
くすくす笑いながら居間に通される。
朱華の機嫌が、更に悪くなった。
- 965 :銀髪の女性 ◆X7kkkkkkkk:2010/08/31(火) 00:32:44 ID:VqV2vGds0
- >>964
「………………」
朱華さんの頭に手を置いた。
「良い母ちゃんじゃねーか」
笑ってそういうことを言える人は、まず良い母親。
彼女はそう思ってるから、そう言う。
- 966 :神羽朱華:2010/08/31(火) 00:38:28 ID:QYyPcDfoO
- >>965
「……うん」
ぽつりと呟いて、居間に座る。
母親が緑茶を盆に乗せて、運んできた。
「ああ、何かお礼を致したいんですけど……どうしましょ」
あたふたとするたびに黒髪が揺れる。
顔のつくりは朱華とよく似ていたが、そこだけは違った。
- 967 :銀髪の女性 ◆X7kkkkkkkk:2010/08/31(火) 00:44:36 ID:VqV2vGds0
- >>966
「…………………………いえ、」
彼女は正座する。
緑茶の水面を、同色の瞳で眺めていた。
真っ直ぐに、朱華さんの母を見えない。
ベルトから、刀を抜く。
長い方。
柄も、唾も、鞘も、全部が黒い日本刀を鞘ごと抜いて、目の前に置いた。
その手前に、手をつく。
「………………本日は、」
声が震える。
「本日は、お宅の娘さんを…………朱華を私の会社に、私の家族として迎えたく思い、訪ねさせてもらいました」
頭を下げた。
視界の上の方で揺れる、黒髪が目に止まる。
- 968 :神羽朱華:2010/08/31(火) 00:52:36 ID:QYyPcDfoO
- >>967
ぽかんと口を開けて、数秒。
考えて、ようやく口を動かした。
「……朱華、で、いいのですか?
この子まだ、子供ですし。あなたの望むような働きは、出来るかどうか」
ぱちくりと目が泳ぐ。
動揺しているようだ。
- 969 :銀髪の女性 ◆X7kkkkkkkk:2010/08/31(火) 01:06:10 ID:VqV2vGds0
- >>968
「朱華が望まないなら諦めますし、
親であるあなたが断るなら、私に引き止める権利はありません」
彼女は頭を上げない。
母を見ることが、できない。
だから、と。
床を直視する。
その視界に入り込む、黒い髪を無視し続けて床を見ていた。
「正直、確かに子供です。能力もまだ未熟ですし私の望む働きはしてくれません。
けれど、朱華と、あなたが許してくれるなら…………迎えたいんです」
覚悟を決めたい。
これは、超個人的な自分の願望。
相手の幸福を願ってのアクションではないし、利益があるわけでもなく。
ただ、覚悟を決める材料として、一つの形にしておきたいだけだから、意味がない。
「………………いきなりきて何をふざけたことを、と言われるかもしれませんが…………!」
- 970 :神羽朱華:2010/08/31(火) 20:01:30 ID:ZOM.z7ps0
- >>969
「……私は、この子の望むようにしてあげたい。
落ちこぼれと罵られるこの子に、何もしてあげることが出来なかった」
罪滅ぼし、と言っては何ですが。と苦笑しながら付け加える。
「この子の様子を見る限り、あなたの元に行くことを嫌がっているようには、見えない。
その通りに、この子が望むなら、見送ってあげたい、けれど」
不意に、母親の目が険しくなり、辺りを見渡す。
視線の先は――窓の外。未だ鳴り止まぬ音の主たち。
「……この郷が、簡単にそれを赦してくれないのでしょう」
眼を瞠ったまま、母親は朱華に立つように命じた。
朱華は何が起こったのか分からない、とでも言うような顔をしている。
- 971 :銀髪の女性 ◆X7kkkkkkkk:2010/08/31(火) 21:36:13 ID:VqV2vGds0
- >>970
中:お待たせしました…………!
「…………、」
あっさりだな、と。
でもそんだけじゃないんだなとも。
母の視線を追って外を見ながら、彼女は思う。
「……………………………………蟲が?それとも掟とかですか?」
どちらにせよ、やることの方向性は変わらない。
考えつつ、頭を上げた。
- 972 :神羽朱華:2010/08/31(火) 21:45:27 ID:ZOM.z7ps0
- >>971
//いえ、早めに帰って来れたのに寝こけてました……すみません
「……掟、とかそういう、かたちにされて残されたものではないけれど。
この郷の……そうですね、『風習』、とでも言いましょうか。或いは、『呪い』。
基本的に、郷の外に出ることは赦されないのです。……理由、は、」
きちちちちち、と羽音を立てて。
小さな噛み切り虫が、母親の首筋に留まった。
「…………御免なさい、本当に御免なさい……命が、惜しいんです……」
ぐっと眉を寄せて、母親が頭を深く下げる。
少女――朱華は、凍りついたまま動けなかった。
- 973 :銀髪の女性 ◆X7kkkkkkkk:2010/08/31(火) 22:06:58 ID:VqV2vGds0
- >>972
「………………」
左手を伸ばし、艶消しがされた黒い鞘に触れる。
人差し指、中指、薬指、小指、親指の順で握り、持ち上げ、彼女は立ち上がった。
噛み切り虫に瞳を向ける。
「朱華、どうする?」
表情は険しく、でも、刀を握る力は緩かった。
――――靴下だから滑るかもしれねーけど補正は効くだろうし、問題ねえ。
「私は動けるけど、お前、どうしたい?」
- 974 :神羽朱華:2010/08/31(火) 22:12:12 ID:ZOM.z7ps0
- >>973
「あ……え、ぅ……」
凍りついた瞳をぎこちなく動かして、自分の母を見て、ふーこを見る。
「なに……何が、起こって……あ、え?」
きぃいん、と、高い音。
めちゃくちゃな速度で飛来した甲虫が、朱華を守ろうと覆いかぶさるように飛ぶ藜にぶち当たった音だった。
「――――――逃げて!! この郷から!! 早く!! 外に出て!!!」
ほとんど悲鳴のような金切り声。それは、母親の咽から絞り出された。
噛み切り虫がその声を合図にして――
- 975 :銀髪の女性 ◆X7kkkkkkkk:2010/09/01(水) 01:11:32 ID:VqV2vGds0
- >>974
「ッ!!!」
反射的に一筋の黒を放つ。
直径0.1mに満たない、レイピアの先ほどの鋭い光。
狙いはカミキリムシ。母の首に当たらないように注意しているため、翅を狙った。
ミリ単位での狙いをつけるのは得意か不得意かで言うと、不得意。
彼女は細かい作業の苦手な、大雑把な人種。
「藜ァ、朱華連れて飛べ!!!!!」
でも、研究をするに当たってそういう技術の習得は必要となった。
相変わらず不得意だけれど、――――。
精度は、〝悪くない〟程度まで持っていけている。
完璧じゃない。
だから、母に当たらないよう、できるだけ本当のギリギリを狙った。
同時に体の重心を後に反らす。
- 976 :神羽朱華:2010/09/01(水) 15:22:11 ID:QYyPcDfoO
- >>975
ぢっ、という鈍い鳴き声。
噛み切りが翅をやられて、首筋から離れて畳に落ち、ばたばた藻掻く。
「…………ッ!」
ふーこの声とほぼ同時、藜は朱華に取りついて浮き、硝子を破って外に出る。
- 977 :銀髪の:2010/09/01(水) 18:27:29 ID:61lMEQVcO
- >>976
「郷出んぞ!!!」
落ちた虫を確認することなく、退げた重心を前へ落とす。
視界の隅に母が立っていた。
あなたは大丈夫なんだろうかと、一瞬思う。
しかし断じて、思いを斬った。
重力魔術による斥の力を床と踵の間に発生させ、蹴り、真っ直ぐ外へ向かって大きく飛んだ。
どうしよう、と。
言っちゃ悪いけれど、こんな弩田舎では一時間に一本電車が止まるか否かのはず。
どこかに逃げ込む作戦もなし。まずは郷から抜け出さないといけない。
ともすれば走るしかない。
空間転移の術はあるけれど、叶うなら使いたくない。
「ってか……!まだ半分しか成せてねーって!」
理想を描く。
頭の中に、とりあえずの最善を想い描いた。
――――全部殺しゃあいいってわけじゃねーし、一回逃げてもっかい訪ねるか?
めんどくさい。
素直に彼女は思う。
「朱華、大丈夫か?!」
靴下で地面を踏み、次の一歩へ向けて魔力を練りながら訊ねた。
- 978 :神羽朱華:2010/09/01(水) 20:03:25 ID:ZOM.z7ps0
- >>977
ふーこの視界の隅っこの母親は、眉を寄せながらも微笑んだ。
大丈夫ですから、どうかその子を。そう語るかのように。
「だいっ、じょう、ぶ……!」
炎を纏って迫り来る蟲の群を追い払いながら、何とか走っていた。
- 979 :銀髪の:2010/09/01(水) 22:52:43 ID:61lMEQVcO
- >>978
「駅向けて走んぞ!!」
彼女は、薄い黒色の重力障壁を展開する。
触れたものを外へ弾き中の〝異物〟を排出する、防護のための魔術。
一歩、地を踏む度に斥力を展開して距離を稼ぐ。
「なんか王蟲みてーなボスっぽいのはいねーよな?!」
- 980 :神羽朱華:2010/09/01(水) 23:01:43 ID:ZOM.z7ps0
- >>979
「ど、どう!? 藜っ!!」
藜が僅かに羽音を鳴らす。ぶ、ぶ。二回。
「イエス」のときは一回、「ノー」のときは二回。と、緊急時用に決められた合図。
「ないって!」
喚くように言葉を吐き捨てながら、めちゃくちゃに走る。
蟲が障壁に当たってはぶつかり落ちてゆく音が、嫌に響いた。
- 981 :銀髪の女性 ◆X7kkkkkkkk:2010/09/01(水) 23:18:47 ID:VqV2vGds0
- >>980
「…………つまんねーな。そんじゃ、逃げるだけか」
どんと一つ、大きな音が、衝撃が、奔る。
銀髪を揺らし、朱華さんに近づいたと思うと、
「藜、朱華離すなよ!!!」
藜さんの胴体部分に向かって、握ろうと手を伸ばした。
- 982 :神羽朱華:2010/09/01(水) 23:25:16 ID:ZOM.z7ps0
- >>981
藜の胴体部分を握ることには、成功する。
成功する、のだが、
―――――――ぃいいいいぃぃぃいいいいいぃいいいいいいいいあぁああああああああああああああぁぁあああああ、
きぃいぃぃいいいぅうううううううぅぁあああああぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああ――――
触れた瞬間に、奇妙な、耳障りな、不快な、おぞましい、汚らわしい――
そんな単語が似合いそうな声にも金属音にも振動音にもとれる、とにかく意味の解らない音が、頭蓋の中に響き渡るだろう。
- 983 :銀髪の女性 ◆X7kkkkkkkk:2010/09/01(水) 23:39:57 ID:VqV2vGds0
- >>982
「――――、ッ!!」
心がぐらつく。揺さぶられる。
脳味噌を、直接素手で撫でられているような感覚が神経を走った。
――――でも届かねーな…………!
「なんのつもりだ?!下らねーことしてねーでさっさと逃げんぞッ!!」
叫ぶ。
目を瞑って、咽を嗄らした。
この場に到っても、彼女の思考は止まずに回り続ける。
- 984 :神羽朱華:2010/09/01(水) 23:44:18 ID:ZOM.z7ps0
- >>983
ぶ、ぶ、と羽音を二回。
済まない、無理にやっているのではないのだ、私に触れるとこうなってしまう――!
「な、にやってんの!? ねえって!」
朱華は藜とふーこを交互に見比べながら、走る。
- 985 :銀髪の:2010/09/02(木) 07:26:04 ID:61lMEQVcO
- >>984
中:投下したつもりになってた…………ごめんなさい……。
「――――気にすんな!!」
二人へ向けて、単音にして二義の言葉を投げつける。
片手を離し、左手で藜さんを握ったまま残る手を朱華さんの服の襟に向けた。
「お前らが走るより私が二人抱えて走る方が速いんだよ!!」
- 986 :神羽朱華:2010/09/02(木) 20:18:07 ID:ZOM.z7ps0
- >>985
//よくあるあるwww
「……なんかムカつくけど、なら任せるわよ!」
抵抗もなくすんなりと掴まれて、足がぶらんと宙に浮く。
駅はもう、目に見える位置にある。
- 987 :銀髪の:2010/09/02(木) 20:44:58 ID:61lMEQVcO
- >>986
中:一昨日からいきなりブチるのばっかで、本当ごめんなさい……。
頭を走るノイズと視界に現れる白い筋が、ひどく不愉快だった。
叫びたい。
できることなら、大きな声で遠吠えみたいな全力の声を上げたかった。
その、抑え難い咆哮への欲求を魔術にぶつけて利用する。
反発。
『斥』の力。
地面を排し、彼女を押し進める重力魔術。
それにぶつけ、同時に地面を蹴り、
「郷の境界線ってどこだよ?!」
一つ目の歩は跳躍。
10mは下らない、大股の一歩を踏みしめる。
風の抵抗が彼女の髪を拐い、けれど銀髪は陽光を受けてかわし、靡く。
二歩目は翔。
先の一歩の勢いが死なない内、まだ空を奔っている状態の時、宙を足場に翔けた。
とりあえずの目標として駅を目差しながら彼女は訊ねる。
- 988 :神羽朱華:2010/09/02(木) 23:57:45 ID:ZOM.z7ps0
- >>987
「駅から出て、離れれば――」
少女が途切れ途切れに言う、それが止まった。
「困りますよ、その子、せっかく帰って来たのに」
にっこり。笑う、浴衣の女性が踏切の前に立っていた。
ぱん、と手を叩く――同時に。ひゅん、と白い光の筋が現れた。
それは斥力に逆らって、朱華にまっすぐに伸びてゆく――
- 989 :銀髪の:2010/09/03(金) 19:14:31 ID:61lMEQVcO
- >>988
「そこ退け三下ァ!!」
叫び、蒼い炎を放つ。
形は朧気な球。中心に彼女を据えた、結界がごとく薄い炎の膜。
重力の障壁と重なるように高速で展開されたそれが、光に触れた。
緑色の瞳が女性に向けられる。
「〝喚問〟……!!」
- 990 :神羽朱華:2010/09/03(金) 20:09:15 ID:ZOM.z7ps0
- >>989
「もう一度言いますね、困りますよぉ」
ばぢん、と音を立てて白い光の筋は途絶える。
浴衣の女性は口に手を当ててくすくす笑っていた。
「その子、置いていただけません? 我が郷に必要な、人材なんですよぅ」
その笑顔はどこか、お面みたいにのっぺりしていた。
- 991 :銀髪の女性、 ◆X7kkkkkkkk:2010/09/03(金) 20:53:13 ID:VqV2vGds0
- >>990
「うっせーな、退けつってんだろ!!!」
明確な、自身の敵と思しき人に出会えて少し嬉しくなる。
反面、素直にこの状況は鬱陶しい、と彼女は思った。
邪魔。
疾駆を止めることなく、真っ直ぐに自身の目指すところへ向けて翔けていた。
その道筋にいる女性をどかすため、天麩羅を抜こうとして、両手が塞がっていることに気づく。
「お前ら先行ってろ!!」
朱華さんと藜さんを、宙で離した。
半ば放り投げるようにして、捨てる。
「私が話つけっから、行ってろよ!!!」
- 992 :神羽朱華:2010/09/03(金) 21:02:11 ID:ZOM.z7ps0
- >>991
「……っ、追いつきなさいよ!」
体勢を整え、藜は宙を滑るようにして飛行する。朱華はそれに捕まった。
浴衣の女はそれを見て、あちゃあと一言。呟くだけ。
「退けませんって。これもお仕事の一環ですから、ね」
おはなし、しましょう?
にっこり笑ったまま、腕を広げた。
- 993 :銀髪の:2010/09/03(金) 21:52:33 ID:61lMEQVcO
- >>992
見送り、しかし、声をかけなかった。
頭を振る。
ノイズが消えて、心地よく静かな頭は驚くほど軽い。
右に二度、左に三度。整えられた髪が揺れた。
「名乗れ。肩書きも含めて」
首を鳴らす。
ベルトに挟んだ刀に、意思として手を乗せた。
- 994 :神羽蜜華:2010/09/03(金) 22:02:10 ID:ZOM.z7ps0
- >>993
「申し遅れましたぁ。ワタクシ、神羽蜜華、ミツカと申します。
今日は当主様の代理として、朱華ちゃんをお迎えにあがったのですけれど」
はららー、と気の抜けた声を出して、朱華が飛んでいった方向を見る。
「逃げられちゃいましたぁ。どうしてくれるんですかぁ?」
- 995 :銀髪の女性、 ◆X7kkkkkkkk:2010/09/03(金) 22:41:09 ID:VqV2vGds0
- >>994
「逃げちまったもんはどうしようもねーな。諦めろ」
視線を、女性から外さない。
イライラに身を委ね、何かしら攻撃をしようかと思うけれど、行動には起こさなかった。
天麩羅の柄、鍔元に左手を乗せて、不機嫌そうな瞳を蜜華さんに向けるだけ。
「んで、当主様って誰だ?この郷の長か?」
- 996 :神羽蜜華:2010/09/03(金) 22:46:57 ID:ZOM.z7ps0
- >>995
「諦めたらぁ、えーと何だっけ? えーとぉ……人生終了? でしたっけぇ。それですよぉ。
あと、怒られちゃいますしねぇ。追える範囲では追いますよぉ」
相変わらず笑みは崩さずに、のほほんと突っ立っている。
「そうですぅ。ヒステリー持ちなんでぇ、今のままで帰ったらぁ」
こうなっちゃいますぅ。
自身の手を首に持って行き、すーっと横に引いた。笑ったまま。
- 997 :銀髪の女性、 ◆X7kkkkkkkk:2010/09/03(金) 22:59:49 ID:VqV2vGds0
- >>996
「……、」
僅かに考える。
「………………朱華って落ちこぼれだろ?」
- 998 :神羽蜜華:2010/09/03(金) 23:04:21 ID:ZOM.z7ps0
- >>997
「落ちこぼれですよぉ。ちっちゃーい子供ですら聞ける蟲の声すら聞けないんですから。使えない屑にも程がありますーあっははは!
まあそんな落ちこぼれな朱華ちゃんはどうでもいいんですよぉ」
さらりと酷いことを言ってのける。
次の言葉を紡ぐころには、のっぺりした笑みが消えていた。
「朱華ちゃんの従僕であるあの赤い蟲とぉ、『それの言葉が解る朱華ちゃん』が必要なわけなんですねぇ。
ですからー、この郷から逃げられた時はほーんと焦りましたよぉ!」
- 999 :銀髪の女性、 ◆X7kkkkkkkk:2010/09/03(金) 23:12:45 ID:VqV2vGds0
- >>998
「…………あの赤い蟲、ってなんだよ?藜のことか?」
魔力を練る。
体内で渦を巻く、魔の力を捏ね始めた。
同時、妖としての力に薪をくべ、備える。
- 1000 :神羽蜜華:2010/09/03(金) 23:19:05 ID:ZOM.z7ps0
- >>999
「そりゃー朱華ちゃんの従僕である赤い蟲って言ったら一匹しかいないでしょぉー?
あー、アカザって言うんですねーあの蟲」
けらり。一瞬で笑みを作りなおして張り付ける。
「あの蟲、どーもふつーの蟲じゃないんですよねぇ。
だからぁ、詳しく調べてみる必要があるじゃあないですかぁ」
だからおっかけるんですよぉ。
終始気の抜けた喋り方をする。
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