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【イベントC】新たなる胎動【一番手】- 1 :名も無き異能都市住民:2010/05/08(土) 20:15:58 ID:KE2UskXwO
- <<ルールとか>>
・ここは、各スレでなんらかのイベント・クエスト・戦闘が発生した場合に使います。
・雑談も可能ですが、日常の範囲で済むかどうかは各自で判断してください。
・クエストスレはA・B・Cの3つがあります。開いている場所ならどこでも使って構いません。
・逆に、使用中の場合は混乱の元になりますので、同じクエストスレで2つのクエストを進行させることはやめてください。
・クエストで使われている場所を、クエスト以外のスレで使うことは『構いません』。
時間軸が異なる・平行世界である、など解釈は自由です。
・またクエストスレと他のなりきりスレに、同時に現れることは『構いません』。
ただしそれによって起こり得る弊害は自力でなんとかしてください。
・GM役をあらかじめ決めておくとスムースにことが運ぶかもしれません。
・識別をしやすくするために、トリップをつけると幸せになれるかも。
前スレ
まだないよ
- 2 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/05/08(土) 23:11:00 ID:.6prKP66O
- 「>>1乙ですわ!」
【今夜はトーナメント2回戦……対戦相手は自分と父が愛する一人の少女】
「ふふふふふ、ある意味ライバルですわ……負けませんわよ!」
【少女はバトルフィールド『白亜の城』の玉座にて、ゼオラを待つ】
- 3 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/05/08(土) 23:13:10 ID:s.Ud7.4s0
- 「>>1乙」
突如現れた闇の渦。
その中心には一人の少女。
「……」
アウテリートを見ている。
- 4 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/05/08(土) 23:25:11 ID:.6prKP66O
- >>3
「来ましたわね!」
【玉座より立ち上がり、ゼオラを見つめる】
【高貴な顔立ちはまさに姫そのもの、優雅な仕草……足取りでゼオラに近寄っていく】
「貴方と戦うのは久しぶりですわね……どうです?
ただ戦っただけじゃ面白くありませんわ!」
【ゼオラの前に立ちはだかり、声を上げる】
「勝った方が一日お父様を好きに出来る……!」
【鼻息荒く勝手な条件を突き付ける
ゼオラにお父様と仲良くして頂きたいと言う大義名分の下、実際は自分の欲望である】
- 5 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/05/08(土) 23:30:45 ID:s.Ud7.4s0
- >>4
「別に構わない……ぜ?」
顔を上げる。
抑揚の付いた声。
表情に豊かな顔。
結ばれた長い髪。
「かまわねぇからさっさと始めようぜ」
- 6 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/05/08(土) 23:40:14 ID:.6prKP66O
- >>5
「あら……ゼウラでしたのね……」
【ニッコリ笑って勝手に付けた名前を呼ぶ】
「じゃ、交渉成立ですわね……」
【一歩下がって優雅に一礼……
次の瞬間部屋中に描かれていた錬成陣が光り出し、そこから火炎、雷、槍が次々と発射される】
「戦場に後から現われるなんて愚の骨頂……罠にかかりに言っているようなものですわ!」
【その間にアウテリートは火のマナを装着する】
- 7 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/05/08(土) 23:48:58 ID:s.Ud7.4s0
- >>6
「……チッ。邪魔だッ!」
黒い炎は少女を取り囲み炎の柱を立てる。
「消えろッ!」
柱は分散と同時にアウテリートの攻撃を弾き飛ばす。
「随分と手の込んだお出迎えだな?」
- 8 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/05/08(土) 23:57:39 ID:.6prKP66O
- >>7
「オホホホホホ!ゴメン遊ばせ!
ちょっとした悪戯でしたのよ?
貴方が避けるのもわかっておりましたし……ね?」
【指をパチンッと鳴らすと上から大きな盥とシャンデリアが落ちてくる】
「こんな物もありますのよ?」
【次々と床が捲り上がり現われる大砲達、それはバレーボールを大量に撃ち出してくる】
- 9 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/05/09(日) 00:16:54 ID:s.Ud7.4s0
- >>8
「邪魔だって言ってんだよ」
もう一度炎の柱を纏わせ、防ぎ、弾き飛ばす。
「同じ事してどうにかなると思ってんのか?」
掌を上に、人差し指を向け、
指を上に曲げたのを合図に少女の足下から闇の蛇が三体。
牙をむいて襲い掛かる。
- 10 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/05/09(日) 00:25:12 ID:.6prKP66O
- >>9
「あら?たまには上手く行くんですわよ?」
【三匹の蛇を火を纏わせた蹴りで薙ぎ倒していく】
「じゃあ、ちょっと趣向を変えて……てぇいっ!!」
【踵落としを床にぶち込み、火のカーテンを作って身を隠す】
- 11 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/05/09(日) 00:28:56 ID:s.Ud7.4s0
- >>10
「良いぜ……来いよ」
姿勢を低くしたまま動かない。
次の攻撃に備えるつもりだ。
- 12 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/05/09(日) 00:38:34 ID:.6prKP66O
- >>11
「ならば……お言葉に甘えまして……」
【背後からゼウラに抱きつき、頬を撫でる】
「あぁ……やっぱり……いいですわ〜……」
【恍惚とした声で囁く】
「食らいなさいな……」
『サニィィィィィフィィィィバァァァァァ!!』
【アウテリートの体が光り輝く、ゼウラに抱き付いたまま全身から圧縮された火のオーラを放つ
しかし、一瞬……体から火放つ一瞬隙がある】
- 13 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/05/09(日) 00:42:32 ID:s.Ud7.4s0
- >>12
『アウテリート……』
その場に居た少女は何時しか影だけの存在。
抱きつかれた影は後ろを振り向き、笑う。
「バカめ……それは偽者だ」
直後、影は消えさらに背後からの黒い炎を纏ったとび蹴り。
- 14 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/05/09(日) 00:51:38 ID:.6prKP66O
- >>13
「ゼウラ?……!?」
【影が消え去り攻撃は不発に終わる】
「んもう!つれませんわね!」
【頬を膨らませて不満を零すが……目の前には黒炎の飛び蹴り】
「あら……」
【避けるのはもう出来ない、ガッチリと守りを固めてそれを受ける】
「むぅ!」
【蹴りを受けると共に数メートル吹き飛ばされ、体勢を崩す……】
- 15 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/05/09(日) 00:55:34 ID:s.Ud7.4s0
- >>14
「これで終わりとか思ってるんじゃねぇだろうなッ!」
アウテリートの背後から、急降下しながらの踵落とし!
- 16 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/05/09(日) 01:08:14 ID:.6prKP66O
- >>15
「……」
【踵落としはアウテリートの脳天を打ち据えた……かに見えたが……】
「お・か・え・し・ですわ!」
【それは陽炎、前回の試合で使った囮であった】
「もちろん、終わりじゃありませんとも!!」
【ゼウラの背後に現われたアウテリートは蹴りにてメロンソーダ色の火球を二つ放ち、その後、自身も縦回転をしながら突っ込んでいく】
- 17 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/05/09(日) 01:18:58 ID:s.Ud7.4s0
- >>16
「ぐっ……がッ!」
アウテリートの攻撃を歩顎から受け、身体は大きく飛ばされる。
床に手を付く事で倒れることなく立ち上がり。
「チッ……」
不機嫌そうに舌打ちし、両手に闇を這わせ。
その手を振ると闇の刃が勢い良く向かっていく。
- 18 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/05/09(日) 01:25:22 ID:.6prKP66O
- >>17
「無駄無駄ぁ!ですわ!」
【ジェットブーツで飛び上がり、ゼウラの放つ刄を飛び越す】
「行きますわよ!」
【再び先程同様のメロンソーダ色の火球を飛ばして、自身も縦回転で突っ込む】
- 19 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/05/09(日) 01:29:15 ID:s.Ud7.4s0
- >>18
「だから――効かねぇんだよッ!!」
アウテリートの落下に合わせ、紫色に光る雷を纏った脚を蹴り上げる!
- 20 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/05/09(日) 01:38:05 ID:.6prKP66O
- >>19
【蹴り同士がぶつかり、雷と炎が玉座に飛び散る】
「ぬ……ぐぐぐぐぐ!」
【精一杯抵抗するアウテリートだったが】
「……ダメですわ……!」
【力負けして弾き飛ばされる】
- 21 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/05/09(日) 01:45:06 ID:s.Ud7.4s0
- >>20
「……フン」
衝撃に押され、数m後退して膝を付く。
「まだやるか?」
- 22 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/05/09(日) 01:52:46 ID:.6prKP66O
- >>21
「当たり前ですわ!」
【負けず嫌いな性格故、アウテリートは立ち上がる】
「私……まだ取って置きがあるんですわよ!」
【しかし、体は限界……アウテリートは最後の攻撃に出る】
「食らいなさいな!我が奥義!」
「銀河爆砕!インフェルノクラッシャー!!」
【全身にメロンソーダ色の火を纏い、回転……擬似的な隕石となったアウテリートはゼウラに向かう】
- 23 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/05/09(日) 02:14:40 ID:s.Ud7.4s0
- >>22
「フン、いいだろう」
アウテリートの攻撃を見て、姿勢を低く保つ。
――バチッ!
紫の雷を脚に纏う。その光の量は先ほどの攻撃の何倍も。
――バチバチッ!!
大きく身体を捻り、小さく縦方向に回転し飛び上がり勢いをつけ、
「――!!」
二回目にもう一度縦に回転しながらの蹴りをぶつけた!
- 24 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/05/09(日) 02:19:11 ID:.6prKP66O
- >>23
【激突の回転!炎と雷の激突!!】
「ぬぬぬぬぬぬ!!」
【雷が、炎が、白亜の玉座を舞い、破壊していく!】
- 25 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/05/09(日) 02:35:25 ID:s.Ud7.4s0
- >>24
「クッ……だぁ!!」
ぶつかり合い、均衡していた状態。
そんな中、急に体勢を変えて雷を纏った脚でアウテリートを弾き飛ばした!
- 26 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/05/09(日) 02:42:20 ID:.6prKP66O
- >>25
「……!?しまっ」
【反応できない……防げない】
「くぅっ!」
【モロに攻撃を受けた……アウテリートは玉座に吹き飛ばされ倒れる】
「まだ……まだですわぁ!」
【しかし、アウテリートは立ち上がる……立ち上がるが……
力はもう無い……マナブレイズが解け、装着していたマナが姿を現わし……ログアウト】
「ま、参りましたわ……」
【アウテリートはペタンと座り込み、負けを認めた】
【勝利と上弦一日好き放題権はゼウラ(ゼオラ)の手に!】
- 27 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/05/09(日) 02:53:14 ID:s.Ud7.4s0
- >>26
「……」
着地。
少女が脚を振ると纏われていた雷は消え失せる。
その後も脚に違和感を感じたのか、数回振って。
「まだまだか……」
- 28 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/05/09(日) 02:59:51 ID:.6prKP66O
- >>27
「……」
【しばらく黙ってゼウラを見つめ】
「ま、まぁ!私まだまだ本気じゃありませんでしたけどね!」
【そう言いながら近づいてくる】
「帰りますわよ!」
- 29 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/05/09(日) 03:04:05 ID:s.Ud7.4s0
- >>28
「じゃあ何だ……やるか?」
片足を地面から離した新しい構え。
黄色の瞳が睨みつける。
- 30 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/05/09(日) 03:14:18 ID:.6prKP66O
- >>29
「やりませんわよ、私もう非力な美少女ですわ」
【虹色の瞳をキラキラさせて乙女アピール】
「もう、私の負けなんですから、そう血気盛んになってはいけませんわ」
- 31 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/05/09(日) 03:17:40 ID:s.Ud7.4s0
- >>30
「はいはい美少女美少女」
虹色の瞳から目を逸らす。
「フン……」
- 32 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/05/09(日) 03:19:56 ID:.6prKP66O
- >>31
「なぁんですのよぅ♪」
【ゼウラに抱き付きはしゃぐ】
「今日はどうするんですの?
うちに泊まりますこと?」
- 33 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/05/09(日) 03:24:16 ID:s.Ud7.4s0
- >>32
「……?」
振り返った顔は大人しげ。
結んだ髪を解く。
「どう、しよう……かな?」
- 34 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/05/09(日) 03:29:20 ID:.6prKP66O
- >>33
「あら?戻りましたの?」
【頬擦りをしながら尋ね】
「泊まりなさいな泊まりなさいな!
お父様も喜びますわ!」
- 35 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/05/09(日) 03:31:10 ID:s.Ud7.4s0
- >>34
「うん、「頼む」……って」
逃げたらしい。
「じゃあ……そうする」
- 36 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/05/09(日) 03:37:22 ID:.6prKP66O
- >>35
「あらあら、シャイですわね!」
【ゼウラに萌えながらアウテリートは笑う】
「あ、お父様を好きに出来るのはゼオラとゼウラですわよ?
じゃ、行きましょうか?」
【ゼオラの手を引き、ログアウトする】
【その後、一緒にお風呂入ったり寝たりしたのだとか】
//ちょうどいいかな?
//物足りなかったらまだ相手するぜ?
//絡み有難うございました!
//久しぶりのゼオラとゼウラ可愛かったです!
- 37 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/05/09(日) 03:40:41 ID:s.Ud7.4s0
- >>36
「……解った」
続いて、ログアウト。
//もう眠いのです……。おやすみなさいませ。
- 38 :黒沢小百合:2010/05/09(日) 21:08:36 ID:rSRBD9/U0
- 【イデアの箱庭・地下洞窟】
「これはまた陰気なところに転送されてしまいましたね……」
どうやら、この地下洞窟はかなりの広さがあり、
細い通路と大きな空間が交互に作られたアリの巣のような構造になっているようだ。
(狭い場所では、多勢の優位を生かせませんね……
しかし、挟撃を仕掛けられる場所も多そうです……。)
- 39 :沢桐 創:2010/05/09(日) 21:16:19 ID:fKMiAOfo0
- ―カチャン…カチャン…
地下洞窟に足音のような金属音が響き渡る。
「…まさか…」
洞窟の奥から現れる二つの緑の光。
「下位決定戦があるとはな…おっと」
緑の光の正体は、歩いてきた青い義足を持つ男の目。
男は小百合を見つけると立ち止まる。
「そしてお前が…対戦相手ってとこか…」
- 40 :黒沢小百合:2010/05/09(日) 21:27:29 ID:rSRBD9/U0
- >>39
「ご名答。」
目の前の女は残忍な笑みを浮かべて
沢桐の言葉に答えた。
瞬間、己の袖口に仕込んだ紙片を引き抜く。
それに記された物、それは――
プラエトリアン
――『ローマの近衛歩兵隊』
帝政ローマにおいて唯一、本国であるイタリアに
駐留する事を許可された精鋭中の精鋭。
それが小百合の能力によって今、沢桐の目の前に具現化する。
- 41 :沢桐 創:2010/05/09(日) 21:38:09 ID:fKMiAOfo0
- >>40
―カチャン、カチャン
足音を響かせ、ゆっくりと歩き出す。
輝く緑の眼は気持ちの悪いぐらいに鮮やかだった。
「俺の道を邪魔する者は―」
精鋭兵を見ずに、その先の小百合だけを見据える。
「―全て踏み潰す」
- 42 :黒沢小百合:2010/05/09(日) 21:47:02 ID:rSRBD9/U0
- >>41
「おもしろい。」
鱗鎧、盾、長槍で武装した兵士が、
小百合と沢桐の間に盾の様に展開する。
この場所はやや、開けた場所であるため
どうにか槍を扱う事ができるが、無数にある細い通路に逃げ込めば
槍は使えず、一度に沢山の兵を相手にすることも無いだろう。
「ならばその道とやらはここでお終いだッ!」
沢桐の機先を制しようと、兵達が一斉に動いた!
- 43 :沢桐 創:2010/05/09(日) 21:58:21 ID:fKMiAOfo0
- >>42
兵達が動くのと同時に、男は後方に跳んだ。
「出来るもんなら…」
―ガチャン!
当然狭い洞窟ではすぐ壁にぶつかる。
しかし、その壁を蹴り、今度は逆に兵士達に飛び込んでいく。
「やってみろ!」
両の足で、兵士二人に狙いをつける。
- 44 :黒沢小百合:2010/05/09(日) 22:07:01 ID:rSRBD9/U0
- >>43
密集形態の利点はその防御力であるが、
とっさの機動力は低い。
両の足による蹴りを回避することはできず、
二人の兵士が吹き飛ばされ、その周囲の兵士も巻き込まれ倒れる。
そのため、瞬時に近くの兵士が沢桐に襲い掛かる事は無かったが、
他の兵士がたちまち殺到してくる。このまま、強引に小百合を目指すか……?
- 45 :沢桐 創:2010/05/09(日) 22:19:03 ID:fKMiAOfo0
- >>44
兵士が倒れ、一瞬小百合までの道が出来る。
しかしそこを走り抜けようとすると、
直ぐに他の兵士が壁を作る。
「一旦…引くか」
走り出そうとしていた足の方向を無理やり変え、狭い脇の通路に走り込む。
それもわざと大げさに走り、砂埃を巻き上げながら。
- 46 :黒沢小百合:2010/05/09(日) 22:26:21 ID:rSRBD9/U0
- >>45
「追え!」
細い通路へと引いた沢桐を追撃すべく、兵士が走る。
しかし狭い通路内では、長槍は使えない上、
多くても2,3人が一度に進むのがやっと。
兵士達は槍を捨て鞘から長剣を抜き放ち、沢桐を追う。
「……この洞窟がどのような繋がり方をしているかは分かりませんが……
いくつか、別働隊を出しておきましょうか……。」
小百合はどうやらこの場で沢桐を迎え撃つ戦い方を選んだ。
沢桐が入っていった別の通路に別働隊を派遣し、
あわよくば挟み撃ちにせんとするが……
- 47 :沢桐 創:2010/05/09(日) 22:36:32 ID:fKMiAOfo0
- >>46
飛び込んだのはいいが、沢桐はこの洞窟の構造を知らない。
それは相手もだろうが、どこがどう繋がっているのか。
行き止まりもあるだろう、あまりうろつくことはこの洞窟で迷うことを意味する。
しかもこの暗闇の中では、緑の眼は目立ちすぎる。
「早く手を考えた方がいいな…」
そう思っていると、遠くから別働隊の足音が聞こえてくる。
とっさに通りすぎるところだった横穴に駆け込んだ。
- 48 :黒沢小百合:2010/05/09(日) 22:41:19 ID:rSRBD9/U0
- >>47
『足音がやんだ、どこにいるのだ!?』
『まだやつは遠くまで行ってはおらぬ、探せ!』
狭い洞窟の壁に反響して、兵士の声が良く聞こえる。
敵の数は多いがこの暗い坑内を利用すれば、
やりすごす、もしくは奇襲しつつ、密かに
先ほどの場所に戻る事も可能だろう。
- 49 :沢桐 創:2010/05/09(日) 22:50:09 ID:fKMiAOfo0
- >>48
太腿からワイヤーを引っ張り出し、脛の金具に巻き付け固定する。
これである程度は例の足音は収まるだろう。
ゆっくり歩いていれば、エネルギーを使うことは無く、眼の光も弱くなる。
もちろん歩くのは趣味ではないが。
曲がり角で声がするので、壁の脇から顔を出す。
数人組がこちらに歩いてくるようだった。
「待ち伏せするか…やり過ごすか」
- 50 :黒沢小百合:2010/05/09(日) 22:54:35 ID:rSRBD9/U0
- >>49
兵士達の数は4人。
前列、後列に2人ずつといった隊形だ。
ちょうど沢桐のいる場所は岩の凹凸が激しく、
隠れる場所には事欠かない。
兵士達はかなり周囲を警戒しているが……
- 51 :沢桐 創:2010/05/09(日) 23:02:34 ID:fKMiAOfo0
- >>50
兵士達はだんだんと近づいてくる。
「やっぱり…モタモタするのは性に合わねぇ!」
―ダッ!
兵士達が男の居る物陰から2メートル先のところで、男は飛び出す。
反応する隙を与えないほどの速さで、一番近い兵士に蹴りかかった。
- 52 :黒沢小百合:2010/05/09(日) 23:07:50 ID:rSRBD9/U0
- >>51
警戒こそしてはいたが、
暗闇の中から恐るべき速さで飛び出す
沢桐に一介の兵士が太刀打ちする訳はなかった。
声を上げる暇も無く、兵士が打ち倒される。
鎧が洞窟の壁にあたり、ぐわん、と大きな音を出した。
残りの兵士もひるみ、隙を見せている。
- 53 :沢桐 創:2010/05/09(日) 23:15:07 ID:fKMiAOfo0
- >>52
一人目の兵士を蹴った反動で跳び、右足から風圧のジェットを噴射する。
男の身体が横に回転し、勢いをつける。
「オラァッ!」
勢いを使って、何も無い空中に回し蹴りを繰り出した。
空を切る足先から衝撃波が発生し、狭い洞窟に広がりながら残りの兵士3人に襲い掛かる。
- 54 :黒沢小百合:2010/05/09(日) 23:20:09 ID:rSRBD9/U0
- >>53
足先が音速に達した事により、
特徴的な破裂音が洞窟内に高らかに響く。
あまりにも巨大なその音は幾度も反響し、
近くにいる兵士は『近くにいるもののどこにいるのか分からない』
という状況に陥った。
『ぐおおぉ!!!』
兵士らの断末魔も、その音にかき消され
他の部隊に届く事は無かった。
敵を始末した事により、近くまで敵はくるだろうが
素早く離れれば逆に敵から離れる事ができるだろう。
- 55 :沢桐 創:2010/05/09(日) 23:27:41 ID:fKMiAOfo0
- >>54
着地と同時に、男は走り出す。
この兵士達の進行方向の逆に走れば、あの司令官であり対戦相手の場所に近づくはずだ。
そう思って足音を気にせず走った。
しかし、途中には曲がり角。
悩むのも面倒くさくなったか、思い切って右に突っ切った。
- 56 :黒沢小百合:2010/05/09(日) 23:40:04 ID:rSRBD9/U0
- >>55
曲がり角を右に曲がると、
緩やかな上り坂が続いており、
さらに底が進むと、床に穴が開いていた。
いや、天井というべきだろうか。
沢桐が立っている地面こそが、先ほど
小百合と交戦した部屋の『天井』なのだ。
この位置から、部屋の中央で兵士に守られ
周囲の穴を警戒する小百合の姿がはっきりと見える!
遠距離攻撃、もしくは奇襲をかければ容易に本体をしとめられそうだ。
- 57 :沢桐 創:2010/05/09(日) 23:49:15 ID:fKMiAOfo0
- >>56
その様子を見て、男は先ほど足に巻きつけたワイヤーを外す。
少しでも邪魔な要素を払い、確実に仕留めるつもりなのだろう。
思いっきり息を吸い込む。
そしてゆっくりと吐く。
精神統一はこれだけで十分。
肺が空になると同時に、
―ダンッ!
穴の真下の小百合に、膝の突起を突き出して襲い掛かった。
- 58 :黒沢小百合:2010/05/09(日) 23:54:25 ID:rSRBD9/U0
- >>57
小百合の柔らかい肌に、
硬い突起が食い込み、そこから鮮血があふれ出す。
「――――ッッ!!!?」
小百合は、声を出す事もできず、
その場に倒れた。
「あ゛っ……! あ゛っ……!?」
胴体に深く突き刺さった突起は、
落下の勢いで小百合の肩からわき腹を切り裂いていた。
すぐに周囲の兵士が沢桐に気づき、駆け込んでくるが……
- 59 :沢桐 創:2010/05/10(月) 00:02:34 ID:fKMiAOfo0
- >>58
「後は文字通り…」
周囲の雑魚には構うものか。
こいつを殺せば俺の勝利。
男は立ち上がり、足を真っ直ぐに振り上げる。
青い装甲に赤い血が飛び散っていた。
それを眼から発せられる緑の光が照らす。
「踏み潰す!!!!!」
小百合の頭目掛けて足を振り下ろした。
- 60 :黒沢小百合:2010/05/10(月) 00:09:08 ID:rSRBD9/U0
- >>59
「ぐ、お゛っ゛……」
恐慌状態の中必死に身をよじるものの、
どうあがいても沢桐の足をよけるほど素早く動けるわけもなく。
――メシャッッ
小百合の頭がトマトのように、爆ぜる音が洞窟内に響いた。
黒沢小百合、死亡。
- 61 :沢桐 創:2010/05/10(月) 00:19:23 ID:fKMiAOfo0
- >>60
―ガシャン
男はその場に膝を付き振り向く。
動かなくなった身体がそこにはまだ残されていた。
「…はは」
口から笑いが漏れる。
「どうだ!俺の道はまだ続いてるぞ!ははは!」
緑の光に辺りが照らし出され、血の色を隠していく。
男は天井を向いて笑っていた。
「ははは、はははは―!」
【沢桐創、勝利】
- 62 :クララ:2010/05/10(月) 22:24:55 ID:WV3ftPeg0
- 快晴の都市上空をフラフラ飛ぶ影がある。
「あー、今日メルポちゃんの新刊発売日だったっけな……」
なんのことはない。空飛ぶスケボーに乗ったクララだ。
クララは何も考えず、ただボーッと空を飛び続ける。
- 63 :エミリオ:2010/05/10(月) 22:36:04 ID:3dL1jFzw0
- >>62
「人かな?人っぽいなぁ……」
学ラン姿の少年が、空を飛ぶ何かを見つける。
驚きもせず、じーっと目で追ってみる。
- 64 :クララ:2010/05/10(月) 22:44:23 ID:WV3ftPeg0
- >>63
「…………ん?」
ふと、はるか下の街を見下ろすと、こちらを見上げる少年の姿が目に入る。
「ちょっと脅かしてやるか……!!」
ちょっとした無邪気な悪戯心で行動を開始する。
その場から体を投げ出すように倒し、少年の方へ一気に降下。
その真上スレスレを通り越して行こうとする。
- 65 :エミリオ:2010/05/10(月) 22:51:15 ID:3dL1jFzw0
- >>64
「あ、降りてきた」
降下してきたのに気付き、さらに目で追ってみる
「…危ないなー……」
真上スレスレを通られ、呑気な感想を口にした。
驚いていない訳ではないようだが……
- 66 :クララ:2010/05/10(月) 22:59:49 ID:WV3ftPeg0
- >>65
「♪」
驚かせたかどうかは別に、クララは上機嫌だった。
結果ではなくその行為が好きだから。
高校生にありがちな、ギャング=カッコいい=危ないことをした俺カッコいい。そんな感じ。
「ちょっくらこのまま本屋にでも行くか」
少年を通り越したあと、フラフラとビルの間を飛んでいく
- 67 :エミリオ:2010/05/10(月) 23:06:56 ID:3dL1jFzw0
- >>66
「……とりあえず、お返しでもしとこうかな」
飛んでいった方向に向け、右手をかざす。
クララのやや前方、道路にあるマンホールの蓋がガタガタと持ち上がる。
次の瞬間、マンホールから間欠泉のように水が吹き上がり、クララの航路を遮るだろう。
- 68 :クララ:2010/05/10(月) 23:13:12 ID:WV3ftPeg0
- >>67
いきなり目の前に現れた水の壁になすすべなく激突
「うわっぷ!?なんだこれ!?」
目を白黒させつつ地面にべチャリと落ちた。
制服は水浸しで、なんとも無様である。
「なんだこれ……?」
- 69 :エミリオ:2010/05/10(月) 23:22:50 ID:3dL1jFzw0
- >>68
「えっと、聞こえますかー?」
小走りで近づきつつ、大声で問いかける。
「その水、飲んじゃったなら吐き出した方がいいですよ?」
そう、彼が操ったのは「鉱毒を含んだ」若干甘みのある水だ。
死ぬことは無いが、体に悪いには違いない。
- 70 :クララ:2010/05/10(月) 23:28:34 ID:WV3ftPeg0
- >>69
「吐け?………ウゲゥッオロゲ」
とりあえず吐いた。さっきとった昼食を含めて。
「うぇっ………お前か、さっきの水柱は!!危うく溺れるところだったんだぞ!!」プンプン
- 71 :エミリオ:2010/05/10(月) 23:34:01 ID:3dL1jFzw0
- >>70
「…いやぁ、まさか突っ込むとは思わなかったので、すみません」
一応謝り
「まぁ、飲んじゃっても死にはしませんので…」
追い討ちをかけてるのか、それともフォローしているのか
- 72 :クララ:2010/05/10(月) 23:40:04 ID:WV3ftPeg0
- >>71
「死なないとかじゃないだろッ!!俺の制服どうするんだよ!!」
びちょびちょのブレザー。水の滴る髪。
自業自得と言えばそうなのだが。
「まぁいいや。今日は機嫌が良いし許す!!じゃあな、少年」
もう一度スケボーに乗ると空に舞い上がっていった。
- 73 :エミリオ:2010/05/10(月) 23:47:58 ID:3dL1jFzw0
- >>72
「まぁ、水の滴る何とやら、って言うし……」
ぼそっと呟くように
「そりゃどうも、それでは」
再び空へと戻るクララを、ひらひらと手を振って見送り、少ししてからエミリオも歩き出した。
- 74 :ノエル=フルーレス:2010/05/11(火) 21:20:40 ID:R0.iNy.I0
- 【暗き空に虹色の蝶が乱れ舞う】
【煌めく七色は、華の様で、雪の様で】
【まるで絵画の様な光景の中、一人、空を見上げて佇む者】
【其は夢の果てより来る者、現の終わりに在る者】
- 75 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/05/11(火) 21:21:58 ID:HnkBBDEo0
- 【ID、PW認証】
【ユーザー情報を確認中】
【Now Loading...】
【...】
【...】
【...】
【銃寺森クロスがログインしました】
イデアの箱庭、電脳空間に現れる紅い人影。
彼は相手の確認すると軽く手を上げ、
「……よお、ノエル」
何気なく、ただただ普通に挨拶をした。
- 76 :ノエル=フルーレス:2010/05/11(火) 21:27:31 ID:R0.iNy.I0
- >>75
【声に応じるように、ゆっくりと振り返る】
「思えば……」
【クロスの眼を見ながら、呟くように話しだす】
「貴方とまともに戦うのは、これが初めてでしたね」
- 77 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/05/11(火) 21:35:34 ID:HnkBBDEo0
- >>76
「ははは、確かに。
なんだかんだ言って、一度も手を合わせたことが無かった」
紅いコートの前を開け、ネクタイを風に靡かせてクロスは言う。
「多分、俺は恐れていたんだと思う。
負けることを、じゃない。
決着をつけること自体が」
しかし、それを言うクロスの目にはもう迷いは無い。
覚悟はできているようだ。
「お前と俺が戦うということは、世界を変えちまうということだ。
お前自身も気付いているんだろう?
自分の持つ、世界への影響力を」
だがしかし、とクロスは続ける。
「俺達は戦うことになってしまった。
偶然がそれを呼び寄せた。
運命がそれを善しとした。
なら――」
パン、と両手を合わせ、
「――徹底的に、やるしかないだろう?」
クロスは構えた。
「来いよ。来ないなら行くぜ?
この世界が砕け散ろうと、俺はお前を乗り越える!」
- 78 :ノエル=フルーレス:2010/05/11(火) 21:53:35 ID:R0.iNy.I0
- >>77
「世界を変える…か……」
【噛み締めるように、瞑目し言葉を搾り出す】
【ややあって、目を開き、クロスの目を見る】
【迷いの消えた強い光をその眼に見て、深く頷く】
「ならば……見るがいい…」
【ざわ。蝶が目まぐるしく乱舞を始め、と辺りにプレッシャーが走る】
「我が力は、幻想の力。夢も現も、過去も未来も塗り替える虚現の織り手」
【おもむろに手を掲げ、掌に魔力が満ちる】
【呼吸にも似た容易さで、しかし自動めいて精密に編み込まれ、それは一つの形となる】
【紡がれるは、虹色に輝く一つの槍】
「超えてみせろ!!その意思の力で!!!」
【その槍を渾身の力で、クロスへ投擲】
- 79 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/05/11(火) 22:02:45 ID:HnkBBDEo0
- >>78
「おう、ブチ抜いてやらぁ!!」
瞬間、光溢れる。
バッドエンドトリガー
紅獄罰骨
金属を召喚し、操作する能力。
召喚された金属はまず、クロスの腕を包んで鎧となり、
鋼鉄の腕は投げられた槍を横から叩き落していた。
――王よ!
――我らが王よ!!
頭の中で響く声。
それと鼓動するかのように、装甲が腕だけではなく全身を包み込む。
クリムゾンブラストモード
「鉄血装甲『紅殻弾丸形態』!!」
紅の鬼となったクロスは大地を蹴り、一気にノエルに向かって突進する。
- 80 :ノエル=フルーレス:2010/05/11(火) 22:20:14 ID:R0.iNy.I0
- >>79
「光あれ…」
【静かに、突進してくるクロスの方向へ手を翳す】
「卑しき現世を至高の輝きにて埋め尽くせ」
【七色に光る魔力が蝶を形作った途端、眼を焼く程の圧倒的な光が発せられる】
【強烈な光はそれだけで人を本能的に竦ませる】
【その上、この光には魔力が宿り、それによる術式が魔術的にもクロスの五感を奪う】
【その光が、眼前に迫るクロスへ向けて放たれた】
- 81 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/05/11(火) 22:29:08 ID:HnkBBDEo0
- >>80
「――ッ!?」
突進するクロス。
しかしクロスはノエルの横を通過し、数歩離れた場所で頭から転倒。
何回も転げ周り、その重い体は地面に沈んだ。
「な……? どうなって…………????」
立とうとしても上手く立てない。
平行感覚が無いわけでは無いが、
「足が大地を踏んでいる」という感覚がなくなっているのだ。
上手く立てる筈が無い。
おまけに視界は真っ暗とも真っ白とも言えない『無』となり、地平線すら見えやしない。
音もなく、感覚もなく、光すらない。
「ぐ……」
虚無が、クロスを包み込んだ。
何もできず、クロスは呆然と立つ。
- 82 :ノエル=フルーレス:2010/05/11(火) 22:59:00 ID:wvHoRUIgO
- //回線が不安定なのでケータイに移動
「何も感じられないだろう?」
[クロスの脳に直接言葉が届く]
「完全なる闇の中で知るがいい」
「力の代償を」
[クロスの脳に無数の声が届く、責め、恨み、呪う声が]
- 83 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/05/11(火) 23:06:03 ID:HnkBBDEo0
- >>82
「……ぐ……ぅぅ…………」
声が、
絶叫が、
悲鳴が、
嘲笑が、
泣き声が、
クロスの頭の中で木霊する。
脳は処理量を越え、パンク寸前だ。
「ぅう……が……ぁぁぁあああああああああああああ!!!!」
堪らずクロスは叫んだ。
叫んでも正常を保てるわけではないが、それでも叫ばずにはいられなかった。
次に五指の先にある爪で自分の体を掻き毟る。
鋭い爪は簡単に己の装甲を引き剥がし、その肌を蹂躙した。
体中から血が吹き出る。
「ああああああ!! あああああ!!! あああああああああああ!!!!!」
駆け巡る苦痛。
しかしそれでもクロスの中の声は止まない。
「あああ!!! あああああああああ!! あ! ああああああ!! ああああ!!
あああああああ!! ああ!! ああああああ!! ああ! あ……
ああ……あ……ああああ……! ……!! ! …………!! …………」
いつしかクロスは停止した。
まるで魂が抜けたかのようにグッタリと動きをやめ、膝から地面に崩れ落ちる。
そのまま動かない。
- 84 :ノエル=フルーレス:2010/05/11(火) 23:19:26 ID:R0.iNy.I0
- //PCに復帰
>>83
【クロスの惨状に思わず顔を顰める】
【戦いとはいえ、およそ友人に向けるべきでない術を使った訳は】
【もとより手加減出来る相手ではない事。それ以上に、そういった"手加減"は何よりの侮辱であるから】
【故に、詰めにおいても手は抜かない】
「……まどろみの中にて、安らかな夢を……」
【呪法を解して、クロスの精神とリンクする】
【リスクは高いが、こうする事でより術が協力に働く】
【精神リンクを通して、クロスを安寧の眠りへと誘おうとする】
- 85 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/05/11(火) 23:48:19 ID:HnkBBDEo0
- >>84
――ギンッ
クロスの体の表面が、モゾリと蠢いた。
装甲の隙間から弾丸が顔を覗かせる。
「あ……ああ……」
弾丸は、圧縮された金属。
その小さい身の中には膨大な用の金属が爆縮されている。
「……あああああああああああ!!!!!!!」
その弾丸を一気に、炸裂させた。
相手がどこにいようと構わない。
装甲からハリネズミのように全方向に、その弾丸は宙を突き進む。
放たれた弾丸は何かに当たれば、その身の中の爆縮を解き大きく膨張、
花火のように棘の花を咲かせるだろう。
ギルティエア
紅爆昇華
ノエルがどこにいようと関係なく、クロスはその凶器を全方向に向けて撃ちはなった。
- 86 :ノエル=フルーレス:2010/05/11(火) 23:59:40 ID:R0.iNy.I0
- >>85
「な――ッ!!」
【装甲の隙間から弾丸を見つけた瞬間、弾丸が解き放たれる】
「あg―――!!!」
【全方向へと放たれた弾丸を避ける術もなく、大量に着弾】
【弾丸が炸裂し、五体を散々なまでに引き裂き、声を上げることすら叶わない】
【余りの威力に、クロスに掛けた術が全て解け】
【ボロ屑のようになった体の至る所から金属の棘の生える様は】
【さながら伝説に謳われるゲイボルグのようである】
「………」
【大量の傷口から鉛色とも銀色とも付かない不気味な"何か"を流しながら、微動だにしない】
- 87 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/05/12(水) 00:10:10 ID:HnkBBDEo0
- >>86
「――――がはぁッ!!」
やっとまともに呼吸が出来た。
蘇る視界。戻ってくる感覚。
大地が足の裏でまた存在を訴え、空気と血の匂いが鼻腔に広がる。
「はぁ――……ああ、くそ!」
すぐさま跳躍し、ノエルと距離を取る。
ノエルは一見すれば人間としての形を失っており、勝負は決したように見えるが……
「いや、終わっちゃいねぇ」
クロスは空間に手を伸ばす。
「あの野郎は、その体の一片まで消さねぇと安心できねぇんだ!」
空間上に伸ばされた手の先では柄が形成され、
その柄をクロスは力強く掴む。
ブレイム
「極刑剣『咎喰』!!」
取り出したのは一振りの巨大な剣。
刀身は片刃で身の丈ほどあり、本来は刃がついているはずの場所には牙のような突起がズラリと並んでいる。
凶悪なのは見た目だけではなく、その能力。
極刑剣は、その牙にかかった『存在』を『喰う』。
その巨大な剣を片手で軽々と持ち、クロスはノエルに向けて構える。
「さぁ、どう来る……? ハイブリッド!!」
- 88 :ノエル=フルーレス:2010/05/12(水) 00:26:15 ID:R0.iNy.I0
- >>87
「さ…す……が……」
【流れ出る"何か"が菌糸のように傷口同士を繋ぎ合わせ】
【それぞれを接合していく】
「あの状態から、良くもこれほどの一撃を打てるとは」
【人の形を取り戻し、立ち上がってクロスを見る】
【しかし、体の所々が欠けており、ダメージは見た目以上にあるようだ】
「……受けるがいい」
【片手を天高く掲げ】
「ノエル=フルーレスの魔術の奥義……」
【空が、大地が無数の虹色の蝶に覆われ】
「真なる"フェイク・バタフライ"!!」
【森羅万象遍く一切が、その無限とも言える幻想の蝶の術式に飲み込まれて】
【世界が、その在り方を変え、現実と虚構が、入れ替わる】
- 89 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/05/12(水) 00:43:56 ID:HnkBBDEo0
- >>88
「ああ、ある意味賭けだったよ。
あの状態になってもお前がどこか物陰に隠れてるようなチキンだったら、
俺は今頃夢の中さ」
そう言いつつ、クロスは剣を逆手に持つ。
虹色に包まれる世界。
その世界の真ん中に、クロスは……
――王よ、
――我らが王よ!!
「行くぜ罪人共、ロックの時間だ」
クロスは、剣を突き立てた。
――肉の杯は塵となり、骨は砕けて灰となる
Dead bodies on the ground.
――しかし御霊は残響し、魂響となりて囁き叫ぶ
The ghost crawled out, the ghost crawled in.
同時に歌う。
いつものような詠唱ではない。
もっと早く、マシンガンに撃ち出すように速く。
――喰らわれし者の信念は、喰らいし者の糧となり、
His appetite is filled up.
――腹で満ちる夢によって我が幻想を現創す
And he realize one's long-cherished wish.
――血潮は鉄《クロガネ》、肉は銅《アカガネ》、骨は銀《シロガネ》、心は黄金《コガネ》
The body is created by inorganics, minerals and metals.
――千滅の焔、色持たぬ温度、終わり無き無限を孕む鋳造の炉
The heart is created by flame, blaze and Gehenna.
まるでロックを叫ぶかのような、超々高速詠唱。
――光放つ鉱石、無念の魂により、
Cross and growing soul ...
――今、此処に
has to be doing just...
――異形の舞台が幕を開ける!!
open the “Freaks circus”!!
一遍の詩を歌いきった途端、極刑剣の突き刺さった場所から金属が溢れかえった。
砂鉄や鉄粉が渦を巻き、金属鉱石が地中から突出する。
溢れる金属、金属、金属。
タルタロスがいままで「喰べた」金属を、その腹で「存在理由」という概念にまで分解された金属鉱石を再構築し、全て吐き出して出来る世界。
まるで世界を侵食するように広がる金属。
それは、あるものは地面を埋め、あるものは空を覆い、あるものは骨を作り、あるものは肉をつける。
そして出来たのは、金属の地獄であった。
砂鉄の地面を鎖が茨のように覆い、木々の代わりに凶器が生える。
空には銃弾や刃が舞い、星のように輝く。
虹色の世界の真ん中に突如として出来た紅い地獄。
まるで最後の砦のように、それはクロスを守っていた。
「ハハッ、世界を塗りつぶすかノエル!!」
紅い地獄の大地から、巨大な罪人異形が現れる。
龍のように長い体には杭が何本も突き刺さり、両目から流れ落ちるのは血の涙。
「だがなぁ、俺まで塗りつぶされるわけにゃいかねぇんだよ。
俺は俺だ。何ににも染まらねぇ。俺には俺の色がある!!」
紅く輝く右目を携え、クロスは突き刺した極刑剣を引き抜き、
大地から生まれた罪人異形の頭に飛び乗る。
「決着をつけよう。
たった二色に侵食されちまったこの世界で、どっちが強いか」
極刑剣をノエルに向け、
「行くぞ、タルタロス。思う存分……喰い散らかせ!!」
爆ぜた。
クロスを乗せた罪人異形は紅い地獄から飛び出し、虹色の世界に躍り出る。
弾丸のような速さでノエルへと肉薄し、クロスは罪人異形を蹴って飛び出した。
ブレイム
「極刑剣『咎喰』、咆哮轟唱!!!!」
極刑剣はその身を内側から爆散させ、紅い光の剣となる。
天まで届くかのような魔獣の牙を、いまクロスは、
ノエルへと、振るった。
- 90 :ノエル=フルーレス:2010/05/12(水) 01:15:33 ID:R0.iNy.I0
- >>89
「ええ、決着をつけましょう」
【虚構と現実の反転した世界】
【まどろむような極彩色の世界の中、ゆっくりと瞑目する】
(我が闇を糧に…我が光を贄に…)
【罪人異形が迫る中、片手を突き出し、心中に思う】
(我が意思を、我が魂を、我が過去を、我が未来を)
【詠唱ではない、幻想が現実を凌駕するこの領域においては、言葉すら不要だからだ】
(我が全ての、砂塵の一粒より矮小なその一滴を)
【図らずもそれは、矢継ぎ早に繰り出すクロスの詠唱とは対照的に】
(我は夢を見ず、現に在らず)
(重き瞼、開かれるならば)
「 黒
ニ
ナ
レ」
【故に、放たれた"魔法"も、クロスとはある意味で対を為す】
【突き出された手の先から、黒い球体が現れる】
【否、それは黒ではない。『何もない』】
【その球体には空間や時間すら存在していない】
【言葉にするならば、それは"虚ろ"】
【"虚ろ"は見る間に大きくなり虹色を飲み込んで、飛びかかるクロスへと迫る】
- 91 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/05/12(水) 01:23:33 ID:HnkBBDEo0
- >>90
―― ギ ィ ン
黒の球体が、極刑の刃を弾いた――否、拒んだ。
「何ッ!?」
極刑剣は『存在を喰う』剣。
しかし、相手が虚無ならどうなる?
そもそも、喰う対象である『存在』が『無い』ならどうなる?
これが、その、答えであった。
――ズ……ズ ズ ズ
少しずつ、刀身が飲み込まれてゆく。
いや、引き込まれてゆく。
刀身から柄、そしてクロスの腕にまで及び、
「う……ああ…………ああああああああああああああ あああ あ あ 」
そしてクロスは、闇の中に姿を消した。
【銃寺森クロス、戦闘不能】
- 92 :ノエル=フルーレス:2010/05/12(水) 01:32:34 ID:R0.iNy.I0
- >>91
「く…う…」
【黒い球体が広がっていくと共に】
【魂を削られているように消耗していく】
【真なるフェイク・バタフライはノエルの心象世界】
【それが虚ろに飲まれると言うことは】
【即ちノエルの精神も虚ろに飲まれていると言うこと】
「…あ…ダメ…か…」
【虚ろは手の先から広がっている以上。虚ろが広がれば直ぐに飲まれる形になる】
【虚ろの中、僅かに抵抗を見せた後、ガクンと膝が折れ、虚空へと飲み込まれた】
【クロスが飲まれるのと、どちらが早かったかは、確認出来ていない】
【ノエル戦闘不能】
- 93 :名も無き異能都市住民:2010/05/15(土) 21:09:01 ID:ZOM.z7ps0
- 「だから、ね。僕の手錠を外して」
「で、病院脱出の手伝いまでしろってか」
「おk把握」
「ちょえwwwwwww何外してんですか大家さんwwwwwwww」
「こいつの眼ェ見なさいよ、本気の眼よ?」
「ああ……手首ぶった切ってでも外に出そうだね」
「私は初めてこいつを男と認識したよ」
「だからって……絶対死にますよ」
「いいんだよ、僕が決めたんだから」
がちゃん、と開錠音が響いて、手首が漸く楽になった。
痕をさすって一息ついて、カードを受け取る。
「……これだから人間は。しゃあねェちっと俯け、『加護』をくれてやる」
「じゃあわたし、箒持ってくる! つれてったげる!」
「んじゃ、私は影分身を用意しとこうか」
「私と鏡子は」「自宅待機おいしいですwwwwwwwwwwwwww」
「……ありがとね、みんな」
「おう、死ぬなとは言わない」
全員が何故だか笑っていた。
多分、全員が全員彼と同じ境遇に置かれたら、同じ行動を取るだろうから。
「せめて、無駄死にだけはすんじゃないわよ」
「……うん。行ってきます!」
そうして彼は白い布を羽織って、歩き出す。
- 94 :地獄憑き:2010/05/18(火) 22:36:43 ID:/jo5cmzs0
- 「……ア?」
男は薄暗い――燦燦と降り注ぐ陽光すらも入らない路地裏の片隅で
ポツリと呟いた。何年も何十年も口を開いたこともないような口調で
呟いた男の前には複数の男達――いや、わずかだが女もいた――が集まり、
一斉にそれぞれの武器、兵器、狂気を男に突きつける。強盗や殺人など
この異能都市は珍しくない。だがどこからどう見ても金をもってなそうな
この男を狙うのは金目的、内臓を掻っ捌いて臓器ブローカーに売るのではなく
単純に、男達の背後に広がっている、無数の屍達――肉片や内臓が飛び散ったあまりにも
無残な姿――に理由がある。
「おじちゃんよぉ、運が悪かったなぁ……俺たちのストレス発散の場所に出くわしちまって…」
男達の正体は異能都市へとストレス解消をしに来た善良な一般人達だ。社会人はストレスが溜まる。
溜まったストレスをどう処理するかは人それぞれだが、彼らはこの町に――異能都市。異形異能忌まわしい
暗黒が集まった肥溜め、混沌の都市で人殺しという方法で解消してきた。
勿論、異能都市でも殺人は犯罪だ。ただし、毎日犯人が見つからないことが多い犯罪ではあり、殺人が
夕方のニュースに流れないほどに、一般的で平凡な犯罪である。異能都市で死んだなら来た方が悪いと
警察が言うほどの犯罪都市には、こういう輩が時折集まってくる。
「悪ぃね。俺たちも外には家族がいるんで、バレちゃあこまるんだよ」
男の一人が小型の拳銃を取り出す。一般的に広まっている拳銃より数段高級な趣味のやつが持つ、
魔術付加と最新鋭の技術が投入された、一般人でも異能者を殺せるという評判が広がっている高級拳銃。
その銃口を男の額に狙いつけながら、男は、愉悦と喜悦に満ちた殺人者の笑みで笑う。
「ばーん」
- 95 :緑乃壱瞑助/辻斬り ◆CROSS/.AzE:2010/05/18(火) 22:41:45 ID:HnkBBDEo0
- >>94
その光景を、見ていた男がいた。
「あー、ありゃ死んだなー」
夜目が利く瞳孔で、遠くからその様子を伺う。
ストレス解消集団とは関わりたくないため身を隠していたが、
どうやら集団は別の獲物を見つけたようだ。
「やれやれ、悲しくも世界は弱肉強食だね」
- 96 :逆瀬川 純鈴:2010/05/18(火) 22:44:33 ID:6ew.1yIs0
- >>94 >>95
「そーでもないと思うなぁ」
ひょっこりと背後に現れたのは、漆黒の髪を揺らす少女。
目元は、サングラスで見えない。
- 97 :逆瀬川 純鈴:2010/05/18(火) 22:45:48 ID:6ew.1yIs0
- >>96
中身)背後に→>>95の背後に
- 98 :地獄憑き:2010/05/18(火) 22:53:41 ID:/jo5cmzs0
- 引き金は引き絞られ、放たれた銃弾は男の額の肉を突き破り、頭蓋骨を貫通、柔らかなゼリーのような脳髄をぶち抜き、
そこで付加されていた衝撃拡散によって頭部をトマトのように爆砕させる。勿論、使用者に返り血がかからないように
噴出した鮮血は一方方向――路地裏に飛び散った。
「あーあ、あたしにやらせてほしかったのに」
「わりぃわりぃ、今度、有給を取ったらお前にさせてやるかさ」
携帯式機関銃を持った女が唇を尖らせるのを、男は笑って謝罪し、そして懐のポケットから煙草を取り出す。
外の煙草――魔草や麻薬が入ってない異能都市では珍しいタイプ―に火をつけようとして女が嫌がる。
「やめてよね。煙草吸わないでよ。あたし煙草嫌いなの」
「わりぃ…ったく、喫煙者には肩身が――――――」
狭くなるご時世だ、と続けようとした男は、しかし、声を出すことが出来なかった。ぎょろりと血走った瞳が自分の下を見て
自分の胴体がないことに気づき、次の瞬間、男の視界が暗転した。目の前の女は突然のごとにぎょっと体をこわばらせ、
そして男の全身を切り刻む無数の刃――いや、一本一本が人並もある金属の剣葉を見る。
「ごめんな」
その言葉を呟いたのは誰なのか、と悟るよりも早く女の頭蓋骨から足元までを巨大な棍棒が押しつぶす。
肉片とも血の塊ともいえない残骸に、声はどこまでも無感情に届けられる。
「脳をやられるとさ。理性が復元するついでにあっちと直結しちまう。俺を愛する地獄が出ちまう」
声は謝罪してるような内容だが、どこまでも無感情だ。まるで人形が喋っているような口調。一切の感情も届かない
声が呟いている間も、様々な拷問が、沢山な鬼が、無数の地獄が現れる。すぐさま善良な人々は地獄に落とされる。
断末魔と悲鳴と激痛が奔流する、奈落の底。
「理性があるうちに誰か止めてくれる奴がいねぇかな」
- 99 :朝宮夜:2010/05/18(火) 22:53:44 ID:/k2gysHgO
- >>94
「――え……!」
千夜学院の制服を着た、一目で女子高生と判る少女が、その光景を見て唖然と口を開けた。
反射的に体が動く。
少女が駆け出した。ニーハイブーツのヒールを激しくアスファルトを打ち鳴らし、唖のような男と、彼に凶器を突き付ける男たちの間に割り込む。
「ま、待って下さいよっ! この人が何をしたんですか!?」
- 100 :緑乃壱瞑助/辻斬り ◆CROSS/.AzE:2010/05/18(火) 22:54:41 ID:HnkBBDEo0
- >>96
「うおっ!?」
振り向く緑髪の男。
耳についたボディピアスがジャラジャラと鳴る。
「お、お前、いつからいた……?」
質問しながらもジリジリと距離をとる。
「くそ、後ろを取られるたぁ……不覚だぜ」
- 101 :緑乃壱瞑助/辻斬り ◆CROSS/.AzE:2010/05/18(火) 22:57:41 ID:HnkBBDEo0
- >>98
「って、うぉぉおおい!?」
ちょっと目を離した隙に路地裏はとんでもないことになっていた。
それと同時に、後ろにいる少女の言うとおりになったことを思い出す。
「なんだアイツ、不死身か?
くそ、これだから異能者は……」
>>99
その異能者に近づく少女を確認。
「今度の犠牲者はあいつか?
まったく、今夜も何人も死にやがる。
辻斬りの出番が奪われてばっかでたまりゃしねぇ」
- 102 :逆瀬川 純鈴:2010/05/18(火) 23:01:55 ID:6ew.1yIs0
- >>98 >>99 >>100
「ほーらね、言ったとおり。
話には聞いてたけどさー、やっぱ怖いなぁ」
そういいつつも、少女の口元は笑っていて。
「ん? ついさっき、ってとこかなー。
ほら、止めて欲しがってるよー。 ――離れないと多分死ぬけど、ね」
- 103 :朝宮夜:2010/05/18(火) 23:03:09 ID:/k2gysHgO
- >>98
「――……ぇ、」
驚愕に緊張した横隔膜が肺から押し出した息は悲鳴に似る。少女はやはり唖然とした面持ちで惨状を瞳に映した。
恐怖よりも驚きが先行した。それは少女の脳を侵し、ただ、唖然の沈黙だけを強要させる。
少女は動かない。――動けない。
- 104 :地獄憑き:2010/05/18(火) 23:10:05 ID:/jo5cmzs0
- 男の周囲には既に数十、いや百数十人なろうかという鬼達が集まり、それぞれの獲物を構え、
周りに殺意と喜悦の視線で見回していた。巨漢、巨人とも見間違おうばかりの鬼の男は
全長十メートル以上、その巨体には無骨な棍棒や斧、鉄鎖を握り締め、人間など蟻の如く
踏み潰すだろう。それとは対照的に鬼の女は妖艶であり、それぞれが纏っている雰囲気もまた
変わっており、雪を装飾のように纏っている銀髪の鬼から、燃え盛る炎を靡かせる褐色の女、
雷光や疾風などそれぞれの異能ともいえるべき、能力を迸らせている。しかし、
彼の地獄の本当の恐ろしさは、そういう精鋭の鬼、生まれながらの殺人鬼である彼らを従えることではない、
その本質、禍々しいまでの【殺戮鬼】とまで呼べる彼を止める誰かは現れるだろうか。
>>103
地獄憑きの視線が少女を捕らえるよりも早く男鬼の巨大な棍棒が振り下ろされる。
頂上から振り下ろされる一撃は、あらゆる生物を圧砕即死させるほどの威力を持つ。
棍棒の切っ先が、音速を突破した衝撃波を纏って、振り下ろされた。
- 105 :緑乃壱瞑助/辻斬り ◆CROSS/.AzE:2010/05/18(火) 23:13:48 ID:HnkBBDEo0
- >>102
「……お前は止めないのか?」
少女に尋ねる男。
ちなみに、男自身が止めるという選択肢は既に無いようだ。
>>103>>104
「いや、もう手遅れか」
一撃が当たるか当たらないか確認せずに、緑乃壱はその場から背を向けた。
「ちょいと今夜も辻斬ろうかと思ったが、そんな空気じゃねぇな。
今夜はちょいとお気に入りの茶器で夜を愛でるとするか」
そう呟くが早いが、緑乃壱はその場から一気に疾駆。
闇の中へと消えてしまった。
どうやら面倒事だと判断し、関わることを恐れたようだ。
- 106 :――――:2010/05/18(火) 23:15:50 ID:/k2gysHgO
- >>104
そもそも少女は果てしなくこの場にそぐわなかった。悪鬼羅刹が跳梁する文字通りの修羅場に、普通の少女は余りにもそぐわない。
ましてや、硬直状態。
――結果は言うまでも無かった。
朝宮夜はあっさりと、死亡した。
- 107 :八剣絵名:2010/05/18(火) 23:25:56 ID:LFPKEqg.0
- いつものように近道の路地を曲がった。
そのはずだ。
「……え」
何故、
「…………え?」
こんなにもちのにおいがするの?
橙の髪の少女は立ち尽くす。
- 108 :逆瀬川 純鈴:2010/05/18(火) 23:27:55 ID:6ew.1yIs0
- >>105
「えー。めんどくさいなぁー。
どうしてもっていうなr……あ、帰るんだ。ばいばーい」
闇に消える背中へ、小さく手を振った。
>>104
「やっほー」
なんて、場違いな挨拶と共に姿を見せる少女。
もう必要ない、とでも判断したのか、サングラスは掛けていない。
「ねぇねぇそこのオジサン、あたしと友達にならない?
ほらさー、なんか気が合いそうって言うかなんてゆーか」
この惨状を前にして尚、少女は微笑(わら)う。
――恐怖など、欠片も微塵も感じていない。
- 109 :地獄憑き:2010/05/18(火) 23:30:57 ID:/jo5cmzs0
- 「友達か――、なんか久しぶりに聞いたな、そのフレーズ」
地獄憑きは突然現れた少女に驚きつつも、その友達というフレーズに口元をほころばせるとは
対照的に、周りにいた鬼達は一斉に少女へと襲い掛かる。一番最初に放たれたのは無数の鉄鎖の
網だった。網と言っても普通の人間ならば血肉を抉り取り、先端についた分胴は人の胴体を穿つ威力だ。
- 110 :逆瀬川 純鈴:2010/05/18(火) 23:45:09 ID:6ew.1yIs0
-
明確なる"敵意(おに)"を前にして、何の対策も無しにわざわざ姿を現す筈がなく。
その鉄鎖は空を切る――否、"少女の目の前で消え、背後から現れた"。
「とりあえずさー、静かにして欲しいかな。めんどくさいしー、ゆっくり話もできないじゃん?
――っていうかさ、"無駄だからやめたほうがいい"よ。君達って、『死なない人間』、『生きてない人間』は殺せないでしょ?」
- 111 :地獄憑き:2010/05/18(火) 23:51:18 ID:/jo5cmzs0
- >>110
「君ってさ」
地獄憑きは少し頬をかいて、呆気にとられるように、しかし、どこか呆れ顔で呟く。
「地獄の鬼ってさ。生きてる人間も殺すけど、大抵、死んでる人間を相手にするんだよ。
つまり彼らは生まれながらの【死人殺し】 それに死なない人間? 地獄は罪を罰する場所。
死んでも生き返らせる、生き返らせたら殺すのが地獄。生きてるか死んでるかは彼らに、
俺に、俺の地獄に関係ない。逃げたほうがいいよ」
その言葉が終わるよりも早く、鬼の女達が一斉に放つ、百の異能の嵐が路地裏に吹き荒れる。
- 112 :百合代 命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/05/18(火) 23:57:06 ID:hHYjNBOM0
- 「――匂いがする」
嵐の傍にわざわざ踏む込んでくる青年が居た
「どうしようもなく汚い匂いが」
薄っすらと開かれた瞳と、少しだけ吊りあがった右の口端
見ている
現状を。
起こりうる事を。
路地の端から
- 113 :地獄憑き:2010/05/19(水) 00:00:27 ID:/jo5cmzs0
- >>112
新たな肉の匂いを嗅ぎ取った鬼男達が路地裏へと走っていく。
その数は五体。
決して多くはないが、その一体一体が一匹で並みの異能者なら嬲り殺すほどの
力を持つ。地獄憑きはまだ鬼達が走っていったことに気づいていない。
- 114 :逆瀬川 純鈴:2010/05/19(水) 00:04:32 ID:6ew.1yIs0
- >>107
さて、その視線の先に"地獄"を見たのならば、その中に"どこかで見た様な少女"の姿を視認するだろうか。
ちらり、と。少女の視線が、向けられた気がした。
>>111
「うんうん、確かにそうだねー。んー、言い方変えれば『生きていないし死んでもいない人間』だったら?
罰するのって『生前の罪』だよね。だったら『生きていないし死んでもいない人間』に、そんなものないと思うんだけどなー。
……むー、あたしじゃ『言葉で殺す』のは難しいかなぁ。……ま、いいや。
――それでもあたしは逃げないよ、君と話をするまではね」
- 115 :逆瀬川 純鈴:2010/05/19(水) 00:10:18 ID:6ew.1yIs0
- 中身)すっかり描写が抜けてた……
台詞の前に
『嵐』は"通り抜ける"。
少女に触れる一歩手前で消え、一歩後ろで現れ。
『歪み』だ。少女の一歩手前から、背後へと"繋がれ"ている
【接続】、それが少女の異能
- 116 :百合代 命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/05/19(水) 00:14:30 ID:hHYjNBOM0
- >>113
「…鬼の涙って宝石になったりしないのかな」
挑発でも悲鳴でもない言葉、言うなれば愉快
愉快だけを含んだ底知れない言葉。
吊りあがった口の右端は…ゆっくりと笑みの形となった
「…魔術程度でいいか」
手に握っていた炭酸飲料のペットボトル、それの蓋を開け空へと投げ捨てた
撒き散らされる水――いや、それはもはや水ではなかった、命の魔術――加速によって弾丸となったのだ
甘く爽やかな口当たりのする”弾丸”の雨、それが鬼たちの上空から降り注ぐ
- 117 :地獄憑き:2010/05/19(水) 00:18:12 ID:/jo5cmzs0
- >>114
「……君は一切の罪がないとそう自分を評価するのか?」
地獄憑きが呆れ顔でそう呟く間も鬼達の攻撃はとどまることをしらない。
無数の打撃が、異能が、牙や爪が、少女へと繰り出され、全てすり抜ける。
一体どんな能力なのだろうか、とふと思ったが地獄憑きはどうでもいいと思った。
ただ一つ、地獄憑きは指差す。
「君は嘘は言ったことがないとでも? 自分に対して、他人に対して、世界に対して」
次の瞬間、地獄憑きの周りから猛火が吹き荒れ、それは上空に立ち上ると無数の頭を持つ
業火の蛇となって牙をむく。
「叫喚地獄。嘘を言った人間を1600年間焼き続ける不条理で無慈悲の炎だ。
これは僕の意図じゃない。早く逃げたほうがいい。僕と友達になりたいという君の思いで十分――いや十二分だ」
- 118 :地獄憑き:2010/05/19(水) 00:21:40 ID:/jo5cmzs0
- >>116
全身を炭酸の雨に穿たれた鬼が地面に倒れる。
巨体が地面に倒れる音が響き、地獄憑きは猛火の蛇が立ち上る側で路地裏の向こう側を見る。
「新たなお客さんかな」
その言葉が終わるよりも早く、炎の大蛇の頭は二つに裂け、もう一方が路地裏の向こうへと走る。
猛火に触れた建物が、一瞬で融解していくことから並みの人間ならば一瞬で気化してしまうだろう。
- 119 :逆瀬川 純鈴:2010/05/19(水) 00:26:46 ID:6ew.1yIs0
- >>117
「嘘ってさ、吐き続ければ嘘じゃ無くなるんだよ。
ってゆーか、罪なんて突き詰めてしまえばただの『"思想(ルール)の押し付け"』でしょ? だからあたしは――"何も、悪いことはしてない"。そう言えるよ。」
少女は微笑(わら)う。
踵を返せば、溜息を吐いた。
「じゃ、そうするよ。"縁があったら"、またね」
そうして少女は、路地裏から姿を消した。
- 120 :百合代 命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/05/19(水) 00:29:15 ID:hHYjNBOM0
- >>114
気づいていない…?
いや「気づいているが眼中に無い」といったほうが正しい
微笑みも、手も、一切の反応も示さない
>>118
炎蛇の眼前に突如として現れる罅だらけの白刃
それで無理やり叩き切ったのだ
男の両側の壁は焼けとけた、だが男の抜いた刀を頂点に三角形の大地を作り上げた
だが受け止めた刀にはさらに黒い罅が一筋――
「……さっきから突然のアプローチだね」
煽るような笑み、そして焦げてしまったコートの裾を見て苦笑いする
- 121 :地獄憑き:2010/05/19(水) 00:35:31 ID:/jo5cmzs0
- >>119
「……消えたか」
少女がいなくなったことで地獄憑きの口調に温度が消え、無感情の声に戻る。
その全員から漂う気配が、一気に冷たく、まるで拷問機のような背筋に悪寒を走らせるような
雰囲気へと変貌、周りにいた鬼達が一斉に跪く。
「友達になろうと言ってくれたのはありがたいが、……今、必要なのは俺を止められる人間だ」
地獄憑きはゆっくりと路地裏へと歩み始める。
「せめて貴様は俺を止めてくれよ。理性があるうちに」
- 122 :百合代 命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/05/19(水) 00:44:14 ID:hHYjNBOM0
- >>121
「……自分で首も掻き切れないから止めろってこと?」
やる気がそがれたようで、鞘に刀を納めようとしている
「殺し合いをする気力がなくなっちゃったよ、ごめんね」
苦笑い
- 123 :地獄憑き:2010/05/19(水) 01:08:13 ID:/jo5cmzs0
- 敵の気配が消えていくのを感じて地獄憑きは歩みを止めた。
「帰ったか」
呆れたのかもしれない。自暴自棄が、わかってたのかもしれない。自暴自棄、
自殺できない……のではなく自殺した瞬間、地獄が溢れ出る。彼の理性がせき止めている
八大地獄の全てが開放され、まさにここは地獄の坩堝、悪鬼羅刹が蠢く異界へと変貌する。
死者の数は数千や数万では済まないだろう。だから理性あるうちに敗北する必要があった。
敗北を経由(プロセス)として地獄の完全具現化を防ぐ、それが理性が残っている今の自分が出来る
最大の譲歩策なのだから。
「死ねればどれだけいいか」
諦観、死願望。それなのに死ねないという理屈。地獄でもいいから死にたい。
地獄憑きは地面に落ちていた拳銃を掴み、そっと自分のコメカミに突きつける。
脳髄を吹き飛ばされ理性が戻った、もう一度撃ったならば今度は記憶が再生させられるだろう。
地獄に愛された忌まわしい理由と、神を呪ったあの時の記憶と、神が作ったこの世界を全て
死者の群れと、断罪の罰に沈みこめようとする憎悪の塊であった頃の自分が。
もはや八大地獄の具現化どころではない、最大現最大の効率を使って世界を滅ぼす魔王の一人となる。
「もう、どうでもいい」
拳銃の引き金を指で引こうとした時、目端に浮かぶ霊魂が見えた。一番最初に死んだあの愚者達とは
違う、どこか澄み渡っていて明るく太陽のような綺麗な霊魂。地獄を見続けてきたせいか、人間の咎を
見続けてきたせいか、その霊魂の美しさが胸を打った。人間の価値が素晴らしいもののように見えて、
自分が魔王となって滅ぼすことがどこか、空しくなった。
今もチリチリと脳みそが記憶を再生していくのがわかる、嫌な記憶が蘇り、ドス黒い感情が湧き上がってくるのを
その霊魂を見て、必死に耐える。いつの間にか、鬼達は忽然と消えていた。
「もう少し……いや、限界まで……頑張ってみるか」
霊魂に指を逃そうとした、地獄憑きの体が突然の衝撃にぐらつく。
「あ?」
地面に倒れ伏し、胸の生暖かい感触――に触れる。どくどくと溢れる血が流れ、全身の体が冷たくなっていく。
背中から貫通した銃弾が、心臓を打ち抜いたのだと、なぜか気づいた。
無音拳銃?なぜ?だれが?
疑問が浮かび上がる中、路地裏から十数人の足音が聞こえてる。
「はい、こちら、異能都市住民殺戮ツアーの目玉。異能都市の最低位置に値する屑どもが集まる路地裏でございます。
ここで殺した住民達は私たちツアー会社が責任もって処理しますので、どうぞ充分にお楽しみくださいませ」
「ひゃっはー、ほら、観ろよ。さっき俺が撃ったのがあったんだぜ」
「ばーか、まだ生きてるし。殺したほうが勝ちって言っただろ。ほら、今度は俺が頭を狙うぜ。
俺の勝ちだ、バーカ」
「うっせぇ、どっちが早くあいつを殺すか勝負だ」
馬鹿馬鹿しい声が聞こえてくる。ああ、糞、折角いい気分だったのに、どこまでも人間って奴は……。
バーン!
甲高い音と共に頭がはじけ飛ぶ感覚がわかる。
「ほら、やっぱ俺の勝ちだっただろ!」
…………馬鹿が…お前らの勝ちなど一生、永劫ないことを俺が教えてやる………。
地獄の底で未来永劫、死に続けろ、人間……。
- 124 :地獄憑き:2010/05/19(水) 01:14:16 ID:/jo5cmzs0
-
了
- 125 :甲:2010/05/19(水) 13:19:46 ID:wkpr312g0
- それは理解しがたい光景だった
昼下がり
昼食に向けて歩いていた所に、目に飛び込んできた人垣
何の気なしに覗いた―――その先
「……なん、だよ……こりゃ…」
鼻を突く刺激臭は死の臭い
関係者が隠そうにも、隠し切れない規模の《殺戮》の跡がそこに存在した
呼吸が荒い
喘ぐ様に動かす口は酸素を求め
激しい動悸が、保てない心の正常を全身に訴えていた
平静で居られない理由なんて考えるまでも無い
だってそこは
目の前のその場所は
どうしようもなく《地獄》そのものだったのだから
「―――」
吐き気がこみ上げ、その場を後にする
悪意が
視覚から感じた明確な悪意が廻る身体は
不快感と嘔吐感を持って拒絶の意思を示し続けていた
- 126 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/05/19(水) 21:25:36 ID:HnkBBDEo0
- 【【ID、PW認証】
【ユーザー情報を確認中】
【Now Loading...】
【...】
【...】
【...】
【銃寺森クロスがログインしました】
イデアの箱庭、電脳空間に現れる紅い人影。
紅いコートの裾を揺らし、クロスは紅いサングラスを押し上げる。
「さて、と。今日この時間で合ってる……よな?」
周囲の情報が上書きされ、フィールドが形成される。
それは……廃墟の町。
無機質なコンクリート
鉄筋が剥き出しになったビル
傾いた電柱
中途半端な崩壊を抱く、寂しい街の姿であった。
「……まだアイツは来ていないのか。
なに、待つのは嫌いじゃない」
半壊したベンチに座り、レンガが崩れ土がところどころ見えてしまっている公園の広場で、
クロスはゆっくりと相手を待った。
- 127 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/05/19(水) 21:29:20 ID:fqURxG6Q0
- 「待った……?」
少しの時間をおいて、後方からかけられる声。
相変わらずの無機質そうな顔。
その目線はクロスに向く事がありつつも、辺を眺める事を主としてる。
- 128 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/05/19(水) 21:32:53 ID:HnkBBDEo0
- >>127
「ああ、待った」
ゆっくりとベンチから立ち上がる。
「ずっと待ってたさ。お前と戦える時を。
なんだかんだ言って、お前の能力は気にはなっていたしな」
サングラスをかけたまま振り向く男。
「それにしても、俺は二回驚いたぜ。
一回目はトーナメントでお前の名前を見た時。
そして二回目は、お前が俺との対戦にまで進んできた時」
クロスの周囲の空気がパチリとはじける。
邪気が、魔力が、クロスの体から漏れ出す。
「ああ、待ちに待ってたさ。
やっとお前と……戦える」
- 129 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/05/19(水) 21:45:31 ID:fqURxG6Q0
- >>128
「……そういう事」
少女は長い髪を一つに束ね、リボンで結ぶ。
上がった顔は先程の何倍も人間味に溢れた顔で。
「俺も、お前が気になっていた」
「大会に参加した理由はそれ、だけだ」
顔の横まで持って行った手を勢いよくそのサングラスへ向ける。
黒い炎が手を追ってクロスの眼前まで飛んでいき、ふわりと消える。
「さあ、始めようぜ?」
- 130 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/05/19(水) 21:50:42 ID:HnkBBDEo0
- >>129
「……だけ?」
きょとん、とした顔で相手を見る。
黒い炎には内心「ビクッ」ってなってたけど、かっこ悪いのでなんとかノーリアクション。
「ま、いいか。
お互い気になってたってなら好都合。
ここらでその好奇心、満たすとしようぜ!!」
漏れ出していた邪気が、一気に奔流を始めた。
紅い金属が召喚され、装甲となり、クロスの体に装着される。
これがクロスの能力、
バッドエンドトリガー
『紅獄罰骨』
そして、装甲の名は――
クリムゾンブラストモード
「鉄血装甲『紅殻弾丸形態』殲滅型!!」
紅い紅殻に覆われた姿、それはまるで鬼のよう。
一本角のような頭部装甲が、存在感を重く放っていた。
「店長の実力、見せてやんよ」
- 131 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/05/19(水) 22:00:01 ID:fqURxG6Q0
- >>130
「あぁ、始めようか」
高く上げた両手をは雷が這い、それを黒い炎が包み込む。
黒い炎は足元にも浸り、少女の周囲を取り囲む。
「いいカッコしてるじゃねぇか……だがな――
―――本物の地獄の鬼って奴を見せてやるぜ!!」
両手を勢いよく振りおろすと炎が地を這い埋め尽くす。
- 132 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/05/19(水) 22:03:26 ID:HnkBBDEo0
- >>131
「――ッ」
雷と炎を纏った手を見た途端、クロスは身構える。
何か、来ると。
そして、
「って、炎かよォオオオ!!」
一瞬だけ炎の熱に炙られ、クロスは堪らず空に向かって弾丸のように跳躍した。
クロスは炎熱は苦手だ。
熱は金属を伝導して体内を焼き焦がし、温度が高ければ金属だって溶かされてしまう。
「くそ、どうやって近づけばいいんだ、ありゃ」
金属操作能力で、金属を浮遊させる要領で自身の体を空中に浮かせ、クロスは思案する。
まだ、攻撃はできていない。
- 133 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/05/19(水) 22:12:22 ID:fqURxG6Q0
- >>132
「生憎、俺はアイツよりも炎の扱いは得意だぜ?」
大きく広げた両腕に雷が集まる。
バチバチと音を立て光を発する。
「飛びな」
両手を身体の前で叩き鳴らし、それを合図に雷が飛ぶ。
「店長の力見せてくれるんじゃ無かったのか?」
ニヤリと笑い、誘って見せる。
- 134 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/05/19(水) 22:18:01 ID:HnkBBDEo0
- >>133
「アイツ? おい、何を言って……
……というか、ゼオラ?」
疑問に首を捻ったその時、
――バチンッ
流石に電気は避けられなかった。
――ガシャン
大地ではなく、廃墟の建物の屋上に墜落。
瓦礫と砂埃を撒き散らし、クロスは屋上に出来たクレーターの中からよろよろと立ち上がった。
「……ムカついた。
店長だから余裕で勝ってやろうと思ったけど、
バイト相手に上司が本気出したら嫌われると思ってたけど、
もう、手加減しねぇ」
真顔。
そして、金属を召喚。
金属の形は、巨大な十字架の銅像。
クロスの姿を隠し、建物すら半分を隠してしまうぐらいの大きさの銅像は、
ゼオラの上で浮遊している。
「ブッ……潰れろォーー!!!!!」
その銅像を、クロスは容赦なくゼオラに向けて空から落とす!
――シュバッ
それと同時に、何かコンクリートを抉るような、音がした。
- 135 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/05/19(水) 22:28:44 ID:fqURxG6Q0
- >>134
「何だよ?」
落ちたのを見て不意に笑みが漏れる。
追いかけようとし、身体を屈めた瞬間周囲が影で染まる。
―――!!
音を立てて落ちる銅像。
辺りは砂煙で覆われ視界が遮られる。
「何だよ、本気を出してくれないと楽しめないだろ?」
銅像の上。十字架に座る少女。
「俺も、お前も。
本気を出せよ。嫌ったりはしないぜ?」
片手を上げて、問いかけるような口調。
地面を覆う炎は少女が離れたからか消えている。
- 136 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/05/19(水) 22:33:49 ID:HnkBBDEo0
- >>135
――シュバッ
また、コンクリートを抉るような音。
――シュバッ
――シュバッシュバッ
――シュバッ
「じゃあ、遠慮なく」
ふいに、声がした。
声のした位置はゼオラから見て七時の方向。
そこには既に、腕を振りかぶっているクロスがいた。
先程のコンクリートを抉るような音は、クロスが周囲にある廃墟の壁を蹴り、
三角蹴りのように高速で移動していた時の音だったのだ。
召喚した大きすぎる銅像も、ただの視界封じ。
これで、ゼオラを倒せると思ってない。
ゼオラの不意を着く為に、クロスは小細工を弄した。
レッドラム
「死罪殺罰!!」
金属操作の力場を線路のように並べ、まるでレールガンのようにして、
クロスは自身の拳をゼオラに向けて勢いよく撃ち出した!
- 137 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/05/19(水) 22:45:25 ID:fqURxG6Q0
- >>136
「後ろか――ッ!?」
咄嗟に振り向き腕を重ねるも、その速さ故に厳しい物で。
クロスの腕は身体を突き抜け、深く刺さる。
「店長さんよ……まさか、まさかだが」
言葉を詰まらせながらゆっくりと吐いていくように言葉をつなげ。
また、ニヤリとした笑み。
「この程度で俺を倒せるとは……思って無い、よなぁ?」
影を伝いクロスの背後へ移動。
踵を振り上げた体勢で、集まるのは黒い炎。
「八式――堕シ鬼!!」
少女の言葉と共に、勢いよく振り落とされる踵。
- 138 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/05/19(水) 22:50:30 ID:HnkBBDEo0
- >>137
「ゲフッ」
――ズドォンッ
背中に踵落としを喰らい、地面に叩きつけられるクロス。
「小細工その1、失敗か」
クレーターの中で呟くが、その目は死んでいない。
背中の装甲は一部が熱くなっていたが、触れたのは一瞬だったため、ダメージは軽くできたようだ。
「小細工その2、いくか」
クロスが落ちた場所は巨大な十字架の足元。
そこからクロスは銅像に手を伸ばし、触れる、
同時に
十字架の銅像は変形し、巨大な棘の塊に。
ハリネズミのように全身から鋭い杭を生やし、
「小細工その2、発動」
十字架が、爆発するように、
その全身に生える杭が勢い良く射出された。
- 139 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/05/19(水) 23:03:00 ID:fqURxG6Q0
- >>138
「……ッ」
胴に一つの大きな穴が開いた。
それを確かめる為に胴の輪に腕を当てる。
通常の人間なら即死。
しかし戦闘用に作られた身体の為にそうは至らなかった様子。
それでも胴から流れ出る夥しい量は異常で有る様で。
不機嫌そうに舌打ちをすると空に跳び。
小さい針が肌に刺さり衣服を裂く。
空中で少女は睨みつける。クロスの影を。
「喰われな、鬼蔓」
クロスの背後から。クロスの影から。
伸びる何本もの腕が掴もうと襲いかかる。
- 140 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/05/19(水) 23:12:31 ID:HnkBBDEo0
- >>139
「おいおいおい、腹に穴空いてもまだ戦えるか」
立ち上がって口笛を一つ。
「っと、今度は何だ!?」
自身の影から出る腕が、クロスの肩を、腕を掴んだ。
必死に抵抗しているものの、動けないようだ。
「影……てめぇも影を使うのか!?
ち、厄介すぎる」
夜でも影はある。完全な闇など存在しない。
かならず世界のどこかに光はあり、 同時に闇はあるのだ。
それをクロスは痛感している。
「くそ……しっつけぇなオイ!!」
腕に掴まれたクロスはなんとか振りほどこうと暴れるが、
しかし、なかなか解放されない。
――王よ
――我らが王よ!!
「……てめぇらは黙ってろ」
そう言うとクロスは抵抗をやめ、腕を振り上げる。
レッドラム
「死罪殺罰!!」
クロスは拳を振り下ろした。
それは影から伸びる腕に対してではない。
自分の足元に向かってだ。
足元の地面は音を立てて崩壊し、クロスは暗闇の中へと落ちる。
廃墟とはいえ、下水道は街のいたる場所に通っている筈。
その中は暗闇で満ちているだろう。
クロスはその闇の中へと身を投げ込むことによって、逆に自身の影を打ち消した。
闇の中、クロスの姿は見えない。
- 141 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/05/19(水) 23:20:50 ID:fqURxG6Q0
- >>140
「舐めて貰っちゃ困る。
俺とアイツの本質は闇だぜ?」
地面に降り、ゆっくりと息を吐く。
流れる血は今だとどまらず。
「準備か……」
少女が呟いた後。
―――ズドン!!
下水道にも通る。とてつもなく大きな音がした。
- 142 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/05/19(水) 23:22:21 ID:HnkBBDEo0
- >>141
壁にぶつかりながらも闇の中を走るクロス。
「くそ、地下に潜っちまったか。
小細工3〜7まで中止。
8は保留だ、9で行こう」
――王よ!
――我らが王よ!!
「てめぇらの力はもう借りねぇ、って言っただろうが」
頭の中で響く声に対して呟いた、その時
――ズドン!!
「!?」
- 143 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/05/19(水) 23:31:32 ID:fqURxG6Q0
- >>142
未だ公園。
腕を組んで頭の中を回す。
(……単純な接近戦じゃあ勝てないか)
自分の胸に開いた穴がそう物語り。
(そういえば、なぁ……)
昔を思い出し。
「……っけど、やるしかねぇんだよねぁ頼むぜ?」
頭を掻き、背後の友に話しかける。
- 144 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/05/19(水) 23:35:44 ID:HnkBBDEo0
- >>143
「…………」
クロスからは地上の様子は分からない。
だが、相手も何か準備を始めているということは分かった。
「……行こう。小細工、その9だ」
――ドンッ
いきなり地面がひび割れ、中から紅い装甲が飛び出した。
頭部装甲からは生える一本角。
クロスの紅殻と見て間違いないだろう。
――シュバッ
紅殻は紅い軌跡を描き、一直線にゼオラへと突撃する。
- 145 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/05/19(水) 23:39:19 ID:fqURxG6Q0
- >>144
「……っ」
真横に跳んで避ける。
その影は紅殻を見据えたまま。
(何が狙いだ……?)
- 146 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/05/19(水) 23:44:53 ID:HnkBBDEo0
- >>145
――ギャッ
装甲はゼオラのいた地点にある地面を抉り、そのまま向かいにあるビルに突撃する。
倒壊を始めるビル。
それとは別に、ゼオラのすぐ後ろで声が響いた。
「後ろ、とったぜ」
その声は、まさにクロスのものであった。
では先程出てきた鉄血装甲は……
――ガランッ
倒壊するビルの中で、鉄血装甲がバラバラになって転がっている。
そう、鉄血装甲の中身は、空だ。
金属操作能力だけで動かしていた、空のデコイだったのだ。
ブラッドイーター
「処刑血刃『魂喰魔刀』!!」
紅い刃をその手に持ち、クロスはゼオラの腕へと刃を振り下ろした。
- 147 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/05/19(水) 23:54:16 ID:fqURxG6Q0
- >>146
「な……っ」
感情の籠って無い、起伏に貧しい声。
それの持ち主はまさしくゼオラ。
ただ、先程までとは雰囲気が違い。また。真っ黒。
それは服装がでは無く、単色。そこだけ人型に黒い。
―――!
腕が飛んだ。不思議と血は流れない。
「フハハハそっちは本物だ!」
表の人格を影に宿らせる事での、小細工。
裏の存在は滾らせた炎を構え、クロスに付きつける。
- 148 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/05/19(水) 23:57:53 ID:HnkBBDEo0
- >>147
「?
……? ?!」
事態がうまく掴めない。
いきなり黒い人形となった相手。
腕は飛んだが血は流れない。
なんなんだ? 相手は一体どうなっている?
目の当たりにしている自分にも、相手がどうなっているのか分からない。
「?? ……?」
疑問で満たされるクロスの脳内。
とりあえず、距離を置く。
- 149 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/05/20(木) 00:07:48 ID:fqURxG6Q0
- >>148
程なく、クロスの視界の黒で埋め尽くされた部分は弾ける。
斬られた腕からゆっくりと。だんだんと。細かく細かく細かく割れていく。
クロスの視界にもう一つ。下水に潜る前と違うところ。
公園の中央に。巨大な、巨大な剣がある。
剣の刃は透きとおり、柄の部分に付けられた女神は笑ってクロスを見ている。
その隣。
「楽しんでくれるか?」
女神の隣。色のある少女はニッと笑う。
その瞬間、弾けた黒が無数の刃として襲う。
- 150 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/05/20(木) 00:14:56 ID:HnkBBDEo0
- >>149
「――――」
脳が理解の範疇を超えている。
何が起こっているのか全くわからない。
だが、女と目を合わせた瞬間、
――ドスッ
――ドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドス
無数の刃が、クロスを貫いた。
「が……はッ……ぁ」
両手でなんとか頭と心臓はガードしたが、それでも大量の刃を受けてしまった。
紅い鮮血がドクドクと流れる。
――王よ!
――我らが王よ!!
頭の中で響く言葉を無視して、クロスは口を開いた。
「……影を、自分の影すら操作できるのか?」
- 151 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/05/20(木) 00:20:52 ID:fqURxG6Q0
- >>150
少女は自らの影を伸ばし、ナイフを作る。
手元で遊んだ後投げつける。
「できるみたいだな?」
少女の座る巨剣の持ち主は未だ現れない。
- 152 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/05/20(木) 00:28:42 ID:HnkBBDEo0
- >>151
――ギンッ
投げられたナイフを弾き飛ばし、クロスは相手を睨む。
「なるほど、じゃあ俺が切ったのはお前の影か?
闇を操る能力が、こんなに厄介とは思わなかったよ」
そう言いながらも、意識が揺らぐ。
――王よ!
――我らが王よ!!
ああ、負けたくねぇなぁ。
でも、こいつらには頼りたくねぇなぁ。
――王よ! 何を言う!
――我らの存在こそが王自身の力の権化なり!
……どういう、ことだ?
――王が今まで喰らってきた、死も、思いも、恨みも、
――全て王の糧となり、この地獄の中に生きている!
――さぁ王よ! 玉座へ!!
クロスの精神世界では、クロスの前に髑髏の王座が置かれている。
それはクロスにしか見えない光景。
ゼオラから見れば、クロスはただ上の空で空中を見つめているだけだ。
――王よ!
――我らが王よ!!
――その御身を玉座に座らせ、いま真の地獄の王として君臨せよ!!
「ああ、」
負けたく、ねぇなぁ。
クロスはただ、呟いたのみ。
- 153 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/05/20(木) 00:37:49 ID:fqURxG6Q0
- >>152
「影……まあ、そうだが」
「正しくは……生きた影。俺の半身ってとこか」
「準備できたか、店長?」
少女の背後。巨剣を持つ者はそこにいた。
人型でありながら龍の頭。
全身を覆う鎧。
そしてその巨大な体。
「俺は準備完了だ」
目線を背後の使い魔に向ける。
- 154 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/05/20(木) 00:50:41 ID:HnkBBDEo0
- >>153
「……なるほど」
クロスの目つきが変わった。
全身に刃を突き立てられ、血が流れているというにも関わらず、
クロスの目は死んでいない。
まだ終わっていない。
終末への引き金を引くには、まだ早すぎる。
「ちょっと待ってろ、準備だな。
すぐ、済ませてやんよ」
――王よ!
――我らが王よ!!
精神世界。
紅い地獄。
罪人異形達が口々に叫ぶ中、クロスは王座へと近づき、
――我らが王よ!
――今その御身を……
「んなもん、知るかァァアアアアアアアアアアアア!!!!」
思いっきり、蹴りをブチかました。
たった一発。その一発の蹴りで、髑髏の王座は脆く崩れ去る。
「てめぇらの意志なんざ知ったことか!
俺は前に進む! 泥水を啜ってでも生きて前に進んでやる!!
てめぇら死人がガタガタと文句垂れてんじゃねぇ!!」
紅い夜の下、クロスは叫ぶ。
「俺は前に進む! 決して振り返るものか!!
こんな場所で終わるつもりはねぇ!!
お前らの方こそ、俺がいなくなったら困るってんなら……
この俺に勝手についてこい!!」
夜が、明けた。
輝く朝日が昇り、水銀の海を照らす。
しかし真上まで上ることはない。
月と日が同時に紅い空に存在する、永遠の逢魔が時の世界となった。
「行くぞ、野郎共。行進の始まりだ」
――バキンッ
現実世界。
クロスに突き刺さっていた影の刃がいきなり砕け散る。
見れば、クロスの体から大量の邪気が溢れ帰っている。
その邪気の奔流に、刃が耐え切れなかったのだ。
――肉の杯は塵となり、骨は砕けて灰となる
Dead bodies on the ground.
――しかし御霊は残響し、魂響となりて囁き叫ぶ
The ghost crawled out, the ghost crawled in.
詠唱が、始まった。
- 155 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/05/20(木) 00:57:20 ID:fqURxG6Q0
- >>154
「良いぜ、待つ」
剣に腰かけたままクロスを見つめる。
少女の体も限界に近付いており、恐らく次が最後。
最後の一撃へ技を残すべく、今は黙る。
- 156 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/05/20(木) 01:08:15 ID:HnkBBDEo0
- >>155
「――優しいな、ゼオラは」
ふ、と血だらけの顔で笑い、
一気に詠唱する。
――喰らわれし者の信念は、喰らいし者の糧となり、
His appetite is filled up.
――腹で満ちる夢によって我が幻想を現創す
And he realize one's long-cherished wish.
――血潮は鉄《クロガネ》、肉は銅《アカガネ》、骨は銀《シロガネ》、心は黄金《コガネ》
The body is created by inorganics, minerals and metals.
――千滅の焔、色持たぬ温度、終わり無き無限を孕む鋳造の炉
The heart is created by flame, blaze and Gehenna.
――光放つ鉱石、無念の魂により、
Cross and growing soul ...
――今、此処に
has to be doing just...
――異形の舞台が幕を開ける!!
open the “Freaks circus”!!
――罪の杯は塵となり、業は崩れて灰となる。
Criminal on the ground.
――しかし業は残響し、罰となりて囁き叫ぶ。
The industry eats it, eats it, eat it!
――喰らわれし者の信念は、喰らいし者の糧となり、
His appetite is filled up.
――腹で満ちる夢によって我が幻想を現創す
And he realize one's long-cherished wish.
――血潮は鉄《クロガネ》、肉は銅《アカガネ》、骨は銀《シロガネ》、心は黄金《コガネ》
The body is created by inorganics, minerals and metals.
――千滅の焔、色持たぬ温度、終わり無き無限を孕む鋳造の炉
The heart is created by flame, blaze and Gehenna.
――光放つ鉱石、無念の魂により、
Cross and growing soul ...
――今、此処に
has to be doing just...
――異形の舞台が幕を開ける!!
open the “Freaks circus”!!
ロックを歌うような超々高速詠唱。
それと同時に、クロスは刃に詠唱の力を込め、
「罪人跋扈、装填」
その刃を自身の身体に突き刺す。
途端、光が溢れる。
光がおさまればそこに現れているのは……
黒い紅殻。
そこの漆黒の装甲に、紅い魔術回路が走ってゆく。
頭部目元にあるバイザーは右目部分が内側からはじけ飛び、紅いレンズを粉々にする。
内側から覗く十字眼球。
髪の毛は白く染まり長く伸び、邪気の奔流に合わせて尾のように波打つ。
腰から下には刀剣のような形の翼が並び、クロスの後ろをグルリと回って扇情に並んでいる。
クロスブレイム
「極刑鬼神『咎喰十字』」
クロスがそう言うと同時に、クロスの頭部にあるサークレットのような装甲が内側から弾け飛んだ。
装甲を弾き飛ばしたのは頭の両側から生える黒い角。
ついにクロスは、本当の鬼となった。
「もう小細工は無しだ。いや、敢えて言うならば、
『正面から最大最強の力をぶつけ、お前を真正面からブッ飛ばす』というのが策だな」
その手に形成する巨大な剣。
黒く禍々しく、片方には牙のような突起がズラリと並ぶ凶悪な剣。
その牙にかかった「存在」は、なんであろうと食い尽くす!!
名を、
ブレイム
極刑剣「咎喰」。
「行くぞバイト!! これが店長の力だ!!!」
クロスが力を込めれば、極刑剣は邪気を喰らって紅く光る。
その剣を携え、クロスはゼオラへと走りこむ。
- 157 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/05/20(木) 01:26:25 ID:fqURxG6Q0
- >>156
「フン……お前にだけだ」
「準備はできたみたいだな?
それじゃ……行くぜ!!」
「グレンデル!!」
巨剣を持つ物を呼び、身体に纏う。
鎧の一片一片をその身に纏い、少女は飛ぶ。
刃の鎧が羽となり。
刃の鎧が月に輝く。
「最大火力の力、見せてやるよ!」
全身に世界の破片を纏う少女は吠える。
羽を広げ世界を喰っていく少女。
上空では破壊された空が新たな色に塗り替わる。
「裏零式―――!!」
上空から拳を向けた少女がとびかかる。
- 158 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/05/20(木) 01:29:22 ID:HnkBBDEo0
- >>157
「なんだ? デレか?
期待しておこうか!!」
クロスの腰の周りにある刀剣翼が展開。
羽のように広がり、クロスの体を撃ち出す。
「うおおおおおおおおおおおお!!!!」
クロスは紅く輝く極刑剣を振り上げ、ゼオラ向けて上から振り下ろした。
- 159 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/05/20(木) 01:36:16 ID:fqURxG6Q0
- >>158
「そう思いたけりゃ思ってろ―――よ!」
「もう一度、やってみろよ!
俺をブッ飛ばしてみな!!」
真正面。
極刑剣に対し拳を突き当て力強く押すのみ。
- 160 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/05/20(木) 01:40:48 ID:HnkBBDEo0
- >>159
「――ハッ!!」
そのゼオラの拳に向かって容赦なく極刑剣の牙を突きたて、
「ああ、世界の彼方まで。
あの空の向こうまで!!」
ブッ、飛ばす。
ブレイム
「極刑剣『咎喰』、咆哮轟唱!!!」
極刑剣の中に眠る魔獣が牙を剥く。
全てを喰らう渾身の斬撃が、まさに、
ゼオラの真正面に対して撃ち込まれた。
- 161 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/05/20(木) 01:50:34 ID:fqURxG6Q0
- >>160
「チッ……」
一瞬だけ、口から息が漏れる。
クロスの極刑剣は少女の身体を飲み込んでいく。
魔獣が、少女を喰らった。
下半身全てを喰われ、腕の力を振り絞る。
「おぉ……らッ!!」
極刑剣に衝撃を加え、距離を離した。
「楽しかったぜ、店長?」
上半身のみとなった身体で微かに笑いながら地面に落ちていく。
- 162 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/05/20(木) 01:54:04 ID:HnkBBDEo0
- >>161
――ガシッ
肩に巨大な剣を担ぎ、クロスは落ちてゆく少女を見つめる。
「そりゃこっちのセリフだ。なかなか魅させて貰ったぜ。
それに……」
そっと、目を閉じる。
脳裏に移るのは、永遠の逢魔が時の中を進む己の地獄の光景。
「……いろいろと、見ることが出来た」
最後に、血だらけの顔でニカリと笑ってクロスは言う。
「なかなか傑作だったぜ、アルバイト!!」
- 163 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/05/20(木) 02:01:37 ID:fqURxG6Q0
- >>162
「バイトバイトうっせぇ……」
ばつの悪そうな顔でそう言って。
「まあ、後は頑張れよ、店の為にな」
地面に付く間際、この世界を去った。
- 164 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/05/20(木) 02:08:43 ID:HnkBBDEo0
- >>163
「なんだ? 名前で呼んで欲しかったか?
ま、考えとくさ」
今回はただ、
「店長である」ということを誇示したかったようだ。
クロスにとって店は自分の城も同じ。
安全な場所でなくてはならないし、それを守るクロスも強くあらねばならない。
だからこそ今回、自分の部下に当たるゼオラにはムキになった。
ムキにならねば勝てない、強さであった。
いや、もう全身全霊、本気と言っていいだろう。
「さて、と」
自分の角を弄りながら、クロスは夜空を見上げる。
思いっきり息を吸い、
「勝ったぞオラァァアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
また一歩、前に進んだことを世界に向かって大きく叫んだ。
- 165 :甲/準決勝:2010/05/21(金) 21:08:53 ID:KE2UskXwO
- 「ふー!」
ぽよん
「ふふー!」
ぽよん
「あっはっはっは!おもしれー!」
【"箱庭"――玩具箱フィールド】
「フーセンなんて膨らましたのいつ以来だよ…」
パステルカラーの世界に鮮やかな赤色がひとつ加わった
- 166 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/05/21(金) 21:28:17 ID:PMt0ERXQ0
- 蒼い転送音。
光の粒が飛び散るエフェクトが瞬き、その中心に彼女は現れた。
「遅れちゃってすいません!」
メイド服、
狐の御面、
一対の白い羽、
常と一切変わらない、普段通りの恰好。
一本の白い日本刀を両手で握りながら頭を下げるその姿も、いつもと一緒。
ゆっくりと頭を上げて、彼女は訊ねる。
「…………待ちましたか?」
- 167 :甲/準決勝:2010/05/21(金) 21:37:16 ID:KE2UskXwO
- 「………いや」
顔が
綻んだ表情を慌てて引き締めた様な顔がそちらを向く
「案外……平気でした」
たくさんの玩具に囲まれて
童心に還りまくっていた
ばつが悪そうにソフビ人形を床に置く
都市中に中継されてるのに…
- 168 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/05/21(金) 21:44:00 ID:PMt0ERXQ0
- 「あ………………」
家政婦は見た。
見てはいけないものを見てしまいました。
――――――いいえ、『私は見なかった』。
所在無さ気に羽先が、ひょこひょこと揺れる。
気まずそうに彼女は黙り、視線をうろちょろさせていた。
「え、と…………。
その。私は、何も見ませんでしたから」
ふ、と甲さんが置いたソフビ人形が目に留まる。
離せない。
何ものだろうか、あのソフビ人形。
少し、一瞬、見ただけなのに、目が離せない。
「……………………何も、見てません。…………です」
がっつりとソフビ人形を見ながら、彼女は呟いた。
- 169 :甲/準決勝:2010/05/21(金) 21:51:48 ID:t03VdKqY0
- >>168
デジャブ
圧倒的にこの雰囲気、デジャブ
「出会いの焼き増しか―――ッ!?」
ファーストコンタクト時の恥ずかしさを思い出してぬいぐるみの山にダイブした
しかし直ぐにひょこん、と顔を出す
「仕切り直そう」
スッと手を出して
「では、登場シーンからどうぞ」
- 170 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/05/21(金) 22:01:22 ID:PMt0ERXQ0
- >>169
そういえば、初めて会ったときもこんな感じだったっけ。
彼女は思いながら苦笑し、頷き、
「……はい、わかりました」
羽を広げ宙を掴み、玩具箱の上空まで飛んでいく。
十秒と幾秒か後。
かつん!と編み上げブーツが床を叩く。
畳んだけれど抵抗を受けたのか、彼女の羽根が軌跡を描いていた。
はらりはらりと、数十枚の羽根が着地した彼女に降り注ぐ。
「…………こんばんは」
- 171 :甲/準決勝:2010/05/21(金) 22:06:52 ID:t03VdKqY0
- >>170
「(………素直だ)」
微笑ましくなった
戦意を削ぐ為の計算づくの行動であれば大成功であった
「よう、いよいよ準決勝……てっぺんがそこで待ってるからよ、いっちょ勢い良く勝たせて貰うぜ」
ビシッ!と人差し指を突きつける
完璧な決戦前シーンだ
頭にねこのぬいぐるみが乗ってさえしなければ…
「しまったァ―――!?」
- 172 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/05/21(金) 22:19:35 ID:PMt0ERXQ0
- >>171
笑ったら負けだ、とでも思っているのか、彼女は肩だけを震わせる。
柄を握り、音なく笑いながら引き抜いて、赤い切っ先を甲さんに向けた。
「…………負けません。私は、負けませんから」
少し、声は震えていた。
「勝ちます!」
- 173 :甲/準決勝:2010/05/21(金) 22:25:56 ID:t03VdKqY0
- >>172
「良い気概だ――――よし、来い!」
ザッ―――グッ
左半身を前に、右拳を引き気味に構える
膝に余裕を持たせた中腰の姿勢は、あらゆる局面に対応出来るよう自然と身に付いた"戦闘の体勢"
賑やかな色彩の世界に
ふわり、とどこからとも無く風が吹く
風は甲を中心に、くるくるくるくる遊ぶように舞う
「―――」
集中
対峙する“masked romance”を視界の中心に置いて
いつでも来いよ、と挑発的な表情を浮かべた
- 174 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/05/21(金) 22:41:26 ID:PMt0ERXQ0
- >>173
突きつけた刄の柄頭を左手で握っり、切っ先を地に向ける。
右足を前、左足を後、体の前面を甲さんに向けた状態。
剣道で言う、下段。
基本的に〝待〟としての構え。
迫る相手に、やや変則気味の昇る太刀を浴びせる為の姿勢。
けれど、御面の奥から甲さんを見ると、多分、自分と同じ〝待〟の体勢。
突っ込むか、
それとも相手が焦れてやってくるのを待つか、
二秒、彼女は考えながら甲さんを見て、彼女は腹を括った。
『来いよ』と、相手が言うのなら。
行かずして〝ヒーロー<正義>〟を語る資格はなく。
鍔元を握る右手に力を込め、左足で地を蹴り右足を前に一歩踏み出しながら、刄を地から天へ、
そこにいる誰かを斬るように、刃を上に上に向けて斬り上げた。
ミカヅキ
「〝赫光・上弦〟!!」
彼女が叫んだ名の通り、放たれ、甲さんに迫る赤い斬撃は三日月形。
色から推測されるに、かの斬撃の属性は火。
正面から、迫る。
- 175 :甲/準決勝:2010/05/21(金) 22:53:12 ID:t03VdKqY0
- >>174
「(正面―――良い度胸だ!)」
その正攻法に、武者震いが背筋を駆ける
「(ギリギリまで見定めて――――ここ)」
前に出した左足を僅かに上げ、軸となる右足を基点に身体が"回転"する
背中スレスレを攻撃が掠めた
「斬撃を飛ばす、か……やるじゃねえか!」
体勢は反転、ふわりと回った身体、浮かせた左足を地に付き
―――ドンッ
そこを蹴る
右回転から左回転にシフトチェンジしつつ、甲は“masked romance”へと迫る
「ファーストアタックッ!!」
遠心力を乗せた右回し蹴りを中空で振り出した
- 176 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/05/21(金) 23:12:21 ID:PMt0ERXQ0
- >>175
綺麗だなと感じた。
自分みたいに大きく飛んで躱す、なんて不細工な躱し方じゃなく、
回り、ぎりぎりで躱して勢いを殺さずに利用し、次の瞬間には踏み込んで相手に迫る。
無駄のない洗練されている技、大違いだ。
「(…………違う、)」
鈍臭い自分では、一年練習してもあんな芸当はできない、と。
目の前にいて、右足を振る甲さんを見て彼女はそう、感じた。
負けていられない、とも。
彼女は感じる。
マンゲツ
「〝赫光・望〟!!!!」
彼女は、防御を考えず自身の一撃と相手の一打を交換することにしたのか、
狙いを大雑把に、〝甲さん〟と決め、先の一撃で空を上った刀を振り下ろした。
これもまた、先と同じく。
赤い刃が描く軌跡が赤く染まり、斬撃として飛ぶ一撃だった。
- 177 :甲/準決勝:2010/05/21(金) 23:28:13 ID:t03VdKqY0
- >>176
「―――ちッ!」
ヒットポイントを見詰める視線は、そこに割り込んで来た刃の赤を見る
――クン
蹴り抜く為に伸ばした足先
その叩き付けようとした足首を僅かに反り上げ
―――ギャンッ!
赤い満月に靴底を沿わせる
僅かに食い込む刃
「―――っの、やろ!」
しかし直後に甲の身体は、“masked romance”と自身の攻撃とがぶつかる反発力で再び中空に舞い上がる
「"赤煌"ッ!!!」
宙返りする身体、その地面までの途中で両腕に"紅蓮の篭手"を具現化させ
―――ジャリジャリジャリッ!!
不完全な体勢の着地を、腕の力で無理矢理成功させた
玩具の山が割れる
「……そう易々とは貰ってくれねーか…!」
流石準決勝、と口腔内で賛辞し
次の動きに備える為に燃える様な赤の瞳を“masked romance”に向けた
- 178 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/05/21(金) 23:52:09 ID:PMt0ERXQ0
- >>177
体がよろけた。
本来なら一回転する技である〝赫光・望〟は成功せず、丁度半分。
刀を振り下ろした辺りで消えてしまった。
攻撃を受けて、意志に反し体が後退する。
けれど頭は、すぐさま追撃を放とうと考え、同時彼女は甲さんが飛んだ方をを見ていた。
玩具の山が崩れた。ともすれば当然、山を構成していた玩具は刹那の浮遊を経験する筈で――――狙いは定まらない。
だから、どうした。
彼女は呟いて、切っ先を天井向けて振り上げる。
ミカ
「〝赫光・――――
…………う……々………って…………か…!
不意に、声が聞こえた気がした。
ヅキ
――――・下弦〟!!!」
最初と同じ赤い斬撃。
三日月形の牙を、大体あそこら辺、と見定めた甲さんの落下地点向けて放った。
- 179 :甲/準決勝:2010/05/22(土) 00:08:01 ID:t03VdKqY0
- >>178
「――――へ、もうあんよがおぼつかねえか?」
割れた玩具の中心に構える甲
先程より開いた距離―――故に、定かでは無い狙いも良く見えた
赤い斬撃は避けるまでも無く甲の立つ横に吸い込まれ
ボフゥン!
そこにうず高く積載したぬいぐるみ群を切り裂いた
"赫光下弦"の威力で舞い上がるダウン、綿、そばがらetc...
明らかに異常なまでに巻き上がるそれは、恐らくきっかけを利用した甲の能力によるものだろう
そして綿がら達はヴェールとして甲の身体を隠す
「―――」
その奥で蠢く気配
甲は動いた
キュキュッ
スニーカーが床を摺る音、それは如実に接近を知らせ
ぬいぐるみの中身が散乱する最中、“masked romance”のすぐ側面で気配は止まる
膨らむ"威圧感"
側面の存在は―――次の行動に転じようとしている
- 180 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/05/22(土) 12:20:05 ID:PMt0ERXQ0
- >>179
視界は、悪い。
自身の〝赫光・下弦〟は刀が描く軌跡を、炎で形作り飛ばす、あくまで『太刀を飛ばす』為の技。
炎で作られているため火属性の付与も与えられているけれど、大きく分類した場合〝斬〟属性の技に当たる。
ともすれば、舞い上がるぬいぐるみは自身がやったわけではなく、甲さんの仕業。
――――風の能力でしょうか?
思い、しかし結論が出るわけもなく。
甲さんが嘯いた挑発に、振り上げた刀を再度振り下ろし、追撃で応えようと彼女は、
キュ、キュッ、――――――――
腕に力を込めたままの姿勢で、彼女は固まった。
前か後か右か左か、
御面のせいか、悪い視界は尚悪く、
相手の位置が今一、わからなくて、どこに向かって振り下ろせばいいのか、
振り下ろすに振り下ろせない。
自身の羽に、綿がらがくっついている。
髪やヘッドドレスにも乗っているのを感じながら、迷っていた。
「(………………どう、すれば……!……)」
時に直して五秒ほど。
しかし、自分が感じるにそれは長く、
一秒が十秒、
二秒が一分、
三秒が――――――――
蛇口から水滴が落ちるのを見ている感覚に近い。
御面の奥で歯を食い縛り、必死に目を凝らす。
無意識に僅かに一歩だけ右足を前にずらした。
綿がらの一つ、
なんの意味もなく、そこに甲さんが隠れているんじゃないか?
なんて在らぬ幻想に駆られ、注目していた白いそれが突如、舞い上がる。
見上げようとして、顎を上げた。
それと同時、自身の隣、もっと言うなら左から湧き上がる〝威圧感〟。
反射的に、刀を自身の目の前、真正面、甲さんから見れば意味のわからない咆哮に振り下ろす。
シンゲツ
「〝赫光・朔――――!!!!!」
- 181 :甲/準決勝:2010/05/22(土) 13:29:55 ID:A7D/Oa160
- >>180
剣圧で綿がらのヴェールが散る
左右に分かれたそこに在るのは―――
「外れ」
―――最初に甲が弄んでいた脹らみに膨らんだ…"風船"
ッパァアアンッ!!!
刀が風船を捉え、鼓膜を揺さぶる炸裂音が響き渡った
その刹那
――ギャリギャリギャリギャリ…!!!
甲は“masked romance” の背後を沿うように回転する
身体の回転は膨大な遠心力を生み
僅か数メートルで数十メートル分の助走効果を乗せる
「獲ったァ―――!」
そしてその破壊の威力を拳に込めて
右側面から刈り取るようなフックパンチが放たれた!
- 182 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/05/23(日) 00:19:49 ID:PMt0ERXQ0
- >>181
風船が破裂し、音が鳴る。
ヒィン、と鼓膜が変になるのを聞きながら、彼女は、甲さんの回転を見下ろしていた。
「外れじゃないんです、これ」
甲さんの拳は、彼女の体に減り込む感触の代わりに、空を殴る感触を得る。
シンゲツ
「〝赫光・朔〟は名前の通り、見えません。
自分がいる場所から、発動する寸前切っ先が向いていた方向に5メートル前後転移して、
それと同時に任意の場所に斬撃を飛ばす、さっきまで使っていたミカヅキやマンゲツとちょっと違う技なんですよ」
さっきまで彼女が立っていた場所の、左隣。
甲さんが立っていた床に、一つ、巨大な刀を刺したような細い穴が空いていた。
ミカヅキ シンゲツ
「〝赫光・上弦〟から始まって、今使った〝赫光・朔〟で終わる私の〝々月<カゲツ>〟は連続技なんです」
羽を広げて宙空に漂う彼女は、パステルカラーの床に大きな影を落としていた。
軽い、少し幼さを残した彼女の声が、ばさり、ばさり、という羽搏きの音に紛れて、落ちてくる。
ミカヅキ マンゲツ
「最初の〝赫光・上弦〟を囮にして、次の〝赫光・望〟が本命…………、
マンゲツ
でも、〝赫光・望〟は当たったためしがありませんから、実質牽制なんです。
ミカヅキ
だから〝赫光・下弦〟が本命になるんですが…………これもあんまり当たらなくて…………。
シンゲツ
結局、今使った〝赫光・朔〟が一応、本命ですね」
これも当たりませんでしたけど、と彼女は苦笑を洩らした。
「先に三つで真正面からと油断させて、あわよくば倒します。
仕留められなかったら、相手は多分反撃にでて来ますから、そこを叩く、という…………ちょっとずるい技ですね」
- 183 :甲/準決勝:2010/05/23(日) 00:46:47 ID:KE2UskXwO
- 「ァア――とっ…とぉ!?」
空振り
独楽の様に廻る身体は所在無く更に数メートル進んで
「……こんにゃろめ」
キュッ――と止まる
視線は影を
次いで空の相手へと追う
「…ふん、成る程な…」
流暢な説明に相槌を打つが…
「(…やっべワカンネ…まぁ…何か避けれたみたいだし結果オーライ?)」
…理解力は微妙なライン
「………ち、仕切り直しか」
場を良い感じに活かせたなぁ…としたり顔を浮かべる積もりが
こちらも向こうも結果"空振り"
手の内を見せ合いながらも遅々として進展しない現状に
「…」
やはり僅かに心は焦れる
「(猪突猛進上等かと思いきや…"抜き"も有る……なかなかどうして…)」
ペロリ、と乾いた唇を潤して
「おもしれぇ…!」
両足に再び力を回す
昂る心に呼応して――鮮やかな勢いは更に加速する…!
- 184 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/05/23(日) 01:12:20 ID:PMt0ERXQ0
- >>183
――――さて、と。
技を最後まで持っていけた、
それはいい、なのにどうして当たらない。
緊張しているのだろうか、それとも相手が強いから?
羽搏きを止め、翼を広げて滑空。甲さんとの距離が6メートルほどの地点に彼女は立った。
「………………しまっちゃいました…………」
意味のわからない単語、
多分、彼女は『しまった』を丁寧に言ったつもり、を呟いて、僅かに俯く。
「…………説明しなければ……二回目も使えたかもしれないですね…………」
どうしようかと逡巡、
二秒後彼女は、緩い、緩い姿勢になった。
翼を広げ、右手のみで刀を握りだらりと下げた、吹けば揺れそうな構え。
ベーディイガル
「〝内包する大気〟」
呟き、彼女は羽を揺らす。
淡い光が燈る羽根が無数、彼女の周囲に散った。
中
居られましたか……!……ありがとうございます。
今日の夜というか、今日、来るの遅くなっちゃってすいませんでした。
- 185 :甲/準決勝:2010/05/23(日) 01:28:21 ID:1rdgPB2s0
- >>184
//フフーフ…俺の待機レベルを甘く見たな…
//ともあれ時間的におねむなので、このレス置いて落ちさせてもらいま
べ、と舌を出して
「同じ技が通るほど甘かぁねえさ」
説明うんぬんよりも、展開で読む
実戦勘の鋭さに自信を持つが故の弁であった
「……ウイングゼ○…!…じゃねぇ」
仄かに光り、舞い散る羽根にラウンド2の開幕を予感し
「(意味は知らんが仰々しい響きの名前…布石か……さぁて、攻める技か守る技か……)」
攻めているのは、自分か――相手か
「(一挙手一投足に油断ならねぇのはここまでで分かったし……んじゃあいっちょいつも通り)」
タタン、と靴が鳴る
タンタンタン、と一定に
リズミカルなそれはステップ
「死中に活でも見出しに行きますかぁ――!」
――ダンッ
突如変化するリズム
赤い軌跡が一直線に煌く羽根を纏う“masked romance”に伸びる
甲と“masked romance”
その二人の中間で
『噴射ァ!!跳・躍・拳―――ッ!!!』
ヒュ――ドォンッ!
甲は、"唸る鉄拳"ロケットパンチを射出した!
- 186 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/05/23(日) 22:07:27 ID:PMt0ERXQ0
- >>185
爆発――――――――!!!
甲さんの拳が羽根が舞うゾーンに触れた途端、乳白色の爆発が起った。
羽根の一枚一枚が爆発するのか、最初の爆発した一枚に連られ誘爆、
白い煙が、乳白色の爆炎が、音が、光が、溢れ出す。
彼女の姿は、爆煙に包まれ隠された。
その中、彼女の声が鋭く飛ぶ。
「一条!!!」
――――ギャリリリリリリリリリリリリィッ!!!!!!!!
SL、蒸気機関車が走り出す、或いは止まる時に鳴る音に、その音は似ていた。
爆発の余波である煙や光、鼓膜の震えを突き破り空中を走る、車輪。
半径200mm、幅150mm、軌跡として縁が線を描き、面が漢字のような記号を宙に刷るそれは、真っ直ぐに甲さんに迫る。
- 187 :甲/準決勝:2010/05/23(日) 22:54:02 ID:1OvblH7E0
- >>186
「―――ちょ…!?罠かぁああい!!――ッにゃろ」
爆発を視認
直後突進をブレーキし――腕全体を捻る
左眼に浮かぶ"螺旋模様"が急速に回転して
『――アクセルッ!』
ワイヤーに繋がれたロケットパンチが高速回転を始めた
ヒュォオオオオオオオオオ…!!!!!
爆炎に包まれながらも貫通力を上げたそれは突き抜ける―――しかし
「(―――居ない!?)」
そこに居たはず目的を捉える事は適わない…!
「ち…ぃ…目くらましのお返しか…!?」
視覚と聴覚、更には焦げ付く綿ボコリの臭いで感覚を削ぎ落とされて
――――ギャリリリリリリリリリリリリィッ!!!!!!!!
それ故にその存在に気付いたのは
「な―――ぐ…ぁああああああ!?」
跳ね飛ばされた後であった
車輪を正面から受け、その身は白煙の壁の向こうに消えた
- 188 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/05/23(日) 23:11:57 ID:PMt0ERXQ0
- >>187
「――――失敗、ですね」
しまった、と彼女は思う。
自身が放った技ゆえ当然、爆発自体の影響は受けていない、
でも視界や耳が悪いのは一緒で、放った車輪がどうなったのか見えなかった
飛んでこの場を濁そうか、
それともここで罠を張って待つか、
よりアクティブに追撃紛いの無駄撃ちをするか。
彼女は悩む。
「……………………どうしましょう」
結局、妥協案として、さきと同じ車輪を八つ。
自分の背後に浮かべて相手の出方を待つことにした。
車輪の威力は、音や勢いの割にそこまで高くなかった。
精々プロドッチボーラーが投げた球程度。
けれど、甲さんを跳ね飛ばした後も宙を走り、モンを描いていく。
- 189 :甲/準決勝:2010/05/23(日) 23:31:01 ID:1OvblH7E0
- >>188
壁際でしゃがみ込む
派手さに驚きはしたが、成る程、車輪によるダメージは意外と小さかった
「(…くっそ…まーたしてやられたってぇ訳かい……完ッ璧…手玉だな)」
思えばこれまでの攻防
イニシアチブは完全に向こうサイドが掌握している
明らかな後手から
先手を打ったようで実は罠に掛かったり
「(恐らくぁ…アレも)」
見上げる頭上に目的を失いながらも走る車輪
「(伏線だよなぁ………やれやれ…)」
地面に手を触れる
「削り殺される前に打開する」
触れた地面には―――伸びる線路の模型
しかし模型と呼ぶにはいささか大きいそれは、さながら遊園地の乗り物の様で
そしてその線路は、この玩具箱内を縦横無尽に奔っていた
「(運任せ……になるのは癪だけど)」
次いでそれに乗る
先ほど自身を打ち抜いた"車輪"の様な大きさの車両を手にとった
設置
線路に汽車が乗る
「アクセル・グランダッシャー…行くぜ」
――――ギャリリリリリリリリリリリリィッ!!!!!!!!
「線路は続くよ―――」
甲の邪気眼能力"回転能力付与"で鉄製の鉄道模型の車輪が唸りを上げる
「―――どこまでもッ!」
―――ギャンッ!!―――ギャンッ――ギャンッ!!
高速発進する鉄道模型
それを4両、続け様に発進させて
「(この視界の悪さ……活かす…!)」
霧中にその身を滑り込ませた
- 190 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/05/23(日) 23:59:52 ID:PMt0ERXQ0
- >>189
届く、車輪の音。
咄嗟に警戒して刀を握る手に力を込め、辺りを見渡すけれど相変わらず、悪く。
「(………………不味いです)」
走り回るその音に、胸が焦らされる。
自分の技をコピーしたか、同系統の技か。
それとも全く別の――――そういえば、さっき甲さんは回っていた。
あれと似たような技。
彼女は、そう、音の正体を『とりあえず』として結論をつけ対策を考え始める。
直後、
「(…………三つ?いや、四つ?五つ?…………一つだけじゃない…………!?)」
音を聞き、嫌な汗を頬に感じた。
――――落ち着こう。
ふっ、と息を吐き肩の力を抜いた。
焦ると失敗する、負ける、
どれだけ緊張しても、自分を忘れなければきっと、上手くいく。
程よい緊張を保って全身全霊で考えて、しっかりとした行動を取れ、と。
呟く。
思うだけより、よほど体に浸透するだろうから。
「……………………ちょっとずるい、ですけど」
小さく、小さく彼女は呟いた。
ベーディイガル
「〝内包する大気〟ッ!!!!」
次いで、大きな声で叫んだ。
叫んだ、だけだけれど。
- 191 :甲/準決勝:2010/05/24(月) 00:15:40 ID:1OvblH7E0
- >>190
「(擬似分身の術……なんつーて)」
周囲を走らせた鉄道模型は察知の通り目的は撹乱で
衝突させられたらラッキー程度のアバウトさで回り続ける
『〝内包する大気〟ッ!!!!』
煙の向こうで叫びが聞こえる
位置は特定した
「(焦れたか…?……確かこれは…爆発の布石)」
有限の空間である"玩具箱"距離としてはさほど離れる事は無く、声は情報として利用される
「(叫ばないと技が出せん…ってなタマじゃあ無さそうだよなァ…どうだろう、こりゃあ)」
――位置を、俺に知らせている?――
「―――」
思考は僅か数瞬
殆ど直感の様な決定で―――軟式野球ボールを手に取った
「(―――近くを走ってるのは…一号機か)」
触れる線路から、能力の流れを知覚―――車両の位置を見定めて
「そこだ」
ボールを、おおきく振りかぶり
「―――脱線ッ!!」
投げた
―――シュルルルル…ギャンッ!
悪い視界の中、ボールは"一号機"の先頭車両を直撃
そして
ッシャァアアアアアアア!!!
脱線した鉄製の鉄道模型は“masked romance”目掛け高速で迫る
甲自身は低い姿勢を取り、接近する模型の反対方向へと回り込んで行く
- 192 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/05/24(月) 01:13:21 ID:PMt0ERXQ0
- >>191
音の方向に視線を向け、煙を眺めていた。
なにか変な…………円盤みたいなものか球みたいなものが飛んでくる、と警戒していた彼女は、
白煙を割って姿を現したそれに、不意を突かれた。
「………………電車の模型?」
一体、どうやってこんなものを動かしたのか。
――――力任せに動かすわけありませんし…………電気系統でしょうか?
疑問は募る一方で、仕様がない。
「追々、わかりますよね」
呟くのと同時に彼女は足元に〝飛翔式〟を展開、
わざわざ喰らう義理があるわけもなく、ブーツのヒールで小突き、跳ねるように横へ跳んだ。
- 193 :甲:2010/05/24(月) 12:45:27 ID:wkpr312g0
- >>192
幸か不幸か密閉空間"玩具箱"
充満した煙は薄くなれど未だ晴れず
「(―――…そろそろ、俺の"赤色"じゃあ隠れ切れんかね)」
足元の風船を蹴散らしながら先の展開に頭を回す
と、そこで
「ん―――?」
空気の流れが急速に変化した
何か大きな物が迫るような―――白煙の向こうから突き抜ける気配
「(マジか!?)」
煙が割れて姿を視認
それは鉄道模型を回避した“masked romance”
急接近に驚いたが
それはまた、千載一遇の好機であると捉えた
右拳を引く
「―――えぇい、ままよ!」
ハンマー投げの要領で身体を一回転
「ッらあ!!」
接近した“masked romance”にカウンター狙いの拳打を放つ!
- 194 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/05/24(月) 21:02:43 ID:PMt0ERXQ0
- >>193
彼女もまた、空を突っ切りながら考えていた。
相手に場所を知らせて、そしてそこに攻撃が来た。
となれば、多分、甲さんはそこに自分がいると知っている。
逃げた後だけれど、もしかしたらまだそこに自分がいると思い、見に行くかもしれない。
元の場所に戻って、そこを叩こう。
もし甲さんが来なくても、さっきの場所でずっと待っていたら焦れてやってくるかもしれないし、
兎角、戻ろう。
――――少し………………楽観が過ぎるでしょうか。
思いながら、彼女は次の行動を決めて、実行に移そうと〝飛翔式〟を展開する直前だった。
「、はっ、――――!」
重い、重い甲さんの拳は彼女の背中、減速する為に広げられた羽の付け根、右側の肩甲骨の辺りを捉えた。
全く意識していなかった為、驚きと痛みが心を頭を掻き乱す。
軽い鞭打ちに、手首足首、凡そ首と名がつく体のパーツ全てが悲鳴を上げた。
拳が減り込み、体が刹那の間停止して宙に漂う。
次の瞬間、当然の理として彼女の体は前に、
彼女が寸前まで翔けていた空中を吹き飛んでいった。
- 195 :甲/準決勝:2010/05/24(月) 21:50:53 ID:KE2UskXwO
- 「手応え――有り」
ここだ
と、感覚が叫び全神経が昂る
そしてその駆け巡る衝動よりも速く―――全身は行動を始めていた
『零距離――噴射跳躍拳ッ!!!』
―――ガァンッ!!
相手を吹き飛ばし、振り抜いた拳を地面に叩き付け――噴射
文字通りロケットの如き推力を得た身体は激しく前方に打ち上げられる
視線は薄もやの下を滑る相手に固定
『―――回転《アクセル》』
そしてそのまま中空で軌道を落とし
――ギュンギュンギュン……ギャアアアアア…!!
廻る回る舞わる身体
『大戦斧《グレートアクス》ッ!!!!!』
赤色の流星が落ちる
薄煙を引き裂いて、爆発的な遠心力を誇る踵落としが降り下ろされた―――!!
- 196 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/05/24(月) 23:25:32 ID:PMt0ERXQ0
- >>195
一度、
床にぶつかり、体の向きが変わる。
その遠心力に振られてか、彼女の羽の少し後に浮いていた車輪が二つ、投げ出されてあらぬ方向に向かいだした。
交差するように近い場所を走り、軌跡を描き、それらは天井まで奔る。
二度、
今度は手が床に当たり、跳ねるように彼女の体が吹き飛んだ。
また、連られて、車輪が一つ、訳のわからないほうに向かい、最初の一つと同じように軌跡を描きながら転がっていく。
それなのに尚、体は言うことを聞かない。
「――――――ッ!」
限界を越えたのか、痛みがただの感覚として感じられる。
視界の白さは、痛みの所為か、現実か。
嗚呼、やけに自分の声が五月蠅くて、周りの声が聞こえない。
何度目かの『跳ね』。
再び体が浮き、束の間の空を得たと同時に甲さんの踵落しが彼女の背に減り込んだ。
「 」
がくん、と高度が落ち、床にぶつかる。
微かに跳ねて、床に落ち、彼女の勢いは止まった
「………………つっ――――」
- 197 :甲/準決勝:2010/05/24(月) 23:37:51 ID:gn7NJftQ0
- >>196
ぐるん、と突き抜けた踵落としの勢いで宙返り
「―――」
床に着地
燃え盛るような熱気を込める瞳は一直線に“masked romance”を見詰め
ニュートラルな姿勢で呼吸を整える
「すぅー……はぁー……」
決めたとは思わない
最後まで油断無く行かなければ、またひっくり返される
それに足る理由も材料も、これまでの攻防で痛いほど学習した
だから
「無限上昇―――起動」
張り詰めた緊張と
昂ぶる鼓動とを魂に内包して
渦巻き猛る、力を編む
- 198 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/05/24(月) 23:50:47 ID:PMt0ERXQ0
- >>197
アバラの二、三本は恐らく逝ってしまった。
加えて、拳を貰った右肩の調子が変、動かない。
どうしたものか――――
床に左手を突っ立てながら彼女は悩む。
「………………」
背負った車輪は後、五つ。
遠い、遠い道のり。気が遠のきそうだった。
「…………まだ、………………まだ…………、できます…………」
右足をつき、左足で起立。
自己修復機能を作動させたけれど、
「(戦闘に使う力が多すぎて…………望み薄です。これじゃ、よくて痛みを消せるくらいですね…………)」
「………………五条、六条、」
――――――――ギャリ、リリリィ…………――
しぼんだ音が二つほど、彼女の背から響いた。
左手に白い妖刀を握り、彼女は甲さんに注目した。
- 199 :甲/準決勝:2010/05/25(火) 00:04:18 ID:gn7NJftQ0
- >>198
「無限上昇、オーバー」
甲の右腕
拳を基点として視認出来るほどに濃密なオーラが渦巻いている
――ヒィイイイイイ…
絶えず回転するその"赤色"は周囲の大気すら巻き込み更に密度を上げる
天井知らずに勢いを上げるそれは――まさに"無限"の名を冠するに相応しく
いつしかそれに吸収される様に白煙は晴れ、互いの様相をはっきりと確認出来る様になっていた
「(―――車輪…増やして来たな……あぁ、良いぜ……こうなったら、もうな)」
一歩、相手に踏み出す
「(何が来ようが)」
進む、考えなど無いように真っ直ぐ
しかし、それこそが甲の――――
「…纏めてブッ貫いてやらぁ」
―――土壇場での最善手
いつしか歩みは疾駆に変わり
甲は構える“masked romance”に向けて一直線に迫る
- 200 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/05/25(火) 23:25:14 ID:PMt0ERXQ0
- >>199
駆け出す甲さんを見て、腹を括る。
放たれた車輪は左右に走りながら、宙に〝式〟を刻んでいった。
彼女は、逆手で妖刀を握っていた。
刃は正面、切っ先は床。
だらりとさげた右手と反対に、左手をぴんと張り、甲さんに向ける。
「………………あの人はたった一つでやるんです」
ギャリリリリリィ…………――――六つ。
車輪は空を駆けていた。
「なら、どうして、私は九つ――いえ、十も。十も使わないとできないんですか」
言葉は誰に向けてか。
一人、勝手に突っ走ってしまっていることに彼女は気付いていなかった。
「やらないと!!!
後三つくらい、足りなくてなんですか!!今やらないと、負けちゃうじゃないですか!!!」
煙が晴れ、はっきりと見える彼女の姿は最後に見た時と比べて、どうだろう。
折れていないものの、背中から広がる羽の内、片方は少し拉げて、
戦う寸前まで清潔そのものだった彼女のメイド服には、埃やらわたがらやがたくさんくっつき、
だらりと片手を下げたまま、一人意味のわからない怒声を上げるその姿は、どう、映るか。
――そう、決して綺麗ではなく。
御面の奥、
言葉を飛ばしながら彼女は見た。
赤い螺旋、靡いて映えるロングマフラー。
〝敵〟だ、と。王道を遮る〝敵〟である、と彼女は認識し、睨む。
「退いて下さいッ!!」
御面越しゆえ、その視線は届かないだろうけれど。
在らん限りの力を以って甲さんを睨んだ。
宙に描かれた〝式〟。
六つの車輪が空に敷き、刻み付けられたそれらが皆一斉に、光を放ちだす。
「退かないなら、退かさせてもらいます!!!」
彼女の背後、右、左、上、前。
玩具箱の中を走り回り〝式〟をひいていた車輪が、ふ、と唐突に動きを止めた。
今し方放たれ、十メートル程度しか進んでいなかった二つの車輪――――五条、六条――――も含め、全て。
回転が止み走りが止み、落ちて床にぶつかる為だけの存在となってしまった。
- 201 :甲/準決勝:2010/05/25(火) 23:45:31 ID:RatmpZOE0
- >>200
「―――良い覚悟だ」
叫び――声に込められた魂に
その"威力"に心が奮える
煙の晴れた玩具箱
賑やかなパステルカラーだった世界は、度重なる攻防により
全てを混ぜ合わせたような、絵の具を闇雲に零したような…そんな色彩に変化していた
しかし
「ぉ、おぉおおおおおおお―――!!」
その中に、消えない"赤"が在る
『"俺のォオ―――――!!"』
周到に仕組まれた式が閃き
“masked romance”の叫びと共に一斉に牙を剥く
その牙が集う中心で甲は
『"――――ドリルッッ!!!"』
拳を突き出し
赤と緑の二重螺旋が渦巻く決戦奥義を持って挑む
六条の光線と拮抗する"俺のドリル"
――ギャリリリリリリッリリリリリ…!!
夥しい火花が辺りに彩を添えた
ドリルは、一回転毎に少しずつ
但し確実に歩を進めて行く
- 202 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/05/26(水) 00:24:53 ID:PMt0ERXQ0
- >>201
〝削られる〟。
〝式〟に込めた力、〝式〟から空間に流している力、
いろんなものが削られていく――――。
アーキテクチャ
「『補助術式〝先達演習〟』起動、」
煌く〝式〟の内、三つから淡い蒼色の文字列が溢れ出す。
空間に溶けるようにして、出るそばから文字列は消えていった。
それが成功であるかどうか気にしていないないのか、彼女はそれを見ずに、ただ〝俺のドリル〟を見つめていた。
――――――――――――ザ、ザザ。
場に、ノイズが走る。
グルー
「『補助術式〝暫確定々〟』起動、」
〝式〟から放たれる光が削られ、火花が散るのを見ても、彼女は動じなかった。
そもそも、彼女は火花を見ていなくて。
その向こうで毅然と歩を進める、甲さんだけを見ていた。
左手の力を抜き、白い刄を落とす。
地面に切っ先が触れ、ともすれば次は倒れるはずだけれど。
白い妖刀は生意気にも屹立し、重力に逆らっていた。
煌く〝式〟の内、残る三つから淡い蒼色の文字列が溢れ出した。
今度は消えず、彼女を中心に半径15mの半球を構成するように、広がっていく。
「(ここから先は補助なし……ですね………)」
余りにもあっさりと、〝式〟が放つ光は削れいく。
宛らそれが、ただの〝エフェクト〟である、と言うように。
恐らく多分、きっと。〝俺のドリル〟の前でそれは、薄っぺらい紙よりも薄い、しょぼいナニカとして消えていく。
- 203 :甲/準決勝:2010/05/26(水) 00:40:23 ID:RatmpZOE0
- >>202
削る――進む
削る――進む
「ぉおおおおおおおおおおおお!!!!!」
派手な火花とは対照的に
その様はどこまでも地道で―――故に、確実で
絶えず放たれる"補助術式"の重ね掛けで
右腕を中心に、全身に負荷が掛かり続ける
蓄積されるそれは、やがて限界を迎えた箇所から鮮血として溢れ出て
罅割れの様に進む度に傷を増やして行く身体に
「が、ぎぎ…!突き―――――」
もう一歩、もう一歩と割り増しで『気迫』を上乗せして
挫けずに
止まらずに
「―――抜け、ろぉおおおおおおおおおお!!」
最後に“masked romance”の周囲に拡がる球状の空間に通り道をこじ開けて
『俺のドリル』は役目を果たし―――消えた
「…突貫、完了…!」
そして甲は“masked romance”の正面に辿り着く
- 204 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/05/26(水) 23:17:15 ID:PMt0ERXQ0
- >>203
彼女のいる、空間。
一箇所、甲さんが作った穴から差す玩具箱の光以外は、淡い蒼色の文字に照らされ碧落となるそこで、彼女は前を見ていた。
呆然、
乃至、気絶しているのか、彼女は微動たにせずただただ前を向いていた。
御面越しだから、彼女が本当に気絶しているのか、ただぼーっとしているのかわからないけれど。
吹く風もないのに彼女の羽は揺れる。
スカートの裾も、連られてふわり。
長く伸びた二本の髪束も靡いていた。
「――――」
彼女の手前。
彼女が握っていた白い刄が地面に刃を突きたてて、立っていた。
「――、」
聞こえるだろうか。
誰にともなく囁いている、彼女の小さな声。
致命的な穴が空いても未だ僅かに鼓動する、文字列の音。
そして、
- 205 :甲/準決勝:2010/05/26(水) 23:45:59 ID:sHrJhnFU0
- >>204
―――終わってない、か
立っているだけ
その筈の、彼女――“masked romance”
そこから感じる気概は、死に体のそれとは到底感じられなかった
「ふー……ぅ……」
大きく深呼吸して
「まったく―――…しんどいねぇ」
フラットに構える
霧散して行く力の残滓を得られるだけかき集めて
距離の程5m
大胆に、細心に
目の前の相手に注意を払っていた
- 206 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/05/27(木) 00:08:14 ID:PMt0ERXQ0
- >>205
「『理想の世界とは』」
前触れなく、彼女ははっきりと言った。
「………………なんでしょう?」
- 207 :甲/準決勝:2010/05/27(木) 00:12:30 ID:sHrJhnFU0
- >>206
「知らね」
少しだけ考えて答えた
「んなモン、それぞれがそれぞれ持ってるもんだべ?決め付けるもんじゃねーや」
- 208 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/05/27(木) 00:19:26 ID:PMt0ERXQ0
- >>207
「…………ちょっとびっくりしました大正解です、甲さん」
「人は――――凡そ、人と名がつく生き物は皆、心の中に『理想』を掲げてるんです。
それはたった一人、自分だけのオンリーワンの、素敵な世界です」
ふら、と彼女の体が揺れた。
風に突き飛ばされて、でも受け流す柳の枝が如く。
緩やかに、自然体そのものの力のなさ。
「…………思いませんか?そんな世界が現実にあればな、って」
彼女の髪が徐々に濡れていく。
彼女の足元に点々と穿たれる、染み。
- 209 :甲/準決勝:2010/05/27(木) 00:30:03 ID:sHrJhnFU0
- >>208
「だーら正解も何もねーって」
ぶーっとアヒル口でぼやきながら頭を掻く
あんまり"正解"って言われた事無いから、ほんのちょっぴり照れた
そんな間に
「――――あ?」
空間の変質を感じる
視覚でも聴覚でも嗅覚でも味覚でも触覚でも感じ取れない
頭の奥底で引っ掛かる―――"違和感"
勘だ
これは、只の勘だけど
「――――」
危険だ
脳髄が警鐘を鳴らし続ける
ここは、今からヤバくなる
- 210 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/05/27(木) 00:45:43 ID:PMt0ERXQ0
- >>209
「私は、半人前以下なんです。
だから、こんなにたくさんの〝式〟に囲まれないと使えないんですが――――」
この半球の中、
碧落を模る、蒼い文字の天井からぽつ、ぽつ、と。
彼女を中心に雨が降り出した。
霧雨。
どこからともなく漂う、森の中で感じる独特の雨香。
――――
古い池が感じられるだろうか。古い武家屋敷が感じられるだろうか。
物干し竿が、蔵が、塀が、屋敷の縁側が、屋根が、黒い空、
濃厚に漂う五月蠅くも静かな〝魔力〟、凜とした気配、〝異形〟の気、
かこんと響く獅子脅しの音、銀髪、緋髪、黒髪、金髪、刄、
庭の隅に植えられた松と梅の木、雨に穿たれ一箇所凹んだ岩、
etc――――
「――――心の奥底に眠る理想の世界を引き摺りだして、顕す技があるんです」
風が吹く。
- 211 :甲/準決勝:2010/05/27(木) 00:55:35 ID:sHrJhnFU0
- >>210
「…固有…結界…!」
話には聴いた事がある
己の心象風景をそのまま現世に投影させる
そんな規格外の魔術が在る、と
実際聴いただけの話で実物なんて見たことも無い
だから
そうであるかも知れないが、そうで無いかも知れない
けれど
今、自分のリアルは確かな物を失った
見えるモノが総て
「―――…やられた…」
感じるモノが総て
驚嘆と賞賛とを綯交ぜにした台詞を呟き
眼を塞ぐ事無く世界を観た
歪で綺麗で怪しげで美しい
まったく―――自分でも何を考えているのか分からないが
掌握された風景に、ただ見惚れていた
- 212 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/05/27(木) 01:04:27 ID:PMt0ERXQ0
- >>211
――――――――但し、
「………………今から、クライマックスですよ」
一歩、
彼女の編み上げブーツが土を踏む。
最初の一歩を踏めば次の一歩は容易くて、二歩、三歩と彼女は続けて歩き、甲さんに近づいていく。
蒼色の文字列だった球状の壁は、取り払われた。
今そこに広がるのは無限に続く曇天と、一軒の塀に囲まれた家。
それを知覚すると同時、所は塀の内に移り、池と物干し竿、縁側から広がる家の内を見れる世界に変わる。
長閑とは言い難い、
けれど決して、騒々しくない、独特の五月蠅さ。
「行きますよ、甲さん」
――――――――但し、現実と幻想の境目。甲さんが空けた穴は、残ってしまっていた。
- 213 :甲/準決勝:2010/05/27(木) 01:29:27 ID:wSKYTAiw0
- >>212
「―――――…あぁ」
顔を“masked romance”に
その背後から押し寄せる世界に向けた
未体験の応酬に対応が遅過ぎた
呑まれそうだ
自分という境界すら、この世界の一部の様に感じ始める
揺らぐ
己が―――歪む
「――――」
その時
甲の背後から"迫る世界に背く"風が吹き込んだ
追い風
自らが通した意地の道から吹き込むそれは
「――――あ」
マフラーを靡かせ――その鮮烈な"赤色"を視界一杯に拡げた
「そうか……そうだな」
まず血が廻る感覚を思い出す
次に、自らの意思で踏み出した足が“masked romance”の世界から甲を引き剥がす
最後に、確かな視線を迫り来る彼女に向けて
「止まってらんねーよ…俺はまだ、クライマックスの向こうにも用があんだから!」
吹き込む追い風が甲に纏わり付き
それは薄い螺旋状の膜となり、身体を包み込む
"金色"のそれに沿うように、頭髪・瞳も"黄金"の色を称えて
「―――突破する!」
合わせた両拳が、金色の粒子を散らして
その存在を打ち立てるように煌いた
確かと大地に足を着き
迫り――呑もうとする世界その物に抗う覚悟を示した
- 214 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/05/27(木) 23:12:47 ID:PMt0ERXQ0
- >>213
すぅ、と息を吸う。
肺に押されたのか、脇腹に違和感を感じた。
相変わらず動かない右腕に、鬱屈とした溜め息が漏れそうになる。
自由に動くのは左手と両脚、羽…………意外、
今一度、しっかりとカウントしてみたらほとんど五体満足に近い状態だった。
少し、気が楽になる。
「往かせません、」
両手を――――と行きたいところだったけれど、彼女は左手を肩の高さまで上げて伸ばした。
ぴん、と張られた五指と掌に燈るは緋色の炎。
霧雨がそれを通り抜けているのか、その炎はこの天候で何一つ、揺らがない。
ただただぱち、ぱち、と爆ぜる火炎としてそこに在った。
――――――――重い。彼の〝黄金〟は彼女が焦がれて止まない、王道の色。
今もまた、敵だというのに心が震えてしまう。
なればこそ、全力を尽くさねば、と。
彼女は思い、滑らかな動きで手を前に向け、人差し指を甲さんに向けた。
「絶対止めます、絶対、止めて、勝ちます!!!!」
刹那、かっ、と彼女の指先、
緋色の炎が煌きを放った。
- 215 :甲/準決勝:2010/05/27(木) 23:30:53 ID:sP2rISv.0
- >>214
底の見えない
紅蓮の色を放つ眼の
螺旋模様が―――吸い込むように炎を見定める
―――ガォォンッ!!
振るう腕
舞い散る黄金の粒子を引きながら火炎の煌きを"殴り倒した"
「―――ハイ・アクセル」
霧雨が両肩を濡らす感触
振り切る様に
――ギャルルルリリリリリリリ…!!!
廻る身体
「シュートォ―――ッ!!!!」
―ドンッ!!
―――ドォンッ!!
遠心力を乗せた身体
振るう脚が、大気を捉え蹴り飛ばす
渦巻く大気圧の塊が二つ
霧雨を穿ちながら“masked romance”に奔る!
- 216 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/05/28(金) 00:15:30 ID:PMt0ERXQ0
- >>215
膨れ上がる、スカーレットの?Wき。
倍増に次ぐ倍増に、更に次ぐ倍増。
如何なる絡繰りが在るのか、彼女の手から放たれた火は留まることを知らず。
不自然に、甲さんに殴られた一箇所のみ屠られ、その他の炎は膨張しながら前進を続けた。
して、対峙。
大気圧の塊二つと緋色の炎。
「全力じゃないと、」
傷に響く、――――知ったことですか。
彼女はだん、と地面を蹴り跳躍し、空に踏み出しながら、叫ぶ。
「押し潰しますよッ!!!!」
緋色の炎が大きくなるそのスピードは、宛も、羃させているかのように加速していた。
二塊の前で、それは決して引けを取らずに花を散らし、凌いでいた。
- 217 :甲/準決勝:2010/05/28(金) 00:38:18 ID:sP2rISv.0
- >>216
「―――慌てんなよ」
蹴り足を地に―――突きこむ
地面にめり込む足先
「こっからだ」
熱で膨張していく空気はやがて
―――バァンッ!!
破裂、そこかしこに暴風を吹き上げる
地をうねり、空に昇る旋風は飛び上がった“masked romance”周囲にも猛威を振るった
『"無限上昇"』
その最中
地に埋め込み固定した足を基点として、甲は相手を見据える
手の平を向け突き出した左手
身体の後ろに下げられた右腕の拳は硬く握られて
弓を引く様な――引き絞る構えで、手の平の向こうに見える“masked romance”に
『set』
照準を、合わせた
『"俺のドリル―――――《弐式》!!!"』
突如、吹き荒れる風が一点に推力を向ける
渦の様に回りながら暴風が集まる中心に見えるのは―――黄金に煌く、甲の魂
そして甲は
左腕を引き、黄金色の力が渦巻く右拳を空中に突き出した
「撃ち―――貫けぇええええええええええッッ!!!!!」
――フォン――
―――ギャァアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!
風を突き破り
幻想を――現実を超えて伸びる螺旋は細く、長く
――長距離用決戦奥義『俺のドリル《弐式》』――
黄金の粒子を撒き散らし進むそれは、一条の輝きとなりて
“masked romance”に一直線に迫って行く―――!!
- 218 :“masked romance”:2010/05/29(土) 06:54:55 ID:61lMEQVcO
- >>217
「ここにおいて負けちゃうと、」
荒れ狂う暴風に彼女の羽は、しなる。
なれど、髪を靡かし裾を揺らす彼女自身はほんの僅かに揺れながら、しかし確と空中を踏み、堂々とその場に立っていた。
御面に貼りつく前髪を摘まんで横に流す。
多少ぶれてる左腕を甲さんに向け、さらに緋色の火が燈る手の先を、人差し指を向けた。
「(一点集中……!!)」
「もう、後がないんです!!」
迫る黄金色のドリルに、彼女は火を放つ。
水に触れる度その数が二倍になっていく、この場に於いて絶大な威力を誇る〝不消エ〟の火。
それを一点、元の火球に増えた熱量を注ぎ込むよう設定し、放った。
――――衝突、
- 219 :甲/準決勝:2010/05/29(土) 10:15:11 ID:sP2rISv.0
- >>218
衝突の衝撃と、迸る熱量が伸びるドリルを伝わる
霧雨の鬱陶しさと心地良さが
緋色の炎熱の、ジリジリと攻め立てられるような熱さへと変わっていく
上空から降り注ぐ炎
そして、その炎の一点とぶつかり合うドリルの先端
更にその向こうの炎の射手である――羽ばたく羽根を持つ“masked romance”を見た
そして
『――――螺旋』
甲は覚悟する
「(ぜってーぇええ引かねえ!!!)」
伸びるドリルの出発点、突き出した右拳に"黄金の粒子"が集まり
『噴射ァ!跳―――躍―――拳ッッ!!!』
――ドォオンッ!!!
炸裂
《回転するロケットパンチ》をドリルの軌道に撃ち出した
ギュァアアアアアアアアアアアアアアアアア
ロケットパンチが伸びるドリルの先端に近付くほどに、衝突点に近付くほどに
その螺旋に込められた"力"の密度、"回転力"が増進していく―――――――!!
「―――ぎ、が…ぁあぁぁ!!」
回転力と推進力を増進したドリルに伴い、それを沿う様に流れ込む炎の熱量は身を焦がす
我慢比べだ、と言わんばかりに甲は“masked romance”から視線を離さない
- 220 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/05/29(土) 22:43:41 ID:PMt0ERXQ0
- >>210
唸り火花を散ら猛威を振るう業火は、決して自分自身ではなく〝技〟。
ゆえ、甲さんのドリル、拳に削られる痛みは彼女に伝わらない。
だのに、なぜ、こんなにも痛いのか。
歯痒いのか、と即座に答えを出した。
相手は、成程。武器が拳。
自身の思いは伝わり、根性次第。精神論が通用する場所に立っている。
それに対し、自分がいるのは科学的な場所。
魔術、妖術、異能。
この世の理で計り切れないものばかりだけれど、それは一つの科学。
〝式〟が在って、〝結〟が在る。
そこにその他の要素――――根性、或いは心、若しくは気持ち、等々――――が介入することはありえない。
如何に大それた大魔術を繰ろうとも、それを乗り越えられたらそこで終ってしまう。
圧される火球を見て、彼女はそう思った。
「(………………もう、)」
「(…………………………もう、勝てないです。)」
力なく、左手が地面を向く。
尚も雨に打たれ自身を叱責し、威力を増す緋色の炎を彼女は見ていた。
俯き、目に力を入れる。
今零したら、しょっぱくて、嫌な気持ちになりそうだし、それに。
期待を裏切ってしまいそうで、怖かった。
- 221 :甲/準決勝:2010/05/30(日) 02:15:35 ID:KSL6DO3g0
- >>220
こんな時――まぁ、所謂"瀬戸際"ってやつ
そんな時ってのは、割と頭ん中で色々考える
頭の良い奴なら、こんな時どうするのか……回り込んでズドンかな
とか
あの時、ああすれば良かったかなぁ……"式"をスルーし過ぎてたな
とか
取り留めの無い"IF"が頭を過ぎっては
「―――もう、一押し…!」
打ち消されていく
"IF"を淘汰する思考は、いつもいつもアホらしい俺の"意地"
「もう……ひとふんばり!」
土壇場でこそ、自分という存在が見えて来る
心の奥底と対話出来る瞬間
そして、その場ではいつも決まった返答が待っていて
「(ごちゃごちゃ考えねぇで―――前に出ろ、バカヤロウ!)」
毎度毎度のその返答がいつもいつでも心に沁みて
熱に浮かれた思考回路でも
身体は自然と、スムーズに動いた
「――――ッ」
突き出した拳―――距離を置いて、炎熱と拮抗するそれ
眼の水分も蒸発しそうな熱の中で確かとそれを見定める
ここよりも、もっともっと熱量が高い――その場所
そこへ向けて、甲は両足に竜巻を起こし飛び出した
まるでそう、イカロス
近付けば近付くほどに身を焦がす速度は上がっていって
"黄金の粒子"による肉体修復もそろそろ追いつかなくなって来ている
息すら赦さないその場所へ
しかし真っ直ぐに甲は飛んで行った
「(……こういう場面、何かしっくりくることわざ在ったよなぁ……)」
やがて、先行した拳―――ドリルの先端に追い付くと
――――ドォオンッ!!!
そこを蹴り―――押し込む!
「―――ブッ―――貫けぇえええええええええええええええッ!!!!」
勝利をその手に掴む為の最後の一撃を
火の玉になった全身を使い押し込んだ
《あぁ、思い出した
虎穴に入らずんば、虎子を得ず―――だ》
伸びたドリルは、いつしか拳大に密度を上げて
炎熱の壁を巻き込みながら“masked romance”に迫って行く
- 222 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/05/30(日) 22:27:56 ID:PMt0ERXQ0
- >>221
火の向こうに――――――――姿。
炎に照らされた彼女は、熱く。糸遊が見せる揺らいだ彼女は、俯く。
堂々と広げられた羽、ぴんと伸ばした背筋、
ただ、顔、腕は力なく、撓垂れていた。
金糸と銀糸が入り混じる前髪が、御面にかかり目元を隠す。
本当に熱いのは、甲さんと凌ぎあう火のみ。
尚も熱く、灼熱を刻み続けるかの炎は行く手を阻んでいた。
「(――すごい、ですね…………)」
火越しに見える甲さんのドリル、拳、そして金色の体。
美しい、と。
〝乗り越えること〟に直向になれるその姿は美しく、自分とは余りにかけ離れすぎていて、自分が今戦っている相手とは思えなかった。
例えるなら。
たまに大切な人が見ている、K1やボクシングの大会に出ている選手のようで。
同じ人とは、同じ世界の住人とは、まさか同じ舞台に立つことになる人とは、万に一つも思わない。
目の前にいて、自身の技を削り、突き進み、迫って来る今を見ても不思議な感じを覚える他なく。
ついさっきが懐かしい。
どう戦おう、どう躱そう、どう勝とう。
そんなことを考えていた数分前が、遥か記憶の彼方。データフォルダの下の下にあるように思えた。
「(…………)」
心と体が離れた。
手の感覚、羽の感覚、足の感覚、
…………体の感覚が遠い。
火は際限なく、燃え滾る。
意志とは無関係に。
ただただ〝在るべく〟を実行し、甲さんに熱を与え続けていた。
なれどその壁は削られ、もう、彼女の姿は容易に認められる。
此処を抜ければ、
此処を抜ければ、――――――――
- 223 :甲/準決勝:2010/05/30(日) 23:10:29 ID:3w5dxtSM0
- >>222
炎の只中
先頭に在る拳が形状を崩壊した
回転力を失いそうになるドリルを、跳び蹴りの状態から反転させた体勢
「――――」
"螺旋眼"を煌かせる双眸を称える頭部で
―――頭突きにより、もう一段階の回転を掛けた
全身を使った、"最後の一撃"は通らなかった
だから
これは、完全な"わるあがき"
ぐらり、と傾く身体
頭を垂れる様に―――身体は地面を向いて
ドリルを火中に残したまま
「――――-……ちくしょうめ」
運を天に任せた
つかめなかった
その悔しさが、痛みに歪み掛ける身体を、意識を――何とか繋ぎとめる
- 224 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/05/30(日) 23:47:06 ID:PMt0ERXQ0
- >>223
胸元。
ドリルが触れた。
「………………え…………?」
熱い、
思って気付く。
勢いの失われたドリルがメイド服を貫き、彼女の肌に触れていた。
急激に意識が覚醒する。
俯いていたゆえ見得る、落ち行く金色。
いまだ目蓋に根付く鮮烈な赤の主。
――何をしていたのか。
戦いの最中なのに、下を向く。投げ出す。諦めてしまう。
「…………ぁ……」
失礼、
これは失礼である、と。
自身がつとめる、些か特殊な職業に於いて礼を欠くなど言語道断。
否、それ以前に。
ヒーローとしてあるまじき行為ですし。
私が――と決めた、やっちゃいけないことです。
胸の中央で動きを止めたドリルを、熱いことなど気にせずに掴んだ。
「………………」
――多分、私は勝ったんです。
「…………、」
――なら次に駒を進めて、優勝して。
「……、」
――“masked romance”を広めて、頼ってもらったり。
「……………………」
――ついでに賞金を…………その。使って。
後悔しないか。
ここで勝ったら、果たして自分は。
偉そうにヒーローを語る自分は、その選択に後悔しないだろうか。
「甲さん!!!!」
「――――――――優勝するの…………楽しみにしてますから」
握ったドリルを体の奥深く
胸中へと
突き立てた彼女は、あらん限りの声で以って叫んだ
――――届け
届け…………ッ!!!
「頑張って下さい!!!!!!」
【“masked romance”/敗者 が ログアウトしました】
- 225 :甲/準決勝:2010/05/31(月) 00:07:08 ID:3w5dxtSM0
- 世界が転換していく
炎が、霧雨が晴れ―――夢中に居る様な感覚が薄れる
自由落下中
それでも未練がましく行く末を見続けながら
叩き付けられる様な、想いの叫びを受けた
「――――」
所々焦げ付きながらも、彼女の世界が晴れた空間は―――やはり玩具箱で
―――ボフゥン…!!
ぬいぐるみだったモノの只中に、その身は落着した
「………………素直に……こりゃあ…喜んで、良い…ものか」
ダメだろうな
そんな分かりきった回答はノータイムで頭に浮かんで
それでも
「それでも…託されりゃ、しょうがねえ…何とかするのが……よっと…」
ぬいぐるみの山から身を起こす
右腕が、肘から無くて少しだけ苦労した
「―――…男の、務め…だな」
彼女が消え去った空を―――もう、只の玩具箱の蓋になってしまった空をしばらく見上げる
そして
「お前の想い、ありがたく頂戴した―――“masked romance”」
ふ、と金色の髪が黒髪に落ち着き
「優勝したら、また居酒屋奢ってやらぁ」
ニッとパステルカラーの世界で笑った
「――――…に、してもだ………あー……」
「つっっっかれたぁああああぁぁ……」
ボロボロの身体で疲れを顔中に表して
満足そうに再び、ぬいぐるみの山に身を沈めるのだった
【"闘祭2010"―――準決勝】
【甲―――勝利】
【NEXT→決勝戦へ】
- 226 :甲/準決勝:2010/05/31(月) 00:20:29 ID:3w5dxtSM0
- 【準決勝―――その後のオチ】
ログアウト
甲の現実の身体に意識が戻って行く
「…………ふ、ぁああああ…………ぁあ、流石は…準決勝だった…」
仮想世界で失った右拳をグーパーして、その存在を確かめる
「(早く帰って……風呂入って……ねよ……ん?)」
"箱庭"接続端末センター内
壁に掛かったデジタル表示の時計が目に入る
「………嘘ォ…日曜日ぃ…?確かに、密度の高い時間だったが……丸二日か」
なるほど、ボーっとなる訳だ
ぼんやりする頭を覚醒させようと頭をぽんぽん叩く
「………………あれ?……5月………31日………?」
そして、日付の部分にも目が行って
「一週間んんんんんんん―――ッ!!!?」
驚愕に一気に頭が覚醒するのであった
↓その時の甲脳内に浮かんだイメージ
_,、=:ニ;‐、、--――‐y、,_ ,,r;;;;''''=―--、、,_
/´ ヽ,ヽ,.゙'l,.゙Y;--',r'゙'ヾ;'V.j /∠,,.r_;'゙-‐-,<゙゙ヽ,'i、'‐、,
./_ .,,_j ゙l l,. Y/゙'ヾ、;、ノ,r;'| /jフ,r-、ヽ、 _,,>.゙'ー;゙' ーi,. |'i,
j.ヾ! ト‐! | .| .|,_ ./,.〈. 〉| ./ .(゙ _>゙'゙ r''゙´'i,゙l, ,j レ! .|:|
.|il, __ j .j゙ .l ト,゙',/ j.゙ r;| .レ'゙''‐ニ'''゙r''゙´ .゙l,ヽ,. ,ノ ゙ r''1.jノ
.|.l,゙l, ゙ー゙.ノノ / / ゙l ゙l,ヽr',r'l ゙;| .ト、,. /./´゙ヽ;.、 ノ ,゙rッ .,Y';V
| l,.゙ヽ--'゙ ,ノ / l, ゙'゙,,.l, ,j ゙| l,ヾ,、--、,,,、'_, r''゙ l / li,;)
l,. ゙'i, / ,rシ-、,ィ) l,゙i,V/゙j゙ /゙,,、、、,_ ゙\!.レ゙ .| Y゙
゙l゙i,・ヾi, ,/ィl、・_ノ ,;:: ゙シ'i.l,ノ ./゙ \ ゙Y: .l /
| `ラ´゙'''´ ''"'´ .| |:.r'`V'''" ̄`゙ヽ、 ゙'i, |. ' /
゙'i, .j |./ ∧、, ゙̄ヽ、. \ ゙l. |\ ./ 【箱庭】
- 227 : ◆X7kkkkkkkk:2010/05/31(月) 00:29:30 ID:PMt0ERXQ0
- 【――――その後】
「あーあーあーあー……泣くなっての。スーツぐしょぐしょじゃねーか。
っちょ、待て待て待て!!鼻水拭くんじゃねーって!!」
「どう゛ぜ私が洗っ、洗うんですから、っ、ん、いいじゃな゛いでずが」
「…………んな悔しがるなら勝っちまえばよかったのに」
「だっで…………」
「あーあーあー…………はいはい。後悔したくなかったんだもんな。わかったわかった。
まだ三位決定戦あんだろ?次もがんばれよ」
「………………はい……」
- 228 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/05/31(月) 22:27:28 ID:.6prKP66O
- 「〜♪」
【やわらかい布を持ち、銀色の腕輪を拭く】
「貴方は一体誰なの〜♪」
【何か乙女チックな歌を歌っているが、この男だから仕方がない】
【丁寧に傷つけぬように腕輪を拭いていく】
「私の名前は上弦〜♪」
【メイドや執事が行ったり来たりする寝室、と言うよりも自室……上弦は大切な腕輪を磨いていた】
- 229 :ユリウス&シャオ・リオン:2010/05/31(月) 22:35:19 ID:fqURxG6Q0
- 「こんにちはー!」
勢いよく扉をあけて出てくる。
上弦のプライバシーなどズタズタである。
『……よっ』
遅れてはいってくる少女。
- 230 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/05/31(月) 22:37:34 ID:.6prKP66O
- >>229
「はぁい!こんにちわ〜!」
【腕輪を磨きながら挨拶をする】
「ノックくらいしてくれよ〜?
私が裸だったらどうするんだい?」
- 231 :ユリウス&シャオ・リオン:2010/05/31(月) 22:41:00 ID:fqURxG6Q0
- >>230
「えっ……」
頬を染めて恥ずかしがっている辺り可愛げがある。
『ちぎる』
可愛げも何もあったものではない。
何をちぎるかは解んないが。
- 232 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/05/31(月) 22:45:19 ID:.6prKP66O
- >>231
「……なんと言う正反対な性格!!」
【二人を交互に見ながらそう叫び】
「まったく、ユリウスは可愛い反応してくれるのに……君と来たら……ちぎるとか……やめて!!」
【ユリウスを撫でながらシャオの頭にも手を伸ばす】
- 233 :ユリウス&シャオ・リオン:2010/05/31(月) 22:47:55 ID:fqURxG6Q0
- >>232
「だって、上弦があんな事言うから……」
赤々とした顔のまま撫でられている。
『んむっ』
上弦の手を掴んだ。
そしてそのまま口に持っていこうとする。
- 234 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/05/31(月) 22:51:15 ID:.6prKP66O
- >>233
「大丈夫だユリウス!私は紳士だから何事も無かったようにストレッチを始めるぞ!」
【色々とアウトな感じだが、多分その時は何か天誅がくるから大丈夫!】
「ふ、馬鹿め!食らえ!タバスコ玉!」
【能力で辛い球体を作り出し、口に向けて弾く】
- 235 :ユリウス&シャオ・リオン:2010/05/31(月) 22:55:52 ID:fqURxG6Q0
- >>234
「わぁ、すごーい! ……すごいの?」
言いなおす様に首をかしげる。
『……はぐっ!?』
タバスコ玉がうまく口に入り込む。
『……』モグモグゴックン
初めこそ驚いていたが今ではケロッとした表情である。
- 236 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/05/31(月) 23:02:51 ID:.6prKP66O
- >>235
「はははははは!凄いぞ!
私の筋肉は!」
【実際はそこまでマッチョでは無いのだが】
「ユリウス、見てくれ
この腕輪、綺麗だろ?」
【不意に、ユリウスに腕輪を見せる】
「……なぁ、辛くない?」
【普通に尋ねてしまう、一応激辛だったはずなのだが】
「もしかしたら!普通のご飯食べれるんじゃないか?」
【そう言って渡す漫画肉】
- 237 :ユリウス&シャオ・リオン:2010/05/31(月) 23:09:48 ID:fqURxG6Q0
- >>236
「ほんとう? 見せてー!」
キラキラと輝いた期待の眼差し。
「うん、すっごくキレー。どうしたの?」
食い入るように腕輪を眺める。
『大丈夫。……♪』
らしい。骨を美味しそうに食べている。
- 238 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/05/31(月) 23:14:02 ID:.6prKP66O
- >>237
「え!?」
【見せろと言われると露骨に戸惑う……何か問題があるのだろうか?】
「あ、あぁ……この腕輪ね、ゼオラに貰ったんだ!」
【ホッコリと優しい笑顔を浮かべて】
「やった!ついに普通のお肉を食べるようになったぞ!!」
【何か超喜んでいる、そりゃ……
自分が食べられる可能性が減ったのだから無理もない】
- 239 :ユリウス&シャオ・リオン:2010/05/31(月) 23:17:35 ID:fqURxG6Q0
- >>238
「……ダメなの?」
期待を打ち砕かれた少女の顔はそれはもう残念そうである。
「あの子が? ほんとう?」
半ば信じて無さそうな目。
『うん、おいしい』
そのあと一口で全て食べてしまった。
- 240 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/05/31(月) 23:26:41 ID:.6prKP66O
- >>239
「い、いや!大丈夫だぞ!大丈夫!!
ほら!」
【少女にそんな顔をされたら上弦は勝てない
コートとワイシャツの更に奥、体に密着したタイプの衣類のお陰で、筋肉がわかる
普通の人より少しある位だ】
「信じてないな?本当にゼオラがくれたんだよ?
私の宝物さ!」
【ユリウスのデコをつついて笑う】
「もう一本いるかい?
え?どこから出してる?
それは聞かない約束さ!」
【また漫画肉……とりあえず肉を与えて自分の身を守る作戦だ】
- 241 :ユリウス&シャオ・リオン:2010/05/31(月) 23:31:35 ID:fqURxG6Q0
- >>240
「上弦、カッコイイよ―!」
ひしっ。
笑顔で抱きついていった。
「だってねぇ? あの子がそんなことするわけ無いじゃん」
仮にも姉であるぞ。
『食べる』
上弦が与え続ける限りはひたすらに食べ続けるであろう。おそらく。
- 242 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/05/31(月) 23:37:11 ID:.6prKP66O
- >>241
「ははははは!そうだろそうだろ!?」
【ユリウスを受け止めて回る、小さい頃体験した事ある人もいるだろう……
メリーゴーランドみたいな遊びである】
「え?本当だよ?私も約束さ指輪をあげたし、あの子も私に腕輪を……
なぜ嘘だって思うんだい?」
【大切な腕輪は確かにゼオラがくれたもの、上弦はそう信じている】
「……どうしよう……さすがに無限は無いからな、漫画肉……まずは様子を見よう……」
【漫画肉のおかわりをあげて、様子を見る事にした
その間に上弦は考えを巡らせる】
- 243 :ユリウス&シャオ・リオン:2010/05/31(月) 23:44:33 ID:fqURxG6Q0
- >>242
「わーいわーい」
本当にたのしそうな顔である。
「んー、そんなに意味はないんだけどさ……。
私、あの子が何考えてるのか解らないなーって、思うの」
元気の無さそうな声に変わり。
『もぐもぐ』
ごっくん。
食べ終えた。
- 244 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/05/31(月) 23:50:48 ID:.6prKP66O
- >>243
「……」
(なんとか誤魔化す事が出来たな!)
【そんな事を考えていても、上弦も自然と顔が緩み、楽しんでしまっていた】
「何考えてるか……わからない?」
【ユリウスの声に弾みが消えた事により、上弦も回るのを止め、聞き入る】
「……」
【様子を見ている……シャオを警戒しながら、ユリウスの話に耳を傾け】
- 245 :ユリウス&シャオ・リオン:2010/05/31(月) 23:58:07 ID:fqURxG6Q0
- >>244
「だって、あの子怖いし……。
私と遊んでくれないから……」
しゅんとしたかおになっている。
『寝る』
そういうと上弦のベッドに転がった。
- 246 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/01(火) 00:02:33 ID:.6prKP66O
- >>245
「……よしよし、ユリウス聞いてくれるか?」
【ユリウスを膝に乗せて優しく話す】
「君が思ってるほどあの子は怖くないよ?
私はゼオラが大好きだし、ユリウスもすぐに大好きになるよ……
だから、そんな事言わないであげてほしい……
お願いだ……」
【上弦はゼオラが大好きだ……だからユリウスにはゼオラの事を恐がらないでほしかった】
「これは私眠れないな……ここで寝たら変態と呼ばれるか、食べられるかのどっちかだ……」
【シャオに布団を掛け直し、上弦は呟く】
- 247 :ユリウス&シャオ・リオン:2010/06/01(火) 00:09:20 ID:fqURxG6Q0
- >>246
「わかったよ、がんばってみる」
「でも、あの子は何もしたがらないから、何をすればいいか解らないの……」
確かに、ゼオラは無欲である。
『Zzz……』
早くも眠りについたらしい。
- 248 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/01(火) 00:14:38 ID:.6prKP66O
- >>247
「そうだな……一緒にお茶でも飲んだり、笑顔で話し掛けて見ようか?」
【上弦は確かそうしてきた筈である】
「私には甘えて来て……くれてたと思う……
ゼオラは……私にどんな気持ちで腕輪をくれたんだろうか……」
【シャオを寝かし付け、ユリウスを膝に乗せながら上弦は考える】
- 249 :ユリウス&シャオ・リオン:2010/06/01(火) 00:29:09 ID:fqURxG6Q0
- >>248
「うん、わかったよー」
笑顔で答えた。
「あの子が甘える感じ……って想像できないよ」
首をかしげながら。
- 250 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/01(火) 00:33:06 ID:.6prKP66O
- >>249
「ユリウスはいい子だな!きっといいお嫁さんになるぞ!」
【グリグリと頭を撫でて褒める褒める】
「そうかい?私は今だって思い出せるよ?あの子の思い出……早く会いたいな……
きっと帰ってきたら私に甘えてくれるんだ!
ユリウスがビックリするくらいね?」
【首をかしげるユリウスに自信満々に言う、いつだってゼオラを想っている上弦だからこそ、そう言えるのだ】
- 251 :ユリウス&シャオ・リオン:2010/06/01(火) 00:36:58 ID:fqURxG6Q0
- >>250
「えへへ……」
俯かせて照れる照れる。
「わっ、上弦って凄いんだねー」
尊敬の入った表情で上弦を見る。
- 252 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/01(火) 00:42:48 ID:.6prKP66O
- >>251
「よしよしよしよしよしよし!」
【何か楽しくなって来たらしい】
「よしよしよしよしよしよし!ユリウスよしよしよしよし!
初めて会った時は私を警戒していたのに今じゃすっかり安心してくれてるね?」
【不意にユリウスに尋ねる】
「ふふふ、そうだぞ〜?
私は凄いんだぞ〜?
ユリウスはやっと気付いたようだね?」
- 253 :ユリウス&シャオ・リオン:2010/06/01(火) 00:48:03 ID:fqURxG6Q0
- >>252
「うん! だって上弦はいい人だもん」
明るい笑顔を振りまきながら答える。
「もっと前からしってたよ〜?」
- 254 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/01(火) 00:53:38 ID:.6prKP66O
- >>253
「そうかい?そう思ってくれていたのなら、私も嬉しいぞ?」
【頭を撫でるのを止め、ユリウスを下ろす】
「そうなのかい?いやぁ……何だか照れるなぁ〜……
だから、ゼオラが帰ってきたら仲良くしてあげてね?」
【喜びで顔を少し赤くしてウィンクをする】
- 255 :ユリウス&シャオ・リオン:2010/06/01(火) 01:00:15 ID:fqURxG6Q0
- >>254
「初めはもう怖かったんだけどね……」
「うん、仲良くするよ!」
小さくジャンプして赤くなった上弦のほほに触れる。
- 256 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/01(火) 01:06:19 ID:.6prKP66O
- >>255
「えぇ〜?こんなに優しくて格好いい顔してるのにかい?」
【上弦は目付きが悪いのでユリウスが怖がるのも無理はないのだ】
「お?やったな〜?」
【上弦も負けじとユリウスの頬を両手で撫でる】
「よろしく頼むぞ〜?」
【オデコをくっ付けて笑う】
- 257 :ユリウス&シャオ・リオン:2010/06/01(火) 01:10:01 ID:fqURxG6Q0
- >>256
「だってお姉ちゃんがわるい奴だっていってたから……」
しゅんとした顔。
「わ〜かっ……った!」
大きく頭を引いて頭突きをした。
- 258 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/01(火) 01:18:19 ID:.6prKP66O
- >>257
「そうだったね……でも、今は私も君のお姉ちゃんのゼオラと仲良しさ……」
【しゅんとした顔を元気づける為に上弦はユリウスに言い聞かせる……が】
「ぬぐぉ!?」
【頭突きをまともに受け、上弦は後ろに倒れこんだ】
「うぅ……ユリウス、中々石頭じゃないか……
さて、ユリウス……今日は私のベッドを貸してあげるから泊まって行きなさい……
この子をこのままにしておく訳には行かないからね?」
【シャオを指差し、ユリウスをベッドに乗せる】
「私は別の場所で寝るから安心してくれ」
- 259 :ユリウス&シャオ・リオン:2010/06/01(火) 01:21:51 ID:fqURxG6Q0
- >>258
「わかってるー。私とも仲良しだもんねっ?」
「えへー」
何か褒められたのとカン違いしている。
「うん、そうするね? おやすみなさいー」
シャオの隣でベッドに倒れると、そう声を上げた。
- 260 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/01(火) 01:26:42 ID:.6prKP66O
- >>259
「そうさ!ユリウスとも仲良しさ!」
【頭にタンコブを作りながら高らかに言い放つ……そして……】
「うん、お休み!……ほら、私部屋を出ちゃうぞ?」
【一緒に寝たいオーラ炸裂】
- 261 :ユリウス&シャオ・リオン:2010/06/01(火) 01:31:11 ID:fqURxG6Q0
- >>260
「じーっ」
起き上った。
「……一緒に寝たいの?」
『Zzz……』
- 262 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/01(火) 01:33:32 ID:.6prKP66O
- >>261
「え?……うん、ほらメイドも執事も一緒に寝てくれなくてね?」
【恥ずかしそうに頭を掻きながら戻ってきた】
- 263 :ユリウス&シャオ・リオン:2010/06/01(火) 01:34:41 ID:fqURxG6Q0
- >>262
「仕方ないなぁ……」
シャオを押して壁際に持っていき、スペースを作った。
- 264 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/01(火) 01:38:21 ID:.6prKP66O
- >>263
「いいのかい?」
【パァと笑顔が輝く!】
「わ〜い!」
【喜んでベッドに寝転がる上弦はかなりダサい】
「風邪引かないように君達には毛布をかけてあげよう」
【毛布を二人にかける】
- 265 :ユリウス&シャオ・リオン:2010/06/01(火) 01:44:44 ID:fqURxG6Q0
- >>264
「ほんとう、子どもだね……」
やれやれ、といった顔で見る。
大人びてみたいお年頃である。
- 266 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/01(火) 01:48:10 ID:.6prKP66O
- >>265
「まぁまぁ、いいじゃないか!
ユリウスは大人だね?」
【電気を消し、ユリウスにお世辞を言う】
「さて、もう眠いだろ?
ユリウス、安心して眠りなさい
私も安心する」
- 267 :ユリウス&シャオ・リオン:2010/06/01(火) 01:50:30 ID:fqURxG6Q0
- >>266
「私は大人だもんっ」
身体を倒し、ベッドに横たわる。
「うん、上弦おやすみー」
笑顔を見せた後、目を閉じた。
電気を着けていないと普段は眠れないのだが今回だけはf頑張ることにしたようだった。
- 268 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/06/01(火) 01:54:18 ID:.6prKP66O
- >>267
「お休み……ユリウス」
【そう言って、上弦も眠りに就いた……】
//お疲れさまです、遅くまで有難うございました!
- 269 :名も無き異能都市住民:2010/06/01(火) 22:17:24 ID:fKMiAOfo0
- 「別にあなたじゃなくてもいいのよ、ただ偶然見かけたから。
忙しかったら別の人に頼んで頂戴」
白衣の女性とアフロの男性が、ビルの廊下で話していた。
アフロの男性の手には一枚の紙切れ。
今しがた白衣の女性に渡されたものらしい。
「解りました。
ですが武州博士、本当にいいんですか?」
「構わないわ。
光速にはたどり着けなかった挙句姿をくらますなんて、結局あいつは失敗作ね」
それを聞いて、男は数秒押し黙る。
「…では、僕はこれで。
あの馬鹿野郎の始末は任せてください」
それを聞いた女性は、話しながら踵を返し、歩いていく。
「頼むわ。
何人か連れて行ってもいいから」
廊下の奥に消えていく女性を見送りながら、男は窓の外を眺める。
「沢ちゃん、もう手遅れだ。
一体どこに行ったんだよ」
紙切れに書かれていたのは、『沢桐創、抹殺指令』と、その旨であった。
- 270 :No.3:2010/06/04(金) 23:31:54 ID:ZY44/EXI0
- イデアの箱庭:採石場
「もっと強うならな、な。いつまでも能力頼りの素人喧嘩やと、
いずれ限界がくるやろし…」
呟きながら、男の纏う空気の質が変わる。
「幸い、『型』なら見せてもろたから…『重身軽躯』ッ」
少しの震動。それは彼の物理的な質量が巨大になったことを意味する。
「…こうか。『重打』ッ!!」
それは、今までとは違う型にはまった正当な突き。
その圧倒的な体の重さから放たれる拳は、小型トラックの激突に等しいパワーを持つだろう。
「っは、ええなええなッ!名づけて『重拳』、鍛錬すりゃするほど…わくわくしてくるわ」
そのまま、基本的な型をいくつか試している。
- 271 :銀髪の ◆X7kkkkkkkk:2010/06/04(金) 23:50:53 ID:PMt0ERXQ0
- 採石場、
瓦礫に、いつのまにか彼女は腰掛けていた。
黒い刀を両手で握りながら、じー、とNO.3さんの動きを見て呟く。
「おもしれー技だな」
- 272 :No.3:2010/06/04(金) 23:56:56 ID:ZY44/EXI0
- >>271
「ノってきたノってきたっ、『重打―破弾』ッ!」
爆発、それと見まがうような地面の爆散は、彼がその拳を地面に叩き込んだ事によって起きた。
まるで花火のように瓦礫が落ち行く中、金髪碧眼の男は銀髪の女性に気付いた。
「ありゃ、見学かいな。いやいや、この技まだ未完成よ、
何より僕自身まだまだ素人やしなー、型がなっちゃおらんわ」
笑って答える。
新しい技を考えたことがよほど嬉しいのだろう。
「あんたも練習?」
- 273 :銀髪の ◆X7kkkkkkkk:2010/06/05(土) 00:08:43 ID:PMt0ERXQ0
- >>272
「いや、練習じゃねえ」
視線をNo.3さんにあわせたまま、ゆっくりと首を横に振る。
あわせて銀線が軽く、ほんの軽く揺れた。
興味深そうに彼女は笑っていた。
緑色の瞳が、楽しそうにきょろきょろと辺りを見渡す。
イデア
「暇潰しがてらココを探検してたんだ。
あんまり来たことなかったし、考え事もあったしな」
- 274 :No.3:2010/06/05(土) 00:14:11 ID:ZY44/EXI0
- >>273
「なるほどなー、確かに一人で考えるにゃ理想やけど、わざわざ採石場にせんでも」
くすっと笑い、男は近付いてくる。纏う空気が和らいでいく。
「『重身軽躯』解除。…ここはええとこよ、どんだけ壊しても怒られないし、
僕みたいな能力者にはうってつけやな」
拳をぷらぷら振りながら。
「…なんや考え事邪魔してもーたかな?何かあるんかいな」
問いかける。
- 275 :銀髪の ◆X7kkkkkkkk:2010/06/05(土) 00:33:55 ID:PMt0ERXQ0
- >>274
「探検つったろ?てきとうにブラブラしてたんだよ」
対し、彼女は凜とした空気。
魔術の素養があるなら感じ取れる、〝森の中で聞く雨の音〟のような独特の雰囲気を持っていた。
「考え事つっても、大したことじゃねーよ。
これくらいの子供にどんなプレゼント送るか迷ってるだけだし」
中:PCの調子悪いので、不意にレスがなくなるかもしれないっす…………ごめんなさい
- 276 :No.3:2010/06/05(土) 00:51:12 ID:ZY44/EXI0
- >>276
「探検かー、そういやしたことあらへんわ」
頷いて、その空気はうっすらと感じ取る。
彼の魔術素養は常人以下だが、異能を察知する感覚には優れていた。
「子供ねー、…プレゼントか、僕はそんなん貰ったこと無いからなー、
具体的な助けにはならんなー。」
あくまで軽く。彼は頭を掻いて。
「誕生日か何か?」
- 277 :銀髪の ◆X7kkkkkkkk:2010/06/05(土) 01:06:12 ID:PMt0ERXQ0
- >>276
「無茶苦茶広いんだよ、ここ。
当然っちゃあ当然なのかもしんねーけど…………気にならねーか?」
どんなだろー、って。
瞳は、空、床、たまにNo.3さん、と忙しなく廻る。
「誕生日、……・あー…………そっか。誕生日もあんのか……………………」
そういえばそうだった、と彼女は一人勝手に頷いて納得した。
兎も、角。彼女は手で区切りを入れるように宙にチョップを下す。
「今は誕生日じゃねえ。ほら、闘祭あっただろ?
それで頑張ったやつに、ご褒美っていうか…………なんだろうな。
記念?でなんかあげたいんだよ」
プレゼントをもらったことがない、というのは流して彼女は話を続けた。
- 278 :No.3:2010/06/05(土) 01:18:25 ID:ZY44/EXI0
- >>278
「ジャングルとか山岳とか色々エリアあるからなー、
戦闘方式も変わって、楽しそうやわ」
どうやらこいつ、戦うことしか頭にないようだ。
「そんな面白いんあったんかー、僕も出たかったな。闘祭っちゅーことは
あれやろ、バトルバトルの大混戦、みたいな。出たかったなー」
一切の邪気無く戦うことを望んでいるようだ。
「あー、なるほど。そういうプレゼントか、そんな子供やのに闘うんやねー。
…武器のメンテナンス用具とか、どう?キットが売ってたはずやで。
素手で戦うっちゅーんやったら思いつかんが」
少し考えて、思い付きを口に出す。
「中々ええせんちゃう?
…さて、僕はそろそろ帰るわ、また縁あったらよろしゅうに。
僕はNo.3、最近は此処で遊んでるから、もし何かあったら箱庭からNo.3で検索してやー。」
ニヤ、と笑って。『浮躍』と一言呟けば。
その体は既に採石場の小さな山を飛び越えていた。
//眠いので落ちます!ありがとうでした!
- 279 :銀髪の ◆X7kkkkkkkk:2010/06/05(土) 01:24:26 ID:PMt0ERXQ0
- >>278
「トーナメント式のでっけえ大会だな。
〝ここ<異能都市>〟の一位決めるんだってよ」
笑い、出ればよかったかな、なんて少しだけ悔いる。
戦りたい、その欲望は人一倍強いと感じた。
「…………ん、それじゃな。
暇だったらまた来るわ」
変わった名前だな、
彼女は思いながら屈伸、
No.3さんが飛び去るのを見ながら、自身とはまた違ったタイプの重力使いか、と考える。
「…………メンテナンス道具か」
……………………昆虫ゼリーとか?
悩みながら彼女もまたどこかへ消えた。
中:お疲れ様でした。
おやすみなさいー
ノシ
- 280 :神羽朱華+藜:2010/06/07(月) 18:23:57 ID:QYyPcDfoO
- リグヌビル、少女に与えられた部屋。
少女は嬉しそうに笑いながら、昨夜貰ったばかりの刀を見つめていた。
「ねえ、この刀使えるようになったらあんたの負担が少なくなるのよ?」
――そうだな。
「いつまでもあんたに頼って戦うのもどうかな、って思ってたの。ふふ」
――そうか。私が力を貸さなくてもよくなるんだな。
「えへへ、強くなったあたしを空から眺めててよ!」
――ああ、楽しみにしている。
――……私と共に居過ぎては、お前に何が起こるか……わからないから。
「……? 今、なんて言ったの? 聞こえなかったわ」
――なんでもないよ。鍛練、頑張るんだ。
「うん!」
――…………それでいい、私はお前に力を貸さない方がいいのだから……
宙に浮かぶ蟲は、複眼に悲しみの色を混ぜて。
主たる少女の笑顔を、見守っていた。
- 281 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/06/07(月) 22:29:42 ID:/k2gysHgO
- 和紙に筆先を触れ合わせる事を遊ぶような筆跡。たっぷりと墨汁を吸った筆先は雲を踏むような軽さで滑らかな曲線を描いた。
一面の白を自由闊達に走る黒は軈て輪郭を成し、其は徐々に風景を描き出す。じゃれつく様な線は如何にも面白そうだ。
「…………」
俯瞰視点で描かれた摩天楼に人々の行き交う交差点。途中途中で筆を代え乍ら描き出されたのは都市の風景だった。
恐らくは千夜ビル本棟の最上階から都市を見下ろした風景なのだろうが、然し其処には実際には無い物も描かれている。
最も目立つのは都市の彼方此方に配された、果実を着ける前の梅。他にも様々な木々が其処に描かれ、摩天楼を擁した都市と云う無機質な題材に季節感を持たせていた。
「初夏楽都鳥瞰之図――と云うのは些か格好を着け過ぎか。……何時も通り無題かな」
ちょんちょんと、矢張り遊ぶ様に手直しを打ち乍ら、戯ける様な苦笑混じりに女が呟いた。
――――千夜記念病院の一室。大きな和紙を床に広げ、患者服の侭筆を取る真紅の髪眼の女が居た。
- 282 :ミラージュ:2010/06/09(水) 22:48:19 ID:fqURxG6Q0
- ―――!!
響く爆音。
幾らかの光と熱。
飛び交う物の欠片と悲鳴。
「あの目が気に入らない」
もう一度、爆音。
少女とすれ違う人々が次々と倒れていく。
「その顔が気に入らない」
大きく溜め息をついてふと後ろを振り返る。
既に怪我を負っている者や倒壊した建物。
それらのカバー等で多くの人、物が集まっていた。
「全てが気に入らない」
突如、悲鳴が途絶えた。
- 283 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/06/09(水) 23:17:28 ID:.6prKP66O
- 「……なんですの?今の音は……」
【そこに少女が通りかかる】
「言ってみますわ!」
【爆発音が聞こえた場所へ走る】
- 284 :イザヤ:2010/06/11(金) 00:24:03 ID:ZY44/EXI0
- 【どこか、暗い場所。】
(術式逆算中、第1100202試行、…失敗、破棄。)
(…第1100203試行、…失敗、破棄。くそッ)
暗く狭い空間の中で、銀色の輪がくるくる動いている。
その中心には和風の黒服を着た男。指を動かすたび、銀の輪が回転する。
(流石に一筋縄じゃ解けちゃァくれねェか、ッたく長ェ人生で
封印なンざされたなァこれが初めてだッ!どンくらい此処にいるのかすら
解りゃァしねェ、畜生…ッ!)
(第1100419試行……失敗、破棄。)
(第1100420試行……逆算解析完了、銀烏による封印対抗陣を自動生成、
……)
「…へ?」
(……成功。封印を解除完了。)
「うお、おおォォッ!?」
異能都市の路地。そこには小さな露天がごたごたと並んでいる。
小さな市場のような風体をかもし出しているそこに、一つの怪しげな露天があった。
眉唾物のオカルトグッズを扱う店。
小さな蝋燭で夜の明かりをとっている、何とも怪しいその店の、片隅にある煙水晶。
それが、少し震えて、銀の光に包み込まれ。
パァンッ
弾け跳び、道行く人が何だ何だと目を向けた。その先に。
露天の陳列台を踏み抜いて呆然と立つ和服の男がいた。
「…やッと出れたぜィ、ッたく、どれだけあの封印に苦しめられたかッ!」
みるみる笑顔になり、そして手に入れた自由を噛み締める。
だが、その後ろで店を壊された店主がわなわなと怒り狂っている事に、彼は気付いていなかった。
【そして、数分後】
「はァ、はァ…あァ、どうにかまいた…かねェ?」
異能都市の隅にある、忘れられたかのような小さな森。
森林散歩コースとして細々と道が続いており、その先の少し開けた場所で、立ち止まる。
闇の中、月の光が黒の男を照らし出す。
「…さて、俺が一番知らなきゃァいけねェ事は、今がいつか、と」
「此処がどこか、さねェ」
困ったように、呟いて。近くの切り株に腰を下ろした。
- 285 :イザヤ:2010/06/12(土) 01:05:21 ID:ZY44/EXI0
- 「とりあえず、妖力が足りねェなァ、…どンぐらいか解らねェが、
解析術式を使い続けたンだ、そりゃァ…消耗しまくるッてェ訳さね、…
余り良い霊場じゃァねェが…此処なら回復が少し早いかねェ…」
森の中で、出来るだけ消耗しないように横たわり続ける。
森が供給する妖気を、吸収していく。
- 286 :イザヤ:2010/06/12(土) 01:08:59 ID:ZY44/EXI0
- 「とりあえず、妖力が足りねェなァ、…どンぐらいか解らねェが、
解析術式を使い続けたンだ、そりゃァ…消耗しまくるッてェ訳さね、…
余り良い霊場じゃァねェが…此処なら回復が少し早いかねェ…」
森の中で、出来るだけ消耗しないように横たわり続ける。
森が供給する妖気を、吸収していく。
- 287 :イザヤ:2010/06/12(土) 01:09:31 ID:ZY44/EXI0
- //二重か、ミスった!
- 288 :名も無き異能都市住民:2010/06/12(土) 01:10:27 ID:/k2gysHgO
- >>286
がさがさ、と音がした。近くの茂みが揺れている。
- 289 :ヴァイス:2010/06/12(土) 01:14:06 ID:QYyPcDfoO
- 「……ふ、ふふふ……買った、買ったぜフヒヒ……」
上空でなんかキモい笑い声あげてるアホ一人。
- 290 :イザヤ:2010/06/12(土) 01:14:48 ID:ZY44/EXI0
- >>288
目線だけを草むらにやる。
「何か、いるのかねェ…ああ、駄目だ、探索する妖気も出せやしねェ、…。」
消耗は大きい。今出せる銀烏はせいぜい10羽くらいになってしまうだろう。
それすらも消費出来ないほど、イザヤの妖力は底をついていた。
- 291 :セアクルス:2010/06/12(土) 01:22:53 ID:/k2gysHgO
- >>290
「……んお?」
がさ、と茂みから顔を出したのは大きめのキャスケット帽を被った白金色の髪の少女だ。
「お主、ここで何をしとる? っちゅうか、ここらはお主の縄張りかの?」
- 292 :イザヤ:2010/06/12(土) 01:25:32 ID:ZY44/EXI0
- >>289
「…堕ちてきませんようにィ、と」
ただそれだけを祈る。
>>291
「いやァ、此処は…違う。ただ、回復させてもらッてるンだ。
…此処は、あんたの縄張りかィ?」
- 293 :ヴァイス:2010/06/12(土) 01:28:57 ID:QYyPcDfoO
- >>292
「フヒwwwwwwwwwあずにゃんだきまくらカバーwwwwwwフッヒヒwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
顔は悪くないはずなのにこれだよ!
前を見ずに飛んでいた彼は案の定鉄塔に額を打ち付けました。
- 294 :二号:2010/06/12(土) 01:34:35 ID:fP94A.NgO
- ガサッ
「父さん、妖力を感じるッス!」
某妖怪少年のセリフを言いながら茂みから現れたのは、給仕服を着た青年
頭にはタオルをバンダナのように巻き、肩にはモップを抱えている。
「…って人じゃないっぽいのがたくさんいるッスね」
ぐるりと辺りを見回して、ぽつりと呟いた。
- 295 :セアクルス:2010/06/12(土) 01:36:20 ID:/k2gysHgO
- >>292
「なんだ、驚いたわ」
ほっと少女は肩を降ろす。
――淡雪のような白い肌、整った目鼻立ち。女性らしい起伏に富んだ豊満な体つきをしているが、まだ子供らしさが残る体つきで、ややずん胴気味の体型。
色気よりも少女らしい健康さがあり、女性として成熟した体形と言うよりは、発育の良い体形といった印象だ。
「んにゃ、あれじゃ。吾はここを縄張りにしようとしててのう。――あ、そうそ。吾は竜じゃ。お主は?」
>>293
「な、なんじゃあ……?」
鉄塔の辺りから急に響いた音に、セアクルスは思わず辺りを見回した。
- 296 :イザヤ:2010/06/12(土) 01:41:16 ID:ZY44/EXI0
- >>293
「いや…既に、堕ちてるンかねェ」
顔をしかめながら
>>294
「深夜の森に何でこンなに集まるンだァ、…よく解ッたなァ、
こんな弱ッちまッてンのに。」
>>295
「俺ァ妖怪、烏天狗さねェ。訳あッて…いや、訳解らねェまま封印されて、
気がついたらこの街だッたンだ、封印を解くのにあらかた妖力も魔力も使ッちまッて、
今は枯渇状態ッてェわけだなァ」
黒い和装の男は言葉をつむぐ。
「…あァ、翼が無いのは勘弁してくれ、元はあッたが今はねェんだ、
まァ妖気で信じてくれるたァ思うがねェ」
口の端だけで笑う。
「ンで、あンたが竜ッてなァどういう訳だィ?」
- 297 :ヴァイス:2010/06/12(土) 01:43:44 ID:QYyPcDfoO
- >>294>>295
「……痛……」
額をさすっていたら、某アニメショップの袋を取り落とした。
あずにゃんだきまくらカバーの入ったそれを。
ひゅーるるるる、とか言いそうな感じでおちてゆく。
「――――ッ!!!」
決死の表情を浮かべ、猛烈な速さで袋を追い――
\ドゴーン/
墜落。
>>296
その通りでございます。
「……ひっく……えっく……汚れた……」
マジ泣きまで始める始末、いろいろ残念な彼の背中には純白の翼があった。
- 298 :セアクルス:2010/06/12(土) 01:51:37 ID:/k2gysHgO
- >>296
「んお……なんじゃ、よぅ解らんが大変だったんじゃのう」
何やらふむふむと頷いてイザヤの話を聞く。
「……んで、テングってなんじゃ?」
こっくりと首を傾げたが――
「んぐ? いにゃ、そのままじゃ。吾は竜じゃ。今は人間に化身しとるがのう」
>>297
「…………んぐ?」
とセアクルスは首を傾げた。
「お主、鳥人か? めっずらしいのう! こっちにも鳥人っておるんじゃのう!」
- 299 :二号:2010/06/12(土) 01:59:38 ID:fP94A.NgO
- >>296
「お、やっぱアンタも妖怪ッスか」
近付いてきた男は、頭に巻いていたタオルを左手で取り去る。
タオルの下に隠れていたのは鮮やかな金髪
そして、額から生える鈍色に輝く二本の角
「俺も一応鬼、妖怪の端くれッスからねー。
やたら弱々しい妖気に誘われてホイホイ来たわけッスよ」
>>297
「うわぁ…二重の意味で痛いッス」
同情と憐憫を込めた目線を天使に送る。
>>298
「こっちは…妖気とも違うけど、人間ではなさそうッスねぇ」
はて、とセアクルスを見ながら首を傾げる。
- 300 :イザヤ:2010/06/12(土) 02:14:08 ID:ZY44/EXI0
- >>297
「大分回復してきたさねェ…おーい、そこのあンた、どうしたィ?」
羽を見て、自分には無い翼の事を考える。
>>298
「ありゃァ?天狗、しらねェか?妖怪の仲間で、特に烏天狗は烏の翼をもッてるンさねェ。
神通力を使う、妖怪といえば天狗さね!」
少し元気に言ってみる。
「変身かィ、便利な技を使えるもンさねェ…どこぞの土地神さまかィ?」
言いながら、こころやすいどこぞの土地神を思い出す。
>>299
「あンたは、鬼かァ、なるほど、妖怪の総出だなァ」
「これだけ近くに妖気がありゃァ回復も早ェな、助かるねェ」
ニヤリと笑った
- 301 :ヴァイス:2010/06/12(土) 02:16:00 ID:QYyPcDfoO
- >>298
「違いますー天使様ですー。天使ちゃんマジ天使ですー。
さかいめを見せる種族と一緒にしないでくださいー」
涙目でぶつくさ。
「そーいうあんたも幻想種なんじゃねーの」
>>299
「天使ちゃんマジ天使……でも俺にはあずにゃんが……」
いろいろ残念すぎる。
「鬼。しまった豆のストックがない」
>>300
「汚した……おろしたての服……」
これはひどい
「……えーっとここは、妖怪と幻想種の真剣しゃべり場なの?」
人間がひとりもいねえ。
- 302 :セアクルス:2010/06/12(土) 02:23:07 ID:/k2gysHgO
- >>299
「ぐぬ? ……オニ?」
二号の言葉を聞きいてセアクルスも首を傾げた。
「吾は竜じゃ。んでお主は……オニ? もしかしてここはお主の縄張りかの?」
>>300
「ほほー……鳥人とは違うんかの? ……すまんな、最近この世界に来たばかりで万事不案内での」
ぬぬう、と眉間にしわを寄せて難しい顔。
「トチガミ? んにゃ、違うぞ。吾は竜じゃ。……この世界では竜がトチガミとやらになるのが当たり前なのかの?
ぬぬう、今度すえぞおに聞いてみるか……」
>>301
「おお、それは失礼したのう……にしても、天使か」
ヴァイスを上から下まで見て、
「……吾の世界の天使とは大分に有り様が異なるみたいじゃなあ。この世界の天使は、鳥人と何が違うのかの?」
- 303 :二号:2010/06/12(土) 02:41:49 ID:fP94A.NgO
- >>300
「なぜか魑魅魍魎が集まっちまったッスね」
イザヤの笑みにケラケラと笑い返す。
「でも、大丈夫ッスか?見たところ、アンタはこの山に根付いたわけじゃなさそうッスけど」
天狗と言えば、土地神の傾向が強い妖怪
根無し草では妖気の回復も難しいのではないかと心配する。
>>301
「ソラノヲトも思い出してあげて欲しいッスよ」
空気だけど。
「豆?甘いッスね、俺を撃退したいなら桃持って来ないとダメッスよ。
白桃の高いヤツがおすすめッス」
>>302
「竜?…ああ、変化してるんスね!」
ぽん、と納得したように手を打つ。
「いや、俺の縄張りはもうないッスよー」
昔は街中にあったんスけどね、と苦笑しながら頭を掻く。
- 304 :イザヤ:2010/06/12(土) 02:41:51 ID:ZY44/EXI0
-
>>301
「…服か、それくれェなら」
掌から銀の粉が舞う。…いや、それは小さな小さな銀色の烏達。
「あの子の服の汚れを食ッてやンな、旨いエサなら後でやるから」
烏で構成された銀の霞がヴァイスの服に群がる。目に見える速度で汚れが消えていく。
「おろしたての服がそれじゃァなァ。」
少し笑う。回復が早いのか、余裕が出て来た。
>>302
「たッはァ、本当に解らねェのか…ちょいと悲しいさねェ」
ふむ、と考えて
「俺ら鬼やら天狗やらは、妖怪ッてンで、人間から少し外れた種族なンだ。
ンで、この世界のある考え方じゃァ、全てのモンに神様が存在してるッてェもンがある。
つまり、土地にも神様がいるわけで、それが土地神ッて訳だな。
竜ッてェのは大体川の神様の事が多いがねェ、あンたが力のある竜ならむしろ
神じゃねェのがおかしいくらいなンだ」
妖怪の道理をとつとつと話すイザヤ。
- 305 :ヴァイス:2010/06/12(土) 02:47:09 ID:QYyPcDfoO
- >>302
「んー……ぶっちゃけ聖気持ってるかそうでないかじゃね?」
はたはたと翼を動かすたびに、青い光がふわふわ。
これがいわゆる聖気らしい。
>>303
「基本、京アニか鍵原作しか見ないんで」
(キリッ
「缶詰めじゃだめ?」
>>304
「うわめっちゃ便利……」
一家に千匹銀烏。
「じゃあはい、お礼に羽あげる」
ふつりと一本抜いたそれを、イザヤの額にぶっ刺した。
- 306 :イザヤ:2010/06/12(土) 03:03:32 ID:ZY44/EXI0
-
>>305
「なンだァこの羽?あーついでになァ、体調が万全なら1万羽は出せるンだ」
得意げに言い放つ。
- 307 :二号:2010/06/12(土) 03:06:04 ID:fP94A.NgO
- >>305
「ムント…いやなんでもないッス。
とりあえずガイナ厨の俺とあんt…天使ちゃん(笑)は相容れないということがハッキリしたッスね」
わざわざ言い直したのは悪意以外の何物でもない。
自分、鬼ですから。
「ダメダメ。ちゃんと桐の箱に入ってるようなヤツじゃないと効果がないッスよ」
下心が丸見えである。
- 308 :ヴァイス:2010/06/12(土) 03:06:29 ID:QYyPcDfoO
- >>306
「天使様の羽。聖気たっぷり。
自然治癒力を高めたり効能いろいろ」
ただの傷パワーパッドであった。
「いちまん……制御しきれるの?」
普段は無感動な銀色の瞳に、「すげぇ」の三文字が光った。
- 309 :ヴァイス:2010/06/12(土) 03:08:20 ID:QYyPcDfoO
- >>307
「天使ちゃん馬鹿にすんなし!」
だがしかし中の人は直井くんマジ直井。
「えー……缶詰めおいしいのに。汁とか」
飲むなよ。
- 310 :イザヤ:2010/06/12(土) 03:13:31 ID:ZY44/EXI0
-
>>308
「そいつァありがてェ…、しッかし、妖怪が天の使いの保護を受けるッてェのも笑い話さね」
「制御ッても、1万羽が別々に動く訳じゃァねェからなァ、寄り集まって形を作る、ッてェのが
本来の能力さね。精精、翼や武器に造型するぐらいだ、こンな風に」
指先で銀烏に指示すると、汚れを掃除し終えた烏が掌に戻り、寄り集まり、
…小さなナイフを形作る。
「こういう事さね。ンで、服はもう終わッたからな」
- 311 :ヴァイス:2010/06/12(土) 03:19:28 ID:QYyPcDfoO
- >>310
「売るとそこそこの値段になるよ」
あとなんかの素材とかに。
「ふぇー……あ、ありがとう」
自分の瞳と同じ色の、銀色をまじまじと見つめ、
ちらっと自分の羽を見る。
できないかな、とか考えたり。
「……そういやあんたあんまり見ない顔。誰」
今更。
- 312 :イザヤ:2010/06/12(土) 03:28:23 ID:ZY44/EXI0
- >>311
「大切に貰ッとくぜ、綺麗なもンだなァ」
純白の羽をしげしげと見つめ
「あッはァ、俺の銀烏(しろがねからす)は羽じゃァ無くて能力だからなァ、
簡単に言ッちまえば召還魔法なンだ。召還妖術とも言うなァ。
結構複雑な術式だから、発動は大変だぜ?」
ヴァイスが考えている事を読み取って、笑う。
「俺ァイザヤ。どこぞの馬鹿坊主に封印されてたンだが、先程やッと開放されたンだ。
…アンタは?」
- 313 :二号:2010/06/12(土) 03:29:00 ID:fP94A.NgO
- >>309
「いや、天使ちゃんってアンタのことを言ったんスけど…」
ボケの解説ほど恥ずかしいものはない。
現に顔がちょっと赤くなっている。
そして直井病には中の人も全面的に同意
「さて、そんじゃ…生存確認はできたし、俺は帰るッスかね」
>>310
「天狗のにいちゃんもまたなーッス」
後ろ手に軽く手を振りながら、モップを抱え直して青年は去っていった。
- 314 :イザヤ:2010/06/12(土) 03:30:50 ID:ZY44/EXI0
- >>313
//うわぁぁぁすいませんレス見逃してたーッ!!おやすみなさい…どうしたんだ俺…
- 315 :ヴァイス:2010/06/12(土) 03:33:44 ID:QYyPcDfoO
- >>312
「わあー、術式とか考えただけであたま痛い」
魔法の才能からっきしであった。
「俺はヴァイスっての。どっかの国の言葉で『白』。
よろしく・ね」
無表情なまま首を傾げるのでなんかシュール。
>>313
「え、あのその、ごめん……」
こっちも赤面。
「……うあー、帰ろ。
またなーいざやん」
脅威のスピードであだ名完成。
翼を広げて、夜空に吸い込まれるように消えていった。
- 316 :イザヤ:2010/06/12(土) 03:35:25 ID:ZY44/EXI0
- >>315
「なンでだ、なンで皆考えるあだ名がいざやんになるンだ、何かおかしな呪いでもあるのかッ!?」
などと喚きながら。
「おうよ、またなァヴァイス。助かった!」
そのまま、森の中に横たわり続けた。
//乙です!!!
- 317 :二号:2010/06/12(土) 08:11:15 ID:fP94A.NgO
- >>314
//よくあることだから気にしてないぜw
- 318 :謎の男/BOSS:2010/06/12(土) 20:59:54 ID:3cjQSLZQ0
- 【街外れ】
「安価行動スレの雪辱を晴らすのは今じゃのう…」
草原というには狭く、野原というには植物が足りない。
雑草以外は茶色い大地がむき出しになっている場所。
二十代半ば。茶色い髪を伸ばした男が風を全身で受けていた。
ジーンズにストライプのポロシャツ。
こちらに適した服装だ。
「(…蟹にはやられてしまったのぅ。まさか御子の処で喧嘩を売れとは…。)」
男は心中で同僚に対する愚痴を零しながら、待っていた。
「レオ、準備はいいかのぅ」
『ああ。』
もう一人の男は、離れているにも関わらず口を動かした。
男の答えに満足げに頷くと訪れるかもしれない人物を待つ。
- 319 :ティファニア・ハートランド:2010/06/12(土) 21:16:46 ID:rSRBD9/U0
- 【町外れ】
今日、ティファニアは気まぐれに薬草を取りに来ていた。
以前、少しの間ではあるが漢方薬などを取り扱う寂れた店でバイトしていた彼女は
その時見た薬草と同じようなものを選んで採取していたのだが
つい熱中してしまってこんな時間まで森林をさまよっていた。
「うん?こんなところに誰か人が……?」
(よかった、もし車でこの辺まで来てるなら、
一緒に都市の真ん中辺りまで乗っけてもらおう。)
森歩きで疲れたティファニアは、
あわよくば車に乗せてもらおうと男達に近寄っていく。
- 320 :謎の男/BOSS:2010/06/12(土) 21:23:37 ID:3cjQSLZQ0
- >>319
「ん、どうしたんじゃ嬢ちゃん。こんな時間にこんな所にいると危ないんじゃよ。」
ポロシャツとジーンズ、スニーカーを身に着けた男が近づいてきた。
今のところ、敵意は見せていない。
- 321 :ティファニア・ハートランド:2010/06/12(土) 21:30:53 ID:rSRBD9/U0
- >>320
「大丈夫だよ!私はこう見えても強いんだよ!」
えへん、と胸をはるが脱いだコートを腰に巻き、
なにやら草やら木の実やらでいっぱいになったバスケットを
持っているティファニアは強そうに見えない。
「薬草を取ってたら遅くなったから、
車かなにかがあれば街の中心まで送ってもらおうと思って。」
- 322 :名も無き異能都市住民:2010/06/12(土) 21:32:08 ID:7jE6yumoO
- 閑散とした大地を一人、ボロ布で出来たマントを纏う者が歩いていた。
砂避けの為かフードを目深に被っている為、その人物の人相を窺い知る事は出来ない。
「うわー、ここは何処だこりゃ」
その言葉通り、この者は迷子。
あちらこちらへと視線を遣りながら、気まぐれに歩を進める。
>>318
目に止まったのは茶髪の男。
「おっ……人じゃないか
おーい、そこの人ー」
一刻も早く目的地へと辿り着きたい旅人は、男のもとへと駆け寄る。
- 323 :謎の男/BOSS:2010/06/12(土) 21:37:40 ID:3cjQSLZQ0
- >>321
「そうかそうか。」
ニタッっと笑い、ティファニアの頭をゴシゴシと撫でた。
「いくらお嬢ちゃんが強いといってもなぁ、此処は戦場になるかも知れないのじゃ。」
バスケットの中身を見て、うんうんと頷いた。
「スマンのぅ。生憎ワシ達は持ってないんじゃ。」
>>322
「おやおや。今日は迷子が多い日じゃて。」
ティファニアからローブの人物に目を移した男。
「主、砂漠出身かいのぅ」
- 324 :ティファニア・ハートランド:2010/06/12(土) 21:44:01 ID:rSRBD9/U0
- >>322
「む、また誰か来たよ……」
(なにか、ここであるのかな……?)
>>323
「戦場……?」
ティファニアの興味は、
既に男達の発した戦場、という言葉に注がれていた。
「ここで、いまから何かが戦うのね?
詳しく話を聞かせて欲しいな。」
ティファニアは先ほどまでの剣呑な空気とはまったく違い、
『鋭さ』と形容すればいいだろうか、切り込んでくるような空気を纏っていた。
- 325 :旅人:2010/06/12(土) 21:45:10 ID:7jE6yumoO
- >>323
「いんや、アタシは辺鄙な村のクソ貧乏な家の産まれだよ
ほら、旅人スタイルっていったらやっぱりこういうやつじゃん?」
ローブの裾を掴み、軽く持ち上げる旅人。
声からその者が女性であるという事が理解出来るだろう。
「ところで……」
「ちょっと今聞こえたんだけどさ、戦場になるって……どゆこと?」
その声には少し警戒心が混じり始めていた。
- 326 :名も略★:2010/06/12(土) 21:49:07 ID:???0
- 「なにやら」
ふと、上空から声。
ビル街ではない、茶色い大地の中。
暗き空に浮かぶ、一つの人影。
「こんな時間、こんなところにしては人が集っているね」
人影は、茶髪の男達の下へと……大地へと降り立つ。
そして、先ほどの言葉が聞こえていたのか。
一歩だけ男の方へと歩を進め……ベージュ色のポニーテールをした、中性的な顔立ちをした少女は、こう男に訪ねた。
「戦場だとか何だとか。一体、こんなところで何をしているんだい?」
- 327 :326:2010/06/12(土) 21:49:39 ID:QvFWau..0
- ## ぎゃああ名前欄消し忘れた!
- 328 :謎の男/BOSS:2010/06/12(土) 21:51:32 ID:3cjQSLZQ0
- >>324
「ワシが此処に来るものと戦うのじゃ。」
そう。彼の選択。
安価の選択っ――!!
メタ的にはしたくてやった今でも反省していないといったところだ。
「なんじゃ主。急に変わりおって。先の雰囲気はどこにいってしもうたかの。」
男はニヤリと笑みを浮かべる。
そう、安価は絶対。
これが彼のルール。
>>325
「後はターバンと皮の麻袋があれば完璧じゃな。」
男も旅の経験があるのか。
僅かに目を細めた。
「もちろんそのままの意味じゃ。闘<や>る気がある者が来りゃの話じゃがなぁ。ワシちと寂しい。」
- 329 :百合代 命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/06/12(土) 21:55:17 ID:KeBi7dcA0
- 「何をしているんですかー、こんなところで」
軽く駆け足で、そしてバツの悪そうな表情で近づいてくる人影
様々なツケによりこんなところの哨戒任務を任されてしまった哀れな人物である。
夜に溶け込むような真っ黒なコートは…正直哨戒というよりは隠密にしか見えないが
- 330 :謎の男/BOSS:2010/06/12(土) 21:58:22 ID:3cjQSLZQ0
- >>326>>327
「この様子を察するに…張り紙は意味なかったかの。」
急ごしらえというか、準備の手間が悪いというか。
まぁ、そんなものだ。
「戦場、言葉はそれだけで十分じゃ。」
>>329
「ここで闘いたいと思っていての。じゃが蓋を開けてみれば迷子ばかりじゃ。」
男は“微妙じゃ”と言いたげな表情を浮かべた。
隠密に近い格好だが、男は気付いていた。
- 331 :ティファニア・ハートランド:2010/06/12(土) 22:00:37 ID:rSRBD9/U0
- >>328
「へぇ、じゃあ私と戦えばいいじゃない。」
口元を僅かに歪ませて。
「戦うのはひさしぶりだけれど、
絶対に『期待はずれ』とは言わせないよ。」
彼女は、たとえれば恐れを知らない若い獣のような、
野生的な危うい雰囲気を秘めている。
ある程度戦いを経験したものの雰囲気だ。
- 332 :旅人:2010/06/12(土) 22:02:57 ID:7jE6yumoO
- >>324
「おーおーおっかない空気醸し出しちゃって」
肌に感じる修羅の気配。
女の警戒心は一層強まる。
>>326
「随分とド派手な登場で……」
上空を見上げ、降りてくる少女を見てぽつりと独白。
>>328
「ははっ、そこまで気合い入れる程長い旅じゃないけどね」
「はぁん、戦闘狂って訳ね
寂しいか……なら……」
流れる様な動き。左半身を前に出し、腰は軽く落とされる。
「よし、アタシも相手してあげるよ」
- 333 :百合代 命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/06/12(土) 22:03:25 ID:KeBi7dcA0
- >>330
「迷子は保護しますが…戦うならせめて箱庭の中でお願いします」
苦笑いを零し、頭を掻きながら近づいてくる
- 334 :謎の男/BOSS:2010/06/12(土) 22:08:30 ID:3cjQSLZQ0
- >>331
「その意気や良し!!じゃ。わしゃ強いぞ。」
心中でたぶんじゃが、と呟いたが気づかれないだろう。
>>332
「戦闘狂じゃないと思うんじゃがのぅ。ほう…いい面構えじゃ。」
>>333
「箱庭…あの面妖なところかの。風に聞いた話じゃが、“ばーちゃる”らしいのぅ。」
と、男はティファニアと旅人から距離を取る。その距離約5mといったところか。
男は構える様子すら見せず、棒立ちでティファニアと旅人を見る。
「いっておくがの、ワシぁ女子供でも手加減はせんぞい。」
- 335 :名も無き→Ry...:2010/06/12(土) 22:12:51 ID:QvFWau..0
- >>332
「空だって飛ぶさ。だって、此処は異能都市だもの」
独白が聞こえていたのか、小さくそう返し……再び、男の方へと向く。
>>330
「ふ、ふ、ふ。
戦場、戦場。ね」
戦場。その言葉が指す意味は、この異能都市に於いては考えるべくもない。
特に感情を感じさせない様子でそう繰り返すと、何かを考えるかのように口元へ拳を軽く当てて男の方を見つめる。
━━━━
━━━━……沈黙。
数秒の間を置いた後、結論に至ったのだろうか、表情を変え懐に手を入れ男へと答える。
「……しばらく戦闘的な事はやってなかったけど、そういうことなら。自分も戦おうかな」
- 336 :旅人:2010/06/12(土) 22:15:38 ID:7jE6yumoO
- >>334
「はっ、アタシに惚れんなよ?」
男が距離を取った瞬間、旅人は地を蹴り疾駆。
早くもなく遅くもない速度。まだ力をセーブしているのだろう。
「初撃いただき!!」
跳躍。勢い其の儘に男へと蹴りを放つ。
- 337 :百合代 命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/06/12(土) 22:16:36 ID:KeBi7dcA0
- >>334
「…困るんだけどね……そろそろ冗談じゃなくなっちゃうから」
ふっと瞳を細め、どこから取り出したのか身の丈ほどある太刀を大地に突き立て、それにもたれ掛っていた
「まぁこんな哨戒任務をやっているよりもよほど面白い」
細めていた目を閉じると、にやりと口元を吊り上げた
//無行動
- 338 :ティファニア・ハートランド:2010/06/12(土) 22:17:11 ID:rSRBD9/U0
- >>334
「手加減なんかいらないよぉ……。
ひさしぶりだなあ、うまくできるかなぁあぁあぁぁぁぁ……。」
にたりと笑いながら、ひどく不愉快な
猫なで声を垂れ流す。
「穴あきチーズにしてやるよぉぉおおぉ……!!」
ティファニアが男を指差す。
その途端、周囲の小石が大量に浮かび上がり、
弾丸のように高速で対象へと襲い掛かる!
- 339 :謎の男/BOSS:2010/06/12(土) 22:26:16 ID:3cjQSLZQ0
- /順序入れ替え有(命氏へのレスが一番最後)
>>335
「体を慣らすのに丁度いいじゃろうて。」
男は頷いた。
参加も離脱も自由で良い。
それが“ルール<縛り>”
>>336
左腕でガッチリと旅人の足を掴んだ。
僅かに顔を顰めると、くるりと、素振りのように回転し、旅人をティファニアの方へと投げようとする。
「初撃こそ疾<はや>く、じゃ。」
>>338
「術とは面妖じゃのう。」
素振りの合間に、放たれた小石。
それらを空いた右の拳で致命傷になり得る箇所に飛んできた幾つか粉砕。
そして、男の体から血がにじむ。
だが、ティファにも異変が起こる。
ティファニアを襲うのは突然の痛み。
それも“拳銃で撃たれた”ような痛みだ。
- 340 :謎の男/BOSS:2010/06/12(土) 22:27:13 ID:3cjQSLZQ0
- >>337
「なんじゃ。主も参加したけりゃ参加したらいいんじゃて」
男は早くも血に濡れながらも、ニヤリと笑みを浮かべた。
- 341 :旅人:2010/06/12(土) 22:34:08 ID:7jE6yumoO
- //レス順弄ります
>>339
「うぉっ……!?」
足を掴まれ仰天。
「うわぁぁぁぁ!!」
女の軽い身体は、あっさりと投げられる。
>>338
「……!!」
ティファニアの方へと投げられた為、放たれた礫群は彼女をも捉えようとしていた。
「はぁっ!!」
裂帛の気合いと共に、小石は彼女に触れる前に“吹き飛ばされる。”
ぶわりという轟音が同時に響いた。
「あっぶないな!! 次フザけた真似したらお前もぶっ飛ばすからな!?」
空中で体勢を整え、ティファニアの横に着地する。
案の定、怒りの矛先はティファニアへと向けられた。
【現在地:ティファニアの隣】
- 342 :ティファニア・ハートランド:2010/06/12(土) 22:39:40 ID:rSRBD9/U0
- >>339
「!!?」
攻撃を受けたわけでもないのに、
体を襲う鋭い痛み。
呪いや毒などといった類の痛みではなく
物理攻撃を食らったときの感覚だ。
「っ…………」
得体の知れない男の能力にティファニアはさらに2,3m距離をとる。
>>341
「うるせぇぇぇぇなぁぁあぁあぁ……
あぁ、痛い、痛い……。」
ティファニアは心底うっとおしそうに旅人へと視線を向けると
小ばかにした表情を浮かべ中指を立てた
- 343 :Ry...→:2010/06/12(土) 22:40:35 ID:QvFWau..0
- >>339
「なるほど。それじゃ」
懐から取り出したのは、一本の短杖。
先端には半透明の翠色の宝玉が埋め込まれており、男に向けられたそれは淡く光を帯びる。
「始めるよッ」
短く答えると同時に淡い光を帯びた杖の先端から放たれたのは、空気を巻き込み進む"風の流れ"の刃。
鋭利な刃を振るったかのような音が近づくが、実体が『風』であるからして、その刃の実体は視認し得ない。
(……最も、戦闘に慣れたものならば、その音から位置は分かるだろうが。)
男の脚部を狙ったその軌道からして、殺傷よりもまずは様子見、牽制、そして当たった場合の今後への影響を狙った一撃だろう。
- 344 :百合代 命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/06/12(土) 22:40:37 ID:KeBi7dcA0
- >>340
「じゃあそうさせて貰おうかな、八つ当たりになるかもしれないけど…ね」
連続して鳴る2つの音、それはただ単純に男へと接近するために歩を進めた音
2つ――つまり2歩、2歩で男の眼前まで迫った
握り拳ではなく、掌底の形
本来掌底は顎を打つためにある、なぜならば掌底という形は物理的攻撃力はそこまで高くは無い
では何故そんなものが今でも残っているのか?物理的な威力ではなく、もっと別な威力――「揺さぶり」があるからだ。
顎に撃つことで相手の脳を揺さぶり、脳震盪を起こすことが出来る。
だが命が狙ったのは腹部、そう彼はそれを内臓へとぶち込むことが出来るのだ
体勢を深く低くし、下から滑り込み掬い上げるようにその腹部へと掌底を放った
- 345 :謎の男/BOSS:2010/06/12(土) 22:51:11 ID:3cjQSLZQ0
- >>341
「なんじゃ主。軽いのぅ。飯はちゃんと喰っておるのか?腹が減りゃワシん所に来りゃいいのじゃ」
ポロシャツを血に濡れながらも笑ってみせた男。
>>342
「さぁどうするのじゃ。痛いじゃろう。自分の攻撃を知った気分はどうじゃ」
と、歩みを進めようとする男には、Ryが起こす風と命の掌が襲うが男は冷静に判断する。
此の男、闘い慣れている。
>>344>>344
「大したスピードじゃて。」
すれ違い様、身を回転させる。風の刃をギリギリ避けるように、そして、勢いを付けるが…。
「して、術師には地に墜ちてもらおうかの。」
男は、命の掌底を受ける。
命の手の感触には、鍛え抜かれた男の腹筋を感じることが出来るだろう。
男は、命の掌底を受け、勢いを付け後退する。
地面には、踏みとどまった跡が二本残されていた。
- 346 :旅人:2010/06/12(土) 22:56:32 ID:7jE6yumoO
- >>342
「あ、コラ!! お前覚えてなよ!? あとでぶん殴るから!!」
負けじと親指で首を切る真似をしてみせた。
>>345
「生憎、メシ屋で炒飯50杯食べてきたばかりでね」
【>>343と連携】
「おっ、“アンタも”風使いなんだ?
だったら、アタシも……!!」
少女に一瞥くれると再びの疾駆。
先程より格段にスピードは上がり、男から見て7時の方向へと回り込む。
「ほらよっ!」
横薙ぎに振るわれる腕から放たれたのは真空の刃。
触れる者を容赦無く切り裂く不可視の刃は、高い風切り音を響かせながら男の頭部を狙う。
着弾のタイミングは少女が放った刃が男に届いてから1、2秒後。
死角をついた攻撃。届くか。
- 347 :ティファニア・ハートランド:2010/06/12(土) 22:59:23 ID:rSRBD9/U0
- >>345
男の台詞から判断して、
やはりあの男はなんらかの手段で
ダメージをこちらにも共有してきた。
「チッ……うっとおしい……!」
絡め手が使えるほかの魔術師と違い、
ティファニアの攻撃は重力、もしくは音を操って
物理的にダメージを与えるものばかりだ。
しかし、先ほど現れた男が接近して戦闘を行っているが
ダメージを返された様子は無い。
(ある程度距離が離れたところからの攻撃をカットする、のか……?)
ティファニアは一旦、そう仮定して
近接戦を仕掛けるべく男との距離を詰めていく。
- 348 :百合代 命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/06/12(土) 23:04:07 ID:KeBi7dcA0
- >>345
「それなりに強い人相手だとやっぱり小細工は無駄か……」
完全に勢いを殺された、そういう場合無理やりつなげるには――
現状の体勢を低くした状態で脱力を行う、当然不安定な状態で力を抜けば横方向に倒れてしまう
――だがこの倒れることこそ命の加速の一つ
無理やり地を蹴りあげ、倒れる加速度を乗せたまま踏み込む。
体勢を立て直すのは踏み込んだ後でいい、完全に停止していた状態から……しかもあの低い体勢を維持したまま一気に100まで加速したのだ
そのまま横から回り込むように走りこみ、片足を伸ばして体を回転させる
足払いというにはあまりに速く、ローキックというには低すぎる蹴りを男の足に向かって放った
- 349 :Ry...→リューン:2010/06/12(土) 23:18:38 ID:QvFWau..0
- >>345
「あー、駄目かあ」
残念そうに言うも、想定はしていたようで攻撃を放った後に男の横方向に回るように移動をしており
「なら、こちらにも考えがある。
自分の適性は風だけじゃない。天を駆け地を征する、天地双覇……!ってね。」
【>>346へ念話的なアレ】
「お」
旅人の発言と、行動を見て何かを思ったか。
旅人へ向かう風の流れを生み、声が他の方向へと進まない……
擬似的な念話に近い状態を作り、旅人に話しかける。
(なにやら、近いものを感じるかもしれない。"君も"、なのかな)
("風"に関する事なら、補助的な……属性強化を使おうか?)
自らの風の力を、補助的に使う力があるのだろうか……
そう、提案を持ちかける。
【>>347と連…携…?】
「……石を飛ばしてた、ってことは……加速とか、大地とか?」
駆けるティファニアを一別し、呟いて。
「まぁ、今は余裕はなさそうだし……進む者には追い風を!阻む者には逆風を!」
杖を上に振り上げ、二人の方向へと振り下ろす。
巻き起こるのは、ティファニアの疾駆を後押しする追い風に、
直接的な攻撃力は無いが、男の退路を阻むように吹く烈風。
【直接的攻撃行動無し】
- 350 :謎の男/BOSS:2010/06/12(土) 23:22:26 ID:3cjQSLZQ0
- >>346
男は、命の掌底を受け、地面に二本の線を引いた。
つまりは、“そこに男はいない”のだ。
「風のぅ…。厄介じゃのぅ…」
咳をし、血を吐出す。
口の端から垂れた血を手の甲で拭うが、まだ血が垂れた。
掌底の勢いを殺しきれているワケではなかった。
【攻撃行動無し】
>>347
「ははっ!楽しいのう!楽しいのう!若返るのう!」
男は随分と楽しげだ。
そして、ティファニアの思考は全て、外れていた。
ティファニアの目には、命と近戦を繰り返す男の姿がある。
>>349
「ほう…良い名じゃ。そしてワシは逃げも隠れもせん」
リューンに襲い掛かるのは、男が受けた命の掌底の一部のダメージ。
これは命にしたものと同等だ。
リューンには、掌底をされたかの様な痛みが襲うだろう。
>>348
「その動きは、今しか出来ん動きじゃろうて。」
弾丸のように放たれた小石を拳で粉砕する男だ。
この男の言動から命の動きは“見えている”
「じゃから、少し仕返しじゃ。」
男は、膝程度の高さまで跳ねるとつま先で命の喉仏を狙い、蹴りを放つ。
そして、命には男が受けた掌底のダメージの一部をそっくりそのまま返す。
- 351 :ティファニア・ハートランド:2010/06/12(土) 23:33:30 ID:rSRBD9/U0
- >>350
当たっていようがいまいが、
結局ティファニアにできる事は少ない。
「ッシャァァァアァアァッッ!!!」
ティファニアは、男に素早く接近すると
低い姿勢から矢のようなタックルを繰り出した。
レスリングや総合格闘技で使用されるスピアータックルと呼ばれるテクニックだ。
勢いよく頭から飛び込みつつも、手で相手の太もも裏を刈って倒す事ができるこの技を
当てる事ができれば、人数の差もあいまってかなり有利になるだろう。
- 352 :旅人:2010/06/12(土) 23:34:53 ID:7jE6yumoO
- >>349
「え?あ?何これ?」
風に運ばれてきた声をテレパシーか何かと勘違いしたのか、一瞬動揺を見せる。
だが声から人物を特定。
「よろしくぅっ」
リューンへと視線を遣り、サムズアップ。
>>350
「ちっ、運の良い奴め」
言葉を吐き捨てた彼女は次なる行動へ移る。
手の平を見せる様に開いた左手を前へ。腰溜めに構えられた右の拳。
腰を落とし、一度肺の中の空気を全て排出するかの様に息を吐いた。
「えっと……魔法使い
援護、よろしく頼んだよ」
視線は男に向けた侭、紡がれた言葉はリューンへと。
風が、拳へと収束し始めた。
【現在地:男から10m程離れた位置】
- 353 :百合代 命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/06/12(土) 23:36:08 ID:KeBi7dcA0
- >>350
その蹴りは見事命の喉をしとめた、命は頭から後ろに飛ばされる――はずだった
両手を地に押し付け、無理やり下半身を持ち上げる
勢いを乗せて蹴り上げるのはただの力技でも出来る、だがそれでは芸が無い
命は喉に放たれた蹴りの速さを、後ろに吹き飛ばされる力を上乗せすることによってより鋭い蹴りへと昇華させたのだ
その起き上がり蹴りは、やり返すようにその首へと目掛けて
――だが命の蹴りは二重に芸が仕込まれている
後ろに避けられても良いように、まだ地に着いた両腕を伸ばしていないのだ
そう、後ろにかわそうとしたなら腕の力で飛び掛り”無理やり当てる”
当然蹴りのダメージも自身の掌底のダメージが無いわけがない
ただそれを抱えていながらも、一切の躊躇も怯みも無いだけなのだ
そして今、命の脚が男の喉下へと放たれた
- 354 :リューン=エンブリス:2010/06/12(土) 23:48:54 ID:QvFWau..0
- >>350
「━━━━━っ」
走る衝撃に、痛みが走った箇所を押さえ地に蹲る。
「……っはッ、ぐぅッ……!」
術が使え、戦闘に多少は慣れていようが、その身体はあくまでその外見相応のものでしかない。
不意に受けた掌底程の威力の痛み。事前に何も無しに起こる唐突な痛みは、本来以上の影響がある。
……だが。
>>352
「りょう、かい……!」
声を受け、立ち上がる。
腹部を走る痛みはあれども、それは『痛み』であって『痛み』で"しか"ない。
ならば、この戦いの場に於いて━━━━
「それ、じゃ……いくよッ」
━━━━行動を止める、その理由は無い。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
旅人の掌に収束する風が、一瞬だけ明るい翠色の光を帯びる。
その光が収まると同時、急激に……だが、力のバランスを崩すことなく、静かに、風の力が増して行く。
━━━━その風から流れ出る力は、旅人の身体にも伝わり。
周囲から受ける風の抵抗、かかる力を和らげ、その運動性を補助する力を帯びていることが、身体に感じる風の流れから感じられるだろう。
- 355 :謎の男/BOSS:2010/06/12(土) 23:53:11 ID:3cjQSLZQ0
- >>351
「中々男前じゃのう。」
着地した男はティファニアの頭を両手で掴むが、命の攻撃が見えていた為に片方を離した。
そのまま膝をティファニアに叩き込もうとするが、命の攻撃により阻止される。
>>353
その蹴りは見事、男にヒットする。
が、男もそれだけでは終わらない。
「その身、あと何年持つかの…」
あの動きだ。己の体を鑑みない攻撃であろう。
男は退けざりながらも命の蹴りを受ける。
そして、命の顔面に向け拳を振り下ろす。
――ただ、拳といっても、拳とは信じられないようなものだが。
命の顔面には、小さな光が迫る。
>>352
「加速付きの正拳突きかの…」
拳を放った男は旅人の方を見つめていた。
>>354
「やはり風は厄介じゃの…」
術師にしてはよく耐えると感心せざるを得ない。
命に受けた蹴撃を、受けたダメージの半分を返す。
突然の痛みはリューンの喉仏の位置。掌底の痛みも含めれば、大きなダメージになるだろう。
- 356 :百合代 命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/06/13(日) 00:02:25 ID:KeBi7dcA0
- >>355
鈍い音が鳴り命の頭部はその場でバウンドした
入ったのだ、その顔面に拳が
どさりと音を立て、四肢を投げ出した姿で地面に崩れだ
「―――いっ―てぇな」
だらりと垂れていた右の腕が動き、顔を抑える
よっこらしょ…とまるで爺のような言葉を漏らしながら上半身を起こした
「やってくれたな、このやろう」
顔に当てた手でそのまま前髪をかきあげ、垂れてきた血を手のひらで拭う
コキコキと首を鳴らしてから立ち上がった
「…さぁ?死なない限りずっと持つだろうさ」
軽い脳震盪を起こしているのか、少しふら付きながら呟いた
//攻撃行動なし
- 357 :ティファニア・ハートランド:2010/06/13(日) 00:06:55 ID:rSRBD9/U0
- >>355
自分と相手の体が触れる距離は
ティファニアもそれなりに得意とする距離。
頭からつっこむ自分のタックルを受け止めたその
片手を掴んで腕をひねり上げようと試みる。
もし成功すればそのまま体重をかけて脇固めに持ち込むつもりだ。
- 358 :旅人:2010/06/13(日) 00:13:20 ID:7jE6yumoO
- >>355
「まだ――――」
風が――――
「まだだ……ッ……!!」
膨大な風が拳へと集まっていく。
リューンのお陰で増幅していく力。
旅人は構えを解かずに動かない。
【現在地:変わらず】
- 359 :リューン=エンブリス:2010/06/13(日) 00:20:19 ID:QvFWau..0
- >>355>>358
何かを扱う者は、行使する対象の性質・状態を他の者以上によく把握する。
それが、そのものへの適性が、特別級とまでは行かないまでも高い部類に入るのなら尚更だ。
風を行使し、風属性の魔術への高い適性を持つリューンは、広域の知覚とまでは行かないまでも
中射程程度の規模の戦場ならば、その内部に起こる空気の流れを『風から感じる』ことが出来る。
先程は、己に対する一切が物理的には存在していなかった為何も感じられずに無防備に痛みを受けたが、
今は、自身を襲った痛みと『相前後して起こっていた』こと━━━━命の掌底、その時間と被撃箇所の一致から、
その正体は掴めないまでも痛みが発生する『瞬間』と『箇所』は、
能力の本質とは恐らく異なるであろうものの『命の攻撃との連動』という形での推測として把握出来ていた。
ならば━━━━
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
「っ……!!」
事前に覚悟があっても、ダメージが大きいことは変わらない。あくまで、その被害による行動への影響を軽減できるだけだ。
「……っ━━━━!」
痛みが来た位置の問題か、発声が行えない。
無言で喉の位置を押さえながら咳き込みながら、一際杖を強く握ると、最後に強く先端が発光し、輝きが止まる。
リューンも、同時に地面へと跪いた。
【一時行動不能のため、攻撃行動無し】
……最後に、残る魔力を全て、旅人へと託して━━━━!!
- 360 :謎の男/BOSS:2010/06/13(日) 00:22:42 ID:3cjQSLZQ0
- //次で戦闘パートは終わりですよ。
>>356
「…そうかの。主、いつまでもその芸当が出来ると思わぬ方がいいじゃろう」
そう、イザという時にあっという間に限界が来るからだろう。
見る限り人間だが、その動きは人間とはかけ離れていた。
>>357
時間だ、ともう一人の男が伝えてきた。
もうそんな時間かの、と簡単な返答。
先程とは打って変わって、男はいとも簡単に固められた。
「嬢ちゃんは痛い思いをたくさんしたのぅ。これでされる気持ちはわかったかの。」
そう呟いた。
間違いなくティファニアを知っているような口振りだ。
もしかすれば“あの一族”の――
>>358
「(やれやれ、最後まで待つかの。痛そうじゃ)」
男はティファニアに固められながら大人しくしている。
そして、男の抵抗。
固められている間の痛みの半分を随時旅人に返し続ける。
集中している旅人には些細な事だろう。
>>359
男はティファニアに組み敷かれている。
無論男も一時的に行動出来ずにいる。
>>ALL
「皆、喰われたく無ければ離れる方が得策じゃぞ」
ふぅ、と男は息を吐いた。
- 361 :百合代 命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/06/13(日) 00:28:13 ID:KeBi7dcA0
- >>360
困ったように笑うと、口を開いた
「いつまでも出来る。少なくとも彼女が消えてしまうまでは、いつまでだってこれ――」
途中で噤み、首を振る
「いや、進歩して常にこれ以上であり続けるよ」
限界など無い、男は”人間の形をした人間で無い人間”なのだから
「ご忠告どうも、それじゃあ少し離れるよ」
刀を差して置いた地面まで歩いてゆく
――そういえばこの男、刀を持っていたはずなのにわざわざ素手で戦いを挑んできていた
- 362 :リューン=エンブリス:2010/06/13(日) 00:34:21 ID:QvFWau..0
- >>360
「っ━━━━、」
男の声に反応し、覚束無いながらも立ち上がる。事前に反応できていた為に行動には移れたが、喉を痛めた為か声は未だ出ない。
……幸いだったのが、リューンが用いる術式が詠唱式ではなく、杖による行動式であったことだろうか。喉をやられても、最後に魔力を託す事に支障はなかった。
それと、もう一つ━━━━最初から今まで、一人だけ男に近い位置で戦っていなかったのも、忠告を受けて離れられるような余裕がない現状から考えれば幸運であろう。
- 363 :ティファニア・ハートランド:2010/06/13(日) 00:40:42 ID:rSRBD9/U0
- >>360
「…・・・……?」
ティファニアは男の言わんとすることは
なんとなく分かったようだが、まだ腕を放そうとはせず。
「あなたは、私の事を知っているの?」
ティファニアは何を考えているのか知らないが
非常に冷酷な声で男へと問いかけた。
そのせいで逃げ遅れてしまったが……。
- 364 :旅人:2010/06/13(日) 00:46:08 ID:7jE6yumoO
- >>360
「――――!!」
身体が痛む。外傷は特に見られない。
恐らく男の能力によるものだ。
だが彼女は怯まない。
「喰うか喰われるか……一世一代の大勝負ってやつね……」
「のった!!」
口許に笑みを浮かべ、旅人は地を蹴った。
その背に吹く追い風。疾走する彼女の速度は瞬く間に上昇する。
縮まる距離、その瞳にはただ男だけを映す。
恐れも、迷いも無かった。
拳を。万を破壊し吹き飛ばす竜巻に匹敵する威力を持った拳を。
「吹っ飛べぇぇぇ!!!」
男へと叩き込んだ。
- 365 :謎の男/BOSS:2010/06/13(日) 00:55:06 ID:3cjQSLZQ0
- >>361
「……大事な者がいるのじゃな…」
男はふっと笑みを向けた。
「その者が真に愛する者なら護るんじゃ。絶対にその手から命を零れさせてはならんぞ。」
男は拳を握りしめた。
だが、命に見えるのは、男が一瞬だけ浮かべた苦しそうな表情だけだった。
>>362
「大丈夫かの。レグルス、治療してやってはくれんかの。」
『わかった。』
いつの間にいたのだろうか。
リューンの傍に片膝立ちで佇む金髪の男。僅かに癖がある髪だ。
黄金のオーラのようなものが、リューンの体を包み込んだ。
オーラは暖かく、リューンが痛みを覚える箇所、喉と内蔵に治癒を齎す。
>>363
「我が主の御子より伝え聞いた程度じゃ。スマヌな、嬢ちゃん」
スルリ。
擬音だとこのような感じだ。
いとも簡単に男は脇固めから抜け出した。
ただ、多少無理をしたのか、肩をさすってはいるが。
>>364
「げぇっ―――!!」
忘れていたようである。
無論拳は男の顎にヒットする。
風を載せた拳は、防具を一切持たない男を巻き上げズタズタに切り裂くだろう。
>>ALL
男が旅人の拳により巻き上げられてズタズタになった頃。
地上では異変が起きていた。
夜の帳に、黒い真一文字。
無理やりこじ開けるようなものでは無く、ごく自然に広がるそれ。
―――ガオン
何かが削られた音。※某スタンドとは関係ありません
少女が降り立ったのは男の6m程後方。
だが、出現の余波でティファニアと旅人には無数の小さな傷がついた。
『まったく…何をしているのかしら。天秤座<ライブラ>。折角アイリに逢いに行くのにそんな格好で。』
金色の髪、金色の瞳を持つ女が“空中に”立っていた。
それもそのはず。女の足元には深さ15mは有りそうな巨大なクレーターが出来ていたからだ。
レグルスと呼ばれた男は跪き、頭を垂れる。
『また逢ったわね、ティファニア。』
- 366 :百合代 命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/06/13(日) 00:59:05 ID:KeBi7dcA0
- >>365
「……」
目を閉じ、少しだけ口の端を吊り上げた
「…へぇ、面白そうなのが出てきた」
引き抜いた刀を弄ぶようにくるくる回した後、肩にかけた
- 367 :ティファニア・ハートランド:2010/06/13(日) 01:12:15 ID:rSRBD9/U0
- >>365
「む……」
空間に開いた『穴』。
ティファニアは最初、何か新しい攻撃かと警戒したが
そこから現れた女性を見て、表情を変えた。
「さ、紗夜……?」
- 368 :リューン=エンブリス:2010/06/13(日) 01:15:53 ID:QvFWau..0
- >>365
「ん……あー、あー。
……治った?」
声が出るのを確認し、痛みが消えた事でダメージの治癒がなされたと理解する。
「えーと、君は?」
恐らく治癒を行ったであろう金髪の男に、問いかける。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
「なんだか」
杖を腰より若干高い位置で強く握ると、その上に座り(杖は空中に静止しているようだ)金髪の女を見る。
「新たな登場者が。今度は何があるのかな」
魔力をほぼ全て消費した為空中こそ飛んでいないが、若干地に着かない高さに『止まっている』杖に、
簡易術式により円盤を展開しその上に座りつつ様子を見ている。
- 369 :旅人:2010/06/13(日) 01:18:56 ID:7jE6yumoO
- >>365
「はぁっ……はぁっ……はぁっ……よーっし、終わりっ」
深呼吸一つ。
「……?」
もう何か事情が良く分からず頭上に大量の「?」を浮かべるのであった。
- 370 :謎の男/BOSS:2010/06/13(日) 01:27:07 ID:3cjQSLZQ0
- >>366
ズボッ
先程の男は地面に突き刺さっている。
まだジーンズが生きていることが救いだ。
女は命を一瞥する。
まるで興味が無い、わけでは無いが――
――
地面に突き刺さっていた男の周囲が削られ、男は仰向けに倒れたまま大笑している。
「―――ふ…ふははは久々に気持ちのいい闘いじゃった…」
女は口元を手で隠しクスリと笑っている。
何処かの貴族の令嬢だろうか。その仕草は似合うものだ。
>>367
『そうよ。可愛いアイリに逢いに来たのよ。』
アイリス。金と黒が混じる髪を持つ可憐な男の娘。
ティファニアは一度会ったことがあるはずだ。
>>368
「レグルス。アイリス様の守護をしている。そして…アレの同僚だ。」
親指で示したのは、地面に突き刺さり、大笑いしている男。
レグルス(自称)は苦笑いをしていた。
「奴は、“安価は絶対”と言っていた。俺には意味が分からぬが…。」
レグルスは姿勢を崩している。
女とは(ある意味)主従の関係にあるようだが、敵であった男に対し何も言わない女はフランクな方のようだ。
>>369
大笑している上半身裸の男と、クレーターの上に立つ女。
「主、今のでチャーハン50杯分のカロリーは消費したかの。」
大笑いしているのは先程まで戦っていた男だ。
見れば、全身、大小様々な傷が出来ている。
>>ALL
女は口を開いた。
『天秤座<ライブラ>と遊んでいたのは貴方達かしら』
- 371 :百合代 命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/06/13(日) 01:31:43 ID:KeBi7dcA0
- >>370
コートについた砂埃をはたいた後、女の問いに答えた
「そうだよ、中々面白かった」
- 372 :旅人:2010/06/13(日) 01:34:07 ID:7jE6yumoO
- >>370
「ん、そだね、凄くお腹空いちゃったよ」
小動物の鳴き声の様な音を鳴らす腹を摩る。
「え……遊びだったのコレ……
アタシかなり本気で戦ってたのにさ……」
女の言葉にうなだれる旅人。
腹の虫はそんな事お構いなしにきゅるきゅると鳴きなさった。
- 373 :ティファニア・ハートランド:2010/06/13(日) 01:39:01 ID:rSRBD9/U0
- >>370
「アイリ……ううん……?」
アイリ、そんな名前の人物は自分の知り合いにいただろうか、
と少し考えて、少し前に出会った妙な雰囲気の少年にたどり着く。
「もしかして、アイリスのことかなぁ……
この人も紗夜の知り合いなの……?」
ティファニアから発せられていた、
禍々しく、野性味あふれる気配は既に雲散霧消していた。
- 374 :リューン=エンブリス:2010/06/13(日) 01:40:33 ID:QvFWau..0
- >>370
「レグルス、ね。
声が出ないのは不便だなーって思ってたし。ありがとう」
杖(椅子)から降りて、レグルスに一礼。……そして、上半身裸の男の方を見て。
「安価、安価……まぁ、絶対だよねえ」
と、頷きながら、小さく呟いた。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
「遊んで、かどうかは分からないけれど。
戦場になるー、って話で戦いにはなったね」
杖(椅子)に再び座ると、肯定も否定もせず、在った通りを女に答える。
- 375 :女と主従:2010/06/13(日) 01:47:24 ID:3cjQSLZQ0
- >>371
『そう。彼が娯楽を提供出来たのなら嬉しいわ。』
>>372
「何を言うかと思えば…。“手加減はせん”と言ったじゃろうて。ワシは本気じゃったぞ」
男は立ち上がり、女の前に跪き、一礼を済ませる。
そして、旅人の方へ近づきこそこそと小声で話す。
「あの方は大物ぶりたい年頃なのじゃ。気にせんほうが良い。若い頃の姉姫様もそうじゃった。」
ニシシと笑いながら。
「力を使いすぎて腹が減ったぞい。さて、これから皆でメシはどうじゃ。」
大きな腹の虫の音を隠すこと無く豪快な笑顔を浮かべた。
>>373
『アイリスは僕達の可愛い弟よ。貴方はアイリを知っているようね。アイリは元気にしているかしら』
そのうち女の子になっているかもしれんけどね。
>>374
「こちらこそ同僚が迷惑をかけたようで申し訳ない。」
レグルスはリューンを初めとした、戦闘に参加した面々に頭を下げた。
リューンの呟きに、首を傾げた。
『そう。レグルス。』
「安価は絶対だそうです。」
『なら仕方無いわね。今回の処分は不問にしましょう。』
自分もレスしていたことは内緒だ。
「あの蟹が安価を踏んで“御子のところ行って喧嘩売ってこい”というレスをしたからじゃ。」
安価なら仕方がない。
- 376 :ティファニア・ハートランド:2010/06/13(日) 01:53:24 ID:rSRBD9/U0
- >>375
「ええと、前見たときは元気にしていたよ!
なんだか似ていると思ったけど、やっぱり
貴方と姉弟だったんだね。」
そうかあ、と一人納得したように頷いて。
「なんだか、あの子かわってるよねぇ。」
- 377 :百合代 命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/06/13(日) 01:54:17 ID:KeBi7dcA0
- >>375
「……それで、いかがなさったんですか?」
恐らくこんなところに来た意味を問うているのだろう
- 378 :旅人:2010/06/13(日) 01:57:31 ID:7jE6yumoO
- >>375
「はぁん……見えっ張りなお嬢ちゃんだねぇ
ま、いいや。メシ、奢ってくれない?アタシ今無一文でさ……」
懐から取り出した蝦蟇口財布を逆さに振るうと……埃だけ出てきました。
「アタシはさ、異能都市“エリュシオン”って所を目指してるの
知り合いが住んでてさ
メシのついでに連れていってくれないかなぁ?」
- 379 :リューン=エンブリス:2010/06/13(日) 02:00:42 ID:QvFWau..0
- >>375
「最近は簡単に踏みつぶされる事も多いけどね。
……ああ、別にそれ程重大な事じゃないから気にしないでも良いと思うな」
なにか遠い目をしながらも、首を傾げるレグルスにそう答える。
……リューンがかつて安価で何かやった事があるのかどうかは永遠の謎だろう。
「迷惑だなんて、とんでもない。
喧嘩をって言っても、別に彼は強制的に喧嘩を仕掛けていた訳じゃないからね。
久しぶりの戦闘だったし、大分痛い目には遭っちゃったけど。自分も同意したんだし、文句なんて無いよ」
- 380 :女と主従:2010/06/13(日) 02:07:45 ID:3cjQSLZQ0
- >>376
『僕達と同じ血を引いている子よ。似るのは当たり前じゃない。』
女はティファニアに笑みをみせた。
『そうね。早く、長く“触れ”過ぎたのよ。』
僅かに苦笑をみせた。
>>377
『“神羽荘”というところに僕の可愛い弟がいるの。その子に逢う序に彼らを拾ってあげようかと思ったのよ。』
先程まで戦っていた男と、もう一人の男を一瞥し。
>>378
「そうかそうか!いいぞい。大船に乗ったつもりでワシに任せるが良いんじゃ!ハハハッ!」
「(レグルス、金、貸してくれんかのぉ)」
「丁度、そこのレグルスの主が異能都市にいるんじゃ。これからワシ達も向かうところじゃ。」
>>379
「…そういって貰えると助かる。」
レグルスはもう一度頭を下げ、異能都市の方角を見た。
>>ALL
『僕は先に行くわ。』
男とレグルスの方を向き、いうと今回の参加者の方を向く。
胸が開いた、ひらりとしたドレスの裾を摘み、一礼。
『私はこれで失礼いたしますわ。』
ティファニアに笑みを向け、女は消えた。
- 381 :旅人:2010/06/13(日) 02:16:31 ID:7jE6yumoO
- >>380
「ははっ、サイコーだよアンタ
んじゃ、甘えさせていただきまーす」
まだ誰も知らないだろう。
彼女の胃袋が「底無し沼」「ブラックホール」「四次元ポケット」等の通り名を持っている事に。
「ん、あの子だね
いやぁ、目的地に着けてメシも奢ってもらえるなんてラッキーラッキー……」
上機嫌な足取りでレグルスのあとを追っていった。
//お疲れ様です!
- 382 :リューン=エンブリス:2010/06/13(日) 02:20:26 ID:QvFWau..0
- >>380
「異能都市に、かー。それじゃ、自分は今夜は反対側に用があるから、別方向だね。
……まぁ、自分も最近は異能都市にいるし、また会えることを願ってるよ」
そう告げると、座っていた杖を再び手に取り懐にしまい、レグルス達に手を振りながら夜闇の中に消えていった。
## おつかれさまでしたーっ!
- 383 :ティファニア・ハートランド:2010/06/13(日) 02:22:14 ID:rSRBD9/U0
- >>380
「触れ……?」
何のことだか良くわからないのか
あうう、と短く呻いてばつが悪そうにもじもじ。
彼女の姿が消えると、
大きく伸びをしてからゆっくりと都市へ歩き出した。
- 384 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/06/16(水) 21:13:22 ID:/k2gysHgO
- 「……――」
目蓋は春を待つ蕾の様に柔らかく閉じられている。白い病室の中で背上げしたベッドに躰を預け、女は微睡みの中に意識を遊ばせていた。
「――……」
先日の負傷が未だ完治していないのか、女の肌は底抜けに白く、規則正しい寝息にも時折切なげな吐息が混じる。
白いシーツの上には解かれた真紅の髪広がって、窓から差し込む光に煌めいていた。
- 385 :百合代 命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/06/16(水) 21:17:07 ID:t796lhX20
- 音が鳴らないように、静かに扉を開けた
手には造花の鉢を抱えている。
「……寝ているの、蔡生」
- 386 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/06/16(水) 21:23:45 ID:/k2gysHgO
- >>385
「――――」
す、と女の寝息が止まった。ゆっくりと微かに上下していた胸の動きがぴたりと止まった。恐らく、後一歩命が踏み込めば眼を覚ます。
もし、命以外の者であったならば病室の扉の前に立った時点で眼を覚ましていただろう。油断か、彼女なりの甘えであるらしい。
「――……」
再び密やかな寝息を立て始める。珍しく無防備な蔡生の姿だった。
- 387 :百合代 命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/06/16(水) 21:26:25 ID:t796lhX20
- >>386
「……どこに置けばいいかな、花」
目を細め、微笑みながら呟いた
- 388 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/06/16(水) 21:29:23 ID:WVrfsEdY0
- 「あう〜…もどれたけどなの〜」
【一人の少女が公園を歩く】
「…なんでねこさんになったのかなの?」
【不思議な顔をしながら歩いている】
- 389 :名も無き異能都市住民:2010/06/16(水) 21:29:56 ID:WVrfsEdY0
- //ミスッタ!!すまん
- 390 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/06/16(水) 21:35:37 ID:/k2gysHgO
- >>387
ベッドの側には一寸した棚が有り、その上には見舞いの品と思われる物が置かれている。
「――…………」
ぴく、と女の躰が微かに震えて動きを止める。声を掛けると立ち止まる猫か何かの小動物宛らだ。
「…………」
周囲を探る様な気配が有った。夜刀神蔡生の感能は無意識下でも働くらしい。恐らく何かが有れば即座に眼を覚ます。
然し、人の声にも目覚めないと云うのは何処となく間の抜けた話だ。何かが有れば直ぐに目覚める、謂わば隙の無い眠りなのに、命の声には目覚めない。
「……――」
そしてまた、密やかな寝息。どうやら命は蔡生の無意識の警戒からも外れているらしい。
- 391 :百合代 命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/06/16(水) 21:39:53 ID:t796lhX20
- >>390
困ったように息を零すと、棚の上に造花を置いた。
そしてベッドの横に置いてある椅子に腰掛ける
「……」
そっと、蔡生の手を握った
- 392 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/06/16(水) 21:46:05 ID:/k2gysHgO
- >>391
「……参ったな」
命に握られる侭の白い手には力が宿らず、然しふと声が響いた。凛然と響く落ち着いた声。
見れば蔡生は眼を開いていた。嬉しそうな、困った様な微苦笑が白皙の顔貌に綻んでいた。
「――寝顔を見られた」
女はそう言って、命の手を淡く握り返しやわりと指を絡めた。
- 393 :百合代 命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/06/16(水) 22:01:33 ID:t796lhX20
- >>392
「……別にいつものことじゃないか、それくらい」
力が入らないであろう蔡生の手を、こちら側から握り締めた
「起こしてしまったかな?」
- 394 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/06/16(水) 22:07:17 ID:/k2gysHgO
- >>393
「女は男に寝顔を見せる物じゃない――何て言われて育ってたんだけどね。君が側に居るとどうも気が抜ける」
微かに笑って言う。
「いや。気にしなくて良いよ。……ああ、其処に林檎が有るから剥いて呉れないか?」
棚の上に置かれた籠に視線を向けて言う。中には、林檎。
- 395 :百合代 命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/06/16(水) 22:09:34 ID:t796lhX20
- >>394
「わかったよ」
名残惜しそうに手を離すと、棚の上の果物ナイフと林檎を手に取った
「よいしょ…」
椅子にもう一度腰掛けると、太股にハンカチをしいてから林檎をむき始めた
- 396 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/06/16(水) 22:14:41 ID:/k2gysHgO
- >>395
「……ふむ、」
林檎の皮を剥き始める命の手を見る。先程まで自分と繋いでいた手。
「偶には入院するのも良いかもしれないね」
なんて、沁々と呟いて。
- 397 :百合代 命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/06/16(水) 22:18:42 ID:t796lhX20
- >>396
「なんだよ、そのたまには風邪を引くのもいいかもしれないみたいな言い方は」
苦笑すると、剥き終わった林檎を分割し始めた
「フォークとか無いけど、どうする?」
- 398 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/06/16(水) 22:24:44 ID:/k2gysHgO
- >>397
「意味合いとしては正しく其の通りだよ」
軽く笑って言った後、命の言葉にちらりと棚の引き出しに視線に眼が行った。直ぐに視線を命に引き戻す。
「無ければ食べられない訳じゃないと思うのだけれど?」
言って、笑い乍ら口を開く。丁寧にあーん、なんて小さく呟きながら。
- 399 :百合代 命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/06/16(水) 22:31:53 ID:t796lhX20
- >>398
「スケールが違いすぎるじゃないか…… 本気でやってるの?」
困ったように笑うと「あーん」と漏らしながらりんごを口元に持っていく
- 400 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/06/16(水) 22:38:25 ID:/k2gysHgO
- >>399
「本気さ。偶にはこんな日も悪く無い」
なんて言って笑い、猫じゃらしを振ると近付いてくる猫の様に、背上げしたベッドから躰を起こして林檎に口を近付ける。
- 401 :百合代 命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/06/16(水) 22:42:27 ID:t796lhX20
- >>400
「……そうかもしれないね」
1/3程度が蔡生の口の中に入るようにこちらからも少し突き出した
- 402 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/06/16(水) 22:49:15 ID:/k2gysHgO
- >>401
あーん、なんて小さく呟き乍ら林檎を一口。妙に行儀良く食べて蔡生は楽しそうに笑う。
「こう云うのを御約束、と言うのだったか。妙に気恥ずかしいね」
楽しそうな笑みを浮かべる白皙の顔貌は今、普段と比べて微かに赤い。また、あーんなんて言ってみて。
- 403 :百合代 命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/06/16(水) 22:50:49 ID:t796lhX20
- >>402
「……はい、あーん」
もう一度、今度は残っている部分の半分程度が口の中に入るように
- 404 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/06/16(水) 22:58:56 ID:/k2gysHgO
- >>403
矢張り行儀良く食べて、
「餌付けされてしまったな。君が食べさせて呉れないと何も食べられなくなったら如何しようか」
楽し気に軽口を叩き、笑って次を要求。また、小さくあーんと呟いて。
- 405 :百合代 命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/06/16(水) 23:00:34 ID:t796lhX20
- >>404
「…そうなったらそうなったで良いかもしれない」
なんて冗談を零しながら、残った欠片を口の中に入れた
「…それで、いつごろ退院できそうだい?」
- 406 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/06/16(水) 23:10:15 ID:/k2gysHgO
- >>405
「後一週間で自宅療養に切り替えるつもりだよ。尤も、あの邸とは別の場所の別邸になるけれど。全く、メリトは派手に遣って呉れた」
蔡生は苦笑して言う。邸の地下部分以外は完全に崩壊。復旧にはかなりの時間がかかる。
「――ああ、君が見舞いに来るならもう少し入院してても善いかも知れないな。餌付けされてしまった私の為に、食事の度来て呉れるみたいだし」
- 407 :百合代 命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/06/16(水) 23:12:24 ID:t796lhX20
- >>406
「……そっか」
まだ食べていない林檎の切り身を、一口大になるように切り分けている
「それはちょっと…また怒られるから」
恐らく上司にだろう
- 408 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/06/16(水) 23:21:14 ID:/k2gysHgO
- >>407
「やれやれ、情れないね。――ああ、そう云えば命、君は何をしているんだ? 都市警備辺りかな」
切り分けられていく林檎を見ながら尋ねる。
- 409 :百合代 命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/06/16(水) 23:23:50 ID:t796lhX20
- >>408
「うん、あんまり派手な仕事は自重しているんだ…これでもね」
あーん、と一口大の林檎を指で摘んで差し出した
- 410 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/06/16(水) 23:29:54 ID:/k2gysHgO
- >>409
「すると総責任者は小百合か。其れは善いね。彼女は集団を指揮させたら随一だ、一兵士としての戦い方を覚えられる。
――と、有り難う」
言って、差し出された林檎を噛む。
「あぐ」
命の指ごと。
- 411 :百合代 命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/06/16(水) 23:32:43 ID:t796lhX20
- >>410
「……いっ」
上ずった声をあげ、固まった
- 412 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/06/16(水) 23:37:25 ID:/k2gysHgO
- >>411
命の指を口から離し、器用に林檎だけを食べて、
「……ふむ」
――徐に命の指をまた口に含む。遊ぶ様に指の腹に舌を添わせ、甘噛みし、其の感触を楽しんで、
「微かに、林檎の味がする」
楽しそうに感想を言う。
- 413 :百合代 命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/06/16(水) 23:39:27 ID:t796lhX20
- >>412
「そりゃあ、さっきまで林檎を持っていたからね」
もう片手で別の欠片を取ると、自らも食べた
- 414 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/06/16(水) 23:42:31 ID:/k2gysHgO
- >>413
「其れもそうだね」
ふむ、と何故か興味深そうに命の顔に視線を移す。
「となると、君の舌も林檎の味がする訳だ」
- 415 :百合代 命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/06/16(水) 23:46:21 ID:t796lhX20
- >>414
「……ん」
顔を近づけると、唇を重ねて口移しで林檎を送った
「……病院でこんなことをしたら怒られるかもしれないね」
口を離し、ふと冷静になったのだろうか
- 416 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/06/16(水) 23:52:55 ID:/k2gysHgO
- >>415
赤い舌を小さく出して唇を軽く舐める。
「二人揃って怒られるのも偶には善いんじゃないかな。中々出来ない体験だろう」
可笑しそうに笑って答える。
- 417 :百合代 命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/06/17(木) 00:00:49 ID:t796lhX20
- >>416
「確かに、蔡生が怒られるっていうのは珍しい」
くすくすと笑う
「二人とも林檎を食べたから、お互いの味なんて分からなかったね」
- 418 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/06/17(木) 00:14:33 ID:/k2gysHgO
- >>417
「ふふ、そうだね。前に怒られたのは――……駄目だ全く覚えて居ない」
可笑しそうに笑い乍ら女は男の顔へ手を伸ばし、白い指先で頬に触れる。
「なら、もっと確かめてみようか? ――怒られる様な事をして」
くす、と云う微笑と共に紡がれた声には、普段と同じ凛然とした響きは無い。
ただ、其の声には頬を触る指先と同じく、甘やかな響きがあった。
- 419 :百合代 命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/06/17(木) 00:23:50 ID:t796lhX20
- >>418
「……蔡生」
もう一度顔を近づけて行き、唇をつけた
- 420 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/06/17(木) 00:29:52 ID:/k2gysHgO
- >>419
「ん……――」
くちづけを交わした侭命の背中に手を回し、命をベッドへと引き寄せようとする。
引き寄せる力は弱い。力は未だ戻らず、然し回された腕は確りと命を捉えていた。
- 421 :百合代 命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/06/17(木) 00:38:35 ID:t796lhX20
- >>420
「……だめだよ」
するりと腕の中から出てしまう
「ちゃんと退院してからにしよう、そういうことは…ね?」
手を握り締めた
- 422 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/06/17(木) 00:43:25 ID:/k2gysHgO
- >>421
「ふふ、残念。振られてしまった」
楽しそうに笑い、命の手からするりと自分の手を離す。
「なら、速く退院する為にも寝ようかな。ふて寝も兼ねて」
- 423 :百合代 命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/06/17(木) 00:50:03 ID:t796lhX20
- >>422
「そうか…それじゃあ俺はそろそろ帰ろうかな」
立ち上がる
「……待ってるよ、蔡生」
振り返りそう呟くと、笑顔で手を振りながら出て行った
- 424 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/06/17(木) 00:53:00 ID:/k2gysHgO
- >>423
「ああ、お休み」
笑いながら軽く手を振って、去って行く其の姿を見送る。
男は軈て病室を出て、女は静かに眼を閉じた。
- 425 :名も無き異能都市住民:2010/06/18(金) 21:17:44 ID:.6prKP66O
- 『我が呼び声に答えよ……』
【声が響き渡っていた】
『強きマナを持つ者よ、我らの問い掛けに気付き給え』
【ここは都市?……月夜に照らされる丘に濃い霧が立ちこめていた】
『願わくば、その者が強き者である事を……』
【声は呼び掛ける、人の居ない、霧が立ちこめた丘で……
答えるかもわからぬ誰かを待ち望みながら……】
- 426 :犬狗戌太:2010/06/19(土) 23:20:32 ID:83neLtkA0
- 「ひ、ひひ、はぁ……はぁはぁはぁ…」
恐怖にへばりつく喉を必死に酷使しつつ、全力疾走で夜の異能都市を走る少女。
ここら辺近くの高校生の制服を着込んだ少女は、普通の昼間に見かけると
思わず目を取られるぐらいに可愛らしい風貌と愛嬌をもっているのだが、今、
夜の町を走る彼女には、迫りくる恐怖に対しての絶望と、どうしてという疑問がありありと浮かぶ。
「ハァハァハァ……」
少女は酷使しすぎた足に耐え切れなくなったように、町の中央から少し離れた場所――魑魅魍魎や
妖怪、あげくには悪魔などが跋扈する町の片隅であり辺境であり、魔窟である《九十九黒坂》の片隅に
あった椅子に座り込む。セーラー服の白いシャツが汗が肌に張り付く様子は、淫靡であり、同時に、
彼女を襲う、恐怖が、強大であることを物語っていた。
たん、たん、たん、たん。
「ふん、ふ〜ん、ふふん」
夜の夜行列車の退魔汽笛すらも鳴らない静かな夜に、綺麗な声の鼻歌が響く。
ただし、血の臭いと、圧倒的な殺意を纏って、だが―――。
「ど、どうして、こんなことをするの! 戌太くん!!!」
少女はわからないとばかりの叫び。それに対して暗闇の中で赤い双眸をした魔狼は嗤う。
- 427 :犬狗戌太:2010/06/19(土) 23:30:54 ID:83neLtkA0
- 「前から貴方は不愉快でした」
長い銀髪を夜風に揺らし、美少女が妖しく艶やかに笑う。
黒い外套が、極上の漆黒のドレスに変わってしまいそうなほど綺麗で、
中天に浮かぶ満月すらも従えた、夜の皇女のような、壮絶なまでの美。
「ひっ……!」
それなのに少女は悲鳴を上げた。
全身の細胞が、太古より眠っていた生存本能が悲鳴をあげたような声だった。
じりじり、と下がる少女の動きに気づいているんだろうが、美少女は美少女のまま
ゆっくりと、じわりじわりと、レッドカーペットを歩くように、獲物への距離を測る狩猟動物のように
彼女へと近づいていく。
「まず兄さんと同じ教室で、同じ授業を受け、あまつさえ笑いながら話をしている」
空気を切り裂く音を立てて、銀髪の美少女の下から放たれた「何か」は大地を、下がっていた少女の背後の大地に突き刺さる。
突き刺さるだけなら、まだしも、その破壊力を持って土砂を噴き上げ、少女の身体を前方――つまり銀髪の美少女の元へと吹き飛ばす。
- 428 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/06/19(土) 23:33:09 ID:WVrfsEdY0
- >>427
「あうあう?なんのおとなの?」
【一人の包帯を巻いた少女が音のした方へと走って行く】
「だれなの〜!」
【丁度通りの方から声が聞こえた】
- 429 :犬狗戌太:2010/06/19(土) 23:48:53 ID:83neLtkA0
- 足元へ吹き飛ばされ、転がりこんだ少女を、まるで生ゴミ袋を見るような非情な双眸。
しかし、その中には、かき集められ、熔岩のようにドロドロに溶けて、更に混沌とした情念と
それに比例するような、冷酷な嫉妬と憎悪が渦巻いていた。
「まずそれが不愉快でした。何度、その喉をへし折ろうと思ったことか」
銀髪の美少女は、白魚のように綺麗な指先で、地面に倒れこんでいる少女の喉下を指差す。
「でも、兄さんから、前、それを他の人でやってからは、怒られて嫌われましたので、ボクは我慢しました。
必死に我慢しましたよ。でも、貴方がやった愚行はそれだけですまなかった」
美少女が笑う。
それは笑いとしか表現できない顔の形だったけれど―――
それは笑いと呼ぶに相応しい、感情など一切無く――――
まるで人形のように形だけ整えられた表情だった。
ドロドロの渦巻く暗黒で作られた《顔》
「《好き》って言葉をお前程度が、兄さんに使っていいと思ってるのか?
お前い程度が! お前ぐらいが! 兄さんに対して、ボクの、ボクだけの、ボクの兄さんに対して!!
使っていいと思ってるのか、この雌豚(ビッチ)が!」
銀髪の美少女の右腕が振り下ろされ、凶悪な殺意と憎悪に固められた力が放たれる。
- 430 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/06/19(土) 23:51:33 ID:WVrfsEdY0
- >>429
「あうあう!ちょっとまってなの!」
【ディスは慌てて右腕の間に包帯を伸ばして】
「そんなことしたらだめなの!」
【美少女の攻撃から少女を守る盾にしようとしている】
- 431 :犬狗戌太:2010/06/19(土) 23:59:41 ID:83neLtkA0
- >>430
「………ア?」
突然右腕に巻きついた包帯に、放たれようとした力は霧散する。
同時に、銀髪の美少女は、赤い双眸を更に、血のように更に濃く、赤黒い瞳へと
変え、突然現れた、少女へと向ける。
まるで狂った獣《凶獣》のような殺気を撒き散らし―――捕まえられた右腕へとは
反対、左腕を新たに現れた少女へと向ける。
「邪魔するなら、お前もシね。瘴気収束―――《鎖》」
夜の空に黒い粒子が集まり、漆黒の鎖――七つの鎖がまるで毒蛇のように少女へと襲い掛かる。
その矛先には槍の矛先のように鋭い刃が生まれ、人間の肉など容易に引き裂く鋭利さを示すように
月光を反射している。
それだけでなく残った右足で、地面に横渡る少女を蹴ろうとしている。
禍々しい力を纏っている今の銀髪の美少女の蹴りは、普通の人間の彼女の胴体を蹴り千切るぐらい容易だろう。
- 432 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/06/20(日) 00:03:55 ID:WVrfsEdY0
- >>431
「あうあう…よけるなの…!」
【ディスは飛んできた鎖を少女とは思えない素早さで横に飛んで避ける】
「たすけなきゃなの!!」
【その後、攻撃を防いでいた包帯を倒れている少女へと伸ばし、自分の方に引っ張ろうとしている】
【あっちよりも素早ければ、引き寄せられるだろう】
- 433 :犬狗戌太:2010/06/20(日) 00:11:24 ID:83neLtkA0
- >>432
「させっか!」
戌太は鎖が回避されたと同時に鎖へと収束されていた瘴気を分解し、再構成。
左手に連ねるように瘴気の刃を形成、爪のようになった刃で右腕に絡みつく包帯を切り飛ばし、
更に少女を捕まえ、引っ張ろうとする包帯に振り下ろす。
弾ける金属音、と、火花。ほんの刹那のタイミングで振り下ろされた瘴気の爪は包帯と少女を捕らえきれず、
アスファルトの大地を切り裂き、五本の傷跡を抉る。
銀髪の美少女が獣のような唸り声を上げて、腰元から銀色の尻尾を顕現させ――人外化しながら唸る。
- 434 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/06/20(日) 00:14:48 ID:WVrfsEdY0
- >>433
「あうあう、もってこれたの!!」
【ほっと一息つきながら少女をディスの方へと引き寄せていく】
「だ、だいじょぶなの!?」
【必死で引き寄せた少女に声をかける】
「あう〜…なんだかあぶなそうなの…
いまだとちゃんとたたかえないなの」
【ディスは吠える美少女を見て言った】
【巻き込んでいる人がいなかったら分からないが…
今のような状態ではディスも満足に戦えない…】
- 435 :犬狗戌太:2010/06/20(日) 00:38:41 ID:83neLtkA0
- >>434
突然現れた少女の異能の力に、しかしブレーキが壊れた銀髪の美少女が止まらない。
狂っている、病んでいる。愛に恋に、嫉妬に憎悪に、安全装置は既にない。
相手が逃げるなら地の果てでも追って捕まえ、殺す、奪う、喰らう。
銀髪の美少女の心の底からの願望。それが魔なる法の原点。
「この世に貴方ほどの価値はあるのだろうか?」
それは歌。それは情熱。己の心を歌うことで世界に影響を与え、そして世界も祝福を与える。
禍々しい瘴気が、銀髪の少女の周りを渦巻き、まるで影の大狼を纏ったかのように、
少女の威圧感が、影響力が、威圧感が増す。それは暴君のように蹂躙者のように圧倒的なものであり、
並大抵の異能者相手では出来ないほどに、凶悪無比、苛烈な愛に狂った病魔の塊。
「ああ、私はこう思う」
しかし、それだけでは終わらない。終わらせない。制御装置など既に無い身。
壊れ続けるまでに心に愛を注ぎ込もう。世界が私と彼の2人になるまで全てを破壊しつくそう。
「この世に貴方ほどの価値はなく、
この世界は貴方以外に、私の心を満たせるものはいない」
銀髪の少女の周りで蠢く漆黒の大狼が銀髪の美少女の中に吸い込まれるように消える。
否、喰われる。
「だから私は世界は無価値であると判断する」
次の瞬間、銀髪の美少女は空間を揺らす。水面のように歪んだ空間の中を飛び、その姿は
騎士見習いの少女の背後へと取っている。大した力を込めてないように見える指先が、包帯の少女の
首筋、頚椎がある場所へと伸びる。
- 436 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/06/20(日) 00:45:53 ID:WVrfsEdY0
- >>435
「あうあう…なにを…
なにをいってるのかなの?」
【すこしだけ怖がりながらディスは言った】
【姿が消えたのを見て】
「あう?どこに…
あう!」
【何か違和感を感じてディスは後ろを振り向く】
「なんでこんなことするなの!?」
【助けた少女を何とか守りながら】
【ディスは飛んでくる指を防ごうと包帯を巻かれた(強度を高められた)
右腕を振るう】
- 437 :犬狗戌太:2010/06/20(日) 01:03:59 ID:83neLtkA0
- >>436
放たれた指先と、振るわれた右腕が交差――激突するはずが――虚空を斬る。
驚くことも何もない。
空間を操作するとすれば、位相さえずらせてしまえば攻撃は当たらない。
例えるならばティンダロスの猟犬。 見えるけれど触れず、触れることも出来ず、しかし喰われる。
防禦するはずの右腕をすり抜けて、銀髪の美少女の指先は、抱きかかえる少女の心臓のみを抉る。
「………」
- 438 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/06/20(日) 01:06:28 ID:WVrfsEdY0
- >>437
「あうあう…?」
【驚くと同時に…抱きかかえた少女が胸をえぐられるのを見る】
「そ、そんな…なの…」
【信じられない…そう言いたそうな顔で…呆然とする】
- 439 :犬狗戌太:2010/06/20(日) 01:11:26 ID:83neLtkA0
- >>438
「あぁ、これで兄さんに近づく雌豚が一人消えた」
銀髪の美少女は安堵の溜息をつく。
その顔には危機感が拭い去られた安堵さえ浮かび、瞳には涙すら浮かんでいた。
「嬉しいうれしい。
これで、兄さんはボクと一緒にいてくれる。
兄さんだけはボクとずっと一緒にいてくれる。
雌豚が死んだことに嘆くかもしれない。でもそれはボクが慰めてあげるから。
どんなことでも、ボクが受けて入れてあげるから、………兄さん」
赤く染めた頬で、銀髪の美少女は微笑む。
今夜、初めて見せた彼の笑みは、どこまでも純粋無垢で、恋する乙女のような微笑み。
「愛してる、兄さん」
銀髪の美少女の姿が空間を波紋のように揺らして消える。
そこにある死体には何の価値もないかのように。
- 440 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/06/20(日) 01:19:48 ID:WVrfsEdY0
- >>439
「あう…どうしてそんなこと…」
【ディスはすでに冷たくなった少女を抱えてその場に座り込む】
「また…まもれなか…たの…うう…」
【大粒の涙を流して、顔をうつむかせた】
- 441 :柳田邦悪:2010/06/20(日) 01:36:05 ID:83neLtkA0
- >>440
サイレンが鳴り響き、パトカーが何台か止まる。
その一つから降り立った柳田邦悪は、目の前の現状を見て、そして唯一の目撃者が
パトカーに乗せられて、送られていくのを見て咥えていたタバコを噛む。
「被害者は高校生なんだって?」
「はい。えっと年は16歳。近くの高校に通っていたみらいです。目撃者から聞くと、犯人は異能者で、目的は痴話喧嘩に似ているということですが」
「……まだガキが、色恋沙汰で人殺しか。まだ色んな人生は先があるし、男だって色んな奴がいるだろによ」
柳田邦悪は、忌々しそうに咥えていたタバコを携帯灰皿で潰し、そして血溜まりも、肉片も無い、綺麗な死体があった場所へと歩く。
軽く頭を下げて、両手を合わせ、暫く黙祷した後、検察官に尋ねる。
「犯人(ホシ)の身元がわかったか?」
熟練の監査官は、厳つい顔を更に厳しくして首を振る。
「いや、まだだ。今、探査魔術と、魔術痕跡、更には最新鋭の科学調査も同時進行でやってるが、
今回の犯人(ホシ)は異常つーより、変だ」
「変?」
「ああ、普通の人間なら、いや、異能者だって瘴気反応は多くて2か、3つ。けど、今回は47も見つかってる。
普通の人間なら生きてないし、化け物でもどっか狂ってる。なんつーか、そうだな。人間であるというよりも、
グチャグチャにかき混ぜたものを人間の形に整えてるって感じに近い」
「変異型ってことか?」
「いや、変異型ってことじゃね。どちらかといえば脱走した実験体――それも人間じゃない奴を作ってる方だろ」
「つーことはあれか。また機密情報なので秘匿義務というやつで情報はこっち側に一切回ってこないことだろ」
「ああ、情報源は唯一の目撃者になるな」
「糞がっ」
柳田邦悪は忌々しそうに唇をかみ締め、そして殺人があった現場を眺め、髪をかきむしる。
「草の根かきわめても犯人見つけてやるから、ちゃんと成仏しろよ」
- 442 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/06/20(日) 01:42:52 ID:WVrfsEdY0
- >>441
「……まけちゃだめなの…これで…
もっとおおくまもらないとなの」
【少しうつむきながらディスは呟いた】
「…あう、けーさつなの…」
【立ち上がってディスはパトカーの止まっているところに向かって行った】
//目撃者=ディス…ではないよね?
- 443 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/06/20(日) 23:01:44 ID:/k2gysHgO
- 「…………」
病院を抜け出した先、廃棄されたビルの屋上から見る空は暗い。二週間も経てば風の香が変わるこの街は、寝台の上で眼を瞑じている間にくるくるくる季節が巡る。
近頃は何もかもが泡沫の様に弾けて流れていく。興ったと思えば、無くなっている。
微睡む魚の様に生暖かい水底から見上げる世界は酷く儚く、何もかもを俯瞰する鳥の様に、何処かへと羽搏いて視点を変える事も出来ない。
流される侭に見る世界は虚ろ。かちこち、かちこち、廻る時間は止まらない。
「――――」
かちこち、かちこち。時計の針は止まらず水面は流れ雲は千切れて消し飛んだ。血は乾き屍は腐り一切合切芥に消える。
病める視界は歪み、天地上下の感覚は最早無い。くるくるくるくると回る時計の針だけが正確だが、けれどその時計には針が無い。 ごおん、ごおん、と音がした。鐘の音だ。――祭かな。考えた女は柩の無い葬列を幻視して笑う。葬列は柩を探しているのだ。
「……――」
ビルからは都市の灯りが見える/時計塔からは憂鬱な葬列が見える 。
女は涙を流していた。どろりと溶け出したその色は、髪と同じ色をしていた。
- 444 :名も無き異能都市住民:2010/06/20(日) 23:18:34 ID:5LkS7w1k0
- >>443
「おや」
鐘の音に混じる砂の声。
無論無機物が声を発しているわけではなく――正しくは、
「Guten Abend、お嬢さん。
――――センチメンタルに浸るには、少しばかり早い季節ではないかね?」
この、いつの間にかビルの屋上に居た、灰の髪の男の声音がやたらと乾きを覚えさせる代物だったというだけだ。
- 445 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/06/20(日) 23:27:47 ID:/k2gysHgO
- >>444
「そうだね。冬の始めに秋に泣くのも可笑しな話だ。――いや、今が冬だったかな。困ったものだ、今の私には解らない」
女は振り向かず答える。紡がれた言葉はビルの屋上に時計塔の屋上に月下の草原に同時に拡散した。
「ああ、今晩は。……いや、今日はか? ……まあ、日夜の違いなんて微々たる物だ、どちらでも良いか。
所で君は――誰だったかな。昔会った事が有るような気も、まだ会ってないような気もする。……いや、本当に困ったな、挨拶すらまともに出来ない」
- 446 :名も無き異能都市住民:2010/06/20(日) 23:34:22 ID:5LkS7w1k0
- >>445
「何、挨拶など構わないさ。ちょっとしたお話タイム、それでいいだろう?
それに」
くすりと笑う音。
「”私”は君と会ったことがない。そう心配しなくても大丈夫だよ」
強調を交え、楽しそうに言って、
「しかしまあ随分とこんがらがっているね。
通りすがりが言うのも変な話だが、何かあったのかい」
- 447 :百合代 命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/06/20(日) 23:34:56 ID:t796lhX20
- ビルの貯水タンクが視界を塞ぐ死角、その陰にもたれ掛る影
刀を胸に抱きしめ、寂しそうな顔をしながら会話に耳を傾けていた。
どうすれば彼女を笑わせられるのか、どうすれば彼女の心を感じることが出来るのか。
「……(……汚いな)」
心の中で呟き、暗がりに隠れ続けている
- 448 :黒沢小百合:2010/06/20(日) 23:36:28 ID:rSRBD9/U0
- 壁|・)←命
壁|・)・)←小百合
- 449 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/06/20(日) 23:46:03 ID:/k2gysHgO
- >>446
「ああ、そうだね。君と会っていたかどうかなんて些細な事だ。
いつか会うなら今会っても、過去に会っているなら今会っても可笑しくないし、それは本当に些細な事だ」
自分が今景色を俯瞰しているのか、それとも見上げているのか、彼女には解らない。
全体像しか見えない女が紡ぐ言葉は言葉であって、そして同時に言葉ではない何かだった。
音量や声質が複雑に絡み合いながら極めて特徴的な波形で振動する複雑系――マルチフラクタルの奇妙な言葉。
「いや、何が会ったという訳では無いんだ」
脳の欠落か、或いは素質が有れば即座に 発狂/覚醒 する奇妙な音声で、女は話を続ける。
「ただ――……そうだな、君は何故今から未来に向かっているんだ? 君の時間はどうして今から未来へと流れている?」
- 450 :名も無き異能都市住民:2010/06/20(日) 23:52:50 ID:5LkS7w1k0
- >>447>>448
一瞬だけ意識を向けて。
「――」
笑みを深めた。
>>449
「ああ、」
成程。
ある種の迷子になってしまったのだろうなこの人は。
だから、と思い、それに、と心に付け足して、
「未来に向かわねば私は過去を手に入れられないからね、と答えてみようかね。
私はいつだって、この手では取り戻せないときのことを見ているよ」
既に正気は放り捨てたさ、と言ってまた笑う。
「今は全て過去が作りだした。だからこそ、私は先に進むしかないんだよ」
答えにはなっただろうか。
薄らと思った。
- 451 :百合代 命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/06/20(日) 23:55:40 ID:t796lhX20
- 耳に言葉を受け入れ、記憶する
答えを作ろうということじゃない、ただ単純に…彼女の言葉から伝わる中身を知ろうとしているだけ
「……蔡生」
ぼそりと呟いた
>>448
「……」
何をしているんですか、と目で訴えかける
- 452 :黒沢小百合:2010/06/21(月) 00:00:02 ID:rSRBD9/U0
- >>449
「夜刀神さん、一体どうしたのですか?
いつもは威厳に満ち溢れた貴方が今日は
混乱していて、それでいて疲れて――」
小百合は冷静に話をしているつもりなのだろうが
その表情からは底知れない恐怖と不安が見て取れる。
「――どこか小さく見える。」
無理も無い、自分自身を支える基盤が揺れているのだから。
>>451
「貴方と同じですよ。」
命とは逆に隠す事無く口に出して。
- 453 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/06/21(月) 00:00:34 ID:/k2gysHgO
- >>450
「過去が有るから今が有る――か。成程」
男の言葉をそのまま理解する事が出来ない女は、全体像から言葉のパターンを割り出し、それを一気に折り畳んで男の言葉を割り出した。
マルチフラクタルの音声には笑いの響きが混じる。「じゃあ、どうして君の時間は今から過去へと流れないのだろう」
- 454 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/06/21(月) 00:10:32 ID:/k2gysHgO
- >>451
「……呼んだかな?」
蔡生は振り向きもしなかった。しかし、その言葉は確実に命へと向けられている。
>>452
「逆だ、小百合。私は今、無限大だよ」
楽しそうに笑う響きを載せた言葉は何時もの物だ。
「混乱は――多少しているように見えるかもしれないね。疲れては居ないさ。……ああ、いや疲れているな。未だに傷が完治していない」
女は苦笑に肩を振るわせる。いつもと同じ仕草。
「怖がる必要は無いよ、小百合。君の力は歴史だが、君は歴史を恐れはしないだろう? いや、歴史への畏れはあるのかもしれないが」
- 455 :百合代 命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/06/21(月) 00:14:15 ID:t796lhX20
- >>452
「……」
その言葉を聴き、困ったように笑った
>>454
「……蔡生」
かつては自分も其処にいたのだ、だからこそ自分が思う答えを伝えようと思った
「……時間は流れるものではなく”進んでゆく”ものなんだよ、”時間があるもの”にとってはね」
目を伏せ、零すように呟きながら近づいてゆく
- 456 :名も無き異能都市住民:2010/06/21(月) 00:18:02 ID:5LkS7w1k0
- >>453
「既に確定してしまった過去に流れたらどんなにいいことか」
溜息を一つ。
「だが同じことを二度繰り返すのはそれはそれで苦痛だね?
……しかし、まあ、浮かび思ったことなのだが」
歩く。
フェンスを乗り越え、屋上の縁に立ち、
「私の時間は確かに未来へ向かって流れている。
でもね、未来とは直ぐに今へ変換され過去として消化されてしまうんだ。
これは、」
ある意味、過去に向かって時間が流れているとは言えないだろうか。
……戯言だな、どう見ても。
そんな事を考える自分がおかしかったが笑みは零れなかった。
「……さて、君のお友達も来たようだし、私はそろそろ退散しようかね。
――――もしも次に会ったとき、君は私を覚えているだろうか、と。楽しみにしているよ」
縁を蹴る。
落ちるようにして―実際落ちてはいたのだろうが―男の姿は消えうせた。
- 457 :黒沢小百合:2010/06/21(月) 00:25:25 ID:rSRBD9/U0
- >>454
「私が恐れる事は唯一つ、
夜刀神さんの身に何かが起こることだけです。」
感情を隠すように俯いて。
「私には夜刀神という神性のことはわかりません、
いえ、私たち凡愚の者どもには到底想像の付かぬ世界なのでしょうが……。
どうぞ、ご自愛ください……。」
- 458 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/06/21(月) 00:33:38 ID:/k2gysHgO
- >>455
「ふふ、違うよ命。時間は前に進む物だなんて、錯覚だ。相対性理論にも量子力学にも熱力学にも混沌理論にも、時間の逆行を不可能だとする理屈は無い。
――ああ、時間は逆行しないと云う言葉を言い換えただけの、因果律なんて法則は含めずに、ね」
女は矢張り振り向かずに言葉を紡ぐ。
不意に、其の姿がぶれた。映りの悪いテレビのように、コマ落としのように。
>>456
「何故、自分の時間が未来に向かっていると言い切れるのかな」
女は微かに笑った。矢張り、振り向かない。
「ああ、またね。――ふふ、覚えているさ。君と会った事がたった今過去になったから」
>>457
「ふふ、ならば尚更君が恐れる事は無いよ。こんな状態になっているのも今だけさ。傷が癒えれば直ぐに何時も通りだ」
俯いた小百合に、矢張り蔡生は振り向かない。
じじ、と――女の姿がぶれる。
「ああ、そうだね。そうしよう。――病院に戻るよ。心配を掛けたね」
ちり、と一つ音がして。
女の姿は、最早其処には存在しない。
- 459 :百合代 命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/06/21(月) 00:44:17 ID:t796lhX20
- >>458
「……違うよ、蔡生…”時間があるもの“にとってそれは理解できず、意識することが出来ない世界なんだ」
「なぜならそれらはただ「これが存在しているからこれも存在する」というだけの理由で生み出されたもので…理論と理解は違うんだよ」
寂しそうに目を閉じると、そのままビルの端へと歩を進め――落ちていった
尤も落ちてすぐ彼は消えてしまったのだが
- 460 :黒沢小百合:2010/06/21(月) 00:54:33 ID:rSRBD9/U0
- >>458
「……夜刀神さん。」
すべたが消え去った後、小百合は壁にもたれかかって
何かを探すように、静かに呟いた。
- 461 :名も無き異能都市住民:2010/06/25(金) 21:00:11 ID:ZOM.z7ps0
- 毎度お馴染み、空に浮かぶ巨大な眼球「千里眼」。
それを編んだ当の本人、魔女は、ベンチに座ってうつらうつらと首を動かしていた。
疲労がきているらしい。
「……ふぁふ……ひ……ふ……」
- 462 :GM:2010/06/25(金) 21:00:42 ID:ZOM.z7ps0
- //あふん名前抜け 募集を開始します
- 463 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/06/25(金) 21:01:52 ID:WVrfsEdY0
- >>461
「あうあう…まにあったかなの」
【空に浮かぶ眼球を見ながら包帯を巻いた少女が歩いてきた】
「ここでいいよねなの?」
【そしてベンチにいる魔女に向けて、真面目な顔を向ける】
- 464 :東西南北 良方:2010/06/25(金) 21:05:13 ID:7gFzKdaU0
- >>461
「よう、眠そうだな」
紫のドレッドヘアにアロハシャツのグラサン男が公園に現れた。
その表情は引き締まり、真剣そのものだ。
>>463
「ディスも来てたか」
「お互い頑張ろうな」
飴を取り出しディスに渡す。
- 465 :メイプル・ビターキャラメル:2010/06/25(金) 21:08:05 ID:E4Ka56rgO
- 「…………」
公園にある街灯の上。
学ランを靡かせ、少年が座っている。
「…………」
ずっと黙りっぱなし。
準備は万端のようだ。
- 466 :GM:2010/06/25(金) 21:11:59 ID:ZOM.z7ps0
- >>463>>464>>465
「ふ……ふぁあ、ごめんごめん……
うん、ああ、そこに立って……」
眠そうに眼をこすりながら、適当な地点を指差す。
「今回の敵は二人。場所は、どこかはよくわからなかったけれど、室内。
得られた情報はそれくらい……」
- 467 :衣宮 凜 ◆X7kkkkkkkk:2010/06/25(金) 21:12:37 ID:PMt0ERXQ0
- 「ふぇーん」
ざ、ざ、ざ、と足音が響く。
足に巻いた包帯が砂を削っていた。
「ふぁーん」
どさ、と地面に座る音が鳴る。
「なんつーか、〝ふ〟から始まる音って力が抜けるわ。
そこらへんどう思う?ん?」
- 468 :東西南北 良方:2010/06/25(金) 21:13:01 ID:7gFzKdaU0
- >>466
「分かった」
ゆびさされたところへ歩いていく。
あらかじめノコギリ状の刃の日本刀を取り出し握っておく。
- 469 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/06/25(金) 21:13:52 ID:WVrfsEdY0
- >>464
「うん、こんどこそたすけるなの!」
【微笑んでディスは飴を受け取る】
「これはおわったらなの〜」
【そう言ってもらった飴玉をポケットに突っ込む】
>>465
「あう」
【少しメイプルを見て】
「だいじょぶ…『ふぇんりる』をたすけてみせるなの」
【自分に言い聞かせるように呟いた】
>>466
「あうあう。わかったなの」
【そう言って指定された場所に立つ】
「だいじょぶなの!てきがいっぱいいてもなんとかなるなの!」
【そう言ってディスはサムズアップしてみせた。どこで覚えたのだろうか】
- 470 :メイプル・ビターキャラメル:2010/06/25(金) 21:16:35 ID:HnkBBDEo0
- >>466
「……」
すたん、と街灯から飛び降りて魔女の方へ。
相変わらず無言のまま。
- 471 :GM:2010/06/25(金) 21:21:23 ID:ZOM.z7ps0
- >>467
「ふがし……、……あ、本当だ。
ってどうでもいいわアホー。そこ立って立って」
手をひらひら
>>468>>469>>470
「よーしよしよし。そこ立ってなさいよー」
かつん、と爪を鳴らす。
すると四人の居る地点が、淡く光った。
光に包まれて、一瞬の転移。
辿り着いた先は、歪な機械に四方を囲まれた――「研究室」。
- 472 :東西南北 良方:2010/06/25(金) 21:22:42 ID:7gFzKdaU0
- >>471
光が消えると辺りは機械が大量に有る研究室だった。
「……さて、今度こそ救えるか? 俺は」
刀を握り締め辺りを警戒する。
- 473 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/06/25(金) 21:28:06 ID:WVrfsEdY0
- >>471
「あう、がんばるなの〜」
【そう言って魔女に向けて軽く手を振った】
「あうあう…ここに『ふぇんりる』いるのかなの…
あう?なんだろ…このにおい…」
【研究室の中の匂い…もしくは景色にディスは妙に反応している】
「あう〜?はじめて…じゃないような…の」
- 474 :メイプル・ビターキャラメル:2010/06/25(金) 21:29:52 ID:HnkBBDEo0
- >>471
「…………」
唐突に変わった景色。
しかしもう慣れたようなのか、たじろぐことも無く辺りを見回す。
「……モルモットを弄る場所、か。
故郷と同じ匂いがしやがる、胸糞悪い」
やっと言葉を吐いた。
嫌悪感を隠すこともなく発する少年は、何を思い出しているのか。
- 475 :衣宮 凜 ◆X7kkkkkkkk:2010/06/25(金) 21:33:25 ID:PMt0ERXQ0
- >>471
「くくく、〝ふ〟の魔力は凄いんだぜー?…………舐めてるとふにゃふにゃになるかんね。
音ってのはすごいもんだわ、本当」
立ち上がり、ボロイ外套についた砂を払って指定された場所に立つ。
して、光に包まれた。
「…………おろ?」
研究室。
彼女はあたりを見渡して、溜め息を吐く。
「……………………ああ、なんだ。びっくりした。ただの研究室じゃん」
- 476 :十七号・二十四号:2010/06/25(金) 21:37:59 ID:ZOM.z7ps0
- 「客人じゃ。客人が来たぞ、なあ十七号」
くすくす。笑う声が聞こえる。
巨大な機械の影から、緑の髪を持つ角の生えた少女が現れた。
戦場に似合わぬ優雅な足取りで、一歩、また一歩。現れた戦士たちに近づく。
「――戦意を持った個体の存在を確認。対象認定」
その反対側から、現れたのは藍色の髪を持つ――彼らが見慣れているであろう、狼の少女。
機械的な声を出して機械的な金色の瞳で彼らを見、表情はさして変わらない。
「対象の殲滅を開始します」
細い首には、重苦しい金属製の首輪が取り付けられていた。
きちきちきち、駆動音が鳴り響く。それが少女たちの戦闘開始の証。
【十七号・二十四号 どちらに攻撃するかを必ず明記しておいてください】
- 477 :東西南北 良方:2010/06/25(金) 21:43:29 ID:7gFzKdaU0
- >>476
奥から二人の少女が現れる。
「……来たか」
サングラスの奥の目を細め、前を見据えた。
「行くぞッ!」
一瞬の躊躇もなく一七号に向かって走る。
激しい足音と共に一七号に接近刀を振り上げながら言う。
「後でくっつけてやる、だから……悪いが切らせてもらうぞッ!」
そして、一七号の腕めがけて刀を振り下ろす。
【一七号に攻撃です】
- 478 :メイプル・ビターキャラメル:2010/06/25(金) 21:43:43 ID:HnkBBDEo0
- >>476
「…………」
一目見て、状況を把握した。
何が起こっているのか理解した。
単純明快。
つまり、そういうことだ。
「ああ、そうかい。そう来るかい」
ふつふつと、黒い魔力を滾らせながら、少年は肥大化してゆく。
全身に刺青のような黒い魔術陣を巡らせ、巨大な悪魔の姿へと。
「だったら全て、お前の周りにある障害全て、ぶち壊すだけだ!!」
まるで弾け飛ぶようにメイプルは、二十四号へと飛び掛った。
「まずはお前から殺す!!」
一瞬にして右手から無数の刃がジャキリと生える。
その刃を携えた右手を、角を持った少女向けて大きく振り上げた。
- 479 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/06/25(金) 21:44:08 ID:WVrfsEdY0
- >>476
「あう。…いたの!『ふぇんりる』なの!!」
【ディスは二十四号から目線をはずして】
「…いまたすけるなの!まっててなの!『ふぇんりる』!!」
【ディスは迷わず十七号…フェンリルへと包帯を展開し、臨戦態勢へと入った】
- 480 :衣宮 凜 ◆X7kkkkkkkk:2010/06/25(金) 21:51:46 ID:PMt0ERXQ0
- >>476
「首輪ってのわー………………嵌められるもんじゃないのかね?」
へらへらと笑う。
刃を包帯でぐるぐる巻きにされた、同寸同大の刀を二本、
腰に巻いていた包帯から抜き取り、握った。
老眼鏡の奥で目を窄め、二十四号に右の刄の切っ先を向ける。
「あんたロリババアか?口調がすっげえつぼなんだけど。
ってかてか!ひょっとして拘束プレイ、好き?
うへぁああー!!!いい趣味してんね、うん!!」
同じ相手を狙っているメイプルさんの後から、彼女は言う。
「相手、被っちゃってるけど私を巻き込むなよ、と――――――――ぬふっ」
床を蹴り、壁に向かい跳躍。
壁に両剣を突き刺して立ち、右に九十度傾いた景色を眺めていた。
- 481 :十七号・二十四号:2010/06/25(金) 21:55:03 ID:ZOM.z7ps0
- >>477(十七号)
きちり。
止まる駆動音、顕現する少女の武器。
かぁん、と硬質な音を立てて、左腕で刀を受け止めた。
「浅はか」
少女の左腕は、氷に纏われていた。
ぐん、と大きく腕を振る。人外の怪力は、それだけで良方の刀を弾き飛ばした。
>>478(二十四号)
「ははは。我も隅に置けんな、名指しで求愛されてしまった」
くくっと笑って、左腕を振り上げる。
少女の左腕には、炎を纏った巨大な刃が生えていた。
ぎんと受け止めてぎりぎりと鍔迫り合う、その刃に炎を走らせる。
ぶつかり合った刃を伝って、メイプルを燃やそうとしていた。
>>479(十七号)
「認識。包帯部分に何らかの異能が含まれていると判断します」
機械的に返答。その声に、ディスの知る少女の部分は含まれない。
ひゅ、と。鋭く尖った氷の槍、左腕を突く――強烈な冷気が、ディスを貫かんと迫る。
>>480(二十四号)
「はは、変な奴。好きに解釈すればいいさ」
けらけら笑う少女は、いかにも少女らしい。
メイプルの刃と鍔迫り合う歪な刃を除いては。
メイプルに向かっている彼女は、ひとまず凜から視線を外した。
- 482 :メイプル・ビターキャラメル:2010/06/25(金) 21:56:57 ID:HnkBBDEo0
- >>480
「てめぇもだ」
バフォメットのような異形と化したメイプル。
横に伸びた瞳孔で衣宮を睨む。
「巻き込まれて死んでも文句言うな。そっちで勝手に対処しやがれ」
>>481
「…………」
ジュゥ、と肉の焦げる音と匂い。
しかしメイプルは構わず、
「……ヌルい」
炎に包まれた刃。
それを、まるで散弾のように燃え盛る右手から射出した!
- 483 :東西南北 良方:2010/06/25(金) 21:58:52 ID:7gFzKdaU0
- >>481
「今回は氷、かッ!」
氷で刀を弾かれ良方は宙を舞う。
地面に着地するが刀はどこかへ飛んでいき回収は不可だ。
武器を失ったと思われた次の瞬間には良法の右手に蝶の意匠の施されたナイフが握られている。
「じゃ、もう一回ッ!」
背後に五本の剣を呼び出し、展開する。
五本の剣を一七号の四肢を縫い付けるように撃ち出すのと同時に、良方もかけ出す。
一七号との距離を詰めナイフで突きを放つ。
狙いは左腕の付け根だ。
- 484 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/06/25(金) 21:59:30 ID:WVrfsEdY0
- >>481
「あうあう。やっぱりそうなんだなの…」
【ディスは素早く反応して横へと勢いよく転がる】
「じゃあめを・…さまさせてあげるなの!」
【ディスは起き上がると同時に十七号へ向けて包帯を勢いよく伸ばしていく】
【ひとまず動きを封じようと左腕に向けて伸ばす】
- 485 :衣宮 凜 ◆X7kkkkkkkk:2010/06/25(金) 22:11:35 ID:PMt0ERXQ0
- >>481>>482
「ふーん………………」
――――…………へぇ、私が蚊帳の外ねえ……………………今一つまんないなー…………。
思い、しかし、今行動を起こそうとは思わず、傍観。
たまたま赤い文字を見て、面白そうだ、とやってきただけだから、事情は知らない。
「…………ま、つまりはそういうことよな。
なーんか、…………下手に手ぇ出したら刀の子にやられそうだし」
首を捻り、バキバキ鳴らした。
「っしゃあッ!!!」
エアリード機能のスイッチをオフ。
刀を一本引き抜いて、さしたままの刀の上に立ち、肩をぐるぐる回す。
「こっち向けお前らァ!!!」
だん、と跳躍。
飛び上がり、天井に刀を突き刺して二人の頭上を手に入れた。
「海水浴場の始まりですよー!!」
言葉と一緒に、交錯する刀に向けて、水が落とされた。
- 486 :十七号・二十四号:2010/06/25(金) 22:17:54 ID:ZOM.z7ps0
- >>482>>485(二十四号)
「っ、と」
射出される瞬間に後ろに跳ぶ。それでも掠ったが、致命傷にはなり得ない。問題ない。
「はは、これは斬りあわねばならんなあ! 面倒だ!」
からからと楽しそうに笑う少女は、びっと刃を振って。
体勢を低くして、メイプルの懐に向けて走り出す。が、
「ッ!?」
しかしそこに降り注ぐ水。水。水。――嫌いだ!
少女はようやく顔を歪ませて、大きく後ろへ下がる。
「ち――」
メイプルに距離を詰めていたというのに、台無しだ。
やってくれるじゃないか――大きく舌打ちして、刃を地に突き刺した。
赤く燃える熱、それを伴う炎が地を走って――メイプルと凜に襲いかかる。
>>483(十七号)
「浅はか、と」
か、ききききん。
甲高い音が響く、それと同時。撃ちだされた氷柱が五本の剣を悉く撃墜。
左腕を狙うナイフに対して突きを繰り出して、
「言っている」
横に薙ぐ。一拍置いて胸へ向けて突き。
一瞬の間に、それだけの動作が行われた。
>>484(十七号)
外した。代わりに貫かれた地面は、ぱきりと凍りついた。
「目を覚ますのは貴女。私は覚醒している」
ひゅん、と横に薙いで包帯を切り落とす。
薙いだ氷の槍から、氷柱が三本射出された。
- 487 :メイプル・ビターキャラメル:2010/06/25(金) 22:22:25 ID:HnkBBDEo0
- >>486
「逃がすかァ!!」
後ろに下がった二十四号を追うが、
――ジュウッ
「ぐっ!?」
今度は炎が蹄を焼く。
だが、少年の足は止まらない。
「っあ、あああああああああ!!」
胸のペンタクルが輝く。
焼け爛れた足を強引に踏み出して跳躍し、
今度は左手から刃を出して、大きく二十四号へと振り下ろした。
- 488 :東西南北 良方:2010/06/25(金) 22:22:33 ID:7gFzKdaU0
- >>486
「糞早ぇ!」
剣を防がれ、ナイフを弾かれ、胸に突きを放たれる。
「ガッ……ッ!」
機械のあるところに飛んでいきぶつかる。
「痛ぅ……」
と、呟きながら立ち上がる。
サングラスは割れて地面に落ちた。
「……今回は出し惜しみしないことに決めてるんでな……」
「トロワ、使わせてもらうぞ」
右目の色が黒から銀色に変わる。
「さて、ここからが本番だ」
銀の目で相手と目線を合わせようとする。
目を合わせた瞬間一七号に弱めの幻術がかかるだろう。
- 489 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/06/25(金) 22:23:51 ID:WVrfsEdY0
- >>486
「くう!」
【ディスは切り落とされた包帯を素早く自らの前に戻して】
「なにいってる…なの!」
【射出された氷柱を防ぐ盾にした。氷柱はちょうど真ん中付近で止まる】
「『でぃす』はこうやってちゃんと『ふぇんりる』たすけるためにうごいてるなの!」
【少し困惑しながらも包帯を束ね始めた】
「『ふぇんりる』は…あやつられてるなの!」
【ディスは包帯で1メートル程のランスを形成して】
「てりゃあ!」
【十七号に向けて勢いよく。急所を避ける場所に向けて突いていく】
- 490 :衣宮 凜 ◆X7kkkkkkkk:2010/06/25(金) 22:28:37 ID:PMt0ERXQ0
- >>486
「なあああああああああああッ!!!!!!」
天井から刀を引き抜き、二十四号さん向けて跳躍。
くるくると錐揉み回転をしながら水を散らし、迫る炎への牽制とした。
- 491 :十七号・二十四号:2010/06/25(金) 22:32:28 ID:ZOM.z7ps0
- >>487(二十四号)
「ふ――」
刃を振り上げて、ぶつける――
「あっ!?」
――が、力負け。
大きく後ろに飛ばされる。
「やってくれるな!」
飛ばされる最中に体勢を立て直して、ぎりっとメイプルを睨む。
>>488(十七号)
「……?」
彼女は余計な感情を排除されていたので、別段怖いとも感じなかった。
ただ単に歪む感覚が不快。だったので、良方に向けて止めだと言わんばかりに先ほどよりも大きめな氷柱を射出した。
>>489(十七号)
「助けなど必要としていないと言っているのですが」
呆れたようにそう言って、受け止める。
ぎりぎりと力を込めると同時、密着したディスの包帯をぱきぱきと音を立てて氷が蝕んでいく。
早く離れないと危険、しかし離れたとしても状況は変わらない。考えなければいけないだろう。
>>490(二十四号)
「困ったな、水は」
苦笑いして、走りだす。
「嫌いなのだ!」
懐に入り込むことが成功したなら、右から左へ。横薙ぎの斬撃を繰り出すだろう。
- 492 :メイプル・ビターキャラメル:2010/06/25(金) 22:37:21 ID:HnkBBDEo0
- >>491
「やってやるさ」
焼かれた両足を踏みしめ、バケモノは二十四号を睨む。
「まだまだやるぞ。まだまだ続くぞ。
殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる…・・・」
焼け焦げた傷口から、ドロリと黒い血液が滲み出る。
それはやがて黒い水溜りを作り、そこから、
「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す…………」
大量の手。
手。手。手。手。手。
手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手
手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手
手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手
「殺す!!」
その黒い手を纏い、メイプルはズルリと足を引きずって、
二十四号へと歩いてゆく。
- 493 :東西南北 良方:2010/06/25(金) 22:37:29 ID:7gFzKdaU0
- >>491
「……幻術は効かねぇか」
銀色になった目が元の黒に戻る。
打ち出された氷中を見て笑う。
「行くぞ、グラトニーッ!」
虚空から相棒である漆黒の大剣を取り出す。
獣の姿を取らせず、大剣の姿のまま両手にしっかりと握り打ち出された氷柱を切り砕く。
「グルルルルウルルアァァッ!!」
漆黒の剣は刀身をビリビリと震わせながら雄叫びを上げる。
剣を握る良法の両手とグラトニーが同化していた。
「行くぞッ!」
大剣を構え愚直にもう一度一七号に走っていく。
- 494 :衣宮 凜 ◆X7kkkkkkkk:2010/06/25(金) 22:38:49 ID:PMt0ERXQ0
- >>491
「くふは!こう見えてもポケモンは個体値まで拘る派でねーえー…………。
相性に関しては裏の裏まで完全に把握してるんだぁ、ぜッ!!!」
刀を、受けるのではなく受け流す。
刃を立てて真正面からぶつけるのではなく、
斜めに。寝かせて、自身の刃の上を滑らせ、もう一歩踏み込んだ。
「水嫌いかい?ならぴゅっぴゅしちゃっても大丈夫だろ?なあ、」
- 495 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/06/25(金) 22:40:51 ID:WVrfsEdY0
- >>489
「あう…あぶないなの!」
【ディスは直ぐに包帯の槍を】
「この…なの!」
【左手でぶっちぎってどうにか自分の所まで来るのを防ぐ】
「たすけ…じゃないなの…」
【ディスはしばらく考えた後…右手を…背中の剣の持ち手に掛ける】
「みんながまってるから…こっちにかえってきてっていってるなの!」
【シャキン、と抜刀する。銀色に輝く刀身が浮かび上がった】
「ここに『ふぇんりる』はいたらいけないなの!!」
【右手に持った刀を構え、その場から呼び掛ける】
- 496 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/06/25(金) 22:41:39 ID:WVrfsEdY0
-
//みす>>495
//>>489じゃなくて>>491です!
- 497 :十七号・二十四号:2010/06/25(金) 22:46:08 ID:ZOM.z7ps0
- >>492(二十四号)
「……これは……」
顔を顰める。
昔見せられ学習した内容の中にあった、「悪魔」の項を思い出す。
「……来るが好い。貴様の殺意と我の破壊衝動、ぶつけてみようではないか」
>>493(十七号)
「浅はか。ワンパターン。そこは学習するべき」
次に撃ち出した氷は、良方の足元を狙う。
地面に当たってぱきりと凍りつくそれは、良方の動きを阻害する。
>>494
「は、お前面白いな。
我ががこんなでなかったら」
もうちょっと違う話題で喋りたかった。と寂しそうに言いながら笑い、
少女は一歩引いて、前蹴り――ヤクザキックとかそういう、相手を前方向に吹き飛ばすために使う蹴りを放った。
>>495
「呆れた。そんな意志は『私』にはないと言っている」
聞き分けのない子どもだ、と溜息を吐きながら首を振ってそちらを見るだけ。
- 498 :東西南北 良方:2010/06/25(金) 22:48:00 ID:7gFzKdaU0
- >>497
「何、学習してないわけでは無いさ」
足元を凍らされ動きを阻害されているが、大剣は自在に姿を変え一七号の腕を切り落とさんと伸びていく。
グラトニーとの同化は肘辺りまで来ている。
- 499 :メイプル・ビターキャラメル:2010/06/25(金) 22:49:33 ID:HnkBBDEo0
- >>497
「殺す!! 殺す!!」
相手の言葉すら耳に入っていない。
ただただ自分の中の殺意に毒され、少年は二十四号へと迫る。
「殺し尽くす!!」
手の群が展開する。
その掌にある真っ赤な瞳で二十四号を凝視しながら、
メイプルの足元の黒い水溜りから一直線に、少女の首へと向かってゆく。
- 500 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/06/25(金) 22:49:53 ID:WVrfsEdY0
- >>497
「あう…?なにかへんなの…
どういうことなの?」
【ディスは注意深く十七号を見る】
「ふぇんりる…とはちがうなの?」
【どこかフェンリルと違うところがないか…ディスはじっと見つめる】
【もちろん刀を構えて反撃できるようにしている】
- 501 :衣宮 凜 ◆X7kkkkkkkk:2010/06/25(金) 22:57:49 ID:PMt0ERXQ0
- >>497
右手で握る刀は、二十四号さんの刀を往なしたが為に、切っ先が体の後方にある。
今から振ったのでは間に合わない、その為の二刀流。その為の二本の刄。
「その足、貰ったッ!!!!」
左手を振るい、包帯巻の刃が二十四号さんの、靴の裏を相手のどてっぱらに押し付けるような蹴りを――――
――――蹴りを、切ろうと思ったのだけれど、刄がなく。
「…………あんれ、」
そう言えばさっき、いや、最初。
壁に突き刺して足場にしたっけなあ、と思い出しながら、
それでも、左から右へ振った腕がヤクザキックを直接貰うの防ぐ。
僅かにダメージは減少した。
けれど、彼女の背中は隅の方に置かれた机に衝突する。
- 502 :十七号・二十四号:2010/06/25(金) 23:01:03 ID:ZOM.z7ps0
- >>498
「学習しているのなら、前方から突っ込むことはしないでしょう」
とんと軽く跳躍、軽々と宙に舞う少女。
槍の切っ先をグラトニーの首に向けて、地面に縫い止めようと一直線に降下した。
>>499(二十四号)
凜に向かっていた彼女はくるりとメイプルの方を向いて、ぐっと体勢を低く。
「――――ッ!」
一拍溜めて、次の瞬間勢いよく刃を振る。
居合のそれだが、刃が腕と一体化しているから不格好だった。
大抵の手を燃やし切りつくしたが、すべてを滅することは出来ずに体のそこかしこに傷跡を作って顔を歪める。
>>500(十七号)
「そこでじっとしていなさい。後で殺して差し上げる」
視線を外して、完全に良方に意識を向けた。
鈍色の、重苦しい、金属製の、「それが」鈍い光を放っていた。
>>501(二十四号)
「暫くそこでじっとしててくれ……」
半ば願うようにそう言った少女は、険しい顔をしてメイプルに向き直っていた。
- 503 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/06/25(金) 23:05:32 ID:WVrfsEdY0
- >>502
「そ…かなの…ふぇんりる…」
【ディスは…光り輝く「それ」を見て…全く違う匂いがする事に気づいた】
「それなら…『でぃす』はできるなの!」
【ディスは持っていた刀のに持ち手を持ってしばらく考えた後】
「おまえのいるところは…」
【そう言ってディスは刀を構える】
「そこなの!!!」
【やり投げのようにディスは刀を勢いよく投げつけた】
【狙う場所は…鈍い光を放つ「首輪」!!!】
「たああ!!」
【同時にディスは十七号に向けて走り出す】
- 504 :東西南北 良方:2010/06/25(金) 23:05:49 ID:7gFzKdaU0
- >>502
「後ろからも行けるっちゃ行けるんだが、な」
槍の切っ先をグラトニーの首に突き刺そうとしている少女を見て呟く。
「残念賞だ」
グラトニーの形が変わり縄のようになり槍にまとわりつく。
そのままズルズルと一七号の体に向かって縄状になったグラトニーが伸びていく。
このまま拘束するつもりらしい。
グラトニーは良方の背中までどうかしている。
>>500
「ディス!俺が抑えとくから、ディスはコイツを元に戻す方法を見つけてくれ!」
とディスに向かって叫ぶ。
- 505 :メイプル・ビターキャラメル:2010/06/25(金) 23:06:10 ID:HnkBBDEo0
- >>502
――ばしゃりっ
黒い手が、斬撃を受けて弾け飛ぶ。
元は液体だ。脆くて当たり前だろう。
――ばしゃりばしゃりばしゃりっ
次々と黒い飛沫となって飛び散り、そして、
――ばすり
斬撃は、メイプルの腹にまで届いた。
「……っ」
息を飲み込む。
剣圧で吹き飛び、メイプルはしたたかに背を壁に打ち付けた。
「っが、あっはぁ!?」
黒い血を口と腹から噴出し、うめき声を上げる。
同時に回りに展開していた黒い手が、ばしゃりと一斉に黒い血液に戻って辺りに散った。
「…………が……あ……っ」
- 506 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/06/25(金) 23:08:23 ID:WVrfsEdY0
- >>504
「わかったなの!…やってみせるなの!!」
【ディスはどこか覚悟を決めた目で十七号へと向かっていた】
「まもってみせるなの!こんどこそなの!!」
- 507 :衣宮 凜 ◆X7kkkkkkkk:2010/06/25(金) 23:13:14 ID:PMt0ERXQ0
- >>502
「ぬふ、いいぜ?話を聞くのが仕事だかんね!いくらでも聞くし、見てやるよ」
――私もしんどいから。
げほげほ、と息を吐きながら座り、眺める。
次からは手元をよく確認してから動きましょう、と肝に銘じ、目を瞑った。
「あーあーあー…………救えねーな」
- 508 :十七号・二十四号:2010/06/25(金) 23:16:21 ID:ZOM.z7ps0
- >>503>>504
「――――!?」
動かない。動けない。
しくじった、と思ってグラトニーに冷気を流しこんで凍らせようと試みる、が
ぱきん
「………………あ、ぁ、あ、ぁ。ああああぁあ、aAaぁAAあああああぁあぁぁあ!?」
鈍い銀色に光るそれ、「首輪」に罅が入る。
少女は半狂乱になってグラトニーの拘束から無理やり逃れ、首輪を抑えて喚き始めた。
>>505>>507(二十四号・十七号)
「……やった、か……十七号!? おい、大丈夫か!?」
絶叫を上げる少女に慌てて駆け寄る二十四号。
藍色の髪を乱しに乱して、罅の入った首輪を抑えて悲鳴を上げるもう一人の少女は見えるだろうか。
- 509 :東西南北 良方:2010/06/25(金) 23:19:41 ID:7gFzKdaU0
- >>508
砕ける首輪を見て声を上げる。
「やった、か?」
しかし、その直後少女はグラトニーの拘束を振り払い、首輪を抑え喚き始めた。
「完璧に壊さねぇと駄目かッ!」
グラトニーを両腕に装甲のようにして纏わせ、警戒を解かないまま一七号に近づいていく。
「壊すぞ」
右腕の装甲を一点に圧縮して首輪に打撃を放つ。
重みと速度で当たれば砕け散る筈だ。
- 510 :メイプル・ビターキャラメル:2010/06/25(金) 23:23:08 ID:HnkBBDEo0
- >>508
みんなが、戦っているのが見える。
そうだ、僕も戦わなくては。
立ち上がろうとするが、自分の蹄は焼け爛れていて、
這って行こうとするが、自分の腕は焼け焦げていて、
それでも、なんとか進めるものかと体を動かそうと思うが、
腹から血液が止めどなく溢れ出る。
ああ、寒い。視界が暗くなってゆく。寒い。
「…………ダメ、だ。まだ終わっちゃいけない」
胸のペンタクルを、かろうじて動く左手で掴む。
そうだ、今、戦う為に、僕は、この力を、手に入れたのだ。
「僕が、僕の体が、僕の心がどうなったっていい」
五芒星の角のうち、残る空白はあと一つ。
その一つが、ジワリと黒く染まってゆく。
「もう、どうなったって構わない。でも、でも……」
そうだ、返して貰おう。
自分の日常を彩ってくれた、彼女だけは、
「フェンリルだけは……返してもらう!!」
少年は、星を掴み、
星を取り戻す為に、立ち上がった。
――ズォォオオオン
黒い液体がバケモノの体を包む。
ばしゃりばしゃりと中で何かが蠢き、そして、
――ずぶり
黒い塊から突き出たのは異形の手。
黒い刃で覆われ、鋭い爪を持つ手は掌の赤い目だ周囲を見渡す。
そして、
――カッ!!
二十四号の姿を視認した途端、黒い液体をまるでウォーターカッターのように下から上に凪いだ。
- 511 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/06/25(金) 23:26:13 ID:WVrfsEdY0
- >>508
「ちがうなの!じゅうななじゃないなの!
このこのなまえは…」
【そう言ってディスは十七号…の前に立ち】
「ふぇんりるなの!!」
【そう叫んで】
シュン!
【自らの体を回転させて威力をつけた回し蹴りを後ろから首輪に向けて勢いよくはなつ!!】
【かなりの破壊力だろう。首輪を壊すための一撃だ】
- 512 :衣宮 凜 ◆X7kkkkkkkk:2010/06/25(金) 23:31:20 ID:PMt0ERXQ0
- >>508>>510
やれやれ、と息を吐いた。
老眼鏡から覘くこの場が、余りにも。
余りにも、でやるせない。
包帯巻の切っ先を地面につきたて、支えにして立ち上がる。
髪を掻き上げのっそのっそと歩き、黒いバケモノや二人の少女。
総称して〝場〟。それに向かっていく。
「こぉーのバカチンが。やるならとことんやれっての」
軈て歩みは、走りへと変わった。
「だーだーだーだーだーッ!!」
「だだーだーだーッ!」
「だだんッ!!!」
メイプルさんが放ったウォーターカッターと二十四号さの間に、
相殺までいかずとも、二人の少女が逃れる間だけは作ろう、と包帯巻の刄を投げ入れた。
- 513 :十七号・二十四号:2010/06/25(金) 23:34:50 ID:ZOM.z7ps0
- 【全体攻撃あり】
>>509>>511(十七号)
「ぎ、ッ」
がしり、と良方の右腕を「掴んだ」。
ぎしぎしぎしぎしと軋む音を立てながら腕を握り締める少女の顔は苦悶に満ちていて、金色の瞳がぎらぎらぎらぎらと妖しい月のように輝いていた。
「あァあああああぁあぁぁあ、あ゛ァ――――――――ッ!!!」
良方を掴んだ手を力任せに振って、蹴りを放とうとしているディスに良方を投げつけた。
>>510(二十四号)
「あ、え?」
完全に十七号に向かっていた彼女に、その攻撃を防いだり避けたりする手段はあっただろうか?
無いに決まっているだろう。
ざぐっ、と新鮮な野菜を切るような心地よくも聞こえる音。
二十四号の胸元が、ずっぱり裂けた。
しかしまあ、凜が投げ入れてくれた刃のおかげですこしだけ、ほんのすこしだけ浅めの傷で済んだのだが。
>>ALL
「が、ぎゃ、あぅ、うううぅ、う……」
どしゃりと血を噴き出して倒れる二十四号を手繰り寄せて、抱きしめる。
ぎらぎらと光る獣の瞳が、一瞬だけ揺れて、泣きそうに歪んだ。
「……め、ぷる……ん」
ぽつりと言葉を零す、それと同時に左腕の氷が砕け。
ぱきぱきぱきぱきぱきぱきぱきぱきぱきぱきぱきぱきぱき、かきん。
研究所の天井を、無数の氷柱が覆う。壁を床が、凍りつく。
その光景、まさに
「――――――――」
神話に名高い「大いなる冬(フィンブルヴェド)」。
空を覆う氷柱が、一斉に、降下した。
同時に、ぱきゃっと小気味いい音を立てて首輪が砕け、十七号――フェンリルも地に伏した。
- 514 :東西南北 良方:2010/06/25(金) 23:40:49 ID:7gFzKdaU0
- >>513
「な……!」
200kgを分割したとは言え100kgの拳だ、それをつかまれるとは露とも予想していなかった。
そしてそのまま、ディスに向かって投げつけられる。
「ごめん、ディス! 何とか避けろッ!」
腕のグラトニーを伸ばし地面に突き刺してブレーキをかけるが速度は中々緩まない。
「おいおいおいおい!」
宙を舞いながら天井を見ると無数の氷柱が振って来る。
「出し惜しみは終り、だな」
「グラトニー……元に戻るぞ」
両腕のグラトニーが良方の体内に飲み込まれていく。
見た目に変化は無い、いや、ひとつだけあった。
それは右頬に彫り込まれた0の刻印だ。
そして、そのままディスに向かって飛ばされていく。
- 515 :衣宮 凜 ◆X7kkkkkkkk:2010/06/25(金) 23:45:04 ID:PMt0ERXQ0
- >>513
「………………おおう、」
大きな、大きな氷柱。
氷る床を、次いで壁を最後に天井を見上げて、彼女は溜め息を吐いた。
「寒いから水も使えないし、いやはや。
こりゃあ――――」
彼女の言葉は降り落ちる氷柱の床を叩く轟音にかき消され、届かない。
- 516 :メイプル・ビターキャラメル:2010/06/25(金) 23:46:04 ID:HnkBBDEo0
- >>513
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」
地獄から響く叫びのような産声とお供に、黒い卵が砕け散った。
中から現れるメイプル。
それは、下半身は黒い毛の山羊のようであり、
上半身は少年の姿。しかし胸を中心として茨のように、
魔方陣が全身びっちりと少年の体を覆っていた。
そして、頭には角。それも、普段の倍以上はある、まるで悪魔のような角。
「オオオオオっ!! オオオオオオオオオオオオッ! オオオオオオオオオオオオオ!!」
それは、叫んでいるのか、
それとも泣いているのか。
絶叫と共に両手を一杯に広げ、
――ガガガガガガガガガガガガガガガガ
全身から黒い刃を生やすと、空から牙を剥く氷の世界に向けて一斉に撃ちはなった。
氷は砕かれ粒となって散り、雪のように空から降り注ぐ。
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」
だが、それでメイプルは止まらない。
あらかた氷を砕き割ると、蹄を鳴らして歩む。
目が睨むのはフェンリルの横にいる二十四号。
倒れる少女にトドメを刺そうと、悪魔は手を伸ばした。
- 517 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/06/25(金) 23:47:48 ID:WVrfsEdY0
- >>513
「あうあう!あぶないなの!」
【ディスは足が猛烈に空振りしてふらつく】
「く!なんとかまもってなの!」
【そう言うと突如】
しゅんしゅん!
【ディスの持っていた銀の刀が氷柱を叩き落そうと激しく周囲を飛び回り始める】
【よく見ると刀の持ち手の部分に包帯が巻きついている…それで操っているのだ!!】
「うう、ちょっとつらいけど…『ふぇんりる』のためなの!!」
【ディスは氷を砕いていきはするが…足や腕を氷柱のかけらが食い込んで血が噴き出す】
>>513>>516
「だめ!!こんどは…こんどはまもらないとなの!!」
【ディスはとどめを刺されそうになっている二十四号に向けても包帯を伸ばしに行く】
【何とかこっちに向かわせようとしているのだろう】
>>514
「あう!!よけ…なの!」
【ディスはふらつきながら良方をみるが…避けられそうにないのを見て】
「うう!!」
【包帯を展開してクッションにしようとしている】
【もしかしたら包帯に0の刻印が当たるかもしれない…もしくは突き抜けたときはディスにあたるかもしれない】
- 518 :東西南北 良方:2010/06/25(金) 23:53:12 ID:7gFzKdaU0
- >>517
包帯をギシギシと引っ張りながらもギリギリ止まる。
「……ありがと」
立ち上がりディスに礼を言う。
グラトニーは完璧に良方の中に取り込まれているのか影も形も見当たらない。
右頬の刻印から血が流れる。
「止めるか……」
無数の剣が呼び出され、頭上の氷を砕く為に飛ばされる。
剣の全ては漆黒に染まっていた。
>>516
「バケモノ同士、仲良く行こうぜ!」
弾っ!と地面を蹴り、メイプルに接近する。
右腕は形を変えいつの間にか漆黒の刃となっている。
そして、その刃をメイプルの手に向けて振り下ろす。
- 519 :十七号・二十四号:2010/06/25(金) 23:54:56 ID:ZOM.z7ps0
- 氷柱は切っ先が地面に到達すると、がしゃがしゃがしゃと次々に割れてゆく。
倒れ伏す少女二人は、動かない。
>>516>>517
「―――――」
僅かにディスの方に寄せられた二十四号。
悪魔の手が掠って新たに大きな傷がつく。
悪魔にとどめを刺されなくても、この傷ではどの道死ぬであろうことは誰の目にも分かっている。
氷の残骸がきらきらと輝いて舞う、急激に温度の下がった研究室。
そこの最奥、溶媒機の中に、よくわからない色をした液体の中に浮く脳味噌があった。
『十七号、二十四号、応答せよ――――駄目か、気を失っている』
溶媒機のそばに備え付けられたスピーカーから機械音声。
その主、脳味噌の持ち主こそが少女たちを捕え改造した張本人、元凶である科学者であった。
- 520 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/06/25(金) 23:59:34 ID:WVrfsEdY0
- >>518
「どういたしましてなの」
【ディスは軽く頭を下げて、】
「けがしてるなの。なおさないと…なの!」
【右の頬に張り付けるように包帯を伸ばす】
>>519
「……まもれなかった…のかなの…
でも」
【ディスは包帯をぐるぐると二十四号に巻きつけ始めた】
「…せめてあったかくする…なの」
【軽く泣きながら言うと】
「このこえ…まさか…」
【音のした方へを顔を向けた】
「おまえが…『ふぇんりる』を…ほかのみんなを!!」
【ディスの顔は怒り心頭した顔だ。かつてないほどに】
- 521 :東西南北 良方:2010/06/26(土) 00:03:07 ID:7gFzKdaU0
- >>520
「ああ」
普段の良方らしくない無表情。
「治さなくて良い、これは治らないから」
頬の刻印から流れる血を拭う。
>>519
「……お前が元凶か……」
溶媒機の中に浮かぶ脳みそを睨みつけながら言う。
「これだから、研究者は嫌いなんだ」
「お前だけは許さない!」
漆黒に染まった剣を溶媒機に向けて大量に撃ち出す。
「消えろ!」
頬の刻印がギチリと形を変える。
変わったその形は2だ。
それと同時にアロハの背中を突き破り3本目の腕が生える。
生えた腕は漆黒に染まっている。
生えた腕を剣に続く様に培養基に伸ばす。
- 522 :メイプル・ビターキャラメル:2010/06/26(土) 00:04:01 ID:HnkBBDEo0
- >>518
――ギンッ
異形はその刃を左手で受け止める。
「るオオオオオゥ」
まるで邪魔をするな、とでも言うように、
赤い瞳が良方を睨んだ。
>>519
「…………」
殺意の対象が移った。
ピタリと動作を止め、スピーカーの方に首だけをぐぐっと向ける。
- 523 :東西南北 良方:2010/06/26(土) 00:06:20 ID:7gFzKdaU0
- >>522
「……後でだ……」
溶媒機の方を向きながら言う。
- 524 :衣宮 凜 ◆X7kkkkkkkk:2010/06/26(土) 00:07:32 ID:PMt0ERXQ0
- >>510
「つー………………」
立ち上がって、笑う。
「ようわかんね。化けもんしかいねえじゃんか、ここ。
あーあーあーあーあー……………………」
あたりをきょろきょろと見渡し、状況把握に努めた。
尤も、全然わからなくて、困惑しただけだけれど。
「あーあー…………くっそ」
あれか、あれが悪いのか。
黒い異形に、背中から手を生やした変なアロハシャツ。
そんなのがいると思えばペアルックの少女に、今度は脳味噌。
「ついてけねー」
少し、冷めた表情で彼女は眺めてた。
- 525 :十七号・二十四号:2010/06/26(土) 00:07:39 ID:ZOM.z7ps0
- >>520
「――――――」
だんだんと息が細くなっていく二十四号は、なんだか安らかな顔をしているようにも見える。
『少女の声だな。誰かははっきりとわからないが、聞いたことのある声だ』
スピーカーから流れる機械音声は所々ノイズが含まれていた。
>>521
『なんだ。攻撃しているのか、野蛮だな』
培養機のそばの地面から、光が伸びる。
何らかの結界。それが仕掛けられていて、攻撃を悉く弾いた。
>>522
『目を残さなかったのが実に惜しいな。そこに居るのは化け物なんだろう?』
ノイズ混じりの機械音。
倒れ伏した少女たちから、既に興味が失せているのがよくわかる言葉の内容。
- 526 :――――:2010/06/26(土) 00:09:14 ID:ZOM.z7ps0
- //途中送信ンンンン
>>524
『ああ、まだ普通の「人」も残っているのか』
ノイズ混じりの機械音を発する脳味噌は、既に使い物にならなくなった少女たちなどどうでもいいと言うかのように状況を分析していた。
- 527 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/06/26(土) 00:10:05 ID:WVrfsEdY0
- >>525
「あう……いたく…ないかなの?」
【一応止血をするが…駄目だろうか】
「…あうあう。どこであったっていうなの?
『ふぇんりる』にひどいことして…」
【そう言ってからしばらくして…口を開く】
「…まさか『ふぇんりる』さがしてたひとなの?」
【ディスも何かを思い出したように言った】
- 528 :東西南北 良方:2010/06/26(土) 00:10:44 ID:7gFzKdaU0
- >>525
「……ッ!」
背中から伸びる黒い腕が肥大化し、結界を殴りつけ続ける。
「ッ!」
頬の2の刻印から血が吹き出す。
刻印の小ささからは想像もつかないほどの激痛が顔に走る。
「グルルルルウルルアァァッ!!」
グラトニーと同じ雄叫びを上げ全力で結界を殴り飛ばす。
- 529 :東西南北 良方:2010/06/26(土) 00:11:19 ID:7gFzKdaU0
- >>527
「大……丈夫、だ……!」
背中の腕で結界を殴りつけながら言う。
- 530 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/06/26(土) 00:12:34 ID:WVrfsEdY0
- >>529
「むりしたらだめ…だけど…」
【ディスもゆっくりと脳みそに向けて】
「なんだか…ゆるせないなの」
【怒りの言葉をぶつける】
- 531 :メイプル・ビターキャラメル:2010/06/26(土) 00:20:47 ID:HnkBBDEo0
- >>525>>528
よせ、とでも言うように、メイプルの異形の手が良方の肩に置かれた。
「オオ……お……め、だ……」
「駄目だ」
そう言いたいのだろう。
「殺……す、は……おま……ぇの、役……ゃない」
良方の前に出る悪魔。
「ぼ……くの、役目」
最後の力を振り絞る。
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」
体中の走る陣が輝き、メイプルの足元に広がる黒い水溜りから黒い手が何本も出てくる。
その手が結界にビタビタと張り付き、そして、
――ミシリ
こじ開けようとしていた。
- 532 :衣宮 凜 ◆X7kkkkkkkk:2010/06/26(土) 00:21:38 ID:PMt0ERXQ0
- >>526
「ここだったら二番目に『人』なんじゃない?あっこの二人はもうイミフだけど、ほら。
あっこの嬢ちゃんは完全に人じゃね?」
「何を、何の為にしたのか言ってくんない?」
- 533 :東西南北 良方:2010/06/26(土) 00:24:24 ID:7gFzKdaU0
- >>531
「……、じゃ、壊すのだけ手伝わせてもらう」
「後は好きにしな……」
刻印がギチリと痛みを訴える。
「ガァ……グルルルルウルルアァァッ!!」
こじ開けた結界の部分を砕くように背中から生えた拳を叩き込む。
- 534 :――――:2010/06/26(土) 00:25:21 ID:ZOM.z7ps0
- >>527
もうすでに血を流しすぎている、今から止血をしたって無駄だろう。
二十四号と呼ばれた少女は、静かに息をしなくなった。
『ああ、あの時嘘を吐いていた少女か。思い出したぞ』
脳味噌だけになった男も合点がいったというように声を出す。
>>528
『無駄だと言っているんだよ、すこし落ち着きたまえ』
結界が壊れる様子は、ない。
>>532
『そこに転がっている少女兵器の、作者だよ』
当然だろう? とでも言うかのように言い放った。
唐突に。
がしゃん、とガラスの割れる音がした。
次いで――――ずるるるるる、と音が響く。地面を、黒い影が這っている。
その影から、新しい人影が飛び出した。
『――――』
目を持たぬ脳味噌は、それを視認することなど出来なかった。
故に、飛び出した人影にも気付くことなく。
――がしゃん。
結界を構築するシステムが、破壊された。
システム演算を行うマイクロコンピュータ、それに一本の刀が突き立っていた。
その刀を持つのは、狼の女――イメルだ。
「――やってやったぞ、クソ野郎」
そうぽつりと呟いて、結界が消える。
殴り続けていた良方の拳が、メイプルの手が、脳味噌の入った培養機を破壊して、
物語が集結する。
//イベントクリア お疲れ様でした!
- 535 :東西南北 良方:2010/06/26(土) 00:29:10 ID:7gFzKdaU0
- >>534
拳が結界を突き抜け培養基を砕く。
「……チッ、後味の悪い……」
「……一人救えただけ、良かったのか?」
背の腕がズルズルと体内に戻っていく。
頬の刻印も0にもどっているが血はまだ出ている。
「さて、どうやって元の姿に戻るか……」
頬の血をアロハで拭いながら呟く。
- 536 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/06/26(土) 00:31:09 ID:WVrfsEdY0
- >>534
「…ちゃんと…おはかにいれてあげるからなの…」
【ディスは優しい顔でいった】
「あう〜…うそなんて…いってないなの!!」
【ひどく怒った顔で言う】
「……あう!!『いめる』!!きてたなの!!」
【ディスはひどく驚いた顔で言う】
「だいじょぶなの!『ふぇんりる』たすけたなの!ここにいるなの!」
【ディスは慌ててフェンリルを指差した】
「……もう…わるいひともおしまいなの…」
【大きくうなずきながら破壊された培養機を見た】
- 537 :メイプル・ビターキャラメル:2010/06/26(土) 00:33:13 ID:HnkBBDEo0
- >>534
脳を砕く感覚が、異形の手の中で広がる。
「オオ……」
飛び散る破片。したたる液体。
そうだ、殺した。
全て?
全部殺した。
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」
黒い涙を流し、少年は絶叫する。
手の中には命を奪った感覚が呪縛のように残っていた。
――どしゃり
同時に、メイプルは床に倒れて頭を打ち付ける。
異形となった体は、まるで胸のペンタクルに吸い込まれるようにズルリと戻っていった。
ああ、そうか。
全て終わったんだ。
契約、成立だ。
少年は激しく呼吸しながら考える。
あとは、代償を支払うだけ。
少年の払う代償は……心。
けど、その前に。
「…………うう……」
完全に心奪われる前に、少年は見たかった。
心を差し出してまで取り返した、少女の姿を。
フェンリルをこの目に焼き付ける為、少年は床を這って少女の元へと向かう。
「……おい、犬っコロ…………起きてっか?」
- 538 :衣宮 凜 ◆X7kkkkkkkk:2010/06/26(土) 00:35:27 ID:PMt0ERXQ0
- >>534
「ん、おけおけ。わかりやしたー」
ま、
もういいかな。ぱっと見、終ってるから。
「とん、つー…………」
唐突に姿を消し、彼女は去った。
中:お疲れさまでっす!
眠気が大変なので、ここで落ちますねー…………
ノシ
- 539 :GM:2010/06/26(土) 00:38:17 ID:QYyPcDfoO
- 「……ぶっはああああ、人抱えたままこんなに長く影移動、超ダルい……」
「お疲れ、だ」
影から這い出てきたのは黒髪の少女。
イメルと共に溜め息を吐いて壊れた培養機を見下ろす。
「終わったの!?」
「残念。一足先にね」
ばたんとドアを開けて入ってきたのは白衣の女。ガラスを割ったのは彼女だろう。
>>536
「ああ、みんなで来たよ。ありがとうな」
微かに笑って、気を失ったままの少女の手をとる。
「……ごめんな。お前一人しか、救えなかったよ」
>>537
「…………ぷる、さん……」
イメルの手の中の少女が目を覚ます。
金色の瞳から涙が、涙がこぼれ落ちていた。
「ごめんなさい、ごめんなさい……その、身体……わたしのせい、で……」
ぼろぼろこぼれる涙が首輪の残骸を濡らして、光っている。
>>538
//あわわごめんなさい……ありがとうございました!
- 540 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/06/26(土) 00:40:58 ID:WVrfsEdY0
- >>536
「……でもまもれたの…ちゃんと…
やくそく…さいごの…だけはなの」
【軽く涙を流しながら神羽家の面々に頭を下げた】
「おねがい…このこ…も」
【そう言ってすでにこと切れた二十四号を掲げる】
「つれてって…あげてほしいの…
みんなといっしょの…ところになの…」
- 541 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/06/26(土) 00:41:28 ID:WVrfsEdY0
- //またミスッタorz>>540
//>>539です
- 542 :東西南北 良方:2010/06/26(土) 00:44:02 ID:7gFzKdaU0
- >>539
「結局俺は何にも出来なかったか……」
どこからか大きな絆創膏を出し、刻印の上に貼る。
「二四号はしっかり墓に入れといてくれ、頼む」
と白衣の女に言う。
- 543 :メイプル・ビターキャラメル:2010/06/26(土) 00:44:34 ID:HnkBBDEo0
- >>539
「…………うっせぇバカ」
パタリ、とフェンリルの頭を叩く。
「いつもみたいに笑えよ、ムカつくなてめぇは。
笑っても泣いてもムカつく。ホント、相変わらずだ」
首輪の残骸に手を伸ばし、ゆっくりと外していく。
「もういい。もういいんだ。泣くな、ムカつくから」
- 544 :GM:2010/06/26(土) 00:48:33 ID:QYyPcDfoO
- >>540>>542
「あったり前。ありがとうね、ディスもあんたも」
礼を述べて、鏡子が二十四号の遺体を背負った。
「帰るなら、早くしてやって。魔女が疲労でダウンしたから、転移魔術の引き継ぎを天使がやってる。
あいつそんなに魔法できないから、早くしないとゲート閉じちゃうわ」
>>543
「はい、はい……」
涙を流しながら、へにゃり。なんとかどうにかこうにか笑ってみせた。
「ごめんなさい、それと」
「ありがとう、ございます」
- 545 :東西南北 良方:2010/06/26(土) 00:50:48 ID:7gFzKdaU0
- >>544
「分かったよ」
アロハの替えをいつの間にか羽織りグラサンをかける。
これで『ほぼ』いつもの良方だ。
「……一人救えただけ、マシだったか」
そう呟き消えていく。
- 546 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/06/26(土) 00:52:17 ID:WVrfsEdY0
- >>544
「あう…どいたしまして…なの」
【涙をぽろぽろと流しながら頷く】
「わるいひとは…もういないなの…
ここも、ぜんぶこわしたいなの…もう…
あんなこをつくらないためになの…」
【ぐっと拳を握って、ゆっくりと歩き出す。ゲートに向けて】
- 547 :メイプル・ビターキャラメル:2010/06/26(土) 00:55:41 ID:HnkBBDEo0
- >>544
「礼なんていらねぇ気分悪い。
ただ自分勝手に暴れて、自分勝手に殺しただけだ」
そう言い、無理矢理立ち上がる。
立ってるだけで足の裏が痛かったが、どうでもいい。
「帰るわ」
そう言って背を向ける。
もう充分だ。充分。
罪を背負ってる自分には充分過ぎる。
「ああ、それと」
言い忘れたことを付け足すように、メイプルは軽い口調で答えた。
「僕を喰いたくなったら言ってくれ。
お前にだったらもう、喰われてもいい」
そして、出口に向かって足を引きずり歩いていった。
- 548 :GM:2010/06/26(土) 00:58:32 ID:QYyPcDfoO
- >>545>>546
ありがとう、と消える背中にもう一度声をかけた。
もとの街の公園で、へろへろした天使の青年が出迎えたりなかったり。
>>547
「……嫌、です! ちゃんと戦って降伏させてから、残さずいただきますからね!」
去りゆく背中に、そう叫んだ。
「帰る、ぞ。私達の街に」
「ういっ」
彼女たちもまたゲートへ向かう。
何日かあと、研究所は何らかの攻撃を受けて全壊したという。
- 549 :アテナ【GM】:2010/06/26(土) 21:01:25 ID:7gFzKdaU0
- 公園の噴水に赤毛の少女が座り込んでいる。
少女の格好は動きやすそうなハーフパンツにタンクトップだ。
その両手にはグローブが嵌められている。
「……誰も来なくても、絶対助けるから」
「待ってて、愛香」
そう呟き立ち上がる。
敵は大して強くはないにしろ多数、準備運動くらいはしておくべきだろう。
軽くストレッチをした後、シャドウをし始めた。
空気を鋭く切り裂く音が公園に響いている。
- 550 :ミスティ・クリア:2010/06/26(土) 21:03:32 ID:PvUKwEOE0
- >>549
ごりごりと、何か重いものを引きずる音が響く
「……」
一人の少女が、アテナを見つめていた
- 551 :アテナ【GM】:2010/06/26(土) 21:06:50 ID:7gFzKdaU0
- >>550
シャドウを止め、音のする方を見る。
「えと、依頼見た人ですか?」
と少女に話しかける。
- 552 :エミリオ・ウォルフレム:2010/06/26(土) 21:07:22 ID:EuWlsNbc0
- 「………ん…?」
ベンチに横になって眠っていた、学ランの少年が目を覚まし、体を起こしてベンチに座る。
アテナに気付いて起きたのではなく、単に目が覚めただけのようだ。
- 553 :ミスティ・クリア:2010/06/26(土) 21:08:06 ID:PvUKwEOE0
- >>551
こくり、と少女はうなづく
ちいさく、小さく
「困ってる人は、見逃せない」
真っ白な肌の、少女
- 554 :川堀アミル:2010/06/26(土) 21:08:30 ID:2MFSZVbA0
- >>549
「ん?」
公園を通りかかった少女がアテナを見つけた。
「どうした、このアミルちゃんが話を聞いてやろう」
偉そうな奴だ。
- 555 :アテナ【GM】:2010/06/26(土) 21:08:39 ID:7gFzKdaU0
- >>552
学ランの男には気づいていない様だが、アテナの話し声は少女特有の高い声で、よく響く。
寝起きの少年の耳にはうるさいだろう。
- 556 :アテナ【GM】:2010/06/26(土) 21:10:56 ID:7gFzKdaU0
- >>553
「ありがとう、御座います!」
ビシッ!と礼儀正しく礼をする。
その姿は何処か体育会系だ。
>>554
「えーとですね。 あたしの友達が統一国軍って組織に囚われているんです」
「で、一人で助けに行こうと思ったんですけど、敵勢が思ったより多くて一人じゃ助けれないんです」
と簡単に説明する。
- 557 :エミリオ・ウォルフレム:2010/06/26(土) 21:11:56 ID:EuWlsNbc0
- >>555
「………っ」
アテナの声で完全に目が覚めたのか、声の元を見て、おもむろに立ち上がる。
そして、枕にしていたスクールバッグを取り、噴水の方へと無言で歩いていった。
- 558 :ミスティ・クリア:2010/06/26(土) 21:12:56 ID:PvUKwEOE0
- >>556
「良いの、お腹がすいてるだけだから」
少女は乾いた声で笑う。
少女が背負う棺桶が、わずかにふるえた
- 559 :川堀アミル:2010/06/26(土) 21:14:42 ID:2MFSZVbA0
- >>556
「ほぅ、ならば」
少女も目の前でシャドウをして見せ。
「このアミルちゃんが手伝ってやろう!」
強く振った拳を向けて。
- 560 :アテナ【GM】:2010/06/26(土) 21:16:58 ID:7gFzKdaU0
- >>557
少年のの気配を感じて、振り向くが、寝起きの少年は何処か不機嫌そうに見える。
「えと、何か悪いことしましたか?」
と少年に聞く。
>>558
「それでも、ありがとうです!」
にこりと笑う。
>>559
「ありがとうです!」
と、少女のシャドウに答えるようにアテナも腕をぐるぐる回す。
>>ALL
「じゃ、もう少ししたら行きますね」
「敵は、この街の郊外に居るはずですから、そこまであたしがおくっていきますから、皆は友達をお願いします!」
「当然私も戦いますから!」
と皆にいう。
- 561 :ミスティ・クリア:2010/06/26(土) 21:18:58 ID:PvUKwEOE0
- >>560
「わかった。でも、怪我をしないでね」
アテナに目線を合わせ、少女が言う
少女は周囲を見渡す。
影、影、影。
あは、と少女はかすれた声で笑った。
- 562 :エミリオ・ウォルフレム:2010/06/26(土) 21:20:55 ID:EuWlsNbc0
- >>560
「えーと……あ、いや。むしろ起こしてくれてありがたいぐらいですけれど」
近づいてみて少女が三人いる事に気付き、ちょっと面食らったようだ。
「もしかしなくても、巻き込まれてるのかな?僕……」
歩いてくる最中に聞こえていた内容から判断し、誰にともなくぼやく。
- 563 :川堀アミル:2010/06/26(土) 21:23:45 ID:2MFSZVbA0
- >>560
「うん、わかった!」
緑色の髪をなびかせ、笑って応えた。
- 564 :アテナ【GM】:2010/06/26(土) 21:26:44 ID:7gFzKdaU0
- >>561
「大丈夫です! これでも、戦いには慣れてますから」
両手のグローブをしっかりと嵌め直す。
>>562
「あ、そうですか。ならいいんです」
と胸をなで下ろす。
「えと、無理にはお願いしませんから、大丈夫です」
と少年に言う。
>>563
「よろしくです!」
>>ALL
「じゃ、そろそろ行きますよー!」
と皆に言う。
そして叫ぶ。
「イージスッ!」
アテナの声に答え、空間を切り裂き15メートルほどのロボットのようなものが現れ、公園の広場に着地する。
「この子の手に載せて飛んでいきます」
「風とかはシールドで防ぐのでそこは安心してください!」
ロボットが膝まづき両手を地面に差し出している。
- 565 :かなでん:2010/06/26(土) 21:28:36 ID:2p1Ch/XcO
- なんも変哲もない公園の噴水。
だがこの日だけは違った。
突然と水面が輝き、現われる『輝の球』
その球は中に浮かぶと輝きが弾ける。
―――そこには一人の少女が現われた―――
「助けを求める声あれば、世界を越えて参ります♪」
「みんなのアイドルかなでちゃん、ただいま参上☆きゃは♪」
今ここに刻を、世界を越え一人の『天使』がこの地へと現われたのであった。
- 566 :ミスティ・クリア:2010/06/26(土) 21:28:44 ID:PvUKwEOE0
- >>564
「……限度ってあるよね」
さすがに突っ込んだ
- 567 :エミリオ・ウォルフレム:2010/06/26(土) 21:32:02 ID:EuWlsNbc0
- >>564
「まぁ…何かの縁だし、ご一緒しますよ」
溜め息をつき、しかし、これから何かが起こることを期待しているようでもある。
「僕はエミリオです。……いざとなったら逃げますからね?」
そして、少女が呼び出したロボットを見上げる。
「一体どうなってるんですか、この街の公園は……」
……以前にも同じように、ロボットが公園に出現したのを思い出し、こめかみを二本指で押さえた。
- 568 :川堀アミル:2010/06/26(土) 21:32:12 ID:2MFSZVbA0
- >>564
出てきたロボットに視線を注ぎ、
「ふふーん、悪くないね」
そういうとジェットシューズのスイッチを入れ、浮かび上がる。
「それじゃ、ちゃちゃっといきましょーか」
手の位置まで移動し、乗る。
- 569 :アテナ【GM】:2010/06/26(土) 21:35:47 ID:7gFzKdaU0
- >>565
「をわっ!」
突然現れた少女に驚く。
「えと、えと……手伝ってくれるんですか?」
木を撮り直して聞く。
>>566
「風とかはほんとに平気ですよー?」
「弱い重力操作で、まず落ちることも有りませんしね」
安心してくださいと、胸をはる。
>>567
「エミリオさん、ですね! ハイ、危なくなったら逃げても大丈夫です!」
こくこくうなずき礼を言う。
>>568
「はい、あたしの相棒ですんで!」
誇らしげに笑う。
ロボの眼部が光を放つのに共鳴するようにアテナのグローブが甲高い音を鳴らす。
>>ALL
「ハイ、それじゃーみなさん乗り込んでください!」
アテナもイージスのコックピットに乗り込もうとしながら言う。
- 570 :ミスティ・クリア:2010/06/26(土) 21:36:40 ID:PvUKwEOE0
- >>569
「へえ……」
少女はイージスの手の上に登る
- 571 :川堀アミル:2010/06/26(土) 21:38:14 ID:2MFSZVbA0
- >>569
正座。
わくわくきらきらした目をイージスに向けていた。
- 572 :エミリオ・ウォルフレム:2010/06/26(土) 21:39:03 ID:EuWlsNbc0
- >>569
「……なんか、こういうのって逆に逃げづらいなぁ」
聞こえないように独白し、ゆっくりとロボットが差し出した手に乗る。
- 573 :かなでん:2010/06/26(土) 21:42:02 ID:2p1Ch/XcO
- >>569
「うんっ♪このかなでちゃんが来たからには任せて安心だいじょうぶいっだよ♪」(きらーん☆)
くるりと回って決めポーズ!あーんどウインク
- 574 :アテナ【GM】:2010/06/26(土) 21:44:00 ID:7gFzKdaU0
- >>570
少女が手に登るのを確認する。
「登るとき足滑らせないようにしてくださいねー!」
>>571
「……楽しそうです」
ワクワクしている少女を見ながら呟く。
>>572
「えと、気をつけてくださいねー!」
と少年に言う。
>>573
「あ、そうなんですか!?凄いですね!」
「手伝ってくれるならこの子の手の上にのってくださいね?」
と、言う。
>>all
「じゃ、お願い。 イージス!」
イージスの背面スラスターに高濃度の魔力が集中される。
「飛びますよ!」
ふわりと15メートルの巨体が宙に浮き始める。
本格的な加速まであと僅かだろう。
- 575 :ミスティ・クリア:2010/06/26(土) 21:46:57 ID:PvUKwEOE0
- >>574
「あは……あはは」
くすくすと笑う少女
「科学ってすごい。あなたもそう思うでしょ?"Mr."」
棺桶がガタガタと震える
- 576 :川堀アミル:2010/06/26(土) 21:48:30 ID:2MFSZVbA0
- >>574
「楽しいwww」
イージスの手を何度か小突く。
「どういうこーぞーしてるんだろ?」
頭をひねって考えていると、
「おおっ、飛んだー」
正座のままニコニコしている。
- 577 :エミリオ・ウォルフレム:2010/06/26(土) 21:49:46 ID:EuWlsNbc0
- >>574
巨体が浮き上がり、というか本当に動いたことに若干驚く。
「僕以外全員女の子……?大丈夫なのかなぁ」
言って、ロボットの手に乗った自分以外の三人に目をやり、座り込む。
- 578 :かなでん:2010/06/26(土) 21:51:48 ID:2p1Ch/XcO
- >>574
「はーいっ♪こんなロボット始めてみるからかなでちゃんちょっとドキドキしちゃうー♪」
ふわふわと浮かんでいた少女はロボットへと着地
>ω<みたいな顔してます。
- 579 :アテナ【GM】:2010/06/26(土) 21:55:04 ID:7gFzKdaU0
- >>575
アテナはコックピットに座り込みイージスの操作をしている。
久々の操縦なのか結構集中している。
「魔力量調整……OK!」
>>576
「「「あんまりいじらないでくださいねー!!」」」
コックピットのマイクを通して注意する。
>>577
「……よし、加速モードに変更OK!」
「イケるよ、イージス!」
と声を上げる。
アテナの精神の高揚に合わせるように、両手のグローブも甲高い音を上げる。
>>578
「「「あはは……、まず落ちませんけど、気をつけてくださいね」」」
注意をする。
>>all
「「「準備できたので行きますよー!」」」
「イージス、ゴーッ!!」
掛け声と共に背面のスラスターに集中されていた魔力が爆発的に放出され、次の瞬間には公園から消えていた。
しかし、速度に反して風はあまり来ない。
しばらくすると、郊外の荒地に辿りついた。
ゆっくりと地面に降り立ち、両手を地面に下ろす。
数キロ先には1000人近くの軍勢が見て取れるだろう。
- 580 :ミスティ・クリア:2010/06/26(土) 21:57:52 ID:PvUKwEOE0
- >>579
「……多い」
集中し、遠くを見渡して
- 581 :かなでん:2010/06/26(土) 22:01:44 ID:2p1Ch/XcO
- >>579
敵の軍勢を確認し、
「よーし、頑張っちゃうんだからっ!」
臆することなくはりきっている!
- 582 :川堀アミル:2010/06/26(土) 22:02:45 ID:2MFSZVbA0
- >>579
「いじらないいじらないww」
首を横に振っている。
「だんちょーならややりかねないけどねwww」
「ざっと見て1000ちょっと……かな?
まあ、アミルちゃんにはこれくらいらくしょ……おうふっ!」
立ち上がろうとして足がしびれ、倒れた。
- 583 :エミリオ・ウォルフレム:2010/06/26(土) 22:03:25 ID:EuWlsNbc0
- >>579
僅かにくる風で乱れる前髪を押さえながら、流れ行く夜景を楽しんでいるようだ。
「え?…ちょっと……これって」
しかし、郊外に近づくと少年は僅かに表情を強張らせた。
大量にいる何か、加えてなんとなく感じる殺気。
- 584 :アテナ【GM】:2010/06/26(土) 22:08:15 ID:7gFzKdaU0
- >>580
「あくまで、あたしの友達を助けるのが目的なので、全員倒さなくても大丈夫です」
コックピットから顔を出し、言う。
>>581
「あたしも……!」
コックピットを降り地面に降り立つ。
>>582
倒れたアミルに駆け寄る。
「だいじょうぶですか!?」
>>583
「……今なら、大丈夫です」
少年にそういうが、アテナも少し心配そうだ。
>>all
統一国軍隊長「……仲間を連れてくるとは卑怯な貴様らしいな」
ざざっと、空中にホログラムが現れ迷彩服の男の姿が出る。
統一国軍隊長「まあいい、総員戦闘配備! 行けッ!」
男の掛け声に合わせて1000の軍隊が進撃し始める。
前方の部隊は既に魔力砲を放ち始めており、純白の光線がアテナ達に達に向かって飛んでくる。
一瞬白衣の少女がホログラムの画面に写った。
アレがアテナの友達だろう。
アテナ「来ます!」
相手の攻撃を見て皆に言う。
//キャラが分かりにくいかもなので名前を書いておきます
- 585 :ミスティ・クリア:2010/06/26(土) 22:14:22 ID:PvUKwEOE0
- >>584
「……ありがたいこと」
棺桶を前に突き出し、盾のようにして持つ
- 586 :アテナ【GM】:2010/06/26(土) 22:14:55 ID:7gFzKdaU0
- >>585
「/」
- 587 :アテナ【GM】:2010/06/26(土) 22:15:29 ID:7gFzKdaU0
- //スイマセン途中送信してしまいました
- 588 :エミリオ・ウォルフレム:2010/06/26(土) 22:20:35 ID:EuWlsNbc0
- >>584
「……いやいや、まだ逃げるとしても早いですし」
ロボの手から降り、スクールバッグをその場に放り捨てる。
「ケンカ…じゃないっぽいなぁ。殺し合いなのかな……」
息を呑み、ゆっくりと前進し
「これで防げるかな…?」
右手をポケットに突っ込み、左手を前に出してぐっと拳を握る。
足元から染み出してきた水を、直径3mほどの球体に押し固めて盾がわりにする。
一応微量の魔力を帯びてはいる水だが、魔力砲を防げるかどうかは解らない。
- 589 :川堀アミル:2010/06/26(土) 22:23:57 ID:2MFSZVbA0
- >>584
「だいじょーぶだいじょーぶ……いてて」
足に力を入れて立ち上がり。
「さーてさて、アミルちゃん、戦闘モードと行きますかっ!」
少女がそういうと腰部に付けられた機械が空中に飛び出す。
空中で姿を変え、それが少女に張り付く。
「騎兵軍団前線隊長の何時力、みせてやら!」
ジェットブーツのスイッチを入れる。
空中で何度か回転する等のアピールを交え。
「くらえくらえー!」
緑の炎を纏った少女が正面から突撃する。
- 590 :かなでん:2010/06/26(土) 22:25:26 ID:2p1Ch/XcO
- >>584
ふわふわと浮かびひらりひらりと魔力砲を避けていく
「さぁー、こっちもいっくよー☆」
そういうと手に先がハート型のマジカルステッキが現われ詠唱を始める
「りっぷるめいぷるくるりのるー♪かなでちゃん、きらきら☆びーむぅ☆」
マジカルステッキを一回転させ、軍勢へ構える。
そして、そのステッキより、虹色の光線が放たれる!
けっして某冥王様を思い浮かべちゃいけないぞ!
- 591 :アテナ【GM】:2010/06/26(土) 22:28:16 ID:7gFzKdaU0
- >>585
「F・F、身体強化!」
アテナの全身を淡い光が包み込む。
>>588
エミリオに向かう砲撃は距離により威力が減衰しており、水の盾を破壊するには至らないようだ。
だが、それも2発3発と続けば話しは別だろう。
大量に敵勢から砲撃が放たれている。
>>589
オオオオッと前線の魔道刃部隊の男たちが5人ほど前に出る。
統制されてはいるが、その動きは平均的な軍人のものだ。
2人の魔道士の刃がアミルを狙う、その間後ろの3人はアミルの様子をみている。
>>590
統一国軍兵士たち「「「なんじゃ、あの攻撃はッ!!」
かなでんの光線の着弾点の兵士たちは逃げ惑っている。
アテナ「あたしも、前に出よう!」
足元に魔力を集中させアテナも前に向かって凄まじい速度で走っていく。
兵士たちの鳩尾や首筋に攻撃を打ち込み本陣に向かって敵を縫う様に走っている。
- 592 :ミスティ・クリア:2010/06/26(土) 22:31:22 ID:PvUKwEOE0
- >>951
「Mr.Blue sky」
少女が一声そうつぶやくと、棺桶のふたがはね飛ばされて真っ黒な人影が飛び出した。
人影は低い体制のまま兵士たちに突撃する
- 593 :川堀アミル:2010/06/26(土) 22:38:53 ID:2MFSZVbA0
- >>591
「……っと見せかけて」
前に数人が出てきたのを見て上方に跳び上がる。
空中で腕を引き、纏った炎を両手に合わせ、
「アミルちゃん……バーストォ!!」
そしてその両手をの炎を打ち出す!!
- 594 :エミリオ・ウォルフレム:2010/06/26(土) 22:38:58 ID:EuWlsNbc0
- >>591
「あちゃぁ……やっぱり、無理があるかな」
盾にした水球が、大きく歪むのを感じる。
「……撃たれたのをガードするより、撃たせないようにした方がいいな、うん。それでいこう」
水の球に更に水を吸い込ませ、6mほどに膨れ上がらせる。
今度はその水の球を、兵士たちに向けて勢いよく放った。
エミリオはすかさず、転がした水の球を追いかけるように走り出す。
エミリオの正面から飛んでくる魔力砲を打ち消しつつ、代償に水量を減らしながら兵士たちへと転がっていく。
もし打ち消されずに兵士たちへと届けば、直前で破裂、大量の水を撒き散らすはずである。
- 595 :かなでん:2010/06/26(土) 22:42:00 ID:2p1Ch/XcO
- >>591
アテナの方を向き、
「さあ、おねーちゃん!道を開くよー!」
ステッキから虹色の輝きを直線的に放つ
まさに『道』というエリアを作ろうとしていた
- 596 :アテナ【GM】:2010/06/26(土) 22:47:13 ID:7gFzKdaU0
- >>592
黒い人影に向かい砲撃が数発放たれる。
大分近い距離から放たれているため、その威力は比較的大きいだろう。
>>593
炎を喰らい5人とも気絶するが、後ろの部隊が空中に居るアミルを狙い撃ちする。
3発の光の線がアミルに向かって伸びていく。
>>594
兵士たちの元へと水の球がたどり着き爆発する。
大量の水に流され、兵士が数を減らす。
>>595
虹色の輝きの通った場所にいる兵士たちが吹き飛び、そこに一つの道ができる。
その道をアテナは全力で走り抜けるが、アテナに向かい、周囲の兵士たちが殺到する。
兵士たち「「「正義に反する悪に鉄槌を!」」」
兵士たちが一斉にアテナに砲撃を放つ。
アテナはその砲撃をぎりぎりのラインで避けている。
アテナ「ッ! 加速!」
>>ALL
統一国軍隊長「……何故だ! 進撃しろ、数の上では圧倒的に優っているのだ!恐れることはない!」
兵士に叱咤激励するが、兵士の士気はだいぶ下がっている。
統一国軍隊長「砲撃隊、一斉砲撃!」
隊長の声に答え50人の砲撃魔道士が砲撃を皆に向かって放つ。
白い線は太く早い。
- 597 :ミスティ・クリア:2010/06/26(土) 22:52:34 ID:PvUKwEOE0
- >>596
黒い男は更に体を下げた。
地面に融けこみ、そして……
砲弾は地面をえぐるが、彼は無傷でナイフを振るう
「もっと出ておいで。お腹を満たして」
棺桶から吐き出されるのはドロドロとした黒いもの。
無数の腕、目、足、体……
まるで人間が溶けあい、真っ黒に塗られたような、目をそむけたくなるようなそれが棺桶から吐き出される
「盾」
黒のドロドロはミスティを覆う
- 598 :エミリオ・ウォルフレム:2010/06/26(土) 22:56:38 ID:EuWlsNbc0
- >>596
「……よし、『繋がった』」
戦線に水の球が炸裂し、水を撒き散らしたのを見届ける。
直後、思い切り右足を踏み鳴らす。
水が撒き散らされた辺りから間欠泉のように水柱が上がり、巻き込まれた兵士は空中高く放り上げられるだろう。
「っと……危なっ……!」
砲撃に間一髪で気付き、右手を大きく引く。
すると吹き上がった水柱が意思を持っているかのように方向を変え、
分厚い滝のようにエミリオの前に落ち、砲撃を防ぐ。
- 599 :かなでん:2010/06/26(土) 22:56:51 ID:2p1Ch/XcO
- >>596
「おんなのこをいぢめるなんて、そんなの正義じゃない!」
アテナの前に飛んでいき、
「このマジカルステッキ『かんなづき』の、魔力コーティングは伊達じゃないんだからっ!」
一斉発射された魔力砲をアテナを庇うようにステッキで弾いたり、受けとめる
しかし衝撃は華奢な身体に確実にダメージを受けていた
- 600 :川堀アミル:2010/06/26(土) 22:58:18 ID:2MFSZVbA0
- >>596
「光……跳んでッ!」
するとその一瞬だけジェットブーツの出力が上昇。
上に跳んで光を避ける。
「灼熱のぉー……ヘルハウルッ!!」
緑の炎を掲げた両手に発生させる。
それを軍団に向けると拡散して落ちていく。
- 601 :アテナ【GM】:2010/06/26(土) 23:03:59 ID:7gFzKdaU0
- >>597
放たれた砲撃は黒いドロドロに当る。
太い光の線はこれまでの砲撃とは威力が数倍違うようだ。
さらに、黒い男にもその砲撃が数発殺到していく。
>>598
兵士たち「「「うわあああああああああっ!!」」」
数十人が宙を舞う。
が、何人かは踏みとどまりエミリオに向かって魔力弾を放つ。
エミリオの水柱に砲撃が当る。
砲撃の数発が寄り集まりその威力を増大させ、水の柱を貫きエミリオを襲おうとしている。
>>599
アテナ「ありがとう!! かなでんちゃん!」
礼を言い、走り続ける。
本陣までは後数百メートルほどだがその前には100人ほどの魔道士が控えている。
>>600
軍団に落ちた炎は部隊の兵士たちをいとも簡単に倒していく。
個々の戦闘力は低い、一撃程度でやられてしまうだろう。
だが、空中にいるアミルは砲撃部隊にとっては格好の狙撃対象だ。
放たれた太い光の線は空中のアミルを狙い撃ちするように伸びていく。
>>ALL
統一国軍隊長「……何としてでも、アテナを殺すのだ!」
その命令通りにアテナに向かい本陣に控える100人ほどの魔道士が一斉に砲撃を始める。
全体の部隊の数はもう300人ほどだ。
- 602 :ミスティ・クリア:2010/06/26(土) 23:06:49 ID:PvUKwEOE0
- >>601
「後方を前方へ。それで良い。青空伯爵、敵陣の真ん中にたどりついて。そしたら砲弾は打てないでしょ?」
少女が棺桶の中に入り込み、ふたを閉じる。
黒い影は地面にもぐりながら敵陣中央へと進み、黒いドロドロは棺桶の前方に分厚い盾を作る
- 603 :エミリオ・ウォルフレム:2010/06/26(土) 23:15:46 ID:EuWlsNbc0
- >>601
「これは……避けるか、な?」
若干考え込み、右側に転がるように避けようとする。
だが考えた時間が仇となり、左足を掠め、制服のズボンを焦がす。
「全く……制服って結構高いんですよ?……そろそろ効くかな?」
その場に膝を付きつつ、先ほど水柱が上がった周辺を見やる。
攻撃と防御に使われた水は、毒水。
飛沫を吸い込んだ兵士たちの体にも、
軽い嘔吐感、目まい、四肢の僅かな痺れ等の変調が現れるだろう。
- 604 :かなでん:2010/06/26(土) 23:17:59 ID:2p1Ch/XcO
- >>601
「も〜次から次へと…しつこい子は嫌われちゃうよ!ぷんぷん!こーなったら…」
マジカルステッキを飛んでくる魔力砲にあわせ、
「りっぷるめいぷるくるりのるー♪愛とヒカリのかなでちゃんはーとふる☆えくすぷろーじょんっ♪」
魔力砲に光の球が発射され魔力砲に接触すると大爆発を起こす。
そしてその爆発により、他の魔力砲を巻き込む
攻撃は最大の防御と言ったところだろうか。
- 605 :川堀アミル:2010/06/26(土) 23:20:32 ID:2MFSZVbA0
- >>601
「ちぃっ……アミルちゃんピンチかな……?」
ブーツのスピードを生かし、避けていき。
その途中、隊長の言葉を聞き。
「助けに行かないとね……!」
直ぐさまアテナのもとへ飛んでいく。
- 606 :アテナ【GM】:2010/06/26(土) 23:25:15 ID:7gFzKdaU0
- >>602
黒いドロドロに魔力砲撃が着弾してガリガリと削っているがしばらくすると線が細くなり消えた。
地面に潜る影を狙うように魔力砲撃が曲がり、地面に着弾、辺りに土砂を撒き散らす。
>>603
兵士たち「「「治療部隊は……!?」」」
という声を上げる兵士たち。
だが、治療部隊は先程からの戦闘の余波で大半がやられており、毒にやられた兵士たちを治すのには無理がある。
諦めの中兵士たちはなけなしの力を込め魔力弾を一斉に放つ。l
>>604
爆発に連動して、他の魔力砲も消えていく。
その余波で控えていた部隊の大半が使い物にならなくなる。
>>605
かなでんのおかげでアテナに向かう砲撃の大半が消されているため大事には至らない。
>>all
戦意のある兵士の数はもう数えるほどしか居ない。
その戦況を目にして隊長が言葉を発する。
統一国軍隊長「もういい、貴様らが使えないことはよく分かったッ!」
激昂し、叫ぶ。
統一国軍隊長「しかし、我らの勝利は揺るがない! 来い、スクリューミルッ!!」
空間を切り裂き20メートルほどの巨大なロボが現れる。
が、その動きは鈍重で、歩みは遅い。
- 607 :ミスティ・クリア:2010/06/26(土) 23:31:22 ID:PvUKwEOE0
- >>606
影は空中に投げだされるが、それは無機的で、どこかボールにも似ていた。
「うん、伯爵、ありがとう」
棺桶のなかから声が響く
「じゃあ、死んで?」
Mr.Blue sky が、空中でまばゆい光とともに強烈な熱を放って爆発する
- 608 :川堀アミル:2010/06/26(土) 23:34:54 ID:2MFSZVbA0
- >>606
「つまり、あっちを狙えばいいんだね」
アテナが無事なのを確認し、スクリューミルの方へ。
「まずは小手調べに……届けッ!」
ジェットーブーツを使用した加速パンチを繰り出す。
加速と少女自身の力でその破壊力は凄まじい。
- 609 :かなでん:2010/06/26(土) 23:37:40 ID:2p1Ch/XcO
- >>606
ロボットを確認し
「そんなものまで…!でも、負けない!愛とみんなの笑顔を守る為に!そしてあなたに私の魅力を教えてあ・げ・る♪きゃはっ☆」
ロボットに前にステッキを構え対峙する!
- 610 :エミリオ・ウォルフレム:2010/06/26(土) 23:38:10 ID:EuWlsNbc0
- >>606
「まだ戦うんですか!?」
毒に侵されながらも戦う兵士たちに驚き、叫ぶ。
「……悪く思わないでください、ね!」
兵士達の魔力弾が放たれた瞬間、エミリオの真下から水が吹き上がり、10mほど上空へと弾き飛ばした。
空中で体勢を立て直し、戦況を確認し、自分を目標にした兵士の数と場所を割り出す。
その場所へ両掌を向けると、高圧の水が次々とシャワーのように放たれる。
ダメージ自体は『威力の高い水鉄砲』程度だが、雨のように放たれるため、総合的な破壊力はかなりのものだろう。
- 611 :アテナ【GM】:2010/06/26(土) 23:43:28 ID:7gFzKdaU0
- >>607
爆発により倒れている兵士たちが吹き飛び気絶していく。
スクリューミルの顔がギシリと音を立ててミスティの方を向く。
>>608
スクリューミルの装甲にアミルの拳が当る。
拳のあたったところは陥没するが、その大きさ故、体制を崩すことはない。
背中のバックパックから2門の魔力砲台が現れ両肩に固定される。
>>609
目障りな声を聞き、隊長が眉を眇める。
「……まずは貴様からにしてやろう」
二門の砲台から極太の魔力砲撃がかなでんにむかって放たれる。
避けたとすればその後ろの兵士たちに当たるだろう。
>>610
兵士たち「「「我らは、正義ッ! 我らは支配者! 我らは秩序ッ!」」」
カルト宗教の様な画一化された思考の元、兵士たちは足を引きずり、地面を這いながらエミリオに近づく。
が、放たれる水の攻撃により一人又一人と倒れていく。
>>all
隊長「フハハハハハハハハハハッ!! 殺せ、我らは正義、我らの正義に歯向かうものはそれ全て悪成りッ!!」
狂った笑いを上げながらスクリューミルを操作する。
隊長の足元にはいつの間にか白衣の少女が転がされていた。
危なくなれば人質にするつもりなのだろう。
- 612 :ミスティ・クリア:2010/06/26(土) 23:48:07 ID:PvUKwEOE0
- >>611
「おいで、ガルム」
棺桶のふたが吹き飛ぶように開き、少女が現れた。
10メートルはある巨大な三つの首の犬の背に乗って。
地獄の番犬はスクリューミルを見ると、遠吠えをかます。
そして、一気に距離を詰めた
- 613 :エミリオ・ウォルフレム:2010/06/26(土) 23:54:03 ID:EuWlsNbc0
- >>611
「……何?何を言って……!」
連射を終え、水の球で体を包んで衝撃を殺しながら着地する。
そして、残りの敵の数を確認しようとした時、巨大なロボット、そしてそれを操作する者に気付き、目を奪われる。
- 614 :かなでん:2010/06/26(土) 23:54:16 ID:2p1Ch/XcO
- >>611
「!!」
とっさにステッキで円を描く。
するとその円に星の形が浮かび上がり放たれた魔力砲を『屈折』させる
「これがかなでちゃんのぷりずむふぃーるどよっ☆」
- 615 :川堀アミル:2010/06/26(土) 23:59:38 ID:2MFSZVbA0
- >>611
「装甲はかなり脆いのね」
砲台が現れたのをみて距離をとる。
「これくらい離れればだいじょーぶそう」
かなり距離をとった地点で炎を砲台に向かって炎を打つ。
- 616 :アテナ【GM】:2010/06/27(日) 00:04:26 ID:7gFzKdaU0
- >>612
接近する三つ首の犬と少女に向かいゆっくりと右腕を振り下ろす。
速度は遅いが重さによる威力は相当だろう。
>>613
スクリューミルの主砲以外の4門の副砲の内二つがエミリオに照準をあわせる。
その直後、先程の砲撃魔術師3人分ほどの砲撃がエミリオに向かい放たれる。
>>614
フィールドに当る魔力砲撃は屈折し、一発は空に、もう一発はギリギリ兵士に当たらない後ろに着弾する。
着弾の余波で数10メートルがクレーターのようになる。
「外したか……!第二撃だッ!」
両肩の主砲に魔力をチャージし始める。
>>615
砲台に炎が当たるが、壊れるほどではないようだ。
しかし、炎の勢いで砲台の昇順が少しずれる。
>>all
隊長「……これが避けられるかッ!」
先程より大量の魔力を主砲に注ぎこみ魔道砲撃を放つ。
拡散気味に広範囲を巻き込むように放たれた砲撃は地面をえぐりながらアテナ達全員を狙おうとしている。
アテナ「イージスッ!」
相棒のロボを呼び出し、両腕の装甲で砲撃を受けとめる。
アテナ「長くは持たないから、皆ッ! 相手を倒して!」
「足元を崩せば倒せるはず!」
- 617 :ミスティ・クリア:2010/06/27(日) 00:07:10 ID:PvUKwEOE0
- >>616
「ハンプティダンプティ」
棺桶からバスケットボールほどの黒い球が吐き出され、少女はそれを振り下ろされた右腕に投げつける。
正体は、爆弾
- 618 :かなでん:2010/06/27(日) 00:10:59 ID:2p1Ch/XcO
- >>616
「よーし、任せておねーちゃん♪」
そういうとまた同じように詠唱
「りっぷるめいぷるくるりのるー♪私の愛と情熱を今ここに!かなでちゃんまきしまむ☆みらくるかったー♪」
ステッキを振ると光の刃が敵ロボットの足元へと向かう
- 619 :川堀アミル:2010/06/27(日) 00:15:34 ID:2MFSZVbA0
- >>616
「どうもどうも性能が低いみたいね」
後ろに一回転して飛び、
身体をひねり拳を握って背中を向ける。
「これくらい、アミルちゃんならよゆーで倒せる……ねっ!!」
捻った身体を戻しながら少女がスクリューミルの胴体へ飛んでいく。
その最中、突き出した拳に炎が宿り。
「情熱のぉ……
ナックルストリーム!!」
少女の拳には長く、太い針の様なものが付けられたナックルカバー。
その針が高速で回転し、より強大な威力に仕立て上げる。
- 620 :エミリオ・ウォルフレム:2010/06/27(日) 00:15:56 ID:EuWlsNbc0
- >>616
「……これだけ水を放っておけば、どこからでも繋がるかな?」
少年が左に振り向き、誰もいない虚空に向けて話しかける。
一瞬、本当に一瞬だけ、水死体のように青ざめた女神の幻影が現れる。
副砲がこちらを向いた瞬間、射線を塞ぐように水が連続して噴出し、砲撃を受け止める。
「反則かな、これは。でも、多分効かないだろうな、何かあの人すごそうだし……」
ぶつぶつと呟きながら、試しに、といった面持ちで、隊長の体めがけて水を放ってみる。
威力は先ほどのよりかなり弱く、本当に普通の水鉄砲程度である。
- 621 :アテナ【GM】:2010/06/27(日) 00:22:14 ID:7gFzKdaU0
- >>617
右腕に爆弾が当たり炸裂する。
が、無くなったのは肘から先だけだ。
スクリューミルは左腕でちぎれ落ちた右腕をつかみミスティに投げつける。
やはりその動きは鈍重だが、投げられた腕は重みによって加速していく。
>>618
アテナ「お願いッかなでんちゃん! イージスッ! もう少し、頑張って!」
イージスのシールドの魔力が増大し、防御範囲が広がる。
が、長くは持たないだろう。
カナデンの放った魔力刃がスクリューミルの右足を深く切り裂く。
バランスを崩し、大きく傾ぐスクリューミル。
>>619
大きく傾ぐスクリューミルにアミルの凄まじい勢いの打撃が当たり、後ろにバランスを崩していく。
>>620
隊長「なっ……!」
水を被り激昂する隊長。
隊長「我が身を濡らすとは不届き千万!正義の名のもとに葬り去ってくれ……」
と言葉が途中で止まる。
その原因は目の前で倒れていくスクリューミルだ。
>>all
ズシン、と言う音と共にスクリューミルが地面へ倒れる。
右足と腕を失い、立ち上がることは不可能な状態だ。
隊長「……、……!」
声もなく口をパクパクさせる隊長。
しばらくして、足元の白衣の少女を持ち上げその首に魔力刃を当てる。
隊長「こ……コイツを殺されたくなければ我を、ね、狙わない事だなッ!」
頼みの綱を失い挙動不審になっている。
その表情は絶望と恐怖に彩られている。
- 622 :ミスティ・クリア:2010/06/27(日) 00:25:12 ID:PvUKwEOE0
- >>621
軽々と、まるで木の葉のようにミスティはガルムの背から飛び降りる。
ガルムは投げられた腕を咥え、胴体を駆け上がる
一方、ミスティは地面の闇の中へと墜ちた。
柔らかい音が響き、ミスティは何事もないように立ち上がる
「……その子を殺したら、生まれてきたことを後悔するくらいに痛めつけて殺してやるわ」
ぞっとするような声が、少女の口から吐き出される
- 623 :川堀アミル:2010/06/27(日) 00:35:11 ID:2MFSZVbA0
- >>621
「ねらわないよー♪」
隊長を飛び越えてさらにその奥へ。
今回の目的はアテナの友人の救出だったはずだ。
- 624 :エミリオ・ウォルフレム:2010/06/27(日) 00:36:31 ID:EuWlsNbc0
- >>621
「あれ?バリア的なものがあると思ったんだけどなぁ……」
呆気なく隊長が水をかぶったのを見て、なんとなくつまらなそうに一人ごちる。
「って………何だろう、絵に描いたような……」
次いで、水をかぶった男が少女を人質に取っているのに気付き、眉を顰めて溜め息をつく。
「あー……えっと、やめるんだー。故郷のおふくろさんが泣くぞー。話し合おー」
と、両手を挙げながら小馬鹿にしたように棒読み全開で言う。
その動作で注目を自分に集めつつ、
隊長の背後にゆっくり、気付かれないように少しずつ水を湧き上がらせ、水流がゆっくりと隊長に近づいていく。
- 625 :かなでん:2010/06/27(日) 00:37:47 ID:2p1Ch/XcO
- >>621
すいーっと敵の隊長に近づく
しかもものすごい至近距離まで
「ねぇねぇ♪その子解放してくれないかなー♪」
にぱーっと笑顔で尋ねる
満面の笑顔だが後ろの兵士達の阿鼻叫喚を起こした原因である
さてどうなることやら
- 626 :アテナ【GM】:2010/06/27(日) 00:43:39 ID:7gFzKdaU0
- >>622
隊長「ひ……ひぃ……」
魔力刃がカタカタと震えている。
>>623
隊長「近ッ……近づくな……ぁッ!」
哀れなほどに相手に怯えている。
隊長「転送は、転送はまだかッ!」
通信機に叫び声を上げる。
>>624
隊長「ふ、ふざけるなッ! 我は正義! 貴様などに諭されはせんわッ!」
もう少しで転送されるのか少し強気になっている。
>>625
隊長「い、つの間にッ……! 分かった、分かったから開放するから我を見逃せッ!」
乱暴に白衣の少女を前に向かって突き飛ばす。
アテナがそれを受け止める。
アテナ「愛香ぁ!」
>>all
隊長「ひ、ひひッ! 残念だったなッ! 貴様ら如き悪に我らはやられはせんッ!」
「いつ我々が貴様らの街に攻め込むか恐れているがよいッ!」
倒れている兵士達を光が包みこみ消していく。
隊長「今度は貴様らを皆殺しにしてやる必ずだッ! フハハハハハハハハハハッ!!」
と捨て台詞を残し隊長も消えていった。
アテナ「良かった……愛香」
アテナは愛香を抱きしめ、涙を流している。
- 627 :ミスティ・クリア:2010/06/27(日) 00:50:54 ID:PvUKwEOE0
- >>626
「よかった、無事で」
少女はそれだけをつぶやくと。棺桶へ入る
中;吸い魔がヤバいんで落ちます。どうも
- 628 :エミリオ・ウォルフレム:2010/06/27(日) 00:55:33 ID:EuWlsNbc0
- >>626
「……やれやれ、ツッコミぐらいくれてもいいのに。切羽詰った人ってどうも面白くないなぁ」
隊長と兵士達が消え去ったのを見届け、手を下ろす。
「……余計なことするなぁ、まったく」
>>625をちらりと見て、呟く。
戦場にさんざん撒き散らした水がいつの間にか完全に消え果て、痕跡すらも残っていない。
- 629 :川堀アミル:2010/06/27(日) 00:55:44 ID:2MFSZVbA0
- >>626
「……あら」
既に自身の後方にて目的が達成されている事を知り、振り返る。
「そのこどーしたの?」
不思議に思いつつ、聞く。
- 630 :アテナ【GM】:2010/06/27(日) 01:06:35 ID:7gFzKdaU0
- >>627
「ありがとう、ございました」
深く頭を下げる。
>>628
愛香と呼ばれた少女が目を覚ます。
うっすらと目を開けて当たりを見回している。
「えーと、どうしたの? あれ、アテナさん?」
状況が全くつかめていない様だ。
>>629
「あ、敵が逃げるときに置いてきました」
「あの、協力してくれてありがと、でした!」
ぺこりと頭を下げる。
>>ALL
「あの、本当に助けてくれてありがとうございました」
と皆に向かって言う。
愛香はやっと状況がつかめてきたようだ。
「私、助けてくれたんですね。 ありがとう!」
笑みを見せる。
「愛香、とりあえず皆公園に戻ろう。」
「じゃ、あたしの転送装置使うね」
と言い、アテナに聞いた転送場所を愛佳が手元の機械に打ち込むと次の瞬間には公園に居た。
「今日は本当にありがとうございました!」
と公園に戻り皆に言う。
「愛香もケガとかしてるみたいなのですいませんが家に行かせてもらいます!」
と言い、森の中に愛香を抱えて走り去っていった。
- 631 :川堀アミル:2010/06/27(日) 01:11:40 ID:2MFSZVbA0
- >>630
「うん、ばいば〜い」
手を振って見送った。
……森の中というのが気になったが見なかった事にしよう。そうしよう。
「アミルちゃんも帰ってアイス食べて寝よう。うん」
そういうと小さくジャンプ。空中でジェットブーツを起動させ闇夜に消えていった。
- 632 :エミリオ・ウォルフレム:2010/06/27(日) 01:17:59 ID:EuWlsNbc0
- >>630
「あー、えっと…こちらこそ貴重?な体験をさせていただいてどうも」
いつの間にか公園に戻っていたのはスルーし、一応の返事をする。
そして、二人が走っていったのを見て、少年も公園から去った。
携帯の時計で時刻を確認しながら、息をついて家路に着く。
- 633 :名も無き異能都市住民:2010/06/29(火) 23:02:16 ID:.6prKP66O
- 【今日もまた濃霧が丘に立ち込める】
『我らの呼び掛けに答えよ』
『強きマナを持つ者達よ……』
『“霧を払う者”達よ……』
【前も見えぬ程の無色の濃霧……
そこに響く声はいかなるものか……】
- 634 :レイガー・バゼラード:2010/07/02(金) 21:58:20 ID:BXgiA4u60
- 「迷った……ここは何処だ? ていうかこんな所この街にあったのか?」
箱庭内部 廃墟群フィールド
赤髪の男が困惑した表情で歩き回っている
「曲がり角曲がる時に変な機械触ったらこの有様だよ……」
どうやら意図せず、半ば迷い込む形でここに来てしまったらしい
- 635 :三つの刄と錬金術:2010/07/04(日) 21:14:44 ID:.6prKP66O
- 【大きな遺跡、ここは都市から離れた正体不明の遺跡である】
「なぁ、どうするよ?」
「まぁ、何事もないだろうさ」
「まぁ、飯食おうぜ飯!」
【遺跡の前、そこには三人の騎士が焚き火を囲んでマンガ肉を食べている】
【君達はまず、都市のあるアトリエにて執事やメイド達の話を聞かなければならない】
- 636 :朝宮暁:2010/07/04(日) 21:25:44 ID:/k2gysHgO
- 都市のとあるアトリエ前に赤毛混じりの黒髪をした青年の姿があった。
「ここだよな」
張り紙を見て来た彼は、アトリエのインターフォンを押してみる。
- 637 :艮 鬼門:2010/07/04(日) 21:27:51 ID:7gFzKdaU0
- 【アトリエ前】
黒縁メガネの陰気そうな学ランの青年が居る。
「……ここで、いいんだよな」
アトリエの玄関にたち、インターフォンを押そうとすると先客がいた。
>>636
青年の方に鬼門は目線をやっている。
- 638 :三つの刄と錬金術:2010/07/04(日) 21:37:19 ID:.6prKP66O
- >>636>>637
【インターフォンが鳴り響き、しばらく……】
「……ようこそいらっしゃいました……」
【緑色の執事服の男と、緑色のメイド服の女性が出てきた】
「庭までご足労願えますか?」
【執事が大きな扉を開け放ち、メイドが二人を庭まで案内する】
【貴方達は最初に二人に事情を尋ねるか、黙ってついていく……どちらでも構わない】
- 639 :艮 鬼門:2010/07/04(日) 21:38:13 ID:7gFzKdaU0
- >>638
ん、と短く返事をして庭まで黙って付いていく。
- 640 :朝宮暁:2010/07/04(日) 21:39:11 ID:/k2gysHgO
- >>637
「……あん? あ、お前も張り紙見て来たのか?」
視線に気付いて振り向いた青年は、艮を視界に収めて言葉を紡ぐ。
「金幾ら貰えんだろうなあ。俺としちゃそれが気がかりだ」
>>638
「あ、どうも」
会釈を一つして後に続くが、ふと口を開く。
「金、幾ら貰えるんすかね?」
- 641 :艮 鬼門:2010/07/04(日) 21:40:33 ID:7gFzKdaU0
- >>640
「そういうこと」
素っ気ない態度を取っている。
- 642 :朝宮暁:2010/07/04(日) 21:45:20 ID:/k2gysHgO
- >>641
「……そうか」
としか言い様が無かった暁は、内心でううむと唸る。
(……あんま喋りたくねえのかね? 話し掛けたら不味かったか)
ふ、と軽く息を吐き、暁は黙った。
- 643 :艮 鬼門:2010/07/04(日) 21:46:47 ID:7gFzKdaU0
- >>642
「気にしなくても、いいから」
青年に話しかける。
「普段からこれだから、悪く思ったなら悪い」
メガネをクィッと直しながら話す。
- 644 :朝宮暁:2010/07/04(日) 21:51:13 ID:/k2gysHgO
- >>643
「うお!」
話し掛けてこないと思った相手に不意に話し掛けられ暁は驚いた。
「へー、ああ、そうなんか。悪いな。気を遣わせちまって。つか何? 口ベタってヤツか? 社会に出る時苦労すんぞー」
悪いヤツじゃあないみたいだと判断した暁。なんとなく話を持ち掛けてみる。
- 645 :艮 鬼門:2010/07/04(日) 21:52:55 ID:7gFzKdaU0
- >>644
「そんなに驚かなくてもいい気がするけど」
表情を変えること無く話す。
「口下手、というか基本的に喧嘩以外で人と関わらないから」
「話す相手が居ない」
- 646 :朝宮暁:2010/07/04(日) 21:55:31 ID:/k2gysHgO
- >>645
「へー、何お前、不良? 危ねえヤツだな」
どうやら艮が気に入ったらしく、楽しそうな笑みを浮かべて話を続ける。
「てか寂しいなあそれ。寂しくねえの? 友達の一人二人いたほうが人生楽しいぜ?」
- 647 :艮 鬼門:2010/07/04(日) 22:00:05 ID:7gFzKdaU0
- >>646
「喧嘩打ってくる不良を返り討ちにして財布を奪うだけの簡単なお仕事です」
と日々の活動を簡単に説明。
「俺と居ると色々迷惑かけるから」
「人、不幸にしちゃうんだよ俺」
- 648 :三つの刄と錬金術:2010/07/04(日) 22:04:18 ID:.6prKP66O
- >>639
「こちらへ……」
【渡り廊下を歩き、その途中で他の大勢のメイドや執事が頭を下げる】
>>640
「報酬の件ですね、貴方の頑張り次第ですが……これですかね?」
【執事が見せるのは、大袋(両手で持てるくらいの大きさ)】
「えっと、私達の単価で、2万コールとなりますが……
とりあえず庭まで頼みます」
>>641>>642
「どうぞ、こちらに」
【二人を案内するのは、噴水がある大きな庭……
真ん中に不思議な光を放つ石があった】
「今から貴方たちにはこの要石に触れ、旦那様を引きずってでも連れ戻して頂きたいです……」
【貴方達は理由を詳しく聞いてもいいし、そのまま急いで要石に触れ、目的地に向かっても構わない】
- 649 :朝宮暁:2010/07/04(日) 22:04:31 ID:/k2gysHgO
- >>647
「あー、やるよなそれ」
うむうむと頷く。自分も学生の時分にやった覚えがある。
「でもあれだ、程々しないと大変だぜ、俺ん時は連中が遣り返しに来やがってさ、最終的には1vs50ちょいになったからよ」
無論逃げた。
「はん? 不幸? まあ俺ドン底だから関係ねえかな。……つかお前意外と優しい? ん?」
なんてからかうように笑って艮の肩を肘でつついてみる。
- 650 :艮 鬼門:2010/07/04(日) 22:08:24 ID:7gFzKdaU0
- >>648
「これに触れればいいんだな?」
要石を見て言う。
>>649
「気をつけてるから意外と平気だよ」
大分慣れてきたようだ。
「……いや、結構ひどいこと起きるよ」
「洗濯外に干してる時に大雨降ったり」
- 651 :艮 鬼門:2010/07/04(日) 22:10:41 ID:7gFzKdaU0
- //途中投稿だった……
>>649
「気をつけてるから意外と平気だよ」
大分慣れてきたようだ。
「……いや、結構ひどいこと起きるよ」
「洗濯外に干してる時に大雨降ったり」
つつかれ、ちょっと眉を顰める。
「……いや、喧嘩とかしてカツアゲしてる時点で優しくないだろう」
- 652 :朝宮暁:2010/07/04(日) 22:14:02 ID:/k2gysHgO
- >>648
「……え、コール?」
知らない通貨単位を聞いて暁は呆けた。
「日本円とか、ドルとか、ユーロじゃなくて、コール? ……日本円で幾らっすか?」
なんて事を聞きながら庭に到着。説明を聞いて頷く。
「あー、とりあえず張り紙の内容だと何をやるか調べるって話だったと思うんすけど。……まあそれは良いか。
その旦那様の特徴を教えてくれねっすか? どんな人だか全然知らねえし」
>>650
「なら良いか。あ、あれだ。暴走族伸して連中のバイクを奪って売り払うのお勧め。結構稼げる」
あの頃が懐かしい。
「ああ、大丈夫だ。俺の暮らしてるアパートにゃベランダも何もねえから基本部屋干しだ」
- 653 :艮 鬼門:2010/07/04(日) 22:17:08 ID:7gFzKdaU0
- >>652
「いい事聞いた」
ニヤリと笑う。
「ま、気にしないならそれでいいんだけどね」
- 654 :三つの刄と錬金術:2010/07/04(日) 22:19:08 ID:.6prKP66O
- >>650
「はい、これに触れてください
触れたら遺跡の周囲に飛びますので、旦那様は上手く隠したつもりらしいですが、私達をなめたらいけません」
【どうやら、旦那様が内緒でどこかに消えたのが許せないらしかった】
>>652
「さぁ?何かわかりませんが、この都市ではコールすら使えてしまえますからね……考えた事無かったですね……」
【どうやら、コールを知る事は叶わぬようです】
「旦那様を見つけたらわかりますが……白いです、白くて緑です」
- 655 :艮 鬼門:2010/07/04(日) 22:19:55 ID:7gFzKdaU0
- >>654
「じゃ、俺はとっとと行くよ」
要石に触れる。
- 656 :朝宮暁:2010/07/04(日) 22:26:43 ID:/k2gysHgO
- >>653
「だべ? やってみ」
暁もニヤリと笑みを返した。
>>654
「ええ……」
困った。非常に困った。金は死活問題だ。
「……銀行で両替してくれるよな、うん」
額が解らないのは冗談ではないが、裕福そうな屋敷だし端金では無いだろうと判断。
「白くて緑と。了解。んじゃ、行きますかね」
暁も要石に手を触れる。
- 657 :三つの刄と錬金術:2010/07/04(日) 22:30:59 ID:.6prKP66O
- >>655>>656
「はい、行ってらっしゃいませ……
それと、お気を付けて……
あの方は何をするのかわかりませんので……」
【メイドと執事が頭を下げ、二人を見送る】
【二人はとある森に送られる……】
【遠くには巨大な遺跡が見える、二人は真直ぐ向かっても構わないし、現場の状態を把握する為に様子見に撤しても構わない】
- 658 :艮 鬼門:2010/07/04(日) 22:33:02 ID:7gFzKdaU0
- >>657
転送された森を見回す。
「……森だな」
よく見ると遠くに遺跡が有る。
「あそこか?」
と小さく呟く。
- 659 :朝宮暁:2010/07/04(日) 22:38:05 ID:/k2gysHgO
- >>657
「さって……」
暁は焔の翼を広げて飛び上がった。木々に遮られ視界は悪いが、上空から俯瞰して何か可笑しい事が無いかを探るつもりだ。
同時に、自身の異能によって鍛えられた感覚を研ぎ澄まし、周囲にある大きな生き物の生体反応を探る。
- 660 :三つの刄と錬金術:2010/07/04(日) 22:57:24 ID:.6prKP66O
- >>658
【遠くの遺跡を見ると、うっすらと明かりが見える、すぐに接近する事は出来ないが、正体を明かすくらいには近付けるだろう】
>>659
【暁が辺りの反応を探るが……“大きな生物”の反応は無いようだ……
あるのは巨大な遺跡の反応、そして小動物が辺りをチョコチョコ走る反応】
【空を飛んでいたらわかるだろうか?
遺跡の入り口で光が揺らめいていた】
【周りの反応を調べ続けてもいい、すぐに入り口に向かうのは難しいが、付近まで向かって光の正体を調べてもいい】
- 661 :艮 鬼門:2010/07/04(日) 22:58:29 ID:7gFzKdaU0
- >>660
「行ってみるか」
一応ナイフを取り出し、遺跡に向かい歩き出す。
- 662 :朝宮暁:2010/07/04(日) 23:06:09 ID:/k2gysHgO
- >>660
「取り敢えずは安全……だな」
頷いてそのまま飛行を続ける。目指すのは当然遺跡の入り口。
「なんか嫌な予感がするな」
ぼやいても仕方ない。入り口で光っている以上、結局調べることになる。
- 663 :三つの刄と錬金術:2010/07/04(日) 23:13:58 ID:.6prKP66O
- >>661>>662
「うめぇな!さすがマンガ肉!」
「って言うかこれ何の肉だ!?」
「知らねぇよ!なんかの肉だよ!」
【全身鎧姿の三人が焚き火を囲んで、マンガ肉を頬張り騒いでいる】
【どうやら三人が旦那様の護衛(笑)らしい】
「あぁ、旦那は何をしに来たんだろうな?」
「何してるんだろうな?」
「さぁ?何か雰囲気違ったよな?」
【貴方達は気付かれないように三人を仕留めるか、真っ正面から向かい、旦那様の居場所を聞き出しても構わない】
- 664 :艮 鬼門:2010/07/04(日) 23:17:08 ID:7gFzKdaU0
- >>663
「旦那様って呼ばれてる人探してるんだけど何処に居るか知らない?」
突然森の奥から現れ男たちに話しかける
- 665 :朝宮暁:2010/07/04(日) 23:19:49 ID:/k2gysHgO
- >>663
「お、聞いた方が早いか」
うむと頷き暁は高度を落とした。隠すようにとも言われていないし、ましてや身内からの依頼。
素直に事情を話した方が良いと考えた。
着地。焔の翼を仕舞う。
「うっす。旦那様って人の召使いやら執事から頼まれて来たんだが、その旦那ってのはどこに居るんだ?
遺跡の中なら案内してくれよ」
- 666 :三つの刄と錬金術:2010/07/04(日) 23:35:46 ID:.6prKP66O
- >>664>>665
「うぉっと、ビックリしたなぁ!?」
「ダメだな、簡単に教えるなんて俺達の主義に反する」
「旦那から頼まれたんだんだよ、近付けたらいけないって」
【聞こえる声、現われた人影に多少驚きはしたものの、自信を持って答える】
「メイドさん達から頼まれたなら尚更だ!」
「さぁ、帰った帰った!」
「悪い事は言わないから!」
- 667 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/07/04(日) 23:37:12 ID:2MFSZVbA0
- 【アトリエ】
「……来た」
来た。
「誰か……いる?」
- 668 :朝宮暁:2010/07/04(日) 23:38:13 ID:/k2gysHgO
- >>666
「あっそ、んじゃ通るわ」
それだけ言って暁は遺跡の中に入って行こうとする。至って、普通に。
- 669 :三つの刄と錬金術:2010/07/04(日) 23:52:28 ID:.6prKP66O
- >>667
【メイドが現われゼオラに寄り】
「おや、貴方も来てくれたのですね、どうぞこちらに……
旦那様を連れ戻す事が今回の目的なのですが」
【庭に案内するように手招きする】
【貴方は事情を詳しく聞いてもいいし、庭の真ん中に光る要石に触れて遺跡に向かっても構わない】
>>668
「おっと、すまねぇが通せないぜ」
「誰も通しちゃいけないって言われてるんだよ……」
「まぁ、なんでかって言うと理由はあるんだが……
知らなくて良い事もあるさ」
「失敗したら痛い目を見るんだよな」
【三人は暁の前に立ち塞がる、遺跡の入り口に向かうのはキツそうだが……】
- 670 :朝宮暁:2010/07/05(月) 00:00:08 ID:/k2gysHgO
- >>669
「悪いがこっちも仕事だ。ついでに言うなら俺は執事さん達の代理で来てるようなもんだ」
当然に立ち塞がった三人に視線を巡らせて暁は言う。
「やるってんならまあ、やるけどよ。俺を殺したり怪我させたりしたらお前ら、肩身が狭くなるんじゃね?
一応執事さんからの使いで旦那様って人に会いに来てる訳だしなぁ……。使いを怪我させたり殺したりするのは普通に不味いと思う訳よ」
うんうんと暁は頷きながら話を続ける。
「普通は家族からの使いったら通すもんだべ? それに怪我させたりしたら、ってことな。
悪い事は言わねえから退いてくれよ。……あ、なんならアレだ。俺がお前らぶん殴って無理矢理突破したって事にすりゃあ良い。
そうすりゃ旦那様とやらに何も言われねえしさ。そうしねえか? 怪我したり怪我させたりすんのも嫌だからよ」
- 671 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/07/05(月) 00:02:27 ID:2MFSZVbA0
- >>669
「……それで?」
聞くことにしたようだ。
ついて行きながらメイドに向かって首を傾ける。
- 672 :三つの刄と錬金術:2010/07/05(月) 00:16:41 ID:.6prKP66O
- >>670
「いや、そうじゃないんだよ……」
「アンタの言っている事は正しいよ?うん」
「だからこそ通せないんだよな!」
【三人は断固として退かない、これは多少無理矢理にでも退かす必要がありそうだ】
>>671
「聞いてくださいよ!
いつもは旦那様はどこか行く時は私達に相談してくれるんですよ!?」
【メイドが詰め寄り、執事達はうんうんと頷く】
「しかもあの三騎士と一緒ですよ!?
ねぇ!?どう思います!?
これはひっ捕まえて事情を聞くべきでしょう!?」
【どうやら話を聞くと、嫉妬と聞こえなくもないが、旦那様は何かいつもと様子が違うらしい】
- 673 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/07/05(月) 00:20:23 ID:2MFSZVbA0
- >>672
「大体解った。それじゃ」
要石に触れて消えてしまった。
- 674 :朝宮暁:2010/07/05(月) 00:23:11 ID:/k2gysHgO
- >>672
「……あー……」
相手は依頼者の身内。旦那様とか言う人の関係者。はっきり言って気が進まない。
「仕方ねえなあ……んじゃほら、来いよ。全員殴り飛ばすから」
くいくい、と手招き。自分から殴りに行くつもりは無いらしい。
- 675 :三つの刄と錬金術:2010/07/05(月) 00:32:54 ID:.6prKP66O
- >>673
「行ってらっしゃいませ!
あの方は何をするかわかりませんので……」
【頭を下げ、ゼオラを見送る】
【ゼオラは森に辿り着く、遺跡が遠くに見え、入り口付近では光が揺らめき、目を凝らせばギリギリ見えるだろうか?
四つの人影が見える】
>>674
「ははははは!残念だったな!」
「俺達は守りに撤するぜ!?」
「お前の考えはお見通しだ!」
【先程の暁の話しを聞いて、暁の性分を若干見抜いたらしい】
【こいつらは結構ずるい、三人でガハハハハと笑っていた】
- 676 :朝宮暁:2010/07/05(月) 00:38:33 ID:/k2gysHgO
- >>675
「あー……ヤベ、なんか俺お前らの事好きだわ」
暁は苦笑して三人を見たが、やがてやれやれと首を振る。
――――クラッチを踏み、ギアを入れる。
そんな、イメージ。
「……行くぞ」
両の手足に焔を点す。熱波を撒き散らしながら暁は一歩踏み出し――――
「おォ……らッ!」
跳躍。三人の内の一人、道を塞ぐ三人の真ん中の一人に向けて飛び蹴りを放つ。
- 677 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/07/05(月) 00:43:39 ID:2MFSZVbA0
- >>675
歩を急がせる。
やがてそれは走り変わった。
「……?」
そして程なく四人の元へたどり着く。
- 678 :三つの刄と錬金術:2010/07/05(月) 00:47:51 ID:.6prKP66O
- >>676>>477
「おぉ!?」
【暁の攻撃に真ん中の鎧、ダニエルは怯むが……】
「……」
「……」
【怯んだ三人は思い出したように胸を張る】
【それもその筈、三人の前に薄いシールド見たいなものが張られていた】
「さすがは旦那の魔法グッズ!」
「もしもの為に持っといて正解だったぜ!」
「何度やっても無駄だぜ!」
【三人はまだ笑っている、ドーム状のシールドは三人を守るように光っている】
- 679 :朝宮暁:2010/07/05(月) 00:51:39 ID:/k2gysHgO
- >>378
「…………」
イラッ。暁は若干顔を引き吊らせながら着地し、ドーム状のシールドに手を触れてみる。
感触や効果を確かめるつもりらしい。
- 680 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/07/05(月) 00:58:09 ID:2MFSZVbA0
- >>678
「……」
その様子を眺めつつ近寄る。
「……?」
よく解っていない。
- 681 :三つの刄と錬金術:2010/07/05(月) 01:19:02 ID:.6prKP66O
- >>679
【シールドの感触は魔法的、触れると熱が伝わり、硝子のような壁のような感触】
「無理無理、これは周りを完全ガードだ!」
「これはちょっとやそっとじゃ壊れないぜ!」
「さぁ、どうするよ!?」
【シールドは三人を囲み、消えない】
>>680
「おっと嬢ちゃん、ここは通さないぜ?」
「このシールドは一度発生したら俺達が解除するか壊すかしないと消えないからな!」
「内側からも外側からも攻撃を遮断だぜ!」
【三人はガハハハハと笑い、二人を見る】
- 682 :朝宮暁:2010/07/05(月) 01:23:50 ID:/k2gysHgO
- >>681
「んじゃあ、そうだなあ」
ニヤリと笑う。完全防備なら、それはそれで使うべきだ。
暁はシールドに手を触れたまま力を込める。やろうとしている事は単純だ、強烈な熱波――即ち、強烈な熱を帯びた空気を送り込もうとしているのだ。
(空気を通すならこれで蒸し焼き。通さないなら窒息するのを待てば良い。三人も居りゃあ結構早く窒息すんだろ)
- 683 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/07/05(月) 01:25:53 ID:7hcwnxwgO
- >>681
「ねぇ、おにいさん……?」
今の少女が纏う雰囲気は普通の少女そのもの。
普段の彼女からは想像のできない態度で。
「このおくにじょうげんがいるんでしょ?」
「あいたいの……ダメ?」
いつの間にか鞄から出していた猫と一緒に首を傾ける。
この態度、仕草。完全に騙す為の演技だった。
- 684 :三つの刄と錬金術:2010/07/05(月) 01:44:55 ID:.6prKP66O
- >>682
「ガハハハハ!どうした!為す術なしか!?」
「ほら、なんか熱くなって来たし帰れよな?」
「え?熱い?」
【三人は常に鎧を纏っているから熱いのはまだ大丈夫なのだが……時間の問題だろう】
>>683
「いや、可愛い嬢ちゃんの頼みなら聞きたいんだが」
「旦那が戻るまで待っててくれねぇかな?」
「いやな、この遺跡は……」
【もう暁の熱で三人は汗だくだ】
>>682>>683
「あっちぃ!!」
「いや、さすがにおかしいだろ!!」
「サウナかよ!!」
【シールドを解除し、三人は息をついて自身を扇ぐ】
【まさにチャンスである!】
- 685 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/07/05(月) 01:49:22 ID:7hcwnxwgO
- >>684
「そう……」
少女の影が動き、蛇の様な形を作る。が。
それから直ぐにシールドが解除されたのを見て戻した。
踵を返して帰っていく……。
//ごめんなさい。
//これ以上続けられないので眠ります……すいません。
- 686 :朝宮暁:2010/07/05(月) 01:49:37 ID:/k2gysHgO
- >>684
きらんっ。暁の目が光る。
「ン貰ったァ!」
暁は三人に向けて肉薄し、かつてシールドが張ってあった場所の内側に踏み込む。
「改めて――」
地を蹴って、跳躍。
「――――喰らえやッ!」
焔を纏う二度目の飛び蹴りが、再び真ん中の騎士に向けて放たれる。
- 687 :三つの刄と錬金術:2010/07/05(月) 02:08:26 ID:.6prKP66O
- >>685
「あっちぃ!」
「嫌がらせかよっ!?」
「なんでサウナになったし!?」
【ゼオラの後方で、三人が騒いでいる声が聞こえた】
//お疲れさまでした!
//遅くまでありがとうね!!
>>686
「ぐぶはぁあ!?」
「ダニエェェェェル!?」
「大丈夫だ!傷は浅いぞぉ!!」
【ダニエルは吹き飛び、二人は火を消す為にダニエルに駆け寄る】
【このチャンスを機に、貴方は遺跡に突入してもいいし、しなくても構わない】
//ここで少し質問です
//まだまだ続くルートと、短いルートがあるのですがどうしましょうか?
- 688 :朝宮暁:2010/07/05(月) 02:18:00 ID:/k2gysHgO
- >>687
「……悪いがちっと大人しくして貰うぜ」
ダニエルの火を消そうと近付いた二人の騎士、合わせて三人の騎士が一所に集まってるのを見て、暁が動いた。
火花を散らして三人を間合いに納め――――
「いよ、と」
――――三人の周囲に、高さ2メートルはあろうかという焔の壁をぐるりと展開した。
「こりゃあお前らの生体反応を感知して燃え続ける。お前らの生体反応が弱くなったら火の勢いも弱まるから安心しな。
放っとけば大体二時間位で消えっから、まあ、大人しくしとけや」
(これで追って来れない、と)
暁は改めて遺跡の入り口に進む。
//虹さんに付き合いますよー。虹さんの気の済む方で構わないです
- 689 :三つの刄と錬金術:2010/07/05(月) 02:27:44 ID:.6prKP66O
- >>688
「テメェ!それは要するにただの半殺しじゃねぇか!」
「いいから!気合いを持て!」
「おい、遺跡に近づくな!
死ぬぞ!!」
【三人が口々に叫ぶ、その一つに、死ぬぞの声】
【貴方は忠告に耳を傾けても良いし、無視しても構わない!】
//じゃあ、万能な中間ルートで行きます
- 690 :朝宮暁:2010/07/05(月) 02:34:52 ID:/k2gysHgO
- >>689
「まあ、あれだ。……死にはしねえから」
軽く笑って手を振り、遺跡の中に踏み込む。
「……罠がある、って事だろうな」
騎士の一人の言葉を思い出して暁は焔の翼を拡げた。
「これで床に設置された罠は踏まない、と」
暁は微かに浮いているだけだ。しかし、それが大きい。
「……行くか」
ふよふよと浮遊しながら、暁は遺跡の中を進み始めた。
//了解です
- 691 :三つの刄と錬金術:2010/07/05(月) 03:30:58 ID:.6prKP66O
- >>690
【暁が足を踏み入れた瞬間、轟音が響き渡る】
「グォオォォーン!」
【猛獣を彷彿とさせる巨大な声、次の瞬間、壁をブチ破り巨大な影が現われる】
「「「だから行ったのにッッッ!!」」」
【三人の騎士は叫ぶのだった】
- 692 :朝宮暁:2010/07/05(月) 20:43:04 ID:/k2gysHgO
- >>691
「いくら何でもこれは予想外です……」
罠は警戒していたが幾ら何でもここまでは予想出来なかった。これは流石に厳しい。――が、
「おい三人組! さっきてめえらが使ってたシールド出す魔法グッズ寄越せ! 後使い方教えろ!」
焔の壁の高さを低くし、投げ易いように調整。暁は化け物の影から眼を離さず、三騎士に叫ぶ。
- 693 :三つの刄と錬金術:2010/07/05(月) 20:55:32 ID:.6prKP66O
- >>692
「え?あれ?」
「ほらこの通り!」
「壊しちゃった♪」
【可愛らしく鎧三人が笑う……兜で見えないけど】
「使い方は至って簡単!
ここを押すだけ!」
「でも、お高いんでしょ?」
「なんとお値段無料!壊れてるし!」
【先程の暁の攻撃、三人の悪ふざけで壊れてしまったようだ】
『グルルルッ』
【影はついにその姿を現わす……
その姿は、ライオン、羊、グリフォンの三つの頭部……
尾にバジリスクと言う名の大蛇……】
【キマイラ……錬金術で作り出された怪物、キメラの姿……
その体躯は世界最大の哺乳類、シロナガスクジラに匹敵していた】
- 694 :朝宮暁:2010/07/05(月) 21:00:18 ID:/k2gysHgO
- >>693
「……でか過ぎんだろ……」
生体感知に引っ掛からなかった事もあり、完全に油断していた暁は呆然とキメラの姿を見上げた。
あの三人は無視する事にする。こちらは命掛かってる状況だ。漫才に付き合う暇は無い。
「……逃げの一手だな」
ばさりと焔の翼を羽搏かせ、暁はキメラと正対したまま後方――遺跡の内部へと飛翔する。
- 695 :虹色三騎士 ◆6xc12amlNk:2010/07/05(月) 21:12:12 ID:.6prKP66O
- >>694
【暁が遺跡内部に進入を続ける、怪物は振り向き暁を見やる】
【いま、何故この怪物が反応しなかったのか……】
【暁は着々と遺跡を進んで行くのだが】
『グォオォォーン!!』
【それは唐突に、蛇の頭と巨大な爪が壁から生え、暁に迫る】
【反応しなかった理由、それは、こいつが生物では無いから……では、こいつは一体何なのか?】
- 696 :朝宮暁:2010/07/05(月) 21:17:19 ID:/k2gysHgO
- >>695
「だああああうっぜええええ!」
暁は大声で悪態をつく。生命体なら確実に感知出来る自分の感能、何らかの敵と戦う時は常にこれが頼りになった。
頼り過ぎた、とも言える。
感能が働けばどこからどこら攻めて来るかが簡単に判る。しかし今はそうじゃない。
「……だが、何もてめえを倒すつもりはねえぜ」
――――目標はこれを倒す事ではないのだから。
暁は遺跡の中を羽搏き逃げながら生命感知の範囲を広げる。探るのは勿論、旦那様の位置だ。
- 697 :名も無き異能都市住民:2010/07/05(月) 21:20:51 ID:NGBHd25Q0
- //途中参加しても大丈夫でしょうかかかか
- 698 :三つの刄と錬金術:2010/07/05(月) 21:29:43 ID:.6prKP66O
- >>696
【暁が再び感覚を研ぎ澄ます……
目標の反応は確かに在った……
しかし、その感覚は曖昧な物で、暁のすぐ後ろ、ともすれば遥か彼方、全く安定していないのだ】
【そして四方から迫りくる巨大な蛇の尾、爪、そして巨大なライオンの強靱な牙、羊とは思えぬ程の大角、グリフォンの觜など、全てが全て壁や地面から生え、乱舞の如き攻撃が続く】
- 699 :朝宮暁:2010/07/05(月) 21:37:30 ID:/k2gysHgO
- >>698
「……この遺跡自体に感覚撹乱されてんのか……? ああ、」
蛇の尾を身を縮めて避け、迫る爪に翼を羽搏かせて回避動作を打つ。
「ったく……ッ!」
び、と肩口が避けて血が吹き出した。しかし痛みを意に介している暇は無い。
グリフォンの嘴を焔の籠手を鎧う右手で受け、羊の大角を蹴って後方に飛んでライオンの牙を避ける。
「じり貧だぞこりゃあ……!」
暁は羽搏く速度を上げた。こうなったら旦那様とやらをさっさと見つけて逃げるしかない。
「ダンナサマ――! 聞こえるなら返事してくれ――!」
- 700 :カノン・カペルマイスター/人型(女性):2010/07/05(月) 21:48:27 ID:NGBHd25Q0
- 「たまにはあれだ、遠出するのも悪くないなー。
こんな面白そうなもん見つけるんだから、さ」
遺跡の入口の前。
光翼を背負った女が何故か仁王立ちしていた。
銀の髪を揺らして、
「声がすんな。……何かしかヒャッハーなことでもやってんのかね?」
面白そうだなあこれは。
そう呟き、遺跡に足を踏み入れた。
- 701 :三つの刄と錬金術:2010/07/05(月) 21:54:08 ID:.6prKP66O
- >>699
【暁の呼び掛けも虚しく返事は無い、在るのは壁から発生したキマイラが突進してくる光景だけ】
『グルルルッ』
【その巨大な体躯とスピード、少しずつ着々と距離を詰められる……
そして感じる違和感】
>>700
【入り口付近に焚き火を囲んでマンガ肉を頬張る三人を越し、カノンは遺跡の中へ】
【その瞬間に現われる二匹目の巨大なキマイラ……
ライオン、グリフォン、羊の頭を持ち、尾には巨大なバジリスク……】
『グルルルッ……』
【カノンの姿を確認した瞬間、巨大な爪が薙ぎ払われ、襲いくる】
- 702 :カノン・カペルマイスター/人型(女性):2010/07/05(月) 22:01:33 ID:NGBHd25Q0
- >>701
……アレ漫画肉だったよなあ……。
しかし食べられないのでここはスルーである。
あとついでに絡まれると中に入りにくそうだったし。
「……あ?」
そして目の前に現れるキマイラ。
巨大だが、
「――――――俺よりはちいせえなァ!!」
目には目を、歯には歯を。
ならば爪には爪を――――だ。
右腕の振り下ろしとともに虚空を裂いて現れるは長大な金属製の竜の爪であり、
「そうーれっ!」
襲う鋭さを迎え撃つ。
- 703 :朝宮暁:2010/07/05(月) 22:02:50 ID:/k2gysHgO
- >>700
ふざけんなよクソが――――!
クソが――――!
ソが――……
が――……
…………
木霊する叫び声の主は、音を操るカノンなら簡単に判るだろう。
朝宮暁だ。
>>701
「…………良い加減にしろよ」
ぶち、なんて音が頭に響いた。違和感は確かに感じていたが、最早それ処ではなくなった。暁は羽搏きを止めて翼を仕舞い、その場に足を下ろした。
瞳は凄まじい速度で疾駆してくるキマイラに釘付けられ、その両手足に灯された焔は火勢を上げる。
「……てめーなんぞに構ってる暇はねえんだ。好き勝手しやがって」
翼を構築していたエネルギーをそのまま身体能力の強化に回す。拳は硬く、膂力は強く。
――身体能力の強化に力を回せば、岩盤を叩き割る位は余裕で出来る。
「来やがれ。ブッ壊してやる」
疾駆してくるキマイラを睨み、暁は待ち構える。
- 704 :三つの刄と錬金術:2010/07/05(月) 22:12:48 ID:.6prKP66O
- >>702
【大きな爪同士がぶつかり合い、遺跡の壁が崩れていく】
【キマイラよりも遥かに巨大な竜の爪、それはいとも容易くキマイラを粉砕し、道を広げるのだが……】
>>703
【二匹目は簡単にカノンに破壊された
暁のはどうだろうか?
パワーは足りるか?足りるだろう……
怯まずに暁に真っすぐ突進してくるキマイラの姿……攻撃のチャンスである】
- 705 :カノン・カペルマイスター/人型(女性):2010/07/05(月) 22:18:00 ID:NGBHd25Q0
- >>704
「俺・超・進・撃……!!的な――――!!」
笑みは強気のもの。
余裕ある歩みで進み、キマイラのいた位置を乗り越え、
「……しかし、やけに脆かったなあ……。ナマモノじゃねえのかな」
……鼓動はしてた気がするんだけどなー、でも最近アレだしなー。
思い、
>>703
「……おk、馬鹿一人ゲット」
流石だな俺、と呟きを追加。
声のした方へ進み、暁と合流しようとする。
- 706 :朝宮暁:2010/07/05(月) 22:20:20 ID:/k2gysHgO
- >>704
「ン、」
此方も疾駆を開始。強化された身体能力を秘める脚は一歩踏み込み地を砕き、二歩踏み込んで火粉を散らして地を捲る。
「――だッ」
狙いは真っ直ぐ。放つは右拳。焔と超常の膂力を持って、
「らァああああああ――――ッ!」
キマイラの顔面に向けて撃ち放つ。
- 707 :三つの刄と錬金術:2010/07/05(月) 22:27:06 ID:.6prKP66O
- >>705
『見つけた……』
【うっすらと声が聞こえた気がする……】
ボンッ
【地面を割る程の衝撃と共に再び現われる何か……人型の何かである事は間違いない……しかし、それは赤とも黒とも判別出来ぬ色の人影である】
「……」
【影は何も言わずに刄を振るう……
その斬撃は瞬間的に壁を切り裂きながらカノンに迫る】
>>706
【爪を振るい襲い来る巨体……そして迎え撃つ暁】
【その体格とは裏腹に凄まじい破壊力を誇る右拳がキマイラの、真ん中であるライオンの額を捉える】
【まるで分厚い装甲板を彷彿とさせるキマイラの防御力を越え、暁の拳がキマイラを砕く】
- 708 :朝宮暁:2010/07/05(月) 22:30:54 ID:/k2gysHgO
- >>707
「へ、始めからこうしときゃ良かったな」
微かに裂けた拳の皮膚を一撫でし、いてて、なんて呟いた。
「……んじゃ奥行くか。早いとこ見付けねえと何が出てくるやら」
はあと嘆息を一つ。暁はダンナサマーと叫びながら、遺跡の奥に向けて歩き出した。
- 709 :カノン・カペルマイスター/人型(女性):2010/07/05(月) 22:35:14 ID:NGBHd25Q0
- >>707
//振りは横…ですよね
現れた人影に溜息を一つ。
「やれやれ、」
刃が振るわれる直前にしゃがみ、
「人気者は、」
束ねた髪を中途から切られる。
不格好になったなあ、と思うが半分に断たれるよりはましだろう。体を。
そのまま地に両手をつき、
「辛いね…!!」
身を押し出すようにして加速。
超超低空飛行で”何か”の横をすり抜け、逃れようと試みる。
- 710 :三つの刄と錬金術:2010/07/05(月) 22:40:32 ID:.6prKP66O
- >>708
【そろそろ気付くだろうか?
先程から同じ光景、同じ道……
永遠と続く廊下……】
【そして背後からの足音……
貴方は一度周り調べる為に立ち止まっても構わないし、ただただ進み続けても構わない、そして、背後からの足音の正体を確かめても……】
>>709
//横ですぜ
【カノンは黒い影の横を通り抜ける事が出来た……
そして暁が見える所まで辿り着いた】
【貴方は今、暁の数メートル付近にいる
暁はダンナサマーと叫びながら歩いていた】
- 711 :朝宮暁:2010/07/05(月) 22:44:07 ID:/k2gysHgO
- >>710
「あー、今度はなんだよやってらんねえ。つかなんなんだこの遺跡。いっそブチ壊すか」
ブチブチと呟きながら振り返る。
- 712 :カノン・カペルマイスター/人型(女性):2010/07/05(月) 22:47:45 ID:NGBHd25Q0
- >>710>>711
……おっしゃ抜けた!
一度天井間際まで舞い上がって適度に減速。
着地し、進みを歩きに変えて、
「お、」
暁が見えた。
何やらうだうだ呟き、振り向こうとしていたので、
……感動の再会を演出せねば!
「あァ――――かつきく――――――――ん!!!!!」
全 力 で ダ ッ シ ュ 。
そのまま暁に飛びついた。
- 713 :三つの刄と錬金術:2010/07/05(月) 22:54:12 ID:.6prKP66O
- >>711
【振り向いた暁の眼前に存在したのは黒い人型の影
ゆっくりと歩き、暁に近づいてくる】
【手には剣を持ち、それは引きずられながらも、確実に地面を切り裂いていた】
>>712
【暁とカノンは無事に合流するも、カノンには見えるだろうか?
暁の後ろから先程の人影が歩いてきている】
>>711>>712
【暁の背後に黒い人影、カノンの背後にも黒い人影……
二人は挟み撃ちに合う】
- 714 :朝宮暁:2010/07/05(月) 22:58:49 ID:/k2gysHgO
- >>712
「おいおい待ち草臥れたぜ。ま、お前を待つ時間ってのも悪くは――なんて言うと思ったかボケ!
抱き付くんじゃねえよ俺は男に――いや今回限り特別に許可。お前全力で抱き付いて良いぞ」
感動の再会ノリツッコミ後、暁はキリッと顔を引き締めながら抱き着いてきたカノンを抱き止める。
理由はただ一つ。単純明快であった。
「……まああれだ、名残惜しいが遣るぞ。後ろ頼むわ」
暁はカノンから離れると同時、カノンの後ろに立つ。
この理由もまた単純。
>>713
カノンの背後から来る相手に、正対するために他ならない。
「ったく、忙しいねえ」
剣を持った相手を前に、暁はその出方を見る。
- 715 :カノン・カペルマイスター/人型(女性):2010/07/05(月) 23:08:43 ID:NGBHd25Q0
- >>714
「わーい全力で抱きついちゃうぞーなんて言うと思ったか馬鹿め!!
にしてもやだなあ暁君…俺の体が目的だったの…?」
どこぞの昼ドラのごとく。
「……あ、つーか後ろからエセアンスパ?お前の方にも来てんのか」
離れ、そして暁の後ろに立つ。
背中は任せた、などと軽口をたたき、
「忙しいっつーか、俺よく趣旨理解してないんだけど何のイベントよコレ」
>>713
「おーおーよく切れる剣ですこと」
右手をそっと前に。
いつでも弾ける体勢でもって、
「お前が何なのか、喋れるならおくたばり遊ばす前に聞いておくよ?」
- 716 :三つの刄と錬金術:2010/07/05(月) 23:14:22 ID:.6prKP66O
- >>714>>715
【二人は二つの人影に意識を移す】
【しかし、その二人の肩を何者かが掴む……
それはまた現われた黒い人影……それは悪霊の用に二人の背後にいつの間にか存在していた】
【黒い影は二人を貫こうと、その刄を繰り出していた】
- 717 :朝宮暁:2010/07/05(月) 23:20:33 ID:/k2gysHgO
- >>715
「チッ……まあ良い。仕方ねえな俺は義理堅い男だ、一瞬感じた柔らかい感触に免じて教えてやる。
ダンナサマとか云う白くて緑の人を探しだして、でけえ邸に連れっていったらゲームセットだ。賞品は俺の飯代」
背中合わせのカノンに言って、視線は隙無く敵を見る。
「そしてアレだ、フォーメーション挟み撃ちだ」
>>716
強化された肉体は獣染みた反射を見せる。放たれた刃を暁は両手で挟み込む。
――白刃取り。
「おォらあッ!」
ついで放たれたのは焔を纏う前蹴り。爪先は人影の腹部に肉薄する。
- 718 :カノン・カペルマイスター/人型(女性):2010/07/05(月) 23:26:56 ID:NGBHd25Q0
- >>717
「うわあ……柔らかい感触とか……人間ってわからねえ……
……成程、つまりは人探しか」
じゃあ音でも聞いておくか、と思い、
「うむ、まったくもって完璧な挟み撃ちだよね。クッキーサンドも真っ青じゃね」
>>716
//背中合わせなんで人が立てるようなスペースないですよー
畜生この幽霊モドキめ挟み撃ちとは生意気な―――!!などと思う暇はない。刃が来ている。
だから、
「刃には刃を、って言えたらいーんだがな」
右手の指を弾く――のではなく。
拳にして横に払い、
「俺の剣はこれってことで…!!」
キマイラに対して召喚され、一度収納された物が再び出現。
竜の爪が剣を迎撃する。
- 719 :三つの刄と錬金術:2010/07/05(月) 23:37:44 ID:.6prKP66O
- >>717
【黒い人影の刃は白刃取りを擦り抜け、暁の肩を貫く……】
【一方、暁の攻撃、前蹴りは黒い人影を捉えるのだが、擦り抜けてしまう……】
【敵の攻撃は当たる、しかしこちらの攻撃は当たらない……
なんとも奇妙な状態……】
>>718
【カノンの攻撃はちゃんと命中するはずなのだが、黒い人影はそれに意を介せず、まるで擦り抜けたかのようにカノンの攻撃前と何も変わらなかった】
>>717>>718
【二人の攻撃は人影に対して全くの無力、それどころか、相手の攻撃だけは当たると言う始末】
【そして、壁から次から次へと湧き出る黒いはずなのだが人影……】
【狭い廊下が湾曲し、巨大なホールに変わる
二人の周りは無数の人影と、さきほどのキマイラの大群に囲まれてしまう】
【君達はここで抵抗を続けても構わないし逃げに撤しても構わない】
- 720 :朝宮暁:2010/07/05(月) 23:43:16 ID:/k2gysHgO
- >>718>>719
「生命としての本能だ。男のサガとも言う。興味が有るなら繁殖活動してみっか?」
ケケケ、なんて演技染みたいかにもゲスな笑い声をカノンに向けて上げてみる。
「――――んなッ!」
瞬間、驚愕と痛みに暁は眼を見開いた。摩り抜けた。どちらも。
ついで風景が変わる。
「あー……カノン? 上に一時退散しようぜ」
ば、と焔の翼を広げ、暁はホールの天井へと飛翔する。
- 721 :カノン・カペルマイスター/人型(女性):2010/07/05(月) 23:50:11 ID:NGBHd25Q0
- >>719>>720
「おことわりします(゚ω゚)
つーかそういう何というか人体の機能的なサムシングは俺にはないよ!」
両手を挙げてNO THANK YOUのポーズ。
人影を爪がすり抜けたことに眉を寄せ、
「……当たり判定がねえのか、それとも物理無効なのか…微妙なところだなコレ」
応、と暁に答えて光翼が瞬く。
ホールの天井付近へと飛んで、
「下がどこのゲームのイベント戦闘みたいなノリになってるというか」
……ご主人様とやら、よくこんな危険な場所に居られるな…!!」
- 722 :三つの刄と錬金術:2010/07/06(火) 00:01:12 ID:.6prKP66O
- >>720>>721
【暁とカノンが避難したのはホールの天井……天井からさらに黒い人影がドンドンと発生するから質が悪い……
地面に落ちながら暁に対して刄を振り回す、防ぐ事は不可能と先程の攻撃でわかっただろうか?
しかし、避ける事は可能である】
【キマイラは依然として天井から蛇、羊、ライオン、グリフォンの怒濤の攻撃を繰り返している】
【辺りはスッカリ囲まれ、天井も地上も敵だらけ……
君達は何か、いい考え張り巡らせ、この場を対処しなければならない】
【ヒントは暁が遺跡に入った後、キマイラは三騎士では無く、暁のみを狙った事】
【カノンが遺跡に入った後、新たなキマイラが出現、増殖した事】
【黒い人影に攻撃が通じず、自分達だけが攻撃を受けた事
背中合わせの二人を押し退けずに、何をされたでもないのに二人の背後に人影が存在した事】
【三騎士が今、外で余裕綽々でマンガ肉を食べていた事】
【そして、暁の感覚に反応した旦那様の位置が近くだったり遠くだったりした事】
【全て、二人の不利で、キマイラ、人影の有利に働いた事】
- 723 :朝宮暁:2010/07/06(火) 00:08:42 ID:/k2gysHgO
- >>721>>722
「マジかよ残念極まりねえぜ。この状況と同じ位にはな! ダンナサマとかこの際後だ! まずこの状況を何とか――」
本当に残念極まりない。下を見れば敵、敵、敵、敵。危機も危機、下手をすれば絶対絶命。
そう思考を巡らせたところで天井からも湧き出る敵。
「――……したいとこだが、冗談じゃねえぞ」
しかし、空中の動きならこちらが上だ。翼を利用して機敏に動き、人影の振るう刃を避けていく。
キマイラの攻撃は何度か受けて、痛みが走るが気にしている場合ではなかった。
「――……駄目だ。訳わかんねえ。逃げるしかねえんじゃねえのか、こりゃ……」
暁は呟く。良い解決策は、まるで浮かばない。
- 724 :カノン・カペルマイスター/人型(女性):2010/07/06(火) 00:23:28 ID:NGBHd25Q0
- >>722>>723
「おお神よ俺はまた一人罪深い人間を生み出してしまったようです。……なんてな」
――――防げないなら防がなければいい。
……暫く人型は取れなくなるけど。
だが考える時間は手に入る。
「今のところ、俺らが全開で不利だよな」
迫る全ての攻撃を受ける。
「でもあの遺跡の外に居た奴らは平気だった……そもそも、何でこいつらは外に向かわない?」
血ではなく光の粒が散る。
「第一さっき強制エリア移動させられたしなあ……。もうこれさあ、」
人の形を構成する”力”が大気に溶ける。
「夢オチだったら、俺泣くよ」
光の翼が震えた。
――――――――――――揺らぐ波間の 光に祈りを 祝福を…
発されるのは音の連なり。一つの旋律で、
――――――――――――presia kiafa hymme mea...
(どうか、私の声を聞いて)
打ち振るわれる腕に纏わりつく、「傷によって散った、今のカノンの肉体を構成していた”力”」。
不可視のそれは、舞うような動きによって方向性を持ち、
――――――――――――hyear kiafa hymme mea.
(ねえ、私の詩を聞いて)
「さっきから随分斬られたから。――――返すぜ」
地へと放たれる、魔力による斬撃の一撃。
- 725 :三つの刄と錬金術:2010/07/06(火) 00:36:09 ID:.6prKP66O
- >>723>>724
【カノンの一撃は地を砕き、キマイラと黒い人影の大群を飲み込む】
【しかし、キマイラは砕けるものの、黒い人影は一向に消えはしなかった】
【黒い人影はさらに数を増してホールを埋め尽くすのだが……】
【次の瞬間風が舞い起きる……
ホールの中心に渦を巻くように風が起き、黒い人影、キマイラの残骸を吸い込んでいく】
【全て吸い込まれた瞬間、辺り一面に光が広がり二人を包む】
【二人が収まる光の中見たものは、ホールの中央で赤い石を眺めながら一息就く白服でミントグリーンの髪色の男の姿だった】
「いやぁ、いい感じになったなった!」
【気付くと二人の怪我は消えている、どうやらこの男が何かをしたようだった】
- 726 :朝宮暁:2010/07/06(火) 00:42:02 ID:/k2gysHgO
- >>724>>725
「うるせえ俺は元からこうだ。罪深い人間を産み出したと思うなら罪深い人間を産み出した罪に対するTUGUNAIを要求すんぞバカヤロー!」
焦り混じりの早口言葉。次々産み出される敵を睨み付けて策を考えるが、しかし良い案は生まれない。
――――瞬間。
「ダ、ダンナサマかッ!?」
現れた白に緑の男。気付けば体の傷は消えている。
「……は、え?」
- 727 :カノン・カペルマイスター/人型(女性):2010/07/06(火) 00:49:59 ID:NGBHd25Q0
- >>725>>726
「TUGUNAI?なにそれうまいの?」
抱きつく程度ならやってやんよ、と軽く答えて、
……こりゃもう暁だけでも逃がすしかねーか。
どうやって逃せばいいか、それは分からないが――
と、思考の渦に突入する寸前。
< ゚∀゚〉 ←※カノン
<゚∀゚>
「……えーと、」
うん、と頷き、
「誰だオッサン!!」
- 728 :三つの剣と錬金術:2010/07/06(火) 00:54:21 ID:.6prKP66O
- >>726>>727
「……」
【二人を見上げて、“やっちまった”みたいな顔】
「あぁ……うん、大体わかった……」
【赤い石をしまって……ダッシュ!】
「三人とも逃げるぞぉ!!」
【逃げ出した】
- 729 :カノン・カペルマイスター/人型(女性):2010/07/06(火) 00:58:50 ID:NGBHd25Q0
- >>728
「うるせえてめえちょっと待て」
腕を振る。
竜の爪を上弦――の、目の前の地面めがけて落とし、
「説明責任とやらを果たしてもらいたいが、どうかなあ?」
- 730 :朝宮暁:2010/07/06(火) 00:59:00 ID:/k2gysHgO
-
>>727
「おお言ったなコラ。吐いた唾飲むんじゃねえぞ。だが……まあ、とりあえず」
逃げ始める上弦に視線を移し、
「とッ捕まえるぞオラァ――!」
紅蓮の翼を羽搏かせ、上弦に向けて飛翔する。
- 731 :三つの刄と錬金術:2010/07/06(火) 01:09:39 ID:.6prKP66O
- >>729>>730
「ふははははは!馬鹿めっ!
簡単に私を捕まえられるかな?
カバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディ!!」
【十分後、二人の前で正座する上弦と三騎士の姿がありました】
【何について聞きますか?】
遺跡での出来事
ここで何をしていたか
お前を消す方法
- 732 :朝宮暁:2010/07/06(火) 01:12:24 ID:/k2gysHgO
- >>731
「……とりあえず何をしてたのかと、俺らが経験したのは一体何だったのか教えてくれ」
笑いごとでは無いのだ。少なくとも自分は、死ぬ思いをした。
「…………」
- 733 :カノン・カペルマイスター/人型(女性):2010/07/06(火) 01:14:10 ID:NGBHd25Q0
- >>731
「ここは元ネタ的にお前を消す方法だろ……」
だがそれでは人殺しである。
札付きはもう勘弁なので、
「じゃあ俺は遺跡での出来事について聞こうかなー…って暁君それダブル取り?!出来る…」
- 734 :三つの刄と錬金術:2010/07/06(火) 01:23:17 ID:.6prKP66O
- >>732>>733
「何をしていたか、それは言えないな……しかし、君達が経験した事なら教えよう」
【立ち上がり語り出す上弦】
「まず、君達の後ろを見てほしい……遺跡の中……よぉく眼を凝らして」
【二人の背後に指を差し、遺跡の入り口を見るように指示する
そこには薄らと揺らめきが見えた……それは霧……】
「見えるかい?実はあの遺跡の中には霧が充満しているんだ」
【二人を交互に見やり、“ここまではいいかな?”と】
「アレは実は有毒な物でね?
とある手法を使えば問題は無いのだが、それを使わずに入ってしまった者は肉体と魂を引き剥がされるんだ」
【上弦の説明は終わらない】
「本当はこの三騎士に誰も近付けさせるなと言った筈なのだが君達は遺跡に入ってしまった……」
- 735 :カノン・カペルマイスター/人型(女性):2010/07/06(火) 01:25:37 ID:NGBHd25Q0
- >>734
彼(彼女)は呪った。
己の迂闊さを。
そして、
「―――――――だったら入り口であんなマンガ肉でキャッキャウフフさせるなよ!!」
話しかける気力もうせるわアレー!!と吠えた。
- 736 :朝宮暁:2010/07/06(火) 01:30:25 ID:/k2gysHgO
- >>734
「入らなきゃいけねえ理由があったからな」
け、と自嘲する。自業自得とでも良いたいのかと考えると、腹が立ってきた。
「肉体と魂を引き離されるとか知らねえしな。……どうしようもねえし。で、そうなるとどうなんだ?」
- 737 :三つの刄と錬金術:2010/07/06(火) 01:42:51 ID:.6prKP66O
- >>735>>736
「……まさか本当に人が来るとは思わなかったんだ……
そしてだ……知ってるか?
死者は……生者を羨むらしいんだ……」
【二人に眼を合わせ】
「君は、この騎士たちが楽しそうに見えて無かったかな?」
【カノンを見つめながら尋ねる】
「そして魂と肉体を引き剥がされるとどうなるか……
まず一つ、あのキマイラに食べられ、現世に吐き出される
二つ目……他の堕ちた死者の手により君達は真の死者となり、その肉体を奪われる……」
【キマイラは二人を助ける為に追って来たのだ……そして堕ちた死者とはあの黒い人影の事】
「この遺跡では、肉体から無理矢理引き剥がされた魂は最下位の弱さに位置付けられ、他の魂達に指一本触れる事は出来ない……
しかしその逆、堕ちた死者は一方的に君達に触れる事が可能となっている……」
【二人を交互に眺めて再び】
「その上、この遺跡の支配者は死者だ……君達最下位の魂の行動は全て、全て彼らの思うがまま」
【背中合わせの二人の背後に距離が出来、人影が入り込んだ理由はそれ……
つまり、君達は無意識に死者に行動させられ、自ら背中を明け渡した訳だ】
//まだ立ち去る事はしないでください
- 738 :カノン・カペルマイスター/人型(女性):2010/07/06(火) 01:46:12 ID:NGBHd25Q0
- >>737
楽しそうだからと言ってホイホイ突撃してはいけない。
今日の教訓であった。
「……はー、成程ね。
俺とか魂丸出しで魔力っぽいのの塊でちょう美味しそうだったってわけだ…」
ぺたりと地面に座り込んで俯く。
その姿にざざりとノイズが走った。
- 739 :朝宮暁:2010/07/06(火) 01:48:50 ID:/k2gysHgO
- >>737
「…………」
どうしようも無いなと暁はあんぐりと口を開けた。
上弦が今語ったその知識が無ければ、どうしようもない。自分では何も出来なかった。
「……んだよ、ピエロも良いトコじゃねえか」
結局自分は何も出来なかった。助けられた位だ。一体何のためにきたのかと考えて嘆息する。
>>738
「……おい、大丈夫か?」
ノイズの走った姿に声を掛ける。
- 740 :三つの刄と錬金術:2010/07/06(火) 01:54:32 ID:.6prKP66O
- >>738>>739
「まぁ、だった……じゃなくて……今も君達は死んでいる状態なんだよね……」
【二人に叩きつけられる衝撃の事実……しかし】
「そしてこれが君達の肉体でぇぇぇす!!」
【上弦と三騎士は変なポーズをしながら二人の肉体を示す】
「回収してたから、君達が何をされても戻ってこれたんだよね!」
【三騎士や上弦が余裕丸出しな理由はそれである】
「戻り方は簡単!自分の肉体に飛び込みましょう!」
- 741 :カノン・カペルマイスター/人型(女性):2010/07/06(火) 01:59:26 ID:NGBHd25Q0
- >>739
「もーんだいない」
最近よくあるんだよね、と続けて。
>>740
「……へいへい」
ずるり、と溶けるように戻るというか融合というか。
「あれだ、……帰っていい?特に帰る場所もないけど俺帰っていい?」
ぐったり。
- 742 :名も無き異能都市住民:2010/07/06(火) 02:01:38 ID:/k2gysHgO
- //すいません、このまま行くと暁の設定の根幹を丸々潰さなきゃいけなくなるので、今回暁は参加してなかった事にさせて頂けないでしょうか
//我が儘でホントすいませんorz
- 743 :三つの刄と錬金術:2010/07/06(火) 02:05:57 ID:.6prKP66O
- >>741
「いいよ!もう体に害はありません、帰りたいなら帰っていいよ」
【言う程、重大な事では無かった様です】
>>742
//いいよ
- 744 :カノン・カペルマイスター/人型(女性):2010/07/06(火) 02:11:05 ID:NGBHd25Q0
- >>743
「へーい」
でろん、という効果音が似合いそうなぐったり具合で浮き上がる。
浮力を生んでいるのは光翼です。
「……オマエさ、あれだ。
何か心配かけてるらしいから、家族居るならさっさと帰った方がいいよ…」
じゃね、と手を振る。
ゆるゆると飛んで、途中で竜の姿に変わり、夜の闇に消えて行った。
//お疲れさまでしたー中途参加許可ありがとうございましたっ
- 745 :三つの刄と錬金術:2010/07/06(火) 02:18:23 ID:.6prKP66O
- >>744
「何かよくわからないけどお疲れさま」
【手を振り見送る上弦と三騎士】
【四人はその後、アトリエに戻り、こっぴどく怒られました】
- 746 :――――:2010/07/06(火) 21:33:41 ID:7jE6yumoO
- 【千夜記念病院】
病棟の地下深く。そこは“特殊なケース”の患者だけが運び込まれる場所。
脱走を防ぐ為の術式が幾重にも展開された室内。
中央に配置されたベッド。それを取り囲む装置が一定のリズムで電子音を刻んでいた。
左目を仰々しい黒革の眼帯に覆われた女は苦悶の表情を滲ませながら汗ばむ身体を横たえていた。
「ふむ……」
その姿を眺める、いや、観察する人物が居た。
子供の様な小柄な身体。無造作に伸びた白髪は目許を覆う。純白の布で全身すっぽり隠し、その姿はてるてる坊主を彷彿させた。
「成る程成る程……これは面白い」
彼は数回頷くと、前例の無い反応を示した試験管を眺める研究者の様に感嘆の声を上げた。
- 747 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/07/06(火) 21:41:06 ID:/k2gysHgO
- 拳を握れば以前と同じ力が感じられる。意識を全身に巡らせる事も出来る。
「――……」
集中すれば自らの力が黒い陽炎となって立ち昇る。手を伸ばせば其処に剣を掴む事が出来る。
「完治だ」
真紅の髪眼の女は千夜グループ軍事部門の制服に似た漆黒の凱套を羽織り、自らの病室を出た。
向かう先は、地下。
>>746
目当ての場所まで歩いて来た女は、病室の扉をノックする。こん、こん、こん、こん、と小さな音を響かせる四度のノック。
そうして、反応を待つ。
- 748 :――――:2010/07/06(火) 21:47:29 ID:7jE6yumoO
- >>747
入室許可を請う音が鳴り終わった数刻の後、扉はひとりでに開いた。
一つだけ配置されたベッド。
横たわるは友であり、好敵手でもあるニナ・シュガリアの姿。
そして
「…………」
それを見詰める一人の人物。
- 749 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/07/06(火) 21:54:04 ID:/k2gysHgO
- >>748
虚無的な程白い部屋に鮮やかな真紅が色を差す。真紅の髪眼の女は友の座るベッドの傍まで進み出ると、苦し気な其の表情に微かに眉を顰めた。
「苦しそうだが」
ニナの顔を見ながら蔡生は口を開いた。凛然と響く言葉はてるてる坊主の様な此の部屋に居る第三の人物に向けられた物。
「其の理由は何だろうね」
- 750 :――――:2010/07/06(火) 21:59:33 ID:7jE6yumoO
- >>749
「おやおや、何方と思えば夜刀神の……」
全身真っ白な人物は同様に、向けられた視線其の侭、言葉だけを蔡生に向ける。
「彼女は、悔いているのですよ。そして罪の重さに耐え切れず壊れてしまった……とでも言っておきましょうかね」
- 751 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/07/06(火) 22:06:24 ID:/k2gysHgO
- >>750
「そうなるのが尋常か」
あれだけの事をしたのだ。そうなるのも無理は無い。――そんな事を考えながら蔡生はニナの髪に白い指先を伸ばす。
「丸くなった、と云うべきか。以前の君なら街の一つや二つ壊しても揺るぎはしなかっただろう」
柔らかな微笑と共に紡がれた言葉は優しい響きを持っていた。其の侭ニナを見て、軈て蔡生は再び口を開く。
「壊れた彼女が元に戻る可能性は」
再び、白い人物に問う。
- 752 :――――:2010/07/06(火) 22:21:00 ID:7jE6yumoO
- >>751
蔡生の指先に汗で濡れた髪が触れる。額に浮かぶは脂汗。
後悔、という言葉を直接脳髄に押し込められているのではないかと思う程彼女の顔は苦しそうに歪んでいた。
「彼女は“知ってしまった”んですよ。内に潜む獣、もう一人の彼女、メリトに“隠されてきた罪”をね」
彼の言葉に同情等という感情は含まれていない。
ただ、淡々と“起きた事”を話しているだけに過ぎなかった。
「脆い彼女の精神はあっという間に壊れてしまった。それは当然です。彼女が刻んできた咎は“ニナ・シュガリア”では耐えられないんですから」
可能性、それを問われた小柄な人物は数刻の間黙考した後
「壊れた心。それを蝕んでいく“もう一人の彼女”……」
「はっきり言いましょうかね
“ニナ・シュガリア”が戻る可能性は無に等しいかと」
それは呆気なく告げられた。
- 753 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/07/06(火) 22:33:09 ID:/k2gysHgO
- >>752
「そうか」
呆気無く紡がれた言葉に対する反応は、余りにも味気無い物だった。白い指先は取り出したハンカチでニナの汗を拭う。
「私には其の罪が何なのかは判らない」
――此れで綺麗になった。
小さく呟いた蔡生の白皙の顔貌は優しい微笑を浮かべて居る。
「だが、私は彼女を待つよ」
基より、夜刀神蔡生の生は無を有に覆す事から始まっているのだ。才能の有無を覆し、生死の有無を覆し、希望の有無を覆す。
才能等存在しない。最早自分は死んでいる。可能性は零に近い。――そんなものを覆して来た。
だから、ニナの帰還は有り得ない物だとしても、然し彼女にとってはそんな事等如何でも良い。
「君はニナの関係者か、とても詳しい様だが」
- 754 :――――:2010/07/06(火) 22:47:54 ID:7jE6yumoO
- >>753
ハンカチで拭われ、幾分何時もの美貌を取り戻していたが
「――――……なさい」
今度は瞳から流れ出した雫が彼女の肌を濡らす。
「……ごめんなさい……ごめんなさい」
掠れた声で紡がれる懺悔の言葉。
繰り返しに発せられたそれはやがて声のみを失い、桜色の唇のみが震えながら言葉を刻む。
「そうですね、いくら夜刀神の一族である貴女でも、此の状況を打破出来る術は持ち合わせていない
待ち続け、彼女の為に祈る事しか出来ないんです
無論、私もですが」
「目覚めた時は“廃人となったニナ・シュガリア”か“彼女の身体の主となったメリト”か……」
それはあくまでも一人の科学者が実験の結果を予想する様に。
「関係者、といったらそうなりますかね
ただ、彼女は我が店のお得意様なだけですよ」
- 755 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/07/06(火) 23:04:40 ID:/k2gysHgO
- >>754
ニナの言葉に蔡生は其の目許を拭うだけだった。言葉は紡がない。ただ、優しく其の目許を拭うだけ。
自分に向けた物では無い謝罪の言葉に答える程彼女は傲慢では無く、そして事情も知らずに励ます程甘くも無い。
「ああ。基は戦う為に造られた種族の一人だ。どれだけ権力を暴力を財力を得ても、母を求めて泣く赤子を泣き止ませる事は出来ない。
其れと同じだ。こういう時には無力を感じる。倒れた友を助ける事も出来ずに何が力だとね。
――だが、力は無駄にはならない。徒労に終わろうが、為せずとも何かをするだけの力は有る」
其の為の力だ。
「……成程、こうして話すのは始めてか」
其の正体に何と無く合点が言った女は、初めて視線を白い人物に向ける。
- 756 :――――:2010/07/06(火) 23:20:41 ID:7jE6yumoO
- >>755
「此の世に起きた出来事は此の世に生きる方々が処理をするのが道理です。我々はあくまでも傍観者……手を出してはいけないのでね
貴女の持つ力、此の世界が持つ力が一体何を引き起こすのか……我々はしっかり見届けさせて頂きますよ」
男はそう言うと目許が前髪で隠れた顔を蔡生に向け、ニッカリと笑った。子供が何かを期待するかの様な、屈託の無い笑み。
「お目に掛かるのは始めてでございますね。お噂はかねがね……」
す、と差し出された右手には何処からか取り出した一枚の紙。
白地に黒字でただ一言「ヨロヅ屋」と書かれていた。
「名はございません。勝手気ままに呼んで下さいまし
御用命の際は何時でも何処でも、例え火の中水の中閻羅の中」
「それでは、“世界からの反発”が身体に毒なので私は此の辺で……
それではご機嫌よう」
男の後方、耳障りな音と共に空間が“裂け”、あっという間に彼を飲み込んでいった。
- 757 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/07/06(火) 23:24:03 ID:/k2gysHgO
- >>756
「世界から反発を受けるとは親しみが湧くが――やれやれ」
くす、と笑って蔡生は近くから椅子を持って来て、ニナのベッドのすぐ傍に置く。
「……先ずは――仁樹を探さなければならないか」
小さく呟き、蔡生はそのまま、ニナを見た。
- 758 :――――:2010/07/06(火) 23:34:24 ID:7jE6yumoO
- >>757
「――――」
少し落ち着きを取り戻したのか、はたまた疲れ果てたのか、謝罪の軌跡を描く唇は止まった。
静寂の間に刻まれる音は彼女の寝息とベッドを取り囲む機械が発す無機質な電子音。
仁樹、という単語に少しだけ身体を震わした。
- 759 :南瓜:2010/07/09(金) 20:19:16 ID:ZY44/EXI0
- 【イベント名】凶報は異形の翼に運ばれて
【日時】本日20時30分より予定
【場所】Cスレ 異能都市某所、封鎖された地区
【概要】
(過去)
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12841/1246288872/133
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12841/1246288872/201
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12841/1246288872/214
――『観測局』よりの通達が都市のあらゆる情報媒体に流される。
――――異能都市上空を目指して飛行する、攻性を持つ未確認飛行物体を観測した。
公安局により範囲内の住民の避難は完了済みであり、現在観測局の防衛部隊が交戦中。
増援が間に合わない為、有志の協力を頼みたい。観測局3班の数名が待機中。
場所は、○区北東、○○通の交差点――――
【クエスト敗北条件】
全員の戦闘不能、または都市への致命的ダメージ
【クエスト勝利条件】
敵体勢力の全員戦闘不能、または都市への被害ゼロ
【注意】
途中でクエストの条件が変化する場合があります、ご注意ください。
人数に制限はありません。
ボスは俺TUEEE分をかなり含みます。また、能力の性質上、言い切りが多量にありますのでご注意ください。
選択肢を決定することでクエストが進んでいきます。選択肢が提示された場合、必ずお答えください。
-------------------
観測局員達は、モニターを見ながらつぶやいた。
「…まるで、肉の翼だな…能力は?」
「恐らく、細胞分裂。…あれも背中の細胞の増殖で作り出した翼よ。
こんなスケールの能力は見たことないけど」
「…ともかくも、協力者の到着を待つか…我々だけでは対処しきれない可能性がある」
集合時間まで、後少し。
- 760 :甲/無職浮浪:2010/07/09(金) 20:29:41 ID:KE2UskXwO
- 「……辛気くせぇ雲行きだと思えば…」
ビルの屋上
無人の建物と化したその頂で
「空が濁ってやがらぁ」
訝しげに空を睨む
- 761 :女と主従:2010/07/09(金) 20:30:35 ID:zSDpd/tM0
- 【某所 封鎖地区】
金と黒が入り交じる長髪を、真紅のリボンで纏めたアイリスがいた。
メイドから、このような情報(>>759)があると教えられた。
嘘か本当かどうであれ、アイリスは自らの足を使い、この場に来ていた。
観測局については話しに聞く程度だが、 どうだろうか。
「しかし…暑いね、どうも。」
- 762 :アイリス:2010/07/09(金) 20:31:36 ID:zSDpd/tM0
- //>>761の名前欄はアイリスで脳内変換お願いします。
- 763 :朝宮暁:2010/07/09(金) 20:32:17 ID:/k2gysHgO
- >>730
「まああれだよな、兄貴」
火を点けた煙草を口にくわえながら、赤毛混じりの黒髪の青年は空を見上げる。
「うざってえ雲は晴らすに限る」
- 764 :朝宮暁:2010/07/09(金) 20:36:04 ID:/k2gysHgO
- >>761
「よ」
空を見上げながら暁はアイリスに向けて手を挙げ、その手で口から煙草を離して紫煙を吹いた。
「こうして肩並べんのも三度目か」
- 765 :レイガー・バゼラード:2010/07/09(金) 20:37:18 ID:BXgiA4u60
- 「はて……指定された場所はここでいいのか?」
観測局からの情報に従ってたどり着いた場所
そこにボンヤリと立ち尽くす赤髪の男が一人
「確かそろそろ時間だったと思ったが……」
既にすぎているのには気づいていないようだ
- 766 :??????:2010/07/09(金) 20:38:48 ID:QJUbXfYc0
- 「ふむ……」
封鎖地区に現れた、一つの人影。
「此処が『例の箇所』、か」
- 767 :観測局員:2010/07/09(金) 20:41:45 ID:ZY44/EXI0
- 【最後に全体攻撃あり】
>>760
班長「やぁ、君は有志かな。助かるよ、何しろ敵が飛行するもんだから封鎖が
広くなっちまってな。対空装備はいまだに整ってねぇのが現状で、全く上は何をやってるんだか…」
局員A「班長、あちらも有志の方のようですが」
班長「じゃぁ、よろしく頼む。とはいっても、敵はこっちまでは来ないだろうが…」
>>761
班長「よろしく頼む。こちらも余り装備は整って無くてね、まだ攻撃はしかけてきていないようだが、
危険には変わりないんだ。」
>>763
局員B「あの、有志の方ですか?ありがとうございます!余りこの班は戦力も無くて、
一番手薄な場所だったので…」
そう、未確認飛行物体である敵はいまだこの班からは遠く、
安全を考えての増援である。万が一此処に来たら、その万が一を潰す為の増援。しかし。
観測局が展開している陣内のモニターから切羽詰った声が響いた。
慌ててモニターに戻る局員達。
班長「何だ、何事だ!」
観測局員A「…飛行物体、明確な敵意を持って防衛部隊を攻撃!…防御機能損壊、反撃として最適化攻撃を行ったようです」
観測局員B「防衛部隊、撃墜失敗のようです!細胞増殖のスピードが速すぎます!
死者はいませんが、部隊の防衛機能はもうありません!…対象も損傷しましたがまだ戦闘可能。…追加情報、背中に少女が乗ってます!」
班長「何ィ!?」
モニターを覗き込む観測局員。
遠くから砲撃の音が聞こえてくる。そして、遠くに見える赤い…肉色の物体。
観測局員B「…モニターはもう必要ないみたいです。…アレです、侵入者です!」
それは空を飛んでいた。大きな肉の翼、かろうじて人体の面影が僅かに翼の付け根に見える。
そして、その上に…白いワンピースの少女が居た。
翼は血を流しながら、ゆっくり旋回し、そして――此処に居る全員の前に落ちてくる!
爆発のような音と共に、落下地点の地面が吹き飛び、全員を襲う!
【全体攻撃】
- 768 :嘲笑者:2010/07/09(金) 20:42:08 ID:HJ5tIXFA0
- 「久し振りの休みだったのにね」
「ね」
苦笑いを浮かべたまだ幼い子供と、その手を握る幼女。
交差点にほど近いマンホールの上で、空を見上げている。
「お仕事じゃないけど」
「本来私達もするべきことだもの。協力しましょうよ」
「そうだね」
- 769 :GM:2010/07/09(金) 20:43:47 ID:ZY44/EXI0
- >>765,766
観測局員が何か言葉をかける間もなく。
巨大な飛行物体が空から落ちてきた。
優に5メートルはあるその肉体が地面と激突し、凄まじい轟音と共に、
彼らに向かって瓦礫を弾き飛ばした。
- 770 :朝宮暁:2010/07/09(金) 20:51:34 ID:/k2gysHgO
- >>767
「へッ、早速か!」
握り潰した煙草は腕に纏った焔造りの籠手によって灰塵と化す。
紅蓮に燃える脚甲が地を蹴り、背中から展開された焔の翼が熱波を撒き散らして羽搏き、暁の体は地を離れた。
吹き飛んだ地面とアスファルトの礫、砕けた砂塵を焔の翼で体を包む事で防ぎ、砂塵を切り裂いて上空に舞い上がった暁は、再び翼を広げる。
「……観測局の人らは無事――だろうが、やれやれ」
地上から30メートル程の高さで滞空した暁は、ふうと息を吐く。
「スリーみてえな真似しやがって」
- 771 :アイリス:2010/07/09(金) 20:52:44 ID:zSDpd/tM0
- >>760>>764
「やぁ、二人とも。あまり気持ちのいい夜ではないようだね。」
アイリスはリボンで纏めた髪を揺らし、二人と肩を並べる位置につく。
笑みを浮かべたアイリスは空を仰ぐ。
>>767
「有志と解釈してもらって結構だけど、僕の出番は余りなさそうだね。」
僅かに距離が離れている為、お互いの姿は確認できずにいるのだろう。
そして…侵入者<敵>は音と共に墜ちてきた…いや自らの意志で落ちてきたというのが正しいだろう。
「……やれやれ。」
アイリスの瞳が蒼から赤に変わり、直ぐに虹色へと至った。
その瞬間から、アイリスの見る世界は線に囲まれることになる。
来ると分かっていれば、対処は簡単であった。
自らに迫る岩石を躱していく。
細かいものには被弾しているが、致命傷には至らない。
「今夜は…やけに良く“視える”ね。他の皆は大丈夫かな。」
ちらりと、幾つか感じる気配の位置へと目を凝らす。
- 772 :甲/無職浮浪:2010/07/09(金) 20:53:05 ID:KE2UskXwO
- 「……ここ集合場所かなんかだったか…?」
訝しげな顔のまま振り返る先には何やら沢山の人
「……ま、良い――――」
――――ゴォンッ!!!
「――――か?」
遠く響く轟音
背後から沸き上がる多大な気配――明確な敵意
「―――」
瓦礫が迫る
「しまった…!格好つけてビルとか登るんじゃ無かった!?」
ガンガンと全面に来る瓦礫を蹴り砕きながら
逃げ場の無さと足場の不安定さを少し後悔した
- 773 :甲/無職浮浪:2010/07/09(金) 20:53:40 ID:KE2UskXwO
- 「……ここ集合場所かなんかだったか…?」
訝しげな顔のまま振り返る先には何やら沢山の人
「……ま、良い――――」
――――ゴォンッ!!!
「――――か?」
遠く響く轟音
背後から沸き上がる多大な気配――明確な敵意
「―――」
瓦礫が迫る
「しまった…!格好つけてビルとか登るんじゃ無かった!?」
ガンガンと全面に来る瓦礫を蹴り砕きながら
逃げ場の無さと足場の不安定さを少し後悔した
- 774 :嘲笑者:2010/07/09(金) 20:58:46 ID:HJ5tIXFA0
- 握ったままの掌を、津波のように向かって来る岩石と土砂の奔流に向けて。
正に第一波が直撃する瞬間、二人は双子のように完璧に同一のタイミングで掌を離した。
刹那にして互いの掌の間に莫大な熱が発生し、丁度二人共を巻き込む形で着弾する筈だった瓦礫は、
その一部を昇華させる。瞬間的な昇華によって産まれる圧倒的な圧力は、彼らに向かって来る瓦礫の軌道を逸らすのに十分ではあるものの、
反動は9歳児二人分の質量で受け止めきれる筈も無く、ざざざざとアスファルトを擦って後退してしまう。
おまけに彼等に当たる筈だったモノの大部分は逸らされた為に周囲のビルに大規模なダメージを与えているようだ。
「街に被害出ちゃったね」
「何を今更」
- 775 :レイガー・バゼラード:2010/07/09(金) 21:01:16 ID:BXgiA4u60
- >>769
「ちっ……いきなりこんな展開かよ。間に合わねえって!」
飛んでくる瓦礫に反応し、跳躍するがいささか遅かったようだ。
影が男を覆い、飲み込まんとするその瞬間
『Activate "Metal out"』
電子音が男の右手から鳴り、男の体が光に包まれる
「……まあいい、遅かれ早かれこうなるんだ」
『Take form Round』
光がひくと、そこには鎧をつけた男の姿が
「ファイナル、見せてやるよ」
- 776 :?????? → ファリス=ライアス:2010/07/09(金) 21:07:30 ID:QJUbXfYc0
- 「っと、突然……」
声の主は、唐突に迫る瓦礫に、何処か予め飛来を知っていたかのような調子で冷静に反応する。
「――『風壁・流々』」
人影━━━━白い衣の青年が、そう呟くと。
迫る瓦礫が周囲に不自然に逸れ、そして徐々に勢いを減らしながら落下していく。
「さあ━━━━始まり、ですかー」
- 777 :レイガー・バゼラード:2010/07/09(金) 21:08:29 ID:BXgiA4u60
- >>775が中途半端だったので追加
「……ぅおおおりゃあ!」
男はその体で瓦礫を掴み、放り投げる
瓦礫はそのまま虚空に向かって飛んで行った
- 778 :GM:2010/07/09(金) 21:13:23 ID:ZY44/EXI0
- 【言い切り攻撃あります】
落下の衝撃で、翼の上に乗っていた白いワンピースの少女が投げ出されるが、すぐに立ち上がり、翼の元へ駆けつける。
肉の翼は収縮していき、数秒後、一人の青年の姿に変わった。
腹部から血を流す青年は、呻きながら立ち上がる。
No.52「…くそ、本体の腹をやられた…っ!熱攻撃、まずいな、これは…」
No.31「だ、大丈夫?No.52!」
No.52「…いや、それよりも…多分、前の連中だッ!この状況で此処に人がいるわけがない、恐らく戦闘員…ッ!
『暴走変異』(ギガスミュータント)発動ッ!」
No.52と呼ばれた青年の体積が膨張していく。
腕から、足から、背中から肉が盛り上がり、筋肉の装甲とでも呼ぶような外見を形作る。
数秒後、そこには巨人が立っていた。先程の青年の面影を残しつつ、しかしその体躯は正に暴力を体現するような形で。
大木のような腕の先には、人間など簡単に引き避けそうな鋭利な爪が光っている。
No.52「No.31、援護しろッ!少しでも中心部へ近付くッ!」
No.31「うん!」
怪人が前に出て、少女は後ろに下がる。これが彼らの戦闘スタイルなのだろう。
局員B「少女の能力は未だ不明!あの怪物の能力は細胞分裂と増殖です!少女の能力の解析に移ります!」
観測局員達は衝撃の前に陣を張り、攻撃を免れていた。局員が叫び、別の局員が更に解析用の陣を張り巡らせる。
>>770
局員B「私達は無事です!それより、後ろの少女に気をつけてください!」
局員が叫ぶ。
No.52「…スリー?スリーを知っているのか、…くそ、戦い辛い、…No.31、あの距離は俺には無理だ、頼む」
No.31「うん、…『凝視凍結』(コールドストーカー)発動!対象、『視界』!」
キ――ン――。少女の青い目が見開かれた。そして、違和感。
それは、温度。周囲の温度が、いや、自分の体の温度が、――「下がって」いないか――?
>>771
No.52「避けた、か…ならば」
その巨大な腕をゆっくり引く。その間にも細胞は分裂し、増殖し…
No.52「引き裂いてやろう!」
横薙ぎに振るわれた大きな右手。その表面には、鋭利な爪がさまざまな場所から何本も生えていた。
棘の腕が、勢いよくアイリスに迫った。
>>772
キ――ン――。
落ちる甲は違和感を覚えただろう。
彼はNo.31の視界に入っていた。青い目が不自然に見開かれ、そして。
周囲の、自分の温度が、どんどん下がっていく。
No.31「お願い、通して!私の能力は、強制的に温度を奪う!このままじゃ、あなた達は氷になるから!
おとなしく逃げてよ!」
>>774
No.52「…厄介そうな奴等だな、先に潰して起きたいが…」
距離があるため、攻撃が出来ない。No.31は逆方向を向いている。
近づくにはチャンスだろう。
>>776
No.52「くそ、瓦礫は全然あたって無いのか、特攻し掛けたが無駄だった訳か…ッ!」
腹から血を流し続ける巨人。攻撃が届く位置に居ないため、敵を把握するだけにとどめている。
>>777
No.52「パワータイプか、それとも…くそ、敵が多すぎる、多数攻撃はNo.31の方が向いてるんだ、はやくそっちを片付けるんだ!」
No.52がNo.31に叫ぶ。攻撃なし。
- 779 :カノン・カペルマイスター/人型(女性):2010/07/09(金) 21:18:44 ID:e5mmnJXY0
- 「――――――未確認飛行物体と聞いて」
突如。
閉鎖区域に声が降る。
「なーんか派手にやってるけどよー」
音の主は空に居た。
それは宙空で仁王立ちする女性で、
「既確認飛行物体の俺の力は必要かな!?どうよ貴様ら!」
銀の瞳をきらきらと、好奇心で輝かせていた。
- 780 :レイガー・バゼラード/ラウンドフォーム:2010/07/09(金) 21:23:48 ID:BXgiA4u60
- >>778
「あいつら……結局ここで何をするつもりなんだ?」
今日ここに来ただけの男に内情がわかる訳もなく、ただ流れに任されるだけである
「……すまねえな。取り合えず、止めろって言われてんだよ!」
そのまま二人の方へと駆け出して……跳躍
「巨人野郎よりまずは嬢ちゃんだ」
そのままNo.31の三メートル後方に着地する
極力音を立てずに接近していき
「……動くなよ、嬢ちゃん」
拘束しようと腕を伸ばす
- 781 :朝宮暁:2010/07/09(金) 21:29:38 ID:/k2gysHgO
- >>778
「おお、良かっ――……ああ?」
観測局員に向けた言葉はNo.52の漏らした言葉によって中断される。
観測局員を振り返っていた顔は弾かれた様にNo.52に向けられ、暁は半ば呆然とした表情で言葉を紡ぐ。
「てめえ、まさか」
言い掛けた瞬間、体が冷えるのを自覚した。
何らかの異能の対象となっている事に気付いた暁は舌打ちを漏らすと同時に局員の言葉を思い出し、翼を羽搏かせる。
手足と翼の火勢を上げて、自分の体を暖めながら暁は少女に向けて飛翔するが、羽搏く度に撒き散らされる筈の熱波が、今や単なる温風とかしていた。
「――……ンなら、悪いが嬢ちゃん」
しかし翼は健在だ。暁は怪人を無視しワンピースの少女へと急降下。拳に纏うのは多少温くなってしまった焔。
「殴り飛ばさせて、」
急降下の先にはワンピースの少女。暁はその腹目掛けて焔纏う拳を弾頭とした一個の弾丸と化す。
「貰うぜッ!」
急降下しながら放たれる焔を纏う拳は、弾丸宛らの鋭さを持って少女の腹部に肉薄する。
>>779
「ちゃらけてねえでさっさと手伝え! ボケ!」
そんな聞きなれた声が聞こえるだろう。
- 782 :レイガー・バゼラード/ラウンドフォーム:2010/07/09(金) 21:31:48 ID:BXgiA4u60
- >>779
突如、聞こえて来た上空からの声
「あん? まだ敵が居たのか?」
機械を通した声をあげ、上を見上げると
----そこには仁王立ちの女性の姿が
「何かいるーーーー!!!?」
戦闘中にも関わらず、間抜けな声をだして驚愕の感情を最大限に表現した
- 783 :ファリス=ライアス:2010/07/09(金) 21:32:31 ID:QJUbXfYc0
- >>778
「ふむ、ひとまずは止まり、ですかー」
この距離では有用な攻撃がないのか、相手側からの動きはない。
「ならば、次は━━━━こちらの番を」
攻撃に使われている腕撃、視線。その孰れもが現状では自身へと向いていない。
「それでは……――――」
「――『交斬・錯裂』」
No.52の前方/後方の斜め上方/下方に左/右それぞれ合わせて8つ出現する風の刃。
2m程の距離を置いて現れたその風刃は、空を裂きながら一点━━━━No.52へと向かい迫る。
肉体的手段における攻撃射程外。これは━━━━━━━━
『魔術師』の、間合いだ。
- 784 :アイリス/虹色の瞳:2010/07/09(金) 21:32:40 ID:zSDpd/tM0
- >>778
アイリスは笑みを浮かべていた。
先程の様子から、能力の発動から能力使用後の結果は、相当早いと推測したアイリス。
横薙ぎに振るわれる剛腕に対し、アイリスは間合いを詰めると判断する。
魔眼も開いている。
向こう(敵)からやって来てくれているのだ。むしろ好都合というもの。
「君、僕と相性は良いようだね。」
既に視界は数え切れぬほどの線で埋め尽くされている。
それも、様々なものに。
ジャッと砂利が踏まれた音がする。
アイリスが数歩前進したのだ。その距離は、No.52の懐に入るのでは無く、
振るわれる剛腕が“通過する地点”と“自分の腕の長さ”から計算したものだ。
アイリスがNo.52と同じく腕を横薙ぎに振るおうとする。
それは“線”が走る箇所を触れる程度のもの。
だが、アイリスの虹色の魔眼では、剛腕を肉塊に還す力が宿っている。
「だから、君の相手は僕がするよ。」
ファイナリストである甲は恐らく大丈夫であろう。
ただ、空という戦場に揚がった暁は大丈夫だろうか。
>>779
「助けてくれると、ありがたいかな。」
巨体の前に対峙するのは、男の娘。
華奢な体に、剛腕が振るわれようとしているなかで、アイリスは腕を動かしているところだ。
- 785 :甲/"螺旋眼":2010/07/09(金) 21:34:09 ID:QQ1rhCTk0
- >>778
「相手は……二人?少ねぇ――――…っ」
戦局を、やや後方で見ていた甲は
「(―――これは…?)」
急速に落ち込む体温と
自分が"視られて"いる事に気が付く
「ち」
右目を手で押さえ―――頭髪が赤く染まる
「"螺旋眼"……起動だ」
緑色の渦が浮かぶ"邪気眼"で"体温を奪う視線"に相対する
"無限螺旋"を内包するその眼で体内に染み込むその能力に拮抗しようとするが
効果の程は定かでは無い
「……解せんな」
寒さに震える身体を抑え、視線の主に問い掛ける
「理由が見えん、俺等に…危害を加えるつもりが無ぇのなら…この先に行きたがる理由は何だ?」
吐く息も、凍るのでは無いかという白い物に変わる
持って数分か…と、冷静に自己分析をしつつも
「"戦い"に来た……訳じゃ、ねーの?」
視線を外さない
- 786 :甲/"螺旋眼":2010/07/09(金) 21:37:18 ID:QQ1rhCTk0
- 「(……血気盛んやなぁ…うちの若ぇモンは……!)」
紫色の唇をしながら
少女に殴り掛かる数人を見ていた
「(………これ、ひょっとして………)」
こてん、と首を傾げて
「状況、解ってねーの…俺だけ?」
少し心配になった
- 787 :嘲笑者:2010/07/09(金) 21:38:09 ID:HJ5tIXFA0
-
「――靴が焦げちゃった。買い変えないと」
「どうせ安物でしょう?」
女の子が脚を縺れさせた男の子を引っ張り上げると同時に、男の子は擦り切れた靴を脱ぎ捨てる。
道路との摩擦で発生した熱は肌を傷つけるには至らなかったものの、これからは素足で動くしかない。
相手がどんな異能者かもまだ良く分かっていない状況では少々拙いのではなかろうか。
「さて」
ポケットから、袖の下から、シャツの内側から、ジッパーの下から、取りだしたのは赤黒い小瓶。
計四本のその蓋を開けば、途端にドライアイスにスプーンを当てたかのような金切り音が鳴り響く。
風に乗ってふわりと散る黒い粉は、まるでそれ自身が風を起こしているかのように軽やかに。
――――いや、事実起こしている。梅雨特有の高湿を利用して、大気中から水分を集め、
それに伴う圧力変化によって風に舞っているにすぎない。金切り音もその副産物だ。
「再生能力相手にどこまで通用するかな」
「知らないわよ。幽霊じゃなきゃ効くでしょう」
完成するピンク色の流体は、超臨界状態の水と二酸化炭素の混合物――を血粉によって制御したもの。
溶解力酸化力が共に極めて高いが、拡散しやすい性質を異能によって無理矢理抑え込んでいる為、安定性は低い。
その一部を矢のように射出し、残りを防禦膜として周囲に展開しながら、ゆっくりと二人はNo.52に近づいていく。
- 788 :カノン・カペルマイスター/人型(女性):2010/07/09(金) 21:39:41 ID:e5mmnJXY0
- >>781
背に負う4枚の光翼がぱたぱた。
「暁君!暁君じゃないか!感動の再会を演出してやろうか!?」
HAHAHAと外人風に笑って、
「だが断るっつったらどうするつもりだオマエ!」
>>782
……ああ…っ…!
くらっ。
よろめき、復帰して、
「その驚き……久しぶり……!!」
嬉しいようです。
>>784
「おお、美しい子が俺の助けを求めているよ…」
ほう、と一息つき、
「イイネイイネー、オテツダイシマスネー」
>>786
「心配すんな俺もだ」
サムズアップ。
純粋に楽しそうだからという理由で来た馬鹿が一人いるぞ!
- 789 :GM:2010/07/09(金) 21:56:15 ID:ZY44/EXI0
- 【レス分割します】
No.52「くそ、くそっ!くそッ!!!!俺が最初の攻撃さえ避けてりゃ、…このままじゃ、先生が…ッ!」
No.31「血の量が…!だ、駄目よフィフティートゥー!この怪我じゃ、とても戦えないじゃない!」
No.52「馬鹿野郎、先生を救いたいんじゃ無いのか!最も被害を出さずに都市機能を落とすのは、俺達しか出来ないだろ!
…スリーや、ハンドレッド達が動き出す前に、俺らでやるんだよ!」
No.31「…本当に、本当に先生は帰ってくる?」
No.52「当たり前だ!お前もさっさと前を向くんだよ、俺の事を気にかけるな!!」
既に大量の血液が、道路に赤黒い染みを作っていた。およそ人間なら確実に死んでいる量だが、能力でカバーしているのだろう。
しかし、それにも限界が見えていた。
No.52「…仕方が無い、限界突破だ。『暴走変異』、タイプヒドラ――ッ!!!」
No.52の額にオレンジの回路のような模様が浮かび上がる。
突如、ズリュゥゥゥ、と背中から。太い肉の触手が数本伸びた。
一目でそれが筋肉の塊であると解るだろう。触手は鞭打つように蠢いて、そして主の命令を待つように頭を垂れた。
No.52「こうも数が多いとな、これをやるしか無いんだ、よッ!」
沈黙は数瞬。そして爆発的に触手が伸びて、能力者達を襲いだす。
>>779 (カノン)
No.52「新手か…ッ!悪いが、一撃で葬るッ!」
触手が二本、カノンを狙う。先端がばっくりと分かれて牙を向き、食いちぎろうとうねり迫って来た。
>>780 (レイガー)
No.52「何をやるか、って?都市を落とすのさ。これは俺達と都市の戦争なんだ、都市一つぶっ壊しても守りたい人が居るんだよ!」
オレンジの回路が額に浮き出た巨人が、レイガーの方を向いて叫ぶ。
うねる触手がNo.31とレイガーの間に振り下ろされ、二人を分断した。
No.52「お前達は、邪魔するな…!!!」
そして更に触手の先端が分かれ、牙が生える。その容姿は、まるで本当のヒドラ。
No.52「食ってやるよッ!」
触手の先端が牙を剥いて、レイガーに襲い掛かる。
>>781 (暁)
No.31「…ッ!?そんな、向かってくるなんて、…ッ、対象を『視点』に変更、高速凍結開始…ッ!」
その豪速の拳を防ぐため、彼女は目の前の空間を見つめる。ピシピシ、と音を立てて、氷の壁が空中に現れる。
能力をそちらに回したため、体温の低下は止まったようだ。
No.31「私達の目的は、絶対に邪魔させない…!それに!私達を止めたらもっとひどいことになるわ!」
氷の壁は分厚さを増す。
>>783 (ファリス)
風の刃、それを防ぐ手段を彼は持っていなかった。
No.52「まず、…ぐぁぁぁッ!」
切断、それは彼の能力に対抗する上で一番有力な手段であった。接合の為に、更に能力を割かなければならないのだ。
風の刃は彼の肩を、腹を、傷を、足を、裂いて行った。鮮血が噴出し、触手も一本が切り離され、地面をのたうった。
No.52「痛ぇ、畜生…遠距離型か、ならば…!」
右手の爪をファリスに向け、そして射出する。包丁よりも大きな刃物が5丁、真っ直ぐにファリスに飛来した。
>>784 (アイリス)
No.52「な、近づいた…ッ!?」
余りにも理解できない行動に、脳がついていかない。いや、能力の限界使用でとっくに脳はついていっていないのだ。
華奢な腕の横薙ぎに、それほど恐怖を覚えなかったのも災いした。
腐った肉が落ちるように、その右腕はあっけなく切り落とされていた。恐らく、『元』の能力者の体も一緒に斬られているだろう。
No.52「ぐ、がぁぁっ!!俺の、俺の腕が…ッ!」
相性が悪い。防御無視の切断攻撃、それに対応しきれない。
No.52「まだ、いける、やれるとも…ッ!ガァァァァッ―――」
骨が。その巨躯を突き破って鋭い骨が、体を突き破って射出された。
アイリスを串刺しにしようと迫る、点攻撃。
- 790 :GM:2010/07/09(金) 21:57:36 ID:ZY44/EXI0
- >>785 (甲)
No.31「私達の攻撃対象は、貴方達じゃなくて、この都市そのものなんです!最も被害を出さずに都市を落とすには、この方法しか無くて…ッ!」
悲痛な叫び。だが、それも無常に戦場の轟音に消えていく。
体温の低下は止まった。向こうから攻撃は来ないようだ。
>>787 (嘲笑者)
触手の一本が射出された物体を受け止め、そして溶ける。しかし、その下から新しい肉が伸び、再び触手としての機能を取り戻す。
No.52「小賢しい、酸化…薬品かッ!何発も受けちゃいられないな、それは…ッ!」
ビキビキ、と触手の一本の先端が白く変色する。それは歯。硬い組織を先端に作り出して、うねり、殴打攻撃を加えようとする。
-------------------------------------------------------
班長「あの少女の能力は、見たものの温度を下げるんだ!出来るだけ動き回るか、本体をたたくしか無い!」
局員A「……!!あの少女の攻撃、奪った熱を…どこにやった?!おかしい、何か…!おい、お前達も手伝え、更に詰めるぞ!」
観測局員が、少女の攻撃に疑問を感じて動き出す。しかし、怪物はそれを見逃さなかった。
No.52「余計な真似を、するなァァァッ!」
殴打。その単純な攻撃も、巨人が行うと甚大な被害を引き起こす。
腹の傷から血を吹きながら、それでも少女の姿を暴こうとする観測局を潰す為、
まるで大木のような腕からパンチが繰り出された。
//[Flag 00]
次のレスで、観測局員を守るか守らないかを、
[//観測局員:守る]
のように明記してください。
- 791 :甲/"螺旋眼":2010/07/09(金) 22:10:51 ID:QQ1rhCTk0
- >>790//観測局員:守る
『"赤――――"』
丸太の様な豪腕の前に
『"――――煌ォオッ!!"』
紅蓮の拳が振るわれた
「都市……が、か……あぁ、さーっぱり解らん…」
「ただ、まぁ…オイ、焦りすぎだ」
ギチリ、豪腕に拮抗する紅蓮の拳が力を上げて
「問答無用の段階なのかよ、あぁ――!?」
それを弾こうと腕を横薙ぎに払う
- 792 :カノン・カペルマイスター/人型(女性):2010/07/09(金) 22:13:14 ID:e5mmnJXY0
- >>789>>790
……死亡フラグだなあ…。
嗚呼、と想いを追加して、
「そう簡単に葬られてたまるかよ…!!」
腕を振るう。
動きに合わせて空間が割れ、
「お前のその牙は――――」
現れる、女とほぼ同じかそれ以上に長い、4本の巨大な金属の爪。
爪先を触手に向けて、
「――――竜をも砕けるか?!」
まずは2本を迎え撃つべく射出。
残りの2本は、
「どう見ても情報源を潰させてたまるかぁ――――――!!!」
No.52の、拳を繰り出す腕へ。
撃ち放った。
//観測局員:守る
- 793 :レイガー・バゼラード/ラウンドフォーム:2010/07/09(金) 22:20:45 ID:BXgiA4u60
- >>789
「だから先を急ぐんです許してください、ってか?」
振り下ろされた触手に向かって構える
「ふざけんな。その為に街ぶっ壊します、とかやってる事は只の破壊行為だろうが」
青年の言葉に対し、静かな怒気を孕んだ声で答える
「んな簡単に食われるほどカルシウム不足の体じゃねえんだよ!」
迫り来る牙、
その下の肉部分に向かって拳を突き出す
……所謂カウンターと呼ばれるものである
観察局員が襲われているのを見つける
「ちっ……こっから間に合うか?」
触手の相手を放棄し、局員の元へ向かう
「……目の前で人が死ぬのは流石に寝覚めが悪いからな」
呟き、手首のダイアルを回す
『Change over......』
男の体が再び光に包まれる
『Enhance "Solid"』
光がひくと、先程よりもガタイの良い体付きをした鎧が現れた
「守らせて……貰うぜ……!」
そのままふり降ろされる剛腕に向かって身を呈す
//観測局員:守る
- 794 :朝宮暁:2010/07/09(金) 22:24:10 ID:/k2gysHgO
- >>788
「そういう君はジョナサン・ジョースター……ってるッせえわボケェ! 断んなら盾か壁か弾除けじゃコラ!」
気を抜くとかたかたと震えそうな口許に力を入れ、暁はカノンを振り向かず怒鳴り声を挙げる。
「なんなら囮でも良いぞッ」
>>789
「……るッ、せぇな!」
体温が戻って来ると同時、暁の焔は一気に火勢を取り戻す。
しかし拳を叩き付けた氷の壁は分厚さを増し、暁は苛つき混じりの怒声を挙げた。
「吹いてンじゃねえぞメスガキが! この街が酷い事になるとか今はどうでもいいっつの! デケエ方はもうヤベエ傷負ってんじゃねえかよ!
とっとと逃げろや! この人数が相手だぞ!? このままだとてめえらくたばんだろが! 無駄死にだ!」
苦虫をダース単位で噛み潰した暁は、最早悲鳴に近い声をあげる。二人が誰か、二人が何か、解ってしまっていた。
「だから――……っクソがッ!」
司会の端に映ったのは振るわれる豪腕とその先、観測局員達。暁は氷壁を蹴って反動をつけ、紅蓮の翼を羽搏かせる。
「テメエもだボケ! デケエ癖に脳味噌足りてねえのか!? このままじゃテメエも――……
……――ああ、クソがぁ! ちっといてえぞ歯ァ食い縛れぇ――!」
紅蓮の翼が熱波を撒き散らして空を掛ける。迸る怒気混じりの絶叫は、No.52に向けられたもの。
曲がった鉄砲玉のような狂乱染みた速さを見せるその飛翔を持って、暁は大木が如き腕に肉薄する。
//観測局院:守る。
【>>791、甲と連携】
丸太のような豪腕の真正面に、質量重量の違いなど捩じ伏せると言わんばかりに振るわれた赤い拳に、暁は脚を呼応させる。
「手伝うぞ兄貴ッ!」
真正面から拮抗する甲の拳に対し、暁は大木宛らの腕を横から攻める事に決めた。紅蓮の翼が翻る。
豪腕を横から臨み、その肘辺りに暁は右足の爪先を向けた。両腕と左脚に灯していた焔を右脚に収束。
「天、」
右脚は今や焔を纏う魔槍と化した。紅蓮の翼の背後に魂の熱を収束させて、爆発、爆発、また爆発。
生じる爆風全てを翼で受け止め推力に変え、紅蓮の魔槍は天翔る。
「翔……」
膨大な熱波を撒き散らして翼の背後に爆発爆発、また爆発。爆風を受けて加速加速、また加速。
今や暁は焔纏う魔槍を弾頭にした弾丸と成り果てた。
「――――脚ッ!」
魔槍が突き進むは巨大な豪腕。観測局員を狙って放たれたその腕を穿ち、横から蹴り飛ばさんと、紅蓮の魔槍は飛翔する。
- 795 :嘲笑者:2010/07/09(金) 22:26:43 ID:HJ5tIXFA0
- 「美的センスが無いね」
「それに賢くも無い」
「歯や骨は確かに人体で一番硬く、強靭な部分ではあるけれど――」
「燐酸カルシウムなんてとっても"溶"けやすいモノが主成分なんだからね」
白化した触手の先端部分を見て嘯く。
実際、巨大な触手の質量自体はとても脅威だ。
直接受け止められる筈も無いし、予想よりスピードは速い。
それでも既に防禦膜は展開済みであり、それでも瞬時に小さな火球を作り出す猶予はある。
ピンク色の流体の形状を変え、向かってくる触手を包み込むように広がらせると共に、
足元で爆発させた火球の反動で二人は横に転がった。膜に触手が命中するならば、
先程と同じように触手は崩れ落ちるだろう。
「それに薬品じゃないよ。超臨界流体ね」
再び小瓶を取り出し、攻撃の準備も怠らない。
[//観測局員:守らない]
- 796 :アイリス/虹色の瞳:2010/07/09(金) 22:31:17 ID:zSDpd/tM0
- >>788
「お願い。期待しているよ。」
カノンからは見えないだろうか、アイリスはNo.52の巨体と向き合いあいながら笑みを浮かべていた。
>>789
「相性が良いって言った通りだね。君は逝って貰おうかな。」
ズルズルと落ちた腕。
線をなぞった証拠だ。
アイリスはNo.52を見上げると笑みを浮かべていた。
と、ここで、骨の攻撃だ。
バク転で躱すにも、距離が近すぎる。
その為、No.52から距離が空き、体の所々から骨が刺さっている状態になる。
「…まったく、僕は馬鹿だね。こういう近距離攻撃を想定しないなんて…。」
アイリスの衣服や髪は、アイリスの血に濡れていた。
だが、アイリスは依然、No.52を見上げたまま笑みを浮かべていた。
虹色の瞳がふいに、歪んだ。
突き刺さった骨を引き抜きながら、アイリスは形の良い唇を三日月状に歪めた。
「ふふっ…。ふふっ…。僕はまだ動き足りないんだ。君はまだまだ動けるよね。四肢の内、三肢が残っているから平気だよね。」
[//観測局員:守らない]
- 797 :ファリス=ライアス:2010/07/09(金) 22:36:55 ID:QJUbXfYc0
- >>789-790//観測局員:守る
(これは、面倒な……)
爪を飛ばすという、単調な攻撃。
(面積の大きいものなら、例え幾ら飛ばされようと受け流せますけど……このような鋭利なものでは)
しかしそれは、ファリスにとっては逆に単調故に遠距離での物理攻撃としては非常に有効であり。
(この位置、この距離、この速度━━━━全弾回避は無理、みたいですねー……ッ)
弾道を完全に把握しているであろう程の、的確な回避運動で、爪を端から紙一重で回避していく。
……しかし、幾ら回避運動が的確でも、その動きはやはり爪の速度には追いつかず。
4丁目が右腹部を掠り、5丁目が左上腕部に命中、肉を抉り通過した。
だが、それでも━━━━この間合いの優位は揺らがない。
ダメージを受けない事は無くとも、確かに今の攻撃でそれなりのダメージを受けてはいても。
風の刃で与えたダメージと比較すれば、それは明らかに量が違う。
その差を続けていけば、孰れは大きな差となり、相手を打ち崩せるだろう。
近接戦を行う者により距離が保たれ、相手の近接攻撃を受けずに攻撃を行う事が出来。
自身の攻撃により相手を削る事で、近距離戦を行う者へ火力支援を行う。
これこそが、多人数対単体に於いての遠距離戦闘であり、自身が支援し、支援されるという、
広い目で見れば、遠距離攻撃を行うその存在自体が『連携』といえよう。
【支援行動】
━━━━しかし。今、その状況へ変化が訪れようとしている。
「これは━━━━」
観測局員へ振るわれる腕。これを直接止め得る手段を、ファリスは持っていない。
ならば、どうするか?この観測局員への攻撃を止めに相手の近くへと向かうか?
……否。この戦い、近接、中距離で戦闘を行っているものが多い中、術師である自身が近づく必要も無い。
そして、観測局員は自信が直接行動せずとも━━━━既に、腕に向かっているものがいるではないか。
━━━━ならば。遠距離にいる自身に、『魔術師』に出来る事は……支援だ。
ファリスの場合は、物理的な攻撃手段を持たない故に、この状態では直接的な支援は出来ない。
直接何かを行えない以上━━━━それは、即ち『補助』の術式を以て行われる。
【……”重加力場”!!】
口語にて紡がれるそれは、"対象"の物理的攻撃力を全般強化する術式。
甲へ、暁へ、レイガーへ、そしてカノンの放った『爪』へ。
同時に、発動させた。
//直接の攻撃行動は無し
- 798 :GM:2010/07/09(金) 22:55:36 ID:ZY44/EXI0
- ファリスの魔術が、観測局を守ろうとした者達の攻撃を、増幅させる。
甲の拳が、あろうことか巨大な質量の触手を減速させた。甲を後退させるものの、その勢いは殺されて。
レイガーの体が、触手を完全に止めきり、観測局員を守りきる。
暁の蹴りが触手に深く突き刺さる。重力の影響もあり、咄嗟の歯の防御もやすやすと突き破り、触手の先端は機能を無くした。
それでも更に、レイガー達ごと押し込もうとする触手の動きを、カノンの爪が文字通り断ち切る。
観測局員は無傷で、そんな状況でも解析を続けていた。
班長「助かったよ、まぁ助けてくれるだろうとは思っていたのだが。…奴の能力、温度を奪うだけじゃ無さそうだ。
どうやら放出機構も持っているらしいな、あれだけの熱量が放出されたら、さすがにマズい。」
局員A「解析完了…ッ!あの少女、奪った熱を保管している!まずい、あの能力は温度の奪取と放出だぞ…ッ!!」
局員B「現在の異能都市全体の温度の周囲との差、−8度!やられました、彼女は『ここに来るまで』に大量の温度を奪っています!
都市全体を8度も冷やすなんて、…上空から既に攻撃してたんだ!!!!!」
局員A「…班長、例の広域化、使えますか?実験段階と聞いてましたが、私の能力を全員が持てば、彼女を止められる!」
班長「…なるほどな…ッ!先ほど死ぬはずだった命だ、どうせならやれるだけやってみよう、来い、能力抽出だッ!」
観測局員が何事か話して、陣を展開していた。彼らもまた、戦っているのだ。
>>791 (甲)
壊れた笑顔。その目から止め処なく涙が流れていた。
No.31「一番大切な人を人質に取られて、世界を…都市を壊せと言われたら!貴方なら、どっちを取るのよ?」
No.31「私達も考えた。でも、もうすぐ本当の災厄が動くわ。そうなれば、世界は壊れるだけじゃ済まないの!」
No.31「私達は、もう、大切な人を、『先生』を、失いたくない…ッ!だから、私達が、今。……お願い――!!!」
No.31の目が見開かれた。視点は甲に。触手を受け止めた腕の温度を、急激に奪う。
感覚は鈍く、重くなるだろう。
No.52「もういい、No.31。後は俺がやる」
口の端から血を流して、巨人は呟いた。
>>792 (カノン)
触手の牙は爪に辺り、そのまま拮抗する。だが、一向に引く気配が無い。
No.52「俺達が、やらないと…いけない、んだよォォォッ!」
凄まじい筋力で、触手が爪を押し返す。
>>793 (レイガー)
No.52「何とでも言え。俺達は『先生』なしに生きていくなど、考えられないんだ。
そんな世界など…ッ!」
カウンターを食らった触手は一瞬怯んだが、打撃攻撃は筋肉に吸収され大したダメージにはならなかった。
表面が白い歯の装甲で覆われて行き、硬度を増した触手がNo.52の体の上でうねる。
>>794 (暁)
No.31「……ッ!」
解っていた。No.52の体は限界だ。生きているのが不思議なくらいだ。それでも彼は能力で傷をカバー
”したことにして”戦っている。本来、彼の能力は、本体に関しては働きが鈍いのに。
No.31「無駄じゃ無いッ!私達が死んでも、先生が戻ってくるならそれで良い!それで、……ッ!!!」
目が見開かれる。視界の凍結。攻撃が再開して、急速な冷凍が始まった。暁のその足を、燃え盛る焔ごと、摂氏0度にどんどん近づけていく。
>>795 (嘲笑者)
No.52「解っているとも…。歯を使ったのは、この、為だッ!」
防御幕ぎりぎりで、その触手は向きを変えた。横の家の壁に突き刺さり、その破片を嘲笑者に向かって弾き飛ばす。
大きな瓦礫が、まっすぐ上から降ってくる。
>>796 (アイリス)
No.52「なんで、なんで…死なないんだ…ッ!?」
混乱もつかの間。彼は自分の成すべき事を再認識した。
No.52「無茶を言うな、…こっちだって、ギリギリなんだよ、ッ!」
突き刺さったアイリスに、左腕が真下から殴りあげる。得体の知れない切断の腕に触れないよう、豪腕が体を砕かんとする。
>>797 (ファリス)
No.52「くそ、仕留めきるには手数が…ッ!やはり、間合いがキツい、な…ッ!」
だが、己に出来ることはもうほとんど無いだろう。そう、最後に一つだけ。
- 799 :GM:2010/07/09(金) 22:56:20 ID:ZY44/EXI0
- -----------------------------------------------------
怪物の口から、滝のように血が流れる。すでに受けていた攻撃、そして今受けた攻撃。
とっくに肉体の限界を超えていたのだ。
No.52「くっそ、俺はここまで、か…」
No.31「、、No.52!!そ、そんな」
怪物が膝をつく。少女が蒼白な顔でかけよるが、怪物は少女を睨み付けた。
No.52「俺たちの目標は先生の救出だ!その為には、都市の機能を完全に落とす必要がある!
俺たちが二人生存して帰っても、それは敗北なんだ!被害を一番少なくするには、俺たちで…いや、お前がやるしか無い!
俺にかまうな、いけ!」
少女は悲痛な表情で頷いて、逆の方向へ駆け出した。
怪物は立ち上がる。彼の、もてる力すべてを絞った、最後の攻撃。
No.52「うお、おおおおォォォッ!」
それは地面に向けて放たれた。ドラム缶のような大きさの拳が、十数本の触手が、地面を強烈に穿つ。
局所的な地震と、破片の弾丸。それらが同時に全員を襲う!
そして、その巨体は力尽き、倒れていく。
【全体攻撃:破片と地震】
【No.31、逃走中。】
- 800 :朝宮暁:2010/07/09(金) 23:15:26 ID:/k2gysHgO
- >>798>>799
(体が、軽く――……って、そんな事より……!)
ファリスの術式によって一時的軽く感じた自身の体を一瞬不思議に思ったが、着地した暁は意識は即座に集中する。
――――瞬間、自分の体が凍てついた。
派手に魂の熱を消費する大技を打った隙を狙われた。攻撃のみで自己強化に魂の熱を回していない。
撃った瞬間や撃ってる最中ならば右脚に灯した焔が体を暖めてくれただろうが、撃ち終わりにそれはない。
「……て、めえ……」
凍てついた体の動きは鈍い。がちがち、がちがち、震え鳴らされる歯音が五月蝿い。
「自己犠牲に酔ってんじゃ、ねえぞ……! 月並みだがテメエの命を諦めて先生救ったって、先生とやらは喜ぶ訳ねえ、……だろが!
テメエらは逃げてんだよ……自分達も生きて先生も生かすって道が難しい、からってよ……!」
がちがちと噛み鳴らされる音が喧しい。体がまともに動かない。熱が――冷めてしまった。
視界に映るのは、死力を振り絞る巨体と、逃げて行く少女。そして、凶器の嵐。
「クソが……クソが! てめえら二人とも大馬鹿だァ――!」
体を庇おうと必死に腕を交差させようとしたが、震える腕ではそれも敵わない。
揺れる大地に体を転がされ、暁は破片の弾丸に飲まれた。
- 801 :カノン・カペルマイスター/人型(女性)→竜型:2010/07/09(金) 23:16:56 ID:e5mmnJXY0
- >>794
「やだなにこのひとこわい」
口元に手を当てて、
「どれも全力で( ゚ω゚ ) お断りします!!寧ろお前を囮にしてやろうか!?」
>>798>>799
「何をだ!」
ぐ、と爪が押し返される。もともとそこまでパワーがあるわけでもないし当然といえた。
だが怯まない。
怯む理由がない。
「何をか教えろでないと食うぞ!頭からバリバリとな!食えねえけど!!」
弾かれた。
触手が脇腹を抉った。
「ただなあ、お前ら自分をもっと大切にしなさい!肉体大事に!ときには仕事を放り出して!
いいですか限界超えた能力行使は健康を損なう恐れがあるんだぞ教わらなかったのか?!」
傷口からは光の粒が散るが、
……まだいける!俺のMPまだいけるよコレ!!余裕だって頑張れ俺!
余裕と判断する。強がりかは知らん。
「損なっちゃったらなあお前ら!――――もう何も出来ないんだぞ!!笑うことも歌うことも何もかもな!!」
嗚呼もったいない。
そう思う。
「生・命・万・歳……!!だっつーのにそれを自ら放りだすような悪い子は!」
だから、
「俺が御仕置きしてやんよ――――!!!!」
声をあげた。
叫びに反応するかの如く宙が再び割れる。
女の姿は揺らぎ、消え、そして、
「――――――――――――――――――ッッッ!!!!」
巨大な異形――金属の竜が空に吼える。
光翼の羽ばたきによる加速は緩やかに、しかし確かに夜空を進んで、
「そっちの男は後でだ体治してから説教な!逃げんなそこのおなご――――!!!!」
ぶち当たる破片の弾丸に身の揺れを覚えつつも少女を追った。
- 802 :アイリス/虹色の瞳:2010/07/09(金) 23:20:13 ID:zSDpd/tM0
- >>798>>799
「簡単なことだよ。」
声はNo.52の下から聴こえた。
No.52の巨体から、見下ろすには十分な位置だ。
迫り来るドラム缶の如き拳。
だが、乗り越えるには大きな的であることには違いない。
「僕は……」
クスクスと笑みを零し、虹色の魔眼が煌めく。
No.52の左腕による攻撃が真下から迫る中、アイリスはNo.52にだけ聞こえるように囁いた。
その囁きは悪魔のように甘美で、魔の色香があった。
「……――の吸血鬼だからだよ。あの子は僕が…………貰っちゃおうかな……」
トン、と跳ねたアイリス。その時に局所的な地震が起きた。
大地の破片たる岩の切っ先が背に刺さり、背中には穿たれた大地の勢いのまま放たれた弾丸の如き破片を受ける。
それでもアイリスは、未だ笑みを浮かべていた。
今にも地に伏せそうなNo.52は置き去りに、もう一人の少女を狙うつもりだろうか。
「なんて、ね。」
アイリスは血濡れになりながらも逃亡をし始めた少女を捕まえる為に駆けた。
- 803 :レイガー・バゼラード/ソリッドフォーム:2010/07/09(金) 23:29:58 ID:BXgiA4u60
- >>798
「……っっざけんじゃねえ! こんな事で助けて、その先生ってやつは喜ぶのかよ!?」
青年の言葉に激昂した声を上げる
「こんな……こんな助け方で喜ぶ奴を助けて、それに何の意味があるんだよ!?」
立て続けに襲ってくる触手に向かって絶叫し、ダイヤルを回す
『Change over......』
今夜三回目、男の体が光に包まれた
『Transform "Survage"』
「……俺の言葉が届くかどうかはわからねえ」
やがて、その光が徐々に引いて行く
「だけどな、こんな終わらせ方は納得できねェんだよ」
そして現れたその姿は……
「……止めらんねえぞ、もう」
前傾姿勢、体の各所にある突起、バネの様にしなやかな脚、
獣(ビースト)を体現したような鎧がそこにあった
「サベージダガー・アレグロ」
男の言葉と共に、鎧の動きが一瞬にして極限まで加速される
そのまま短距離跳躍を繰り返し、迫る瓦礫や亀裂を避けて行く
だが、完全には避けきれず、鎧のあちこちに亀裂が走る
「グッ……! くそったれえええ!!」
それでも男は加速をやめない
急激な加速についていけず、断ち切れる筋繊維を動かし、崩壊する地面を駆ける
やがて、男はNo.52の元にたどり着く
「……粋がんじゃねえよ、バカ野郎」
倒れるNo.52を担いで離れようとする
- 804 :甲/"螺旋眼":2010/07/09(金) 23:36:15 ID:QQ1rhCTk0
- >>794
「―――暁」
傍らに、鮮やかな生命の灯
熱が伝う
>>797
力が伝う
「(――…はて…?こりゃ……懐かしい)」
>>798
「本当の……災や―――ぐ…!?…ちぃ」
再びの"温度奪取"を喰らう
一度目からの類推した効果により、ぐらりと傾く身体
一番大切な人の人質
先生
本当の災厄
世界が壊れるだけじゃ済まない
「………なるほど、なるほど……見えて来た…」
見えるのは背を向け走る少女の姿と
―――倒れ伏す巨人
「ブッ飛ばさなきゃぁ……ならん奴が……居るらしいな」
ゆらり、と震える大地の上
"輝く左手"を構える
『"俺の―――ドリル"!!』
突き出した左腕から緑色の螺旋が生み出される全身を覆う盾の様な形状は
自身に迫る瓦礫の波を外側に弾き飛ばして行く
>>800
『噴射跳躍拳ッッ!!!』
――ドンッ!!
瓦礫に飲まれそうになる暁に
襟足を掴まえようと紅蓮の拳が跳ぶ
「暁ぃ!!"本当の敵"が見え掛けてんだ、負けてる場合じゃねーぞ!!」
- 805 :ファリス=ライアス:2010/07/09(金) 23:40:06 ID:QJUbXfYc0
- >>798-799
「これが、彼の最後の攻撃みたいですねー……――『風圧・飛翔』」
風を操る者である以上、ファリスも相応の飛翔能力は有している。
故に、飛んだ。地震による被害を受けない為に。そして、全方位から風を紡ぐ為に。
「止血は……している時間は、なさそうですか……ならば、この距離なら――」
爪に穿たれ抉れた箇所から、飛翔と共に血が溢れる。
が、何があったのか、出血は激しくとも傷の広さから考えれば明らかに少ないし、傷を介さずにファリスは行動を続ける。
「――『風壁・流舞』」
地震に次いで飛来し迫る破片に対し現れるは、風の流れによる"壁"。
先程受け流した風とは比較にならない、「攻撃の為の」ものとしても差し支えない烈風が向かい風となり破片の進行を妨げる。
……破片は、ファリスのいる距離では既に初速の弾丸が如き速さは減衰され、高速の飛来物となっていた。
それに、さらに加わる烈風。破片の速度は極限まで減衰され、通常の投擲程度の速度にまで落ちその身を打ち付けた。
「……最後の攻撃、地震の方はともかく、破片の方はもし近づいていたら危険でしたねー……」
眼球等への直撃を防ぐ為に右腕で護っていた顔を上げると、そう呟く。
恐らく、距離による減衰が一切無い近距離であれば、風の壁では防げずそのまま破片は散弾が如く身体を貫き、今頃蜂の巣と化していただろう。
それが、完全に防げたわけではないものの軽度の打ち傷で済んだのは僥倖といえる。
「……さて……――」
そして、逃げるNo.31。
そちらを特に追う事もせず、懐を漁る。
先程から出血が減ってきていて今や極僅かとなっていた腕の傷の止血が完了すると、懐から布切れ取り出しその傷に巻く。
━━━━逃げる少女と、それを追う者達の方を向きながら。地上10m程度の位置に浮かんで、其処を動かず。
- 806 :GM:2010/07/09(金) 23:55:46 ID:ZY44/EXI0
- 【全体攻撃あり】
>>800 (暁)
No.31は、その言葉を聞かないようにして走り去る。
信頼、安心、そんなものでは無い。先生は、狂信の対象といっても過言では無かった。
地獄を天国に変えてくれた、最後まで自分の為に戦ってくれた、先生。『先生』。
命の秤は壊れきり、最早世界と交換しても良いとまで思っていた。恐らく、彼女の仲間の、誰もが。
いまさら都市のひとつなど。いまさら、いまさら!!!
「いまさら、止まらない――ッ!!!」
No.31は走り去る。自分が終わらせるのだ、この戦いを。
>>801 (カノン)
No.31は答えない。必死に走る、ただそれだけだ。
青い目は見開かれ、更に空気を冷やしていく。
いや、たった一言、叫んだ。
「大切な人と、世界と。貴方ならどっちを。貴方ならどっちをッ!!!!」
「私達は、世界を切った!世界が無くとも、先生さえいれば良いと思った!」
答えにはなっていない。それでも、走るしか無い。
金属の竜を撒けるとは思わない。ただ、振り返り、金属の竜の上空に氷の柱を作り出す。
落下し始めた大きな氷柱は正確にカノンを狙った。
>>802 (アイリス)
No.52「…ッ、お前、…そんな」
最後の表情が絶望に彩られて。怪人は血溜まりに伏していく。
うつろな瞳が、走り去るアイリスを捉えているかのように。
そして静かに目を閉じた。
No.31の足は速い。道路を凍らせて、細工のある靴で滑っているようだ。
>>803 (レイガー)
No.52「それでも、助けなければ、ならな、いんだ。俺達が生きるには、その人が必要だ。」
それは、狂信とも言えるほどの、想い。人質は、孤独だった彼らの唯一の光だった。
全てを失い、倒れていくNo.52の体が、レイガーに支えられた。
その体は重く、また流れ出る血に彼の体も染められるだろう。
背負った怪人の息は不安定で、うわごとを絶えず呟いている。
能力の使用も限界に達しているのか、凄まじい熱だ。
>>804 (甲)
怪物を背負うレイガーの上を甲がかけた。
怪物がちら、と甲のほうを見たような気がした。
No.31はわき目も振らず走っていく。
それは、逃げるようにも、立ち向かうようにも見えた。
走り去る都市の町並みが、凍りついていく。No.31もとっくに能力の使用は限界だろう。
>>805 (ファリス)
破片は二段階の風圧でものの見事に減速し、本来の攻撃の意味を成しえなかった。
No.52は戦闘不能となり、そして局員が何かあわただしく走っていく。
そこからなら、見えるだろう。粉塵の向こうにある、少女の新たな現実を。
---------------------------------------------------------------
巻き起こる粉塵が収まるころ、その向こうに、巨大な氷の階段が作られていた。
『凝視凍結』の能力で、0度以下にした空気を氷に置き換えて作ったのだろう。
その階段を、少女が駆け上っている!!
後ろを向いて、No.52が倒れていること確認し、何かを堪えるようにもう一度前を向いた。
階段の一番上で、彼女は立ち止まる。そこからなら、都市全域が見渡せるだろう。
No.31
「…私達には、街一つ壊しても護りたい人がいる!その人が、…先生がいなきゃ、私達は生きてなんか居ない!
私達は『先生』を人質に取られたの!取り返す条件が、この都市の破壊よ!
私がやらなきゃ、次は本物の戦闘員達が都市に来るわ!
そうなったら、戦争よ!戦争が起きるの!この都市と私の国との戦争が!」
小さな体のどこからこんな声が出るのだろう、そう思わせるくらい声は悲痛なもので。
No.31「来ないで!『擬視太陽』(サンズレプリカ)を発動する!」
それは一瞬の出来事。少女の瞳が、紅蓮に変わる。
少女が上を見上げれば、その先に直径すら目測できない程の、巨大な炎球が作り出された。
No.31「どうしても近づくんなら、…ッ!!!」
火の球から、焔の渦がフレアのように上がる。そして、それは猛火の塊となって、
全域の異能者達に降り注いだ。焔の雨が降る。
【全体攻撃】
- 807 :朝宮暁/セウァリス・グリュンヒルド:2010/07/10(土) 00:09:03 ID:/k2gysHgO
- >>804
「無茶、苦茶……言いやがる……」
成すがままに暁は甲に捕まえられる。唇は紫に変色し、灯っている筈の紅蓮の焔は消えていた。
ぐったりと力が抜けた――というよりは、力を入れようとしても入れられないといった様子だった。
「……すまねえ兄貴、先に、行っててくれ。……今のままじゃ、足手まといにしか、な、らねえ。回復してから、後を、追うから」
暁は絶え絶えに言葉を紡ぐ。朝宮の焔が使えなくなっている今、暁はただの人間だった。
>>
――――上空を飛んでいた軍用ヘリから何かが氷の階段へ落ちてきた。
それは、人。
「ふざけるな。自分の都合の為に他者に災禍を振り撒くお前は、単なる害悪だ」
千夜プライベートミリタリー社の制服の、長く黒い裾が翻る。纏めた白金の髪は微かに揺れ、しかし手に持つ兵器と盾は動かない。
右手に握るは部隊規模で運用される筈の巨大な重迫撃砲。左手にはその身を隠して余りある長大な盾。
「お前の都合は多少だが知っている。だが、」
強烈な熱気にも構わずセウァリスは氷の階段を駆け抜ける。左手で焔の盾を掲げて降り頻る焔の雨を防ぎながら、迫撃砲の砲身の先を少女に向ける。
「この都市に害を為すなら、鉄火と暴力を持って捩じ伏せるのみだ――!」
――――轟音。
放たれたのは銃弾などとは比べ物にならない、正真正銘の迫撃砲弾。
正確な狙いと共に放たれた125mmの砲弾はNo.31の体を文字通り消し飛ばそうと空を裂く。
- 808 :カノン・カペルマイスター/竜型:2010/07/10(土) 00:14:15 ID:e5mmnJXY0
- >>806
「ど っ ち も に 決 ま っ て ん だ ろ う が ! ! 」
一喝。
それは竜の傲慢。
「たった一つの大切なんてもんは俺ぁ知らね――!お前みてーに誰か一人を想って一つを捨てるなんてのは最早尊敬に値する!
だがだからこそ俺ァ全部に手を伸ばしてやる!俺はそれが俺の望みに直結すると知ってるからだ!
勿論」
溜めて、
「――――お前にもな!!」
叫んだ。
少女に手を――手と言うより、爪を――伸ばして、
「ぴっ」
竜の頭に氷の柱が直撃した。
いい音がして竜が落ち、滑り、凍った街を抉る。
異形の竜は動かない。
- 809 :甲/"螺旋眼":2010/07/10(土) 00:23:30 ID:QQ1rhCTk0
- >>807
「死ぬんじゃ―――いや、悪ぃ、こりゃ言わなくても良いな」
赤いマフラーを引き抜いて、暁に巻く
「行ってくらぁ」
殆ど機能しない右腕と
緑色の螺旋を引き連れて、甲は氷の階段を登る
そして
対照的に落ち来るセウァリスが
―――轟熱の一撃を放った
「………やり過ぎだ」
>>806
左手の螺旋が形状を変える
盾の様な円錐から―――より広く、扁平に――円盤の如く
『"俺の!!グラインダーァアアア!!"』
ギャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!
No.31が落とす炎熱の猛威を
セウァリスが放つ鉄火の暴力を
火花散らす甲の"回転円盤"が
横合いから―――――"削り取ろうと"する
空間すら歪ませる回転力は見た目以上の効果範囲を持って
双方の攻勢、その阻害を狙う!
- 810 :レイガー・バゼラード/サベージフォーム:2010/07/10(土) 00:26:07 ID:BXgiA4u60
- >>806
「そんな事して……お前が死んだら、その先生は、あの子は……どうなんだよ」
背負いつつチラ、と少女の方をみる
「死ぬんじゃねえぞ……! お前にはまだファイナルは早えんだよ」
ズルズルと、ゆっくりではあるが確実に男を背負って行く
暫く歩いた所で不意に後ろの方が輝きはじめる
「何だ、これは……」
不審に思って振り向くと、そこには迫り来る火球の雨が
「あいつ……仲間を巻き添えにするのも厭わねえってのか!」
驚愕、そして憤怒が入り混じった声を上げる
「畜生、させるかってんだよ!」
背負って居たNo.52を下にゆっくりと下ろす
「待ってろよ。お前のぶっ飛んだ信念は後でゆっくりと叩きのめしてやるからな」
吐き捨てるかのようにNo.52に告げると、その目の前で両手を広げる
「生憎と、この鎧は熱にだけは強いんだよ」
そう言って炎を受け止めて行く
「グ、オオオオオオ!」
亀裂から入り込む熱の暴力
鎧のしたで歯を食いしばりながら後ろの青年を庇って行く
やがて、鎧の右腕が焼け落ち男はその場に膝を折った
「…………ぐ……ぁ」
遅々とした、それでいて確かな決意を持った動きで右手のガントレットのダイヤルを掴んだ
//攻撃無し
- 811 :アイリス/虹色の瞳:2010/07/10(土) 00:27:55 ID:zSDpd/tM0
- >>806
「呪うのなら、クジ運が悪かった君自身を呪ってね。」
アイリスはもう見えぬ巨人の背に語りかけるように、呟いた。
「死は等しく平等なんだよね。」
嘗ての生誕時を思い出す。
“どこか”であり、“どこでもない場所”で過ごした一年を忘れはしない。
そこで見た光景は、、、、、、、、、
・・・
・・・・
アイリスは駆けた。
氷の上に血の飛沫を零しながらも。
そして、少々時間が掛かったものの、階段傍まで行くことが出来た。
「残念だね。ああ、本当に残念だ。」
アイリスは笑みを浮かべていた。氷の階段の傍でアイリスは両手を広げ、焔の雨をその身に浴びていた。
何故笑みを浮かべるのだろうか。それはアイリスの精神が高揚しているからだ。
「僕は君たちに感謝しているんだよ。」
焔の雨に、右手の掌と左肩が灼かれた。
灼かれた痛みがアイリスの体を駆け巡る。
「僕は焔に灼かれ、痛みを感じている。こうして“生”を感じられるんだよ。」
右手の指が灼けた。左手の指は今にも灼け落ちそうだ。
痛みが増すごとに、“生”を感じられる。
虹色の魔眼は、氷の階段に走る線をアイリスに見せ付ける。
「緩慢な生から、生を実感できるなんて……なんて――心地の良いものだろう。」
アイリスの右手は氷の階段に乗せられた。
そのまま、線をなぞれば、この階段は崩れるのだろう。
階段を走る者(セウァリス)のことを考慮している訳ではなさそうだ。
「君は君がしたいことをすると良い。だが、僕もしたいことをさせて貰おうかな。」
アイリスは氷の階段に載せた手を動かす。
動きそのものは、めちゃくちゃであるが、それは“線
- 812 :アイリス/虹色の瞳:2010/07/10(土) 00:28:53 ID:zSDpd/tM0
- >>811に追記。
アイリスは氷の階段に載せた手を動かす。
動きそのものは、めちゃくちゃであるが、それは“線”をなぞろうとする動きである。
そして、駆け抜ける準備も、十分である。
- 813 :セウァリス・グリュンヒルド:2010/07/10(土) 00:30:01 ID:/k2gysHgO
- >>809
「甲ッ!? 貴様――――!」
横合いから飛び出た甲の姿を赤い瞳に認め、肌を焼く熱の中セウァリスは叫んだ。
右手の指先は迫撃砲のトリガーに伸びた。しかし、
「くっ……」
躊躇。セウァリスは引き金を引かなかった。
- 814 :ファリス=ライアス:2010/07/10(土) 00:33:25 ID:QJUbXfYc0
- >>806
「僕は近づきませんが、都市を壊す事を見ている事もしませんよ」
その身は、未だ少女から遠くにある。だがしかし、その声は呟きのようなものでありながら、少女の元へと届く。
「しかし、貴女がそれを行うというのなら。僕は、貴女を止めることになります、ねー……――」
少女の放ったものは、擬たるものでも太陽と呼べるものであろう。
だが━━━━降り注ぐのは、太陽ではなく『炎』。
燃焼の力は酸素を以て加速する故に、恐らく本来なら有効なのであろう。本来ならば━━━━
「――『真破・空断』」
ファリスの頭上に傘上に広がる、不可視の薄い膜。
戦場に舞う塵の流れが、ぼんやりと形作るそれは、即ち風の流れの特異点、空の絶対領域、無たる空間。
其処は、極々軽微な一切が排斥され、存在し得ない真空の膜。
炎が炎たることが終わり、霧散する空間を携え……彼は紡ぐ。敵へと降る闇を。
「視界に反応する能力。その速度、範囲、広い利点を持っていますけど……
それの特性故の、欠点も合わせている。それは即ち……――『暗空・黒域』」
それは、一見何も起こらないし、攻撃にもならない術式。
だが━━━━No.31の周囲十数mに、甲、セウァリスを巻き込みつつ少しずつ広がる"黒"。
それは底の無き闇であり、一切の光が失われている、言ってしまえばただそれだけの空間。
だが、あと少しもすれば、周囲は完全に闇に包まれ、少女の視界は視点の先も何も存在しない、只の黒一色へと変わり果てるだろう。
- 815 :GM:2010/07/10(土) 00:44:43 ID:ZY44/EXI0
- >>807 (セウァリス)
No.31「私達が害悪ならば、後から来るのは災厄だッ!!
善悪も解らない子供じゃ無い!それでも、こうする以外の選択肢を、私達は持てないッ!!!」
熱線。それは、巨大な火球の中心部から放たれた。凍結能力の逆を行く、留めた熱を消費する、熱の付与攻撃。
甲の攻撃により削り取られ不安定になったその鉄の暴力は、急激に温度が上がり、
少女の手前で破壊される。破片が少女を襲い、体に、顔に幾筋の傷をつけるが、怯まない。
No.31「そこで、見ていて。もう、終わらせるから」
氷の階段が熱でじわじわと溶け出している。
>>808 (カノン)
攻撃が直撃したことを少し見て、すぐに目を逸らした。
大丈夫、生きている、そう呟いて。少女は思いを噛みしめる。
>>809 (甲)
No.31「余計な事を!そんなことをしても、攻撃は止めないわよ!!絶対に!」
血濡れの少女が叫ぶ。白いワンピースが、赤く染まり汚れていた。
No.31「熱の装填は完了したわ!後は、落とすだけ。邪魔を、しないでッ!!!」
どこからこんな声が出るのだろう。どこからこんな重い感情が湧いているのだろう。
ある種の迫力すら伴って、少女の声が響き渡った。
>>810 (レイガー)
(No.52は、あの男が保護している。なら、問題は無い…ッ!)
それはただの言い訳。それでも、彼女は巻き添えを選んだ。
一緒に考えて、一緒に行動に移した。これが最も幸せな道だと確信して進んだ。
その時に、誓ったのは。最優先を、都市の破壊に設定すること。
どちらかを犠牲にしたって、目標を達成すること。
「―――ッ!!!」
それでも、涙が止まらない。ぼろぼろの心がきしみ、痛む。痛む。
「……ごめん、なさい」
ぽつり、とその言葉を残して。再び少女は、彼女が信じる『前』を向く。
No.52の目が、微かに開いた、そんな気がした。
>>811 (アイリス)
No.31「あの攻撃は、さっきの…ッ!まずい!」
真っ二つになる階段、そして溶けていたことも手伝い、階段が崩れていく。
まだ原型は保っているものの、十数秒もしないうちに階段は落ちていくだろう。
No.31「邪魔を、するなァァァァァァッ!」
かろうじてその頂上に立ちながら、攻撃を放とうとする。が、
視界を妨げる、黒。ファリスの攻撃が始まっていた。
No.31「視認…出来ない…ッ!」
成すすべも無く、反撃も出来ず。残ったのは、それでも脅威となる火球のみ。
>>812 (ファリス)
No.31「…ッ!、視界が侵食されている…こっちの能力封じか、攻撃が…ッ!」
アイリスへ放つはずだった熱線攻撃も、視認出来なければ意味が無いものだった。
No.31「だけど、こっちなら…『太陽』なら、視認が出来なくとも、落とせばいいだけだッ!」
- 816 :GM:2010/07/10(土) 00:47:26 ID:ZY44/EXI0
- --------------------------------------------------------------------
No.31「さぁ、準備は整ったわ。もう、終わらせる…ッ!!」
少女の頭上の巨大な火球が、ゆっくりと移動し始めた。それは、封鎖領域にあった千夜ビルの方向に動いている。
異能の終結地。そのビルの周りに、都市の機能は詰め込まれている。故に、それが攻撃目標だった。
傍目からみればゆっくりだろうが、その火球は着実に都市へ終わりを齎そうと動いていた。
局員A「ッ!!あのサイズの炎球、炸裂したらこの街は…ッ!熱攻撃で、都市を破壊するのか!
…あれで、被害が最小だと?!馬鹿なッ!!!」
班長「いや、あれは正に巨大な熱の塊だ、なら、コイツの能力で何とか出来るかもしれん!」
局員B「…!能力の抽出完了、私の能力を広域化します!『フリーズ・フレイム』!」
局員A「ま、間に合ったッ!!!」
能力者達に、観測局員が叫ぶ。
班長「おい!お前達に一時的に『冷気と氷を操れる能力』を付与した!
今までのお前達の能力と併用出来る。使ってくれ!
まだ実験段階の技術だが、観測局の切り札だ!
あれを止めるには、火球を収めるか、少女を倒すか、どっちかだ!頼む、街を救ってくれッ!!!」
局員B「火球への道は私が作る!だから、あれを止めて!!」
水流の道が、少女の氷の階段の横に形作られる。その先は動く火球に向けて。
流れに乗れば、一瞬で火球の近くに射出されるだろう。
//[Flag 01]
一時的に冷気、凍結能力『フリーズ・フレイム』を自身の能力と合わせて使えます。
特に制限は無いので、思う存分邪気を撒き散らしてコンボを放ってください。
火の玉へは冷気攻撃が有効です。また、フリーズフレイムを使わない選択もありです。
次のレスで攻撃する場合、「少女」か「炎球」を
[//攻撃対象:少女]
のように明記してください。
次の攻撃がクエスト参加者最後の攻撃になります。
//
- 817 :GM:2010/07/10(土) 00:56:41 ID:ZY44/EXI0
- //
『フリーズ・フレイム』訂正
冷気、凍結、水流具現操作能力です。水氷系の事なら大抵何でも出来る、と
お考え下さい。
- 818 :甲/"螺旋眼":2010/07/10(土) 01:02:38 ID:QQ1rhCTk0
- >>813
「サンキュ」
僅かに、場にそぐわない様な――そんな苦笑を浮かべて
>>815
「あぁ、知ってらァ―――お前は、全力で潰しに来いよ……さて、大分"温まった"ぜ」
右手を握って、開いて――また、固く握る
周囲を漂う炎熱に身を費やす事で
奪われた熱を幾分か、取り戻す
べ、と舌を出して
「絶対に、ここは邪魔してやらぁ」
『無限上昇―――!!』
"右拳"を大きく引いた
そこに集う―――真っ赤な螺旋の力・力・力―――!!
不意に、そこにもう一つの力が纏う
>>816の水能力が絡み付いて行く
「……太陽だろうが―――ブッ貫く」
紅蓮の赤と、流水の青とが絡み合うドリルが、引き絞られた右拳に顕現して
収束した総ての力を
『それが――"俺のドリル"――だぁあああああああ!!!!』
裂哮の気合いと渾身の力を持って解き放つ
天に伸びる渦巻く螺旋はただ一直線に創られた太陽に迫って行く――!
- 819 :カノン・カペルマイスター/竜型:2010/07/10(土) 01:09:51 ID:e5mmnJXY0
- >>815>>816
……頭部直撃とはまた……!!
ネタなものだなあ、と思いながら身を起こす。
正しくは起こそうとした。
「……」
……あれえ。
起き上がらないどころか動かない。別に抉った身が綺麗にはまり込んでいるというわけでもない。
ただの金属塊な身だというのに何で――と混乱のうちにも状況は進む。
神代の時代に人が得た最強の武器。
火が降るのだ。
「………っ」
動け。
動けよ。
でないと俺はあいつに嘘をついたことになるし、
何より、
失われるということに想いが至った瞬間。
何かが切り替わった音がした気がした。
竜の身が跳ね起きた。
地を、氷を砕き、数歩を爪で刻み、空へ舞い上がり、
「――――お」
少女と火球を認識。
……あぶないなー。
どちらも別の意味で危ない。
火球は落ちたらヤバイ勢いで焼けるし少女はそれに巻き込まれるというかそもそも能力の過剰発動は―――
「ああ、」
意識で力ない笑みを浮かべる。
身を擦り打合せ鐘の鳴るような音を立て、
「そうしようか」
直後、虚空に直径3mを超える円が光で描かれ――文字や図形が追加されて陣となる。
陣は一度チャージするかの様にゆっくりと明滅して、
『――――――――――――』
与えられた冷気を纏った竜砲を、己が身から自己主張する炎へ撃ち放った。
//攻撃対象:炎球
- 820 :ファリス=ライアス:2010/07/10(土) 01:12:16 ID:QJUbXfYc0
- >>815-817//攻撃対象:火球
「これは……術式じゃない、"異能"の付加……?」
ファリスの魔力保有量は、一般人レベルすらも下回る程であり、通常の魔術を使用できてもすぐに魔力が無くなる。
……だが、こと「異能」ならば話は別だ。
むしろ、人間としては計り知れない程の精神力を以て、そして━━━━その『異能』を以て。それを行使する事が出来る。
「観測局、随分と凄いものを……
あの規模となると、回避は出来るかもしれなくとも、防御は到底出来なかったんですが……これなら━━━━」
ファリスの『異能』。それに近いものは生来より保有していたが、
後天的に目覚めた、彼にとって初の「正真正銘の『異能』」たる力。それは━━━━
{フリーズ・フレイム} {フリーズ・フレイム}
{フリーズ・フレイム} {フリーズ・フレイム}
{フリーズ・フレイム}
{フリーズ・フレイム}
━━━━━━━━ 思考が、連なる ━━━━━━━━
========================================
……それは、同時に複数の意識・思考を並列して行う力。
これによる並列した術式の発動を以て、『軽い止血』と『風壁の形成』、『炎を払う膜の維持』と『闇の展開』等を行っていた。
そして、今━━━━
幾十か、幾百か、幾千か、幾万か……それが一体どれ程の数なのか、とても数え切れないような程に、
まるで火球が落とされんとしている箇所の住民が皆揃って放ったかの如く、無数の冷気が、水流が、火球に向かい迸った━━━━!!
- 821 :アイリス/虹色の瞳:2010/07/10(土) 01:12:32 ID:zSDpd/tM0
- >>815>>816
[//攻撃対象:少女]
「とことん“しよう”じゃないか。」
そう、アイリスは駆けていたのだ。アイリスが通った道には多くの血液が流れていた。
体も一部欠損を出した。それがいい結果となったのは言うまでも無い。
「朝宮君。甲くん。それともう一人。行ってくれると、助かるよ。後は任せてくれないかな。」
アイリスの声は、恐らく届くだろう。
少女のようで、女性の声ではないそれ。
敵であるNo.31の少女より、僅かに低い声だ。
火球はビルに向かっている。
これから色々と学校行事があると聞く。聞けばお祭りのようなものだとクラスメイトは言う。
ならば、楽しもうではないか。
「我が血脈に眠る大いなる―霊――――-よ。我らが古の盟約に従い、力を与え給え。」
その場に、ふと、雪が振降った。
局地的な雪。アイリスの掌に集まった雪は、次第に形が整えられていく。
アイリスが息を吹きかけると、集まった雪は円柱となり………数が増えていく。
高さがほぼ同じであり、それに降り続く雪は円状に広がる。
円柱に積もり始めて、柱と柱の間にアーチ状の氷が描き始める。
魔法と能力の同時使用だ。
その処理を脳内で繰り返し、柱に乗る氷はアイリスが描く形へと進化を始める。
魔術的側面で、設計図を描き、能力的側面で演算を繰り返し、能力を行使する。
それは巨大なすり鉢状の滑り台であった。
形は違えど、幼少の砌母と兄に遊んで貰った思い出のもの。
そして、アイリスは落ちてくるであろう少女を待つ。
もう、自分には“指輪の枷”が無い。今までとは違う高揚感に絆された虹色の瞳は煌きを増す。
「さあ、おいで。」
落ちてきた少女を喰らうのだろうか。
アイリスの飲血の特性上、丁度良いのでは無いだろうか。
- 822 :レイガー・バゼラード/ラウンドフォーム:2010/07/10(土) 01:13:35 ID:BXgiA4u60
- >>815-816
「ば……っか……やろ、が……」
ボロボロの姿で、前を向く少女を見つめる
「泣くほど辛いなら、仲間を傷つけるような事するんじゃねえよ……」
「いいか、よく見ておけよ」
背中越しにNo.52へと告げる
「お前らの望んだ"ファイナル"は今から俺たちが壊すが……」
左手が鎧の無い右腕のガントレットについたダイヤルを回す
『Change over......』
男の体が、おそらく今日最後であろう、光に包まれる
「お前らが笑えるような"ファイナル"は俺たちが作ってやる」
そして現れたのは、最初に纏ったシンプルで、力強さを内包した丸い鎧
「ファイナル……見せてやるよ」
そう言いすてるとダイヤルを一気にグルリと回した
『Riot running』
>>816によって蒼い流水の力を得たエナジーが男の、鎧の右脚に一極的に集中して行く
「ラウンドワーム・ブート」
ふわり、という擬音を用いたくなる様な軽い跳躍で夜の空に滞空する
「チ、イェアアアアアア!!」
そのまま急加速しながら火球に向かって突入して行く
//攻撃対象:炎球
- 823 :朝宮暁:2010/07/10(土) 01:28:18 ID:/k2gysHgO
- >>815>>816
「ああそうだな。だがそれが何だと云うのだ。災厄に滅ぼされるよりは害悪に滅ぼされた方がマシだとでも言うつもりか?」
暗くなり始めた周囲に舌打ちをして、完全な闇に閉ざされない内にもう一度迫撃砲を構え直す。
「観測局の人間には悪いがお前を殺して終わりにさせて貰う」
その方が、確実だからな。小さく呟いて
――――瞬間、
「だァらっしゃぁああああぁぁああああッ!」
「なッ……」
唐突に響いた男の怒号と共に迫撃砲が強烈に蹴り飛ばされた。溶け始めた氷の階段の上のセウァリスは体勢を崩す。
「貴様……!」
「悪ィがあんたは、ちっとばかり大人しくしてくれや!」
氷の階段から落ちるセウァリスはそれでも空中で体勢を建て直して着地する。視線の先には――――蒼い、翼。
「さあッて、やられた事はやり返さねえとなあ!」
苦痛に歪みそうになる顔に快活な笑みを張り付け、蒼いの翼を展開した暁はNo.31を見て言葉を紡ぐ。
「能力封じられたから――てめえの能力も潰してやんよ!」
暁は氷造りの蒼い翼を羽搏かせる。魂の熱ならぬ、魂の水を操る異能と化した暁の能力は、それでも常と変わらず飛翔した。
空を焦がす熱波の代わりに空を凍てつかせる冷気を撒き散らし、氷細工の翼を羽搏かせる。
「行くぞオラァ!」
>>821
「判った。だが、……殺すなよ!」
アイリスに答え、暁は飛翔する。狙いは――――炎球。
【>>819、カノンと連携】
氷細工の翼が水に変わり、それは軈て流れる水へと変わった。
能力によって制御される魂の水は清浄な冷気を周囲に振り撒きながら、ある形を取ろうとしていた。
「即興で名付ける――――」
行うは自分の使える最大の業。天翔紅蓮鳳凰。
業火の翼を広げ全身に焔を纏い、たなびく爆焔を尾羽に、己の拳を鳳凰の嘴に見立てて飛翔する業。
――――だが、今は違う。
「天翔、」
身に纏うのは火消しの激流。能力によって空中で流れ荒ぶ水が取ったのは、
「碧蒼龍王――――!」
巨大な龍。
「う、お、お、ぉおおォォオオ――――!」
龍の咆哮にも似た雄叫びを挙げ、正真の竜が放った龍砲と共に、水龍と化した暁は炎球へと飛翔する。
[//攻撃対象:炎球]
- 824 :GM:2010/07/10(土) 01:46:09 ID:ZY44/EXI0
- >>818 (甲)
紅蓮と流水の螺旋が、一直線に偽の太陽を貫いた。
轟音、それはせめぎあう少女の信念と甲の信念の音だろう。そして、
回転運動で火球は不安定になり、そして巡る流水が、少女の夢を消していく。
No.31「あ、あああぁぁぁッ!」
魔術により、もはやまともに見れないほど黒く塗り潰された視界で、
少女ははっきりと己が信念が打ち砕かれゆくさまを見ていた。
>>819 (カノン)
信じられないスピードで、その竜は前線に復帰した。
冷気の咆哮、水の竜砲。それが横合いから火球に突入していく。
その不安定な球体の形が崩れ、炎の柱が各所に上がる。
規模はますます縮小していく。何かが爆ぜるような音は、少女の、泣き声か。
No.31「――――ッ!」
もはや、声にならない。自分を狙えばもっと早く事が終わることも、頭の隅で、解っていた。
>>820 (ファリス)
観測局員は、必死で陣を保持していた。
展開量、範囲、能力応用範囲、どれをとっても綱渡り。
それでも自身の能力が敵を止められるのなら、それを使わない手は無いのだ。
並列した意識の一つ一つに、局員の異能が宿る。
一つ一つは僅かな力でも、それが連なれば。蛍火のように、一瞬でそれは燃え広がる『冷気』。
空間ごとを異能で満たし、小さな異能が寄り集まって、都市に降り注ぐ火柱さえもかき消して進んだ。
火球へと、天敵の冷気が降り注ぎ、その嗚咽のような火柱も消え去っていく。
>>822 (レイガー)
No.52の表情が、少し笑った気がした。
その火球の内部に突っ込もうなどと、誰が考えようか。
信念の鎧を纏った男が、偽の太陽をものともせずに突っ込んだ。
内部に流水の攻撃を放った事により、火球は最早形を保つことが限界であった。
落とすことすらままならない。
男の攻撃は、少女の描くラストシーンを、塗り替えていく。
>>823 (暁)
カノンの竜砲に乗って飛来する、もう一匹の水の竜。
完璧に造形されたそれが、冷気の塊と共に火球に横合いから突っ込んだ。
火球の外殻が崩れて、その熱は失われていく。
怒涛の水流が、少女の夢を打ち砕く。
火球が、崩れた。シャボンの玉のように、儚い夢は壊れて消える。
甲の相対する螺旋で、カノンの巨大な竜砲で、ファリスの無数の冷気で、レイガーの纏った流水で、暁の怒涛の水竜で。
火球は完全に空中で掻き消え、何事も無かったような空間が戻る。
雨。それは軽く、全てを流すように空から降ってきた。全員の攻撃が落ちて来て作り出したのか、それとも単に偶然か。
さぁぁ、と撫でるような音が耳に響いた。
>>821 (アイリス)
火球は完全に消え去った。視界すら失った少女の体が、崩壊する階段の上で揺らぐ。
そこに現れた、滑り台のアーチ。ぐら、と少女は倒れ、そのままアイリスの元へ滑り降りていくかに思えた。
しかし。階段は中ほどで崩れ、アーチに段差が生じた。少女の体は跳ね飛んで、アイリスの元へ続いた道をそれ、墜落していく。
- 825 :GM:2010/07/10(土) 01:47:39 ID:ZY44/EXI0
- -------------------------------------------------------------------------
玩具が落ちるようなあっけない速度でその体が落ちていく。
一瞬の出来事だった。
血を流す、肉の翼が飛来した。
もはやその目には何も見えていないのだろう。
目標など、とうに忘れているのだろう。
ただ、少女を守るため。No.52が、少女を空中で掻っ攫ったのだ。
そのまま、道路に墜落する。No.31は気絶したのか、ぴくりとも動かない。
No.52が細い声で呟いた。
「…この子を」
観測局の班長が、少し間をおいてどこかに連絡を取り始める。
局員達は、二人を治癒結界に入れた。
連絡を取り終わった班長が、能力者達を向いた。
班長「…複雑な思いではあるが、協力、本当に感謝する。君達がいなければ、恐らくあの火球は発動していただろう。
この子らの動機や目的については、あらかた解ってはいるが、公安と連携してもう少し調査を進めようと思う。
先程の連絡がどこかにジャックされた、というのも気がかりなのだがな。…負傷者もいるようだ、すぐに救護を手配しよう。」
ありがとう、と呟いて。班長は、またどこかに連絡を取り始める。
//
【クエスト終了、お疲れ様でした!参加ありがとうございました!】
自由解散としますが、この後は、班長やその他の観測局員達と話せます。
後日談とイベントの続きを裏設定に落とすつもりですので、もしよろしければどうぞです。
- 826 :朝宮暁:2010/07/10(土) 01:49:14 ID:/k2gysHgO
- 魂の水は燃え上がり、炎球の消滅を確認した暁は再び紅蓮の翼を纏う。
「アイリスッ! 信じてるぜェ――!」
- 827 :名も無き異能都市住民:2010/07/10(土) 01:51:25 ID:/k2gysHgO
- //うあ、読み間違えました……>>826は無しでorz
- 828 :朝宮暁:2010/07/10(土) 01:55:41 ID:/k2gysHgO
- 魂の水は燃え上がり、暁は再び紅蓮の翼をその背に広げる。
「――…………あー、」
魂抜けるような嘆息。緩やかに、緩やかに着地した暁は、倒れるようにその場に体を預けた。
「しんどい、って、レベルじゃねーぞ……」
- 829 :アイリス:2010/07/10(土) 01:56:48 ID:zSDpd/tM0
- >>823
「悪いけれど、確約は出来ないね。あとは滑るだけだよ。」
血の昂ぶりはアイリスを別人のように彩っていた。
金色の髪はリボンが焼け落ち、腰まで伸びた髪は風に靡いていた。
そして……、魔眼を解除する。
空のように澄んだ蒼だ。
>>824>>825
“力”の塊のようなそれは、観測局員に近づいてきた。
指輪による枷が無くなったアイリス。
「お疲れ様。この二人をどうするのかな?」
見れば、衣服の所々灼けた跡から白磁の肌が見えていた。
しかし、その傷は一切見受けられない。
- 830 :カノン・カペルマイスター/竜型→人型(女性):2010/07/10(土) 01:58:13 ID:e5mmnJXY0
- >>824>>825
終わった。
理解すると同時に、感覚が戻ってきた。
何故かそう思い、
「……はんちょーさん」
竜の姿が消える。
代わりに雨を浴びて立つのは銀髪銀眼の女だ。
「そいつら、悪いようにはしてやらんでやってくれるのかね」
>>828
……うわぐったりしてるー。
面白、と思って、
「お疲れさん?生きてる?」
背中をつついてみる。――――竜の爪で。
- 831 :甲/"螺旋眼":2010/07/10(土) 01:58:54 ID:wVTVWml20
- 太陽を貫いて
ドリルは粒子となり、消えた
「……オーバー」
ずぶ濡れの身体で、地に降り立つ
髪の毛を乱雑に掻き上げて
「さて…ま、自業自得…かもだけど」
一命を取り留めた二人を見て踵を返した
「来ちゃうんだろうなぁ……戦争」
やれやれ、と苦笑を浮かべ
観測局員に身柄を任せる形で、甲はその場をあとにするのだった
>>828
「おんぶはゴメンだけど…肩ぐらいなら貸してやっぞ?」
ニッと笑って
「根性見せたな、お疲れさん」
労いの言葉と、手を差し出した
- 832 :レイガー・バゼラード:2010/07/10(土) 02:01:47 ID:BXgiA4u60
- 「……見えたかよ?」
呟きと同時に男の体を纏っていた鎧が光となって消滅した
「……っっあー! 疲れたー!」
そう言ってそのまま地面に倒れる
「にしても……ヘン、根性見せるじゃねえか。あいつも」
男のの脳裏に浮かぶのは、少女を救う一人の青年の姿
「守っただけの価値はあった……かな」
噛み締めるかのような顔で、一人笑った
「んで……これからどうするつもりだ。そいつら」
手近にいた観測局員に声をかける
- 833 :ファリス=ライアス:2010/07/10(土) 02:06:44 ID:QJUbXfYc0
- >>824-825
「さて━━━━」
戦いは、終わった。
しかし、彼らの言からして、これはまだ『終わり』ではない。
「僕は、これで帰りますねー」
観測局のところを『見』、そう告げて。
(これは……随分と懐かしい顔もありましたが、今はまだ、ですねー……)
最後に、そうふと思案を巡らせてから。
彼は、戦場を後にした。
- 834 :朝宮暁:2010/07/10(土) 02:08:03 ID:/k2gysHgO
- >>830
「……生きてはいるが生きてる心地は全くしねえ……」
最早何かを言う気力も無いらしく、ぐったりとして暁は言う。
>>831
「遠慮しとくぜ……起き上がる気力もねー……」
手の代わりに甲に差し出されたのは、赤いマフラー。
先程甲から渡されたものだった。
- 835 :GM:2010/07/10(土) 02:09:01 ID:ZY44/EXI0
- >>828
局員B「異能の広域化は、脳演算を複雑にするので、余計でしょうね…
本当に、ありがとうございました。救護は要りますか?」
局員が聞く。No.31の戦闘不能により、体温はもう戻っているだろう。
>>829
班長「取調べだな。二人とも、観測局本部から一時拘束室へ送られるだろうが…
被害は最小だし、洗脳の可能性だってある。まぁ、此処の法と照らし合わせて、
きちんと処理するよ。これから何が起きるか、それだけでも聞いておきたい。」
>>830
班長「やったことはとんでもないが、黒幕がいるならそいつが最も
罰を受けるべきだ。…悪いようにはしないさ。この少女はちゃんと保護する。
場合によっては、命の危険もあるのでな。こっちの男はまずは救護だ、
この深手だと、マズい。…言ってる間に来たな。」
救護班が到着し、能力を解除した普通の男の傷ついた体を運んでいく。
その後に少女も乗せられて、運ばれていった。
>>831
班長「来るんだろうな、こいつらの言い方だと。…だが、今回の件では
収穫も大きかった。なにより、災厄が来る前に解った事がでかい。
…何事もプラスにしないと、前には進めない」
>>832
「言ったろう、取調べと保護、救急、色々やらなきゃならないことがあるのさ。
まぁ、悪いようにはしない、むしろ事前に教えてくれてラッキーだった。
早急に、この異能者達のバックと対策を組み立てなきゃならないからな。
…また事が起きたときは手伝いを頼むかもしれん。」
- 836 :カノン・カペルマイスター/人型(女性):2010/07/10(土) 02:12:46 ID:e5mmnJXY0
- >>834
かか、と笑って、
「そんだけ言えてりゃ生きてんだろ。もっと喜べ若者よ!」
爪を引っ込める。
暁の様子を改めて見、
「…………出血大サービスで送ってやったりしようか…?」
>>835
「そか」
ほ、と一息ついて、
「そりゃあよかった。……説教できなくなるのはすっきりしないしな……!!」
目が光ったように見えた?気のせいですよ?
ともあれ、
「後はあんたらの仕事かな。頑張ってくれや」
- 837 :レイガー・ バゼラード:2010/07/10(土) 02:14:18 ID:BXgiA4u60
- >>835
「そうかい……それ聞いて安心したよ」
"悪いようにはしない"という局員の声を聞き、安堵の笑みを浮かべて意識を手放した
//おつかれさまでした。眠気がヤバいので今日はココらで退散します
- 838 :朝宮暁:2010/07/10(土) 02:18:11 ID:/k2gysHgO
- >>835
暁は寝た体勢のまま、運ばれて行く二人を横目に眺める。
「……――」
友人の身内を殺さずに済んだ。安堵感が胸の内に降りる。
「……スリー、今お前は……何をやってんだ……?」
>>836
「あー? ……いや良いわ。お前に送られると何故だか帰れなさそうな気がする」
宇宙人説は未だに暁の中で残っていた。
「そんなことより膝貸せ膝。枕になれ」
- 839 :アイリス:2010/07/10(土) 02:20:39 ID:zSDpd/tM0
- >>835
すり鉢状の滑り台は、雪へと消えると、うっすらと雪が降った。
「だったら体に聞いてみるのが一番いいかも知れないね。そういうのは得意でね。」
鋭利な刃物で切られたような傷では無い。時間が経ちすぎている。
腕(肩)の傷が、どうなろうともアイリスの窺い知るところではないが。
それと、もうひとつの危惧
「君たちは、あの男女の能力を封じることが出来るのかな?僕はそれが不安だね。」
>>836>>838
「お疲れ様、朝宮君。ネイデに続いて、この人と?」
クスリと笑みを浮かべながら、カノンと暁を交互に眺めている。
- 840 :GM:2010/07/10(土) 02:24:58 ID:ZY44/EXI0
- >>836
班長「まぁ、この子達の能力は危険すぎるからな、一部をこちらで封じるかも
しれんが。今はどうとも言えんが、訪ねて来てくれれば必ず会わせてやろう。
説教も思う存分すれば良いさ」
>>838
班長「…スリー、とは…ああ、No.3、か。こちらでも目をつけているが、
なるほど、身内か。…ふん。」
少し笑い、そして班長はどうするべきか、と思案した。
- 841 :朝宮暁:2010/07/10(土) 02:27:53 ID:/k2gysHgO
- >>839
「あー……? んじゃお前が枕になってくれよ……寝心地最悪なんだよココ……」
焦げたアスファルトの上では寝心地も何もあったものではないだろう。
暁の瞳はどこか呆然とした風がある。眠りに落ちる直前のような。
どうやら、疲労困憊であるらしい。
>>840
「……あいつの居場所、知らねえか」
笑みに微かに眉をしかめて言う。
- 842 :GM:2010/07/10(土) 02:28:10 ID:ZY44/EXI0
- >>839
班長「傷が無い、か。なるほど、確かにそういう系統に強そうだが、
此処は一応法もあるのだ、精神系能力者の取調べで大体都合は付く。
…封じる事が不安か?こいつらの異能は脳を媒体にプログラムを回すタイプ
ってとこまで解ってるんだ。恐らく人工的な異能者だからな。
人工的な能力なら、人工的に封じるのも簡単、というわけだ。」
自信満々に言い切る。異能の解析、対策のプロフェッショナル。
その肩書きは伊達では無かった。
- 843 :カノン・カペルマイスター/人型(女性):2010/07/10(土) 02:31:24 ID:e5mmnJXY0
- >>840
「マジでっ!?(AA略)
じゃー適当に遊びに行くかな!」
えーと窓からの侵入はーなどとルートをいくつか考えだした。
>>838
「ほほう俺そんなに拉致られたいとは知らなかったなあ」
多分連れてかれたら異能都市一周してテキトーな位置に下ろされます。
「膝?いいけどよーお前何ついに足派に転向したの?」
gdgdしながら暁に近寄り、
>>839
動きを止めた。
数秒考えて、
「おいおい美人さん、俺を暁君の愉快なハーレムに加えようと思ったらそれは大きなミスだぜ」
何せ俺、
「―――――性別ないしな!この姿ですら仮!そう、仮釈放のような…!!」
そう言ってすすすっと二人から離れる。
しゅびっと片手を挙げて、
「じゃあ、……ごゆっくりぃ!!」
どこぞの忘れ物をした人の如くダッシュで去って行った。
飛べばいいのに。
//眠気が襲いかかってきたので落ちます…!
//お疲れさまでしたー楽しかったですー!
- 844 :GM:2010/07/10(土) 02:32:20 ID:ZY44/EXI0
- >>841
「居場所か、知っていたというのが正解だな。…数日前から公安の捜査網にかかっていない。」
ため息をついて。
「災厄というのなら、奴も入るのだろう。本国へ戻ったか、パンプキンヘッドの
繋がりを疑うか。どちらにしろ、数日前にもパンプキンヘッドの目撃情報がある。
探すなら、其処からだろう。」
「…確か君は暁君だな?全く、とんでもない友人を持ったものだ。
都市攻略拠点と知り合いとはな」
- 845 :アイリス:2010/07/10(土) 02:42:02 ID:zSDpd/tM0
- >>841
「ふふっ…こんな公衆の面前で恥ずかしいよ。家に帰ったらたくさんしてあげるから今は我慢…して。」
服は焔の雨で灼け、白磁の肌が所々みえている。
僅かに俯き、アイリスは恥ずかしそうに暁を見た※演技です。
>>842
「なるほど。ただ、不安じゃなくて危惧といった方が正しいかも知れないね。仮にだよ。」
アイリスは笑みを浮かべながら、思いついた事を告げた。
「人工的な能力なら、そうだね。例えば、“人工の能力を管理する大元”が動くように指令を出した場合はどうなるのかな?」
むしろ人工の能力であるため、制作者の意志一つで何時でも動き出すのではないかと思った。
アイリスは、スイッチのオンオフを連想していた。
>>843
「そうなんだ。奇遇だね。僕も似た様なものでね。」
カノンに左手を振り、
「今度はゆっくりと話をしてみたいものだね。」
と見送った。
アイリスの枷となる指輪は、いつの間にか左手薬指にきっちりと嵌っていた。
- 846 :朝宮暁:2010/07/10(土) 02:46:50 ID:/k2gysHgO
- >>843
「この場に低反発枕があるってんなら100円出すぞ……後俺は永遠に乳派だ。審判のラッパが吹こうが天地が逆転しようがな」
あ゙ー、と気だるげに声を吐いて、
「枕が……」
と、カノンを見送った。
>>844
「け、またあのクソカボチャか。……今度こそ焼きカボチャにしてやんよ」
け、と吐き捨てるように笑う。
「おーう、いかにも俺が朝宮暁だ。……は、あいつはそんな大した野郎じゃねえよ。
……んで、都市攻略拠点ってどういうことだ」
一度否定しておいた癖に、尋ねてくる。意識が散漫であるらしい。
>>845
「うるせー……俺にそんな趣味はねえ……」
ぐったりとした声で暁は笑う。
「あー……オラ、これ着とけ。目に毒だ。汗くせーかもしんねーがな」
もぞもぞと気怠げにジャケットを脱ぎ、アイリスに放り投げる。
- 847 :GM:2010/07/10(土) 02:53:15 ID:ZY44/EXI0
- >>845
「その可能性も無きにしもあらず、だが結局のところ解析するまで解らない。
制御できるなら制御するし、制御不能なら拘束になってしまうがな。
俺の勘だが、人工能力とは別に操作制御機能が付いていると考えている。
そっちだけ潰せばOKかもしれんしな」
>>846
「おや、どういうも何もそのままの意味さ。表向きは研究者だが、彼が
某国の戦闘機関、『TRINITY』の戦闘員であることは解っている、というか
彼が自分から漏洩している。
つまりは、戦争が起きた時、つまり現在、
最も効率的な破壊を行う為、都市に潜伏していると考えられる。」
「災厄レベルか、それも妥当だ。イデアの箱庭のログから解析を行ったが、
奴に限界突破されると一体どこまでの破壊が行われるか想像もつかん。ゆえに、」
「都市攻略拠点、だ。自分で動き自分で考え自分で破壊を行う拠点。
コイツから攻撃が始まるとみても問題無いだろう、な」
- 848 :アイリス:2010/07/10(土) 03:02:23 ID:zSDpd/tM0
- >>846
「…ちゃんと手入れしているのかな?」
取り敢えずジャケットを羽織ってみる。
大きい。
袖から掌がちょこんと出ており、裾はミニスカートのようだ。
「……その様子だと仕方ないね。“家”に連れて帰ろうかな。」
暁と観測局の人間の話に耳を傾けていれば、少し面倒なことになりかねないのは必至だ。
>>847
「個人的には両方とも潰しておいて欲しいんだけどね。こんな格好になるのは後々面倒だから避けたいのが本音だね。」
あの男が自分に復讐するも良し、だが。
それはそれで構わない。
「まぁ、結局は君たち任せになってしまうのが実情だ。今後のことを考え、可能性は潰しておくほうが良いと思うのだけどね。」
例えば、件のNo.3が観測局を襲い、No.52とNo.31を救いだす。
その後、三人との闘いが……
アイリスは飽くまで、一個人の意見だよ、と補足し、笑みを浮かべた。
- 849 :朝宮暁:2010/07/10(土) 03:02:53 ID:/k2gysHgO
- >>847
「……――は、確かにな」
箱庭で戦った時の事を思いだせば、その光景は自然と脳裏に浮かんで来た。
単純で原始的な質量という武器を使い、一切を蹂躙する、暴君。
「……戦いたくねえなぁ」
染々と暁は呟く。隠しようのない本音だ。
「――それにしても戦争か。色んな組織が動くんだろうな」
- 850 :朝宮暁:2010/07/10(土) 03:07:26 ID:/k2gysHgO
- >>848
「……服には気ぃ使ってるから安心しとけ……ルックスは商売道具だからな……」
あ゙ー、と気だるげな吐息をつく。
「家? お前の? ……俺のアパートよりは寝心地良いベッドがあるんだろうなぁ……」
- 851 :GM:2010/07/10(土) 03:10:34 ID:ZY44/EXI0
- >>848
「心得ておこう。俺はかなり温厚派だからな、良い妥協点を探してみる。
…三人同時か、全く考えたくも無い。」
少し笑って。
>>849
「それに、今回奴等が使った、限界突破という武器がある。
脳回路を駆使して能力の範囲を広げたようだ、あれをされると面倒だ、実に。」
苦笑して。
「都市と個人との闘争だがね、このレベルになれば立派な戦争だ。
公安、観測、裁判も動くかもしれんな。自警も大忙しだろう。
まぁ、俺は俺の仕事をやるだけだ。
さて、俺はそろそろ戻るとするよ、取調べやNo.3の足跡を辿ったり、
することは山ほどある。」
早く怪我を治してくれよ、と言って、観測局の班長は転送陣に乗り、その
空間から掻き消えた。
- 852 :アイリス:2010/07/10(土) 03:15:03 ID:zSDpd/tM0
- >>850
「なるほどね。尤もだ。」
アイリスは僅かに表情を崩し、クスリと笑った。
「どうだろうね、あまり寝泊まりしていないから分からないよ。それとも、僕の部屋が良いの?」
スッと、小さく白い手を差し出したアイリス。
>>851
「ではね。もう顔を見る機会が無いことを祈るよ。」
彼が消え去ってから、手を振るのをやめた。
- 853 :朝宮暁:2010/07/10(土) 03:20:33 ID:/k2gysHgO
- >>851
「千夜も動くだろうな……あの警備主任も。裏の連中なんかも」
一人で戦争を行うあの人物が。都市の裏に潜む得体連中が。
「……無事に済むかね、この街が」
勝った、負けたよりそれが心配になってくる。班長の言葉に嘆息し、ああと小さく返事をした。
>>852
「け、お前に比べたら芋みてえなもんだがな」
人とは思えない程に整った容姿をしたアイリスを見て、苦笑を漏らす。
よ、と小さい掛け声と共に暁は半身を起こし、アイリスの手を取って立ち上がった。
「……あー……くらくらする。とりあえず、寝心地よさそうな方が良いな……」
- 854 :アイリス:2010/07/10(土) 03:27:11 ID:zSDpd/tM0
- >>853
「だったら…あそこで良いかな。」
暁の“男の手”を確りと握ったアイリス。
「此処から割と近くに……ホテルだっけ。そこで部屋を取ってあるんだ。そこに行く?」
そのホテルの名は、この辺りでは高級ホテルとして知られている。
暁の判断で、神羽荘の自分の“部屋”でも良いかと考えている。
- 855 :朝宮暁:2010/07/10(土) 03:33:16 ID:/k2gysHgO
- >>854
「あー……いや、ホテルは勘弁だ。金を払って寝るトコだと落ち着いて寝れねえ。……もうホテル以外ならどこでもいいわ」
目眩に耐えるように眼を閉じて、ああと呟く。
「あ゙ー……我が儘で済まんな」
- 856 :アイリス/封鎖地区→神羽荘:2010/07/10(土) 03:37:46 ID:zSDpd/tM0
- >>855
「ふふっ…。だったら神羽荘にしようか。僕の手を確り握っていてね。」
アイリスは懐から羽を取り出し、念じた。
二人は穏やかな光に包まれる。
神羽荘204号室、アイリスが住まう生活感のない部屋に辿り着いた。
- 857 :朝宮暁:2010/07/10(土) 03:44:47 ID:/k2gysHgO
- >>856
「うお……」
気が付けばアイリスの部屋。土足のままで――なんて言い掛けたが、
「……そういや土足で良いんだったか」
馴れねえなあ、と呟く。
「つかお前、魔術使えたんだな。……転移ったら結構なもんじゃねえか」
- 858 :アイリス:2010/07/10(土) 03:51:54 ID:zSDpd/tM0
- >>857
「いいや、魔術じゃないよ。これは父のものに改良を加えただけのものだから。」
アイリスは苦笑する。
「僕の実家では転移は出来ても、驚かれないからね。そういう反応が新鮮に思えるよ。」
クスクスと、柔らかな笑みを浮かべたアイリス。
「朝宮君、どうする?」
お風呂はある。何時入るか、それが問題だ。
- 859 :朝宮暁:2010/07/10(土) 04:00:37 ID:/k2gysHgO
- >>858
「……はー。能力か? 解んねえがすげえ家族だな」
転移と言えば、魔術陣を描いたりする必要がある結構な魔術だと認識していた。
それをいとも容易く行い、それが当たり前。暁には想像もつかない。
「くっそ何だか田舎もんみてえじゃねえか。……あー」
正直、今すぐ寝たい。頭も上手く働いていない。だが戦いの後だ。このまま寝たら布団を汚すかもしれない。
「……風呂貸して貰えっか? あ、お前先入るか」
主人を差し置いてというのも気が引ける。
- 860 :アイリス/神羽荘:2010/07/10(土) 04:05:37 ID:zSDpd/tM0
- >>859
「数ある能力のうちの一つだよ。」
興味があるのなら話す。そんなスタイルである。
「ううん、先にどうぞ。朝宮君が入っている間に僕は色々と済ませたいことがあるからね。」
アイリスは既に、暁から借りたジャケットを脱いでおり、メイドに綺麗にするよう言いつけている。
暁が眠る場所の準備や着替えの準備が必要なのだろう。
- 861 :朝宮暁:2010/07/10(土) 04:12:43 ID:/k2gysHgO
- >>860
「……想像つかねえ……」
これでも混沌と歪曲の楽園、異能都市の住民。表社会の人間は基より、生半可な異能者、魔術師よりも、都市住民として知識は有ったりする。
それなのにまるで想像がつかない。ここよりも魔境な場所ってあるんだな、なんて考えた。
「……興味は有るが今の頭じゃ理解出来そうにねえわ……。あ、んじゃ先に借りるわ。なんか悪いな」
結局、先に風呂を借りる事にした。
- 862 :アイリス/神羽荘:2010/07/10(土) 04:19:37 ID:zSDpd/tM0
- >>861
「うん。先に浴びてくると良いよ。」
暁がバスルームに入る頃、メイドは既にバスローブを準備していた。
ホカホカと湯気が沸く湯船の中には、バラの花びらが無数に浮いており、その香気が鼻を擽るだろう。
暁が風呂に入っている間、アイリスは服を着替え、香りが付けられた湯で体を拭かれる。
髪に付着した血液も、体も一切を綺麗にされている。出掛ける前よりも綺麗になったアイリスの体。
そのままソファーに転がると、小さな欠伸を漏らす。
そして、暁のベッドは準備されていた。
といってもソファーベッドだ。
普段アイリスが使っているソファーと同じ位柔らかく心地良いものだ。
- 863 :朝宮暁:2010/07/10(土) 04:29:21 ID:/k2gysHgO
- >>862
「薔薇か。……貴族か吸血鬼かっつーの。……どっちも有りそうだ……」
香気満ちるバスルーム。暁はうへえ、なんて声を漏らしながらバスタブを見ていたが、
「……お湯汚すのもなあ……いや待て。常識で考えるな。あいつの事だからすぐに捨てるとみて間違いない筈だ。うむ。そうだ」
思案の後頻りに頷き、結局湯船に浸かる事にした。
――――お風呂シーン描写省略――――
「……なんだこりゃ……シャンプーも石鹸も高級品ってレベルじゃねえぞ……」
妙にお肌すべすべ、髪の毛つやつやになった暁であった。
「……そろそろ上がるかね」
- 864 :アイリス/神羽荘:2010/07/10(土) 04:35:54 ID:zSDpd/tM0
- >>863
暁がお風呂から上がる頃、アイリスはうつ伏せでソファーにころんと転がっていた。
アイリスはYシャツ一枚だった。
細く白い足が、黒革のソファーの上で伸びており、小さな手がソファーの淵を掴んでいた。
テーブルにはワインが有り、いくらか呑まれた形跡がある。
「…そろそろ…かな。」
なんて呟いてみたり。
- 865 :朝宮暁:2010/07/10(土) 04:43:40 ID:/k2gysHgO
- >>864
「……バスローブ……まさかラブホ以外で着る事になるとは」
何やら俯いてぶつぶつと呟いていた暁だったが、今上がったぞー、なんて言おうとした瞬間口をぽっかり開ける羽目になった。
――――幾らなんでも危険過ぎるだろう、それは。
「……アイリス。一つ聞きたいんだが、お前の実家でワイシャツ一枚が部屋着なのか?」
白い足に眼が行く度に暁は魔法の言葉を頭の中に響かせる。“こいつは男で、胸はない”。
- 866 :アイリス/神羽荘:2010/07/10(土) 04:49:32 ID:zSDpd/tM0
- >>865
「お帰りなさい、朝宮君。」
アイリスはニコニコとしていた。
「実家だったらもっとちゃんとした服を着ているよ。この服装だと怒られちゃうからね。でも、これって楽なんだよ。」
垂れた髪を耳に回し、頬杖をつきながら暁を見つめる。
アイリスは変える気配は無さそうだ。
「…まさか、朝宮君はこんな格好をしている僕に欲情しているのかな?」
クスクスとイタズラな笑みを浮かべて。
- 867 :朝宮暁:2010/07/10(土) 04:58:19 ID:/k2gysHgO
- >>866
(南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏)
「欲情? ――は、侮んな」
頭の中で南無阿弥陀仏と連呼して精神を落ち着けながら、暁はシニカルに笑ってみせる。
顔面の筋肉を動かすギギギという音が聞こえた気がした。
「乳の無い、況してや男のお前に欲情するなんざありえねーよ」
視線が行く。白い足が眩しい。
(南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏ヤツは男だ胸はない)
「寧ろそんなカッコで男の大事なモンがポロリしねえかと怖くなってたとこだぜ」
耳に眼が行く。形が良い。
(南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏。
ヤツは男だ胸はない。ヤツは男だ胸はない。ヤツは男だ胸はないッ!)
「自分以外のブツなんざ見たくもねえからな」
- 868 :アイリス/暁よ、煩悩を振り払うのじゃw:2010/07/10(土) 05:07:42 ID:zSDpd/tM0
- >>867
「ふふっそうなんだ。」
アイリスは起き上がり、ソファーの上でペタンと座る。
見方によれば控えめな胸の持ち主の女の子であるともとれる。
アイリスはテーブルに置かれた蒼い薬品に手を伸ばし、薬品であろうものを躊躇無く飲み干した。
「これで、どうかな。多分…驚くと思うよ。」
アイリスは微笑みを浮かべると、そのままソファーに寝転ぶ。
太股の半ばまで見えている状態だ。
「ごめんね。ソファーベッドしか無かったようなんだよ。朝宮君のベッドはそっちだからね。」
アイリスが示したソファーベッドは、アイリスのものと色が違うだけだ。
メイドがアイリスに薄手の毛布を掛けると、戸口に立った。
「ねぇ、そろそろ眠らない?僕、今にでも眠っちゃいそうだよ。」
そこまで眠いのか、アイリスの瞳は僅かに濡れていて。
- 869 :朝宮暁:2010/07/10(土) 05:19:19 ID:/k2gysHgO
- >>868
暁は決めた。――限界が来たら窓割って逃げよう。
「おーう、ま、俺を欲情させたきゃ乳でけー美人の姉ちゃんでも連れて来い」
いざとなったら逃げると決めた事で暁は少し楽になった。頭の中では南無阿弥陀仏がエンドレスで流れているが。
「……あ? これでどうって……つかお前、何した? ……何飲んだ?」
アイリスの言っている事が今一つ判らず、意味を尋ねる。瞬間目に入る――――
(――――太股。ヤバいヤバいヤバい南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏ッ!
ヤツは男だ胸はない。ヤツは男だ胸はない。ヤツは太股あるけど胸ない惜しい!
――……って、ちげえよッ)
暁は自分の頭の自分で殴った。がつんという音。
「……う? あ。ああ。そうだな! 寝るか!」
(寝れるかボケエエエエエエエ――――!)
- 870 :アイリス/暁よ、アイリスの煩悩は108まで(ry:2010/07/10(土) 05:25:36 ID:zSDpd/tM0
- >>869
「うん、そうしよう…。お休み、朝宮君…」
既に眠る準備は万端のアイリス。暁の行動に疑問を抱くが今は眠気を優先した。
毛布で完全に足は隠れてしまったが、Yシャツのボタンは上から2番目まで開けられている。
本当に眠たかったのか、何を飲んだかまでは言うこと無くアイリスは眠りの世界へと落ちていく。
メイドにより、部屋の灯りは落とされた。遮光カーテンの所為もあるのか部屋は暗い。
それが暁の想像力を掻き立てるとも知らずに、アイリスは小さく可愛らしい寝息を立てている。
- 871 :朝宮暁:2010/07/10(土) 05:37:10 ID:/k2gysHgO
- >>870
「――――――――」
暁は闇の中に沈黙した。耳を澄ませば寝息が聞こえてきそうな、温かな闇。
暁は直立不動で沈黙した。暗闇の中で、眼に焼き付いたアイリスの白い肌が見える気がした。
暁は眼ン玉ガン開きで沈黙した。
倫理観とプライドで必死に己の理性を補強する。人間は理性がある故に人間なのだ。
「……………………」
やがて暁はもぞもぞと用意された自分の寝床に潜り込む。本能とせめぎあう理性の力を持って、暁は全身全霊で呼吸を止める。
――――普通に寝ようとしても、寝付けないどころか暴走しそうだったから。
そうして、暫く。
暁は、気絶した。
- 872 :名も無き異能都市住民:2010/07/10(土) 22:08:52 ID:rSRBD9/U0
- 【異能都市郊外――ゴミ処理場】
「ぐ、む……。」
がしゃん、と音を立てて粗大ゴミの山の一角が崩れる。
朽ちた家電が重量に負け潰れたわけでも、カラスや野犬が漁った拍子に
崩れた訳ではない。
ゴミの山の中に、『人』が捨てられていたのだ。
「クソめ、体の筋肉という筋肉の中に針を入れられたみたいだ。」
彼は原因不明の痛みに顔を歪め独り言を吐き捨てながらも
2mはあろうかという巨体の上半身のみを起こして周囲の様子を伺った。
「ここは……どうして俺はここに……
マズいな、少し酒をヤりすぎたようだ。」
思考にもやがかかった様に何も思い出せない。
しかし、いつまでもゴミの中に埋もれている訳にも行かないと思い立った彼は
ゆっくりと立ち上がり、街へと向かった。
- 873 :セシベル・S・コープス ◆JBbLACK.JY:2010/07/10(土) 22:42:52 ID:cifwwTeU0
- >>872
ふっ!
【ゴミ処理場の入り口。町中駆けずり回った最後にたどり着いたのは朽ちた物の墓場】
【緑色の明るい瞳に、金と見紛う長髪。中性的な顔立ち】
【そして袖だけ長いコートに、ギリギリ見えないほど極端に腰履きのジーンズ】
【男の癖にやけに艶めかしい雰囲気の男が、廃棄物の山を眺めていた】
ふーん……やはりあるのか。
俺はゴミステーションっていうのが嫌いなんだけど。
【長く艶やかな髪を手で梳いて、払う】
【嫌悪感を露にしながら、袖に手を突っ込んだところで人影に気付く】
……ん?
【不思議に思い、動作を中断し目を凝らす】
- 874 :名も無き異能都市住民:2010/07/10(土) 22:54:59 ID:rSRBD9/U0
- >>873
もともと作業員程度しか立ち入る物のいない処理場。
当然、業務の行われていない夜間に訪れる者などほとんどいないだろう。
当直の職員かとも思われたが、それにしては服装がおかしい。
男の服装はトレンチコートとくたびれた帽子。
職員が私服に着替えていたとしても真夏にこんな服装をするとは考えにくい。
あきらかにこの施設とはかかわりのない人物だろう。
彼は時折よろけながら、
出口を求めてさまよっているように見える。
- 875 :セシベル・S・コープス ◆JBbLACK.JY:2010/07/10(土) 23:03:58 ID:cifwwTeU0
- >>874
おーい、こっちこっち! 見えるか? 見えないね!
【ゴミ処理場入り口から大声が上がる】
【大量のゴミが視界を遮って見えないかもしれないが…】
よーし少しの間待ってろ。
【服の袖からずるりと取り出したのは……何かのノズル】
【肘の辺りを男がぐいとつねって自信満々に空に手を掲げると】
さぁ、存分に見給え熱い欲望の炎!
ボッ ボォオオオオオオオオオオッ!!!!!
【ノズルから炎が噴射! 周囲の迷惑や燃え移りなど関係なく、空へ赤紫の光が迸った!】
- 876 :名も無き異能都市住民:2010/07/10(土) 23:15:51 ID:rSRBD9/U0
- >>877
炎によって今まで曇った街灯が所々あるだけの
薄暗い処理場が明るく照らされた。
「む……これは……?」
男は、セシベルにようやく
気付いたようで、おぼつかない足取りで近づいてきた。
「やぁ、どうやら高級ホテルからのお出迎え……には見えないな。」
明かりに照らされた男は見るからに顔色が悪かったが、
それを隠すようにセシベルの顔を見て軽口を叩いた。
- 877 :セシベル・S・コープス ◆JBbLACK.JY:2010/07/10(土) 23:24:11 ID:cifwwTeU0
- >>876
ンフフフフフ、まぁ俺がここにいるのは単なる奇遇偶然運命の悪戯のせいだからね。
【腕から出ていた炎の出力を絞り、小さくする】
俺はセシベル・S・コープス。以後宜しく。
【暗闇に照らされた顔は綺麗に整えられた人形のようだ】
さて、君はどうしてこんなところにいる? エロ本探しか? ならば俺も手伝おうグフフフフ。
【整えられた顔が下世話な話に歪む】
- 878 :名も無き異能都市住民:2010/07/10(土) 23:34:33 ID:rSRBD9/U0
- >>877
「よろしく、セシベル。」
男は2m程のがっしりした体つきで、
辛うじて見える首周りの筋肉はかなりのものだ。
「さあ、どうやら酒に酷く酔っ払ってしまったらしい。
眠る前の記憶が……」
そこで、男は驚いたように目を見開いて。
「眠る前の記憶が……いや、記憶がない……?
なんだ、ひどく……気分が悪い……。」
- 879 :セシベル・S・コープス ◆JBbLACK.JY:2010/07/10(土) 23:41:54 ID:cifwwTeU0
- >>878
フフ、なんだ飲み過ぎか。
それにしてもゴミ捨て場まで迷いこむとは酷い酔い方も
……
【怪訝そうに眉をひそめ、腕組みをして暫く黙り】
どうした?
【一瞬で真剣味を帯びた声に変わる】
- 880 :名も無き異能都市住民:2010/07/10(土) 23:48:45 ID:rSRBD9/U0
- >>879
「記憶がない……俺の以前の記憶が。
自分の事もとんと思い出せない……これは……」
男は頭に手を当て、酷くうろたえている。
「俺は……一体、なんなんだ……」
- 881 :セシベル・S・コープス ◆JBbLACK.JY:2010/07/10(土) 23:58:05 ID:cifwwTeU0
- >>880
……記憶か……。
【顎を何度か手のひらで摩り、人差し指と親指を伸ばして添える】
酒、や、高級ホテルなんかとは言えてるあたりは、記憶喪失。
基本的な知識やなにやらは飛んでいないようだな。
何か、他に思い出せることはないのか?
自分のことじゃなくていい。
思い当たることを全て浮かび上がらせれば、『自分』とリンクするかもしれない。
【憂い顔で、素人考えだが、と付け加える】
- 882 :ラウル・ゲレロ:2010/07/11(日) 00:08:29 ID:rSRBD9/U0
- >>881
「思い出せる事……か……。」
男は青ざめた表情で、呻きながら
しばらく思案に暮れていたが。
「ラウル・ゲレロ……と呼ばれていたような記憶がある……
名前……名前だ……そうだ……だが、違和感が……」
ようやく、名前を搾り出したが
それすらも確かではない様子だ。
- 883 :セシベル・S・コープス ◆JBbLACK.JY:2010/07/11(日) 00:15:04 ID:cifwwTeU0
- >>882
ラウル・ゲレロ。
【名前を復唱し、すっと詰め寄る】
他には?
【見上げる男の声は、急く感情を鎮めるように耳を撫でる】
【腕から出ていた炎を静かに吹き消し、辺りは静かな暗闇に包まれた】
- 884 :ラウル・ゲレロ:2010/07/11(日) 00:21:40 ID:rSRBD9/U0
- >>883
「他、他は……」
男は、その後も必死に思い出そうとしていたが
これといって何も思い出す事は無かった。
「一体どうしたというんだ……。
俺はどうしてこんなところで……。」
巨体を持つはずの男は、憔悴し
さきほどより幾分か小さく見える。
とにかくまず、ここから連れ出し
病院、もしくは警察に連れて行くべきだろう。
- 885 :セシベル・S・コープス ◆JBbLACK.JY:2010/07/11(日) 00:26:14 ID:cifwwTeU0
- >>884
……よし、落ち着いてよし。
【妖しい紫色の魔力がゆらりと手から迸り】
【細い両腕を男に伸ばして、真正面から抱きつこうとする】
- 886 :ラウル・ゲレロ:2010/07/11(日) 00:33:13 ID:rSRBD9/U0
- >>885
「………………」
半ば放心したような男は、
セシベルの法要を無抵抗に受け入れた。
この男はおそらく魔力などを感知する能力は無い。
魔術師などの類ではないのだろう。
- 887 :セシベル・S・コープス ◆JBbLACK.JY:2010/07/11(日) 00:40:06 ID:cifwwTeU0
- >>886
【体の大きさ的に、ぺたっとくっつくように抱きつく】
【魔力は体に染み込むように、温かい熱を持っていた】
(これでどうにかなるとも思ってないが……)
【魔力の持つ効果はあくまで『身体的な強化』であり精神を癒すなどの効果はない】
【ただ、フラフラの体を少し癒す程度はできるだけ】
君は今不安定だ。考え込んでも今は……仕方ない。
俺もこの街には詳しくないが、ここから離れよう。ゴミ捨て場じゃ飯すら落ちてないぞ?
【抱きつきながら背中をぽんぽんとリズムよく叩く】
- 888 :ラウル・ゲレロ:2010/07/11(日) 00:48:22 ID:rSRBD9/U0
- >>887
「あ、あぁ……そう、だな……。」
男はいまだ放心しているようだが、
顔色を見るに既に血色は良くなっていた。
「すまない、どこか宿まで案内してもらえないだろうか。
金なら、少しぐらいはあると思う……。」
男はポケットを探り、財布を見つけると
何枚かぐしゃぐしゃになった紙幣を取り出した。
安宿であれば何日か泊まれる程度の額だ。
- 889 :セシベル・S・コープス ◆JBbLACK.JY:2010/07/11(日) 00:53:50 ID:cifwwTeU0
- >>888
宿か。まかせたまえ何故ならこの俺は世にも珍しい魔法生命セシベル!
宿の見つけ方など聞くもおこがましいまでに把握している!
【そういうと男の手を引き街の方へ歩いていく】
そうだな、記憶を失っているならもしかしたら知らないかもしれんから聞いておこう。
ここは異能都市。それは分かるか?
【手を引きながら首だけ男に振り返る。輝く瞳は男を年齢以上に幼く見せる】
- 890 :ラウル・ゲレロ:2010/07/11(日) 01:02:32 ID:rSRBD9/U0
- >>889
手を引かれるままセシベルの後についていくラウル。
傍から見ると少し奇妙にも見える光景だろう。
「異能都市……すまない、思い出せない。
俺はこの町の住民だったのだろうか…・・・?」
セシベルと対照的にラウルは酷く疲れて見えた。
足取りはしっかりしているが、精神的な疲労が表に出ているのだ。
- 891 :セシベル・S・コープス ◆JBbLACK.JY:2010/07/11(日) 01:10:10 ID:cifwwTeU0
- >>890
それも分からん。なにせこの街は世界と世界の境界があやふやな街。
知らないうちに街へ流れつく奴も多いと聞く。
その過程で記憶喪失になる……というのはあまり聞いたことがないが。
だが、この街自体は良い所だ。
何がしたい? おそらくは何だって出来る。
未だエロエロなハプニングに遭ったこと無いのが不満だが、まぁいずれ……グフフフ。
【邪悪な笑みを浮かべるけど異能都市は全年齢!】
さて、俺が知る限り安い宿といえばここか。
【人通りはそこそこ、若干の安いネオンが光る】
【そうした中で、一見しただけでは地味すぎて気づかないほど地味に、宿があった】
- 892 :ラウル・ゲレロ:2010/07/11(日) 01:18:44 ID:rSRBD9/U0
- >>891
「ありがとう、ここまででいい……。」
男はゆっくりと宿の扉を空け、中へと入っていく。
彼がこの先、どういった運命を辿るかは分からない。
ただ、彼は何か光る物を持っていた。
ただの住人にはない、何か光る素質を。
// そろそろ〆させてもらっていいかな?
- 893 :セシベル・S・コープス ◆JBbLACK.JY:2010/07/11(日) 01:21:54 ID:cifwwTeU0
- >>892
よし。ではまた。
【くるっと背を向けて、思い出すように両手の人差し指を立てて回転を殺さず振り向き】
思い出せるといいな。
【両指で男を差して楽しそうに笑う】
じゃあ!
【そういって今度こそ背を向け、歩き去っていった】
//おつおつ
- 894 :闘祭2010:2010/07/11(日) 21:01:23 ID:/k2gysHgO
- ――――闘祭2010期間限定フィールド、特設スタジアム。
常に歓喜と悲哀の感情渦巻いていたスタジアムに、以前と同じ熱気の中にも微かな充足の静けさを見いだす事ができる。
祭りは、終わったのだ。
後は閉会式を残すのみとなった闘祭というイベント。今まで多くの熱戦が繰り広げられたイデアの箱庭。皆が祈るように仰いだ特設モニター。
――――それらが、過去の物となる。
- 895 :闘祭2010:2010/07/11(日) 21:01:59 ID:/k2gysHgO
- 恒例となった開式前のモニター映像には今までの闘いのハイライトが映される。
赤いマフラーを翻す甲が、紅の装甲を身に纏うクロスが、狐面をつけた“masked romance”が、闇を操るゼオラが、白い衣装をはためかすアウテリートが。
相棒と共に戦う朱華が、焔の翼を広げる暁が、包帯を自在に展開するディスが、機械的な足を持って駆け抜ける沢桐が、体を強靭な鋼に変える黒金が。
数多の兵を統べる小百合が、薬剤を持って体を強化するウリューが、妖蝶と共に踊るノエルが、愛機と共に戦う頼羽、業火の魔剣を操る煉、精霊と共に戦うアンジェリークが。
――――やがて、映像が停止する。
『皆様、大変お待たせいたしました』
ばつん、と音がしてスポットライトがスタジアムの中央に降りるそこに居るのは最早蝶ネクタイの紳士。
『――――これより、闘祭2010、閉会式を始めます。では、』
『全選手、』
- 896 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/11(日) 21:03:08 ID:WVrfsEdY0
- 「……あうー…
はやくきちゃったかなの…」
【軽くため息をついて言った】
【閉会式の会場内に包帯を巻いた少女が立っていた】
- 897 :闘祭2010:2010/07/11(日) 21:06:01 ID:/k2gysHgO
- 『――――入場!!』
『赤マフラーが翻る!! 幾多の死線を突破したドリル男の入場だ!!!
宣言通り全員まとめてブッ血斬って堂々優勝!! 甲だァ――――!!!』
『一ヶ月一万円生活術はすでに俺が完成している!!
賞金目当てにやってきた第七位文無しアルバイター朝宮暁だァ――――!!! しかし七位に賞金は出ないッ!』
『私はいつでも藜さんと一緒だ!!
堂々六位! 神羽家代表 神羽朱華だァッ!!!』
『ダークな戦闘なら私の技がものを言う!!
惜しくも第四位! 死界人形 ゼオラ・アドヴァルト!!!』
『歴史の強さを知らしめたい!! 第十一位、辣腕都市警備主任 黒沢小百合だァ!!!』
『赤字にならない程度だがドーピングなら私に任せろ!!
アパート借りたい第十二位、やはり賞金は出ません。 ……ウリューだ!!!』
『ロリコン対策は完璧だ!! 大喰らい包帯幼女堂々八位! ディス!!!!』
『異能都市のベスト・シュートは私の中にある!!
祓魔師兼務のコンビニ店員が来たッ 諸事情により残念ながら失格、アンジェリーク・サン=ローラン!!!』
『防御の硬さなら絶対に敗けん!!
文字通りの鉄壁を見せとくれました! 千夜グループ外部エージェント 黒金鋼、第十位!!!』
『メイドと言えばこいつが怖い!!
仮面のメイドヒーロー面目躍如! 第三位“masked romance”!!!』
『研究所から改造人間が上陸だ!! 第九位は光速の男 沢桐創!!!』
『お父様と既成事実が作りたいから力をつけたのだ!!
ファザコンの技を見せつけ堂々の五位!! アウテリート・F・クラーリオ!!!』
『九割人間に一割吸血鬼とはよく言ったもの!!
業火と魔剣が今 箱庭でバクハツする!! 諸事情により残念ながら失格、黎明騎士団 水無月煉だ―――!!!』
『はぐれメタルこそが地上最強の代名詞だ!!
便利屋ギルドの長がきてくれましたが現在行方不明! 逃げたかはぐれメタル! ノエル=フルーレス!!!』
『息子に良いトコ見せたいからここまできたッ 仕事はどうしたのか一切不明!!!!
異能都市のタクシードライバー はぐれメタルに逃げられ失格、頼羽無為だ!!!』
『オレはロリコン最強ではない異能都市で最強なのだ!!
御存知戦う店長 全ロリコンを代表するものの惜しくも二位、銃寺森クロス!!!』
『――――以上! 16名です!』
- 898 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/07/11(日) 21:08:15 ID:HnkBBDEo0
- 「おい誰だこの紹介文作った奴、表に出ろ」
自分がモニターに写されているのも気付かぬまま、クロスはいきなり回りにガンを飛ばし始める。
- 899 :神羽朱華:2010/07/11(日) 21:08:31 ID:ZOM.z7ps0
- 「ふ……六位、ね……うん……半分から上ってだけでもね……うん……
いや、全然悔しがってたりとかしてないから……は? 誰今結局あいつ誰だったのって言った観客。ぶち殺すわよ」
ギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリ歯軋りしながら少女入場。
- 900 :甲:2010/07/11(日) 21:11:55 ID:KE2UskXwO
- 「あー……終わりかぁ…」
感慨深いやら感無量やら
渦巻く感情を噛み締めながらモニターを見上げていた
- 901 :沢桐 創:2010/07/11(日) 21:14:40 ID:DrfW.PnA0
- 「…騒がしいな」
閉会式ぐらいは出ないとばつが悪いという考えなのか、
半ば義務的に男はそこに立っていた。
男の姿形に変化は無いが、どこと無く大会開催当初と雰囲気が違っていた。
- 902 :闘祭2010:2010/07/11(日) 21:20:18 ID:/k2gysHgO
- >>898
観客席にはカフェの常連たち横断幕を持って歓声を飛ばす。横断幕に描かれたのは、
『黒瑪瑙ちゃんに何か買ってやれ!』
……という文字。
>>899
小夜ちゃんはどうしたー! 鏡子ちゃんはどうしたー! という声がやはり飛ぶ。
しかし、そんなふざけた声は幾分少なくなったようである。
>>900
赤いマフラーを巻いた鉄壁の受付嬢が音頭を取り、彼女と同じく赤いマフラーやストールを身に付けた応援団が一斉に動く。
――文字を描くマスゲームだ。
描かれた四文字は、『祝、優勝!』
>>901
激戦を繰り広げた沢桐に歓声が飛ぶ。『立ち上がれ、光速!』という横断幕が掲げられていた。
――今の沢桐には、眩しいだけかもしれないが。
『最終順位がモニターに表示されています! どうぞ御確認下さい!』
特設モニターに最終順位が表示され、蝶ネクタイの紳士はそれを手で示す。
1,甲(kabuto)
2,銃寺森クロス
3,“masked romance”
4,ゼオラ・アドヴァルト
5,アウテリート・F・クラーリオ
6,神羽朱華
7,朝宮暁
8,ディス
9,沢桐創
10,黒金鋼
11,黒沢小百合
12,ウリュー
- 903 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/07/11(日) 21:23:04 ID:.6prKP66O
- 「五位ですわ〜!さすが私!こう、なんか微妙な強さを誇ってますわ!」
【辺りを見回しながらキャピキャピ】
- 904 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/11(日) 21:24:13 ID:WVrfsEdY0
- >>902
「あう〜…あんまりうえじゃないなの…
おかねはもらえないのかなの…」
【残念そうな顔でモニターを見つめている少女がいる】
「う〜…ざんねんなの…」
【ため息をついて言う】
- 905 :神羽朱華:2010/07/11(日) 21:28:01 ID:ZOM.z7ps0
- >>902
「小夜(笑) 鏡子(爆笑)
ヤツらの時代はとっくの昔に終わってるのよ、今をときめくツンギレロリッ子なあたしが人気をかっさらいへぶしッ!!?」
朱華の足元からずるんと影が伸びて足首をひっつかみ、ごづんと鈍い音を立てて野球ボール大のてんとう虫が頭に直撃。
きのせいです。
- 906 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/07/11(日) 21:28:54 ID:ORl8g1Iw0
- ほーーーぉ、後半見てなかったから良く分かんないケド…
んまっ! 『妥当』かァ〜。悪く言やぁフッツー。
【観客席。肘をついてモニターを仰ぎ見る黒服の女がいた】
元上司サマが1位で、ディスちゃんが8位。
あ、10位。あとで微妙って弄ったろ。
【ランキングを指さしながらいひいひ意地悪く笑うサマは何時もと変りなくお元気です】
- 907 :沢桐 創:2010/07/11(日) 21:29:19 ID:DrfW.PnA0
- >>902
モニターを見る。
見知った顔が何人か上位に居た。
優勝者には素直に賛辞を送りたいが、気分が乗らなかった。
観客席を見る。
横断幕を眼にした瞬間、額に皺を寄せ、歯を食いしばった。
- 908 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/07/11(日) 21:31:44 ID:HnkBBDEo0
- 「何か買ってやれって言われてもなぁ」
クロスは面倒そうに頭を掻く。
「何を買ってやればいいんだかサッパリ……というか横断幕多ッ!?
なんでこの都市の観客ってこんなに行動力に溢れてんだよ!!」
様々な横断幕を眺めつつ、
「……さて、どーすりゃいいんだろうね、これ」
困ったように、辺りを見回す。
- 909 :甲:2010/07/11(日) 21:31:55 ID:KE2UskXwO
- >>902
赤に染まる観客席の一角をぼう、と眺めて
大会中のアレコレを思い出す
フラれたり
会社辞めたり
合わせ技一本で住むところまで無くなったり
「(………ろくな事もねーな)」
ちょっとへこんだ
……一先ず顔を上げて
「ふー…」
大きく深呼吸しながら、観客席に近付き
「やったぞてめぇらぁぁああああああああ!!!!!」
勝利の雄叫びと
赤マフラーを巻いた拳を天高く掲げるのだった
- 910 :黒沢小百合:2010/07/11(日) 21:37:38 ID:rSRBD9/U0
- 【千夜ビル・小百合のオフィス】
参加者の一人であった黒沢小百合は、
閉会式に出ず己のオフィスからその様子をTVで見ていた。
「ぐっ……まさか外部エージェントより
低い結果に終わろうとは……。」
プライドの非常に高い小百合にとって今回の結果は
受け入れがたい物であり、とても会場まで行く気にはならなかったのだ。
「この私が……嘘だ……こんなのは……!」
小百合は、悔しげに握りこぶしをTVに叩きつけ、
その場に泣き崩れた。
- 911 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/07/11(日) 21:39:45 ID:PMt0ERXQ0
- 彼女は慌てながら、入場口からやってきた。
スカートの裾を摘み黒いニーソと編み上げブーツを曝した恰好で、ばたばたと猛ダッシュ。
顔には狐の御面、背には羽、と代わり映えのしない恰好で、特設モニターを見て更に慌てて、一度転倒。
うぉおおぅおおぅ…………!ひとしきりもだえながら肘と膝についた埃を払い、もう一度走り出す。
「遅れ、て……すいません…………!」
観客席、司会、後一つは、誰に向けてか。
ぺこと頭を下げた。
頭を上げ、彼女は再度モニターを見て、息を吐く。
「――――…………本当に優勝したんですね、甲さん」
やはり自分とは違う、
彼女は思い、狐面の中で頷いた。
- 912 :闘祭2010:2010/07/11(日) 21:40:17 ID:/k2gysHgO
- >>903
『進め! 風雲爆裂娘!』
と描かれた横断幕を掲げるのはアウテリートの父の教え子たち。
彼らはアウテリートに祝福の言葉を投げ掛け、皆一様に手を振る。
>>904
『でぃす』と描かれた垂れ幕を降ろした千夜グループの都市警備員たちは、今回も来ているようだ。
>>905
『小夜ちゃん!?』
『鏡子さん!?』
歓声が飛ぶ。……朱華ではない二人、姿の見えない二人に向けた歓声が。
>>907
沢桐の気持ちを知ってか知らずか、彼らは更に声を挙げる。
>>908
横断幕が裏返される。
『祝・準優勝! 我々のロリコン店長!』
>>909
甲の雄叫びに全員が答えた。
赤いマフラーを、赤いストールを巻いた腕を天に突き上げ、彼らは地響きにま似た雄叫びを返す。
『――――続きましてッ! 上位入賞者へ賞金が授与されます! 甲選手、銃寺森クロス選手、“masked romance”選手、壇上へどうぞ!』
蝶ネクタイの紳士が三人を促す。
- 913 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/07/11(日) 21:44:05 ID:.6prKP66O
- >>912
「きゃーきゃー!皆様ハロー!私かなり輝いておりましてよ〜!!」
【ブンブンと手を振りながらはしゃぎまくる姿は正直五位まで勝ち進んだ選手とは思えないほど、ただのお嬢様】
- 914 :神羽朱華+じんうけ:2010/07/11(日) 21:45:20 ID:ZOM.z7ps0
- >>912
『あーあーマイクテストマイクテスト……よーし。小夜、鍵かけた?』
『かけた。おい朱華とか言ったなテメエこのクソアマ、夜道歩くときには十分気をつけろよ』
「!?」
勝手に備え付けられていたスピーカーから聞き覚えのある声が。
あんまりです。
- 915 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/11(日) 21:46:05 ID:WVrfsEdY0
- >>912
「あう〜。やっぱりはずかしいなの〜…」
【垂れ幕を下している警備員たちに向けて恥ずかしそうに目線を向けた】
「…やっぱりおかねは…なの」
【少し残念そうに壇上に目を向けた】
- 916 :甲/"螺旋眼":2010/07/11(日) 21:49:08 ID:rMZPxzHY0
- >>912
「よし」
マフラーを再び首に巻き付けると客席に踵を返し壇上を目指す
並み居る参加者の面々の間を堂々と歩きぬけて
その頂に立った
- 917 :沢桐 創:2010/07/11(日) 21:51:27 ID:DrfW.PnA0
- >>912
声を張り上げる観客に背を向ける。
とりあえず、今は授与式に集中しよう。
そう思った。
- 918 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/07/11(日) 21:53:01 ID:PMt0ERXQ0
- >>912
「へ? …………あ、はい!」
着いたばかりだけれど司会の言葉で状況はわかる、が。
頭が着いてこず、なんとなく目眩のような。どこか、くらくらする。
返事をし、彼女は壇上へ向けて歩き出す。
周囲の視線を気にして、羽を出来るだけ小さく。
ちょっと急ぎ足に、小く走って数秒、辿りついた。
- 919 :名も無き異能都市住民:2010/07/11(日) 21:53:08 ID:HnkBBDEo0
- >>912
「ロリコンロリコンあまり言うなっつーの!
最近、世間からの目が厳しくて、この前なんか小学校から電話来たんだぞ!!」
いろいろと苦労しているようです。
「くっそー、覚えやがれ」
悪態を吐きつつも壇上へ。
- 920 :闘祭2010:2010/07/11(日) 22:02:29 ID:/k2gysHgO
- >>911
『“masked romance”!!』
そう描かれた純白の横断幕を掲げるのは狐面をつけてヒーローの名前を叫ぶ一団。
『祝・三位入賞!』
続いて、二つ目の横断幕が翻される。
>>913
手を振り返すアウテリートに、応援団は更に勢いよく手を振り返す。
>>914
『朱華ちゃんどんまーい!』
そんな声が聞こえて――来ない。何故なら『鏡子さーん!』『小夜ちゃーん!』という大声に潰されたから。
>>918
『先ず、第三位――“masked romance”選手! 三位入賞おめでとうございます!』
ヒーローに渡されたのは小切手をそのまま大きくしたようなパネル。
描かれた額は、ぴったりと100万円。
>>919
『続きまして第二位、見事準優勝を果たしましたロリコ――戦う店長、銃寺森クロス選手です!』
蝶ネクタイの紳士は笑みで誤魔化し、賞金パネルをクロスに手渡す。
額は、200万円。
>>916
『そして、堂々第一位! 第一回闘祭トーナメント優勝、甲選手です! 優勝、おめでとうございます!』
最後に優勝者である甲に賞金パネルが渡される。額は、300万。
『尚、上位入賞者には箱庭からのログアウト後に改めて賞金が授与されます!』
響き渡る歓声に潰されかけながら、蝶ネクタイの紳士は言葉を続ける。
『最後に、闘祭トーナメント初代優勝者として名を残す事となりました、甲選手に一言をもって、闘祭2010の〆とさせて頂きます!』
会場が静まる。蝶ネクタイの紳士は甲にマイクを近付ける。
『甲選手、一言どうぞ!』
- 921 :神羽朱華+じんうけ:2010/07/11(日) 22:06:41 ID:ZOM.z7ps0
- >>920
『来年はアミダ様が血迷わないよう見はっとくからー!』
『まててねー☆★』
「……えぐ……ふぐっ、ひぐ……」
朱色の少女は半泣きになりながら、壇上の三人を半ば睨みつけるように眺めていた。
- 922 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/11(日) 22:09:04 ID:WVrfsEdY0
- >>921
「あうあう〜…」
【肝心のディスは賞金パネルを物欲しそうな眼で見つめていた】
- 923 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/11(日) 22:09:40 ID:WVrfsEdY0
- //>>920です…
- 924 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/07/11(日) 22:14:24 ID:.6prKP66O
- >>920
「さすがはお父様の生徒……お父様を襲う時に助太刀してくれたらいいですのに……」
【自分に手を振る応援団すら、野望の手助けをさせようとしておりました】
>>921
「何泣いてるんですのよ?
私の豊満ボディに顔を埋めてもよろしくてよ?」
【朱華に近寄りながら】
- 925 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/07/11(日) 22:18:17 ID:PMt0ERXQ0
- >>920
壇上、彼女は声援に振り向き、横断幕に軽く俯いて、次の声援に再び顔を上げ、やはり、軽く俯いた。
――――参加した理由、ちゃんと叶えられましたかね………………?
自身に問うても、答えは自ずと自身に有利なようになる。
甘い言葉を自覚し、自問を止め、周囲に目を向けて横断幕が目に入った。
ありましたね、と。
俯き、狐面の奥で、彼女はにやつきながら噛締める。
素直に、嬉しかった。
そして、自分を呼ぶ声に顔を上げる。
第三位――――
「…………………………ありがとうございます」
何に使おうか、と脳内で演算を始めながら、即座に答えを弾き出す。
決めていた。
戦いの最中、家に帰った時、社長にパシらされ自販機でコーヒーを買った瞬間、
ふとした瞬間に思いついた、幾百の願い事の内から、厳選された一つのコト。
パネルを小脇に抱え、甲さんの方を向きながら再び噛締める。
幸せものだ、と。
言葉を待つ彼女は、感じていた。
- 926 :名も無き異能都市住民:2010/07/11(日) 22:21:49 ID:HnkBBDEo0
- >>920
「……」
あ、今日辺りこれPTAから電話かかってくるなー
とか思いつつ、パネルを受けとった。
「……ううーん、正直、こんなのいらないんだけどな」
賞金以上のものを、この大会での戦いで貰った。
この賞金は少し、貰い過ぎている。
「だからこそ、何に使うかは慎重に考えないとな」
- 927 :甲/"螺旋眼":2010/07/11(日) 22:26:27 ID:rMZPxzHY0
- >>920
「お、ぉお……マジでこういう渡され方なのな…」
パネルでの賞金授与に驚きつつも、謹んで賞金は受け取った
改めて
高い所から見渡す景色は、壮観の一言に尽きて
「あ?………ひとこと?」
向けられたマイクに、間抜けな声が乗った
「ゴホン!」
ちょっとハウりつつも、気を取り直して
「えー…この度、2010"闘祭"のチャンピオンになりましたー…あー…甲です」
頭を掻いて、スポットライトの差す壇の中央で喋る
「まずは、大会運営に携わってくれたスタッフの人達に参加者を代表して、感謝します
ありがとうございました、おかげさんで良い勝負が出来ました」
高い所から失礼、と一言添えて関係者席に一礼
「次に参加者の皆さん、今回の勝ちは貰ったぜ」
参加者の一団に向き直り、ニッという笑みを向ける
「次も譲る気ねーんで、そこんとこヨロシク」
かっかっかとほざきながらサムズアップした
間を置いて
「最後に、これを見ている総ての都市民」
観客席を向く
「今回の大会を見てて、血が騒いだ奴も居るだろうし、目標となる存在が見えた奴も居るかもしれねえ」
ダン、と足をスピーカーに乗せて
「見て分かったと思うが、ここに集った参加者連中はマジでつえぇぞ?」
人差し指を、前に向けた
「まだ見ぬ強敵、大いに結構!次回の参加を待ってるぜ!」
「以上―――ありがとうございましたッ!!」
大きく最後に礼をして、言葉を締めた
- 928 :闘祭2010:2010/07/11(日) 22:38:03 ID:/k2gysHgO
- >>925>>926>>927
入賞者に万雷の拍手が降り注ぐ。降り注ぐ雷音は更に大きくなり、轟雷となって箱庭を揺るがした。
――――箱庭だけではない。
千夜ビルの特設巨大モニターに、街の各所に設置されたモニター、箱庭のログイン端末のディスプレイ。
――――楽園に、雷が満ちた。
『甲選手、有り難う御座いましたッ! これにて第一回箱庭トーナメント、闘祭2010を終了とさせて頂きます!
参加者、関係者の皆様大変お疲れさまでした! 尚、企画運営部では次のトーナメントが企画されております。今回参加出来なかった皆様は、奮って御応募下さい!
それでは、これにてお別れで御座います! 皆様、重ね重ね大変有り難う御座いました――!』
それを最後にモニターの映像は途切れた。
闘祭2010は全試合を終え、今ここに――――終了した。
//闘祭2010、終了とさせて頂きます。
//大変お疲れさまでした。
- 929 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/11(日) 22:40:08 ID:WVrfsEdY0
- >>927
「あう〜…かっこいいなの…」
【じっと甲を見て、少し微笑んで言った】
「……もっとつよいひとがいっぱいいるんだなの…」
【少し強いまなざしで甲を見て、嬉しそうに笑った】
>>928
「もっと…がんばって、こんどこそゆーしょーするんだからなの!!」
【そう言ってディスもモニターに向けて大きく拳を突き上げた】
//乙〜〜
- 930 :神羽朱華+じんうけ:2010/07/11(日) 22:41:16 ID:ZOM.z7ps0
- >>924
「いらね……チクショオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」
意地もおっぱいには負けます。
ばふーんと頭をアウテリートの胸にダイブさせた。
「くそがああああああああああああ次は負けん!! 負けんからなあああああああああああああああ!!!」
叫びながら会場を走って後にした。
多分次は無いです。
//おつかれさまでしたッ!!!
- 931 :沢桐 創:2010/07/11(日) 22:44:37 ID:DrfW.PnA0
- >>928
「…」
観客の拍手にあわせて、やる気なく手を叩く。
司会者の終了の宣言を聞き届けると、沢桐は会場を後にした。
//おつかれさまでしたー!
- 932 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/07/11(日) 22:45:31 ID:ORl8g1Iw0
- ふーん……
【観客席の椅子に背を預け、腕組みした状態から右手を上げて顎に添える】
【あちらこちらで破裂する狂騒の中で一人、思案顔】
【観客が殆どいなくなってしまっても暫くそのままだろう】
- 933 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/07/11(日) 22:46:45 ID:.6prKP66O
- >>928
「あらあら、もうおしまいですわね……楽しかったですわ!」
【笑いながらモニターを眺めて】
>>930
「あら大胆!」
【朱華を見ながら微笑んでいたが、忙しくも走り去ってしまった朱華】
「あら、もう終わりですの?
う〜ん……また会えたらからかってやろうかしら」
【頬に手を当て、アウテリートも会場を後にしたのだった】
- 934 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/07/11(日) 22:46:46 ID:2MFSZVbA0
- 「……」
その様子を会場の端で見ていた。
観客席よりも奥の外壁の上。
少女は壇上の三人を見る。
そしてその目線はそれ以外の人達にも向けられた……。
少女は腕を小さく振る。
手を開から溢れた闇が少女を覆う。
それを合図に少女は消えていく。
その氷の様に無表情な顔は、何処か楽しげだった。
//大会参加者の皆様。
//そして運営のさつきさん、名も略さん。
//お疲れ様でした!
- 935 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/07/11(日) 22:48:57 ID:PMt0ERXQ0
- >>927
「……………………」
言葉が体の内で熱を持ち、広がる。
次は克つ、
負けた日から、何度思ったことか。
回数を数え始め、五を越えた辺りで回数じゃない、と思った。
結果。
結果が大事です、と。
「…………来年に、なるんですかね?………………――――絶対勝たせてもらいますから」
呟き、
そして、その為にも。
彼女はきょろきょろと辺りを見渡す。
- 936 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/07/11(日) 22:49:42 ID:HnkBBDEo0
- 「やれやれ、終わったか」
ふぅ、と小さく息を吐く。
しかしそのままログアウトするのも惜しく、会場の真ん中で一人、立ちすくむ。
- 937 :甲/"螺旋眼":2010/07/11(日) 22:55:27 ID:rMZPxzHY0
- 「……………さ、帰るか」
高揚する気分を隠すように、マフラーを押し上げて口許を覆う
足元から現実世界に戻る感触に、ここが仮想の世界だという事を思い出す
けれどここで得られた"熱さ"は本物だと
刻む鼓動が確かに教えてくれていたのだった
「じゃあな、"闘祭"……またいつか」
呟いた言葉と同時に
彼の姿はこの世界を抜けていった
- 938 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/11(日) 22:55:47 ID:WVrfsEdY0
- >>936
「あう〜。『くろす』ゆーしょ…」
【大きく手を振って】
「じゃなくて……あうあう!おめでとなの!」
【微笑んで歩いてきた】
- 939 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/07/11(日) 22:56:00 ID:PMt0ERXQ0
- >>936
――――いた、
「あの、…………」
控えめな声がクロスさんに向けて飛んだ。
かつかつ、と床を踏み鳴らしながら彼女は近づいて来て、そして正面。
広げられた白い羽と片手に白い刀。
「…………少し、いいでしょうか?」
- 940 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/07/11(日) 22:59:28 ID:HnkBBDEo0
- >>938
「んー?」
と、振り向き、
「なんだ、ディスかー。おっす」
軽く挨拶。
>>939
「……穏やかな雰囲気じゃねぇな。
どうした、ブツなんか出しやがって」
クククと笑う紅い男。
「まだ、この祭りの雰囲気に酔ったままかい?
いいぜ、どんな用件か、話を聞こう」
- 941 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/11(日) 23:04:33 ID:WVrfsEdY0
- >>939
「あう〜?『ねいでぃ』こんばんわなの〜」
【微笑みながら返した】
>>940
「あう〜。すごいたたかいだったの〜!
おめでとなの!」
【ニコニコしながらクロスを見上げる】
「……『でぃす』はちょっとざんねんだったなの…」
【頭をぽりぽり掻いて言った】
- 942 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/07/11(日) 23:10:07 ID:PMt0ERXQ0
- >>940
「…………いきなりで申し訳ありませんが………………その、」
白い刀を握る力は、強く。
しかし、羽は感情をそのまま現し、少しへこたれていた。
歯切れ悪く彼女は言う。
なるだけ真っ直ぐ、クロスさんの瞳を見て、彼女は言った。
「もし、私が甲さんに勝っていたら――――」
どうなっていたのか、
私は、優勝していたのか、
何度も、何度も夢に見た。
言葉の途中で耐えられなくて、頭を下げる。
「――――………………一度、私と戦ってもらえませんか?」
>>941
ネイディ、
彼女は呼ばれ、しかし〝知らない〟を通すことに決めた。
「…………こんばんは?………………えと、私のことですか?」
- 943 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/07/11(日) 23:21:45 ID:HnkBBDEo0
- >>941
「ハッ、ここには腕っぷしだけは実力ある奴ら共がわんさかいたからな」
喉の奥でクツクツと笑う。
「ま、じっくり経験積んで、また来ればいいさ」
>>942
「……いい発想だ」
クロスは額にかけていたサングラスを、スチャリと目元まで下ろす。
「確かに、そういう興味は尽きない。
実際俺も、もし最後に当たった奴が甲じゃなかったら……
……いや、途中で戦った奴らも、もし他の奴だったら、という興味はある。
いいぜ、ヒーロー。その答えを出そう」
紅のコートが靡く。
空気が、騒ぐ。
「“if”の世界の決着、つけるとしようぜ!」
- 944 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/11(日) 23:24:36 ID:WVrfsEdY0
- >>942
「あう〜?においがそっくりだから『ねいでぃ』とおもったけどなの…」
【お面を見て不思議そうに首をかしげる】
「あう〜。もしかしてちがうひとなの?」
【キョトンとした顔で言う】
>>943
「うん……またとっくんして…
つぎこそゆーしょーなんだからなの!」
【そう言ってにっこりとほほ笑んだ】
「それで…『ろざりあ』におんがえしなの」
- 945 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/07/11(日) 23:48:23 ID:PMt0ERXQ0
- >>943
「………………」
顔を上げ、こくり、と顎を下げる。
もう一度。
言葉を噛んで唾液を絡め、咀嚼し、食道にその存在を感じ、飲み込んで、――――
彼女は頷いた。
翼に気を張り、ぴんと張る。
震える空気をいっぱいに受け、釣られて体が少し震えた。
武者震いでしょうか?
…………そう思えるくらいに、なりたかった。
「……お願いしますッ!!」
「場所は…………どうしましょう?ここでやりますか?」
>>944
「はい、違う人ですよ」
ネイディには、血の匂いがしない。
ロマンスには、洗っても微かに残る、血の匂いがする。
――――――と、彼女は思っていた。
だから、自信満々に微笑んで、答える。
- 946 :名も無き異能都市住民:2010/07/11(日) 23:56:24 ID:HnkBBDEo0
- >>944
「ははは、そうするといい」
と、そこでコロリと表情を変え、
「……ディス、そろそろ帰った方がいいぜ。
良い子は寝る時間だ。
この場所はこれより……戦場になる」
>>945
「いや、ここでやろう」
クロスは歩み始める。
「誰もいなくなった、何もかも終わった、この観客のいない会場で、
後書きのような、エピローグのような、物語が終わった後の世界で、」
立つのは仮面の彼女のまん前。
息がかかるくらいの距離まで近づき、クロスは強い眼差しで言い放つ。
「まるで本のページの先の世界のように、
俺達の決着をつけよう」
- 947 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/11(日) 23:59:01 ID:WVrfsEdY0
- >>945
「そっかなの〜…
そいえば、ちょっとにおいがちがうきがするなの」
【そう言ってディスは改めて僅かな血が混じったロマンスの匂いを嗅いだ】
「あう〜…おなまえはなにかなの?」
【そう言って首をかしげた】
>>946
「あう…たたかいするなの?あう〜…
だったらはなれたほうがいいなの…」
【そう言ってディスは少しだけ離れ始める】
「つぎに…つぎに『でぃす』がいっぱいかてたら」
【そう言って振り返る】
「『くろす』とたたかえるかなの?」
【そう言ってほほ笑んだ】
- 948 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/07/12(月) 00:16:26 ID:PMt0ERXQ0
- >>946
「…………――――」
詩人ですね、と彼女は思い、そして乗せられている自身に気付く。
提案した時は、確かにこちらが持ちかけたけれど、気付けばペースを持っていかれていた。
――――こういうこと考えてしまう、って言うのは、怯えてる証拠、ですね…………。
いけない、と頭を横に振る。
そして負けない、とも思い、屹立と立つよう、足に力を込めた。
眼前まで迫ったクロスさんに、肯定の動作として。
「…………はい、」
応え、大きく一歩、後に飛んだ。
>>947
「しがない一人のヒーローの、“masked romance”です」
そういえば、
「…………難しかったら、ロマンスで構わないですよ」
- 949 :名も無き異能都市住民:2010/07/12(月) 00:21:55 ID:HnkBBDEo0
- >>947
「俺と戦いたきゃいつでも来い。
返り討ちにしてやらぁ」
それだけ言うと、クロスはロマンスとの戦闘を開始した。
>>948
「……いくぜ」
バッドエンドトリガー
紅獄罰骨 が発動する。
金属を召喚し、それを自在に操る能力。
その力で一つの巨大な刀剣を作り出し、
「始めるぞ、ヒーロー!!」
その刀剣を、金属操作能力で弾丸のように撃ち出した。
- 950 :ディス/騎士見習い少女 ◆Dix.OeuOIQ:2010/07/12(月) 00:23:42 ID:WVrfsEdY0
- >>948
「あうあうー、ひーろー…『ろまんす』なの!
じゃあみんなのみかたなの!」
【成程と言って頷いた】
「『でぃす』も『ろまんす』みたいになりたいなの!」
【そう言ってほほ笑んで離れていく】
「またねなの〜!」
>>949
「あう〜!もちろんなの!
まけるきなんてないんだからなの!」
【そう言ってディスは大きく手を振るが】
「あうあう、はやくでないとなの〜」
【慌ててディスは出口へと走って行った】
- 951 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/07/12(月) 00:50:51 ID:PMt0ERXQ0
- >>949
――――刀を作った?
空中で羽を広げ、足元に〝飛翔式〟を展開して踵で突き、横に向かって跳んだ。
この会場は、あれだけの観客を動員する程度には広い。
室内と言えど、広大。
少なくとも、自身の羽を持て余すほど小さくはない、と思う。
――――なら、利用したい、ですけど…………!
その利用法を、今はまだ思いつかない。
だから、とりあえずとして、その刀剣から逃れるため横に跳んだ。
鞘から、柄と鍔は白く、けれど刀身が赤い刀を引き抜きながらクロスさんに目を遣る。
>>950
「それじゃ、さようなら」
言葉を短く、
次の瞬間彼女は跳び、巨大な剣をかわした。
- 952 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/07/12(月) 14:11:27 ID:E4Ka56rgO
- >>951
刀剣は誰もいない客席に突き刺さり、轟音を響かせる。
「そういえばお前、翼持ってたなァ」
次に形成するのはV字型の巨大な鉄板。
それを四枚 。
「チョロチョロ飛んでんじゃ……ねぇ!!」
その四枚のブーメランを、一気に空へと振り放った。
鉄板は空中を旋回、変則的な軌道を描きつつも、空中を飛ぶロマンスへと迫る。
- 953 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/07/13(火) 00:53:52 ID:PMt0ERXQ0
- >>952
彼女は放たれた四枚のブーメランを見た。
別れ、それぞれが描く独特な道筋を読もうとしたけれど、一つで精一杯だと判断し、
広げた羽を僅かに動かして、体をクロスさんに向ける。
クロスさんから見て左斜め前方に、彼女の姿はあった。
重心を前に落とした、倒れる途中のような姿勢。
視線を真っ直ぐにクロスさんへ、そして最も身近な空を飛ぶブーメランに向けながら、〝飛翔式〟を展開。
足首に捻りを加えて蒼い〝式〟を蹴り、水がはじけた様なポゥン、という音と共に、
緩く、彼女は錐揉み回転しながらクロスさんに向けて飛ぶ。
初速は早く、けれど羽を広げているために、決して高速ではなかった。
「〝パーキィ〟!!」
――――見えてますから、大丈夫。外さない…………!
眼前、迫るブーメランに、真っ向から刃を叩き込む。
- 954 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/07/13(火) 12:11:33 ID:E4Ka56rgO
- >>953
なぜ、四枚なのか。
一枚なら避けられる。
二枚でも怪しい。
しかし三枚からなら避けるのが面倒になる。
四枚からなら確実に、相手は「避ける」より「そのうちの一枚を弾く」だろう。
そう、クロスの狙いは「相手に一枚を弾かせる」ことにあったのだ。
「そこか」
グッと体を沈み込ませ、バネのように跳躍するクロス。
移動と攻撃が一体になった攻撃は別だが、
大抵の場合、攻撃中に動くことは少ない。
クロスはそこを叩くことにした。
「地面とキスの準備はいいか?」
振り上げられる拳。
狙いは、一枚の鉄板に刃を向けているロマンス。
レッドラム
「死罪殺罰」
拳に紅い金属の装甲が装着される。
装甲を纏う腕を、金属操作能力で外部的に操作。
まるでレールガンのように、拳を弾丸の如く撃ち放つ。
金属のブーメランごとロマンスを撃ち砕こうと、放たれた拳は牙を剥いた。
- 955 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/07/14(水) 00:34:48 ID:PMt0ERXQ0
- >>954
刀に、確かな手応えを感じた。
切断と破砕、どちらか一方、打撃の際には有利な方の属性を発揮すると説明された愛刀は、破砕の一撃をブーメランに叩き込む。
ブーメランを砕けはしない、と彼女は予測した。
素打ちで鉄を切れるほど、まだ自身は上達していないし、
言い訳をするなら体勢も満足のいくようなものじゃない。
けれど、叩き落せばそれでいいのだから構わない。
御面越しの視界でブーメランが落ちるのを確認し、加速をする為〝飛翔式〟を展開。
前方に敵はないか、残りのブーメランの位置は、クロスさんは、と前を見て、そして。
――――…………読みが甘かった………………!
クリーンヒット。
額に拳が当たり、彼女の体は先までと正反対の方向に吹き飛ばされた。
背中から床に落ち、そのまま引っくり返った亀の姿勢で更に後方へ。
- 956 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/07/14(水) 01:24:07 ID:E4Ka56rgO
- >>955
「逃がさないぜ?」
空中で金属召喚。
その金属を足場にして蹴り、一直線にロマンスへ。
「そこだァァアアア!!」
巨大なブーメランが次々と床に突き刺さる中、
クロスは手元に太く大きい剣を召喚。
着地と同時に相手を突き刺そうと、ロマンスに迫る。
- 957 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/07/14(水) 22:58:28 ID:PMt0ERXQ0
- >>956
数瞬の間どこかへ飛んでいってしまった気が、戻る。
不味い、
思い、手を地面に押し付けて減速。
上を向いていた目を前に向け、剣を握り迫るクロスさんを見た。
右掌と右足に、〝飛翔式〟を展開。
現れると同時に作動させ体勢を左に傾ける。
更に、左足に〝飛翔式〟を展開。
そろそろクロスさんが来る頃だろうか、と彼女は思い、前を睨んだ。
- 958 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/07/15(木) 00:03:57 ID:E4Ka56rgO
- >>957
ロマンスが前を睨む頃には、既にクロスは眼前に。
風切り音。
一閃。
逆手に持った剣を、まるで穿つようにロマンスに向けて走らせる。
狙いは、腹。
- 959 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/07/15(木) 00:49:27 ID:PMt0ERXQ0
- >>958
やや遅れて〝飛翔式〟を作動、
所謂体の軸を中心に、反時計回りの方向にで体が回転し、左足の踵による回し蹴りを放った。
遅い。
彼女は、クロスさんの一挙手一投足の全てに於いて、遅れていた。
自覚し、刹那に原因を思う。
――――多分、
検討を付け、ならば自身はそれ以上へ、と。
しかし、剣の軌道は僅かに逸らせたけれど、メイド服を、肌を。
裂いて進んでいた。
地面と背中との距離は、殆ど零。
都合がいいと割り切り、無茶を承知しつつ、白い羽を広げた。
- 960 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/07/15(木) 01:06:30 ID:E4Ka56rgO
- >>959
――外した。
そう悟った瞬間、視界一杯に広がる“白”。
反射的に足で地面を蹴り、ロマンスと距離を取る。
着地後も後退、ガリガリと地面を削り、ロマンスと四メートル程度の間を空けて停止する。
「ちぃ、やっぱり策を労した程度じゃやられてくれないか」
- 961 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/07/15(木) 01:35:58 ID:PMt0ERXQ0
- >>960
「つっ――――」
一瞬前、クロスさんが下がる前に立っていた場所に、無数の羽がばら撒かれる。
なんらかの効果を持っているのだろうけれど、その羽の中を構わず立ち上がり、左の腹を抑えた。
痛い、
じくじくと血が溢れてきて、服を赤に染める。
御面の奥で歯を食い縛り、白い刀の鍔元を握る右手に、力を込めた。
「そんな簡単に……負けたくないですから」
もう一度翼を広げ、思考をリセット。
勝つ、
勝つ為には、どう戦うか。
もっと勝つことに、貪欲に。
只管に勝利を求めないと、勝てる気がしない。
「…………ッ!」
右手を振り上げ、振り下ろし、床に突き刺した。
- 962 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/07/15(木) 18:23:26 ID:HnkBBDEo0
- >>961
「…………」
彼女の周りの空気が変わったことを敏感に察知する。
クロスは敢えてそれを見守り、相手から来るのを待つことにした。
こちらから先手を取り、行動の途中で阻害することもできる。
しかし、相手の出鼻を挫いて勝って何の意味があろうか。
クロスにとっての“勝利”とは、相手の全力を真正面から撃ち砕くことだ。
「……いいぜ、乗ってやる」
クロスはまた少し下がり、軽く唇を舐める。
そして、
――肉の杯は塵となり、骨は砕けて灰となる
Dead bodies on the ground.
――しかし御霊は残響し、魂響となりて囁き叫ぶ
The ghost crawled out, the ghost crawled in.
――喰らわれし者の信念は、喰らいし者の糧となり、
His appetite is filled up.
――腹で満ちる夢によって我が幻想を現創す
And he realize one's long-cherished wish.
詠唱を、開始した。
- 963 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/07/15(木) 21:52:49 ID:PMt0ERXQ0
- >>962
流るる血が付いた左の掌と、
たった今、刀から離した右の掌を合わせ、彼女は呟くように始めた。
「――――――〝在らぬ百四十三番〟」
此処は異能都市に設けられた電脳空間、〝イデアの箱庭〟。
誰が最強か。
異能を繰る者が集まるこの都市に於いて、誰が一番強いのか。
それを確めるべく執り行われた、異能都市トーナメントの『if』なる戦い。
「――――〝不要なる二つ目の太陽〟」
彼女は、これは『エピローグ』である、と思う。
異能都市トーナメントと言う、大きなもののではなく、トーナメントに於いての自身の戦いのエピローグ。
phlogiston
「――〝名を、 燃 素 〟…………!」
結ぶ、
その為に、体に宿る〝異能〟を引き出す言葉を唱えた。
棒立ちの姿勢の彼女は、軽く顎を上げ、上を見る。
緩く、自然に、鳥の胴体:羽と同じ比率で彼女の体:羽の大きさの白い翼が広げられた。
御面越しの瞳がクロスさんの口を見る。耳も、その詠唱を捉えていた。
邪魔していいものか。
がんがんと痛みが響く頭で僅かに逡巡し、しかし即座に思いを断つ。
イ ツ ザ キ
「――――〝其は蒼く赫く黒く白く焼けて焦げた彼の声〟!!!!」
跳躍、
床を大きく踏み鳴らし、迫った。
- 964 :名も無き異能都市住民:2010/07/15(木) 22:16:45 ID:HnkBBDEo0
- >>963
――血潮は鉄《クロガネ》、肉は銅《アカガネ》、骨は銀《シロガネ》、心は黄金《コガネ》
The body is created by inorganics, minerals and metals.
――千滅の焔、色持たぬ温度、終わり無き無限を孕む鋳造の炉
The heart is created by flame, blaze and Gehenna.
詠唱を続けながらも、クロスは不敵に笑う。
片手を突き出し、手首をクイッと上に曲げる仕草は、
まるで「来いよ」とでも言って相手を誘っているかのよう。
向かってくるロマンスに対し、逃げることなく立ち向かう。
(さぁ、何を出してくる? ヒーロー!)
- 965 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/07/15(木) 23:11:25 ID:PMt0ERXQ0
- >>964
ベーディイガル
「〝内包する大気〟!!!!」
細かく細い、彼女の羽根が広範囲に渡ってばら撒かれた。
主に、彼女とクロスさんの間。
彼女が進むことによって詰められゆく、互いの間合い間が役3mの隙間に、撒かれた。
その羽根一つ一つを中心に展開される、乳白色の玉。
ビリヤード球とほぼ同寸の球の個数は、言ってしまえば無数。
しかし、それらは動かない。
風が吹けば動くのかもしれないけれど、今は停滞し、一定の高度まで落ちた後はその場に漂う。
ただ置かれただけ。
受動的な技――――罠と思しき、技だった。
羽根がばら撒かれ罠が張られるのと時を同じくして、
鞭状の火が二本、クロスさん目掛けて迫る。
宛ら蛇。器用にもその形を変え、乳白色の球に掠ることもせずにそれは真っ直ぐ。
クロスさんの腹に向かい、突き進む。
- 966 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/07/16(金) 03:39:14 ID:HnkBBDEo0
- >>965
――光放つ鉱石、無念の魂により、
Cross and growing soul ...
「……ッ!」
迫り来る炎の蛇。
クロスは反射的に手を伸ばす、が、
――ジュゥゥウウッ
その手は蛇の進行を止めることはできず、蛇の双頭はクロスの腹に叩き込まれた。
金属と融合した皮膚が炎の熱を受け止める。
皮膚がすぐに焼け焦げることは無いが、耐えられるかどうかは時間の問題。
長く受け止め続ければ、そのうち熱伝導で皮膚から体内まで熱が伝わり、
金属融合が進んでいない内臓から炭となってゆくだろう。
「く、そ……炎か、やべぇな」
詠唱が、止まった。
- 967 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/07/16(金) 22:16:07 ID:PMt0ERXQ0
- >>966
クロスさんの腹に当たると、その蛇の頭はバチン、と音を立てて消滅した。
胴体に当たる部分も尾にあたる部分も、全て。
一斉にバチンと、小さな火の粉を散らして、消えた。
跳んだ彼女は今、撒かれた〝ベーディイガル〟の上を通過しクロスさんの元へ迫ろうとしている。
羽を畳んで抵抗を減らし、翔けていた。
「炎じゃありません!!!」
左手の人差し指を向けて言う。
「〝燃焼〟です!!!!」
- 968 :銃寺森クロス ◆CROSS/.AzE:2010/07/21(水) 20:17:37 ID:HnkBBDEo0
- >>967
「どちらにしろ、熱があれば同じだっつーの!!」
宙を舞う火の粉を振り払い、息を大きく吸い込む。
詠唱は、あと、二節。
――今、此処に
has to be doing just...
――異形の舞台が幕を開ける!!
open the “Freaks circus”!!
詠唱、完了。
と共に、クロスの体が紅い光の本流に飲み込まれた。
- 969 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/07/21(水) 21:00:07 ID:74vCVQA.0
- >>968
「そう思って頂けているなら――ッ?!」
好都合です、
言い、そして、先の炎よりも強い二波目を放とうと指先に力を込めていた彼女は、紅の色彩を見た。
紅、髪とコートにあしらわれていたその色は、多分、クロスさんのシンボルカラー。
なら、これには意味がある。
単純な攻撃じゃなく、自身の結界や甲さんの金色のような、特殊な技。
徐々に近づくその光を眺め、彼女は思う。
「…………でも、」
考えすぎかもしれない、とも思う。
だから、翼を広げ減速。
宙で後転し、〝飛翔式〟を展開、
軽く蹴り、後方に向かってムーンサルト、
羽を限界まで広げて勢いを殺し、空に漂い、クロスさんを見た。
- 970 : ◆CROSS/.AzE:2010/07/21(水) 21:06:10 ID:HnkBBDEo0
- >>969
紅の光の中、から、何かが飛び出す。
そのナニカもまた、紅の光の尾を空中に残し、ロマンスへと迫る。
姿形は、まだ装着の途中なのだろう、黒く不定形。
しかしそれは確かに腕らしきものを振り上げ、
「が……ああああぁぁアぁああアアァあああアアアアアアアア!!!」
ロマンスへと、巨大な……かろうじて拳に見える、巨大な右腕を放った。
- 971 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/07/21(水) 21:18:34 ID:74vCVQA.0
- >>970
――――『技』にしては少し、雑な気が…………
受け止めるべきか、祓うべきか、
ぱっと見で邪なもの、と彼女が思うそれに僅か迷い、しかし〝飛翔式〟を展開して左に向かい、跳躍。
白い刀を左上段に振り上げ、
「集……中…………!」
〝異能の力〟を込め、両手でも力を込める。
二撃目が来たら、斬る。
彼女は決め、視線をその不定形の存在へ向けた。
――――………………。
- 972 : ◆CROSS/.AzE:2010/07/21(水) 21:33:44 ID:HnkBBDEo0
- >>971
回避されたのを見て、それは追撃せずに地面へと落ちる。
石畳がガシンとひび割れ、破片を飛び散らせた。
不定形だった黒い粒子がだんだんと形になってゆく。
「極刑鬼神――」
クロスブレイム
――咎喰十字
それならばマスク・ド・ロマンスも恐らく知っているだろう。
大会の最終戦で見た、あの黒き装甲と角を持ち、紅に光るクロスの姿。
しかし今回は……その姿が異様であった。
「極刑武装、超重装形態」
クロスブレイム
咎喰十字は接近戦に適したスリムな装甲が特徴的である。
しかし、今回の装甲はまるで違う。
その真逆、装甲に装甲を重ねた重量感溢れるものとなっていた。
太く長く伸びた四肢。特に両腕はバランスを無視しているかのように大きい。
頭部側面から突き出た角は、咎喰十字の上に伸びたものとは違い、悪魔のように曲がりくねっている。
顔には獣のような鋭い牙を持った仮面型の装甲が装着され、
目元に開いた穴の奥、深遠からロマンスを睨んでいた。
フルグレイヴシュラウド
「 屠殺骸装 」
これもまた、クロスの持つ戦闘形態の一つ。
「甲と戦うには合わないんだが、テメーには相性が良さそうだ。
実戦で使うのは初めてになるけど、ちょいと勝たせて貰うぜ」
装甲の表面に紅い魔術回路が走る。
白く伸びた髪の毛は逆立ち、腰の辺りから伸びるように浮遊している刀剣翼は豪、と風を生み出した。
この光景。
まるで、ヒーローと魔王が対峙するかの如く。
- 973 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/07/21(水) 21:49:32 ID:74vCVQA.0
- >>972
押し潰される、思い、
しかし、
けれど。
カウンターの一撃を見舞わんと振り上げた刀が、ひどく心細く感じた。
羽搏いて宙に飛んでいるからか、足が落ち着かない。
普段、自分は一体どうやって飛んでいたのか。
落下型飛行メイドだったけれど、こんなに不安定な飛び方じゃなかった筈。
「………………、」
口の中が干されてしまったように、上手く声が出せなかった。
「…………、」
膝が笑い、構が崩れる。
呼吸の音が、間断なく漏れていた。
- 974 :クロスブレイム 屠殺骸装 ◆CROSS/.AzE:2010/07/21(水) 21:59:26 ID:HnkBBDEo0
- >>973
「どうしたヒーロー、かかって来いよ」
化け物が、大地を、蹴る。
それだけで石畳は弾けとび、黒い魔獣は弾丸のように飛び上がった。
「“if”の世界の先を見るんだろう? だったら、」
黒い悪魔のような仮面がアギトを開く。
けたたましく響き渡る笑い声。
「先を見るには、先に向かって進むしかねぇ!
さぁ、向かってこい!! マスク・ド・ロマンス!!」
跳躍したクロスは空中で拳を振り上げる。
すると、クロスの背後で新たに金属が収束、巨大なクロガネの拳が形成される。
クロスが拳を振り下ろせば、まるでシンクロするかの如く
その巨大な腕も振り下ろされ、ロマンスに向けて空気を圧し潰すように進んでいった。
- 975 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/07/21(水) 23:10:08 ID:74vCVQA.0
- >>974
「ッ!!」
目を限界まで開いて一連の動きを見、狐を模した御面の奥で歯を食い縛り、計る。
「いや、」
無駄だ、と即座に思考を捨てた。
計るまでもなくあの拳を喰らえば飛ぶ。
こちらを空を飛んでいるのだから、掠るだけでも持っていかれ、ダメージを負う。
「〝飛翔式〟!!!」
いつもの式より出力を高めに設定し、出現させて蹴った。
水が弾けたようなぽぅんという音と、光の粒を飛ばして翔け、必死に拳から逃れようと跳躍。
宛も鳩の逃走のように、白い羽根が軌跡上に残って舞う。
歯を食い縛り、考える。
相手は自身より『遥かに上手』。
属性や戦い方の相性がどうのこうのじゃなく、単純に力量が違う。
「…………こういう時、」
あの人ならどうするか。
相手と自分の間に、埋め難い間がある時、どう戦うのか。
そもそも、そんな深い間がある相手、あの人にいるのだろうか。
思い、すると気が沈んで僅か、減速する。
「……なっ」
羽に拳が触れたのを感じた。
- 976 :クロスブレイム 屠殺骸装 ◆CROSS/.AzE:2010/07/22(木) 21:41:31 ID:HnkBBDEo0
- >>975
放たれた巨大な拳は役目を終えた後、すぐに分解を始める。
――当たった?
舞い上がる羽。
視界一杯にあふれる白。
――いや、確認している暇は無い。
殴った勢いで宙でクルリと回転。
踵を高く上げる。
――ここで一気に畳み掛ける!
踵が上げられたと同時に、次に現れるのは巨大な足。
これもまた金属で形成されており、凶悪なまでの質量を孕んでいる。
「っらぁああああああああああああああああ!!!」
容赦なく、躊躇なく、
正面から相手を叩きのめす為、クロスは足を空で振り下ろす。
それとシンクロするように、空中に現れた足はロマンスに向かい、ギロチンのように宙を駆けた。
- 977 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/07/22(木) 22:07:51 ID:74vCVQA.0
- >>976
拳が産んだ風の流れに掻き混ぜられ、バランスが崩れる。
後で巻く気流に巻き込まれ、後退。
足元に〝飛翔式〟を展開し、同時に踏みつけ強引に前へ跳び、逃れんとした。
――――違うッ!!!
勘が告げる。
避けるだけではダメだ、と。
相手は自分のように甘くない、
『真剣』に勝ちを目指し、攻めているのだから。
「〝フロギストン〟!!!!」
全方位に向け異能を飛ばし、身を包む。
宙に描き出されるは紅蓮の球。
逃げ遅れて、少し先が千切れた羽を十二分に包み込むことのできる大きさの、球。
その場で起る燃焼が火を生み出し、顕現させる。
『灼熱』。
真っ赤に滾る炎の塊。
彼女は自身を中心に、それを展開した。
即興の詩に、一体どれほどの価値が付くのか。
刹那の間に彼女は演算し、結論を出す。
――――……足りない………………。
先の拳と同等の物が来たと仮定し、そして出た答え。
足りない。
自身が逃げを完璧に完全に完遂させるには、強度が足りない。
熱量だけならば大したものだと自負できる。
――――炎で防御は無茶でしたか…………?!
思う間に、体が躍動を得る。
〝飛翔式〟を蹴り、得た躍動。
それが体を、恐らくは安全と思える場所まで逃してくれるまで、
体勢を立て直す時間を勘定に入れて凡そ四秒。
長過ぎる、と彼女は思い、しかし、前に翔けた。
- 978 :クロスブレイム 屠殺骸装 ◆CROSS/.AzE:2010/07/22(木) 22:21:06 ID:HnkBBDEo0
- >>977
白に次に視界にあふれるのは、躍動する生命のような赤。
「炎かッ!」
クロガネの巨大な足が、真っ赤に熱される。
「ち」
舌打ち。
クロスの動きが、一瞬止まる。
- 979 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/07/22(木) 22:44:13 ID:74vCVQA.0
- >>978
一秒、
自身の体で火球を突き破り、前方へ向かう。
次は背中に、何かが掠ったような気がして、汗が流れた。
二秒、
火球は脆く、クロスさんの動きを止めると同時に、弾けて消えた。
彼女の高度が下がって地上スレスレを飛び、やがて地に落ちる。
体勢はいまだ整わず。
- 980 :クロスブレイム 屠殺骸装 ◆CROSS/.AzE:2010/07/22(木) 22:48:17 ID:HnkBBDEo0
- >>979
相手の姿を視認。
地面付近に発見。
「そこか!」
と同時に墜落……と思わず言ってしまうような、荒々しい「着地」
轟音が飛び散り、破片が舞い上がる。
着地位置は、ロマンスの着地した場所のすぐ近く。
「っらあ!!」
舞い上がった土煙の中から伸びるのは、黒く太い大木のような腕。
これは形成された腕ではなく、クロス自身の装甲を纏った腕だ。
禍々しく開かれた五指が、ロマンスへと伸びる。
- 981 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/07/22(木) 23:15:14 ID:74vCVQA.0
- >>980
勢いを殺せず、2mほど後へ転がった。
目は開いている。
だから、耳が砂埃の中でも衝撃を捉え、
影として煙を照らすクロスさんの存在に、伸ばされた腕に、彼女は気付いた。
「――――ッ」
五本の指に向かい、素の状態の刀を振るう。
地面に膝を付いた状態で、しかも腰を捻って放ったわけでもなく。
児戯。
- 982 :クロスブレイム 屠殺骸装 ◆CROSS/.AzE:2010/07/22(木) 23:20:41 ID:HnkBBDEo0
- >>981
その刀ごと、クロスの右腕は指を閉じる。
刀を振るうのは見えたが、斬鉄には至らないと判断したのだ。
「掴ん……だ?」
刀のぶつかる感触はあった。
しかし厚い装甲を纏っている以上、感覚は鈍くなっている。
土煙にまみれ、自分の右手が何かを掴めているのかどうか、判断しづらい、が、
「ここで迷ってる暇は無ぇ」
掴んでいようが掴んでいまいが、クロスはそれを確認することなく。
クロスは右腕の中にある何か……もし運が良ければ、掴めたかもしれないロマンスを、
客席の壁に向けて思いっきり投げつけた。
- 983 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/07/23(金) 21:10:33 ID:74vCVQA.0
- >>982
彼女が刀を持っている理由は簡単。
鞘を付けたまま振るえば人を傷つけずに痛い思いをさせれるし、
抜き身の刃で戦えば、普通の相手に対しそれは一撃必殺。一太刀が致命傷と成り得る。
つまり、単純に刀が強いから。
――に生まれた頃から持たされているこの武器は最強だと、彼女は信じて疑わない。
「、――――」
手に残る感触は、しかし、否定する。
余りにも弱い。
相手は生身じゃない、
わかってはいても、人に向けて振るったのに届かなくて。
壁だった瓦礫に埋もれ、朦朧とした意識の中で彼女は思う。
届かない、
「………………ぅ、」
白色に染まった視界を見て、息が零れた。
衝突の痺れが収まり、体の隅からじんわりと痛みが広まっていく。
「く…………っそ…………」
客席と此処とを隔てる壁にぶつかり、砕いた。
そして生まれた瓦礫に埋もれた彼女は、まだ動かない。
- 984 :クロスブレイム 屠殺骸装 ◆CROSS/.AzE:2010/07/23(金) 21:40:04 ID:HnkBBDEo0
- >>983
「…………」
これが、
「……ふざけんなよ」
これが、ヒーローの姿なのだろうか。
これが、自分の憧れるヒーローなのだろうか。
「ふざけてんじゃねぇぞテメェ!!」
直情的にクロスは叫ぶ。
大人気ないことに、クロスはイラついていた。
「これが……これがヒーローを名乗る奴のザマかよ!
ふざけんのもいい加減にしろテメェ!!」
悪魔が叫ぶ。
「テメェがなんでヒーロー名乗ってんのか知らねぇけど!
ヒーローならヒーローらしく戦ってみやがれ!
さっきからテメェ……避けようとするばっかりじゃねぇか!!」
ヒーローになりきれなかった。
だから、処刑人を名乗った。
それでも、やっぱり憧れは捨て切れなかった。
目の前のヒーローは、ヒーローになれなかった自分によって今、傷つけられている。
それが許せない。我慢ならない。
でも、手加減する気はサラサラ無い。
それは彼女の正義を、傷つけることになるから。
「羽が千切れたぐらいでなんだ! 痛みがどうした!
ヒーローなら、血が流れようと骨が折れようと筋肉が千切れようと、
それでも退いちゃいけない時があるんだろうが!」
勝手な価値観の押し付けだ。
わかってはいる。でも、言葉が止まらない。
感情が溢れてくる。
「……もういい」
溢れてくる感情を振り払うように、
クロスは体を低く体勢を保ち、悪魔のような仮面の顎を大きく開く。
「極刑砲、充填開始」
紅の光が、その口の中で収束を始めた。
- 985 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/07/23(金) 22:46:24 ID:74vCVQA.0
- >>984
過去と今が混ざる。
暗闇に、いつかの部屋が、言葉が蘇えっていた。
__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ̄ ̄―‐―― ___ ̄ ̄――― ___―― ̄ ̄___ ̄―==
何故、自分に羽があるのか――に尋ねたことがある。
『猫には羽がねーからな。だから欲しいんだよ』
押し付けだった。
でも、だからわかったことがある。
普通、人に羽はない。
だから空を目指し飛行機が作られ、人は天に近づいた。
人は、空を夢見る。
野を越え谷を越え山を越え海を越え、明日の向こうへ足を踏み入れることを願う。
__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ̄ ̄―‐―― ___ ̄ ̄――― ___―― ̄ ̄___ ̄―==
『――――――――…………!!』
瓦礫の向こうから、声が届き今に引き戻される。
正確には聞き取れない、けれど、どうやら怒っているらしい。
――――なんで、
なんで、勝っているのに怒るのか。
右手を動かし刀を握っていることに安心しながら、疑問に思う。
「…………でも、」
自分は羽を持っているのに、届かない。
〝あれ〟にも、
〝向こう〟にも、
指先すら掠ることはな、
「うるさいッ!!!!!」
思考を斬る。
「皆と違って、私には羽があるんです!!!
飛べば隙間なんか関係ない!!!その気になれば行けないところなんてない!!!!!!!」
だから、
「だから!!」
瓦礫の中からもぞ、もぞ、と動き、掻き分け、姿を見せる。
砂埃にまみれた彼女の服は、常と違い、汚れていた。
頬を拭い、吠える。
宛も今のクロスさんを真似たように、御面に隠された顔を必死の形相に染め、相手に向けていた。
__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ̄ ̄―‐―― ___ ̄ ̄――― ___―― ̄ ̄___ ̄―==
『――――attention please.attention please.
The body named nadir-heal wiil be coverd with arms made by a lunatic 〝pussy ogre〟――――』
__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ̄ ̄―‐―― ___ ̄ ̄――― ___―― ̄ ̄___ ̄―==
無機質な、アナウンスのような声で言葉が響く。
折れ曲がった羽が、辺りの光を文字通り『吸い』僅か暗くなる。
__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ̄ ̄―‐―― ___ ̄ ̄――― ___―― ̄ ̄___ ̄―==
「『――――Are you ready?』」
__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ̄ ̄―‐―― ___ ̄ ̄――― ___―― ̄ ̄___ ̄―==
彼女の持つ声と、その声が混ざり、僅かに和音となり響いた。
- 986 :クロスブレイム 屠殺骸装 ◆CROSS/.AzE:2010/07/23(金) 23:16:52 ID:HnkBBDEo0
- >>985
瓦礫の中から這い出る人影。
何か、力の収束を感じる。
でも関係無い!
「充填完了」
クロスの体から溢れる光が、形になってゆく。
グレゴリオ
「極刑砲『砕悪』」
クロスが口を開けると同時、陣のような紋様が空間上に展開される。
そこから現れるのは、巨大な魔獣の顔。
それは金属を組み合わせて形成されており、それだけで凶悪な質量を誇る。
鋭い牙を何列にも携えた顎を大きく開き、それが弾丸の如き勢いでロマンス向けて撃ち放たれる!
- 987 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/07/25(日) 22:19:49 ID:74vCVQA.0
- >>986
クロスさんから見て、『砕悪』は暗闇に呑まれた。
その場の、彼女の周りの光が白い羽に喰われ光景が失せていく。
光あっての景色、
光がなければそれはただの影で、意味を失う。
彼女の周囲、宛も〝奈落〟。
だんだんとその空間が場を侵食し、広がっていった。
__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ̄ ̄―‐―― ___ ̄ ̄――― ___―― ̄ ̄___ ̄―==
『―――― Asking it again. 』
__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ̄ ̄―‐―― ___ ̄ ̄――― ___―― ̄ ̄___ ̄―==
声が響く。
無機質な、単なるアナウンスのような声音が再び響いた。
彼女が、恐らく作り出した暗闇から届く。
問い、
凶悪に歪んだ巨顔を受け止めながら、もう一度訊ねますよ、と嘯いた。
- 988 :クロスブレイム 屠殺骸装 ◆CROSS/.AzE:2010/07/25(日) 22:49:39 ID:E4Ka56rgO
- >>987
「な――」
何が、起こったのか。
驚愕が理解を超える。
渾身の一撃が、闇に飲まれた。
相手に何が起こったのだろうか。
「少なくとも……何かが起こってはいるんだろうが」
仮面の中、初めて冷や汗が額を走る。
――Are you ready?――
――――Asking it again.
「『準備はいいか』だと?」
それが自分に対する問いなのか、
そもそもあの無機質な声は自分を対象としているのか、
分からないが……しかしクロスは答える。
「準備が出来てるかどうかわからねぇ。
でも、覚悟は出来てるぜ」
クロスの装甲の一部がガシャリと開き、中の魔術回路を輝かせる。
「さあ、どう来る。
そろそろ俺のターンは終わりだぜ?
魅せてみろよ、ヒーロー」
- 989 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/07/25(日) 23:16:48 ID:74vCVQA.0
- >>988
__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ̄ ̄―‐―― ___ ̄ ̄――― ___―― ̄ ̄___ ̄―==
『―――― I got your consent.
maid of yakusa
The program 〝八色 の 使用人〟』
__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ̄ ̄―‐―― ___ ̄ ̄――― ___―― ̄ ̄___ ̄―==
光が炸裂した。
闇の中から幾筋も、幾筋もの光が伸び、客席、天井、床、壁を照らした次の瞬間、爆砕。
破裂した光が粒子となって降り注ぎ、徐々に暗闇に色を取り戻す。
くぐもった声が、暗闇から響いた。
HGA
「――――odd only。タイプ〝聖守護天使〟!!!」
喝采が聞こえる。
光の粒が擦れ合って奏でる、シャラシャラとした、拍手の音。
光景が戻ったその場でまず目に入るのは、光の翼。
羽ではなく、〝翼〟。
上段中断下段と、それぞれ二枚で三対の翼が生えていた。
そして次に、先の『砕悪』。
光の翼の持ち主の姿を、光が戻った今尚隠す破壊の徴。
- 990 :クロスブレイム 屠殺骸装 ◆CROSS/.AzE:2010/07/25(日) 23:58:00 ID:HnkBBDEo0
- >>989
爆砕が収まり、光が晴れる。
その中から出てきたのは、全身から煙を上げるクロスであった。
防御力と質量増加に特化しか装甲の為、なんとか一撃死は免れたようだ。
「……ちぃ、何が起こってやがる?」
二度目の疑問。
不確定要素が多すぎる。
一体相手に何があったのか、相手は何をしているのか、自分はどうなっているのか。
「俺の“砕悪”が……??」
分からない。
だからこそ、
「退いちゃ駄目だろう」
クロスの背から太い尾が生える。
金属で出来た骨のようなそれは、大きくしなって地面をたたく。
それだけで地面が抉れ、その反動でクロスは大きく飛び上がった。
「見極めさせて貰うぜ!!」
右腕を握り締める。
それと同時に、クロスの背後に巨大な腕が形成。
先ほどと同じように、クロスが振るう腕に合わせ、巨大な腕も大きく振られ、
まるで天使のように宙に浮く彼女に向けて放たれた。
- 991 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/07/26(月) 01:07:18 ID:74vCVQA.0
- >>990
その光は、熱くなく、されど触れた場所を照らし、ほんの僅かに焦がしただけだった。
〝技〟と言うよりはエフェクト。
意味が有るのか、無いのか、それは単にエフェクトとしての爆砕だった。
クロスさんが飛ぶのに遅れて、彼女は飛んだ。
〝飛翔式〟なしの自分の力にのみ頼った、真の意味での跳躍。
煙を巻き上げクロスさんと同じ高度まで飛び、羽搏いて速度を払い、停空。
未だ彼女の姿は落ち着かない。
表面を光の粒が覆っていて、輪郭は朧気にわかるけれど、はっきりとは。
言ってしまえば光の女性。
女性の形をした光。オマケで背に翼を生やしているけれど。
不安定。
未だ、彼女の姿は不安定だった。
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「名を――――」/『An inscription is――――』
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光は、空を仰いだ。
迫る腕を呆然と見つめ、翼で宙を叩く。
衝撃が空を奔り、反動で彼女は翔け出して、クロスさんへと迫る。
互いの距離は馬が五頭分。
彼女は、三秒後にクロスさんの元へ辿り着ける速度で、前を向いていた。
- 992 :クロスブレイム 屠殺骸装 ◆CROSS/.AzE:2010/07/26(月) 19:33:24 ID:E4Ka56rgO
- >>991
未だ形を成さぬ彼女。
光の粒子となった相手を前に、クロスの目は驚愕によって見開かれる。
(自身の構成物質を変える……だと!?
なんて無茶苦茶なことしやがる!)
それでも、退かない。
まずは見極める為、相手が何を「持っているのか」を試す為、
クロスは鋼鉄の拳を向かってくるロマンスに向けて放った。
- 993 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/07/26(月) 23:01:20 ID:74vCVQA.0
- >>992
鋼鉄の拳に向かうのは、彼女の拳。
光につつまれた、少し小さい彼女の拳が拳に向けて振るわれる。
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Source
「『知識の門番』!!!!」
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その拳が火を纏う。
猛る火を、光の外に纏い、拳と共に振るった。
そして、拳に燈った火が燃え広がり、彼女の体を包んでいく。
右肩、顔、胸、胴、翼、足、左肩、左腕、爪先、
順に火が回り、彼女は火達磨になった。
- 994 :クロスブレイム 屠殺骸装 ◆CROSS/.AzE:2010/07/27(火) 13:07:14 ID:HnkBBDEo0
- >>993
「火……熱か!」
熱風がクロスを覆い、視界が歪むような感覚を覚える。
「だが……ここは押し切る」
拳と拳の衝突。
炎の拳に触れ、鋼鉄の拳は真っ赤に光る。
だが、例え焦げても溶けても蒸発しても、金属は金属。
クロスの能力操作可能範囲内だ。
ならば、
「っらああああああああ!!!」
空中に浮かんだまま、クロスは拳を突き出す。
それに呼応するかのように巨大な鋼鉄の拳も、熱されながらも前へと押し込まれた。
- 995 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/07/27(火) 21:43:11 ID:74vCVQA.0
- >>994
その拳が金属ならば、彼女の炎に熱される。
赤く焼き形を歪め、行く手を阻んだ。
しかし押し通される。
彼女の拳、〝燃焼〟の権化とも言うべきその常夏の暖炉にて、なれど、クロスさんの拳は突き通された。
金属の拳が、届く。
彼女の手に。
炎、光、その奥に控える彼女の拳、そのものに触れた。
「――――負けたくないです」
轟々と炎が滾るその空間で、ちっぽけな彼女の声は空気を震わすに至らない。
だから、それは言葉ではなく言質。
自身に向けての誓い。
言ったことは、必ず『守る』。
『守る』。
「ッ!!!ぁあああああああああああ!!!!!!!」
〝燃焼〟、自分の拳を、押し込む。
通されたのなら、通し返す。
それは当然の礼儀と彼女は思い、それ以上に感情が返すべきと言い、だから。
三十割り増しになった翼で、宙を叩く。
前へと、体が押し出された。
けれどそんな簡単に拳を砕くことは出来ず、右手が痛い。
ここで妥協、引けば負ける。そう感じて、半ば本能的に右手を下げていないから。
力を込める。
押し通す。
今、彼女は負けたくない、と思っていた。
- 996 :クロスブレイム 屠殺骸装 ◆CROSS/.AzE:2010/07/28(水) 18:31:05 ID:HnkBBDEo0
- >>995
炎によって紅に染まる鋼鉄の拳。
それはやがて ぐにゃり と形を変え……
「く、そ……!!」
仕方なくクロスは、巨大な拳を敢えて炸裂させた。
金属片が散らばり、散弾のように辺りに散らばる。
その金属片の散弾をクロスはわざと我が身に食らい、そうすることによって自身を後退させた。
「――――がはッ!!」
それは後退、と言うより吹き飛んだ、と言った方が近いだろう。
壁にその重い体を叩きつけ、肺の中の空気を吐き出しながらもなんとかロマンスと距離を置く。
瓦礫を押しのけ、壁の中に埋まった体をなんとか引きずりだし、
「……ネイディハァアアアアアアアアアアアル!!!」
初めて、彼女の名前を叫んだ。
“ヒーロー”とは、もう呼ばない。
相手が正義の味方だろうが悪の使者だろうが、
ヒーローだろうがヒールだろうが勇者だろうが魔王だろうが、
クロスの思考からは“そういった”シンボルは全て吹き飛んだ。
クロスの目の前にいるのは“負けたくない”相手。
ただ、それだけ。
「てっめぇええええええ!! ブッ飛ばしてやる! 泣いても許さねぇからな!!」
だから、クロスは相手の名前を呼ぶ。
相手をヒーローではなく、自分の相手だと初めて認識したからこそ、
敬意も怒りも闘志も全て込めて、相手の名を叫ぶ。
- 997 :〝天使〟 ◆X7kkkkkkkk:2010/07/28(水) 20:47:15 ID:74vCVQA.0
- >>996
彼女もまた、吹き飛ぶ。
六つの翼が空を掴む為、クロスさんほどの距離は飛ばなかったけれど、飛んだ。
光条、翼から光の粒子と共に羽根が散る。
翼と羽根と粒子が輝きが、宛らピンスポットを当てられているように彼女の周囲を照らしていた。
「ネイディハールじゃありません!! 私は、マスクドロマンスです!!!!」
呼ばれた名に、叫び返す彼女の声は必死だった。
自家発電で足元の瓦礫と自分の顔を照らす彼女は立つ。
光と炎、二つのベールが剥がれ落ち、素の彼女がそこに立っていた。
常と、何もかも違う。
二本に結っている髪は解かれ、刹那の細雪が如く金糸と銀糸がばらばらと風に舞う。
横に流していた前髪も、無造作に顔の前をちらついていた。
彼女が今纏うのは、メイド服でなくどこか頼りない薄手の白いワンピース。
編み上げブーツもなりを顰め、彼女は木製のサンダルを履いていた。
それよりも。
彼女の顔から、トレードマークとも言うべき狐の御面が消えていた。
代わりと言うように、頭上に光の輪が浮かぶ。
額から血が流れ、眉毛を睫毛を鼻を伝い、ワンピースに朱の彩を与えた。
それに連られてか、緑だった筈の瞳が赤に染まっていた。
「泣きもしないし、許されもしません!!!!」
蒼白く腫れた右手の拳を左手の拳と共に腿へ押し付け、もう一度叫ぶ。
背中からではなく、背中の少し後から浮く六つの翼が瞬いた。
「勝手に勝ちます!!!!」
重心を前に落とし、赤い瞳をクロスさんに向け、跳躍。
足元が爆ぜ、彼女の体を押し出した。
右手に、左手に、細い光の柱を握り締め、迫る。
- 998 :クロスブレイム ◆CROSS/.AzE:2010/07/28(水) 21:15:17 ID:HnkBBDEo0
- >>997
ネイディハールでない?
マスクドロマンス?
泣きもしないし許されもしない?
勝手に勝つ?
「んなモン知るかァアアアアアアアアアア!!」
ドンッ
という轟音と共に、クロスも瓦礫と共に飛び出す。
もちろん、ロマンスに向けて。
鋼鉄の鎧の塊は、今度は拳を握るのではなく掌を大きく開き、
ロマンスの両手を掴もうと手を伸ばした。
- 999 :〝天使〟 ◆X7kkkkkkkk:2010/07/28(水) 21:26:48 ID:74vCVQA.0
- >>998
名前は大切です、
胸中で呟きながら羽搏き、乗り越えん、と上に跳ねる。
剣に見立てた光の柱に異能を集中。
捉えられる、捉えられない、
結果に関わらず、〝燃焼〟をぶつける羽目になるだろうから、溜めた。
- 1000 :屠殺骸装 ◆CROSS/.AzE:2010/07/28(水) 21:32:15 ID:HnkBBDEo0
- >>999
ガシリ、と鋼鉄の悪魔は天使を掴む。
そして顔を覆う仮面型の装甲の口をガパリと開けた。
中に広がるのは、真っ暗な空洞。
ロマンスを掴んだまま、まるで力を溜めるように、その口を天へと向ける。
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