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ごったジャンルロワイアル
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【FLASH/フラッシュ】
〇バリー・アレン/〇シスコ・ラモン/〇ケイトリン・スノー/〇ハリソン・ウェルズ/〇ハンター・ゾロモン
【特捜エクシードラフト】
〇叶隼人/〇村岡耕作/〇大熊拳/〇デビット秋葉/〇大門巌
【魔弾戦記リュウケンドー】
〇鳴神剣二/〇不動銃四郎/〇白波鋼一/〇ジャークムーン/〇ブラッディ
【闘将!!拉麺男】
〇美来斗利偉・拉麺男/〇シューマイ/〇毒狼拳蛾蛇虫/〇流星拳砲岩/〇拉麺男・ランボー
【無限のリヴァイアス】
〇相葉昴治/〇相葉祐希/〇尾瀬イクミ/〇蓬仙あおい/〇ファイナ・S・篠崎
【蒼き流星SPTレイズナー】
〇アルバトロ・ナル・エイジ・アスカ/〇デビッド・ラザフォード/〇アーマス・ゲイル/〇ゴステロ/〇ル・カイン
【アイドルマスターXENOGLOSSIA】
〇天海春香/〇萩原雪歩/〇水瀬伊織/〇菊地真/〇如月千早
【ヨスガノソラ】
〇春日野悠/〇春日野穹/〇天女目瑛/〇渚一葉/〇依媛奈緒
【霊夢と魔理沙のチョコレート☆ハート】
〇るりまさん/〇SZ姉貴/〇NYN姉貴/〇ICG姉貴
【シャークネードシリーズ】
〇フィン・シェパード/〇エイプリル・ウェクスラー
【THEレイプマン】
〇岩崎圭介
47/47
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【ルール】
・最後の1人になるまで参加者達は主催者の用意した孤島で殺し合いをしなければならない。
・最後の1人を優勝者とし、元の世界への帰還及び願いを一つ叶える事を報酬として与える。
・首輪は禁止エリアへの侵入、会場外へ出ること、過度の衝撃を与えると爆発し対象者を死亡させる。
・ゲーム内のやり取りに反則は無い。
・プレイヤー全員が死亡した 場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる。
・会場から逃げ出すことはできない。
・参加者には「筆記用具とノート」「コンパス」「参加者名簿」「会場の地図」「水と食料三日分」「懐中電灯」「ランダム支給品×3」が支給される。
・SPTやiDOLなどの巨大兵器の支給は原則禁止。
・制限は書きながら考えましょう。
【地図について】
・会場は8×8のエリアに分かれています。施設は書いたもの勝ち。
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オープニング投下します。
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「どこだここ?あけぼの町じゃないのか?」
鳴神剣二は困惑していた。気が付くと自分は体育館のような会場にいた。
周りを見渡してみれば老若男女問わず様々な風貌の人間達が集められている。
否、人間達という表現は正しくは無かった。中には見知った異形の姿もあったからだ。
「ジャークムーン!それにブラッディも!」
魔弾戦士としてあけぼの町の平和を守る剣二の宿敵―魔人軍団ジャマンガの最高幹部の二人が確認できた。
一瞬、ここに連れてこられたのも奴らの企みかと剣二は考えた。
しかしながら彼らもこの場に連れてこられた事には当惑している様子であった。
(ジャマンガの仕業じゃないのか…?)
剣二がそう考えたところで、突如としてステージ上に黒い影が現れた。
その影はなにか球形の、ボールのような物を抱えているように見えた。
それは正しくはボールではない。―人間の生首であった。
「ワシは屠殺鬼玉王。お前たちにはこれから殺し合いをしてもらいたい」
「首が喋った!?」
額に「王」の字が刻まれ、頭頂部から目を通り顎下にかけてラインが引かれた顔、それがその生首の風貌である。
「玉王!今度はいったい何を企んでいるんだ!」
辮髪の男がステージ上の首に対して叫ぶ。どうやら二人は知り合った仲であるようだ。
「ふふふ、今言った通りだラーメンマン。お前たちには我々の用意した会場で最後の1人になるまで殺しあってもらう」
「な、なんだと!?」
辮髪の男は激昂した。そしてそれは剣二も同様であった。
玉王が言っている事は到底受け入れられるものではない。
「嫌だと言っても従ってもらうぞ。今のワシの力の一端を見せてやろう」
と、言うと玉王は自分を抱える影に対して目くばせをした。
それを受けた影は何かのスイッチを作動させたように剣二には見えた。
―pppppp…
連続的な機械音がホール内に響き渡り…そしてボンッと肉が弾ける音がした。
「初佳さん!」
「こずえ!こずええええええ!!」
「ひでえ…こりゃ即死だ!」
破裂音の後には三人の男女の首なし死体が出来上がっていた。
剣二は驚愕して目を見開いた。いや、剣二だけでなくその場の誰もが驚愕していたであろう。
「我々の不利益になるような行動をとった場合や会場内の禁止エリアに入った場合はこのように首輪を爆発させるから覚えておくのだぞ。無理に外そうとした場合でも同じだ」
そこまで聞いて剣二は自分の首にも、先程首を破裂させられた三人同様に鉄製の首輪が嵌められている事に今更ながら気が付いた。
おそらく、玉王の言う事は脅しやハッタリではなく事実なのだろう。
「お前たちにはある島に向かってもらう。見知った施設があるかもしれんからお前たちの方が詳しいかもな」
そこまで言ったあと、玉王はそうそう忘れていたと付け加えた。
「何も無報酬で殺しあえと言っているわけではない。優勝者には何か一つだけ願いを叶える権利をくれてやろう」
言い終わると玉王は影に対して再び目くばせをした。
それを受けた影が腕を振り上げるとホール内の参加者達は白い光に包まれた。
「では島へと送る。…ゲームスタート!」
眩い光に包まれる中で、鳴神剣二の心中には確かなものが一つあった。
主催者玉王に対する…怒りが。
【乃木坂初佳@ヨスガノソラ 死亡確認】
【和泉こずえ@無限のリヴァイアス 死亡確認】
【流星拳砲岩@闘将!!拉麺男 死亡確認】
【主催 屠殺鬼玉王@闘将!!拉麺男】
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オープニング投下終了します。
続いてゴステロ投下します。
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「へへへ…あの玉王とかいう奴中々面白い事考えやがるぜ」
月夜のホワイトハウス前に異様な風貌の男がいた。
顔の半分を機械化したその男の名はゴステロ。
異星人によって形成されるグラドス軍に所属する軍人である。
「エイジの野郎に死んだはずのゲイルがいるじゃねぇか。こりゃあ乗るしかねぇなぁ」
ゴステロは「いじめと人殺しが大好き」と豪語する極めて残忍残虐な男である。
そんな彼にとってこの殺し合いはもってこいの戦場となるのであった。
名簿を見れば恨み重なるアルバトロ・ナル・エイジ・アスカ、アーマス・ゲイルの両名の名が載っていた。
この事はゴステロを狂喜させた。自らの手で彼らを殺せるならこれ以上の事は無い。
だが、名簿には同時に彼の上官でもあるル・カインの名も確認できた。
「閣下か…まあ、戦場に不慮の事故は付き物だ。投獄された恨みもあるからなフハハハハ」
上官をもあっさり脳内で切り捨てたゴステロは優勝を目的とすることに決めた。
そして彼はその為の武器を求めて支給されたデイパックを開くことにした。
「さてさて、どんな人殺しの道具が出てくるかな」
開かれたデイパックからは明らかに体積容量を無視した大きさの奇妙な車が飛び出してきた。
ゴステロは驚きながらも、銃や剣のような得物で無かった事には少し落胆していた。
まあ轢き殺すというのも乙なものか、等と考えながらゴステロは次のデイパックを開いた。
中から出てきたのは小型の無線機のようなものであった。
「んん?なんだぁこりゃあ」
不審に思ったゴステロは付属の説明書へと目を通す。
すると彼の顔はみるみる狂気的な喜びに満ちた顔へと変わっていった。
「ハハハハ!こいつはすげぇ!大当たりだぜぇ!」
喜びのままゴステロは車内へと飛び乗り、小型の無線機を車のアクセスロックキャッチャーへと突き刺した。
「実装!」
そしてゴステロが車外へ降りた時、彼の姿はゴステロでは無かった。
真紅の装甲服を身にまとった戦士…シンクレッダーへと変わっていた。
ここで解説しよう。
ゴステロに支給された車の名はバリアス7。特捜エクシードラフトが使うスーパーパトカーだ。
様々な機能を兼ね備えた特殊車両であるが、最大の特徴はアクセスロックSを差し込むことにより捜査用強化スーツ「バトルジャケット」を装着―即ち「実装」―を行うことが出来る事である。
そう、ゴステロに支給された第二の支給品こそ、このアクセスロックSだったのだ。
エクシードラフトは人命救助と犯人逮捕を目的とした組織である。
だが、もしもその力が人を害する為に使われるとしたなら、それはとてつもない破壊力となり得るのだ。
「さて、サル共の狩りに出かけるとするか」
今、ここに、狂気を戦闘強化服で包んだ最悪のメタルヒーローが誕生した!
【一日目/深夜/E-4 ホワイトハウス】
【ゴステロ@蒼き流星SPTレイズナー】
【状態】健康
【装備】バトルジャケット@特捜エクシードラフト
【所持品】基本支給品一式、バリアス7@特捜エクシードラフト、アクセスロックS@特捜エクシードラフト、ランダム支給品
【思考】
0:優勝する。
1:エイジ、ゲイル両名は優先的に殺す。
【備考】
※第2部からの参戦です。
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投下終了します。
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岩崎圭介、依媛奈緒投下します
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(冗談じゃねっての)
原田不動産の机の椅子に座り胡坐をかきながら、眼鏡をかけた男―岩崎圭介は溜息をついた。
(確かに散々ヤりまくってきたけど、何も殺し合いを強要させられるほど悪いことはしてねえだろ。殺しとレイプじゃお役が違わぁ)
圭介の表向きの顔は女子高・私立桃園学園の教師であり、生徒達にもそれなりに人気がある。
人が彼を見れば真面目で実直な青年だと思うだろう。
しかしてその実態は依頼により有料でレイプを請け負う、プロフェッショナル・レイピスト、レイプマンなのだ。
今日も今日とて依頼を済ませ、マネージャー係の原岡の元へ帰ろうとしている最中にこの場に召喚されゲームに巻き込まれたのであった。
「ま、今までのターゲットがいないだけマシかぁ。いたらどんな顔すればいいのよ」
名簿に目を通しながら圭介は呟く。
どうやらこの場に知り合いは来ていないようだ。
それを確認すると立ち上がり、ポケットの中に詰め込んだ覆面を見やった。
「今はひとまずこれは封印かな。とにかくこの場を出ることを考えよう」
この覆面こそ、彼―岩崎圭介がレイプマンとして活動する際に身に着けるものであり、彼がレイプマンである証であった。
依頼遂行後に呼び出されたため、何の因果かこの場についてきてしまったようだ。
圭介はレイプマンではあるが無差別強姦魔ではない。
依頼を請け負わずに、まさかこんな場所に来てまでレイプもないだろう、と圭介は考えていた。
「とにかくこの首輪を何とかして外せる奴を探さなくっちゃな」
そう言うと圭介はドアを開け、原田不動産を後にした。
暫く歩くと齢17ぐらいの眼鏡をかけた女子が圭介の視界に入った。
まだ向こうは自分の存在には気づいていない様子であった。
圭介は、声をかけるべきか一瞬躊躇した。
相手が殺し合いに乗っている可能性も0ではない。果たして接触するべきか?
(いや、そんな危険な子じゃないな。女なら見れば一発で分かる)
自身の審美眼を頼りに、圭介は声をかけることにした。
「そこの君、このゲームに乗ってるかい?」
圭介の声に気付いた少女はハッと振り向き、首を左右に振って否定の意思を示した。
少女の名は依媛奈緒、といった。
―
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「それじゃあこの名簿に載ってる、春日野悠、春日野穹、天女目瑛、渚一葉の四人が君の知り合いなんだね?」
「はい。ハルちゃんと会ってたらいつの間にかこんなところに来てしまって…」
やはり目の前の少女に害は無い、ということを圭介は改めて確信した。
だが、もとより期待はしていなかったが、この少女には首輪を外せるような知識も無ければそれを行える知人もいないらしい。
とはいえこのまま見捨てて立ち去るというのも後味が悪い。
「あの…一緒にハルちゃん達を探すのを手伝ってくれませんか?」
「ん?んん、ああ、いいよ。人手は多いほうがいいからね」
圭介はひとまずはこの少女と同行する事にした。
一人でいるよりはお互い安全だろうという判断もある。
だが、短い会話で圭介は奈緒の秘密を見抜いていた。
(この娘…非処女だな)
【一日目/深夜/B-2 原田不動産前】
【岩崎圭介@THEレイプマン】
【状態】健康
【装備】なし
【所持品】基本支給品一式、ランダム支給品×3、覆面@THEレイプマン
【思考】
0:この島から脱出する。
1:首輪を解除できる知識を持った人物を探す。
2:ひとまず奈緒に同行する。
【備考】
※最終回以前からの参戦です。
【依媛奈緒@ヨスガノソラ】
【状態】健康
【装備】なし
【所持品】基本支給品一式、ランダム支給品×3
【思考】
0:この島から脱出する。
1:悠達を探す。
2:圭介に同行する。
【備考】
※アニメ版8話、悠との行為後からの参戦です。
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投下終了します。
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流星拳砲岩、萩原雪歩投下します
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ここは夜の森。かすかに月光が差し込む静かな森で、1人の参加者がある決意を固めていた。
「俺はやるぜ!優勝して大金をせしめてやるんだ!」
その参加者は男であった。頭は辮髪、体格は筋骨隆々とした大男であった。
彼の名は流星拳砲岩、大陸に名を知られた悪名高きゴロツキである。
何故自分がこんなところに連れてこられたのか、そんな事は砲岩にとってはどうでもよかった。
これだけの人数を集められる力を持った主催だ。賞金として一生遊べるだけの金を用意する事など容易い事であろう。
砲岩は欲望のままゲームに乗る事にしたのであった。
「それにしてもこの俺に甕を支給するとは主催も中々気が利くじゃねぇか。俺にも運がまわってきたようだぜ」
背中に背負った大甕を見やり砲岩は独り言を呟いた。
他の参加者にとっては外れの部類にあたる支給品だろうが、彼にとっては強力な武器になる。
得意の得物を得た砲岩は少し浮足立っていた。
「最初に俺に出会ったやつが散弾流星脚の第一の犠牲者だぜ」
そういう訳で彼は他の参加者を捜索していた。無論、殺すためである。
しばらく歩いていると、砲岩の前に奇怪な風貌をした人影が現れた。
全身は黒と銀の装甲で覆われ、頭にはフルフェイスのヘルメットのようなものを被っているように見え、左腕には大砲のような筒を付けている。
常人が目にすれば一瞬立ちすくんでしまういでたちだが、砲岩は少しも怯まなかった。
「早速来たな…喰らえ!散弾流星脚!」
砲岩は背負った大甕を天高く放り投げ、自身もそれに追随するようにジャンプした。
そして空中で甕を蹴り砕くと甕の破片がさながら流星のように黒と銀の人影目掛けて降り注いだ。
これが流星拳砲岩の十八番、散弾流星脚である。
砲岩の脳裏には破片によって全身を蜂の巣にされた黒と銀の人影のイメージが浮かんでいた。
だが、その予想はすぐに裏切られることになる。
「な…何ィ!?」
キン、と硬い物同士がぶつかった金属音が響き、甕の破片は人影の足元にパラパラと落ちた。
「お、お前…」
そして人影は着地した砲岩に大砲のような左腕を向け―
「人間じゃ、」
ドン、と左腕が火を噴いた。
「ねえ…」
後には体に大きな風穴が空いた、砲岩だったものの遺体だけが残った。
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「まずは一人…」
物陰に隠れていた少女が呟く。
少女の名は萩原雪歩といった。
「本当に、思った通りに動くんですね…」
少女は頭に変わった形の機械を被っていた。
この機械こそが黒と銀の人影―海中作業専用ロボット・ポセイドンの制御装置なのだ。
萩原雪歩こそがこの装置を使ってポセイドンを操り、砲岩を殺害せしめた犯人だったのである。
(待っていてくださいね千早さん、私の手で必ずあなたを優勝させてみせます)
雪歩は自分が最も慕う女性―如月千早の姿を想いつつ、ポセイドンとともに新たな犠牲者を作る為に歩き出した――。
【流星拳砲岩@闘将!!拉麺男 死亡確認】
【一日目/深夜/C-5 森】
【萩原雪歩@アイドルマスターXENOGLOSSIA】
【状態】健康
【装備】ポセイドン@特捜エクシードラフト
【所持品】基本支給品一式、ランダム支給品×2
【思考】
0:千早を優勝させる。
1:他の参加者を探す。
2:春香と出会った場合には―
【備考】
※18話、スパイ発覚後からの参戦です。
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投下終了します。
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<削除>
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SZ姉貴、蓬仙あおい、白波鋼一投下します。
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青い髪の少女―蓬仙あおいは追われていた。
逃げる彼女を狙う追跡者の手にはチェーンソーが握られている。
「待ってくれ〜」
「い、嫌っ!!来ないでよ!!」
髪は金髪で、目は糸のように細く、頭には魔女のような帽子を被っている。
チェーンソーを持った追跡者―SZ姉貴はあおいを視界に捉えると、一目散に駆けて行った。
あおいを無慈悲な鉄鋸の犠牲者にせんがために。
「ハハハハハハハ」
「嫌!イヤアアアア!!!」
SZ姉貴の接近に気が付いたあおいは当然即座に逃げ出した。
彼女の目的がなんなのかは明白であったからだ。
ブーンと耳障りな音をたてる物がなんであるかはすぐに分かった。
そして、それが自らの命を脅かすものであるということも。
どう見ても正気ではない。SZ姉貴は狂人の目をしていた。
捕まったら最後だ―そういう確信があおいにはあった。
「こうなると、イタズラ心に火が付くな」
「来ないで!来ないでえええええええ!!」
だが、無情にも二人の間の距離は縮まっていく。
近づいてくる追跡者を目にし、あおいの脳裏にはスプラッタな光景が描き出される。
チェーンソーによって四肢を斬り落とされ、血まみれになって死んでいく自分―
あおいは青ざめた。
支給品の中にはこの状況を打破できるものがあったかもしれないが、そんな事を考えられるような精神状態ではなかった。
「こんにちは」
「あ…い、いや…」
遂にSZ姉貴はあおいをチェーンソーが届く範囲内へと追い詰めた。
あおいは恐怖に慄き首を左右に振るが、最早止める者は何も無かった。
(昴治…!)
そして無情にもチェーンソーはあおい目掛けて振り下ろされた―
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「―おや?」
だが、その刃があおいへと届くことは無かった。
SZ姉貴とあおいの間には、黒い鎧の戦士がいた。
その戦士は斧と弓が一体化したような武器でチェーンソーの刃を食い止めている。
SZ姉貴が上からグイと押しこんでみてもその刃は動く事は無く、完全に止まっていた。
「すぐにここを離れるぞ」
「えっ?」
黒い戦士は、チェーンソーを受け止めたままの体勢であおいへと首を向けるとそう言った。
あおいがその発言の真意を理解するより早く、彼女は黒い戦士の小脇に抱えられた。
SZ姉貴とあおいの両名があっと思う間もなく黒い戦士は駆け出し、次の瞬間にはその場から消え去っていた。
「あ〜駄目っぽいですね〜」
標的がいなくなった事を確認したSZ姉貴は不服そうであった。
追いかけるにしても到底追いつけるスピードではない。
あの青い髪の少女については諦めるしかないだろう。
だが、この場にはまだあと45名もの参加者がいるのだ。
気を取り直したSZ姉貴は次なる標的を探すため歩き出そうとした。
―その時であった。
「ん?」
何かが巻き上げられるような轟音がSZ姉貴の耳を劈いた。
振り返ってみるといつの間にかとてつもない暴風の渦が――
巨大な竜巻が、接近していた。
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「お、おおお!」
気付いた時には時すでに遅く、SZ姉貴の身体は風に巻き上げられてしまっていた。
己の意志とは無関係にその身は空を舞い、体をズタズタに引き裂かんがばかりの風圧がSZ姉貴に襲い掛かる。
「ん〜…そうだ!」
脱出方法を思案するSZ姉貴は、ハッと気が付いた。
自分の支給品にはミニ八卦炉があった事に。
「ようし!」
チェーンソーを手放し、素早くミニ八卦炉を構え、前へ突き出す。
そしてSZ姉貴はこの状況を打開しうるスペルカードの名を叫んだ。
「サイフマスタースパーク!」
色彩豊かな閃光がミニ八卦炉から放たれ、竜巻を真っ二つに引き裂いた。
この極太のレーザーの反動でSZ姉貴は竜巻から脱出してみせようとしているのだ。
だが、その閃光以上の速度で、何かがSZ姉貴へと迫って来る事に彼女は気が付いた。
「え?」
彼女が間の抜けた声を上げたのも無理はない。
何故なら'それ'はこの場にいる筈のないものだったからだ。
'それ'は―
鮫だった。
「ま、待ってくr」
―ガブッ
哀れ、SZ姉貴は頭から鮫に喰いつかれ、その短い生涯に幕を下ろすこととなった。
【SZ姉貴@霊夢と魔理沙のチョコレート☆ハート 死亡確認】
この、巨大竜巻に鮫が巻き上げられるという奇妙な現象は一体何なのであろう?
発生の原理は解明されていないが、アメリカではこの現象には名前が付けられていた。
シャークネード、と。
◇
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「ねえ!待ってよ!」
シャークネード発生点から遠く離れた平地にあおいと一人の男がいた。
男は黒のコートに身を包み、髪を金色に染め上げている。
「助けてくれたことにお礼は言うわ。でもせめて名前ぐらい話してくれたっていいじゃない!」
男は答えようとはしなかった。
関りを持ちたくない、人を寄せ付けない、といった雰囲気をあおいは男から感じ取った。
『答えてやってもいいんじゃないか?』
と、男の右腕から声がした。
彼の手首にはブレスレットのようなものが付けられており、声の発生源もそこのようである。
「…鋼一」
男は愛想なくそう言った。
「白波鋼一だ」
この男こそが黒の戦士―魔弾闘士リュウジンオーの正体であった。
【一日目/深夜/D-3 森】
【蓬仙あおい@無限のリヴァイアス】
【状態】疲労(中)
【装備】なし
【所持品】基本支給品一式、ランダム支給品×3
【思考】
0:脱出したい。
1:昴治達と合流したい。
【備考】
※19話、こずえと決別後からの参戦です。
【白波鋼一@魔弾戦記リュウケンドー】
【状態】健康
【装備】ザンリュウジン@魔弾戦記リュウケンドー
【所持品】基本支給品一式、ランダム支給品×2
【思考】
0:殺し合いに乗るつもりはない。
1:ブラッディは倒す。
【備考】
※24話以降からの参戦です。
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投下終了します。
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文章追加
※D-4でシャークネードが発生しました
※二時間おきにシャークネードは移動します
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企画アンド投下乙です。個性的な面子で非常に個性があると思います。るりま姉貴の引退を予想するかのような人選、加えてSZ姉貴は脱落か……雑魚専だからね、しょうがないね。
サメ映画はジョーズしか視聴したことありませんがシャークネードは面白いですか?読んでて見たくなりましたが展開的にやばそうな映画なのが読み取れて不安です
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>>24
感想ありがとうございます!
シャークネードは個人的には2が最高傑作だと思いますので、視聴するのであればできれば1と2はセットで見た方が良いと思います。
1は「水位が場面ごとにバラバラ」「鮫以外の要因で死ぬ奴が多い」「メインの登場人物好戦的過ぎ」「シリーズ伝家の宝刀のチェーンソー」等光る場面は多々あるのですが、全体的に見るとやはりB級サメ映画の枠内かなと思うので期待し過ぎると少し肩透かしを喰らうかもしれません。
しかし2はテンポが改善されており、すべての場面が笑いに昇華されていると言ってもいいでしょう。
特にクライマックスのフィンの演説によって民衆が蜂起する場面は感動すら覚えます。
有志によるクラウドファインディングで産みだされた牙狼シリーズのような空中チェーンソー芸は必見です!
3以降は良くも悪くも悪乗りの産物なので、私から言えるのは「とにかく2までは見てくれ」という事だけですね。
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ありがとうございます。ホラーだと思ってたらコメディみたいな説明でくすっと来ました。休みだし見てみようと思います
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今更ですけど名簿の【FLASH/フラッシュ】
正確には【THE FLASH/フラッシュ】ですね。
ドラマ版です。コミックの方を期待してた人はごめんなさい。
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バリー・アレン、NYN姉貴投下します。
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僕の名前はバリー・アレン。史上最速の男だ。
普段は警察の科学捜査官として働き、STARラボの仲間たちと密かに悪者を退治しながら、僕みたいな力を持つ奴らを探してる。
ズームを倒したけれど、突然見知らぬ場所に連れてこられて殺し合いに巻き込まれてしまった。
守れるのは最速の僕しかいない。
僕はフラッシュだ!
◇
「ズームが生きている…!?」
バリー・アレン―またの名をフラッシュ―は名簿を読んで驚いた。
時空の番人タイムレイスの手にかかり死んだはずの宿敵、ズームことハンター・ゾロモンの名が載っていたからである。
困惑し、思案するバリーだったが、すぐにある可能性に行き当たった。
「そうか、別の時間軸から連れてこられたのか…!」
メタヒューマンと呼ばれる異能力者…中でもズーム―ハンター・ゾロモンやフラッシュ―バリー・アレンらスピードスターと称される彼らには時間を遡る力がある。
現にズームはその力を利用して異なる時間軸の自分を呼び出すことで二人に増えた事があるし、バリー自身も別時間軸の自分の犠牲によってズームに勝利することが出来た。
この場に呼び出されたズームは、タイムレイスの手にかかる以前の時間軸から連れてこられたと考えるのが妥当だとバリーは結論付けた。
「シスコにケイトリン、それに…ハリソン・ウェルズもいるのか…」
見知った名前はゾロモンだけではない。
STARラボの仲間たちの名も名簿には載っていた。
だが、前者2人は良いとして、最後の1人が問題であった。
バリーの知る限り、ハリソン・ウェルズという名の人間は3人いる。
否、名の人間という表現は正確ではない。
何故ならただ名が同じというだけでなく、別の世界における同一存在―ドッペルゲンガー―なのだから。
2人目…嫌味な性格だが聡明な頭脳を持つアース2のハリソン・ウェルズ、通称"ハリー"ならばおそらく問題は無い。
人格に問題はあるものの、娘に危機が及ばない以上、この場の状況を打開する心強い味方になってくれるであろう。
3人目…知識は持ち合わせてはいないが、陽気なムードーメーカーであるアース19のハリソン・ウェルズ、通称"HR"でも問題は無い。
正直なところ事態解決にあまり役に立つとは思えないが、殺し合いに乗るような事は無いであろう。
だが、1人目…バリーが存在するアース1のハリソン・ウェルズであったならば問題だ。
いや、正しくはハリソン・ウェルズではない。
"イオバード・ソーン"…136年後からやって来て、ウェルズに成り代わった未来人がその正体だ。
バリーの母の仇であり、バリー同様スピードスターのその男は、未来のフラッシュの宿敵である。
過去に遡って母を殺すことでバリーにトラウマを与え、フラッシュ誕生を阻止しようとした彼は未来に帰れなくなった。
帰るためには皮肉にもフラッシュのスピードが必要であり、粒子加速器事故を引き起こすことで自らの手でバリーをフラッシュにした。
そして未来に帰る為にウェルズの名と姿を騙り、バリーやSTARラボの仲間たちやセントラル・シティの住人達を騙し、利用し、時には殺して暗躍してきた危険人物なのである。
最期は彼の祖先にあたるエディ・ソーンの自殺により消滅した筈であったが、彼もまたゾロモン同様に、エディが死ぬ以前の時間軸から連れてこられたのならばここに存在する事は可能だ。
イオバードの手にかかり姿と名を奪われ殺された、アース1の真のハリソン・ウェルズであるりう可能性も残っている。
だが、バリーの知人らが選ばれ集められている事から推察して、ハリーと面識の無い彼が連れてこられた可能性は低いと考えられた。
いずれにしてもハンター・ゾロモン同様に、ハリソン・ウェルズという名はバリーにとって警戒せざるを得ないものであったのだ。
「なんにしても、まずはシスコやケイトリンと合流しないと」
バリー…いや、セントラル・シティのヒーロー、フラッシュは当然殺し合いに乗るつもりは無かった。
必ず主催者を捕まえて元いた世界へと戻るつもりであった。
それに、バリーには生きて帰らねばならない理由がある。
バリーの愛した女性、アイリス・ウェストが新たなる敵―サビターによって殺される未来を視てしまったからである。
なんとしてでもその未来だけは変えなければならなかった。
その為にもこんなところで死ぬわけにはいかない。
偶然にも自らに支給されていたフラッシュのスーツを身に纏い、持ち前のスピードでバリーは駆けだした。
(アイリス、僕は絶対君を救って見せる…!)
この時の彼はまだ、皮肉にもこの場で朽ち果てる事こそがアイリス・ウェストを救う事になるなど知る由もなかった。
◇
-
(こんなところに製菓店…?)
会場内を超スピードで駆けていたフラッシュは「聖輦船直営 菓子工房」と書かれた看板を目にして立ち止まった。
(誰かいる!)
人の気配に気付いたフラッシュは、警戒しながら入り口に手をかけた。
「はい、いらっしゃい」
中には鼠のような耳を頭から生やした少女が、店番でもしているかのように立っていた。
「はじめましてNYNと申します」
【一日目/深夜/A-5 お菓子作りの材料屋さん】
【バリー・アレン@THE FLASH/フラッシュ】
【状態】健康
【装備】フラッシュのスーツ@THE FLASH/フラッシュ
【所持品】基本支給品一式、ランダム支給品×2
【思考】
0:主催者を捕まえて元の世界に帰る。
1:シスコ、ケイトリンと合流する。
2:ハリソン・ウェルズ、ハンター・ゾロモンを警戒。
3:この子は一体…?
【備考】
※シーズン3、サビターによるアイリス殺害目撃後からサビター正体発覚までの間からの参戦です。
【NYN姉貴@霊夢と魔理沙のチョコレート☆ハート】
【状態】健康
【装備】なし
【装備】フラッシュのスーツ@THE FLASH/フラッシュ
【所持品】基本支給品一式、ランダム支給品×2
【思考】
0:働きたくないよ
1:こわいですねーこわいですよ
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投下終了します。
-
バリー・アレンの状態表備考に文章追加
※制限により時間逆行は出来なくなっています。
-
投下乙です。
フラッシュのドラマはよくCMで見かけますが面白そうですのでストックしていました。ヒーロー然とした彼がこれからどう立ち回るのか期待。
NYN姉貴は図太いのか何も考えていないのか芯がぶれてなくて草。(戦闘力への期待は)ないです
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投下乙です
フラッシュはドラマで全話観たからロワで見れるのがウレシイ…ウレシイ…
機会があったらアローもロワに出したいけどな〜俺もな〜(隙自語)
フラッシュのスーツがNYN姉貴にも支給されてて草
-
Oh…ホントだNYN姉貴にまで支給されてる…
二つ目の装備欄は無いものとして所持品のランダム支給品も×3に脳内補完しといてください
-
るりまさん、大門巌、流星拳砲岩投下します。
-
「あんなボイスドラマ!!!!!参加しなければよかった!!!!!」
齢三十四にもなる女の叫び声があたりに響いた。
彼女こそが一生ネットのこんなもの、旧名RRM姉貴ことるりまさんである。
「うぅ…うぅ…」
彼女は酷く後悔していた。
ヴォイスドラマ企画に博麗霊夢役として参加してしまったことに。
あれ以来、彼女は自分からクッソー☆ネタのあるヴォイスドラマに参加したりもしたけどそれはそれとしてネタキャラの烙印を押されてしまった。
るりまさんには自分がこんなとこ!に呼ばれたのもあのヴォイスドラマに参加した事が原因だという確信があった。
そして彼女はひとしきり泣いた後である言葉を思い出した。
―「何も無報酬で殺しあえと言っているわけではない。優勝者には何か一つだけ願いを叶える権利をくれてやろう」
開催時に主催者玉王に言われた言葉である。
考えてみれば、47名もの参加者達を招集できる力を持った主催者なのである。
経歴を書き換えるぐらい余裕ではないだろうか?
その事に思い当たったるりまさんは早速殺し合いに乗る事にした。
「殺す…殺してやる!」
良心の呵責は特になかった。
愛する魔理沙ことSZ姉貴の名も名簿には載っていたが、るりまさんは「ああ、そんな人もいましたね」と片付けた。
だが、不安はある。
刃物などにんじんしりしりと食用包丁とへし切長谷部とその他多数ぐらいしか持ったことのない自分が果たして1人で勝ち抜けるのであろうか。
――――力が欲しいか?
と、突然るりまさんの脳内に声が響いた。
「ん?なんだこの気配は?うーん、これは…」
◇
-
「誰だ!?」
道を行く砲岩の前に一人の女が飛び出してきた。
「はじめまして、るりまと申します」
挨拶が終わるや否やるりまさんはエプロンを託し上げた。
「ご注目!いきますよ、よく見といてください!」
下には何も身に着けていなかった。
流石の砲岩もこれには動揺し、身動きを止めてしまった。
その砲岩に見せつけるかのように、るりまさんはM字開脚の体勢でその場にへたり込んだ。
「イクイクイクイクイクゥゥゥゥッ!!!!」
「な、なんだこの女!気が触れているぞ!」
それが砲岩の最期の言葉となった。
るりまさんの局部から弾丸の如き勢いで"なにか"が発射され、その"なにか"が砲岩の首元目掛け飛んだ数刻後、砲岩の首は宙を舞っていた。
「こんな感じになってます」
"なにか"は刀であった。
正確にはタイが誇るムエタイ最強の男、チューチャイの愛刀「肉体麵打斬刀」である。
るりまさんはこの肉体麵打斬刀を陰部内に隠し、人知を超えた勢いで発射する事で砲岩を殺害せしめたのだ。
「では、製品版でお会いしましょう」
肉体麵打斬刀を回収したるりまさんは、次なる獲物を探すため下丸出しのまま歩き出した。
そんな彼女を見守る黒い影の存在を、まだ誰も知らない。
【流星拳砲岩@闘将!!拉麺男 死亡確認】
【一日目/深夜/F-3 拉麵男打倒養成所】
【るりまさん@@霊夢と魔理沙のチョコレート☆ハート】
【状態】健康
【装備】肉体麵打斬刀@闘将!!拉麺男
【所持品】基本支給品一式、ランダム支給品×2
【思考】
0:優勝してヴォイスドラマ参加の過去を消す。
1:朝から濃厚なおまんこがしたくてたまらないわぁ。
【備考】
※大門巌に魂を売り渡し、人間であることをやめました。
※人間であることをやめたため身体能力が格段に向上しています。
【大門巌@特捜エクシードラフト】
【状態】健康
【装備】なし
【所持品】基本支給品一式、ランダム支給品×3
【思考】
0:殺し合いを裏からコントロールする。
1:操れそうな参加者を探す。
2:エクシードラフト、デビット秋葉を警戒
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投下終了します。
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投下乙です
お覚悟ま○このRRMさんはやっぱりマーダーなのか(困惑)
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投下乙です。
ヴォイスドラマ企画に出演しただけで殺し合いをさせられる女。RRM可哀想……ちんぽこかわいそう
気が触れているは素直に草
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ある意味原作再現とはいえ毎回生き返る砲岩に草
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シャークネードシリーズ最終作「シャークネード ラスト・チェーンソー 4DX」の日本上映が決定しました。
興味のある人は見に行って下さい。
では拉麵男・懢蝱(名簿ではカタカナになっていましたが)、エイプリル・ウェクスラー、流星拳砲岩、天海春香、ファイナ・S・篠崎
投下します。
-
「殺し合いなんて…私、どうすればいいんだろう…」
天海春香は身動きが取れないでいた。
親友を失い、相棒も奪われた。
今の自分に出来る事など無いように思えた。
だからこうして一箇所でただジッとしている。
他の参加者が襲ってくる等と考える心の余裕もなかった。
「雪歩ちゃん…」
春香はかつての親友の姿を脳裏に思い浮かべる。
彼女はiDOLと呼ばれる隕石除去人型重機を操る「アイドルマスター」であった。
その母体となる国際組織「モンデンキント」で苦楽を共にした仲間、萩原雪歩―――しかし、彼女の正体は敵対組織「トゥリアビータ」のスパイであった。
彼女もこの場に呼び出されているはずであるが、何をしているのだろうか。
もし、再び会ってしまったらどんな言葉をかければいいのか。どんな言葉を投げかけられるのか。
考えると、怖かった。
「あの、大丈夫ですか?」
考えていたら、声をかけられた。
「私、ファイナ・S・篠崎。あなたは?」
視線を挙げるとそこには自分と同じぐらいの年齢の少女の姿があった。
「あ、天海、天海春香です」
◇
-
ファイナは相葉昴治という少年と蓬仙あおいという少女を探していると言った。
友達なのか、と春香が聞くと少し間を置いてから肯定の言葉が返ってきた。
「そっか。ファイナちゃんも友達、呼ばれてるんだね…」
「天海さんも知り合いが呼ばれているの?」
「うん…」
春香は名簿に載っている見知った名前を挙げていく。
水瀬伊織、菊地真、如月千早、萩原雪歩の四名がそれだ。
「千早さんと真ちゃんには気を付けた方がいいと思う。それから…雪歩ちゃんにも…」
危険人物として名を挙げながら、しかし親しみを込めたような呼び方をする春香にファイナは訝しんだ。
「友達、だったのね…」
「うん…」
見透かされた、と春香は直感した。
事の経緯を果たして初対面のこの少女に話すべきだろうか。
言えば自分は楽になるかもしれないが、そんな事を聞かされてもファイナは困るだけではないだろうか。
そう悩む春香だったが、先に口を開いたのはファイナの方であった。
「過去を忘れることはできない。過去は自らの手で断ち切るしかない」
「えっ…?」
「聖母アルネの教えよ」
「それって、どういう…」
「私が帰依してる宗教の戒律。天海さん。口を出すようで悪いけど、もし貴方が友人との過去に縛られているというのなら…」
そこまで言ってファイナは口を噤んだ。
何者かが接近してきている事に気が付いたからである。
ファイナが向ける視線の先には、額には「凶」の文字が刻まれ、ドジョウ髭を生やし、全身は黒い肌の筋肉質の大男がいた。
春香も同じ方向を見て、この異様な風貌の男の姿を認識した。
「あの…」
「早速二人か。俺の名は拉麵男・懢蝱。恨みは無いがバトル・ロワイアルの円滑な進行のために死んでもらうぜ」
春香はその男に声をかけた事をすぐに後悔した。
この男は殺し合いに乗っている。
しかもこのガタイである。武器など使わなくても女子高生二人を縊り殺す事など造作もなく行えるであろう。
「天海さん!逃げましょう!」
「う、うん!」
ファイナの判断は早かった。
春香もそれに同調し、すぐに反対の方角へと駆けだした。
「逃がすものか!」
すぐに二人を追おうとする懢蝱だったが、その追跡は突然眼前を走った閃光によって阻まれた。
-
「そうはさせねぇぞ!ニセモノ野郎!」
「私たちが相手よ!」
懢蝱が振り向くとそこには掌をこちらに向ける女と、甕を背負った辮髪の男がいた。
女の名はエイプリル・ウェクスラー。鮫退治の英雄フィン・シェパードの妻であり、死の淵からサイボーグ手術によって甦った女である。
懢蝱の行く手を阻んだ閃光の正体は彼女が発射したレーザービームであった。
そして男の名は流星拳砲岩。超人拳法に勝るとも言われる散弾流星脚の使い手である。
「そりゃあーっ!!散弾流星脚ー!!」
「魔鎡狗颶礌甒(マジックグラブ)ー!!」
蹴り砕かれた甕が流星となって懢蝱に降り注ぐ。
だが懢蝱は慌てることなく、手形が張り付けられた颶礌甒を構えた。
「無数蛇腹手楯(むすうじゃばらしゅたて)ー――!!」
「ゲッ!か…かわしやがった…!!」
手形の中に仕込まれた蛇腹が伸び、懢蝱は手形で甕の破片を叩き落としていった。
技を破られ動揺する砲岩の隙を懢蝱は見逃さなかった。
「斬人饠血刀(ざんにんラケット)!!」
背中に備えた巨大なバドミントンのラケットのような形状の武器を懢蝱は構えた。
「地獄兜拷髏殿崩し(じごくところてんくずし)ー――!!」
「ウギャアラーメンマーン!!」
「ほ、砲岩!」
振り下ろされたラケットのガットにより、砲岩の体はところてんの様に切断されてしまった。
「やったわね!よくも砲岩を!」
「次はお前か」
ラケットの脅威を認識したエイプリルは、左腕に備え付けられたライトセーバーを起動し、懢蝱に対し構えをとった。
今、サイボーグVSクローン人間の異種格闘技戦が始まろうとしている。
【流星拳砲岩@闘将!!拉麺男 死亡確認】
【一日目/深夜/C-4 市街地】
【拉麵男・懢蝱@闘将!!拉麺男】
【状態】健康
【装備】魔鎡狗颶礌甒@闘将!!拉麺男、斬人饠血刀@闘将!!拉麺男
【所持品】基本支給品一式、ランダム支給品×3
【思考】
0:玉王様の命によりバトルロワイアルを円滑に進める。
1:目の前の女を倒す。
2:拉麺男はいずれ倒す。
【備考】
※単行本10巻、拉麺男との和解前からの参戦です。
※主催者により送り込まれたジョーカーです。
【エイプリル・ウェクスラー@シャークネードシリーズ】
【状態】健康、バッテリー残量90/100%
【装備】ライトセーバー@シャークネードシリーズ
【所持品】基本支給品一式、ランダム支給品×3
【思考】
0:主催者を倒す。
1:懢蝱を止めて砲岩の仇をとる。
2:フィンと合流したい。
【備考】
※4でサイボーグ化してからの参戦です。
◇
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「う、うええぇぇぇ…」
「天海さん、大丈夫?」
懢蝱からなんとか逃げおおせた春香とファイナの二人は警察署に来ていた。
だが、逃げる最中に後ろを振り返ってしまった春香は砲岩の末路を見てしまい、その光景が脳裏に焼き付いてしまった。
あまりの惨憺たる有様に、春香はここに呼ばれる前に食べていた昼食を戻してしまった。
「う、うお、おぅええええぇぇぇぇぇぇ」
ファイナに背中を摩られながら、天海春香は盛大に嘔吐した。
【一日目/深夜/C-3 あけぼの署】
【天海春香@アイドルマスターXENOGLOSSIA】
【状態】健康、情緒不安定
【装備】なし
【所持品】基本支給品一式、ランダム支給品×3
【思考】
0:どうすればいいんだろう…
1:雪歩ちゃんには会いたくない
【備考】
※20話の引きこもってる状態からの参戦です。
【ファイナ・S・篠崎@無限のリヴァイアス】
【状態】健康
【装備】なし
【所持品】基本支給品一式、ランダム支給品×3
【思考】
0:聖母アルネの教えに沿って動く
1:昴治に会いたい
2:あおいを『過去』にする
【備考】
※21話以降からの参戦です。
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投下終了します。
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投下乙です
春香はメンタル不安定なうえに相方もやべーやつと気苦労が絶えないな
毎回生き返る砲岩は対主催者なのかマーダーなのかこれもう分かんねえな…
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何かの見間違いと思ってたら本当に生き返ってるのか……(困惑)
あとシャークネード1見たけどすっげー苦行だったゾ…… (2はGEOに)ないです。他シリーズは揃ってるのに2だけ無いとかやめたら!この仕事!
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ttps://www65.atwiki.jp/g01wing/pages/1.html
wiki作りました。
興味が湧いた方は是非書き手としてご参加ください!
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フィン・シェパード、ジャークムーン投下します。
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荒れ狂う鮫台風ことシャークネード。
その暴風に巻き上げられながら戦う男たちがいた。
「フンッ!」
「でぇい!」
二つの影が風によって舞い、交差する度に金属同士のぶつかる音が響く。
片方の男は人間の姿をしておらず、長剣を手に携えていた。
名は月蝕仮面ジャークムーンと言い、魔人軍団ジャマンガの最高幹部の1人である。
もう一人の男は髭を生やし筋骨隆々とした風貌であり、手には黄金に光るチェーンソーを携えていた。
名をフィン・シェパードと言い、サメ退治の英雄として米国に名を馳せた好漢である。
二人はこの場に転送された瞬間から宙に舞っていた。
初期位置がシャークネードの中だったのである。
フィンは一瞬戸惑ったが、ジャークムーンは即座に刃を眼前の男に向けていた。
戦意を感じ取り、話し合いも不可能だと判断したフィンは支給されていた黄金のチェーンソーを取り出し臨戦態勢を取った。
シャークネードに飛ばされるのはこれが初めてではない。
幾度となく鮫台風と対峙してきた男にとって、荒れ狂う暴風も最早自身の庭に等しかった。
「ハァッ!」
「くっ!」
しかし敵もさるものである。
ジャークムーンもまたこの暴風の流れを読み取り、すれ違うタイミングで的確に剣撃を打ち込んでくる。
フィンはこの攻撃を黄金のチェーンソーの刃でいなしていたが、決定打を返すことが出来ないでいた。
「邪魔だ!」
「クソ!あっちへ行け!」
また、彼らの敵はお互いだけではなかった。
シャークネード内のサメが不規則に飛んできて自分たちを餌にしようと牙を向いてくるのだ。
ジャークムーンは大口を開けて飛びかかってきたホオジロザメに対し大上段に振りかぶり、唐竹割の要領で真っ二つにした。
鮮血がほとばしり、ジャークムーンの身体は真っ赤に染め上げられた。
だが、飛んでくるサメは一匹だけではない。
上から下から、右から左から、正面から背後から、次々とサメは飛んでくる。
そのサメ達を一刀の元に切り伏せながら、ジャークムーンはフィンと戦っていた。
無論、フィン・シェパードも条件は同じである。
飛び交うサメ共を持ち前のチェーンソースキルで次々とヒラキにしながら空中戦を演じていた。
「そこだ!」
ジャークムーンは近くにいたノコギリザメを剣に突き刺すと、フィン目掛けて投げつけた。
剣先から抜けたサメの遺骸が、弾丸のように飛んでいく。
「危ない!」
飛翔するサメに対し、フィンはチェーンソーを振りぬいて斬り落とす。
切断面から血が噴き出し、フィンの視界は赤で埋め尽くされた。
視界が塞がれた事を確認したジャークムーンは空中でシュモクザメの腹を蹴り飛ばし、その反動でフィンへと飛びかかってきた。
「ぬぅ!」
なんとか剣撃をチェーンソーで凌いだフィンだったが、咄嗟の事だったので態勢を崩してしまった。
その隙を見逃すジャークムーンではない。
「暗黒月光剣・三日月の太刀!」
ジャークムーンの握る月蝕剣にエネルギーが込められ、三日月状のエネルギー波がフィンに向かって放たれた。
なんとか回避しようと体を捻るフィンだったが、エネルギー波は体を掠めた。
「うわっ!」
衝撃でフィンはチェーンソーを取り落としてしまい、その身も大きく弾き飛ばされた。
「うわあああああああああああ!」
そしてフィンは風の激流に飲み込まれ、ジャークムーンの目の前からその姿を消した。
◇
-
暴風に飲み込まれたフィンはなんとか態勢を立て直していた。
だが、チェーンソーはもう無い。
今この状態でサメに襲われれば一溜りもない。
フィンの額を冷や汗が流れた。
そして、悪い予感は現実へと変わった。
「畜生!来やがったか!」
見れば、オオワニザメが己を餌にせんが為に迫って来ていた。
遂に俺も年貢の納め時か、とフィンは諦めかけた。
―――その時である。
「!?こ、これは…!」
なんと、新たなチェーンソーがフィンの元に飛んで来たではないか。
何故、こんなところをチェーンソーが飛んでいるのか。
その理由はフィンには分からなかったし、考える暇もなかった。
即座にフィンはそのチェーンソーのグリップを握り、電源を起動させると、オオワニザメの鼻目掛けて思い切り突き刺した。
「暴れるなよ!」
そして突き刺したチェーンソーを軸にして体を大きく反らし、サメの背中へと飛び乗った。
フィンはガッシリとサメの身体を掴み、サーフボードの上に寝そべるかのような態勢をとった。
オオワニザメにフィン、更にチェーンソーの重量が加わる。
これはシャークネードの風圧でも持ち上げられない重さであり、それ故フィンはサメ諸共地上へと落ちていった。
「ぐ、うう…」
地上まで残り10m。
振り落とされれば最期だ。
フィンは必死にオオワニザメの体に縋りついていた。
地上まで残り5m。
4m。
3m。
2m。
1m!
「うおおおおおお!!」
ザザザ、と音を立てながらオオワニザメは地を滑り、やがて勢いを失って静止した。
フィン・シェパードは着地に成功した。
それはすなわちシャークネードの範囲から脱出した事も意味していた。
後ろを振り返ると未だ風が吹き荒れる音が聞こえてきたが、今いる位置からはいくらか離れた所で吹いていることが分かった。
「こいつがなきゃ死んでたな…」
オオワニザメの鼻柱からチェーンソーを抜きながらフィンはそう呟いた。
このチェーンソーは何処から来たものなのか?
答えは数刻前に遡る。
このチェーンソーは、あのSZ姉貴の使っていたものと同様のものである。
シャークネード内で手放されたこのチェーンソーは風に巻き上げられて飛び続け、何の因果かフィンの元へと飛んできた、という訳だ。
「さて…」
もみじおろしのようになったサメの死骸を見ながらフィンは呟く。
「どうやって降りよう…」
フィンの着地した場所は屋上であった。
【一日目/深夜/D-5 特捜エクシードラフト本部】
【フィン・シェパード@シャークネードシリーズ】
【状態】疲労(中)、軽傷
【装備】チェーンソー@シャークネードシリーズ
【所持品】基本支給品一式、ランダム支給品×2
【思考】
0:主催者を倒す。
1:エイプリルと合流したい。
2:黒い剣士(=ジャークムーン)に警戒。
【備考】
※4以降からの参戦です。
※黄金のチェーンソー@シャークネードシリーズはD-4のシャークネード内にあります。落ちてくるかもしれません。
◇
-
「私は…そうか…魔物の心に動かされていたのか…」
ジャークムーンは独り言ちる。
騎士としての誇りと邪悪な魔物としての心のせめぎ合いにより彼の体は蝕まれていた。
この殺し合いの場に適合させる為か今はまだ万全の状態にはされていたが、それでも彼は自分にもうあまり時間がない事を察していた。
「早く決着を付けねば…リュウケンドー…!」
心が完全に邪悪に染まる前に、また体が朽ち果てる前に、彼は己の好敵手との決着を付けねばならなかった。
黒の剣士は未だ鮫台風の中であった。
【一日目/深夜/D-4 森】
【ジャークムーン@魔弾戦記リュウケンドー】
【状態】疲労(小)
【装備】月蝕剣@魔弾戦記リュウケンドー
【所持品】基本支給品一式、ランダム支給品×2
【思考】
0:リュウケンドーとの決着を付ける。
1:先程の男が気にかかる。
【備考】
※21話からの参戦です。
※制限により、邪悪な魔力の影響を受けています。
※体の崩壊が始まっています。
※シャークネードの中にいます。
-
投下終了します。
牛も舞い上げるシャークネードが人とサメの重さで抜けられるのかは私も疑問ですが、ゆで理論みたいなものだと思って納得してください。
-
投下乙です
シャークネードが発生してるなら殺しあってる場合じゃない、なくない?
-
春日野悠、流星拳砲岩投下します。
-
「ほら、カレーが出来たぞ」
辮髪の大男、砲岩は鍋から容器にカレーを移し、目の前の白髪の美少年へと手渡す。
「ありがとうございます」
カレーを受け取るその美少年の名は春日野悠という。
悠はこの殺し合いが始まって間もなく砲岩と出会っていた。
―『!?…他の参加者!?に、逃げないと…』
―『待て!俺はこの殺し合いに乗っちゃいねぇ!』
「あの時は驚きましたよ。砲岩さんすごい威圧感でしたもん」
「ハハ、強面なのは自覚してるぜ」
何の嫌がらせか、砲岩の支給品はレトルトカレーが作れる一式セットであった。
一体何の役に立つのか皆目見当もつかなかったが、捨てるのも勿体なく思えた。
そこに悠が現れ、情報交換も兼ねて食事の席を設けることにしたのであった。
「砲岩さんの知り合いもここに呼ばれているんですか?」
「ああ、何人かな」
容器のカレーライスを掻っ食らいながら砲岩は告げる。
「ラーメンマン…美来斗利偉・拉麺男は間違いなくこの殺し合いに反抗するぜ。あいつは弱者を助け悪事を挫く事を生業としているからな」
腹が減っていたのか、砲岩は更にカレーを掻き込んだ。
「シューマイってガキと蛾蛇虫はラーメンマンの仲間だ。多分あいつらも殺し合いに乗る事はないだろう」
「この拉麵男・懢蝱って人はラーメンマンさんと関係があるんですか?」
「分からん、だが人様の名前を騙るような奴に碌な奴はいねえぜ。注意した方がいいかもな」
そこまで聞いて、悠は食事の手を一旦休め口を開いた。
「僕も知り合いが呼ばれてるんです。妹の穹にクラスメイトの天女目に渚さん、近所のお姉さんの奈緒ちゃんに、それから初佳さん…」
最後の一人の名を口にした時、悠の表情は暗くなった。
それを見た砲岩はある事を察する。
「そうか、見せしめにされた…」
「はい…」
「メイドさんの方かい?」
「はい……」
「そりゃあ、辛かったな…」
暫し重苦しい沈黙が流れた。
砲岩もどう声をかけてやるべきか悩んでいたが、沈黙を破ったのは悠の方であった。
「ねえ、砲岩さん。優勝したら願い事を叶えるって話、本当なんでしょうか?」
「あ?ああ、あの玉王の言う事だ。あいつは悪巧みしか考えてねえ。眉唾もんだな」
「…そうですよね。出来るって言ったって出来ない事もありますからね」
「まさか死んだ奴が生き返るなんて事出来るはずないからな」
それだけ言うと砲岩は突然倒れた。
その場に突っ伏したこの大男は二度と動くことは無かった。
心臓は活動を停止し、瞳孔は開いていた。
流星拳砲岩は死んだのだ。
【流星拳砲岩@闘将!!拉麺男 死亡確認】
-
…殺した。
……殺してしまった。
春日野悠の胸には一抹の後悔があった。
先程まで親しげに話していた人を殺してしまったことに。
砲岩のカレーの容器に毒を盛ったのは間違いなく自分だ。
自分の意思で春日野悠は殺人を犯したのだ。
「うっぷ…」
己のやった事に思わず吐き気がこみあげてくる。
本当にこれでいいのか?と自問自答の声が心の内に響く。
だが、それでも悠は止まるわけにはいかなかった。
「初佳さん…」
この殺し合いの見せしめにされて殺された悠の恋人、乃木坂初佳のために悠はゲームに乗った。
優勝の報酬で彼女を生き返らせるのが今の彼の目的であった。
無論、砲岩の言った事を忘れた訳ではない。
優勝すれば願いを叶えるという主催者の言葉が嘘である可能性もある。
しかし、結局のところ悠は嘘ではない方に賭けたのだ。
そして、人を殺した。
もう後戻りはできないところに来てしまった。
「ごめんなさい、砲岩さん…」
砲岩の遺体の瞳を掌で閉じ、悠は歩き出した。
自分では砲岩のような格闘家とまともにやり合って勝てる可能性は0だ。
故に、主催に反抗するグループに潜り込み、騙し討ちでキルスコアを稼ぐのが悠の当面の目標である。
おあつらえ向きに彼の支給品は、何の因果か毒であった。
まさにこれからの方針にピタリと合致するものと言えるだろう。
「穹、天女目、渚さん、奈緒ちゃん、皆…ごめん」
願わくば、自らの手で知人達を殺める事が無いように…と祈りながら、悠は歩みを止める事は無かった。
【一日目/深夜/E-2 山中】
【春日野悠@ヨスガノソラ】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】基本支給品一式、毒薬、ランダム支給品×2
【思考】
0:優勝して初佳を生き返らせる。
1:対主催グループに潜り込む。
2:知人とは会いたくない。
【備考】
※アニメ版Cパート最終話以降からの参戦です。
-
投下終了します。
砲岩はまだ位牌人間の事は知らなかった頃からの参戦だとでも思って下さい。
-
投下乙です
砲岩はカブトボーグの勝治か何か?(すっとぼけ)
-
砲岩の扱いはこれで原作通りなんだよなぁ…
-
村岡耕作、鳴神剣二、ブラッディ投下します。
-
平時であれば活気に溢れ和気藹々としていたであろう商店街。
だが殺し合いの舞台と化した今、人気は無い。
その商店街の交通路を村岡耕作は走っていた。
否、追われていた。
「クソ!何者なんだアイツは!」
『耕作!右後ろから来るぞ!』
青い光の線が耕作の背中を目掛け飛んでいく。
すんでのところで耕作は近くにあった商品置き場に身を隠した。
光線が命中した箇所から置き場は凍り付き始め、数秒後には氷のオブジェと化していた。
冷凍光線、という単語が耕作の脳裏をよぎる。
エクシードラフト隊員である耕作にとってそれは、SF作品の中にしかない空想の産物ではない。
彼らの装備の中にもそれを生じさせるものはある。
まさか自分の身に脅威となって降って来るとは思いもしなかったが。
そんな思考はすぐに遮られることになった。
『今度は正面だ!』
「分かってる!」
自分の左腕から聞こえてくる声に応え、耕作は咄嗟に林檎の詰まったダンボール箱を盾にする。
瞬時に林檎は冷凍されアップルシャーベットと化した。
更に箱を支える手の付近まで凍っていく事に気付いた彼は慌てて手を離した。
あと数秒離すのが遅れていれば、自分も掌から凍り付いてしまっていただろう。耕作は戦慄した。
「せめて実装が出来ればなぁ…」
思わず愚痴をこぼしながら、凍った箱の影から頭だけを出し襲撃者の姿を確認する。
するとそこには身体の半身が機械化され、セーラー服を着用している少女の姿があった。
肌は異様なまでに白く、とても人間とは思えない。
その白い肌を見て耕作は中国映画に登場するキョンシーを連想した。
もしやあの少女も死人なのであろうか。
いずれにせよ、ただの人間ではない事は明らかであった。
(サイボーグ、それともアンドロイドか…?)
その少女はまるで自分達エクシードラフトが使うような、大げさな外見の銃を構えていた。
その銃から冷凍光線が発せられている事は耕作にも察せられた。
「止まれ!」
耕作とてただ黙ってやられているだけではない。
支給されていたハンドガン―エクシードラフトの共通装備、EDRT-001 リボルバックG-3―を構えた。
狙いは冷凍銃を持つ少女の手だ。
一発、二発、三発。
箱の影から上半身を乗り出し、彼は連続で発砲した。
発射した弾丸は正確に襲撃者の少女目掛けて飛んでいく。
内二発は冷凍銃のグリップ部分に命中した、だが少女は動ずることなく依然銃を握ったままであった。
残った一発は少女の手の甲を掠めた。
だが―
「何!?」
カン、と音が響いて弾丸は弾かれた。
見れば弾丸が掠めた少女の手の甲は肌が破れ、下から金属が露出していた。
『耕作!何をやっているんだ!』
「分かってるよ!武装解除させられる相手じゃない…!人間でないなら…!」
即座に反撃の冷凍光線が飛んでくる。
耕作は再び身を物陰に隠して回避した。
そしてすかさず今度は少女のボディにリボルバックG-3の照準をあわせて発砲する。
だが、命中した箇所から僅かに火花が散るだけであり、少女の動きを止めるには至らなかった。
(近づいてきている…!)
少女は冷凍光線を撃ちながら、耕作のいる場所へジリジリと接近していく。
近づかれて撃たれたら一巻の終わりである。
耕作は距離を取るべく立ち上がり、一歩を踏み出そうとした。
その時であった。
「あっ―――」
冷凍銃の余波を受けて凍った床。
それに耕作は足をとられてしまい、態勢を崩しその場にすっ転んでしまった。
マズい。彼はそう思った。
少女のいる方角を見れば、寸分狂わず自分に冷凍銃の照準をあわせていることが確認できた。
『耕作!こうなれば私を…』
左腕から聞こえてきた声は轟音に掻き消された。
◇
-
「早く乗って!」
轟音の正体は車のエンジン音であった。
その車は四輪駆動で全体が赤く、車体上部にはキャノン砲のようなものが取り付けられている。
冷凍光線の射線を遮るように突っ込んできたその車体は、耕作にとって見知った物であった。
「スクラムヘッド!」
耕作はその車の姿を確認するとすぐに中へと飛び乗った。
「よし、この場を離れよう!」
車を運転してきた男が言う。
だが耕作と、彼の左腕の返答はこれに同調するものではなかった。
「『その必要はない』」
耕作の左腕からの声に気付いた運転手は目を見開いた。
「あーっ!ゲキリュウケン!お前こんなところにいたのかよ!」
『ああ、どうやら私は支給品としてこの男の元に送られていたらしい。耕作、私を彼に手渡してくれないか』
「何故だ?」
『説明は後だ!』
「あ、ああ…」
その行為にどのような意味があるのか、耕作には分からなかったが、とにかくそれに従うことにした。
左腕に付けられた腕輪のような物を外し、運転手へと渡す。
すると運転手はそれを自分の左腕へと装着した。
『よし、行くぞ剣二!』
「おう!」
剣二と呼ばれた運転手の男は、腕輪の声に応え勢いよく車外へと飛び出した。
引き留めるべきか、と耕作は一瞬考えたが、今自分のなすべき事をする方が先決だ。
と考え、支給されていた多目的小型無線機を取り出す。
エクシードラフトの共通装備、EDRT-003 アクセスロックSだ。
「実装!」「撃龍変身!」
車内の耕作と、車外にいる運転手の男―鳴神剣二―が声を発したのは、殆ど同時であった。
◇
-
「ゴッドリュウケンドー、ライジン!」
車外へと出た耕作―トライジャケットを実装した今は、ドラフトブルース―が見たのは、剣を構え名乗りを上げる、装甲に身を包んだ青い剣士の姿であった。
「その姿は一体…」
「あっ、あんたさっきの人か?…もしかしてSHOT?」
驚いているのは青い剣士も同様であった。
耕作の今の姿も剣士同様青い装甲服に包まれた、メタルの戦士であったからだ。
だが、驚愕に浸っている間は無かった。
不意を突く形で冷凍光線が青い剣士の元へと飛んできたのだから。
「あぶね!」
咄嗟に剣士は左腕の盾でこれを防ぐ。
更に身を傾けて光線を逸らし、盾が凍り始めるのを回避した。
「話は後だ!今はアイツを止めるぞ!」
ドラフトブルースの言葉に、青い剣士―ゴッドリュウケンドー―は頷く。
二人の青い戦士は襲撃者に向き直り構えを取った。
「ターボユニット!」
足首に備え付けられた加速装置を起動し、高速移動で冷凍光線を回避しながらブルースは襲撃者の少女へと肉薄していく。
そしてその走る勢いを殺さず、体重を乗せた飛び蹴りを見舞った。
ブルースの脚に硬い物を蹴った感覚が伝わる。
少女は怯んだが、すぐに顔を上げると、視線をブルースの体へと向けた。
目に備え付けられたスコープが光ったかと思うと、レーザービームが放たれブルースのトライジャケットの表面を焦がした。
「うわっ!」
仰け反ったブルースに対し少女は冷凍銃での追撃を仕掛けようとする。
だがそれより早く、ゴッドリュウケンドーは剣による一撃を少女に見舞った。
「はぁ!」
更にゴッドリュウケンドーは袈裟切りを機械の少女へ浴びせる。
斬られた箇所から火花が飛び散り、少女は大きく後ろに下がった。
「サンダーグレネード!」
ブルースがリボルバックG-3に特殊警棒EDRT-002 トライシャフトを装着し、電撃ビームを少女へと浴びせる。
機械系統がショートしたのか少女の身体からは黒い煙が立ち上る。
―「ふむ、やはり不利か。もういい。戻れ、メカニ牛乳」
と、突然辺りに声が響いたかと思うと、少女は黒い靄に包まれ、数刻後には跡形もなく消え去っていた。
『…ブラッディか?』
◇
-
機械の少女が去った後、ドラフトブルースはメットを脱ぎ村岡耕作に、ゴッドリュウケンドーは変身を解除し鳴神剣二へと戻っていた。
「ありがとう、おかげで助かった。俺は村岡耕作、エクシードラフトだ」
「いやぁどうも、俺は鳴神剣二。あけぼの署で刑事をやってる。…エクシードラフトって?」
「何?あんた刑事なのにエクシードラフト知らないの?」
「悪い、知らない。SHOTの関係者かなにか?」
「さっきも聞いたけどその"ショット"ってのは何の事なんだ?それにさっきの姿…警察の秘密装備か何かか?」
どうにも二人の会話は噛み合わない。
そこで剣二の左腕に付けられた腕輪は提案した。
『どうやら、お互いの事について話し合う必要がありそうだな』
耕作はその腕輪に対しても疑問を呈する。
「その喋る腕輪とあんたはどういう関係なんだ?そもそもそれは一体何なんだ?」
それに対して剣二は笑みを浮かべながら答えた。
「こいつはゲキリュウケン、俺の相棒さ」
【一日目/深夜/B-5 あけぼの商店街】
【村岡耕作@特捜エクシードラフト】
【状態】疲労(中)、軽傷
【装備】リボルバックG-3@特捜エクシードラフト
【所持品】基本支給品一式、アクセスロックS@特捜エクシードラフト
【思考】
0:主催者を逮捕する。
1:叶隊長、拳と合流したい。
2:剣二と情報交換する。
3:機械の少女が気にかかる。
【備考】
※33話以降からの参戦です。
【鳴神剣二@魔弾戦記リュウケンドー】
【状態】疲労(小)
【装備】ゴッドゲキリュウケン@魔弾戦記リュウケンドー
【所持品】基本支給品一式、スクラムヘッド@特捜エクシードラフト、ランダム支給品×2
【思考】
0:この殺し合いを食い止める。
1:不動さん、白波と合流したい。
2:耕作と情報交換する。
3:ブラッディを警戒。
4:ジャークムーン、死んだはずじゃ…?
【備考】
※29話以降、アルティメットキー獲得以前からの参戦です。
◇
-
「リュウケンドーの登場も予想外だったが、まさか魔弾戦士以外にもあのような力を持った人間がいたとは、上手くいかないものだな」
機械仕掛けの魔法使いか幽霊のような姿の怪人、血煙伯爵ブラッディは呟く。
彼の目の前には、耕作剣二らを襲った機械の少女が物言わず立っていた。
「このメカニ牛乳だけでは少々心もとないということだな。さて、何かいい案はないものか…」
この怪人には、意志を持った支給品が手渡されていた。
名を「牛乳」と呼ぶ。
何故、彼女が支給品扱いされているのか。
何故、「牛乳」なのか。
何故、小麦粉とセットではないのか。
そんな事は誰にも分らない。
分かっているのは、この物言わぬ少女はブラッディにより改造され、忠実な手足に変えられてしまったという事だけである。
【ブラッディ@魔弾戦記リュウケンドー】
【状態】健康
【装備】牛乳@霊夢と魔理沙のチョコレート☆ハート(メカ遣い魔のパーツ@魔弾戦記リュウケンドーによって改造済み、コールドガン@THE FLASH/フラッシュ装備)
【道具】基本支給品一式
【思考】
0:優勝する。
1:何か利用できるものを探す。
2:魔弾戦士と青い戦士(=ドラフトブルース)に警戒。
3:ジャークムーンは利用したい。
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投下終了します。
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投下乙です
ヒーロー同士の対主催者は熱くていいゾ〜これ(少年心)
まさかの牛乳が支給品扱いで草。小麦粉も支給されてる可能性が微レ存…?
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短いですが流星拳砲岩投下します。
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地図ではH-1、特にこれといった特徴は無い平地に砲岩は転送されてきた。
「は―――」
何かを言おうとした瞬間、砲岩の足元が光った。
そしてあっと思う間もなく大爆発が起こった。
砲岩は死んだ。
何が起こったのか理解するだけの時間すら与えられずに死んだ。
果たしてこれは如何様な事が起こったのか?
説明しよう。彼の転送された先には運悪く地雷が埋まっていたのである。
転送された瞬間、当然ながら砲岩は地雷を踏む。
踏んだ瞬間爆発するタイプだったそれは、一切の慈悲なく砲岩の命を奪っていった。
悲劇である。
とにもかくにも砲岩は死んだ。
そんな彼の姿を読者諸君はどうお思いだろうか。
滑稽だ、無様だと笑うだろうか。
だが待って欲しい。砲岩が地雷を踏まなければいずれ別の誰かが踏んでいたのかもしれない。
彼は自らを犠牲にする事で別の犠牲者が出るのを阻止したのである。
決して無駄な死などではないのだ。
憎むべきはこのような殺し合いを開き、あまつさえ砲岩を地雷の上に送った主催者である。
砲岩を笑ってはならない。
この世に無意味な死など、あってはならないのだ。
【一日目/深夜/H-1 平野】
【流星拳砲岩@闘将!!拉麺男 死亡確認】
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投下終了します。
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