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【イベントA】Heaven or Hell?Hell&Heaven【Part5】- 1 :名も無き異能都市住民:2010/03/24(水) 22:56:10 ID:4jklz6Bg0
- <<ルールとか>>
・ここは、各スレでなんらかのイベント・クエスト・戦闘が発生した場合に使います。
・雑談も可能ですが、日常の範囲で済むかどうかは各自で判断してください。
・クエストスレはA・Bの2つがあります。開いている場所ならどこでも使って構いません。
・逆に、使用中の場合は混乱の元になりますので、同じクエストスレで2つのクエストを進行させることはやめてください。
・クエストで使われている場所を、クエスト以外のスレで使うことは『構いません』。
時間軸が異なる・平行世界である、など解釈は自由です。
・またクエストスレと他のなりきりスレに、同時に現れることは『構いません』。
ただしそれによって起こり得る弊害は自力でなんとかしてください。
・GM役をあらかじめ決めておくとスムースにことが運ぶかもしれません。
・識別をしやすくするために、トリップをつけると幸せになれるかも
前スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12841/1262431778/
- 2 :セウァリス・グリュンヒルド:2010/03/26(金) 23:35:54 ID:/k2gysHgO
- >>998
「気にするな」
それだけを言ってセウァリスは視線を降りてきた階段へと引き戻す。
>>997
「……歩いている暇は無い」
それだけを平坦に言うと、セウァリスは歩き始めた負傷者を掬い上げるように死体ごと彼を抱き上げる。
「少し我慢しろ」
肩に死体、腕には負傷者と死体を抱き上げ、凄まじい速度で階段を一気に駆け上がった。
「……さて」
ダムの上部まで一気に駆け上がったセウァリスは、負傷者と遺体を下ろすと鋼鉄の長方形から得物を取り出す。
本来ならば長さ約4メートルの迫撃砲剣だが、剣部はつけずに砲身だけの状態に手早く組み立てる。
得物を組み立てたセウァリスは、再び階段を駆け降り始めた。
- 3 :名も無き異能都市住民:2010/03/26(金) 23:41:12 ID:rSRBD9/U0
- 前>>998-999
甲、小夜ら異能者を中心に、再び進軍が開始される。
しかし、先ほどのホバークラフト以外、目立った敵らしきものは現れず。
『……指揮所からの通信では、どうやら我々以外に突入した
レトリバー、ドーベルマン、ブルドッグの3隊から通信途絶だそうだ。』
『クソ、マズいな……』
情報がもたらされたことによって返って、暗い雰囲気が漂う。
その時であった。
「ああぁっ!君たちは救出部隊なのか!?
た、たすけてくれ!助けてくれ!!」
職員だと思われる男を発見した!!
前>>1000
黒衣の者は、先ほどの兵器の整備を行ったり、
物資の箱を開け、使えそうな物を探しているだけで、
周囲を警戒している様子は全くない。
『この先、放水管制エリア及び取水ポンプエリア』
と書かれたパネルと、扉を発見した。
監視カメラは設置されているが、歩哨は居ない。
- 4 :名も無き異能都市住民:2010/03/26(金) 23:44:11 ID:rSRBD9/U0
- >>2
「すまん……」
負傷者と、死者をダム上部の
搬入用道路に居る味方に預け、再び階段を駆け下り
味方のもとに追いつかんとするセウァリス。
しかし、その時……
――ドガァアァッッ!!!
外から、爆発音が聞こえた。
- 5 :甲/安全第一:2010/03/26(金) 23:47:19 ID:i7Iv1Cyo0
- >>3
訓練された兵士はうろたえない
「……のか?…チクショウ…」
ノリノリで鼓舞したつもりがマイペース進軍
いまいち軍隊的なノリが分からない男は、微妙にさっきの自分に恥ずかしくなっていた
しかも何か暗くね?雰囲気…
とか何とか悶々としてるところへ
「…お?おぉ!よっしゃ!生きてた!」
ガッツポーズして駆け寄る
「怪我ぁねえか?他の奴等は――」
身を案じる声を掛け、もう大丈夫だ、と告げた
- 6 :セウァリス・グリュンヒルド:2010/03/26(金) 23:49:10 ID:/k2gysHgO
- >>4
「ッ!」
階段を降りる足を止めると弾かれた様に手近な窓へと飛び付いた。
「何だ……」
窓から外を眺め、爆発音の発生源を突き止めようと視線を巡らす。
- 7 :小夜:2010/03/26(金) 23:52:24 ID:yvUls86s0
- >>3
「はいはい。救世主ですよーっと」
扇で口を隠しながらひらひら手を振る。
「……で? 親玉は?
そいつ倒さないと帰れないんだけど」
- 8 :鐘森 栄治郎/さまようじじい:2010/03/26(金) 23:57:00 ID:NSqoMDQ60
- >>3
("コレ"に退路を断たれたりするのはマズいですが…
…細工して見つかるのも問題ですな)
自らの能力で黒いナイフを作り出すと、
カメラの死角になりそうな横合いから投げつける
壁に接続されている配線を切って先のエリアに進むつもりのようだ
- 9 :名も無き異能都市住民:2010/03/27(土) 00:04:07 ID:rSRBD9/U0
- >>5 >>7
男は、軽い怪我をしているようだが、
命にかかわるほどの物ではないように見える。
「ほ、他の奴らは『管理・調整エリア』に連れて行かれた。
でも、まってくれ、でも、他の皆とか親玉とか今はそんなことは、
どっどっどうでもいいんだ!!」
男は、酷く興奮しており言葉が聞き取り辛い。
「ばっばっばっ、ばく、ばくだんだ!『爆弾』なんだ!!!
奴らは、爆弾を仕掛けた!黒衣の者に混ざっていた『人間』が
言っていたんだ。ここに爆弾を仕掛けるって。お前らはみんな死ぬって!!」
男は、あわてて舌をかんだが、口から血を流しつつ話し続ける。
「たぶん、たぶんだけど、やつらは放水管制エリアのメイン管制室に爆弾を置くと思う、
あそこは、このダムで一番弱い部分なんだ。だから、だから!!!」
>>6
大型のオートジャイロが、ダム上空に飛来し
多数の黒衣の者をダム上部の道路にばら撒いている!!!
やつらは、内部に突入した部隊の退路を断つつもりなのだろう。
>>8
見事ナイフは、配線を断ち切り
カメラの機能を断つ事に成功した!
そのまま、扉を通り奥へ奥へと進む……
『放水管制エリア』
そうかかれた巨大なエリアにたどり着いた。
そこは、広い体育館ほどの広さで、水質を調べるためだろうか、
様々な機材が置かれている。
そしてその中央には、巨大な機械で出来た卵のようなものが置かれていた。
その周辺には、黒衣の者が多数。
そして指揮官らしき、男の姿も。
- 10 :小夜:2010/03/27(土) 00:08:26 ID:yvUls86s0
- >>9
「爆弾、」
はあそんな……どこか現実離れした、ドラマの世界で使うようなものを。
そう思ってもう一度手の甲を抓ってみたが、やはり痛かったので残念ながら現実なのだろう。
「……じゃあ、行かなくちゃ」
小夜はか弱い少女だ。年端も行かない、子供だ。
でも異能を持っている。戦える。ならば、進むしかあるまい。
この街が好きだから、行かなければならない。
着物の袖をふわりと流して、少女は管制エリアへと進む。
- 11 :セウァリス・グリュンヒルド:2010/03/27(土) 00:14:39 ID:/k2gysHgO
- >>9
「ッ」
舌打ちを一つ。窓から下を見下ろし、人影が無い事を確認したセウァリスは階段踊場、突き当たりの壁に、
「ふん!」
蹴りを一撃。踊場の壁は大きく砕かれ、砕かれた壁の残骸は下へと降ちていった。
迫撃砲剣を傍らに持ったセウァリスは半身を大きな穴が空いた壁から乗り出し、砲身の先をオートジャイロに向ける。
「迫撃砲で対空射など、有り得ないだろうが」
狙撃手のようにオートジャイロを狙いながらセウァリスは一人呟き、
「経験済みだ。……可笑しな所に落ちるなよ……!」
――引金を引く。
125mmの迫撃砲弾が、空を裂いて一直線にオートジャイロへ飛来する。
(……アレを落としたら降下した連中を片付けなければならんな……!)
- 12 :甲/安全第一:2010/03/27(土) 00:17:34 ID:i7Iv1Cyo0
- >>9
「―――最、悪…ッ!!!」
予想出来た最悪のパターン
まぁ、俺如きが想像出来るレベルの悪事なんざ、敵さんだって考えられるか
――黒衣の者の中に、人間?
オイオイオイオイ…!ちょっと待てってそりゃあ…!
思考が滑る――落ち着け、先ずは冷静に…
「死なせねえッッ!!!!!」
…出来る訳がねえ!!
感情を叫べ
爆発的な感情は、俺の力に代わる
うねる思考を振り払い、駆け出すまでに2秒も掛からなかった
>>10
――ポン
後ろから背中を叩く、その手は確かな熱を持ち
この場に"独りでは無い"事を伝える
「俺と、お前で―――何とかすっぞォ!」
サムズアップ、後ろに感じた気配は、すぐに小夜の前に
走る背中、なびく赤マフラー
何を、どうするかなんて
間に合ってから、考えてやらぁ!
- 13 :鐘森 栄治郎/さまようじじい:2010/03/27(土) 00:18:30 ID:NSqoMDQ60
- >>9
機械の球体に目を奪われるが、それが彼らが持ち込んだものなのか、
はたまたこの施設特有の設備なのか、今の老人には知る術が無い
疑問を持ちつつも、周囲を見渡し
(指揮官…でしょうか
この身ひとつでは、王を討つ以外無さそうですが…さて)
隠れながら回り込み、指揮官に注意を向ける
- 14 :名も無き異能都市住民:2010/03/27(土) 00:33:54 ID:rSRBD9/U0
- >>10 >>12
男の言葉を受け、
目的の場所へと急行する兵士達。
【放水管制エリア】
管制室に向かう途中の広い空間に多数の黒衣の者が展開している。
そして、その中央に機械で出来た卵のような謎の物体。
その傍らで、一瞬ではあるが歪みが閉じるのが見えた。
>>11
――ドッ!!!
空中に浮遊していたところ、
腹に迫撃砲弾の直撃を受けたオートジャイロは
バランスを崩して火を吹きながら落下し、
はるか下の波止場に突っ込み爆発炎上した。
しかし、
オートジャイロは、一機だけではなく全部で6機。
既に何機かは黒衣の者の放出を完了し、離脱に入っている。
>>13
男はこの場にそぐわない、中世の貴族のような装束を着ており、
近くに侍るローブを着た黒衣の者となにやら会話をしている。
「ゴルヘペラ、本当にこの戦、勝てるのだろうな?
このように珍妙な兵器が、我々の弓と剣に勝るとは思えぬ。」
『お叱りはこの兵器の威力を見た後でも遅くはありますまい。
これをわが兵団が自在に扱えるようになれば、どの世界と戦っても……』
そこで、ローブを着た黒衣の者が言葉をさえぎる。
小夜、甲らの兵士がこの広間へと流れ込んできたのだ。
貴族風の男は、驚いたような表情を浮かべたが、
すぐに、ローブの男と共に歪みの中へ消え見えなくなった……
- 15 :小夜:2010/03/27(土) 00:37:03 ID:QYyPcDfoO
- >>12
「……うん」
返事はそれだけ。
それだけしかないだろう。
何色にも染まらない夜の色に、微かに煌めく赤が眩しいのは錯覚ではないはずだ。
>>14
「…………あ?」
逃げた。
逃げやがったあの腐れ皮被り。
ふつふつと怒りが湧いて、閉じた歪みを探そうとする体を脳が押さえつける。
「……爆弾、何処よ」
- 16 :セウァリス・グリュンヒルド:2010/03/27(土) 00:39:08 ID:/k2gysHgO
- >>14
「まだ居たか……!」
開けた大穴から半身と迫撃砲を引っ込め、苦虫をダース単位で噛み潰した様な顔になったセウァリスは、急いで階段を駆け上った。
「何度も登り降りするとは、本当に忙しい事だな!」
軽く悪態を付きながら、セウァリスはダム上部の道路へと疾駆する。
- 17 :鐘森 栄治郎/さまようじじい:2010/03/27(土) 00:44:09 ID:NSqoMDQ60
- >>14
(…どの世界と戦っても、ですか)
2人の会話を盗み聞き、思考をめぐらせるが…
他のルートからやってくる兵士
それは単純なる好機
老人は能力で破片手榴弾をいくつも作り出し
黒衣の集団へと放りまくる
- 18 :甲/安全第一:2010/03/27(土) 00:47:23 ID:i7Iv1Cyo0
- >>14
―――ガッ―――
開けた箇所に到達、ほぼ同時に
床を叩く音
「第一陣――フルスロットル」
棒の先端に大気が渦巻き――弾ける
棒高跳びの様に、前方に大きく跳んだ甲は
「ぉおおおおおおおおらぁああああああああああああッ!!!!!」
黒衣に埋め尽くされた一団に全力で"暴風を纏う棒"を叩き付ける
>>15
「小夜ォ!!!逃げた奴ぁ良い!!」
一瞬見えた――確かな《人影》
だが、今はそれを考えている時間じゃない
「―――卵だッ!そこの丸いやつを頼む!」
黒衣に覆われた一帯で声を振り絞った
- 19 :名も無き異能都市住民:2010/03/27(土) 00:56:01 ID:rSRBD9/U0
- >>15
先ほどの男は、『爆弾はメイン管制室にある』と言っていた。
メイン管制室は、ちょうど部屋の反対側。
この部屋を抜けたすぐ先にある。
見取り図がかかれたパネルが先ほどの通路に掛かっていたため、
それを覚えていれば向こう側の扉がそうだと気づけるはず。
>>16
上部の道路に飛び出したセウァリスに飛び込んできたのは、
まさに目を覆いたくなるような有様。
転送装置は無残にも破壊され、それを守っていたであろう兵士達は
無残にも、黒衣の者たちの武器でずたずたに切り裂かれていた。
たった一人のセウァリスに向けて、100人以上の黒衣の者が迫る。
>>17
突然投げ込まれた手榴弾。
黒衣の者たちは、それが何か分からないのか、
逃げようともせず、まとめて吹き飛ばされていく。
破片で、卵の外装がボロボロと崩れ始め……
>>18
甲の一撃により、敵がまるでピンボールのように吹き飛ぶ。
そして、卵の外装はさらにくずれて……
「おおおおおおおおおおお……」
その中から、どろどろに溶けた人のようなものが現れた。
まるで、氷のようにピカピカと発光する表皮を持つそれは
何かを求めるかのように虚空に手を伸ばし、床を這いずり回っている。
- 20 :小夜:2010/03/27(土) 01:00:25 ID:QYyPcDfoO
- >>18
「わかった!」
走りだす。
急げ急げと脳が命令。体が悲鳴を上げながら従う。
>>19
「――っ」
狙いの球体が壊れた。
中から見たくもないようなおぞましいナニカが見えたが、「置いといて」。
目の前の扉へ、駆け出した。
- 21 :甲/安全第一:2010/03/27(土) 01:01:12 ID:i7Iv1Cyo0
- >>19
「ゴメン!卵ウソ!敵いっぱい出て来たぁああああ!!」
小夜に叫んでダッシュ逃げ
「――なん、何だよ…こりゃあ!…時間、多分ヤバイのによぉおお!!」
頭上で"棒"を回し再び構える、床を這いずるナニカを注視
「(――…ち)」
左眼からは、能力行使限界を知らせる血涙が溢れ出ていた
- 22 :甲/安全第一:2010/03/27(土) 01:02:34 ID:i7Iv1Cyo0
- >>20
「ナイス小夜ォオオオ!!」
ガッツポーズ、さすが小夜
その高度なスルースキルを絶賛した
- 23 :鐘森 栄治郎/さまようじじい:2010/03/27(土) 01:06:13 ID:NSqoMDQ60
- >>19
(ドドロ……いえ、有り得ませんね)
自らの知りうる似たような生物を思い浮かべるが、それを思考からかき消す
身を隠していた場所から躍り出ると、溶けた何かへと相対する
これはマトモに相手をしてはいけない
…そんな予感を抱きながら、"それ"を見据える
- 24 :セウァリス・グリュンヒルド:2010/03/27(土) 01:09:54 ID:/k2gysHgO
- >>19
「…………」
この時ばかりはセウァリスも平坦な表情に強い険を露にした。同胞が蹂躙されているのだ、それも当然だろう。
「――ふん、元よりこの得物は対集団用の物だ。久し振りにまともに運用してやれる」
言葉の端々に毒を浮かべたまま、セウァリスは刃の外された迫撃砲剣を上空に向けた。
引き金を引く。125mmの砲弾が天に唾棄するように放たれる。
砲弾の通った摩擦熱で一瞬の内に灼熱した長大な砲身が大気によって急激に冷やされ、軋む様な音を立てた。
鋼と鋼とが擦れる音。砲身に見合うサイズの遊底が砲撃の反動でスライド、後退。機関部を露出する。
露出された機関部が専用砲弾の大きな空薬莢を排出し、がたりと音を立てて撃鉄が起き上がった。
後退しきった遊底がバネの力で戻る。取り付けられた弾倉からせり上がるのは鋼の砲弾。
それはガコンという重低音を響かせた鋼鉄の機構によって薬室に送り込まれ、次弾装填が完了する。
ここまで、凡そ一秒。
「もう一発……!」
先程と同じように砲弾を空へと放ったセウァリスは、再び引き金を引き、続いて即座に盾を上に構えた。
「頭上注意だ。鉄の雨が降るぞ」
――――上空に放たれた砲弾。
それは8000もの矢型子弾をその内側に内包する千夜ミリタリーインダストリー製のフレシェット弾。
砲弾が軈て重力に引かれてその先を地上に向け、そして、爆ぜて、
一万六千の鉄矢の雨が降り注いだ。
- 25 :甲/安全第一:2010/03/27(土) 01:12:51 ID:i7Iv1Cyo0
- >>23
「鐘森さん!?」
身を翻し出て来た人物に気付く
「丁度良い――アンタの知識が要る!!小夜に続いてくれッ!!!」
ここは、この未知の物体は任せろ、と
それよりもヤバイ物がこの先に在る、と
力の限りで告げた
- 26 :名も無き異能都市住民:2010/03/27(土) 01:24:37 ID:rSRBD9/U0
- 卵から這い出したそれは、
上半身こそ人間の形を成しているものの、
下肢はなく蛞蝓のような形状でねっとりとした
銀色の分泌液を垂れ流している。
「frx......frx......trusx......?......Sia?......boa?」
ひどく気味の悪い、人間の言葉とも取れるような
声を上げながら二本の腕であたりを這い回っていたが……
>>20
唐突に、その背中から蝕腕が伸び、
うねりながら小夜の方向へと向かっていく。
銀色ではあるが、時折色がどす黒く変わるところは、
まるで烏賊のようだ。
>>21
「......frx?......frx?......volquss......」
まるで、触手の動きなど知らないかのように、
本体は這い回り続ける……。
ふと、たちどまったそれは偶然だろうか、
それとも何か意思があるのだろうか首をぐるりと甲のほうへ向けた。
「frx......follfoll...?」
まるで、甲を真似するかのように左目から液体を流し始める。
これは、一体何なのだ……
>>23
『畜生、なんだアイツは!?』
『かまわん、撃て!!』
ある種異様な謎の存在の出現に、
皆、意表をつかれたように立ち止まっていたが、
一人の兵士が叫んだのをきっかけに攻撃が始まる。
正体が分からずとも、前に立ちふさがるなら倒さねばならない。
>>24
黒い津波が、武器を振り上げてセウァリスに迫る。
さしもの彼女も此処までか。この光景を見ている物が居れば、そう思うだろう。
しかし、鉄の矢が降り注ぐ。
ダム上部に遮蔽物など殆どない。
なすすべも無く、打ち倒されていく黒衣の者。
第一射を僅かに残ったものたちも、内部へと逃げ込もうとするが
次々と第二射の餌食となっていく!
- 27 :鐘森 栄治郎/さまようじじい:2010/03/27(土) 01:28:40 ID:NSqoMDQ60
- >>25-26
「や、どうも
またお会いしましたね」
声だけは呑気に返事をしたが、甲の言葉に只ならぬ物を感じると
先程甲が別の扉へ行った人物へとかけた言葉を思い出す
「…解りました、ここはお願いします」
身を翻し、小夜の向かった扉へと走る
- 28 :小夜:2010/03/27(土) 01:29:07 ID:QYyPcDfoO
- >>22
「わかってるから、そのキモいやつの足留めしといてよね!」
ぴっと人差し指・中指を揃えて上げて受け答え。
暗黒幼女を舐めるでないわッッ
>>26
「っこの、」
掴まれた。ぎりりと足首の血管が絞まる感触、骨が軋む音。
しかし少女は
「は・な・せッ、よ!」
それでも前へ進む。
後ろに控える赤い色がなんとかしてくれるはずだと、
ひとりではないと信じているから。
- 29 :セウァリス・グリュンヒルド:2010/03/27(土) 01:34:25 ID:/k2gysHgO
- >>26
「……ふ、こういう時だけだな、お前が頼りになるのは。ゼルエット」
上空に向けて謂わば鉄雨避けとして構えた盾を下げると、再び迫撃砲剣ゼルエットが天を睨む。
きん、きん、と砲弾が通った摩擦に熱を持った砲身が大気に冷やされ、その砲身は微かな陽炎を纏う。
「……駄目を押すか」
引き金が引かれ、もう一発。再び8000本の鉄矢の雨が降り注いだ。
「五月蝿い事だな」
再度上に構えた盾に鉄矢が当たる音に眉をしかめながら、セウァリスは生存する敵手が居ないか視線を巡らせた。
- 30 :甲/安全第一:2010/03/27(土) 01:35:28 ID:i7Iv1Cyo0
- >>28
>>27
>>26
「―――させねえよ」
小夜に迫る触手の前に、伸びる黒棒
足に絡まるそれに突き立ち
手首の返しで回転―――小夜へ進む物への壁と化した
「意思が有るならとっとと退け、そうじゃねえなら――」
扉と小夜、その直線状に立ち塞がる
「――邪魔すんじゃねぇ!!!」
仁王立ち
迫る者のみ、叩き伏せる!
- 31 :名も無き異能都市住民:2010/03/27(土) 01:41:22 ID:PMt0ERXQ0
-
――――いつ現れたのか
或いは
いつからいたのか――――
「あっはっはぁー気持ち悪いですね、コレ。一体なんなんですか?
御嬢に聞かないと、いや御嬢もバカですし…………うーん……」
カラコロカラコロと下駄がなる。
「…………ま、いいや。とりあえず気持ち悪いですし、やっちゃいましょう」
朱色の髪に、それに合わせた同色の浴衣。
片手に巻物を携えた彼女は、十代前半の容姿に見合った声で、独り言を言う。
問答無用、
誰の、なんの、返答も待たず彼女は儘に、力を振るった。
「燃えてください」
蒼い炎――鬼火――で構成された火球が銀色の粘液を垂らす〝ナニカ〟へと飛ばされる。
- 32 :名も無き異能都市住民:2010/03/27(土) 01:54:57 ID:rSRBD9/U0
- >>27
「 frx? frx? frx? 」
謎の生物は、奇怪な声を一定のリズムで、
抑揚のない歌のような、まるで読み上げているような調子で
発し続ける。この生物には、感情か何かがあるのだろうか?
とてもそうは思えない。
背中が再び隆起したかと思えば小夜へと向けられたのと
同じ触手が鐘森へと向け伸びた。
>>28
触手の力はそれほど強くなく、
絡みつれたとしてもどうにか、前に進んでいける。
攻撃というよりは、まるで子供がじゃれ付いてきているかのような……
>>29
執拗なセウァリスの砲撃により、
うごめく物は既に皆無。
黒衣の者は死んだのだろう。
衣服と得物だけがその場に残されていた。
『大丈夫かー……大丈夫かー!?』
遠くから、声が響く。
セウァリスの派手な攻撃を見た近隣の州兵がこちらへやってきたのだ。
>>30
触手は、まるでバターを切るかのように容易に切断され、
ちぎれたところからガラスのように固形化して落下、粉々に砕けてゆく。
「frx......?......tankguh......doug......?」
仁王立ちする甲に、その奇怪な生物は興味を示さない。
しかし、そのいくつにも砕けた触手の欠片が、再び震えたかと思えば
液体のようになり、ゆっくりと甲に迫ってくる。
>>31
「voa?......voa......tempslu......voa...?」
回避するそぶりも見せない、それに鬼火が直撃する。
粘液は、燃えやすい成分が含まれているのか全身がまたたくまに
燃え上がるが、謎の生物はそれすら意に介さず這い回っている……
- 33 :小夜:2010/03/27(土) 01:58:10 ID:QYyPcDfoO
- >>30
>>32
これはなに?
ヤバいんじゃないの?
なんか、どっかの神話でみたことあるような――
たくさんの疑問が沸き起こり、脳をハテナマークが満たすが、それも「置いといて」。
扉に手を掛けて――開けようとする。
- 34 :セウァリス・グリュンヒルド:2010/03/27(土) 02:01:04 ID:/k2gysHgO
- >>32
「……良し」
一つ頷き、声の主に振り向く。
「ああ。制圧完了だ」
声に答えて一つ頷く。
「……下はどうなっている?」
- 35 :鐘森 栄治郎/さまようじじい:2010/03/27(土) 02:05:58 ID:NSqoMDQ60
- >>32
「やはりそう易々とは通していただけませんか!」
能力で造り出した棒で、老人は触手を打ち払おうと振り回し
>>33
「小夜さん、ですね?
この先に、一体何があるって言うんです?」
ついで、扉に手をかける少女に声をかけた
- 36 :甲/安全第一:2010/03/27(土) 02:08:59 ID:i7Iv1Cyo0
- >>32
ここまで書き込まれていた皆様ならお気付きでしょう
「………」
仁王立ちするこの男
「(うぉぁがぁあぁぁぁ…眼!左眼!痛ぇあぁあああぁあぁぁ!?)」
実際の所、強がりの半分以下の余力しか残っていない現状でありまして
顔で(ニヒルに)笑って心で(有り得ない痛みに)泣いて
嗚呼、男意地とは我慢する事と覚えけり
「(―――…向こうで、燃えてる…?援軍か…つーか…)」
揺らめき、迫る、ワケノワカラナイモノ
黒い奴等の目的が見えない
左眼からの出血で若干冷えてきた頭を回転させて考える
と、云うか
仁王立ちしてるしか既に能の無い男は、それしかする事が無かったのであった
>>33
「さ、さすが小夜さん…パネェっす」
マジクール、今夜のアイツぁイカしてるぜ
- 37 :名も無き異能都市住民:2010/03/27(土) 02:09:29 ID:QmNcfTcU0
- カツン―カツン―
空洞に響く靴の音。
歩調に合わせサラサラと靡く金と黒の髪
黒いコートの前を開け、赤いネクタイを巻いた一人の人物。
細い黒のパンツと、白のYシャツ
「騒ぎがあると聞いて来てみたんだけど…どうも、本当だったようだ。」
白い肌に蒼の目、薄く柔らかそうな口唇の――
左手薬指に嵌めた銀の指輪が鈍く光る。
性別の境目が曖昧な人物そこに現れた。
目の前には、『よく分からないイキモノ』
「これは――いけないね。」
この場に合わない、声。
ソプラノの声が風に乗った。
- 38 :名も無き異能都市住民:2010/03/27(土) 02:18:22 ID:PMt0ERXQ0
- >>32
「…………くっ……」
その場でがくりと膝をつき、両掌を地面につけた、所謂orzの姿勢になった。
「スルーされるのが一番辛い……南無三宝!どんだけへぼいんですか私の炎!
つまんないつまんないぃぃぃぃぃ!!
いや!まだです!私の力なら後一時間弱で侵食出来るはず!
はっはっはー!そうすればあなたの体の自由は私のもの!勝利は目前です!!」
立ち上がり、一しきり喚いた後彼女は呟く。
「はっはっはー…………一時間も待ってくれませんよね、わかってますよ……。ん?」
「…………ほう…………」
「人助けっぽいですね、良いことです」
どうやらあの人は先に進みたいらしい、
そしてあの人はその後に続きたいらしい、
そしてそしてあの人はその人達を守っているらしい、
「……守ったら感謝されたり?さすれば御嬢に褒められたり?しかも私の気分は上々、と」
考えて即行、
彼女は火に包まれた姿を消した。
>>33>>35>>36
「あははは!私が来たからには安心です!
弱いですが、あなた達の盾くらいにはなれますよ!」
浴衣から伸びる足は素足、
顔には狐を模した御面、
声音は幼く、身長から判断し得る年齢は十代前半、
意気揚々と彼女は甲さんの傍に、転移の余波で火の粉を散らして現れた。
只管に上から目線、言葉遣いと言動はあっていなくて、少しうざい。
「――だから感謝して下さい」
- 39 :名も無き異能都市住民:2010/03/27(土) 02:20:07 ID:rSRBD9/U0
- >>33
中央制御室は、それほど大きくなく、
耐圧強化ガラスの壁面でダム内の水の中の様子が見えるようになっていた。
その強化ガラスに爆弾がいくつも、
ガムテープで貼り付けられている。
なるほど、ここを爆破されればあっという間に水が流れ込み
水流でダム内の設備は破壊されるだろう。
>>34
「かなりやられているらしいが……
我々だけでなく、能力者にもかなりの被害が出ているらしい。」
到着したのは10名ほどの州兵。
「しかし、先ほどから変だ。
通信がないのではなく、最新の機器が全てだめになった。
故障というわけでもないし……」
>>35
触手は、杖で打ち据えられると
すごすごと引き下がる。
少し触れただけでも、怯えるように引き下がるのだ。
まるで、興味のあるものに手を伸ばす子供の手のようで
殺意などは感じられない・・・
>>36-38
「frx......frx......」
その、なんだかわからないものは燃え続ける。
そして、ほとんどとろける様に液体になり……
地面にしみこんで消えた……
なんだったのだろうか、あれは……
最期の最期まで、自分の様子を気にしている様子も無かった。
- 40 :セウァリス・グリュンヒルド:2010/03/27(土) 02:27:17 ID:/k2gysHgO
- >>39
「……」
セウァリスは黙ってその話を聞いた後、ややの間思案の色を顔に浮かべた。
「……通信妨害か? いずれにせよ見に行かんとならんな。ここは任せたぞ」
言いながら踵を返し、状況が知れないダムの下部へと疾駆を開始した。
- 41 :小夜:2010/03/27(土) 02:28:22 ID:QYyPcDfoO
- >>35
「この部屋に爆弾があるって言ってたの! お爺さん、爆弾止められる!?」
焦った様子で扉を開く少女。
>>36
びっと指を立てる。
齢十の幼女にして、その指の貫禄はいかがなものか……
>>39
「こんなにいっぱい……ッ」
どうしよう、の五文字が全身を駆け巡る。
衝撃を当てて、爆発させてしまったらどうしよう?
かといって自分に爆弾処理などできない、どうしよう?
どうしようどうしようどうしよう……
「……っああーもう! 落ち着けよ私!」
叫んで、ひとつだけ思いついた。
影使いの技、「抱影」。影で物質を呑み込むそれ。
思いついた瞬間、少女は扇を中空に投げる。
それは爆ぜて、いくつかの破片となって爆弾に覆い被り――
- 42 :甲/安全第一:2010/03/27(土) 02:30:40 ID:i7Iv1Cyo0
- >>38
「……よし、若いの…んなら、後ぁ任せた」
いや、活きの良いのが来たわい、と息を付き
>>39>>41
「(これで――…真相は文字通り、霞と消えた…か)」
溶けて消える様子を眺める
「………やれやれ」
グシ、と袖口で乱暴に左眼の血を拭い
扉を背に、ズルズルと座り込んだ
「(役目は果たした……そっちぁ頼んだぜ、小夜、鐘森サン…)」
背中の向こうに心で激励を飛ばし
甲はその場で静かに眼を閉じた
- 43 :名も無き異能都市住民:2010/03/27(土) 02:35:45 ID:QmNcfTcU0
- >>39
目の前の何かは既に溶けていた。
なら、少し先に進んでみようか。この先にも何かありそうだ。
休んでいる協力者であろう能力者を視界の隅に捉えながら、進んで行く。
- 44 :鐘森 栄治郎/さまようじじい:2010/03/27(土) 02:37:59 ID:NSqoMDQ60
- >>39
「消え…た?」
タマゴから産まれた事とその挙動
そしてそれを恐らく彼らが兵器扱いしていた事
消えたのか死んだのか逃げたのか
あらゆる疑問がアタマを巡る…が
>>41
「なるほど、それはまずいですね」
それよりも目の前にある最悪の事態のひとつ
容易に想像のつくダムの決壊に意識をを向ざるを得ない
「モノによっては対処は可能です、しかし高度な細工が施されているようであれb…おや」
しかし、返答より早く小夜は動いた
更なる対処と、自分と小夜の身を守る準備をしておきながらも、
とりあえずその行動を見守る事にしたようだ
- 45 :名も無き異能都市住民:2010/03/27(土) 02:42:36 ID:PMt0ERXQ0
- >>39
「…………案外早く沈んじゃいましたねえ…………。
これじゃあんまり、なんかですね……まあいいや。仕方ないです」
出口へ向かい、彼女は姿を消した。
- 46 :名も無き異能都市住民:2010/03/27(土) 02:44:31 ID:rSRBD9/U0
- >>40
敵影は見えず、すんなりと味方が待機する
制御エリアへとたどり着く事が出来た。
負傷者は居ないようで、皆周囲を警戒したり
先にある管制ルームへと突入している。
>>41 >>44
――ボムッ!!!
影の中で、爆弾が爆発した。
どうやら、この爆弾は一個一個の破壊力はそれほどない。
>>43 >>45
どうやら、先にここへ突入した者達が爆弾を解除したらしい。
あとは、上へと戻り、転送装置からも都市へと戻るだけだ。
ミッション完遂!
いくつもの爆弾が、同時に爆発し一点に衝撃が集中する事により、
初めて最大の威力を発揮するタイプだ。
多少荒っぽいが、爆弾の解除に成功したといっていいだろう。
- 47 :名も無き異能都市住民:2010/03/27(土) 02:45:46 ID:rSRBD9/U0
- // ごめん、ミス
>>40
敵影は見えず、すんなりと味方が待機する
制御エリアへとたどり着く事が出来た。
負傷者は居ないようで、皆周囲を警戒したり
先にある管制ルームへと突入している。
>>41 >>44
――ボムッ!!!
影の中で、爆弾が爆発した。
どうやら、この爆弾は一個一個の破壊力はそれほどない。
いくつもの爆弾が、同時に爆発し一点に衝撃が集中する事により、
初めて最大の威力を発揮するタイプだ。
多少荒っぽいが、爆弾の解除に成功したといっていいだろう。
>>42 >>43 >>45
どうやら、先に管制室へ突入した者達が爆弾を解除したらしい。
あとは、上へと戻り、転送装置からも都市へと戻るだけだ。
ミッション完遂!
- 48 :名も無き異能都市住民:2010/03/27(土) 02:50:01 ID:QmNcfTcU0
- >>47
無線で爆弾が解除されたとの知らせを聞いた。
「(…とりあえず、急場は凌げたと解釈するべきかな。)」
あの黒いクトゥルフ的なものは何だったのか。
その人物は歩く目的を失うと、羽を使い自宅へと消えていく。
- 49 :小夜:2010/03/27(土) 02:51:11 ID:QYyPcDfoO
- >>47
「黒よ黒、全てを統べる夜の色、光を遮る影の色、目蓋の裏の色。
全てをその広い胸へ。
抱擁せよ。抱擁せよ。
さすれば全ては融けて失くなる。
さすればすべては融けてなくなる。
呑まれて消える。のまれて消える」
手を広げて、
「すべてはかえる、はじまりのやみへ
――『夢幻抱影』」
抱く。
すると影が収縮し、ちいさくちいさく、やがては微々たる点となって――消える。
「……っはーっ……」
疲れた。
影で物質を呑み込むという荒技、やはり負担は大きいが、
「……よっしゃ」
充実感は、大きかった。
- 50 :鐘森 栄治郎/さまようじじい:2010/03/27(土) 03:02:19 ID:NSqoMDQ60
- >>47
「とりあえずの脅威は去りましたか…」
そうなると気にかかるのは、やはりあれらの存在
そして、彼らの言っていた「どの世界と戦っても」という発言
未だ、不安は拭えない
>>49
「これはまた…見事なものですな」
しかし小夜の技に、老人は素直に感嘆の声を上げた
- 51 :セウァリス・グリュンヒルド:2010/03/27(土) 03:05:36 ID:/k2gysHgO
- >>46
「む……」
セウァリスはそれでも警戒しながら管制室へと歩みを進める。
- 52 :名も無き異能都市住民:2010/03/27(土) 03:10:56 ID:LIoRVs12O
- >>51
管制室では小夜と鐘森を中心に、
兵士たちが安堵した様子でたっている。
爆弾の解除に成功したようだ。
- 53 :小夜:2010/03/27(土) 03:13:33 ID:QYyPcDfoO
- >>50
「ふふーん、真宵坂にこの程度のこと造作なし……」
だいぶ疲れているが。
少女が口にした「真宵坂」は、影を操る魔の交じった一族である。
>>52
「……すぴぃ」
疲労に負けた少女は、寝息を立てはじめた――
//お先に失礼
- 54 :セウァリス・グリュンヒルド:2010/03/27(土) 03:15:08 ID:/k2gysHgO
- >>52
「…………」
どうやら任務は完了したようだと安堵して、セウァリスはふむと思案する。
事の顛末は後で甲に聞けば良いか。後始末もある――そう考え、その場を後にした。
- 55 :鐘森 栄治郎/さまようじじい:2010/03/27(土) 03:18:10 ID:NSqoMDQ60
- >>53
「…成程」
終ぞ落ちることの無かった帽子を揺らし、得心したように頷くと
//お疲れさまでーす
鐘森はその場の後始末の手伝いをしていたようだ…
- 56 :アンジェ ◆XXXXUU4GU2:2010/03/29(月) 20:26:41 ID:XoDm5nhI0
- 【イデアの箱庭】
「わぁ……凄く綺麗です」
真っ白な雪原の中心で、女は呟いた。
くるり、くるりと回りながら雪を浴びている。
そこから、少し離れた場所で、その姿を見つめる影が、二つほど。
「まるで子供ー」
「貴様が言えた事ではあるまい」
「ハァ? 今 何 て 言 っ た ?」
「空耳であろう。しかし、我等も再現されるとは……興味深い」
- 57 :アイリス:2010/03/30(火) 16:14:34 ID:QmNcfTcU0
- 【イデアの箱庭 フィールド:森林地帯】
木々に覆われた周囲の中に、ぽつんと浮かぶ、丸い草原。
その人物はそこの中心で寝転がる。
ぼんやりしているようにも見えないが、かといって何かに集中しているわけでもない。
長い髪が、背の低い草と触れ合う。
色白い肌、華奢な体付き。一見すれば少女か少年か。
その人物―彼―は、蒼い双眸で空を見つめる。
- 58 :黒沢小百合:2010/03/30(火) 16:28:41 ID:rSRBD9/U0
- >>57
「おや、ここにはこんなところがあったのですね……。」
イデアの箱庭は、戦闘訓練施設として利用するものが多いが
このように普段なかなかいけないような場所を手軽に体験するために
訪れるものもいる。
アイリスのいる草原に現れたのは
長い黒髪を持と切れ長の瞳を持つ凛々しい印象の女性。
森林浴にでも来たのだろうか。
- 59 :アイリス:2010/03/30(火) 16:33:41 ID:QmNcfTcU0
- >>58
「御機嫌よう。」
コロリと寝返りを打ち、小百合を見つめるアイリス。
顔のパーツから髪質まで、女性のそれに近い。
それに声も、親族とメイドの共謀で、割と高くされている。
一見さんにはどうも男と認識されにくいようだ。
ただ、肉体そのものは弄ばれていない。
「こんな所に人が来るなんて珍しいね。」
アイリスは笑みを浮かべる。
- 60 :黒沢小百合:2010/03/30(火) 16:41:49 ID:rSRBD9/U0
- >>59
「ごきげんよう。」
アイリスの挨拶を受けて、
こちらもゆったりと挨拶を返す。
女性用スーツを着た小百合は、
この草原にはいささか場違いに見えることだろう。
「ええ、少しよさそうな地形を探していましてね。
能力のシュミレーションをしておきたいのです。」
そういえば、先ほどから上空に航空機のようなものが飛んでいるのが見える。
- 61 :アイリス:2010/03/30(火) 16:47:35 ID:QmNcfTcU0
- >>60
「へぇ。能力のシミュレーションねぇ。そんな大層なものをもっているんだ。」
耳に伝わる、独特の音。
飛行機では無いだろう。恐らく、航空機。
「空だけじゃ、不満なのかな?海は無理だとして、陸くらいかな。」
アイリスは小百合と違い、のんびりしているものだ。
- 62 :黒沢小百合:2010/03/30(火) 16:51:23 ID:rSRBD9/U0
- >>61
「ええ、私の能力はかなりの広域を
使用しなければなりませんから。」
どうやら、この女性は自分の能力に
絶対の自信を持っているらしい。
「私の能力は陸海空全てを制圧します。
人間の英知は、もはや自然を克服しつつあるのですよ。
科学こそ、新時代の秩序となるにふさわしい。」
- 63 :アイリス:2010/03/30(火) 16:55:38 ID:QmNcfTcU0
- >>62
「しなければならない、なんだね。」
つまりはそれだけの規模を絶対的に必要にする能力。
それにこの自信。
面白そうだ。
彼女の話しぶりから、一対多に“なる”だろう。
自分の弱点をきっちりと再確認擦る必要もある。
「面白いね。ならば僕は“自然<オカルト>”側だから、一つどうだい?」
アイリスはゆらりと立ち上がる。
その仕草ですら、女性のそれと大差無い。
- 64 :黒沢小百合:2010/03/30(火) 17:02:36 ID:rSRBD9/U0
- >>63
「へぇ……」
小百合の口の端が
僅かに吊り上げられる。
「本来は訓練を訓練を行う予定でしたが、いいでしょう。
実戦というのは望んでできるものではありませんから。」
長閑な草原が一転、
一触即発の戦場と化す。
「……来なさい。」
- 65 :アイリス:2010/03/30(火) 17:09:44 ID:QmNcfTcU0
- >>64
「じゃあ一つ、胸を借りようかな。いや、女性に胸を借りるとセクハラになってしまうね。」
言ってみたはいいものの、相手は思った以上に殺る気(やるき)満々である。
左手薬指に嵌めた指輪をそっと撫でると、
アイリスが切り替わる。
瞳は蒼から赤へ。
目の色と纏う雰囲気が180°変わった。
「しかし、脆いね。どうも。」
アイリスが見る世界は罅割れた世界に塗り替えられた。
- 66 :黒沢小百合:2010/03/30(火) 17:22:41 ID:rSRBD9/U0
- >>65
そんなアイリスの呟きを知ってか知らずか、
小百合は己の袖に仕込んだ本の切れ端を引き抜く。
オカルト
「あなたが、自然の力を振るうというのなら――」
アイリスと小百合の間の広い草原に、
ほとんど裸同然の逞しい肉体に、青い刺青を施し
木製の小盾と大剣、斧で武装した集団が現れた。
「――私は人の英知と勇気でお相手しましょう。」
『ウォードレイダー』。ローマ帝国と戦った誇り高きケルトの戦士たち。
身を守る鎧を身に着けることを『恥』とし、肉弾戦に長けた彼らの一撃は
盾や鎧ごとローマの兵士の身体を両断する威力を誇ったという。
- 67 :アイリス:2010/03/30(火) 17:38:55 ID:QmNcfTcU0
- >>66
「裸の男なんて誰も得しないね。」
母なら全力で吹き飛ばしに掛かるだろう。
姉的な人なら、すぐに“食料”だ。
「見る所、屈強な戦士のようだ。」
ホソバタイセイの葉を顔に擦り付け、化粧を施した戦士にアイリスは歩いて近づく。
彼らに見える線は無数にある。
「でも、脆いね。」
屈強な体は線で埋め尽くされていた。何処をなぞろうが、線に触れる程度に。
アイリスは細枝を拾う。
細枝を剣に見立てて。
- 68 :黒沢小百合:2010/03/30(火) 17:46:02 ID:rSRBD9/U0
- >>67
『オオオオオォ!!!』
屈強な戦士たちが、ときの声をあげながら
たった一人のアイリスに向けて突進する。
彼らの大振りな一撃は隙こそ多いが、
一撃で人の命を断ち切る威力を持っている。
それに、数のアドバンテージというのは非常に大きい。
もし敵を一人倒しても、別の者から攻撃を受けるし、
もし攻撃を防御したとしても、回りこまれ手薄な場所から攻撃を受ける。
つまり、攻撃の際の隙が多いという
彼らの弱点をある程度カバーできるのだ。
- 69 :アイリス:2010/03/30(火) 17:53:39 ID:QmNcfTcU0
- >>68
夜が近づいてきた。
線が、黒の中で浮かぶ時間。
「騎士っていう柄じゃないけれど、」
あらゆるものに走る線を見つめる目。
今、アイリスに迫る屈強な戦士にも例に漏れず。
枝を騎士剣と見立てて、正眼で持つ。
彼らは急に止まれないのだろう。
突進をいなすように、バックステップをし、屈強な男の手首に走る線をなぞろうとする。
- 70 :黒沢小百合:2010/03/30(火) 18:01:45 ID:rSRBD9/U0
- >>69
線をなぞる、その行為自体は
大振りの攻撃の隙をつけばある程度容易くできるだろう。
相手が一人の場合ならば。
戦士の数は少なく見積もっても30人ほど。
一人を攻撃しようとすれば、別の戦士の攻撃が飛んでくる。
一度にアイリスを攻撃できる位置につく
戦士の数は5、6人ほど。
距離を測り間違えば、すぐに包囲され逃げ場がなくなる。
- 71 :アイリス:2010/03/30(火) 18:09:04 ID:QmNcfTcU0
- >>70
その結果、囲まれてしまった。
彼らの攻撃のタイミングは恐らく近いだろう。
しかし、これでも問題は無い。
線をなぞる箇所を変えてやれば良い話だ。
「まったく、下手だね。こんな男達に囲まれても嬉しくなんて無いよ?」
囲まれてしまって。
自嘲気味に笑ってしまう。
しゃがみこみ、切られる前に細枝で、発達した太腿の根本をなぞろうとする。
- 72 :黒沢小百合:2010/03/30(火) 18:18:11 ID:rSRBD9/U0
- >>71
『線』をなぞられた太ももが切断され、
男の巨体が地面へと倒れる。
一人、倒した。
『ウォオオオォ!!!』
しかし、別のものが雄たけびをあげながら、
低い姿勢をとるアイリスの脳天めがけ斧や大剣を振り下ろす。
この場所は非常にまずい。
囲まれている以上、絶えず全方位から攻撃を受け続けるだろう。
また、小百合の姿も見えない。
全員を討ち果たしたところで、また同じように
召還されれば体力が持たないだろう。
- 73 :アイリス:2010/03/30(火) 18:28:47 ID:QmNcfTcU0
- >>72
前が開いた。
その隙に前へ飛び出し、男達の中から脱出する。
アイリスは、脚でかき乱すように、木から木へと移る。
が、脱出するときに足を斬られたのか、血液が止め処無く流れる。
地面から木へ飛び移る身体能力も、傷を負いつつも、動ける辺り、人外である。
「掠った程度でもこれか…。少し面倒になってきたね。」
再びアイリスが視る光景が変わる。
暗い中で浮かび上がる線。
赤から虹へ。
そして、アイリスが視る世界は罅に侵食された。
- 74 :黒沢小百合:2010/03/30(火) 18:39:36 ID:rSRBD9/U0
- >>73
「追いなさい。彼女を、
必ずや討ち果たすのです。」
小百合は草原の真ん中、
もっとも視界のきく場所へと移動して戦士たちを操る。
血の跡をたどれば、アイリスの追跡は容易。
それにもともとケルト人の住む地域は森林が多く、
彼らもゲリラ戦を得意とした戦士である。
こういった、森林での戦闘はお手の物だ。
「ふふふ、戦士らは直ぐに、
彼女の首を私の元に届けるでしょう……。」
小百合はすでに勝ち誇っているようだ。
- 75 :アイリス:2010/03/30(火) 18:47:06 ID:QmNcfTcU0
- >>74
足を見れば、血が止まらない。
彼らは自分の血痕を見て、追ってくるだろう。
「まずは近戦を出来るようにならないと、どうにもならないようだね。」
吸血種の聴覚は、凛々しい女性が指示系統のトップに属するであろう事を伺わせる言葉を聞き取る。
アイリスは、木から木へと飛び移り、ぐるりと小百合がいる方向へと回りこむように進む。
時折、木の枝を落とし、自らがいる場所をアピールするように。
- 76 :黒沢小百合:2010/03/30(火) 18:52:19 ID:rSRBD9/U0
- >>75
「…………!」
小百合自身は、これといって特殊な能力を
持ち合わせておらず、戦闘に長けているわけでもない。
しかし、そんな彼女でも自らの居場所を
誇示するかのようなアイリスの行動を見落とす訳はなかった。
彼女の口の端が、三日月のように釣りあがる。
「そこ、ですか……ふふ……」
新たに、ウォードレイダーの一隊を具現化し、
そちらへと向かわせる。
- 77 :アイリス:2010/03/30(火) 19:04:42 ID:QmNcfTcU0
- >>76
アイリスは逃げ続ける。
小百合から見れば反時計周りに回っていることになる。
今は丁度、小百合の背中に当たる。
小百合が凄まじい速さでウォードレイダーの1隊を具現化する様を、自らの武器を取り出しながら見る。
「…あの数をあの早さで、ねぇ。反則気味な使い手だね。」
それは褒め言葉。
人の身でありながら、このような力を行使したる才<サイノウ>に。
アイリスは様々な理由含めた微笑みを浮かべた。
そして、自らの居場所をアピールするように、枝を落としながら更に反時計回りに移動を続ける。
- 78 :黒沢小百合:2010/03/30(火) 19:13:03 ID:rSRBD9/U0
- >>77
「………………」
(先ほどから、まったく攻撃を仕掛ける気配がない……
撹乱……それともこちらの様子を見ているのか……)
小百合は、アイリスの行動をいぶかしんではいるが
追撃の兵士を向かわせる以外、特に行動は起こさない。
2つの隊で、アイリスを挟み撃ちに使用と試みるが果たして……
- 79 :アイリス:2010/03/30(火) 19:24:09 ID:QmNcfTcU0
- >>78
そして、小百合の周囲を一周回った頃、アイリスは枝の上から小百合に話しかける。
「これで儀式は完成したよ。儀式と言っても、旧い召喚儀式でね。」
小百合を中心に反時計回りに回った。
「召喚には貢物が不可欠だよね。それは僕の血液と、屈強な戦士達で十分だと思うんだよ。」
意図的に落とした枝は、誘導するもの。
「君が中心でずっと、じっとしていてくれたから出来たんだ。感謝するよ。中心が無ければ円は円と言えないからね。」
完璧とまでは行かないが、召喚陣は完成した。
―――ソウルドレイン召喚。
この悪魔は死からは程遠い。
ボロボロのローブから見える白い顎。死神と言えば分かりやすいだろうか。
そして、魂を食ってしまえば大人しく還る。
召喚者はアイリス、ならば標的は?
- 80 :黒沢小百合:2010/03/30(火) 19:44:53 ID:rSRBD9/U0
- >>79
いけにえに捧げられ、戦士たちが消滅する。
しかし、小百合はそのような事を気にも留めていないようだ。
「ふむ……」
小百合は、召還されたものに
少し興味を示したようであったが
再び、己の袖口から紙切れを引き抜いて。
「その昔、プロイセンのビスマルクは言いました。
『大問題は鉄と血によって解決される。』と。」
小百合が再現したのは、『死の鳥』。
「鉄風雷火は老若男女貴賎貧富の区別なく、
全てを叩き潰し、塵と化す。旧き死神など、もはや用などないのだッ!」
――B-52
米空軍の大型戦略爆撃機であり、初飛行から50年以上が経った今日でも、
その汎用性と優れた設計で未だ一線で活躍する機体である。
アイリスのはるか上空、成層圏を飛行するそれらから
mk82通常爆弾が雨のように投下される。
森ごと、アイリスと死神を吹き飛ばすつもりだ。
圧倒的物量と高火力による殲滅――極めて、近代的と言える攻撃だ。
- 81 :アイリス:2010/03/30(火) 19:54:52 ID:QmNcfTcU0
- >>80
音が聞こえる。
先の航空機のような、荒々しい音。
死神は宙に浮きながら小百合に近づく。
「それには、太古の呪が掛かっていてね。触れたものは石になるんだ。」
アイリスは急ぎで、魂を奪う死神はゆっくりと、小百合に近づく。
mk82通常爆弾が近づいてくるのと、どちらが早いか。
- 82 :黒沢小百合:2010/03/30(火) 20:09:30 ID:rSRBD9/U0
- >>81
小百合は、接近を許すつもりはさらさらない。
戦闘能力のない小百合にとって敵に近づかれる=死なのだから。
そもそも、爆弾が振って来ると分かるところに
留まる道理などない。
小百合が続いて具現化したのは
UH-1『イロコイ』攻撃ヘリコプター。
もともと汎用ヘリであったこの機体は機動性に優れる。
これに乗って、空へと逃れるつもりだ。
- 83 :アイリス:2010/03/30(火) 20:19:11 ID:QmNcfTcU0
- >>82
アイリスはヘリコプターに自らの愛剣を投擲し、小百合に近づくスピードを上げる。
吸血種の人ならざる力で投擲されたものである。
踏み込む足に負担が掛かり、血の飛沫が舞った。
アイリスは投擲のミスも勘定に入れ、宙に舞った。
上からはアイリスが、下からは魂を奪う死神が、小百合に迫る。
- 84 :黒沢小百合:2010/03/30(火) 20:29:31 ID:rSRBD9/U0
- >>83
――ダンッ!
アイリスの投げた剣が、
『イロコイ』の側面に金属独特の鈍い音とともに突き刺さる。
しかし、それだけでは軍用ヘリとして回収された
イロコイを墜とすには至らない。
ヘリはそのまま上昇、
ローターの回転によってアイリスを切り裂こうとするが――
その時であった。
ついに、空中から大量のmk82通常爆弾が降り注ぎ、
一面が炎に包まれ、地獄のような光景――
まさに火の海となる。
小百合の乗るイロコイは直撃は避けたものの、
爆風に煽られ、横へ吹き飛ばされるようにスライド移動した。
- 85 :アイリス:2010/03/30(火) 20:44:08 ID:QmNcfTcU0
- >>84
死神は爆弾とは無関係に魂を奪う相手を求める。
アイリスは宙で一回転し、火の海の中、立つ。
「指揮官様はずっとお空の上から戦場を眺めるのが趣味らしい。」
アイリスは片足を引きずりながらも森へ進む。
しかし、しかしだ。
刺さったままの短剣は、魔術的な面でのバックアップも可能となっている。
アイリスはやる気を無くしたのか、木に背を預け、足の具合を見る。
- 86 :黒沢小百合:2010/03/30(火) 20:49:50 ID:rSRBD9/U0
- >>85
「ふふふ、少しひやりとしましたが、
これほどの広範囲を焼き払えば、さすがに……」
焦土と化した森を見下ろしながら、
小百合はほくそ笑み、ヘリの側面装甲に
突き刺さった、アイリスの短剣を引き抜こうと半身を
ヘリから乗り出したその時……
「…………しまっ……」
密かに近づいていた死神が、
小百合をその腕の射程範囲に捕らえた。
死神は、イロコイのレーダーに映らず
機体の下から接近していたこともあいまって
気がつかなかったのだ。
- 87 :アイリス:2010/03/30(火) 20:56:09 ID:QmNcfTcU0
- >>86
アイリスは、『死ぬのなら自然の中で』の選択肢を選んだ。
この体がどうなろうと、自分でもあまり興味を持てない。
焦土とかした森を一通り眺めると、
「…残念だ。」
それは、小百合か、森か、どちらなのだろうか。
- 88 :黒沢小百合:2010/03/30(火) 21:05:11 ID:rSRBD9/U0
- >>87
突然、ヘリが消え去り
小百合の体がまるで人形のように地面へと
落下していくのがアイリスにも見えるだろう。
――黒沢小百合、死亡。
――黒沢小百合さんがログアウトしました。
- 89 :アイリス:2010/03/30(火) 21:08:12 ID:QmNcfTcU0
- >>88
「本当に、残念だ。」
森か、小百合か、或いは両方か…。
―アイリス、ログアウト。
- 90 :じんうけ!トーナメントだよ全員集合:2010/03/30(火) 22:25:25 ID:yvUls86s0
- 「トーナメントだっておwwwwwwwwwwwwww」
「どうすんのよ、こんな大所帯」
「そんなもん、決まってんだろ。ここの全員で戦い、勝った者が出るんだ」
「なんで紫まで混ざってるんですか……」
「仕方ないね」
「仕方ないねぇ」
「何気に朱華とやらも混じっているぞ」
「ここどこ……」
「毎回僕にセリフが無いのは仕様なの? ねえ仕様なの?」
戦い=中の人のあみだくじである――
- 91 :じんうけ!トーナメント反省会:2010/03/31(水) 02:36:57 ID:QYyPcDfoO
- 「……」
「……」
「……」
「……おい」
「……うん」
「いや……」
「あの……」
「まあ、うん。頑張って……」
「……え、マジ……?」
勝者 神羽朱華――
- 92 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/03/31(水) 21:31:21 ID:.6prKP66O
- 「ヘロー!エビバディ!!」
【黒衣の少女達が住む屋敷、そこにまた白い来客が……】
「今日も私は毎日がエヴリデイだ!!」
【毎日、少女達のもとに通う男の名は上弦】
【黒衣の少女に特別な感情を抱く男である】
「HAHAHAHAHA!!」
【そんな彼は今、少女達の部屋の床をブチ破り、頭だけ出してはしゃいでいる】
- 93 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/03/31(水) 21:33:49 ID:s.Ud7.4s0
- 「ほら! そこだッ!!」
『わぁった……!』
上弦の頭に大鎚が!!
- 94 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/03/31(水) 21:40:51 ID:.6prKP66O
- 「……ふっ……これが噂の……上弦叩きか……
……いやぁぁぁぁああぁぁあああぁぁぁあ!!」
バゴォイィィィィィン!!
【盛大な打撃音を立てて、上弦は階下に吹っ飛び地面に激突した】
「なんと言う……破壊力……グフッ……」
- 95 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/03/31(水) 21:43:06 ID:s.Ud7.4s0
- >>94
「よっし!!」
『……』
心配そうに穴から覗く。
- 96 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/03/31(水) 21:49:19 ID:.6prKP66O
- >>95
「……」ピクピク
【ピクピク状態で倒れている】
「……はっ!?」
【しばらくピクピクしていたと思ったら起き上がり、上を見る】
「……おのれぃ……」
【頭にたんこぶを作りながらも、ドタドタと再び登ってきた】
- 97 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/03/31(水) 22:04:51 ID:s.Ud7.4s0
- >>96
「やあ、上弦。元気そうでなにより」
大鎚に肘を吐いて立ち、もう片方の手を軽く振る。
『……』
いまだに穴を覗き込んでいる……。
- 98 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/03/31(水) 22:08:33 ID:.6prKP66O
- >>97
「君は事ある毎に私に酷い事するな……
私じゃ無かったら死んでいたぞ!!」
【頭にたんこぶ、目には涙】
「ツィー!私は元気だよ!こっちおいで!」
【ツィーには優しく声をかける】
- 99 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/03/31(水) 22:11:41 ID:s.Ud7.4s0
- >>98
「いや、良かったじゃん。生きてて」
ニヤニヤしながら。
『ぇ!?』
驚きすぎである。
- 100 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/03/31(水) 22:16:41 ID:.6prKP66O
- >>99
「いやいや、君ねぇ……
あれ?なんか最近冷たくない?」
【たんこぶは既に治って無傷である】
「そしてツィーも、驚き過ぎじゃないかな!?
え?何?マジでやったの!?」
【二人を交互に見ながら尋ね続ける】
- 101 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/03/31(水) 22:19:22 ID:s.Ud7.4s0
- >>100
「そうかね? いやー、上弦が元気出ればいいなーと思ったんだけど」
腕を組んで考えている。
『……』
穴に目を向ける。
『いなぃ……』
- 102 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/03/31(水) 22:25:54 ID:.6prKP66O
- >>101
「え!?いやいやいや!
あれで元気は出ないよ!?
どうみても元気を根こそぎ奪って行こうとしていなかった!?」
【え?え?と口走り二人を交互に眺める姿はかなり元気そうであった】
「こらそこ!いないのは当たり前だよ!ここにいるから!!」
【ツィーにも必死で話し掛ける】
- 103 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/03/31(水) 22:29:28 ID:s.Ud7.4s0
- >>102
「……マジで?
それじゃあ次の計画は……」
壁に貼ってある紙の「上弦叩き」という項目の上に赤い線が引かれる。
その下は……「上弦に詰め込む」。
『……すごい』
立ちあがって上弦の元まで走る。
- 104 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/03/31(水) 22:34:20 ID:.6prKP66O
- >>103
「マジでマジで……」
【赤い線を引かれる紙を見てしばらくの沈黙】
「よし、冷静になろう……
その上で聞くんだけど……
何を詰め込める気なんだぁぁぁぁぁ!!??」
【まるで冷静とは正反対、そんな様子で上弦は叫んだ】
「凄いって……実行したのは君だよ?ツィー……
でさ、あの人は私に何を詰め込める気!?」
【ツィーを撫でながら】
- 105 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/03/31(水) 22:39:08 ID:s.Ud7.4s0
- >>104
「ああ、安心して。お腹を切って石を詰め込む訳じゃないから」
ニヤニヤ笑顔で続ける。
『……? わかんなぃの』
ちょっぴり残念そうな顔。
- 106 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/03/31(水) 22:42:58 ID:.6prKP66O
- >>105
「そんな事されてたまるか!
一体何を詰め込むつもりだ!?」
【上弦は一筋の汗を流す】
「ツィー……」
(な、なんて可愛いんだ!)
(さすがゼオラの小さい頃!)
【ツィーの表情と、心の中のゼオラの表情で、一時的に癒しを感じる上弦だった】
- 107 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/03/31(水) 22:48:06 ID:s.Ud7.4s0
- >>106
「じゃあ……何がいい?」
赤いペンをテーブルの上に置き。
『何?』
相変わらずの無表情で首を傾げる。
幾分か喋りも上手になってきたようだ。
「ああ、そうだ」
ツィーを持ち上げ脇の下に手を通し、抱える。
「行くよ。ほら、上弦も」
そういうと部屋を出て行った。
- 108 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/03/31(水) 22:59:35 ID:.6prKP66O
- >>107
「え?いや、手料理……とか?」
【やはり女の子に詰められるならそれがいい】
「ツィー、上手く話せるようになったね?
よし、いいこいいこ」
【無表情な表情がツィーやゼオラの魅力の一つなのだろうか……
だから上弦はいっぱい撫でた】
「ってどこに行くんだい!?」
【上弦はゼオラの後についていく】
- 109 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/03/31(水) 23:02:31 ID:s.Ud7.4s0
- >>108
「チッ……」
すごくつまらなさそうな顔した。
『……♪』
表情に大差無いが何処か嬉しそうである。
「何処って、一階の厨房まで行くんだよ」
- 110 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/03/31(水) 23:07:58 ID:.6prKP66O
- >>109
「えぇ!?私何かしたぁ!?」
【舌打ちにビクッとして、また質問】
「ツィーは私に優しいもんね〜?」
【小さなツィーを味方に付けようとする上弦、セコい】
「厨房かぁ」
- 111 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/03/31(水) 23:14:09 ID:s.Ud7.4s0
- >>110
「当てちゃったら詰まんないでしょうが……」
大きなため息、心底残念なんだろう。
『……?』
味方にならなかった。
【厨房……つまりは一階】
「やぁやぁ、皆ー。どう?」
『ワタクシ一人しか居ないのよ』
茶髪のちょっぴりカールの女……かの上弦の天敵が料理作ってた。
『後の二人は気づいたら居なくなってるし……異能都市、恐ろしいわ』
単なる注意不足だと思う。
- 112 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/03/31(水) 23:24:31 ID:.6prKP66O
- >>111
「……」
【上弦は察した、そして悔いる、自分はなんて事をしてしまったのだろうか……】
【だから、苦肉の策ながらも……】
「何!?私は何かを当てたのか!?
一体なんなんだ!」
【敢えて、気付いていないふりをした】
「ねぇ、ツィー?ツィーは私の事大好きだもんね?」
【まだツィーを味方に付けようと頑張る】
【そして、厨房でかつての天敵の面影を見る】
「うぅ……超野菜人だ……」
【聞こえないように呟き、隠れる】
- 113 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/03/31(水) 23:28:08 ID:s.Ud7.4s0
- >>112
「いやー、良いよ良いよ、望み通りご飯く詰め込むだけだから」
バレバレだった。
『ぅ? ……うん』
小さく頷いた。
『何か、小ネズミが居るわ』
上弦に向かってお皿を投げた!
- 114 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/03/31(水) 23:35:02 ID:.6prKP66O
- >>113
「ん、いや、なんかごめんね?
ってやっぱり詰め込むの!?
普通に食べせて!」
【申し訳なさそうに謝るが、やはり詰め込むと言うのには反応する】
「うぅ!ツィーは可愛いなぁ!!」
【何かが上弦のストライクゾーンに入った】
「あがっ!?」
【皿が上弦の額に直撃!】
【しかも縦に入ったものだから痛い痛い】
「い、いきなりなんだ……ガクッ」
- 115 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/03/31(水) 23:39:39 ID:s.Ud7.4s0
- >>114
「えぇー。んじゃぁもう普通に食べなよ」
ツィーをイスに置き、自身もその隣へ。
『えへ……』
良く解らないがうれしそうだった。
『新たな苗床を手に入れたわ、それも上質の……』
「やめてよ」
腕を伸ばして額にツッコミ。
- 116 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/03/31(水) 23:44:23 ID:.6prKP66O
- >>115
「あぁ、喜んでそうさせてもらうよ」
【食事と言うものはいつになっても心踊る行事だ】
「楽しみだね?ツィー私はもうワクワクしているよ!」
【かなりウキウキ気分でワクワクである、いくつになっても食事は楽しい】
「もう、その台詞超悪役じゃないか!!
あれだよ!って言うか何!?
野菜に人間使ってるのぉ!?」
- 117 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/03/31(水) 23:51:49 ID:s.Ud7.4s0
- >>116
「はいはい」
僅かばかり笑顔になって。
『……わくわく?』
首をかしげながら。
『当たり前じゃない?』
『あの場所の土地は水気も無いカラッカラ』
『だから、人間に直接種を植えこんで「やめてよ」』
途中でツッコミが入る。
- 118 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/04/01(木) 00:04:47 ID:.6prKP66O
- >>117
「さぁさぁ、私はもう準備万端だ!いつでも来なさい!!」
【キリッとした表情で答える】
「そう、ワクワク……胸がウズウズしたりするんだ……
例えば、ツィーは何か好きな物とかあるかな?」
【ワクワクについて説明しようとする】
「やだ、なにかその言い方卑猥……
って言うかそっちの世界はそんな事をしているのか!?」
【何やら恐怖と怒りが混じった表情】
- 119 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/04/01(木) 00:09:00 ID:s.Ud7.4s0
- >>118
「よーし! カロエラ、出して!」
うん。作ったのはこの子じゃない。
運ばれてくるのは何れも野菜中心の料理。
『んぅー……』
暫く待っても反応が無い。
何も思いつかないのだろう。
『そうかしら?』
『何よ、仕方ないでしょ?』
- 120 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/04/01(木) 00:17:07 ID:.6prKP66O
- >>119
「って君じゃないんかい!!
いや、薄々気付いていたけどね?」
【ツッコミをそこそこに、出てくる野菜料理に眼を輝かせる】
「いやぁ!やっぱり料理が運ばれてくる瞬間ってのは病み付きになるよね!?」
【一人だけ明らかにテンションが高い】
「ん〜……じゃ、ツィーはフェスティボーがこの屋敷に遊びに来るってわかったらどんな気持ち?」
【確かツィーはフェスティボーを気に入ってた事を思い出す】
「仕方ない……か……どうなんだろうな……」
【遠い眼をしながらそう呟き】
「でも、私を苗床にするんじゃない!」
- 121 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/04/01(木) 00:24:53 ID:s.Ud7.4s0
- >>120
「やれやれ、僕が料理を作れると思っているのか……」
「うんうん。それは解るよ。うんっ、おいしい」
すでに食べているが。
『きもち……ん』
まだ、良く解んない様子。
『解ったわ。死ぬまで待ってあげる』
『身体を根が這いまわるのって、凄い痛いらしいわよ?』
- 122 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/04/01(木) 00:38:08 ID:.6prKP66O
- >>121
「それはもう、楽しみにしてたからね?
チョコも美味しかったし……」
【既に食べ始めているゼオラを見て、上弦も食事を摂り始める】
「そうか……わからないか……
でも、確かに不思議な気持ちだったと思う……
胸が高鳴る、何か落ち着かなくなっただろ?
それが、ワクワクなんだよ?」
【再びツィーを撫でて、上弦は微笑む】
「ははは!私が死んだらもっと無理さ!」
【高らかに笑って答え】
「もう、怖いからやめてくれよ……心が痛くなるよ……」
【上弦はそう言う物が苦手である……ヘタレとも言うが……】
「いやぁ、やっぱり手作り料理は良い物だね!
何度食べても手作り料理は美味しいよ……」
【この場の全員を眺めて上弦は笑う、人が増えていつもと違う食事……
手作り料理を食べる、普通だけど特別な事……】
【それは人を癒し、優しくする魔法の時間……
こんな時間は、とても大切な時間だと、上弦は思うのだった】
- 123 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/04/01(木) 00:52:22 ID:s.Ud7.4s0
- >>122
「あぁ、そんなこともあったね」
あれは幾つ失敗したうちの一つだったか。などと思い。
まあ、それが聞けるなら頑張ってもよかったかな。とも思う。
『わく、わく……』
少女は考える。何れ答えが出るのだろうか。
『なら、今の内に……って嘘よ、引き込むつもりはないわ』
『そう言ってもらえると、少しは喜べるのよ』
因みに、貴方の食べてる野菜も……等と言いながら、楽しい時間を過ごすのだった。
- 124 :名も無き異能都市住民:2010/04/02(金) 13:32:33 ID:.6prKP66O
- 「あ〜あ……こりゃまずい……」
【とある廃墟で一人の男が割れた鏡の前で唸っていた】
「これどんな状態?
もうこれ人様の前で服脱げないぞ?」
【鏡の前で己の身体状態に焦りつつもその顔は笑顔のまま】
「って言うかこれなんて言うの?
オーラ体?」
【男はいつもの厚着をして、ため息を吐いた】
- 125 :甲/赤色マフラー:2010/04/02(金) 17:28:20 ID:KE2UskXwO
- 【仮想空間――"夕焼け燃える河原"】
「とおーく輝くっ夜空の星にー…」
「……何かノスタルジー…」
一際大きい石の上に腰掛けて
黄昏かぶたん
- 126 :黒金鋼/バンチョー ◆FA/Bw.T3QU:2010/04/02(金) 17:33:49 ID:hedfrAak0
- 「うーっす」
同じく、夕焼け燃える河原ステージにて。
甲の背後から、じゃり、と小石を踏む独特の音が聞こえる。
「夕焼けってのは良いもんだよなぁ。ふと少年時代の思ひ出が甦る」
はっはー、と笑う男。黒金鋼。
- 127 :甲/赤色マフラー:2010/04/02(金) 17:41:19 ID:KE2UskXwO
- >>126
「…虚像の世界だと分かっちゃいても…浸れるモンだ」
"箱庭"を造った奴は天才か悪魔だな、と呟いて
――ザッ
石の上から降りる
「よう、来たなバンチョー」
ニッと、夕日を背負って笑う
「さあ闘ろうぜ―――あの夕焼けが消えねぇうちに」
- 128 :黒金鋼/バンチョー ◆FA/Bw.T3QU:2010/04/02(金) 17:50:33 ID:hedfrAak0
- >>127
「はっはー、夕日を背にすると一段と格好良いじゃねぇか」
と笑って、首を数回鳴らす。
「……うし。まぁ互いに全力を尽くそうや、って事で」
言った後、ボクサーのような構えを取ると。
「鋼身眼」
小さく呟くと、黒金の両拳が灰色の邪気を帯びる。
「こいつぁ簡単に言えば硬化能力だ。という事で――」
「――先手必勝ッ!」
地面を強く蹴り、殴りかかる。
大きな動きだが、それなりに力が込められているようだ。
- 129 :甲/赤色マフラー:2010/04/02(金) 18:03:13 ID:ErtUFT8.0
- >>128
「"轟・赤煌"」
ガツンと両拳を合わせると
そこを覆うように現れる『紅蓮の篭手』
「―――行くぞ」
顔を上げれば、迫り来る巨体
振り被られる拳
それに対し、その場で身体を捻る甲
そこから繰り出す――
「――ッだらァ!!」
――渾身の右ストレート!
――ガァンッ!!
ぶつかり合う灰色の拳と紅蓮の拳
甲は、その生じた衝撃で数メートル下がる
「――ふ、ぅう…!!」
ザリ、と大地を踏み締めて――踏み込む
前方に跳び上がり
「――らッ!!」
中空で一回転、遠心力を乗せた踵落としを黒金に放つ!
- 130 :黒金鋼/バンチョー ◆FA/Bw.T3QU:2010/04/02(金) 18:14:04 ID:hedfrAak0
- >>129
「うおっ――っと……」
同じく黒金も、後ろへと退かされる。
「踵落としか――ッ!」
頭上から降る蹴撃。
それに対して黒金は“鋼化”の邪気を全身に纏い、
「――ッ!!」
両手で受け止めた。
無理矢理に押さえつけた衝撃が、黒金の足元に小規模なクレーターを作り上げる。
「俺は今日、最高にツイてるかもしれねぇなぁ」
にいっ、と口角をあげて黒金は笑う。
「うらあぁッ!!」
その両手で甲の足を掴み直すと、思い切り地面に叩きつけようとする。
- 131 :名も無き異能都市住民:2010/04/02(金) 18:27:02 ID:KE2UskXwO
- //ゴメン、ちょっと待ってて!
- 132 :黒金鋼/バンチョー ◆FA/Bw.T3QU:2010/04/02(金) 18:28:04 ID:hedfrAak0
- //了解ぞー
- 133 :甲/赤色マフラー:2010/04/02(金) 18:37:40 ID:ErtUFT8.0
- >>130//悪いお待たせ
足を掴まれた
「――ち、」
それに対し短く吐き捨てる
直後、後頭部に迫る地面
「まぁだまだぁああああッ!」
咆哮、中空で捻る身体
――ガキンッ
手首が、鳴る
『噴射跳躍拳ッッ!!!!』
――ドォンッ!!!
地面に到達する刹那
その右手から、"唸る鉄拳"ロケットパンチが撃ち込まれた!
「――ぁづッ!!」
甲自身は、強かに背中を地面に叩きつけられる
- 134 :黒金鋼/バンチョー ◆FA/Bw.T3QU:2010/04/02(金) 18:49:29 ID:hedfrAak0
- >>133//ノープロブレム
「ちょっ……それお前どうなってん――」
飛んで来た鉄拳が黒金の顔面に直撃し、大きくその上体が仰け反り返る。
その時、響いたのは甲高い金属音だった。
まるで鉄を素手で殴った時のような。
「……痛ってぇな」
仰け反ったままの姿勢のまま、小さく呟く。
その声色からは、痛みは感じられない。
「だー、この眼が無かったら吹っ飛んでたぞ頭」
言いながら上体を起こす。
しかし、衝撃で平衡感覚に狂いが出ているようで、足元がふらついている。
「お返しだこんの――うぉっ!?」
倒れた甲に右拳を叩き付けようとするが、どうも照準が定まっていないようで。
渾身の一撃は、思いっきり河原の小石達を飛び散らせた。
- 135 :甲/赤色マフラー:2010/04/02(金) 19:01:34 ID:KE2UskXwO
- 「……げ、」
その頑丈さに驚いた
拳は手首に戻る
「吹っ飛ばすつもりで撃ったんだから吹っ飛び――あぶねッ」
転がりながら退避
爆散する砂利場を離れた
「――ったく、まるで要塞だな…!!」
悪態を吐き捨てて
小石散る戦場に舞い戻る
――ギュルッ
独楽の様に廻る、舞わる身体
それは数倍の遠心力を溜め――
「ならここは―――どうだッ!!!」
――鋼の脇腹に強烈なフックパンチを放つ!
- 136 :黒金鋼/バンチョー ◆FA/Bw.T3QU:2010/04/02(金) 19:15:09 ID:hedfrAak0
- 「はっはー。悪いな、俺の取り柄は“防御(コレ)”だけなんだわ」
笑いながら起き上がる。
その足元は、確りと地面を踏みしめていた。
(狙いは――どこだよこれ……)
仕方ねぇ、と吐き捨てると
「鋼身眼、フル出力――!!」
黒金の全身から、灰色の邪気が滲み出す。
そして、
「――が、あ……ッ!」
直撃。
ふらり、と足元が揺らぐ。
「……いや、今のはマジで効いた」
正直もうダメかもわからんね、なんて冗談ぽく――この状況下で笑う。
「でもまぁ、アレだ」
すぅ、と息を吸い込んで、ニヤリと笑う。
「ようこそ、射程距離へ」
直立不動の姿勢から、正拳突きを放つ。
先刻の殴撃と比べれば、威力は弱い。
――が、あくまで先刻の攻撃と比較して、である。
それでも鍛え上げられた拳は、相当な破壊力を生むはずだ。
- 137 :甲/赤色マフラー:2010/04/02(金) 19:28:38 ID:KE2UskXwO
- 捉えた――しかし、また"あの感触"
「――…このやろう…」
その不動の男を見上げ、口元に笑みが浮かぶ
ヒット&ヒット&ヒット
アウェーを考慮しないその戦法に
「良いぃ〜い…闘いかたしやがる…!」
素直に漏れる、感嘆の呟き
刹那、動く
「―――ッ!!!」
拳へ向けて――前へ
――ガツンッ!!!
振り切る直前の拳に、額をブチ当て
「――づ…ぁあ!…悪ぃな…」
鮮血が浮かぶ額
伝う血が顔に色を染める
「ここは――俺の射程距離でもあんだよぉッ!!!」
伸び上がる様に下方から
顎を打ち抜こうとジャンプアッパーを突き出した!
- 138 :黒金鋼/バンチョー ◆FA/Bw.T3QU:2010/04/02(金) 19:41:45 ID:hedfrAak0
- 「はっはー、褒めてもらえて嬉しいよ俺は」
「っ!」
と、黒金が驚きを露にする。
受け止められた、という事実に“ではない”。
大きな犠牲も厭わない甲に対してだ。
「……はっはー、そりゃそうだわな」
小さく呟いて、歯を思い切り食いしばる。
回避は不可能、鋼身眼の邪気は既に全身に張り巡らされている――
――それら全てを総合して、黒金はこの行動を選んだ。
直後、衝撃が駆け抜ける。
「ぐッ……! がっ、は――」
やはり鋼化しているとはいえども、内部の衝撃は緩和できないようだ。
ふらり、とそのまま仰向けに倒れる。
「……あー、やっぱり防御だけじゃ勝てねぇか」
凄まじくデジャヴだなおい、と小さく呟く。
「戦闘不能、万事休す、満身創痍って所だ」
だー、と想像以上にやる気の無い声を上げる。
- 139 :甲/赤色マフラー:2010/04/02(金) 19:47:49 ID:ErtUFT8.0
- >>138
「―――-」
鈍い痛みが拳を奔る
幾度と無く、正しく"鋼"の男に打ち込み続けたのだ
「……へ」
そんな拳が、砕けない道理は無い
右手の篭手は既に原型を留めておらず、その内包する拳骨も複雑に折れ曲がっていた
追撃の無い、文字通り最後の一撃が、通った結果であった
「――いよっしゃあ!」
額から勢い良く血を噴出しながら、甲は勝ち名乗りを上げた
- 140 :黒金鋼/バンチョー ◆FA/Bw.T3QU:2010/04/02(金) 19:52:07 ID:hedfrAak0
- >>139
「いやぁ……やっぱりっつーかなんていうか。強えーなあんた。びっくりだよ本当。
……実はまだ隠し玉があったりするがこんなんじゃ使えないしな」
と、呟く。
……後半は負け惜しみにしか聞こえなかったりするが。
「これで異能都市来てから何回目だ倒れんの?
やっぱり補助的なもんが欲しいわなー」
なんて、自分の不器用さを愚痴る。
- 141 :甲/赤色マフラー:2010/04/02(金) 19:58:42 ID:ErtUFT8.0
- >>140
「おーう、マジか…"次"の楽しみが増えたな、ええオイ」
かっかっか、と笑い
「…他の強さを求めるのも一興、テメェの道をトコトン究めるのも、一興だ」
俺は、後者がオススメだがな、と付け加えて
バサリ、とマフラーを掛け直す
「まぁ、ともあれ――今日の勝ちは、頂いておくぜ」
必ず取り返しに来いよ、と去り際に告げて
その場を歩き去って行った
//おつおつ!ありがとうございました
- 142 :黒金鋼/バンチョー ◆FA/Bw.T3QU:2010/04/02(金) 20:01:41 ID:hedfrAak0
- >>141
「“次”、か。楽しみにしてるぜ?」
楽しそうに笑う。
「そういうもん、なんだろうなぁ」
ぽつりと呟く。
その表情は、何かを思い出しているようにも見えて。
「おう。“次”は絶対に勝つからなー!」
倒れたままそう告げる。
「……さて、帰るか」
一人、小さくそう口にする。
――黒金鋼 ログアウト
//おつ!おつ!
//ありがとさんでしたー
- 143 :黒沢小百合:2010/04/03(土) 15:32:21 ID:rSRBD9/U0
- 【ロザリアの部屋】
「(´ω`)」
ロッキングチェアーに腰掛けてうとうと。
その膝の上には、本。
くつろいでいるようです。
- 144 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/04/03(土) 15:36:57 ID:WVrfsEdY0
- 【部屋のベッドの上】
「…あう〜…またねちゃったの」
【ゆっくりとディスがベッドの上から起き上がる】
「ふぁ〜…あう…」
【眼をごしごしこすっている】
- 145 :ロザリア・ロートシルト:2010/04/03(土) 15:46:02 ID:rSRBD9/U0
- >>144
「あら、遅いお目覚めねぇ。」
ロザリアも、ロッキングチェアの上で、
今にも眠りそうなほどくつろいで。
「お目覚めの紅茶はどうかしら。
今日のは、バニラフレーバーだから
ディスは好きかも知れないわねぇ。」
紅茶のポットが現れ、独りでに紅茶を入れていく。
- 146 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/04/03(土) 15:49:27 ID:WVrfsEdY0
- >>145
「あう〜…おひるたべたらねむくなったの…」
【あくびをしながら言う】
「あう〜。ほしいの〜」
【ベッドの上で座りながら微笑む】
- 147 :ロザリア・ロートシルト:2010/04/03(土) 15:55:37 ID:rSRBD9/U0
- >>146
こぽこぽという小気味良い音と共に
ティーカップに紅茶が注がれていく。
「今日も、ディスはこれからどこかへ行くのかしら。
私は、今日の夜予定があるのだけれど。」
- 148 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/04/03(土) 15:58:21 ID:WVrfsEdY0
- >>147
「あう〜。いただきますなの」
【注がれた紅茶を手にとってゆっくりとすすった】
「う〜んもうすぐがっこにいくときだとおもうの…」
【すこし考えて…】
「だからどんなところなの、みにいきたいなの!」
- 149 :ロザリア・ロートシルト:2010/04/03(土) 16:00:42 ID:rSRBD9/U0
- >>148
「ディス、ごめんなさいね……
私もディスが学校に行きたいのなら、
そうさせたいのだけれど……。」
学校に行きたい、というディスの
言葉を聴いたロザリアは悲しそうに顔を伏せた。
「うちには、そんなお金がないの……。」
- 150 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/04/03(土) 16:04:23 ID:WVrfsEdY0
- >>149
「…あう〜…おかねがないなの…」
【ディスもその言葉を聞いて少し悲しそうな顔になる】
「あう!しょうがないの!『ろざりあ』がんばってるんだからねなの!」
【しかし、直ぐに明るい表情になって見せる…】
「ちょっと…ざんねんだけど…」
【すこし小さな声で呟いた】
- 151 :ロザリア・ロートシルト:2010/04/03(土) 16:11:19 ID:rSRBD9/U0
- >>150
「どうにか、できないかしら……」
むう、と困った表情を浮かべて。
「あ、そうだ……あの女に頼めば……
ううん、でも……うーん……。」
複雑な表情を浮かべて。
あの女、とはおそらく小百合の事だろう。
- 152 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/04/03(土) 16:18:30 ID:WVrfsEdY0
- >>151
「あう〜…でもやっぱりいきたいの」
【僅かに考えがありそうなのを見て、ディスは言う】
「あのおんな?えっと……『でぃす』もしってるひとなのかなの?」
【すこし気になる顔をしている】
- 153 :ロザリア・ロートシルト:2010/04/03(土) 16:27:38 ID:rSRBD9/U0
- >>152
「黒沢小百合、よ。
依然私が病院でブっとばしたアレ。
たしか、貴方とも仲が良かったわね。」
ロザリアは、どこか不機嫌そうで。
「たしか、千夜のお偉いさんでしょう?」
- 154 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/04/03(土) 16:33:04 ID:WVrfsEdY0
- >>153
「あう〜…うん、『さゆり』もともだちなの…」
【ロザリアの顔を見て少し心配そうになっている】
(なかわるいのかなの…)
【やはりちょっと気にしているらしい】
「よくしらないけど…う〜ん…
もしかしたらそうかもしれないの…」
【ちょっと自信なさそうに答えた】
- 155 :ロザリア・ロートシルト:2010/04/03(土) 16:39:03 ID:rSRBD9/U0
- >>154
「この辺にある学校で一番近いのは、
千夜が出資している千夜学園よ。」
ロザリアが軽く指を動かすと、
虚空から、そのパンフレットが現れて。
「あの女なら、貴方一人を入れるぐらい朝飯前でしょう。
そうでなくても、十分すぎるほど金を持っているはずだし。」
- 156 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/04/03(土) 16:46:28 ID:WVrfsEdY0
- >>155
「あう〜。うん、そこにいくなの〜!」
【おっきくうなずく】
「あう〜『さゆり』がいっしょならだいじょぶなのかなの〜!
うれしいの!がっこにいけるなの〜!」
【とても純真な顔で言う。やっぱり】
【…なんかあくどい事をしているような気がするが、ディスは気付かない】
- 157 :ロザリア・ロートシルト:2010/04/03(土) 16:52:36 ID:rSRBD9/U0
- >>156
「悪いけれど、頼みに行くのなら
ディス、あなただけで行って頂戴ね。」
ロザリアはふん、と突っぱねるようにして
そっぽを向き、ブランケットに包まってしまった。
「私は、あんな女に頼むのはイヤよ。」
- 158 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/04/03(土) 16:57:47 ID:WVrfsEdY0
- >>157
「あう〜…」
【少し不機嫌そうな感じを見たディスは】
「わかったの〜…いってみるなの…」
【残念そうな顔をしつつも外に行こうとする…が】
「…『さゆり』どこにいるのかなの…」
【困った顔をして立ち止まる……】
- 159 :ロザリア・ロートシルト:2010/04/03(土) 17:00:51 ID:rSRBD9/U0
- >>158
「…………さあね。」
ロザリアは、ブランケットの中でもぞもぞ。
本当に小百合が嫌いなようです。
// この辺がきりがいいかな?
- 160 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/04/03(土) 17:06:13 ID:WVrfsEdY0
- >>159
「あうー…」
【心配そうな顔をするディス】
「…においをさがしたらみつかるかなの〜!」
【そう言いながらひとまずディスは外へと出て行った】
//そうかもね。この辺で
- 161 :赤い目の少女:2010/04/04(日) 21:00:48 ID:s.Ud7.4s0
- 「……!!」
裏路地、そこには黒いドレスの女と白い少年。
女は手を少年の動く向きへ合わせると、手の軌道に沿って黒い槍が出現し、少年を襲う。
「この程度、ですか?」
しかし、空中を浮遊する少年に合ったる事無く全ては裏路地の壁を傷つける。
「仕方ない、ですよね。本来の4分の1、いや、8分の1ですか?」
「それくらいの力しか残っていない貴方には、貴方の本来の半分の力を持っている僕には勝てませんよね」
裏路地を閃光が襲う。閃光の先に見えたのは幾つもの、光の銃弾。
「―――」
赤い目の少女は、それをじっとみている。
- 162 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/04/04(日) 21:06:08 ID:.6prKP66O
- 【高らかに響き渡る蹄の音……】
【その音は全体に響き渡り美しい音色を奏でる】
「……」
【現われたのは気高さと美しさを兼ね備える白馬】
【そしてそれにまたがる真っ白な服を着た男】
【ミントグリーンの髪を揺らしながら、上弦は駆け付ける】
- 163 :「Witch」:2010/04/04(日) 21:14:47 ID:yvUls86s0
- 緋色に輝く流星。否、それは輝く魔の力。
光に包まれた魔具――箒、それの上に立つのは「魔女」。
「――――――なぁんで、平和な平和なこの街の裏路地で。戦争が始まっているのかしら?」
魔女は不思議そうに、しかし愉しそうに戦争を見下ろして、笑っていた。
- 164 :東雲紅夜 ◆uotUYGHVwM:2010/04/04(日) 21:22:46 ID:BuGTFEjU0
- 黒い。
男の第一印象はそんな感じ。
服装は勿論の事。
日に当たれば焔のように煌くその髪も、夜闇の中ではどす黒い血のような色を写す。
「さーて……」
こきり、と肩の、首の骨が鳴る。
「久しぶりに暴れられるのかねえ?コレは……」
- 165 :ノエル=フルーレス:2010/04/04(日) 21:24:42 ID:R0.iNy.I0
- 【暗天の中、か細き星の光の様にゆらゆらと舞う一羽の蝶】
【音も無く漂う蝶は夕闇の摩天楼の灯りの如く、瞬く間に前触れも無くその数を増す】
【それは幻想なる光景。常世の景色】
――たまには、自分でも動きますかね――
【輝ける蝶の群れの中、彼岸と此岸入り乱れて、混濁を伴ないて顕現す】
- 166 :赤い目の少女:2010/04/04(日) 21:32:57 ID:s.Ud7.4s0
- >>162
金の両目が上弦をとらえる。
少年はわずかに目を細めると、被っていたシルクハットを軽く振り、被りなおす。
「お久しぶりです。元気でしたか?」
女の攻撃を軽くかわしながら笑顔を向ける。
「人が――集まったわ」
>>163
「それはきっと――いや、解らない」
いつからか、赤い目の少女が隣に浮いていた。
口元に手を当て、合わせるようにクスリと笑うと、
「貴女には……止めてほしい。でないと――この都市が危ない」
と、言った。
>>164
「――止めてくれるなら」
今度は男の背中。地に足をつけていた。
こちらでも僅かに笑みを見せた。
>>165
「有りがたいわ、とっても」
「例えるなら―――この都市の広さぐらいかしら」
少女の脚が溶けていく。赤黒い液体に溶けていく。
脚、身体、と続き、笑みえを零す顔だけが残る。
【イベント進行】
赤い目の少女は「止めてほしい」と、そう言った。
「どうしました? 危ないですよ」
ひらりと身をかわし、女の手から放たれた矢をかわす。
矢は壁に大きな穴をあけ、溶けるように消えていく。
少年の、光の弾が巻き起こった風によって弾かれ、地を抉る。
「人が―――大丈夫、ね」
赤い目の少女は消えていた。微かな笑い声を残して。
- 167 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/04/04(日) 21:40:53 ID:.6prKP66O
- >>166
「いや、残念ながら……大切な女の子が目の前でいなくなってしまうわ、未来の姿の彼女が他の男と仲良くしてるわで私の心はボロボロさぁ……」
【ふぅ、とため息を吐き、頭を下げる】
「でもまだ、落ち込んでる訳にはいかないからね?
さっき消えた子は“止めて”と言った……」
【馬は真っ白な肢体を輝かせながら鳴く、その上で男は笑う】
「女の子に頼まれて動かない男がどこにいるんだい?」
- 168 :「Satanachia」:2010/04/04(日) 21:42:57 ID:yvUls86s0
- >>166
「言われなくったって止めるわ。住んでる町を壊されたら敵わないもの」
隣の少女を見て、もう一度戦争に目を落とす。
「今日は気分がいいから――そうね、おふざけ無しでやりましょうか」
魔女の額には、魔の証――紅い、逆五芒星。
側頭部からめきめきと音を立てて、山羊のそれに酷似した角が生えてくる。
「今日の私は魔女ではなくてよ、御婦人に少年」
- 169 :ノエル=フルーレス:2010/04/04(日) 21:50:42 ID:R0.iNy.I0
- >>166
止める…ねぇ…
【虹色の蝶が乱れ舞い、複雑なタペストリーを描きながら】
【その輪の中心、現とも夢ともつかぬ奇妙な領域の中で】
【困ったように髪をぐしゃぐしゃと掻く】
なぎ倒す。ならもう少し楽だったんだけどなぁ…
【戦闘行動を止めるということは、相手に一切の行動の自由を許さないという事にもなる】
【それは即ち、相手の最大限の抵抗の上から、更に大きな力で抑えつけると言うこと。それも相手が重篤な被害を受けないように】
【しかもそれを二人分。同時に行わなければならない】
【倒すというならば、隙をついて攻撃を加え、相手の体力を無くしてしまえばいい。幸い両者は互いに戦闘を行っている。隙をつくのはさして難しくはないだろう】
ふーーーむ……
ならば、抵抗を最大限減らせるように、疲弊をまつかね。
【戦い続ける二人を見下ろしながら、しかし動く気配はない。傍観の姿勢だ】
- 170 :東雲紅夜 ◆uotUYGHVwM:2010/04/04(日) 21:54:34 ID:BuGTFEjU0
- >>166
「――止める?」
少女の言葉を聞くや否や、つまらなそうに唇を結び
「……断る」
「俺はただ、久しぶりに暴れに来ただけだ」
ぱきり、と手の指を鳴らし、ふと少女の方を振り向く
「……って、アンタは逃げるのかよ」
>>169
「お、よーっす」
視線の先にノエルを見つけ、片手を挙げて声をかける。
「……え、何。あんた戦んないの?」
ノエルの独り言を聞いていたようで、驚いたような顔をしてノエルに問う。
- 171 :名も無き異能都市住民:2010/04/04(日) 21:58:38 ID:s.Ud7.4s0
- >>167
「格好いいお方ですね」
シルクハットを手に取り、中に手を入れる。
少年の手に握られているのは拳銃。上弦の肩を狙い、引き金を引く。
「どうせ、僕の味方はしてくれないんでしょう?」
「なら、消すまでですよ」
>>168
「おや」
「……」
二人は上空を見上げる。
それと同時に少年はステッキで足元の床を叩き、
女は手を魔女へ向ける。
少年の足元の地面が歪む。
出てくるのは巨大な巨大な鉄の弾。
女の手元が冷気を帯びる。
放たれるのは鋭い鋭い氷の刃。
>>169
現状は女の攻撃を少年が避けている。
まだ時間は有りそうだが、壁の崩壊も何れは起こるだろう。
お互いがノエルに手を出す様子は無い。
が、少年がノエルに向かって一瞬、微笑んだ。
>>170
『戦ってあげても良い―――貴方を痛めつけるのも楽しそうだし?』
けらけらと笑う赤い目の少女。
ただ少女であることと、赤い瞳であることだけが解る。
『冗談――今はその時では無いもの』
『暴れても良いわ、結果。止まればいいのだから――――じゃあね』
今度こそ、消えた。
- 172 :ノエル=フルーレス:2010/04/04(日) 22:07:55 ID:R0.iNy.I0
- >>170
やあ、こんばんわー
【同じく片手を上げて返す】
……何を目的とし、何を持って勝利と見なすか、明確にした方がいい。
闘争とは手段を選ばぬが故に、ね?
>>171
ニコリ
【少年に微笑みかけられたのに気づき、笑みを返す】
【ややあって、ゆっくりと周囲を見渡す】
(…壁……これは長くないなぁ…)
【空気中に存在する微細な魔力をも感知し】
【その僅かな濃淡の揺らぎをも見切る眼で】
(……むしろ…好機とみるべき…かね)
【両者から攻撃される魔女を見て、変わらず傍観の構え】
- 173 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/04/04(日) 22:08:56 ID:.6prKP66O
- >>171
「だろ?でもなぁ……毎日女子生徒に殴れるんだよ…
なんでだろうね?」
【笑って世間話を始めるかと思えば、自身に向けられている銃を目の当たりにし、眉を潜める】
「出来ればしたいんだけど……君の戦っている相手はゼオラだろ?
それに君は私とゼオラを裂いた本人でもあるし……難しいよ……」
【短期間とはいえ、自分と仲良く過ごし、自分のプレゼントで笑ってくれた少年】
「……それに」
【弾丸を素早く消し去る上弦の顔は何処か物悲しげであったが……】
「君を倒せばゼオラの取り戻し方がわかるかもしれないしね?」
- 174 :「Satanachia」:2010/04/04(日) 22:09:26 ID:yvUls86s0
- //全体攻撃、かもしれない 拾える人は拾って下しあ
>>171
「……ええと」
強烈な殺意が、二ついっぺんに飛んでくる。
「悪魔」はそれを見て、がりがりと頭を掻いた。
「勘弁してほしいわ。今日の私は」
悪魔が、舌を出した。それの先がちょろりと、小さく回って、何かを描く。
――陣だ。防御の魔術を編み込んだそれは、そのまま盾となる。
「『五回程度しか死ねない』んだから、ね?」
先に受け止めたのは鈍色の砲弾。がづんと音がして、盾に罅が入る。
次いで冷たい無機質な刃が飛んでくる。ぴきぴき、ぱきーんと音を立てて盾が割れた。
割れた。ならば――破片が発生する。
鋭く尖った、星の数ほどの小さな破片が周囲に降り注いだ。
- 175 :東雲紅夜 ◆uotUYGHVwM:2010/04/04(日) 22:25:43 ID:BuGTFEjU0
- >>171
「……どうにも、この都市のガキは性格が悪いようで」
くすりと苦笑を向け、拳を握る。
「あー、はいはい。……なんか利用されてるようでムカつくが、まあいいわ」
とんとん、と靴を履き慣らすように地を蹴り
「さーて、どうすっかねえ……」
戦闘を続ける二人を見つめ、ふむと手を組む。
>>172
「ふうん……そんなもんかねえ……」
数秒、考える素振りを見せた。が。
「……や、やめた。考えるのは性に合わねえし。一応、どっちの味方するかは決まってるし」
>>174
「……おーおー」
握った拳が、光を放つ。
響く耳鳴りのような音、熱により歪む空間。
「何か……いきなりだな、オイ……」
その拳を翳し、放たれるのは光の波。
己に降り注ぐ分だけの刃の雨は、その光に飲まれ、溶けるようにして消え去った。
- 176 :名も無き異能都市住民:2010/04/04(日) 22:30:33 ID:s.Ud7.4s0
- >>172
お互いはお互いを狙い、傷つける。
女から流れ出る異常な量の魔力が魔力を感知する力を鈍らせるか……?
>>173
「さあ、僕には解りませんよ」
ステッキを地面につける。
そのまま線を横にひき、勢いよくステッキを振り上げると、線が歪み高水圧の水が飛び出し上弦へ向かう。
「当たると痛いですよ?」
>>174
「困った困った」
シルクハットを手に取り、降り注ぐ欠片を受け止めていく。
「有難く頂戴しますね」
やわらかい笑みを向ける。
「邪魔……」
向けた手をそのままに、静止。
次の瞬間その腕を勢いよく振りおろす。
暴風。風が巻き起こり欠片を更に散らす。
>>175
「おや、はじめまして」
見覚えのある少年。
だが風貌、雰囲気、全てが少し違い。
頭のシルクハット、笑顔の裏の意図が明確に二人を分けた。
「……」
「おや、お知り合いですか?」
女の反応を見て、もう一度口を開く少年。
次の瞬間には紅夜に拳銃が向けられていた。
- 177 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/04/04(日) 22:40:32 ID:.6prKP66O
- >>174
【少年と対峙していると空から無数の破片】
「無差別かぁっ!!」
【攻撃を放った本人にツッコミを入れて自身と白馬に襲い来る破片を能力で分解していく】
>>146
「あのな……私は長い間大切にしてきた少女を奪われた訳だ……」
【破片を全て防いだあと、上弦は馬から降りる】
「もはやあの子に私の声は届かないかもしれない、なんてったってあれだからね……」
【周囲を見渡し再びため息】
「なんでもかんでも適当に流してくれちゃってさぁ……」
【水を殴り落とし、上弦は佇む……】
「余命少ない私の楽しみを簡単に奪ってくれちゃってさぁ……」
【瑠璃色の瞳を光らせ、上弦は少年に近付いていく】
- 178 :「Satanachia」:2010/04/04(日) 22:40:48 ID:yvUls86s0
- 周囲に居る、見方であろう人々に攻撃が向かっている。
だから何だと言うのだ、わたしは「悪魔」だ。とでも言うように、少女の形をしたそれは笑っていた。
>>176
「逆さ星を掲げし金眼の悪魔たる我、虹の女神に冀う」
手を上げる。緋色に光る線が集まって、陣を織り成す。
「愛を謳え、高らかに高らかに。光り輝く其の声色こそが真の七色。
虹を込めよ、真っ直ぐな眼差しに。胸を焦がす其の熱こそが真の愛情」
きゅぅううう、と音を立てて、七色の光がそこへ収束。
それは伸びて伸びて鋭く尖り――
「完成せよ。『愛の眼差し』」
巨大な矢とも、槍とも取れる尖った得物に形を変える。
悪魔はそれを振りかぶり――二人の居る方向へ投げる。撒き散らされた欠片を振り払うかのように、槍は進む――
- 179 :ノエル=フルーレス:2010/04/04(日) 22:51:59 ID:R0.iNy.I0
- >>174
【飛来する破片が、ノエルの周囲を舞う無数の虹色の蝶に当たり】
【破片が破壊されていく】
【僅かな間隙を縫って飛来する破片は】
【まるでワープするかのように突然揺らぎだし、その姿を突如消す】
っと、危ないな〜
【完全に油断していたのか、気づいたのは既に破片が飛来しきった後だった】
>>176
……
【とん、とん、と人差し指でこめかみを叩きながら俯瞰する】
【ノエルは一度死んだ身である。不死者として復活してからも多くの修羅場も潜ってきている】
【強大な力を前にしながらも、僅かばかりの揺らぎも見せない】
………
【しかし、その数瞬後には顔を顰めた】
(多すぎる……相当に弱っているな…)
【堰を切って溢れ出るかの様な魔力から、逆にその不調を予見する】
すこーーし性急だけど……
【ゆらりと、片手を天へと翳すと】
【破片によって数を減らした筈の蝶が見る間に増えていき】
【夥しい数となる】
準備しますかね〜
- 180 :東雲紅夜 ◆uotUYGHVwM:2010/04/04(日) 22:53:46 ID:BuGTFEjU0
- >>176
「……は?初めまして?」
少年に、見覚えはあった。
会話までしたか、その記憶は無いが、少なくとも「初めまして」では無いと記憶している。
だが、少年は「初めまして」と口にする。
「……あー、2Pカラー的な?要は別人?」
シルクハットを見て、そう判断。一人、成る程成る程と頷く。
「おっす」
女に向け、ノエルにしたのと同様に少し手を挙げ、挨拶。
「あ?ああ、何度か一緒に飯食った程度には知り合い」
言い、向けられた銃口に気付き
「……あー、はいはい。やっぱアンタが敵ね」
握っていた拳を少年に向け、構える。
- 181 :名も無き異能都市住民:2010/04/04(日) 23:03:38 ID:s.Ud7.4s0
- 「さてさて、本気を出しましょうかね?」
少年はステッキを数回転させ、振る。
リボンで包装された青い箱が現れ、それに飛び乗る。
>>177
「そんなことを言われましても……」
「僕にも必要な事でしたし……ね?」
上弦が進むスピードと同じスピードで退いていく。
拳銃をシルクハットに直すと、新たに弓矢を取り出す。
「これは……どうです!?」
強く弓を引き、放たれる矢。その狙いは馬の脚。
>>178
「邪魔ですね」
ステッキを回し、シルクハットをコン、とつつく。
すると、シルクハットは巨大化し箱ごと少年を飲み込み、消えた。
「……、……」
女は両手を合わせる。
ゆっくりと開くその手の間に闇が広がる。
闇は広がり渦巻いて、細く、鋭く、尖っていく。
その大きさは少年の背丈を越え、女の背丈を越え、光の槍と対峙するほど。
「……飛ばせ」
二つの槍が正面からぶつかり合った。
>>179
「……」
女の魔力が増大する。
ただあるだけの魔力に耐え切れず木が、壁が、音を立てる。
女の足元が歪む。闇が多い、消える。
「邪魔……」
現れたのは背後、脚を振り上げながらそうつぶやく。
>>180
「そういうことです。死んでもらいましょう」
斧が、鎌が、鉈が、落ちる。
少年が現れたのは紅夜の上空。
- 182 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/04/04(日) 23:13:39 ID:.6prKP66O
- >>181
【矢はまっすぐ白馬の脚へ……】
「退きなさい……」
【重く、静かな声で囁き、手綱を引く】
【従う馬は走るのを止め方向転換をする】
「馬を狙ってないで私を狙ったらどうだ?」
【元素を操り宙を走る】
「……」
【瑠璃色の瞳は未だ鋭く相手を威圧する
その眼からは優しさは感じられない】
- 183 :「Satanachia」:2010/04/04(日) 23:18:21 ID:yvUls86s0
- >>181
槍を投げたと同時、悪魔は言葉を紡ぎ始める。
「逆さ星を掲げし金眼の悪魔たる我、全てを抱く父なる大地に冀う」
紅い唇に人差し指を置く。指の先に魔の力が集まる。
光と闇がぶつかって、閃光が弾けた。
「母と逸れた子供が泣いて居る。為らば手を差し伸べよ。
道に迷いし旅人が途方に暮れて居る。為らば唄って導け。
目の前の見えぬ乙女が堕ちて居る。為らばヒカリを与えよ。
貴は父。其の逞しき躯にて全てを抱く産みの親」
つぃ、と。
投げキスの動作、人差し指を遥か下、地面に向ける。
「完成せよ――『慈愛の腕』」
指さされた地面が隆起する。
土造りの、巨大な腕――それが、とりあえず姿の見えるゼオラを拘束しようと迫る。
- 184 :ノエル=フルーレス:2010/04/04(日) 23:23:22 ID:R0.iNy.I0
- >>181
ん?
【突如、女が動きを変えようとするのを察知し、動きを止める】
【放つ魔力が膨大すぎるが故に、僅かな兆候も大きな変化となり察知しやすくなる】
―――まずッ!!
【慌てて周囲を舞う蝶を一斉に散会させ、自身の周囲を空ける】
【その直後、背後に現れた女の蹴りが飛んでくる】
ゴスッ!
【女が正常の感覚を持つならば、蹴り足がノエルに触れる前に】
【酷く粘性のある"何か"が絡みついたかの様に感じるだろう】
【それは、位相の差。ノエルの周囲と、この異能都市とは、存在する次元が僅かにずれている】
【次元の壁越しとなった蹴りは、その威力を大きく減衰させながらノエルを蹴り上げる】
いたた…まともに蹴られるのはいつ以来かな…
【女から2・3歩離れた位置に、見えない足場に乗るように浮遊、散開させた虹色の蝶を再び周囲に集めだす】
- 185 :東雲紅夜 ◆uotUYGHVwM:2010/04/04(日) 23:24:32 ID:BuGTFEjU0
- >>181
「……っと……!」
前に走る。
走る、と言うよりどちらかと言うと跳躍。
一度、思い切り身体を屈め、反動をつけて思い切り前へと地を蹴りだす。
落ちてくる様々な物に身が裂かれる前に、それらが届かない場所まで走り
「お、らあっ!!」
腕に纏っていた光を握り、一筋の光の帯として、少年へと放つ。
- 186 :名も無き異能都市住民:2010/04/04(日) 23:29:55 ID:s.Ud7.4s0
- >>182
「面倒なことこの上ない」
リボンが解かれ、箱の蓋が開く。
出てきたのは獣の頭。強大なそれは大口を開けて食らいつく。
>>183>>184
「……?」
脚を戻し、『何か』を気にしながらも視線はノエルを狙う。
そこへ腕が迫り、女をとらえる。
「……くっ」
捕まり、身動きができない出た。が。
その表情、雰囲気におびえ、恐怖は無く。
「……、…!」
魔力の爆発を起こし、逃げ出そうと試みる。
>>185
「……ありがとうございます」
ニヤリ。
シルクハットを構えると、光の帯を吸収。
「お返しにどうぞ」
シルクハットから出てくるのは鉄の弾。
赤く、熱を帯びた鉄の弾は空中で溶け、高温の鉄となって振り注ぐ。
- 187 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/04/04(日) 23:33:06 ID:.6prKP66O
- >>186
「……面倒か……すまないね……」
【獣の頭に食らい付かれ、上弦は身動きが出来ない】
「……参ったな……」
【このままならば簡単に上弦を亡き者に出来るだろう】
- 188 :「Satanachia」/「Witch」:2010/04/04(日) 23:35:47 ID:yvUls86s0
- >>186
ばがぁんと音がして、土の腕は崩れ落ちる。
「あれあれぇ……土じゃ駄目か、脆すぎ。
だけどまあ、」
あんだけの爆発だ。隙は少なからず、出来たよねぇ?
そう考えた悪魔――が、一瞬だけ「魔女」の顔を見せた。
「――飛んでイケイケ☆エリュトローン!!
突撃ラヴハァアートッ!!! 赤い彗星ィイイイ!!!!」
全く統一していないふざけた技名を叫んだかと思えば――
魔女の箒が緋色の魔力を纏って、弾丸の速度でゼオラに突っ込んで行く!!
――――――おふざけ無しって言ったのは何処のどいつだぁッ!!!
- 189 :ヒホロ=ゼルトマン ◆JBbLACK.JY:2010/04/04(日) 23:41:44 ID:WLwiniQ.0
- ふぅ…やっと足も結構動くようになった。
なんだかんだガニュメートさんは技術あるな、怖いけど。
【右足振り振り、ごく自然に歩くスーツ姿の少年】
【右手にはタバコを指に挟み、跳ねるように歩いて満足げ】
……んぉ…?
【裏路地に差し掛かる。すると路地の壁を伝い、遠くから聞こえる音】
【爆音や轟音、彷徨のようにも聞こえる】
異能、か。ガニュメートさんとの約束の為にも、行かなければなりませんね。
【表情を引き締め、改めて長いタバコを取り出し火をつけた】
【そして現場に到着】
……! あ、れ…は…!
【見える姿は見たことある姿】
【息を呑み、思わず壁の影から飛び出す。煙が驚きに同調するかのように揺れた】
- 190 :東雲紅夜 ◆uotUYGHVwM:2010/04/04(日) 23:42:32 ID:BuGTFEjU0
- >>186
「……あー、成る程」
飛び道具の類は効果無しと判断。
ならば、戦闘方法を変えねば、あの少年にダメージを与える事は不可能。
「直接ぶん殴れって事か……OK、OK……!」
一瞬、動きが止まる。
魔力を溜める為の、一瞬の隙。
キィィィィィィィン、と耳鳴りのような音が周囲に響く。
高まる魔力により大気が歪み、少年が目に写す紅夜の姿は、グニャリと大きく捻じ曲がる。
それと同時。耳鳴りのような音と共に周囲に響くのは、大気の揺れる音。
高まる魔力により、大気が揺れ動く、地響きのような音。
「――――ッ!!」
ばつん、と何かがぶち切れる音。
それと共に、紅夜の両腕が、闇を一瞬で照らし、全てを写す程の眩い光に包まれる。
そして、包まれたかと思えば、すぐさまその光はぐにゃりと捻じ曲がり、人の腕の形を崩す。
「……あー……」
「……久しぶり過ぎて加減わかんねえや。まあいいか」
降り注ぐ、高温の鉄の雨。
それに向かい、光に変わった腕を振るい、受け止め、全てを溶かしきる。
- 191 :ノエル=フルーレス:2010/04/04(日) 23:52:30 ID:R0.iNy.I0
- >>186
―――フ ェ イ ク―――
【人差し指を立て、顔の横でくるりと円を描くように翻し】
―――バ タ フ ラ イ―――
【緩やかに、ゼオラを指差すように振り翳す】
【弾かれたように、夥しい数の虹色の蝶が一斉に散開】
【複雑な輝きを放ちながら、大気へと溶けていくように消えていく】
【そして、蝶が消えていくにつれて、ノエルの周囲付近にのみにあった】
【夢でなく現でなく、夢であり現であるかのような雰囲気が周囲全体へと広がっていく】
【その瞬間、ゼオラの視界から、他者の存在が見えなくなる幻術がゼオラを襲う】
- 192 :名も無き異能都市住民:2010/04/05(月) 00:04:21 ID:s.Ud7.4s0
- >>187>>189
「ふむ。よし、そのまま」
獣に命令をすると、少年は箱を降りて離れていく。
止めを刺す必要が無いと判断したのだろうか?
獣は上弦を咬んでホールド中。
次いで、少年は新しい人影に目を向けた。
「久し振りだけど、お願いがある」
大きなシルクハットの下の大きな金色の両眼が真っ直ぐにヒホロを見る。
「あの人の処理、任せるよ」
と、上空にある箱と、そこから出た獣と、それに食われた男を指す。
>>188
爆破により、土の破片と魔力が宙を舞い。
僅かな反動に対し体勢を整える最中。
「……!?」
魔女、直撃。
大きく吹き飛ばされ、壁に打ち付けられる。
>>190
「では、こういたしましょう」
ステッキを回し、構える。
大きく振りかぶって、振りおろす。
長く、長く伸びたステッキは紅夜を襲う。
>>191
壁から倒れ、地に伏して、闇に溶けて、形を作って立ち上がる。
両手を取って握り、戻し、もう一度握る。
魔力の流れによって位置、物、人を把握している彼女に視界潰しの幻術は有効でない。
「……本気」
握った拳を開く。闇が溢れ広がり、女の背丈ほどの鎌を形成す。
一度大きく回し、それを地面に突き立てる。
『――――!!』
地面が音をたて、罅割れる。ノエルの真下までそれは伸びていき。
『―――ッ!!』
巨大な黒い、剣が撃ちあがる。
- 193 :「Witch」:2010/04/05(月) 00:09:47 ID:yvUls86s0
- >>192
「ア○クネが右へ参りまァす☆」
霊のウザかわいいセリフを吐きながら突撃を確認、急ブレーキ。
「追、撃!」
流石に今の無茶な攻撃直後に大きな魔法は編めない。
詠唱破棄、陣の生成のみで編んだ光の矢――数は三本、それをゼオラの頭と胴と、足へ。向けて飛ばす。
- 194 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/04/05(月) 00:12:30 ID:.6prKP66O
- >>192
「……君は何をしているんだ……誰の手助けの無い状態……このままやれば確実に邪魔者の息の根を止められたのに」
【男は笑う、簡単に負けた自分、すでに相手にされていない自分……】
「まぁ、お陰様で命拾いしたよ」
【獣の口をこじ開け這い出てくる、時間さえあれば脱出可能らしい】
「つれないじゃないか、シノン……私と君の仲じゃないか」
【瑠璃色の瞳はシノンを射抜き、笑う】
「さて、君はどんな服を着たい?可愛いのをプレゼントするよ?」
- 195 :ヒホロ=ゼルトマン ◆JBbLACK.JY:2010/04/05(月) 00:14:13 ID:WLwiniQ.0
- >>192 >>194
あ、え!? や、ぼ、僕はッ……
【突然の申し出、しかも……おそらく『穏便に済ませ』なんて意味じゃない】
【そんなことは出来ない。その言葉が喉まで出て――】
……っ。
【思い出した】
【夜刀神邸の侵入時、彼が助けてくれたことの恩】
【そして彼が語ってくれた、復讐への『覚悟』】
【ならば――】
……すいません。
私はヒホロ=ゼルトマン。貴方を……殺します!
【ここで戦うのも、宿命と思った】
【ヒホロの体を、灰色の煙が覆う。丸く繭のように濃い煙】
【そこから……】
ボヒュ ヒュ ヒュン!
【濃灰色の弾丸が、高速で三発、上空の上弦めがけて飛来する!】
- 196 :東雲紅夜 ◆uotUYGHVwM:2010/04/05(月) 00:21:46 ID:BuGTFEjU0
- >>192
「ッ、うっ……!」
振り下ろされたステッキは、紅夜の頭部を叩き付けた。
だが。
「……あー、いってえ……!」
振り下ろされたステッキ。
それを、光と化した腕がそれに絡み、掴み
「お、らあああああっ!!」
瞬間、少年がステッキを離さぬうちに、ステッキを思い切り引き抜く。
「もう少しこっちへ来いよ、つれねえなあ!」
額から血を流しつつも、口元をぐにゃりと歪ませ、笑う。
>>195
「――あ?」
この声。何処かで聞いた声。
瞬間、其方へと視線を向け、少年を発見した。
「……」
今は見なかった事にしておこう。後でとっ捕まえておこう。
心でそう呟き、今は眼前のシルクハットの少年に集中しようと心に決める。
- 197 :ノエル=フルーレス:2010/04/05(月) 00:24:01 ID:R0.iNy.I0
- >>192
ザシュッ
【霞を突くような奇妙な手応えと共に、剣がノエルを串刺しにする】
さ…て…どうした……ものかね……
【串刺しの姿勢のまま、辺りを見渡しながら溜息を吐くように言葉を漏らす】
【串刺しのせいか行動を取らない
- 198 :名も無き異能都市住民:2010/04/05(月) 00:29:46 ID:s.Ud7.4s0
- >>193
本気。その言葉通り、今までより多くの魔力の量、気迫が見れる。
闇作りの大鎌を引きぬくと、片手で回す。
光の矢を全て跳ね返し、反射させる。
大鎌の側面を魔女へ向ける。
赤黒い、血の滴る瞳が開き、魔女を睨む。
「……散れ」
衝撃波。無色無風。何によっても感知されない衝撃が魔女を襲う。
>>194
「チッ……もう出てきましたか」
薄ら、表面だけ笑みを浮かべ。
少年の眼前で水が渦を巻く。巻く。巻く。
「お断り、します」
所謂ウォーターカッター。真っ直ぐに飛んで行く。
>>195
「……無理かい? 無理はしなくていいんだ」
やわらかな笑み。少年は何処までも優しく。
「でも、キミならできると思うよ」
「ただ、一言。彼は強いよ」
>>196
「……」
ニヤリ。
少年と紅夜は真正面で対峙する。
「お断りです」
構えたシルクハットから飛び出るのは無数の無数の破片。
魔女の盾の欠片。それが近距離で放たれる。
>>197
「……」
追撃は無い。
女は小さく手を振り、魔女へ向く。
- 199 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/04/05(月) 00:34:59 ID:.6prKP66O
- >>195
「これはアレか……何か強大な悪意が私にこんな事をしようってのか……」
【しばらく考え……】
【目の前に弾丸、しかも煙】
「……これは本当にまずい……煙は消せない……」
【ギリギリで避け、上弦は冷や汗を流す】
>>198
【ヒホロに眼を奪われているのだから普通に命中する】
「……っ!?」
【腹を貫かれ、鮮血流し、吐き出す】
- 200 :「Witch」/「Satanachia」:2010/04/05(月) 00:38:25 ID:QYyPcDfoO
- >>198
「が」
べきっ、骨が砕けた。
ぐしゃっ、肉が潰れた。
べしゃっ、壁に叩きつけられた。
「っは」
ずるずるず、赤い線を引きながらずり落ちた。
ぷつん、意識が途切れた。
死んだ。
死んだ。死んだ。死んだ。
「………………やぁー、めてよねぇ」
――ぐじゅ、ぐじゅぐじゅぐじゅ――――――
肉が蠢く音。「悪魔」の肉体が、波打っている。
「今日のわたしは、一桁しか。死ねないんだから」
手足が有り得ない方向に折れ曲がり、頭蓋の割れ目から見たくもない肉――脳髄が覗いている。
夥しい量の血を流して死んでいる。死んでいるのに、
悪魔は笑っていた。
- 201 :ヒホロ=ゼルトマン ◆JBbLACK.JY:2010/04/05(月) 00:45:47 ID:WLwiniQ.0
- >>198
『無理』なら……もう、沢山しました。
【ズボンの裾から鈍色(にびいろ)の足が露出する】
【膝小僧から下へ、人の足を模した硬い金属の塊】
君を見てると、僕を…私を見ているようで、何故か……寂しい。
だから――!
【煙の中でよくは見えないが……目の端が、微かに光るように見えた】
【それもすぐ揺らめきに紛れ、もう見えなくなった】
>>199
はぁああああッ!!
【右手を勢いよく上弦に向け振るう、と】
ヒュヒュヒュヒュヒュッ!
【繭が豪雨に打たれるように、激しく煙を跳ねさせた】
【跳ねた煙は小さな針となって、灰色の雨の如く上弦に吹き付ける】
殺すと僕自身が決めた以上、もう謝ることも出来ません。
さあ、大人しく、死に絶えていきなさい!
【薄くなった煙の中から、幼くも勇ましい少年の叫び声が響く】
- 202 :ノエル=フルーレス:2010/04/05(月) 00:48:25 ID:R0.iNy.I0
- >>198
(うーーーん……)
【串刺しのまま、思考している】
【その体からは一滴の血も流れぬ辺り、人外である事を証明している】
(呪文は使えるけど……何を使おうかねぇ…)
【手段を逡巡している。機を図っているのか、それとも別の意図か】
- 203 :東雲紅夜 ◆uotUYGHVwM:2010/04/05(月) 00:52:17 ID:BuGTFEjU0
- >>198
盾の破片。細かな斬撃とでも言うのだろうか。
この距離で、この数で、それが放たれた。
「ちいっ……!」
全てを防ぎ切る事はまず不可能。
ならば、防ぐ箇所は最小限に絞り、一撃をぶちかます。
ぎゅるり、と光が渦を巻き、紅夜と破片の間の空間に壁を作る。
だが、それも一部で、腹や頬は破片が掠め、細かな切り傷を作り上げていく。
だが、それでも、男はシルクハットの少年を見据え、前へと一歩踏み出す。
己の腕は既に人の其れでは無い。破片程度で傷つくような物では無い。
だが、それでも、人の拳の形を成すそれは、人の拳と同じように動き、人の拳の何倍もの威力を持つ一撃を放つ。
「とりあえず、一発……!」
飛び交う破片の中へ、一歩、二歩と足を踏み入れ
「ぶん…………殴る!!!!」
血を顔から、足から、胴から流しながら、その拳を少年目掛け、振りぬいた。
- 204 :名も無き異能都市住民:2010/04/05(月) 01:08:16 ID:s.Ud7.4s0
- >>199
「一気に畳みかけて、殺してしまいましょう」
シルクハットを投げる。
シルクハットからは、巨大で、黒い獣の右腕。
金色の爪が上弦を狙う。
>>200
「……」
僅かに顔をそむける。
昔、見慣れた光景に溜め息を吐いた。
追撃はせずに、少年の方を向く。
>>201
「……そう」
「命を落とすことだけは、しない様に」
何時か見せた、色の無い、何もない表情を向けた。
「その為に、今すぐ、離れなさい」
>>202
女の顔はノエルへ向くことなく、シルクハットの少年をとらえる。
戦いの意思があるかどうか……。
>>203
「ぐぅ……っ」
油断した。
紅夜の力を軽く見積もっていた。
吹っ飛び、ごろごろと転がり、暫くして手をついて身体を起こす。
【イベント進行】
ぼやけ、霞んだ少年の視界に入ったのは女の姿。
大鎌を手にし、高速で飛んでくる。
「……消えろ」
異色の雷を纏い、紫の光を帯びた大鎌を横に薙ぐ。
大鎌の刃は少年の腹部を捉え、切り裂き、吹き飛ばした。
「ここまで、とは……」
光と共に現れたステッキを杖に、立ち上がる少年。
ステッキで地面を叩くと地面がもう一度罅割れる。
罅割れた地面が崩壊し、競り上がる溶岩。マグマ。
「この都市とはいかずとも、貴方達だけでも……消します!」
上空を雲が覆い雷を落とす。
風が吹き荒れ物を切る。
溶岩が吹きあがり物を溶かす。
「消えろ消えろ消えろ……全部!!」
少年の構えたシルクハットから、拡散した光が周囲を壊す。
百。
千。
万を超え、視界は光で覆われた。
- 205 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/04/05(月) 01:15:36 ID:.6prKP66O
- >>201>>204
「そんなに私に死んでほしいか?」
【返ってくるはずの無い質問、そして】
「すまないがそれは出来ないよ」
【血に濡れた白いコートを脱ぎ、振り回す……】
「全く持って困った……これは困った……」
【コートはあっという間に針だらけ、しかし、上弦は一時的に針に絶え、ヒホロの前に迫る】
「……ッ!」
【そして鋭い掌底を放つ……が……】
「……」
【上弦に迫るのはシノンの繰り出す巨大な獣の爪】
【しかしそれ以上に、上弦は斬られたシノンに眼を奪われる】
「……」
【そしてゆっくりとヒホロに眼を移し】
「助けに行ってやりなさい……友達なんだろ?……ほら……これを着て……」
【上弦が差し出すのは虹色のケープ】
「きっと守ってくれるから……友達を助けに行きなさい」
【そして、上弦はヒホロとの戦闘を止め、ゼオラのもとへ】
「ゼオラ!身を守りなさい!!」
【ゼオラへと手を伸ばす】
- 206 :「Satanachia」:2010/04/05(月) 01:22:12 ID:QYyPcDfoO
- >>204
「……あーあー、あー」
ごきりと音を鳴らして骨を直す。
少年が叫んだかと思えば、終末がやってきた。
「――逆さ星を掲げし金眼の悪魔たる我、天地を創る最初の存在に冀う」
然し悪魔は魔を編む。
身体を焼かれて死に、衝撃に蹂躙されて死ぬ。
然し悪魔は魔を編む。
「たったひとつの、貴方の慈悲を。終末を過ごすための、ひとつの方法を」
天に手を伸ばす。届かない。
然し悪魔は魔を編む。
「救う方法を、教えてください」
悪魔、少女は懇願する。
護るための力を。
「――完成せよ――」
「『方舟』」
空になにかが浮いている。舟だ。巨大な舟。
それは周囲の人間を包み込み、終末を耐え切ろうと――
光に対抗したのは、光。
- 207 :ヒホロ=ゼルトマン ◆JBbLACK.JY:2010/04/05(月) 01:26:16 ID:WLwiniQ.0
- //意味フ分割注意
>>204
……え?
【ぽつりと呟き、少年を見つめ……そしてすぐ】
っあッ…!
【眼前で吹き飛ばされ、腹部を切り抉られた少年の姿に、思わず声を上げる】
【そして思わず――本当に、ついっ、と自然に】
ダメっ――
【駆けた】
>>205
【上弦に差し出されたケープを反射的に手に取る】
【お礼も何も考えられず、心の中で頭を下げながら】
【自分を守るだろう、不思議な力を感じるケープを左手に、左半身を覆い走った】
>>204続き
【タバコを地面に落とした。煙を、己自身の唯一の防御を纏うのも忘れ】
【風が頬を切った。溶岩が跳ね、金属の右足を熱した】
【でも、それでも――夢中でヒホロは、飛び込むように光の中の少年に右手を伸ばした】
- 208 :ノエル=フルーレス:2010/04/05(月) 01:30:17 ID:R0.iNy.I0
- >>204
――映る全てを疑い給え――
――聞こえし全てを疑い給え――
――日は消え行き、月は欠けりし――
――風は止み、歌は消え、花は枯れし――
――愛しき子等は果てへ堕ちし――
【響くような、囁くような、音にならぬ声がする】
――祈れ 世界は汝に背を向けた――
フェイクバタフライ"T H E W O R L D"
【刹那、世界が音を立てて崩れていく】
【耳を劈く音と共に、ガラスのように空間に罅が走り】
【ノエルを中心とした位置から、世界が虚空へと"落ちて"消滅していく】
【罅割れ、崩落する世界は、シルクハットから出る光を飲み込みながら広がり続け】
【遂には少年のいる位置にまで迫る】
- 209 :東雲紅夜 ◆uotUYGHVwM:2010/04/05(月) 01:35:04 ID:BuGTFEjU0
- >>204
「――あー……」
やっべ。
その言葉までは、出なかった。
視界を包む光。これに飲まれれば、どうなるかは分からない。
ただ、恐らく、ヤバイ状況になる事は間違い無い。そして、それは絶対に避けねばならない事も、間違い無い。
「……一応、約束してあんだよ。もう死なない、って」
それに。
「……これ以上、残業が増えるのも勘弁だしな」
(>>206と連携?)
ぐるりと身体を捻る。
二本の光の腕から放たれる光の帯が、一層光度を増し、眩く辺りを照らし光る。
その光、迫り来る破壊の光に負けずとも劣らない明るさを有しており。
その光を、ただ、振るった。
己らを守るため、己らを包むため。
防ぎきれるかは、分からない。ただ、今の彼にはコレしか出来ない。
魔女が作り出した『方舟』
その船を更に大きな光で包みこむ。
相対する光同士が、混じり、ぶつかり合う。
- 210 :名も無き異能都市住民:2010/04/05(月) 01:44:37 ID:7hcwnxwgO
- >>205
「解って、る……!」
闇が女を覆う。それは硬化し卵の様な蛹の様な。
雷、風、炎が荒れ狂う。
それは当然上弦も狙う。
そして光が。
>>206>>208>>209
「うわああああああ!!」
雷が、風が、炎が、光が降り注ぐ。
方舟によって防がれ、世界によって崩される。
>>207
少年が手を掴んだ。
「全く……。キミは」
苦しそうにしながらも笑顔を向け、目を合わせる。
「一度、逃げよう」
ついこの間の浮遊感。
【イベント進行】
光に染まった視界が晴れた時、そこに少年の姿は無かった。
//イベント終了条件【シノン=アルベルの撤退】達成
//お疲れさまでしたー……。
- 211 :「Satanachia」/「Witch」:2010/04/05(月) 01:49:38 ID:QYyPcDfoO
- >>210
「……ご、ぼぁああー」
だばーっと、口から滝のように血を垂れ流した。
「はい死んだ。わたし死んだよーはいはい方舟とかチート技使うからその反動なわけであって」
ゼオラの衝撃波で一回、少年の最後の技で二、三回、技の反動で一回。
死んだのだ。
「……ギリギリすぎる……こっえー」
するりと消える逆さ星。
「魔女」は身震いして、少年のいた地点を眺めた――
//お疲れさま……ッ
- 212 :上弦・F・クラーリオ ◆6xc12amlNk:2010/04/05(月) 01:50:23 ID:.6prKP66O
- >>210
「よし!良い子だ!!」
【高らかに笑う上弦……しかし】
「いやぁ、実は私……身を守る術が無いんだよね」
【爽やかな笑顔で光に飲み込まれる上弦】
「……」
【光が晴れた時、上弦はラオウみたいに片手を上げたまま灰色になっていた】
- 213 :ヒホロ=ゼルトマン ◆JBbLACK.JY:2010/04/05(月) 01:52:20 ID:WLwiniQ.0
- >>210
【しっかり、指が少年の肌に食い込むくらい強く掴み返す】
【そこに少年が居ることを確認してから……不安げに揺れる目が安心に細く形を変え】
だって……紳士だから。
【光の中、目を瞑る】
【煙の中に垣間見えた光が目からぽろりと落ちて】
【後に残ったのはまだ燻る短いタバコと、地面に残った涙の染みだけ】
- 214 :ノエル=フルーレス:2010/04/05(月) 02:01:10 ID:R0.iNy.I0
- >>210
【崩壊が止んだ途端、"修正"を受け】
【ビデオの巻き戻しのように景色が戻っていく】
世界は広いねぇ…予想を遥かに超えていたな。敵も、味方も。
【呆けた表情で、中空に"座る"】
【その姿勢のまま天を眺めつつ思案する】
【件の二者の戦闘を見たとき、そして交戦の始まった時】
【ここまで苛烈な様相を呈するとは思ってもいなかった】
【途中、説得等で目的を達成できると踏んでいた。だからこそ直接の行動は控えた】
【しかし、蓋を開ければ見事なまでの醜態を晒しただけだった】
結局、自分も化け物に成り果てた…といことかな……
【見せつけられたのは決意の差、思い知らされたのは覚悟の量】
【暗い空を眺めながら、"敗戦"の憂いを噛み締めていた】
//お疲れ様ですー
- 215 :東雲紅夜 ◆uotUYGHVwM:2010/04/05(月) 02:03:16 ID:BuGTFEjU0
- >>210
纏われ、周囲に広がっていた光は、燃料が切れたバーナーのように最後に一二度、光を放ち、やがて消え去った。
「――――だ……っはあ!!」
息を切らし、その両腕を地に垂らす。
「あー……逃げた、か……」
もう動かせない、と言う代わりに力無く垂れ下がる二本の腕をぶら下げ。
「……あー……っくそ。ゼオラー!」
とりあえず、生きているかの確認の為に彼女の名を呼び、其方へと駆け寄ってみる。
>>211
「……わーグッロテスクー……」
滝のように吐く血を見て、ぼそっと呟く。
>>213
「……って」
今更気付く。ヒホロがシルクハットの少年と共に消え去った事に。
「……あー……。また逃げられた……」
ヒホロを見つけたとなれば、報告はしなければならない。
だが、それが取り逃がした報告となれば、あの女に何を言われるか分からない。
「……はは、はははは……」
それを考えると、憂鬱にもなるわけで。
- 216 :名も無き異能都市住民:2010/04/05(月) 02:13:58 ID:7hcwnxwgO
- >>215
女の居た位置には殻が転がっていた。
少年の最後の術に対して女が纏った殻。
肝心の中身はそこには居ない。
重く支配していた魔力の感覚も消え失せている事から、近くには居ない様だった。
- 217 :「Witch」:2010/04/05(月) 02:17:52 ID:QYyPcDfoO
- >>215
「うっせーぞ誰が護ってやったと思ってんだ」
ジト目
「……ああーあ……エリュトロン、ごめんね……帰ったら直すから……」
そして自分の箒がズタズタになっていることに気付き、
肩を落として帰っていった。
徒歩で。
- 218 :東雲紅夜 ◆uotUYGHVwM:2010/04/05(月) 02:28:07 ID:BuGTFEjU0
- >>216
「……」
何と無く、その殻を足蹴にしてみる。
踏んだり蹴ったりしてみて、そのうち中身が居ない事にやっと気付き
「……へえ」
辺りをきょろきょろと見回し、中身が近くにも居ない事を確認。
とりあえず、死体で転がってたりとかも無さそうなので、放っておいていいかと判断。
>>217
「やー、確かに助かったわ。サンキューな」
あはは、とジト目に対して軽い笑いを向けて。
「……エリュトロンって……。てか箒に話かけてたし……」
若干引き気味に笑って。
「……俺も帰るかな。色々来るとめんどいし……」
くるりと振り返り、動かない腕をそのままぷらりぷらりと揺れさせ、闇の中へと歩いていった。
- 219 :シノン=アルベル:2010/04/05(月) 23:08:10 ID:s.Ud7.4s0
- 【飛行船。廊下】
窓は空を映している。
見上げればうっすらと、影だけが見える位の高さ。
異能都市上空を今日も巡航中。
昨日の件、まだ治りきらない身体で、包帯を巻いた腹部に手を当てて。
もう片方の手をあごに充てて、唸っていた。
「……居るかい?」
それから暫く、扉をノックして少年を呼ぶ。
- 220 :ヒホロ=ゼルトマン ◆JBbLACK.JY:2010/04/05(月) 23:14:36 ID:WLwiniQ.0
- >>219
はぁーい、居ますよー。
【中から朗々と聞こえやすい声】
【それから、カチ、カチと金属が床を叩く音が二、三ドアを打ってから】
どうぞ。といっても私の船じゃないんだけど。
【扉を開き、顔を覗かせる】
【格好は相変わらずのスーツ。にっこり微笑んでいる】
- 221 :シノン=アルベル:2010/04/05(月) 23:24:16 ID:s.Ud7.4s0
- >>220
「お邪魔させてもらうよ」
苦しそうに腹部を抑え、必死に耐えて笑顔を作る。
壁まで歩いて行くと背に付けて、苦しそうに一度息を吐き、吸う。
「昨日は、ごめんよ」
- 222 :ヒホロ=ゼルトマン ◆JBbLACK.JY:2010/04/05(月) 23:36:06 ID:WLwiniQ.0
- >>221
【無言でシノンの肩に両手を置き、床に座らせようと少しだけ体重をかける】
僕は大丈夫だから。……座って。
【相手を見る限り明らかに具合が悪い】
【こんな状況の相手に心配させたくない。そう思って声量を潜め囁く】
- 223 :シノン=アルベル:2010/04/05(月) 23:45:07 ID:s.Ud7.4s0
- >>222
「ん、解った」
はぁ。と大きな息を吐き、床に座る。
「キミは……大丈夫だったかい?」
脚に視線を落とし、聞く。
- 224 :ヒホロ=ゼルトマン ◆JBbLACK.JY:2010/04/06(火) 00:01:49 ID:WLwiniQ.0
- >>223
だから僕も大丈……、あ。
【言葉を途中で切り、相手の目の先へ視線を落とす】
これの事……?
【シノンと目の高さを合わせるよう、己も地面に座り込み】
【胡坐をかいて、右足を上にしてズボンの右裾を捲り上げた】
大丈夫。痛かったけど今じゃ平気だから。
【流線形の金属がぎらり、と、睨むように光を反射している】
【灰色の硬い右足だ】
- 225 :シノン=アルベル:2010/04/06(火) 00:06:33 ID:s.Ud7.4s0
- >>224
「けがを、したのかい?」
悲しそうな瞳。
何かを考えるような仕草、そして首を振る。
「それは、いつから?」
- 226 :ヒホロ=ゼルトマン ◆JBbLACK.JY:2010/04/06(火) 00:19:23 ID:WLwiniQ.0
- >>225
いつだったかなぁ……1ヶ月前くらい前か。
【両手で足首を掴んでゆらゆら前後に揺れ始める】
で2週間リハビリして、今は普通に動けるよ?
ちょっとピリピリしたりはまだ残ってるけどね。
【足を切断して一ヶ月で、咄嗟にシノンの方向へ駆け出す……なんて】
【どんなに優れた義足でも、本人の意志の強さ無しではこうも早く回復はできないだろう】
【別段辛くなかった、と最後に付け足して笑った】
- 227 :シノン=アルベル:2010/04/06(火) 00:23:16 ID:s.Ud7.4s0
- >>226
「だったら、良いんだけど……」
口ではそういいつつも、その表情の変化は無い。
「キミは、強いね。
僕を助ける為だけに、あれだけの事をしてくれる」
脚を見て、微笑んで。
- 228 :ヒホロ=ゼルトマン ◆JBbLACK.JY:2010/04/06(火) 00:34:52 ID:WLwiniQ.0
- >>227
お父さんが言ってたから。紳士になれ、って……、……。
…でもさ。
【ふとニコニコ笑顔が真顔に戻り、動きをぴたりと止める】
……あのね、あの時、僕ね。
タバコを落としたんだ。君に向かって飛び込んだ時。
【自分の右手を見つめる。父の影を忘れぬため、常に持っていた父と同じタバコ】
【でも――友達を助ける。そのとき考えていたのは、『父親』ではなく――】
悲しい顔をしないで。
僕でよければ、君の力になるから。
【右手から目を逸らし、シノンの胸に右手を当てて真正面から顔を見る】
- 229 :シノン=アルベル:2010/04/06(火) 00:42:02 ID:s.Ud7.4s0
- >>228
「ああ、言いなおそう。
あの時のキミは凄く紳士だった」
解ったよ。そう言うと、大きくうなづき、笑顔になる。
「ありがとう。ところで、キミのお父さんってどんな人なの?」
聞いていいのか、少し考えはしたが。
- 230 :ヒホロ=ゼルトマン ◆JBbLACK.JY:2010/04/06(火) 00:51:16 ID:WLwiniQ.0
- >>229
僕の、お父さん?
……そうだなぁ……とにかく頭が良くて、優しいお父さんだったよ!
今でもお父さんの家に住んでるんだ。落ち着くし。
【父の話になるとなんだかやっぱり嬉しそうで】
医薬品の会社の社長さんだったんだ。
重要な研究の資料とか一杯家にあって、たまに眺めるんだけど全然分かんない。
【くすくすと口に手を当てて】
- 231 :シノン=アルベル:2010/04/06(火) 00:58:46 ID:s.Ud7.4s0
- >>230
「へぇー、凄い人なんだね
優しい人が、一番だよね」
相槌を二回、笑顔で打つ。
「ああ、そうだ。昨日は勝手にここまで連れてきてしまって……ごめん。これが言いたかったんだ、今日は」
こめかみ付近を二度叩く。
- 232 :ヒホロ=ゼルトマン ◆JBbLACK.JY:2010/04/06(火) 01:08:24 ID:WLwiniQ.0
- >>231
そうだよ!
研究してたのだって薬だけじゃないんだから。
異空間…転位…なんちゃらっていうのも研究してたみたい。
そしてやっぱり優しくてさー、えへへへ…。
【にこにこ、ていうかだらしない笑顔】
ん? ああ、別に全然! 気にしてないよ。
【首と手を同時にブンブン横に振る】
- 233 :シノン=アルベル:2010/04/06(火) 01:12:55 ID:s.Ud7.4s0
- >>232
「異空間、転位……?」
僅かに顔に影が差す。
瞳は鋭く。眉は寄る。
時折見せる、普通の少年ではない姿をじかに見せていた。
「ん、ああ。良かったよ」
しかし、それも直ぐに戻る。
- 234 :ヒホロ=ゼルトマン ◆JBbLACK.JY:2010/04/06(火) 01:16:55 ID:WLwiniQ.0
- >>233
【異空間転位】
【言葉を聞く限り、医学と何の接点も無いようだが…。】
うん。それより何であんな所で暴れてたのか……
大体想像は付くけど、ね……聞かせて。
【顔の陰った少年に身を乗り出して近づく】
- 235 :シノン=アルベル:2010/04/06(火) 01:24:12 ID:s.Ud7.4s0
- >>234
(不思議だね……。異空間転位、か)
確かに、それも引っ掛かる。
だが、少年個人として異空間転位には興味があった。
「構わないよ。と、いっても簡単なことさ」
「ただ、あの女を消したかっただけ」
- 236 :ヒホロ=ゼルトマン ◆JBbLACK.JY:2010/04/06(火) 01:29:04 ID:WLwiniQ.0
- >>235
そう……それも君の復讐なの?
【自然と小さくなった声】
【上体を後ろに戻し、腰のホルスターに手を伸ばしタバコを手に取る】
- 237 :シノン=アルベル:2010/04/06(火) 01:35:01 ID:s.Ud7.4s0
- >>236
「その手順に過ぎないよ」
「最終目標は、人類の入れ替え。だね」
語るその瞳は野望と復讐の心に忠実なまっすぐな瞳だった。
- 238 :ヒホロ=ゼルトマン ◆JBbLACK.JY:2010/04/06(火) 01:40:00 ID:WLwiniQ.0
- >>237
人類の……入れ替え?
【思わず首を傾げる】
人を入れ替えるの? どうやって?
- 239 :シノン=アルベル:2010/04/06(火) 01:45:35 ID:s.Ud7.4s0
- >>238
「そうだね……異空間転位。とでも言っておこうか」
僅かに滲んだ包帯を抑え、立ち上がる。
「昨日は助かったよ、ありがとう。それだけが言いたかったんだ」
やわらかな笑みを向け、部屋を後にした。
- 240 :ヒホロ=ゼルトマン ◆JBbLACK.JY:2010/04/06(火) 01:48:58 ID:WLwiniQ.0
- >>239
ふえ!?
【驚いて口をあんぐりと開ける】
【そのまま外へ出て行くシノンの後姿を首だけで追い】
………………凄い偶然もあるものだなぁ……。
【ぽつりと零して深く息を吐く】
- 241 :少女三号+六号:2010/04/08(木) 23:35:06 ID:yvUls86s0
- 「どーだよ三号。十七号の情報、見つけたか?」
「一応。良く行くかもしれない場所、教えてもらったわ」
「おー、いーじゃん。俺は収穫ナシだったからそこんとこよろしく」
「全くもう……。……でも」
「何だよ?」
虎少女、三号が少しだけ視線を下げる。
もう一人の少女六号が訝しげにそれを見た。
「……良い街なのに。壊さなくちゃ、だめなのかしら」
「しゃーねぇだろ……俺達は、『兵器』なんだから。壊すのが、仕事だ」
「そう、ね」
二人の少女の眼は悲しげに。それでも前を見て、進み始める。
- 242 :ガニュメートwith496号 ◆JBbLACK.JY:2010/04/09(金) 19:41:31 ID:jh2sIkqw0
- 【日も暮れ夜の街の中】
【白衣の青年が、黒いローブの男を連れ立って歩いている】
【白衣の方は背が小さく肌は水色、体の至る所に濃い青の△模様が浮かんでいる】
【ローブの男は片手に分厚い本を持ち、機械的に白衣の青年について歩く】
【二人は、街路の中央でピタリと足を止める】
「ヒャヒヒヒ……さあてココだ。さっさと準備しやがれ」
了解、プログラムマジカ ヲ 実行シマス。
【白衣の青年が後ろ手に手を振り去っていくのを合図に、男がローブを脱ぎ捨てる】
【現れたのは滑らかな藍の髪、上下は黒い半袖と長ズボン】
【そして顔は――精悍ながら、その半分が機械で覆われていた】
ナンバー496 コレヨリ 行動ヲ 開始シマス。
読ミ込ミ スクロールマジカ……完了
生体感知 火球=2 実行形式変換……完了
出力 エンター……
実行開始。
【男が唱えると、手元の本がぼうっと光を放ち】
【こぶし大の火球が二つ現れると、周囲の人々に襲いかかった!】
- 243 :ヴァイス:2010/04/09(金) 20:12:10 ID:yvUls86s0
- 「エンディングのサイドテールあずにゃんかわいいよおおおおおおおおおおおおおお!!!
あずにゃんにゃん!! あずにゃんにゃん!!! あずny」
何やら携帯で動画を見て喚いている青年一人。
ぼ、と音がしたからなんだろうと思ってふと視線を落とす、と。
「…………っぎゃあああああああああああああああああああ!!!
この前買ったばっかのスプリングコートがああああああああああああああああ!!!!」
二次元に萌えていたら服が燃えていた。だれうま。
- 244 :496号 ◆JBbLACK.JY:2010/04/09(金) 20:27:01 ID:jh2sIkqw0
- >>243
……能力者ト思シキ反応を発見。
【無表情でヴァイスの方を向く男】
【手を向けると、】
電撃、速度制限0、収束率30% 実行形式変換......
実行。
【本が光を放ち、手のひらから電撃が放たれる】
- 245 :ヴァイス:2010/04/09(金) 20:33:59 ID:yvUls86s0
- >>244
青い光が迸って、彼の背中に翼が展開される。
ばぢぃ、と音がして、翼が電撃を受け止めた。
白いそれは焼け焦げてぼろりと崩れ、炭の香りが辺りに広がった。
「……てめぇかよ……おい、このコートさぁ、先週末に買ったわけよ」
ゆっくりゆっくり振り向いて、燃えて無くなったコートの裾を見せつける。
顔は平坦な無表情、それにほんのりと殺意を滲ませる。
「どうしてくれんの?」
携帯をしまって、代わりに右手に握られたのは蒼い剣。
ゆらりゆらりと男に近づく。
- 246 :496号 ◆JBbLACK.JY:2010/04/09(金) 20:46:46 ID:jh2sIkqw0
- >>245
理解不能。
私ノプログラム内容ハ、1・能力者ノ細胞ノ収集
2・イレギュラー『シュティングネス』の破壊
ヨッテ 目標1ヲ 遂行スル。
【抑揚のないリズムでそれだけを告げ、バックステップ。再度手をかざす】
物質移動 操作 生体感知 対象A=1 サイズ3000、3000
変換.......実行。
ゴゴゴゴゴゴゴゴ…!
【突如、地面から岩がせり上がり、二人の間を埋める】
【岩は自ら砂を払うように身を捩り、そして……】
『ゴアアアアアアアア!!!』
【出来たのは巨大な岩石で出来た牛】
【二本の硬い角を向けて、ヴァイスに突進を仕掛けた】
- 247 :ヴァイス:2010/04/09(金) 20:52:09 ID:yvUls86s0
- >>246
「あ? お前機械なの? だからそんなにカタコトなの?」
めんどくせーなあええおい。ぐちぐち言いながらくるり、手の中で剣を回転。
逆手に持ちかえて、振りかぶり――
「……ぐッ」
岩の塊が突進してきた。それに対する彼の行動は、「無い」。
ぼぎぼぎん、と骨が折れる音が響く。
棒立ちのままその事実を受け止めて――
――蒼い剣を、男に向かって、投げた。
- 248 :496号 ◆JBbLACK.JY:2010/04/09(金) 21:01:51 ID:jh2sIkqw0
- >>247
なッ
ズガンッ!
【予想だにしない投擲に一瞬顔を引き攣らせる】
【一歩も動けず、投げられた剣は男の腿に深く突き刺さった】
ガッ…… クッグ…実行ヲ継続シマス……
【痛みは感じるようだ。動揺の収まらないまま、なんとか意識を保ち、猛牛に手を振りかざす】
【それに呼応してヴァイスに衝突した牛が、蹄で蹴りつけんと太い脚を振り下ろした!】
- 249 :ヴァイス:2010/04/09(金) 21:06:52 ID:yvUls86s0
- >>248
「……あー、機械ではねーんだ、な……げっふ」
血反吐を吐き捨てて、笑って見せる。
彼の能力、「剣を『一本だけ』『手元に』創造する」術を行使、
腿に突き刺した剣を消して手元に戻す、と同時に
「――――ッ」
剣を振り翳す。
牛の頭部、そこを狙って横薙ぎに。
- 250 :496号 ◆JBbLACK.JY:2010/04/09(金) 21:17:59 ID:jh2sIkqw0
- >>249
ザンッ
『ゴオオオオオオオオオオ!!!』
【牛は断末魔を上げて土塊に戻ろうとするが……】
プログラム変更 生体感知ヲ移動 座標2000、1000 再起動
【男が唱える。すると崩れかかった土がまた集結して】
『グゴォォォオオオオオンン!』
【頭のない胴体だけで咆哮し、再度突撃を行う】
グククク…! 私ノ魔法ハ 人間ノ軟弱ナ ソレトハ 違ウ……!
人体ノ処理ヲ 超越シタ処理速度ト、本ニ記シタ基礎公式デ 瞬間的ニ 魔法ヲ書キ換エル。
己ノ体スラ!
【本がまた淡い光を放って、脚の傷口を覆い始める】
再生 処置範囲X=200 Y=200 R=200 変換......実行
【光が徐々に傷口を塞いでいく】
- 251 :ヴァイス:2010/04/09(金) 21:25:45 ID:yvUls86s0
- >>250
「ち、ッ」
再度形をつくる土塊を見て舌打ち。
肘を後ろに引いて、突きの構え。
「なんかよく解んねーけどよお、」
ぐっと足に力を込める、蒼い光が灯ったかと思えば、焼けて無くなったはずの白い翼がばさりと羽ばたいた。
「再生力で俺に勝てると思ってんじゃねーぞ!」
地を蹴る、
同時に翼が空気を打ち付けて、低空飛行。
物凄い勢いで前へ進む。剣の切っ先は、頭の無い牛――その向こうの、男に向けたまま。
- 252 :496号 ◆JBbLACK.JY:2010/04/09(金) 21:36:50 ID:jh2sIkqw0
- >>251
コノ世界ノ人類ナド 無価値!
真ニ繁栄スベキ 異世界ノ人類ニ明ケ渡セ!
ソノ為ニ……
命令ヲ遂行!!
【完全に癒えた足、しっかり地を踏んで立ち上がり】
火球=20 エンター 実行形式変換......実行!
ボボボボボボボッ!
【大量の火球が飛来するヴァイスを焼き尽くさんと先を覆う!】
焼ケ死ネェエエエエエエエエ!
【光る本を片手に、狂ったように叫ぶ男】
- 253 :ヴァイス:2010/04/09(金) 21:45:31 ID:yvUls86s0
- >>252
「……価値が有るかどうかを決めんのは、」
彼は人間が好きだった。
何度踏み躙られようと立ち上がり空を睨んで雄叫びを上げる、
その愚かさと諦めの悪さが好きだった。
「お前じゃ、ぁ」
それを否定されると腹が立った。
自分のことではないのに。腹が立つ。だから、
「――――ねーんだよッ」
ばさっと音を立てて、翼が動く。
自分の前に、覆いかぶさるように展開。
脆い脆いバリケード、それを纏ったまま――蒼い光は、焔の壁に激突。
- 254 :496号 ◆JBbLACK.JY:2010/04/09(金) 21:53:53 ID:jh2sIkqw0
- >>253
ドゴォォォオオオン!!!
【蒼と朱の光がぶつかり合い、大爆発を起こす!】
グックックッ……焼失ノ可能性ガ 極メテ高い
能力者ノ細胞収集ハ 失敗カ……!
【半分機械の顔を醜悪に歪めて、爆発の煙の中へ踏み込んだ】
念ノタメダ…… 探索ヲ開始スル。僅カナ確率デ生キ残リ 潜ンデイヨウト
コノ本ガ有ル限リ 私ガ負ケル確率は ゼロ パーセントダ……。
【右手で数回本の表紙を叩き、ヴァイスの残骸を回収しようと目をこらす】
- 255 :ヴァイス:2010/04/09(金) 21:59:01 ID:yvUls86s0
- >>254
ちらちらと、白い羽根の残骸が降り注ぐ。
それは季節外れの間抜けな雪の様で滑稽だった。
「――――・――……――――――」
彼は爆発で吹き飛ばされ、少し離れた地面に横たわっていた。
翼だった者は根元の焦げ跡を残して消え失せていて、身体は満遍なく焼け爛れている。
- 256 :496号 ◆JBbLACK.JY:2010/04/09(金) 22:04:40 ID:jh2sIkqw0
- >>255
フン……残ッテイタカ。
【体を屈め、ヴァイスの髪の毛を一本掴む】
【それに力を込めて乱雑に引き抜き、焼けた体にはもう見向きもしない】
- 257 :ヴァイス:2010/04/09(金) 22:09:37 ID:yvUls86s0
- >>256
「…………いってぇえええええええぇぇえ、なぁああ?」
倒れた身体、腕がずるりと地を這って。
襤褸切れのような掌が、男の脚を掴もうと――動いた。
- 258 :496号 ◆JBbLACK.JY:2010/04/09(金) 22:15:39 ID:jh2sIkqw0
- >>257
【踵を返し、立ち去ろうと――】
……?
ヌゥッ!?
【己の技の自信か、盲信か――いとも簡単に脚を掴まれる】
バカナ……動ケル傷デハ……!?
【絶句し、ぎこちなく後ろを振り返る】
- 259 :Weiβ+Witch:2010/04/09(金) 22:22:30 ID:yvUls86s0
- >>258
「おぉいおい、俺が人間だったらおまえ殺人犯になってたぞぉお?
良かったねぇ、俺が幻想種で」
にぃぃいいぃぃいいいぃい、爛れた顔で笑う。
その傷は、徐々に徐々に再生が始まっている――
「やっと、俺の手の届く場所に、来てくれたなぁ。
まあ俺、動けねぇんだけど」
――――――とん、
軽い軽い着地音。それは、男の背後から響く。
「……まあムカつくんだけど、代わりに"ソイツ"がお仕置きして、くれるってよ」
其処に立つのは、魔女。
彼女は一言すらも言葉を零さず、無詠唱で素早く、鋭い鋭い魔術――光の矢を編んで、そちらへ飛ばした。
- 260 :496号 ◆JBbLACK.JY:2010/04/09(金) 22:35:30 ID:jh2sIkqw0
- >>259
キッッ、サマ゛……何ダ ソノ異常ナ……異常ナ……!!
【目の前で行われる、一生物の、自己のみによる再生】
有リ得ナイ……キサマラ ノヨウナ 劣悪種――
ガッッ!!
【ばつっ、と肉を裂き穿つ音】
【光の矢は見事に彼の中心――心臓の位置を貫いていた】
グゥウウウウッ…!! マ ダ……本サエ アレバ……
【苦悶の表情で声を振り絞ると、右手に持った本が光を放つ】
再 ……生……! 処置 範 囲……
【とぎれとぎれに詠唱を始めたが……簡単に止められるだろう】
- 261 :Weiβ+Witch:2010/04/09(金) 22:41:49 ID:yvUls86s0
- >>260
「何してるのよう、貴方」
けらけら。笑いながら、魔女は歩み寄る。
「いーい? ようく聞かせておいてあげるわ。
この子の手をもいで足を折り胴を貫いて首を砕き、
内臓を一つ一つ潰し骨を擂り潰して、血を浴びて髄を啜るのは」
右手に集まるのは、炎の魔法。
めらめらと燃えあがるそれを、
「このわたし、なんだよ?
誰にも邪魔はさせないわ」
光を放つ本に向けて、飛ばした。
- 262 :496号 ◆JBbLACK.JY:2010/04/09(金) 22:48:36 ID:jh2sIkqw0
- >>261
【ぼっ、と、軽い音を立てて】
【本はあっという間に炎に飲み込まれ、地面に落ちて黒い影となっていく】
ア……ア゛……!!
ガ ュメート……! キサ……マ………!!
【怒りの篭った言葉は最後まで語られること無く】
【燃える本の上に倒れ伏し、大量の血を流して本の主は絶命した】
【死体は死してすぐ青い光に包まれ、霧のように霧散した】
- 263 :Weiβ+Witch:2010/04/09(金) 22:53:23 ID:yvUls86s0
- >>262
「さよなら。二度と会いたくないわ」
手をひらひらして、その様子を見送った。
「……なーにやってんのよもう、幾らあなたでも死ぬところだったよ?」
「いや、うん……カッとなってやった……ていうか、あれ」
「なに?」
「……最初、もう一人、居たような」
以前倒れ伏したまま動けない青年に歩み寄って、しゃがみこんで話をする。
- 264 :ガニュメート ◆JBbLACK.JY:2010/04/09(金) 23:03:23 ID:jh2sIkqw0
- >>263
チッ、死にゃあがった。
【建物の影から白衣を着た男が現れる】
あーあーあ、残りは少ネーんだけどなァ?
しょうがねェかー。
【頭をボリボリ掻いてため息を吐く】
- 265 :Weiβ+Witch:2010/04/09(金) 23:06:07 ID:yvUls86s0
- >>264
「あ、こいつこいつ……オイコラどうしてくれんだ、コートどころか全身ボロボロだぞおい」
「お金は持ってそうに見えないよ?」
金と銀、それぞれ二つずつ・合わせて四つの眼がそちらを見やる。
- 266 :ガニュメート ◆JBbLACK.JY:2010/04/09(金) 23:10:19 ID:jh2sIkqw0
- >>265
えっ? あー……
……
俺がやったことじゃねぇし! 俺のツレだし!
なんだその目は文句あンのかゴルァアアア!!!
【中指ビッ!と立てて地面に唾を吐く】
ヒヒヒャヒャヒャヒャ! んじゃあーなァアアアア!!!
【そう言うと脚から鎌のような刃が飛び出し】
【ぴょんぴょんとビルの壁に引っ掛けてどこかへ走り去っていった】
//〆ですおつありさまー
- 267 :Weiβ+Witch:2010/04/09(金) 23:17:46 ID:yvUls86s0
- >>266
「逃げた」
「逃げたわ」
その様を呆然と見つめていた。
「なんだろーなあの白衣……あ、大家さん、白衣着てたよな」
「やだ親戚……? 大変そうねー。まあいいやさて帰ろ」
「おい俺動けねえよ引き摺れよ……」
翌日、ネット上に「大怪我人を引き摺る少女妖怪」という新たなオカルト伝説が生まれた――
//おつですー ありがとうございました
- 268 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/04/11(日) 21:47:58 ID:/k2gysHgO
- 天を衝く、と云うよりも最早天と地を結ぶが如く聳える千夜ビル本棟の最上階。
一面に液体硝子の張られた巨大な窓に浮かんだ月が、西側の壁一面に描かれた壁画に仄かな彩を差していた。
月を背景に机に向かって居た真紅の髪眼の女は、ふとペンを持つ手を留める。
「――――」
真紅の瞳が部屋の入口、重厚巨大な扉へと向けられた。女は静かに手を組み、何かを待つ。
- 269 : ◆uotUYGHVwM:2010/04/11(日) 21:50:40 ID:BuGTFEjU0
- >>268
蔡生なら気付くだろう。
扉の前に、人が一人立っている事に。
ゴン、ゴン、と扉をノックする音がした。
扉を叩く音としては、少々重過ぎる音。其れもその扉の巨大さを現していた。
- 270 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/04/11(日) 22:00:06 ID:/k2gysHgO
- >>269
「どうぞ」
凛然とした声が静寂に響き、次いで音も無く扉が開くと、部屋の中に灯りが点る。
微かな音を立てて部屋の主は執務の相好を崩す様に背凭れに背中を預け、入室者に視線を送る。
- 271 :東雲紅夜 ◆uotUYGHVwM:2010/04/11(日) 22:05:35 ID:BuGTFEjU0
- >>270
「ども」
軽く頭を下げ、その部屋へと足を踏み入れる。
「あー……何か、何度来ても此処の空気には慣れねえな。何か堅苦しいっつうかさ」
手に持つ書類をパタパタと扇がせ、苦笑を見せる。
「で、だ。今日は就職希望の奴の話だ」
カツリ、カツリと靴の音を響かせる。」
- 272 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/04/11(日) 22:15:15 ID:/k2gysHgO
- >>271
「そうかい?」
扉が閉じ、蔡生は不思議そうに小さく首を傾げた。生まれ育った場所が隠世の宮殿。
格式にも厳正な雰囲気にも慣れ親しんだ身は如何なる場所でも堅苦しさを感じない。
「ふむ、直接会いたい所だが……どんな人物かな。所属の希望等が有れば諸々決め易いのだが」
紅夜の顔を見ながら言うと、手でソファを示し座る様に促した。
- 273 :東雲紅夜 ◆uotUYGHVwM:2010/04/11(日) 22:22:11 ID:BuGTFEjU0
- >>272
「ああ。……なーんか、肩に力が入っちまう気がするわ」
軽く肩を回し、ぱきりと骨を鳴らす。
だが、流石に堂々と伸びまでする気は起こらず、軽く腕を伸ばすだけ。
「あー、それもそうだよな……。悪い、それはまた今度で頼む」
促されるままソファに座り込み、目の前の机に書類を広げる。
「便利屋ギルドShadow Runマスター、ノエル=フルーレス。
……名前を言えば大体分かって貰えるって言ってたけど、知り合いか?」
- 274 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/04/11(日) 22:31:40 ID:/k2gysHgO
- >>273
「緊張かな? ――ふふ、緊張感は楽しむ物だよ。楽しめる様になる為の鍛練と思えば調度良いじゃないか」
戯ける様に軽く笑った蔡生は、続く煉の言葉に思案の色を白皙の顔貌に浮かべる。
懐かしい名前。確かに旧知の人物だ。暫く会って居らず、先日彼がギルドを立ち上げたと云う話を耳にしたが、其れだけ。
「ああ、確かに知り合いだよ。然し――矢張り一度会って話した方が良さそうだね。
組織を立ち上げた者が別の組織に入り打者に従うと云うのは余り良い事とは言えない。恐らく何か考えが有るのだろうけれど、」
蔡生は瞑目した。真紅の瞳が瞼に隠れ、其れだけで部屋は彩りが微かに欠けた様にも見える。
「先ずは其処を聞かなければならないね」
- 275 :東雲紅夜 ◆uotUYGHVwM:2010/04/11(日) 22:38:28 ID:BuGTFEjU0
- >>274
「緊張……まあ、緊張と言えば緊張か。……コレを楽しむ、ねえ……」
難しそうだ、と息を吐きつつ呟いて肩を竦める。
そのまま腕を前で組み、書類へと目を落とす。
「……まあ、それもそうだよな。了解。……俺が気付かないせいで、手間かけるな。悪い」
そのまま視線を上げず、軽く頭を下げる。
「じゃ……,その話は伝えておくわ」
- 276 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/04/11(日) 22:47:44 ID:/k2gysHgO
- >>275
「何事も楽しめる様に為れば生にも張り合いが出る。試してみると善い」
瞑目した眼を開き軽く笑ってそう告げると、蔡生は否と首を振る。
「要は私への取り次ぎだろう。今回で決まるとは彼方も思っては居まい。頭を下げる必要は無いよ」
そうでは無いにしても一度会う必要が有るのは確かな事で、蔡生は一度頷くと言葉を続けた。
「ああ、宜しく頼むよ。時間は此方が都合しよう。彼に何時でも善いから時間が空いた日にでも来る様に言っておいてくれ」
- 277 :東雲紅夜 ◆uotUYGHVwM:2010/04/11(日) 22:52:38 ID:BuGTFEjU0
- >>276
「……まあ、試すだけなら」
続けるかは、また別の話。
頭を下げたまま蔡生の話を聞き、暫くしてから漸く顔を上げ。
「ん、そうか……」
それでもまだ、申し訳無さそうな表情を見せつつ、返答を返す。
「分かった。なるべく早く連絡しておく」
んじゃ、と呟き、書類を片付け始める。
- 278 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/04/11(日) 22:58:25 ID:/k2gysHgO
- >>277
「何、急がなくても善いさ。彼にも私にも時間は有り余っているからね」
再び瞑目した蔡生は楽しげに、或いは懐かしげに微かな笑みを浮かべた。
旧知の友を思い出す時の表情そのものの笑み。
「兎角、御苦労だったね。助かるよ。君のお陰で懐かしい友人に会えそうだ」
- 279 :東雲紅夜 ◆uotUYGHVwM:2010/04/11(日) 23:04:14 ID:BuGTFEjU0
- >>278
「……そうかい」
この男は、その笑顔を見ようとしなかった。
何故ならその懐かしげな微笑の中に自分が入る事は出来ないから。
「……なんて、な」
一人呟き、我ながら馬鹿な考えだ、と自嘲気味の苦笑を漏らす。
「どう致しまして……」
集めた書類をトントンと叩き、揃え、
「んじゃ」と言う一言と共に、扉へと向かう。
- 280 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/04/11(日) 23:07:21 ID:/k2gysHgO
- >>279
「ああ、御苦労様」
扉に向かう紅夜を見送り、其の背に言葉を掛ける。
「何か有れば、また頼むよ」
- 281 :東雲紅夜 ◆uotUYGHVwM:2010/04/11(日) 23:10:14 ID:BuGTFEjU0
- >>280
「ああ、分かった」
背を向けたままの返答。
そのまま扉に手をかけ、重い音を響かせながら扉を開く。
「……あ、そうだ」
と、そこで男は立ち止まり、手は扉にかけたまま振り返る。
「……なあ、アンタさ、俺が居なくなったら困るか?」
例えば、あの秘書女と戦って死んだりとかで。
- 282 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/04/11(日) 23:21:48 ID:/k2gysHgO
- >>281
「君の事を考えるなら全く困らないと言うべきなのだろうけれど」
罰を生に求める者の唯一の逃げ道は諦念の死か、或いは道の放棄のみ。
逃げ道を奪う様な言葉を吐くのは如何と思うが、と苦笑して女は続ける。
「済まないが、困るな。千夜が人手不足と云うのも有るが――
……其れ以上に、自分が名前を付けた者が死ぬのを善しとする莫迦は居ないだろう?」
- 283 :東雲紅夜 ◆uotUYGHVwM:2010/04/11(日) 23:30:57 ID:IDnKkU3kO
- >>282
「……別に困る事なんて無えよ。
今のところは、この道から逃げる気も死ぬ気も無えから」
まあ、誰かに殺されたりしたら別だけど。
笑いと共に付け加え、部屋の外へと振り返る。
「……そうかい」
蔡生に見せるのは背中。
だから、男が嬉しそうに笑っているのは見えないだろう。
だが、蔡生は何となくそれに気付く事が出来るだろう。
「……そりゃ良かった」
声が、分かりやす過ぎる程、嬉しそうだったから。
一歩前へと歩を進め、扉から手を離す。
「あ、そうそう」
扉が閉まる瞬間。
「いいラーメン屋見っけたんだ。今度、付き合ってくれな」
そんな事を言って、返答を待たずに、扉は閉められた。
- 284 :夜刀神蔡生 ◆SENYA1eKPk:2010/04/11(日) 23:38:07 ID:/k2gysHgO
- >>283
くす、と可笑しそうに好ましそうに楽しそうに笑った真紅の髪眼の女は、背凭れに深く躰を預けた。
人の去った部屋の灯りが落ちて行き、軈て月明かりのみが光源となった頃、部屋は元の静寂を取り戻した。
- 285 :メイプル・ビターキャラメル:2010/04/14(水) 23:17:36 ID:HnkBBDEo0
- 気に入らない。
気に入らない。
今の状況が気に入らない。
「……クソが」
コンクリートの壁に拳をぶつけるが、それだけで気が済むわけが無い。
「クソが……クソがクソがクソが!!」
いなくなったフェンリル。
やつれたイメル。
不甲斐ない。あまりにも不甲斐ない。
「何もできねぇ僕が……あまりにも不甲斐ねぇ!!」
ついに拳から血が出てきた。
どうやら砕けたらしく骨が出ているが、気にする必要は無い。
どうせ二日もすれば完治する。
「何を言った? 僕はアイツになんて言った?」
一度だけ、あの少女が自分に向かって弱音を吐いたことがあった。
いつも笑っている彼女が、弱音を吐いたのだ。
それに対して自分はなんて言ったか。
――嘘ってことにしちまえよ
「クソが!!」
ついに両の拳は砕け、辺りに血を撒き散らす。
それでも気が済むワケが無い。
「殺されちまえば良かったんだ……」
そう、さっき。
自分は斬られて死んでしまえば良かったのだ。
――嘘ってことにしちまえよ
無責任な言葉を吐いた。
何もわかっちゃいなかった。
ただそれらしいことを言えば、済むと思ってた。
わかっていたのに。
過去の不幸が今にどう影響するか、身を持って分かっていた筈なのに。
「結局僕は……」
他人事としか、思っていなかったのだ。
「クソがぁ……ぁぁぁああああ!!!」
頭を壁に叩きつける。
そうしないと、心すら保てそうになかった。
- 286 :黒本:2010/04/14(水) 23:30:36 ID:XhJEinvU0
- >>285
「るっせェなァ。悔いる前にすべきことがあんだろ。何のことかは知らないが」
こつり、こつりと靴音鳴らし、現れるのは黒外套の男。
ダルそうな表情を浮かべながら、ゆっくりと、近づいてくる。
中身)絡んで大丈夫でしょうかい?
- 287 :メイプル・ビターキャラメル:2010/04/14(水) 23:34:23 ID:HnkBBDEo0
- >>286
「ああ?」
額から血を流しながら少年は男を睨む。
「てめぇには関係ねぇよ。
ただのクソガキが自分の黒歴史を思い出してギャーギャー騒いでるだけだ。
気にすんな」
壊れた両手を肩からダランと垂らし、ゆっくりと立ち上がる。
「つーか、誰だよてめぇ」
- 288 :黒本:2010/04/14(水) 23:44:29 ID:XhJEinvU0
- >>287
「気にすんな、つってもなァ。んな血濡れでいたら、気になっちまうぜ?
少なくとも俺は、な。
誰、なァ。んなもん、『見る側』によって変わるもんだ。
ま、大抵のヤツは『悪魔』と呼ぶだろうな。勿論、ソレに喩えてるだけでホンモノじゃあないが」
- 289 :メイプル・ビターキャラメル:2010/04/14(水) 23:50:33 ID:HnkBBDEo0
- >>288
「悪魔ァ? おいおい、いきなり面白い単語が出てきたな」
額から口元まで垂れてきた血をペロリと舐め、メイプルは相手を睨む。
「だったらなんだ? 契約すれば願いでも聞いてくれんのか?
魂でも与えれば力でもくれんのか?
ハッ、馬鹿げてやがる」
自暴自棄になっているとはいえ、初対面の相手に酷い言い様である。
- 290 :黒本:2010/04/14(水) 23:58:11 ID:XhJEinvU0
- >>289
「御名答、とでも言うべきか。
そうだな、魂一つ犠牲にすりゃ都市一つ消し飛ばせるぐらいの力は手に入るだろうなァ」
真顔で返答する黒外套の男。
それにしても、気配だとか、存在感だと言うべきものが『異常なまでに薄い』。
まるで其処に居るはずなのに、何処にも居ないような――
「ネガイゴト、聞いてやらんでもない。但し、相応の対価は貰うがな」
- 291 :メイプル・ビターキャラメル:2010/04/15(木) 00:02:31 ID:HnkBBDEo0
- >>290
「…………ハッ、いいぜ、乗ってやる」
ドクン、と少年の身体が鼓動する。
茶色い赤毛に頭から生えた角。
少々横に長い瞳を見るに、メイプルがただの人間で無いことは、黒本も分かっているだろう。
「対価は何でもいい。
俺に……力をくれ」
力を。
全てを壊す力を。
「対価は……そうだな、『心』なんてどうだ?
どうせズタボロの廃れた心だ。
いい加減僕も、捨てちまいたくてな」
- 292 :黒本:2010/04/15(木) 00:10:57 ID:XhJEinvU0
- >>291
「ハッ、正気か? 後悔はしないか? 『失う前にやるべきこと』はないか?
まァ、いいさ。お前がソレを望むなら、俺は答えるだけだ」
哂う男の片手に、黒き本。
静かに、黒本は開かれる。
「最後に問おう。
――お前、知り合いの泣き顔を見るのは好きか?」
- 293 :メイプル・ビターキャラメル:2010/04/15(木) 00:17:32 ID:HnkBBDEo0
- >>292
「知り合いがどーなろうと知ったこっちゃねーよ。
ただ僕は……」
少しの沈黙。
目が泳ぐ。
が、やがて決意したように、また黒本の吸い込まれてしまいそうな瞳を睨む。
「ただ僕は、泣かせる為じゃなく、
もう泣かせない為に力を手に入れたいんだ」
その道がどんなに酷く歪んで捩れて醜くあろうと、少年は進むことを選んだ。
- 294 :黒本:2010/04/15(木) 00:30:20 ID:XhJEinvU0
- >>293
「ソレがお前の『本当の願い』だな?」
男は哂う。そして、微笑(わらう)う。
「いいだろう、さァ――契約を始めようか!」
ド ン !
風が渦巻き、黒本のページが捲れていく。
メイプルを中心に魔法円が浮かび上がり、光が闇夜を切り裂いていく。
「命ず命ず命ず! 『歪魔術師』シルヴェストル・エルランジェのの名の下に、彼の者に力を与えよ!」
- 295 :メイプル・ビターキャラメル:2010/04/15(木) 00:35:32 ID:HnkBBDEo0
- >>294
「…………ッ」
吹き出ていた血が飛沫となり夜空に舞い上がる。
血液が逆流する感覚。
脳はグルグルと周り、心臓は何者かに掴まれたように一気に収縮。
毛穴という毛穴が立ち上がり、冷たい汗がダラダラと流れ落ちる。
それと同時に、身体の奥底で何か、
何か、開いたような、感覚が、
最後、
なかなか思い出せない、どこか、遠くの、風景を、思い出したような、気がして、
メイプルは意識を手放した。
- 296 :黒本:2010/04/15(木) 00:51:01 ID:XhJEinvU0
- >>295
「……後悔はするなよ」
パチンッ、と一つ指を鳴らせば、魔法円が描かれ、転送。
送り先はメイプルの自宅。目を覚まして真っ先に見るのは、見慣れた風景だろうか。
『黒き本(けいやくのあかし)』を除けば、だが。
- 297 :灰色と黒 ◆6xc12amlNk:2010/04/15(木) 23:42:56 ID:.6prKP66O
- 【真っ暗な空間、そこは入る事も出る事も簡単に行う事が出来る闇の空間】
【そこに在る白と黒】
「……性懲りもなくまた来たか……」
『実に愉快だ、そろそろ貴様……時間切れだろ?』
【白の言葉を嘲笑うように黒は言う、“時間切れ”と】
「……随分と悪い事してくれたようだな?」
『何を言うかと思えば……これはお前の本質なんだよ
愛だの魔法だの語るお前は偽物……私が本当のお前さ……』
【お互い接近しながら言葉を交わしていく……方や瑠璃色、方や深紅と瑠璃のオッドアイ】
「わかるかい?お前が私を殺す事は出来ない」
『知っている、お前は私を殺す事が出来る……理論上な?』
【飛ぶ不気味な色の剣、虹色の剣】
「私も忙しいんだ、安らぎと癒しを味わう暇も欲しいな……」
【虹色の刄が黒に向かう】
『おぉっと……こいつに攻撃は出来ないだろ?』
【黒が作り出す幻影……上弦の大切にする子供達……】
「……」
『愛?下らないな……面倒だな……そんな物……そんな物があるからお前は私を殺せない……お前は報われない……』
【剣が止まる……白はただ子供達の幻影を見ている】
「……あぁ、そうだな……そうだ……」
【白は幻影に歩み寄り……躊躇い無くそれを砕く】
『……!?』
【普段の彼から信じられない行動……どうやら……黒も悟った……時間切れ……】
『お前……誰だ?』
【笑みと焦りの混じった表情を浮かべる黒】
「誰?……君はよく知っているだろ?」
【次々と子供達の幻影を砕いていく白……そして黒の予想は今確信となる】
「テオフラトゥス・フィリップス・アウレオルス・ボンバストゥス・フォン・ホーエンハイム……長い名前だ……しかし……自分の真名を忘れないだろ?」
【白は自分の真名を語り、黒を見つめる】
『賢者の石……か……いいぞ、来るがいい!……パラケルスス……上弦……貴様を……』
「偉そうにしていられるのも今の内だ愚図が……人と同じ面で好きかってやりやがってよ……今その面ぶん殴って消し飛ばしてやるぜぇ?上弦……パラケルスス?お前を……」
【白と黒、お互いの額が触れるくらいに近付き、相手の瞳を射抜き合う】
「『殺すっ!!』」
【二つの剣が交差する……】
- 298 :箱庭トーナメント:2010/04/17(土) 21:00:33 ID:/k2gysHgO
- //2レス有ります
無数のフィールドを内包する仮想空間・イデアの箱庭に特殊なフィールドが追加されていた。
その名前は、闘祭2010特設スタジアム。
――――イデアの箱庭、特設スタジアム。
スタジアムというよりはコロシアムのような構造をしたその広いフィールド。
観客席にはびっしりと人が入っており、日の下に晒された彼らの顔は様に何かを待ち構えるように期待と興奮とを湛えている。
ふいに、夜になった。
照明を落とすのではなく昼を夜にするという箱庭ならではの演出に観客が歓声混じりにざわめき、期待の念を膨らませる。
まだか。今か。まだ始まらないのか。今始まるのか。
観客は瞬きも出来ないと言った様子でコロシアムの中央に視線を投げる。ざわめきは徐々に小さくなっていく。
『イデアの箱庭を愛好する紳士、淑女の皆様方――……』
夜天に煌めく星と月が光量を上げた。それらはスポットライト宛らにスタジアムの中央に注がれる。
暗闇にその姿を浮かび上がらせたのは、イクを持った蝶ネクタイの紳士。
『大変、大変長らくお待たせ致しました。我々の疑問が間もなく雪融けの季節を迎えようとしています。
……私含めここにお集まりの皆様は、箱庭のログを見ながらこう思った事がある筈です。
“あの魔術師とあの異能者では異能者の方が勝った。ならばあの異能者と、あの人外ではどっちが強い?”
そして、“最も強いのは誰なんだ”――と』
蝶ネクタイの紳士は観客席をぐるりと眺める。一人一人の顔を確かめ、同意を確認するように。
『その永きに渡る疑問の答えがまさに――今ッ! 出ようとしているのです! 異能都市に名だたる16人の偉大な戦士達によって!
ではその戦士達を紹介しましょう! 皆様、拍手でお迎え下さい』
紳士が手を挙げると、参加者控え室とスタジアムを繋ぐゲートが開く。
『全選手――……』
- 299 :箱庭トーナメント:2010/04/17(土) 21:03:01 ID:/k2gysHgO
-
『――入場!!』
『赤マフラーが翻る!! 幾多の死線を突破しドリル男がやって来た!!!
全員まとめてブッ血斬る!! 甲だァ――――!!!』
『一ヶ月一万円生活術はすでに俺が完成している!!
文無しアルバイター朝宮暁だァ――――!!!』
『私はいつでも藜さんと一緒だ!!
神羽家代表 神羽朱華だァッ!!!』
『ダークな戦闘なら私の技がものを言う!!
死界の人形 ゼオラ・アドヴァルト!!!』
『歴史の強さを知らしめたい!! 辣腕都市警備主任 黒沢小百合だァ!!!』
『赤字にならない程度だがドーピングなら私に任せろ!!
アパート借りたい。 ……ウリューだ!!!』
『ロリコン対策は完璧だ!! 大喰らい包帯幼女 ディス!!!!』
『異能都市のベスト・シュートは私の中にある!!
祓魔師兼務のコンビニ店員が来たッ アンジェリーク・サン=ローラン!!!』
『防御の硬さなら絶対に敗けん!!
文字通りの鉄壁を見せたる 千夜グループ外部エージェント 黒金鋼だ!!!』
『メイドと言えばこいつが怖い!!
仮面のメイドヒーロー “masked romance”だ!!!』
『研究所から改造人間が上陸だ!! 光速の男 沢桐創!!!』
『お父様と既成事実が作りたいから力をつけたのだ!!
ファザコンの技を見せてやる!! アウテリート・F・クラーリオ!!!』
『九割人間に一割吸血鬼とはよく言ったもの!!
業火と魔剣が今 箱庭でバクハツする!! 黎明騎士団 水無月煉だ―――!!!』
『はぐれメタルこそが地上最強の代名詞だ!!
まさか便利屋ギルドの長がきてくれるとはッッ ノエル=フルーレス!!!』
『息子に良いトコ見せたいからここまできたッ 仕事はどうしたのか一切不明!!!!
異能都市のタクシードライバー 頼羽無為だ!!!』
『オレはロリコン最強ではない異能都市で最強なのだ!!
御存知戦う店長 銃寺森クロス!!!』
『――――以上! 16名!』
入場した選手たちに観客席から万雷の拍手と絶叫に似た歓声が降り注ぐ。
蝶ネクタイの紳士は一度言葉を切り、歓声と拍手が鳴り止むの笑みを浮かべて待つ。
- 300 :酒呑屋 虎姫in観客席 ◆JBbLACK.JY:2010/04/17(土) 21:09:27 ID:FueKel320
- イェー! わー! 拍手ー!
【観客席から転げ落ちそうなくらい身を乗り出して拍手してる人】
【一旦落ち着いて深く腰掛け、にやりと口を歪め微笑む】
単純に気になるよね……誰が強いか。
僕は観客側でのんびり見せてもらうぜ。
- 301 :甲/赤色マフラー:2010/04/17(土) 21:11:56 ID:xUE7eHj.0
- 「――…おぉ…!?…物好き多過ぎじゃね…?…剣呑剣呑…だが…まぁ、うん」
観客のボルテージはまさに最高潮
口元がにやけてくるのをきつく結んで
「ブッ―――血ッ――KIIIIIILLッッ!!!!!!!!」
うぉおおりゃああ、と気合い一閃
ステージ中央で腕をぐるんと回して歓声に応えた
「へへ」
鼻を指先で弾いて、その場に並んだ
- 302 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/04/17(土) 21:11:57 ID:WVrfsEdY0
- 「う〜…いっぱいひといるの…」
【何となく入場したディスは観客の多さに一瞬面食らっていた…】
「えっと…これでかったらおかねいっぱいもらえるんだよねなの…」
- 303 :神羽朱華+藜:2010/04/17(土) 21:14:14 ID:yvUls86s0
- 「うおっしゃー全員消し炭にしてや……
おいこら誰だ今『あいつ誰』っつったの! 出てこいや!」
観客に向って怒鳴る少女とおとも一匹。
- 304 :ノエル=フルーレス/はぐれメタル:2010/04/17(土) 21:16:24 ID:R0.iNy.I0
- 【ステージ中央。より少し外れたところに】
ごぽごぽごぽ……
「呼ばれたなら…応えねばなるまい…」
【大地から煮え滾った水銀が湧きでるかの様に】
【銀色の液体が湧き立つ】
「ノエル=フルーレス 推参」
【はぐれメタルが、現れた】
- 305 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/04/17(土) 21:17:12 ID:.6prKP66O
- 「お父様!お父様はどこ!?」
【キョロキョロ観客席を見回しながら選手もチラリと見る】
「いや、でも私が優勝なんて決まっていますもの可愛いは正義ですわ!!」
【観客席に対して手を振り、自信満々と優雅な笑みを浮かべる】
- 306 :黒金鋼/雇われ警備員 ◆FA/Bw.T3QU:2010/04/17(土) 21:17:49 ID:hedfrAak0
- 「うっはー……凄ぇなおい。いや、マジで凄ぇ」
凄ぇ凄ぇ言いながら、確りとした足取りで入場する。
(“強い奴”として名を上げられんなら……
……そいつぁ望ましいわな)
いぇー、と観客席を見渡しながら手を振る。
- 307 :ウリュー:2010/04/17(土) 21:19:03 ID:PBnIervYO
- 「アパートメント!定住所!頑張りますんですー」
観客に手をふりふり、白い薄手のワンピースを着た少女が張り切っている。
いつも身につけている指輪とポーチは外しているようだ。
- 308 :頼羽無為:2010/04/17(土) 21:25:43 ID:fP94A.NgO
- 「…ここまで大規模な大会だったとは」
予想外の観客の賑わいに多少驚きながらも、いつも通り気怠そうに歩を進めるくたびれたスーツの男。
「まあいい、こうなれば存分に宣伝に使わせてもらおうか」
歓声に答えるように、軽く手を挙げる。
視線の先にはもちろん最愛の息子。
親子は目を合わせると、お互いにサムズアップした。
「…ルート、親指が下向いてるぞ。間違えてる間違えてる」
- 309 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/04/17(土) 21:35:02 ID:PMt0ERXQ0
- 白い羽根と翼の音を辺りに散らしながら彼女は現れて、
たん、といつもと変わらない編み上げブーツでステージに着地した。
片手に、これもまたいつもの白い刀。
狐を模した御面もいつもと同じ。
その奥の顔だけは、普段と違って青ざめているけれど。
背筋を伸ばし、彼女は立つ。
「絶対、勝ちます」
- 310 :甲/赤色マフラー:2010/04/17(土) 21:35:07 ID:xUE7eHj.0
- 多大な歓声がBGMに聞こえ始めた頃
「成る程…愉快な面子だこりゃ…」
異彩を放つラインナップ、さすが異能都市と言わざるを得ない
聞き慣れた名前もちらほら
「………へぇ、アイツも出るのか」
腕を組み、機を待つ
腕組みの指がトントンリズムを刻むのは、きっとワクワクを抑えきれない証拠
- 311 :箱庭トーナメント:2010/04/17(土) 21:39:50 ID:/k2gysHgO
- >>300
甲の言葉に怒声にも似た歓声が続いた。地を揺るがすようなそれは最早轟音で、言葉とは言えない。
しかし、異様な熱気を伝えるには言葉よりもこの轟音が相応しい。
轟音を奏でる者達の中には甲が数度お世話になった千夜ビルの警備員達や、鉄壁の受付嬢の姿も見られた。
彼らは皆一様に赤いマフラーやストールを巻いた拳を天に突き上げ、甲の名前を絶叫する。
>>302
一部に「でぃす」と描かれた垂れ幕を掲げ、声援を投げ掛ける一団が居た。
深夜徘徊を繰り返すディスを良く知る者――千夜グループの都市警備員の一団だ。
>>303
小夜ちゃんはどうしたー! 鏡子ちゃんはどうしたー!
等と笑い混じりの怒声が響く中、朱華に真面目な声援を投げ掛ける者達もちらほら見受けられる。
何度か顔を合わせた者達なのだろうか。リグヌの社員のようだ。
>>304
はっぐっれっ・めったっる!
手拍子と共にノエルに歓声が降り注ぐ。ギルドにお世話になった者やギルドの従業員達。
決して少なくない数の人間が、皆一様にはぐれメタルと連呼していた。
>>305
進め! 風雲爆裂娘! と描かれた横断幕を掲げる一団がいた。
どうやらアウテリートの父である上弦の教え子たちであるらしい。
彼らはアウテリートに手を振り返す。ぶんぶんと。
>>306
黒金に声援を投げ掛ける一団があった。しかし黒金は彼らを知らないだろう。
彼らの掲げる横断幕にはこう描かれている。
“打ち克て! 外部エージェント代表!”
いつの間にか代表になっていたらしい。
>>307
ウリューに手を振り、横断幕を掲げる一団も居た。
“頑張れウリュー! ホームレスの希望の星!”
様々な理由で住居を持たない者たちが、鳴り物やらなんやらを鳴らしながら歓声をうちおろす。
>>308
ルートから程近い位置に“真面目に働け! 元室長!”と描かれた横断幕を掲げる者達がいた。
千夜グループ兵器開発部門の元部下達と、都市地図作成に携わった機動隊の一団だった。
頑張れと応援する者はいない。なぜか皆、働けと叫んでいた。
>>309
“masked romance!”と描かれた純白の横断幕が掲げられた。掲げる者は皆狐の面をつけ、思い思いに自分たちのヒーローの名前を叫ぶ。
仮面は彼らの身分を隠しはしない。ヒーローに声援を送るのは、いつの世もヒーローに助けられた者達だからだ。
拍手と歓声が一応の収まりを見せたのを確認し、蝶ネクタイの紳士は再びマイクを口許に寄せた。
『選手入場に続きまして、賞金とルールの説明をさせて頂きます。賞金は優勝者に300万円、準優勝者に100万円が渡されます。
ルールは基本的に何でも有りですが――フィールドに関して注意点が有ります。戦場となるフィールドですが、大会側で指定する事は有りません。
基本的にはこのスタジアムでの対戦となりますが、対戦者サイドが自由にフィールドを決める事も可能です』
唐突にコロシアムの上空に巨大なモニターが現れ、箱庭のさまざまなフィールドを表示していく。
それを観客と選手に示すように手を挙げ、蝶ネクタイの紳士は言葉を続ける。
『対戦者両名の同意が必要ですが、市街地で、森林で、草原で。――箱庭内ならばありとあらゆる場所での試合が認められます』
――宜しいですね? と蝶ネクタイの紳士が参加者一同に問い掛ける。
- 312 :神羽朱華+藜:2010/04/17(土) 21:45:31 ID:yvUls86s0
- >>309
「…………ネイディ、よねぇ、あれ」
んー? と唸りながら、首をかくんと傾けた。
>>311
「うっせーぞ阿弥陀神のお告げによる出場者決定に則ってあたしが選ばれたのよ!!
応援ありがとー、優勝したら社長に給料上げさせてやるんだから!」
そんなやくそく してません。
「……オーケイ。何処でだって、藜がいれば戦えるわ」
司会者に頷いて見せる。
- 313 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/04/17(土) 21:47:26 ID:WVrfsEdY0
- >>311
「あう〜…なんだかはずかしいの」
【垂れ幕を見つめて顔を赤くする】
「えっと、がんばるの〜」
【その一団に向けては軽く手を振った】
【で、ルールを一通り聞いたディスは】
「う〜ん…えっと…そっかなの!
ここのなかならどこでたたかっても…あう〜…」
【軽く頭を抱えている…】
- 314 :ウリュー:2010/04/17(土) 21:48:50 ID:PBnIervYO
- (此処で闘うのかな?箱庭だから今の形に意味が有るかはわからないけど…)
地面の具合、壁の固さをそれとなく調べる。
(障害物無いなぁ…逃げにくそうだ)
>>310
「おお甲さん。お、お手柔らかにー」
たははと苦笑しつつ挨拶
>>311
「あ、皆さん!……頑張りますよー!勝てたら奢りますともー!」
橋の下とかスラム街の路地とかマンホールの中とかで知り合った皆の応援に心が沸き立つ。
「双方の合意が無い場合はこのフィールドで、という事ですか」
- 315 :黒金鋼/外部エージェント代表 ◆FA/Bw.T3QU:2010/04/17(土) 21:49:28 ID:hedfrAak0
- >>311
「えっなにあれこわい」
ピタリと動きを止め、外部エージェントの一団を眺める。
「……代表、か。悪くねぇ響きだ」
にいっ、と口角を上げて笑い。
「俺に任せろぉおお!!」
さらに大きく手を振って、声援に答えた。或いは、応えた。
「300万、だと……!」
桁間違ってねぇか、なんてぼやく。
「成程、双方の同意があればどこでも闘(バト)って良い訳か――了解、了解」
楽しそうに笑みを浮かべながら、頷いた。
- 316 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/04/17(土) 21:51:51 ID:.6prKP66O
- >>313
「オーッホッホッホッホッホ!!さすが私!
生徒達に慕われていますわ!」
【生徒達に答えるのもそこそこに、アウテリートは紳士の問いに答える】
「問題ありませんわ!私は完璧なレディですわ!」
- 317 :甲/赤色マフラー:2010/04/17(土) 21:52:23 ID:xUE7eHj.0
- >>311
「ふ…ツンデレどもめ…!」
一本指を天に向け
「てっぺん―――獲って来たるかんなぁああああ!!」
心の汗を拭い、行け!甲!!
「深海、とか宇宙空間とか指定されない限りはどこだって良いけど」
ま、そんな事は無いか…と思いつつ
でも
あれ?
入場選手の中にどこかで見た事が在る"はぐれメタル"が居たような気がする
あと、ロボを駆使するマッドサイエンスバナナヤロウも居たような気がする
……まさか、指定しては…来ないだろうな
>>314
「よう雨竜…お前のクスリのおかげで参加出来る範囲にゃ収まった」
全力を使用可能な時間が劇的に延びていた
クク、と楽しそうに笑い
「お礼に、全力見せてやるぜい」
サムズアップ
- 318 :ノエル=フルーレス/はぐれメタル:2010/04/17(土) 21:54:17 ID:R0.iNy.I0
- >>311
【声援を送る人々の方を見て】
「おお、まさか見に来るとはねぇ」
「個人の依頼を受付けててよかったかな」
【説明を始めた司会者の方を向き】
「……宇宙とか恒星内部とか……ダメだよね……」
【ボソリとつぶやく】
- 319 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/04/17(土) 21:57:22 ID:PMt0ERXQ0
- >>311
「………………構いません」
横断幕を見て、胸が少し熱くなる。
理由は自分じゃいまいちわからない。
でも、悪い気はしなくて。
御面の奥、隠れているからと調子に乗って、にこり。彼女は笑った。
- 320 :ウリュー:2010/04/17(土) 21:58:36 ID:PBnIervYO
- >>317
「うあーん!ありがとうございますー!」
泣けばいいんだか笑えばいいんだか、とりあえずサムズアップで返します。
「あ、調整終わったヤツ(薬)出来ましたよ。交番の机に置いときました」
今までと同じように毎食後に希釈して、と説明を続ける。
- 321 :頼羽無為:2010/04/17(土) 22:12:15 ID:fP94A.NgO
- >>311
「横断幕まで持って来て言うことか…」
元部下達の熱い(?)ラヴコール(?)に苦笑いしながらも、そちらのほうにしっかりと――
「誰が働くかよ元部下共!!」
中指を立てて答える。ズビシッ。
「ほう…フィールド指定有りか」
ふむ、と顎に手を当てボソリと呟く
「…月面とかいいな」
- 322 :箱庭トーナメント:2010/04/17(土) 22:14:28 ID:/k2gysHgO
- 歓声(一部罵声)とパフォーマンス(一部悪態)のコール&レスポンスの間にも式は進行していく。
「えー……重ねて言いますが、フィールドの指定には両者の合意が必要です」
一部に不穏な気配を感じ取った蝶ネクタイの紳士は口許からマイクを離し、選手にだけ聞こえるように言葉を紡いだ。
『……では』
マイクを外したままで咳払いをひとつ。蝶ネクタイの紳士は再び観客選手全てに向けて話し掛ける。
『――皆様御待ちかね、トーナメント表の発表に移りたいと思いますッ!』
マイクに向けて怒鳴り付けるように蝶ネクタイの紳士が言う。瞬間、地響きに似た歓声が再燃する。
コロシアム上空に現れ、箱庭内の様々なフィールドを次々に写し出していた巨大なモニターが暗転し、音楽が流れ始めた。
歓声が一瞬で停止した。観客達は一斉にモニターに向けて祈るように天を仰ぎ、
そしてトーナメント表が――――
- 323 :【モニター】:2010/04/17(土) 22:18:47 ID:/swYJOP20
- さあ━━━━対戦カードは、こちらだッ!!!
PC用:http://bit.ly/buEsGU
(携帯用:http://bit.ly/8XSsz4)
(動画はパケ代が痛いよ派の人用:http://jbbs.m.livedoor.jp/b/i.cgi/otaku/12841/1269957755/121)
- 324 :甲/赤色マフラー:2010/04/17(土) 22:22:48 ID:xUE7eHj.0
- >>318>>321
――ゾクリ
あ、嫌な予感
>>320
「おぉ…遂に…恩に着るぜ…!」
正直、副作用が半端無いけれど
効果はテキメンの雨竜印薬品…これで本格復調まであと一歩だ…!
>>322>>323
「演出すげー………あぁん?」
モニターに映される自分の名前…その、隣には
「へぇ―――水無月か」
- 325 :神羽朱華+藜:2010/04/17(土) 22:23:59 ID:yvUls86s0
- >>323
「あんじぇりーく」
自分と戦うことになった人間の名を反芻。
噛んで噛んで噛んで、呑み干した。
「……知らない人だけど、どーでもいいわ。
消し炭にしてあげる、ねっ藜!」
静かな闘志の炎を燃やし、にぃっと笑った。
- 326 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/04/17(土) 22:24:25 ID:WVrfsEdY0
- >>322-323
「あう〜…『でぃす』のなまえのとなりのが
たたかうひとなのかなの」
【不思議そうな眼でディスは言う】
「…う〜ん…よめないの…
だれなのかなの…」
【その場であたりを見回すディス…】
- 327 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/04/17(土) 22:27:10 ID:.6prKP66O
- >>322>>323
「あらあら?出てきましたわね……相手は……ウリュー……?可愛い名前ですわね……」
【出た結果にワクワクどきどきしながら周りを見回す】
- 328 :黒金鋼/外部エージェント代表 ◆FA/Bw.T3QU:2010/04/17(土) 22:27:43 ID:hedfrAak0
- >>323
「おぉ、すっげぇ。ハイテクだな箱庭」
と、感嘆の声を上げる。
「……まぁ、予想は出来てたが」
ことごとく初対面の人物と拳を交える事になった。
「闘いの中で生まれる知人関係もあるだろ。いや、ある」
自分に言い聞かせるようにして、うんうんと頷く。
- 329 :ノエル=フルーレス/はぐれメタル:2010/04/17(土) 22:29:34 ID:R0.iNy.I0
- >>323
「黒金鋼……噂は聞いてる……」
【対戦表を見た瞬間、顔から表情が消え、人の形をとる】
【直接の関係は無くとも、聞こえてくるほどの武勇】
>>324
(…ちっ…)
【司会者の念押しを聞いてこころの中で舌打ち】
- 330 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/04/17(土) 22:31:32 ID:PMt0ERXQ0
- >>323
トーナメント表のいっちゃん左、若しくは上にあった自分の名前を見て、僅かに背を丸めた。
「…………沢桐創、さん」
誰だろう。
会ったこと、あったっけ。
脳に問いかけるも、記憶は曖昧。
「……ここにいるんでしょうか」
- 331 :頼羽無為:2010/04/17(土) 22:34:07 ID:fP94A.NgO
- >>322
「ち、同意が必要か…まあ成層圏あたりで妥協しよう」
本当に妥協しているのかはわからない
>>323
「ディスか…今回は俺がヒールってとこだな」
>>326ディスの方を見ながらひとりごちる。
「クク、まあ…それも悪くない」
- 332 :ウリュー:2010/04/17(土) 22:37:02 ID:PBnIervYO
- >>323>>327
「アウテリートさん、ですかー。……闘いやすい人だと良いなあ」
きょろきょろと周りを見ているアウテリートに少女は向かって行く。
「対戦相手、わからないんですか?私も相手の方の顔がわからなくて……」
>>324
「うぅー嬉しいけど嬉しくないよぅ…」
元気になって欲しいけど、元気になられると困るのだ。
「副作用がちょっと強いですけどね。私は薬漬けなんで慣れてますけど」
薬がよく効くように体を薬で改造しているウリューさんでした
「どうですか?これを機に甲さんも素敵なドラッグライフを…」
- 333 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/04/17(土) 22:43:22 ID:.6prKP66O
- >>332
「ん?」
【ウリューを見ての一言】
「キャー!可愛いですわぁ!ナデコナデコ」
【ぬいぐるみを見つけた少女のようにナデナデ】
「そうなんですのよ、相手はウリューって人なのですが……」
- 334 :水無月煉 ◆uotUYGHVwM:2010/04/17(土) 22:43:47 ID:BuGTFEjU0
- ディスプレイに表示された名前。
水無月煉、と言う名。その横に表示された名前は
「……甲さん、か」
何時の間にか人々の中に居た男。
周囲をキョロキョロと見回し、己の戦うべき相手を探す。
- 335 :甲/赤色マフラー:2010/04/17(土) 22:44:06 ID:xUE7eHj.0
- >>332
「…三食、用法用量を守って正しく清く薬生活を抜けられるように努力します」
どう考えてもあの副作用に慣れそうに無いので
早く足を洗いたいと願う甲であった…
「……」
対戦相手同士が分からないってパターンも有るのな、当然…
しかし、愉快な光景だと
アウテリートと雨竜を見ていた
- 336 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/04/17(土) 22:45:06 ID:WVrfsEdY0
- >>331
「あう〜…?」
【あたりを見回すうちに無為と眼が合う】
「…こんにちわなの〜…
がんばなの〜」
【一回目の対戦相手なのにもかかわらず、のんきに手を振っている】
- 337 :甲/赤色マフラー:2010/04/17(土) 22:45:46 ID:xUE7eHj.0
- >>334
そーっと後ろから近付いて…
「どーん!」
背中を押した
「ふっふっふっふっふ……久し振りだな…水無月よ…」
- 338 :箱庭トーナメント:2010/04/17(土) 22:45:48 ID:/k2gysHgO
- 『全カードが出揃いましたッ!』
蝶ネクタイの紳士は天を仰ぎながらマイクに怒鳴り付ける。
『一回戦第一試合! “狐面のヒーロー”“masked romance”vs“光速の男”沢桐創!
第二試合“ホームレスの希望の星”ウリューvs“風雲爆裂娘”アウテリート・F・クラーリオッ!
第三試合“大食い包帯幼女”ディスvs“楽園のタクシードライバー”頼羽無為ィ!
第四試合“藜といっしょ”神羽朱華vs“祓魔師”アンジェリーク・サン=ローランッ!
第五試合“業火と魔剣の騎士”水無月煉vs“赤き螺旋の突貫者”甲ォッ!
第六試合“バイトマニアの貧乏人”朝宮暁vs“紅血の処刑人”銃寺森クロス!
第七試合“辣腕警備主任”黒沢小百合vs“死界人形”ゼオラ・アドヴァルト!
第八試合“鋼鉄のエージェント”黒金鋼vs“混濁と幻想のハイブリッド”ノエル・フルーレス!』
轟音に揺れるコロシアムに司会者の声が響く。観客席の反応は様々だったが、共通してボルテージが上がっている。
『試合の模様は箱庭外各所にも中継されます! 対戦フィールドが決定した組から次々と戦っていく方式です!
イデアの箱庭トーナメント“闘祭2010”の開幕を今此処に――――』
『――――宣言しますッ!』
開会式の終了と共に火蓋が落とされた。ここから先は全てが選手達の手によって進められる。
一回戦の対戦相手を見付けられれば、早速対戦の日時とフィールドの交渉に入る事が可能だ。
――無論、即座にこの場で闘う事も。
- 339 :沢桐 創:2010/04/17(土) 22:49:45 ID:4TAPWv060
- ―カチャン、カチャン
対戦表が表示されたとたん、男はつま先を静かに鳴らし始めた。
「masked romance…何もんだ?
リングネームか?」
まぁ当日には解るだろ、と言った様子だ。
相手を知り対策を練る、などと言ったことはしないタイプらしい。
- 340 :水無月煉 ◆uotUYGHVwM:2010/04/17(土) 22:52:04 ID:BuGTFEjU0
- >>337
「うおおぅっ!?」
突然、背中から伝わった衝撃に思わず前へと飛びのく。
「な、何するん――」
振り返ったその先。
視界に入るのは、己の対戦相手の姿。
「……」
その相手に、初めにかける言葉は
「……ガキですか、甲さん」
ふ、と嘲るように笑って。
- 341 :黒金鋼/外部エージェント代表 ◆FA/Bw.T3QU:2010/04/17(土) 22:52:46 ID:hedfrAak0
- 「“鋼鉄のエージェント”……俺には勿体無い位格好良いじゃねぇか」
今度から肩書きそれにするか、なんて考える。
「……さて」
一呼吸置いて、口を開く。
「ノエル=フルーレスさん、とやらは誰だ?」
他の参加者達を見回して、言う。
とりあえずは話さなければ始まらないと思っている様子。
- 342 :神羽朱華+藜:2010/04/17(土) 22:52:54 ID:yvUls86s0
- 「あんじぇりーく、とやらは居ないようね……?」
きょろきょろとあたりを見回してふらふら、
傍らのでかい蟲がいろんな人にがっつんがっつんしているけど気付かない。
- 343 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/04/17(土) 22:55:39 ID:PMt0ERXQ0
- 「………………〝光速の男〟」
相手の二つ名を呟き、辺りを見渡す。
それっぽい人を探して、なんやらかんやら決めないと。
「…………」
〝光速の男〟っぽい人、って?
- 344 :頼羽無為:2010/04/17(土) 22:55:50 ID:fP94A.NgO
- >>336
「ようディス、久し振り…いや、覚えちゃいねえか」
腰を下ろし、ディスと視線の高さを合わせる。
「はじめまして、お嬢ちゃん。俺が頼羽、ライバ ナナシ
嬢ちゃんの対戦相手だ。よろしくな」
- 345 :ウリュー:2010/04/17(土) 22:56:29 ID:PBnIervYO
- >>333
「あ、それ私です。よろしくお願いしますアウテリートさん」
いきなり撫でられても自分のペースを崩さないウリューさんであった。ぺこりとお辞儀する。
>>335
「ふむぅ、残念。まあ慣れたところで苦痛は苦痛ですしねぇ」
めっちゃアウテリートに撫でられながら会話。確かに滑稽である。
- 346 :甲/赤色マフラー:2010/04/17(土) 22:56:44 ID:xUE7eHj.0
- >>340
「少年ハートを忘れたこたァねえぜぃ」
ブイサイン
会場のお祭りヤッホーな雰囲気にテンション上がりんぐ中
一拍置いて
「勝たせてもらうぜ」
不敵な笑みを向けた
- 347 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/04/17(土) 22:58:43 ID:WVrfsEdY0
- >>344
「あうあう、えっと…う〜…
みたことあるような…なの…」
【じろじろと無為の顔を見る】
「えっと、こちらこそなの、『ななし』なの〜」
【少し焦った表情だ】
「あう〜たたかうひとなの。
よろしく、なの」
【が、それでものんびりした感じのオーラが漂っている】
- 348 :沢桐 創:2010/04/17(土) 23:00:27 ID:4TAPWv060
- >>343
「アンタか?masked romanceってのは」
少し離れたところから選手を掻き分け、男が歩いてきた。
至って普通の風貌の男である。
―…カチャン
脚が機械であることを除けば。
- 349 :酒呑屋 虎姫in観客席 ◆JBbLACK.JY:2010/04/17(土) 23:03:51 ID:FueKel320
- ふーん、楽しみだなぁ。イイヤツ一杯じゃん。
…これ、いっちゃん前言ったらもーちょっと良く見えるかぁ?
【席を立って前の方へ移動、柵の上ギリギリまで身を乗り出す】
あ、上司だ。あとディスってコと、黒服と
【自分の知ってる姿を順々に指差していって、その手がピタリと止まる】
……あれは〜〜ぁあ〜〜……、見たことあるぞ、多分。
【マスクドロマンスだ】
- 350 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/04/17(土) 23:04:00 ID:.6prKP66O
- >>345
「あ、あら?そうでしたの?」
【逆にこちらはペースを崩されしどろもどろ】
「こちらこそよろしくお願いしますわ!」
【優雅にミニスカートをつまみ頭を下げる】
- 351 :水無月煉 ◆uotUYGHVwM:2010/04/17(土) 23:04:44 ID:BuGTFEjU0
- >>338
「……騎士、か」
悪くは無い。
ただ、思う。
騎士と言う言葉は自分には少し合わないかもな、と。
>>346
「……そうですか」
特別、テンションが上がる訳でも無く。
かと言って、低い訳でも無く。
ただ、会場のお祭り騒ぎと比べれば、やや静か過ぎる瞳。
その漆黒に染まる瞳は、まるで世界にその人物一人しか居ないかのように、甲だけを映す。
「……それは俺の台詞です」
否。
決して、その瞳は静かな物では無かった。
甲には見えただろうか。
男の瞳の奥底に燃え滾る、真っ赤な真っ紅な炎が。
- 352 :甲/赤色マフラー:2010/04/17(土) 23:08:40 ID:xUE7eHj.0
- >>351
くく、とその静かにざわめく炎を楽しそうに笑い飛ばす
「さぁーてえ!!」
腕を組み、仁王立ち
「―――いつやるよ?」
- 353 :アンジェと愉快な仲間達 ◆XXXXUU4GU2:2010/04/17(土) 23:09:19 ID:XhJEinvU0
- 「ち、遅刻……」
「遅刻ってレベルじゃないけどね」
「と言うよりも、もう終わったのかしら」
「どうやらそのようだな」
「ちこくー」
「だいちこくー」
上から肩で息をする銀髪の女、金髪ツインテ、有翼の女性、なんかパンクな男、残りは声だけ。
「対戦相手は――神羽朱華さん、ですか……どんな人なんでしょう……」
- 354 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/04/17(土) 23:12:07 ID:PMt0ERXQ0
- >>348
「あ、はい。私が“masked romance”で、―――」
創さんの言葉に返事しながら振り返り、彼女は固まる。
案外普通の人……っぽいですねと彼女は感想を持った。
次いで、機械の足が視界に入って、感想が逆転する。
「―――…………“masked romance”です。よろしくお願いします」
背中に白い羽、
素顔を隠す狐の御面、
ヴィクトリアン型のメイド服から伸びる左手に握られた白い刀、
ホワイトブリムの下、背中に零れる金糸と銀糸が入り乱れる独特の髪、
ぺこ、と頭を下げた。
- 355 :水無月煉 ◆uotUYGHVwM:2010/04/17(土) 23:12:25 ID:BuGTFEjU0
- >>352
「んー……そうですね……」
ふむ、と唸って甲と同じく腕を組み
「……俺は何時でも大丈夫です、が……。
nknhtの都合的に言うと、『週末(金・土)以外は深夜まで厳しいですね』との事ですから……」
組んでいた腕を解き、一本の指を立てる。
「……来週なんてどうですか?」
//コレって期間長くなっても大丈夫なのかな……
- 356 :ノエル=フルーレス/はぐれメタル:2010/04/17(土) 23:12:44 ID:R0.iNy.I0
- >>341
「やあ」
【鋼のほうへ歩きながら、話しかけてくる青年】
【160cmあるかないかの、小柄な青年である】
- 357 :頼羽無為:2010/04/17(土) 23:13:06 ID:fP94A.NgO
- >>347
「覚えていなくても構わねぇよ。なんせ十年以上前のことだ」
俺にとっては、だがな と小さく付け足す。
「…クク、やっぱヒールに徹するしかなさそうだ」
対戦相手の前でも闘志を見せることなくマイペースなディスに、思わず苦笑が漏れる。
あと背中に突き刺さる観客達の視線が痛い。
「ま、これは立派な大会だ。やるときゃ手加減なしだぜ?」
- 358 :神羽朱華+藜:2010/04/17(土) 23:13:26 ID:yvUls86s0
- >>353
がっつーん、と。
仲間たちの内の誰かに、藜の甲殻がぶつかる。
「おお、藜も興奮してきたかー……ってあれ、あんた」
他の奴らが色々顔合わせしてるから、消去法で考えたなら、
「……あんたが、あんじぇりーく?」
- 359 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/04/17(土) 23:15:37 ID:PMt0ERXQ0
- >>349
観客席の虎姫さんに気付かず、彼女は創さんに頭を下げていた。
依然と代わり映えしない恰好、
彼女は相も変わらず場違いだった。
- 360 :ウリュー:2010/04/17(土) 23:17:19 ID:PBnIervYO
- >>350
(真正直な、戦いやすそうな人だな。見ていて気持ちが良い)
「はい。そうなんです。…アウテリートさんは強いですか?」
にこりと笑いながら、問いかける。
- 361 :甲/赤色マフラー:2010/04/17(土) 23:17:57 ID:xUE7eHj.0
- >>355//ええんとちゃいます?
「来週、いやはやずいぶん先だこりゃ」
この昂ぶりをどうしてくれるー!と顔を手で覆う
とても
とても楽しげに
そして
「よし、オーケー」
顔を覆っていた手をどけて
「4月23日、金曜日……21:00に仕合うとしようか」
ニヤリと笑った
- 362 :ゼオラ=アドヴァルド:2010/04/17(土) 23:18:04 ID:s.Ud7.4s0
- ドームの外壁の上。夜の闇に紛れて少女が立っていた。
闇に移る黄色の瞳はモニターへと向けられ、自分の対戦相手を確認する。
「黒沢、小百合……」
次いで、ドーム中央へ集まっている参加者に目を向ける。
僅かに細められた目はドームの人間全てを見回す。
「チッ……居ないんじゃぁ、つまらねぇな」
乱暴に舌打ちをして、踵を返して僅かに飛び上がる。
黄色の瞳は闇に紛れ、少女は仮想のドームを去る。
- 363 :黒金鋼/外部エージェント代表 ◆FA/Bw.T3QU:2010/04/17(土) 23:18:45 ID:hedfrAak0
- >>356
「ん、あんたがノエルか」
声に気がついたか、片手を上げて挨拶をする。
ノエルとは対照的に、身長は2mに届くんじゃないかと言うほどに高い。
「さて、んじゃ早速だがいつ頃闘うか――だな」
がしがし、と頭をかく。
「個人的には、日付は明日か来週の土日が望ましい。
時間は21時以前なら何時でも、って所だ」
nknht的にもな、と付け足す。
- 364 :沢桐 創:2010/04/17(土) 23:19:20 ID:4TAPWv060
- >>354
「あ、やっぱり」
面を被ってるし。
顔を傾け、モニターを親指で差す。
その指は明らかに『光速の男』を示していた。
「俺は、光速の男。
沢桐創だ」
- 365 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/04/17(土) 23:20:34 ID:WVrfsEdY0
- >>357
「えっと…あう〜」
【創は言われてもやっぱり申し訳なさそうである】
「もちろんなの〜。おかねもらうために、かたなきゃなの!」
【汚い感じがしない言い方だ】
- 366 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/04/17(土) 23:23:08 ID:.6prKP66O
- >>360
「私?」
【強いと聞かれてしばらく悩む】
【正直言うとこの都市の住人と戦った事はあまりにも少なく
自分の実力の位置付けをよくわからない……しかし】
「……えぇ、もちろんですわ!
お父様直伝の格闘術!マナの力……私は強いですわ!!」
【しかし、アウテリートは自分に自信を持っている!
その自信の前ではその様な考えは意味をなさない!
だから高らかに誇る】
「私は!勝ちますわよ!」
【でも、再びウリューを撫で回すので格好つかない】
- 367 :水無月煉 ◆uotUYGHVwM:2010/04/17(土) 23:23:23 ID:BuGTFEjU0
- >>361
//おk了解
「はい、すいません……」
その思いは此方も同じ。
出来る事なら今すぐにでも戦いたい。
だが、相手が甲ともなれば、少しは準備をしたいと言うのも本当の思い。
「……了解です」
この震えは何だろうか。
この期待は何だろうか。
目の前の男とは、共闘の経験はあれど、真っ向からの勝負は一度も無い。
「それじゃ、楽しみにしてます」
一度、全ての思いを隠して笑みを作り、振り返る。
「……負けませんから」
呟くように、それでも、甲の耳にはっきりと聞こえるようにそう言って、その場から歩き去っていく。
- 368 :アンジェと愉快な仲間達 ◆XXXXUU4GU2:2010/04/17(土) 23:24:30 ID:XhJEinvU0
- >>358
「む……」
なんかパンクな男にぶつかった。
藜を見ても動じないが、視線がやたら鋭くなる。
「は、はい? そうですけど……」
「ふっふーん、ってことはアンタが神羽 朱華?
へぇー……」
視線を頭から足先まで動かして、何か勝手に納得した金髪ツインテだった。
- 369 :ノエル=フルーレス:2010/04/17(土) 23:26:36 ID:R0.iNy.I0
- >>363
「ええ、はじめまして」
【近くまで寄って、鋼を見上げながら言う】
「んんーーっ」
【額を手で摩すりながら困ったように言葉を続ける】
「明日、土日…ていうのは大丈夫ですが……」
「21時以前、というのが無理なんですよね……nknht的に」
【溜息をつきながら話す】
- 370 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/04/17(土) 23:28:59 ID:PMt0ERXQ0
- >>364
「狐面のヒーロー…………です」
自称するのは少し、気恥ずかしくて、声が小さくなってしまった。
「早速ですけど、私はいつでも戦れます。
ですので、あなたの予定に合わせて下さい」
- 371 :神羽朱華+藜:2010/04/17(土) 23:29:23 ID:yvUls86s0
- >>368
「なによなんかわらわらして……数で攻めるの? 郷の奴らと一緒ね。
でもあたしの藜はっ」
傍らの、紅い甲殻を持った蟲が翅を広げる。威嚇。
「どんな数でも一として相手をし、ひとつ残らず消し炭にするんだからね!
わかった!? わかったら時間! いつ戦うか!
あたしは週末だったらいつでもいい!」
一息に言った後に、ぜえぜえと深呼吸。
落ち着きのない少女である。
- 372 :ウリュー:2010/04/17(土) 23:31:36 ID:PBnIervYO
- >>366
「そうですか。私は弱いんです」
アウテリートとは対照的な答えを持つ少女。
「でも精一杯やれることはやろうと思います。胸を貸して下さい」
「そして私のおうちの糧となるが良いのです(キリッ!」
しかし、撫でられてるから格好つかない。
- 373 :黒金鋼/外部エージェント代表 ◆FA/Bw.T3QU:2010/04/17(土) 23:32:04 ID:hedfrAak0
- >>369
「初めまして、さっきのアナウンスで聞いたとは思うが――俺は黒金鋼という」
と、名乗る。
「何、そりゃ好ましくねぇな」
うーん、と唸る。
「……よし、土曜日なら21時以降でもなんとかなる。なった。
来週土曜――4/24 21:00、って所でどうだ?」
- 374 :甲/赤色マフラー:2010/04/17(土) 23:32:46 ID:xUE7eHj.0
- >>367
去り往く煉を見送り
会場内、未だ対戦者同士が点々したそこに佇む
観衆の期待の声も止む事は無い
「いやいや…中々に良い緊張感だァ…」
肩に力が入っているのを感じる
入れ込み過ぎの競走馬の様なイメージを自分に持って
「初っ端から、大勝負続きっぽいなぁ」
当然、こっちも周囲に遜色の無い対戦カード
「……骨が折れそうだ」
独りごちる
ただし、骨だけで済む保障は――この会場のどこにも無いのであった
- 375 :ノエル=フルーレス:2010/04/17(土) 23:35:25 ID:R0.iNy.I0
- >>373
「ご迷惑をおかけしております」
【ぺこりと頭を下げる】
「了解しました。では来週 4月24日の21:00に」
- 376 :沢桐 創:2010/04/17(土) 23:36:32 ID:4TAPWv060
- >>370
「masked romanceってのは本名か?」
そんな訳無い、と思いつつも聞いてしまう。
「そうだな、明後日か明々後日の21時ぐらいとか?」
他の選手達と予定が被っても困るので、二つの時間帯を指定した。
- 377 :アンジェと愉快な仲間達 ◆XXXXUU4GU2:2010/04/17(土) 23:37:02 ID:XhJEinvU0
- >>371
「そんなことしないです! 一試合に私ともう一人だけですから」
「そうそう、ま、アンタ達なんてアタシ一人で十分よ」
きしゃー! と威嚇し返すツインテ少女。
この試合、アンジェと金髪ツインテが出るらすい。
「え、えっと、基本的に何時でも大丈夫です、けど。
仕事が長引く可能性があるので……わからないです」
要するに何時でもいいけど遅れたらゴメンって事だってnknhtが。
- 378 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/04/17(土) 23:37:06 ID:.6prKP66O
- >>372
「わかりましたわ!胸を貸しましょう!」
ムギュッ
【アウテリートの意外と豊かな胸が押し付けられる】
「戦いの日が楽しみですわね〜!
お互い手加減なしで、そうすればきっと素敵な戦いが出来ますもの!」
- 379 :頼羽無為:2010/04/17(土) 23:38:27 ID:fP94A.NgO
- >>365
「その年から金のために頑張るのか…最近の子は大人びてるなぁおい」
笑いながらやれやれと肩を竦める。
「ま、俺もこの大会で勝って有名になると息子と約束したからな。
負けるわけにはいかねぇ」
「さて、早速だが戦る日程を決めようか。
俺は…20:00以降ならいつでも構わん」
- 380 :黒金鋼/外部エージェント代表 ◆FA/Bw.T3QU:2010/04/17(土) 23:39:15 ID:hedfrAak0
- >>375
「こっちこそ済まねえな」
こちらも頭を下げて、謝る。
「了解、了解。んじゃあ来週。
楽しみにしてるぜ? じゃあなー、ノエル」
あばよー、とどこか間の抜けた言葉を残して、黒金鋼は“箱庭”からログアウトした。
//ではでは、宜しくさんでっすー
- 381 :神羽朱華+藜:2010/04/17(土) 23:39:54 ID:yvUls86s0
- >>377
「な、んですってー!」
子供の喧嘩が始まりそうだ。
蟲はおろおろと主を宥めるように飛行する。
「ふん……なんだか来週は戦う人がいっぱいいるみたいだから。
明日か再来週、どちらかね」
ノープロブレムなようです。
- 382 :ノエル=フルーレス:2010/04/17(土) 23:44:25 ID:R0.iNy.I0
- >>380
「はい、では来週に」
【鋼がログアウトするのを見送り】
「……面白くなりそうだ」
【笑みを湛えながら、溶けるように消える】
- 383 :ノエル=フルーレス:2010/04/17(土) 23:45:14 ID:R0.iNy.I0
- >>380
//こちらこそよろしくですー
- 384 :ウリュー:2010/04/17(土) 23:47:20 ID:PBnIervYO
- >>378
「もふ!?ふもぅ!…ぅー…!」
物理的に胸を貸されて埋もれたウリュー。非力な力でなんとか顔をアウテリートから離す……こんな力で本当に闘うなのだろうか?
「そうですねぇ。私はお仕事がありますから22時以降でないと厳しいのです」
家は無くとも職はあるのだ。頑張れウリュー
「明日は薬と体の調整で一日潰れちゃいますし…どうしましょう?」
- 385 :アンジェと愉快な仲間達 ◆XXXXUU4GU2:2010/04/17(土) 23:47:21 ID:XhJEinvU0
- >>381
「ま、やってみればわかるって」
すっげぇ上から目線なツインテ。
こっちは主がおろおろしていた。
「うぅん……明日はお昼過ぎからなら、空いていますけど」
- 386 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/04/17(土) 23:48:03 ID:WVrfsEdY0
- >>379
「あう〜…だって『ろざりあ』せいかつたいへんそだから。
おんがえししたいの!」
【大きく手を振る】
「あう〜…いつたたかうかなの…?
う〜ん…」
【日にちについて考える…】
「…どうしよかなの…
つぎのつきの…さいしょのおやすみ?かなの?」
【要するに5月の1日か2日から3日頃の9時ごろといった感じだ】
//日日はそちらがどうぞ
- 387 :神羽朱華+藜:2010/04/17(土) 23:49:21 ID:yvUls86s0
- >>385
「きぃー……!」
ついには蟲が二人の間に割り込んできて、争いを止めた。
「昼、わかったわ。中のアホが寝坊しない限りいくらでも。
何時頃がいいかしら」
目覚まし……久しぶりに貴様の力を借りる時が来たようだ……
- 388 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/04/17(土) 23:50:51 ID:.6prKP66O
- >>384
「あら?遠慮せずともよろしいのに……」
【ちゃんとウリューを解放して笑う】
「私ならいつでもよろしくてよ?
まぁ、急用とかが入ってしまえば難しいのですが」
【そう言って伸びをする】
- 389 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/04/17(土) 23:51:20 ID:PMt0ERXQ0
- >>376
「えーと……………………秘密です」
本名?そんなもの、ない。
仮面のヒーローだから、本名はない。
かと言って“masked romance”は本名ではないし。
だから秘密。
「……了解です」
以下nknhtの言い訳と言うか、謝罪と言うか。
多分、戦ってる時のレスの速度が凄い遅いです。
なるだけ早く、を心がけますが、急ぐとどうしても日本語でおkになっちゃいますし、時間をかけても日本語でおkが完全に消えません。
しかも多分、寝落ちる可能性が高いです。
なので、戦闘の最中「明日に持ち越していいですか」をしちゃうと思います。
その時はごめんなさい。
- 390 :頼羽無為:2010/04/17(土) 23:57:24 ID:fP94A.NgO
- >>386
「なるほど、嬢ちゃんの保護者への恩返しってわけか」
自分と比べるとかなり真面目な理由に少々心が痛む。
「そうだな…よし、じゃあ5月1日の21:00からだ。
それでいいか?」
- 391 :アンジェと愉快な仲間達 ◆XXXXUU4GU2:2010/04/17(土) 23:57:36 ID:XhJEinvU0
- >>387
「ふんっ」
そっぽ向くツインテでした
「三時くらいは如何です?」
- 392 :神羽朱華+藜:2010/04/17(土) 23:59:42 ID:yvUls86s0
- >>391
「三時、わかった。おやつ食べながらね」
屑がキーボードにこぼれるので真似をしないでください。
「明日の三時、イベント……えーと、Aでいいわね。そこで。
フィールドはどうする? あたしは何処でもいいわ」
- 393 :沢桐 創:2010/04/17(土) 23:59:42 ID:4TAPWv060
- >>389
「ふーん…」
秘密、も想定内。
まぁ大なり小なり事情もあるのだろう、と自身を納得させる。
「後フィールドだが…」
そこで言葉を止め、masked romanceの背中の羽を見る。
「空中戦は好きか?」
//時間被りもないようなので、明後日21時でよろしいですか?
//2〜3日かけても問題は無いです。予定外の都合が無い限り
//こちらこそ遅れたらすいません><
- 394 :ウリュー:2010/04/18(日) 00:02:39 ID:PBnIervYO
- >>388
「むぅー…それでは21日の22時以降で良いですか?少し遅れるかもしれませんが…」
解放されて一息ついた後、そう訪ねた。
- 395 :アンジェと愉快な仲間達 ◆XXXXUU4GU2:2010/04/18(日) 00:03:22 ID:XhJEinvU0
- >>392
「紅茶も用意するべきだな」
コーヒーをこぼしたというかぶちまけた事ならある!
「はい。
ん……草原とか、如何です?」
- 396 :神羽朱華+藜:2010/04/18(日) 00:06:06 ID:yvUls86s0
- >>395
「紅茶よりココア派!」
ただの甘党。
「よし決定。明日の三時、イベントAの草原フィールドで。
この大会の開幕試合、ぶっ放してやろうじゃない」
じゃあまた明日ね。と少女は告げて、箱庭を後にした。
//よろしくお願いします!
- 397 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/04/18(日) 00:07:35 ID:WVrfsEdY0
- >>390
「あうあう、そうなの!よろこんでくれるかなの〜」
【何だか楽しみな感じのようだ】
「うん!それでいいなの!
そのひにたたかうの!」
【また軽い感じでディスは返した】
- 398 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/04/18(日) 00:07:37 ID:PMt0ERXQ0
- >>393
「空を飛ぶのは好きですよ。
…………けど、たまに落ちちゃいます」
彼女は首を竦めた。
明後日の21時ですね、了解です。
基本的に毎日部活の後は暇なので、予定外の都合が入っても後に回せますし、
とりあえず、よろしくおねがいします。
- 399 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/04/18(日) 00:09:10 ID:.6prKP66O
- >>394
「いいでしょう!了解しましたわ!」
【手でOKサインを出して提案を飲む】
「ならば、その日その時間に……その代わり……フィールドは私が決めさせて貰いますがよろしいですわね?」
- 400 :アンジェと愉快な仲間達 ◆XXXXUU4GU2:2010/04/18(日) 00:11:46 ID:XhJEinvU0
- >>396
「何を言う、紅茶の方がry」
「え、えっと、お手柔らかにお願いしますね」
「見てなさい、アタシの力見せ付けてあげる」
頭を下げて、見送った。
中身)こちらこそですぜ!
- 401 :ウリュー:2010/04/18(日) 00:11:48 ID:PBnIervYO
- >>399
「ありがとうございます。はい、余程変な場所で無い限り構いませんよ」
深海とか宇宙とか…誰かが言っていたような気もするが
- 402 :沢桐 創:2010/04/18(日) 00:12:55 ID:4TAPWv060
- >>398
「んー…。
ビル街上空で戦闘だったら面白そうなんだが…どうだ?
その羽が戦闘向きじゃないなら別の所でも構わんが」
ただ上空では何も無くてつまらないので、ビル街の上空というのがミソである。
- 403 :頼羽無為:2010/04/18(日) 00:15:02 ID:fP94A.NgO
- >>397
「クク、そのためにはまずは俺を倒さねぇとな」
片目を閉じて悪戯っぽく笑う。
「ようし、じゃあ決定だ。その日を楽しみにしとくぜ、嬢ちゃん」
覚悟しろよ、と一言残し、男は会場を去っていった。
//当日はよろしくねー
- 404 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/04/18(日) 00:18:26 ID:WVrfsEdY0
- >>403
「あう、まけないなの!」
【ぐっとガッツポーズを決める】
「あう〜まってるの〜!」
【ディスも大きく手を振って見送る】
「さあ!これからとっくんなの!」
【気合いの入った顔でディスは会場を後にした】
//こちらこそ
- 405 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/04/18(日) 00:21:17 ID:PMt0ERXQ0
- >>402
言葉を受けて、首を捻る。
疑問を持った方じゃなく、何か考え事をしている方。
「…………街中、ではダメですか?」
上を見れば背比べをするビルに遮られた空、
下を見ればアスファルト。
四方を見れば路地裏や、信号、ガードレール。
窓ガラスを利用した戦闘とか、
ビルに飛び込んでの、追跡者と逃走者に役が二分されるとか、
水道管が破裂して水が吹き上がるとか、浪漫。浪漫かな、と。
「ビル街上空での戦いもできますし…………」
- 406 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/04/18(日) 00:22:53 ID:.6prKP66O
- >>401
「大丈夫ですわよ、そんな場所私だって無理ですわ!」
【確かに、そんな場所を耐えられるのはかなり限られる】
「ならば早速服を用意しませんと!
では、ウリューさん?また……
次に会った時は戦いの場ですわよ?」
【再び優雅に一礼をして、アウテリートはその場を後にした】
- 407 :沢桐 創:2010/04/18(日) 00:27:10 ID:4TAPWv060
- >>405
「ああ、構わないが」
別に空中戦に拘りたい訳ではない。
ただ自分に飛行能力があり、相手にも羽があったので提案してみただけである。
「明後日19日の21時にフィールド『街中』だな。
もたもたしてたら『追い越す』ぞ」
倒す、ではなく追い越す。
沢桐は勝つ事と同じくらい、相手に圧倒的な速さを見せ付けることが大切なようだ。
- 408 :ウリュー:2010/04/18(日) 00:28:15 ID:PBnIervYO
- >>406
「えぇ、それじゃあまたー」
手を振り見送り自分もその場を後にした。
- 409 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/04/18(日) 00:37:00 ID:PMt0ERXQ0
- >>407
「…………はい」
〝光速の男〟に対し、自身は〝狐面のヒーロー〟。
「私は、正々堂々勝たせてもらいますよ」
相手が速さを見せるのなら。
自分はヒーローを見せるのが筋。
ともすれば、正々堂々以外が思い浮かばなかった。
- 410 :沢桐 創:2010/04/18(日) 00:43:40 ID:4TAPWv060
- >>409
視線が重なり、互いのの美学がぶつかり合う。
「正々堂々か。
じゃあ、明後日に、戦場で」
そう〆ると、沢桐はmasked romanceに背を向け、会場を立ち去った。
- 411 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/04/18(日) 00:46:15 ID:PMt0ERXQ0
- >>410
「…………」
無言で頭を下げ、見送った後彼女も去っていった。
- 412 :甲/赤色マフラー:2010/04/18(日) 00:59:09 ID:xUE7eHj.0
- 「………」
閑散とした会場
客も、選手もはけて――ゆっくりと照明も落とされ始める
「……やれやれ」
結局、姿を見せず仕舞いか……あのヤロウ
まぁ良い
勝ち続けてりゃ――いずれ当たるだろう
そうだな、まだ…始まってもいないけど…
銃字森クロス
願わくば―――決勝の舞台で
【甲さんがログアウトしました】
- 413 :神羽朱華:2010/04/18(日) 15:05:49 ID:yvUls86s0
- 箱庭、草原フィールド。
春の香りを放つ若草の上に、少女とその従僕は存在した。
「……開幕戦、ね。派手に一発やってやろうじゃない?」
準備は整った。あとは役者が揃うのみ。
少女は静かに呼吸しながら、相手を待つ。
- 414 :アンジェと愉快な仲間達 ◆XXXXUU4GU2:2010/04/18(日) 15:17:52 ID:XhJEinvU0
-
「恵みを運びし永久の流れ、疾風よ吹き荒れ嵐となれ! 具現せよ、<Ursule&Estelle>!」
「揺らげ雷雲、連なれ閃光、響き渡れ大空の咆哮! 雷精<Elfriede>の名の下に命ず――我が剣よ具現せよ!」
詠唱と共に現れるは二つの影。
一つに束ねた銀髪の髪、真新しい黒色のジャージ、その手に二挺の自動拳銃。
透き通るような金髪のツインテール、パンキッシュゴシックな服に身を包み、その手に二本一対の短剣。
「って、大丈夫なんでしょうかこれ……」
「何々問題ないって、これやんないと戦えないじゃん?」
>>413
「はーいお待たせお待たせ」
「お待たせしました」
- 415 :神羽朱華:2010/04/18(日) 15:23:31 ID:yvUls86s0
- >>414
「ハロー。いい天気ね」
仮想空間の天井、作りモノの青空を見上げて目を細める。
「赫い赫い焔を宿す愛しの我が従僕、名を藜《アカザ》。
――ちゃちゃっとこいつらを消し炭にしちゃいなさい!」
ぶん、と翅を鳴らして。
蟲が少女の右腕に留まる。赫い甲殻がきらりと光った。
「……準備は万端。かかってこーい」
- 416 :アンジェリーク【vs神羽朱華】 ◆XXXXUU4GU2:2010/04/18(日) 15:32:20 ID:XhJEinvU0
- >>415
「では――」
左足に力を込め、後方へ跳躍。
同時に二挺拳銃を構え、トリガーを引く。
――射出された"風の魔弾"は、一見唯の属性弾。しかし、着弾すれば『衝撃波を発生させ吹き飛ばす』という特殊効果を持っている。
それと同時に、金髪の少女は真横へと奔り出す。
先ずは、様子見、と言ったところか。
- 417 :神羽朱華【vsアンジェリーク】:2010/04/18(日) 15:41:34 ID:yvUls86s0
- >>416
銃声。常人ならば、これが聞こえた瞬間には死んでいるだろう。
しかし彼女には、「優秀すぎる従僕」がついていた。
ぐんっと右腕を前へ。甲殻を、アンジェリークの方へ向けて。
かぁんと硬質な音が響いて、銃弾が甲殻に当たって跳ねた――
「……ッ!?」
――と同時に、衝撃波が少女を襲う。
そこまで読めなかった、少女はぎりっと歯噛み。
後ろに吹っ飛ばされて、空中でくるんと一回転。体制を整えてなんとか着地。
「――燃やせッ!!」
邪気が藜の身体を巡り、焔を生み出し――右腕を振るう。
出来上がったのは焔の弾丸、三発。とりあえず金髪の少女を無視して、アンジェリークへ放った。
- 418 :アンジェリーク【vs神羽朱華】 ◆XXXXUU4GU2:2010/04/18(日) 15:55:33 ID:XhJEinvU0
- >>417
「"バースト"!!」
構えたままの二挺拳銃、そのトリガーを再び引く。
魔弾は撃ち出された瞬間に炸裂、"風の障壁"を作り出しながら、銀髪の女を吹き飛ばした。
――否、自ら吹き飛んだ。
片や、尚疾走する金髪少女。
円を描くように、朱華の周りを奔り回るも、未だ仕掛けてはこない。
- 419 :神羽朱華【vsアンジェリーク】:2010/04/18(日) 16:03:08 ID:yvUls86s0
- >>418
「ちっ」
銃撃戦は不利。だって経験ないんだもん。
少女はそう結論付けて、ぐっと屈み、
「――風切!」
軽く地を蹴る。少女の体が浮き上がったところで、藜が翅を広げた。
ひぃい――ん、と、風を切る音が響いて、少女はアンジェリークに突進を仕掛ける。
- 420 :アンジェリーク【vs神羽朱華】 ◆XXXXUU4GU2:2010/04/18(日) 16:19:15 ID:XhJEinvU0
- >>419
受身を取り、正面を向けば突進を仕掛ける少女の姿。
「"クイックバレット"!!」
避けれない、と判断したか、左腕を盾に見立て受ける構えの女。
同時に、右手が握る拳銃の撃鉄が下りる。
照準は飛来する朱華を通り過ぎ、少々"線"をずらし朱華を追う金髪少女へ。
- 421 :神羽朱華【vsアンジェリーク】:2010/04/18(日) 16:30:59 ID:yvUls86s0
- >>420
がん。硬質と硬質がぶつかりあう鈍い音。
少女は手甲に見立てた藜の甲殻を前面に向けていた。
「――焔よ宿れ、我らの絆に!」
短い宣言、次の瞬間、赫い甲殻に焔が灯る。
燃える甲殻をぐぐぐと押し付け、力押しで突破しようと試みる。
金髪少女に伸びる照準には、気付かないまま。
- 422 :アンジェリーク【vs神羽朱華】 ◆XXXXUU4GU2:2010/04/18(日) 16:41:56 ID:XhJEinvU0
- >>421
「ッ!!」
強靭な肉体を持つわけでもないこの女に、力で勝てる要素は皆無。
その上燃える甲殻ともなれば、耐えられる訳が無く。
苦痛に顔を歪ませながら、右足で地を蹴り、自ら"吹き飛んだ"。
「もーらいっ」
直後、後方から聞こえる声。
"加速"を付与された金髪少女が、恐ろしい速さで肉薄し――紫電を纏う短剣、その一本を、投擲した。
- 423 :神羽朱華【vsアンジェリーク】:2010/04/18(日) 16:46:30 ID:yvUls86s0
- >>422
「もらったッ――!?」
崩した、追撃だ!
そう思って顔を綻ばせたのも一瞬、痛みに顔を歪める。
短剣が脇腹に突き刺さり、紫電が肉を焼く。
完全に金髪少女を視線から外していた、それがたった一つの原因。
「く、そ――!!」
苦い顔をしながらも右腕を振るう。
金髪少女に向けて、焔の波が襲いかかる!
- 424 :アンジェリーク【vs神羽朱華】 ◆XXXXUU4GU2:2010/04/18(日) 16:59:45 ID:XhJEinvU0
- >>423
「情熱のおおおおおおおお! サンダアアアアナッコオオオオオオオオ!!」
咆哮めいた叫びと、"至近距離"で鳴り響く爆音。
しかし拳一つで焔に打ち勝てるわけも無く、焔の波に飲まれて見えなくなった。
一方、銀髪の女。
左腕は使い物にならないと判断したか、持っていた銃に口付け消して。
残った右手の銃を構え、朱華へ照準を合わせる。
- 425 :神羽朱華【vsアンジェリーク】:2010/04/18(日) 17:06:42 ID:yvUls86s0
- >>424
「はー、はー……」
大きく息をして、脇腹の短剣を抜き、地面に放り捨てる。
やってくれるじゃない、と言わんばかりに咆哮する少女の方を睨んだ。
「……特攻形態、風切蜻蛉――」
再び藜が翅を広げた。とんと地面を蹴る。
今度は――空中に上がった。
「――赫星ッ!!」
抜けるような青い空、高く高く――――
赫い焔を纏って、静止。
- 426 :アンジェリーク【vs神羽朱華】 ◆XXXXUU4GU2:2010/04/18(日) 17:24:26 ID:XhJEinvU0
- >>425
飛び上がると同時に焔から飛び出す少女。
髪が焦げていたり、服がきわどい事になっていても気にする余裕など無く。
「風精紡ぎし嘆きの調べ――」
「雷精吼えし怒りの調べ!!」
"二人分"の魔力を消費する銀髪の女に、さほど余力は残っておらず
長期戦に持ち込まれれば、結果は見えている。ならば――
高々と振り上げる右手。
撃鉄は下り、真上へと射出される魔弾。
そして、どす黒い雲が、ソラに渦巻きだした。
- 427 :神羽朱華【vsアンジェリーク】:2010/04/18(日) 17:29:45 ID:yvUls86s0
- >>426
「――!」
雷雲、見ればそれくらいは少女にも解った。
刺された脇腹がじくじく痛む。これで決めなければ――負け。
「行くよ、藜」
小さく呼吸をして、準備態勢。
「我ら外れ者。『フツウ』ではない『オチコボレ』にして――――」
「――『最強』ッ!!」
がぁん、と空気を叩きつける音がして。
赫い隕石――燃える弾丸は、アンジェリークに向けて、放たれる!
- 428 :アンジェリーク【vs神羽朱華】 ◆XXXXUU4GU2:2010/04/18(日) 17:43:46 ID:XhJEinvU0
- >>427
「「"空よ歌え!! 大地よ轟け!! 幻想の剣は全てを打ち砕かん!!"」」
最早女に、何が見えようか。
気を失うように目を閉じ、隕石の直撃を食らう。
直後。
『巨大な剣(イカズチ)』は、落とされた。
<アンジェリーク:ログアウト>
<結果:敗北>
- 429 :神羽朱華【vsアンジェリーク】:2010/04/18(日) 17:48:10 ID:yvUls86s0
- >>428
「――……――――」
当たった。今の自分たちに出来る、最強の技が。
安心したようにふっと眼を閉じる、気が緩んで口から血が零れ出た。
審判の鎚、光の剣は、安らいだ少女の身体を容赦なく貫いた。
《神羽朱華:ログアウト》
《結果――辛勝》
- 430 :沢桐 創:2010/04/19(月) 21:19:23 ID:4TAPWv060
- 【箱庭、ビル街】
―カチャン、カチャン
閑散としたビル街に足音が響く。
大通りの真ん中を歩いている男が一人。
「んんっ…!」
軽く背伸びをすると、背骨がボキボキと音を立てる。
背骨も機械のはずだが、凝ったりするのだろうか。
「そろそろか」
そう呟くと、腕を組んで相手の登場を待ち始めた。
- 431 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/04/19(月) 21:28:04 ID:PMt0ERXQ0
- >>430
「…………お待たせしました」
声と羽音。
次いで、アスファルトを踏んで鳴った、ブーツの音。
「早速始めますか?」
彼女は常と変わらない、メイド服と狐の御面の姿で現れた。
- 432 :沢桐 創:2010/04/19(月) 21:36:48 ID:4TAPWv060
- >>431
「よう、今日は宜しくな」
―カチャン
「当然、今すぐ」
腕を広げ、腰を落とし、独特の構えをとる。
月明かりを反射する青い脚が、ギリギリと音を立てる。
「こっちの用意はいいぞ」
街はまだ静かだった。
- 433 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/04/19(月) 21:54:59 ID:PMt0ERXQ0
- >>432
ビルの壁面の窓ガラスに映り、その身を無数に広げた月に照らされる彼女の表情は見えなくて。
でも、すぅ、と見てわかるように深く呼吸し、体を揺らす彼女の顔は見るまでもなく。
「…………よろしくおねがいします」
ぺこ、と下げた拍子に、金糸と銀糸が入り乱れる髪が揺れる。
当然、メイド服の裾もいつの間にか握られていた白い刀の下げ緒も、合わせて揺れた。
耳を澄ませば、その音が聞こえそうなほど静か。
ゆえ、頭を上げた彼女が一歩、
編み上げブーツに包まれた足で踏み出し、アスファルトに擦れた音が響く。
鞘の鐺を地面、柄頭を天頂、
自身と同様に、地に聳える一柱として垂直に鞘がついたままの刀を構えた。
鍔元を、右手で逆手に握る。
左手は鯉口を、こちらは通常通りに、鍔に親指をかけつつ握った。
「私も、準備はいいです」
声はまだ緊張に包まれていて、固く。
けれど構えは適度に緩い、いわば『嫋/撓』。
――――――――――――待つ構だった。
- 434 :沢桐 創:2010/04/19(月) 21:59:28 ID:4TAPWv060
- >>433
膝を押さえ、姿勢を限界まで下げる。
―…ドゥンッ!
静寂を破壊するのは、沢桐の足音。
爆発音にも似たその音は、沢桐とmasked romanceの間合いを一瞬にして詰める。
「だぁっ!」
超低空サマーソルトでmasked romanceを蹴り上げようとする。
- 435 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/04/19(月) 22:19:43 ID:PMt0ERXQ0
- >>434
見ていた筈、
「なっ、」
目を見開き、自身に与えられた視力を最大限に振り絞って、創さんを見ていた筈。
今まで本当に真剣に見て、見逃せなかったものは精々、大切な人の泣き顔くらい。
なのに、創さんは現実として自身の懐にに入ってきて、こうして蹴りを放っていた。
「(〝光速の、男〟――ッ――!!)」
反射で両の足が地を蹴り、身を後に跳ばした。
慣性の法則でその場に残った前髪が数本、創さんの足に持っていかれる。
開始早々、顎に一撃を貰いたくない。そんな下手糞な戦いなんて、見せたくなかった。
咄嗟の判断以下の、体が反応しただけの回避。
体制は不十分。
体は後に向かって傾いていた。
「(本当に、見えなかった)」
ここで跳躍の勢いを殺し体勢を立て直したとしても、どうせその隙に創さんに距離を詰められ追撃をくらうのがオチ。
なら、戦いの場を変える?
例えば最初に提案した〝空〟、とか。
「(………………いや、)」
そんな余裕は彼女にない。
「だったらせめて!!!」
距離を稼ごう、と。
両爪先に〝飛翔式〟を展開、
同時アスファルトをそれで小突き起動、
水の零れるような音が響くと同時、彼女は水色の残滓を飛ばしながら遥か後方に跳んだ。
- 436 :沢桐 創:2010/04/19(月) 22:33:16 ID:4TAPWv060
- >>435
その場で一回転すると、地面に足を付けて立ち止まる。
沢桐の肩にパラパラと髪の毛が降りかかる。
「お前にもそのぐらいのスピードは出せるのか…。
だがッ!」
―バゴッ!
先ほどまで二人が立っていたアスファルトが砕かれ、土煙として宙に舞い上がる。
だがその土煙を吹き飛ばし、沢桐は飛び出してきた。
「まだまだ、序の口だあぁ!」
跳び蹴りの体勢で、ほぼ地面と平行に突っ込んでくる。
- 437 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/04/19(月) 22:43:24 ID:PMt0ERXQ0
- >>436
――――――――〝今度は躱せない〟
粉塵の尾を従えて跳んでくる創さんを見て、そう直感した。
理性的には、目測での創さんの速度、自分との距離、総じて後何秒で彼が自身に触れるかを計算。
本能的には、その飛び蹴りが当たるであろう水月を庇うよう、両手でクロスが描かれる。
御面の奥、
歯を食い縛って直撃の衝撃に供える彼女の目の端に、涙が灯る。
たった、二度。
相手は蹴って、蹴っただけなのに。
絶望は、鎌首を擡げ彼女に噛み付いた。
- 438 :沢桐 創:2010/04/19(月) 22:54:29 ID:4TAPWv060
- >>437
蹴りが当たると、その反動を利用し、後方に回転。
沢桐は弧を描き、信号機の上に着地した。
「…反撃してこいよ?」
信号機の黄色は着地の衝撃で潰れていた。
だが、黄色い光があたりを照らす。
月明かりでは、ない。
「出来なけりゃ…この先は無理だ」
光っているのは、沢桐の目だった。
沢桐はmasked romanceが体勢を立て直すのを待つ。
- 439 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/04/19(月) 23:45:31 ID:PMt0ERXQ0
- >>438
蹴りを受け、握る刀の分を足しても軽い彼女の体が吹っ飛ぶ。
一つ、
二つ、
彼女の体は路上を二度跳ね、速度を落とし地面を転がっていった。
停止したのが、創さんが信号の上に着地したのと同時。
なんとか、と言った様子で立ち上がり、御面の奥から創さんの位置を捕捉、
刀が手元にあること、腕のガードのお陰で体にほとんど損傷はないこと、
白い羽にはたくさん砂埃やら瓦礫がついているけど、折れていないことを確認した頃に、創さんが言う。
「…反撃してこいよ?」
ついさっきまでは清潔だったメイド服に、汚れがついていた。
軽く手で叩いて、大雑把に落としながら彼女は、次の創さんの言葉に被せて言う。
「言われなくても、」
相手が速さで当たってくる、
なら、正々堂々速度で上回るのが――――――――
邪魔です、
そう言うように白い刀を横に一閃、鋭く薙いで鞘を飛ばし、ビルの壁面に刺す。
重心を前に、編み上げブーツのヒールを浮かし、跳躍に備える姿勢を取った。
「全力で戦います!!!」
この街には二人しかいない。
ともすれば静か。
今、戦闘が一時停止の間にあるなら、響くのはどちらか、或いは両方の声だけ。
だから、彼女が大きく上げた声は、それ以上に大きく聞こえた。
叫ぶの時を同じくして、彼女は〝飛翔式〟を展開。
先と同じで両の爪先にそれぞれ展開し、アスファルトを蹴って跳躍。
翼を広げた彼女は、なんの捻りもなしに、創さんへと跳んだ。
空中で取った構はいたって単純。
右肘を相手に、剣先を自身の背後に向ける、典型的な袈裟懸けを望む構。
横薙ぎへ転じることも容易だけれど、どちらの一太刀にしても本質は変わらない。
そんな、愚直に真っ直ぐな彼女の爪先にはまた〝飛翔式〟。
その意図を読めるだろうか。
――――――――王道。
- 440 :沢桐 創:2010/04/20(火) 00:02:47 ID:4TAPWv060
- >>439
「それでいい、狐面のヒーロー」
跳びかかってくると同時に、信号機から飛び上がる。
同時に信号機がぐにゃりとひしゃげる。
「加速しがいが…ある!
フォトンアクセル!!!」
そのまま空中で前転し、ひしゃげた信号機を蹴り付ける。
粉々に砕け沢桐の後方に飛んでいく信号機。
―ォォオオォォォンッ!!!
そして、大きく加速する沢桐。
周囲のビルのガラスは砕け、地に落ちる前に更に砕ける。
ただひたすら早く、真っ直ぐにmasked romanceに飛び込んでゆく。
沢桐の肩に、剣が食い込むと同時に、masked romanceに膝蹴りを繰り出した。
- 441 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/04/20(火) 00:15:26 ID:PMt0ERXQ0
- >>440
またしても創さんは視界から消えた。
気付いた頃には自身の刃が思うよりも早く、相手を捉えていた。
さー、と血の気が引く。
まずい、
視界の隅では辺りのガラスが砕けて砕けて、凶器になっていっていた。
まずい、
視界の中央の少し下。
黒髪と黄色い光が僅かに見える。
まずい、
創さんの膝が急所の水月に減り込んだのが感じられた。
「ぐっ、」
また、〝せめて〟。
吹っ飛ぶまでのほんの、刹那の刻。
もう少し、ダメージを。
「(もう少し、ダメージをッ!!)」
少しだけでもいい、
刃を後、少しだけでもいいから食い込ませようと力を込めた。
なれど物理法則は無情。
彼女の体は再び己の意志に背を向けて吹っ飛んでいく。
- 442 :沢桐 創:2010/04/20(火) 00:26:40 ID:4TAPWv060
- >>441
「…くっ…やっぱ生身のとこはきつい…」
肩から刃が離れ、血が次から次へと流れ出す。
地面に落ちる血は、加速に使用した余剰エネルギーが混ざり合って、眼と同じく黄色い光を発していた。
本当は、剣を手で弾き、その上で膝蹴りを決めるつもりだった。
しかし、弾く直前で、相手はブレた。
つまりそれは、見えなかった、ということ。
「だけど…思ったより…速いんだな!」
沢桐は駆け出す。
肩が痛むのも構わず、手のひらが傷つくのも気にせずに、
地面から割れたガラスを走りながら一掴み拾い上げ、
それをmasked romanceの着地を待たずに投げつけた。
- 443 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/04/20(火) 01:01:18 ID:PMt0ERXQ0
- >>442
重い、
お腹が重い、
胃を直接蹴られたんじゃないか、と思うほど痛い。
ビルの壁面が前に流れていく錯覚。
耳元で鳴る風だけが明確に、自身は後ろに跳んでいる、と告げていた。
イ ツ ザ キ
「『其は蒼く赫く黒く白く焼けて焦げた彼の声』」
吐き気を堪えて唱える。
速すぎて相手が見えない、
努力をしようとしても、努力する前に叩き潰される。
もし、創さんの速度を越えられる時があるとするなら。
それは、天運が完璧なまでに自身の味方をして、尚且つ全力を尽くした瞬間。
いやさ、それでいけるかどうか、と言ったところ。
歪む視界の中、月の光を反射して煌いているガラス達を見た。
その向こう、既に駆け出している創さんを彼女は見ている。
この際、ガラスは関係ない。
重要なのは、相手を倒すこと。
メ カ ト
「『其は喜怒哀楽を現した彼の声』」
詠唱は閉じた。後は発動するだけ。
羽で空を掴み、速度を落としながら体勢を整え、彼女は剣先を真っ直ぐ創さんに向けた。
肩、二の腕、腿。
ガラス片が刺さり、若しくは掠り、血が流れる。
やがて彼女の速度はなくなり、彼女はアスファルトに立った。
迫る創さんを真っ直ぐ見据えて叫ぶ。
「私より速いなら!!!」
〝しでかす〟つもりでいる彼女は、今、正に一撃を放たん、と構えていた。
- 444 :沢桐 創:2010/04/20(火) 01:30:46 ID:4TAPWv060
- >>443
―タッタッタッタッ…
沢桐はまだ加速せず、ゆっくりと走っていた。
ガラスを避けないのを見て、何か構えていることは見当がついていた。
これは準備時間。
大技を、真っ向から、速さだけで蹴り飛ばそうと、相手が準備、自分が準備する時間を与えていた。
やがて、masked romanceの速度はゼロになると同時に、呟いた。
「フォトン…アクセル…!」
―ギャリイイィィィンッッッッッ!!!!!
何かを思い切り引っかいた様な音と共に、沢桐の前後に足跡と炎の道が現れる。
足跡は途中で途切れ、肝心の沢桐も居ない。
いや、見えない。
「突撃の…アクセル、ブゥレイクウウウゥゥゥ!!!!」
沢桐は、真正面からmasked romanceに突っ込んでいた。
再び、跳び蹴りで。
- 445 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/04/20(火) 23:40:23 ID:PMt0ERXQ0
- >>444
視界にあるのは、炎の道と足跡だけ。
自身の動体視力が振り切られたのか、創さんの姿は今、見えない。
最初とさっき、二度の交撃を経た彼女は、考えるより前に、肌で感じる。
後、数秒。
乃至、数瞬。
一呼吸を待たずして、自身の体には蹴りが入り、また吹っ飛ぶ。
脳裏に浮かぶのは、今尚鈍痛をじわじわ吐き出す鳩尾に貰った一撃。
喰らいたくない、
でもそれ以上に勝ちたい、だから。
――――バチンッ。一つ、何かが破裂したような音が更に大きくなったような音。
鳴ると同時、彼女の握る白く、けれど刀身だけは赤い刄から雷が奔る。
無作為に放たれたせいか、その、蒼白い雷は何も関係ないビルの壁面を撃った。
――――バチバチバチバチ――断続的にそれがなり続ける。
鳴る度、蒼白い電光は刄から飛び出して、アスファルト、ビル、時に自身の髪のすぐそばを過ぎた。
人口の火が灯らない、静かな街。
車が走らず人が喋らない、静かな街。
彼女の雷は必要以上に街を照らす傍ら、トレードマークである狐の御面をうつしていた。
照らされた御面の奥の、彼女の目が見る、通り。
そこに創さんの姿は見えないけれど、わかる。
――創さんは『光速の男』であるがゆえ、真正面からその速度で以って勝ちを取る。
だから、あの人は自身の前面に広がる通りのどこか。
もっといえば。
炎の道と、自身を直線で結んだ際の、どこか。
速度で創さんが挑む以上、無駄に時間がかかる曲がり道を通るなんて、考えられない。
それに、自身に向かってくるならこの技を躱す術は〝在り得ない〟。
自身の体に〝式〟を刻むことで詠唱を破棄し、魔法を、妖術を、異能を、鍵語を唱えるだけで発動する自身の技の中、
詠唱を必要とする『奥義』が、正面から止められるわけには、いかない。
――――バチバチバチバチバチ――w―√ ̄ ̄バチンッ!!!!!!!
〝フォトン・アクセル〟、〝突撃のアクセルブレイク〟。二つの創さんの技の衝撃で軋んだビルや、割れた窓ガラスが。
煌々とした彼女の刄から、ダムが決壊したというように溢れ出る霹靂に『灼』かれていた。
ライト スラッシュ
「〝神解け〟!!!」
して当然、周囲は強い光に照らされ一時の真昼を得る。
その中、彼女は。
膨大な〝雷〟と化したを刄を握り、自身も雷になったように辺りにその飛沫を撒き散らしながら。
正しく『光速』で、遥か前方。薙ぎ払い、ビルに突き刺した〝避雷針/鞘/的〟に向かい、跳んでいく。
- 446 :沢桐 創:2010/04/21(水) 00:09:34 ID:4TAPWv060
- >>445
自分の速さで、身体が燃える。
強化された視力も追いついてこず、視界が揺れる。
蹴りの体勢を維持するだけでも、相当の疲労を感じた。
「…!」
ブレる視界の中、光を見た。
相手は光速に達したのを感じた。
未だ沢桐が操ることの出来ない速さで、相手は向かってくる。
[おおおおおオオォォォォォ!]
それを理解した時、誰にも聞こえない速度の世界で沢桐は叫ぶ。
いや、masked romanceにだけは聞こえたかもしれない。
嫉妬か、悔しさか。
同時に、沢桐が発していた黄色い光が緑色に変わる。
激情に反応し、"沢桐の速度"は限界を超えた。
―――――――!
二人が擦れ違うと同時に、周囲のビル街瓦礫の山と化した。
- 447 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/04/21(水) 00:30:30 ID:PMt0ERXQ0
- >>446
チィン、という納刀の音が、雷の爆ぜる音に混ざって高く響いた。
それと同時、刄から溢れていた雷は消える。
瓦礫と焦げたアスファルトが爪痕として、残っていた。
「――――はっ」
粗い、呼吸。
速度に体が耐え切れず、さきのガラス片による傷から血が溢れていた。
「――――はっ――――はっ」
エプロンドレス越しに、膝が瓦礫に落ちる。
両手で鍔元を握り、地面に突き立ててようやく屈んだ姿勢を維持していた。
「――――はっ――――はっ――――はっ」
三度、荒い呼吸。
ぐしゃぐしゃに脳味噌が揺れて。
心がぶれて。
やけに、自分の呼吸の音がうざかった。
- 448 :沢桐 創:2010/04/21(水) 00:42:47 ID:4TAPWv060
- >>447
沢桐の姿は見えない。
移動音も聞こえない。
そして、緑の光も黄の光も消えていた。
月明かりが変わって瓦礫の山を照らし出す。
静寂は、永遠に続くかと思われた。
―ヒュンヒュンヒュン…
何かが回転しながら落ちてくる。
それは青く、細長い何か。
月明かりを反射して輝いている。
―ヒュンヒュン…ダンッ!
沢桐の右脚が、瓦礫の山の頂点に突き刺さった。
傷一つ無い機械の脚はまるで何かのオブジェのようにその場に佇む。
そう、右脚だけ。
沢桐本人は、どこにも見当たらなかった。
【沢桐、masked romanceの攻撃によって死亡】
【遺体は自らの加速で消滅】
【勝者:masked romance】
- 449 :“masked romance” ◆X7kkkkkkkk:2010/04/21(水) 00:53:09 ID:PMt0ERXQ0
- >>448
私の攻撃は、届いたのかな。
――――ヒュンヒュンヒュン…………
いつになったら勝ちで、負けなのかな。
――――ヒュンヒュンヒュン…………
「あっ、」
――――ヒュンヒュン……ダンッ!!
頬を伝うそれは少し、しょっぱかった。
【“masked romance”:勝利】
【“masked romance”がログアウトしました。】
- 450 :沢桐 創:2010/04/21(水) 01:02:30 ID:4TAPWv060
- >>449
「…」
強制ログアウト直後、沢桐は何も考えることが出来なかった。
負けたのは理解していたが、悔しさは無い。
いや、正確には悔しかった。
それは、勝敗にではなく、速さで負けたことだった。
「ちくしょおおおぉぉぉっ!」
―ガシャンッ!
箱庭の端末に拳を叩きつける。
「…畜生…!」
ゆっくりと歩き出し、端末を後にする。
沢桐の眼は、ようやく黄色に戻った。
- 451 :No.3:2010/04/23(金) 23:08:37 ID:Jb8NW9co0
- 【イデアの箱庭、公園フィールド】
一人の男が立っていた。
いや、ただ立っていたのでは無い、解る者には解る、充満する異能の気配。
公園を選んだのは、自らの異能の応用の実験だ。
自らの異能の性質の一つ、質量変化で一体何が出来るのか。
データとして効果範囲が解っていても、出来ることがわからなければ実際に使え無い。
静かに、彼の異能が公園内に満たされて行く。
- 452 :黒金鋼 ◆FA/Bw.T3QU:2010/04/24(土) 21:29:44 ID:hedfrAak0
- 《イデアの箱庭:草原フィールド》
遮蔽物やギミックが一切無い、平々凡々なフィールド。
「……うっはー、いつ見ても広いな」
黒いロングコートの男が、腕を組み佇んでいる。
- 453 :ノエル=フルーレス:2010/04/24(土) 21:35:11 ID:R0.iNy.I0
- >>452
「ふうむ…草原か…特に何かあるわけではなさそうだ」
【どこからとも無く、無数の虹色の蝶が草原に舞う】
「さて……お手柔らかに」
【その乱舞の中央、空中に座るような姿勢で現れる】
- 454 :黒金鋼 ◆FA/Bw.T3QU:2010/04/24(土) 21:41:42 ID:hedfrAak0
- >>453
「――うし、来たな」
そう言って、ボクサーのような構えを取る。
「お手柔らかに、か……そいつぁちっと――」
黒金の両拳に灰色の邪気が灯り、そして。
「――無理な相談かも知れねぇな!」
強く地面を蹴り、思いきり殴りかかった。
灰色の――“硬化”の邪気を纏った拳が、ノエルに迫る。
- 455 :ノエル=フルーレス:2010/04/24(土) 21:49:21 ID:R0.iNy.I0
- >>454
「あ、そうそう…」
【虹色の蝶が辺りに思い思いに散っていく】
「改めて自己紹介と行きましょうか」
「私はノエル。ノエル=フルーレス。そして…」
【肉迫する鋼の足元。草で隠れていた所から】
【複数の黒い槍が、鋼に向かって勢い良く突き出す】
「私の使い魔、ミクトランです」
【黒い槍は一切の光を発していない。"黒く見える"だけだ】
【普通の槍ではないようだ】
- 456 :黒金鋼 ◆FA/Bw.T3QU:2010/04/24(土) 21:54:16 ID:hedfrAak0
- >>455
「悠長に自己紹介たぁ余裕だな――危ねっ」
ダンッ、と力強く地面を蹴り飛ばし、跳躍。
どうにか槍は回避できたようだが、後ろへ跳躍したため間合いが開いてしまった。
「はっはー……優秀な使い魔だな?」
おどけるように笑いながら言う。
どうやらそれなりに警戒しているようで、攻撃してくる気配は無い。
- 457 :ノエル=フルーレス:2010/04/24(土) 22:02:59 ID:R0.iNy.I0
- >>456
「ええ、大変優秀な私のパートナーです」
【突き出た黒い槍の形が歪み、縺れ合って宙へ浮いていく】
「我ヲ凡百ノ魔ト思ウナ。」
「我ハ夜ノ支配者。二ツノ世界ヲ分カツ者。暁ノ炎。時ノ主人。」
【混じり合い、一つの塊となった槍は、大きな黒い蝶の形となって】
【掲げたノエルの手の甲に止まり。言葉を発する】
「そして、これが私の術…」
【方々に散っていった虹色の蝶が変形】
【矢となって、鋼を取り囲むように、全天から雨のように降り注ぐ】
「……フェイク・バタフライ」
- 458 :黒金鋼 ◆FA/Bw.T3QU:2010/04/24(土) 22:16:07 ID:hedfrAak0
- >>457
「あー、そうだな。俺も自己紹介をしておこう」
無数の黒き矢を目の当たりにしながらも、黒金は言う。
「俺は黒金鋼。そしてこれが俺の“眼”――」
「――“鋼身眼”」
と、小さく呟いた次の瞬間。
灰色の邪気が、黒金の全身を包み込んでいた。
そして、無数の矢が黒金目掛け降り注いだ。
しかし。
「……“硬化”に特化した非常に地味ぃな能力よ」
黒金鋼は、笑みを浮かべつつ腕を組んで立っていた。
黒いコートは所々破れてはいるが、黒金自身には殆どダメージは無いように見える。
「さて、じゃあ今度こそ――」
灰色の邪気をその拳に纏い、黒金は地面を蹴り飛ばした。
その軌道は、先程と全く同じ。ただ一直線に殴りかかる。
- 459 :ノエル=フルーレス:2010/04/24(土) 22:28:32 ID:R0.iNy.I0
- >>458
「なるほど…これは見事」
【直撃しても尚ダメージを受けていない鋼に賞賛を送る】
「しかし…」
【一直線に跳躍、鋼の拳が振るわれようとした瞬間】
「私の術は、ここからがその本領」
【鋼の全身、矢の触れた箇所から】
【見えない糸のような這う環角が、鋼の脳へと届くと】
【鋼の意識を急速に奪おうとする】
「ブラック・アウト」
【鋼に触れた矢の魔力を媒介に意識を奪う術をかける】
- 460 :黒金鋼 ◆FA/Bw.T3QU:2010/04/24(土) 22:44:00 ID:hedfrAak0
- >>459
「な……――」
振りかざした拳が解かれ、地面に倒れこむ。
どうやら魔術系統に対する耐性が殆ど無いようで。
(――――)
朦朧とする意識の中、黒金は。
自らの右小指を、“へし折った”。
「痛っ――てえ!!」
痛みを与える事で、己の足で立ち上がれる程度には意識を取り戻した。
「だー……、久々に痛え。リアルに泣きそうだこれ」
軽口を叩きながらも、黒金は懐から赤い宝玉を取り出す。
そして、左手の甲にある凹みにそれを填め込んだ。
「赤い宝玉が示すは“筋力”――今度こそ、仕留めてやらあッ!!」
増強された凄まじい筋力を持っての跳躍。
そして、思い切り握り締めた拳を、振り下ろした――――!
- 461 :ノエル=フルーレス:2010/04/24(土) 23:04:32 ID:R0.iNy.I0
- >>460
「終わったか…」
【倒れこむ鋼の姿を見て、背を向けて去ろうとする】
「…む?」
【が、呻き声を上げたのを聞き、振り返ると、鋼は既に立ち上がっていた】
「…出来るねぇ…」
【宝玉を嵌め込んでいる鋼を見ながら呟く】
「……まだ自己紹介が途中でしたね…」
【空から襲いかかる鋼を呆然と見て、振り下ろされた拳を無防備に受ける】
「この身は人に非ず。私は混沌、混濁たる者」
【鋼の拳は、左肩から腿までを一直線に切り裂き、左腕が衝撃で宙を舞う】
「…"ハイブリッド"…」
【切り裂かれた傷口からは、血ではなく】
【銀色に鈍く光る、得体の知れぬエネルギーを垂れ流しながら】
【右手に止まっていた使い魔、ミクトランを鋼に向けて】
「飛べミクトラン。我が敵を断て」
【鋼へと高速で飛翔させる】
【ミクトランの漆黒の体は亜空間そのもの】
【亜空間内は物質を粉微塵に砕く為、触れれば"削り取る"力を持つ】
- 462 :黒金鋼 ◆FA/Bw.T3QU:2010/04/24(土) 23:19:04 ID:hedfrAak0
- >>461
「や、ば――」
慌てて左へと跳ぶ、が。
ミクトランが右肩を直撃し、肩の周囲もろとも削り取られた。
「――――っ」
どさ、と仰向けに倒れこむ。
右肩――のあった所からは赤い血が流れ、血溜りが生まれた。
「……通用しねーのな、これじゃあ」
小さく呟くと、そのまま目を閉じた。
――黒金鋼の死亡が確認されました
――黒金鋼 ログアウト
- 463 :ノエル=フルーレス:2010/04/24(土) 23:31:15 ID:R0.iNy.I0
- >>462
「勝った…のか…?」
【鋼の消えた後を眺めながら、呆然と見ている】
「……まだ余力はあっただろう…危なかった」
【そう呟くと、糸の切れた人形のように崩れ落ちる】
【腿まで裂かれた体は、もはや満足に動きそうにない】
「はは、予想以上に重い打拳だったな、もう一撃受ければ終わってた」
【草原に倒れながら、空を見上げる】
「運に助けられたか。それとも……」
- 464 :ノエル=フルーレス:2010/04/24(土) 23:49:19 ID:R0.iNy.I0
- 「相手ニ助ケラレタナ。主ヨ」
【舞い戻ってきた黒い蝶が語りかける】
「やっぱりそう思うか。ミクトラン」
「左様。拳打ガ通ジヌ、トイウ思イガ頭ヲ掠メタノダロウ」
「……」
【信じ抜き、貫き通せば勝利を得、更なる高みに登る】
【己が身を振り返れば、敗北を得ようと、それを積み重ね同じく高みに昇る】
【そうして人はいづれ化け物を超える】
「勝った気がしないなあ……」
【その呟きを最後に、意識は闇に消え箱庭から排除される】
- 465 :酒呑屋 虎姫in観客席 ◆JBbLACK.JY:2010/04/25(日) 20:10:14 ID:PVCCHe/60
- はぁぁぁあ〜〜〜〜……
【最近……というか結構前からいっつもこうだ。有り体に言えば暗い】
【何時の間にやら波の音さざめく港に来ていた】
【月の光が青白く辺りを照らすなか、テトラポッドの上に座って俯いている】
【ポケットから瓢箪を取り出し、栓を抜いて何度か振る。何も出ない】
チックショ……ああーーーーーーーモヤモヤするっぅぅううううう!!!!!!!!
【駄々っ子のように脚を何度も上下し、中空を蹴り上げる】
【それもすぐやめて、俯いて寂しそうにため息をついた。涙の水滴がコンクリートに一滴、染み込む】
- 466 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/04/25(日) 20:10:45 ID:PVCCHe/60
- //名前欄変えるの忘れてた
- 467 :橘想夜:2010/04/25(日) 20:31:59 ID:/k2gysHgO
- >>465
からん、ころん、と――木履の音。
機嫌良さげに、楽しげに響くその音がふと止んで、次いでかつとアスファルトを強く打つ音がした。
「お酒の匂いが、しませんねぇ」
虎姫の背後にふわりと跳躍した人物は、彼女の顔を覗き込むようにひょいと顔を出した。
真黒の瞳がくりくりと動き、虎姫の顔を見る。
「どうかしました?」
- 468 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/04/25(日) 20:41:43 ID:PVCCHe/60
- >>467
【顔を上げる。不意に現れた顔はよく見知った少女のような少年で。】
……禁酒したんだー、なんちゃって。
【乾いた笑い、気力の感じられない声】
【濡れた睫毛が月光を吸い込んで、光の粒子を煌めかせる】
なんだろうね……皆楽しそうなんだ。
毎日さ、なんも苦しいことないみたいに笑って、話して、怒って……
【それを真似もした。笑って、話して、合わせて――でも】
僕のは全部――……猿真似だッッ……!!
【顔をくしゃくしゃに歪めて両手を目に当てる】
【声から滲むのは尋常でない苦悩。歯を食いしばって押し殺した嗚咽は低く、小さい】
- 469 :橘想夜:2010/04/25(日) 20:50:13 ID:/k2gysHgO
- >>468
想夜はこっくりと首を傾げる。良く分からない。慰めの言葉なんて思い付かない。
――困った。どうすれば良いのか分からない。
彼女が泣いているのは何故か凄く困る。しかし言葉は出てこない。
「ぅ……」
口を開いても出てこない。仕方ないから想夜は、彼女の背中をさすってみる。
- 470 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/04/25(日) 20:57:23 ID:PVCCHe/60
- >>469
【何故か分からないけど、悔しい。ハッキリした自分が分からないのはこんなにも悔しいのか】
【背中に暖かい動きが生じる】
【そういえば人に触られることはここ最近無かったなぁ、なんて思って】
っぁあ゛ーーーーっッ! あ゛ーーーーーーーーーー!!
【とたんに何かが決壊して、何も知らない子供のように稚拙な泣き声を上げた】
……いきなりで、変な事だよね……ごめん……。
【暫くしてようやく泣き止み、服の袖で乱暴に涙と鼻水を拭きとって呟いた】
……アンタは何やってたの?
- 471 :橘想夜:2010/04/25(日) 21:05:51 ID:/k2gysHgO
- >>470
急に大きな鳴き声挙げた虎姫に驚いたらしく、想夜は大きな眼を見開き、やがてぱしぱしとしばたいた。
「……僕、何かしましたか?」
おずおずと尋ねた。
「あ、僕はふらふらしてましたよ。あっち行ったりこっち行ったり」
- 472 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/04/25(日) 21:10:31 ID:PVCCHe/60
- >>471
ははっ…もう気にしないでいいよ、気にしないで。
あ、でももうちょっとだけ背中撫でて。
【背中を丸めて、椅子替わりにしたコンクリートの塊に手をつく】
そう……何かあった? 面白いこととかさ。
【想夜に目を向け、自然に微笑む】
【白い肌は月の光でより白く神秘的に照らし出される】
- 473 :橘想夜:2010/04/25(日) 21:23:12 ID:/k2gysHgO
- >>472
「なーでなーで……」
こく、と頷き小さな声で言いながら背中をさする。ゆっくり、ゆっくりと。
「そうですねぇ……」
手を動かしながら視線を上向かせ、思いだそうとする。楽しい事、楽しい事。――楽しい事。
「……何も無いですねえ……」
がく、と肩を落とす。楽しい事は無く、悲しい事も特に無かった。日々をふらふらと生きている。
「ご飯食べて、ぶらぶら動いて――ってだけですから。あ、でも」
首を小さく傾げる。手の動きが止まる。
「刺激も何も有りませんけど、今思うと意外とこれが面白かったかもしれませんねぇ」
- 474 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/04/25(日) 21:28:41 ID:PVCCHe/60
- >>473
【目を細めて気分よさそうに背中を撫でる手を感じている】
なんだ、アンタもかー。
世の中そんな楽しいことって転がってないモンねぇ……この異能都市だから
もうちょっとネジ吹っ飛んだみたいな――ん?
【言葉を途中で切って】
なに、『これ』って。
【不思議そうに首を傾げる。さっきと逆だ】
- 475 :橘想夜:2010/04/25(日) 21:36:24 ID:/k2gysHgO
- >>474
「手疲れた……」
虎姫の背中から手を離してぷらぷらと振る。
「えぇとですねぇ……こないだ暇潰しに猫の真似してたんですよ。ずーと猫の後を追って」
住宅地の屋根の上を歩いて行ったり。猫の喧嘩を眺めたり。
「日向で昼寝してみたり。……その時は特段楽しくなかったですけど、今思うと面白かったなー、って。
猫って意外と幸せなのかもしれませんねえ。日がな一日ぷらぷら、ぷらぷら」
- 476 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/04/25(日) 21:42:19 ID:PVCCHe/60
- >>475
……。
【何時の間にやら、話を聞き終える前に耳に人差し指を突っ込んでいる】
【なぜか顔面は蒼白だ】
…………頼むからそれ以上言わないで…。
【ガタガタ震える手のひらを想夜に向けて同じく震える声を漏らす】
- 477 :橘想夜:2010/04/25(日) 21:48:10 ID:/k2gysHgO
- >>476
「ああ、そういえば猫の事は――――」
苦手でしたねと言い掛けて、そしてその言葉が出てこない。言葉を紡ごうとした口が閉じかけて、
「……何で」
別の言葉を響かせた。
「……こんな事知ってるんですかねぇ?」
- 478 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/04/25(日) 21:58:40 ID:PVCCHe/60
- >>477
……
【手のひらを向けて俯いていたが、不意に己の頭を跳ね上げた】
僕、ネコ嫌いなんて話してない……よ?
【咄嗟に想夜の両手をとって、ぐいと引く】
【一気に顔が近づく。その目は驚愕と、僅かな希望の光を持っていて、】
アンタやっぱり、『俺』か『私』か、どっちか知ってる!!!
- 479 :橘想夜:2010/04/25(日) 22:06:39 ID:/k2gysHgO
- >>478
「っ……」
驚いた想夜は少しの間眼を見開いて虎姫を見ていたが、やがて気まずそうに視線を外して、俯いた。
「……分かんないです。さっきは何故か、ふ、と」
朧気。霞みが掛かったように。輪郭が曖昧で見えてくるのは断片だけ。
「……すいません」
- 480 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/04/25(日) 22:15:09 ID:PVCCHe/60
- >>479
……っ……。
【苦々しく顔を歪め、強く握っていた手をぱっと離した】
いいわよ、謝んなくても。
【額に指を当ててうーんと唸ってから、「これしかないかー」と息を吐いた】
でも、ただ、やっぱりあんたは……どっから飛んできたか分かんないこの記憶を知ってる。
だったら取るべき行動は一つ。
【ぐりんっと背を向けるように腰を捻って】
僕と同居、しようぜベイベ。
【ひゅん、ぴたっ。想夜の鼻先に指を突きつけて、犬歯を輝かせるきざったらしい笑顔】
- 481 :橘想夜:2010/04/25(日) 22:21:51 ID:/k2gysHgO
- >>480
「んー……」
また首を傾げて想夜は白皙の顔貌に思案の色を浮かべる。黒絹の髪がさらと揺れた。
「…………」
黙考。色々と考えようと試してみる。けれど考えるべき事柄が特に無い。その日暮らしの気儘な生活。
「良いですよ?」
- 482 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/04/25(日) 22:24:11 ID:PVCCHe/60
- >>481
おっしゃ、交渉成立ぅっ。
【両手を叩きあわせて】
よりアンタに僕を観察してもらって、僕からもアンタを観察する。
可逆的にイケるかもしんないし、コレが最善の方法よね!
【自分の言ったことにいまさらながら感心している】
- 483 :橘想夜:2010/04/25(日) 22:31:52 ID:/k2gysHgO
- >>482
「うーん、そうかもしれませんねぇ」
想夜としても自分の事が解るのは有難い。
「じゃあ、僕について何か気付いたら教えて下さいね? 僕も何か気付けば言いますから」
- 484 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/04/25(日) 22:35:42 ID:PVCCHe/60
- >>483
オッケオッケ、分かったよ。
【ひょいと立ち上がり、テトラポッドを蹴ってしっかりした足場の陸地へ着地】
そんじゃついてきなよ。僕の家に連れてってあげる。
【微笑を携えたまま、そう言ってさっさと歩き出した】
- 485 :橘想夜:2010/04/25(日) 22:43:09 ID:/k2gysHgO
- >>484
「乗せてって下さい」
ぴょんと想夜も跳躍。着地ではなく、また足を降ろすのではなく腰を降ろす。
降ろした先は虎姫の肩。二人の影は肩車をしていた。
「……高いですねぇ」
- 486 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/04/25(日) 22:50:33 ID:PVCCHe/60
- >>485
もうちょっと可愛げある背丈のが良かったわ。
生まれてからこんなだし昔と比べてショック〜ってのは無かったけどね。
【落ちないよう想夜の脚を掴む。細い足だなぁと思いながら】
掴まってろよー飛ばすぜハイウェーイ!?
【少し腰を落としてスタンディングスタートの準備、地面に落ちるように膝の力を抜いて】
スタートッ!!!
【急速に踏ん張る! 全体重を荒いコンクリートに食い込ませ、ロケットのように飛び出した】
【強い風が真正面から叩きつけ、それを切り裂くように走る走る】
- 487 :橘想夜:2010/04/25(日) 22:57:05 ID:/k2gysHgO
- >>486
虎姫が走り始めた直後、飛ばないようにと帽子を手で抑えていたが、
「はふっ……」
風圧に呼吸が苦しくなった想夜は口許を隠すように軽く背を丸めた。
眼も開けて居られない。想夜は身を小さくして家に着くのを待つ。
- 488 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/04/25(日) 23:01:57 ID:PVCCHe/60
- >>487
ずぇりゃっ!! ズザザザザザザザザザザザ
【盛大に土埃を撒き散らす靴底ブレーキをかけて停止】
【目の前には木造の古い一軒家がある】
ほらここだよ。降りた降りた。
【しゃがみこんで、降りやすいように頭を下げる】
- 489 :朝宮暁:2010/04/25(日) 23:08:44 ID:/k2gysHgO
- >>488
「…………」
想夜は風圧に負け、足を抑えられて上半身を宙ぶらりんにした逆万歳のような姿勢で到着。
髪は纏めていたため砂埃にまみれる事は無かったが。驚いたようでぱしぱしと瞬きをしていた。
「あ、ここですか――よっ、と」
ぴょんと虎姫から飛び降りる。不思議な事に虎姫の体には、飛び降りようと入れた筈の想夜の力が掛からなかった。
「……なんだかふらふらしますねぇ」
きょろきょろと視線を巡らせていたが、いつの間にかその首も回っていた。
- 490 :名も無き異能都市住民:2010/04/25(日) 23:16:03 ID:/k2gysHgO
- //なまえががががが
- 491 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/04/25(日) 23:17:05 ID:PVCCHe/60
- >>489
飛ばしてきたからね、わりぃわりぃ。
【へらへら笑ってドアを開く……が】
……まずは掃除、か。
【地面には大量のゴミ――食べ物の容器や布切れ、本、そして――死体】
【数多の物が腐臭を放っていて、思わず顔をしかめる】
片付けなきゃなぁいい加減……さ、上がってよ。
【そう言って二階へ続く階段へ。不思議なことに階段にはゴミは何もない】
【みしみし音を立てる板を踏み、二階へ上がっていく】
- 492 :橘想夜:2010/04/25(日) 23:21:58 ID:/k2gysHgO
- >>491
「ぅー」
と唸って鼻をつまみながら二階に上がる。死体は見慣れた物で特段の反応は見せなかった。
やけに綺麗な階段に首を傾げつつ虎姫の後に続く。体重が軽いためか足音も軋む音もしない。
- 493 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/04/25(日) 23:28:33 ID:PVCCHe/60
- >>492
【二階に上がると通路の先に三つ部屋があった】
【そのうちの一つを開けると、ベッドとタンス、机と椅子が置いてある質素な部屋】
ここ僕が寝泊りしてる部屋。今んとこ一番綺麗な部屋だから、ここ使って。
隣もおんなじような部屋だけど使ってないから埃まみれ。
突き当たりの部屋は刀の保存部屋だし、寝泊りはできない。オーケイ?
【想夜の顔をのぞき込む】
- 494 :橘想夜:2010/04/25(日) 23:39:35 ID:/k2gysHgO
- >>493
「分かりました」
こく、と頷いた後にぽんと手を叩く。おもむろに自分の懐へ手を伸ばしながら、
「刀の手入れしてします? してないなら僕しますよ。研ぎも出来ますし」
懐から取り出して次々に並べたのは盛り面の砥石に打ち粉の容器、鉱物油。更には越前奉書紙なんて物も有った。
「……後、僕が集めた刀も持って来ていいですか?」
- 495 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/04/25(日) 23:44:38 ID:PVCCHe/60
- >>494
【道具の一つ一つを観察して嘆息する】
よぉく持ってるわねぇー。んじゃ頼むわよ。
アンタなら刀なんか一心同体みたいなモンでしょうし。
【その分なだめるのは凄い大変だったけど、と口中で呟き】
普通の名刀やら妖刀やらは普通に研いでくれて構わないわ。
他にも変な刀がちょいちょいあるけど、分かんなかったら聞いてよ。
勿論、持ち込んでくれても構わないわ。馴染んだ刀は必要でしょ。
【数度頷いて快諾する】
- 496 :橘想夜:2010/04/25(日) 23:50:39 ID:/k2gysHgO
- >>495
「やたっ」
小さく歓声を挙げて喜ぶ。
「分かりました。近い内に持って来ますね。……早速手入れしてみても良いです?」
もぞもぞと手を動かしながら虎姫を見上げて尋ねる。刀を弄りたくて仕方が無いらしい。
- 497 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/04/26(月) 00:01:24 ID:PVCCHe/60
- >>496
あーもーそんなにソワソワしないっ。
どうぞ存分に弄繰り回してちょうだい。壊さない程度にね。
【廊下の突き当たりへ歩き扉を開く】
【そこは寝室を三つくらい繋げたような広い部屋で、床が金属で出来ていた】
【部屋中に刀掛け、刀箱が乱雑に置かれていて、刀の何本かは地面に転がってるのもある】
【しかし入り口から見て左奥。四本枝の刀掛けに丁寧にかけられた物が三本】
転がってんのはまぁまぁ名刀で、色々曰くがある中じゃ真っ当に作られた物。
向こうの左奥は、僕が特に気に入ってる変態みたいな刀。
【頬を静かな興奮に紅潮させて、刀を指さしていく】
- 498 :橘想夜:2010/04/26(月) 00:12:21 ID:/k2gysHgO
- >>497
無数の刀の中でも特に想夜が興味を示したのは、虎姫の言う変態刀。想夜はとことことそれに近付き、暫くのじっと黙り込む。
「…………」
ちら、と虎姫を振り返り視線を戻す。また振り返って、また戻す。
やがて決心がついたのか、
「抜いてもいいですか……?」
おずおずと尋ねた。
- 499 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/04/26(月) 00:18:16 ID:PVCCHe/60
- >>498
別に構わないよ。抜いても呪われるって類のもんじゃないし。
【気楽そうに言って、地面に転がってる刀を拾って引き抜いたりしてる】
【刀はそれぞれまるっきり別の鞘に収まっている】
【一つは、鋼とは違う、もっと硬質で光の分かれ目がハッキリした金属の鞘】
【一つは、こちらは鉄で出来た鞘なのだろうが……柄を除いて酷く錆び付いている】
【一つは、一見普通の木で出来た鞘だが、よく見ると縦に長い筋がある。竹製だ】
- 500 :橘想夜:2010/04/26(月) 00:26:36 ID:/k2gysHgO
- >>499
「…………」
最も気になったのは竹鞘の一振りだったが、それを手に取ろうとした想夜の動きがぴたりと止まった。
手入れと言った手前、一番最初に見るべきなのはこれかな、なんて考えて手を伸ばしたのは、酷く錆びついた一振り。
想夜はそれを持つと、まずは抜いてみようと静かに柄を引く。
- 501 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/04/26(月) 00:35:08 ID:PVCCHe/60
- >>500
ザッ゛ッガ ジャリ゛
【なんとも嫌な引っ掛かりの音を立てて、刃が引き抜かれた】
【刃の方も何とも見事なまでに錆び付き、赤茶けた酸化鉄の色しか見えない】
【だが、刃から感じるのは内に秘められた鋭さ】
【錆びた刃ながら、研がずとも凡刀くらいには切れるだろう】
おっ、その刀取ったんだ。
面白いよソレ、研いでみな。
【ならば研げば――一体どれほどに切れるのだろう】
- 502 :橘想夜:2010/04/26(月) 00:43:29 ID:/k2gysHgO
- >>501
「ふむ……じゃ、やってみますね」
言って抜き身の刀を持ったまま、道具を回りに並べて座り込む。
複数の砥石の内から取ったのは金剛砥。とりあえずはこれでと、慎重に錆を落として行く。
- 503 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/04/26(月) 00:51:05 ID:PVCCHe/60
- >>502
【刃についた錆は非常に柔らかく、一度削っただけで全てこそげ落ちてしまった】
【現れた金属は刀匠の魂が篭った、狂おしいまでに『鋭刃たれ』と願われた刀身】
【鋼で在りながら、およそそれより硬い金属も切り裂くだろうと確信する鋭さ――だが】
パキ ミシッ....パリ
【研いだ端から――次々と、銀色を侵食するように刃が錆び始める】
【研がれた部位はやがて何も無かったかのように、錆に覆われて元通りとなってしまった】
そいつは名刀『赤鰯(あかいわし)』。……どうよ? 変な刀でしょ?
【後ろで眺めていた虎姫がにひひと笑う】
- 504 :橘想夜:2010/04/26(月) 01:01:05 ID:/k2gysHgO
- >>503
金剛砥の盛りの頂上辺りに刀身を当てていた左手を外し、真っ直ぐに持って姿を確認する。
「――――」
錆の失せた部分の剥き身の輝きにほうと息を吐く。――問答許さぬ名刀だ、と思った瞬間、
「え」
光が錆に遮られ始めた。虎姫の言葉を聞きながら、想夜は唇を不満げに尖らせた。
「正しく意味通りですけど……これじゃ研ぐ意味が無いじゃないですか。……良い刀ですけど、使えませんし」
- 505 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/04/26(月) 01:12:01 ID:PVCCHe/60
- >>504
そうよ使えない刀! アホみたいでしょ!
【胸を張って、まるで自分の自慢みたいに得意げ】
これに関しちゃ色々文献が残っててね……かなり昔に作られたモンだって。
メチャメチャ才能のない刀匠・不久津が二十から死ぬまでこれ一本に全人生かけて作ったとか。
【懐から古そうな本を引っ張り出して読み上げてる】
時代時代で、妙に名前が多いのよねぇ。
七本失敗して出来た八本目の刀だから『七転八刀』とか、
刀匠・不久津の諦めの悪さとかけて『倒尚不屈(とうしょうふくつ)』、くだらねぇー。
どのみち使い物にならないトンデモ刀って説明で全部終わってるよ。
【本を投げ捨ててからからと笑う】
使うんだったら、研ぎながら斬れる技でも持ってたら使えそうだけどねぇ〜。
- 506 :橘想夜:2010/04/26(月) 01:20:24 ID:/k2gysHgO
- >>505
「はあ……七転八刀、ですか」
使えないと分かった想夜の目は、何だか不思議な物を見るような目だった。
事実、不思議であり意味不明なのであるが。
「…………面白いんですけどねえ。使えないんじゃ……」
はあ、と嘆息。
「……よし、次にいきましょう。どれから手入れするか決めたいですし」
言いつつ、別の刀に手を伸ばす。今夜中に全ての刀を確認したいらしい。
朝になれば、多分寝こけた想夜を見られるだろう。
//ここまでで……ありがとうございました。お休みです
- 507 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/04/26(月) 01:23:28 ID:PVCCHe/60
- >>506
適当に見てて頼むわ。僕は寝る。
ご飯は……適当にかっぱらってくるわよ。おやすみ。
【後ろ手に軽く手を振って、部屋から出て行った】
//こっちもおつさまー
- 508 :860号 ◆JBbLACK.JY:2010/04/27(火) 21:07:02 ID:B5aiNtao0
- 【ネオンの眩しい繁華街】
【今日も喧騒は夜まで続く。しかし今夜の喧騒は普段とは全く別物だった】
ンー♪ アーアーアー♪
【鼻歌交じりに往来を歩く、学生服の少年】
【見る限り歳はせいぜい15がいいところで、降ろした黒髪は肩まで掛かり】
【狂人のみ持ちうる純粋無垢な瞳をし、鼻っ柱に刺青で「860」と刻印されている】
【そして、その場にはその狂人以外にマトモな者はいなかった】
「ふざけやがって!」
「よくも言ったな、テメェ!」
「貴方が悪いのよ!」
【彼を除いて周囲の人々は例外なくお互いを罵り、殴り合い、そして昏倒している】
【少年はぺろりと舌を出して、指先を舌に埋める】
ハッハ、ウソツキって罪か?
【踊るように腕をくるくる回し、繁華街の真ん中を歩き回る】
- 509 :ロザリア・ロートシルト:2010/04/27(火) 21:13:31 ID:rSRBD9/U0
-
その光景を、背の低い廃ビルの屋上から見つめる者があった。
「……無粋ねえ。ヒトというのはどこまでも無粋。」
彼女も、その光景を楽しむように軽く笑った。
やはり、ニンゲンは滑稽だ、と。
- 510 :真城空:2010/04/27(火) 21:14:28 ID:ZOM.z7ps0
- 「わ、わ、わわわわわ!!?」
ぐるりと取り囲まれてしまった。買い物をしていただけなのに、何故?
そんなことを考える前に、彼の視界は真っ白になった。
「……っきゃー!! いや、いやー!!!」
よりによって、苦手な女性ばかりに囲まれて。
罵倒されながらヒールでげしげし蹴られる。
なんだか思い出したくもない昔を思い出して……とにかくくらくらする。逃げたい。
彼はポケットからカードを探り当て――
- 511 :860号 ◆JBbLACK.JY:2010/04/27(火) 21:30:16 ID:B5aiNtao0
- >>509
【見ると、少年は堂々と食品店の物を手にとってポケットにねじ込む】
【店員が怒りながら近づいてくるのを、顔を近づけて何かぼそぼそと呟き】
【次の瞬間には更に怒りながら喧騒へ走っていき、殴り合いに乱入した】
ヒヒヒヒヒャヒャヒャヒャアーーーッハッハッハッハハ!!
【ポケットに入れた食べ物を放り投げ、高笑いを始める】
>>510
「あんたね! 言っていいことと悪いことがあるでしょ!」
「最低です最低、底辺以下のゴミクズです!」
「貴様如きに言われるほど女として終わっていないわ!」
【何がなんやら、完全に縁のない反論を浴びせながらワリと本気で蹴ってくる女性たち】
【その群衆の後ろで、下卑た不快な笑いが小さく響いた】
- 512 :真城空:2010/04/27(火) 21:36:19 ID:ZOM.z7ps0
- >>511
「ひ、ひいい……!」
悲鳴を上げてしゃがみこむ。
いたいいたい、やめて……
「やめて、ねえさん……いたいのいやだぁ……ッ」
ほとんど無意識に、蚊の鳴くような声で啜り泣きながら。
青いカードを取り出して、中空に「置く」――
光を放って召喚されたのは、水の精霊。
周囲にスプリンクラーのように放水、女性たちの注意を逸らそうと試みる。
- 513 :ロザリア・ロートシルト:2010/04/27(火) 21:39:39 ID:rSRBD9/U0
- >>511
無様に争いを続ける人々を見下ろしているうちに気づいた。
まるで、、あの少年が中心となるようにその争いが伝播している、のではないかと。
「能力者、かしらねえ。」
人の諍いなどに首を突っ込む趣味は無いが、
その少年に興味をそそられたロザリアは争いの中に降り立った。
- 514 :860号 ◆JBbLACK.JY:2010/04/27(火) 21:51:36 ID:B5aiNtao0
- >>512
「きゃぁッ!」
「何!? 冷たいじゃない!?」
「やぁぁあんもう、買ったばっかなのにぃ!」
【小さく悲鳴を上げたり、慌てて背中を向けたり】
【行動は様々だがみな例外なく後ろへ下がって、空を囲む輪のスキマが広がる】
>>513
【ひく、と少年の耳が動く】
【人を値踏みするような視線が一瞬、彼の瞳を過ぎったが……すぐに】
ああっ、すいません! お願いが!
【大きく目を見開いて、うっすら涙を潤ませた瞳でロザリアに駆け寄る】
僕、僕さっきまで買い物してて……それで外に出たら、皆こんな風に……
このままじゃ僕無事に帰れません! 皆を納めてください!
【顔は青白く、か弱い小動物のように小さく体を震わせる】
【情のある人にはなかなか断りにくい雰囲気を出して、何度も懇願してくる】
- 515 :真城ソラ:2010/04/27(火) 21:58:52 ID:ZOM.z7ps0
- >>514
ひっくひっく。嗚咽を漏らしながら、外に出る。
「う、うぅう……ねえさんが苛める……いたいのいや……
『ソラ』、おうちかえりたいよう……」
ぐしゅぐしゅといつも以上に女々しく。泣きながら、目にしたのは少年とロザリアだった。
- 516 :ロザリア・ロートシルト:2010/04/27(火) 22:04:30 ID:rSRBD9/U0
- >>514
「いいですわよ、困っているものを助けるのは貴族の嗜みですから。」
ロザリアは、少年の値踏みするような視線を見逃さなかった。
あのような視線ができるものが、小動物のようにおびえるものか。
(私をだますつもりだろうか……面白い。ここは、乗ってあげるわぁ。)
右手に、赤い稲光を纏わせて、暴れる人々へと放った。
無論、命を奪うほどではないがスタンガン程度の効果はあるはずだ。
- 517 :860号 ◆JBbLACK.JY:2010/04/27(火) 22:11:30 ID:B5aiNtao0
- >>516
バヂッ!!
【電撃が周囲の人々の体で弾け、膝から下を無くしたように地面へ崩れ落ちた】
たたたた助かります! これで僕やっとおうちに……
【安堵の表情で息を吐き、でも電撃に怯えて彼女の後ろへ】
【そういう――自然な流れで、後ろに回り込み】
――おうちに帰れます。
【ロザリアの後頭部に手を伸ばし、髪を引き抜こうと爪を伸ばす】
>>515
……ヘッ。
【少年は水を撒き散らすカードを見て思う】
【「使えるかな」と】
- 518 :真城ソラ:2010/04/27(火) 22:17:50 ID:ZOM.z7ps0
- >>517
「ひく、ぐす……、……?」
かくりと首を傾げる。
その仕草は女っぽいとかそういう範疇を超えていて、正しく女性のそれ。
「……ソラ、なにかしたかなあ……?」
彼……今は彼女だろう。彼女の手元には、カードの束。
- 519 :ロザリア・ロートシルト:2010/04/27(火) 22:19:51 ID:rSRBD9/U0
- >>517
ロザリアは、あまりにも自然に行われた
その行為に疑問を感じることは無かった。
彼女はこの異変の原因がこの少年の使う何らかの手段――
恐らく、魔術や異能の類。
そうであろうと考えてはいたが、
魔術の発動を察知した時点で止めればよいと考えていた。
そういった類の発動を感知できるロザリアは少年自身の動きに対しては
注意がおざなりになっていたのだ。
- 520 :860号 ◆JBbLACK.JY:2010/04/27(火) 22:32:29 ID:B5aiNtao0
- >>519
【ぷちんっ、と小さな音。いや、音すら無いかもしれない】
【軽微な痛みが一瞬で通り過ぎた】
ヒヒヒ! ヒーヒィ! 貰い、貰ァアアアアアいィィイイイイイ……ッ!!
【ロザリアの髪一本を手に持ち、声を押し殺してぴょんぴょんと飛び跳ねて離れる】
【髪を口に咥え、右手の指でつまむ。その顔は醜悪な笑みに歪んでいた】
【それから、ロザリアにだけ聞こえるよう押し殺した声は続く】
テメェ能力者だろ。これで今日分のノルマは達成だ。
もう用無いッスから、とっとと帰ったらどうっスか? イヒヒャヒャ!!
【ぞんざいに手の甲を振って、「しっしっ」と格下を追い払う仕草】
【それきり背を向けると、空のほうへ駆けていき――】
>>518
――助けてくださァい!!
【ロザリアへの態度は、空に顔を向けた瞬間一変】
【先程の子犬のように泣きつく顔で、空の肩へおどおどと手を伸ばして】
あの人が、さっきまで周りの皆を操ってた人なんです!
見たでしょうさっきの電撃を! 「飽きた」って、まるで人間を人間と見ないような声で……
僕じゃ無理です、貴方に頼るしか……お願いです、助けて!
【声は潤み、泣いているかのように鼻声や嗚咽が混じる】
【ロザリアの影となるよう空の背中にしがみついた】
- 521 :真城ソラ:2010/04/27(火) 22:40:32 ID:ZOM.z7ps0
- >>520
「ふ、ふへぇ? ソラが、あの子を――」
涙に濡れた目がくるりと動く。
この人たちを操って……本当だろうか?
でも、この子は泣いてるし。ソラがやらなくちゃ!
「……うん、わかった!」
涙を拭いて、ロザリアの前へ立つ。
>>519
「こ、こらぁー……で、いいのかな……
この人たちを、元に戻して!」
トラウマを掘り返されて、精神が幼少期――女として育てられていたころ、そこに戻った「真城空」。
彼は、「真城ソラ」として、カードを抱えてロザリアに対峙した。
- 522 :ロザリア・ロートシルト:2010/04/27(火) 22:43:02 ID:rSRBD9/U0
- >>520
「…………ッ!!?」
一瞬の違和感。
振り向きざまに躊躇無く、吸血鬼の肉体に宿る
剛力に任せて右手を振りぬく。
しかし、既に860号はその場を離れた後でロザリアの手刀は空を切る。
「やはり、薄汚い本性を隠していましたか……
本当に、下賎な者はイヤになりますわぁ……」
余裕たっぷりに、860号に視線を流す。
しかし、内心ロザリアは焦っていた。
他人の肉体の一部、主に爪、髪などを触媒にして
遠く離れた地からその人物を操ったり危害を加えたりする魔術もあるという。
- 523 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/04/27(火) 22:45:21 ID:WVrfsEdY0
- 「…う〜…?
おさんぽしてたのに…なにがあったのかなの?」
【右腕が包帯でぐるぐる巻きになって固定されている少女がのそのそと歩いてきた】
//病院にいたけど気にしないできた!!
- 524 :860号 ◆JBbLACK.JY:2010/04/27(火) 22:56:14 ID:B5aiNtao0
- >>521
頑張ってください!
皆のためにも『悪を打ち倒して』……ククッ! ゴホッゴホッ!
【『悪』はどっちだか。不意に込みあげた笑いを咳払いで誤魔化し】
【ロザリアへ向けて空の背を小さく押した】
>>522
〜♪
【声に出さずに、思いっきり目の下を引っ張ってのアッカンベー】
>>523
【3人の周囲には男女問わず大勢が倒れ、気絶している】
(おっ。)
【ディスを見て、小さく口を開ける】
【だが容姿を見て、】
(なんだガキか……)
【あからさまに見下して、鼻で笑う】
- 525 :ロザリア・ロートシルト:2010/04/27(火) 23:01:52 ID:rSRBD9/U0
- >>521
「ん、貴方は……?」
空の言葉から、この少年は自分がこの
異変の原因だと思い込んでいるのだと理解して。
「貴方は私が原因だと思っているようだけど、私は違うわぁ。
原因はそこのボウヤよ。」
ロザリアは戦う気は無いようだ。
>>524
(ここは、このボウヤを倒さなければいけないみたいねえ。)
そういった呪術の類は恐ろしいが
何より自分の体の一部が弄られるというのは気味が悪い。
「あまり私を怒らせない方がいいわよ、貴方。」
ロザリアの手のひらの上でバスケットボールほどの火球が生成される。
それは3つの炎の矢に分裂し、860号へと向かって飛びかかっていく!
- 526 :真城ソラ:2010/04/27(火) 23:06:03 ID:ZOM.z7ps0
- >>524>>525
「え、ええぇ……?」
二人の意見が食い違った。どういうことだろう。
すっかり子供に戻ってしまった思考力では、事に追いつけない。
「きゃっ!?」
ロザリアが放った火球に驚いて、身を縮める。
- 527 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/04/27(火) 23:09:09 ID:WVrfsEdY0
- >>524
「…あう?だれかなの…」
【男の子?と、目が合って】
「なにしてるなの?」
【じっと見つめながら言う】
>>525
「…あう〜?『ろざりあ』もいるなの!」
【驚いた表情でロザリアを見る】
「あう、たたかってるなの!」
【驚いてやや後ろに下がる】
>>526
「あう〜!『くう』なの!
どしたの!?」
【慌ててディスは空へと駆け寄ろうと】
「あう!」
【目の前を火の玉が通り過ぎたので思わずたじろいだ】
- 528 :860号 ◆JBbLACK.JY:2010/04/27(火) 23:11:04 ID:B5aiNtao0
- >>525-527
ぼっ、僕にそんなこと……
【火球が生み出されるのを見て、得心。ならばと、空やディスの耳に届くよう】
【自ら炎の矢に躍り込んだ!】
――ぐわぁッ!!
ドズッ ボッ
【矢は空の上を真っ直ぐ飛来し、右腕に二本、脇腹を縫うように一本】
や、やだ……僕、なんで……こん、な……お母さん……!
【熱気が少年の涙を蒸発させ、苦しみに呻くようにうずくまる】
(……マジでイッテェっちゃ痛ェンだよクズアマが。後で[ピー]して[ピー]してやンぜ……)
【うずくまった中で、不敵に笑う顔を見れるものはいない】
- 529 :ロザリア・ロートシルト:2010/04/27(火) 23:19:41 ID:rSRBD9/U0
- >>526 >>528
空が身を縮めた事で、
860号の姿ががあらわになる。
「終わりよ。」
炎の矢の後を追うように、
860号へと突貫したロザリアはその右の手のひらの上、
溜めに溜めた魔力を練り、
先ほどの物とは比べ物にならない規模の稲妻を放つ。
食らえば体の動きを阻害される、
といった程度ではすまないだろう。
>>527
ロザリアの意識は860号仁集中しておりディスに気づかない!
- 530 :真城ソラ:2010/04/27(火) 23:23:21 ID:ZOM.z7ps0
- >>527
「……くー? そんな人、知らない……
ソラは、ソラだもん……」
顔を強張らせ、そっぽを向いてしまった。
>>528
「あ――」
蹲る少年を見る。
そしてロザリアをキッと睨み、
>>529
ノーム
「召喚・『地霊』!」
カードを投げる。喚び出されたのは、地を操る精霊。
土の壁を創り出し、稲妻を防ごうと試みる。
- 531 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/04/27(火) 23:25:50 ID:WVrfsEdY0
- >>528
「あ、だいじょぶなの!?」
【ディスはコロッとその声に騙されて心配そうに駆け寄って行く】
「えっと…え〜っと…どしたの?」
【でも怪我してるせいで足がおっそい】
>>529
「あ、あぶななの!」
【ディスは思わず目をつぶってその場から後ろに下がる】
(…『ろざりあ』あのひとねらってるのかなの?)
【少し混乱している!】
>>530
「あう?『そら』なの?
…う〜ん…でも『くー』ににてるの」
【少し首をかしげて言うが】
「あうあう!『ろざりあ』となにかあったなの!?」
【眼でロザリアを指しながら言う】
- 532 :860号 ◆JBbLACK.JY:2010/04/27(火) 23:35:34 ID:B5aiNtao0
- 【蹲りながら、ちらっと、僅かに顎を地面に擦って周囲を見やる】
【そこの光景は――まさに】
バカばっか……おっとと。
【慌てて口をつぐみ、立ち上がる】
バヂッ バヂッ!!!
【稲妻は地霊の加護により直撃を避け、自らを守る壁にブチ当たる】
>>529
くッ、なんてひどい人なんだー! 死んじゃうよー死んじゃうよー!
【さっきまでの真に迫る演技から、間延びした大根演技の大声を上げる】
【他2人は心配するかもしれないが、真相を知ってるロザリアにはそれは怒りを逆撫でする声だ】
>>530
た、助かりました……。
【少年が数度よろめきながら立ち上がる】
それは、カードの能力なんですか? それとも貴方自身の能力も……?
【首をかしげ、不思議そうな顔で聞いてくる少年】
【少年の服は穴が開き、縁が焼け焦げているが】
【何故か――体の血はすでに止まり、腕は大事も無かったかのように動いている】
>>531
僕は大丈夫、それよりも……クッ、彼女を! 彼女を止めてくれ!
このままじゃ被害が広がる、早く!
【わざとらしく歯ぎしりし、怒りの表情を露にする】
【でも内心】
(足遅っ、アホか、なんだ障害者か? 面倒クセぇ死ねよ)
【メチャメチャ悪口叩いてた】
- 533 :ロザリア・ロートシルト:2010/04/27(火) 23:50:53 ID:rSRBD9/U0
- >>530
土の壁によって、電流は食い止められ散っていく。
「……貴方も私の邪魔をする……
いいわ、遊んであげるわぁ。」
ロザリアは、空を敵として識別した。
>>531
まだロザリアはディスに気づかない。
>>532
ロザリアは、その場から
飛び上がり、呪文を唱え始める。
「――idinr――Zoёma!――
ErN3――Tkrkкstmлe!!MRZM!」
少女が紡ぐは異界の言葉。
不確かな未来と偉大な過去とを繋ぐ呪詛。
瞬間、ロザリアの指先に生成される
先ほどとは比べ物にならない大きさの火球。
「死ね。」
太陽を思わせるそれ。
軽く100四方を焦土にするだろう。
- 534 :ロザリア・ロートシルト:2010/04/27(火) 23:53:01 ID:rSRBD9/U0
- //100四方→100m四方
- 535 :真城ソラ:2010/04/27(火) 23:56:28 ID:ZOM.z7ps0
- >>531
「……ソラはソラだよ! ソラでいないと、苛められるんだもん!!」
温厚な彼が、声を荒げて怒鳴っている。
珍しい光景かもしれない。
「あの人、この子を攻撃した!」
少年を指さす。
>>532
「契約した精霊の力をカードに込めて、それを召喚する。
それが、ソラのチカラ!」
ロザリアを睨みつけたまま、少年の身体には気づかない――
>>533
「ッ……」
見上げれば、夜だと言うのに太陽が上がっている。
「しょうが、ない……」
赤いカードを取り出して、先程呼び出した水霊に翳す。
「術者たる我、絶技使用を許可する!
赤き札の加護により完成せよ、『箱舟を押す蒼の掌』!」
水霊が魔法を編む。カードの加護で、それは一瞬で済んだ。
太陽に向かって放たれるのは――全てを洗い流す大津波。
狙いは相殺、それのみだった。
- 536 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/04/27(火) 23:59:00 ID:WVrfsEdY0
- //レス番入れ替わり
>>532
「あう、ちょとまってなの。」
【そう言って、脚の代わりに】
ガキンガキン
【服の下から包帯が4つ足のように伸びて足代わりになって歩いてくる】
「ちょっとおはなししてみるなの!
『ろざりあ』おともだちだからなの!」
>>534
「あう〜…えっと…どいうことなの?」
【首をかしげて言う】
「あう、おはなししてみるの!
なんだかあぶないなの!」
【そこまで言うとディスはロザリアをキッと見る】
>>533
「あうあうあう!だめなの『ろざりあ』なの〜!」
【ディスは慌ててロザリアの前に飛び出した】
「そんなことしたらこのまわりにいるひともあぶないの〜!」
【絞り出すような大声で言う】
- 537 :860号 ◆JBbLACK.JY:2010/04/28(水) 00:04:12 ID:B5aiNtao0
- >>534
ひぃぃいいいい! 怖いよー怖いよー!!
【声と裏腹に取る行動は】
(地獄に落ちな、ベイベー)
【中指立てて、親指を地面に向け、最後に首を掻っ切る真似】
【完全にロザリアをコケにしまくったあと】
>>535
わーすごーいスゴーイ。
【後ろに回って、小さく拍手】
――んじゃアンタも役に立つかもな。
【素早く空……ソラの髪の毛に手を伸ばし、一本引き抜こうとする】
>>536
へーぇー、お友達……それじゃ頼みます……
【醒めた目を向け、何かを考えこむように遅い口調】
(潮時ってヤツだな、マトメてブッコロ、か)
【少年の左手に、ほんの小さな、黒い魔力の渦が巻いた】
- 538 :ロザリア・ロートシルト:2010/04/28(水) 00:17:05 ID:rSRBD9/U0
- >>535 >>536
「甘いわぁ!ただの炎だと思ったら、大間違いよぉ!」
炎の持つ『征服』『破壊』『苦痛』『死』、
そういった、生に対して否定的な概念の集合を巨大な火球として
具現化させるのがこの大魔術『プロミネンス』。
式を喰らいつくし、魔術自体を根底から焼き尽くす外法の魔術であるそれは
魔術的に具現化された物である大津波を逆に消し飛ばす勢いで迫る――はずであった。
「ディ、ス……?」
ディスの声によりロザリアの精神に揺らぎが生じる。
火球の維持にかなりの集中力を要する『プロミネンス』は、
それにより、幻のように掻き消えてしまった。
>>537
ロザリアの魔術は消え去った。
他の二人がアクションを起こさない限り、
ロザリアの位置からでは860号の動きを阻止する事はできない。
- 539 :真城ソラ:2010/04/28(水) 00:21:53 ID:QYyPcDfoO
- >>536
「うるさい……っ」
苦手だ。
キンキンと高い、響くそれ。
「黙ってよ!」
女の子の、声。
ディスの話を聞こうとしない。
>>537
ひゅんと空気を切る音。
小さな石ころが、少年の手に飛んでくる!
射出したのは、先程少年を守った地霊だった。
地霊は眼で語る――「主に妙な真似をしてみろ、生き埋めにしてやる」。
殺意を込めた視線。
>>538
(なんとか、なったみたい)
(でもどうしよう)
(精霊二体、そのうち一体に絶技まで使わせちゃった)
(もう、精霊に与える魔力が――尽きてきた)
冷や汗を流しながら、彼女は立ち尽くすのみ。
- 540 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/04/28(水) 00:24:59 ID:WVrfsEdY0
- >>537
「あう〜。でもだいじょぶかなの…」
【少し困った顔でロザリアの顔を見る】
「…?」
【ディスは少し不思議がる顔でふと、少年を見る】
「なんなのかなの?…ちがうにおいするようななの…」
>>538
「あう〜…とまったなの」
【ほっと溜息をついて】
「えっと…『ろざりあ』どうしたの?」
【改めて落ち着いてもらうべく言葉をかける】
>>539
「うう、」
【怒鳴られて委縮してしまうディス】
「その…ごめんなさいなの!
う〜…」
【どうすればよかったのか、などを必死で考えている】
- 541 :860号 ◆JBbLACK.JY:2010/04/28(水) 00:34:11 ID:B5aiNtao0
- >>540
違う匂いィ?
【涙を浮かべる瞳が、三日月型に歪んで、口も、肩も、可笑しさに震えだし】
――面白いこと言いますねェ大正解だよ!!!!!
>>539
【少年の回答は一つ――】
墓石も頼むぜ、『3人分』。
>>538
ラッキーチャンス到来ィイ。
ダンッ!
【強く地面を蹴る! さっきまで弱々しかった人間とは思えない跳躍力で距離を離し】
イヒヒャヒャヒャヒャ! ヌリィ、温ィ! お前ら全員やっぱアホだぜ!
この世界に生きる価値は虫ケラ以下のポンコツレヴェぇええル!
だから。
……異空間転移キー、解除。
【右腕の黒い渦は円盤となり、手を中心に薄く、薄く、まるで水面のように広がると】
【大人の身長ほどの直径にまで広がった渦に、波紋がゆらりと揺れて……】
ドンッ!!!
【黒い鱗に覆われた巨大な腕が、地面を抉りながら現れた】
ガガガガガガガガガガガガッガガガガガガガ!!!!!
【そして鋭い三本の爪を三人に向け、硬い舗装を豆腐か何かのように弾き飛ばして突き進む!】
――塵と消えろォォオオオオオオオ!!!
- 542 :ロザリア・ロートシルト:2010/04/28(水) 00:39:55 ID:rSRBD9/U0
- >>540 >>541
とん、と軽い音を立てて
先ほどの魔術で軽く熱せられた石畳に降り立つ。
「ディス、今すぐ逃げなさい!早く!」
しかしもう、先ほどの少年が放ったと思われる
巨大な腕が轟音を立てながらこちらへと迫ってきていた。
――ドンッ!
かわすには間に合わない、そう判断したロザリアは
ディスを強く突き飛ばして、彼女だけでも回避させようと試みる。
- 543 :真城ソラ/空:2010/04/28(水) 00:42:08 ID:QYyPcDfoO
- >>540
「こっちに来ないで!
ソラ、女の子なんか大嫌い!!」
ほとんど悲鳴のように怒鳴る、彼女――
否、彼の顔は、苦痛に歪んでいた。
>>541
魔力はほとんど枯れ果てた。ディスに気を取られている。
そんなソラに、空に何ができる?
二体の精霊が悲鳴を上げて彼に寄る、それでももう遅い。
「 ぇ、 ふっ 」
小柄な軽い身体は、弾き飛ばされ血の雨を降らしながら、宙を舞った。
- 544 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/04/28(水) 00:44:26 ID:WVrfsEdY0
- >>541
「あうう!?」
【ディスは驚き、少年に目を向ける】
「そっちが、てきなの!?」
【眼をまん丸くしている】
>>542
「あう!?」
【勢いよく突き飛ばされて、うまく腕の攻撃から逃れる方向へと飛ぶ】
「あぶないなの!
『ろざりあ』もなの〜!」
【飛ばされる途中で包帯をロザリアに向けて伸ばして、引っ張ろうとしている!】
>>543
「あう、あぶないなの!」
【声を上げるが、間に合わず】
「…うう、だめなの…
はやくけがをなの!!」
【今度は空を受け止めるべく包帯を延ばす】
- 545 :860号 ◆JBbLACK.JY:2010/04/28(水) 00:53:39 ID:B5aiNtao0
- >>542 >>544
【爪を地面に引っ掛けながら、揉み合う二人へ向かってくるが……】
【ディスやロザリアに向けて軌道修正等は全く無く進んでいる】
【腕はどうやら渦から垂直に、一直線で進んでいるようだ】
【空を弾き飛ばしたあとも速度は衰えないが、冷静に見切れば回避は難くないだろう】
>>543
【ソラを軽々と弾き飛ばし、腕は直進していく】
ヒハ! ヒャハハハ!!!
【下卑た笑いがソラに向けられた】
お前らホンット、バぁああああああーーーーーッカだよねェ!
ちょっとつついただけで、簡単に崩れやがるもん!
【嘲る声に――おまけのように付け加えられた言葉は】
ヒホロとか言うガキも上手いコト利用されて、まだ気付いてねェしィ!
この調子ならイレギュラー探しもすぐ終わっちまわァなァ!!
【ヒホロの名前。】
- 546 :ロザリア・ロートシルト:2010/04/28(水) 00:58:30 ID:rSRBD9/U0
- >>544 >>545
ディスの包帯がロザリアの腕に巻きつき、
その体を引っ張る。
しかし
「がぁッ――」
一手及ばず、ロザリアの体は跳ね飛ばされる。
そのまま、数m吹き飛ばされた体は嫌な音とともに地面に着地した。
- 547 :真城空:2010/04/28(水) 00:59:06 ID:QYyPcDfoO
- >>544
自由落下のエネルギーに支配された身体は、包帯から僅かに反れて地に叩きつけられる。
ごぎゃ、と濁った音がして、左の腕が妙な方向へ捻じ曲がった。
>>545
い・た・い
三文字に支配された脳に信号が送られる。
耳が捉えた、ヒホロの名前。
「……――ッ――――ぎ、――ッ! ッ、ッ!!」
言葉にならない声にもならない音を盛らしながら、
折れ曲がった腕と動かない足、それを引き摺って。
ずるずると少年に向かって、這う。
- 548 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/04/28(水) 01:03:15 ID:WVrfsEdY0
- >>546-547
「『ろざりあ』!『くー』!」
【吹き飛ばされる二人の姿を見て、ディスは】
「…うう、ゆるさないなの」
【怒りの色をした目を少年に向ける】
>>545
「これいじょ、させないなの」
【少年にはわかるだろうか。】
【少女から先ほどのか弱さが嘘のような気迫を見せていることを】
「でやぁあああああ!!」
【無数の鋭くとがった包帯が腕へと伸びていく】
【突き抜けんばかりの勢いだ】
- 549 :860号 ◆JBbLACK.JY:2010/04/28(水) 01:09:16 ID:B5aiNtao0
- >>546
ふーん……これで終わりみてェだな。
ツッマンネ! なぁツッマンネェ!! なんで? なぁ? なんで?
あ分かった。
オメーらが弱すぎっからだよねーェ!! アッハハハハハハ!!!
【ロザリアを指差し、背を限界まで逸らして勝ち誇った馬鹿笑い】
【そこへ――】
>>548
ア゛?
【顔を回すと、槍のように研ぎ澄まされた『布』が、襲いかかってきている!】
チィッ!!
【慌てて横っ飛び、間一髪で包帯とは思えないソレを避ける】
【しかし飛んだのは、ソラ・空の方向。着地した足元にはソラが。】
>>547
【意識はディスとロザリアに向かっている】
【そして包帯を避けるサイドステップにより足首は目の前――虚を突ける】
- 550 :真城空:2010/04/28(水) 01:14:42 ID:QYyPcDfoO
- >>549
言われずともわかる。自分のすべきこと。
「 」
少年の足首を掴もうとする。
掴めれば、力を込めて、引くだろう。
バランスを崩せれば、動けるディスが攻撃してくれる――
- 551 :ロザリア・ロートシルト:2010/04/28(水) 01:16:21 ID:rSRBD9/U0
- >>549
――ごぷっ、ごぷっ
ロザリアの体は、どろどろと液化していく。
赤黒いジェルのようなそれは、既に人の形を成しておらず、
石畳に広がり、異様な臭いを放ち始めた。
――――
――――――
『――――』
声が聞こえる。
- 552 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/04/28(水) 01:19:34 ID:WVrfsEdY0
- >>549
「そういってみんなばかにしてなの!
みんなだましてなの!!」
【尋常ではない怒りのオーラを感じられるかもしれない】
「おまえは…いたいめにあわないとだめなの!!」
【包帯はかわされてもすぐに軌道を変えて、その先を再び少年へ】
「にがさないなの!!」
ドシュウン
【勢いよく向かっていく!まるで執念深い蛇のようだ】
>>550
「…」
【怒りに身をまかせながらもディスは空にも目を向けていた】
(…あたらない、ここならなの)
【心の底では、まだ心配する気持ちが残っているようだ】
>>551
「…?」
【…声の様なものに、一瞬目線が行きそうになる…】
- 553 :860号 ◆JBbLACK.JY:2010/04/28(水) 01:26:46 ID:B5aiNtao0
- >>550-552
フン、芸がねぇ……!?
【身を捻りかわそうとして……何かに引っかかった】
テメェッ…ッ!! ナメて――
ドッ ズッ ザグッ ガリッ
【包帯は確実に、胸の中心、心臓を貫いた。】
かッ……
【激痛。身を引きつらせ、口から血を吐き出す。地面に血溜まりが出来て、染み込んで広がる】
【――青い血が。】
効くか……効かねぇ、テメェらヤワなボロクズと違ってなァ。
俺はァ! 最強なんだぜェ!? ギヒャヒャヒャヒャヒャ!!!
【体を貫通したにも関わらずしぶとく動き、未だ笑い続ける】
【遠くにある黒い渦を消し去って、また右手を突き出す】
まずは足元、次は包帯、もう逃がさねぇ、全員あのクズガキの後を追いな!!
【ロザリアの声に気付かず、手元の黒い渦をまた広げ始め】
- 554 :真城空:2010/04/28(水) 01:34:18 ID:QYyPcDfoO
- >>553
残った魔力――これだけ?
嘘だ。もっと、もっと絞りだせる。
そう、――――命から、絞りだせる。
無事な右手が震えながら宙を彷徨う。
その指先に――光が集まった。
「……………………術者たる我、あたらしい魔をつくり上げる。
集え輝け我がイノチ、完成せよあたらしいイキモノ」
「『大空鳥』」
現れたのは光でできた四角形。
そこから羽ばたくのは、空色に輝く――巨大な鳥。
鳥は、まっすぐに少年へとんでゆく。
- 555 :ロザリア・ロートシルト:2010/04/28(水) 01:42:20 ID:rSRBD9/U0
- >>553
『――――』
声が聞こえる。
『――――――』
まるで地の底から響くような、重くも禍々しい声。
この世界の全てを羨み、呪った様な深淵からの呼び声。
『あ あ゛ あ あ゛ あ あ゛ あ』
血の池地獄のように広がった、赤い領域。
全身が口で覆われたもの、3対の手と11本の足のような器官を持つ者。
口からもう一つの胴体が飛び出している物などそこから、この世のものとは
到底思えぬ、恐ろしいものどもが数え切れぬほど飛び出した。
どれもこれも、人か、サルの奇形児の皮を無理やり引き剥がしたような
吐き気を催す風貌をしており、何を言っているのか到底理解できないが、
どこか言語的な規則性を持つ、ひどく不快な泣き声を振りまいている。
それらは、あるものはできぞこないの足で地面をゆっくりと這い、
あるものは翼も無いのに、宙を高速で飛行し、少年に迫る……!!
- 556 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/04/28(水) 01:43:20 ID:WVrfsEdY0
- >>553
「…うう、なんでまだげんきなの!?」
【流石に確実に仕留めるつもりでいたディスもこれには驚きを隠せない】
「あう…まだこっちにはあるんだからなの!」
【左腕の包帯を黒い渦に向けて伸ばそうとする】
- 557 :860号 ◆JBbLACK.JY:2010/04/28(水) 01:55:34 ID:B5aiNtao0
- >>554-556
あ、あああ……
【一方に神々しいまでの光を迎え、一方に赤黒く脈動する闇を迎え】
【圧倒的な力に慄いて、喉から震える音を発するのが精一杯だった】
【頼みの綱は、右手の黒い渦。それを動かそうとして】
バヂ バヂヂヂヂヂヂヂヂッ......!!
【包帯が渦へ吸い込まれる。硬いものが瓦解する不協和音】
ッ!? 外界から内界への移行はまだ……!
これは一方通行なんだぞ!! やめろ、やめ
ミシリ バヂッ
【軋む音と共に渦は渦巻くことをやめ、止まった】
【無防備な少年の前には、己を喰らおうとするものだけ】
や、やめ……違うんだ、これは、俺は騙されてただけで――!!
【弁解――尤も、信じるものも居ないが。】
- 558 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/04/28(水) 01:59:34 ID:WVrfsEdY0
- >>557
「…あぶなかったの」
【ディスはこれ以上はできないと考えると、包帯を途中で切り離す】
「ごめんねなの…それがほんとだとしてもなの…」
【ディスはその場にひざまずく】
「もう…『でぃす』には、どうしようも…ないなの…」
【どうやら体の限界がやってきたらしい。少し悲しげな顔をしている少女であった】
- 559 :真城空:2010/04/28(水) 02:02:20 ID:QYyPcDfoO
- >>557
少年の力はなくなったみたい。よかった。
なにかいってるみたいだ。必死なかおしてる。
でももうぼくは、
なにもきこえないや。
光のカードは消え失せて。
地と水の精霊も、いつの間にかカードに戻っていた。
残されたのは空色の残滓と、
うごかなくなった空だけ。
- 560 :ロザリア・ロートシルト:2010/04/28(水) 02:04:27 ID:rSRBD9/U0
- >>557
恐ろしいもの達には、
端から主などいない。
放たれた弓のように取り返しは付かない。
知性など無く、ただ与えられた対象を貪るだけ。
逃げなければ、860号はいきながら貪られる事になる。
- 561 :860号 ◆JBbLACK.JY:2010/04/28(水) 02:07:45 ID:B5aiNtao0
- >>558-560
ガァアアアアアアアアアアアアッ!!!
【光が体を貫くのと、異形の牙が体を貫くのはほぼ同時だった】
ざケッ…………の、ガニュメ……野ろォ………!!
何が、さい……き…………ガッハァッ!!
【渦がじわりと弱々しく回る】
【すると黒い渦の中から、弾き出すように紙束がばら撒かれ始めた】
ハッハァッ……!
…ソ……喰らエ……だ。
【そうして光に焼失されながら、化物に食いちぎられながら】
【彼の姿は散り散りになって、どこかへ消えてしまった】
【残されたのは、何かが印刷された紙だけ。】
- 562 :真城空:2010/04/28(水) 02:11:12 ID:QYyPcDfoO
- >>561
すやすや、気持ちよさそうに寝ているようにも見える空。
少年の最期を見ることもなく、ぴくりともうごかなかった。
心肺停止。仮死状態。
このままなら、彼はしぬ。
- 563 :ロザリア・ロートシルト:2010/04/28(水) 02:14:07 ID:rSRBD9/U0
- >>561
ロザリアの残骸、ともいえる赤黒い液体は、
意思を持ったように纏まると、ゆっくりと流れて
下水へと流れ込んでいった……。
- 564 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/04/28(水) 02:16:37 ID:WVrfsEdY0
- >>561
「あう?これ…なんなのかなの」
【紙に向けて近づこうと…するも】
「うう…やっぱりびょういんのあとだと、だめだったかもなの」
【再びその場に座り込む】
>>562
「うう、でもこのこをびょういんになの…」
【ディスは空を包帯でぐるぐる巻きにして持ち上げる】
「うごけなくても…どこかのびょういんにはこぶくらいならなの…」
【そう言ってディスは匂いを頼りに空を病院へと運んだ】
「う〜…つかれ…」
【それを終えるとディスはバッタリと倒れてしまった】
//これでよかったかね〜。おやすみ…
- 565 :真城空:2010/04/28(水) 02:24:53 ID:QYyPcDfoO
- >>564
病院に運ばれた彼の行く先は、わからないまま。
街はしずかに、またひとつ新しく陰を落とした。
//おやすみなさい……
- 566 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/04/28(水) 02:27:54 ID:B5aiNtao0
- 【暫くしてから】
……ヒデェな、この惨状は。
【現場を呆れ顔で見つめる女】
【地面は舗装から抉れ、沢山の人間が「下水に化物が流れていった」とか証言していて】
【なんで現場にいるのかと聞いたら「理由がよく分からないけどケンカしてた」】
【倒れてたディスを病院まで送って、今はなんの因果か片付け中】
異能都市もまぁ世紀末になってきましたなぁ……。
っと。
【地面に散らばった紙束を一瞬で纏めて片付け、パラパラ流し見ながら呟く】
噂じゃ戦ってたのは子供ふたりにナヨナヨした大人が一人……
そしてディスちゃんを連れてった病院にも、急患が一人……。
つ・ま・り・だ。あとで空ちゃんに渡しときゃいいか。
【適当に手を打って歩き出す】
にしてもヒホロねぇ。最近見るなぁ、この名前。
//おつ様でしたー
- 567 :遊馬:2010/04/29(木) 22:49:31 ID:BXgiA4u60
- 「また……か」
晩夜。
宵闇に覆われた裏通りに佇む白衣の男が一人。
「これで今週三件目だぞ……? いくらなんでもやりすぎだ」
足元に転がる円盤状の肉塊----否、輪切りにされた人間の死体を見つめ、一言。
「ここまで派手にやって手がかりなしってのも……頭が痛いね」
輪切りの肉塊の調べつつ溜め息をつく。
「犯罪者は現場に戻ってくるっていうけど……果たしてどうだろうな」
死体を袋詰にし、それを左手に持ちながら辺りを見渡す。
- 568 :川堀アミル:2010/04/29(木) 23:00:05 ID:7hcwnxwgO
- >>567
「にひーww」
遊馬の視界に緑色の何かが写る。
それは少女の、ロングとまでは行かないものの、短くも無い髪。
「趣味の悪い奴だね?」
輪切りの死体を眺めていた。
- 569 :遊馬:2010/04/29(木) 23:11:36 ID:BXgiA4u60
- >>568
「……!」
裏通りに現れた少女に対し、警戒の色を顔に浮かべる。
「こんばんわお嬢さん……でも、夜遅い時間の外出は感心しませんよ?」
とりあえず距離を取りながら牽制するように話しかける。
「ああ、これは……廃棄用の肉なんですよ。人の死体なんていうドラマみたいな代物を期待してたかもしれせんがね」
真相を見ず知らずの少女に言う訳にもいかず、はぐらかすかのように言い訳する。
- 570 :すえぞお:2010/04/29(木) 23:12:49 ID:nWKoaA8o0
- 「廃棄用の肉?そいつは聞き捨てならないな」
「MOTTAINAIの精神が足りん、よこせ」
…面倒なタイミングで面倒な奴が現れた。
恐らく、中身の正体を知りつつ。
- 571 :川堀アミル:2010/04/29(木) 23:19:56 ID:7hcwnxwgO
- >>569
「アミルちゃんは仕事だから仕方ないのよ」
ニコッとした笑み向けるが、
「廃棄用の肉をぶちまけて置いて明らかに怪しそうなアンタは何なのさ?」
ニヤリとした笑みに変わる。
- 572 :川堀アミル:2010/04/29(木) 23:22:00 ID:7hcwnxwgO
- >>570
「でけぇwww」
何故か楽しそうな様子。
- 573 :すえぞお:2010/04/29(木) 23:22:43 ID:nWKoaA8o0
- >>572
「えっ!?」
何も無い自分の背後を見る。
「…何もいねーぞ?」
わざとらしいボケである。
- 574 :遊馬:2010/04/29(木) 23:30:21 ID:BXgiA4u60
- >>570
「……すえぞお、さんですか。こんな所で会うとは……奇遇ですね。いや、或いは……」
……血の匂いでも嗅ぎつけましたか? と言う言葉をすんでのところで飲み込んだ。
「申し訳ありませんが、これは差し上げられません。」
そう言って後ろ手に袋を隠す。
「寄生虫で汚染されてましてね……専用の機械で処理する必要があるんですよ」
平坦な声で言いながらも、男の頬には冷や汗がつたう。
>>571
「なるほど、仕事ですか……」
笑みを向けられ、苦虫を噛み潰したような顔を返す。
「恥ずかしながら、転んでしまいましてね。回収しているところだったんです」
恥ずかしそうに頭を掻いているものの、その表情はどこか緊張しているようでもある。
「分かったら、そこを通してもらえますか? アミルさん」
にやりと笑うアミルに対し、横を通り過ぎようとする。
- 575 :すえぞお:2010/04/29(木) 23:33:20 ID:nWKoaA8o0
- >>574
「………」
怪しい。というか、既に何をしているかわかっている。
しかしまぁ、横に居る女性の事を気遣わないわけでもない。
「…寄生虫か、そりゃあ面倒だな」
尤も、この猛毒の体液を持つ竜に寄生虫が付くのかは不明ではあるが。
- 576 :川堀アミル:2010/04/29(木) 23:36:37 ID:7hcwnxwgO
- >>573
「えっ」
驚いた様な表情。
>>574
「そう、都市の視察なのだ!」
片手を腰に、もう片手は何処かを指差している。
「ん? 良いよw
急いで帰って処理しないとねwww」
サッと避けて道を開ける。
- 577 :甲/交番勤務員:2010/04/29(木) 23:38:14 ID:slN/sa6w0
- 「はいはい、そういう訳だからお前等、通してねー」
工事現場から借りてきた「赤く光る棒」を左右に振って
すえぞおの間から出て来る
ぴっぴっぴ
笛が鳴り
「行け、アスマ」
言葉とアイコンタクトで先を促した
- 578 :すえぞお:2010/04/29(木) 23:39:38 ID:nWKoaA8o0
- >>576
「えっ、なにそれこわい」
>>577
「…何だ、林田か」
いつまで林田ネタをひっぱるのか。
「何だよー、俺だってそれなりに配慮して…」
- 579 :遊馬:2010/04/29(木) 23:43:48 ID:BXgiA4u60
- >>575
「…………」
疑念の視線を受けながら男は平気な顔をしている。
……最も、顔をつたい顎にまで垂れている冷や汗までは隠せはしなかったが。
「ええ、それで今からそれを処分に……」
そう言いつつ、その場を離れようと移動する。
>>576
「観察ですか、結構なことです」
素っ気なく返事をする。
だが興味がないわけでもないのか、少女が指さした方をチラと首を曲げる。
「……ご協力、感謝します」
そのまま横を通り過ぎようとする。
――路地裏のビルの上に居る男の狂気をはらんだ視線にも気づかずに、
- 580 :すえぞお:2010/04/29(木) 23:46:54 ID:nWKoaA8o0
- >>579
「まー、寄生虫ってのは加熱さえすりゃあ…」
どうせたんぱく質の塊だ、と。
「……ここは甲に免じて見逃してやろう」
何なんだこの偉そうな態度は。
…周囲に血の臭いが充満しているため、ビルの上の男の存在には気付かない。
- 581 :甲/交番勤務員:2010/04/29(木) 23:48:31 ID:slN/sa6w0
- >>578
「…いくら、な?…荒れ放題の異能都市、でもよ?」
ぐい、と首に肩を掛けてひそひそ話
「お前、人肉廃棄なんてホラー…あってたまるかい…!」
ひそひそ
去るアスマを見送りつつ
じっと路地裏を見る
「なくならねぇなぁ……」
狂気は尽きる事を知らないのか、何て嘆きたくなるモノで
- 582 :遊馬:2010/04/29(木) 23:48:36 ID:BXgiA4u60
- >>577
「甲さん……!」
どこからとも無くやってきた職場の先輩に思わず目を丸くする。
「どうも、ありがとうございます」
頭を下げ、そのまま通りすぎようとする。
――フー、フー――
……どこかから誰かが息を切らす音が聞こえた。
- 583 :アイリス:2010/04/29(木) 23:49:06 ID:VeONXbeQ0
- たまたま事件現場の傍をお通りかかった。
聞けば、輪切りの遺体だという。
アイリスの能力なら問題なく出来る。
「…中々出来ない芸当だね。」
彼はメイドを引き連れ、事件現場から離れていった。
- 584 :川堀アミル:2010/04/29(木) 23:51:19 ID:7hcwnxwgO
- >>577
「……交通整備のおっさん?」
傾いた首が向けられた。
>>578
「で、アンタ誰www」
ニヤニヤ。
>>579
「大いに結構な事!」
闇の空を指した指は遊馬に向けられ、降りる。
「うん、ばいばーい」
笑みは再び無邪気なものにもどり、手を降る。
視界に入っていないため、上空の視線には気づかない様だ。
- 585 :すえぞお:2010/04/29(木) 23:54:10 ID:nWKoaA8o0
- >>581
「…………。」
↑人肉だったものを食した経験あり。
「…どうかねー、つーか」
そんな事言ったら俺もここに居られなくなるんじゃ、と。
…密かな狂気を内包する、合成生物は思うのであった。
>>583
「つーか誰だ、お前こそ」
名前を聞くときはまず自分から名乗れ、と。
- 586 :甲/交番勤務員:2010/04/29(木) 23:55:07 ID:slN/sa6w0
- >>582
「毎度毎度、スマンな」
手を挙げる、赤いライトが追従して
「まぁ……だから、こっからは任せろ」
がしがし、と頭を掻いてアスマとすれ違う
もう一人居る
ぼんやりした気配はやがて鮮明に感じられて
それが、こちらを窺っている事に気が付いた
>>584
「違う、道路工事のお・に・い・さ・んだ」
オッサンと呼ばれる事に、まだ抵抗したいお年頃
矯正は早めに
- 587 :甲/交番勤務員:2010/04/29(木) 23:57:36 ID:slN/sa6w0
- >>585
「狂気っていらなくね?…え?…異能都市らしくなくなるって…?」
腕を組んで
「じゃあ…何だ、狂気の有効利用の方法でも探すか…」
逆転の発想を探る!
- 588 :すえぞお:2010/04/29(木) 23:59:16 ID:nWKoaA8o0
- >>587
「それ言ったらクロスとかも案外駄目じゃね?」
少なくとも、タルタロスとか飼ってるうちは。
「…うーん、有効利用か。難しいな」
「………おじさん」
ぼそりと、聞こえるか聞こえないかくらいの声で。
- 589 :遊馬:2010/04/30(金) 00:02:38 ID:BXgiA4u60
- >>580
「そうなんですがね……少しでも危険があると消費者は手を出したくなくなるものですよ」
手をひらひらさせ、おどけたような声をあげる。
「了解です。では――」
苦笑いをしながら背中を向ける。
>>584
「はは……ではまた合う機会があればその時に」
無邪気な様子に先程より緊張が解けた声で手を振り返す。
>>586
「いえ、仕事ですから」
首を軽くふって答える。
「ええ、ありがとうございます」
すれ違いながら会釈をして感謝の意を示した。
そのまま路地裏を通りすぎようとしたとき、
突然、遊馬の右腕が切り落とされた。
「なっ……!」
突然消失した自身の右腕に驚愕の表情を浮かべる遊馬。
切り口を押さえ、蹲ったまま動けない。
「……あれ? 確かに首狙ったつもりだったんだがなぁ……」
ビルの上から若い男の声が聞こえてきた。
- 590 :すえぞお:2010/04/30(金) 00:08:37 ID:nWKoaA8o0
- >>589
「………あ」
一瞬の出来事だった。
あまりに突然すぎて、何が起こったのか、理解するのに少々時間がかかったようだ。
「……な、なんっ…!」
数秒後、びくりと体を震わせ、その場から飛びのく。
- 591 :川堀アミル:2010/04/30(金) 00:08:47 ID:7hcwnxwgO
- >>585
「最近の若いのはやーね、もう……」
歳上、と言うかお婆ちゃんぶる16歳。
「アミルちゃんはアミルちゃんよ!」
緑色の髪が揺れる。
>>586
「解ったよお兄さん、アミルちゃんが悪かった」
下がった首は直ぐに上がり、笑顔が。
>>589
「うんうん、次に会った時には――!?」
やんわりとした笑顔が一瞬で驚愕の表情。
「だ、大丈夫なの!?」
直ぐ様駆け寄り、声を掛ける。
腕を切り落とした攻撃がもし見えるなら少女には「見え」、その攻撃の出所も……。
- 592 :甲/交番勤務員:2010/04/30(金) 00:09:41 ID:slN/sa6w0
- >>591
「近年稀に見る素直……!」
感動した、と太鼓判
>>588
「…何だろう、もっとみんな優しくなれば良いと思うよ?」
バトルトーナメントとかに嬉々として参加してる男の一言であった
「うるせぇ…!年取るとワリに変な所でメンタルが弱く―――」
>>589
「―――」
ふいに、横を過ぎる気配
「――…しまった…!」
行動を起こすのが、"向こう"の方が速かった――!
アスマの腕が両断された
歯軋りの音と、地面を踏み抜く音はほぼ同時に聞こえて
「んッ――なろォ…!!」
路地の壁面を蹴り上げ、ビルの上方へと昇って行く
- 593 :すえぞお:2010/04/30(金) 00:14:30 ID:nWKoaA8o0
- >>591
「悪いな、俺こう見えて50代なんだ」
…人外の年齢というのはとても分かりづらい。
「…そんなことより、ちと不味い状況なんじゃねえかこれ」
>>592
「…甲、今の攻撃どっから来た?」
動体視力はいいはずなのだが。
まぁ、それも人より少し上、程度だが。
- 594 :遊馬:2010/04/30(金) 00:22:23 ID:BXgiA4u60
- >>590
「あ……あぁあ……」
腕を抑えながらパニックになっている遊馬。
――だが、不思議と出血している様子は見受けられない。
「随分、人が集まってんなぁ……撒き餌の効果は有ったみたいだな」
ボソボソとした男の声がすえぞおの斜め上から聞こえる。
>>591
「う、腕が……」
パニックのせいか、少女の声は届いていない様子だ。
攻撃が見えたのなら何か細長いものが遊馬の右腕を切断したのが見えただろう――
「ひい、ふう……四人か? まあ、一人変な格好の奴がいるが……」
――さらに、飛んできた方向には佇む男の姿が。
>>592
「なんだぁ? 随分、血の気の多い奴がいるな」
屋上に立つのは鎧を着込んだ長身の男。
鎧は独特のデザインをしており、蜘蛛を意匠にしたと見受けられる奇妙な曲線を描いていた。
「とりあえず、動きが直線的すぎだぜ……キャハ!」
男は甲が迫ってくるのを見て、
――跳躍
――着地
「とりあえず、死にかけの兄ちゃんから殺っちまいますかぁ……」
そういって鋭利な形状をした手で遊馬へと迫る。
- 595 :甲/交番勤務員:2010/04/30(金) 00:26:58 ID:slN/sa6w0
- >>593
ビルの壁面を昇って行く甲
上を指す手はすえぞおの問い掛けに対する答え
「ともかく!アスマを物陰に――!」
>>594
昇る甲
落ちる敵
「―――」
刹那の邂逅――すれ違い
「(狙いは―――…アスマかッ!!)」
壁面で反転
勢い良くそこを蹴り、地上を目指す
「すえぞおッ!!!」
付近に居るすえぞおに遊馬の防衛を叫んだ
握り拳に力を込める
"直線的過ぎる動き"で――鎧の男を目指す
- 596 :すえぞお:2010/04/30(金) 00:28:25 ID:nWKoaA8o0
- >>594
「……遊馬!とにかく逃げろッ!!」
奴が何なのか、それを考える暇は無さそうだ。
「何なんだアイツは!趣味悪い服装しやがって!」
ざっ、と護衛するかのように遊馬の前に立ち。
…再生能力と防御力だけがウリだ、今自分ができるのはこれだけ――
>>595
「ま、任せとけ!」
この場所ではこの体で動き回るには些か都合が悪い。
攻撃は甲に任せ、自らは防御に徹する。
- 597 :川堀アミル:2010/04/30(金) 00:28:36 ID:7hcwnxwgO
- >>592
「素直だなんて……嬉しいw」
言われた事が少なく、単純に喜ぶ。
>>593
「じいちゃんwwww」
まだ笑うだけの余裕はある様子。
「不味いね……アンタのデカい身体で隠してくれると嬉しいね」
>>594
「……大丈夫って聞いてんの!」
少女の腕力は並の人間を軽く越える物、遊馬を軽々しく担ぐ。
「アイツねぇ……。」
遠いビルの上を睨み、
襲いかかってきた男の攻撃を後ろに大きく飛び、避ける。
- 598 :すえぞお:2010/04/30(金) 00:33:03 ID:nWKoaA8o0
- >>597
「寿命を考えればまだまだ若いぞ、俺は!」
少なくとも、ヒトの十倍近くは生きるようだが。
「…言われずともっ!」
- 599 :遊馬/鎧の男:2010/04/30(金) 00:41:05 ID:BXgiA4u60
- //スレ番変更します
>>596
「そのデカイ着ぐるみは邪魔だなぁ……」
遊馬を背中に隠すほどの大きさの体に驚嘆しながらも迫るその足は止めない。
「そこ……どいてくれや、トカゲ君」
>>597
「う……」
担がれた遊馬は茫然自失とし、反応らしい反応を返さない。
「おっと……上から分かんなかったが、女もいたのか……」
視線をアミルに向け、嬉しそうな声を上げる。
「アンタは二番目だ……」
その言葉が殺す順番を示しているのは、もはや言うまでもない。
>>595
「早い……な」
迫る速度に対してつぶやきを漏らす。
「――だが、所詮見え見えの軌道だぜ」
常人とは思えないほど高く跳躍し、激突を回避する――
「邪魔すんなよ、アンタの相手は後でしてやるから、な?」
――男は跳躍したまま、地面に対し逆さまにぶら下がった。
膝を曲げながらぶら下がるその姿は、さながら蜘蛛の遺伝子を持ったコミックヒーローのようにも見える。
「さて、自己紹介でもしといた方がいいかね……」
「俺の名前……といっても当面のコードネームだが……カンダタっていうんだ。冥土の土産に覚えときな」
そういって男は眼を赤く光らせて首を左右小刻みにゆらす。
- 600 :あすま:2010/04/30(金) 00:42:42 ID:BXgiA4u60
- >>599
//スレ番じゃないレス番です……
- 601 :すえぞお:2010/04/30(金) 00:45:13 ID:nWKoaA8o0
- >>599
「す…スパイ・ダーマ!!」
…ふざけているわけではない。咄嗟に出た言葉がこれなのだ。
「…ちょっと待て、俺はトカゲでも着ぐるみでもないんだが」
けっ、と悪態をつく。
牙を剝き出しにして、敵対心を露にし。
- 602 :甲/交番勤務員:2010/04/30(金) 00:47:10 ID:slN/sa6w0
- >>599
「邪魔するわボケェ……ッ!!」
ずどん、と言う着地音の後、再びすれ違った鎧男を目で追う
とりあえず、遊馬との間に割ってはいる事には成功した
けれど二度も空かされた事に舌打ちをひとつ弾き
「へ、当面なんて悠長な事言わねーで…ここで置いて行って貰うぜ!」
>>597>>596
「ソイツ、頼んだ!」
二人と一匹
それらを背に鎧の男に対峙する
- 603 :川堀アミル:2010/04/30(金) 00:50:00 ID:7hcwnxwgO
- >>598
「アミルちゃんもまだまだ生きるもんねっ!」
「ところでアンタ、名前は? アンタちゃん聞いてないよっ!」
すえぞおの影を踏み、隠れながら。
>>599
「ちぃっ……」
遊馬からの返事が帰ってこないことは少女の不安を煽らせた。
「無闇に喋るとよわっちく見えるよ?」
「小物の烙印押される前に……消えたらっ!」
少女が足を振ると少女の髪色と同じ、緑色の炎が男に向かって飛ぶ。
>>602
「了解!」
それだけを口にして。
- 604 :すえぞお:2010/04/30(金) 00:52:13 ID:nWKoaA8o0
- >>602
「OK、流石にトカゲの着ぐるみ呼ばわりされちゃあ…」
黙ってはいられない、と。
>>603
「俺はすえぞおだ、スエゾーじゃないぞ!」
彼女を援護するため、自らを盾にして。
…脚の一本や二本斬られたくらいであれば、何とでもなる。
- 605 :カンダタ/蜘蛛の鎧:2010/04/30(金) 01:01:52 ID:BXgiA4u60
- >>601
「ああ? じゃあアンタ、マジモンの龍なのか?」
敵対心を露にされても全く意に介さない。
「存在するのは報告で知ってたが……見るのは初めてだな」
マジマジと見て――
「無論、バラすのもだが」
――愉悦に満ちた声をあげた。
>>602
「へえ、言うじゃないの」
甲の言葉に楽しそうに返答した。
「じゃあ、まずはアンタからイットク?」
不気味に小刻みしながら首をかしげる。
>>603
「すまねえな、興奮すると舌がよく回るタチでねぇ……」
「小物かどうかは……ぁあ!?」
飛んできた炎は男に直撃した。
――が、
「……ビックリしたじゃねえか……」
鎧の防御を崩すほどではなかったようだ。
「ったくメンドクセえ……まとめて相手してやるよ」
男の手から鋼鉄のワイヤー――遊馬の右腕を切り落としたものと同様の――が飛び出す。
「飛んできなぁ!」
男の声に反応するかのように、ワイヤーが三人それぞれに向かって飛んでいく。
……中途半端な固さのところに直撃すればそのまままとわりつき、切断されてしまうだろう。
- 606 :甲/交番勤務員:2010/04/30(金) 01:13:24 ID:slN/sa6w0
- >>603>>604
「―――…来るぞ」
グッと構えて
>>605
「(暗闇に鋭利な糸――…は、利に叶った"殺し"の技術だ)」
グン、と踏み込む
"直線的"と揶揄されたその甲の軌道
「―――ふッ」
しかし、その実――その急制動を実現させる為のタネは
自身の有する"回転能力"に在り
舞う様に回る身体
直線的に接近しつつも、針の糸を通す様な隙間道に身体を滑り込ませて行く
「(但し、出所が分かれば――無軌道も……いなせる!)」
男が向けた意識は三つ
分散した思考であれば、如何な技術の粋で在れど、隙を見出すのは――可能
最後に低く滑る様に男に肉薄し――
「いッ―――けぇえ!!」
――伸び上がるようなボディーアッパーを下方から打ち上げた
- 607 :川堀アミル:2010/04/30(金) 01:17:07 ID:7hcwnxwgO
- >>604
「にひひっ、解ったよすえぞお!」
人差し指を立てた手をすえぞおに向ける。
>>605
「アンタの攻撃も直線的ね……見えてるっての!!」
一歩飛び出した右足を軸に身体を回し、左足でワイヤーを蹴る。
と、周囲に金属が擦れる音が響く。
「いっっつー……いい切れ味だね」
少女の靴は抉れ、少女自信にも傷が入ったらしく、靴からは血がじわりと。
>>606
「ひゃー、カッコい〜♪」
ニンマリ。と言った様子の笑顔。
- 608 :すえぞお:2010/04/30(金) 01:19:31 ID:nWKoaA8o0
- >>605
「…マジモンつーか、マジリモン?」
厳密に言えば竜ではない。
「………っ!」
目を凝らせば、暗闇の中、微かに光る糸が見えないことも――無い。
しかし、見えても厄介なことには変わらず。
―――!!
地面を蹴り、跳躍することでワイヤーを回避しようと。
>>607
「このまま遊馬を護ったまま戦うのは分が悪い」
「…俺が運ぶ、こっちへ投げろ!」
…けが人を投げろ、というのもアレだが。
//主に中の人が眠気で死にそうなわけです
- 609 :川堀アミル:2010/04/30(金) 01:22:49 ID:7hcwnxwgO
- >>608
「解った!」
高く飛び、すえぞおの背に遊馬を乗せる。
「たのんだっ!」
- 610 :カンダタ/蜘蛛の鎧:2010/04/30(金) 01:33:34 ID:BXgiA4u60
- >>606
「なっ……避けただと! この暗闇で」
驚愕しながらも迫る甲に対応が間に合わない。
「グバァッ!!」
メキメキと、顎が砕けるような音を立てて男の体が吹っ飛ぶ
「……グ、グググ……やるじゃねえか」
多少くぐっもってはいるが、その様子は変わらない。
男の狂気が痛みを忘れさせているのか或いは……
……鎧内部の機械から薬品が男の体に注入されているのか。
>>607
「うるせーな。見えなきゃそれでいいんだよ……って見えてんのか?!」
少女の動作に驚愕の声をあげる。
「ふん、結局当たってんじゃねえか……切れ味はさっきの兄ちゃんで保証済みだろ?」
足の傷を見て男は『ざまあみろ』といった態度をとる。
>>608
すえぞおを狙ったワイヤーは狙いを外れ、足元のアスファルトに突き刺さる。
「……ダメかよ、結局」
肩を落とし、残念そうに呟く。
(俺の攻撃手段はやっぱ多数相手じゃ不利だな……どうしても意識がバラけちまう)
声には出さず、鎧の下で忌々しそうにうめく。
「こういう言葉もある……“下手な鉄砲、数撃ちゃ当たる”ってな!」
先程とは比べものにならない数のワイヤーがアットランダムに放たれる。
狙いを正確にするのではなく、確率的にすることで攻撃の軌道を読ませないつもりのようだ。
- 611 :すえぞお:2010/04/30(金) 01:35:45 ID:nWKoaA8o0
- >>609
「うっし、受け取ったッ!」
ぐったりとした遊馬を背中に乗せ。
「あとは任せた、危なくなったら逃げろよ!」
「……っと、回収回収っと」
落ちていた腕をくわえ、夜の闇に消えていく。
…これだけ綺麗な断面なら、くっつくだろう。多分。
- 612 :甲/交番勤務員:2010/04/30(金) 01:40:58 ID:slN/sa6w0
- >>610
「生憎、"糸使い"との戦闘は―――経験あってな」
思い出すのは"蒼色の殺人一家"
無数の殺害手段を有するアイツの一時得手としていた得物が"糸繰り"
その経験が、今、甲を生かした
ヒュカッ――と、突き出した拳を構えに戻す
「さて…」
再び、攻勢に移ろうという相手の気配に
ぐ、と体勢を沈み込ませ
「お前等!逃げるぞ!」
後方に大きくバックステップ
"腕を落とされた遊馬"
これ以上なんの処置も無しでは失血で死の可能性が上がる
すえぞおに遊馬が引き渡されたのを確認して
路地裏を去ろうとする
- 613 :すえぞお:2010/04/30(金) 01:47:03 ID:nWKoaA8o0
- >>612
すでに にげさって いた!
//眠気ギブ
- 614 :川堀アミル:2010/04/30(金) 01:47:55 ID:7hcwnxwgO
- >>610
「言ったでしょ? 直線的的な攻撃だって」
ニヤリとした笑みを向け。
「反則じゃ……くあっ!」
少女の言葉は多数のワイヤーで遮られ。
血が空に飛び、地面を赤く。
「さ、すがに……反則、じゃねぇ……の?」
片膝と片手を地面に付き、ゆっくりと立ち上がる。
少女は鋼鉄の鎧を一瞬で纏っていた。
しかし、鎧もワイヤーに抉られ、崩れ落ちる。
「鎧がなければ即死だった……」
- 615 :川堀アミル:2010/04/30(金) 01:52:52 ID:7hcwnxwgO
- >>612
「へいへい、了解!」
少女も傷をおっており、これ以上の戦闘は厳しいか。そう思案していたところ。
逃げる準備はできていたので鎧の残骸を残し、甲に続く。
- 616 :カンダタ/蜘蛛の鎧:2010/04/30(金) 01:55:49 ID:BXgiA4u60
- >>611
「け、一人逃がしたか……」
走り去るすえぞおの後ろ姿を見て悪態をつく。
「ま、今はコッチのほうが楽しくなってきたし、いいか」
改めて正面に向き直った。
>>612
放たれたワイヤーは尽く甲から外れたところに突き刺さった。
「……へえ、そいつはまた経験豊富なことだな。傭兵でもやってたのか?」
無傷の甲とその言葉に、ヒュウと口笛を吹いた。
「あ? この期に及んで逃げる気か!?」
逃亡しようとする様子を見て追いかけようとする。
>>613
「口の減らねえガキだな……死ね」
少女の笑みに向かって呪詛の言葉を呟く。
「ハッハア! 言葉の割にはボロボロじゃねえかよ。このまま、その鎧ごと叩っ斬ってやるぜぇ……」
そうしてアミルの方を向いたその瞬間――
――ピーーーー
鎧から機械的な音が鳴り響いた。
「しまった!? もう時間切れか!!」
男は慌てたように辺りを見回す。
「補給も出来そうにねえな……仕方ない、ここは退くしかねえか」
何かを観念したように男は手に持ったワイヤーを捨てた。
「……今度会うときは、逃がさねえ」
そういって男の体は夜の空に溶けるようにして消えた。
恐らく光学迷彩でも使ったのだろう。
「…………」
右腕をなくした遊馬はその日、意識を取り戻すことは無かった。
//夜遅くまでお付き合いありがとうございました
- 617 :甲/交番勤務員:2010/04/30(金) 02:09:44 ID:slN/sa6w0
- 追っ手の気配が消えた
「(……まだまだ、手の内は深そうだな)」
厄介な殺人鬼がまたひとり
跳梁跋扈の異能都市に落とされた
「やれやれ…」
重い呟きは、ふわりと夜風に消えた
//ねる……のよ…
- 618 :川堀アミル:2010/04/30(金) 02:22:55 ID:7hcwnxwgO
- >>616
身体が重い。
鎧は抉られ、少女には幾つもの深い傷。
傷の深さは止まらない血が物語る。
「アミルちゃんの切り札が一瞬で破られるなんて……ショックだわ」
両手では全ての傷を押さえきれず、やがて諦め。
>>617
「名前の知らない人達とすえぞお、大丈夫かな……」
段々と離れていく意識の中で仲間の身を心配し、
自らは地に身体を落とす。
//おやすみなさい、私も寝ます……。
- 619 :甲/トーナメント初戦:2010/04/30(金) 20:53:22 ID:KE2UskXwO
- 【"箱庭"――荒野フィールド】
「――…」
水を一口飲んで
風吹く荒野を眺める
赤色のマフラーがふわりと踊る
- 620 :水無月煉 ◆uotUYGHVwM:2010/04/30(金) 21:06:16 ID:BuGTFEjU0
- 甲の目の前に降りてくる、電流のような一筋の光。
<ミナヅキレンがログインしました>
機械音声のアナウンスが流れたのと同時。
光は人の形を成し、次の瞬間には甲の対戦相手である男の姿へと変わる。
「――……ども」
- 621 :甲/トーナメント初戦:2010/04/30(金) 21:09:55 ID:KE2UskXwO
- 「(…端から見てるとあんな感じなのか…ログイン)」
奇妙だなぁ…と眺めて
「よし、やるか」
ヒョイ、と立ち上がった
- 622 :水無月煉 ◆uotUYGHVwM:2010/04/30(金) 21:24:28 ID:BuGTFEjU0
- >>621
「……ええ」
「……そう言えば、初めてですよね。戦うの」
立ち上がった甲に向き合い、腰に挿していた剣を一息に抜きさる。
光を受け、怪しく光り輝く刀身を一度横に寝かせ、ひゅん、と音を立てながら空を切り裂く。
- 623 :甲/トーナメント初戦:2010/04/30(金) 21:33:03 ID:KE2UskXwO
- >>622
「あぁ……ん?それが?」
――ザッ
左半身を前に、右手をやや引き気味に立つ
左の手の甲を煉に見せて
人差し指をチョイ、と動かす
「来いよ」と、動きが告げていた
- 624 :水無月煉 ◆uotUYGHVwM:2010/04/30(金) 21:39:14 ID:BuGTFEjU0
- 「いえ。ただ……」
切っ先を地に向け、一呼吸。
見せる笑みは、期待に胸を膨らませる子供のような物。
「楽しみだな、と」
指の動きを視認した後、身体を屈め、地を強く蹴る。
前方へと一歩足を踏み出し、更にもう一度、地を強く蹴りつける。
走ると言うよりは跳躍。剣は地を擦り、削り、一直線に後を付けながら。
一足、一息で甲との距離を詰め、剣を両手で握り直し、甲の横腹目掛け切り上げる。
- 625 :甲/交番勤務員:2010/04/30(金) 21:49:59 ID:C5.sPYcE0
- >>624
「そうか」
一息の内に、迫る相手
刹那閃く――力を込めた必殺の太刀筋
トン――フワッ
軽く地を蹴り……回った
それは切り上げを行う煉の側面に滑り込み
「期待に応えられると良いねぇ!」
すれ違い様、回転する軌道そのままに
後頭部に肘打ちを放った
- 626 :水無月煉 ◆uotUYGHVwM:2010/04/30(金) 22:02:29 ID:BuGTFEjU0
- >>625
回避運動により宙を切り裂く剣。
その勢いのまま、更に強く前へと一歩。
「――ッ」
後頭部への一撃の威力を、身体を瞬時に前へ出すことにより軽減。
その勢いのまま前へと転がり、地を手で叩き付け、宙へと飛び上がる。
そのまま空中で一回転、体勢を立て直し、掌を甲へと向ける。
それと同時、向けられた掌から紅い炎が放出され、甲へと襲い掛かる。
- 627 :甲/交番勤務員:2010/04/30(金) 22:12:19 ID:C5.sPYcE0
- >>626
「む」
浅いか
ヒットポイントを外された感触と
背中の気配がめまぐるしく動くのを察知する
「(上―――)」
上昇する姿を追おうと、視線を空に向ける前に
地に写る自分の影が"濃くなった"のを見る
影が濃くなる事、それは頭上に迫る脅威の正体を教え――
「ぉお――りゃッ!」
薙ぎ払う様に振るわれる拳
赤色の装甲に覆われた腕が、飛来する炎を散らした
- 628 :水無月煉 ◆uotUYGHVwM:2010/04/30(金) 22:19:30 ID:BuGTFEjU0
- >>627
「……ッ!」
流石にあの程度の炎では効果は無いか。
ならば、次に取る動作は。
「行きますよ……!」
剣の切っ先を、地。甲に合わせる。
落ちるという動きも、攻撃へと変える。
後方へと炎を放出。それによって出来た勢いに乗り、甲目掛けて一筋の刃が落下を開始する。
- 629 :甲/交番勤務員:2010/04/30(金) 22:28:46 ID:C5.sPYcE0
- >>628
「あっち…!」
燻る装甲をあちち、と勢い良く一振り
「(いやァ…完全に防戦じゃん…やるやる…!)」
そして勢い良く振った腕は
"遠心力"の呼び水となる―――落ちる煉をまたしても側面を滑る回転運動で回避
目と目が一瞬クロスして
「今度は――威力を…逃がせんぞ!」
頭上高く振り上げられる脚
肉迫する程の至近距離から、煉が地面に到達するタイミングで
振り上げた脚から、体重と遠心力をフルに乗せた"踵落とし"を振り下ろした!
- 630 :水無月煉 ◆uotUYGHVwM:2010/04/30(金) 22:39:18 ID:BuGTFEjU0
- >>629
地に突き刺さる剣。屈んだ体勢。
其処に振り下ろされる、力を篭めた踵落とし。
甲の言う通り、確かに威力を殺す事は不可能。
なら。
「……流石に、このままじゃ駄目、か……」
声が聞こえたのと同時、男は手を伸ばし
「ぐっ……!」
甲の足を片手で完全に受け止めた。
「……甲さんが相手ですし、ね……」
顔を上げ、見せるのは余裕の表情。
見せるのは、先ほどまでとは違う真紅に染まる瞳。
その瞳の奥に見えるのは、真っ赤に燃え滾る闘志の炎。
「すいません……、本気で行きます……!」
そのまま掴んだ足を投げるように振り払い、剣を抜き去る。
それと同時、一瞬で大気が焼け焦げるような灼熱を有した炎が剣に纏われ、今度は横に一閃。その剣で薙ぎ払う。
- 631 :甲/トーナメント初戦:2010/04/30(金) 22:50:08 ID:C5.sPYcE0
- >>630
「――あ?」
掴まれた脚
宙を舞う身体
着地
バランスを僅かに崩した所へ――薙ぎ払われる"灼熱の剣"
ジュウ…!
胸に一文字、切り傷が付くのと同時に焼け爛れる音がする
「……おい」
血は流れない
傷口は、途方も無い痛みを伴い、焼けたから
「………"すいません本気でいきます"………だ?」
但し、痛みを忘れる程に渦巻くモノがあって
「随分、舐めてくれてる…みてぇーだなオイ」
ムカついた
真剣勝負に泥を塗られた気分
あぁ……成る程、暁もこういう気分を味わったって訳だ
なら
「分かった、完勝したる」
闘志のギアが一段階上がった
破けたジャケットを乱暴に切り捨てて
くい、と指を動かす
それは先程と同じ――「来い」、という意思表示
- 632 :水無月煉 ◆uotUYGHVwM:2010/04/30(金) 23:10:53 ID:BuGTFEjU0
- >>631
「……」
怒る甲を見て、クスリと口端を歪める。
明らかな挑発。まるで甲が更に怒り、猛るよう仕向けるかのように。
「別に舐めてた訳じゃないです、けど……」
「甲さんだって、未だ本気じゃないですよね?」
パチリ、と 空気中に火の粉が散った。
火の粉が散った空間から、焔が立ち昇った。
焔は立ち昇り、煉の周囲の大気を喰らい尽くすかのように広がり、揺らめき、燃え盛る。
近くに居るだけでも皮膚が焼け焦げ、喉が焼け付いててしまいそうな圧倒的な熱量を有する火炎。
「……出来るもんなら」
剣の動きに合わせ、うねり、歪むそれが、甲へと降り注ぐ。
- 633 :甲/トーナメント初戦:2010/04/30(金) 23:20:57 ID:KE2UskXwO
- >>632
かっちーん
あぁ、うん
頭では解ってるんだよ
うん、安い挑発だなぁ…って
だけど
「――ブッ貫く…!!!」
それでも単純に燃え盛るハートをしてるのが甲って男であった
「"赤煌"ッ!!!」
両腕の装甲が「ブン…」という音を立てて
甲の部分の円盤が回転を始める
「先ずァ……顔面、ぶん殴る」
陽炎の向こうから歩み寄ってくる
一歩一歩確実に
暴れ狂う炎の奔流は
如何なる"手品"か――歩く甲を避けているように感じられる
- 634 :水無月煉 ◆uotUYGHVwM:2010/04/30(金) 23:34:06 ID:BuGTFEjU0
- >>633
炎の向こうで男は一人笑っていた。
見事に挑発に乗った甲が可笑しくて。
そして、怒りで燃え盛る甲との戦いが楽しみで。
ひゅん、と剣を振る。
剣の纏われた燃え盛る炎は、ひゅん、ひゅんと剣が振るわれるうちに掃われ、その炎の中から現れたのは
「……来い、甲……!」
刀身が紅く鋭く光を放ち、それ自体から、先ほどの炎と同等の熱量を発している剣。
燃え盛る炎の中を歩く術は今は気にしない。考えても分からないし、どうせもう直ぐ分かるのだから。
ただ、その剣を炎の中に居るであろう相手に向け、一撃をぶちかます機会を待つ。
- 635 :甲/トーナメント初戦:2010/04/30(金) 23:44:08 ID:C5.sPYcE0
- >>634
「さんを付けろよデコスケ野郎…!」
――ズンッ!
踏み込みの音が近くに聞こえた
赤い軌跡が甲の機動をなぞり曲線を描く
光源の様に鮮やかなそれは――この男のパーソナルカラー
構える煉の下方から
弾丸の様な拳が伸び上がって来る
- 636 :水無月煉 ◆uotUYGHVwM:2010/04/30(金) 23:56:06 ID:BuGTFEjU0
- >>635
剣の背に手を当て、伸び上がる拳へと刃を向ける。
受け止め、受け流す動き。
だが、下方からの攻撃とは予想できず、一瞬反応が遅れ
「――ッ」
捌き切れず、声を上げる暇も無く。甲の拳は顎を霞める。
だが、それでも男は甲から目を離さず。
拳を捌こうとし、弾かれた剣の刃を瞬時に甲へと向け、身体を切り裂こうと振り下ろす。
- 637 :甲/トーナメント初戦:2010/05/01(土) 00:06:42 ID:C5.sPYcE0
- >>636
「ォオォオオ!!」
―――怒涛
まさに、そう表現すべき咆哮
そして甲は、振り下ろされる刃に向けて――踏み込んだ
ザシュウ――ッ
血飛沫が舞う
煉の刃は甲の肩を捉える
しかし"両断"までは至らない
その理由は、刃が食い込む肩口
そう、見ると甲は踏み込む事で――自ら"刀身の根元"に身を押し込んだのだった
「―――」
一瞬の間
それは―――"嵐の前の静けさ"
「ォオオォ!オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァアアアアアア!!!!!!」
拳の連打・連打・連打!
煉の懐で、暴風のようなラッシュを解き放った!
- 638 :水無月煉 ◆uotUYGHVwM:2010/05/01(土) 00:23:17 ID:BuGTFEjU0
- >>637
やった。
刃が肩を捉えた瞬間までは、そう思っていた。
甲の肩に刃が食い込んだ瞬間までは、そう思っていた。
だが、刃が再び空を切る事は無く
根元まで突き刺さってしまった剣を抜き去る程、目の前の男は隙を与えてくれはしなかった。
「――ッ!!!」
息を付く暇も無い怒涛の連打。
その一撃一撃が男の身体を捉え、骨を砕き肉を歪ませる。
口からは血を吐き、息を零し。
甲の拳に伝わる感触からも、骨が砕け散っている事は間違い無い。
だが、それでも。
男は吹き飛ばされも倒れもせず、剣から手を離そうともしない。
- 639 :甲/トーナメント初戦:2010/05/01(土) 00:34:44 ID:C5.sPYcE0
- >>638
―――跳んだ
骨を砕こうが、目前の相手は闘いの灯を消していない事は明白で
だから
痛む肩を無視して、煉の上空で両手を組んだ
「"無限…上昇ォオ"!!!!」
追撃の装填
組んだ両手に荒れ狂う"力"が《球状》に集い――塊り
『"俺のハンマー"だ…!!!!』
怒級の破壊を具現化した
「ブッッ―――潰れろォオオオオオオオ!!!!!!」
それはさながら《彗星》の如く
紅蓮のハンマーは大地を割らんばかりの勢いで煉に落ちる――!!!!
- 640 :水無月煉 ◆uotUYGHVwM:2010/05/01(土) 00:52:10 ID:BuGTFEjU0
- >>639
端から血を流し続けていた口が、ぐにゃりと不気味に歪んだ。
突如、活動を再開したその身体。
そのまま、顔を、視線を上へと向ける。
真っ赤な真っ赤な瞳。
炎とも取れるが、流れ落ちる血とも取れる、その色に染まる瞳が甲を見据える。
「い゛、っづう゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛……」
先ほどのラッシュで何処かを潰したか。
ごはあ、と血を大量に吐き出すと共に、声にならない声を上げ剣を振り上げる。
ギシリと軋み、砕ける骨。
痛み、弾け跳ぶ筋肉。
これ以上動くと、どうなるか予想は付かない。
だが、今はそんな事はどうでもいい。
振り上げた剣に、再度炎が纏われる。
その場に居るだけで、体内の血が沸騰するような熱。
触れれば火傷では済まない、一瞬で蒸発してしまいそうな熱を持つ炎。
それが、大気を喰らい、蝕むように轟々と音を立て視界を埋め尽くす。
その業炎は揺らめき、収束し、巨大な剣のような形を成していく。
『甲のあれが彗星ならば、俺のこれは何だろうか』
轟、とその巨大な剣を一振り、振り下ろす。
振るわれた剣からは炎が掃われ、その下から現れたのは
カルマ・ブレイブ
「紅い一撃」
天を突く程に巨大な、世界すらも両断してしまうかのような、巨大な巨大な紅い剣。
『大地の怒り?何かしっくり来ねえ。……まあ、何でもいいか』
『今、この瞬間を楽しめるのなら、何でも』
「お゛ッッ――――ら゛ァアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
紅蓮のハンマー目掛け、紅い剣が振るわれた
- 641 :甲/トーナメント初戦:2010/05/01(土) 01:09:27 ID:C5.sPYcE0
- >>640
中空
拮抗する二つの力がぶつかる時
――フォオオオンッ――
衝撃波が周囲広くに駆け抜ける
ハンマーと剣
互い、高め、収束された《力》の化身
―――ギリ――ギシ…!!!
先に根を上げたのは"ハンマー"
"剣"の鋭利さは一点集中の密度の高さで広面積の圧壊を目論む"ハンマー"を上回っていた
亀裂が生じる
このままでは両断されてしまう
自分をぶつけるようなそのハンマーの歪は瞬く間に自身に感覚として伝播する
しかし
「―――ここからだ…!!行ッく――ぞぉおおおおお!!!!」
突撃は急に止まらない――止まれない!
紅の刀身を滑る様に――回った!
全身を大きく、大きく使い
そして遠心力を乗せて―――「ガンッ!」
ハンマーが振るわれる!
「ガンッ!ガンッ!ガンガンガンガンガンガンガンッッ!!!」
回転は縦横無尽に猛り
《彗星》の大きさを更に巨大な姿に変える
"砕ける"事を厭わない嵐が、紅の剣を叩き折ろうと猛威を振るう!!
- 642 :水無月煉 ◆uotUYGHVwM:2010/05/01(土) 01:27:16 ID:BuGTFEjU0
- >>641
亀裂が生じた敵の獲物。
だが、まだ何かしてくる。そんな気がした。
「!」
刀身を滑るように転がり落ちてくる。
その動きを止める為には、再び剣を振るわなければいけない。
だが。
「……くっそ」
既に腕が動かない。
剣の柄を握っている感覚も、痛みも何も無い。
ただ、骨が砕け、血が溢れ、グチャグチャになった物体。
それを再度、まともに動かす等、この男には不可能だった。
だが、それでも。
男の瞳は死なない。前を、敵を、目の前の男を見据えていた。
少し。
ほんの少しだけ、巨大な剣が動きを見せた。
叩かれた衝撃で動いているだけにも見えるそれは、男の最後の一撃の為の動作。
「折ら゛れち゛ゃ……困る゛んでね゛……!!!」
一度、ハンマーの一撃は空を叩く事になる。
煉が剣を少しだけ下げたからだ。
「お゛っら゛ァ゛ァ゛ァ゛ア゛アアアアアアアア!!!!」
男の最後の一撃は、甲を切り上げる物だった。
だが、太刀筋は滅茶苦茶で、刃が真ともに甲の方を向いては居ない。
何故なら、限界を超えた男の腕では紅い剣を支えることは到底叶わず、剣を放り投げるように切り上げたからだ。
今、男の手には何も握られてはいない。
迫る彗星に対抗する手段は、もう何一つとして残されていない。
その彗星が男の身体を粉砕する瞬間。
男はニコリと微笑を浮かべ
「楽しかったですよ……甲さん」
心の其処から嬉しそうに、そう言った。
グシャリ、と鈍い音が、感覚が、周囲に伝わった。
//お疲れ様でしたー
- 643 :甲/トーナメント初戦:2010/05/01(土) 01:41:33 ID:C5.sPYcE0
- >>642
ドォオオオオオ………ンン…
大地に深々と突き刺さるハンマー……だったもの
所々生じた亀裂は限界を向かえ
やがてハンマーは形状崩壊した
「ハァ…ハッ……!」
天には残滓の様に紅の剣の粒子が舞い
地には地平線まで届かんばかりの亀裂が残る
それらは、激闘の跡
爽やかさとは程遠いその光景を数秒か――数分か、名残の様にぼう、と眺め
「よし」
小さく、ガッツポーズ
初戦突破の喜びを噛み締めた
「初戦で……これとか…ヤバイ、やっぱ予想通り…骨が折れる程度じゃすまねー…」
今日は骨を折られるどころか分断されかけた
笑えないけど、強がってちょっとニヒルに笑ってみて
やっぱり痛くて早急にログアウトした
兵どもが夢の跡
甲のログアウトと共に荒野は再び静寂を取り戻した
【甲……一回戦突破】
【←NEXT二回戦進出】
//乙ですわい
- 644 :ニナ・シュガリア/――――:2010/05/01(土) 22:40:29 ID:7jE6yumoO
- ――――エデンの箱庭内部
甲高い風斬り音が単調なリズムを刻んでいた。
刃を振るうは左目を仰々しい黒の眼帯に覆われた女。
動きに合わせて揺れる蜂蜜色の長い髪から汗が飛沫となって舞う。
だだっ広い空間の中央、かれこれ数時間素振りをしていた気がする。
先の黒川小百合との戦闘で再び目覚めかけた“あの頃の私”。
抗おうとしても心を蝕む“狂気”。
まだまだ修業が足りない。心が弱いから私はあの時負けたんだ。
「――――」
彼女は無心で刀を振るい続ける。
己に打ち勝つ為に。
『よく分かんないけど。素振りをしてると心が落ち着くんだ』
ふと、今は亡きかつての恋人の言葉が頭に木霊した。
- 645 :異界の少女:2010/05/01(土) 22:43:30 ID:ZOM.z7ps0
- 「きれい。その刀も、振り下ろした太刀筋も」
箱庭に住み着いてしまった少女。
特訓する剣士は何人も見てきたが、これまで純粋に「美しい」剣技を見たことが無かった。
ほうと溜息をついて、暫しニナの素振りを見つめる。
- 646 :ニナ・シュガリア/――――:2010/05/01(土) 22:54:28 ID:7jE6yumoO
- >>645
ぴた、と動画を一時停止したかの様に七色に煌めく刃が止まった。
「びっくりした……誰もいないと思っていたのに」
急に現れた観客に苦笑い混じりに言葉を投げる。
正直、面と向かって褒められるのは久し振りなので照れ臭い。
顔がほてっているのは運動をしたからだけという訳ではなさそうだ。
- 647 :異界の少女:2010/05/01(土) 22:58:09 ID:ZOM.z7ps0
- >>646
「御綺麗です。いや、あなたが入られた時からちらちら見ていたのですが。
その時から戦いを挑んでいたなら、見とれた隙に一刀両断されてましたね」
ぱちぱち。純粋に拍手を送り、近寄ってくる。
黒いセーラー服、胸には赤いリボン。左の手首には包帯。
見たところ、武器は持っていないらしい。
- 648 :ニナ・シュガリア/七彩剣妃:2010/05/01(土) 23:10:35 ID:7jE6yumoO
- >>647
異能都市には戦う少女が多い。
某店長大歓喜ね、等と思っていたり。
「ふぅん……」
少女の言葉。聞き間違いではない。
区切りをつけるかの様に吐き出された息。
熟練した戦士なら感じる事が出来るだろう。彼女を纏う雰囲気が僅かに変わった事を。
「“戦いを挑んでいたなら”……か
という事は……闘る気満々って訳、ね?」
ポケットをまさぐり取り出したのは小さな箱。
中から細い純白の棒――――ココアシガレット――――を一本抜き、それを口に咥える。
それが表すのは準備完了という名のサイン。
- 649 :異界の少女:2010/05/01(土) 23:16:47 ID:ZOM.z7ps0
- >>648
「ええ。そういうことです。
次からは見惚れませんよ、」
プリーツスカートのポケットからカッターナイフを取り出した。
ちきちきと刃を押し出して、左手首の包帯の上に、当てる。
ぷつりと音がして、血が滲む。
「私、勝ちたいので。ね」
緋剣・鮮華、と自身の得物を呼ぶ。
流れ出た地が中空にとどまって、刀の形を成した。
「こちらも準備は万端ですよ」
- 650 :ニナ・シュガリア/七彩剣妃:2010/05/01(土) 23:30:34 ID:7jE6yumoO
- >>649
目の前で突然起こる自傷行為を見て歪んだ顔も、その理由が分かれば次第に緩んでいく。
相手の得物もまた刀。切り合いは避けられない。
見た所少女の能力は血液操作。 ならば遠距離に対応する手段も持ち合わせている可能性も否めない。
どちらにしろ此方の得意とする間合いに持ち込む必要がある。
「なら……」
迷いの無い疾駆。
相手と同じく「華」の名を冠した愛刀を右下段に構え、迅雷の如き速度で少女との距離を縮めていく。
絶妙な間合い。
最も強烈な剣戟を叩き込める距離となった瞬間、一気に柄を握る手に力を込め、右下段から左上段へと刀を振り上げた。
- 651 :異界の少女:2010/05/01(土) 23:38:11 ID:ZOM.z7ps0
- >>650
汚れたカッターナイフを投げ捨てる。
刀を握る。
前を向く。
それだけの動作を終えた時には、女は既に接近していた。
「ひゅ、」
息を呑む。味はしない。 / カッターナイフが放物線を描き、
呑み下して刀を振り上げて、 / 塗れた血を振り撒いて、
下ろす、きぃいんと高い音がして、刃と刃がぶつかりあった。 / かつんと音を立てて、地面に墜ちる。
- 652 :ニナ・シュガリア/七彩剣妃:2010/05/01(土) 23:48:12 ID:7jE6yumoO
- >>651
「お見事、中々の反応ね」
この一撃を受け止めるあたり、恐らく少女の腕力は常人以上。
力が駄目なら技術で挑む。
即座に手を反し、踏み込むと同時に相手の刀身に刃を滑らせ、少女を斬り裂かんとする。
- 653 :異界の少女:2010/05/01(土) 23:58:33 ID:ZOM.z7ps0
- >>652
「ち、」
金属と金属が擦れ合う独特の音。あまり好きではない、顔を顰める。
七色の刃が赤い刃を滑っているうちに、
「は」
ぐいと刀を押しつける。
反動。きんと高い音が鳴って、後ろへ下がる。
「ッ!!」
ざくり、
布の切れる音がして、セーラー服と皮に切れ目が走った。
「あぶ、な……」
目を白黒させながらも反撃に入る。
刀を持ち直して――突く。腕を伸ばして、女の鳩尾辺りを狙った。
- 654 :ニナ・シュガリア/七彩剣妃:2010/05/02(日) 00:09:29 ID:7jE6yumoO
- >>653
「……ッ……!
はぁっ――――!」
愛刀振り上げた体勢に迫る刺突。瞬時に反応した彼女は得物振り下ろし、相手の刃に衝突させ軌道を横に逸らす。
切っ先が左の脇腹を刔り、傷口から滲んだ鮮血が破れたスカジャンを赤く染める。
「ボディがガラ空き、よ!」
一度体勢を整える必要が有る。
そう考えた彼女は躊躇わず右足を振るう。
狙いは腹部。
唸りを上げる爪先が、少女に向けて叩き込まれた。
- 655 :異界の少女:2010/05/02(日) 00:13:35 ID:ZOM.z7ps0
- >>654
「あっ」
顔を歪めて、呻く。
鋭い爪先が腹部に埋まった。
刀を持った右手は、伸びたままだった。
「ぐ、ぅ!」
ずざざ、地面を滑って後退。
左手で腹を押さえ、血反吐を吐き捨て、体制を整え直す。
攻撃する暇はない。
- 656 :ニナ・シュガリア/七彩剣妃:2010/05/02(日) 00:22:25 ID:7jE6yumoO
- >>655
反撃の兆候が見られない今、攻撃を叩き込むが吉と彼女は判断。
攻撃は最大の防御也。
弓兵が矢を引き絞るが如く、天惑七彩麗刀を握る手を引いた。
刹那、放たれるは
「華束――――!」
亜音速で打ち込まれる刺突の嵐。
折り重なる切っ先が暴力の壁を形成しながら少女へと迫った。
- 657 :異界の少女:2010/05/02(日) 00:33:33 ID:QYyPcDfoO
- >>656
「――――」
少女は、危機的状況に身を置いて尚、女の剣技に見惚れた。
七色に輝く妖艶な刄が、弾幕のように降り注ぐ。
弾幕に対して、少女はボムも一ドット四方の小さな当たり判定も持ってはいなかった。
ただ、胴――急所のみを守り、
「――う、ぁああ!!」
ざくざくと自分の身体が裂けて/咲いてゆく音を聞きながら――
――静止。
- 658 :ニナ・シュガリア/――――:2010/05/02(日) 00:53:49 ID:7jE6yumoO
- >>657
その光景はゆっくりと、スローモーション再生されているかの様に見えた。
相手の身体に一つ、二つと開いていく裂傷の花。そこから飛び散る鮮やかな赤。
凄艶な刃を伝って掌に感じる感触。
『フフッ……気持ち良いんでしょ?愉しいんでしょ?』
「――――!!!」
声が聞こえた。
それは紛れも無い、自分自身の声。
ドス黒い影が自分の形を作り、耳元で囁いている。
そんな事無い。私はもうあの頃の私じゃない。 やめて、消えて。
その影に向かって彼女は叫ぶ。
違う、私は変わったんだ、と。
すると影が笑う。三日月型の冷えた笑み。
『あら、それは嘘よ。だって今の貴女――――』
『笑っているもの』
刃に映る表情。
笑っていた。影が浮かべた笑顔と全く同じ笑顔が自分の顔に張り付いていた。
濁った瞳。
そこに孕むは
「……あはは、ばいばい」
狂気。
停止した少女、その身体に向けて彼女は刃を横一閃に振るった。
残酷な笑顔と共に。
- 659 :異界の少女:2010/05/02(日) 01:00:51 ID:QYyPcDfoO
- >>658
「……あはは、やだなぁ。もう終わりだなんて、決め付けないでくださいよ」
刀を支えにしてなんとか立ち、俯いていた少女が負けじと嗤う。
見よ。
血に塗れた身体、ぐしゃぐしゃに汚れていても。
"地面に、血痕は一つとして残っていない"。
少女の能力、血液操作。
それで、流れ出た血を一点に凝縮。
その点とはただ一つ、
「――うぁああああァッ!!」
刀、のみ。
少女自身の血を吸って育った生きる刀、鉄錆臭い赤い刄が、
狂気の七色に真っ向から向かい合う。
- 660 :ニナ・シュガリア/歪んだ虹:2010/05/02(日) 01:18:25 ID:7jE6yumoO
- >>659
「あはっ、はははは、良いわ。すっごく面白いわ
……私がその血、最後の一滴まで搾りつくしてあげる――――!」
見開いた独眸に少女、否、“獲物”を映し、凍てつきそうな殺気を全身から振り撒く。
コキコキと首を鳴らすと、迫る少女の紅刃を虹刃を振るって往なした。
その刃が白を、「華力」を纏う。
「鳳旋華……」
もう一度振るわれた刀身から放たれたのは純白の螺旋。
周りの大気を巻き込みながら少女に向かうその白には彼女の愛刀「華」の能力により“斬”の属性が付加させられている。
直撃しようものなら廻る刃がその身を“刔り斬る”。
至近距離から放たれた暴虐の螺旋。
避けられるか。
- 661 :異界の少女:2010/05/02(日) 01:30:17 ID:QYyPcDfoO
- >>660
「……ふざけないでくださいよ、気でも狂いましたか」
ぎりっと奥歯を噛み締める。
恐怖もあったが、それでも怒りが勝った。
「私は! 見る者の心を惑わす妖艶なる剣の姫との戦いを願った!
その様はなんだ! 気品の欠片もないただの気違いに成り下がっているではないか!」
綺麗だと思った。
虹で出来た華を思わせる、この世のモノとは思えぬ美しい軌跡に目を奪われた。
今の彼女はどうだ、華を刈り取る不粋な鎌のようなぎらついた刄。
腹が立って仕方がない。
「お、おおおアアァ――――」
咆哮。
そして、暴虐を振るう螺旋に「突っ込んだ」。
血を撒き散らしながら戦うその表情、正しく「鬼」。
「血閃兵鬼」に防御は要らぬ、ただ目の前の敵を蹂躙すべき。
少女はその教えを守り、暴力の嵐の向こうに居る女へ刀を振り下ろす――
- 662 :ニナ・シュガリア/狂った虹:2010/05/02(日) 01:50:52 ID:7jE6yumoO
- >>661
「――――」
螺旋の向こう、狂った笑顔を浮かべる女が刀を構え立ち尽くす。
怒れる鬼が叩き込んだ剣戟は、女の身体を捕らえる。
だが――――それはあまりにもあっさりとし過ぎていた。あまりにも呆気なさ過ぎた。
少女を迎え撃つ兆しすら無かった。
そう、彼女は終止不動だった。
違和感。ただそれのみが刃を伝って少女の手に感じられるだろう。
瞬間、紅刃が食い込んだ彼女の身体が“砕けた”。
さらさらと風に乗って流れていくのは“青い微粒子”。
それは微粒子によって構築された囮。
「青糖……」
甘術。蜜と糖を自在に操るのが甘術師としての彼女が有する能力。
「青糖」、それは触れた物、見た物を青い微粒子によって作り上げる事が出来る甘術の一つ。 自身の身体も例外では無いのだ。
青糖によって作られた偽の自分に攻撃を受けさせ、自身は敵の背後に回り込む。 忍術で例えるならまさに「空身の術」。
少女のすぐ後ろ、彼女は背を向けて立っていた。
逆手に持った天惑七彩麗刀、その切っ先を少女の背中に向け
「華霞……」
突き立てんとする。
- 663 :異界の少女:2010/05/02(日) 01:59:48 ID:QYyPcDfoO
- >>662
刀が女を捉えた瞬間、少女は超的速度で振り向いた。
――しまった、完全に。してやられた。焦りの表情。
どんなに速く振り向いても、遅れは遅れ。
ずぶりと、七色が少女の身体に突き刺さる。
「が――ふぇ――――」
血が。血が。血が。血が。血が。血が。
暴力の嵐を抜けて、さらに止めを刺され。
間違いなく致死量の血が流れ出た。
しかし少女はその赤すらも攻撃の糧として、
「――――、……」
育った刀を、残った力を総動員して振り下ろし。
事切れて、電子に分解されて消え失せた。
【鬼灯日那子の死亡を確認、ログアウトします】
- 664 :ニナ・シュガリア/狂った虹:2010/05/02(日) 02:11:54 ID:7jE6yumoO
- >>663
刃が筋肉を貫き、骨を削り、内臓を穿っていく感触。
気持ち良い。
「……ふふ……あはははははははは」
気持ち良い気持ち良い気持ち良い気持ち良い気持ち良い気持ち良い気持ち良い気持ち良い気持ち良い気持ち良い気持ち良い気持ち良い――――。
「あ……」
恍惚とした表情で立つ彼女の背に少女が散り際に放った刃が深々と食い込んだ。
大輪の赤い花を咲かせた彼女は、崩れる様に地へと伏した。
「あは……は……は……」
血と土に汚れても尚、彼女は笑う。
這い回る狂気が止まる事を赦してくれない。
「は……はは……」
涙が、出た。
何故泣いているのだろう。
愉しいハズナノニ。
ナンデ涙ガ溢レルンダロウ。
ナンデ――――
――――
- 665 :闘祭2010:2010/05/03(月) 21:00:04 ID:/k2gysHgO
- イデアの箱庭内、闘祭特設スタジアムは再び熱狂に震えていた。
スタジアムの上空には巨大なモニターが浮かんでおり、そこに映し出されるのは激戦の記憶。
『“空よ歌え!! 大地よ轟け!! 幻想の剣は全てを打ち砕かん!!”』
『我ら外れ者。“フツウ”ではない“オチコボレ”にして――――“最強”ッ!!』
『――来いよ。涙もでねえ程焼き焦がしてやる』
『ブッ飛べぇぇええええええええええええ!!!!!!』
『おおおおおオオォォォォォ!』
『“神解け”!!!』
『ビバ・ドーピング……!』
『超級! 銀河爆砕! インフェルノ・クラッシャー!!』
『赤い宝玉が示すは“筋力”――今度こそ、仕留めてやらあッ!!』
『この身は人に非ず。私は混沌、混濁たる者』
『我が歴史のッ゛……“礎”とな゛れッ……!!』
『消えろ、消えろ、消えろ消えろ消えろ!!』
『紅い一撃』
『――――ここからだ……!! 行ッく――ぞぉおおおおお!!!!』
『?! あ、ちがうの……あのおとは……ずっとしてたおとは……うえ――うえなの!!』
『結局は……コイツが俺の……切り札ってことだ――!』
』
ぶつ、とモニターに写し出されていた映像が途切れ、スポットライトがモニター下に立つ蝶ネクタイの紳士に当たる。
『――――第一回戦』
染々とした語り口に大入りの観客の注目が一斉に集まる。蝶ネクタイの紳士は観客を見渡し、そして改めて口を開いた。
『第一回戦、様々な激戦が繰り広げられました。一つもつまらない闘いは有りませんでした。
しかし勝者は生まれ、そして敗者も生まれます。
応援する選手が勝ち、両手を上げて喜びを表した方も居るでしょう。逆に応援する選手が負けて、涙を流した方も居るでしょう。
しかし悲喜が交錯するのが闘いというもの。闘い、勝ち、負け……そしてまた闘う。
――――祭りは未だ始まったばかりです! これよりッ闘祭第二回戦組み合わせ抽選及び――下位決定戦組み合わせ抽選を行いますッ!』
天を指すように掲げられた手はモニターを示す。やがて音楽が流れ始め――
- 666 :甲/トーナメンター:2010/05/03(月) 21:05:23 ID:G7TsVC1I0
- 「……」
冷静に
至極冷静に自分の戦闘を、初めて客観的に観た
「……恥っず!」
何かコロシアムの隅で転がっていた
若さが痛い――!
- 667 :神羽朱華:2010/05/03(月) 21:07:04 ID:ZOM.z7ps0
- 「ぶwwwwwwwwwwみんなカッコつけた台詞言いすぎでしょwwwwwwwwwwww
いってえのwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
最強(暗黒微笑)
- 668 :アイリス:2010/05/03(月) 21:09:17 ID:VeONXbeQ0
- 「…へぇ…」
参加者でも無いのに参加者ぶる馬鹿一人
- 669 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/05/03(月) 21:12:00 ID:.6prKP66O
- 「あら……私ってどんな場面でも可愛いですわね!」
【一人は満足気です】
- 670 :朝宮暁:2010/05/03(月) 21:15:53 ID:/k2gysHgO
- 「…………」
あんなこと言うんじゃなかった――と悶絶する負け組一人。
- 671 :名も無き異能都市住民:2010/05/03(月) 21:16:00 ID:/swYJOP20
- モニターに表示される文字。
其処に表示されるは━━━━
ttp://elusion.xxxxxxxx.jp/inotournament2_.wmv
(PCからは直リンク出来ないので直接入力して下さいな
携帯からは、ファイルシークを通すと見られます。)
- 672 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/05/03(月) 21:20:06 ID:WVrfsEdY0
- >>671
「…う〜…きちゃったなの…」
【ため息をついて会場の中に入ってきたディス】
「…だれ…かなの」
【モニターをじっと見ながら言う】
- 673 :甲/トーナメンター:2010/05/03(月) 21:23:02 ID:G7TsVC1I0
- 「………ん?」
壁際に寝返り打って背中で聞いていた甲
煌びやかなモニターに視線を移した
「…………ほう」
そして一言
- 674 :神羽朱華:2010/05/03(月) 21:24:53 ID:ZOM.z7ps0
- 「ま、ますけー、えど……」
英語力ゼロの少女であった。
「……知らん!」
そりゃああなたリグヌビルに引き籠っていますから。
- 675 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/05/03(月) 21:27:47 ID:.6prKP66O
- 「……んまっ!?」
【口に手を当て驚きの声を上げる】
「……中々……面白いですわね……」
- 676 :動画なんてかったるくて見てられるか!用:2010/05/03(月) 21:28:06 ID:/swYJOP20
- http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12841/1269957755/174
- 677 :闘祭2010:2010/05/03(月) 21:31:59 ID:/k2gysHgO
-
『第Ⅰブロック――――
ウリュー VS 朝宮暁!
ディス VS アンジェリークッ
沢桐 創 VS 黒沢小百合!
水無月煉 VS 黒金鋼!
……そして第Ⅱブロックは――――
アウテリート・F・クラーリオ VS ゼオラァ!
頼羽 無為 VS 甲(kabuto)ォッ!
ノエル VS 銃寺森クロスゥ!
神羽 朱華 VS ”masked romance”!
……――以上のように決定しましたッ! 参加者は各々、日時及びフィールド交渉に入って下さいッ!』
様々な種類の織り交ぜられた歓声の中、マイクに叩きつけるような蝶ネクタイの紳士の声が響く。
- 678 :頼羽無為:2010/05/03(月) 21:32:27 ID:fP94A.NgO
- 「ふむ……なるほど」
モニターを見上げながら、ゆっくりと紫煙を吐き出す。
- 679 :甲/トーナメンター:2010/05/03(月) 21:38:58 ID:G7TsVC1I0
- >>678
「お客さん、禁煙だぜ?」
何故か壁際に寝返り打って(ryな男が格好つけた
- 680 :頼羽無為:2010/05/03(月) 21:50:01 ID:fP94A.NgO
- >>679
「おや、それは知らなかった。済まないな」
そう言いながら、転がっている男の背中に煙草の灰を落とす。
- 681 :甲/トーナメンター:2010/05/03(月) 21:53:19 ID:G7TsVC1I0
- >>680
――じゅう
「亜qwせdr頼羽死ねftgyふじこllp;!?」
ゴロゴロゴロ…!
転がって揉み消した
「……………よう、愉快なカードだなオイ」
倒れた姿勢から埃を叩いて起き上がる
- 682 :頼羽無為:2010/05/03(月) 22:00:58 ID:fP94A.NgO
- >>681
「クク、灰皿は持たない主義だ」
煙草を地面に落とし、ぐりぐりと踏み消す
「全くだ。この歳になってお前とやることになるとはな」
- 683 :甲/トーナメンター:2010/05/03(月) 22:07:05 ID:G7TsVC1I0
- >>682
「地球に根性ヤキとか…すげぇSプレイだな…規模が」
雨に濡れるとマジ汚ぇから止めれ、と注意しつつ
「……今、おめぇいくつだっけ?俺より上なんだろ?」
《世界》から隔離されたような都市
めぐり合う過去の同輩は
しかし、辿った時間に確たる差が在った
- 684 :頼羽無為:2010/05/03(月) 22:21:21 ID:fP94A.NgO
- >>683
「30過ぎまでは覚えてたんだがな。…今はもう忘れちまったよ」
だから俺は永遠の34歳ってことで、笑いながら続ける。
「ま、重ねた時間なぞたいした問題じゃないさ。例え生きた時空や次元すら違おうと、お前と俺は確かに同輩だ」
- 685 :甲/トーナメンター:2010/05/03(月) 22:26:36 ID:G7TsVC1I0
- >>684
「良い事言うじゃねぇか…もう年輪王だな、年輪王」
腕を組んでうんうん
良く分からない王に襲名させた
「しかし」
組んだ腕から、ピッと指を指して
「大丈夫かよ?えぇ?30代…こっちゃぴちぴちの20代だぜぇ?」
ニヤリと笑う
その表情は
「ついて来れんのかよ?機械工学ヤロウ」
"あの頃"を想起させて
- 686 :頼羽無為:2010/05/03(月) 22:36:06 ID:fP94A.NgO
- >>685
「年輪王? なんだそりゃあ…クク、まあいいか」
「バカ言うんじゃねぇ、エースパイロットといやぁオッサンの独壇場だろうが」
青い巨星ラ〇バ・ラルとかノリ〇・パッカードとかホ〇ンドとかサー〇ェスとかry
「こっちの台詞だ。舐めんじゃねぇぞ?ドリル野郎」
顔に浮かべるのは、"あの頃"と変わらぬ不適な笑み。
- 687 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/05/03(月) 22:37:20 ID:WVrfsEdY0
- 「う〜ん…たたかわないとなの…
かったら…よろこんでくれるかなの…」
【悩みながらずっとモニターを見つめていた】
- 688 :甲/トーナメンター:2010/05/03(月) 22:42:56 ID:G7TsVC1I0
- >>686
「け、上等だよコノヤロウ」
バサリと赤色のマフラーを翻した
"懐かしさ"と"楽しさ"から綻ぶ表情を見せまいと踵を返し
「おう、いつ闘る?」
選べよ、と中央モニターのカレンダー表示を指差した
- 689 :アンジェリーク ◆XXXXUU4GU2:2010/05/03(月) 22:51:54 ID:Hm8mdUgo0
- 「ディスさん……ですか?」
「そのようだ。誰であろうと全力で行くがな」
「え゛ー!? イルファディネスが出るワケ?」
「悪いか、エルフリーデ。我も久しぶりに戦いたい気分なのだ」
「いや別にいいけど。恥さらしはやめてよね」
「貴様が言うか」
「二人とも喧嘩は駄目ですよ」
- 690 :頼羽無為:2010/05/03(月) 22:54:40 ID:fP94A.NgO
- >>688
「クク、変わらないな…いや、変わってるんだろうが」
それでも懐かしさを覚えるのは
目の前の赤い男が、あの頃から揺るでいないからだろうか。
「金土日ならいつでもいいんだがな。
…7、8、9の21:00からならどれがいい?」
- 691 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/05/03(月) 22:54:50 ID:WVrfsEdY0
- >>689
「あう?」
【自分の名前を言われ、思わず振り向く】
「そーなの…えっと…『あんじぇ』…なの?」
【首をかしげて言う】
- 692 :甲/トーナメンター:2010/05/03(月) 23:00:29 ID:G7TsVC1I0
- >>690
「7」
ビシッと"金曜日の日付を指して
「ラッキーセブン」
即答した
- 693 :アンジェリーク ◆XXXXUU4GU2:2010/05/03(月) 23:09:44 ID:Hm8mdUgo0
- >>691
「はい、アンジェリークですよ?」
「ふむ、となるとこの童子がディスと言う訳か」
「えっと……」
「人を見かけで判断する出ないぞ、アンジェ」
- 694 :頼羽無為:2010/05/03(月) 23:10:07 ID:fP94A.NgO
- >>692
「7、か。俺の名前も縁を担げそうだ」
顎に手をあて、ふむと頷く
「いいだろう。5/7 21:00、その日がお前との決戦だ
よろしく頼むぜ、腐れ縁。」
- 695 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/05/03(月) 23:12:26 ID:WVrfsEdY0
- >>693
「あう〜…もひとりいるなの?」
【不思議そうな顔で言う】
「うん、なんだか。たたかうことになっちゃったみたいなの…
あう〜。」
【頷きながら言う】
- 696 :甲/トーナメンター:2010/05/03(月) 23:16:13 ID:G7TsVC1I0
- >>694
「命日にゃ打って付けだろ?」
ニィ、と笑う
「ガツンとかましてやっから、覚悟しやがれ!」
ビシィッ、と指を指して
決戦までのカウントダウンが始まった
「負けたら居酒屋オゴリな」
罰ゲームつきで
- 697 :アンジェリーク ◆XXXXUU4GU2:2010/05/03(月) 23:23:16 ID:Hm8mdUgo0
- >>695
「アンジェが精霊遣いで在る以上、精霊とタッグを組むのは仕方のないことであってだn」
「大丈夫ですよ、私一人ですから」
「……」
「あ、そうですね……何時にしますか?」
- 698 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/05/03(月) 23:26:17 ID:WVrfsEdY0
- >>697
「あうあう〜。そっかなの…
そこのひとはだれなのかなの?」
【不思議そうな顔をしている】
「あう〜…ごーるでんうぃーくのひならいつでもなの…
そのあとだったら…おやすみのひなの〜」
【メタ発言をディスの口から言わせている…】
- 699 :頼羽無為:2010/05/03(月) 23:27:16 ID:fP94A.NgO
- >>696
「クク、どっちのだ?」
やれやれ、と肩を竦めて笑う。
「いいぜ、財布の紐洗って待ってろよ」
ビシッと指を突き付けると、男はコートを翻して去っていく
その顔に、いつもの気怠い表情は無かった。
- 700 :アンジェリーク ◆XXXXUU4GU2:2010/05/03(月) 23:31:38 ID:Hm8mdUgo0
- >>698
「我か。我は精霊イルファディネス。氷精だ」
そう答える黒ローブのあやしい男。フードを深く被っていて、顔が良く見えない。
「うぅん……そうですね……。
明日の夕方とか、どうです?」
- 701 :甲/トーナメンター:2010/05/03(月) 23:34:28 ID:G7TsVC1I0
- >>699
「どっちかはその日分かる」
ククク…と笑い返して
「はん、当日は現金を多めに持ってくるんだな!」
俗な物言いの応酬だけど
"俺達"にはそれが丁度良く―――心地良い
口には出さないけれど
同輩との邂逅に心を躍らせながら
甲もまた、その場を去って行った
- 702 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/05/03(月) 23:35:02 ID:WVrfsEdY0
- >>700
「『いるふぁ』…あう〜。よろしくなの…
ひょうせい…しらないなの…」
【不思議そうな顔で言う】
「あう〜。それでもいいなの〜。
ゆーがただったら…『あんじぇ』にまかせるなの〜」
【ニコニコして言う】
- 703 :アンジェリーク ◆XXXXUU4GU2:2010/05/03(月) 23:42:02 ID:Hm8mdUgo0
- >>702
「氷を司る精霊、要は氷の化身、簡潔に説明するのならばこうだ」
「それでは、決まりですね。4時くらいに、イベントAで。フィールドは……草原あたりでいいですか?」
- 704 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/05/03(月) 23:45:32 ID:WVrfsEdY0
- >>703
「あうあう〜。なるほどなの…
なかよしなのかなの?」
【二人を交互に見る】
「うん、いいなの〜!
こんどこそまけないなの〜!」
【ぐっと拳を握って言った】
- 705 :アンジェリーク ◆XXXXUU4GU2:2010/05/03(月) 23:50:55 ID:Hm8mdUgo0
- >>704
「仲……いいんでしょうか?」
「如何であろうな、少なくとも悪くは無いでだろうが」
「はい、それじゃあ、お手柔らかにお願いしますね」
銀髪の女はそう微笑(わら)いながら、深く頭を下げた。
- 706 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/05/03(月) 23:53:18 ID:WVrfsEdY0
- >>705
「あうあう。それじゃふたりともだちなの〜!」
【ニコニコして言った】
「あう〜。たたかいおわったらなの。
『でぃす』とおともだちになろなの!」
【軽く手を振って言う】
- 707 :アンジェリーク ◆XXXXUU4GU2:2010/05/03(月) 23:59:13 ID:Hm8mdUgo0
- >>706
「みたいです」
「まぁ、それも良かろう。元より主従関係ではないのだからな」
「そうですね」
「はい、こちらこそ喜んで」
「好きにするがいい」
「……と、時間ですね。それではそろそろ」
「大会で会おう。さらばだ」
二人とも頭を下げて、立ち去っていった。
- 708 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/05/04(火) 00:01:38 ID:WVrfsEdY0
- >>707
「あうあう。ありがとなの〜。
こんどこそくやしっていわないなの!」
【ぐっとガッツポーズを決めた】
「あう〜!またねなの!」
【大きく手を振ってディスも去って言った】
//日時はイベ議論に書いといた方がいいですかね〜?
- 709 :アンジェリーク ◆XXXXUU4GU2:2010/05/04(火) 00:05:28 ID:Hm8mdUgo0
- >>708
中身)一応書いておいたほうがいいかもですね
- 710 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/05/04(火) 00:07:19 ID:WVrfsEdY0
- >>709
//おk、書いとく〜
- 711 :ノエル=フルーレス:2010/05/04(火) 00:36:51 ID:R0.iNy.I0
- 【特設スタジアム】
「――へーぇ……」
【スタジアム内、誰もいない空間から、声が聞こえる】
【もし、誰かがその場所を凝視していたならば】
【そこに声の主が『いる』ことが見えるだろう】
【瞬間的に現れたかのような、唐突な存在感の出現の認識でも】
【隠れていた者が現れたかのような、ある筈の存在感を認識するのでもなく】
【欠けていたピースが合わさったかのような、その者がいることが至極"自然"で】
【そして、いる事を認識して、"いなかったことの不自然さ"を初めて知るだろう】
【あらゆるモノからの認識から外れていた者が、今"世界"に現れる】
「知らなかったな……自分が…」
【掲示板を睨みつつ、万感を込める様な思い呟きを漏らす】
「戦いというものにこれ程の愉悦を覚えるとは……ね……」
【その者は一人、来たる戦火への情動に魂を震わせている】
- 712 :アンジェリーク ◆XXXXUU4GU2:2010/05/04(火) 16:09:23 ID:Hm8mdUgo0
- 【箱庭/草原フィールド】
草原の中心で、銀髪の女は深く息を吐く。
その手には、背景を透かす短剣が二振り。
嫌がる精霊達(氷精と雷精)を説得し、二人の『力』を同時に具現、組み合わせた代物だ。
最初から1/3の魔力を消費してしまったが、今回は一人だ。常時消費しない分余裕はある。
「さて、頑張りましょう」
長い長い銀髪を揺らし、女は対戦者を待つ。
- 713 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/05/04(火) 16:14:00 ID:WVrfsEdY0
- >>712
【しばらくして…一人の少女の影が見えてきた】
「こんにちわなの〜。
…ちょっとおそくなっちゃったの…」
【包帯を全身に巻いた少女、ディス。】
「でも」
【穏やかな顔から一転して、真剣な表情になった】
「こんどはまけないなの!」
- 714 :アンジェリーク ◆XXXXUU4GU2:2010/05/04(火) 16:19:01 ID:Hm8mdUgo0
- >>713
「はい、宜しくお願いします」
微笑(わら)いながら頭を下げる女。
顔を上げれば、その表情はディスと同じ、真剣そのもの。
――バチバチッ!!
始まりを告げるように女の足元で紫電が弾け、五歩ほど大きく後退した。
先ずは様子見、といったところだろうか。
- 715 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/05/04(火) 16:24:33 ID:WVrfsEdY0
- >>714
「…あう〜…どんなのかわからないなの…」
【そう言ってディスはゆっくりと手から包帯を延ばす】
「じゃあ『でぃす』からなの!」
【そう言った瞬間】
【右腕の包帯は勢いよくアンジェリークに向けて飛んでいく。】
- 716 :アンジェリーク ◆XXXXUU4GU2:2010/05/04(火) 16:42:59 ID:Hm8mdUgo0
- >>715
横へ大きく跳び、包帯を躱す。流される長い銀髪が包帯に触れたが、さて。
透き通る短剣を一本、空へ投擲すれば、その手に新たな短剣が。
「"凍てつく刃は大気を震わせ――"」
詠唱、開始。
- 717 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/05/04(火) 16:48:07 ID:WVrfsEdY0
- >>716
「う〜…でもかんたんによけられるわけじゃないの!」
【そう言うとかわされた包帯は、大きく横へとむかう】
「なにかされるまえになの…!」
【どうやら大きくなぎ払うつもりらしい】
- 718 :アンジェリーク ◆XXXXUU4GU2:2010/05/04(火) 16:55:35 ID:Hm8mdUgo0
- >>717
「ッ"保留"!」
言葉通り一度詠唱を『保留』し、横に薙がれた包帯を避けるが、体勢を崩してしまう。
同時に短剣を掲げる女。切るため、ではなく、絡ませるために。
- 719 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/05/04(火) 17:02:22 ID:WVrfsEdY0
- >>718
「あう〜…うごきをとめたら…」
【そう言ってディスは飛び上がる。薙いだ包帯を引き戻して】
「いっきにやっちゃうの!!」
【全身の包帯が激しくうごめき始める】
ジャキジャキジャキジャキジャキジャキイン!!
【無数の包帯がアンジェに向けて延ばされていく】
【アンジェの目的は呼んでいないようだが…?】
- 720 :アンジェリーク ◆XXXXUU4GU2:2010/05/04(火) 17:19:08 ID:Hm8mdUgo0
- >>719
引き戻される包帯、持ち上がる女の体。
直ぐに短剣から手を離し、もう一本の短剣も投擲して。
「"フロスティ・オーバーブルー"!」
――ビキッ……ビキビキビキビキッ!!
包帯に絡めた短剣が、投擲した短剣が凍りつき、"盾"を生成。
が、即興の氷の盾では、包帯全てを防ぎきれる訳もなく。女の体は、傷ついていく。
それよりも、だ。
――短剣を絡めた包帯が凍りつき、それを伝いディスまでをも凍らせようと、迫る迫る迫る!
- 721 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/05/04(火) 17:23:31 ID:WVrfsEdY0
- 「…あう〜。よけられたなの…」
【その直後、ディスの体へと冷気が迫っていることにディスは気付く】
「あうあう、はやくきらないとなの!」
【ディスは慌てて包帯を次々と切り落としていく。】
「うう。」
【だが流石にすべては間に合わず。一本の包帯から冷気がディスの左腕に移る】
- 722 :アンジェリーク ◆XXXXUU4GU2:2010/05/04(火) 17:40:35 ID:Hm8mdUgo0
- >>721
左腕を少し進んだ辺りで、氷の侵食は止まった。
魔法の基点である"短剣"とディスを繋ぐ包帯(ライン)が断ち切られたからだろうか。
「ッ……"――大地を覆いて白く染めよ"!」
傷だらけの女は、声高らかにウタう。
「"ミスティック・ホワイト"」
基点は、"最初に投げた短剣"。
触れられることなく地に刺さったそれを中心に魔法円が展開。
草原を、白い霧が覆い始めた。
- 723 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/05/04(火) 17:46:19 ID:WVrfsEdY0
- >>722
「…ちょっとたいへんなのかもしれないの」
【少し焦り始めるディス。包帯が少なくなってしまったからだろう】
「こんどは…なんなのかなの…」
【そう言ってディスは、剣帯につながっていた刀をじっと見る】
(こんどは『ありあ』に、てつだってもらわなきゃなの…)
【そんなことを考えながらそっと、刀に手をかけた】
- 724 :アンジェリーク ◆XXXXUU4GU2:2010/05/04(火) 18:00:29 ID:Hm8mdUgo0
- >>723
「ちょっと、危ないかもです……」
深く、深くなりゆく霧の中。
無数の包帯によるダメージが予想外に大きかったのか。少しふらつく女。
何とか持ちこたえると、両手の短剣を、投擲する。
新たな短剣が生成される度に、次々と。
- 725 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/05/04(火) 18:04:44 ID:WVrfsEdY0
- >>724
「…う〜…あたりがみえなくなるなの…」
【ディスは少しさみしそうな顔である】
「あうあう、よけないとなの!」
【ディスは飛んでくる短剣をよけようと走りだすが】
【凍った左腕が重いためか思ったように走れない】
「どこにいるのかなの〜?」
【短剣は体の一部分を切り裂いたり、脚に突き刺さったりしている】
【ディスの方も新しい怪我が刻まれて行っている】
- 726 :アンジェリーク ◆XXXXUU4GU2:2010/05/04(火) 18:15:56 ID:Hm8mdUgo0
- >>725
数十本投げ終わったところで、女は動きを止めた。
"ギリギリ"の魔力で、最後の最後、その術を構築するために。
「"惑う心と惑わす調べ――"」
ゆらり、と。霧の中に、影が映る。
- 727 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/05/04(火) 18:20:23 ID:WVrfsEdY0
- >>726
「あう、こえがきこえるの…」
【ディスはあたりを見回し…
影を発見する】
「そこなの〜!?ええい!!」
【ディスは体に残った僅かの包帯をその陰に向けて】
ギュイイイン
【円盤状にして投げつける。3つほどだ】
「ど、どうなのかなの」
【そう言いながら右腕をそっと刀に掛ける…】
- 728 :アンジェリーク ◆XXXXUU4GU2:2010/05/04(火) 18:32:40 ID:Hm8mdUgo0
- >>727
「ッ――――――――!」
斬ッ……。
声にならない叫び、飛び散る鮮血。
円盤状の包帯の一つが、女の左腕を深く深く引き裂いた。
左腕を押さえ、膝を突き。
それでも、歯を食いしばり、倒れなかった。
「鳴ら、せ、幻、想の鐘……」
ゆら、ゆらと。
ディスの背後、右側、左側――取り囲むように、影が、現れた。
- 729 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/05/04(火) 18:39:18 ID:WVrfsEdY0
- >>728
「あたったなの?…あう」
【命中を確信するディス…だが】
「…う、あたらしいてきなの…?」
【周囲の影を見て、再び顔をこわばらせた】
「でも…『でぃす』にはまだ…これがあるんだからなの!」
【ダメージの影響で少しふらつきながらも】
スルスルスル
【ゆっくりとディスは銀色の刀身の刀を引き抜く】
「……」
【右腕だけでその銀の刀を持って、再びあたりを見回す】
- 730 :アンジェリーク ◆XXXXUU4GU2:2010/05/04(火) 18:54:30 ID:Hm8mdUgo0
- >>729
「"幻想交響曲<カレイドスコープ>"」
全ての影、その隣に浮かぶ物、"透き通る短剣"。
最後の力を振り絞り、腕を振るえば――それらが、一斉に"射出"され。
女が倒れると共に、霧が、晴れていく。
【アンジェリーク:ログアウト】
【結果:敗北】
- 731 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/05/04(火) 18:59:40 ID:WVrfsEdY0
- >>730
「あうあう。いっせいなんてなの」
【ディスは周囲の短剣を弾こうと刀を振るうが】
ガキイン!!
【1本ははじくが、残りは】
ドズドズ
【ディスの胸と背中を次々貫いた】
「うう…やっぱり…
まだまだ…うまく…つかえ…」
【ゆっくりとディスは、少し悔しげな顔をしながら倒れこんだ】
「…とおいなの…」
【そのあとディスはログアウトした…勝敗はまだ分かっていないが…】
//乙です〜!
//もうちょっとロールしていいですか?箱庭の外で…
- 732 :名も無き異能都市住民:2010/05/05(水) 02:43:31 ID:BXgiA4u60
- 異能都市、裏路地――
「今日のノルマ、完了したぜ」
背の高い、長髪の若い男と――
「ごくろーさん、的な?」
――壁に背をもたれる白衣の男
「……にしてもよ、俺としてはノルマこなすことに文句はねぇが……異能使いしか殺っちゃいけないってのはどういう縛りだ?」
理解に苦しむ口調で長髪の男が呟く。
「今は対能力者用のサンプルが欲しいんだよ。本社からもデータの要求がしつこくてねぇ……」
肩をすくめ、白衣の男が溜め息を漏らした。
「それに、お前も常日頃言ってるじゃないか。強いヤツと戦いたいって」
「ああそうだ。だが別に能力者だけが強いってわけじゃないだろ」
「……ま、兎に角お前のその強さは鎧のお陰だってのを忘れんなよ。
こっちはいつでもテスターの予備は準備できてる、的な?」
話を切り上げるように白衣の男は壁から体を離した。
「ケッ……俺より前の使用者は全員オシャカになっただろうが」
唾を地面に吐き捨て、長髪の男が言う。
「その頃はシステムが弱かったからなー。今はもっと安全に出来るぜ?
少なくともお前よりはコッチの言うことを聞く奴に鎧を回すことが出来るぐらいには、的な?」
「テメェ……」
イラついた口調で長髪の男は白衣の男に向かおうとするが……すぐに立ち止まった。
「……仕方ねぇ、今はそれで我慢してやるよ」
そう言って長髪の男は路地の闇に消えていった。
後に残されたのは白衣の男
「…………」
やがて長髪の男とは反対の方に歩き出し、一言呟いた。
「後はアレの奪取だけ……ですよね、遊馬先輩?」
- 733 :ヒホロ=ゼルトマン ◆JBbLACK.JY:2010/05/06(木) 19:45:42 ID:3ZlbWW/60
- 【埠頭、硬い地面以外何もない広場】
ぐ……く……!
【小さなスーツ姿の少年が蹲っている】
【目を剥き嗚咽を口から泡と一緒に吐き出す姿はどう見ても異様で】
【普段余裕綽々でタバコを挟む指も、フィルタを押し潰すほどに力が篭って震えている】
あ゛……ッ……!!
【自らの内から滲む激痛に、ただ悶え苦しむだけ】
- 734 :金髪の精霊:2010/05/06(木) 20:45:56 ID:ZOM.z7ps0
- 『――――、――!』
黄金の挑発を靡かせる、半透明の精霊。
それはヒホロと空が戦った際に、空が使役していた地の精霊だった。
『――、――!』
動けない主に代わって街を見回るよう命令された彼女は、悶え苦しむヒホロを見ておろおろと右往左往。
誰か来ないものか、と近くを飛び回った。
- 735 :ヒホロ=ゼルトマン ◆JBbLACK.JY:2010/05/06(木) 20:54:09 ID:3ZlbWW/60
- >>734
……っ…。
【光を反射する美しい髪に気付く】
【朦朧とした頭は酷く重い。無理やり地面から引き剥がして】
【震える両足で立ち上がる】
【なんだか――酷く――】
……ッ!!
【目障りだ】
【狂乱の形相で地の精霊を握りつぶそうと腕を伸ばす】
- 736 :金髪の精霊:2010/05/06(木) 20:57:34 ID:ZOM.z7ps0
- >>735
『――――!?』
驚愕に目を見開いてヒホロを見る。
使役霊である彼女は主の許可なく魔法を使う事は出来ず、何の抵抗も出来ずに掴まれた。
『――――、――――!!』
苦悶の表情を浮かべながら、高い金属音に似た悲鳴を上げて……それでも、誰か来ないかと。願い続けていた。
- 737 :沢桐 創:2010/05/06(木) 21:07:08 ID:fKMiAOfo0
- ―ガチャン…ガチャ…
遠くから、不規則な足音が聞こえる。
―…ガチャッ!
眼を緑に光らせた男が歩いてきた。
その様子はどう見ても重症としか言いようが無い。
- 738 :ヒホロ=ゼルトマン ◆JBbLACK.JY:2010/05/06(木) 21:15:31 ID:3ZlbWW/60
- >>736
ダマ……れ……僕の…お、とうさん……ヲ……
僕は……鍵を開けて…友達……ガニュメデス……にッ…!!
【言葉は支離滅裂で、全く意味が分からない】
【だんだんと、ソレが幼い子供の手とは思えないくらいに精霊を締め付け――】
【現れた男に目をとられて、一瞬手の力が緩んだ】
>>737
……
【足音に気付く。首だけでその方向に目をやった】
【幽鬼のような雰囲気と、妖しく光る目を持った化物――ヒホロからは、そんな風に見えた】
- 739 :金髪の精霊:2010/05/06(木) 21:20:17 ID:ZOM.z7ps0
- >>737
『……――、――――』
か細い金属音のような、おそらく悲鳴。
助けてくれ、とでも言うような視線を沢桐に向けた。
>>738
力が緩んだ隙に、何とか体をよじってヒホロから離れる。
けほけほと咳き込みながら――目を閉じて、何かを念じている。
おそらく主と連絡を取っているのだろう。
- 740 :沢桐 創:2010/05/06(木) 21:25:14 ID:fKMiAOfo0
- >>738
男の脚は機械で出来ており、装甲版が無理やりワイヤーで繋げてあるように見える。
顔は下を向いており、火傷や切り傷がチラチラと見られる。
右目は緑に光っているのが見えるが、左目は手に押さえられていた。
>>739
―ガチャン、ガチャン
男は精霊に近寄ってくる。
「…何をやってる…?」
風貌に比べてその声はドスが聞いているものの、いくらか元気そうに聞こえた。
- 741 :ヒホロ=ゼルトマン ◆JBbLACK.JY:2010/05/06(木) 21:29:44 ID:3ZlbWW/60
- >>739
ッ…!
【手から抜け出す精霊。だが追うのはやめた】
【直感的に、今は男に向くべきだ――そう思った】
>>740
なんだ……君は?
僕の…お父さんを取るのか? 君だったのか……? 嫌だ、違う……
【ぼそぼそと口籠もる。まるで己に問うかのように】
【懐からタバコを取り出す。既に火はついていて、煙がゆらゆらと空間をたゆたっていた】
- 742 :金髪の精霊:2010/05/06(木) 21:34:19 ID:ZOM.z7ps0
- >>740
『――、――』
発するのはやはり金属音のような声。
通じるかどうかはわからない、しかし彼女は「少年を助けてやってくれ」と懇願していた。
>>741
『――――――――』
必死に祈るように、主に問いかけている。
どうすればいいかどうすればいいか、と繰り返し問うていた。
- 743 :沢桐 創:2010/05/06(木) 21:45:33 ID:fKMiAOfo0
- >>741
「…ゲホッ!ゲホゲホッ!」
副流煙を吸い込み、咳き込む。
「ゲホッ…!タバコ…やめろ…!」
―ガチャッ
その場に膝を付いた。
>>742
「…わかんねぇよ…」
精霊がうったえることは男には通じていない。
「少し黙れ…耳障りだ」
- 744 :ヒホロ=ゼルトマン ◆JBbLACK.JY:2010/05/06(木) 21:51:19 ID:3ZlbWW/60
- >>742
何をしてる……
僕は……違う……あんなのお父さんじゃない!
【やはり錯乱状態のようだ】
>>743
……?
【男の言葉ではなく少年は――彼の脚に目を向けた】
【自分と同じような、しかしおおまかなデザインから違う――ただ義足という共通点に】
き……みは……、ガニュメートさんの、知…り合い?
【ぶつ切りの言葉を吐きながら沢桐を指差す】
- 745 :金髪の精霊:2010/05/06(木) 21:54:35 ID:ZOM.z7ps0
- >>743 >>744
『――。――――』
黙したまま、うんうんと頷く。
どうやら主と話が付いたらしい。
『……――、――――』
精霊の半透明の身体から、こうと光が放たれた。
魔法を使う事を許可された証。
とりあえず少年を落ち着かせようと、近付いてみることにした。
- 746 :沢桐 創:2010/05/06(木) 22:00:24 ID:fKMiAOfo0
- >>744
「…誰だよ、そいつは」
堰が落ち着くと、顔を上げる。
「しらねぇよ、そんな奴」
>>745
「…黙ったと思ったら…」
今度は光りだしやがった、と唸る。
- 747 :ヒホロ=ゼルトマン ◆JBbLACK.JY:2010/05/06(木) 22:07:02 ID:3ZlbWW/60
- >>745
……
【睨みつけている】
【何かあれば掴みかかる体勢だ】
>>746
……違うのか……。
【じっと、狂気を孕んだ目で沢桐を見ている】
- 748 :金髪の精霊:2010/05/06(木) 22:11:30 ID:ZOM.z7ps0
- >>746
あなたには何もしない、とでも言うようにふるふる首を横に振った。
>>747
ゆっくり、ゆっくり。
足音を立てずに、近付いていく。
- 749 :沢桐 創:2010/05/06(木) 22:14:27 ID:fKMiAOfo0
- >>747
「…その眼…」
ゆっくりと立ち上がる。
「気に入らねぇ」
突然ヒホロに蹴りかかった。
>>748
突然男は、ヒホロに蹴りかかった。
- 750 :ヒホロ=ゼルトマン ◆JBbLACK.JY:2010/05/06(木) 22:19:01 ID:3ZlbWW/60
- >>748
……
【まるで狂犬病の犬のように身構え】
【あと一歩近づけば――】
ッぁ!!
【再度、猛烈な勢いで精霊に飛びかかる――が】
>>749
――がっア!!
【軽い体に、重い蹴りがめり込んだ】
【少年の体が軽々と宙を舞い、そのまま不恰好に地面に叩きつけられる】
ぐッ…う……や、っぱり……あなた、は……敵…?
やだ…お父さん……僕のおとうさん……を……
【脇腹を押さえて、一切の光を宿さない目が沢桐に向かって震えている】
- 751 :金髪の精霊:2010/05/06(木) 22:22:43 ID:ZOM.z7ps0
- >>750
近付いて、手を差し伸べようとする。
と――
>>749
『――!?』
沢桐が、ヒホロに蹴りかかったではないか。
血相を変えて、沢桐を止めようと。服の裾を引っ張ってみる。
- 752 :沢桐 創:2010/05/06(木) 22:27:56 ID:fKMiAOfo0
- >>750
「見れば見るほど気に食わない眼だ…」
男はそのままヒホロを踏みつける。
「お父さんお父さん…しつけぇな」
>>751
「邪魔だ!」
精霊を振り払う。
「お前も蹴り飛ばしてもいいんだな?」
- 753 :ヒホロ=ゼルトマン ◆JBbLACK.JY:2010/05/06(木) 22:35:36 ID:3ZlbWW/60
- >>751
これが……目的か?
だったら君も許さない……!
【嫌悪の感情を露にし、歯軋り】
>>752
ぐっ…!!
【頭を踏みつけられる】
【地面に額が擦り付けられ、鈍い痛みが走った】
分かんないよ……大切なものもないお前なんかに……!
僕にはあるんだ……そのために、なんだって!
【地面に両手をつけて、力を込める】
【子供とは思えない――否、子供では『有り得ない』腕力で、沢桐を押し返す】
- 754 :金髪の精霊:2010/05/06(木) 22:40:07 ID:ZOM.z7ps0
- >>752
『!! 、!!』
振り払われてよろけるが、すぐにキッと沢桐を睨み返す。
主が少年を大切にしていたのは精霊も知っている。だから、少年を守らなくては。
精霊は魔力を迸らせた。
>>753
『――、――!』
違う、そうではないと言うように頭を振った。
せめてここに主がいれば、どうにかして会話が出来れば。
精霊は途方に暮れていた。
- 755 :沢桐 創:2010/05/06(木) 22:44:07 ID:fKMiAOfo0
- >>753
「…大切なものが無い…?
当たり前だ、捨てたからな」
グググ、と脚が押し返される。
「お前も、異能者か」
ニヤリとすると、眼が一層輝いた。
>>754
男は少年に集中しており、精霊の挙動には気づかない。
今は精霊に背を向けている。
- 756 :ヒホロ=ゼルトマン ◆JBbLACK.JY:2010/05/06(木) 22:55:14 ID:3ZlbWW/60
- >>754-755
そうさ……僕は、ヒホロ……
誰よりも強くなって……誰よりも強いアイツを殺す……!!
【もう体勢は立っているも同然】
【あとは膝を伸ばすだけで、脚を払いのけられる】
メギッ
【――嫌な音が響いて】
あ゛ッ :;sがaぁあぁああああ”あ.:;ああaあッアアアア!!!!
【右足、義足の膝が『前に』曲がり、少年の甲高い声が絶叫を奏でた】
【再度地面に叩き伏せられる。だが今度の苦しみようは先の比ではない】
- 757 :金髪の精霊:2010/05/06(木) 22:59:23 ID:ZOM.z7ps0
- >>755-756
『――――――!!!』
ヒホロの悲鳴を受けて、精霊が悲鳴を上げる。
どうしよう、どうしよう、なんとかしなくては――!
しかし回復の魔法は知らない! 主、助けて――!
『―――――――――――――ヒホロくんッ!!!!!』
精霊の喉から、人間の言葉が発せられた。
今にも泣き出しそうな、男のものとも女のものとも取れる声……
空の、声。
- 758 :沢桐 創:2010/05/06(木) 23:06:40 ID:fKMiAOfo0
- >>756
「喚くな、五月蝿いぞ」
今度はヒホロの喉首を蹴る。
沢桐にとってそれは軽すぎる蹴りだが…。
「立てよ、痛めつけるだけってのは趣味じゃ無いんだ」
>>757
「なんだ、喋れるのか?」
ヒホロを打ち捨てて振り向く。
男は喋っているのが別人だと気づかない。
- 759 :ヒホロ=ゼルトマン ◆JBbLACK.JY:2010/05/06(木) 23:11:04 ID:3ZlbWW/60
- >>757
あぐぅう、うぐううううううううッぅうウウううう!!!
【体中が軋む。響く。鼻水を垂らし、泣き叫んでも痛みは止まない】
ガッ!
かっ、う゛…けぶっ……
【喉を強い衝撃が打った】
【ごろりと体が上を向く。義足からは配線や色々な部品が接合部から剥き出しだ】
【そして……傍目に見えないところでとてつもない激痛に襲われているのは脳だった】
- 760 :ヒホロ=ゼルトマン ◆JBbLACK.JY:2010/05/06(木) 23:11:35 ID:3ZlbWW/60
- />>759訂正
安価は>>757-758
- 761 :金髪の精霊:2010/05/06(木) 23:15:58 ID:ZOM.z7ps0
- >>758
『やめて、ひどいこと、――しないで!』
ノイズの掛った雑音混じりの声。通信状態の悪い電話の音声のような。
そんな声で、懇願した。
>>759
『ヒ――くん、――ホロくんッ!!! しっか、――て!!!』
雑音に呑まれそうになりながら、必死で呼び掛ける。
精霊が最善の策だろうと判断した作戦。空の声真似で、呼び掛けること。
どうなるのかは、わからなかった。
- 762 :沢桐 創:2010/05/06(木) 23:22:35 ID:fKMiAOfo0
- >>759
「抵抗しろよ、少しは…」
今度は手を出さずにじっとヒホロ見下ろす。
眼の光が弱まった。
まるで飽きた、とでも言っているように。
>>761
「さっきからうるせぇよ。
無理やり止めたらどうだ」
そして今度は精霊に向き直る。
- 763 :ガニュメート ◆JBbLACK.JY:2010/05/06(木) 23:26:34 ID:3ZlbWW/60
- >>761-762
あ〜〜〜〜〜あ〜〜〜〜〜〜ーーー。
だーかーら動くなっつったのによォー。必死こいてまぁ。
【不意に、間延びしたぶっきらぼうな声色が響いた】
シュカッ
【空から男が降ってきた】
【脚から刃を生やし、それを突き刺してヒホロの近くへ着地】
【肌は水色で、ところどころ青い△の模様が浮かび上がっている異様な姿】
【白衣をはためかせ、冷たい目でヒホロを見下ろして鼻で笑う】
あらァ? こりゃクスリが強すぎたっかなー?♪
でもハッキリした情報も引き出せないし、もうちょっと濃度高めて投薬だなァ?
【獰猛な笑みを浮かべて、そこでやっと周りを見回し】
あん? なんだお前ら、俺のジッケンダーイになんか用?
【脚の刃を仕舞うと、沢桐のそれとは違う本気の蹴りをヒホロの腹に見舞う】
- 764 :金髪の精霊:2010/05/06(木) 23:31:46 ID:ZOM.z7ps0
- >>762
『――――!』
ぎりりと目を剥いて。
主に使える前の事、遥か昔の、人間を襲う霊として存在していたころと同じような殺気を放つ。
鋭く尖った石を召喚し、沢桐に――
>>763
『!?』
放とうとしたところで、振り向く。
本当に敵対するべきはこいつだ。そう判断した精霊は、召喚した石の向きを変え、ガニュメートに向けて飛ばす。
- 765 :沢桐 創:2010/05/06(木) 23:36:24 ID:fKMiAOfo0
- >>763
「…ああ、気に入らない目つきだったんでな」
胡散臭そうにガニュメートを見た。
「抵抗しないし返すわ」
ヒホロがガニュメートの"所有物"であると判断し、そう言った。
>>764
「…殺気立ってよ…やる気あるじゃねぇか」
石を受けようと構えるが、石は男の背後に飛んでいく。
「…ったく、面白くねぇ」
- 766 :ガニュメート ◆JBbLACK.JY:2010/05/06(木) 23:42:08 ID:3ZlbWW/60
- >>764
あン?
【咄嗟にヒホロの細く柔らかい髪を、モノのように掴んで】
ドギュッ!
あっブなッ。
【ヒホロを――石から身を守る盾に。】
【鋭い石はヒホロの左腕の骨まで穿ち、血が吹き出す】
なンだァコラおい。盾がなきゃ大怪我するとこだったじゃねぇか。
【臆面も無く、そう言ってのけた】
【ヒホロは青ざめた顔を晒したまま、完全に気を失っている】
>>765
ほーぉ、テメェは分かってんじゃねぇか。
死にたくなったら俺のところにきな。体中ひねくり回してやるよ。
【ニッと鋭い犬歯を零す笑み】
あいにく俺は忙しいんでよ! じゃあな。
【義足をその場に残したまま、ボロボロのヒホロを掴んであっという間に走り去っていった】
- 767 :金髪の精霊:2010/05/06(木) 23:46:45 ID:ZOM.z7ps0
- >>765-766
『――――――!!』
待て、殺してやる。
耳障りな金属音を上げながら、精霊が魔法を編み――
『…………!?』
放とうとしたとき。精霊の身体が、光に分解されていく。
契約者、主が完全に気を失った証拠だった。
――病院。
「先生、患者の容体が急変しました!」
「早く! 集中治療室へ!」
ひとりの青年が生死の境を彷徨っていたと言うが、それは誰も知らないだろう。
- 768 :沢桐 創:2010/05/06(木) 23:51:03 ID:fKMiAOfo0
- >>766
「…いらねぇよ」
呟きながら男を見送る。
「…チッ」
―ガシャン
義足を軽く蹴飛ばした。
>>767
「消えたか…」
精霊に向き直ると、既に光となって消えていた。
「ったく、傷開くっつうの」
一瞬よろけると体勢を立て直し、平然と歩いて行った。
- 769 :No.3とNo.31:2010/05/07(金) 21:55:06 ID:ZY44/EXI0
- 白衣の男とワンピースの少女が箱庭の庭園空間に居る。
「すごいやろ、これ。此処でおきた事は現実には反映されんからな、
記憶のみが持ち帰り可能っちゅーすごい場所やで」
「戦闘訓練にはうってつけ、ですね。」
「…何、No.31はまだ戦闘員の座を狙ってるん?」
「当然です。私だって戦えるんですよ。」
なにやら物騒な会話をしている。
- 770 :No.3とNo.31:2010/05/07(金) 23:37:10 ID:ZY44/EXI0
- 「あんなんなるもんちゃうて、命令聞いてるだけやしさ」
「もう選ばれた人は余裕ですねー。いつかぶっ倒してやります。」
「物騒なっ!?…此処なら思う存分異能も使えるし、訓練したいならしときー。
僕はNo.31とは戦わんから、な。」
No.3はそういってログアウトした。残されたのは、ワンピースの少女のみ。
「…思う存分って言われても、…私の能力はそんな大規模じゃ無いのになー」
少女は呟き、庭園を散歩し始めた。
- 771 :百合代命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/05/08(土) 21:31:55 ID:GIHUoOKU0
- 【"箱庭"――荒野フィールド】
「……」
何をするわけでもなく…いや、何かした後なのだろうか
正座を組み精神を集中させているようだ
- 772 :クララ:2010/05/08(土) 21:39:47 ID:WV3ftPeg0
- >>771
「やぁ。なにやってんの?」
真上から声がする。
- 773 :百合代命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/05/08(土) 21:42:57 ID:GIHUoOKU0
- >>772
「え、あぁ…少し休んでいただけだよ」
よっ…と言葉を漏らしながら立ち上がる
「君こそこんなところで何を…?」
- 774 :クララ:2010/05/08(土) 21:46:48 ID:WV3ftPeg0
- >>773
上には車輪のない空飛ぶスケボーに乗った青年。
「ん?いや、なんとなくフラフラしてただけ」
- 775 :百合代命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/05/08(土) 21:52:12 ID:GIHUoOKU0
- >>774
「…ふらふら…ね」
ため息を零す
「ここであったのも何かの縁かもしれない、一つ手合わせをお願いしてもよろしいですか?」
- 776 :クララ:2010/05/08(土) 21:56:50 ID:WV3ftPeg0
- >>775
「Ok。相手しよう」
即答。というのも
「俺は売られた喧嘩は買う主義でね。どんな形であろうともな」
スケボーから飛び降り、地面に立つ。
「それに、自分の力もそろそろ確認しておかないと………」
- 777 :百合代命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/05/08(土) 22:02:01 ID:GIHUoOKU0
- >>776
「そうか…さぁ、かかって来い」
左手に長太刀を握り締め、右の手でひょいひょいと手招きをしている
- 778 :クララ:2010/05/08(土) 22:08:26 ID:WV3ftPeg0
- >>777
「それじゃ…………」
クララの両腕を紅いガントレットが覆っていく。
「いっくぜぇぇぇぇぇ!!」
両腕を赤が包み終ると同時に、百合へ走り出した。
- 779 :百合代命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/05/08(土) 22:13:15 ID:GIHUoOKU0
- >>778
「―――」
静かに息を吸い、右足をかすかに上げる
「…伝え」
その足を踏み込む、あまりに滑らかなその足の動きからまるで力がかかっているようには見えない
だがそれはあくまで見た目の話…踏み込んだ瞬間に大地に伝わったのは強烈な衝撃
まさにそれは地を揺るがし、クララの歩行を妨げた
- 780 :クララ:2010/05/08(土) 22:18:48 ID:WV3ftPeg0
- >>779
「うえっ!?」
バランスを崩し前のめりに転ける。
「マジかよ!?地面揺らすとかどんだけ力あんだ………!!」
立ち上がると同時に背中に力を込める。するとバサッと竜の翼が生えた。
「飛べばいいだろ!!」
翼を羽ばたかせ(実際には魔力を噴射して飛んでいるのだが)空を飛んだ。
- 781 :百合代命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/05/08(土) 22:25:55 ID:GIHUoOKU0
- >>780
「力が篭っているわけじゃないよ、ただ揺らすように踏み込んだんだ」
何を言っているのか聞いた限りでは絶対に分からないであろう言葉
「空を飛ぶ鳥を落とすのは得意なんだけれど…こい」
右の手を一度開き、もう一度握りこむ…骨の鳴る音がした
- 782 :クララ:2010/05/08(土) 22:30:31 ID:WV3ftPeg0
- >>781
「俺の戦闘できる時間はみじけぇんだ!!時間短縮アタァァァァック!!」
両手に魔力が集まり、カメ○メ波のように打ち出される
- 783 :百合代命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/05/08(土) 22:37:32 ID:GIHUoOKU0
- 「…いや、その…」
苦笑いをしながら3歩ほどバックステップを踏みそれを回避してしまった
「…その、ごめん…」
素
- 784 :クララ:2010/05/08(土) 22:41:46 ID:WV3ftPeg0
- >>783
Σ (゚Д゚;)「あっさりと避けられた!!」
ヽ(`Д´)ノ「これならどうだ!!極光ウォール!!」
クララを中心に紅い魔力が渦巻き、壁のようになって百合を襲う。
- 785 :百合代命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/05/08(土) 22:51:50 ID:GIHUoOKU0
- >>784
「これは中々」
壁を見上げるて笑う
「――だけれども」
右の手を突き出しその手の甲に太刀を握ったままの左手を重ねた
そしてゆっくりと深呼吸、目標は壁ではなく
――これくらいは超えられなければ
目を閉じれば今まで見てきたもの、追いかけてきたものがありありと映し出される
”それらに追いつくために、また1から歩き出さねばならないのだ”
その覚悟は確かな力へと変わる
左手を重ねたままの右の手を宙に強く突き出した
いや、突き出したのではない。壊したのだ
右の手が押し込まれた空間には真っ黒な亀裂が走り
それは様々な方向へと罅を張り巡らせながら巨大な壁へと向かってゆく
ただの罅ではない、空間への過負荷によって生み出されたいうなれば”空間の亀裂”
これはただの導火線、発火させるものは間違いなく、迫る壁
- 786 :クララ:2010/05/08(土) 22:56:17 ID:WV3ftPeg0
- >>785
直後、轟音がその場を支配する。
「やったか……?」
土埃で状況が確認できず、そらをただただ浮いている。
- 787 :百合代命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/05/08(土) 23:01:10 ID:GIHUoOKU0
- >>786
突如、その土煙のカーテンを打ち抜き、クララへと飛来する1つの物体があった
回転していて分からないが、長さと真っ黒な色から見て、先ほど百合代が手に握っていた日本刀で間違いない
それはまっすぐにクララへと襲い掛かる
- 788 :クララ:2010/05/08(土) 23:06:45 ID:WV3ftPeg0
- >>787
「うおっ!!」
身を反らせそれをぎりぎり回避する
(あの爆発でまだ動けるのか……無傷だったりしてな)
残り戦闘可能時間三分。そろそろ決着を付けないといけない。
「フルアーマー……イグニッション」
全身を紅い甲殻が覆っていく。
- 789 :百合代命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/05/08(土) 23:16:29 ID:GIHUoOKU0
- >>788
間髪いれず、今度は先ほどよりも大きなものが跳び出した
今度は本物の百合代、まっすぐにクララへと突撃してくる
右の手には日本刀、美しい銀色に染め上げられた刀身には真っ黒な罅
丁寧に手入れがされているが故にその罅は一層強調されるようだ…
「――――!」
声にならないような叫び、自身を叱咤する為に上げられた声
腰をひねり、クララを横なぎに断ち切らんと刃を立てて振るう
- 790 :クララ:2010/05/08(土) 23:24:36 ID:WV3ftPeg0
- >>789
自身で突っ込んできた百合に驚くが
「しゃらくせぇ!!」
その剣を正面からガントレットで受け止める。
ピシリ、と装甲にヒビが入りクララも苦痛の顔をするが
「オラァァァァァ!!」
受け止めた腕とは反対の腕で百合の顔を魔力を乗せた、爆弾のような威力の拳で殴ろうとする。
- 791 :百合代命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/05/08(土) 23:37:05 ID:GIHUoOKU0
- >>790
「――」
守られたからといって何かが変わることではない、この状況でいや過ぎるほど冷静であった
拳は完全に空を切った、先ほど元々そこにあった頭がなくなっているのだ
ふと視線を動かせばどうなっているか分かる
体を水平になるほど倒してしまっているのだ、眼前スレスレを拳は掠る
下半身を一気に上に持ち上げ…変則的なこの体制からサマーサルト、その首めがけて足を振り上げる
- 792 :クララ:2010/05/08(土) 23:45:46 ID:WV3ftPeg0
- >>791
拳に力を入れていたため動けずクリーンヒット
「ッ???!!」
顎を打ち上げられ意識が一瞬飛ぶ。だが、それで落ちるほどこの男はヤワではない。
「!!」
全身を、顔さえも赤き鎧に包まれたクララは両手を合わし振り上げ、自分の顎を蹴り上げた男にめがけ振り下ろす。
- 793 :百合代命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/05/08(土) 23:54:30 ID:GIHUoOKU0
- >>792
「くぅ…!」
間一髪、刀を盾にすることで防ぐことが出来た
だがその瞬間に刀身に1筋の罅が――さらにその拳の勢いと衝撃で地面へと一気に落とされる。
大地に叩きつけられる鈍い音、そして砂煙
だがゆっくりとその場から立ち上がった
――ぽたぽたと黒い血が流れる、罅割れた刀から
- 794 :クララ:2010/05/08(土) 23:59:53 ID:WV3ftPeg0
- >>793
「はぁ……はぁ……もうムリ……」
竜の鎧が溶けるように無くなり、クララが地面に落ちる。
どうやら体力の限界に来たようだ。ドラゴニックバーストの燃費の悪さにクララの体力不足が合わさりこんなにも早く倒れる結果となった。
- 795 :百合代命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/05/09(日) 00:03:00 ID:GIHUoOKU0
- >>794
「よっ…と」
落ちてくる地点へと早足で歩き、見事にキャッチした
「多分こうなると勝手に落ちるんだろうな…この世界から」
なんて呟きならクララをおろすと、投げた鞘を取りに歩いていった
- 796 :クララ:2010/05/09(日) 00:06:21 ID:WV3ftPeg0
- >>795
しばらくするとクララの体は透けて無くなった
//お疲れ!!なんか微妙でごめんね!!
- 797 :百合代命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/05/09(日) 00:10:42 ID:GIHUoOKU0
- 「…さって…俺も帰るか…」
鞘を手に取ると背筋を伸ばしながら消えていってしまった
- 798 :遊馬/隻腕:2010/05/09(日) 21:42:46 ID:BXgiA4u60
- 「結局、振り出しか……」
夜の大通り
煌く摩天楼の下
舗装された道を歩く白衣の男が一人
「千夜の解析設備を使わせてもらってもブラックボックスが残るなんて……技術隠匿のテクニックだけはたいした物だな」
溜め息をつきながら左手のカバンに視線をやった
- 799 :頼羽無為:2010/05/09(日) 21:50:38 ID:fP94A.NgO
- >>798
街灯の下 ビルの壁面に背を預け、煙草をくゆらせる男がいた
何をするでもなく、ただぼんやりと紫煙を吐き出していた男は
ふと通り掛かった見覚えのある横顔に、思わず声をかける
「お前……遊馬か?」
- 800 :遊馬/隻腕:2010/05/09(日) 21:58:02 ID:BXgiA4u60
- >>799
不意に呼ばれた自分の名前
やや訝しがりながらも、足を止めて声のする方へと首を向ける
「頼羽……先輩?」
そこに立って居たのは嘗て自分と学舎を共にした男
「……まさかこんなところで会うなんて……」
思いがけない再開に言葉を失い、ビル風の中ただ立ち尽くす
- 801 :頼羽無為:2010/05/09(日) 22:09:36 ID:fP94A.NgO
- >>800
「甲、社長、クロス、カノンにニナと来てお前か…クク、世界とは存外に狭いものらしい」
あの世界での知り合い達にはこちらでも随分と出会う。
また一人増えた懐かしい旧友との再会に、呆れ気味に笑う
「それにしても久し振りだな。息災…ではなさそうだが」
遊馬の右腕があるべき位置を見て、僅かに眉をしかめる。
- 802 :遊馬/隻腕:2010/05/09(日) 22:18:54 ID:BXgiA4u60
- >>801
「存外、何か神懸かり的な物が働いているのかもしれませんね」
事実、神に近い物なんかこれ迄に何度も見てきた
そう思いながら向かいに立つ男の笑いにつられ、唇を微かに歪める
「これは……まあ、自らの未熟さが招いた報い、みたいな物です」
白衣越しに傷口を抑え、 自嘲気味に呟く
- 803 :頼羽無為:2010/05/09(日) 22:32:06 ID:fP94A.NgO
- >>802
「そうか…まあ、生きているだけでも良しとしよう」
あの世界の旧友達は、常に命の危機に晒されているような連中ばかりだった
それを考えれば、例え四肢を失おうと生きているというだけでも僥倖だろう。
重くなってしまった空気を払うため、男は話題を変える
「…そういえばお前は今、何してるんだ?
俺はこの街でタクシードライバーをやっていてな」
最も、少し昔までは千夜で働いてたんだが、と頭を掻きながら苦笑する。
- 804 :遊馬/隻腕:2010/05/09(日) 22:41:58 ID:BXgiA4u60
- >>803
「そちらも……お変わり無いようでなによりです」
でも少し老けましたね、と思った通りの事を口にする。
視線を右上に遣り、記憶を辿りながら答える
「少し前までは小さな研究所で働いてたんですがね……紆余曲折あって、今は警察官みたいな事やってますよ」
そう言う男の姿は大学時代と変わらぬ白衣姿で、俄かには信じ難い印象を与える。
「……ああ、そうだ」
記憶を辿るなか、不意に思い出した赤いマフラーの男との会話
「ここで会えたのも何かの思し召しなんでしょうかね……実は頼羽先輩に一つ頼み事があるんですよ」
- 805 :頼羽無為:2010/05/09(日) 22:59:03 ID:fP94A.NgO
- >>804
「老けた、か。他のヤツらにも言われたよ」
この男は彼の友人達と比べて、一回りほど時の輪から離れてしまったらしい
それでもあの頃と変わらず接してくれる彼等には、少なからず感謝している。
「ほう…俺らのようなタイプの人間は、どこぞの研究所に落ち着くもんだと思ってたが」
まあ俺も他人のことは言えないな、と苦笑する。
「俺に頼み? …いいぜ、どんな用だ」
こちらに来てからも、内部や外からの依頼は稀にくる
後輩からの頼みとあれば、断る理由もない。
- 806 :遊馬/隻腕:2010/05/09(日) 23:19:48 ID:BXgiA4u60
- >>805
「考えて見るとこの都市で出会った大学時代の人達って皆、見た目の変化がバラバラな気が……」
腕を組みながら思案する
十年以上経った様に見える人もいれば
全く見た目が変わらない人もいる
やはりこの都市はどこかが歪んでいるのか
「前の職場は施設や待遇は悪くなかったんですが、職場の人達の人間性に問題があって……」
それ以上は何も語らない
「頼み事というのは……そのものズバリ、この右手についてです」
白衣と、その下のシャツを捲る
その肩の付け根には金属製のアタッチメントが付いていた。
「見て通り、俺の右手は義手でした」
それから男は独白する
研究所時代の先輩に自らの体を弄られ、右手を失い、機械の腕へと作り変えられた事
先日、その義手をとある事件で切断された事
そして、今はその腕を直すための手段を模索している事
「ですが……正直お手上げです。見た事も無い技術に、見た事の無いパーツ、俺の技術じゃ手も足も出ません」
男は力なく首を振り、俯く
だから----
「貴方に頼みたいんです。この義手の修理を」
そう言って、男は鞄からメタリックシルバーの義手を取り出した
- 807 :頼羽無為:2010/05/09(日) 23:37:17 ID:fP94A.NgO
- >>806
「あぁ…研究者ってのは変わり者が多いからな」
この男が言えた事ではないのだが。
「ほう…これがその義手か」
語られた遊馬の過去に驚きながらも、取り出された義手を眺める。
「…少し調べる必要がありそうだ」
遍在した存在を統一し、真に"狂う歯車"となったこの男でも
ただ見ただけでその構造を識るには無理があった。
「だが、無理ではない」
「確認するが…俺でいいのか? コイツは高くつくぜ」
銜えていた煙草を踏み消し、ニヤリと笑みを浮かべる
その笑みは、己の技術に対する絶対の自信。
- 808 :遊馬/隻腕:2010/05/09(日) 23:53:29 ID:BXgiA4u60
- >>807
「…………」
義手を眺める視線を受けながら、男は一人考えていた
この人で大丈夫なのだろうか、と
大学時代、男は同輩から多くの伝説を聞かされた
曰く、学生にして個人のラボを持っている
曰く、ロボットの制作に関しては他の追随を許さない
曰く、大学の校舎はこの男によってロボットに変形するように改造されている
だが、伝説は必ずしも正しく伝わるとは限らない
その才能を妬む者によって歪められた話を聞かされた男は、果たしてこの決断が正しかったのか未だに悩んでいた
だが
"無理では無い"
見ただけでそう判断し、不敵な笑みを浮かべる目の前の男を目にして確信する
この人はやはり"天災"なのだ、と----
男はそこまで考えて、微笑みを浮かべる
「謝礼は勿論用意します。期日もそちらの好きにしていただいて構いません」
そう言って、義手を差し出す
- 809 :頼羽無為:2010/05/10(月) 00:16:52 ID:fP94A.NgO
- >>808
「契約完了だ」
ただの口約束。しかし、この男への依頼はそれだけで充分だった。
男は遊馬から義手を受け取る。
「修理が完了すれば連絡する。依頼料は…そうだな」
「今度、お前の奢りで好きなだけ飲ませろ
後輩のよしみだ、それで勘弁してやる」
そんときは遠慮しねぇぞ?
そう言い残して、男は後ろ手に軽く手を振りながら歩き始めた。
- 810 :遊馬/隻腕:2010/05/10(月) 00:28:27 ID:BXgiA4u60
- >>809
「了解です。連絡先は……」
連絡先を告げ、義手を受け渡した。
「依頼料についてですが……」
謝礼について話そうと切り出した矢先に目の前の男の言葉に制される。
「そ、それだけ……ですか」
ポカンとした顔を浮かべ、去り行く男を見送った。
「……今から、アルコール鍛えておくかな」
徐々に小さくなる背中を見つめ、小さく呟いた
「さて、俺も帰らないと。明日からまた仕事だ」
男は反対側の方へと向き直る
ああそうだ。明日、甲先輩に今日の事を伝えよう。
そんなことを考えながら前を開いた白衣をたなびかせ、摩天楼の明かりへと消えて行った。
//絡み、ありがとうございました!
- 811 :頼羽無為:2010/05/10(月) 00:37:01 ID:fP94A.NgO
- >>810
//ありがとうございましたー
- 812 :ヒホロ=ゼルトマン ◆JBbLACK.JY:2010/05/10(月) 20:56:33 ID:6CBzdXMk0
- 【千夜ビル前】
……。
【タバコの煙の先から辿って、やはり発生源に少年は居た】
【少年は――まったく姿形を変えていない】
【14歳、成長期の最中であるにも関わらず、まったく身長が伸びない】
【それを吸っているタバコのせいにするならば、話は簡単だ】
【だが――少年は意図的に、成長しない『ようにされている』。】
【一歩右足を踏み出す。金属が地面を叩く音】
【タバコを挟んだ左手の指は、鈍色の光を返している】
……行こう。お父さん。
【タバコの煙が伸びて、少年の手の中で鋭い剣を作り上げた】
【冷え切った憎悪の目は真っ直ぐビルの入り口に向けて。】
- 813 :百合代命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/05/10(月) 21:21:12 ID:GIHUoOKU0
- 【千夜ビル受付】
「…それで、結局――」
受付の女性と会話しているのが見て取れる
- 814 :ヒホロ=ゼルトマン ◆JBbLACK.JY:2010/05/10(月) 21:31:04 ID:6CBzdXMk0
- >>813
【突如、轟音】
ガシャアアアアアアアアアアアアン!!!
【全面の自動ドアが叩き切られ、砕けたガラスが宙を舞った】
【そして漂ってくる、濃灰色の煙――】
失礼……千夜の社長を、出して頂きたい。
【小さな体躯から放たれる声は囁くように小さく、しかしはっきりと数瞬後の静寂に響いた】
【ギザギザした襟の印象的なスーツ、幼い見た目と不釣合いな指に挟んだ黒タバコ】
【そしてそれより更に年不相応な左手の剣、そして、『殺意に満ちた瞳』】
【ヒホロ=ゼルトマン。邸とビル、合わせ三度目の襲来である】
- 815 :百合代命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/05/10(月) 21:36:53 ID:GIHUoOKU0
- >>814
「無理」
間髪入れない答え
空中をノックしたかと思うと、それはヒロホの眼前に真っ黒な罅となって現れた。
そしてそのコンマ
それは爆ぜた、罅が爆ぜたのではなくその空間が破裂したのだ
まるで星の爆発のように――その衝撃波は間違いなく周囲のものを吹き飛ばす
- 816 :ヒホロ=ゼルトマン ◆JBbLACK.JY:2010/05/10(月) 21:48:02 ID:6CBzdXMk0
- >>815
ふッ!
【咄嗟に灰色の剣を地面に突き刺し、姿勢を低く地面に沈める!】
【するとその周囲を、漂う煙が集まって灰色の繭と化し――】
ミシッ バギン!!
【煙が硬化。その場でシールドを形成するが、強烈な衝撃が壁を揺さぶり破砕した】
【衝撃波をやり過ごすと、砕かれた壁はすぐに元の煙に戻り、ヒホロの元へ戻ってくる】
フン……どうやらアテは外れたみたいですね。
重要な戦力が一人減ったと聞いて来たのですが……。
【剣を地面から引き抜き、忌々しげに百合代を睨みつける】
【子供ながらに丁寧な言葉遣いの裏には、毒々しい感情が見え隠れして】
だけどまあいい……貴方も異能者なら、殺さざるを得ません! 覚悟を!
【再度煙が蠢く。右手に持つタバコを中心に、急速に渦を巻くと】
バヒュンッ!!
【渦の中心が伸び、細く長い灰色の槍となって百合代の胸を穿とうと迫る!】
- 817 :百合代命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/05/10(月) 22:03:09 ID:GIHUoOKU0
- >>816
胸ポケットに仕舞っていたマッチに火をつけると
それを上空へと投げ捨てる――
耳を突くような機械の警報音
途端に空から降ってくる雨、それは消し煙を押しつぶしてしまうスプリンクラーの水
防火装置――どんなビルにだってある当たり前の装置
「とりあえず帰って欲しい」
なんともいえない苦笑い、だがそれは次の瞬間には水で洗い流されたように消えていた
「本気で殺すよ」
- 818 :ヒホロ=ゼルトマン ◆JBbLACK.JY:2010/05/10(月) 22:13:41 ID:6CBzdXMk0
- >>817
!!
【固形化された煙とはいえ元は水に溶けやすいタバコの煙だ】
【水分に触れるたび、あっという間に槍としての機能を無くし】
【力を込めれば折れるほどの硬さにまで脆くなる】
チッ!
【タバコの火もすぐに小さく頼りない光になる】
【舌打ち混じりに煙の固形化を解くと、槍はすぐに水に溶け地面を流れていった】
(……瞬時の判断、しかも正確だ……!)
結構です。それが復讐の中のせめてもの礼儀……殺せるものなら、ですが。
【煙は無くなり、残るは水煙のみ。】
【この状況で最早武器となる異能は消えたはず――だが退がらずその場で構える】
【緊張の中、何か策を残しているのだろうか、動かず静かに笑みを浮かべた。挑戦的な、笑い】
- 819 :百合代命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/05/10(月) 22:20:28 ID:GIHUoOKU0
- >>818
「……」
困ったように笑うと、左手に握る長太刀に手をかけた
間違いなく危険――そして恐らく、この男は逃がさない
そしてあの手に握る刀はそれを可能にする危険な代物であると…
- 820 :ヒホロ=ゼルトマン ◆JBbLACK.JY:2010/05/10(月) 22:27:21 ID:6CBzdXMk0
- >>819
【お互いに動かない】
【動いた隙を狙う、そんな戦い方をお互いに選んでいるのだ】
【しかしヒホロは能力を封じられ、剣も今水に溶けて流れていった状態】
【膝を軽く曲げ、何時でも跳ねることが出来る状態に姿勢を保って】
ガシュッ
【静かな水音の中で、機械的な、何かが擦れる音。左腕をピクリと僅かに動かした】
- 821 :百合代命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/05/10(月) 22:33:09 ID:GIHUoOKU0
- >>820
動いた、刀を引き抜いたのだ
美しいほど染め上げられた銀色の刀身
――そこに走る真っ黒な傷跡、美しいからこそ映えるそれ
真っ白なキャンバスにぶちまけられた黒のような美しさ
「後半歩前に出る、それまでに逃げてくれると嬉しい」
構えてすら居ない、ただ抜いただけ
そして動かない、間合いが読めないが
この男の言葉が嘘で無いのなら、本当に後半歩で間合いの中
- 822 :黒沢小百合:2010/05/10(月) 22:38:43 ID:rSRBD9/U0
- 【千夜グループ・本社ビル前】
「まさか、私が社を空けている隙を突かれるとは……!」
千夜ビルへ向け、恐るべき速さで騎兵隊が進軍していた。
その中央、周囲の物より一段上等な鎧を身に着けた
騎兵達が守る馬車が一つ。
「急げ、急げ!もう少しだッ!」
その軍勢は馬が潰れてしまいそうな、
すさまじい勢いで千夜ビル前の広場に突入する。
- 823 :ヒホロ=ゼルトマン ◆JBbLACK.JY:2010/05/10(月) 22:50:56 ID:6CBzdXMk0
- >>821
……分かりましたっ。
【あっさり両手を上げ、へらへらと気の抜けた笑い顔】
これじゃあ勝ち目が無いですからねぇ、お言葉に甘えて、逃げさせてもらいます。
【両手を上げたままじりじりと出口に近づく。そして】
――さようならッ!!
【上げていた左手を思いっきり速く下へ振り下ろす!】
シュ ゴォオオッ!!
【途端に少年の左肘が火を吹き、義手の手のひらから数十の爆弾が飛来する】
【着弾と同時に広範囲を爆破する拡散型炸裂弾――少なくともロビー全域を爆破するには十分だ】
【それを放つと同時にバックステップ、千夜ビル前の広場に躍り出る】
>>822
遅かったじゃないですか……小百合さん。
【小さな影が振り向いた】
【それは見覚え有る小さな影、だがその姿は以前の少年とは違っていた】
【左腕と右足に光る鈍色。機械で出来たそれは灰色の人工筋繊維と骨格がむき出しで】
【今しがた爆弾を放った左手からは薄く煙がたなびいていた】
【しかし、それよりも尚変わったのは】
いつ来るかとヒヤヒヤしていました……まさか挟撃の形で会うとは、面倒だ。
【右手で新しいタバコを取り出し、器用に右手だけでライターも扱い火をつける】
【なにより変わったのは――煙の奥で冷たく光る、揺れない眼差し。薄笑いを小百合に向ける】
- 824 :百合代命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/05/10(月) 22:56:15 ID:GIHUoOKU0
- >>823
半歩前に出て振りかざす
それは見るからにヒロホを狙ったものではない、それは何も無い宙をなぎ払い…
いや、振りかざした刃の軌跡を延長するように真っ黒な何かが広がっていた
それは宙に浮かぶ平面な黒い池。
つぷりつぷりと炸裂弾がその池の中に飲まれてゆく
突き抜けるのではない”飲まれるように沈んでいくのだ”
「それじゃあさようなら」
そして刃を鞘に仕舞えば――そのまま黒い池が消えた、炸裂弾を飲み込んだまま
「…さって、どう説明しようかな…スプリンクラーとか」
- 825 :黒沢小百合:2010/05/10(月) 23:00:45 ID:rSRBD9/U0
- >>823
「貴様かァアァアーーーッ!!!」
小百合の怒号が響いた。
その瞬間、周囲の数百の『モンゴル帝国』の弓騎兵隊による、
短弓の一斉掃射が行われる!
「死ねぇえぇえぇぇッッ!!!」
黒い霧のように、不吉な雨のように、
弓矢が上空から遮蔽物の少ない広場にいる
ヒホロへと降り注ぐだろう。
- 826 :ヒホロ=ゼルトマン ◆JBbLACK.JY:2010/05/10(月) 23:10:33 ID:6CBzdXMk0
- >>824
……つくづく化物だ、参りましたね。
【脂汗をかきながらにやりと、若干楽しそうに口を歪める】
>>825
僕は外に出たんですよ?
もう貴方に負けたりはしません。外は僕のホームですから。
そんな雨じゃね!
【もう雨でも降らない限り、煙が水に消えたりはしない】
【灰色の煙が小さなドーム状にヒホロを覆い包んで硬化。降り注ぐ矢尻の雨を防ぐ】
【内部も煙で満たし硬化させて隙間を作らず、さらに硬度を高め】
そちらがそうなら、こちらも!
【ドームの壁面がゆらと水面のように揺れて、中から8体の騎兵が現れる】
【軽装に長く鋭いシャーシュカ(曲刀)を持つ灰色のコサック騎兵だ】
【8体は素早く駆けて、曲刀を振りかざし弓騎兵たちに切り込む!】
【力や技量がさしたるもので無いが、煙で出来た彼らは多少突かれた程度ではビクともしない】
- 827 :百合代命 ◆8ZLUiDv3K2:2010/05/10(月) 23:20:10 ID:GIHUoOKU0
- >>826
「…まずいなぁ、俺まだ千夜グループとは一切の関係が無いのに…」
言ったとおり外に出たのを確認したからか、追いはせずとりあえず説明のための言い訳を受付嬢とお話しているようだ
- 828 :黒沢小百合:2010/05/10(月) 23:21:10 ID:rSRBD9/U0
- >>826
「その程度の練度でッ!この精鋭が破れるかッ!」
広大なユーラシア大陸の半分ほどを支配した
中世最強の騎兵隊であるモンゴル軍に生半可な技は通用しない。
逃げながら後方に弓矢を放つパルティアン戦術によって、
少数で突っ込んでくるコサック騎兵に対し、四方から矢を浴びせる。
(しかし、これでは……あの『煙』をどうにかしないと、
以前の戦いと同じくいつまでたっても決着がつかないッ……!)
小百合は次なる攻撃を加えようと、袖に仕込んだ紙片を漁る…。
- 829 :ヒホロ=ゼルトマン ◆JBbLACK.JY:2010/05/10(月) 23:29:38 ID:6CBzdXMk0
- >>828
【矢を受け、深々と突き刺さるも痛がる様子はない】
【しかし、相手の戦法を察知し何らかの対策を取ろうともしない】
【ただ鬼ごっこの鬼。正直に追いかけまわすだけだ】
ところで――
【煙の中から小百合に呼びかける声】
貴方をいたぶれば、総帥は出てきてくれますかね?
【声はふざけた様子ではない。】
【だが其れ自身が、勝ったあとの事を考えての、ある種敵を舐め切った声だ】
- 830 :黒沢小百合:2010/05/10(月) 23:46:49 ID:rSRBD9/U0
- >>829
「ふん、貴方が勝つことなどありません。
もはや、酌量の余地無し。貴方はここで死ぬのだから……!」
『カード』は決まった。
このまま、街やビルへの被害を恐れて小規模な攻撃を
続けても、均衡状態は破れない。
「区画ごと消し炭にしてやるぞッ!!!」
――『宴はもうすぐ始まる』。
――『見よ、汚泥が如き曇天を切り裂いて死の鳥がやってくる。』
――『御者は、笑いながら鉄の雨にて我らの命を焼き払うのだ。』
――『男も、女も、子供も、老人も、病人も、乞食も、政治家も、医者も、
聖職者も、犬も、牛も、鳥も、蝶も、蝗も。』
――『半刻後には皆、眠りについたように口をつぐむだろう。』
小百合が具現化したそれは――
『B-52』ストラトフォートレス重爆撃機。
米国空軍が誇る戦略爆撃機が、腹に鉄の悪魔を抱え、
空を覆いつくさんばかりに上空を舞っている。
――『焼け。』
死の雨が降る。
- 831 :ヒホロ=ゼルトマン ◆JBbLACK.JY:2010/05/10(月) 23:58:25 ID:6CBzdXMk0
- >>830
【一撃で】
ゴォアアアアアアアアアアアッ!!!!!!!!
何だッ……ぐゥッ!!
【吹き飛ばす】
バギッ!!
【衝撃に強いドーム型の形状に、分厚くより硬く圧縮出来るようになった煙】
【身体を失い、異能をあらゆる力を借りて強化した結晶のドームに、亀裂が走る】
【爆撃は続く。常人なら塵芥残さず影も残さない、『威力の塊』が降り注ぐ】
クソッ、糞、糞ォッ!!!
バギッ パ リ ギ ギ...
【煙の内部で修復を続けるが――間に合わない!】
バギィィイイン!!!
【隔てた壁は粉微塵と砕けて、それでも尚降り注ぐ地獄の炎】
あ――
【爆発が少年を飲み込んで、辺り一帯に粉塵が立ち込めた】
- 832 :黒沢小百合:2010/05/11(火) 00:14:31 ID:rSRBD9/U0
- >>831
周囲の建物は爆風によりかなりの被害を受けている。
当然、千夜ビルの被害も甚大。
しかし、通常ならばこの辺一体が焦土と化す量の
爆撃を経てなお、これだけの被害に収まっているのは、
小百合の『努力』の成果だ。
スタンドは本体の意思で自由に出したり消したりする事ができる。
『投下した爆弾』、『爆発の爆風』それらもろもろを、ヒホロへと向かうもの以外、
極力消していたのだ。
無論、その労力は尋常ではない。
さらに、これほどまでの莫大な量の具現化、
当然、小百合の体には多大な負荷がかかる。その結果――
「げ、ご……」
小百合は全身から滝のように冷や汗を噴出し、
耳、目、鼻から血を。口からはさらに、血と吐しゃ物の交じりあった
液体を噴出し、その場にくず折れた。
「あ゛……あ……がばっ……あ゛……」
しかし、これでもかと見開かれた瞳は少年のいた位置を見据えて。
- 833 :ヒホロ=ゼルトマン ◆JBbLACK.JY:2010/05/11(火) 00:22:47 ID:6CBzdXMk0
- >>832
……
【爆風による煙が晴れた】
【直接の爆破や砕けた瓦礫の飛散、ヒホロの体はおぞましい状態だった】
【腰から下はほぼ赤黒い襤褸切れに等しい】
【残った上半身は義手もそうでない左腕も、瓦礫に飲み込まれ残骸をぶら下げただけ】
……かっ……ガ…ぁ……
【あらゆる五感に叩き付けられたショックで目は虚ろに揺らぎ空を見上げて】
【ただ仰向けになった背中で血の温もりを感じているだけだった】
- 834 :黒沢小百合:2010/05/11(火) 00:32:13 ID:rSRBD9/U0
- >>833
しかし、追撃する力も小百合には残っていなかった。
スタンドを扱う上でもっとも重要な既に精神力を使い果たした小百合は、
その場に倒れたまま動く事は無く。
時折痙攣しながら、接近しつつある救急車や警察車両、消防のサイレンを聞くだけであった。
- 835 :ガニュメート ◆JBbLACK.JY:2010/05/11(火) 00:38:37 ID:6CBzdXMk0
- >>834
騒ぎの中心地にモルモットの発信機が反応したから来てみりゃ……
ケッ、あのクソ野郎……もっと早く連絡しやがれってーの。
【白衣の男が小声で毒づく】
【既に周囲は沢山の車で溢れかえっていた】
【ヒホロも今しがたなにやら怪しい車の中に搬送されている】
【苛立ちを露にして地面に唾を吐きかけ、その場に背を向ける】
まあいいだろ。
いずれテメェから戻ってくるよう仕向けてっしな。
ケケケケケ…ケキャキャキャキャキャ……!!
【白衣の男の高笑いが朧げに響いて】
【そして都市は静寂を取り戻した】
/〆
- 836 : ◆JBbLACK.JY:2010/05/14(金) 17:10:44 ID:.INRvIKg0
- 【ヒホロ=ゼルトマン宅】
ここがヒホロって子の家か。割と綺麗…っと。
……綺麗っていうか……ずっと昔のままに保ってる?
【メモ用紙片手に訝しげに眉をひそめる黒服の女】
【口をつけられていないひとり分のコーヒーと、それに並ぶ小さな空のコーヒーカップ】
【タバコの灰皿も二つ。灰は片方にしか積もっていない】
【何かがズレた奇妙な家を見回し、この家で唯一『対でない』ものを見つけた】
手紙だ。
【二枚の手紙は別々の宛先、しかし住所も日付もない】
【震えた時が便箋に綴るのは二つの名前――】
……届けろってか。僕も人がいいや。
【便箋を掻っ攫い、すぐさま虎姫はその家を飛び出した】
【その頃】
* * *
【謎の施設】
【ヒホロはそこに閉じ込められていた。身体の感覚はない】
【外で起こる何もかもが今ではどうでもよかった】
ザ ザ
【遠くから音が聞こえた】
ギィ ガチャン
「迎えに来たぜェ? 気分はどうだ? 爽快か? 昔のコトもサッパリ思い出してよォ」
……!!
【少年の目の前に現れた、何度目かも分からない影】
【今まではただ感謝していた。命の恩人だった。だが――】
ガニュメート……僕は……ボクは思い出したぞッ!
そうだ! なんでこんなことに気がつかなかったんだ! 君がガニュメデスを名乗って
現れてから、父さんは――!!
「……んなコトまで思い出しちまったのか。こりゃ参ったな……まぁいいや」
【腕だけで宙にぶら下げられたヒホロに歩み寄り、少年の腕に注射を刺す】
つっ……な、何を…… っ!?
「もう用済みだわ。でも安心しろよ。俺は折角目をかけたヤツを投げ捨てる真似はしねぇ」
【急にヒホロを強烈な眠気が襲った。意識を剥離され、青ざめた顔で眠る少年を】
【無理やり拘束具から外して肩に担ぐ】
「一生俺の兵士として頑張ってもらう。
恩人の役に立てるんだ最高だろォオオ!? ケヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!!!!!!」
【足のない少年を担いで、狂気が施設を去った】
- 837 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/05/15(土) 20:59:18 ID:nODaI1r.0
- 【裏路地・ガニュメート地下研究所近く】
【黒い服装に身を包んだ、白い肌の女が待機している】
……時間ね。
果たして何人来るやら……ま、どうでもいいけど。
【ポケットの中に突っ込んだ二枚の手紙を確認する】
とりあえず状況連絡と、2人には『これ』だけ渡していかないとねぇ。
【ポケットから取り出した二つの便箋を、神妙な面持ちで眺める】
/イベント始めます。9:30に突貫開始だから今は受付みたいな乗りで
- 838 :白ローブ:2010/05/15(土) 21:10:36 ID:ZOM.z7ps0
- ひゅぅうう――――――ん。
軽い落下音が響いたと思えば、
「…………ぁあああああああぁぁあぁあぁああああいったい!!」
どずん。
重い着地音が響く。
「はは、まあ……ありがとうー」
真っ白いローブを身にまとい、フードをすっぽりかぶった小さな人影は、
夜空に浮かぶ「緋色の星」に向かって手を振った。
- 839 :シノン=アルベル:2010/05/15(土) 21:24:59 ID:fqURxG6Q0
- 「ほっ」
虚空から現れた少年。
空中で一回転して着地、茶色い髪を揺らす。
「てぃっ」
遅れて落ちてきたシルクハットをキャッチ。
それを頭に載せるようにして被せ、準備完了。
- 840 :甲:2010/05/15(土) 21:26:47 ID:KE2UskXwO
- 「さて」
「残務処理と行こーか」
- 841 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/05/15(土) 21:34:48 ID:nODaI1r.0
- >>838
……アンタ大丈夫なんだろうね。体。
【腕組みをして苦笑い】
でも止めてもいくでしょ。僕ももーう止めるのもメンドイし、暴れてきな。
【言葉尻に快活な空気を乗せて、大きく頷く】
>>839
ん、子どもっぽい大人の次はマジ子供ね。
つってもタダの子供がこんな裏路地に来るわけないけどさ。
名前は?
【小さく首を傾げて、目線を合わせるように膝を曲げる】
>>840
……
ちょい。ちょい。
【他の二人に見えないよう、服の影で手招き】
- 842 :白ローブ:2010/05/15(土) 21:40:39 ID:ZOM.z7ps0
- >>841
「だいじょぶです、みんなに見送りもしてもらったので!」
フードを下げて笑う、そこにあるのはいつものへにゃりとした笑顔だった。
「で、何処に行けばいいんですかー?」
- 843 :甲:2010/05/15(土) 21:41:04 ID:KE2UskXwO
- 「(…こ、これが今日の面子…!)」
中学生っぽいのと小学生っぽいの
不安になるのは不自然では無くて…
>>841
「……あ、なんだ来てんじゃん」
内緒話か?
手招きに誘われる形で歩み寄る
「……なに?(ヒソヒソ)」
- 844 :シノン=アルベル:2010/05/15(土) 21:41:56 ID:fqURxG6Q0
- >>841
「解ります?」
帽子を手に取り礼をして、被りなおす。
「僕はシノン=アルベルと申します」
「一応ですが、あなたのお名前も聞いておきましょう」
笑顔を向けて、手を差し出す。
- 845 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/05/15(土) 21:54:52 ID:nODaI1r.0
- >>842
こないだ言ったガニュメートの地下研究所。
そこに侵入して、ガニュメートを取っ捕まえるの。
……聞いてないの?
【こめかみに汗を垂らす】
>>843
【同じく囁き声。内緒話で正解だ】
病み上がりと、子供。
【指を二本突き立てて甲の目の前にずいっ】
カラダ張ってしっかりサポートしなさいよ。アンタの仕事だかんね。
>>844
シノン=アるべ……
【その名前を聞いて思案顔になり、すぐさま表情を振り払って】
いや、僕の名前はいいわ。それより大切なモノがあるから。今説明するわ。
【すっとかがんでいた膝を伸ばして立ち上がり、胸を張って三人の前に立つ】
それじゃ、今回はアンタら三人。ガニュメートの地下研究所に突入する。
中には何があるか分からないけど、危険な情報が沢山ある犯罪者の研究所。
無防備なワケないから、死なないように気をつけて。
……それともう一つ、バッドニュースがあるわ。
ガニュメートと関係有る異能者『ヒホロ=ゼルトマン』が拘束を逃れて失踪した。
下半身の無い人間が失踪なんて出来るわけないから……恐らくはガニュメートが連れ去って、この中。
【すぐそば、目立たない『搬入用』と書かれた大きな入り口を指差す】
目的はガニュメートの逮捕、難しいようなら殺して構わない。
ヒホロに関しては出てきても無視して構わない。以上。
【終始堂々とした態度で語り終えてから、手に持った便箋を一つずつ、シノンと空に渡す】
ヒホロの自宅に置いてあった。渡しとく。
【それぞれ表に『シノンくん』『空さん』と書いてある】
- 846 :シノン=アルベル:2010/05/15(土) 22:00:21 ID:fqURxG6Q0
- >>845
「それは不公平と言うものでは無いでしょうか?」
言葉の割には特に気にしてはなさそうで。
「彼が、ねぇ……」
話を聞きつつ、手紙を受け取る。
「これ、今見てもいい物なのですか?」
- 847 :甲/サポーター:2010/05/15(土) 22:01:17 ID:VWegd7gc0
- >>845
右見て、子供
左見て、明らかに怪我人
「……オーケー、みなまで言わずとも分かってる」
神妙に頷く
今日はいつもの三倍の怪我を覚悟して
「因縁…ぽい雰囲気だからな」
それぞれ二人の表情を見て
「今日はシュシュッと名脇役で行くぜ」
グッと腕を伸ばしてストレッチ
ニュートラルな表情で手紙を受け取る二人の後ろに配置した
- 848 :白ローブ:2010/05/15(土) 22:03:37 ID:ZOM.z7ps0
- >>845
「……ごめんなさい」
聞いてませんでしたー。
なんかヤバいねん! ということだけじんうけの面々から聞いたのだった。
「はい、わかりま……うぇえ。
手紙、ですか」
首を傾げて、便箋を受け取った。
自分に「後」が残されているかどうか正直微妙なのでここで開封。
- 849 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/05/15(土) 22:12:10 ID:nODaI1r.0
- >>846
僕は中見てないし知らないけど……見てもいいんじゃない?
任せるわよ。
【投げやりな返事をして、刀の柄に手を当てて扉へ向かう】
>>847
やっぱ頼れるわねぇ。頑張って。
戻ってきたら焼き鳥、あん時盗ったぶんの3倍奢ったる。もち報酬とは別よ。
【ニカッと歯を零し、扉へ向かう】
>>848
『空さんへ
全て思い出しました
僕のお父さんを狂わせたのはガニュメートだったこと
彼の目的が父の研究だったこと
そして、もっと恐ろしい何かを為そうとしていること
そろそろ駄目です
多分薬のせいだと思います。また何かを忘れそうだ
さような:..`』
【最後の文字はグチャグチャで読み取れない】
家に置いてあったってことは、千夜ビルに襲撃する前だわね。
何書いてあるかは知らないけど。
【虎姫が声を上げている】
>>846 >>847 >>848
そんじゃ。
【虎姫は扉の前に立つと柄に手を掛け】
キィンッ
【抜刀。施錠された鋼鉄の扉を切り裂いて、音を立てないよう慎重に倒す】
後は任せた。んじゃ!
【虎姫は跳ねて、闇夜に消えていった】
【開かれた入り口は長い長い階段が地下に向けて伸びている】
【三人横に並んで歩くくらいの広さはあるようだ】
- 850 :白ローブ:2010/05/15(土) 22:16:13 ID:ZOM.z7ps0
- >>849
「……うん」
一回だけ、こっくりとうなずいて手紙を畳み、ポケットへ。
前を向いて、歩き出す。
白いローブの裾がはためいて、闇に融けた。
- 851 :シノン=アルベル:2010/05/15(土) 22:20:36 ID:fqURxG6Q0
- >>849
「……凄い腕だ」
感嘆の声を上げ、虎姫と扉を見る。
「それでは、開けましょうかね」
去っていく虎姫を横目に、手紙を開封。
>>850
「おっと、遅れないようにしないと……」
近づきすぎず、離れ過ぎずの距離。
- 852 :甲:2010/05/15(土) 22:24:22 ID:KE2UskXwO
- 「さ、行くか」
ストレッチ終了
開けた道へと歩を進めた
- 853 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/05/15(土) 22:26:23 ID:nODaI1r.0
- >>851
『シノンくんへ
今までありがとう
いつだったか、君に向かって手を伸ばしたとき、僕はタバコを落としたんだ
その瞬間だけ、僕はお父さんを忘れられた気がした
昔のことから開放された気がした
でも駄目だ、僕は復讐しなきゃいけない
でもそれは千夜ではなく、ガニュメートに向けて
身勝手なお願いだけど、彼を許さないで』
【ところどころ紙が破れている。異様に強い筆圧で書いたのだ】
【何かを抑えるように……】
>>850-852
【下り階段は段のカドに踏み外さないための明かりがあるだけで薄暗いが、かなり広い】
【コンクリートの壁に機材を運んだような擦れた跡がついている】
【暫く歩くと、階段が無くなり、壁に鉄製の扉が付いている】
【扉の向こうから光が漏れ出して、境目が微かに光っていた】
- 854 :白以下略:2010/05/15(土) 22:33:57 ID:ZOM.z7ps0
- >>853
今すぐにでも走り出したい。
走り出して、最下層まで突っ走りたい。
そう思うけどなんとか我慢する。
階段を下りる。
扉に手を掛けて――引こうとした。
- 855 :シノン=アルベル:2010/05/15(土) 22:34:00 ID:fqURxG6Q0
- >>853
「良いだろう」
手紙を丁寧に戻し、コートのポケットへ終う。
「だけど、無茶な行動は許せないよ」
「扉……」
勝手に開けるのは不味いと思い、周りに合わせる様子。
- 856 :甲:2010/05/15(土) 22:40:18 ID:KE2UskXwO
- それぞれがそれぞれの思いを持ってここに居るのだろう
何やら手紙的な物を受け取った二人から、そんな表情が見て取れて
「…」
対して自分には何も無い
だけど逆にその身軽さがフットワークの軽さに繋がれば
"そういう動き"を武器にしよう…と考えて
「扉か」
灯りの漏れる部屋の前
立ち止まる
- 857 :黒沢小百合:2010/05/15(土) 22:42:47 ID:rSRBD9/U0
-
「ぅ゛ーっ゛……ーっ゛」
うめき声が聞こえる。
それは、ゆっくりゆっくりと虎姫たちに近づいて。
「……ぅう゛っ……ぐっ……!」
その声の正体は先のヒホロとの戦闘で重傷を負った小百合であった。
目は血ばしり、異様な光を宿しており
病院貸し出しの衣服は傷が開いたのか所々血で赤く染まって、
足取りも危なっかしい。とても戦える状態ではないがどうやってここまで来たのか。
- 858 :酒呑屋 虎姫 ◆JBbLACK.JY:2010/05/15(土) 22:52:35 ID:nODaI1r.0
- >>857
【地下への扉が開いている】
【3人は階段を降りたようだ】
>>854-856
【空が扉を引く】
ガチャッ ガタッ
【鍵がかかっているようで、中々開かない】
【さきほど下った階段から、小百合の呻き声が聞こえるかもしれない】
- 859 :研究所内 ◆JBbLACK.JY:2010/05/15(土) 22:53:11 ID:nODaI1r.0
- //名前変更っと
- 860 :甲:2010/05/15(土) 22:57:51 ID:KE2UskXwO
- >>857
「………あん?」
風に乗って聞こえるうめき声?
「(…敵?)」
一応の用心は向けて
>>858
「……鍵か」
二人の前に出て
「下がってろい」
握り拳を引く
「―――シッ!」
そして鉄製の扉に勢い良く打ち込んだ
- 861 :白以下略:2010/05/15(土) 22:59:17 ID:ZOM.z7ps0
- >>858
「……ち」
舌打ち、顔を顰める。なかなか珍しい光景。
「すみません、僕見た目の通り力仕事の出来ない後衛なので。
誰か、この扉ぶち抜いてくれませんか?」
呻き声が聞こえても、彼は顔色一つ変えなかった。
ただただ「冷静」。まだ爆発する時ではないと、自身で判断していた。
- 862 :黒沢小百合:2010/05/15(土) 23:03:41 ID:rSRBD9/U0
- >>858
「ひぃ゛ぐゅ゛っ……っ゛……ぅっ゛……!」
地面に残る微かな足跡を辿り、
その中へとゆっくり、ゆっくりと入っていく。
いつ地面に倒れこんでもおかしくない。
- 863 :シノン=アルベル:2010/05/15(土) 23:04:41 ID:fqURxG6Q0
- >>858>>860
「……」
静かに後ろで待っている。
- 864 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/05/15(土) 23:06:03 ID:WVrfsEdY0
- 「…あうあう…なんだろ、このあたりからいやなにおいがするなの」
【一人の少女が研究所の前に立っている】
「…?あうあう、だいじょぶなの〜!!」
【ディスは小百合を発見して。追いかけながら研究所内へと入って行く】
- 865 :研究所内 ◆JBbLACK.JY:2010/05/15(土) 23:10:51 ID:nODaI1r.0
- >>860-864
ガゴォオンッ!!!!
【甲の一撃。鈍い音が空気を揺らし、鉄の扉を打ち抜く】
【だが――べっこり凹んで、でも開かない】
【ほんの少し静寂の間があって】
カチャカチャ ガチャンッ
【小さな軽妙な音】
【ドアの鍵が、自ら開いた――まるで、誘い込むように。】
【それからゆっくり開いていき……ディスと小百合が追いついた時には、扉は完全に開け放たれた】
- 866 :甲/サポーター:2010/05/15(土) 23:15:05 ID:gK089Vvw0
- >>865
「む…抜けんか…って」
「―――開くんかいッ!?」ガビーン
軽くショックを受けつつ先に進む
>>862>>864
「(……子供と…怪我人が…倍になっただとォ…!?)」
6倍の怪我を覚悟した
「……つーか」
怪我人ってレベルじゃねえだろ、アレ
- 867 :白以下略:2010/05/15(土) 23:18:02 ID:ZOM.z7ps0
- >>865
無表情のまま、誰にも目を合わせずに扉の向こうへ進む。
罠があろうと知ったこっちゃない、とでも言うように。
ローブの内側に手を潜らせて、進む進む進む。
- 868 :黒沢小百合:2010/05/15(土) 23:20:04 ID:rSRBD9/U0
- >>865
皆がいる場所までたどり着いた小百合は、
壁にもたれて荒い息を整えている。
「ーっ゛……っく……」
それから再びゆっくりと、
壁にもたれたまま前に進み始めた。
>>866
小百合の視線は、一瞬甲に向けられたが
すぐに虚空をさまよい始めた。
正常な自我があるのかないのか。
- 869 :シノン=アルベル:2010/05/15(土) 23:20:15 ID:fqURxG6Q0
- >>865
「開きましたか」
虎姫の言葉を思い出し、慎重に進む。
- 870 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/05/15(土) 23:21:28 ID:WVrfsEdY0
- >>865
「…あう〜?…
なにがあるのかなの、あっちなの」
【不安そうに扉の向こうを見つめる】
>>866
「あう〜。なにしてるの『かぶと』なの〜」
【手を振りながら言う】
>>867
「…ん?
なんだかしってるにおい…のようなきがするなの」
【少し首をかしげてローブの子を見る】
>>868
「あうあう!『さゆり』まってなの!」
【不安そうに隣にやってくる】
「うう、たいへんそうなの。あるくのはあぶないなの〜!」
【必死の顔になっている】
- 871 :研究所・試験フロア ◆JBbLACK.JY:2010/05/15(土) 23:25:41 ID:nODaI1r.0
- >>866-870
【扉が開かれる――】
『ガガッ.... なんだ、もう来たのか。もうちっっっと時間が欲しかったがしょうがねェ』
【開いた先は体育館のように広く高く明るく……そして、ガラクタだらけだった】
【折れたネジがひん曲がった金属板などが壁際に山積みに積み重なっている】
『いらーーーっしゃいませコーーーンバンハーーー? ガニュメートでぇ〜〜っす』
【天井のスピーカーから、バカにした間延び声が聞こえてくる】
『いやー今回はみなさん非常にラッキーラッキーぃぃいいい〜。
今しがた君たち用の、いーーーーーいお土産をかっぱらってきた所なんだよ!』
【ガラクタの山は壁に沿っていて、中央の方へ行くとパラパラと散在しているだけだが】
【ただ一つ――中央にある、大きな大きな、2.5m弱のガラクタの巨山】
【よく見ると、灰色の山の上に一つ『肌色』がある】
『それが土産だよ。』
『ヒヒャアァアアアアアアーーーヒャッヒャッヒャッヒャァアア!!!!』
【瓦礫の頂上に居るのは――ヒホロ=ゼルトマン】
【両腕と下半身は瓦礫に飲み込まれて見えず、かろうじて見えるのは裸の胸から上】
【うつむく顔は虚ろな闇を目に映し、美しい翡翠色の髪が不釣合に輝いている】
- 872 :甲/サポーター:2010/05/15(土) 23:33:23 ID:gK089Vvw0
- >>867
「……」
ヒュッと脇をすり抜けて行かれた
「(…やれやれ…)」
恐れを知らない様に進む白いローブ
「……まるで、死装束じゃねえか…ち」
厄介な覚悟背負ってやがる――と、内心舌打ちする
>>868
「くろ――…おい、てめえ!」
重傷の人物と視線を交差させて
「アレもあれで、クッソ…なんつー目ぇしてやがる…!」
頭をガシガシ掻く
>>870
「ぁあ?」
緊張感の無い声に、若干の怒気を含んで振り返る
「てめえこそ何してやがるんだよこんな所で」
面倒臭そうに、視線をはずした
>>871
「―――"アレ"を片付けるのが、一番手っ取り早ぇか」
開けた箇所
響くスピーカーの声
名前に聞き覚えがあったので間違いないだろう
"ガニュメート"――奴が主犯
―――ガヒュッ!
赤色のマフラーが翻り
「問答は……任せた」
低く、ガラクタの山に向けて駆け出した
- 873 :真城空:2010/05/15(土) 23:36:00 ID:ZOM.z7ps0
- >>871
怒るな。
怒るな。怒るな。
怒るな、怒るな、怒るな、怒るな、怒るな、怒るな、怒るな、怒るな――――
「……お前は」
ローブの内側に潜らせた右手を外に出す。
握り絞められたカードは、四枚。
「――――――謝ったって、赦さないッ!!!!」
カードが虚空に「置かれる」。無詠唱のまま、カードの数と同じ数の精霊が召喚された。
炎の、風の、土の、水の。赫に、翠に、黄金に、蒼に輝く精霊たち。
「四重奏(カルテット)」、空が同時に操れる精霊の限界数。
ぎりりと歯を噛み締めて、ヒホロ「だったもの」を射るように見つめる。
今そっちに行くから。と、それだけ零した。
- 874 :黒沢小百合:2010/05/15(土) 23:36:05 ID:rSRBD9/U0
- >>871
「ふぅ゛ぐぅぅうぁ゛ッ……!!!」
小百合は、まるで獣のように咆えた。
声量は消して大きくないが、その声には地獄の悪鬼すら
畏怖しそうなほどの憎悪がこめられているように思える。
「っぎぃッッ……!!」
恐らく、ここに来る前に拾ってきたのであろう。
ボロボロの新聞を力任せに引きちぎり、それに書かれているものを
具現化しようとする。
が、何も現れる事無く、
その場に座りこんでしまった……。
>>870
小百合はディスの声を聞いて一瞬、
歩みを止めたがそのまま無視するように、歩いていく……。
- 875 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/05/15(土) 23:40:21 ID:WVrfsEdY0
- >>871
「あうあう…このこえ…
だれかなの?」
【少し不愉快そうに述べる】
「…あう?…あれって」
【少し驚いた顔で瓦礫の山から出ている少年を見る】
「……う〜…みたことあるようななの…」
【不安そうな顔になりながら言っている】
>>872
「あうあう、えっと…」
【若干怖がりながら甲を見る】
「『さゆり』がしんぱいだったから…
このままじゃあぶないとおもってなの…」
>>874
「あう、たたかうつもりなの?
…このままだときけんなの〜!」
【小百合の目の前に立つ】
「その…『さゆり』のことしんぱいできちゃったなの…
だから…その…『さゆり』も『さゆり』のしんぱいしなきゃなの〜!」
【説得を始めるディス。もっとも状況が読めていないディスはどことなく緊張感が無いようだが】
- 876 :シノン=アルベル:2010/05/15(土) 23:41:56 ID:fqURxG6Q0
- >>871
「……」
一歩踏み出しガラクタの頂の少年を見つめ、そのまま暫く静止。
身体の内は怒りで気が狂いそうなほど。
行き場の無くなった怒りを髪を乱暴に掻き毟る事でどうにか押さえ込んだ。
- 877 :甲/サポーター:2010/05/15(土) 23:45:04 ID:gK089Vvw0
- >>874
「あぁああ、もう!」
ダメだありゃ――限界を逸脱してる
>>875
「ディイイス!包帯でも羽交い絞めでも何でも良い!」
振り返り、小百合を指差して
「ソイツをとっととここから引き離せ!マジで死ぬぞ!」
- 878 :ヒホロ/研究所・試験フロア ◆JBbLACK.JY:2010/05/15(土) 23:54:48 ID:nODaI1r.0
- >>872-876
がっ…………
【瓦礫の上に居る少年が口を動かした】
【徐々に目に光が戻る――いや】
【目に光が――『映し込まれて』いく】
ヤトノカミ抹殺が僕の使命ヤトノカミがお父さんを狂わせた
ならばもっと力を抹殺に足る力を力ちからちからちからちからあr:;あl;:カラl:]...;
【ある種、これはヒホロの望みでもあった】
【復讐の力。千夜グループのトップを抹殺出来る、強大なチカラ】
【だが今、ガニュメートの投薬によって】
【真実を知って全て歪んだ】
ガニュメートサマを おマモりスる…… ヨりキョウダイなチカラ ヲ……
【瓦礫が崩れる】
【小さな金属達が砂のように振り払われて現れたのは――異形だった】
【腰から下に接続された丸い球に、蜘蛛のような八本の金属製の足】
【ヒホロの腕は肩口から機械によって補強され、右の先は長く伸びた巨大なレーザーライフル】
【左手の先は同じく地面に付くほど巨大な3本指の機械の腕】
「『《排除しマす。]}』
【――最早ヒホロ=ゼルトマンでは、ない】
- 879 :真城空:2010/05/16(日) 00:02:41 ID:QYyPcDfoO
- >>878
「…………ッ」
機械部分を。
機械部分を上手く壊せば、まだ助かるかもしれない。
蜘蛛の糸よりも細い細い希望、否、願望。妄想。それだけに賭けるつもりだ。
「――――憑依装甲」
一枚のカードを手繰り寄せる。風の精霊のカード。
それを胸に置く、同時に翠の精霊が彼に寄り添った。
「特攻天女(ワルキューレ)ッ!!!」
翠の光。それが瞬いた後に、「翠に光る髪とローブ」を持った空が出来上がった。
「……行くよ!!」
父親の見よう見まね。上手く行くかはわからない、がこれが今出来る最強の技。
地を蹴って宙に舞い上がり、ヒホロに向かって飛び出した。
- 880 :黒沢小百合:2010/05/16(日) 00:07:12 ID:rSRBD9/U0
- >>875
「どっ゛……どげッ……!」
小百合は、目の前にたつディスをうっとおしそうに
払いのけようとするが、そんな力は無く。
しかし、異形と化したヒホロに憎悪の視線をぶつけ続けていた。
>>878
ふたたび、新聞紙を引き裂き、
書かれている事象を再現しようとする。
――ぐにゃり
空間が一瞬ゆがむ。
本来なら、ここに何かが具現化されるのであろう。
しかし、今の小百合にはこれが精一杯であった。
「お、ご……ッ……」
苦しそうに、小百合はその場にうずくまる。
傷が開ききったのか腹部から相当量の出血が認められるが……。
- 881 :甲/サポーター:2010/05/16(日) 00:11:06 ID:gK089Vvw0
- >>878
「(―――あれが、"ヒホロ"…)」
ちょくちょく千夜のビルに襲撃を掛けていた相手
対面するのは初めてであるが
「(面影……まんま、ガキじゃねえか―――クソが)」
弄られて
歪められて
闘わせられて
「言葉もねえよ」
言葉は、あの二人に任せた
なら俺は
俺は、"コレをやった奴"を
「百発―――殴る」
頭髪、瞳に"赤色"の火が灯る
両手に装甲を具現化させて
- 882 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/05/16(日) 00:12:26 ID:WVrfsEdY0
- >>877
「あうあう…わかったの!
『でぃす』もそうおもうなの!」
【いつもののんきな声ではない、本気の声が聞こえてきた】
>>878
「・・・あう?…」
【しばらくディスは火ほろの言葉を聞いて】
「ちから…どうしてそんなふうになっても…なの?」
【どこか悲しそうにつぶやく】
「…あう、いまは…まもらないとなの」
【しかし、首を大きく横に振って気を取り直す】
>>880
「あうあう!だめなの!
けがが、けがすごいなの!」
【ディスは慌てて腹部の方に包帯を巻きつけようと包帯を伸ばしていく】
「…むりはだめなの。
おねがいなの。いまはけがをなおしてなの!」
【必死な顔でディスは呼び掛ける】
【このままなら服の下から包帯が巻きつけられるだろう】
- 883 :シノン=アルベル:2010/05/16(日) 00:15:00 ID:fqURxG6Q0
- >>878
何だこれは。
何だこれは。
最早人ですらないじゃないか。
喜ばず、
悲しまず、
怒りに身を任せる事も無く、
元人だった物でも既に者でなければ意味は無い。
ただうわ言を連ねるだけの存在なんて人ではない。
「クッ……」
上辺、冷静な顔の少年は光の弓矢を手にし、少年の頭を狙う。
何だコレは。
最早人手すらないこの物体は!
きりきりと音を立て弓を引き、狙いは定まり。
「ックアァ!!」
放つ間際、手を狂わせたのは怒りか悲しみか、その顔が少年のものであったせいか。
矢は大きくそれて天井のスピーカーへ。
- 884 :ヒホロ/研究所・試験フロア ◆JBbLACK.JY:2010/05/16(日) 00:23:01 ID:nODaI1r.0
- 【8本足が立ち上がるとさらに高くなり、頂点は3m強の高さとなる】
【虚ろだった目は見開かれ、機械信号を受信して明滅を続ける】
ハイジョシマス ハイジョシマス ハイジョ
シマス ハイジョシ マス
ハイジョシマス
>>879
【接合された機械の腕が低く唸りを上げた】
……
【無感情にそれが振りかぶられ、空を叩き落とそうと振り下ろされる】
>>880-883
『ヒャッヒャッヒャッヒャヒy』バヅッ ガ...ガッ
【耳障りな笑いは矢に射ぬかれて途切れた】
ヴ ヴヴヴヴヴウヴヴヴゥゥゥゥゥゥゥゥゥウゥゥウウ.....
【レーザー砲の銃口に光が収束していく】
【十分にエネルギーを充填した銃口から】
ハッシャ。
ビィイイイイイイイイイイイン!!!!!
【圧縮され放たれた高エネルギーの線が空気を弾く。甲高い音が鳴り響く】
【大きく右に逸らしたレーザーを徐々に左にずらし、前方を焼き払う!】
- 885 :甲/サポーター:2010/05/16(日) 00:27:41 ID:gK089Vvw0
- >>884
「回れ―――"赤煌"ッ!!!!」
全員の前に立ち、両腕を突き出す
装甲に誂えた手の甲の円盤が――煌き回り
ギィイイイイイイイイイイイイイイ…!!!!
回転する"山吹色のエネルギーフィールド"を形成する
「ぐ、ぅうううう…!!!」
レーザーを正面から渦巻くフィールドに絡め
捻じ曲げ、逸らす
夥しい熱量が両腕と身体を襲うが
レーザーのエネルギーを自身で止めようと試みる
- 886 :黒沢小百合:2010/05/16(日) 00:31:19 ID:rSRBD9/U0
- >>882
小百合はディスにされるがままに、
包帯を巻かれていく。
しかし、既に撒かれていた
その古い包帯から血がにじんでいる事からみて
かなり酷い傷が再び開いたとみて間違いない。
>>884
「ぢぐじょう゛……」
小百合に抵抗する手段は無かった。
それどころか、小百合は指の一本たりとも動かせなかった。
彼女はこのまま死ぬのだろうか。
- 887 :真城空:2010/05/16(日) 00:32:57 ID:QYyPcDfoO
- >>884
「ごめんね、ヒホロくん」
しょんぼりと。
まるで普段と変わらないような、呑気な表情を浮かべた。
「これ、壊したら。君、帰ってくるよね」
すっと一呼吸。
吸って、
吐く――と同時に蹴り上げる。
風の魔力で普段の何倍、何十倍、何百倍、それより速く?
速く速く速くと念じられた蹴りは、鋭い刄の練度を持った。
翠の魔力で強化された右脚は、振り下ろされた凶刃に真っ向から向かい合う。
- 888 :シノン=アルベル:2010/05/16(日) 00:34:17 ID:fqURxG6Q0
- >>884
喋りもせず、ただ視線を少年へ送り。
光る銃口を確認してからシルクハットを手に取り、少年へ向ける。
>>885
「チッ……」
少年の意図は失敗に終わった様子。
ゆっくりと被りなおした。
- 889 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/05/16(日) 00:37:43 ID:WVrfsEdY0
- //レス番かわってるよなの
>>886
「あうあう…ひどいけがなの…
はやくとめないと…」
【ディスは不安な顔でポーチの中の新しい包帯を巻きつけていく】
>>884
「あう!?あぶないなの!」
【ディスは後ろから発せられるレーザーに気づき】
「おねがいなの!!」
【ポーチの右のポケットから勢いよく耐熱包帯を出現させる】
「ちょっとでもまもってなの!」
【そしてその包帯で前方に包帯の壁を作り上げていく。
どうにか防ぐつもりのようだ】
- 890 :ヒホロ/研究所・試験フロア ◆JBbLACK.JY:2010/05/16(日) 00:51:05 ID:nODaI1r.0
- >>885 >>889
【普通の熱線なら、まだ負荷は小さかったはずだが】
バババババババババババババ バヂッ!
【レーザーはかなりの抵抗を甲とディスに与えて、後ろの壁へ逸らされ、外れた】
ガガガガガッ バシュゥゥ.....
【衝撃と熱を持ったレーザーが壁を溶解し、深い溝を作った】
ボクは対異能者戦用に特化サレてイマス。
抵抗は無駄デス。ハイジョしまス。
>>887
ギィンッ!!
【重量のある金属の腕が弾かれた】
【腕は大きく上に弾かれ、表面が足という名の刃で削られる】
【その時】
……
【ただ内部信号だけを映す目が――空を向いた】
>>886 >>888
【火力の高さの割に、なかなか隙を見せない】
【今度は八本足の前方二本が、前の装甲を開いた。中から機銃が左右一丁ずつ現れる】
【よく見ると装甲内部に、内部基盤の配線が剥き出しになっている箇所がある】
- 891 :真城空:2010/05/16(日) 01:00:54 ID:QYyPcDfoO
- >>890
「大丈夫だよ」
にっこり、あるいはへにゃり。
これまた普段と変わらない笑みをヒホロに向ける。
「助けるから。ちょっとだけ、待っていて」
大人でありたい。
子供を守る、大人でありたい。せめてこの、大人の格好をする少年の前では。
そう願ったのだ。
だから、どんなに厳しい現実が待ち構えていようとも、
「――あ、あァアアアア、あッ!!!」
僕は崩れるわけにはいかないんだ。
空を蹴って、高く高く。
飛び上がって――鋭く伸ばした爪先を、槍のように落とす。
狙いは、右肩。
- 892 :黒沢小百合:2010/05/16(日) 01:02:23 ID:rSRBD9/U0
- >>889 >>890
小百合は甲のエネルギーフィールドと
ディスの耐熱包帯による防壁でかろうじて攻撃を
食らう事は無かった。
しかし、小百合は防壁の影で既に意識を失っていた……。
// すいません、眠気が酷いのでここは落ちます……
酒虎さん、ディスごめんよ……。
- 893 :甲/サポーター:2010/05/16(日) 01:03:46 ID:gK089Vvw0
- >>890
ズズ―――…シュー…
円盤から白煙を上げながら、フィールドは消失した
「(っかー…こりゃもう使えねぇ手だな…)」
《"ヒホロ"は無視して構わない》
先の虎姫の言葉が甦る
「(目標は……この先なんだよな、どうにかやり過ごすにも)」
臨戦態勢の周囲を窺い
「(状況は既に混戦――…オマケに隙も、かなり小さい)」
この状況を一旦打破しない事には
【無視】も【突破】も選択肢には現れて来ないだろう
「(上と)」
空(真城)と
「(後ろ)」
シノンを確認
攻勢に移れる面子は、良い位置にいる
「(なら、俺がここで狙うのは――――)」
右拳を引いて
視線を―――地面に落とす
「前方、足場だ」
引いた拳に螺旋状にオーラが収束して
『"俺のドリル"ッ!!!!』
発現した紅蓮のドリルでヒホロの足元を攻める
足場を崩壊させ、バランスを崩そうという意図だ
- 894 :ディス/騎士見習い少女 ◆My6NsjkSfM:2010/05/16(日) 01:11:45 ID:WVrfsEdY0
- >>890
【ディスの包帯の壁は熱ですっかりぼろぼろになっていた】
「うう…なんでなのかなの。
あれをふせいだだけなのに、なんだかとってもつかれるなの…」
【軽く汗を流しながら呟く】
「…このままだと『さゆり』だけじゃなくてなの…」
【焦りの色を見せながら向こうを見る】
>>892
「あうあう!『さゆり』しっかりなの!」
【ディスは慌ててゆすぶるけど、反応はなさそうだ】
「…このままここにはおいていけないなの…」
【ディスは小百合を持ち上げて、そして振り返る】
>>893
「『かぶと』〜!『さゆり』はびょーいんにつれていくなの!
あとは、…その、おねがいなの!!」
【そう言うが速いか。】
ダンッ
【小百合をお姫様だっこして外へと走って行った】
//何だか雪崩的に退散。
//小百合殿、勝手に持ってっちゃってすいませぬ…
//あと酒虎殿も申し訳ありません…
- 895 :シノン=アルベル:2010/05/16(日) 01:14:16 ID:fqURxG6Q0
- >>890
「そこですか」
薄い装甲を見た。
シルクハットを構え、機関銃の珠を吸い込もうとし―――聞こえた。
少年の言葉が聞こえた。
怒りがこみ上げる。
「……何故、喋る!」
「何故今更人でもない癖に喋る!」
一歩引き、機関銃から逃れる。
「僕は、キミを傷つける事が出来ないよ……」
- 896 :ヒホロ/研究所・試験フロア ◆JBbLACK.JY:2010/05/16(日) 01:21:17 ID:nODaI1r.0
- >>891
……
【半ば呆然とした少年に、声は届いただろうか】
ガ バギャンッ
【右肩に直撃した槍の一撃】
【肉体と機械を接合する一番弱い位置を砕き、レーザーライフルが地面にごとりと落ちた】
【そこへ再度】
ブォンッ
【巨大な機械の右腕が振り払われる】
>>893
【八本足は安定性を重視した結果だ】
バガンッ!
【地面が砕かれ、一瞬ふらつくと同時】
ダダダダダダダダ!!!
【足から現れた機銃が掃射される】
【狙いをつけた機銃は対応出来ず、自らの足場を抉るだけ】
【機銃斉射を中断し、崩れた地面側の足を伸ばしてリカバリーを行う】
【機銃がもう一度甲に狙いをつけた】
>>895
ハイジョシマス ハイジョシマス ハイジョシマス
【しかし少年は言葉を連ねる】
【機械音声は悪趣味なことに、わざわざ声帯を震わせて声を出していた】
【無機質な声はまごう事無くヒホロの声だった――例えそれがもうヒホロでは無いとしても。】
- 897 :甲/サポーター:2010/05/16(日) 01:26:43 ID:G//TO2Pw0
- >>895
「――ッ」
後ろの気配が下がるのを感じた
「コイツを!」
聞こえた呟きに
「傷つける理由が無くても!コイツの後ろで笑ってる馬鹿野郎をブッ飛ばす理由はあんだろッ!!」
激励する様に叫ぶ
「――だから止まるな!!ブッ飛ばさなきゃならねえ奴をブッ飛ばすまでは!」
紅蓮のドリルは
"続け"とばかりに前に進む
「コイツをどうするかはその後だ!!」
>>896
「(一瞬ふらつけば―――僥倖!)」
ろくにチャージもしていない『俺のドリル』は、地面を削り取った次には、すぐさま消失する
―――ザザァ…!
機銃掃射の狙いの隙を突いて、スライディングで八本脚の真下に滑り込む
『噴射跳躍拳ッ!!!』
――ガォンッ!
真下、垂直に上へと"ロケットパンチ"を打ち上げる
今度は潜り込んだ下から突き上げる事で
矢張り、ヒホロのバランスを崩す事を狙う
「(―――扉…ここから、次へ向かえる扉はどこだ…!)」
ヒホロの後方を見て
ガニュメートまでの道程を模索する
- 898 :真城空:2010/05/16(日) 01:29:56 ID:QYyPcDfoO
- >>896
「 が 」
攻撃直後の隙。
そこに刄が振るわれた。
ざくりと肉が斬れる音がして、血を撒き散らして床に叩きつけられる。
「……、……大丈夫。僕、ぜんぜん痛くないから」
それでも、
彼はへにゃりと笑いながら立ち上がって、もう一度地を蹴った。
「痛くないから、ね、心配しないで」
普段と変わりない笑顔。それがこの戦場とはひどく釣り合わなくて、
カードを置き換える。炎の精霊のカード。
髪とローブが、紅く燃える。
ひどく、おぞましいモノに見える。
ある種の狂気すら含んだ、平静の装い方だった。
- 899 :シノン=アルベル:2010/05/16(日) 01:32:41 ID:fqURxG6Q0
- >>896>>897
「その、後が無かったら、どうするんですか!」
甲に対しそう叫ぶ。
口調が丁寧である辺り『まだ』冷静。
「僕にはブッ飛ばす奴なんて関係ないんですよ!」
「彼が、ただ心配で来ただけなんです……」
まだ動こうとはしない。
- 900 :ヒホロ/研究所・試験フロア ◆JBbLACK.JY:2010/05/16(日) 01:38:00 ID:nODaI1r.0
- >>897
【金属で出来た硬質な体は、吸収をせず全て的確に伝える】
【肉体と一直線になるラインから衝撃を喰らえば、緩和されずほぼ直撃だ】
…、。…ッ 、。
【構造上唯一のラインを撃ち抜かれ、一瞬機能がマヒする】
【周囲は大量のジャンクで覆われ、入り口以外に扉の判別がつかない】
>>898 >>899
【甲の一撃を喰らって、行動ができない状態】
【生体脳をメインシステムとしてそのまま使用しているため、停止したのだ】
【今なら容易く潜り込めそうだ】
- 901 :真城空:2010/05/16(日) 01:42:49 ID:QYyPcDfoO
- >>900
「ヒホロくん」
呼ぶ。
名前を呼ぶ。
カードを戻して、歩き始めた。
髪とローブの燃える紅は、無色に変わる。
「だいじょう、ぶ?」
笑みを浮かべたまま。
口の端から血を溢し、よたよたふらふらと覚束ない足取りをしながらも。
両腕を伸ばし、掌をヒホロに向けて、
手を差し伸べた。
- 902 :甲/サポーター:2010/05/16(日) 01:46:20 ID:G//TO2Pw0
- >>899
――チ、と舌打ちを弾き
「じゃあ好きにしろぃ」
言いたい事が頭を占めるが
所詮、どうあっても彼等には自分は"部外者"
部外者は部外者なりに動くしか無い現状で
当事者が"何もしない"事を咎める権利は持ちえていなかった
>>900
「(響いたか―――…手応え、アリだ)」
伸び切った腕を引き戻し
残った左手で地面を掴み―――スライド
潜り込んだ脚の下から退却を計る
「(計算づくの配置…にゃ見えないが……これ全部どかす内に…逃げられっぞ…!)」
忌々しげにガラクタの群れを眺めて
次いで"ヒホロ"に対峙する二つの影を確認した
- 903 :シノン=アルベル:2010/05/16(日) 01:49:44 ID:fqURxG6Q0
- >>900>>902
「いや、ブッ飛ばします」
顔を挙げ、そう意気込み。
「彼をこんなのにした奴をブッ飛ばしますよ」
壊れたスピーカーを睨み。
- 904 :ヒホロ/研究所・試験フロア ◆JBbLACK.JY:2010/05/16(日) 01:53:31 ID:nODaI1r.0
- >>901-903
……
ブォンッ!!
【三度目】
【何も言わず、ただ空に向けて左手の鉄塊を振り下ろす】
- 905 :甲/サポーター:2010/05/16(日) 01:58:48 ID:G//TO2Pw0
- >>903
「う?…え?あ?――そ、その意気だ」
そして顔を上げて
>>904
見えた
「―――ち」
破壊の一撃
「間に―――あえぇえええええッ!!!!」
ドォンッ!!
地面から、上空へ
ロケットパンチの推力で飛び上がる
「―――ッ」
真城と鉄塊の間に割り込んで
「ぐ―――ぶッ…」
その一撃をその不安定な姿勢の身に受ける
- 906 :真城空:2010/05/16(日) 01:59:37 ID:QYyPcDfoO
- >>904
「大丈夫だよ」
にっこり、へにゃり。
彼は、少年の前で笑ってみせた。
「僕は、大人だからね。
苦しいときは、大人に頼りなさいって」
細めた目を、開く。
少年の顔を網膜に、神経に、脳髄に、全身に、
こころに、
焼き付けようと。
「……言ったでしょう?」
笑って。笑って。
振り下ろされた凶刃を、少年を、
目に焼き付けるのみ。
- 907 :シノン=アルベル:2010/05/16(日) 02:03:30 ID:fqURxG6Q0
- >>904>>905
「許すまじ改造主。って奴ですよ」
ともかく、動く意思を示した。
「僕が出来ることは……」
依然床の上、思考を巡らせる。
- 908 :ヒホロ/研究所・試験フロア ◆JBbLACK.JY:2010/05/16(日) 02:14:13 ID:nODaI1r.0
- >>905
……
【甲に触れる、まさにその瞬間――腕が止まる】
【衝撃はほぼ予定の1/10以下に抑えられ、そのまま完全停止】
【目の光が明滅を始める。先ほどより速く、激しく……】
【そして】
システムの強制終了を行います
活動保守システムを凍結、全システム停止処理を行います
【8本足が活動を始める。静かに後ろを向き、背後の壁のガラクタを薙ぎ払っていく】
【現れたのは金属製の重厚そうな扉】
【次へと続く扉を三人に贈ってから、振り返り、少年は止まらず呟く】
制御部、終了プログラムを残し他全システムを停止
生体部の終了を行います
- 909 :ヒホロ/研究所・試験フロア ◆JBbLACK.JY:2010/05/16(日) 02:14:47 ID:nODaI1r.0
- //安価>>905-907
- 910 :甲/サポーター:2010/05/16(日) 02:21:30 ID:G//TO2Pw0
- >>908
「―――」
ドゥン、とガラクタの山に押し込まれた
「(予想よりも……あー…痛くは、ねぇが……)」
ガラクタの山に逆さまの姿勢
「(………当たり所………悪か………た)」
無理な姿勢での飛び込みで、衝撃で脳を揺らしてしまった
「ワリ……先……リタイア」
口許でぼんやりと呟いて
動かなくなっていく機体を仰ぐ
「(ブッ飛ばすの………任せた、ぜ)」
胸くそ悪ぃ、と最後に呟いて
瓦礫の山で意識を失った
//眠気がピークで意識が良く分からん事になって来た
//ので、先に落ちさせて頂きます
//サケトラさん、スマソ……真城・シノン組…スマソ………ガクリ
- 911 :真城空:2010/05/16(日) 02:24:39 ID:QYyPcDfoO
- >>908
「……ぁ、あ」
「……ありがとう」
泣きそうになるのを必死に堪えて、そして笑う。
扉を教えてくれたことへの謝礼。
そして、
「……行こうか」
扉へ向かう。
少年の前ではなにがなんでも崩れないと決めたのだ。
さいごまで、それを貫き通そう。
>>910
気を失った甲に、ちいさく礼を述べた。
「すこしだけ永らえさせてくれてありがとう」、と。
//おつおー
- 912 :シノン=アルベル:2010/05/16(日) 02:31:49 ID:fqURxG6Q0
- >>910
「解りました」
倒れた甲の下により、安全を確認。
「全力でぶっ飛ばしてきます!」
そして握った拳を向けた。
>>908
「ありがとう」
道をしめしてくれた事に喜びを感じ、扉へと。
- 913 :ヒホロ/研究所・試験フロア ◆JBbLACK.JY:2010/05/16(日) 02:35:32 ID:nODaI1r.0
- >>910-912
生体部、機能を全停止しました
ありがとう
【ヒホロ=ゼルトマン死亡】
【扉には鍵がかかっていない】
- 914 :真城空:2010/05/16(日) 02:39:08 ID:QYyPcDfoO
- >>913
泣かない。
さいごまで貫き通す。
だって僕は
「……ッ!」
扉を、乱暴に開けようとする。
大人で、男だから。
- 915 :シノン=アルベル:2010/05/16(日) 02:41:54 ID:fqURxG6Q0
- >>913
「決めたよ、ぶっ飛ばすんだ」
少年に柔かい笑顔を向け、
扉の奥へ踏み入れる。
- 916 :ヒホロ/研究所・試験フロア ◆JBbLACK.JY:2010/05/16(日) 02:48:34 ID:nODaI1r.0
- >>914-915
【開いた先は薄暗く、気味の悪い蛍光緑や青のライトがひしめいていた】
【巨大な試験管を思わせるカプセルに入った肉塊】
【よく見ると人間の形をしていた】
よーォおよーお。最初と随分と減ったんじゃねぇの?
俺からのお土産はタノシンデモラエタカナ? キヒヒャヒャヒャ!
【二人の前に立つ、一人の男】
【肌は人と思えない水色の肌、ボサボサの、前から風が吹きつけたような髪型】
【そして獰猛で冷酷な光を宿した目の鋭さ―― ガニュメートだ】
そう構えるなよ、楽しんでいこうぜ?
【白衣に身を包んだ男はある程度距離を保ち、ケタケタと楽しそうに笑った】
- 917 :ガニュメート/研究所・通常実験フロア ◆JBbLACK.JY:2010/05/16(日) 02:49:21 ID:nODaI1r.0
- /名前変更っと
- 918 :真城空:2010/05/16(日) 02:53:02 ID:QYyPcDfoO
- >>916
「あーうん。御託はいいよ、そこでじっとしてて」
にっこり。
けたけた笑う白衣の男に、微笑み返す。
「えーと、二発……じゃないな。あと一発上乗せしなきゃ。
とりあえず三発、殴らせて」
人差し指、中指、薬指。
三本立てて、にっこり。満面の笑みを浮かべた。
- 919 :シノン=アルベル:2010/05/16(日) 02:58:44 ID:fqURxG6Q0
- >>916
「貴方が……ガメニュート」
シルクハットを胸の前まで持っていき、礼。
「ええ、楽しんでいきましょう?」
上げた顔は棘を持つ笑顔で。
- 920 :ガニュメート/研究所・通常実験フロア ◆JBbLACK.JY:2010/05/16(日) 03:01:34 ID:nODaI1r.0
- >>918
三発でいいのか?
【同じく三本指を立て、さらに】
スモーク=ゼルトマンの分は?
【もう一本、小指を折る】
>>919
ガ『ニュ』『メ』ート。
【不快そうな顔で言い直す】
あーーーーあ、その様子だと実験体は死んだのカナー?
- 921 :真城空:2010/05/16(日) 03:05:57 ID:QYyPcDfoO
- >>920
「あ……そだ、あの赤いおにいさんの分を忘れてたね」
どうやら忘れてたのは甲の分だったようです。
「ってことで四発。殴らせてください、あとは警察さんに裁いてもらいますから」
ね?
媚びるような、しかし焼ける毒を持った声色で尋ねる。
- 922 :シノン=アルベル:2010/05/16(日) 03:07:57 ID:fqURxG6Q0
- //マジ間違いすいませんお……。
>>920
「ああ、すいません」
帽子をかぶりなおす。
「まあ、どうでも良いですよね?」
- 923 :ガニュメート/研究所・通常実験フロア ◆JBbLACK.JY:2010/05/16(日) 03:15:02 ID:nODaI1r.0
- >>921
キャキャキャキャ! いいーーーーねぇ、キレてやがる。
>>922
ま、どうでもいいわな。今後の話をしよーッゼ。
【くるっと踵を返し、奥の扉へ向かって歩き始める】
俺にとっちゃまさにどうでもよかったんだが……残念なことに『星』はそう考えてなかった。
人間ってなァークダラナイと思わねぇか。俺はな、そう考えたんだ。
いずれ世界は滅びる。今の人間のせいでな。
……そうだな、現物を見せた方が早いか。
【扉を蹴り破った】
【中はさっきほどの広さではないが、上に高い部屋】
【その中央に巨大な装置が天井まで伸びている】
『異空間転位装置』だ。あのガキの父親、スモーク=ゼルトマンの未完成品。
コイツはその完成品だ。
【全くの無防備で背を向けたまま、淡々と呟く】
- 924 :真城空:2010/05/16(日) 03:19:16 ID:QYyPcDfoO
- >>923
「お褒め頂きありがとうございます」
にっこり。
笑顔を固めた裏では、彼はもう限界だった。
怒りも限界だったが、何より、
(…………きついな……)
生命力が限界だった。
ぐらぐらとゆらめく思考をつなぎ止めて、彼は笑う。
「それが、どうかしたんですか?」
- 925 :シノン=アルベル:2010/05/16(日) 03:20:18 ID:7hcwnxwgO
- >>923
「……それに、何の意味が?」
頭上のシルクハットを微調整。完璧。
「僕としては貴方を早くぶっ飛ばしたいのですが……」
- 926 :ガニュメート/研究所・特殊実験フロア ◆JBbLACK.JY:2010/05/16(日) 03:28:33 ID:nODaI1r.0
- >>924-925
『俺』はずーーーーっと見てきた。
んで、『元俺のカラダの持ち主』もずーーーーーっと見てきた。
やっぱ今の人間はダメだわ。生きる価値が無い。
弱い者いじめばっかのクズだ。
そこで『俺』は考えた。
いっつも『俺』を眺めてた『元俺』とコンタクトして、まずカラダを乗っ取る。
んで全世界の人間を滅ぼしちまうんだ。
【機械を眺めて楽しそうに笑い】
だがそれにはまず兵力が足りない。
それに、もう一回生命が繁栄するのにウン十億年万年だ。やってらんねェ。
そこで探し求めて見つけたのが『異空間転位装置』だ。
これでもっと優れたパラレルワールドから別の『人類』を持ってきて、繁栄させる。
質問は無いな?
【振り返ってニヤニヤと笑う】
- 927 :シノン=アルベル:2010/05/16(日) 03:30:56 ID:7hcwnxwgO
- >>926
「ええ、良く理解できます」
言葉の示しに、二度頷く。
- 928 :真城空:2010/05/16(日) 03:34:08 ID:QYyPcDfoO
- >>926
「………………意味が、」
ぶちん。
「わっかんねェよこの屑野郎!!
だから何だよ、そのためにあの子は――ヒホロは殺されたっての!?」
ぶちんと。
最後の糸がキレた。
暴言の吐き方なら、同居人に嫌と言うほど教えてもらった。
「ふざけんな!!
そんなことあって良いはず、ないだろうがッ!!」
ずか、ずか。
一歩一歩踏みしめて、ガニュメートに迫る。
- 929 :ガニュメート/研究所・特殊実験フロア ◆JBbLACK.JY:2010/05/16(日) 03:39:30 ID:nODaI1r.0
- >>927-928
そうだけど?
【さも当然の如く言い放つ】
まずあのガキに会ってから、全部始まったんだよなァ。
あん時はガニュメデスって名乗って、アイツの父親の社長室にいったんだ。
そこで見せてもらったのが異空間転移装置の草案。
だから感謝はしてるよ、もう名前も覚えちゃねーけどな! ヒハハハハハ!!
【背を反らせ、天井に向けて大笑】
- 930 :真城空:2010/05/16(日) 03:44:15 ID:QYyPcDfoO
- >>929
「――――――――――――気が変わった」
ぱん、と拳を掌に打ち付ける。
拳が纏うのは、空色の光。
「軽傷追わせてから警察に突き出すつもりだったけど。
ボッコボコにしてからにしよう」
その拳を引いて――振り抜く。
ガニュメートの顔、目がけて。
- 931 :シノン=アルベル:2010/05/16(日) 03:47:20 ID:7hcwnxwgO
- >>929
「良く理解できます……が」
伸ばした腕を向けて。
「貴方はここで死んでもらいます」
少年の指先から、光が走る。
その光は小さな光、白衣の男の足元を狙う。
- 932 :ガニュメート/研究所・特殊実験フロア ◆JBbLACK.JY:2010/05/16(日) 03:53:27 ID:nODaI1r.0
- >>930-931
ところで俺の能力だが……ぶッ
【足を光に撃ち抜かれ、鼻血を吹き出して後退するが】
ケッケッケ……無駄無駄。
『死なない』んだよ、俺ぁ。
軽傷ならあっさり治る。死んだら復活にかなりの長時間かかるが、
この世に『俺の星がある限り』絶対に復活する。
【足の傷は徐々に肉が盛り上がって穴を塞ぎ始める】
【鼻血もすぐに止まった】
殺したきゃ星のない世界にでも飛ばしてみろよ、ヒャヒャヒャヒャヒャ!!?
【そう言って手を上げると――背部の機械から5人ほどの能力者たちが現れた】
『パラレル』の能力者だ、ドンドン出てくるぜェエエエ!!?
【能力者達は一斉に炎の矢を飛ばす】
- 933 :真城空:2010/05/16(日) 03:59:39 ID:QYyPcDfoO
- >>932
「――――ぁ」
何が起こったのか理解出来なかった。
驚いている間に燃え盛る矢に貫かれる。
首を、胴を、
「左手を」。
「――――ッ、集え輝け、我がイノチ……」
ぼやける視界の中手を伸ばし、その先に残った生命で創り上げた光の鳥を具現して、
「完成、せよ……『大空鳥』……ッ」
ガニュメートに向けて飛ばしたのと、
視界が完全にブラックアウトしたのは、同時だった。
- 934 :シノン=アルベル:2010/05/16(日) 04:00:48 ID:7hcwnxwgO
- >>932
「ちっ……」
シルクハットを構え、火の矢を吸い込む。
火の矢の行き先は能力者の真後ろ。
「あの機械を壊すかしないと難しそうですね……」
光を機械に向けてみる。
- 935 :ガニュメート/研究所・特殊実験フロア ◆JBbLACK.JY:2010/05/16(日) 04:10:06 ID:nODaI1r.0
- >>933
がっァ……!!!
【光が周囲を砕いていく】
【ガニュメートの体も吹き飛ばされ、砕かれてバラバラの肉塊になった】
【復活しようと、虫のように蠢いてまた寄せ集まる】
【異世界の能力者たちも同じく砕かれ、しかしこちらは残らず消滅した】
【元々異世界の存在であるがため、だろう】
>>934
【炎の矢が機械の外装と外装の丁度継ぎ目を直撃】
【カバーされていない配線をジリジリと焼き始め】
ビーッ ビーッ
エラー発生 エラー発生
受信装置に異常発生
現在行える動作は 『現世界から異世界への送信』 のみとなります。
【能力者の受信は止まったらしい】
【今できるのは送信だけだが……?】
- 936 :――――:2010/05/16(日) 04:14:41 ID:QYyPcDfoO
- >>935
「――――」
何が起こっているのかよくわからない。
もうなにもみえない、きこえない。
さいごにみえたのは、かぞくと、
少年の笑顔。
息をすることを止めてしまった彼の身体を、どこからか現れた「黒髪の青年」が抱えて、
どこかに消えてしまった。
- 937 :シノン=アルベル:2010/05/16(日) 04:21:20 ID:7hcwnxwgO
- >>935
「せいっ、てやぁっ!」
槍状の光を次々と装置に打ち込む。
男の復活には気がついていない。
- 938 :ガニュメート/研究所・特殊実験フロア ◆JBbLACK.JY:2010/05/16(日) 04:29:44 ID:nODaI1r.0
- >>937
【どんどん光は投げ込まれるが】
【機械の前面に近づくと同時、吸い込まれたように消えてしまう】
送信先:ブラックホール付近、処理場
送信が完了しました
ヒヒヒャヒャヒャヒャヒャ!!!
【後ろで高笑いを上げる肉塊】
【もう既に顔部分の形成が終わったのだ】
待ってろ……もうすぐだ。あと少しで復活できる。
何度でも追って、首を切り裂きに行ってやるぜェヒヒャヒャヒャ!!!!
【『星の光がある限り復活出来る』、というのはあながち嘘ではないようだ】
- 939 :シノン=アルベル:2010/05/16(日) 04:38:43 ID:7hcwnxwgO
- >>938
「くそっ……」
機械への攻撃は無意味と理解し。
ただ距離を取り、思考を巡らせるのみ。
- 940 :ガニュメート/研究所・特殊実験フロア ◆JBbLACK.JY:2010/05/16(日) 04:41:05 ID:nODaI1r.0
- >>939
【復活はどんどん進んでいくが、ガニュメートが機械を見る】
【送信先:ブラックホール……】
……やべェっ。
【元々青い顔をさらに青くして、機械から離れようと蠢く】
- 941 :シノン=アルベル:2010/05/16(日) 21:06:14 ID:fqURxG6Q0
- >>940
「何です?」
ガニュメートが機械からはなえているのを見て、それに従う。
「如何にかして対処しないと……」
シルクハットを全面に構え、防御の姿勢を取る。
- 942 :甲:2010/05/16(日) 21:10:57 ID:KE2UskXwO
- >>941
壁際手を付いて
追い付き声を張り上げる
「――押し込めッ!!!」
転送を嫌うなら
"その先"こそが勝機
- 943 :ガニュメート/研究所・特殊実験フロア ◆JBbLACK.JY:2010/05/16(日) 21:19:34 ID:o7NuoQMs0
- >>941-942
ッてめェッ……!!
【甲に向かって憎悪の顔を向けた後、シノンに向かい】
それだけはやめろ……!
た……頼む、あのガキだって助けたって構わない。どうだ良い話だろ!?
【顔以外の体の殆どはまだ形成されていない】
【醜悪な媚びへつらう笑いを浮かべて懇願する】
『身勝手なお願いだけど、彼を許さないで』
- 944 :甲:2010/05/16(日) 21:25:19 ID:KE2UskXwO
- >>943
「――」
言葉も無い
何て―――何て"小物"
噛み締める唇からは血が滲む
下すべき鉄槌への判断は
対峙しているシノンに託した
- 945 :シノン=アルベル:2010/05/16(日) 21:25:44 ID:fqURxG6Q0
- >>942>>943
「良いでしょう……!!」
ガニュメートへと走り出し、腕を引く。
「ブッ飛ばすと決めたんです、だから!」
狙いは装置。
「だから、ブッ飛ばすからには!」
心が揺らいだ。彼が助かると聞いて。
だが彼の言葉を思い出した。
「遠くの遠くの遠くまで……ブッ飛ばします!!!」
大声を上げ、腕を思いっきり振り抜く。
思い出した、許さないと。
- 946 :ガニュメート/研究所・特殊実験フロア ◆JBbLACK.JY:2010/05/16(日) 21:35:42 ID:o7NuoQMs0
- >>944-945
やめッ――ぐ
【ガニュメートの肉塊は吹っ飛び、強烈に機械に叩きつけられる】
チクショウ、テメェらァアア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!チ ク
送信します
【無機物的な声がして、青い塊は『送信』された。機械は淡々と行き先を告げる】
送信先:ブラックホール付近、処理場
送信が完了しました
照合にエラーが発生。センサーに ガニュメート の反応がありません
他者の利用を防ぐ為、全機能をOFFに切り替えます
全機能停止。異空間結合には持ち主 ガニュメート の同行が必要です……
【機械は唸りを終え、全ての機能を止めた】
【今なら簡単に壊せる】
- 947 :甲:2010/05/16(日) 21:40:55 ID:KE2UskXwO
- フラリとした足取りでフロアに踏み込む
今のが――"ガニュメート"か
胸に込み上げるごちゃごちゃした心境を
「クソッ!!!」
叩き付ける様に機械に拳を降り下ろした
- 948 :シノン=アルベル:2010/05/16(日) 21:50:23 ID:fqURxG6Q0
- >>946
光の弓矢を構え、ギリギリと引く。
「光を見ぬまま、地獄に……」
歯を食いしばり、特大の力を込めて、
収束する光は鋭く、細く、大きく。
「落ちろッ!!」
少年の放つ弓は機械の中核を捉え、突き進む。
- 949 :ガニュメート/研究所・特殊実験フロア ◆JBbLACK.JY:2010/05/16(日) 21:58:39 ID:o7NuoQMs0
- >>947
ゴゴンッ ボッ, バチヂヂチ....
【外殻が弾けてひしゃげ、中核を矢が射抜く】
【精密機械はいとも簡単に破壊され、小さなスパークを吐いて沈黙した】
【全て終了である】
【このまま帰ることも出来るし、ガニュメートの研究室を漁ることも可能だ】
- 950 :シノン=アルベル:2010/05/16(日) 22:05:55 ID:fqURxG6Q0
- >>949
「全て、終わりましたよ」
安堵の笑みを浮かべ、入ってきた部屋を見る。
部屋のドアの奥には動かなくなった少年が見える。
「涙が、出てきました」
袖口で涙を拭きとり、研究所を一望。
「何か、ありますかね」
- 951 :甲/サポーター:2010/05/16(日) 22:08:55 ID:G//TO2Pw0
- >>949
「……」
感慨も達成感も何も無い
静寂そのものの研究室で佇んでいた
「―――…!そういえば…!」
>>950
「もうひとりは!?」
白いローブの少年が見えない
慌てた様子でシノンに尋ねた
- 952 :ガニュメート/研究所・特殊実験フロア ◆JBbLACK.JY:2010/05/16(日) 22:12:55 ID:o7NuoQMs0
- >>950
【辺りを見回すと、他と比べ小さな扉があった】
【表には『資料室』と書いてある】
- 953 :シノン=アルベル:2010/05/16(日) 22:15:37 ID:fqURxG6Q0
- >>951
「途中まで一緒にいたんですけど……」
「急にあ人が現れて、その誰かが連れて言っちゃいました」
辺りを見回すも他にはだれも居ず。
「詳しく言えなくてすいません」
頭を深く下げて、謝った。
「あの、僕、あの奥の扉に行ってみるんで……」
もう一度、今度は小さく頭を下げると指差した扉(>>952)へと歩いていく。
>>952
「開きますかね?」
扉に手を触れ、ゆっくりと引く。
- 954 :甲/サポーター:2010/05/16(日) 22:18:27 ID:G//TO2Pw0
- >>953
「……殺られた、訳じゃあ無いのか…?」
"誰かに連れ去られた"
「(……どういう事だ…?)」
「ん?……あぁ…"資料室"か」
シノンについて歩き出した
- 955 :ガニュメート/研究所・特殊実験フロア ◆JBbLACK.JY:2010/05/16(日) 22:23:37 ID:o7NuoQMs0
- >>953-954
【資料室の扉はあっさり開いた。施錠などはしてなかったらしい】
【室内は狭く、資料が金属の棚に大量に詰め込まれている】
【隣には小さな机があり、その上にも資料が広げられている】
【本棚の資料は分類別に仕切られている】
【『スモーク=ゼルトマンの資料』】
【『ガニュメートの資料』】
【『イレギュラー関連の資料』】
- 956 :シノン=アルベル:2010/05/16(日) 22:27:40 ID:fqURxG6Q0
- >>954>>955
「ええ、僕の見た限りでは」
「連れ去られた後、どうなったかは解りません……」
三つの資料を眺め、
「む……」
徐にガニュメートの資料を手にする。
「ここがガニュメートの研究所ならわざわざこんなものを……」
ページをめくり、中を見る。
- 957 :甲/サポーター:2010/05/16(日) 22:31:28 ID:G//TO2Pw0
- >>955>>956
「すまない、来るのが遅かった」
「(ガニュメート…)」
『ガニュメートの資料』をシノンが手に取った
「(……一体、どんな奴だったのか…)」
研究室の様子を眺めながら
『イレギュラー関連の資料』に目を引かれ、手に取って見る
- 958 :ガニュメート/研究所・特殊実験フロア ◆JBbLACK.JY:2010/05/16(日) 22:40:43 ID:o7NuoQMs0
- >>956
【中にはガニュメートのサインが記された図面や配線図が書き綴ってある】
【どうもガニュメート本人に関する資料ではないようだ】
『こちら側の世界へ転位に成功した者を 転位体 と呼ぶ。
転位体+改造実験 総数:1277体
成功例:1体
×月×日、唯一の実験成功例が脱走。
「欲望」を重点的に強化、増幅させた個体のため注意が必要 』
【実験体が逃げ出しているようだ】
>>957
【イレギュラー関連の資料は他の2つと比べて薄っぺらい】
『 《イレギュラーについて》
既にヒホロ=ゼルトマンの父、スモーク=ゼルトマンによって異空間転位された存在を
「イレギュラー」と定義する。詳しくはスモーク=ゼルトマンの資料を参照
その後も断片的に集めたイレギュラーの特徴などについて情報を纏める
・性別は女性
・転送時の不具合により精神になんらかの異常が発生していると思われる
日常生活に支障はないが、不安定
・容姿について現段階で判明していること
1:肌、髪は白い
2:目は赤。これらの特徴からアルビノと推測される
3:体のどこかに「 Nothing 」の刺青
・身体の転送時に一緒に送られてきた刀を所持している可能性がある
』
- 959 :甲/サポーター:2010/05/16(日) 22:49:58 ID:G//TO2Pw0
- >>958
「(これだけじゃ何とも……"ヒホロ"の父が"スモーク"か…そんで、転移体…少なくともこの"女"はこの世界に居る)」
ペラペラ、と流し読み
「(…なら奴が"ヒホロ"を使い捨てにした理由は…?…むーぬ…わっかんね)」
取り合えず持って帰ろうと、確保
「次」
『スモーク=ゼルトマンの資料』に手を伸ばす
- 960 :シノン=アルベル:2010/05/16(日) 22:56:00 ID:fqURxG6Q0
- >>957
「いえいえ、そんな」
「僕なんか貴方の迷惑になってしまい……」
喋る間資料から甲へと目を映し。
>>958
「研究資料、ですね」
「しかし、彼は本当に優れた人だった様ですね」
自分でも理解できない場所が多く。そう感じさせられた。
- 961 :資料/研究所・資料室 ◆JBbLACK.JY:2010/05/16(日) 23:04:34 ID:o7NuoQMs0
- 【全ての資料を見終わった】
【残りは机に広がった資料だけだ】
>>959
【日記を抜粋してファイリングしてある】
『経緯について
ヒホロ=ゼルトマンに会う。この時ヒホロ=ゼルトマン5歳
名前を聞いたところで企業の息子と分かり、社長室へ案内させた
異空間転移装置の草案を見せてもらう。計画を思いつく
頻繁に顔を出しては覚えられるため、ヒホロを避けスモーク本人から情報を聞き出すことにする
スモークに数回の投薬を行ったが、研究資料について吐かないので脳の一部を破壊し解放
その後まもなく企業は倒産した
(しばらく「何も無かった」が空いている)
ヒホロ=ゼルトマンと接触。幸いこちらを覚えていない様子
復讐の理由を使い数回投薬を行う。資料の場所を吐いた。資料を回収した
資料にない情報を知っているかもしれないため、記憶を復元する薬の投薬は続ける
ヒホロ=ゼルトマンが千夜を襲撃、捕獲される。救出したが薬によりこちらの顔を思い出したようだ。
脳を破壊し、機械と結合させた』
- 962 :甲/サポーター:2010/05/16(日) 23:11:12 ID:G//TO2Pw0
- >>960
「迷惑は掛かってないよ」
ぱたぱたと手を左右に振った
「(力になれなかったのは、こっちさ)」
内心で自嘲して、資料に再び目を落とす
>>961
「――――」
パン、と資料を閉じた
「(……なんっつー…事を…完全に…最悪なまでに…!)」
《利用された"だけ"》
"ガニュメート"の欲望の糧にされたゼルトマン親子
救えない結末に顔を顰める
悪意に吐き気がする
「――――」
今直ぐにここを全て破壊し尽したい衝動を抑えて手に持った資料を元に戻した
「(……まだ、終わってない)」
《イレギュラー》の存在だけは覚えておこうと心に刻んだ
- 963 :資料/研究所・資料室 ◆JBbLACK.JY:2010/05/16(日) 23:12:04 ID:o7NuoQMs0
- //訂正 (しばらく「何も無かった」が続いている)
- 964 :シノン=アルベル:2010/05/16(日) 23:14:59 ID:fqURxG6Q0
- >>961>>962
「……そうですか?」
「お気遣い、ありがとうございます」
思案するような表情を見せた後、笑った。
「これからどうします? 僕はもう帰りますが……」
ガニュメートの資料は今だ少年の手。
- 965 :甲/サポーター:2010/05/16(日) 23:18:01 ID:G//TO2Pw0
- >>964
「これ以上、ここに居ても仕方が無いな」
机の上の資料をかき集めて束ねると
戻ろう、と踵を返した
「それ、いるか?」
手の中の資料を指差して
- 966 :資料/研究所・資料室 ◆JBbLACK.JY:2010/05/16(日) 23:21:04 ID:o7NuoQMs0
- 【机の上の資料が一枚、地面に落ちた】
【真っ白なメモ用紙に文字が書き殴られている】
『《イ》発見。虎姫』
/〆おつありさまー
- 967 :シノン=アルベル:2010/05/16(日) 23:25:53 ID:fqURxG6Q0
- >>965
「いえ、僕には必要ありません」
「ただ、そちらの資料も見せていただけると有難いのですが……ダメなら諦めますが」
手元の資料を差し出しながら、そう言って。
>>966
少年は見向きもしない。
気付いていないのか、
気づいてはいるが反応しないのか。
//乙でしたー!
- 968 :甲/サポーター:2010/05/16(日) 23:30:50 ID:G//TO2Pw0
- >>966
何となくだけど
《イレギュラー》の像が浮かんだような気がする
多分、"これまで会った人物の中の誰か"
おぼろげに浮かぶ残像に、頭を捻った
//オス、おつさまっす
>>967
「―――…」
数秒、考えた
この資料を見せるのは、酷だ
けれど
「身体、張ったんだから…見てやる権利は勿論あるな」
ヒホロと父――それを引き裂いて滅茶苦茶にしたガニュメートの経緯が載った資料を手渡した
- 969 :シノン=アルベル:2010/05/16(日) 23:38:50 ID:fqURxG6Q0
- >>968
「ありがとうございます」
資料を受け取り、じっくりと見る。
暫くして、礼と共に資料を返す。
「……何、でしょうね。彼は」
ただそう呟き、壊れた装置を見る。
「さあ、僕は帰りますよ」
- 970 :甲/サポーター:2010/05/16(日) 23:42:36 ID:G//TO2Pw0
- >>969
「分からねぇよ、今となっては…誰もな」
一瞬だけ、後ろを振り返って
「あぁ、俺は……そうだな、あの白い奴の家族に会わないと」
確か"神羽荘"で見かけた事がある
只でさえ、今誰かが居なくなる事に敏感な家族だ
きちんと、説明しねぇと
「お疲れ様、ありがとうな」
出口に立ち、手を振った
- 971 :シノン=アルベル:2010/05/16(日) 23:51:28 ID:fqURxG6Q0
- >>970
「えっと……彼を連れていった人は黒髪の男の人。だった気がします」
それだけの言葉を伝え、見送る。
数分後。
「……ごめんね」
じっと見た眼の先には少年が。
「キミの言葉と手紙、大切にするよ」
「ただ、一つ不満を言えば、
……もう一回だけ、キミの声が聞きたいよ」
目を閉じ、数分間たちどまる。
それじゃ。と言って、目を開けることなく振り返り去っていく。
- 972 :名も無き異能都市住民:2010/05/19(水) 15:52:27 ID:QYyPcDfoO
- 廃墟にひとつの人影があった。
着飾られて、車椅子に座らされたそれは目を閉じて黙っている。
安らかに眠っているようにも見えるその人影は、死んでいた。
薄い薄い、空色の翅を持った蛾が一匹。
綺麗な屍の周りを、飛び回っていた。
- 973 :朝宮暁:2010/05/20(木) 21:03:07 ID:/k2gysHgO
- ――イデアの箱庭、真昼の草原エリア。
赤毛混じりの黒髪をした青年が微風に眼を細める。いかにも動き易そうな、アクティブな格好をした暁は、ふと煙草を取り出して口にくわえた。
指先に火を灯し、それを煙草の先に押し付ける。
「…………」
紫の煙を吸って、軽く吐いて、暁は対戦相手を待つ。
- 974 :沢桐 創:2010/05/20(木) 21:08:46 ID:fKMiAOfo0
- >>974
―ガチャン、ガチャン、ガチャン…
微風に乗って重々しい足音が聞こえる。
「…相手はお前か?」
青い機械の足と、緑の眼を備えた男が、暁の後ろから歩いてきた。
緑の眼は、穏やかに光っている。
- 975 :朝宮暁:2010/05/20(木) 21:16:42 ID:/k2gysHgO
- >>974
「おう」
暁は煙を吐き、沢桐に振り返りながら煙草を上に向けて弾いた。
「あの時以来だな光速。んで――」
煙草が落ちてくる。暁はおどけるような口調で、しかし向ける眼光は鋭く言葉を紡ぐ。
「焼き加減は、」
落ちてきた煙草を暁の左手が掴む。左手には焔が揺らめき――暁が掌を開くと、それは灰となって微風に舞い散る。
「何がお望みだ?」
- 976 :沢桐 創:2010/05/20(木) 21:23:50 ID:fKMiAOfo0
- >>975
「光速…」
その単語を聞いたとたん、表情が険しくなる。
「俺をその名前で呼ぶんじゃねぇ!!!」
―ダンッ!
地面が抉れ、芝生が舞い上がる。
男の姿が消えた。
それと同時に、暁の左手に男の蹴りが迫る。
- 977 :朝宮暁:2010/05/20(木) 21:33:17 ID:/k2gysHgO
- >>976
「自称を呼んだら逆ギレか? まあ良い。……上等だ」
――イメージするのは、車のギア。ニュートラルからローへとがこりと入れる。
暁の両手足を焔が包み込んだ。朝宮の一族が魂の熱と呼称する、熱量を持つ生命エネルギーを物質化するまで圧縮して造り出す、焔造りの籠手と脚甲。
同時に、暁の体を爽快感が巡る。生命が生命として存在するための力である魂の熱を解放したために、自分の生命としての強さが底上げされたためだ。
体が暴れたいと駆けたいと叫ぶ。僅かに瞑目して、眼を開く。鳶色の瞳に赤が揺らめき、
「行くぜ!」
全身の叫びに従った。
――沢桐を視界から見失った暁だったが、暁は生命の力を扱う朝宮の一族。沢桐の命の気配、生体反応を即座に関知して沢桐の位置を見付け出す。
自分の左手に向けて振り抜かれる蹴りを焔造りの籠手を鎧う左腕で受け、
(はええ……! 籠手越しに手が痺れやがる――だが!)
「おォ――らァッ!」
沢桐の腹に向けて焔を纏う右拳を鋭く打ち放った。
- 978 :沢桐 創:2010/05/20(木) 21:45:13 ID:fKMiAOfo0
- >>977
―ゴッ…
鈍い音が鳴り、男は弾き飛ばされる。
だが、肉体を打った感触ではない。
―ザザザッ
草原を滑る青い足は、煙を上げている。
暁の拳が捉えていたのは男の右足だった。
煙は上げているものの、足にダメージは無いに等しい。
着地した態勢のまま顔を上げる。
「その名前は捨てた」
男の目は、穏やかな緑から、毒々しい鮮やかな緑に変化していた。
「もう、名乗らねぇ」
そう言うと、暁に向かって走り出した。
- 979 :朝宮暁:2010/05/20(木) 21:54:38 ID:/k2gysHgO
- >>978
「…………」
多分、負けたからだろうな――そう思って暁は、軽く顔をしかめた。何故か、ムカつく。
沢桐が走り出すと同時に暁も走り出した。二人の疾駆に間合が急速に詰められる。暁は身を低くしながら、それでも速度は落とさない。
「……光速じゃねーっつんなら、てめえは何だ? 凡速かオイ?」
暁は吐き捨てるように軽く笑って呟き、焔を纏う右腕を強く後ろに引く。
(あの速さをまともに相手にゃ戦えねえ……腹を殴って脚を止める……!)
「……――うらァッ!」
間合いを潰した暁は、またも沢桐の腹を狙って拳を放つ。低い姿勢から放たれた拳は、ごうと唸り音を立てて、突き上げるように沢桐の腹に肉薄する。
- 980 :沢桐 創:2010/05/20(木) 22:06:24 ID:fKMiAOfo0
- >>979
引かれた拳を見て、沢桐は跳んだ。
熱気が沢桐に襲い掛かるものの、拳そのものは当たらない。
沢桐は暁の頭上を飛び越えその背後に着地する。
「少なくとも、お前はその凡速野郎よりは遅い!」
暁に、振り向きざまに回し蹴りを放つ。
- 981 :朝宮暁:2010/05/20(木) 22:18:56 ID:/k2gysHgO
- >>980
「っ、」
軽く舌打ちを一つ。朝宮の感能と響いてくる声から、沢桐が自身の後ろに居ると知る。
振り向こうとすれば、振り向いている間に蹴りが来る――そう考えた暁だったが、その顔には薄い笑みが浮かんでいる。
「おぉ。全くだな。だが……最高速は兎も角、加速なら負けんぜ?」
――瞬間、暁の背後で爆発が起きた。明確な指向性を持った、魂の熱による小規模な爆発。しかしそれは沢桐に向いている物ではない。
(スリー! お前とやって思い付いた技だ! 使わせて貰うぜッ)
強烈な爆風が暁の背を押した。それによって暁は急激に加速する。
が――。
「っ……!」
背中を沢桐の蹴り足が掠めた。異様な感覚とともに背中の肉が抉れ、苦痛が脳髄まで登り上がる。
しかし、一応は回避成功。間合いを取ってから暁は沢桐を振り向いた。
「まだちっと慣れねえが――使えるな。爆風機動とでも名付けるか?」
言いながら、再び暁の背後で爆風が起きる。爆風を背に受けての迅速な踏み込み。暁は再度、沢桐に向けて間合いを詰める。
- 982 :沢桐 創:2010/05/20(木) 22:30:41 ID:fKMiAOfo0
- >>981
爆風によって、沢桐自身も吹き飛ばされた。
先ほどの熱気と相まって軽い火傷を負う。
地に足が着く頃には、爆風で加速した暁が目の前まで迫っていた。
「その中途半端な速さで、俺を追い越せるとでも!?」
沢桐は避けようとせず足の裏を見せ付ける可のように足を前に突き出した。
―バウンッ!
弾けるような音とともに、暁を見えない空気の弾丸が襲う。
沢桐が普段飛行に使用する風圧のジェットを一瞬、だが通常よりも強力に噴射したものだ。
- 983 :朝宮暁:2010/05/20(木) 22:42:38 ID:/k2gysHgO
- >>982
「確かにてめえの速さと比べりゃ半端だろうな。だが追い越す必要なんざねえよ。俺が欲しいのは――ッ」
沢桐の挙動から何かが放たれたのを察し、暁は両腕を交差して無形のそれを受けた。強烈な衝撃が襲い、両腕が軋むような痛みが走る。
しかし、疾駆は止めない。足は止めない。
「てめえを殴り飛ばすだけの速さだッ!」
再び暁の背後で爆発が起きる。暁の背中を強烈な爆風が後押しする。疾駆というより爆駆する暁は空気の弾丸を防いだ、交差した両腕を解く。
――――シフト、セカンド。
「ゥおォォ――らァッ!」
右腕の焔が火勢を上げる。風を呑み込み唸りを上げて、熱波を撒き散らしながら焔を鎧う拳が沢桐の顔面に向けて放たれる。
- 984 :沢桐 創:2010/05/20(木) 22:58:02 ID:fKMiAOfo0
- >>983
暁の拳が目の前に迫った。
それを見て、反射的に右腕を顔の前に翳す。
「―っぐあっ…!」
腕に熱と衝撃が走る。
肉の焼ける匂いが感じられた。
さらに腕の向こう側、防御した顔面にも焔が迫っていた。
「うおおぉぉぉあああぁぁ!」
だが、拳に殴り飛ばされるどころか、沢桐はその衝撃を全て受け、更に一歩踏み出す。
踵に備えられたピストンが地面を連打し、そのたった一歩を補助する。
「返してやるよ、その速さ!」
熱を受け、黒焦げになった右手を握り締め、暁に放った。
- 985 :朝宮暁:2010/05/20(木) 23:17:09 ID:/k2gysHgO
- >>984
「がッ……!」
やっと一撃を入れた――そう思った暁の視界に映ったのは沢桐の拳だった。
手応えはあった。防御こそされたが吹っ飛ばすだけの威力はあったと手応えが語っていた。
何故だ、と思った瞬間には沢桐の拳が自分の顔面にめり込んでいた。衝撃に上体が圧され、
「……っか、ねぇ……」
暁は仰け反――――
「効か、ねえ」
――――らない。
「効かねえよ! 痛くもねえ! たかが一回負けただけで自分の夢だか目標を捨てるような軟弱野郎の拳なんざ、痛くも痒くもねえんだよッ!」
仰け反りはしなかった。だが、顔が酷く痛む。沢桐のあの言葉を聞いた時から腹の底に溜まっていたムカつきを叫んだが、口からは言葉と共に血が出ていた。
痛い。半端なく痛い。叫んだ時に舌に何か硬い物が当たった。多分歯だ。頭が眩む。視界が揺れる。
しかし暁は怯まない。
「――痛くも痒くもねえ軟弱野郎の拳だが、」
ギアを入れ換える。セカンドから、サードへ。拳の焔がより強く燃え上がる。
「やられたらやり返すタチなんでな!」
暁の右拳は今や巨大な業火の塊へと変わっていた。しかしその中には魂の熱を物質化した籠手と、そして暁自身の拳がある。
「くったばれぇェェ――ッ!」
口から血を吹き、絶叫し、痛みに顔をしかめながらも暁は一歩も引かず、その業火の拳を再び沢桐の顔面へ突き込もうと振り上げる。
そうして、業火が。
――放たれた。
- 986 :沢桐 創:2010/05/20(木) 23:32:47 ID:fKMiAOfo0
- >>985
その拳は緑の光を放つと、赤い血の色に染まった。
沢桐の拳はそのまま砕け散る。
生身の腕を加速に乗せるのはやはり無茶だった、ということか。
「やっぱり、そう見えるか…」
しかし、その血も直後に燃え上がり、蒸発する。
業火が沢桐の身を焼き尽くし、顔面を拳が突き抜けた。
(ただ負けただけじゃ…ねぇんだよ…!)
体中から緑の光が溢れ、直ぐに焔に飲み込まれる。
―チリ…チリチリ…
草原に、人型が崩れ落ちる。
まだ火の粉の残るそれは、足のみが原型を留めていた。
【沢桐創:敗北】
- 987 :朝宮暁:2010/05/20(木) 23:42:43 ID:/k2gysHgO
- >>986
「っ、は、――……ッ」
振り抜いた拳から火が消え失せる。限界だと気付き、肩で息をしながら暁は膝に手を掛けて血と唾液を飲み込む。
倒れる訳には行かなかった。――勝ったんだから。
「――……け、負けて後ろ見てるような人間に、前を向いてる人間が負ける訳ねぇだろが。いくら速くても、後ろ見てちゃ走れる訳がねえ」
口の中に残った血を吐き捨てる。折れた歯が叢に転がった。
――――後味が悪い。
(次は――……前見てるアイツと戦いてえな……)
そう思って、暁は箱庭を後にした。
【朝宮暁がログアウトしました】
【朝宮暁――勝利】
- 988 :地獄憑き:2010/05/21(金) 20:56:34 ID:Zie7aEeo0
- 地獄のような地獄のような、地の底で静かに一人の男が瞼を閉じて眠っている。
黒曜石のように美しい髪は闇の中でも輝くように映え、整った鼻筋、美しい白い肌、
瞼を閉じている風貌は、まさに神が創った最高傑作であり、最高芸術ともいえるほど美しく
そして妖艶であり危険だった。あまりの美貌ゆえに男女問わず見ほれてしまいそうな顔立ちには
多くの人々が血塗れになった争った宝石よりも妖しく、触れる者には破滅しか与えない、
それでも思わず触れてしまいそうな蠱惑的な妖艶さが漂っている。地の底、暗黒の底で男は
静かに心の湧き上がる憎悪を飼い慣らし、自らの力を徐々に高めていく。その男の周りでふわふわ、と
ゆらゆらと、美しい霊魂が浮遊する。男の壮絶なまでの美しさとは対照的な明るく活発でまわりに
陽気にさせてしまいそうな霊魂……相反することだが、その霊魂は驚くことに両立し、それに男は
瞼を閉じたまま、唇をほころばせる。
いつ殺したのかわからない霊魂を引き連れて、この地の底へ潜ったのは理由がある。
いますぐに世界の全てを地獄に叩き込みたくなる自分の憎悪と復讐心を押さえつけるためだ。勿論、それをやめるつもりはない。
異能都市……彼の眠る地の底より上にある都市。その中には幾つかの神の気配が漂う。
剣の神、水の神、鋼の神、焔の神、彼が出会った【あの神】よりは幾つかランクは下がるだろうが、相手は神――
それも結構な人数がいる。全員を地獄の底に叩き込むには今の力では足りない。
だからこそ彼は霊魂を見て。自らの燃え盛る業火のような憎悪を、深い黒き湖のような復讐心を押さえつけ、ただ力を
溜め込み、神殺しの為に力をためる。
……しかし、霊魂を――美しい少女の魂をつれてきたのは、それだけの感情だろうか?
もっとシンプルで、もっと彼の魂が訴えるものがあったのではないか?
声ならぬ質問が彼に届くわけがなく、彼はひたすらに目を閉じ、呼吸するように力を溜め込み続ける。
―――――地獄のような地獄、煉獄のような煉獄、ここは地獄、彼の命に従い、存分に罪を贖え―――。
王と少女の魂は、静かに終わりの始まりを待ち続ける。それはもう、すぐだ。
- 989 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/05/22(土) 21:13:16 ID:.6prKP66O
- 【今夜も再び戦いの幕が開ける】
「……ふっふっふーん!」
【戦いの舞台の中心で少女は天を仰いで相手を待つ……】
【ここは巨大な遺跡……辺りに無数に並んだ巨大な石像たち……
見るものにプレッシャーを与える巨像達の遺跡……
その中心、魔法陣らしき物の上で、少女は対戦相手を待つ】
- 990 :神羽朱華:2010/05/22(土) 21:17:01 ID:ZOM.z7ps0
- 「……な、なにあれ」
周りの巨像たちを珍しげにきょろきょろと見渡しながら。
少女と従僕の蟲は、箱庭にログインした。
- 991 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/05/22(土) 21:21:17 ID:.6prKP66O
- >>990
「来ましたわね、ペッタンコ!!」
【既にマナを纏って準備万端、朱華に指を差しながらアウテリートはポーズ】
「オーホッホッホッホッホ!どう?怖いでしょう?
あばばばばばば!!」
- 992 :神羽朱華:2010/05/22(土) 21:27:00 ID:ZOM.z7ps0
- >>991
「うっせえええええええこの肉まんッ!!!
怖くなんかねーし! うっせーし!!」
右腕を上げて、藜を留まらせる。
それが少女の戦闘準備。
「どうせ準備終わってるんでしょ!?
まあ終わってなくても行くけどねっ!!」
ひぃいん、と高い羽音。少女の体が宙に浮く。
そして空を蹴るような動作――前進。
アウテリートに向かって、まずは接近。
- 993 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/05/22(土) 21:35:50 ID:.6prKP66O
- >>992
「ちょっ!だから肉まんって何ですのよ!?」
【足をバンバンしながら朱華を睨み】
「準備?完璧ですわよ?
相手より遅れて来た事を恨みなさいな!」
【アウテリートが指を鳴らす、すると一瞬だけ全てが光に包まれ
光が収まった直後……
遺跡には無数のアウテリート達が!】
「さぁ、この美しい私達、誰が本物かわかるかしら!?」
「さぁ、この美しい私達、誰が本物かわかるかしら!?」
「さぁ、この美しい私達、誰が本物かわかるかしら!?」
「さぁ、この美しい私達、誰が本物かわかるかしら!?」
「さぁ、この美しい私達、誰が本物かわかるかしら!?」
「さぁ、この美しい私達、誰が本物かわかるかしら!?」
「さぁ、この美しい私達、誰が本物かわかるかしら!?」
「さぁ、この美しい私達、誰が本物かわかるかしら!?」
「さぁ、この美しい私達、誰が本物かわかるかしら!?」
「さぁ、この美しい私達、誰が本物かわかるかしら!?」
「さぁ、この美しい私達、誰が本物かわかるかしら!?」
「さぁ、この美しい私達、誰が本物かわかるかしら!?」
「さぁ、この美しい私達、誰が本物かわかるかしら!?」
「さぁ、この美しい私達、誰が本物かわかるかしら!?」
「さぁ、この美しい私達、誰が本物かわかるかしら!?」
「さぁ、この美しい私達、誰が本物かわかるかしら!?」
「さぁ、この美しい私達、誰が本物かわかるかしら!?」
「さぁ、この美しい私達、誰が本物かわかるかしら!?」
「さぁ、この美しい私達、誰が本物かわかるかしら!?」
「さぁ、この美しい私達、誰が本物かわかるかしら!?」
「さぁ、この美しい私達、誰が本物かわかるかしら!?」
「さぁ、この美しい私達、誰が本物かわかるかしら!?」
「さぁ、この美しい私達、誰が本物かわかるかしら!?」
「さぁ、この美しい私達、誰が本物かわかるかしら!?」
「さぁ、この美しい私達、誰が本物かわかるかしら!?」
「さぁ、この美しい私達、誰が本物かわかるかしら!?」
「さぁ、この美しい私達、誰が本物かわかるかしら!?」
(以下略)
【めっちゃ声が重なった】
- 994 :神羽朱華:2010/05/22(土) 21:42:07 ID:ZOM.z7ps0
- >>993
「その胸じゃああああああああああああああああッ!!!」
があーっと吠えながらまずは一発、入れようとしたところで光に目が眩む。
次に目を開けたら、
「……ッ!?」
周りが敵だらけだった。
どれが本物かと問われた、だとしたら蜃気楼的なサムシング?
だったら本物の姿にだけ影があるとかなんとかかんとかうんぬんかんぬん
「――しゃーらくっせェええええええぇぇええぇえ!!! 華撃ッ!!!」
しかして少女は、
「大!! 噴!! 火ァッ!!!」
頭脳戦がアホほど苦手だった。
右腕を上に、朱い光が炸裂して――
爆発を起こす。狙いは、周囲のアウテリーツをまとめて吹き飛ばすこと。
- 995 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/05/22(土) 21:54:06 ID:.6prKP66O
- >>994
「ふ、貴方!羨ましいなら羨ましいと……ん!?」
【余裕で構えていたアウテリートだが、いきなり朱華が爆発を起こすじゃないか】
「ミギャアァァァァァァァァ!!目茶苦茶ですわよ!!」
「熱い!っていうか熱い!!」
「心理戦を楽しみなさいなバカぁぁぁぁぁ!!」
「えぇい!全員突撃ですわぁぁぁぁぁ!!」
【爆発に巻き込まれたアウテリート達はいくらか消えたが、残りは火を纏いながら突っ込んでくる】
「うりゃぁぁぁぁぁ!!アウテリ無限蹴烈破ぁぁぁ!!」
【この技はアウテリートの大群が相手を囲み、蹴る踏むの乱舞をかます我々の業界ではご褒美技なのだ】
- 996 :神羽朱華:2010/05/22(土) 22:00:32 ID:ZOM.z7ps0
- >>995
「ちょちょちょちょちょ痛い! 痛い痛い痛い誰だ髪引っ張ったの!」
グダグダだー!
爆発は連発不可。再び起こすにはチャージが必要。
しかしチャージしている間に踏まれて蹴られて襤褸屑になるのは目に見える。
ならば。
「――華撃・火車ッ!!!」
同じく炎を纏って、それを足に集中させる。
朱色に輝き燃える脚を、ぐるんと大きく薙ぐように回し、蹴った。
- 997 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/05/22(土) 22:08:25 ID:.6prKP66O
- >>996
「ちょっ!」
「火蹴り真似するなんて卑怯ですわ!」
「ちょっと!スカートが焦げちゃいましたわよ!!」
【ポンポンとアウテリート達は消えていく
周りのアウテリートの姿は消え去り、朱華の周りにアウテリートはいなくなった……
しかし……あの数のアウテリートが全部消えたとは考えづらい】
- 998 :神羽朱華:2010/05/22(土) 22:13:04 ID:ZOM.z7ps0
- >>997
「しょうがねーじゃん一応あたしも炎の能力者なんだし!」
正確に言うとあたしも、ではなく藜が、です。
「……? 消えた? あたしの勝ち?
やったね!!」
勝手に判断して勝手に喜び始めるアホ。
完全に油断している……
- 999 :アウテリート/風雲爆烈娘 ◆6xc12amlNk:2010/05/22(土) 22:19:38 ID:.6prKP66O
- >>998
「そんな訳ぇぇぇぇぇ!!
無いでございましょう!!??」
【声がする、上空から】
「言いましたわよね?
先に私をこの戦いの場に至らせたのがいけませんのよ!!」
【不意に、空から土埃】
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
【そして石と石が擦り合う轟音……
その正体は……】
「くぅぅぅらいなさいなぁぁぁぁぁぁ!!
ゴッドハンド・スマッシャァァァァァァ!!」
【そう、遺跡の中の巨像が動き出していたのだ】
- 1000 :神羽朱華:2010/05/22(土) 22:25:14 ID:ZOM.z7ps0
- >>999
「な、……ッ」
見上げる。自分に巨大な影が覆いかぶさっている。
完全に油断していた少女は、驚愕でその場に凍りついて、
「――――――」
轟音。
少女は石の下敷きに。
しかしまだログアウトのアナウンスは流れない。
死んではいないのだろう。
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