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第二次二次二次キャラ聖杯戦争

1 : 名無しさん :2014/07/26(土) 00:50:48 xX4bkv220
むずかしいことは考えない。ざっくり聖杯戦争です。



当俺ロワは>>1である◆qB2O9LoFeAが『第二次二次キャラ聖杯戦争』に投下したOP、および登場話を再利用して聖杯戦争をしていくロワです。

基本的に文章の練習や新しいルールなどの実験のために行うので今のところほとんど何も決まっていません。やりながら決めていこうかと思います。

現在決まっているのは『仮想空間内の内部時間で2014年7月1日から8月31日までの二ヶ月間聖杯戦争を行い、8月中に一組の主従しか存在しなかった場合その組を優勝者として認める。』ことだけです。7月はいわゆる予選期間です。


こんな感じでやっていきたいと思います。
登場話の再利用に使っていただけたら幸いです。書き手として参加してもらえたら嬉しいです。新しいルールなどの実験は大歓迎です。なんか困ったら>>1がルーラーに令呪使わせたり討伐令出させたりします。


2 : ◆qB2O9LoFeA :2014/07/26(土) 00:55:27 xX4bkv220
キャラテンプレ
最低限のことしか書いていないので付け足したりしようと思います。
いらない組もいるでしょうが。
【場所/時間】
【マスター@出典】
[状態]

[残存令呪]
X画
[思考・状況]
基本行動方針

1.
2.
3.
[備考]


【サーヴァント(真名)@出典】
[状態]
筋力(現在値)/ステータス、耐久(現在値)/ステータス、敏捷(現在値)/ステータス、魔力(現在値)/ステータス、幸運(現在値)/ステータス、宝具(現在値)/ステータス

[思考・状況]
基本行動方針

1.
2.
3.
[備考]



使用例
【冬木市内某病院/2014年7月26日(土)0055】
【九重凛@こどものじかん】
[状態]
手足に火傷(ほぼ完治)
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争で優勝を目指す。
1.入院して他のマスターから見つからないようにしておく。
2.アサシンへの魔力供給がつらい。
3.私にできることは*鼹顗*
[備考]
アサシンの幻術で主治医や看護師に『精神的に不安定』と認識させている。

【アサシン(千手扉間)@NARUTO】
[状態]
筋力(30)/C、耐久(30)/C、敏捷(100)/A+、魔力(20)/B、幸運(10)/E、宝具(?)/EX
魔力供給が不十分なため魔力のステータスがダウン。
避雷針の術の発動条件を満たしているため敏捷が+分アップ。
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯を用いて木の葉に恒久的な発展と平和を。
1.マスターを他の組に見つからないように警戒
2.他の組の情報収集に務める
3.適宜魂喰い。穢土転生の準備を進める。
4.聖杯を入手できなかった場合のことを考え、聖杯を託すに足る者を探す。
5.マスターの願いにうちはの影を感じて‥‥?
[備考]
複数の組の情報を抑える(真名看破はなし)


3 : ◆qB2O9LoFeA :2014/07/26(土) 01:09:03 xX4bkv220
>>1の参加させる組です

セイバー【黒鳥千代子&テレサ】
ランサー【高遠いおり&アリシア・メルキオット】
アーチャー【マイケル・スコフィールド&ワイルド・ドック】
ライダー【希里ありす&少佐】
キャスター【天沢勇子&兵部京介】
アサシン【九重凛&千手扉間】
バーサーカー【竜堂ルナ&ヒロ】


以降、時間を見つけたら進めていこうと思います。


4 : 名無しさん :2014/07/26(土) 02:17:28 JpmF.RBs0
質問なんですが、参加出来るチームは二次二次で選考漏れになったチームだけですか?


5 : ◆qB2O9LoFeA :2014/07/26(土) 03:16:43 xX4bkv220
二次二次聖杯に当選した組でなければなんでもありです
登場話の再利用はもちろん新しく登場話を書くのも大歓迎です


6 : ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/26(土) 06:05:48 B0hyDyDc0
スレ立て乙です
ゴフェルの木片や方舟あたりの設定に関しては何か変更はありますか?
もし何かありましたら自分の登場話を再利用するにあたり加筆修正を行おうと思いますが


7 : 名無しさん :2014/07/26(土) 09:46:06 adHToe1s0
>>6
最初のレス見る限りだと◆qB2O9LoFeA氏のオープニング設定だと思います


8 : ◆qB2O9LoFeA :2014/07/26(土) 14:14:12 b5y6F90U0
まずOPを再投下します


9 : はじめて?の聖杯戦争 ◆qB2O9LoFeA :2014/07/26(土) 14:14:44 b5y6F90U0



「おっ、いらっしゃいませー。」

その人物*鼹鯁惶硬*に彼と呼ぼう*鼹類*最初に見たのは青い髪の少女が事務用らしいデスクの前でにこれまた事務用らしいイスに座って煎餅を食べている光景だった。

白一色の廊下。そこにデスクを挟んで立っている彼の顔を見ると「おぉっ!?もしかしてもしかすると‥‥」などといって少女は古めかしいMacを操作する。「とうとうあの世界から」とか「でも勝ち残れるかなー」とか「まあ予選次第かな」などと一人で呟いている。それに彼が困惑して声をかけようとしたとき、これまた古めかしいPHSが音を立てた。

「モッテイーケッサイゴニッワラッチャウーノワッアタシノハッ↑ズッ↑ピ。あ、もしもし?そっちもういれちゃっていい?うん、うん、なんかペース早くなってきたね。うん、そろそろルーラーさんにシフト代わるよ。んじゃねー。」

懐かしの着ウタならぬ着メロを響かせたPHSを切ると少女は彼に向き直りニッコリと笑う。

「おめでとうございます!こちらは第1回ムーンセル聖杯戦争受付です!詳しくはこの廊下の突き当たりにあります面接会場でご説明致します。あ、それとパンフレットどうぞ。」

そう言うと少女はデスクに山積みされた二つ折りの冊子を彼に渡した。
彼の困惑は深まったが別の場所で説明するといわれて素直に従おうとするのは彼の性格によるものかそれともこの異様な空間がそうさせたのか。

とにもかくにもデスクの横を通りすぎて彼は廊下を進み始める。少女の後ろにある段ボール*鼹魲罎砲郎*手に持っているのと同じパンフレットがぎっしりと、恐らく百枚単位で入っている。それが何箱もあることを考えると千枚はおろか一万枚は下らないだろう。*鼹類紡④鬚箸蕕譴襪眇覆鵑任い*。
だが、いくら歩いても廊下には終わりが見えず同じ光景が続いている。

自然目線は彼の手にあるパンフレットへと向いた。

『第1回ムーンセル聖杯戦争〜最強のマスターは俺だ!〜』というタイトルの下で全身を金色の鎧で身を包んだ男が不適な笑みで腕組みしている写真が表紙だ。タイトル以外には『七番目のサーヴァントクラス決定!バーサーカー対ビースト完全決着!!』とか『スキルエラッタ プロトタイプルールとどこが変わったの?』とか『英雄王の英霊問答 第一回ゲストは仮面ライダーディケイドさん』とか『ついにあのエピローグが投下!?』などの煽り文句が並ぶ。

ページをめくると、左のページは七かけ二の十四のブロックに分けられていた。左の列にセイバー、アーチャー、ランサー、ライダー、キャスター、アサシン、バーサーカー←NEW!と並びクラスなるものの簡単な紹介文が書かれている。右の列にはスキルなるものが存在し、それぞれがどういった効果を持つのかが書かれていた。なかでも対魔力は太字で書かれていて、『魔力の代わりとなるものを用いた攻撃にも対応しました!』などとアンダーラインまで引いて主張している。

そして右のページの英霊問答というやたらきらびやかでこころもち材質も違うページを読もうとしたとき。





今までなかったはずの扉が目の前にあった。

振り返れば白い廊下が延々と続きその果ては見えない。どうやらこの扉を開けるしかないようだと彼は悟ると銀色のノブを廻して部屋へと入った。


10 : はじめて?の聖杯戦争 ◆qB2O9LoFeA :2014/07/26(土) 14:16:51 b5y6F90U0


「お待ちしておりました。」

部屋へと入った彼をイスに座って迎えたのは黒髪の青年だった。どうぞこちらへ、という言葉と共にパイプイスを指される。彼は先ほどと同じようにデスクを挟んで青年と向き直った。
「上級AIのルルーシュ・ヴィ・ブリタニアと申します。」
そう言って頭を下げるとルルーシュは「規則ですので<価値>の測定を」というとその目に謎の紋様が浮かびすぐ消える。
彼はここがどこか、聖杯戦争とはなにかを尋ねる。それを聞いた青年、ルルーシュは一つ一つ説明を始めた。


「聖杯戦争とは今回我々『第1回聖杯戦争実行委員会』が主催を勤めます『第1回ムーンセル聖杯戦争〜最強のマスターは俺だ!〜』の略称です。」

「聖杯戦争は聖杯、つまり願望器の所有権を奪い合う戦いです。参加者の皆様には聖杯が再現した英雄をサーヴァントというプログラムとして操り、そのマスターとして最後の一組になるまで戦っていただきます。そして最後の一組には我々『第一回聖杯戦争実行委員会』から聖杯の所有権を譲渡いたします。」

「次に聖杯について説明します。聖杯は量子コンピューターを魔術的概念によって運用している自動書記装置です。地球が誕生してから地球に関する情報を全て記録しつづけています。それによって過去の英雄を再現することができるのです。」

「英雄を再現する際、一定の書式に基づいて再現されます。お手元のパンフレットの2ページを御覧ください。当聖杯戦争ではその七種類の書式に基づきサーヴァントという形で再現いたします。」

「マスターはサーヴァントを令呪と呼ばれるプログラムを用いることで使役できますが通常サーヴァントは自由意思を持ちます。サーヴァントの行動を強制させる場合令呪を一画以上使用してください。なお、一人のマスターには三つの令呪を予選参加時に支給いたします。令呪を全て使いきる、またはサーヴァントを失う等した場合マスターのデータは失われます。」


「今回、記念すべき第一回目の聖杯戦争を行うにあたりまして広くマスターの参加を募りました。有形無形問わず様々な伝達手段を試した結果、我々の予想を大幅に越える参加希望者が現れました。ですが、一度に適正に管理できるサーヴァントの数には限りがあります。そこで当聖杯戦争では臨時に予選を開催することになりました。」

「予選会場は『札幌』『仙台』『東京』『名古屋』『大阪』『高松』『博多』の七つの臨時サーバーで行われます。会場はそれぞれサーバー名の都市を再現しており、現地に配置されたエネミーを撃破することなどで本選参加のマスター及びサーヴァントを決定いたします。」

「お手元のパンフレットの四ページを御覧ください。そこに書いてある番号が参加希望者のIDです。参加希望者は聖杯戦争に道具を持ち込むことができますが、公正を期すために一度だけ元の世界に帰ることができます。その際再び聖杯戦争に参加するためにはお手元のパンフレットが必要です。また元の世界での準備期間は二十四時間とし、それ以上時間が経過した場合パンフレットが自動で消滅しますので遅れることのないようお気をつけください。また持ち込む道具は手に持てる範囲でお願い致します。浮遊、飛行できる物は持ち込む際それらの機能を無効化して検査いたします。ご了承ください。」

「参加希望者は予選開始まで一時データを凍結させていただきます。その後解凍の際一時的な記憶障害を起こす可能性がありますがただちにデータに影響はないものと考えられます。ご了承ください。」

「聖杯戦争のルールは事前に参加者への予告なく変更する場合があります。ご了承ください。」

「当聖杯戦争における参加者間のトラブルに『聖杯戦争実行委員会』は一切責任を持ちません。ご了承ください。」

「それでは さん。一時元の世界に戻られますか?もしくはデータの凍結に移りますか?」


11 : はじめて?の聖杯戦争 ◆qB2O9LoFeA :2014/07/26(土) 14:19:27 b5y6F90U0



「ルルーシュくんお疲れ〜、さっきの人どうだった?」
「‥‥その名で呼ぶな連絡用AI。モデルと俺は関係ない。」
「えぇ〜、でも運営用AIって言いにくいし。でどうだったの?」
「元の世界に帰ったよ。たぶん戻ってこないだろうな。」
「え!せっかくあの世界から来たのに!?あの世界ってたしか*鼹顗*


二つの上級AIの会話する姿は、見るものが見れば既視感を得られるだろう。
もっとも所詮はただのデータ。ムーンセルが観測した人物の劣化コピーでしかない。

ムーンセルが外部の願望器と接続してもっとも興味を引かれたのは自らと似通った願望器だった。
その願望器は何万という人間のデータを集めその一つたりとも元の世界に帰ることはなかった。はずだった。
ある三人の人間の例外が発生するまでは。
そしてその願望器は、その例外が発生してすぐに消滅した。そのことは聖杯にあるシミュレートを行わせる。

なぜ聖杯は消滅したのか。

ムーンセルはその現象を観測するために動き出す。万全のセキリュティを整え、規格外の人数のマスターを集め、外部の願望器と接続しデータを集める。
そしてムーンセルは考えうる最高のAIを用意した。もっとも優秀でもっとも変化をもたらすであろうNPC達を。


ぶん、という音と共に突如二人の周囲が暗くなる。それを見て連絡用AIはため息を吐いた。
「ねぇ、セキリュティに廻すリソース減らさない?最近なんか体調悪いんだけど。」
「ただ処理落ちしているだけだ。何も問題はない。」
「いやいやいやまずいですよまだ予選も始まってないのにこれは!また『札幌』サーバー落ちてるし壊れるなあ‥‥」
「‥‥もうすぐ試験用に動かしている他のサーバーのテストが終わる。そちらのリソースを回せば対処は可能だ。」
「まあ元は全部ムーンセルだしね‥‥あっそうだ。エデンバイタルのことなんだけどやっぱりうまく接続できなかったよ。あっちの聖杯の消滅からアクセスができなくなってるみたい。神崎とローゼンは陽介くんが探してるけどなかなか見つからないっぽいね。あとアカシック・レコードはものすごい簡単にアクセスできたよ。『聖杯戦争やるのか!またあの殴り合いが見れるんじゃなっ!』ってムルムルって子が言ってた。やっぱ好きなんだね。」
「やはりムーンセル以外にもあの現象を観測していた存在はいたか。願望器ならありえるとは思っていたが‥‥」
外部との接続を強めるにしたがつてムーンセルはそのセキリュティを強めていった。それは同時に次々と現れる参加希望者達に対処するためでもある。
ムーンセルは、聖杯の消滅はウイルスの感染によるものという可能性を考えていた。あれだけのデータを集めれば悪性情報が紛れ込む可能性もある。それを考えたムーンセルは、その手足となりうるルルーシュこと運営用AIにセキリュティの強化をさせたのだ。
もっとも機能が違う連絡用AIにはそんなことはわからないしわかったとしても強化しようとは思わなかったが。

運営用AIは鳴り始めたPHSを手に取る。受付からの連絡でこちらに新たな参加希望者が向かっていることを聞くとしっしっと邪険に連絡用AIを追い払う。くちびるを尖らして出ていくのを見届けるとそれは天井を見上げた。なんとなく先程よりさらに暗くなっている気がするが彼にはそんなことは些末事。重要なのは聖杯戦争を滞りなく行うこと、そのためにセキリュティを万全にすることだ。
「全てはムーンセルのためだ。」
彼はそう呟くと扉に目を向ける。今まさにドアノブが廻り人が入ってくるところだった。

「お待ちしておりました。」
そう言うとそれは新たな参加希望者にパイプイスを指しめした。


12 : はじめて?の聖杯戦争 ◆qB2O9LoFeA :2014/07/26(土) 14:20:26 b5y6F90U0



《第二次二次キャラ聖杯戦争、登録開始中》

《主催者》
主催:聖杯戦争実行委員会
【運営用AI@第二次二次キャラ聖杯戦争】
[思考、行動]
聖杯戦争を成功させるためにセキリュティを万全にする。
[備考]
処理落ちしています。
外見はCLAMPデザインな感じの魔眼持ってそうな草食系男子です。

【連絡用AI@第二次二次キャラ聖杯戦争】
[思考、行動]
聖杯戦争をもっと楽しんでもらうためにデータの収集につとめる。
[備考]
処理落ちしています。
外見は青髪ロングの貧乳がステータスなロリです。

【探索用AI@第二次二次キャラ聖杯戦争】
処理落ちしています。
ヘッドホンを首からさげたデパートでバイトしてそうな少年です。

【ルーラー@?】
未定。


後援:願望器に関わりのある人たち
[思考、行動]
聖杯戦争を楽しむ。別に参加者を送り込んでも構わんのだろう?



[備考]
・舞台はムーンセル・オートマトン@Fate/EXTRAです。
・7月中を予選期間とし、その間に記憶を取り戻した場合、8月の本選に進みます。
・登場話は予選に参加している扱いです。札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、高松、博多の予選会場が用意されています。
・本選の舞台は冬木市です。
・NPCが存在しており日常生活を送っています。なお、予選会場の時間は2014年の7月です。
・マスターは最初記憶を失っている可能性がありますが、仕様です。
・監督役のルーラーはたぶんジャンヌですがもしかしたら他のサーヴァントかもしれないし全然違う二次キャラかもしれません。
・予選は2014年7月1日(火)から7月31日(木)までです。それまでに本選に出場できなかった場合消滅させられます。
・外部を観測していること、参加希望者が多すぎること、それにともないセキリュティを厳しくしていることでムーンセルが処理落ちしています。AIもサーヴァントも処理落ちしています。結果的にセキリュティに穴が開いているかもしれませんがルルーシュがそのうちなんとかすると思います。
・持ち込める魔術礼装などは手に持てる範囲でお願いします。生きててもいいです。個人的にはアインツベルンのホムンクルスとかいい感じです。
・魔力を用いない攻撃にも神秘があれば対魔力が対応するようになりました。
・後援は基本的に見てるだけの煽り担当です。つまりにぎやかしです。
・パンフレットには「殺しあう」とは一言も書いていません。「なんでも願いが叶う」とは書いてあります。
・パンフレットはゴフェルの木片を加工してできています。ゴフェルの木片を個人的に入手した場合勝手に聖杯戦争に参加させられます。


13 : ◆qB2O9LoFeA :2014/07/26(土) 14:36:13 b5y6F90U0
以上で再投下終了です。
二次二次聖杯OPと当OPの設定を擦り合わせた結果、以下のような設定が重要だと思われるので書いておきます。



・パンフレットがゴフェルの木片製になりゴフェルの木片があれば巻き込まれるようになりました。

・大々的に各種世界に宣伝した結果、二次二次聖杯よりも認知度が高まっています。

・予選会場は仮想空間内に再現された2014年7月の七都市になりました。

・予選突発条件は『記憶を取り戻し』て『月が変わるまで生き延びる』ことになりました。



登場話の投下時にはどの『都市』で予選に参加しているかも明記して投下してください。
もっとも本選会場は別なのでフレーバーとしての利用になると思いますが。


14 : ◆qB2O9LoFeA :2014/07/26(土) 14:40:36 b5y6F90U0
『むずかしいことは考えない』の精神でいきたいので基本的には登場話を再投下してもらって構いません。

登場話に冬木市の描写があれば、そこだけ変えてもらえれば大丈夫です。


15 : ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/26(土) 15:57:43 B0hyDyDc0
>>7
見落としていました、ご指摘ありがとうございます

◆qB2O9LoFeA氏、OP再投下乙です
では遠坂凛&セイバー、再投下します


16 : 遠坂凛&セイバー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/26(土) 15:59:22 B0hyDyDc0
カタカタカタカタカタカタカタ。
とあるアパートメントの一室でひたすら情報端末を操作する音が鳴る。
サーヴァント・セイバーは自身のマスターが端末で行っている作業をまんじりと眺め続けていた。
途中で焼きそばパンを食べつつほぼ休みなく続けていたそれを、彼女のマスターはようやく終えたようだった。

「よし、とりあえず基本スペックの再現はできたわね。
セイバー、ちょっとこれ見てくれる?」

疲れた様子を見せながらも満面の笑みでマスターはプログラムを実体化させた。
現れたのはマスターの適性試験用に用意されたドールを青く塗り替えたもの。
だが、その人形からは有り得ざる濃密な威圧感が感じ取れた。

「これは、まさか……」
「そう、あなたの性能をコピーして作ったドールよ。
あなたの実戦データを反映しないと本当の意味で完成はしないんだけど」

この数日間自分の新たなマスター、遠坂凛が没頭していた作業はこれだったか。
学校から帰って暇を見つけては取り組んでいたのを覚えている。

遠坂凛は予選の最初期に記憶を取り戻したマスターの一人である。
すぐにセイバーとの契約を済ませ互いの自己紹介も終えて久しい。
その後凛は学校で引き続き優等生を演じつつ本戦の準備を整えていた。
凛が配置された「東京」の学園でもマスター候補と思われる者が何人か確認できたため彼らの監視も平行して行っていた。

「ですが、まさかサーヴァント級の人形を魔術師が自作するとは……。
私が以前召喚された時代では考えられなかったことです」
「時代というか、世界が違うものね。
そっちで言う第三魔法、魂の物質化だったかしら?
それってこっちの世界じゃ魔術師(ウィザード)がもう達成してるわけだし。
逆にわたし達は基本電脳に潜らないと大したことはできないから、魔術回路を使う場所と得意分野が違うってことね」

遠坂凛とセイバーはそれぞれ似て非なる平行世界の住人である。
お互いについて語るうちにその事実に行き着いた時には驚いたものだった。
特に第四次聖杯戦争に召喚された事を打ち明けた時には凄まじい勢いで食いついてきたものだ。
主に出会ったサーヴァントのことについて。

「それにしたって、今考えても本当に反則よね。
何よ、何十人にも分裂するアサシンに軍団呼び出す固有結界が切り札のライダーって!
おまけに人海戦術上等のキャスターに宝具を無数に持ってるアーチャーって!
そりゃこっちだって必死にドールの一つも作るわよ!」


17 : 遠坂凛&セイバー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/26(土) 16:00:16 B0hyDyDc0

思い出して憤ったのだろう、突然凛が気炎を上げた。
確かに、考えてみればマスターが数の暴力による英霊の守護を越えた攻撃を警戒するのは当然だ。
以前の自分は誇りを追求することばかりに腐心し、それ以外をおざなりにしていたのかもしれない。
故国を真に救うのならば、新しい環境で今度こそ勝利を至上としなければなるまい。

「ですが凛、それなら無理に学園に通い続ける必要はなかったのでは?
確かにマスターの候補が集う施設ではあったのでしょうが、リスクに見合うほどの価値があったとは思えません。
貴女なら、その時間を聖杯戦争の準備に使いながら、使い魔の類で様子だけを探ることもできたでしょう」
「…………」

だからこそ、ここで以前からの疑問について問い質さなければならない。
いかに凛が優秀とはいえあまり非合理的なことをされては勝てる戦いも勝てなくなるのだから。
かつて自分が犯した過ちだからこそ繰り返さないようにするべきだ。
問われた凛は黙り込んでしまった。
答えに窮したというより、何かを考え込む様子だった。

「ねえ、ちょっと外に出ない?」

ややあって、そんなことを言い出した。





夜の街並みはひどく穏やかで、静かだった。
ともすれば、この世界が仮想空間であることを忘れるほどに。
凛は何故か実体化したまま、私服に着替えて出掛けるように言いつけた。
とりあえず意図がわからないなりに従い、様子を見ることにした。
途中、立ち寄ったコンビニエンスストアで肉まんを購入した凛はそれを半分に割ってセイバーに渡した。

「…凛、サーヴァントは別段食事を摂る必要性はありませんが」
「別に良いじゃない、せっかくの体験なんだから。
ほら、冷めないうちに食べなさい。でなきゃ税金取るわよ?」

相変わらず意図を掴みかねるが拒否する理由も特にない。
物は試しと一口食べて、軽い衝撃に襲われた。
柔らかく、ふかふかの饅頭にジューシーな肉の旨みが五臓六腑に染み渡る。
これがあればあと十年は戦えそうな錯覚さえ覚える。
ついあっという間に平らげてしまったのも無理からぬことだろう。

「ここって何食べても美味しいのよね。
日本人の居住区で同じものは食べたことがあるけど、全然違うわ。
知ってると思うけど、ここって2014年の東京をモデルに作られた街みたいなの。
わたしの世界で日本が健在だったら、こうなってたのかしら」
「………」


18 : 遠坂凛&セイバー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/26(土) 16:00:51 B0hyDyDc0

聞いた話では凛の世界の日本は二十世紀末に発生した災害を機に行政、国家としての機能が破綻したという。
そして日本の人材の多くは西欧財閥に保護・吸収されることになった。
故国が滅びたセイバーにとっても全く無視できる話ではなかった。

「ここには私が求めていた全てがあったわ。
ハーウェイの管理都市みたいな階級区分はなくて、代わりに自由と発展がある。
初等部に通ってる子どもたちも、みんな笑ってたわ。
学園の生徒も、明日どこで何をするか、将来何になりたいか、生き生きした顔で話してた。
もちろんその分だけ暗い部分や、豊かさから来る無責任さとかもあるんだろうけど」
「凛、ですがそれは」
「うん、わかってる。
結局ここはどこかの日本を模倣した仮想空間でしかない。
そこにいちいち感傷を持ったり、ましてこの世界の生活に浸るなんて心の贅肉どころの話じゃないわよね」

凛は苦笑しながら、「でも」と続けた。

「…何かを模倣するには元になった存在が不可欠なのよ。
例えこの世界の全てが作り物だとしても、ここにある街並みや人の笑顔は広いどこかの世界に必ずあった。
わたし達マスターは今からこの街を戦場にするわけだけど、その前に少しでもこの自由と平和の両方がある世界を覚えておきたかった。
わたしがずっと学園に通い続けてたのも、結局はそういうこと」
「躊躇いが生まれましたか?」

セイバーの問いに凛は大きく首を横に振って「まさか」と答えた。
その顔からはもう迷いは消え、勝利を求める意志の強さだけが感じられた。

「聖杯にかける個人的な願いはあまり考えてなかったけど、今なら前よりハッキリしたビジョンが見えるわ。
聖杯の力でこういう世界を子どもたちに見せてあげられるならやる気も出るってものよ。
さ、もうすぐ本戦の始まりよ。改めて、よろしくねセイバー。この戦い、必ず勝ちましょう」
「ええ、元よりそのつもりです」

星が煌めく夜空の下で握手を交わす。
二人は共に、このパートナーとなら戦い抜けることを確信していた。


19 : 遠坂凛&セイバー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/26(土) 16:02:39 B0hyDyDc0
【マスター】 遠坂凛@Fate/Extra

【参加方法】

レジスタンス組織「ハック&クラック」に雇われ聖杯戦争について調査を進めていた。
彼らとの共同研究によって解明されたムーンセルへのログイン方法に従い、ゴフェルの木片をオークションで入手し参加した。つまりは概ね原作通り。

【マスターとしての願い】

西欧財閥に聖杯を渡さない(少なくとも西欧財閥側の人間が参加していると考えている)。

【Weapon】

宝石…凛が自作したソフトウェアを宝石という形に収めたもの。
平行世界の凛と同じように溜めた魔力を解放する使い方も可能。
余談だが作中でこれを用いた彼女のコードキャストはサーヴァントの通常攻撃に匹敵するダメージ数値を叩きだし味方サーヴァントの幸運を低下させる。

ナイフ…スカートの下に巻いたホルダー兼ガーターベルトに収納されているポリカーボネートのナイフで数本ほど収納されている。

ドール…サーヴァントの戦闘力を模倣した人形。
宝具や攻撃スキルは再現できないが上級のサーヴァントでも梃子摺る力を持つ。
セイバーの力を模したドールが作られている。
しかしセイバーの実戦データを取れていないため開始時点ではまだ未完成。

【能力・技能】

数多くのスキルを兼ね備えることから五大属性(アベレージ・ワン)と呼ばれる、凄腕の霊子ハッカー。
特許を申請すれば一財産築けると豪語するほどの様々なプログラムを自作しており、聖杯戦争には違法呪文(ルールブレイカー)の類も持ち込んでいる。
原作で披露したものはアサシン・李書文の透明化を打ち破る三種類の術路やバーサーカー・呂布用の対抗プログラムなど。
またサーヴァントの能力をある程度再現したドールも作成し、遠隔操作している。
サーヴァント攻略にも役立つプログラムを短期間で作成するだけの技能を有していることは確かである。
またレジスタンスとして実戦経験を積んでおり、サーヴァントを指揮する能力も高い。
ちなみに料理はあまり得意ではなく、八極拳も修得していないと思われる。


20 : 遠坂凛&セイバー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/26(土) 16:03:11 B0hyDyDc0
【人物背景】

日本出身の魔術師(ウィザード)で遠坂本家の血統ではなく、かつて遠坂時臣が海外に渡った際の落胤の血統。
物心ついた時からフリーのエンジニアとしてジャンク屋で電脳戦を行っていた。
このため学校へ通う年齢でありながら実際にはろくに通ったことがない。
子供の頃に遠坂本家には何度か行ったことがあり、そのとき出会った気の合う女性から麦藁帽子を貰っている。
元々は国連組織の一員でアジア地域の医療活動に従事するNGO団体でボランティアとしてシステム管理技士のような仕事をしており、貧困にあえぐ国々を飛び回っていた。
国連からも将来を期待されていたがある時中東の武装集団に身を投じ、レジスタンスとして西欧財閥と敵対するようになる。
西欧財閥と戦っている建前はビジネスだが、実際は進歩・進化を行動原理とし、常に前に進み続けることを信条とする凛にとって世界の停滞・安定を望む西欧財閥が敵であるため。
普段は単身で中東や欧州を中心に活動しているため、日本にはあまりゆっくりといたことがない。
そのため、聖杯戦争が終わってハーウェイを打倒したら日本でのんびり暮らすのもいいと思っている。
レジスタンスの歴戦の勇者達にお姫様扱いされていたため、恋愛経験はない。
原作で彼女と契約した槍兵曰く「男っ気がないのは嬢ちゃんのガードが硬いんじゃなく、オヤジどもの目が厳しいんだろうなあ」とのこと。
数々の解放戦に参加したレジスタンスの英雄として知られているが、敵対する西欧財閥からは国際テロリストとして指名手配を受けている。
普段は単独で活動しているが、西欧財閥と敵対するレジスタンス組織と共闘することもある。
平行世界(冬木)の凛と非常によく似た性格で、自分にも他人にも厳しく冷徹であろうとするが、基本的には姉御肌でつい他人の世話を焼いてしまう人の好さも持っている。
容姿も基本的にほぼ同一だが聖杯戦争で使う姿(アバター)は電脳世界用に用意された架空のものであり、現実の彼女の姿は金髪碧眼である。
ただし世界観や人生経験の違いからか平行世界の凛との相違点も少なからずある。
若くして武装集団に身を置いてきたためかややドライで達観した死生観を持っている。
また情報の危機管理などに関してもかなり敏感であることが伺える。
何よりもこちらの凛は機械類に滅法強い。
起源や容姿を同じくしながらも、彼女達はやはり別人であるということがわかる。

【方針】

アサシン、アーチャー、キャスターなどによる闇討ちや物量作戦を警戒する。
これらの敵に対処するため他の参加者との同盟や情報交換、一時共闘も視野に入れる。
セイバーの情報漏洩には一層注意するが、やむを得ない場合は宝具を使用させる。
尚、聖杯戦争に参加した者は自分の意思で、勝ち抜くつもりで参加した者だけと認識している。
もしそうでない者と出会った場合、どう動くかは未知数である。


21 : 遠坂凛&セイバー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/26(土) 16:04:07 B0hyDyDc0
【クラス】 セイバー

【真名】 アルトリア・ペンドラゴン@Fate/stay night

【属性】 秩序・善

【ステータス】
筋力 A 耐久 B 敏捷 B 魔力 A+ 幸運 A+ 宝具EX

【クラス別スキル】
対魔力:A…Aランク以下の魔術を完全に無効化する。
事実上、現代の魔術師では、セイバーに魔術で傷をつけることは出来ない。

騎乗:B…騎乗の才能。
大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。

【保有スキル】
直感:A…戦闘時、つねに自身にとって最適な展開を”感じ取る”能力。
研ぎ澄まされた第六感はもはや未来予知に近い。

魔力放出:A…武器、ないし自身の肉体に魔力を帯びさせる。
瞬間的に放出する事によって、能力を向上させる。

カリスマ:B…軍団を指揮する天性の才能。
カリスマは稀有な才能で、一国の王としてはBランクで十分と言える。



【宝具】

「風王結界(インビジブル・エア)」

ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1〜2 最大捕捉:1個
彼女の剣を覆う、風で出来た第二の鞘。厳密には宝具というより魔術に該当する。
幾重にも重なる空気の層が屈折率を変えることで覆った物を透明化させ、不可視の剣へと変える。
敵は間合いを把握できないため、白兵戦では非常に有効。
ただし、あくまで視覚にうったえる効果であるため、幻覚耐性や「心眼(偽)」などのスキルを持つ相手には効果が薄い。
透明化は副次的な役割であり、その本質は彼女の余りにも有名すぎる剣を隠すためのもの。
風で覆う対象は剣に限らず、オートバイに纏わせて速力をアップさせたり、ビルをも覆う風の防御壁にしたりもしている(必要がなかったためか、透明化までは行われなかった)。
また、纏わせた風を解放することで破壊力を伴った暴風として撃ち出す「風王鉄槌(ストライク・エア)」という技ともなる。
ただし、一度解放すると再び風を集束させるのに多少時間を要するため、連発はできない。


22 : 遠坂凛&セイバー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/26(土) 16:04:40 B0hyDyDc0
「約束された勝利の剣(エクスカリバー)」

ランク:A++ 種別:対城宝具 レンジ:1〜99 最大捕捉:1000人
生前のアーサー王が、一時的に妖精「湖の乙女」から授かった聖剣。
アーサー王の死に際に、ベディヴィエールの手によって湖の乙女へ返還された。
人ではなく星に鍛えられた神造兵装であり、人々の「こうあって欲しい」という願いが地上に蓄えられ、星の内部で結晶・精製された「最強の幻想(ラスト・ファンタズム)」。
聖剣というカテゴリーの中で頂点に位置し、「空想の身でありながら最強」とも称される。
あまりに有名であるため、普段は「風王結界」で覆って隠している。
剣としての威力だけでも、風王結界をまとった状態を80〜90だとしたら、こちらの黄金バージョンのほうは1000ぐらい。
神霊レベルの魔術行使を可能とし、所有者の魔力を光に変換、集束・加速させることで運動量を増大させ、光の断層による「究極の斬撃」として放つ。
攻撃判定があるのは光の斬撃の先端のみだが、その莫大な魔力の斬撃が通り過ぎた後には高熱が発生するため、結果的に光の帯のように見える。
言うならば一点集中型の指向性のエネルギー兵器でその膨大なエネルギーを正しく放つには両手での振り抜きが必要とされる。
威力・攻撃範囲ともに大きい為、第四次聖杯戦争時に切嗣が大型客船を緩衝材として使ったり、第五次でビルの屋上から空へ向けて放ったりと、常に周囲への配慮を必要とする威力に比例して扱いが難しい部分もあるが、出力は多少ならば調整可能であり、抑えた場合宝具の起動まで一秒未満に短縮することも出来る。



「全て遠き理想郷(アヴァロン)」

ランク:EX 種別:結界宝具 防御対象:1人
妖精モルガン(モルガン・ル・フェ)がアーサー王から奪った聖剣の鞘アーサー王の手から奪われた後、コーンウォールから「宝具の現物」として発掘され、現代に復活する。
「不老不死」の効果を有し、持ち主の老化を抑え、呪いを跳ね除け、傷を癒す。
真名解放を行なうと、数百のパーツに分解して使用者の周囲に展開され、この世界では無い「妖精郷」に使用者の身を置かせることであらゆる攻撃・交信をシャットアウトして対象者を守る。
それは防御というより遮断であり、この世界最強の守り。
魔法の域にある宝具で、五つの魔法さえ寄せ付けず、多次元からの交信は六次元まで遮断する。
あらゆる宝具を持っているに等しいギルガメッシュでもこの宝具を使用中の彼女には最高出力のエアを使っても傷を一つ付けることさえ不可能。
セイバーでなくとも所持者に加護を与え、傷を癒し、活力を与えるが、本来の持ち主である彼女から魔力を供給されないと効力は微弱なものとなる。
基本的に、セイバーとの距離が近い程治癒力が高まる傾向が見られる。
彼女が鞘の存在を認識していなくとも、鞘と同化した対象に触れると治癒力が大幅に高まる模様。
瀕死の重傷を即座に完治させることはさすがに出来ないが、治癒を阻害する呪詛による傷であっても自動的に完治させる点は極めて強力である。
原作においてセイバーはこの宝具を紛失したまま聖杯戦争に臨んでいるが、今回は彼女を正規のサーヴァントとして参加させるための調整が行われた。
これによりセイバーは最初からこの宝具を使用可能な他、霊子化が可能になり、鞘の所持により魔力保有量の上限が大幅に増している。


23 : 遠坂凛&セイバー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/26(土) 16:05:27 B0hyDyDc0



【Weapon】
魔術炉心…正確には武器というよりセイバー自身の魔術回路を指す。
竜の因子を持つセイバーは生前呼吸するだけで膨大な魔力を生み出した。
マスターからの供給に依存する聖杯戦争ではサーヴァント化しているためこの機能は大きく制限されている。
それでもマスターから一定以上の供給があれば「魔力を生み出す工場」に喩えられるほどの高い回復力を発揮する。
引き換えに竜殺しの属性を持つ攻撃に弱いという弱点が出来ており、魔術で傷つけられた事など皆無と語る自慢の対魔力も竜殺しの魔術は有効化されている。



【人物背景】
かつてブリテンを治めたアーサー王。選定の剣を引き抜き王となった。
国のために身を捧げるも結局国を護ることができなかった後悔から、自分は王にふさわしい器ではなかったと感じ、新たに王の選定をやり直すために聖杯を求めている。
実は彼女は他の英霊達と違ってまだ死んでおらず、死の寸前で「聖杯を手にすること」を求めて世界と契約し、生きている状態のまま様々な時空間に呼び出されている。
聖杯を手にし、世界との契約が達成された暁には本来の時間に戻り、願いを叶えた後にそのまま死を迎え、はじめて正式に英霊となることになる。
生者である彼女は本来聖杯戦争に参加した際紛失した生前の宝具を使用できない等多くの制約を受けるが今回はムーンセル側の調整によってこれらの制約は全て撤廃されている。
マスター性能の高さもあり、限りなく全盛期のアーサー王伝説に近い実力を発揮できる状態にある。

【サーヴァントの願い】
王の選定をやり直す。

【基本戦術、方針、運用法】
セイバーのセオリー通り、白兵戦で高い実力を発揮する。
また魔力放出スキルの汎用性の高さからどのサーヴァント、どの戦場でも対応できる。
持ち前の直感、幸運、耐久性も手伝い例え不利なフィールドに引き摺り出されようとも高確率で生還するサバイバビリティの高さはまさに最優のサーヴァント。
原作と違い「全て遠き理想郷」を最初から所持しているためこれらの特性に大きく磨きがかかっている。
疑似的な不死性を得たことで格上相手でも粘り強く戦える他、あらゆるバッドステータスから即時に復帰できるようになった。
一方真名と弱点が有名であるため序盤からの宝具解放は極力避けるのが吉。
このため中盤までは生存性の高さを活かして敵の手の内を探り実戦で情報を手に入れることになる。
そして相手の能力を暴き対策を練り気兼ねなく宝具を使える状況を整えればセイバーの独壇場である。
総じて特定の状況に相手を追い込んで一方的に倒すタイプではなく幅広い対応力と咄嗟の機転こそが強み。
セイバーの真価を万遍なく引き出せるかはマスターの采配にかかっている。


24 : 遠坂凛&セイバー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/26(土) 16:06:34 B0hyDyDc0
投下終了です


25 : ◆qB2O9LoFeA :2014/07/26(土) 17:11:32 b5y6F90U0
投下ありがとうございます
それではこちらも登場話を再投下します


26 : 黒魔女さんの聖杯戦争 ◆qB2O9LoFeA :2014/07/26(土) 17:12:51 b5y6F90U0



東京のはずれの小さな街に、5年生の女の子が住んでいました。
ごく普通の女の子は、ごく普通のオカルトマニアで、ごく普通の魔法書を読んで、クラスの友だちに、ごく普通にきみわるがられていました。
ですが、彼女はごく普通の女の子と違うところがありました。一つは、うっかり黒魔女になったこと。もうひとつは、ある人を助けるために聖杯戦争に参加することでした。


27 : ◆qB2O9LoFeA :2014/07/26(土) 17:14:52 b5y6F90U0



「うわっ!寝過ごし*鼹類△譟邸邸*」

チョコこと黒鳥千代子が目覚めたのはもうすぐ6時になろうかという時だった。カーテン越しに射し込んだ朝日に照らされた時計を見て思いの外早起きしてしまった自分を恨めしく思いつつ、あと二時間は寝れるなとすぐさま二度寝に入る。
しかし。

「寝れない‥‥」

なぜな目が冴えている。眠気がやって来るどころかなにか大事なことをやり忘れているような気すらしてくる。頭にかかったもやを払うかのように頭をふり、考えること数十秒。

「‥‥あー、ドリルやらなきゃ。」
ようやくすっきりしはじめた頭で思い出したのは宿題のことだった。これをやらないとまた怒られる。いやいやながらも起き上がり学習机に座って始めようとするが。

「あれっ、どこだっけ?ドリルドリルドリ*鼹顥疋螢襦*」

今度はドリルが見つからない。そもそもどんなドリルかがまず思い出せない。これはまずい。宿題を忘れているのに忘れていたことを忘れているパターンだ。ランドセルにはそれらしいものもないしもしかして学校に忘れたのだろうか。

「ううん、学校には持っていってないし持っていけるわけない。それに松岡先生はあんなガミガミ怒らない‥‥あれ?じゃあ*鼹顗*

じゃあ誰に怒られていたのだろうか。そもそもなぜ学校に持っていってはいけないのか。そんなドリルってどんなドリルなんだ。松岡なんて先生は学校にいただろうか。そんなまともな先生だっただろうか。考えれば考えるほど頭に霧がかかり、そして。

「*鼹類茲掘⊃欧茲Α*」

チョコは考えることをやめた。なんかめんどくさくなってきた。ぶっちゃけ思い出すとろくでもないことになりそうな気もした。元はオタク系だもん、しかたないよ。しかしここで問題が起きる。既に目は冴えてしまっていていかんせん寝つけない。かといってこんな時間に寝ないのもいかがなものか。結果眠くなるまでとりあえず魔法書でも読んでごろごろしてようと思い本棚を見る。だが、そこに肝心の魔法書がない。

「ウソ、なんで!あれ!?」

めっちゃ驚いた。趣味の魔法書が一冊もなくなってるとか地獄少女全巻無くしたのの半分くらいのレベルだ。これにはさすがに焦り魔法書を慌てて探し始めるも、ない。出てくるのは輪島塗の箸に黒いゴスロリとわけのわからないものばかりで。ほんと箸とゴスロリしかなくて。ほんと箸とゴスロリしかなくて。

「*鼹類△叩△修辰*。あー‥‥」


ようやく思い出した、なぜ自分がここにいるのかを。なぜこんな時間に起きてドリルなんかやろうとしてたのかを。

「あたし黒魔女さんだった。」


28 : 27の分を再投下します ◆qB2O9LoFeA :2014/07/26(土) 17:17:25 b5y6F90U0



「うわっ!寝過ごしーーあれ‥‥?」

チョコこと黒鳥千代子が目覚めたのはもうすぐ6時になろうかという時だった。カーテン越しに射し込んだ朝日に照らされた時計を見て思いの外早起きしてしまった自分を恨めしく思いつつ、あと二時間は寝れるなとすぐさま二度寝に入る。
しかし。

「寝れない‥‥」

なぜな目が冴えている。眠気がやって来るどころかなにか大事なことをやり忘れているような気すらしてくる。頭にかかったもやを払うかのように頭をふり、考えること数十秒。

「‥‥あー、ドリルやらなきゃ。」
ようやくすっきりしはじめた頭で思い出したのは宿題のことだった。これをやらないとまた怒られる。いやいやながらも起き上がり学習机に座って始めようとするが。

「あれっ、どこだっけ?ドリルドリルドリーードリル?」

今度はドリルが見つからない。そもそもどんなドリルかがまず思い出せない。これはまずい。宿題を忘れているのに忘れていたことを忘れているパターンだ。ランドセルにはそれらしいものもないしもしかして学校に忘れたのだろうか。

「ううん、学校には持っていってないし持っていけるわけない。それに松岡先生はあんなガミガミ怒らない‥‥あれ?じゃあーー」

じゃあ誰に怒られていたのだろうか。そもそもなぜ学校に持っていってはいけないのか。そんなドリルってどんなドリルなんだ。松岡なんて先生は学校にいただろうか。そんなまともな先生だっただろうか。考えれば考えるほど頭に霧がかかり、そして。

「ーーよし、寝よう。」

チョコは考えることをやめた。なんかめんどくさくなってきた。ぶっちゃけ思い出すとろくでもないことになりそうな気もした。元はオタク系だもん、しかたないよ。しかしここで問題が起きる。既に目は冴えてしまっていていかんせん寝つけない。かといってこんな時間に寝ないのもいかがなものか。結果眠くなるまでとりあえず魔法書でも読んでごろごろしてようと思い本棚を見る。だが、そこに肝心の魔法書がない。

「ウソ、なんで!あれ!?」

めっちゃ驚いた。趣味の魔法書が一冊もなくなってるとか地獄少女全巻無くしたのの半分くらいのレベルだ。これにはさすがに焦り魔法書を慌てて探し始めるも、ない。出てくるのは輪島塗の箸に黒いゴスロリとわけのわからないものばかりで。ほんと箸とゴスロリしかなくて。ほんと箸とゴスロリしかなくて。

「ーーあっ、そっか。あー‥‥」


ようやく思い出した、なぜ自分がここにいるのかを。なぜこんな時間に起きてドリルなんかやろうとしてたのかを。

「あたし黒魔女さんだった。」


29 : ◆qB2O9LoFeA :2014/07/26(土) 17:18:33 b5y6F90U0


チョコはすぐにゴスロリに着替えると紙とペンを取り出す。黒魔女修行の朝練が無くなったのはいいがそれより大変なことが既に起こっている。
聖杯戦争のルールはさっき思い出した。使い魔を呼んで戦うポケモン的なものだったはずだ。負けたら死ぬというのが実に黒魔法らしい。

チョコは書き上げた紙を見る。いわゆるこっくりさんの時に使う紙だが、彼女が黒魔女になったときを思い出しながら書いたのでキューピットさんと呼ぶべきか。

紙を床に置き、手をその上に置く。
サーヴァントを呼び出す呪文は思いつかない。ので、彼女にとって一番思い出深い呪文を使うことにした。

「ギュービッドざん、ギュービッドざん、南の窓がらお入りぐだざい」

唱えたのは始まりの呪文。彼女が黒魔女になることになった、自らの師を呼び出した呪文。

彼女が求めたサーヴァントは自らの師のようなサーヴァント。この聖杯戦争で最も頼りになるイメージを浮かべその呪文を唱える。

そして、光だした紙を直視できなくなり彼女が目をつむったときその声は聞こえた。

「お前が私のマスターか?」

その声は彼女が求めたものとあまりに似ていて。
目を開けたらとき目の前には一人の美女が立っていた。彼女の師と同じように銀髪で、彼女の師とは真反対の白ずくめの服。

薄く微笑んだその姿に思わず見とれていて。


ムニッ。


(なっ!?)
唐突にほっぺたを引っ張られた。

「令呪があるならマスターだな。最初にいっておくが私のステータスは思ったより高くなかったがお前からの魔力供給しだいで変わってくる。それと聖杯戦争についてだがまず最初は動くな。漁夫の利を狙われるのがオチだ。最初は情報を集めるんだ。敵のサーヴァントを見つけたからといって積極的に襲うのはもっての他だ。これだけの数のサーヴァントがいれば自然と徒党を組み始める。あとライダーのクラスには気をつけろ。空を飛べたり対軍宝具を持ってたりしたらマスターを狙われる。」

微笑みからは想像できない真剣な顔でそのサーヴァントはそう言った。サーヴァントは歴史上の英雄らしいから昔そういう人と戦ったこともあるのだろう。



とりあえずドラゴンは恐いって思った。


30 : ◆qB2O9LoFeA :2014/07/26(土) 17:19:36 b5y6F90U0


【東京/2014年7月1日(火)0620】



【マスター】
黒鳥千代子@黒魔女さんが通る!!

【参加方法】
『黒魔女さんのクリスマス』において異端審問にかけられそうになったときに持ってた輪島塗の箸がゴルフェの木片だったっぽい。

【マスターとしての願い】
とりあえず元の世界に帰って異端審問をどうにかしておばあちゃん達を助け出してあとついでに黒魔女やめたい。

【weapon】
杖(輪島塗の箸。)
ゴスロリ(着てると静電気のように溜まった魔力の影響で魔法が使いやすくなる。魔法でいつもキレイ)

【能力・技能】
黒魔女三級程度の魔法は一通り覚えているが使いこなせるかは別。とりあえず人に死の呪いをかける即死呪文はうまく使えない、はず。
また彼女の世界の魔法体系のせいで『時間あたりの供給量は少ないが魔力は実質無尽蔵』というわけのわからないことになっている。供給量の上限を上げることは相当練習しないとムリ。

【人物背景】
第一小学校五年一組。通称チョコ。
黒髪おかっぱで運動神経はもちろん頭も悪い。一人と夜とオカルトが好きというニチアサの主人公には絶対になれないタイプ。
祖母が魔女であったことから黒魔法の才能があり、魔界から派遣されたインストラクターのギュービッドのもとで黒魔女の修行をしているが、いやいややらされているため本人は黒魔女になったらすぐに黒魔女をやめる気でいる。
今回異端審問官のロベに嵌められ異端審問を受けることになり、その最中になんとかしようと考えてたら聖杯戦争に参加していた。

【方針】
負けたくはない。でも傷つけたくもない。
サーヴァントに言われたことをとりあえず守る。
ていうかまずは名前を聞きたい。


31 : ◆qB2O9LoFeA :2014/07/26(土) 17:20:11 b5y6F90U0


【クラス】
セイバー

【真名】
テレサ@クレイモア

【パラメーター】
筋力B+ 耐久B 敏捷B+ 魔力A+ 幸運D
宝具B

【属性】
中立・善

【クラススキル】
対魔力:B
魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。
騎乗:**
セイバークラスにあるまじきことだが、騎乗スキルは存在しない。

【保有スキル】
半人半妖:B
その身に妖魔の血肉を取り入れた者。単独行動:Bに加えて実体化に必要な魔力が他のサーヴァントより少なくて済む効果を持つ。さらに妖魔の成り立ちから、対竜宝具の攻撃により受けるダメージが多少追加される。以下のスキルは全てこのスキルに基づく。
妖力解放:A
魔力を身体強化に注ぎ込み、筋力、耐久、敏捷値を上昇させる。総魔力量の10%以上で瞳の色が金色に、30%以上で顔つきが醜く変貌し、50%以上で身体つきが変化する。 80%を超えると元に戻れなくなり、妖魔として覚醒する。
再生能力:C
魔力を消費し、肉体を復元するスキル。有害な毒素を体外に弾くこともできる。時間をかければ切断された四肢の接続が可能。魔力の消費量に伴い、妖力解放に順じた肉体の変貌が起きる。
気配遮断:D
サーヴァントの気配を絶つ。魔力とその漏洩を極限まで抑える能力。

【宝具】
『妖気探知』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1〜99 最大捕捉:1000
テレサの所持する最もずば抜けた能力が、宝具として昇華された。
テレサを中心とした半径数Km圏内の魔力を感知し、位置と大きさを正確に捕捉できる。強い魔力や同じ探知 の気配なら圏外でも感知する。さらに気配遮断さえ見破ることが可能。
戦闘時には敵の魔力の大きさ、流れを一つ残らず掴み取り、全ての行動、攻撃の軌道を予測する。

『無銘・大剣(クレイモア)』
ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:2〜4 最大捕捉:1
クレイモアはテレサの元居た世界では戦士の象徴、代名詞として扱われているため、宝具として登録され た。
特殊な能力は一切無いが非常に硬度が高く、格上の宝具と打ち合ってもそれが単純な物理攻撃なら、折れる どころか刃毀れ一つ作ることは無い。

【Weapon】
『無銘・大剣(クレイモア)』
テレサの宝具でもある。

【人物背景】
人間に擬態し人を食う妖魔と、それに対抗するべく妖魔の血肉を取り入れて人外の身体能力を手に入れた、 半人半妖の戦士が戦う世界。その世界でテレサは全現役戦士のナンバー1、さらに歴代ナンバー1の中でも最強とまで謳われる存在だった。 力、素速さ、剣技の全てが並の戦士をはるかに上回り、特に相手の妖気を感知する能力が極めて優れ、妖気の流れ、強弱から動きを予測する先読みを得意とし、いかなる相手、人数であっても微笑みを絶やさず敵を殲滅すること、そしてそれ以外に特に目のつく戦い方をしないことから「微笑のテレサ」の異名を持つ。
人間にも同僚の戦士にも何も期待することなく、生き甲斐を感じる訳でもなく淡々と妖魔退治をしていたが、ある依頼で偶然妖魔に連れ回されていたクレアを助けたことで、運命が変わることになる。最初は勝手についてくるクレアを疎ましく思っていたが、クレアの追う理由がテレサがずっと押し殺してきた心の痛みを抱きしめていたいという理由だったことから、互いにかけがえのない存在となる。
その後、クレアが人として幸せをつかむことを願って妖魔を退治した村に預けたが、その村が盗賊に襲わ れ、クレアを助けるため盗賊達を皆殺しにした。その為粛清される所を、逆に他の戦士を斬りクレアのためだけに生きることを決意し、組織を離反して追われる身となった。 追手として選ばれたテレサ以下のナンバー2からナンバー5の四人という当時最強の布陣を妖力解放無しの圧倒的な強さにより返り討ちにしたが、いずれ自分の強さを超えると直感したプリシラの止めを刺さなかっ た情けが仇となり、一人でテレサを殺すため無理な妖力解放をし、限界点を越え後は覚醒を待つのみとなっ たプリシラに自分を殺すよう頼まれ止めを刺そうとした瞬間、逆に両腕を斬り落とされ、首を刎ねられて死 亡した。

【聖杯への願い】
受肉してクレアと暮らす。

【基本戦術、方針、運用法】
予選期間中は本選の準備のために潜伏。
基本は陣地に篭もり情報収集に専念し作戦を立てる。
戦闘以外の部門は魔術師らしいマスターに期待したいがたぶんムリ。
戦闘はセイバーらしく剣による接近戦を主とし戦っていくが、気配遮断のスキルを活用してマスターを狙っていくのもあり。妖力解放もマスターの支援があれば大きな戦力として数えることができる。
徒党を組むことも考慮に*鼹顗*
あと竜種は最大限警戒。


32 : ◆qB2O9LoFeA :2014/07/26(土) 17:21:08 b5y6F90U0
以上で投下終了です


33 : ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/27(日) 06:57:52 qWEE.j/.0
投下乙です
美遊・エーデルフェルト&バーサーカー、再投下します


34 : 美遊・エーデルフェルト&バーサーカー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/27(日) 06:58:43 qWEE.j/.0
夢を見ている。
それは戦いの記憶だ。
私と契約した、話すことも出来ない彼の辿った人生だ。

現代の街並みで未確認生命体と呼称される怪物と戦う彼の姿があった。
今とは違い赤い姿だがベースとなる形状が似通っているので本人と思って良いだろう。
彼は現代出身の英雄なのだろうか。
警察からは四号と呼ばれ警戒されていたが、彼には理解者といえる女性刑事がいた。
戦いが終わった直後に食事に誘うあたり親しい間柄なのかもしれない。
そんな彼に転機が訪れる。

彼と同じような、紫の英雄が現れ未確認生命体を撃破したのだ。
突然現れた自分と同じような存在を彼は当然訝しんだ。
案外初めて私と会った時のイリヤも似たようなことを思ったのかもしれない。

どうやら彼は何者かから真の敵なるものの存在を吹き込まれていたらしく、紫の英雄と衝突した。
単純すぎるような気もするが、多分そういう人柄なのだろう。
とはいえ対立は長くは続かなかった。
女性刑事や紫の英雄(ツカサという名前らしい)と一緒にいた女性の取り成しもあって二人は一応の和解を見せた。

場面は移る。
ツカサと彼の隣にいたナツミという女性は別世界から来たらしい。
しかし私も似たようなものなのでそういうこともあるのかもしれない。
彼らの世界を襲った滅びの現象がこの世界にも発生したのだった。
それにより人間が未確認生命体―――グロンギに変異するガスが世界中に広がろうとしていた。
そして、彼の支えでもあった女性刑事もそのガスを吸い瀕死の重体となった。
彼は少しでも長く女性刑事の傍にいることを選択したようだった。
けれど。

―――ユウスケ…ここで何してるの?

静かに、どこか咎めるような調子で問う彼女に縋るようにして彼は訴えた。

―――俺はあんたに誉めてもらえると嬉しかった。あんたに笑ってもらいたくて戦ってきただけだ…あんたがいなかったら戦えない!

彼の気持ちは私にもよくわかる。
もしイリヤが同じような状態になれば戦えるとは思えない。

場面は続く。
彼女は自分が死ねばグロンギと化すと告げる。
そうなった時、自分を殺せるのかと。
彼、ユウスケはできないと弱音を漏らす。
私にそれを責めることはできない。

―――私の笑顔のために戦って、あんなに強いなら…世界中の人の笑顔のためだったら、あなたはもっと強くなれる……私に見せて、ユウスケ
―――命令かよ…八代刑事
―――えぇ、命令よ

正しいけれど、ずるい言い方だと思う。
好意を寄せている相手からこう言われては否と言えないだろう。
案の定ユウスケは飛び出し、戦場へと向かって行った。
その後は――――――


35 : 美遊・エーデルフェルト&バーサーカー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/27(日) 06:59:19 qWEE.j/.0
「――遊様!美遊様!」

声が聞こえる。
聞きなれたこの声は彼女のものだ。
妙に大きい疲労感を感じながら身体を起こした。

「サファイア……私は大丈夫。
それよりサーヴァントは?」

疲労感の理由は何となくわかっている。
懐のポケットに入れていたサファイアを握り転身して立ち上がる。
予選、「東京」の会場において私に与えられていたのだろうマンションの一室。
殺風景な寝室の隅に黒い怪物じみた人影が立っていた。

「……バーサーカー」

黒い四本角が印象的なサーヴァント。
記憶を取り戻し、彼を召喚した直後に私は魔力不足で倒れてしまったのだ。
やや混乱した記憶を一度整理してみよう。


八枚目のクラスカードとの戦いの直後に現れたエインズワースの者達。
彼女達によって私とサファイアは元の世界へと戻らされた。
そして世界を救う儀式を行うためエインズワースの城に監禁されていた。
そんな折、小さな木片を見つけた。
私にはそれが何らかの聖遺物かそれに近いものだとすぐにわかった。
ダリウスが儀式のために置いていったのだろうか。
それとも別の要因によるものなのか。
気づけば私はそれを手に取っていた。

その直後のことだった。
私はこのムーンセルに招かれNPCの説明を受けた上で参加を承諾し予選に参加していた。

私はこの予選会場で記憶を失いマンションに一人で住み学園の初等部に通っていた。
幸い生きていくために必要なことは一人で出来たのでそれは問題なかった。
違和感に気づけたのは予選の私が「独り」だったからだ。
元々私の周りには聖杯の機能を利用しようとする者か、守ろうとしてくれる人たちのどちらかが必ずいた。
そのどちらもがいないというのは私にとって有り得ないことだった。

そうして記憶を取り戻すと同時に頭に様々な知識が流れ込んできた。
私が参加することになった殺し合い、聖杯戦争のルールが。
戦闘代行者であるサーヴァントとサーヴァントを従える令呪。
その二つがクラスカードに代わる私に与えられた新しい武器だ。

「最後の一組だけが願いを叶えられる。
…だとしたら、私の願いはもう決まっている」

向こうの世界で出会った私の最高の友達。
それに、ルヴィアさんや私に良くしてくれる人達。
彼らともう一度会うためなら、戦える。
人殺しという、許されないことをするのだとしても。

ふと、バーサーカーを見やる。
彼はただ、何も言わずそこに立ち続けている。
私にはそれが、視線で射殺そうとしているように思えた。
今見ていた夢は、彼の生前辿った軌跡の一端だったのだろう。
私が聖杯という特殊な存在だからあんな夢を見たのだろうか。

「……ごめんなさい」

きっと、彼は私を恨んでいるだろう。
夢の中の彼は紛れもなく人々を守る英雄だった。
そんな彼を狂戦士として、殺人兵器として使おうというのだ。
これで怒らないはずはない。

「…それでも私は、大切な人達と生きていたいから。
……行こう、サファイア」

仮初の家を出て、戦いの舞台へと足を踏み出す。
その先にある未来を掴みとるために。


36 : 美遊・エーデルフェルト&バーサーカー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/27(日) 07:00:48 qWEE.j/.0
【東京/2014年7月7日(月)2330】

【マスター】 美遊・エーデルフェルト@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ

【参加方法】

エインズワースの城でゴフェルの木片を拾って参戦。

【マスターとしての願い】

聖杯の力で自分の世界を滅びから救い、自身の命を捧げずイリヤらと共に幸せに生きる。

【Weapon】

カレイドステッキ・マジカルサファイア…宝石翁キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグが製作した特殊魔術礼装、カレイドステッキとそれに宿る人工天然精霊。
カレイドステッキは二本一セットで製作されておりこちらはもう一本のステッキに宿っている精霊、ルビーの妹にあたる。
任務によって宝石翁からルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトに貸し与えられマスターとしたが、遠坂凛との私闘に明け暮れるルヴィアに呆れ、姉と共にマスターを見限った。後に、美遊・エーデルフェルトをマスターとする。
外観的には子供のおもちゃにあるような「魔法少女のステッキ」そのもの。ヘッド部分は六芒星を羽の生えたリングが飾っている。羽のモチーフは蝶。
基本的に無口であり、あまりしゃべらない。口調そのものは丁寧で、誰に対しても「様」をつける。しかし冷静なように見えて意外と感情の起伏が大きい。
また、慇懃無礼な態度の裏の性格は非常に辛辣で、彼女的に見てどうかと思う人物・行為に対しては容赦なく罵倒する。
本来は姉と違ってマスターから簡単に離反するような性格ではないのだが、あまりにルヴィアが任務を無視した傍若無人な振る舞いをしたため、見限ることになった。対し、美遊との関係は良好。
姉と同様、マスターを魔法少女にすることにこだわりがある。
一方能力的には極めて実戦的な性能を持っており、平行世界からの干渉によってマスターへ無限の魔力供給が可能。
また、Aランクの魔術障壁の他、物理保護、治癒促進、身体能力強化といった恩恵を常に与えている。
ただし、供給量・持続時間は無限でも、一度に引き出せる魔力はマスターの魔術回路の性能に依存するため、結局は効率的な魔力運用は欠かせない。
機能の一つに、魔術ではなく「純粋な魔力」を放出するというものがあり、砲弾、散弾、ブレード状に固定、といったバリエーションで駆使する。
ある程度、形・大きさを変えることができるらしく、使用時以外は手で持つステッキ部分を消して、羽の生えた星型の丸いヘッド部分のみの姿となって、美遊の近くにいる。
洗脳電波デバイスを有し、事件の記憶を一般人から(時にはマスターたちからも)消したり、トラブルを起こしたお仕置きにルビーを洗脳したりもする。
現在は制限により自律行動機能は失われている。


37 : 美遊・エーデルフェルト&バーサーカー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/27(日) 07:01:35 qWEE.j/.0
【能力・技能】

勉強、美術、料理、運動、なんでもできる完璧超人。しかし、頭がよすぎて常識にとらわれ、頭の固いところがある。
例えば飛行の魔術に関して、原作中でイリヤは「魔法少女って飛べるもの」という思い込みで簡単に飛べたが、美遊は航空力学・重力・慣性・作用反作用といった知識から「人は飛べない」という物理常識にとらわれて飛べなかった(最終的に、飛行するのではなく魔力で足場を作るという方法に落ち着いた)。
このような、魔術の実践経験を持っていない反面、クロエの能力が投影であることを看破したり、クラスカードの夢幻召喚を一回見ただけで再現するなど、もとから魔術の知識自体は有しているらしいが、それをどこでどのようにして得たのかは明らかではない。
また上述の通りカレイドの魔法少女としての戦闘能力を有するが、バーサーカーへの魔力供給の都合上霊体化または非変身時を除き戦闘にその力を行使することは一切不可能になっている。
この点は例え狂化を抑えて戦わせたとしても変わることはなく、さらにライジングアルティメットへと強化変身させるとステッキを介した供給すらまるで追いつかなくなり、その状態で長く戦闘を続けさせると美遊の生命に危険が及ぶ。

【人物背景】

マスターを見限ったマジカルサファイアと新たに魔法少女契約を結び、カレイドサファイアとなった謎の少女。
サファイアを追いかけてきた元マスター・ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトに拾われる形で、カード回収の任務を代行する見返りにルヴィアと一緒に暮らし始める。
戸籍はルヴィアが捏造したもので、エーデルフェルト姓は名乗っているが上記のように実際の血縁ではない。
その戸籍の上ではルヴィアの義妹ということになっているらしい。
ルヴィア邸ではレディースメイド(侍女)として働き、イリヤと同じ学校に通い出す。
性格はとてもクールで、感情表現に乏しい。
小学校の授業の問題に高等数学を持ち出すなど、自分の能力が一般のものに比べて高いことに無自覚で、一種の世間知らずでもある。
出会った当初のイリヤが、魔法少女をしているのはゲームみたいだから、と語ったことに対し不快感を表したり、戦闘を全て一人で行おうとするなど、その行動原理に強い使命感がある。
それゆえか、基本的に任務外のことに関心が薄い。特に人付き合いにそれは顕著で、学校に通っても友達は作らず、クラスメイトの名前も覚えない。
ただ、拾ってもらったルヴィアに恩義を感じているなど、積極的に関わらないだけで人間嫌いではない。


38 : 美遊・エーデルフェルト&バーサーカー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/27(日) 07:02:07 qWEE.j/.0
当初は同じくカレイドステッキに選ばれた身でありながら「魔法少女に憧れていたから」というあまりに稚拙な理由でカード回収を行うイリヤを仲間と認めず、「あなたは戦わなくていい」と言っていたが、彼女との交流を得てイリヤなりに真剣に戦いに赴いていることを知る。
同時に徐々に仲が縮まり、後にイリヤが死への恐怖から逃げ出した際には、イリヤがもう戦わなくていいように、「あなたは戦わなくていい」と独り戦いに向かう。
同じ言葉でありながら、この時のこの言葉に込められた感情はまったく違うものだった。
そしてバーサーカー戦で決意を新たに魔法少女になったイリヤに救われたことでイリヤを友達と認めるが、それ以降イリヤにべったりになり、「わたしの友達は生涯イリヤだけ。ほかの人なんてどうでもいいでしょ?」とのたまうなど、かなり過剰な親愛の情を抱く(イリヤ曰く「重い」、「友達の解釈が変」)。
ただ、イリヤを通じて彼女の友人たちともそれなりに親しくなり、友達という意識はないまでも仲良くやるようになる。
また、イリヤの義兄である士郎に対して好意を寄せている節がある。
その正体は、平行世界で誕生した「生まれながらに完成された聖杯」。天然もので中身入り、オリジナルに極めて近いという破格の存在。
詳細は不明だが、その世界では美遊を奪い合うために聖杯戦争が作られたとされている。

【方針】

前述の通り美遊自身はバーサーカーを使役しつつ戦うことが出来ないので、バーサーカーを暴れさせる時には必ず自身の退路や隠れ場所を確保しておくのがベター。
また八枚目のクラスカードのような規格外の敵を想定し序盤はバーサーカーの手札を過度に晒さないよう注意する。


39 : 美遊・エーデルフェルト&バーサーカー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/27(日) 07:05:02 qWEE.j/.0
【クラス】 バーサーカー

【真名】 小野寺ユウスケ

【属性】 秩序・狂

【ステータス】

狂化最大時 【筋力】A++ 【耐久】A+ 【敏捷】A+ 【魔力】A+ 【幸運】C+ 【宝具】EX

狂化抑制時 【筋力】A+ 【耐久】A 【敏捷】A 【魔力】A 【幸運】C 【宝具】EX
【クラス別スキル】

狂化:B…理性の代償として能力を強化する。
ランクBは大半の理性を失う代わりにすべての能力値が上昇する。

【保有スキル】

騎乗:−…騎乗の才能。本来ならCランク相当の騎乗能力を持つが狂化により現在は失われている。

超能力無効化:B(A)…対魔力とは似て非なる凄まじき戦士となったクウガ専用の防御スキル。
魔術・超能力系の攻撃スキルで受けるダメージ数値、効果をランクの高低や威力の大小を問わず完全に無効化する。
…のだがこの聖杯戦争ではこの力は制限されておりランクA以上のものはダメージ、効果を軽減するに留まる。
また、当然ながら相手のスキルの発動自体を阻止するような性能はない。

モーフィングパワー:A(EX)…物質操作能力。原子レベルの操作を可能とし、極小規模の願望機に等しい力を持つ。
しかしあまりの強大さ故にこの聖杯戦争ではその力は大幅に制限されている。
この能力から派生したスキルがこの聖杯戦争でクウガが振るえる能力である。
また本来この能力は瞬間移動や金縛り、天候操作など様々な応用を可能とするのだが制限によりこれらは一切使用できなくなっている。
また、クウガは手にした特定の物体を専用の武器に変換する能力を持っているが、宝具にカテゴライズされるものはランクを問わず変換できない。

超自然発火:A…モーフィングパワーから派生したスキルの一つ。
周囲の物質の原子・分子を操ることで物質をプラズマ化し標的を体内から発火させる。
ただし存在自体が神秘の塊であるサーヴァントに対してはデフォルトでダメージ数値が下がる。
また体内を発火させないだけの魔力によっても防ぐことができ、魔力のステータスの高さに応じてさらにダメージは軽減されAランク以上で完全に無効化できる。
また制限によりマスターに向けて使用することは出来なくなっている。
…………もっとも小野寺ユウスケはこの能力を知らないため何らかの切っ掛けがなければ使用することすらできない(思いつかない)だろう。


40 : 美遊・エーデルフェルト&バーサーカー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/27(日) 07:05:39 qWEE.j/.0
千里眼:A…鷹の眼。視力の良さ。遠方の標的の補足、動体視力の向上。
鋭敏過ぎる五感の高さから、視界が遮られ目の及ばないものであろうとも補足することが可能。
また、範囲内にいれば気配遮断及びそれに類する能力を無効化して敵を発見できる。
隠されたもう一つの形態を解放することで更に1ランク上昇する。
しかし狂化しているためこのスキルで得た情報をマスターに言語化して伝えるなど、戦略的な用途には一切使えない。

模倣:D(A)…元々は触れた相手の能力をコピーして使えるようになるスキル。
しかしモーフィングパワーの制限によりこのスキルも大幅に劣化しほぼ別物になっている。
現在は超越感覚を活かして対戦相手の動きや技法を(本能的に)解析、可能な範疇で取り入れる程度の能力になっている。
ただし、制限された現在のクウガの能力で再現不可能な技はどうあっても取り入れることはできない。




【宝具】

「究極の闇を齎す戦士(クウガ)」

ランク:EX 種別:対人宝具(自身)レンジ:− 最大捕捉:1人
――聖なる泉枯れ果てし時 凄まじき戦士雷の如く出で 太陽は闇に葬られん。
古代種族リントが敵対種族グロンギの暴虐に対抗すべく作りだされた、戦士の力。
願いを叶えるとされる神秘の霊石アマダムを内部に格納しており、身に付けたものをクウガへと変身させる。
また、身に付けた者に常軌を逸した再生・回復能力を与える。
グロンギに対抗できる力を与える善性の面の宝具であるが、同時にグロンギと同じ存在になる悪性の面も内封している宝具でもある。
本来装着者である小野寺ユウスケはクウガの様々な形態を使い分けて戦うのだがバーサーカーとして現界した時点でこの多様性は失われアルティメットフォームとライジングアルティメットにしか変身できなくなっている。
アルティメットフォームは通常のクウガが必殺技で発する封印エネルギーを血管状組織によって常時全身から放出しており、あらゆる形態の限界を超える能力を誇るがこの形態になると優しさを失い戦うだけの生物兵器と化してしまう。
肘や脚部の棘は伸縮自在であり敵を切断することが可能、他の形態では口を保護する役割を果たすアーマードマウスも牙が鋭利に変化し噛み付き攻撃を行えるなど全身が凶器となり得る。
両手のハンドコントロールリングからは黒色のライジングタイタンソード、ライジングドラゴンロッド、ライジングペガサスボウガンを素材を用いることなく無から生成可能。
また、「生物兵器としての在り方こそが正常である」という性質故に凄まじき戦士クウガは本来バーサーカークラスに生じる技量低下が一切発生しない。
……が、ユウスケは生前基本形態からいきなり覚醒した伝承があるためか下記のライジングアルティメットを含め初期段階ではその有り余る力を上手く制御できない。
凄まじき戦士としての力を完全に発揮させるにはある程度強豪との戦闘経験を積む必要がある。
余談だが生前ユウスケはキバット族のキバーラに噛み付かれ魔皇力を注入されてこの形態になったことがあるが、この聖杯戦争で彼が変身するアルティメットフォームは狂化による凶暴性の増大による変身であり、厳密には発現のプロセスがやや異なる。


41 : 美遊・エーデルフェルト&バーサーカー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/27(日) 07:06:16 qWEE.j/.0
「究極を超えた究極の戦士(ライジングアルティメット)」

ランク:EX 種別:対人宝具(自身)レンジ:− 最大捕捉:1人
英霊の座にはクウガに変身できる英霊が数人いる。
代表例のうち一人は初代クウガである古代リントの青年リク、一人はこの聖杯戦争に招聘された小野寺ユウスケ、そして別世界のクウガである五代雄介の三人だ。
この宝具は数人いるクウガのうち小野寺ユウスケのみが変身できるアルティメットフォームを超えるスペックを誇る形態である。
かつてユウスケは大神官ビシュムに地の石の力を与えられたことでこの形態に目覚め、後に自力で変身出来るようになったという逸話からどのクラスで現界してもこの宝具を所持している。
この聖杯戦争では凄まじき戦士クウガからの強化変身として扱われ狂化スキル解放時のみこの形態に変身出来る。
幸運を除く全ステータスと千里眼スキルが1ランクアップし新たに掌からエネルギー波を生み出す暗黒掌波動が使用可能になる。
ただしただでさえも凄まじい魔力消費を伴う凄まじき戦士クウガがこの形態になるとさらに燃費は悪化し、カレイドステッキを介した無限の魔力供給を行える美遊でさえ供給が全く追いつかなくなる。
このため美遊の生命の安全を脅かさずにこの形態で戦える時間は十分程度である。

【Weapon】

ライジングタイタンソード…通常のクウガがパワー、防御力に秀でるタイタンフォームに変身した際に「斬るもの」を変換して専用武器として扱う大剣の強化型。
非常に重く、このライジングタイタンソードはタイタンフォームですら振るうことができない。

ライジングドラゴンロッド…通常のクウガが俊敏さや跳躍力に秀でるドラゴンフォームに変身した際に「長きもの」を変換して専用武器として扱う棒の強化型。
通常のドラゴンロッドの先端に金色の矛が追加されている。

ライジングペガサスボウガン…通常のクウガが超常的感覚力を有するペガサスフォームに変身した際「射るもの」を変換して専用武器として扱う不可視の空気弾を発射するボウガンの強化型。
元々のペガサスボウガンは単発式だったがこちらは連射が可能になっている。

アルティメットクウガゴウラム…厳密には武器というよりクウガ自身が自らファイナルフォームライドで変形した姿。
クウガの資格者の中で小野寺ユウスケのみ使用可能であり、変形することで自在に飛行することが可能。


42 : 美遊・エーデルフェルト&バーサーカー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/27(日) 07:06:52 qWEE.j/.0

【人物背景】

仮面ライダーディケイドこと門矢士が旅の途中立ち寄った世界の一つ「クウガの世界」で仮面ライダークウガとして未確認生命体、グロンギと戦う青年。
当初はユウスケをサポートする刑事、八代藍に認めてもらいたいがために戦っていたが、彼女との死別を切っ掛けに「世界中の人を笑顔にする」という願いに目覚める。
復活した究極の闇、ン・ガミオ・ゼダを士と共に倒した後はキバーラの思惑で「キバの世界」へと導かれ、仮面ライダーキバことワタルの親衛隊、そして友人として彼が抱える問題を解決するために尽力した。
「キバの世界」の問題が解決した後は士の旅に興味を持ち、以降旅の仲間の一人として同行することになる。
性格的には純粋で騙されやすいものの、誰にでも親しみやすく、言葉足らずで偽悪的な士の窓口的存在。
相棒である士に対しては特に仲間意識が強く、臆面もなく友達と言ってのける。
士が世界の破壊者としての運命を受け入れ全てのライダーを破壊するディケイド激情態となった時にはクウガアルティメットフォームとなり彼と戦うも一人では死なせないと決意するなど士との絆は非常に固い。
この聖杯戦争でもマスターである美遊の境遇と願いから、彼女の力になるため召喚に応じたが………。

【サーヴァントとしての願い】

ユウスケ自身に聖杯にかける願いはなく、前述の通り純粋にマスターである美遊の手助けをするため、場合によっては殺し合いに乗った彼女を説得するつもりで召喚に応じた。
しかし、美遊が心の奥底で望んでいた「全てを打ち破る力」をムーンセルが聞き届けた結果、バーサーカーのクラスで現界することになった。
これによりユウスケは文字通り戦うためだけの生物兵器として使役されることになる。
尚、ユウスケはバーサーカーの他にライダーの適性も持ち合わせているがバーサーカーと比較すると適性ではやや劣る。
余談だが、もし召喚に応じたのがユウスケと同じ名を持ち彼と似て非なる世界で一年に渡りグロンギと戦い続けた冒険家であればライダーのまま召喚されていたかもしれない。

【基本戦術、方針、運用法】

出来ることは潜在的な部分も含め多いが、基本的にはバーサーカーらしく突撃が基本戦術。
カレイドステッキによる無限の魔力供給によって十全に強大な力を振るえるが、狂化を完全に解放すると僅かにマスターからの供給を消費が上回ってしまうため常に狂化を全開にして暴れさせることはできない。
とはいえ狂化のランクを抑えたとしても並のサーヴァントが相手であればただ拳を振るうだけで容易に蹂躙できるほどのスペックを有していることは間違いない。
しかし、上記の通り最初のうちは身体が力に振り回されるような有様なので相手を見て適宜撤退させることも重要。
また腹部の霊石アマダムは破壊されれば死を免れない、クウガの弱点箇所である。


43 : 美遊・エーデルフェルト&バーサーカー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/27(日) 07:08:23 qWEE.j/.0
投下終了です
再投下に伴いユウスケのステータス設定を一部修正しました


44 : ◆qB2O9LoFeA :2014/07/27(日) 14:04:23 wvuH.k6A0
投下に感謝するとともにルールを明示しておきます


・仮想空間内の内部時間で2014年7月1日から8月31日までの二ヶ月間聖杯戦争を行い、8月中に一組の主従しか存在しなかった場合その組を優勝者として認める。

・7月中は予選期間。参加者はOPの七都市の内の一つに飛ばされ、8月までサーヴァントと共に生き延びられれば本選に出場できる。なお、聖杯戦争の仕様で一時的な記憶障害が起こる可能性があり、その場合サーヴァントを呼び出すことができないため脱落する。


45 : ◆qB2O9LoFeA :2014/07/27(日) 14:08:04 wvuH.k6A0
それと投下します


46 : 黄金に輝く月 ◆qB2O9LoFeA :2014/07/27(日) 14:08:41 wvuH.k6A0



子供達が学校へと行く声。
通学路に響くその元気な声で竜堂ルナは目を覚ました。
こんなに大勢の声が聞こえるなら早くしないと遅刻する、などと考えながら眠い目をこすって寝汗を流そうと洗面所に行く。

「あれ‥‥ここは‥‥」

そこで彼女は、ようやく自分が見覚えのない部屋にいることに気づく。粗末な六畳一間。ろくに家具もないそこは、どこか懐かしくもあるが頭にもやがかかった頭ではうまく考えられない。
ただ、なんとなく大事なこと忘れている気がしてひっかかる。

「‥‥顔洗おう‥‥」

何を忘れたのかは思いだせない。
とても大切で、とても辛いことを忘れている気がする。

だから、思いだそうと思えない。思いだしてはいけない。思いだしたら幸せが逃げてしまう気がしてーーそもそも今の自分が幸せなのかも彼女にはわからなかったが。

顔を洗う間も疑問は尽きない。なにかを忘れている。何か重要なことを、それこそ今までの旅より重要ようなことがあったはず。
そういう記憶が確かにあった。

「!これは‥‥?」

暗い洗面所の鏡にたしかに写った、自分のうなじにある異物を見つけた。その正体を探ろうと*鼹鯎榲槪呂發*思いだしかけていたけど*鼹鬈蠅鮨④个后*
それはチョーカーだった。銀のメダルがうなじの部分にくるように着けられたチョーカー。そしてその下に僅かな盛り上がりと共に違和感がある。
ルナは恐る恐るチョーカーを外した。これを外せばもう忘れていられることはできない。そうなぜかわかったが、でも外さないと欲しかったものに手が届かない気がした。


えいっ!と覚悟を決めてチョーカーを外して。


ギョロ。


うなじにできた目と目があった。


うなじの目を見たからか、それとも別の理由からか、いろいろなことを思いだしていく。星の子学園のこと、第三の目のこと。妖界ナビゲーターのことに解かれた封印のこと。すねりのこともっけのこと、もう会えないと思っていた都和子先生のこと、生き別れていた弟のタイくんのこと。

みんな死んだこと。


47 : 黄金に輝く月 ◆qB2O9LoFeA :2014/07/27(日) 14:09:27 wvuH.k6A0


「みんな待っててね。」

思いだした、なぜ自分がここにいるのかを。
思いだした、自分がここでなにをすべきかを。

兎歩をしながらルナは願う。自らの願いを叶える闘いのその仲間を。

「天蓬」

サーヴァント。伝説の英雄を求める。

「天内」

この闘いを勝ち抜いて聖杯に手を伸ばすための仲間。

「天衝」

どんな願いでも叶える聖杯、悠久の玉のように莫大なその力でーー

「天舗」

すねりを、

「天禽」

もっけを、

「天心」

都和子先生を、

「天柱」

タイくんを、

「天任」

ーーその左掌に熱を感じつつ願うーー

「天英」

ーー生き返らせる。

「導いて。」

円を描くように歩いた畳から光が発し、その局所的な逆光は一人の人影を現す。
肩に背負った大鎌。異形の左手。
光がやんだそこに立っていたのはティーンエイジャーらしき少女だった。光の加減で漆黒にも見える茶髪に同色の目、そして人間ではないことを現す尖った耳。

「問おう。」

ゆっくりと目をあけたその少女が口を開く。その声はしっかりとしていて*鼹鮞狃漚*バーサーカーのクラスと表示されているのはなにかの間違いではないかとも思える。

「お前が私のマスターか?」

その目に見られて、ルナは体が炎に包まれたような感覚を覚えた。だがそれは実際に焼かれたわけではないこともその目からわかった。

バーサーカーから感じるのは怒り。燃え立つような強い憎悪の炎。それが何に対して向けられたかはわからない。だが、その目をした人をルナは知っている。

その人は人間を憎んでいた。身勝手な人間に怒っていた。その人は、ルナの初恋の人で、その人はーー


ふらり、と目眩を感じ自分が予想以上に妖力を消耗していることに気づくと、ルナは最後の力で首にチョーカーを巻いて意識を手放した。



「チッ‥‥」

眼前で倒れたマスターらしき少女にバーサーカー、ヒロは舌打ちする。一応魔力のパスは感じるのだが気絶してから一般人レベルの魔力しか供給されないのだ。自分を召喚したときはサーヴァントクラスの魔力を感じ実際に供給も万全だったのだが。

「召喚で魔力を使い果たしたか‥‥それにしては勢いよく魔力を寄越したな。」

あるいは、首にチョーカーを巻いたのが原因か。
あれを着ける前は髪は金にも見える銀髪で目も赤くともすればサーヴァントにも見えたが、今は髪は茶髪になりただの童女にしか見えない。

(やっぱり、ただの人間じゃないな‥‥魔族か?)

マスターの顔を覗きこみながらバーサーカーは考える。が、起きてから聞けばいいと思い直して周囲の警戒に移った。

バーサーカーにとって必要なのは聖杯を手に入れること。それ以外は全て道具にすぎない。


48 : 黄金に輝く月 ◆qB2O9LoFeA :2014/07/27(日) 14:10:24 wvuH.k6A0



【高知/2014年7月1日(火)0810】



【マスター】
竜堂ルナ@妖界ナビ・ルナ

【参加方法】
夜鳴島での戦闘終了後、みんなを生き返らせようとしていたら木箱とルナの妖界への道を開く力が合わさり参戦。

【マスターとしての願い】
元の世界に帰ってみんなを生き返らせる(家族が欲しい)。

【weapon】
ペンダント
Dランク相当の宝具。
ルナはこれを用いて妖界への道を開き、人間の世界に来た妖怪を妖界へと帰す妖界ナビゲーターである。
破妖剣
Cランク相当の宝具。
この時点のルナは出しかたを知らない(ペンダントから出す)が能力的には出せる。
ルナは剣を使ったことがないのでこれと対になる護神剣と打ち合ったさいあっさりと折られた。
呪符
シングルアクション程度の魔術ならなんとか対抗できる。

【能力・技能】
第三の目
『予言の子』の印で妖怪にとっての聖杯である『悠久の玉』をコントロールするのに必要。うなじにあり、チョーカーを巻いていないと『うず目』が発動してしまう。
うず目
持ち主に超動体視力と超運動能力をもたらす魔眼。妖力が使える証でもある。黒目の部分が赤くなり、うずのような紋様が浮かぶ。
同時にBランクの心眼(偽)相当の能力を得るが動物に警戒されてしまう。
筋力D耐久D+敏捷B魔力C幸運E-
九字
陰陽術。にわかじこみだが本人の妖力の多さでカバーしている。
また、自らの命を分け与えることで死者蘇生も可能であるが現在のルナでは使えない。

【人物背景】
四年二組。通称ルナ。
茶髪ロングの少女で普段は運動神経が悪くケンカすらしたことがないが、うず目になることで妖怪としての力を取り戻す。そのとき髪は銀髪(金色の燐光をまとう)になり超動体視力と超運動能力を使えるようになる。
父が陰陽師、母が妖怪の半妖で、妖界への道を開くことができたりビルの屋上からトランプばらまいて1からキングまで順に空中で移動してキャッチしたりそのスペックはサーヴァントに匹敵する(ただしうず目を使用中は妖力の消耗が大きいので一戦闘しかこなせない)。
その力を使い人間の世界の妖怪を妖界へ送り帰す妖界ナビゲーターを、妖怪のすねり、もっけとともにやっていた。
参加する直前に、児童養護施設で自分に優しくしてくれた都和子先生と謎の少年であるタイが自分の血縁者ということを知るも目の前で彼女の仲間ともども死んでいったため、精神的にかなり不安定。

【方針】
みんなを生き返らせるために聖杯を手にいれる。
そのためには誰かを殺すーー?


49 : ◆qB2O9LoFeA :2014/07/27(日) 14:12:25 wvuH.k6A0


【クラス】
バーサーカー

【真名】
ヒロ@スペクトラルフォースシリーズ

【パラメーター】
筋力D+ 耐久C+ 敏捷D+ 魔力B++ 幸運D 宝具B+

【属性】
中立・狂

【クラススキル】
狂化:E++
通常時は狂化の恩恵を受けない。その代わり、正常な思考力を保つ。
バーサーカーが"人間と魔族は相容れない"と思うたびに、または人間への憎悪を覚えるたびに幸運判定を行い、失敗すると幸運を除くステータスが上昇し、暴走する。
バーサーカーは心の底で人間を信じているため簡単には暴走しないが、自らの大切な人が傷つけられたときはその限りではない。
また一度暴走すれば通常時から狂化の恩恵を受ける。

【保有スキル】
半人半魔:A
人間と魔族、双方の血が混じりし者。
Cランク相当の神性と対神性を兼ねるスキル。
元は軍神であり大魔王である父と高位の魔術師であった母を持つため最高クラスである。
カリスマ:D-(-)
軍団を指揮する天性の才能。団体戦闘において、自軍の能力を向上させる。
統率力はあるものの、理解ある魔族の将を得られない。そのため生前は人間の傭兵を将として用いていた。
カリスマは稀有な才能であり、一軍のリーダーとしては破格の人望であるが、魔王として君臨するには足りない。
軍略:D
一対一の戦闘ではなく、多人数を動員した戦場における戦術的直感力。
自らの対軍宝具の行使や、逆に相手の対軍宝具に対処する場合に有利な補正が与えられる。
破壊工作:A(A+)戦闘を行う前、準備段階で相手の戦力をそぎ落とす才能。
対軍宝具クラスの魔法を打ち込む。
ランクAならば、相手が進軍してくる前に六割近い兵力を戦闘不能に追いこむ事も可能。ただし、このスキルが高ければ高いほど、英雄としての霊格は低下していく。
戦の作法:A
バーサーカーの世界での戦闘方法であり神が定めた理。
全ての対軍宝具と同ランクまでの宝具の効果を受けない。
ただし対人宝具には効果が及ばない。
また敗走するとき無事に逃げ延びやすくもなり、野戦の場合更にその確率が上がる。
精神汚染:D++
精神が錯乱しているため、他の精神干渉系魔術の効果を受けやすくなる。
精神汚染のスキルを持たない人物とも会話は成立するが、特定の話題になると精神汚染の影響が最大で三倍になり、狂化しやすくなる。

【宝具】
『爆炎の申し子』
ランク:B 種別:対人(己)宝具 レンジ:1 最大捕捉:1
大魔王の後継者というバーサーカーの存在が宝具として昇華された。
『魔召・煉獄』『烈火死霊斬』『魔界粧・轟炎』などの魔法により破壊工作のスキルを、また魔王の後継者であることから戦の作法のスキルを手にいれている。
『冥界へ送る死神の大鎌(ゲート・オブ・ヘブン)』
ランク:B+ 種別:対人宝具 レンジ:2〜4 最大捕捉:3
ヒロの姉、死神プラーナから託された大鎌。
真名解放により相手に負わせた傷を冥界へと送る死神の鎌としての真価を発揮する。

【Weapon】
『冥界へ送る死神の大鎌(ゲート・オブ・ヘブン)』
ヒロの宝具でもある。


50 : ◆qB2O9LoFeA :2014/07/27(日) 14:13:03 wvuH.k6A0

【人物背景】
ネバーランドを治める大魔王ジャネスと人間であるマリアとの間に生まれたハーフ。
父である大魔王ジャネスが聖神コリーアの差し向けた勇者シフォンによって暗殺されたことで新たな魔王を宣言、魔王なき世を治めんと群雄割拠するネバーランド大戦に参戦する。
父を人間の勇者に殺されたこともあり人間を憎んでいるが、本心では共存を考えている。しかし人間と魔族の間にある憎悪からそれが不可能であるとも感じている。
また半分人間であるため魔族からの反感も強く、本人の高い能力と人間の傭兵によってかろうじて優勢を保っていた。
今回、元は大魔王の配下だったゴブリン族を支配に置き、人間側の騎士団ローザを壊滅させるも、自らの兄を名乗るジャドウとその配下の魔王軍の攻撃を受けて下野。人間はおろか魔族への憎悪も覚えて参戦。
あと異形の左手を持つ。子供の頃に人間に切り落とされたとき気合いで生やした。

【聖杯への願い】
ネバーランド大戦に勝利し、新たな魔王としてネバーランドを治める(人間と魔族の共存?)

【基本戦術、方針、運用法】
マスターのルナは通常時は一般人だが大きな妖力を持つため、またヒロはバーサーカーにしては燃費が比較的軽いため運用できる。
ルナ本人もうず目になればサーヴァントとも戦えるようになるが、燃費が悪い。しかもバーサーカーが狂化した時はうず目にならないと供給が追いつかなくなるため二重に妖力を使ってしまう。魂喰いは両者NG。
そのため基本的には短期決戦を挑みたいがどちらも直接的な攻め手に欠ける(超スピードしか使い物にならないルナと破壊工作が持ち味のヒロ)。
スキルを生かして団体戦を行ったり乱戦での漁夫の利を狙っていくという魔王らしくない戦い方が堅実か。
追い詰められることが多い二人のため絶体絶命の状況でもなんとか逃げ延び素早く再起を果たすが、だからといって死ににくいだけ。
スキルの戦の作法も対軍宝具は無効化しそれ以外の宝具も大体無効化するが対人宝具には手も足も出ない。


51 : ◆qB2O9LoFeA :2014/07/27(日) 14:14:01 wvuH.k6A0
投下終了です


52 : ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/27(日) 15:19:38 qWEE.j/.0
投下乙です
凛組の本文に時間の描写が抜けておりました
凛組の登場話での時間は【東京/2014年7月29日(火)2230】とさせていただきます


53 : キミを悪夢(ユメ)から覚ます ◆Hh34ItOPEw :2014/07/27(日) 22:31:00 CjJX87260
「願いの都って言う割に、お宝がカード一つってのは、妙な気がしてたけど
   まさかこーんな悪夢見たいな舞“闘”会(パーティ)の片道切符だったとはね」

 聖杯戦争のために用意された高層ビルの一角。その屋上で、笑う少年が一人。

「お宝を盗んだと思ったら、また極上のお宝、それも、多くの魂が求める願いの
 オマケ付き……そんなお宝だらけのパーティに招待されるなんてドロボウ冥利に尽きるよ」

吹きすさぶ風に特徴的なツンと立たせた黒髪と黄色のコートをなびかせた少年は
煌々と輝く夜景を見下ろし、含み笑いを浮かべて饒舌に言葉を奏でる。

殺し合いと言う異常な状況下でも決して彼が揺らぐことはない。
なぜなら此処にいる彼は、ただの盗賊気取りの少年Aではドロボウだから。

だがドロボウはドロボウでも、チンケなコソドロとは訳が違う。

こ の世の全ての宝を盗み続ける事を宿命づけられた全ての盗賊達の王。

輝 く 物 は『星』さ え も 貴 き も の は 命 す ら
     森 羅 万 象 た ち ま ち 盗む 
        王 ド ロ ボ ウ 

       それが彼、ジンなのである。


54 : ◆Hh34ItOPEw :2014/07/27(日) 22:57:43 CjJX87260
すいません誤爆しました


55 : ◆qB2O9LoFeA :2014/07/27(日) 23:59:37 wvuH.k6A0
投下だと思ったら誤爆だったという展開に一抹の寂しさを覚えながらやり場のない怒りと共に投下します


56 : 空の欠片 ◆qB2O9LoFeA :2014/07/28(月) 00:00:01 9lGjU3jQ0



ーーネットのうわさでは、なんでも願いが叶う電脳空間があるそうですーー



彼女の前には六本の道があった。

彼女が求めた道はただ一つ。過去に生きる痛みのない道。

だがしかしああやっぱり。

知ってしまった。彼女は未来に、痛みのある道を知ってしまった。

だから彼女がその道を選んだのは必然。いつしか六叉路は五叉路になり、あたらしくできた大きな道を歩み始める。

(痛みのある方向へ*鼹*)

気がつかないうちに彼女は走り出す。彼女の求めた『未来』に向かって。


57 : 空の欠片 ◆qB2O9LoFeA :2014/07/28(月) 00:00:45 9lGjU3jQ0



朝起きて服を着替える。

朝食を取りながら女の子らしくない服と祖母に言われ、それに答えず口へパンを押し込むと学校へ行く。

十分ほど歩いて校門をくぐり校舎へ。クラスに入るとこちらに気づいて挨拶してくる手下に答えず、彼女の目線は同じ名前を持つ同級生へ。

(縺霎繧蜷コ‥‥)

ぐらり、と体が揺れ、目眩を覚える。手下が心配するように声をかけてきても雑音としか思えない。
ここ数日、なぜかその同級生を見ると立ちくらみのような症状に襲われる。そしてそのたびに、なにか、なにか大事なことを忘れている、そう考えてしまう。

(アイツは‥‥いや、私は‥‥)

考えがまとまらなくなり頭を不快感が満たす。
ダメだ。アイツのことを思い出すな。離れないと。
そう言葉にもせず思い椅子を蹴り飛ばすように走り出す。

(なんで‥‥なんで‥‥私は手下なんか‥‥)

そもそもどうして私は手下なんかもっているのだろうか。そもそもどうして私はあんな男共とつるんでいるのだろうかそもそもどうして私はアイツを憎んでるんだろうか。

(私は‥‥どうして‥‥どうして‥‥)

自問自答は終わらず走る足も止まらない。無意識の内に一人になれる場所を欲したのか気がつけば屋上に出ていたがだからといって疑問の嵐は頭から離れず、むしろその勢いを増していく。

どうして私はこんな街にいるのだろうどうして私は男の子みたいな服を着ているのだろうどうして私はおばあちゃんと暮らしているのだろうどうして私はおとうさんもおかあさんもいないんだろうどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして*鼹*


ーーどうしておにいちゃんがいないんだろう?

「ーーハハッ。」
そして荒い息からこぼれたのは、哄笑。彼女の頭から疑問の嵐は去り、今は『未来』という太陽が顔を出す。
「待ってて、お兄ちゃん。」
あまりの喜びに涙がでて視界がぼやける。手の甲に幾何学的な模様の痣ーー令呪が熱をもって浮かぶがその喜びを止めることなどできはしない。

何故なら彼女は、今ここがどのような、なんのための場か『思い出した』のだから。

その令呪を宿した手を掲げて彼女は屋上の床を見る。イマーゴによって幾何学模様が浮かびやがて10メートル四方の大きさになったそれはにわかに光はじめ、それを彼女は笑みを浮かべて見る。

「来なさい、私のペット。」

呟くとともに模様は爆発したかのような光を放ち。


「 ーーずいぶんと小さなマスターに呼ばれたみたいだ。」


その中心には学生服を着た白髪の男が立っていた。

(ステータスは問題なーーキャスター?このステータスで?)
その男を見て彼女は勝利を確信する。ステータスだけなら三騎士にもひけをとらない。どうやらかなりの『アタリ』のようだ。

「さて、一応聞いておこう。君が僕のマスターかい?」

白髪の男はにこやかに笑いかけながら聞いてくる。十人の女性が見れば十人が振り返るであろう美貌だが、彼女には通じない。何より声が気にくわない。
「そのとうりよ、キャスター。名前は?」
ノーリアクションで答えられたことにどこか気落ちしたところをキャスターは見せる。知ったことではない。

「フラれたな‥‥僕の名前は兵部京介、エスパーさ。マスター、君の名は?」

兵部京介。あまり伝説や神話に彼女は詳しくないが、それでもサーヴァントとして呼ばれるレベルの日本人ならわかる。だが、その男の名は聞いたこともない。これは聖杯戦争においてプラスになるのかはたまたマイナスになるのか。
既にこのプログラムの算段を計算しながら彼女は答えた。



「天沢勇子。」


58 : 空の欠片 ◆qB2O9LoFeA :2014/07/28(月) 00:01:33 9lGjU3jQ0



【名古屋/2014年7月9日(水)0802】

【マスター】
天沢勇子@電脳コイル

【参加方法】
集合無意識を電脳空間化した『あっちの世界』 で聖杯につながるルートを発見した。

【マスターとしての願い】
お兄ちゃん(天沢信彦)を生き返らせる。

【weapon】
電脳メガネ(ムーンセル内のため本来は不要)、イリーガル

【能力・技能】
ショートカット(空間設計のミスを利用したデータ転送を用いたワープ。ムーンセル内のため本人そのものをワープさせることもできるだろうがそもそもムーンセルはそのようなミスを行わないので実質使えない)、
暗号炉(本来は電脳メガネを介して使うプログラムをイマーゴとムーンセルに再現されたデータということが相まって魔術師のごとく様々なプログラムを行える)、
暗号路(暗号炉とほぼ一緒。こちらは体に走る幾何学模様で暴走させると爆発することもできるらしいが本人は結局爆発しなかったので真偽不明)、
暗号(結界や探索、足止め用の罠など。自立行動することはなく本来は電脳チョークによって書かなければならないがイマーゴと直結したため考えただけで使える。これを発展させたメタタグの存在を考えると銃やミサイルや防壁や釣竿にもできる。ようするにクラッキングやコンピュータウイルス。)
イマーゴの直結により暗号を使うさい一工程分省略できる(キーボードを打つ、電脳チョークで暗号を書くといった工程を省くため)。

【人物背景】
大黒市立第三小学校六年三組。通称イサコ。
黒髪ツインテールで運動神経はいいほう。人を寄せ付けない冷たさをもち、利己的で単独行動を好む。
暁美ほむらからミステリアスさを多少引いた感じか。
五年前の交通事故で植物状態になったと思っていた兄が既に死亡していたことを知らされ、その意識が電脳体として残っている『あっちの世界』という電脳空間で二人で暮らすべく赴くも兄を取り戻すべく聖杯戦争に参加する道を選ぶ。
体内にキラバグを取り込み、またイマーゴと直結している影響で彼女の電脳体は一部にバグが起こりそれは痛みとして彼女に認識される。イマーゴを用いた暗号を使うたびに侵食が進むため、電脳体が戦うムーンセルでは彼女そのものがバグとなりえる。
またお兄ちゃん子で、もう一人の主人公である小此木優子(ヤサコ)とは兄を奪い合った仲だが、二人とも覚えていない。本当ならあと二話後ぐらいに思い出してた。

【方針】
なんとしてでも優勝。
『本物』のお兄ちゃんに会うために物語序盤レベルの熱心さと苛烈さで積極的に打って出ようと思っているが、協力者の不在や不馴れなムーンセルであること、サーヴァントがキャスターであることを考えまずは情報収集と暗号作成。
サーヴァント同士の戦いには介入が厳しいので本人が持ち込んだ暗号で積極的にマスターを狙っていく予定。


59 : 空の欠片 ◆qB2O9LoFeA :2014/07/28(月) 00:02:20 9lGjU3jQ0


【クラス】
キャスター

【真名】
兵部京介@絶対可憐チルドレン The unlimited 兵部京介

【パラメーター】
筋力C 耐久C 敏捷A++ 魔力A 幸運D 宝具B

【属性】
中立・中庸

【クラススキル】
陣地作成A
「魔術師」のクラス特性。魔術師として自らに有利な陣地な陣地「工房」を作成可能。キャスターの場合最大で小国一つに催眠をかけることができる。
道具作成C
「魔術師」のクラス特性。魔力を帯びた器具を作成可能。
キャスターの場合、正確には催眠で本物の同様の効果を持たせている。

【保有スキル】
サイコキノA+
武器・自身の肉体に念動力を帯びさせ、瞬間的に放出する事によって能力を向上させるスキル。いわば念動力によるジェット噴射。絶大な能力向上を得られる反面、キャスターに架かる負担は通常の比ではないため、間接的に燃費が悪くなる。
テレパシーA
他人の思考の読み取りや自分の思考を送る精神干渉系のスキル。
同ランクの心眼(偽)に相当。
ヒュプノA
威圧・混乱・幻惑などをもたらす精神干渉系のスキル。擬似的な投影や強化をも可能にする。
テレポーテーションA
瞬間的な転移を可能にするスキル。キャスターはこのスキルを使用することで大幅に敏捷を上げることができる。
生体コントロールA-
触れた生体に対して干渉するスキル。病気や怪我の治療や心臓の停止なども行える。キャスターはこのスキルで若さと戦闘力を保っているが既に限界を越えているため長時間の戦闘は致命的な結果をもたらす。

【宝具】
『全ての力はこの手の中に(The Unlimited)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:1
学生服の左の襟にあるエンブレム型のリミッターを反転させることで使用可能。
筋力・耐久・敏捷を1ランク上げ幸運を1ランク下げる。また真名解放せずとも固有スキルの上昇に一役買っている。
一種のバーサーカー化であり、使用し続ければ自力では戻れず、霊核の損耗により自壊する。
本来のキャスターのスペックを取り戻しているのだが強すぎる力に自らの体が耐えられないためあまり使いたがらない(子供が絡むと別)。
またこの状態になると本来再現されなかった大日本帝国陸軍特務超能部隊の隊員達の超能力も使用できるようになる。

【Weapon】
『サイコキノ』
全ての物理的な攻撃にサイコキノを利用することができる。

【人物背景】
エスパー革命組織P.A.N.D.O.R.A.の首領で、多数の超能力を持つ強力なエスパー。
齢80を越えているが、超能力でテロメアをコントロールし若い肉体を保っている。
念動・精神感応・瞬間移動・催眠・生体コントロールといった多くの能力を持ち、リミッターを外せば他を寄せ付けない真価を発揮する。
元は軍人で、大日本帝国陸軍特務超能部隊として能力の訓練及び強化を受けているとともに、目の前で死んでいった戦友の能力をテレパシーによって受信し、自らのものとしている。
額に銃撃を受けたショックで能力が常時暴走状態となっており、受信した複数の能力を覚醒させるとともに、超能力の念波周波数をある程度コン トロールできるようになっている。
普段は飄々・策士然としているが、 その実、大人気なく短気で見た目の年齢相応。また冷酷で残忍な 一面も持ち合わせており、気に入らない者は自分と同じエスパーであろうとも平然と殺害する。
センスや嗜好は実年齢相応だがキャラとしてやっている面も。
ロリコンは公然の秘密だ。

【聖杯への願い】
女の子に呼ばれたから来た。
せっかくなので聖杯の入手もやぶさかではないが子供を傷つけるような展開はいただけない。
それ以外なら容赦する必要なし。

【基本戦術、方針、運用法】
近・中・遠どの間合いでも戦えアサシンのような暗殺もバーサーカーのような超火力戦闘もこなせる。
もちろんキャスターとしての戦闘もできるが本人の気質もあり神秘の秘匿には乗り気ではない。むしろ積極的にマスコミを利用しようとすることも。またマスターともどもITには強い。
今回はマスターがマスターなのでけっこう言うことは聞くが子供を傷つけるのはお断り(戦わないとは言っていない)。


60 : ◆qB2O9LoFeA :2014/07/28(月) 00:03:50 9lGjU3jQ0
投下終了です


61 : 名無しさん :2014/07/28(月) 08:35:04 dAPgHi5o0
イレギュラークラスは可ですか?
ファニーヴァンプ、アベンジャー、ビースト、ハードル高いけどセイヴァーも


62 : ◆qB2O9LoFeA :2014/07/28(月) 12:42:36 OD4cNJFk0
イレギュラークラスはなしの方向で考えていましたが、よくよく考えたらある意味サーヴァントと言えなくもない上級AI達やおもいっきりエクストラクラスのルーラーがいるので『あり』にします。

なお、この際以下の三つの条件を満たしたとき呼び出せます。


・同じエクストラクラスのサーヴァントが召喚されていない(上級AIやルーラーが対策します)

・そのエクストラクラスが他のクラスよりも明らかにふさわしい(うっかりすると勝手にバーサーカーで召喚されます)

・マスターにエクストラクラスでサーヴァントを呼び出す要素がある(あくまでバグ、チート技で呼び出すので、特殊な詠唱や出自、触媒や体質が必要です)


以上の三点を守ってもらえれば捏造クラスだろうとOKです。

ただし、セイヴァーのみ禁止とさせて頂きます。


63 : ◆qB2O9LoFeA :2014/07/28(月) 12:45:20 OD4cNJFk0
要約すると



『エクストラクラスで被るな』



です。

あとはざっくりいけばいいと思います。


64 : 名無しさん :2014/07/28(月) 14:42:18 d76n09Co0
>>62,63
返信ありがとうございます。


65 : ◆qB2O9LoFeA :2014/07/29(火) 02:51:29 yrXAq1Q.0
投下の前に追加ルールも明示しておきます



・仮想空間内の内部時間で2014年7月1日から8月31日までの二ヶ月間聖杯戦争を行い、『8月中に一組の主従しか存在しなかった場合』その組を優勝者として認める。

・7月中は予選期間。参加者はOPの七都市の内の一つに飛ばされ、『8月までサーヴァントと共に生き延びられれば』本選に出場できる。なお、聖杯戦争の仕様で一時的な『記憶障害』が起こる可能性があり、その場合サーヴァントを呼び出すことができないため脱落する。

・エクストラクラスのサーヴァントを召喚するためには、『召喚時までに同じエクストラクラスのサーヴァントが召喚されておらず』、『そのエクストラクラスが他のクラスよりも明らかにふさわしく』、なおかつ『マスターにエクストラクラスでサーヴァントを呼び出す要素』がなくてはならない。


66 : Runaway ◆qB2O9LoFeA :2014/07/29(火) 03:14:23 yrXAq1Q.0



『方舟』内の会場の一つである『福岡』は現実にあるかのように造られたデータであるが、だからこそ現実の街のように様々な職業の人間が存在している。例で挙げるとするならば学校のような場所は学校関係者以外にも往々にして様々な人間の出入がある。


マイケル・スコフィールドはその日建築会社の社員として学校を訪れていた。高級スーツに身を包んだ青い目の外人は奇異に映るのだろう。生徒達が興味深そうに話している声が聞こえたが、彼の目はそちらへは向かわず学校の設計を観察していた。


ーーある日、ある建築会社にその学校から相談があった。なんでもここ最近市全域で不審者の目撃情報が増えているという。対策として監視カメラを増設しようということになり、その打ち合わせに訪れたのが彼、マイケルであるーー


校舎をしばらく観察していたマイケルはややあって職員室へと向かった。
出迎えた教師への挨拶もそこそこに実際に工事の現場へと案内するよう促す。あまり時間をかけるわけにはいかない。既にここは聖杯戦争の戦場である。

「まずは配線を確認してみたいのですが、よろしいでしょうか?」
そうハリウッドスター顔負けの彼に見つめられて、その女性教師は直ぐに用務員を呼びいった。

その背を見送りながらマイケルは「やれるか、アーチャー。」と呟く。
「勿論デスマスター。」と答えながら、まるでそこに始めからいたかのようにサングラスの男が現れた。

白髪混じりの顔にサングラス、そしてコート。
マイケルのサーヴァントであるアーチャーである。

「ココナラ私ノ宝具ヲ効果的ニ使エマス。他ノマスターヲ殺スノハ簡単デス。」
「頼むぞ。」
そう短くマイケルは答えるとアーチャーを霊体化させる。そして用務員を連れて戻ってきた教師ににこやかに応対すると借りた道具で配線を調べ始めた。


当然だが、マイケルの目的は工事をすることではない。
彼が欲しかったのは配線に触れるチャンスだ。
アーチャーの宝具は監視カメラやレーダーなどを用いたときに効果を発揮する。そのためには回線のジャックやキャスタークラスのサーヴァントのサポートが欠かせない。
幸い、彼の現在の職業は建築会社の社員ーー記憶が戻ったとき皮肉かと思ったーー。他の業種に比べればいくらかはチャンスに恵まれていた。

「なんとかするしかないか‥‥いや。」
顔を曇らせながらマイケルはため息を吐く。監視カメラの映像をジャックできないかと考えていたが、予想以上に困難であった。今のままではアーチャーのサポートも情報収集ーー特に欲しいのは陣地作成のスキルを持ったキャスターーーも行えないだろう。
だが、おあつらえむけに彼の会社に監視カメラの工事を発注しようと学園はしている。工事のためといってうまく仕込めばカメラに細工することは可能かもしれない。

そのためにもまずは工事を受注すべく交渉を行わなければならない。
聖杯戦争中に営業マンとして働くことになるとは思わなかったが聖杯への回り道だと考えて、道具を用務員に返すと職員室へ向かう。

(アーチャーとなら逃げるだけなら問題ない)
歩きながらマイケルは考える。この聖杯戦争をどうすれば勝ち残れるかを。

彼のサーヴァントーーワイルド・ドックと。


67 : ◆qB2O9LoFeA :2014/07/29(火) 03:17:30 yrXAq1Q.0



【博多/2014年7月10日(木)0239】


【マスター】
マイケル・スコフィールド@PRISON BREAKシリーズ

【参加方法】
SEASON2終了時の桟橋がゴフェルの木片でできていた。

【マスターとしての願い】
リンカーンとプエルトリコに移住。
過去も変えれるならそもそも事件を起こらなかったことにしたい。

【weapon】
なし。

【能力・技能】
・上半身の刺青。
フォックスリバー刑務所から脱獄するために使った。
・逃走術
瞬発力と持久力はどちらも一級品。
・潜在制止の機能障害
頭に入る情報を制限できない。
知能が低い場合は注意力の散漫やストレスから精神の障害を引き起こすが、IQ200を越えるマイケルは情報を処理しきることでひらめきや逆転の一手を思いつくことができる。
ただし、脳を酷使する。

【人物背景】
PRISON BREAKシリーズの主人公。
何者かの陰謀によってアメリカ副大統領の弟を暗殺した容疑で逮捕され、死刑判決を受けたリンカーン・バローズの弟。
兄リンカーンの無実を信じ、死刑執行から救い出す為に自ら武装強盗を起こしフォックスリバー刑務所へ収監。そこで兄弟と他の受刑者と共に脱獄するも、いろいろあって別の刑務所に入れられる。
本当はそのあともまた脱獄したり巨悪と戦ったりヒロインを脱獄させようとしたりするが今回は二度目の収監の前からの参戦。

【方針】
もちろん優勝狙いだが、アーチャーはいまいち頼りないので予選期間中に仲間が欲しい。
今は学校の監視カメラを利用して情報収集とアーチャーを支援するためにしばらく会社員として働く。他のサーヴァントの影を見たら直ぐに逃げて潜伏。

※令呪は刺青に紛れてますが色合いが違うのでバレます。


68 : 訂正します ◆qB2O9LoFeA :2014/07/29(火) 03:18:11 yrXAq1Q.0



【博多/2014年7月10日(木)1519】


【マスター】
マイケル・スコフィールド@PRISON BREAKシリーズ

【参加方法】
SEASON2終了時の桟橋がゴフェルの木片でできていた。

【マスターとしての願い】
リンカーンとプエルトリコに移住。
過去も変えれるならそもそも事件を起こらなかったことにしたい。

【weapon】
なし。

【能力・技能】
・上半身の刺青。
フォックスリバー刑務所から脱獄するために使った。
・逃走術
瞬発力と持久力はどちらも一級品。
・潜在制止の機能障害
頭に入る情報を制限できない。
知能が低い場合は注意力の散漫やストレスから精神の障害を引き起こすが、IQ200を越えるマイケルは情報を処理しきることでひらめきや逆転の一手を思いつくことができる。
ただし、脳を酷使する。

【人物背景】
PRISON BREAKシリーズの主人公。
何者かの陰謀によってアメリカ副大統領の弟を暗殺した容疑で逮捕され、死刑判決を受けたリンカーン・バローズの弟。
兄リンカーンの無実を信じ、死刑執行から救い出す為に自ら武装強盗を起こしフォックスリバー刑務所へ収監。そこで兄弟と他の受刑者と共に脱獄するも、いろいろあって別の刑務所に入れられる。
本当はそのあともまた脱獄したり巨悪と戦ったりヒロインを脱獄させようとしたりするが今回は二度目の収監の前からの参戦。

【方針】
もちろん優勝狙いだが、アーチャーはいまいち頼りないので予選期間中に仲間が欲しい。
今は学校の監視カメラを利用して情報収集とアーチャーを支援するためにしばらく会社員として働く。他のサーヴァントの影を見たら直ぐに逃げて潜伏。

※令呪は刺青に紛れてますが色合いが違うのでバレます。


69 : Runaway ◆qB2O9LoFeA :2014/07/29(火) 03:19:05 yrXAq1Q.0


【クラス】
アーチャー

【真名】
ワイルド・ドック@TIME CRISISシリーズ

【パラメーター】
筋力C 耐久C+ 敏捷D 魔力E 幸運D+
宝具E

【属性】
混沌・悪

【クラススキル】
対魔力:E
無効化はできない。ダメージ数値を多少軽減する。
単独行動:E(A)
マスター不在・魔力供給なしでも長 時間現界していられる能力。
マスターがいる場合はEランク相当だが、マスターがいない場合Aランクになり1週間は現界が可能。

【保有スキル】
爆破:A
戦闘から離脱する能力。
マスターが死亡している場合のみ効果があり、逃走できる可能性が圧倒的に上がる。
戦闘続行:C
往生際が悪い。
重傷を追っても戦闘を可能とし、致命傷を受けない限り生き延びる。
自己改造:E
自信の肉体に、全く別の肉体を付属・融合させる適性。
このランクが上がればあがるほど、正純の英霊から遠ざかっていく。
アーチャーは左手の義手に限り機械的に改造することが可能。火炎放射器とかトラクタービームとか。

【宝具】
『野犬、見果てぬ野望(タイム・クライシス)』
ランク:E- 種別:対人宝具 レンジ:1〜49 最大捕捉:2
自身の名を冠した武装集団『ワイルド・ドック』を召喚する。
呼び出せるのは以下のとおり。
『通常兵』ピストル装備。最大100名。
『エリート兵』ピストル装備。最大25名。
『近接兵』鈍器装備。最大50名。
『ナイフ兵』ナイフ装備。最大50名。
『手榴弾兵』手榴弾装備。最大50名。
『マシンガン兵』マシンガン装備。最大30名。
『バズーカ兵』バズーカ装備。最大30名
『盾兵』盾装備。最大20名。
『忍者兵』忍者ブレード装備。最大10名。
『コピー兵』発動時のワイルド・ドックの装備と同じ。5名。
召喚する『ワイルド・ドック』の種類は組み合わせることができる(『通常兵』80名+『エリート兵』5名など)。
召喚した『ワイルド・ドック』はあらかじめ決められた行動しかとれず、また神秘がないため霊体化ができずサーヴァントを傷つけることもできない。
なお、通常時は隠れているマスターを相手にして一分あれば殺害できるようなフォーメーションになっている。
マスター相手なら五回攻撃を決めることができればまず殺せる。

【Weapon】
『無銘・ガトリング』
左手の義手から7.62mm弾をばら蒔く。リロードの必要はない。
『無銘・モーゼルC96』
いわゆる拳銃。異様な連射性を誇る。本当に拳銃なんだろうか。
他に手榴弾など。

【人物背景】
TIME CRISISシリーズのボスキャラで武装集団『ワイルド・ドック』のボス。
20世紀末からクーデターやらテロやらいろいろ暗躍するがその度に雇い主が死ぬ。
別な裏切ったわけでもなくけっこう忠誠もあるほうだが、死ぬ。

【聖杯への願い】
世界征服?

【基本戦術、方針、運用法】
宝具と共に相手マスターを狙う。
監視カメラなどで相手マスターの位置を確認して数で攻め立てるのがセオリー。
問題は相手サーヴァントだが、ワイルド・ドックのガトリングで弾幕を張って牽制するのがやっと。
基本的にはキャスタークラスと組んで防衛戦に撤したい。
また、武器や乗り物を調達すれば『ワイルド・ドック』の戦力が向上する。
‥‥もっとも彼のマスターになった次点でほぼ敗北は運命づけられている。しかも本人は逃げ延びるし。


70 : ◆qB2O9LoFeA :2014/07/29(火) 03:19:56 yrXAq1Q.0
以上で投下終了です
間が空いてすいませんでした


71 : ◆qB2O9LoFeA :2014/07/29(火) 23:59:09 1XxmGXDg0
投下の前に本日の追加ルールも発表します



・仮想空間内の内部時間で2014年7月1日から8月31日までの二ヶ月間聖杯戦争を行い、『8月中に一組の主従しか存在しなかった場合』その組を優勝者として認める。

・7月中は予選期間。参加者はOPの七都市の内の一つに飛ばされ、『8月までサーヴァントと共に生き延びられれば』本選に出場できる。なお、聖杯戦争の仕様で一時的な『記憶障害』が起こる可能性があり、その場合サーヴァントを呼び出すことができないため脱落する。

・エクストラクラスのサーヴァントを召喚するためには、『召喚時までに同じエクストラクラスのサーヴァントが召喚されておらず』、『そのエクストラクラスが他のクラスよりも明らかにふさわしく』、なおかつ『マスターにエクストラクラスでサーヴァントを呼び出す要素』がなくてはならない。

・登場話の投下は7月いっぱいとする。


72 : 足立区ぶっちぎりヴァンパイアーズ ◆qB2O9LoFeA :2014/07/30(水) 00:09:55 bG9TqtIY0



深夜の都内某校を一人の青年が走っていた。当然生徒は下校した後であり校舎は無人と化している。人がいないことを確認し終えた青年は一つの空き教室に入って息を吐いた。

肉付きの良い青年の左手の甲、そこには赤々とした令呪が宿っていた。
記憶を取り戻すと共に宿ったそれはマスターの証しであるが、彼はまだマスターではなかった。マスターはサーヴァントを召喚して初めて聖杯へと挑むことができる。いまだサーヴァントを持たない彼は、この教室で召喚に望むのだ。

机をどかせある程度のスペースを作ると青年は召喚を始める。自分の武器となる強いサーヴァント、できればアーチャーを引きあてようと一心に願う。

「こんばんわー。」
魔力の高まりを感じると同時に若い女の声がした。見れば目の前には、マスケット銃らしきものを持ち、スーツに身を包んだ眼鏡の女がいる。どうやら召喚に、それも狙い道理のアーチャーのクラスを呼び出すことに成功したようだ。

「いやー、大変ですよねぇ、聖杯戦争。記憶を取り戻さないとNPCのまま死んでいくって怖いですよねー。」
饒舌に話しかけてくる目の前のサーヴァントにとっさに言葉を返すことができず、青年はマトリクスを開示させる。ステータスはCDCCEと低めだが一通り戦えるスペックだ。だが、クラスが表示されない。
疑問に思った青年が声を出そうとするも、出ない。

「*鼹類世*ら、記憶を取り戻せてから死ねるとかありがたいと思えよ。」
そう言うサーヴァントの声を体を折りながら聞いて、青年は当て身を喰らったとおぼろげながらに自覚しつつ気絶した。



「ふーりーかーざすおうごんのかがやきー」
足立区、北千住。
飲食店や居酒屋などが入る雑居ビルが並ぶなか、そのカラオケ店はあった。
熱唱しているのは金髪の肥満体の男性。ノリノリでアニソンを歌う姿は日本好きの外国人というイメージにピッタリである。
そしてその男性を困ったように見つめてため息を吐く幼女。その手にはここが聖杯戦争の会場であることの証明でもある令呪があった。

その幼女、希里ありすが記憶を取り戻したのは学校で次々と失踪する児童が出たからである。
ほぼ毎日のように誰かしらがいなくなったり、校内で不思議な光が輝いたり、時には刃物を持った不審者が現れたと思ったら幽霊のように消えたり。
さらにはどこかのクラスの担任が失踪することもあった。ここまでくればほとんどNPCと変わらなくなっていた彼女も記憶を取り戻すことができた。

頭のなかに聖杯戦争の知識が思い出され、ドキドキしながらサーヴァントを召喚する。
まばゆい光を発し現れた彼女を守るサーヴァント。それが目の前の彼。

「からまったいーびつーなーねがいだってほどーーけるーー」


筋力E-耐久E-敏捷E-魔力E-幸運E-宝具E-


ごらんの有り様である。なんだE-って。


「そう浮かない顔をするな、マインマイスター。君も一曲どうかね?」

歌い終わって爽やかな汗をかいたそのサーヴァント、ライダーからマイクを渡されながらありすをため息を吐く。まだ小学生の彼女でもここがいわば殺しあいの舞台であり、人が簡単に死んでいく地獄だということはわかっている。わかっている故に全てにおいて最低ランクのライダーを見ると絶望の二文字が頭から離れないのだ。

彼女は人は見た目ではないと思っている。彼女が元の世界で頼りにしていた少年はライダー同様太っていたが勇敢に(少なくとも彼女から見て)戦っていた。だからサーヴァントとして出てくるぐらいならとても凄い必殺技とか持っていると思っていた。


実際はちょっと日本文化に詳しいだけのおもしろ外人だった。
走る速度は彼女より遅くエアガンすらまともに撃てない。
なんか自分でも銃とかあれば簡単に倒せそうだ。


目の前でフライドポテトをコーラで流し込むサーヴァントのステータスをありすは再度確認すると、そのステータスが変わりないことに数十回目のため息を吐いた。


73 : 足立区ぶっちぎりヴァンパイアーズ ◆qB2O9LoFeA :2014/07/30(水) 00:13:48 bG9TqtIY0



『少佐、帰還しました。』
『ご苦労中尉。』
カラオケでヤケになったように歌うマスターを見ながら、ライダーこと少佐はスマホで会話する。会話の相手は彼の『サーヴァント』、真名をリップバーン・ウィンクルという。

『引き続き日没後は学校付近で予選を突破したマスターを狩れ。くれぐれも丁重にもてなすように。』
通話を切ると、ライダーはコーラ片手にこの聖杯戦争を楽しむ算段を洗練すべく思考をめぐらす。かつて第三帝国が欧州をひっくり返して探した聖杯。その名を冠した願望器を巡り英雄豪傑が集うせっかくの大戦争。楽しまずにいられるものか!


74 : 足立区ぶっちぎりヴァンパイアーズ ◆qB2O9LoFeA :2014/07/30(水) 00:15:16 bG9TqtIY0



【東京・北千住/2014年7月29日(火)0015】


【マスター】
希里ありす@学園黙示録HIGH SCHOOL OF THE DEAD

【参加方法】
高城邸でゴフェルの木片に接触?

【マスターとしての願い】
ゾンビだらけになった世界をなんとかしたくて参加したがライダーのステータスを見て絶望。
今はただただ帰りたい。

【weapon】
エアガン
ライダーの体形を見て銃を撃つのが上手そうだと思って買ってみた。
ぜんぜん下手だったのでなんとなくありすが持つことに。

【能力・技能】
自転車運転。

【人物背景】
小学二年生。
いわゆるゾンビものの幼女ポジションにいるためバイタリティーが高い。
ゾンビだらけになった世界で、目の前で父親が保護を求めた人間に刺し殺され絶体絶命になったとき、主人公達に救出される。

【方針】
帰れる方法を探したいがちょっと心が折れかけている。


75 : ◆qB2O9LoFeA :2014/07/30(水) 00:16:55 bG9TqtIY0


【クラス】
ライダー

【真名】
少佐@ヘルシング(裏表紙)

【パラメーター】
筋力E- 耐久E- 敏捷E- 魔力E- 幸運E- 宝具E-

【属性】
混沌・悪

【クラススキル】
騎乗:-
ライダークラスにあるまじきことだが騎乗スキルは存在しない。
対魔力:A
A以下の魔術は全てキャンセル。
生前神秘を科学技術で打ち破ったライダーには事実上、現代の魔術師では傷をつけられない。

【保有スキル】
カリスマ:A-
軍団の指揮能力、カリスマ性の高さを示す能力。
反英雄にのみ絶大な効果をもたらす。そのカリスマはヒトラーに匹敵しうる。
軍略:A-
一対一の戦闘ではなく、多人数を動員した戦場における戦術的直感力。
勝利するために熱狂的かつ合理的冷静に戦況を把握できる。
自らの対軍宝具の行使や、逆に相手の対軍宝具に対処する場合に有利な補正が与えられるが、敵味方問わず常に甚大な被害をもたらす作戦をライダーはとる。
破壊工作:A-
戦闘を行う前、準備段階で相手の戦力をそぎ落とす才能。
ランクAならば、待ち構える相手の九割近い兵力を一時的に戦闘不能に追い込む事も可能。
ただし、このスキルが高ければ高いほど英雄としての霊格は低下していき、また自らの兵力の消耗も通常よりはるかに大きい。
吸血鬼:E-
生と死を超えたもの、または生と死の狭間に存在するもの。
肥満のスキルと本人が拒絶しているためほとんど機能していない。
肥満:D
生前の不摂生から発生した。
慢性的な肥満のため、身体能力を上げる効果を低下させてしまう。
せっかくの吸血鬼も、このスキルがあるため全く発揮されない。

【宝具】
『戦鬼の徒(ヴォアウルフ)』
ランク:E- 種別:対界宝具 レンジ:1 最大捕捉:7
自らが率いた戦鬼の徒をサーヴァントとして召喚する。一般人以下の力しかないライダーがサーヴァント級の吸血鬼を率いたことが宝具となった。
戦鬼の徒は全員で七騎おり、召喚するさいはクラスと宝具とスキルを持たない。
一度に全ての戦鬼の徒を召喚することもできるが、ライダーのマスターとしての適正が一般人以下のため、一騎維持し続けられるかも難しくそもそも召喚に成功するかも不確定。
トバルカイン
筋力C耐久D敏捷C+魔力C幸運E
リップバーン
筋力C耐久D敏捷C魔力C幸運E
ゾーリン
筋力C耐久D敏捷C魔力C幸運E
大尉
筋力B耐久C敏捷D+魔力C幸運D
シュレディンガー
筋力E耐久D敏捷E魔力B幸運D
ドク
筋力E-耐久E敏捷E-魔力E幸運E
ウォルター
筋力C+耐久E敏捷C魔力D幸運E
『最後の大隊(ミレニアム)』
ランク:E- 種別:対界宝具 レンジ:1〜999 最大捕捉:1000
自らが率いた吸血鬼部隊『最後の大隊』をまるごと再現する宝具。一般人以下の力しかないライダーがサーヴァント級の吸血鬼を率いたことが宝具となった。
1000人の吸血鬼と『戦鬼の徒』で召喚されていない戦鬼の徒を全員自らのサーヴァントとして召喚し、さらに飛行船や武器などの生産能力を持つ秘密基地を『陣地作成:A』を持っている扱いで構築できる。
ほとんど魔力を持たないライダーがこの宝具を使用するには最低でも五画の令呪を必要とし、また召喚した後も莫大な魔力を必要とするが、構築した秘密基地、または飛行船にいる間は魔力を消費しない。

【Weapon】
拳銃。
サーヴァントの武器であるにもかかわらず神秘を持たない。
そのためサーヴァントに通用しないがそもそも狙ったところに撃つことがライダーにはできないので関係ない。

【人物背景】
ご存じのとうりの少佐殿。
戦争狂で、今回の聖杯戦争には英霊でもないのに『数多の吸血鬼を従え、不死の王を打ち破った一般人』として強引に参戦した。

【聖杯への願い】
セイバーがいる聖杯戦争に参戦するのが願いだったので、サーヴァントになれただけで願いが叶った。
もちろんセイバーは俺の嫁。


76 : ◆qB2O9LoFeA :2014/07/30(水) 00:17:08 bG9TqtIY0
【基本戦術、方針、運用法】
マスターのありすは魔力を持たない一般人だがライダーは自分で食事をとれば補えるので問題はない。しかし、『戦鬼の徒』によってライダーがマスターになると結局その分の魔力が必要となる。現在はリップバーンに魂食いをさせて補っている。
『最後の大隊』を使うためには最低でも令呪が五画必要なのでサーヴァントを召喚する前のマスターを拉致しドクの手術で令呪を奪う予定。こちらも現在はリップバーンが学校で『令呪狩り』をおこなっている。
基本的にライダー自身が他のマスターに接触することは自殺行為でしかないのでなるべく存在がバレないよう立ち回りたい。
なお、ライダーは魔術や神秘といったものに科学的にアプローチをかけたため宝具に宿る神秘は最低クラスであり、また自身を構成するのも吸血鬼ではなく科学技術によるところが大きい。そのため一般人レベルの霊核しか持たず、人混みに紛れると感知能力の高いサーヴァントでも発見は困難になる。また宝具はサーヴァントの召喚に特化しているのでほとんど神秘が宿らない。


77 : ◆qB2O9LoFeA :2014/07/30(水) 00:17:31 bG9TqtIY0
投下終了です


78 : ◆ui4kQCcLNk :2014/07/30(水) 16:49:24 uYhGCIQY0
こちらにクロノと五代雄介を再投下します


79 : ◆ui4kQCcLNk :2014/07/30(水) 16:51:54 uYhGCIQY0
「クロノ君、コーヒー入ったよ」
「ありがとうございます、五代さん」

深夜の喫茶店で会話する少年と青年。
穏やかな空気を醸し出す二人だが彼らはNPCなどではない。
クロノ・ハラオウンとライダー・五代雄介。
二人は聖杯戦争への出場を果たしたマスターとサーヴァントだ。
この喫茶店はクロノが正規の参加者として予選を突破した際使えるよう予め用意された拠点だ。
絶大なマンパワーを持つ時空管理局の全力を注いだバックアップの賜物である。

「どうかな?ムーンセル版、五代雄介ブレンド」
「はい、美味しいです」
「そっか、良かった。…ところで、やっぱり管理局の人達とはまだ連絡取れない?」
「はい、予想はしていましたが……。
やはり、事前準備と参加してからでは干渉の難易度が段違いのようです」





公務員であるクロノが何故このような血生臭い戦争に参加することになったのか。
それは第九十七管理外世界にて突如観測された、謎の超高度観測装置をL級次元航行艦アースラが発見したことに端を発する。
ロストロギアの疑いもある「ムーンセル」と呼称されるようになったその観測装置を時空管理局は慎重に調査した。
無限書庫までをも動かした結果得られた情報に管理局上層部は震撼した。



曰く、ムーンセルはあらゆる事象を観測する演算装置。
ゴフェルの木片なる遺物を媒介にして人を招き、古の英雄を召喚しての殺し合い、聖杯戦争を開催する。
ただそれだけならば管理局が動く必要性のない事案だった。
次元世界の存続を脅かす脅威でもない限り管理外世界に干渉しないことが管理局の法だからだ。

問題は、その聖杯戦争に召喚される英雄候補の中に管理世界出身の者がいたことだ。
管理局設立以前の戦乱の時代に名を残した英傑や、文献にしか残っていない古代ベルカの武人までがサーヴァント候補として存在していることが発覚したのだ。
これが意味することは一つ、ムーンセルは全次元世界を観測している可能性が高いということ。
それだけでも驚異的な事実であるが話はそれだけに終わらない。


80 : クロノ・五代 ◆ui4kQCcLNk :2014/07/30(水) 16:52:43 uYhGCIQY0

曰く、遍く事象を演算・記録するムーンセルは世界の理すら書き換える演算能力を持つ。
そして聖杯戦争の勝者にムーンセルを使う権限、すなわちどんな願いも叶えることができるという。
しかも参加者は自発的な参加のみならず木片を手にした者全てが該当する。
これではどんな思想を持つ者が月を掌握し、次元世界にどんな影響を与えるか計り知れない。
最悪の場合わけもわからぬままいくつもの世界が消え失せるかもしれない。

管理局上層部は急遽対策を講じることになった。
しかし本局の優秀なオペレーターが何人がかりでハッキングを試みても中枢に辿りつけない鉄壁のセキュリティ。
結局出来たことは調査の過程で入手した木片を使い現地調査の名目で局員を内部に送り込むことだけ。
その人材として抜擢されたのがクロノ・ハラオウンだった。



予選において比較的早期に記憶を取り戻したクロノはすぐに五代と出会い、大阪会場の調査を行っていた。
当初は英傑というイメージから程遠い五代に面食らったが、彼の人柄もあり打ち解けるのに時間は掛からなかった。

「…五代さんは、どうしてこの戦いに?
失礼と思われるかもしれませんが、僕にはあなたが戦いを好む人だとはどうしても思えない」

コーヒーを飲みながら、気になっていた質問をぶつけてみる。
五代雄介という青年からは、どうしてもクロノが思っていた武人、戦士といったイメージを想起できない。
もちろん彼の宝具や変身した姿はもう見知っているのだが。

「うーん、クロノ君ってさ、俺の知ってる人に似てるんだよね。
責任感が強いところとか、止めても止められなさそうなところとか。
…だからかな、何ていうか、放っておけなかったんだ。
まあ、戦うのが好きじゃないっていうのはその通りなんだけど」
「はあ、知っている人…ですか」
「うん。クロノ君は、その人と同じで誰かの笑顔を守るために戦ってる子だと思うから」
「………」

明確な返事はしないが、確かにそれは否定できないところではある。
もし悪意ある人間が優勝し、リンディやエイミィ、フェイトやなのはといった身近な人間に理不尽な災厄が降りかかったら。
クロノはそれを許した自分を決して許せないだろう。
加えて言えば、聖杯戦争というシステム自体にも憤りを覚えている。

ある種無差別に参加者を選別するルールもそうだが、願いを叶えるという謳い文句には苦い思い出がある。
どうしても、妹になったばかりの少女の、狂ってしまった母親を思い出す。
聖杯戦争というシステムは彼女のような「こんなはずじゃなかった」人生を歩まされた人々に殺し合いを強いているのだ。
人の心につけ込む聖杯戦争の存在を個人として許すことはできそうにない。
クロノがマスターとしてここにいる理由は、任務であり、使命であり、大切な人や多くの人々を守りたいという願いであり、その全てなのだ。

アースラの皆は今もムーンセルの解析を進めてくれているだろう。
ユーノは無限書庫で資料を集めてくれているはずだ。
彼らが自分を信じて送り出してくれたように、自分も彼らの信頼に応えなければならない。
少し冷めたコーヒーを飲みながら、そう決意を新たにした。


81 : クロノ・五代 ◆ui4kQCcLNk :2014/07/30(水) 16:53:24 uYhGCIQY0
【マスター】
クロノ・ハラオウン@魔法少女リリカルなのはA's
【参加方法】
時空管理局が発見したゴフェルの木片を用いての参加。
尚、聖杯戦争の参加にあたって管理局からのバックアップを得ている。
【マスターとしての願い】
ムーンセル及び聖杯戦争の内情の調査・究明。
個人的な願いというよりは組織からの命令であり実地で調査任務を行うマスターとして最適な人材と判断されたのがクロノである。
しかし無益な殺し合いの阻止に対しては強い熱意を持っている。
【weapon】
S2U…クロノが愛用するストレージデバイス。
デバイスとは魔導師が魔法を使用する際に用いる補助媒体であり、ストレージデバイスはその中にあって次元世界で最も広く使われている機種のデバイスである。
名前の通り魔法情報を蓄積したりそれを使用するのに必要な機能に特化されており、純粋な道具として所有魔導師が魔法を扱うための媒体となる。
人口知能を搭載していない分処理能力に優れるが、使う魔法を全て自分で選択する必要があるため所有者の力量が素直に反映される。
クロノのS2Uは杖の形状をしており、待機時にはカードの形を取る。
近接、中距離、遠距離、防御、補助と何にでも使える万能型。
クロノはインテリジェントデバイスを扱うだけの能力を持っているが、質実剛健を好むためこちらを使っている。
氷結の杖デュランダル…その二つ名の通り、凍結魔法系の魔法に絶対的な補正を加えるストレージデバイス。
闇の書を封印するため時空管理局の技術の粋を結集して作られたデバイスであり、純粋なストレージデバイスとしても最新・最速の性能を誇る他、魔力の一時貯蔵機構も備えている。
この杖の放つ極大氷結魔法「エターナルコフィン」は極めて強力で、劇中ではたった1度の使用で背景に映る海一面を氷に閉ざしてしまった。
クロノにとってこのデバイスは切り札であり起動すること自体がフルドライブの発動と同義である。
クロノはS2Uとこのデュランダルを使い分けるマルチデバイス使いである。

【能力・技能】
ミッドチルダ式魔法の使い手であり、魔導師ランクはAAA+。
立場上裏方に回ることが多いが主人公である高町なのはらを大きく上回る実力者であり、なのはらが魔導師として大きく成長し、デバイスも強化された「A's」終了時点でもそれは変わらない。
遠・近の攻撃から防御、補助に至るまで、効率を重視した魔法を偏りなく使いこなすオールラウンダー。
中でもバインドを得意としておりスピードで自身を上回る高機動型の魔導師であるフェイトを難なく絡め取るほど。
さらにこれらの魔法をデバイスに頼らずとも行使することができる。
魔力量では高町なのはに上限値で僅かに劣る程度でほとんど差はない。
執務官としても就任してからの三年間で優れた成績と実績を残し、十四歳にして指揮権を与えられるほど指揮官としての実力も高い。
このため、実母リンディを含めた時空管理局の上層部からの信頼は非常に厚い。
とはいえ聖杯戦争においてはサーヴァントに魔力を供給する都合上十全の力を発揮することは難しい。
以下は劇中でクロノが使用した魔法である。


82 : クロノ・五代 ◆ui4kQCcLNk :2014/07/30(水) 16:54:09 uYhGCIQY0

・バリアジャケット…防護服及びそれに付随する防御フィールドの総称であるフィールドタイプの防御魔法の一つ。
魔導師が戦闘時に纏う、魔力で構成された衣服でありミッドチルダ式の場合は特にバリアジャケットと呼ぶ。
衣服だけではなく、衣服に覆われていない部分やデバイス本体も防御フィールドを生成して身を守ったり、空気抵抗を無効化している。
魔力で出来ているので、発動中(身に付けている間)は常に術者の魔力を消費し続ける。 このため、基本的には必要な時のみにしか装備しない。
・飛行…空中を自由に飛ぶ魔法。本編中では、ほぼ全員がごく自然に使って派手に空戦を繰り広げている。
・スティンガースナイプ…魔力光弾(スティンガー)をコントロール、一発の射撃で複数の対象を殲滅する魔法。
発射後、光弾は術者を中心に螺旋を描きながら複数の目標を貫通し、ある程度魔力を失った時点で空中にて螺旋を描きつつ魔力を再チャージした後、術者のキーワードで再度加速してさらに攻撃する。
なお使用時にクロノが発する「スナイプショット」は弾丸加速のキーワードである。
・スティンガーレイ…高速な光の弾丸を発射する。
威力自体はそれほど強くはないが、速度とバリアの貫通能力が高いため、対魔導師用としては優秀な魔法。
対象抑止に高い効果を発揮する。
・スティンガーブレイド・エクスキューションシフト…魔力刃「スティンガーブレイド」の一斉射撃による中規模範囲攻撃魔法。
少なくとも一度に百発以上は発射可能で魔力刃には環状魔法陣が付いており、それぞれ別の敵に攻撃することができるため集団戦に最適な魔法。
また、魔力刃の爆散による視界攪乱の効果もある。
・ブレイクインパルス…杖、または素手での接触により、目標の固有振動数を割り出した上で、それに合わせた振動エネルギーを送り込んで粉砕する魔法。
固有振動数の算出のために、目標に接触した状態で数瞬の停止が必要。
魔法の能力のみならず、近接戦闘能力も要求されるが、最小限の魔力で最大の効果を上げることができる。
あらかじめ水の固有振動数を記録しておけばタイムラグなく発動できると思われるが局員として生物に対して使用してはならない魔法であるためよほどの事がない限りこの手段は使えない。
性質上非殺傷設定が意味を為さない一長一短ある魔法である。
・ブレイズカノン…ブレイズ(炎)の名の通り、熱量を伴う砲撃魔法。
高町なのはのディバインバスターと比較して射程に劣るが威力と速度は同等以上。
大威力の瞬間放出を上手く制御して、長時間放出による隙を作らないような調整をされているため連射が可能。
・ディレイドバインド…不可視の設置型捕獲魔法で、特定空間に進入した対象を捕縛する。
チェーンバインドと同様魔力の鎖で相手を捕らえる。
クロノは他の魔法の発射前に予めこちらを詠唱をしておくという戦法を使う。
詠唱は「蒼窮を駆ける白銀の翼、疾れ風の剣」。
・ストラグルバインド…対象の動きを拘束し、なおかつ対象が自己にかけている強化魔法(変身魔法等)を強制解除する捕獲魔法。
魔力で体を構成した魔力生物に対しては武器にもなる。
魔法による一時強化が施された対象や魔法生物に対して高い効果を持つ反面、副効果にリソースを振っている分、射程・発動速度・拘束力に劣る面がある。
このためクロノ自身も「あまり使い道がない」と評している。


83 : クロノ・五代 ◆ui4kQCcLNk :2014/07/30(水) 16:54:56 uYhGCIQY0
・エターナルコフィン…クロノがデュランダルを用いて使用する、 本来はランクSオーバーの高等魔法であるが、デュランダルの氷結特化性能とクロノが長年培った魔力変換・温度変化技能が合わさりほぼ完全な形で使用されている。
攻撃目標を中心に、付近に存在するもの全てを凍結・停止させることを目的とした魔法であり、その威力は「闇の書の闇」を海ごと凍らせた。
温度変化魔法であるため通常のバリア・シールドでは防御はきわめて困難であり、これの対象とされたものは温度変化防御のフィールド系防御で対抗せねばならない。
同時に「攻撃対象特定が困難」「発動が遅い」「消費魔力が大きい」という欠点も抱えているが、対大型対象戦や集団戦においては戦局を変える切り札となり得る。
通常の生命に用いた場合この魔法は対象生物の命を奪うことはなく、破壊や加熱などで外部から凍結が解除されない限りその対象を半永久的に凍てつく眠りへと封じ込める。
しかしサーヴァントに魔力を供給する必要がある聖杯戦争でこの魔法を行使するのは非常に困難であり、使用するならデュランダルの魔力貯蔵機構を活用するなど時間をかけた入念な事前準備が不可欠である。
詠唱は「悠久なる凍土 凍てつく棺のうちにて 永遠の眠りを与えよ 凍てつけ!」。

この他、防御、治癒、探知、結界魔法など独立汎用型の魔導師として必要な技能は全て修得している。

【人物背景】
次元航行艦「アースラ」艦長、リンディ・ハラオウンの息子で、十四歳にしてアースラ所属の時空管理局執務官を務める。
クールで無口、かつ生真面目と人当たりのきつい性格でジェエルシードを一気に手に入れようとするフェイトを助けようとしなかったり、ヴォルケンリッターに対して強い憎悪を抱くなど正義感が非常に強い故に冷徹さもあるがたとえ理に適っていても自分の信念に反すれば突っぱねる強さ、熱血さを持ち、フェイトやはやて、ヴォルケンリッター達の罪の軽減のために尽力するなど、普段は表に出さないが深い優しさを持つ。
またエイミィの寝癖が気になって直してあげるなどお茶目な一面もある。
三歳の頃に「闇の書」の暴走により局員であった父・クライドを亡くしており、五歳の時に父の師匠でもあったリーゼロッテ、リーゼアリア姉妹に弟子入りしている。
若輩でありながら優れた実力を持っているのは生来の生真面目な性格と父の死を契機とした厳しい修練(当初はリーゼロッテ・アリアとのスパルタに近いしごき、それ以後はたゆまぬ自助努力)によって勝ち得たものである。
リーゼ姉妹の指導を受けていた頃は滅多に笑わない子供であったが、士官学校時代にエイミィと出会ったのが精神的にプラスとなった模様。
フェイトという妹的存在が出来てからは少しずつ優しさを表に出すようになった。
【方針】
序盤は情報収集に専念してある程度情報を集めてから改めて具体的な行動計画を策定する。
もしその過程で殺し合いに消極的、否定的なマスターがいれば様子を見つつ保護する。
デバイスの非殺傷設定は極力解除せず、殺人行為はやむを得ない場合にのみ限定する。


84 : クロノ・五代 ◆ui4kQCcLNk :2014/07/30(水) 16:55:52 uYhGCIQY0
【クラス】 ライダー
【真名】 五代雄介@仮面ライダークウガ
【属性】 秩序・善
【パラメーター】
筋力 E 耐久 D 敏捷 E 魔力 E 幸運 B 宝具?(非変身時)
【クラス別スキル】
対魔力:D…一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。 魔力避けのアミュレット程度の対魔力。
変身中のみ発現し、アルティメットフォーム時にはあるスキルに変化する。
騎乗:B(A)…騎乗の才能。 大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、 幻想種は乗りこなせない。
マイティフォーム、ライジングマイティフォーム、アメイジングマイティフォーム、アルティメットフォーム時は1ランク上昇する。
【保有スキル】
精神耐性:C+…Cランク以下の精神干渉魔術やそれに類する攻撃を無効化する。
特に怒りや憎しみといった攻撃・破壊衝動を煽るものに対しては通常の二倍の防御効果を発揮する。
このスキルは対魔力と重複して発動する。
2000の技:C…雄介が小学校時代の恩師との約束から身に着けていった数々の特技。
中国拳法や空中回転といったクウガとしての戦闘に応用されているものから戦闘に関わらないものまで多岐に渡る。
ちなみに2000番目の技はクウガへの変身である。
千里眼:B+…鷹の眼。視力の良さ。遠方の標的の補足、動体視力の向上。
鋭敏過ぎる五感の高さから、視界が遮られ目の及ばないものであろうとも補足することが可能。
また、範囲内にいれば気配遮断及びそれに類する能力を無効化して敵を発見できる。
ペガサスフォーム、ライジングペガサスフォーム、アルティメットフォーム時のみ発現する。
モーフィングパワー:B+(EX)…クウガやグロンギが戦闘の際に用いる物質操作能力。
クウガはこの能力で原子・分子を分解・再構成することで多数の形態に変身する他、特定の武器・道具を手にすることでクウガとしての武装に変化させる。
ただし宝具に関してはランクの大小を問わず変換することができない。
アルティメットフォームに変身すると極小規模の願望器とすらいえるほどの力になり、瞬間移動や天候操作など全能の能力を行使できるようになるが、制限によりそれらの力の多くは使用できなくなっている。
超自然発火:A…モーフィングパワーから派生したスキルの一つでアルティメットフォーム時のみ使用可能。
周囲の物質の原子・分子を操ることで物質をプラズマ化し標的を体内から発火させる。
ただし存在自体が神秘の塊であるサーヴァントに対してはデフォルトでダメージ数値が下がる。
また体内を発火させないだけの魔力によっても防ぐことができ、魔力のステータスの高さに応じてさらにダメージは軽減されAランク以上で完全に無効化できる。
また制限によりマスターに向けて使用することは出来なくなっている。


85 : クロノ・五代 ◆ui4kQCcLNk :2014/07/30(水) 16:56:43 uYhGCIQY0
超能力無効化:B(A)…対魔力とは似て非なる凄まじき戦士となったクウガ専用の防御スキル。
アルティメットフォーム時のみ対魔力の代わりに発現し、魔術・超能力系の攻撃スキルのダメージ、効果をランクの高低や威力の大小を問わず完全に無効化する。
…のだがこの聖杯戦争ではこの力は制限されておりランクA以上のものはダメージ、効果を軽減するに留まる。
また、上記のスキルの発動自体を防ぐことはできない。

【宝具】
「伝説を塗り替えた戦士(クウガ)」
ランク:EX 種別:対人宝具(自身)レンジ:− 最大捕捉:1人
古代種族リントが敵対種族グロンギの暴虐に対抗すべく作りだされた、戦士の力。
願いを叶えるとされる神秘の霊石アマダムを内部に格納しており、身に付けたものをクウガへと変身させる。
また、身に付けた者に常軌を逸した再生・回復能力を与える。
グロンギに対抗できる力を与える善性の面の宝具であるが、同時にグロンギと同じ存在になる悪性の面も内封している宝具でもある。
雄介は本来想定されていないイレギュラーな「金の力」を含めた様々な形態を駆使して闘い、能力も形態に応じて変化する。
またこのフォームチェンジを行う際雄介は自らを鼓舞する意味も込めて「超変身」と叫ぶが実際には発声せずとも一瞬かつノーモーションで変化できる。


・グローイングフォーム(白のクウガ)
筋力 E+ 耐久 D 敏捷 E 魔力 D 幸運 B 宝具D
クウガの素体形態である白い戦士。
いわゆる不完全な状態であり戦意が弱い場合や深刻なダメージを負った際にこの形態になる。
能力的にはマイティフォームの半分程度と非常に弱くこの形態ではまずサーヴァントには太刀打ちできないどころか力量によってはマスターにさえ打ち倒される危険がある。
一応相手に刻印を打ち込む必殺技である「グローイングキック」を使えるもののやはり威力は不十分である。
・マイティフォーム(赤のクウガ)
筋力 D+ 耐久 C 敏捷 D 魔力 D 幸運 B 宝具C
「邪悪なる者あらば 希望の霊石を身に付け 炎の如く邪悪を倒す戦士あり」
クウガの基本にして完成形態。
バランスの取れた能力を持つ赤い戦士であり司る属性は火。
素手での打撃を中心とした格闘戦や乗り物を用いた戦闘を得意とする。
主に雄介は敵の手の内を探る時にこの形態になり、敵の戦い方に合わせた形態に変化する。
しかし基本フォーム全てに言えることだがこのままでは上級のサーヴァントと渡り合うにはやや力不足である。
必殺技は炎を纏った右足で相手に刻印を打ち込む「マイティキック」。雄介は後に空中回転を取り入れた強化型を開発した。
・ライジングマイティフォーム(赤の金のクウガ)
筋力 C+ 耐久 C 敏捷 C 魔力 C 幸運 B 宝具B
マイティフォームを放電現象、雷(金)の力で進化させた強化形態。
金の力とは部分的にアルティメットフォームの力が各基本フォームに流れ込んだいわば半アルティメット状態を指す。
当初はライジングフォームを維持できるのは三十秒だけだったが後に永続的にライジング形態を維持できるようになった。
とはいえ当然ながら全てのライジングフォームは基本形態に比べ魔力消費が増大する。
このライジングマイティフォームは全体の能力がバランス良く強化されており、右足にマイティキックの威力を増幅する金色の足甲・マイティアンクレットが装着されている。
上級のサーヴァントと正面から戦うなら、最低でもライジングフォームが必要不可欠である。


86 : クロノ・五代 ◆ui4kQCcLNk :2014/07/30(水) 16:57:24 uYhGCIQY0
・ドラゴンフォーム(青のクウガ)
筋力 E 耐久 D 敏捷 B 魔力 D 幸運 B 宝具C
「邪悪なる者あらば その技を無に帰し 流水の如く邪悪を薙ぎ払う戦士あり」
スピード・跳躍力・瞬発力・俊敏性に優れた青い戦士であり司る属性は水。
反面パンチ力やキック力、耐久力は低下してしまうため、それを補うべく「長きもの」をモーフィングパワーで変換した専用武器・ドラゴンロッドを用いた棒術戦を行う。
また雄介は中国拳法の動きを取り入れた戦い方を編み出した。
必殺技はロッドの先端に封印エネルギーを込めて刻印を打ち込む「スプラッシュドラゴン」。
・ライジングドラゴンフォーム(青の金のクウガ)
筋力 D 耐久 D 敏捷 A 魔力 C 幸運 B 宝具B
ドラゴンフォームを金の力で進化させた強化形態。
スピード・跳躍力・瞬発力・俊敏性がさらに強化されている。
また専用武器であるドラゴンロッドも先端に金の矛がついたライジングドラゴンロッドへと強化される。
・ペガサスフォーム(緑のクウガ)
筋力 E 耐久 D 敏捷 D 魔力 C 幸運 B 宝具C
「邪悪なる者あらば その姿を彼方より知りて 疾風の如く邪悪を射抜く戦士あり」
圧倒的な視覚、聴覚などを有する緑の戦士であり司る属性は風。
感覚神経が極限まで研ぎ澄まされた形態で、紫外線・赤外線を見ることや超音波を聞くことが可能で、遠く離れていたり保護色で姿を隠した敵をも正確に捕捉可能だが、接近戦は不得手であるため「射るもの」を変換した専用武器・ペガサスボウガンを使用する狙撃を得意とする。
この系統のフォームとアルティメットフォームに変身している間は千里眼のスキルが発動する。
ただしエネルギーの消耗が激しいため、このフォームを維持可能なのはわずか五十秒間だけである。もし制限時間を超過した場合は強制的にグローイングフォームになり、その後二時間は変身不可能となる。
サーヴァント化したことでこの制約には多少融通がきくようにはなったが魔力消費が激しいことには変わりない。
必殺技は空気弾と共に相手に刻印を打ち込む「ブラストペガサス」。
・ライジングペガサスフォーム(緑の金のクウガ)
筋力 D 耐久 D 敏捷 D 魔力 B 幸運 B 宝具B
ペガサスフォームを金の力で進化させた強化形態。
超感覚能力がさらに強化されており、人間の数万倍の五感を持つ。
また専用武器であるペガサスボウガンも連射可能なライジングペガサスボウガンに強化される。
・タイタンフォーム(紫のクウガ)
筋力 C 耐久 B 敏捷 E 魔力 D 幸運 B 宝具C
「邪悪なる者あらば 鋼の鎧を身に付け 地割れの如く邪悪を斬り裂く戦士あり」
俊敏性を犠牲に高いパワーと防御力を誇る紫の戦士であり司る属性は土。
防御力の高さを生かして敵の攻撃を避けようともせず受け続けるまま進撃し、「斬るもの」を変換した専用武器・タイタンソードで攻撃する力任せの戦法を得意とする。
しかし二の腕など装甲に覆われていない箇所は脆く、魔術や概念武装による攻撃には対応できないなどその防御性能には欠陥が目立ち、そもそもセイバーなど上級のサーヴァントであればタイタンの装甲も容易く突破できる。
このため聖杯戦争においてこの形態の有用性は低く、長時間維持する意味もあまりないので強力な攻撃から致命傷を避けるために変身する緊急回避の一つとして用いるのが吉。
必殺技はタイタンソードから封印エネルギーを放出して刻印を打ち込む「カラミティタイタン」。
・ライジングタイタンフォーム(紫の金のクウガ)
筋力 B 耐久 A 敏捷 D 魔力 C 幸運 B 宝具B
タイタンフォームを金の力で進化させた強化形態。
パワーと防御力はさらに強化されているが、防御面での欠点もそのまま引き継いでいる。
また専用武器であるタイタンソードも刀身が伸びたライジングタイタンソードに強化された他二本同時に装備することも可能。
・アメイジングマイティフォーム(黒の金のクウガ)
筋力 B+ 耐久 A 敏捷 B 魔力 B 幸運 B 宝具A
ライジングマイティからさらに進化したクウガの準最強形態。
身体の色が赤から黒に変化した限りなくアルティメットフォームに近い状態。
右足だけでなく左足にもマイティアンクレットが装着された。
基本的な戦い方はマイティ、ライジングマイティと共通だが戦闘力は大きく向上しており、三大騎士クラスなどの上級サーヴァントにも引けを取らない。


87 : クロノ・五代 ◆ui4kQCcLNk :2014/07/30(水) 16:58:04 uYhGCIQY0
・アルティメットフォーム(凄まじき戦士)
筋力 A+ 耐久 A 敏捷 A 魔力 A 幸運 B 宝具EX
「清らかなる戦士 心の力を極めて戦い邪悪を葬りし時 汝自らの邪悪を除きて究極の闇を消し去らん」
本来であればクウガが優しい心を失い、憎しみの力によってのみ発現するクウガ最強の形態。
しかし五代雄介は絶対的な力を持つグロンギ、ン・ダグバ・ゼバを倒すためこの形態に変身する必要に迫られながらも人々とその笑顔を守ろうとする優しい心を保ち続けたため、理性を失い暴走した黒い眼ではなく赤い眼のアルティメットフォームへと変身を遂げ、古代の伝説を塗り替えた。
この伝承により聖杯戦争で五代雄介が変身するアルティメットフォームは必ず優しさを保った赤い眼になる。
アルティメットフォームは通常のクウガが必殺技で発する封印エネルギーを血管状組織によって常時全身から放出している他、全ての能力が各形態の限界値を大きく超えている。
肘や脚部の棘は伸縮自在であり敵を切断することが可能、他の形態では口を保護する役割を果たすアーマードマウスも牙が鋭利に変化し噛み付き攻撃を行えるなど全身が凶器となり得る。
両手のハンドコントロールリングからは黒色のライジングタイタンソード、ライジングドラゴンロッド、ライジングペガサスボウガンを素材を用いることなく無から生成可能。
多くの制限を受けて尚圧倒的な戦闘力を誇るがマスターへの負担も巨大なものとなり、魔法の行使はほとんど出来なくなるため使いどころを見極めることが重要となる。

「古代の装甲機(ゴウラム)」
ランク:C+ 種別:騎乗宝具 レンジ:− 最大捕捉:1人(1機)
「来れ 甲虫の姿をかたどりし 馬の鎧となる僕よ」
リントが戦士クウガの支援用に作った、意思を持つ馬の鎧。巨大なクワガタムシ型の通常形態を持つ。
霊石アマダムを内蔵しており、クウガの求めに応じて飛来し、単体でもクウガが脚に掴まった状態で飛行可能なほか、彼の乗るバイクに融合合体して強化することも可能(その際、バイクはゴウラムの力で融合しやすいように変形する)。
最高速度は時速500km/hだがクウガが脚に掴まっているとスピードは落ちる。
聖杯戦争では雄介の自由意思で何時でも召喚可能。

【weapon】
・ビートチェイサー3000…警視庁が開発したクウガ専用バイク、ビートチェイサー2000の後継機種。
現代の機械であるため単体では宝具未満の武装扱いとなる。
本来なら雄介が最も活躍した時から十三年後に開発される機体だがライダーのクラスで現界したためかこちらを所有している。
またビートチェイサー2000、トライチェイサー2000も所持しており一人で計三台ものバイクを保有している。
・名刺…「夢を追う男 2000の技を持つ男 五代雄介」と極太字体で書かれた名刺。
聖杯戦争においては特に意味のないものだが五代雄介の代名詞でもあるためか所持している。
ちなみになくなっても魔力で補充可能。


88 : クロノ・五代 ◆ui4kQCcLNk :2014/07/30(水) 17:00:08 uYhGCIQY0
【人物背景】
1975年3月18日生まれ、O型。世界を旅する冒険家。笑顔とサムズアップがトレードマーク。
未確認生物(グロンギ)と遭遇した際、遺跡で発見されたベルトを何かに導かれるように装着し
たことで、クウガへの変身能力を持つようになる。
初対面の人には「夢を追う男・○○○○(その時点で持っている技の数)の技を持つ男」と書かれた自作の名刺を手渡す。また、「大丈夫!」の言葉とサムズアップが癖(決めポーズ)となっている。
両親を亡くしており、現在は喫茶店ポレポレに居候している。
一見すると飄々とした能天気な性格で、桜子のいる研究室を訪れるためにビルクライミングで学舎の壁を登るなど、変わり者のところもあるが、実際は強い意志と深い優しさを内に秘めている。
父は戦場カメラマンで、外国で死亡している。父の訃報に接した時、恩師である神崎の言葉に感銘を受け、「2000年までに2000の技を持つ」と約束。
1番目の技は笑顔。クウガへの変身が2000番目の技になった。
リントの「戦士クウガ」を示す文字が気に入ったのか、自分のシャツやバイクなどにマークをプリントしたり、マークを入れたベルトのバックルを自作したりした。
たとえ人を守るためとはいえ、拳を振るうことを「いい気持ちはしない」と嫌う。
そしてその想いは劇中たびたび描かれ、最後の戦いでその最たるものが見られる。ダグバを倒した後、再び海外へ冒険に出た。
尚、雄介は十三年後にも再びグロンギと戦うことになるが、この聖杯戦争では二十五歳の頃の姿で召喚されている。

【サーヴァントとしての願い】
本人に聖杯にかける願いはない。強いて言えば一人でも少ない犠牲で聖杯戦争を終結させること。
しかしそれは「戦いを終わらせる」というエゴのために人間と戦うということであり、その矛盾は常に雄介の頭の中にある。
【基本戦術、方針、運用法】
何でもこなす汎用性を持つ一方、一つ一つの形態は専門職の英霊に比べると劣る点が多い。
サーヴァントの情報を集めて戦い方を煮詰めその相手に応じたフォームチェンジを駆使することで真価を発揮する。
このため序盤は情報収集が主となるだろう。
また腹部の霊石アマダムは頭部、心臓部に続く第三の霊核といえる弱点であり、ここを完全に破壊されると死亡は免れない
究極の暴力たるアルティメットフォームは原則的に最後の手段である。


89 : クロノ・五代 ◆ui4kQCcLNk :2014/07/30(水) 17:03:43 uYhGCIQY0
以上で投下を終了します
本文に書き忘れましたが時間と場所は【大阪/2014年7月3日(木)2350】とさせて下さい


90 : ◆qB2O9LoFeA :2014/07/30(水) 23:40:20 1FlCkkQI0
投下に感謝すると共に本日の追加ルールも発表します



・仮想空間内の内部時間で2014年7月1日から8月31日までの二ヶ月間聖杯戦争を行い、『8月中に一組の主従しか存在しなかった場合』その組を優勝者として認める。

・7月中は予選期間。参加者はOPの七都市の内の一つに飛ばされ、『8月までサーヴァントと共に生き延びられれば』本選に出場できる。なお、聖杯戦争の仕様で一時的な『記憶障害』が起こる可能性があり、その場合サーヴァントを呼び出すことができないため脱落する。

・エクストラクラスのサーヴァントを召喚するためには、『召喚時までに同じエクストラクラスのサーヴァントが召喚されておらず』、『そのエクストラクラスが他のクラスよりも明らかにふさわしく』、なおかつ『マスターにエクストラクラスでサーヴァントを呼び出す要素』がなくてはならない。

・登場話の投下は7月いっぱいとする。

・登場話は『全くの同一人物が既に参加している』場合のみ投下を無効とする。


91 : ◆qB2O9LoFeA :2014/07/30(水) 23:41:12 1FlCkkQI0
では投下します


92 : 卑劣ってなんだろ?卑劣ってな〜に? ◆qB2O9LoFeA :2014/07/30(水) 23:42:27 1FlCkkQI0



燃え盛る家の中、その少女は助けを求めていた。
炎は彼女の行く手を阻むように悪意を持って迫り、またその足は倒壊した建物に挟まれ身動きはとれない。
くわえて、その胸は焼けつくように痛み頭は割れるように痛んで思考を邪魔する。

それでも、否、それだからこそ少女は生きるための道を見つけた。部屋に赤々と火事によるものではない光が満ち、絶体絶命のこの状況をひっくり返すヒーローを呼び寄せる。

そして、そのヒーローが目の前に現れたとき。

「*鼹類気鵝*こっちです!」

思いもよらない他のマスターとサーヴァントの接近を招いた。



「具合はどうだ?マスター。」
「‥‥いいわけないでしょ。」

世田谷区にある某病院。そこにアサシンのマスターである九重凛は入院していた。
所々に火傷があるがいずれも軽く、足の打撲と合わせて全治二週間といったところだった。今は個室にいるが明日にも大部屋に移ることになるだろう。

だが、その程度ですんだ怪我でも今は大きな痛手だ。この聖杯戦争において魔力も持たない凛は完璧な弱点である。その上怪我を負ったとなれば勝ち残ることは絶望的ともいえる。

しかし、今さらこの程度で聖杯を諦めるわけにはいかない。
既に戦いが始まっている以上逃げることなどできなかった。

「魔力の供給も含め一切は俺に任せろ。マスターは指示したタイミングで令呪を使え。」

そう冷淡にマスターに指図するとアサシンは複数の分身を作り出す。アサシンと全く同じ姿形の分身は、それぞれが黒ずくめの全身タイツのような姿になると一瞬でどこかへと移動する。『魔力の供給』にいったのだろう。

「*鼹鬠个襯織ぅ潺鵐庵戮*ない?もっと早く来てよ。」
そのまさしく魔法のような光景を目にして、凛の口からもれたのは悪態だった。


彼女が記憶を取り戻したのは火事の真っ只中でのことだった。
温かい家庭での幸せな時間は彼女の記憶を封じ込めるのに十分だった。もしあのまま何も起こらなかったら、他のNPCと同じように生活していただろう。だが皮肉にも聖杯戦争に参加するマスターを呼び寄せるかがり火の燃料、そのためのNPCとして選ばれたことが彼女をマスターへと目覚めさせた。
火をつけた本人ですらもわからないであろう、たまたま選んだNPCが予選中のマスターだったという偶然。
その偶然によって九重凛は記憶を、そして願いを取り戻すことができたのだ。もともと周囲で起きていたことに違和感があったことも手伝い、一度記憶を取り戻し始めればそのスピードも早く、すぐさま彼女はサーヴァントの召喚を行った。

ただ、彼女にとって予想外だったのは自分以外のマスターが来ることだった。それは火をつけた者の目論見どうりであったが彼女はそんなことを知るよしもなく、何故か呼び出したはずのサーヴァントがいないことを疑問に思いつつも魔力の急激な消耗に意識を手放すことになり、今こうしてベットで横になっている。
後からとっさにアサシンが気配遮断を行っていたと知ったが、だとしてももっと早く召喚されていれば、という気も起こらなくはないのだ。


じっ、と恨みがましく見てくる彼女をしかしアサシンは涼しい顔で受け流す。彼女程度の子供にいくらガンを飛ばされようと痛くも痒くもない。アサシンがその年のころには既に殺しあいが日常だったのだ。殺気すらこもっていない視線に反応するほうが難しい。


「‥‥卑劣漢。」


マスターにそう言われても、アサシン・千手扉間は無言で佇み続ける。


93 : 卑劣ってなんだろ?卑劣ってな〜に? ◆qB2O9LoFeA :2014/07/30(水) 23:43:09 1FlCkkQI0



【東京・世田谷/2014年7月30日(水)2343】


【マスター】
九重凛@こどものじかん

【参加方法】
不明。

【マスターとしての願い】
お母さんを生き返らせる。

【weapon】
なし。
全治二週間程度の火傷と足に打撲を負っている。

【能力・技能】
『黒くなる』
スイッチを入れるように心を閉ざして感情をなくすことで殺人などへの忌避感を無くす。自分にも効果が及びリスキーな選択をとりやすくなる。
精神異常E相当。

【人物背景】
双ツ橋小三年一組。
金髪を特徴的なツインテールにした少女で、運動神経はいいほう。
母親の死を幼少期に体験したことで一時期心を閉ざしていたが現在はそれを感じさせないはつらつとして(主に性的な意味で)過激になった。
が、死のショックは心の底に残っており、自身が『黒くなる』と表現するように感情をなくして行動できる。これが彼女が自分自身を軽んじさせる原因である。
現在、母が引き取ったレイジを親代わりとしていて、その危うさから将来はレイジと結婚すると考えているが彼女が好きなのは担任の青木である。

【方針】
お母さんを生き返らせるために『黒くなってでも』聖杯を手にいれる。
先生は――
※令呪は胸にあります。


94 : 卑劣ってなんだろ?卑劣ってな~に? ◆qB2O9LoFeA :2014/07/30(水) 23:43:49 1FlCkkQI0


【クラス】
アサシン

【真名】
千手扉間@NARUTO

【パラメーター】
筋力C 耐久C 敏捷A+ 魔力B-(B) 幸運E 宝具EX

【属性】
秩序・悪

【クラススキル】
気配遮断:A+
自身の気配を消す能力。
完全に気配を断てばほぼ発見は不可能となるが、攻撃態勢に移るとランクが大きく下がる。

【保有スキル】
忍術:A
宝具の域にまでは昇華され得なかったが、歴史に名を刻んだ偉大な忍として研鑽し続けてきた類希なる武芸。気配遮断にも派生する。
水遁に代表される東洋魔術的な狭義の忍術発動には、詠唱ではなく一定の印を結ぶ必要がある。
カリスマ:C-
軍団の指揮能力、カリスマ性の高さを示す能力。
火影として里を導いた手腕の証しだが、常に仲間の内に犠牲を強いてしまう。
気配感知:A
気配を感じ取ることで、効果範囲内の状況・環境を認識する。
千手扉間の場合、大きなチャクラを持つ人や物、見知った人物やサーヴァントの気配を感知することができる。

【宝具】
『口寄せ・穢土転生(くちよせ・えどてんせい)』
ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1000
死者を甦らせ使役する禁術。
発動には依り代となる生きた人間と呼び出す者の肉体の一部、呼び出す魂が必要になる。
聖杯戦争では肉体・魂どちらの保存も難しいが、発動さえすれば無尽蔵の魔力で戦い続けるサーヴァントをも手に入れることができる。
NPCにも使用可能。

【Weapon】
『呪印付クナイ』、他忍具。
『呪印付クナイ』はその場に向かって瞬間移動する『避雷針の術』のための目印となる。

【人物背景】
二代目火影。千手柱間の弟。
兄亡きあと火影になり、徹底した合理主義のもと現在の忍び里のシステムを作り上げるなどその治世が及ぼした影響は大きく、特に『アカデミー』は忍という職業の成り立ちを変えたまさに偉人。
忍としても優秀で高い感知能力と水遁が持ち味。
多くの業績を残したが、うちは一族を危険視し里の中枢なら遠ざけたことで反感を招き、後年のうちは一族のクーデター未遂を招いた。
最期は雲の国との会談中に金角銀角兄弟の奇襲を受け死亡。

【聖杯への願い】
木の葉の繁栄。害あるものに聖杯はわたせん。

【基本戦術、方針、運用法】
なによりも魔力の供給が足りないので積極的に魂食いを行いたい。
影分身と変化を組み合わせることで別のサーヴァントに罪をなすりつけ、これはと思うマスターやサーヴァントがあれば闇討ちして穢土転生の材料にする。
正面からの戦闘も不可能ではないがマスターが貧弱すぎるのでできる限り避けたい。
あと水遁。



※東京・世田谷で予選中のマスターから攻撃を受け、同じく予選中のマスターとサーヴァントに救助されました。


95 : ◆qB2O9LoFeA :2014/07/30(水) 23:44:12 1FlCkkQI0
投下終了です


96 : ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/31(木) 12:04:34 rvm6DK4.0
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン&ランサー投下します


97 : イリヤスフィール・フォン・アインツベルン&ランサー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/31(木) 12:05:39 rvm6DK4.0
「サーヴァントと契約して、聖杯戦争のマスターになりなさい」

学校帰り、突然自分を拉致した少女、遠坂凛は何の脈絡もなくそう言い放った。
エーデルフェルト家所有のリムジンに冷たい空気が流れる。

「えーっと、リンさん。言ってる意味がわからないんだけど……?」
「ああごめん。ちょっと言い方が唐突すぎたわ。
ここ最近、テレビや新聞やらで聖杯戦争って単語ぐらいは聞いてるでしょう?」
「うん、学校のみんなもよくその話出してる。
確か何かの木片を持ってると参加できるとかって……」

クラスカードを巡る事件が収束してからちょうど十日ほど後のことだった。
何の前兆もなく、突然聖杯戦争なる怪しい催し物の宣伝が各メディアで行われはじめたのだった。
もちろん信じる人間の方が少ないが、担任の藤村先生が珍しく真剣に参加なんてしないようにと言っていたのを覚えている。

「そう、それよ。正確にはゴフェルの木片ね。
ノアの方舟の材料になったと言われてる、れっきとした聖遺物。それがゴフェルの木よ。
で、そのゴフェルの木片を持っていることが月の聖杯戦争に参加する条件になる」
「えっ……月?」
「一般にはまだ伏せられてるけど、数日前に月に超高度な観測装置があることがわかったの。
ムーンセルと名付けられたその観測装置には地上の物理法則を塗り替える願望器としての性質があることもね。
そして願望器を使う権利を得るために行われるのが聖杯戦争―――つまり、人間同士の殺し合いよ」

あまりにもスケールの大きい話に頭がついていけない。
よく見れば、凛の表情は今までにないぐらいに険しいものになっている。

「それで、カレイドステッキを持っているあんたには協会から送られてきたこの木片を使って聖杯戦争に行ってきてほしいのよ」
「は?…………ええっ!?
無理無理無理!そんなの絶対無理だって!!
だって、だって殺し合いって……!」
「話を最後まで聞きなさい。何もあんた一人で行かせようってわけじゃない。
それにまだ説明していないことがあるの。
聖杯戦争は地上から参加するマスターと、マスターに与えられる戦闘代行者であるサーヴァントによる戦いよ。
前に回収したクラスカードに宿った英雄を、理性がある状態で従えると思ってくれれば良いわ。
そしてマスターは絶対命令権である令呪によってサーヴァントを従え、魔力を供給することでこれを維持する。
無限の魔力を得られるステッキを持ってるあんたはこの時点で他のマスターより圧倒的に有利よ」

今まで以上に丁寧に説明する凛の心中は暗い。
宝石翁から命じられた「聖杯の確保ないし封印」に子供を動員しなければならないのだから。
任務を抜きにしても、野心を持った魔術師が聖杯を手に入れた時に生まれる被害を考慮すれば何もしないわけにはいかなかった。
そんな複雑な状況だからこそ、打てる手は全て打っている。


98 : イリヤスフィール・フォン・アインツベルン&ランサー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/31(木) 12:06:20 rvm6DK4.0
「凛さんの無茶振りは今に始まったことじゃないですけどねー」
「大体あんたのせいでしょうがこのバカステッキ!!
私たちも木片を手に入れ次第すぐ行くから、とにかくそれまで何があっても生き延びて。
あとこれ。セイバー、ランサー、アサシンのクラスカードにサーヴァントを呼び出す触媒になる聖遺物。
伝承の通りなら実力は折り紙つきで人格的にも頼めば必ずあなたの力になってくれるはずよ。
基本戦いに関してはサーヴァントに任せればそれで良いから」
「は、はい……」






「……と、いうわけなんです」
「なるほど、戦意に欠けると思えばそういう事情だったか」

こうして現在、イリヤは聖杯戦争に参加し、カレイドステッキ・マジカルルビーによって記憶を早期に取り戻して予選を突破した。
そして凛から渡された聖遺物を触媒に召喚したのが白髪痩躯に黄金の鎧を纏ったサーヴァント、ランサーだった。
鋭い眼光につい萎縮してしまうのも無理のない話だろう。

「あのー…怒ってます?
私、特に願い事とかもないのに呼び出しちゃって……」
「いや、構わない。事実、オレに聖杯にかける類の願いはない。
オレのマスターは君だ。その指示には従おう。
それに君とて何の願いもない、というわけではないだろう。
聖杯を使うには大げさな、ささやかな願いを持っているはずだ」
「うっ…!?」

ランサーの指摘に思わず赤面してしまった。
聖杯で義兄、士郎と結ばれたら、という邪な思いがあったことは否定できない。
もしや初対面で見抜かれるほど自分はわかりやすいのだろうか。

「ともあれ、予選期間中は下手に動くべきではないな。
本戦まで生き延びてから君の知り合いを探す方が得策だ」
「あっ、はい……。
はあ、クラスカードがあればなあ…」

せっかく持ち込んだクラスカードだったが、ルーラーなる存在に没収されてしまっていたようだ。
少し汚い字で「一応ステッキは許可しますが英霊の夢幻召喚なんてズルは認めませんよ?」と置き手紙があったので間違いないだろう。

「あっ…カードがないってことはリンさんに怒られる!?」

鬼のように怒り狂う凛の姿を幻視して別の意味での恐怖が膨れ上がる。
まず彼女への言い訳から考えなければいけないようだった。


99 : イリヤスフィール・フォン・アインツベルン&ランサー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/31(木) 12:07:10 rvm6DK4.0
【博多/2014年7月2日(水)1010】

【マスター】 イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/kareid liner プリズマ☆イリヤ

【参加方法】

遠坂凛の指示で参加。
ゴフェルの木片は魔術協会から送られてきたもの。

【マスターとしての願い】

殺し合いはしたくないけど、とにかく無事に帰りたい。
聖杯の力でお兄ちゃん(士郎)と両想いになりたい……?

【Weapon】

カレイドステッキ・マジカルルビー…魔法使い・宝石翁ゼルレッチの制作した愉快型魔術礼装カレイドステッキとそれに宿っている人工天然精霊。愛称(自称)はルビーちゃん。
任務によって宝石翁から遠坂凛に貸し与えられマスターとしたが、ルヴィアとの私闘に明け暮れる凛に呆れ、妹と共にマスターを見限った。
その後イリヤを詐欺同然の強引な手口で魔法少女にする。
子供のおもちゃにあるような「魔法少女のステッキ」そのままの外観でヘッド部分は五芒星を羽の生えたリングが飾っている。羽のモチーフは鳥。
自分が楽しければ他はどうでもいい、という傍迷惑な性格で、ぶっちゃけトラブルしか起こさない。
平行世界からの干渉によってマスターへ無限の魔力供給が可能。また、Aランクの魔術障壁の他、物理保護、治癒促進、身体能力強化といった恩恵を常に与えている。
ただし、供給量・持続時間は無限でも、一度に引き出せる魔力はマスターの魔術回路の性能に依存するため、結局は効率的な魔力運用は欠かせない。
機能の一つに、魔術ではなく「純粋な魔力」を放出するというものがあり、砲弾、散弾、ブレード状に固定、といったバリエーションで駆使する。
これらは普通の魔術が利き難い黒化英霊の持つ魔術障壁に対し有効。
ある程度、形・大きさを変えることができるらしく、使用時以外は手で持つステッキ部分を消して、羽の生えた星型の丸いヘッド部分のみの姿となって、イリヤにまとわりついている。
しかし現在は制限により自律行動はできなくなっている。

クラスカード…神話の英雄の力を宿した特殊なカード。
極めて高度な魔術理論で編み上げられており、何の前触れもなく冬木市に現れた。
本来の使用方法は夢幻召喚(インストール)と呼ばれるもので、英霊の座へアクセス、役割に応じた英霊の力の一端を写し取り、自身の存在に上書きするという擬似召喚である。
イリヤはセイバー、ランサー、アサシンのカードを持ち込んで参加したが、それを見咎めたルーラーによっていずれも没収されてしまった。
どこかには保管されているかもしれない。


100 : イリヤスフィール・フォン・アインツベルン&ランサー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/31(木) 12:07:50 rvm6DK4.0
【能力・技能】

能力の大半は彼女自身のものではなく、カレイドステッキのマジカルルビー及び回収したクラスカードを利用した「魔法少女」としてのもの。
アニメで培った想像力と発想力のおかげで、本来難度の高い飛行能力を難なく習得するなどの才能を見せる。
また、凛やルヴィアすら思いつかなかったクラスカードの夢幻召喚(インストール)という使い方を発見しているが、これは彼女自身も把握していない魔術の素養がもたらしている能力であり、彼女の発想力から生まれたものではない。
しかし現在は一枚もクラスカードを所持しておらず、燃費の悪いカルナへの魔力供給もあって十分な戦闘力を発揮できなくなっている。
また幸運が異様に高く、カルナの幸運値上昇にも一役買っている。
ちなみに彼女はもう一人の自分と分離する前の時期から参加している。

【人物背景】

穂群原学園小等部(5年1組)に通う小学生。義兄の衛宮士郎、本来はメイドだがほぼ家族同然に接しているセラ&リーゼリットの姉妹と四人で暮らしている。
父の衛宮切嗣、母のアイリスフィール・フォン・アインツベルンは仕事で家を空けている。
なお、士郎は切嗣の養子で、イリヤとの血縁はない。切嗣とアイリは夫婦ではあるが籍は入れていないため、イリヤと切嗣・士郎とでは姓が異なる。
足の速さが密かな自慢。「魔法少女マジカル☆ブシドームサシ」というアニメを好んで見ている。
カレイドステッキに見初められ、ただの一般人だったイリヤが、詐欺同然の強引な手口で契約させられ、魔法少女プリズマ☆イリヤとなる。
物語当初は「巻き込まれただけの一般人」だったイリヤだが、次第に彼女にも秘密があることが明らかになっていく。
性格はとある平行世界と違い一般の家庭に育っているため、比較的素直な性格で捩れていない。
言ってしまえば単純な性格。ただ、根幹は一緒なのか、隠れたSっケなどの素養は持っているようである。
精神的に追い詰められるととりあえず逃げの一手を打ち、安全圏に脱出してほとぼりが冷めるのを待ちながら打開策を考えようとする悪癖がある。
メイドというものに異常なまでに興奮してメイド姿の美遊を(たぶん)性的な意味で襲ったり、極限状態とはいえ士郎を幼女三人がかりで性的な意味で襲ったりと若干おかしな部分もある。

【方針】

何とか殺し合いに乗らずに生き残りたい。
リンさんたちが来ているなら合流したい。


101 : イリヤスフィール・フォン・アインツベルン&ランサー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/31(木) 12:08:59 rvm6DK4.0
【クラス】 ランサー

【真名】 カルナ@Fate/Apocrypha

【属性】 秩序・善(混沌・悪)

【ステータス】
筋力 B 耐久 A 敏捷 A 魔力 B 幸運 A+ 宝具EX

【クラス別スキル】
対魔力:C…二節以下の詠唱による魔術を無効化する。
大魔術、儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。
ただし宝具である黄金の鎧を身に付けている時はこの限りではない

【保有スキル】
貧者の見識:A…相手の性格・属性を見抜く眼力。
言葉による弁明、欺瞞に騙されない。
天涯孤独の身から弱きものの生と価値を問う機会に恵まれたカルナが持つ、相手の本質を掴む力を表す。

無冠の武芸:−…様々な理由(身分など)から他者に認められなかった武具の技量。
相手からは剣、槍、弓、騎乗、神性のランクが実際のものより一段階低く見える。
真名が明らかになると、この効果は消滅する。
属性が二つ存在するのもこのスキルの影響によるもの。
ちなみに、幸運の数値はカルナの自己申告であり、実際の数値はCランク相当である。

騎乗:A…幻獣・神獣ランクを除くすべての獣を乗りこなす。
逸話では戦車を操り、ライダーのクラス適性を持つ程に優れている。

神性:A…太陽神スーリヤの息子であり、死後にスーリヤと一体化するカルナは、最高の神霊適正を持つ。
この神霊適正は神性がB以下の太陽神系の英霊に対して、高い防御力を発揮する。

魔力放出(炎):A…武器に魔力を込める力。
カルナの場合、燃え盛る炎が魔力となって使用武器に宿る。
やろうと思えば炎の翼を生やしての飛行や宝具化した杭を焼き尽くすこともできるが非常に魔力消費が激しいため長時間の使用は避けている。

【宝具】

「日輪よ、具足となれ(カヴァーチャ&クンダーラ)」

ランク:A 種別:対人(自身)宝具 レンジ:0 最大捕捉:1人
カルナの母クンティーが未婚の母になることに恐怖を感じ、息子を守るためにスーリヤに願って与えた黄金の鎧と耳輪。太陽の輝きを放つ、強力な防御型宝具である。
光そのものが形となった存在であるため、神々でさえ破壊は困難。カルナの肉体と一体化している。
物理、概念を問わずあらゆる攻撃のダメージや効果を十分の一に削減する。
ただし削減できるのは外界からの干渉のみで、内側からの攻撃に関しては効果適用外である。
この宝具の効果によるものか、カルナは致命傷に近い傷も即座に回復する高い自己治癒能力も持ち、体に負った多少の傷は戦闘を行いながらでも瞬時に完治してしまう。



「梵天よ、地を覆え(ブラフマーストラ)」

ランク:A 種別:対軍〜対国宝具 レンジ:2〜60 最大捕捉:400人
バラモンのパラシュラーマから授けられた弓術の奥義。
対軍、対国宝具。クラスがアーチャーなら弓、他のクラスなら別の飛び道具として顕現する。
ランサーのクラスでは目からビームを放つ。
実際にはビームではなくカルナの強烈な眼力が視覚化されたもの。
ブラフマー神(梵天)の名を唱えることで敵を追尾して絶対に命中するが、呪いにより実力が自分以上の相手には使用できない。


102 : イリヤスフィール・フォン・アインツベルン&ランサー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/31(木) 12:09:54 rvm6DK4.0



「梵天よ、我を呪え(ブラフマーストラ・クンダーラ)」

ランク:A+ 種別:対国宝具 レンジ:2〜90 最大捕捉:600人
「日輪よ、具足となれ」と並ぶ、隠されたカルナの宝具。彼の奥の手である。
ブラフマーストラに、カルナの持つ炎熱の効果を付与して発射する。
元より広い効果範囲を持つブラフマーストラの効果範囲が更に広がり、威力も格段に上昇する。
その一撃は核爆弾に例えられている。



「日輪よ、死に随え(ヴァサヴィ・シャクティ)」

ランク:EX 種別:対軍・対神宝具 レンジ:40〜99 最大捕捉:千単位
インドラが黄金の鎧を奪う際、彼の姿勢が余りにも高潔であったため、 それに報いて与えた神々をも打ち倒す、一撃のみの光槍。
雷光でできた必滅の槍。黄金の鎧と引換に顕現し、絶大な防御力の代わりに強力な"対神"性能の槍を装備する。
発動する際、槍の穂先から強烈な光の一撃を放つ。奈須きのこ曰く「インド版バスターランチャー」。
発射後、槍自体は残るがこの宝具の真名解放は二度と出来なくなる。

【人物背景】
パーンダヴァ王家とカウラヴァ王家の戦いを描いたインドの叙事詩『マハーバーラタ』に登場する、「倒される側の英雄」。
人間の姫であるクンティーと太陽神スーリヤとの間に生まれた黄金の英雄で、インド神話の大英雄アルジュナのライバルとして名高い。
性格は全ての物事を「それも有り」と解釈し、下された命令の好悪は考えず、その命令がどういう事態を引き起こすのかも敢えて思考を止めている。
彼にとっての第一義は自らを召喚したマスターに仕えることであり、命令に逆らう事はまず無い。そもそも逆らうという考え自体が存在しないように振舞っている。
絶世の美男子だが、目付きは鋭く、他人を寄せ付けないものがあり、幽鬼のような白い肌といつも表情を崩さないため冷酷な人物に見られがち。
敵には容赦なく、言動も余分なものが無いため、一見すると人間性を感じさせないが、本当は大変思慮深く義理堅い人物で、英霊の中でも特に人間的に優れた人物。
その徳を積んだ人柄と生前の生き方から「施しの英雄」と称され、他者の頼みは道理さえ通っていれば大抵は断らず、それは敵対する者であっても例外ではない。
また誇り高い武人であり、作中では黒のセイバーに正面から戦いを挑み、彼の武練を賞賛する。
彼の言葉は非常に率直で、あらゆる欺瞞、虚飾を切り捨てる鋭さがある。


103 : イリヤスフィール・フォン・アインツベルン&ランサー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/31(木) 12:10:42 rvm6DK4.0
これが『悪』と勘違いされる最大の原因で、自らを偽る言動、取り繕う態度や信念などを全て見抜いた上で、相手が言われたくない事やその本質を語ってしまい、余りの率直さによって相手の怒りを買いやすく大抵の相手に嫌われて戦闘を余儀なくされてしまう。。
しかし、彼の言動は他者の短所を嫌悪してのものでない。
彼に取って、相容れぬ信念も理解出来ない美醜も尊ぶもの。
人それぞれの立ち位置を肯定する彼にとって、相容れぬ信念も理解できない美醜も嫌悪の対象にはならず、「それもまた良しだ。…いや。正直、少しばかり羨ましい」と内心では感心している。
だが彼は無口で激昂した相手を宥められるほど器用ではなく、“本当に伝えるべき感想”を表だって出さないため、結果として“あらゆるものを嫌っている”人物であると誤解されてしまう。
サーヴァントとしてこれ以上ないほどの人物だが、敵どころか自分のマスターにすら嫌われやすいのは、この口下手さが原因である。
余談だが、今回の彼は時計塔から送られてきた聖遺物を触媒に召喚された。

【サーヴァントとしての願い】
自分の助力を乞い、召喚したマスターに仕えること。
例え召喚した人物が目的のために手段を選ばない魔術師であろうと、あらゆる物事から逃避する怠惰な人間であろうと、殺し合いという現実に怯える少女であろうとそれは変わらない。
この願いのためカルナはマスターの命令がどのようなものであれ忠実に従う。
しかし、その行動がマスターに取って最も必要な事だと判断したならば、例えマスターの命令だろうと刃向かう意志を見せる。

【基本戦術、方針、運用法】
カルナ自身の方針は前述の通りマスターの指示に従うことであり、マスターの方針がカルナの方針である。
能力を生かすのであれば、戦士としてだけではなく斥候として活用しても結果を残せる。
カルナはアーチャーのクラス適性も持っており、数キロ先の乗用車のナンバープレートすら正確に視認できる超視力を有している。
またカレイドステッキによる無限の供給により(マスターは全く戦闘できなくなるが)常時魔力放出を使用することも可能になっている。
さらにルーマニアにおいては知名度の低さから存在が劣化していたが現在はその制約が若干緩和されており、耐久のステータスがランクアップしている。
しかし上記のカルナのスキル、宝具、能力などは彼自身を語る上で半分程度のステータスでしかない。
カルナ最強の武器とは、あらゆる不幸を受け入れながら誰一人恨むことのなかった強い意志である。
その強靭な意志は例えどのような苦痛を受けようとも一切動きが鈍ることはなく、致命傷を負っても長期間現界し続けるほど。
とはいえカルナもサーヴァントである以上マスター不在による消滅だけは避けられない。


104 : ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/31(木) 12:11:59 rvm6DK4.0
投下終了です
OPの変更に合わせて登場話のストーリーを全面的に改稿しました


105 : ◆ui4kQCcLNk :2014/07/31(木) 14:17:48 sg0S66vA0
SNの方のイリヤとヘラクレスで再投下します


106 : SNイリヤ・ヘラクレス ◆ui4kQCcLNk :2014/07/31(木) 14:18:55 sg0S66vA0
「殺っちゃえ、バーサーカー!」

少女の無邪気さの混ざった命令が狂戦士を動かす。
それは巌のような巨人と呼んでも差支えない大男だった。
全身が鉛色の暴虐の化身と呼ぶべき存在。
巨人が数回斧剣を振るっただけで敵対したサーヴァントの命は潰えた。
消えかけているその死骸はミンチよりも酷い惨状を晒している。


「ひぃぃい!?お、俺のランサーが……しし、死んだっ!?
こ、こんな…あっけなさすぎる!」
「え?まさかあの程度で三騎士だったの?
あれならシロウのセイバーの方がずっとマシだったわ。もういい、死になさい」

バーサーカーが斧剣を大上段に振り下ろす。
先だって目覚め、サーヴァントと契約していたマスターを地面の染みにするには十分すぎる一撃だった。



「バーサーカーは強いね」

バーサーカーのマスターである銀の少女が確信を込めて従者を称賛した。
無論、バーサーカーは静かに佇んだまま言葉を返すことはない。
けれど元より絆の強い二人に余計な会話など無用だった。



少女、イリヤは地上の第五次聖杯戦争に参加している最中だった。
城で過ごしていたはずがいつの間にかこの奇妙な聖杯戦争に巻き込まれていたのだった。
しかし冬木のそれとは別に願望器が存在するのなら、そこに掛ける願いがないでもなかった。
そのためイリヤは正式にマスターとして参加することにした。
マスターとして目覚める直前、サーヴァントと契約したマスターに襲われた時記憶を取り戻した。
そんな彼女の元に駆けつけたのは当然にして共に戦っていたバーサーカー、ヘラクレスだ。
猛るバーサーカーは僅か三十秒で襲撃者である敵主従を粉砕した。

その後もイリヤの外見を侮ったか仕掛けてくる敵マスターとサーヴァントをその度に返り討ちにしていた。
驚いたことに中には魔術の資質すら持たない哀れな身の程知らずまでいた。


「早く戻らないとシロウが他の誰かに殺されちゃうのに…。
本当に、数だけは多いのね」

苛立ち紛れに石ころを蹴り飛ばした時、ふと妙案が浮かんだ。
地上の聖杯戦争ならシロウ以外のマスターには通用しないだろうがここならあるいは。

「ふふ、誰かに“お願い”してもいいかもしれないわね」

聖杯であるイリヤは生まれつき魔術を知っている。
その応用で拘束・魅了効果のある魔眼を使うこともできる。
抗魔力すら持たない者なら虜にして間接的にサーヴァントを奪い取れる可能性もある。
その方が間引きも手早く済むに違いない。



「ずっと動き続けるのは疲れるもの。
少しは頭を使ってみるのも悪くないわね。
早速獲物を探しにいきましょう、バーサーカー」

地上において最強を誇るサーヴァントの進撃は、止まらない。


107 : SNイリヤ・ヘラクレス ◆ui4kQCcLNk :2014/07/31(木) 14:20:09 sg0S66vA0
【博多/2014年7月1日(火)2405】

【マスター】
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/stay night
【参加方法】
アインツベルン城の調度品にゴフェルの木片が用いられていた。
【マスターとしての願い】
もし願いが叶うなら聖杯の力でアインツベルンの悲願を成就した上で普通に生きてみたい。
【weapon】
・特別製の令呪…本来ヘラクレスは令呪すらキャンセルするほどの霊格を誇り、ましてバーサーカーとして制御・使役することなど不可能な存在である。
しかしイリヤの全身に宿るこの令呪はそんなヘラクレスさえも律することを可能とする。
・魔眼…正確には武器というより魔術(のようなもの)。
イリヤの扱うそれは耐性の無い者なら視界に入れた時点で魅了・拘束することができる。
また然るべき手順を踏めば人形に他人の意識を移すことも可能。

【能力・技能】
マスターとしては聖杯戦争史上最高の適性を持っており、凄まじく魔力を消耗するバーサーカーを苦も無く維持している。
ただし、マスターとしては群を抜く適性を有してはいても、聖杯戦争のためだけに育てられたという歪な教育課程のためか魔術師としての技量そのものは未だ高くなく、まだまだ発展途上。
もっとも、こちらの適性もホムンクルス故に高く、魔術回路の数も通常の魔術師を圧倒し、自立型魔術回路とでも言うべき存在。
魔術師としては未熟とされるイリヤではあるが、そもそもイリヤは「願望機」たる聖杯であるため、彼女の魔術は理論をすっ飛ばして「結果」のみを現出できる。
それがイリヤの魔力で叶うことならば、イリヤ自身はそのために必要な魔術理論を知らなくとも魔術を行使できる(魔力弾を発射するなど)。
【人物背景】
「最高傑作」と謳われる、アインツベルンのホムンクルス。
第四次聖杯戦争開始に先立ち、アイリスフィール・フォン・アインツベルンの卵子と衛宮切嗣の精子を用いて作り出された。
なお、ホムンクルスでありながら、その過程でアイリスフィールの母胎から「出産」されることで生を受けている。
生まれながらに「聖杯の器」となることが宿命づけられており、母親の胎内にいる間から様々な呪的処理を為されている。
しかし反作用として、発育不全・短命などのハンデも背負っている。
第四次聖杯戦争を経て母は亡くなり、父は裏切り者としてアインツベルンから遠ざけられる。
鋳造主であり育ての親とも言えるアハト翁による教育も手伝い、「キリツグは自分と母を捨てた」という誤解によって恨みの感情を募らせていく。
第五次聖杯戦争開始の二ヶ月前にバーサーカーを召喚。
苛烈な訓練によって、人格を失っているはずのバーサーカーと強固な絆を得る。
バーサーカー、セラ、リーゼリットを伴って来日し、切嗣の養子・衛宮士郎と邂逅を果たし、聖杯戦争に臨む。


108 : SNイリヤ・ヘラクレス ◆ui4kQCcLNk :2014/07/31(木) 14:20:48 sg0S66vA0
基本的には素直で無邪気、天真爛漫な幼女。その様は「雪の妖精」に喩えられる。
しかし、聖杯戦争のためだけに育てられたため、一般的な常識や倫理観が乏しく、特に殺人に抵抗がない(但し流石に関係の無い民間人を躊躇無く殺せるという程ではない)。
ナチュラルに天使で、ナチュラルに悪魔。
夜に出会えば危険極まりないマスターであるが、お昼の商店街に現れたときは人との触れ合い方を知らない臆病な少女である。
士郎を「お兄ちゃん」と呼び、マスターとしては裏切った衛宮切嗣の後継者として殺害しようとするが、イリヤスフィールとしては士郎に対し親しみを感じており、HFルートではその二つの相反する感情に戸惑うこともあった。
普段の立ち居振る舞いは幼い少女然としているが、魔術師・貴族の姫として威厳のある態度をとったり、実年齢は士郎よりも上であるため、「妹」ではなく「姉」としての顔を垣間見せる時もあるなど、様々な側面を併せ持つ。
【方針】
敵が多いのでバーサーカーで蹴散らすだけでなく、ある程度はどう動くか計画性を持って戦うつもり。
予選で魔術抵抗を持たないマスターが複数いることを知っているので魔眼で敵マスターを屈服させることも視野に入れる。


109 : SNイリヤ・ヘラクレス ◆ui4kQCcLNk :2014/07/31(木) 14:21:46 sg0S66vA0
【クラス】バーサーカー
【真名】ヘラクレス@Fate/stay night
【属性】混沌・狂
【パラメーター】
筋力 A+ 耐久 A 敏捷 A 魔力 A 幸運 B 宝具A
このパラメーターは狂化のランクを低下させている状態での表記である
【クラス別スキル】
狂化:B…理性の代償として能力を強化する。
ランクBは大半の理性を失う代わりにすべての能力値が上昇する。
普段は維持を楽にするためにランクを落として運用している。
【保有スキル】
勇猛:A+…威圧、混乱、幻惑といった精神干渉を無効化する。
また、格闘ダメージを向上させる。
しかし現在は狂化しているため効果を発揮しない。
神性:A…生前は半神半人で死後は神に迎えられた為、最高レベルの神霊適正を持つ。
戦闘続行:A…瀕死の傷でも戦闘可能。
決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。
心眼(偽):B…直感・第六感による危険回避。
熟練の剣士と打ち合ったとしても生半可なフェイントは通用しない。
本能に近いスキルであるため狂化の影響を受けない。

【宝具】
「十二の試練(ゴッド・ハンド)」
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:− 最大捕捉:1人
生前ヘラクレスが達成した十二の偉業を由来とする宝具。
武器や防具、装飾と言った形は持たず、肉体そのものが宝具となっている。
この宝具は肉体を強靭な鎧へと変化させ物理的な手段、魔術を問わずランクB以下の攻撃を全て無効化する。
そしてランクBを超える攻撃により、見事にヘラクレスを討ち果たした場合、ヘラクレスは自動的に蘇生する。
この蘇生は十一回分のストックがあり、ヘラクレスを十二回殺さない限りは消滅させる事が出来ない。
またこの蘇生は魔術に分類されるためマスターからの魔力供給によって失ったストックも回復可能。
マスターがイリヤの場合劇中の描写から一日二つ程度は回復可能と思われる。
さらに既知のダメージに対して耐性を持たせるため、一度殺した攻撃で再び殺されることはなくなる。
この既知のダメージに対する耐性はヘラクレスが該当する攻撃で死亡した時ではなく負傷した時点で作られる。
尚、この場合の「ランクB以下の攻撃」とは純粋な威力ではなく神秘の度合いを示す。
極端な例を挙げれば世界を滅ぼす一撃であろうともBランク以下の神秘であればヘラクレスに届きすらせず無効化される。
逆に威力に乏しくともAランクを越える神秘であればヘラクレスを殺傷し得る。
もっとも、攻撃が通用して傷をつけられることと、その攻撃で頑強な彼を仕留められるか否かは別の話である。
しかし弱点もあり、余りに大きいダメージを受けると一度に複数回分命のストックを失う場合がある。
また肉体が傷ついた状態で戦わせ続けるとより死にやすい状態となってしまう。


110 : SNイリヤ・ヘラクレス ◆ui4kQCcLNk :2014/07/31(木) 14:22:46 sg0S66vA0
「射殺す百頭(ナインライブズ)」
彼の持つ万能攻撃宝具。
一つの兵装ではなく、生前の偉業「ヒュドラ殺し」で使った弓の能力を元にヘラクレスが編み出した、言わば「流派・射殺す百頭」。
その本質は、攻撃が一つに重なる程の高速の連撃にある。
状況・対象に応じて様々なカタチに変化する「技」であり、公式で明言されたものは対人用の「ハイスピード九連撃」、対幻想種用の「ドラゴン型のホーミングレーザーを九発同時発射」の二者。
剣や槍や斧や弓といった武器はおろか防具である盾でさえも使用可能であり、複数の名のある宝具候補のうち、クラスに対応して所持する兵装としての宝具が変化しても、この技の性能は変わること無く宝具級の威力を発揮する。
しかし、狂戦士クラスで召喚されたため、その卓越した武技とともに、この宝具も使えない状態となってしまっている。

【weapon】
・斧剣…第五次聖杯戦争でアインツベルンはヘラクレスを召喚する際彼を奉る神殿の支柱となっていたこの剣を触媒とした。
召喚された後も元より高い神秘を持つこの剣を獲物として戦い続けた。
今回の聖杯戦争では最初から所持している。

【人物背景】
ギリシャ神話の大英雄。神々や数多の怪物を倒したとされる世界屈指の英雄。
前述の彼を奉る神殿の支柱となっていた斧剣を触媒にアインツベルンのサーヴァントとして召喚された。
アインツベルンが「バーサーカー最強!」と思ってしまっていることと、第四次聖杯戦争のことから手駒に余計な意思を持たせたくなかったためにバーサーカーとして召喚された。
神話中で何度も発狂する伝承があることから「狂戦士」のクラスへの適正はそれなりに高いが、「魔術師」以外の全クラスに当てはまるほどの武芸百般を極めた武人である。
狂化しているためその人格をあらわすことはない。
だが、その実クラス特性たる狂化に飲まれることの無い程の理性の持ち主であり、冷静な戦略眼すら持つ。
武人として高潔な人物であり、戦士として他の英雄としのぎを削りあえることを望んでいる。

【サーヴァントとしての願い】
狂化しているためなし。
強いて挙げればイリヤを守り抜く。

【基本戦術、方針、運用法】
圧倒的な怪力と体躯に似合わぬ素早さから白兵戦においては敵無しとされており、セイバー、アルトリア・ペンドラゴンであっても例外となり得ない。
その能力から原作において歴代最高峰のメンバーと評される第五次聖杯戦争のサーヴァントの中でも最強と言われている。
狂化されている為に技量は皆無だが、その剛力から生み出せる一撃と卓越した反射神経から最高のスピード及び攻撃回数を誇るとされ、ただ剣を振り回すだけでも他のサーヴァントを圧倒する。
小手先の技術など彼の嵐のような攻撃の前には無力とされる。
一方、クラスの特質から理性を奪われており、せっかくのスキル勇猛や攻撃宝具「射殺す百頭(ナインライブズ)」が使用不可能。
防御面も本来は戦士としての経験と技術で一度視認した攻撃を見切る事が可能で「十二の試練」を更にフォローしていたのだが、宝具の特性のみに頼らざるを得ない状態となっている(ただしスキル「心眼(偽)」「戦闘続行」による危険察知や死に難さは健在であり、Aランクに相当する攻撃に対して迎撃したり、致命傷を受けても中々死なずあまつさえ反撃すら可能)。
この二点から、「狂戦士」ではなく、別のクラスならばより強力なサーヴァントとなったともいわれている。なお、最もヘラクレスの力を発揮できるクラスはアーチャーとのこと(ヘラクレスはレンジャーとしての能力を持つため)。
ただし今回の聖杯戦争ではサーヴァントの多さから「十二の試練」の有用性が相対的に低下しておりある程度は細やかな戦略を立てて動く必要がるだろう。


111 : SNイリヤ・ヘラクレス ◆ui4kQCcLNk :2014/07/31(木) 14:24:51 sg0S66vA0
以上で投下を終了します
それと時間表記を間違えていたので【博多/2014年7月1日(火)0005】に変更します


112 : ◆Mti19lYchg :2014/07/31(木) 20:20:20 UJ7dsj.A0
第二次二次キャラ聖杯戦争に投下した蝶・変態仮面チームをこちらに再投下させていただきます。


113 : 色丞狂介(変態仮面)&キャスター ◆Mti19lYchg :2014/07/31(木) 20:21:01 UJ7dsj.A0
 色丞狂介は、刑事であった父親譲りの強い正義感を持つ。
 故に突然聞こえた叫び声に向かい、走った。

 狂介が駆け付けた時には、すでに手遅れだった。
 胸に短剣が突き刺さり、仰向けに倒れている青年。指一本動かさない事から、既に絶命していると分かる。
 死体のそばに黒い影がうずくまり、短剣を犠牲者の身体から引き抜いている。
 その身体は暗がりに溶け込み、髑髏を模した仮面が宙に浮き上がっているようだった。
 狂介が余りの状況に固まっていると、髑髏の怪人が狂介を見つめ、呟いた。
「未契約のマスターか。悲鳴で釣れるとは運が良い」
 次の瞬間、男は狂介に向かい、抜き取った短剣を投げた。

 色丞狂介は、紅優高校拳法部のホープである。
 故にギリギリとはいえ、投擲された短剣を頬をかすめるだけで回避した。

「手を抜いたとはいえ、かわすとはな。殺されるのをただ待つ木偶ではないという事か」
 男は内心の驚愕を押し殺し、立ち上がった。片手に曲刀を持つその姿は、子供の背丈にも満たない矮躯だ。
『こいつ……春夏さんや秋冬くん、天狗丸の比じゃない!!』
 だが狂介は僅かな動き、そしてぶつけられる殺気で判断できた。この男は今まで見た事もない強者だと。
「え……あれ、春夏さんって誰だ……?」
 死を前にした状況で、何故知らない人間の名がとっさに浮かんだのか。理由に思い当たらないまま、狂介は近づいてくる男に向かい問いかけた。
「おい! 何でお前はこんなことをするんだ! 大体、マスターって何だ!? って熱ッ!」
「チッ、マスターの目覚めが始まったか」
 狂介は右手の痛みをこらえ構えるが、男から放たれる殺気に筋肉が硬直し、彫像と化している。
 男が足を撓め飛びかからんとしたその時、点描画のように黒点で構成された蝶が狂介と男の丁度中間に飛んできた。
 何故真夜中に蝶が? と狂介と男が疑問に思う間もなく、蝶に火花が走り、爆発した。
「うわぁっ!!」
 爆風で吹き飛ばされる狂介と髑髏の男。
 だが、男は狂介の見立て通り、狂介を上回る体術の使い手だ。後ろ受け身をとり、さらに後転倒立して即座に跳ね起きる。
 続いて狂介に短剣を投げつけようとしたが。
「……サーヴァントか」
 男の目に飛び込んできたのは、狂介の周りに十を超える蝶が舞う光景だった。
 男は自身の不利を悟り、無言のまま闇夜に消えた。

「せ、背中と手が痛い……。何だったんだ、あいつ」
 仰向けに倒れた狂介が痛む右手をみると、甲にあざが刻まれている。さらに手の向こう側では幾つもの蝶が踊っていた。
「あれ、この蝶なんかおかしくないか?」
 その中で一匹、歪んだ形で動く蝶がある。何か曲面の板に書かれた絵のような。
「下から舐める様に自分のサーヴァントの股間を見るとはな」
 その蝶を凝視する狂介に、真上から声が投げかけられた。
 狂介が声の方向に視線を向けると。

「この変態が」
 そこには蝶々仮面を被った男が、狂介を見下ろしていた。


114 : 色丞狂介(変態仮面)&キャスター ◆Mti19lYchg :2014/07/31(木) 20:22:05 UJ7dsj.A0
「うわぁああああぁあああああ――――!!! へ、変態!!!」
 狂介はとっさに地面を這い、遠くへ逃れた。
「NON、パピヨン」
「パ、パピヨン……?」
 蝶々仮面の男は舌打ちを鳴らしながら、人差し指をメトロノームの様に動かした。
「パピ、ヨン。もっと愛をこめて♡」
 暗闇に目が慣れた狂介が男をよく見返すと、歪んだ蝶は男が着るスーツの股間に刺繍された物だと分かった。
 全身をぴったりと包むそのスーツは、首から臍下のギリギリまで大きく開いており見る者に何とも言い難い印象を与える。
 さらに紫で彩られた蝶々仮面は、舞踏会でもなければまず目にすることのない代物だ。
 一言で形容すれば、狂介の言った通り『変態』以外当てはまらないだろう。
「せっかくマスターの危機を救ってやったんだ。自分のサーヴァントに感謝する礼儀もないのか?」
「マスターにサーヴァント……?」
「まだ分からないか? 俺を召喚できた以上、記憶が戻っているはずだがな」
「記憶……? そうだ、だんだん思い出してきた」
 海外留学に行ってしまった愛子ちゃんから木彫りの人形が送られてきたんだ。
 それを抱いて眠って……朝起床し登校した。だけどその学校は紅優高校じゃない別の高校だった。
 放課後、拳法部に行ったけど主将や里美ちゃん、春夏さんに秋冬くんはいなかった。その異常な事実にまるで気付けなかった。
「これは聖杯戦争……聖杯の所有権を得る為、マスターがサーヴァントを使役し戦う殺し合い……」
 聖杯、マスター、サーヴァント――聖杯戦争に必要な情報が、記憶を取り戻した狂介にインストールされていく。
 数秒後、事態を理解した狂介は、パピヨンに対し尋ねた。
「……ええと、パピヨンでいいか? お前が僕のサーヴァントで、聖杯戦争はもう始まっているのか?」
「そうだな。はなはだ不本意だが、どうやらお前が俺のマスターらしい。
 聖杯戦争はまだ予選の段階だ。記憶を取り戻した時点で予選突破、本選へと進む仕組みだ。
 さっきの奴はいち早く記憶を奪還したマスターが先走って、敵になるマスターを一人でも多く減らそうとしたんだろう」
「それで、途中での退場は認められない……」
「そうだ。この空間に召喚された時点で聖杯を手に入れ、帰還できるのは唯一人。
 ……怖気づいたか?」
 パピヨンはからかうように言った。
「……確かに正直怖いよ。でも、それ以上にこの殺し合いは放っておけない。
 僕みたいに勝手に巻き込まれた人はいるかもしれない。そしてさっきみたいに襲われるとしたら」
 狂介は身を起こし、パピヨンに対して正座し頭を下げた。
「頼む、戦いを止めるため協力してくれ!」
 狂介の懇願を、パピヨンは、実験室のネズミを見つめる科学者のような目つきをしながら聞いていた。
「成程、俺としても勝手に喚び出されての殺し合いなど、気に食わないな」
「じゃあ」
「ああ。だが、NON!」
 面を上げた狂介に、パピヨンは叫んで両腕でX印を作った。
「だからといって人助けをするのは、もっと気に入らない。武藤のような偽善者の真似事をするなど、考えただけで反吐が出そうだ」
 そう言って狂介の眼前に顔をよせ、舌を垂らし吐き真似をしてみせた。
「そ、れ、に、だ。そんな物を持ち歩く奴が正義の味方やろうなど滑稽だぞ」
「それって……え!?」
 パピヨンが指さした先にあるのは、女性の下着。いわゆるパンティだ。
「さっきお前が俺から離れるとき、ズボンから落ちたぞ」
「な、なんでこんなのが僕のポケットに入って……」
「どこかで盗んできたんだろ。変態め」


115 : 色丞狂介(変態仮面)&キャスター ◆Mti19lYchg :2014/07/31(木) 20:23:06 UJ7dsj.A0
 色丞狂介は、実は記憶が完全に戻っていなかった。
 故にパピヨンの言葉を信じ込んでしまった。

「ぼ、僕は変態だったのか……。僕もこいつと同じ……」
「実に不快な奴だな、貴様は」
 がっくりと四つん這いになった狂介に対し、パピヨンは嫌悪感をあらわにした。
「くそっ、こんなもの――――!!」
 狂介はパンティーを拾い引きちぎろうとしたが。
「――ってこれ愛子ちゃんのパンティ!?」
 両手で伸びたパンティーに刺繍された「aiko」の文字が目に飛び込んできた事で動きを止めた。
「何だ。捨てないのか?」
 心底嬉しそうに問うパピヨン。それを聞く狂介に様々な疑問が湧く。

 なんで夜の夜中に、僕はパンティを掴んでいるんだ。
 なんで変態から変態呼ばわりされなくちゃいけないんだ。
 そして――何で僕はパンティに引き寄せられているんだ。
 これを被らなくてはいけない、って何でそんな気がしてくるんだ!

「何考えてるんだ僕は! こんな変態の前で変態行為をしようだなんて最低じゃないか!!」
 狂介は叫び、地面に頭を打ち付けた。パンティを両手で伸ばしたまま。
 その結果。
「あ、かぶっちゃった」

「フォオオオオオオオオオ!!!」
 深夜、ビルとビルの狭間で、叫び声がこだました。

 色丞狂介は、変態である。
 それも、ただの変態ではない。
 父親譲りの正義感と刑事の勘と被虐体質、母親のSM技術と嗜虐性。双方を併せ持った狂介は、パンティを装着することでその全てを最大限に発揮する。

「クロス・アウッ!(脱衣)」
 叫ぶと同時に、狂介は正座の状態から瞬時に跳躍し、上下の服を脱ぎ捨てた。
「アンド、レスリングスタイル!!」
 続いて狂介はブリーフを股間が食い込むまで伸ばし、交差して肩にかけた。その姿はレスリングスーツというより、水着でいうVフロント、Vバックに近い。
 さらに下半身の太ももまで覆う網タイツと、手にはめられた皮手袋がSM女王のごとき貫禄を生み出している。
「フオオオ……これだ、これぞ俺の究極の姿……」
 変態、もとい変身を終えた狂介は、腕を胸の前で交差し、蒸気のごとき息を吐く。
 狂介の身体は、血流を通じて全身に流れるアドレナリンによって筋肉がパンプアップし、一回り大きい体格となっていた。
 大理石から削り出したかのような肉体と、食い込んだブリーフで強調された股間、顔にフィットし、一体化したようなパンティ。
 性的アピールを幾重にも重ねたその姿は、正に究極の変態だった。

 余りの出来事に、流石のパピヨンも思考がついていけない。
 呆然と突っ立っているパピヨンに、三白眼になった狂介が顔を向けた。
「私の名は変態仮面。この聖杯戦争を許せない正義の味方だ」
 声のトーンも低く変わり、最早狂介の面影はない。
「パピヨン。この聖杯戦争を止めるにはどうしても君の助けが必要になる。
 私はこのような不可思議な現象に対しては無力だ。君の知恵と力を貸してほしい」
 お前も十分不可思議の塊だ。内心でパピヨンは突っ込みを入れた。
「……俺のクラスはキャスター。確かにお前よりは神秘に関する知識はあるがな。
 だがお断りだ。偽善者をやるくらいなら座に戻った方がマシだ」
「では仕方がない。この令呪というのはサーヴァントに対し、絶対的な命令を下せるのだろう?」
 変態仮面は右手の皮手袋を外し、令呪の刻まれた手の甲をパピヨンに向けて見せた。
「使ってみればいいさ。その後、貴様がどうなるか試したいのならな」
 パピヨンは挑発を口にしながら股間に手を差し込み、宝具『臨死の恍惚♡』を創造する準備をしていた。
 マスクの下の顔に浮かぶ軽蔑、嘲笑の裏で、脳内では自分のマスターに対する反抗の算段を整える。


116 : 色丞狂介(変態仮面)&キャスター ◆Mti19lYchg :2014/07/31(木) 20:23:54 UJ7dsj.A0
「令呪を以って命ずる」
 変態仮面の言葉に、パピヨンは無音無動作の宝具、武装錬金の発動を行おうとし。
「自由に行動せよ」
 次の命令で、中止した。
「重ねて命ずる。その行動を誰にも妨げられることなかれ」
 変態仮面の右手から膨大な魔力が発し、何事に使用されることもなく、無為に消費されてゆく。
 物理的な風を起こすまでに実体化した魔力が消滅するまで、二人は何をすることもなく両者の間にある空間を眺めていた。
 数秒が経過した後、変態仮面は口を開いた。パンティの下からで、外見では分からないが。
「最後の令呪を使えば私が死ぬので使えない。だが、これが私の今見せられる誠意だと思ってほしい。パピヨン、君は自由だ。
 その上で頼む、私と共に戦ってはくれないか。人を助けるため、とは言わない。それは私の為すべきことだ。
 戦うのは、君にとっても気に入らない悪を倒すためにだ」

 変態仮面はマスターにとって切り札であり、サーヴァントを律する鎖でもある令呪を、何の意味もない命令に使った。
 それもただ、信頼のために。初めて会ったサーヴァントのために。
 魔力供給と現世へのパスの分、マスターとサーヴァントは同格とはいいがたい。だが、サーヴァントにはその気になればマスターを裏切る自由がある。
 それを防ぐ為の令呪を無意味に使用した。

 深い呼吸が三つほどか。二人は互いに身じろぎ一つせず、にらみ合っていたが。
「偽善者の上に馬鹿とは、つくづく度し難いな」
 パピヨンが先に口を開いた。
「少し、お前に興味がわいた。良いだろう、つきあってやるよ」
 そう言い、パピヨンは微笑んだ。先程の侮蔑に満ちた笑みとは異なる表情だった。
『もし武藤が同じ状況に置かれたら、このくらいやるだろうな』
 脳裏に浮かんだこの考えが、パピヨンの行動を決定した。

「だがさっきお前が言った通り、俺は人助けの手伝いなどしないぞ。
 よほど癇に障る相手でなければ、サーヴァントとの戦闘もしないがそれでいいな」
「ああ、それで構わない」
「……チッ。素直に頼めばいいものを」
 パピヨンは忌々しげに舌打ちをした。
「わかった。サーヴァントの足止めくらいはしてやる。それでいいんだろう」
「感謝する」
 変態仮面の礼を受けたパピヨンは、独りごちた。

 ろくでもないマスターに召喚されたと思ったが、武藤並に気に入らない奴だったとは。
 こういう気に入らない相手こそ、大切にしないとな。
 せっかくこの聖杯戦争というイベントに喚ばれたんだ。出来るだけ楽しもうじゃないか。

「ところで――君の姿は実にエレガントだな」
 パピヨンは頬を緩めた。
「お前もなかなかセクシャルバイオレットで、素敵じゃあないか」


117 : 色丞狂介(変態仮面)&キャスター ◆Mti19lYchg :2014/07/31(木) 20:24:32 UJ7dsj.A0
【東京/2014年7月9日(水)2040】

【サーヴァントステータス】

【出典】
 武装錬金

【クラス】
 キャスター

【マスタ―】
 色丞狂介

【真名】
 パピヨン

【性別】
 男性

【属性】
 中立・悪

【パラメーター】
 筋力D 耐久C- 敏捷C 魔力B 幸運A 宝具B

【クラス別能力】
陣地作成:B+
 錬金術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。
 ”工房”及び“パピヨンパーク”を形成することが可能。

道具作成:A
 魔力を帯びた器具を作成できる。
 材料が揃えば、特殊核金の生成も可能。

【保有スキル】
人間型ホムンクルス:?
 錬金術によって生物の細胞をベースに創造した寄生体を、人間に寄生させることで誕生する半不老不死の生命体。
 通常のホムンクルスは寄生体に精神を乗っ取られるが、人間型の場合、寄生体のベースに寄生される人間の細胞を使うことで寄生体を「分身」としているため
 精神は同化して残り、肉体のみがホムンクルスへと変貌する。
 人間に戻ろうとする本能的な未練が食人衝動として起こり、倒すには胸にある証印を貫く必要がある。
 ……のはずが、パピヨンは食人衝動もなく、胸に証印も表れていない。
 結果、心臓や脳を貫かれても死なず、必ず再生する。
 完全に倒すには、身体の大半を破壊するしかない。

蝶・天才:><
 英明にして、常人には理解不能な知性と感性。
 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す“論理思考”
 逆転の可能性が1%でもあるのなら、その作戦を実行に移せるチャンスを手繰り寄せられる。

不治の病:A
 免疫力が低下し続ける原因不明の病。
 常時、体力が減少し、回復が遅れるバッドステータスがつく。
 このスキルは削除できない。

空蝉:D
 服を素早く脱ぎ捨て、それを囮とすることで、一度だけ敵の攻撃を回避できる。
 ただし超遠距離からの直接攻撃は該当せず、広範囲の全体攻撃にも該当しない。

【宝具】
『臨死の恍惚♡(ニアデスハピネス)』

ランク:B+ 種別:対軍宝具 レンジ:1〜50 最大補足:50人

 パピヨンが創造する、黒色火薬の武装錬金。
 パピヨンの思うがままに形を変え、自由に爆破できる。点火はパピヨンの有視界内で、50m以内に限られる。
 全ての火薬を使い果たすと、補充されるまで丸3日かかる。
 だが、サーヴァントになった影響で、マスターの魔力提供により時間を短縮できる。


118 : 色丞狂介(変態仮面)&キャスター ◆Mti19lYchg :2014/07/31(木) 20:24:50 UJ7dsj.A0
【weapon】
核金(かくがね)
 "武装錬金"と唱えることにより、闘争本能を高め宝具を創造する。慣れれば無音無動作でも使用可能。
 通常時は生存本能を揺り動かし、自己治癒力を高め傷を癒す。
 破損しても自動修復されるが、修復時間は破損具合による。

蝶々仮面(パピヨンマスク)
 仮面舞踏会でもなければまず実物を見ることがない、蝶を模した仮面。パピヨンが人間を止めた証であり、いついかなる時でも外さない。
 何の能力もないただの仮面だが、パピヨンが人間から外れている証明ということで、パピヨンに精神干渉への高い耐性を持たせている。

特殊核金
 パピヨンが道具作成スキルで製造する。
 この核金を装備しておけば一般人でもサーヴァントにダメージを負わせられる。ただし武装錬金は創造できない。
 能力は以下の通り。同時に3つまで装備できる。

I 筋力値20%UP
II 筋力値30%UP
III 耐久値15%UP
IV 耐久値25%UP
IX 炎、毒無効
X 毒無効
XI 炎無効
XII 地形による速度低下無効
XIII 敏捷値25%UP
XIV 宝具の威力強化
XV 宝具の魔力消費30%減少
XVIII HPが0になっても1度だけ復活。発動後破壊される。

【人物背景】
 元々は錬金術によりホムンクルスへと変態した人間。
 本名は別にあるが、真名はあくまで「パピヨン」である。
 資産家の長男で眉目秀麗、成績優秀と輝かしい未来が待っているはずが、原因不明の病に侵されたことで一転、本人言うところの「地を這うイモ虫」になった。
 自力で病気を治療するため、実家にある錬金術の書を研究し人間型ホムンクルスの寄生体を創造する。
 だが不完全なホムンクルスを使い変態したことで「不治の病のまま、半不老不死の身体」になってしまう。
 その後は錬金術を巡る数々の戦いの末、「黒い核鉄」の力で人間でもホムンクルスでもない怪物になる寸前だったカズキを
 その天才的頭脳によって複製した「白い核鉄」の力で人にし、「人間の錬金の戦士・武藤カズキ」との最後の決着に臨む。
 決着はカズキの勝利で終わり、カズキはパピヨンに「新しい名前で、新しい世界で生きてくれ」と願う。
 その理由は、ホムンクルスが人類の害悪である証である「人間の肉体に対する本能的な未練に起因する食人衝動」が、己の過去に何の未練もないパピヨンには存在せず、既に彼が「人間でもホムンクルスでもない」となっていたからであった。
 決着の後は銀成市の都市伝説「蝶人パピヨン」として暮らすことになった。

【サーヴァントとしての願い】
 聖杯戦争を面白可笑しく過ごす。特に変態仮面がどんな末路を辿るか見届ける。
 ついでに異世界の料理を思う存分味わう。

【基本戦術、方針、運用法】
 肉弾戦ではパピヨンより変態仮面の方が強いので、マスターが前衛に、サーヴァントが後衛で援護をするという主従が逆転した戦い方になる。
 まず特殊核金を製造後、変態仮面に装備させて、サーヴァントと戦えるようにするのが必須。
 魔力に関しては、サーヴァントと戦いつつパピヨンが宝具を使用するといくら変態仮面でも体力が持たない。
 パピヨンも体力がなく、回復も遅いので主従共に食事による栄養補給が必要になる。
 互いの魔力、体力や能力を考えるとパピヨンが陣地を作成し、そこで敵を待つ戦術が有効なのだが、変態仮面は父譲りの刑事の勘で悪事が行われている現場に向かってしまう。


119 : 色丞狂介(変態仮面)&キャスター ◆Mti19lYchg :2014/07/31(木) 20:25:09 UJ7dsj.A0
【マスターステータス】

【出典】
 究極!!変態仮面

【名前】
 色丞狂介

【性別】
 男性

【参加方法】
 愛子が送ってきた海外の木彫りの人形。

【マスターとしての願い】
 聖杯戦争を止める。悪人をお仕置きする。

【weapon】
愛子ちゃんのパンティ
 狂介はパンティを装着することで変態仮面に変身するが、ポテンシャルはそのパンティの種類と素材、履いていた女性によって左右される。
 元・両思いの相手である愛子のパンティは変態仮面の能力を最大限に引き出し、片手で箪笥を持ち上げる。
 最低でも一車線はある道路の両脇の塀をつかって三角飛びを繰り返す。乗った事のない1000ccのバイクやブルドーザーをあやつる。
 陸橋に引っ掛けたブリーフを車に引っ張らせ、その反動で数百m上空にいるヘリまで飛ぶなど元々超人的な変態仮面でもさらに規格外な身体能力を発揮させる。

ロープ

鞭、皮手袋
 母親が使用していたのを勝手に盗んだもの。

【能力・技能】
狂介の能力・技能 
 拳法2段。何の拳法かは不明だが、稽古時に胴とグローブを着用している事から少林寺拳法か日本拳法のどちらかと思われる。

変態仮面の能力・技能
 何者かが悪事を行っていると、父譲りの刑事の勘が働いて現場に直行できる。
 被ったパンティの持ち主の特技をラーニングし、使用できる。
 意識を集中すると、パンティの持ち主の記憶とシンクロする。
 ロープを用いた捕縛術は、瞬時に対象を菱縄縛りや亀甲縛りにしてしまう。
 鞭術は飛んでいる蠅の羽を裂き、板を削って文字を作るほどの腕前。

【人物背景】
 変態仮面、色丞狂介は紅優高校一年である!
 彼を変態仮面に変態させるのは、両親の変態の血と女性のパンティである!
 変態仮面は猥褻物陳列罪に問われながら、人類の平和のために戦うのだ!

※ここからが本当の解説です。

 狂介は紅優高校の1年生で拳法部に所属する少年。父親ゆずりの正義感を持ち、拳法の腕前はかなりのものを持っている。
 銀行強盗の仲間に化けて犯人を捕まえようとした際、マスクと間違って女性用パンティを被ってしまったことがきっかけで正義のヒーロー・変態仮面に目覚める。
 最初はそのことに戸惑いを憶えていたものの、後には正義のために自ら変身するようになった。
 変態仮面は変態であることを除けば真っ当なヒーローである。その恰好から猥褻物陳列罪に問われ警官に追われることもあるが。

【方針】
 悪人をお仕置きすると同時に聖杯戦争を止める方法を考える。特に狂介と同様巻き込まれた人間を保護する。
 ムーンセルに関しては与えられた情報しかないので、パピヨンに脱出の手段を考察させる。または他に知識のある人物、サーヴァントを探す。

※残り令呪数:1
 命令1:自由に行動せよ。
 命令2:その行動を誰にも妨げられることなかれ。


120 : ◆Mti19lYchg :2014/07/31(木) 20:32:29 UJ7dsj.A0
すみません。114がこちらのルールに会っていなかったので修正版を投下します。

「うわぁああああぁあああああ――――!!! へ、変態!!!」
 狂介はとっさに地面を這い、遠くへ逃れた。
「NON、パピヨン」
「パ、パピヨン……?」
 蝶々仮面の男は舌打ちを鳴らしながら、人差し指をメトロノームの様に動かした。
「パピ、ヨン。もっと愛をこめて♡」
 暗闇に目が慣れた狂介が男をよく見返すと、歪んだ蝶は男が着るスーツの股間に刺繍された物だと分かった。
 全身をぴったりと包むそのスーツは、首から臍下のギリギリまで大きく開いており見る者に何とも言い難い印象を与える。
 さらに紫で彩られた蝶々仮面は、舞踏会でもなければまず目にすることのない代物だ。
 一言で形容すれば、狂介の言った通り『変態』以外当てはまらないだろう。
「せっかくマスターの危機を救ってやったんだ。自分のサーヴァントに感謝する礼儀もないのか?」
「マスターにサーヴァント……?」
「まだ分からないか? 俺を召喚できた以上、記憶が戻っているはずだがな」
「記憶……? そうだ、だんだん思い出してきた」
 海外留学に行ってしまった愛子ちゃんから木彫りの人形が送られてきたんだ。
 それを抱いて眠って……朝起床し登校した。だけどその学校は紅優高校じゃない別の高校だった。
 放課後、拳法部に行ったけど主将や里美ちゃん、春夏さんに秋冬くんはいなかった。その異常な事実にまるで気付けなかった。
「これは聖杯戦争……聖杯の所有権を得る為、マスターがサーヴァントを使役し戦う殺し合い……」
 聖杯、マスター、サーヴァント――聖杯戦争に必要な情報が、記憶を取り戻した狂介にインストールされていく。
 数秒後、事態を理解した狂介は、パピヨンに対し尋ねた。
「……ええと、パピヨンでいいか? お前が僕のサーヴァントで、聖杯戦争はもう始まっているのか?」
「そうだな。はなはだ不本意だが、どうやらお前が俺のマスターらしい。
 聖杯戦争はまだ予選の段階だ。記憶を取り戻し、8月まで生き残る。
 それが本選出場の条件だ」
「それで、途中での退場は認められない……」
「そうだ。この空間に召喚された時点で聖杯を手に入れ、帰還できるのは唯一人。
 ……怖気づいたか?」
 パピヨンはからかうように言った。
「……確かに正直怖いよ。でも、それ以上にこの殺し合いは放っておけない。
 僕みたいに勝手に巻き込まれた人はいるかもしれない。そしてさっきみたいに襲われるとしたら」
 狂介は身を起こし、パピヨンに対して正座し頭を下げた。
「頼む、戦いを止めるため協力してくれ!」
 狂介の懇願を、パピヨンは、実験室のネズミを見つめる科学者のような目つきをしながら聞いていた。
「成程、俺としても勝手に喚び出されての殺し合いなど、気に食わないな」
「じゃあ」
「ああ。だが、NON!」
 面を上げた狂介に、パピヨンは叫んで両腕でX印を作った。
「だからといって人助けをするのは、もっと気に入らない。武藤のような偽善者の真似事をするなど、考えただけで反吐が出そうだ」
 そう言って狂介の眼前に顔をよせ、舌を垂らし吐き真似をしてみせた。
「そ、れ、に、だ。そんな物を持ち歩く奴が正義の味方やろうなど滑稽だぞ」
「それって……え!?」
 パピヨンが指さした先にあるのは、女性の下着。いわゆるパンティだ。
「さっきお前が俺から離れるとき、ズボンから落ちたぞ」
「な、なんでこんなのが僕のポケットに入って……」
「どこかで盗んできたんだろ。変態め」


121 : ◆Mti19lYchg :2014/07/31(木) 20:34:15 UJ7dsj.A0
以上で投下終了です。


122 : ◆Mti19lYchg :2014/07/31(木) 20:39:17 UJ7dsj.A0
改めて見直したら、いくらフレーバーとはいえ東京に集まりすぎww
ハッカーに黒魔女さんに魔法少女に幼女に幼女に変態……


123 : ◆Mti19lYchg :2014/07/31(木) 23:26:12 UJ7dsj.A0
続けて投下させていただきます。


124 : ナノカ・フランカ&アーチャー ◆Mti19lYchg :2014/07/31(木) 23:26:45 UJ7dsj.A0
 町の一角。
 料理の匂いが漂う中。
 金属同士が触れ合う音、削られる音が響き渡る。
 その原因である一軒家には『プロスペロ発明工房・ムーンセル支店』の看板が立てかけてあった。

「わったしはっまち〜の発明屋さん〜。
 家族ぐるみの後押しが〜。
 明るいあしたを呼んでいる〜」
 家の厨房内にちょっと調子の外れた歌声が響く。
「そろそろですね。スラッシュ、ナノカさんを呼んできて下さい」
 歌いながら調理をしていたメイド服の少女は、側でうずくまっていた黒豹に話しかけた。
 スラッシュと呼ばれた黒豹はのそりと起き上り、騒音が発せられている現場に向かった。

「かが〜くの光で世界を照らせ〜。
 だ〜けどマズイね〜、チェレンコフ光〜」
 工房の内部では、やはり調子の外れた歌声が響いていた。
 中央にはオープンカーが鎮座し、その真下に歌い手が潜り込んでいる。
「おーい、ナノカ。メシができるとよ」
「うーん、もうちょっとー」
 自動車の底から、声が返ってきた。
「配線をつないで……よし、完成です!!」
 バタン、と閉める音が鳴り、車の下から1人の少女が姿を現した。
 白地に青のラインが入った服。その上に貫頭衣の様に首から通したタブリエを、ベルトで腰に止めている。
 さらにポニーテールにしても腰まで届く赤い髪が目を引く。
 少女の名前は“ナノカ・フランカ”。聖杯戦争のマスターであり、弱冠14歳で幾多もの発明をした工房士である。

「じゃ、ご飯にしよっか」
「その前に風呂に入って来いよ。顔がすげえことになってるぜ」
 スラッシュの言う通り、ナノカの顔にはオイルがかかり真っ黒に染まっていた。
「はーい」
 と、明るく返答しナノカは風呂場へと駆けていった。

 10分後、一人と一匹はリビングに現れた。
 メイド服の少女、まほろさんは食卓に料理を並べながら、スラッシュの毛が濡れている事実を見咎めた。
「どうしたんですか、スラッシュ。毛皮がしっとりさんですけど」
「……銭湯で身体を洗われた事はあるが、バスタオル代わりにされたのは初めてだ……」
 スラッシュは憮然として答えた。
「あはは、洗った後でタオルを忘れた事に気づきまして。
 なかなか見つからなくて湯冷めしちゃいそうだったので、つい」
 悪気のない顔でナノカは笑った。
「でも、スラッシュの毛皮ってきれいだよね。汗かかないし」
「知るかよ……」
 スラッシュはそっぽを向いた。

 食卓を囲む2人と一匹。スラッシュは床の犬用食器を使っているが。
 正座しているまほろさんに対し、ナノカは胡坐をかいている。
 行儀が悪い、というよりタブリエがないと下着が見えそうだ。
「ところで、ナノカさん。作業の方は終了しましたか?」
「はい、ミサイルにはレーダー自動追尾装置をつけ、自律誘導を可能に!
 標準火器に20mm×6回転式多砲身ドグラノフ、71口径88mmメガ・ドグラノフを搭載! 
 さらに星型複列28気筒エンジンを採用し、最高時速280kmに10秒で到達可能です!」
「なんつーか……もう護身用じゃねえな……」
 喜々として解説するナノカに対し、スラッシュは突っ込みを入れた。

 初めは聖杯戦争の本選開始後、外を出歩く際に護身用として防御装備を備えた自動車を製造するはずだった。
 だが、ナノカはまほろさんが生前、内部に武器を備えたBMWの改造車に乗っていた事を知り一変。
 BMWのスペック、内蔵されている兵器などを根掘り葉掘り聞きだし、図書館で資料を調べ、遂にまほろさんが生前使用していたBMWを製造してしまった。

「大体狙撃銃まで自分で作っといて、護身もクソもないもんだ」
 ナノカはBMWと並行して、自分が使う狙撃銃を弾丸まで含めて製造していた。
「戦場に身を置いたら、目の前に立ちふさがる者は可能な限り速やかに、全力で排除せよ。と教わってきましたから」
「おまえの保護者の苦労が分かるなあ……いろんな意味で」
 スラッシュは大きくため息をついた。
「でも、ここが月の中って未だにびっくりですよ」
「正確にはムーンセルの仮想空間ですね」
「月にはムーンセルの他にマスドライバーやマイクロウェーブ送信装置があるんでしょうか? 月はいつもそこにあります!」
「なんかいろいろ混じってますけど……どこで覚えたんですか?」
「時々壊れたスツーカが言ってたんですよ。
 そのやたら渋い声で『君は、刻の涙を見る……』とか言ってたから、覚えちゃいました」
 ナノカは物真似なのか、やや低い声で呟いた。


125 : ナノカ・フランカ&アーチャー ◆Mti19lYchg :2014/07/31(木) 23:27:16 UJ7dsj.A0
 食事を終え、まほろさんはナノカと自分にお茶を入れた。
 まほろさんはお茶を飲み終えた湯呑みを卓に置き、ナノカと向かい合った。
「改めて尋ねますが、ナノカさん。本当に聖杯へ託す願いは無いのですね?」
 まほろさんの真剣な表情に対し。
「本音を言うと……調べてみたいですね」
 そう言って、ナノカは懐からペンダントを取り出した。
「これは、お父さんとお母さんが残したオリハルコンの試作品です」
 オリハルコン。それはアトランティスで用いられていたという伝説の金属。
 だが、このオリハルコンは蒼い輝きを放つ結晶だ。 
「オリハルコンはパシアテ文明の根幹を成す重要な物質で、お父さん達だけが製造に成功したんです。
 これ一つだけを残して死んじゃったんだけど」
 ナノカの世界におけるオリハルコンは演算装置、記憶装置、動力源、エネルギーなど様々な役割を果たす重要な物質だ。
 組成も製造法も全て不明。先史文明のパシアテ文明のみがこの物質の量産に成功し、ナノカ達後世の人類は遺跡で偶然発掘されるわずかな量を用いている。
「ムーンセルを構成しているフォトニック純結晶は、光を内部に封じ込めて計算や記憶を行っているんですよね。
 オリハルコンも性質の一部に光がありますから、聖杯の技術の延長線上に、オリハルコンの精錬技術が繋がっていると思うんです」
 発掘に頼らず、安定供給するためオリハルコンを研究する者は大学者から町の発明家まで数多い。
 当然ナノカもその一人だ。技術者として、是非とも調べたいというのは当然の欲求だろう。
「でもそのために人殺しはちょっと……。
 それに、早く帰らないとスツーカに、椅子に座れなくなるくらいお尻を叩かれますから」
 スツーカとは、ナノカの保護者兼護衛兼友達兼ペットの狼型ロボットである。
 余談だが、まほろさんが召喚したスラッシュを見たナノカは「スツーカの初期設定みたい」と言い、スラッシュを引かせたとか。

 まほろさんは、ナノカの言葉を聞き納得した。
 ナノカはあらゆる願いを叶える聖杯と、無断外泊のお仕置きとを天秤にかけている。
 結局ナノカにとって、聖杯は必要ないのだろう、と。
「では、聖杯に叶えてもらう願いは無いのですね?」
「はい。夢は叶えるものじゃなくて、追い続けるものだと思います」
 ナノカはまほろさんの顔を見つめ、答えた。
「でも、まほろさんはいいんですか?
 サーヴァントには願いがあるから、召喚に応じるそうですけど」
 ナノカの問いに対し、まほろさんは胸に手を当て、微笑んだ。
「ご心配なく。私の夢は既に叶っています」

「ところで、つかぬ事をお聞きしますが、ナノカさんの夢とはどのようなものですか?
 オリハルコン製造に成功した後、追い続ける夢というのは何でしょう」
「私はいつか宇宙船を作りたいんです。恒星間を行き来できるような。
 それで別の星にある世界を目指すの。この方舟があるってことは、他の惑星に文明があるって証拠でしょう?
 辿り着いたら髪を青く染めちゃって、異星の人たちと交易を」
「それ以上はやめてください! まずいですから、いろんな意味で!!」
 まほろさんは慌てて、両手を振った。
「じゃ『抵抗は無意味だ』と」
「もっとまずいです!! ていうかそれじゃ侵略者です!!」
「それは冗談ですけど」
「どっちがですか……ナノカさん、ちょっと怖いです……」
 まほろさんは柳眉をひそめるとまではいかない、微妙な表情をした。

「まあ、それはそれとして今は聖杯戦争からの脱出か、停止を考えましょうか」
「そうですね、一緒に聖杯戦争を止めましょう!」
「おーっ! です!」
 満面の笑みを浮かべてガッツポーズをするナノカとまほろさん。
『……この天然お気楽ぼけ思考のコンビ。オレッチがしっかり手綱締めねえと、あっさりおっ死んじまいそうだぜ……』
 その姿を見るスラッシュは、強い不安を感じていた。

「ところで、ずーっと思ってたんだけどよ……お前ら声がすごい似てないか?」
「でしょう!? やっぱり私たちの声ってそっくりですよ、ナノカさん」
「そうかな? 自分じゃよく分からないんだよね」


【大阪/2014年7月21日(月)1800】


126 : ナノカ・フランカ&アーチャー ◆Mti19lYchg :2014/07/31(木) 23:27:32 UJ7dsj.A0
【マスターステータス】

【出展】
 蒼い海のトリスティア

【マスター】
 ナノカ・フランカ

【性別】
 女性

【参加方法】
 トリスティアの中枢部を探索したところ、何故か厳重に保管されていた木をさわって。

【マスターとしての願い】
 願いは特になし(あえて言うならムーンセルを調べてみたい)。

【weapon】
スプレンディッド・インパクト
 ナノカがいつも持っているノギスとマイクロメーターとハンマーとバールを合わせたような外見の万能工具。ドリルも飛び出す。
 ある程度の重力を制御でき、威力は親父の拳骨並から小隕石衝突レベルまで自在に変えられる。背負うと少し身が軽くなる。
ロングドグラノフ・ナノカSP
 ナノカが製造した狙撃銃。
 使用するのは.30-06スプリングフィールド弾。Fate/Zeroで衛宮切嗣がトンプソン・コンテンダーで撃ったものと同じ。
 狙撃手の腕が良ければ、1キロ先のフットボールも撃ちぬける……かもしれない。
 余談だがナノカの世界でドグラノフは、硝酸塩燃料を燃やして重金属弾を発射する熱機関武器の総称なので、拳銃も小銃も狙撃銃も大砲も全てドグラノフと呼ばれる。
オリハルコンのペンダント
 ナノカの両親の形見。

【能力・技能】
 発明全般が得意。新料理のレシピ制作に始まり調理器具、観光土産、新素材開発、工作機械製造、絵画の贋作、イベントの仕切りや建設企画書。
 果ては医療用マイクロマシン、ロボット(ナノカの世界ではゴーレムと呼ぶ)、兵器製造まで何でもあり。
 発明の失敗で爆発を起こしたり、アカデミーの構内で核実験を行ったと噂されたり、イルカのアレを弄って知性化処理を施したりと結構マッド気味。
 体術は、不意を突けば兵士2人を即座に倒すくらい。スツーカの教育のお蔭でスプレンディッド・インパクトを全力で振り下ろすなど容赦がない。
 狙撃も得意で、30cmの的を狙っての必中レンジが500mという驚異の14歳。

【人物背景】
 14歳で既に先史パシアテ文明の技術『Eテクノロジー』を研究、開発しものづくりを行う工房士と呼ばれる職業についている。
 天才天然お気楽思考の持ち主。というかキャラクター性が「まほろまてっぃく」に登場するマホロ博士に近い。
 正義感が強く「こうみえてもワル者には容赦しないタチなんですよ」とは本人談。
 発明に文句を言われると、うっかり憎まれ口を叩く黒い面もある。

【基本戦術、方針、運用法】
 第一目的は聖杯戦争からの脱出。
 第二目的は聖杯戦争の廃止。悪い人が悪い事をしようとしているなら、それを止める。
 ナノカはそこそこ戦えても、近接戦に優れたマスター相手だと分が悪い。
 スラッシュを護衛兼観測手にし、狙撃手としてまほろさんのサポートをさせるべし。


127 : ナノカ・フランカ&アーチャー ◆Mti19lYchg :2014/07/31(木) 23:28:13 UJ7dsj.A0
【サーヴァントステータス】

【出典】
 まほろまてぃっく

【CLASS】
 アーチャー

【マスタ―】
 ナノカ・フランカ

【真名】
 安藤まほろ

【性別】
 女性

【属性】
 秩序・善

【パラメーター】
 筋力B 耐久D 敏捷A 魔力B 幸運A++ 宝具B

【クラス別能力】
対魔力:D
 一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。
 魔力避けのアミュレット程度の対魔力。

単独行動:C
 マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
 ランクCならば、マスターを失ってから一日間現界可能。

【保有スキル】
千里眼:B
 視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。
 さらに透視を可能とする。

心眼(真):A
 天賦の才と豊富な実戦経験によって培った洞察力。
 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す“戦闘論理”。

騎乗:A
 騎乗の才能。全ての乗り物を自在に操れる。

星の観測者:EX
 星を代表し、知的生命体の是非を判断する存在。
 あらゆる精神干渉を完全に無効化し、常に『正しい答え』を導き出す。

【宝具】
『Summon』

ランク:B 種別:召喚宝具 レンジ:− 最大補足:−

 宝具の本体はまほろさんがつけているブローチ。真名を唱える事で発光し、亜空間よりサポートメカを召喚する。
 アーチャーとして現界したため、召喚できるのは「SYLPHEED」と「SLASH」の二体のみ。

『SHINING OF THE DARK(輝ける闇)』

ランク:EX 種別:対星宝具 レンジ:1〜999 最大補足:1〜1000人

 まほろさんが命を削って放出する、太陽系より遥か彼方にある星の光を収束した最終兵器。
 対人規模から、星を砕く規模まで自在に範囲を調整できる。
 魔力とは無関係に発動できるが、この宝具を使用した寿命の減少は魔力提供により回復しない。


128 : ナノカ・フランカ&アーチャー ◆Mti19lYchg :2014/07/31(木) 23:28:23 UJ7dsj.A0
【weapon】
メイド服
 一着398000円のオーダーメイド。ただそれだけの普通の服。

拳銃
 二丁を装備。命中すればちょっとした爆発が起こるほどの大口径の銃。

短刀
 二本一組。何らかの機能が備わっているのか、ロボットの装甲を軽々と切断する切れ味を誇る。

戦闘用スーツ
 Dランク以下の攻撃を防ぐ障壁を張る機能を持つ。
 手甲にはワイヤーアンカーが内蔵されている。

苦無
 爆薬が仕込まれており、数本でビル一棟を破壊する。

反物質封球弾
 対城宝具級の威力を持つ武器だが、魔力消費もまた高ランクの対城宝具並である。

BMW
 ナノカが製造した。武装はアクティブレーダーホーミングミサイル、20mmガトリングガン、71口径88mmカノン砲。最高時速280km。
 サーヴァントには通用しないが、人間相手には過剰すぎる武装である。

【人物背景】
 「ヴェスパー」が生み出した最強の戦闘用アンドロイド。残り稼働日数が僅かになった事を契機に引退を許可された為、メイドとして美里家で働き始める。
 常に心優しく、心清らかな「完璧な心」の持ち主と評されるが、結構天然で暴力的な一面も。
 特にえっちなものには厳しく、「えっちなのはいけないと思います!」が口癖。

【サーヴァントとしての願い】
 ナノカを無事に元の世界へ返す。

【基本戦術、方針、運用法】
 宝具の輝ける闇を使わないと決定打に欠ける。
 反物質封球弾で補うにしても魔術師で無いナノカの魔力供給では安定して使用するのは難しいので、結局輝ける闇を使わざるを得ない。
 ただ使用するほど寿命に近づくので、継続して戦い続けるのは不安。誰かとチームを組む必要がある。
 弱点は生前縁のない魔術。対魔力が低い、知識も乏しいのでキャスターチームと組むと丁度いいかも。


129 : ◆Mti19lYchg :2014/07/31(木) 23:28:53 UJ7dsj.A0
投下終了です。


130 : ◆qB2O9LoFeA :2014/08/01(金) 13:33:40 vJvkzfMU0
こっそり本編の開始を宣言すると共に新規ルールも追加しておきます



・仮想空間内の内部時間で2014年7月1日から8月31日までの二ヶ月間聖杯戦争を行い、『8月中に一組の主従しか存在しなかった場合』その組を優勝者として認める。

・7月中は予選期間。参加者はOPの七都市の内の一つに飛ばされ、『8月までサーヴァントと共に生き延びられれば』本選に出場できる。なお、聖杯戦争の仕様で一時的な『記憶障害』が起こる可能性があり、その場合サーヴァントを呼び出すことができないため脱落する。

・エクストラクラスのサーヴァントを召喚するためには、『召喚時までに同じエクストラクラスのサーヴァントが召喚されておらず』、『そのエクストラクラスが他のクラスよりも明らかにふさわしく』、なおかつ『マスターにエクストラクラスでサーヴァントを呼び出す要素』がなくてはならない。

・登場話の投下は7月いっぱいとする。

・登場話は『全くの同一人物が既に参加している』場合のみ投下を無効とする。

・本選会場は仮想空間内に再現された冬木市である。

・本選中、監督役からの連絡は教会で行われる。ただし、ルーラーが直接マスターやサーヴァントの元に赴く場合もある。



あとはざっくり進めていきます


131 : 名無しさん :2014/08/01(金) 13:39:43 t1WY93aE0
7月いっぱいってもう終わってませんか


132 : 名無しさん :2014/08/01(金) 22:58:13 QWUwQVfw0
『登場話の投下は7月いっぱいとする』
この『7月』は仮想空間の7月で、SS内で7月と指定する限り投下できるということなのか、
あるいは現実での7月で、つまり既に締切は過ぎているのか。


133 : ◆qB2O9LoFeA :2014/08/01(金) 23:52:36 vJvkzfMU0
時間を開けてしまいすいません。

ルールにある七月とは現実時間でのことを考えていました。が、確かにわかりずらい説明でしたので以下のように言い直したいと思います。



・登場話の投下は『作中内時間で7月中』に行うものとする。



また曖昧な締め切りを設定したお詫びとして、希望する方がいるのなら締め切りを伸ばして投下期間を延長する、本編投下開始後も登場話の投下を可能にする、などの対応もさせて頂きたく思います。

他にも質問や意見などがあれば是非書き込んで頂きますよう、よろしくお願いします。


わかりにくい説明で混乱を招いてしまい申し訳ありません。


134 : ◆qB2O9LoFeA :2014/08/02(土) 00:07:47 qOlaIhCM0
これまでの投下に感謝するとともにルールを改訂しておきます



・仮想空間内の内部時間で2014年7月1日から8月31日までの二ヶ月間聖杯戦争を行い、『8月中に一組の主従しか存在しなかった場合』その組を優勝者として認める。

・7月中は予選期間。参加者はOPの七都市の内の一つに飛ばされ、『8月までサーヴァントと共に生き延びられれば』本選に出場できる。なお、聖杯戦争の仕様で一時的な『記憶障害』が起こる可能性があり、その場合サーヴァントを呼び出すことができないため脱落する。

・エクストラクラスのサーヴァントを召喚するためには、『召喚時までに同じエクストラクラスのサーヴァントが召喚されておらず』、『そのエクストラクラスが他のクラスよりも明らかにふさわしく』、なおかつ『マスターにエクストラクラスでサーヴァントを呼び出す要素』がなくてはならない。

・登場話の投下は『作中内で7月中』に行うものとする。

・登場話は『全くの同一人物が既に参加している』場合のみ投下を無効とする。

・本選会場は仮想空間内に再現された冬木市である。

・本選中、監督役からの連絡は教会で行われる。ただし、ルーラーが直接マスターやサーヴァントの元に赴く場合もある。


135 : 名無しさん :2014/08/02(土) 00:11:59 DQIQPfoU0
対応乙
よーし投下できる
でも延長での投下は現実でのいつまでか名言した方がいいのでは

そして申し訳無いが誤字の指摘をさせてもらう
わかりずらい説明→わかりづらい説明(わかり辛い)


136 : ◆qB2O9LoFeA :2014/08/02(土) 00:28:25 qOlaIhCM0
お詫びの文章で誤字をするという無礼をお詫びすると同時にご指摘に感謝します。

締め切り日は今週末の日曜日、8月3日にしようかと思いますが、どうでしょうか。

書き込みの希望に応じて8/2(土)から8/7(木)の間で決めたいと思います。


137 : 名無しさん :2014/08/02(土) 00:38:55 mk.Z8IXE0
8/7


138 : 名無しさん :2014/08/02(土) 00:55:53 LltigsoE0
もしじっくり進めていくおつもりでしたら8/7が嬉しいです
リアルでの事情がありますので・・・


139 : ◆qB2O9LoFeA :2014/08/03(日) 00:33:37 vIqRwmLU0
わかりました、締め切りは8/7(木)にしたいと思います。



・仮想空間内の内部時間で2014年7月1日から8月31日までの二ヶ月間聖杯戦争を行い、『8月中に一組の主従しか存在しなかった場合』その組を優勝者として認める。

・7月中は予選期間。参加者はOPの七都市の内の一つに飛ばされ、『8月までサーヴァントと共に生き延びられれば』本選に出場できる。なお、聖杯戦争の仕様で一時的な『記憶障害』が起こる可能性があり、その場合サーヴァントを呼び出すことができないため脱落する。

・エクストラクラスのサーヴァントを召喚するためには、『召喚時までに同じエクストラクラスのサーヴァントが召喚されておらず』、『そのエクストラクラスが他のクラスよりも明らかにふさわしく』、なおかつ『マスターにエクストラクラスでサーヴァントを呼び出す要素』がなくてはならない。

・登場話の投下は『作中内で7月中』に、『現実での8月7日(木)まで』に行うものとする。

・登場話は『全くの同一人物が既に参加している』場合のみ投下を無効とする。

・本選会場は仮想空間内に再現された冬木市である。

・本選中、監督役からの連絡は教会で行われる。ただし、ルーラーが直接マスターやサーヴァントの元に赴く場合もある。


140 : ◆qB2O9LoFeA :2014/08/03(日) 01:06:25 vIqRwmLU0
では投下しそこねて内心焦ってたランサー組を投下エーデルフェルト第一号として投下します


141 : ◆qB2O9LoFeA :2014/08/03(日) 01:07:29 vIqRwmLU0
では投下しそこねて内心焦ってたランサー組を投下延長戦第一号として投下します


142 : 手のひらに芽生えた揺るがぬ光 ◆qB2O9LoFeA :2014/08/03(日) 01:08:56 vIqRwmLU0



━━最初はちょっとした好奇心だったんです。本当に。


「だぁーっ!追ってくんなっつーのに!」


━━それがまさかあんなことになるとは━━高遠いおり



深夜の某小学校。その校舎を一人の幼女が走っていた。
まだ小学生になったばかりと思われる小さな体。
獣のひっかき傷のようなものが多数ついたランドセル。
そしてその手のひらにある似合わない刺青のような痣━━令呪。
それがいま、やたらと好戦的な小動物に襲われている幼女、高遠いおりの持てる全てである。

(くっそー、これが『聖杯戦争』かよ。えげつなすぎんだろ。てかなんだあれ!?ネズミ!?ものすごい追ってくんだけど使い魔とかっ、そういうのか?だめだ、息が続か、なオエッ!」

息を切らして走る幼女の体がふらつく。既に彼の小さな体は小動物との逃走劇の末に限界を迎えていた。
もつれた足を立て直そうとするも足は鉄の棒のように硬く動かない。強引に動かしてなんとか走り続けようとするが、背後から小動物が飛びかかってくる気配を感じてスライディングのように倒れこんだ。
滑りながら見えた視界には、自分の首があった辺りを跳んでいる小動物の姿がある。とっさにスライディングをしなかったら首もとを噛みつかれていただろう。

(こんななんでもありなのかよ、聖杯戦争って!)

口には出せず、悪態をつく幼女こと高遠いおり。が、その顔は直ぐに小動物の方へ向く。

すぐに態勢を立て直したその生き物は彼の喉笛めがけて飛び込んできた。


143 : 手のひらに芽生えた揺るがぬ光 ◆qB2O9LoFeA :2014/08/03(日) 01:10:06 vIqRwmLU0



『幽霊パーティー?』
その日、高遠いおりは学校で不思議な噂を聞いた。

━━いわく、最近転校する生徒が多いのは秘密結社の陰謀だとか。
━━いわく、毎日のように火事が起きるのは幽霊のせいだとか。
━━いわく、街のあちこちで不思議なことが起こるのは宇宙人のしわざだとか。

そんな噂をともだちから聞いて、デタラメなんか信じないと肝試し感覚で夜の学校に忍び込んだのだ。


━━そこがサーヴァント同士の戦いの場だとも気づかずに。


結果、それらのサーヴァントとマスターにあっさり見つかって先ほどのように追われることになったのだ。
幸いにしてサーヴァントに襲われるという展開は避けれたが、代わりに謎の小動物に襲われる。

そしてその小動物は今まさに目の前で飛びかかって━━


(って!俺はマスターなんだからサーヴァントを呼べる!?)

そう彼が思いつくと同時に、前方が光輝くと。

「はあッ!」

目の前に突如現れた青い服の女性が飛びかかっていた小動物を叩き落とす。
(よかった、これで、俺もマスターが━━)
その光景を見て、自分がサーヴァントを召喚できたことに安堵すると脳震盪のような症状に襲われる。

そのことを疑問に思う間もなくいおりは魔力の消耗で眠るように気絶した。



「これでいい、かな?」

学校から少し離れた公園。そこに備えつけられたイスに寝かされ、自身の膝枕で眠るマスターを見て、ランサー、アリシア・メルキオットは一息ついた。

いちおう出てきて早々に戦っていることを考えてもいたが、まさか本当に戦うことになるとは思ってもみなかった。使い魔でなかったら召喚されて一秒と経たずに脱落していただろう。

予想外に反応できた自分にちょっとうれしくなりつつ、ランサーは自分の小さな主を見る。

彼女には殺しあってまで聖杯にかける願いはないが、既にマスターは参加してしまっている。幼い子どもがどうして聖杯戦争に参加してしまったのかはわからないが生きて帰さねばならないだろう。


「うん、頑張ろう、マスター。」

眠るマスターにそう声をかけるとランサーは静かに頭を撫でた。



彼女は知らない。目の前の幼女が本当はほとんど年の違わない男性だということを。
偶然とはいえ、聖杯にかける願いを持つことを。


144 : 手のひらに芽生えた揺るがぬ光 ◆qB2O9LoFeA :2014/08/03(日) 01:12:24 vIqRwmLU0



【東京/2014年7月31日(木)0000】


【マスター】
高遠いおり@一年生になっちゃったら

【参加方法】
結女のラボにあったゴフェルの木片に触ったりした。運営用AIの説明を話し半分で聞いていたら参戦することに。

【マスターとしての願い】
元の体(男子高校生)に戻りたい。
でもそれより帰りたい。

【weapon】
なし。

【能力・技能】
軍事オタク。
戦史と近現代重火器の知識がある。

【人物背景】
道に飛び出した女子小学生を庇って車に跳ねられたら男子高校生。
瀕死の重症を負うも手術の結果一命をとりとめる。そのさいパーツが足りないという理由で小学生の体になり、せっかくだからという悪ノリで女にさせられる。
現在、自分を手術(もとい改造)した草薙結女博士とその妹で同級生の草薙みくるの三人で生活している。
見た目は幼女中身はミリオタ、その正体は巨乳好き。
小学生はムリです。

【方針】
聖杯戦争の苛烈さにショックを受けたが、とりあえず死なないように死なせないように立ち回る。

※令呪は右手のひらにあります。


145 : 手のひらに芽生えた揺るがぬ光 ◆qB2O9LoFeA :2014/08/03(日) 01:13:14 vIqRwmLU0


【クラス】
ランサー

【真名】
アリシア・メルキオット@戦場のヴァルキュリア

【パラメーター】
筋力E 耐久E+ 敏捷D+ 魔力C+ 幸運A
宝具B

【属性】
秩序・善

【クラススキル】
対魔力:B
魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。

【保有スキル】
仕切り直し:A
戦闘から離脱する能力。
不利になった戦闘を戦闘開始前ターン(1ターン目前)に戻し、技の条件を初期値に戻す。
戦闘続行:B
瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。
千里眼:C
視力の良さ。
遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。
勇猛:D
威圧・混乱・幻惑といった精神干渉を無効化する能力。
格闘ダメージを向上させる効果もある。
気配遮断:E
サーヴァントの気配を絶つ。
相手の側面や後方に回り込むのが得意。

【宝具】
『戦場の戦乙女(ヴァルキュリア・クロニクルズ)』
ランク:B 種別:対人(己)宝具 レンジ:1 最大捕捉:1
アリシアの人種としての能力と戦場での武勲が、宝具として昇華された。発動時には銀髪赤眼になるため宝具を看破されやすい。
筋力、耐久、敏捷をワンランク上げ、その内マスターの任意の能力を更に倍加する。
マスターの命令次第で圧倒的な火力も防御も俊敏性も得られるその力は神代の光景を現す。
『戦乙女の槍と盾(ウィッシュ・ユア・スマイル)』
ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:2〜50 最大捕捉:5
『戦場の戦乙女』発動中に発動できる。ヴァルキュリアの象徴たる槍と盾を呼び出す。
攻撃、または防御を行うとき通常の判定に加えて幸運値の対抗判定を行いそれを計算に入れる。
アリシアの高い幸運と相まって幸運値が低いサーヴァントを相手にすれば最強の矛にも盾にもなる。

【Weapon】
『無銘・ライフル(ガリアン)』
半自動装填のライフル。相手の防御を下げやすい。
『無銘・手榴弾』
いわゆる手榴弾。

【人物背景】
ガリア公国の英雄ウェルキンの副官であり、古代に絶大な力を奮ったヴァルキュリア人の末裔。
第二次ヨーロッパ大戦に弱冠十九歳で義勇軍として参戦、戦場で頭角を現し開戦当初圧倒的に劣勢であったガリア公国を勝利へと導いた。
戦争中にヴァルキュリア人として目覚め、何十発と銃弾を喰らっても死なない、そもそも零距離射撃してんのにあたらない、なんか気がついたら後ろに回り込まれてヘッドショットされた、などの伝説を作り上げる。
本人はパン屋を夢見る少女。
強い正義感とお節介焼きなところがあり、その人間性は戦後のウェルキンとの家庭でもしっかりものの奥さんとして現れている。
ちなみにパン屋になれた。あと子持ち。

【聖杯への願い】
ガリアのこととかイサラのこととか考えていないわけではないが、殺しあってまで叶えていい願いかというと‥‥
ただマスターは守る。

【基本戦術、方針、運用法】
実はアーチャーとアサシンのクラス適性があるため、スナイパーのような行動もとれる。
もっとも、真骨頂は素早い移動なのでやはり打ってでるのがベター。ただし、本人の技量は三騎士クラスでは相当低いのでマスターを狙うべき。
また宝具はランサーであるにも関わらず幸運値を参照する。マスターの適性もあり高かった幸運値が更に上昇しているが、使用時はランサーにあるまじき燃費の悪さになるためマスターの戦略眼が重要になる。
真価を発揮するのは同盟を組んだとき。偵察や奇襲、突撃に陽動など一通りのことができるため万能ともいえる立ち回りをできる。ただし、やはり本職のサーヴァントには劣るので同盟が大規模化すればするほど器用貧乏になってしまう。
なお、魂食いはできればNG。



※東京23区内のどこかの小学校でサーヴァントの戦闘がありました。
小動物を戦力にできるサーヴァントかマスターがいるようです。


146 : ◆qB2O9LoFeA :2014/08/03(日) 01:18:50 vIqRwmLU0
投下を終了すると共にこれまでに投下された組を紹介しておきます



遠坂凛&セイバー(アルトリア・ペンドラゴン)
黒鳥千代子&セイバー(テレサ)
美遊・エーデルフェルト&バーサーカー(小野寺ユウスケ)
竜堂ルナ&バーサーカー(ヒロ)
天沢勇子&キャスター(兵部京介)
マイケル・スコフィールド&アーチャー(ワイルド・ドッグ)
希里ありす&ライダー(少佐)
クロノ・ハラオウン&ライダー(五代雄介)
九重凛&アサシン(千手扉間)
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン(プリズマ)&ランサー(カルナ)
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン(ステイナイト)&バーサーカー(ヘラクレス)
色丞狂介&キャスター(パピヨン)
ナノカ・フランカ&キャスター(安藤まほろ)
高遠いおり&ランサー(アリシア・メルキオット)



なんかマスターが未成年ばっかりですがそんなこと気にせずざっくり進めていきたいと思います


147 : ◆Vj6e1anjAc :2014/08/04(月) 03:53:31 ldiMIiFY0
まとめお疲れ様です
今のところはどのクラスも、満遍なく揃っているのかな

自分も、間桐慎二&キャスターを投下させていただきます


148 : 間桐慎二&キャスター ◆Vj6e1anjAc :2014/08/04(月) 03:53:55 ldiMIiFY0
 どくんどくんと聞こえてくるのは、己の胸の心音だ。
 霊体であるはずのサーヴァントが、鼓動を打つというのもおかしな話だが、そんなことを考える余裕は、今の彼には持ち得なかった。
 伝承に語られた弓を構え、必殺の矢を番えんとする。
 全身に痛ましい傷を負い、震える体に鞭を打って、せめて一矢を報いんとする。
「――なんだ」
 歩み寄る人影に、尋ねた。
 深夜の暗闇の只中を、煉獄に染める炎の中、悠然と歩を進める標的に問うた。
「何なんだ、お前は」
 こんなことはあり得ないはずだ。
 弓兵のサーヴァント――アーチャーたる自分には、「対魔力」のスキルが備わっている。
 この身はサーヴァントの中でも、それほどステータスが高い方ではない。
 それでも魔術が相手であるなら、その威力を軽減できる分、有利に戦うこともできたはずだ。
 だのに、この結果は何だ。
 自分は何故、倒れている。
 魔術師――キャスターのサーヴァント相手に、これほどに追い詰められている。
 猛然と燃え盛る業火を受け、その身を炭に変えられながら、無様に地に転がっているのは何故なのだ。
「お前は一体、何者なんだ――」
 有り得ない。
 こんなことがあるはずがない。
 最弱のサーヴァントたるキャスターが、相性で勝るアーチャーを、ここまで痛めつけられるわけがない。
 一体こいつは何者だ。
 この常軌を逸した力の正体は何だ。
 泥のような褐色の肌に、日輪の後光を纏う者。
 黄金の鎧をその身に着込み、うねる炎を従えて、眼前の敵を焼き尽くす者。
 三鈷の剣をその手に携え、地に伏す己を見下している、このサーヴァントは一体何者なのだ。
「――なればせめてもの慈悲として、我が真名を答えましょう」
 鈴の音のような声だった。
 穏やかながらよく響き、胸の奥へと染みこむような、奇妙な安らぎを伴う声だった。
「我はフドウ。不動明王の化身。
 断罪と救済を司る、乙女座(バルゴ)の黄金聖闘士(ゴールドセイント)として、この戦の地に招かれた者」
 緑の髪が熱気に揺れる。
 金と紫の光が煌めく。
 己が名を名乗った魔術師が、緑髪の下で伏せていた、オッドアイの双眸を開く。
「歴史に名高き英霊よ。その戦歴の映し身よ」
 さながら説法の言葉のように。
 あるいは弔いの言葉のように。
 高らかと掲げた刀身を、荒々しくも神々しい、青き炎に輝かせ。
「二度目の生の苦しみを捨て――今は安らかに眠りなさい」
 神を名乗りしその男は、一息に剣を振り下ろした。
 それが名も無き英霊が、最期に目の当たりにした光景だった。


149 : 間桐慎二&キャスター ◆Vj6e1anjAc :2014/08/04(月) 03:54:28 ldiMIiFY0


「……はは、はっ」
 自然公園の木陰から、引きつった笑いが聞こえてくる。
 乙女座の黄金聖闘士・フドウは、背後に立った笑いの主を、振り返ることなく認識する。
「ははははは! 凄いじゃないかキャスター! 想像以上だ!」
 これが彼のマスターだ。
 青い癖毛のその下で、下品な笑顔を浮かべている、この少年が彼の主だ。
 間桐慎二――たしかそういった名前だったか。
 魔術の才能はまるでなく、性格も高潔と言うには程遠い、言うなれば「ハズレ」のマスターだった。
(なんと醜い)
 フドウの胸に込み上げたのは、怒りよりも哀れみだった。
 そもそも予選のルール上、他のサーヴァントを攻撃するなどという行為には、全く必要性というものがない。
 それでもフドウがこのようにして、あのアーチャーを襲撃したのは、慎二がそう命じたからだった。
 自らに割り当てられたサーヴァントの力を、試してみたいと言ったのだ。
 与えられた玩具で遊ぶ――たったそれだけのことのために、無益な殺生を強いられたのだ。
「いやぁ、凄い! さすが名のある仏様だ! ライダー以上の逸材だよ! それでこそ僕のサーヴァントに相応しい!」
 そんな想いなど露知らず、慎二はへらへらと笑っている。
 極上の玩具を得た喜びに、卑しい笑みを浮かべてはしゃいでいる。
 自分がどれほどの失望を、その玩具に寄せられているかも知らずに。
「……ですがマスター。サーヴァントの器に収まった以上、私はあくまでその化身……
 人の器に収めきれる、その程度の存在でしかないことを、お忘れなきよう」
 せめてもの忠告を口にしながら、フドウは己が宝具を解いた。
 『乙女座の黄金聖衣(バルゴクロス)』――かつて現在と同じように、下界に降りていた頃に、その身に纏っていた装束。
 黄金色の鎧を脱ぎ捨て、仏教の法衣姿になったフドウは、はしゃぐマスターを諌めた。
「そうだな。それだけは残念だ。できれば神仏の力の全てを、僕のものとして使ってみたかった」
 よく言う。
 この仮初の器でさえも、まともに使いこなせていないくせに。
 膨大な魔力を要求するフドウには、慎二の力はあまりに不足だ。
 発揮できる力もこの程度――三輪身の奥義などは、現状ではとても使えないだろう。
 そうした意味でも、慎二には、この先用心してもらわなければならない。
 魔力切れで敗退などという結論は、あまりにお粗末というものだ。
「……まぁいいさ。こうしてお前のスペックも確認したんだ。あとはそれを踏まえた上で、本戦に向けた準備を整えよう」
 そう言うと慎二は翻り、ムーン・セルから与えられた、自らの家へと歩いていった。
 それを一歩後から追いながら、乙女座のフドウは思考する。
 この下品な少年が、聖杯戦争を勝ち抜いた先に、何を願うのかを考える。
 かれこれ2日の付き合いになるが、このお喋りなマスターは、しかし未だ己の願いを、口にしてはいなかった。
 聖杯を手に入れることが第一目標であり、それで何を叶えるのかというのは、まだ決まっていないということだろう。
 であれば、見極めなくてはならない。
 少年の願いが何であるかを。
 この少年の浅ましい想いが、世界をひっくり返すような願いを求め、世の調和を乱す可能性を。
(もしそのような結果となれば――)
 間桐慎二が願望の器を、悪用しようと願ったとしたら。
 断罪と救済の黄金聖闘士。
 煩悩を焼き払う教令の神。
 乙女座のフドウの閉じた眼は、今は瞼の裏側に、遠い未来を描いていた。


150 : 間桐慎二&キャスター ◆Vj6e1anjAc :2014/08/04(月) 03:55:05 ldiMIiFY0
【仙台/2014年7月7日(日)0100】

【マスター】間桐慎二
【出典】Fate/stay night
【性別】男性

【参加方法】
冬木の戦争に勝ち残るため、間桐家の蔵書を読み返していた時、偶然月の戦争への参加方法を知った。
それを調べていた際に、ゴフェルの木杭が機能してしまい、ムーン・セルへと飛ばされた。

【マスターとしての願い】
今は自分の力を証明するために、聖杯を手に入れることが急務。願い事は後から考えればいい。

【能力・技能】
弓道
 その名の通り弓道の実力。穂群原学園弓道部の副部長を務めており、それなり以上には腕が立つ。

勉学
 穂群原学園においては、常にトップクラスの成績を維持している。

探し物
 そこそこ推理力が高く、特定の物を探し出すのが得意。

【weapon】
なし

【人物背景】
魔術師の家系・間桐家の長男。
魔術の名家に生まれたこと、そして何より魔術以外の分野において、優れた力を発揮していたことから、エリート意識が非常に強い。
しかし中学生の頃に、自分に魔術回路がないこと、
何よりそれを義妹・桜に憐れまれていたことを知ったことから、その人格に歪みが生じてしまう。
根は優しい人物であったらしく、現在でもその片鱗が顔を覗かせることも。

【方針】
当然優勝狙い。使えそうな人間は同盟を結び、手駒にしてやってもいい。
まずはキャスターを運用できるだけの魔力を確保する。


151 : 間桐慎二&キャスター ◆Vj6e1anjAc :2014/08/04(月) 03:55:32 ldiMIiFY0
【クラス】キャスター
【真名】フドウ
【出典】聖闘士星矢Ω
【性別】男性
【属性】秩序・中庸

【パラメーター】
筋力:C 耐久:B 敏捷:C+ 魔力:A+ 幸運:A 宝具:A

【クラススキル】
陣地作成:A
 魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。
 “工房”を上回る“神殿”を形成することが可能。

道具作成:C
 羂索や三鈷剣など、法力を帯びた器具を作成できる。

【保有スキル】
セブンセンシズ:A+
 人間の六感を超えた第七感。
 聖闘士の持つ力・小宇宙(コスモ)の頂点とも言われており、爆発的な力を発揮することができる。
 その感覚に目覚めることは困難を極めており、聖闘士の中でも、限られた者しか目覚めていない。
 フドウの持つ莫大な魔力の裏付けとなっているスキル。

高速神言:A
 呪文・魔術回路との接続をせずとも魔術を発動させられる。
 大概のものは「オーム」「カーン」、長くとも「ノウマク・サンマンダ・バザラダン・カーン」で発動できる。

神性:B
 神霊適性を持つかどうか。高いほどより物質的な神霊との混血とされる。
 フドウの正体は不動明王そのものだが、人間の身に宿った化身であるため、ランクが1つダウンしている。

【宝具】
『乙女座の黄金聖衣(バルゴクロス)』
ランク:A 種別:対人宝具(自身) レンジ:- 最大補足:1人
 黄金聖闘士(ゴールドセイント)の1人・乙女座(バルゴ)の聖闘士に与えられる黄金聖衣(ゴールドクロス)。
 黄金に光り輝く鎧は、太陽の力を蓄積しており、他の聖衣とは一線を画する強度を誇る。
 この聖衣を然るべき者が装着することにより、装着者の筋力・耐久・敏捷・幸運のパラメーターが1ランクずつアップする。
 本来のランクはA+なのだが、アテナとアプスの小宇宙が衝突した際の影響で、
 聖衣石(クロストーン)と呼ばれる形態に変質してしまっており、若干のランク低下が見られる。

『三輪身(さんりんしん)』
ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:1〜40 最大補足:500人
 密教における如来・菩薩・明王を、その性質に従って3種類の仏身観に分類したもの。
 不動明王とはその3種類のうち、「教令輪身」という姿に分類される。
 これはその三輪身の概念が宝具化したもので、フドウはそれら3つの姿を、固有結界として表すことができる。
 3つの姿の内訳は以下の通り。
  ・自身に逆らおうとする者を力ずくで止めようとする恐ろしい姿
   「教令輪身」と称される。黄昏の花畑が具現化される。
   五大明王を召喚する技・「明王来臨」を発動可能。
  ・宇宙の真理を静かに教え諭す姿
   「正法輪身」と称される。静謐なる竹林が具現化される。
   対応する技はないが、この世界に足を踏み入れたものは極度にリラックスし、戦闘意欲を削がれてしまう。
  ・悟りそのものを体現する姿
   「自性輪身」と称される。「審判の間」と渾名される、無限の曼荼羅が具現化される。
   フドウが持つ最大奥義・「菩提証悟」を発動可能。


152 : 間桐慎二&キャスター ◆Vj6e1anjAc :2014/08/04(月) 03:56:24 ldiMIiFY0
【weapon】
・羂索
 投げ縄のようなもの。悪を縛り、吊るし上げてでも救い出さんとする、不動明王の苛烈さの表れ。
 敵を拘束し封じ込める技・「諸行断罪」に用いられる。

・三鈷剣
 魔を斬り、人々の煩悩や因縁を断つための剣。
 敵の心身を切り裂く技・「生死即涅槃」に用いられる。

【人物背景】
88の聖闘士の中でも、最高位に位置する黄金聖闘士の1人。
しかしその素性は、火星の神・マルスの盟友であり、聖域(サンクチュアリ)に敵対する存在だった。
自らを不動明王の化身と名乗り、悠久の時の中で人類を見守り、その横暴に失望してきたと語っている。
しかしエデンら若き聖闘士達が、マルスやアプスを打倒して以降は、
人間とそれを導くアテナが、未来を生きるに相応しい存在であるかを見極めるため、敢えて聖域に居残った。

落ち着いた物腰と柔和な笑みからは、一見心優しい人物にも見えるが、その実態はある種冷酷なまでに、恐ろしく巨視的な視点の持ち主。
マルスの改革に対しても、「命を落とす者もまた、極楽へ逝くことで生の苦しみから解放される」と語っており、犠牲を意に介していなかった。
あくまで仏が守らんとするものは、世界全ての安定に他ならず、人類だけの都合を優先することはしない。
しかし、それが世界を守ることに繋がると判断すれば、誰よりも揺るがぬ決意の下に、その絶大なる力を振るって戦う。
ちなみに「自身に逆らおうとする者を力ずくで止めようとする恐ろしい姿」を見せた際には、
その穏やかな様子は一変し、阿修羅のごとき語気と形相で敵を攻め立てている。
また、圧倒的な実力差を見せつけてなお、光牙達が立ち向かってきた時には、
「無駄と分かっていても、己の正義を貫くために立ち上がる精神力」に感動し、当事者ながら涙を流していた。
(これはつまり「どうやっても光牙達では自分に勝てない」という大前提の下に抱いた感想であり、何気にナチュラルに彼らを見下していることになる)

小宇宙の属性は炎。
その力は当代の黄金聖闘士の中でもトップクラスと言われており、仏の化身に恥じぬ実力を誇る。
劇中では炎の属性を操り、地面よりマグマを噴き出して攻撃する場面が見られた。
また、小宇宙の障壁を自らの周囲に展開し、敵の攻撃を防いでもいる。
光牙達が処女宮に攻め入った際には、「揺るぎなき守護者」を意味する梵名に恥じず、一歩も動かずに5人の聖闘士を相手取っていた。

【サーヴァントとしての願い】
特になし。慎二が聖杯をいかに使うかを見守る。悪用しようとした場合は……

【基本戦術、方針、運用法】
『乙女座の黄金聖衣(バルゴクロス)』発動下では圧倒的な戦闘能力を誇るフドウだが、
悲しいかな魔術適性のない慎二では、その能力を十二分に発揮することはできない。
このため何らかの形で、その莫大な消費量に見合った魔力を確保することが急務となる。
それ以外の点においては、オーソドックスなキャスターとして運用できるだろう。


153 : ◆Vj6e1anjAc :2014/08/04(月) 03:57:16 ldiMIiFY0
投下は以上です


154 : ◆p1hwNIp6AQ :2014/08/05(火) 14:30:07 nPtExGdE0
衛宮切嗣&アーチャー投下します


155 : 衛宮切嗣&アーチャー ◆p1hwNIp6AQ :2014/08/05(火) 14:30:52 nPtExGdE0
月の綺麗な夜だった。
広い屋敷の縁側で一人の男が何をするでもなく月を見上げている。
着物を着た男は随分と老け込んだような雰囲気を醸し出しており、さながら若隠居のようだった。
男の隣には少年が座っており、彼もまた何をするでもなくただ月を見上げていた。

「……子供の頃、僕は正義の味方に憧れてた」

ふと、男が独り言のように口を開いた。
言葉の裏からは、後悔の念が見えるようだった。
それを聞いた少年は、見るからに不満そうに口を尖らせた。

「なんだよそれ。憧れてたって、諦めたのかよ」
「うん、残念ながらね。
ヒーローは期間限定で、オトナになると名乗るのが難しくなるんだ。
そんなコト、もっと早くに気が付けば良かった」

その言葉にどれほどの含蓄があったか、恐らく全てを少年は理解していないだろう。
しかし子供ながらに感じるものはあったのかもしれない。
少年はどこか得心がいったような、神妙な面持ちになった。

「そっか。それじゃしょうがないな」
「そうだね。本当に、しょうがない」

そう言って、二人はただ月を見上げた。
誰もが見入るような、透き通るような綺麗な月だった。
やがて、

「うん、しょうがないから俺が代わりになってやるよ」

少年は、何でもない風に、静かに誓いの言葉を立てた。

「爺さんはオトナだからもう無理だけど、俺なら大丈夫だろ。
まかせろって、爺さんの夢は―――」

少年は誓いの言葉を続ける。
これほど月が綺麗な夜だ。
きっと、この日この時の情景は少年にとって忘れ得ぬ思い出になるだろう。
例え、この誓いを守ったことでいつか地獄に落ちる日が来たとしても。

「そうか。ああ―――安心した」

だからこそ、男は心底安堵の籠った声音で答え、目を閉じた。
同時に、視界が白く染まっていく。
この続きはきっと―――




ピピピピピピピ。
日光が届き、鳥の囀りが聞こえる中目覚ましのアラームが鳴り響く。

「…ん、ぅん……」

手を伸ばしバチンと時計を叩き、耳障りなアラーム音を止める。
まだ眠りたい欲求を堪えて布団からもぞもぞと這い出て、服を着替えはじめた。

「あー……嫌な夢見た」

今の夢はマスターと繋がっているからこその産物なのだろう。
間違いなくあれは平行世界の、今自分と契約している実父の辿った最期の瞬間だ。
自分が封印された経緯を知るアーチャーにはそれだけで二つの世界の差異と、結果として切り捨てられた者の存在がわかってしまう。
だからどんなに美しくとも、アーチャーにとってあれは嫌な夢以外の何物でもない。


156 : 衛宮切嗣&アーチャー ◆p1hwNIp6AQ :2014/08/05(火) 14:31:37 nPtExGdE0




「やあ、おはようクロエ」
「珍しい、もう起きてたのパパ」

マスター、衛宮切嗣の自宅として設定された二階建ての家の一階。
その一室にあたる居間で切嗣はアーチャーを待っていたのかただ座っていた。
その様はかつて魔術師殺しなどと呼ばれた男とは思えない、若隠居同然の佇まいだった。

「…少し、話をしよう。今後、僕らがどう動くか」
「ああ、やっとなんだ。全然考えてないかと思ってた」

切嗣はアーチャーを召喚してからというもの彼女をサーヴァントとして扱おうとしなかった。
切嗣のアーチャーへの接し方は一人の人間、家族に対するそれだった。
聖杯戦争に臨むなら弓兵に睡眠を八時間も摂らせるなど有り得ない。
全ては彼個人の感傷であり贖罪に過ぎず、アーチャーも何とはなしにその意図を汲み取って付き合っていただけのこと。
しかしそれも終わり、そろそろ現実と向き合わねばならない。

「まず結論から言って、僕はこの聖杯戦争を止めるつもりでいる」
「………」
「…いや、そもそも最初からそのつもりではいたんだけどね」
「お兄ちゃんが正義の味方になるって言ったから?」
「!どうして……」
「さっき夢に見たのよ。
そりゃまあマスターとサーヴァントなんだし。
私たち世界が違っても親子なんだからそんなこともあるでしょ。
本当に、ムーンセルの采配も大したもんだわ」

アーチャーは茶化して言うが切嗣からすれば月の聖杯に物申したい気分だ。
なるほど確かに相性という点でこれ以上合致する者はそうはいまい。
だが、だからといって喜んで受け入れられるかは別の問題だ。
実の娘をサーヴァント、戦闘代行者として寄越すなど。

「話を戻そう。あらゆる世界から人間を呼び寄せるような、途方もない力を持つ聖杯だ。
今回で終わらせなければ、士郎や、君の世界のイリヤだって何時巻き込まれても不思議じゃない。
けど、僕一人の力では何も掴めないし何一つ成し遂げられない」
「だーかーら、そのために私がいるんでしょーが。
まったく、イリヤじゃないんだからいつまでもうじうじ悩んでてもどうしようもないでしょ?
こうなっちゃったものは仕方ないんだし、いい加減割り切ってよね。情けないったらないわ」
「…そうだね。僕は本当に情けない、どうしようもない男だ」


157 : 衛宮切嗣&アーチャー ◆p1hwNIp6AQ :2014/08/05(火) 14:32:12 nPtExGdE0
やや俯き、自嘲する。
結局衛宮切嗣という男は、誰かを犠牲にしなければ何もできない人間なのだろう。
聖杯戦争で妻や舞弥の犠牲の上に最後まで勝ち残った結果大勢の犠牲者を生み、イリヤを迎えに行くことさえできなかった。
そして今度は聖杯戦争を止めるために娘を矢面に立たせようというのだ。

(僕には最初から父親の素養などなかったということなんだろうな)

これでは父・矩賢を笑えはしない。
もっともアーチャーにさらに怒られるので口に出すことはしないが。

「とりあえずは同じ目的の人間がいるかどうか、会場を調査して確かめよう。
これほど無差別に近い形で人を呼び込んでいるなら協力者を得られる可能性も低くはないはずだ。
あるいは戦意のないマスターなら説得の余地もあるかもしれない」
「できたら協力者のサーヴァントがセイバーかランサーだったら言うことなしね。
私も楽ができるし、何よりパパの精神衛生的にもその方が良さそうだし」

重い腰を上げたとはいえ、アーチャーを戦わせたくないという本音はやはり見破られているようだ。
だが理に適った方策でもあるためかそれ以上は彼女も何も言わなかった。

「それとルーラーには特に注意するべきか。
聖杯戦争を破綻させようという動きを気取られれば即座に対処されると見て良い」

ノートに今後の方針を書き溜めていく。
ペンを動かしながら、切嗣はある一つの決意を固めていた。

(アーチャー、クロエはここに呼ばれるまでイリヤたちと暮らしていたという。
この月の聖杯は必ず封印ないし破壊する必要があるが、彼女だけは何としても暖かい日常に帰す。
それが一度拾った命に代えてでも僕の為すべきことだ)

最悪の場合は協力者にアーチャーを託すことも視野に入れて考えている。
かつて聖杯戦争で多くを失った男の、パートナーを失うわけにはいかない戦いが始まる。


158 : 衛宮切嗣&アーチャー ◆p1hwNIp6AQ :2014/08/05(火) 14:32:58 nPtExGdE0
【博多/2014年7月10日(木)0920】

【マスター】 衛宮切嗣@Fate/Zero

【参加方法】

死に際、懐に旅の途中で見つけたゴフェルの木片を仕舞っていたため召喚された。

【マスターとしての願い】

今度こそかつて憧れた正義の味方として聖杯戦争を止める。
聖杯を手に入れなければそのまま完全に死ぬことは理解しているが構わない。
しかしクロエは何としても元の世界に帰したい。

【Weapon】

死の直前から召喚されたため何もなし。

【能力・技能】

聖杯戦争のマスターとしてはノーマルレベルの適性を持つ。
起源は「切断」と「結合」。魔術属性はそれぞれの起源に関連した「火」と「土」の二重属性。
魔術師の常道を裏をかき、魔術師が忌避する戦術と手段を多く用いる。
魔術を「研究する目的」ではなく「手段であり道具」と見ている異端の魔術師であり、礼装に銃火器を用いる希有な存在。
しかし今回は武器の類を持ちこめていないため現状では魔術師に対して有効な攻撃手段がない。
どこかで銃火器などを調達できればその技能を十分に活かせるだろう。
また衛宮の家伝である「時間操作」の魔術を戦闘用に応用した我流の魔術「固有時制御」を修得している。
これは本来儀式が煩雑で大掛かりである魔術を「固有結界の体内展開を時間操作に応用し、自分の体内の時間経過速度のみを操作する」ことで、たった二小節の詠唱で発動を可能とし、戦闘時に用いている。
ただし固有時制御を解除した後に世界からの「修正力」が働くため、反動によって身体に相当の負担がかかる。
聖杯戦争に参加する直前の彼は「この世全ての悪」に全身を蝕まれ魔術の行使すらほとんど不可能になっていたが、ムーンセルの調整によって健常時の肉体に戻っている。


159 : 衛宮切嗣&アーチャー ◆p1hwNIp6AQ :2014/08/05(火) 14:33:34 nPtExGdE0

【人物背景】

衛宮家五代目継承者で衛宮士郎の養父。
かつては封印指定を受けた魔術師の父・衛宮矩賢と共に、魔術協会から潜伏しながらの生活をしていた。
母親はその逃避行の最中に死亡し、生後間もなかった彼は彼女のことを覚えていない。
潜伏地・アリマゴ島において研究サンプルが漏れ出す事故が発生する。その際に羅患した幼馴染の少女・シャーレイが、苦しみから彼に自分を殺してくれと頼む。
しかし彼は幼さ故の未熟さも手伝い、恐怖からそれを拒絶して、大人に助けを求めようとする。
その結果として島は地獄と化し、彼は「一人を殺せなかったために大勢を殺す」という、強烈なトラウマを刻み込まれる。
原因となった父がまた同じ事を繰り返すであろうことを予見した彼は、今度こそ自らの手で父を殺害する。
その後、父を狙っていたナタリア・カミンスキーと共に島を脱し、そのままナタリアの元でハンターとして生きるため苛烈すぎる経験と鍛錬を積みながら過ごす。
血と硝煙にまみれた生活を送り既に眼差しは十代のものではなくなっていた。
仕事の途中、ナタリア一人と他の大勢の命を天秤にかけねばならない場面に直面した彼は、再び非情な決断を強いられる。
ナタリアの死後は独立し、フリーランスの魔術師として活動。魔術師関連の殺しと並行して戦況がもっとも激化し破滅的になった時期に傭兵として各地の戦地に赴いていた。
「魔術師殺し」の戦歴をアインツベルンに買われ、共同で第四次聖杯戦争に参加。開戦以前にアイリスフィールと夫婦になり、娘のイリヤスフィールを設けている。
発掘された聖剣の鞘を触媒にセイバーを召喚。触媒である「全て遠き理想郷」は代理マスターとして戦地に送り込んだアイリに預けていた。
戦争の終結後、現場で唯一生き残っていた少年を発見。瀕死だった彼を「全て遠き理想郷」を体に埋め込むことで救い、脱出する。
士郎を養子に迎えた後も、「世界旅行」と称して屋敷を離れて、我が子を迎えにアインツベルンを幾度も訪れたが、アハト翁の妨害に遭い、娘と再会することは叶わなかった。
聖杯戦争終結から五年後、士郎に看取られながら聖杯の呪いにより短い生涯を終える。享年三十四。

【方針】

ルーラーに注意しつつ、聖杯戦争を止めるための協力者を募る。
なるべくクロエを戦わせたくないが、荒事においては彼女に頼らざるを得ない状況であるため忸怩たる思いを抱いている。


160 : 衛宮切嗣&アーチャー ◆p1hwNIp6AQ :2014/08/05(火) 14:34:19 nPtExGdE0
【クラス】 アーチャー

【真名】 クロエ・フォン・アインツベルン@Fate/kareid liner プリズマ☆イリヤ

【属性】 中立・中庸

【ステータス】
筋力 E 耐久 D 敏捷 C 魔力 B 幸運 B 宝具−

【クラス別スキル】
対魔力:C…二節以下の詠唱による魔術を無効化する。
大魔術、儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。

単独行動:A+…マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
A+ともなると、大規模に魔力を浪費しない限り、単独で戦闘を行える。
また、アーチャーは元々魔力を得る必要がありながらも現世に受肉していた伝承がある。
このためかマスターと契約が切れた際の能力低下のペナルティが通常の三分の一以下で済む。

【保有スキル】
投影:B…彼女の元になったクラスカードの英雄が得意とする魔術。
宝具級の神秘さえ容易に再現できるが、オリジナルに比べランクと性能は低下する。

願望実現:C…アーチャーが限定的ながら持つ願望器・聖杯としての能力。
アーチャーの魔力で可能な範疇で望んだ魔術を理論・過程を省略して発動できる。
これによりアーチャーは投影魔術の反動(脳への過負荷など)を無効化できる他、短距離ながら転移魔術も行使可能。

魔力補給:D…アーチャーはサーヴァントとなる前から魔力で肉体を維持しており、定期的に外部から魔力を補給する必要があった。
このためアーチャーは日常的に他人とキスを行っており、このスキルもそんな彼女の伝承から付与されたもの。
同性から魔力補給を受ける時、通常の二倍の効率で魔力を得ることができる。

【宝具】

アーチャーは固有の宝具を持たないサーヴァントである。
彼女も元になったクラスカードの英雄は固有結界を宝具として所有していた。
しかし願望器としての機能を持つとはいえ別人である彼女に同じことはできないと思われる。

【Weapon】

上記の通り、アーチャーは投影魔術によって様々な宝具を操り距離を問わず戦える。
ここでは原作において彼女が使用した投影宝具を記述する。

干将・莫耶…陰陽の性質を持つ夫婦剣。
互いに引き合う性質を利用した連続投影での「鶴翼三連」も使用可能。
アーチャーは近接戦闘においてこの双剣を多用する。

偽・偽・螺旋剣(カラドボルグIII)…由来はアルスター伝説の名剣カラドボルグ。
名前通り、螺旋を描く刀身を持つ剣で矢としても剣としても使用できる。
この剣は彼女の元になったクラスカードの英雄が使用していた「偽・螺旋剣(カラドボルグII)」の、さらに劣化品。
それでも威力そのものは絶大で、真名解放して放たれれば空間をも捻じ切る。


161 : 衛宮切嗣&アーチャー ◆p1hwNIp6AQ :2014/08/05(火) 14:34:53 nPtExGdE0

熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)…由来はギリシャの英雄アイアスの盾。
複数の花弁からなる光の盾であり、使い手から離れた攻撃に対して無敵という概念を持つ概念武装。
彼女の元になったクラスカードの英雄と違い、最大四枚までしか展開できない。

偽・射殺す百頭(フェイク/ナインライブス)…岩でできた巨大な斧剣。
アーチャーは小柄な体躯とこの剣の巨大さを活かし弾幕に対する壁として使用する。

約束された勝利の剣(エクスカリバー)…本来はアーサー王が持つ、所有者の魔力を光に変換し、収束・加速させ斬撃として放つ最強の聖剣。
しかしアーチャーでは「偽物(できそこない)の偽物(ハリボテ)」しか投影できず、真名解放も不可能。
一応「壊れた幻想」による攻撃は可能で、これがアーチャーの最大火力の攻撃手段となる。

壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)…投影した宝具を相手にぶつけ、爆発させることで威力を増す技能。
投影によって複製した武具は替えがきくためアーチャーはこの能力を気軽に使用できる。

【人物背景】
任務中、危機におちいったイリヤスフィール・フォン・アインツベルンから突然分離して誕生した、もうひとりのイリヤ。
その正体は赤ん坊だった頃に、アイリスフィール・フォン・アインツベルンによって力と共に封印された「本来のイリヤの人格(生前から施された魔術的処置により、赤ん坊ながら自我と様々な知識を有していた)」。
イリヤが危機におちいった際、封印が一時的に解かれ、危機を回避した後に再封印される、というプロセスを経るはずだったが、円蔵山の地下大空洞の地脈逆流時に危機を回避しようとした際、地下に眠っていた「大聖杯の術式」の力により「弓兵」のクラスカードを核として受肉化した。
顔の造りはイリヤと同一だが、「弓兵」のクラスカードを触媒に現界している影響のためか、イリヤと違って肌が浅黒く、髪もより銀に近い色合いになっている。
封印中もイリヤとは記憶を共有していたらしく、分裂直後でも周囲の人々のことは把握している。


162 : 衛宮切嗣&アーチャー ◆p1hwNIp6AQ :2014/08/05(火) 14:35:36 nPtExGdE0
性格の基本骨子はイリヤと同じだが、「もしイリヤが魔術師として育っていたら」という存在であるため 「stay night」本編のイリヤに近い性格で、小悪魔的な言動が多い。
キス魔で同性に対して非常にアグレッシブで、イリヤの周囲の女子五人のファーストキスを奪った。
分離した当初はオリジナルであるイリヤを殺し、それに成り代わろうとしていた。
しかしそれは封印の反動で「日常」や「家族の愛情」といったものに飢えているためであり、最初にイリヤの命を狙ったのもそれを手に入れるための手段であって、イリヤを憎んでいたというわけではない。
家族として暮らすようになってからは、義兄・衛宮士郎に積極的に迫っては、イリヤと喧嘩する。
ちなみに、イリヤとどちらが姉でどちらが妹かを争っているが、決着はついていない。

【サーヴァントとしての願い】
平行世界とはいえ父親の切嗣に死なれるのは非常に後味が悪いので彼を守り抜く。
しかし力及ばず彼共々死亡したとしても仕方ないと諦観している面もある。

【基本戦術、方針、運用法】
固有の宝具を持たないとはいえ投影魔術で生み出した武具によって距離を問わずに戦えるオールラウンダー。
しかし戦闘能力の全てを魔術に頼るため魔力封じの類には極めて脆い。
またその出自から武勇伝を築いた英雄たちにはある戦闘経験、見識、技術を持っておらずこれが最大かつ致命的な弱点。
この点が足を引っ張りアーチャーの実質的な戦闘力は黒化英霊以上英霊未満といったレベルに落ち着いてしまっている。
三騎士としては器用貧乏どころか中途半端な感が否めず、能力や相性次第ではマスターにすら圧倒されてしまう可能性がある。
支援役としてはそれなり以上に戦えるものの、総じて元になった錬鉄の英雄には及ばない。
如何にして前衛を務められる協力者を探し出せるかが彼らの課題にして死活問題となる。


163 : ◆p1hwNIp6AQ :2014/08/05(火) 14:36:28 nPtExGdE0
投下終了です


164 : ◆ZTnr6IpaKg :2014/08/07(木) 23:49:41 k2MfFfMM0
投下します。
投票で票が入った二組。


165 : アリス・マーガトロイド&アーチャー ◆ZTnr6IpaKg :2014/08/07(木) 23:50:56 k2MfFfMM0
なるほど、とマスターとして覚醒したアリスは先程までの自分を思い返す。
自分を失い、NPC――人形として操られるだけだった自分。
何も考えることなく、意思が伴わないまま外面だけで喜怒哀楽を表現し
意思持つ人間と何一つ遜色無い行動をとり続ける自分。
自立人形の完成を目指し、数多くの人形を作ってきたが、
まさか自分自身が人形になることを体験することになるとは思わなかった。

アレこそ単なる人形の限界、自分が目指すのはその先の先。
少なくとも自分の人形はあの意思を持たない段階を越えている、それは自信を持って言える。
しかし、一歩進んだだけでは、幾らかの心が宿っているというだけでは、
結局のところ他者の命令に従うという人形の人形たる限界を本当の意味で越えたわけでは無いのだ。
本当に自分の人形はアレと違うのかと言われれば、自分のどこか冷静な部分は
根本では同じだと認めてしまうかもしれない。
そう思ってしまうことに屈辱感のようなものを感じざるを得ない。

しかしだ、それを知ることができたというのは重要だ。
どれだけ長いかわからない自分の目標までの道のり。
その道中のどこに自分がいるのか、何が足りないのか、それを実体験として幾分か理解できたのだ。
そして、少し前まで人形であった自分は今、自立して動いている。
操り人形が自分の紐を切ったその瞬間を、自分自身で観測できたのだ。
無論、これは封じられていた意思を解放しただけであるので、本当の意味の人形の自立とは異なる。
しかしそれに通じる現象ではあるだろう。
これを経験できただけでも自分の目的に対する大きな糧になった。

この『方舟』で一つ、とても貴重な経験をし、学んだ。
それは良い。良いのだが、それはそれとして。
今現在直面している問題に目を向け、頭を悩ませた。

「本気の殺し合い、というのはね……。
 まるで私向きじゃないわ」

アリスは本気を出さない。
魔法使いとして非常に高い能力を持ち、挑まれた勝負は避けない程度には好戦的なアリスであるが、
力押しで勝利するというのはどうも合わず、何事も相手の力を見極め、
それを少し上回る程度の力を上限として戦うのが彼女のスタイルだ。

例えそれで負けても構わない。
勝負自体は楽しいものになるだろうし、本気を出して負けて後が無くなってしまうのも嫌だ。
余りの強者と戦うのも好まない。余裕を持つことが第一だ。

そんな彼女が、魔術師と英霊が命と願いをかけて鎬を削る
聖杯戦争なんてものに参加するということ自体がまずありえない。
戦いに自信が無いというのではないが、弾幕ごっこならともかく、
どんなに商品が豪華なマジックアイテムであろうが形振り構わない全力本気の戦いをするなんて御免なのだ。

ではなぜここにいるのかというと、それもわからない。
願いが無いとは言わない。さしあたっては完全な自動人形の完成だ。
しかしそれはアリスの力で到達してこそ意味があるもので、聖杯に叶えてもらうものではない。
そんな彼女が、なぜ『方舟』とやらに呼ばれてしまったのか。
そもそも、召喚に必要な『ゴフェルの木片』とやらも心当たりが無い。
ここに来る前の最後の記憶では魔法の森の上空を飛んでいたはずだが、
そんな木片など持っていなかったし、木をぶつけられたということもなかった。

普段はそれこそ人形の様に表情を崩すことなく優雅に振る舞っているはずの少女が、
珍しく眉間に皺を寄せて本気で悩んでいた。

 □ ◆ ◇ ■ □ ◆ ◇ ■ □ ◆ ◇ ■ □ ◆ ◇ ■


166 : アリス・マーガトロイド&アーチャー ◆ZTnr6IpaKg :2014/08/07(木) 23:51:29 k2MfFfMM0
……一人で悩んでも仕方ない。サーヴァントとやらの意見も聞いてみましょうか。
と、ここでようやく気付いた。サーヴァントはどこだ?
見回して、少し離れたところにそれらしき何かがいるのを見つけた。
実体化はしていないようだが、ラインの繋がりとアリスの幻視は霊体を捉えることを可能としていた。
悩んでいたアリスを気遣って待っていてくれたようだ。
ステータスを確認し、声をかける。このサーヴァントは――

「――アーチャー。
 ごめんなさい。気を遣わせたみたいね。
 少しお話ししましょう。実体化してくれる?」
 
(――はい)

やわらかい女性の声、続いてその姿が現れる。
胸当てと赤い袴を身に着けた黒髪の女性。弓を持つのはまさしくアーチャーらしい。
しかし右肩に妙に大きな盾?を身に着け、背にも矢筒と金属製らしい何かゴタゴタしたものを背負っている。

「アーチャーのサーヴァント。航空母艦、赤城です。
 空母機動部隊を編成するなら、私にお任せくださいませ」
 
「コウクウ…ボカン?」

意思持つ人形を目指す少女と、
意思持つ船である女性。
その出会い。

 □ ◆ ◇ ■ □ ◆ ◇ ■ □ ◆ ◇ ■ □ ◆ ◇ ■


167 : アリス・マーガトロイド&アーチャー ◆ZTnr6IpaKg :2014/08/07(木) 23:51:58 k2MfFfMM0
「ふぅん……つまり、付喪神みたいなものね?」

「ええ、そういう認識で大体合ってますよ。
 私の様な物が実体を持ちやすい神秘のあり方の世界線がありまして、
 その世界でこういうヒトガタの英霊として成ったものですので」

お互いに自己紹介と情報交換を済ませたが、このアーチャー、本来は巨大な『船』だという。
それが人に似せた意思と姿を以て現世に現れた『艦娘』という存在だと。
付喪神ならば幻想郷にもそれなりにいるが、聖輦船が付喪神になって動いている様なものと考えれば
幻想郷のそれらとはスケールが違うことを実感できる。

彼女は自立する船で、自分は人形を以てそこに至らんとしている。
器もあり方も異なるが、それでもある意味自分の目指す様な存在が召喚されたというのは、何かの縁だろうか。
戦闘方法に近しい所があるのも興味深い。彼女の場合は力押しの部分もかなり大きいが。

まだ少し話をしただけであるが、結構こちらに好意的な態度をとってくれているようだ。
これなら相談してみるのも悪くないか。
嘘はつきたくないからどちらにせよ話さなければならないことであろうし。
……彼女を怒らせることにならなければ良いのだが。

普段のすました所のあるアリスでは考えにくいことであるが、
すんなりと自分の悩み、あるいはこの聖杯戦争においては弱みとすらいえるものを打ち明けることとした。
状況が状況だから、大分まいっていたところがあったのだろう。

「実は、私にはこの戦いに参加する動機は無いのよ」

 □ ◆ ◇ ■ □ ◆ ◇ ■ □ ◆ ◇ ■ □ ◆ ◇ ■


168 : アリス・マーガトロイド&アーチャー ◆ZTnr6IpaKg :2014/08/07(木) 23:52:24 k2MfFfMM0
「―――それでは、何とか脱出する方法を探しますか?」

「………貴女はそれで構わないというの?
 何か願いがあって、この戦いに参加したのではなくて?」

「ええ、無いとは言いません。
 私が成った世界では、今この時も多くの提督と仲間達が戦い続けているでしょう
 彼らを助け、私たちの敵を根絶することが私の願いです」
 
そう言って、何かを思い出す様に目を伏せるアーチャー。
自分の世界に思いを馳せているのか。

「しかし、彼らも私達も、それぞれ覚悟や想いを抱いて命がけの戦いに挑むものです。
 自分たちが守るべきもののために、剣を取り盾となる。
 その戦いに、無関係の方を巻き込むのは皆に顔向けができませんし、私自身もそれを認められません。
 マスターが自分の願いの為に戦いたいというならば、私も共に願いを叶えることを目指したでしょうが、
 貴女は純粋に巻き込まれた被害者です。
 ならば私は貴女を助けるために力を尽くしたい」
 
アーチャーの眼差しがこちらを向く。
その眼と言葉からは、心からの自分への慈しみが伝わってくる。
……これが物が意思を持つことか、と思う。
使われるだけだったはずの物が、心を持ち、その有り方に誇りを持ち、
自らの意思と望みとして役割を果たす者となる。
 
自分が目指す者、その同類である彼女にこれだけの想いを向けられている。
そのことに、彼女の願いを叶えられないことに申し訳なさを感じるとともに、
それでも、嬉しいと思ってしまった。
……そこまで言ってくれるなら、甘えさせてもらおうかしら?

「フフッ。ありがとう、アーチャー。
 それならお願いするわ。家まで送ってくれるかしら?」
 
「ええ、了解しましたマスター。
 これでも無敵艦隊と呼ばれた身ですからね。
 大船に乗ったつもりでいてください!」
 
アーチャーが自信満々に言い、二人で笑いあう。
うん、きっと何とかなりそうね。


169 : アリス・マーガトロイド&アーチャー ◆ZTnr6IpaKg :2014/08/07(木) 23:53:24 k2MfFfMM0
**【高松/2014年7月14日(月)1730】

**【サーヴァントステータス】

**【出典】
艦隊これくしょん -艦これ-
**【CLASS】
アーチャー
**【マスター】
アリス・マーガトロイド
**【真名】
赤城
**【性別】
女性
**【属性】
秩序・中庸
**【ステータス】
筋力D 耐久A++ 敏捷D(C) 魔力E 幸運C 宝具E+++

**【クラス別スキル】
対魔力:E+++
 魔術に対する守り。
 本来であれば無効化は出来ず、ダメージ数値を多少削減する程度であるが、
 宝具の効果により、対人規模の魔術であればダメージを著しく下げる。
 
単独行動:E-
 マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
 ランクE-ならば、マスターを失っても30ターンの現界が可能。
 自立しているとはいえ、『人に使役されるもの』としての本質も残しているため、
 このスキルは最低ランクでしか持てない。

**【固有スキル】
艦娘
 『軍艦』が、人型をとって現界した英霊であることを示すスキル。
 本来は武装や宝具として扱われるべき『物』でありながら、意思を持ち自立的な行動を可能とする。
 また、『資材』を消費することにより魔力の補充、損傷や武装の修復が可能となる。
 『軍艦』であるので水上に対するBランク相当の地形適応スキルの効果を備え、
 水上では敏捷をワンランク上げての行動を可能とするが、水中や陸上では逆に敏捷がランクダウンする。
 
服従:C+
 『軍艦』である故の上官に従う性質。
 令呪の範囲および効果が強化され、命令行動に伴なう判定に補正がかかる。
 命令者が『提督』であるか否か、及びアーチャーが命令者に向ける感情に応じて
 ランクが上下する。
 
千里眼:C++
 視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。
 艦載機を通してより遠方を見ることを可能とする。
 
自己改造:C
 自身の肉体に、まったく別の肉体を付属・融合させる適性。
 資材の取り込み、他の艦装の装備、および近代化改装によるステータスの向上を行うことができる。
 本来であればこのランクが上がればあがる程、正純の英雄から遠ざかっていくが、
 アーチャーは『軍艦』であり、改造により強化されることはそのあり方として正常なものであるため、
 英雄の格が低下するペナルティは発生しない。
 
**【宝具】
**『零式艦上戦闘機』『九九式艦上爆撃機』『九七式艦上攻撃機』
ランク:E+ 種別:対軍宝具 レンジ:10-99 最大捕捉:100人
 アーチャーの搭載機。
 人型をとる英霊の武装としては、弓により射る矢として発艦され、
 小型化された機体はアーチャーの意思とパイロットである妖精により操縦される。
 航空機であるために長時間・長距離の飛行が可能で、それぞれの機体に搭載された武装で攻撃する。
 艦載機は補充が可能なものであるという性質を宝具化しても保持しており、破壊された場合でも
 宝具としては少ない魔力の消費で復元が可能。
 真名解放と共に発艦させることにより、発艦後に機体のサイズとスペックが航空機としてのものに戻る。
 本来の対軍規模の攻撃力を発揮するが、逆にピンポイントの対人攻撃は難しくなる。
 また、真名解放後は完全な航空機であり飛び道具の領域を逸脱するため、
 矢避けの加護による機体への対応を無効化する。
 
**『赤城』
ランク:E+++ 種別:対軍宝具 レンジ:- 最大捕捉:1隻
 アーチャー自身が宝具である。
 アーチャーの服と体そのものがEランクの神秘を帯びた装甲としての性質を持ち、非常に頑強。
 また、本質が巨大な『軍艦』であるために、あらゆる対人規模の攻撃のダメージを大幅に削減し、
 生物を対象とするスキルや宝具等の特殊効果の一切を受け付けない。
 真名解放により、アーチャーは人型から本来の航空母艦へと姿を変える。
 このとき、周囲に自分のマスターがいる場合、瞬間移動させ自分に乗せることができる。
 宝具としてのランクは低いが、非常に巨大な質量を実体化させるため相応に魔力を消費する。
 また、当然ながら水上でなければ移動は不可能。
 しかし、人型のアーチャーがいた場所の周囲の任意の場所に出現することができるため、
 実体化すれば周囲の物を吹き飛ばし、敵の頭上に出現すればその大きさと重量で押し潰すことが可能。


170 : アリス・マーガトロイド&アーチャー ◆ZTnr6IpaKg :2014/08/07(木) 23:53:53 k2MfFfMM0
**【Weapon】
『無銘・弓』
 人型をとったアーチャーの艦装。
 小型化された艦載機を矢として発艦させる。
 
『高速修復剤』
 艦娘を高速で修復させる作用を持つ。
 但し、修復に必要な魔力や資材は通常通りに消費する。
 
**【人物背景】
 大日本帝国海軍に所属する航空母艦。
 「八八艦隊」で設計された天城型巡洋戦艦の2番艦として建造を開始されるが、
 ワシントン軍縮条約の締結により建造途中で空母への改装を受ける。
 完成した正規空母「赤城」は、その当時は空母そのものが運用の黎明期であったために
 実験的な要素を多数持っており、それ故に問題が多かった。
 しかし、後に近代化改装を受け、第一航空戦隊旗艦として太平洋戦争初期に大活躍を遂げる。
 だが、1942年6月5日、ミッドウェー海戦にてアメリカ海軍空母「エンタープライズ」の艦載機の攻撃を受け大破炎上。
 第四駆逐隊の雷撃処分により沈没した。同年9月25日、除籍。
 
 英霊は人間ではない動物や機械などでも成る可能性があり、
 彼女はその後者、艦船が英霊の域へと到達した存在である。
 深海棲艦と呼ばれる存在が跋扈する世界において、『艦娘』と呼ばれる人型の英霊体で現界し、
 自分たちを扱う素養のある提督(マスター)の指揮下に入り、祖国の人々を守るために日夜戦い続けている。

**【サーヴァントとしての願い】
 マスターに従い、助ける。

**【基本戦術、方針、運用法】
 アーチャークラスの中でも、広域破壊に特に長ける。
 空母であり、武器が航空機であるために、攻撃範囲と破壊力は人間の延長に過ぎない他のアーチャーの追随を許さない。
 サーヴァントの戦闘力は戦闘機1機分と例えられるが、それを数十機も操るわけである。
 しかし、音速の攻撃にすら対応可能なサーヴァントの領域にあって、彼女の航空機は遅い部類に入る。
 至近距離で不意打ち気味に巨大化させてぶつける場合などでない限り、
 真名解放した航空機を1機や2機程度サーヴァントに向かわせても対処されてしまう可能性は否定できない。
 宝具としてのランクも低いので、相応の宝具や技の持ち主が相手では破壊されやすいもの問題である。
 対人攻撃を狙うのではなく、一度に多数の機体を投入して
 敵には対応不可能な距離・高度から敵マスターを巻き込むことも視野に入れた
 爆撃や機銃掃射などの範囲攻撃で一方的に叩くのが基本的な戦術となる。
 宝具ランクの低さから大軍宝具としては真名解放の魔力消費は少な目で、
 それにもかかわらず破壊力そのものは兵器であるために飛びぬけている。
 しかし、効果的な運用には数が必要で、そのうえ戦場を選ばずに爆撃などやると
 周囲への被害が大きくなるためペナルティを負う危険がある。
 
 対人戦闘では、艦載機の真名解放は有効活用法が極めて限られるため基本的に小型のまま運用せざるを得ないが、
 前述の通り速度に劣るため、接近戦の領域では容易く撃墜される可能性がある。
 しかし、矢を射た後も矢が方向を自在に変えて自立的に動くのは通常のアーチャーには無い特性である。
 放たれた後も敵を狙い続ける矢を多数放ち、数で攻めるのが常套手段となる。
 また、軍艦であり自身が宝具あるために単純に頑丈であることに加え、
 対人規模の攻撃である限り宝具であろうと彼女には殆ど通用しないのも強み。
 接近戦での奥の手は、航空母艦としての船体での押し潰し。
 4万トンを超える重さの鋼鉄の宝具が瞬時に頭上に現れ降ってくるという攻撃は、
 どれだけ筋力・耐久・敏捷が高くとも対処は困難。
 敵のマスターを巻き込めるならばなおさらである。
 しかし、咄嗟の大軍宝具で撃墜される危険性はゼロとは言えないし、
 天を支えたヘラクレスの様に非常に重いものを支えた逸話がある英霊には真っ向から対抗されてしまうかもしれない。
 そしてこちらの宝具も周囲への被害が馬鹿にならない。
 
 総合的に見て、主兵装が多数の同時運用を前提とする大軍宝具であるため、
 燃費はかなり悪い部類のサーヴァントであり、運用する部隊の規模は常に注意が必要となる。
 しかし通常のサーヴァントとは異なり資材による維持が可能であるので、
 纏まった量を手に入れられれば逆に魔力効率は劇的に改善する。
 たとえそうでなくとも、現在のマスターが魔法使いとして非常に優秀であるので、
 資材の補給が無くとも十分な戦闘が可能である。
 最大の問題は、周囲への被害を考慮する場合かなり戦場が限定されてしまうこと。


171 : アリス・マーガトロイド&アーチャー ◆ZTnr6IpaKg :2014/08/07(木) 23:54:17 k2MfFfMM0
**【マスターステータス】

**【出典】
東方Project
**【名前】
アリス・マーガトロイド
**【性別】
女性

**【参加方法】
 『方舟』による召還。
 しかし彼女は『ゴフェルの木片』に関する一切の心当たりが無い。

**【マスターとしての願い】
 幻想郷への帰還。
 『方舟』からの脱出方法を探す。
 
**【能力・技能】
 『主に魔法を扱う程度の能力』『人形を操る程度の能力』
 七色の人形使いの二つ名を持つ、万能型の魔法使い。
 しかし基本的には自作の人形を魔法で操って戦うスタイルをとる。
 弾幕と人形で敵を追い詰める業師。
 十体以上の武器を持つ人形を同時に操り、敵に多対一を強いることで優位に立つ戦術をとるが、
 アリス本人は人形の操作で手一杯になってしまうらしく、そこが弱点である。
 だが実際は人形を操りつつも縦横無尽に動けるので、本当に弱点なのかは疑わしい。
 また、人形を大切に思ってはいるが、爆発物を搭載して特攻させることもある。
 
 能力は高いが、戦闘での欠点として、本気を出したがらないというものがある。
 本気を出して負けてしまうと後が無くなり、それを嫌うためである。
 そしてその結果負けても、それはそれで構わないと思っている。
 後が無くなるということを単純に嫌う性格をしているだけなのか、
 戦略上奥の手を見せることを避けているのか、その詳しい理由は不明。
 流石に聖杯戦争において本気を出さずに負けて殺されることを受け入れはしないだろうが、
 それでもこの流儀が基本となっていることは大きな隙となるかもしれない。
 
**【Weapon】
『人形』
 自作の人形。魔法により操作する。
 どれだけの数を持っているかは不明だが、非常に多い。
 人形は色々な武器を持っていたり、弾幕を放ったり、爆発したりする。
 人形が他の人形を操ることもできる。

**【人物背景】
 魔法の森の洋館に住む魔法使い。
 属性の得手不得手の無い、万能型の魔法使いにして人形師。
 元人間で、修行を積んで種族としての魔法使いなった妖怪の一種である。
 しかし、人間の感覚がかなり残っており、不要であるはずの食事や睡眠をとり、
 祭りになると街中で人形劇を披露するなど人里との交流が深い。
 かつては魔界と呼ばれるところに住んでいたらしいが、経歴には不明な点が多い。

**【方針】
 幻想郷への帰還手段を探すことを第一とする。
 戦闘自体には忌避感は持っておらず、必要であれば戦うが、
 あまり本気を出す様なことはしたくはないと思っている。


172 : アリス・マーガトロイド&アーチャー ◆ZTnr6IpaKg :2014/08/07(木) 23:54:36 k2MfFfMM0
**【備考】
○赤城は艦これ世界の彼女よりもだいぶ強化されている。
 あちらは艦娘という英霊が当たり前の様に出現する、それが常識である世界であるため、
 艦娘そのものの神秘の格が全体的に低くなっている。
 それに対してこちらは本来の英霊としての格を保持したまま現界している。
 上記の様な宝具を持っているのはそのため。
○赤城が残念なところを見せるのは多分これから。お互いに気を許してから。
 まあ最初だし、しっかりしたところを見せたがるよね。


173 : 野比のび太&キャスター ◆ZTnr6IpaKg :2014/08/07(木) 23:55:25 k2MfFfMM0
「きりーつ、礼、さよーなら!」
「「「「「「「「さよーなら!!!」」」」」」」」

つまらない学校が終わった。
そそくさと帰り支度をする。
つまらないというのは、ぼくが勉強ができないからじゃない。
運動ができないからでもない。
この学校に違和感がぬぐえないから、現実感が無いからだ。
学校に来ているのに、学校という感じがしないのだ。

友達と遊ぶ気もしない。
彼らが、ぼくの友達と思えないから。
別に仲が悪いわけじゃない。
少し前までは、日が暮れるまで空き地で一緒に遊んでいたはずだ。
でも、いつの間にか遊ばなくなった。
誘われても、何かかしら理由を付けて断った。

学校からの帰り道を一人で歩く。
帰り道の途中、遊び場だった空き地を通りかかった。
ちょっと前までは、遊んでいたのに。
ここで楽しく遊んでいたこと自体に違和感を感じる。



「ただいまー…」

「のびちゃんおかえりー」

ママの声に適当に返事をして、
二回の自分の部屋に上がっていく。
顔を出すのも面倒だ。
…こんな扱いをしようものなら怒られても文句は言えないけど、
別にそれでもかまわないと思う。
例えママに叱られても、ママに叱られている気がしないからだ。
変な表現だけど、本当にそうとしか思えない。



襖をあける。
誰もいない。
当然だ。
この部屋は、ぼくだけの部屋なのだから。

勉強もやる気はしない。
昼寝でもしよう。
愛用の座布団を丸めて枕を作り、さあ眠ろうとして、ふと気になった。

押入れを開けてみる。
布団が入っている。

机の引き出しを開ける。
空っぽだ。

……あれ?
ぼくは、何が気になったんだっけ?

…変だな。
違和感が気になって昼寝する気にならない。

がらんとした部屋の中。
膝を抱えて蹲る。
じっと机を見る。
何もない机を。
何もなくなった机を



あの時も、こうしていたような…。



 □ ◆ ◇ ■ □ ◆ ◇ ■ □ ◆ ◇ ■ □ ◆ ◇ ■


174 : 野比のび太&キャスター ◆ZTnr6IpaKg :2014/08/07(木) 23:55:39 k2MfFfMM0



『けんかなら、■■■■■ぬきでやろう』



『ぼくだけの力で、きみに勝たないと……』

『■■■■■が安心して……帰れないんだ!』



『勝ったよ、ぼく』

『見たろ、■■■■■。勝ったんだよ。ぼくひとりで』

『もう安心して帰れるだろ、■■■■■』



『■■■■■、きみが帰ったら、部屋ががらんとしちゃったよ』

『でも……すぐになれると思う』

『だから………心配するなよ』




『■■■■■』





 □ ◆ ◇ ■ □ ◆ ◇ ■ □ ◆ ◇ ■ □ ◆ ◇ ■


175 : 野比のび太&キャスター ◆ZTnr6IpaKg :2014/08/07(木) 23:56:28 k2MfFfMM0
 
 
 
……!!
 

部屋を見渡し、思い出した自分の部屋と違うことに気付く。
立ち上がって部屋を飛び出、転げ落ちるように階段を下りる。
音に驚いたのか、ママが居間からこちらを見た。また気付く。知らない顔だ……!
そのまま走って外に出る。


違う…。ここは違う!


走る。走る。走る。
歩き慣れていたと思っていた筈の、今や馴染みの無くなった道を。


違う!こんな町は知らない!


脳裏に浮かぶ空き地への道を、■■■ちゃんの家への道を、
■■■や■■■■■の家への道を無理やりに辿ろうとして、
全く違う方向へ続く道に阻まれ、とにかくがむしゃらに走っていく。


そうだ。
ここは、ぼくがいた町じゃない。
あそこは、ぼくの家じゃない。
みんな、ぼくが知っている人じゃない。


走って、走って、走って、
もう走れなくなって、
気が付いたら見覚えのない河川敷にいた。


涙が溢れる。
恐ろしくなった。
ぼくは、知らない場所にいて、みんなのことを忘れていた。
忘れたまま、それが当たり前だと思って過ごしていた。


176 : 野比のび太&キャスター ◆ZTnr6IpaKg :2014/08/07(木) 23:56:45 k2MfFfMM0
し■■ちゃんがいない。
■ャ■ア■がいない
ス■夫がいない。
パ■がいない。
■マがいない。

■■え■んがいない。



■ラえ■んが。



■ラえもんが…!



「ドラえもぉ〜〜〜ん!!!」







「どうしたんだい?のび太くん」







「……!!」

返事があったことに、驚き、後ろを振り返る。



ドラえもんが、そこにいた。
ちょっと困ったような笑顔を浮かべ、いつものように。



「ド……」

「のび太くん、よく思い出してくれたね」

「ドラえもぉぉぉぉん!!来てくれたぁ!うわああ〜ん!!」

「よしよし、頑張ったね」

みっともないくらいに泣いてドラえもんに抱き着く。
ドラえもんも泣きながら頭を撫でてくれた。


あれだけ怖かったのに、心が安心と感謝で溢れていく。
最高の親友と会えたことが、ただただ嬉しかった。



 □ ◆ ◇ ■ □ ◆ ◇ ■ □ ◆ ◇ ■ □ ◆ ◇ ■


177 : 野比のび太&キャスター ◆ZTnr6IpaKg :2014/08/07(木) 23:57:06 k2MfFfMM0



「それで……どうするの、のび太くん?」

「うん…」

ドラえもんと再会して、記憶を取り戻した。
それと共に、聖杯戦争のことも知った。
与えられた知識と、『サーヴァント』となったドラえもんから教えられたこと。
ぼくは…
 
「ぼくは……この戦争を止めたい。
 願いを叶えるために、みんなで殺し合うなんて悲しいこと、絶対にあっちゃいけないんだ。
 多分、ぼくみたいに巻き込まれただけの人もたくさんいると思う。
 その人たちを助けるためにも、こんな戦いはやめさせないと駄目だ」
 
「…わかったよ。のび太くんならきっとそう言うと思ってた。
 こういう時のきみは勇敢だしね。
 ぼくたちで、この聖杯戦争を止めよう」

「ドラえもん……ありがとう!」

ドラえもんも止めてくれると言ってくれた。
それは本当にうれしい。やっぱりドラえもんだ。
でも…

「でも…。ドラえもんにも何か願いがあるんじゃないの?
 だからサーヴァントになったんじゃないの?」

ここにいるドラえもんは、サーヴァントとしてここにいる。
幽霊の様なもので、確かに『ドラえもん』だけど、
ぼくの家にいるドラえもんとは厳密には別人みたいだ。
だから、ドラえもんにも何か願いがあるのかもしれない。

そう言うと、ドラえもんはまた少し困ったように笑って。

「ぼくはのび太くんを助けたいと思っただけさ。
 願いがあるとすればそれ以外には無いよ。
 サーヴァントとしてでも、のび太くんと一緒に居れるだけでとても嬉しいよ。
 だから、その辺は気にしなくても大丈夫」
 
「ドラえもん……」

「うーん、そうだね。
 のび太くんが帰ったら、家にいるぼくと今まで通り仲良くしてくれればいいよ。
 今回のお礼なら、ぼくと、家のぼくにもどら焼きの一つでもおごってくれればいいかな?」
 
「…うん!
 とびっきりのどら焼きを買うからね!一緒に食べよう!」
 
「フフフ…。
 楽しみにしているから、そっちのぼくにもよろしくね」
 
少しのうれし涙を滲ませながら二人で笑い合う。
…よし、ぼくたちで、この戦いを止める!

もう何度目になるかわからない、ぼくたちの新しい冒険の始まりだ!


178 : 野比のび太&キャスター ◆ZTnr6IpaKg :2014/08/07(木) 23:57:34 k2MfFfMM0
**【東京/2014年7月21日(月)1630】

**【サーヴァントステータス】

**【出典】
 ドラえもん
**【CLASS】
 キャスター
**【マスター】
 野比のび太
**【真名】
 ドラえもん
**【性別】
 雄
**【属性】
 中立・善
**【ステータス】
 筋力D 耐久E 敏捷E++ 魔力- 幸運A 宝具-

**【クラス別スキル】
陣地作成:-
 陣地作成能力は有していない。
 
道具作成:-
 道具作成能力は有していない。
 
**【固有スキル】
科学という名の魔法:EX
 『充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない』
 魔法というべき領域に踏み込んだ科学を扱うことが可能であることを示す。
 キャスターのキャスタークラスたる所以のスキル。
 神秘が薄れた未来において純然たる科学技術でつくられた
 キャスターおよびキャスターの持つ宝具・道具は、一切の神秘を持たない。
 しかし、一切の神秘を帯びないままに、あたかも魔法域の神秘を持っているかのように
 他の神秘に干渉することを可能とする。
 但し、逆に一切の神秘を帯びていない物理現象からも干渉を受ける。
 また、キャスターは本来は高位の神秘である英霊としての特性も最低限しか持つことしかできない。
 
単独行動(偽):A
 マスター不在でも行動できる。
 本来の単独行動スキルとは異なり、キャスターは神秘を持たず
 現界に魔力を消費しないために単独行動が可能となっている。
 
機械知識:C
 機械に関する知識。
 自身の道具のメンテナンスが可能な他、あまりに複雑な機械でなければ修理や改造が可能。
 
言語理解:D
 ネコの言語を理解し、意思疎通が可能。
 
異形:E
 大小の球体と青白の色彩を組み合わせた、実に奇妙な姿を持つヒトガタである。
 本人はその姿をネコを模したものだと主張しているが、とてもそうは見えない。
 せいぜいタヌキであろう。
 キャスターの姿を見た相手に、タヌキであるという印象を強く与えてしまう。
 ちなみに、この装備(スキル)は外せない。


179 : 野比のび太&キャスター ◆ZTnr6IpaKg :2014/08/07(木) 23:57:50 k2MfFfMM0
**【宝具】
『夢詰まるすこしふしぎな袋(四次元ポケット)』
ランク:- 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:1人
 キャスターの腹部に装着されているポケット。
 宝具として扱われているが、一切の神秘を持たない故にランクは存在しない。
 内側が四次元空間に繋がっており、無限に物品を収納できる。
 中には未来の科学で製造された様々な『ひみつ道具』が入っており、
 キャスターはそれらを取り出して自在に扱うことができる。
 この宝具や中の道具の使用には真名解放も魔力も不要。
 また、キャスターの腹部から取り外したり、キャスター以外の者が使ったりすることもできる。
 
**【Weapon】
『ひみつ道具』
 魔法と見紛う奇跡を実現する未来の科学で作られた道具。
 数えきれないほどの種類がある。
 ただし、聖杯戦争を直接的に破綻させる類のものは使用や機能に制限をつけられている。

**【人物背景】
 何をやらせてもダメな小学生、野比のび太。
 ある日、彼の机の引き出しから、一体のロボットが現れた。
 そのロボットが言うには、自分は22世紀の未来からやってきた子守用のネコ型ロボットであり、
 のび太を一人前にするためにのび太の玄孫であるセワシに送り込まれたと言う。
 混乱するのび太であったが、そのロボットが取り出す不思議な道具に魅せられて、
 ロボットを受け入れることを決める。
 
 こうして、一人の子供と一体のロボットの友情の物語が幕を開けた。
 
**【サーヴァントの願い】
 聖杯戦争を止める。
 のび太を守り、家に帰す。

**【基本戦術、方針、運用法】
 神秘を持たないために、魔力や神秘の格を感じ、判断材料とする
 大抵の魔術師やサーヴァントに対する初見殺しとなる。
 また、神秘の無さの副次的な効果として、サーヴァントの気配が無いため
 そうと知られない限りサーヴァントだとばれない。先手をとるのに少し有利。
 尤も、姿が姿なので一般人だとは思ってくれないだろうが。
 
 勝ち筋は、できれば初手でひみつ道具で相手を制圧するか、
 あるい味方を作り、多彩な道具を活かして支援するかが基本。
 魔力が感じられないとひみつ道具に対しおざなりな対応をする相手を
 そのまま行動不能に追い込めれば理想的。
 直接戦闘では、能力が低く、本人の気質も相まって勝利は難しい。
 時間をかけるほど神秘に関するトリックと能力の低さが露呈するので不利になる。
 たとえ道具がいくら強力であってもである。
 初見ですらひみつ道具の危険性を察知し得る直感や心眼(偽)の持ち主は天敵。
 苦手な荒事を想定せざるを得ない状況である以上、信頼できる協力者を探すことも重要であろう。
 
 下手に守りに入ると、とたんに不利になる可能性がある。
 ただの物理攻撃でもキャスターには有効であるためである。
 敵マスターからの攻撃にも十分な注意を払う必要があるだろう。


180 : 野比のび太&キャスター ◆ZTnr6IpaKg :2014/08/07(木) 23:58:07 k2MfFfMM0
**【マスターステータス】

**【出典】
 ドラえもん
**【名前】
 野比のび太
**【性別】
 男性

**【参加方法】
 『方舟』による召喚だと思われるが、詳細は不明。

**【マスターとしての願い】
 聖杯戦争を止める。
 
**【能力・技能】
 勉強もスポーツも、何をやらせても駄目な小学生。
 ことあるごとにキャスターに泣きつき、頼る。
 だが、ひみつ道具の応用に関しては天才的な頭脳を発揮することもある。
 基本的に能力の低さは生来の怠け癖によるもので、実際頭の回転は悪くない。
 ここぞというときは勇敢さを見せることもしばしばあり、現在はその状態である。大長編補正。
 あやとりと射撃に関しては天才的な才能があり、射撃は宇宙でも有数の腕前といっても過言ではない。
 プロの殺し屋に勝利したこともあり、また射撃戦においては作戦立案能力も優れる。
 しかし、心根が優しすぎるため相手を直接殺傷する武器はとても扱えない。
 それでも、使うひみつ道具と状況次第ではサーヴァントにも通用するかもしれない。

**【人物背景】
 万事において冴えない駄目人間。
 のんびり屋かつ怠け者の弱虫。
 しかし、性根はとても優しく、友情に厚い。
 そんな性格に心惹かれる人は多い。
 彼の駄目っぷりをなんとかしようと
 未来の子孫がドラえもんを送り込んだことから、すべての物語は始まる。
 
**【方針】
 殺し合いは止める。
 聖杯戦争を止める具体的な方法を探す。


181 : 野比のび太&キャスター ◆ZTnr6IpaKg :2014/08/07(木) 23:58:35 k2MfFfMM0
**【備考】
○敏捷E++?
 ネズミ。
○異形?
 何となく付けた。
○道具の制限は?
 あんまりしっかりとは考えていない。
 移動系の道具で直接方舟の外に出るのは禁止。
 四次元ポケットからスペアポケットへの移動禁止。
 ウソ800禁止。
 もしもボックス禁止。
 とりあえず思いついたのはこれだけ。
○キャスターが持つサーヴァントとしての性質は、
 「マスターとラインで繋がっている」「令呪の命令に従う」
 「キャスターをサーヴァントだと知るマスターであれば、キャスターのステータスを閲覧できる」
 この3点だけ。それ以外の全てのサーヴァントとしてのメリットとデメリットは無い。
 霊体化不可。念話不可。魔力による再生不可。物理攻撃有効。
 魔力消費無し。マスター不在のペナルティ無し。


182 : ◆ZTnr6IpaKg :2014/08/07(木) 23:58:54 k2MfFfMM0
以上です。


183 : ◆OOggPY4fk. :2014/08/07(木) 23:59:40 OnwLraQ60
皆様投下お疲れ様です。
私も拙作ですが投下いたします。


184 : ◆qB2O9LoFeA :2014/08/07(木) 23:59:54 EtnP.B2I0
皆さん投下ありがとうございます。
それでは投下します。


185 : 日野茜&ランサー ◆OOggPY4fk. :2014/08/08(金) 00:00:17 X5hiUwLs0
月の聖杯戦争で再現された北方の地「仙台」。
その区域にある閑静な住宅街。
人もそれほど多くは無いとてものどかな町。
しかしその静寂は、突然破られた。

 「熱血!!! 熱ッッッ血ゥゥゥゥーーーーー!!!!」

 「熱血ですね!!! 熱血トラーーーーーイ!!!」

前触れも無く鼓膜が破裂するようなけたたましい声が響き渡る。
その爆音の後に間髪いれず、市街地の向こうから全力疾走する2人の男女が現れた。
男は赤いライダージャケットのようなものを着た茶色の髪をした青年。
女の方は黄色いリボンをつけたオレンジ色の髪をした
高校生くらいの少女だった。

彼らに疲れというものはないのだろうか。
2人が走り去ると同時にビューッと風を切る音が鳴る。
何故このような騒々しい事態になったのだろうか。
これは時は数十分前に遡る……


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


186 : 日野茜&ランサー ◆OOggPY4fk. :2014/08/08(金) 00:00:48 X5hiUwLs0

 「あれ!?ここはどこですか!?未央さんは!?藍子さんは!?」

黄色いリボンをつけたオレンジ色の髪をした少女、
日野茜は辺りをキョロキョロ見回す。
彼女はアイドル仲間であり親友である本田未央と高森藍子と
共に山でバーベキューをするため、消火用の水を汲んでいた
最中何か木を踏んだ感触がした瞬間、
茜の目に映る光景はキャンプ場からまるっきり別の場所の
住宅街に変わっていたからだ。

 「そなたでござるか。 某の主、"ますたぁ"は!」

辺りを見回す茜の前に、赤いハチマキに
上着としてライダージャケットを羽織った1人の男が声をかける。

 「あ、ちょうど良かった!すみません、ここはどこですか!?
  何だか道に迷ってしまったみたいで……」

茜の前に現れた1人の男。いつの間にか現れた
その男に茜は躊躇もせずに、道を尋ねる。

 「ここは「仙台」という地。
  そなたはこれから始まる月の聖杯戦争に選ばれた
  "ますたぁ"にございまする。」

 「ま、ますたぁ……せいはいせんそう……?
  よく分からないんですけど、大会みたいなものなんですかね?」

男から語られる聞きなれない言葉に茜の頭の回線の糸は
絡まるばかりであった。

 「大会……! 確かに"ますたぁ"殿の言う通り、
  聖杯戦争は"ますたー"と名立たる英雄である
  "さーばぁんと"が熱き魂をぶつけ合う戦の場!
  某はその熱き戦いを求めてこの地へ馳せ参じたしだいでござる!」

茜の大会という言葉に反応した男は目を輝かせながら語る。

 「そうなんですか!? それじゃあ、大会で優勝したらトロフィーとかもあるんですか!」

 「もちろんでござる! 優勝した者には願いを叶えてくれる聖杯が貰えるとのこと。
  おそらくそれが"とろふぃ"というものでございましょう!」

 「優勝賞品もあるんですか!?2人でペアを組んでの大会……!
  うおおおおおお!!!何だか燃えてきました!!!」

茜の瞳にはやる気の炎がメラメラと灯り始めていた。
何事にも全力でチャレンジする彼女にとって
スポーツに似ているこの大会は魅力的なものに思えたのだ。

 「某もでござる!まだ見ぬ強敵がこの地に続々と集結している!
  それだけでも武者震いが止まりませぬ!」

茜と男の2人の足は震えていた。
赤い服の男は強敵との戦いの武者震い、
茜は今にも駆け出さんとばかりに足をその場で動かし始める。

 「そうと決まれば早速対戦相手を見つけましょう……
  えっと……あっ!そういえばあなたのお名前を聞いてませんでした!」

ハッとした表情で茜は男の名前を聞いてないことを気づき、
改めて彼に名前を尋ねる。

 「失敬した。某の名を名乗っていなかったでござるな。
  某は真田源次郎幸村!槍兵、"らんさぁ"の"さぁばんと"でござる!」

 「さなだげんじ……う〜ん、少し呼びにくいんで
  ランサーさんって呼んでも大丈夫ですか?」

 「そちらの名でも構いませぬ!さぁ、行きましょうぞ"ますたぁ"殿!
  熱く燃え滾る戦は待ってはくれませぬ!」

 「はい!全力で行きましょう!全力で熱血です!!!」


こうして街中を駆け巡ることとなった熱血漢と熱血乙女。

果たして、疾走する2人の行き着く先は一体――――


187 : ◆qB2O9LoFeA :2014/08/08(金) 00:00:58 8BPn71Mo0



「駆け込み乗車大変危険ですのでおやめくださぃ━━。」
 男はマイクでそう車内放送するとマスコンを入れた。
 駆動音と共に緩やかに体に重力を感じ、目に写る景色、それが移り変わるスピードが早くなる。
 幾度と見た光景に特に何かを感じることもなく、男はチラリと傍らの時計に目をやった。

 都心を走る電車。その運転席が男の居場所だ。
 勤続すること今年で三年。念願かなって憧れの運転士として鉄道会社で働いている。
 子供の頃に思っていたのとはいろいろと違うところもあったが、それでも自分の夢を叶えられたことを素直に喜んでいた。

 時計を見れば定刻より20秒ほど遅れそうだった。駅と駅との間が短いこの区間では、そろそろスピードを上げなければならない。

 男が電車のスピードを上げると僅かな重力が体にかかる。その感覚に、何故か男は違和感を感じた。
 自分は確かに運転士として働いてきたはずだ。今日も、会社へと向かうサラリーマンや部活動の荷物を持った学生を乗せて運転している。しかし、どこか自分が今している行動が夢のように思える。

 胡蝶の夢。そんな言葉が頭をよぎった。たしか習ったのは高校の古文の時だったか。随分と━━最近のことに思える。


 キィィィィイイい。


 男は反射的に急ブレーキをかけた。
 乗客からの悲鳴と慣性に体を揺さぶられながらしっかと前を見る。

 ふいに、目の前に少年が現れた気がしたのだ。
 棒状の何かを持った少年が、線路の上をこちらに向けて猛然と走りよってくる。男はその光景を見たのだ。
 衝撃と自分の行動に混乱しながらも、男は前を見る。自分が見たものが幻ならよい。が、もし本当に人がいたならば人身事故は避けられなかったはずだ。


 安全確認を、と思い前を向いたはずの男の視界は赤く染まっていた。
 一面の赤は、しかし次第に黒くなりながら熱をもって男の目を奪う。
 ゴン、と何かが頭に当たったのを感じ手を伸ばすがそれらしきものに触れることはできなかった。いったい何が起こったのか。何が起こっているのか。
 マイクに手を伸ばそうとするも届かない。乗客の悲鳴は更にまし、ただ事ではないというのはわかっているのだが対応することはできない。
 自分の不甲斐なさに歯噛みしつつもようやく回復した視野で現状を確認する。

 色のない世界で自分が横たわっている。そのことに気づくと立ち上がろうとするが、体にうまく力が入らない。それどころか意識が遠のいてきた。このままではマズイ、今更ながらにそう思うと自分と同じように倒れている車掌に呼びかけようとして。


(━━ここには俺しかいないはず━━)


 そう頭の中で言葉を発したのを最期に頭だけになった運転士は息をひきとった。


188 : 日野茜&ランサー ◆OOggPY4fk. :2014/08/08(金) 00:01:57 X5hiUwLs0
【仙台/2014年7月20日(日)1200】

【マスター】日野茜@アイドルマスターシンデレラガールズ

【参加方法】キャンプ中にゴフェルの木片に

【マスターとしての願い】よく分かりませんけど、全力で優勝します!!!
(聖杯戦争のことをよく理解していません。スポーツの一種だと思ってます)
            
【weapon】なし
     
【能力・技能】何の能力も無い一般人。
ただし、気合と体力だけは人一倍。
タイヤを引っ張ってランニングしてもへっちゃら。
また、アイドルなので歌と踊りの技能も持っている。

【人物背景】
ソーシャルゲーム「アイドルマスターシンデレラガールズ」の登場人物。
元ラグビー部のマネージャー。
考えることより体を動かすことの方が好きで何事にも全力で取り組む。
恋愛に関しては初心であり、恋愛の話になると顔が真っ赤になり、
解決のため外へ全力ダッシュする。

【方針】
対戦相手を全力で探し回る。そして全力バトル!!!


189 : 日野茜&ランサー ◆OOggPY4fk. :2014/08/08(金) 00:03:09 X5hiUwLs0
【クラス】
ランサー

【真名】
真田幸村@戦国BASARAシリーズ

【パラメーター】
筋力:B、耐久:B、敏捷:C、魔力:C、幸運:C、宝具:B

【属性】
秩序・善

【クラススキル】
対魔力:D
一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。
魔力避けのアミュレット程度の対魔力。

【固有スキル】

戦闘続行:A
不屈の闘志。
瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。

心眼(真):D
修行・鍛錬によって培った洞察力。
窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し
その場で残された活路を導き出す戦闘論理。

騎乗:B
騎乗の才能。機械でできた乗り物を除く
大抵の動物を人並み以上に乗りこなせるが、
魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。

勇猛:B
威圧・混乱・幻惑といった精神干渉を無効化する能力。
また、格闘ダメージを向上させる効果もある。

魔力放出(炎):C
ランサーの燃え滾る熱き魂から成る魔力。
自身の武器に炎を纏わせて、攻撃力を向上させたり、
火の玉や鳳凰の形をした火炎流を生成し、飛び道具として
射出することもできる。
また、肉体に炎を纏わせることによりステータスを
アップさせることも可能。


【宝具】

『楯無の鎧』(まもらずのかわ)
ランク:A 種別:- レンジ:- 最大捕捉:-
ランサーが身に着けている防具。
武田家代々伝わる秘宝が宝具化したもの。
どんな武具でも斬ることができないという謂れから
この宝具はどんな魔術や宝具を使っても破壊することはできず、
装備している者は敵マスターやサーヴァントからのダメージを
軽減することができる。
また、装備している者が休息を取ることで
その時間分だけ負傷を治癒する効果も持っている。

『大紅蓮脚』
ランク:C 種別:対人〜対軍法具 レンジ:1〜20 最大捕捉:30
ランサー自身の武器である槍を地面に刺して支柱にし、
駒のようにランサー自身が回転しながら周囲を攻撃する宝具。
回転したまま移動もでき、そのスピードは馬の速度を超える。
この宝具の発動中のランサーには低威力の攻撃は通用せず、
矢や鉄砲の飛び道具であれば弾いてしまう。

『熱血大噴火』
ランク:B 種別:対人法具 レンジ:1〜5 最大捕捉:10
ランサー自身の魔力を用い、体に炎を纏わせることにより、
幸運以外のステータスを1ランク向上させる宝具。
ただしランサーの魔力を文字通り燃やしているため
徐々にランサーのヒットポイントは減少していく。
そのため限界が来るとこの宝具は自動的に解除される。
また、ランサーが瀕死の状態の時には魔力を燃やすことはできないため、
発動することもできない。

『赤・虎・絶翔』(バサラワザ)
ランク:B 種別:対軍法具 レンジ:10〜50 最大捕捉:40
炎を宿した二槍による乱舞攻撃で周囲を巻き込み、すべての敵を焼き尽くす宝具。
発動時間は短いが、この宝具を発動中はいかなる傷を負うことはない。


190 : 日野茜&ランサー ◆OOggPY4fk. :2014/08/08(金) 00:03:28 X5hiUwLs0
【Weapon】
『二槍』
ランサーの所有する刃先が十文字の槍。
炎の加護を有しており、稀に攻撃した相手の体に
炎をまとわりつかせ、追加のダメージを与えることが可能。


【人物背景】
「戦国BASARAシリーズ」の登場人物の1人。
甲斐の虎、武田信玄に仕える若き青年。
絵に描いたような熱血漢で、実直かつ生真面目な性格。
戦の中で熱く燃え滾る戦で強者達と戦うのが好き。
感情が高ぶりすぎて周囲が見えなくなることもあり、
それを信玄に愛の鉄拳でたしなめられることもしばしば。
女性に関しての扱いは苦手で特に濃姫などの艶やかな女性には
「破廉恥でござる!」と叫んだほど。


【サーヴァントとしての願い】
聖杯に叶える願いは無し。
むしろ聖杯戦争での熱き、燃え滾る戦いを望んでいる

【基本戦術、方針、運用法】
侵略することごと火の如し!
クラススキル「勇猛」や「熱血大噴火」を使用し
ガンガン攻めよう。
ただし、宝具「熱血大噴火」は自身の身を削るため
持久戦に持ち込まれると不利。
相手の反撃の隙を与えぬまま倒すべし。


191 : ◆OOggPY4fk. :2014/08/08(金) 00:04:41 X5hiUwLs0
投下終了です。
◆qB2O9LoFeA様お待たせしてしまい、大変申し訳ございませんでした。


192 : ◆qB2O9LoFeA :2014/08/08(金) 00:05:37 8BPn71Mo0
すいませんまさか被るとは思いもしてませんでした。

では投下します。


193 : 明日への扉 ◆qB2O9LoFeA :2014/08/08(金) 00:06:11 8BPn71Mo0



「駆け込み乗車大変危険ですのでおやめくださぃ━━。」
 男はマイクでそう車内放送するとマスコンを入れた。
 駆動音と共に緩やかに体に重力を感じ、目に写る景色、それが移り変わるスピードが早くなる。
 幾度と見た光景に特に何かを感じることもなく、男はチラリと傍らの時計に目をやった。

 都心を走る電車。その運転席が男の居場所だ。
 勤続すること今年で三年。念願かなって憧れの運転士として鉄道会社で働いている。
 子供の頃に思っていたのとはいろいろと違うところもあったが、それでも自分の夢を叶えられたことを素直に喜んでいた。

 時計を見れば定刻より20秒ほど遅れそうだった。駅と駅との間が短いこの区間では、そろそろスピードを上げなければならない。

 男が電車のスピードを上げると僅かな重力が体にかかる。その感覚に、何故か男は違和感を感じた。
 自分は確かに運転士として働いてきたはずだ。今日も、会社へと向かうサラリーマンや部活動の荷物を持った学生を乗せて運転している。しかし、どこか自分が今している行動が夢のように思える。

 胡蝶の夢。そんな言葉が頭をよぎった。たしか習ったのは高校の古文の時だったか。随分と━━最近のことに思える。


 キィィィィイイい。


 男は反射的に急ブレーキをかけた。
 乗客からの悲鳴と慣性に体を揺さぶられながらしっかと前を見る。

 ふいに、目の前に少年が現れた気がしたのだ。
 棒状の何かを持った少年が、線路の上をこちらに向けて猛然と走りよってくる。男はその光景を見たのだ。
 衝撃と自分の行動に混乱しながらも、男は前を見る。自分が見たものが幻ならよい。が、もし本当に人がいたならば人身事故は避けられなかったはずだ。


 安全確認を、と思い前を向いたはずの男の視界は赤く染まっていた。
 一面の赤は、しかし次第に黒くなりながら熱をもって男の目を奪う。
 ゴン、と何かが頭に当たったのを感じ手を伸ばすがそれらしきものに触れることはできなかった。いったい何が起こったのか。何が起こっているのか。
 マイクに手を伸ばそうとするも届かない。乗客の悲鳴は更にまし、ただ事ではないというのはわかっているのだが対応することはできない。
 自分の不甲斐なさに歯噛みしつつもようやく回復した視野で現状を確認する。

 色のない世界で自分が横たわっている。そのことに気づくと立ち上がろうとするが、体にうまく力が入らない。それどころか意識が遠のいてきた。このままではマズイ、今更ながらにそう思うと自分と同じように倒れている車掌に呼びかけようとして。


(━━ここには俺しかいないはず━━)


 そう頭の中で言葉を発したのを最期に頭だけになった運転士は息をひきとった。


194 : 明日への扉 ◆qB2O9LoFeA :2014/08/08(金) 00:08:41 8BPn71Mo0
 ◆  ◆  ◆



『━━続いて今日の交通情報です。』


 記憶をなくしている間は幸せだった。
 コメディものの昼ドラに出てきそうな円満な家庭。夏休みに入ってからは一日中ゲームをして怒られたり読書感想文のためにいやいや本を読んだり。そんなだらけた、欲しかった生活に浸っているのをつまらないように感じながら、でも確かに幸せだと思っていた。

「今年はいつおじさんの所にいくの?」

 ムーンセルというのはそれらしい記憶をくれる割りにはつめがあまいらしくて。あとから気づいたらNPCの時の僕と本当の僕とにはいろいろと違うところもあった。
 ルウおじさんはいないことになってたし持ってたはずのゲームもなくなっていた。そして何より、『家族』があった。

 予選の終わりに思い出すっていうのは間の悪い気もするけれど、それでもゲームの中みたいな家族ごっこから目が覚めたのは素直にうれしかった。願いを叶えるために、ごっこじゃない『家族』を取り戻したくてここに来たんだから。


「■■■■■■■■■■‥‥」

 甘かった。そんなことを考えるのは。
 戻った記憶を頼りに呼び出したサーヴァントは、人の形をしているのにまるで全然違う世界のモンスターのようだった。
 ガチガチとなる日本刀を手にしたそれは召喚されるやすぐに部屋中をその刀で切りつけた。
 ひとしきりうなり声をあげていたそれはバッと僕の方を見ると襲ってくる。
 とっさに「来るな!」と令呪で命令してなかったらきっと僕はあの時死んでいただろう。あの時はもったいないと思ったけど、もしあの時使わなければって思わなくもないけど、とにかくあの時死なないためには必要だった。

 僕を襲おうとして動きを止めたそれは、またうなり声をあげて刀を振り回して、それでもジリジリと近づいてくる。
 もう一つ令呪を使おうとしたとき、それは僕を襲ってきたときのようにバッと窓の外を見ると窓ガラスを突き破って飛び降りていた。ここは八階なのに大丈夫なのかとか疑問に思ったけど、とにかくそれが襲ってこないのを見て一安心した。


『━━下北沢駅で人身事故が起き、死者・怪我人多数━━』


 それが出ていってから十分もしないうちにテレビからは同じ事故についての放送がはじまった。近くの駅で人身事故が起きて何十人も死んだらしい。
 たぶん、これを事故じゃないと知ってるのは僕だけなんだろうなと、思った。
 それが向かっていったのは駅の方だったし、あの暴れぶりならそれぐらいのことをしそうだった。

 それに、それは力とか魔力とかを吸いとる力を持っているらしい。それを召喚してから体が良く動かないと思ったら、気がついたら床に倒れていた。そして今も何かを吸われている感覚がある。
 もしかするとそれは、僕から取れなかったぶんを他の人から取ろうとしたのかもしれない。
 そうじゃなかったにしても、あんな危ないものを外に出してしまったのは僕のせいだ。

 体が重い。やっぱりそれは魂とかMPとかそういったのをとってくんだろう。石化の魔法でも受けたらこんな感じになるんだろうな。息をしようとしても口がパクパクと動くだけで、でもそれを僕はなぜか冷静に見てて。


 もしかして、僕はもう死んでるのかな?


195 : 明日への扉 ◆qB2O9LoFeA :2014/08/08(金) 00:10:41 8BPn71Mo0
   ◆   ◆   ◆



「■■■■■■■■■■!」

 ここはどこだ。
 ■■■はどこだ。
 力が出ない。
 力がほしい。

「■■■、■■■■■■■■■■!」

 四角い箱の中にいる。
 ■■■がいない。
 力が出ない。
 力を。

「■■■■■■■■■■‥‥」

 ■■■■■■■を振る。
 箱を斬る。
 力が減っていく。
 力がほしい。
 力のながれをかんじる。

「■!■■!■■■■■■!!」
「く、来るな!」

 ちからをかんじた。
 ちからがへばりついた。
 ちからがくるほうへちかづけない。
 ちからを。

「来るな、来るな!『来る━━』」

 ちからはどこだ。
 『ょうのけつえきが』おとがでてうごくしかくいはこからはちからをかんじない。
 めのまえのモノにはちかづきたくない。
 ちからを。ちからを。『━━ガタンゴトン━━』ちからを。

「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!」

 ちからをみつけた。
 おとがでてはやくはやいながいはこがみえた。
 はしった。おちた。はしった。
 ちからがあった。いくつもモノをのせてうごいていた。
 あたまからはいる。
 ■■■■■■■をふる。
 モノがきれてちからが増えた。
 足りない。
 力が足りない。
 ■■■を探すのに力が足りない。

「l■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!」

 いくつもモノがあった。
 低いの高いの大きいの小さいの。
 全部斬る。
 もっと斬らないと。
 もっと力が必要だ。
 もっと斬らないと。もっと斬らないと。もっと斬らないと。
 ■■■を探さないと。
 ■■■の側にいないと。
 ■■■といっしょにいるためにシュバ『ーサーカー』としてm『殺さないと』。
 もっと殺さないと。■■■を守って、■■■を見つけて■■■を■■■を■■■を■■■を■■■を■■■を■■■を■■■を■■■を■■━━

「れ、令呪をもって命じる!霊体化しなさいバーサーカー!」

 ぐにゃりとなる。
 ダメだ。殺せ。■■■を探すんだ。■■■を支えないと。力を感じる。体にへばりついて体が薄くなっていく。ダメだ。斬れ。■■■を探せ。

「重ねて命ず。予選が終わるまで霊体化してなさい!」

 ■■■に、■■■を、■■■と、■■■の、探せ、斬れ、■■■、守れ、■■■、■■■、殺せ、■■■■■■■ピンクの髪。

「■■■■■■■■■■■■■■se‥‥」

 必ず会いに行くから。



「ヒ、ヒドイ‥‥」
 バーサーカーの起こした惨状を見て、東京会場のルーラーは思わず口を押さえてうずくまった。
 上級AIから『召喚されたバーサーカーが暴走して大規模な魂喰いをしている』という連絡が来てすぐにここにきたがその時には既に百を越す数のNPCが被害にあった後。当然バーサーカーに神秘の秘匿という理性など働くはずもなく、無造作に斬り捨てられた死体が山をなしている。
 これだけでも相当頭の痛い事態なのだが酷いのはそこだけではない。
 被害にあったのは通勤ラッシュ中の電車。その前から四両ほど。後ろの車両はルーラーのとっさの令呪で━━後から考えればバーサーカーを霊体化などさせずに自害させたほうがてっとり早かったが━━惨劇を回避した。よって無事五体満足な彼らのする行動は。

「うわ!ものすごいツイートされてる!ウソォ!テレビも来てるの!」

 手にしたスマホや携帯で外部と連絡をとる。あるものは家族とあるものは職場と、またあるものはネットの向こう側の住人と。

「どどどどうしよう隠しきれないよね、コレ。」


 ルーラーの焦り声が血濡れの車内に響いて消えていった。


196 : 明日への扉 ◆qB2O9LoFeA :2014/08/08(金) 00:12:18 8BPn71Mo0



【東京/2014年7月31日(木)0753】



【マスター】
三谷亘@ブレイブ・ストーリー

【参加方法】
幸せだった家族を取り戻すため、幽霊ビルの屋上にある要御扉をくぐって参戦。

【マスターとしての願い】
自分の運命を変える。

【weapon】
なし。

【能力・技能】
なし。

【人物背景】
城東第一小学校五年。通称ワタル。
ロールプレイングゲームが好きなこと以外はいたって普通の少年だが、夏休み前のある日、父親である明が突然離婚を宣言し、身ごもらせたかつての恋人と暮らすべく家を出ていってしまう。
さまざまな事件や元恋人で現愛人の田中理香子との対峙で母の邦子は心労のあまりガス栓を捻り、自殺未遂を起こす。
このように離散してしまった家族を取り戻すという願いを叶える為、謎の転校生、ミツルに導かれて『幻界』へ行き『見習い勇者・ワタル』になり、願いを叶えてくれる『運命の女神』がいるという『運命の塔』をめざす旅を始めることになるはずだったが行き着いた先は聖杯戦争の会場だった。

【方針】
未定。


197 : 明日への扉 ◆qB2O9LoFeA :2014/08/08(金) 00:15:09 8BPn71Mo0



【クラス】
バーサーカー

【真名】
サイト・シュヴァリエ・ド・ヒラガ@ゼロの使い魔

【パラメーター】
筋力D++ 耐久D++ 敏捷C++ 魔力D 幸運C+ 宝具A+

【属性】
中立・狂

【クラススキル】
狂化:A+
全パラメーターをワンランクアップさせ、更に彼の持つ宝具にも効果が及んだことで大幅に能力が上昇している。
バーサーカーはこのスキルの影響で常時宝具を真名解放し続ける。

【保有スキル】
対魔力:B(D+)
魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。
大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。

【宝具】
『神の為の盾、神の為の左手(ガンダールヴ)』
ランク:A+ 種別:対人(己)宝具 レンジ:1 最大捕捉:1
始祖ブリミルの使い魔の印。
あらゆる武器・兵器の使い方を瞬時に理解、把握しEランク相当の宝具として運用できる。
バーサーカーはこの宝具を常時真名解放し続ける。
『デルフリンガー』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1〜2 最大捕捉:2
インテリジェンスソードと呼ばれる喋る日本刀。
攻撃魔法を吸収し、そのぶんだけ筋力、耐久、敏捷を上昇させ、更に魔力と幸運をワンランク上げる効果を持つ。
バーサーカーはこの宝具を常時真名解放し続ける。
なお、インテリジェンスソードという性質上クラススキルの狂化の影響を受け一部の能力が上昇している。

【Weapon】
『デルフリンガー』

【人物背景】
ゼロの使い魔の主人公 。ルイズの「使い魔」。
平凡な高校生だったが、ルイズの召喚魔法により「使い魔」として東京から異世界ハルケギニアへ召喚された。身長は172cm、特技はRPGではなくアクションゲーム。
現代日本の価値観で物を考え、それを隠さずハルケギニア世界の理不尽に怒り、抵抗するため、周囲の人間からは破天荒な人物だと思われている。
感情の起伏が極端であるのに加えて思い込みと喜怒哀楽が激しいが適応能力は高い。
その本質は、如何なる困難や障害にも挫けない不屈の闘志を胸に秘めた熱血漢である。

【聖杯への願い】
■■■に会う。

【基本戦術、方針、運用法】
狂化のランクが高すぎるため一般人のワタルに手出しできる余地は無い。
宝具の魔力消費は軽めだが、常時解放しているためバーサーカーのクラスに相応しい燃費の悪さになっている。そのため一般人のワタルでは魔力をとうてい賄いきれない。
足りない魔力供給を補おうと無差別に魂喰いを繰り返すが、魔力が充実してくるとステータスを倍化させてしまい更に燃費が悪くなる。
なお、バーサーカーは自分から霊体化しようとしない。



※下北沢駅付近でバーサーカーが数百人規模の魂食いを行いました。
※バーサーカーに対してルーラーから令呪が使用されました。令呪の内容は『霊体化せよ』と『予選期間中霊体化せよ』の二つです。バーサーカーは対魔力のランクが高いのであまり効きません。
※バーサーカーはピンクの髪をしたモノに執着するようです。



【東京会場のルーラー@???】
ピンクの髪をしています。
猫耳です。


198 : ◆qB2O9LoFeA :2014/08/08(金) 00:17:02 8BPn71Mo0
以上で投下を終了すると共に登場話の投下を締め切りたいと思います。


199 : ◆qB2O9LoFeA :2014/08/08(金) 00:33:51 8BPn71Mo0
遠坂凛&セイバー(アルトリア・ペンドラゴン)

黒鳥千代子&セイバー(テレサ)

美遊・エーデルフェルト&バーサーカー(小野寺ユウスケ)

竜堂ルナ&バーサーカー(ヒロ)

天沢勇子&キャスター(兵部京介)

マイケル・スコフィールド&アーチャー(ワイルド・ドッグ)

希里ありす&ライダー(少佐)

クロノ・ハラオウン&ライダー(五代雄介)

九重凛&アサシン(千手扉間)

イリヤスフィール・フォン・アインツベルン(プリヤ)&ランサー(カルナ)

イリヤスフィール・フォン・アインツベルン(イリヤ)&バーサーカー(ヘラクレス)

色丞狂介&キャスター(パピヨン)

ナノカ・フランカ&キャスター(安藤まほろ)

高遠いおり&ランサー(アリシア・メルキオット)

間桐慎二&キャスター(フドウ)

衛宮切嗣&アーチャー(クロエ・フォン・アインツベルン)

アリス・マーガトロイド&アーチャー(赤城)

野比のび太&キャスター(ドラえもん)
日野茜&ランサー(真田幸村)

三谷亘&バーサーカー(サイト・シュヴァリエ・ド・ヒラガ)

セイバー2騎
アーチャー3騎
ランサー3騎
ライダー2騎
キャスター5騎
アサシン1騎
バーサーカー4騎
計20騎の聖杯戦争となります


200 : ◆qB2O9LoFeA :2014/08/08(金) 00:45:32 8BPn71Mo0
安藤まほろのクラスはキャスターではなくアーチャーでしたので訂正します



遠坂凛&セイバー(アルトリア・ペンドラゴン)

黒鳥千代子&セイバー(テレサ)

美遊・エーデルフェルト&バーサーカー(小野寺ユウスケ)

竜堂ルナ&バーサーカー(ヒロ)

天沢勇子&キャスター(兵部京介)

マイケル・スコフィールド&アーチャー(ワイルド・ドッグ)

希里ありす&ライダー(少佐)

クロノ・ハラオウン&ライダー(五代雄介)

九重凛&アサシン(千手扉間)

イリヤスフィール・フォン・アインツベルン(プリヤ)&ランサー(カルナ)

イリヤスフィール・フォン・アインツベルン(イリヤ)&バーサーカー(ヘラクレス)

色丞狂介&キャスター(パピヨン)

ナノカ・フランカ&アーチャー(安藤まほろ)

高遠いおり&ランサー(アリシア・メルキオット)

間桐慎二&キャスター(フドウ)

衛宮切嗣&アーチャー(クロエ・フォン・アインツベルン)

アリス・マーガトロイド&アーチャー(赤城)

野比のび太&キャスター(ドラえもん)

日野茜&ランサー(真田幸村)

三谷亘&バーサーカー(サイト・シュヴァリエ・ド・ヒラガ)

セイバー2騎
アーチャー4騎
ランサー3騎
ライダー2騎
キャスター4騎
アサシン1騎
バーサーカー4騎
計20騎の聖杯戦争となります


201 : ◆qB2O9LoFeA :2014/08/08(金) 02:09:30 8BPn71Mo0
既にいくつかのルールは無用になりましたが本選開始前に改めて張っておきます。



・仮想空間内の内部時間で2014年7月1日から8月31日までの二ヶ月間聖杯戦争を行い、『8月中に一組の主従しか存在しなかった場合』その組を優勝者として認める。

・7月中は予選期間。参加者はOPの七都市の内の一つに飛ばされ、『8月までサーヴァントと共に生き延びられれば』本選に出場できる。なお、聖杯戦争の仕様で一時的な『記憶障害』が起こる可能性があり、その場合サーヴァントを呼び出すことができないため脱落する。

・エクストラクラスのサーヴァントを召喚するためには、『召喚時までに同じエクストラクラスのサーヴァントが召喚されておらず』、『そのエクストラクラスが他のクラスよりも明らかにふさわしく』、なおかつ『マスターにエクストラクラスでサーヴァントを呼び出す要素』がなくてはならない。

・登場話の投下は『作中内で7月中』に、『現実での8月7日(木)まで』に行うものとする。

・登場話は『全くの同一人物が既に参加している』場合のみ投下を無効とする。

・本選会場は仮想空間内に再現された冬木市である。

・本選中、監督役からの連絡は教会で行われる。ただし、ルーラーが直接マスターやサーヴァントの元に赴く場合もある。



また以下のルールを追加したいと思いますがどうでしょうか。



・本選開始時、予選開始時と同じように仮想空間内での地位を与えられる。通常は予選終了時の状態になるべく近くなるよう設定される。

・参加者の持つ資産は予選終了時のものを引き継ぐ。なお作中に記述がない場合、NPC時代の現金、預金、その他資産価値のあるものを引き継いでいるものとする。不動産などは同価値のものをあてがわれる。

・参加者は予選期間中に情報収集をして成果があったことが明示されていない場合、一切の他参加者の情報を知らない。ただし、予選期間中に目立つ行動をとっている参加者は常識的な範囲内で同会場の参加者に印象に残ることはある。

・サーヴァントに関する記録は大まかに教会にて検索可能。ただし、真名か宝具名を知らない場合、正しい記録を見つけることはない(検索自体はできる)。記録の内容はスキルと生前の伝承である。

・予約はとりあえず一週間。


202 : ◆p1hwNIp6AQ :2014/08/08(金) 17:37:02 Dbx510rY0
概ねはそれで良いと思います
ただいくつか質問や要望を

>参加者は予選期間中に情報収集をして成果があったことが明示されていない場合、一切の他参加者の情報を知らない。ただし、予選期間中に目立つ行動をとっている参加者は常識的な範囲内で同会場の参加者に印象に残ることはある。
この「予選期間中に行った情報収集」は本選開始後に参加者の回想といった形で描写するのは問題ないでしょうか?

>サーヴァントに関する記録は大まかに教会にて検索可能。ただし、真名か宝具名を知らない場合、正しい記録を見つけることはない(検索自体はできる)。記録の内容はスキルと生前の伝承である。
検索施設は教会の他に学園にも設けても良いのではないでしょうか?
初代二次聖杯の終盤で深山町を抑えた対主催が情報面の優位を確立していたので深山町方面と新都方面に検索施設を一箇所ずつ置けば同じ展開を防げるのではないかと思いました
それと検索について特定が可能なほど特徴的であればスキルや武器などからも真名を検索可能、としても問題ないかと思いますがいかがでしょうか?
検索に真名や宝具の具体的名称が必須となると固有の宝具が無いクロエや真名解放の必要がない宝具持ちのキャラが真名当てにおいて大きく有利になってしまいますし

そして最後に予約の延長について現時点で何かお考えはありますか?


203 : 名無しさん :2014/08/08(金) 20:06:48 aBeCiKl20
それぞれの所在をまとめたが


【札幌】

【仙台】
間桐慎二&キャスター(フドウ)
日野茜&ランサー(真田幸村)

【東京】
遠坂凛&セイバー(アルトリア・ペンドラゴン)
黒鳥千代子&セイバー(テレサ)
美遊・エーデルフェルト&バーサーカー(小野寺ユウスケ)
希里ありす&ライダー(少佐)
九重凛&アサシン(千手扉間)
色丞狂介&キャスター(パピヨン)
高遠いおり&ランサー(アリシア・メルキオット)
野比のび太&キャスター(ドラえもん)
三谷亘&バーサーカー(サイト・シュヴァリエ・ド・ヒラガ)

【名古屋】
天沢勇子&キャスター(兵部京介)

【大阪】
クロノ・ハラオウン&ライダー(五代雄介)
ナノカ・フランカ&アーチャー(安藤まほろ)

【高松】
アリス・マーガトロイド&アーチャー(赤城)

【博多】
マイケル・スコフィールド&アーチャー(ワイルド・ドッグ)
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン(プリヤ)&ランサー(カルナ)
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン(イリヤ)&バーサーカー(ヘラクレス)
衛宮切嗣&アーチャー(クロエ・フォン・アインツベルン)





【高知】
竜堂ルナ&バーサーカー(ヒロ)


東京と博多おかしいだろこれ
あとなぜか高知に一組いる


204 : ◆qB2O9LoFeA :2014/08/09(土) 00:25:00 5LTh.Yrw0
>>202



■予選期間中に情報収集〜


可能です。

ただし、知ることができるのは最大でもクラスとステータス、外見のみです。

また、魔力供給の問題で一部のサーヴァントは能力が低下している場合がありますが、得られるのは下がった状態のステータスです。
(本当はAランクだが魔力供給が不充分なので-がついてCランク程度に見える、という感じです。)

なお、情報の収集に成功する相手の条件は、『神秘の秘匿を考えない戦闘や魂喰いをしている』、または『他の組との接触、偵察、情報収集などのために使い魔を放ったり自身が行動している』描写が、『登場話か予選期間中を回想した本編』でなされていることです。

また、予選期間中にギアスを結んでいた場合本選開始時に解呪されます。



■サーヴァントに関する記憶は〜


確かに一ヶ所しか無いのは問題なので、新都方面の冬木市中央図書館でも可能とします。

また、スキルなどでも検索は可能ですが該当する英霊が一人に絞られるような場合を除き、大まかな情報しか入手できません。
(たとえばサーヴァントの原作に由来する固有のスキルの場合、その作品内の全ての人物が検索にヒットします。そのサーヴァントのいた世界観や根幹をなすものは理解できるでしょう。)



■予約は一度でも書いたことのある人なら、締め切りまえにいってもらえれば最大三日延長できる、というのはどうでしょうか。



>>203


予選会場はフレーバーとして用意したものなのでバランスが悪くても大丈夫だと思います。

それと高知にいるのは高松の間違いです。

すいません。



あと本編投下&予約開始は10日(日)からにしたいと思います。


205 : ◆qB2O9LoFeA :2014/08/10(日) 00:19:11 03QZeC5Q0
新しく決まったルールを発表すると共に本編投下&予約の開始を宣言します。



・仮想空間内の内部時間で2014年7月1日から8月31日までの二ヶ月間聖杯戦争を行い、『8月中に一組の主従しか存在しなかった場合』その組を優勝者として認める。

・7月中は予選期間。参加者はOPの七都市の内の一つに飛ばされ、『8月までサーヴァントと共に生き延びられれば』本選に出場できる。なお、聖杯戦争の仕様で一時的な『記憶障害』が起こる可能性があり、その場合サーヴァントを呼び出すことができないため脱落する。

・エクストラクラスのサーヴァントを召喚するためには、『召喚時までに同じエクストラクラスのサーヴァントが召喚されておらず』、『そのエクストラクラスが他のクラスよりも明らかにふさわしく』、なおかつ『マスターにエクストラクラスでサーヴァントを呼び出す要素』がなくてはならない。

・登場話の投下は『作中内で7月中』に、『現実での8月7日(木)まで』に行うものとする。

・登場話は『全くの同一人物が既に参加している』場合のみ投下を無効とする。

・本選会場は仮想空間内に再現された冬木市である。

・本選中、監督役からの連絡は教会で行われる。ただし、ルーラーが直接マスターやサーヴァントの元に赴く場合もある。

・本選開始時、予選開始時と同じように仮想空間内での地位を与えられる。通常は予選終了時の状態になるべく近くなるよう設定される。

・参加者の持つ資産は予選終了時のものを引き継ぐ。なお作中に記述がない場合、NPC時代の現金、預金、その他資産価値のあるものを引き継いでいるものとする。不動産などは同価値のものをあてがわれる。

・参加者は登場話、または予選期間中を回想した本編のどちらかに情報収集をして成果があったことが明示されていない場合、一切の他参加者の情報を知らない。ただし、予選期間中に目立つ行動をとっている参加者は常識的な範囲内で同会場の参加者に印象に残ることはある。なお、情報の収集に成功する相手の条件は、『神秘の秘匿を考えない戦闘や魂喰いをしている』、または『他の組との接触、偵察、情報収集などのために使い魔を放ったり自身が行動している』描写が、『登場話か予選期間中を回想した本編』でなされていることである。またどれだけ情報収集しようともクラスと補正後のステータス、および外見などしか把握することはできない。

・サーヴァントに関する記録は本選会場である冬木市の教会か冬木市中央図書館にて検索できる。ただし、真名か宝具名を知らない場合、正しい記録を見つけることはない(検索自体はできる)。また固有のスキルなどで検索した場合、先述の検索結果よりは精度が低いが、情報を得られる。記録の内容はスキルと生前の伝承である。

・予約はとりあえず一週間。一度でも書いたことのある人なら締め切り前に宣言すれば最大三日延長可能。

・予選期間中に結んでいたギアスは本選開始時に解呪される。

・本編の投下と予約を現実時間の8月10日(日)から開始する。


206 : ◆p1hwNIp6AQ :2014/08/10(日) 14:26:16 aGwrh3pw0
セイバー(テレサ)、美遊・エーデルフェルト&バーサーカー、日野茜&ランサーで予約します


207 : ◆qB2O9LoFeA :2014/08/11(月) 02:37:11 sqGVhSHY0
では竜堂ルナ&バーサーカー(ヒロ)を投下します。
一応タイトルの前に通し番号をつけときます。


208 : 【1】ネグレクトって知ってるか? ◆qB2O9LoFeA :2014/08/11(月) 02:41:26 sqGVhSHY0



 神秘の秘匿というのは様々な方法があるが、その中でもオーソドックスなものといえば人目を避けることだろう。たとえば深い森の中や薄暗い下水道、それに魔術師の工房などといった場所である。
 もっとも、目につかないという一点だけなら市街地のど真ん中にも条件に合う場所が無いわけではない。げんに今、ある雑居ビルの屋上ではサーヴァントとマスターが戦っていた。

 ブン、と風を切って赤い大鎌を童女に迫らせる少女はバーサーカーのクラスで召喚されしサーヴァント、ヒロ。
 その大鎌を危なげなくかわすと素早く少女の後ろに回り込んだ童女は、マスターである竜堂ルナ。

 縦横10mもない戦場でマスターとそのサーヴァントによる戦闘。
 本選開始から約一時間、二人の最初の相手は背中を預けるはずのパートナーだった。

 一瞬でバーサーカーの後ろに回り込んだルナが狙うのは、バーサーカーのヒザ。スライディング気味に足払いをかけようとして、しかしその足の力を大きく横にそらす。
 キラリ、とルナの銀髪が一束、金色の光を放って宙を舞った。その髪が屋上の床にたどり着くより早く赤い光によって微塵にされる。バーサーカーの持つ大鎌は、あと数センチのところで自らのマスターをとらえそこなったのだ。

 バーサーカーは満足げに笑うとルナに斬りかかる。もとより狭い屋上、一歩どころか半歩で詰めると正確に首を刈りにいく。長物に類する大鎌の攻撃は左右に避けようと容赦なくその細首を跳ばすだろう。ゆえに上に飛んでかわすしかなく、逃げ場の無い空中でルナを倒そうと残心の調整を計算する。

「ッ!?」

 大鎌を振り抜こうとしたバーサーカーを襲ったのは衝撃。それも前方からのもの。
 一瞬何が起こったのかバーサーカーはわからなかったが、自分がルナにマウントされているのを見て再び満足げに笑う。なんのことはない、ただ『サーヴァントより早く動いて体当たりをした』だけだ。

「降参だ。動けるようになってきたな。」

 そうバーサーカーが言うとルナは大きくため息を吐いた。


209 : 【1】ネグレクトって知ってるか? ◆qB2O9LoFeA :2014/08/11(月) 02:43:40 sqGVhSHY0


 聖杯戦争に参加し記憶を取り戻してからの約一ヶ月間、深夜のこの時間帯はバーサーカーとの戦闘訓練に当てられていた。もともとルナの修行が人目を避けるために深夜に行われていたというのもあるが、夏休みという季節がら昼はどこに人の目があるかわからない。そのためこのような時間に偵察がてらに一戦交えていたのだ。

「ほっ‥‥バーサーカーさん、これで訓練は合格?」
「回避は、な。足の動きは良いがそれだけだ。一撃でも喰らえばあの動きはできなくなる。次は受け身だ。その次は逃走経路の確保のしかたに地形の把握のしかただな。‥‥まあ、どこまで訓練する時間があるかはわからないが。」
「あっ‥‥」

 時間があるかはわからない。その言葉にルナの心臓に締め付けられるような感覚が走った。
 ここは誰も彼もが殺しあう聖杯戦争。無事に明日を向かえられる保証などどこにもない。その当然の事実に、ルナの息は自然と荒くなる。

「バーサーカーさん‥‥」
「覚悟を決めろ、ルナ。」

 ルナのすがるような視線を受けて、だがバーサーカーは突き放すように言った。
 既にここは戦場であり、しかも半分準備期間である予選ではなく殺しあいが本格化する本選だ。

(力量は問題ないんだがな‥‥この脆さはいつか弱点になる。)

 バーサーカーが抱く二つの懸案事項。その一つルナの精神性だ。
 お互い口にはしていないが、ルナは人を殺したことがない。そのことは予選期間でほぼ確信を得ていたが、本選に来るまでに対処しようとは思わなかった。下手に火種を作るよりはマスターとの信頼関係を深める道を選んだのだ。それにバーサーカーは当初、聖杯戦争の中でなし崩し的に人を殺す覚悟を身に付けさせる気でいた。サーヴァントを倒すことで間接的に人を殺させることで覚悟をさせようとしていたのだ。
 その予定を狂わせたのは、ルナの能力の高さ。当初は魔力が高いだけと思っていたバーサーカーだが、訓練を初めてすぐにその身体能力の高さに驚かされることになった。高位の魔族をもしのぐ圧倒的な力はマスターだけでなくサーヴァントととも戦えるだろう。
 バーサーカーにとってルナは使える戦力として数えられていた。それゆえ余計に早く覚悟を決めさせたいと思う。だが、生半可な覚悟で出撃させて土壇場で命令を拒否されてはたまらない。なまじ戦えるがゆえにバーサーカーはルナを扱いかねていた。


210 : 【1】ネグレクトって知ってるか? ◆qB2O9LoFeA :2014/08/11(月) 02:46:41 sqGVhSHY0


 ふと、下から車が止まる音が聞こえた。何かを下ろす音や運ぶ音が続く。その音に反応してルナはバーサーカーに再び視線を送る。今度の視線もすがるような、それでいて全く方向性の違うものだった。

「ハァ‥‥まずは私掠の訓練といくか。」


 ところで、再現された冬木市にも当然コンビニエンスストアといったものはあり、多くの商品が物流という波によって運び込まれ、また運び出されていく。
 この時運び出されるのは主に賞味期限の迫った食料品でありその量は日本全国のコンビニエンスストアにおいて一日で数万食は下らないと言われている。

 これはおかしい。

 まだ食べられるものを、農家の人や工場の人が端正込めて作った食べ物をそんなに簡単に捨ててよいのだろうかいやよくない。


「バーサーカーさん、焼きそばあったよ焼きそば!それとお好み焼きとたこ焼とオムライスと麻婆豆腐!」
「‥‥いや、わかったから。」

 よってせっかく廃棄されるぐらいならと運送業者の隙を見て食料調達を行っても果たして道徳的に問題があると言えるだろうか?
 そもそもバーサーカーの生きていた時代には隣国から家畜やら金やら宝玉やら劣鬼やらを私掠するのは祖国の国力を高め敵国の国力を減らす立派な戦略だった。いわばセオリーどおりの行動である。縛りプレーをする必要はない。

「あ、飲み物ない。もらってくるね。」
(‥‥たしかこういうのは欠食児童というらしいな‥‥やはり食料は国家の基本だな。人心を安定させるにはま「バーサーカーさん、いろはすと伊右衛門と桃の天然水とファンタのどれにする?」桃の天然水を貰おうか。」


 桃の天然水を飲みながらバーサーカーは考える。
 バーサーカーが抱くもう一つの懸案事項、それはマスターの持ち物が何一つないということだ。
 まずどういうわけか親役のNPCが設定されていない。最初は戦争孤児かと思って聞かないでおいたが、児童養護施設なるものが存在する以上違うのだろう。そもそも戦争をこの会場のもとになった国は何十年もしていないらしい。
 次に、当然だが金がない。正真正銘の無一文である。もちろん家もなく着の身着のままとはよく言ったものだ。
 最後に、社会的な身分がない。宿代わりに児童養護施設や警察に泊まったこともあったが、身元がわからないことをNPC達はいぶかしんでいた。追求されそうだったので慌てて逃げてきたが、どうやらこの会場ではかなり問題になりそうだ。

(まずは今日の宿をどうにかするか。野宿するとまた警察やNPO団体に捕まる。そういえば学校には保健室というベットがある部屋があるらしいな。)

 バーサーカーは美味しそうに焼きそばを頬張るルナを見ながら今宵の宿について思考を巡らせ始める。

 ここは聖杯戦争。拠点の確保までの道のりは、遠い。


211 : 【1】ネグレクトって知ってるか? ◆qB2O9LoFeA :2014/08/11(月) 02:50:31 sqGVhSHY0



【新都、某コンビニエンスストアの入った雑居ビル屋上/2014年8月1日(金)0050】
【竜堂ルナ@妖界ナビ・ルナ】
[状態]
空腹。妖力消費(小)。いずれも回復中。第三の目は封印済。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
みんなを生き返らせて、元の世界に帰る。
1.焼きそばおいしい♪
2.誰かを傷つけたくない、けど‥‥
3.バーサーカーさんを失いたくない。
[備考]
●約一ヶ月の予選期間でバーサーカーを信頼(依存?)したようです。
●修行して回避能力が上がりました。ステータスは変わりませんが経験は積んだようです。
●新都を偵察した後修行しました。感知能力はそこそこありますが、特に引っ掛からなかったようです。なお、屋上での訓練は目視の発見は難しいです。
●第三の目を封印したため令呪の反応はおきません。封印解除した場合、通常どおり反応がおきます。
●身分証明書の類いは何も持っていません。また彼女の記録は、行方不明者や死亡者といった扱いを受けている可能性があります。


【バーサーカー(ヒロ)@スペクトラルフォースシリーズ】
[状態]
筋力(20)/D+、
耐久(30)/C+、
敏捷(20)/D+、
魔力(40)/B++、
幸運(20)/D、
宝具(40)/B+
魔力消費(微)
[思考・状況]
基本行動方針
拠点を構築し、最大三組の主従と同盟を結んで安全を確保。その後に漁夫の利狙いで出撃。
1.学校というのはどこにあるんだ?地図が必要だな。
2.どこかに拠点を構えたいが‥‥
3.マスターがいろいろ心配。
[備考]
●新都を偵察しましたが、拠点になりそうな場所は見つからなかったようです。


212 : ◆qB2O9LoFeA :2014/08/11(月) 02:52:01 sqGVhSHY0
以上で投下終了です。


213 : ◆qB2O9LoFeA :2014/08/12(火) 00:48:35 2ZoqYfjY0
ルールの補足の提案です。

現時点では監督役からの通達が教会で行われることになっていますが、これを

●通達する人間
監督役→ルーラー
●通達する時間
通常は深夜0時に一日一回

とするのはどうでしょうか。

それと、本編投下の足並みをどの程度揃えたほうがよいか、提案してもらえるとありがたいです。



なお、特に提案がない場合ざっくり一週間程度でいこうと思います。


214 : 【2】戦いの狼煙は高く上げられた ◆p1hwNIp6AQ :2014/08/16(土) 16:18:48 DXXfnvgI0
投下します


215 : 【2】戦いの狼煙は高く上げられた ◆p1hwNIp6AQ :2014/08/16(土) 16:19:27 DXXfnvgI0
日付が変わると同時、ある程度見慣れつつあった街並みは一変していた。
夜にあってもネオンの光が絶えず、眠らない街という形容が似合う東京はもうそこにはなかった。
代わりにあったのは、それまで私が見知っていた街だった。

「冬木……?ここが本選の舞台になるの?」

まさか、という驚きとやはりか、と納得する、相反する感情が混在していた。
聖杯戦争とはその名の通り聖杯を巡る殺し合いであり、私はその光景を嫌というほど知っている。
何故なら元いた世界においての聖杯とは私自身のことなのだから。
その舞台をこの月に再現するというのは実際理に適っているのかもしれない。

一応家の中で何か変わったことがないか調べてみるといくつか変化があった。
まず私の両親とされている人(NPCだろう)は海外出張をしているという設定になっていて、週に何度か家政婦の人が来るようだ。
生活費用は毎月振り込まれていて、次はあと二日後に振り込まれるらしい。
金額を見た限り、無駄遣いをしすぎれば生活に支障をきたす程度には一般的な家庭をイメージされて用意されているようだ。

もう一つ、本選でも私には月海原学園初等部の生徒という小学生としての立場が与えられている。
人が多いという安全性と、マスターであることがばれないように普通の生活をするというメリットを考えれば学校には行くべきなのだろうけど―――

「サファイア、私は学校には行かない」
「よろしいのですか?もし学園にマスターがいれば……」
「わかってる、でも行けば無条件で安全が買えるわけじゃない。
…それに、どんな顔をして学校生活をすれば良いかわからない。
一応学校には病欠で休むと連絡はする。怪しまれはすると思うけど無断欠席よりはずっと良い」

人を殺すことを決意した身で平常心を保ったまま学生生活を送れると思えるほど私は自分の演技力に自信を持っていない。
それに、学園は確かに人の多さから戦闘は起こりにくいけれどそれも絶対というわけじゃない。

アサシンのサーヴァントなら人目を縫って暗殺を行うのはそう難しくない。
力ある魔術師なら時間帯や状況次第で人避けの結界で戦える場所を作り出すことも出来る。
学校に行くこと自体が大きなデメリットにもなるのなら無暗に動かない方がまだ良い。

「今のうちにバーサーカーに実戦経験を積ませておきたい。
やっと視界共有と制御にも慣れてきたから、もう次の段階に進まないと」
「わかりました、では転身を」

一月近い予選期間の中、幸か不幸か私とバーサーカーが戦闘を行うことはなかった。
他のマスターから仕掛けられることがなかったというのもあるけれど、それ以上に頭を悩ませる問題があった。
バーサーカーの感覚器官は極めて鋭敏であり数キロ以上先の微かな音すら拾うことができる。
けれど鋭敏すぎる感覚を十分に制御できていないせいかバーサーカーの挙動はどこかぎこちない。
人間の姿をとっていればそうでもないけど変身するとどうしても不自然というか、慣れていない動きになってしまうようだった。


216 : 【2】戦いの狼煙は高く上げられた ◆p1hwNIp6AQ :2014/08/16(土) 16:20:14 DXXfnvgI0

加えて、私が彼の視界を借りる視界共有を行うと決まって鋭敏すぎる視覚に私自身がついて行けないという思わぬデメリットがあった。
魔力供給の関係で私が全く戦えない以上、この問題を放置することはできなかった。
そのためこの一か月近くのほとんど全てを視界共有の訓練とバーサーカーの制御に充てていた。
訓練の甲斐あって最近ようやくバーサーカーの視覚にも慣れてきた。
令呪を受け入れて現界するのがサーヴァントシステムであるからか、バーサーカーも私の命令に反するようなことはなかった。
本選が始まってついに私達の戦う準備は整ったと言える。

「行って」

指令とともにバーサーカーが実体化し、黒の四本角の戦士へと変貌した。
予め開けておいたベランダの窓から勢いよく跳躍し夜の闇へと消えていく。
同時に私も集中し、彼と視界を共有する。
私達の聖杯戦争の、始まりだ。




 ◆   ◆   ◆



深山町北部の住宅街、ある民家の屋根の上に一人の女がいた。
セイバーのサーヴァントとして招聘された妖魔を狩る戦士、微笑のテレサである。
セイバーは予選会場とは一変した世界を眺めながらいつものように哨戒を行っていた。
幼いマスター、黒鳥千代子は今は眠っている。元よりそういう時間帯だ。
妖気探知による索敵を行いながら、セイバーは何とはなしにある予感を抱いていた。

「さて、どれだけの連中が動くかな……」

各会場から本選会場に生き残ったマスターとサーヴァントが集まったこの時間。
何らかの動きを見せる者が必ず相当数いるはずだとセイバーは踏んでいた。
とはいえセイバーはこの時点で派手な動きを見せるつもりなどない。
当初の予定通り、情報収集に専念し戦闘は降りかかる火の粉を払う時だけと決めている。

千代子からの供給は細いが決して途切れることはない。
逆に言えば短時間での魔力の浪費は厳禁ということ。
本選が始まったとはいえ、この序盤から無理をするという選択肢はセイバーにはない。
しかし、そんなセイバーの計画には早くも綻びが生まれようとしていた。

「……どうしてばれた?」

感知範囲に入った一つの巨大な反応がまっすぐこちらに向けて進んできている。
偶然と捉えるには敵の動きに迷いがなさすぎるし進行方向がひどく的確だ。
気配遮断能力を持つセイバーだがこうなれば自身の存在は既に察知されていると判断すべきだ。

「川を越えさせるわけにもいかないか」

現在敵は新都を進み深山町を目指している。
ここで迎撃するのも一つの手ではあるがそうなれば千代子を起こすことになる。
万一パニックを起こされてはたまらないし、敵に自分のマスターの姿を見られることも避けたい。
とすれば敵マスターの奇襲を警戒しつつどこか適当な場所でサーヴァントを迎え撃つのが吉か。


217 : 【2】戦いの狼煙は高く上げられた ◆p1hwNIp6AQ :2014/08/16(土) 16:20:47 DXXfnvgI0

「ならあそこだな」

迷わず屋根から跳躍し、見遠川をも一跳びで越えて新都エリアへ入る。
向かう先は視界に移った新都北部、倉庫エリアだ。



 ◆   ◆   ◆



「よう、サーヴァント。中々個性的な面構えじゃないか」

倉庫街の開けた場所でセイバーは誘い込んだ敵サーヴァントの姿を視認した。
全身を黒い甲冑に包み身体の各所には血管のように金色の縁が走っている、四本の角に暗く濁ったような複眼が印象的なサーヴァント。
白を基調とするセイバーとはちょうど正反対の色合いだ。
隠そうともしない獣の如き唸り声が敵がバーサーカーであることを明瞭に示している。

当然バーサーカーはセイバーの言葉に応えるはずもなく、一直線に突進を仕掛けてきた。
百メートルを一秒で駆け抜ける埒外の俊足は並のサーヴァントなら逃げることさえ許されないだろう。
そのまま繰り出された八十トンもの威力を誇る拳は並の敵手なら一撃で砕いてみせるだろう。
しかし。

「おっと、いきなりか」

どんなに強大な威力を秘めた拳も当たらなければ何も意味を為さない。
剣は抜かず、微笑を浮かべたまま紙一重でバーサーカーの拳打を躱し続け、触れることさえ許さない。
遮二無二拳を振るうバーサーカーは完全に翻弄されていた。
ふと、セイバーが背中に背負った大剣(クレイモア)に手を掛けた。
それとほぼ同時、バーサーカーを四十以上もの斬撃が襲った。
セイバーが一瞬のうちに放った幾重もの斬撃、一部の戦士が扱う高速剣と呼ばれる技だ。
そこらの妖魔なら気づいた瞬間に細切れと化すほどの超高速の絶技である。

「………!!」
「へえ、効かないか。随分と分厚い甲冑だな、それ」

凄まじき戦士と化したクウガ・アルティメットフォームが纏う生体甲冑の強固さは並のサーヴァントの比ではない。
高速剣の全てが直撃しているとしても、バーサーカーにとっては無に等しい攻撃でしかない。
そればかりか高速剣が命中したという事実そのものが存在していなかったかのように平然と拳を振るい続けていた。
だが、変わらずバーサーカーの攻撃を回避し続けるセイバーの微笑みは崩れる気配を見せない。
何故ならバーサーカーの弱点は既に看破しているからだ。

「そらっ」

バーサーカーの隙を突いて放った突きが大腿部を捉え、鮮血が噴き出る。
僅かに怯んだバーサーカーに容赦なく追い打ちを仕掛け、二の腕や脇腹に突きや斬撃を見舞った。
生体甲冑に覆われていない部分であれば格に劣るセイバーの大剣でも傷をつけることは十分に可能だ。
バーサーカーも狙いを察し防ごうとはするがセイバーの剣舞にはついてこれていない。
やがてバーサーカーの単調な挙動を見咎めたセイバーの痛烈な一撃がバーサーカーの左腕を斬り飛ばした。

「どうした、立派なのは見た目だけなのか?」

何故ステータスで劣るはずのセイバーがここまでバーサーカーを圧倒できるのか。
その理由の一つはセイバーの宝具「妖気探知」にある。
妖気を探知する能力そのものはクレイモアの戦士なら程度の差はあれ誰でも有している。
しかし微笑のテレサのそれは他の戦士とは次元の違う精度を誇り相手の一挙手一投足さえも容易に見切る。


218 : 【2】戦いの狼煙は高く上げられた ◆p1hwNIp6AQ :2014/08/16(土) 16:21:25 DXXfnvgI0
そこにナンバー1の戦士としての技量が加わることによりセイバーのサーヴァントの中にあってトップクラスの白兵戦能力が備わっているのである。
クレイモア最強の戦士としての伝承こそがテレサがアサシンでなくセイバーとして現界した所以だ。

(しかしこいつの動き、どうも妙だな。
私の動きを目で追うことはできてるようだが身体が反応しきれていない。
かといって反応速度やスピードが鈍いってわけでもない……まさかとは思うが)

口では挑発するような言動を繰り返しながらも冷静にバーサーカーの戦力を分析する。
セイバーの見立てではバーサーカーは自分と同等の感知能力を持っている。
そうでなければ気配を絶っていた自分の存在を新都から察知できるはずもない。
そしてセイバーと同等の力であれば当然相手の挙動を見切ることも可能なはずだ。
だが実際にはバーサーカーはセイバーに触れることもできず、翻弄されるばかり。

(私とこいつに違いがあるとすれば恐らく錬度だろうな。こいつは明らかに自分の力を制御できていない。
こいつ自身が未熟なのかバーサーカーになっているから制約がついているのかはわからないが…。
まあいい、どのみち厄介な敵は落とせる時に落とした方が良い)

時間にして僅か数秒の思考を打ち切り、バーサーカーにとどめを刺す決断を下す。
実際には敵マスターの令呪に阻まれる可能性も低くないがそれはそれで構わない。
悪くとも相手の切り札を一つ削ぎ落とせるのだから不本意な遭遇戦の報酬としてはちょうど良い。

(バーサーカーの装甲は確かに脅威だが人体の構造上全てをカバーすることなんて不可能。
だとすれば狙うなら首か、全身に魔力を行き渡らせているあの妙なベルトだな)

大剣を抜き、バーサーカーを葬り去る算段をつけたまさにその瞬間。
猛烈な勢いでこちらに迫るサーヴァントの反応を検知した。
時間を掛けてしまったために他のサーヴァントをも呼び寄せてしまったようだ。

「ぬぅおおおおおおおおおおお!!!!」

暑苦しさしか感じられない雄叫びを上げながらセイバーとバーサーカー目掛けて爆走する影が一つ。
両手に朱槍を一本ずつ携え赤い鉢巻に赤いライダージャケットを纏った青年。
燃え滾る炎をそのまま人の形に収めたようなサーヴァントはちょうどセイバーとバーサーカーと正三角形になる位置で立ち止まった。
そして、勢いよく右手に持った槍を掲げ大音声でこう告げた。

「我こそは、真田源次郎幸村!此度の聖杯戦争ではらんさぁのくらすを得て現界した!!
某が望むはこの戦に集う猛者たちとの熱く燃え滾る死闘!!
両名ともさぞ名のある使い手とお見受けした!いざ尋常に勝負ぅ!!!」
「…………………は?」


219 : 【2】戦いの狼煙は高く上げられた ◆p1hwNIp6AQ :2014/08/16(土) 16:22:01 DXXfnvgI0

あのサーヴァントが何を言ったのか、理解するのに三秒の時を要した。
サーヴァントが秘すべき真名を晒した?これほど堂々と?
しかもサーヴァントとしての願いまで口にしていなかったか?
あまりの事にバーサーカーでさえ呆けたように動きが止まっている。

「うおおおおおお!!英霊の座より、見ていて下されお館様ぁああああああああああ!!!!」
「……はっ!?」

あまりにも大きな衝撃にセイバーが硬直している間にランサー、真田幸村は眼前まで迫っていた。
繰り出された槍撃を咄嗟に躱しバックステップで距離を取る。
それを隙と見たかランサーは距離を詰め猛攻を仕掛けた。

「烈火!!!」

魔力放出による炎を纏った槍のラッシュだが、決して乱雑に繰り出しているわけではない。
数多の戦を経た、真田幸村という一人の武士(もののふ)が生涯をかけて磨き上げた技が詰まっている。
だがそれとて必ずしも全ての敵に通用するわけではない。

「あ、当たらぬ!?」

先ほどのバーサーカーの拳打の比ではない正確さと武錬から繰り出される槍撃もやはりセイバーには掠りもしない。
その神懸かり的な身のこなしはランサーにとって埒外のものであった。
全てを剣によって防がれる、というのならまだ理解できる。
しかし音速の槍衾を純粋な体術のみで躱し続けるなどどれほどの力量を以ってすれば可能なのか。

「お前、私にかかりっきりで良いのか?あっちはもう待ちきれないみたいだが」
「何だと!?―――し、しまった!」

セイバー相手に躍起になっている間にバーサーカーはアマダムの恩恵による再生能力で左腕を含めた傷を治癒していた。
そして今にもランサーをセイバー諸共撲殺せんとばかりに突進し拳を振り上げていた。
咄嗟の反応で二槍を交差させて防いだものの凄まじい威力と重みによって身体が数歩分後退してしまう。
一方セイバーはランサーとバーサーカーを尻目にコンテナへ飛び移り、戦場を離脱しようとしていた。

「じゃあな、後は二人でよろしくやっててくれ」
「に、逃げるのか!?」

追おうとするランサーだがそんなことはお構いなしとばかりにバーサーカーは標的をランサーに絞り襲い掛かる。
殴る、蹴るという原始的かつ単純な攻撃方法だがただそれだけの攻撃がランサーを追い詰めていく。
相手を圧倒する膂力と体格、距離を開かせない瞬発力は容易に対抗することを許さない。
気配探知による先読みを可能とするセイバーには通用しなかったがランサーには極めて有効だった。

「何という剛力…!このままでは……!!」

災害にも等しいバーサーカーの猛攻に耐えながらランサーは己の失策と視野の狭さを呪った。
この異形のサーヴァントを前にして一度でも尋常な打ち合いを、力比べをしてはならなかった。
一度捕まれば最後破滅的な威力を誇る拳打の前に崩壊の時を迎えるまで封殺される他ない。
いや、この敵と対等の身体能力を持っていれば別だろうが今のランサーにそこまでの力はない。


220 : 【2】戦いの狼煙は高く上げられた ◆p1hwNIp6AQ :2014/08/16(土) 16:22:39 DXXfnvgI0
個体性能の違いもあるが、何よりマスターの性能に天と地ほどもの開きがある。
加えて、クロスレンジではランサーの二槍のリーチを活かしきれない。
逆にバーサーカーは素手故のタイムラグのなさで一方的に攻め立てる。
セイバーが打ち合いを避けて回避を重点に置いていたのは自らの力量を誇示するためではない。
力比べをすれば相手のペースに嵌ることを読み切っていたからこそ決して触れさせなかったのだった。
とはいえそれが可能であること自体セイバーが規格外の実力を持つことを意味している。

(だが、初戦からこれほどの強敵に出会えるとは僥倖……!)

一見して、絶望的としか思えない状況と戦力差。
それにも関わらずランサーは笑っていた。
現実逃避をしているのではない。状況を認識できないほど愚かなわけでもない。
むしろ目の前の壁の高さを思い知るからこそより闘志を燃やすのだ。
この壁を乗り越えた時に味わえる達成感は、どれほどのものか。

召喚されたこの世界は、戦乱に明け暮れた幸村の時代と違い平和だった。
文明も食事も人々の営みも随分と様変わりしていたが、かつて武田信玄が目指した泰平の世が確かにあった。
マスターもまた、そんな時代に生を受けて育った暖かみのある女性だった。
予選で敵サーヴァントを探す傍ら、幸村は茜と共に現代の暮らしを享受していた。
仮初だが戦の影など微塵も感じさせぬ平穏に浸っていた。
それを良い世になったと思える反面、心の奥底で「これは違う」と叫ぶ自分がいたことは否定できない。

(お館様と泰平の世を目指しておきながら、俺という男は)

この本選で、初めてサーヴァントと矛を交えて改めて実感した。
戦場が、命を懸けるに足る猛者たちとの果し合いの場こそが己の生きる場所なのだと。
生と死の狭間においてこそ血液が、細胞の一つ一つが、魂が滾るのだ。
幸村に限らず、戦国の世を駆け抜けた漢たちが等しく持つどうしようもない性だった。

今相対しているサーヴァント、バーサーカーは強敵だ。
技巧はないが純粋な暴力で全てを捩じ伏せるというある種の真理を体現している。
両腕の感覚は既になくなりかけており、槍も軋みをあげている。
生半なことではこの窮地を脱することなどできまい。
だから覚悟する。己の失策で招いた窮地であるならその代償は自身で払うのみ。

バーサーカーが左腕で繰り出したアッパーカット。
右手に持った槍で防いだ瞬間、槍はランサーの手を離れて宙を舞う。
攻勢に耐えきれず、ついに愛槍を手放した―――風を装う。

(来い!)

生前、多くの戦と修行によって培われた心眼を研ぎ澄ませ好機を生み出す。
理性のないバーサーカーなら見え見えの隙を何の躊躇もなく突いてくるはずだ。
ランサーの予見に違わずバーサーカーは無防備になった右脇腹へ回し蹴りを見舞う。
すかさず衝撃を殺すために上体を逸らし、直後にバーサーカーの蹴りが命中した。

「ぐぅっ……!?」

全てにおいてランサーの計算通りに働いた完璧なタイミングだった。
絶妙な体捌きでダメージを抑えたことに加え、宝具「楯無の鎧」の加護も十分に働いていた。


221 : 【2】戦いの狼煙は高く上げられた ◆p1hwNIp6AQ :2014/08/16(土) 16:23:22 DXXfnvgI0
だがそこまでして尚バーサーカーの蹴りはランサーの肋骨に皹を入れた。
勢いをつけたわけでもない、何の変哲もないただの蹴りがこの威力だ。
しかしランサーにとっては全て織り込み済みであり覚悟していたこと。

「…ぐ、ぉぉおおおおおっ!!!」

ランサーが炎を纏った右腕を振りかぶり、バーサーカーの顔面目掛け強かに叩きつけた。
予想外のカウンターによってバーサーカーは脳震盪を起こしたか仰け反りながら数歩後退する。
宙を舞っていた十文字槍を再びその手に掴み、反撃の好機を逃すことなく今度はランサーが仕掛ける。

「ぉぉおおおお……灼熱ううう!!!」

このサーヴァントを打ち倒すのならば自らの必殺を以ってでなければならない。
ランサーはこの局面まで温存していた宝具の一つ「熱血大噴火」を発動した。
全身に炎を纏ったランサーはこれまで以上の踏み込みでバーサーカーに肉薄すると再び「烈火」を見舞う。
未だ立ち直りきれていないバーサーカーでは十分に迎撃できず、次々と二槍が突き刺さる。
宝具の解放による強化と灼熱の炎の併せ技が堅牢なクウガの生体甲冑に傷をつけていく。
しかし浅い。今のランサーを以ってしても単なる力押しだけでバーサーカーを攻め落とすのは容易ではない。

が、活路はある。攻略法は先ほどセイバーが見せてくれた。
遠目にではあるがセイバーがバーサーカーの腕を斬り飛ばす瞬間は目にしていた。
どれほど分厚い装甲にも必ず隙間は存在しているもの。

「貫けええええい!!!」

ランサーの槍がバーサーカーの右肘を貫き、次の瞬間最大出力で炎を噴射し腕を焼き切った。
甲冑に覆われていない部分を内部から破壊する、ランサーの策が見事に決まった形となった。
ランサーは快心の一撃にも気を抜かずここが勝負所とさらに攻勢を強めようとする。
バーサーカーの身体能力は脅威だが今なら圧倒されはしない。

しかし直後にランサーは驚愕することになった。
バーサーカーが反撃のために振るった左腕、そこから巻きつくように炎が発生していた。
攻撃そのものは二槍を交差させ難なく受けきったもののバーサーカーに後退する隙を与えてしまった。

「その炎…そなたも某と同じ力を持っているというのか?」

当然ランサーの誰何にバーサーカーが答えるはずもない。
しばらく油断なく炎を腕や足に纏い構えていたバーサーカーだが不意に背を向け、猛スピードで逃げ出してしまった。
ランサーが訝しんでいる隙を突いた絶妙のタイミングだった。

「くっ、また逃げられてしまったか……!」

宝具を解除しバーサーカーが去った方向を睨みつける。
追撃しようにもダメージの残った身ではそれも難しい。


222 : 【2】戦いの狼煙は高く上げられた ◆p1hwNIp6AQ :2014/08/16(土) 16:26:34 DXXfnvgI0

「ランサーさん!」

それまで隠れていたマスターである日野茜が走ってきた。
手にはミネラルウォーターの入ったペットボトルがある。

「大丈夫ですか!?全然目で追えないぐらいすごい戦いでしたけど……怪我とかありませんか!?」
「何の、心配ご無用でござる」

実際にはかなりの激痛が走っているが心配はかけさせまいと態度には出さず水を受け取り飲み干す。
それにしばらく休息に専念すれば宝具の効果によって完治する程度の傷なのだから、満更嘘というわけでもない。
それよりも意気揚々と乱入しながら何の戦果も挙げられなかった自分自身への怒りが先に立つ。

「すまぬ、ますたぁ殿。せっかくの初陣だというのにこの体たらく。
この幸村、まだまだ未熟……!」
「そんな、ランサーさんだって凄かったですよ!
大丈夫です、きっと次がありますよ!」

励ますその声がどこか震えているのをランサーは見逃さなかった。
薄々わかってはいたことだが、平和な時代に生まれ育った彼女にサーヴァント同士の戦闘は刺激が強すぎたのだ。

「ますたぁ殿、我々は夜通し敵を探し求めて疲弊しておりまする。
一度拠点に戻り、次の戦に備えて休息に専念するべきでは?」
「え、でも学校が……でも一日ぐらい、サボっても大丈夫かな?」

少し悩んだ後、茜は学校を休むことを選択したようだった。
恐らく彼女自身、考えたいこともあるのだろう。
ランサーもまた、先ほど戦った強敵たちの姿を瞼に焼き付けながら「次は必ず勝つ」と心に誓った。


【新都北部、港の倉庫街/2014年8月1日(金)0120】
【日野茜@アイドルマスターシンデレラガールズ】
[状態]
やや寝不足
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
対戦相手を全力で探し回る。そして全力バトル!!!
でもサーヴァント同士の戦いを見てちょっとだけ怖くなった…。
1:学校を休んで休息する
[備考]
●予選期間中他のマスター、サーヴァントと出会うことはありませんでした。
●月海原学園高等部の生徒という立場が与えられています。
所持金は高校生相応の額となっています。
●自宅の正確な場所は後の書き手さんにお任せします。
●セイバー(テレサ)、バーサーカー(小野寺ユウスケ)の基本ステータスを確認しました。

【ランサー(真田幸村)@戦国BASARAシリーズ】
[状態]
筋力(40)/B、
耐久(40)/B、
敏捷(30)/C、
魔力(30)/C、
幸運(30)/C、
宝具(40)/B、
疲労(小)、魔力消費(小)、肋骨に皹(回復中)
[思考・状況]
基本行動方針
強敵たちと熱く、燃え滾る戦を!!
1:一度回復に専念せねば…
2:せいばぁ、ばあさあかぁと再戦し、勝利する
3:名乗りも上げずに挑みかかるなど武士の名折れ!
[備考]
●傷の回復には数時間程度かかります。


223 : 【2】戦いの狼煙は高く上げられた ◆p1hwNIp6AQ :2014/08/16(土) 16:27:55 DXXfnvgI0



 ◆   ◆   ◆



「どうやら終わったみたいだな」

セイバーは海を挟んだ深山町側の港からランサーとバーサーカーの戦闘の様子を伺っていた。
それぞれ宝具あるいはスキルを視認できたのは小さくない成果だ。
惜しむらくは千代子がいないために具体的なステータスなどが確認できなかったことか。
しかし時間帯を考えればあまり贅沢も言えないだろう。

(あのバーサーカー、やっぱり妙なんだよな。
ランサーとの戦いの最後の方は動きが良くなってたように見えた。
それにあいつが身体に纏わせてた炎。あれはランサーが使ってたのとは種類が違う。
ランサーは自分の魔力を放出して炎に変換してたがバーサーカーは大気自体を炎に組み換えていた。
その能力にしてもまるで今思い出しましたと言わんばかりのタイミングで使っていた)

妖気探知を持つセイバーだからこそわかる二騎の能力の違いを考察する。
そして現状ではランサー、バーサーカー共に格別大きな障害とはならないと結論づけた。
何しろセイバーは先の戦闘で妖力解放を一パーセントたりとて解放していない。

(あいつらやランサーのマスターを仕留めなかったのは失策だったか…?)

一瞬欲が出かけたがすぐに頭を振って否定した。
そもそもセイバーは当面諜報に専念する予定だったのだ。
だというのに二騎ものサーヴァントと戦闘を継続するなどという真似をすれば目立つどころの話ではない。
ランサーのマスターを暗殺すれば結局残ったバーサーカーに追われ面倒なことになっていただろう。
第一ランサーやバーサーカーに更なる隠し玉がある可能性も有り得たのだ。
リターンは逃したかもしれないがリスクを負うこともなかったと考えるべきだ。

「まあいいさ、またちょっかいかけてくるなら今度こそ斬り捨てればいい」

身を翻しマスターの元へと戻っていく。
本選はまだ始まったばかりなのだ。焦る必要はどこにもない。


【深山町北部/2014年8月1日(金)0130】
【セイバー(テレサ)@クレイモア】
[状態]
筋力(40)/B+、
耐久(40)/B、
敏捷(40)/B+、
魔力(50)/A+、
幸運(20)/D、
宝具(40)/B、
健康
[思考・状況]
基本行動方針
当面、諜報活動に専念し戦闘は最低限に抑える
1:千代子の元へ戻る
2:ランサーやバーサーカーがまた来るなら今度こそ仕留める
3:バーサーカーの索敵能力は警戒しておく
4:ランサーは何でわざわざ真名を名乗ったんだ?
[備考]
●ランサー(真田幸村)の真名とある程度の戦法、バーサーカー(小野寺ユウスケ)のある程度の戦法を確認しましたがマスターではないのでステータス等は確認できていません。
●バーサーカー(小野寺ユウスケ)のベルト(霊石アマダム)が弱点部位だと何となく理解しました。
●予選時にどの程度他のチームの情報を得ていたかは後の書き手さんにお任せします。


224 : 【2】戦いの狼煙は高く上げられた ◆p1hwNIp6AQ :2014/08/16(土) 16:29:31 DXXfnvgI0



 ◆   ◆   ◆



開け放していたベランダに再びバーサーカーが戻ってきた。
それを確認して今まで継続していた視界共有を解除した。

「うっ……」
「美遊様!大丈夫ですか?」
「……平気、とはいえない」

バーサーカーの視覚はやはり鋭敏であり、その視界を借りる私では視覚情報を十分に処理しきれず頭痛を起こしてしまうようだった。
やはり戦闘となれば入ってくる情報量は桁違いのものがある。
どうやら仮病ではなく、本当に体調不良で休むことになりそうだ。

「バーサーカー……」

バーサーカーの初戦は、苦い結果となってしまった。
ステータスで優越しているはずのセイバー、ランサー双方に遅れを取った。
黒化していない、技量の伴った正規の英雄があれほど強大だとは思わなかった。
バーサーカーの受けた傷は既に概ね治癒しているけれど撤退指示が遅れていれば取り返しのつかないダメージを負っていたかもしれない。

「バーサーカーも戦力の全てを見せたわけじゃない、けど…」

今の戦闘でバーサーカーの狂化スキルは必要最低限しか機能させなかった。
例えるなら理性を奪っただけで狂化はさせていない、という言い方が適切かもしれない。
しかし、それでも私の魔力ほぼ全てを常に供給し続ける必要があるほど彼の魔力消費は莫大だった。
これで狂化を完全に解き放てば、恐らく私とサファイアによる供給さえも追いつかなくなるだろう。
狂化に関しては、扱いや使うタイミングを慎重に考える必要がありそうだ。

それに、最後に使っていたあの謎の炎も何なのか詳しくわかっていない。
そもそも私はバーサーカーの詳しい素性や能力も十分に知らない。
せいぜい以前に見た夢で名前や第四号という名称など断片的な事を知っている程度だ。
これがコミュニケーションの取れないバーサーカークラスの弊害なのだろう。
本選が始まったのだから、一度図書館で彼について詳しく調べるべきだろうか。
手探り状態での運用にはすぐに限界が来てしまうだろう。
けれど、今は。


225 : 【2】戦いの狼煙は高く上げられた ◆p1hwNIp6AQ :2014/08/16(土) 16:30:09 DXXfnvgI0

「サファイア、少し休もう。でも転身はそのままで良い」
「ですが、横になって休まれた方が……」
「まだ夜が明けてない。いつでも敵襲に備えておかないと。
バーサーカー、そのまま周囲を警戒していて」

壁に背を預けて膝を抱えて座ったまま仮眠を取ることにした。
少なくとも夜明けまでは最低限の警戒態勢を維持しておいた方が良いはず。
疲れが溜まっていたのか私はすぐに微睡みの中に沈んでいった。

ふと、大切な人のことを思い出した。
聖杯を巡る争いの中で戦い続けて、私に平穏な世界で生きてほしいと願った兄のことを。
今私がしていることは、間違いなくあの人の願いに反している。

「……それでも私には、もうこうするしかない」

結局運命から逃げ切ることなんてできはしなかった。
それならもう、この月の聖杯に頼る以外の方法なんて、きっとない。


【新都、蝉菜マンション/2014年8月1日(金)0130】
【美遊・エーデルフェルト@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】
[状態]
仮眠中、魔法少女カレイドサファイアに転身中、激しい頭痛
[装備]
カレイドサファイア@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
月の聖杯の力で自分の世界を救う
1:転身したまま明け方まで眠る
2:学校には行きたくない
3:バーサーカーについて調べておきたい
[備考]
●予選期間中に視界共有を修得しました。
しかしバーサーカーの千里眼が強力すぎるため長時間継続して視界共有を行うと激しい頭痛に見舞われます。
また美遊が視界共有によって取得できる情報は視覚の一部のみです。バーサーカーには見えているものが美遊には見えないということが起こり得ます。
●セイバー(テレサ)の基本ステータス、ランサー(真田幸村)の基本ステータス、一部スキルを確認しました。
●月海原学園初等部の生徒という立場が与えられています。
●自宅は蝉菜マンション、両親は海外出張中という設定になっています。
また、定期的に生活費が振り込まれ、家政婦のNPCが来るようです。
●バーサーカー(小野寺ユウスケ)の能力についてあまり詳しくは把握できていません。

【バーサーカー(小野寺ユウスケ)@仮面ライダーディケイド】
[状態]
筋力(100)/A+、
耐久(50)/A、
敏捷(50)/A、
魔力(50)/A、
幸運(30)/C、
宝具(??)/EX、
ダメージ(微・回復中)、仮面ライダークウガ・アルティメットフォームに変身中
[思考・状況]
基本行動方針
美遊を守り、命令に従う
1:変身したまま周囲を警戒する
[備考]
●戦闘経験を積んだことで少しだけ超越感覚の制御能力が上がりました。
●超自然発火能力の一部を修得しましたが、まだ相手を直接燃やす段階には至っていないようです。
●各種ライジング系武装を作り出せることに気づいていない可能性があります。
もし気づいていない場合、何らかのきっかけがあれば生成できるようになると思われます。
●少なくとも魔力放出スキルによるダメージは無効化できません。


226 : 【2】戦いの狼煙は高く上げられた ◆p1hwNIp6AQ :2014/08/16(土) 16:31:58 DXXfnvgI0
投下終了です。
ユウスケの発火能力の描写についてはバトライドウォーⅡを参考にしました。

本編投下の足並みについてですが、それは本編時間内で一週間という話でしょうか?
もしそうであれば個人的に最大三日程度の間隔が良いかと思います。
原作の聖杯戦争を参照する限り一週間あれば相当事態が動いてしまい、置いてけぼりになるキャラが出ると思われますので。
通達に関しては氏の案で問題ないかと。


227 : 名無しさん :2014/08/16(土) 22:55:35 oVcMwF9EO
投下乙です
三者相討つ、いきなりそれぞれの思惑がぶつかりあう幕開けになりましたね
テレサの慎重かつ狡猾なスタンス、幸村のあまりに彼らしい心持ち
クウガの底知れなさも不穏で気になる
この因縁がどうなっていくのか楽しみに見守らせて頂きます


228 : ◆qB2O9LoFeA :2014/08/18(月) 00:08:58 Cn5N6mFo0
投下乙です。
三者、まずは小競り合って各人それぞれの聖杯戦争が口火を切った。
堂々と真名を明かした幸村は、なぜだろう、不利になった感より不幸にならなさそう感がする。


それと本編投下の足並みはとりあえず最大三日にします。

それと投下します。


229 : 【3】情報技能 ◆qB2O9LoFeA :2014/08/18(月) 00:14:49 Cn5N6mFo0



「こっちは終わった。キャスター?」
「問題ない。陣地作成は終わったよ。」

 暗号屋・天沢勇子とそのサーヴァント・キャスターのクラスで現界した兵部京介。本選に出場をはたした二人は新たにあてがわれた家の安全を確認した後拠点化を行っていた。
 陣地作成のスキルを持つキャスターはもとよりイサコも暗号屋としてトラップやセンサー類の暗号を得意とする。二人の能力の系統は全く別のためそれぞれの力を発揮するためには二重に用意をする必要はあったが、最低限の隠蔽ができるレベルまでするのにそう時間はかからなかった。

「じゃあ、そろそろ状況を確認する。」

 その家のリビング、テーブルとともにあるイスの一つに座るとイサコは手に持っていた荷物をキャスターに見せてきりだした。どれも予選の時から引き継いだ、キャスターにとって見覚えのあるものばかりだ。

「マスターの持ち物は全部あるようだね。」
「部屋にあった家具や服も同じものばかりだった。マスターの物は全て予選の時から引き継ぐのかもな。」

 そう言うとイサコは懐から白いチョークのようなものを取り出した。本来それは暗号を手書きするための仮想空間上にあるチョークのはずだったが、この聖杯戦争では本物のチョークと同じ質量を持っていた。そのチョークを手で弄びつつイサコは話を進めていく。

「キャスター、予選が終わる直前に渡しておいたチョークの欠片は?」
「それなら‥‥」

 その言葉に答えてキャスターは着ている学生服のポケットを裏返していく。そこには何一つ、それこそ塵一つ物が入っていなかった。

「ご覧のとうり、何一つないよ。どうやらサーヴァントの持ち物は没収されるみたいだ。チョークも僕のアイテムと見なされたようだね。」
「やっぱりそこまで上手くはいかなかったか‥‥」

 計画を見直す必要があるな、と心中で呟くと顎に手をやってイサコはしばし考えはじめる。


 もともとキャスターというクラスは劣った身体能力を様々な魔術で補って戦う、そうイサコは認識していた。ようするにゲームのマジシャンのごとく後衛から魔法を飛ばすのだと思ったのだ。
 このことはイサコにとっていささか都合が悪かった。まさしく仮想空間上で魔女のように振る舞える彼女に必要なのは自らの盾となる存在であり、前衛となる三騎士のほうが役割を分担できて効率がよい。いちおうキャスターは接近戦もできるというが、実力を発揮できるかは怪しい。

 よって三騎士のクラスのサーヴァントを持つ主従と同盟を組むというのが基本方針だったが、その時に見返りを要求された場合に備えてキャスターにはいくつか用意をさせていた。
 例えば高性能な(もっとも、イサコからすれば骨董品にも思えるモノだったが)パソコンやスマートフォン、あるいはもっと露骨に現金などを調達させていたが、そういったものはほとんど没収されていた。それどころかキャスターが予選時にそれらを調達するために作った偽の身分証明書も、イサコがキャスターに渡しておいたチョークも無くなっている。サーヴァントに関するものは社会的なものであろうとマスターの物であろうと無かったことにされるようだった。


230 : 【3】情報技能 ◆qB2O9LoFeA :2014/08/18(月) 00:19:34 Cn5N6mFo0


(サーヴァントの情報はほとんどフォーマットされているのか‥‥?いや、それなら予選の意味はないはず‥‥それに全く用意が無駄になったわけでもない。)

「私が持っていた現金と機器は没収されていない。これだけあれば動き出せる。」
「予選の時みたいに?」

 突如として後ろから聞こえた声にイサコは思わず振り向いた。見ればキャスターがにこやかにウインクをしている。キャスターの持つスキル、テレポーテーションだ。

「おい。」
「まあまあ、そんな怖い顔しないで。ようは━━」
 そういいつつキャスターの姿が変わっていく。銀髪は黒い髪に、学生服はフォーマルなスーツに、顔には眼鏡をつけてお堅いサラリーマンか公務員、といった容姿になった。
 キャスターの持つスキル、ヒュプノ。道具作成にも派生しているこのスキルで相手に及ぼす情報を操作しているのだ。
 そしてその手にはいつの間にかいくつもの名刺が束になっている。

「━━警察に自衛隊に海保に内閣府、おまけに東証一部、二部、マザーズ、ジャスダック、ヘラクレス各種上場企業、どこにでも入れるよ。なんならベンチャー企業でも立ち上げる?それとも政治家や宗教家にでもなろうか?」

 そういたずらっぽく言うとキャスターはイサコに名刺を広げて見せた。


 キャスターの大きな利点。それは他のサーヴァントにはない深い現代知識への理解とそれを利用できる能力だ。
 現界にあたってサーヴァントには一般的な知識が与えられる。また他にも現代に活躍したサーヴァントもいる。ある意味現代知識というのは最も価値のないアドバンテージとも言えるだろう。

 だが、それを差し置いてもキャスターの優位は崩れない。

 生前のキャスターはあるときは軍人として、あるときは世界的大企業の総帥として、またあるときは外交官として半世紀以上に渡って暗躍してきた。そしてそれらの地位は、実力で得たこともあればヒュプノによる幻惑のように超能力を用いて得たこともある。

 社会に溶け込み、時には組織犯罪のような手段をも用いて目的を達成する。
 これが世界を敵に回して戦い続けた、キャスターこと兵部京介の能力だった。


「予選の時は出版社だったけど今度は電力会社なんていかがかな?町中停電にするのもメーターの確認と言って家に忍び込むのも思いのままですよ、マイマスター。」
「ふん‥‥」

 しれっとぶっそうな事を口にするキャスターに、イサコは名刺を見ながら考えを進めていく。

 予選の時はキャスターを会社で働かせて情報収集をさせながら彼女も偵察などをしていたが、他の組に気づかれないことを最優先にしていたためか、なんの成果も得られていなかった。キャスターの給料で買ったものも殆ど没収されてしまったため、今のイサコ達は拠点以外の優位を持っていない。


231 : 【3】情報技能 ◆qB2O9LoFeA :2014/08/18(月) 00:26:48 Cn5N6mFo0


 顎に手をやって考えること約一分。「決めた」という呟きと共にイサコは顔をあげた。

「まずは秘密基地を作る。キャスター、この家の陣地作成が完全に終わるのはいつ?」
「‥‥バレてもいいならあと一時間もあればできるけど、バレないようにやっても二、三時間かな。僕の陣地作成がAランクなのはヒュプノとサイコキノの規模の大きさと早さが評価されたみたいなんでね。あまり手の込んだものは作れないよ。専用の機械までは道具作成でも作れないし、たぶんそっちはマスターのほうが得意なんじゃないかな?」
「朝までにはできるか‥‥それなら、いくつか基地を作っておく。地図。」
「どうぞ。」

 イサコが決めたひとまずの方針は、キャスターらしく陣地作成に努めることだった。自らのスタイルとキャスターの能力を考えると、いくつもの拠点を作って広く網を広げたほうがよい。幸いキャスターのテレポーテーションはマスターも問題なく運べるのは予選で確認済みだ。
 そう考えるとキャスターが空中に出してみせた地図を眺めながら拠点の候補地を検討する。東西に長い冬木市と自宅の位置を考えると、西の学校近くに一つと東の新都に二つは最低でも欲しいが、とりあえず新都に一つ作っておくのがよいだろうか。

 ふとある一点でイサコの視線が止まった。数秒そこを凝視したのち「よし」という声と共に顔を上げる。


「テレポートする用意はできてるか?」
「もちろんいつでも。それで、行き先は?」



 キャスターがそう言って手を差し出してくる。その手を掴んで「冬木ハイアットホテル」とイサコが言うと、次の瞬間には二人の姿は家から消えていた。


232 : 【3】情報技能 ◆qB2O9LoFeA :2014/08/18(月) 00:49:43 Cn5N6mFo0



【新都、冬木ハイアットホテル付近の空中/2014年8月1日(金)0249】


【天沢勇子@電脳コイル】
[状態]
健康。キャスターのサイコキノで飛行中。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
優勝してお兄ちゃんを生き返らせる。
1.冬木ハイアットホテルを調査して拠点に相応しいか確認する。
2.調査後家で陣地作成の続きを行う。
3.家の陣地作成が終わったあとはホテルや他の場所で陣地作成。
4.キャスターをどこかに潜入させるか‥‥
5.同盟相手を探す(三騎士、バーサーカー、ライダー、アサシンの順で妥協するかも)。
[備考]
●所持金一万円。
●キャスターの給料で購入したもののうちスマホは引き継げましたが、それ以外はキャスターが持っていたためか全て持ち込めませんでした。
●自宅は深山町にあり、そこにセンサーを張り巡らせました。家への出入りを察知できます。
●予選の時に新聞やテレビや掲示板を見てそれなりに調査したようですがなんの成果も得られなかったようです。

【キャスター(兵部京介)@The Unlimited 兵部京介】
[状態]
筋力(30)/C、
耐久(30)/C、
敏捷(50)/A++、
魔力(50)/A、
幸運(20)/D、
宝具(40)/B
イサコといるのでテレポーテーションに支障あり。
[思考・状況]
基本行動方針
マスターの安全第一。まずは安全な拠点作り。
1.冬木ハイアットホテルを調査して拠点に相応しいか確認する。
2.調査後家で陣地作成の続きを行う。
3.家の陣地作成が終わったあとはホテルや他の場所で陣地作成。
4.変装には自信があるんでね。どんなところでも入れない場所はないよ。
5.同盟相手を探す(バーサーカー、ライダー、アサシン、ランサー、アーチャー、セイバーの順で妥協するかも)。
[備考]
●自宅は深山町にあり、そこに陣地を作成しました。内部での行動は外部から察知できず、また一部の場所が迷路のようになったとか。
●予選では出版社でサラリーマンとして働いていたようです。少なくともその会社に他の組はいなかったようです。


233 : ◆qB2O9LoFeA :2014/08/18(月) 00:51:30 Cn5N6mFo0
以上で投下終了です。
間隔空けてすいません。


234 : ◆ui4kQCcLNk :2014/08/23(土) 16:02:16 TpODNYPA0
希里ありす&ライダー(少佐)、九重凛&アサシン(千手扉間)、クロノ・ハラオウン&ライダー(五代雄介)、三谷亘を予約します


235 : ◆qB2O9LoFeA :2014/08/25(月) 00:51:29 bFsLrfaM0
ではマイケル・スコフィールド&アーチャーを投下します。


236 : 魔女の釜 ◆qB2O9LoFeA :2014/08/25(月) 00:55:05 bFsLrfaM0



 既に終電もとうになくなり暑い真夏の夜でも涼しい風が吹く深夜。
 だが、そんなことはお構いなしに独特な熱気を持ったそこは今日も大勢の人間で賑わっている。

「お待たせしました生ビールでーす。」
「‥‥どうも。」

 新都、駅前の某居酒屋。マイケル・スコフィールドはそこで疲れた表情をしながら酒に口をつけた。
 本選に駒を進めたというのにその顔は暗い。いや、もはや土気色をしている。
 外人ということもあって周りからは気づかれにくいが、明らかにマイケルは衰弱していた。

(マスター。)
「‥‥わかってる。」
 そんな彼に声をかけるのは、彼のサーヴァント、アーチャー。
 彼が願いを叶えるための切り札であり、彼の体調不良の原因であった。



 彼が予選でサーヴァントを呼び出してから約三週間。ある一つの問題が起こっていた。
 魔術回路を元々持っていなかったために魔力の供給に支障が生じていたのだ。
 極力霊体化させてはいたものの知らず知らず体力を消耗していたのか、日に日に体に疲れが残るようになり、カモフラージュのための仕事を徹夜でしたあとから一気に体調が悪化していた。

 そして本選に進んだことによる精神的なものか、今は疲労を表に出すまで追い込まれている。


 とてもではないが、戦闘など不可能だった。



(マスター。)
「‥‥わかってるんだ。」
 そう言うとマイケルはビールをあおって席を立つ。伝票を手に向かうのはレジだ。会計を手早く済ませるとすぐに店を出て予め極めていたポイントに移動する。

 ぐわん、とマイケルの体が揺れた。体からなけなしの魔力が吸われていく感覚。アーチャーが霊体化を解いたのだ。

『では。』

 アーチャーがその手に持つのは、手榴弾。それを手の上で転がしながら、先程いた居酒屋の出口に狙いを定める。

 待つこと約10分。店から大学生らしき一団が出てきた。なかには明らかに泥酔している者もいて介助するために自然と密集する。手榴弾一発投げ込めば十人単位で死ぬだろう。

 マイケルが衰弱を解消するために選んだ結論。それは魂喰いだった。
 このままではアーチャーを戦わせることができない以上、魔力を供給するしかない。だが、マイケルからはこれ以上の魔力を送ることはできない。ならば、外から調達するしかない。

 急をようしたためにこの時間でも人が多い居酒屋を狙ったが、彼の目論みは当たったようだ。店には幸運にも団体の客がいて、全員魂喰いすれば一先ずは当座をしのげるだろう。


 アーチャーが目で問いかける。サーヴァントが魔力で作った武器ならば証拠は残らない。爆発テロに見せかけた魂喰いは確実に成功するはずだ。
 ピンを外し、振りかぶる。数秒後にはNPC達は魔力へと姿を変えることになる。そしてその手から手榴弾が放たれ━━
「待て!」
 ━━ることはなく、ピンを入れられ。



『‥‥』
 サングラス越しに不満げな視線を飛ばすアーチャーにマイケルは答えずに頭を振って歩き出す。
 彼にはできなかった。たとえNPCだとしても虐殺することは。

 すまない、兄さん。と心で詫びるとマイケルはコンビニで栄養ドリンクを勝ってすぐに新都のマンションに帰宅した。


237 : 魔女の釜 ◆qB2O9LoFeA :2014/08/25(月) 01:04:56 bFsLrfaM0



【新都、某マンション/2014年8月1日(金)0338】


【マイケル・スコフィールド@PRISON BREAKシリーズ】
[状態]
魔力消費(大)、精神的な疲労(中)、衰弱(小)、覚悟未完了。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
優勝を目指しているが‥‥?
1.栄養ドリンクを飲んで寝る。
2.怪しまれないためにも会社は行く。ただし、なんとかして有給をとる。
3.予選と同じくキャスターとの同盟を狙う。
[備考]
●大手企業のサラリーマンが動かせるレベルの所持金。
●自宅は新都の某マンションです。
●予選の時に学校で盗撮をしましたが、夏休みということもありなんの成果も得られなかったようです。
●居酒屋でスタミナ料理を食べたのでよく寝れば多少は体調は改善します。



 栄養ドリンクを飲むとすぐにベッドによこになったマスターを見て、アーチャーは考える。自身のマスターはこれまでの雇い主(金づる)に比べて頭はキレるが明らかに人を殺す覚悟が足りていない。優勝への執念は充分だが、これでは空回りするだけだろう。
 本当はマスターの乗り替えをしたいところだが、今のアーチャーの単独行動スキルと魔力ではとてもではないが出歩くことなどできない。

『‥‥』

 アーチャーは無言でマイケルを見る。
 マイケルが覚悟を決めるのが先か、それともアーチャーが魔力をとれるだけとって新しいマスターを探しに行くのが先か。

 それはまだだれにもわからない。

【アーチャー(ワイルド・ドッグ)@TIME CRISISシリーズ】
[状態]
筋力(15)/C、
耐久(15)/C+、
敏捷(10)/D、
魔力(5)/E、
幸運(10)/D+、
宝具(10)/E
魔力の不足により全パラメータ半減。宝具使用不可。
[思考・状況]
基本行動方針
優勝するためには手段を選ばず。一応マスターの考えは尊重しなくもない。
1.霊体化しつつ警戒。
2.マスター(マイケル)に不信感とイラつき。
[備考]
●そろそろ乗り換えるマスターを探し始めます。


238 : ◆qB2O9LoFeA :2014/08/25(月) 01:05:22 bFsLrfaM0
投下終了です。


239 : 名無しさん :2014/08/25(月) 05:54:38 QZUWhxN.O
投下乙です
イサコ・兵部は足場固めか。それに対してマイケル組は、初っぱなから不穏な分解を匂わせてのスタート。どうなってゆくのか……。


240 : ◆p1hwNIp6AQ :2014/08/25(月) 21:08:56 VKRRw9fQ0
投下乙です!
いきなり不穏な空気漂うマイケル陣営
良心のある一般人がサーヴァントを養う大変さが伝わってきます
思うとfate原作の士郎は結構恵まれてる方だったのかもしれませんね


241 : 名無しさん :2014/08/25(月) 22:35:45 90SmkN160
兵部の頼れる感いいな
マイケルは地味に深刻な問題にぶつかってんなあ


242 : ◆ui4kQCcLNk :2014/08/29(金) 13:07:16 onPqAdYg0
完成したので投下します


243 : 【5】交錯 ◆ui4kQCcLNk :2014/08/29(金) 13:08:25 onPqAdYg0
深山町 住宅街 0:20 a.m.

子を持つ親とは、一体如何なる存在だろうか。
一般的には子を愛し、慈しみ、守り育てるものと定義されている。
無論、反対に子を憎み、蔑み、痛めつけ果てには殺す親という者も少なからず存在する。
人類史の観測装置たるムーンセル内部に展開された模造の冬木市にはその両方がNPCとして再現された。
そして、三谷亘に宛がわれた両親は幸いというべきか不幸というべきか、前者の慈愛ある親だった。



「亘、亘!頑張れ、すぐこの人たちが病院に運んでくれるからな!」
「うちの子は大丈夫ですよね!?亘は助かるんですよね!?」

父親は担架で運ばれていく息子を必死に激励し、母親は縋るような気持ちで救急隊員に詰め寄っている。
しかし残念ながら原因不明の衰弱に見舞われている亘の症状を正確に診察できるNPCなどこの世界には存在しない。
今もどこかで暴れている彼のサーヴァントに魔力、つまりは生命力を吸われ続けていることが原因などとは思いもよらない。
かくて快癒の見込みなど無いまま、三谷一家を乗せた救急車は新都の病院へと走り始める。






深山町 マウント深山商店街 喫茶「翠屋」 0:24 a.m.

「救急車のサイレン……?」
「妙ですね、本選が始まってからまだ三十分も経っていない」

自分たちに宛がわれた拠点である喫茶店からも聞こえる日常に似つかわしくない音に五代雄介とクロノ・ハラオウンは明敏に反応した。
彼らは今までの予選会場との差異を確認するためまずは店内を探索している最中だった。


「本選が始まった途端に、それもこの深夜に救急車。マスター絡みかもしれません」
「俺が緑のクウガで様子を見ようか?」
「いえ、緑の力は消耗が大きいですから、まず僕がエリアサーチで様子を見ます。
幸いと言えるかはわかりませんが場所もそう遠くはないようですし」

そう言うやクロノは魔力で構成された情報端末を二基生み出し市街へと飛ばしていく。
一基はサイレンの音が聞こえた方角へ、もう一基は街全体を見渡すため上空に移動させていった。
この程度の魔法行使ならデバイスを起動する必要もない。


(一応救急車を見張っておくか…)







深山町 冬木大橋 0:35 a.m.

「サイレン……ねぇ」

冬木の交通の要地である冬木大橋。


244 : 【5】交錯 ◆ui4kQCcLNk :2014/08/29(金) 13:09:27 onPqAdYg0
リップバーンはそのアーチの上から眼下の街を視界に収めていた。
彼女はサーヴァントであって正規のサーヴァントではない。
ライダーのクラスにて召喚された少佐の宝具『戦鬼の徒』によって現界を果たした特殊サーヴァント。
敬愛する上官たる彼から与えられた命令に従ってリップバーンはこの場に待機している。


『この街を一望できる場所に陣取り威力偵察を行え。
もし無防備なマスターがいればこれまで通り令呪狩りを行え。くれぐれも丁重にもてなすように、な』


少佐は会場が変わったこの時こそ一気に動くべきと見定め行動を開始していた。
逸早く地の利を得るという軍事上の重要事項を少佐が見落とすはずはなかった。
そのためアーチャーの適性を持つリップバーンが地形と参加者の把握のため駆り出されたのだった。

「おっ、魔力反応あり。やっぱりマスター絡みだったわね」

怪物(フリークス)たる彼女の眼は橋に近づく救急車をはっきりと視認していた。
救急車からは新都から大橋を通過する時にはなかったマスターの魔力反応を感じられた。
垂れ流しの魔力に開始早々救急車に乗せられているという事実からどういう状況に置かれているかは馬鹿でもわかる。

「適性もなく、サーヴァントの制御もできない無能マスターってわけ?
大方何かの間違いで予選を通過しちゃったんでしょーね、可哀想に」

サーヴァントの接近に注意を払いつつ得物のマスケット銃で狙いを定める。
目的を果たすためにギリギリまで引きつけてから撃つ必要がある。


「有象無象の区別なく、私の弾頭は許しはしないわ。……と言いたいところだけど」

儘ならないことに、聖杯戦争では無用の大量殺戮は禁止されており罰則まで設けられている。
人間ですらないNPCなどいくら殺しても何の問題もないだろうに、と心中で毒を吐かずにはいられない。
とはいえルールを破ることで少佐に害が及ぶようならばリップバーンとしてもルールに従う他ないのが現実だ。


ちょうど橋の手前に差し掛かった瞬間、マスケット銃の引き鉄を引いた。
放たれた弾丸は風の影響などないかのように直進し、過たず救急車の右前輪を撃ち抜いた。
衝撃とタイヤの破壊でバランスを崩した救急車はガードレールに衝突し動かなくなった。
パニックに陥った隊員と三谷一家が怒号や悲鳴と共に外に出てきた。
その様子を確認してリップバーンはアーチから飛び降り、笑顔で彼らの前に立った。



「こんばんはー。月の綺麗な良い夜ですねえ。
今日はですね、汗水垂らして働く皆さんの苦労の原因を取り除きに参りました」


銃を持ちながら突然現れた女を前に誰もが動揺を露わにしている。


245 : 【5】交錯 ◆ui4kQCcLNk :2014/08/29(金) 13:10:13 onPqAdYg0
使命感の強い隊員の一人が「誰なんだあんた一体!?」と言いながら一家を庇うように前に出た。
しかし彼の勇気ある行動も虚しく、至近距離から放たれた銃弾によって頭部を吹き飛ばされてしまった。



(僕、ここで死んじゃうのかな)


三谷亘は意識が薄れる中、スーツ姿の長髪の女が死神のように見えていた。
事実として彼女は亘の令呪を奪うために現れたサーヴァントである。
両親が亘を抱きしめ庇っているがきっと無駄だろうと理解していた。
自分のサーヴァントはこんな時になっても現れない。
今の亘には令呪に訴える気力すら残ってはいない。


人間では決して化け物に敵いやしない。
いや、世界中を探せば化け物に対抗できる人間はいるかもしれないがここにいないなら意味のない過程だ。
怪物は人間を捕食する。これは世界が定めた絶対のルールだ。


「っ!?」


であれば、それに対抗できる存在が不可欠だ。
突如、三谷一家の後方から疾走してきたバイクが普通では考えられない速度でリップバーンへと突っ込んでいく。
無論バイクの突撃で跳ね飛ばされるほど彼女は間抜けではなく瞬時に飛び退いてバイクを躱す。


「早く逃げてください!」

バイクから降りた一人の青年が亘たちを守るようにリップバーンの前に立ちふさがった。
一見すればどこにでもいそうな普通の日本人といった出で立ちだ。
しかしリップバーンは相手がただの人間ではないということを瞬時に悟った。

「サーヴァン、ト…?でもそれにしては……」

自分の邪魔をした男からは確かにサーヴァントの気配を感じはする。
が、酷く弱い。ここまで接近されるまで気づかないのも仕方ないと思ってしまうほどに。
自分の弱さも弁えず首を突っ込んできただけの馬鹿なのだろうか?


「変身!!」


違った。男の腹部に出現したベルトから強い魔力を感じる。
警戒し、即座に銃弾をリロードしたが、弾丸を撃つよりも早く男が向かってきた。
男が振るった右腕が次の瞬間赤い異形のそれに変わり、左腕、足、胴体と次々に変化していく。
最後に頭部が赤い複眼のクワガタムシに似た形状になり、文字通り完全に「変身」した。



かつて日本にはリントと呼ばれる争いを好まない種族がいた。
闘争を好む種族であるグロンギの殺戮に晒された彼らは持てる技術を結集し霊石アマダムを埋め込んだ変身ベルト・アークルを作り出した。
そのアークルを身に着けた者こそクウガと呼ばれる、人間を守るためにグロンギと同種の力を得た超古代の戦士である。
そして今、現代のクウガたる五代雄介が変身した姿こそクウガの基本にして完成形態である赤のクウガ。
この赤のクウガを示す碑文にはこう記されている。

『邪悪なる者あらば 希望の霊石を身に付け 炎の如く邪悪を倒す戦士あり』




戦況はクウガが優勢だった。
円熟した、無駄のない動きで拳や蹴りを繰り出す赤のクウガを前にリップバーンは守勢に徹さざるを得なかった。


246 : 【5】交錯 ◆ui4kQCcLNk :2014/08/29(金) 13:10:48 onPqAdYg0
純粋な身体能力だけならリップバーンはクウガに優越している。
しかし射手と戦士では得意とする領分が違う。
加えて取り回しの悪いマスケット銃を持ったままでは存分には戦えない。
何よりクウガは緑を除き全てのフォームが接近戦に最適化されている。


「くっ!」


クウガの回し蹴りを上体を逸らして回避し、そのまま宙返りで飛び退いた。
そしてクウガが次の行動に移るよりも早く狙いを定めた。
壊す者と護る者、二つの視線が互いを見据える。


クウガ、五代雄介はリップバーンの眼を見て改めて確信した。
底冷えするような暗い瞳はかつて何度も相対した未確認生命体、グロンギと酷似している。
例え人間と変わらない容姿をしていても、心は怪物のそれだ。
これ以上の犠牲を出さないようにするためにはここで葬るしかない。


リップバーンはこの状況の何もかもに苛立ちを覚えていた。
生前の通りに動かせない身体、ほとんど機能しなくなった本来の能力。
そして何よりも怪物のくせに人間を守ろうとする目の前の異形の戦士。
化け物を殺すために人間に味方するのなら、百歩譲って納得はできずとも多少は理解はできた。
だが同じ怪物でありながら明らかに人間を守ることに重きを置く姿勢は頭がおかしいとしか考えられない。


人々の笑顔を守ることを願い戦う戦士、五代雄介。
戦争という手段のために目的を選ばない少佐に心酔する怪物、リップバーン・ウィンクル。
例え聖杯戦争という状況になかったとしても、彼らが互いを理解し合う時は決して訪れはしない。



「有象無象の区別なく、私の弾頭は許しはしないわ」

トリガーを引き、弾丸がクウガへと発射された。
巨大な制約を受けて尚その威力は赤のクウガの生体甲冑を破壊できるほどの力を保っている。


赤のクウガであれば、だが。


「超変身!!」


掛け声とともにクウガの姿が変化し紫を基調とした重厚な甲冑を纏った姿になった。
リップバーンの弾丸は強固な鎧に歯が立たずあっけなく弾かれてしまった。
さらにクウガは移動に使用するバイクのアクセラー部分のみを呼び出しタイタンソードへと変化させ進撃する。


「っ!?」


だが不意に、嫌な予感としか形容できない悪寒に襲われ立ち止まる。
振り返れば弾いたはずの銃弾が大きな放物線を描きながらカーブし再びクウガへと襲い掛かっていた。


247 : 【5】交錯 ◆ui4kQCcLNk :2014/08/29(金) 13:11:38 onPqAdYg0
咄嗟に避けようとするが鈍重な紫のクウガでは満足な回避運動はできず二の腕を抉られた。


「ぅ、ぐっ…」

苦しむクウガを見てもリップバーンの気は晴れはしない。
魔弾の射手の本来の力はこんなものではない。
事実生前の力さえ出せればリップバーンは通常フォームのクウガなど容易く撃滅できる。
いや、黒の金のクウガが相手であっても十分な勝ち目を得られるに違いない。


一方クウガはこの状況に焦りを感じていた。
装甲に隙間がある紫のクウガでは敵のホーミング弾に対抗しきれない。
かといって青や赤ではどこに被弾しても弾丸を十分に防ぎきれない。
緑のクウガのペガサスボウガンなら撃ち落とすこともできるかもしれないが銃が手元になければ意味がない。
どうすればいい、と自問した時、リップバーンの弾丸が三度クウガを襲うより早く何かに衝突して弾かれた。


「なっ!?」
「生憎だが、誘導弾はお前の専売特許というわけじゃない」
「クロノ君!」


この状況下、動いたのはクウガのマスターであるクロノだった。
スティンガースナイプの誘導魔力弾によってリップバーンの銃弾の軌道を逸らしたのだった。
本来ならマスターに弾かれるような醜態は有り得ないがここでも制約が響く格好となった。
威力や精度、弾速の落ちた弾丸ならクロノの技量を以ってすれば十分に捕捉可能な範疇だった。
不意打ちによって弾丸の制御に精彩を欠いた隙をニアSランクの魔導師たるクロノは逃さない。

「ブレイズカノン!」


炎熱を纏った大威力の砲撃魔法がリップバーンの弾丸を跡形もなく消し去った。
これでもうクウガの進撃を阻むものは存在しない。


「超変身!!」


身軽さに優れる青のクウガへとフォームチェンジし、抜群の瞬発力でリップバーンへと迫る。
アクセラーを今度はドラゴンロッドに変換し、動揺から立ち直れていないリップバーンの銃を弾き落とした。
その勢いで突きを見舞い、咄嗟にガードしたリップバーンの左腕に封印エネルギーを叩きこむ。


「ぐうぅっ!?何、これ……!」



本来はグロンギを封印するための特殊エネルギーであるため通常のサーヴァントに特別な効果は与えられない。
しかし怪物の属性を帯びる者にはグロンギに対してほど効果的ではないが紛れもない毒となり得る。
人造吸血鬼であるリップバーンもまた例外とはなり得ず、左腕を中心に焼けつくような痛みが広がっていく。
それとてしばらく時間を置けば自然に消える程度のものでしかないが――――――



「おりゃああああ!!」


態勢の崩れたリップバーンにクウガが容赦なく追撃を見舞う。
ドラゴンロッドを消し跳躍すると空中で赤のクウガに変身し渾身のライダーキックを直撃させ吹き飛ばした。
立て続けに封印エネルギーを込めた技を受けたリップバーンに最早反撃する余力は残っていない。


「…超変身!」


248 : 【5】交錯 ◆ui4kQCcLNk :2014/08/29(金) 13:12:39 onPqAdYg0

再びクウガが紫にフォームチェンジ、タイタンソードを片手にまっすぐ突っ込んだ。
大上段に剣を振りかぶりとどめを刺そうとする。だが。


「…う、あ、あぐぅ……」
「…………!」


紫の複眼に映ったのは迫りくる死に怯える人間の女性の姿。
躊躇いの気持ちがほんの一瞬だけ、クウガの全身を停止させる。
好機と見たか、リップバーンは脇目も振らず一目散にクウガから逃走する。
全身を苛む苦痛など無いかのように生へと向けて全力で疾走した。
人外の速さで走る彼女は青のクウガであっても容易く追いつけはしない。
青のクウガなら。



「ああっ!?」



振り向いた先にいたのは至近距離にまで迫った青い戦士。
金の力で強化された青の金のクウガが今度こそ覚悟を決め一瞬にして距離を詰めたのだった。
スタートダッシュによる距離のアドバンテージなどは気休めにもならなかった。
絶望に染まったリップバーンの表情を、クウガは目に焼き付けていた。
ライジングドラゴンロッドの矛先が正確にリップバーンの心臓を貫き封印エネルギーを注入した。


「おおおぉあああああああっ!!!」


クウガが腹の底から絞り出すような絶叫を上げながら回転し、槍を引き抜き遠心力でリップバーンを遥か遠くへ投げ飛ばした。
槍を引き抜いた際に噴き出した返り血が青い複眼を赤く染めた。





結果から言えば快勝だったと言えるのだろう。
大した手傷を負うことなく、甚大な被害を出す前に凶行に及んだサーヴァントを撃破した。
明らかに殺戮を楽しんでいたサーヴァント相手にはそうするしかなかった。
だがリップバーンが消滅した場所を拳を握りしめて見据える五代の後ろ姿を見れば喜ぶ気になどなれなかった。


当然だが、クロノと五代がこの場に駆けつけたのは偶然ではない。
サーチャーによって救急車が襲われた場面を目撃し、五代を出撃させたのだった。
もちろん、無視して傍観を決め込むという選択肢もあった。
悩んだ末にクロノは管理局員としての職責を選んだ。


(しかし、あのサーヴァントは)
「クロノ君、さっきの子、やっぱりマスターだった?」


249 : 【5】交錯 ◆ui4kQCcLNk :2014/08/29(金) 13:13:51 onPqAdYg0


ふと、気づくといつの間にか五代が戻ってきていた。
さっきの子、とは救急車に乗せられていた三谷亘のことである。


「はい、令呪が見えたので間違いありません。
付近に警察や野次馬も来ていたので接触はできませんでしたが間違いなく病院にいるでしょう。
あなたがサーヴァントを遠ざけて戦ってくれたからこそ速やかに警察が彼を搬送できた」


クウガとリップバーンが戦っている間、警察車両が駆けつけ緊急的に亘をパトカーに乗せて病院へと運んでいた。
もし大橋を戦場にしていれば警察は近づくことすら難しかったに違いない。


「とにかく今は足場を固めながら、折を見て彼と接触しましょう。
あの衰弱具合やその他の状況から考えて彼のサーヴァントは少なくともまともに制御されてはいない。
逆に言えば僕らが彼の身柄を抑えて話を聞き出すこともそう難しくはないということです」
「うん、説得できたら良いよね」



五代の口数が少ないのは、やはり倒したサーヴァントを気にしてのことなのだろう。
サーヴァントが消滅すれば、生者であるマスターもムーンセルに消去される。
五代がその事を気に病まないはずはないとクロノは確信していた。

「あの女のサーヴァント、あなたから見ておかしいところはありませんでしたか?
どうもいくつか引っかかることがあるんです」
「え?……そういえば、全然宝具を使ったりする様子がなかった気がする。
それによく考えたら自分のサーヴァントが負けてたら令呪で呼び戻したりするよね?」
「ええ、サーヴァントが敗れればマスターも死ぬのだからそれが当然です。
しかし宝具も令呪も使わないというのは明らかに異常な事だ。
いえ、そもそもあのサーヴァントには不可解な事が多すぎる」



まずステータスは見えるのにクラスもスキルも何一つ見えないこと。
何らかの方法で隠蔽しているのかそれとも最初から全く無いのか、それもわからない。
次に敵マスターを即殺害せずに確保しようとしていたことと、そのために非常に目立つ行動を取ったこと。
何かの狙いがあるとしてもリスクとリターンが釣り合っていないように思える。
かといって何の考えもなくサーヴァントを動かしただけ、というのも何か違う。
クロノが話したこれらの考察を、五代もまた真剣に聞き入っていた。



「あの女サーヴァントとその背後には何か秘密があるように思えてならないんです。
恐らくそれを見つけるための決定的なピースを僕らは見落としている。
しかしそれが何なのかどうしてもわからない」
「あんまり根詰めて考えたってしょうがないよ。
とにかく一旦戻ってゆっくり休んで、それからまた一緒に考えよう?」
「……そうですね」



彼らはまだ気づかない。
サーヴァントは一人のマスターに一騎のみという思考に囚われている限りこの謎は決して解けることはない。
サーヴァントが宝具の効果によって別のサーヴァントを召喚する。


250 : 【5】交錯 ◆ui4kQCcLNk :2014/08/29(金) 13:14:37 onPqAdYg0
第四次聖杯戦争を経験した騎士王でもない限り、この掟破りのロジックに気づくのは非常に困難だ。
クロノ・ハラオウンと五代雄介の行く末には早くも暗雲が立ち込めようとしていた。



【深山町・冬木大橋前/2014年8月1日(金)0110】
【クロノ・ハラオウン@魔法少女リリカルなのはA's】
[状態]
魔力消費(小)
[装備]
S2U(待機)、デュランダル(待機)
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争、ムーンセルについて調査する
0 あの女サーヴァント(リップバーン)は一体……?
1 折を見てマスターと確認できた少年(亘)と接触する
2 足場を固めつつ、情報を集める
[備考]
●深山町マウント深山商店街にある喫茶店「翠屋」が拠点として設定されています。
詳しい身分については後の書き手さんにお任せします。
●リップバーンの死や行動について強い疑念を感じています。



【ライダー(五代雄介)@仮面ライダークウガ】
[状態]
筋力(10)/E、
耐久(20)/D、
敏捷(10)/E、
魔力(10)/E、
幸運(40)/B、
宝具(??)/??
魔力消費(小)、精神的消耗(小)
[思考・状況]
基本行動方針
クロノ君を助けながら聖杯戦争を止める
0 乗っているサーヴァントとは殺し合うしかないのか……
1 あの子(亘)は無事なのか……?
2 できたら協力してくれる人が欲しい
[備考]
●バーサーカー(小野寺ユウスケ)の存在にはまだ気づいていません。
ペガサスフォームに変身すれば存在を感知できるかもしれません。
●封印エネルギーを込めた攻撃は「怪物」の属性を持つ者に追加ダメージを負わせることができるようです。
ただし封印エネルギーによるダメージは十分程度時間が経つと自然に回復してしまいます。






新都駅前 カラオケボックス内 01:15 a.m.

「ふむ、やはり力の落ちた中尉では正規のサーヴァントには対抗できないか。
しかし収穫はあった。安心したまえ中尉、君は決して無駄死になどしていない」


少佐はリップバーンとクウガの戦闘の一部始終を彼女の視界を借りて余さず把握していた。
横には歌い疲れて眠ったマスターのありすがいる。
今、少佐の脳裏にはクウガの各フォームのステータスが浮かんでいる。



少佐は一般人並に貧弱なサーヴァントでありマスターのありすも一般人の幼女でしかない。
いかに『戦鬼の徒』によるサーヴァント召喚ができると言ってもこれでは敵サーヴァントの情報を集めるのは不可能に近い。
ムーンセルがそうした事情を汲んだのか、少佐の指揮官としての特性故か、はたまたただのバグか。
今の少佐にはマスターに与えられたそれと同等のサーヴァントのステータス透視能力が与えられていた。
さらに『戦鬼の徒』で召喚した部下を介して視界共有を行うこともできるようになった。
しかし念話だけはできないためスマホを介した指示を行うことでそれをカバーしている。


「怪物でありながら率先して人間を守るサーヴァント…。
それにベルトを用いた変化、恐らくあれは仮面ライダー。
さしずめ我々ミレニアムはヒーローに倒される悪と言ったところかな?」


数えきれないほど多くの英霊の中でも「仮面ライダー」という存在と概念は有名だ。
彼らには総じてベルトや道具を使った変身、バイクを用いるといった共通点が存在する。
だからこそリップバーンを撃破したサーヴァントが仮面ライダーだと確信できた。
セイバーともランサーともライダーともつかぬ戦い方だが、ならば最初からそういう相手と弁えて対処するべきだろう。
興味はあるが、今は他にもクリアするべき課題を抱えている。


251 : 【5】交錯 ◆ui4kQCcLNk :2014/08/29(金) 13:15:24 onPqAdYg0


(せっかくのこの聖杯戦争を楽しむにあたって問題は正面戦力の不足と、何よりもルーラーだ。
秩序を司る裁定者が存在する限り私の大隊は事実上使えないも同然。
どんな手を使ってでも、ルーラーは排除しなければならない)


右腕に宿った九画の令呪を見やり、作戦達成に向けて使い道を考える。
これらは予選期間中に他のマスターから奪った令呪をドクの手術によって移したものである。
敵マスターから奪ったものは単なる戦闘行為の結果得たものと判定されるため本選が始まっても没収されなかったのだ。
当然少佐に使われる本来の令呪はありすに三画とも宿ったままだ。

(確証がないので避けていたが、令呪を用いた『戦鬼の徒』の召喚を試みるべきか…。
私の仮説が正しければ彼らの宝具やスキルを再現できないのは私自身の能力限界に起因する。
令呪を使い、瞬間的に私のマスター適性を拡大すれば宝具を始めとした力を全て再現できる可能性は十分ある)


考案している策の一つは『戦鬼の徒』を令呪一画を使った上で行使することで配下をより生前に近い状態で召喚する事。
失敗のリスクがあるとしても、一騎当千の彼らを再現できるなら十二分に試す価値がある。
しかし宝具の使用だけに令呪を使うわけにもいかない事情がある。


少佐は予選中にサイトが起こした大規模な魂喰いの事件をリップバーンを通してある程度知っていた。
彼女の報告によればルーラーが事態の鎮圧のために二画令呪を使ったらしい。
となれば、本選にいるルーラーも当然裁定者の特権として参加サーヴァントへの令呪を持っている事は間違いない。
少佐が『最後の大隊』を発動し、街に著しい混乱を起こせば絶対に令呪で制止をかける。
それに抵抗するためにはありすと少佐が持つ令呪を残しておく必要がある。


(加えてルーラーが持つ特権がまさか令呪だけという事はまずない。
それ以外にも複数の特権があると考えておくべきだ。
奴を排除するにはアーチャーやアサシンと同盟を組むのが近道かもしれない。
そして、それよりも何よりも――――――――――――
セイバーを俺の嫁にすることだ!!
私とセイバーが同じ聖杯戦争に参加するなどという機会はもう二度とない。
この夢のような、千載一遇の好機を逃してなるものか!!)



拳を握り、かなり邪な野望に燃える。
幸いにもセイバーが誰に召喚されたかは既にわかっている。
遠坂凛、少佐が把握する中でも有力なマスターの一人だが付け入る隙は必ずある。



「ルーラーは消す、セイバーは俺の嫁にする。
両方やらなければならないのが辛いところだ。
覚悟はできているか?私はできている」


252 : 【5】交錯 ◆ui4kQCcLNk :2014/08/29(金) 13:16:15 onPqAdYg0



【新都・駅前カラオケボックス/2014年8月1日(金)0120】
【希里ありす@学園黙示録HIGH SCHOOL OF THE DEAD】
[状態]
健康、睡眠中
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
少佐の弱さに絶望、もうただただ帰りたい
0 睡眠中。
[備考]
●両親役のNPCや住所などが設定されていない可能性があります。
所持金に関しては予選期間中に他のマスターから奪った現金が多少あるようです。



【ライダー(少佐)@ヘルシング(裏表紙)】
[状態]
筋力(5)/E−、
耐久(5)/ E−、
敏捷(5)/E−、
魔力(5)/E−、
幸運(5)/E−、
宝具(5)/E−、
健康
[残存令呪]
9画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争を楽しみ、セイバー(アルトリア)を嫁にする
1 目的達成のためにルーラーを排除する策を練る
2 令呪を使った『戦鬼の徒』の召喚を試みる
3 仮面ライダーか…面白い
[備考]
●マスターと同等のステータス透視能力を持っています。
また、『戦鬼の徒』で呼び出したサーヴァントと視界共有を行えますが念話はできないようです。
●ライダー(五代雄介)の非変身時、マイティ、ドラゴン、タイタン、ライジングドラゴン時のステータスと一部スキルを確認しました。
また仮面ライダーであることを看破しています。
●ルーラーの特権の一つがサーヴァントへの令呪であることを確認しています。
他にも何らかの特権を複数持っていると考えています。
●セイバー(アルトリア)のマスターが遠坂凛であることを把握しています。
●令呪を使って『戦鬼の徒』を使用することで戦鬼の徒の宝具、スキル等を再現できるのではないかと考えています。
ただしこの考えは外れている可能性もあります。
●予選期間中に他のマスターから令呪を多数強奪しました。
●出典が裏表紙なので思考、テンションが若干おかしなことになっています。






新都 冬木市立病院 01:25 a.m.

千手扉間は予選が始まって以来日課にしている病院内の見回りを終えマスターのいる個室に戻ってきた。
病院は人が集まる分敵マスターが何らかの工作を行う事も考えられるからだ。


「景色変わってる。本選、始まったんだ」
「そうだ、怖くなったか?」
「馬鹿にしないで」
「なら良い、今は寝ておけ。お前が体調を崩せば俺への供給も細る」


言うだけ言って霊体化し、病院の屋上へ向かった。
会場が変わった今こそ厳重な哨戒が必要だ。




屋上から冬木の夜景を眺めながら扉間は思索に耽る。
予選期間中に行った魂喰いのおかげで一時的に魔力は充溢している。


253 : 【5】交錯 ◆ui4kQCcLNk :2014/08/29(金) 13:16:57 onPqAdYg0
その罪も他の魂喰いを行っているサーヴァントに化けた影分身を使うことで敵マスターに擦り付けることに成功している。
さすがに魔力供給が万全なチームに化けて魂喰いをやったところですぐに真相がばれるだろうと見越しての事だ。
ルーラーとて事実確認ぐらいは行わないはずはないのだから擦り付ける相手は慎重に選ぶ必要があった。
火のないところに煙は立たぬ、というわけだ。



しかし本選ともなれば精鋭が集まる本格的な戦いになるだろう。
今まで以上に魔力源の確保には注意を払わなければならない。
それに病院を隠れ家にする策の穴を突く者が現れる可能性もある。
今のうちに何か大きな手を打っておきたいところではあるが――――――


「……む?」


何故か病院前にパトカーが停車した。
先ほど出て行った救急車はどうしたというのだろうか。
訝しみながら様子を見守っているとパトカーから少年が担架で運ばれていくのが見えた。


「ほう?これは使えるかもしれんな」


少年からはマスター特有の気配を感じる。
気配感知のスキルを持つ扉間の目を誤魔化すことはできない。
しかしサーヴァントを感知できないことが気掛かりではある。
扉間は屋上を去ると、静かに病院のロビーへと降りて行った。



【新都・病院/2014年8月1日(金)0130】
【九重凛@こどものじかん】
[状態]
手足に火傷(ほぼ完治)
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争で優勝を目指す。
0 寝て休む。
1 入院して他のマスターから見つからないようにしておく。
2 アサシンへ(千手扉間)の魔力供給がつらい。
[備考]
●予選で入院期間が長かったためか引き続き入院しています。
入院期間を延ばすには扉間が医師に幻術をかける必要があります。


【アサシン(千手扉間)@NARUTO】
[状態]
筋力(30)/C、
耐久(30)/C、
敏捷(100)/A+、
魔力(40)/B、
幸運(10)/E、
宝具(??)/EX
健康、魔力充実、避雷針の術の発動条件を満たしているため敏捷が+分アップ
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯を用いて木の葉に恒久的な発展と平和を。
0 マスターの少年(亘)に対して………?
1 マスター(凛)が他の組に見つからないように警戒
2 魂喰いの罪を擦り付ける相手は慎重に選定する
3 穢土転生の準備を進める。
4 他の組の情報収集に務める
5 聖杯を入手できなかった場合のことを考え、聖杯を託すに足る者を探す。
6 マスター(凛)の願いにうちはの影を感じて……?
[備考]
●予選期間中に他の組の情報を入手していたかもしれません。
ただし情報を持っていてもサーヴァントの真名は含まれません。


【三谷亘@ブレイブストーリー】
[状態]
魔力枯渇による衰弱(大)
[残存令呪]
2画
[思考・状況]
基本行動方針
???
1 ???
[備考]
●衰弱により病院へ搬送されました。
病院には亘の両親役のNPCもいます。
●バーサーカー(サイト)がどこで何をしているかは後の書き手さんにお任せします。


254 : ◆ui4kQCcLNk :2014/08/29(金) 13:18:02 onPqAdYg0
以上で投下を終了します


255 : 名無しさん :2014/08/30(土) 11:38:05 o8RjvWA.0
投下乙です
怪物VS怪物(「壊す者と護る者」)の戦い、手に汗握ります
五代にとってはなかなかに辛い道のりになりそう……
少佐の思索も、扉間の暗躍も、これからの事を思いわくわくさせられました
複数の組の初期の交錯を見事に描いてみせた手腕に拍手を


256 : ◆p1hwNIp6AQ :2014/09/08(月) 15:40:05 PPFQACh60
遠坂凛&セイバーで予約します


257 : ◆p1hwNIp6AQ :2014/09/14(日) 15:23:23 m8Inlrow0
延長します


258 : ◆qB2O9LoFeA :2014/09/15(月) 18:13:43 1tCi0nZg0
しばらく放置していてすいません

アーチャー(ワイルド・ドッグ)、高遠いおり&ランサー(アリシア)、アサシン(卑劣様)、バーサーカー(サイト)を予約します


259 : ◆p1hwNIp6AQ :2014/09/17(水) 23:01:42 1ECd34y.0
投下します


260 : 【6】Minnsing Link ◆p1hwNIp6AQ :2014/09/17(水) 23:03:04 1ECd34y.0
冬木市の深山町には大きな屋敷が二軒存在する。
一つは手入れが行き届かずお化け屋敷さながらの様相を呈している間桐邸。
もう一つは丘の上に建つ、冬木の管理者たる遠坂の本拠遠坂邸だ。
その遠坂邸が遠坂本家の血縁者である一人のマスターの自宅として宛がわれていた。

「凛、ただ今戻りました」
「おかえり、こっちも粗方家探しが終わったところよ」

そのマスターこそ電子の世界における現代の魔術師(ウィザード)、遠坂凛である。
ムーンセルは遠坂本家六代目当主と同じ名前を持つ彼女の拠点をこの屋敷に定めたのだった。
予選時代、狭いアパートメントに住んでいた凛は突然住居の様相が変わったことに当然困惑した。
よって一晩かけて家探しを行う一方、本選の地理を把握するためセイバーに偵察をさせていた。
おかげで既に早朝と呼べる時間になってしまっていたが、二人はそのまま客間にてお互いの成果を確認し合うことにした。

「思った通りここは遠坂の本家の屋敷で間違いないわ。
子供の頃に何回か遊びに来たここが、まさかわたしの自宅扱いになるなんて予想外もいいところよ。
見慣れない家具や服も多いけど予選で使ってた生活用具や機材はちゃんと引き継がれてる。
色々ごっちゃになってて、時間があったら整理したいけどね。
それで、街の様子はどうだった?」
「はい、やはり本選会場は貴方の言う通り冬木市のようです。
細かい部分に差異は見られますが、基本的な地形は変わっていません」
「やっぱりそうだったんだ。じゃあわたし達は他のマスターより少しは有利ってことなのかしらね」
「油断は禁物です。どこに陥穽が潜んでいるとも限らないのですから」

偵察がてらコンビニで購入させた冬木市の地図をテーブルに広げる。
そこに重要と思われる施設、セイバーの聖剣を問題なく解放できる地点などに色分けしてマーキングを行っていく。
予選の頃から凛とセイバーはこのような打ち合わせ、戦術や目的の摺り合わせを積極的に行ってきた。
全ては衛宮切嗣の下で戦い抜いた第四次聖杯戦争を戦訓にしてのものだ。



 ◆   ◆   ◆



凛から見て衛宮切嗣の失策は強固な自我と矜持を持つ英霊を道具として扱うことに固執しすぎたところにある。
意思を示さないただの武器ならそれで良いだろうがサーヴァントは人格を持った一人の人間なのだ。
生きた時代も価値観も異なる人間に自分の流儀を一方的に押し付けるだけでは反発を招いて当然。
だからこそ予選中、凛は同じ轍を踏まぬよう方針について何度も話し合いを行ってきた。


261 : 【6】Minnsing Link ◆p1hwNIp6AQ :2014/09/17(水) 23:03:48 1ECd34y.0

何を以って勝利と考えるのか?
非人道的な戦略をどのレベルまで許容できるのか?
NPCである一般市民から犠牲が出ることについてどう思うのか?
特にこの三つは真っ先に聞き出したことである。

『戦争である以上策略を全否定するつもりはありません。
ですが私はサーヴァントである前に一人の騎士であり王。
可能な限り命令には従いますが、決して捨て去ることのできない最後の人倫というものがある。
その領域に踏み入るのなら、令呪の一画を使っていただくことになります』

結果わかったことは、セイバーはやはり秩序を重んじ民を想う騎士の王だったということだ。
例えNPCであっても聖杯戦争について何も知らされていない一般民衆を無暗に殺傷することには否定的だった。
とはいえ、元々凛も過激派のレジスタンスのような真似をするつもりはなかったので、価値観が一致しているのは喜ばしいことだった。

『あなたの言いたいことはわかったわ。
でもこれは現代の戦争で、あなたの時代の倫理だけを受け入れるわけにもいかないのはわかるわよね?
あなたの力はあてにしてるけど、何人いるかもわからないマスター相手に全部真っ向勝負じゃ息切れするのが目に見えてる。
だから色々な方法で対処していくことになるし、場合によっては卑怯な戦い方をしなきゃいけないこともあるわ』
『受け入れろ、と?』
『時と場合によってはね。でもわたしも自分のスタンスだけを押しつけるようなことはしない。
あくまでわたし達は運命共同体のパートナー。わたしが間違ってると思ったら遠慮なく言ってほしいの。
わたしってどうも、大事な時に限ってうっかりしちゃうところがあるから。頼りにしてるわ』

如何にセイバーと言えど正攻法だけで全ての敵を打ち倒せるほど聖杯戦争は甘くない。
あの西欧財閥でさえ暗殺部隊を抱えてレジスタンスに備えているのだから。
だからこそ、セイバーが不得手な搦め手や計略を凛が担うのだ。
セイバーはマスターが誠意と合理性を見せれば応える性格であるためか、凛が伝えた方針にも納得を示した。



 ◆   ◆   ◆



(結局、セイバーがこういう性格だったのはわたしにとっても幸運だったのよね)

自分のサーヴァントの属性が「秩序・善」であったことに深く感謝する。
なるほど確かに取り得る戦術・戦略の幅広さという意味では手段を選ばないタイプのサーヴァントには劣るだろう。
しかしそういう手合いは得てして周囲の人間を利用価値の有無だけで判断している場合が多い。
必然的にマスターに対しても平然と嘘や隠し事に身勝手な独断、果ては裏切りなども行う可能性が跳ね上がる。
それはつまり、追い込まれた土壇場でチームが内から崩れるリスクの高さを示している。
一時の同盟やビジネスとしての短い付き合いならまだしも聖杯戦争でその手のサーヴァントと組んで優勝を目指すのは御免だ。


262 : 【6】Missing Link ◆p1hwNIp6AQ :2014/09/17(水) 23:04:50 1ECd34y.0
少々融通がきかなくとも信頼の置けるモラリストの方が凛にとってはよほど組みやすい。

「凛?どうかしましたか?」
「ううん、何でもない。それよりどうだった?進歩したバイクの乗り心地は」
「ええ、以前に乗った物と比べて安定性が段違いです。
まさか二十年でこれほど現代の騎馬が進化を遂げるとは思ってもみませんでした」

セイバーは何も徒歩で偵察を行っていたわけではなかった。
予選時代に凛が購入した最新鋭のバイク、スズキGSX1300Rハヤブサ、2014年仕様の試運転を兼ねた偵察でもあった。
セイバーから聞いた第四次聖杯戦争の顛末の一つにライダーとの乗り物を用いた対決があったことから着想を得て用意したものだ。
同時に本職のライダーが誇る騎乗宝具に追従できたという事実からかつてセイバーが用いたバイクはサーヴァントの操縦を前提とした改造機だと当たりをつけた。
そこで凛は購入したハヤブサにも超常存在たるサーヴァントの搭乗を前提とした改造を施した。

もとより1340ccもの排気量を誇るエンジンに更なるボアアップを施し、吸気系やターボチャージャーなど駆動系全般に手を入れた。
当然国内販売用に着けられたスピードリミッターはすぐに排除した。
その結果出力400馬力にも達する、最早人間の手に負えない怪物機へと変貌したのだった。
懸念といえばマスター適性の違いかセイバーの騎乗スキルが第四次と比べ1ランク低下していることだった。
これを補うためセイバーにはバイクの仕様書を熟読させるなどの方法を用いた。
セイバーも以前の経験もあってか新たな騎馬に早くも順応したようだ。
ちなみにこのハヤブサ、スピードリミッターを排除した以外には無改造の機体をもう一機用意している。
こちらは凛が使う以外にセイバーの予備機としての意味合いも持っている。
何をするにも速さ、機動力というのは生死を分けるほど重要なステータスだ。
人間の凛でも乗り物があればサーヴァントから逃げ切れる確率が僅かでも増す。
アサシンやアーチャーの闇討ちに数の暴力が予想される戦場にはバイクは必須のアイテムだ。

そして当然だがバイクの購入・改造には多額の資金が必要不可欠となる。
凛は現実世界から持ち込んだ資金を元手にして株取引でトントン拍子に金を増やした。
言葉にすればそれだけだが、その過程には霊子ハッカーとしてのハッキング技能が用いられている。
2030年代において世界トップクラスの霊子ハッカーである凛が2014年のセキュリティやファイアウォールを突破するのはあまりにも容易いことだ。
各企業のシステムに痕跡も残さず侵入し情報を掠め取ることで容易に株価の推移を予想できた。
そうなれば株の売買で資金を増やすのは造作もないことである。無論犯罪だが暴ける人間など存在しない。
凛にとって幸運だったのは資金、機材の確保に一切セイバーを関わらせなかったために本選開始にあたって何一つ没収されなかったことだ。
マスターが独力で確保した物資にはムーンセルによるリセットは及ばない。

「じゃあわたしは少し仮眠するわ。見張りよろしくね」
「はい、まだ戦いは始まったばかりです。休息は取れる時に取る方が良い」


263 : 【6】Missing Link ◆p1hwNIp6AQ :2014/09/17(水) 23:05:27 1ECd34y.0

本来ならやりたいことはまだいくらでもある。
セイバーの感知能力の低さを補うために用意した礼装の改良もまだ終わっていない。
しかし、さすがに徹夜によって無視できない眠気と疲労感に襲われている。
こんな状態では能率の良い作業はできないと自分に言い聞かせて一人用にしては大きいベッドに倒れこんだ。

(この家と部屋って、元々誰が使ってたんだろ)

ふと家探しをしている時から拭えなかった疑問に思いを馳せる。
この屋敷に元からあった家具や服、調度品の数々は明らかに遠坂凛のパーソナリティからかけ離れている。
凛の世界ではとうに没落した遠坂本家のこの屋敷だがここでは最近まで他の誰かが暮らしていたような生活感に満ちている。
そこに凛が予選中に使っていた私物が混じり混沌とした様相を呈している。
特に違和感を感じたのが趣味も胸のサイズも微妙に合わない女物の服だ。あれは自分と同年代の少女が好んで着そうな服だ。
しかし凛が住んでいるという状況を想定しているなら服のサイズが合っていないのはムーンセルの手落ちにも程がある。
だから凛は仮説として他の誰かが使っていたこの家が何かのエラーで自分に割り当てられたと考えた。

(まあいいや。高級ホテルに泊まってると思おう)

睡魔に敗北し、投げやりに思考を打ち切って眠りについた。
地上では中々味わえない高級感溢れるベッドはとても寝心地が良かった。


【深山町、遠坂邸/2014年8月1日(金)0745】
【遠坂凛@Fate /Extra】
[状態]
疲労(中)、寝不足、睡眠中
[道具]
ナイフ@Fate /Extra、ドール(未完成)@Fate /Extra、その他多数の礼装@Fate /Extra
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
当然、優勝を狙う
1:とにかく今は寝る
2:礼装、ドールを改良する(索敵・感知系を優先)
3:闇討ちや物量戦法を強く警戒
4:この家って……
[備考]
●自宅は遠坂邸に設定されています。
内部はStay night時代の遠坂邸に準拠していますがところどころに凛が予選中に使っていた各種家具や洋服、情報端末や機材が混ざっています。
●現実世界からある程度の資金を持ち込んだ他、予選中株取引で大幅に所持金を増やしました。
まだそれなりに所持金は残っていますが予選と同じ手段(ハッキングによる企業情報閲覧)で資金を得られるとは限りません。
●遠坂邸に購入したスズキGSX1300Rハヤブサ@現実が二台置かれています。
アルトリア機は青いカラーリングで駆動系への改造が施されています。
凛機は朱色のカラーリングでスピードリミッターを外した以外には特に改造は施されていません。
●セイバー(アルトリア)から彼女視点での第四次聖杯戦争の顛末を聞きました。

【セイバー(アルトリア・ペンドラゴン)@Fate/stay night】
[状態]
筋力(50)/A、
耐久(40)/B、
敏捷(40)/B、
魔力(100)/A+、
幸運(100)/A+、
宝具(??)/EX、
健康
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯の力で王の選定をやり直す
1:周囲を警戒する
2:凛と良好な関係を築けてホッとしている
3:ハヤブサの性能に満足
4:何故冬木が会場に……?
[備考]
●第四次聖杯戦争の記憶を引き継いでいます。
●スズキGSX1300Rハヤブサを乗りこなせるようになっています。
騎乗スキルの低下を第四次聖杯戦争での経験とバイクの知識を深めることで補っているようです。


264 : 【6】Missing Link ◆p1hwNIp6AQ :2014/09/17(水) 23:06:51 1ECd34y.0
投下終了です
あと途中までタイトルに誤字がありました
タイトルは「Missing Link」でお願いします


265 : 名無しさん :2014/09/18(木) 08:06:38 FALhRk2AO
乙!
やっぱサーヴァントとマスターは相性が大事だよなー


266 : 名無しさん :2014/09/25(木) 22:41:42 bnJXMYPUO
投下も延長宣言も来ない……


267 : 名無しさん :2014/09/26(金) 00:13:42 qU1kCtYE0
すいません延長宣言忘れてました


268 : ◆qB2O9LoFeA :2014/09/26(金) 00:16:10 qU1kCtYE0
すいません延長期間を過ぎているため一度予約を破棄します。


269 : ◆qB2O9LoFeA :2014/09/26(金) 02:37:43 qU1kCtYE0
ゲリラ投下になってしまいましたが投下します


270 : 【7】フォー・マン・セル《四人一組》 ◆qB2O9LoFeA :2014/09/26(金) 02:39:05 qU1kCtYE0



●0132、病院......


(影分身の術。)

 病院一階、ロビーに隣接しているナースステーション。その更に奥のちょっとしたスペースでアサシンは静かに印を結んでいた。
 パトカー━━つまり警察によって病院に運び込まれた聖杯戦争の参加者、マスター。アサシンはこのことに大きな疑問を感じていたのだ。

 まず第一に、少年のマスターが消耗しきっていること。体からはチャクラを感じず、僅かに延びるチャクラ糸のような『魔力』はアサシンでなかったら見落としてしまうほどにか細い。だがそれにしては外傷が小さすぎるのだ。この状態は戦闘による体内へのダメージかそれとも別の異常なのか。
 第二に、サーヴァントはどこにいるのかということ。気配感知で調べてみたものの少なくとも近くにはチャクラの反応は全くと言っていいほどない。消耗しているマスターを無防備にしてまでなにをしているのか。マスターを省みていないのかそれとも離れなければいけない事情があるのか。
 第三に、パトカーによって病院まで運ばれたこと。治安維持を主とし憎まれ役になる警察と福祉を担当する病院。役割の違う二つの組織なら当然縄張り意識もあるであろうに、なぜ協力するような形でマスターである少年を助けたのか。派閥意識が薄いのかそれとも協力せざるを得ないような状況だったか。

 消耗の原因、サーヴァントの所在、公的組織の連携。この三つの問題を解明することが今後の聖杯戦争に重要であるとアサシンは今、判断を下した。

「では━━」
 アサシンが生み出した影分身は全部で三体。本選に進む際に分身が解けて以来ここまで極力チャクラを使わないようにしてきたが、仕掛けるなら、ここ。宝具のことも考えるとあの少年マスターへの下準備も是非しておきたいし━━『見定め』たい。
 三つの問題の解明と宝具の準備、その両方をこなせてなおかつアサシンの、そして彼の小さなマスターの存在が露呈する可能性を極力小さくするためには生み出せる分身の数はこれが限界。

「━━行くぞ。」

 四人一組、フォーマンセル。
 分身のアサシンはそれぞれ変化の術で姿を変えると闇に紛れて行動を開始した。



【新都・病院/2014年8月1日(金)0135】

【アサシン(千手扉間)@NARUTO】
[状態]
筋力(30)/C、
耐久(30)/C、
敏捷(100)/A+、
魔力(10)/B、
幸運(10)/E、
宝具(??)/EX
健康、宝具使用不可、魔力を四分割したため戦闘になると2ターン目からステータスダウン、避雷針の術の発動条件を満たしているため敏捷が+分アップ
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯を用いて木の葉に恒久的な発展と平和を。
1 マスター(凛)が他の組に見つからないように警戒
2.これ(三つの問題)は後回しにできんな‥‥
3.マスターの少年(亘)をまずは穢土転生できるようにしておく。
4.魂喰いの罪を擦り付ける相手は慎重に選定する
5.穢土転生の準備を進める。
6.他の組の情報収集に務める
7.聖杯を入手できなかった場合のことを考え、聖杯を託すに足る者を探す。まずはマスターの少年(亘)を見定める。
8.マスター(凛)の願いにうちはの影を感じて……?
[備考]
●予選期間中に他の組の情報を入手していたかもしれません。
ただし情報を持っていてもサーヴァントの真名は含まれません。

【アサシン(千手扉間の分身その1、連絡・後詰め担当)@NARUTO】
[状態]
筋力(30)/C、
耐久(30)/C、
敏捷(50)/A+、
魔力(10)/B、
幸運(10)/E、
宝具(0)/EX
健康、気配遮断、宝具使用不可、魔力を四分割したため全力での戦闘になると2ターン目終了時に術が解ける。
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯を用いて木の葉に恒久的な発展と平和を。
1 マスター(凛)が他の組に見つからないように警戒
2 他の分身のサポートおよび連絡役として屋上などで待機。
[備考]
●影分身の術による分身です。
●影分身の経験は本体にフィードバックされます。

【アサシン(千手扉間の分身その2、穢土転生の下準備担当)@NARUTO】
[状態]
筋力(30)/C、
耐久(30)/C、
敏捷(50)/A+、
魔力(10)/B、
幸運(10)/E、
宝具(0)/EX
健康、気配遮断、宝具使用不可、看護師に変化、魔力を四分割したため全力での戦闘になると2ターン目終了時に術が解ける。
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯を用いて木の葉に恒久的な発展と平和を。
1 マスター(凛)が他の組に見つからないように警戒
2 マスターの少年(亘)を穢土転生する準備のために血か肉片を採集する。
3 手術室に忍び込むか終わるまで待つか‥‥
4.マスターの少年(亘)が聖杯を託すに足るか見定める。
[備考]
●影分身の術による分身です。
●影分身の経験は本体にフィードバックされます。


271 : 【7】フォー・マン・セル《四人一組》 ◆qB2O9LoFeA :2014/09/26(金) 02:42:43 qU1kCtYE0



●0135、新都冬木大橋......


 回る赤いパトランプと黄のテープと渋滞を起こした車列の灰色の排気が冬木大橋の通行止めを示していた。
「で、どうだった?やっぱ戦いの跡とかあったか?」
『うーん‥‥たぶん、これは魔力の痕跡だと思うけど‥‥』
 野次馬とクラクションの騒音。それにも邪魔されずに少女と幼女が話せるのは念話によるものだからである。

 冬木大橋新都側、その橋の手前の人混みを見渡せるマンションの屋上にいる小さな影。高遠いおりは双眼鏡で事件現場を見ながらランサーと会話をしていた。


 とりあえず予選突破を果たしたものの既にいおりとアリシアは他の組から大きく差をつけられていた。
 本選出場を果たしたマスターの多くは一週間から十日以内にサーヴァントを召喚していた。なかには初日にサーヴァントを呼び出した者や記憶障害を殆ど起こさなかった者もいる。そんななか最終日に主従になった二人には、戦略的なビジョンも戦術的な連携もまるでない。そもそも。
『でも大丈夫?偵察なら私がしておくから寝ててもいいよ。』
「お、おう。まあもうちょっと見てから、ハハ‥‥」
 苦笑いしながら念話を打ち切ると頭を抱え込みながらいおりはうずくまり、そして。
(言えねぇー!俺が同年代の男子とか言えねぇー!!)
 悶絶。しばし悶絶。

 この二人、未だに互いの自己紹介さえろくにしていなかった。


(どうする?今から『いろいろあって幼女になってるけど実は高二です。』とか言ってみるか?今ならまだ間に合うかそうだよなまだ会って一日目ならなんとかなるだろ、サーヴァントとマスターって一心同体なんだからやっぱ隠し事とかないほうがいいよな、よし、いくぞ俺!!」
『あ、マスター!銃痕、えっと、銃を打った跡のことなんだけど、それが見つかったよ。』
「ア、ハイ、ソウデスカ、じゃあ銃持ったサーヴァントが橋を渡る人を狙ったてことでクラスはアーチャーかなたぶん。」
『これだけじゃわからないけど、確かに橋や川を渡る時は狙われやすい‥‥マスターよく気づいたね。』
「そ、そりゃほらマンガとかでよくあるじゃんそういうシーン。ランサーの時代には無かったからわかんないだろうけどアニメやゲームでも多いし、ホント。」
『ハハ、なんだかマスターって男の子みたい。』
「ハハハハハハよく言われるそれじゃなんか気づいたら念話送って(ダメだタイミング逃したなんで今言わなかったんだ言っちゃえばよかっただろ‥‥!)」

 二人が主従の関係になって意思疏通をし始めて、今までのところ約2時間。召喚の際の魔力不足による昏倒から目覚めてこれまでに話したのは『聖杯戦争に参加している』ことと『お互いの名前』程度であり、いおりはアリシアがランサーである程度のことしか知らず宝具はおろかスキルもステータスをも把握していない。もちろん事前の情報収集は何一つ行っていないのだ。
 そんな二人はとりあえず本選に進んだとういことでとりあえず偵察でも、という話になり、ネットの情報からとりあえず何か起こったらしい冬木大橋まで来てみたのだがどうにも成果はあげられていなかった。当たり前といえば当たり前だが、刑事でも探偵でもない二人ではほとんど一般人と同レベルのことしかわからなかったのだ(そもそも場当たり的な調査である程度得るものがあったのが凄いのだが)。

(‥‥今さらだけど、この偵察ってあんま意味なかったかもな‥‥先にランサーのステぐらい確認しとくんだった━━)
 さすがに行動が行き当たりばったりすぎたかと、いおり、反省。兵は拙速を尊ぶというが焦りは禁物と自らを戒め、ランサーに撤退を伝えようと念話を送ろうとしたとき。

ドン!という爆音と。

一瞬の静けさの後の悲鳴と。

『マスター!!』と叫ぶランサーからの念話で。


「‥‥アレ‥‥これって、もしかして‥‥初陣?」

 体から何かがランサーへと流れ出していく感覚と共に手のひらの霊呪が熱を持った気がした。


272 : 【7】フォー・マン・セル《四人一組》 ◆qB2O9LoFeA :2014/09/26(金) 02:44:38 qU1kCtYE0



【新都・冬木大橋/2014年8月1日(金)0140】

【高遠いおり@一年生になっちゃったら】
[状態]
魔力消費(中)。
[残存霊呪]
三画。
[思考・状況]
基本行動方針
死にたくない。まだいまいち状況が飲み込めてない。
1.戦闘か!?
2.ランサーと撤退したほうがいいのか、いや、でも‥‥
3.ランサーとコミュニケーションしてみる。
4.やっぱり情報は大事だよな、慎重に偵察しないと。
5.‥‥もしかして詰んでる?
[備考]
●所持金はほぼなし。あっても幼稚園児レベル。
●ランサーの名前がアリシア・メルキオットであること以外は世界大戦の英雄だということしか知りません。もちろん出身世界が違うことには気づいてません。


【アリシア・メルキオット@戦場のヴァルキュリア】
[状態]
筋力(5)/E、
耐久(5)/E+、
敏捷(10)/D+、
魔力(20)/C+、
幸運(50)/A、
宝具(40)/B
気配遮断中、魔力の不足により幸運と宝具以外のステータスダウン。
[思考・状況]
基本行動方針
まだ良くマスターのことを知らないけれど、マスターを生きて元の世界に帰す。
1.このサーヴァントは‥‥!?
2.マスターの撤退を支援する。
[備考]
●マスターの本名が高遠いおりだと思っています。また六歳の女の子だと思っています。


273 : 【7】フォー・マン・セル《四人一組》 ◆qB2O9LoFeA :2014/09/26(金) 02:46:57 qU1kCtYE0



●0140、深山町冬木大橋......


 亘のバーサーカー、サイト。
 狂乱の檻に囚われたこのサーヴァントの行動原理はとても単純なものにされている。

 一つは、魔力の反応に向かっていっくこと。
 一つは、彼の求めるある存在に向かっていくこと。

 バーサーカーのなかにはこの二種類しかない。自らの存在を維持するために魔力を求め、ある程度まで溜まれば自らを宝具で強化し、悪くなった燃費を補うために更に魔力を求める。いうなればひたすらに魂喰いし続けるだけの存在とも言える。人という僅かな魔力を持つ存在を斬るのもサーヴァントという魔力で構成された存在を斬るのも、その意味するところに違いはない。
 そしてそんなバーサーカーが最も執着して斬ろうとするのは自らに魔力を供給する、マスター。
 水筒の水を飲み干そうとするかのようにバーサーカーはマスターを魂喰いしようとする、し続ける。その行動が自分の消滅につながるとしてもバーサーカーにその事に気づく理性も、そのことの重大さに気づく理性もない。ただただ自分とつながる魔力の存在を感じて追い続けるだけだ。

 そのバーサーカーが本選に駒を進めるまでマスターの亘に襲いかからなかったのは、彼にかされた三つの霊呪によるものである。
 『来るな』、『霊体化せよ』、『予選期間中霊体化せよ』。
 この三つの霊呪、いくら対魔力がバーサーカーにあったとしてもそう簡単に抗えるものではない。また霊呪によって霊体化していたため魔力の消費もいくらか軽くなる。霊呪の内容が上手く組み合わさい、バーサーカーは静かにその活動を停止していたのだ。

 だが、それも予選期間が終わるまで。
 三つ目の霊呪の影響が消えたバーサーカーは、ゆっくりとその衝動の勢いを増していった。まず始めにマスターから奪い取る魔力を増やす。倒れたマスターが病院に━━バーサーカーにとってはどこかわからないところに━━連れていかれるのを見て、本能的に、霊呪に逆らいながら追う。そしてついには霊体化を辞める。
 ここまでくれば、後は激増した魔力消費を補おうと再び魂喰いを開始しだす。

 そしてバーサーカーの行きつく先は、魔力のパスのつながるマスターがいる方向。サーヴァント同士の戦場跡であり、多くの人間が集結してしまっている冬木大橋。


 マスターが狩られかれてから一時間遅れで、バーサーカーは狩りを開始したのだ。



【深山町・冬木大橋/2014年8月1日(金)0147】

【バーサーカー(サイト・シュヴァリエ・ド・ヒラガ)@ゼロの使い魔】
[状態]
筋力(40)/D++、
耐久(40)/D++、
敏捷(60)/C++、
魔力(20)/D、
幸運(60)/C+、
宝具(100)/A+
健康、魂喰い中、魔力が潤沢なためステータスアップ。
[思考・状況]
基本行動方針
■■■に会う。
1.力(魔力)が欲しい(魂喰い)。
2.力(魔力のパス)が欲しい(亘を追う)。
[備考]
●ピンクの髪をしたものに執着します。
●特定の声にも執着します。
●霊呪の影響が薄れつつあります。
●予選期間中にルーラーから二画の霊呪を使用されました。


274 : 【7】フォー・マン・セル《四人一組》 ◆qB2O9LoFeA :2014/09/26(金) 02:52:17 qU1kCtYE0



●0147、冬木大橋......

「あれなんか爆発してない?」
「交通止めに気づかないで車が突っ込んだりとかですかね。」
「んな奴いないだろドラッグだろ。」
「さっきのOLが救急車襲ったってのもそれですかね。英語っぽいこと喚いてたらしいですし。」

 バーサーカーのマスター、亘を病院に搬送したパトカーは冬木大橋へととんぼ返りしていた。
 パトカーに乗る警官二人には一度警察署に戻るように連絡がいっていたのだが、それに従う様子は見られない。

(冬木大橋‥‥なかなか大きいな。)

 その二人の異常はもちろんこの男、アサシン(の分身)によるものである。
 二人に連絡がいったあと直ぐに声を真似て事件現場に向かうように偽報を出したのだ。

 それもこれも、パトカーをタクシー代わりに使って案内させるため。チャクラの限られた影分身にとって長距離の移動はそれだけで消耗につながる。目的地を自力で探すとなればさらに消耗は大きくなるであろうしなにより他の組に見つかる可能性が大きくなってしまうだろう。
 それをさけるために、アサシンはパトカーのトランクでスコップに変化して潜んでいたのだ。

(戦闘か‥‥あの少年に関係あるのか、それとも‥‥)
 パトカーを停めて降りた二人の警官の後を追うようにアサシンも変化を解いて降りる。気配遮断したアサシンの存在は、ただの人間では目の前いたとしても気づくことは不可能。先程から対岸で起きている悲鳴や火災に興奮する野次馬の間をすり抜け、規制線も通り抜けて現場へと向かう。

(!NPCを殺している!?魂喰いかっ!)

 気配感知をするまでもなく伝わってくるのは暴力的なプレッシャーと強い破壊衝動。そしてその向かう先は無力なNPC達。

(操られたNPCと戦っているというのも考えられるが‥‥)

 アサシンの目に写るのは刀を持ったサーヴァント。闇雲に回りのものを切り捨てるその姿には、尾獣ほどの知性も感じなかった。

(━━だとしてもあのサーヴァントはここで殺しておくべきかもしれんな。)


 アサシン、千手扉間。
 100m先のサーヴァントを敵と見なすまであと━━。



【冬木大橋/2014年8月1日(金)0158】

【アサシン(千手扉間の分身その3、三つの問題担当)@NARUTO】
[状態]
筋力(30)/C、
耐久(30)/C、
敏捷(50)/A+、
魔力(5)/B、
幸運(10)/E、
宝具(0)/EX
健康、気配遮断中、宝具使用不可、全力での戦闘不可、魔力を四分割し更に消耗したため戦闘になると1ターン目終了時に術が解ける、魔力の供給がなければあと一時間以内に術は解ける。
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯を用いて木の葉に恒久的な発展と平和を。
1 マスター(凛)が他の組に見つからないように警戒
2.三つの問題を調査する予定だったが‥‥?
3.目の前のサーヴァント(バーサーカー)は利用できるか、組んでいるマスターに接触すべきか。
4.魂喰いの罪を擦り付ける相手としては充分だな。
5.サーヴァント(バーサーカー)またはそのマスターの暗殺をすべきか、また、可能か。
[備考]
●影分身の術による分身です。
●影分身の経験は本体にフィードバックされます。



※冬木大橋の深山町側で救急車が事故を起こしたと噂になっているようです。一部には奇声を上げるOLと接触を起こしたという流言があったりなかったりします。


275 : ◆qB2O9LoFeA :2014/09/26(金) 03:01:47 qU1kCtYE0
以上で投下を終了します



>>1であるにもかかわらず予約ルールを自分で破ってしまい、またその事についてご指摘を受けるまで何もアクションを起こさずすいませんでした。


276 : 名無しさん :2014/09/27(土) 09:02:19 rr4FygyQ0
投下乙です
バーサーカーサイトはまじでやっかいな奴だなww


277 : ◆p1hwNIp6AQ :2014/09/27(土) 14:08:07 PJ.v7miM0
投下乙です!
扉間の深謀にサイトの暴走、そして不運ないおり組
ここにきて一気に状況が加速してきましたね


278 : ◆ui4kQCcLNk :2014/10/12(日) 11:23:22 ZeF5qAGM0
高遠いおり&ランサー(アリシア・メルキオット)、日野茜&ランサー(真田幸村)、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン&バーサーカー(ヘラクレス)、アサシン(千手扉間の影分身)、バーサーカー(サイト・シュヴァリエ・ド・ヒラガ)を予約します


279 : ◆ui4kQCcLNk :2014/10/15(水) 12:15:30 rgAbAA.60
リアルが忙しくなるため早めに延長を申請します


280 : ◆qB2O9LoFeA :2014/10/18(土) 00:18:18 /lUAPlQg0
では黒鳥千代子&セイバー、衛宮切嗣&アーチャーを予約します


281 : ◆ui4kQCcLNk :2014/10/21(火) 11:43:20 AC0zvkAU0
期日までに投下することができそうにもないため一度予約を破棄します
申し訳ありません
完成の目途が立ち、予約がされていないようであればまた予約したいと思います


282 : ◆qB2O9LoFeA :2014/10/25(土) 00:12:31 ryVPlCII0
予約を延長します


283 : 名無しさん :2014/10/31(金) 07:27:57 kVd8hQc60
投下はもう来ないんでしょうか……


284 : ◆qB2O9LoFeA :2014/10/31(金) 23:35:00 70sfAQJo0
延長したにも関わらず申し訳ありませんが、予約を破棄します。


285 : ◆qB2O9LoFeA :2014/11/02(日) 00:00:08 ArTaipGI0
書けないと思っていましたが書けたので投下します


286 : 【8】赤と銀 ◆qB2O9LoFeA :2014/11/02(日) 00:06:47 ArTaipGI0



 未だ日が昇らない早朝、新都の空を赤と銀の二つの影が跳ねるように進んでいく。
 あれは忍者か怪盗か、はたまたご町内の平和を影から守る正義の味方か?

「バーサーカーさん、このまま真っ直ぐ?」
「ああ、もう少しで橋が見えるはずだ。その橋を渡った先が深山町で、その先の森との境に学校があるらしい。人が来ずに寝られる場所はそこしかなさそうだな。」
「うーん‥‥夏休みだからだれもいないと思うけど、いいのかな‥‥」
「野宿よりはマシだな。」

 否、二人は今回の聖杯戦争の参加者であるマスターとサーヴァント。『妖界ナビゲーター』こと竜堂ルナと、『魔王』ことバーサーカー、ヒロだ。
 私略による食事を終えた二人は一先ずの拠点を得るために冬木西岸にある学校へと向かっていた。どことなく会話が家出少女のようだが侮ってはいけない。二人はそれぞれ世が世なら王として君臨するに値する血筋にある。ほっぺに青のりを着けてパルクールの要領で移動する姿からは想像しがたいがガチで本当である。
 もちろん、こうやって移動しているのも考えがあってのことだ。ビルの屋上伝いに高速で移動している二人を補足できるのは、サーヴァントかよほど注意深くかつ明確に偵察の意図のある人間のどちらかだろう。確かに二人は狙撃される可能性をほとんど考えていないが、拠点と共に同盟相手も探している現状、打てる手としては致命的とはいえないレベルの悪手で済むだろうし━━


『━━パパ、サーヴァントを見つけたけど━━』


 少なくとも今回は事態を好転させることにつながった。



 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


287 : 【8】赤と銀 ◆qB2O9LoFeA :2014/11/02(日) 00:13:27 ArTaipGI0



(なるほど、今度は冬木市を丸々一つ再現してみせたのか)
 薄暗い小部屋でパソコンの前に座る衛宮切嗣はそう心の中で呟くと冷めたコーヒーを飲み干して立ち上がった。電源を落とすと少ない荷物を抱えてカウンターへと向かう。
 新都にあるインターネットカフェ。その喫煙ブースにある部屋ともいえない一画が彼と彼のサーヴァントの、本選最初の拠点だった。予選突破後、直ぐに舞台が冬木市だと気づいた切嗣とアーチャーは、双方の知る冬木市との違いを調べていたのだ。もっとも、改めて把握できたことは数少ない。精々どちらかと言えばアーチャーの時代の冬木市に近いことと、かつて爆破したハイアットホテルが再建されていたことぐらいである。

(やっぱり、これ以上は実際に行ってみないとわからない‥‥霊脈まで再現されているかは未知数か。)

 会計を済ませると足を西へ━━自宅として設定されている家のある深山町方面へと向ける。その歩みはかつての聖杯戦争時のものに比べていくらかぎこちない。自分の娘ともいえる存在を矢面に立たせることへの抵抗か、それとも彼自身の衰えか。

(だいぶ様変わりしたんだな‥‥)

 ゆっくりと後ろに流れる町並みを見ながらそんなことを考えつつ、かつての自分ならこんな弛んだことは考えなかっただろうか、などとまたとりとめのないことを考えつつ進んでいく。その姿から『魔術師殺し』などという物騒な二つ名は感じられないだろう。

『━━パパ、サーヴァントを見つけたけど━━』


 ピン。あるいはリン。


 その声を、かつて全くといっていいほど使わなかった手段で聞いて、衛宮切嗣の中でなにかが動いた。
 雑然とした頭の中で古びた歯車が回りぎりりとバネが軋みをあげて戦闘のための機構を用意していく。言葉にするならばそんな感覚。

(━━人間、そんなに簡単には変われないか。)

 自分の身体、精神、感覚を平時(クール)から戦時(ホット)へ。息するようにただの中年男性から神秘に身を置くもののそれに変わっていくその様に、切嗣は薄く苦笑いを浮かべる。

(よし、行こう━━)
「クロエ、今の敵の場所と様子は?」

 元『魔術師殺し』、衛宮切嗣。
 武器も持たず、体は衰え、魔術は失われたも同然。
 それでも、錆びきらなかった心一つで行動を開始する。



【新都・冬木大橋東岸から徒歩15分地点/2014年8月1日(金)0411】

【衛宮切嗣@Fate/zero】
[状態]
五年間のブランク。
[残存霊呪]
三画。
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争を止め、なおかつクロエを元の世界に返す。
1.クロエから敵サーヴァントの情報を確認したのち接触するか判断。
2.仮に敵サーヴァントが前衛を勤められると判断した場合、聖杯狙いでも一時的な不可侵を結ぶのもあり。
3.戦闘は避けたいが協力者を募るためには‥‥?
4.装備を調えたいが先立つものが無い。調達しないと。
5.自宅として設定されているらしい屋敷(衛宮邸)に向かう。
[備考]
●所持金は約4万円。
●五年間のブランクとその間影響を受けていた聖杯の泥によって、体の基本的なスペックが下がったりキレがなくなったり魔術の腕が落ちたりしてます。無理をすれば全盛期の動きも不可能ではありませんが全体的に本調子ではありません。


288 : 【8】赤と銀 ◆qB2O9LoFeA :2014/11/02(日) 00:25:17 ArTaipGI0



 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆



『━━パパ、サーヴァントを見つけたけど━━』

 ビル街を跳ねるように行く二つの影を見つけたクロエはすぐさま切嗣へ念話を送った。
 先行すること約500m。移動を始めた切嗣に合わせて警戒と偵察のためにクロエも移動していたが、それが功を奏した。元は冬木大橋を伺っていた彼女の視界を高速で横切るように向かってくる二つの物体は、明らかに人外の速さで、それでいて人間じみた動きをしている。彼女の、ある意味オリジナルともいえるアーチャーほどではないが、それでも確かにその目はそれが今回の自分達と同じ存在、参加者であると見抜いた。

『━━もしかしたらもう同盟を組んでるかも。』

 だがしかし、見抜けたのはその二人が参加者というところまで。その二人、銀色の影と赤色の影のどちらがマスターでどちらがサーヴァントか、あるいはどちらもマスターかそれともどちらもサーヴァントか。両者人間離れした動きをしているだけに、クロエには判断することができなかった。またクロエ自身もある種イレギュラーなサーヴァント。その在り方はマスター以上サーヴァント未満の半端なものであり、自分を基準とすることもできない。加えて、純粋に距離が遠い。今だ二つの影とは数百mの距離があるが、目視ではなく魔力から判断をつけようとすればこちらの存在にも感ずかれる可能性はある。

(あんまり考えてる時間は無さそうね、さて━━」

 彼女の、クロエと切嗣の目的は聖杯戦争の打破。
 そのためには協力者の捜索や聖杯についての調査が必須となる。
 しかし、大前提として考えなくてはならないのは自らの生存。本選が始まって以来初めて会うことになる参加者によっては、その後の展開は大きく変わってくるだろう。


 クロエ・フォン・アインツベルンが赤と銀、二つの影と接触するまであと30秒。気づかれる前に引くのか、あえて会話を試みるのか、あるいは彼女が予想しない選択肢をとるのか。
 少ない残り時間で衛宮切嗣と共に下す結論は━━。



【新都・冬木大橋東岸と衛宮切嗣の現在地の中間地点/2014年8月1日(金)0411】

【アーチャー(クロエ・フォン・アインツベルン)@Fate/kareid liner プリズマ☆イリヤ】
[状態]
筋力(10)/E、
耐久(20)/D、
敏捷(30)/C、
魔力(40)/B、
幸運(40)/B、
宝具(0)/-
[思考・状況]
基本行動方針
衛宮切嗣を守り抜きたい。あと聖杯戦争を止めたい。
1.切嗣と情報を共有したのち接触するか判断。
2.‥‥あれってどっちがマスターでどっちがサーヴァント?
[備考]
●赤色の影(バーサーカー)と銀色の影(ルナ)を目視で発見。どちらがマスターかサーヴァントかは判別不能。また後30秒でほぼ確実に鉢合わせになる。


【竜堂ルナ@妖界ナビ・ルナ】
[状態]
封印解除。妖力消費(小)。お腹いっぱい。ちょっと眠い。移動中。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
みんなを生き返らせて、元の世界に帰る。
1.学校の保健室を基地にする‥‥いいのかな‥‥
2.誰かを傷つけたくない、けど‥‥
3.バーサーカーさんを失いたくない。
[備考]
●約一ヶ月の予選期間でバーサーカーを信頼(依存?)したようです。
●修行して回避能力が上がりました。ステータスは変わりませんが経験は積んだようです。
●新都を偵察した後修行しました。感知能力はそこそこありますが、特に引っ掛からなかったようです。なお、屋上での訓練は目視の発見は難しいです。
●第三の目を封印解除したため、令呪の反応がおきます。また動物などに警戒されるようになり、魔力探知にもかかりやすくなります。
●身分証明書の類いは何も持っていません。また彼女の記録は、行方不明者や死亡者といった扱いを受けている可能性があります。


【バーサーカー(ヒロ)@スペクトラルフォースシリーズ】
[状態]
筋力(20)/D+、
耐久(30)/C+、
敏捷(20)/D+、
魔力(40)/B++、
幸運(20)/D、
宝具(40)/B+
魔力消費(微)、移動中。
[思考・状況]
基本行動方針
拠点を構築し、最大三組の主従と同盟を結んで安全を確保。その後に漁夫の利狙いで出撃。
1.誘い出されてくる他の参加者に警戒。砲撃や爆撃に対応するために魔力を溜めてる。でも狙撃のことは考えていない。
2.学校に拠点を構える。
3.マスターがいろいろ心配。
[備考]
●新都を偵察しましたが、拠点になりそうな場所は見つからなかったようです。
●同盟の優先順位はキャスター>セイバー>アーチャー>アサシン>バーサーカー>ライダー>ランサーです。とりあえず不可侵結んだら衣食住を提供させるつもりですが、そんなことはおくびにも出さずに交渉する予定。


289 : ◆qB2O9LoFeA :2014/11/02(日) 00:42:57 ArTaipGI0
以上で投下を終了します。



早速展開に行き詰まってしまいこれ以上の投下は難しいと思っていましたが、立てたロワをみすみす潰すのもしゃくだしここでしか書けないキャラも多いのでもう少し続けます。
あと予約を破った上にキャラを間違えて予約していて申し訳ありませんでした。


290 : ◆ui4kQCcLNk :2014/11/05(水) 11:41:06 QfQtwUpU0
遅れましたが投下乙です
ロワ企画は時間制限があるわけでもありませんし、焦らずじっくり進行しても大丈夫だと思いますよ

それと完成の目途が立ったので再度高遠いおり&ランサー(アリシア・メルキオット)、日野茜&ランサー(真田幸村)、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン&バーサーカー(ヘラクレス)、アサシン(千手扉間の影分身)、バーサーカー(サイト・シュヴァリエ・ド・ヒラガ)を予約します


291 : ◆ui4kQCcLNk :2014/11/12(水) 13:49:33 qrQkLvUE0
締め切り時間を超過して申し訳ありません
これより投下します


292 : 【9】死地 ◆ui4kQCcLNk :2014/11/12(水) 13:50:52 qrQkLvUE0
新都 冬木大橋前 1:43 a.m.

火花が散り、風が捻じれる。
ついさっきまで嫌というほど聞いていた音が橋の方から微かに聞こえてくる。


「ランサーさん、これって」
「ますたぁ殿も気がつかれましたか。あの橋で何者かが戦っているようですな。
それにこの臭いは…、某一度様子を伺ってまいりまする!」
「えっ、は、はい。行ってらっしゃい……?」

勢いよく飛び出していった幸村に咄嗟に疑問形で返すことしかできない茜。
十秒ほど経ってからようやく状況を飲み込んだ。


「ちょ、待ってくださいランサーさん!」


彼と離れる心細さから急いで後を追っていく。
どのみち自宅は深山町にあるので橋を通らなければ帰れない。
このすぐ後に、茜は追いかけずに待っていれば良かったと後悔することになる。







冬木大橋 1:48 a.m.

「このっ……!」


ランサー、アリシア・メルキオットは早くも苦境に立たされていた。
既にその全身には浅い切り傷が無数に刻み込まれている。
原因となっているのは現在もアリシアへと凶刃を向けるサーヴァント。
技も何もなく、ただひたすらに唸り声を出しながら剣を振るう姿は誰が見てもバーサーカーそのもの。
だが狂っているが故の身体能力の高さと反射神経の鋭さは今のアリシアには何にも勝る脅威でしかない。
必死にライフル弾を放ち牽制するも中々有効打を与えられずにいた。
持ち前の運動性で致命となる箇所への攻撃は全て回避され、それ以外の箇所に受けたダメージには構うことなく突進してくるのだ。
今のところは相手の攻撃の大味さにも助けられて生き延びていられるがこの状況が続けばそれも危うい。


293 : 【9】死地 ◆ui4kQCcLNk :2014/11/12(水) 13:52:03 qrQkLvUE0

『だ、大丈夫なのかランサー!?待ってろ、今令呪で』
「駄目、マスター!ここは私が何とかするから!」



まだ本選が始まってから数時間と経っていないのに令呪に頼るわけにはいかない。
マスターのいおりは十にも満たない子供。彼女の身を守れる切り札は一つでも多く残すべきとアリシアは判断した。
加えていきなり襲い掛かってきたこのサーヴァントの近くにはNPC達の無残な死体がいくつも転がっている。
深夜とはいえ人通りの多いこの場所で堂々と魂喰いを行っていたことは明白だ。
野放しにすればさらに被害は拡大していくことだろう。


(何とか隙を作れさえすれば……!)

この逆境を跳ね返す手段はある。
英霊アリシアの半身たる宝具に訴えればバーサーカーらしきサーヴァントを打ち倒すことも可能だ。
召喚されてほとんど時間が経っていないからこそ、アリシアは元々の貯蔵魔力をほぼ丸ごと保っている。
マスターが一般人の幼女であることを差し引いても一度なら二つの宝具を同時使用することもできる。
しかし発動するにも全くのノータイムというわけにはいかない。
数秒でいい、このバーサーカーの動きを止めることさえできれば槍と盾を出せるのだ。


「当たれ!」



生前から戦場で時折発揮される不思議な集中力が発動し、ライフル弾が吸い込まれるようにサーヴァントへと直進する。
避けられないと見るや剣で全弾を弾き飛ばしたがそれによって僅かな間動きが止まった。

(今なら!)


魔力を込め、ヴァルキュリア化しようとしたまさにその時だった。


「せい、はああああ――――――!!!」


上空から現れた赤い影が敵サーヴァントを強襲し、手にした二本の槍でラッシュを見舞った。
今まで遮二無二前進を続けていたサイトもこれには堪らず数メートル後ずさった。
それを見た赤いサーヴァントは構えを解かずにアリシアへと近寄ってきた。


「一つ聞きたい。あの惨状はそなたが起こしたものか?」


幸村が指差した先にあるものは斬り殺されたNPC達。
アリシアは即座に首を横に振って否定した。


「いいえ、私じゃない。多分あいつの仕業よ。
あいつはいきなりこっちに襲い掛かってきたの」
「やはりそういうことか」


294 : 【9】死地 ◆ui4kQCcLNk :2014/11/12(水) 13:52:39 qrQkLvUE0



言って、返り血に濡れたサイトを見やる二人のランサー。
幸村も半ば確信した上での問いだったがこれで迷いなく戦える。


「ならばあのさーばぁんとは某の敵!
このような外道の所業、断じて捨てて置けぬ!!」
「ランサーさん!」


気炎を燃やす幸村に声を掛けたのは走ってここまで追ってきた茜だ。
つい先ほどまで血色が良かったはずの顔色は眼下に広がる光景を見た途端に蒼白になった。
そんな主を見た幸村はやはりこうなってしまったか、と心中で嘆息した。
平和な時代に生きてきた茜に流血沙汰への耐性が無いことは薄々気づいてはいた。
だがそれを表立って指摘することはどうしてもできなかった。
口にしたところでサーヴァントを呼び出した時点で後戻りなどできない位置に立たされていた。
そんな状況で現実を正しく認識させれば茜はその場で崩壊していてもおかしくなかった。
今までスポーツ感覚で過ごせていたのも全ては事実を正しく認識していなかったためだ。




「どうするマスター?今ならここから逃げることも出来そうだけど」

一時的に生まれた膠着状態の中、アリシアはこの機を逃さずいおりに念話を送り指示を仰いだ。
普通に考えれば消耗を抑えるために撤退するべきところだ。
今なら赤いランサーにこの場を押しつけて逃げ出すことも十分可能だ。


『なあ、逆にあの子…あの人たちと組むのは無理かな?
今逃げたっていつかジリ貧になるだけだろうし、誰かと組めるならそうした方が良いと思う』
『そうね。あのマスターの子の様子なら、もしかしたら脈はあるかも』

アリシアから見て茜の様子は本物の戦場に対する恐怖しか感じられない。
あるいはいおりの方がまだしも肝が据わっているとすら思える。
しかし、だからこそ光明があるかもしれない。
長期的にはリスクを踏んでも他のマスターと図らずも接触したこの機を生かす方が確かに良いのも事実。


「ねえ、ここはひとまずあのバーサーカーを何とかしましょう?
私と私のマスターはあなたたちに危害を加えるつもりはないわ。
もちろん、そっちが信じてくれるなら、ということになるけど」
「え?……あっ…その……」
「相分かった。どのみちあのさーばぁんとを見逃すつもりはない。
ますたぁ殿、暫しの間下がっていてくだされ。
そなたはあーちゃーとお見受けする。拙者が前に出る故援護を頼みたい」


判断ができないマスターを庇うように、遮るように幸村が一方的に話を進める。
一見マスターを無防備に晒すような発言も幸村という壁を失ったアリシアが強大な敵と戦えるはずがないという計算あってのことだ。
アリシアが善人であるとはいえ幸村がそんなことを知る由もないし二人の間にはそこまでの信頼関係もない。
それでもこの場は手を取り合わなければならない、というのが共通の見解だった。




痺れを切らしたか、ついにサイトが膠着を破って突撃してきた。
すかさず幸村が反応してサイトの攻勢を受け止め、鍔迫り合いへと移行する。


「ぬうぉおおおっっ………!!」

劣勢なのは幸村。既に一度戦って消耗している上に負傷を抱えている身では力押しに対抗するのは厳しいものがある。
しかしランサーである幸村にはサイトにはない技術がある。
器用に二槍を滑らせデルフリンガーの切っ先を逸らし態勢を立て直す。
そして炎を発現させた槍でサイトの頭部目掛けて突きを放った。
しかし。


295 : 【9】死地 ◆ui4kQCcLNk :2014/11/12(水) 13:53:18 qrQkLvUE0



「何ぃっ!?」


サイトは超人的な反応で幸村の反撃を防いでみせた。そこまでは普通だ。
異常はその直後。幸村の魔力放出による炎がサイトの剣に吸い込まれるように消えていったのだった。
狂化の影響によってデルフリンガーの魔法吸収能力が魔力放出にまで対応するようになった結果がこれだ。
そして吸収された炎はサイトを駆動させる魔力に変換され、更に活性化していく。

「■■■■■■■■――――――!!」


サーヴァントから奪った魔力は質・量ともにNPCから得られるそれの比ではない。
味を占めたかさらに幸村から魔力を奪おうと猛攻を仕掛けるサイトに対し、幸村は炎を出さないよう戦うしかない。
つまり、自ら持ち味を封じるしかなく、攻撃力が激減した状態を強いられるということだ。


「だが、だとしても、負けるわけにはいかん!」

そう、聖杯戦争だからではなく、真田幸村としてあのサーヴァントには負けられない。
天下泰平のために槍を振るい続けた武士として、民を食い物にするサーヴァントには負けない。
性能やコンディションの差など関係ない。道理など無理で押し通す。


「烈火!!」

幸村が得意とする槍衾を繰り出し猛るサイトを徐々に押し込んでいく。
二槍故に一発の威力は低いものの二秒で百近い手数を出すラッシュにサイトも堪らず後ろに下がった。
尋常な立ち合いなら単なる仕切り直しで終わるところだが、ここにはもう一人のサーヴァントがいる。


「そこ!」


アリシアの持つガリア製ライフルが唸りを上げサイトへと銃弾を発射する。
持ち前の俊敏さで回避されてしまったが回避を強要しただけでも十分だった。
銃弾を完全に回避し、再び構えを取ったまさにその場所、デルフリンガーに。


渾身の力で投擲された幸村の槍が飛来し、後ろへと弾き飛ばした。


「―――!!!?」
「はぁぁああああああ!!!」


この瞬間を待っていた。槍を投げると同時に接近した幸村は既にサイトの懐に潜り込んでいる。
属性魔法やそれに近い攻撃を吸収する能力はサイト自身ではなくデルフリンガーに由来する。
一度吸収された時その仕組みを見て取った幸村は武器を弾き飛ばせるチャンスを伺っていたのだ。
剣を失い無防備になったサイトに対して幸村にはまだ手元に槍が一本残っている。
心臓へ放った突きは僅かに狙いを逸らされ脇腹に命中。直後、サイトの身体を内部から焼いた。



「■■■■■■■■■■■■■■■■!!!?!!」


もがき苦しむサイトは火事場の馬鹿力というべきパワーで槍を引き抜こうとする。
だが明確なその隙を幸村が逃がすはずもない。


「歯を、食いしばれぇぇえええええええい!!!」


296 : 【9】死地 ◆ui4kQCcLNk :2014/11/12(水) 13:56:06 qrQkLvUE0
外道を働くサーヴァントの顔面に炎熱を纏った幸村の拳が突き刺さる。
顔面が変形するほどの衝撃の鉄拳をまともに受けたサイトは錐揉み回転しながら吹き飛ばされた。
それでも落とした剣は拾い、憎々しげに唸り声を上げながら霊体化し足早に逃げ去った。
狂化していても自意識そのものは存在する以上本能的な危機感などは失われるわけではない。
そして狂えるサイトは邪魔者を決して許しはしない。
屈辱と怒りに身を震わせながら、傷を癒すため雌伏する。
折しも、夜が明け目立ち始めるより前のことだったのは、幸運であったのかもしれない。


【深山町/2014年8月1日(金)0202】
【バーサーカー(サイト・シュヴァリエ・ド・ヒラガ)@ゼロの使い魔】
[状態]
筋力(40)/D++、
耐久(40)/D++、
敏捷(60)/C++、
魔力(20)/D、
幸運(60)/C+、
宝具(100)/A+
ダメージ(大・戦闘行動に支障あり)、全身に中度の火傷、腹部貫通、魔力が潤沢なためステータスアップ
[思考・状況]
基本行動方針
■■■に会う。
1 怪我を治す。
2 邪魔した奴ら(アリシアと幸村)は許さない。
3 力(魔力)が欲しい(魂喰い)。
4 力(魔力のパス)が欲しい(亘を追う)。
[備考]
●ピンクの髪をしたものに執着します。
●特定の声にも執着します。
●霊呪の影響が薄れつつあります。
●予選期間中にルーラーから二画の霊呪を使用されました。
●ランサー(真田幸村)の炎を吸収したためまだ魔力は充実しています。
●再生能力や自己治癒に関する有名な逸話や能力が無いためダメージの回復には相応の時間と魔力が必要です。
少なくとも次の夜を迎えるまでは万全の状態には戻りません。
●デルフリンガーは魔力放出スキルによる魔力も吸収できます。
ただし原作における系統魔法(火・水・風・土)に関連する能力である必要があります。
●深山町方面のどこかへと移動しています。






冬木大橋 2:04 a.m.

「どうやらこちらが何かをする必要はなかったようだな」

アサシン、千手扉間は一連の戦闘が終わったことを確認しそう呟いた。
魂喰いを行っていたサイトに奇襲を仕掛けようとしたその直前、幸村の気配を察知し思い留まったのだった。
その後の混乱に乗じて扉間自身も僅かながら魂喰いを行い魔力を集めていた。
多少の犠牲ならばルーラーが検証を行ったとしても自分の仕業とは思われないという確信あっての犯行だ。


今は適当なところで魂喰いを切り上げ、密かに幸村らに近づき周囲を警戒しつつ会話を盗み聞きしている。
彼らが件の少年について何かを知っている可能性もあるし、あの中に聖杯を託すに足る心根の持ち主がいないとも限らない。


297 : 【9】死地 ◆ui4kQCcLNk :2014/11/12(水) 13:57:03 qrQkLvUE0



「ら、ランサーさん。一体何なんですか、これ…?
人がたくさんし、死んでるし、血もいっぱい……。
だって、スポーツの大会みたいなものだって、そう言ったじゃないですか!
なのに、どうして、こんな………」
「ますたぁ殿、それは……」



が、どうも何やら言い争いになっているようだ。
マスターらしき少女が蒼白な顔で赤いランサーに詰め寄っている。
しかし少女マスターの言っていることが扉間にはうまく飲み込めない。
扉間の理解力が低いのではなく、彼の視点から見て少女マスターの言動があまりに頓珍漢だからである。
まるで聖杯戦争のルールそのものを今まで理解していなかったようにも思える。
これは一体どういうことなのか。さらなる疑問が扉間の中に生まれた。



と、その時。こちらに近づいてくる巨大なチャクラを感知した。
チャクラの量もさることながら、質も極めて高い。相当に霊格の高いサーヴァントか。
ひとまず厳重に身を隠し、事態を見守ることにした。





「ねえ、お話は終わり?」


やがて現れたのは白い少女に鉛色の巨人のサーヴァントだった。
圧倒的と評する他ない死の気配を撒き散らすサーヴァントの眼に理性の光はない。
このサーヴァントもまたバーサーカーということか。
ステータスを直接見ることができない扉間でもあのバーサーカーがA級、あるいは特A級のサーヴァントだと一目でわかる。


「どうせ少しの時間しか持たないと思うけど、名前ぐらい教えてあげる。
わたしはイリヤ。イリヤスフィール・フォン・アインツベルン。
ふふ、でも魔術も知らない出来損ないの一般人マスターに言ってもわからないかな?」

呆気にとられる幸村、アリシア、茜を尻目に白い少女は場違いなほど優雅に自己紹介をした。
ここが戦場でなく、目の前の巨躯のバーサーカーさえいなければ微笑ましいとすら思える光景だっただろう。



(いかんな…。万全ならまだしも疲弊した奴らでは二人がかりでも最悪の場合全滅しかねん。
さりとてバーサーカーが近くにいてはマスターの暗殺も困難。加えて魔術による防衛も抜かりなし、か)


物陰から様子を窺う扉間は冷静に双方の戦力を分析していく。
はっきり言ってあのバーサーカーは正面戦闘に限定すれば複数のサーヴァントを敵に回しても戦えるだろう。
あれを打倒するには他の組とぶつけ消耗したところを横から思いきり殴りつけるのが理想だ。


が、現実には今バーサーカーに立ち向かう側が消耗しているところに万全のバーサーカーがいるという構図が出来上がっている。
このまま彼らが殺されてしまえば件の少年に関する手掛かりも聖杯を託すに足る者の候補も消える。それは不味い。
となると影分身に過ぎない扉間が取れる手段は限られてくる。
すなわち戦闘になった後、隙を見て情報収集の邪魔をした白い少女マスターを暗殺することだ。
とはいえあの少女が内包する人間離れしたチャクラの巨大さと少女の魔術と思しき使い魔の存在を考えると簡単な話ではないかもしれないが。


298 : 【9】死地 ◆ui4kQCcLNk :2014/11/12(水) 13:57:39 qrQkLvUE0






「じゃあ、殺すね。やっちゃえ、バーサーカー」

歌うように少女が告げると同時に、巨人が戦闘態勢に移った。
その巨体に内包された魔力を吐き出すように咆哮し、前へと踏み込んだ。



「――――――え?」



次の瞬間、『五十メートルは離れていたバーサーカーが茜の眼前で巨大な斧剣を振りかぶっていた』。


「ますたぁ殿!!!」


バーサーカーの斧剣が茜を挽肉に変貌させる直前、間一髪幸村が割って入り二槍で斧剣を受け止めた。
サーヴァント同士のぶつかり合いはそれだけで物理法則を蹂躙する衝撃波を生み出す。
魔術師でもなければ魔術使いでもない茜の身体を吹き飛ばすには充分すぎた。
受け身を取ることもできないまま路面に頭をぶつけそのまま血を流し気絶してしまった。


「いかん、ますたぁ殿……!!」
「■■■■■■■■■■■■■■!!!!」


マスターの負傷に僅かに意識が逸れたその時、鍔迫り合いの均衡が崩れた。
バーサーカーのパワーにガードを崩され、負傷している右脇腹を容赦なく斧剣が打ち据えた。
『楯無の鎧』の特性から肉体そのものを叩き斬られることは免れたが骨は砕かれ砕けた骨の欠片が内臓に突き刺さった。
それでも気力を振り絞って槍を支えに立ち上がる幸村だが最早勝ち目が無いことは明白だった。
万全で、宝具を解放する間があればまた違っただろうが連戦で消耗していてはどうしようもない。



当然だがバーサーカー、ヘラクレスにとって幸村の事情など知ったことではない。
追い討ちに幸村の脳天を叩き潰そうと斧剣を振り下ろす。



「させない……!」
「あーちゃー!?」


だが、アリシアがそれを許さなかった。ヴァルキュリア化し、顕現した盾でバーサーカーの攻撃を受け止めた。
考えるより先に身体が動いていた。目の前の生命を見殺しにすることはアリシアには出来なかった。
だが義侠心だけで立ち向かうにはあまりにも困難な相手だった。
このままではアリシアも幸村の二の舞になることは必至の状況だ。




(ここだ)


一連の状況を見守っていた扉間がここで動いた。
バーサーカーがアリシアに襲い掛かっている隙を逃さず姿を現しマスターであるイリヤに苦無を飛ばす。


299 : 【9】死地 ◆ui4kQCcLNk :2014/11/12(水) 13:58:21 qrQkLvUE0


「っ!?アサシンのサーヴァント!?」


だが自動防御機能が組まれているらしい使い魔が苦無に砕かれながらもイリヤを守り切った。
防がれた扉間には動揺はない。元々影分身でしかない自分の力を過信してはいない。
そもそも相手のマスターを守るものがなくなったのだから後は距離を詰めて斬り捨てれば事足りる。
随分高性能な使い魔のようだが再び出す暇など与える気はない。




「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!」


しかし次の行動に移るよりも尚早く、怒り狂ったバーサーカーが反転し、アリシアを放置して扉間へと迫る。
途轍もない反応の速さだがそれも扉間の計算を逸脱した行動ではない。
背中を晒したバーサーカーをそのままにするほどアリシアが無能であるはずがない。
ヴァルキュリアの槍を展開し、先端から発射された蒼白い閃光がバーサーカーに直撃した。
無論扉間は既に巻き込まれるより前に離脱を終えている。


これが扉間の二段構えの作戦。マスター狙いが失敗したとしても自分を囮にしてバーサーカーに隙を作れればそれで良し。
サーヴァントが消えればマスターも死ぬこの世界では十分に機能する策だった。




「嘘………」
「まさに化け物か……」

もし誤算があったとすれば、バーサーカーの異常さか。
Bランク相当の宝具が完全な形で直撃したにも関わらず、鉛色の巨人には傷一つなかった。
怒りの度合いを強めた形相のまま、マスターを守るように立ち塞がっている。


「…一応聞いておくけど、あなたは私達と利害が一致してると思って良いの?」


扉間を警戒しつつ、アリシアが問いかけてくる。
今のところ彼女達に不利益な行動を取っていないとはいえアサシン相手に油断などできるわけもない。


「少なくとも、今お前たちに消えられては困る者だ。
信じる信じないはそちらの勝手だが、この場は共闘してでも切り抜ける他あるまい?」
「…………」


完全に信用したわけではないが、アリシアは浅く頷いて再びバーサーカー主従を見据えた。
どのみちこの状況で二正面作戦など到底不可能な以上仕方ない。



「すまぬあーちゃー、某は……」
「気にしないで。今のうちにあなたのマスターを連れてここから逃げて。
それと、機会があったらマスターとちゃんと話し合いをした方が良いよ」
「かたじけない、この礼は必ず!」


マスター、サーヴァント共に負傷していては満足に戦えない。
幸村は忸怩たる思いを抱きながら、茜を背負って新都へと戻っていく。
だがその足取りに力はなく、離脱には時間がかかることは明らかだった。



(ランサー、あのバーサーカーを何とか倒してくれ!)


とその時、アリシアのマスターであるいおりが令呪を使い、アリシアの身体に魔力が満ちた。

「マスター!?何してるの!?」
(わかってるよ!でも、だからって放っとけないだろ!?)


幸村と茜を見捨てられないと考えていたのはアリシアだけではなかった。
いおりもまた、せめて自分に出来ることを考えた結果アリシアを援護するために令呪の使用に踏み切った。
結局、いおりとアリシアは似た者同士だったということである。


300 : 【9】死地 ◆ui4kQCcLNk :2014/11/12(水) 13:59:13 qrQkLvUE0


「わかっていると思うがどうやらあのバーサーカーは何がしかの条件を満たさなければ傷つけることも敵わぬようだ。
生半可な攻撃は無効と弁えておかなければ殺されるぞ」
(この状況、ここはこのサーヴァントに恩を売り、渡りをつけておくのが得策か。
あまり手の内は晒せないがマスター狙いをちらつかせ、時間を稼ぐだけならどうとでもなろう)

一方扉間は冷徹な計算の下バーサーカーの弱点を探りつつ共闘する道を選んだ。
そもそも影分身であるため倒されたとしてもデメリットは非常に小さい。
無論影分身の術が露見すれば警戒されるどころか真名特定につながりかねないため立ち回りには慎重を要するが。



「目障りなサーヴァント達ね。バーサーカー、全部蹴散らしなさい!」


イリヤはバーサーカーの力を疑わず、しかしアサシンへの警戒だけは怠らず新たに八羽の使い魔を生み出した。
これはイリヤに初めて訪れた自分のための戦いでもあるのだ。誰にも邪魔はさせない。
バーサーカーを『狂わせる』ことも視野に入れ、二人の敵と対峙した。


【冬木大橋/2014年8月1日(金)0211】
【アサシン(千手扉間の分身その3、三つの問題担当)@NARUTO】
[状態]
筋力(30)/C、
耐久(30)/C、
敏捷(50)/A+、
魔力(15)/B、
幸運(10)/E、
宝具(0)/EX
健康、宝具使用不可、全力での戦闘困難、魔力を四分割しているため戦闘になると4ターン目終了時に術が解ける、魔力の供給がなければあと四時間以内に術は解ける。
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯を用いて木の葉に恒久的な発展と平和を。
1 女サーヴァントと共闘し、恩を売って次への布石とする
2 あのバーサーカー(ヘラクレス)を今倒すのは困難か……
3 逃げたサーヴァント(幸村とサイト)の行方が気になる
4 影分身の術を知られると困るので極力撃破されないよう立ち回る。
5 マスター(凛)が他の組に見つからないように警戒
6 三つの問題を調査する予定だったが……?
[備考]
●影分身の術による分身です。
●影分身の経験は本体にフィードバックされます。
●魂喰いを行ったため多少魔力を得られました。
その罪はバーサーカー(サイト)に擦り付けられるものと判断しています。
●ランサー(アリシア)の真名を悟ったかどうかは後の書き手さんにお任せします。
●バーサーカー(ヘラクレス)に半端な攻撃(Bランク以下?)は通用しないことを悟りました。


【アリシア・メルキオット@戦場のヴァルキュリア】
[状態]
筋力(35)/C、
耐久(35)/C+、
敏捷(45)/C+、
魔力(45)/C+、
幸運(50)/A、
宝具(40)/B
魔力150パーセント、令呪「バーサーカーを倒せ」、ヴァルキュリア化
[思考・状況]
基本行動方針
まだ良くマスターのことを知らないけれど、マスターを生きて元の世界に帰す。
1 今はこの状況を切り抜けないと……!
2 あいつ(扉間)、信用できるの?
3 できればランサー(幸村)とそのマスター(茜)にもう一度会って同盟を組みたい
[備考]
●マスターの本名が高遠いおりだと思っています。また六歳の女の子だと思っています。
●バーサーカー(ヘラクレス)に半端な攻撃(Bランク以下?)は通用しないことを悟りました。
●バーサーカー(サイト)に付けられた傷は自己治癒しています。
●令呪でブーストされているため槍による砲撃がバーサーカー(ヘラクレス)に通じるようになったかもしれません。
●いおりが宝具の性能を把握していないためステータスの追加強化が行われていません。


301 : 【9】死地 ◆ui4kQCcLNk :2014/11/12(水) 14:00:31 qrQkLvUE0

【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/stay night】
[状態]
健康、苛立ち
[装備]
特別製令呪、鳥型の使い魔八羽
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
全員倒して優勝する。
1 あいつら(アリシアと扉間)をまとめて殺す
2 逃げた赤いランサー(幸村)も殺す
3 マスター狙いに一応注意する
4 利用できそうな弱いマスターを利用する?
[備考]
●第五次聖杯戦争途中からの参戦です。
●ランサー(幸村)、ランサー(アリシア)、アサシン(扉間)のステータス、一部スキルを視認しました。
●少なくともバーサーカー(サイト)とは遭遇しなかったようです。
●自宅はアインツベルン城に設定されていますが本人が認識できているとは限りません。


【バーサーカー(ヘラクレス)@Fate/stay night】
[状態]
筋力(105)/A+、
耐久(55)/A、
敏捷(55)/A、
魔力(55)/A、
幸運(40)/B、
宝具(40)/A、
健康、怒り爆発、狂化スキル低下中
[思考・状況]
基本行動方針
イリヤを守り抜く、敵は屠る。
[備考]
●イリヤを狙われたことで激昂しており、戦闘力が微増しています。


302 : 【9】死地 ◆ui4kQCcLNk :2014/11/12(水) 14:01:09 qrQkLvUE0


【新都、冬木大橋前/2014年8月1日(金)0211】
【日野茜@アイドルマスターシンデレラガールズ】
[状態]
やや寝不足、頭部から失血(未処置)、気絶中
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
???
1 ???
[備考]
●予選期間中他のマスター、サーヴァントと出会うことはありませんでした。
●月海原学園高等部の生徒という立場が与えられています。
所持金は高校生相応の額となっています。
●自宅は深山町のどこかです。
●セイバー(テレサ)、バーサーカー(小野寺ユウスケ)の基本ステータスを確認しました。
●気が動転していたため、ランサー(アリシア)、バーサーカー(サイト)、バーサーカー(ヘラクレス)のステータスを確認できていないかもしれません。


【ランサー(真田幸村)@戦国BASARAシリーズ】
[状態]
筋力(40)/B、
耐久(40)/B、
敏捷(30)/C、
魔力(30)/C、
幸運(30)/C、
宝具(40)/B、
疲労(中)、魔力消費(中)、肋骨粉砕骨折、内臓に損傷、強い屈辱と無力感
[思考・状況]
基本行動方針
強敵たちと熱く、燃え滾る戦を!!だが……
1 今はここを離れてますたぁを安全な場所に移さねば…
2 死ぬなよ、あーちゃー(アリシア)…
3 俺は……
4 せいばぁ(テレサ)、ばあさあかぁ(小野寺ユウスケ)と再戦し、勝利する
5 あのあさしん(扉間)は忍びの者か?
[備考]
●バーサーカー(ヘラクレス)の攻撃で傷が悪化しました。
●ランサー(アリシア)のクラスをアーチャーと誤認しています。
●ランサー(アリシア)の真名を悟ったかどうかは後の書き手さんにお任せします。


【新都、冬木大橋手前のマンション屋上/2014年8月1日(金)0211】
【高遠いおり@一年生になっちゃったら】
[状態]
魔力消費(中)
[残存霊呪]
2画
[思考・状況]
基本行動方針
死にたくない。まだいまいち状況が飲み込めてない。
1 あの娘たち(茜と幸村)を助けないと……!
2 あんな怪物(ヘラクレス)相手に俺ができることなんてこれぐらいしか…
3 ランサー(アリシア)とコミュニケーションしてみる。
4 やっぱり情報は大事だよな、慎重に偵察しないと。
5 今はまだ詰んでない、はずだ。多分、きっと、メイビー。
[備考]
●所持金はほぼなし。あっても幼稚園児レベル。
●ランサーの名前がアリシア・メルキオットであること以外は世界大戦の英雄だということしか知りません。もちろん出身世界が違うことには気づいてません。
●ランサー(幸村)、バーサーカー(サイト)、アサシン(扉間)、バーサーカー(ヘラクレス)のステータスと一部スキル、宝具を確認しました。


※冬木大橋の深山町側で救急車が事故を起こしたと噂になっているようです。一部には奇声を上げるOLと接触を起こしたという流言があったりなかったりします。


303 : ◆ui4kQCcLNk :2014/11/12(水) 14:04:32 qrQkLvUE0
以上で投下を終了します。
いおりの位置については「フォー・マン・セル《四人一組》 」の描写から冬木大橋近くのマンション屋上と解釈しました。
他にご指摘、感想などありましたらよろしくお願いします。


304 : 名無しさん :2014/11/14(金) 21:47:49 2feyWUoY0
投下乙です!
どっちのランサーもしぶといけど幸村はさすがに厳しいかな?
マスターも魔術師じゃないし消耗も大きいしバーサーカー三連戦でボロボロ
ただ同盟組めそうになったからなんとかなりそう


305 : 名無しさん :2014/11/14(金) 22:08:21 MBPHqaH60
投下乙です!
卑劣様は相変わらず卑劣なのに幸村、アリシア目線だと割と格好良く見えるから困るw
そして幸村に槍兵の呪いが発動してるェ……


306 : ◆p1hwNIp6AQ :2014/12/12(金) 21:27:01 Ep9pK7do0
アリス・マーガトロイド&アーチャー、クロノ・ハラオウン&ライダー、ナノカ・フランカ&アーチャーを予約します


307 : ◆p1hwNIp6AQ :2014/12/18(木) 07:00:21 1ZRKkpAg0
完成の目途が立たないので一度予約を破棄します
申し訳ありません


308 : ◆p1hwNIp6AQ :2014/12/31(水) 15:37:22 2SmhQnoc0
申し訳ありません、諸事情で自分が登場話を書いたランサー(カルナ)の耐久ステータスをAからCに変更させていただくわけにはいかないでしょうか?
企画がスタートしてからの身勝手な要望で重ねて申し訳ございません
>>1氏の返答をお待ちしております


309 : ◆qB2O9LoFeA :2015/01/03(土) 12:14:22 L8BJvcvk0
回答が遅れてすいません

ランサー(カルナ)のステータスですが、
●本選での投下がないこと
●ステータスを低下させる修正であること
●カルナがCCCではステータスを高く自己申告していたこと
以上の三つから下げてもらっても構いません


310 : ◆p1hwNIp6AQ :2015/01/03(土) 20:41:08 tfNxNjRw0
ありがとうございます
ではそのように修正し、カルナの知名度補正に関する一文は取り消しとさせていただきます


311 : ◆qB2O9LoFeA :2015/01/07(水) 22:31:09 q/QV6zYs0
あけましおめでとうございます投下します


312 : 【10】事情聴取《インタヴュー》 ◆qB2O9LoFeA :2015/01/07(水) 22:42:13 dgIEa3Uc0



「どうなっている!?」

黒衣に身を包んだ男が苛立たしげに呟いた。
だがその声に答える者はいない。無機質な白い空間には彼しかおらず、ドーム状の壁・天井に映し出される映像は時間もあってそれが音を拾うことはない。

「連絡用AI、ルーラーを深山町に向かわせろ。探索用AIも一度呼び戻せ。」

怒気を隠そうともせずに男は懐から取り出したPHSに向かってそう告げた。その様子は彼のオリジナルである青年の普段の姿からは想像しづらいかもしれない━━むしろ動揺したオリジナルには近いのかもしれないが。

「馬鹿な‥‥こんなバグは観測されたことはない‥‥!」

そう言うと、男は画面の向こうの光景を睨み付け、傍らの古いパソコンのキーボードを叩きつけるようにタイピングし始めた。
ふっ、と空間の明度が若干変わる。それまで二十人を越す人間を映していたドームは、しかして今は同じ一つの映像が大部分を占めるようになった。

「なぜ会場が二つになった‥‥!?」

運営用AIによってドームに大写しになったのは、現地の時間を考えば本来ありえない数の人間がいる冬木大橋。僅かな時間だったが異常が最も分かりやすい形で露になっているその場所で、その異常は誰の目にも明らかな形で起こっていた。


すなわち、全てのNPCが二人に増え挙動を止めるという事態が。



* * * * * * *



「うわっ!寝過ごした‥‥」

顔の上に覆い被さっているなかよしをずらした隙間から見た時計で時間を確認すると、黒鳥千代子ことチョコは自分が眠りこけていたことに気づきため息を吐いた。
(セイバーさん?いる?)
(━━ん、起きたかマスター。)
(ごめん寝ちゃってた。)
ベットに寝転んだままサーヴァントのセイバーに念波を送る。寝ジワのついたゴスロリを直しながら自分の不覚を謝った。
元々、チョコは眠る気は無かったのだが、本選に進むことの緊張からか早めに着替えなどの準備をしたことが仇になったか。どちらかはわからないが日付が変わるまで時間があったので、マンガを読みながら待っていたらいつの間にか寝落ちしていたのだ。

(問題ない、それより、サーヴァントと交戦した。)

なんということのないようにすっ、とセイバーから告げられた言葉に思わずチョコは呼吸を止めた。その言葉が意味するのは明白、自分が眠っている間にこの聖杯戦争が、本当の意味での戦争を開始したということだ。
すぐに戻る、というセイバーの言葉を最後に念波が途切れ数分後、部屋に仄かな燐光と共にセイバーは実体化した。その姿は予選期間中に見ていたものと変わりなく、言われなければとても命のやり取りをしていたとは見えないだろう。

「さて、まずは‥‥バーサーカーっぽいヤツことから話すか。」
床にどっかと座ると、セイバーは話し始めた。



* * * * * * *


313 : 【10】事情聴取《インタヴュー》 ◆qB2O9LoFeA :2015/01/07(水) 22:43:21 dgIEa3Uc0



* * * * * * *



「てわけだからとりあえずもう一度冬木大橋に向かって、その後は黒鳥千代子の自宅ね。」
「ふわぁ‥‥了解でーす‥‥」

冬木教会と一体化した居住区、その一室。青い髪の少女の外見をした連絡用AIは桃色の髪の少女にそう告げるとPHSを取り出しながら足早に出ていった。光景だけ見ているとまるで部活動かなにかの連絡にも見えるそれは、とても聖杯戦争の審判と監督役との会話とは見えないだろう。

(いくらサーヴァントっていっても寝る時間くらいはくれないかな〜)

そして大きな欠伸をしながら仮眠用のベットからもそもそと這い出る桃色髪の少女。こちらが今回の聖杯戦争のルーラーである、といわれても多くの参加者ははいそうですかと信じることはないだろう。
なにせ、そのサーヴァントは異形だった。十代前半とおぼしきあどけない顔。混じりけのない鮮やかな桃色の髪。所によっては下着ともとらえられかれないこれまた桃色の特徴的な衣装。そしてなりより猫耳と猫しっぽ。
この姿で『どうもルーラーです』、と言ってもどこぞの悪徳マスターかサーヴァントに洗脳された哀れなNPC扱いが関の山だ。

しかし、彼女はこれでも本当に本物。ルーラーのサーヴァントなのである。

(めんどくさいなぁ‥‥そうだ!もしかして、猫になればサボれる‥‥ ?)

ルーラーにあるまじき発言をしているが本当に本物のルーラーである。

「あ!こなたさん差し入れ持ってきてくれたんだ〜!アイスクリームただ。」

本当に本物のルーラーである。

「よし、早くやってすぐ帰ってくればちょうど溶けかけ!」

‥‥これでも本当に本物のルーラーである。
とうてい英霊とは思えない軽さであるが、元の年齢を考えればしかたないといえばしかたない。十代前半の女の子の姿をしているのだからスイーツにつられようとそこまで不思議でもない。よってこれはルーラーである。


「行ってきまーす!」と元気に教会から飛び出していくとルーラーは跳ねるように移動を開始する。その姿は直ぐに小さくなり、ビルの屋上伝いに走り始めてやがて見えなくなった。



* * * * * * *



「━━これで全部だ。一番面倒そうなのは黒いバーサーカー。一番組みやすいのは赤いランサー、サナダゲンジロウユキムラ、というところかな。」
「うーん‥‥」
思わず唸るとチョコは頭を抱えた。セイバーから聞かされたサーヴァントの情報は八人。


━━黒いバーサーカーらしきサーヴァント。硬い甲冑と強力な再生能力に気配遮断していたセイバーを見つける謎の感知能力、謎の発火能力。どこか動きがぎこちないが戦っているなかでそれは薄らぐ。恐らくベルトが宝具かスキルの要。

━━赤い自称ランサー、サナダゲンジロウユキムラ。高い槍の技量とこれまた高いであろうステータス。魔力を炎にするであろう発火能力。戦闘とみると乱入する好戦性。恐らく直情径行な戦士、日本人らしいので武士か?

━━冬木大橋にいたサーヴァントその一。飛び道具を使う。既に脱落。

━━冬木大橋にいたサーヴァントその二。黒いバーサーカーと似た気配だが、何度か気配が変わる。気配遮断が恐らく可能。その一を脱落させた。

━━冬木大橋にいたサーヴァントその三。弱い気配でこちらも気配遮断が恐らく可能。飛び道具を使う。その二と組んでいる可能性がある。

━━冬木大橋にいたサーヴァントその四。魂喰いをしていた。強力な気配と近接攻撃が特徴。その五とサナダゲンジロウユキムラに襲われ逃亡。

━━冬木大橋にいたサーヴァントその五。最初は弱い気配だったがその六との戦いで一気に気配が増す。ビームを撃つ。

━━冬木大橋にいたサーヴァントその六。強力な気配と近接攻撃が特徴。その四よりも恐らく強い。


以上がセイバーが実際に戦ったり、あるいは気配を察知したサーヴァントである。もっとも、バーサーカー戦後は後退していたため多少正確さにはかけるし、冬木大橋での大規模な戦闘が始まってからは万が一逆探知されることに備えチョコの家付近まで撤収した。よって、これはセイバーの知らないことだが『その三』ことクロノはマスターであるし、アサシンこと千手扉間の存在にも気づいていない(彼女の名誉のために言っておくと、クロノは魔力が桁違い、アサシンは気配遮断している上に影分身だったのでサーヴァントではない、と判断したためである)。彼女もその可能性はわかっているのでもちろんチョコには伝えている。そして、その情報を伝えられてチョコは。


314 : 【10】事情聴取《インタヴュー》 ◆qB2O9LoFeA :2015/01/07(水) 22:46:21 mqNKqYnc0

「ちょ、ちょっと待ってセイバーさん。もう少し頭を整理させて‥‥」

混乱。当然混乱。

「えーっと、黒いバーサーカー?が危なくて赤いランサー?が信用できそうってこと‥‥?」
「まあ簡単に言えばそうだな。というかその二人しかよくわからない。」
「うー、えーと、うーん‥‥」

もちろん、チョコに聖杯戦争の経験はない。それどころか殺しあったことはおろかまともに喧嘩したためしすらない。精々がうっかり即死呪文を唱えてクラスメイトを十人ほど殺しかけたくらいだ。もともとただの女子小学生であることを、しかもろくに友達もいないことを考えればそれが当然だろう。
(ど、どうしよう‥‥)
よってチョコには、与えられた情報を━━現時点で誰よりも先んじて持っているその価千金の情報を生かすことができない。額面だけでも八騎のサーヴァントの情報を手にしておきながらどう人物に価値を付けどう活かせばよいかもわからない。
(えーっと、その一がもう脱落してて、その二とその三が仲間でその四がその五と‥‥あれ?)
そもそも、情報を咀嚼することができていない。悲しいかな、もともとあまり要領のいいほうでもないチョコはせっかくの情報をほとんど持て余していた。

頭を抱えて何分も考え込むチョコ。ややあって、「ユキムラ?」と呟いたのは(これは不味いか‥‥?)と自らのマスターの不甲斐なさにセイバーが声をかけようとしたときだった。
「セイバーさん、さっきサナダユキムラってサーヴァントがいたって言ったよね。」
「ああ、赤いランサーがそう言ってたな。まあさすがに真名じゃないだろうが。」
「サナダユキムラサナダユキムラ‥‥うーん、時代劇?ドラマ?」
「意外だな。心当たりがあるのか?」
「うん、たしか‥‥あれ?どこだっけ資料集資料集‥‥あった!セイバーさんこれ!」

そう言うとチョコは、ランドセルの中から一冊の本を取り出した。『社会科資料集』とそのものずばりのタイトルが書かれたそれをセイバーに向けて置くとペラペラとページを捲っていく。

「いいなこの本。あとで借りていいか。」
「どうぞどうぞ━━この辺りかな?たしか鎌倉時代に‥‥」
「源、平、元寇‥‥」
「あれ?ちがったかな?もうちょっと後かも‥‥」
「織田、豊臣、徳川‥‥」
「ないなあ‥‥江戸時代かな?」
「家光、吉宗、慶喜‥‥」
「‥‥あれ?」
「無さそうだな。」
「うーん、どっかで聞いたことあるんだけどなあ。」
そう言うとチョコは、今度は社会の教科書を取り出してめくり始めた。その真剣に教科書を見る姿は今までの彼女からは想像できないほどだ。
「ぜったいどこかで聞いたことあるんだけどなあ、どこだったっけ。」
「随分真剣そうだなマスター。授業中とは大違いだ。」
「それは、だって授業より真面目にならないと。」
「なるほど、だから休み時間も教科書や資料集を読んでいたのか。」
「それは‥‥その、ヒマだったから。」
「まあ机に突っ伏して寝てることもあったな。」
「うっ、とにかく!早くサナダユキムラを探さないと「あったぞ」え。」
唐突な言葉に、思わずチョコはセイバーが指で指した資料集のある一点を見つめた。真田幸村。確かにそうふりがなの下に書かれた名前がそこにはあった。

「あった‥‥この人だよセイバーさん!」
「ふーん、それは良いが‥‥」
「本当に武士がサーヴァントになったりするんだ‥‥」
「で、どうするんだ?」
「え?」
「名前を見つけはしたが、それ以上の情報は無さそうだ。これ以上のことは教会か図書館に行って調べる必要がある。」
「そっか‥‥名前しかわかんないだ。じゃあ、早く教会に行こうよ。もしかしたらけっこういい人かもしれないよ。」
テンションを上げてそう言うチョコ。しかしセイバーは「やめたほうがいい」とマスターを諌めた。

「どれだけ向こうで時間がかかるかはわからないからな。帰ってくる頃には日が昇るぞ。」

それでも行くか?という言葉で占めるとセイバーは微笑と共にじっとチョコを見つめた。
セイバーのこの発言はいくつかの懸念が生んだものだ。それは予想よりも高いサーヴァントの発見率であったり、あるいは既に数度の戦闘を観測していることであったり、あるいは気配遮断が可能なサーヴァントの多さ・強いマスターの存在などなど。
その余りの多さに外に出ることそのものが危険だとセイバーは判断したのだ。

日没まで待つべき、そう告げて警備に戻ろうとセイバーが口を開きかけたとき「そうだ!」という声と共にチョコは立ち上がった。

「セイバーさん、時間を戻そう。」
「━━は?」

思わず硬直したセイバーにチョコは続けた。


315 : 【10】事情聴取《インタヴュー》 ◆qB2O9LoFeA :2015/01/07(水) 22:53:16 nm873UvA0

「前に時間を停める黒魔法があるって言ったでしょ。それとおんなじようなのに時間巻き戻し魔法っていうのがあって、それで十二時ぐらいに戻れば間に合うと思うんだけど。」
「確かに間に合うだろうが━━」セイバーはそう言うと『巻き戻った』場合について考え始めた。なるほど、五時間も戻れば確かに充分間に合う。それに事前に冬木大橋付近にサーヴァントが集結するという情報がある以上ある程度の安全性もあるにはある。
もっとも、この場合心配なのは果たして黒魔法が成功するかだ。一応ほうきで空を飛んだり簡単な工房まがいのものを作ったり分身できたりするのは知っている。だが、それも必ずしも成功するというわけではない。
(━━だが、もし成功すれば‥‥?)
だが、もし成功すればアドバンテージは当然大きい。時間の巻き戻しとセイバーの妖気探知。この二つがあれば一日目にして全サーヴァントを把握することも不可能ではない。


「━━で、私はどうすればいい?」
迷いは数瞬、セイバーは勝ち残るためにそう問いかけると。視線で促した。
「セイバーさん、それって━━」
「やるなら早くしろ。それとも止めるか?」
「や、止めない!いくよセイバーさん、手をつないで。」


━━後からセイバーは、この時のこの判断が大きくその後の戦略を変えたと幾度も思い返すことになる━━


セイバーがしっかりと手を握るとチョコは呪文を唱え始める。

「ルキウゲ」

━━スッ、とセイバーは自身に流れ込む魔力が減ったのを感じ。

「ルキウゲ」

━━カクン、と自身への魔力の流れが止まったのを次に感じ。

「リボビナーレ!」

━━最後に、セイバーは魔力のパスの向こう側で小さな爆発と閃きを感じ。



その瞬間、確かに世界は一瞬動きを停めた。



* * * * * * *


316 : 【10】事情聴取《インタヴュー》 ◆qB2O9LoFeA :2015/01/07(水) 22:54:51 56LZoCJY0



* * * * * * *



「ここが黒鳥千代子の家ね。」
そう家の玄関の外で発せられた呟きを妖気探知と共に聞いたセイバーは渇いた笑みと共にチョコに視線で問いかけた。一方のチョコは家の勝手口の方へ頻繁にアイコンタクトを送るがセイバーはそれを眼だけで否定した。

セイバーの持つ妖気探知、この宝具を持ってすれば周囲の異変━━突然『二重』になった周囲のNPCに気づくのは簡単だった。もちろん自分達が『巻き戻っ』てないのも明白。そしてこれが意味するのも明らか。どうみても黒魔法が失敗、それもとんでもなくややこしい事態を引き起こしていると嫌がおうにも理解させられた。
そしてそのことに気づいても二人は動くことができなかった。理由は単純、明らかな異変が起きている外に出ていくわけにもあてのない逃亡を始めるわけにもいかず、まだ勝手のわかる自宅付近での戦闘に備えたほうが生き残る確率が上がると判断したためである。この判断にも、セイバーの宝具が一役勝っていた。セイバーの妖気探知はそれに類する感知系の能力を逆探知できる。レーダーでいえば異なる波長の電波も傍受できるというわけだ。この宝具によってセイバーは、『異変に気づいたサーヴァント・マスターが探索しているのを把握して奇襲する』という作戦を立て臨戦体勢をとっていたのである。

ああ、しかし。幸運か不運か二人が最初に接近に気づいたサーヴァントは「ルーラー」だった。ここで二人にとれる選択肢は大きく三つ。

一、全力で逃げ隠れする。
二、ルーラーを奇襲する。
三、素直に謝る。

一はそれが出来るなら待ち伏せのような真似は最初からしていないので却下。
二はルーラーのステータスが思いの外高く確実に令呪を使われるので無理。

こうなると、二人にできることは神妙にルーラーが訪れるのを待つことしかできない。


(さあて━━)

自嘲的な微笑を浮かべると、セイバーことテレサはいつでも妖力解放できるように備える。一日目でルーラーを呼び出してしまうとは、どうやら自分の幸運はかなり低いらしい。それでもこうして全力で戦える機会があるだけマシ━━ルーラーの出方次第では令呪二画に妖力解放、どちらも使って全力で殺す必要がある━━かもしれないが。

(━━どう出る)


桃色の燐光。

セイバーとチョコの前でサーヴァントが霊体化を解く。露らになったのは十代前半とおぼしきあどけない顔。混じりけのない鮮やかな桃色の髪。所によっては下着ともとらえられかれないこれまた桃色の特徴的な衣装。そしてなりより猫耳と猫しっぽ。

「あれ?」
その姿にチョコは思わず声を上げた。その姿はよく見覚えがあるようで、彼女の知識が正しければ、おそらく該当する英霊は一人しかいない。

「こほん、あなたたち!」

ルーラーがビシッ、と疑問付きで二人を指差す。その姿とあらためて見るステータスに身を固くする二人に向かってルーラーは口上を述べる。

「なんだかムーン・セルを変な風にしたみたいだけど━━」

桃色の瞳、人を惹き付けてやまない猫の目が二人をしっかと見つめる。

「━━そこら辺の事情もたっぷり聞かせてもらって久々に人類の未来に━━」

腕が上がり独特のポーズをとる。

それは、ルーラーからの宣告のフォーム。幾度の戦いのたびに、その口火を切る前にとられた猫の構え。


「━━ご奉仕するにゃん!」



ルーラー、ミュウイチゴ。本選での初陣かそれとも━━


317 : 【10】事情聴取《インタヴュー》 ◆qB2O9LoFeA :2015/01/07(水) 23:03:04 q/QV6zYs0



【深山町北部・黒鳥千代子自宅/2014年8月1日(金)0527】

【黒鳥千代子@黒魔女さんが通る!!】
[状態]
呆気。
[装備]
チョコのゴスロリ、杖(輪島塗の箸)。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
ムーンセルでなんとか頑張る。
1:ミュウイチ━━
2:とりあえずルーラーに謝る。
3: 真田幸村を調べたいけど━━
4:あんまりさっきのサーヴァントのことはわかってない。
5:これからどうしよう‥‥
[備考]
●ルーラーの真名をほとんど看破しています。


【セイバー(テレサ)@クレイモア】
[状態]
筋力(40)/B+、
耐久(40)/B、
敏捷(40)/B+、
魔力(50)/A+、
幸運(20)/D、
宝具(40)/B、
健康、気配遮断、妖気探知。
[思考・状況]
基本行動方針
当面、諜報活動に専念し戦闘は最低限に抑える
1:さて、どうするか。
2:ルーラーと話す。場合によっては全力で仕留める。
3:赤いランサーの真名を調べたいけど━━
4:バーサーカーの索敵能力は警戒しておく
5:ランサーは何でわざわざ真名を名乗ったんだ?
[備考]
●赤いランサー(真田幸村)の真名とある程度の戦法、黒いバーサーカー(小野寺ユウスケ)のある程度の戦法を確認しましたがマスターではないのでステータス等は確認できていません。
●バーサーカー(小野寺ユウスケ)のベルト(霊石アマダム)が弱点部位だと何となく理解しました。
●冬木大橋付近で妖気探知していた結果、リップバーン・ライダー(五代雄介)・クロノ・バーサーカー(サイト)・ランサー(アリシア)・バーサーカー(ヘラクレス)・ルーラー(ミュウイチゴ)の魔力を把握しました。またおぼろげながら周囲にいた人間の気配も感じました。
●妖気探知の範囲で現時点までに上記以外のサーヴァント・マスターの情報はありません。
●予選時にどの程度他のチームの情報を得ていたかは後の書き手さんにお任せします。


318 : 【10】事情聴取《インタヴュー》 ◆qB2O9LoFeA :2015/01/07(水) 23:04:31 BeWKiDyw0

【東京会場のルーラー/ビースト(ミュウイチゴ)@東京ミュウミュウ】
【真名】
ミュウイチゴ@東京ミュウミュウ

【パラメーター】
筋力B(40) 耐久B(40) 敏捷B(40) 魔力B(40) 幸運C(30) 宝具EX(?)

【属性】
中立・善

【クラススキル】
真名看破:E
直接遭遇した全てのサーヴァントの真名及び一切のステータス情報を自動的に開示する。
ただし、情報の隠蔽能力を持つサーヴァントに対しては無効化される。
野性(猫):B
自然の中に溶け込める性質。
身体能力が猫として発達し、動物と心を通わせる事が可能になり、ときどき猫になる。
そのあり方は人からは外れている。

【保有スキル】
二重召喚:
二つのクラス別スキルを保有することができる。
一部のサーヴァントが特別な召喚方法によって得るスキル。
ルーラーはこのスキルによりクラス:ビーストとしても扱う。
対魔力:A+
信仰とも言える人々からの願いによる魔力への抵抗。
事実上、魔術でルーラーを殺すことはできない。
教会の秘蹟には適用しない。
天秤の守り手:EX
100万種以上もの生命が棲み集う限りなく美しく青い星、地球。万物の霊長であり星の支配者たる種族、人類。その双方の守護者。
ルーラーが地球・人類のどちらかに害をなす相手と戦うとき、その危険性に応じて勝率を上昇させる。
もし、ムーンセルをそれらの破滅のために使用しようとする者と戦うならば、ルーラーは『絶対』に勝利する。
生物兵器:C
人為的にあり方を歪められた存在。生物の理から外れた者。
ルーラーは特殊な状況が続く限り霊核が『進化』し続ける。

【宝具】
『ミュウアクア』
ランク:EX 種別:対人・対星宝具 レンジ:- 最大捕捉:-
人類史に残らぬ古代人類によって作り出された『水』の概念の結晶たる聖遺物。
対象の代謝を活性化させる強大な力を持っているおり、攻撃に使えば防御ごと浄化する必殺の一撃に、防御に使えば擬似的な不死の薬になる。星一つに影響を与えるほどの因果を持つが、この宝具によって直接生命を殺すことはできない。

【Weapon】
ストロベルベル、ミュウアクアロッド

【人物背景】
東京ミュウミュウの主人公、桃宮いちごが変身する『ミュウイチゴ』はテレビ出演などの生前の行いにより微妙に誤解された形で人々に知られることになる。
今回のミュウイチゴはルーラーという書式に落としこまれるさいにより『ルーラーらしい』状態で召喚されたため変身を解くことができずその存在も歪められているが、そのせいかはたまた知名度補正の強い東京会場のためか逆にルーラーらしからぬスキルや行動が一部見られる。
しかし、彼女はもちろんルーラーである。

[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争をしっかりやっていく。
1:まずは二人から事情を聞く。
2:ムーンセルがバグったのを調べる。
3:早く帰ってアイス食べたい。
4:バーサーカー(サイト)に討伐令を出す。
5:ムーンセルにご奉仕‥‥はしたくないにゃ〜
[備考]
●東京会場のルーラーはミュウイチゴでした。冬木会場でも引き続きルーラーのようです。
●会場内で『時間を巻き戻そうとする』とムーンセルが誤作動を起こして『一瞬NPCが倍加してフリーズ』します。またなんらかの形で誤作動を起こした場合とりあえずルーラーが飛んできます。
●上級AIはマスターの動向をある程度把握しています。
●バーサーカー(サイト)に翌日0時の通達で討伐令を出す予定です。


319 : 名無しさん :2015/01/12(月) 18:36:42 X4nFBbDk0
黒魔女さんが思ったよりやばかった上にルーラーお前かよ!w
投下乙です


320 : ◆qB2O9LoFeA :2015/03/12(木) 00:00:49 rBJsfXGM0
三月ですね、投下します


321 : 乗り気な三人、乗り気じゃない三人 ◆qB2O9LoFeA :2015/03/12(木) 00:02:52 vvCPWvWI0



━━冬木市の評判では、事件や事故が頻発する呪われた土地という話がある━━


丸や四角、直線に曲線。
様々な幾何学模様が冬木ハイアットホテルの最上階、その一室の壁・天井・床を這いまわり、妖しく明滅する。

「‥‥こんなところか。」

ふぅ、というため息と共にイサコはソファに身を預けた。

暗号屋としての技術で簡易工房の作製を始めて小一時間、そこは前線基地とまがりなりにも呼べるものになっていた。
センサー、迎撃用の動的静的問わないトラップ、ファイアウォールの構築。本人としてもお粗末とは思うが、仮の拠点としては及第点といえるだろう。

「キャスター。」

一人しかいない部屋で呼びかけるように呟く。数秒の後、彼女の目の前に上等なスーツに身を包んだ男が現れた。

「終わったみたいだね。こっちも、チェックインは済ませてきたよ。」
そう言うと男、キャスターはホテルのキーを投げた。彼のヒュプノは彼自身をがたいのよい髭の男に見せかけ、今の彼はワンマン社長か大手企業の役員といった感じの中年男性然とした姿になっている。もしここに第三者がいれば援助交際を疑うような組み合わせだ。

「そっちは何分くらいかかる?」
「下に行く前にあらかたやっておいたから、十分とかからないよ。それより。」

答えながらキャスターは向かいのソファに座りどこらかタバコを取り出して吸い始める。煙を出さないそれを見ながらイサコは自身の回りにプレッシャーを感じた。陣地作製が始まったのだろう。

「それより?」
「それより良い知らせと悪い知らせがある。どっちから聞く?」
「‥‥いや、良い知らせから聞くわ。」

ふっと、タバコから煙が流れ始めた。ゆっくりと宙を漂うそれは、しかし形を作り色づきはじめる。

「良い知らせは、恐らく相手に気づかれず他の組を見つけた。高校生ぐらいのマスターにたぶん霊体化してるサーヴァントだ。」

イサコの目の前で煙が形を変えていく。やがて目の前には均整のとれた体格の青年の像ができた。

「じゃあ次は悪い話。見つけたあと、威圧感が飛んできた。ヒュプノで誤魔化してたけど、逆にそれで気づかれたみたいだね。僕がサーヴァントだとは思わないだろうけど、少なくとも近くに他の組がいるとはバレただろうね。」
「おい。」
「うん、これは僕のミスだ。申し訳ない。とりあえず一旦ここを離れたほうが良いと思うよ。もちろん迎え撃つなら負ける気はないけど。」
「‥‥ふん。」

苦い顔にイサコはなった。まさかいきなり戦闘になるとは思いもしなかったのだ。もちろん逃げられる今なら、戦闘を回避することは難しくない。問題は、自分自身が戦闘になることを考えていなかったことだ。
予選の間の三週間近い期間に、イサコは戦闘はおろか他の組と遭遇くすることもなかった。それは潜伏を第一としていたことの結果ではあるが、裏を返せば戦うことの放棄とも言えた。

自分は戦うことを考えていない、もっといえば戦うという発想がない。

そう思ったとき、おもわず自分の不甲斐なさに苛立った。自分はここに、この聖杯戦争に何をしに来たのか忘れていたのではないか。もしこんな甘ったれた状態で戦いになれば、何もできずに死んでいただろう。

「少し、五分でいい。考えさせて。」

そう言うと、イサコは目を閉じた。
半端な覚悟では、この戦いも、この先、戦いも勝ち抜けないだろう。

必要なのは、覚悟。愛を燃料に希望をエンジンにして前に、聖杯に、お兄ちゃんに進む。


五分より早いか遅いか、何も言わずにキャスターは待っているなか。

「待ってて、すぐに会いに行くから。」

そう小さく、でもハッキリと言なうとイサコは目を開いた。


322 : 乗り気な三人、乗り気じゃない三人 ◆qB2O9LoFeA :2015/03/12(木) 00:05:27 dgvTa0920



「なるほどねぇ‥‥よくできてるよ、全く。」
そう言うと、間桐慎二は自宅のソファに身を沈めた。その感覚があまりにも現実のそれに近く、おお、とまた感嘆する。
「いや、本当によくできるよ。殆ど現実と変わらない。聖杯ってのは凄いもんだ。」


予選を与えられた住宅で突破後、慎二は気づいたときには間桐家にいた。
殆ど現実のそれと変わらないそれに驚いて一通り見てまわり、やや古びた以外は寸分違わないことを知ると、一室のソファに身を沈めしばし考え込む。

「‥‥」

その姿を、彼のキャスター、フドウは感情のこもらない目で見ていた。
自身のマスターの性格と資質。それらを見定める時間は予選期間にいくらでもあった。そして、彼が聖杯を手にしたときのことも、手にできるかどうかも。


結論から言えば、キャスターは慎二が聖杯へと至れるとは思っていない。

もちろん、皆無というわけではない。ただし、聖杯へ手が届くためには慎二には幾つもの壁がある、そう見ていた。
それは、例えば驕りであったり、例えば卑屈であったり、例えばけちであったり。その様に呼べるものが彼にある限り、この戦いを勝ち残ることは不可能だという判断を下していた。そして万が一聖杯を勝ち取ったとしても、その使用者たる資格はないと。

「キャスター、新都に行くぞ。」

やや考え込んでいたキャスターはその声で慎二を見る。既に彼のマスターは手早く荷物を整理すると早くも電話をどこかにかけていた。

(‥‥はい、マスター)そう小さく言うと霊体化も解かずに慎二の後を追った。


323 : 乗り気な三人、乗り気じゃない三人 ◆qB2O9LoFeA :2015/03/12(木) 00:09:34 lCWgOtoA0



(ふん、地方都市にしてはまともなホテルだな。)
(で、キャスターの言うとうり冬木ハイアットホテルに来たわけだけど、本当にここに他のマスターがいるのか?)
そう言うと青年・色丞狂介はホテルのロビーを見渡す。
(少なくとも一組はいるだろうな。)
そんなマスターにキャスター・パピヨンは当たり前のように答えた。

狂介は予選突破後、自宅のあった新都を中心に土地勘を養うためのランニングをしていたのだがキャスターはその一先ずの目的地をこのホテルにしていた。
幸いにして、狂介は既にパンティと二つの核金を有しており、とりあえずの戦闘能力はある。魔力も予選の時から持ち越しているため当分は気にすることもない。その余裕のある状況から、二人は積極策に打って出ていた。
しかし、なぜホテルなのか?狂介は言葉を待つとめんどうくさそうにキャスターは答えた。

(簡単なことだ、昨日の下北沢のサーヴァントが本選に出ていれば、そしてまだ強引に魂食いをしようとするならば、まとまった数のいるホテルを狙うだろう。)

下北沢のサーヴァント。
それは狂介とキャスターが今一番危険視している陣営だった。
予選期間の最終日に、突如通勤電車を襲って何百人もの人々を殺したであろうサーヴァント。
ニュースでしか事件の概要はわからなかったが、おびただしい返り血を浴びて刀を振り回す男の映像は、今もありありと思い出せる。
白昼堂々あまりにも大雑把に魂食いをするその凶暴さは嫌でも危機感を覚えさせられた。

(ヤツがあれで腹を満たしていればいいが、本選が始まってすぐに喰いにくるならここは絶好の狩場だ。ああいう獣は鼻が利く。)
「なるほど‥‥ていうことは、ここは。」
(まだ来ていないようだな。予選落ちしたのか魂食いの必要がないか‥‥それとも━━ン?)
「おい、キャスター!あれ!」

そう言うと、狂介はロビーにある大型テレビを指差した。その声に数人のホテルマンやロビーの人が振り向き「アハハ‥‥」と笑ってごまかす。

(チッ‥‥わざわざ霊体化してやってるのにお前が目立ってどうする。)
(ご、ごめん。でもアレ!)
(冬木大橋か、あてがハズレたか。)

大型テレビには望遠で撮られたと思わしき映像が流れている。そのピントは巨大な橋に合わさっていた。
赤や黒や黄。カラフルに彩られたそれは立ち上る煙と共にただ事ではないことを示している。ワイプから早口で原稿を読み上げるアナウンサーもそれが異常事態だという証だった。

(事故の可能性もあるが、それは出来すぎだな。まず戦闘だろう。)
(それってあの下北沢の?)
(断定はできんがな。それより、自分のことを気にしたほうがいいぞ、見られている。)
(見られてるって、まさか他の!?あのサーヴァントは橋にいるんじゃ。)
(ここにいるのはアレだけではない、他のマスターの中には、当然ホテルに泊まっているものもいるだろう。さて、どうす━━)
(‥‥キャスター?)

ふいにキャスターからの念波が途絶え狂介は振り向いた。今までの感覚ではすぐ横に、そして今もそこにいる感覚はある。なのになぜキャスターは黙ったのか?それは直ぐにキャスターの念波で伝えられた。

(迂闊だったか‥‥入り口に回り込まれた。いや、これは別のサーヴァントか?まさか予選の時から同盟を組んでいた‥‥?)
(なっ!?どこにいるんだ!)
(落ち着け、あっちも霊体化しているようだ。さすがに人目のあるここでは戦いたくないだろう。『巣』の近くならなおさらな。だったら堂々と『交渉』してやれ。)

ポン、と背中を押される感覚が狂介に伝わる。キャスターの言葉に頷くと、狂介は「よし」と一つ気合いを入れて━━そのポケットに核金とパンティだけ入れて━━入り口へと向かった。


324 : 乗り気な三人、乗り気じゃない三人 ◆qB2O9LoFeA :2015/03/12(木) 00:14:22 BY7GXnps0



(マスター、あのホテルからサーヴァントの気配が。)
(ほぅ‥‥やっぱりいたか。バカと煙は高いところが好きってね。)
にやり、と慎二はタクシーの中で笑った。

慎二が呼んだタクシーの行き先、それも他の二組のキャスターと同じく冬木ハイアットホテルだった。
彼としては近未来的に(彼の視点で)なった新都を見てまわると共に一番他陣営がいる可能性の高い宿泊施設としてハイアットホテルを選んだのだが、その勘は正しかった。もっとも、キャスターが気づいたのは同じような考えでホテルに来たパピヨンだったのだが、そんなことは慎二にとってさして重要なことではない。重要なのは、ようやくキャスターを戦わせる機会がきたということだ。

キャスターを召喚して約三週間、めぼしい敵もなく陣地作製だけやっていて聖杯戦争らしきことは殆どしていない。たまたま予選会場に他の陣営がいなかったせいかそれとも外に理由があるかはわからないが、ともかく慎二には退屈な時間であった。しかし、本選となれば確実に他の陣営もいるだろう。それがキャスターなら陣地作製される前に倒せば良いし三騎士のクラスなら同盟してもよい。そう慢心できるほどにはキャスターのステータスを信用している慎二は思いきって陣地作製を後回しにしてまで新都に来たのだ。

「それじゃあ行こうか、キャスター。」
エントランス前でタクシーを降りると慎二は呟く。ロビーには人がいるが、神秘の秘匿を考えればいきなり攻撃してくるようなことはないだろう。聖杯戦争にとっては邪魔だが、今は都合がよかった。

「来るぞ、マスター。」
そしてロビーの中では、慎二たちと相対するように狂介が歩く。その目には自分と同じ年頃の青年、ほぼ確実にマスターだろう。


午前三時、こうして冬木ハイアットホテルに三人のマスターと三騎のサーヴァントが集まった。向く向きの違う三組の行方は。


325 : 乗り気な三人、乗り気じゃない三人 ◆qB2O9LoFeA :2015/03/12(木) 00:28:32 e8/D2vOw0



【新都、冬木ハイアットホテル/2014年8月1日(金)0300】


【天沢勇子@電脳コイル】
[状態]
健康。覚悟完了?
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
優勝してお兄ちゃんを生き返らせる。
1.ロビーの敵陣営を見定め、必要なら迎撃。
2.調査後家で陣地作成の続きを行う。
3.家の陣地作成が終わったあとはホテルや他の場所で陣地作成。
4.キャスターをどこかに潜入させるか‥‥
5.同盟相手を探す(三騎士、バーサーカー、ライダー、アサシンの順で妥協するかも)。
[備考]
●所持金一万円。
●キャスターの給料で購入したもののうちスマホは引き継げましたが、それ以外はキャスターが持っていたためか全て持ち込めませんでした。
●自宅は深山町にあり、そこにセンサーを張り巡らせました。家への出入りを察知できます。
●予選の時に新聞やテレビや掲示板を見てそれなりに調査したようですがなんの成果も得られなかったようです。
●冬木ハイアットホテル最上階をキャスターに借りさせ、一室を簡素な拠点化しました。

【キャスター(兵部京介)@The Unlimited 兵部京介】
[状態]
筋力(30)/C、
耐久(30)/C、
敏捷(150)/A++、
魔力(50)/A、
幸運(20)/D、
宝具(40)/B
[思考・状況]
基本行動方針
マスターの安全第一。まずは安全な拠点作り。
1.マスターの安全第一。危険なら即撤退。
2.調査後家で陣地作成の続きを行う。
3.家の陣地作成が終わったあとはホテルや他の場所で陣地作成。
4.変装には自信があるんでね。どんなところでも入れない場所はないよ。
5.同盟相手を探す(バーサーカー、ライダー、アサシン、ランサー、アーチャー、セイバーの順で妥協するかも)。
[備考]
●自宅は深山町にあり、そこに陣地を作成しました。内部での行動は外部から察知できず、また一部の場所が迷路のようになったとか。
●予選では出版社でサラリーマンとして働いていたようです。少なくともその会社に他の組はいなかったようです。
●冬木ハイアットホテル最上階を借りて、一室を簡素な拠点化しました。


326 : 乗り気な三人、乗り気じゃない三人 ◆qB2O9LoFeA :2015/03/12(木) 00:58:10 7/7g0fyM0


【間桐慎二@Fate/stay night 】
[状態]
高揚。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯を手に入れる。何を願うかは後から決める。
1.目の前の男(色丞狂介)と会話。同盟か不可侵か戦争か。
2.間桐家で陣地作成を行う。
3.会場と冬木市の差異に興味。

【キャスター(フドウ)@聖闘士星矢Ω】
[状態]
筋力(30)/C、
耐久(40)/B、
敏捷(60)/C+、
魔力(100)/A+、
幸運(50)/A、
宝具(50)/A
霊体化
[思考・状況]
基本行動方針
マスター・慎二を見定める。今のまま聖杯を手にするならば━━
1.今は慎二に従い、見定める。
2.求めるなら仏の道を説くというのも。
[備考]
●慎二への好感度が予選期間で更に下がりました。ただ、見捨てたわけではありません。


【色丞狂介@究極!!変態仮面】
[状態]
健康。
[残存令呪]
1画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争を止める。悪人をお仕置きする。
1.目の前の男(間桐慎二)と会話。協力できるか。お仕置きか。
2.帰ったら家で陣地作成したり核金作ったりしてもらう。
3.下北沢のサーヴァント(サイト)を警戒。冬木大橋も気になる。
[備考]
●核金×2、愛子ちゃんのパンティ所持。
●予選期間中にサイトの魂食いの情報を得ました。東京会場でニャースを見た場合、サイトの姿や声を知る可能性があります。

【キャスター(パピヨン)@武装錬金】
[状態]
筋力(20)/D、
耐久(30)/C-、
敏捷(30)/C、
魔力(40)/B、
幸運(50)/A、
宝具(40)/B
[思考・状況]
基本行動方針
せっかくなんで聖杯戦争を楽しむ。
1.こちらから仕掛けはしないが━━
2.帰ったら家で特殊核金を制作。今日はパピヨンパークは無理か?
3.冬木市の名物は麻婆豆腐‥‥?
[備考]
●予選期間中にサイトの魂食いの情報を得ました。東京会場でニャースを見た場合、サイトの姿や声を知る可能性があります。
●今は空気を読んで霊体化していますが気分で実体化したりします。


327 : ◆qB2O9LoFeA :2015/03/12(木) 01:00:24 BY7GXnps0
投下終了です
四月から動きを早めます


328 : ◆qB2O9LoFeA :2015/04/11(土) 00:33:43 QHVShoqQ0
fateのアニメ始まったんで投下します


329 : 【12】名前を呼んで ◆qB2O9LoFeA :2015/04/11(土) 00:37:57 QHVShoqQ0



「なんだよ、これ‥‥」

 冬木大橋。
 炎を上げる車列、煙に燻される橋桁。そして、戦いの余波に巻き込まれて人形から原型を留めない『物体』と化した死体。

それの中心部で幾度目かの悲鳴が聞こえた。

(ランサー!無茶だ!令呪を!)
『駄目ッ!‥‥またここで使ったら‥‥ウッ!?」
「ランサァー!!」

 思わず念波を忘れていおりは叫ぶ。
 目に写るのは、至極単純で、それでいて到底受け入れられない、受け入れたくない光景。
 巨人のバーサーカーが振るう、石斧と呼ぶにはあまりにも大雑把すぎる岩塊によって地面に叩き潰されるランサーの姿だった。

(化け物━━)

 頭に思わずその言葉が過ると、いおりは爪が食い込むほどに組んだその手を固く握りしめた。そうやって、一際大きく震え出しそうになった体を強引に押さえつける。耐える。

 そして、それに答えるようにランサー・アリシアは立ち上がり盾を構える。


 既にランサーが地面の染みと化した回数は二桁に達していた。常人だろうとサーヴァントだろうと、立ち上がることはおろか生きていること自体があり得ないだろう攻撃。
 それを受けて、しかし彼女は立った。
 銀の燐光を纏っていた制服が赤いネオンのようになるほどの出血。
 身じろぎする度に骨折、あるいは脱臼した骨々が軋み砕けていく。
 非常にわかりやすい満身創痍。全身重体の有り様。そんな状態で。

「はああぁぁぁぁぁッッッッ!!!」

 フルスロットル!
 あり得ないスピード。あり得ない踏み込み。あり得ない見切り。理不尽なほどに力強く、ランサーは挑みかかった。



「━━あぁっ、もう!」
 苛立った声を上げるイリヤが使い魔から光線を放つ。十にも達するそれは、サーヴァントと言えども易々と喰らえるものではない。たとえばそれが対魔力もなく、分身体でしかないアサシンなら一撃で消し飛んでもおかしくはない。

(‥‥狙いが正確になってきたか。)

 それをわかっているアサシンはひたすらにイリヤの足止めに徹する。

 戦況は明らかにバーサーカー側にあった。

 もとより分身でしかないアサシンと手負いのランサーでは、二対一でも不利なのは解っていた。しかし、それでもここまでの圧倒的な戦力差があるとはアサシンをもってしても予想できなかった。
 幾つもの使い魔を自在に運用し有効な攻撃を行うマスター。人柱力とも思える圧倒的なチャクラに、アサシンは満足な攻勢を行えない。そのことはアサシンに多少の驚きは与えたもののあくまで予想の範囲内のものだ。
 ではなにがアサシンの予想を越えたか。

「ウッ!?」
「ランサァー!!」

 イリヤの奥、露出した橋台の上の辺りでその光景は起こっていた。
 なんということはない。なにが起こっているかといえば至極単純。

 バーサーカーによってランサーが何度目かもわからないダウンをした。ただそれだけだ。

(次で決めるか。)
 身を隠していた車に起爆札を貼ると隣の車に移動しながらアサシンは考える。
 アサシンの予想を越えたバーサーカーの圧倒的な力。
 サーヴァントとという傀儡に身をやつしているにも関わらず尾獣のごとき力を誇る、それ。宝具なのかスキルなのか、はたまた他の逸話の再現かは不明だが圧倒的な防御力ひとつとっても攻略法がわからないにも関わらず、攻撃も移動もチャクラ量も、尋常なものではない。


 もっとも、アサシン・千手扉間が真に驚いたのは。

「はああぁぁぁぁぁッッッッ!!!」
(!更に速いっ!)

 バーサーカーの周囲を駆け回る赤い残像。
 アサシンなら既に十回は死んでいるほどの攻撃を受けて、なおその動きの鋭さが増す、ランサーだった。

(何もかも跳ね返す体と何度でも立ち上がる体か。どちらも━━)
 瞬間アサシン横転。やみくもにイリヤが放ったレーザーの一つがアサシンの髪を一本消し飛ばした。
(━━ましなのはランサーか。)

 アサシンの手に起爆札が現れる。それを壁にした車に先程と同じように貼り付けると再び移動する。

「なら、仕掛けるか‥‥」

 わずかな音を残してアサシンの姿が消える。その数秒後、橋が業火に包まれた。


330 : 【12】名前を呼んで ◆qB2O9LoFeA :2015/04/11(土) 00:39:48 QHVShoqQ0



 ギリ、と何度目かわからない歯ぎしり。

(某は‥‥)

 誰が見ても重傷の状態で、ランサー・真田幸村は素早く、それでも決して背負った、自身のマスターである茜を揺さぶらないように慎重に新都へと向かう。

(未熟!)

 何度目かもわからない自責。
 橋から1km離れても悔い続ける。


 彼は、決して弱くない。
 彼が今まで戦った四騎のサーヴァントは、全員平均以上のスペックを持つ。誰も彼も優勝を狙えるほどのレベルだ。
 簡単にいえば、相手が悪かった。それにつきる。そしてそれはランサー自身も理解はしていた。
 それでも。

「申し訳ない、ますたぁ殿‥‥!」

 彼のマスターである茜に怪我をさせたのは彼の失策だった。

 ひたすらに戦いから遠ざけ、自分一人のみで聖杯戦争の、全てをやり遂げる気でいた。
 それにも関わらず、実際はどうか。自分が受けた傷は休めば癒える。しかし、マスターは違う。さっきの一撃で死ぬことも十分にあり得た。現に今こうして彼女は意識を失っている。

 ふと、ランサーの目が赤い光を見た。探していたそれを見つけてより足を急がせる。

「御免!医者、医者はどこかッ!」
「ヒッ、ななんですか!?」
「医者を!直ぐに見てもらいたい!頼む!」
「え、あの通報の方じゃ━━イテッ!」
「そちらの女性ですか、名前わかります?」
「ます、日野、日野茜で。頭を打って気を!」
「いいから乗せろ。ヒノアカネさーん聴こえますかー?」

 ランサーが探していたのは救急車だった。もっとも、彼はパトカーや消防車との違いまではいまいち理解していないのだが、幸運にも最初に見つけた生きている人間のいる『赤いランプの車』が救急車だった。

 無事、マスターが医者(救急隊員は広い意味では医者と言えなくもない)に手当てを受けられているのを見て、ランサーは深く長くため息を吐き。

「!これはっ!?」

 背後から魔力の高まりを感じて振り返り━━。



「橋を落とす‥‥?」

 そう聞き返しながらいおりは周囲を見渡した。彼に突然話しかけてきたアサシンの姿がどこにも見あたらないことに驚きつつ、「それって、」と言葉を続ける。
「それって、今やってるみたいに爆弾で橋を壊すってことか?そんなことしたら。」
「まず」と動揺するいおりの言葉にアサシンは早口に割り込む。

「まず今、橋の付近に生きている人間はいない。それと俺の起こした爆発はお前と話す時間稼ぎのためだ。すぐにバレる。お前はランサーにもう一度ビームを撃たせろ。数秒でもあのデカブツとマスターを足止めできれば爆発をかわさせずに確実に倒せる。」
「‥‥つまり、ビームを囮にして、あいつらを橋ごと海に。」
「そういうことだ。既に橋脚には仕掛けた。あとは適当なタイミングでランサーに合図を出す。そう伝えておけ。」

 アサシンは一息にそう言うと「仕留めきれなかったら、冬木ホテルに明日の正午」と最後に残して声を消した。

 数秒後、バーサーカーのマスターがレーザーを発し始める。どうやらアサシンは既に元の位置に戻ったようだ。

 そして残されたいおりは。
(橋を爆破‥‥確かにそれなら、でもそれじゃあ‥‥!)
 目線はもう一度バーサーカーのマスターにいく。この体になって視力はマシになったとはいえ、さすがにここから橋の上の少女までは遠い。それでも体格から年令を推測することぐらいは━━それが今の自分とさして変わらない小ささなら━━できた。よっていおりは。

(そんなことしたらあのマスターの子も死ぬ!どうすりゃいいんだよクソ!)

 バン、とコンクリートを叩く。爪が食い込んだ場所の痺れる痛みと共に、いおりは聖杯聖杯に参加して一番の絶望を感じていた。


331 : 【12】名前を呼んで ◆qB2O9LoFeA :2015/04/11(土) 00:41:53 QHVShoqQ0



 目の前の車列。
 一部は横転し、アサシンに隠れ場所を与えていたそれから次々と爆発が起こる。

(私の‥‥ううん、違う、今のは魔力による爆発。なら━━)
 それを見てイリヤは、自分の周囲に戻していた使い魔から全方位に光線を放った。
 今や使い魔は十二まで数を増やし、アサシンの攻撃への対空防御から積極的な迎撃まで可能になっている。それで先程からアサシンを徐々に追い詰めていたのだが、じり貧になるのを嫌ってか盤面を動かしにきたらしい。
 使い魔の一つが瞬くとまた一条の光線を発した。

(炎と煙に紛れて逃げた?それともアサシンらしく奇襲?手応えはなかったから倒してはいないはず‥‥)

 使い魔はそれぞれ動くものがあれば光線を発するよう設定してある。いくらイリヤとはいえ、正直に言うとバーサーカーを使いながらこれほどの使い魔に攻撃させ続けるのは負担が無いわけでは無いのだが、手を休めることはできない。
 なにせ、今のイリヤの優位はアサシンを単独で押し止めることで保たれている。先程の気配遮断を用いたアサシンの攻撃は使い魔という『伏兵』で凌げたが、相手がサーヴァントである以上、次の攻撃は防ぎきれないだろう。故に、常に光線を打ち続けて戦いの主導権を握るしかない。そして、それができるからこそこれまでの一対一の戦いが可能だったのだ。彼女の知識ではそこまでアサシンの燃費は悪くはないが、バーサーカーがあのアーチャーのようなランサーを倒すまでの持久戦なら問題なく行える。そうふんでアサシンとの不本意な泥仕合をしているのだ。

(私じゃなくてバーサーカーを狙った?アサシンじゃ『十二の試練』は突破できないはず。ハサンの逸話でバーサーカーを一度でも倒せそうなものは━━)

 使い魔の光線が一つに集まる。集中砲火を受けた車が一両爆発した。

(━━前回のハサンは分身できた、ここまで弱いアサシンってことは!!)
「バーサーカーもど━━キャッ!?」

 炎上する車が上げる黒煙。それを割って何かが高速で飛来する。
 その数、二四。
 二波に別れて投擲されたそれは、見るものが見れば忍具、それもクナイと手裏剣と呼ばれる物だと気づいただろう。そして、クナイに巻かれた不振な札にも。二重になった手裏剣にも。

 だが、イリヤの使い魔はそんなことを気にしないし気にする機能もない。
 ただ『魔力反応のある動くもの』とだけ判断してそれまでどうり光線を放つ。
 その数、十二。
 二波に別れた飛来物のうち、第一波のクナイを全て撃ち抜く。そして。

 ドン!

 誘爆した起爆札が炎と煙でイリヤの視界を、音で聴覚を奪う。
 故にイリヤは反応できない。第二波の手裏剣の投擲を理解しながらも、それに対して数瞬、有効な行動ができない。
 だから、使い魔は十二の手裏剣を先程と同じように打ち落としてみせた。
 主からの指示がなくともある程度自律行動は可能である。決められたルーチンに従ったまでだが、それでも使い魔としての役目を果たした。

 そして、イリヤも一瞬安堵した。

 使い魔が光線を放つリソースがイリヤの魔力である以上、それを感じとることも不可能ではない。反射的に使い魔に指示を出そうとしたイリヤは確かに二回分の一斉射撃が行われたことを感じていた。


「今だランサー!」
「━━爆発する!」
「!?チィッ!」

 だから恐怖した。
 目の前に迫るのは、打ち落としたはずの十二の手裏剣。そして、アサシン。

 なぜ手裏剣がまだあるのか?
 一つも打ち落とせなかったのか?
 このような姿のハサンはいただろうか?
 なぜこの場でランサーを呼んだのか?
 いったい何が爆発するのか?

 いくつもの疑問が頭を過る。
 それは一種の放心だった。
 あまりにショックとそこからの回復、そして更なるショックと、精神を乱高下させられた。

 それが人心に精通したアサシンの罠。たとえ鋼の精神を持っていようと人間である以上避けられない生理的な反応。それを誘発させた。

(バー━━)
 微かに回復した頭の片隅で、イリヤは呼び掛ける。だが、それは余りにも遅く余りにもたどたどしい。
 本人ですら言葉と認識できない、ましてや念波になどできないうめきをよそに手裏剣が迫る。そして貫く。

 そう、十二の使い魔は十二の手裏剣から己が身を盾にして見事、主を守りきった。

(これで邪魔は消えた。)

 だから、イリヤを守るものはもうない。
 影手裏剣が思いの外うまくいったことにほくそ笑みつつ、アサシンは残り少ないチャクラを掌に集める。
 正真正銘、これが最後の一撃。
 その手は真っ直ぐイリヤの胸元に伸びて、伸びて、伸びて。



 閃光、そして。


332 : 【12】名前を呼んで ◆qB2O9LoFeA :2015/04/11(土) 00:43:13 QHVShoqQ0



「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!」


 スマッシュ!!

 轟音と共に振り抜かれた石斧がアサシンの魔の手を正確にもぎ飛ばす。
 瞬間反転。アサシンにとどめを差すことより優先してイリヤを抱き抱えて地に伏せる。
 そして二人が光に包まれ。

「捉えた。」

 アサシンの呟きと不気味な震動を感じたのを最後にイリヤは意識を手放した。


333 : 【12】名前を呼んで ◆qB2O9LoFeA :2015/04/11(土) 00:44:49 QHVShoqQ0



 ランサー、アリシア・メルキオットは弱い。

 もちろん一般人よりは強い。並の兵士にも鍛え上げられた特殊部隊にも負けはしない。
 だが、それだけである。

 彼女には特別な力がある。
 その身に流れるヴァルキュリアの血。
 神代の頃に振るわれていたような力を出せる。
 だが、それだけである。

 世界を探せば彼女より強い戦士や有能な兵士はいる。
 それこそ神代の英霊もいる聖杯戦争では、彼女に匹敵し、または上回るサーヴァントはごろごろといるだろう。

 はっきりいって、ランサーの実力は平均以下だ。この聖杯戦争でも下から数えたほうが早い。下手をしたら片手で足りるほどだ。

 だから、本当ならそれはありえない光景だった。
 神話の大英雄、ヘラクレス。彼女が知ることのないそのサーヴァントは、彼女を簡単に殺しきる実力を持つ。それなのに、それなのに。

「■■■■■■■■■■■!」
「このっ‥‥!」

 ランサーが盾でバーサーカーの一撃を受け流す。崩れた体勢を利用して放たれたバーサーカーの後ろ回し蹴りを、しゃがんでかわす。再度放たれた石斧の一撃を、脇をすり抜けるように凌ぎ。後ろに回り込む。

「いけっ!」
「■■■■■■■!」

 ランサーの入れた一撃。それが僅かにバーサーカーの巨体を揺らした。もちろん、ダメージはない。たかが近代の一英雄にやられるようなことはない。だがそれでも。

 今、両者の戦いの主導権はランサーにあった。


(?アサシンの方で爆発?)

 この戦況にはもちろん理由がある。
 第一に、バーサーカーはヘラクレスにとって真価を発揮できるクラスではない。
 第二に、にも関わらずバーサーカーは凶化しきっていない。
 第三に、そのことをイリヤは問題視していない。
 第四に、イリヤはアサシンに係りきりになることを強いられている。
 第五に、ランサーは召喚時のものと令呪によって潤沢な魔力がある。
 第六に、宝具でヴァルキュリア化したことでステータスが上昇している。
 第七に、宝具で互いの幸運値を参照しているため攻防への補正を得ている。
 第八に、ランサーのスキルと逸話はランサーの継戦能力を高めている。

 これだけの理由、これだけの道理を積み重ねて、ランサーはバーサーカーに太刀打ちできるところまできたのだ。

『ねぇ、マスター‥‥マスター?』

 だがそれでもああやっぱり。

「■■■■■■■■■■■■■■■■!!」
「がぁっ‥‥!まだっ‥‥!!」

 『バーサーカーには勝てない』。
 今のランサーにできるのは『負けないこと』、それだけ。
 積み重ねても積み重ねても、今のランサーでは後一手が足りない。ランサーだけではたどり着けない。

『ランサー、聞いてくれ。』
『マスター、大丈夫?もしかして魔力がもう━━ッ!」
『!‥‥クソっ!ランサー、アサシンが合図したらさっきのビームを撃ってくれ。アサシンは橋を爆破してあいつらを倒すつもりなんだ。』
『それでさっきの‥‥爆発は煙幕だったのね‥‥わかった。』
『なあ、ランサー‥‥』
『大丈夫、任せ『あいつら、死ぬよな。』!」

 ランサーの顔面すれすれを石斧が通りすぎていく。だが、それよりもいおりの言葉がランサーの心を乱していた。

『だあぁっ!わかってる!俺メチャクチャなこと言ってるって!でも嫌なんだよっ!!なんで殺しあわなきゃなんないんだよ、なんでこんな簡単に殺したりできるんだよ!!さっきまで倒せとか言っててどの口がって思うかもしんないけど!誰かを守るためには誰かを殺さなきゃいけないだろうけど!』
「‥‥っ‥‥!」

 再びランサーの顔面すれすれを石斧が通りすぎる。それを見切って後ろに回り込んで、しかし攻撃することはできない。なぜなら、ランサーにとって重要なのはもちろん。


334 : 【12】名前を呼んで ◆qB2O9LoFeA :2015/04/11(土) 00:49:48 QHVShoqQ0



「わがまま。」
 ランサーが呟く。その声は念波に乗っていおりにも届いた。
『‥‥ごめん、ランサー。やっぱり無理だよな‥‥』
『アリシア。』
『えっ?』

 バーサーカーの嵐のような猛攻を紙一重で凌ぎながら、ランサーは続ける。

『クラス名じゃなくて、そっちで呼んで。』
『アリシア‥‥』

 バーサーカーの回りで赤い光が明度を上げる。そして、徐々に色を赤から青へと変えていく。

『マスター、ここで倒さなくてもいつかは戦わなきゃいけないし、今のままじゃ逃げることもできない。でも、今は私に任せて。』
『ラ━━アリシア‥‥』

 今やバーサーカーの周囲には光の輪ができていた。
 ランサーの高速移動。その敏捷性は一時的とはいえバーサーカーをも上回る。
 まさしく最速。まさしくランサー。
 そして、そのランサーを前にバーサーカーは━━背を向けた。

(来る!)
 ランサーは槍へと魔力を集中させる。タイムラグを考えても、この瞬間はランサーは完全に無防備。もしバーサーカーが戻ってくれば確実に殺される。
 それでもランサーはその隙を受け入れた。
 自分のマスターの願いに応えるために。

「バーサーカーもど━━キャッ!?」
「今だランサー!」

 バーサーカーのマスターの悲鳴とアサシンの叫び声が届く。
 既にバーサーカーが彼のマスターの元に戻っているのを見ると、アサシンの考えは正しかったようだ。このまま橋を落としてもバーサーカーが対応するだろう。

 そう、バーサーカーが対応すれば、バーサーカーのマスターが死ぬ確率は格段に減る。そして、なおかつバーサーカーに追撃を諦めさせるには。

「━━爆発する!」
「!?チィッ!」

 ランサーが呼び掛けながら、宝具の一撃を放つ。
 その考えを察知したアサシンが舌打ちをするが、もう遅かった。

 ヴァルキュリアの槍に集められた魔力は一条の光となってバーサーカー━━の手前の地面へと向かっていく。
 戻りきったバーサーカーが石斧を一振りし、ギリギリのタイミングでバーサーカーのマスターを庇い、伏せる。
 そして、コンクリートも鉄骨も貫通した光は橋を両断。ゆっくりとバーサーカー達を乗せて傾いていった。

「逃げるよマスター!!」
「えっのわっと!?」

 気がつけば、いつの間にか戻ってきていたランサーに抱き抱えられていおりは移動していた。

「なぁアリシアさっきのっててか怪我スゲェ!頭陥没してね!?」
「一応爆発する前にバーサーカー達
、えっと、イリヤだっけ?二人に伝えて、橋がゆっくり落ちるようにしたけど、アサシンの爆発はどのくらいの、ものか、わからないから、さっきのランサーが、逃げられる時間は稼いだと思うし、早く家に。」
「ア、アリシア‥‥?」

 抱き抱えられていたいおりは、違和感に気づいた。ふつう、お姫さま抱っこされているときは、主に胸と腕で支えられる。特に腕ではその固さから抱き抱え方によっては互いに痛みや圧迫をもたらす。
 だが、今のランサーからはどこからも『固さ』を感じなかった。体勢から考えれば、少なくとも四ヶ所は体重を支えるための場所があるはずなのだが、そこがまるで氷枕のような感触なのだ。
 よく耳をすませば、ランサーの体の各所からミシ、や、ぴし、という音が聞こえたのがわかるだろう。
 そして、ランサーの体がヴァルキュリア化とは違った光を放っているのも。

「おい、アリシア!アリシア!」
「マスター‥‥じゃなくて、えっと‥‥」
「いおりだよ!マスターの名前忘れんな!しっかりしてくれよアリシア!」
「イオリ‥‥」

 ざり、と倒れこむようにして、否、文字道理ランサーは倒れた。そのまま匍匐前進のようにじりじりと進む。
 そこはいおりの自宅として設定された住宅だ。

「イオリ‥‥着いたよ。」
「アリシア!おい!」
「大丈夫‥‥」

 そのままドアを開けると、玄関に体を横たえた。

「ごめん、ほんとはベットに行きたいけど、ちょっとムリっぽいかな‥‥それと‥‥」
「なあ!アリシア!アリシア!」

 ポン、といおりの頭に手が置かれる。

「別に私死なないからね‥‥」
「アリシア‥‥もういい、喋るな。」
「だから、本当に死なないって‥‥サーヴァントは頑丈だから‥‥先に寝るね‥‥」
「クソッ‥‥俺がムチャなこと言うから‥‥クソッ!」

 それ以上はアリシアは答えず、ゆっくりとまぶたが落ちていく。そして、完全に目が閉じたとき。


 ランサーの体から不思議な光が漏れた。


335 : 【12】名前を呼んで ◆qB2O9LoFeA :2015/04/11(土) 00:50:22 QHVShoqQ0
 そして。


「これって‥‥!」
 思わずいおりが驚きの声を上げる。信じられないものを見たと言わんばかりの顔で、ランサーを見て。

「Zzz‥‥Zzz‥‥」
(え?嘘だろ?本当に寝てる?今の完璧死ぬシーンじゃないの?俺半分覚悟決めてたんだけど?あとなんで傷が塞がってくんだよ!嘘だろ‥‥いやほんと嘘だろ!サーヴァントってデタラメすぎんだろ!)

 声なく驚くいおりの目が揺れた。ほとんど魔力を持たないいおりでは、令呪を使ったとしても体力を大きく消耗する。よって、体は休養を求める。

「ハハハ‥‥なんだよもう‥‥驚かせんなよ‥‥」

 ランサーにつられるようにしていおりも眠りについた。



【新都・高遠いおりの自宅/2014年8月1日(金)0231】

【高遠いおり@一年生になっちゃったら】
[状態]
魔力消費(大)、睡眠中。
[残存霊呪]
2画
[思考・状況]
基本行動方針
死にたくないし死なせたくない。
1.Zzz‥‥Zzz ‥‥
2.サーヴァントってスゴすぎるだろ‥‥
3.バーサーカーのマスター(イリヤ)が心配。
4.あの娘たち(茜と幸村)は逃げ切れたよな?
5.明日の正午、冬木ホテルに言ってアサシンと話す?
6.あれ、なんか忘れてるような‥‥
[備考]
●所持金はほぼなし。あっても幼稚園児レベル。
●ランサーの名前がアリシア・メルキオットであること以外は世界大戦の英雄だということしか知りません。もちろん出身世界が違うことには気づいてません。
●ランサー(幸村)、バーサーカー(サイト)、アサシン(扉間)、バーサーカー(ヘラクレス)のステータスと一部スキル、宝具を確認しました。


【アリシア・メルキオット@戦場のヴァルキュリア】
[状態]
筋力(10)/E、
耐久(10)/E+、
敏捷(20)/D+、
魔力(30)/C+、
幸運(50)/A、
宝具(40)/B
粉砕骨折、瀕死、回復中、睡眠中、魔力消費(中)。
[思考・状況]
基本行動方針
まだ良くイオリのことを知らないけれど、マスターを生きて元の世界に帰す。
1.Zzz‥‥Zzz‥‥
2.もっとイオリ(マスター)のことを知りたい。
3.できればランサー(幸村)とそのマスター(茜)にもう一度会って同盟を組みたい。
4.アサシン(千手扉間)とも話をしたい。
5.バーサーカー(ヘラクレス)とそのマスター(イリヤ)の安否が気にならなくもない。
[備考]
●マスターの本名が高遠いおりだと思っています。また六歳の女の子だと思っています。
●バーサーカー(ヘラクレス)に半端な攻撃(Bランク以下?)は通用しないことを悟りました。
●睡眠中のためすべての傷が自己治癒しています。ただし、その間魔力が回復しません。一時間につき一割体力を回復します。


336 : 【12】名前を呼んで ◆qB2O9LoFeA :2015/04/11(土) 00:51:21 QHVShoqQ0



 病院の一室だ。
 そこでアサシンは━━アサシンの本体は閉じていた目を開けた。

(落ちたか。)

 いつもどうりの仏頂面を崩さず。
 アサシンは分身の消滅を感じていた。

 アサシンの分身である影分身は、経験や記憶を消滅の際に本体にフィードバックする性質がある。それによってアサシンは、自分が経験したことのように冬木大橋での戦いを思い返していた。

(バーサーカーのマスターは、あれでは死んでいないだろうな。)

 分身を爆発に紛れて消滅させる間際、アサシンは見ていた。バーサーカーが彼のマスターを庇い地に伏せるのを。そしてランサーがバーサーカーに当たらないように一撃を放ったのも。

(ランサーの注意にあのマスターが反応した様子はなかった。バーサーカーは反応することは不可能。無駄な呼び掛けだと思ったが‥‥バーサーカーを狙わず橋を勝手に落とそうとするとは‥‥)
「面倒だな。」

 アサシンは最後の瞬間を思い出す。ランサーは確かに敵に呼び掛け、わざと攻撃をはずした。

(ランサーは動きが読めん。先に排除すべきは‥‥)

 ふと、アサシンの視線が窓に向かう。病院に通じる道にまた一台、救急車が現れた。

(マーキングは済ませた、先にこちらのランサーを見定めるか。)

 アサシンの目が一点で止まる。救急車のすぐ横で、まるで護衛のように霊体化しているあのサーヴァント。

「真田幸村、か。」

 アサシンは姿を消すと、病院のロビーへと向かった。



【冬木大橋付近の川/2014年8月1日(金)0235】

【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/stay night】
[状態]
不明。
[装備]
特別製令呪。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
全員倒して優勝する。
1.‥‥
2.利用できそうな弱いマスターを利用する?
[備考]
●第五次聖杯戦争途中からの参戦です。
●ランサー(幸村)、ランサー(アリシア)、アサシン(扉間)のステータス、一部スキルを視認しました。
●少なくともバーサーカー(サイト)とは遭遇しなかったようです。
●自宅はアインツベルン城に設定されていますが本人が認識できているとは限りません。
●バーサーカーと共に冬木大橋から落とされました。怪我の有無や魔力消費は不明です。
●アサシン(千手扉間)がハサンではない可能性に気づきました。


【バーサーカー(ヘラクレス)@Fate/stay night】
[状態]
筋力(100)/A+、
耐久(50)/A、
敏捷(50)/A、
魔力(50)/A、
幸運(40)/B、
宝具(50)/A、
不明、狂化スキル低下中。
[思考・状況]
基本行動方針
イリヤを守り抜く、敵は屠る。
[備考]
●イリヤと共に冬木大橋から落とされました。


337 : 【12】名前を呼んで ◆qB2O9LoFeA :2015/04/11(土) 00:52:05 QHVShoqQ0



【新都・病院/2014年8月1日(金)0235】

【アサシン(千手扉間)@NARUTO】
[状態]
筋力(30)/C、
耐久(30)/C、
敏捷(100)/A+、
魔力(10)/B、
幸運(10)/E、
宝具(??)/EX
健康、宝具使用不可、魔力を四分割したため戦闘になると2ターン目からステータスダウン、避雷針の術の発動条件を満たしているため敏捷が+分アップ
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯を用いて木の葉に恒久的な発展と平和を。
1 マスター(凛)が他の組に見つからないように警戒
2.これ(三つの問題)は後回しにできんな‥‥まずは、あの暑苦しいランサー(幸村)と接触するか。
3.マスターの少年(亘)をまずは穢土転生できるようにしておく。
4.魂喰いの罪を擦り付ける相手は慎重に選定する
5.穢土転生の準備を進める。
6.他の組の情報収集に務める。
7.女ランサー(アリシア)との明日正午の冬木ホテルでの接触を検討し、場合によっては殺す。
8.バーサーカー(ヘラクレス)は現在は泳がせる。
9.逃げたサーヴァント(サイト)が気になる。
10.聖杯を入手できなかった場合のことを考え、聖杯を託すに足る者を探す。まずはマスターの少年(亘)を見定める。
11.マスター(凛)の願いにうちはの影を感じて……?
[備考]
●予選期間中に他の組の情報を入手していたかもしれません。
ただし情報を持っていてもサーヴァントの真名は含まれません。
●影分身が魂喰いを行ないましたが、戦闘でほぼ使いきりました。その罪はバーサーカー(サイト)に擦り付けられるものと判断しています。
●ランサー(アリシア)の真名を悟ったかどうかは後の書き手さんにお任せします。
●バーサーカー(ヘラクレス)に半端な攻撃(Bランク以下?)は通用しないことを悟りました。
●バーサーカーの石斧に飛雷針の術のマーキングをしました。


【ランサー(真田幸村)@戦国BASARAシリーズ】
[状態]
筋力(40)/B、
耐久(40)/B、
敏捷(30)/C、
魔力(30)/C、
幸運(30)/C、
宝具(40)/B、
疲労(中)、魔力消費(中)、肋骨粉砕骨折、内臓に損傷、強い屈辱と無力感、霊体化。
[思考・状況]
基本行動方針
強敵たちと熱く、燃え滾る戦を!!だが‥‥
1.ますたぁ(茜)への申し訳なさ。
2. あの爆発、あーちゃー(アリシア)は‥‥
3.俺は……
4.せいばぁ(テレサ)、ばあさあかぁ(小野寺ユウスケ)と再戦し、勝利する
5.あのあさしん(扉間)は忍びの者か?
[備考]
●バーサーカー(ヘラクレス)の攻撃で傷が悪化しました。
●ランサー(アリシア)のクラスをアーチャーと誤認しています。
●ランサー(アリシア)の真名を悟ったかどうかは後の書き手さんにお任せします。


【日野茜@アイドルマスターシンデレラガールズ】
[状態]
やや寝不足、頭部打撲(応急処置済)、気絶中。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
???
1 ???
[備考]
●予選期間中他のマスター、サーヴァントと出会うことはありませんでした。
●月海原学園高等部の生徒という立場が与えられています。
所持金は高校生相応の額となっています。
●自宅は深山町のどこかです。
●セイバー(テレサ)、バーサーカー(小野寺ユウスケ)の基本ステータスを確認しました。
●気が動転していたため、ランサー(アリシア)、バーサーカー(サイト)、バーサーカー(ヘラクレス)のステータスを確認できていないかもしれません。
●怪我の後遺症は不明です。


338 : ◆qB2O9LoFeA :2015/04/11(土) 00:53:40 QHVShoqQ0
以上で投下終了です。
アサシンの状態表長すぎ。


339 : 名無しさん :2015/04/11(土) 19:54:47 rw/FeMIYO
投下乙です!
主人公補正抜きで相対するヘラクレスの絶望感はヤバいですね
これだけ有利な条件つけて相手が舐めプしてて尚一方的にボコられるとは…


340 : <削除> :<削除>
<削除>


341 : ◆qB2O9LoFeA :2015/06/08(月) 01:19:42 gxXLji9c0
六月です
投下します


342 : 【13】アンシュルス ◆qB2O9LoFeA :2015/06/08(月) 01:20:59 gxXLji9c0



「ははッ!久々の任務がどんなものかと思ったが、また随分と派手にやってるな。」

 そう言うと男は、愉快そうに笑った。暑い真夏の夜、夜明け前の僅かな時間、山からの涼やかな南風に吹かれて旨そうにタバコを吸いながら一点を見つめて哄笑を上げる一人の男。

 片手には一つのタブレット。茶色い合成樹脂のカバーに開いた穴からは、タブレットのカメラが覗く。

 その時、男とカメラの先で一際大きな音と光が上がった。そして、ゆっくり、ゆっくりと灰色の塊が落ちていく。


 やかでそれが落ちきって大きな水しぶきを挙げたとき、男の姿は紫煙を残して消えていた。


343 : 【13】アンシュルス ◆qB2O9LoFeA :2015/06/08(月) 01:22:22 gxXLji9c0



「大隊長命令である。」

 狭い一室だった。
 薄い壁は本来の防音という役割を果たさず、両隣からのポップスを素通りさせる。テーブルの上には、ブライドポテトの入っていた籠と僅かなソーセージかけらが転がる皿。そしてマイク。

「忠勇なる英霊よ、ヴァルハラから仮初めの戦場へとむかえ。」

 それらの俗な環境の奥、カラオケボックスのソファにどっかと座った男が手袋をテーブルに落とした。現れたのは、赤い鉤十字の刺青━━令呪。そのうちの一画がにわかに赤々と光ると、雑然とした空間の重力が倍になったかのように『なにか』が増す。


 それを見て、男は、楽しそうに、愉しそうに━━笑った。


「さあ動員だ。戦列の礎になってもらうぞ。もう一暴れしようじゃあないか。」

 なんてことはない、男がしているのは単なる、英霊の召喚。
 この聖杯戦争でも幾度となく行われた、当然の儀式。

 ━━あるいは、それは異常とも言えるだろう。なぜなら、なぜなら男がこのような、魔法のようなことをしようとしているのだから。彼の生前を知っているものならば軒並み驚くだろう━━

 だから、その男も驚いたものだ。
 もう見ることはないと思っていた。
 燃やされて、喰われて、遣われていたときもついに再会することはなかった。
 召喚の『酔い』もあって、思わず再現されていない葉巻を吸おうとすらした。そしてそれに気づいて、こほん、と一つ咳払い。

「あぁ‥‥Gosh!これじゃ折角の再会が台無しだ‥‥申し訳ありません。」

 そして一礼した。仕立てのいいスーツと揃いのハットと合わせて完璧に完全にフォーマルな、お手本のような礼をしてみせる。
 そして、挙手。それを見た英霊が古代ローマの英雄かと見間違えるような、それを見た現代人があの悪魔の軍団だと確信するような、見事な敬礼。


「Sieeeeeg Heil!!少佐殿!!」
「━━相変わらずだな、中尉。」

 召喚されたサーヴァント、トバルカインの挨拶にそう答えると、男は、少佐は、満面の笑みを浮かべた。


344 : 【13】アンシュルス ◆qB2O9LoFeA :2015/06/08(月) 01:25:17 gxXLji9c0



『御苦労、中尉。吉報を待つ。』

 その言葉を残して少佐からの通信が完全に途絶えたのを確認するとトバルカインは息を吐いた。
 召喚されて直ぐに簡単な状況の説明を受けると、あとは『リップバーンの任務の影響を見るために偵察せよ』と言われるがままにやたら大きな橋まで向かわされたのだ。もっとも、それはまだいい。戦闘に介入するとなれば急がされたのももっともだ。だが実際は、戦っていた傷だらけの女とそれにおぶられていた子供の尾行と監視を命じられた。
 しかも、監視といっても近くの公園からアジト━━といってもただの民家だが━━の玄関を監視するという、とても『英霊』らしくない任務だが。

(兵は拙速を尊ぶと言うが‥‥)
「もう少しなんとかならんのか‥‥」

 呟くと、ベンチに身を投げ出した。拡げた手と浅く座った格好もあり、伊達さの欠片もない。
 その姿勢のまま胸ポケットからタバコ(橋の近くにいた野次馬から現地調達したもの)を取りだし、火(これも同じく現地調達したライター)を点ける。
 そして一度大きなため息を吐くと、そのまま、ぼうと玄関を見つめながら紫煙を燻らす。

(思えば、前も私だけ欧州に向かえずじまいか‥‥)

(‥‥いや、一応ロンドンにはいたか。リップバーン共々奴の使い魔だが‥‥)

(そもそもなぜ私がリップバーンの戦後処理に当たらねばならんのだ。聞けば予選の段階で召喚された?博士に続いて三番目?ヘルシング襲撃もあの兄弟に遅れをとる━━)

「‥‥ああぁっ!こんなことばかり考えていても埒があかん!」

 トバルカインは、苛立たしげに言うとタバコへと手を伸ばした。
(‥‥タバコぐらい切らす前に買っておけ!)
 そして、タバコの箱が空なことと自分の下の地面に吸い殻の山があることを認めて、また大きなため息を吐く。

 電子音が鳴る。吸い殻を集めて公園のゴミ箱に捨てる。小脇のタブレットを慣れぬ手つきで操作してアラートを止める。時刻は四時五分前。もうすぐ定時連絡の時間だ。

(‥‥落ち着け、折角の召喚、折角の聖杯戦争だ。思うように軍功をあげてみせる。今度こそ‥‥!)

 トバルカインは奥歯を噛み締める。


345 : 【13】アンシュルス ◆qB2O9LoFeA :2015/06/08(月) 01:26:08 gxXLji9c0



【新都・駅前カラオケボックス/2014年8月1日(金)0130】
【希里ありす@学園黙示録HIGH SCHOOL OF THE DEAD】
[状態]
健康、睡眠中
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
少佐の弱さに絶望、もうただただ帰りたい
0 睡眠中。
[備考]
●両親役のNPCや住所などが設定されていない可能性があります。
所持金に関しては予選期間中に他のマスターから奪った現金が多少あるようです。



【ライダー(少佐)@ヘルシング(裏表紙)】
[状態]
筋力(5)/E-、
耐久(5)/ E-、
敏捷(5)/E-、
魔力(10)/E-、
幸運(5)/E-、
宝具(5)/E-、
健康、令呪使用により魔力倍増。
[残存令呪]
8画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争を楽しみ、セイバー(アルトリア)を嫁にする
1 目的達成のためにルーラーを排除する策を練る
2 令呪を使った『戦鬼の徒』の召喚を試みたが‥‥まだ目立った変化は見られんか。
3 仮面ライダーか…面白い
[備考]
●マスターと同等のステータス透視能力を持っています。
また、『戦鬼の徒』で呼び出したサーヴァントと視界共有を行えますが念話はできないようです。
●ライダー(五代雄介)の非変身時、マイティ、ドラゴン、タイタン、ライジングドラゴン時のステータスと一部スキルを確認しました。
また仮面ライダーであることを看破しています。
●ルーラーの特権の一つがサーヴァントへの令呪であることを確認しています。
他にも何らかの特権を複数持っていると考えています。
●セイバー(アルトリア)のマスターが遠坂凛であることを把握しています。
●令呪を使って『戦鬼の徒』を使用することで戦鬼の徒の宝具、スキル等を再現できるのではないかと考えており、召喚したトバルカインで実験するつもりです。そのために場合によってはドクの召喚も考えています。
またこの考えは外れている可能性もあります。
●予選期間中に他のマスターから令呪を多数強奪しました。
●出典が裏表紙なので思考、テンションが若干おかしなことになっています。
●予選の間にスマホや現金を調達していたようです。



【新都・高遠いおりの自宅玄関が見える公園/2014年8月1日(金)0355】
【トバルカイン・アルハンブラ(-)@ヘルシング】
[状態]
筋力(30)/C、
耐久(20)/ D、
敏捷(30)/C+、
魔力(60)/C、
幸運(10)/E、
宝具(0)/-、
決意、召喚酔いは醒めた、召喚の際の魔力と令呪使用で魔力倍増。
[思考・状況]
基本行動方針
この聖杯戦争で軍功を挙げ、意地を見せる。
1 橋(冬木大橋)で戦っていた女(アリシア)と子供(いおり)の、アジトと思われる家を見張る。
2 少佐に定時連絡。
3 今度こそ軍功を挙げてみせる。
4.‥‥どうせなら葉巻を吸いたいな。
[備考]
●一応本編からの召喚ですが若干テンションがおかしいです。
マスターである少佐と視界共有を行えますが念話はできないようです。
●冬木大橋でのイリヤ&バーサーカーvsいおり&ランサー(with茜&ランサー、アサシン)戦を観戦しました。どの程度把握したかは不明です。
●タブレット(リップバーンが調達)、ライター(現地調達)を持っています。体をトランプにしたさいどうなるかは不明です。


346 : ◆qB2O9LoFeA :2015/06/08(月) 01:26:36 gxXLji9c0
投下終了です


347 : 名無しさん :2015/06/08(月) 05:20:53 M0z6OwjM0
おお、投下乙です!
伊達男来たか!洒落た登場と地の文だなぁ
しかし改めて少佐の行動方針で吹いてしまう
原作だと仲間内でわりと不憫な扱いだったトバルカイン、こちらではどうなるやら


348 : 名無しさん :2015/06/09(火) 22:51:35 vc/K/8us0
投下乙っす。トバルカイン・アルハンブラさんか
全体にいい雰囲気の登場ですね。そこはかとない哀愁すらもなんか良い


349 : ◆txHa73Y6G6 :2015/09/18(金) 00:01:31 .Jhv3RWM0
投下します


350 : 【14】ファルケンハウゼン ◆txHa73Y6G6 :2015/09/18(金) 00:04:17 .Jhv3RWM0



「ああ、こんなことに……」

 ドラえもんはそう呟いた。
 狭い押し入れの中で、画面に照らされた丸い顔の眉間にシワが寄り、苦悶の表情をつくる。

(やっぱりもっと早く動いておけば……)

 ぶるぶると丸い手を震わせる。
 青くなった顔を画面からの光が赤くする。
 砂嵐の中でおぼろげに写った大きな橋が落ちていく映像を見ながら、ドラえもんは、何度目かのため息を吐いた。
 そしてプツリ。

「あれ?どうしたんだろう?」

 心を暗くしていた機械、『タイムテレビ』が突然暗くなり光を失う。
 まさか、と大声を出し、慌てて口をつぐんだドラえもんに聞きなれた友達の声が聞こえた。


 野比のび太は良く寝る。彼は時間が許すなら一日の半分は寝ているだろう。だから、そんな彼が日の出の時間帯に目を覚ますというのはとても珍しいことだった。

「うーん……ドラえもん?」

 目を擦りながら枕元の眼鏡に手を伸ばす。
 彼がこんな時間に起きたのは、もちろん聖杯戦争への緊張もあるが、押し入れからの物音が大きかった。
 なにやら焦ったような声と四次元ポケットを探る音がふすま越しに聞こえる。
 だんだんはっきりしてきた頭で何をしているのか疑問に思いつつ、のび太はふすまを開けた。

「ドラえもん?」
「あっ!のび太くん……」

 のび太は、どこかばつの悪そうな顔をドラえもんがしていると思った。困ったようで、それなのに自分を心配させないようにする笑顔。大きな事件に巻き込まれたときに良く見る、表情だ。
 周りには様々なひみつ道具が散乱していた。タイムテレビにタイムカメラ、その他のび太が名前を覚えていないような道具や見たこともない道具が小山になっている。

「ごめん、起こしちゃった?」
「平気だよ、それに……」

 のび太を一つ息を吐く。それはため息のようでもあった。

「あんまり寝たいとも思えないから。」

 ドラえもんの顔が強ばった。

「(……)あ、そうだドラえもん、こんなにひみつ道具を出してどうしたの?」

 ドラえもんも顔が更に強ばった。

 しかしながら、ドラえもんは口を開いた。


「のび太くん、落ち着いて聞いてほしいんだ。」



 ドラえもんのひみつ道具には様々なものがあるがその原理はある程度共通性を持っている。たとえばどこでもドアは四次元ポケットと類似の技術がつかわれているし、スモールライトとビッグライトは実質的に同じものである。タイムマシンやその他の『タイム』と名のつくひみつ道具もやはりだいたいが同じ技術の産物だ。
 故に、別々のひみつ道具でも同じ原因で使用が不可能になることはままあるのだ。

「タイムテレビが使えなくなったんだ。」

 つまりこの場合、『タイム』と名のつくひみつ道具が軒並み使えなくなったと言える。
 のび太の表情は曇った。それは、一つの大きな、厳然たる事実を突きつけられたからだ。

「だから、ここでもやっぱりタイムマシンは使えない。」
「たぶん未来には行けても、過去には行けないみたいなんだ。」
「時空震カウンターで調べてみたけど5時10分に大きな揺らぎが起きたみたいで。」
「もしかしたら……」

「僕達以外にもタイムマシンみたいなのを持ってる人がいるかもしれないっていうこと?」
「そういうことになるね……」


351 : 【14】ファルケンハウゼン ◆txHa73Y6G6 :2015/09/18(金) 00:09:09 .Jhv3RWM0



「日の出か……」

 トバルカインは苦々しげに呟くと視線を東の空からタブレットへと移した。そしてぎこちなさが残りながらも少しは慣れた様子でタップする。

(こんな小さな板でインターネットができるようになるとは……たかだか二十年でここまで技術は進化するものか……)
「大教授殿がヨダレを垂らしながら歯軋りしそうだな。」

 トバルカインはニュースサイトを見ていた。インターネットのホームページに検索エンジンがあったので戦場の情報を得ようと、『冬木市』と適当に入れたら出てきたページの一つだ。
 驚くべきはその情報量だった。トバルカインのつたない検索でも大隊の人員が手間隙かけて集める情報より明らかに多い。既にだいたいの街の作りは頭に入り、なんならそれなりの日数潜伏もできるだろう。こんなものがあれば戦争は様変わりする、そう思い知らされた。

(しかし……)

 もちろん、これはサボっているわけではない。トバルカインの視線こそタブレットに向いているものの、それ以外の全神経はランサーとそのマスターの潜む住宅へと向いていた。当然、常に二人の気配も確かに抑えている。

(いくらなんでも無防備過ぎやしないか……?)

 抑えているからこそ、トバルカインはわざと隙を見せていた。
 というのも、トバルカインが感じる二人の気配が余りにも弱々しすぎるからだ。この距離なら当然向こうもこちらに気づいているはずだ。それなのに、全く行動を起こそうとしない。というより明らかに寝ている。いくら満身創痍といえど罠ではないかとトバルカインは警戒していた。

(ーーいい機会だ、少佐に対応を問おう。)

 トバルカインはアラームを一秒と鳴らさずに止めると、通話アイコンをタップした。定時連絡の時間だ。
 そろそろ夜が明ける。いつ離脱するかも気になる。


(!!!)


 タブレットの画面に通話中の文字が表示される。それを確認すると、トバルカインは愛用の手袋をはめた。
 そして、少し大きめの声。タブレット越しに少佐に、そして、背後からこちらを眼差す者に聞こえるように。話す。

「もう朝が来ると言うのに、なんのご用かな?もしやーー」

 立ち上がり、視線を自分の後ろでこそこそとしていた男に向ける。

 そして、サングラスの男に、獰猛な笑みを浮かべて問いかけた。

「戦争がお望みかな?」



 そのファミレス店員は困惑していた。
 バイト仲間から借金して買ったアニメのBOX。その返済と利子代わりのシフトチェンジで深夜のシフトに入ったのだが、明らかに異質な客が来たからだ。
 この時間のこの店には、いわゆる夜の仕事をしている人間が多く来る。中には明らかにその筋の者も来るが、とりあえずは彼女は慣れていた。慣れていたと思っていた、が、気づかされた。

 店に入ってきた二人の男。
 茶色いスーツの男とサングラスの男。

 明らかに、身に纏っている空気が違った。視線を会わせただけでむせ変えるような血の臭いを感じ、頭をバットで殴られたような衝撃を受けた。失禁するかと思った。てか漏らした。

 二名様ですね、と震えた声で言うとほとんどダッシュで厨房に逃げ込んだ。


「酷い接客だ。」

 トバルカインは、レジからダッシュで逃げていったウエイトレスを見送ると、「まあ、怖がらせてしまったこちらにも落ち度はあるかーー適当に座りましょう」と後ろの男ーーワイルド・ドッグに声をかける。

 どちらからともなく、自然と店の入り口を見張れる日陰の席へと座る。恐々と注文を聞きに来た先ほどのウエイトレスに大量の料理を頼み(悲しいかな、この二人のサーヴァントは食事によって魔力を賄わなければならない)、ウエイトレスを別の意味で青ざめさせ、獰猛な愛想笑いで又もや失禁させる。

「では、本題に入りましょうか。」

 先に切り出したのは、やはりトバルカインだった。タブレットをワイルド・ドッグに見えるように配置すると、スピーカーを入れる。
 どうせこの店にはこの二人しか客がいないのだ。それに聞かれて困るようなことをタブレットの通信相手ーー少佐ーーが言うわけもない。

 画面にまん丸い腹と思われる白服が映る。
 それを見てようやく、ワイルド・ドッグは料理名以外の言葉を発した。

「では、前置きは飛ばして将来的な『業務提携』ーーそれに向けた『競合』の解消について……」


352 : 【14】ファルケンハウゼン ◆txHa73Y6G6 :2015/09/18(金) 00:16:12 .Jhv3RWM0



「どう、聞こえる?」
「うーん、ダメだ。遠すぎる。でもこれ以上はたぶん近づけないし……」

 二人のサーヴァントが堂々と、しかし密やかに話しているファミレスの近くで、のび太とドラえもんは聞き耳をたてていた。
 ドラえもんがひみつ道具の一つ、『スパイセット』。
 対象めがけて『耳』と『目』を飛ばしまさしくスパイのように諜報活動ができるものだ。それを使って二人の様子を伺っているのだか、いかんせん気づかれないようにするには距離をとらなくてはならない。もし更に近づけば。

 ビビビビビビビビビビ。

「やっぱり、これ以上近づくとバレちゃうよ。」

 慌てて左腕にはめたひみつ道具ーー『さいなん報知器』を操作してアラートを止めると、ドラえもんはそう困ったように言った。


 のび太とドラえもんがこの聖杯戦争に参加してからの方針は大きく分けて二つ。
 一つは、タイムマシンやもしもボックス等を使っての聖杯戦争そのものへの干渉。
 もう一つは、信頼できる仲間を集めるというオーソドックスな行動。
 このうちの前者ーー聖杯戦争そのものへの干渉はほぼすべて失敗に終わっていた。もしもボックスは機能せず、タイムテレビはほとんど砂嵐しか映さず、タイムマシンは未来に行くことこそできても過去には戻れなかった。またこの事は大きな問題を引き起こしていた。タイムマシンで二人は、予選の状況を調べるために最終日に移動したのだが、このせいで本選までの準備時間が極端に短くなってしまったのだ。もっとも、予選の突破だけ考えれば得策だったのかもしれないが。

 そして、今二人はもう一つの方針である『信頼できる仲間探し』のために行動していた。

 ドラえもんの右手にあるステッキ。それは『たずね人ステッキ』と呼ばれる、今のドラえもんが持っている数少ない、目的の人物を探すことのできるひみつ道具だ。今回、このひみつ道具で尋ねたのは『話し合って仲間にできる人』。この条件で示されたのがこの二人だったのだ。

(うーん、なんだか怖そうな人達だけど……)

 もっとも、この『たずね人ステッキ』にはある欠点がある。的中率は七割ほどなのだ。更にタイムテレビなどのことを考えれば、その確率は下がることもありえる。

「どうする?他のひみつ道具も試してみる?気づかれないうちに離れたほうがいいと思うけど。」
「でも、あの二人は聖杯戦争の参加者なんでしょ?あぶない人でもほうってはおけないよ。」

 のび太とドラえもんが見る限り、この二人は『ハズレ』に見えた。しかし、その立ち振舞いや外見は明らかに他のNPCとは違った。

「じゃあもう少しだけ見てみよう。」

 結局、ドラえもんとのび太はひとまず監視を継続することを選んだ。



(見られている……?)

 一方、二人に監視されているワイルド・ドッグは直感的に違和感を覚えていた。しかし。

(ハエか……)

 その違和感は目の前の男、『伊達男』に向けられていた。

 もとより、ワイルド・ドッグがトバルカインに接触したのは、同盟相手を探すためだ。魔力の調達に長けるキャスターと組めば、今のじり貧の状況を打開できる。マスターのマイケルからこれ以上魔力を引き出せば衰弱死しかねない以上、必要不可欠だな措置だった。
 だがしかし、このことはワイルド・ドッグに一つの考えをもたらした。

 『マスターから魔力を取れるだけとって殺し、主を持たないサーヴァントになる』。

 ワイルド・ドッグは、マスターが死んだときに真価を発揮するサーヴァント。
 彼にとってマスターなど枷でしかない。
 それならば、今のマスターをいつ使い捨ててもいいように予備のマスターを探しておくのも悪くはない。

「お、お待たせしましたっ!」

 ウエイトレスが上ずった声で持ってきた料理をテーブルに置き、空いた皿を片付ける。今は男三人の交渉は終わり、早めの朝食会となっていた。



 トバルカインはもちろん、ワイルド・ドッグを信用していない。彼とこうしてテーブルについたのは、己のマスターである少佐の指示だ。
 ワイルド・ドッグはどちらでも良かった。戦闘になればマスターから魔力を吸い付くして殺し万全の状態になれたし、相手が同盟を望むならそれはそれでリスクを減らせた。
 そんな二人は、のび太とドラえもんの存在に気づいていなかった。お互いがお互いに注意するあまり、一般人であるのび太をーーもちろんひみつ道具を使われたとはいえーー見逃した。

 山を越えて日が射す。
 時刻はまもなく六時になろうとしていた。


353 : 【14】ファルケンハウゼン ◆txHa73Y6G6 :2015/09/18(金) 00:21:14 .Jhv3RWM0

【新都、某ファミレス店内/2014年8月1日(金)0600】

【アーチャー(ワイルド・ドッグ)@TIME CRISISシリーズ】
[状態]
筋力(15)/C、
耐久(15)/C+、
敏捷(10)/D、
魔力(5)/E、
幸運(10)/D+、
宝具(10)/E
魔力の不足により全パラメータ半減。宝具使用不可。
[思考・状況]
基本行動方針
優勝するためには手段を選ばず。一応マスターの考えは尊重しなくもない。が、程度はある。
1.トバルカインを警戒。
2.最悪の場合はマスターからを魔力を吸い付くせば自分一人はなんとかなるので積極的に同盟相手を探す。
3.マスター(マイケル)に不信感とイラつき。
[備考]
●乗り換えるマスターを探し始めました。
●トバルカインのマスター(少佐)と三人で話しました。

【トバルカイン・アルハンブラ(-)@ヘルシング】
[状態]
筋力(30)/C、
耐久(20)/ D、
敏捷(30)/C+、
魔力(60)/C、
幸運(10)/E、
宝具(0)/-、
決意、召喚酔いは醒めた、召喚の際の魔力と令呪使用で魔力倍増。
[思考・状況]
基本行動方針
この聖杯戦争で軍功を挙げ、意地を見せる。
1.アーチャー(ワイルド・ドッグ)を警戒。
2 今度こそ軍功をあげてみせる。
3.‥‥どうせなら葉巻を吸いたいな。
[備考]
●一応本編からの召喚ですが若干テンションがおかしいです。
マスターである少佐と視界共有を行えますが念話はできないようです。
●冬木大橋でのイリヤ&バーサーカーvsいおり&ランサー(with茜&ランサー、アサシン)戦を観戦しました。どの程度把握したかは不明です。
●タブレット(リップバーンが調達)、ライター(現地調達)を持っています。体をトランプにしたさいどうなるかは不明です。
●トバルカインのマスター(少佐)と三人で話しました。


【新都、某ファミレス店付近/2014年8月1日(金)0600】

【キャスター(ドラえもん)@ドラえもん】
[状態]
筋力(20)/D、
耐久(10)/E、
敏捷(10)/E++、
魔力(0)/-、
幸運(50)/A、
宝具(0)/-
『さいなん報知器』と『スパイセット』を使用中、他にひみつ道具を使っている?
[思考・状況]
基本行動方針
のび太くんを無事に家に帰して聖杯戦争を終わらせる。
1.トバルカインとワイルド・ドッグをもう少し監視。
2.たずね人ステッキで同盟相手を探す。
3.聖杯戦争を止めるにはどうしたら……
[備考]
●平行世界への移動やそれに類するひみつ道具は原則使用できません。
●時間をさかのぼる性質のあるひみつ道具は著しくその効果が小さいものになります。
●その他にも一部のひみつ道具が正常に作動しない可能性があります。
●黒鳥千代子が本日5時10分に使用した『ルキウゲ・ルキウゲ・リボビナーレ』の影響でその時間よりひみつ道具がさかのぼって効果を及ぼすことが不可能になりました。

【野比のび太@ドラえもん】
[状態]
健康、ひみつ道具を使用中?
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争を止めて家に帰る。
1.トバルカインとワイルド・ドッグをもう少し監視。
2.聖杯戦争をしたくない人だっているはずだ……!
[備考]


354 : ◆txHa73Y6G6 :2015/09/18(金) 00:22:03 .Jhv3RWM0
投下終了です
それと酉が変わりましたが1です


355 : <削除> :<削除>
<削除>


356 : 名無しさん :2015/09/27(日) 20:58:57 ORNMaOes0
投下お疲れ様です、久々ながらドラえもんとのび太君の方針と行動が面白い
大長編よりさらにシビアな雰囲気の、普段は日常のどたばたに使われるひみつ道具の戦略的行使はやはりわくわくします
そしてトバルカインとワイルド・ドッグが接触!この二組も油断のならない雰囲気ですが、接近するドラえもんたちとの今後が気になる


357 : ◆txHa73Y6G6 :2015/10/03(土) 00:00:33 cXg0Q53Q0
投下します


358 : 【15】シュガーアンドクレイジー ◆txHa73Y6G6 :2015/10/03(土) 00:05:31 cXg0Q53Q0



 いつの間にか、私はだっこされていた。
 大きな腕のなかで揺れていた。
 私をだっこしていた人はどこかを目指して走っていた。たぶん、危ないところから、平気なところに行きたかったんだ。

 その人は、ちゃんとした人を探していた。ちゃんと話せて、かみついてこない人と会いたかったんだと思う。
 そうやって、ようやく見つけた、ちゃんとした人がいた。
 その人は、ほっとした顔で私をちょっと見て。
 その人たちに私を助けてくれるように言ったんだ

 だから、その人は■■れた。
 体に棒みたいなのを突っ込まれて、口から血をたくさん出して。
 私を助けようとして、私がかまれないようにしようとして、私がちゃんとした人といっしょに。

 それで、その人は、私の■■は。

 ちゃんとした人に殺された。


359 : 【15】シュガーアンドクレイジー ◆txHa73Y6G6 :2015/10/03(土) 00:15:01 cXg0Q53Q0



 気がついたら、私はソファーで横になって眠っていた。
 変なカッコで寝てたからか、体のいろんなところが痛い。
 なんとなく、目の前のテーブルにあったジュースを飲んでみる。ぬるいオレンジジュース。それを飲んで、ほっ、とため息みたいな息が出て。

「お目覚めかね?」

 それで私は、ようやく目の前にいる人が見えるようになった。ずっと見えてたはずなのにいままでその人は見えなかったと思う。なんで見えなかったのかはわからない。わからないけど、私はその人のことが見えたとき。とてもとても、胸のなかでナニかがめちゃくちゃに動いた気がした。

「ああ、少し待っていてくれ。電話の時間なんだ。」

 そう言うとその人は、少佐はスマホをいじった。スピーカーからは『戦争』だとか『取引』だとか、難しい、嫌な感じの言葉を話すおじさん達の声が聞こえだす。

「待ちたまえ、中尉。それは愉快だ。なかなか愉快な提案じゃあないか。」

 そのおじさん達に少佐は話しかけた。少佐はそのまま話し続けて、とても楽しそうだった。その笑い顔は誰かにとても似ていて、でも私は嫌な気持ちだった。その誰かを、少佐といっしょにしちゃダメなんだって思ったから。

 キライ、とは違うと思う。私は少佐っていう人がキライじゃないと思う。だって私は少佐のことを知らないから。
 だから、たぶんコワイとかフシギとか、そういうのだと思う。

「おまたせ。さて、君は何か私に聞きたいことがあるようだが、私に答えられることなら答えるべき範囲で答えよう。」

 私がじっと見てたからか、電話を切った少佐はニヤリと笑ってそんなことを言った。こういう時の少佐はだいたい私をからかっている。少佐の部下の眼鏡の女の人も何度もからかわれてその度にワタワタしていた。

「リップバーン……」
「ほう?中尉か?意外だね、君が私や私の部下に興味を持つとは。」


360 : 【15】シュガーアンドクレイジー ◆txHa73Y6G6 :2015/10/03(土) 00:22:32 cXg0Q53Q0

 口に出してたのか、少佐は面白そうに言った。ちょっと普段と違う、なんだか驚いたような、それなのに相変わらずからかうような感じ。
 私はリップバーンさんがどこへ行ったのか聞いてみた。別にそんなに気になってたわけじゃないけど、なんとなく。
 少佐はジュースを一口飲んで、「死んだよ」って言った。その言い方はとても軽い感じだった。でも、その言葉はふだんとはちょっと違う感じだった。少佐は、大事なこともなんでもないようなこともおんなじように言うのに。

「死んだ、んだ?」

 それでちょっとして、あ、死んじゃったから少佐もふだんとはちがうのかなって思って。

「リップバーンさん……死んだの?」

 ようやく、リップバーンさんが死んだことに気づいた。



【新都・駅前カラオケボックス/2014年8月1日(金)0600】
【希里ありす@学園黙示録HIGH SCHOOL OF THE DEAD】
[状態]
閉じていた心の解放、心理的ショック(規模不明)、リップバーンの「死」を認識。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針

0.???
[備考]
●両親役のNPCや住所などが設定されていない可能性があります。
所持金に関しては予選期間中に他のマスターから奪った現金が多少あるようです。


361 : 【15】シュガーアンドクレイジー ◆txHa73Y6G6 :2015/10/03(土) 00:38:28 cXg0Q53Q0



(なるほど。)
 少佐は目の前で久々に感情らしい感情を見せたありすを見ていた。
(リップバーンの死は彼女の心を動かした。数日とはいえそれなりに会話を交わした相手では自分とは無関係と思えなかったか。)
 今や彼のマスターは、うつろな目をした人形同然の存在から、ダイナミックに感情を発露する少女へとその有り様を変えていた。おお見よ、その証左に彼女を。
(開いた瞳孔と揺れる眼球、指先の震えとそれを無意識に抑えようとする各関節の強張り。教科書に乗せたいぐらいの反応だ。)
(ああ、これだ、死を認識した人間の顔だ。)

(ごくろう、中尉。君は私のマスターを人間にしてくれた。)

 少佐は、しかし笑わなかった。
 まだ、その時ではない。

(さて、彼女の観察も楽しいだろうが、どうせならばもっと有意義なものにしなければな。)

 少佐のスマホがトバルカインからの着信を知らせる。先ほど接触したサーヴァントと落ち着いて『交渉』できる場所に移動したと言うことだろう。

(もっとも増援の要請かもしれんが、)
「杞憂だったようだな。」

 画面にレストランらしき店内とサングラスの男の映像が流れる、先ほどのサーヴァントで間違いない。

『では、前置きは飛ばして将来的な『業務提携』ーーそれに向けた『競合』の解消について……』

 スマホのスピーカーからサーヴァントの声が聞こえる。

(さて、)

 これでもっと面白くしないとな。



【ライダー(少佐)@ヘルシング(裏表紙)】
[状態]
筋力(5)/E-、
耐久(5)/ E-、
敏捷(5)/E-、
魔力(10)/E-、
幸運(5)/E-、
宝具(5)/E-、
健康、令呪使用により魔力倍増。
[残存令呪]
8画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争を楽しみ、セイバー(アルトリア)を嫁にする
19.サーヴァント(ワイルド・ドッグ)と交渉。
2.目的達成のためにルーラーを排除する策を練る。
3.マスター『も』楽しめるように『配慮』。
4.令呪を使った『戦鬼の徒』の召喚を試みたが‥‥まだ目立った変化は見られんか。
5.仮面ライダーか…面白い
[備考]
●マスターと同等のステータス透視能力を持っています。
また、『戦鬼の徒』で呼び出したサーヴァントと視界共有を行えますが念話はできないようです。
●ライダー(五代雄介)の非変身時、マイティ、ドラゴン、タイタン、ライジングドラゴン時のステータスと一部スキルを確認しました。
また仮面ライダーであることを看破しています。
●ルーラーの特権の一つがサーヴァントへの令呪であることを確認しています。
他にも何らかの特権を複数持っていると考えています。
●セイバー(アルトリア)のマスターが遠坂凛であることを把握しています。
●令呪を使って『戦鬼の徒』を使用することで戦鬼の徒の宝具、スキル等を再現できるのではないかと考えており、召喚したトバルカインで実験するつもりです。そのために場合によってはドクの召喚も考えています。
またこの考えは外れている可能性もあります。
●予選期間中に他のマスターから令呪を多数強奪しました。
●出典が裏表紙なので思考、テンションが若干おかしなことになっています。
●予選の間にスマホや現金を調達していたようです。


362 : ◆txHa73Y6G6 :2015/10/03(土) 00:39:04 cXg0Q53Q0
投下終了です


363 : 名無しさん :2015/10/04(日) 23:03:21 kow7wySA0
投下乙です、ドラえもんたちのひみつ道具のくだり、ここが異世界である不気味さを感じてすごくよかったです
そして少佐組…ありすの心情が動いていく
クウガとの交戦で散ったリップバーンは起爆剤となったのか
少佐の独白、いいですね


364 : ◆txHa73Y6G6 :2015/10/24(土) 08:00:07 Pkzmh6V.0
投下します


365 : 【16】あらかじめ破綻する邂逅 ◆txHa73Y6G6 :2015/10/24(土) 08:14:19 Pkzmh6V.0



 麻酔により混濁した意識。手術室から無表情で出てきた医師は自分に駆け寄ってきた一組の男女と二三言葉をかわす。その言葉で男女の顔に絶望の色が浮かぶ。ストレッチャーが動き男女を置き去りにする。
 もちろんそれを当事者ーー三谷亘は気づくことはない。
 なにも気づくことはない。


 夢を見ていた。
 麻酔はワタルの意識を普段とは違うところへと導いていた。
 そこはヨーロッパ風の、邸宅。小さな城といっても大袈裟ではない。門からはなだらかな平原が見え、この邸宅が丘の上にあるとワタルはぼんやり認識した。

 ふと、自分の服の袖を引っ張る小さな手が見えた。左右から延びる小さな手。
 見渡せば、すぐ近くに二人の子供がいた。幼稚園ほどの年だろうか、気の強そうな黒髪の男の子とはつらつとしたピンク色の髪の女の子。二人はワタルの手を引きどこかへと連れていこうとする。そこでワタルは、自分の体が少し大きくなっていることに気づいた。よくあるRPGの主人公ぐらいの体型。そうなんとなく思った。

 引かれて歩き出す。中庭のような場所から先程目を向けた門の方へ。
 ふと、暖かいものを感じた。
 胸が、心が、熱を持つ。
 もう一度門へと目を向けるとそこには一人の女性が待っていた。ピンク色の髪の、本来のワタルともさして体格の変わらないような少女。


 なぜだか、涙が出た。


 手を引いていた子供達がその手を離し少女へと走りよっていく。少女は二人を抱き締める。
 そしてその少女は、とびきりの笑顔でワタルにーー■■■ーー笑いかけると。

 泡のようにすべてが消えた。


【新都・病院/2014年8月1日(金)0310】

【三谷亘@ブレイブストーリー】
[状態]
魔力枯渇による衰弱(極大)、多臓器不全、???
[残存令呪]
2画
[思考・状況]
基本行動方針
???
1 ???
[備考]
●衰弱により病院へ搬送されました。
病院には亘の両親役のNPCもいます。
●バーサーカーの記憶の一部(?)を見ました。



 ●  ●  ●  ●  ●  ●


366 : 【16】あらかじめ破綻する邂逅 ◆txHa73Y6G6 :2015/10/24(土) 08:24:42 Pkzmh6V.0



 ●  ●  ●  ●  ●  ● 



「先生ぇ!!マスターは!マスターは!!!」
「わかったから真田さん落ち着いてさっきも言ったけど命に別状ないから。意識も今日中に戻るだろうし今から精密検査してなになかったら明日にでも一応外出もできるぐらいだから。」
「誠かっ!?誠でござるか先生ぇっ!!?」
「それと僕は看護師なんで詳しいことは先生にーー」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおマスターァァァァァァァー!!!」
「だから叫ばないでください!!」
(何をやっているのだアイツは……?!)


 現在、病院には三人のマスターと二騎のサーヴァントがいる。
 三谷亘、九重りん、日野茜の三人とランサー、アサシンの二騎がその内訳だ。
 そしてこの事は、アサシンの予期せぬことであった。

 アサシンにとって、この病院はマスターを生存させるための陣地であり宝具の用意をするための基地である。そしてあわよくばマスターが来たときの狩場としての側面もある。
 だが、その計画は始まって三時間程度で崩れ去りつつあった。理由は至極単純。

「なんだあのあんちゃん?先から叫びまくってるけど?」「追っかけかなんかじゃないのか?橋の辺りの事故にアイドルが捲き込まれたんだってよ」「アイドルって誰です?」「いや俺もそこまでは」「そういえば映画の撮影が来るとか言ってたけど、それか?」「僕が見るに、あの人はプロデューサーですよ、間違いない。さっき名前聞いたら真田源次郎て言ってました」「馬鹿、真田つったら歌舞伎だろ歌舞伎。ありゃたぶん俳優だろ」「あんな格好の歌舞伎の人なんていますかね?」「お前あの格好もう一度見てみろよ、歌舞伎まくってんじやねーか、裸革ジャンなんて俳優にしかできねえって」「それ意味違いません?」「皆さん消灯時間はとっくに過ぎ『うおおおおおおおおおおおおおっっっ!!!』」「いや看護師さんよお、あんなに叫ばれちゃ寝れるわけねーだろどんどん起きてきてるぞ」
(ランサァ……!!!)

 とにかくランサーが目立ちまくっているのである。

 アサシンにとって、ランサーのような無駄に目立つ行動をするというのは考えられないことだ。そもそもアサシンは忍者。その姿が人目につくことは可能な限り避ける。それが当たり前である。
 しかしランサーは違う。ランサーは侍、それも戦国武将だ。堂々とした振る舞いや派手な装束は必須技能とも言える。

 つまるところアサシンは、自分の世界の常識で考えてしまった。戦場に立つものは忍者であると言う常識に縛られていた。そんなアサシンではそもそもの常識が違う上にその常識にすら縛られないランサーの行動を予期することは不可能だったのである。
 更に言えば、病院にこれだけのマスターが集まることも予想外であった。アサシンの時代の病院といえばその名の通りもっぱら病を治すところであり怪我の治療などというのは『幸運』な例外であった。忍者同士の戦闘は一撃で命を奪い合い、手傷を負わされたものはあるいは毒で、あるいは動きが鈍ったところを狙われて、またあるいは凶暴な野生生物の餌食となり、命を落とす。それがアサシンにとっての常識である。死体を弔うことすらできないことも少なくなかったアサシンの経験では、救急医療が社会インフラの一つになった現代の常識の『知識』を噛み砕くことができていなかったのだ。

(……たわけがっ!後手に回るとはなんたる迂闊!)

 よってアサシンは、考えを変えた。この戦場が、聖杯戦争が自分の常識を越えたものであると認識を改めた。そしてその上で、アサシンは行動を起こした。

(あれは見たところ、兄者に近いタイプの人間。ならば。)
(変化。)

 アサシンは姿を医者のものへと変えると、未だ憐れな看護師とやりあっているランサーへと近づく。

「君、患者を頼む。ここは私が。」
「あ、ええと「『ここは、私に任せろ』」……!?はい、お任せします。」
「!お主、まさか……?」
「真田源次郎さん……ですね?少しゆっくり話をしたいので、場所を移したいのですが。」
「……生憎、動けぬ理由がある。」
「ランサーは逃げ延びたようだ。バーサーカーはヤツのマスター共々川に落ちた。」
「……そこの中庭ならば、それでよいか、あさしん。」

「十分待て。人払いを済ませる。」



 ●  ●  ●  ●  ●  ●


367 : 【16】あらかじめ破綻する邂逅 ◆txHa73Y6G6 :2015/10/24(土) 08:45:40 Pkzmh6V.0



 ●  ●  ●  ●  ●  ● 



(あれだけ集まっていた人間があさしんの言葉に従って離れていく……やはり忍なのか……!?)


 中庭のベンチに腰かけたランサーは、目の前でアサシンの指示に従って離れていく人々を見てそう思った。実際は、それまで人々の興味をひくエンジンとなっていたランサーが落ち着いたからというのも大きいのだが、確かにアサシンは幻術を使っているので間違いでもない。「がんばれ」や「映画楽しみにしてるよ」と声をかけて戻っていく患者に礼をしながら、己と同じ釜の飯を食べた忍を思い出した。

「待たせたな。」

 アサシンは隣のベンチに腰を下ろした。周囲の人の気配が手術室の方からしかないことをみると、人払いが徹底されていることがわかる。

「単刀直入に言う、同盟を組みたい。」
「それはさあばんとである我らが簡単に決めていいことではない。」

 アサシンは提案する。小学生でもわかるような内容。
 一方ランサーは提案を拒絶。こちらもはっきりとした、小学生でもわかるような明確なNO。
 では次はどうなるか?


「もっともだ、ではまず互いのマスターに手を出さぬという口約束ならばどうだ。共闘したよしみだ、今日一日だけでも悪くない提案だと思うが。」
(……マズい……)
 アサシンは妥協案を出す。ランサーの顔が渋くなる。アサシンはそれを見て内心ニヤリと笑う。一方ランサーはようやくアサシンの狙いに気づいた。

((これは、交渉だ。))


 ーーランサーは口より先に身体が動く。難しいことは頭が回る人間が考えランサーはそれを単純に実行する。単純に実行できるように頭を使う。ランサーは物事をシンプルに行うことはできても、その前段階のお膳立ては殆ど経験がなかった。
 ーー一方アサシンは、まさにランサーのような兄を支えてきた。兄がその力を実力以上に発揮できるように準備をし、構想を具体的な形にし、想い描く里を子供の夢から誰にも誇れる現実にした。


(……胃が痛くなった気がする。)
(兄者に比べればこやつなどどうということはない。)



 今ランサーは最大の窮地に陥っている。てっきりランサーはあの戦いがどうなったか、そんな話をしようと思っていたがアサシンは違う。ここからアサシンが仕掛けてくるのは、搦め手だらけの舌戦。ランサーが最も苦手とするもの。対してアサシンは、その生涯の半分をかけたもの。忍者であること同様にアサシンをーー千手扉間を千手扉間として形作る『施政者(キャスター)』としての能力。

 それが今、牙を剥いて襲いかかる。

「……まずは茶でも飲んで落ち着くべきだ(なんとか誤魔化せないか)!」
「落ち着いていないのはお前だと思うが、それでどうする?この口約束、乗るか?こちらとしてはいきなり襲いかかるかもしれん相手と茶は飲めんが(茶で誤魔化せると思っているのか)。」
「乗ろう!乗るから、まずは茶が作法だ(誤魔化せなかった!)!」


368 : 【16】あらかじめ破綻する邂逅 ◆txHa73Y6G6 :2015/10/24(土) 08:48:26 Pkzmh6V.0



【新都・病院/2014年8月1日(金)0310】

【アサシン(千手扉間)@NARUTO】
[状態]
筋力(30)/C、
耐久(30)/C、
敏捷(100)/A+、
魔力(10)/B、
幸運(10)/E、
宝具(??)/EX
健康、宝具使用不可、魔力を四分割したため戦闘になると2ターン目からステータスダウン、避雷針の術の発動条件を満たしているため敏捷が+分アップ、医者っぽい姿に変化。
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯を用いて木の葉に恒久的な発展と平和を。
1.ランサー(幸村)を懐柔しとりあえずの同盟を結ばせる。ただし具体的な譲歩をする気はあまりない。
2.マスター(凛)が他の組に見つからないように警戒している……が、ランサーとの交渉次第では変える?
3.これ(三つの問題)は後回しにできんが‥‥やむを得ん。
4.マスターの少年(亘)をまずは穢土転生できるようにしておく。
5.魂喰いの罪を擦り付ける相手は慎重に選定する
6.穢土転生の準備を進める。
7.他の組の情報収集に務める。
8.女ランサー(アリシア)との明日正午の冬木ホテルでの接触を検討し、場合によっては殺す。
9.バーサーカー(ヘラクレス)は現在は泳がせる。
10.逃げたサーヴァント(サイト)が気になる。
11.聖杯を入手できなかった場合のことを考え、聖杯を託すに足る者を探す。まずはマスターの少年(亘)を見定め、次はランサーのマスター(日野茜)を。
12.マスター(凛)の願いにうちはの影を感じて……?
[備考]
●予選期間中に他の組の情報を入手していたかもしれません。
ただし情報を持っていてもサーヴァントの真名は含まれません。
●影分身が魂喰いを行ないましたが、戦闘でほぼ使いきりました。その罪はバーサーカー(サイト)に擦り付けられるものと判断しています。
●ランサー(アリシア)の真名を悟ったかどうかは後の書き手さんにお任せします。
●バーサーカー(ヘラクレス)に半端な攻撃(Bランク以下?)は通用しないことを悟りました。
●バーサーカーの石斧に飛雷針の術のマーキングをしました。
●聖杯戦争への認識を改めました。普段より方針が変更しやすくなっています。


【ランサー(真田幸村)@戦国BASARAシリーズ】
[状態]
筋力(40)/B、
耐久(40)/B、
敏捷(30)/C、
魔力(30)/C、
幸運(30)/C、
宝具(40)/B、
疲労(中)、魔力消費(中)、肋骨粉砕骨折と内臓に損傷(どちらも少々回復)、強い屈辱と無力感、そして安堵。
[思考・状況]
基本行動方針
強敵たちと熱く、燃え滾る戦を!!だが‥‥
1.ますたぁ(茜)への申し訳なさと命が無事であったことへの安堵。
2.こういったことは得意では……
3. あの爆発、あーちゃー(アリシア)は‥‥
4.俺は……
5.せいばぁ(テレサ)、ばあさあかぁ(小野寺ユウスケ)と再戦し、勝利する
6.やはりあさしん(扉間)は忍びの者……?
[備考]
●バーサーカー(ヘラクレス)の攻撃で傷が悪化しました。
●ランサー(アリシア)のクラスをアーチャーと誤認しています。
●ランサー(アリシア)の真名を悟ったかどうかは後の書き手さんにお任せします。
●アサシン(千手扉間)を忍のサーヴァントだと考えています。
●病院内にランサーの噂が立ちました。『アイドルの関係者』、『映画の撮影』、『歌舞伎』、『うるさい』、『真田』といった単語やそれに関連した尾ひれのついた噂が広まり始めています。


369 : ◆txHa73Y6G6 :2015/10/24(土) 08:50:08 Pkzmh6V.0
投下終了です
それと感想いつもありがとうございます。


370 : 名無しさん :2015/10/28(水) 20:19:01 iHbpuEDA0
投下乙ですー
亘の見た夢はサイトの…切ねえ
そして卑劣様は幸村に舌戦を仕掛けるか…噛み合わない二人だけど卑劣様的にはそのかみあわなさが利用できるわけね


371 : ◆txHa73Y6G6 :2015/11/09(月) 23:59:31 DL7wQTgc0
投下します


372 : 【17】交渉ーー朱に交われば?ーー ◆txHa73Y6G6 :2015/11/10(火) 00:13:06 Q/cmzn.60



「!?バーサーカーさん!あそこっ!」
「敵か……!」

 時刻は四時を少し過ぎた頃だ。
 左手に見えた橋の惨状に気をとられながら走っていた竜堂ルナとバーサーカーの二人。先に彼女たちを見る存在に気づいたのは先行していたルナのほうだった。

「地の利を得られたな……」

 自分達がいるビルの屋上より更に十数メートルは高いところにいる赤い外套に銀の光を跳ね返す人影。

「えっと……サーヴァント、かな?」
「どっちかはわからないがーー」

 「そこで止まれ」とバーサーカーは声をかけルナと同じビルの屋上に立ち、寄り添う。

「ーー話をしに来たようだな。」


373 : 【17】交渉ーー朱に交われば?ーー ◆txHa73Y6G6 :2015/11/10(火) 00:22:07 Q/cmzn.60



「ふーん、先に気づいたのはそっちか。」

 夜風に赤い外套を靡かせるアーチャー、クロエは呟いた。
 およそ百メートルの距離。気配は絶っているとはいえアサシンでもない以上いつでも察知されるのはわかっていた。それなのに、アーチャーは動かなかった。つまりは。

『じゃあ『接触』するわ。』
『頼んだ。』

 衛宮切嗣の選択は『接触』。つまりは発見した『参戦者』との交渉である。
 無論リスクは大きい。お世辞にもアーチャーは強いとは言えず、なにより自分のサーヴァントを、娘であるクロエを矢面に立たせることに他ならない。交戦する確立は五分を越えるだろう。
 しかしそれでも切嗣は、ここでアーチャーを接触させることを選んだ。それはこの聖杯戦争がある意味一斉に始まることに対応して先手をうつためでもあったし、アーチャーならば離脱も可能であることを考慮したためでもある。だがその一番の理由は、やはり『生き残る』ためだろう。

 この聖杯戦争における衛宮切嗣の最も重要な目的、それは『クロエ・フォン・アインツベルン達の生存』である。

 究極的には、聖杯の入手、または破壊は、その目的を達成するための手段でしかない。愛する者を犠牲にしても正義の味方を語った男の末路が家族を、見たこともない子ども達を守るためと言うのはかなりの皮肉だと切嗣は思うが。

 よって切嗣が最優先すべきなのは自身とアーチャーの生存である。娘たるアーチャーをできうる限り長く生存させることは、その目標にも合致する。しかしこれには大きな課題があった。この聖杯戦争に巻き込まれた時点で恐らく衛宮切嗣の寿命は尽きていたはずだ。実際、切嗣は自身の死期を悟り衛宮士郎が生きていくための手配をささやかながら進めていた。そんな切嗣の体がこの聖杯戦争に耐えうるのか?いつその時がくるのか、来てしまうのか?あるいはもっと単純に戦いの中で命を落とすことも多分に考えられる。ではそうなったときに、衛宮切嗣はマスターとして、そして父親として何ができるのか。

 そして考えついたのが、自分以外にクロエのマスターとなる者を用意することであった。幸い、クロエは燃費が良く、単独行動のスキルも持っている。サーヴァントを二騎使役できるマスターは限られるだろうが、多少の無理をしてでもこの『戦力』を欲するマスターはいるだろう。

 娘を兵器のように扱うーー結論に行きつくための前提に自嘲もしたし父親失格だとも思ったが、残念ながら切嗣にはこれ以上の父親らしい行動は現実的なものと思えなかった。



 ◆  ◆   ◆    ◆     ◆      ◆       ◆


374 : 【17】交渉ーー朱に交われば?ーー ◆txHa73Y6G6 :2015/11/10(火) 00:41:38 Q/cmzn.60



 ◆  ◆   ◆    ◆     ◆      ◆       ◆



 「ガンッ」と金属の手すりを蹴った音と風を切る音。ルナとバーサーカーがアーチャーの待つビルの屋上に現れる。
 二騎のサーヴァントはどちらも武器を構えない、しかし、警戒心は微塵も緩ませない、そして、沈黙。互いに相手の声を待つ。ピリピリとした空気。

「あのー……」

 になる前に、おずおずと声をかけたのはルナだ。沈黙の主導権争いの空気になることを察知してとっさに何か話さなければと気をきかせたのだがそのあとが続かない。
 それを見て、バーサーカーは心の中で舌打ちをし、アーチャーはルナへの評価を変えた。
 今の状況なら先に何らかの行動を起こすよりかは相手の出方を待つ場面だろう。それを崩したということはこの場を有利に進める何かが話すことであるか、もしくは余程のバカか。ここまでの彼女から感じた存在感から前者だと判断してアーチャーはルナの言葉を待ち。

「……こんに、こんばんは。」
(あっ、この子チョロいわ。)

 アーチャーは評価を後者にし、バーサーカーは心の中で今度はため息をついた。

「こんばんは。さっそくだけどマスターさん、同盟を組まない?」
「同盟!?もちろ「待てルナーーマスター!」え、でも、バーサーカーさん……?」
「チィッ……!」
『で、そっちがマスターで名前はルナ。あの変な腕のサーヴァントはバーサーカーね。同盟組んでたわけじゃないみたい。』

 切嗣へと年金をあくりながら、アーチャーは心の中で失笑した。サーヴァントに匹敵する存在感を放ちながら、あまりにも簡単にボロを出すマスター。少しは頭が切れそうだと思ったらマスターの名前を口走るサーヴァント。どちらも揃って御しやすい、それがアーチャーが二人に抱いた第二印象だ。

(イリヤでもここまで天然じゃーー!)


375 : 誤字を訂正 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/10(火) 00:56:25 Q/cmzn.60



 ◆  ◆   ◆    ◆     ◆      ◆       ◆



 「ガンッ」と金属の手すりを蹴った音と風を切る音。ルナとバーサーカーがアーチャーの待つビルの屋上に現れる。
 二騎のサーヴァントはどちらも武器を構えない、しかし、警戒心は微塵も緩ませない、そして、沈黙。互いに相手の声を待つ。ピリピリとした空気。

「あのー……」

 になる前に、おずおずと声をかけたのはルナだ。沈黙の主導権争いの空気になることを察知してとっさに何か話さなければと気をきかせたのだがそのあとが続かない。
 それを見て、バーサーカーは心の中で舌打ちをし、アーチャーはルナへの評価を変えた。
 今の状況なら先に何らかの行動を起こすよりかは相手の出方を待つ場面だろう。それを崩したということはこの場を有利に進める何かが話すことであるか、もしくは余程のバカか。ここまでの彼女から感じた存在感から前者だと判断してアーチャーはルナの言葉を待ち。

「……こんに、こんばんは。」
(あっ、この子チョロいわ。)

 アーチャーは評価を後者にし、バーサーカーは心の中で今度はため息をついた。

「こんばんは。さっそくだけどマスターさん、同盟を組まない?」
「同盟!?もちろ「待てルナーーマスター!」え、でも、バーサーカーさん……?」
「チィッ……!」
『で、そっちがマスターで名前はルナ。あの変な腕のサーヴァントはバーサーカーね。同盟組んでたわけじゃないみたい。』

 切嗣へと念話を送りながら、アーチャーは心の中で失笑した。サーヴァントに匹敵する存在感を放ちながら、あまりにも簡単にボロを出すマスター。少しは頭が切れそうだと思ったらマスターの名前を口走るサーヴァント。どちらも揃って御しやすい、それがアーチャーが二人に抱いた第二印象だ。

(イリヤでもここまで天然じゃーー!)

 一瞬、アーチャーは自分の顔がひきつったのを感じた。それは心の中で笑うことでほんの僅かに弛緩した表情筋が驚愕の表情になろうとするのを押さえつけるためのものだ。

(もしかしてーー)

 アーチャーは視線をルナへと集中させる。この時、ほんの僅かだがアーチャーはバーサーカーの存在を頭から追い出した。それは自殺行為に他ならないが、しかしアーチャーは意識的にか無意識にかルナを見つめていた。

 待ち明かりを受けて金色の光を反す銀髪。摩眼かのような渦の紋様が見える赤い目。そしてその身体から己の存在を誇示するかのように流れ続ける異質な魔力。先程の失態も世間知らず故だとしたら、一般社会に出た経験がないとしたら。

(ーーホムンクルス!?)



(なんで見つめられてるんだろう……?)
 一方、アーチャーの視線を受けるルナは困惑していた。なぜか突然自分の顔をじっと見つめられているのだ。そのような経験などほとんどないルナにはこういうときどうすればいいのかわからないのだ。

「バーサーカーさん……」
「相手から目を離すな。」

 助けを求めるも、彼女のサーヴァントはとりつく島もない。バーサーカーは不甲斐ない自分自身への怒りからだが、ルナは怒られていると感じた。

(顔に何かついてたりして……)

 気まずさに堪えられず、ポリポリとほっぺを掻く。ふと彼女も嗅ぎ慣れた匂いがした。指を見るとそこには、一枚の青のり。

(青のり付いてた!)


376 : 【17】交渉ーー朱に交われば?ーー ◆txHa73Y6G6 :2015/11/10(火) 01:04:44 Q/cmzn.60



【新都・前回から移動なし/2014年8月1日(金)0420】

【アーチャー(クロエ・フォン・アインツベルン)@Fate/kareid liner プリズマ☆イリヤ】
[状態]
筋力(10)/E、
耐久(20)/D、
敏捷(30)/C、
魔力(40)/B、
幸運(40)/B、
宝具(0)/-
[思考・状況]
基本行動方針
衛宮切嗣を守り抜きたい。あと聖杯戦争を止めたい。
1.まさか、ホムンクルス!?
2.同盟を組むって言ってみたけど、どうなるかなー。少しぐらい魔力貰っても大丈夫そうだから悪くはないけど。
[備考]
●赤色の影をバーサーカーと、銀色の影をマスターの『ルナ』と認識しました。
●ルナをホムンクルスではないかと思っています。


【竜堂ルナ@妖界ナビ・ルナ】
[状態]
封印解除。妖力消費(小)。お腹いっぱい。ちょっと眠い。恥ずかしい。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
みんなを生き返らせて、元の世界に帰る。
1.なんかいろいろ恥ずかしい。
2.同盟を組むんじゃなかったっけてバーサーカーさんに聞きたいけど今はやめとく。
3.学校の保健室を基地にする‥‥いいのかな‥‥
4.誰かを傷つけたくない、けど‥‥
5.バーサーカーさんを失いたくない。
[備考]
●約一ヶ月の予選期間でバーサーカーを信頼(依存?)したようです。
●修行して回避能力が上がりました。ステータスは変わりませんが経験は積んだようです。
●新都を偵察した後修行しました。感知能力はそこそこありますが、特に引っ掛からなかったようです。なお、屋上での訓練は目視の発見は難しいです。
●第三の目を封印解除したため、令呪の反応がおきます。また動物などに警戒されるようになり、魔力探知にもかかりやすくなります。
●身分証明書の類いは何も持っていません。また彼女の記録は、行方不明者や死亡者といった扱いを受けている可能性があります。


【バーサーカー(ヒロ)@スペクトラルフォースシリーズ】
[状態]
筋力(20)/D+、
耐久(30)/C+、
敏捷(20)/D+、
魔力(40)/B++、
幸運(20)/D、
宝具(40)/B+
魔力消費(微)、不甲斐ない自分にイライラ。
[思考・状況]
基本行動方針
拠点を構築し、最大三組の主従と同盟を結んで安全を確保。その後に漁夫の利狙いで出撃。
1.誘い出されてきたが……どうするか。
2.学校に拠点を構える。
3.マスターがいろいろ心配。
[備考]
●新都を偵察しましたが、拠点になりそうな場所は見つからなかったようです。
●同盟の優先順位はキャスター>セイバー>アーチャー>アサシン>バーサーカー>ライダー>ランサーです。とりあえず不可侵結んだら衣食住を提供させるつもりですが、そんなことはおくびにも出さずに交渉する予定。


377 : ◆txHa73Y6G6 :2015/11/10(火) 01:06:22 Q/cmzn.60
投下終了です


378 : ◆txHa73Y6G6 :2015/11/10(火) 23:58:58 Q/cmzn.60
投下します


379 : 【18】ランサーかライダーかな? ◆txHa73Y6G6 :2015/11/11(水) 00:11:28 0bai7ObI0



「ーーまだ、仕掛けるときじゃない、適当にあしらってきなさい、キャスター。」
「ふーん……わかった、じゃあ状況を整理しよう。」

 マスター・天沢勇子は、彼女のサーヴァント・キャスターに命令を下した。

 内容は保留。一見、場当たり的な対応に見えるが、イサコはこの判断が最善策であると考えた。


「今僕たちがいるのは冬木ハイアットホテルの最上階。ホテルの周囲は市街地が数キロにわたって続いている。高さ50メートル以下なら空中戦には注意が必要になるね。」
「ホテルのエントランスに他のマスターとサーヴァントが侵入してきた。マスターの情報は男子高校生っぽい外見のみで能力は未知数。サーヴァントについては僕のヒュプノに勘づいたこと以外一切不明。」
「他に周辺にサーヴァントがいる可能性もある。下のマスター達との関係はこれも一切不明。」
「これで適当にあしらってこいっていうのは。」
「好きにしていいってことかな?」


 イサコはキャスターに決断を任せることがこの場での最善策であるとの結論を出したのだ。


380 : 【18】ランサーかライダーかな? ◆txHa73Y6G6 :2015/11/11(水) 00:19:37 0bai7ObI0

 もとより、イサコはキャスターを人間として信頼はしていない。むしろキャスターのような人物はイサコが明確に敵意を向けるタイプの人間だろう。それでも、イサコはキャスターのサーヴァントととしての能力は信頼していた。
 キャスターは彼女が望むことのほぼすべてを叶えた。資金、情報、戦力、その全てが彼女が望むものより多く、高く、強かった。いまだ戦闘こそないが、キャスターが遅れをとるような事態が考えられない程度にはそれを信じていた。
 もちろん、イサコはキャスターが優秀ではあっても万能ではないとは思っている。普段の彼女ならば。サーヴァントに判断を任せるようなマネはまずしないだろう。
 しかし、それ以上に自身の判断能力を疑った。果たして今の自分がキャスターより正しい判断を下せるだろうか?そう考えたときに、彼女は素直にーーいくらか苦い顔をしたがーー自分がキャスターより劣っていると認めた。サーヴァントとの戦闘を無意識に避けていた、もしくはその恐れがある自分に、何かの決断を下すのは有害であるとの認識をしたのだ。

 イサコはだから、キャスターの判断をみることにした。果たしてキャスターは今度も自分の予想を越えるパフォーマンスを見せつけるのか。それか決断のための反面教師となるような事態を起こすのか。キャスターの行動を見て、自分とキャスターの評価を改めようというのだ。

「好きにしなさい。」

 イサコはそう言うと、じっと、キャスターをねめつけた。その一挙手一投足を見逃さないため、そしていくらかの苛立ちと羨望を込めて。

 それを見て、キャスターは驚いた。そのような表情を向けられたのは初めてではない。だが、今ここで自らのマスターから向けられるとは思わなかったのだ。

(ちょっとは、お近づきになれた、かな?)

 キャスターは、自らのマスターから向けられた、『憧れ』の表情を目に焼き付けるとその姿を部屋から消した。


381 : 【18】ランサーかライダーかな? ◆txHa73Y6G6 :2015/11/11(水) 01:03:26 0bai7ObI0



「間桐慎二、慎二でいいよ。」
「色丞だ、色丞狂介。」

 その頃、ホテルの一階、エントランスで向かい合っていた色丞狂介と間桐慎二は場所を併設されたカフェへと移していた。
 テーブルの対面1メートルの距離。そんな状況に同盟を組んでいるわけでもないマスター同士が座るというあり得ない光景。双方のサーヴァントの発するプレッシャーが場に重くのし掛かる。

「でさぁ、さっきの話だけどーー」

 慎二は必死に手の震えを抑えながらコーヒーに口をつけ、乾いた口を潤す。元々彼はこんないつ死んでもおかしくない状況を望んでいたわけではないが、狂介の提案とその勢いに圧されて座ってしまったのだ。その提案とは。

「本気でこの聖杯戦争を止める気か?」

 その提案とは、この聖杯戦争そのものの打倒。参加者らが参加した意義を真っ向から否定する無法の一声だ。

「ああ、僕はこの聖杯戦争を止めたい。そしてそのために君に協力してもらいたい。」

 慎二の問いかけに、狂介も緊張で言葉を震わせながらもはっきりと答えた。

「いや、いやいや嘘だろ?万能の願望器だぞ?それが手に入るっていうのに、みすみす諦めるバカがどこにいるんだよ?」
「たしかに、バカかもしれない。なんでも願いが叶うのに、なんでって思うのもわかる。それでも、戦争を止めたいんだ。」
「……なんだよそれ、そんなのただの偽善、自分勝手な願望だろ!これは聖杯戦争だぞ?」

 慎二は詰め寄った。慎二には、狂介のその正義感は理解できなかった。あるいは、それは自己満足の産物と思えた。
 そしてその言葉は、狂介の心にも波紋を拡げた。きっぱりと慎二の言葉を否定することはできない、そう思わされた。

「……わかってる、意味のない、無駄なことかもしれないって。」
「……ハハッ、そうだろ。結局は狂介、君も欲しいんだろ?聖杯が?こういう場所なんだ、良い子ちゃんにならなくてもーー」
「それでも、それでも止めたいと思っちゃダメかな?みんな聖杯を手にいるために殺し合う。それを止めようとするのも、そういう聖杯戦争があっても良いんじゃないかな?」
「……」
「頼む、慎二。」
 狂介はテーブルに手をついた。
「君の力を、僕に貸してくれ。」

 そして、頭を下げた。


382 : ◆txHa73Y6G6 :2015/11/11(水) 01:34:09 0bai7ObI0
ファイルの復旧のため、投下を中止します。


383 : ◆txHa73Y6G6 :2015/11/11(水) 23:59:25 0bai7ObI0
とりあえず投下します


384 : ◆txHa73Y6G6 :2015/11/12(木) 00:19:32 SMkg5Vp.0


(コイツ、バカとかそういうのじゃない……!狂ってる!)

 慎二は頭を下げた狂介の頭頂部を睨みつけながら悪態をつく。
 狂介の言動は、どことなく衛宮士郎を思い出させるものだ。彼がこの聖杯戦争で何よりも意識している、妹や祖父すらよりある意味重い存在。それが、ちらつく。

 だが慎二、ここで踏みとどまる。彼とてわかっている、この聖杯戦争の困難さを。

 もしこれが冬木の聖杯戦争ならば彼はサーヴァントに狂介を殺させていただろう。だがここは冬木であって冬木ではない。キャスターを除いて今の彼には何もない。

(……まてよ、これは……チャンスじゃないか……!内容に目をつむれば向こうから同盟を組もうっていう言ってるんだし……)

 だから、彼は飲み込んだ。狂介への嫌悪感も苛立ちも眩しさも、全て大人になって受け入れた。重要なのは勝つこと、勝利こそが全てに勝る。そう強く強く認識して、苦い顔になりながらも自分を納得させた。

(なにも問題ない……適当に合わせて、ボロボロになったところを使い捨ててやる!)

 慎二は苦い顔を作り笑いに変えた。なに、簡単なことだ。狂介は彼が落としてきた少女達よりなお頭が軽いだろう。彼の話術をもってすれば丸め込むのも雑作もない。そして彼は口を開こうとして。


『面白い話をしてるな、俺も混ぜろよ』


(今のは念話!でも……)
(キャスターじゃない!?じゃあ誰だ!コイツのサーヴァントか?それともーー)

 場の空気が一気に重くなる。二人のサーヴァントがそれぞれ殺気を発しテーブルの上のコーヒーに波をたてる。それとは別に、エレベーターから強烈なプレッシャーが飛んでくる。

 二人はゆっくりとそちらに目を向けた。エレベーターが開く。中の人物が歩き出してくる。その姿に二人は驚く。


 ーーそのサーヴァントは猿顔で金髪だった。全身を赤い服に包み、頭にはティアラというには武骨すぎる金の髪飾り。そしてその手に持つのはなぜか延びたり縮んだりを繰り返す棒。


(孫悟空か?)


 その姿に、その場の全員が同じ英雄を脳裏に浮かべた。それほどその姿はティピカルに孫悟空であった。


385 : 名無しさん :2015/11/12(木) 00:36:09 SMkg5Vp.0



【新都、冬木ハイアットホテル/2014年8月1日(金)0301】


【天沢勇子@電脳コイル】
[状態]
健康、覚悟未完了、それでもこの聖杯戦争を戦う。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
優勝してお兄ちゃんを生き返らせる。
1.ロビーの敵陣営に関してはキャスターに一任……だけどなんで孫悟空?
2.調査後家で陣地作成の続きを行う。
3.家の陣地作成が終わったあとはホテルや他の場所で陣地作成。
4.キャスターをどこかに潜入させるか‥‥
5.同盟相手を探す(三騎士、バーサーカー、ライダー、アサシンの順で妥協するかも)。
[備考]
●所持金一万円。
●キャスターの給料で購入したもののうちスマホは引き継げましたが、それ以外はキャスターが持っていたためか全て持ち込めませんでした。
●自宅は深山町にあり、そこにセンサーを張り巡らせました。家への出入りを察知できます。
●予選の時に新聞やテレビや掲示板を見てそれなりに調査したようですがなんの成果も得られなかったようです。
●冬木ハイアットホテル最上階をキャスターに借りさせ、一室を簡素な拠点化しました。

【キャスター(兵部京介)@The Unlimited 兵部京介】
[状態]
筋力(30)/C、
耐久(30)/C、
敏捷(150)/A++、
魔力(50)/A、
幸運(20)/D、
宝具(40)/B
孫悟空っぽい姿にヒュプノで変装中、如意棒っぽい伸び縮みする棒を道具作成。
[思考・状況]
基本行動方針
マスターの安全第一。まずは安全な拠点作り。
1.この姿を真に受けるか見破るか……どっちかな?
2.マスターの安全第一。危険なら即撤退。
3.調査後家で陣地作成の続きを行う。
4.家の陣地作成が終わったあとはホテルや他の場所で陣地作成。
5.変装には自信があるんでね。どんなところでも入れない場所はないよ。
6.同盟相手を探す(バーサーカー、ライダー、アサシン、ランサー、アーチャー、セイバーの順で妥協するかも)。
[備考]
●自宅は深山町にあり、そこに陣地を作成しました。内部での行動は外部から察知できず、また一部の場所が迷路のようになったとか。
●予選では出版社でサラリーマンとして働いていたようです。少なくともその会社に他の組はいなかったようです。
●冬木ハイアットホテル最上階を借りて、一室を簡素な拠点化しました。
●言動がキャスターのイメージする孫悟空っぽい感じにキャラづけました。


386 : ◆txHa73Y6G6 :2015/11/12(木) 00:38:14 SMkg5Vp.0


【間桐慎二@Fate/stay night 】
[状態]
高揚。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯を手に入れる。何を願うかは後から決める。
1.色丞狂介を丸め込んで同盟組もうと思ったがまずは孫悟空(?)に対処。
2.間桐家で陣地作成を行う。
3.会場と冬木市の差異に興味。

【キャスター(フドウ)@聖闘士星矢Ω】
[状態]
筋力(30)/C、
耐久(40)/B、
敏捷(60)/C+、
魔力(100)/A+、
幸運(50)/A、
宝具(50)/A
霊体化
[思考・状況]
基本行動方針
マスター・慎二を見定める。今のまま聖杯を手にするならば━━
1.明らかに怪しいサーヴァントに対処、まずは正体を見破る。
2.今は慎二に従い、見定める。
3.求めるなら仏の道を説くというのも。
4.色丞狂介、か……
[備考]
●慎二への好感度が予選期間で更に下がりました。ただ、見捨てたわけではありません。
●狂介に興味を持ちました。


【色丞狂介@究極!!変態仮面】
[状態]
健康。
[残存令呪]
1画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争を止める。悪人をお仕置きする。
1.間桐慎二から協力を取り付ける……前に孫悟空(?)に対処。
2.帰ったら家で陣地作成したり核金作ったりしてもらう。
3.下北沢のサーヴァント(サイト)を警戒。冬木大橋も気になる。
[備考]
●核金×2、愛子ちゃんのパンティ所持。
●予選期間中にサイトの魂食いの情報を得ました。東京会場でニャースを見た場合、サイトの姿や声を知る可能性があります。

【キャスター(パピヨン)@武装錬金】
[状態]
筋力(20)/D、
耐久(30)/C-、
敏捷(30)/C、
魔力(40)/B、
幸運(50)/A、
宝具(40)/B
[思考・状況]
基本行動方針
せっかくなんで聖杯戦争を楽しむ。
1.……クオリティの低いコスプレだ。
2.帰ったら家で特殊核金を制作。今日はパピヨンパークは無理か?
3.冬木市の名物は麻婆豆腐‥‥?
[備考]
●予選期間中にサイトの魂食いの情報を得ました。東京会場でニャースを見た場合、サイトの姿や声を知る可能性があります。
●今は空気を読んで霊体化していますが気分で実体化したりします。


387 : ◆txHa73Y6G6 :2015/11/12(木) 00:38:38 SMkg5Vp.0
投下終了します


388 : ◆txHa73Y6G6 :2015/11/12(木) 23:58:44 SMkg5Vp.0
投下します


389 : 【19】三者面談 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/13(金) 00:21:00 3MWLo3Us0



 コポコポと音を立ててグラスに注がれたコーラは底から立ち上る気泡で上部に泡の層を作る。
 黒鳥千代子ことチョコはそれをお盆に乗せておずおずとルーラーの前に差し出した。

「これは?」

 ルーラーは依然決めポーズを崩さずにチョコに問いかける。その問いにチョコは「あの……のどかわかないかなって、思って……」としどろもどろになりながら答えた。

 ふむ、とルーラーは、お盆に目を向けた。お盆の上には早くも汗をかきはじめたコーラの他にもウエハースやポテチ、ポッキー、カントリーマームに蒲焼き三太郎によっちゃんイカにハイチュウにほしいもなどがある。

「ん?」

 ふとルーラーは疑問に思った。何かがおかしい。なるほど、このお盆には甘味、塩味、辛味、酸味、旨味、その全てが押さえてある。相手の好みがわからないことを考慮して多彩なラインナップにしたのだろう。そこには気遣いがうかがえる。うかがえるのだが……

「あ!あの、手が汚れないお菓子のほうがいいですか?ちょっと待っててください今下からキープしてたチョコパイをーー」
「あ、別にそういうのは大丈夫だけど、これは……」
「これですか?これは……」

「ほしいもです。」


390 : 【19】三者面談 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/13(金) 00:40:53 3MWLo3Us0

 ほしいも。ルーラーはその言葉を頭の中で反芻した。なぜ今ここでお菓子とジュースを用意したのか。なぜそこにお菓子とは言えず食べ物としてもマイナーなほしいもを置いたのか。というよりなぜ自分はこんなことを考えているのか。

「こ!こ、ゴホン!」

 ルーラーは強引に咳払いをすると口を開く。しかし、言葉が出ない。一体自分はほしいもと言われてなんと返すつもりなのか?そういえば先から決めポーズをとりっぱなしである。いい加減腕も疲れた。

 少しの間を置いて、「とりあえず座って話を聞きます」とかしこまった感じでルーラーは言うと、ゆっくりと腰を落とした。



「ふーん、時間を巻き戻す魔法ねー、そんなのあるんだ。チョコ本当にマスターなの?本当はどっかのサーヴァントとかじゃない?」
「違います!それに、ギュービッド様、私の師匠?のほうがもっとすごい黒魔法とか使えるし。」
「師匠?おぉ、なんか魔女っ子っぽいね。」
「師匠っていうか先生っていうか、インストラクター、みたいな感じで。」
「練習ていうか、修行とか?結構厳しかったりするの?」
「そうなんですよ!朝は遅くても六時起きで髪の毛一本残らないぐらい部屋中掃除してその間に結界とか確認して、それから朝練に魔導書詠んだり杖振ったりドリルやったり薬の調合したりして、しかも学校から帰ってからもですよ!」
「うわぁ……魔女っ子も大変なんだ……」
(この二人はいったい何を話しているんだ)


391 : 【19】三者面談 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/13(金) 01:01:55 3MWLo3Us0

 腰を落としたルーラーとようやく話を始めて、約十分。既に話は早くも脱線していた。
 話は聖杯に不具合を起こした能力から始まり、黒魔法とはなにかということに話題を移し、セイバー・テレサが放っておくのをいいことに黒魔女の話やひいては双方の愚痴の言い合いに発展していた。

 (……どういう人間かルーラーがわかっただけよしとする、のか?)

 もちろん、セイバーは止めない。ルーラーが接触してくるということはそれ相応の処分があるということだろうし、その処分の内容が不明な以上、一分でも一秒でも処分が下るのは先送りにしたい。例えば、『これから24時間ごとに他のサーヴァントを殺せ』などと令呪で命令されるかもしれないのだ。

「ほらチョコも飲んで。」
「え、でもルーラーさんに持ってきたんで。」
「私だけ飲んでて二人が飲んでないと美味しくないから、ね?」
「じゃあ、ちょっとだけ。あ、グラス足りない。ちょっと待っててください、チョコパイと一緒に持ってきますね。」
(……しまった、コイツと二人きりになった。)

 階下のキッチンに行ったチョコを目で追うセイバー。姿が見えなくなると視線をルーラーへと移す。同じようにチョコを目で追っていて視線をセイバーに移したルーラーと目があった。

((……気まずい))

 先に目をそらしたのはルーラーだった。


392 : 【19】三者面談 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/13(金) 01:22:45 3MWLo3Us0

(あれ?)

 しかし、直ぐに視線はセイバーへと戻った。より正確に言えば、その視線はセイバーの少し上あたりの中空に向かっている。

「……気になるか?」
「!ーーセイバー……テレサ、でいいのかな?」

 セイバーは、「ああ」と返すと、顔をわずかに動かした。部屋の外から足音が聞こえた。話を続けるように促すジェスチャー。部屋の外の足音は止まる。セイバーを見たルーラーは、顔に困惑の色を浮かべてためらいがちに尋ねた。

「妖気探知……それが、あなたの宝具よね?」
「そうだ。」
「どうして……」

 「ん?」とセイバーは先を促す。部屋の外からは微かな衣擦れの音と抑えた呼吸音が聞こえる。

「その……逃げれたはずでしょ?」

 ルーラーは問いかけた。

「あなたの宝具なら私が近づいてくるのはわかってたはずなのに、なんで逃げなかったの?」
「そんなに不思議か?」
「だって、私はルーラーだし……避けようって、思わないのかなって。」

 部屋の外からの気配が、心なしか強くなったようにセイバーは感じた。
 「そうだなーー」とセイバーは、頬に手を当てて考えるポーズをしてみる。その姿はどこかの教会の聖人の像のように整っている、などとルーラーは感じたのは場にいつの間にか漂う緊張感のせいだろうか。

 数秒、あるいは数十秒経って。「まずはーー」とセイバーは口を開いた。


393 : 【19】三者面談 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/13(金) 01:44:59 3MWLo3Us0

「まずは、乾杯でもしないか?もうそろそろチョコも戻って来るだろう。それは三人で話したほうがいい。」

 セイバーは、微笑みかけた。ルーラーはため息をついた。もしかしたらそれは、息を吐くことを忘れていたからかもしれない。

 「おまたせ」と言って、チョコが入ってくる。片手にグラスを持ち、片手には袋菓子。黒いゴスロリと合わさってどこかハロウィーンを思わせるその姿は、真っ白なセイバーと対称的だ。

「あ、えっと、なんの話してたの?なんか二人で話してたよね?」

 ルーラーには上ずった声でこちらを気にかける黒い少女が、なにか眩しいものに感じた。

「なに、ダメなマスターを持つと苦労するという話だ。」
「え!?セイバーさん!?」
「冗談だ。」

 「さて。」と一言言ってセイバーとチョコはコーラの注がれたグラスを持つ。
 ルーラーのグラスにもコーラが注がれる。ルーラーはそれを、おずおずと手に取った。

「これも何かの縁、というのか、日本では。私がセイバーであることも、チョコがマスターであることも、お前がルーラーであることもーー」

 「それとこういうときはとりあえず乾杯するらしいな。」と付け加えると、セイバーはグラスを掲げた。チョコもルーラーも、合わせてグラスを掲げる。

「じゃあ、何に乾杯する?」
「何にって……セイバーさんやルーラーさんに会えたこと、とか?」
 「そんなことでいいの?」ルーラーは疑問をていした。しかし、グラスは再度掲げた。

 「では月並みだがーー」セイバーが音頭をとる。「ーー出会いに。」



 三杯のグラスが泡を舞わせて鈴の音を立てた。


394 : 【19】三者面談 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/13(金) 01:56:45 3MWLo3Us0



【深山町北部・黒鳥千代子自宅/2014年8月1日(金)0545】

【黒鳥千代子@黒魔女さんが通る!!】
[状態]
健康、ルーラーが色々気になる。
[装備]
チョコのゴスロリ、杖(輪島塗の箸)。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
ムーンセルでなんとか頑張る。
1:ミュウイチ━━
2:……やっぱりしっかりルーラーさんに謝ったほうがいいよね、でもなんかさっきの感じだと言い出しづらい……
3: 真田幸村を調べたいけど━━
4:あんまりさっきのサーヴァントのことはわかってない。
5:これからどうしよう‥‥
[備考]
●ルーラーの真名をほとんど看破しています。


【セイバー(テレサ)@クレイモア】
[状態]
筋力(40)/B+、
耐久(40)/B、
敏捷(40)/B+、
魔力(50)/A+、
幸運(20)/D、
宝具(40)/B、
健康、気配遮断、妖気探知。
[思考・状況]
基本行動方針
当面、諜報活動に専念し戦闘は最低限に抑える
1:とりあえずは誤魔化せたか。
2:ルーラーとの会話を引き伸ばす。
3:赤いランサーの真名を調べたいけど━━
4:バーサーカーの索敵能力は警戒しておく
5:ランサーは何でわざわざ真名を名乗ったんだ?
[備考]
●赤いランサー(真田幸村)の真名とある程度の戦法、黒いバーサーカー(小野寺ユウスケ)のある程度の戦法を確認しましたがマスターではないのでステータス等は確認できていません。
●バーサーカー(小野寺ユウスケ)のベルト(霊石アマダム)が弱点部位だと何となく理解しました。
●冬木大橋付近で妖気探知していた結果、リップバーン・ライダー(五代雄介)・クロノ・バーサーカー(サイト)・ランサー(アリシア)・バーサーカー(ヘラクレス)・ルーラー(ミュウイチゴ)の魔力を把握しました。またおぼろげながら周囲にいた人間の気配も感じました。
●妖気探知の範囲で現時点までに上記以外のサーヴァント・マスターの情報はありません。
●予選時にどの程度他のチームの情報を得ていたかは後の書き手さんにお任せします。


【東京会場のルーラー/ビースト(ミュウイチゴ)@東京ミュウミュウ】
[状態]
筋力B(40)
耐久B(40)
敏捷B(40)
魔力B(40)
幸運C(30)
宝具EX(?)
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争をしっかりやっていく。
1:ルーラーのありかたとか接し方でちょっと迷走中。
2:まずは二人から事情を聞く……忘れてるわけじゃない!
3:ムーンセルがバグったのを調べる。
4:バーサーカー(サイト)に討伐令を出す。
5:ムーンセルにご奉仕‥‥はしたくないにゃ〜。
[備考]
●東京会場のルーラーはミュウイチゴでした。冬木会場でも引き続きルーラーのようです。
●会場内で『時間を巻き戻そうとする』とムーンセルが誤作動を起こして『一瞬NPCが倍加してフリーズ』します。またなんらかの形で誤作動を起こした場合とりあえずルーラーが飛んできます。
●上級AIはマスターの動向をある程度把握しています。
●バーサーカー(サイト)に翌日0時の通達で討伐令を出す予定です。
●チョコの黒魔法についてそこそこ把握しました。
●セイバー(テレサ)のステータス、スキル、宝具を把握しました。
●ルーラーとしての自分への疑念が強まりました。


395 : ◆txHa73Y6G6 :2015/11/13(金) 01:57:41 3MWLo3Us0
投下終了です


396 : 名無しさん :2015/11/16(月) 19:04:52 cM3H01ZI0
おおう、いつの間にかたくさん組が登場してる
パピヨンたち好きだったから出てきてくれたのは嬉しい
投下乙です


397 : ◆txHa73Y6G6 :2015/11/16(月) 23:58:26 Xh.3a7Ns0
投下します


398 : 【20】最後に残るのは鬼札 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/17(火) 00:18:15 q8yM.BqE0



「残念なお知らせがあります。」

 重い空気の中、アーチャー・安藤まほろは声を発した。リビングのテーブルで手を組んでいるナノカの向かいに座ると、再び声を発する。

「家中を見て回りましたが、日付が変わるときに乗っていた車を除いて全て……」

 アーチャーは思わず声を途絶えさせた。カチ、コチ、と部屋の片隅に掛けられた時計の秒針の時を刻む音だけがリビングを、家中を支配する。その静けさに急かされたようにナノカ・フランカは「資材は」と言葉少なく先を促した。
 アーチャーはマスターの顔を伺った。しかし、顔の前に組まれた手がその表情を伺わせることを拒絶する。ややあって、アーチャーは意を決するとマスターへの報告を再開した。


「車を除いて全て……発明した機械も備蓄してた弾薬も保管してた設計図もなくなっていました。」


 この聖杯戦争は予選期間をもうけてある。それは聖杯戦争へ参加するにあたって記憶障害が発生することへの対処のためというのが大きい。予めある程度環境に順応するためのモラトリアムとして、そして想定外のマスターの発生を防ぐため。もし予選がなければ聖杯戦争の終盤になって新たなマスターが出てくるという展開もあり得るのだ。
 そして、予選はあくまで予選。多少の小競り合いはまだしも各陣営に磐石な態勢を整えさせることをよしとはしなかった。そのために本選は予選と別会場になり、事前の情報収集や陣地・道具の作製を制限したのだ。
 そしてここで通常では考えられない事態が発生した。本来これらは時間をかければかけるほど有利になるキャスター等への措置なのだが、悲しいかなこの聖杯戦争においてキャスター以上にキャスターらしいナノカが一番割りを食う形になったのだ。


「はあぁぁぁっっっっっ……」

 長く、そして大きいため息がナノカから漏れた。

「……わかってましたよ、悲しいけど、これって戦争ですよね、こういうことが起こることも想定してなかったわけじゃないですけど、その……」

「ちょっとテンション下がりました……」
「ナノカさん……」

 アーチャーの目に光るものが現れた。



 ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆


399 : 【20】最後に残るのは鬼札 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/17(火) 00:39:57 q8yM.BqE0



 ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆ 



「では、正午に駅前で合流後、正式に同盟を結ぶ。」
『了解した、会えるのを楽しみにしているよ。』

 ところ変わってライダー・少佐とトバルカインとアーチャー・ワイルド・ドッグの交渉場となっていたファミレス。
 同盟の詳細な条件には折り合わなかったものの、両者が一度直接会って再度交渉するという手はずになっていた。アーミーとしては会って数十分の他陣営など信用できるはずもなく、それはライダーも折り込み済みであった。むしろ顔を付き合わせることを承諾させただけ上等だろう。両陣営の交渉は一先ずの決着をつけようとしていた。

「ーーおっと、ここで別れる前に一つ一つ宜しいだろうか。」

 しかし、それに水を指すものがいた。ライダーとアーチャーの交渉を見ていたトバルカインである。
 これには、両者以外という顔をした。このタイミングで突然口を挟むというのは明らかに不自然だ。特にライダーはトバルカインを交渉役として利用していたこともある。故に、ライダーはトバルカインのその行動が、重大な思慮によるものとの判断を下した。

「お二方もお気づきかと思うがーー」

「どぶ臭い匂いがしないだろうか……まるでネズミでもっているような。」


400 : 【20】最後に残るのは鬼札 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/17(火) 00:59:52 q8yM.BqE0

 ピクリ、とアーチャーの眉が動いた。それを言葉どおりの意味として受けとる人間はいないだろう。この交渉の場でのその言葉。この場合のネズミが何を指すか、それは。

「私ではない。」

 アーチャーはそれだけ言うとトバルカインに凶悪な視線を飛ばした。それは自らの潔白の主張であったし、仮に自分達を嗅ぎ回るネズミがいてもこちらの手の者ではない、という意味でもあった。

『彼はこう言っている。『君』はどうする?』

 ライダーは楽しげに問い掛けた。トバルカインがここまで言うのなら、その直感は当たっているのだろう、という、それは信頼の現れだった。
 もっとも、ライダー本人の直感が当たるから、という理由もあったが。

「では、こうします。」

 そう言うとトバルカインはやおら立ち上がった。窓のロックを外し、開けると、懐から一つ取り出す。

(!今何かした……)

 疑念を深めるアーチャーを余所に、トバルカインが悠然と取り出したのはない煙草の箱。それをマジシャンを様にアーチャーの前でひらつかせると、ポイ、と窓から投げ捨てた。

「ああっ!何てことだ、これは!!」

 そして、店に響き渡るような大声。今度は困惑の感情を覚えたアーチャーを気にせず、トバルカインは大声でウエイトレスを呼びつける。
 今だおどおどとした様子のウエイトレスを前に、トバルカインは一礼した。

「申し訳ないが、煙草の箱を窓から落としてしまった。取ってきて頂けるかな?」

 その声は紳士的だった。しかし、有無を言わせぬ凄味をまざまざと見せつけながらのものだ。
 『はいぃっ!』と怯えきった叫び声をウエイトレスは上げると一目さんに店から出ていった。


401 : 【20】最後に残るのは鬼札 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/17(火) 01:30:19 q8yM.BqE0


「のび太くん、隠れて!」
 慌ててドラえもんはささやいた。
 突然見張っていた内の一人が立ち上がったと思うと窓を開けたのだ。一瞬、気づかれたのかと二人に緊張が走る。男は窓から何かを投げ落とすと、叫び声をあげた。

「気づかれたかな?もしかして襲いにくるかも。」
「うーん、さいなんほうちきは何も反応しないし、大丈夫だとは思うけど……よし。」

 ドラえもんは小さく呟くと、たずね人ステッキを使った。その内容は、「これから危ない目に会う人は?」というものだ。このひみつ道具の的中率は7割だが、もし自分達が襲われればどちらかに倒れるだろう。もし倒れなかったら安全かよほど運に恵まれてないかだ。

 はたしてステッキはドラえもんにものび太にも倒れなかった。何かものが落ちた方につられるようにパタンと倒れた。

「大丈夫、みたい……?」
「誰もいないほうに倒れた……ハズレだったかもしれない。のび太くん、一度離れよう。何かすごく嫌な予感がするんだ。」
「でも……ううん、わかった。一回家に帰ろーー」

 その時だ。

「うえぇん、あのお客さん怖すぎ〜」

 ステッキの指す方向に一人の人物が現れたのは。

「ドラえもん!」
「何であの人に反応してーーまさか!」

 ドラえもんは反射的に上を見ていた。そこには、先程何か落とした男。石ころ帽子の効果で目があっていないとはいえ、十二分に殺気が込められているとわかる視線。そして、その先には、先程落とした物ーー煙草の箱があった。

(なんだかよくわからないけど、このままじゃあのお姉さんがあぶない!)

 ドラえもんは顔色を変えた。しかし、その人工知能は事態を好転させるアイデアなど思い付いてくれない。これから何が起こるかわからない以上、迂闊に動くことは出来なかった。
 だが、気がついたらドラえもんはのび太が飛び出していくのを追いかけていた。

 のび太の頭は目の前の人を助けることで一杯になっていた。それは視野の狭さであったし、判断の失敗でもあった。冷静でなれば、トバルカインがウエイトレスを餌に罠をはったと判断できたかもしれない。しかし、彼にはそういった誰かの犠牲を出すやり方は受け入れられないだろう。のび太はそういう人間だった。

 ドラえもんはのび太に体当たりする。のび太の進行方向にいたウエイトレスも共に倒れた。トバルカインはそれを不審に思った。しかし、トバルカインは指をならした。煙草の箱に仕込まれたトランプが手榴弾のように炸裂した。

「なるほど、やっぱりだ。」

 トバルカインは笑みを浮かべる。


「ネズミが取れた。」


402 : 【20】最後に残るのは鬼札 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/17(火) 01:53:08 q8yM.BqE0


「ネズミの駆除の許可を。」
『許可する。但し先は長い。あまり遊ぶなよ。』
「Yaaa!」

 トバルカインは窓から飛び降りるとネズミ達をねめつけた。続いて降りてきたアーチャーに「手を煩わせはしない」と言うと、ドラえもん達へと距離を詰める。

 一方のドラえもんは身体中に刺さったトランプの痛みに堪えながら必死に四次元ポケットをまさぐっていた。何でもいい、何かこの場を好転させるものはないか。自分達を体当たりとトランプの衝撃でいまだ二人の意識は朦朧としている。ここは自分が何とかするしかない、そう覚悟を決めて、決めて。

「なんかないーーあった!どこああああああああっっっっっっっっ!!!!!!!」
「お前は馬鹿か?」


 ヒュパッ。


 風切り音と共にドラえもんの腕に激痛が走った。痛みを堪えて腕を見ようとするが、見れなかった。腕はポトリと地面に落ちていた。

「みすみす武器をとらせるわけながなぁい!」
「ああああああああうおおおああっっっっっ……」

 続いて五枚のトランプが背中に突き刺さる。ほぼ体を貫通したそれは、かろうじて四次元ポケットの前で止まった。

「さて……そろそろ、」
「ーー殺すか。」
(そんな……!)

 驚くべきことに、ドラえもんは既に驚愕から立ち直りつつあった。濃厚な死のイメージが正常な演算能力を取り戻させたのだ。そしてそれは、避けようのない自分とのび太の死を突きつけてきた。

(ゴメン、のび太くん……)
(……僕は、君を……)

 トバルカインの手刀が迫る。それをせめてまだ壊れていない正面で受け止めようとした。

『止まれ中尉それはドラえもんだ!』
「港へ!」
「なにィ!??」

 それが結果的にこの時の生死を分けた。


403 : 【20】最後に残るのは鬼札 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/17(火) 02:07:01 q8yM.BqE0


 トバルカインの頭に疑問が渦を巻く。なぜ止まれと言われたのか。ドラえもんとはなんなのか。しかし、トバルカインにとってライダーの命令は絶対。急停止を試みる。

(勢いが殺しきれん……!)

 が、不可能。亜音速まで加速したトバルカインは急ブレーキにより態勢を大きく前のめりにする。その結果。

「どっかいけぇ!」
「餓鬼がぁ!」

 ドラえもんの四次元ポケットから半分出ていたどこでもドア。今やそれはいつの間にか立ち上がったのび太によってワープ装置としての機能を果たしている。

「なあああああめーー」

 捨て台詞を残せず、トバルカインはどこかへと消えていった。



【不明/2014年8月1日(金)0609】


【トバルカイン・アルハンブラ(-)@ヘルシング】
[状態]
筋力(30)/C、
耐久(20)/ D、
敏捷(30)/C+、
魔力(60)/C、
幸運(10)/E、
宝具(0)/-、
決意、召喚酔いは醒めた、召喚の際の魔力と令呪使用で魔力倍増。
[思考・状況]
基本行動方針
この聖杯戦争で軍功を挙げ、意地を見せる。
1.???
2 今度こそ軍功をあげてみせる。
3.‥‥どうせなら葉巻を吸いたいな。
[備考]
●一応本編からの召喚ですが若干テンションがおかしいです。
マスターである少佐と視界共有を行えますが念話はできないようです。
●冬木大橋でのイリヤ&バーサーカーvsいおり&ランサー(with茜&ランサー、アサシン)戦を観戦しました。どの程度把握したかは不明です。
●タブレット(リップバーンが調達)、ライター(現地調達)を持っています。体をトランプにしたさいどうなるかは不明です。
●トバルカインのマスター(少佐)と三人で話しました。


404 : 【20】最後に残るのは鬼札 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/17(火) 02:35:58 q8yM.BqE0



「ドラえもん!大丈ぶぅっ?!」
「iiiiiiiiiiiiiyaaaa!!!」

 ドラえもんに抱き抱えようとしたのび太がドラえもんごと飛んでいく。直接蹴りを食らったドラえもんはミシミシと、嫌な音を立てた。
 そして、蹴った張本人である、今まで蚊帳の外だったアーチャーは。

(……どいつもこいつも役立たずめっ!)

 アーチャーは怒っていた。マスターは充分に魔力を寄越せず、格好をつけた同盟相手は子供のマスターに出し抜かれて消えた。なぜこうまで廻り合わせが悪いのか。

(纏めて、ぶっ殺してやる!)

 アーチャーは抑えていたマスターからの魔力供給を強めた。こうなったら一騎でも落とす。落とさなければなんのための聖杯戦争かわからなくなる。

「死ぃねぇぇっ!」

 そしてルガーを乱射。アーチャーらしくない、拳銃による攻撃。それがどこでもドアを貫通してドラえもんに突き刺さる。


「ドラえもん!」
(ナニッ?!)


 唐突にのび太の体が浮き上がった。そのままのび太は飛んでいく。

「フザケルナッ!ムチャクチャスルノモイイカゲンニグゥ!!」
「ダメだ……!のび太くんは……のび太くんは……」
「死ネ、死ネ!死ネェッ!!!」

 ドラえもんのタックルを受けてマウントポジションを取られながらもアーチャーは続けて銃を乱射する。

「アアッ?!」

 アーチャーの顔に、何かが落ちてきた。サングラスの上に落ちたそれを見れば、トランプ。

(マタトランプカッ!)

 アーチャーは力任せに蹴りあげた。
蹴りあげて、苦しむ顔面にルガーを叩き込もうとした。そして。


「勝手ニ死ンデンジャネェ!!!」


 アーチャーは眉間にシワを寄せながらも微笑むドラえもんの顔を踏み潰した。


【新都、某ファミレス店付近/2014年8月1日(金)0611】

【アーチャー(ワイルド・ドッグ)@TIME CRISISシリーズ】
[状態]
筋力(15)/C、
耐久(15)/C+、
敏捷(10)/D、
魔力(5)/E、
幸運(10)/D+、
宝具(10)/E
魔力の不足により全パラメータ半減。宝具使用不可、イライラ。
[思考・状況]
基本行動方針
優勝するためには手段を選ばず。一応マスターの考えは尊重しなくもない。が、程度はある。
1.聖杯戦争というものにイライラ。
2.最悪の場合はマスターからを魔力を吸い付くせば自分一人はなんとかなるので積極的に同盟相手を探す。
3.マスター(マイケル)に不信感とイラつき。
[備考]
●乗り換えるマスターを探し始めました。
●トバルカインのマスター(少佐)と三人で話しました。好感度はかなり下がりました。



【キャスター(ドラえもん)@ドラえもん       脱落】


405 : 【20】最後に残るのは鬼札 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/17(火) 02:55:06 q8yM.BqE0



(のび太くん、ゴメン、もっと注意していればこんなことには。)

 それは、ドラえもんがアーチャーに蹴り飛ばされ、ルガーを受けていたときだ。もはや、ドラえもんの思考には一つの希望も残されていなかった。頼みの四次元ポケットからは物を取り出せず、そもそもこの弾幕に受け続ければ一分も持たないだろう。いや、弾幕がなくとも損傷は大きすぎる。いつドラえもんという存在がなくなっても可笑しくはない。
 頭にまた一発銃弾が突き刺さる。左目が見えなくなった。センサーをやられたのだろう。

(せめて、せめて君の顔を見ながら……)

 ドラえもんは必死に目を開けた。既に右目も色を失いつつある。自分の命は残り十秒ほどだろうが、なんとかそれまでは見えてくれないかと願う。

(ああ、のび太くんにもトランプが……痛い思いをさせて。)

 瞬間、ドラえもんはのび太の上に落ちていたトランプを口でくわえていた。なぜ自分がそうしたのか。それは破壊され尽くした頭でゆっくりと思い出す。

 くわえたスペードのスートのトランプが消える。ドラえもんの四次元ポケットがのび太の手の中に移動した。
(これはしあわせトランプ)
 くわえたダイアのスートのトランプが消える。のび太の体が浮き上がり飛んでいく。
(願いが叶うトランプ)
 くわえたクラブのスートのトランプが消える。のび太に向かっていたアーチャーの弾丸が全てそれる。
(のび太くん、どうか)
 くわえたハートのスートのトランプが消える。
「どうか、生きて、生きてほしいんだ。」
「ドラえもん!こんなの、こんなの……!」

 ほんの僅か一言、一言だけ言うと、ドラえもんはのび太の前から消えた。



 ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆


406 : 【20】最後に残るのは鬼札 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/17(火) 03:16:27 q8yM.BqE0



 ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆ 



「ナノカさんその、何て言えばいいのかわからないお知らせがあります。」
「もうダイジョブだから、今度は車が無くなったとか?」
「いえ、ガレージにいました。人が。」
「……え?」

 ドラえもんがトランプにした願いはのび太が生きること。
 では生きるの判断基準とは?もとの方針が近い方が良いのだろうか?それとも距離の問題か?

 ドラえもんにはわからない。のび太にもわからない。ましてやナノカはアーチャーは部外者だ。
 気絶したのび太の胸ポケットから一枚のトランプが落ちる。
 鬼札は笑っていた。



【新都、某町工場兼一軒家/2014年8月1日(金)0625】

【アーチャー(安藤まほろ)@まほろまてぃっく】
[状態]
筋力(40)/B
耐久(28)/D
敏捷(50)/A
魔力(40)/B
幸運(150)/A++
宝具(40)/B
微細な改造?
[思考・状況]
基本行動方針
マスター第一。
1.誰でしょう?
2.今後についてマスターと話し合う

【ナノカ・フランカ@蒼い海のトリスティア】
[状態]
健康。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
家に帰るのが第一、聖杯の調査が第二。
1.誰……?
2.今後についてアーチャーと話したりいろいろ「用意」したい。
[備考]
予選より装備が充実しました。

【野比のび太@ドラえもん】
[状態]
気絶、軽傷、ひみつ道具破損
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争を止めて家に帰る。
1.???


407 : ◆txHa73Y6G6 :2015/11/17(火) 03:16:53 q8yM.BqE0
投下終了です


408 : 最後の投下レスをこちらに差し替えます ◆txHa73Y6G6 :2015/11/17(火) 03:20:53 q8yM.BqE0



 ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆ 



「ナノカさんその、何て言えばいいのかわからないお知らせがあります。」
「もうダイジョブだから、今度は車が無くなったとか?」
「いえ、ガレージにいました。人が。」
「……え?」

 ドラえもんがトランプにした願いはのび太が生きること。
 では生きるの判断基準とは?もとの方針が近い方が良いのだろうか?それとも距離の問題か?

 ドラえもんにはわからない。のび太にもわからない。ましてやナノカはアーチャーは部外者だ。
 気絶したのび太の胸ポケットから一枚のトランプが落ちる。
 鬼札は笑っていた。



【新都、某町工場兼一軒家/2014年8月1日(金)0625】

【アーチャー(安藤まほろ)@まほろまてぃっく】
[状態]
筋力(40)/B
耐久(28)/D
敏捷(50)/A
魔力(40)/B
幸運(150)/A++
宝具(40)/B
微細な改造?
[思考・状況]
基本行動方針
マスター第一。
1.誰でしょう?
2.今後についてマスターと話し合う

【ナノカ・フランカ@蒼い海のトリスティア】
[状態]
健康。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
家に帰るのが第一、聖杯の調査が第二。
1.誰……?
2.今後についてアーチャーと話したりいろいろ「用意」したい。
[備考]
予選より装備が充実しました。

【野比のび太@ドラえもん】
[状態]
気絶、軽傷、ひみつ道具破損
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争を止めて家に帰る。
1.???
[備考]
ドラえもんの四次元ポケットを持っています。


409 : 名無しさん :2015/11/17(火) 20:24:25 nM6Nr3bw0
投下乙です
ドラちゃん…駄目だったか…
しかしこのトラップは上手いですね。潜伏者の良心に訴える形ではあるが、のび太君には刺さっちまった

チョコテレサにルーラー組はなんだか和やかですね。この乾杯がどう繋がっていくか。
何気に慎二変態仮面会合の場へ兵部が飛び込んだのも気になってます。真名の誤認を狙うとは面白い
パピヨンたちを出し抜けるかな?


410 : ◆txHa73Y6G6 :2015/11/17(火) 23:59:13 q8yM.BqE0
感想励みになります
投下します


411 : 【21】胡蝶の夢、あるいは釈迦の掌 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/18(水) 00:18:08 Wov3Invw0



 「あ、これ失敗したな」というのがキャスター・兵部京介が二人の男子高校生らしき人物を見て脳内で発した言葉だ。


 兵部は、確かにサーヴァントとマスターの存在に気づいていた。先んじて色丞狂介とパピヨンを察知し、しっぽを掴まれながらもマスターの元に戻り、その決心に従い行動を起こした。だが一つ見落としていたのだ、このホテルに現れた三人目のキャスター、フドウとそのマスター、間桐慎二を。
 これには大きな原因がある。兵部のもつ超能力は確かに強力ではある。しかし、それは多分に感覚的なものであり、時として思わぬ見落としを生むのだ。それが今回の場合は三組目のキャスター達を見逃すという失態に繋がった。パピヨン達とフドウ達の距離があまりに近かったために、両者の気配を同一のものと思い込み、まとめてパピヨンの気配だとしてしまったのだ。
 勿論、彼が用心深く行動していれば別の方法での確認もしただろうし、そもそも気配を間違えるような失態はしないだろう。しかし、ヒュプノでの『変装』を優先するあまり『つい』怠ってしまったのだ。

(ここに真木がいたらぐちぐち言われてただろうな……)

 心の中でごちながら、兵部はエレベーターから降りる。既に孫悟空っぽい格好を見せてる上にテレパスまで送ってしまったのだ。今さら逃げることなどできようがない。

(まあ、なるようになるさ。)

 くるりとヒュプノで道具作製した如意棒を回しながら歩く。その場に居るもの全員の視線をたっぷり浴びながら、兵部は何てことないように二人のマスターに話しかけた。


「俺も仲間に入れてくれよ。」


412 : 【21】胡蝶の夢、あるいは釈迦の掌 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/18(水) 00:28:53 Wov3Invw0



(なんだこのサーヴァントは?なぜコスプレを?)

 一方、話しかけられたーー正確には兵部はマスターたちに話しかけのだがーーパピヨンは困惑していた。目の前のサーヴァントはなぜか孫悟空のコスプレをしている、しかもご丁寧に如意棒付きだ。いったいなぜこのサーヴァントはこのような変装をしているのか?

(!いや、ここは空気を読もう。)

 しかしパピヨンも心得てはいる。こういうときにどうすればいいのかは彼なら当然知っていた。

「お前は……孫悟空!!?」
(色丞のサーヴァントが実体化した!色丞の命令か!?)
「キャスター!実体化はマズイってーー」
「そうだ、俺が孫悟空だ。」
「え、嘘、ホントに、ホントに孫悟空!?」
(本当に孫悟空かよ!キャスター!お前も実体化しろ!)
「そうだ、俺が正真正銘の孫悟空だ(結構あっさりサーヴァントも騙せたな)。」
「まさか孫悟空と会うとはな……(コイツ本気で孫悟空でいく気か)。」
「おい、キャスター!早く!」

 ホテルのロビーはにわかに騒がしくなった。突如エレベーターから棒を持って降りてきた自称孫悟空。突如カフェに現れたパピヨンマスクにレオタードの変態。その隣で叫ぶ若者達。彼らを見て悲鳴を上げる一人の女性客。その女性客の元から走り去る犬。犬を追うホテルマン達。それを見て唖然とする夜の街から戻ってきた中年の宿泊客男性。どことなく憮然とした表情で唐突に現れる神々しい男性。なぜかその男性に平伏する犬。その全てが相互に場を混乱させ混乱していた。


413 : 【21】胡蝶の夢、あるいは釈迦の掌 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/18(水) 01:04:53 Wov3Invw0


「しかし、ここは騒がしいな。」

 他人事のように孫悟空(兵部)は呟き、顎に手を当てる。自分でも思わずお前が言うなと言いたくなって半笑いになるのを顎に当てた手で誤魔化した。そして神妙に、しかし軽妙にパピヨンに話しかける。

「こういったことはもっと落ち着ける場所で話すべきだ、だろ?」
「(今コイツ明らかに笑ってたな)違いない。場所を移すか(いかん、誘い笑いで)。」
「どうした、声が震えているぞ?」
「そうか?気のせいだろう(コイツ……笑わせに来ているな!)」
(……なんだ、この、寒い茶番は。)
「キャスター、おい、お前もなんとか言えよ!」
「ああ、大丈夫です。噛まれたっていってもスニーカーだったんで。僕らがうるさくしたからちょっと興奮しちゃったのかな、すいません。」
「ハッ!じゃあ決まりだな。全員俺の部屋に来な。同盟だっけ?おもしろいんじゃないの?」
「(まだキャラが定まっていないんだな)ふむ……マスターもそれでいいな?」
「名前ジークって言うんですか。ジークフリートからきてるのかな?カッコいいですね。えっと、ゴメンもう一回言って「マスターは良いといっている。そっちのキャスターはどうだ?」
「なに言ってるんだ、それを判断するのはサーヴァントじゃなくてこのぼ「では一つだけ。」
「そちらのホテルマンの方が我々に話があるようだ。」

 全員の視線が近くにいたホテルマンの男性に向く。その男性は言いづらそうに、申し訳なさそうな顔をしつつ話始めた。

「その、恐縮なのですが……ドレスコードが……」


414 : 【21】胡蝶の夢、あるいは釈迦の掌 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/18(水) 01:41:31 Wov3Invw0



「結局みんな追い出されちゃったな。これからどこにいこう?」
「この時間じゃ座れそうな店は開いてないだろうな。ああ、駅前に牛丼屋が出来てるんだっけ。とりあえずそこに行くか。えっと、孫悟空もそれでいいよな?」
「牛丼か、ちょうど腹減ってきたしいいな。」
「……サーヴァントって食べなくてもいいんじゃないのか。」
「腹減ってなくてもつい食べちゃうだろ?まさにあれだよ。」
(もうほとんど素が出てるだろコイツ。)

 数分後、五人の男達は道路を歩いていた。ホテルマン達の熱い視線に見送られて冬木ハイアットを後にした彼らは、とりあえず駅前に移動する流れになり今に至る。

(とりあえず、マスターからは遠ざけられた。)

 そして、孫悟空こと兵部京介は張りつめていた緊張の糸を少し、しかし油断も隙も生じさせない程度に緩めた。

(サーヴァント……二人のキャスターにはバレてるけど、まだマスターは信じてるみたいだね。)
(これならステータスをヒュプノで上書きしたのも大丈夫そうだ。)

 兵部のヒュプノは、非常に汎用性が高い。彼は二人のマスターにだけ流れる視覚情報をほんの少しだけ変えていた。本来なら、彼の姿は見るものによって変えることもできる。しかし、二騎のサーヴァントを警戒した彼は見えるステータスの一部を変えるにとどめていた。

「ていうか、なんでサーヴァントが真名を明かしてるんだよ。普通はクラス名じゃないのか。」
「嫌だね、クラス名なんて味気ない。」
「お前のマスターはなんでそれを許してるんだ……ボクはクラス名で呼ぶからな!ライダー!」
「……あれ?」
「勝手にしな。」

 うまくいった、と兵部はほくそ笑む。兵部がマスターの二人にだけかけたヒュプノ。それはクラス名の改竄だ。色丞狂介にはランサーのクラス名を、間桐慎二にはライダーのクラス名を、別々のクラス名をそれぞれ見せたのだ。

(本当はもっといろいろやりたかったんだけどね……もっとヒュプノを使えればあんなピエロみたいな真似しなくても追い出せたのに。)
(まあ、面白かったしいいか。)


 夜の街を男達は歩く。それぞれの思惑を胸に、目指す先はーー


415 : 【21】胡蝶の夢、あるいは釈迦の掌 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/18(水) 01:56:39 Wov3Invw0



「悪いな、お前らとは一緒に居られないわ、じゃあな!」
「こら走るな!オイコラ!」
「お前達そこ動くなよ、いいな!」

 数分後、兵部京介は二組の陣営を置き去りにして走り去っていた。不幸にも冬木大橋への対処に数あわせで集められていた生活安全課の警察官達と駅前で遭遇したのだ。もっとも、同じ時間に駅前に不審者がいるとの通報が相次いでいたので職務質問をかけられるのは時間の問題ではあったのだが。

「ふざけんなライダー!お前が如意棒なんて振り回してるから警察呼ばれたんだろ!」
「色丞、とりあえず俺は霊体化する。後は任せた。」
「キャスター!?」
「おい変態が逃げたぞ!どこいった変態!」
「あれここにいたでかいヤツどこいった?」
「こういうときは霊体化しなくていいだよキャスター!」

 十数分後、手の空いたパトカーがやって来た。



「とりあえず座れるところで話聞くから。」


416 : 【21】胡蝶の夢、あるいは釈迦の掌 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/18(水) 02:20:08 Wov3Invw0



【新都、駅前/2014年8月1日(金)0329】


【キャスター(兵部京介)@The Unlimited 兵部京介】
[状態]
筋力(30)/C、
耐久(30)/C、
敏捷(150)/A++、
魔力(50)/A、
幸運(20)/D、
宝具(40)/B
孫悟空っぽい姿にヒュプノで変装中、如意棒っぽい伸び縮みする棒を道具作成。
[思考・状況]
基本行動方針
マスターの安全第一。まずは安全な拠点作り。
1.やっば逃げよう。
2.マスターの安全第一。危険なら即撤退。
3.調査後家で陣地作成の続きを行う。
4.家の陣地作成が終わったあとはホテルや他の場所で陣地作成。
5.変装には自信があるんでね。どんなところでも入れない場所はないよ。
6.同盟相手を探す(バーサーカー、ライダー、アサシン、ランサー、アーチャー、セイバーの順で妥協するかも)。とりあえずさっきのはキャスターだったしパス。
[備考]
●自宅は深山町にあり、そこに陣地を作成しました。内部での行動は外部から察知できず、また一部の場所が迷路のようになったとか。
●予選では出版社でサラリーマンとして働いていたようです。少なくともその会社に他の組はいなかったようです。
●冬木ハイアットホテル最上階を借りて、一室を簡素な拠点化しました。
●言動がキャスターのイメージする孫悟空っぽい感じにキャラづけました。


417 : 【21】胡蝶の夢、あるいは釈迦の掌 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/18(水) 02:20:54 Wov3Invw0


【新都、駅前/2014年8月1日(金)0346】


【間桐慎二@Fate/stay night 】
[状態]
補導中。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯を手に入れる。何を願うかは後から決める。
1.……どうしてこうなった。
2.色丞狂介を丸め込んで同盟組もうと思ったが、まずは取り調べに対処。
3.ライダー(孫悟空)は許さない。
4.間桐家で陣地作成を行う。
5.会場と冬木市の差異に興味。
[備考]
●孫悟空のクラスとステータスを確認しました。
クラス・ライダー、筋力B耐久B敏捷B+魔力D幸運A
このステータスは全てキャスター(兵部京介)のヒュプノによる幻覚です。

【キャスター(フドウ)@聖闘士星矢Ω】
[状態]
筋力(30)/C、
耐久(40)/B、
敏捷(60)/C+、
魔力(100)/A+、
幸運(50)/A、
宝具(50)/A
霊体化
[思考・状況]
基本行動方針
マスター・慎二を見定める。今のまま聖杯を手にするならば━━
1.パトカーを護衛。
2.今は慎二に従い、見定める。
3.求めるなら仏の道を説くというのも。
4.色丞狂介、か……
[備考]
●慎二への好感度が予選期間で更に下がりました。ただ、見捨てたわけではありません。
●狂介に興味を持ちました。
●孫悟空が孫悟空でないことを見破っています。


【色丞狂介@究極!!変態仮面】
[状態]
補導中。
[残存令呪]
1画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争を止める。悪人をお仕置きする。
1.間桐慎二から協力を取り付ける……前に取り調べに対処。
2.ランサーだけあって逃げ足は早いんだな……
3.帰ったら家で陣地作成したり核金作ったりしてもらう。
4.下北沢のサーヴァント(サイト)を警戒。冬木大橋も気になる。
[備考]
●核金×2、愛子ちゃんのパンティ所持。
●予選期間中にサイトの魂食いの情報を得ました。東京会場でニャースを見た場合、サイトの姿や声を知る可能性があります。
●孫悟空のクラスとステータスを確認しました。
クラス・ランサー、筋力C耐久C敏捷A+魔力B幸運C
このステータスは全てキャスター(兵部京介)のヒュプノによる幻覚です。


【キャスター(パピヨン)@武装錬金】
[状態]
筋力(20)/D、
耐久(30)/C-、
敏捷(30)/C、
魔力(40)/B、
幸運(50)/A、
宝具(40)/B
[思考・状況]
基本行動方針
せっかくなんで聖杯戦争を楽しむ。
1.嵌められたか……喰えないサーヴァントだ。
2.帰ったら家で特殊核金を制作。今日はパピヨンパークは無理か?
3.冬木市の名物は麻婆豆腐‥‥?
[備考]
●予選期間中にサイトの魂食いの情報を得ました。東京会場でニャースを見た場合、サイトの姿や声を知る可能性があります。
●今は空気を読んで霊体化していますが気分で実体化したりします。
●孫悟空が孫悟空でないことを見破っています。
●マスターが補導されたのを孫悟空による罠と考えています。


418 : ◆txHa73Y6G6 :2015/11/18(水) 02:21:53 Wov3Invw0
投下終了です


419 : ◆txHa73Y6G6 :2015/11/18(水) 23:59:12 7O8e7pSU0
投下します


420 : 【22】女三人でかしましい? ◆txHa73Y6G6 :2015/11/19(木) 00:21:40 CP.OSoJ20



(不味いな、これは……)

 アーチャーの後方200メートルにあるコンビニエンスストア。そこで衛宮切嗣は接触したクロエから送られた情報で苦い顔になっていた。
 周囲から見れば、仏頂面で少年誌を読むくたびれたサラリーマンにしか見えないだろう。深夜のコンビニに溶け込む切嗣は、そこで分析を進めていた。

(サーヴァントに匹敵する魔力と身体能力を持つ、幼いマスター……)
(バーサーカーであるにも関わらず、マスターと名前で呼び合う程度には理性のあるサーヴァント……)
(やりずらい。)

 衛宮切嗣から見れば、接触したバーサーカー陣営は明らかにハズレだった。同盟を組むメリットはあるにはあるだろう。しかし、あまりにもデメリットが大きく感じられた。

(……まだ判断を下すには早い。)


『もう少し情報を引き出してくれ。』



 ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆


421 : 【22】女三人でかしましい? ◆txHa73Y6G6 :2015/11/19(木) 00:42:11 CP.OSoJ20



 ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆ 



(もう少し、ね。)

 念話を受けたアーチャーは、ふむ、と頬に手を当てた。同盟を組もうというのならそう言うだろうし、反対に離脱せよというのならそう言うだろう。こんな曖昧な言い方は、自分の父親は、マスターはまずしない。

(パパも迷ってるってこと、かな?)

 つまりそういうことだろうと、アーチャーは判断した。目の前の主従と組むか、逃げるか、戦うか、それを判断するにはあまりにも情報がないと、さしものマスターも速断はできないということだ。

「えっと、サーヴァント、さん?」
(まあこのマスター見てたらそう思うわね。)

 改めて、アーチャーは目の前のマスターを見る。幼くも妖しい雰囲気を纏う、その少女はこちらの顔を伺っていた。

(あんだけピョンピョン跳び跳ねてるの見たら敵には回したくないし、かといって味方にしたらさっきみたいに間抜けなミスしそうだし。)

 ま、どっちみちまずは話さないとはじまらないか。アーチャーは決心すると、口を開いた。


「ルナ、だっけ?もう一回言うけど同盟を組まない?」


422 : 【22】女三人でかしましい? ◆txHa73Y6G6 :2015/11/19(木) 01:09:01 CP.OSoJ20



「同盟、ですか?」

 ルナは聞き返した。それにアーチャーは、「そう、同盟。」と軽く返すと、「そっちのバーサーカーはどう?」とこれも軽く話を振る。

(同盟って、バーサーカーさんが言ってた……)

 ルナは、バーサーカーを見ようとして、先程目を離すなと言われたのを思い出して慌てて視線をサーヴァントに戻す。そして「う〜ん」とうなり声をあげながら考え始めた。

(同盟を組んで、聖杯戦争を戦う、バーサーカーさんはそう言ってたよね。)
(あ!でも、『同盟相手は慎重に選ぶ』って言ってたし……)

 なお、既にアーチャーに同盟を組むという意思は少なくとも今のところはない。先程の発言はあの場で尤も自然な話題を振っただけだ。その目的は勿論、ルナとバーサーカー、二人の反応を見るためなのでこのようなルナの態度はまさしく狙い通りなのだが、それにルナが気づくことはなかった。

(一人で考えててもわからない……やっぱりバーサーカーさんに聞いてみよう。)
「バーサーカーさん、どうしよう?」
(やっぱり、サーヴァントにさん付けしてるし、主導権を握ってるのはバーサーカーの方ね。)

 結果、ルナはアーチャー達に示してしまう。その狙いに気づかぬまま、『二人の関係』という、ある種ステータスや真名に匹敵する情報を。

(なんかこの子、ふわふわしてるのよね、主体性がないっていうか。聖杯戦争に巻き込まれたパターン?)

 じわり、と情報を集められていることを、ルナはまだ知らない。


423 : 【22】女三人でかしましい? ◆txHa73Y6G6 :2015/11/19(木) 01:28:10 CP.OSoJ20

(嫌な流れだな。観察されている。)

 バーサーカーは、状況が静かに悪化していることを理解していた。先から情報を出すのはこちらばかりで、相手はクラスすらいまだに隠蔽している。それらは全てこちらのミスが原因だが、なんとか現状を打破しなければと考えていた。

(コイツも、既に同盟と言うのは口だけ。ルナがボロを出すのを誘っているのか?)
(見くびられているか……)

(ーーやれるな。)

 ここでバーサーカーは一つの決断をした。なるほど、相手の狙いは交渉に見せかけてこちらの内情を探るというものだろう。よくバーサーカーもやった手だ、なんなら他国の武将に同盟の名目で近づき寝返るように説得したこともあった。
 ではその時の経験を生かすとしよう。

「バーサーカーさん、どうしよう?」

 少しだけ、アーチャーの表情が変わる。その意味を普通の人間が理解することはできないだろうが、あいにくバーサーカーは不通でも人間でもなかった。

「決まっているだろうルナ、受けよう。その提案。」

「我々はそちらと同盟を組む。」


424 : 【22】女三人でかしましい?※誤字を訂正 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/19(木) 01:32:58 CP.OSoJ20

(嫌な流れだな。観察されている。)

 バーサーカーは、状況が静かに悪化していることを理解していた。先から情報を出すのはこちらばかりで、相手はクラスすらいまだに隠蔽している。もとを正せば、それらは全てこちらのミスが原因ではあるが、なんとか現状を打破しなければと考えていた。

(コイツも、既に同盟と言うのは口だけ。ルナがボロを出すのを誘っているのか?)
(見くびられているか……)

(ーーやれるな。)

 ここでバーサーカーは一つの決断をした。なるほど、相手の狙いは交渉に見せかけてこちらの内情を探るというものだろう、威力偵察のようなものだ。よくバーサーカーもやった手だ、なんなら他国の武将に同盟の名目で近づき寝返るように説得したこともあった。

 ではその時の経験を生かすとしよう。


「バーサーカーさん、どうしよう?」

 少しだけ、アーチャーの表情が変わる。その意味を普通の人間なら理解することはおろか目にとめることもできないだろうが、あいにくバーサーカーは普通でも人間でもなかった。

「決まっているだろうルナ、受けよう。その提案。」

「我々はそちらと同盟を組む。」


425 : 【22】女三人でかしましい?※誤字を訂正 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/19(木) 02:09:34 CP.OSoJ20



『どうしよう、乗り気だよ。』
『同盟の条件で話を引き延ばしてくれ、打ち切るタイミングはこっちで指示する。』

 衛宮切嗣はほぞを噛む。なるほど、相手は一枚上手のようだ。もしくはよほどのバカか。安全なところから情報収集している気でいたら一気にこちらの懐に飛び込んできた。

(ここで同盟を下手に断れば不信感を持たれる……かといってアーチャーでこの二人に勝てる保証はない。みすみす逃がすことになる……だが同盟を組むのは論外だ。あまりにもこの組の情報がない、なにより、主従ともども隙がありすぎる。もしそれが演技だとしても、そこまでの演技ができるなら近づくのはなおさら危険だ……!)

 切嗣は自身が慎重な対応を求められているのをひしひしと感じていた。聖杯戦争を経験したものとして、どこか余裕を持っていたのかもしれない。自分でも無自覚な油断に気づけたのは不幸中の幸いか。


(ーー切り替える必要があるな。)


426 : 【22】女三人でかしましい?※誤字を訂正 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/19(木) 02:30:04 CP.OSoJ20



【新都・冬木大橋東岸から徒歩15分地点のコンビニ/2014年8月1日(金)0421】

【衛宮切嗣@Fate/zero】
[状態]
五年間のブランク(精神面は復調傾向)。
[残存霊呪]
三画。
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争を止め、なおかつクロエを元の世界に返す。
1.この状況を切り抜ける。。
2.バーサーカーなら前衛を勤められるだろうが……さすがにこのまま組とはな。
3.戦闘は避けたいが協力者を募るためには‥‥?
4.装備を調えたいが先立つものが無い。調達しないと。
5.自宅として設定されているらしい屋敷(衛宮邸)に向かう。
[備考]
●所持金は約4万円。
●五年間のブランクとその間影響を受けていた聖杯の泥によって、体の基本的なスペックが下がったりキレがなくなったり魔術の腕が落ちたりしてます。無理をすれば全盛期の動きも不可能ではありませんが全体的に本調子ではありません。


【新都・前回から移動なし/2014年8月1日(金)0421】


【アーチャー(クロエ・フォン・アインツベルン)@Fate/kareid liner プリズマ☆イリヤ】
[状態]
筋力(10)/E、
耐久(20)/D、
敏捷(30)/C、
魔力(40)/B、
幸運(40)/B、
宝具(0)/-
[思考・状況]
基本行動方針
衛宮切嗣を守り抜きたい。あと聖杯戦争を止めたい。
1.ちょっとマズイかも……
2.まさか、ホムンクルス!?
3.少しぐらい魔力貰っても大丈夫そうだから悪くはないけど。
[備考]
●赤色の影をバーサーカーと、銀色の影をマスターの『ルナ』と認識しました。
●ルナをホムンクルスではないかと思っています。


【竜堂ルナ@妖界ナビ・ルナ】
[状態]
封印解除。妖力消費(小)。お腹いっぱい。ちょっと眠い。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
みんなを生き返らせて、元の世界に帰る。
1.とりあえずバーサーカーさんに任せる。
2.場の空気にちょっと緊張。
3.学校の保健室を基地にする‥‥いいのかな‥‥
4.誰かを傷つけたくない、けど‥‥
5.バーサーカーさんを失いたくない。
[備考]
●約一ヶ月の予選期間でバーサーカーを信頼(依存?)したようです。
●修行して回避能力が上がりました。ステータスは変わりませんが経験は積んだようです。
●新都を偵察した後修行しました。感知能力はそこそこありますが、特に引っ掛からなかったようです。なお、屋上での訓練は目視の発見は難しいです。
●第三の目を封印解除したため、令呪の反応がおきます。また動物などに警戒されるようになり、魔力探知にもかかりやすくなります。
●身分証明書の類いは何も持っていません。また彼女の記録は、行方不明者や死亡者といった扱いを受けている可能性があります。


【バーサーカー(ヒロ)@スペクトラルフォースシリーズ】
[状態]
筋力(20)/D+、
耐久(30)/C+、
敏捷(20)/D+、
魔力(40)/B++、
幸運(20)/D、
宝具(40)/B+
魔力消費(微)。
[思考・状況]
基本行動方針
拠点を構築し、最大三組の主従と同盟を結んで安全を確保。その後に漁夫の利狙いで出撃。
1.目の前のサーヴァント(クロエ)と交渉。今度はこちらから仕掛けるが、なんならバカの振りをするのも考慮。
2.学校に拠点を構える。
3.マスターがいろいろ心配。
[備考]
●新都を偵察しましたが、拠点になりそうな場所は見つからなかったようです。
●同盟の優先順位はキャスター>セイバー>アーチャー>アサシン>バーサーカー>ライダー>ランサーです。とりあえず不可侵結んだら衣食住を提供させるつもりですが、そんなことはおく


427 : ◆txHa73Y6G6 :2015/11/19(木) 02:30:31 CP.OSoJ20
投下終了です


428 : sage :2015/11/19(木) 12:07:53 caQl0OQ20
ナノカ&アーチャー、のび太、トバルカイン、ライダー(少佐)で予約します。


429 : ◆Mti19lYchg :2015/11/19(木) 12:09:04 caQl0OQ20
すいません、久しぶりに書き込むのでやり方間違えました。


430 : 名無しさん :2015/11/19(木) 16:42:49 WKzC.UW60
投下乙です、兵部の変装が事態をややこしくしてるな!
でも状況自体は色々と面白いですね。慎二と変態仮面の同盟もまだ不安定な感あるし…とりあえず警察のお世話になってしまうとは

そして新たな予約が。楽しみにしてます


431 : 名無しさん :2015/11/19(木) 20:25:53 WKzC.UW60
ケリィ組とルナ組の接触も、読みに入っているせいでかえってルナたちのペースに乱されるケリィが何とも…


432 : ◆txHa73Y6G6 :2015/11/19(木) 23:59:56 CP.OSoJ20
予約と感想ありがとうございます
ふわっとした感じで始めたこの聖杯戦争ですが、頑張っていきたいと思います。
では投下します


433 : ◆txHa73Y6G6 :2015/11/20(金) 00:29:37 DjogQ70c0
投下を中止します


434 : ◆txHa73Y6G6 :2015/11/20(金) 00:41:53 DjogQ70c0
申し訳ありませんが話の展開に無理があることに気がついたので投下を取り止めます。
それと黒鳥千代子&セイバー(テレサ)、ルーラー(ミュウイチゴ)で予約します。
活動範囲は深山町から未遠川付近を予定しています


435 : ◆txHa73Y6G6 :2015/11/23(月) 23:57:23 vChA/RvE0
投下します


436 : ◆txHa73Y6G6 :2015/11/24(火) 00:15:44 sYgvcXFM0
投下を中止します


437 : ◆txHa73Y6G6 :2015/11/24(火) 00:34:13 sYgvcXFM0
とりあえず投下を再開します


438 : 【23】ラジオ体操第一 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/24(火) 00:37:00 sYgvcXFM0



 目覚まし時計はジリリリリリ、と月並みな騒々しい音を立てる。ベッドの枕元の騒音の発生源を、チョコとそのセイバー・テレサ、そしてルーラー・ミュウイチゴは一斉に見た。時計盤を真っ黒な短針と長針が一直線に縦断している。六時だ。

 「ヤバ!もうこんな時間!?」とルーラーは小さく叫び声を上げた。手に持っていたコーラのグラスを一息にあおると慌てて立ち上がる。
 それにつられてチョコも立ち上がるが、足の痺れからか「あたた」と言いつつもつれて尻餅をついた。思わず苦笑いするルーラーにチョコも苦笑いを返す、が、直ぐに真面目な顔になると、チョコは口を開いた。

「ほんとごめんなさい。その、まさか聖杯が変な風になるって思わなくて。」
「いやいや、そんなに頭下げないで。まださ、チョコの黒魔法が原因かどうかはわかんないんだし、それを調べるために話を聞きにきただけなんだからさ。あ、でも、時間巻き戻し魔法だっけ?それは使わないでもらえる、一応ね。」
「わかりました。あ、それと黒魔法のリストってどうすればいいですか?」


439 : 【23】ラジオ体操第一 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/24(火) 01:03:56 sYgvcXFM0

 ルーラーはチョコに黒魔法をリストアップするよう指示していた。これにはちょっとした事情がある。最初は、ルーラーはチョコから口頭で黒魔法の説明を受けていた。しかし、これには大きな問題があった。黒魔法は種類が多く、効果がおおざっぱなのである。加えて、チョコは緊張のあまり普段のようには要領よく説明できず、ルーラーはそんな説明で理解できるほど黒魔法というものへの予備知識がなかった。
 そこで妥協案としてチョコが知る黒魔法を紙に書いてそれをルーラーに回すという回りくどい方法をとることになった。これならチョコは時間をかけてわかりやすく説明できるし、ルーラーも暗記したりメモを取ったりする必要がなくなる。そして何よりのセイバーが未だ把握しきっていないマスターの能力を知ることができるという利点がある。二人の会話から取り残されていたセイバーはそれとなく紙に書くことを提案してこの方法を取らせることに成功した。
 勿論、これはルーラーの職務としては問題と言えるだろう。早急に事態を解決すべきであるはずの彼女からすれば職務怠慢と言われても仕方ない。ではなぜルーラーがそうしたかといわれれば、それは彼女が無意識にチョコをえこひいきしたからに他ならない。もし相手が無差別に魂喰いをするバーサーカーだったならば、彼女はルーラーに求められる職責以上に熱心に対応していただろう。しかし、彼女がその職権を行使すべき相手は、まだ自らに非があると決まった訳でもないのに何度も頭を下げ、自分より小さいのに気遣いまでみせた。そこにルーラーのモチベーションが上がる要素は何一つなかったのだ。


 ーーなお、もしルーラーが初めから真面目にチョコから黒魔法の情報を聞き出そうとしていれば、直ぐに口頭でのやり取りから文書でのやり取りに移行して、今頃は黒魔法の全てとはいわずとも半分以上は知ることになっただろう。ーー


440 : 【23】ラジオ体操第一 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/24(火) 01:17:52 sYgvcXFM0


 ルーラーはチョコからの問いかけに一分ほど唸ったあと、パンと手を叩いて「とりあえず今日の夜十二時、あ、明日の0時かな、とにかく日付が変わってちょっとしたら取りに行くから」と言った。
 ルーラーの職務に求められるものとしては、いささか、というよりかなり時間に余裕を持たせているが、当のルーラーにその意識はない。なんなら、彼女の基準からすれば早めに期限を区切ったと思っているぐらいである。ルーラー自身も時間に追われることが多かったからか、それとも身に宿した猫の遺伝子のせいかはわからないが、彼女はスケジュールに余裕を持たせるきらいがあるのだ。
 当然だが、そこには彼女が無意識のうちにしているえこひいきの影響もいくらかはあるが。

「じゃあ日付が変わるときに。場所はどこですか?」
「場所?どこでもいいけど……チョコはどこがいい?」
「う〜ん、じゃあここで。ここなら落ち着けるし。」
(……ルーラーが誰かにつけられていたときが心配だな……)
「そうだね、今度はなんかお土産持ってくるから。」
「え!いいですよ、ミュ、ルーラーさんに悪いし。」
(ミュ?)
「いやいや〜、ごちそうになりっぱなしじゃあ、なんか、ほら、恥ずかしいっていうか、ね?」
「でもルーラーさんから、その、おごってもらうってなるのはなんかおそれおおいていうかなんていうか。」
「それを言ったら私だって話聞きに来ただけだったのにいっぱいお菓子食べちゃったし。それとさあ、教会にある喫茶店でケーキとか出してるんだけど、やっぱりときどき余るんだよね。捨てちゃうのももったいないし、私一人で食べるのも限界あるから、ね?」
「う〜んと、じゃあコーヒーとかは私が用意して、でもお店のコーヒーには勝てないし、え〜と。」

「ならいっそ、その喫茶店で渡せばいい。」

 二人の会話に口を挟んだのは、リストの時と同様、セイバーだった。セイバーとしては、なるべく他の主従からマークされることは避けたい。そのために、ルーラーを家に来させることは避けたかった。ルーラーが長々とお茶などしていれば、それを見ているものから疑われるのは明らか。それならばまだ、こちらから教会に出向いた方がよい。教会を見張るものも居ようが、その時は自分が先んじて相手を見つければいいだけのことだ。


441 : 【23】ラジオ体操第一 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/24(火) 01:43:54 sYgvcXFM0

 しかし、返ってきたのは否定の言葉。これにはセイバーも驚いた。まさかそんな理由で拒否されるとは思わなかったのだ。しかもマスターとルーラーが同じ意見というこの状況。

(これではどちらがチョコのサーヴァントかわからないな。)

 セイバーは心の中でため息を吐いた。

「ここにはNPCも一緒に住んでいる。近所の目もある。そんなところに全身ピンク色のサーヴァントがティーセットを持って訪ねてくることになるんだぞ。ここにマスターが居ます、と鐘を鳴らしながら叫ぶようなものだ。」
「あ、そっか……」
「そ、そういわれると……」

 セイバーの言葉でようやく二人は自分達が言っていたことの重大さに気がついた。
 そして同時に、ここが聖杯戦争の場であるということを再認識する。

「そうだよね、確か八体、八匹?ぐらいサーヴァントがいるんだよね、セイバーさん……」
「確かに、まだ一日目なんだよね……聖杯戦争はここからが本番か……」
(チョコはまだわかるが、こいつは本当にルーラーか?)

 先程の和気あいあいとした雰囲気とは一転、少女達は現実を突きつけられたことで場の空気が重くなる。

(私は、損な役回りが多くなりそうだ。)

 セイバーは二人をそれぞれ見ると、「今日の日付が変わる頃に教会に黒魔法のリストを持っていく、それでいいか」と聞いた。

 沈黙が肯定の印だった。


442 : 【23】ラジオ体操第一 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/24(火) 02:10:31 sYgvcXFM0



「で、その、セイバーさん?」
「どうした。」
「あの〜、なんで私たちは外に出てるんでしょうか?」

 あれからテンションが下がったルーラーを見送り、約三十分後。チョコとセイバーは外出していた。既に太陽は地平線を超え、暑い真夏の日差しが斜めに冬木の街を照らしている。市を横断する国道は早くも物流の波の通り道となり、光化学スモッグ混じりの朝靄を生んでいた。
 そんな夏の早朝にオーバーオールにリュックサックという出で立ちでチョコはいた。正確には目立たない服に着替えるように言われて、リュックサックに脱いだゴスロリを入れられ背負わされ、セイバーの言うまま外に出たのだ。

「冬木大橋へ行く。」
「それってセイバーさんが偵察に行ってたっていう大きい橋のこと?なんで私も一緒に?」
「橋が落ちたからだ。」
「……え?なにそれ?」
「新聞というものは読まないのか?」
「テ、テレビ欄は。」

 目をそらすチョコを気にせずセイバーは続ける。

「私も試しに読んでみただけだが、さっきいった冬木大橋が崩れていた写真があった。」
「それって事故、じゃないよねさすがに……」
「誰かが何らかの目的でやったんだろう。それが魔法か、それとも別の何かはわからない。だからさ。」

 そう言われて、「ああ」とチョコは納得した。つまりセイバーはチョコに橋の調査をさせたいのだろう。

(どうしよう、そんなのできない……)
「見えたぞ。」

 うつむいて地面を見ていたチョコは顔を上げる。ふわりと草いきれ。目の前には河川敷が広がっていた。「北だ」と、言うセイバーの声に従い影が延びる方へと目を向ける。

「うわぁ……」

 未だ警察や消防車両の赤々としたライトに照らされて、市の大動脈たる冬木大橋はその惨状を見せつけていた。


 河川敷からは、ラジオ体操の音が聞こえる。六時半だ。


443 : 【23】ラジオ体操第一 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/24(火) 02:22:07 sYgvcXFM0



【深山町北部・未遠川河川敷/2014年8月1日(金)0630】

【黒鳥千代子@黒魔女さんが通る!!】
[状態]
健康、ルーラーが色々気になる。
[装備]
普段着のいけてないオーバーオール、リュックサック(チョコのゴスロリ、杖(輪島塗の箸))。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
ムーンセルでなんとか頑張る。
1:戦争みたい……
2:ミュウイチゴが気になる。
3:黒魔法のリストを書く。
4: 真田幸村を調べたいけど━━
5:あんまりさっきのサーヴァントのことはわかってない。
6:これからどうしよう‥‥
[備考]
●ルーラーの真名をほとんど看破しています。


【セイバー(テレサ)@クレイモア】
[状態]
筋力(40)/B+、
耐久(40)/B、
敏捷(40)/B+、
魔力(50)/A+、
幸運(20)/D、
宝具(40)/B、
霊体化、気配遮断、妖気探知。
[思考・状況]
基本行動方針
当面、諜報活動に専念し戦闘は最低限に抑える
1:まずは冬木大橋へ。
2:チョコの軽さを注意、ルーラーを色んな意味で警戒。
3:赤いランサーの真名を調べたいけど━━
4:バーサーカーの索敵能力は警戒しておく
5:ランサーは何でわざわざ真名を名乗ったんだ?
[備考]
●赤いランサー(真田幸村)の真名とある程度の戦法、黒いバーサーカー(小野寺ユウスケ)のある程度の戦法を確認しましたがマスターではないのでステータス等は確認できていません。
●バーサーカー(小野寺ユウスケ)のベルト(霊石アマダム)が弱点部位だと何となく理解しました。
●冬木大橋付近で妖気探知していた結果、リップバーン・ライダー(五代雄介)・クロノ・バーサーカー(サイト)・ランサー(アリシア)・バーサーカー(ヘラクレス)・ルーラー(ミュウイチゴ)の魔力を把握しました。またおぼろげながら周囲にいた人間の気配も感じました。
●妖気探知の範囲で現時点までに上記以外のサーヴァント・マスターの情報はありません。
●予選時にどの程度他のチームの情報を得ていたかは後の書き手さんにお任せします。


【冬木教会/2014年8月1日(金)0630】

【東京会場のルーラー/ビースト(ミュウイチゴ)@東京ミュウミュウ】
[状態]
筋力B(40)
耐久B(40)
敏捷B(40)
魔力B(40)
幸運C(30)
宝具EX(?)
健康、テンションダウン。
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争をしっかりやっていく。
1:ルーラーのありかたとか接し方で更に迷走中。
2:後で二人(チョコ&テレサ)から事情を聞こう……
3:ムーンセルがバグったのを調べる。
4:バーサーカー(サイト)に討伐令を出す。
5:ムーンセルにご奉仕‥‥はしたくないにゃ〜。
[備考]
●東京会場のルーラーはミュウイチゴでした。冬木会場でも引き続きルーラーのようです。
●会場内で『時間を巻き戻そうとする』とムーンセルが誤作動を起こして『一瞬NPCが倍加してフリーズ』します。またなんらかの形で誤作動を起こした場合とりあえずルーラーが飛んできます。
●上級AIはマスターの動向をある程度把握しています。
●バーサーカー(サイト)に翌日0時の通達で討伐令を出す予定です。
●チョコの黒魔法についてそこそこ把握しました。
●セイバー(テレサ)のステータス、スキル、宝具を把握しました。
●ルーラーとしての自分への疑念が強固になりました。


444 : ◆txHa73Y6G6 :2015/11/24(火) 02:23:18 sYgvcXFM0
投下終了です


445 : ◆txHa73Y6G6 :2015/11/24(火) 23:58:28 sYgvcXFM0
投下します


446 : 【24】兵部京介のわくわく街作り計画 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/25(水) 00:20:27 e3NI3Ff.0



(失敗だったな。)

 心の中でそう呟くと、キャスター・兵部京介は霊体化をといた。

(これであの二組に僕は悪印象を持たれただろう。とくにあのワカメ頭のほうはしつこいタイプかな。)

 その姿は彼が色丞、間桐の二組の主従を置いて逃げ出したときと同様に金髪に赤い服。孫悟空を思わせる姿だ。
 雑居ビルの非常階段に現れた彼は、錆の浮いた踊り場から足を階下へと進める。金属音と鉄の臭いを感じながら。

(一応、火種は蒔いた。)
(マスター達にはそれぞれ別のクラス名を見せた。だが。)
(できたのはそれだけ。孫悟空が嘘だってこともサーヴァントにはバレてる可能性が高い。クラス名の齟齬が起きても影響はないか。)
「もう少し、うまく振る舞えると思ったが……嘘はつくものじゃないな。」

 足音が金属の甲高い音からコンクリートの低い音に変わる。階段のあったビルの一階は蕎麦屋だった。さすがに日も出ていない早朝なので開店はしていないが、微かに物音が聞こえてくる。仕込みのためか、職人は起きているのだろう。

(夜明けが近いな。)

 兵部はその姿をマラソンランナー風に変えた。やはり、孫悟空では目立ちすぎる。自身が発する魔力を極力抑え、ランニングを初めようとした。


447 : 【24】兵部京介のわくわく街作り計画 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/25(水) 00:39:13 e3NI3Ff.0

『キャスター。』
(ここでボスからのお呼び出しか)

 キャスターの脳内に声が響いた。彼のマスターのイサコのそのボーイッシュな声は、普段なら耳に心地のよいものだろうが、今のキャスターには自分への非難の意志が多分に含まれているように思えた。

(いたずらをして叱られる子供の気分だ。)

 今までマスターが黙っていたのも、ここで声をかけたのも、自分の行動の評価をし、それを下すためだろう。自分の不甲斐なさをなじるか、失望を伝えられるか。悪い想像ばかりが頭を巡るが、期待させておいてあれでは仕方ないとキャスターには思えた。

(最低限度の仕事はしたつもりだけど、任せろなんて言ってあれじゃあね。)
『キャスター。』

 脳内に再び声が響く。これが電話なら居留守が使えるが念話ならそうはいかない。

(逃げられないな。)

 軽く意を決すると、キャスターは念話に応えた。


448 : 【24】兵部京介のわくわく街作り計画 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/25(水) 01:22:18 e3NI3Ff.0



「で、ここが冬木大橋か。」

 数分後、キャスターは冬木大橋の上空数百メートルにいた。
 彼のマスターから伝えられたのは二つ。

 ーー一つ、冬木大橋を偵察すること。
 ーー二つ、軽食を買ってくること。

(顔を合わせたくないから遠ざけてる、てことかと思ったけど。)
『次は橋の下を見て。』
『了解。』
(その割には声をかけてくるし声色も普通なんだよね。)

 キャスターは橋のすぐ下へテレポートする。もちろん、霊体化している彼に気づくものはいない。現場に船で近づく消防士らしき姿を尻目に、橋の断面へと近づく。

(まあ、この状況だし、そういう私情よりも戦争を勝ち抜くために情報を集めるのを優先する、ていうことだと思っといたほうが精神衛生上良さそうだ。)

 ぼんやり考えながら実体化した(もっともその姿を捉えるのは困難だ)キャスターは断面を仔細に見ていく。視覚を共有している以上、余所見も出来ない、などと頭の片隅で思いながら一方の断面を見終わるともう一方の断面へと向かう。

(問題はなさそうかな。ちょっとペースが早いかなって思ったけどマスターなら気にせず言うだろうし。)
(視覚を共有するって、でも問題あるよな。)
(サーヴァントが何を見てるかをマスターはわかるってことか、プライバシーなんてないな。ある意味刑務所より不自由だ。)

 とりとめもなく考えながらも、視線だけはしっかりと向け続ける。
 少しして、『ここはもういい』と念話が送られてきた。調査はこれで終わったようだ。

 『何かコンビニで買ってくるよ』と念話を送ると『頼んだ』とだけ短く返ってきた。

(……センスが問われるな。)

 キャスターはバレないようにため息を吐くとまた霊体化した。


449 : 【24】兵部京介のわくわく街作り計画 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/25(水) 01:55:39 e3NI3Ff.0



 がさり。
 一人でテレビのニュースを見ていたイサコのそのホテルの一室に、ビニール袋の独特な音が聞こえた。「早かったな」と言って首を後ろに向けるより早く彼女のサーヴァントは向かいのソファへとテレポートする。

「こんなことで待たせないよ。」
「そう。」

 軽く返事を返す。適当におにぎりを掴んで取り出すとイサコは、はむ、と食べ始めた。

(あれが、サーヴァントか。)

 パリパリとした海苔の音とテレビのアナウンサーの声が部屋に響く。一定のテンポで食べ進めながら、イサコはうちへうちへと、意識を向ける。

(変態とイケメン、確かにどっちも、普通じゃない。そしてどちらもキャスター。)

 すっ、と目の前にお茶のペットボトルが差し出された。その事に数秒たって気づくと「ん」と生返事をして受け取る。
 500mmをあおりながらも意識は更にうちへと潜る。

(そして、あれが)

 あおったお茶がみるみる減ると気圧でペットボトルがへこんだ。それを気にせず、飲み下す。

(私が、ーーすべき、敵。)

 「ぷは」と息を吐き、大きく吸う。頭に浮かび離れないのは、二人の青年の姿。彼女が始めて遭遇した、自分以外のマスター。
 テレビの番組が変わったのか、部屋に響くアナウンサーの声が変わった。トップニュースは、冬木大橋の崩落。誰かがスマホでとったのか、少々画質の荒い映像で橋の崩落の瞬間が画面にテロップつきで映し出される。

「そして、聖杯戦争はもうはじまってる!」

 気圧によるへこみから解放されたペットボトルはイサコの小さな手で握りつぶされた。


450 : 【24】兵部京介のわくわく街作り計画 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/25(水) 02:50:50 e3NI3Ff.0



「叱られるとか考えてた自分がバカらしいな。」
「?それはどういう意味?」
「いいや、深い意味とかはないよ。」

 キャスターは手にしたサンドウィッチを一口食べて、飲み込むと「ただ、マスターのほうが本気でこの聖杯戦争を考えていると思ってね」とだけいった。それ以上の言葉をイサコが目で求めても、視線に気づいていません、というそぶりだ。

(誉め言葉、なのか?)

 カップの巨大なティラミスをハイペースでパクつきながらイサコは言葉の意味を考えようとして、やめた。そんなことはどうだっていいことであり、重要なことは他にある。

「キャスター。」
「……これからのことかい?」

 イサコ同様に巨大なプリンを食べようとカップの蓋を開けたキャスターは、その視線からマスターの意思を察した。
 プラスチックのスプーンでプリンの表面を三当分すると「長期的な方針は三つある」と話を続けていく。

「プランA、ひたすら隠れる。」
「一ヶ月もあるんだ、そのうち嫌でもサーヴァントは表に出てくる。一日目から橋が落ちるほどの戦いが起きるくらいなんだから間抜けはどんどん炙り出されていく。」
「その場合、私たちは何が必要になる。」
「絶対条件は僕達以外の全てのキャスターの脱落。防御を固められれば、戦力が互角でも負けるのは我慢できずに手を出したほう。」
「プランBは。」
「Bは同盟。今の僕達の二番目位の優先順位のものだ。何人サーヴァントがいるのかは知らないけど、一人より二人、二人より三人だ。」
「問題はどの程度まで相手を信用するか、こちらの情報をどこまで出さずに相手から情報を聞き出すか、そんなところ?」
「正解。そして一番の問題点は何が問題になるかが事前に予想できないこと。想定外の事態は必ず起こるものだからね。」
「最後のCは?」
「Cは、キャスターのC、キャスターらしく、僕のヒュプノを最大限に利用する。」
「前に言ってた、街全体を催眠に嵌めるってことか?それはーー」
「違う違う、それはあくまでもできることさ、やることとは違う。それに催眠なんてものは少人数だからこそ効果を発揮するものさ。さすがに他のマスターを催眠にかけられる保証がない以上、街全体にかけるのは悪手だよ。」
「だったら、いや……人数をしぼる、一定の人間だけ?この方針の目的は情報収集と操作、それであってる?」
「主なところはね。序盤の動きとしても悪くないだろ?」
「情報収集……なるほど。」

 イサコは食べ終わったティラミスをテーブルに放ると寝室へと向かった。と思えばすぐにポーチを持って戻ってくる。

「キャスター。」

 イサコはポーチの中身から紙束をテーブルへと広げた。

「どこに潜り込む気?」

 広げられた紙束ーーキャスターが用意した名刺から、キャスターは一枚のカードを指し示した。

「聖杯戦争で再現された日本に縦割り行政があるかは不安だったけど、そういう不都合なところはしっかり再現されてるのは予選でわかった大きな収穫かな。色んなところに潜り込んだ甲斐があったよ。」
「警察、と最初は考えてたんだけど、鉢合わせるかもしれないからね。似たよう動きのできる事故調ーーこれにしたよ。」
「ITARDA。交通事故総合分析センター。いわゆる天下り先の一つの公益財団法人だ。」


451 : 【24】兵部京介のわくわく街作り計画 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/25(水) 03:02:30 e3NI3Ff.0



【新都、冬木ハイアットホテル最上階/2014年8月1日(金)0500】


【天沢勇子@電脳コイル】
[状態]
健康、満腹、百万程度の現金と偽造された身分証明書と名刺の束、覚悟未完了、それでもこの聖杯戦争を逃げずに戦う。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
優勝してお兄ちゃんを生き返らせる。
1.キャスターを役所に潜り込ませる……?
2.キャスターの行動中は家で陣地作成の続きを行う。
3.家の陣地作成が終わったあとはホテルや他の場所で陣地作成。
4.さっきのマスター達(色丞組、間桐組)は……とりあえず同盟はできそうにないか……
5.同盟相手を探す(三騎士、バーサーカー、ライダー、アサシンの順で妥協するかも)。
[備考]
●所持金一万円。
●キャスターの給料で購入したもののうちスマホは引き継げましたが、それ以外はキャスターが持っていたためか全て持ち込めませんでした。
●自宅は深山町にあり、そこにセンサーを張り巡らせました。家への出入りを察知できます。
●予選の時に新聞やテレビや掲示板を見てそれなりに調査したようですがなんの成果も得られなかったようです。
●冬木ハイアットホテル最上階をキャスターに借りさせ、一室を簡素な拠点化しました。
●キャスターへの信頼を深めつつあります。

【キャスター(兵部京介)@The Unlimited 兵部京介】
[状態]
筋力(30)/C、
耐久(30)/C、
敏捷(150)/A++、
魔力(50)/A、
幸運(20)/D、
宝具(40)/B
健康。
[思考・状況]
基本行動方針
マスターの安全第一。まずは安全な拠点作り。
1.この三択、どれがいい?
2.マスターの安全第一。危険なら即撤退。
3.調査後家で陣地作成の続きを行う。
4.家の陣地作成が終わったあとはホテルや他の場所で陣地作成。
5.さっきのマスター達(色丞組、間桐組)とはなるべく会わないようにしないと……キャスターなら同盟を組む意味ないしね。
6.同盟相手を探す(バーサーカー、ライダー、アサシン、ランサー、アーチャー、セイバーの順で妥協するかも)。
[備考]
●自宅は深山町にあり、そこに陣地を作成しました。内部での行動は外部から察知できず、また一部の場所が迷路のようになったとか。
●予選では出版社でサラリーマンとして働いていたようです。少なくともその会社に他の組はいなかったようです。
●冬木ハイアットホテル最上階を借りて、一室を簡素な拠点化しました。
●イサコへの好感度が上がりました。


452 : ◆txHa73Y6G6 :2015/11/25(水) 03:02:57 e3NI3Ff.0
投下終了です


453 : ◆Mti19lYchg :2015/11/25(水) 22:30:01 .iL3ySWQ0
すみません。予約の延長をお願いします


454 : ◆txHa73Y6G6 :2015/11/25(水) 23:59:45 e3NI3Ff.0
延期了解です
まあちょっと遅くなったって平気ですよ、ゆっくりやっていきましょ
では投下します


455 : 【25】条件交渉ーー鉄血同盟 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/26(木) 00:18:38 O2HapYn60



「どうした、聞こえなかったのか?」

 ビル風に吹かれながら、バーサーカー・ヒロは手を差し出した。

 (言ってくれるじゃない、この……!)

 わざとらしくきょとんとした顔をつくるバーサーカーにアーチャー・クロエは不敵な笑みを浮かべて応えるが、内心は焦りで一杯だった。

(引き延ばせって言われたってどうすればーー)
「もう一度言おうーー」

 必死に考えを巡らすアーチャーの、その行動を遮るようにバーサーカーは言葉を続ける。

「我々はそちらと同盟を組む。」

「何か問題でも?」


456 : 【25】条件交渉ーー鉄血同盟 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/26(木) 00:58:11 O2HapYn60


(とりあえず迎撃はしてみたがーー)
 バーサーカーは発言を終えると、視線をアーチャーに向けて表情を改めた。
(態勢を整わせる前に畳み掛けるか。)
 アーチャーは依然不敵な笑みを浮かべている。しかしそれはバーサーカーから見れば明らかな同様の表れだった。笑みというものは、しばしば何かを誤魔化すことに使われる。対応としては悪いと言えた。
(ん?表情が変わった?)
(急ぐか。)

『詳しい話はマスター同士ですると、マスターの合流は正午になると伝えるんだ。今はここを切り抜けるのを最優先とする。』
『オーケー。』
 一方アーチャー、ここでマスターの切嗣からの指示を受けた。これはバーサーカー達の知らないことだが、アーチャーは常にマスターと念話での情報のやり取りができる。バーサーカー達がそれを想定できないのをおかしなことと思うかもしれないが、バーサーカー達にはある事情があった。バーサーカー達は念話を行えないのだ。
 より正確に言えば、念話と言うものの発想が二人にはなかった。もちろん、ルナは技術的には可能である。しかし、想像できないことは実行できないのだ。

「問題はないわ。」
(顔つきが変わったか……)
「そうか、ではもっと詳しい話をしよう。」
(何とか時間を稼がないとね……)

「「これからのお互いのために」」
(ここで攻めきる……!)
(ここは逃げ切る……!)


457 : 【25】条件交渉ーー鉄血同盟 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/26(木) 01:50:59 O2HapYn60



「(まずは流れを取り戻さないと)それで、まず言っておきたいんだけど。」
「(先手をとりにきたか)どうした?同盟を組むことに問題はないんだろう?」
 バーサーカーの言質をとる発言が一歩、アーチャーを追い詰める。
「(問題ある、ってスゴい言いたい)まあ、そこはいいのよ、問題はそういうところじゃなくてーー」
「歯切れが悪いな。言いたいことがあるなら早く言え。」
「落ち着きなさいよ、人の話は最後まで聞くものよ。」
 アーチャーはバーサーカーの態度を注意し、小さく反撃した。
「(小癪な……だがこれに言い返せば、下らない論争で時間を浪費する、折れるか)確かにな。では続けてくれ。」
「(乗ってこない……挑発は無駄かな)私達はサーヴァントでしょ。正式に同盟を結ぶなら、当然マスター同士で顔を合わせる必要がある。違う?」
「(自分からマスターを会わせようとする、どういうことだ?)異論はないな。だが、どうする?」
 ここでアーチャー、一気に攻勢に出る。
「同盟を結ぶってことは、私達は一蓮托生。」
「それなのに、命を預ける相手のマスターの顔も知らないなんてあり得ない。そうでしょう?」
「だから、お互いのマスターの顔合わせが必要だと思うの。お互いをもっとよく知るために。本当は写真かなにかあればどんな顔かとわかるんだろうけど、そんなのサーヴァントに持たせるマスターなんていないしね。でも好い人よ。あと十年若ければ付き合っても良かったかしら。話がそれたわね、戻すわ。時間はーー『明日の正午に冬木駅改札前』ーーそうね、明日のお昼、12時きっかりでどう?その時間ならマスターと合流して会いに行けるわ。」

 アーチャーは、交渉においてマスターの存在を武器にする方法をとった。バーサーカー達は切嗣の情報を知らない。その知らないということを利用して、アーチャーはマスターの情報をわざとらしく伝えた。それは全て『バーサーカー達は何も情報がない人間と同盟しようとしている』と印象づけるため。
 それを受けて、バーサーカーは歯噛みした。二三歩、この交渉での後退を覚える。

(まずいな、このまま同盟交渉を推し進めれば、情報力の違いで不利な条件を突きつけられかけない。そうすれば交渉は決裂するのが自然だ、とこちらに思わせようとしている?)
(なにより、あれだけわざとらしくマスターの情報を口にするのは余裕の表れ。これ以上情報を引き出そうとしても、今度あったときに話せばいいと言われれば踏み込めない。)
(引き際か?くっ!打開策が思いつかない……!)

 アーチャーの発言からきっかり五秒。今度はバーサーカーが考えを巡らせた。そして、六秒目で口を開く。

「わかった。明日の正午にまた落ち合おう。」

 悔しさを無表情で覆い隠したバーサーカーを見て、アーチャーと切嗣は内心で緊張が解けるのを感じた。


458 : 【25】条件交渉ーー鉄血同盟 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/26(木) 02:19:02 O2HapYn60



「じゃあ、明日の昼の十二時に冬木教会。遅れないでよ。」
「無論だ。」

 アーチャーとバーサーカーの交渉はあれからすぐに終わった。翌日にマスター同士で再び交渉を行う以上、この場での会話は最低限度のものとなる。アーチャー側は相手からの追及のきっかけを作らないためにうってかわって言葉少なになり、バーサーカー側はルナの為に合流地点を駅から教会に変えるようにだけ言葉に出さずに求めて受け入れさせたーーもっとも、もう会うことはないだろうとは思っていたがーー。

(まず間違いなく、奴に同盟を組む気などない。情報を与えてみすみす逃がすことになるとは……)

 バーサーカーは自分から漏れそうになる魔力を抑えながら今回の失態を後悔する。いっそここでルナと二人で襲いかかろうかとも思ったが、未だにルナは不安定だ。そして相手のサーヴァントの戦力も不明である。とてもではないが現実的な策とは言えなかった。

「ルナ、バーサーカー、また明日。」
「はい、また明日!」
(その明日はこないよ、ルナ。)

 笑顔で見送るルナをバーサーカーは不憫に思った。まだ彼女は実際に同盟が行われるものだと思っているのだろう。あとでショックを受けないように伝えなければ。

(うん?待てよ。)
「待て、サーヴァント。」

 気がつけば、バーサーカーはアーチャーを呼び止めていた。「サーヴァントって……」とどこか呆れた様子で返すアーチャーを気にせず、何か言おうと口を開く。

(ああ、そうか。)

「お前、なぜ霊体化しないんだ?」


459 : 【25】条件交渉ーー鉄血同盟 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/26(木) 02:45:48 O2HapYn60


「……何か問題でも?」

 アーチャーは平坦な声でそう言うと、頬に指を当てて考えた。そういえば、自分はなぜ霊体化しなかったのか。

(他のサーヴァントの目の前で隙を見せたくなかったとか、単独行動のスキルを持ってるから、とか?)

 二秒ほど考えて結論を出す。むしろ霊体化しないほうが自然に思えた。

「いや、問題じゃない、ないな……」

 そう言いバーサーカーはうつむいた。それきり黙りこくったのを見たルナが不安げに「バーサーカーさん」と言っても反応はない。

(なんだったの、今の……)

 アーチャーもこれには困惑したが、それきりバーサーカーは動かない。たっぷり十秒は待っても変わりないのを見ると、「もう行くから」言って今度こそ去ろうとする。

「やめておいたほうがいい。」

 しかし、それをバーサーカーは止めた。彼女は顔を上げると、「ルナ」と呼びかける。そして真っ直ぐアーチャーを指差した。

「えと、バーサーカーさん?」
「……呼び止めたり、指差したり、何がしたいの?」

 おどおどとした声を上げるルナと苛立ちを含んだ声を上げるアーチャー。
 二人の問いに、「すぐに終わる、着いてこい」とバーサーカーは返すと。


 猛然と二人を置いてアーチャーが背を向けていた方向ーー切嗣のいる方へと走り出した。


(!なんで!?パパが補足された?!)
「待ってバーサーカーさん!」
「わ、私も!」
『パパ!バレてる早く逃げて!!』


460 : 【25】条件交渉ーー鉄血同盟 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/26(木) 03:06:32 O2HapYn60


(!なんで!?パパが補足された?!)
「こっちに他のマスターがいる、我々が露払いしよう。」
「待ってバーサーカーさん!」
「わ、私も!」
『パパ!バレてる早く逃げて!!』



 バーサーカーは、ある勘違いをした。
 バーサーカーはアーチャーに単独行動のスキルがあることを知らない。またサーヴァントの中には霊体化を嫌う者や出来ない者がいることも知らない。彼女が知るサーヴァントの知識は、全て自分の体験に基づくものと言っても差し支えなかった。
 そしてバーサーカーにとって実体化とはなかなかに困難なものだ。マスターであるルナが封印を解除しなければ、彼女の妖力は十全にサーヴァントであるバーサーカーに流れ込みはしない。そしてマスターが妖怪としての力を無理なく使えるのは一日の内で長くても数時間しかない。つまり、バーサーカーは一日に数時間しか実体化できないのだ。
 だから、バーサーカーはアーチャーも同じだと考えた。出来る限り実体している時間を短くしたいはずなのに、あえて悠長にそれをしないのには何らかの意味があると、深読みした。
 ではどのようなときに実体化するか?一番はマスターを守るときだろう。では、アーチャーのマスターは近くにいるのではないか?そういえば、交渉に入る直前に表情が変わったあれは、何らかのサインをマスターから受け取ったのではないか?念話を知らない彼女はそう勘違いしーー それがまぐれ当たりした。

(こっちの方角であっている、のか?)

 バーサーカーは追跡してきたアーチャーを見てそう思う。とりあえず一番可能性の高そうな後背地ーーサーヴァントが背中を向けたていた方向に走り出してみたが、存外当たっていたのかもしれない。

(しかし、どうする……)

(どうやってマスターを見つけよう。)

 ちなみに、バーサーカーに索敵能力はない。


461 : 【25】条件交渉ーー鉄血同盟 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/26(木) 03:16:06 O2HapYn60



【新都・冬木大橋東岸から徒歩15分地点のコンビニ/2014年8月1日(金)0444】

【衛宮切嗣@Fate/zero】
[状態]
五年間のブランク(精神面は復調傾向)。
[残存霊呪]
三画。
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争を止め、なおかつクロエを元の世界に返す。
1.交渉を切り抜けたと思ったらこれか……!
2.バーサーカーなら前衛を勤められるだろうが……さすがにこの主従とはな。
3.戦闘は避けたいが協力者を募るためには‥‥?
4.装備を調えたいが先立つものが無い。調達しないと。
5.自宅として設定されているらしい屋敷(衛宮邸)に向かう。
6.明日の正午に冬木教会に行くと約束はしたが……
[備考]
●所持金は約4万円。
●五年間のブランクとその間影響を受けていた聖杯の泥によって、体の基本的なスペックが下がったりキレがなくなったり魔術の腕が落ちたりしてます。無理をすれば全盛期の動きも不可能ではありませんが全体的に本調子ではありません。


【新都・前回から東に数十メートル/2014年8月1日(金)0421】

【アーチャー(クロエ・フォン・アインツベルン)@Fate/kareid liner プリズマ☆イリヤ】
[状態]
筋力(10)/E、
耐久(20)/D、
敏捷(30)/C、
魔力(40)/B、
幸運(40)/B、
宝具(0)/-
[思考・状況]
基本行動方針
衛宮切嗣を守り抜きたい。あと聖杯戦争を止めたい。
1.なんでバレた、感知能力?!
2.まさか、ホムンクルス?
3.少しぐらい魔力貰っても大丈夫そうだから悪くはないけど。
4.教会に行くっていったけど多分キャンセルだろうなあ。
[備考]
●赤色の影をバーサーカーと、銀色の影をマスターの『ルナ』と認識しました。
●ルナをホムンクルスではないかと思っています。

【竜堂ルナ@妖界ナビ・ルナ】
[状態]
封印解除、妖力消費(小)、それなりに満腹、けっこう眠い。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
みんなを生き返らせて、元の世界に帰る。
1.とりあえずバーサーカーさんを追う。
2.明日のお昼に教会に行く。
3.学校の保健室を基地にする‥‥いいのかな‥‥
4.誰かを傷つけたくない、けど‥‥
5.バーサーカーさんを失いたくない。
[備考]
●約一ヶ月の予選期間でバーサーカーを信頼(依存?)したようです。
●修行して回避能力が上がりました。ステータスは変わりませんが経験は積んだようです。
●新都を偵察した後修行しました。感知能力はそこそこありますが、特に引っ掛からなかったようです。なお、屋上での訓練は目視の発見は難しいです。
●第三の目を封印解除したため、令呪の反応がおきます。また動物などに警戒されるようになり、魔力探知にもかかりやすくなります。
●身分証明書の類いは何も持っていません。また彼女の記録は、行方不明者や死亡者といった扱いを受けている可能性があります。

【バーサーカー(ヒロ)@スペクトラルフォースシリーズ】
[状態]
筋力(20)/D+、
耐久(30)/C+、
敏捷(20)/D+、
魔力(40)/B++、
幸運(20)/D、
宝具(40)/B+
魔力消費(微)。
[思考・状況]
基本行動方針
拠点を構築し、最大三組の主従と同盟を結んで安全を確保。その後に漁夫の利狙いで出撃。
1.サーヴァント(クロエ)のマスターが近くにいそうだがどうやって探そう。
2.学校に拠点を構える。
3.マスターがいろいろ心配。
4.一応教会には行くか……?
[備考]
●新都を偵察しましたが、拠点になりそうな場所は見つからなかったようです。
●同盟の優先順位はキャスター>セイバー>アーチャー>アサシン>バーサーカー>ライダー>ランサーです。とりあえず不可侵結んだら衣食住を提供させるつもりですが、そんなことはおくびにも出しません。


462 : ◆txHa73Y6G6 :2015/11/26(木) 03:16:46 O2HapYn60
投下終了です


463 : ◆txHa73Y6G6 :2015/11/26(木) 23:59:24 O2HapYn60
投下します


464 : ◆txHa73Y6G6 :2015/11/27(金) 00:40:34 MsVwi8Tg0



 冬木の町は既に地平線を離れた真夏の太陽に照らされ、近代的なビルが返す白さとその影によって生まれる黒さとがコントラストになる。
 新都は既に活気よく人々がうごめいていた。見渡せば、縦横に舗装された道路の上を車や自転車、あるいは徒歩で人が行き交い、チャックのように地面に張りついた線路の上を鮮やかな色の車体を持つ列車が走る。
 夏休みだからだろうか、ビル群を抜けた先にある公園には人だかりができていた。二十一世紀になろうとも、子供は外に出て遊ぶらしい。そういえば、ラジオ体操というのがすっかり文化になったと聞く。正直に言えば、複雑な気分であることには間違いはないが、それが子供たちの健やかな成長につながるなら、それは素直に嬉しかった。
 大きく右ーー西へと旋回する。眼下を流れるのは豊かな森だ。人の数が倍に増えようとも、依然として自然は人の近くにあるのだろう。いまやかつてのハワイよりも文明的だろうに、町から少し離れれば木々が緑の絨毯をつくる。
 川を越える。釣りにでも来たのか、河川敷にも人が集まっていた。改めて人の多さと活発さを感じる。それを越えて旧市街へ。昔ながらの家々や大正期に建てられたような洋館が和洋折衷で散りばめられている。あれは商店街だろうか、八百屋か魚屋かは知らないが、何かを運ぶ人も見えた。
 そして、再び大きく右へ、今度は北東へ。目指すのはこれまでの平和な、繁栄を迎えた日本とは対照的な光景を見せる場所。

 赤城の発した零式艦上戦闘機二一型の三機は、冬木大橋上空へと差し掛かった。


465 : 【26】ケッテ編隊 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/27(金) 01:16:25 MsVwi8Tg0



「それで、お前はどうする?」
「……」
「食わなくていいから一応何か頼め。お前のマスターにでも渡せば良いだろう。」
「……では、このハッピーセットを。」
「なるほど、いいセンスだ。」

 同時刻、某ハンバーガーチェーン店。冬木駅に入るその店に二人の珍妙な男がいた。
 一人はモデルのように整った顔と体躯、そしてオーラを放つ青年だ。髪の色にさえ目をつむれば並みの俳優では隣にたてないだろう。現に今も、女性客からの視線を集めどこのビジュアル系のバンドかと騒がれている。
 そしてもう一人は、こちらも白い肌にすらりとした肢体、そして隣の青年に負けず劣らずのイケメンだ。こちらも出るところに出れば世の女性の目を集めるのは間違いはない。もっとも、その顔に着けたマスクと着ている紫のレオタード、そして股間で存在を主張する一羽の蝶さえなければだが。

「ビッグマックとハッピーセットお待ちのお客さま〜。」

 ひきつった笑みで接客する店員から飛びきりの笑みを浮かべて、レオタードの男ーーキャスター・パピヨンは商品を受け取った。
 そして一方の男ーーキャスター・フドウはピクリと肩を動かすと出口へと向いた。

「来たか。」
 パピヨンが問う。
「ああ。」
 そうフドウは返した。
「俺は北へお前はーー」
 言い終わるより早くパピヨンは駆け出した。「待て」や「止まれ」という声が駅に響く。
「南へ。」
 そしてフドウも、人間が出せる範囲のスピードで走り出す。こちらにも同じように警官の呼び止める声が響いた。

(サーヴァントであるなら、マスターの為に行動すべきだろうがーー)

 フドウは警官に追われながら、街を走る。色々と考えねばならないことがあるように思えてならないが、今は役割を果たすことを優先した。


466 : 【26】ケッテ編隊 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/27(金) 02:09:04 MsVwi8Tg0



「なんか、冬木大橋が大変なことになってるってツイッターで回ってきて、それでちょっと狂介、あ、コイツです。コイツと行ってみようって話になったんですよ。そしたら駅前でヤンキーに絡まれて〜。いや〜本当刑事さん達が来てくれなかったらどうなってたかわからないですよ〜。」
「夏休みだし地元の駅前なら人もいるから大丈夫だと思ったんですけどね〜アハハ。」
(なあ、慎二、これやっぱり無理がないか?)
(こっちみんな言いたいことは大体わかるけどこうなったら嘘を突き通すしかないだろ。)

 そしてさらに同時刻、任意同行という名の補導をされた色丞狂介と間桐慎二の二人は生活安全課で話を聞かれていた。
 既に警察署に来て二時間ほど。連れてこられたはいいものの事情聴取するはずの人間は次々と冬木大橋へと回される。情報の伝達の齟齬もあり半分彼らの存在は忘れられかけていたのだが、一人だけ寝坊してきた女性警官に誰かが思い出して押しつけたのだろうか、ようやく話をする段階になっていた。

(大丈夫だってこの胸の大きい婦警はどう見ても新人、バレやしない。それに何のためにキャスター達を行かせたと思ってるんだ。)
(なんか頷かれたけど、大丈夫かな……新人でも警察官なら取り調べ方は習ってるだろうし……おっぱい大きいな……)
「う〜ん、そんなレオタード着て高校生をゆするなんてヤンキー考えにくいんだけど……」
((滅茶苦茶怪しまれてる!))

 婦警は、不審の目で二人を見た。目にはありありと疑念が浮かんでいる。

「いや〜僕も初めて見ましたよレオタードのヤンキーなんてアハハハハ(クソッ!こんな胸ばっかでかい癖に変な風に勘が良いな!)」
(慎二、そんな風に笑ったら自供してるようなものだよ。)

 明らかに、婦警は慎二の発言を疑っていた。万事休す、という言葉が二人の頭を通りすぎる。その時だ。

「おいおっぱい!」
「尾留川です!」
(あだ名おっぱいなのか。)
(おっぱいて呼ばれてるんだ。)

 ロン毛の中年男性がずかずかと入ってきた。そして二人が待ち望んでいた情報をもたらした。

「駅のマクドでレオタードの変態が見つかった。現在港の倉庫に逃げ込んだらしい。ロン毛の兄ちゃんも一緒だった。」

 二人は、キャスターに目立つように指示を出していた。キャスターが無差別に行動すれば、マスターである二人は巻き込まれただけという振りができる。冷静に考えれば無理がある、思い付きに他ならない作戦だったが、少なくともこの場では上手くいった。

「レオタード、ですか?」
 ちらりと婦警は二人を見た。そして、「うん」と一つ言うと。

「もう少しだけ時間もらっていい?もっとその男の特徴を聞きたいんだけど。」


467 : 【26】ケッテ編隊 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/27(金) 02:35:18 MsVwi8Tg0



「はい、これ私の名刺。尾留川ね、お・る・み!」
「はい、お、尾留川ですね。」
「尾っ留川ですね。」

 名刺を受け取ると二人はパトカーから降りた。未成年を何時間も任意同行するのは問題なのかそれともただの高校生に構っているほど人手がないのか。どちらかはわからないがあれからほどなくして二人は解放され、パトカーによってハイアットホテル近くまで送ってもらっていた。

「なんか、どっと疲れたな……」
「一度家に帰って寝よう……」

 パトカーを見送ると、言い様の無い疲労感を二人は覚えた。事情聴取だけでここまでストレスがたまるとは二人の想像の外にあった。

『疲れているのはお前達だけじゃない。』

 念話だ。その声はパピヨンのものだ。二人がわざわざホテルに送ってもらったのには理由がある。ここを合流地点に決めていたためだ。

「あれ、僕のキャスターは?」
『ここにいるだろ。自分のサーヴァントなのに念話がなければわからないとは……』
「返事ぐらい……あ〜ハイハイ、悪かったね……」

 慎二は億劫そうに言うとため息をついた。疲労は彼から悪態を奪っていた。より正確に言えば全員が疲れていた。しかしながら、そういうときに限って良くないことは起こる。

『さて、良いニュースと悪いニュースがある。どっちから聞きたい?』
「なに、サーヴァントでも見つかった……?」
 普段より大分そっけなく狂介は答える。「つまらん」と吐き捨てるようにパピヨンは言うと「正解だ」と続けた。

「サーヴァントを発見した。これが良いニュース。ソイツは海の上にいた。これが悪いニュースだ。それで、今から行くか?」


468 : 【26】ケッテ編隊 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/27(金) 03:03:10 MsVwi8Tg0



 磯風に金髪を流す少女は、一枚の写真のようだった。近代的な退廃感を感じさせる港の倉庫街は彼女とはミスマッチだったが、そのアンバランスさが彼女の美しさを引き立てている。
 「戻りました」との声と共に、彼女の前に一人女性が現れた。金髪の少女をビスクドールに例えるならばこちらは日本人形か。黒い髪は長く延び、装束と合間って巫女を思わせる。

「どうだった、冬木は?」

 金髪の少女、アリスは問うた。それに黒髪の少女、赤城は答える。

「はい、良い町でした。」

 アリスはアーチャーの宝具によって街を見ていた。それはアーチャーも知るところ。

 「なら良かった」アリスはそう言って笑いかけた。なるほど、自分のパートナーはそういう感想を持ったかたという素直な喜びがその声色からうかがえた。
 ふと、アリスは表情を変えた。何かに気づいた表情だ。赤城はそれもわかった。短くて長い付き合いだ。

「お出ましね。」
 なるほど、そういうことか。
「出しますか?」
「まだいいわ。向かってくる気は無いみたいだし。」
 赤城はうなずいた。マスターとしても無用な戦いは避けたいのは承知していた。

 アリスは歩き出す。赤城も三歩下がり着いていく。


 「見えました。」と言ったのは、千里眼を持つ赤城。「大きい。」と返したのはアリス。
 二人の視界には鉛色の巨人が写っていた。


469 : 【26】ケッテ編隊 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/27(金) 03:10:27 MsVwi8Tg0



 海中に没したヘラクレスは、意識を手放したイリヤと共に海から這い上がった。
 アリスと赤城は冬木を偵察し、ヘラクレスを見つけた。
 狂介とパピヨン、慎二とフドウは赤城を捉えた。

 時刻は六時。冬木の港には主従が集結しつつある。戦争はもう始まっている。


470 : 【26】ケッテ編隊 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/27(金) 03:17:53 MsVwi8Tg0



【新都、ホテル近く/2014年8月1日(金)0600】

【間桐慎二@Fate/stay night 】
[状態]
疲労(小)、精神的疲労(中)。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯を手に入れる。何を願うかは後から決める。
1.海……港は今は警察が……
2.色丞狂介を丸め込んで同盟組もうと思ったが、まずは取り調べに対処。
3.ライダー(孫悟空)は許さない。
4.間桐家で陣地作成を行う。
5.会場と冬木市の差異に興味。
[備考]
●孫悟空のクラスとステータスを確認しました。
クラス・ライダー、筋力B耐久B敏捷B+魔力D幸運A
このステータスは全てキャスター(兵部京介)のヒュプノによる幻覚です。

【キャスター(フドウ)@聖闘士星矢Ω】
[状態]
筋力(30)/C、
耐久(40)/B、
敏捷(60)/C+、
魔力(100)/A+、
幸運(50)/A、
宝具(50)/A
霊体化
[思考・状況]
基本行動方針
マスター・慎二を見定める。今のまま聖杯を手にするならば━━
1.成り行きにここまで任せてきたが……
2.今は慎二に従い、見定める。
3.求めるなら仏の道を説くというのも。
4.色丞狂介、か……
[備考]
●慎二への好感度が予選期間で更に下がりました。ただ、見捨てたわけではありません。
●狂介に興味を持ちました。
●孫悟空が孫悟空でないことを見破っています。


【色丞狂介@究極!!変態仮面】
[状態]
疲労(小)、精神的疲労(中)。
[残存令呪]
1画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争を止める。悪人をお仕置きする。
1.海……港は今はまずいんじゃ……
2.ランサーだけあって逃げ足は早いんだな……
3.帰ったら家で陣地作成したり核金作ったりしてもらう。
4.下北沢のサーヴァント(サイト)を警戒。冬木大橋も気になる。
[備考]
●核金×2、愛子ちゃんのパンティ所持。
●予選期間中にサイトの魂食いの情報を得ました。東京会場でニャースを見た場合、サイトの姿や声を知る可能性があります。
●孫悟空のクラスとステータスを確認しました。
クラス・ランサー、筋力C耐久C敏捷A+魔力B幸運C
このステータスは全てキャスター(兵部京介)のヒュプノによる幻覚です。

【キャスター(パピヨン)@武装錬金】
[状態]
筋力(20)/D、
耐久(30)/C-、
敏捷(30)/C、
魔力(40)/B、
幸運(50)/A、
宝具(40)/B
[思考・状況]
基本行動方針
せっかくなんで聖杯戦争を楽しむ。
1.コイツなら海へ向かうだろうな……
2.帰ったら家で特殊核金を制作。今日はパピヨンパークは無理か?
3.冬木市の名物は麻婆豆腐‥‥?その前にこのハンバーガーを押し付けるか。
[備考]
●予選期間中にサイトの魂食いの情報を得ました。東京会場でニャースを見た場合、サイトの姿や声を知る可能性があります。
●今は空気を読んで霊体化していますが気分で実体化したりします。
●孫悟空が孫悟空でないことを見破っています。
●マスターが補導されたのを孫悟空による罠と考えています。
●ビッグマックとハッピーセットを持っています。


471 : 【26】ケッテ編隊 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/27(金) 03:40:33 MsVwi8Tg0



【新都、港近く/2014年8月1日(金)0600】

【アリス・マーガロイド@東方Project】
[状態]
健康。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
幻想郷に戻ることを第一とする。
1.鉛色の巨人に接近。
2.定期的に赤城の宝具で偵察。
3.できれば冬木大橋を直接調べたい。
4.人形を作りたいけど時間が……
5.聖杯戦争という魔法に興味。
[備考]
●予選中から引き継いだものがあるかは未確定です。

【赤城@艦隊これくしょん】
[状態]
筋力(20)/D、
耐久(150)/A++、
敏捷(20)/D、
魔力(10)/E、
幸運(30)/C、
宝具(30)/E+++
魔力消費(小)
[思考・状況]
基本行動方針
マスターを助ける。今度は失敗しない。
1.鉛色の巨人に接近。もしもの時は壁役に。
2.定期的に宝具で偵察し必要なら制空権を確保する。
3.魔力を補給したいが今は黙ってる。
[備考]


【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/stay night】
[状態]
全身ずぶ濡れ、低体温症、その他程度不明の怪我。
[装備]
特別製令呪。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
全員倒して優勝する。
1.‥‥
2.利用できそうな弱いマスターを利用する?
[備考]
●第五次聖杯戦争途中からの参戦です。
●ランサー(幸村)、ランサー(アリシア)、アサシン(扉間)のステータス、一部スキルを視認しました。
●少なくともバーサーカー(サイト)とは遭遇しなかったようです。
●自宅はアインツベルン城に設定されていますが本人が認識できているとは限りません。
●バーサーカーと共に冬木大橋から落とされました。怪我の有無や魔力消費は不明です。
●アサシン(千手扉間)がハサンではない可能性に気づきました。


【バーサーカー(ヘラクレス)@Fate/stay night】
[状態]
筋力(50)/A+、
耐久(50)/A、
敏捷(50)/A、
魔力(50)/A、
幸運(40)/B、
宝具(50)/A、
不明、狂化スキル低下中。
[思考・状況]
基本行動方針
イリヤを守り抜く、敵は屠る。
[備考]
●イリヤと共に冬木大橋から落とされましたが少し流されたあと這い上がっできました。






472 : ◆txHa73Y6G6 :2015/11/27(金) 03:40:55 MsVwi8Tg0
投下終了です


473 : ◆txHa73Y6G6 :2015/11/27(金) 23:59:21 MsVwi8Tg0
投下します


474 : 【27】サーヴァントのお仕事 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/28(土) 00:39:28 7nrp943I0



(ーーどこ……だれ……)

 気がつけば九重りんは誰かに手を引かれて歩いていた。
 大きく暖かな手に手をとられて、前へ前へと進んでいく。そこは不思議な場所だった。いつか来た道のようにも、いつまでも通ることの無い道のようにも思える。そこを、誰ともわからない人と共に歩んでいく。
 手を引くその人は輪郭がおぼつかない。男のようにも女のようにも、人のようにも人でないようにも見える。

(だめ……そっちにいっちゃ……)

 りんは呼び止めようとした。口を開いて喉を震わせてしゃべろうとする。パクパクと金魚のような自分をどこかで感じて、ああ、声がでないんだ、と漠然と思った。
 今度は両手で重ねられた手を引っ張る。何故だかわからないが、手を振りほどくという発想はなかった。ただ、両手で体重をかけて手を引っ張る。

 りんはずるずると引きずられていった。いつの間にか歩くスピードは自動車のようなスピードにまで加速しごうごうと空気がりんの顔面にぶち当たり髪は後ろへと引っ張られる感覚と共に抜けていく。やがて、目の前に大きな壁が見えた。コンクリートの灰色の帯が横一面に広がり、りんは音すら置き去りにするようなスピードで接近する。


 ぐにぃいぃぃ。


 体が壁にぶつかる、めり込む、沈みこむ。ずぶずぶと体はゴムのようなコンクリートの壁に取り込まれていく。声は出せない。目も壁が見えたときから閉じたままだ。

(あーー)

 ふと、手にあったはずの暖かさがなくなっていることを理解した。それと同時に、これが不可思議な夢であることも彼女は理解した。


「……変な夢。」
 りんが目覚めたのはそれからすぐだった。


475 : 【27】サーヴァントのお仕事 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/28(土) 01:32:18 7nrp943I0



「ぜんぜん夢とかは見ませんでしたね!ぐっすりです!」

 病院というものは普通は空調が効き万人に過ごしやすい状態になっているものだが、やはり急患が待合室にまで溢れかえれば追いつかないのだろう。雨もなく外気温は23度を少し越えたぐらいの快適な気候であるにも関わらず、その場に居るものの体感気温は真夏日もかくやというほどだ。
 そしてその場の中心ーーホールと呼べるほどの待合室にいる百人を優に越す急患、入院患者、その他様々な人間が輪をつくり視線を浴びせる太陽のような熱量を持った少女。

「あ、ランサーさん!おはようございます!!」

 頭に作ったタンコブに申し訳程度のガーゼと包帯を着けた少女、日野茜はブンブンという音が聞こえるほどに手を振った。

「……このサーヴァントにこのマスターあり、だな」
「む、それは誉めているのか?」
「まあ、悪い意味では言っていない。それより早く連れ出すぞ、このままではまた騒ぎに……騒ぎが大きくなる。」

 既に日野茜の存在は病院中の噂になっていた。より詳しく言うと、目立ちまくったランサーがタレントであるとの噂が立ち、そのランサーと一緒にいた少女もタレントなのでは?という成り行きである。そして茜は実際にタレントであったし、それを隠すようなこともせず「タレントですか?」という質問にも恥ずかしがりながらも頷き認めていた。
 困ったのは病院側だ。非常事態だったので身元の確認は後回しになっていたが、まさかアイドルが急患にいたとは。こんな騒ぎになるなら待合室などに寝かせずキープしてあった個室に入れておけば……と頭を抱えたが後の祭りである。

(コイツが起きてまだ数分のはず……短い間にこれほどの注目を……!)

 アサシン・千手扉間は内心この小さな少女に驚愕しながらもずかずかと人波を分けいる。こんなに注目を集めるなど、聖杯戦争として、否、戦としてあり得ない。早急に連れ出さねば。

「ます……」
「!待てランーー」

 アサシンに傍らのランサー・真田幸村の行動を止めることはできなかった。彼はサーヴァントであることを隠しもしない身体能力で彼のマスターへと近づく。

「ますたあああぁぁぁぁぁ!!!」
「ランサーさん!!」

 ランサーは突き進んだ。人波はモーゼが海を割った再現のようにひとりでに割れ彼を通す。歩数にして三歩で、彼は近づき、そして。


ドン!


「ら、ランサーさん!?」
「ランサァ……!」

 全力の土下座。

 静まり返る待合室。視線は全て一分の隙もない完璧な土下座をしたタレント(?)に注がれる。

「……とにかく行くぞ。」

 怒りを噛み潰すと、アサシンは群衆から二人を連れ出した。


476 : 【27】サーヴァントのお仕事 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/28(土) 02:24:05 7nrp943I0



「俺は、言ったはずだ……」

 数分の後、茜達は個室にいた。病院側はアイドルを雑魚寝させたミスを取り替えそうというのか、素早く茜の事務所に連絡し身元を抑えると個室をあてがったのだ。無論これを使わない手はない。幸い、この個室はVIPルームなのか他の病床とは階が違い、この階に入るには警備員が固める階段を通るかエレベータ内の機械に専用のIDカードをタッチするしかない。まさしく腰を下ろして話をするにはうってつけの場所だった。
 そして文字通りアサシンはソファに腰を下ろしてランサーを睨む。茜はというと明らかに高級感を漂わせる家具と部屋にどぎまぎしながらも、アサシンの対面のソファに同じように腰を下ろしてついでに何となく腕組みをしていた。

「目立てばマスターに危険が及ぶ……実体化はもとより叫ぶのはもっての他だと……」

 アサシンは噛んで含めるように言葉を続ける。言葉の先はもちろん。

「ーーますたぁ!あさしん!申し「だからそれを止めろと言っているのだ。」」

 ゴチン、と再び土下座をする男、ランサーだ。

「あのー、なにがなんだかよくわかんないですけど、とにかく土下座なんか止めてくださいランサーさん!!」
「否!!それでは某の気がすまぬ!!某を許せん!!」
(ようしわかった、この二人は兄者と同じほどに御しがたい。)

 アサシンにとって幸いなのはこの部屋が防音設備が整っていることだろう。おかげで二人の叫び声はほとんど外に漏れ出さない。
 おかげで反響する声は部屋じゅうに跳ね返ってアサシンへと届きその苛立ちを加速させるのだがアサシンは憮然とした表情を変えずに話を先に進めることを選んだ。

「おいランサーのマスター。」

 ランサーの首を掴んで頭を上げさせようとする茜に、アサシンは声をかけた。床に対して60度ほどになるまで体を倒すその姿からはとても怪我人であることは想像できない、おそらく風邪も引いたことがないたちの人間だろう、などと勝手な想像をアサシンはした。

「へ?あ!私日野茜です!」
(こいつも軽々しく名前を……)

 アサシンは心中で毒づく。どうもこの二人はやりづらい。

(いかんな、これでは。)

 「うん」とアサシンは咳払いをするとペースを掴む。「アカネ、我々と同盟を組まぬか?」とようやくアサシンは同盟の提案をした。


477 : 【27】サーヴァントのお仕事 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/28(土) 02:52:54 7nrp943I0

「同盟ってアレですよね?日米同盟とか極悪同盟的な?良いですよ!よろしくお願いします!!!」
「……は?」

 思わずアサシンは間抜けな声を発していた。「ううん!」と再び咳払いをするも依然動揺していた。「もう一度言う、同盟を組まぬか?」と自分でもわからぬままに何故か同じことを繰り返すほどにだ。
 そしてそれを聞いた茜はというと一瞬キョトンしたかと思うとすぐにハッとした表情になりそして。

「はい!!よろしくお願いします!!!!!」

 分厚い窓ガラスがビリビリと震える。(俺は風遁を喰らったのか?)と自問するほどの大音声にしばしアサシンは呆気に取られた。

「ますたぁ!同盟というものはそう易々と結んではなりませぬ!!」

 アサシンに助け船を出したのは意外にもランサーだ。心のなかで、そうだ、同盟というものはそんなに軽くない、と同意する。もっともその同盟は自分が提案したものなのだが。

「同盟ってアレですよね、チーム組むみたいな。」
「しかし、これは聖杯戦争!命を預け合える仲間でなければーー」
「い、命!?そんなに重いもの何ですか?!」
「それは何せ戦争ーーああぁぁぁ!」
「ああ、そう言えばマスターに聖杯戦争がなん足るかを言っていないと……どうりでか。」

 アサシンは一人納得した。そう言えば先程ランサーからそんな話を聞いた覚えがある。ランサーとの一先ずの停戦以外皆目成果がなかった交渉で唯一といっていい『おまけ』だ。

「どうする?なんなら聖杯戦争について俺から説明するか。」
「あさしん、それについては、某が責任を持ってますたぁに伝える。」

 発破をかけたアサシンにランサーはキッパリと言った。その目には有無を言わせぬ力がある。マスターにこの闘いについて教えなかったことで怪我を負わせたことを深く受け止めているのだろう。

(やはり、こいつは……)
「ーー俺は席を外す、七時になったらまた来る。」

 何か声をかけようとするも、結局アサシンはそれだけ言って姿を消した。


478 : 名無しさん :2015/11/28(土) 03:16:34 7nrp943I0



【新都・病院/2014年8月1日(金)0542】

【九重りん@こどものじかん】
[状態]
手足に火傷(ほぼ完治)
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争で優勝を目指す。
0 寝て休む。
1 入院して他のマスターから見つからないようにしておく。
2 アサシンへ(千手扉間)の魔力供給がつらい。
[備考]
●予選で入院期間が長かったためか引き続き入院しています。
入院期間を延ばすには扉間が医師に幻術をかける必要があります。

【アサシン(千手扉間)@NARUTO】
[状態]
筋力(30)/C、
耐久(30)/C、
敏捷(100)/A+、
魔力(10)/B、
幸運(10)/E、
宝具(??)/EX
健康、宝具使用不可、魔力を四分割したため戦闘になると2ターン目からステータスダウン、避雷針の術の発動条件を満たしているため敏捷が+分アップ、医者っぽい姿に変化。
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯を用いて木の葉に恒久的な発展と平和を。
1.同盟を結べそうだがランサー(幸村)のマスター(アカネ)が聖杯戦争をわかってないっぽいんでとりあえず保留。七時になったら合流。
2.マスター(凛)が他の組に見つからないように警戒している……ランサーのせいで無理そうだが。
3.これ(三つの問題)は後回しにできんが‥‥今のうちにやっておくか?
4.マスターの少年(亘)をまずは穢土転生できるようにしておく。
5.魂喰いの罪を擦り付ける相手は慎重に選定する
6.穢土転生の準備を進める。
7.他の組の情報収集に務める。同時にランサー達を何とか隠ぺいしたいがたぶん無理。
8.女ランサー(アリシア)との明日正午の冬木ホテルでの接触を検討し、場合によっては殺す。
9.バーサーカー(ヘラクレス)は現在は泳がせる。
10.逃げたサーヴァント(サイト)が気になる。
11.聖杯を入手できなかった場合のことを考え、聖杯を託すに足る者を探す。まずはマスターの少年(亘)を見定め、次はランサーのマスター(日野茜)を。
12.マスター(凛)の願いにうちはの影を感じて……?
[備考]
●予選期間中に他の組の情報を入手していたかもしれません。
ただし情報を持っていてもサーヴァントの真名は含まれません。
●影分身が魂喰いを行ないましたが、戦闘でほぼ使いきりました。その罪はバーサーカー(サイト)に擦り付けられるものと判断しています。
●ランサー(アリシア)の真名を悟ったかどうかは後の書き手さんにお任せします。
●バーサーカー(ヘラクレス)に半端な攻撃(Bランク以下?)は通用しないことを悟りました。
●バーサーカーの石斧に飛雷針の術のマーキングをしました。
●聖杯戦争への認識を改めました。普段より方針が変更しやすくなっています。
●ランサー・真田幸村とフワッとした停戦協定を結びました。ランサーのマスターがヒノアカネだと認識しました。


479 : 【27】サーヴァントのお仕事 ◆txHa73Y6G6 :2015/11/28(土) 03:18:51 7nrp943I0



【ランサー(真田幸村)@戦国BASARAシリーズ】
[状態]
筋力(40)/B、
耐久(40)/B、
敏捷(30)/C、
魔力(30)/C、
幸運(30)/C、
宝具(40)/B、
疲労(中)、魔力消費(中)、肋骨単純骨折と内臓に損傷(どちらも少々回復)、安堵と屈辱と無力感、そして茜への責任感。
[思考・状況]
基本行動方針
強敵たちと熱く、燃え滾る戦を!!だが‥‥
1.ますたぁ(茜)に聖杯戦争について伝える……
2.ますたぁ(茜)への申し訳なさと不甲斐ない自分への苛立ち。
3. あの爆発、あーちゃー(アリシア)は無事とアサシンは言ったが‥‥
4.俺は……
5.せいばぁ(テレサ)、ばあさあかぁ(小野寺ユウスケ)と再戦し、勝利する
6.やはりあさしん(扉間)は忍びの者……?
[備考]
●バーサーカー(ヘラクレス)の攻撃で傷が悪化しました。
●ランサー(アリシア)のクラスをアーチャーと誤認しています。
●ランサー(アリシア)の真名を悟ったかどうかは後の書き手さんにお任せします。
●アサシン(千手扉間)を忍のサーヴァントだと考えています。
●病院内にランサーの噂が立ちました。『アイドルの関係者』、『映画の撮影』、『歌舞伎』、『うるさい』、『真田』といった単語やそれに関連した尾ひれのついた噂が広まり始めています。

【日野茜@アイドルマスターシンデレラガールズ】
[状態]
魔力消費(小)、頭にタンコブ(応急処置済)、記憶に混乱?
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争はサーヴァント同士の格闘技!だと思ってたけど……?
1 .急にシリアスになったアサシンとランサーにドキドキ。
2.……そう言えばなんで病院に?
[備考]
●予選期間中他のマスター、サーヴァントと出会うことはありませんでした。
●月海原学園高等部の生徒という立場が与えられています。
所持金は高校生相応の額となっています。
●自宅は深山町のどこかです。
●セイバー(テレサ)、バーサーカー(小野寺ユウスケ)の基本ステータスを確認しました。
●気が動転していたため、ランサー(アリシア)、バーサーカー(サイト)、バーサーカー(ヘラクレス)のステータスを確認できていないかもしれません。
●病院にアイドル・日野茜の噂が立ちました。
●病院の特別病床に入院しました。


480 : ◆txHa73Y6G6 :2015/11/28(土) 03:19:08 7nrp943I0
投下終了です


481 : ◆txHa73Y6G6 :2015/11/30(月) 23:59:37 JvskMfr.0
投下します


482 : 【28】あゆが住めるよう未遠川にする会 ◆txHa73Y6G6 :2015/12/01(火) 00:36:08 ugwdhl.U0



 冬木大橋。

 西日本の人間の間で名前は知らていてもどこか地味だった冬木市を交通の要所とした構造物である。
 高度経済成長期に建てられて以来、市を横断する国道として、また高速道路のバイパス代わりとして、あるいは観光スポットや映画の撮影場所としても使われている。
 名前もあいまって冬木市を代表するその橋は、今や無惨に破壊されていた。アーチの東側は完全に海中に没し既に確認することはできず、支えを失った西側は引きずられるように折れ曲がり巨大な滑り台のような状況になっている。
 橋の左右には警察によって規制線が敷かれ、その回りを野次馬が囲み、事情を知らない車やトラックが車列をつくる。一方上からの振動と音で存在を誇示するのはヘリコプターだ。テレビ局のものだろうか、数機が橋の上空をゆったりと飛んでいる。そして下に目を向ければダイバー達が捜索していた。

 現場から少し離れた河川敷には、数本の袋があった。いや、それを数本と言うべきではないのだろう。次々と海中から、あるいは橋の残骸から供給されるそれは次々に車両へと運び込まれていく。二桁はまず上回るだろう。その光景は人々の口々に「テロ」や「爆発」や「通り魔」という言葉を登らせた。


483 : 【28】あゆが住める未遠川にする会 ◆txHa73Y6G6 :2015/12/01(火) 01:26:54 ugwdhl.U0



「うっわぁ〜、ほんとに落ちてるよ。なんか、あの、がくん!て感じで。」

 チョコは素直な感想をのべた。ふと左を見ればのどかな河原から一変してドラマに出てきそうな巨大な橋が落ちているというのは小学生にはない経験だろう。見れば数百メートルほどの距離だろうか、目の前で住人がラジオ体操しているのに視線をずらせば崩落した橋が煙とランプを引き連れてどうだこれが異常事態だと言わんばかりに鎮座している。この光景は今までそれなりに不思議なことや危ないことにも巻き込まれてきたチョコとしても驚きだった。

 戦争という言葉がチョコの頭をよぎる。しかし頭の中の映像はテレビで見た震災の映像が流れていた。傾いた高速道路が、長々と大きな蛇が道路に寝っころがるようにしている、何度か見た映像。教科書にだってその時の写真は乗っている。教科書の中にだけあるような世界の話が、今のチョコの目の前にあった。

「今のうちに、あれを調べたい。」

 圧巻足る光景に呆けるチョコに、セイバー・テレサは声をかける。セイバーとて驚いてはいる。それはチョコ以上だろう。しかし、それでセイバーに何か影響があるかといえばNOだ。そういうことでは、そんなことではセイバーの心は動かない。

「今なら近くにサーヴァントはいない。だが時間をかければ集まり出すだろう。橋を落としたやつが戻ってくることもあるかもな。」
「でもセイバーさん、あんなに人がいたらサーヴァントは来ないんじゃない?それに、調べたくても人が多いし……」
「人がいても、向かってくるサーヴァントはいる。さっき言った真田幸村みたいなな。それにマスターの黒魔法なら、人がいようと関係ないだろう?」

 セイバーは丁寧にチョコに説明した。それを聞くものが聞けば、チョコを説得しているようにも見えただろう。
 実際、セイバーは己のマスターであるチョコを説得していた。そしてそれはチョコにも、どこかいつものセイバーとは違う印象を与えていた。

「……じゃあ、あんまり自信ないけど。」

 しかし、チョコはそれを口に出すことはしなかった。それはセイバーの様子からなのかそれ以外に原因があるのかは本人にもわからなかった。
 しかし足は北へと向かっていた。


484 : 【28】あゆが住める未遠川にする会 ◆txHa73Y6G6 :2015/12/01(火) 02:12:14 ugwdhl.U0



 セイバーは依然霊体化したまま、チョコの直ぐ後ろを歩いていた。周囲には当然妖気探知の網を張る。実体化していないため幾分その範囲も精度も劣るところとはなっていたが、それでもなおその索敵能力はこの聖杯戦争ではトップクラスだ。半円状に張り巡らされたそれはよほどのアサシンでなければ見抜かれてしまうだろう。当然その分魔力は消費してしまうが霊体化したセイバーの魔力程度はゴスロリを着ていないチョコでも賄えていた。

(橋には向かわせられたか……)

 目の前をトテトテと歩くマスターを見ながら、セイバーは考える。これからどうマスターを誘導するかを。


 セイバーが第一に恐れたのは、ルーラーの訪問によって住み処が特定されたことだ。
 セイバーには妖気探知も、気配遮断もある。一撃離脱の戦法をとるのに向いたこの能力は、セイバーの撤退時にも効果を発揮していた。この能力を使えば、自分を補足されるより早く相手を補足し、場合によっては気配を消して逃れることもできる。ある意味情報戦に非常に適性があるのだ。
 しかし、ルーラーは違う。彼女の気配は数キロ先からでもわかった。そしてそれは非常に大きな意味を持つ。
 彼女の大きな気配はセイバーより劣る感知能力の持ち主でも充分に察知できるだろう。いや、ひょっとしたら察知できないサーヴァントはいないかもしれない。少なくとも『自分達』なら確実にわかるとは断言できる。
 そんな彼女が三十分以上同じ場所で足を止めたのだ。自分ならば、というより普通ならばそこに何かあると判断するだろう。
 何せ彼女はルーラーだ。その存在はサーヴァントなら誰もが知識として知っているに違いない。裁定者、サーヴァントの殺生与奪の権限を持つサーヴァント。この聖杯戦争における唯一無二の存在『イレギュラー』。


485 : 【28】あゆが住める未遠川にする会 ◆txHa73Y6G6 :2015/12/01(火) 02:45:08 ugwdhl.U0
 よってセイバー達は直ぐに家から離れる必要に迫られた。ルーラーの存在に気がついても何処にいたかまでは中々わかるものではない。セイバーでさえピンポイントに場所を特定するには実際に足を運ぶだろう。それならば、足を運んだときにルーラーがいなかったら?もっといえば誰もいなかったら?セイバーはそれに賭けた。

 ルーラーが家から離れた時点で妖気探知した限りでは、周囲にサーヴァントはいない。
 この段階ではまず、まだ特定されていないだろう。もしされていたら、それはセイバーより更に高い感知能力を持つということだ。その場合はこちらも家から離れマスターを人混みに紛れさせ攻撃をためらわせる。
 そしてされていないなら、やはり家から離れて同じように行動しほとぼりが覚めるのを待つ。何らかの方法でルーラーが追跡を受けた可能性が高いならば、今はたまたま探知にかからないだけかもしれない。警戒しすぎかもしれないが、どこの世界にもあっと驚くほどの追跡術を持つものはいると、セイバーは心得ている。手抜かりなくいくならば、潔癖と言えるほどに慎重にならなければならない。

 ここまでの六時間で、セイバーは最適解を選んできた。それはマスターであるチョコも同じだ。ルーラーを招き入れたときも、その判断は間違ってなかったと思える。
 しかし、それでも状況は悪化しているとセイバーは感じていた。気がつけば思わぬ想定外『イレギュラー』に足元を掬われかけている。今までは幸運にも切り抜けてこられたが、いつかこれでは破綻する、そういう危機感がセイバーにはあった。

(家に他のサーヴァントが向かってくる)
(この前提なら)
(見つからないためにマスターの魔力を小さくして人混みに紛れさせて気配を消す)
(悪くない手の筈だ)
(これならたとえ見つかっていても巻き添えを出す可能性を考えるはず……)
(よしんば無視して仕掛けてこようと)
(NPCを盾にして迎え撃てる。)

 セイバーはいつでも実体化できるように身構えながら足を進める。
 ようやく、二人は人波へとたどり着いた。


486 : 【28】あゆが住める未遠川にする会 ◆txHa73Y6G6 :2015/12/01(火) 03:45:04 ugwdhl.U0

「あ、チョコちゃ〜ん!」
『下がれチョコ!』
「え、セイバーさん?」

 突如、人波の中から声が上がった。チョコと同じぐらいの女児だろうか。何故かチョコの名を知るその女児は人波をかき分けて姿を現した。

(なるほど。)

 セイバーは得心する。相手はこのわずかな時間にチョコを特定し、なおかつあだ名まで言ってきた。そして何より、セイバーの行動を見切り、先回りするという。堂々と出てきたことからもわかる。そうだ。

(また「イレギュラー」か。)

 そうだ!どうやら自分達は相当についていないらしい。最適解を選んだと思ったらこれだ。既に先手を打たれ、のうのうと相手は姿を見せた。それは余裕の表れだ。そして、それは正しい。この場でセイバーが実体化して剣を抜けば、先程のセイバーの狙い通りの展開になる。

『マスター、令呪の準備を。』

 ならば、ここは切り札を切ってでも切り抜けるしかない。令呪の一つですめばむしろ安いものだろう。何せ、これから先こちらは一瞬たりとも気を抜けなくなる。どうやって特定されたか全くわからないからだ。
 セイバーは目の前の女児を見る。少しでも不審な動きをすれば即座に実体化して叩ききる構えだ。人だろうとあどけない美少女だろうと、マスターの命がかかっているとなれば関係ない。

「あれ、ちょっと待ってセイバーさん……」

 しかし、チョコの態度は鈍い。何かを思い出すように頭を抱えてうめき出す。

(ーーやられた。)

 なるほど。どうやら相手は二枚も三枚も上手のようだ。こうしてきょとんとした顔をつくりながらもセイバーが気づかぬうちにチョコに魔法か何かをかけるとはーー

(ーー妖気探知にかからずに、か。そんなことは)
『あり得ないな。』

 しかし、ここでセイバーは現状を疑った。なるほど、特定されたのはわかる、行動を読まれたのもわかる、だが。だが自分が最大限の警戒をしていたチョコに誰が手を出せようか。

(何か、大きな勘違いをしていたかもしれないな。)

 セイバーはすとん、と認める。客観的に見てチョコに何かすることは不可能。ならばこれはチョコが何かを思っての行動だろう。
 「育〜」という声と共にまた一人美少女が姿を現す。育と呼ばれた少女より一回り小さい少女は「あ、チョコ」と同じように声をあげた。

 『あ!』とセイバーに念話でチョコの大声が響く。「桃ちゃんセンパイと、育ちゃん?」と声に出して続けた。

(チョコが名前を知っている……ああ、)
『マスター、NPCか?』
『うん、確か同じクラスの子と六年生の……』

 セイバーは静かに構えをといた。


487 : 【28】あゆが住める未遠川にする会 ◆txHa73Y6G6 :2015/12/01(火) 04:03:53 ugwdhl.U0



【深山町北部・冬木大橋西岸部南側/2014年8月1日(金)0639】

【黒鳥千代子@黒魔女さんが通る!!】
[状態]
健康、ルーラーが色々気になる、ちょっと記憶に混乱。
[装備]
普段着のいけてないオーバーオール、リュックサック(チョコのゴスロリ、杖(輪島塗の箸))。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
ムーンセルでなんとか頑張る。
1:友達役のNPC……だっけ?
2:戦争みたい……
3:橋が落ちたらどうやって向こう岸に行くんだろう。
4:ミュウイチゴが気になる。
5:今日の夜12時までに黒魔法のリストを書いて冬木教会の喫茶店にいるルーラーに持っていく。
6: 真田幸村を調べたいけど━━
7:あんまりさっき言われたサーヴァントのことはわかってない。
8:これからどうしよう‥‥
[備考]
●ルーラーの真名をほとんど看破しています。
●ゴスロリを脱いだため魔力の供給が減り、魔力感知にかかりにくくなります。セイバーを実体化させて妖気探知や妖力解放をせずに戦う、もしくはセイバーを霊体化させて妖気探知を全力で行わせる場合、本人の魔力は消耗しません。
●彼女の友達役のNPCが存在します。どれだけの情報を持っているかは不明です。


【セイバー(テレサ)@クレイモア】
[状態]
筋力(40)/B+、
耐久(40)/B、
敏捷(40)/B+、
魔力(50)/A+、
幸運(20)/D、
宝具(40)/B、
霊体化、気配遮断、妖気探知。
[思考・状況]
基本行動方針
当面、諜報活動に専念し戦闘は最低限に抑える
1:気を張りすぎたか……?
2:チョコの軽さを注意、ルーラーを色んな意味で警戒、目の前の女児は……
3:赤いランサーの真名を調べたいけど━━
4:バーサーカーの索敵能力は警戒しておく
5:ランサーは何でわざわざ真名を名乗ったんだ?
[備考]
●赤いランサー(真田幸村)の真名とある程度の戦法、黒いバーサーカー(小野寺ユウスケ)のある程度の戦法を確認しましたがマスターではないのでステータス等は確認できていません。
●バーサーカー(小野寺ユウスケ)のベルト(霊石アマダム)が弱点部位だと何となく理解しました。
●冬木大橋付近で妖気探知していた結果、リップバーン・ライダー(五代雄介)・クロノ・バーサーカー(サイト)・ランサー(アリシア)・バーサーカー(ヘラクレス)・ルーラー(ミュウイチゴ)の魔力を把握しました。またおぼろげながら周囲にいた人間の気配も感じました。
●妖気探知の範囲で現時点までに上記以外のサーヴァント・マスターの情報はありません。また霊体化中は妖気探知の能力が低下します。
●予選時にどの程度他のチームの情報を得ていたかは後の書き手さんにお任せします。


488 : ◆txHa73Y6G6 :2015/12/01(火) 04:04:38 ugwdhl.U0
投下終了です


489 : ◆txHa73Y6G6 :2015/12/01(火) 23:58:19 ugwdhl.U0
投下します


490 : 【29】急襲 ◆txHa73Y6G6 :2015/12/02(水) 00:35:51 7a/b2jlI0



 油断をしたつもりはなかった。

 衛宮切嗣のその感想は偽りではなかった。自らの娘でありサーヴァントーーアーチャー・クロエーーが接触した相手は一筋縄ではいかないとわかっていて、その為に少しでもマイナスを減らすために行動した。いくつかのミスはあったが、それとて責められるほどのものではないだろう。

(でも、これだ。)

 切嗣は店内を見渡す。
 早朝のコンビニには自分一人しか客はいない。
 こちらに武器はなく、相手は実質サーヴァント二騎。逃げ場は入り口と従業員用の通用口だけだろうがどちらも大きな道路に通じているのは間違いない。。
 つまり、切嗣は詰んでいた。既にこちらの位置が割れている以上いつ攻撃を受けてもおかしくはない。よしんば襲われなくとも先程のアーチャーの工作は全て無駄になってしまう。

 では令呪を使うか?いっそ使えばアーチャーは強化でき、今の衰えた自分によって下がっただろう能力もオリジナルに近づく。向かってくる二人とも殺してしまえば後腐れはない。少なくともこの場での危機はしのげる。

(最初に会ったサーヴァントを、令呪を使って落とす、か。)
(真逆だな、予定と。)

 しかし切嗣は当然これを否定する。それはできる限りアーチャーを戦わせないという切嗣の望みとは正反対だ。

 時間は刻々と過ぎる。


491 : 【29】急襲 ◆txHa73Y6G6 :2015/12/02(水) 01:22:05 7a/b2jlI0



 野次馬は五時より早い朝の時間にも居るものなのだろうか。それがNPC特有の挙動なのか本物の冬木市の住人でもそうなのかは不明ではある。しかしそれは新都から冬木大橋の方向に人が向かうこととは関係ない。とにもかくにも、犬の散歩のついでか朝のジョギングのついでか、それともそれだけの為にか別の理由があるのか人は西へ西へと橋を目指してまばらに移動していた。

 その道行く人に逆行してルナとバーサーカーのヒロ、そしてアーチャーはビルを屋上伝いに東進していた。

(どうする!?このままじゃ……)

 アーチャーは前を行く背中を見る。先頭で彼女達を引っ張るのは一番足の遅いバーサーカーだ。アーチャーが発見したときとはうってかわってゆったりとした動きになっていたが、その早さは人外のそれと言える。マスターの切嗣に接触する迄にかかる時間は一分二分程度だろう。

 そう、このままではバーサーカー達は切嗣に出会ってしまう。これはまずい、非常に。

 今のところ、バーサーカーは切嗣がアーチャーのマスターだとは言っていない。この言葉を真に受けるならばバーサーカーは魔力を持つ人間を探知できる程度の能力を持つだろう。
 そしてその場合、このバーサーカーが切嗣を殺す可能性がある。そんなことはまずないと思うが一応同盟を組む予定のアーチャーがいるのだ、それを見ていた怪しいマスターを殺してしまおうとなるかもしれない。
 もっとひどい場合を考えれば、本当はアーチャーのマスターだと気づいているのにとぼけている可能性もある。この行動自体が自分を試しているのだ。
 そして一番の問題はバーサーカーがバーサーカーであることだ。アーチャーが頭の中で考えていることとはまるで違うことをこの喋るバーサーカーは考えているかもしれないのだ。これが恐い。アーチャーは、はかりきれないバーサーカーに戸惑っていた。


492 : 【29】急襲 ◆txHa73Y6G6 :2015/12/02(水) 02:08:31 7a/b2jlI0

(……本当にマスターが近くにいるとは……)

 一方バーサーカーも戸惑っていた。アーチャーのマスターが近くにいるという勘の良い勘違いの結果、アーチャーの反応から何となくこの方向にマスターがいることはわかった。しかしそれだけだ。
 バーサーカーには偵察や調査に関する逸話が乏しい。全くないというわけではないのだが、少なくとも今の彼女にそれを期待するのは酷というものだ。何せ今はそれらの能力を持つのにもっとも不向きなバーサーカー。これでは見つかるものも見つからない。
 つまり当たり前だが、バーサーカーは切嗣の位置など全く知らなかった。とりあえず50メートルほどゆっくりとたらたら走りながら考えてみたが見つけ出す方法は全く思いつかない。そうこうしているうちにもどんどん進んでしまっている。もしかしたらもう通りすぎたのかもしれない。

(しまった……このままではハッタリがバレる……どうする……)

 焦りで無駄に速くなりそうな足を抑えてゆっくりとゆっくりと走る。何とか考える時間を稼がなくてはならない。何かないか。

(……まだアーチャーは焦った顔をしている、どんどん険しくなっている。近いはずだ。だがーー)
(ーーどうやって見つければ良い?)

 ああこんなときにサトウがいれば、とバーサーカーはらしくない愚痴を心の中で呟いた。
 もしこの場に彼女の信頼できる傭兵がいれば忍法の限りを尽くして情報を集めただろう。なんなら分身ができるほどに走り回って情報をかき集めてくる彼ならば、こんな状況もたちどころに解決してしまうに違いない。
 『姫さん、さすがにそれは無理だよ……』という声も聞こえた気がしたが無視した。後ろに気を配りながらする数秒の現実逃避ぐらい都合の良いことを考えても神はバチを与えないだろう。まあ彼女の世界の神はかなり勝手にバチを下してくるのだが。

(ーー走り回る、足で稼ぐというものか。)

 だがここでは神は彼女に天啓を与えたらしい。バーサーカーにあるひらめきが訪れる。

 「ルナ!」と大声でマスターに呼びかける。

「そのまま真っ直ぐしらみつぶしに探せ!建物の一つ一つを調べろ!日が出たら焼きそばで合流する!」

 そう言うとバーサーカーは進行方向を左ーー北に変えた。


493 : 【29】急襲 ◆txHa73Y6G6 :2015/12/02(水) 02:39:52 7a/b2jlI0


 ((え!?))と驚いたのはアーチャーとルナだ。

 アーチャーはバーサーカーの行動をはかりかねた。だがその行動は予想外ではあったが予想外が起こることは予想していた。事前にドッキリだとわかっていれば引っ掛かってもそれほど驚かないように、彼女はその発言の意味がわからないので驚いた。

 ルナはもうなんかいろいろ驚いていた。バーサーカーの行動が予想外だったしそんな予想外のことをバーサーカーがすることも予想外だった。ドッキリでいえばドッキリされたこともドッキリの内容もなんなら驚いた自分にも驚いていた。
 そもそもルナは、アーチャーと会って以来心が休まる時がない。自分と同じぐらいの子供が聖杯戦争に参加していることに驚いたし、年が近そうということは彼女の目の前で死んだ弟のことを思い出させたし、バーサーカーがアーチャーとシリアスに話し出した時は居心地の悪いものを感じたし、突然バーサーカーが走り出したときは置いていかれる気がして慌てて追いかけた。

 なので今回のバーサーカーの発言も驚いた。たまげた。だが人間驚いてばかりいると耐性がつくものでもある。まして緩急をつけて驚いているのでいくらかルナは麻痺してきていた。

 予選の時同様のルナなら指示を無視してバーサーカーに着いていっただろう。でもこの時のルナはそういう感覚よりも言われたことに素直に従うという気持ちの方が強かった。それはその程度のバーサーカーへの依存心故だったのかそれほどルナが『良い子』であるからかは不明だが、とにかく彼女は『言われたとうり』に動いた。


494 : 【29】急襲 ◆txHa73Y6G6 :2015/12/02(水) 03:39:15 7a/b2jlI0


「「なあッ!?!」」

 今度は驚きは声となって響いた。その声の主はアーチャーと、ルナに指示を出したバーサーカーだ。ルナの行動で二人は驚いたのだ。指示を出したバーサーカーでさえ。

(……私の運は相当良いようだ。)
(アレが人間だとも、ホムンクルスだとも思いたくない……)

 もし二人が人間並みの動体視力なら、道路の上ビルとビルの間に金色のオーロラのような幕が見えていたことだろう。それは朝靄に太陽光が指すことで生まれるものとそこにいた人は思うかもしれない。それは幻想的な光景だ。

 しかし二人の目にはまるで別の物として写っていた。

 バーサーカーの目には辛うじて形のわかる残像として、アーチャーの目には細部がブレながらもはっきりとした像としてそれは動いていた。


 ルナだ。
 ルナがビルとビルの間を飛び交っているのだ。
 正確にいえば、道路を挟んだビルで三角飛びをし続けていると、いうべきか。一階一階一部屋一部屋をまるで反復横飛びかシャトルランのように行き交い、愚直なまでに調べ、終ると次のビルへと移っていく。
 それはこれ以上ないまでに力業だった。

 バーサーカーとしては足で稼ぐとはいっても普通に窓枠を伝ったり階段を高速で移動したりという意味で言ったのであってまさかこのような方法をとるとは夢にも思わなかった。これを予想できるやつがいるなら連れてきて欲しいとさえ思う。あくまでルナを直進させて自分が方向を変えたのはアーチャーを撹乱させるほうがメインだったのだがまさかこんなことになるとは。

 ふと、金色のオーロラはかき消えた。そして数秒で、思わず足を止めていたバーサーカーとアーチャーのもとに現れると一言。

「見つけた。」

 そう言って一件のコンビニを指差し、ばったりと倒れた。



 油断をしたつもりはなかった。

 衛宮切嗣のその感想は偽りではなかった。
 彼が見た限り、バーサーカーの発言は十中八九ハッタリだと思っていた。だからその場を動かずアーチャーを誘導することを優先しようと、いつでも判断を下せるようにしようとした。何よりそうしておけば、本当に位置が割れていた時もアーチャーをタイムラグなく動かせる。そう思っていた。

 甘かった。相手はそんなことは知るかとばかりに無茶苦茶な方法で切嗣を見つけ出した。念話で指示を出しすより速く動く、そんなマスターがいることを、サーヴァントのようなマスターがいるという情報から推測できなかった。


(全く、嫌になる。それでも。)

 老い先短い身だが、今の数秒でどっと老け込んだ気がする。しかし、それでどうこうするような人間では切嗣はなかった。

 共有した視界に写るのは、先程自分を見つけ出したマスター。その幼女は、いまやぐったりと気絶していた。

「悪運は僕達のほうが強いみたいーーかな。」

 切嗣はゆっくりと歩き出した。


495 : 【29】急襲 ◆txHa73Y6G6 :2015/12/02(水) 04:02:47 7a/b2jlI0



【新都・冬木大橋東岸から徒歩15分地点のコンビニ/2014年8月1日(金)0446】

【衛宮切嗣@Fate/zero】
[状態]
五年間のブランク(精神面は復調傾向)、精神的疲労(微)。
[残存霊呪]
三画。
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争を止め、なおかつクロエを元の世界に返す。
1.ルナーーバーサーカーのマスターは魔力切れかな。
2.バーサーカーなら前衛を勤められるだろうが……むしろマスターのほうが強いのか?
3.戦闘は避けたいが協力者を募るためには‥‥?
4.装備を調えたいが先立つものが無い。調達しないと。
5.自宅として設定されているらしい屋敷(衛宮邸)に向かう。
6.明日の正午に冬木教会に行くと約束はしたが……
[備考]
●所持金は約4万円。
●五年間のブランクとその間影響を受けていた聖杯の泥によって、体の基本的なスペックが下がったりキレがなくなったり魔術の腕が落ちたりしてます。無理をすれば全盛期の動きも不可能ではありませんが全体的に本調子ではありません。
●バーサーカーとそのマスター・ルナの外見特徴を知りました。


【新都・前回から更に東に数百メートル/2014年8月1日(金)0446】

【アーチャー(クロエ・フォン・アインツベルン)@Fate/kareid liner プリズマ☆イリヤ】
[状態]
筋力(10)/E、
耐久(20)/D、
敏捷(30)/C、
魔力(40)/B、
幸運(40)/B、
宝具(0)/-
精神的疲労(小)
[思考・状況]
基本行動方針
衛宮切嗣を守り抜きたい。あと聖杯戦争を止めたい。
1.なんなの、コイツ(ルナ)……
2.ルナはホムンクルス?少なくとも人間ではないと思う。
3.あんまりコイツ(ルナ)からは魔力貰いたくない……
4.教会に行くっていったけど多分キャンセルだろうなあ。
[備考]
●赤色の影をバーサーカーと、銀色の影をマスターの『ルナ』と認識しした。
●ルナをホムンクルスではないかと思っています。また忌避感を持ちました。


【竜堂ルナ@妖界ナビ・ルナ】
[状態]
封印解除、精神的疲労(小)、肉体的疲労(大)、妖力消費(大)、気絶、靴がボロボロ、服に傷み。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
みんなを生き返らせて、元の世界に帰る。
1.???
2.明日のお昼に教会に行く。赤いサーヴァントの女の子(クロエ)とは仲良くなれるかな?
3.学校の保健室を基地にする‥‥いいのかな‥‥
4.誰かを傷つけたくない、けど‥‥
5.バーサーカーさんを失いたくない。
[備考]
●約一ヶ月の予選期間でバーサーカーを信頼(依存?)したようです。
●修行して回避能力が上がりました。ステータスは変わりませんが経験は積んだようです。
●新都を偵察した後修行しました。感知能力はそこそこありますが、特に引っ掛からなかったようです。なお、屋上での訓練は目視の発見は難しいです。
●第三の目を封印解除したため、令呪の反応がおきます。また動物などに警戒されるようになり、魔力探知にもかかりやすくなります。この状態を解いて休息をとらない限り妖力は回復しません。
●身分証明書の類いは何も持っていません。また彼女の記録は、行方不明者や死亡者といった扱いを受けている可能性があります。

【バーサーカー(ヒロ)@スペクトラルフォースシリーズ】
[状態]
筋力(20)/D+、
耐久(30)/C+、
敏捷(20)/D+、
魔力(40)/B++、
幸運(20)/D、
宝具(40)/B+
精神的疲労(微)、魔力消費(小)。
[思考・状況]
基本行動方針
拠点を構築し、最大三組の主従と同盟を結んで安全を確保。その後に漁夫の利狙いで出撃。
1.まずはマスターの介抱。実体化できるうちにやっておく。
2.サーヴァント(クロエ)のマスターがコンビニ?にいるようだがーー
3.学校に拠点を構える。
4.マスターがいろいろ心配。
5.一応教会には行くか……?
[備考]
●新都を偵察しましたが、拠点になりそうな場所は見つからなかったようです。
●同盟の優先順位はキャスター>セイバー>アーチャー>アサシン>バーサーカー>ライダー>ランサーです。とりあえず不可侵結んだら衣食住を提供させるつもりですが、そんなことはおくびにも出しません。


496 : ◆txHa73Y6G6 :2015/12/02(水) 04:04:29 7a/b2jlI0
投下終了です


497 : ◆txHa73Y6G6 :2015/12/02(水) 23:59:04 7a/b2jlI0
投下します


498 : 【30】ベストバウト・サマーデイズ ◆txHa73Y6G6 :2015/12/03(木) 00:46:28 XzxxExPc0



 名前の由来に反して冬でも比較的温暖な冬木だが、夏となればやはり暑い。
 バブル期には集客を見込んで地方でも指折りの大型プールが新都に造られたほどだ。赤字続きで市の財政を傾けたりもしたが、それでも需要はあるため九十年代に民営化してからは客足は好調である。ローカルテレビではバラエティー番組のロケ地としても度々登場しインディーズバンドのPVにも出てきたことから知名度も高い。街の主要なレジャースポットといえるだろう。

 そのプールからも歩きでいける距離にあるとある一軒家では、住人がプールの夢を見ていた。もっとも、夢見るといっても玄関先で酔っぱらいのようにねっころがり、額に汗を浮かべるという、どう見ても安眠とは程遠い状況だ。何せ気温は三十度を越えている。南中した太陽はレーザーのような強烈な日光を冬木の街に直角に照射していた。

 やはり寝苦しいのだろう、全身に汗をかいた住人は寝返りをうった。年令はまだ小学校に上がったばかりか。乱雑にはだけた服からは玉のような汗をかいた肌が見える。この熱中症のようになっている幼女が聖杯戦争の参加者、マスターの一人である高遠いおりである。


499 : 【30】ベストバウト・サマーデイズ ◆txHa73Y6G6 :2015/12/03(木) 01:30:45 XzxxExPc0


 いおりは聖杯戦争での初陣を辛うじて勝利で飾った。

 無差別に人を襲う凶悪なバーサーカー・サイト。圧倒的な力を持ち恐るべきマスターを持つバーサーカー・ヘラクレス。どちらも彼(女)のサーヴァントであるランサー・アリシアより歴然と格上の相手である。それら二騎のサーヴァントと連戦をして奇跡的な勝利をおさめた。

 しかし払った代償も大きかった。ランサーはまさしく満身創痍であり、魔力の消耗も激しい。加えて彼女の情報も他の主従に流れてしまっている。それがこれからの戦いにどう響いてくるかははっきりとはしないが、マイナスになるのは間違いないだろう。
 そしていおり本人にも大きな影響があった。既にその手からは令呪が一画失われている。それはつまり、切り札を一つ失ったことに他ならない。聖杯戦争が最長一ヶ月のスパンで行われることを考えれば、初日の数時間で一画失ったことはこれから執れる戦略戦術の幅が大きく狭まったと言って語弊はないだろう。

 だが一番の問題は、やはり魔力の消費だ。ランサーの燃費は良い方ではあるし召喚の際の魔力や令呪による魔力もある。しかし、それでも宝具を使えば消耗は避けられない。そしていおりには、少しの消耗でも大きな問題となった。いおりは魔力を持たないからだ。

 そもそも、いおりの体は本来の物ではない。いおりがまだ彼、男子高校生であったときには、もしかしたら魔術回路はあったのかもしれない。
 だがいまやその体の大部分は作り物だ。それも科学技術の産物足る生体部品によってだ。そこに魔術の要素が入る隙間などあるだろうか。

 故に、いおりはごくわずか、聖杯によって供給される量しか純粋に魔力としてランサーに渡せない。それを越えて魔力を供給しようとするならばそれは自分の心体を犠牲にする以外に道はない。そして今まさにいおりはその身を知らぬ内にすり減らしていたのだが、幸いにもいおりは目覚めようとしていた。


500 : 【30】ベストバウト・サマーデイズ ◆txHa73Y6G6 :2015/12/03(木) 02:12:04 XzxxExPc0

(なんだ……気持ち悪い……)
「ーーーー」
(……あれ、『暑い』って言った……つもりで、声が……)

 それは暑さのおかげだった。ビル風に吹きさらされる屋上に薄着で居たときとは違い、日光の照りつける昼間となれば直射日光を受けずとも体感温度は上昇する。まして風のない室内となれば外気よりも温度は上がる。エアコンのない締め切った家はまさしく蒸し風呂でありそこは人を死に至らせる環境なのだ。その環境の変化は子供の体になったいおりには甚大なものであり短い人生経験からでもこのままでは生命の危機が致命的なものになると脳が判断したのである。
 しかし、その判断は英断ではあったがやや遅かった。魔力の減少による体調の悪化というのは経験がないからか、体の消耗はかなり大きい。何より喉が声を出せないまでに乾ききっていた。

(なんだ……なんか力が……これ……抜ける……)
(……そうか!ランサー……アリシアに魔力……渡してるから……)
(ちょっとまてこれどうやって止めるんだ?!ヤバい、めちゃくちゃ気持ち悪い……熱か?声が出ない……)

「ランサー……頼む、起きて……起きてくれ……」

 かすれた声をいおりは絞り出すもそれは余りにか細い。アリシアの立てる寝息にかき消されるほどの声では望んだ結果など得られない。

「ていうかなんで霊体化しないで寝てんだ……おーいランサー、アリシアー、アリシアさーん!?」

 いおりは強行手段に出た。くらつく頭と体を気合いで動かすとランサーを揺さぶる。しかし起きない。相手はサーヴァントである。

(くそッ!このままじゃ死ぬ!体が干物みたいになっていってる……イヤだ、こんな死にかた……なんだよこのしょっぱい死にかた……小学生助けてトラックに引かれて生き返ったと思ったら小学生になってて干物みたいになって死ぬって……もう小学生関係ないじゃん……)
「ぅ、ぅうおおぉっ!アリシア起きろ!」
「痛あああぁぁッ?!??!」

 ついにいおりは拳を降り下ろした。それは狙い済ましたようにアリシアの折れた肋に突き刺さる。小学生の手でもわかる嫌な感触とアリシアの絶叫を感じながらぐったりといおりは倒れ伏した。


501 : 【30】ベストバウト・サマーデイズ ◆txHa73Y6G6 :2015/12/03(木) 02:42:42 XzxxExPc0



「はい、というわけでこうなりました……」
 誰に言うともなくいおりは夏の暑さでぬるま湯となった湯槽に浸かって呟いた。風呂の蓋には1.5lのジュースのペットボトルが置かれシュワシュワと音を立てている。それは未開封のものだったのだが既に半分ほどの量にまで減っていた。

 あれからマスターの惨状に驚いたランサーによって介抱されたのだが、あいにく召喚されて日の浅いランサーに現代文明の利器は些か難しく、「とりあえず冷たい物と水浴び」ということでこのようなスタイルになったのだ。

「いやぁ、ゆっくり体冷やすって意味ではあってるかもしれないなわりかし。」

 そう言うとぐったりと首の力を抜いて背中を預ける。浮き上がった足をチャプチャプとしながらぼんやりと天井を見上げた。

「寝すぎたからかな……ぜんぜん眠くならない……動きたくないけど。」

 ポツンとしばらくして呟く。頭の中では色々な光景がフラッシュバックしているが、いちいち考える気にはならない。「あの白い子生きてるかなー」とか「明日の昼かー」などと時々口にするも深く考えを巡らせようとは思わなかった。
 いおりは頭の中の歯車がギシギシと音を立てているような気がした。錆び付いて動く度に金属の粉がこぼれ砕ける光景がフラッシュバックの合間合間に覗く。

「あー……今日は早く寝……付けないな、どうすっかなー……」

 ちゃぽんと頭まで水面に沈めるといおりは湯槽から上がった。


502 : 【30】ベストバウト・サマーデイズ ◆txHa73Y6G6 :2015/12/03(木) 03:54:20 XzxxExPc0



「お、涼しい。」
「あ、マスター!じゃなくて……イオリ。」

 水風呂から上がったいおりは涼やかなリビングに驚きの声を上げた。先ほどはエアコンがなんなのかよくわかっていないような感じであったのに今や部屋はキンキンに冷えている。

「その……大丈夫?病院で見てもらったほうがいいと思う。魔力とかそういうのはわかるとは思わないけど、それでも……」
「あー大丈夫!ちょっと日射病?みたいになったけど、体冷やして水分補給したから。」

 心配そうに声をかけるランサーに軽く手を振りいおりは返事をした。ひらひらと手をさせてランサーに笑みを向ける。確かに体調は悪いし正直病院に行こうかとも思ったがランサーに余計な心配はかけたくなかったし外に出る気にもなれなかった。それよりも、といおりは鼻をひくつかせる。入ってきたときから胃袋を刺激する何か良い匂いが漂っていた。

「ラ、アリシアって料理できたのか。」
「主婦だったからね。これ……冷蔵庫でしょ?あんまり食材が無かったから大したものは作れなかったけど、卵のリゾットを……」
「おー、美味しそう!」

 いおりとしてはそこまで長風呂していた気はないのだが、あれから一時間以上たっていた。その間に手際よくランサーは慣れぬキッチンと家電、そして食材に悪戦苦闘しつつ調理を済ませていた。それが、今フライパンから皿へと移される。

 卵のリゾット。
 スライスチーズは細かく切られていた。トマトソースがしつこすぎないように煮込まれ、玉ねぎとベーコンが赤く黄色い波の中に浮かんでいる。ふわりと香るのは牛乳と醤油だ。あまり同時に使われることのなにこの二つの液体だが、ランサーはたんぱく質と塩分という面だけではなく味わいの相乗効果にも目を向けていた。
 ことん、といおりの前に置かれたそれは消耗した体が栄養を補給すべく早急に接種しようとつばを大量に供給する。
 「いただきます!」と叫ぶといおりはれんげを手にがっついていた。熱い。粘度を持ったそれが舌にまとわりつき、灼く。それをジュースで飲み下す。すぐにれんげを口に運ぶ。反復運動は終わらない。れんげは皿と口とをリゾットを乗せあるいは乗せるために行き交う。

(そんなに食べられるなら、大丈夫かな。)

 ランサーは黙っていおりの首にかかるタオルで額の汗と水滴を吹いていく。現在のいおりはパンツ一枚にタオルを引っかけているという有り様だ。頭も乾かさずに出てきたのだろうが、このままでは風邪を引いてしまう。
 せめて服を着てから食べたら、と言おうとして、やめる。わしゃわしゃと頭を拭いても何事もないようにいおりは食べ進める。
 それを見て苦笑しながらランサーは頭を撫でた。


503 : 【30】ベストバウト・サマーデイズ ◆txHa73Y6G6 :2015/12/03(木) 04:04:57 XzxxExPc0



【新都・高遠いおりの自宅/2014年8月1日(金)1309】

【高遠いおり@一年生になっちゃったら】
[状態]
魔力消費(極大)、衰弱(小)、当分寝なくていい。
[残存霊呪]
2画
[思考・状況]
基本行動方針
死にたくないし死なせたくない。
1.食う。
2.サーヴァントってスゴすぎるだろ‥‥
3.バーサーカーのマスター(イリヤ)が心配。
4.あの娘たち(茜と幸村)は逃げ切れたよな?
5.明日の正午、冬木ホテルに言ってアサシンと話す?
[備考]
●所持金はほぼなし。あっても幼稚園児レベル。
●ランサーの名前がアリシア・メルキオットであること以外は世界大戦の英雄だということしか知りません。もちろん出身世界が違うことには気づいてません。
●ランサー(幸村)、バーサーカー(サイト)、アサシン(扉間)、バーサーカー(ヘラクレス)のステータスと一部スキル、宝具を確認しました。


【アリシア・メルキオット@戦場のヴァルキュリア】
[状態]
筋力(5)/E、
耐久(5)/E+、
敏捷(10)/D+、
魔力(10)/C+、
幸運(50)/A、
宝具(40)/B
全身の至るところを骨折・打撲、魔力消費(大)、魔力不足によりステータス低下、魔力供給がほぼストップ。
[思考・状況]
基本行動方針
まだ良くイオリのことを知らないけれど、マスターを生きて元の世界に帰す。
1.今はこのまま……
2.もっとイオリ(マスター)のことを知りたい。
3.できればランサー(幸村)とそのマスター(茜)にもう一度会って同盟を組みたい。
4.アサシン(千手扉間)とも話をしたい。
5.バーサーカー(ヘラクレス)とそのマスター(イリヤ)の安否が気にならなくもない。
[備考]
●マスターの本名が高遠いおりだと思っています。また六歳の女の子だと思っています。
●バーサーカー(ヘラクレス)に半端な攻撃(Bランク以下?)は通用しないことを悟りました。
●傷を若干治癒しました。
●現代の家電が使えるようになりました。


504 : ◆txHa73Y6G6 :2015/12/03(木) 04:05:30 XzxxExPc0
投下終了です


505 : ◆txHa73Y6G6 :2015/12/03(木) 23:59:55 XzxxExPc0
投下します


506 : ◆txHa73Y6G6 :2015/12/04(金) 00:15:30 a8h.x8nM0
投下を中止します
クロノ・ハラオウン&ライダー(五代雄介)を予約します


507 : 名無しさん :2015/12/06(日) 02:47:18 kJqhBqdQ0
おお、少し見ないうちにいろんな組の精力的な投下が…乙です
卑劣様が微妙に幸村たちのペースに巻き込まれてるの笑う、まぁ兄者の例もあるしなぁ
テレサ組もルナたちやケリィたちも、マスター側の行動にサーヴァントが驚かされるパターン多いw
いおりとアリシアも妙に味のあるやり取りしてて楽しい
状況は動いてるけどさてどうなるやら


508 : ◆txHa73Y6G6 :2015/12/06(日) 23:55:09 4qT/44MY0
感想ありがとうございます
サーヴァントとマスターは一蓮托生といえど、文化や価値観、場合によっては時代や世界も違いますからね、たぶんお互いに驚きの連続だと思います
いかに主従で2014年8月の冬木に対応できるかもこの聖杯戦争を戦い抜く上での重要な要素になると思います
そして書き始めてか気づきましたが、この条件だと兵部が一人だけ鬼有利でした
なにせ原作でも組織犯罪やってましたからね


509 : ◆txHa73Y6G6 :2015/12/08(火) 23:59:16 yzLfgF4k0
投下します


510 : 【31】北上 ◆txHa73Y6G6 :2015/12/09(水) 00:43:03 W6kq0GBI0



 聖杯戦争の舞台、冬木市は日本海に面している。
 暖かな対馬海流のお陰で冬の寒さは和らぎ、近代的な港が整備される前までは豊かな漁場でもあった。その名残は今でも未遠川に生きる魚達が雄弁に物語る。色々と曰く付きの土地のようにも言われるが、自然はそ知らぬ顔で確かに息づいていた。

「クロノォ、これ、オマケ。」
「えーと、ハマグリと、アサリ、ですか?いいんですかこんなに?」
「いいんだよいいんだよ、遠慮なんかするな。それに、実はさ、それちょっと小さいんだよ。時々仕入れてから気づくことがあってな、店に出すと近所のジイサンバアサンになに言われるかわかんないわ捨てるわけにはいかないわでめんどくさくてよ。だったらお前にやった方がいいだろ。」
「ありがとうございます、後でシーフードカレーにしてお裾分けしますね。」
「おお!そいつは楽しみだ、じゃあまたな!」

 そういって騒々しく出ていく男を見送ると、クロノ・ハラオウンはほっと息を吐いた。


511 : 【31】北上 ◆txHa73Y6G6 :2015/12/09(水) 01:41:46 W6kq0GBI0

「もう少し休んだほうがいいと思うよはいコーヒー。あ、これから寝るんだったらまずいか……」
「いや、大丈夫です。ちょっと戸惑っただけで。コーヒーもらいますね。」

 いつの間にか後ろにコーヒーを持って立っていたライダー・五代雄介にそう応える。カップを受けとり口に運ぶと想像以上の甘さが口を満たした。思わず眉を寄せるが、ストレスから逃れようと体が甘味を求めるからかハイペーストで飲み進めていく。ほどよい温さも助け気がつけば数分と経たずに飲み干していた。

「甘いですね、ずいぶん。」
「さすがに甘過ぎたかな……」
「たまにはこういうのも。」
「そう?ああ、じゃあ今度はチリペッパーコーヒー試してみる?目覚めるよ〜。」
「……遠慮しておきます。というか、それコーヒーなんですか?」
「パンチが利いてて眠気は一発で覚めるよ。スゴい喉乾くけど。」

 これが甘くて良かった、と心中で思いながら「おかわりいる?」と聞いてきたライダーに「もう一杯、今度はブラックで」と反す。
 クロノの分とライダーの分、二つのカップを持ってコンロに向かうライダーの背中から目をはなすと、クロノは仕入れた魚介を冷蔵庫へと手際よく入れていく。だが頭のなかでは先程の魚屋の青年のことを考えていた。

「さっきのツンツン頭の人のこと考えてる?」

 静かな水音と背中越しにライダーは聞いてきた。

「それも特技の一つですか?」
「う〜ん、まあそうかな。」

 クロノがおかわりすることを見越してか単に自分が飲みたいからか、多目に作っておいたのだろう。振り向けばライダーは既にカップにコーヒーを満たしていた。よく見ればカップの淵には溶けきらなかったであろう砂糖の粒が波打ち際に取り残されたか泡のようにキラキラとした光を反す線をつくっている。入れられた砂糖の多さとそれをなんなく飲み干した自分に驚きながら「二杯目はブラックを頼んで良かった」と呟いてカップを受け取った。


512 : 【31】北上 ◆txHa73Y6G6 :2015/12/09(水) 02:17:05 W6kq0GBI0

 「自分は知らないのにーー」とクロノは口にした。今度は、クロノはゆっくりとコーヒーを飲んでいた。既に十分、とはいかないまでもそのくらいの時間が経ったとライダーが思うぐらいの間だ。その間に、なにか色々と整理したのだろうか。クロノは続けた。

「知らないのに、相手はこちらのことを知っている。」
「それも『そうであることを知って』話しかけるような感じではなくて、『旧知の間柄』であるかのように。」

 クロノは唇をコーヒーに浸けた。

「自分の頭に、自分の人生で関わったことのない人が、『関わったことがあるかのように』記憶されている。」
「これは、気持ちのいいものじゃない、そう思って。」

 クロノはまた、コーヒーに唇を浸した。

 ライダーは一口飲むと口のなかでコーヒーを転がす。
 苦味と酸味が舌の異なる部分の味蕾を刺激し呼吸の度に鼻腔を薫りが満たす。
 それがすっかり一肌になり唾液でとろみを帯びてから飲み干すと口を開けた。

「頭に……自分のものじゃない……違うか。」
「自分が知らない自分の記憶がある、てこと?」

「ーーはい。」

 う〜ん、とライダーは頭をかいた。頭をかき、そして、またコーヒーを飲む。こういうときになにか気の利く言葉の一つも言いたいが、さしものライダーもこのような状況の人間になんと声をかけるべきかは簡単にはわからない。壁掛け時計の秒針が刻む音がしばらくささやかに時の流れを伝えていた。


513 : 【31】北上 ◆txHa73Y6G6 :2015/12/09(水) 03:24:41 W6kq0GBI0


 やおら、クロノはカップをシンクに置いた。中身は空。ライダーもカップを覗けば、既にその黒い液体が冷めきっていることに気づく。

「ーーいいの?」
「ええ、今は。まだ。」

 「それよりも」と言いながらクロノはレジの下の棚からごそごそとファイルを取り出す。取り出されたのは、一枚の簡略化された地図だ。商店街の様々な店を特徴をとらえつつデフォルメして記したそれを一つのテーブルの上に広げると、一つ一つ指さして確認する。

 「どこいく?」ライダーは隣に立つと聞いた。「今度はハズレです」とクロノは返す。

「記憶を整理しました。」
「魚屋がツンツン頭の相良さん、八百屋が左頬に傷がある樋園さん、肉屋が看板娘のいる二階堂さん。」
「この店と関わりが深いのはとりあえずはこの三店です。NPC、プログラムらしいですけど疑われないようにしないと。」

 「ご近所付き合いは大事」とライダーは頷いた。なるほど、自分のマスターは既に切り替えたのだろう、と判断する。
 「あれ、ていうと……」とライダーは続けた。視線はキッチンへと向かう。

「もしかして、お店開ける?」
「喫茶店というのは人が集まりますから。それに、『クロノ・ハラオウンは滅多なことでは店を休まない』と『思い出し』ました。」
「それって、その、設定でしょ?」
「設定から外れれば、それだけで目立ちます。そうすれば思いもよらないところでマスターであることが露見しかねない。」
「開けたほうがバレやすいんじゃ?そのほら、魔力とか。」
「ここは夜のうちに一通り対策をしておきました。この店からでない限りは、まずわからないかと。」
「どうりで、徹夜して……」

 ライダーはコーヒーを飲み干した。それがふと、あることを気づかせる。

「さすがにサーヴァントがいるのはバレるんじゃ……」

 クロノはファイルからまた一枚の紙を取り出した。今度は、冬木市全域を詳細に記した、正確な地図だ。その一点、冬木大橋を指で示す。

「確かに、サーヴァントが実体化していればそうなると思います。」
「なので店を開けている間は極力霊体化するか店から離れていてもらえれば……それに。」

 次にクロノが取り出したのは新聞だ。その一面には冬木大橋の惨憺たる姿が大きな写真で写っている。

「調べてほしい場所もありますし。」



 「じゃあ冬木大橋に着いたら連絡するよ」という言葉を最後にライダーは霊体化する。数十秒後、既に聞き慣れたエンジン音が遠ざかっていくのを聞いてクロノは椅子に腰を下ろした。
 頭にちらつくのは金髪の少女。彼よりも幼く小さい影だ。

「ホームシックになってる場合じゃないな。」

 振り払うかのように、頭を強く振る。目をギュッと二三秒ほどつむったかと思えばカッと開く。立ち上がる。この間腰を下ろして十五秒。


「さあ、開店だ。」

 自分でない自分を自分が自分であるために。
 クロノ・ハラオウンは喫茶店・翠屋のマスターとして聖杯戦争に挑む。


514 : 【31】北上 ◆txHa73Y6G6 :2015/12/09(水) 03:38:17 W6kq0GBI0



【深山町・マウント深山商店街・喫茶「翠屋」/2014年8月1日(金)0900】

【クロノ・ハラオウン@魔法少女リリカルなのはA's】
[状態]
魔力消費(小)、カフェインによる活性。
[装備]
S2U(待機)、デュランダル(待機)
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争、ムーンセルについて調査する
1.翠屋のマスターとしての役割を演じ、情報を集める。
2.ライダーからの連絡を待つ。
3.あの女サーヴァント(リップバーン)は一体……?
4.折を見てマスターと確認できた少年(亘)と接触する
[備考]
●深山町マウント深山商店街にある喫茶店「翠屋」が拠点として設定されています。
クロノはそこのマスターです。
●リップバーンの死や行動について強い疑念を感じています。
●翠屋を拠点化しました。建物内の対象にたいして魔力を感知しづらくなります。またそれ以外にも何らかの処置が施されている可能性があります。
●冬木市におけるクロノ・ハラオウンについての記憶を整理しました。NPCに違和感を与えにくくなります。

【ライダー(五代雄介)@仮面ライダークウガ】
[状態]
筋力(10)/E、
耐久(20)/D、
敏捷(10)/E、
魔力(10)/E、
幸運(40)/B、
宝具(??)/??
実体化、魔力消費(小)、精神的消耗(小)
[思考・状況]
基本行動方針
クロノ君を助けながら聖杯戦争を止める
0.乗っているサーヴァントとは殺し合うしかないのか……
1.まずは冬木大橋へ。
2.あの子(亘)は無事なのか……?
3.できたら協力してくれる人が欲しい
[備考]
●バーサーカー(小野寺ユウスケ)の存在にはまだ気づいていません。
ペガサスフォームに変身すれば存在を感知できるかもしれません。
●封印エネルギーを込めた攻撃は「怪物」の属性を持つ者に追加ダメージを負わせることができるようです。
ただし封印エネルギーによるダメージは十分程度時間が経つと自然に回復してしまいます。


515 : ◆txHa73Y6G6 :2015/12/09(水) 03:38:41 W6kq0GBI0
投下終了です


516 : ◆txHa73Y6G6 :2015/12/09(水) 23:59:24 W6kq0GBI0
投下します


517 : 【32】波、騒音、港にて ◆txHa73Y6G6 :2015/12/10(木) 00:43:26 d.6jFc.w0



 「さてーー」とアリスは頬に指を当てる。なるほど、彼女は人形使いだが、その顔はどこかビスクドールのような硬質さとシルクのような柔らかさを感じさせる。陶器のようにも見える肌に指が軽く沈み込み、小さな曲線を描いてもその印象は保ったままだ。

「どうしようかしら、アーチャー。」

 耳に心地好い声でそう傍らの彼女のサーヴァント・アーチャーの赤城に問いかける。


「どちらも全く動きませんしーー」

 聞かれてアーチャーは困惑の声をあげた。彼女はこういう分野の判断は専門ではない。そもそも対人戦闘や対人関係はほぼ門外艦だ。

 それに、彼女の言ったとおり視線の先にいる二人は、彼女達が見つけてからピクリとも動いていない。優に五分は経ち、彼女達が相手の二十メートルほどの距離まで近づいても未だ目に見える反応はない。
 二人の間に沈黙が、正確に言えば四人の間に沈黙が流れる。「まずは」と十秒ほどしてアリスは言った。

「ここに向かってきてる二騎を待ちましょう。」


518 : 【32】波、騒音、港にて ◆txHa73Y6G6 :2015/12/10(木) 02:10:24 d.6jFc.w0



「悪いな慎二、タクシー代払わせちゃって。」
「どうせお前が来なくても港には行くつもりだったからな、それに割り勘するだけの金も持ってなさそうだし。」
「い、一応千円ぐらいは持ってるよ!」
「千円て……小学生か?」

 そんなことをガヤガヤと言いながら二人の少年がタクシーから降りてきた。
 癖毛の少年が間桐慎二、均整のとれた体格の少年が色丞狂介だ。知ってか知らずか、同じ高校に通っていることになっている二人は同じように聖杯戦争の参加者たるマスターであり同じキャスターのクラスのサーヴァントを従えている。
 そんな二人は、ホテルであって以来ここまでなし崩し的に行動を共にしていた。

「て言うか、なんでお前ついてきたんだ?さっきは家に帰って寝たいとか言ってなかったか。」
「いやそれは……他のサーヴァントを見つけたのに見過ごすないわけにもいかないし、それに慎二は会いに行くんだろ?」

 慎二の問いに狂介はそう返した。慎二としてはホテルでタクシーに乗るときに別れるつもりだったのだが、意外にも狂介は慎二と行動を共にすることを選んだ。これは、狂介としては初めて会った自分以外のマスターを守りたいという意識からだったが、それを察するのは慎二は不可能だった。ただ、『少なくとも自分が生き残るのに邪魔にはならない』程度の評価を狂介にしていたため、またこれまでの行動からある程度信用するにたると判断したために慎二は同行することを受け入れた。

 ふん、と鼻を鳴らすと「足手まといにはなるなよ」と言って前を行く慎二。
 「そんな無防備にーー」と後を追う狂介。
 二人は少しして足を港に踏み入れる。


 慎二のキャスター・フドウは、そんな二人を眼差していた。その表情は霊体化して伺えないが、たとえ実体化していたとしても感情を読み取ることは難しいだろう。もっとも、彼をよく知る者ならばそれが彼なりの笑みだと気づいただろうが。
 狂介のキャスター・パピヨンは、一転苦々しく二人を見ていた。こちらも霊体化とマスクによって感情を知るのは容易ではないが、その不機嫌な表情とは裏腹に機嫌は悪くないとこちらも彼を知る者ならばわかっただろうが。
 そうして、四人は風変わりな四人を見つけた。


519 : 【32】波、騒音、港にて ◆txHa73Y6G6 :2015/12/10(木) 02:40:19 d.6jFc.w0



 「御取り込み中だったかな?」と四人のマスター四騎のサーヴァント四組の主従が集まった場で最初に声を出したのは慎二だ。
 「いいえ、私達も貴方達と同じよ」と向かい合うアリスは返答する。
 「それって、戦う気はないってこと?」と狂介は質問を投げかける。
 「私達に交戦の意図はありません」と返事をしたのは赤城だ。
 「だったらそんな『目』で視るのは止めるんだな」とパピヨンは霊体化をといて発声する。
 「■■■■■■……」そこで初めて、微動だにこれまでしなかったヘラクレスが唸り声を挙げる。
 「……」無言で実体化したのはフドウだ。静かにそこに現れるとヘラクレスへと視線を向けて佇む。
 「……んん……」と微かな声を聞かせたのは眠り続けていた真っ白な少女イリヤ。

 その場の全員のーーバーサーカーさえ目を向けていたーー視線が一点に集まる。七人のバラバラな者達に囲まれるイリヤは、まるで毒林檎を食べた白雪姫のようだ。その目がゆっくりと開く。しばらくして。

「ーーどういう、こと……?」

 ポツリとイリヤは呟いた。


520 : 【32】波、騒音、港にて ◆txHa73Y6G6 :2015/12/10(木) 04:11:33 d.6jFc.w0



 イリヤは混乱していた。それもそのはず、つい先程ーーといっても彼女が気絶していたために実際は数時間前なのだがーーアサシンとランサー二騎の計三陣営と交戦していたと思っていたら、気がつけば全く別の場所でアーチャーとキャスター二騎の計三陣営に取り囲まれている。しかも何があったのか、体は冷えきり、全身の感覚はなく、声を出すのにさえ筋肉が悲鳴をあげる。
 彼女が普通の人間ならば死んでいてもおかしくないような状態だったのだ。それを彼女が知らないだけでこのような不調は当然だと言える。しかし、彼女はアインツベルンの至宝とも言える技術の粋を集めて産み出されたホムンクルスでありマスターだ。酷い頭痛に顔をしかめながらも状況把握は怠らなかった。

 「つまり」と眉間にシワを寄せてイリヤは言った。絶え間ない頭痛は頭を割らんばかりだが、彼女は自分が理解した状況からもその表情になっていた。

「貴方達は聖杯戦争をする気がないわけね?」
「うん。殺しあうなんて、それが願いのためでも、そうしなきゃ帰れなくても、おかしい。なんとかこの戦いから脱出しよう。」
「まあ、私も命懸けでそんなバカなことはしたくないわね。他に同じようなこと考えてる人がいるとは思わなかったけど、せっかくだから協力するわ(抜け道が見つかるまで)。」
「僕もだ、殺し合わせて最後の一人になったら願いが叶う?そんなののどこが聖杯なんだ。呪いのアイテムじゃないか(とりあえず話を合わせとくか)!」

 イリヤを囲む三人のマスターが表明したのは、聖杯戦争の否定だ。
 なるほど。わかった。そうイリヤの中で何が動いた。

(わかった、わかったわ。)

 彼らは気づかなかった、聖杯戦争を否定することが、目の前の少女にどのような影響をもたらすかを。

(ーー名前を、覚えておかないと。)

 イリヤは上体を起こした。しっかと三人のマスターの顔を見る。頭に焼き付けるためだ、不埒者共の顔を。

「名前を、聞いていいかしら。」

 にわかに、各々のサーヴァントのプレッシャーが増す。それはイリヤの言葉にこもる怒気のためか、それとも。

『アーチャー、合図をしたら海へ行って。』
『弓はどうします。』
『私がやる。』

 一人、マスターの中でアリスだけがその剣呑な空気に気づいてアーチャーに支持を出す。海を駆けるアーチャーと空を飛べるアリスならば、初撃さえかわせば逃げられるだろう。そして相手がバーサーカーならわざわざアーチャーの武器を使うまでもない。アリスの魔法で港ごとマスターごと消し飛ばせば良いだけだ。

(タイミングが悪かったわね。)

 アリスは二人の少年を見る。一応口では聖杯戦争からの脱出を主張している二人は生かして起きたいのだが、それで好戦的なバーサーカー主従を仕留め損なうのも面倒だ。それに二人とは会って数分の仲だ。ほとんど会話もしていない他人同然の相手を気にかけるほどアリスはお人好しではない。運良く生き延びることを期待しよう。なに、彼らが本当に『乗っていない』のならば次会ったときに刃を向けるようなことはないはずだ。

(一応名前は覚えておこう。)

 二人の少女の視線を二人の少年は浴びる。彼らは気づかない。その名前を言い終えたときが彼らの最後になるかもしれないとは。

「色丞狂介だ。」
「僕は間桐慎二。」

 軽く二人は告げる。自らの名前を。そしてーー

「間桐?今あなた間桐て言ったの?」
『ストップ、アーチャー』

 意外そうな表情でイリヤは言った。これはアリスの予想外の反応だ。二人の少女は動きを止める。

「ああ、まあ、聖杯戦争に参加するぐらいなら君も知ってるか。」
「始まりの御三家、オリジナルの聖杯戦争のオーナー。」
「その跡取りさ。」

 慎二は平然と、しかし自慢気に、だがどこかやけっぱちに言ってのけた。

「「「オリジナル?」」」

 しかし他の三人のマスターが気にかけたのは間桐という名ではない。もっと、この聖杯戦争の根源に関わることだ。
 だが慎二は声を揃えて聞いた三人に不審の目を向ける。彼からすれば彼女達のリアクションは不可解きわまりないものだった。
 故に、知らず彼は場を更に混乱させる言葉を続ける。

「なんだよ。これは冬木の聖杯戦争のパクリ、結界で再現したものだろ?」

「じゃなかったらサーヴァントの上にステータスなんて表示されないだろ、ゲームじゃないんだから。」

「まあでも、これだけ精密に未来の町を再現する上にサーヴァントだってちゃんといるんだ。こんなこと聖杯にしかできない。だからこれは、そういう聖杯戦争なんだろ?」


521 : 【32】波、騒音、港にて ◆txHa73Y6G6 :2015/12/10(木) 04:35:02 d.6jFc.w0



【新都、港近く/2014年8月1日(金)0628】

【アリス・マーガロイド@東方Project】
[状態]
健康。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
幻想郷に戻ることを第一とする。
1.オリジナルの聖杯戦争?
2.とりあえず色丞狂介、間桐慎二の二陣営は相手にしなくてすみそう……?
3.定期的に赤城の宝具で偵察。
4.できれば冬木大橋を直接調べたい。
5.人形を作りたいけど時間が……
6.聖杯戦争という魔法に興味。結界かあ……
[備考]
●予選中から引き継いだものがあるかは未確定です。
●バーサーカー(ヘラクレス)、キャスター(パピヨン)、キャスター(フドウ)のステータスを確認しました。

【赤城@艦隊これくしょん】
[状態]
筋力(20)/D、
耐久(150)/A++、
敏捷(20)/D、
魔力(10)/E、
幸運(30)/C、
宝具(30)/E+++
実体化、魔力消費(小)
[思考・状況]
基本行動方針
マスターを助ける。今度は失敗しない。
1.警戒を厳に、もしもの時は壁役に。
2.定期的に宝具で偵察し必要なら制空権を確保する。
3.魔力を補給したいが今は黙ってる。
[備考]


【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/stay night】
[状態]
全身ずぶ濡れ、低体温症、頭痛、その他程度不明の怪我(全て治癒中)。
[装備]
特別製令呪。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
全員倒して優勝する。
1.オリジナルの聖杯戦争?
2.利用できそうな弱いマスターを利用する?
[備考]
●第五次聖杯戦争途中からの参戦です。
●ランサー(幸村)、ランサー(アリシア)、アサシン(扉間)のステータス、一部スキルを視認しました。
●少なくともバーサーカー(サイト)とは遭遇しなかったようです。
●自宅はアインツベルン城に設定されていますが本人が認識できているとは限りません。
●バーサーカーと共に冬木大橋から落とされました。怪我の有無や魔力消費は不明です。
●アサシン(千手扉間)がハサンではない可能性に気づきました。
●アーチャー(赤城)、キャスター(パピヨン)、キャスター(フドウ)のステータスを確認しました。

【バーサーカー(ヘラクレス)@Fate/stay night】
[状態]
筋力(50)/A+、
耐久(50)/A、
敏捷(50)/A、
魔力(50)/A、
幸運(40)/B、
宝具(50)/A、
実体化、不明、狂化スキル低下中。
[思考・状況]
基本行動方針
イリヤを守り抜く、敵は屠る。
[備考]
●イリヤと共に冬木大橋から落とされましたが少し流されたあと這い上がっできました。


522 : 【32】波、騒音、港にて ◆txHa73Y6G6 :2015/12/10(木) 04:35:35 d.6jFc.w0


【間桐慎二@Fate/stay night 】
[状態]
疲労(小)、精神的疲労(中)。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯を手に入れる。何を願うかは後から決める。
1.……あれ?
2.色丞とは……これは同盟なのか?
3.ライダー(孫悟空)は許さない。
4.間桐家で陣地作成を行う。
5.会場と冬木市の差異に興味。
[備考]
●孫悟空のクラスとステータスを確認しました。
クラス・ライダー、筋力B耐久B敏捷B+魔力D幸運A
このステータスは全てキャスター(兵部京介)のヒュプノによる幻覚です。
●キャスター(パピヨン)、バーサーカー(ヘラクレス)、アーチャー(赤城)のステータスを確認しました。
●この聖杯戦争を『冬木の聖杯戦争を魔術で再現した冬木とは別の聖杯戦争』だと認識しています。

【キャスター(フドウ)@聖闘士星矢Ω】
[状態]
筋力(30)/C、
耐久(40)/B、
敏捷(60)/C+、
魔力(100)/A+、
幸運(50)/A、
宝具(50)/A
実体化。
[思考・状況]
基本行動方針
マスター・慎二を見定める。今のまま聖杯を手にするならば━━
1.成り行きにここまで任せてきたが……
2.今は慎二に従い、見定める。
3.求めるなら仏の道を説くというのも。
4.色丞狂介、か……
[備考]
●慎二への好感度が予選期間で更に下がりました。ただ、見捨てたわけではありません。
●狂介に興味を持ちました。
●孫悟空が孫悟空でないことを見破っています。


【色丞狂介@究極!!変態仮面】
[状態]
疲労(小)、精神的疲労(中)、ハンバーガー所持。
[残存令呪]
1画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争を止める。悪人をお仕置きする。
1.オリジナルの聖杯戦争?
2. この子(イリヤ)ずぶ濡れだけど大丈夫かな?
3.ランサーだけあって逃げ足は早いんだな……
4.帰ったら家で陣地作成したり核金作ったりしてもらう。
5.下北沢のサーヴァント(サイト)を警戒。冬木大橋も気になるからこのあと寄ってみる?
[備考]
●核金×2、愛子ちゃんのパンティ所持。
●予選期間中にサイトの魂食いの情報を得ました。東京会場でニャースを見た場合、サイトの姿や声を知る可能性があります。
●孫悟空のクラスとステータスを確認しました。
クラス・ランサー、筋力C耐久C敏捷A+魔力B幸運C
このステータスは全てキャスター(兵部京介)のヒュプノによる幻覚です。
●キャスター(フドウ)、バーサーカー(ヘラクレス)、アーチャー(赤城)のステータスを確認しました。

【キャスター(パピヨン)@武装錬金】
[状態]
筋力(20)/D、
耐久(30)/C-、
敏捷(30)/C、
魔力(40)/B、
幸運(50)/A、
宝具(40)/B
実体化。
[思考・状況]
基本行動方針
せっかくなんで聖杯戦争を楽しむ。
1.……マズイ、最近影が薄い……
2.帰ったら家で特殊核金を制作。今日はパピヨンパークは無理か?
3.冬木市の名物は麻婆豆腐‥‥?
[備考]
●予選期間中にサイトの魂食いの情報を得ました。東京会場でニュースを見た場合、サイトの姿や声を知る可能性があります。
●気分で実体化したりします。
●孫悟空が孫悟空でないことを見破っています。
●マスターが補導されたのを孫悟空による罠と考えています。
●ビッグマックとハッピーセットは狂介に押し付けました。


523 : ◆txHa73Y6G6 :2015/12/10(木) 04:36:09 d.6jFc.w0
投下終了です


524 : ◆txHa73Y6G6 :2015/12/10(木) 23:59:50 d.6jFc.w0
投下します


525 : 【33】悲しみを繰り返さない/僕らはどこに行くこともない ◆txHa73Y6G6 :2015/12/11(金) 00:49:09 lHtRKvFo0



 アサシン・千手扉間はランサー達と別れてからマスターである九重りんの元へ向かっていた。

 彼としては、ランサー達の話に耳を傾ける、もとい盗み聞きをすることも考えた。だが、まがりになりにも同盟相手にそのようなことをするのは今後のことを考えれば得策ではない、それにあの二人からは有用な情報は聞き出せそうにない、そう判断してマスターの元に一度顔を出すことを選択した。まだ起きてはいないと思うが寝顔からだけでもだいたいの体調は察せられる。それにもし起きていれば軽くランサー達のことを説明しておける。
 もっとも、アサシンが部屋に戻るのはその為だけではない。そこにはあるアサシンの懸念があった。

(……みな寝ておるか。)

 部屋の前で立ち止まる。本当は霊体化することも考えていたのだが、アサシンの懸念が当たっていればそれは致命的な隙となる。

「!」

 微かな音を立てて扉を開く。その音が部屋の中のものに聞こえるかどうかというほどの速さでアサシンは彼のマスターの脇に現れた。
 静かに風が起こる。カーテンが揺れる。「杞憂だったか」という声をアサシンが発したのはそれらが収まってからだ。


526 : 【33】悲しみを繰り返さない/僕らはどこに行くこともない ◆txHa73Y6G6 :2015/12/11(金) 02:34:10 19sny8zo0


 「起きたらすぐ横に顔があるの嫌なんだけど」というのが九重りんが目覚めて最初に言った言葉だ。アサシンが部屋に戻り霊体化して気配感知をし始めて数分後、目を擦りながらマスターが目覚めるのをまじまじと見ていたアサシンにかけた言葉だ。
 「悪かったな」と事務的にアサシンは謝る。

「謝る気ないでしょ。」
「謝っているだろ。」
「ウソつき絶対謝る気ないでしょ。」
「なぜ俺が謝る必要がある。」
「開き直ったわね……」

 密やかになされた二人の口論を聞くものはいない。そもそも二人ともまじめに口論をする気などない。これは悪態をつきあうという二人なりのコミュニケーションなのだ。

「で、何があったの。」
 もう二人は数日以上の共同生活を送っている。お互いある程度馴れたものだ、だからか『本題』に入るべくりんから話を振った。
 アサシンは窓の外に目を向けて話始める。

「時系列に沿って話そう。」
「冬木大橋という橋がある。この空間の東西を繋ぐ巨大な橋だ。そこで戦闘があった。」
「下手人はイリヤスフィール・フォン・アインツベルンという幼女とバーサーカー。白髪の幼女と鉛色の巨人の主従だ。」
「バーサーカーの主従は赤と青、二組のランサーに襲いかかった。俺がそれに介入した。」

 ここまではいいか、と言いたげにアサシンはりんに視線を向けた。
 「わざわざ手を出す必要があったの?」と聞くマスターにアサシンは「もう一人、いる」とだけ言うと、今度は部屋の名かを歩き始める。

「戦闘の起こる前、マスターの少年が病院に運ばれてきた。その少年は橋で何かにあったらしい。」
「そこで俺は橋を調べた。そして橋にいた人間から情報を得ようとしたが、聞き出せそうな人間はランサー達しかいなかった。」
「情報を得るためにはランサー達に助太刀するしかなかった。」

 アサシンが沈黙する。伺う。りんは「続けて」と一言だけ言った。アサシンは再び歩き始める。

「俺はランサー達と共にバーサーカーと戦った。」
「その結果、バーサーカー達を見失ったがとりあえず退けた。」
「だがランサー達はボロボロだった。赤いランサーは病院に向かった。」

「それってつまり。」
 りんは理解した。
「今この病院には二騎のサーヴァントと三人のマスターがいる。」
 アサシンは告げた。

 りんが苦い顔になったのは言うまでもない。


527 : 【33】悲しみを繰り返さない/僕らはどこに行くこともない ◆txHa73Y6G6 :2015/12/11(金) 03:03:00 19sny8zo0



 「じゃあ、要するに」と女子トイレでりんはアサシンに話しかけた。
 あのあと直ぐに看護婦の見回りがあり、相部屋の患者達が起き出してしまったため二人は場所を移したのだ。

 ーー余談だが、アサシンが女子トイレに入る際それはそれはそれは不機嫌な仏頂面だったのだが霊体化していたためりんは見ることはできなかった。もし彼女が見ていれば一日中アサシンをその事でいじっていただろうがそれはまた別の話であるーー。

「話しかけようとした相手が襲われてたから助けた。」
「そうしたらその助けた相手が病院に来た。しかも私たちがここにいることもバレた。」
「そういうことね。」

 多分に非難が含まれた声でアサシンをなじるりん。アサシンはそれに顔だけ実体化して反論しようして「それ気持ち悪いからやめて」と言われまた憮然とした仏頂面になる。ややあって全身を実体化させながら「得るものはあった」と言った。

「赤いランサー達とは現在同盟の交渉中だ。奴らは傷を負い戦力としては見込めんが囮にはなる。それにあの程度ならいつでも殺せる。」
「青いランサー達とも会合の場をもうけた。明日の昼に会うことになっている。」
「そして無防備なマスターを一人補足している。これは大きな強みだ。人質にも同盟相手にもなり得る。」
「でも私たちが病院にいるってバレたんでしょ?」
「バレてはいない。たまたま俺が病院で奴らと再会しただけだ。マスターの情報はやつらには何一つ渡していない。」

 畳み掛けるアサシンに、りんは黙った。彼女は頭も口も子供とは思えないほど回るが、それが英霊に通じるかと言えばNOだ。それにりんはアサシンがいなければ、とてもではないが聖杯戦争を戦い抜くことなどできはしない。

 大人げなく説き伏せたアサシンにせめてもの抵抗として「陰険と」一つ呟く。
 「言われなれている」とアサシンはにべもなく返した。


528 : 【33】悲しみを繰り返さない/僕らはどこに行くこともない ◆txHa73Y6G6 :2015/12/11(金) 04:24:42 19sny8zo0

「この件で俺から言うべきことは以上だ。質問は?」
「ないない。任せればいいんでしょ。」

 りんはなげやりに返事をする。アサシンと話すと疲れるのだ。ただでさえ気が滅入る殺しあいの場で余計なストレスを抱え込みたくないというのが本音だった。

 ふん、とアサシンは鼻をならす。彼のマスターのこのような態度は今に始まったことではない。普段の彼ならば気にかけることはなかった。
 だが今のアサシンは一つ、大きな懸念がある。その事が、いつもならここで終わる会話を少し長いものにした。

「これは別件だがーー。」

 アサシンが脈絡なく話始める。いつもどうり仏頂面して霊体化すると思っていたりんは少し不審に思ったが、さりとてそれはわざわざ口に出して指摘するほどのものでもない。目で早く言えというメッセージを込めながらじいっと見る。

「お前がもし死んで。」
「お前が愛し、お前を愛するものが。」
「お前を生き返らせるために何十人もの人間を殺す。」

「その時お前は喜べるか?」


 気がつけば、りんはアサシンの首を絞めていた。
 りんは頭の血管、全身の筋肉、骨の髄の隅々に途方もなく熱い何かを覚えた。そのどろどろとした煮えたぎる何かが、アサシンを殺さねばならぬという命令を下していた。

「喜ぶ。」
「喜ぶに決まっている。」
「そんなに愛されてるんだから。」
「喜ばないなんてウソだ自分のためにそこまでしてくれるんだから。」
「世界中の誰よりも一番愛して愛されて愛して愛されてるんだから幸せなんだ。」

 誰が言っているのかはりんにはわからない。声が聞こえてもそれが誰のものか認識できない。ただ文の情報のみを咀嚼する。
 それはアサシンの不意打ちで脳のいくつかの部分が機能していないためか。突然りんのことを揺さぶる言葉が心に脳震盪のように響いたからか。

「!」

 呼吸ができなくなる。視界がうねる。まるで水中にいるかのようだ。心臓のトルク。熱を持ちオーバーヒート寸前のそれ。体中捻れるようにひたすらアサシンの首を絞める絞め続ける。

 どれ程そうしていただろうか。
 九重りんは全身をぐっしょりと濡らしてブツンと気絶した。



 「喜ぶか」と一人アサシンは呟く。今は再び医者に変化し、ある場所へと向かっていた。

 本当は、アサシンはあんなことを言うつもりはなかった。
 彼が言いたかったのは、影分身の持続時間が短くなっているということだ。
 先程残りの二体の影分身が消滅した。それを他のサーヴァントの攻撃によるものである可能性を考え、併せて警告しようと思っていたのだ。
 しかし、気がつけばあんなことを言っていた。否、理由はわかっている。アサシンの記憶がそう言わせたのだ。
 アサシンの影分身は、その経験を術者にフィードバックする。だからだろう。

 アサシンは消えた影分身の記憶を辿り足を動かし、足を止めた。扉だ。
 その扉を開けば、そこはもう死者の領域だ。
 アサシンは、千手扉間は踏みいる。

「橋へ行ったのは無駄足だったか。」

 扉間は進む。この部屋に入ったばかりなのだろう、その少年まで近づくのに時間はかからない。

「なるほど、確かにこういった設備ならば鮮度も保てよう。」

 扉間の手にクナイが現れる。ザン、という音と共に少年の手が抉られる。抉りとった肉塊はすぐさま扉間が出した巻物へと封じられる。手から血は流れない。それを見て、扉間は手をかざす。どこからか何かがより集まり、一見抉られたようには見えないように傷を隠した。
 ちらりと横に目を向ける。名札があった。

「喜べ少年……いや。」

 扉間は合掌した。彼にも、死者を悼む気持ちはある。

「三谷亘、お前には生き返る機会が与えられるだろう。」

 アサシンが霊安室から出ていく。ワタルが聖杯戦争に出た痕跡はアサシンが剥ぎ取った令呪付の肉塊として残せた。



 それが彼に許された最大限の幸運だった。


529 : 【33】悲しみを繰り返さない/僕らはどこに行くこともない ◆txHa73Y6G6 :2015/12/11(金) 04:43:47 19sny8zo0



【新都・病院/2014年8月1日(金)0608】

【九重りん@こどものじかん】
[状態]
精神的ショック(大)、手足に火傷(ほぼ完治)、気絶、びしょ濡れ、???
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争で優勝を目指す。
0.???
1 入院して他のマスターから見つからないようにしておく。
2 アサシンへ(千手扉間)の魔力供給がつらい。
[備考]
●予選で入院期間が長かったためか引き続き入院しています。
入院期間を延ばすには扉間が医師に幻術をかける必要があります。

【アサシン(千手扉間)@NARUTO】
[状態]
筋力(30)/C、
耐久(30)/C、
敏捷(100)/A+、
魔力(10)/B、
幸運(10)/E、
宝具(??)/EX
実体化、宝具使用不可、魔力を四分割したため戦闘になると2ターン目からステータスダウン、避雷針の術の発動条件を満たしているため敏捷が+分アップ、医者っぽい姿に変化、三谷亘の令呪二画付の肉塊を所持(巻物に封印済み)。
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯を用いて木の葉に恒久的な発展と平和を。
1.まずは一人。
2.同盟を結べそうだがランサー(幸村)のマスター(アカネ)が聖杯戦争をわかってないっぽいんでとりあえず保留。七時になったら合流。
3.マスター(凛)が他の組に見つからないように警戒している……ランサーのせいで無理そうだが。
4.三つの問題はもはや後回しでよいだろう。
5.魂喰いの罪を擦り付ける相手は慎重に選定する
6.穢土転生の準備を進める。
7.他の組の情報収集に務める。同時にランサー達を何とか隠ぺいしたいがたぶん無理。
8.女ランサー(アリシア)との明日正午の冬木ホテルでの接触を検討し、場合によっては殺す。
9.バーサーカー(ヘラクレス)は現在は泳がせる。
10.逃げたサーヴァント(サイト)が気になる。
11.聖杯を入手できなかった場合のことを考え、聖杯を託すに足る者を探す。まずはランサーのマスター(日野茜)。
12.マスター(凛)の願いにうちはの影を感じて……?
[備考]
●予選期間中に他の組の情報を入手していたかもしれません。
ただし情報を持っていてもサーヴァントの真名は含まれません。
●影分身が魂喰いを行ないましたが、戦闘でほぼ使いきりました。その罪はバーサーカー(サイト)に擦り付けられるものと判断しています。
●ランサー(アリシア)の真名を悟ったかどうかは後の書き手さんにお任せします。
●バーサーカー(ヘラクレス)に半端な攻撃(Bランク以下?)は通用しないことを悟りました。
●バーサーカーの石斧に飛雷針の術のマーキングをしました。
●聖杯戦争への認識を改めました。普段より方針が変更しやすくなっています。
●ランサー・真田幸村とフワッとした停戦協定を結びました。ランサーのマスターがヒノアカネだと認識しました。
●九重りんへの印象が悪化しました。



【三谷亘@ブレイブ・ストーリー           死亡】


530 : 【33】悲しみを繰り返さない/僕らはどこに行くこともない ◆txHa73Y6G6 :2015/12/11(金) 04:44:26 19sny8zo0



【新都・病院/2014年8月1日(金)0608】

【九重りん@こどものじかん】
[状態]
精神的ショック(大)、手足に火傷(ほぼ完治)、気絶、びしょ濡れ、???
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争で優勝を目指す。
0.???
1 入院して他のマスターから見つからないようにしておく。
2 アサシンへ(千手扉間)の魔力供給がつらい。
[備考]
●予選で入院期間が長かったためか引き続き入院しています。
入院期間を延ばすには扉間が医師に幻術をかける必要があります。

【アサシン(千手扉間)@NARUTO】
[状態]
筋力(30)/C、
耐久(30)/C、
敏捷(100)/A+、
魔力(10)/B、
幸運(10)/E、
宝具(??)/EX
実体化、宝具使用不可、魔力を四分割したため戦闘になると2ターン目からステータスダウン、避雷針の術の発動条件を満たしているため敏捷が+分アップ、医者っぽい姿に変化、三谷亘の令呪二画付の肉塊を所持(巻物に封印済み)。
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯を用いて木の葉に恒久的な発展と平和を。
1.まずは一人。
2.同盟を結べそうだがランサー(幸村)のマスター(アカネ)が聖杯戦争をわかってないっぽいんでとりあえず保留。七時になったら合流。
3.マスター(凛)が他の組に見つからないように警戒している……ランサーのせいで無理そうだが。
4.三つの問題はもはや後回しでよいだろう。
5.魂喰いの罪を擦り付ける相手は慎重に選定する
6.穢土転生の準備を進める。
7.他の組の情報収集に務める。同時にランサー達を何とか隠ぺいしたいがたぶん無理。
8.女ランサー(アリシア)との明日正午の冬木ホテルでの接触を検討し、場合によっては殺す。
9.バーサーカー(ヘラクレス)は現在は泳がせる。
10.逃げたサーヴァント(サイト)が気になる。
11.聖杯を入手できなかった場合のことを考え、聖杯を託すに足る者を探す。まずはランサーのマスター(日野茜)。
12.マスター(凛)の願いにうちはの影を感じて……?
[備考]
●予選期間中に他の組の情報を入手していたかもしれません。
ただし情報を持っていてもサーヴァントの真名は含まれません。
●影分身が魂喰いを行ないましたが、戦闘でほぼ使いきりました。その罪はバーサーカー(サイト)に擦り付けられるものと判断しています。
●ランサー(アリシア)の真名を悟ったかどうかは後の書き手さんにお任せします。
●バーサーカー(ヘラクレス)に半端な攻撃(Bランク以下?)は通用しないことを悟りました。
●バーサーカーの石斧に飛雷針の術のマーキングをしました。
●聖杯戦争への認識を改めました。普段より方針が変更しやすくなっています。
●ランサー・真田幸村とフワッとした停戦協定を結びました。ランサーのマスターがヒノアカネだと認識しました。
●九重りんへの印象が悪化しました。



【三谷亘@ブレイブ・ストーリー         死亡】


531 : ◆txHa73Y6G6 :2015/12/11(金) 05:01:01 19sny8zo0
投下終了です
共通点だけでワタルとサイトを組みましたがやはり魔力0の人とバーサーカーでは無理がありました


532 : 名無しさん :2015/12/11(金) 19:51:44 9BXfYUBU0

囮、犠牲、オレオ……これこそナルトス


533 : ◆txHa73Y6G6 :2015/12/14(月) 23:59:57 FmuIKcYU0
まあ卑劣様が卑劣っていうよりも魔力ないマスターの限界点が死因ですかね
サイトはバーサーカーのなかでは一番低燃費だと思いますが、丸一日無理矢理魔力供給してたらこうなる他はなかったと思います

では投下します


534 : 【34】誰が彼女を背負うのか ◆txHa73Y6G6 :2015/12/15(火) 00:48:07 nxHPSrEA0



 ゆでダコというのは料理の一種であり食材の一つでもあるが場合によっては人間の状態を指し示す言葉でもある。
 バーサーカー・ヒロはタコを見たこともないし食べたこともなかったが、それを言葉としては知っていた。吸盤という丸いぶつぶつのついた八本の足が丸まり、体が真っ赤に変色して質感がぐにぐにとした、とても食用には向かないもののようだがそれでも食べると美味らしい。珍味というものだろう。そういえば東の国ではそれを小麦で包んで焼いた『たこ焼き』なる食べ物もあるという。コンビニにも置いてあるのだろうか?

(なにをわけのわからないことを考えてるんだ私は……)

 暫し茫然としていたバーサーカーは我に返るとまさしくゆでダコ然としたマスターからアーチャー・クロエへと視線を移した。
 アーチャーは、少し前までのバーサーカーと同じようにルナに釘付けになっていた。無理もないだろう、あんな動きをするマスターを、いや、生物など、バーサーカーは見たことがない。噂に聞く人類最強の男でもルナには速さでは劣るのではないか。そう思うほどだ。

「……なに?」
「……いや、別に……」
「……そう……」

 視線に気づいたか、アーチャーはバーサーカーを見て、目が合う。
 なんとなく気まずいものを感じて、バーサーカーはそれだけ言って視線をルナへと戻した。


535 : 【34】誰が彼女を背負うのか ◆txHa73Y6G6 :2015/12/15(火) 02:31:56 nxHPSrEA0



 クロエのマスターである衛宮切嗣は、コンビニのビニール袋片手に西へと向かっていた。
 目的地は、アーチャー達がいるビルの屋上。敵の主従がいるその場所だ。

(日の出すら向かえられないとは。)

 空いている手を顔の前にかざす。先程コンビニで買った安物の手袋に隠れて見えないが、その下にあるのは赤い刺青のようなマスターである印、令呪だ。未だ一画たりとも失うことのないそれだが、切嗣はそれを全て失うことを既に覚悟していた。

(ルナ、だったか。)
(こうなったのなら仕方ない。)
(動けないマスターを殺す。)

 腹は決まっていた。
 あれだけの異能を持つマスターだ。敵に回すわけにはいかない。
 さりとて味方にするには危険すぎる、あのマスターは幼すぎる。
 ならば、今、弱りきったこのタイミングで殺しきるしかない。

(さっきはわからなかった、だが。)
(よく見れば、クロエよりも小さい。)
(……彼女も抱えて、聖杯戦争をするのは不可能だ。)

 殺すのか?また?

 心の中で、問われた気がした。
 理解している、こんな正義の味方はいないだろう。
 だがそれがどうしたというのか。今の衛宮切嗣にとって重要なのは娘であるクロエであり、どこか遠くのイリヤ達であり、聖杯戦争を起こさせないことだ。
 そのためだ、そのために衛宮切嗣は自分の生存を度外視してサーヴァント達の空間を目指しているのだ。

 衛宮切嗣は、自分の意思で、自分の手で、年端もいかないマスターは殺す。
 既にそのための凶器はビニールの袋の中にある。チャチな刃物に武器として使える雑貨。あのような身体能力を持つ相手でなくても頼りないにも程がある装備だが、これでやるしかない。
 経験則だが、あれだけの動きをすれば大なり小なり反動はあるだろう。気絶したのはその証左だ。今なら、今ならたった一本のナイフとすら呼べないような刃物で殺せる。裏を返せば、今を逃せば自分にもクロエにもまず、殺しきることはできないだろう。

 大切なのは、タイミングだ。
 首尾よくあのマスターを殺せても、バーサーカーがいる。クロエが抑えるというのは期待できない。期待してはいけない。ならば、どうすれば、バーサーカーからクロエを守れるか。それは。

(令呪は三画。)
(一画で転移させる。)
(残りの二画で、可能な限りの魔力を渡す。)

 ならば、自分の魂を用いるしかない。

 切嗣は、足を止める。ビルを見上げた。


536 : 【34】誰が彼女を背負うのか ◆txHa73Y6G6 :2015/12/15(火) 02:57:38 nxHPSrEA0



 気絶した人間はちょっとやそっとでは起きない。外部からの刺激ーー代表的なもので言えば痛覚を刺激するためにはたいたりするが、そういったものを受けても起きることはない。死体のように表情を変えないこともままある。嗅覚を刺激するかのようにアンモニアを嗅がせることもあるが、気付け薬ですら起きないときは起きないのだ。
 さてルナはというとその気絶は早くも睡眠に変わりつつあった。原因としては、慣れだろうか。バッタリ気絶してそこから睡眠に移行することもある程度にはルナも修羅場をくぐっている。あるいはルナが子供だからという理由も考えられる。六歳児程度までは心停止の状態から生還する確率が高いという報告もある。それが気絶にもあてはまるのか。またルナが半妖であり、彼女が妖力を解放していて、なおかつ彼女が生命力に長ける九尾の血をひいているからかもしれない。

 とにかく、ルナは眠りにつこうとしていた。それだけははっきりと言えたし、彼女の顔を見た切嗣もそれはわかった。


537 : 【34】誰が彼女を背負うのか ◆txHa73Y6G6 :2015/12/15(火) 05:00:26 nxHPSrEA0



 先にビルから降りてきたのはバーサーカーだ。小さな呼吸音を立てて意識を失っているルナをおぶると外付けの非常階段を一段一段下ってくる。
 彼女が降りきって、切嗣の前に立ったとき、クロエも切嗣の前に現れた。手を伸ばせば、切嗣は彼女の背中に触れることができる。それだけの距離。

 二組の主従は、ようやく向かい合った。


「見つけたのは、お前のマスターだったか。」


 数秒無言で向き合っていた二組だ。だがバーサーカーから話を始めた。


「いいマスターを持ったな。」
「ああ、こいつには驚かさせられることばかりだ。」
「だろうな。」

 クロエは思わず二三、瞬きをした。それは二人の会話のためではない。会話と平行して切嗣が送ってきた念話のためだ。

(ーーわざわざバーサーカーと話しながら『すまない、クロエ』てーー)
(ーーイヤな予感がする。)

 クロエは、神経を尖らせ直し、感じる。なにか今ここで、取り替えのつかないことが始まる予感がする。しかもそれは、自分のマスターであり父である男によってだ。
 切嗣は、苦い顔を心だけでつくりながらルナを殺す算段をつけていた。バーサーカーにおぶられている以上、殺しきるにはアーチャーを戦わせるしかない。しかしそれはアーチャーの生存をこそ優先する切嗣にとって出来る限り避けなければならない事態だ。そして同盟というのも可能なら避けたい。あんなイレギュラーなマスターを抱え込むのはダイナマイトの上にねっころがってタバコを吸うようなものだ。切嗣には到底彼女は御しきれない。
 バーサーカーのヒロは、明確な危機感を持っていた。能力が不明なマスターに同じく能力が不明のサーヴァントを、マスターをおんぶしたまま相手にしなくてはならない。それはバーサーカーにとって途方もなく難しいことだ。バーサーカーの攻撃は、人一人をおぶりながら行えるようなものではない。というより人をおぶって戦える英霊など確実に少数派だろう。しかもバーサーカーの武器は大鎌だ。とりまわしという点では極めて悪い。
 そしてルナは。


 ぐぅ〜〜〜。


(……今のは、腹の虫、なのか?いや、あれだけ音が大きいことを考えればなんらかの魔術によるものと考えるのが妥当か……)
(今のお腹の音?動いたからお腹減ったとかそういうの?そんな小学生みたいな……)
(バカな!あれだけ味の濃いものを平らげたんだぞ!?胸焼けで一日なにも喉を通るはずがない!!)


 人は動けば腹が減る。妖怪も動けば腹が減る。これは真理である。
 ならば、大量の妖力を消費し、エネルギー不足に陥ったルナはどうなるか。

 妖力解放による超身体能力は内臓の機能向上という見えずらい特徴がある。戦闘では役に立たないために軽視されがちだが、彼女が莫大な妖力を持つことができるのは食事による非常に効率の良いエネルギー補給があってこそだ。その消化器官が、食べ盛りの男子学生でも食いきれない量の食事を貪欲に消化し、彼女の血肉へと変えるのだ。
 実際彼女の旅でもっともかかったのは食費だ。元の世界では築半世紀の六畳一間に住むなど、彼女の生活は切り詰めたものだった。切り詰めるしかなかったのだ、彼女を健やかに成長させるには。彼女の仲間は、栄養をつけさせようと食事にだけは最大の気を使っていた。エンゲル係数は発展途上国もかくやというほどだ。子供の貧困が叫ばれて久しいが口に入るものには手を抜かない、それがルナをルナたらしめていた。
 しかし、今のルナはどうか。食事は不規則に惣菜、ジャンクフード。栄養の片寄りと添加物が気にかかる。量だけでは力になりはしない。


 じゅる、と涎を吸う音がした。もちろんルナだ。驚くべきことに気絶から数分でルナは眠っていた。再びぐぅと音がする。振動はバーサーカーを揺さぶる。腸の蠕動運動、それだけで数十デシベルの音を響かせるのはやはりルナの身体能力の高さをその場にいるもの達にこれでもかと知らしめた。


538 : 【34】誰が彼女を背負うのか ◆txHa73Y6G6 :2015/12/15(火) 05:04:08 nxHPSrEA0

「……君のマスターは大丈夫なのか、ゆでダコのように真っ赤になってるが(あれだけの発汗、やっぱり魔術か)?」
「……そうだな、持っていて熱い。下ろしたいな(こんな形で驚きたくなかった)……」
(あ、シリアスにいくんだ。)
「マスターがその調子じゃーーまて。止まれ。」
「どうした。」
「なんでこっちに近づいてくる。」
「下ろしたいんだ。」
「なぜこっちに来る。」
「一度持たせようと思ってな。」
「……わからないな、自分のマスターを他人に預ける真似をする気か?」
「同盟を組むなら他人ではない。」
「(!そういうことか!)まだ同盟が組んでもいないのにそういうことはーー」

 次の瞬間、バーサーカーはルナを投げた。
 投げた異形の左腕はルナに狙いをつけるように向く。
 五メートル程の距離を緩やかな回転をかけながら幼女が飛ぶ。
 バーサーカーの腕に炎が現れる。
 「同盟を組むなら受け止めろ!」とバーサーカーは叫んだ。

(あの音はバーサーカーの魔術か!)
(受けとめなければ自分のマスターごと焼くだと!?)
(あのマスターなら耐えられるのか!!)

(なんで投げんの?)
(え、これ、取らないといけないよね?)
(なんなの先からもう!!)

(戦闘になれば恐らく負ける!燃やしてもルナが死ぬ!同盟をここで取り付ける!!)
(取れ取れ取れ取れ取れ取れ取れ取れ取れ取れ取れ取れ取れ取れ取れ取れ取れ取れ取れ取れ取れ取れ取れ取れ取れ取れ取れ取れ取れ取れ取れ取れ。)
(取れええええええええええええええええええええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!!)

「取るんだクロエ!」
「え、うん?!」
「よし!」
「待ーー」

 ぽふり、と音がしてルナはクロエに抱き止められた。

「ん?」
「取ったな、我がマスターを。」
「これが同盟相手で良かった。でなければ私の炎でお前達を骨すら残さず焼くところだった。」

 バーサーカーが左腕を一閃する。横にあったガードレールが飴細工のように真っ二つになった。

(さすがにあれだけの炎を受けて、この子が生きられるとは思えない。)
(謀られた……!)

 切嗣とクロエの前に、バーサーカーが立つ。差し出すのは人間同様の右腕、握手のポーズだ。

「これで『我々の安全』は大いに増す、そうだろう?」

 視線を向けてくるクロエに頷く。未だ左腕に炎を宿すバーサーカーを前にして、もはや選択肢はない。
 切嗣は、ぎこちなく手を差し出そうとした。しかし、止まった。クロエだ。クロエが一歩前に出てバーサーカーとの握手に応えようとしていた。

「サーヴァント同士のほうがいいでしょ?」
「私は構わない。」
「じゃあ、そういうことで。」

 切嗣は惨憺たる思いだ。他の主従、それもバーサーカーに出し抜かれ、娘に気を使われる。マスターどころか父の威厳すらない。

(どこで、間違えたんだ?)

 ぬるり。頭の片隅で内向けの思考をしていた切嗣に謎の感覚が襲う。熱い。そして重い。

「はいこれ。」

 下を見る。元凶となった汗だくのルナが押しつけられていた。

「手は空いたか。」
「二度と塞ぎたくないわ。」
「私もだ、熱いし濡れるしけっこうかさ張るからな。それじゃあーー」
「「今後とも宜しく。」」



 とにもかくにもここに魔術師殺しと妖界ナビゲーター、二組の主従による同盟がなされた。


539 : 【34】誰が彼女を背負うのか ◆txHa73Y6G6 :2015/12/15(火) 05:18:18 nxHPSrEA0



【新都・前回アーチャー達がいたビルの近くの路上/2014年8月1日(金)0450】

【衛宮切嗣@Fate/zero】
[状態]
五年間のブランク(精神面は復調傾向)、精神的疲労(小)、ルナを抱っこしている。
[残存霊呪]
三画。
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争を止め、なおかつクロエを元の世界に返す。
1.……同盟は、組みたくなかった……
2.バーサーカーなら前衛を勤められるだろうが……むしろマスターのほうが強いのか?
3.戦闘は避けたいが協力者を募るためには‥‥?
4.装備を調えたいが先立つものが無い。調達しないと。
5.自宅として設定されているらしい屋敷(衛宮邸)に向かう。
6.明日の正午に冬木教会に行くと約束はしたが……
[備考]
●所持金は約4万円。
●五年間のブランクとその間影響を受けていた聖杯の泥によって、体の基本的なスペックが下がったりキレがなくなったり魔術の腕が落ちたりしてます。無理をすれば全盛期の動きも不可能ではありませんが全体的に本調子ではありません。
●バーサーカーとそのマスター・ルナの外見特徴を知り、同盟(?)を組みました。
●コンビニで雑貨を買いました。

【アーチャー(クロエ・フォン・アインツベルン)@Fate/kareid liner プリズマ☆イリヤ】
[状態]
筋力(10)/E、
耐久(20)/D、
敏捷(30)/C、
魔力(40)/B、
幸運(40)/B、
宝具(0)/-
精神的疲労(小)
[思考・状況]
基本行動方針
衛宮切嗣を守り抜きたい。あと聖杯戦争を止めたい。
1.同盟、ねえ……
2.なんなの、アイツ(ルナ)……ホムンクルス?少なくとも人間ではないと思う。
3.あんまりコイツ(ルナ)からは魔力貰いたくない……
4.教会に行くっていったけど多分キャンセルだろうなあ。
[備考]
●赤色の影をバーサーカーと、銀色の影をマスターの『ルナ』と認識しした。
●ルナをホムンクルスではないかと思っています。また忌避感を持ちました。
●バーサーカーと同盟(?)を組みました。


【竜堂ルナ@妖界ナビ・ルナ】
[状態]
封印解除、精神的疲労(小)、肉体的疲労(大)、妖力消費(大)、睡眠、お腹減った、汗だく、ちょっと熱っぽいかも、靴がボロボロ、服に傷み、切嗣に抱っこされている。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
みんなを生き返らせて、元の世界に帰る。
1.???
2.明日のお昼に教会に行く。赤いサーヴァントの女の子(クロエ)とは仲良くなれるかな?
3.学校の保健室を基地にする‥‥いいのかな‥‥
4.誰かを傷つけたくない、けど‥‥
5.バーサーカーさんを失いたくない。
[備考]
●約一ヶ月の予選期間でバーサーカーを信頼(依存?)したようです。
●修行して回避能力が上がりました。ステータスは変わりませんが経験は積んだようです。
●新都を偵察した後修行しました。感知能力はそこそこありますが、特に引っ掛からなかったようです。なお、屋上での訓練は目視の発見は難しいです。
●第三の目を封印解除したため、令呪の反応がおきます。また動物などに警戒されるようになり、魔力探知にもかかりやすくなります。この状態を解いて休息をとらない限り妖力は回復しません。
●身分証明書の類いは何も持っていません。また彼女の記録は、行方不明者や死亡者といった扱いを受けている可能性があります。
●食いしん坊です。

【バーサーカー(ヒロ)@スペクトラルフォースシリーズ】
[状態]
筋力(20)/D+、
耐久(30)/C+、
敏捷(20)/D+、
魔力(40)/B++、
幸運(20)/D、
宝具(40)/B+
精神的疲労(小)、魔力消費(小)。
[思考・状況]
基本行動方針
拠点を構築し、最大三組の主従と同盟を結んで安全を確保。その後に漁夫の利狙いで出撃。
1.危なかった、本当に……
2.マスターの介抱。実体化できるうちにやっておく。
3.学校に拠点を構える。
4.マスターがいろいろ心配。
5.一応教会には行くか……?
[備考]
●新都を偵察しましたが、拠点になりそうな場所は見つからなかったようです。
●同盟の優先順位はキャスター>セイバー>アーチャー>アサシン>バーサーカー>ライダー>ランサーです。とりあえず不可侵結んだら衣食住を提供させるつもりですが、そんなことはおくびにも出しません。
●衛宮切は&アーチャーと同盟(?)を組みました。


540 : ◆txHa73Y6G6 :2015/12/15(火) 05:19:09 nxHPSrEA0
投下終了です


541 : ◆txHa73Y6G6 :2015/12/15(火) 23:59:06 nxHPSrEA0
投下します


542 : 【35】間桐慎二は少年少女を前に手を広げて話し始めた ◆txHa73Y6G6 :2015/12/16(水) 00:47:11 dedaUWFY0



 夏は暑い。
 八月ともなれば日本は亜熱帯とかす、などと言うものもいるほど暑い。なにせ地球温暖化だ。この半世紀でどれだけ真夏日が増えたか。
 暑いと人は涼を水へと求める。文明開化前の冬木ならともかく、今の工業化の進んだ冬木では海に入ることはできない。そこで冬木市はプールを作った。今では県でも有数のスポットだ。

 さて、そんな入水には適さない冬木の海だが曲がりなりにも水辺ならばいくらかは涼しいものだ。げんにその場にいる者達は暑い思いをしていなかった。役一名など不本意な海水浴で低体温症を引き起こしているほどだ。その役一名ことイリヤスフィール・フォン・アインツベルンは、間桐慎二の言った言葉に疑問符を頭の上に浮かべた。

「シンジ、だったかしら?」

 声を幾分震わせながら、イリヤは問うた。それにシンジこと間桐慎二は視線で言葉の先を促す。

「オリジナルの聖杯戦争って、どういうこと?」
「そうだよ!それってこの殺しあいが何度も起きてるってことなのか!?」

 イリヤにつられるように、色丞狂介も声をあげた。彼からしても、このようなものがいくつもあるという点は驚きに値する。
 一方この場に四人いるマスターでアリス・マーガロイドだけは沈黙を貫いていた。彼女にももちろん思うところはあるし多少の驚きもあったが、聖杯戦争に種類があるというのは予想の範囲内であった。それに、彼女の疑問はこの二人が代わりに聞いて、答えはペラペラと少年が話すだろう、そう考えてあえて何も言おうとはしない。

 そして皆の視線を一身に集めるなか、やれやれといった感じでシンジは話し始めた。


543 : 【35】間桐慎二は少年少女を前に手を広げて話し始めた ◆txHa73Y6G6 :2015/12/16(水) 02:27:50 dedaUWFY0

「そもそも聖杯戦争ていうのは願いを叶えるアイテムの奪い合いのことだ。」
「魔法のランプっていうおとぎ話は知ってるだろ?ああいう使うと願いが叶うものを全部まとめて聖杯ていうんだ。」
「そんなことを聞いてるんじゃないわ、そんなの聖杯戦争の常識じゃない!私が聞いてるのはこのーー」
「ちょっと待った!それ常識なの?聖杯戦争てみんな知ってるものなの?」
「あなたは黙っててキョウスケ!」
「な、なんだよ、えーとーー」
「イリヤ!イリヤスフィール・フォン・アインツベルンよ、それでシンジ、これが冬木の聖杯戦争のパクりってどういうことなの?」
「ちょっと待て今アインツベルンて言ったか?御三家の一つじゃないか!」
「アインツベルンてそんな有名なの?」
「ええそうよでも私は今そんなことを聞いてるんじゃないの早く質問に答えてもらえる?」
「それが人にものを頼む態度か!?御三家ならそんぐらい自分でわかるだろ。」
「へー、淑女(レディ)にそういう態度をとるのね、マキリは。」
「何がレディだ小学生はノーカン、アウトオブ眼中なんだよ。」
「言葉が古いのよワカメ頭!」
「ワカメじゃないウェーブだ!」
「どうみてもワカメじゃない!」
「ウェーブて言ってるだろ!このオシャレさもわからないからガキなんだよ!」
「ダサいのよ!キョウスケ、あなたもそう思うでしょ!」
「おい狂介お前からも言えこのオシャレさを!」
「そうだぞ狂介はっきり言ってやれ。」
「キャスター?!便乗はズルいだろ!!」
『マスター、これは止めた方が良いのでしょうか……?』
『そろそろ収集がつかなくなりそうだし、そうね。』

 今まで一言も話さなかったアリスはパン、と手を叩く。言い争う三人のマスターの目線が集まる。

「なにか、聞こえないかしら?」


544 : 【35】間桐慎二は少年少女を前に手を広げて話し始めた ◆txHa73Y6G6 :2015/12/16(水) 03:34:02 dedaUWFY0



 冬木市の警察が有能か無能かは評価が分かれる。
 冬木大橋での無差別通り魔殺人及び爆破テロという未曾有の事態に直面して、冬木市の市境に検問を張り早速現場付近での捜査を数百人規模で行っているというのは有能と言えるだろうし、変質者の通報があったにも関わらず小一時間目撃された港に来なかったのは無能と言える。
 だがともかく、一応警察は来た。サイレンを鳴らしてパトカーが向かってくる以上、キャスター達は離れなければならない。なにせ通報にある不審者とはまさしくキャスターのことだからだ。そしてその被害者とされているのはそのマスターである。

「御三家なら金持ってるだろうけどガキに払わせるのもあれだからおごってやるよ。」
「せいぜい10ユーロぐらいで威張らないでくれるあ・り・が・と・う。」
「で、何処にいくんだ慎二?橋は通行止めらしいけど。」
「教会だ。あそこは中立地帯のはずだ。そこなら落ち着けて話せるだろう?」
「言峰教会ね。」

 あのあと四人のマスターは、一度場所を移して仕切り直すことにした。
 慎二と狂介は港から離れる必要があったし、アリスもイリヤも慎二から聖杯戦争について聞き出さなくてはならない。

 四人の思惑が合わさった結果、全員で同じタクシーに乗るという展開になったのだ。これは、それぞれのマスターへの危害をもっとも減らそうとしたためである。港では、直径10メートル程の円の中のエリアに四人のマスターがいた。このとき、どのサーヴァントも他のマスターを攻撃することはできない。彼らの攻撃では自らのマスターも巻き込みかねないからだ。そして距離をとろうとするマスターは、その真意に関わらず他の主従から巻き添えを食らわないために距離をとったという警戒を招いてしまう。このようにどのマスターも他のマスターから離れられないという状況が狭いタクシーへの乗車を選ばせた。

 因みに、席順はアリスが助手席、慎二が右、狂介が左、イリヤが真ん中である。もちろんこれを決めるにも二三分かかった。「なんで私が座り心地の悪い真ん中なの」とか「びしょ濡れのお前の横に座るこっちの事情も考えろ」とかタクシー運転手を困惑させながら険悪な雰囲気を終始醸し出していた。
 付け加えると、サーヴァントの内、赤城とパピヨンは屋根やボンネットに腰かけることになった。パピヨンはともかく赤城は陸上での機動力には難がある。均衡を崩すような真似を避けるためにアリスは赤城をタクシーに乗せたかったのだが生憎そのスペースはない。というわけでフロントガラスを背もたれにボンネットに腰かけたパピヨンの後ろ、屋根に乗せることにした。このとき赤城がパピヨンとは対照的な凄く切ない顔をしていたのだがフドウを除いてそれを知るものはいない。

「それじゃあ、出発かしら。」

 後部座席に振り向くとアリスは全員の顔を見渡す。ようやく一時の平和が訪れたことを確認した。


 タクシーは、ゆっくりと走り出した。


545 : 【35】間桐慎二は少年少女を前に手を広げて話し始めた ◆txHa73Y6G6 :2015/12/16(水) 03:44:07 dedaUWFY0



【新都、港近くのタクシー/2014年8月1日(金)0638】

【アリス・マーガロイド@東方Project】
[状態]
健康。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
幻想郷に戻ることを第一とする。
1.オリジナルの聖杯戦争?
2.とりあえず色丞狂介、間桐慎二、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンと行動を共にする。
3.定期的に赤城の宝具で偵察。
4.できれば冬木大橋を直接調べたい。
5.人形を作りたいけど時間が……
6.聖杯戦争という魔法に興味。結界かあ……
[備考]
●予選中から引き継いだものがあるかは未確定です。
●バーサーカー(ヘラクレス)、キャスター(パピヨン)、キャスター(フドウ)のステータスを確認しました。
●タクシーの助手席に座っています。

【赤城@艦隊これくしょん】
[状態]
筋力(20)/D、
耐久(150)/A++、
敏捷(20)/D、
魔力(10)/E、
幸運(30)/C、
宝具(30)/E+++
霊体化、魔力消費(小)、タクシーの屋根に搭乗中。
[思考・状況]
基本行動方針
マスターを助ける。今度は失敗しない。
1.警戒を厳に、もしもの時は壁役に。
2.定期的に宝具で偵察し必要なら制空権を確保する。
3.魔力を補給したいが今は黙ってる。
[備考]


【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/stay night】
[状態]
全身ずぶ濡れ、磯臭い、低体温症、頭痛、その他程度不明の怪我(全て治癒中)。
[装備]
特別製令呪。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
全員倒して優勝する。
1.オリジナルの聖杯戦争?
2.とりあえずシンジとキョウスケとアリスと行動を共にする。
3.7なんなら同盟を組んでもいい。
[備考]
●第五次聖杯戦争途中からの参戦です。
●ランサー(幸村)、ランサー(アリシア)、アサシン(扉間)のステータス、一部スキルを視認しました。
●少なくともバーサーカー(サイト)とは遭遇しなかったようです。
●自宅はアインツベルン城に設定されていますが本人が認識できているとは限りません。
●バーサーカーと共に冬木大橋から落とされました。怪我の有無や魔力消費は不明です。
●アサシン(千手扉間)がハサンではない可能性に気づきました。
●アーチャー(赤城)、キャスター(パピヨン)、キャスター(フドウ)のステータスを確認しました。
●タクシーの中央後部座席に座っています。

【バーサーカー(ヘラクレス)@Fate/stay night】
[状態]
筋力(50)/A+、
耐久(50)/A、
敏捷(50)/A、
魔力(50)/A、
幸運(40)/B、
宝具(50)/A、
霊体化、不明、狂化スキル低下中。
[思考・状況]
基本行動方針
イリヤを守り抜く、敵は屠る。
[備考]
●イリヤと共に冬木大橋から落とされましたが少し流されたあと這い上がっできました。


546 : 【35】間桐慎二は少年少女を前に手を広げて話し始めた ◆txHa73Y6G6 :2015/12/16(水) 03:45:46 dedaUWFY0



【新都、港近くのタクシー/2014年8月1日(金)0638】

【アリス・マーガロイド@東方Project】
[状態]
健康。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
幻想郷に戻ることを第一とする。
1.オリジナルの聖杯戦争?
2.とりあえず色丞狂介、間桐慎二、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンと行動を共にする。
3.定期的に赤城の宝具で偵察。
4.できれば冬木大橋を直接調べたい。
5.人形を作りたいけど時間が……
6.聖杯戦争という魔法に興味。結界かあ……
[備考]
●予選中から引き継いだものがあるかは未確定です。
●バーサーカー(ヘラクレス)、キャスター(パピヨン)、キャスター(フドウ)のステータスを確認しました。
●タクシーの助手席に座っています。

【赤城@艦隊これくしょん】
[状態]
筋力(20)/D、
耐久(150)/A++、
敏捷(20)/D、
魔力(10)/E、
幸運(30)/C、
宝具(30)/E+++
霊体化、魔力消費(小)、タクシーの屋根に搭乗中。
[思考・状況]
基本行動方針
マスターを助ける。今度は失敗しない。
1.警戒を厳に、もしもの時は壁役に。
2.定期的に宝具で偵察し必要なら制空権を確保する。
3.魔力を補給したいが今は黙ってる。
[備考]


【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/stay night】
[状態]
全身ずぶ濡れ、磯臭い、低体温症、頭痛、その他程度不明の怪我(全て治癒中)。
[装備]
特別製令呪。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
全員倒して優勝する。
1.オリジナルの聖杯戦争?
2.とりあえずシンジとキョウスケとアリスと行動を共にする。
3.なんなら同盟を組んでもいい。
[備考]
●第五次聖杯戦争途中からの参戦です。
●ランサー(幸村)、ランサー(アリシア)、アサシン(扉間)のステータス、一部スキルを視認しました。
●少なくともバーサーカー(サイト)とは遭遇しなかったようです。
●自宅はアインツベルン城に設定されていますが本人が認識できているとは限りません。
●バーサーカーと共に冬木大橋から落とされました。怪我の有無や魔力消費は不明です。
●アサシン(千手扉間)がハサンではない可能性に気づきました。
●アーチャー(赤城)、キャスター(パピヨン)、キャスター(フドウ)のステータスを確認しました。
●タクシーの中央後部座席に座っています。

【バーサーカー(ヘラクレス)@Fate/stay night】
[状態]
筋力(50)/A+、
耐久(50)/A、
敏捷(50)/A、
魔力(50)/A、
幸運(40)/B、
宝具(50)/A、
霊体化、不明、狂化スキル低下中。
[思考・状況]
基本行動方針
イリヤを守り抜く、敵は屠る。
[備考]
●イリヤと共に冬木大橋から落とされましたが少し流されたあと這い上がっできました。


547 : 【35】間桐慎二は少年少女を前に手を広げて話し始めた ◆txHa73Y6G6 :2015/12/16(水) 03:55:05 dedaUWFY0


【間桐慎二@Fate/stay night 】
[状態]
疲労(小)、精神的疲労(中)。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯を手に入れる。何を願うかは後から決める。
1.とりあえず狂介とアリスとイリヤと共に教会へ。
2.なんだか段々大所帯になってきたな……
3.ライダー(孫悟空)は許さない。
4.間桐家で陣地作成を行う。
5.会場と冬木市の差異に興味。
[備考]
●孫悟空のクラスとステータスを確認しました。
クラス・ライダー、筋力B耐久B敏捷B+魔力D幸運A
このステータスは全てキャスター(兵部京介)のヒュプノによる幻覚です。
●キャスター(パピヨン)、バーサーカー(ヘラクレス)、アーチャー(赤城)のステータスを確認しました。
●この聖杯戦争を『冬木の聖杯戦争を魔術で再現した冬木とは別の聖杯戦争』だと認識しています。
●タクシーの右後部座席に座っています。

【キャスター(フドウ)@聖闘士星矢Ω】
[状態]
筋力(30)/C、
耐久(40)/B、
敏捷(60)/C+、
魔力(100)/A+、
幸運(50)/A、
宝具(50)/A
霊体化。
[思考・状況]
基本行動方針
マスター・慎二を見定める。今のまま聖杯を手にするならば━━
1.成り行きにここまで任せてきたが……
2.今は慎二に従い、見定める。
3.求めるなら仏の道を説くというのも。
4.色丞狂介、か……
[備考]
●慎二への好感度が予選期間で更に下がりました。ただ、見捨てたわけではありません。
●狂介に興味を持ちました。
●孫悟空が孫悟空でないことを見破っています。


【色丞狂介@究極!!変態仮面】
[状態]
疲労(小)、精神的疲労(中)、ハンバーガー所持。
[残存令呪]
1画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争を止める。悪人をお仕置きする。
1.オリジナルの聖杯戦争?
2. とりあえず狂介とアリスとイリヤと行動を共にする……イリヤはずぶ濡れだけど大丈夫かな?
3.ランサーだけあって逃げ足は早いんだな……
4.帰ったら家で陣地作成したり核金作ったりしてもらう。
5.下北沢のサーヴァント(サイト)を警戒。冬木大橋も気になるからこのあと寄ってみる?
[備考]
●核金×2、愛子ちゃんのパンティ所持。
●予選期間中にサイトの魂食いの情報を得ました。東京会場でニャースを見た場合、サイトの姿や声を知る可能性があります。
●孫悟空のクラスとステータスを確認しました。
クラス・ランサー、筋力C耐久C敏捷A+魔力B幸運C
このステータスは全てキャスター(兵部京介)のヒュプノによる幻覚です。
●キャスター(フドウ)、バーサーカー(ヘラクレス)、アーチャー(赤城)のステータスを確認しました。
●タクシーの左後部座席に座っています。

【キャスター(パピヨン)@武装錬金】
[状態]
筋力(20)/D、
耐久(30)/C-、
敏捷(30)/C、
魔力(40)/B、
幸運(50)/A、
宝具(40)/B
霊体化。
[思考・状況]
基本行動方針
せっかくなんで聖杯戦争を楽しむ。
1.……ここまで影が薄いとは……
2.帰ったら家で特殊核金を制作。今日はパピヨンパークは無理か?
3.冬木市の名物は麻婆豆腐‥‥?
[備考]
●予選期間中にサイトの魂食いの情報を得ました。東京会場でニュースを見た場合、サイトの姿や声を知る可能性があります。
●気分で実体化したりします。
●孫悟空が孫悟空でないことを見破っています。
●マスターが補導されたのを孫悟空による罠と考えています。
●ビッグマックとハッピーセットは狂介に押し付けました。
●タクシーのフロントガラスを背もたれにしてボンネットに座っています。


548 : ◆txHa73Y6G6 :2015/12/16(水) 03:56:23 dedaUWFY0
投下終了です


549 : ◆txHa73Y6G6 :2015/12/16(水) 23:59:09 dedaUWFY0
投下します


550 : 【36】燻り ◆txHa73Y6G6 :2015/12/17(木) 01:25:17 0pZ8PF1Q0



 霊安室を後にしたアサシン・千手扉間は三谷亘の『遺産』を懐に納めると足早に先程の女子トイレへと向かっていた。
 やはり水遁で気絶させるというのはやり過ぎたのか、マスターであるりんからの魔力供給はほぼゼロになっていた。もっとももとからあってもなくても変わらない程度にしか供給されなかったのだが、体調のバロメーターとしては役に立つ。
 アサシンとしては、放っておいてもここの優秀な看護婦に見つけられてベッドに寝かされるだろうと思っていたのだが、いささか過大評価が過ぎたようだ。それにあれだけの急患が一挙に来たことを考えれば、そこまでのことを期待するのは酷というものだろう。

(む……)

 アサシンは足を止める。女子トイレまでマスターを連れ戻しに戻ってきた。それはいい。
 問題は男性の医師では女子トイレに入るのは憚られるということだ。
 もちろん彼の気配感知なら周囲の人間の有無はわかる。だが万が一ということは常にある。なにせここはマスターの病室から近い。それは子供という行動の読めない不確定要素が近くにいるということだ。

(わざわざ女医に変化すべきか……?)
(水遁と封印……ただでさえ少ないチャクラをこれ以上使いたくはないが……)
(……油断はできん。)

 数秒考えるとアサシンが女子トイレへと足を踏み入れる。その姿はいつの間にか女性のものへと変わっていた。


(これでよし。)

 アサシンはベッドにりんを寝かせると小さく頷く。適当に子供をあしらいながら無事マスターを女子トイレから病室へと『護送』することができた。意識も数時間で戻るだろう。

(置いておくか。)

 ガチャリとベッドの脇の棚を開ける。りんの私物に素早く懐の巻物を紛れ込ませた。

(これで霊体化できる。)

 ふん、と小さく鼻息をしてアサシンは病室を出た。そのまま人気の無い方に進む。誰にも見られていないことを確認して、アサシンは霊体化した。


551 : 名無しさん :2015/12/17(木) 01:29:08 VgY5R1Os0
投下色々来てますね、精力的な執筆乙です
ワタル脱落しちゃったかー、まぁ1さんおっしゃる通りなかなか辛い組み合わせではあった
扉間はすごく彼らしいですね 言葉の端々から行動から
他にもアリス交えた慎二With変態組とイリヤの邂逅とか、ケリィとルナたちのなしくずし同盟成立とかしっかり動いてるな―
今後も楽しみです


552 : 名無しさん :2015/12/17(木) 01:29:55 VgY5R1Os0
…と、すみません!投下と被ってしまった…
更新し忘れていたためにこんなことに。お許しください


553 : 【36】燻り :2015/12/17(木) 03:03:47 0pZ8PF1Q0



「少し、考えさせてください。」

 ランサー・真田幸村のまとまってはいないがシンプルな聖杯戦争についての解説を受けて三分ほど経った頃。
 日野茜は顔を伏せて、ぽつりとそう言った。

「……」

 それは本来ならばあり得ない光景だった。
 周りの人間十人が十人とも「うるさい」、「暑苦しい」、という二人がいる空間に、沈黙が訪れる。既にその時間は茜が最後に声を発してから五分も経つ。この事を彼らと親しいものが知れば自分の耳を疑うだろう。

 ランサーは、無言で立ち上がった。今の彼に、マスターへとかける言葉など、かけられる言葉などなにもない。
 なにせいきなりいつ命を落とすともしれない戦場にいると伝えたのだ。

「扉の前にいるので、何時でも、声を……」

 まるで彼らしくない、歯切れの悪い言葉を残して霊体化する。
 その手が血が出るほど握られていたことに気づくものはいない。



 「少し早いと思ったが」という声は部屋の前をランサーが固めて数分後に聞こえた。
 上を見上げる。天井裏のアサシンの気配に今までまるで気づかなかった。これだけの手練れを前にして、今のランサーは戦いたいという思いよりも敵に廻すのは避けたい、そう思っていた。
 彼は武士だ。その手に振るう槍は、力なき民を守るためにある。そう彼は自覚していた。

 しかし実際はどうだ?戦いをマスターから遠ざけようと伝えるべきことを伝えず、一刻も早く戦いを終わらせるためにと戦いマスターを傷つけた。悲劇か、たちの悪い喜劇といった有り様だ。そしてその状況を作ったのは他でもないランサーなのである。


 ランサーは天井裏に移動すると霊体化を解いた。既にアサシンはあぐらをかいて待っていた。ランサーもあぐらをかく。

 沈黙だ。

 どちらも何も言おうとはしなかった。
 アサシンは部屋の外にランサーがいたことから察していたし、そんなアサシンの配慮をランサーは察していた。

 そのまま数分。「そろそろ7時だ」とアサシンは言った。二人は天井裏から消えた。


554 : 【36】燻り ◆txHa73Y6G6 :2015/12/17(木) 03:46:07 0pZ8PF1Q0



(ついに……来ましたか……)

 日野茜はうつむく。違う、それはうつむく等という優しいものではない。
 押し付けていた。イスに足を揃えて座り、顔を手で覆い、膝とくっつける。上半身の力を全て抜き、前へと倒れ込むような姿勢。表情を伺うことなどまるでできないような、むしろ表情を悟らせないようなポーズだ。
 その態勢で、誰にも顔が見えない態勢で。
 彼女は笑っていた。

(体感型のドッキリバラエティー!!!)



 皆さん、世の中には聖杯戦争のようなゲームを行う番組があることをご存知だろうか?
 時にジャンケンで、時に鬼ごっこで、時にかくれんぼで、時にドッジボールで。様々な「誰もが一度はやったことのある遊びで賞金をGETする」という、アレだ。

 彼女もよく知る某バラエティー番組でも、ライバル事務所のアイドル達が黒服に追われたり、水鉄砲でサバイバルゲームをしたり、無人島で警官100人に追われたりしていた。
 また某AVでも似たような企画があったし、某映画などまさにそのコンセプトに基づいて若手アイドルを使って大赤字を出していた。

 つまり彼女はそれだと思ったのだ。
 古くは騎馬戦やローション相撲だったが、今はコンプライアンスの問題もある。あまり露骨なものはできない。そこで健康的かつ小さなお子さまにも親しみやすい楽しいゲーム型バラエティーというわけだ。

(これって、今もどこかからカメラで撮られてるんだよね、こんなゴージャスな部屋だし!)

 なので、茜は笑い顔を見せないためにこの格好になっていた。ここで笑ってしまえば絶好のチャンスを逃してしまう。総選挙の順位にも響くだろう。何よりこんなにお金をかけてそうな企画だ、下手なことをすれば事務所ごと干されかねない。

(だから、ちょっとぐらい怪我しても、止まらないんだよね。)

 茜は見えないように笑う。必死に。
 彼女が顔を覆っていた手が、いつの間にか血が出んばかりに握りしめられていることには、誰も、彼女さえも気づかない。


555 : 【36】燻り ◆txHa73Y6G6 :2015/12/17(木) 03:47:24 0pZ8PF1Q0



【新都・病院/2014年8月1日(金)0658】

【アサシン(千手扉間)@NARUTO】
[状態]
筋力(30)/C、
耐久(30)/C、
敏捷(100)/A+、
魔力(10)/B、
幸運(10)/E、
宝具(??)/EX
実体化、宝具使用不可、魔力を四分割したため戦闘になると1ターン目からステータスダウン、避雷針の術の発動条件を満たしているため敏捷が+分アップ、女医っぽい姿に変化。
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯を用いて木の葉に恒久的な発展と平和を。
1.七時になったので合流。
2.同盟を結べそうだがランサー(幸村)のマスター(アカネ)が聖杯戦争をわかってないっぽいんでとりあえず保留。
3.マスター(凛)が他の組に見つからないように警戒している……ランサーのせいで無理そうだが。
4.三つの問題はもはや後回しでよいだろう。
5.魂喰いの罪を擦り付ける相手は慎重に選定する
6.穢土転生の準備を進める。
7.他の組の情報収集に務める。同時にランサー達を何とか隠ぺいしたいがたぶん無理。
8.女ランサー(アリシア)との明日正午の冬木ホテルでの接触を検討し、場合によっては殺す。
9.バーサーカー(ヘラクレス)は現在は泳がせる。
10.逃げたサーヴァント(サイト)が気になる。
11.聖杯を入手できなかった場合のことを考え、聖杯を託すに足る者を探す。まずはランサーのマスター(日野茜)。
12.マスター(りん)の願いにうちはの影を感じて……?
[備考]
●予選期間中に他の組の情報を入手していたかもしれません。
ただし情報を持っていてもサーヴァントの真名は含まれません。
●影分身が魂喰いを行ないましたが、戦闘でほぼ使いきりました。その罪はバーサーカー(サイト)に擦り付けられるものと判断しています。
●ランサー(アリシア)の真名を悟ったかどうかは後の書き手さんにお任せします。
●バーサーカー(ヘラクレス)に半端な攻撃(Bランク以下?)は通用しないことを悟りました。
●バーサーカーの石斧に飛雷針の術のマーキングをしました。
●聖杯戦争への認識を改めました。普段より方針が変更しやすくなっています。
●ランサー・真田幸村とフワッとした停戦協定を結びました。ランサーのマスターがヒノアカネだと認識しました。
●九重りんへの印象が悪化しました。

●三谷亘の令呪二画付の肉塊が封印された巻物を九重りんの私物に紛れ込ませました。


【ランサー(真田幸村)@戦国BASARAシリーズ】
[状態]
筋力(40)/B、
耐久(40)/B、
敏捷(30)/C、
魔力(30)/C、
幸運(30)/C、
宝具(40)/B、
疲労(中)、魔力消費(大)、肋骨単純骨折と内臓に損傷(どちらもほどほどに回復)、安堵と屈辱と無力感、そして茜への責任感。
[思考・状況]
基本行動方針
強敵たちと熱く、燃え滾る戦を!!だが‥‥
1.ますたぁ(茜)に聖杯戦争について伝えたが……
2.ますたぁ(茜)への申し訳なさと不甲斐ない自分への苛立ち。
3. あの爆発、あーちゃー(アリシア)は無事とアサシンは言ったが‥‥
4.俺は……
5.せいばぁ(テレサ)、ばあさあかぁ(小野寺ユウスケ)と再戦し、勝利する
6.やはりあさしん(扉間)は忍びの者……?
[備考]
●ランサー(アリシア)のクラスをアーチャーと誤認しています。
●ランサー(アリシア)の真名を悟ったかどうかは後の書き手さんにお任せします。
●アサシン(千手扉間)を忍のサーヴァントだと考えています。
●病院内にランサーの噂が立ちました。『アイドルの関係者』、『映画の撮影』、『歌舞伎』、『うるさい』、『真田』といった単語やそれに関連した尾ひれのついた噂が広まり始めています。

【日野茜@アイドルマスターシンデレラガールズ】
[状態]
魔力消費(小)、頭にタンコブ(応急処置済)、記憶に混乱?それとも……
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争はサーヴァント同士の格闘技!だと思ってたけど……?
1 .???
[備考]
●予選期間中他のマスター、サーヴァントと出会うことはありませんでした。
●月海原学園高等部の生徒という立場が与えられています。
所持金は高校生相応の額となっています。
●自宅は深山町のどこかです。
●セイバー(テレサ)、バーサーカー(小野寺ユウスケ)の基本ステータスを確認しました。
●気が動転していたため、ランサー(アリシア)、バーサーカー(サイト)、バーサーカー(ヘラクレス)のステータスを確認できていないかもしれません。
●病院にアイドル・日野茜の噂が立ちました。
●病院の特別病床に入院しました。病室のある階に立ち入るにはガードマンのいる階段を通るか専用のIDカードをエレベーターにタッチする必要があります。
●聖杯戦争を番組の企画だと考えたり考えなかったりしました。


556 : ◆txHa73Y6G6 :2015/12/17(木) 03:56:20 0pZ8PF1Q0
投下終了です

>>552
いえいえ感想いただけて励みになります
ワタルは企画当初はサブ主人公ポジションにしようと思ったのですが、出典時期を考えると厳しい結果になりました
同じ小五男子ののび太はあのタイミングで死ななければ主人公ポジションでしたが、ワタルの場合時間をかければかけるほど苦しむだけなので一番マシな死に方をせめてさせてあげようとしたらああなりました


557 : ◆txHa73Y6G6 :2015/12/17(木) 23:59:12 0pZ8PF1Q0
投下します


558 : 【37】反転した現実ならメガネのない魔女はどう動くのか ◆txHa73Y6G6 :2015/12/18(金) 01:22:14 ZYuTGXCY0



「大事なことは目的を達成するための道筋を作ることだ。」

 プルプルとした黄色い小山が銀の盆地の上に乗っている。つるりとキャスターこと兵部京介は口に入れるとしばし咀嚼し、飲み下す。

「山の頂上に登るならどの道を行くか、いつ休憩をとるか、何を持っていくかーー」

 キャスターは再び銀のスプーンの上にプリンの小山を作るとマスターであるイサコの前に掲げて見せた。光を跳ね返すそれを、キャスターはやはり再び口に入れ、咀嚼し、飲み干す。

「なるべくシンプルな方がいい。道で迷うのも、無理して怪我するのも、重荷を背負うのも、愚作だ。」

 キャスターは三度、黄色い小山を頬張る。まるで丸飲みするかのように。そしてたっぷり一分口中で味わう。

「それさえできれば、後は自ずと見えてくる、そんなものだよ。」

 スプーンがプラスチックのカップに音を立てて入れられた。


559 : 【37】反転した現実ならメガネのない魔女はどう動くのか ◆txHa73Y6G6 :2015/12/18(金) 02:59:12 ZYuTGXCY0



 それからイサコが自宅へと戻ったのは十分ほど後のことだろうか。既に元いたホテルの一室は、拠点としての機能を曲がりなりにも持たせられた。あそこを本拠地にはできないが、前線基地程度にはなるだろう。そうイサコは判断し、自宅の拠点化にとりかかるべくキャスターと共にテレポートした。
 あらためてキャスターのテレポートは強力な能力だと、イサコは感じた。冬木大橋が寸断された今の冬木市は東西に分断されている。それこそキャスターのようにマスターをテレポートできるか空でも飛べない限り、自由に往き来することはできないのだ。

(家に帰れなくなっているマスターもいるかもな。)

 テレビを点けるとぼんやりと見ながらそんなことを考える。この超人的なサーヴァント達の殺しあいの場で帰る場所が無くなるような状況は想像するだけで恐ろしい。

(もしこの家に帰れなかったら。)
(キャスター二人にあのホテルが拠点だとバレた状態で動けなくなる。)
(危なかったーーそうか。)

 キャスターにイサコは声をかける。

「キャスター、いくつか聞きたい。」
「うーん?どうぞ?」
「マスターは……いや、サーヴァントはどこまでマスターについての知識がある?」
「それは、マスターという存在について?」
「そう、一般的な『マスター』というものについて。」

 キャスターは「難しいな」と言いながらイスに腰を下ろす。立っているイサコを見上げる形になりながら続けた。

「ほぼない。」
「ない?」
「うん、僕が知ってるのは、『マスターは令呪というアイテムを三つ持っている』こと、『マスターは魔力を供給する』こと、『令呪を持ったマスターとサーヴァントが一組だけになれば聖杯が手に入る』こと、これぐらいさ。」
「他は?マスターの人数とか、魔力がどうやって供給されるかとか、魔力がなんなのかとか?」
「知識としては与えられなかったね、そういうことは。ただ、君と生活しているうちにいくつかわかったことはある。」

 イサコはテーブルに手を置いた。気持ち前のめりになる。

「小さな線だ、マスターの令呪から僕の心臓に、その線を通じて何かが流れ込んでいた。それが僕らを一組のタッグとするものであり流れ込むものが魔力だろうね。」
「ーーどうやって見つけた。」
「見たんだ、君をよく。」

 視線がぶつかる。

「何日か、君のことをひたすら見続けた。」
「疑問だったんだよ、どうやって君と僕を一つのタッグだと判断するのか。」
「最初は令呪を疑った。」
「その令呪に僕が君のサーヴァントであるという情報が記録されていて、だから令呪を全て失うと聖杯が手に入らないと思ったんだ。」
「だがーー違った。」
「ある特定の波長のようなもので、君から僕へと向かう何かが見えた。一度見えればある程度見つけやすくはなる。」

 指を指す。キャスターはイサコの、令呪を。

「そうしてもう一つ疑問が残った。」
「この『線』は僕の意思で切れるかだ。」

 驚いた。イサコは、自分から何かが流れていく感覚が、マスターになってから常に感じていた感覚をなくなったのだ。

「それは、YESだ。」


560 : 【37】反転した現実ならメガネのない魔女はどう動くのか ◆txHa73Y6G6 :2015/12/18(金) 03:41:15 ZYuTGXCY0


「戦略が広がった。」
「そうかい、なにする気?」

 イサコは答えずに茶菓子をほうばった。「粗茶でございますが」とキャスターが出したお茶を受け取り、飲む。
 キャスターがイサコとの『線』を切って繋げ直して見せてから小一時間は経っていた。その間二人はそれぞれに自宅の拠点化と陣地化を進め今に至る。
 キャスターは彼のマスターが上機嫌であることに気づいていた。しかもそれはあれだ。ろくでもないイタズラを思い付いた時の感情だ。

(あまり、いい思い出はないな。)

 兵部京介はキャスターだ。予感は当たる。

「他のマスターの人数は不明、そう?」

 イサコは問いかける。キャスターは首肯する。

「目立つ建物に二人のマスターが同時に来るぐらいには人がいる。」
「それとは別に橋では戦いがある。」

 イサコは目で聴く。これにもキャスターは首を縦に振る。

「少なくとも数十人、多ければ千人規模のマスターがここにいる。」
「そうなれば当然、片割れしかいないこともありえる。」
「キャスター。」
(あ、これろくでもないこと言われるな。)
「私は、戦争を望む。」

 キャスターは口笛を吹いた。なるほど、やはり自分のマスターは『普通じゃない』。

「徹底的に『サーヴァントを戦わせたい』という状況をつくれ。」
「動きがあれば情報は手に入る、ゆさぶれ。」
「この戦争を影で操り、私たちが把握してない存在をなくせ。」
「勝ち残るためには特等席が必要なのよ。」

 随分と簡単に難しいことを言ってくれる。キャスターは嘆息した。それができればいいだろうが、実際は二組の主従をやり過ごすのがやっとだというのに。

「無茶だ。」
「そうか?」
「第一兵隊の頭数が足りない。」
「戦わせれば増える。」
「減るの間違いだよ。」
「減らし方の問題だ。」
「戦えば人は死ぬんだよマスター。」
「人が死んだら困るやつらがいるだろ、キャスター?」

 キャスターは理解した。いや、理解させられた。彼へと繋がる魔力のパス、そのパスから流れる魔力が突然乱高下したのだ。「なるほどこうやるのか」とイサコは嬉しそうに呟き、続ける。

「さっき何をするかって聞いたよな、キャスター?」
「簡単なことさ。」
「二騎持ち《ダブルホルダー》だよ。」


561 : 【37】反転した現実ならメガネのない魔女はどう動くのか ◆txHa73Y6G6 :2015/12/18(金) 03:57:53 ZYuTGXCY0



【新都、冬木ハイアットホテル最上階/2014年8月1日(金)0500】


【天沢勇子@電脳コイル】
[状態]
疲労(小)、満腹、眠気、百万程度の現金と偽造された身分証明書と名刺の束、覚悟未完了、それならこの聖杯戦争を操る。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
優勝してお兄ちゃんを生き返らせる。
1.キャスターを使ってありあらゆる手段を使い聖杯戦争を加速させ、多重契約などで影から操る。まずはキャスターを役所に潜り込ませるか。
2.更に陣地作成するかそれとも……
3.家の陣地作成が終わったあとはホテルや他の場所で陣地作成。
4.さっきのマスター達(色丞組、間桐組)は……とりあえず同盟はできそうにないか……
5.同盟相手を探す(三騎士、バーサーカー、ライダー、アサシンの順で妥協するかも)。
[備考]
●キャスターの給料で購入したもののうちスマホは引き継げましたが、それ以外はキャスターが持っていたためか全て持ち込めませんでした。
●自宅は深山町にあり、そこにセンサーとトラップを張り巡らせました。家への出入りを察知し攻撃します。ただし対魔力、耐久、敏捷、幸運のうちいずれかでEランクの判定に成功したか対応するスキルや宝具がある場合ダメージを受けません。
●予選の時に新聞やテレビや掲示板を見てそれなりに調査したようですがなんの成果も得られなかったようです。
●冬木ハイアットホテル最上階をキャスターに借りさせ、一室を簡素な拠点化しました。
●キャスターへの信頼を深めつつあります。

【キャスター(兵部京介)@The Unlimited 兵部京介】
[状態]
筋力(30)/C、
耐久(30)/C、
敏捷(150)/A++、
魔力(50)/A、
幸運(20)/D、
宝具(40)/B
健康。
[思考・状況]
基本行動方針
マスターの安全第一。まずは安全な拠点作り。
1.C案、それもかなり過激な……
2.マスターの安全第一。危険なら即撤退。
3.そろそろマスターを休ませたい。色んな意味で。
4.家の陣地作成が終わったあとはホテルや他の場所で陣地作成。
5.さっきのマスター達(色丞組、間桐組)とはなるべく会わないようにしないと……キャスターなら同盟を組む意味ないしね。
6.同盟相手を探す(バーサーカー、ライダー、アサシン、ランサー、アーチャー、セイバーの順で妥協するかも)。
[備考]
●自宅は深山町にあり、そこに陣地を作成しました。内部での行動は外部から察知できず、また一部の場所が迷路のようになって変なトラップのしかけられたとか。対魔力か幸運でEランクの判定にしないと何らかのバッドステータスを受けます。ただし対応するスキルや宝具がある場合効果を受けません。
●予選では出版社でサラリーマンとして働いていたようです。少なくともその会社に他の組はいなかったようです。
●冬木ハイアットホテル最上階を借りて、一フロアを簡素な拠点化しました。
●イサコへの好感度が上がりました。


562 : ◆txHa73Y6G6 :2015/12/18(金) 04:16:04 ZYuTGXCY0
投下終了です

年末は投下ペースがゆっくりになると思います
あと◆Mti19lYchg氏の安否をどなたがご存知ないでしょうか


563 : 訂正 ◆txHa73Y6G6 :2015/12/18(金) 04:21:36 ZYuTGXCY0



【深山町、自宅/2014年8月1日(金)0612】


【天沢勇子@電脳コイル】
[状態]
疲労(小)、満腹、眠気、百万程度の現金と偽造された身分証明書と名刺の束、覚悟未完了、それならこの聖杯戦争を操る。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
優勝してお兄ちゃんを生き返らせる。
1.キャスターを使ってありあらゆる手段を使い聖杯戦争を加速させ、多重契約などで影から操る。まずはキャスターを役所に潜り込ませるか。
2.更に陣地作成するかそれとも……
3.家の陣地作成が終わったあとはホテルや他の場所で陣地作成。
4.さっきのマスター達(色丞組、間桐組)は……とりあえず同盟はできそうにないか……
5.同盟相手を探す(三騎士、バーサーカー、ライダー、アサシンの順で妥協するかも)。
[備考]
●キャスターの給料で購入したもののうちスマホは引き継げましたが、それ以外はキャスターが持っていたためか全て持ち込めませんでした。
●自宅は深山町にあり、そこにセンサーとトラップを張り巡らせました。家への出入りを察知し攻撃します。ただし対魔力、耐久、敏捷、幸運のうちいずれかでEランクの判定に成功したか対応するスキルや宝具がある場合ダメージを受けません。
●予選の時に新聞やテレビや掲示板を見てそれなりに調査したようですがなんの成果も得られなかったようです。
●冬木ハイアットホテル最上階をキャスターに借りさせ、一室を簡素な拠点化しました。
●キャスターへの信頼を深めつつあります。

【キャスター(兵部京介)@The Unlimited 兵部京介】
[状態]
筋力(30)/C、
耐久(30)/C、
敏捷(150)/A++、
魔力(50)/A、
幸運(20)/D、
宝具(40)/B
健康。
[思考・状況]
基本行動方針
マスターの安全第一。まずは安全な拠点作り。
1.C案、それもかなり過激な……
2.マスターの安全第一。危険なら即撤退。
3.そろそろマスターを休ませたい。色んな意味で。
4.家の陣地作成が終わったあとはホテルや他の場所で陣地作成。
5.さっきのマスター達(色丞組、間桐組)とはなるべく会わないようにしないと……キャスターなら同盟を組む意味ないしね。
6.同盟相手を探す(バーサーカー、ライダー、アサシン、ランサー、アーチャー、セイバーの順で妥協するかも)。
[備考]
●自宅は深山町にあり、そこに陣地を作成しました。内部での行動は外部から察知できず、また一部の場所が迷路のようになって変なトラップのしかけられたとか。対魔力か幸運でEランクの判定にしないと何らかのバッドステータスを受けます。ただし対応するスキルや宝具がある場合効果を受けません。
●予選では出版社でサラリーマンとして働いていたようです。少なくともその会社に他の組はいなかったようです。
●冬木ハイアットホテル最上階を借りて、一フロアを簡素な拠点化しました。
●イサコへの好感度が上がりました。


564 : 名無しさん :2015/12/19(土) 16:17:54 fkgymjzQ0
投下乙
イサコと兵部はあれこれ手を試してるな
地味にこの聖杯の設定に踏み込んでも行ってるのか
あとテレポート使い放題は確かに地味にアドバンテージですな


565 : <削除> :<削除>
<削除>


566 : <削除> :<削除>
<削除>


567 : ◆txHa73Y6G6 :2015/12/21(月) 23:59:26 fXJ/xgE20
投下します


568 : ◆txHa73Y6G6 :2015/12/22(火) 00:44:56 4Y3ToJv.0
投下を中止します


569 : ◆txHa73Y6G6 :2015/12/22(火) 01:22:18 4Y3ToJv.0
◆Mti19lYchg氏が消息不明につき、氏が予約中のキャラクターを予約されていないものとします
今後の予約ルールは通常のルールに基づきます

なお明日の投下はトバルカインかミュウイチゴを予定しています


570 : ◆txHa73Y6G6 :2015/12/22(火) 23:59:21 4Y3ToJv.0
投下します


571 : 【38】手札制限 ◆txHa73Y6G6 :2015/12/23(水) 01:35:27 tKxUbi2I0



「さて、困った」
「否《Nein》、これは喜ぶべきか」

「あの青狸はまさしく、まさしくドラえもんだ。」



「ドラえもんてなに?」
「ドラえもんていったらドラえもんだろ。」



 カラオケボックスで放心していた希里ありすが数十分ぶりに発した言葉がそれだ。
 一方のライダー・少佐は輪郭をぐだぐだにしながら答える。

 ちなみにありすは数十分間身近にある死を認識した恐怖やその他もろもろで大きなショックを受けていた。その為に本人も無意識に口に出していたのだが、少佐と『会話』が成立したことで意識は表に出てきていた。

(なに……これ……)

 表に出てきて覚醒した意識が真っ先に認識したのは彼女のサーヴァントの異常だった。なんというか、少佐はそれまでのやたらに眼鏡を光らせる絵面からこどもの落書きのようなテキトーな線画なっていた。いや、少佐だけではない。なぜか奥の方でリップバーンが黒い棒のようなものを体に刺しながらぐねぐねと動き回り小学生ぐらいの少年がAqua Timezの決意の朝にを歌い謎の珍妙な動物が奇声を発してほんわかぱっぱしている。

「ーーッはぁっ!」

 そこでありすはようやく息をした。どうやらショックで息をするのも忘れていたらしい。
 前を見れば、少佐はいつもどうりの何を考えているのかわからない表情をしていた。そう、いつもどうりだ。少佐も部屋も、特に異常は見られない。

「どうしたマスター、なにか怖い夢でも見たのかね?安心しろ、それは夢だ。さあ、もう一眠しようじゃないか。」

 ニッコリと笑いそう少佐は言う。

「もう、寝たくない……」

 パッタリとありすは倒れると耳をふさいで動かなくなった。


572 : 【38】手札制限 ◆txHa73Y6G6 :2015/12/23(水) 03:06:11 tKxUbi2I0



「ーーえええええるぐぅぅあぁっ!!?」

 ところ変わって、港。そこでは一人の中年男性がバタバタとのたうち回っていた。
 よく見れば男性の体から煙が上がっているのが見えただろう。何せ男性は吸血鬼なのだ、日光は大敵である。

 ーーちなみに夏の冬木市は5時を十分も過ぎれば日の出である。日の入りは19時程だ。吸血鬼にはいささか厳しい土地といえるーー

 さて中年男性ことトバルカインは生命の危機に瀕していた。吸血鬼が日光を浴びているのだから当然だがそこは戦鬼の徒、なんとか日影となる倉庫を見つけて滑り込むと必死に発火した体の火を鎮火させようと試みる。が、消えない。困ったことに既に服に燃え移りそれがまたトバルカインの体を焼く。あちらを消せばこちらが燃える、終わりのない火炎の輪廻がトバルカインの命を刻々と縮めていた。

(バカな、こんな、こんな死に方があって堪るか……!)

 倉庫の中、段ボールやら木箱やらを破壊しながらトバルカインは悶える。逃れなれぬ地獄の業火のような灼熱にさいなまれ、意図せずその身が震える。

(玉砕するでもなく、こんなことで……)
(こんなことで死んで……)
「死んで堪るかぁッ!」

 瞬間、トバルカイン爆発。凄まじい勢いで飛来する飛翔体が段ボールも木箱も服も、一切合切を切り刻み尽くす。
 それはトランプだ、無数のトランプが倉庫の中の物を粉微塵に変えていったのだ。荒れ狂い、竜巻のように渦を巻く何万何十万というトランプは、しかし統率をとって一ところに集まり、像を作る。

「ーーショボい死に方は御免だ……」

 やがて人形を作ったトランプから体を戻したトバルカインは、疲れきった様子でそう呟いてどっかと腰を地面に下ろした。


573 : 【38】手札制限 ◆txHa73Y6G6 :2015/12/23(水) 03:46:36 tKxUbi2I0


 二三分ほどそうしていただろうか。全裸で茫然としていたトバルカインは意識を覚醒させると咳払いを一つして立ち上がった。埃を払うと魔力でスーツを編む。余り無駄遣いできないのだが、令呪でもたらされた魔力は燃えた分と体をトランプに変えた分を差し引いてもまだ余裕がある。何より全裸はまずいだろう、全裸は。

 「さて」と一つネクタイを調えながら呟く。一応格好はつけた。だが問題は山積みだ。
 まずこの倉庫からどう出るかだ。港というのは高い建築物が少ない。市街地のように大きな日影は望めないのだ。うかつに出ればまた人間松明になりかねない。
 それに持ち物も失ってしまった。連絡用のタブレットも煙草もまとめて切り刻んだのだ。これでは少佐の指示も仰げない。

「……何も持っていないのなら霊体化すればいいか。」

 わりかしあっさりと解決法は考えついた。二兎追うものは一兎も得ず。後者を諦めれば前者はどうにかなりそうだ。しかしそれでは結局連絡に問題を抱えたままだ。どうしたものか。

「とりあえず街だ、街に行けば電話もできるだろう。」

 迷っていたのは数秒、トバルカインは決心した。初陣は黒星だがそんなことを気にしてはいられない。挽回するためには早急な行動が求められるのだ。

 トバルカインは霊体化する。移動を開始した彼の視界の遠くで、タクシーが一台横切っていく。この分なら人を捕まえるのは早そうだ。



 ちなみにそのタクシーに四人ものマスターが乗っていたことに気づかなかったのは彼にとって幸か不幸か意見の別れるところである。


574 : 【38】手札制限 ◆txHa73Y6G6 :2015/12/23(水) 04:16:47 tKxUbi2I0



【新都・駅前カラオケボックス/2014年8月1日(金)0637】
【希里ありす@学園黙示録HIGH SCHOOL OF THE DEAD】
[状態]
少佐の『世界』への対応の兆候、???、充分な睡眠
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針

0.???
[備考]
●両親役のNPCや住所などが設定されていない可能性があります。
所持金に関しては予選期間中に他のマスターから奪った現金が多少あるようです。
●少佐との魔力パスが深まりました。今後睡眠の度に少佐の『世界』に入る確率が上がります。
●正気を失いつつあります。

【ライダー(少佐)@ヘルシング(裏表紙)】
[状態]
筋力(5)/E-、
耐久(5)/ E-、
敏捷(5)/E-、
魔力(10)/E-、
幸運(5)/E-、
宝具(5)/E-、
健康、令呪使用により魔力倍増。
[残存令呪]
8画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争を楽しみ、セイバー(アルトリア)を嫁にする
1.とりあえずはトバルカインの視界ジャックを継続。
2.サーヴァント(ワイルド・ドッグ)と交渉をしたいが……。
3.目的達成のためにルーラーを排除する策を練る。
4.マスター『も』楽しめるように『配慮』。
5.令呪を使った『戦鬼の徒』の召喚を試みたが‥‥まだ目立った変化は見られんか。
5.仮面ライダーにドラえもんか……
[備考]
●マスターと同等のステータス透視能力を持っています。
また、『戦鬼の徒』で呼び出したサーヴァントと視界共有を行えますが念話はできないようです。
●ライダー(五代雄介)の非変身時、マイティ、ドラゴン、タイタン、ライジングドラゴン時のステータスと一部スキルを確認しました。
また仮面ライダーであることを看破しています。
●ルーラーの特権の一つがサーヴァントへの令呪であることを確認しています。
他にも何らかの特権を複数持っていると考えています。
●セイバー(アルトリア)のマスターが遠坂凛であることを把握しています。
●令呪を使って『戦鬼の徒』を使用することで戦鬼の徒の宝具、スキル等を再現できるのではないかと考えており、召喚したトバルカインで実験するつもりです。そのために場合によってはドクの召喚も考えています。
またこの考えは外れている可能性もあります。
●予選期間中に他のマスターから令呪を多数強奪しました。
●出典が裏表紙なので思考、テンションが若干おかしなことになっています。少佐の周囲にいる人物も場合によってはおかしくなります。
●予選の間にスマホや現金を調達していたようです。
●ありすとのパスが深まりました。


【新都・港/2014年8月1日(金)0637】

【トバルカイン・アルハンブラ(-)@ヘルシング】
[状態]
筋力(30)/C、
耐久(20)/ D、
敏捷(30)/C+、
魔力(30)/C、
幸運(10)/E、
宝具(0)/-、
決意、召喚酔いは醒めた、全身に火傷(回復中)、霊体化。
[思考・状況]
基本行動方針
この聖杯戦争で軍功を挙げ、意地を見せる。
1.先ずは人のいる場所を目指し少佐と連絡を取る。
2 今度こそ軍功をあげてみせる。
3.‥‥どうせなら葉巻を吸いたいな。
[備考]
●一応本編からの召喚ですが若干テンションがおかしいです。
マスターである少佐と視界共有を行えますが念話はできないようです。
●冬木大橋でのイリヤ&バーサーカーvsいおり&ランサー(with茜&ランサー、アサシン)戦を観戦しました。どの程度把握したかは不明です。
●トバルカインのマスター(少佐)と三人で話しました。


575 : ◆txHa73Y6G6 :2015/12/23(水) 04:25:17 tKxUbi2I0
投下終了です
なお ◆Mti19lYchg氏の投下が27日までにあった場合投下を取り下げます

>>564
兵部は全体的にメディアの相互互換のような気持ちで動かしてます
現代日本における悪どい振る舞いができる分メディア以上に厄介だと思います


576 : 名無しさん :2015/12/23(水) 15:34:11 l7Fo3y9E0
投下乙
カバー裏と巻末仕様じゃねえか少佐wwwありすがセラス状態になりかけてる
そしてトランプ爆発全裸おじさ…トバルカインさん、今一つ締まらねえなぁ…w
組が混じりだしたことの影響が徐々に出てきてますね


577 : 名無しさん :2015/12/23(水) 16:41:16 ZmSk3dpE0
少佐のこの仕様は鯖としては一応長短ありそうね
知識面では役に立つことが今後もあるかも?


578 : ◆txHa73Y6G6 :2015/12/23(水) 23:59:09 tKxUbi2I0
書いてて気づいたのですが少佐て凄い書きづらいですね
他の企画の書き手さんは凄いと思います

投下します


579 : 【39】Servant test ◆txHa73Y6G6 :2015/12/24(木) 02:15:38 mXP1rQ6E0



 前回までのマイケル・スコフィールドの第二次二次二次聖杯戦争は。

 将来を有望された建築家のマイケルの人生は兄であるリンカーン・バローズが副大統領の弟を射殺した容疑で死刑判決を受けたことで一変する。兄の無実を信じ事件を調べるも出てくる証拠は有罪を立証するようなものばかりであった。刻々と迫る死刑執行の日。そこでマイケルは自ら兄と同じ刑務所に入り共に脱獄するという驚愕の計画を立案する。刑務所の建築にマイケルが関わっていたことを利用して体に設計図を刺青として記すと目論みどうり刑務所に収監される。
 一癖も二癖もある囚人達と共に脱獄に成功したマイケルは、それぞれの思惑が絡み合いアメリカ全土を舞台に逃亡生活を始める。目指すはかつて伝説の強盗が500万ドルの埋蔵金を隠したとされる、ユダ。リンカーンとの新しい生活の為にそれを必要としたマイケルはFBI捜査官やかつての看守の追撃を振り切りようやく大金を手に入れる。しかしいよいよ国外脱出をしようとしたその時謎の組織の襲撃を受けてしまう。金も命も失うことになったと思われたマイケル。だがその手が桟橋を掴んだとき、聖杯戦争への参加という奇跡と絶望が彼に訪れた。
 記憶を取り戻し聖杯戦争のマスターとしてサーヴァントを召喚したマイケル。彼に応えたのは武器商人であり傭兵でもあるアーチャー・ワイルド・ドッグであった。マイケルを襲った組織の人間に近いものを感じながらもマイケルはアーチャーと共にこの聖杯戦争を戦うことを決意する。
 本選の始まった聖杯戦争。その舞台は多くの聖杯戦争の始祖とも言える冬木市だった。
 開始直後から二人のクウガやクレイモアのテレサなどの有力なサーヴァントが冬木大橋で戦闘を繰り広げ、ついには千手扉間の暗躍によりイリヤとそのサーヴァントであるヘラクレスごと海へと沈むことになる。
 首尾よく一組の主従を戦闘不能に追い込んだ扉間であったが、冬木大橋で共闘した真田幸村達に拠点である病院で騒ぎを起こされてしまう。やむを得ず扉間は幸村達と同盟を結ぶことにする。
 一方海中に没したはずのヘラクレスはイリヤと共に辛くも生還していた。そこでパピヨンやフドウ、赤城と出会ったイリヤはなしくずし的にチームを組むことになり共に冬木教会に向かうことになった。
 同じ頃、冬木大橋での戦闘を引き起こした少佐は、やはり扉間と共闘したアリシア達を監視していた。そこでマイケルのサーヴァントであるワイルド・ドッグと接触する。マスターに無許可で同盟を結ぶことにした二人は彼らを伺っていたドラえもんを殺害するもバラバラに引き離されてしまう。
 そしてその頃、マイケルの身にはワイルド・ドッグの戦闘による魔力の消耗が襲っていた。


580 : 【39】Servant test ◆txHa73Y6G6 :2015/12/24(木) 03:44:06 mXP1rQ6E0



 脂汗をかいて目覚めたマイケル・スコフィールドは手で顔をぬぐうと上体を起こした。ぐっしょりと濡れた服が体にまとわりつき、それだけで体力を奪うような感覚に襲われる。

「アーチャー……」

 パシッ、と飛んできたミネラルウォーターのペットボトルを受けとると、マイケルは冷蔵庫の前で佇む男性の名を呟いた。
 全体的に赤いコーディネートのその男性ーーワイルド・ドッグは不機嫌そうに腕組みしたまま霊体化する。どうやらマイケルに水を渡すためだけに実体化したようだ。

「……」

 マイケルは頭をふった。何かアーチャーに声をかけるべきだ。それはわかっている。だが彼にはアーチャーになんと声をかけるべきかがわからない。普段は気のきいたことがすらすらと出てくるその口も、さすがにサーヴァント相手には重くなる。
 マイケルはペットボトルを煽る。ボルビックが口から食道、胃から十二指腸へと染み渡っていくのを感じるとシャワーを浴びに立ち上がった。

 ところでシャワーというのはそれなりに体力を使う。もちろん健康な人間であれば得られるのはリラックス効果のほうが大きいだろう。しかし例えば、病人ではどうだろうか?

 それは唐突に起こった。冷たいシャワーで寝汗を流してスーツに身を包みむと出社の為にバス停へ向かって歩いていた時のことだ。
 まずマイケルを襲ったのは頭痛だった。それまでの疲れと倦怠感とは違う、動的な揺さぶりだった。続いて遅い来るのは目眩と吐き気、そして視界のブラックアウトだ。前後不覚に陥ると立っていることはもはや不可能。堪らず膝をついてうずくまった。

(チィ……!)

 しかしマスターの明確な異常を前にしてアーチャーは霊体化したまま舌打ちする他なかった。原因ははっきりしている、魔力不足だ。
 元からマイケルの皆無に等しい魔力ではアーチャーを維持することはできない。それなのに今までアーチャーをサーヴァントとして従えてこれたのは、ほとんどアーチャーが実体化しなかったからだ。食事による僅かな魔力補給をするとき以外、原則としてアーチャーは常に霊体化していた。それが数十日に渡って魔力切れによる消滅を避けられていた理由だった。
 しかし、マイケルは知らないが既にアーチャーは一回戦闘を行っている。それだけで本来ならマイケルが衰弱死していてもおかしくない魔力をアーチャーは奪い取っていた。不幸中の幸いにしてアーチャーが倒したサーヴァントを魂食いしたことで幾らか魔力の足しにはなっていたが、それでもマイケルは限界だった。

 しかし、マイケルは手を伸ばした。驚くべきことに、魔力の換わりに生命力を削られる状況にありながら手をスマートフォンへと伸ばす。そして通話する。
 この時の判断がその後の展開を分けた。


581 : 【39】Servant test ◆txHa73Y6G6 :2015/12/24(木) 04:22:08 mXP1rQ6E0



「では、とりあえず8月8日まで同盟を組むということでいいな?」
「はい!よろしくお願いします!!!」

 その頃病院では、一組の主従の同盟が締結されていた。提案したのは、アサシン・千手扉間。それを受けたのはランサー・真田幸村のマスターであるアイドル・日野茜だ。
 そもそもこの二組の馴れ初めは冬木大橋にまで遡る。テレサ、クウガ、サイト、そしてヘラクレスという四連戦を慣行したランサーだったが、さすがに無理がたたりヘラクレスにあわや殺されるところにまで追い詰められる。そこに割って入ったのがアサシンであり、言わば彼はランサー達の恩人と言えた。

「不服そうだな、ランサー?」
「!そ、そんにゃことは!」
「噛んだぞ。」
「ぬぅ……!」

 ただ、内心ランサーはこの同盟をあまり良くは思っていなかった。彼は知っているのだ、どれだけ忍というものが油断できぬ存在であるかを。味方にすればとてつもなく心強いが敵に廻せばどれだけ恐ろしいか、彼は文字どおり骨身に染みて理解していた。
 故にランサーはアサシンとの同盟に消極的だった。しかし戦いたいかと言われればキッパリとNOだ。何より相性が悪いとランサーはアサシンに対して思っていた。直接手合わせしたわけではなかったが、恐らくアサシンは最も苦手なタイプの相手だ。万全の状態でも勝てるかはわからない。そして何より、アサシンは戦となれば容赦なくマスターである茜を狙うだろう。アサシンの醸し出す雰囲気は、強烈なイメージでランサーにのし掛かっていた。

「ダメですよランサーさん!私たちはチームになるんですから!!」
「そうだ、これから互いの背中を預け合うことになる。必要なのは互いを信頼することだ。」
「だが、あさしん、さっきは簡単に同盟を結んではならぬと……」
「しかしお前はマスターと話し合い、その結果としてお前のマスターはこちらとの同盟を選んだのだ。」
「そうですよ、みんなで協力してこの聖杯戦争に勝ちましょう!!!」

 そしてランサーの一番の気がかりは、マスターのことだ。彼はてっきりマスターが聖杯戦争が何かを知って怯えるか怒るか、何らかの負の感情を示すと思っていた。しかし少しの時間をあけて彼女と会ったとき、まるで前と変わらないような、それどころか前よりも聖杯戦争に積極的な有り様だった。

(もしや俺の説明が下手でますたぁを誤解させてしまったのでは……)

 ランサーは戸惑うが、今更どうすることもできない。それにここで同盟を結ばなければアサシンはマスターに襲いかかりかねない。もとより選択の余地はないのだ。

 知恵熱と知恵汗をかきながらランサーは一歩前に出る。こうなったら自分がアサシンをしっかりと見張らなければならない。そう思いーー

「早く霊体化しろ。」

 アサシンに告げられた言葉に疑念を抱いた。


582 : 【39】Servant test ◆txHa73Y6G6 :2015/12/24(木) 04:50:22 mXP1rQ6E0

「断る!」
「良いから早く霊体化しろ。」
「断る!!」
「早く霊体化しなーー」
「断る!!!」
「わかった、霊体化しないでいいから魔力を抑えてくれ。サーヴァントが向かってきている。」

 しまった、とランサーは後悔した。なるほどアサシンは敵の動きを察知しこちらの動きを掴ませないために警告したのだろう。それを疑いマスターをみすみす危険にさらすとは。
 ランサーは慌てて霊体化しようとする。しかし、それより早く彼のマスターは動き出していた。

「よし、みんな行きましょう!!」
「「なっ!?」」

 軽いストレッチをすると茜は今にも走り出さんばかりに足踏みしていた。その足はもちろん出口へと向かっている。

「待て、敵が近づいて来ているのだ。」
「その通り!ここは拙者にーー」
「何言ってるんですか!!!」

 静止の言葉を、だが茜は大声で遮った。

「これは聖杯戦争なんですよ!」
「みんなで力を合わせなかったら、勝てるはずない!!!」
「サーヴァントだけでもダメなんですマスターだけでもダメなんですどんなときも一緒に頑張らないと!!!!!」
「……ランサァ……お前はいったいどういう説明を……!」
「ま、ますたぁ!一人で行っては!!」

 サーヴァント二騎を残して茜は駆け出していく。慌てて霊体化すると追いかけた。



「サーヴァント、か。」

 ポツリとマイケルはこぼした。聞き止めた救急隊員が視線を向ける。それを無視してマイケルは目を閉じたまま念話をした。

 あのあとマイケルはなんとか自力で救急車を呼ぶと、病院へと向かっていた。
 隊員からは過労だろうと言われた。なるほど、思い当たる節は多々ある。しかしマイケルはこれをチャンスだと思っていた。
 初日のうちに病院を抑えておけば、その後の聖杯戦争は大幅に有利になるだろう。そういう計算もあり病院に入院することはむしろプラスであると。

(同じことを考えている人間がいたか。)

 だが彼に考えつくことは他の人間も考えつく可能性がある。今回の場合は正にそうだ。病院にいるらしいサーヴァントはこちらの存在に気づいたのか近づいて来ていると、アーチャーは彼に告げた。

『もしもの時は令呪を使う。』

 マイケルはそうアーチャーに伝えると、神経を尖らせる。以前具合は悪いがなんとか切り抜けるしかない。


 数十秒後、救急車は病院に到着した。


583 : 【39】Servant test ◆txHa73Y6G6 :2015/12/24(木) 05:12:22 mXP1rQ6E0



【新都・病院/2014年8月1日(金)0707】

【マイケル・スコフィールド@PRISON BREAKシリーズ】
[状態]
魔力消費(極大)、精神的な疲労(中)、衰弱(中)、覚悟未完了。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
優勝を目指しているが‥‥?
1.令呪を使ってでも接近しているサーヴァント(幸村)を切り抜ける。
2.こうなったら病院に潜伏する
3.予選と同じくキャスターとの同盟を狙う。
[備考]
●大手企業のサラリーマンが動かせるレベルの所持金。
●自宅は新都の某マンションです。
●予選の時に学校で盗撮をしましたが、夏休みということもありなんの成果も得られなかったようです。
●SEASON 2終了時からの参戦です。

【アーチャー(ワイルド・ドッグ)@TIME CRISISシリーズ】
[状態]
筋力(15)/C、
耐久(15)/C+、
敏捷(10)/D、
魔力(5)/E、
幸運(10)/D+、
宝具(10)/E
魔力の不足により全パラメータ半減。宝具使用不可、イライラ。
[思考・状況]
基本行動方針
優勝するためには手段を選ばず。一応マスターの考えは尊重しなくもない。が、程度はある。
1.戦闘の気配にイライラ。聖杯戦争というものにもイライラ。
2.最悪の場合はマスターからを魔力を吸い付くせば自分一人はなんとかなるので積極的に同盟相手を探す。
3.マスター(マイケル)に不信感とイラつき。
[備考]
●乗り換えるマスターを探し始めました。
●トバルカインのマスター(少佐)と三人で話しました。好感度はかなり下がりました。
●ドラえもんでの魂食いしました。誤差の範囲で強くなりました。


584 : 【39】Servant test ◆txHa73Y6G6 :2015/12/24(木) 05:13:56 mXP1rQ6E0
【アサシン(千手扉間)@NARUTO】
[状態]
筋力(30)/C、
耐久(30)/C、
敏捷(100)/A+、
魔力(10)/B、
幸運(10)/E、
宝具(??)/EX
霊体化、宝具使用不可、魔力を四分割したため戦闘になると1ターン目からステータスダウン、避雷針の術の発動条件を満たしているため敏捷が+分アップ。
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯を用いて木の葉に恒久的な発展と平和を。
1.とりあえずアカネを追い接近しているサーヴァント(ワイルド・ドッグ)入院することは対処。
2.一応ランサー(幸村)達と同盟を結んだが……
3.マスター(りん)が他の組に見つからないように警戒している……ランサーのせいで無理そうだが。
4.三つの問題はもはや後回しでよいだろう。
5.魂喰いの罪を擦り付ける相手は慎重に選定する
6.穢土転生の準備を進める。
7.他の組の情報収集に務める。同時にランサー達を何とか隠ぺいしたいがたぶん無理。
8.女ランサー(アリシア)との明日正午の冬木ホテルでの接触を検討し、場合によっては殺す。
9.バーサーカー(ヘラクレス)は現在は泳がせる。
10.逃げたサーヴァント(サイト)が気になる。
11.聖杯を入手できなかった場合のことを考え、聖杯を託すに足る者を探す。まずはランサーのマスター(日野茜)。
12.マスター(りん)の願いにうちはの影を感じて……?
[備考]
●予選期間中に他の組の情報を入手していたかもしれません。
ただし情報を持っていてもサーヴァントの真名は含まれません。
●影分身が魂喰いを行ないましたが、戦闘でほぼ使いきりました。その罪はバーサーカー(サイト)に擦り付けられるものと判断しています。
●ランサー(アリシア)の真名を悟ったかどうかは後の書き手さんにお任せします。
●バーサーカー(ヘラクレス)に半端な攻撃(Bランク以下?)は通用しないことを悟りました。
●バーサーカーの石斧に飛雷針の術のマーキングをしました。
●聖杯戦争への認識を改めました。普段より方針が変更しやすくなっています。
●ランサー・真田幸村とフワッとした同盟を結びました。期限は8月8日です。またランサーのマスターがヒノアカネだと認識しました。
●九重りんへの印象が悪化しました。
●三谷亘の令呪二画付の肉塊が封印された巻物を九重りんの私物に紛れ込ませました。
【ランサー(真田幸村)@戦国BASARAシリーズ】
[状態]
筋力(40)/B、
耐久(40)/B、
敏捷(30)/C、
魔力(30)/C、
幸運(30)/C、
宝具(40)/B、
疲労(中)、魔力消費(大)、肋骨単純骨折と内臓に損傷(どちらもほどほどに回復)、安堵と屈辱と無力感、そして茜への責任感。
[思考・状況]
基本行動方針
強敵たちと熱く、燃え滾る戦を!!だが‥‥
1.ますたぁ(茜)に聖杯戦争について伝えたが……どうしてこうなった。
2.ますたぁ(茜)への申し訳なさと不甲斐ない自分への苛立ち。
3. あの爆発、あーちゃー(アリシア)は無事とアサシンは言ったが‥‥
4.俺は……
5.せいばぁ(テレサ)、ばあさあかぁ(小野寺ユウスケ)と再戦し、勝利する
6.やはりあさしん(扉間)は忍びの者……?
[備考]
●ランサー(アリシア)のクラスをアーチャーと誤認しています。
●ランサー(アリシア)の真名を悟ったかどうかは後の書き手さんにお任せします。
●アサシン(千手扉間)を忍のサーヴァントだと考えています。
●病院内にランサーの噂が立ちました。『アイドルの関係者』、『映画の撮影』、『歌舞伎』、『うるさい』、『真田』といった単語やそれに関連した尾ひれのついた噂が広まり始めています。
【日野茜@アイドルマスターシンデレラガールズ】
[状態]
魔力消費(小)、頭にタンコブ(応急処置済)、???
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争はサーヴァント同士の格闘技!だと思ってたけどマスターも頑張らないと!!
1 .聖杯戦争という企画を頑張る!
[備考]
●予選期間中他のマスター、サーヴァントと出会うことはありませんでした。
●月海原学園高等部の生徒という立場が与えられています。
所持金は高校生相応の額となっています。
●自宅は深山町のどこかです。
●セイバー(テレサ)、バーサーカー(小野寺ユウスケ)の基本ステータスを確認しました。
●気が動転していたため、ランサー(アリシア)、バーサーカー(サイト)、バーサーカー(ヘラクレス)のステータスを確認できていないかもしれません。
●病院にアイドル・日野茜の噂が立ちました。
●病院の特別病床に入院しました。病室のある階に立ち入るにはガードマンのいる階段を通るか専用のIDカードをエレベーターにタッチする必要があります。
●聖杯戦争を番組の企画だと考えたり考えなかったりしました。とりあえず今後自分が常にカメラに撮られていると考え視聴率が取れるように行動します。


585 : ◆txHa73Y6G6 :2015/12/24(木) 05:14:27 mXP1rQ6E0
投下終了です


586 : ◆txHa73Y6G6 :2015/12/24(木) 23:59:17 mXP1rQ6E0
投下します


587 : 【40】男子二人、女子二人、向かうは楽しい冬木教会 ◆txHa73Y6G6 :2015/12/25(金) 02:14:06 8Bm.UAM.0



 アリス・マーガロイドは魔女である。
 年若い外見とは裏腹に幾つもの年月を経て人外に至った彼女は、やはり普通の人間よりは経験を積んでいた。少なくとも彼女の同行者である色丞狂介や間桐慎二、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンよりは年の功というか、人生経験が豊富だ。だから彼女は大抵のことには耐性があったし馴れているとも自負していた。
 しかし、そんなアリスでもショックを受けるということはある。聖杯戦争の舞台で出会った数々の素材は彼女の創作意欲を湧かせたし、フィギアやプラモデル、ロボットやモダンアートはインスピレーションを刺激した。しかしそれをも上回るショックが今彼女を襲っていた。

『魅惑のパピヨン〜♪』

 悲しいかなアリス・マーガロイドは魔女である。
 霊体化しているサーヴァントでもその霊核に応じてうっすらとだが姿を見ることができた。
 もっとも、普通ならばまるで意味のないことだ。霊体化しているサーヴァントを見るためには近距離まで近付かなければならない。だがそこまで近づけばほぼ確実に殺されるだろう。つまり霊体化しているサーヴァントを目視するというのは非常に希な事態なのだ。

『蝶☆サイコー!』

 しかし残念ながら彼女の目の前にそのサーヴァント・蝶人パピヨンはいた。車のボンネットにどっかと座り、一般人に声が聞こえないのを良いことに朗々と歌い上げている。薄い窓ガラス越しに無駄に良い声が響き、なんというか色々未知のエリアをアリスに体感させていた。
 なぜ自分はうっかり車の助手席などに座ってしまったのだろうとアリスはしばし自問自答する。できるなら降りたい、というか降りないと自分の中の何か大切なものが取り返しのつかないことになる予感がする。しかしタクシーという密室はそれを許さない。四角い金属の檻は四人のマスターを冬木教会へと運んでいく。まだ数分はかかりそうだ。ふと横を見ればパピヨンと同じく霊体化したヘラクレスとフドウが並走しているのが見えた。左右に逃げ場はない。では後ろはどうだろうか。

『……』
『その……ごめんね、アーチャー……』

 今までに見たことのないような死んだ目をしたアーチャー・赤城と目があった。彼女は無茶な体勢で車にへばりついている上にパピヨンのダイレクトアタックを受けているのだ、そのダメージは計り知れない。

『ーー壊れるほど愛しても、三分の一も伝わらないーー』

(ウソ、二曲目……)

 ちなみにパピヨンの歌声はマスターである狂介や慎二には聞こえていない。魔力を持たない彼等ではサーヴァント側で幾らかの配慮がなければ念話は不可能なのだ。
 暫くして、タクシーは速度を落とした。アリスが待ち望んだ教会に到着した。


588 : 【40】男子二人、女子二人、向かうは楽しい冬木教会 ◆txHa73Y6G6 :2015/12/25(金) 03:43:45 8Bm.UAM.0



「教会に着いたわ……!」

 いくぶんか声に歓喜の色を含ませてそう呟くと、アリスは魔法のような速さでタクシーの外に出ていた。すぐに赤城も側に来てアリスを支えられる体勢をとる。どちらかというとアリスが赤城を支えるような形だったが二人にとってそんなことは大した問題ではない。大事なのは唐突に始まった謎のイベントを切り抜けたということだ。

「キャスター、それがあなたの故郷の民謡?ポップスみたいね。」

 一方同じくパピヨンの歌声を聴いていたイリヤはケロリとして話しかけていた。彼女の場合それまでに色々ありすぎてパピヨンが歌った程度ではさしたる驚きはなかった。殺されかけたり意図せず海水浴するのと、聞きなれない歌を歌われるのではどちらが堪えるかは火を見るよりも明らかだ。

「民謡?ポップス?どういうこと?」

 降りてきた狂介は問いかける。彼としては慎二とイリヤの口論を収めるのに神経を注いでいたこともあってイリヤの発言はまるで脈絡のないものにしか思えない。

「お前たち!僕に金だけ払わせて置いてくな!