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二次キャラ聖杯戦争
1 ◆.OpF6wOgZ2:2011/11/22(火) 01:10:13 ID:jE5cBLbg0
聖堂の様な場所で『貴方』は目を覚ます。
見覚えが有る様な無い様な、
そんな印象をくらくらとする頭で感じ取る。
辺りには似たような人間が何人も倒れており、
『彼』、『彼女』らは『貴方』と同じ様に
頭を抱えながら起き上がり始めている。
不意にコツコツと靴音が響き渡り、
『貴方』を含む全ての人間がそちらに目を向ける。
其処には聖堂ならば居ても当然の者、
だが妙に似つかわしくない雰囲気を醸し出す
神父が厳かに立っていた。

「ようこそ、新たな召喚者達よ。
 お前達は聖杯によって選ばれた。
 己の願望を叶えたいと欲する者は
 己の右腕を見てみろ」

静かに告げる神父の言葉に『貴方』は
思わず自分の右手に視線を遣る。
覚えの無い刻印が手の甲に刻まれている。

「それは令呪。
 それを刻みし者は聖杯の力の一端である
 サーヴァントを使役する権利と
 絶対的な命令権を与えられる」

神父は周囲の様々な反応を余所に言葉を続ける。

「今からお前達はその力を持って
 己の願望の為に他者を屠り、
 その骸の頂に残りし者が
 全てを叶える事ができる…
 そう、聖杯戦争を始めて貰う」

周囲がよりざわめき立つ。

「だが、命が惜しくなった者に我々は寛容である。
 戦う意思を喪失した者は今すぐ申し出よ。
 その場合、願望は叶わぬが命は救われる。
 その様な意思無き弱者は前に出るといい」

『貴方』は…


「戦い抜く覚悟を決める」

「全てを諦めて命を拾う」


select your fortune .

2マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2011/11/22(火) 01:18:40 ID:jE5cBLbg0
という訳でOPのみいきなり投下しましたが、
二次キャラによる聖杯戦争をやってみようと思います。
アニメ・ゲーム・漫画・ラノベ問わずに好きなキャラを出していきましょう。

参加条件は以下の点に注意!

マスターは人間(ホムンクルスも制限付きで可)限定。
サーヴァントは最低限人型(機械は除く)なら自由。
但し、必ずセイバー、ランサー、ライダー、アーチャー、
キャスター、アサシン、バーサーカーに当て嵌める事。
クラスに合ってないキャラ、設定は無効。

例:セイバーなのに剣を一切使わない、ライダーなのに乗り物が無い、
  バーサーカーなのに凶化しない等。

サーヴァントには必ず宝具を設定し、
マスターへの負担も考慮する事。

舞台はFate/extraのムーンセル。
ただし、実際の開催地は仮想空間の冬木市全土で行います。
参加人数はマスター25名、サーヴァント25名の計50人。
首輪なんかはありません、あるのは令呪と本人の意思のみ。
最期まで勝ち残れた者が勝者です。

まぁ、これも一応バトロワですよね?
亜種ですけどw

参加者決めは後ほど行いたいと思います。

3マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2011/11/23(水) 20:48:26 ID:mmNYdZZk0
以下、暫定的な書き手に対してのルールを幾つか。

1.マスター&サーヴァントの組み合わせは自由だが
  あまりにも自重しない能力のキャラは流石に自重して下さい。

2.パラメーターの表記はあくまで目安。
  自分で考えるのが難しいと考えたら無理に設定しなくてもいいです。
  宝具だけ考えておいてください。

3.キャラクターに対してのアンチは厳禁。
  嫌なら読むなの精神、超大事!

4.地図とか用意しないかも…
  従来のバトロワ企画とは違い自由度が大幅に上がるものと思われます。

5.強制的な殺し合いじゃなく、理由は違えど全て参加者は
  『自分の意思で参加した』という事だけは考慮して下さい。

4名無しさん:2011/11/23(水) 23:16:24 ID:tXS19a5sO
「自分の意思で参加した」で固定すると、出せるキャラは大幅に制限されないかな
いわゆる正義側のキャラは絶対に自分から進んではやらないでしょ
バトル系ではない作品もまたそこまで強い動機はもてないだろうし

5マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2011/11/23(水) 23:50:37 ID:mmNYdZZk0
確かに線引きが難しいところではありますね。

ただ、よく理解せずにゲーム感覚でやった。
殺し合いを止めたかった。
何となく参加してみた。

っていうのも、自分の意思での決定ではありますんで、
こういう所を攻めてみるのもありではあると思います。

6マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2011/11/23(水) 23:59:41 ID:mmNYdZZk0
あと、このように意見はどしどしと募集しております、
いざ完全に始まってから「こうした方が」「あぁした方が」となっては
色々と大変ですんで。

7名無しさん:2011/11/24(木) 15:18:18 ID:shBfIf5AO
どうにも何をしたいかというイメージが掴めないな
意見を募集する前にまず>>1自身が考えてるメンバーを挙げてくれないか?
こいつはあり、こいつは無しみたいな具体例もあれば参考になる

8名無しさん:2011/11/24(木) 16:41:38 ID:mboRnpkAO
あと、欲を言えばテンプレート的なもので幾つか具体例でマスター&サーヴァントを作って欲しいな。
イメージしやすいから。

あ、あと質問。これって電脳領域で、現実のマスターはどこかで繋がっているんですか?

9名無しさん:2011/11/24(木) 16:44:51 ID:mboRnpkAO
言い間違えた。
冬木市全体が電脳空間で、って意味だ。マスターのリアルの身体は、必ずどこかにあるという事でいいかな?
トワイスやアリス、主人公のような例外もあるだろうが。

10 ◆.OpF6wOgZ2:2011/11/24(木) 20:26:34 ID:SeD46roMO
テンプレート的なものは入れようと思っていたので了解です。
説明をあえて省いてるところも在るので
そこら辺も追々継ぎ足しますね。

11マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2011/11/25(金) 12:10:59 ID:jx4pVEkw0
単純に個人的な趣味に偏った具体例になりますが。
マスター&サーヴァントの一例を。

例1.原作出展との組み合わせ。

・衛宮切嗣(マスター)&ネイキッド・スネーク(サーヴァント)

・天野雪輝(マスター)&Extraセイバー(サーヴァント)

例2.原作以外での組み合わせ

・鳴上悠@P4(マスター)&万次@無限の住人(セイバー)

・桂言葉@School Days(マスター)&バルバトス・ゲーティア@TD2(バーサーカー)

例3.禁止キャラとそうでないもの

×ガンダム

○ナイトガンダム(一応原作に於いても生物に分類されるため)

上記の様な元がロボット物でも派生作品において、
生身(普通に死ぬ)であると明記されているものはOK。

と、大まかにこんな感じになります。

12名無しさん:2011/11/27(日) 01:13:55 ID:VL2/KYBMO
聖杯さんに無理やり連れて来られたとかでいいんじゃないのか

13名無しさん:2011/11/27(日) 11:07:12 ID:yugwGF.cO
基本的に、ありすやトワイスみたいな事情がない限り、マスターは死後からの参戦は不可でいいのかな?
逆にサーヴァントは英霊化してるから没後からの参戦が前提で見ればいいの?

14名無しさん:2011/11/27(日) 11:14:37 ID:X29o2bbUO
>>13
そうですね、やってはいけない訳ではないですが、
基本的には生存している時間軸でお願いします。
サーヴァントに関しては完全にどちらでも自由ですが
こちらは死亡しているキャラの方が扱い易いですよ、とだけw

15マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2011/11/27(日) 11:16:30 ID:X29o2bbUO
しまった、鳥忘れたorz

16名無しさん:2011/11/27(日) 11:30:09 ID:yugwGF.cO
あとは、特に明記されついない部分については、基本的にはエクストラ準拠でいいのかな?

・3つある令呪を完全に失えば失格になり、電脳死。だから実質上使用できるのは二つまで。
・完全に現実世界に即して作ってあるから、NPCが冬木市中にいる。買い物などはご自由に。

こんな感じ?
ただし、データ上の存在とは言っても、大っぴらに対軍宝具や対界宝具などの大規模破壊をして意図的に巻き込んだり、
第四次キャスターみたいな聖杯そっちのけで目に余る殺戮行為繰り返しなら、制裁も有り得るのかな?

17マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2011/11/27(日) 21:06:14 ID:x2vo4Z1k0
>>16
察しが早い上に正しいので助かりますねw
想定していたルールはほぼその通りです。

18マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2011/11/27(日) 21:21:10 ID:x2vo4Z1k0
詳細ルール。

・仮想電脳世界で行われるルール無用(といってもペナルティは存在する)の殺し合い。
・令呪は絶対命令権としても一時的なブースターとしても使用可能だが使い切った場合は失格。
・一部非戦闘地域があり、そこでの殺傷行為はペナルティ(能力低下等)。
・NPCは参加者の補佐や商売、特に意味も無く多数存在する。
・NPCを魔力炉に利用するのは問題ないが度を越した場合はペナルティ。
・参加者には他の参加者の情報は一切知らされない。
・サーヴァントに関する記録は大まかに月海原学園図書室にて閲覧可能(膨大な量になる為、大雑把な見当ではほぼ検索不可)
・アリーナは存在しない。
・参加者には本人の希望で活動拠点を始めに選ぶ事ができる(アインツベルン城でも可、目立つけど)。
・上記の拠点決定は早い者勝ち。
・時間は無制限、最後の一人になるまで行われる。
・黒幕に欠片男と聖お兄さんはいないのであしからず。

19名無しさん:2011/11/27(日) 21:25:03 ID:VL2/KYBMO
いいね。昼とかはNPCがウロウロしてて人気のない場所以外じゃペナくらいやすいけど夜はNPCが姿を消して戦闘やりやすいとか

20マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2011/11/27(日) 21:31:35 ID:x2vo4Z1k0
サーヴァントパラメーター例。

・セイバー(真名:レナス・ヴァルキュリア@ヴァルキリープロファイル)

筋力 B 魔力 A 耐久 B 幸運 D 敏捷 C 宝具 C
・対魔力 A
・神性 B

宝具『ニーベルン・ヴァレスティ』

21名無しさん:2011/11/27(日) 22:49:55 ID:yugwGF.cO
マスターとサーヴァントの関連性については、相性等の事を考えて「似た者同士」推奨でいいのかな?

22名無しさん:2011/11/27(日) 22:56:16 ID:yugwGF.cO
あと聞き忘れてた。エクストラ準拠だから、マスターとサーヴァントは一心同体になるのか。
だったら第四次アーチャーみたいにサーヴァントが裏切ってマスター鞍替えしたり、
第五次のマーボーみたいにマスターがサーヴァント自害させて乗り換え考えたりも出来ないって事でいいんだよね?
まあ正確に言えば自害や裏切りは出来るが、自分もまた一蓮托生で消滅するって事で。

23マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2011/11/27(日) 23:12:48 ID:x2vo4Z1k0
>>21-22
その方が組み易いというのはありますが別段推奨と言うほどではないです。
サーヴァントの裏切り、鞍替えはよっぽど特殊な条件でも揃わない限りは不可です。

24名無しさん:2011/11/29(火) 18:34:54 ID:slAmH5OQO
あと忘れてた。元々アニメキャラやゲームからの聖杯戦争だから、史実系のキャラ「だけ」は禁止にしたほうがよいかと。
史実は二次とは違う分ゼロから創作できるので、史実とは名前ばかりで検証しづらい伝奇物の逸話や複数の創作話の設定を
つきはぎ出来ておかしくできるから、却って制限出来ず危険だし。史実だと原作無視も何もない分、空気読めない書き手が暴走してしまう危険性が高い。

あと一応、fate知らない人の為と言うか再確認の為、7クラスの説明文も後で入れといた方がいいんじゃない?

25名無しさん:2011/11/29(火) 22:19:50 ID:uZLOQXOU0
言い間違えた。
史実キャラだけは禁止と名言したほうがいいかと、だ。
二次キャラによる、と>>2で言っているから大丈夫だとは思うが。
禁止とも言われてないからってごり押しする人もいるかもしれないんで、
まあ念のため。

26名無しさん:2011/11/30(水) 09:31:30 ID:Fo0fXdGY0
そうなると戦国BASARAとかの扱いはどうするんだ?

27マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2011/11/30(水) 09:58:22 ID:zx3LcfSw0
>>24-26
ご意見ありがとうございます。

簡潔に申し上げますと、史実キャラについては“完全オリジナル”の設定のものは不可です。
原作においては設定のみ存在するものも同様です。
要はBASARAや無双のようにイメージがハッキリしている、かつ原作そのままでのものは可。
「史実にのっとって考えてみました!」、「史記とか三国志から出展させました!」等はご遠慮ください。

28名無しさん:2011/11/30(水) 12:02:25 ID:8C40ByYQO
>>26
BASARAや無双は問題ないかと。完璧に二次キャラだし

29マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/03(土) 23:49:30 ID:RSQCK0ag0
細かい事は一旦置いておいて、参加者きめを始めたいと思います。

総勢25組50名、早い者勝ちです。
但し、上記ルールは必ず守ってください。
まず自分が始めに参考にして欲しいSSを一本投下しますので。
その後はご自由に登場させてください。

登場話における重大ルールとして『ズガン禁止!』。
一登場話に一組のみでお願いします。

30名無しさん:2011/12/04(日) 01:27:23 ID:O.Ul2K82O
50人もいてズガン禁止とか厳しくね?

31導入 ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/04(日) 02:29:53 ID:A2/I46Os0
神父が辺りを見回し、厳かに口を開く。

「残った者は25名か。
 よろしい、ではこれより各々の選定を開始する。
 覚悟が出来た者より、この扉を潜るといい」

神父の言葉と共に空間が歪み、一つの扉が現れる。
至って平凡な無機質な感じのそれは、
“突然現れた”という事を除けば
何処にでもありそうなその扉をある者は足早に、
ある者は慎重に開き、潜って行く。

その先に己が運命を決する者が待っていると
理解できた者は極僅かだろうが…

32No.1 ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/04(日) 02:31:09 ID:A2/I46Os0
扉を潜った先は幻想的な世界だった。
まるで深海にでも居る様な気にさせる不思議な光景。
巨大な魚類と思われる生物の骸が辺りには散乱し、
回遊する深海魚はただその場を泳いでいるだけ。

「うわっぷ!?」

少年、天野雪輝は思わず口を塞いで息を止める。
自分が海の中に放り込まれたと勘違いしたからである。
すぐにそれが間違いだったとは気づくのではあるが。

「…ぷはぁ〜!!
 あ、あれ? 息が出来る?」

辺りをきょろきょろと慌ただしく見回し、
自分が巨大なガラスのような物の内部に居るのだと理解する。

「な、何であそこからこんな所に?」

近くのガラス壁を叩いてみながら状況を整理する。
自分がいつの間にこんなところに
連れてこられたのかは憶えてはいない。
気づいた時には先ほどの教会の様な場所に居た。
そしてあの神父としては怖すぎる印象の男が現れたのだ。
あの男が言っていた「聖杯」が何なのかは分からない。
だが、重要なのはそこではない。
重要なのは『それが願い事を叶えられる何か』だという事だ。
天野雪輝は藁にも縋る思いだった。
自分が巻き込まれたサバイバルゲーム、
その過程での両親の死。
それを覆す為だけに神の座を目指していたのだ。
だが、突如降って湧いたように目の前に
『別な手段』が現れたのだ。
縋れるものには何にだって縋る。
それが、サバイバルゲームとなんら遜色もない
殺し合いなのだとしても、である。

「と、取り敢えず日記を確認しよう」

彼の世界において彼が生き残るための手段。
未来に起きる事が記された日記。
それは凡人たる彼を生き延びさせてきた代物である。
ポケットから取り出した携帯を覗き、
雪輝は表情を変える。

【??:?? 怪物に襲われる。 DEAD END】

「な、何だよ…これ!?」

戦慄で顔を歪めながら雪輝は携帯の画面を食い入るように見つめる。
時間すらはっきりと書かれていない。
書かれているのはこの一行のみ。
予想だにしなかった自体に心臓の鼓動は加速し、
身体は冷や汗を垂れ流す。

33No.1 ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/04(日) 02:31:56 ID:A2/I46Os0
(落ち着け…落ち着くんだ。怪物に出会うってあるなら、
 その怪物を避ければ未来は変わるって事でしょ?)

肉食獣を警戒する非力な小動物の様に体を丸めながら、
周辺をじっくりと確認しながら通路を奥へ奥へと進んでいく。
風景は変わらず、未知への恐怖から通路は無限に続くような錯覚を覚える。
先が見えない、という事はこんなにも恐ろしいものなのかと
改めて身体が実感していく。
張りつめた緊張感の中、不意に広い空間へと出た。
目の前には巨大なステンドグラスが見え、
空間の中央に美術のモデルに使うような人形が座り込んでいた。

他には、何もない。

「あれ? これだけ?」

拍子抜けしたように息を吐き、
取り敢えず、空間の中心へと歩み寄る。

カタリと音がした。

「えっ?」

天野雪輝は誤解していた。
怪物とは何も絵物語に出てくる様なものを指している訳じゃない。
怪物とは『人知の及ばないモノ』に対して使われる言葉だという事を。

中央に座していた人形が突如として立ち上がり。
雪輝へと向き直る。
其れは獲物を定めた様に深く屈み込むと、
大きく雪輝へと向けて跳躍する。

「う、うわぁぁぁっ!!」

人形の鋭角に研ぎ澄まされた椀部が目の前へと迫り来る。

(し、死ぬ? 僕はここで死んじゃうの?)

景色はゆっくりと流れ、今までの記憶が走馬灯のように流れる。

(嫌だ、死にたくない! 嫌だ! 助けて由―)

――ザッ…――ザザッ…――

持っていた携帯にノイズ音が響く。
それと同時に、

「あいや、ちょお〜〜〜〜〜〜と待った!暫く、暫くぅ!!」

34No.1 ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/04(日) 02:32:45 ID:A2/I46Os0
素っ頓狂な口上が辺りに響いた。
自分へと迫っていた腕は鏡の様な物で遮られており、
あわやと言う所で止められていた。
思わず腰が抜けてその場にへたり込む。

「何処の誰かとかぜーんぜん存じませんが。
 その慟哭、その頑張り。
 他の神様が聞き逃しても、
 私の耳にピンときました!
 宇迦之御魂神もご照覧あれ!
 この人を冥府に落とすのはまだ早すぎ。
 だって、このイケメン魂、
 きっと素敵な人ですから!
 ちょっと私に下さいな♪」

ステンドグラスに光が差し、
空間が照らされる。
部屋の中央にはいつの間にか、
ぼぅっと何かが浮かび上がりつつあった。
その姿は―――

「謂われはなくとも即参上!
 軒奄陵墓から、
 良妻狐のデリバリーにやってきました!」

露出の高い巫女服のようなものを着た狐耳の少女?が
目の前で大見得を切っている。

「あ、なんかドン引きしてません?
 えーと、あなたが私のご主人様……
 でいいんですよね?」

「え、あ、は、はい?」

「やったぁ、契約成立!
 よろしくお願いしますねご主人様(はぁと)」

ぴょんぴょんと飛び跳ねる少女?を尻目に
展開についていけずに呆然としていた
雪輝の手に刻まれていた紋章が僅かに発熱する。
まるで目の前の少女を認識するかのように。

「な、何がどうなって――」

35No.1 ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/04(日) 02:33:31 ID:A2/I46Os0
そこで背後の物音に振り返る。
先程、襲い掛かってきた人形はいまだに其処に残っていた。
身構えて戦闘準備を整えている。
その姿に思わずたじろぐ。
そんな雪輝の脇を少女?が通り過ぎ、前へと躍り出る。

「ご主人様、ご迷惑でなければ、
 私にお任せくださいませんか?
 あんな益体もない木偶人形、
 塵も残さずに、
 この世から根絶させておきますから」

少女の言葉と共に少女の周りを
先程雪輝の窮地を救った鏡が旋回し始める。

「行きますよ!」

互いに身構えていた両者が戦闘態勢に入る。
が否や、

「炎天よ、奔れ!」

少女が手に持っていた護符を人形へと投げつける。
ピタリと張り付いたそれは、
その瞬間に劫火へと変わり、
宣言通り人形を塵も残さずに消し去った訳だが、

「使わないの鏡!?」

雪輝的にはつっこまざるを得ない所であった。

「結果的にはデストロイったんですから、
 細かい事は抜きっていう事で☆」

テヘッと笑いながらペロッと舌を出している少女。
一つだけ気づいた事は、
この少女は明らかに「ぶってる」という事である。

「私、キャスターのクラスに預かるものです。
 不束者ですが末永くよろしくお願いしますね、
 ご主人様(はぁと)」

「……は、はは」

腕に絡み付いてくるキャスターと名乗る少女に
一抹の不安と由乃にはどう説明するかという
重大な考えを頭の中で巡らせながら、
天野雪輝は乾いた笑いを浮かべるしかなかった。

【参加者No.1天野雪輝@未来日記】
【サーヴァント:キャスター@Fate/Extra】

36マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/04(日) 02:41:02 ID:A2/I46Os0
という訳で、これより自由に参加させたい組を残り24組お書きください。

尚、投下の際には必ずトリップと
投下宣言(同時投下を防ぐため)をしてからでお願いします。

それではよろしくお願いします。

37名無しさん:2011/12/04(日) 14:37:11 ID:rmI0i10wO
まずは投下乙。キャス狐が最初に来たか…。そいつは性能が微妙極まりない上にハーレムを許さない性格アレな駄狐だが、いいのか?

あ、あと一応確認。サーヴァントは霊的加護や魔力を帯びていない通常武器による攻撃は一切無効のままで良かったよね?
だから基本的に正規の魔術師でないかぎり、マスターはサーヴァントにダメージすら与えられないという事で。

38マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/04(日) 21:27:27 ID:RbHQfx.Q0
>>37
まぁ、そうですね。
よっぽどの事が無い限りはマスター単独で
サーヴァントには勝てないと思った方がいいです。
尚、一般人にも特別に魔力補正がついてるものと考えてください。

その上でのマスターとしての補正は、

魔術師>一般人>超能力者

まぁ、ここらへんは其処まで深く考えなくてもいいですw

39マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/04(日) 21:29:53 ID:RbHQfx.Q0
あ、あと登場話における場所はどのような見た目の場所でも結構です。
特殊な空間でマスターとサーヴァントの出会いを書いちゃってください。

40名無しさん:2011/12/09(金) 21:12:06 ID:7wvsYtNg0
25組てクラス被るよね
セイバーが三人いてもいいの?

それとも勝手に新しいの書いていいの?

41名無しさん:2011/12/09(金) 22:16:22 ID:UaThHvPYO
>>40
>>2 で見ての通り、アヴェンジャーとかはダメ。7クラスのみだから、確実に何人かクラスが被ることになる。

42マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/10(土) 20:47:34 ID:K60jJz9.0
>>40-41
同じクラスが何人いても大丈夫です。
アヴェンジャーに関しては「アンリマユ(士郎の殻ver.)」だけなら
まぁ、ぎりぎりOKです。

無論、「アンリミテッド・レイズデッド」なんてチートは使えませんよ?
持ってるのは「ヴェルグ・アヴェスター」のみですよ?
最弱ですけど。
重ねて言いますけど最弱ですけど。
それでもアヴェンジャーだしたいのならどうぞ。

43 ◆gsySw7SywU:2011/12/13(火) 23:40:10 ID:tPBcThRs0
投下します

44No.2 ◆gsySw7SywU:2011/12/13(火) 23:41:33 ID:tPBcThRs0


「お前が俺のマスターか」


と、俺は問われた。



必要なものは、覚悟だ。
殺す覚悟。殺される覚悟じゃない。

俺はこの手で人を殺す。
縁もゆかりも恨みもない、顔も名前も知らない24人……いや、48人を全て殺し尽くす。
望みを叶えるために。大切なものを取り戻すために。

勝手だと、横暴だと。
いいや、それが吐き気を催すほどのゲスな考えだとわかってはいる。
だが構わない。
一度この手からこぼれ落ちた大切なもの……「  」を、もう一度取り戻せるなら。

だから俺は、自分の意志で、ここにいる。
自分の意志で――人を殺す。



「そうだ」



だから、そう応えた。
だが応える前からわかっていた。
こいつの眼を見た瞬間から。



こいつは、俺の同類だ――

45No.2 ◆gsySw7SywU:2011/12/13(火) 23:42:47 ID:tPBcThRs0
    ◆



「お前が俺のマスターか」


と、俺は問うた。





必要なものは、戦略だ。
俺は自分をただの刀だと自負している。自慢じゃないが頭を使う事は得意じゃない。

人を殺すのに覚悟なんて必要ない。
そんなもの、もう必要ないくらいに俺は人を斬る事に慣れ過ぎている。

本当は、もう人を斬るつもりはなかった。
全部放り出して、逃げ出して。忘れようと思っていた。
でも、ただ一つ。一つだけ、絶対に忘れられない、許容できない死があった。
それを、覆せるなら……あいつの、「 」の死を、俺の罪を。


無かった事にできるのなら。


だから俺は、自分の意志で、ここに来た。
自分の意志で――人を斬る。



「そうだ」



そして、俺は応えられた。
だが応えられる前からわかっていた。
こいつの眼を見た瞬間から。



こいつは、俺の同類だ――

46No.2 ◆gsySw7SywU:2011/12/13(火) 23:44:21 ID:tPBcThRs0
    ◆


右手の甲を撫でる。
そこにはまるで、翼を広げた鳥のような――鷹、のような文様が刻まれている。
令呪と言うらしい。俺の相棒――サーヴァント、に対する絶対的命令権。


「使いどころを間違えるなよ」


窓から外を見ていた、俺と大体同じくらいの背丈のそいつが言う。
サーヴァント。俺の相棒。頬に刻まれた十字傷。
殺し尽くすべき48人に含まれない、現在ただ一人の俺の仲間――いいや、武器、か。
俺とほぼ同年代のくせにぞっとするくらい冷たい眼をしている。
でも多分、今のおれも似たような眼をしているのだろう。

俺達は互いに利害と目的の一致を見た。
だからか、こいつは特に衝突も無く俺の言葉に従ってくれている。幸先のいい始まりだ。


「わかってるよ」


そう言って、俺は懐からもう一つの武器を取り出す。
銃だ。拳銃。手にずっしりと重い、人を殺傷するための鋼鉄の筒。
手にするのは二度目だ。一度目は、ある殺し屋と相対したとき。
そのとき俺は震えていたかもしれないが、今は――はは。笑える、嫌になるくらい何も感じない。
怖いと思うのはもう通り過ぎている。そう。

そのお祭りは、すでにやったじゃないか。

さすがに直に人に当てた事はない。でもあのとき邪魔が入らなければ、多分当てていた。人を殺していたんだ。
二度目だ。ならもう、俺は揺らがない。一本の木のように、立ち尽くしていられる。

ぐっと足に力を込めて立ち上がる。まさか自分の家がスタート地点だと思わなかった。
多分、そう見せかけているだけのただの偽物なんだろうけど。
それでも、思い出す事はできた。俺の一番大切なものが何なのかを。


「行こうか、サーヴァント」
「ああ。マスター」


ん、これは堅苦しいかな。
俺の命を預けるんだから、やっぱ名前で呼ばないとな。




「勝つぞ――剣心」
「無論だ――潤也」



【参加者No.2 安藤潤也@魔王 ジュブナイルリミックス】
【サーヴァント:アサシン(緋村剣心)@るろうに剣心】

47名無しさん:2011/12/13(火) 23:46:50 ID:tPBcThRs0
以上です
若いころなのでセイバーじゃなくアサシンで

48名無しさん:2011/12/15(木) 16:48:09 ID:Z503/f/YO
おー、剣心か。
ただまあ、奴は人斬り時代は頬の傷は一文字だったはずじゃあ。

49名無しさん:2011/12/17(土) 17:53:42 ID:fB2kXjOIO
巴が死んだ後なら十字だよ

…にしても、もう1は見てないのか?
他の人が投下したのに四日も反応なしとは

50マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/17(土) 21:30:16 ID:q5NleZ62O
居ます居ます><
年末の忙しさと自分の執筆分とで
反応が遅くなるのは平にご容赦下さい。
感想等は纏めて返す様になりますので。

兎に角、投下感謝します!
若剣心がアサシンで来ましたか、
小次郎、書文に次ぐ異端派アサシンですなw

それと念のためにこちらから補足をば。
今回の様に身体及び記憶が過去の段階で止まっている。
そう言ったサーヴァントは普通にアリです。
そこまで細かい事は言及しませんので
他の方も遠慮せず、どうぞ。

51No.3 ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/18(日) 23:56:09 ID:XuqhzvT60
あの光景は俺の記憶に鮮烈に
いつまでも焼きついて忘れる事など出来ない。
地獄の中で見た、一筋の光明。
掛け替えの無い思い出。
そして、別れ。
一月にも満たない短い時間。
だけど、その全てが今の俺を形作り、
そしてこれからの俺を支えてくれる。
そう、淡い月光の中で佇む彼女の姿、
あれが彼女との出会いだった。

………………………………………

「……ってぇ!!」

目の前に示された扉を開けた途端、
足の踏み場の無い空中に放り出されて
前のめりに思いっきり地面に転がる。
空間転移なんて高度な魔術をあの糞神父が
使える筈はないが、
俺に対する当て付けの様なこの行為は
間違いなくあいつの意向だと思う。

「てててっ……は? ここは家の土蔵?」

体に付いた埃を払いながら辺りを見回す。
見間違える筈が無い。
いつも魔術の鍛錬に使っている場所なのだから。

「あいつ、一体何のつもりだ?
 いや、それよりもなんであいつが!?」

協会で見たあいつの姿。
だけど、あいつは間違いなく半年前に死亡している。
それもあいつが言っていた聖杯による賜物なのか?
そうだ、あいつもそうだが『聖杯』がまだ存在していた?
いや聖杯は確実に破壊している。
あの日、柳洞寺の地下に広がる大空洞で
様々な犠牲の果てで、確かに破壊した。
何もかもが分からない事だらけだ。
でも、これだけは言える。

「どんな形であれ聖杯は破壊する。
 あれはあっちゃいけない!」

復活したのならまた破壊する。
あれは破滅しか齎さないものだ。
半年間、俺だってただボケッとしてた訳じゃないんだ。
遠坂から魔術だって教わっている。
あの頃よりはマシになっている、と思う。
迷いを振り切る様に自分の力を信じる為に魔術回路を
起動しようとして違和感に気づく。
消えた筈のものが自分の右手に再び刻まれている。
右手の令呪を眺め、彼女の姿を思い出す。

52No.3 ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/18(日) 23:57:15 ID:XuqhzvT60
優しく、厳しく俺の力になってくれた騎士。
俺が未熟だった為に泥に呑まれ、
そして、彼女は最期に微かに微笑みながら俺が振り下ろした剣に消えた。
全部、俺が未熟だった所為だ。
胸に込み上げる思いを振り切れずに俯く。

…いや、まてよ?

令呪が存在する以上、そこに必ず“従者”も存在する。

サーヴァント。
神話、伝説に残るような英雄を使い魔として召喚する、
通常ならば有り得ない秘儀。
聖杯と言う媒介を通す事によって初めて成し得る奇跡。

ならば、俺には『誰』が召喚されたんだ?
疑問が頭を過ぎるのと同時に背後に魔力の流れを感じる。
魔力感知が苦手な俺にすら、
ハッキリと判るほどの濃密なそれに振り返る。

お膳立ては最初から整えられていたんだ。
それに気づかなかった俺が鈍すぎるってだけなんだと思う。

差し込む光の中、あの時と変わらぬ壮健で美麗な姿で
彼女が俺を見つめている。

「…セ―」

「―問おう」

俺が踏み出すよりも早く、
彼女が真剣な眼差しで俺に問いかける。

「貴方が私のマスターか?」

彼女の意図を察し、俺もだらしなく歩み寄りそうになる身体を
止めて、姿勢を整えてしっかりと彼女を見つめる。

53No.3 ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/18(日) 23:57:50 ID:XuqhzvT60
「あぁ!」

俺の返事を聞いた後、満足した様に彼女は表情を崩し
軽い笑みを浮かべる。

「息災そうですね、シロウ」

懐かしい独特なイントネーションで俺を呼ぶ彼女。
その声、その姿に自然と目頭が熱くなる。

「……セイバー」

月明かりの中、あの日と変わらぬ姿で微笑む彼女。
例え、これが悪魔の仕業なのだとしても、
今、この瞬間だけは感謝する。

零れ落ちそうになる感情を堪えて彼女と向き合う。
目的が目的である以上、これはいつまでも続く事じゃない。
だからハッキリと聞いておかなくちゃいけないんだ。
彼女の意思を。

「聖杯を破壊する。
 力を貸してくれるか、セイバー?」

「シロウ。
 私は貴方の剣だ。
 貴方がそれを望むのなら、
 私は全霊を以って、それに応える」

真剣な眼差しで彼女も偽り無い気持ちを答えてくれる。
お互いの気持ちは確かめた。
ならば、いま少しだけは。

「……エッ!? あっ、シロウ、何をっ!?」

彼女の側に歩み寄り、思い切り抱きしめる。
例え、目覚めれば消える一時の夢であろうと
これだけはしっかりと言っておきたかったんだ。

「おかえり、セイバー」

最初は慌てていた彼女も諦めたのか
困った様な表情を浮かべながら、
最後は笑いかけてくれる。

「ただいま、シロウ」

この束の間の安息を今はしっかりと覚えておこう。

【参加者No.3衛宮士朗@Fate/stay night】
【サーヴァント:セイバー(アルトリア・ペンドラゴン)@Fate/stay night】

54名無しさん:2011/12/19(月) 00:39:24 ID:tjhYqe2Y0
おおー。一番の王道の組み合わせが来たかー。

55名無しさん:2011/12/19(月) 18:22:08 ID:T7jDqgt6O
どうやらこの士郎は桜ルート後からの参戦のようだけど、セイバーは黒でなくノーマルという事で良いのかな?

56名無しさん:2011/12/19(月) 22:28:56 ID:QTRVpXaY0
投下乙ー
実は少ない綺麗なセイバー、士郎と会えたのも初なのかな

>>55
桜ルートって確か士郎がアーチャーの腕移植された状態なんだよな

57マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/19(月) 23:01:59 ID:yfQKDd2I0
桜ルートの士郎は色々あった末に前の体は失くしてるんで、
移植も関係なくなってますよ〜。
>>55
セイバーは青い方のセイバーです。

58名無しさん:2011/12/21(水) 10:43:15 ID:94FkUpXU0
とりあえず確認。これは聖杯戦争だから、未来から英雄と変わり果てた
自分自身をサーヴァントとして召喚って言うのもありなんだよね?
喩えるなら、士郎が第五次アーチャーをサーヴァントにするような。

59名無しさん:2011/12/21(水) 10:53:49 ID:4ox/fIFI0
原作に「現在の自分」と「英雄になった未来の自分」が描写されてるならいいんじゃない

60名無しさん:2011/12/21(水) 12:01:17 ID:34MpNkPgO
よし、面白そうなのがバーサーカーで二組作れるな…。
問題は筆が間に合うかどうか…。

61マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/21(水) 15:16:07 ID:z4gpTx3wO
原作でもアーチャーは士郎が未来で
英雄になったものとありますが、
英霊はなった時点で全ての時間軸より外れるため、
アーチャーは士郎の未来ですが、
士郎が必ずしもアーチャーになる訳ではないです。
数多ある可能性の一つに過ぎないですし、
最初に書いた通りあまねく因果・時間軸から外れているため、
未来の存在が召喚されても問題は無いです。

62名無しさん:2011/12/22(木) 19:21:16 ID:neggOfuE0
仮面ライダーとかのドラマって無しですか?

63マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/22(木) 20:34:45 ID:Rmh7NzL6O
二次とは銘打ってますが、正確には二次元を含む、
特撮等の『現実ではあり得ない』世界の
三次元キャラも対象になります。
ただ、前述しているように魂と呼べる要素の無い
完全に機械系のキャラは除外対象です。
改造人間は……まぁ、魂はあるので大丈夫です。

64 ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/25(日) 21:48:52 ID:JQtAFLH60
霧の中。
思考、記憶、絆。
全てがあの霧に飲まれた。
俺はきっと選択を間違えた。

今はもう戻れない。

だが、もしも、
戻れるというのならば、
あの日、
あの時に、
皆との輝かしい日々に、
あの娘の笑顔の元へ。

「まぁ〜だ、悩んでんのかよ?」

男が声をかける。
朱槍を肩に担ぎ、
気だるそうに座り込んだ姿勢で
男は何処を見るともなく
視線を宙に彷徨わせている。

「…ランサー、だったよな?」

サーヴァントと呼ばれるこの男は
この手に刻まれた令呪と呼ばれるものがある限りは
どうやら俺に無条件で手を貸してくれるらしい。

「おぉよ、つか考えは決まったのか?
 やるのか? やらねぇのか?」

一切の躊躇い無く、この男は話の本題に切り込んでくる。
この男の言いたい事は
つまり俺に、

『他の者を殺す覚悟は出来たのか』

という事だ。

だが、それならば俺は既に…

「分かってる、願う以上は覚悟も決める」

65No.4 ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/25(日) 21:50:04 ID:JQtAFLH60
助けを求める声を否定し、
感情のままに、
一人の人間を断罪した。
それが罪だったのかも分からずに。
俺は既に殺人者だ。
皆と傷を舐め合おうと
忘れ去ろうとした所で
現実が残酷に突き刺さる。

「お前さんは複雑に考え過ぎなんだよ。
 殺すときゃ殺すし、生き残ったんならそれで終わりだ。
 気に入った奴だろうと何だろうと
 戦なんてもんはそんなもんだ」

物凄くさっぱりとしたの物言いだが
つまりこの男には敵味方の概念は無く、
戦場で向かい合ったら戦うだけと
この男はそう言っているのだ。
それはそれで凄い考えだと思う。

だが、戦場と考えるのなら、
それで正しいのだと思う。
これは願望を賭けた戦争だ。
ならば俺もこの男の流儀に乗っ取るべきなのだろうか?
とは言え、答えはまだ決まらない。
だが、止まる事は許されない。
贖罪の為でもなく、
正義でもない。
これは俺の私欲の為の戦場だ。
全てはあの日に戻る為の。

絆(ワイルド)は失われた。
残された力は『愚者』。
まさに今の俺を表すアルカナ。

「…ペルソナ!」

意識を集中させ、意識の中の仮面(ペルソナ)を具現化する。
始まりのペルソナ「イザナギ」。

「ほぉ〜、大したもんじゃねぇか!
 心象具現化か? 使える奴なんてそうそういねぇな!」

浮かび上がった像を男は物珍しそうに囃し立てる。

66No.4 ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/25(日) 21:50:34 ID:JQtAFLH60
「なかなかマスターには恵まれてなかったんでな。
 久々に面白い戦が出来そうだぜ!」

気だるげにしていた男に覇気が点る。
空気を伝わってくるその圧力は
はっきり言って俺のペルソナの比ではない。
この男が本気になれば
俺なんて赤子の手を捻る程度のものだと
嫌というほど分からせてくれる。

「あんたも大したもんだと思う」

皮肉ではなく本気でそう感じる。
少なくとも今から俺はこの男と
同等の力を持つ者と渡り合わないといけない訳だ。

「何だ、怖気づいたのかよ?」

男が口元を皮肉気に歪めて笑う。

「いいや、燃えてきた」

俺の返答が意外だったのか、
男は最初唖然としていたが
すぐに愉快そうに大笑いしたあと、
口元を引き締めた。

「そいつは結構、そんじゃおっぱじめるとしますかねぇ!」

【参加者No.4鳴上悠@P4】
【サーヴァント:ランサー(クー・フーリン)@Fate/stay night】

67 ◆2TIcBhEgoU:2011/12/25(日) 23:50:55 ID:qa5GcnVU0
投下乙です。
この時期から番長を出してくるとは…!
他とは違って殺る気が十分な番長とマスターに恵まれて歓喜のランサー兄貴。
これからが楽しみだ。
そして、死者の国つながりって所がいいねっ!
それでは自分も投下いたします。

68 ◆2TIcBhEgoU:2011/12/25(日) 23:52:49 ID:qa5GcnVU0



『この物語は皆がハッピーエンドを迎える王道なんだ』



『だから、誰も死なないし不幸になんてならないよ』



###



大切な人を取り戻す。その願いはオレには何よりも代えがたい強いものだ。
例え、仲間を欺いても。
例え、友達が自分の吐いた嘘で死んでしまったとしても。
例え、心が軋みを上げてもう逃げ出したいと声を張り上げようとも。
オレには、諦めることなんてできやしない。

受け継いだ。こんなウソ吐きでしかないオレを助ける為に命を散らした洋兄からは力と命をもらった。
力と命は一方的に押し付けられたものだったけど、受け継がなければならかった。
そうしなければ、洋兄の意志が、犠牲が無駄になってしまうから。
手を差し伸べ、行くなと言ってくれた洋兄。誓った、オレは忘れない。
何が起ころうとも武部洋平という人間がオレのかけがえのない日常にいたことを忘れない。
その為にオレは死ねなかった。

戦った。元は人間でオレと同様に大切な人がいたバケモノ――棺守共を切り捨てた。
殺して、殺して、殺して。殺した返り血で染まった自分の手に恐怖を抱きながらもオレは前を見続けた。
嫌だ、もう止めたい。何度も弱音を吐いて座っていたかった。歩くのをやめて休みたかった。
だけどそんな甘えは許されない。オレは一つの命を背負ってしまったから。

今まで駆け抜けてきた日々が脳裏を走馬灯のように浮かんでくる。
喜んで、怒って、哀しんで、楽しんで。
濃密だった数ヶ月は今もオレの胸に収まっている。

その中心だったネーネ。ネーネとの日常はとても眩しくて、かけがえがなくて、優しくて……。
色を失っていた日常に再び鮮やかな色が塗りこまれる。

「そうだ……救われたんだ」

あの子がいたから受け継ぐことができた。
あの子がいたか戦うことができた。
最初は無くなった絆へと至るみちしるべ。それ以上でもそれ以下でもないって思っていたのに。
オレは……。

69 ◆2TIcBhEgoU:2011/12/25(日) 23:53:13 ID:qa5GcnVU0

「彼女もまた、宝物だって思ってしまった」

彼女と一緒にいたのは絆へと至る為? 彼女と一緒に大人になる為?
どっちが本当のオレの思いだったのだろう。
だけどそれはもはや結論づけても意味がない問題であるのと同時に今まで目を背けていた事実だ。
そうだ、目を背けていたばっかりに。






ネーネを失った。






死んだ。オレを護って死んだ。

「あ、ああっああああァァあああアアああぁぁぁぁあああぁあっ、がはっごほっ……ああっ、あああァあああぁあああ!!!!!!」

獣の遠吠えのような声が生まれる。感情を吐き出すだけの汚い声。
だけど、吐かずにはいられなかった。
ウソをついたから。オレのせいで。何もしなかったから。
強く握りしめた手からは血がにじむ。痛い。だけど、ネーネはもっと痛かったはずだ。悲しかったはずだ。苦しかったはずだ……!

“また”護れなかった。

オレはいつだって……大切な人を護れない。そして、二度と戻らないんだ。
諦めずに足掻いてもダメなんだ。天音姉も、ネーネも。
もう、いないんだ。

「だから……いないから、取り戻す。あの日常を終わらせは、しない!」

何でも願いを叶える夢の様な盃である聖杯。
それは普段のオレが聞けば眉唾ものであり単なる冗談の延長線上だとしか思えなかっただろう。
だが、今のオレはその言葉をウソだと認定する余裕なんてなかった。
もしかすると。ひょっとしたら。



やり直せるんじゃないか、あの日常を。天音姉とネーネの二人を取り戻せるんじゃないか。



そんな夢想が頭に浮かび、頬が釣り上がる。
ああ、面白いくらいに笑ってしまう。
くつくつ、くつくつと歓喜の笑い声が思わず漏れ出してしまった。
なんだよ、宝物を取り戻すチャンスはまだあるじゃないか。
ネーネと天音姉に会えるのか? あの笑顔を取り戻すことが出来るのか?
この聖杯戦争に参加し、勝ち抜くことでもう一度オレの世界に光が灯るのなら。

『もう迷いなんてしない』

だから、絶対に最後まで生き残るんだ。この手で人を殺めてでも叶えたい願いがあるから。
たった一つの醜いエゴの為に再び両手を血に染める……!

70 ◆2TIcBhEgoU:2011/12/25(日) 23:53:45 ID:qa5GcnVU0

「で、いつまでへたり込んでるのさ。考え事の時間はもう十分だよね? さっさと立ちなよ」
「あぁ? っと、うわあっ!? ア、アンタは何だよ!」

オレの重い体を立ち上がらせる為なのか力強く握られた右手。その力強さを受けて意識が現実に戻っていく。
クリアになった視界に映るのは黒髪の青年。
目を細めてバカにしたような目つき。肉がついていない痩せ過ぎな身体。
上から下までさっと見る。背丈と顔つきからしてオレと同年代だろう。

「はぁ……まだ現実を認識できていないのかい? 君が僕のマスターなんだろう、しっかりしてくれないと困るよ。 
 イスラ・レヴィノス、クラスはセイバー。君は?」
「天海陸……」
「リク、ね。この闘いで優勝する為に今後とも宜しくってとこかな」

僕の手を掴んだ四人目の男――イスラ・レヴィノス。
イスラはニヤリと笑って僕の手を振りほどく。
それが、イスラと僕の長い戦いのはじまり。
最初に僕が思ったのは彼は洋兄、タカオ、有栖川とは違って。
同じ嘘つきの匂いがしたことだった。



###



これはウソの終わり。
世界を包む苦くて優しいウソ。
その終わりの始まりからズレた物語。



【参加者No.4天海陸@ワールドエンブリオ】
【サーヴァント:セイバー(イスラ・レヴィノス)@サモンナイト3】

71 ◆2TIcBhEgoU:2011/12/25(日) 23:54:47 ID:qa5GcnVU0
投下終了です。

【参加者No.5天海陸@ワールドエンブリオ】
【サーヴァント:セイバー(イスラ・レヴィノス)@サモンナイト3】

と修正し忘れがあったのでここに乗せておきます。

72 ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/26(月) 12:18:01 ID:UT4nKe9.0
アサシンっぽいセイバー来ましたねw
嘘吐きコンビですか、先が面白そうな組み合わせです!

73 ◆gsySw7SywU:2011/12/27(火) 01:30:07 ID:MZIQVDSE0
投下します

74 ◆gsySw7SywU:2011/12/27(火) 01:31:18 ID:MZIQVDSE0


間違ったやり方で得た結果に意味はない――そう、思っていた。


大事なのは結果ではない。
それを得るための過程、プロセスこそを誤ってはならない。
一つ一つでも、正しいと思える行動を取り続けていけば、必ず望む場所へ辿りつける――そう、思っていた。



そんなはずはなかった。



甘かった。何もかもが。
この手はすでに血に濡れている。なのに、理想だけが綺麗なままでいられるはずはない。
覚悟はしていたつもりだった。
だがそんなものは、目前に迫った死の恐怖の前では紙クズも同然だった。
それを友の仕業だと責める事は出来ない。
彼の言葉が、呪いがなければ、己は無為に朽ちていただけだろう。


守るべき民をこの手で消し去った罪は重い。
一瞬で、砂城が波に崩されるように、彼らの命は摘み取られた。他ならぬ、己が引いた引き金によって。
敵が予想以上に手強かったから?
生き延びるために最善の行動を取っただけ?
言い訳を重ねる度に自らの浅ましさを思い知る。
こうなったのは誰のせいでもない、他ならぬ自らの選択の結果なのだ。

75 ◆gsySw7SywU:2011/12/27(火) 01:33:16 ID:MZIQVDSE0



結果こそがすべて。


今なら友の心情も理解できる。彼もまた、一度すべてを失ったからこそああまで強い意志を持ち得たのだろう。
ならばこそ、今己が為すべきは彼と同じ。

どのような手段を用いてでも望んだ未来を掴み取る。
揺れず、折れず、躊躇わず、前に進んでいく。
過程はもはや問いはしない。
守るべきものも、信じるべきものもないのなら。きっと、自分は何だってできる。
それこそ――自らの願いのために、他者を傷つけることだって。


身に刻まれた刻印、令呪がぼうと輝く。
進むべき道はすでにあり、ともに駆けるナイトメア――騎士の馬、あるいは悪夢――も、ここにいる。

夜の湖を背にする、全身に黒の甲冑を纏う騎士。
その名を愛機と同じくする――否、愛機こそがその名をあやかったのだ――裏切りの騎士にとってはまさにこれ以上ないほどのベストパートナー。
彼の願いを自分は知らない。それでも、共に戦うという意思、あるいは主すらも歯牙にかけない狂おしいまでの戦意は感じられる。
戦力としては十分だ。何より――余計なことを話さないでいてくれることが、何よりもありがたい。


勝ちに往くのだ――改めて、そう自らへと呪いをかける。



これも、一つのギアス――



【参加者No.6 枢木スザク@コードギアス 反逆のルルーシュ】
【サーヴァント:バーサーカー(ランスロット)@Fate/zero】

76名無しさん:2011/12/27(火) 01:34:01 ID:MZIQVDSE0
投下終了です

77マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/27(火) 01:56:17 ID:vYtoa3EYO
暴走してフレイア起動させちゃった頃のスザクですかw
サーヴァントがバーサーカーなのも中々に皮肉ですな。

78No.7 ◆GIjwvg4JCY:2011/12/27(火) 07:24:51 ID:M.KSnhd.0
投下します

79No.7 ◆GIjwvg4JCY:2011/12/27(火) 07:25:24 ID:M.KSnhd.0


 無数の死を振り撒いた末に迎えた、最期の時。
 いかなる物体をも焼き尽くす恒星じみた灼熱のなか。
 自分自身のエネルギーを抑えきれず、身体が崩壊していく寸前。
 己が積み上げた屍の山の頂で、魔獣の爪を受けた――あの瞬間。

 戦いの神に、心残りなど存在しなかった。
 地獄からの使者は、自らの意思で力を欲した。
 急激すぎる進化と理解しながら、戦闘生命の生を全うしたのである。

 ――ゆえに、死してなお胸に抱く願望なぞ、持ち合わせている道理がない。

 たしかに、そうであったはずだ。
 本人が、誰よりよく分かっている。
 にもかかわらず、機会を与えられてしまった。
 聖杯によって、『槍兵』のクラスをあてがわれたのである。
 それがどうにも腑に落ちず、ランサーのサーヴァントは行動方針を決めかねていた。
 サーヴァントとして招集されたということは、何かしら叶えたい願望があるのは明白だ。
 だというのに、当人であるランサー自身にまったく心当たりがない。
 生前ならば戦術を悩むことはあっても、そもそも戦場でどうあるかを悩むことはなかっただろう。
 破壊者として動くのは、確定していたのだから。
 しかしながら、破壊者としての結末はとうに迎えている。
 何度目かになる逡巡でも答えを導き出すことはできず、ランサーは傍らで黙り込んでいる少年を見据えた。

「そろそろ、話をする気にはなかったか」

 返事どころか振り返りもせず、少年は整った顔を下に向けたままだ。
 少年の身長は決して低くないのだが、ランサーが長身すぎる。
 こうして俯かれていては、表情を窺おうとしても茶色い髪しか見られない。
 ヘッドフォンは首にかけられているので、聞こえていないワケではなさそうなのだが。

「ふん、だんまりか」

 吐き捨てると、ランサーは周囲を見渡す。
 彼がいまいるのは、ガラス張りの無機質な部屋だ。
 ガラスの向こうには研究室があり、そちらに誰もいなくても観察されている気分になる。
 モルモットじみた扱いを受けてきた過去が蘇り、ランサーは眉間にしわをよせた。

「……人をこんなところに呼んでおいて、口も利かないつもりか?」

 意図せず、先ほどよりも低く冷たい声色になる。
 それでもやはり返ってきたのは沈黙だけであり、不愉快になるばかりだった。
 このうな垂れっぱなしの少年こそ、ランサーを召喚した張本人。
 つまりマスターであるはずなのだが、最初に名乗ったっきり口を開こうともしない。
 いい加減に苛立ちが頂点に達し、ランサーはついに声を荒げた。

「貴様、なぜ前に進もうとしないッ!
 なんとしても叶えたい願いがあるから、心から欲しているものがあるからッ!
 だから俺を呼び出したのではなかったのか!? 貴様の意思を聞かせろ、花村陽介ッ!」

 これでも口を閉ざしたままならば、ランサーはマスターを殺してしまうつもりであった。
 令呪に命令を下す暇など与えず、一瞬のうちに命を奪う。
 その程度は、ランサーの力をもってすれば造作もない。
 マスター不在により現世から消滅してしまうが、別に知ったことではない。
 そもそも、聖杯に叶えて欲しい願いなど存在しないのだから。
 だがランサーの予想に反して、ようやくマスターである花村陽介は沈黙を破った。

「……そうだよ」

 搾り出すように言うと、陽介はゆっくりと顔を上げる。
 露になった陽介の表情は、いまにも泣き出しそうなものだった。
 しばらく歯を噛み締めていたが、意を決したように声を張り上げる。

80No.7 ◆GIjwvg4JCY:2011/12/27(火) 07:26:14 ID:M.KSnhd.0

「そうだよ! たしかにそうだッ! 願っちまったさ、俺はッ!
 あんとき怒りに駆られてやっちまった……俺の、俺たちの罪を全部なかったことにしちまおうってッ!
 いくら時間が過ぎても忘れらんねーし、いまでも夢にアイツの姿が出てきちまう! あの一件以来、俺らの関係はムチャクチャだッ!
 それが全部帳消しになるなんて、たまんねえよ! また下らねー話で笑えるなんてサイコーだ! 毎日毎日朝から晩までずーーーっと夢見てたさ! 違いねえッ!!」

 喉を削るような叫びは、まだ終わらない。
 さながら溜め込んでいた感情を爆発させるかのように、まくし立てるように続く。

「でも……だけどよォ! それこそ蜘蛛の糸が垂れてきた気分で、扉開けちまったけど……!
 汚しちまった手ぇキレイにすんのに、もっとたくさんの血で汚すんじゃ意味ねえだろうがッ!
 四十八人だぞ、四十八人! 一人殺したのをなしにするために、四十八人だ! 釣り合うワケねえだろ!
 こんなこと許されっかよ! 聖杯なんかが許したとしても、俺が俺を許せねえ! アイツらだって、絶対に許すかよ!
 だいたい、そんな人殺しまくって手に入れた幸福なんか……ッ! そんなもん渡して、どのツラ下げてアイツらと笑えんだよ!
 ちッくしょう! ナメてんじゃねえぞ、聖杯! そんな血塗れの幸せで喜ぶヤツらじゃねえんだよ、ざッけんな! 気付くのが遅かったんだよ、俺はッ!!」

 そこまで一気に言うと、陽介は酸欠気味になったらしい。
 全力疾走したあとのように、激しく肩を上下させている。
 陽介の呼吸が落ち着くのを待って、ランサーは問いかける。

「事情は分かったが、どうするつもりだ。
 願いを叶える気がなくなったからといって、いまさら一組辞退など許されない」
「できたとしてもやらねえよ。死ぬのが四十六人になるだけじゃねえか」

 即答を受けて、ランサーは眉根を寄せる。
 聖杯を掴むつもりはなく、かつ聖杯戦争を辞退する気もないという。
 ならば、いったいなにをしようというのか。
 ランサーが疑問を口にするより、陽介がしゃがみ込むほうが早かった。
 床に正座をしてから、両手を前に出し頭を地面につける。

「考えなしだった俺なんかと違って、アンタには必死になって叶えたい願いがあるんだと思う!
 でも……ごめんなさい! マジで悪いと思ってます! すんません! 許してください! この通りっすから!」

 土下座の体勢を作られても、ランサーには謝罪される意味が理解できない。
 事情を説明するよう促すと、陽介は真剣な表情を浮かべて立ち上がった。

「誰も死なせないためにはどうすりゃいいのかを、さっきからひたすら考えてたんだ。
 んで見つけた。一組の願いが叶うまで続く殺し合いを止める方法を、たった一つだけ」
「…………ほう」

 知らず、ランサーは息を呑んでしまう。
 少し思考を巡らせてみたが、見当もつかない。
 若干の間を置いて、陽介がその方法を明かした。

「聖杯があるから殺し合うってんなら、聖杯をブッ壊しちまえばいいんだ」

 陽介は目を伏せて、相手の反応を待つ。
 広がりかけた静寂を破ったのは、ランサーの哄笑だった。
 十秒ほど笑い続けてから、唖然とする陽介に向き直る。

「くっく。なるほどな。
 定められた運命から抗う、ということか。
 己の意思でもって、聖杯戦争の参加者を閉じ込める見えないガラスを破壊する……く、ははは」

 ランサーは、自身の左肩を擦った。
 生前に刻まれた永遠に治らぬ傷痕が再生している。
 戦闘生命である証であった負傷が存在しないのだ。
 ならば、彼にも――
 長兄の呪縛に縛られることなく、戦闘生命として以外の生を送ることが可能なのかもしれない。
 魔獣の力に呑み込まれぬよう、必死で戦ってきた兄弟のように。

81No.7 ◆GIjwvg4JCY:2011/12/27(火) 07:26:42 ID:M.KSnhd.0

「アンタの願いも叶えられなくなっちまうけど……でもっ!」
「構わない」

 ランサーは、説得するような陽介の声を遮る。
 やっと、どうして自分がサーヴァントとして現界したのか分かった。
 抱いていた願望を自覚したからこそ、胸を張って断言できるのだ。

「――願いは、いま叶った」

 ぽかんと口を半開きにしている陽介に、ランサーは右手を伸ばす。

「お前と同じく、俺も聖杯の呪縛から抗うべく聖杯戦争に臨もう。
 安心するがいい。我が『ブリューナクの槍』ならば、聖杯とて容易に破壊できるだろう」

 しばらくしてやっと意味を理解したのか、陽介はランサーの手を握り返した。
 固い握手を交わしてから、なにか思い出したように目を見開く。

「……あれ? そういえば、アンタの名前なんてんだっけ?
 ランサーって槍使うヤツってことだし、それで呼ぶのはなんかなぁ」
「キース……いや違うな」

 生前のコードネームを言いかけて、半ばで口籠る。
 これから運命と戦うというのに、運命から逃れられなかった戦闘生命の名前では縁起が悪い。
 考え込むランサーの脳裏を掠めるのは、戦闘生命と化す以前に呼ばれていた名前だ。
 二度と名乗ることはないと思っていたが、強い意思をもって強大な運命に抗う――人間として生きるならば相応しい。

「アレックス。名字はない、ただのアレックスだ」




【参加者No.7 花村陽介@ペルソナ4】
【サーヴァント:ランサー(アレックス)@ARMS】

82 ◆GIjwvg4JCY:2011/12/27(火) 07:26:58 ID:M.KSnhd.0
投下完了です。

83 ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/27(火) 19:38:15 ID:WaJwyqEw0
投下乙であります。
シルバーもといアレックスさんと番長とは違う道を選んだ花村。
そこでその名前を持ってきたアレックスさんに痺れた、格好いい!!
花村も待っている前途は多難だがさてどうなるか?

では自分も投下します。

84No.8 ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/27(火) 19:39:11 ID:WaJwyqEw0
「……う〜〜ん…う〜〜ん……」

目の前の少年は先程からただ頭を抱えて呻り続けている。

『……ふむ』

それを眺めながらアーチャーのサーヴァントは考える。
彼は召喚された時点でマスターについての知識を
ある程度聖杯から提供されている。
つまり、少年が悩む理由も彼には既に分かっているのである。

「……う〜〜ん…う〜〜ん……」

だが、それでも彼が少年に手を差し伸べる事はしない。
少年が悩むのなら、それは少年が自分で答えを導き出そうとしているという事。
ならば彼はそれを黙って見守るだけである。

「……う〜〜ん…う〜〜ん…ハッ!?
 こ、ここは何処?
 僕は何でここに居るの!?」

周囲の変化にすら気づかないほどに少年は思考に埋没していたようだ。
そこまで来て初めて彼は少年に手を差し伸べる。
それは答えとは無縁の現状の把握を求めたから。
現界し、少年の前へと姿を現す。

「おや? 気がついたようだね」

「あ、あなたは誰!?」

唐突に声をかけてきた彼に少年は驚き、身構える。
その警戒を解くように彼は温和な微笑を浮かべ、
少年に自己紹介する。

「私かい? 私の名はウッドロウ。
 アーチャーのサーヴァントに属する只の弓使いに過ぎないよ」

恭しく頭を下げるウッドロウにつられて少年も思わず会釈する。
そして、頭を上げた少年はウッドロウの言葉に首を傾げる。

「で、そのウッドロウは何でここに居るの?
 というか、ここは何処なの?」

「ハハハッ、本当に深く考えていたようだね。
 ここは聖杯が作り出した一時的な仮想空間。
 君や私がここに居る理由は私が説明するよりも、
 むしろ君の方が分かっているんじゃないかい?」

少年は困惑した様子を浮かべつつ、
思い当たる事があったのかハッとした様子でウッドロウを見つめる。

「僕が僕を知りたかったから?」

「それが君の願いなのだろう?」

ウッドロウの言葉に少年は黙って頷く。
だが、その表情は暗く沈んでいる。

85No.8 ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/27(火) 19:39:39 ID:WaJwyqEw0
「段々思い出してきた。
 僕は結局一人ぼっちであそこに帰ったんだ」

ウッドロウは答えない。
少年は独白を続ける。

「ずっと考えてたんだ。
 『僕は何なんだろう?』って。
 でも結局、何も分からなかった。
 僕は最初から誰でもなかったんじゃないかって」

「だから、願ってしまったんだね」

「……うん」

少年は項垂れる。
自分が何なのか?
そういう根本的な疑問に対しての葛藤は
ウッドロウも深く理解している。
だからこそ、自分がこの少年のサーヴァントに選ばれたのだろう。

「答えを求める為に聖杯が欲しいかい?」

少年はブンブンと首を横に振る。

「本当は分かんない。
 でも前にナナちゃんが言ってたんだ。
 『悪い事しちゃ駄目だよ』って。
 僕は自分が何なのか知りたいけど、
 その為に悪い事するのは違うと思う…」

「ならば、君は如何するんだい?」

その言葉にも少年は首を横に振る。

「……分かんない。
 ねぇ、僕はどうしたらいいの?」

少年が縋る様な目でウッドロウに訴えかける。

86No.8 ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/27(火) 19:40:11 ID:WaJwyqEw0
「考える」

「え?」

ウッドロウの言葉に少年は目を丸くする。

「そう考えて、考えて、ひたすら考えぬく」

「それでも答えが出なかったら?」

「もっと考える、答えが出るまでね」

ウッドロウの答えに少年は感じるものがあったのだろう、
目を輝かせてウッドロウの手を握る。

「それでもいいの!」

「あぁ、君の答えが何であれ、
 私は君の答えを祝福する。
 だから最善の答えが見つかるまで
 私も協力させて貰うよ」

ウッドロウの微笑みに少年は抱きついて、
感情を露わにする。

「お師様と呼ばせて欲しいクマ〜!!」

「フフッ、随分と変わった弟子が出来てしまったね」

ウッドロウは考える。
彼はこの少年の“真実”を知っている。
何者なのだろうかと悩む何者でもない存在。
空虚、空洞、虚無。
本来ならば在る筈の無いモノ。
だが、そこに確かに魂はある。
産まれいでし者を否定する権利は誰にもない。
願う事ならば、
この純真な魂の持ち主に
確かな答えが得られますよう。

自分の願いは、

『答えに迷う者の導きに』

【参加者No.8 クマ@P4】
【サーヴァント:アーチャー(ウッドロウ・ケルヴィン)@Tales of Destiny】

87No.9 ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/27(火) 22:52:50 ID:WaJwyqEw0
扉を潜り抜けた先は大海原でした。
潮風が頬を撫で、ウミネコの鳴き声が微かに聞こえる。

「う〜ん、良い気持ち…
 って、んな訳あるかぁ〜!!
 何処だ、ここわぁ〜!?」

協会から扉を開けたら、2秒で海。
なんということでしょう。
流石にテロリスト雨流みねねも絶叫してしまう。
彼女も似たような場所は知っているが
あれは意識のみで飛ばされる場所であり、
肉体ごと別な場所に跳ばされるなど
初めての経験である事に変わりはない。
意味が分からず手当たり次第に
甲板に散らばる物に当り散らす。

「…五月蝿いねぇ〜、アタシの船で何騒いでんだい?」

「あ゛ぁん?」

声が聞こえた方にギロリと振り返る。
船室の扉に寄りかかり、
手には酒の瓶を持った大柄な女が
酒気で紅く染まった顔でみねねを睨みつけていた。

「何だい、どんな奴がアタシの
 マスターなのかと思ったら、
 こんな『はねっかえりだけが取り柄です』って
 顔に書いてるような女かい!」

ヒックと喉を鳴らして女は自分で言った台詞が
気に入ったのか爆笑している。
みねねは震えていた。
意味も分からず連れてこられ、
陰険そうな神父には煽られ、
腹が立ってつい扉を開けてしまった
自分にも腹が立つが、
何よりも目の前のこの女が気に食わない。

「やったろうじゃないか、このクソッたれ!!」

言い終えるか否かという瞬間には
女に向かって飛び掛っていた。

「あらよ」

みねねの拳が女に触れるかと思ったら、
あっさりと手を取られ、
考える間もなく足を払われ、
それはもう見事なまでに無様に宙を舞っていた。

88No.9 ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/27(火) 22:53:17 ID:WaJwyqEw0
「単純だねぇ、そんな猪みたいに突っ込んだら
 こうなるって分かんないかねぇ?
 第一、あの程度で頭にくるなんて、
 あんた、まさか処女かい?」

放り投げられ、甲板に仰向けに倒れて放心していた
みねねの顔を覗き込みながら、
酒気を帯びた息を吐き掛けながら女が哄笑する。
それを受けてみねねの顔が瞬時に真っ赤に染まる。

「ち、違うっつの!? わ、私には必要ないだけだ!」

煙を出しそうな勢いで否定しつつ、
慌てて起き上がる。
一度、失敗しているので即座に
飛び掛るような真似はしない。
頭に血が上り過ぎて失念していたが、
そもそも“この女は誰だ?”。

「アッハハハハ!!
 悪いねぇ、あんたがアタシのマスターらしいから、
 ちょっと試させて貰ったよ」

笑いながら女は懐から別な酒瓶を取り出して
みねねの目の前に突き出してくる。

「……何だよ?」

女の顔と酒瓶とを交互に睨み、
みねねが女を警戒する。

「呑みな! 遺恨や禍根は呑んで流すもんさ!
 あんたとはこれから長い付き合いになるだろうしね」

子供の様な無邪気な笑顔を浮かべる女から
奪う様にして酒瓶を受け取ると口を開けて一気に流し込む。

「良い呑みっぷりだ!
 さっきは馬鹿にして悪かったね。
 まぁ、これがアタシの性分なんで
 まぁ、大目にみなよ!」

豪快に笑う女にみねねも馬鹿らしくなって
怒りも急激に冷めていく。

89No.9 ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/27(火) 22:53:40 ID:WaJwyqEw0
「それで、私との付き合いってどういうことだよ?」

みねねの質問に女はきょとんとした表情になり、
暫くして顔を抑えて俯いた。

「あちゃ〜…アンタ、もしかして話聞いてなかったね?」

「ウッ! そ、そりゃ、もう、聞いて…ない…かな?」

大いに動揺するみねねに溜息をしつつ、
女が手招きして船室に招き入れる。

「あぁ、分かった分かった。
 説明するから取り敢えず入りな」

そうして船室の中で改めて女から説明を受ける。
話を聞き終え、だらしない姿勢で椅子に座っていた
みねねの口元に余裕の笑みが出来る。

「キヒッ! 要は殺し合いで残ったらご褒美って事か。
 何だ、それじゃ前と大してかわらねぇな!」

神の座を賭けてのバトルロイヤルが聖杯に摩り替わっただけ。
しかも、今回はお供付だという訳である。
逃亡日記もしっかりと手元にある。

「それで、アンタは聖杯に何を願うんだい?」

ライダーと名乗った女が酒を呷りながら、みねねに尋ねる。

「あ〜……そうだね、神様って奴をぶっ殺す」

「乗ったぁっ!!」

答えるや否や叩きつける様に酒瓶を置き、
大声でライダーが叫ぶ。

「良いねぇ、デカイ奴ほどやりがいがあるってモンさ!!」

嬉々としてはしゃぐライダーが視線を足元に落とす。

「で、そのマスターは何してんだい?」

「……デカイ声の手下に恵まれてんだよ」

ライダーの叫び声に驚いて、
ひっくり返ったままの姿勢で
バツが悪そうにみねねは悪態をついた。

【参加者No.8 雨流みねね@未来日記】
【サーヴァント:ライダー(フランシス・ドレイク)@Fate/Extra】

90No.9 ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/27(火) 22:54:43 ID:WaJwyqEw0
修正忘れがあった為、訂正。


【参加者No.9 雨流みねね@未来日記】
【サーヴァント:ライダー(フランシス・ドレイク)@Fate/Extra】

91No.10 ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/28(水) 23:38:18 ID:PWQhNs2g0
『 俺 は 世 界 を 壊 し 』

暗闇の中で意識が覚醒する。
いや、暗いのは瞼を閉じている所為か?
酷く身体が億劫でまるで自分のものではないかのようだ。
意識し、重い瞼を開けてみる。

「…ッ!」

差し込む光に目が眩む。
それほど長い間、自分は眠っていたのだろうか?
ゆっくりと眼を光に慣らし、
周囲に眼を配る。
どうやら自分は玉座に座ったまま、
うたた寝してしまっていたらしい。

「お目覚めですか?」

声が聞こえる。
視線を声のした方へ向け、
そこに跪く一人の騎士を
ぼんやりとした意識で眺める。

「俺は…」

先程からどうもおかしい。
何かを失念している。

「貴方はルルーシュ・ヴィ・ブリタニア陛下。
 私は貴方に仕えるべく召喚された、
 ガウェインと言う者です」

金髪の騎士が丁寧に頭を垂れる。

「ガウェイン…」

騎士の名前を反芻する。
それは奇しくも自分の乗機と同じ名称。
それを思い出すのと同時に
意識が完全に覚醒する。

「いや、如何いう事だ!?
 俺はあの時にスザクの手によって―」

「えぇ、死にました」

動揺し、立ち上がりかけた身体が
騎士の言葉によって脱力し、
力無く玉座に座り込む。

92No.10 ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/28(水) 23:39:01 ID:PWQhNs2g0

「何が起きているのか、
 説明して貰おうか?」

覚悟の上、親友の手に掛かり、
愛する妹の手の温もりの中で終わりを遂げた。
その筈だった。
だが薄れ行く意識の中、
何かに導かれるように扉に手を掛けた。

それが最期の記憶。

「正確に申しますと貴方はまだ死んではいません。
 “死の直前にある”と申し上げるのが正確ですね」

騎士の言葉にルルーシュは眉を顰める。
だが騎士が落ち着いた口調で言葉を続ける。

「今、ここに居る貴方は魂を現世での肉体から切り離し、
 肉体を聖杯によって再構築された存在です。
 貴方が感じる肉体の虚脱感は魂がまだ馴染んでいないからでしょう」

騎士の言葉にルルーシュは思考を巡らせる。
魂という概念を受け入れるのは難しかったが、
理論上、受け入れるのが一番納得がいくのだから
それは仕方がない。
そもそも自分にはギアスやCの世界という
超常の存在を認識した過去があるのだ。
『無い』と断じ切る事など出来はしない。
だが、それでも納得がいかない事がある。

「その聖杯とやらが俺を生かす目的は何だ?」

その問いに騎士は考え込み、
重く口を開いた。

「聖杯には目的はありません。
 貴方が生かされたのは、
 貴方がそれを望んだからでは?」

泣き叫ぶ妹。
祈る緑髪の魔女。
永遠に仮面を被り続ける親友。

93No.10 ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/28(水) 23:39:31 ID:PWQhNs2g0
「…俺の未練か」

残したつもりは無かった。
全てを受け入れた筈だが、
生存への欲求は何処かにあったのだろう。
それを聖杯は汲み取ったという事か。

「フ…フフフ……フハハハハ!!」

笑いが込み上げる。

「生を望みますか?」

騎士が問いかける。
答えなど端から決まっている。

「下らんな」

騎士の問いかけを一蹴する。

「俺は自らの意思で全てを遂げた。
 今更、第2の生など望む心算も無い。
 今、ここにこうしているのも
 一時の惑いの内に過ぎない!」

既に叶える望みは全て叶えた。
今更、他の手を借りて叶える望みなど在りはしない。

しかし、

「その聖杯とやらは気にいらないな。
 壊さない限り繰り返される可能性もあるという事か」

自分の中の拭いきれない未練を
いつまでも掘り返されるのは気に入らない。
ならば、いっそ綺麗に失くしてしまえば良い。

94No.10 ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/28(水) 23:39:55 ID:PWQhNs2g0
「聖杯を壊した時、貴方は死ぬ事になる。
 それでも構わないのですね?」

騎士がルルーシュへ最期の確認を取る。
それをルルーシュは鼻で笑い、

「撃っていいのは撃たれる覚悟のある者だけだ。
 俺は自分の責任から逃げる気はない」

ルルーシュの言葉を聞いた騎士が満足そうに微笑み、
自らの剣を掲げる。

「我が剣は忠義の剣。
 貴方を我が主と定め、
 我が命を貴方に捧げると誓う!」

その光景を不思議そうにルルーシュは眺める。

「死ぬ者の為に捧げる剣とはな…
 貴様もつくづくと変わっている」

その姿に親友を、
そして最期まで自分に仕えた
忠義の騎士の姿を重ねる。

「貴方の定めた道は確かに王の道。
 騎士としてこれほどの誉れはありません」

ルルーシュの皮肉めいた言葉も意に介さず、
騎士は跪き、臣下の礼を取る。
やれやれといった様子で立ち上がり、
王は騎士の剣を受け取った。

それは全てが終われば無に帰す泡沫の夢。
だが、刻まれし思いは世界を象る。

『 世 界 を 創 る 』

【参加者No.10 ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア@コードギアス 反逆のルルーシュ】
【サーヴァント:セイバー(ガウェイン)@Fate/Extra】

95 ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/28(水) 23:40:16 ID:PWQhNs2g0
投下終了です

96 ◆2TIcBhEgoU:2011/12/29(木) 03:24:27 ID:4jGwWoaA0
投下します。

97 ◆2TIcBhEgoU:2011/12/29(木) 03:24:46 ID:4jGwWoaA0

「美少女へいへーい! ビビってないで出ておいでー!」

とある世界の片隅で少年は叫ぶ。
美少女最高と!

「大丈夫だよ、俺は紳士だから怖くないよー! ぐへへ……何も悪いことはしないよ! ちょっと触るだけだから!」

口から漏れ出す汚らしい笑い声。面構えは欲望にまみれ、笑みはだらしなく歪んでいる。
どうみても不審者です、本当にありがとうございました。

「うはははははっ! 願いが叶うってやべーじゃん! サイコーじゃん!! 
 つーことはモテないヤロー共の世界を変えることが出来るってことじゃね!? ひゃっはーーーーーーー!」

ちなみに少年は説明をまともに聞いていない。
最初の眠りから目が覚めたばっかりという点に加えて『願いを叶える』という部分しか彼の都合のいい耳は聞き取ることが出来なかったのだ。
そして、勢いに任せて扉を開けてしまった。
運が悪い、気の毒だというよりも救いようのないバカとしか言い様がない。

「とりあえず扉をくぐれば俺に美少女ちゃんが降臨すんだろ! パーフェクト……! マーベラス……! ゴメンよ、皆……俺は一足先に大人の階段を登る!」

妄想乙。まだ出会ってもいないのに少年はまだ見ぬサーヴァントが美少女で加えて両思いと断定している。
サーヴァントが美少女だとは限らないし両思いなどまずあり得ない。
それに願いを叶える資格があるのはあくまで最後の一人。扉をくぐるだけでは何の意味が無い。
この少年やっぱりバカである。

「さあ、さあさあさあ!! この胸に飛び込んでおいで美少女ちゃん!」
「おい……」
「落ち着くんだ、俺! 心頭滅却すれば美少女もまた美し! やべえ、結局は美少女ってことじゃん!?
 はっはっは、何はともあれサイコーだな!」

少年はバカなので声をかけられていることにも気づかない。
サーヴァントにも気づかずに自分の世界に入り込んでいる。
なにせバカだから。

「さてと、ファーストコンタクトはどうするか。最初は情熱的にいっちゃうか!
 君と一緒に夜のアバンチュールを過ごしたいんだ……とか言っちゃって言っちゃって!!
 やっべ、俺超イケメンじゃね!? マジ天才じゃね!?」
「おい……! いい加減に気づけ!」

サーヴァントは少年の後頭部を思い切り叩いて無理矢理にでも気づかせる。
思わぬ衝撃に少年は前へと奇声を上げながら吹っ飛んでいく。
数秒後、少年はゆっくりと起き上がって衝撃の原因たるサーヴァントを視界に入れる。

「美少女きたああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
「…………はぁ?」
「神様ありがとうございますありがとうございます! この名無鉄之介! 猛烈に感動している!
 美少女、美少女! 俺に春が……! 美少女さいっっっこおおおおおおおおおおおおお!」
「…………なぁ、お前」

サーヴァントもとい少女は言う。

98 ◆2TIcBhEgoU:2011/12/29(木) 03:25:04 ID:4jGwWoaA0

「聖杯戦争って理解してるか?」
「へ? 何それおいしいの? 食えんの?」
「……もう一度言う。聖杯戦争って言葉に聞き覚えはあるか?」
「ないけどそれがどうかしたか!」
「あ、ああ……もう、駄目だ。私の戦いは、終わった……最悪だ……!」

少女は受け入れるには大きすぎるショックにより地面に崩れ落ちる。
あろうことか自分のマスターは聖杯戦争すら理解していない。
これではどう戦えというのだ。もう負けるしかないじゃない!

「え、え〜っと……よくわかんないけど元気だしましょう!」
「出せるかぁ!! それもこれも全部お前のせいだ!」
「いきなり嫌われるなんて!? 俺は何処で選択肢を間違えた! 恋愛フラグを折った覚えはないぞ!」
「全部だ全部! 全部間違っている! ああもう、とりあえず説明してやるからそこ座れ!」



説明は省略。かくかくじかじか。



「殺し合い? マジで?」
「そうだ。お前の言う願いは最後の一人ならないと叶わない」

少年、鉄之介は理解の範疇を越えた話に開いた口がふさがらない。
自分よりも数億倍強大な敵を前に啖呵を切ったりボコボコにされたりなど普通の男子高校生では体験しないだろうこともくぐり抜けてきた。
それでも、この聖杯戦争というのは異常だった。
願いのために殺しあう。考えるだけでも冷や汗が噴きだしそうだ。

「辞退とかできない? 死ぬの超怖いし」
「もう遅い! できてたら私だってそうしてる」

拙い。これは非常に拙い。どう足掻いても絶望。勝ち目はゼロ。
サーヴァントである少女は心中で思う。

諦めよう。
自分の願い。もう一度家族に会いたい。それはもはや果たされぬ願いだと。
いじっばりな鉄槌の騎士とも常に冷静沈着な剣の騎士ともおっちょこちょいで少し気弱な湖の騎士とも寡黙ながらも優しい盾の守護獣とも。
――主である八神はやてとも。
少女、リインフォースの願いは泡沫の夢でしかなかったのだ。
そう思っていたのに。

99 ◆2TIcBhEgoU:2011/12/29(木) 03:25:53 ID:4jGwWoaA0

「しゃーねえ、やるしかねえか」

なぜこの男は力強い笑みを浮かべて立ち上がろうとするのだろうと。
リインフォースは疑問に思った。

「何見てるんだよ? もしかして俺に惚れちゃったりする? ふっ……イケメンは辛いなぁ!」
「いや、それはない」
「…………」
「なんだ、黙ることではないだろう」
「黙るって! 俺にM属性はねえんだよ! そーゆーのは誠治だけでいいの!」
「そうじゃない。お前、この戦いに参加するのか」
「いんや。俺は優勝……戦うこと以外の方法で聖杯を手に入れる。
 つーか、俺らってば本当は戦いたくもねーのに願いのために踊らされてんじゃん。
 気に食わねーんだよ、それ。おかしいっての」

ニヤケ顔はそのままに鉄之介はウインク。
リインフォースは素直に気持ち悪いといい鉄之介はその余りにも冷たい言葉にさめざめと涙を流す。
話が進まないのでリインフォースがなだめることで鉄之介は元の元気を取り戻したが。
そして脱線した話を聖杯戦争に戻す。

「女の子の更衣室をどうやって覗くかに命をかけている俺のキャラじゃねえけどな。
 戦うの嫌だし怖いし。だけど――超えちゃあいけねえラインがあるんだよ。
 つーか願いを叶える権利だって独り占めしないで皆で分けあえばいいじゃん?
 それがダメだったら別の方法考えればいいことだし」
「そんなうまくいくはずがないだろう……最後の一人にならないと願いは叶わない。それは事実だぞ」
「へっ……そんなことは知らねえ見えねえ聞こえねえ! 俺は俺のやりたいようにやるだけだ!
 聖杯はもらう! 美少女ももらう! リインフォースちゃんも俺のもの! COME ON 槍王!」

少年は立ち上がりとある力を呼び出す言の葉を叫ぶ。
『槍王』
それまでに着ていた学生服とは違って身に纏うのは軽装の鎧。
虚空から取り出した槍を片手で握り勢い良く振り回す。

「モテないヤロー共が救われる世界を作りにレッツゴー! ということで景気づけにキスを……!」
「やらんわバカ!」


【参加者No.11 名無鉄之介@私の救世主さま】
【サーヴァント:リインフォース(キャスター)@魔法少女リリカルなのは】

100 ◆2TIcBhEgoU:2011/12/29(木) 03:26:14 ID:4jGwWoaA0
投下終了です。

101 ◆gsySw7SywU:2011/12/29(木) 03:30:12 ID:nQqcv6Tw0
投下します

102No.12 ◆gsySw7SywU:2011/12/29(木) 03:30:56 ID:nQqcv6Tw0

「ここが聖杯戦争の世界か」

 と、その男は呟いた。
 首から古めかしいカメラを吊り下げた細身の男だ。精悍な顔立ちからは落着きと自信が窺える。

「で、お前が俺のマスターか」

 こちらを見やる。
 マスターを値踏みするその眼光は、彼が歳若いとはいえ幾多の修羅場鉄火場を潜り抜けている貫録を伝えてくる。
 今度はどんなサーヴァントが来るかと内心憂慮していたものの、『前の』サーヴァントよりは幾分使いやすそうだ。
 少なくとも、言葉を交わす事が無価値だと断ずるほどではない。今はまだ、だが。
 
「そうだ。さて、まずは自己紹介といこうか」

 お互いの来歴、戦力、思考を理解することが勝利への第一歩。
 重々承知してはいるが、かつてのサーヴァントとはそれをする気にはならなかった。
 今回それを自分から言うのは――『前の』ほど抵抗がないというのと、それをせざるを得ない状況であるからに他ならない。
 ここにいるのは自分一人だ。サポートは何一つ誰一人望めない。
 つまり、たった一つの戦力であるサーヴァントと意思疎通ができなければまともな戦闘すら覚束ないということだ。
 故に、彼がどういったサーヴァントか詳しくわからずともまずこちらから歩み寄る必要がある。
 彼は『前の』とは違って世界的に有名な英霊という訳でもない。実際、クラスしか定かではないのだ。
 それ以上の情報は接触して自分で聞き出すしかない。

「……以上だ。何か質問は?」
「ない。大体分かった」

 気負いもなく。
 自分の素性、目的を簡潔に話し終え、返ってきたのはそんな言葉だ。
 サーヴァントとして呼ばれたからには彼にも何かしら願いがあるのだろう。
 それを果たすためにマスターが必要だから組む、そこにそれ以上の思惑は読み取れない。
 腹の底を見せないという意味では、『前の』よりよほどやり辛い。が、性に合っているのはこちらの方だ。

「では、今度はそちらの情報を聞かせてもらいたいな」

 問うと、男はやや面倒くさげに溜息をつく。
 まるで幾度も問われたように。またか、と全身で訴えている。
 それでも、男はこちらへと向き直り、

「通りすがりの――ライダーだ」

 そう、言った。

103No.12 ◆gsySw7SywU:2011/12/29(木) 03:31:21 ID:nQqcv6Tw0

     ◆




 世界を巡り、旅は続く。
 辿り着いた場所はやはり、戦いの渦の中。
 求められている役割、果たさなければならない使命。
 やることは変わらない。いつものように通りすがり、すべてを破壊し尽くすだけだ。

 それこそが使命。
 世界の破壊者、その存在するただ一つの理由。

 もう仲間と言える者はいない。
 それらはすべて打ち捨ててきた。ただ一人の最強であるために、余計なものは背負わない。

 しかし今回はやや事情が違うらしい。
 自分はサーヴァントで、サーヴァントはマスターなる相棒を守り、共に戦わなければならない。
 面倒だが、直接の戦闘は任せるとマスターは言った。だからまあ、自分は好きにやればいい。
 要は勝てばいいのだ。手段など選ばないし、そこはマスターも同意見だという。
 決して好きな人種ではないが、組む相手としてはリアリストかつプロフェッショナルな気質の方がありがたい。
 考えてみれば、マスターは今までの旅の中にはいなかったタイプではある。冷静で、狡猾で――そして悪辣だ。
 底抜けのお人好しだったり甘ちゃんだったり熱血バカだったりただのバカだったり。思い出すのはそんなやつらばかり。
 感傷というほどでもない。すでに彼らは破壊し終えている。他ならぬ自らの手で。
 だから、今やるべきことにも迷いはない。破壊すべき対象が変わっただけだ。

 すべてのマスターとサーヴァントを破壊する。

 そして聖杯に捧げる願いで、残った『奴ら』を――未だ破壊できていない宿敵たちを破壊する。
 自分以外、ライダーが誰もいなくなったとき。そのときこそようやく、旅は終わるのだ。

 マスターが煙草を吸っている。
 揺らめく紫煙、一瞬後には解けて消える儚い軌跡。まるで己の旅のよう。
 なんてことはない――そう、煙草を吸うように。



 破壊するだけだ。



【参加者No.10 衛宮切嗣@Fate/zero】
【サーヴァント:ライダー(門矢士)@仮面ライダーディケイド】

104名無しさん:2011/12/29(木) 03:31:44 ID:nQqcv6Tw0
投下終了

105名無しさん:2011/12/29(木) 03:34:41 ID:nQqcv6Tw0
失礼、ミス修正を

【参加者No.12 衛宮切嗣@Fate/zero】
【サーヴァント:ライダー(門矢士)@仮面ライダーディケイド】

こちらです

106 ◆2TIcBhEgoU:2011/12/29(木) 03:47:01 ID:4jGwWoaA0
なのははシリーズがいろいろあって紛らわしいので
【参加者No.11 名無鉄之介@私の救世主さま】
【サーヴァント:リインフォース(キャスター)@魔法少女リリカルなのはA's】
と修正しときます。

107名無しさん:2011/12/29(木) 03:56:30 ID:nQqcv6Tw0
そろそろキャラも増えてきたのでまとめをば

セイバー:アルトリア(衛宮士郎)  ガウェイン(ルルーシュ) イスラ(天海陸)
ランサー:クー・フーリン(P4主人公) アレックス(花村陽介)
アーチャー:ウッドロウ・ケルヴィン(クマ)
ライダー:フランシス・ドレイク(雨流みねね) 門矢士(衛宮切嗣)
キャスター:キャス孤(雪輝) リインフォース(名無鉄之介)
アサシン:緋村剣心(安藤潤也)
バーサーカー:ランスロット(枢木スザク)


12組24人、残り13組26人ですね

108名無しさん:2011/12/29(木) 11:00:57 ID:6i9fLU4MO
投下もまとめも乙乙
とりあえず各クラスは埋まってるね
個人的に円卓関係の因縁が気になるなw

109マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/29(木) 11:39:26 ID:jq9VpAf.O
まとめ&投下ありがとうございます!
本来は私のやるべき事なんですよねorz

馬鹿が来た! 美少女引き連れて馬鹿が来た!
切嗣と士のダーティコンビも気になるところ。
制限の無い分、今後が期待できますねw
両名とも改めて投下乙です!

110名無しさん:2011/12/29(木) 13:01:47 ID:kUmqrGHsO
皆さん投下乙です。「お前かいw」なサーヴァントの多い事多い事wこれは残りも楽しみです!

111名無しさん:2011/12/29(木) 15:19:10 ID:pKV3SlKE0
むしろお前かいなマスターも多いry
鉄之助なんか特にw
組み合わせ的にはめちゃくちゃ絶妙だし、美味しいキャラではあるんだが、それでもお前かよ!w

112 ◆3Yo9gNrp3A:2011/12/29(木) 17:24:23 ID:jfaATfoE0
投下します

113No.13 ◆3Yo9gNrp3A:2011/12/29(木) 17:25:49 ID:jfaATfoE0


「あたしって、ほんとバカ」


一体どこで間違えたのだろう。
自分が自分でなくなる瞬間。
それを思ったところで何の意味もないことなんてわかりきってはいた。
だけど思ってしまった。
どこであたしは間違えてしまったのかを。

大切なものが何なのかが分からなくなった時なのか。
守ろうとしていたものが何なのかが分からなくなった時なのか。
自分の体が人間ではない『ゾンビ』にされてしまったと気づいた時なのか。
大切にしていた友達を傷つけてしまった時なのか。

――そもそも、こんな運命を選んでしまった時からすでに間違いだったのか。

答えなど出ない。
出るはずがない。
何故ならそんなものが出る前に、あたしが消えてしまうのがわかっているから。
このまま私が私でなくなるまで、そんな意味のない疑問を考え続けるのか。
そう思って全てを諦め、自分で呪いを生み出す存在になろうとした時。

気づけば、あたしはサーヴァントになっていた。
しかもそうなった瞬間に、あたしは自分の思考が一気に低下していくのを感じた。
理性が無くなってしまう感覚。
今まで考えていたことが、全て無くなってしまうかのような感覚。
もはや話すことも、考えることも出来なくなってしまいそうな感覚。
しかしそれでも、何をすればいいのかだけは覚えておくことが出来た。
そして、自身が何を願うのかも――

こんな運命になってしまったことを変える。
こんな運命を選んでしまったことを無かったことにする。
それできっと悲しむ人が増えることになったとしても、もうどうでもいい。

それが今のあたしの願い。
魔女でもない参加者48人を殺した先に願う、あたしの唯一の願い。


「……■■■■■ーーー!!」


もはや喋ることが出来なくなったその口で、あたしは声を上げた。

114No.13 ◆3Yo9gNrp3A:2011/12/29(木) 17:26:37 ID:jfaATfoE0





「生まれてきて、ごめんなさい」


一体どこで間違えたのだろう。
自分が落ちて死ぬ瞬間。
それを思ったところでもう意味がないのはわかりきってはいた。
だけど思ってしまった。
どこで私は間違えてしまったのかを。

大切な人との約束を忘れた時なのか。
守ってくれと頼まれた子を自分の手で殺した時なのか。
自分がもう人間ではなく鬼なのだと気づいた時なのか。
血を分けた双子の妹を自分で殺した時なのか。

――そもそも、生まれてきたこと自体が間違いだったのか。

答えなど出ない。
出るはずがない。
何故ならそんなものが出る前に、私は頭を割って死ぬのだから。
このまま死ぬまで、そんな意味のない疑問を考え続けるのか。
そう思い、今度は間違えないと想い人の幻影に別れを告げようとした時。

気づけば私はあの聖堂に居た。
そしていつの間にか、マスターになっていた。
マスターになった後は何故か自宅のマンションに居た。
今までのことは全部夢なのか。
そう思い右手を見たが、そこには聖堂で見た時と同様に刻印が刻まれていた。
あの神父の言う通りなら、令呪というやつなのだろう。
はっきりと、誰かと繋がっているのが感じ取れた。

ふと窓の方を見ると、そこに見覚えのない少女が立っているのに気づいた。
青っぽい色彩の、まるで騎士の礼装の様な姿をした自分と同じか少し下の歳の少女がそこにはいた。
神父の言う通りなら、この少女こそが私のサーヴァントだということになる。
しかし、その表情は見た目とは対照的に歪んだものとなっていた。
私には一目でそれが狂気に取りつかれたために歪んでいるのだと理解した。
そして私はこの表情を知っている。

115No.13 ◆3Yo9gNrp3A:2011/12/29(木) 17:27:35 ID:jfaATfoE0

「そっか、あんたも私と同じか……」


あれは、さっきまでの私だ。
狂気に呑まれ、凶行を重ね、最後には自業自得な死を迎えた――
いや、迎えるはずだった私自身と一緒なのだ。
目の前のこの少女は。

もちろん、私の気のせいかもしれない。
狂気に取りつかれた理由だって、私とは全然違う理由なのかもしれない。
だがそう思っていた方が、これから戦っていく上では最適だと思ったのだ。
どうせやるなら、同じく狂気を持っている人物とやる方がいい。

そう、私はこの戦争に参加する。
そして願いも、もうすでに決まっている。

悟史君を生き返らせる。
いや悟史君だけではない。
こんな私のために犠牲になった沙都子や皆を生き返らせたい。
出来るかどうかなどこの際どうでもいい。

それが私の願い。
血に染まったこの手で、さらに48人参加者を殺した先に願う、私の唯一の願い。


「これからよろしく、私のサーヴァントさん」



そう私が言うと、まるでそれに賛同しているかのように目の前の少女は咆哮を上げた。



【参加者No.13 園崎詩音@ひぐらしのなく頃に】
【サーヴァント:バーサーカー(美樹さやか)@魔法少女まどか☆マギカ】

116 ◆3Yo9gNrp3A:2011/12/29(木) 17:29:03 ID:jfaATfoE0
投下終了です

117 ◆3Yo9gNrp3A:2011/12/29(木) 18:01:40 ID:jfaATfoE0
すいません、ミスがあったので修正します。

>>113

このまま私が私でなくなるまで、そんな意味のない疑問を考え続けるのか。

このままあたしがあたしでなくなるまで、そんな意味のない疑問を考え続けるのか。

以上のように修正します

118 ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/29(木) 22:07:13 ID:UcgH08WQ0
投下乙です!
W(ある意味)バーサーカー少女's。
幸運ランク低そうですねw

119名無しさん:2011/12/29(木) 22:16:44 ID:S9CSlxQM0
投下乙
つまりバーさやかーですね、わかりますw

120名無しさん:2011/12/29(木) 23:53:06 ID:J8rzPUv60
投下乙ですー。
ピッタリというか、何というかw
すごく納得してしまったw

121名無しさん:2011/12/29(木) 23:53:17 ID:J8rzPUv60
投下乙ですー。
ピッタリというか、何というかw
すごく納得してしまったw

122名無しさん:2011/12/30(金) 02:00:10 ID:T/i2umIs0
みんな個性的で先が楽しみな奴ばっかりだなw
ただ、把握する作品の数とか心配になるなあ
2週目とか大丈夫?

123名無しさん:2011/12/30(金) 15:02:56 ID:8N3LkdSsO
投下乙です。やだ・・・なにこのWバーサーカー・・・
さやかあちゃんは狂化しなくても元から幸運最低なんだろうなぁw

124名無しさん:2011/12/30(金) 15:38:14 ID:uIKrslio0
ちょっと質問
Fate本編以外の同作品キャラ同士の組み合わせはありなのか?

125名無しさん:2011/12/30(金) 15:40:29 ID:QTYGxZ2s0
他の人は組み合わせしてるね

126名無しさん:2011/12/30(金) 15:46:04 ID:62/3mjN20
いいんじゃないの

127マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/30(金) 16:16:29 ID:0XZ93ezYO
>>124
全く問題はありません。
但し、その場合サーヴァント側が過去に死亡、
もしくはマスター側より未来の人物である方が
話の都合上、無理がないと思います。

128名無しさん:2011/12/30(金) 19:48:49 ID:pv.q5gmUO
冬木市で見掛けない奇抜な服装や髪形のマスター連中はピンチだなw
すぐにマスターだと見抜かれる。

129マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/30(金) 20:34:14 ID:FlS2fJDM0
>>128
そういうネタは普通に考えてますw
「何か凄い美形の外国人の人居たー!」とか、
「何か夜な夜な新都に大飯ぐらいの二人組みが出るらしいぜ!」みたいなw

こういった所からマスター判明しても面白いですね。
NPCは到って普通な連中なので。

130ナナシ:2011/12/30(金) 21:41:08 ID:TQ7ZDzIM0
投下します。

131マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/30(金) 21:57:54 ID:FlS2fJDM0
上記記述を守らない方はお断りします。

132<削除>:<削除>
<削除>

133<削除>:<削除>
<削除>

134<削除>:<削除>
<削除>

135<削除>:<削除>
<削除>

136<削除>:<削除>
<削除>

137名無しさん:2011/12/30(金) 23:19:54 ID:RcNB6kL20
志村ー! トリー! トリー!

138名無しさん:2011/12/30(金) 23:23:50 ID:QTYGxZ2s0
sage無いのは別にいいけど、投下するなら酉くらいつけようぜ。

139マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/30(金) 23:46:13 ID:FlS2fJDM0
色々とありますが、
まずは上記記述を守るように警告をした筈ですが
それを無視した上での投下である事。
投下間隔が幾らなんでも長すぎる事など、
リレー企画での注意事項を守れないと判断し、
無効とさせて頂きます。

140<削除>:<削除>
<削除>

141マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/31(土) 00:02:41 ID:O5Pv4HV20
再度、注意事項を呼び掛けておきます。

尚、投下の際には必ずトリップと
投下宣言(同時投下を防ぐため)をしてからでお願いします。

それと、

>>27
原作においては『設定のみ存在するもの』も同様です。

これは「ビックリマン」「森羅万象」等も含めて言っています。
裏面にストーリーが付随しているだけのようなものも
把握の観点から除外対象となります。

142No.15 ◆4OblpRmYos:2011/12/31(土) 00:35:06 ID:Vw.PvDlQ0
投下します

143No.15 ◆4OblpRmYos:2011/12/31(土) 00:38:11 ID:Vw.PvDlQ0
「くそっ、一体どうなってんだ?
俺、さっきまでミス研の部室でパソコンいじってたはずだよな……」

少年、金田一一は「柳洞寺」と書かれた山門の前で頭を掻きながら
この殺し合い、聖杯戦争とやらに呼ばれる直前の記憶を必死に手繰ろうとしていた。

「確か、ネットやってる最中にいきなり変なサイトに飛ばされて、
そしたら急に画面が光って……んで、あの教会にいたんだよな」

金田一は名探偵として知られた彼の祖父と同じように
これまで多くの殺人事件を持ち前の推理力によって解決してきた。
その中で、殺人の罪を着せられそうになったり、背後から鈍器で殴られ雪山に
放り出されたり、猟銃で腹部を撃たれる等、多くの危機にも直面してきた。
しかし、今回は、どこか今までの事件とは性質が異なるように思える。

「とにかく、情報を集めない、と……?」

ふと、自分の右手の甲を見ると、妙な紋様が刻まれていた。
そういえばあの神父は、これをサーヴァントを従える令呪だと
言っていなかったか………?

「ふむ、どうやらおぬしがわしのマスターのようだのう」
「えっ!?」

144No.15 ◆4OblpRmYos:2011/12/31(土) 00:39:41 ID:Vw.PvDlQ0
突然、声を掛けられ、慌てて金田一は周囲を見渡した。
しかし、ぐるりと周りを見てみても、声の主は見当たらない。

「どこを見ておる?わしはここだ、ここにおる」
「いや、どこだよ……ってそこかよ!?」

再度声を掛けられ、金田一はようやく声の主を見つけた。
彼が上を見上げると、そこには木の枝に腰掛ける少年がいた。
少年は「よっ」という声とともに地面に飛び降りると、
無造作に金田一に歩み寄ってきた。
金田一から見て、少年の出で立ちはとても奇妙なものだった。
背丈は金田一よりも幾分低く、頭には触角のようなものがついた白い頭巾を被り、
無駄に長い陣羽織に無駄に大きな手袋に有り得ないほど長い靴など、何というか、
全体的に着膨れした服装である。

「自己紹介が必要だのう。わしはライダーのサーヴァント。真名を太公望という」

見かけのわりにどうも年寄りじみた喋り方だなと思いつつ、金田一もとりあえず自己紹介をすることにした。

「あ、ああ。俺は金田一一。不動高校の二年生なんだ、よろしく」

「うむ、おぬしの事も聖杯から与えられた知識で知っておる。おぬしがここに来る直前にいかがわしい画像をダウンロードしようとしていたこともな」

「んぐっ……!ほ、放っとけよ!大体、そんなんでいきなりこんなとこに呼ばれるなんて思わないだろフツー!?しょうがないだろ、俺だって男なんだから!」

「そりゃまあそうだが……。だったらおぬし、何故教会の扉を潜ったのだ?」

「い、いや、あの時は夢心地だったっていうか、夢なら扉を抜ければ醒めると思ってたっていうか……」

マスターのあまりに情けない参戦の経緯に、ライダーは露骨に大きなため息を吐いた。

145No.15 ◆4OblpRmYos:2011/12/31(土) 00:41:51 ID:Vw.PvDlQ0
その態度に、思わず金田一はむっとした表情になったが、同時に、いつの間にか身体の緊張が解れている事に気づいた。
どうやら気づかない内にガチガチに緊張していたらしい。

「それで?おぬしはもう聖杯戦争に参加してしまった訳だが、これから先どうするつもりなのだ?」

気を取り直したのか、ライダーがこの先の方針について尋ねてきた。
しかし金田一としては、未だ現実感が持てない、というのが偽らざる本音だった。

「その……夢とかじゃないんだよな?本当に、今から殺し合いが始まるんだよな?」

「そうだ。厳密にはもう始まっていると言うべきだがのう」

夢なら醒めてほしい、という一縷の希望はすげなく否定された。
金田一自身、この一連の超常的な現象の数々についていけない部分はあるものの、一方で今のこの状況が紛れもない現実であることを多くの難事件を解決してきた探偵としてのある種の直感から受け入れ始めていた。
何より、自分が今見ている光景が、木々の匂いが、風の感触が全て夢の産物だとは流石に思えなくなってきていたことも大きい。
認めよう、この聖杯戦争という名の殺人ゲームが、今、現実に起こっていることなのだと。
だからこそ、決断する。

「なあ、ライダー。こうして呼ばれて来たって事はさ、お前にも聖杯っていうので叶えたい願いがあるんだよな?」

「まあ、聖杯戦争に召喚される英霊というのは大体そういう者が多いのう」

「でも、ごめん!俺は、自分の願いのために人を殺すことなんてできない!そんな事したら、二度とジッチャンに顔向けできねえ!
勝手だとは思うけど、頼む!この殺し合いを止めるために、俺に力を貸してくれ!」

深々と頭を下げながら、一気に捲し立てる。
目の前のサーヴァントに罵倒されることを覚悟しながら。

「よいぞ」

「……へ?」

返ってきた答えは、何と快諾であった。

「ええ!?いや、だってお前今、叶えたい願いがあるって言ったとこだろ!?」

「それは他の英霊の話であって、わしがそうだとは一言も言っておらんぞ。
むしろこれで得心がいった。何故わしがおぬしに召喚されたのか、その理由がな。
知識としてマスターの事を知ってはいても、こういう事は直接話さなければ分からんもんだからのう」

146No.15 ◆4OblpRmYos:2011/12/31(土) 00:43:32 ID:Vw.PvDlQ0
呆気にとられる金田一を尻目に、満足そうに頷くライダー。
しかし、願いが無いというなら一体何故召喚に応じたのか。
それが金田一にはわからなかった。

「……その、ライダーはそれで良いのか?」

「うむ。自分で言うのも何だが、わしは物欲に乏しい男だからのう。
もし、わしに願いがあるとするならば、それはおぬしと同じであろう。
何せ、サーヴァントはマスターの性質に見合った者が召喚されるのだからな。
そういう訳で、よろしく頼むぞ、金田一」

そう言って、ライダーは右手を差し出した。
まだわからない事だらけだが、自分の中に湧き上がる彼の気持ちに報いたい、という心は本物だろうと思えた。
そして、金田一もまた右手を差し出し、握手を交わした。

「……ああ!俺の方こそよろしく頼む、ライダー!」

ここに、数々の難事件を解決した少年探偵と、歴史に名を馳せた名軍師の戦いの幕が開いた。
そんな主従を祝福するかのように、柳洞寺の山門に一陣の風が吹いた。


【参加者No.15 金田一一@金田一少年の事件簿】
【サーヴァント:ライダー(太公望)@藤崎竜版封神演義】

147No.15 ◆4OblpRmYos:2011/12/31(土) 00:46:20 ID:Vw.PvDlQ0
投下終了です。あと、金田一の参戦時期は怪奇サーカスの殺人」
開始前ぐらいを想定しています。

148名無しさん:2011/12/31(土) 01:33:26 ID:hBX6CL96O
投下乙
名探偵と軍師の頭脳派コンビか
これまた個性的な組み合わせだわw

149No.16 ◆OktYLfxDLQ:2011/12/31(土) 02:04:50 ID:CHS3tZZY0
――――俺はただ、戻りたかったんだ。
何も知らず、平和に暮らしていたあの≪竜宮島≫での日々に。
衛が、いなくなった。咲良は、薬漬けにして生かされている。
他の奴らだって皆そうだ。
去ったもの、残るもの、それだけの区分しかない、歪な俺たち。
それでも何故空は蒼く在り続けるのだろう。
何故その下の俺たちが同じようにいられないんだろう。

だからあの神父ってー奴が何企んでいようが俺は、扉を進む方を選んだ

150No.16 ◆OktYLfxDLQ:2011/12/31(土) 02:05:44 ID:CHS3tZZY0

――――私には、戻りたい場所などない。
誰も、いなくなった。この世界にはこの島だけ。
唯一他の人間だったおじいちゃんは餓死で死んでしまった。
もう、何もいらない。
ならせめて、今後の世界が幸せに満ち溢れますように。

私は崖から身を投げた――――




「問おう、汝が我が汝か?
「あ、あのうさんクセー神父が行ってたの本当なのかよ……!
「……説明は聞いていたか?」
「一応は」
「ならば簡単だ。私は貴様のしもべ。さらにその右手の令呪を使えば強制命令を発動させられるが、私は貴様の目的次第では極力力を合わせるつもりだ」
「それでそんなのが25組みいて殺し合い、か……」
「怖気付いたか?」
「怖くないってほうが無理じゃねーかよ。ま。俺の願いはあんたに伝わっただろう?」

151No.16 ◆OktYLfxDLQ:2011/12/31(土) 02:09:58 ID:CHS3tZZY0
こんな状況でも竜宮島でもやることは変わらない。

楽しく皆で竜宮島で過ごせる世界だ。


「で、一応あんたの願いってなんなんだ?」
「よくわからない。このた異世界の中で見つかるといいな」


【参加者No.15 近藤 剣司@蒼穹のファフナー】
【サーヴァント:16 セイバー(@セリス@「FF6】

152マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/31(土) 02:21:30 ID:O5Pv4HV20
お二人とも投下乙です。
注意事項ですが、No.14の作品は棄却しますので、
各ナンバーを繰上げでNo.14、No.15と改めさせていただきます。

頭脳派コンビに魔法剣士と面白い組み合わせが出揃ってき始めました。
残りも10組ですが、新年が楽しみですw

153 ◆MoyrepToUg:2011/12/31(土) 03:06:59 ID:j3r9Pe3k0
投下させていただきます

154№16 ◆MoyrepToUg:2011/12/31(土) 03:10:09 ID:j3r9Pe3k0
あ……ありのまま、今起こった事を話すぜ!!

私は「いつものようにネトゲをしている途中で寝落ちしてしまい
目が覚めたと思ったらバトルロワイアルに参加させられていた」!!

何を言ってるのか分からないと思うけど、私にも何を言ってるのかわからねー……
頭がどうにかなりそうだった……

明晰夢だとかドッキリカメラだとか、そんなチャチなもんじゃ断じてない…
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったよ……


まるで吸血鬼に時間停止を仕掛けられたイタリア人のような台詞を漏らしながら、
少女――――泉こなたは自分の身に起きた状況を整理していた。

先の独白の通りPCを前にして眠りに落ちてしまい、気が付いてみればこの有様。
はっきり言って普通ではありえない状況である。
自他ともに認める生粋のオタクであるこなたにとってもこのようなシチュエーションはアニメや
漫画などで見慣れたものではあったが、流石に自身が巻き込まれるのは想定外だった。

さらに困惑しているうちに正式に参加者扱いにされてしまい、とりあえず言われるがままに扉を
潜ってみたものの、目の前に広がった光景は“どこかの森の中”としか言いようがない物だった。


気を落ち着かせるために木陰に座り込み、改めてこなたは思考を巡らせていた。
彼女には先ほどから妙に気になっていた事があったのである。

「令呪にサーヴァントに聖杯戦争、か……。な〜んかどっかで聞いた事あるんだよねぇ……」
目覚めた際にこのバトルロワイアルについて説明を行った神父(何故か麻婆豆腐が好きそうな人物
だなぁと思ったが、それは一端置いておく)が発言した単語のいくつかを思い出したこなたは、
初めて聞いたはずだというのにどういう訳かその単語に心当たりがあるのを感じていた。
加えて言うならその単語の意味もなんとなくだが理解できていた。

だが『どこで知ったのか』を思い出そうとすると何故か必ず頭の中に霞がかかったかのようになって
しまう為、それ以上は情報を引き出すことはできなかった。
「(ま、まさかこのトシで既にボケ始めたなんて事は……いやないない! 私まだ若手の現役大学生だよ?)」
ふと浮かんだ嫌な考えを振り払いつつ、これ以上は埒が明かないと判断してこなたは一端その
疑問を片隅に置く事にした。

155№16 ◆MoyrepToUg:2011/12/31(土) 03:11:40 ID:j3r9Pe3k0
「それにしても、どんな願いも叶える聖杯か……」
この戦いの参加者の最終目的ともいえる願望機の名を口にするこなた。
どんな願いも叶える。
その言葉を聞き、己が欲望を成就しようと戦いに赴く決意を固める者達は少なくない。
誰しも叶えたい望みというのは少なからず存在するからである。
そして御多分に漏れず彼女も本格的に参加する決意を―――――――


「はっきり言って胡散臭すぎるよね、正直」
固めずに疑いにかかってきた。


「だいたいこういうタイプのロワ系作品で大抵は『参加者をその気にさせる為の釣りアイテム』的な
ポジションで出てくるよね、何でも願いが叶う○○って。しかもいざ勝ち抜いてみたら実はそんな物
なかったり、あってもラスボスが野望を叶える為の道具だったりするのがオチだもんねぇ」

繰り返し書くが彼女は自他ともに認める生粋のオタクである。
普段からこのようなストーリーの作品も当然見慣れている事もあり、普通なら飛びつくであろう景品を
鵜呑みにするという選択肢を取る事はなかったのであった。

「それにきっと願いを叶えられても多分ロクな事ないよね。
『大金が欲しい』とか願ったら家族が死んで保険金が下りるとか、
『誰かを生き返らせてくれ』とか願ったらゾンビになって復活してくるとか、
願いを叶えたら道具に穢れが溜まって邪悪なモンスターが蘇るとか、
そんな感じの事が起きる可能性の方が高いよきっと」

そしてダメ押しともいえる一言をついでに言い放った。
「ぶっちゃけあっさり騙されて欲しがる人の気が知れないよね、やっぱり」


この場に聖杯を求めて闘う決意を持った者達がいれば、果たして彼女はどうなっていた事だろうか。


そこまで口にして『やる気を出してこの戦いに参加しても意味はない』とオタ的な考察で
結論付けたこなたは、続けて今後の身の振り方を思案し始めた。
「ロワには乗らない事にしたものの……このまま黙ってても意味ないからなぁ。
やっぱここは反抗派のお約束として『戦いを止めつつ協力者を集めて脱出する』
のが一番いいんだろうけど……」

とはいえ自分一人の力ではたかが知れているのは十分理解している。
普通の人よりは腕っぷしに多少の自信はあるものの、この場にどのような人間が呼ばれたのか
分からない以上油断は禁物である。
もし仮に参加者に出会ったとしても、相手が乗っていた場合自分だけではなすすべがない。

“頼むからこなたはオレより先に死なないでおくれ―――”
どこからか父の声が聞こえてきたような気がしたが、それは一端避けておく事にした。

156№16 ◆MoyrepToUg:2011/12/31(土) 03:13:29 ID:j3r9Pe3k0
とにかくまずは自分を助けてくれる者が必要だ。
そこまで考え、こなたはふと自分の右手の甲に視線を向けた。
その手に刻まれた令呪が、まるで何かに反応するかのように熱を帯びているのに気付いたのだ。
令呪は自身のサーヴァントを従わせるための物、すなわち―――――
それに気付くとほぼ同時に背後に人の気配を感じたこなたが視線を戻してみると。

「―――初めまして。ええと、君が俺のマスターかい?」
目の前には一人の青年が姿を現し、自分へと問いかけていた。


ほどなくして二人は互いに素性を明かしあい、情報交換を兼ねて会話を始めた。
現れた青年は火野映司と名乗り、自身をライダーのクラスを持つこなたのサーヴァント
だと明かした。
見た目はエスニック調の服装をしたごく普通の日本人男性だったため、こなたも当初は
半信半疑にならざるを得なかったが、話によれば映司は自身の宝具を使う事で
『仮面ライダーオーズ』と呼ばれる姿に変身する事が可能なのだという。

また、こなたと同様に映司もまたこの戦いには否定的だった。
とはいえ彼もこなたのようにオタ的視点による疑りがあった訳ではもちろんない。
「……火野さんは、何か聖杯で叶えたい願いとかないの?」
「俺、今まで世界中を旅して回ってきたけど、何も欲しがってない人なんていなかった。
そう思うことが生きるのに必要な国もあったし、だから欲しいって思うことは悪いことじゃない。
それはいいんじゃないかなって思う。
でも、その欲望を叶えようとしたせいで関係ない人達が傷つくのは間違ってると思うんだ。
俺が今叶えたい願いがあるとすれば、そんな人達を助けるために手を伸ばしてあげること。
だから俺はこの戦いを止めたいと思ってる」

それは映司の本心からの言葉だという事を、こなたはしかと感じていた。
恐らく彼は自分には想像もつかない人生を歩んできたのであろうと。
「だからこなたちゃん―――俺に、力を貸してくれるかい?」
「火野さん……」
「ん?」
「……それ、どっちかっていうとマスターの私が先に言う台詞なんだけどなぁ?」
どちらからともなく笑いがこぼれていた。

157№16 ◆MoyrepToUg:2011/12/31(土) 03:15:14 ID:j3r9Pe3k0
「さてと、こうしてても仕方ないしね。早速行動開始しますか」
二人で話し合った結果、まずは情報収集が第一という事で周囲の散策を行う事となった。
「だったら任せて。いい物があるから」
それを聞いた映司はこなたを呼び止め、おもむろにその場に手をかざした。
シュゥゥゥゥン……
すると二人の目の前の空間が歪み、大型の物体が姿を現した。
何かそれっぽい魔法道具が現れるのかと期待するこなただったが―――

「って、ただの自販機じゃん!! こんなので一体どうすんのさ?」
それはどう見ても変わった装飾が施された黒色の自動販売機だった。
「確かにそうなんだけど……まあ見てて」
至極当然のツッコミを入れるこなたをなだめつつ、映司は懐から銀色のメダルのようなものを
1枚取り出し、自販機に投入する。
だが映司が押したのは缶飲料を購入するような上部のボタンではなく中央部の別のボタン。
ガシャン、ガシャン!!
すると自販機は即座にその姿を変形させはじめ、次の瞬間には自販機ではなく一台のバイクが
目の前に鎮座していたのだった。
「おおおっ! 変形した! 何これなんかカッコイイ!!」
「『疾走する騎馬の自販機(ライドベンダー)』、これも俺の宝具の一つなんだ」
まさかの変形に目を輝かせるこなたを見ながら映司は車両に収納されていたヘルメットの一つを
彼女に手渡し、乗り込むように促した。
「よーし、それじゃ我がサーヴァント・ライダー! 行こうか!!」
「了解、マスター!」
こなたの声を受けると同時に鋼の騎馬は動き出し、深き森を抜けるべく音を上げ駆けだした。

かくして、一人の平凡な少女と欲望の力を秘めたメダルの王たるサーヴァント。
奇妙な組み合わせの二人の物語が始まるので―――――

「ああそうだ、大事な事忘れてた!」
「えっ、何々!?」
「……もし街とかがあったら、明日のパンツだけでも手に入れないとな……」
「……それ今心配する事なの?」

―――――始まるのはもう少し先であろうか。

【参加者No.16 泉こなた@らき☆すた】
【サーヴァント:ライダー(火野映司)@仮面ライダーOOO/オーズ】

158№16 ◆MoyrepToUg:2011/12/31(土) 03:15:42 ID:j3r9Pe3k0
投下終了です

159 ◆qp1M9UH9gw:2011/12/31(土) 03:22:57 ID:wdQusiI20
投下乙です。
オーズがきたかwwでも宝具が自販機ってwww
マスターがこなただから、すごく賑やかになりそうw

では、自分も投下を開始します

160No.17 ◆qp1M9UH9gw:2011/12/31(土) 03:25:09 ID:wdQusiI20


――――――『試練』には必ず「戦い」があり、「流される血」がある。 ――――――


――――――『試練』は供え物。 立派であるほど良い。――――――




「聖杯は我々が手に入れなくてはならない」

冬木市に建つホテルの一室。
椅子に腰掛けたサーヴァントは、小型のテーブルを隔てて向こう側の席に座る己のマスターに向けてそう言った。
宣言した彼の眼光は鋭く、そこからは彼のした覚悟が見て取れるだろう。
一方のマスターは、サーヴァントの言葉をさながらクラシックでも聞くかのような表情で聞いている。

「私は民の為に聖杯に願いを託す……"市長"、あなたもそうだろう?」
「当然だとも。ああいうものは、より多くの者に有益に働くように使わなくてはならない」

"市長"と呼ばれたマスターはそう言うと、テーブルに置かれた、赤ワインの注がれた二つのグラスの内の一つを手に取った。
朱色の液体が、容器の中でダンスを踊るように波打つ。

「仮にだ、あの聖杯が自分の事しか考えない"ゲス野郎"共の手に渡ってみろ……それこそ悲劇以外の何者でもない」
「だからこそ、私達が聖杯を入手――言わば保護する必要がある。そうだろ?"大統領"」
「その通りだ……流石私のマスター、よく分かっている」

"大統領"と呼ばれたサーヴァントも、"市長"と同様にグラスを手に取った。
彼らがグラスを持ったその光景は、祝杯をあげるかのような雰囲気を醸し出している。
事実、祝杯をあげるべきなのだろう――大きさは違えど、"上に立つ者"が巡りあえたのだから。

「それはそうと、まさかあなたのような役職に就く者が"アサシン"のクラスに選ばれるとは……」
「自分でも少し驚いている……まさか殺される立場から殺す立場に変わるとはな」

「アメリカ合衆国23代目大統領」。
それが、このアサシンの生前の役職。
暗殺者にしては、彼の知名度はあまりにも高すぎる。
決して存在を悟られない事が暗殺者の流儀だと言うのに、だ。

「私も、裏では色々と動いていたからな」

感慨深そうに、"大統領"が言った。
彼は生前、己の悲願――国の恒久的な幸福――の達成の為に、様々な犠牲を払っている。
雇った刺客で敵を消そうと画策し、遂には自らの手で障害を排除した事もあった。
だが、それらは決して民衆の耳に届く事はなく、全てが闇の中に消えている。
決して人目に晒されずに敵を抹殺する――言葉だけ見れば、それはまさしく暗殺者の所業だ。
故に、彼は"アサシン"のサーヴァントに選ばれたのである。

161No.17 ◆qp1M9UH9gw:2011/12/31(土) 03:26:34 ID:wdQusiI20

「だが、私の行ったのは紛れもない正義だ――断言しよう」
「……なら仕方ない。"個"より"多"を優先するのは正しい選択だ。私が保証する」

"市長"は、"大統領"の回答に納得し、肯定の印として、ゆっくりと頷いた。
この男の願いは、自身の治める街――すなわち「桜見市」の民を、より優れた民族へとレベルアップさせる事である。
この願いも"個"より"多"を優先したものであり、"大統領"に納得するのは、ある種必然とも言えるだろう。

「では、祝杯をあげよう"大統領"――48の生贄に捧げる祈りも込めて」
「そうだな"市長"。彼らの血で、私達の民は幸福になる……」

"市長"の名は「ジョン・バックス」。
次元神に接触し、自身が神に至る為に「神を決めるゲーム」を提案した男。
"大統領"の名は「ファニー・ヴァレンタイン」。
聖人の心臓の遺体を手に入れ、全ての遺体を集める為に「スティール・ボール・ラン」を利用した男。

生贄と引き換えに野望を叶えようと試みたこの二人に、再び生贄を祭壇に捧げる事に抵抗感を持つ訳がない。
血の様に赤いワインが、また、踊った。




――――――『試練』は、流される血で終わる。――――――




【参加者No.16――ジョン・バックス@未来日記】
【サーヴァント――アサシン(ファニー・ヴァレンタイン)@ジョジョの奇妙な冒険】

162No.17 ◆qp1M9UH9gw:2011/12/31(土) 03:27:13 ID:wdQusiI20
投下終了です

163 ◆FTrPA9Zlak:2011/12/31(土) 04:52:26 ID:6OqwXAEo0
短いですが、投下します

164No.18 ◆FTrPA9Zlak:2011/12/31(土) 04:54:16 ID:6OqwXAEo0
「はぁ…はぁ…、桜ちゃん…」

道をボロボロの体で歩く男、間桐雁矢。
だがその肉体は蟲に食い尽くされ、生きているのが不思議なほどだった。
先ほどまで契約していたバーサーカのサーヴァント、ランスロットの戦闘による負荷だった。
それでも今はバーサーカーの存在は感じられない。セイバーに負けでもしたのだろうか。
しかしもはや生きることすら困難なほどにその体の内のダメージは溜まっていた。

今、彼の脳内にあるのは、間桐、いや、遠坂桜のことのみ。
教会で葵の首を絞め、殺してしまった今となってはもうそれだけが全てだった。

「待ってろ…、桜ちゃん、今…助け……」

そうして意識を失う直前、見えたのはボロボロの服を着た白髪の男だった。



「…どうにか一命を取り留めたか」

白髪の男は己のマスターを抱えて呟く。
先ほどまで息をすることすら苦しそうだった姿も、今は若干安らいで見える。
だが、その体の内側に巣食うもの、そしてマスターの体の有様はすぐに分かった。とても見ていられるようなものではなかった。
それでも、彼にはそれをしてまで叶えたい願いがあるのだろう。ならば自分に止めることはできない。

「願い…か」

165No.18 ◆FTrPA9Zlak:2011/12/31(土) 04:55:35 ID:6OqwXAEo0
死の灰を浴びた己の肉体。それにより大きく衰え、後継者の座を弟に譲ることとなった。
それに悔いはない。
だが、もし、もしもである。
あの時、我が兄と対峙したとき、この肉体が死にかけのものではなく全盛期のものであったなら――
彼を止めることはできただろうか。
それ以上に、あの時の彼を、俺は超えることはできただろうか。

「…何を馬鹿なことを」

そう、彼のことは弟に託した。
あの男ならば、我が兄をきっと止めてくれる。だからあの時かつての想い人の兄と共に死ぬことを選べたのだ。
だが、この場にサーヴァント、アサシンとして呼ばれ、叶わぬはずの願いでも叶えることができる奇跡を目の当たりにし。
それでも人を生かすために戦うことができるのか。

「まずはマスターの目覚めを待つ、か」

そんな悩み、迷いを胸に、かつて北斗神拳伝承者候補として最も華麗な技を持つと言われた男、トキは主の目覚めを待つ。
かつての自分のように、残り少ない命を削ってまで願いに生きる男の目覚めを。


【参加者No.17――間桐雁矢@Fate/zero】
【サーヴァント――アサシン(トキ)@北斗の拳】

166 ◆FTrPA9Zlak:2011/12/31(土) 04:57:47 ID:6OqwXAEo0
投下終了です

167 ◆mi8Ly4t1vU:2011/12/31(土) 05:50:14 ID:w2cIfpRg0
投下します

168No.19 ◆mi8Ly4t1vU:2011/12/31(土) 05:51:00 ID:w2cIfpRg0
「運命とは、誠に数奇なものと思わぬか、愛しい蝶よ
紅世の徒の願望を叶える神より依頼を受け、かの神を護っていたこの俺が
今度は、願いを叶えるために他者を殺せと依頼を受けた
いや依頼を受けたというのは過ちか
今一度お前に会うことを望んだのはこの俺の方
聖杯とやらはその願望を汲み取ったに過ぎぬ
言うなれば俺のほうが聖杯に依頼したということか
であるなら最後の一組になるまで殺しあうというのは、俺にとっては願いを叶える条件ではなく、聖杯に手渡す報酬だ
俺にとっての刀剣類のように、聖杯は命を喰らう
これも、我ら“紅世の徒”の生の因業か
人を殺して存在の力を奪い、それをもって我らが望むことをなす
なるほどな、そう考えればこの地に俺が呼ばれたのも納得だというもの
願いを叶える聖杯とは正しく“祭礼の蛇”であり、願いを叶えるために殺しあう我らは皆等しくして“紅世の徒”というわけか
この殺しあいとやらも存外、都喰らいのように、莫大な存在の力を得るための、手順なのかもしれぬな

ふむ、だが聖杯があの創造神に類するものだとすれば、俺はそれを前にして、またあの感覚を味わえるのだろうか
かって、見たあれほどの大きさを前に抱く畏れを
抗することなど不可能と分かる畏れを
なにをもってしても埋めがたい畏れ
圧倒的な力を前にした者の、どうしようもない感覚を
俺はまた、抱けるのだろうか
抱けるのならば、願ってもいない僥倖だ
願ってもいないものさえ叶えてくれるとは、流石は願望機というべきか
お前と再会した時に、俺がようやく抱けたこの想いをお前と共有するには、あれを共に見るのが一番速い
そうすれば、お前も分かってくれるだろう
この世には、俺などが及びもつかない、大きな者が存在することを
俺も、お前も、そいつから見れば大して変わらぬ存在なのだと
お前が俺に及ばぬことを、怒ることはないのだと
お前が小さなことを、恨むこともないのだと
俺はお前がいなくなってから、お前のことばかりを考えていた
お前は既に俺を振り回せる存在だったのだ

いや、待て、俺は未だ聖杯への報酬は揃えていないのだ
これでは取らぬ狸の皮算用もいいところではないか
それに、そこまで都合良く考えるのはあまりにも迂闊
未だ目にしておらず、色も形もしらない聖杯に期待をし過ぎるなど
俺としたことが、少し浮き足立っていたのかもしれん
聞けば聖杯は、剣をドリルに改造するなどという愚行を犯すあのイカれた“教授”が好き好むようなカラクリだと聞く
期待に値するようなものではない可能性も大いにあり得る
最悪のキチ○イが、ひょこひょこいずこより顔を出して、巨大な鉄巨人へと変形できるよう改造しだす可能性もないとは言えぬ
いつ出くわすとも知れぬ者へと気を散らすのは依頼遂行の邪魔になるが
“教授”に限らず万一の場合は考えておくべきか
怪しい者は、出会う先から皆殺しにしてしまえれば、楽に仕事を終えらるたのだが
それでは、ペナルティを受けてしまうというのなら、仕方があるまい
課せられた条件のもと、依頼を遂行する
いつものことだ

169No.19 ◆mi8Ly4t1vU:2011/12/31(土) 05:51:27 ID:w2cIfpRg0
ああ、条件といえば一つ、マスター<依頼主>より課せられたものがあったか
殺戮は一日一時間だったか、記憶に誤りはないだろう
問題はあるまい
油断をするつもりは欠片もないが、俺とマスターの特性を考えれば、並の相手では一撃で勝負は決するだろう
否、敢えてマスターの顔を立てれば、“一喰い”で決まるというべきか
ふん、“一喰い”が人食いを札として引き当てる、か
マスターとサーヴァントは似た者同士が惹かれあうというが、正しくその通りなのだろう

蝶よ
我がマスターはお前とは似ても似つかぬ少女だ
人の身でありながら、その強さ、その力、お前が妬むほどだろう
だがな、蝶よ
そのマスターが俺に言っていた言葉を、俺もお前に伝えたい
この言葉を俺のものにできたのも、また一つの運命だろう

強いは弱い、弱いは強い

まったくもってその通りだと俺は万雷の喝采をもってこの言葉を称えよう
俺は強かった
強かったからこそ、お前が何故俺の元を去ったのかにも気づけなかった
お前は弱かった
弱かったからこそ、お前はあれほどの畏れを前にも足掻くことを選べた
まったく、なんという馬鹿な俺たちだろう
掴みたかった強さも、共感したかった弱さも、既に共に手にしていたというのに

愚かといえば、俺のマスターもまた、愚かなのだろう
マスターはこの言葉を口にしながらも、自分の弱さを未だに理解しきれていないと見える
理解しきれていないことは理解している所が、またかつての俺と姿を被らせる
マスターの願い、それは弱さを見つけることだという
自分に欠けている弱さ、それを探したいという
おかしな話だ
願いを叶えるために、殺し合いの頂点を目指す
それはつまり、弱さを得るために、己の最強を証明するということだ
矛盾極まりない話だが、その矛盾こそが、俺のマスターなのだろう
強さに特化して生み出されたが故に、強くしかいられないアイデンティティ
弱くいられない弱さ
強いは弱い、弱いは強い
……そういうことだ

170No.19 ◆mi8Ly4t1vU:2011/12/31(土) 05:52:13 ID:w2cIfpRg0
もしかしたら、マスターの真の願いは、完膚なきまでの敗北かもしれぬな
そして完膚なきまでの敗北とはこちらが全力を出しきり、その上で届かぬことでなりたつ
俺はいつものように、与えられたその場その場における最適を目指す
マスターもこれまでのように、標的が無関係でも関係なく標的が無抵抗でも抵抗なく標的が没交渉でも交渉なく、貪るように喰らい尽くす
ただそれだけだ

最後に一つ、戯言だ
お前からもらった短剣、あれが俺の宝具だそうだ
正直、あのイカれた男に改造された愛剣ヒュストリクス――とは違い、名ばかりの宝具だが
俺にとって、使い潰す気にならないこの剣は確かに宝物だろう
喜べ、“戯睡郷(ぎすいきょう)”メア。
お前の名前は、お前の存在は、世界に、ムーンセルに、この剣に、この俺に
確かに刻まれている

ではな
マスターがこれ以上呟き続けるようなら令呪を使って黙らせると言って聞かぬ
そろそろ“殺し屋”二人、依頼を果たすとしよう
ああ、そういえば、この短剣
お前のではなく今回の契約への報酬にとマスターから頂戴したのだが
マスターの得物は素手だというのに、やたら出し渋ったのだ
今にして思えば、俺とマスターが似ている以上
この短剣は俺にとってのお前のように、マスターにとっての弱さを得た上で逢いたい誰かのものかもしれぬな
もしも俺の考え過ぎでなかったなら
すべてが終わった時に、お前にそうするように、この短剣もマスターに返すとしよう」



【参加者No.18――匂宮出夢@戯言シリーズ】
【サーヴァント――アサシン(“壊刃”サブラク)@灼眼のシャナ】

171No.19 ◆mi8Ly4t1vU:2011/12/31(土) 05:53:48 ID:w2cIfpRg0
投下終了です

172No.20 ◆Mti19lYchg:2011/12/31(土) 06:15:33 ID:qxcwjwlo0
投下乙です。
ここ数日の投下のペースはすごいですね。
皆さん、年末休みを使って書いているようですね。いや、自分もそうですが。
では今より投下させていただきます。

173No.20 ◆Mti19lYchg:2011/12/31(土) 06:19:26 ID:qxcwjwlo0
一人の少女が死んだとき、彼の心もまた死んだ。

彼の家は人造人間(フランケンシュタイン)創造の名門だった。
フランケンシュタイン。最初の創造主と最初に生み出された怪物の名前が混同されたその存在は、死体と電気の力を用いて創造される。
だが、人造人間は本人の死体を全て使って創造しても、生前とは必ず異なる。
記憶の障害か人格の変貌、またはその両方を起こし、生前とは別の存在になる。
人造人間として蘇った少女も例に漏れなかった。
彼は少女を人間に戻すと誓い、人造人間の研究を続け、欧州を駆け回り十年。
だが、いまだに解決の糸口さえ見えなかった。
そんな折、唐突に召喚された先での神父の言葉は、彼には新しい希望に思えた。
人造人間創造の技術では、もしかしたら死者蘇生は不可能かもしれない。
ならば、人造人間創造以外の技術なら?
自分をこの場に召喚した力なら?
死して後、三日後に復活を果たしたという主の力を宿した聖杯なら?
彼は迷信を信じない。宗教を信じない。本当に主が使った聖杯かどうかに興味は無い。
ただ、聖杯が自分を召喚したという事実を認めた。
それだけの未知なる力なら、あの神父が言うようにいかなる願いも叶うのではないか。
完全な死者蘇生、永遠の命の法を実現できるのではないだろうか。
それが彼、アシュヒト=リヒターの参戦した理由だった。

アシュヒトが右足の義足を鳴らし、扉を潜った先はビルの屋上だった。
周囲には自分のいるビルディングと同等か、それ以上の高さを誇る建造物が立ち並んでいる。
遠くに見える看板を輝かせる照明は、ガス灯ではない。電気の光だ。
周囲の建築物は高度な科学技術で製造されているようだ。そうアシュヒトは判断した。
「やれやれ、まるでウェルズのタイム・マシンに乗った気分です」
アシュヒトはため息をついた。どうやら自分は何百年か後の世界に来てしまったらしい。

174No.20 ◆Mti19lYchg:2011/12/31(土) 06:20:51 ID:qxcwjwlo0

「おい、そこのお前」

突然背後から投げかけられた言葉に向かってアシュヒトは素早く振り返り、手に持つトランクから特注の銃「鋼鉄の腕」を取り出した。
装填されているのは、対人造人間用帯電弾。発射時に微量の電流を発生し、人造人間のガルバーニ電流を狂わせ、肉体、機能を誤作動させる。
電流は人造人間以外に効果は無いが、50口径、12.7mmの弾丸は人体を容易に破壊する威力を秘めている。
アシュヒトは引き金に指をかけ、声の主に銃口を向けたまま姿を確認する。
声の主は剣士の格好をした白尽くめの女だった。
肩や腰などに装甲を付けた白いアンダースーツに、同じく白いマントを羽織っている。
その背には細身の身体に不釣合いな大剣を収めていた。年頃の女性としては異様極まる姿だ。
だが、最も異様なのは女の顔であった。
白磁よりも尚白い肌。暗闇で輝く銀色の瞳。ややウェーブのかかった白髪。
女の容貌に、アシュヒトは「人造人間か」と思った。
それほど女は常人離れした、高級なビスクドールの様な美しさをたたえていたのだ。

「なあ、お前が私のマスターでいいのか?」
容姿とは不釣合いな、おどけた拍子の声がアシュヒトに投げかけられる。
「私達の他に誰もいない以上、そういうことでしょう」
アシュヒトは銃の引き金から指を離し、トランクに収めた。
右手袋を外し、令呪を女に向けて見えるように手を掲げる。
「アシュヒト=リヒター。私の名前です」
「了解、マスター」
令呪を確認した女は、ひょうげた感じのままで軍人のように敬礼をした。

「サーヴァント・セイバー。真名はテレサ。
 今後ともよろしくな」
「こちらこそ」
微笑を浮かべたサーヴァント・テレサの挨拶に対し、アシュヒトは手袋をはめなおしながら、淡々とした口調で返礼した。

「これから我々は一時パートナーを組み、聖杯獲得を目指すわけですが一つ質問があります。
 あなたはどんな願いを抱いて、参戦を決意したのですか?」
「お前はどうなんだ? 引き返すチャンスもあったってのに、何でわざわざ殺し合いなんかしたがる?」
「質問を質問で返すのは……まあ、いいでしょう」
アシュヒトは眼鏡のブリッジを中指で押し上げた。
「私には生き返らせたい人がいます。どんな手段を使ってでも」
アシュヒトの回答にそうか、とテレサは呟き。
「私はな、生き返りたいんだよ。まだあいつに何もしてやれなかったからな」
微笑を崩さぬまま、自分の願望を口にした。

「さて、自己紹介も終わったしそろそろ行くとしようか。既に移動を始めている連中がいるしな」
「マスターの居場所が分かるのですか?」
「まあな、そいつは道すがら話すよ」
驚くアシュヒトを尻目に、テレサはビル屋上の出入口に歩みだした。
アシュヒトも後を追うが、テレサはアシュヒトを置いてさっさと出入口のドアを開けて中に入ってしまった。
「やれやれ……」

175No.20 ◆Mti19lYchg:2011/12/31(土) 06:23:30 ID:qxcwjwlo0
アシュヒトがビルの内に入ると、テレサはエレベーターの扉を前にして立ちすくんでいた。
「服装から想像がつきましたが、あなたも今より過去の時間から召喚されたようですね」
「時間というか、世界そのものが違うんだよ。
 こんなもの、生きてた頃には見たことも聞いたことも無いぞ」
エレベーターの扉の傍にある複数のボタンをテレサは眺め、どれを押そうか指をさ迷わせている。
その姿をアシュヒトは無視し、下矢印のボタンを押して扉を開いた。
アシュヒトのいた時代は電動エレベーターが普及を始めた頃である。故に大体の使用法は、見当がついていた。
「おお、勝手に開いた」
「頭の悪そうな台詞です。そんな調子であなたは大丈夫ですか」
アシュヒトの容赦無い突っ込みに、憮然とするテレサ。
「いや、私はサーヴァントだから、この世界に関して知識が与えられているんだが……微妙に感覚がついてこないんだよな」
「戦闘でもそんな調子では困ります」
「分かってるよ」

「うおっ!? ……っと、ふうん。成る程、私達を入れた箱ごと下るのか。
 いや、分かってはいるんだがな……」
エレベーターが下がり、身体が一瞬浮き上がる様な感覚に驚くテレサを、アシュヒトはじっと見つめていた。
「何だよ」
「いえ、別に」
あくまで無表情なアシュヒトに、テレサはそっぽを向いてふんと鼻を鳴らした。
「ところで先ほど話した、マスターの探索についてですが」
テレサのにが虫をかみつぶしたような表情を、アシュヒトは見てみぬふりをして尋ねた。
「ああ、そいつは」
と、テレサは気持ちを切り替え、自分の特殊能力について説明した。

テレサが他のマスター、サーヴァントを察知できるのは生前から所有していたずば抜けた能力、妖気感知が宝具として昇華されたためである。
その能力は半径数キロ圏内の魔力を感知し、相手の位置や魔力の大きさを探索できるというものだ。
さらに戦闘では、敵の魔力の流れを読み取り、動きの先読みを可能とする。
そこまで聞いたところで、アシュヒトが口を挟んだ。
「魔力はおおよそ見当がつきますが、妖気とは何でしょう」
「言ったろ、世界が違うって。私の世界では、妖魔って奴らが人を襲って喰ってたんだよ。
 そいつらが発するのが妖気だ」
「するとあなたが背負った大剣から察するに、妖気感知ができるあなたは妖魔を倒す戦士だったのですか」
「……ま、そんなところだ」
テレサはわずかに言いよどんだ。アシュヒトは微妙な口調の変化に気付いたが、その理由をあえて尋ねようとはしなかった。
テレサの宝具は敵との戦闘、および他マスターの捜査に関して大きなアドバンテージとなるだろう。
今はそれが分かれば十分だ。
そうアシュヒトは思い、テレサとの話を打ち切った。

176No.20 ◆Mti19lYchg:2011/12/31(土) 06:24:22 ID:qxcwjwlo0


エレベーターが一階へと下る最中、アシュヒト=リヒターは改めて自分の願望を確認する。

私の目的は、人間のエルム=L=レネゲイドを取り戻すことだ。
目的の前には聖杯も、殺し合いも、このサーヴァントも全て手段に過ぎない。
絶対にエルムを人間の頃の身代わりのまま、人造人間のままではいさせない。
エルムを殺したのは自分の責任だから。エルムは自分の恋人なのだから。
人造人間の、偽りの恋人では終わらせない。
この場にいるマスター全員を皆殺しにしてでも聖杯を手に入れ、エルムを人間に戻す。最低でも、その糸口を掴む。

『少し長く、エルムを待たせることになりそうですね』


テレサは遠い、異世界の故郷に思いを馳せつつ、聖杯戦争について考える。

私の目的は、蘇ってクレアと共に暮らす事だ。
あの時、プリシラに情けをかけたばかりに私は殺され、こんな所で殺し合いの駒扱いされている。
あの後、クレアは一体どうなったのだろう。
イレーネたちに助けられたのか、覚醒したプリシラに殺されたのか。
もし後者なら、聖杯への願い事が一つ増えるわけだが。
それより、勝ち残った後の算段の前に決めなければならないことがある。敵マスターに関してだ。
私にはサーヴァントとしての基本的な知識がある。自分は魂の情報とやらから組み立てられた複製品というやつらしい。
つまりサーヴァントは人間では無いのだから、遠慮なく殺せる。
だが、マスターは人間だ。
もしサーヴァントと離れたマスターにばったり出くわしたら、私はそいつを殺せるだろうか。
クレアを助けるために盗賊共を斬り殺した時とは、状況が違う。
怒りではなく、誰かのためでもなく、自分の欲望で人間を殺すことになる。
それどころか、クレアとさほど歳が違わないマスターがいる可能性さえあるのだ。
そんなマスターを殺した時、クレアは私をどう思うだろう。軽蔑するだろうか、恐怖するだろうか。
だけど召喚された以上、もう後戻りはできない。ならば無用な情けは捨てよう。
何を犠牲にしても私は必ずあの地へ帰る。
私はクレアのために生きると誓ったのだから。

『クレア、私は必ずお前の元へ戻るよ』


エルムが死に、人造人間として蘇った瞬間から心が停止したままのアシュヒト。
クレアと出会い、重く沈んだ心が動き出したテレサ。
無表情のまま、エレベーターの階数表示板を見つめるアシュヒト。
腕を胸の前で組み、微笑を顔に浮かべるテレサ。
性も心も表情も、対称的な二人の抱いた思いは全く同じ。

『『どんな手段を使ってでも、何を犠牲にしても勝ち残る』』

それが両者の共通した決意だった。


【参加者No.20 アシュヒト=リヒター@エンバーミング】
【サーヴァント・セイバー(テレサ)@クレイモア】

177No.20 ◆Mti19lYchg:2011/12/31(土) 06:25:19 ID:qxcwjwlo0
投下終了です。以上ジャンプSQの連載漫画キャラコンビでした。

178名無しさん:2011/12/31(土) 07:12:30 ID:ztegqHHE0
これって、まさかの早い者勝ち?

179名無しさん:2011/12/31(土) 07:18:19 ID:i.T.cF9w0
そうだよ。残りあと5組。

180名無しさん:2011/12/31(土) 07:38:19 ID:i.T.cF9w0
うん、やべえな。色々と間に合わん。
一組もかけそうにないやw

181名無しさん:2011/12/31(土) 08:30:46 ID:ztegqHHE0
さっきから質問ばかりで申し訳ないです。
最後(のつもり)に二つ質問。
枠、保留って有り?それと、一話に二ペア出してもOK?

182No.15 ◆OktYLfxDLQ:2011/12/31(土) 09:03:21 ID:CHS3tZZY0
今見返したら投下&終了宣言入れるの忘れてました。申し訳ございません。
今後はそんなことがないよう気をつけます。
あと誤字が多い多い……wikiが出来たら修正させていただきますね

183マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/31(土) 10:08:52 ID:jkve5OfQ0
皆様投下乙であります!
寝て起きたら枠が殆ど埋まっていた。
何を(ry

現状での各クラスまとめ
セイバー:アルトリア(衛宮士郎)  ガウェイン(ルルーシュ) イスラ(天海陸)
      セリス(近藤 剣司)、テレサ(アシュヒト=リヒター)
ランサー:クー・フーリン(P4主人公) アレックス(花村陽介)
アーチャー:ウッドロウ・ケルヴィン(クマ)
ライダー:フランシス・ドレイク(雨流みねね) 門矢士(衛宮切嗣)、太公望(金田一一)
      火野映司(泉こなた)
キャスター:キャス孤(雪輝) リインフォース(名無鉄之介)
アサシン:緋村剣心(安藤潤也)、ファニー・ヴァレンタイン(ジョン・バックス)、トキ(間桐雁矢)、
      “壊刃”サブラク (匂宮出夢)
バーサーカー:ランスロット(枢木スザク)、さやかちゃんでした!(詩音)

某所にて「深刻なアサシン不足」といってしまった事がありますが、
アサシン凄ぇ! バリエーション豊富すぎ!(笑)
意外とアーチャーが一番出てないんですね、今後に期待!
と、いっても「多いクラスで出すな!」という事ではありません。

貴様の思いついた願望を己の腕で捻り込むが良い(マーボーっぽく

184名無しさん:2011/12/31(土) 10:35:09 ID:Bf.ittSk0
質問
二週目始める場合は戦いの始まる夜パートからでおk?

185マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/31(土) 11:34:57 ID:jkve5OfQ0
>>184
夜からで。
但し、2週目は出揃ってからにして下さい。

186マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/31(土) 11:37:48 ID:jkve5OfQ0
>>181
見落としてました。
公平さを出すために両方駄目です。
枠が埋まってしまった場合は残念ですが諦めてください、

又、枠の増設も考えておりませんのでご容赦ください。

187No.21 ◆BKUvL3qgtY:2011/12/31(土) 12:21:11 ID:Bf.ittSk0
白い少女が嗤う。自分を嘲るように。
赤い少女が嗤う。自分を嘲笑するように。
怯えていたはずの少女が嗤う。不要なのは貴方なのだと。

迫る狂戦士の石斧。自分を取り巻く女たちの嗤い。
それが間桐慎二が見たはずの、最後の光景だった。

「っ……!はーっ、はーっ……!」


救いのないまま、目が覚めた。 荒い、乾いた息が漏れる。
目覚めた場所は寒風吹きさす新都センタービルの屋上。
慎二のサーヴァント、ライダーと衛宮士郎のセイバーが死闘を繰り広げた地。
……そして慎二は、敗北したはずだった。あの衛宮士郎に。


「違う…っ!違う違う違うッ!」


ありえない。間桐家の次期当主であるはずの自分が、衛宮士郎などに敗北するなどあってはならない。


(僕のせいじゃない!僕は悪くない!悪いのはライダーだ!あんなはずれサーヴァントじゃ勝てるわけないだろッ!?)


だがあの神父は言った。『お前たちは聖杯に選ばれた』と。
間桐慎二の知る知識でもこの聖杯戦争が異常なものだとは分かる。
聖杯戦争中の真っ最中に新たな聖杯戦争を開始する? 教会の連中も好き勝手が過ぎるんじゃないか?
だが僥倖。魔術師として再び戦う機会が自分にも得られたのだ。
そしてなによりも右手に刻まれたこの三画の令呪…! 魔術師の証、聖杯に選ばれた証、サーヴァントの主たる証明!
妹から奪い取ったサーヴァントじゃない、本物のサーヴァントを自分は率連れることができるのだ。
今度はあんな雑魚じゃない、僕に相応しい、優秀なサーヴァントが…!


「おいっ!さっさと出てこいよ! 僕に召喚されたサーヴァント!」


従者たるサーヴァントは常に主であるマスターの側に侍り、忠実な奴隷としてその用務を請け負う。
前回自分が率いたライダーは主人への奉仕以外にはなんの取り柄もない弱いサーヴァントだった。
だが今回は違う。そもそもあれは妹が召喚したサーヴァントなのだ。あの愚図でなにもできない妹に相応しいサーヴァントだった。
だからあの意気地なしに代わり、自分が戦ってやっていたに過ぎない。 しかし今回は正真正銘、間桐慎二に相応しい最強の下僕が手に入る!

188No.21 ◆BKUvL3qgtY:2011/12/31(土) 12:24:04 ID:Bf.ittSk0



「……えっ?」


霊体化を解き姿を表したそのサーヴァントに、慎二は彼に似つかわしくない間抜けな声をあげた。
そびえ立つ巨躯、猛牛のように前へ突き出た鋭い角付き兜に巨大なマント、鋼鉄よりも頑強なのではないかと見紛う鍛えあげられた胸板。
目を合わせた瞬間に、そのサーヴァントが、圧倒的強者であることを、間桐慎二はなかば小動物めいた本能的直感で察知していた。

同時に流れこんでくるこのサーヴァントの情報も慎二の直感を立証している。
驚くことに魔力を除くほぼ全てのステータスがAランク相当。特に筋力ステータスと彼の持ちうる一部のスキルにはプラス補正までが付いている。

そしてクラスはライダー。三騎士の一角ではないが、基礎能力値から見ても間違いなく優勝を狙える。まさに最強のサーヴァントだ。


「ほぅ……貴様がこの俺のマスターとなる男か……。答えよ、小僧。貴様の抱く野望をッ!!」


目の前に立ちはだかった巨漢の圧倒的な存在感。その筋骨隆々たる体躯、己以外の何者をも意に介さぬというオーラ。
体重100kg以上、身長2m以上。その掛け値なしに本当にでかい男に内心怖じながらも、間桐慎二は精一杯の虚勢と共に己の野望を宣言する。


「衛宮のヤツと…遠坂に一泡吹かせてやるんだよ! さっさと行けライダー! 僕をバカにしたあいつらを痛い目に合わせ――」

「愚か者がァッッッ!!」


言い終わるより前に、ライダーの一喝と共に空前絶後の衝撃が慎二の身体を吹き飛ばした。
ライダーはさしたる力もこめず、小虫でもはたき落とす程度の力で平手打ちをマスターへと見舞ったのだが、
彼のその一撃は強烈過ぎたらしく、慎二は華麗に宙を舞い地面へと落ちた。


「この俺を召喚したマスターの野望が、矮小なただの意趣返しに果てるとは恥を知れいッッッ!
 地より生を受けし男が抱く大望とは、天をも掴むものでなければならぬことも分からぬのかッッッ!!」


下僕であるサーヴァントに平手打ちをかまされ、ましてや説教までされるなど信じられぬことであった。
ぶち打たれた頬を抑えながら、主への反逆に唇を震わす慎二の憤りをまったくこのサーヴァントは意に介さない。
令呪――三つの刻印をひとつずつ消費して行使される、絶対命令権の使用が慎二の脳裏に過る。
だがすぐさまそれの使用を慎司は否定する。『始まりの御三家』の一角、間桐によりもたらされたそれの重要性を間桐の次期当主と自負する慎司はなによりも理解していた。
これを全て失えばこのサーヴァントは制御できなくなる。そしてなにより、令呪を消費してしまったその時間桐慎二は、やっと手に入れたこの魔術師としての証までも失ってしまう。


「クソッ…!やっと強いサーヴァントを引いたと思ったらこれかよ…!」


冷たいコンクリート塗りの床を慎二はその拳で打つ。
魔術師の家系に生まれた、選ばれたはずの自分がこの聖杯戦争では辛酸ばかり舐めさせられてきた。
常に勝利者である自分がである。

何もかもが上手くいかない。

目をつけていた遠坂に袖にされ、同じ参加者であった衛宮を同盟へと誘っても断られ。
あろうことかそいつが最優のサーヴァントと呼ばれるセイバーを引き当て遠坂と同盟まで組んでいた。
今度こそはと掴んだチャンスも、サーヴァントの性格に難有りという酷さである。


かくいうライダーはそんなマスターのことなど気にもせず、天へとその豪腕を掲げ咆哮する。
騎乗兵(ライダー)に当てはめられた自分を象徴する宝具を。己と共に世紀末を駆け抜けた愛馬の名を!


「黒王――――ッッッ!!!!」


そのけたたましい怒号と共に、暗雲に覆われていた空が真っ二つに避けたのは慎二の見間違いであろうか?
天より駆け抜けてきた象と見紛うほどに巨大な黒馬の嘶きに慎二はへなへなと立ち上がりかけた腰を落とした。
そんなマスターの首根をライダーはむんずと掴み、巨馬の背へと放り投げる。


「――行くぞ、小僧」
「はぁッ!? 行くってどこだよ!?」


ライダー自身もまた鞍へとまたがると、再び高々とその指を空へと向ける。


「天へっ!!」
「意味ワカンネーよこのバカッ!! 」


世紀末を制した覇王もまた、この聖杯を求める戦いの召喚へと応じた。
混迷の世と同じく、再び拳王の嵐がこの戦いに吹き荒れる――。


【参加者No.21間桐慎二@Fate/stay night】
【サーヴァント:ライダー(ラオウ)@北斗の拳】

189No.21 ◆BKUvL3qgtY:2011/12/31(土) 12:27:02 ID:Bf.ittSk0
投下宣言し忘れてました、すいません。
以上21番目の参加者、投下終了です。

190名無しさん:2011/12/31(土) 12:28:27 ID:40AQ64LQ0
投下乙です。時間がなくて短いですが、投下します

191 ◆wG50kLoBJg:2011/12/31(土) 12:28:51 ID:40AQ64LQ0
おや、私はまだ生きているようですね。
キメラに致命傷を負わされ、傲慢に喰われたのですが。
まったく不思議なことです。
紹介が遅れましたね。
私の名前は、ゾルフ・J・キンブリー。国家錬金術師です。
マスター?
いえ、サーヴァントですよ。

「ククク‥‥目覚めたか‥‥我がしもべよ‥‥。」

オッドアイというのでしょうか、両目の色が違う。
この金髪の少女は私のマスターのようです。
ゴスロリと言われる、種類の服装に身を包んでいます。
私が言えないかも知れませんが、変わり者ですね。

「初めまして。私の名前は、ゾルフ・J・キンブリーと申します。」
「‥‥ククク‥‥我が真名は、レイシス・ヴィ・ヘルシティ・すめらぎと申す‥‥。」

変わった名前の方ですね。
口調も変わった方。
鋼の錬金術師より年下でしょうか?

【マスターNo.22 羽瀬川小鳩@僕は友達が少ない】
【サーヴァント・キャスター(ゾルフ・J・キンブリー)@鋼の錬金術師】

192 ◆wG50kLoBJg:2011/12/31(土) 12:31:14 ID:40AQ64LQ0
投下終了です。こんなの有りかよ!ってタッグです。目を瞑ってください。

193名無しさん:2011/12/31(土) 12:42:44 ID:bXRrGB0wO
えっ、こんな短い登場話でもいいの?

194 ◆wG50kLoBJg:2011/12/31(土) 12:50:42 ID:40AQ64LQ0
ダメかな?
けど、ルールに書いてないから。

195名無しさん:2011/12/31(土) 12:52:28 ID:meOnxnpwO
結構出揃ってきたけど、中にはいくつか大丈夫かってキャラいるな。ジョジョの大統領とシャナのサブラクなんだけど
制限ないと封絶やらトーチ化やら平行世界やら、>>3の あまりにも自重しない能力 に該当するんじゃないの?
大統領はそもそも書くのめちゃくちゃ難しいぞ。概要を把握しててもうまく表現できないって意味で
サブラクも人間じゃないし…まあ人型ではあるけどさ

196マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/31(土) 12:53:51 ID:mkq22zfE0
構いません。
今回における登場話は
話の長さを問うものではありません。
マスターとサーヴァントの関係を
簡単に他の方に紹介するものであり、
故に1組のみに限定しています。

197名無しさん:2011/12/31(土) 12:58:41 ID:bXRrGB0wO
せめてマスターの参加理由とかはっきりさせてほしい
ここらへんが曖昧とか2週目の人に全部放り投げてるようなもんじゃん

これじゃ2週目で瞬殺されても文句言えないと思うよ

198 ◆YHOZlJfLqE:2011/12/31(土) 13:01:00 ID:Di5m6DQg0
投下します

199名無しさん:2011/12/31(土) 13:01:21 ID:Di5m6DQg0
 Hello People! 緊急リポートです。
 とうとう聖杯戦争が始まったわ。
 しかも、ピュアアムドライバーからも参加者が出ているらしいの。
 ピュアアムドライバーはピープルの為に戦うアムドライバーなのに……
 これからどうなってしまうのかしら。


 ――ああ、みんな笑ってるぜ。
 ――誰を憎むことも、誰かが憎まれることもなく……これが、平和って奴か。
 ――悪くないぜ……そう、悪くない……

 ロシェに刺された。
 キャシーを止めに行って、その結果が二人まとめて刺されての死。
 あまりにも笑えない終わり方だ。結局死ぬ以外の終わり方をさせてやれなかったんだからな。

 俺は死ぬ。胸を刺された以上、もう助からない。
 ジェナ、俺よりもっとでっかくなれ。約束だ。
 セラ、すまねえ。お前の未来を守れなくなっちまった。
 みんな、俺はここでリタイヤだ。後の事は頼むぜ。
 KK、頼む。ロシェを止めてやってくれ。
 ……ああ、畜生。最後の最後で未練ができちまった。
 あいつらの作る、平和になった世界を見たかったな……

 だから、聖杯に願ってしまった。平和になった世界を、この目で見たいと。

200名無しさん:2011/12/31(土) 13:01:53 ID:Di5m6DQg0
 ――いい気味だ。何度も、何度も僕の邪魔をするからだ。
 ――ざまあみろ、動けなくしてやった。
 ――フフ、ハハハ、アハハハハハハ!

 あの日、ロシェットに大切な人を奪われた。
 邪魔をした、ただそれだけの理由で、あいつはシシーを撃ち殺したんだ。
 あいつが憎い、俺からシシーを奪ったあいつを絶対に許せない。
 一時は絶対に殺してやろうとも思ってもいたが、俺にはそれができなかった。
 ジェナがシーンの敵を討ちに行ったあの時、ジェナを抑える側に回った自分に驚いたくらいだ。

 全部終わった今でも、まだシシーの死が頭から離れない。
 あの時、もしも気を抜いていなければ。
 もしもロシェットにとどめを刺していれば。
 もしも終わってからすぐにその場を離れていれば。

 色々なIFが頭に浮かぶが、そんなものに意味はねえ。
 ただ戦争は終わり、そして俺はシシーを永遠に失った。

 だから、聖杯に願ってしまった。もう一度シシーに会いたいと。


 ――――そうして、かつての戦友は再び出会う。

「お前が俺のマスター……ってお前、まさかラグか!?」

 ――――かつてとは違う形で、かつてとは違う願いを胸に。

「What!? 何だってシーンがこんなトコに……もしかしてお前が俺のサーヴァントだってのか!?」

 ――――再び、共に戦う。


【参加者No.23:ラグナ・ラウレリア@GetRide!アムドライバー】
【サーヴァント:アーチャー(シーン・ピアース)@GetRide!アムドライバー】

201 ◆YHOZlJfLqE:2011/12/31(土) 13:02:46 ID:Di5m6DQg0
投下終了
>>127で許可が出たので、同作品キャラ同士で組ませてみました

え?飛び道具?ランドバイザー(変形機構付きの武装トラック。装備は大量の銃火器)があるじゃないか
クラスに問題あるなら言ってもらえれば。その時はライダーに変更するので

…それと、すいません。投下終わるまで名前欄のトリップ消えてたことに気づいてませんでした

202マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/31(土) 13:07:10 ID:mkq22zfE0
どこぞのアーチャーなんかは接近戦大好きだったり、
ただ単に蹂躙砲撃してるだけだったり、やっぱり宝具が剣だったりするので
メイン宝具が遠距離専門じゃないアーチャーでも問題ありません。

203名無しさん:2011/12/31(土) 13:21:15 ID:bXRrGB0wO
結局通しか
>>1がそういうならいいけど

あと残り3組かな?
>>1はどれぐらい作品把握してる?

204名無しさん:2011/12/31(土) 13:29:28 ID:j2rwUWOk0
アムドライバーはよく知らないけど、この二人はマスター・サーヴァントとして相応の力の差はあるものなのかな
今までに出ているキャラは戦力的には例外なくサーヴァント>>>マスターだけど、ウィキペディアで見た限り同じくらいの強さに思えるんだけど
制限なしだと「マスターだから弱い・サーヴァントだから強い」って理屈も使えないし

205名無しさん:2011/12/31(土) 13:47:15 ID:Di5m6DQg0
>>204
終盤とはいえ、本編で士郎がサーヴァントと真っ向からやりあえる戦闘力があったので、問題ないんじゃないかと考えました
どうしてもまずいようならラグナの方はアムジャケット着てないってことにすれば済むと思いますし

206名無しさん:2011/12/31(土) 13:53:56 ID:bXRrGB0wO
出夢とかペルソナ使いとか一部のマスターが強すぎると思う
相方も弱くないしサーヴァント押さえてる間にマスター叩いて瞬殺される

>>205
あれはアチャ腕とか主人公補正とかのゴリ押しでなんとかなったんであって
全員が主人公とも言えるこの話でそんな例持ち出されても困る

少なくともマスターが素でサーヴァント並の戦力あるのはどうかと思う

207 ◆tql.RyMUAo:2011/12/31(土) 14:03:30 ID:oV4sbmn20
投下します

208NO.24 ◆tql.RyMUAo:2011/12/31(土) 14:04:09 ID:oV4sbmn20
「ふ、聖杯戦争か……面白い」

彼――金城優は<<魔導士(ウィザード)>>と呼ばれる存在である。
あまりに強く、まるで魔法のような強さからつけられた己の二つ名。
だが時折、誇らしく思うと同時にそれを疎ましく思うようにもなった。
彼はあまりにも強く、敵がいなかった。
かのオオカバマダラが引退してからはさらに敵はなくなった。
自身の後継と目される<<氷結の魔女>>もその成長著しいものの未だ自分に及んでいない。

そう、彼は退屈していた。

海外留学も間近と迫り少し彼は焦っていた。
ここを離れる前に何かが欲しい。何かがしたい。
何かを――自分を育ててくれたこの場所に残したい。
そんな時に聖杯戦争の噂を聞きつけた。
あらゆる願いがかなう万能の願望器。
それがあればこの胸に吹く虚無なる風を止ませることができるかと。

狼として彼を猛らせることができるかと。

いつものとは趣向が違うが、聖杯もまた彼の獲物と定まった。
聖杯を獲るまでは決して彼の腹が満ちることはない、そう自縛する。
後は腹の虫の加護が彼を前へと突き進ませる。

彼はその明晰なる頭脳をもって情報を収集し、ついに聖杯戦争への参加条件の入手に成功したのだった。

「さぁ、出でよ我がサーヴァントよ!!」

ウィザードの声に応じ、鶏の血によって描かれた魔法陣から光が溢れだす。

「く、ククク、クハハハハ、フゥーーーハッハッハッハッハッハッハッハ!!!」

209NO.24 ◆tql.RyMUAo:2011/12/31(土) 14:04:29 ID:oV4sbmn20

知れず、金城優は笑いだしていた。
信じていなかった訳ではないが、現実に超常現象を目の前にして自分の中でスイッチが入ったのだ。
昨日までの日常は全て過去のものとなった。
それが実感となって全身に漲るのを感じる。
これからは、彼の腹を満たす狩場ではなく、自身の命さえ危うい戦場が舞台となる。

溢れだす光の奔流が収まった時、そこには一人の女性が跪いていた。
腰まである流れるような金色の髪。その先端は二股に結えられていた。
その背には白く透き通るような美しい水鳥の羽。
その右手には剣を、左腕には盾を携え、俯いたその貌はまさしくこの世ならざる美貌と見えた。
その姿はまさしく伝承にある天使だった。

その天使はゆっくりと貌を上げ、優を見る。

「私の名はアストレア。セイバーのクラスをもって顕現したエンジェロイド・タイプデルター、アストレアよ
 あなたが……私のマスター?」

「その通りだセイバー。我が名は金城優。人は俺のことをウィザードと呼ぶ」

そういうと彼は颯爽とコートを翻し、セイバーに背を向けて歩き出した。

「行くぞ」
「何処へ?」

彼は振り向きもせずに答えた。

「知れたこと。我が戦場<<フィールド>>へ……獲物を狩りにさ」
「あ、ちょっと待っ……うぴゃあ!」

膝を付いた状態から慌てて立ち上がったセイバーは足をもつれさせて盛大に転んだ。
その様子を背後に感じながら金城優は一筋の汗を流す。

(これは……外れを引いたか?)

興奮して乗りに乗っていたテンションが急速に冷めていくのを感じる。
振り向くとセイバーは誇りにまみれた羽をはたいて涙目で歯を食いしばっていた。

「あーもー! え、ちょっと疑いの目で見ないでよ! 私は強いんだからね!!
 他のサーヴァントなんてぎっちょんぎっちょんなんだから!!」

彼と彼女の聖杯戦争が始まる。
しかし行く先は暗雲が広がっていた。

【参加者NO.24 金城優@ベン・トー】
【サーヴァント・セイバー エンジェロイド・タイプデルター アストレア】

210名無しさん:2011/12/31(土) 14:04:32 ID:uJ7QxXyUO
そこをうまく書くのが書き手次第だろう? これは1主導なのだから周りがとやかく言うことではないね

211名無しさん:2011/12/31(土) 14:04:49 ID:oV4sbmn20
投下了です

212No.25 ◆Mti19lYchg:2011/12/31(土) 14:07:49 ID:qxcwjwlo0
投下乙です。あのアホの子が参戦ですかww
では投下させていただきます。

213名無しさん:2011/12/31(土) 14:07:59 ID:j2rwUWOk0
原作でも慎二や龍之介みたいな無能マスターがいる一方、言峰やケイネスみたいな戦闘得意なマスターがいるからそれは別に
士郎やペルソナ使い相手でもスザクやアシュヒトが勝つイメージは容易に想像できる。もちろん逆もだけど
戦闘力ないやつは大体他の何か持ってるし。ギアスやら未来日記やら1/10=1やら、あるいは詩音のように殺人を躊躇わない狂気だったり

問題はマスターとサーヴァントの差がほとんどないことであって、よほど限定された状況でもない限りマスターはサーヴァントには対抗できないってのが前提じゃないかと思うよ

214名無しさん:2011/12/31(土) 14:08:55 ID:j2rwUWOk0
投下中に割り込んで済みません、黙ります

215No.25 ◆Mti19lYchg:2011/12/31(土) 14:09:12 ID:qxcwjwlo0
白地の青のラインが入ったワンピースにタブリエを被せ、ベルトで止めた特徴的な制服を着た少女は、この聖杯戦争に対し怒っていた。
ハンマーとノギスを組み合わせた外見の万能工具「スプレンディッド・インパクト」を振り上げ、高らかに叫ぶ。
「う〜、ハートに火がつきましたよ。絶対許せません、こんなこと!」
彼女の名前は「ナノカ・フランカ」。
百年か千年に一人の天才児と謳われながら、驕り高ぶることなく努力を続け、人並み以上に豊富な感情と元気と体力と正義感を持ち合わせた少女である。
結果、大いに成功し、大いに失敗する。具体的には発明で爆発を起こす。
親友が陰謀に巻き込まれ、監禁されれば自ら救出に行き、街をドラゴンが襲えば発明品で倒そうとする。
そんな彼女が目の前で殺し合いを始めると言われて、黙っているはずが無かった。
「絶対この戦いを止めて見せますからね!」
ナノカは参加者の中で一番最後に扉を潜る前、神父に向かい堂々と宣戦布告した。

扉の先は、純日本家屋の様式をした何らかの店舗だった。入り口の上に掛けられた看板には「詠鳥庵」とある。
「う〜ん。えいどりあんって読むのかな? そういえば、リエがなんかの勝負に勝ったとき叫んでいたような……」
「それはえいちょうあん、らしいですよ」
「あ、そうなんですか」
「ちなみにエイドリアンは、映画「ロッキー」のヒロイン名です。
 私も、とある催しの勝利宣言代わりに叫びました」
「なるほど。いや〜、勉強になりました。
 それで、あなたはどこのどなたですか?」
ナノカの問いに、いつの間にか隣にいた、メイド服を着た少女は丁寧にお辞儀をした。
「申し遅れました。私はサーヴァントの安藤まほろです。クラスはアーチャーに分類されています。
 以後よろしくお願いいたします」
「まほろさんですか。私は工房士、ナノカ・フランカです! 初めまして!」
ナノカは元気ハツラツ、オフコースな底抜けに明るい声で返事をした。

「ところでマスターに質問がありますが」
「ナノカでいいですよ。私もまほろさんって呼ぶから」
「では、ナノカ様」
「様もいりません♪」
「それでは、ナノカさん。私達の声ってそっくりじゃありませんか?」
「え〜、そうかな〜?」



【参加者No.25 ナノカ・フランカ@蒼い海のトリスティア】
【サーヴァント:アーチャー(安藤まほろ)@まほろまてぃっく】

216No.25 ◆Mti19lYchg:2011/12/31(土) 14:10:24 ID:qxcwjwlo0
投下終了です。
以上、ナノカさんとまほろさんの「天然」「貧乳」「電波ソング」「三つのしもべ」「ファンはさん付けで呼ぶ」と共通点が多い川澄ボイスコンビでした。

217マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/31(土) 14:13:19 ID:mkq22zfE0
ナノカ…だと?
よもや、この作品が来るとは思わなかったw
声優ネタ止めれw

これで、25組50名が決定しましたね。
以降の参加を締め切らせていただきます。

218名無しさん:2011/12/31(土) 14:14:10 ID:xX65lLDEO
あー、全組終わっちまったorz

219名無しさん:2011/12/31(土) 14:15:13 ID:40AQ64LQ0
投下乙!おお、出そろった。

220名無しさん:2011/12/31(土) 14:16:20 ID:T5hlJjSk0
は、はや! 年末の勢い怖っ!

221名無しさん:2011/12/31(土) 14:23:45 ID:40AQ64LQ0
セイバー:6
アーチャー:3
ランサー:2
ライダー:5
アサシン:5
キャスター:3
バーサーカー:2

222No.21 ◆BKUvL3qgtY:2011/12/31(土) 14:28:12 ID:Bf.ittSk0
現状での各クラスまとめ
セイバー:アルトリア(衛宮士郎)  ガウェイン(ルルーシュ) イスラ(天海陸)
      セリス(近藤 剣司)、テレサ(アシュヒト=リヒター) アストレア(金城優)
ランサー:クー・フーリン(P4主人公) アレックス(花村陽介)
アーチャー:ウッドロウ・ケルヴィン(クマ) シーン・ピアース(ラグナ) ナノカ(まほろさん)
ライダー:フランシス・ドレイク(雨流みねね) 門矢士(衛宮切嗣)、太公望(金田一一)
      火野映司(泉こなた) ラオウ(間桐慎二)
キャスター:キャス孤(雪輝) リインフォース(名無鉄之介) キンブリー(羽瀬川小鳩)
アサシン:緋村剣心(安藤潤也)、ファニー・ヴァレンタイン(ジョン・バックス)、トキ(間桐雁矢)、
      “壊刃”サブラク (匂宮出夢)
バーサーカー:ランスロット(枢木スザク)、さやかちゃんでした!(詩音)

現状での各マスターの目的

・聖杯の破壊、殺し合いの阻止
衛宮士郎、花村陽介、ナノカ、金田一、ルルーシュ、泉こなた

・聖杯の入手、殺し合いに積極的
鳴上悠(P4主人公)、枢木スザク、園崎詩音、ジョン・バックス、間桐慎二
衛宮切嗣、間桐雁矢、雨流みねね、天海陸、近藤剣司、アシュヒト=リヒター
金城優、ラグナ、匂宮出夢、安藤潤也

・不明、その他
クマ、雪輝、名無鉄之介、羽瀬川小鳩


だいたい合ってる、はず

223名無しさん:2011/12/31(土) 14:34:12 ID:j2rwUWOk0
【参加者No.1天野雪輝@未来日記】【サーヴァント:キャスター@Fate/Extra】
【参加者No.2 安藤潤也@魔王 ジュブナイルリミックス】【サーヴァント:アサシン(緋村剣心)@るろうに剣心】
【参加者No.3衛宮士朗@Fate/stay night】【サーヴァント:セイバー(アルトリア・ペンドラゴン)@Fate/stay night】
【参加者No.4鳴上悠@P4】【サーヴァント:ランサー(クー・フーリン)@Fate/stay night】
【参加者No.5天海陸@ワールドエンブリオ】【サーヴァント:セイバー(イスラ・レヴィノス)@サモンナイト3】
【参加者No.6 枢木スザク@コードギアス 反逆のルルーシュ】【サーヴァント:バーサーカー(ランスロット)@Fate/zero】
【参加者No.7 花村陽介@ペルソナ4】【サーヴァント:ランサー(アレックス)@ARMS】
【参加者No.8 クマ@P4】【サーヴァント:アーチャー(ウッドロウ・ケルヴィン)@Tales of Destiny】
【参加者No.9 雨流みねね@未来日記】【サーヴァント:ライダー(フランシス・ドレイク)@Fate/Extra】
【参加者No.10 ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア@コードギアス 反逆のルルーシュ】【サーヴァント:セイバー(ガウェイン)@Fate/Extra】
【参加者No.11 名無鉄之介@私の救世主さま】【サーヴァント:リインフォース(キャスター)@魔法少女リリカルなのはA's】
【参加者No.12 衛宮切嗣@Fate/zero】【サーヴァント:ライダー(門矢士)@仮面ライダーディケイド】
【参加者No.13 園崎詩音@ひぐらしのなく頃に】【サーヴァント:バーサーカー(美樹さやか)@魔法少女まどか☆マギカ】
【参加者No.14 金田一一@金田一少年の事件簿】【サーヴァント:ライダー(太公望)@藤崎竜版封神演義】
【参加者No.15 近藤 剣司@蒼穹のファフナー】【サーヴァント:セイバー@セリス@FF6】
【参加者No.16 泉こなた@らき☆すた】【サーヴァント:ライダー(火野映司)@仮面ライダーOOO/オーズ】
【参加者No.17――ジョン・バックス@未来日記】【サーヴァント――アサシン(ファニー・ヴァレンタイン)@ジョジョの奇妙な冒険】
【参加者No.18――間桐雁矢@Fate/zero】【サーヴァント――アサシン(トキ)@北斗の拳】
【参加者No.19――匂宮出夢@戯言シリーズ】【サーヴァント――アサシン(“壊刃”サブラク)@灼眼のシャナ】
【参加者No.20 アシュヒト=リヒター@エンバーミング】【サーヴァント・セイバー(テレサ)@クレイモア】
【参加者No.21間桐慎二@Fate/stay night】【サーヴァント:ライダー(ラオウ)@北斗の拳】
【参加者No.22 羽瀬川小鳩@僕は友達が少ない】【サーヴァント・キャスター(ゾルフ・J・キンブリー)@鋼の錬金術師】
【参加者No.23:ラグナ・ラウレリア@GetRide!アムドライバー】【サーヴァント:アーチャー(シーン・ピアース)@GetRide!アムドライバー】
【参加者No24 金城優@ベン・トー】【サーヴァント・セイバー エンジェロイド・タイプデルター アストレア】
【参加者No.25 ナノカ・フランカ@蒼い海のトリスティア】【サーヴァント:アーチャー(安藤まほろ)@まほろまてぃっく】

登場順ではこうかな

224名無しさん:2011/12/31(土) 15:17:24 ID:hBX6CL96O
今日だけで10作以上……年末投下ラッシュすげええw

皆まとめと投下乙!!

225マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/31(土) 15:24:00 ID:mkq22zfE0
wikiを用意しました。
ttp://www55.atwiki.jp/2jiseihaisennsou/pages/15.html

編集作業はこれから仕事がある為、
新年が明けてからの作業になります。
出来ればご自信の投下話の修正などをして頂けると助かりますorz

226名無しさん:2011/12/31(土) 15:24:41 ID:meOnxnpwO
これで確定?もうちょい詰めた方がいいと思うけど…
それと、これだけ書き手集まったなら本投下はここでやるより総合板がいいんじゃないかな

227マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/31(土) 15:28:36 ID:mkq22zfE0
申し訳ありませんが今後の参加者に対しての質問は打ち切らせていただきます。

本投下は新年明けてからでお願いします。
提言はありがたいですが総合板ではなく今後もトキワ荘で継続します。

228名無しさん:2011/12/31(土) 16:21:12 ID:zwkdf/M6O
ベン・トーとか世界観的に大丈夫だろうか

229名無しさん:2011/12/31(土) 16:24:56 ID:bXRrGB0wO
そこらへんも>>1がなんとかするんだろう
俺には想像付かないけど

230名無しさん:2011/12/31(土) 18:04:32 ID:ne/tVeJsO
しかしセイバーが人数トップなのは分かるとして、ライダーとアサシンが同率二位ってのは意外だよなぁw

231名無しさん:2011/12/31(土) 18:35:12 ID:40AQ64LQ0
アサシンは、ステイナイトのがあったから、ほぼ基準が無いしな。
それになかなか、弓使いとか槍使いて見つからないもんじゃね?

232No.21 ◆BKUvL3qgtY:2011/12/31(土) 19:17:38 ID:Bf.ittSk0
>>231
アーチャーは弓使いに限らず投擲武装も可ということでDIO様とか考えてたんですけどね
ランサーは戦国武将の大半が該当するのですが、それらはライダー・セイバークラスも合わせ持ってるのでそちらに回される人もいるっぽい
キャスターで妲己ちゃんも面白かったかなぁ、ちょうどキャス狐と太公望いるし

233 ◆3Yo9gNrp3A:2011/12/31(土) 20:00:45 ID:YoXlSmo20
確かにアーチャー少なかったですね
でもそれ以上に後半ランサー枠とバーサーカー枠が全然出てこなかったのには驚いた
もっといると思ったんだけどな

234 ◆YHOZlJfLqE:2011/12/31(土) 20:23:40 ID:Di5m6DQg0
少し質問を
参戦時間軸上無理がある展開だったとか、>>204で言われてるようなサーヴァントとマスターの戦力差考えて修正してたら、投下したものとほとんど別物と化したのですが
この場合は修正版として投下してもよろしいんでしょうか?
投下していい場合、投下はここで合ってるんでしょうか?なにとぞ回答願います

235マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/31(土) 20:38:32 ID:uO.RCHtYO
こちらに修正として投下してください。

今回に限った事ではありませんが、
なお、マスター側とのサーヴァントの戦力差は
ほぼ0<10だと認識してください。
同様の実力であったキャラでも英雄補正で
強化されてると思って下さい。

236 ◆YHOZlJfLqE:2011/12/31(土) 21:40:37 ID:Di5m6DQg0
了解しました
というわけで、修正版投下したいのですがよろしいでしょうか?
何もなければ10:00に投下します

237マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/31(土) 21:54:41 ID:uO.RCHtYO
それでお願いします。

それと私からも告知を。
予想外に反響があったため、私の投下の「クマ&アーチャー」を破棄し、
空いた枠を再抽選したいと思います。
投下は1月1日20:00から先着で。
猶予期間が短いと感じたらレスをお願いします。

238 ◆YHOZlJfLqE:2011/12/31(土) 22:00:42 ID:Di5m6DQg0
 Hello People! 緊急リポートです。
 とうとう聖杯戦争が始まったわ。
 しかも、ピュアアムドライバーからも参加者が出ているらしいの。
 ピュアアムドライバーはピープルの為に戦うアムドライバーなのに……
 これからどうなってしまうのかしら。


 ――ああ、みんな笑ってるぜ。
 ――誰を憎むことも、誰かが憎まれることもなく……これが、平和って奴か。
 ――悪くないぜ……そう、悪くない……

 ロシェに刺された。
 キャシーを止めに行って、その結果が二人まとめて刺されての死。
 あまりにも笑えない終わり方だ。結局死ぬ以外の終わり方をさせてやれなかったんだからな。

 俺は死ぬ。胸を刺された以上、もう助からない。
 ジェナ、俺よりもっとでっかくなれ。約束だ。
 セラ、すまねえ。お前の未来を守れなくなっちまった。
 みんな、俺はここでリタイヤだ。後の事は頼むぜ。
 KK、頼む。ロシェを止めてやってくれ。
 ……ああ、畜生。最後の最後で未練ができちまった。
 あいつらの作る、平和になった世界を見たかったな……

 ――――だから、聖杯に願っちまった。平和になった世界を、この目で見たいと。

239 ◆gsySw7SywU:2011/12/31(土) 22:02:09 ID:k2llSEhU0
じゃあ自分も
3枠書いたので1つ、アサシンが多くなったので安藤潤也・緋村剣心を
時間は1氏に準じます

240 ◆YHOZlJfLqE:2011/12/31(土) 22:02:24 ID:Di5m6DQg0
 ――いい気味だ。何度も、何度も僕の邪魔をするからだ。
 ――ざまあみろ、動けなくしてやった。
 ――フフ、ハハハ、アハハハハハハ!

 あの日、ロシェットに大切な人を奪われた。
 邪魔をした、ただそれだけの理由で、あいつはシシーを撃ち殺したんだ。
 あいつが憎い、俺からシシーを奪ったあいつを絶対に許せない。
 一時は絶対に殺してやろうとも思ってもいたが、俺にはそれができなかった。
 ニルギースが俺を止めて、ジェナ達の所に連れ戻したんだ。

 一番に守りたかったものを、俺は守れなかったんだ。
 俺にはもう、守るものは何もない。戦う理由が分からなくなっちまった。
 だから、ケーナに着いたらアムドライバーをやめて出て行った。もう俺は戦えない……はずだった。

 それなのに、俺の前に希望が見えたんだ。
 聖杯戦争。最後の一組になれば、どんな願いでも叶えられる。
 シシーが死ぬ前の俺なら、きっと「こんな殺し合いみてーなマネ、できっかよ!」とか言って逆らってたかもな。
 だけど、今の俺はそうじゃない。シシーにまた会えるんなら、何だってやってやる。

 ――――だから、聖杯に願った。もう一度シシーに会いたいってな。


 ――――そうして、戦友は再び出会う。
 かつてとは違う形で、かつてとは違う願いを胸に。

241 ◆YHOZlJfLqE:2011/12/31(土) 22:03:16 ID:Di5m6DQg0
 ラグナ・ラウレリアが扉を越えて出た先は、市街地のような場所だった。
 何も知らないであろうピープルが、日常を謳歌している。ラグナにはそう見える。
 もしシシーが殺されていなかったのなら、このように平和に暮らすピープルを守るためにアムドライバーでい続けたのかもしれない。
 だが、今ここにいるのはアムドライバーのラグナ・ラウレリアではなく、大切な人を取り戻したいと願うただのラグナだ。
 だから聖杯戦争に乗る。この戦いに勝ち残り、シシーと再会する。
 ギアやバイザーは無いが、それでもだ。ラグナにとって、シシーとはそれ程までに大切な人だったのだから。

「……悪ィな、ジェナ。けどよ、俺はまたシシーに会う。どんな手を使ってでもな」

 ジェナス達が見たら、間違いなく怒るだろう。シシーだって悲しむかもしれない。だが、それでも構いはしない。
 さすがに無関係な者まで巻き込む気はないが、それ以外の手は選ばない。
 そう意気込み、聖杯戦争に参加するという意思を改めて固める。
 ……と、そんな中。どこからか車の走る音が聞こえた。
 その方向を見ると、見覚えのある緑色のトラックがラグナの方に走って来る。
 緑色のトラックはラグナの前で止まり、そこから運転手とおぼしき人物が降りてきた。
 その人物は、両腕と両肩に合計4基のミサイルポッドを背負った緑色のアムドライバー。
 ラグナもよく知る、あるピュアアムドライバーと同じ装備。

「お前が俺のマスター……ってお前、まさかラグか!?」

 緑色のトラック……いや、ランドバイザー・ベヒモスから降りてきたアムドライバー。
 装備からまさかと思っていたラグナも、認めざるを得まい――――

「What!? 何だってシーンがこんなトコに……もしかしてお前が俺のサーヴァントだってのか!?」

 ――――自身のサーヴァントが、先程別れたばかりの戦友……シーン・ピアースであるという事を。
 そしてラグナは知らない。目の前のシーン・ピアースが、少し先の未来で死んだ後のシーン・ピアースであると。


【参加者No.23:ラグナ・ラウレリア@GetRide!アムドライバー】
【サーヴァント:アーチャー(シーン・ピアース)@GetRide!アムドライバー】

242 ◆YHOZlJfLqE:2011/12/31(土) 22:03:56 ID:Di5m6DQg0
以上、No.23の修正版でした
サーヴァントとマスターの戦力差について突っ込まれた+よく考えたら最終回後のラグナだと乗りそうになかったので、ラグナパート以降を大幅修正
具体的にはラグナの参戦時間軸変更(最終話後→33話前半)と扉を越えた後のペア合流を加筆しました

ラグナの戦力:ネオアムジャケット(ギアなし。参戦時間軸ではアムジャケット(ギアなし)+ライトバイザー・フェンリルだけだったため)
シーンの戦力:ネオアムジャケット(フル装備)+バイザー(宝具)
>>1のレスがあるので必要ないかもしれませんが、このペアの戦力差は装備にものすごい差があるってことで納得いただけないでしょうか?
実際アムドライバーの戦力って、ダークさんみたいに素手でもある程度戦えるようですが、大部分が装備に依存してますし

243 ◆gsySw7SywU:2011/12/31(土) 22:08:18 ID:k2llSEhU0
◆YHOZlJfLqE氏、途中で割り込んでしまい申し訳ありません

244名無しさん:2011/12/31(土) 22:28:19 ID:qQ1X3cmI0
思いだして来てみればもう全部埋まってるとかすごい勢いだな
DQM+からバーサーカーでロラン出したかったがくそう残念

245名無しさん:2011/12/31(土) 22:34:15 ID:bXRrGB0wO
>>242
それ互いに武装の貸し借りしたら意味なくね?

246マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/31(土) 22:47:22 ID:uO.RCHtYO
もう一度、告知しておきます。
自分のNo.8と破棄宣言のあったNo.2を空席とし、
再度、選出したいと思います。
投下開始は1月1日20:00から解禁となります。
今回、間に合わなかったという方も是非参加してください!

尚、今回も先着順となります。
投下の際には「No.(空白) トリップ」でお願いします。

247 ◆3Yo9gNrp3A:2011/12/31(土) 23:04:32 ID:YoXlSmo20
つまり現状まとめると

セイバー:アルトリア(衛宮士郎)  ガウェイン(ルルーシュ) イスラ(天海陸)
     セリス(近藤 剣司)、テレサ(アシュヒト=リヒター) アストレア(金城優)
ランサー:クー・フーリン(P4主人公) アレックス(花村陽介)
アーチャー:シーン・ピアース(ラグナ) ナノカ(まほろさん)
ライダー:フランシス・ドレイク(雨流みねね) 門矢士(衛宮切嗣)、太公望(金田一一)
     火野映司(泉こなた) ラオウ(間桐慎二)
キャスター:キャス孤(雪輝) リインフォース(名無鉄之介) キンブリー(羽瀬川小鳩)
アサシン:ファニー・ヴァレンタイン(ジョン・バックス) トキ(間桐雁矢) “壊刃”サブラク (匂宮出夢)
バーサーカー:ランスロット(枢木スザク)、さやかちゃんでした!(詩音)

セイバー:6
アーチャー:2
ランサー:2
ライダー:5
アサシン:4
キャスター:3
バーサーカー:2

残り2組 人数4人

になるわけですね

248マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2011/12/31(土) 23:27:48 ID:uO.RCHtYO
まとめありがとうございます!

つまり、そうなりますね。

249名無しさん:2012/01/01(日) 14:02:28 ID:e9X5ykxYO
サブラクとか大統領とか超チートがいるわけだけど
そこらへん>>1はどうする気なの?

250名無しさん:2012/01/01(日) 15:40:24 ID:Hsd1WRwM0
あと四時間半か
確認しておきたいんだけど先着って言うのは、酉付きは当然として

・他ロワの予約のように使用するキャラ名をあげる
・書き込み内容は何でもよく、とにかく一番早く書き込む

のどっちだろうか。それと同時間の場合はレス番の若い方でOK?

251マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/01(日) 17:11:33 ID:.rSPHoiw0
「投下宣言」が一番早かったものですね。

252マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/01(日) 17:24:28 ID:.rSPHoiw0
追記。

宣言から5分以内に投下が無かった場合は無効。
それと同時時間だった場合はレス番の若い方になります。

253名無しさん:2012/01/01(日) 17:28:49 ID:e9X5ykxYO
一人で2作品以上書いてきた人は?
あと>>249にも答えておくれよ
>>3の自重しない能力に含まれてるんじゃないの?
そこらへんの境界不明だし

254マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/01(日) 17:32:18 ID:.rSPHoiw0
>>249
原作がそうであったように例え元がどのような姿であったとしても。
「人間の形」に押し留められるものとします。
つまり、サブラクの場合は存在を人間サイズまでギュッと
縮められるものと思ってください。
封絶、トーチ化(宝具の内包も無し)は参加者には適用されない。
大統領に関してはD4Cを他の次元の本体に移すのは禁止、
D4C所有本体が死亡した時点で敗北とみなします。
他の次元の大統領を引っ張り出してくるのは有りですが、
他の次元の参加者を引っ張り出すのは無しで。

255名無しさん:2012/01/01(日) 17:33:16 ID:Hsd1WRwM0
自分以外誰も投下表明してなくて連続でレスできたなら、一人で二つ投下もありじゃないの

256マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/01(日) 17:35:37 ID:.rSPHoiw0
実際に他の投下宣言が無かった場合は
1作を投下後に再度投下宣言をしていただいて構いません。
先取り保留は無しという事で。

257名無しさん:2012/01/01(日) 18:00:39 ID:WjcIOw6s0
後2時間しか無いですけど大丈夫ですか?

258 ◆Mti19lYchg:2012/01/01(日) 18:26:45 ID:IgcyUw4M0
>>254
個人的意見としてはちょっときびしいかな、と思います。
両方ともキャラの個性に関わる部分ですし。
サブラクは存在を人間サイズまで縮められるのはいいとしても、拡散もできるようにするとかどうでしょう。
それ以上は◆mi8Ly4t1vU氏の意見も聞かないと何もいえませんが。
封絶、トーチ化の無しは賛成です。
D4Cは他の次元の参加者を引っ張り出すのと引き込むも無しにした上で、ラブトレインを禁止にしていただければ、
他の次元の本体に移せてもいいと思います。

259名無しさん:2012/01/01(日) 18:29:23 ID:Hsd1WRwM0
そもそも、エクストラ聖杯戦争の参加者って電脳世界で再構成された存在なんだよね?
他の次元も何も電脳世界から別の世界に干渉できるのかな

260 ◆BKUvL3qgtY:2012/01/01(日) 18:35:41 ID:K1793lCI0
・他次元の参加者の引っ張り出し、引き込み無し
・ラブトレイン禁止

これだと残機無限、大統領がいっぱい出せるだけの近距離スタンドに……
大統領は好きなキャラなんですがD4Cは制限すると弱すぎる、制限しなければ強すぎるというとても難しい能力なんですよ
本編でも非常に理解しにくいあの能力がSSでちゃんと描写できるのか? という懸念もあるわけですし

>>257
用意はいいか? 俺はできてる……

261名無しさん:2012/01/01(日) 18:46:09 ID:56hgJnKYO
そのあたりとか書き手のフィーリングでいいだろ。絶対に成功させなきゃいけない企画でもあるまいし

262<削除>:<削除>
<削除>

263マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/01(日) 19:10:23 ID:.rSPHoiw0
強すぎる能力に該当するものとして
大統領のラブトレインは完全に禁止ですね。
その他の能力は確かに「妄想心音」や「刺し穿つ死棘の槍」の
広範囲(?)版系能力と「十二の試練」の限定条件版能力。

参加者を別次元の同一存在をぶつけて消滅させるを宝具として
一撃必殺系能力にするなら有りかもしれませんね。
但し、原作と違い安易に使用できない制限付で。

264名無しさん:2012/01/01(日) 19:22:13 ID:Dic/e/Os0
こんな企画があったのかw
もう時間ねぇwww

265<削除>:<削除>
<削除>

266名無しさん:2012/01/01(日) 19:33:33 ID:Dic/e/Os0
>>265
うすw
頑張るw

267 ◆YFw4OxIuOI:2012/01/01(日) 20:00:01 ID:FU6TztvE0
では、投下します。

268 ◆JLCxe8Cu7k:2012/01/01(日) 20:00:01 ID:Hsd1WRwM0
投下します

269 ◆BKUvL3qgtY:2012/01/01(日) 20:00:02 ID:K1793lCI0
投下します

270 ◆BRxweJY./E:2012/01/01(日) 20:00:05 ID:Dic/e/Os0
投下します。

271 ◆YFw4OxIuOI:2012/01/01(日) 20:00:23 ID:FU6TztvE0
どうしたらいいんだ?

272マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/01(日) 20:01:12 ID:.rSPHoiw0
◆YFw4OxIuOI氏と◆JLCxe8Cu7k氏に投下権です。

273 ◆BRxweJY./E:2012/01/01(日) 20:01:16 ID:Dic/e/Os0
頑張って書いたけど、遅かったか。

274 ◆BKUvL3qgtY:2012/01/01(日) 20:01:20 ID:K1793lCI0
ごめん、泣いていいですか?

275 ◆YFw4OxIuOI:2012/01/01(日) 20:01:24 ID:FU6TztvE0
自分が最初のようなのでルールにのっとって投下します

276 ◆YFw4OxIuOI:2012/01/01(日) 20:02:00 ID:FU6TztvE0
「王者の劫渦(バシリオス・ディーネー)!」

金髪の巨漢の手による大剣が、容赦なく木偶に振り落とされ、砕け散る。
――人類の手により生み出され、はや千年。

もはや聖遺物といって良い“それ”は、宝具属性すら帯び。
加えて、担い手による暴風が如き一撃は。
“それ”本来の威力こそ損なわれているもの、
マスターの適性試験として配置されていた人形を
微塵に打ち砕くには、充分過ぎるものであった。

魔力を秘めた超常の人形が、無数の破片となり試練場の伽藍に舞い――。
それらも程なくして、空気に溶け入るように消える。

だが、それと入れ替わるように。
虚空より滲み出るように、一人の蒼き魔人が姿を見せた。

パン、パン、パン、パン――。

魔人は黒き竜を従え、巨漢の勝利に賞賛の拍手を贈る。

だが、その手の鳴り響きには。
喩えるなら召使いを呼び出すような、
あるいは良き見世物を見せて貰ったと感謝するような。
見下した者に対する賛辞のようなものが含まれていた。

「――良いぞ。実に良い」

そして、蒼き魔人は口を開く。

277名無しさん:2012/01/01(日) 20:02:57 ID:FU6TztvE0
「出来損ないの屑とは言え、仮にも英雄の模型を鎧袖一触か。
 所詮は命綱程度に過ぎぬとは言え、この我を従えるのだ。
 それに相応しき威厳と力量を持つものでなければならぬ」

誰よりも傲岸不遜に。
誰よりも傍若無人に。
この場の、もといこの世全ての存在を嘲笑うように。
猛獣の笑みを浮かべて、巨漢に対峙する。

「――何者だ?」
「元デイン国王、アシュナード。
 存命の頃は“狂王”とも呼ばれておったがな。
 テリウス史に名を轟かせる、言わば反英雄よ。
 この度はライダーの座を聖杯に与えられ、
 この聖杯戦争とやらに加わる事になった。」

巨漢の誰何に、魔人は答える。
己の出自を。
己の存在を。
既にこの世の存在ではないと、その纏う気が傲然と示していたが。
魔人――、アシュナードはその言葉で明らかにする。

巨漢にとっては目の前に立て続けに沸いた、超常なる現象の連続。
だが、それに一切臆することはなく。
ただ己の身に降って湧いた現象にのみ彼は疑問を抱き。
魔人に負けぬ傲慢な視線で彼を値踏み、状況を問いただす。

「聖杯戦争、だと?」
「ククク…、貴様は何も知らぬのか?
 我の方では、少々調べさせては貰ったのだがな。
 ベルン動乱の元凶、狂気の解放王ゼフィールよ」

278No.24 ◆YFw4OxIuOI:2012/01/01(日) 20:04:34 ID:FU6TztvE0
だが、アシュナードにはその問いには答えず。
金髪の巨漢の名を、ただ暴露するに留める。

「無能も極まる父を手にかけ、正当なる地位を掴み。
 公正なる世を目指し、竜を駆り世の変革を望んだ。
 エレブ大陸における、覇道の体現者。我と同じ覇王の魂よ。
 ――相違あるまいな?」

警戒の気配を増す巨漢――、ゼフィールにアシュナードは
歯を剥き出しにして、声も無く笑う。いや、晒う。
――だが、その笑いは。

大型の猛獣が獲物を目の前にして歯を剥き出しにする、
攻撃の前兆にも等しきおぞましいものでしかなった。
――だが、その晒いを。

「…下らぬ。
 世の誰が何をほざこうが、わしには興味すらない。
 たとえ行く手に何があろうが、わしは全てを踏みしだき己が理想を貫く。
 ただそれだけの事だ。貴様がそう思うなら、好きに言えばよい。」

ゼフィールは鼻であしらう。
その瞳には一切の恐怖も、憤りすらもなく。
血肉の通らぬ鋼を思わせる、只の無感動と虚無に彩られていた。
それは覇王と称される者には、相応しくない眼光ではあったが。

「――それは肯定と見倣すぞ?
 だが、貴様の覇道も落日を迎え。
 根城をも包囲された貴様は、もはや討ち取られる寸前。
 だがここに来て貴様の渇望が聖杯にすら届き、ここに召される奇跡が起きた。
 それが我が知る、貴様のこれまでの経緯だ」

279No.24 ◆YFw4OxIuOI:2012/01/01(日) 20:05:32 ID:FU6TztvE0
元より他者を塵芥程度にしか看做さぬ、狂える王の興味を引くものではなく。
ただアシュナードは、知りうる限りの知識を与え――。

「誇れ。この聖杯に、この我に。
 ――貴様はまさに、選ばれたのだぞ?」

彼にとっての最大の賛辞を、ベルンの王に贈る。
あくまでも、格下を相手取るように。
だが、ゼフィールはその不敬を一切咎める事なく。
ただ、無言でその先を促す。
ゼフィールは、確信に近い感情を抱いていた。

このようなおぞましき蒼き魔人が、一切の目的も無く近づくはずがない。
そして、その内容が決して穏やかなものであるはずがない。

そうでなければ、ここまで塵相手に手間暇をかけて説明を為す理由がないだろうから。

「さあ、その先には貴様と我の野望を叶える万能の願望器――。即ち、聖杯がある。
 ただそれを我らが手に取るには、貴様のような令呪持つ者どもと主従関係を結び。
 我らと同じ立場を持つものども、計二十四組――。
 即ち、四十八名の雑兵を全て屠らねばならぬ。それがこの“聖杯戦争”の仕組み。
 だが我らが元いた世界で為した所業を思えば、実にささやかな数よ。
 …さあ、貴様に決断を求めるぞ。…是か、否か?」

――ああ、やはり。
ゼフィールはその要求がほぼ想像通りであることに、深い溜息を付いた。
魔人が覇王に求めるものなど、所詮は暴力と殺戮のみ。

つまり、この蒼き魔人は殺し合いの為の道具として己を求めたのだと。
それが、たとえ“所詮は命綱程度”の存在であろうとも。
この男には、この私が主として必要なのだと。

280No.24 ◆YFw4OxIuOI:2012/01/01(日) 20:07:28 ID:FU6TztvE0
渇望は、確かにこの胸にある。
理想は、確かに思い描いている。

奇跡に縋ってでさえ、叶えたい願望はある。
そのためにたかが老若男女問わず四十八名殺戮するなど、今更どうと言うことはない。
これまでに己の理想のために手にかけて来た人間の数など、それこそ桁が違うのだから。
だが――。

この魔人と手を組む事だけは、人としてしてはならぬのだと。
この狂王の願いだけは叶えてはならないものだと。
本能のどこかが、強く警告を発していた。

あれはただ破壊の限りを尽くし、ただ全てを無に帰すのみの存在だと。
唯一それが、この理性ある猛獣の飼い主となる事を躊躇わせていた。
だが――。

「今更退こうとも、元の世界でただ無意味な死が待ち受けるのみ。
 だからこそ、あそこで退かずここまで進んだのであろうが?
 だが、征くか退くか。決めるのはあくまでも貴様次第だ」

機転を制するように、狂王の饒舌は続く。
ゼフィールにとって癪に触る言葉ではあるが、それが彼の身に置かれた、
事実であり現実でもある。ただ、その逡巡を臆病と看做したのか。
狂王の弁舌は、直ちに血臭を帯びたものへと変じ。

281No.24 ◆YFw4OxIuOI:2012/01/01(日) 20:08:57 ID:FU6TztvE0
「我はどちらでも構わぬぞ?
 貴様が我との契約を拒むならな、直ちに令呪ごとこのラジャイオンの餌とし、
 我の魔力炉とするまでの事。しばしはそれで自立出来るだろう。
 あとは魔力が切れるまでの間に、他の未契約の主を捕らえるか、
 なければ他の有像無像の召使いを一つ潰し、座を作り出せばよい。
 我にしてみれば、乗り掛る船が変わる。ただそれだけの話よ」

彼の後ろに控えた騎竜が、脅迫に呼応して咆哮を上げ――。
迅速なる決断を促す。

「それとも我を滅し、貴様が新たな臣下を探し聖杯を得るという選択もあるぞ?
 もっとも、我はあの木偶とは訳が違うがな」

狂王は不敵に笑い、ゼフィールを挑発する。
だが、ゼフィールは既に悟っていた。
たかが人間の身では、魔人には決して適わぬのだと。
ならば――。

「――では、改めて問おう。貴様は我が主足りえるのか?」

そして狂王は最後通告を迫る。
貴様が主なのか、と。貴様が主に相応しい者なのかと。
ならば――。

 ――その問いの答え、もはや考えるまでもない。

「痴れ言を。それこそ愚問というべきものだ。
 貴様が何者であれ、貴様を使役せねば我が望みは決して果たせぬというのなら。
 貴様を従え、聖杯とやらを掴み、我が見果てぬ夢を叶えよう」
「よかろう。これで正式に契約は為された」

282No.24 ◆YFw4OxIuOI:2012/01/01(日) 20:10:08 ID:FU6TztvE0
ゼフィールの承諾と、アシュナードの宣誓に同意するように。
ゼフィールの手の甲にある令呪が、一度だけ閃光を放つ。

ベルンの狂気の解放王と、デインの狂王。
ともにその元いた大陸に比類なき悪名を轟かせる狂気の王達は、
今、まさにこの時に主従の契約を果たした。

今更惜しい命でもなく、魔人に手を貸すなど癪に触るが。
狂王の分析通り、元より後戻りなど出来ぬ身ではある。
この魔人が何者であれ、聖杯戦争とやらが何であれ。
退いた所でどうにもならぬのであれば、前に進むしか道はない。

そしてその手段がなんであれ、どれほどの災禍を引き起こすものであれ。
結果として理想を叶えられるなら、それに優るものはない。
狂王の処遇については、その闘争の間に考えればよい。
過ちがあれば、速やかに正すのみ。
ゼフィールはそう判断し、アシュナードと手を結んだ。

「聖杯戦争とやらの基本的な知識とルールは、追って説明する。
 貴様と繋がった以上、お互いの知識と記憶はいずれ共有されるだがな。
 さて、参ろうか。エレブ大陸の、もう一人の狂王よ」
「…フン。貴様こそ、わしの足を引かぬ事だな」

二人は足並みを揃え、伽藍の先にある扉を潜り。
作られた試練場を後にした。

283No.24 ◆YFw4OxIuOI:2012/01/01(日) 20:10:52 ID:FU6TztvE0
共に戦乱の渦を生み出した、二人の狂える王達による主従の契約。
この二人が何を齎すか、今はまだ分からない。
ただ、一つだけ言えることは――。

彼らはただ、蹂躙するに特化された存在であるという事実のみである。


【参加者No.25ゼフィール@ファイアーエムブレム@覇者の剣】
【サーヴァント:ライダー(アシュナード)@ファイアーエムブレム@蒼炎の軌跡】

284 ◆YFw4OxIuOI:2012/01/01(日) 20:13:01 ID:FU6TztvE0
投下完了です。
アシュナードがなんかはっちゃけた事言ってるが、気にしない気にしないw

285マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/01(日) 20:15:18 ID:.rSPHoiw0
No.2として登録させていただきました。

では、◆JLCxe8Cu7k氏投下をお願いします。

286 ◆JLCxe8Cu7k:2012/01/01(日) 20:17:54 ID:Hsd1WRwM0
◆YFw4OxIuOI氏投下乙です。
FEから覇王コンビか、これは強そう

投下時間順だと次は自分ですが、実はすでに投下をしているので自分は辞退します
あまり人が来ないかもと思って予約しましたが
この再募集のためだけに元旦を使って書かれたのですから、三番目の>>269 ◆BKUvL3qgtYさん、投下してください

287マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/01(日) 20:19:59 ID:.rSPHoiw0
委譲を認めます。
◆JLCxe8Cu7k氏の判断に最大の敬意を表します。
◆BKUvL3qgtY氏の確認を取れ次第投下をお願いします。

288 ◆BKUvL3qgtY:2012/01/01(日) 20:21:24 ID:K1793lCI0
なん・・・だと・・・?

とりあえず投下します

289 ◆BRxweJY./E:2012/01/01(日) 20:22:29 ID:Dic/e/Os0
>>288
良かったね(;ω;)

290 ◆BKUvL3qgtY:2012/01/01(日) 20:23:22 ID:K1793lCI0
魔術師たちの闘争の終焉から半年間が過ぎた。
私が召喚した紅き弓兵、直向きすぎる所がたまにキズな正義の味方の男の子、そして血を別けたたった一人の妹。
様々なものを失ったけれど、それでも本当に大切なものを守ることができた。
――だが再び聖杯戦争の幕は開く。
倒したはずの強敵たちが立ち塞がり、仮初の街で新たな死闘を繰り広げる。
あの時と同じく、遠坂凛は闘争への一歩を自らの意思で選びとる。
なぜ?どうして? 疑問は尽きない。
だが今度こそ私が終わらせる。あるはずのない戦いを。二度目の聖杯戦争を。



「ここは……私の家、か。」


気がつけばあの言峰教会から自宅へと転移していた。
空間転移の魔術はかなり高等な術なのだが、これも聖杯の力というやつだろうか?
だがこれで嫌でも聖杯の存在を信じざるえなくなったわけだ。
そもそもあの教会にいた言峰綺礼は本物なのか…? 
何者かが用意した偽物、幻術。本人がなんらかの理由により蘇生した?
もしやこれら全てが聖杯の導きにあるものだとしたら……。


「――って、考えても仕方ないわね。まずは情報収集が先決かしら。
 士郎も来てくれてれば助かるんだけど……。」


半年前に死亡したはずの言峰綺礼の存在。
再開された聖杯戦争。
ならば遠坂凛がやるべきことはただ一つ。
父の仇、言峰綺礼を討ち、復活した聖杯を破壊する。
だがそのためには戦力がいる。
情報収集と共に協力可能な、信頼に足る人物も探す必要があるかもしれない。


――そしてサーヴァント。
戦力の中核となる人を超えた“英霊”。
いったい私には『誰』が召喚されたのだろう?
近くに魔力の反応は感じない。だけど遠坂邸内にいるってことは感じ取れる。
自分とサーヴァントを繋ぐ魔力パスの感覚を頼りに行き先を決め、到達したのは私の自室。

もし――この扉の向こうにいるサーヴァントが『あいつ』だったのなら、どんな顔をして迎えてやればいいだろう。
私たちを守るため、黒い影に飲み込まれていった赤い外套のサーヴァント。
皮肉屋なあいつのことだ、私がどう接しても軽口を叩くに決まっている。

――否応なしに高鳴る鼓動を胸にゆっくりと扉を開けていく。
その向こうに広がっていたのは……

291 ◆BKUvL3qgtY:2012/01/01(日) 20:25:27 ID:K1793lCI0
「あぁ〜ん♥はじめましてご主人様ぁ〜ん♥ 
 貴女の忠実なサーヴァント、キャスターよん♥ 以後よろしくねぇ?」


――レオタード衣装の桃色髪の女が、へべれけ状態で酒盛りをしている光景であった。


………………………………………



「あぁん、そんなに怒らないでご主人様ぁん! せっかくの可愛いお顔が台無しよん?」

「あんたがマスターほっぽり出して酒盛りしてるからでしょうがっ!高いものばっかり飲んで…!
 どれもこれもお父様が遺した秘蔵の葡萄酒だってのに!しかも私の部屋こんな酒臭くしてどうしてくれんのよ!」


とりあえずキャスターの飲み散らかした葡萄酒を片付けさせて一喝。
前回同様マスターとサーヴァントの立場ってやつをはっきりさせておいた方がいい。
でもキャスターか……。全7クラス中最弱と言われるサーヴァント。
このキャスターもその例に漏れず、幸運と魔力以外のステータスは軒並み低ランクとなっている。


「ふふっ…ご主人様、どうせなら一緒に飲みましょぉん? ここで巡り会えたのもなにかの縁。
 わたくし、ご主人様のことたくさん知りたいなぁ…って」


えっ、ちょっと待って。こいつまだ酔ってない?
キャスターの細い腕が私の背をかき抱き、異様に近い距離感の中耳元で甘く囁く。
葡萄酒の匂いと一緒に、ひどく妖艶なキャスターの優しい声音が脳裏へ何の抵抗もなく入り込む。
力が抜けていくのを感じ、キャスターがワタシの唇をそっと撫でる。同じ女だけど…悔しいくらいにこいつは綺麗だ。
あぁ……だめ、こんなの……いけない。同じ女同士で、出会ったばかりのサーヴァントと、こんな……。


「……っ! ――――Sich Widersetzen(解呪)――――!!」
「あらん、もうちょっとだったのに。ご主人様のいけず……」


危なかった――! 本当に危なかった。もう少しで超えてはいけない一線を悠々と飛び越えてしまいそうだった。


「ああ、あんたっ!私を魅了しようとしたでしょ!? いったいどういうつもり!」
「だってぇん――ご主人様があまりにもウブで可愛らしかったんですものぉ。それにご主人様もノリノリだったからそっちもOKなんだって妾――」


――閑話休題。
とりあえずこのキャスターには色々質疑応答しなければならない。
そもそも私にはそっちの気はない。……多分、絶対に。

292 ◆BKUvL3qgtY:2012/01/01(日) 20:26:19 ID:K1793lCI0


「――で、アンタの真名は? あと宝具についても教えて頂戴。こっちはただでさえ戦力が足りてないの。」


一通りマスターである私のことを教えたあとは、自陣営の中核となるキャスターのことを聞く。
まずは『敵を知り、己を知れば、百戦危うからず』というやつを実践することにした。


「ン〜〜、それはヒ  ミ  ツ♥」
「……真名も、宝具の内容も?」
「ご主人さまン、女の子は秘密が多ければ多いほど魅力的になるものよぉん?」


……ぷちっ。


「あ〜ん!ごめんなさいごめんなさいご主人様ン!どうか怒らないで?ねっねっ?」
「うっさい!真名も宝具も教えられないとか作戦の立てようがないでしょうがっ! それとも私が納得いく説明ができるわけ!?」


キャスターというクラスは文字通り魔術師のクラス。白兵戦を苦手とする代わりに豊富な魔力と魔法に近いレベルの超高等魔術を扱うクラスだ。
その最弱とされる理由はセイバー、ランサー、アーチャーがクラス特性スキルとして保有する対魔力スキルにある。
魔力によるダメージを無効、もしくは軽減するこのスキルの恩恵から、三大騎士と呼ばれるこれらのクラスはキャスターの行使する魔術を恐れる必要がない。
弱いキャスターがそれら障害を乗り越え確実な勝利を掴むためには緻密な作戦に加え、要所々々での宝具使用も視野に入れなければならない。
こうなったら令呪を使って無理矢理にでもどこの英霊だか吐かせて……!


「だってぇ……妾の真名を知ったら、きっとご主人様は妾のこと嫌いになってしまうわ……。
 せっかくお仕えするために召喚されたのに、そんなの、妾堪えられない……」


……あぁ、なんだ、そういうことか。 こいつは多分、反英霊なのだろう。

反英霊――崇められ、恐れられ、討伐されることによって平和をもたらす英雄。
勇者に倒されることで名を馳せた彼らは、当然悲劇的な結末を迎えた者が多い。
例えば前回の聖杯戦争に参加していたライダーなどはその典型だ。


「――なら私も、無理して聞き出そうとはしない。あなたが気の向いたときに話してくれればいいから」
「ご主人様ン…。 ウフフっ、お優しいご主人様に会えてよかったわん♥ ならますます妾がんばらなくっちゃ♥」
「……だけどあんたが聖杯にかける願いだけは教えてもらうから。 それ次第で私も色々考えなくちゃいけないし」


私の目的はあくまで聖杯の破壊にある。
それはつまりキャスターの願いは叶えられなくなってしまうということ。
如何に穢れた杯と言えど、万能の願望機には違いない。
……場合によっては、キャスターを裏切ることになってしまうかもしれない。


「妾の願い? ン〜〜、特にないかしらん? ここに喚ばれたのだってただの暇つぶしみたいなものだし……。
 結構多いのよんそういう英雄ちゃんも。思いっきり暴れたいとか、誰かに仕えてみたいとか、特に願いはないってタイプ。
 せっかくのお祭りなんだもの。参加することに意義があるのよぉン♥」


……暇つぶし、か。納得できないこともない理由だろうか。
そもそも英雄なんて類の輩は大抵二度目の生に興味はないと聞く。
清純な英雄ならば世の安寧だし、反英霊でもライダーは自分と似た桜を幸せにしてやりたいという個人的な願いだった。


「――そう、よかった。なら私の目的とは相反しない。 キャスター、私の目的はただひとつ。聖杯の破壊、これだけよ」
「ワァーオ、なんでも願いの叶う願望機を破壊しちゃうの? もったいなーい。 ううん、でも面白そうね♪ 気に入ったわん、ご主人様♥」
「なんでも願いが叶う……。あ、そっか。これも教えてあげないとダメなんだ。 いい?あんたは知らないだろうから教えるけど、そもそもあの聖杯は―――」

293 ◆BKUvL3qgtY:2012/01/01(日) 20:26:36 ID:K1793lCI0
………………………………………



あぁン、いいマスターに当たってよかったわん本当に♥
供給される魔力量も十分で実力も一流の魔術師だし、妾も遜色なく力を発揮できるじゃない♥
しかも別の場所で起きた聖杯戦争を経験して生き残ってるだなんて本当に優秀な子。
妾の誘惑の術《テンプテーション》がレジストされたのも納得ねん♥ なら時間をかけてゆっくりじっくり慣れさせましょう。

ガイアと一体化したのはいいけど、やっぱりどうしても暇になるのよねぇ。 
せっかく暇つぶしに来たんですもの、オモシロ可笑しく妾がプロデュースしてあげるわぁん♥
『この世全ての悪(アンリマユ)』なんて楽しそうなのもあるんだし、あぁん妾ウキウキしちゃう♥
――妾の真名は蘇 妲己。稀代の悪女よぉん♥ 今後ともよろしくねぇん、ご主人様♥


【参加者No.?:遠坂凛@Fate/stay night】
【サーヴァント:キャスター(蘇 妲己)@藤崎竜版封神演義】

294 ◆BKUvL3qgtY:2012/01/01(日) 20:30:35 ID:K1793lCI0
投下終了です
◆JLCxe8Cu7k氏、本当にありがとうございました。

……でも他の人がこれではかわいそう過ぎる。
まず投下してみて、全作品から>>1が採用作品選出するとかできないんですか?

自分はこれより外出するので提言のみして落ちます。
◆BRxweJY./E氏に幸あれ……!

295マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/01(日) 20:32:53 ID:.rSPHoiw0
お二人とも投下ありがとうございました!
それぞれNo,2とNo.8に振り分けさせて頂きました。
wiki等でご確認ください。

凶王にまさかの妲己りんコンビw
こちらとしても面白い組み合わせです、
本当にありがとうございます!

296マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/01(日) 20:39:26 ID:.rSPHoiw0
>>294
ふむ、一応考えていた事では有ります。
但し、それでは先着にした意味が無くなる為、
そうですね、これから1月3日までの間に登場話を
投下していただき、それを見た書き手で
「これとなら交換しても良い!」と思えた作品を
本人の辞退及び交換という形で推薦してください。

以前にも申しましたが枠の増設は考えておりません。
これはご容赦下さい。

1月3日以降の登場話は全て無効とし、本編の開始とさせていただきます。

辞退は私も行う可能性があるので、
まずは投下してみてください。

297 ◆BRxweJY./E:2012/01/01(日) 20:50:50 ID:Dic/e/Os0
お疲れさんです。
もっと早くにこのスレに気づけば良かったな……。

298名無しさん:2012/01/01(日) 20:51:43 ID:3166nutQO
お二方とも投下乙です!うわ、FE界の覇王二人とはこれまたヤバイ組み合わせを・・・凛はまあドンマイw

299 ◆BRxweJY./E:2012/01/01(日) 21:03:53 ID:Dic/e/Os0
投下します

300名無しさん:2012/01/01(日) 21:04:05 ID:WjcIOw6s0
お二人共投下乙です!これは…面白いことになってきましたね。

301 ◆BRxweJY./E:2012/01/01(日) 21:08:19 ID:Dic/e/Os0
「へェ……何でも願いを叶えてくれるなんて、神様は太っ腹なんだな」

 青いツナギを着た良い男――阿部高和は不敵な笑みを浮かべて公園のベンチに腰かける。
 阿部は、さっきの神父はなかなか良い男だったな、と心の中で舌なめずりをした。

「あのどこか皮肉っぽそうな表情たまらんね。あいつとヤリたい」

 ゲイという性癖を持つ阿部にとって、いい男達とやりまくれるなんて、まさに天国である。
 特に普段はやれないノンケの男を無理やりやるなんて彼にとっては最高に燃えるシチュだ。
 阿部がこれから出逢う良い男達との情事を妄想し、息を荒げていると突然、彼の前に異国の服を着た褐色の肌の男が姿を現した。

「ウホッ、いいおとこ……」

 阿部は、無駄のない素早い動きで眼の前に現れた男のムスコに手を伸ばす。
 男はその筋肉質な腕で阿部の手をガッチリと止めた。
 既に握っている筈のそのモノがない事が無い事に気付いた阿部は、ようやく目の前の男の顔を視界に入れる事にした。
 阿部の抱いたその男の印象は”ブ男”……だが悪くない。
 胸の奥から湧き立つような炎のような熱い瞳に阿部は惹かれていた。

「何をするんだ。我がマスター」

 その男は不思議そうな顔をしながら阿部の手を放すと、阿部は現実に戻って来たかのように再びベンチに座りなおした。

「ナニをするに決まってるだろ。いいもんだぜ、男同士はな。お前はそういう経験がないのか?」

「無いに決まっているだろ。なんなんだ……お前は……」

 男は呆れた顔で阿部を見た。
 そんな表情など意に介さず阿部はベンチに座ったまま身を乗り出し言う。

302 ◆BRxweJY./E:2012/01/01(日) 21:09:35 ID:Dic/e/Os0

「俺の名は阿部高和、自動車修理工をやっている良い男さ」

 阿部が愛嬌たっぷりにウインクする。
 男は阿部のその気さくな人柄を見て今までの彼の言動を単なるジョークなのだと受け取り身を正した。

「よろしく阿部高和(あべ たかかず)……私はキャスターのクラスにて現界した。真名はモハメド・アヴドゥル。
 そして、我が宝具は――」

 次の瞬間、周囲の気温が一気に上昇した。
 そして、アブドゥルの傍に炎の化身ともいうべきか、頭は鳥、しかし、身体は鍛え抜かれた男のもの。
 その鳥人は、身体中から炎をほとばしらせながら、万歳のポーズをとる。

「――魔術師の赤(マジシャンズ・レッド)ッ! 炎を操る能力ッ!」

 アブドゥルの操るマジシャンズレッドを見て、阿部はヒュウと口笛を吹いた。
 そして、おもむろに服を脱ぎだす。

「高和……何故脱ぐ?」

「熱いからさ。アブドゥル……いや、キャスターと呼んだ方がいいかな?」

「私の正体を知る者がいるかもしれないからな……ルール的にはキャスターと呼ぶべきだろうがな、私はどちらでも構わん。好きに呼べって待て、私の衣服に手をかけるな!!」

「何故って……そりゃ、そんなにメラメラ燃えてんだ。アブドゥルだって熱いだろ?」

 阿部は潤んだ瞳、荒い息で持ってアブドゥルにのしかかる。
 アブドゥル自身は霊体の身の為、熱さ寒さは左程影響はないが、阿部のどこか男のクセにどこか甘ったるい声色にそれ以上の悪寒を感じ顔をひきつらせた。

303 ◆BRxweJY./E:2012/01/01(日) 21:10:15 ID:Dic/e/Os0

「おのれ放せアベェ! 何だこの人間離れした腕力は! やっぱり貴様はそういうヤツだったのかッ! こういう役回りは私でなく、ポルナレフ――クソッ!!」

 青ざめた表情で阿部から逃げるように、アブドゥルは実体化を解き、霊体化する。
 先程まで、のしかかっていたアブドゥルの肉体が消え、阿部は前につんのめるようにこけた。
 少しつまらなさそうな顔をした阿部だったが、悪知恵を思いついた悪ガキのようないやらしい笑みを浮かべる。

「そういや、この令呪を使えば、お前らサーヴァント?だっけ?を意のままに操れるんだったな……」

 阿部は腕にある奇妙な紋様――”令呪”を見つめて、にやりと笑った。

「……待て!! いや待て!! 高和!! 分かった!! 分かった!! そうだ!! 
 私よりも男前なマスターやサーヴァントがいるはずだ!! 私はお前に協力する!!
 だから、一緒にお前の趣味とやらをそいつらにぶつければいい!! 後生だからそれだけはやめてくれ!!」

 アブドゥルは姿を現すと、何故かむず痒いケツの穴を抑え必死に懇願した。

「そうだなぁ……俺は元々そういうつもりでこの聖杯戦争の召喚に応じたんだ。
 楽しみは最後に取っておくのもいいか……よし、取り敢えず他の男マスターを捕まえに行くか。
 俺の望みは世界中のいい男とヤリまくることだ!」

「その通りだ。流石我がマスター! 賢明な判断だ!」
(駄目だこのマスター……早く何とかしないと……)

 アブドゥルは、冷や汗を拭いながら、保身を考える。



【参加者No.:阿部高和@くそみそテクニック】
【サーヴァント:キャスター(モハメド・アブドゥル)@ジョジョの奇妙な冒険 第3部】

304 ◆BRxweJY./E:2012/01/01(日) 21:11:26 ID:Dic/e/Os0
折角チャンスをいただけたので投下させて貰いました。
しかし、だっきちゃんとキャスター被ってて焦りましたw

305マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/01(日) 21:16:04 ID:.rSPHoiw0
詳細ルール

・仮想電脳世界で行われるルール無用(といってもペナルティは存在する)の殺し合い。
・令呪は絶対命令権としても一時的なブースターとしても使用可能だが使い切った場合は失格。
・一部非戦闘地域があり、そこでの殺傷行為はペナルティ(能力低下等)。
・NPCは参加者の補佐や商売、特に意味も無く多数存在する。
・NPCを魔力炉に利用するのは問題ないが度を越した場合はペナルティ。
・参加者には他の参加者の情報は一切知らされない。
・サーヴァントに関する記録は大まかに月海原学園図書室にて閲覧可能(膨大な量になる為、大雑把な見当ではほぼ検索不可)
・アリーナは存在しない。
・参加者には本人の希望で活動拠点を始めに選ぶ事ができる(アインツベルン城でも可、目立つけど)。
・上記の拠点決定は早い者勝ち。
・時間は無制限、最後の一人になるまで行われる。
・参加者には全て運営側よりクレジットカードが支給される。
 これは使用限度無し、手続きを簡略して自動車等を購入できる。
 移動手段、食料、住居の確保等に使用して下さい。
 但し、一般的に購入できない火器、麻薬等には適用されない。
・黒幕に欠片男と聖お兄さんはいないのであしからず。

306マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/01(日) 21:18:07 ID:.rSPHoiw0
というか、これはひどいw
アヴさんw

307 ◆BRxweJY./E:2012/01/01(日) 21:22:32 ID:Dic/e/Os0
思った以上に誤字が多かったワロタ……Orz。

308 ◆3Yo9gNrp3A:2012/01/01(日) 21:44:57 ID:2hYYqgFE0
阿部さんが予想通りヒドイw


一応最終的(?)な参加者をまとめてみました

セイバー:アルトリア(衛宮士郎)  ガウェイン(ルルーシュ) イスラ(天海陸)
     セリス(近藤 剣司)、テレサ(アシュヒト=リヒター) アストレア(金城優)
ランサー:クー・フーリン(P4主人公) アレックス(花村陽介)
アーチャー:シーン・ピアース(ラグナ) ナノカ(まほろさん)
ライダー:フランシス・ドレイク(雨流みねね) 門矢士(衛宮切嗣)、太公望(金田一一)
     火野映司(泉こなた) ラオウ(間桐慎二) アシュナード(ゼフィール)
キャスター:キャス孤(雪輝) リインフォース(名無鉄之介) キンブリー(羽瀬川小鳩)
      蘇妲己(凛)
アサシン:ファニー・ヴァレンタイン(ジョン・バックス) トキ(間桐雁矢)
     “壊刃”サブラク (匂宮出夢)
バーサーカー:ランスロット(枢木スザク)、さやかちゃんでした!(詩音)

セイバー:6
ランサー:2
アーチャー:2
ライダー:6
キャスター:4
アサシン:3
バーサーカー:2

総勢25組 参加人数50名

このまま何もなければ以上のようになります
改めて見ると、セイバー・ライダーの多さとランサー・アーチャー・バーサーカーの少なさが目立つなw

309 ◆mi8Ly4t1vU:2012/01/01(日) 21:55:44 ID:M7yABxEQ0
どうも、こんばんは
サブラクを書いた者です
サブラクの制限についてですが、封絶とトーチ化は無論禁止かnpcにしか、効かないもので、行くべきだと思っていました
封絶は、戦闘後の戦闘区域の修復にくらいは使えれば、
痕跡隠滅が容易で、アサシンらしいですがw
トーチ化は、マスター相手は無論問題ですし、npc 相手にしろ、ムーンセルからすれば、npc の改変は、好ましくないはずです
ーーというような理由をでっち上げあげれば、制限も不自然ではないかと
サブラクも依頼人の要望には応えるので、制限される或いは使用しないかと

また、拡散というか地域への浸透は、あいつの最もアサシンぽい個性なので、ありでお願いいたします
特性にさえ気付けば、広域破壊宝具などで対処できそうですし
無論、冬木市 全域浸透とかだと厄介過ぎるので、浸透範囲は狭めていくべきかと

長くなりましたが、書き手の皆さま方次第で、十分調整可能かと
何より、あの二人は、負けてこそ絵になるので、あっさり負けても違和感ないかと

310マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/01(日) 22:03:20 ID:.rSPHoiw0
各キャラ相関図。

士郎⇔凛:協力関係、魔術の弟子と師、恋愛(?)関係
士郎→切嗣:養父
切嗣→士郎:まだ出会っていない
アルトリア→ランスロット:元臣下、裏切られた関係、両者共に悔恨。
アルトリア⇔ガウェイン:元臣下、叔父(叔母)と甥
ガウェイン⇔ランスロット:円卓の騎士仲間、肉親の仇、関係最悪
鳴神⇔花村:親友
門矢士→火野:破壊対象
火野→士:知らない
雪輝→みねね・バックス:敵対及び時々協力関係
太公望⇔妲己:宿敵、憎めない関係
キャス孤→妲己:狐仲魔、INRAN狐☆
ラグナ→シーン:仲間
ラオウ⇔トキ:実兄弟、北斗真拳伝承候補者
枢木スザク⇔ルルーシュ:親友、敵対及び協力関係

参考程度に繋がりのあるものを纏めました。

311マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/01(日) 22:07:43 ID:.rSPHoiw0
では、サブラクに関しては、

・トーチ、封絶はNPCにしか効果無し。
・拡散は有りだが効果範囲は広域宝具で殲滅できる範囲。
・拡散中は全パラメーターに−補正がかかる

という事でお願いします。
ノンペナルティで拡散できるとちょっと強すぎるので。
四次アサシンみたいなものだと思ってください。

312 ◆MoyrepToUg:2012/01/01(日) 22:17:33 ID:j.ihatMI0
やったねたえちゃん! 投下のチャンスがあったよ!
一日費やして考えたネタが無駄にならなくて済んだ……(泣)

という訳で、投下させていただきます。

313 ◆MoyrepToUg:2012/01/01(日) 22:18:34 ID:j.ihatMI0
「……本当に、どういう事なのかしら」


新都オフィス街の中心部に位置する超高層ビル・冬木センタービル。
その屋上に佇む一人の小さな影。

イリヤスフィール・フォン・アインツベルンは、ここに送られるまでに見た展開に
いまだ納得できず、思案を続けていた。

聖杯戦争。
自身もかつてアインツベルンの代表としてバーサーカーのサーヴァントと共に参加していた
願望機を巡る魔術師達の生死をかけた争い。
その戦いの果てに自身は敗北し、様々な顛末の末に聖杯は破壊され全ては終結したと
思われていた。

だが自分は再び同じ名を持つ戦いに呼ばれる事となってしまった。
しかし腑に落ちない事も多々ある。
この聖杯戦争は自身が知る聖杯戦争とは明らかに何かが違っていた。
かつて自分を聖杯の器として利用しようとした監督役の神父・言峰綺礼。
あの男はシロウに倒されたはずである。
それが何故あの場に再び現れたのか。
死者が蘇るなど―――それこそ第三魔法でもなければ不可能な事象ではないか。

それだけではない。
本来ならば聖杯戦争で呼び出されるサーヴァントは7つのクラスに割り当てられた7人の
はずである。
それがいきなり倍以上の25人も召喚されるとはどういう事なのか。
此度の争いは、それだけの英霊が『英霊の座』に戻ろうとする力が必要だというのか。

314 ◆mi8Ly4t1vU:2012/01/01(日) 22:18:57 ID:M7yABxEQ0
了解です
ただ、拡散中は、デフォルトで命中率は、下がりますし、根を張る以上、
一度回避されれて、逃げの一手を打たれれば、すぐ追えないのは原作でも弱点となっています
なので、全マイナスだと不意討ち時の脅威度が、かなり下がるので、
攻撃力ーつまり魔力だけはマイナスにならないということにしていただきたいのですが

315 ◆MoyrepToUg:2012/01/01(日) 22:19:12 ID:j.ihatMI0
考えれば考えるだけ疑問が湧き上がってくる。
そもそも現状では圧倒的に情報が少なすぎるのだ。
果たしてこの聖杯戦争は自分の知るものなのか、はたまた全く違う争いなのか。
それを知るためにも行動を起こさねばなるまい。

既に自身の身は幼い頃に施された調整とサーヴァントの魂を取り込んだ反動で
本来短い寿命がさらに短くなっている。
もしもこの場で不測の事態が起きればそれこそ―――――

「……そんなの嫌。少なくとも、シロウに会う前に死ぬ訳にはいかないもの」
あの場で確実に確かめた訳ではないが、複数のマスターとして呼ばれた者達の中にイリヤは
衛宮士郎らしき影を見たような気がした。
気のせいかもしれないが、もしも本当に彼であればこれほど心強い物はない。
「あれが本当にシロウなら、きっとこの戦いを止めようとするに違いないわ」
だからこそイリヤは不安に駆られた。
彼が他者を救うために己の身を顧みず行動するであろう事は想像するまでもない。
もしも以前のように無茶をするようであれば―――――
もはや彼の肉体には騎士王の聖剣の鞘はないというのに。

316 ◆MoyrepToUg:2012/01/01(日) 22:19:46 ID:j.ihatMI0
「うん、まずはシロウを探そう。後の事はシロウと一緒に考えればいいわ」
行動の指針を決め、彼女はおもむろに後方へと振り返る。
「貴方にも期待してるわよ。お願いね、ランサー」


イリヤの背後に控えていたのは、人の身の丈を超えた巨大な影であった。
全身を堅牢な鎧に包み込み、鹿か鍬形を思い起こす頭部を守りし兜。
そしてその手には螺旋状の―――まるで巨大なドリルを思い起こす巨大な槍が握られていた。
見知らぬ一般人が見れば、鉄の巨人が現れたと驚き逃げ出す者が大半だろう。

「…………」
「……貴方も変なサーヴァントね。バーサーカーでもないのにさっきからずっとだんまりじゃない」
「…………」
「とにかく、まずはエミヤシロウっていう人間を探すために手がかりを集めるわ。ここが冬木市
ならシロウの家があるはずだからまずはそこに行きましょう。案内は私がするわ、いいわね?」
「…………!(コクリ)」

イリヤの言葉を理解したらしくランサーは彼女に傅き、そして頷いた。
イリヤは当初対峙したこのサーヴァントがその巨体からかつてのパートナーであった英霊
ヘラクレスのようなバーサーカーのクラスのサーヴァントかと思ったが、問いかけてみれば
首を横に振ったので消去法で問い続けてみたら、ランサーだという事が判明した。
何故かこのランサーは意思表示はするものの何を語りかけても寡黙なままだったのだが、
イリヤ自身この手のタイプはバーサーカーで慣れていたのであまり負担は感じずに済んだのが
幸運であった。

317 ◆MoyrepToUg:2012/01/01(日) 22:20:24 ID:j.ihatMI0
「…………」
「えっ? 肩に乗れってこと?」
「…………(コクリ)」
ランサーはおもむろにイリヤの前に己の手を差し伸べた。
彼の意図を理解したイリヤは掌の上に昇り、ランサーもそれを確認して自らの肩へと彼女を
優しくエスコートした。

ゴゴゴゴゴゴ……
「な、何この音……って、ええっ!?」
その直後、何やら背後から妙な音がすると思いイリヤが後方を振り返ってみた。
だがそこで見たのは予想を裏切る光景であった。
何とランサーの鎧の背面から俗に言うバーニアのようなものがせり出し、あろうことか
ゆっくりと地面からランサーの足が浮かび始めているではないか。
「ま……まさか貴方、飛べるの!?」
「!!(コクリ)」
力強く頷くとともに、ランサーはイリヤに視線を投げかけた。
まるで『しっかり掴まっていろ』とでも言うように。

ゴォォォォォォォォォォォ!!!!
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??」
次の瞬間、巨大な鉄の槍兵は天高く舞い上がり冬木市の上空を華麗に飛翔した。
鳥か、飛行機か、はたまた超人か。
いずれにせよこの鉄の飛行物体が槍兵の英霊だと看破できる者は地上にはいないであろう。
「あああ貴方、本当にランサーなのぉ!? ていうか、本当に人間なのぉぉぉ!?」
「…………」
あまりの事態にそうツッコまざるを得なかったが、相変わらず寡黙なままのランサーに対して
イリヤはそれ以上は言及することなく、振り落とされないように気をつける事に神経を使う
方が賢明だと判断する事となった。

318 ◆MoyrepToUg:2012/01/01(日) 22:20:52 ID:j.ihatMI0
かくして、一人のホムンクルスと一人の槍兵は天駆ける一陣の光となって、しばし冬木の空を
飛び続けることと相成った。


この時点でイリヤ自身は未だ彼の素性を知る事はなかった。
だが、彼を知る者がこの場にいれば間違いなく少女は『当たり』を引いたと思う者も少なく
ないだろう。


かつて絆の力で日ノ本を統一し、争い無き平和な世を築かんと奮迅した一人の三河武士がいた。
人知れず孤独を抱えながらも笑顔と優しさを絶やさず戦いを続けた彼の傍らに、必ず存在した
一人の武将がいた事を知らぬ者はいなかった。
あらゆる勢力からその力を恐れられ、第六天魔王の異名を持つかの人物すらその存在を
警戒し、危険視された武将。


人は彼をいつしかこう呼んでいた。
―――――――――『戦国最強』と。


【参加者No:イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/stay night】
【サーヴァント:ランサー(本多忠勝)@戦国BASARA】

319 ◆MoyrepToUg:2012/01/01(日) 22:22:00 ID:j.ihatMI0
投下終了です。
一応イリヤはセイバールート終了からの参戦という事で。
しかしルール的に色々とギリギリだが大丈夫だろうか……

320名無しさん:2012/01/01(日) 22:27:09 ID:iXL2AZNs0
ゼフィールがどうやって電脳世界にこれたのか気になる

321マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/01(日) 22:27:51 ID:.rSPHoiw0
サブラクについて最終決定。


・トーチ、封絶はNPCにしか効果無し。
・拡散は有りだが効果範囲は広域宝具で殲滅できる範囲。
・拡散中は魔力以外の全パラメーターに−補正がかかる

に決まりました。

322マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/01(日) 22:32:45 ID:.rSPHoiw0
士郎⇔凛:協力関係、魔術の弟子と師、恋愛(?)関係
士郎⇔慎二:友人、敵対関係
士郎→切嗣:養父
切嗣→士郎:まだ出会っていない
雁屋→凛:想い人の娘、かつて命を救った事がある。
凛→雁屋:知らない
アルトリア→ランスロット:元臣下、裏切られた関係、両者共に悔恨。
アルトリア⇔ガウェイン:元臣下、叔父(叔母)と甥
ガウェイン⇔ランスロット:円卓の騎士仲間、肉親の仇、関係最悪
鳴神⇔花村:親友
門矢士→火野:破壊対象
火野→士:知らない
雪輝→みねね・バックス:敵対及び時々協力関係
太公望⇔妲己:宿敵、憎めない関係
キャス孤→妲己:狐仲魔、INRAN狐☆
ラグナ→シーン:仲間
ラオウ⇔トキ:実兄弟、北斗真拳伝承候補者
枢木スザク⇔ルルーシュ:親友、敵対及び協力関係

323マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/01(日) 22:36:19 ID:.rSPHoiw0
このランサーコンビいいですねw
他の投下作次第ではみねね&ライダー組と交換したいですね!
今はまず、他の投下作も見たいですので今後次第で。

324 ◆Mti19lYchg:2012/01/01(日) 22:44:28 ID:IgcyUw4M0
>>304
投下乙です。Hail 2 U! 阿部さんは幸あれというか地獄に逝けって感じですがw

>>319
投下乙です。でたなホンダム(ゲッターロボアーク最終回風に)。

投下したかったけど時間が間に合わなかった人に朗報です。
もしかしたら自分の投下したナノカ、まほろ組を放棄するかもしれません。
トリスティアという作品は古い上マイナーなため、自分以外誰も続き書けないんじゃないかと思い、最後まで投下を躊躇いました。
ファイアーエムブレムの攻略サイトみたいに会話のテキスト写しはしてあるので、それを提供すれば書いてもらえるかもしれませんが、
そういう作業みたいなSS書きは苦痛でしかないでしょう。
というわけで皆様ふるってご投下ください。

325 ◆YFw4OxIuOI:2012/01/01(日) 22:49:25 ID:FU6TztvE0
あー、わかりづらかったので補足を。

>>320
>>278 でアシュナードが言ったのがその答えです。
ルルーシュ&ガウェイン組と同じく、彼も生きたまま直接聖杯の召集を受けてます。
ただし、ゼフィールの場合は肉体ごと取り込まれてますから、元の世界では行方不明扱い
となっていることでしょう。

故に反英雄として英霊化した訳ではなく、ただの人間のマスターとして電脳空間にいます。

326No. ◆OktYLfxDLQ:2012/01/01(日) 23:39:40 ID:zI6CfM6o0
目まぐるしく変わる世界の中で、それでも変わらないものがあるはずだった。
小さな犯罪が起きてはいても、世界は概ね平和だった。

たとえ、誰かが、いなくなったとしても。

あの人は凄く満足そうな顔をしていた、と言った。
実際銀河の破滅を防ぎ、宿敵にも決着をつけ、そのまま燃え尽きたという具合だろう。
彼の選択を否定するつもりはない、むしろ尊敬している。男はこうでなくてはならない。
でも、自分はまだまだ子供で――家族同然の人の死、いや、“いなくなったこと”を認められるほど人間ができていなかった。
『馬鹿野郎…………』
先日実父のお見舞いに行った。順調に回復しているようだった。
あの店も好評なようだ。彼がいなくなってからアパートも飛び出して、店には一度も顔を出していないのだけれども。
変わる世界の、変わらない日常。そこから弾き出された彼。
『キャプテン・ファルコンは不死身なんじゃなかったのかよ……!」』


そう思いながらベッドに身を投げ出した所までは覚えている。まで“しか”覚えていない。
何か大聖堂のようなところで神父がごちゃごちゃ言っていたような気がする。
もうひとつ覚ているのは“願いを叶える”という魅力的な言葉。

夢でないことを確認したのは、右手のあまりの熱さに目が覚めた所だった。


「起きたか?」
「な、なんだよお前!」
「俺はエフラム、お前の呼び声に応じて現界したランサーのサーヴァントだ。しかしマスターは華奢、というよりまだ子供だな」
「アレ、夢じゃなくて本当だったのか!」
「ああ、本当だ」
「本当に願いが叶うのか?」
「他の24組の“死”を捧げればな」
そんなこと、あの人は望みはしない。
もし現実になったら、あの人はます倒すべき悪として自分を討つだろう。
それにあの人は、笑顔だったというではないか。

「聖杯戦争、だったか? 俺はそんなのには乗ってやらねぇ」
「扉を抜けたということはそれ相応の覚悟があったはずだが」
「ああ、だから今の俺の望みは――――『聖杯戦争をぶち壊しにしてやる』ことさ! あの人の生き様を踏みにじらせやしない! いいよな、エフラムの兄ちゃん?」
「兄ちゃん、か……フフ、心得た。悪くない判断だ、マスター。戦闘はこのランサーに任せておけ。お前はただ大局を見据えていればいい」
「ヘヘッ、こう見ても分析やコンピュータはそんじょそこらのハッカーやクラッカーとは一味ちがうんだぜ? そっちこそサポートは俺に任せとけ!」


【参加者No:クランク・ヒューズ@F-ZEROファルコン伝説】
【サーヴァント:ランサー(エフラム)@ファイアーアムブレム聖魔の光石

327No. ◆OktYLfxDLQ:2012/01/01(日) 23:42:42 ID:zI6CfM6o0
ぐああああああああ、
また投下&終了宣言を忘れてました!

これじゃ破棄されても文句は言えませんね……

328マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/02(月) 00:39:14 ID:PZ8AjGXs0
サーヴァントステータス例。(名簿より流用)

玉藻の前

人物背景
平安時代初期、
鳥羽上皇に仕えた絶世の美女。
白面金毛九尾の狐が化けた姿とも言われている。
幼名は藻名(みずくめ)。
十八歳で宮中に仕え、のちに鳥羽上皇に仕える女官となり、
玉藻の前と名乗った。
その美貌と博識から次第に鳥羽上皇に寵愛されたという。

諸説様々だが、その後、鳥羽上皇は病に伏し、
その原因を調べた陰陽師によって狐の正体を暴かれ、
宮中から追い払われた。
宮中から追い払われた後は那須野で悪名を重ね、
上皇からの命によって八万もの討伐軍を派遣されるもこれを撃退。
二度目の戦いにおいて人間に敗北するも、
その骸は毒を放つ石になったと言われている。

パラメーター
筋力E 耐久E 敏捷C 魔力A+ 幸運E

・陣地作成C 
・呪術EX
・変化A


宝具
「水天日光天照八野鎮石(すいてんにっこうあまてらすやのしずくのいし)」
玉藻の前が身につける鏡。
玉藻鎮石と呼ばれる神宝の中の神宝を一時的に解放したもの。
神宝の力により、魔力と呪術を驚異的に高め、
無制限に連続発動させる事ができる結界を展開する。

329名無しさん:2012/01/02(月) 01:09:12 ID:4hXC7nSo0
>>296
質問です
本人の自体及び交換という形で推薦とのことですが
予想以上にクラスが偏ったので、その調整として一組変えたいペアがあります
なので自分が投下した作品を取り消して新たに別の作品を投下するということはできますでしょうか?

330名無しさん:2012/01/02(月) 01:26:54 ID:AnYTR1Nk0
士郎や凜は判るがどういう基準で外道神父は選んだのか首をかしげる人選もいるなあ
阿部さんとかw

331 ◆BKUvL3qgtY:2012/01/02(月) 01:31:30 ID:TeoEZyeE0
>>330
阿部さんの願いが『この世にいる全ての男をガチホモにしてくれ』だったら恐ろしいことになるぞ……。


>>102の切嗣なんですがOPで言峰が出演しているのにその辺りの言及がないのは不自然かと。
主催に言峰がいるのなら不信がるはずですし。

332名無しさん:2012/01/02(月) 01:43:06 ID:AnYTR1Nk0
>>331
まあ、男性参加者への嫌がらせの為だけに選んでみましたw
でも済みそうだけどねw

333マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/02(月) 01:47:18 ID:RqzFVSvIO
自分の作品を破棄、交換する場合は
他の方と同じく1月3日迄にお願いします。

334マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/02(月) 01:50:55 ID:RqzFVSvIO
追記。
自作を交換するのは書き手につき一回迄にします。
それ以上の場合は破棄かつ、また先着順での投下と交換にします。

335 ◆3Yo9gNrp3A:2012/01/02(月) 01:55:04 ID:0rrGkXKQ0
>>328
出来れば二次キャラサーヴァントのステータス例も欲しいです
後保有スキルの詳細も書けたら書いた方が宜しいですか?

336 ◆BKUvL3qgtY:2012/01/02(月) 03:28:19 ID:TeoEZyeE0
投下します

わーい、3日まで時間があるー。
あと何作品くらいか投下できればいいが……

337 ◆BKUvL3qgtY:2012/01/02(月) 03:29:39 ID:TeoEZyeE0
『ランサー、私は貴様に全てを奪われた。愛する女も、魔術師としての栄光も…。 お前が来てから、全てが狂った――』


生前果たせなかった無念を抱き、もし二度目の生というものがあるのなら、今代こそは心に残した忠誠を尽くしたい……。
その想いだけを胸にフフィオナ騎士団の随一の戦士、“輝く貌のディルムッド”は聖杯戦争に参加した。
――だが、その果てに待っていたものは主への忠義、騎士の誇りすら貫けぬ絶望。


『裏切り者めが…。許さぬぞディルムッド――ッ!』


生前の主、フィン・マックール。その妻となるはずだったグラニア。
主君であるフィンを裏切りグラニアと共に愛に生き、それにより主君に見殺しにされた彼であるが、忠義より愛を選んだ己の行動に後悔はなく、自分を見殺しにした主への恨みもない。
しかし自身の犯した罪は二度目の生においても付いて回った。
新たなる主、ケイネス・エルメロイ・アーチボルトとの不仲。グラニアと同じく恋に溺れたソラウ・ヌァザレ・ソフィアリ。
生前と同じ不幸が、生前以上の恥辱がディルムッドの騎士としての全てを否定した。


「貴方が――私のサーヴァントですね?」


二度目の生が終わった後、再びディルムッド・オディナは聖杯を求める戦いへと喚び出される。
その傷心を癒す暇もなく、座へと帰還するその最中に。

――剣を預けることになる、新しき主は女だった。
やや長身だがそれもその美を引き立たせる程度に収まり、腰まで届くブロンドの髪はしとやかで、赤銅を思わせる瞳は澄み渡っている。
顔の造詣も整っており、肌も肌理細やかで白い。 歳はまだ成人にすら達していないだろう。

だが主としては不足。マスターの実力、人物像に不満があるわけではない。
『女』であること。その一点だけがディルムッドの心を曇らせた。


「はい――主よ――。ディルムッド・オディナ、此度の戦い、ランサーのクラスとして招きに応じた。なんなりとご命令を――。」


彼に科せられた魔貌の呪い。ディルムッドにすら制御できぬ、乙女を惑わす魅了の黒子。
マスターからの魔力がほとんど供給されないことから、この新たな主は魔術の薫陶を受けたことのない者だろう。
そうなれば新しき主が求めるは、騎士としての己ではなく恋人としての己。

338 ◆BKUvL3qgtY:2012/01/02(月) 03:36:04 ID:TeoEZyeE0

主である者と情交を働く――それも恋の末ではなく、魅了の呪いのために。
――そんなものは断じて騎士、ディルムッド・オディナが許容できるものではない。
これより至る道は主からの求愛を拒み続ける辛苦の日々。二度目に続き三度までもディルムッドの求めは聖杯に叶えられなかった。

愛よりも忠義を――。ただそれだけの願いにすら手が届くことはない。


「――貴方は、この聖杯戦争をどう捉えていますか?」


主からの予期せぬ問いをディルムッドは推し量る。
この新たなる主はなにを問うているのだろう?
主の求める答えを模索するがそんなものは見つからない。


「我が槍は全て主のために――。私はただ、騎士として貴女に忠誠を尽くすのみ……。」

「――なら貴方は、私がこの戦いを止めたいと言っても、その力を貸してくれますか?」


これはまた奇妙な問いである。
この女性は聖杯で願いを叶えるのではなく、それに必要な選定の儀そのものを覆そうと考えているのか?


「――無論。主が闘争を拒み平和を望むというならば、騎士としての誇りに賭け必ずや主の期待に応えましょう…」


女は微笑む。――よかった、と。
華が咲いたようなその笑顔に、ディルムッドは安堵すると共に腑に落ちないものを感じた。
強力な魅了の呪いを受けているにも関わらず、この少女は女としてではなく主として振舞おうとする。
だが女性である限りこの呪いからは逃れることはできない。ディルムッドは陰欝とした感情を拭えぬままに、傷ついた誇りを癒すこともなく忠を誓う。


――ディルムッド・オディナは知らない。
この新たなるマスターを名乗る美しい少女、宮小路瑞穂が―――実は男であるということを……。



【参加者No.? 宮小路瑞穂@乙女はお姉さまに恋してる】
【サーヴァント:ランサー(ディルムッド・オディナ)@Fate/Zero】

339 ◆BKUvL3qgtY:2012/01/02(月) 03:46:35 ID:TeoEZyeE0
投下終了。
サーヴァントステータス


蘇 妲己

◇人物背景
金鰲島出身の仙女であり、中国殷王朝末期の殷の皇后。 義理の妹に胡喜媚、王貴人が存在する。
紂王に寵愛され、妲己のいうことなら、紂王は何でも聞いたという。
男女を裸にして互いに追いかけさせ、長夜の飲をなし。
酒をそそいで池とし、肉を掛けて林とするなど贅沢三昧の生活を送り紂王を堕落させた。
それを咎める者は炮烙、蟇盆を持って処刑し民を苦しめ、最終的には殷王朝を滅ぼす原因となった。

殷王朝崩壊と共に捕らえられたとあるが、処刑される直前まで処刑執行人や諸侯、
仙人であるナタクや楊ゼンまでもがその美貌に参って首を落とすことが出来なかったという。
――白面金毛九尾の狐の悪女、毒婦としての一面であり、伝承は諸説あるが、この妲己はそのいずれとも異なる結末を辿ったらしい。

◇ステータス
筋力D 耐久D 敏捷E 魔力A+ 幸運A+

◇能力
陣地作成:A
 魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。
 “工房”を上回る“神殿”を形成することが可能。

道具作成:A+
 魔力を帯びた器具を作成出来る。
 縁のあるものならば宝具の作成すら可能。
 

◇保有スキル
魅了:B
 傾国の美女。他者を惹きつける見目の美しさ。
 魔性の美貌により老若男女を問わず惹きつけ傀儡とすることが可能。
 ただし頑強な精神力を持つ者には効果は薄く、対魔力スキルで回避可能。
 一国を傾けるにはBランクで十分と言える。

『傾世元禳(けいせいげんじょう)』、『五火七禽扇(ごかしちきんおう)』、『金霞帽(きんかぼう)』

340 ◆BKUvL3qgtY:2012/01/02(月) 03:49:29 ID:TeoEZyeE0
宝具としては『傾世元禳(けいせいげんじょう)』、『五火七禽扇(ごかしちきんおう)』、『金霞帽(きんかぼう)』の3つを所有。
その他スキル、宝具詳細情報、共に不明。




こういうのってほとんど自己満足だし、あくまで目安おまけ程度って感じで。

341マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/02(月) 17:02:40 ID:vPNktDLw0
一部参加者、主にFateと未来日記を中心に参加者情報を更新してみました。
この手の更新は時間がかかる為、遅々とする事はご勘弁下さい。

342名無しさん:2012/01/03(火) 02:34:05 ID:MQMB.Hxs0
3日で締切?
それとも3日の内ならまだいいの?

343名無しさん:2012/01/03(火) 02:56:27 ID:daBEMxWcO
現時点の各自の目的・思考

・聖杯を破壊する、殺し合いを阻止する
衛宮士郎、花村陽介、ナノカ、金田一、ルルーシュ、泉こなた、遠坂凛

・聖杯を入手する、殺し合いに参加する
鳴上悠(P4主人公)、枢木スザク、園崎詩音、ジョン・バックス、間桐慎二
衛宮切嗣、間桐雁矢、雨流みねね、天海陸、近藤剣司、アシュヒト=リヒター
金城優、ラグナ、匂宮出夢、ゼフィール

・現時点不明
天野雪輝、名無鉄之介、羽瀬川小鳩

344マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/03(火) 04:03:03 ID:NaE0C5xYO
本日の間まで有効です。

345 ◆BKUvL3qgtY:2012/01/03(火) 06:59:40 ID:/7eXeIEY0
投下します

346 ◆BKUvL3qgtY:2012/01/03(火) 07:00:36 ID:/7eXeIEY0
投下します聖杯より与えられたマイルーム、マンションの一室。
主の私室であるその部屋のベッドに二人の男女が存在した。
互いに会話はない。真名を除けば最低限の来歴、クラス名の交換程度は済ませた。
互いに抱きしめあうわけでもない。まだそのような仲ではないし、二人はあまりにも違いすぎる。

男はベッドに寝転がり、どこからか持ってきたのか美術書を読みふけり、
少女は膝を抱き、終わることなき苦悩に目を伏せていた。

アーチャーのサーヴァント、ディオ・ブランドー。そしてその主――鹿目まどか。


「――なぁ……マドカ。君はいつまで悩み続けるつもりだい?」


サーヴァント……アーチャーが美術書を閉じ、マスターである少女に語りかける。


「君の友達のことは、とても残念なことだったと思う。
 マミ、サヤカ、キョウコ――彼女たち魔法少女の戦いは、私にはとても想像がつかないほど過酷なものだったのだろう。
 それが自分の友達だったら私だって傷つく。もう立ち直れなくなるかもしれない」


――アーチャーの言葉はあくまで甘く優しい。


「魔法少女となり、不幸になった彼女たちを救いたい……それが君の願いなのではないか?
 自分で言うのもこっ恥ずかしいんだが、私は最強のサーヴァントだと自負している。
 君の命令さえあれば一晩で全員を倒すことも可能だろう。
 それなのになぜ君は迷うんだい? 願いはすぐにでも叶うというのに」

「――わからない。わからないよ……。 だってそれは、他の人をみんなやっつけて、そうやって叶える願いだよ!?
 そんなこと……ダメだよ……。ぜったい……よくないよ……」


少女――鹿目まどかは決意しきれていない。
夢のようであった聖杯戦争への誘いに応じても、そこからのさらに一歩が踏み出せない。
他者を殺戮することで願いを叶える。 友達思いの心優しき少女にはとても踏み出せる道ではなかった。
きっと多分それは――正義の味方を志した親友、美樹さやかを裏切ることになってしまうと思うから。

アーチャーはまどかの傷だらけになりながらも、今だ壊れぬ心に敬意を持って接する。
だからこそこの話をするのだ。 彼が今だ抱き続ける夢を――。


「『天国へ行く方法』があるかもしれない――」

347 ◆BKUvL3qgtY:2012/01/03(火) 07:01:50 ID:/7eXeIEY0
『天国』。神や天使などがいて、清浄とされる、天上の理想の世界。
信者の霊魂が永久の祝福を受ける場所。
死後到達できるという理想郷。


「――死ねってことなの……?」

「いや、違う。私の言ってる『天国』とは『精神』に関する事だ。
 テレビや宗教なんかのインチキじゃない。本当だぞ?
 そもそも死んで『天国』に到達できるなら、私は今だこうして未練がましく英霊なぞやっていないさ」


アーチャーはようやく顔をあげたまどかに向き直ると穏やかに、夢を語る少年の声音で続ける。


「死ねって事じゃあないんだ。
 精神の「力」も進化するはずだ。
 精神の向かう所……そしてそれの行きつく所って意味さ。
 本当の幸福がそこにはある……『天国』へ行く事ができればな」

「……マミさんや杏子ちゃん、さやかちゃんも幸せになれるの――?」

「あぁ……君も含め、彼女たちも必ず救われる。私はこの方法こそが唯一全人類を幸福に導く方法だと確信している。
 ――幸福とは、無敵の肉体や、大金を持つ事や、人の頂点に立つ事では得られないというのはわかっているね?
 真の勝利者とは、『天国』を見た者の事だ…………。
 聖杯を手に入れ、私はそこへ行く」


アーチャーの『天国』の話は、聖職者でもないまどかには難しすぎたかも知れない。
何度もアーチャーの『天国』という言葉を半濁し、ようやく理解しかけたもののまどかは苦悩し続ける。

わからない。わからない――。わからない……。 

自分の成すべきことは? 自分は正しいのか? どうすればいいのか?
答えは出ない。長い思慮の果てにそれは見えない。


「だがマスターからの命令がない以上、私もその夢を諦めざるえまい。
 まぁ、幸い……君はさほど目立つ容姿をしていない。普段通り昼は学校に行き、夜はここで就寝する。
 それならば他のNPCと見分けもつかず、他の参加者に狙われることもないだろう。
 かえって私が近くにいては、マスターと悟られるかもしれんしな……。
 ……そう急ぐこともない。ゆっくりと考えてみればいいさ――」


それだけ言い残すとアーチャーは霊体化しまどかの前から姿を消した。
まどかは広くなってしまったベッドに横たわり、明日のことについて考える。

学校――聖杯戦争――サーヴァント――天国――。
さやかちゃん、マミさん、杏子ちゃん、ほむらちゃん――。

戦いという非日常に身を置きながらも、まどかは今だそれに染まることもなかった。
さほど仲がいいわけでもない、黒髪の少女のことをなぜか思い出しながら、少女はまどろみの中に沈んでいく。

348 ◆BKUvL3qgtY:2012/01/03(火) 07:02:32 ID:/7eXeIEY0


………………………………………



まどかが居を置くマンションの屋上……給水塔の上に立ち、吸血鬼DIOは夜の街を眺める。
――よく出来ているが全てが偽物。昼の賑わいも夜の星々の灯りも全てが虚構。
実を言うとDIOは……まどかに対しほとんど自分のことを話してはいない。
せいぜいが幼少期貧民街で生まれ育ったこと、そして父親に恵まれなかったということぐらいだ。
あまり話したくない過去だった。だがもちろんいくつか虚言も交えているし、あれはまどかの同情を引きたかったという面が大きい。
あの優しすぎる少女からの信頼を勝ち取るには、こういう手段も必要になろう。

魔女、魔法少女という異能の世界を垣間見たという点以外は、ただの少女に過ぎないまどか。
とてもじゃないが戦いに向いているとは思えない。ああいう人種は利用され骨の髄までしゃぶられ捨てられる類の人間なのだ。
マスターの乗り換えも考えたが、かえってああいう女は躾ければ素直に言うことを聞くようになるかもしれない。
それに聖人のように清らかであり続ける彼女が、いったいどのような道を選びとるかも興味はある。しばらくは退屈しのぎ程度にはなろう。

夜はマスターの就寝を待ち、、有象無象の輩を早いうちに減らしておくこととする。
単独行動は弓兵の得意分野……。アーチャーはマスターを伴わず、ただ一人で夜の戦場へと跳ぶ。



【参加者No:鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】
【サーヴァント:アーチャー(DIO)@ジョジョの奇妙な冒険】

349 ◆BKUvL3qgtY:2012/01/03(火) 08:08:05 ID:/7eXeIEY0
すいません、投下終了宣言忘れてました。

以上、投下終了です

350マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/03(火) 11:11:39 ID:NaE0C5xYO
自分のみねね&ライダー組を破棄し、
まどか&アーチャー組と交換します。

ライダー過多なのもありますが、普通にこの組み合わせに惚れましたw

351名無しさん:2012/01/03(火) 12:38:09 ID:o4yBJhqIO
投下乙です。まどかにアーチャーとはまた皮肉な・・・弓兵というか金ぴか寄りのタイプだとか言わないw

352 ◆3Yo9gNrp3A:2012/01/03(火) 12:47:46 ID:N8ubpS0M0
園崎詩音・美樹さやかの参加者情報を更新してみたので、
問題点などがありましたら指摘をお願いします。

まどか参入ですかw
さやかちゃんと会うときが怖いな

353名無しさん:2012/01/03(火) 13:36:53 ID:BLCoQf/MO
>>352
【ステータス情報が更新されました】か。

354 ◆3Yo9gNrp3A:2012/01/03(火) 14:01:15 ID:N8ubpS0M0
>>353
そうですね。
Wikiの方で更新させてもらいました。

355名無しさん:2012/01/03(火) 16:16:56 ID:YZuZcO6c0
まどか&アーチャー、面白い組み合わせだとは思うがクラスは合ってるのか?
時止めナイフ投げから?

356名無しさん:2012/01/03(火) 16:43:54 ID:teKhijqs0
ここで一話ほど書いた者だけど質問
サーヴァントの宝具とかステータスとかこっちで決めといていいの?
ステータスとかはクラスの割に妙に強くなりそうだし宝具とかもよく分からんのだが
そもそも宝具があるのかも分かんないけど

357マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/03(火) 17:07:16 ID:a0HOyn2w0
>>356
ステータスは出来ればご自分でお考え下さい。
但し、強制では有りません。
宝具に関しては本人の特性を強化したものでも結構です。

尚、開始移行に宝具やステータスの設定が登場話書き手により
長期間、設定されなかった際に他の書き手により
設定された際はそれをご了承下さい。

358名無しさん:2012/01/03(火) 17:26:18 ID:teKhijqs0
>>357
了解しました
プロフィールも含めて考えておきます

359 ◆YHOZlJfLqE:2012/01/03(火) 18:30:50 ID:NAaOTt720
そろそろ打ち止めっぽいので
自分のラグナ&シーン組を破棄し、イリヤ&忠勝組と交換します

360名無しさん:2012/01/03(火) 18:41:47 ID:BLCoQf/MO
ステータスの最低値はE-ですか?
原作で冗談抜きで0な人書いたんですが。
やっぱりあまり変な数字にするとややこしいんで、英霊として昇華された時点で
ゼロからEクラスに上がったって事で良いですかね?

361No.15 ◆4OblpRmYos:2012/01/03(火) 18:50:11 ID:boMGeYjs0
太公望の参加者情報を更新しました。
宝具に関しては、原作fate SNに近い形にしてみました。
問題点等がありましたら、指摘していただければ幸いです。

362マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/03(火) 19:00:34 ID:a0HOyn2w0
>>360
最低値はE−でお願いします。
それ以下であっても取り敢えずはE−でw

>>361
詳細な設定ありがとうございますorz
私からは特に何もございません。

>>359
承りました。
こちらで変更させて頂きます。
ご判断に最大の敬意を払います。

363マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/03(火) 19:46:34 ID:a0HOyn2w0
本編開始時間は深夜(22:00〜0:00)からとして

・状態表について

【深山町・住宅街/深夜】
【言峰神父@Fate/Extra】
[状態]:健康

これだけで結構です。
思考や方針は最低限で構いません。

364マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/03(火) 19:53:08 ID:a0HOyn2w0
WikiのMAPを見ていただいた方は分かると思いますが、
敢えて非常に大雑把なものにしました。
これはマス目状にせずにある程度移動の自由などを考えてです。

大橋を基点として左側の深山町、
右側が新都となります。
深山町から新都まではバス等を用いて
約1時間ほどで往復できる距離です。

分かり難いという場合、出来る限り急いで分かりやすいものを用意します。

365 ◆YHOZlJfLqE:2012/01/03(火) 21:19:55 ID:NAaOTt720
最後の最後で一本できました

先月出たばかりのゲームの重大なネタバレ含んでますが、投下してよろしいですか?

366名無しさん:2012/01/03(火) 21:35:21 ID:lWa/nl660
いいよ

367 ◆YHOZlJfLqE:2012/01/03(火) 21:37:36 ID:NAaOTt720
 闇の書事件は終わった。
 防衛プログラムは破壊され、闇の書本体はリインフォース諸共自壊した。
 浸食ももう起こらず、後はリハビリをすれば足も元に戻るだろう。
 全てが終わり、これから先は平和な日常に戻る……

「……はずやったのになあ」

 そう車椅子の少女、八神はやてがぼやく。
 リインフォースの消滅を見届け、帰ろうとした矢先にこの事態だ。無理もないだろう。
 聖杯戦争。あの神父はそう言っていた。
 自分を含めた25組、その全てを殺し尽くすことで願いを叶えられると。
 だが、自分には愛する家族がいる。親友がいる。だからそんなものに乗るつもりは――――

「わっ!?」

 ――――と、そんな事を考えていると、不意に車椅子が大きく傾く。
 その傾いた方向を見ると、溝に車輪がはまり込んでしまっていた。

「あっちゃ〜、やってもうた……」

 そう言って頭を掻くはやて。
 車椅子ならこういう溝に車輪がはまって動けなくなる事はよくある事。なのでそれほど慌てる様子もない。
 ……だが、彼女は気付いているのだろうか? 殺し合いの場で、身動きの取れない子供などというのは格好の獲物であるという事に。
 彼女がその現状に気付いて慌てだすまであと5秒。
 それに気付いた白服の東洋人がはやてを助けるまであと10秒。

368 ◆YHOZlJfLqE:2012/01/03(火) 21:38:19 ID:NAaOTt720
「ホンマに助かりました。ホンフーさんが来てくれへんかったらどないなってたか……」

 はやてを助けた東洋人は、巫紅虎(ウ・ホンフー)と名乗った。
 気配を感じさせずに現れた見知らぬ人物に一瞬身がこわばるも、手を出さないどころか助けてくれた。
 そんな人物が乗っているはずがない。だからはやてもホンフーを信じた。

「いえいえ、マスターを助けるのもサーヴァントの務めですから」

 ――――はて、今何か聞き捨てならない言葉を聞いたような。
 確か聖杯戦争のルールは、参加者にサーヴァントと呼ばれるお供を一人つけた二人組で行うというものだったはず。
 そして、目の前にいるホンフーの発言。もしかして。

「――――え? ちょっと待って、私のサーヴァントってホンフーさんやったん!?」
「ええ、アサシンのサーヴァントとしてここに呼ばれたのよ」

 驚いてホンフーにそう問うと、あっさりと肯定した。
 クラスはアサシン。なるほど、それならば気配が全くなかったのもうなずける話だ。

「それで、マスター「はやてでええよ。マスターなんてなんか堅苦しくて嫌やわ」……はやて、あなたはこの聖杯戦争、どう動くつもりかしら?」

 一人納得していると、真顔になったホンフーがはやてに問いかけてきた。
 その顔にはさっきまでの雰囲気は無く、代わりに冷酷な暗殺者のような雰囲気が滲み出ていた。
 雰囲気に一瞬萎縮するも、はやての答えは既に決まっている。

「……私は、誰も殺さへんよ。ホンフーさんにも人殺しはさせへん」

 聖杯戦争には乗らない。それがはやての答えだ。
 乗ると考えていたのか、一瞬驚いたような顔をするホンフー。

「本当にそれでいいの? いなくなった大切な人を取り戻すチャンスなのよ?」
「それでもや。人殺しなんかして、それでリインフォースが戻ってきたとしても、私は一生後悔する」

 生まれも育ちも全く違う二人だが、ある一点においては共通していた。
 それは、目の前で大切な人を失っていたという事。形は違えど、それだけは一致している。
 その事を聖杯からの知識で知っていたから、はやてが乗るのではないかと考えていた。
 ただ、はやてとホンフーには違いがあった。大切な人を取り戻す為に、他者を犠牲にするのを良しとするか、否か。

「せやから、私は殺し合いなんか絶対せえへん。ホンフーさんには悪いけどな」

369 ◆YHOZlJfLqE:2012/01/03(火) 21:38:52 ID:NAaOTt720
 だから、はやては聖杯戦争に乗らない。
 仮にそんな事をしてしまっても、誰一人喜びはしない。たくさんの恨みと悲しみが生み出されて、それで終わりなのだから。
 その答えを聞いてから数秒、ホンフーがため息を一つつき、それと同時に暗殺者の雰囲気を霧散させる。

(……たまには、ぬるま湯に浸かるのもいいかもね)

 そう思い、再びさっきまでのイタズラ好きなホンフーの雰囲気に戻った。
 その顔には、いつも浮かべている笑みが戻っている。

「なら、私はあなたに協力するわ」

 魔球少年と会ってからの一年で、少し性格が変わったのかもしれない。
 いずれにせよ、ホンフーははやてに力を貸す事を決めた。

「え、でもホンフーさんはそれでええの?」
「いいのよ。マスターを助けるのはサーヴァントの務めだし、それに……」

 それに……サーヴァントは、英雄と呼ばれるような者達が召喚されたものだ。
 ならば、英雄達の中に超能力者がいないとも、その中の誰かが自分の探している能力の持ち主でないとも限らない。
 だから、それを得られれば願いは叶ったも同然なのだ。

「それに?」
「……それに、一組くらい私達のようなチームがいてもいいじゃないですか」

 ――――とまあ、様々な理由を挙げたが、一番の理由はあの魔球少年とはやてがどこか似ているからかもしれない。
 理由は違えど一度折れかけ、それでも家族や友達のおかげで立ち直れたこの二人が、ホンフーの目にダブって映ったから。
 他のジャジメント幹部に言わせれば「甘くなった」「弱くなった」とも言われるかもしれない。
 だが……たまにはこういうのも悪くない。

「あ、そういえば大事な事を忘れとったわ」
「奇遇ですね、私も大事な事を忘れてました」


「――――私はホンフーさんのマスター、八神はやて。改めてよろしく、ホンフーさん」
「――――私はアサシンのサーヴァント、巫紅虎。改めてよろしくね、マスター」


【参加者No.?:八神はやて@魔法少女リリカルなのはA's】
【サーヴァント:アサシン(巫紅虎)@パワプロクンポケット】


 ……なお、これは完全に余談だが、ホンフーは男である。
 見た目はほとんど女だし、言葉遣いも女だが、男である。無論はやては気付いていない。

370 ◆YHOZlJfLqE:2012/01/03(火) 21:39:15 ID:NAaOTt720
投下終了
野球ゲームのキャラなのにコピー能力持ちの凄腕暗殺者とかどういうことなの…

371名無しさん:2012/01/03(火) 21:48:44 ID:lWa/nl660
乙です。
パワポケだから仕方ないね。だってパワポケだもの

372名無しさん:2012/01/03(火) 22:13:27 ID:j4zCL/Xw0
さて、残り時間が迫ってきたがそろそろ終わりか?
複数書いた人は本命をこれに決める最終調整もあるだろうが

373名無しさん:2012/01/03(火) 22:39:05 ID:o4yBJhqIO
投下乙です!
ジャンル:パワポケ故に致し方無し。はやてはリインと再会出来るか否か・・・

374 ◆4CBvVBAn6Y:2012/01/03(火) 22:55:02 ID:0u9ba8.Q0
遅れてすいませんが投下させていただきます。

375 ◆4CBvVBAn6Y:2012/01/03(火) 23:03:07 ID:0u9ba8.Q0

扉を抜けた先には深海が広がっていた。

しかしそんなテレビでしか見ることができないであろう景色にも私――巴マミはまったく心を動かさなかった。

「―――――――」

そんな景色をよそに私は迷宮(ダンジョン)を歩く。



◇    ◇    ◇


――――ソウルジェムが魔女を産むのなら――――



美樹さんが魔女になった。
暁美さんが言ったことは確かに正しかった。

本当に、本当に正しかった。
だから美樹さんを魔女にしたのは私の――――



――――みんな、死ぬしかないじゃない――――



◇    ◇    ◇



思っていた以上に簡単な一本道だ。
魔女の結界のように複雑なものかと思っていたが景色も道もシンプルである。

376 ◆4CBvVBAn6Y:2012/01/03(火) 23:04:00 ID:0u9ba8.Q0



―――みんな、死ぬしか―――――

心のどこかでは
何か手段があったと思いたかった。

QBが、暁美さんが、もしかしたら―――
けれど思慮を巡らす暇もなく契約の「願い」をかなえてしまった私は手段を模索して、


奇跡に、手を伸ばした。





「ここは・・・・。」

歩いているうちに大きな広場に着いた。
それにしても誰も―――


「――ッ!」


殺気を感じ、とっさに魔法少女に変身し、その場を離脱。

殺気の正体は人型の―――人形だった。


「これがサーヴァント・・・かしら?」

確かに人形は人間とも魔女とも違うようだ
だが

「―――!」

「どうやら私の従者ではないようね」

回し蹴りを避けながらリボンで人形を拘束しようと試みる。

「―――――」

拘束に成功。

「一気に決めるわよ!」

正面に巨大な砲台を生成する。
グリーフシードがなく、ソウルジェムの穢れを落とす手段がない今、あまり一人一人に時間をかけたくなかった。

「ティロ―――――――」

そう、穢れを落とす方法は、ない


「―――――あ」

瞬間、美樹さんのソウルジェムが鈍い光を放つ光景がフラッシュバックする。


そして――――その隙はあまりにも大きすぎた。

「・・・・・」

「ッ!拘束が――」

377 ◆4CBvVBAn6Y:2012/01/03(火) 23:04:19 ID:0u9ba8.Q0


渾身の回し蹴りがマミに襲い掛かる――――!




――――まったく、死人をおいそれとおこすなという――――



マミの命を狩らんとする回し蹴りが銀の一閃によって弾かれる。
同時に
「ッッ!」
右手に鈍い痛み。
これが―――サーヴァント

息をつく暇もなく人形は受け止められた反動を利用し、またも渾身の回し蹴りを放つ。


「極死」


それが呟かれた直後には何が起きたのかまったく理解が追いつかなかった。

召喚された彼は自らの武装を投擲し――


「――――七夜」


その一撃によって人形は地に伏した。


「潔く逝く者は、また速やかに逝く。」


それはあまりにも鮮やかで


「まあ―――誰かは知らないが俺を起こしたってコトは釤殺せ釤ってコトだよな?」
 

それは、本当に――――――



【参加者No:巴マミ@魔法少女まどか☆マギカ】
【サーヴァント:アサシン(七夜志貴@MELTY BLOOD】

378 ◆cIUsiwCzEw:2012/01/03(火) 23:41:11 ID:RFWQjRTM0
投下します

379 ◆cIUsiwCzEw:2012/01/03(火) 23:42:21 ID:RFWQjRTM0
閉じた世界から父を追って飛び出してきた青年を待っていたのは地獄だった。
まさか人のことを新鮮な肉などといって襲いかかってくるとは思いもしなかった。
そいつをバットで殴り殺した時の感触や断末魔は今でも忘れられない。
そして、理解した。ここはそういう世界なのだと。そこから青年は変わっていった。
世界に順応していったのかもしれない。初めは抵抗もあった。
次第におかしな方向に曲がった死体が面白くなった。
グレネードをこっそり相手のポケットに忍び込ませ爆発させて遊んだ。
街中で殺しや盗みをしても騒ぎにならなければどうとでもなった。気がつくと青年は善である、という点を除けば無法者、レイダーたちとなんら変わらなくなっていた。
父を捜す、という目標も忘れて、世界を放浪していた。
そんな中父を見つけたのは本当に偶然。偶然立ち寄った故郷に似た施設。
そこにいた機械の言われるがまま怪しい装置に座るとそこにはのどかな仮想世界が広がっていた。
どうやら父を捜しに来たと勘違いしたらしい世界の創造主は青年に無理難題をふっかけた。
あいつを泣かせろ だのあいつを面白おかしく殺せ だの普通ならば良心が痛んで出来ない悪趣味な依頼だったが彼はむしろ楽しんでより面白く殺すため頭を働かせた。本人にその自覚はなかったが。
世界の創造主を満足させ現実へと戻ると父がいた。父には夢があった。そのために故郷を抜け出したらしい。夢を語る父は輝いていた。そんな父を見ていると胸が苦しくなった。父は自分にも夢のため、協力してほしいと言ってくれた。
だが、今更こんな自分に何ができるというのか。
核の落ちた世界にに体ではなく心を汚染されてしまった自分にこの人についていく資格はない。
青年は父の申し出を断った。父は名残惜しそうだったがとっとと夢のため、走って行ってしまった。
その背中を青年は自分ではなぜかわからないが悲しい気持ちで見送った。

次の瞬間、どこからか男の声が聞こえてきた。







扉をあけると机がきちんとたくさん並んだ綺麗な部屋にいた。どうやらここは学校らしい。

380 ◆cIUsiwCzEw:2012/01/03(火) 23:44:07 ID:RFWQjRTM0
…正直あまりいい思い出はない。初めて世界のルールを理解したのは荒れ果ててレイダーの巣になった小学校だった。もっとも、またあの悪趣味な死体のオブジェを見てももう何も感じないだろう。…こんなことを思い出している場合ではない。右手を見てみると、あの男の言った通り、令呪とやらがpip-boyの代わりに輝いていた。pip-boyがないのは、痛いなと考えていたその時、
「おぬしが我らのマスターか」
後ろにいた男が声を掛けてきた。
「ああ。そうみたいだ。おまえは?」
「この者の名はカイム。ライダーのクラスとしてこの戦いに召集されたようだな」
と、自己紹介した男は暗い色をした目が特徴的だった。そしてその目を隠す長い前髪、血のこびりついた胸当てや剣もどこか暗い印象をあたえた。そして、気になることが二つあった。
「どんな手品だ?口も動かさずに喋るなんて。それに、我らとかこの者って?」
「それを説明するにはここは少し窮屈だな。外に出るとしよう」
道中の廊下で契約者について簡単に聞いた。契約者は精霊などと契約し大切なものを失う代わりに絶大な力を手に入れられるらしい。
カイムの場合は声だったというわけだ。じゃあこの声は何なんだと肝心の事を聞こうとしたときに校庭についてしまった。


………………………………………




「我がこの者の宝具、レットドラゴンだ」
「なるほど。見たまんまだな」
校庭に出たかと思うといきなりカイムは手を天に掲げた。すると天空から赤い怪物が現れた。ヘビモスと同じぐらいの大きさだろうか?焼け残っていた漫画でこんな怪物を見た気がした。たしかドラゴンという名前だった。つまりこの怪物が彼が契約した精霊なのだろう。
「戦闘能力を確かめていいかな?」
「この者は剣を。我は炎を吐きだせる。見せてやりたいがどうやらここではカイムへの負担がいつもより大きいようだ」
「そうか。ならいい。出発する前に聞くがあんたにも願いがあるんだろう?」

381 ◆cIUsiwCzEw:2012/01/03(火) 23:47:13 ID:RFWQjRTM0
「なら都合がいい。僕は父の夢のため、戦う。今更何人の命を奪おうが関係ない。行くぞ」
「ああ」
(この者…夢を掲げてはいるが本質はカイムと同じ…まあよい)

レットドラゴン、アンヘルは本当の主にそっと話しかける。
「カイムよ。どのような状況であろうとおぬしと再び戦える…。我はうれしく思うぞ。」
カイムはこくり、と首を動かした。


彼らは似ていた。目的のための殺しががいつの間にか殺しのための目的へとすり替わっているのだ。そんな彼らの行く末は…

【参加者No.?:Fallout 3の主人公@Fallout 3】
【サーヴァント:カイム@DRAG ON DRAGOON 】

382 ◆cIUsiwCzEw:2012/01/03(火) 23:49:07 ID:RFWQjRTM0
投下終了です

383 ◆Mti19lYchg:2012/01/03(火) 23:50:04 ID:ZQSIeSkI0
ぎりぎりですが投下します。

384 ◆Mti19lYchg:2012/01/03(火) 23:53:46 ID:ZQSIeSkI0
そこは何もない空間。
巨大なステンドグラスと人形の他は何もない、ガラスで囲われた深海の様な空間。

そこで我妻由乃は死にかけていた。

止めを刺そうと、人形は仰向けに倒れた由乃に近づく。

天野雪輝を追い扉を潜った先で人形に襲われ、朦朧とする意識の中で由乃が考えていたのは、自分の心配ではなく、雪輝の安否だけだった。

「大丈夫かな、ユッキーもこいつに襲われてないかな……。
 私、絶対ユッキーを守るよ。何を犠牲にしても……」

混濁した意識は、これから自分の命が失われることにも気付けない。
傍から見れば滑稽極まる姿だ。その呟きは狂人の様な、だが聖人の様な矛盾する声色だった。

『それは自分も含めてか?』

「うん……」

唐突に聞こえた声を疑問に思わず、否、疑問に思う思考力も無いまま由乃は返答する。

『本当に、それでいいのか』

続いて語られる質問は穏やかな口調ではあったが、決して嘘を許さぬ響きがあった。

「……………………………………………………………………………………………………………………い……や…」

長い沈黙の果てに、言葉は由乃の涙と共に搾り出された。

「私だけが死ぬのは嫌、生き残るのも嫌よ!
 “また”失敗するのは嫌! 私は絶対ユッキーと結ばれるわ!
 私とユッキーだけが幸せになるのよっ!!」

それは身勝手な、だがそれゆえに純粋な心の叫び。
魂の慟哭は運命を歪め、一つの奇跡を生んだ。

385 ◆Mti19lYchg:2012/01/03(火) 23:54:18 ID:ZQSIeSkI0
由乃の叫びを無視し、人形が手を振り上げた瞬間、何かが人形に向かって射出される。

高速で撃ち出されたそれは、人形を四つ身に斬り裂いた。

「そうだ……それでいい」

そこに居たのは身長2メートルはあろうかという巨漢。
身体には喉元から臍下まで縦に、胸を横に十字を切る大きな腑分け後がある。
掌からは先ほど何かを発射したためか、血が滴り落ちていた。

「綺麗事しか言わないお人形さんに用はねえ。
 醜い本音でも全てさらけ出してこそ、オレのマスターとなるに相応しい」

サーヴァントはマスターの精神、魂に導かれ、召喚される。
我妻由乃の魂の慟哭に呼応したのは、同じ願望を持つ男。
記憶も精神も変貌し、別人と成り果ててもなお渇望する望み。

『自分と同じ存在の伴侶を得る』

それがこのサーヴァントの望みだった。

地に倒れ伏したままの由乃に、サーヴァントが近づく。
由乃は身を起こそうとしたが、右手の令呪が痛みだし、限界に近づいた身体が思考をシャットダウンさせようとする。

「オレはサーヴァント・アーチャー。真名はオレも知らねえ。
 ジョン・ドゥとでも呼んでくれ」

その言葉を聞き取るのを最後に、由乃は意識を手放した。


【No25 マスター:我妻由乃@未来日記】
【サーヴァント:アーチャー(ジョン・ドゥ)@エンバーミング】

386 ◆Mti19lYchg:2012/01/03(火) 23:54:54 ID:ZQSIeSkI0
投下終了です。
ユッキー出すなら由乃出さないと、と思ったのですが何のサーヴァントにするか悩み、時間ギリギリで閃いたコンビです。
自分のナノカ、まほろ組と交換します。どなたかの作品と交換しようとも考えましたが、アーチャー少なすぎ、アサシンとライダー多すぎですから……。

387 ◆4CBvVBAn6Y:2012/01/03(火) 23:59:42 ID:0u9ba8.Q0
投下乙です
大変申し訳ありません。投下終了宣言わすれていました。

388名無しさん:2012/01/04(水) 00:03:57 ID:bLPOfTZc0
皆さん投下乙でした!
最終的立場をまとめてみると

・聖杯を破壊する、殺し合いを阻止する
衛宮士郎、花村陽介、ナノカ、金田一、ルルーシュ、泉こなた、遠坂凛

・聖杯を入手する、殺し合いに参加する
鳴上悠(P4主人公)、枢木スザク、園崎詩音、ジョン・バックス、間桐慎二
衛宮切嗣、間桐雁矢、天海陸、近藤剣司、アシュヒト=リヒター、金城優
匂宮出夢、ゼフィール

・現時点不明
天野雪輝、名無鉄之介、羽瀬川小鳩、イリヤ(士郎と合流してから考える)
鹿目まどか

こうなりました

389マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/04(水) 00:14:48 ID:fv4cT7/I0
皆様、投下乙でした!

◆Mti19lYchg氏の投下と交換を最後に
今度こそ、参加者の抽選を締め切らせていただきます。

自分としても予想外の反響と結果で素直に嬉しく思っています。
色々と駄目な進行役ですが今後ともよろしくお願いします。

390 ◆3Yo9gNrp3A:2012/01/04(水) 00:36:44 ID:sqGl2Id.0
最終的な参加者をまとめてみました

セイバー:アルトリア(衛宮士郎)  ガウェイン(ルルーシュ) イスラ(天海陸)
     セリス(近藤 剣司)、テレサ(アシュヒト=リヒター) アストレア(金城優)
ランサー:クー・フーリン(P4主人公) アレックス(花村陽介) ホンダム(イリヤ)
アーチャー:DIO(まどか) ジョン・ドゥ(我妻由乃)
ライダー:門矢士(衛宮切嗣) 太公望(金田一一) 火野映司(泉こなた) ラオウ(間桐慎二)
     アシュナード(ゼフィール)
キャスター:キャス孤(雪輝) リインフォース(名無鉄之介) キンブリー(羽瀬川小鳩)
      蘇妲己(凛)
アサシン:ファニー・ヴァレンタイン(ジョン・バックス) トキ(間桐雁矢)
     “壊刃”サブラク (匂宮出夢)
バーサーカー:ランスロット(枢木スザク)、さやかちゃんでした!(詩音)

セイバー:6
ランサー:3
アーチャー:2
ライダー:5
キャスター:4
アサシン:3
バーサーカー:2

総勢25組 参加人数50名

391名無しさん:2012/01/04(水) 00:53:33 ID:bLPOfTZc0
>>388を訂正します

・聖杯を破壊する、殺し合いを阻止する
衛宮士郎、花村陽介、金田一、ルルーシュ、泉こなた、遠坂凛

・聖杯を入手する、殺し合いに参加する
鳴上悠(P4主人公)、枢木スザク、園崎詩音、ジョン・バックス、間桐慎二
衛宮切嗣、間桐雁矢、天海陸、近藤剣司、アシュヒト=リヒター、金城優
匂宮出夢、ゼフィール、我妻由乃

・現時点不明
天野雪輝、名無鉄之介、羽瀬川小鳩、イリヤ(士郎と合流してから考える)
鹿目まどか

この殺伐した雰囲気・・・救いは無いんですか!?

392名無しさん:2012/01/04(水) 03:43:49 ID:hFTebo0UO
マスターの思惑だけでなくサーヴァントの分も考えると・・・まさに戦争、カオスの極みかw

393名無しさん:2012/01/04(水) 10:38:08 ID:vEALpawc0
聖杯狙いでも願いがささやかなメンツが多いな。理解できずとも同情は出来るというか。
聖杯手にすると人類全てが悲惨なことになりそうなのはゼフィール組位か。

394 ◆MoyrepToUg:2012/01/04(水) 17:01:58 ID:klVaCM8c0
遂に全参加者決定ですね。
果たして切ちゃんはイリヤに出会ったらどうなるのやら……
イリヤの場合問答無用でホンダムをけしかけそうですがw


あと現在自分が執筆したサーヴァントのステータスを執筆中なのですが、
オーズの使用可能メダルにブラカワニとスーパータトバを含めるか否か
少々迷っております。
特にスーパータトバはおそらく参加者中唯一DIO様の能力に対抗できる
手段だと思うのでなおさらw

皆様のご意見お待ちしてます。

395名無しさん:2012/01/04(水) 17:35:25 ID:ux667t460
聖女嫌いのDIO的にまどかの性格をどう思うのか……

396名無しさん:2012/01/04(水) 18:01:27 ID:kxAJf1NcO
とりあえずトキとラオウのマスターに対する扱いが正反対で吹いたw
あとスザクにランスロット、ルルーシュにガウェインという狙い済ましたような組み合わせが個人的にツボだわ

397 ◆Mti19lYchg:2012/01/04(水) 18:25:53 ID:o9zzdoUY0
自分の由乃&ジョン=ドゥ組を少し修正してもよろしいでしょうか。
参戦理由に関わる重大な変更になってしまうのですが。

398マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/04(水) 18:47:36 ID:3DeIvTOsO
修正でしたら構いませんので
出来ればお早めにお願いします。

399名無しさん:2012/01/04(水) 20:32:01 ID:fxXVmu7.0
さて、二周目はどうなるか楽しみw
まあ、直ぐに戦闘にはならない可能性もあるが

400Cannibal Corpse ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/04(水) 20:53:57 ID:EMJORRqo0
宴の準備は整った。

塗り固められた理想郷。

彼の地へ主従は集う。

ある者は根を張り、

ある者は飛び、

ある者は惑う。

全ての願いは集った。

さぁ、血の祝祭を始めよう。

401マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/04(水) 20:58:17 ID:EMJORRqo0
という訳で2週目の予約を解禁します。
ここからは予約制です。
予約期限は1週間、延長の申請で更に1週間の最大計2週間とします。

予約の際には必ずトリップと予約する組を宣言してください。
尚、ここからは登場話書き手を優先はしません。
自分の予想から外れた展開になったとしてもそこは考慮下さい。

では、存分に殺しあいたまえ(某神父風

402名無しさん:2012/01/04(水) 21:16:14 ID:JzLb8L8A0
クラス別名簿

衛宮士郎&セイバー(アルトリア・ペンドラゴン)
ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア&セイバー(ガウェイン)
天海陸&セイバー(イスラ・レヴィノス)
金城優&セイバー(エンジェロイド・タイプΔアストレア)
近藤剣司&セイバー(セリス)
アシュヒト=リヒター&セイバー(テレサ)

鳴上悠&ランサー(クー・フーリン)
花村陽介&ランサー(アレックス)
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン&ランサー(本多忠勝)

鹿目まどか&アーチャー(DIO)
我妻由乃&アーチャー(ジョン・ドゥ)

衛宮切嗣&ライダー(門矢士)
間桐慎二&ライダー(ラオウ)
金田一一&ライダー(太公望)
泉こなた&ライダー(火野映司)
ゼフィール&ライダー(アシュナード)

遠坂凛&キャスター(蘇妲己)
天野雪輝&キャスター(タマモ)
名無鉄之介&キャスター(リインフォース)
羽瀬川小鳩&キャスター(ゾルフ・J・キンブリー)

間桐雁夜&アサシン(トキ)
匂宮出夢&アサシン(“壊刃”サブラク)
ジョン・バックス&アサシン(ファニー・ヴァレンタイン)

枢木スザク&バーサーカー(ランスロット)
園崎詩音&バーサーカー(美樹さやか)

403No.15 ◆4OblpRmYos:2012/01/04(水) 22:49:36 ID:3M/V6PZM0
金田一、ライダー(太公望)を予約します。

404 ◆MoyrepToUg:2012/01/04(水) 23:03:43 ID:klVaCM8c0
wikiの火野映司とホンダムのステータスを更新しておきました。

405 ◆Mti19lYchg:2012/01/04(水) 23:50:07 ID:o9zzdoUY0
No.25を修正しました。
参戦理由に関わる重要な変更ですので、こちらにも投下させていただきます。

406 ◆Mti19lYchg:2012/01/04(水) 23:51:12 ID:o9zzdoUY0
そこは何もない空間。
巨大なステンドグラスと人形の他は何もない、ガラスで囲われた深海の様な空間。

そこで我妻由乃は死にかけていた。

止めを刺そうと、人形は仰向けに倒れた由乃に近づく。

天野雪輝を追い扉を潜った先で人形に襲われ、朦朧とする意識の中で由乃が考えていたのは、自分の心配ではなく、雪輝の安否だけだった。

「大丈夫かな、ユッキーもこいつに襲われてないかな……。
 私、絶対ユッキーを守るよ。何を犠牲にしても……」

混濁した意識は、これから自分の命が失われることにも気付けない。
傍から見れば滑稽極まる姿だ。その呟きは狂人の様な、だが聖人の様な矛盾する声色だった。

『それは自分も含めてか?』

「うん……。私はユッキーが生き残ればそれでいい」

『誰を殺そうともか?』

「そうよ……。ユッキーは私を利用してくれればいいの」

唐突に聞こえた声を疑問に思わず、否、疑問に思う思考力も無いまま由乃は返答する。

『本当に、それでいいのか』

続いて語られる質問は穏やかな口調ではあったが、決して嘘を許さぬ響きがあった。

「……………………………………………………………………………………………………………………い……や……」

長い沈黙の果てに、言葉は由乃の涙と共に搾り出された。

「私だけが死ぬのは嫌、生き残るのも嫌よ!
 “また”失敗するのは嫌! 私は絶対ユッキーと結ばれるわ!
 私とユッキーだけが幸せになるのよっ!!」

『もっとだ。もっと……お前の本心を聞かせろ』

「でも分かってるのよ! 最後まで二人だけ生き残っても、ユッキーはきっと“前”みたいに私を殺せないわ!
 そして最後には聖杯に裏切られる! 聖杯もどうせ■■■みたいに不完全な力しか持ってないんでしょ!?
 それでもユッキーに褒めてもらえるなら、誰だって何人だって、■■だって殺せるし殺したけど、本当は、本当は――――――!!」

「何もかも無かったことにしたい!
 ■■■を手に入れてもユッキーを■■■■■ない、■■に移動しても世界の滅亡まで■■■するだけの、私の運命を壊したい! 
 未来日記のサバイバルゲームを壊したい! この殺し合いだって壊したい!
 パパとママを殺した私を消して、分かり合って仲良くなって、殺し合いなんか無くなって、私とユッキーが必ず結ばれる。
 そんな“機械仕掛けの神”が創ったような明るい未来が欲しいのよっ!!」

それは身勝手で矛盾する、だが純粋な心の叫び。

そして今、魂の慟哭は運命を歪め、一つの奇跡を生む。

407 ◆Mti19lYchg:2012/01/04(水) 23:51:32 ID:o9zzdoUY0
由乃の叫びを無視し、人形が手を振り上げた瞬間、何かが人形に向かって射出される。

高速で撃ち出されたそれは、人形を四つ身に斬り裂いた。

「そうだ……それでいい」

いつの間にか部屋の中央には、黄色い肌、赤い短髪に茶色くうるんだ左目を持つ男が居た。
身体には喉元から臍下まで縦に、胸を横に十字を切る大きな腑分け跡がある。
掌からは先ほど何かを発射したためか、血が滴り落ちていた。

「綺麗事しか言わないお人形さんに用はねえ。
 醜い本音でも全てさらけ出してこそ、オレのマスターとなるに相応しい」

サーヴァントはマスターの精神、魂に導かれ、召喚される。
我妻由乃の魂の慟哭に呼応したのは、同じ願望を持つ男。
記憶も精神も変貌し、別人と成り果ててもなお求める望み。

『自分と同じ存在の伴侶を得る。新しい未来を掴む』

それがこのサーヴァントの望みだった。

「殺し合いを無くすために、殺し合いに身を投じる。世界の滅亡を防ぐために、世界を壊す。
 自分のために自分を消す、か。お前も中々狂ってるな。
 いいだろう、壊すのはオレの生業だ。このオマケの様な人生も、また随分と楽しめそうだ」

地に倒れたままの由乃に、サーヴァントが話しながら近づく。
由乃は身を起こそうとしたが、右手の令呪が痛みだし、限界に近づいた身体が思考をシャットダウンさせようとする。

「オレはサーヴァント・アーチャー。真名はオレも知らねえ。
 ジョン=ドゥとでも呼んでくれ」

その言葉を聞き取るのを最後に、由乃は意識を手放した。


【No25 マスター:我妻由乃@未来日記】
【サーヴァント:アーチャー(ジョン=ドゥ)@エンバーミング】

408 ◆Mti19lYchg:2012/01/04(水) 23:51:42 ID:o9zzdoUY0
以上、投下終了です。

409 ◆3Yo9gNrp3A:2012/01/05(木) 01:24:21 ID:yX6xIZEo0
投下乙です

報告で、Wikiで美樹さやかのステータスを大幅修正したので
問題点などありましたら指摘をお願いします。

410 ◆FTrPA9Zlak:2012/01/05(木) 02:09:20 ID:9HpNNNiU0
始まりましたか
時間とプロットがある限りは書いていきたいと思っています

それとNo.18を若干修正しました
文法的におかしかったところを直した程度ですが一応報告しておきます
あとトキのステータスも現在思案中です

411マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/05(木) 07:24:43 ID:YPN3c7OQ0
投下と編集ありがとうございます。

こちらから質問ですが、予定が無いのであればこちらで
ゾルフ・J・キンブリーのパラメーターを設定したいのですが
◆wG50kLoBJg氏はご一報下さい。
連絡が無かった場合はこちらで設定させていただきます。

あと、士郎&セイバー組、ルルーシュ&セイバー組で予約します。

412名無しさん:2012/01/05(木) 09:39:37 ID:oqpK1Vz20
セイバーいじめ早速キタ━━━(゚∀゚)━━━!!

413名無しさん:2012/01/05(木) 14:12:23 ID:AbZJ9PbkO
>>394
いや大統領も平行世界のDIO様をぶつけるという荒業が・・・

>>412
流石は最高の噛ませ犬(良い意味で)だ!そのドS心に痺れる!憧れるっ!

414名無しさん:2012/01/05(木) 14:36:09 ID:x0zoRntQO
最良の(引き立て役)サーヴァントェ・・・いやまあマスターのスタンス的に戦わない可能性もあるけどさw

415名無しさん:2012/01/05(木) 14:49:48 ID:kig86KCY0
ガウェインと士郎…、これは…

416 ◆mi8Ly4t1vU:2012/01/05(木) 15:53:31 ID:c1u5VmyQ0
サブラクのステシ設定完了しました。
早速の予約も楽しみにしています。

というかみんなちょっとはセイバーのがんばりにも期待してあげようよ!w

417 ◆wG50kLoBJg:2012/01/05(木) 16:05:48 ID:yYMzUwpU0
>>411
諸事情でwiKに投下できないのですが…

418マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/05(木) 20:51:50 ID:RkX3DF7M0
>>417
了解しました、では遠慮しておきますね。
こちらに投下していただければ、こちらの方で登録しておきます。

419名無しさん:2012/01/05(木) 21:16:44 ID:stZR3h.k0
サブラクのステ高過ぎない?
特に耐久と魔力。 流石にA+++とかやりすぎ。
へラクレス以上の耐久にメディア以上の魔力とか流石にないわ。
アサシンなのになぜかデフォで単独行動付いてるし
シャナ世界単体ならあの能力値も納得だけど、ワールドワイド基準で判定されてるパラなんだから自重すべき

420名無しさん:2012/01/05(木) 21:27:59 ID:PpXCEg820
見てみた
しかもスキル多いなコレ

421マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/05(木) 21:28:54 ID:RkX3DF7M0
若干、趣味の領域に走るものですから
そこまで徹底したものは別に求めません。
高いなぁと思っても負ける時は負けるものだと
認識していただけるとありがたいですね。

422名無しさん:2012/01/05(木) 21:32:52 ID:PpXCEg820
本多忠勝も何気に酷くね?

423 ◆YHOZlJfLqE:2012/01/05(木) 21:58:36 ID:b4Nz5YWs0
もし出てたらこんな感じかと思ってホンフーのステータス書いてたら、宝具が超チートだった件
ステータスも筋力・耐久・敏捷が軒並みA+というオーバースペックぶりだったし…

それはさておき、まどか&アーチャー組と詩音&バーサーカー組を予約します
催促するようですが、できれば早いうちにDIO様のステータス用意してくれるとありがたいです

424 ◆mi8Ly4t1vU:2012/01/05(木) 22:51:36 ID:c1u5VmyQ0
ども、サブラクのステシを設定したものです
Fateは基本相性ゲーなのでサブラクは負ける時はあっさり負けるかと
それこそ忠勝相手には最強形態込で相性的にかなりきついですし

また、見ての通りスキルは確かに多いのですが、その分宝具がとんでもなくしょぼいです
逆転の一手どころか、むしろ宝具ですらありません
逃げるだけなら簡単、更に全体的にサヴァの中では火力不足
耐久はサブラクの最たる特徴なのでご容赦を
魔力も高いには高いのですがあれは魔力=存在の力=HP=MPですし
魔力活かそうにも、サブラクは自在師ではなし、ぶっちゃけ魔力放出用と通常攻撃の炎用です

なのでまあ基本ステシは高いけど、装備もしょぼく、決めてもなく、そこを手数で埋めていくという感じで

425名無しさん:2012/01/05(木) 23:28:30 ID:B85uFD7c0
正直絶妙だと思うよ、サブラク
得意不利はっきりしているし
対人には滅法強いけど、対城以上じゃ不利
しかも今回エクストラだから、正体も調べられる
頭脳系の見せ場にできて、助かるよ

426No.15 ◆4OblpRmYos:2012/01/05(木) 23:43:21 ID:LbtjtySU0
私もサブラクのステータスをチェックしましたが、個人的にはやはり
修正が必要なように思えます。
基本ステータスに関してはfateにはよくある事なので構わないのですが、
浸透時と弱体化時のステータス低下が耐久と魔力以外あまりにも緩すぎる
ように思えます。
特に弱体化時の筋力と敏捷はどちらもD〜Eぐらいに留めるべきでは?
また、浸透に関して、「マスターである出夢は魔術師でもなくハッカーでもなく、
浸透時のサブラクに魔力を行き渡せることができない。」と明記されているにも
関わらず、剣と炎の範囲攻撃の規模(クリティカル率にあらず)に全く影響が無い
こと、宝具ですらない剣による範囲攻撃が宝具ランクA相当を誇っている理由、
mi8Ly4t1vU様の釈明の中にスティグマによる影響が一切書かれていない
こと、そもそもアサシンのクラス特性を履き違えているとしか考えられないような
釈明内容も気になるところです。
書き手によるこのような書き込みがスレを荒らしかねないことは重々承知して
おりますが、今後のキャラのステータス決めや話の流れに大きく影響すること
なので、敢えて書かせていただきました。
何卒、ご説明をよろしくお願い致します。

427名無しさん:2012/01/05(木) 23:48:57 ID:e7hqYR6A0
そもそも耐久A+++とかEXランクの攻撃しか通らないんだけど
実質ほぼ無敵じゃん

428マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/06(金) 00:01:17 ID:e2nlPUbI0
どうも、個人レベルで解釈の違いがあるようなので調べてきました。
以下、別サイトより転載。

サーヴァント自身の能力(筋力・耐久・敏捷・魔力・幸運・宝具の6種類)、及び所有スキル、所持する宝具の性能の評価を表すもの。いわゆるステータス表示。
A・B・C・D・Eの5段階評価であり、1を基準値とするとEが10で1段階上昇するごとに10上昇する。
表示に「+」が付いている場合は、特定の状況下においては本来の能力が+の数だけ倍加する。例えば「C+」であれば、通常時は30であるが、条件を満たせば60となり、A(50)を上回る能力となる、という事。
A〜Eでは評価しきれないほどの桁外れな能力である場合は「EX」と表記される。
「−」表示は詳細不明。減少のようにも思えるが、「B−」≒「A」になるような説明もあるので「+」(2倍)ほどではない上昇を意味する可能性もある。

なお、宝具の能力は単純な攻撃のものだけではないので一概には言えないが、宝具の威力と筋力の威力の換算では、Cランク宝具の威力は筋力A〜A+に相当する。

429マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/06(金) 00:05:22 ID:e2nlPUbI0
と、この様になっており+だから常時耐久力があるという訳ではありません。
で、これはあくまで私の見解ですが、サブラクの浸透というスキルによって
死に難さが跳ね上がっているからこその耐久A+++なのではないかと。
逆にサブラクにはヘラクレスの様な蘇生宝具は無い以上、
死に難いけれども死なないという訳でもない為、
私は容認させていただきました。

430名無しさん:2012/01/06(金) 00:10:29 ID:hZLIS2ck0
んー、ならその浸透というスキルの方にランクが加算されるべきなのでは?
サブラク本体の耐久度はスキルの恩恵がなければもっと低くなるのではないでしょうか

431マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/06(金) 00:15:02 ID:e2nlPUbI0
Fateにおけるパラメーターはスキルが込みでのものとなっております。
ですので、それに倣ったこちらでも込みのもので良いです。

432マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/06(金) 00:24:52 ID:e2nlPUbI0
繰り返しますが、こちらにおけるサーヴァントの
ステータスは趣味に近いものとなっております。
本当に駄目だと判断したものには私から忠告を致しますので
色々と不満はあるでしょうがご了承下さい。
大事なのはあくまで宝具とそれをどうやって攻略するかを
皆さんで考え楽しんでいく事です。
こういった事で揉めるのは本意ではありませんので
どうか宜しくお願いいたします。

433名無しさん:2012/01/06(金) 00:27:07 ID:qzsv/uAQ0
最低限アーチャーのクラススキルである単独行動は削除すべきだと思う
後、気配遮断A++とか鬼すぎるだろう
おとなしくA+までにしとくべきだと思うよ

434名無しさん:2012/01/06(金) 00:34:39 ID:EaDKmvrc0
宝具強力なのや、数多いサーヴァントがおおいなか、サブラクは宝具がただの短剣1つなので、むしろ弱い方に思えるのは、私だけでしょうか
弱点も多いですし

435 ◆BKUvL3qgtY:2012/01/06(金) 00:41:48 ID:Gs1T0TL20
アサシンだしそれがある意味当然とも言えます
暗殺者なのに騎士クラスとガチ勝負してた小次郎がおかしいだけ(あいつは超例外だから仕方ないけど)

アストレアもそうなんですが単独行動スキルだけは排除してほしいですね
マスターを狙うという戦法が使えなくなる&マスターを狙われても平気というアーチャークラスの特権が形骸化するので

436 ◆mi8Ly4t1vU:2012/01/06(金) 01:23:20 ID:3oKAgkxE0
了解しました
単独行動スキルは削除させていただきます
こちらとしましても、クラススキルとパーソナルスキルを混同してしまっていたことに気付き、単独行動は削除させていただく予定でした

既に説明がなされていますが、サブラクの耐久A+++の+++部分は、カラクリにバレさえしなければかなり殺されにくいという意味です
また、+を除いた耐久A部分も、本多忠勝のような装甲の硬さと云うよりも単純に体力が多いからです
むしろ防御系統のスキルは一切ないため、DEFは並なのにHPだけ高いといういい的でもあります

気配遮断A++の++の部分は、本家アサシンであるハサンが攻撃に移ると気配遮断のランクが下がるのに対し、サブラクは初撃に限り、ランクが下がらない為です
ですので、ハサンとサブラクが共に隠れている状態だとサブラクのほうが見つかりにくいというわけではありません
それでさえ、金霞帽のように相性次第では察知される可能性もあります

尚、「マスターである出夢は魔術師でもなくハッカーでもなく、浸透時のサブラクに魔力を行き渡せることができない。」という一文は、
本編ではありえなかった浸透時のサブラクの人形部分に対する弱体化という矛盾への理由付けでもあります。
この弱体化についての案が出た時に、私は弱体化をもっともだとした上で、敢えて、魔力だけは下げないでよろしいですかとお願いしました。
サブラクをアサシンたらしめている“高火力かつ察知不能な完全な不意打ち”。
これが実現不能になってしまえば、サブラクはアサシンとして、脅威足りえず、それこそ、クラスを履き違えることとなってしまいます。
火力や規模が大きいのも、サブラクの浸透範囲内かつ予め見当をつけた位置に放つからこそです。
剣に存在の力を宿すことは魔力放出のスキルで再現させていただきました。
設置かつ誘い込まねば効果を発揮できないというのは、十分な制約かと。

スティグマに関しましても、人によっては逃げるだけなら容易のアサシンから逃げさえすれば、自動解除されるというのは、承知の通りです。
サブラクがその場で相手を仕留められなければ、ディルムッドとは違い、永続的なアドバンテージにはなりません。

また、ステシにも書きましたが、浸透時のサブラクは、人形のほうはそれなりの速度で動けるとはいえ、身体の大部分が浸透している都合上、一定地域から離れられません。
敏捷は正直、そのことを踏まえて浸透時は、E−にしようかとも思ったのですが、メインで戦っているのが人形の方である以上、それでは逆にややこしくなると思いました。
マーボー氏もおっしゃっているように、ステータスはあくまでも趣味やめあすです。
参考にしていただければ本望ですが、それで、皆様の描きたい展開を縛るつもりはありません。
どうか書き手諸氏各自、腕を奮って取り組んでください。

437<削除>:<削除>
<削除>

438マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/06(金) 01:38:40 ID:e2nlPUbI0
この企画において現状の参加者は全て私が有りだと認識したものです。
無理は無いと判断したものなので出来れば議論ではなく
企画に参加する形で皆様にも望んでいただけると有り難いです。

439名無しさん:2012/01/06(金) 01:53:11 ID:t6V6QJUI0
実際、こういってはなんですが、ゲイボルグ同様、サブラクの不意討ちも、書き手が完全にはきめさせないかと
もう少し書き手達を信用してはどうでしょうか
議論や批判は、実際に問題が起きた時でよろしいかと

440可憐・折展翅亜 ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/06(金) 01:57:29 ID:e2nlPUbI0
ぼるかみぜーりあ

441マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/06(金) 02:07:00 ID:e2nlPUbI0
すいません、気にしないで下さい。
書き手としての参加は何時でも奨励しています。

442 ◆4OblpRmYos:2012/01/06(金) 02:17:21 ID:ZrGK7r/A0
ご説明、ありがとうございます。
ただ、私としては浸透を展開した範囲の広さに応じて範囲攻撃の規模を
制限するのも一つの考え方としてはアリかと思ったため、先の書き込みを
させていただいた次第です。
決して、範囲攻撃そのものを封印すべきという意図があってのことではありません。
しかしながら、アサシンの本来のクラス特性は「マスターの暗殺に特化していること」です。
重ねて申し上げますが、「サーヴァント」ではなく「マスター」です。
これに加えて、原作fateシリーズに登場する全てのアサシンが高威力且つ
広範囲の遠距離攻撃手段を有していないことを鑑みても、アサシンクラスの
サーヴァントが大した制約もなくサーヴァントを葬れるだけの高威力且つ広範囲
の遠距離攻撃を行使できるのは些か問題があるのではないでしょうか。
極端な話、マスターを暗殺できる最低限の火力があればクラスとして成り立つ
のがアサシンのサーヴァントなので。
もしも一考していただければ幸いです。
お騒がせして失礼致しました。
私も少々過敏になり過ぎていたようです。
あと、太公望の単独行動スキルについても、「これはない」という意見が
多いようであれば、削除させていただきます。
それでは。

443マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/06(金) 02:56:47 ID:e2nlPUbI0
すみませんがFate/SNにおける真アサシンの攻撃手段は投擲です。
アサシンだから遠距離をしてはいけないという事ではありません。
また、誤解をされてはいけませんがアサシンのクラスはサーヴァント中で
最低クラスの能力値である代わりに一撃必殺の宝具を
持っているクラスという事になっており、
アサシンの『妄想心音』は実際にランサーを一撃死させています。
追記するとExtraにおいてはこのサブラクを遥かに凌駕する
とんでもないアサシンが存在しております。
今回のサブラクは一撃決殺の能力とは言い切れない為、
幾ら広範囲とはいえ問題は無いと判断しております。

これ以上は不毛になってしまうので、
出来れば作品にてお互いに示しましょう。

444 ◆GIjwvg4JCY:2012/01/06(金) 03:20:07 ID:di39q7xI0
だいたいな感じでいいんじゃないすか。
ジョジョのスタンド能力表の『A(超スゴい)』とか、そんな感じだと思ってましたよw


アレックスのページを作りましたー。
人物背景とかはまたあとで書きますが、スキルとかあんなんでいいかチェックお願いしますね。

445名無しさん:2012/01/06(金) 03:21:52 ID:Ua3fvSVw0
1の人はお疲れ様です
確かに気配遮断したりしたまま攻撃どころか、宝具まで使いますしね、あのアサシンは

そして、みなさん、ここは俺ロワトキワ荘です
最終決定権は1にあります
その1がいいと言っているのに食い下がっていては、1の決定権を犯し、1の描く俺ロワを妨害しているも同然です
1もそのことをその都度言っていますが、そのたびに誰かがその声を無視し、サブラクの人も返答せざるをえないといういたちごっこになってしまっています
ここは1つ、氏の決定にまかせましゅう
長々と横から失礼しました
サブラクも太公望もその魅力が存分に書かれることを期待しいます

446名無しさん:2012/01/06(金) 03:31:08 ID:Ua3fvSVw0
せっかくですので、アレックス、拝見させていただきました
原作は知らないのですが、宝具の説明文がかっこよくてどきどきしてしまいました
1つにして、三種に値するとは

対街宝具や再生が、さっきまで話題になっていたサブラクに効果は抜群かもと想像てきて楽しかったです

447 ◆wG50kLoBJg:2012/01/06(金) 07:28:46 ID:V3RUDTcs0
>>418
キンブリーのスタータス、そちらで決めてもらってもよろしいでしょうか。
ちょっと、容量の問題で長文投下が不可能なので

448マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/06(金) 09:55:43 ID:ViVS2wns0
では、僭越ながらキンブリーのステータスを決めさせていただきました。
◆wG50kLoBJg氏は何か問題があればご一報下さい。

449名無しさん:2012/01/06(金) 13:28:23 ID:PMNF5cu20
DIO様の宝具を更新しておきました
問題点等がありましたら指摘をお願いします

450 ◆wG50kLoBJg:2012/01/06(金) 15:19:38 ID:V3RUDTcs0
>>448
編集ありがとうございます

451 ◆Mti19lYchg:2012/01/06(金) 22:21:58 ID:svcHkjBM0
申し訳ありませんが、一つ愚痴をこぼします。
由乃&ジョン=ドゥ組ですが、書けば書くほどキャラがおかしくなってしまいます。
そもそも由乃は知ってはいるが、好きかと言われると微妙ですし。
誰も知らないキャラを書かせるのは苦痛でしかないといって自分が苦痛になってはしゃれになりません。
ぶっちゃけ交換してほしいぐらい後悔してます。絶対無理でしょうが、むしろ交換させてくださいといいたいくらいです。

452マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/06(金) 22:32:46 ID:551or9c.O
非常に心苦しいですが、これ以上の交換は
余計な混乱を招く恐れがあるため、お受けできません。
無理をしてまでの執筆はこちらも望むものではありません。
他の参加組を書いてみる、もしくは一度ゆったりと
他の投下作を読んでみるなどされては如何でしょうか?

453名無しさん:2012/01/07(土) 00:47:42 ID:GKlBcWes0
>>451
知ってる人や書きたがってる人がいないとも限らないですし、もう少し気楽に様子見しながらでもいいんじゃないかな?
特に由乃は人気あるキャラだし、エンバーミングは巻数まだ少ないから把握も楽だし

454名無しさん:2012/01/07(土) 05:00:55 ID:E/9bDCHIO
ジョン・ドゥはまだ明かされてない設定が危ない気もするな。今月号で早速新能力御披露目したし
ジョンにスポット当たったかと思えば、るろ剣連載の準備のためかエンバはしばらく休載するからなあ…

455 ◆YHOZlJfLqE:2012/01/07(土) 19:41:45 ID:NHaIazfE0
ちょっと質問

1:宝具使用時の魔力はマスターとサーヴァントのどちらから出るんですか?
2:マスターから出る場合、魔力が減ったらマスターはそれを感じ取れますか?

回答願います。回答次第では予約した組み合わせで使うネタ潰れかねないので

456名無しさん:2012/01/07(土) 20:15:20 ID:7erph76w0
基本的にサーヴァントから魔力が出ていくものですが、
足りなければ当然マスターからも吸い上げられます。
宝具は消耗が激しいため、まず間違いなくそうなります。
あらかじめ足りない分を他から用意(主に現地調達)する荒業もありますが。

これは宝具に限らず、実体化しているだけでも同じことがいえます。
当然、吸い上げられたほうはその消耗をダイレクトで感じ疲労します。

バーサーカーは特に燃費が悪いので、宝具使用せずに普通に暴れているだけで
そのマスターが消耗で吐血したり激痛にのたうちまわったりと悲惨な事が多いです。
この辺りの悲惨さは第四次聖杯戦争の雁夜さん&バーサーカー参考の事。

…この説明で合ってたよね?

457 ◆YHOZlJfLqE:2012/01/07(土) 20:27:57 ID:NHaIazfE0
なるほど、ありがとうございます

…うん、ネタ潰れずに済みそう

458マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/07(土) 20:31:43 ID:ZcXWZpLI0
詳細な回答ありがとうございます。
補足して置きますと宝具は真名を解放する事により、
魔力の消費が跳ね上がります。
ですので、「約束された勝利の剣」や「刺し穿つ死棘の槍」等の
普通の攻撃手段にも使っている宝具はそれだけでは魔力は殆ど消費されません。
(サーヴァントが使用する際に名前を叫んでいるのは、この真名解放も意味します)

ランクA相当の広域宝具程、消費が激しいものは無く、
セイバー曰く「士郎の魔力で使用できるのは三回程度」(ここらへんはうろ覚えですがw)との事。
対人宝具は消費量は格段に少なく使用頻度は多くなりますが
発動即発動の様な連続使用は流石に不可能なようです。(クー・フーリンは宝具を連続使用してない)

459名無しさん:2012/01/07(土) 20:37:11 ID:7erph76w0
ああ、大切なこと言い忘れていた。
サーヴァントは魔力を自給自足出来ないので、
他者(主にマスター)から魔力の供給源がないと、
存在を維持する魔力すら失い、いずれ干上がって消滅します。
故に、マスターはサーヴァントにとって命綱そのものと言えます。

また、サーヴァントは存在としては死者の魂そのものなので、
現世の存在に干渉する依代としてもマスターは絶対必要なのです。

460名無しさん:2012/01/07(土) 21:00:37 ID:9xsZajKI0
セイバーは竜の因子を持ってるから呼吸するだけで魔力が生まれるとか言う設定無かったっけ

461名無しさん:2012/01/07(土) 21:11:57 ID:7erph76w0
そんな設定あったっけ?
「士郎と回路きちんと繋がってないから魔力が来ねー、供給がねーから消えるー!」
とかセイバールートで言ってたのは覚えているが。

462名無しさん:2012/01/07(土) 21:49:18 ID:uI15H8AU0
二つほど質問なんだけど
・セイバー(アルトリア)以外の本編(fate系列)組のサーヴァントには本編での記憶は残っているのか(本来は残らないもののはず)
・サーヴァントの持つ知識の中にいわゆる別世界の物は含まれるのか
この辺ってどうなってるの?
特に二つ目は例えばFEとか北斗とかFFみたいな明らかに別世界出身のサーヴァントいるから気になったんだけど

463名無しさん:2012/01/07(土) 21:58:59 ID:ZcXWZpLI0
何処其処であった、戦った程度の記憶は残ってていいです。
サーヴァントの持つ知識はあくまで本来の世界のもの+聖杯戦争に困らない程度の知識のみ。
所謂、現代での通貨価値とか一般常識が分かる程度で。
イスカンダルが航空機とかをよく分からなかった時の様な感じで良いです。

464マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/07(土) 21:59:32 ID:ZcXWZpLI0
トリ忘れたorz

465名無しさん:2012/01/08(日) 02:04:35 ID:lWUmAeYM0
あ、そういえば前に言われてたアーチャー以外からの単独行動スキル削除ってどうなったのかな?

466名無しさん:2012/01/08(日) 02:09:29 ID:gW6LNIr60
サブラクの人に削除してもらった以上、他の人にも削ってもらわないと不公平かと
そもそもアーチャーのクラススキルを他のクラスが持っているのが問題だったのですし

467名無しさん:2012/01/08(日) 05:21:30 ID:p8WT9bUg0
>>461
原作者の菌糸類によると、竜の因子のおかげでギリギリ持ちこたえていたらしい
実際、セイバー√ではランサー戦、バーサーカー戦、アサシン戦、ライダー戦×2
(そのうち一度は宝具使用)という五連戦を、魔力供給なしで乗り越えている
待機状態でいれば魔力が少しずつ回復していく、という程度の認識で良いかと

……メシ食って回復という手段もあるけど、こちらはかなり効率が悪いっぽい

468名無しさん:2012/01/08(日) 09:26:33 ID:3tWaOgbA0
>>466
第五次ライダーはクラススキルじゃなくて個人スキルとして単独行動スキル持っているけどね。
まあ第五次ライダーだけだからかなりレアなものだろうとは思われるが。

469名無しさん:2012/01/08(日) 12:35:48 ID:p8WT9bUg0
さやかちゃん、狂化込みであのパラメーターなのか……バーサーカーは殴り合いしかできないのに……
「弱い英霊を強化する」という正しい運用法ではあるが、たとえ魔女化してもアシュナード以下ってのは泣ける

それとARMSのアレックスが随分タフガイだけど、あれは完全体のパラメーターなんだろうか?
第一形態だと変形した部分以外はほとんど生身と同じで、本人の戦闘スタイルも砲台タイプなんだが

470名無しさん:2012/01/08(日) 12:44:57 ID:jMJXjif.0
さやかが弱すぎるんじゃなくてパラメータのA+ランクってバーサーカー以外レアなのに多すぎるんだよね
宝具はおいといてもパラメータはみんなもうちょっと自重した方がいいと思うわ

471名無しさん:2012/01/08(日) 13:47:23 ID:sPLx5UWw0
パラはしょせん目安だからあんま神経質にならんでもいいと思う
「パラメータで勝ってるのにこいつに負けるのはおかしい!」とか、物言いの根拠にはしてほしくないけど

472名無しさん:2012/01/08(日) 14:23:08 ID:s4HYqgPUO
パラメーターが高いほど燃費が悲惨なことになるから、一概に良い事ばかりじゃないけどな。
イリヤの魔力がおかしいだけで。パラメーターの高過ぎるバーサーカーなんか、雁夜の再現になりかねないし。

ぶっちゃけ、相性や燃費考えればクー・フーリンのが断然便利。

473名無しさん:2012/01/08(日) 14:31:16 ID:s4HYqgPUO
あとはパラメーターの高い英霊イコール「生前に名を轟かせる凄まじい偉業ないし悪行を為した人物」って事だから、
それだけ我が強いことにも繋がる。行き過ぎるとマスターが制御出来なくなる恐れもあるしな。特に反英雄だと。
バーサーカーはその辺り「裏切りを考える」理性がない分扱い易い。

474マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/08(日) 15:09:18 ID:6p.Zx19k0
wikiを何人か更新しておきましたが、
パラメーターだけを取れば、間違いなく聖者の数字発動時の
ガウェインが最強のサーヴァントになってしまいます。
ですが、これにもきっちりと弱点は設定されており
本当の意味で無敵のサーヴァントなど存在しません。
そこまで細かい事は求めずに気楽に構えてやりましょうw

それでも、気になる時は心の中で
「ポルカミぜーリア」と呟いときましょう。

475 ◆FTrPA9Zlak:2012/01/08(日) 15:59:22 ID:aeAkzHyM0
とりあえずトキのページを作っておきました
ステータスはあげておきましたが宝具と他のスキルに関してはもう少し時間をください

というかトキの宝具ってなんだ…?
案はあるけどラオウも使えそうなんだよな…

476 ◆3Yo9gNrp3A:2012/01/08(日) 16:15:11 ID:gHTcZGYo0
いまさらで僭越ですが、一部の参加者を更新しておきましたので、
問題があれば指摘をお願いします。

さやかの関してはもう少しステータスを上げてもいいかなとは思ったのですが、
魔女化のことを考えて現在のステータスに落ち着かせています。
ですが>>474で◆.OpF6wOgZ2氏が述べているように、
本当の意味で無敵のサーヴァントなど存在しません。
あまり細かい事は求めずに楽しめればいいのではと思っています。

ちなみに幸運に関しては始めから決めていましたw

477名無しさん:2012/01/08(日) 17:26:48 ID:Nc4KCNxE0
予約がまだまだ少ないなあ

478名無しさん:2012/01/08(日) 17:49:32 ID:zRjQHryQO
鳴上と花村の項目がアニメとゲームでごっちゃになってるけど、そこら辺は整理した方がいいかと。
後、花村の参戦時期が明確になってないから可能性あると思うんだが、
後期ペルソナの記述とかはネタバレ防止のためにしない方がいいのか?

479名無しさん:2012/01/08(日) 18:03:07 ID:zRjQHryQO
>>475
北斗有情拳でいいんじゃないでしょうか?
ゲーム版の北斗無双を参考に、トキの固有技を宝具扱いにすれば丁度よいかと思います。

480マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/08(日) 18:06:55 ID:6p.Zx19k0
>>478
二人の情報をすっきりさせておきました。
ご指摘ありがとうございます。
一応は後期ペルソナに関しては今後明言されるまでは
避けて置いてください。

481名無しさん:2012/01/08(日) 19:16:43 ID:yG6/pwjs0
トキの宝具って言うと 『ジョインジョイントk(ry

482名無しさん:2012/01/08(日) 22:10:52 ID:rGSsKZlEO
>>477
たしかに少ないですよね。私も作中の時間が真夜中になれば
まどか&DIO組を予約しようかなと思ってるんですが・・・

483マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/08(日) 22:25:31 ID:6p.Zx19k0
作中時間は深夜(22〜00)開始です^^;

484名無しさん:2012/01/08(日) 22:52:04 ID:jMJXjif.0
トキとかラオウってアサ次朗と同じく宝具を持たない鯖ってことでいんじゃないかなぁ
スキル中国拳法と同じくスキル・北斗神拳でも持たせとけば
あとスキル外科医術とかもありそうだが

485 ◆gsySw7SywU:2012/01/08(日) 22:53:17 ID:yG6/pwjs0
門矢士のステータスを表記しました

486名無しさん:2012/01/08(日) 23:06:43 ID:cg59xTDg0
>>482
>>423

487名無しさん:2012/01/08(日) 23:14:11 ID:s4HYqgPUO
八極拳A+++みたいもんか。

488 ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/08(日) 23:25:25 ID:6p.Zx19k0
投下します

489Night of The Round ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/08(日) 23:26:14 ID:6p.Zx19k0
ガウェインとの契約を交わし、今後の行動を決めようと思案していた時、
ルルーシュは不意に眩暈を覚える。

「……ッ!?」

不意に襲われた不快感に頭を抱え、
もう一度頭を上げた時、
そこには思いもよらない光景が目に入る。

「なっ…!?」

先程までの宮殿のような光景は消滅し、
窓から月の光が差し込む長い廊下の真ん中に
いつの間にか自分は立っている。

『ムーンセルによる移動が行われたようですね』

傍から白銀の騎士の声だけが響く。

「ガウェインか? 何処にいる?」

ルルーシュの声に反応するように光が集約し、
人の形を成していく。
ものの数秒で始めからそこに居たかのように
ルルーシュの傍らに白銀の騎士が現れる。

「常にお傍に」

サーヴァントの霊体からの実体化を初めて目の当りにし、
若干腰が引けているが、それをガウェインに悟らせない様に
咳払いを一つし、ガウェインに目を向ける。

「……ムーンセルとはどういう事だ?」

ルルーシュの質問にガウェインは暫し沈黙した後、
周辺に目を向け、何事かを閃く。

「丁度良い場所に飛ばされたようです。
 着いて来て下さい、口で説明するよりも
 分かりやすいものが有りますので」

そういって彼は暗い廊下を先行していく。
それを訝しみつつもルルーシュも後に続いていく。

490Night of The Round ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/08(日) 23:26:45 ID:6p.Zx19k0
「こちらです」

そう言って彼が指し示したのは一つの個室。
扉の上に貼り付けられたプレートには
『図書室』と書かれている。

「ここは……図書室?
 何の冗談のつもりだ、ガウェイン?」

眉間に皺を寄せ、詰問するような口調のルルーシュを
微笑んで軽く流し、ガウェインは引き戸を開けて中へ入っていく。
顔を顰めつつ、ルルーシュも中へ入ろうとして
今までの暗い廊下とは違い、
明かりの点いた室内に一瞬、目を細める。

「あっ、いらっしゃい!
 あなたがマスターさん?」

図書室の受付に座る黒い学生服を着た少女が
明るく声をかけてくる。
その傍ではガウェインがにこやかに
ルルーシュに手招きしている。

「説明をしろ、ガウェイン!
 この女は誰だ? 何故、俺がマスターだと知っている!」

声を荒げるルルーシュを宥め、
隣の女性を示して、

「彼女は間目 智識(まめ ちしき)さん。
 我々のサポートをしてくれるNPCです」

ガウェインに紹介された少女がルルーシュに手を振る。
だが、その少女を無視し、
ルルーシュはつかつかと歩を進めると
ガウェインに詰め寄る。

「それで、この馬鹿みたいな名前の女が
 何の役に立つというんだ?」

「バッ!? き、気にしているのに……」

ルルーシュの言葉に凹む少女を「まぁまぁ」と宥めつつ、
にこやかなままガウェインはルルーシュに向き直る。

491Night of The Round ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/08(日) 23:27:16 ID:6p.Zx19k0
「落ち着いてください、ルルーシュ。
 ここにはムーンセルに集められた
 全ての情報が記録されています。
 彼女はここの管理人です」

エッヘンと胸を張る少女を不審そうな目で眺め、
疑念は晴れはしないままに仕方無さそうに
ルルーシュが口を開く。

「……取り敢えず、ムーンセルと聖杯戦争に
 ついての記録を出して貰おうか?」

「あいあい」と軽く返事をして少女がPCに向かい、
キーボードを軽快に叩いていく。
すぐにPCのディスプレイに映った文字列を眺め、
少女は一瞬、困った表情を浮かべると

「はい、これだよ」

と、一冊の書籍を取り出す。
その本を手に取り、ぱらぱらと捲り
ルルーシュが首を捻る。

「……如何いう事だ?
 俺は『ムーンセル』と『聖杯戦争』についてと言ったのだが、
 これには『聖杯戦争』についてしか記載されていないが?」

ルルーシュの質問に少女は「あはは〜」と
困り顔をしつつ、言い訳を始める。

「いやですね、私も出来れば協力したいんだけど
 『始めから答えを与える様な甘えは許さん』って、
 どっかの神父さんから通達が来てましてね」

「本当にごめんなさい!」と両手を合わせる少女に
舌打ちこそしたが、それ以上の追求はせずに
ルルーシュは渡された本に目を落とす。

「……随分と断片的な記録だな。
 過去のものに到っては行われた回数と日付のみか…
 ん? この第5次聖杯戦争というのは
 最近行われたものなんだな?」

それまでは断片的だった記録が
その部分に関してだけは詳細に記載されている。

492Night of The Round ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/08(日) 23:28:16 ID:6p.Zx19k0
「勝者は衛宮士郎…イレブンか。
 待て、そういえば此処は何処だ?」

唐突な移動により頭から抜けていた疑問が
「イレブン」という単語で急に頭を過ぎる。

「此処は冬木市。
 貴方の世界で言う所のエリア11の
 一つの街ですよ、ルルーシュ」

疑問に対してすかさずガウェインが答えを返す。
その隣では少女が仕事を取られたような
情けない顔をしていたが。

「……エリア11。
 日本だったのか、此処は」

自分にとっては因縁深い場所である事に対してか、
ルルーシュの表情に蔭りが差す。
だが、一つの疑問が頭を過ぎり、
頭を上げてガウェインに視線を向ける。

「いや待て。今、お前は『貴方の世界』と言ったな。
 それはお前が過去の人物だから言った事か?」

ルルーシュの質問にガウェインは驚いた様に目を丸くした後、
その行為が無礼に値すると感じたのか恥じ入るように
少しだけ俯いた後、すぐに顔を上げて真剣な表情でルルーシュを見つめる。

「いいえ、言葉の通りです、ルルーシュ。
 貴方は『この世界とは異なる世界』から
 聖杯によって選ばれたのです」

ガウェインの言葉や表情に偽る様なものは無い。
俄かには信じがたい話だが、
ルルーシュの明晰な頭脳はこれまでの経緯も含めて
その可能性を素直に受け入れる。

「平行世界(パラレルワールド)か・・・
 そうすると聖杯というものは
 確かに願望器と呼ぶに相応しいな」

顎に手を当て、呟く様に答えを導くルルーシュに
ガウェインが微笑んで言葉を続ける。

493Night of The Round ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/08(日) 23:28:53 ID:6p.Zx19k0
「聖杯は情報の収集を主としております。
 いえ、正確にはそれしかしないんです。
 ですがそれは同時にあらゆる可能性にまで及んでいます。
 その情報量は私には想像も及びません」

「それが何故願いを叶える事に繋がる?」

「私に分かるのは其処までです。
 何故それが願いを叶えるのに繋がるのか
 それを知る事が出来るのは
 最後に勝ち残った勝者だけですから」

「あわわわ……な、何この人、いきなり核心にまで迫った!?
 ルルーシュ、恐ろしい子ッ!」

一人、驚愕の表情を浮かべている少女を尻目に
ルルーシュは足早に出口へと歩いていく。

「どちらへ?」

ガウェインが首を傾げてルルーシュの後を追う。

「取り敢えず、ここが何処なのかという事と
 聖杯戦争と言うものについては知る事が出来た。
 当面はここに来る用も無ければ、
 ここに長居する必要もない。
 ここで情報が閲覧できる以上、
 ここに来る者は全て、
 他のマスターという事になるだろうからな」

口元に少しだけ笑みを作り、さっさと扉を開けて
一人先に外に出て行ってしまう。
やれやれといった様子でガウェインも後に続き、
出口の前で少女に深々と一礼した後、
その姿を霊体化させて、その場から消えた。

「……さて、誰か来る前に仮眠しとこ」

取り残された少女は寝袋を取り出して、
いそいそと仮眠の準備に勤しむのであった。


「ガウェイン、そこに居るんだろう?」

見向きもせずに声だけで確認する。

『ハイ、こちらに居ります』

今度は実体化せずにこちらも返事をするだけに留めている。

「さっきの書籍に気になる名前があった。
 第5次聖杯戦争の勝者、衛宮士郎。
 会ってみる価値はあるだろう」


――――――――――――――――――――――――――

494Night of The Round ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/08(日) 23:29:25 ID:6p.Zx19k0
コンロに火を点けて、薬缶を温める。
その間に台所の戸を開けて、茶葉を探す。

「えぇっと、あぁ有った。
 セイバーは緑茶で良いか?」

「えぇ、私は何でも構いません」

台所からセイバーの姿に目をやる。
キチっとした姿勢で正座し、
穏やかな表情で自分の方に目を向けている。
目が合い、何だか気恥ずかしくなって
慌てて薬缶に向き直る。
程よく暖まったお湯を急須に注ぎ、
湯飲みにお茶を淹れる。
ほんのりと渋い匂いに少しホッとする。

「出来たぞ、セイバー」

「ありがとうございます、シロウ」

机に向かい合う形で座り、
お互いの湯飲みを置く。
お茶を少しだけ啜る。
熱めに沸かしたお茶が逆に心地良い。
気分が落ち着いてきたのでそろそろ本題に切り込む。

「セイバー、今回の聖杯戦争についてなんだが
 セイバーも気づいてるよな?
 今回の聖杯戦争はおかしいって事」

セイバーも湯飲みを置き、士郎の言葉に続く。

「えぇ、理解しています、シロウ。
 7騎ではなく25騎にも及ぶサーヴァント。
 これは明らかに異常です」

その言葉にうんと頷き、そして首を傾げる。

「セイバーは聖杯の事は分かんないんだよな?
 柳堂寺の地下の大聖杯はもう無いんだ、
 じゃあ、今回の聖杯は一体何処から現れたんだ?」

「すみません、シロウ。
 聖杯の所存については私も分かりません」

しゅんとしょげかえるセイバーに慌ててフォローをいれる。

495Night of The Round ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/08(日) 23:29:50 ID:6p.Zx19k0
「いや、別にセイバーを責めてる訳じゃないんだ!
 ただ、今回の事は分からない事だらけで
 俺も如何したら良いか分かってないんだし」

気分を落ち着ける為にお茶を一気に流し込む。
まだ少し熱かったが気分は少し落ち着いた。

「そ、それでだな、セイバー。
 今回も夜の見回りをしようかと思ってる」

提案としては愚直も良い所である。
しかし、自分にはここから手を付けるしかない事を
分かっているからこその提案である。
セイバーは机に置いておいた湯飲みを持ち、それを一口啜る。
コトリと湯飲みが置かれ、セイバーが真剣な表情で
シロウの顔を見つめる。

「分かっています、シロウ。
 ですが、約束して下さい。
 決して一人では無茶な行動はしないと」

「あぁ、俺もあの頃よりは理解出来てるよ。
 セイバーを心配させるような真似はしない」

お互いに真剣に見つめあい、意識を確かめる。
後は空になった湯飲みを持ち、台所へと向かう。
湯飲みを洗いながら後方のセイバーへと声を掛ける。

「そうだ、セイバー。
 俺もただぼんやりと過ごしてたって訳じゃないんだ。
 一緒に道場の方まで来てくれないか?」

――――――――――――――――――――――――――

496Night of The Round ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/08(日) 23:30:28 ID:6p.Zx19k0
乾いた竹刀の音が響く。
だが、それは打ち合いと言うにはあまりにも一方的で、
指導と言った方が的確な状態である。
振るわれた竹刀が腕に当り、
思わず竹刀を取りこぼす。

「……いてて、やっぱりセイバーには敵わないか」

「確かに以前よりは上達したようですが、
 まだまだですね、シロウ」

ご満悦と言った表情でセイバーが胸を張る。
そういえば、前から気になっていた事があるから、
ご満悦ついでに聞いておこう。

「そういやさ、セイバーは剣の腕で誰かに負けた事はあるのか?」

その言葉にセイバーがムッとする。

「何を言いますか、シロウ。
 私はセイバーの名を冠するサーヴァント。
 剣に於いて他に遅れを取ることなどありません!」

誇らしげに話すセイバーだが、ちょっと引っかかる事があるな。

「いや、でもセイバーって確か伝承じゃ――」

その言葉を途中で遮られる。
セイバーの顔は真剣で何かに集中している。
この感覚は――まさか!

「シロウ、近くにマスターが来ています!
 かなりの魔力を感じます、間違いありません」

セイバーの周りに風が集まり、
瞬時に礼装に包まれる。
セイバーの様子からして、相手も相当やばい奴だ。

497Night of The Round ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/08(日) 23:30:51 ID:6p.Zx19k0
「シロウはここに!」

言うや否や、セイバーが一人で外に飛び出してしまう。
慌てて続こうとして前にもこんな事があったのを思い出す。
あの時はセイバーがアーチャーの奴を切り伏せちゃったから、
とんでもないことになってしまったんだった。

「…とと、こんな事考えてる暇はないぞ。
 セイバーを追わないと!」

急いで表門から飛び出し、周囲に目をやり、
セイバーの姿を探す。

「居た!」

意外と近くに居たセイバーに安堵すると同時に疑問が起こる。
遠くに見えるセイバーは明らかに動きを止めている。
相手の反撃にあったような感じでもない。
何かに驚いているといった様子だ。

「セイバー!!」

走りながら意識を集中させる。
『―――同調、開始(トレース オン)』
一番、意識しやすい二振りの剣を投影する。

<干将・莫耶>

陰陽二振りの短剣。
アイツが使っていたのは気に食わないが、
瞬時に投影できるのはこれくらいなのだから
いちいち選り好みはしてられない。

短剣を構えて、セイバーの横に並ぶ。
セイバーの姿にはやはり何処にも外傷は見当たらない。
ならば、セイバーは『何』に対して
ここまで驚いているのだろう?

498Night of The Round ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/08(日) 23:31:22 ID:6p.Zx19k0
セイバーの視線の先に目を向ける。
そこに白銀の騎士が立っていた。

「お久しぶりです、アーサー王。
 いえ、今はお互いにサーヴァントの身。
 叔父上と呼んだ方が宜しいですかね」

白銀の騎士が構えていた剣を収める。

「あなたは……ガウェイン」

固まっていたセイバーが口を開く。

ガウェイン?
ガウェインって、確か円卓の騎士で
アーサー王の片腕とまで言われた騎士の事か?
剣を収めたと言う事は少なくとも
向こうに今は敵意は無いみたいだが。

「フン……いきなり飛び掛る番犬とはな。
 前回の勝者とやらはその無節操さで
 他の者に勝利したのか?」

悪態をつきながら白銀の騎士の影から一人の青年が姿を現す。
細身で黒髪だが瞳の色が日本人ではない事を証明している。

「……誰だよ、お前!」

セイバーはまだガウェインと呼ばれた騎士に驚き、固まったまま。
いくら相手が知り合いだったからと言って油断が出来ない事は
前回の経験から充分に身に沁みている。

警戒心を解かない俺を青年は鼻で哂い、

「俺の名前はルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。
 貴様に用があって此処に来た。
 セイバー「ガウェイン」のマスターだ」

そう言って、右手に刻まれた令呪を翳した。

【深山町・衛宮邸前/深夜】
【衛宮士郎@Fate/stay night】
[状態]:健康(残令呪使用回数:3)
【セイバー(アルトリア)@Fate/stay night】
[状態]:健康

【ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア@コードギアス】
[状態]:健康(残令呪使用回数:3)
【セイバー(ガウェイン)@Fate/Extra】
[状態]:健康

499 ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/08(日) 23:31:49 ID:6p.Zx19k0
投下終了です

500名無しさん:2012/01/08(日) 23:41:29 ID:yG6/pwjs0
投下乙です
前回優勝コンビなのにこの貫録の違い・・・さすがセイバーさん()
夜ならまだガウェインには勝てるだろうかw

501名無しさん:2012/01/08(日) 23:47:10 ID:.u7DDRTQ0
投下ナイスでーす(某兄貴風)
さっそく叔父と甥が合流するとは・・・

502名無しさん:2012/01/08(日) 23:59:03 ID:lWUmAeYM0
投下乙ー
なんか一波乱ありそうな合流だw
士郎とルルって喧嘩しかねないと言うか既に喧嘩腰だw

503名無しさん:2012/01/09(月) 00:39:58 ID:TIC7QX8MO
投下乙です!あれ、おかしいな。次回開幕でセイバー(青)がボコられてても違和感ないぞ?w

504名無しさん:2012/01/09(月) 02:43:45 ID:UWo2hCDoO
つかお互いにスタンスは似てる(というか共闘できる?)関係なのに、
もうセイバーちゃんフルボッコ確定ムードなのかよw

505名無しさん:2012/01/09(月) 08:36:17 ID:Mlj1rgrI0
多分、アルトリアが個人スキル:ヘタレA+ランク持ちだからじゃね?
ステータス画面では見れないだけで。あるいは無謀A+ランクかもしれんが。
油断と慢心をEXランクで所持の英雄王には流石に負けるだろうが。

506名無しさん:2012/01/09(月) 10:33:26 ID:Z0xoNKSAO
投下乙です
ルルーシュも不敵だなー。早速コンタクト開始か
…つかセイバーいじめって、最早避けられない運命なのかw

507名無しさん:2012/01/09(月) 13:33:33 ID:FFTcpjus0
投下乙です

予約前から不安しか感じない組み合わせだったしなw
セイバーもだがルルと士郎では相性悪すぎw

508<削除>:<削除>
<削除>

509マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/11(水) 18:22:58 ID:3dOQbbQU0
予約を確認しておきます。
最後尾のは予約日です。

◆4OblpRmYos氏 金田一&ライダー組 1/4
◆YHOZlJfLqE氏 まどか&アーチャー組・詩音&バーサーカー組 1/5

ついでに自分も鳴上&ランサー組・雪輝&キャスター組・由乃&アーチャー組
で予約しておきます。

510 ◆4OblpRmYos:2012/01/11(水) 22:59:50 ID:g5vHzg520
すいません、金田一&ライダー組の予約延長願います。

511 ◆YHOZlJfLqE:2012/01/11(水) 23:03:26 ID:bNNWI7Lg0
期限について質問します
予約から一週間とありましたが、これは予約した日を含めて一週間という意味ですか?

例えば私の場合、1/5〜1/11なのか、それとも1/6〜1/12でしょうか。回答願います

512マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/11(水) 23:14:25 ID:3dOQbbQU0
予約した日から、一週間(7日)を足した計算です。
つまり、1/5の場合は1/5〜1/12という形になります。

513 ◆Mti19lYchg:2012/01/12(木) 19:36:49 ID:po7Lb8eQ0
愚痴だけ言って今までほったらかしですみません。
◆.OpF6wOgZ2氏が予約されたので、ジョン=ドゥのステータスを更新しました。
どなたかは分かりませんが、自分が書くべきだった由乃とアシュヒトの人物詳細を書いていただき感謝します。

514 ◆YHOZlJfLqE:2012/01/12(木) 23:00:13 ID:LQJYpC5.0
ま…間に合ったーッ!

まどか&アーチャー組、詩音&バーサーカー組、投下します

515 ◆YHOZlJfLqE:2012/01/12(木) 23:00:48 ID:LQJYpC5.0
「さて、と。これからどうしましょうか」

 新都の一角、蝉菜マンション付近のビル街。そこに一組の少女がいた。
 一人は緑の髪をしたポニーテールの少女。名を園崎詩音。この聖杯戦争のマスターの一人。
 もう一人は狂気に満ち、歪み切った表情をした少女。名を美樹さやか。詩音に付き従うバーサーカーのサーヴァント。
 この聖杯戦争で勝ち残るため、願いを叶えるために契約した者達である。

 聖杯戦争に乗り、他の参加者を全滅させて願いを叶える。それ自体は決定事項だ。
 だが、これからどう動くかはまだ決まっていない。
 他の参加者を積極的に駆逐するか、一時的に手を結んで戦力を増やすか。それともある程度減るまで待つか。

「あなたはどうしたい? バーサーカー……って、答えるわけないか」

 バーサーカーに問いかけるも、真っ当な返事など返って来るはずもない。
 そうなれば、どう動くかは自分で考える他ない。ならばどうするか。
 考えようとしたその時――――

 ――ヒュッ――

「ッ!」

 ――――音とともに、何かが飛んでくる。
 それに気付いた瞬間、ダム戦争での経験からか咄嗟に体が動いた。
 そのおかげで、大した傷にはなっていない。せいぜい右腕にかすり傷が付いた程度だ。
 見ると、飛んできたものの正体は一本のナイフ。それが意味する事はすなわち、他の参加者に狙われているという事。

「バーサーカー、あっちに攻撃して!」

 それを理解する瞬間、バーサーカーに攻撃を指示。
 道具作成のスキルで剣を何本も作り、攻撃が飛んできたとおぼしき方向へとでたらめに投げつける。
 方向はさっき音がした方を指示。攻撃の音がしたという事は、敵はその方向にいるという事だ。
 すると、その方向――――蝉菜マンション屋上から金属がへし折れるような音がした。やはり敵はそこにいる。
 マンション屋上からの精密な投剣をしてくる相手だ。ならば遠距離攻撃ではどうしたって不利。
 ならば、やるべき戦い方は――――距離を詰めての接近戦のみ!

「やっぱりあそこか。バーサーカー、行って!」
「■■■■■■■■!!」

 指示を聞き、投げずに残っていた剣を二振り持ったバーサーカーが駆ける。
 咆哮と共に、バーサーカーが空中を足場に蝉菜マンション屋上へと跳び――――見つけた。
 バーサーカーの視界には、ハートのアクセサリーをつけた金髪の男。場所は一致している。
 周囲に転がっているのは、叩き折られた自身の剣。先程剣を迎撃したのはこいつだという事がわかる。
 そして何より、サーヴァントを前にした彼女の本能が叫んでいる――――詩音の、そして自分の敵はこいつだ!

516 ◆YHOZlJfLqE:2012/01/12(木) 23:01:17 ID:LQJYpC5.0
「まさか避けるとはな。マドカとは違ってただの人間ではないという事か?」

 バーサーカーが空を足場に疾駆する。その姿を見ていた男がいた。
 名をDIO。つい先程詩音を攻撃した張本人であり、アーチャーのサーヴァントとしてこの聖杯戦争に参加した者だ。
 彼の周囲には、先程バーサーカーが投げた剣が数本、叩き折られた状態で転がっている。

 さて、彼がした事を解説するとこうだ。
 まず近くにあった金物屋に行き、ナイフなどの短い刃物を収集する。
 最初はまどかのいる部屋から手に入れようかと思ったが、刃物は投擲用として使うのだ。無くしでもしたら包丁が減っている事にまどかが気付き、参加者減らしに感づくかもしれない。
 他の部屋から手に入れようとも考えたが、そこにはNPCが生活している。騒がれたせいで他の参加者に気付かれるのは少々厄介だ。
 よって、営業時間を終えて無人になった金物屋から手に入れることにした。次の日には泥棒が入ったと騒がれるかもしれないが、恐らく自分だとは気付かれないだろう。
 次に、マンションの屋上に上り、付近の参加者とおぼしき二人組を探す。
 その際に見つけたのは二人組の少女。片方は狂人の顔をしていたから、おそらくバーサーカーあたりか。
 見つかったのなら後は簡単、マスターらしき緑髪の少女を仕留めるべく、そちらにナイフを投げつけた。
 無論、消耗しないよう時は止めずにだ。承太郎のような同系統のスタンド使いというわけでもない、ただの一般人ならばそれで十分仕留め切れる筈。
 アサシンの真似事のような手ではあるが、アーチャーには一対一の真剣勝負などという思考は無い。過程がどうだろうと勝ちさえすればそれでいいのだ。
 ……誤算があったとすれば、避けられてしまったことか。そのせいでいる方向を知られ、あまつさえ反撃までされたのだから。
 おかげでザ・ワールドを使って迎撃し、音を立ててしまった。真名解放はせずに済んだのだから、ほとんど消耗はしていないのが救いか。

 バーサーカーに目をやると、かなりの速度で向かってくる。
 あの速度なら後数秒もしないうちに自分の前に現れる事は間違いない。
 ここまで来れば、先程のような奇襲なども通じまい。ならばやるべき事は、正面切っての戦闘だけだ。

「■■■■■!」
「いいだろう、相手をしてやるぞバーサーカー!」

 そして今、アーチャーとバーサーカー……否、DIOと美樹さやかは対峙する。
 左手の剣を投げつけ、さらに空中を足場に跳躍。その勢いのままにDIOへと突貫していくさやか。

「無駄ァ!」

 だが、それを読んでいたザ・ワールドを出して正確に剣を叩き落とす。
 先程から投剣で攻撃してきていたのだ、ならばそれを読めないはずがない。
 剣を迎撃し、続けて突っ込んできたさやかを弾き飛ばす。
 が、さやかは空中で素早く体勢を立て直すとマンションの屋上に着地、DIOへと向かって駆けだした。

「フン! 猪ごときが、このアーチャーに勝てるとでも思ったか!」

 その場を動くまでもないとでも思っているのか、短剣を投げて迎撃する。
 DIOにとっては狂人など、まともに相手する価値すらないという事か。
 だが、今DIOに向かってきているさやかはただの狂人ではない。聖杯戦争の、バーサーカーのサーヴァントなのだ。
 投剣を避け、あるいは迎撃してDIOへと接近、そのまま斬りかかる。
 その剣をザ・ワールドで叩き折り、そのままさやかも叩き潰すべくザ・ワールドの拳を繰り出した。

「無駄無駄――――」
「■■■■――――」

 左の拳で剣を折り、右の拳を繰り出すDIO。
 右の剣が折られた瞬間、左手に剣を作り出して振るうさやか。

「無駄無駄無駄無駄――――」
「■■■■■■■■――――」

 それだけにとどまらず、さらに右、左、右、左と拳を振るうDIO。
 その速度は、さながら拳が大量にあるかのように見える程だ。
 対するさやかも道具作成のスキルを使い、作成・攻撃・破棄のサイクルで剣を繰り出す。
 足元には真っ二つにへし折れた(あるいは砕けた)、ついさっきまで剣だった金属が加速度的に増えていく。

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!」
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!」

 それらはどんどんと速度を上げ、ついには拳と剣の嵐が激突しているかのようになっていた。
 ソウルジェムがいくらか濁ったが、DIOはそれに気付いてはいない。
 また、さやかはさやかで気にも留めない。そもそもバーサーカーになった時点で、力をセーブするという『理性ある行動』は取れなくなったのだから。

517 ◆YHOZlJfLqE:2012/01/12(木) 23:01:41 ID:LQJYpC5.0
 ……お気付きであろうか。この激突、さやかの方が不利であることに。
 確かにさやかはバーサーカーとなったことで、身体能力が跳ね上がっている。ザ・ワールドのラッシュを迎撃できることが何よりの証明だ。
 だが、それでもなお単純なパワーではDIOには敵わない。いくら迎撃できても、受けきれなければ意味など無い。
 攻撃を受けきれなかった分の威力は、さやかの体を蝕み続けている。
 単純なスピードならさやかの方が上なのにも関わらず迎撃だけに甘んじているのも、威力がありすぎて迎撃に全力を注がないとすぐに破られるからだ。
 そして、ついにその時が来た。

 ド ゴ ォ !

 クリーンヒット。
 ザ・ワールドの一撃を胸に受け、さやかの体が吹き飛んだ。
 吹き飛んだ先にある給水塔へと激突し、給水塔がひしゃげて水が噴き出す。
 だが、それでもDIOは容赦しない。用意していた短剣類を次々取り出し、給水塔へと投擲する。
 それに感付いたさやかが避けようとするが、もう遅い。

「もう遅い、脱出不可能よォーーーーッ!」

 ナイフがまず一本さやかの頭に突き刺さり、それに続くかのように大量の短剣が突き立てられた。
 まずは一人、これだけやれば死んだはずだ。
 何せ体中に刃物が刺さっているのだ。承太郎の時のように服の下に雑誌をはさむという手も、こんな薄着では取れはしまい。
 例えサーヴァントとしての補正があったとしても、頭にまで突き刺さったのだ。普通なら間違いなく死ぬ。

「サーヴァントといえど、所詮は考える事すらできん猪か。分かってはいたが、恐れるに「――――■■■■■■■■!」

 ――――そう思いザ・ワールドを消して去ろうとしたDIOに、あるはずのない声が聞こえた。
 咆哮に気付いて振り向くと、給水塔からさやかが手に向かってくるのが見えた。
 全身に刺さった短剣は走る振動で落ち、その直後に傷がふさがっていく。
 それによる魔力消費で腹のソウルジェムが少しずつ濁りを増すが、構わずに仕留めにかかっていった。

 さやかが生きていた理由だが、これは至極簡単なものだ。
 まず、魔法少女の本体は彼女の宝具でもあるソウルジェムであり、これが破壊されない限り死ぬことはない。
 次に、さやかのソウルジェムは変身中は腹部についている。
 ……さて、先程の投剣は一本でも腹部に当たっただろうか?
 答えは否。両腕を腹の前に出し、ソウルジェムだけは死守したのだ。
 ソウルジェムさえ無事なら、痛覚遮断と癒しの祈りによる自動修復でいくらでも戦える。狂っても尚、それだけは理解していたのだ。

「何ィッ!? ば……ばかなッ! 奴は人間ではないのか!?」

 あれで生きているとは思っていなかった。DIOの表情がそう言っている。
 自分のような吸血鬼ですら、頭を破壊されれば死ぬ。ましてや、人間なら例えサーヴァントだとしても頭を破壊されるのは致命傷だ。
 だが、現にさやかは生きている。驚いた一瞬の隙に距離を大きく詰めてきている。
 このままではいくらDIOといえど、直撃は免れない。使いたくなかったが、こうなってしまったら仕方がない。
 迎撃せずに止められる唯一の手――――

「チィッ、仕方がない――――世界(ザ・ワールド)!!」

 ――――つまりは、真名解放を行う。
 その瞬間、世界の全てが静止した。


【新都・蝉菜マンション屋上/深夜】
【アーチャー(DIO)@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:健康・『世界(ザ・ワールド)』効果発動中

【バーサーカー(美樹さやか)@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:回復中・ソウルジェムに濁り(小)

518 ◆YHOZlJfLqE:2012/01/12(木) 23:01:59 ID:LQJYpC5.0
「ん……」

 戦いが始まって少し経った頃、蝉菜マンションの一室。
 そこでは、先程眠ったばかりの鹿目まどかが目を覚ましていた。
 眠っていたはずの体には、何故だか多少の疲労感がある。

「あれ……アーチャーさん?」

 と、そこでアーチャーがいない事に気付くまどか。
 最初は霊体化しているのかとも思ったが、それなら起きた時に気付いて声をかけてきてもおかしくない。
 寝ぼけ眼をこすり、ベッドから降りて部屋の中を探し始めるまどか。

「アーチャーさーん? いないなあ……どこに行ったんだろ?」

 部屋中を探したが、アーチャーらしき姿は見えず声もしない。
 部屋にいないとなると、やはり外だろうか。
 そう考えたまどかは、アーチャーを探すべく外に向かおうとする。

 そして外に出ようとした瞬間、部屋のドアが開いた。


「く……ハァ、ハァ……」

 バーサーカーが走り去ってしばらくした後。詩音は蝉菜マンションに向かっていた。疲労しているのか、その足取りは重い。
 右手にはバーサーカーの剣。先程突っ込んでいった時、道具作成で作ったものが一本だけ残っていたので自衛用に拾っていたものである。

「サーヴァントとの契約って、意外と疲れるものなんですね……ここまできついとは思ってませんでしたよ」

 ――――実は彼女のサーヴァントには一つ弱点がある。それは何か?
 思考力の低下? 否。それと引き換えに身体能力が跳ね上がっているので、それは弱点にはなるまい。
 他と比較しても並程度しかない筋力と耐久力? 否。このバーサーカーなら耐久力は宝具が補ってくれるし、何より高い敏捷性でカバーが効く。
 ならば何か? それは燃費が非常に悪い事。バーサーカーである以上、こればかりはどうしても避けられない弱点である。
 現に過去の聖杯戦争では、バーサーカーの敗因がマスターの魔力切れというケースが存在するくらいだ。
 ましてや、バーサーカーのマスターは元々魔術師でもなんでもないただの少女だった詩音なのだ。当然慣れていない以上、たとえ大したものでなくとも負担を大きく感じてしまう。
 だから、どこかで休むべきだという体からの警告に従わざるを得ない。
 そこでなぜ蝉菜マンションなのかだが、単に近くにあったからだ。

「とにかく、どこかで休まないと……」

 そう呟き、一番近くにあったマンションの部屋に入ろうとする詩音。
 一刻も早く休みたい。その意思は彼女から注意力を少なからず奪っていた。
 アーチャーが警戒した騒ぎを起こすデメリット、それが思考の外に行ってしまっているのが何よりの証明だ。
 それに気付かないままドアを開けた先にいたのは、現在バーサーカーと交戦中であるサーヴァント・アーチャーのマスターである鹿目まどか。
 詩音にとっては現状真っ先に倒すべき相手であった。


【新都・蝉菜マンション一階/深夜】
【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:健康(残令呪使用回数:3)

【園崎詩音@ひぐらしのなく頃に】
[状態]:消耗(小)・右腕にかすり傷(残令呪使用回数:3)
※さやかの剣を一本持っています

519 ◆YHOZlJfLqE:2012/01/12(木) 23:02:44 ID:LQJYpC5.0
投下終了
まさかこんなにも早く真名解放することになるとは
そしてまどかパートが異様に分量少ないのはどういうことなの…

…あ、タイトル決めてなかった。明日までに考えてきます

520マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/12(木) 23:41:57 ID:ghaALCTA0
投下乙であります!!
DIO様VSさやかちゃん、このDIO様はアーチャーのクラスで
どっかの金ぴか属性でも入っちゃったのかと思う慢心っぷりw
でも、正面対決ではバーサーカーですら退ける強さ!
そこに痺れる(ry

いきなり邂逅しちゃったまどかと詩音もどうなる事やらw

521名無しさん:2012/01/13(金) 00:59:34 ID:B8cmAecwO
投下乙です!バーサーカーを侮って痛い目見る飛ばしまくりタイプのアーチャー。ん、何か最近見た、ような?

何かまどかがいきなりオワタ感するのは気のせい・・・じゃないよなぁ。死んだはずの友人の得物持ったヤバイ人が目の前にとかもうねw

522名無しさん:2012/01/13(金) 01:06:41 ID:l8AHuNO20
投下乙です

DIO様が序盤で優勢だと、後半で必ずひっくりかえされるのがもはやお約束w
しかしこのアーチャー、どう見ても接近戦の方が得意にしか見えないw

と、少し気になったのですが刃物を収集するという場面
仮にもアーチャーのクラスなんですから、実地で集めなくても魔力で複製できるという風にした方がいいのではないでしょうか?

523名無しさん:2012/01/13(金) 11:14:29 ID:68NkufycO
魔力消費を極力避けて、まどかに戦闘を感づかれないためじゃね?<ナイフ云々
しかし、DIO様が序盤でもう真名解放しちゃうとか、漫画ロワみたいな早期退場を心配せざるをえないなw

524 ◆YHOZlJfLqE:2012/01/13(金) 20:13:25 ID:FPvWb3DQ0
ナイフの現地調達に関しては、>>523の言う通りまどかに感付かせないためです
プロローグを見るに、DIO様はまどかに感付かれないうちに参加者減らしたいみたいですし
Wiki収録時に、その点を本文中に書きくわえておきます

それと、>>515->>518のタイトルは「Cyclone」となります

525名無しさん:2012/01/14(土) 13:14:08 ID:U0j/cE2.0
限度額なしのカードは一般的に購入できない火器、麻薬等には適用されない ってことだけど
これはこの舞台上では銃器は絶対に入手できないってこと?
それとも、たとえば警察署には銃があるけどそういうのは入手できるんだろうか

あと、銃器や日本刀は無理でも金属バットやら木刀やらチェーンソーなら購入できる?

526マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/14(土) 15:28:11 ID:M7RSyOukO
あくまで購入が出来ないだけであって、入手は可能です。
例えば警察署襲撃等で。
但し、他のマスターに捕捉されたり、
場合によってはペナルティも発生するので非常にリスクが高いです。

木刀や金槌、チェーンソー等は現実のホームセンター等で
購入出来るので規制の対象外になります。
日本刀は……通販限定ですかね(最低でも日数経過2日)。

527名無しさん:2012/01/14(土) 15:44:56 ID:/6bfSFRUO
あとは防刀・防弾チョッキか。
これはリアルでも通販で買えるしな。

528名無しさん:2012/01/14(土) 18:03:06 ID:qX2pG1LI0
それと、ボウガンやネイルガンも普通に買えるね

529名無しさん:2012/01/14(土) 18:07:29 ID:zponkwC.O
支給品システムがない代わりのキャッシュシステムだから、切嗣はアレが使えないのか。
まあそれ以外なら大体揃いそうな分、こっちの方が自由度高いかな。

通販もおkなら、時価ネットたなかみたいなトンデモ商品を購入できるとかも
あってもいいんじゃない?とか言ってみたり。

530名無しさん:2012/01/14(土) 18:16:33 ID:lpRY8uBE0
士郎と名無鉄之介と天海陸は武器を生み出せて、ゼフィールは自前の武器がある
サーヴァントが無数に武器を生み出せるタイプでないなら何らかの形で武器を手に入れたいところだな
それか、出典で元々愛用の武器があるキャラは最初から持ってるとか

531名無しさん:2012/01/14(土) 18:20:15 ID:x8WaZW5Y0
重機とかは買えても大丈夫か?
移動手段によし、轢くなりアームで跳ね飛ばすなりで攻撃手段にもよし
それこそ「ロードローラーだッ!」な使い方もできるしで買えればかなり自由度高いだろうけど…

532名無しさん:2012/01/14(土) 18:32:05 ID:lpRY8uBE0
ロードローラーに限らず乗り物は目立つから他のマスターに見つかりやすくなるリスクがある、とか
ルルーシュや切嗣は建物爆破が得意だし爆薬も調達させたいな

533名無しさん:2012/01/14(土) 18:45:32 ID:qX2pG1LI0
キンブリーがいるじゃないか

534マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/14(土) 22:37:10 ID:u73Z1ly20
ちょっと調べましたけど重機もネットで買えるみたいなので有りです。
まぁ、半端じゃなく目立ちますねw

…いや、重機を乗り回したいとは思わないですけどね、自分はw

535名無しさん:2012/01/16(月) 19:24:43 ID:7nucOjnk0
質問ですがこのロワの主催者は何時の時期の言峰神父ですか?

536名無しさん:2012/01/16(月) 21:14:14 ID:CRcaNpBk0
このロワの言峰は、正確に言えば言峰本人ではない。
言峰綺礼の人物情報を元に、ムーンセルが作り上げた
ロワ進行役の為だけに存在する人格の希薄な道具。
具体的には、Fate/Extraの言峰を参考にしたらいい。
だから殊更に人を苦しめて喜んだりすることも多分ないと思う、多分…。

537名無しさん:2012/01/16(月) 21:34:12 ID:7nucOjnk0
>>536
答えてくれて有難うございます

538マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/18(水) 00:01:41 ID:FSVrLSxM0
雪輝&キャスター、由乃&アーチャー、鳴上&ランサーの予約を延長します。

539 ◆4OblpRmYos:2012/01/18(水) 23:31:45 ID:9cfpre.M0
遅くなって申し訳ありません、金田一&ライダー組を投下します。
少々長文になるため、支援レスをいただけると助かります。

540ズッコケ二人組と一匹〜聖杯戦争から脱出せよ〜 ◆4OblpRmYos:2012/01/18(水) 23:34:46 ID:9cfpre.M0
「なあライダー、こんなとこに何があるんだよ?」

「まあ慌てるでない、ついてくればわかる」

少年探偵・金田一一とそのサーヴァント・ライダー。
二人は自己紹介を済ませた後、最初に降り立った柳洞寺の境内を調べに………行くことはせず、山門の横の茂みの中を歩いていた。
運動が得意ではない金田一だが、その足取りは決して重くはない。
普段から旅行などで山道を歩く機会が多く、身体が慣れてしまっているからである。(もっとも、その旅先で毎度のように殺人事件に巻き込まれるのだが)

「ふむ、ここらでよかろう」

ある程度開けた場所に出たところで、ライダーは立ち止まった。
しかし、金田一から見て、何か特筆すべきものがあるようには見えない。

「ここったって……別に何もないぜ?」

「いやいや、何もない場所だから良いのだ。今からすることを考えればな」

そう言って、ライダーは懐から白い教鞭のようなものを取り出した。
先端に陰陽のマークのような球体が付いているのが印象的だった。
そして、ライダーは咳払いをしてから、真剣な表情で語り始めた。

「金田一、おぬしは知略を駆使して戦うタイプの人間だ。
しかし、それを生かすには適切な情報が必要不可欠。
故に、まずは知らねばならん。
おぬしが巻き込まれた、この聖杯戦争の知識をな」

「………ああ」

確かにライダーの言う通りだ。
殺し合いを止めようにも、そのために必要な情報を理解していなければ立ち行かない。
金田一もまた、気持ちを切り替えて真剣にライダーの説明を聞き始めた。

「まずは目を閉じて、意識を集中するのだ。
おぬしにとって最もイメージしやすい形でわしのサーヴァントとしてのステータスが見えてくるはずだ」

言われた通り、目を閉じると、ライダーの能力らしきものが浮かんできた。

541ズッコケ二人組と一匹〜聖杯戦争から脱出せよ〜 ◆4OblpRmYos:2012/01/18(水) 23:36:05 ID:9cfpre.M0
【クラス】ライダー
【マスター】金田一一
【真名】太公望
【性別】男性
【身長・体重】不明
【属性】中立・善

【筋力】D 【耐久】D 【敏捷】C 【魔力】B+ 【幸運】A+ 【宝具】??



どうやらライダーは身体能力で少々劣るサーヴァントらしい。(その代わり魔力や幸運は優れているようだが)

「今は最低限の情報しか見えぬであろうが、いずれは全ての情報が開示されるはずだ。
それと、目視さえすれば他のサーヴァントの情報も分かるようになっておる。
常にチェックしておくのだぞ」

「ああ、わかった。ところで、宝具ってのがステータスに載ってたんだけど、宝具って何なんだ?」

素直に疑問を口にする。
名前の響きからして、重要そうな部分だとは思うのだが、ライダーのそれは今の金田一にはまだ読み取れなかった。

「うむ、宝具とは、サーヴァントにとってのシンボルであり、半身のようなものだ。
宝具の種類にも色々あるが、まあ今は必殺技のようなものだと思っておけば良い」

そして、ライダーは先ほどの教鞭のようなものをこれみよがしに掲げた。

「例えば、わしの宝具のうちのひとつがこの打神鞭だ。
これは、大気を自在に操る宝具だ、ほれ、このようにな」

「うわっ!?」

ライダーが打神鞭を振ると、金田一とライダーの間に猛烈な風が発生した。
それは金田一にも目視できるほど濃密な風のうねりであり、その勢いに思わず尻餅をついてしまった。

「す、凄いんだな、宝具って………」

「何を言っておるのだ、今のはわしにとってはほんのそよ風に過ぎん。
本気で撃てば、この山など軽く吹き飛ぶぞ」

しれっととんでもない事を口にするライダーに、金田一は頬が引き攣るのを止められなかった。

542ズッコケ二人組と一匹〜聖杯戦争から脱出せよ〜 ◆4OblpRmYos:2012/01/18(水) 23:37:27 ID:9cfpre.M0
そんな彼を他所に、ライダーは手近かな地面に向かって打神鞭を振りかぶっていた。
その顔には邪悪な笑みが浮かんでいる。
嫌な予感しかしない。
その予感は果たして的中し、ライダーは打神鞭を振り下ろし、掘削機の要領で地面に穴を掘り始めた。

「わーっはっはっはっはっはっは!!」

「ちょ、ここって私有地じゃ……」

「はーっはっはっはっはっは!!」

「いや、だからやめ……」

「はーっはっはっはっはっはっは!!」

金田一の制止など気にも留めず、ライダーは不気味な高笑いを上げながら地面を掘り進めていく。
そして、数メートルほど掘り進めたところで、満足したのか手を止めた。
こんな穴を作ってどうするつもりなのか、金田一には見当もつかない。

「どうすんだよ、こんな事して。
寺の人に怒られるんじゃあ………」

「固いことを言うでない。
それより、ここからが本番だ。
この打神鞭に付いたスイッチを…ポチっとな」

そう言うや否や、打神鞭から旗のようなものが飛び出した。

「これぞわしの第2の宝具、杏黄旗だ!」

ライダーは非常に誇らしげだ。
旗が飛び出た時キコキコキコーンという謎の擬音が聞こえたような気がしたが、多分気のせいだろう。
ステータス欄が更新されたことから、残念なことにこれは本当に宝具らしい。

「な、何だその目は!
これは戦略上とても重要な宝具なのだぞ!」

金田一の可哀想な人を見るような視線に耐えかねたのか、ライダーが声を張り上げた。

「いや、でもそれ………旗だろ?」

「ただの旗ではない!この布は魔力の受信機のようなものだ。
本来はこういう使い方をするものではないが、まあ聖杯戦争に合わせた仕様変更というやつだ。
この布を半分ほど破って……今掘った穴にポイっとな」

そう言って半分に破った杏黄旗の布を穴に投げ入れると、ライダーは何やら呪文のようなものを唱え始めた。
その顔は真剣そのものであり、決してただのお遊びではないことを伺わせる。
数十秒後、詠唱を終えたライダーは金田一の方に向き直った。

543ズッコケ二人組と一匹〜聖杯戦争から脱出せよ〜 ◆4OblpRmYos:2012/01/18(水) 23:41:31 ID:9cfpre.M0
「実は、今わしらがいるこの円蔵山は、自然の魔力が集まる霊脈と呼ばれる場所なのだ。
わしの杏黄旗は、そういった土地に敷設することで、本体である打神鞭に魔力を供給する仕組みになっておる。
わざわざ獣道を通ってここに設置したのも、馬鹿正直に敷地の真ん中に埋めては戦闘の余波で破壊されてしまう可能性が高かったからだ」

「そうだったのか………。
でもこの穴、どうすんだ?そのままってわけにもいかないだろ?」

「うむ、それについてもわしにいい考えがある。
というわけで、カモーン!スープー!」

ライダーが天に向かって指をパチンと鳴らすと、煙とともに何かが現れた。
それは不思議な生き物だった。
ティーカップの皿のように大きくつぶらな瞳、ふわりとしたたてがみ、頭に生えた二本の角。
全体的に丸みを帯びたシルエットは、金田一に昔幼馴染と共に見たとあるアニメを想起させた。

「こやつがわしの霊獣にして相棒の四不象だ。
わしがライダーのクラスで現界している所以でもある」

「す、すっげえ……!」

金田一は目を輝かせながら四不象に見入っていた。
生前はその外見から侮られることが多かっただけに、四不象はとても誇らしげな表情、いわゆるドヤ顔状態になっていた。






「空飛ぶ白いカバだ!」

その場の空気が凍りついた。
普段なら四不象がカバ呼ばわりされてもニヤニヤしながら見守るだけのライダーも、金田一のあまりの悪気のなさに
流石に気まずくなり、フォローを入れようとする。
しかし、遅かった。金田一は四不象にアイルランドの光の御子が愛用する因果逆転の魔槍の如き威力の
言葉の暴力を(本人に全く悪気は無いが)次々に浴びせていく。

544ズッコケ二人組と一匹〜聖杯戦争から脱出せよ〜 ◆4OblpRmYos:2012/01/18(水) 23:44:00 ID:9cfpre.M0
「うっわぁ〜、本当にすげえ!ムー○ンみてえ!
そういや美雪があれのぬいぐるみ持ってたよな〜。
あ、お手」

「あ、いや、金田一。そやつは……」

四不象はすでに俯いてプルプルと震えているのだが、金田一は全く気がついていない。
そして……




「ボ、ボクはカバじゃないっスーーーーーー!!!!」

「お手」の部分にキレたのか、ついに四不象が爆発した。
しかし、金田一の反応は非情なものだった。

「うわっ!?カバが喋った!?」

さらに(悪気は無いが)追い討ちをかける金田一。
よほど驚いたらしく、腰を抜かしている。

「だからカバじゃないっスよ!召喚直後にこの言葉責めはあんまりっスよ!」

「う、うむ。こやつは見た目はまあアレだがれっきとした霊獣なのだ。
というかおぬし、もう少しデリカシーというものを身に付けた方が良いぞ」

すかさずフォローを入れるライダー。
主人の援護に四不象もようやく怒りを鎮めた。

「ところで御主人、ボクを呼び出したってことは敵が現れたってことっスか!?
ボクの活躍の場面っスか!?」

度重なるカバ呼ばわりがまだ尾を引いているのか、四不象は何とかして自分の勇姿を金田一に見せつけたいようである。

「うむ、おぬしはこれからわしらと一緒にこの穴を埋める作業をするのだ」

「了解(ラジャー)っス!金田一くん、ボクの勇姿を…………って、え?
御主人、今何て言ったっスか?」

「だから、わしらと一緒に穴を埋める手伝いをしろと言ったのだ」

四不象はショックで再び凍りついた。
召喚されてからいきなりのダブルパンチで、四不象のライフはもうゼロである。

「ボクの聖杯戦争の初仕事が後片付けっスか!?
ひどいっスよ御主人!こんなの絶対おかしいっスよ!?」

「っていうかこれ、俺もやるのかよ!?」

「ええい、やかましい!ちょっと掘りすぎてしまって人手が足りんのだ!
わしらは一心同体一連托生!さっさと片付けるぞ!」

とまあ、このように漫才を繰り広げながら杏黄旗敷設のために掘った穴を埋める作業に勤しむ二人と一匹であった。

545ズッコケ二人組と一匹〜聖杯戦争から脱出せよ〜 ◆4OblpRmYos:2012/01/18(水) 23:45:22 ID:9cfpre.M0
「つ、疲れた………。
んでもって、何だよこの長い階段……」

「頑張るっスよ金田一くん。
でも、もうちょっと体力つけた方が良いっスよ」

二人と一匹で穴を埋めた(ただし、ライダーは寺の偵察と称して途中で抜けた)後、金田一と四不象は長い階段を通って柳洞寺の境内に入ろうとしていた。
元々体力のある方ではない金田一にとってはかなりの重労働だったらしく、その表情には疲労の色が濃い。

「とにかく、中に入って一休みするっスよ。
御主人も先に中にいるはずっスから」

「でも、良いのかな。
勝手に入ったら警察呼ばれるんじゃ…………ん?」

「?どうしたっスか?金田一くん」

警察という単語を口にした途端、金田一の表情が一変した。
それは、忘れていた重要な事を思い出した時のような表情だった。

「そうだよ!警察だよ!!
早く警察に通報すれば良かったんだ!!
悪い四不象、ちょっくら電話借りてくる!」

「えっ?ちょ、金田一くん、それは……」

言うが早いか、金田一は寺に向かって駆け出した。
そのスピードたるや、先ほどまでの疲労を全く感じさせないほどの速さだった。

「すいませーん!少し電話貸してくださーい!」

誰もいないのをいいことに、寺の母屋に駆け込んだ金田一は、電話を探して駆け回る。

「どうしたのだ金田一、そんなに慌てて。
電話がどうのと言っていたようだが……」

「あ、ライダー!ちょっと警察に電話してくる!
あと、寺の人がいたら謝っといてくれ!」

廊下から姿を現したライダーを見つけるや、早口で用件を伝えてその場を立ち去ろうとする金田一。
そんな彼を、ライダーが腕を掴んで引き止めた。

「ちょっと待て金田一!警察に電話すると言っても……」

「何だよ!そりゃ普通の警官じゃサーヴァントには勝てないかもしれないけど、それでもこんな状況なんだ!
警察がいるといないとじゃ全然違うはずだ!
大丈夫だって!剣持のオッサンや明智さんなら聖杯戦争のことだって信じてくれる!」

546ズッコケ二人組と一匹〜聖杯戦争から脱出せよ〜 ◆4OblpRmYos:2012/01/18(水) 23:46:32 ID:9cfpre.M0
「いや、そういう問題ではなく……」

「考えてみりゃおかしかったんだ!さっきの山だって人がいない獣道のわりに落ち葉がよけたような痕跡があった。
多分、ここはつい最近まで生活してた人たちを無理矢理立ち退かせて用意した会場なんだ!
普通なら考えられないけど、それこそサーヴァントみたいな力を使えば不可能じゃないのかもしれない。
つまり俺たちが今するべきことは、何とかして外に助けを求めることだったんだよ!」

早口で自らの推理を捲し立てる金田一に対して、徐々に脱力していくライダー。
そんなライダーを振り切り、金田一は電話を見つけ出し、警察に電話をかけた。

「あっ、もしもし警察ですか!?本庁の剣持警部か明智警視につないで下さい!
変な神父が殺し合いをしろって言ってるんですよ!」

なるべくサーヴァントのことは伏せて説明を試みる。
しかし………

「ああ、聖杯戦争の事ですか?
申し訳ありませんが、当方では聖杯戦争に関する一切の質問・要望等を受け付けておりません。
聖杯戦争の知識をお求めでしたら、月海原学園図書室をご利用下さい」

「はい!?ちょ、ちょっとあんた、何でその事を……って、あっ、ちょっと!?」

不気味ほど事務的な対応を取られた末に一方的に切られてしまった。
間違い電話をかけてしまったのかとも思ったがそんなこともない。
もしや聖杯戦争の魔手は警察にまで及んでいるのだろうか?

「……いや、まだだ。警察が駄目なら他の人に頼めばいい!
えーっと、いつきさんに佐木に針生さんに結城先生に黒沢オーナー、後は……心配かけちまうけど、美雪やお袋に玲香ちゃん、他には――――――」

思いつく限りの知り合いの名前を列挙し、電話をかけようとする。
そんな金田一の肩を、脱力しきった様子のライダーが叩く。

「……金田一、おぬしの言いたいことは分かった。
分かったから、ちょっとこっちに来てわしの話を聞いてくれ」

「?ああ、わかった」

妙に疲れた様子のライダーを不思議に思いながらも金田一はライダーの話を聞くことにした。

547ズッコケ二人組と一匹〜聖杯戦争から脱出せよ〜 ◆4OblpRmYos:2012/01/18(水) 23:48:32 ID:9cfpre.M0
「はぁ!?ここがバーチャル空間だって!?」

「そうだ。ついでに言えば、そもそも地球ですらない。
月に存在する巨大な演算装置にして観測装置、ムーンセル・オートマトン。
その中に展開された電脳空間こそが、この聖杯戦争の会場の正体だ。
おぬしの言う妙な神父も、進行役として選出されたNPCであろう」

場所は変わって柳洞寺の本堂。
そこで金田一はライダーから今回の聖杯戦争の舞台、ムーンセルについての説明を受けていた。
ちなみに、いつの間に用意したのか、ライダーは本堂の中に自分のコーナーを作っており、さらに山のように茶菓子を置いていた。
ライダー曰く「このような大きな寺院にはそれ相応の人数の檀家がいるはず。となれば、そういった者たちをもてなすために、常に茶請けの類を母屋の台所に用意していると睨んでいた」との事。
閑話休題。
数多くの事件やトリックを解明し、今回に至ってはサーヴァントなどという超常現象に遭遇した金田一だが、流石に今、自らが五感で感じている現実をバーチャルなどと言われて素直に信じることはできなかった。

「………そんな話を信じろっていうのかよ。
大体、月にそんなすごいものがあるんだったら、ニュースになってないはずがないじゃないか。そんな話、聞いたこともないぜ?」

「それは、おぬしがムーンセルの存在しない平行世界から呼ばれたからであろう。
聖杯の力を“使えば”不可能なことでもあるまい。
というかおぬし、わしやスープーのことはあっさり信じたではないか」

「だってライダーも四不象も俺の目の前にいるじゃないか。
実際に目にしたことまで疑ってたらきりがないだろ。
少なくとも、ムーンセルだの並行世界だのよりはまだ信じられるよ」

金田一とて超常現象の類を一切合財否定するほど頑固でも狭量でもない。
聖杯戦争にしても、現実的な殺し合いや、今や日常茶飯事といっても過言ではないほどの頻度で遭遇する殺人事件に置き換えればどうにか理解できる事ではある。
しかし、ムーンセルや平行世界といった話は、金田一の想像力の範疇を大きく越えていた。
一言で言えば、話の規模が大きすぎてピンとこないのである。

「それに、その話を全部信じるにしたってまだおかしい事があるぜ。
そのムーンセルが観測装置だっていうのなら、どうして殺し合いをさせて願いを叶えるなんて話になるんだ?
最後まで生き残った者が願いを叶えられるっていうのも一体どんな基準で決めたんだよ?」

金田一の疑問に対し、ライダーはやや満足そうに頷きながら答えた。

「いい質問だ、金田一。
そもそもムーンセルとは、太古の昔から地球上のあらゆる記録を観測するために存在してきた。
過去にもムーンセルが記録活動の一環として人間を招き、殺し合わせた実例もあるが、並行世界の人間までもを呼び寄せて聖杯戦争を開いたという記録は無い。
少なくとも、聖杯からわしに与えられた知識にそのような記録が無いことは事実だ。
では、何故この聖杯戦争が起こったのか。
金田一よ、多くの事件を解決してきたおぬしならわかるのではないか?」

548ズッコケ二人組と一匹〜聖杯戦争から脱出せよ〜 ◆4OblpRmYos:2012/01/18(水) 23:49:57 ID:9cfpre.M0
試すようなライダーの言動に、金田一は少々困惑しながらも思考を巡らせる。
ライダーは何故か“多くの事件を解決してきた”という部分を強調して言った。
だとすれば、自分が今まで関わった事件にヒントがあるという事だろうか?

(でも、俺が関わった事件なんてそれこそ思い出してたらきりがないぐらい多いんだよな。
なら、少しでもこの聖杯戦争に近い性質を持った事件……。
そこに鍵があるのかもしれない)

そう考えて思い出すのは、かつてバルト城で起こった、ミステリーナイトツアーという名目で行われた連続殺人事件。
やや乱暴な考え方だが、催し物を装って誰かを招き、人を殺し、自らは目立つ主催者の影に隠れるという点では聖杯戦争と共通していると言えなくもない。
そしてこの事件を聖杯戦争が起こった理由と関連付けて考えた時、金田一の脳裏に一つの仮説が浮かんだ。

「まさか……この聖杯戦争も、誰かが仕組んだものなのか?」

「うむ、少なくともわしはそう睨んでおる。
さっきも言ったが、ムーンセルは、この世界の地球上の記録を観測することしかせぬ。
並行世界の人間を観測するのは、その本義から外れたことだ」

「でも、最近になってそっちの方も記録するようになったって可能性もあるんじゃないか?」

「では聞くが金田一よ、並行世界というものは一体いくつあると思う?
例えば、もしおぬしが今の疑問を思いつかなかったら。
警察に電話することを思いつかなかったら。
もっと言えば、昨日の昼食の内容が変わっていたら。
そういった僅かな変化から生まれた分岐が、一つ一つの並行世界になると考えた場合でだ」

あまりに無茶なライダーの質問に、さしもの金田一も閉口する。

「そんなの、数え切れるわけないだろ。
むしろ、数えるだけ無駄じゃないか、そんなの」

抗議のつもりで言った言葉に、ライダーはむしろ我が意を得たりといった表情で答えた。

「その通り。数えるだけ無駄だ。
だからこそ意味が無いのだ。
如何にムーンセルが膨大な記憶容量を誇るといっても、それは単一の世界を基準とした場合だ。
無限の並行世界の地球の観測までしていては、すぐにオーバーロードを起こして自壊するのは自明の理。
つまり、ムーンセルの本来の目的から言えば、並行世界の扉を開き、人を招くこと自体が非合理的な無駄の極みなのだ」

「だから人間が仕組んだ、って事になるのか……。
ってちょっと待てよ、だとしたら、順序が逆になる……!
ライダー、お前さっき聖杯の力を使えば並行世界の人間でも呼べる、みたいなこと言ったよな?
だったら、願いを叶える人間を決めるために殺し合いをさせるんじゃなく、既に聖杯を手にして願いを叶えた人間が俺たちに殺し合いをさせてるってことになるんじゃないのか!?」

自ら思いついた仮説に青ざめる金田一。
もしこの考えが事実なら、自分たちが何をしても殺し合いを打破することなど不可能、という事になりかねない。
何しろ相手は既に聖杯を手に入れた人間だ。
少しでも殺し合いに反抗した者を消すなど造作もないだろう。

549ズッコケ二人組と一匹〜聖杯戦争から脱出せよ〜 ◆4OblpRmYos:2012/01/18(水) 23:51:34 ID:9cfpre.M0
「いや、厳密には少し違うであろう。
本当に聖杯を掌握し、願いを叶えたのなら、わざわざ聖杯戦争を起こす理由が無い。
恐らくそやつは、聖杯にある程度干渉することはできても、完全に掌握し、目的を達成するには至っていないのであろう。
つまり、この聖杯戦争は目的達成のための手段として引き起こされた可能性が高い。
願いを叶えるという触れ込みや、バトルロイヤルという形式にしても参加者に疑問を抱かせないようにするための方策であろう。
この調子なら、他にも何か信憑性を高めるための布石を打っているやもしれぬな」

ライダーの返答に少しだけ安堵した。
考えてみれば、こうして自分たちが聖杯戦争の裏について議論することが出来ている時点でこの聖杯戦争の仕掛け人が完全な力を持っているわけではないことは明白だ。
そして、聖杯戦争を開催した理由についても、提示された勝利条件を考えればある程度の推測はできる。

「最後に残った一組みに願いを叶える権利が与えられる……って事は、殺し合いが完遂される事が目的の達成に必要な条件ってことになるよな」

口にするだけで苦い思いがこみ上げてくるが、考えることをやめるわけにはいかない。
金田一が持つ唯一の力が、この推理力なのだから。

「うむ、十中八九そう考えて間違いない。
となれば、わしらの取るべき方針は聖杯戦争の完遂を阻止することに絞られる。
しかし、これだけでは時間稼ぎにしかならぬ」

そこまで言うと、ライダーの表情が悪戯を思いついた子供のそれに変わった。(もっとも、ライダーの外見年齢は中学生ぐらいの子供といっても良いほど若いが)

「故に、わしらはどうにかしてこの会場、冬木市から脱出する必要がある。
そして、優勝以外の方法で聖杯に辿り着き、最終的には聖杯の近くにいるであろう黒幕をやっつけて、わしらで聖杯を独占するのだ。
殺し合いに乗ったマスターも、聖杯を他の参加者に握られては黙らざるを得まい」

あまりに突拍子の無いライダーの提案に、金田一は開いた口が塞がらない。
勿論それが出来ればベストなのだろうが、そう簡単に上手くいくとは思えない。
そんな金田一の表情を読み取ったのか、ライダーが微笑みながら説明を続ける。

「なーに、わしとて根拠も無く言っているわけではない。
如何に舞台がムーンセルといえども、この聖杯戦争自体は人間が考えたものだ。
まして並行世界の人間を招くという無茶までした以上、完璧ということはあるまい。
必ずどこかに隙があるはずだ」

550ズッコケ二人組と一匹〜聖杯戦争から脱出せよ〜 ◆4OblpRmYos:2012/01/18(水) 23:52:46 ID:9cfpre.M0
殊更力強く話すライダーに、金田一もまた勇気づけられるのを感じた。
方針は固まった。ここからは行動すべき時だろう。

「よし!そうと決まれば街に出て情報収集だ!
できたら他のマスターにも接触して―――」

「駄目」

「……は?」

唐突に冷や水を浴びせられた。

「わしらは当面、この柳洞寺に籠城する。
幸いここには食糧もあるからな」

「な、何でだよ!?もう準備は十分だろ!?
こうしている間にも殺し合いが起こってるかもしれないのに……!」

「まあ理由はいくつかあるが、一つはおぬしの言う他のマスターについてだ。
この聖杯戦争に参加を決めた者の多くは魔術を始めとした何らかの超常的な力を有しておるだろう。
強い力を持ち、自ら望んで殺し合いに参加した者など、精々潰し合ってもらえば良い。
おぬしが気に病むことではない」

これまでとは打って変わったライダーの残酷な言動に、金田一は動揺を隠せなかった。

「でも、だからって死ねば良いなんてことにはならないだろ!
それに、俺みたいに巻き込まれる形で参加させられた奴だっているかもしれない。
誰かが死ぬかもしれないって分かってて、見過ごすなんて出来ねえよ……!」

「金田一」

今までで一番真剣な表情と共に、ライダーが口を開いた。

「おぬしの気持ちは、わしもわかるつもりだ。
だが、今は耐えるのだ。
殺し合いを止めようにも、今のわしらが打てる手はあまりに少ない。
それに、今はここに立て篭る事こそが殺し合いを止めるために打てる最大の一手なのだ」

「……どういう事だよ?」

納得がいかないながらも、続きを促す。

「もう一つの問題は他のサーヴァント、とりわけキャスターだ。
魔術師のクラスに位置付けられておる彼のサーヴァントなら、スキルと魔力量次第でこの冬木市全体への魔術行使すら可能になるであろう。
そして、それに最も適した土地がこの柳洞寺なのだ。
つまり、ここを占拠される事は、魔術への抵抗力を持たぬおぬしや他の一般人のマスターにとっては死活問題になる。
それだけは避けねばならん」

ライダーの語る言葉に嘘は無いことは、その表情から伺い知ることができた。
恐らく、ライダーの言う通りにするのが現状ではベストなのだろう。
一瞬、令呪に訴えることも考えたが、それは徒にライダーとの関係に溝を作る結果にしかならないだろう。
また、本人はあまり自覚していないが、金田一自身、理詰めで物事を判断しやすい性格であることも彼をこの場に留まらせる一因になっていた。
しかし、同時に、諦めることを決してしないことも金田一の持ち味だった。
彼は、無言のままライダーの隣に座ると、茶菓子の包を手に取り、腕を組んで何やら考え事を始めた。

551ズッコケ二人組と一匹〜聖杯戦争から脱出せよ〜 ◆4OblpRmYos:2012/01/18(水) 23:53:48 ID:9cfpre.M0
「…?どうした、金田一」

「考えるんだよ。
確かに今、俺はライダーの考えた作戦を上回るようなアイデアを示すことができない。
でも、それは今の話だ。
ライダー、俺は諦めないからな。
誰も死なせない、お前も認めるような方法を必ず考えてみせる」

そう言って、そっぽを向いて茶菓子(薄皮饅頭)を食べ始めた金田一の背中を、ライダーはどこか嬉しそうに見つめていた。
同時に、今後の展望についてもある程度の考えを巡らせていた。
ライダーとて、いつまでも柳洞寺に篭っているつもりはない。
彼は、生前と同じように、殺し合いを打破するための仲間を募るつもりだった。

(戦局が動くとすれば恐らく今から明朝までの間。
その間に戦闘で消耗したマスターとサーヴァントがこの地の霊脈を求めて来る可能性は高い。
そして、その時こそが交渉のチャンスだ)

消耗しているであろう相手と杏黄旗と霊脈によって魔力の充実したライダー。
そして、脱出の可能性と聖杯を山分けするという実利。
これらの条件をカードにして他のマスターと同盟を組み、ある程度数が揃ったら打って出る、というのが彼の戦略だった。
他のマスターが真っ先にこの柳洞寺に乗り込んで来る可能性もあるが、この序盤戦でそのような行動に出るのは十中八九キャスターのマスターだろうとライダーは考えていた。
その場合、戦いは避けられないだろうが、流石に陣地作成スキルの恩恵も受けていないキャスターに敗れるつもりはない。
Bランクの対魔力は伊達ではないのだ。
逆に、キャスターを仲間に加えることが出来れば心強いとも思う。

(殺し合いに乗っていない熟達の魔術師がマスターで、聖杯にかける願いの無いキャスターを従えている、そんな者たちと手を組めれば………はは、我ながらなんと無茶苦茶な)

あまりに虫の良すぎる発想に、思わず苦笑する。
常識的に考えて、そんなマスターとサーヴァントの組み合わせが有り得るはずがない。

(まあ、それはともかく……何故ここにはNPCがいない?
このような僻地にNPCを配置するリソースを割くことをムーンセルが無駄と捉えたか、あるいは霊脈としてのアドバンテージを得られるこの地に魔力炉になるNPCを配置することをある種の不公平と取ったか、あるいはその両方、か?)

例えば、もしも自分たちではなくキャスターが最初にこの地を抑え、更にNPCを魔力炉に利用したならば。
恐るべき早さで工房、あるいは神殿を形成し、序盤から圧倒的な優位に立っていただろう。
ここにNPCがいないことも、ある程度の公平性を期すための措置と考えれば納得できなくはない。
どこか釈然としない気持ちもあるが、いないものはいないのだ。
これに関しては、今は置いておいても構わないだろう。
それよりも、考えるべき問題が山積みなのが現状だ。
ちらりと、考え事をしている金田一の方を見やる。
正義感が強く、危ういところもあるが、サーヴァントとしてだけでなく、太公望という個人としてもこの少年を死なせたくはない。
一方で、金田一ならこの状況を打破する妙案を考えてくれるのではないか、という期待もある。
若き少年探偵の背中に、ライダーは微かな、しかし確かな希望を見出していた。




【柳洞寺・本堂/深夜】
【金田一一@金田一少年の事件簿】
[状態]:健康(残令呪使用回数:3)
※「怪奇サーカスの殺人」開始直前からの参戦です。

【ライダー(太公望)@藤崎竜版封神演義】
[状態]:健康・魔力充実
※杏黄旗により、どこにいても円蔵山から魔力供給が受けられます。
ただし、短時間の内にあまりにも大量の魔力を吸い出した場合、霊脈に異常をきたす可能性があります。
※裏に聖杯戦争を仕組んだ人間がいると考えていますが、その考察が的中しているとは限りません。
※柳洞寺周辺にNPCはいません。

552 ◆4OblpRmYos:2012/01/18(水) 23:56:21 ID:9cfpre.M0
以上で投下を終了します。
また、状態表にも書きましたが、太公望たちは聖杯戦争を開催した人間がいると疑っていますが、これには今後の展開を縛る意図はありません。
あくまでも、彼らならこういう疑い方をするのではないか、という程度のことです。
実際には、聖杯戦争には何も裏はありませんでした、という展開も大いにアリだと私は考えております。
あと、連投規制は別に問題なかったようです。
自分の無知さが恥ずかしいorz

553名無しさん:2012/01/19(木) 00:56:55 ID:tk5Fn9akO

でも巻き込まれたって普通に参加、不参加は問い質されたよね。
まあ、軽い気持ちで参加した奴もいるけど基本的にはやる気のある奴しか参加してないよね。

554マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/19(木) 01:15:51 ID:D9FPNhGAO
投下乙です。
一応、ルールに欠片男はいないと明言はしてありますが、
その他の可能性もあるので問題は無いかと。

いや、何か凄いマイペースというか、らしいっていうかw
好きだな、このコンビw

555名無しさん:2012/01/19(木) 10:24:04 ID:wi6SPwBsO
投下乙です。あれ?ご要望通りのマスターとサーヴァントだけど、
たしかスースの宿敵にして母親代わりのあの人がジャストヒットしてないかw

556 ◆Mti19lYchg:2012/01/19(木) 19:12:17 ID:hhuuhK5k0
アシュヒト&セイバー、慎二&ライダー、小鳩&キャスターを予約します。

557名無しさん:2012/01/20(金) 07:57:49 ID:ACKs6LAM0
ルールには載ってないけど、サーヴァントが消滅した場合、マスターはどうなるの? EXTRA方式だと死亡だっけ

stay night方式だとフリーのサーヴァントを見つけて契約するか、他のマスターからサーヴァントを奪うか、
言峰教会に逃げ込むかの三択だったはず……最後はマーボー神父のせいで名目だけになってけど

558マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/20(金) 15:29:46 ID:4sxgxMJk0
>>557
決めかねていたのですが、決めてしまいます。

サーヴァント死亡時にはマスターもムーンセルにより削除されます。
ですが、例外として。

1.何らかの手段により、マスターとサーヴァントの契約が切れた場合。
2.何らかの方法により、他の令呪を手に入れていた場合。

この二点に限り、マスター側の生存を許します。

559マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/20(金) 15:30:38 ID:4sxgxMJk0
上記の手段や方法などはご想像にお任せしますw

560名無しさん:2012/01/20(金) 15:45:18 ID:7afPc8Y.O
ルールブレイカーによる契約破棄(メディア)。
令呪の他者からの譲渡ないし強奪(ソラウ)。

このあたりか

561名無しさん:2012/01/21(土) 02:47:16 ID:r5d7JKa60
媒体無しで呼んだ英霊はマスターと一番相性が良いのが呼ばれる説を聞いたが
それは公式設定だっけ?
相性が悪そうな組み合わせもいるし一概には言えないか

562 ◆MoyrepToUg:2012/01/21(土) 10:40:38 ID:OQro4Q/w0
ちょっと気になった部分がありましたので、質問させてもらいます。


・開催前の参加者決定ルールにおいて「ホムンクルスも制限つきで可」と
ありましたが、今回参加しているイリヤは具体的にはどのような制限が
課せられているのでしょうか?
(魔力の燃費が倍増しているとか?)

・作中におけるサーヴァント達に与えられている今回の聖杯戦争に関する
情報量には個人差があるんでしょうか?
(ガウェインや太公望はムーンセルやセラフに関する情報を保有していましたが
アルトリアは理解していなかったように思えたので)
……まあ仮に平等に与えられていたとしても、アストレアのようにヴァカ故に
理解できてないようなキャラもいそうですがw

563 ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/21(土) 11:05:28 ID:vNFaYtbIO
ホムンクルスの制限については、
鋼の錬金術師の様な不死身に近い様なキャラを
控えて貰おうと思っていたので、
今回は幸い該当するキャラがいないので制限は有りません。

情報量については完全に自由に決めて戴いて貰って結構です。

564 ◆MoyrepToUg:2012/01/21(土) 19:12:02 ID:OQro4Q/w0
>>563
回答ありがとうございます。

565 ◆MoyrepToUg:2012/01/21(土) 22:05:32 ID:OQro4Q/w0
間桐雁夜&アサシン組、泉こなた&ライダー組を予約します。

566◇Xdg21lGsvt:2012/01/21(土) 22:31:09 ID:WCnsxJVs0
まどか&アーチャー組、詩音&バーサーカー組を予約します。

567名無しさん:2012/01/21(土) 22:49:50 ID:l5lO7lDQ0
>>566
偽のトリップの使用は対象外です。

568マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/21(土) 22:58:18 ID:l5lO7lDQ0
>>566
トリップのつけ方が分からないという場合のみ、
こちらにお返事を下さい。
それ以外の場合ではこちらでは全て無効とさせていただきます。

569名無しさん:2012/01/25(水) 13:45:05 ID:oOaLD4t2O
そういや霊体化状態であっても、マスターが他人のサーヴァントの気配を感じたり、ステータス見たりは可能なの?
無論、ランスロットみたいな意図的に隠せるのは例外だが。

570マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/25(水) 15:50:47 ID:cdt5MTRo0
>>569
霊体時はマスターには意図的に気配を出さない限り、
感知不可能でお願いします。

それと、投下します。

571初期不良 ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/25(水) 15:53:47 ID:cdt5MTRo0
「・・・・・・・・・・・・ハッ!?」

勢い良くベッドから上半身を起こす。
魘された所為か、身体は冷や汗を掻いている。
その所為か、少し冷える。

「あ、あれ? ゆ、夢・・・だったの?」

先程の出来事も夢だったのなら可笑しなものを見たものだと自嘲し、
もう一度ベッドに潜ろうとして、

「・・・・・・って、ここ何処!?」

今度はハッキリと目を覚ます。

「僕の部屋? いや、でも・・・・・・」

周囲に目をやり、自分の置かれている環境を理解しようとして、
逆に意味が分からなくなる。
今、自分が居る場所は間違いなく自分の家の自分の部屋だ。
でも、細部が異なる。
『物が多すぎる』のである。

「・・・このジャケット?」

ハンガーに架けられたジャケット。

「こっちにはシャフトとフライト」

ダーツの道具。

「飼いたかった九官鳥まで?」

鳥籠の中の九官鳥。

「・・・・・・これって」

全部、自分が欲しかったものだ。
でも、それは在り得ない。
自分は“あの時”以来、この家には戻ってはいないのだから。
あの日、両親を亡くした時から。

「そ、そうだ! 日記を・・・」

思い出し、慌てて携帯電話を取り出す。
自分の身を守る為の手段。
その画面に目をやる。

特に変わった事は書かれていない。

取り敢えず、当面は問題は無い様だ。
DEAD ENDのフラグも立っていない。

572初期不良 ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/25(水) 15:56:08 ID:cdt5MTRo0
「……あれ?」

そこで、疑問を覚える。
先程の『夢』の中ではフラグが立っていたのではなかったか?
いや、あれは『夢』なのだから、
フラグが消えていても気にする必要は無い筈である。
無い筈なのであるが、違和感が拭えない。
考え込んだ所為か軽く頭痛がする。
額を軽く押さえて痛みが止むのを待つ。
痛みが引いてきた為、
手を離した時に思わず、
その手に目がいく。

そこには刻印が刻まれていた。

「……夢じゃ……ない!?」

夢だと思っていた、
いや、『思い込もう』としていた先程の光景が
一気にフラッシュバックする。
深海の様な場所。
突如立ったDEAD ENDフラグ。
襲撃してきた謎の人形。

そして、

トントンと扉がノックされた。

「ッ!?」

心臓が急速に脈打つ。
急いで携帯を開き、画面に目をやる。
フラグは立っていない。
だが、そこにはしっかりと

【××:×× 誰かが扉を開けて部屋に入ってくる。】

そう書かれていた。

(……だ、誰? 由乃? ……もしかしたら……別の誰か?)

携帯と扉を交互に見比べ、逡巡する。
無差別日記にはそれを雪輝が視認しなければ、
正しい認識の下には表示されない。
ならば、この画面に記述されている。
『誰か』とは雪輝が今までに“面識の無い”人物という事になる。
そこまで考えが到った時には飛び出す様に
ベッドから降りて、扉へと向かって走るが、
ドアノブに手を掛けて扉の鍵を閉めるよりも早く、
扉はスッと開かれ、手は空しく空を切る。

573初期不良 ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/25(水) 15:58:22 ID:cdt5MTRo0
「う……あ……あぁ……」

ゴクリと喉を鳴らし、扉から一歩後ずさる。
キィィっと音を鳴らし、扉は開けられ、

其処にはお盆の上になにやら甘い匂いのする飲み物を載せた、
大胆にアレンジされた和服を着た少女が立っていた。

「あら? お目覚めだったんですね、ご主人様☆」

明るい声で少女はニコリと微笑んだ。


……………………………………


キャスターと名乗った少女が作ってくれた
卵酒に恐る恐る口をつける。

「嫌ですねぇ、そんなに身構えなくても変なものは入れませんよ♪
 そういうのはずっと昔に懲りたんで、ハイ」

キャスターはクスクスと軽く笑いながら手をパタパタと振っている。
……後半は聞かなかった事にしよう。

「あ……美味しい」

口の中に入った時にふわりと甘さが広がり、
喉を通る時には身体を芯から温めてくれる様に
絶妙に加減された湯加減。
思わず口から零れ出た言葉は紛れもなく本音である。

「キャッ☆ 褒められちゃいましたぁ♪」

両手を頬に当てて、身体全体で喜びを表現するキャスターだが、
その仕草は傍から見ていて如何見ても『ぶっている』。
微妙に冷めた気持ちになりつつ、
雪輝は残っている卵酒を流し込んでいく。
このキャスターと名乗る少女は敵じゃない。
本能というよりも右手に刻まれたものが、
そう感じさせるのである。

「さてと……それでは本題に入りましょうか」

雪輝が飲み終わるのに合わせてキャスターは姿勢を正し、
凛とした姿勢で雪輝へと視線を向ける。
キャスターが言う『本題』とはつまり、
雪輝の今後の行動方針という事である。

それは雪輝に自分の願いの為に人を殺す覚悟があるのかという事だ。

「……ぼ、僕は……」

キャスターの視線から逃れるように視線を落とし、
床というよりも何処へともなく視線を彷徨わせながら
弱々しい声で呟く。

由乃は傍には居ない。
自分“だけ”の意志でそれを決めなければいけない。

574初期不良 ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/25(水) 16:00:21 ID:cdt5MTRo0
「僕は父さんと母さんと一緒にプラネタリウムに行きたいんだ・・・」

目尻には涙を浮かべ、悲しい様な、笑い顔の様な歪な表情で顔を上げる。
自分だけの意志決定。
思えば、今まで雪輝が避けてきた道である。
それは自己責任からの逃避でしかなかったのであるが。

「そうですか、じゃあ露払いは私に任せてください♪
 その他大勢の連中なんてパパッとやっつけて、
 ご主人様と私で聖杯Getです!」

そんな雪輝の言葉に否定も疑問も掛けずにキャスターは
それをありのままに受け止めた。

「え? あ、あの……キャスター…はそれでいいの?」

正直な所、蔑まれるか馬鹿にされるかと思っていた。
逆に焦って上目遣いに聞き返す雪輝にキャスターは微笑んで口を開く。

「私はですね、ご主人様。
 他の奴らの事なんてこれっぽっちも如何でも良いんです。
 私にとってはご主人様の傍でお手伝いをさせて貰える事が、
 これが、これだけが私の願いなんです。
 そんな私がご主人様の願いの貴賎を問えますか?」

キャスターは笑顔のままだ。
だが、ほんの僅かだが蔭が差しているようにも感じられる。
それを悟られぬようにかキャスターが慌てて声を上げる。

「ややっ、私の事は置いといてですね、ご主人様?
 取り敢えず他に聞いときたい事とかがあるんじゃないですか?
 例えば、この家の事について〜とか?」

キャスターに言われてハッと思い出す。
そういえば、この家は一体どういうことなのだろう?
どうして、僕はこの家で寝ていたのであろうかと。
ウンウンと勢い良く首を縦に振る。

「この家に関して言えば、単刀直入に言いますと……」

ゴクリと唾を飲み込む。

「私とご主人様の愛の巣です! キャーーーーーーッ☆」

イヤンイヤンと身をくねらせるキャスターとは対照的に
思いっきり外された形になった雪輝は魂が抜けたように放心している。

「あ、嘘です嘘。…今の所は……。
 要はこの家は私とご主人様の今後の活動拠点です。
 家の内観に関しては私がご主人様の記憶を元に
 勝手ながらムーンセルに申請させて頂きました」

流石に拙いと感じたのか真面目な表情に戻って、
キャスターが話を続ける。

575初期不良 ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/25(水) 16:01:24 ID:cdt5MTRo0
「ムーンセル? 申請?」

キャスターの口から出る聞き慣れない単語に頭が混乱する。

「ちょっと待って、つまり僕たちが今いるこの場所は
 本当は僕の家じゃないって事?」

頭はこんがらがったままだが、
何とか整理がついた事から切り出していく。

「有り体に言えばそうなりますね」

それをキャスターはあっさりと肯定する。

「もっとぶっちゃけちゃいますと、この街自体が作り物ですし」

更に畳み掛けるようにキャスターは雪輝にとって、
重大な事実をあっけらかんと告げてしまった。

「えっ!? ちょっと待ってよ、えっと、それ如何いう事なの!?」

いきなりの重大発表に雪輝の混乱は益々加速する。
雪輝の頭脳ではキャスターから伝えられる情報を全く処理し切れていない。
1の事柄を処理している間に3の事柄が入り込んできている状態である。

「あら、私とした事が失言でした。
 う〜ん、でももっと分かりやすく伝えるにしても・・・」

雪輝の様子に流石に少し早すぎたかと考え込むキャスターが、
思いついたかのようにポンと手を叩く。

「まぁ、ここでグジグジ考えるよりも
 実際に分かってるのに聞いた方が早いってモンです。
 それにはうってつけのエセ神父がおりますから
 行ってみましょうか、ご主人様?」

尋ねた割には雪輝が答えるよりも早く、
キャスターは雪輝の手を引き、
強引に外へと連れ出していく。

「えっ? ちょ、ど、何処に行くのさ〜?」

頭は混乱し、更には強引に連れて行こうとするキャスターの行動に、
元来、気弱な性質の雪輝は既に目に涙を浮かべて情けなく訴える。

「嫌ですねぇ、神父に会いに行くって、
 言ったじゃないですか。
 神父がお寺や中華料理屋にいますか?
 勿論、教会に決まってます♪」

キャスターは屈託の無い笑顔でそう答えるのであった。


……………………………………

576初期不良 ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/25(水) 16:02:05 ID:cdt5MTRo0
夜道をおどおどと歩く。
思えば、何時も隣に居てくれた由乃が居ないだけで
こんなにも一人が怖いものだとは思わなかった。
いや、忘れさせてくれていたのだ。
超ストーカーで狂っているけれど彼女は
何時でも傍に居てくれたのだから。
今、自分の傍には代わりに狐が憑いている。
憑いているというのは文字通り、
今はその姿を確認する事が出来ないからである。


☆   ☆   ☆   ☆   ☆   ☆   ☆   ☆


キャスターに外に連れ出されて暫くした頃、
不意にキャスターがその狐耳をピンと立てて
いきなり切り出してきた。

『巫女ーん! そういえば、私、この様にそれはそれは珍しい
 良妻狐で御座いますが、流石にこの狐耳と尻尾を隠さずに
 衆目の中を歩くのは至難の業なんです。
 と言うわけで御座いまして、私、ちょっと霊体化しますので
 ご主人様は私の名日に従って歩いてくださいまし』

言うや否や、キャスターの姿が光となって消えてしまった。

「ねぇ、ちょっと何処に行ったの!?」

慌てて雪輝は周囲にキャスターの姿を探す。
だが、辺りにはあんなにも目立つ姿だったキャスターの姿は
何処にも見当たらない。

『いえいえ、姿は見えませんけれどもお傍におりますので♪』

「うわぁ!?」

耳元でキャスターの声がする。
声のした方にすぐさま振り向いたがやはり姿は見えない。
それでも確かに傍には居てくれているのだ。
何となくだが自分とキャスターとの間の繋がりが
それを感じさせてくれる。

『ではでは、ご主人様。 頑張って参りましょー☆』

明るい調子でキャスターが雪輝を促す。
観念して仕方なく雪輝も歩き出した。


☆   ☆   ☆   ☆   ☆   ☆   ☆   ☆

577初期不良 ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/25(水) 16:04:16 ID:cdt5MTRo0
これが、先程までの経緯である。

姿が見えない心細さこそあるが、
キャスターは良く声を掛けてくれる為、
それほど不安には駆られずに済んでいる。
住宅街を抜け、辺りの景色は川沿いに
少し離れた場所にその川を横断する橋が見える。

『あの橋を越えて、暫く行った所に教会がありますので、
 橋の向こうにでも渡ったら、そこで軽く休みましょうか』

家を出てから時間にして1時間ほどだろうか、
道のりの半分には到達できたらしい。

「それにしても、他のマスターだっけ?
 その人達に会わなくて良かったね」

ここまでに来る間にちらほらと他の人の姿を確認する事が出来たが、
会社帰りのような様子のサラリーマンやら、
夜遊びをするちょっと怖い見た目の人達など、
そこら辺にいそうな人の姿しか確認出来なかった。

『そりゃまぁ、ご主人様は何処から見ても普通の男の子ですからね。
 よっぽど変な事でもしない限りは他のマスターには見つかりませんよ』

聞こえてきたキャスターの言葉は褒めてるんだか貶してるのだか
判断が難しいところだが、多分、本人には悪気はないのだろう。
目立つなと言われた手前、抗議の声はぐっと我慢する。

それにしても、気になる事がある。

「何だか、人が居ないね?」

時間的に深夜だと言う事もあるが、
それにしては人の姿が見えない。
先程まではちらほら居た人が
この公園に来てからはまるで見当たらなくなった。

『確かに……これは妙ですね』

キャスターの声に少し緊張感が込められる。

雪輝は携帯を開き、画面に目を通してみる。
日記には変わった所は見られない。
さっきとは違い、誰かと遭遇するといった記述も無い。

「うん、偶々だろうね」

まるで自分に言い聞かせるように雪輝は呟く。
そうして、一歩踏み出した時、
不意にぞくりと悪寒が走った。
踏み込んではいけない領域に踏み込んでしまったような不快感。
自然と冷や汗が噴出してくる。

「こ、これは!!」

霊体化していた筈のキャスターが突然姿を現した。
その様子は先程までの抜けた様子が感じられないほどに切迫している。
キャスターの視線の先にあるものは川と歩道とを遮る柵。
そこに奇妙な形の字の様なものが刻まれている。

「私とした事がルーンを見落としてしまうなんて・・・」

キャスターが苦虫を潰したような表情で辺りを警戒している。
そして、

578初期不良 ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/25(水) 16:05:04 ID:cdt5MTRo0
――ザッ…――ザザッ…――

聞こえる筈がないと思っていた音が鳴る。
未来が変わったことを示すノイズ。

乱れる呼吸のままに視線をゆっくりと携帯に落とす。


【××:×× 歩道の先に人が立っている。】

その文字を確認すると同時に視線を一気に歩道へと移す。

其処には幽鬼のように一人の青年が立っていた。
銀髪の着崩した学生服から高校生くらいなのだろうか、
青年は懐から眼鏡を取り出すとそれを掛けた。

「ランサー」

青年の言葉に反応して、何も無い空間に突如として一人の男が出現する。
蒼い衣装を身に纏い、筋骨隆々のまるで血の様に紅い槍を構えた男。
そのランサーと呼ばれた男が出現した瞬間に、
雪輝はまるで心臓を鷲掴みにでもされたかのような
圧迫感と恐怖を本能で感じ取った。

“アレ”は人なんかじゃない、もっと別の恐ろしい“モノ”だ。

脳ではなく魂が告げる。
「逃げろ」と。

「人避けのルーンに気づかずに入ってこれたんだから間違いねぇわな。
 ありゃ、魔術の素養か若しくはそれに類するもんが無きゃ
 本人だって気づかぬ間に避けちまう代物だ。
 それに易々入る辺りはあの餓鬼がマスターって所か。
 案外、幸先が良かったんじゃねぇか?」

ランサーが学生服の青年に向かってカラカラと豪快に笑い掛けるが、
それを青年は聞き流し、眼鏡の位置を直している。

「ランサー、最初の作戦通り行こう。
 まずはサーヴァントの相手を頼む」

「へいへい、そんじゃ、おっ始めるとしますかねぇ!」

ランサーが叫ぶのと同時にその姿が消えた。
いや、消えたのではなく消えたと錯覚してしまうほどの
速度でこちらへと飛び掛ってきていたのである。
それに気づいた時にはランサーが構える朱槍が目の前に迫っていた。

「やらせる訳には行きませんよ! この青タイツ!」

キャスターの放った鏡が朱槍を弾き、
ランサーは飛び込んできた時と同じ速度で即座に飛び退く。

「これはタイツじゃねーよ、この駄狐! 毛皮にすんぞ!」

ランサーが軽い調子で悪態をつく。
一瞬にして、雪輝の命を奪いかけた事に対しての
反省の色等はまるで窺えない。
それはランサーにとっては当たり前の事ゆえに。

579初期不良 ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/25(水) 16:05:37 ID:cdt5MTRo0
「いいからご主人様から離れなさい、奔れ!」

キャスターが呪符を構えて、男へと投げつける。
放たれた呪符はあるものは火球へと、
またあるものは氷塊、雷撃へと変化してランサーへ襲い掛かる。
それをランサーはしなやかな獣の様に身を屈め、
飛び退き、時には朱槍で打ち払い難無く交わしてのける。
そうしてランサーがキャスターの呪術を避けている間に
雪輝はキャスターの後方へと避難する。

次元が違う。

自分たちが行ってきたサバイバルゲームなんて
この二人の戦いの前では児戯にも等しい。
雪輝だけだったら10秒と掛からずに殺されていたに違いない。

「こぉの! 喰らえってんですよ!」

キャスターが両手に呪符を構え、一気に投げつける。
一塊となり、巨大な火球と化したそれを避けきれずにランサーに命中する。
轟と凄まじい勢いで燃え上がる火柱と化した中から
ランサーが煙を纏いつつ飛び出し、キャスターへと迫る。

「へっ、今のは中々やばかったぜ!」

言葉とは裏腹にランサーの表情には危機感は見られず、
むしろ、その状況を楽しんでいる様に感じ取れる。

「むしろ、そのまま消し炭になっててくれません?」

一方、眼前まで迫った朱槍をギリギリの所で
鏡で受け止めたキャスターが口元を歪めて返す。
キィンと金属同士が弾かれる音が響き、
二人のサーヴァントが同時に距離を取る。

「ランサー、耳を貸せ」

青年の傍に戻ったランサーにそれまでは
静観していた青年が何事かを呟いている。

「ハァ? そりゃお前、出来ない事は無いだろうが・・・
 ・・・ッたく、折角、盛り上がってきた所なのによぉ」

青年の言葉を聞いたランサーからやる気が、
みるみると減っていっているのが良く分かる。
青年は一体、何をランサーに提案したのか?

580初期不良 ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/25(水) 16:06:06 ID:cdt5MTRo0
「ご主人様」

どうやったら相手の目的が分かるだろうか?
真剣に考えを巡らせるが時間としては数分だが
先程までの異次元の戦闘を見せられた後では
考えも巧く纏まらない。

「ご主人様!!」

「うわぁ! は、はい!?」

キャスターの声で正気に戻る。
見ればキャスターの様子は息も絶え絶え、
限界寸前といった様子である。
互角の様にも思えたけれども、
実際にはかなりの優劣が存在していたのが窺える。

「ハッキリ言います、これ以上無いって位、ピンチです。
 そも私のクラスはキャスター、あんなムキムキ蒼タイツと
 真正面からぶつかり合うのなんて体力的にも精神的にも
 全くと言って良いほど向いてないんです、私」

キャスターは出来るだけ気丈に振舞っているが、
要はこのままでは勝ち目は無いと暗に示しているのである。
何か打開策を見つけなければ。

「……あっ」

そこまできて、今まで頼りにしてきた物の存在を思い出す。
携帯を取り出し、画面を見つめる。
何故、すぐに思いつかなかったのであろうか。
空気に圧倒されて完全に失念していたが
自分には相手よりもアドバンテージがあるという事を。

「ウッ!?」

だが、そこに写っていた文字は雪輝にとっては打開策などではない。

【××:×× 心臓を槍で貫かれる。 DEAD END】

打開策など、端から存在しなかったのである。

「如何しました、ご主人様?」

顔面蒼白で携帯の画面を食い入る様に見つめる雪輝に
キャスターが声を掛ける。

「ぼ、僕が槍で殺されるって日記に・・・・・・」

泣き笑いのような表情を浮かべて、
キャスターに助けを求めようとする。

581初期不良 ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/25(水) 16:06:50 ID:cdt5MTRo0
だが、

「ペルソナ」

その願いは青年の言葉で掻き消された。
言葉と同時に青年の頭上に奇妙な像が出現する。
長刀のような物を構えた戦士の像が
雪輝ではなく、キャスターへと襲い掛かる。

「―ッ! 私狙い? ……まさか、ご主人様!!」

青年の繰り出した謎の攻撃を受け止めるキャスターから
急激に血の気が引いていく。

「ま、そういう訳だ。 悪いな坊主、死んでくれや。
 こっちも精々1分位しか持たないんでな」

まるでやる気が無い様に肩に朱槍を抱えた状態で
ゆったりとランサーがこちらへと近寄ってくる。
やる気は無さそうなのに殺気はまるで違う。
逃がす気など元よりも感じられない。
ランサーの眼光に捉えられた時点で雪輝は
動く事すら出来ないほどに竦みあがっていた。
蛇に睨まれた蛙の気持ちとは正にこういうものだろうと
心の何処かで既に諦めた部分が他人事のように感じている。

「念には念を入れろってマスターからのご要望でね。
 ――その心臓、貰い受ける」

ランサーが槍を構え、朱槍に魔力が込められる。
その瞬間に空間が濃密な気配で満たされる。
その言葉だけでも充分に呪いが込められている。
そして、導き出される結果もまた変わらないのであろう。

――それは、死だ。

「――刺し穿つ死棘の槍<ゲイ・ボルグ>!!」

ランサーから因果逆転の槍が放たれる。
紅い閃光と化した槍の軌道は例え雪輝が何処に逃げようとも
変わらずに雪輝に【心臓を刺し貫かれる】という結果を齎す。
いや、既に放たれた時点で雪輝は魔槍の呪いにより、
【心臓を刺し貫かれている】のである。
後はその事実に沿って、槍は雪輝を貫くだけである。

582初期不良 ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/25(水) 16:07:29 ID:cdt5MTRo0
――本来ならば。

魔槍の呪いを覆す方法が存在する。
死の運命をも覆す強運か、
若しくは“結界による絶対防御”。

「呪層・黒天洞!」

雪輝の胸に気づかぬ間に貼られていた呪符が
キャスターの唱えた真言により発動する。
黒い虚ろな空間が雪輝の眼前に出現し、
朱槍の勢いを食い止めている。

「こ、これって?」

恐怖から目を瞑り、結末から目を背けていた雪輝が
怖々と目を開けて目の前の光景に唖然とする。

「ご主人様が眠っている間に貼り付けていたのが幸いでした」

そう言ってキャスターが微笑む。
だが、その彼女を青年は容赦無く打ちのめしていく。
それでもキャスターは青年に反撃しようとしない。
いや、出来ないのである。
キャスターが全力で魔力を込め続けなければいけないほどに
魔槍の呪いは強力なものなのであり、
現実はいずれはキャスターが力尽きるか、
雪輝が刺し貫かれるかの二択になっただけである。


「面白い事になってるな、俺も混ぜろ」


第三者の助けでも無い限りは。

凄まじい音を立てて、何かが声が聞こえた方から
ランサーに向かって放たれる。

「うぉっとぉ!?」

地面を抉り取るほどの衝撃で放たれた何かは
寸前で回避こそされたが、その反動で魔槍の魔力が解除される。
それに合わせて雪輝の前に展開されていた空間が解除され、
同時にキャスターが青年へと反撃に転じる。

「よくもやってくれましたね、このイケメン眼鏡!
 百倍返しで痺れやがれ!」

キャスターが続け様に呪符を投げつける。
空中で雷撃へと変化したそれが青年の周囲ごと降り注ぐ。

「ッ!?」

青年の作り出した像が身構えて防御の姿勢を取るが、
その防御を打ち砕くように雷撃が打ち据える。

「ぐぁああああぁぁっ!!」

それまで寡黙だった青年が始めて、大声で悲鳴を上げる。
膝を着き、倒れ掛かるのを堪えて青年は何とか
立ち上がろうとするが、足元はふらついている。
見かねたようにランサーが青年を支えて肩に担ぎ上げる。

583初期不良 ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/25(水) 16:08:12 ID:cdt5MTRo0
「そんな都合よくはいかねぇって事だろ。
 こういうのが戦場の常ってもんだ」

青年を庇ったランサーがさも愉快そうに笑う。
ランサーに助けられた青年はそれ以上は何も言わずに
目で合図を送り、それに応えてランサーは
青年を担いだまま、一気に走り去っていってしまった。
見事なまでの逃走に追いかける暇すら与えられないほどである。

――ザッ…――ザザッ…――

だが、運命を覆す事には成功した。

日記から消えたDEAD ENDフラグを呆然と見つめ、
雪輝は現実離れした先程の出来事に今更になって腰をぬかす。
青年に痛めつけられた為か満身創痍といった様子の
キャスターもすかさず傍に駆け寄ろうとしてくる。

「ユッキー!!」

だが、それよりも早く雪輝にとっては
聞き慣れた声が飛び込んできた。

「由乃?」

少女の声へと振り返り、
ブンブンと手を振りながら嬉々とした表情で
こちらへと走り寄って来る見慣れた姿。

「ユッキー、大丈夫だった?
 怪我してない?」

「僕はキャスターが守ってくれたから・・・・・・」

雪輝の身体を心配そうに眺める由乃に
安心感を憶えるのと同時に今まで自分を守ってくれていた
キャスターの事を案じるのだが、

「お前、誰だ?」

そんな事はお構い無しに敵意というよりも
殺意を剥き出しにした表情で由乃はキャスターを睨みつける。

「おやおや、いきなり現れてご主人様に
 ベタベタと張り付いただけじゃなく、
 何の見境も無く喧嘩を売りますか、
 このヤンデレ娘は?」

一方のキャスターも負けず劣らずの喧嘩腰である。
ビシッと空気が凍りつくのを雪輝は感じた。
が、そんな雪輝の頭に誰かの手がぽんと載せられる。

584初期不良 ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/25(水) 16:08:40 ID:cdt5MTRo0
「おいおい、こいつを助けに来たんだろうが。
 まぁ、やるって言うんなら俺は構わないけどな」

ランサーを退けた時に聞こえた謎の声。
その声の主が雪輝の傍にいる。
ゆっくりと見上げた視線の先に胸部から腹部に掛けての
十字の腑分け痕のある大柄な男が立っていた。

「ユッキーから離れろ!」

由乃が男へと向かって怒鳴りつける。
男もやれやれといった様子で承諾し、
雪輝の頭から手を離すと霊体になり、
その場から消え去った。
それは一つの答えを導き出す。

「……由乃も“そう”なの?」

主語を欠いた間の抜けた質問。
それでも由乃は雪輝の言葉の意味する所を把握し、
自分の右手に刻まれた令呪を見せる。

「ユッキーは私が守るから」

日記だけではない、新たな力を得た少女は
恍惚の表情でそう呟いた。

【深山町・海浜公園/深夜】
【天野雪輝@未来日記】
[状態]:健康(残令呪使用回数:3)
【キャスター(タマモ)@Fate/EXTRA】
[状態]:負傷(中程度)
※住宅地に拠点【天野邸】を作りました。

【我妻由乃@未来日記】
[状態]:健康(残令呪使用回数:3)
【アーチャー(ジョン・ドゥ)@ エンバーミング】
[状態]:健康

585初期不良 ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/25(水) 16:09:41 ID:cdt5MTRo0
……………………………………


「……ここは?」

何処かの下水道だろうか、
身を隠すのには確かに持って来いだと思う。

「いやぁ、見事に負けちまったな」

自分をここまで運んできたランサーが笑う。

「あんたは悔しくないのか?」

何故、この男はこうも笑う事が出来るのか
それが不思議だった。

「さっきも言ったろ。
 戦場じゃ、勝つも負けるもその日の運ってな。
 生きてりゃ、そん時の事は一々引きずらねぇよ」

そんな疑問をランサーは一蹴する。

「俺は悔しい」

敗因は自分の作戦ミスだ。
ランサーにマスターを狙わせず、
自分がサーヴァントの足止めに
周らなければ正攻法でも勝てていたに違いない。

また、間違えてしまった。

「そんなモンは気にすんな」

気落ちする自分にランサーが声をかける。

「お前さんの自分を犠牲に出来る判断力や
 冷静な思考ってのは中々備わるもんじゃない。
 まぁ、まだ足りないのは実践での
 命のやり取りってとこだけだな。
 お前さん、自分の命は賭けた事があっても
 他人の命を取った事はあまり無いだろ?」

戦場の英雄というのは流石に伊達じゃないなと感心する。
シャドウ相手に命懸けで戦ってきたが
思えば、シャドウは元々『命の無い』存在だった。
奪った命は一つだけだ。

「まぁ、そういうこった。
 とりあえずは仕切り直しだな」

そう言ってランサーは歯を剥き出しにして笑う。
それは英雄というよりも少年の様に感じられた。

【深山町・川沿い下水道/深夜】
【鳴上悠@P4】
[状態]:負傷(小程度)(残令呪使用回数:3)
【ランサー(クー・フーリン)@Fate/stay night】
[状態]:健康

586マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/25(水) 16:10:27 ID:cdt5MTRo0
投下完了です。
途中の微妙な間は誤字の修正をしてましたorz

587名無しさん:2012/01/25(水) 19:49:35 ID:keDGYmMY0

それにしてもユッキーの胃がストレスでマッハ

588 ◆MoyrepToUg:2012/01/25(水) 22:53:20 ID:BUKiVq.E0
投下乙です。
しかし予約面子的に予想は付きましたが、やっぱりこうなったか…
ユッキー頑張れ、超頑張れw

589名無しさん:2012/01/26(木) 00:06:58 ID:3GCGCRHc0
キャス狐がかわいいね!ユッキーは両手に花だね、やったね!
番長は初陣が敗北でスタート。次は果たして勝てるんだろうかねえ。
まあ陽介と会ったらまた敗北刻みそうだけどね!

590 ◆Mti19lYchg:2012/01/26(木) 22:43:41 ID:sX/HXxIg0
予約の延長を申請します。

591名無しさん:2012/01/27(金) 13:00:53 ID:VINuHZPE0
投下乙です

キャス狐が鯖でユノと序盤で合流かあ
戦力だけでは大きいんだが不安しか感じねえw
ユッキーはまあイキロw

592 ◆MoyrepToUg:2012/01/28(土) 00:55:31 ID:6xrNhlHU0
間桐雁夜&アサシン組、泉こなた&ライダー組を投下します。

593相棒と変身と聖者様がみてる ◆MoyrepToUg:2012/01/28(土) 00:57:10 ID:6xrNhlHU0
時刻は深夜を回った所。
わずかな街灯に照らされた深山町の一角を、ひとり歩く影。

今は死人のように眠りに落ちている男、間桐雁夜を背負い歩く彼のサーヴァント
であるアサシンは周囲に視線を巡らせながら歩みを進めていた。


彼自身の持つ気配遮断のスキルを併用しつつ夜の闇に紛れれば他のマスターや
サーヴァントに捕捉される心配は滅多な事ではまず無い。
だがこの状態をいつまでも続けている訳にはいかなかった。

自分を含めサーヴァントは例外なくマスターからの魔力供給によって存在を維持している。
そしてそれは実体化し続ける事でも微量ながら魔力を吸い上げるのだ。
今は落ち着いているが、自身のマスターはいつ命を落としてもおかしくない危険な
状態である事をアサシンは十分に承知していた。
だからこそこのまま自分が実体化し続ける状況を継続させる訳にはいかない。
かといって路上に眠らせる訳にもいかなかったため、アサシンはマスターを背負いながら
彼を安静に眠らせられる場所を探す事にしたのだった。


「(どこか少しの間だけでも休める場所があればよいのだが)」

そう思いながらしばしの間周囲を見回しながら歩を進めていたアサシンの目に
止まる場所があった。
そこは先ほど通り過ぎた商店街のはずれにある小さな公園であった。

あそこならばマスターを休ませられるベンチの一つや二つあるはず。
安堵しつつ公園に向かおうとしたアサシンだったが―――――寸前で気づいた。
備え付けられた誘蛾灯に照らされたベンチの下に、二人の人影がある事を。

「(魔力の反応を感じる。間違いない、マスターとそのサーヴァントか)」

何やら会話をしているようだが、幸いにもこちらに気付いた様子はない。
果たして彼らはこの聖杯をめぐる戦争に乗っているのか。
如何なる能力を持ったサーヴァントなのか。
未だ深い眠りに落ちたままのマスターを守りながら戦うのはあまりにも危険である。
故にこのまま彼らをやり過ごす選択も十分ありだが、これから自分が戦うかもしれない
相手の情報を少しでも集めるチャンスでもある。
どうするべきか――――――


思案するアサシンだったが、その思考は思わぬ理由で一時打ち消される事となった。
二人組の片方、サーヴァントであろう人物の魔力反応が増大するのを感じ取ったのである。

――――――もしや、気付かれたか!?

最悪の事態を考え、戦う覚悟を決めかけた時である。

594相棒と変身と聖者様がみてる ◆MoyrepToUg:2012/01/28(土) 00:58:10 ID:6xrNhlHU0
『タカ! トラ! バッタ!』


『♪タ・ト・バ! タトバ タ・ト・バ!!』


どこからともなく流れてきた謎の歌に、一瞬だがアサシンはあっけに取られた。



―――――――時間は、数刻前にさかのぼる。


「おーい火野さーん、コーヒー買ってきたよー」

「あっ、ありがとう……っていうか、俺サーヴァントだから一応食事とかはしなくても
大丈夫なんだけどなぁ」

「まあまあ細かい事は気にしない。長い戦いになるだろうし、今のうちに休んどかないと」


ライダーの宝具である【疾走する騎馬の自販機(ライドベンダー)】を走らせること十数分。
木々が生い茂る森を脱出した二人は無事に人気のある住宅街へとやって来ていた。
道中、他のマスターやサーヴァントに襲われるのではないかとヒヤヒヤしていた
こなただったが、運よくここまで来れたのはまさに僥倖と言えるだろう。

周囲を散策する途中で商店街も通りすがったが、流石に時間も時間だったため店はどこも
閉店しており、ライダーこと映司が希望していた明日のパンツはとりあえず朝まで
保留する事とした。
(本人は「俺の明日が……」と妙にガッカリしていたが、それは今は置いておく)

そして現在。
こなたと映司の二人は途中で見つけた小さな公園でひとまず休むことにし、これからの
方針などを話し合う事にした。

「ところでさぁ、さっき小銭探してた時に見つけたんだけど」

そう言ってこなたが懐から取り出したのは一枚のカード。
明かりに照らして見てみると、どうやらクレジットカードの類である事がわかった。

「これ、私の使ってるクレカとなんかデザイン違うんだよね。これってきっとアレだよ、
こういう戦いとかでよくある支給品の限度額無制限のカード! 言うなればザ●ナースの
ブラックゴールドカード!」

「……まあ、無制限かはともかく、これでお金の心配はない訳か」

英霊としてこの場に呼ばれる以前は少量の小銭と明日のパンツがあれば生きていくには
充分だった映司だが、流石にこの状況においてはそうも言っていられないので財源の確保
その物には素直に安堵した(こなたのネタ発言はともかくとして)。


「とりあえず今夜は野宿になっても仕方ないとして……朝になったらこれ使って寝泊りできる
場所を確保しないとね。やっぱ拠点作りは基本でしょ。それから食料も必要だし、この町の
散策に他のマスターやサーヴァントの情報も集めないとね。時代は情報戦だよ!」

「な、なんか手馴れてるねこなたちゃん?」

「いやぁ、ただいつもやってるゲームとかで慣れてるだけだけどね。まさかこんな所で
役に立つとはこのリ●クの目をもってしても……いや、これは節穴か」

595相棒と変身と聖者様がみてる ◆MoyrepToUg:2012/01/28(土) 00:59:05 ID:6xrNhlHU0
未だに敵であるマスターやサーヴァントと接触していない事もあるのだろうが、殺し合いの
舞台であるこの場においてマイペースに順応し始めているこなたに映司はある意味関心
せざるを得なかった。
とはいえ彼女自身はこのような戦いとは無縁の生活を送ってきたごく普通の一般人。
サーヴァントとの真っ向斬っての戦いは自身が引き受けるものの、もしも戦闘経験が豊富な
人物や特殊な超能力を持った人物がマスターだった場合、自分の隙を突いてこなた自身が
狙われる可能性も充分ある。
そうなった場合、本当に彼女を守りきる事はできるのだろうか?
自分にはオーズとしての力があるが、もしもそれすら凌駕しかねない力の持ち主が現れた
としたら?

「……火野さん?」

「何? こなたちゃん」

「なんかすごく難しい顔してない? なんか悩みでもあるの?」

「―――あ、いや、何でもないよ。心配させたならゴメン」

「そう? ならいいけど……何かあったなら遠慮しなくていいから言ってね。
なにせ私達はパートナーなんだから! お互い困ったら助け合わなくちゃ!」


サムズアップしながらこなたが答えた言葉を聞き、映司はハッとした。
その言葉に、かつて共に戦った人々の声が脳裏に蘇る。

『火野!なんでも一人で背負い込もうとするな!俺達がいる!俺達の手を掴め!』

『映司くん!』

『映司君大丈夫だから!ドーンと落っこちてきなさい!』

『火野!誰にも頼らないってのは強いことじゃねえぞ!』

『火野さーん!ここですー!』

救いを求める人の元にどこまでも伸びる自分の腕。
その腕を伸ばすための力。
かつて映司は誰よりもそれを欲し、その力を偶然にも手に入れ、その力で人々のために戦ってきた。
だがその中で映司は自身の欲望の叶え方が誤りであることに気付いたのだった。

どこまでも伸びる自分の腕。だが所詮自分一人だけの腕では限界がある。
『手を繋げば』いいのだ。
世界中の人々が手を繋ぎ、絆で繋がる。
そうすれば、それはきっと世界中に繋がる自分の腕になる。
一方的に「助ける」のではなく、互いに「助けあう」こと。
戦いの終わり、映司は彼らのおかげでそれを知る事が出来たのである。

危うくまた履き違える所だった。
今の自分は一人ではない。自分の隣にはマスターである少女、泉こなたがいる。
かつて自分の手を掴んでくれた一人の少女と似た名を持つ彼女が。
それだけで今はとても心強い。

「ありがとう、こなたちゃん。頼りないかもしれないけど、俺頑張ってみるから」

「こちらこそね。なんか火野さん、急にいい顔になってない?」

「えっ、そうかな?」

「そうだ、ひとつお願いがあるんだけど―――――」

迷いが晴れたような表情に戻った映司と改めて握手を交わしたこなたは、ふと思い出した
事を彼に話した。

「火野さんの変身ってやつ、見せてもらってもいいかな?」

596相棒と変身と聖者様がみてる ◆MoyrepToUg:2012/01/28(土) 01:00:17 ID:6xrNhlHU0
変身!? まあいいけど、何で急に?」

「あ、いや、別にただ興味本位ってわけじゃないよ? もし敵に会った時、自分の
サーヴァントがどんな能力を持ってるとか知っとかないと困ると思ってさ。
いやまあ、変身するのが見たいってのもないってわけじゃないけどさぁ?」

「それもそうか。わかった、じゃあちょっと変身してみせるから見てて」

バツが悪そうに頭をかきながら答えるこなたに苦笑しながら、映司は周囲に人影が
無いことを確認してから懐から何かを取り出した。
それは長方形の筆箱サイズの物体で、挿入口のような物が3か所開いているのが特徴だった。
それを映司が腰に当てると、瞬時にベルト状の物が巻きつき、先の物体はベルトのバックルの
ような状態になった。

「おおっ、なんかベルトになった! 変身アイテムですねわかります!」

「これは『欲望の王の解放器(オーズドライバー)』、それと変身にはこれを使うんだ」

続いて映司が取り出したのは、黒を基調としたデザインのホルダーのような物。
それを開くと、中には色とりどりの様々なメダルが顔を出した。
それぞれ赤・緑・黄・白・青に分けられたメダルが3枚ずつ収納されており、それぞれの
メダルには鳥や虫などの動物の絵柄が描かれているのが確認できた。
映司の話によるとこれは『強大なる欲望の核(コアメダル)』といい、800年前の
錬金術によって生み出された『グリード』というメダルの怪物の核となるアイテムであり、
このメダルを3枚組み合わせることで映司は様々な姿になり、多種多様な能力を行使できる
のだとこなたは聞かされた。

「へーっ、なんか面白そう。タカにクワガタにライオンに……何これ、ウナギにタコ?
こんなの何に使うわけ?」

興味津々の様子でメダルホルダーを除くこなたは、その内容に一喜一憂しつつ改めて変身の
スタンバイ中の映司に注目しなおす。
そのホルダーの中から映司は3枚のメダルを手に取り、慣れた手つきでベルトの3つの
挿入口に順番にセットしていった。
そしてベルトを起動させるため斜めに動かし、同梱されていた円形のスキャナーのような
道具を手に掴む。
キィーンキィーンと待機音が鳴る中、映司はスキャナーをベルトに滑らせメダルを読み込んで
いった。

キィンキィンキィン!

「変身!!」

すると3つのメダル状のエネルギーが映司の周囲を取り巻き―――――


『タカ! トラ! バッタ!』

『♪タ・ト・バ! タトバ タ・ト・バ!!』

突如響いた謎の歌声と共に、映司の姿は人の物から完全に変化していた。
頭部・腕部・脚部、そして胸部の紋章『オーラングサークル』に3つのメダルのモチーフ
である鷹・虎・飛蝗の意匠を持った異形の超人。
欲望の力を宿したメダルの王たる戦士『仮面ライダーオーズ』。
その基本とも言える姿であり、800年前の王が最初に使用した組み合わせ。
『タトバコンボ』が聖杯戦争の戦場に初めて姿を現した瞬間である。

597相棒と変身と聖者様がみてる ◆MoyrepToUg:2012/01/28(土) 01:00:53 ID:6xrNhlHU0
「うわぁっ、本当に変身した! っていうか……何、今の歌!? 何かどっかで聞いたような
声だったけど気のせいかな!? そもそもタカ・トラ・バッタって何その関連なさそうな
組み合わせ? タカ・ライオン・イルカとか、イーグル・シャーク・パンサーとかなら
まだわかるけど!!」

「ああその、何ていうか……歌は気にしないで?」

「いや気になります、先生!!」

困惑しながらも至極当然でもあるツッコミをこなたから受けつつ、映司はかつて初めて変身した
時に相棒である存在から言われた発言を彼女にもする事となったのだった。

【深山町・商店街外れ・公園/深夜】
【泉こなた@らき☆すた】
【状態】:健康、ちょっとだけ困惑(残令呪使用回数:3)

【ライダー(火野映司)@仮面ライダーOOO/オーズ】
【状態】:健康、仮面ライダーオーズ・タトバコンボに変身中

※公園周辺にオーズドライバーの音声が鳴り響きました。
『もしかしたら』誰か聞いたかもしれません。



サーヴァントが謎の歌と共に異形の姿へと変身する姿を目の当たりにし、アサシンことトキは
驚きながらも再び彼らの様子に目を光らせた。
あの上下3色のサーヴァントが果たしていかなる力を持つ存在なのか。
果たして彼らは己が欲望を叶える為にこの戦いに乗っているのであろうか。
疑問は尽きないが、一つだけ確かな点はあった。

「(……あの二人からは殺気に当たる物がまるで感じられない)」
2千年の歴史を持つ暗殺拳・北斗神拳の伝承者候補であり、激動の世紀末の世界を生きた
自分の感覚に間違いがなければ、おそらくあの二人は――――――

いや、まだ結論を出すには少し早いかもしれない。
そう思いながらもトキは迷っていた。
果たして彼らと接触するか否か。
仮に彼らがこの戦いに乗っていないとしても、自身のマスターが戦いを望めば彼らとの
戦いは避けられないものとなる。
あの異形のサーヴァントには北斗神拳が通じるのだろうか?
とにかく現段階では不確定要素が多すぎる。

「(もうしばらく、様子を見るべきか)」


赤黄緑に彩られた騎兵と、白き暗殺者。
果たして彼らが互いに顔を合わせるのは戦いの開幕を遂げた夜になるのか―――――
全ては神のみぞ知る、である。


【深山町・商店街外れ・公園周辺/深夜】
【間桐雁夜@Fate/Zero】
【状態】:気絶中(残令呪回数:3)

【アサシン(トキ)@北斗の拳】
【状態】:健康、気配遮断スキル発動中

598 ◆MoyrepToUg:2012/01/28(土) 01:02:43 ID:6xrNhlHU0
投下終了です。
実は後になってこなたの名前と映司との関連に気付いたというのは
君だけとの秘密だw

何か問題点がありましたらご指摘ください。

599名無しさん:2012/01/28(土) 14:54:56 ID:aot2XvFE0
ヒャッハー
投下だー

600マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/28(土) 15:15:46 ID:Mpzg/Iw60
投下乙であります!
トキは出来れば戦いたくない方のサーヴァントだけど
果たしておじさんが言う事を聞いてくれるのか先行き不安ですな。
こなたは映二をツッコミに回すとは流石すぎるとしか言えないw

601名無しさん:2012/01/28(土) 21:50:09 ID:hG3jCqzY0
久しぶりに来た

枠ってまだ空いてます?

602マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/01/28(土) 21:54:56 ID:Mpzg/Iw60
>>601
枠自体はもう空いていません。

603名無しさん:2012/01/28(土) 22:09:14 ID:NWvLaw1QO
投下乙です!そうか、泉・・・\ルゥナァ/嫌いじゃないわ!嫌いじゃn『セイヤー!』克己ちゃん・・・!

604名無しさん:2012/01/28(土) 22:15:27 ID:hG3jCqzY0
>>602

そうですか…空いてるなら書こうと思ったけど遅かったか

返信どうもです

605名無しさん:2012/02/01(水) 15:26:19 ID:3OImAzz.O
令呪は全て失った時点で失格のようだけど、そうなるとマスターが右腕を切り落とされた時点で
失格確定ということでいいんだよね?

606マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/02/01(水) 19:42:12 ID:v0m28wEAO
>>605
その場合はマスターとしての権利を失いますね。
強制消去はありません。

607名無しさん:2012/02/01(水) 21:33:31 ID:3OImAzz.O
じゃあこのゲーム降りたいけど死にたくない時は自分で右手を切り落とせば良いわけか。
サーヴァントは新しいマスター探さない限り、依り代失ってるのでそのうち消える、と。

608 ◆Mti19lYchg:2012/02/02(木) 23:24:31 ID:BdHyXTq20
9割がた出来上がってますが、今日中に間に合いそうもありません。
無念ですが、予約を放棄します。申し訳ありません。

609名無しさん:2012/02/02(木) 23:53:49 ID:6bq82wGk0
できてから再予約して投下すればいいよ

610マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/02/03(金) 12:02:38 ID:V0Ibe1UI0
>>608
>>609でも代弁されている通り、出来上がってからの再予約で構いません。
但し、その間に誰かが予約分を予約した場合はそちらを優先とさせていただきます。
作品の完成を急かすものでは無く、あくまで公平さを保つものですのでご容赦下さい。
作品の完成を楽しみにしております。

611 ◆4OblpRmYos:2012/02/13(月) 23:30:07 ID:BDvKblFo0
質問ですが、このロワにおいて他ロワでいう放送のようなものはあるのでしょうか?
基本的に参加者には他の参加者の情報を知らされない、というのがルールですが、
既に脱落したマスターの名前や、残りの人数ぐらいの情報は全員に開示しても構わない
のではとも思うのですが、如何でしょうか?

612名無しさん:2012/02/14(火) 18:29:45 ID:Aso5ewtQO
そういやどうなるんだろうな?
あまり考えなかったが。

613マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/02/14(火) 20:30:51 ID:shqaaLVo0
脱落者、重大な違反者等は教会及び学園で告知されます。
但し、情報開示は施設内限定です。
使い魔などの遠隔手段を持たない場合は見に来てくださいw

614名無しさん:2012/02/14(火) 21:01:14 ID:Aso5ewtQO
見たかんじ、重大な違反を平然とやらかしそうなサーヴァントとマスターがいないのは惜しいな。
第四次のキャスター討伐には燃えるものがあったのに。

615 ◆MoyrepToUg:2012/02/17(金) 16:59:40 ID:2K.CkTV20
重大違反者討伐でなくても、何かしらの他者との協力イベントはあっても
いいと思いますね。
「○○に成功した者には追加令呪を授ける」的な。

あと違反と言えばワカメも原作で度を超えた魂喰いで警告を受けてましたが、
今回同じ事やったら拳王様に一喝されるビジョンしか浮かばないw

616名無しさん:2012/02/18(土) 17:09:53 ID:xpq5xQJ60
優しいなあ
直ぐ手が出ないだけw

頬がはれ上がるビンタ1発ぐらいは…と思ったw

617名無しさん:2012/02/18(土) 21:57:43 ID:vKhn.c620
特殊な時間や空間に適応できるマスターやサーヴァントって
ザ・ワールドの時間停止展開中はどーなるの?
今回だとペルソナ使い達なんかがそれに該当するはずなんだけど

618名無しさん:2012/02/18(土) 22:35:13 ID:leSEG0xE0
>>616
拳王様の力でビンタすれば、生前の力でも常人なら首の骨折れて死にそうだからねw
デコピンでもワカメのひょろい身体だと一発で「うわらば!」しかねないだろうし。

619名無しさん:2012/02/20(月) 16:22:20 ID:TGCTnLScO
最近新作が来ない・・・

620マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/02/20(月) 17:22:03 ID:8cqk.BxE0
>>619
ご期待に応えるためにもw

天海陸&セイバー、花村&ランサー予約します。

621マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/02/20(月) 17:24:56 ID:8cqk.BxE0
>>617
サーヴァントの宝具はあくまで固有の能力ですので、
その範囲内で展開された事象は『使用者のみ自由に行動できる』とさせて頂きます。

622名無しさん:2012/02/25(土) 13:13:23 ID:jmsvK1OU0
キター

623マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/02/27(月) 09:55:52 ID:e/yiJPDk0
予約を延長します。

624マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/03/05(月) 17:52:34 ID:qck8mQlI0
体調不良で寝込んでいたため、間に合いそうに無いので
予約を一旦破棄し、完成次第再予約します。

625<削除>:<削除>
<削除>

626名無しさん:2012/03/28(水) 21:06:29 ID:6FD0Bnfs0
うぅむ
動きがないなぁ
でもすごく期待していますよ

627名無しさん:2012/04/01(日) 18:46:32 ID:2bbAP6kI0
メンツとしては、有名所を押さえているんだけどね。

628名無しさん:2012/04/03(火) 18:41:55 ID:ccG5zRG20
最近Fateシリーズに興味をもってそういえば聖杯戦争がモデルのロワあったけと思ってこのロワを見つけました
前から好きだったギアスとかリリなのとかまどまぎやオーズとかあってすごい期待してます
書き手さんがんばってください
アクセス数も増えてきてますよ

629名無しさん:2012/04/03(火) 23:10:36 ID:Fx4ukWK.O
ksk

630名無しさん:2012/04/04(水) 08:39:17 ID:ET1H1LGM0
四次聖杯戦争のバーサーカーの真名はランスロットでそれでスザクか
あとルルーシュはガウェインねギアス勢はナイトメアネタが多いな

631名無しさん:2012/04/05(木) 00:00:49 ID:RVZhRy4M0
セイバー・ランスロット・ガウェインの円卓勢が会ったらどうなるかってのは面白そう
マスターもそれぞれ反発しあうようなのばっかりだし

632名無しさん:2012/04/07(土) 00:51:59 ID:BRYQlq8sO
新作はまだこないのか・・・

633名無しさん:2012/04/07(土) 09:42:39 ID:w2xk2bgU0
気長に待つか、落ちるのを待って違うところに、スレ立てするかだな

634 ◆4OblpRmYos:2012/05/07(月) 00:42:46 ID:EdvSZGrc0
予約をしたいのですが、作中時間が深夜ではなく未明になる事、既に登場
したキャラの三週目(自己リレーではありません)が含まれる事から、先に
確認を取るべきと思い、書き込ませていただきました。
スレ主様のご返答をお待ちしております。

635マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/05/07(月) 20:39:46 ID:UdR6I2dw0
構いませんよ、是非お願いします。
忙しさに感けて進行が疎かになっているので寧ろありがたい話ですw

636 ◆4OblpRmYos:2012/05/07(月) 23:55:33 ID:EdvSZGrc0
ありがとうございます。
では、天野雪輝&キャスター、我妻由乃&アーチャー、花村陽介&ランサー、
アサシン(サブラク)、言峰神父を予約します。

637マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/05/14(月) 19:39:51 ID:5I8/u3fQ0
天海陸&セイバーで予約します。

638 ◆4OblpRmYos:2012/05/14(月) 23:20:16 ID:u5mLqrw20
予約の延長を申請します。

639マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/05/18(金) 23:03:10 ID:rFK6POX20
天海陸&セイバーで投下します。

640I'm a liar ◆.OpF6wOgZ2:2012/05/18(金) 23:04:08 ID:rFK6POX20
これはほんの少し前の出来事。
謂わば、本番前の準備運動。
本来ならば、そうなる筈だった。
実際にはそんな生温いものではなかったけれど。

オレのサーヴァント、真名(こいつらは自分の本名の事をこう言うらしい)
『イスラ・レヴィノス』。
第一印象はハッキリ言ってしまえば同族嫌悪。
俺と同じ『嘘吐き』の空気を自然と感じ取れた。
こいつはその顔にへばり付いたかのような作り笑いでオレに尋ねて来た。

「……で、君はどうするの?」

「で……って何が?」

言葉の意味を図りかねて不審そうに尋ね返すオレをこれ見よがしなまでに
馬鹿にするような顔をして大袈裟なほどに大きく溜息を吐き、
芝居めいた調子のまま俺の従者は口を開く。

「行動方針の事だよ。
 今後の方針も決めないで君は如何する気だったんだい?」

いちいち癪に障る言い方をする奴だけど言っている事自体は最もだ。

「分かってるさ、そんな事はちゃんと分かってるよ!」

こいつがオレに問い質したい事の本質は分かってる。
行動方針なんて言ってはいるが、要は他の参加者を『如何殺したいのか?』、
『オレにその覚悟があるのか?』この二点を確認したいんだろう。
頭の中でこの事柄に思いを巡らせる。
そんな俺の様子を目を細めて眺めながらイスラが言葉を続ける。

「中々に悩んでるようだね、参考までに一つ良い事を教えてあげるよ。
 僕のクラス『セイバー』は全サーヴァント中で最も優秀なサーヴァントであり、
 過去の聖杯戦争においても優勝者の多くはこのクラスのマスターだよ。
 良かったね、君はこの点だけでも優勝に近づいた訳だ」

揚々と喋る言葉はかなりの期待感を持たせるものだが、
どこか含みのある言い方が気になる。

「じゃあ、お前は`“かなり強い”サーヴァントって事なのか?」

疑いを込めた睨むような視線でオレは自分のサーヴァントを見つめる。

641I'm a liar ◆.OpF6wOgZ2:2012/05/18(金) 23:04:46 ID:rFK6POX20
「残念、僕のセイバーとしての個人的な能力は下から数えた方が早いだろうね。
 僕がセイバーとして顕現してるのはある特定の事柄が要素なだけで、
 僕個人の純粋な適正だったらキャスターもしくはアサシンと言った所かな?」

オレの疑いに対して逆にこのサーヴァントはハッキリと肯定してみせた。
表情は変えず、へらへらとまるで他人事の様にこのサーヴァントは自分の能力を語る。
威張れる事でも何でもない、要はただ単純に『如何に自分が弱いか』を言っただけだ。

「……諦めろって言いたいのか?」

ギシリと頭の中で鈍い音が響く。
実際に聞こえた訳じゃない、オレが勝手にそう思い込んでいるだけだ。
だから、この怒りで歪む世界もそう見えているだけに過ぎないんだ。

「そういう訳じゃないさ、僕にも『切り札』くらいある。
 それもとびっきりのね」

変わらぬ微笑を貼り付けた顔のまま、『嘘吐き』が『嘘吐き』に語りかけてくる。

……うんざりだ。

「顕現」

聞こえるか聞こえないかはっきりしないほどの声でぼそりと呟く。
言葉は意識となり、意識は行動を成す。
オレの右手に埋め込まれた核が反応し、
オレの今の気分にうってつけの形を形成していく。
この糞ったれな気持ちをぶち壊せる破壊の感情。
謂わば、その顕現。
瞬時に現れた大剣を振るい、『嘘吐き』の首に突きつける。

「御託はウンザリなんだよッ!
 オレはやってやるって言ってんだッ!
 ゴチャゴチャとお前の方こそ如何なんだよ!」

刃旗を顕現した影響で肉体も変容をきたす。
黒だった髪が部分的にメッシュの入ったような白髪へと変色し、
目元には『人ではない証』である赤い稲妻のようなラインが浮き出る。
そんなオレの変化にも、ぶちまけられた感情にも、喉元に迫る大剣にも、
その全てに対してさして動揺せず、イスラが一つ息を吐く。

「本当にそっくりだね……僕と君は」

刃旗使いが生じる絶対的な空間。
意識圏(ケイジ)。
全ての感覚が鋭敏に研ぎ澄まされた中で聞いた
その言葉は今までとは違い、若干の感情が混じった呟き。
同情いや後悔?

642I'm a liar ◆.OpF6wOgZ2:2012/05/18(金) 23:05:29 ID:rFK6POX20
「やる気はあるさ、証拠も見せる」

イスラがそっと大剣に手を当てて退かし、目を閉じる。
意識の集中と共に周りの空気は変容し、
全てがイスラの下へと収束していく。
そして、光と共に現れたのは一振りの剣。
彼を『セイバー』たらしめているその剣を掴み、

――――抜き放つ。

「――紅の暴君(キルスレス)――」

抜き放たれた剣から放たれる閃光で目が眩み、
思わず目を伏せてしまった。
一瞬の暗闇の中でぞくりと背筋に鳥肌が立つ。
見なくても分かる。
目の前には今、『死』そのものが存在しているのだと。
何をする訳でもなく分かってしまう実力差。
柩姫同士の戦いを目撃した時の様に如何に自分達が
無力な存在なのかを本能で知らしめるような。

そう、『絶対的存在』。

「……ハッ…ハハッ…何だよそれ…とっておき所じゃないだろ」

この力なら誰が相手だろうと勝てるに決まってる。
残らず殺し尽くしてその先で……

「取り戻せるんだ、全部。
 天音姉もネーネも!」

ネーネが天音姉になると聞いた時に漏れたソレと同じ。
自分の歪んだ欲望を理解していながらも期待してしまう
人間としての醜い感情。
「笑い」が自然と口元を歪ませる。

「残念だけど、そう単純な話でもないんだけどね」

そんなオレの希望を打ち砕くように目の前の何処か『狐』を
連想させるような形を持った『死』が微笑む。


――――ドクン。

「はっ?」


――――ドクン。

心臓が脈打つ、それもハッキリと分かるほどの異常を伴って。

熱い。
まるで焼けた鉄の棒を強引に飲み込まされたかのように
全身が灼熱のように感じられる。
それと同時に異様なほどの倦怠感も襲ってくる。

――――ドッドッドッドッドッドッドッドッドッ!!

心臓の鼓動は最早幾つ刻まれたのか分からぬほどに高速に高鳴り、
血液が逆流してきたかのように視界が朱に染まる。

643I'm a liar ◆.OpF6wOgZ2:2012/05/18(金) 23:06:04 ID:rFK6POX20
「グッ…ガッ……ガァッ!! な、何だ…よ…これ…どう…なってんだよ……」

搾り出すように声を出す。
考えられる原因は一つだけ。
朱に染まる世界の中で一人だけ白く取り残された存在。
異形の『剣』の魔人。
そのサーヴァントは自分の持つ剣とオレの姿を交互に見比べた後、
困ったような表情を浮かべ、剣を光り輝く鞘に収める。

「まぁ、大体予想はついていたんだけどね」

イスラが剣を収めるのと同時にその姿は発光し、
光が消えた時にはその姿はここで出会った時と同じ姿に戻っていた。
それと同時にオレの身体を襲った謎の異変も収まり始める。

「ウグッ…ツゥッ! ハァハァハァハァ……ウッ!?
 ウボェェェッ!!」

膝をつき、急激な体調変化の名残に耐え切れず、
その場に吐瀉物を撒き散らす。

「あ〜あ〜、ほら床を汚しちゃったじゃないか」

見下すようにオレの傍に来たイスラが
何所か面白そうにそんな俺の様子を眺めている。

「…がやった…か…」

息が乱れ、言葉は途切れる。

「何だい? 如何にも聞き取れないね」

一度は収まりかけていた感情がまた沸々と湧いてくる。
こいつはあの『狐』のような印象といい、
『あの男』を連想させてくる。

「おまえがやったのか、つってんだよ! このクソ野郎ッ!!」

口元を拭い、ふらつく足で何とか立ち上がり、
傍まで来ていたイスラの胸倉に掴み掛る。

「酷いな、苦しいじゃないか?」

「いいから答えろ!!」

そのにやつく顔にもウンザリして来た。
こいつとはあまり話をするべきじゃなかったんだ。

644I'm a liar ◆.OpF6wOgZ2:2012/05/18(金) 23:06:37 ID:rFK6POX20

「そうだよ」

「ッ!!」

否定も言い訳もせずに言ってのけたイスラに向けて腕を振りかぶる。
だが、その腕がイスラの顔を歪ませるよりも早く、
その姿は光に変わり、俺の腕は空しく宙を切る。

「なっ?」

「だが同時に君自身の所為でもある」

言葉と共に背後に光が収束し、イスラが再びその形を得る。
オレの行為が無意味だと暗に示しながらイスラは言葉を続ける。

「僕らは基本君達の魔力によって現世に形を得ている。
 存在するだけで魔力を食うんだ。
 そんな中でも特にこの宝具は魔力を食う。
 君を襲った現象は君自身の魔力が
 枯渇しかけていたのを示しているのさ」

魔力。
そんなオカルト染みた言葉に今まで縁も所縁も無かったが、
要するにオレの体力のようなものだろうか?

だけど、今はそんな事は如何でもいい。

「つまり、今のは使えないって事か?」

あの力を使えない?
だとしたら、オレはこの先生き残れるのか?

「そうは言ってないさ。
 使い所を間違えるなってだけの事さ。
 間違えれば、君が死ぬ事になると言うだけの話」

こいつは嫌いだ。
そのにやつく顔も態度も気に食わないが
何よりもこいつとオレが何処までも『同類』だと思い知らされる。

他人を信用せず、
嘘で自分を塗り固めて、
その癖、その全てを他人に押し付ける。
オレもこいつも『あの男』も全員一緒なのだと
思い知らされる。

それを認める事をオレはしたくない。

645I'm a liar ◆.OpF6wOgZ2:2012/05/18(金) 23:07:24 ID:rFK6POX20
「能力は最弱、切り札も使えない。
 ハン! 実に優秀なサーヴァント様なんだな!」

腹立ち紛れに苦しい嫌味を吐く。
自分の首も絞めている訳でただの当て付けである。

「そうだね、僕はあまりにも弱い。
 だからこそ君は決めなくちゃならない。
 “どうやって殺すのか”を」

ここに来て、初めてイスラから出た明確な害意を持った言葉。
はぐらかされてきた言葉を口に出したイスラの表情は変わらない。
相も変わらずに笑顔のままで、
その姿に思わず背筋が凍りついてしまうほどに。

「奇襲、離間、暗殺、その他諸々。
 取れる手段を全て使わないと僕と君は勝てないんだ。
 だから、“君はどれがいい”?」

このサーヴァントには正々堂々なんて言葉は存在しない。
さっき自分で言っていたじゃないか。

『僕個人の純粋な適正だったらキャスターもしくはアサシンと言った所かな?』

剣士(セイバー)の名を冠したこのサーヴァントの本質は
暗殺者(アサシン)なのである。
勝つ為ならば手段は選ばない。
己の行為に清濁を問わない。

その姿は正に、オレそのものじゃないか。

「ハ…ハハ…アハハハハ!!
 そうだな、俺が間違ってたよ。
 勝ちたいんなら何でもしなきゃな」

認めたくないからこそ認めないといけない事がある。
自分が如何に最低な分類の人間なのかという事を。
俺の言葉を聴き、イスラがどことなく愉快そうに目を細める。

「そう、君と僕は同じだ。
 だからこそ分かるだろ?
 僕達が取るべき手段を」

「嘘吐き」同士が取る手段なんて一つしかない。

646I'm a liar ◆.OpF6wOgZ2:2012/05/18(金) 23:08:25 ID:rFK6POX20
「分かってるよ、オレ達以外はどうせ全員敵なんだ。
 騙して、利用して、最後にはオレ達で奪い取る。
 それがオレ達の戦いだ」

パチパチパチと拍手が鳴る。
鳴らしているのは勿論イスラだ。

「百点とは言い難いけれど充分だね。
 必要なのはその覚悟だ。
 僕らは今から堕ちる所まで堕ちるんだから。
 憎まれようと蔑まされようと
 それを受け入れないといけない」

結局、何一つ変わりはしないんだ。
ネーネの為にF・L・A・Gの皆を利用しようとしたあの頃と。
天音姉の為にネーネを利用していた事実と。
だから、オレは嘘をつくだけだ。

全てから逃れる為に。

「じゃあ、行くぞ?」

何処とも知れぬ場所の中でポツリと存在していた扉へと手を掛ける。
この扉を開けば最早引き返すことは出来ない。
引き返す?
今更、何処へ引き返すって言うんだ。
無くしたものは返ってこない。
『奇跡』でも起きない限り。
だから、『奇跡』を奪い取りに行こう。

ガチャリとドアノブを回す。
軽い音を立てて扉はあっさりと開いた。
中に居た時は気づかなかったが、
如何やら何処かの商店街の一店舗の中にオレ達はいたようだ。
顕現は出る前に解いている。
見た目だけならオレは普通の高校生だ。
「ふぅ」と一つだけ息を吐き、眼鏡を掛けなおす。

「先ずは捜さないとな……」

誰に言うでもなく呟く。
捜さないといけないのは獲物だ。
出来る限り、疑う事を知らないようなお人好しを。

『見つけるだけなら意外とすぐに見つかりそうだけれどね』

闇の中にイスラの声だけが聞こえる。
言葉の意味を理解するよりも早く、
ここよりは少し離れた場所で奇妙な『音』が鳴り響いていた。

【深山町・商店街/深夜】
【天海陸@ワールドエンブリオ】
【サーヴァント:セイバー(イスラ・レヴィノス)@サモンナイト3】

647マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/05/18(金) 23:10:00 ID:rFK6POX20
投下を終了します。

イスラの宝具:効果「陸が死ぬ」。

648 ◆MoyrepToUg:2012/05/19(土) 08:41:28 ID:IZ5DrlV.0
投下乙です!
って、宝具 の効果wwwなんという逆EFBwww

というかこなたとおじさん逃げてー! 超逃げてー!

649名無しさん:2012/05/19(土) 17:35:03 ID:0ix2.QmsO
投下乙。そしてですよねーとしか言い様のない宝具の効果に吹いてしまったw
元々世界からパイプひいて汲み上げてたんだから、
人一人の魔力でどうにかできる代物じゃないんだよな。
これから宝具なしのハンデを背負って、どこまで立ち回れるのかに期待します。
・・・そういえば、サモナイト石とかは未所持なのか?死亡直前まで、いくつか装備してたと思ったけど、
ダークレギオンとかあれば、魔力の問題も解決しそうなもんだが・・・

650名無しさん:2012/05/19(土) 18:30:27 ID:VEu5n.CI0
あとは単純に人を食べて食べて食べまくって補給するとか(霊的な意味で)。
第四次キャスターコンビ再来の予感。

651名無しさん:2012/05/19(土) 19:36:56 ID:ojGxGxpwO
投下乙です!
マスター自決用宝具wこれは新しいw

652 ◆4OblpRmYos:2012/05/20(日) 14:12:26 ID:vU2IXT720
遅ればせながら投下乙です!
陸とイスラはステルスマーダー的路線のようですが、
このロワには彼ら以上の嘘つき、詐欺師、ペテン師が
当たり前のようにいるのでどうなることやらw
あと、出来ればイスラのステータスを編集していただけると助かります。

653 ◆4OblpRmYos:2012/05/20(日) 22:17:42 ID:vU2IXT720
天野雪輝&キャスター、我妻由乃&アーチャー、花村陽介&ランサー、
アサシン(サブラク)、言峰神父を投下します。

654全てを呑み込んで熱を帯びていく(前編) ◆4OblpRmYos:2012/05/20(日) 22:19:37 ID:vU2IXT720
「おっ、あったあった」

アレックスとの自己紹介を終えた後、陽介とアレックスは突然夜の街の路地裏と思しき場所に跳ばされた。(テレビの中の世界で似たような現象を何度も経験したので、驚きはしても慌てはしなかったが)
アレックスが言うには、これはムーンセルによる強制移動で、自分たちが今いる場所は冬木市の新都という所らしい。また、それらに関する知識も、気がついたら頭の中に入っていたらしい。
ムーンセルという聞き慣れない単語や、テレビの中の世界でもないのに何度もワープするという不可思議な現象について聞きたい事、知りたい事はいくらでもあったが、まずは戦いに向けた準備と、具体的な戦略を練るために行動を開始した。
そして最初に立ち寄ったのが今、陽介の目の前にあるコンビニである。

『なるほどな。時間的に殆どの店は閉まっているが、確かにここなら合法的に物資の調達が出来るだろう』

「だろ?何かいくらでも使えるキャッシュカードもあるみたいだし……って、ちょ、今どこから喋った!?」

返事をしようとして振り返ると、そこにはアレックスの姿は全く無かった。しかし彼の声は聞こえてくるという怪奇現象に、陽介は思わず声を荒らげた。

『落ち着け、これは霊体化だ。どうやらこれはサーヴァント特有の技能らしい。
この街で私のような風体の男は目立つだろうから当面はこの状態でいさせてもらうぞ』

言われてみれば確かに最初に見たアレックスの服装はどこかの軍服のような服(というか多分そうだろう)だったので、悪目立ちするのを避ける意味でもその方が良いのかもしれない。

「そ、そうなんだ………。とりあえず、姿は見えねえけど、傍にはいてくれてるってことだよな?」

『ああ。それと私自身、まだサーヴァントとしての自分に慣れていない部分がある。
それに、頭に入ってきた聖杯戦争に関する知識も完全には咀嚼できていない。
正直、一度どこかでお互いの考えやこれからの戦略について話し合いたいところだな』

「そっか。それなら俺に良い考えがあるんだ。
買い物終わったらちょっと付き合ってくれねえ?」

『それは構わんが……どうする気だ?』

「いいからいいから。とりあえず任しとけって」

そう言うと、陽介は店の中に入っていった。
ミネラルウォーターやカロリーメイトといった携帯できる食糧や飲料、ガーゼやバンドエイド等の医薬品、大学ノートと筆記用具一式、そして携帯電話の充電器と電池を手際良く買い物かごに入れていき、そのままレジで精算を済ませる。(安くはない買い物をしたので、カードで精算をする際の陽介はやや緊張した面持ちだったが)
そしてコンビニを後にすると、人通りの多い駅前に出て、キョロキョロと何かを探し始めた。

655全てを呑み込んで熱を帯びていく(前編) ◆4OblpRmYos:2012/05/20(日) 22:21:38 ID:vU2IXT720

「マスター、何を探しているのだ?」

「教会だよ。あの胡散臭い神父にはもっと聞いておきたい事が山ほどあるし、中立地帯ってことならゆっくり作戦も立てられるだろ?
そうだアレックス、あんた、教会の場所とか知らねえか?」

『一応場所は分かる。というかマスター、土地勘も無い場所で当てずっぽうで探すつもりだったのか?』

アレックスの指摘に、陽介は露骨に目を逸らして口笛を吹き始めた。これで誤魔化しているつもりらしい。
あまり深く考えていなかった様子のマスターに、アレックスは心中で溜め息をついた。
生前の自分は他人の世話を焼く性格では断じてなかったはずだが、どうにも調子が狂う。
しかし、今の自分は戦闘生命、キース・シルバーではなく、アレックスという一人の人間だ。ならば、こんなやり取りも悪くないのかもしれない。
ちなみに、陽介は最初に出会った時から一貫してアレックスを真名で呼び続けているが、アレックスの方も特に訂正する気は無かった。
通常、サーヴァントはクラス名を用いて真名を秘するのが聖杯戦争の暗黙のルールだが、アレックスの宝具や戦闘スタイルは、槍兵のクラスにはそぐわない特殊なものだ。
故に、敢えて真名を晒して敵の油断を誘い、クラスを隠蔽する方が戦略的に有効だとアレックスは判断した。(彼自身、自らの真名を知られるリスクに頓着していないというのもあるが)
ただし、アレックスはこうした考えをマスターである陽介に伝える気も無かった。
この妙なところで残念さを発揮する少年は、ここぞという場面でこちらの作戦を台無しにしそうな気がしたからだ。



教会への道中、陽介はずっと考え込んでいた。
最初は新手の詐欺か何かだと思った聖杯戦争の誘い。
しかし、結局は願いを叶えるという誘惑に耐え切れずこの電子の世界(先ほどアレックスにも聞いて確認したので恐らく間違いないだろう)に足を踏み入れた自分。
そして、脳裏に浮かぶのは元の世界に残してきた家族や、自称特別捜査隊の仲間たちの事。

(あいつらには悪い事しちまったよなぁ…。せめて悠か直斗には相談しとけば良かった…)

生田目の件もあり、最近は学校以外であまり顔を合わせることは無かったが、それでも事前に知らせるくらいの事はするべきだった。また一人で空回りし、先走ってしまった。
元の世界での自分はどうなっているのだろうか。失踪扱いにでもなっているのかもしれない。だとすれば、家族や友人たちには心配をかけてしまうだろう。

(でもまあ、悠なら上手いこと皆をまとめてくれるだろ。
ってか、家出と思われた挙句、「そっとしておこう」なんて流れになったりしてねえだろうな……)

一瞬脳裏に浮かんだ地味に嫌な想像に思わず顔を顰める。

『マスター』

と、それまで沈黙していたアレックスが声をかけてきた。

656全てを呑み込んで熱を帯びていく(前編) ◆4OblpRmYos:2012/05/20(日) 22:23:27 ID:vU2IXT720

『教会に入る前に聞いておきたいことがある。これから他のマスターに出会った時、貴様はどうするつもりだ?』

曖昧な返答は許さない、といわんばかりの強い語気で問われ、陽介は一瞬たじろいだ。

「……そりゃあ、殺し合いなんてやめろって呼びかけるさ。俺らは人を殺すために戦うわけじゃねえからな」

『それを相手が聞き入れず、我々を攻撃してきたら?』

「……その時は戦うしかないだろ。けど、殺すのはなしだ。そんなことしたら、それこそ本末転倒じゃねえか」

『その考えは危険だ。相手もサーヴァントを従えているのだから下手に手心を加えればこちらが危うい。
それに、首尾よく相手を殺さずに済んだとしても、戦った相手が別のマスターやサーヴァントに殺されることも有り得る。そして、これが殺し合いである以上そういった瞬間は必ず来る。
積極的に他人を殺せとは言わんが、聖杯を破壊する過程で他人の死を受け容れる覚悟ぐらいはしておけ』

「………それは」

アレックスの言葉に、陽介は俯いた。
それは、聖杯を破壊し、殺し合いを打破するという大義名分の下、陽介が無意識のうちに目を逸らしていた事実だった。
本当の意味で誰も傷つかずに殺し合いを終わらせられると心底信じられるほど、陽介は戦いというものを軽く見てはいない。
それでも、他人の命を奪う、あるいは、見捨てるという行為を素直に許容することは出来ない。それは、単に彼が現代日本人としての倫理観を持っているから、というだけの理由ではない。
身近な人を理不尽に殺された被害者としての悲しみと、人の命を奪った加害者としての苦しみを身をもって知っているからこそ、陽介は未だアレックスの言う覚悟を固めることができない。
それでもアレックスに反論しようと必死に頭を回転させようとしたが、その思考は突然実体化した当のアレックスによって中断させられた。

「マスター、サーヴァントの気配だ。こちらに接近してくるぞ」

「えっ!?」

思わずぎょっとして周囲を見渡して、自分の視界に教会を捉えて、またも驚く。
どうやらいつの間にか教会のすぐ近くまで来ていたらしい。
そして、自分たちの正面から、四人組の男女が歩いてくるのに気づいた。






銀髪の青年とランサーとの戦闘の後、無事(?)に合流した雪輝、由乃、キャスター、アーチャーの四人は、再び教会へと歩き始めていた。
もっとも、先ほどの戦闘の余波で周囲の道路や電柱等が大きく破壊され、ランサーが去ったことで人払いの結界も解除されたために野次馬が集まりはじめ、急いでその場を立ち去らなければならなかったという事情もあるが。
そして現在、彼らは四人連れ立って歩いている。そう、四人である。

657全てを呑み込んで熱を帯びていく(前編) ◆4OblpRmYos:2012/05/20(日) 22:24:38 ID:vU2IXT720

「………あの、」

「どうかしましたかご主人様?」

「ユッキー、どこか具合でも悪いの?」

具合が悪いといえば悪い。しかし今、そんなことは口に出せない。
なぜなら、由乃とキャスターが雪輝の右腕と左腕にそれぞれ絡み合い、肉眼で捉えられそうなほど火花を散らしあっているからだ。
しかもお互い胸を押し付けながら密着してくるため、雪輝の胃と心臓が緊張とストレスでマッハである。人目を避けるという配慮はどこへ行ったのだろう。
涙目になりながら視線でアーチャーに助けを求めたりもしたが、無情にも軽くスルーされた。彼曰く、「折角だから今のうちに楽しんどけ。どっちも泣かすなよ?」とのこと。
そんなアーチャーも、由乃の注意が逸れているのをいいことに実体化した状態で歩いている。おかげで先ほどから通行人(といってもほとんどいないが)からの視線が痛い。

「ところでご主人様、さっきのランサーとイケメン眼鏡のことですけど」

「えっ?う、うん、何?」

密着されているせいもあるが、あまりにおっかなびっくりな返事をする雪輝にキャスターは若干呆れた素振りを見せた。

「何じゃありませんよご主人様。ご主人様もそこのヤンデレっ娘も聖杯戦争初心者なんですから、戦った相手のことはきちんと分析しておかないと」

「ご、ごめん」

聖杯戦争に熟練者なんているんだろうかと疑問に思ったが、口には出さずに素直にキャスターに謝る。

「何か言いたそうな顔ですけど、まあ良いです。
実はさっきのムキムキ蒼タイツランサーは、自分の真名を暴露したに等しい事を行なったんです。それが何かわかりますか?」

頭を捻って考える。
ちなみに、サーヴァントの真名に関する知識については、道中、キャスターから聞かされているのである程度は知っている。(キャスター自身の真名については教えてもらえなかったが)

「えっと……あ!もしかして、あの槍かな?
確か、“ゲイ・ボルク”とか言ってた気がするけど……あれがあのランサーの真名のヒントってこと?」

「大正解!さっすが“私の”ご主人様です♪」

褒めてくれるのは嬉しいが、妙な強調はやめてほしい。
由乃が怒りや殺意を通り越して感情が消えた表情で睨んでいるから。
そんな由乃に気づいているのかいないのか、キャスターは構わず説明を始めた。

「まあ先にぶっちゃけちゃいますと、あのランサーの真名はクー・フーリン。
アイルランド出身の英雄ですね。ルーン魔術を使ってましたし間違いないでしょう」

「……ごめん。僕、クー・フーリンの事ってあまり知らないんだ。
名前ぐらいは聞いたことあるんだけど……」

658全てを呑み込んで熱を帯びていく(前編) ◆4OblpRmYos:2012/05/20(日) 22:25:58 ID:vU2IXT720

「まあケルト神話は日本じゃあまりメジャーじゃないからしょうがないですね。
クー・フーリンといったら色々な伝説がありますが、それを全部話すとこのssの文字数が大変な事になってしまいますので、ここでは割愛しますね」

「ちょ、ちょっと待った!ssとか文字数って何なのさ!?」

「そこはまあ、偉い人の都合という事で」

キャスターの口から飛び出した不穏な単語に対する雪輝のツッコミは軽くスルーされた。

「それはさておき、あのランサーの宝具というのががさっきご主人様に放たれた“刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク」。因果を逆転させて“既に槍が標的の心臓に命中している”という結果を先に弾き出してから攻撃を仕掛けるというトンデモな魔槍です。
これを防ぐ方法は二つ。一つはさっき私が行なったように魔槍の攻撃力を上回る防御力の防御結界を張ること。
もう一つはサーヴァントのステータスに換算してランクA以上の幸運の持ち主であることです。それだけの幸運を持ってるサーヴァントはそういないでしょうけど、持っていれば魔槍の因果を歪めて通常の回避行動だけで魔槍を躱すことができます」

「えーっと、それって……すごく防ぎにくい攻撃ってこと?」

「はい。なので、戦うなら発動する隙を与えずに一息に仕留めるか、マスターを狙うべきでしょうね。まあ、マスターを優先して狙う方が確実ですね」

確かにその通りだと思う。
単純な戦力面において、マスターとサーヴァントでは隔絶した差があることは先ほど思い知らされたばかりだ。
あの時ランサーと相対した時、威圧感で身が竦んで動けなかった時の恐怖は今も鮮明に思い出せる。
加えて今はこちらに二騎のサーヴァントがいるのだから、他のマスターに比べて格段に優位に立てたといえるだろう。
しかし、雪輝にはそれでも不安があった。

「でも、さっきのあの人……何かサーヴァントみたいなのを出してたみたいだけど、あれって何なの?」

先ほど銀髪の青年が呼び出した戦士の像を思い出す。
ひと昔前の番長ルックのような姿のあの像は、身動きできない状態だったとはいえ由乃とアーチャーが駆けつけるまでほぼ一方的にキャスターを打ちのめしていた。
少なくとも雪輝一人では未来日記があっても対抗できるとは思えなかった。由乃と連携して未来日記をフル活用してやっと互角というところだろう。

「あれは多分心象具現化の魔術でしょうね。ぶっちゃけサーヴァントに比べればずっと相手しやすいですけど、さっきみたいに足止め目的とかで使われるとちょーっと厄介ですね」

「大丈夫だよユッキー。ユッキーは“私が”守るから。
それに、私たちの日記があればどんな奴だって……!?」

雪輝を励まそうとした由乃の言葉が途中で止まる。
未来が変わった事を示すノイズ音が聞こえたからだ。
雪輝は由乃とほぼ同時に自分の携帯を取り出した。

【××:×× 剣と炎の波に飲み込まれる。 DEAD END】

「うっ!?」

そこには、雪輝への死の宣告が記されていた。
しかも、相変わらず詳しい時間が分からないのが痛い。

「ご主人様、サーヴァントの気配です!ここまで来て……!」

更に息つく間もなくキャスターが敵の接近を告げる。
すると、雪輝たちの正面約百メートル先の曲がり角から、茶髪の青年と軍服を着た大柄な男性が現れた。

「ユッキー、きっとあいつらだよ!ユッキーを殺そうとしてるのは!」

視線は正面の二人組に向けたまま、由乃の言葉に内心で頷く。
普段、雪輝絡みで暴走しやすい由乃だが、流石に今回は早とちりとは思えなかった。
また、茶髪の青年が先ほどの銀髪の青年と同じものと思われる学生服を着ていたことも、雪輝が由乃の判断を肯定する後押しになっていた。

「アーチャー!あいつらを殺しなさい!!」

「キャ、キャスター!」

雪輝と由乃の指示に従って、アーチャーとキャスターが攻撃態勢に入る。
特にアーチャーは先ほどまで暇を持て余していたせいか、妙に楽しげに見える。

「行きますよ、アーチャー!見敵必殺(サーチアンドデストロイ)です!」

「おう!2対1だが、初めてのまともな戦闘だ。この程度でくたばってくれるなよ!!」

キャスターの呪術と、アーチャーの血液の弾丸が青年とそのサーヴァントと思しき男性に一直線に向かっていった。
サーヴァントの男性がマスターである青年を庇うように二人の攻撃を受け止め、周囲には轟音が響き渡った。

659全てを呑み込んで熱を帯びていく(中編) ◆4OblpRmYos:2012/05/20(日) 22:27:19 ID:vU2IXT720
(―――あ、俺死んだ)

自らに迫る二つの攻撃を前に、花村陽介はそんなことを思った。
正面に見えた四人組に声を掛けようとした瞬間の不意打ちで、その攻撃はペルソナを出していない生身の自分を消し飛ばすには充分すぎる威力だということを否応なく理解させられた。
しかし、正面の二人のサーヴァントから放たれた攻撃は陽介に命中することはなかった。
咄嗟にアレックスが陽介の前に出て、攻撃を受け止めたからだ。

「無事か、マスター」

煙でよく姿が見えないが、アレックスが声を掛けてきた。

「え、俺生きてる?」

「当たり前だ。そうそうすぐに死なれては困る」

「そ、そうか。悪い、助かっ……っていいいいっ!?」

アレックスに礼を言おうとしたが、その言葉は自身の驚愕によって遮られた。
先ほどの攻撃による煙が晴れ、再び陽介の視界に映ったアレックスの姿は、以前よりもふた回りほど大きな異形のそれに変わっていた。
何かの金属のような身体は、サーヴァントの攻撃を受け止めた代償に、いくらか欠損しているようだった。

「ちょ、アレックス、おまっ!?」

「落ち着け。私の全身をARMS化させただけだ。
それよりも前を見ろ。あちらは完全にやる気だぞ」

アレックスに言われて前方を見れば、先ほどの攻撃を仕掛けたサーヴァントたちは臨戦態勢のまま油断なくこちらを見据え、その後ろにいるマスターと思しき少年と少女もどこか必死な形相でこちらを睨みつけている。
恐らく自分を敵マスターと認識して攻撃してきたのだろうが、不殺を掲げる陽介はそれでも何とか説得しようと試みた。

「おい、ちょっと待てよお前ら!俺らは殺し合いになんか乗ってねえよ!」

「嘘をつくな!ユッキーを殺そうとしてるくせに!!」

「誤解だっての!どんだけ被害妄想だよ!?」

「アーチャー!キャスター!早くあいつらを殺して!!」

訂正。陽介が落ち着けていないせいか、話の噛み合わない言い争いと化していた。
そしてアーチャーと呼ばれたガラの悪そうな大男が獰猛な笑みを浮かべて前に出る。
恐らくあの男が前衛、そして狐耳のキャスターが後衛でアーチャーの援護、あるいはマスターである陽介を直接狙うのだろう、とアレックスは判断した。

「ここまでだ、マスター。話しの通じる相手でないことはもうわかっただろう。
応戦するぞ」

自らのサーヴァントの最後通牒に等しい言葉に、陽介はまだ暫しの間逡巡を見せたが、ついに決断を下した。
人を殺したくはないが、ここで死ぬわけにもいかないのだ。

660全てを呑み込んで熱を帯びていく(中編) ◆4OblpRmYos:2012/05/20(日) 22:28:13 ID:vU2IXT720

「……わかった。頼むぜ、アレックス」

学生服のポケットから馴染み深く、そして、ここ最近無意識のうちに避けていたものを取り出す。
自称特別捜査隊として活動していた時に使用していたメンバーの証のオレンジ色の眼鏡。
それを掛け、精神を集中させる。
ここはテレビの中の世界ではない。しかし、この世界に足を踏み入れた時から心のどこかで「できる」という確信があった。
それを証明するかのように、目の前に魔術師が描かれたタロットカードが現れた。
そして、迷うことなくそれを砕く。

「ペルソナ!!」

陽介の声に応えるように赤いマフラーを首に巻いた、まるでアメコミから抜け出てきたかのような忍者の像が光とともに現れた。
それは彼の心の具現にして、覚悟の仮面。

(もう一度頼むぜ、ジライヤ)

心中でもう一人の自分の名を呼び、正面を見据える。
すると、アーチャーが文字通り目にも映らないほどの速さで襲いかかり、それをいつの間にか身体を修復させたアレックスが事もなげに受け止めた。
戦闘開始だ。陽介は教会の敷地内ギリギリまで避難し、塀の影に隠れつつジライヤの操作に集中することにした。






茶髪の青年にアレックスと呼ばれた敵サーヴァントと戦うにあたって、キャスターとアーチャーが取った策は正攻法、つまり二人がかりでアレックスを確実に仕留めることだった。
マスターである青年を狙う方が早いだろうが、なにしろ相手は雪輝にDEAD ENDフラグを立てているサーヴァントだ。どちらか一方の相手をしつつ、マスターを直接攻撃する切り札を持っている可能性が高い。
そうである以上、マスターを狙う隙を一切与えないほどにアレックスを拘束しておく必要があった。
それに、茶髪の青年が教会の敷地内に退避してしまった事も理由のひとつではある。
教会が非戦闘地域に定められている以上、敷地内に大規模な攻撃を仕掛ければそれだけでこちらがペナルティを被る可能性がある。それでは旨みがない。
だからこそのサーヴァントへの集中攻撃。しかし、ここで誤算があった。
茶髪の青年が先ほど呼び出した忍者の像だ。(恐らくあの銀髪のマスターが呼び出した戦士の像と同種のものだろう)
それにより、形だけではあるが戦況は2対2の様相を呈していた。

「行け、ジライヤ!“マハスクカジャ”!」

青年の指示を受けたジライヤと呼ばれた忍者の像がアレックスに魔術をかけた。
すると、アレックスの敏捷値がB+からA+に変化し、キャスターとアーチャーの攻撃を捌いていた彼の動きが目に見えて素早くなった。

「キャスター、気をつけて!あのサーヴァントの敏捷値が上がったみたいだ!」

「はい、ご主人様。それにしてもあのオー○ーマンもどき、身体強化魔術(フィジカルエンチャント)とは味な真似をしてくれますね」

雪輝の忠告を聞きつつ、キャスターは策を練り直す。
現状、アレックスに対する集中砲火は、彼をその場に釘付けにする以上の効果を発揮していないと言わざるを得ない。
その原因は、ジライヤによって引き上げられた敏捷値よりもむしろ―――

「チッ、またか!」

アーチャーの舌打ちに心中で同意する。
見れば、今しがたアーチャーの血液の弾丸によってつけられた傷が文字通り一瞬のうちに修復されていた。
通常のサーヴァントの回復能力から大きく逸脱した再生能力。それこそがあの異形のサーヴァント・アレックスの宝具のひとつなのだろう。加えて、Bランクもの対魔力スキルによって、キャスターの呪術も無効化こそされないものの大きく威力を削がれていた。
その尋常でないタフネスの前に、キャスターとアーチャーの攻撃はまるで決定打を与えられずにいた。

「それで打ち止めか?ならば今度はこちらから行かせてもらうぞ」

661全てを呑み込んで熱を帯びていく(中編) ◆4OblpRmYos:2012/05/20(日) 22:29:09 ID:vU2IXT720

こちらを挑発するかのような言葉とともに、これまで防御と回避に徹していたアレックスが反撃を開始した。

「ハッ!全然攻撃してこねえから、ただの木偶かと思ったぜ!」

不敵な笑みを浮かべ、挑発を返してアレックスを迎撃するアーチャーだったが、その余裕はすぐに崩れ去ることになった。
アレックスはアーチャーの予想を大きく上回る速さで金属を纏った拳を叩きつけてきた。
無論、アーチャーも全身の血液を筋力と敏捷の向上に回し、同じく徒手空拳で応戦するのだが、その悉くが躱され、いなされる。逆に、アレックスの攻撃は面白いようにアーチャーを打ちのめす。それは最早、戦闘ではなくアレックスによる一方的な蹂躙となっていた。
単純なステータスだけならば両者の間にさほど決定的な差はない。むしろ、パワーだけなら宝具「化外の心臓」によるステータス向上と、蛮勇のスキルによる格闘ダメージの向上があるアーチャーに分があるといえた。
しかし、幼くしてARMSを移植され、戦闘者として、軍人として過酷な鍛錬に耐えてきたアレックスにはそのパワーの差を補って余りある技量があり、元々が極めて身体能力が高いだけの人造人間であるアーチャーにはそれが決定的に欠けていた。
それに加え、ジライヤの補助スキル“マハスクカジャ”による援護によって、今のアレックスは全サーヴァント中でもトップクラスの敏捷値を誇っている。対して、宝具によるステータスの底上げができるとはいえ、元の敏捷値がCランクでしかないアーチャーではそのスピードに追いすがることができない。

「オラァッ!!」

アーチャーの渾身の拳を、アレックスは軽く受け流し、カウンターの一撃をアーチャーの鳩尾に叩き込み、数十メートル以上吹き飛ばした。

「ご……ぁ……!」

アーチャーはどうにか起き上がろうとするが、急所に受けたダメージが祟り、倒れ伏したまま動けずにいた。

「雑な攻撃だな。その程度で貴様らは勝ち抜けるつもりか?」

僅か一分ほどの攻防。それだけでアーチャーは消滅寸前まで痛めつけられていた。
とはいえ、仮にアーチャーにアレックスと渡り合うだけの技量があったとしても、結果は何ひとつ変わらなかっただろう。
アレックスには常軌を逸した再生能力がある。無論、アーチャーもサーヴァントとしての基本的な再生能力は備えているが、戦闘中に瞬時に回復できるほどではない。結果、ダメージが蓄積していくアーチャーに対して、即座に回復できるアレックスという構図が出来上がる。
神秘がそれを超える神秘によって無効化されるように、19世紀の科学の結晶である人造人間のジョン・ドゥは、より進んだ科学の結晶であるアレックスによって打ち倒される。
つまるところ、両者には最初から絶対的なまでの相性の差が存在していたのだ。

(こんなに使えない奴だったなんて………!思いっきり口だけじゃないの!)

自らのサーヴァントの醜態に、マスターである由乃は歯噛みするが、この状況ではどうすることもできない。令呪を使おうにも、アーチャーがダメージを受けすぎた現状、どこまで効果があるかわからない。完全にタイミングを逸してしまった。
そもそも相手の手札も考えずに攻撃を指示した由乃にも非はあるのだが、頭に血が上った彼女がそれに気付くことは無い。
更に言えば、双方のマスターの対応力の差、そして能力の違いもこの結果を生む遠因となっていた。
雪輝たちの持つ未来日記は、戦略面においては絶大な効果を発揮するが、戦闘中のサーヴァントを支援できるタイプの能力ではない。正確には、サーヴァントの戦闘速度に割り込むことができない、というべきだが。
対して陽介のペルソナ・ジライヤは様々なスキルを備え、直接戦闘以外の面で融通のきかないアレックスとは最高に相性の良い能力といえた。
しかし、忘れてはならない。雪輝たちには、もう一騎のサーヴァントがいる事を。

「むっ!?」

大きな魔力の奔流を感じたアレックスがその方向に向き直る。
そこには、鏡を宙に浮かべ、何かの詠唱を行うキャスターの姿があった。
キャスターは、アーチャーがアレックスと白兵戦を行なっている間、決して休んでいたわけではなく、アレックスを殺し切るための切り札の準備を行なっていた。

662全てを呑み込んで熱を帯びていく(中編) ◆4OblpRmYos:2012/05/20(日) 22:30:11 ID:vU2IXT720
その切り札こそが、キャスターのサーヴァント・玉藻の前の宝具。
その名を「水天日光天照八野鎮石(すいてんにっこうあまてらすやのしずくのいし)」。
その力が、ここに解放される。

「軒奄陵墓―――冥府より尽きる事なく。行きますよ!」

宝具の発動と同時に、キャスターの周囲に、不可思議な結界が形成され、今までの比ではない数の呪符がキャスターの周囲に浮かぶ。
アレックスはすかさず防御姿勢を取り、攻撃に備える。彼の後ろには陽介がいるため、回避するという選択肢は無い。

「炎天、氷天、密天、ついでに雷撃、全部まとめて喰らいやがれえええええ!!!」

機関銃の如く撃ち出されたキャスターの呪術の猛攻がアレックスを襲い、ARMSに覆われた彼の身体を容赦なく削りとっていく。
無論、アレックスも再生能力を発揮し、攻撃を受けた端から身体を再生させていく。
しかし、キャスターの攻撃はその再生能力すら上回る勢いを誇っていた。
アレックスの対魔力が高い事を考慮し、攻撃範囲を抑える代わりに一発一発の攻撃に威力を凝縮することで、彼の守りを強引に突き崩しているのだ。
勿論、本来ならそんな後先考えない呪術の行使を行えば、すぐに魔力が枯渇することは目に見えている。
しかし、今のキャスターに魔力切れなどという事態は起こり得ない。彼女の宝具「水天日光天照八野鎮石」は、一定時間所有者に無尽蔵の魔力を供給し続けるという聖杯戦争の根底を覆しかねない性能を秘めた宝具なのだ。

(このままでは……!)

キャスターの攻撃に必死に耐えるアレックスだが、状況は芳しくない。
あと十数秒も撃ち続けられれば、アレックスの方が倒れるだろう。
だが、彼のマスターである陽介も黙って見ているわけではなかった。

「させるかよ!ジライヤ、“ディアラマ”だ!!」

陽介のペルソナ・ジライヤが回復魔法をアレックスにかける。
一瞬、アレックスの再生速度が早まるものの、すぐに押し返される。

「まだまだ!“ディアラマ”!“ディアラマ”!“ディアラマ”!!」

一度では焼石に水にしかならないが、何度も重ね掛けすれば、話しは違う。
なぜなら―――

「これは……!?」

ようやくキャスターが異変に気付いた。
最初に攻撃した時に比べて、明らかに相手に与える傷が小さくなっている事に。

「まさか、ダメージ耐性のスキル……!?」

「その通りだ。とはいえ、マスターの援護が無ければ私が押し切られていただろうがな。
主人に恵まれなかったな、キャスター」

それこそが、アレックスのARMS「帽子屋(マッドハッター)」の特性のひとつ。
ダメージを受ける度にその攻撃に対する耐性を作り出す進化の力。
それにより、今のアレックスはキャスターが持つほぼ全ての攻撃手段への耐性を身につけていた。
ひとしきり攻撃を受けきったアレックスは、満を持して反撃に転じる。
両掌に魔力を集中し、荷電粒子を形成する。通称“ブリューナクの槍”と呼ばれる二本の荷電粒子砲がキャスターへ向かって一直線に放たれた。

「くっ、呪層・黒天洞!」

キャスターは咄嗟に障壁を展開するが、衝撃までは完全には防ぎきれず、大きく吹き飛ばされ、それにより、宝具の効果も強制的に解除された。
万全の状態であれば踏みとどまることができただろうが、今のキャスターは以前の戦闘による疲労とダメージが癒えていなかった。そうでなくとも、彼女の耐久値は全サーヴァントでも最低クラス。サーヴァントはおろかマスターの攻撃ですら場合によっては致命傷になりうる程の脆さなのだ。
そして、防御したとはいえ今のアレックスによる一撃は、彼女を戦闘不能に追い込むには充分だった。

663全てを呑み込んで熱を帯びていく(中編) ◆4OblpRmYos:2012/05/20(日) 22:31:08 ID:vU2IXT720

「うっ……ご、ごめんなさい、ご主人様………。宝具まで使ったのに……」

「キャ、キャスター……そんな……」

雪輝が悲痛な声を漏らす。目の前にはキャスターと、アーチャーが倒れ伏している。
2対1なら負けることは無いだろうという楽観的な考えはあっけなく打ち砕かれた。

(こ、このままじゃ駄目だ、何とか、何とかしないと……)

現状を打開すべく必死に頭を回転させる。しかし、次の瞬間、その思考は唐突に止まった。
正確には、永遠に考えることができなくなった。
雪輝たちの上空から突如現れた剣と炎の波が雪輝を、由乃を、キャスターを、アーチャーを一息に呑み込んだからだ。
ここに、天野雪輝のDEAD ENDは執行された。
サーヴァントの超常的な戦闘力に目を奪われるあまり、雪輝と由乃は未来日記所有者として当たり前の事を失念していた。一度DEAD ENDフラグを立てられたならば、未来日記所有者自身が積極的に行動し、奇跡を起こして未来を変えなければならないのだということを。
もしも雪輝と由乃がもう少し冷静だったなら、陽介に対して迂闊に攻撃を仕掛けず探りを入れ、誰がDEAD ENDフラグを立ててきたのか見破ることもできたかもしれない。しかし、それも今となっては過ぎ去ったifでしかない。
奇跡とは、そう簡単に起こるものではなく、誰もが掴めるものではないからこそ奇跡と呼ばれるのだ。

【天野雪輝@未来日記 死亡】
【キャスター(タマモ)@Fate Extra 消滅】
【我妻由乃@未来日記 死亡】
【アーチャー(ジョン・ドゥ)@エンバーミング 消滅】

664全てを呑み込んで熱を帯びていく(後編) ◆4OblpRmYos:2012/05/20(日) 22:32:28 ID:vU2IXT720
何だよ…これ……」

陽介が放心したように呟いた。
こちらを襲撃してきたサーヴァントたちをアレックスが戦闘不能にし、力ずくではあるがこれから再度説得をしようとしたまさにその瞬間の出来事だった。
空中から突如飛来した剣と炎の波が彼らを残さず焼き尽くしたのだ。
それは、ビームを撃ち終えたアレックスの硬直の隙を突いた絶妙のタイミングでの攻撃であり、それがどこかで自分たちの戦闘を見ていたのであろう第三者の手によるものだと推測するのは容易かった。
先ほどアレックスに指摘された言葉が重くのしかかる。

「駄目だな、全く気配を追えん。
私が捕捉できないとは、これがアサシンのサーヴァントか。
それも、隠密性と広範囲攻撃を両立させるとはな」

傍らで軍服姿に戻ったアレックスが忌々しげに呟く声も、陽介の耳には入らない。
ただ呆然と、未だ火の手が消えない、先ほどまで四人組がいた場所を見つめていた。
アレックスは心中で嘆息した。それは彼のマスターに対してではなく、アレックスが予想するよりも遥かに早く訪れてしまった目の前の惨状に対してだ。
アレックス自身は死んだ四人組に対して特に思うところは無い。せいぜい面倒事を押し付けて逝ってくれたものだ、という程度のものだ。
しかし横で未だ放心状態にある、平和な国で生まれ育った自身のマスターを立ち直らせるのは容易ではないだろう。

「行くぞマスター、ここもじきに人が集まる。
教会に寄るのだろう?」

「……ああ」

力なく頷く陽介を促し、教会へと向かう。
教会の扉の前には、一人の神父の姿があった。

「ようこそ、若きマスターよ。
先に忠告させてもらうが、この教会の敷地内はムーンセルによって非戦闘地域に定められている。
しかし、だからといって戦闘中にマスターだけがここに逃げ込むのは感心しないな。
今回は知らなかったものとして大目に見るが、次は無いものと思ってくれたまえ」

開口一番、神父は辛辣な忠告を残し、教会の中へと戻っていった。
これ以上は、中に入って聞けということだろう。
陽介は力ない足取りで教会へと足を踏み入れる。
他にやりようは無かったのか。自分の考えが浅はかだったのか。
彼の迷いは未だ晴れず、深まるばかりだった。

【新都・冬木教会/未明】
【花村陽介@ペルソナ4】
[状態]:疲労(中)・精神力消耗(小)・後悔と無力感・残令呪使用回数:3
[持ち物]:ミネラルウォーター@現実・カロリーメイト@現実・医薬品一式@現実
大学ノート@現実・筆記用具一式@現実・電池式携帯充電器@現実・電池@現実
[基本行動方針]:聖杯を探し出して破壊する
[思考・行動]
1.…………。
2.聖杯戦争について神父に聞く。
3.アレックスと今後の方針について話す。
※本編BAD END2からの参戦です。
※鳴上悠が参加していることに気づいていません。
※本ロワにおけるペルソナ・ジライヤのスキル構成は以下の通りです。
疾風ブースタ:疾風属性の攻撃力が25%上昇
疾風ハイブースタ:疾風属性の攻撃力が50%上昇
ガルダイン:敵単体に疾風属性のダメージ
マハガルダイン:敵全体に疾風属性のダメージ(ロワ内では疾風属性の広範囲攻撃。ガルダインよりも消費する精神力が多い)
マハスクカジャ:味方全体の命中・回避率を上昇させる(味方サーヴァントに対しては一時的に敏捷値を1ランクブーストする)
デカジャ:敵全体のカジャ系効果によるステータス上昇を打ち消す(サーヴァントには原則無効。打ち消せるのはマスターの強化状態のみ)
ブレイブザッパー:敵単体にダメージ
ディアラマ:味方単体のHPを中回復

【ランサー(アレックス)@ARMS】
[状態]:魔力消費(小)・ARMSの進化(進行度小)
[基本行動方針]:聖杯を探し出して破壊する
[思考・行動]
1.陽介と今後の方針について話す。
2.アサシンを警戒する。
3.陽介を(主に精神的に)鍛える。

【言峰神父@Fate Extra】
[状態]:健康





新都の住宅街の屋根の上を、一つの影が疾駆する。
その影こそは先ほど天野雪輝たちの命を奪った張本人、アサシンのサーヴァントとして招かれた英霊・“壊刃”サブラクである。

665全てを呑み込んで熱を帯びていく(後編) ◆4OblpRmYos:2012/05/20(日) 22:34:30 ID:vU2IXT720
彼はマスターである匂宮出夢の許可を得て偵察のため別行動を行なっていた。
聖杯戦争においてマスターとのレイラインには距離的な制約があるわけではなく、単に別行動をとるだけなら単独行動のスキルは必要ないのだ。
そして、冬木教会の手前で戦闘を開始した天野雪輝や花村陽介らを発見し、戦闘を注視しつつ、攻撃を仕掛ける機会を伺っていた。
サブラクの存在が無差別日記に表示されなかったのは、未来日記に施された制限もあるが、何よりもその卓越した気配遮断能力にこそあった。
通常、気配遮断能力を持つアサシンであっても、攻撃に移る瞬間に生じる殺気は完全には隠しきれず、攻撃の寸前にはその存在が露呈してしまう。しかし、サブラクには初撃に限りその弱点が存在しない。
つまり、雪輝や由乃がどう行動しようともサブラクが攻撃を仕掛ける前に彼の存在を察知するという未来が存在し得ないからこそ、雪輝と由乃による完全予知すら欺き、気づかれることなく彼らの後方まで接近することができたのだ。
実のところ、キャスターも戦闘中の第三者の介入を考慮していないわけではなかった。しかし、無差別日記に表示されていた「剣と炎の波に飲み込まれる」という記述からアサシンのサーヴァントはその候補から真っ先に外していた。
基本的に、アサシンのクラスに収まる英霊には強力な遠距離攻撃手段や広範囲をカバーする攻撃手段が備わっていない。
例えば暗殺者の代名詞といえる山の翁は、基本的にダークの投擲以外にさしたる攻撃手段を持っていない。中には、相手の心臓の模造品を作り出し、それを喰らうことで相手を呪い殺す宝具を持つハサン・サッバーハも歴代のハサンの中にはいたが、それでさえせいぜい中距離程度の射程しか持ち合わせていない。
また、剣豪・佐々木小次郎や魔拳士・李書文はそれぞれ武芸者として優れた技を持ち、特に李書文は圏境の技によりサブラク以上の気配遮断能力を誇るが、同時にそれが彼らの全てであり、中距離以遠に対する攻撃手段そのものを持たないという欠陥がある。
また、アーチャーのクラスにあるサーヴァントが、こちらの索敵圏外からの狙撃と広範囲攻撃を両立できるとは考えにくい。
以上の理由から、介入してくる者がいるとすればそれはキャスターの魔術か、その他のクラスのサーヴァントだとキャスターは考えていた。
そうであるならば、仮に漁夫の利を狙って接近してきても、必ずその兆候を察知できるものと彼女は踏んでいた。
しかし、サブラクはアサシンの中では例外中の例外ともいえる、長射程かつ広範囲への攻撃手段を持っていたのだ。
その本来なら油断とも呼べぬ油断をサブラクは正確に突いてきた。もっとも、サブラクは未来日記の事など知る由もないので、これらは全くの偶然ではあるのだが。
閑話休題。
こうして、上々の戦果を挙げたサブラクではあるが、その心中は決して明るくはなかった。

666全てを呑み込んで熱を帯びていく(後編) ◆4OblpRmYos:2012/05/20(日) 22:35:30 ID:vU2IXT720

「ふむ、しかし一度攻撃を放っただけでこうも魔力を持っていかれるとはな。
もし全力で放っていれば、俺の総体の一部が削られていたやも知れぬ。
全く、ムーンセルとやらも無体な真似をしてくれる」

ブツブツと自身の置かれたままならぬ現状に不満を漏らす。
魔術の基本原則は等価交換だ。
聖杯戦争におけるサーヴァントの身体は魔力で構成されており、ただ実体化しているだけでも魔力を消耗していく。
であれば、サーヴァントとしては規格外の巨体を持つサブラクの身体の維持は、通常のマスターの魔力供給量でできるだろうか。答えは否。
桁外れの総体を持つサブラクは、維持に必要な魔力も並大抵ではなく、その全体を全て実体化させようものなら、浸透スキルの行使による消耗も合わせてバーサーカーとして現界したヘラクレスすら超えるほどの負荷をマスターに強いる事となる。
そこで、サブラクは最低限の人形部分以外の身体のほぼ全てを霊体化させることによって、この問題に対処した。これにより、実体化時の消費魔力を通常のサーヴァント一体分程度まで抑え込む事に成功し、かつ浸透スキルの使用によるステータスの低下を免れることができた。(とはいえ、流石に先ほどの戦闘の時には奇襲をかけるために総体の一部を実体化させ、浸透のスキルを使用したが)
勿論身体の殆どを霊体化させていては、不意の一撃を被った時に瞬時に人形を修復させる事ができないが、背に腹は代えられない。
それに、先ほどの攻撃による予想以上の魔力消費も、彼の逼迫した魔力事情に拍車をかけていた。
先ほどの攻撃の時にも、やろうと思えば教会ごと陽介も巻き込むことができたが、攻撃するだけでどれ程魔力を使うか分からず、教会も破壊したとなればペナルティを被る可能性が高かったため、慣らし運転と割り切って敢えて攻撃範囲を抑えたのだ。
結果は想定よりも遥かに悪いものだった。これでは範囲をある程度抑えたとしても短時間のうちに自身の総体に影響を及ぼさずに撃てるのはあと2,3回といったところだろう。
聖杯戦争が長期戦になることを考えれば、全力攻撃など以ての外だろう。もし度を越えて魔力を消耗すれば、サブラクは自身の巨体を少しずつ削られていく事となる。それが、ムーンセルからサブラクに課せられた独自の制限だった。

「しかし、こうなると我がマスターの“殺戮は一日一時間”という指示は実に俺の現状に合致したものだったというわけか。よもやムーンセルはそこまで計算して俺とマスターを引き合わせたのか?だとすれば、大したものだ。
さて、そろそろマスターと合流せねばな。流石にいつまでも一人にしておくわけにもいかんからな」

相変わらず独り言を呟きながら、サブラクは夜の街を駆ける。
蝶との再会を夢見ながら。

【アサシン(“壊刃”サブラク)@灼眼のシャナ】
[状態]:魔力消費(小)
[基本行動方針]:優勝狙い
[思考・行動]
1.出夢と合流する。
2.基本は隠密行動。通常戦闘も極力控える。
3.殺戮は一日一時間。

667 ◆4OblpRmYos:2012/05/20(日) 22:39:29 ID:vU2IXT720
以上で投下を終了します。
今回は少し長文になってしまったので、前、中、後編に分けさせていただきました。

アレックス「カッチカチやぞ!」
サブラク「サーヴァント・アサシン、目標を狙い撃つ!」

668名無しさん:2012/05/21(月) 08:10:33 ID:h65rnj2I0
おおー。
大変な長編力作乙であります。
原作知っているのと知らないのが混ざっているけど、皆中々良い味だしてましたなー。
キャス狐は残念な結果だったが、メタくさい身も蓋もない台詞がまさに彼女らしく、
中々に読み応えが有りました。

しかし、アレックスやはり鬼強だな。ほとんど防戦とはいえ、二騎相手にそれかよ…。
ただまあ、もしあそこでもしクー・フーリンの情報がもし手に入っていたら…と思わずには居られないが。
どっかの騎士道馬鹿な槍兵並みの幸運スキルだから、完璧に鬼門なんだよなぁ。

669名無しさん:2012/05/21(月) 09:36:21 ID:djojbp7wO
投下乙〜いきなりロワとは思えない回復ごり押しを見た気がするが、
鯖と鱒の関係以外、特に制限云々はないんだもんな。
他ロワでかなり活躍している未来日記組があっさり脱落とは・・・実に恐ろしい場所やでぇ。

ところで、陽介がBAD END2からの参戦らしいけど、あれってあいつを殺さないで
もう事件に関わるのは止めようのルートで合ってたっけ?

670マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/05/21(月) 10:39:10 ID:Wxc3nYJY0
いきなりの長編力作投下ありがとうございます!

ユッキー&由乃まさかの早期脱落ですが、相性と勘違いの果てだから
仕方が無いと言えば仕方が無いw
花村もいきなりの心理ダメージで今後が気になるところですw
そして、案の定のサブラクGJとは……

wiki収録は前後編に分けて収録させていただきました、
再度、投下お疲れ様であります。

>アレックス「カッチカチやぞ!」
タマモ「アレックス印のARMS鰹節、Daturakuにて販売中です♪」

671 ◆4OblpRmYos:2012/05/21(月) 13:10:21 ID:yvZfTJUk0
>タマモ「アレックス印のARMS鰹節、Daturakuにて販売中です♪」
吹いたwwwwwwww

>ところで、陽介がBAD END2からの参戦らしいけど、あれってあいつを殺さないで
もう事件に関わるのは止めようのルートで合ってたっけ?
今、ペルソナ4wikiを確認したところ、生田目をテレビに突き落とす展開は
BAD END1でした。ご指摘ありがとうございます。
後ほど、修正しておきます。

672名無しさん:2012/05/21(月) 20:40:25 ID:dfe5KVB6O
投下乙です!逃げんなよ……逃げんなよアサシン!
語呂的に元ネタと違和感あんまりなしっていうwまあ言った本人アサ次郎ですし

キャス狐はあっち(どっち?)でも変わらず喧しいんだろうなw

673 ◆2TIcBhEgoU:2012/05/23(水) 23:37:28 ID:A1M6NGcU0
名無鉄之介&キャスター(リインフォース)を予約します。

674名無しさん:2012/05/24(木) 08:34:36 ID:xp8rj9sw0
亀ですが乙
陽介のスキル構成がえらく鬼畜仕様だなw マスターには作用するであろうテンタラフーが無いだけまだマシかもだけど
たぶん生身でもマスター勢ではかなり上の方だろうし
きたない、さすが忍者きたない

675名無しさん:2012/05/24(木) 12:57:21 ID:IGkdUm3wO
デカジャが鯖に効かないのも結構親切仕様だもんなあ・・・
これで疾風無効なスサノオに転生してたら、腹ペコの手札かなり完封できるというね・・・

676 ◆ARbuQtVLig:2012/05/24(木) 20:26:46 ID:VX4FD/Y20
枢木スザク、匂宮出夢を予約します

677マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/05/24(木) 22:08:57 ID:cXb8PNSYO
衛宮切嗣&ライダー、イリヤ&ランサーで予約します

678名無しさん:2012/05/25(金) 02:56:11 ID:q9ZrPJRoO
予約キター!つかキリツグ相手にイリヤってかなりの詰みゲーな気がw

679 ◆ARbuQtVLig:2012/05/25(金) 11:37:53 ID:M6jIeg7k0
完成したので
枢木スザク、匂宮出夢 投下します

680騎士(奇死) ◆ARbuQtVLig:2012/05/25(金) 11:41:08 ID:M6jIeg7k0
空は、未だ漆黒。
既に幾つかの戦乱が行われているこの街―――その、商店街に、枢木スザクは潜伏していた。
騎士である彼がこんな盗人のような真似をするのは非常に似つかわしくないものがあったが、勝つためには隠れ潜むことも重要。
彼の親友『だった』男のように、奇策謀術で攻めてくる者だって、居るかもしれないのだから。

サーヴァント・バーサーカーことサー・ランスロットは、現在徘徊に向かわせている。
狂戦士の性質上令呪を用いない命令で縛りつけることは容易ではないだろう。
確かに彼が戦う傍らで敵のマスターを襲撃することも出来なくはないが、呪いに等しいとある『命令』に縛られているスザクであっても、サーヴァントのような超常の存在相手では厳しいものがある。
考えた末で出した結論が、『バーサーカーを先行させて自分は潜伏する』、お世辞にも騎士らしいとは言えぬ選択だったのだ。
どうやらまだ戦いを始めている様子がない―――丁度いい。
最悪命さえ失いかねないこの戦争に身を落とすのだ、少しばかり物思いに耽って見るのもいいだろう。


「…………ユフィ」


自分が友と決裂するに至った最初の事件。
虐殺皇女と蔑まれ、最期は国を転覆させんとするテロリストの凶弾に斃れた――スザクが恋い焦がれた女(ひと)。
彼女はどう思うだろうか。
願いを叶える為の殺し合いなんてものを自分がしていると知ったら、きっと嘆くだろう。
涙を流して、頬を平手で打ってくれるかもしれない。或いは、軽蔑されてしまうかもしれない。
だが、止まることはもう考えてなどいなかった。
彼女―――ユーフェミア・リ・ブリタニアのことは今でも大切に想っているが、それでもこの戦いだけは諦められない。
望んだ未来の為に、誰を傷付けてでも、誰を殺してでも、勝利を掴まなければならないのだから。


「………ルルーシュ。君も、こんな気持ちだったのかい?」


返事が返ってくるなどとは最初から考えず、友だった男に問う。
ルルーシュ・ランペルージ。
ブリタニア皇族の姓を隠匿して生き、世界を変える為に空前絶後のテロリスト、『ゼロ』として君臨した男。
ユーフェミアの一件で彼とは完全に決裂してしまったが、今ならば彼が感じていたであろう苦痛の程も理解できる。
他人を傷付けて、それでも尚諦められない戦いの苦しみの重さも、今ならばわかる。
世界を敵に回してでも戦うことを止めない彼の事を、枢木スザクは素直に凄いとさえ思った。
もしも自分が最初から理解を示せていれば、手を取り合える未来もあったのかもしれない――と考えると、胸が痛かった。


「ははは………君なら、もしかしたらこの戦争にも参加しているかもしれないね」


何気なく呟いたその言葉が、実は真実だった。
ルルーシュ・ランペルージことルルーシュ・ヴィ・ブリタニアは、とある騎士を従えてこの聖杯戦争に身を投じている。
枢木スザクと同じように、奇しくも自らの乗っていたナイトメアの名と同じ騎士を従えている。
このままスザクが無事に勝ち進んでいけば、いずれルルーシュとの激突は避けられないことだろう。
その時は―――容赦しない。
スザクは強い決意を秘めた瞳で、かつての親友へと宣戦布告する。
自分の狂戦士で、彼のサーヴァントを撃破し――ユフィの仇としてではなく、越えるべき一つの壁として、彼を倒す。
運動能力は低いが、ルルーシュの戦略はいつだって感服せざるを得ないものがある。

スザクは知り得ないことだが、かつての事件――『ゼロ』が姿を消すに至る一つの事件、ブラックリベリオン。
その時に彼が敗北した理由の一つに、妹ナナリーを想う心がある。
もしナナリーの件が無ければ、歴史は大きく変わっていたかもしれないのだ。
そして今のルルーシュには、ナナリーを守るという言ってしまえば『枷』が存在していない。
正真正銘本気のゼロと、戦わなければならないのだ。


「でも、絶対に勝ってみせる。僕は君を超える」


尤も、スザクの心中に諦めるという選択肢は既に存在してはいなかったのだが―――しかし。
潜伏を決め込んだ彼の近くに、一匹の怪物が迫っていた。
そいつの外見は少女だった。
黒髪に小柄な矮躯で、腕が人と比べればかなり長い。
口から時折除く猛禽類のような八重歯が印象的な美少女だった。
だがその中身は―――≪人喰い(マンイーター)≫として恐れられた殺し屋、匂宮雑技団が最強の失敗作。
ギアスの力など持たずして、人外の力を易々と振るう存在。
激突の刻は、音もなく訪れた。

681騎士(奇死) ◆ARbuQtVLig:2012/05/25(金) 11:41:36 ID:M6jIeg7k0
◇  ◇  ◇


匂宮出夢。
彼と彼女は同じ身体で時を過ごしている。


二人は一人、一人で二人。
二人が一人、一人が二人。


彼女はジキルで彼はハイドだ。


肉体に架された名前はない。


精神に貸された、名前が二つ。


《人喰い》(カーニバル)の理澄に、《人喰い》(マンイーター)の出夢。


同じ身体に対極の精神。


白と黒の、太極の精神。
表の顔は天衣無縫の名探偵。


彼女は調べる。


物事を裏の裏まで圧倒的に調査する。


裏の顔は悪逆無道の殺し屋。


彼は殺す。


人間を裏の裏まで圧倒的に殺戮する。


殺戮奇術の匂宮兄妹――――――――妹が死んで、残っているのは片割れ、兄の出夢だけ。


求めるは聖杯。求めるは敗北。


ナイトの前に、猛獣、現る。



◇  ◇  ◇



『殺し名』序列一位、殺戮奇術集団《匂宮雑技団》、団員No.18。第十三期イクスパーラメントの功罪の仔(バイプトダクト)。
尤もある種トレードマークになっていた拘束衣を今は纏っていない。
ぎゃはは、とおよそ少女には似つかわしくない下品な笑い声を漏らして、彼――匂宮出夢は、枢木スザクの前に現れた。
その奇抜な恰好に一瞬だけスザクは面食らうが、すぐに自分のすべきことを再確認する。

682騎士(奇死) ◆ARbuQtVLig:2012/05/25(金) 11:42:24 ID:M6jIeg7k0

「………サーヴァントは、連れていないのか」
「あぁん? ああ、アサシンの野郎か……ぎゃはっ! あいつは単独で行動させてんぜ」


自分がサーヴァントを連れていたらどうするつもりだったのだろうか。
しかし出夢の纏う殺気は研ぎ澄まされたそれで、随分な戦闘を潜ってきたスザクでも恐れるに足るだけのものだった。
自信の裏返し。
無謀ではなく、根拠のある自信を基に、こうして匂宮出夢はここに来たのだ。


「自己紹介だ。僕の名前は匂宮出夢ってんだぜ」
「枢木スザクだ。悪いけど、手加減は期待しないでくれ」
「ぎゃはははは!! 僕に手加減と言ったか!!」


何がおかしいのか、腹を抱えてしばし爆笑した後――突然に、出夢は地を蹴った。


「――――傑作だぜ」


速い、とスザクは驚愕する。
この小さな矮躯からどうやったらそんな速度が出るのか、全く理解できない。
ただ一つ分かることは―――


(そうだ、確かに君の言う通りだよ、出夢―――手加減なんてしていたら、殺される!!)


その考えにまで至った時、スザクの相貌が赤い光を宿す。
忌み嫌い、忌避し――だが命を救われた力、ギアス。
『生きろ』という一つの命令を遂行する為に、彼の身体は匂宮出夢の必殺距離から脱出する。


「おっ、すっげ」


嗤いながらも、手を休めることなく出夢は拳を、足を振るって、スザクを抹殺せんとする。
だがスザクとて、不意打ちでもない攻撃でそう簡単にくたばるほどヤワな作りをしていない。
ギアスの力を借りずとも異常な身体能力を保有する彼だ。
その実力は、匂宮雑技団がトップにも拮抗し得る、絶大な力だった。


「はぁぁぁぁあぁああああああ!!!!」
「ぎゃははははははははははは!!!!」


傍から見れば何をしているのかも分からなかったろう。
高速で互いの身体が振るわれ、そして同時に互いが互いの攻撃を見事に全て躱している。
スザクは当然、目の前の少女の怪物っぷりに驚愕していたが、出夢もまた、枢木スザクという人間を内心賞賛していた。
泣く子も黙る≪殺し名≫を相手取ってこの戦い―――あの人類最強には及ばずとも、これまで匂宮出夢が殺し合ってきた相手の中でも、文句なしにトップクラスの実力を持つ怪物だ。
人類最強の死色の真紅があまりに規格外過ぎることも含めれば、トップかもしれない。
だがしかし、まだ全力など出してはいない。
匂宮出夢だけに許された絶対の絶技を、まだ披露していない。
≪人喰い≫に相応しい、絶技。


「いいぜいいぜェ!! おにーさん、アンタは最高だよ………だから、見せてやらぁ」


その瞬間。
枢木スザクは、猛烈な悪寒を覚えた。
それは紛れもなく、百獣の王を前にした威圧。

683騎士(奇死) ◆ARbuQtVLig:2012/05/25(金) 11:42:59 ID:M6jIeg7k0
ギアスが発動する。
生きろ、生きろ、生きろ、生きろ、生きろ、生きろ、生きろ、生きろ、生きろ、生きろ、生きろ、生きろ、生きろ、生きろ、生きろ、生きろ、生きろ、生きろ、生きろ、生きろ、生きろ、生きろ、生きろ、生きろ、生きろ、生きろ、生きろ、生きろ、生きろ、生きろ、生きろ、生きろ、生きろ、生きろ、生きろ、生きろ、生きろ、生きろ、生きろ。



――――『生きろ』!!




「う、おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」




攻撃を既に放ってしまった後。
肉体に無理な負担をかけて、その肉体を退避させようとするスザクを嘲笑するかのように。
『それ』は―――放たれた。


「――――――暴飲暴食ッ!!!!」


一撃必殺の平手打ち、≪一喰い(イーティングワン)≫。
コンクリートさえ砕き、あまりの獰猛さに神経さえ断絶されてしまうという文字通りの必殺技。
その真髄とも言える、両手打ち―――≪暴飲暴食≫。
子供一人くらいならこの世から≪消して≫しまえるほどの破壊力。
それは枢木スザクが退避を完了するより先に、彼の左腕を、肘から喰らった。

飛沫が舞う。
不思議と痛みはない。神経が潰れて、機能を為していないからである。
生きろ。一層強くなる命令に突き動かされ、スザクの身体は猛烈な速度で、匂宮出夢から逃走した。
出夢は追うでもなく、ただそれを見送った。


「ぎゃははは……あの間合いで、腕一本たぁな」


逃走行為に走ったスザクを否定するでもなく、出夢はただ感動していた。
あの間合いは絶対だった。暴飲暴食の両顎は、彼の胴体を食い千切っていてもおかしくなかった筈なのだ。
なのに彼の腕を一本削ぐにしか至らなかった。
全くの未知数である。


「後は前から言われてたでけえ隙をどうにかしなきゃなんねえか―――ぎゃはっ、修行パートは人気が出ないんだぜ」


狐面の男にかつて告げられた、大技故の弱点。
素直にそれと向き合い、この戦争を制する為に、匂宮出夢は更なる強さを得る為に強くなろうと決めた。
―――最後に求めるのは、敗北だ。



【深山町・商店街路地裏/深夜】
【匂宮出夢@戯言シリーズ】
【状態】:疲労(小)(残令呪回数:3)

684騎士(奇死) ◆ARbuQtVLig:2012/05/25(金) 11:43:29 ID:M6jIeg7k0
◇ ◇ ◇


「………よし。何とか止血は出来たみたいだ」


商店街の薬局にて、枢木スザクは『食い千切られた』左腕の処置を完了した。
ドアを破っての、とてもスマートとは言えない侵入だ。
消毒の手順などうろ覚えの点も多々あったが、とりあえず出血を抑えることは出来たので良しとする。
しかし、先の激突を思い返せば今でも背筋に怖気が走る。
人間とは、ああも極められるものなのか。
呪いの力――ギアスによる強化を以てしても手傷を負うことは避けられない、それほどまでの一撃を放てるものなのか。


「弱いな……俺は……」


スザクは宵闇の中で自嘲する。
聖杯戦争中、自分はギアスの恩恵も相俟ってトップクラスの実力のマスターであると、心のどこかで信じていた。
だが彼を待っていたのは完膚無きまでの敗北。
マスター相手に片腕を持って行かれる大損害を被ってしまった。
こんな自分で、本当に聖杯を手に入れられるのか―――こんな自分に、聖杯は相応しいのか。
匂宮出夢への敗北が、枢木スザクの心に残したダメージは、大きかった。


【深山町・商店街・薬局内/深夜】
【枢木スザク@コードギアス 反逆のルルーシュ】
【状態】:疲労(大)、右腕欠損(処置済)、失血(命に別条なし)(残令呪回数:3)

685 ◆ARbuQtVLig:2012/05/25(金) 11:44:07 ID:M6jIeg7k0
投下終了です。
聖杯戦争だというのにマスター同士がガチな殺し合いしてますが

686名無しさん:2012/05/25(金) 13:17:32 ID:RHZ3a1mc0
投下乙
スザクは身体能力すごくてもペルソナ使いや殺し屋のような生身戦闘の専門職じゃないもんなー
ギアスある分ルルーシュのほうがまだマスターらしいか

687マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/05/25(金) 16:26:46 ID:PBvkxFRgO
投下乙です!
マスター同士のガチなぶつかりあいは
どこぞの若奥様がBL時空と勘違いしてしまう二人や
桜VS凛の姉妹対決、士郎VS言峰なんかもあるんで問題ないですw

着々と進行する商店街の異界化w

688 ◆4OblpRmYos:2012/05/25(金) 17:02:48 ID:guY8Qm1A0
投下乙です!
スザクも軍人だから戦闘は専門の筈なんですが、
それ以上の戦闘力のマスターが普通にいるから立場がないw
これが世紀末聖杯戦争か……

それはともかく、
鳴上悠&ランサー、バーサーカー(ランスロット)予約します

689 ◆MoyrepToUg:2012/05/25(金) 19:04:34 ID:D2buDQLk0
投下乙です!
あのスザクをしていきなり腕一本持っていかれるとは。
マジでこの聖杯戦争は一般人勢が苦難を強いられそうだ・・・
商店街周辺が着々と恐るべき戦場と化し始めていますが、この中で一番
ヤバいのは満身創痍のおじさんか?
果たして今後どうなる事やら。

≫677
元々イリヤはキリツグに揺さぶりをかける意味で参戦させましたが、
いきなり遭遇ですかwww

イリヤ「こちらイリヤスフィール、シロウはまだ発見できない!」
『ファイナルアタックライド ディディディディケイド!!』
イリヤ「ウボァー!?」

なんて事態にならない事を祈りますw

690 ◆4OblpRmYos:2012/05/25(金) 23:03:00 ID:guY8Qm1A0
今wikiをチェックしたらタイガー道場がwww
というかロリブルマは現在進行形で参加中でしょうがww

691名無しさん:2012/05/26(土) 02:32:50 ID:.1QGSzZAO
あれだ、道場はタイガーの固有結界だから好きに呼べるんだよw

692 ◆2TIcBhEgoU:2012/05/26(土) 12:31:35 ID:eBs38b.g0
言峰神父を追加予約します。

693 ◆4OblpRmYos:2012/05/27(日) 14:31:34 ID:xDNLhYDE0
鳴上悠&ランサー、バーサーカー(ランスロット)投下します

694生きているのなら英雄だって殺してみせる ◆4OblpRmYos:2012/05/27(日) 14:33:13 ID:xDNLhYDE0
狐耳のキャスターらとの戦闘の後、下水道で暫くの間休憩を取った鳴上悠とランサーは、そのまま下水道の中を進んでいた。(キャスターから受けた傷は、ランサーの治癒のルーンによって既に治っている)
但し、その足取りは尋常でなく速かった。ランサーが悠をおぶる形で、下水道をサーヴァントのスピードで突っ走っているためだ。
地上と違い、地下ならば人目を気にする必要は無い。

「んで?次はどこに行くんだよ?」

「学校に行こう。あそこで、さっきのキャスターの情報を探しておきたいからな」

「へいへい。ったく、サーヴァントをタクシー扱いするマスターがいるとは思わなかったぜ」

「サーヴァントタクシー……。そうか、これがサーヴァントの本当の力か………!」

「ちげーよ!振り落とすぞ!」

このように、時折漫才を繰り広げながら二人は一路月海原学園へと向かった。



学校付近のマンホールから地上に戻った二人は、そのまま正門から学園に入り、情報収集のために図書室へ向かった。途中で何人かの生徒とすれ違ったが、サーヴァントを連れている自分に反応しなかったところを見ると、彼らはNPCなのだろう、と悠は結論づけた。
そして、図書室に入って最初に目にしたのは、寝袋に入って仮眠中のNPCらしき少女だった。

「そっとしておこう」

仮眠中の少女をそっとしておき、悠は自身の生き字引級の知識を生かして端末から先ほどのキャスターの情報を検索する。(途中で乱入してきたもう一体のサーヴァントについてはクラスすらわからなかったので諦めた)

検索ワード「獣耳 ピンクはINRAN 奉仕系巫女狐」 検索結果0件

「ですよね」

検索ワード「狐耳 日本三大妖怪 呪術 ピンクはINRAN」 検索結果1件 「玉藻の前」

「……早かったな」

「…まあ、あんだけ特徴丸出しだったらな……」

若干やるせない気持ちになりながらも、出てきた情報を見ていく。

「出自だけじゃなく、ステータスやマスター名まで出てくるのか……」

695生きているのなら英雄だって殺してみせる ◆4OblpRmYos:2012/05/27(日) 14:34:07 ID:xDNLhYDE0

そこから出てきた予想外の情報量の多さに驚きを覚える。
今回は自分がこのシステムの恩恵を受けられたが、他のマスターにランサーの手掛かりを与えてしまった場合、逆に自分たちの情報が露見する可能性もある。
ここからは、より慎重に行くべきかもしれない。

「やあやあマスターさん、この図書室の使い心地はどう?」

と、先ほど寝袋に入っていた少女が妙に元気よく声を掛けてきた。

「寝てなくて良いのか?」

「ちょ、それは言わないで!マスターが入ってきたのに気付かず寝ているとはこの間目 智識、一生の不覚………!」

「ハイカラな名前だね」

「あ、今ちょっとうるっときた!さっき馬鹿みたいな名前だって言われてへこんでたから……!」

「俺達の他に誰か来たのか?」

「ハッ!私としたことがつい口を……!番長、恐ろしい子……!」

番長というのが誰を指しているのかは全くわからないが、自分たち以外のマスターがここを訪れていた事は確かなようだ。

「ま、まあそれはともかく、一階の掲示板に最初の脱落者の名前が出たから、気が向いたらチェックしてね!」

それだけ言うと、少女は図書室の受付に戻っていった。
ここでの目的は果たした以上、自分たちも移動するべきだろう。
悠は無言で席を立つと、一階へ向かった。

「何だよ、もう逝っちまったのか、あいつら」

掲示板を見た時のランサーの第一声はそれだった。
掲示板に書かれたマスターの名前は天野 雪輝に我妻 由乃。
奇しくも先ほど自分たちと戦闘し、その情報を調べていた相手だった。

「もう一人がさっき乱入してきた方のマスターとは限らないんじゃないか?」

「いや、逃げる時にあの坊主が“由乃”って言ってたのが聞こえたからな。
十中八九間違いねえよ」

「そうか。………知り合い、だったのか?」

「だろうな。何せ賞品は聖杯なんだ、別段有り得ない話じゃねえだろ。
どういう理屈であんなにすぐ合流したのかは知らねえがな」

「知り合い、か……」

そう言って思い出すのは、かつての自称特別捜査隊の仲間たち。
正直に言えば、彼らには参加していてほしくない。
こんな凄惨な殺し合いに身を投じるのは、自分一人で充分だ。

696生きているのなら英雄だって殺してみせる ◆4OblpRmYos:2012/05/27(日) 14:35:07 ID:xDNLhYDE0

「ったく、あの駄狐はキャスターにしちゃあやる方だったから、再戦を楽しみにしてたってのによ。つくづく俺も運が……!?」

ランサーの言葉が途切れると同時に、猛烈なプレッシャーを感じた。
間違いなくサーヴァントの気配。それも、確実に先ほどのキャスターの比ではないレベルの強敵だ。
正面玄関に向き直ると、そこには黒い霧を纏った騎士らしきサーヴァントがいた。
迷っている暇はない。すぐさまランサーに指示を下す。

「ランサー、校庭に出るぞ!ここじゃ俺達の方が不利だ!」

「あいよ!」

全速力で校舎の中を走り抜け、二人同時に窓ガラスを突き破り、校庭に飛び出した。
しかし、黒い騎士は既にそちらに回り込んでいた。

「■■■■■■■■!!!」

「チッ、ありゃバーサーカーだな。
おいマスター!見ての通り話しの通じるやつじゃねえ、いけるか?」

「ああ。頼む、ランサー」

ランサーが攻撃を仕掛けようとする寸前、素手で戦う不利を悟ったのかバーサーカーは剣らしきものを取り出した。
すると、バーサーカーを覆っていた霧が晴れ、何故か見えなかったステータスが見えるようになった。

「なっ……!?」

悠の口から驚愕の声が漏れる。
バーサーカーのステータスは、あらゆる点においてランサーを凌駕するものだった。
最優のサーヴァントであるランサーの証ともいえる敏捷値すら上回られているのは、完全に予想外だった。
それを証明するように、戦闘を開始したランサーはバーサーカーに対し完全に防戦を強いられていた。

「ペルソナ!」

ランサーを援護すべく、眼鏡を掛け、イザナギを呼び出す。

「“マハタルカジャ”!続けて“マハラクカジャ”!」

二種類の補助魔法をランサーにかける。すると、ランサーの筋力、耐久、魔力値と対魔力スキルが1ランクずつ上昇した。
その効果が表れたのか、戦況は少しずつランサーが持ち直してきていた。
何度目なのかも分からない剣戟の後、ランサーとバーサーカーは互いに距離を取った。

697生きているのなら英雄だって殺してみせる ◆4OblpRmYos:2012/05/27(日) 14:35:59 ID:xDNLhYDE0

「大丈夫か、ランサー?」

「ま、とりあえずはな。あの野郎、バーサーカーだってのにとんでもねえ技量だ。
まあ、それでこそ戦い甲斐があるってもんだが」

実のところ、ランサーは悠が感じているほど焦っていたわけではない。
むしろ、目の前のバーサーカーのような自身を上回る英雄との戦いこそ、クー・フーリンが渇望していたものだった。
とはいえ、このままではジリ貧なのも事実だ。ランサーとしても、自身のマスターに敗北という結果を献上する気など微塵もない。
すると、悠が念話(先ほどランサーが教えた)である作戦を伝えた。
それを聞いたランサーは、表情を険しくして悠に確認する。

「本気か?言っとくが、あいつはさっきのキャスターとは比べものにならねえ相手だぞ。
それが分からないお前さんでもあるまい」

ランサーの問いに、悠は決然とした表情で答えた。

「大丈夫だ、勝算はある。俺を信じろ、ランサー」

「…わかった。だが、言ったからにはやってみせろよ」

そう言うと、態勢を整え、再度攻撃を仕掛けてきたバーサーカーを迎撃すべく、ランサーは己が魔槍に魔力を通す。
それは即ち、宝具の真名解放を意味していた。
その気配を悟ったバーサーカーは、狂戦士らしからぬ流麗な動作で防御態勢をとる。

「刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)!!」

ランサーの魔槍がバーサーカーに迫る。
バーサーカーは自身の宝具、“無毀なる湖光(アロンダイト)”を構え、防ごうとする。
だが無駄だろう。ランサーの“刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)”は運命に干渉し、因果を逆転させて標的の心臓を貫く。
故に、ランサーの魔槍は剣のみで防ごうとするバーサーカーの防御をすり抜け、彼の心臓に命中する――――――筈だった。

「何………!?」

ランサーから驚愕の声が漏れる。
相手の心臓に吸い込まれる筈だった“刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)”は、その効果を発揮する事なく、バーサーカーの剣によって防がれた。
本来、バーサーカーの幸運値はBランク。“刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)”の因果逆転の呪いを打ち消すには至らない数値だ。

698生きているのなら英雄だって殺してみせる ◆4OblpRmYos:2012/05/27(日) 14:36:58 ID:xDNLhYDE0
しかし、バーサーカーの宝具“無毀なる湖光(アロンダイト)”には彼の全能力を1ランク向上させる効果がある。そして、その中には当然幸運も含まれている。
これにより、バーサーカーは一時的にAランクの幸運値を得たのである。更に、バーサーカーの持つ精霊の加護のスキルもこの結果を後押しした。
しかし、それらが全て槍の主従の思惑通りだったとしたら―――

「イザナギ!」

悠の指示とともに、バーサーカーの死角である天頂方向から太刀を構えたイザナギがバーサーカーを強襲する。
バーサーカーのステータスを見た悠は、この事態を予期し、その上でランサーに宝具の使用を命じたのだ。
そして、物理法則に囚われない三次元的な機動を可能とするペルソナの特性を生かし、予め“チャージ”を終えたイザナギをバーサーカーの真上に配置していた。
これをバーサーカーの不注意と責める事はできない。生前、湖の騎士と謳われた彼をして全身全霊で迎撃しなければならないほど、ランサーの魔槍の呪いは強力なものだったのだ。
しかし、バーサーカーも黙って見ているわけではない。剣を構え、急降下するイザナギを迎え撃とうとする。

「■■■■■■!?」

だがその瞬間、バーサーカーは自身の意思に反して崩れ落ち、片膝をついた。
確かにバーサーカーは外見上は無傷で“刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)”を防ぎ切った。
しかし、“無毀なる湖光(アロンダイト)”は本来防御用の宝具ではない。そんなもので真名解放を行なった宝具を直接受け止めた代償は決して安くはなかった。結果、バーサーカーは身体の内部に甚大なダメージを被り、イザナギを満足に迎撃できない状態に陥った。

「“ブレイブザッパー”!!」

“マハタルカジャ”と“チャージ”による攻撃力の上乗せ、更に上空からの急降下による勢いをも乗せた渾身の一撃がバーサーカーを襲う。
それでもバーサーカーは満身創痍の身体に鞭打ち、どうにか頭上に剣を構え、防御姿勢を取る。悠の予想通りに。
悠の狙いは頭部や心臓などの急所ではなく、人体において最も防御意識の薄い腕だったのだ。生前、神話において名を馳せたバーサーカーも、その法則の例外ではなかった。

699生きているのなら英雄だって殺してみせる ◆4OblpRmYos:2012/05/27(日) 14:37:52 ID:xDNLhYDE0

「■■■■■■■■■■!!!!」

イザナギの一閃がバーサーカーの右腕をその宝具ごと肘先から断ち切る。
バーサーカーは直前に悠の狙いを察知していたが、ダメージを受けた身体では目前まで迫ったイザナギの攻撃を躱すことは叶わなかった。
マスター相手に片腕を失ったことで、僅かながら動揺を見せたバーサーカーの隙を見逃さず、返す刀でイザナギがバーサーカーの左腕の手首から先を切り飛ばす。
皮肉なことに、バーサーカーの敗因はマスターであるスザクを伴わずに戦闘を行なったことにあった。
もしもこの場に超人的な身体能力を誇るスザクがいれば、彼が悠を押さえ、イザナギによる奇襲を受ける事もなかったのだから。
両腕を失い、ほぼ全ての戦闘力を喪失したバーサーカーにとどめを刺すべく、イザナギが太刀を横一文字に振るう。だが、両腕を失って尚、バーサーカーの体術は健在だった。
バーサーカーは跳躍し、イザナギを踏み台にしてさらに高く跳び、一目散に逃走を試みる。

「逃がすか、たわけ」

だが、それを見逃すほどランサーはお人好しでも無能でもない。
一息にバーサーカーとの距離を詰めると、渾身の突きを繰り出す。
両腕を失い、身体のバランスを取りにくくなったバーサーカーは躱しきれず、右大腿にランサーの槍が突き刺さる。
それでもバーサーカーは霊体化し、ランサーを振り切ってその場を逃れた。
狂戦士が次に向かうのがどこなのか、それは彼自身しか知らない。

【深山町・月海原学園/未明】
【バーサーカー(ランスロット)@Fate Zero】
[状態:ダメージ(大)・両腕欠損(修復中)・右大腿に刺し傷(通常の回復手段では治癒不可能)・宝具“無毀なる湖光(アロンダイト)”喪失
※バーサーカーがどこに向かうかは次の書き手さんにお任せします。
※右大腿の傷はゲイボルクによる傷なので、通常の手段では治癒できません。





「すまねえ、マスター。折角のチャンスだったってのにドジを踏んじまった」

ランサーが悠に謝罪する。

700生きているのなら英雄だって殺してみせる ◆4OblpRmYos:2012/05/27(日) 14:38:58 ID:xDNLhYDE0
バーサーカーを仕留め、自身のマスターにその首級を献上する絶好の機会を逸してしまった。バーサーカーの体技が予想以上のものだった、などというのは言い訳にもならない。
だというのに。

「“そんなモンは気にすんな”」

銀髪のマスターは不敵な笑みすら浮かべてランサーを励ました。
そして、その言葉が先ほどランサー自身が彼に言った言葉だった事を思い出すと、可笑しさのあまりランサーは思わず吹き出した。
まったく、自分としたことがらしくもない事を口にしてしまったものだと思う。生きていればその時の事は引きずらないと言ったのは他ならぬ自分ではないか。

「次も俺達が勝つさ。そうだろ?」

それは驕りや油断などではなく、確かな自信と、サーヴァントである自分を信頼しての事なのだろう。

「だな。また仕切り直しになっただけだ。悪いマスター、みっともねえとこを見せちまったな」

「気にするな、戦友だろ?」

鳴上 悠とランサー。この二人の間には、単なるマスターとサーヴァントの域を越えた絆が芽生えつつあった。

「つうかその剣、バーサーカーのやつだろ?
拾ったのか?」

「ああ、拾っちゃったな。………使うか?」

「いらねーよ!」

701生きているのなら英雄だって殺してみせる ◆4OblpRmYos:2012/05/27(日) 14:39:50 ID:xDNLhYDE0

【深山町・月海原学園/未明】
【鳴上悠@ペルソナ4】
[状態]:疲労(小)・精神力消耗(小)・残令呪使用回数:3
[持ち物] 無毀なる湖光(アロンダイト)@Fate Zero
※本ロワにおけるペルソナ・イザナギは所謂事故ナギです。
イザナギのスキル構成は以下の通りです。
マハジオ:敵全体に電撃属性のダメージ(ロワ内では広範囲の電撃属性攻撃)
ブレイブザッパー:敵単体にダメージ
マハタルカジャ:味方全体の物理・魔法攻撃力を上昇させる(味方サーヴァントに対しては一時的に筋力・魔力値を1ランクブーストする)
マハラクカジャ:味方全体の物理・魔法防御力を上昇させる(味方サーヴァントに対しては一時的に耐久値を1ランクブーストし、対魔力スキルを1ランク上昇させる。対魔力スキルを有していない場合は、一時的にEランク相当の対魔力スキルを付与する)
チャージ:使用後の物理攻撃力が一度だけ2倍以上に上昇する
武道の心得:物理技使用時の消費HPを半減する
疾風吸収:疾風属性の攻撃を受けた時、その攻撃力の分だけ自身のHPを回復する
不屈の闘志:HPが0になった時、HP全快の状態で復帰する(一度発動すると12時間後まで再使用不可)
※バーサーカーの無毀なる湖光(アロンダイト)を拾いました。
持っていても魔力を吸われる事はありませんが、本来の使い手ではないので、ステータス上昇の恩恵は受けられません。

【ランサー(クー・フーリン)@Fate/ stay night】
[状態]:魔力消費(小)

702 ◆4OblpRmYos:2012/05/27(日) 14:45:24 ID:xDNLhYDE0
以上で投下を終了します。
正直、ゲームの裏技的存在である事故ナギさんを出していいものか
迷いましたが、こうでもしないと陽介とのバランスが取れないので敢えて
出しました。

事故ナギ「コノシュンカンヲマッテイタンダー!(ロワ出場的な意味で)」

703名無しさん:2012/05/27(日) 19:09:08 ID:Cpw/AVHoO
投下乙です!やっぱスザクに大局的な戦略は向かないな(遠い目)

704名無しさん:2012/05/27(日) 19:47:43 ID:ndnKxLaQ0
投下乙!
そういえばサーヴァントの負傷って、特別な理由がない限り(ゲイボルグによる負傷とか)
普通に時間経過で回復出来るんだっけ?特別再生スキルとか持ってなくても。

705名無しさん:2012/05/27(日) 20:10:14 ID:QrIxg9/20
ライダーが喉かっきってペガサス呼んだりとかはしてたな。
四肢欠損はどうなんだろう?

706マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/05/27(日) 20:39:42 ID:RL3RYMas0
投下乙であります。
アーチャーがセイバーに斬られてばっさりいったのも
しばらくしたら直ってたし、まぁ呪いもないし直ってもいいと思います。
但し、それ相応の時間もしくはかなりの魔力消費がかかるものとします。
あっさり直ってた、は無しです。
てか、番町事故ナギかよw


イリヤ&ランサー、切嗣&ライダーを投下します。

707父と娘もしくは仇か宝 ◆.OpF6wOgZ2:2012/05/27(日) 20:41:43 ID:RL3RYMas0
夜空を翔る一陣の光。
それは小型の飛行機か、
はたまた一瞬の輝きを魅せる流れ星か、
それともUFO?
しかし、その実態は!!

「キャハハハ!! イケイケ〜、ランサー!!」

空飛ぶ機動武者with幼女である。
事実だから仕方が無い。

最初こそランサーの規格外ぶりに驚かされてばかりいたイリヤだが、
そこは子供特有の順応性ですぐに受けれた。
それに加え、寡黙ではあるがランサーも決して無感情と言う訳ではなく、
むしろイリヤに対して好意的な印象を与えさせる。
イリヤの指示に眉一つ変えずに素直に従い、
口元には穏やかな笑みすら浮かべる。
それはバーサーカーとのやり取りの中では存在しなかった感情を伴ったやり取り。
彼女の中での一番がバーサーカーである事は変わりはないのだが、
この大英雄に負けず劣らずの無骨な鉄巨人に心を許すのには充分な要素であった。
彼女の従者である、二人のメイドの様に敬意だけじゃなく
愛情を持って接してくる人間に隔離された環境で極端に恵まれなかった
彼女にとってはとても稀有であり、代え難い存在なのだ。

しかし、この様に目立つ存在を他の参加者だけならともかく、
一般NPCは気づかないものなのだろうか?

彼・彼女らは上空を飛ぶ彼女達に気づいている筈なのである。
だが、皆一様にあらぬ方向に目を遣り、
「こんな時間に飛行機でも飛んでたのかな?」と
あっさりと納得して自らの生活へと戻っていく。

無論、偶然等ではない。

それはイリヤ自身が行使する魔術の一つ、
『認識から外れる事によって他者に知覚されない』という意識逸らしの魔術。
一見、幼稚に興奮しているだけに思えても様々な魔術を駆使して
その存在を秘匿する事は忘れてはいない。
それは産まれた時から、いや産まれる以前から
『そう在るべき』として望まれた為。
全てはアインツベルンの翁が望む結果を齎すべく
積み重ねられてきた魔術の結晶。
その最高結果がイリヤスフィール・フォン・アインツベルンという
『聖杯の器』である。
人としての生を家柄に望まれず、
両親からの愛情に恵まれず、
それどころか『裏切り者』である実父を
亡き者にする様に教育されてきたのである。
結果として彼女は全身にも及ぶ膨大な魔術刻印と
二十にも満たぬ極端に短い寿命を得る事になった。

708父と娘もしくは仇か宝 ◆.OpF6wOgZ2:2012/05/27(日) 20:42:13 ID:RL3RYMas0
第五次聖杯戦争において彼女は最強のマスターと呼ばれ、
その膨大な魔力で規格外とも言うべき英霊、
大英雄ヘラクレスをバーサーカーにするという
大半の魔術師が動かしただけで魔力枯渇するという
とんでもない怪物でもって蹂躙を繰り広げた。
……が、結果として彼女は敗れた。
素養では彼女に到底及ばない一人の少年によって。
そして彼女は得る事が出来た一時ではない安住の地。

家族を。

故に姉として駄目な弟の世話をみてあげるのが、
彼女にとっての今の務めなのである。
一人の“人間”として。

「あっ! いけない、うっかりシロウの家を飛び越しちゃった。
 曲がって、ランサー」

「………!」

新都から飛び立って一時間と経たないかどうかの時間。
その程度の時間で既に彼女は『学園』が目に入る距離まで到達していた。
途中からランサーと曲芸飛行等していた為に
目的の地からは明らかに逸れていたのだが。

「………!!」

ランサーが速度を緩め、方向転換しようとした時、
巨人は不意に肩に乗っていた少女を両手で掴み上げて
抱え込むように抱きしめた。

「えっ? 何、ランサー…キャッ!?」

ランサーの突然の行動に戸惑うイリヤを他所に
寡黙な鉄巨人の表情が柔和なものから厳ついものへと変わる。
それはイリヤ自体はまだ知らないが『戦国最強』と呼ばれたランサー、
本田忠勝の戦の直感のようなものだったのだろう。
そして、其れは当たっていた。
並ぶように現れた輝く巨大な札の列が彼女達の元へと迫る。
そして、

『FINAL ATTACKRIDE DE・DE・DE・DECADE』

奇妙な電子音声のような声と共に
まるで札に導かれる様に巨大な閃光が迫りつつあった。



☆   ☆    ☆   ☆   ☆

709父と娘もしくは仇か宝 ◆.OpF6wOgZ2:2012/05/27(日) 20:42:56 ID:RL3RYMas0
「通りすがりの――ライダーだ」

そう男は告げた。
インスタントカメラをぶら下げた
如何にも怪しい雰囲気を持った青年。

「ライダーのクラス…そういう事かい?」

衛宮切嗣は自分のサーヴァントの素性を計りかねる。
本来、神話や昔話で語られるような英雄と呼ばれる存在が
霊格をもって顕現したものがサーヴァントなのであるが
如何にもこの英霊は近代的過ぎる上に
魔術礼装と言った物に無縁の格好をしている。
わざとそうしている可能性も在るが召還されたばかりの
サーヴァントではそれは在り得ない。

「仮面ライダー」

「……?」

二度も言わせるなといった雰囲気で男は呟く。

「俺は仮面ライダーだ。 それ以上でも以下でもない。
 そして、他のライダーは俺が全て破壊する」

男はこの話は終わりだと言わんばかりに話を強引に打ち切り、
空間に手を翳すと1機のバイクを出現させる。

「要はあんたを守りながら他の奴を倒せばいいんだろう?
 連絡はするからあんたも好きにしろ」

そう言って男は颯爽とバイクに跨り、エンジンを噴かす。
アクセルを掛ける前に思い出したように切嗣へ向き直ると、

「真名は門屋 士だ、覚えておけ」

それだけを告げて走り去って行った。
取り残された形になった切嗣だが、
慌てるでも怒るでもなく胸元から煙草を取り出して火を点ける。
ふぅと一筋の煙を吐き出して煙草を地面に落とし、踏み消す。

「周囲の魔力探知を行ってからの単独行動か、
 どこぞの王様よりは僕を信用しているようだな」

周囲に魔力反応は感じられない。
無論、何処かに潜んでいる可能性もあるのだが
それを考慮した上でも大丈夫だと踏んだのだろう。
それにそれはこっちにとっても好都合だ。
一緒に連れ立って歩いて仲良く死ぬつもりなど
到底、衛宮切嗣という人物の思考には存在しないのだから。

710父と娘もしくは仇か宝 ◆.OpF6wOgZ2:2012/05/27(日) 20:43:30 ID:RL3RYMas0
「王様の次は天邪鬼か……
 引き運はあまり良い方じゃないのかもな」

自嘲気味に笑い、衛宮切嗣は自分の獲物を確認する。
現存での火器は携行していたトンプソン・コンテンダーと
鞄の中に収められているワルサーWA2000とキャリコM950の3丁のみ。
他にこれから準備するにしても最低でも3日はかかるので
暫くはこれで我慢するしかない。
弾薬の方は割りと余裕があり、一々『切り札』を使う必要もないだろう。
先程まで自分のサーヴァントを『らしくない』と考えていた事を思い出し、
くつくつと再び笑う。

「らしくない、か…『魔術師殺し』の僕が言える台詞でもないな」

同胞から忌み嫌われる自分もまた魔術師らしくない男なのである。
ありとあらゆる近代火器に精通し、魔術師ならば忌避する
手段でもって魔術師を狩る。

付いた忌み名が『魔術師殺し』。

「だが、今度こそ“負ける”訳には行かないからね」

それは自分へと向けた言葉。
その時、脳内にライダーの声が届く。

『東から変なのが来てるが如何する?』

意外にも律儀に連絡してきたライダーにも驚いたが、
その連絡内容にも驚いた。

「そうか、僕もそちらに向かう。
 君には『足止め』をお願い出来るか?」

念話に応じつつ、即座に自身の戦闘準備を始める。

『だいたい分かった、倒しても構わないんだな?』

「余計な深手を負うのは御免こうむるがね」

妙に自信に満ちたライダーに釘を刺す。
このサーヴァントには謎な部分が多すぎる。
元より信用する気などないが明らかな逸脱行為だけは
制止しておく必要がある。

『……ふぅ、面倒だな。
 分かった、覚えてはおく』

ライダーからの念話が打ち切られるのと同時に
切嗣も準備を終えて行動を開始する。

「さて、新しいサーヴァント殿に期待させて貰おうか」

『魔術師殺し』の目になった切嗣は足を踏み出した。



☆   ☆    ☆   ☆   ☆

711父と娘もしくは仇か宝 ◆.OpF6wOgZ2:2012/05/27(日) 20:44:09 ID:RL3RYMas0
理解も及ばぬ内に爆風と爆音が一瞬にして辺りを包み、
宙を飛ぶ鎧武者は撃墜されて墜ちて行く。
学園への坂道を逸れて住宅街の空き地の一角へと激突する。
砂煙が落下点で充満し、これでは助かった者はいないであろうと思えた。

「ケホッ、ケホッ! な、なんなのぉ〜?」

墜落地点の中心からイリヤが咽込みながらよろよろと這い出てくる。
その姿は綺麗なもので本人がよろめいてる事以外では
特筆すべき外傷も無いほどである。
そして、砂煙が晴れた其処には関節部から火花を上げてはいるものの
殆ど無傷に近い状態のランサーが膝をついた状態で現れた。

「ありがとう、貴方が庇ってくれたおかげね」

「…………」

先程の謎の攻撃にまともに曝されていれば
イリヤは骨すら残さずに焼き尽くされていた筈である。
だが、咄嗟にこの鉄巨人がその身でイリヤを
庇ったおかげで彼女は無傷で済んだ。
その庇った当人ですら衝撃のダメージ以外負っていないのは
規格外としか言いようが無いが。
ランサーはその無骨な手を動かし、
重さすら感じられないほど優しく彼女の頭を撫でる。

「……ッ!? あ、ありがとう……」

それはいつ以来の行為であろうか、
遠い記憶の中で虚ろに覗く大きな手の記憶。
懐かしく、かつ哀しい思い出を連想される。
そして、その腕がそっとイリヤを自身の背後へ
誘導した事でイリヤは現実に引き戻される。
遠方からバイクの音がこちらへ迫ってくる。
それは迷い無くこちらへと向かってきて、停車した。
向けられたトップライトの明かりが目を眩ませる。

「……アインツベルンへと挑むなんて大した自信ね」

そこに少女の雰囲気は無く、アインツベルンの魔術師としての
姿へと態度を決めたイリヤの威厳を込めた言葉が襲撃者を迎える。
ライトの明かりが消え、襲撃者はヘルメットを脱ぎ捨てて、
バイクから地面へと降り立ってくる。
一見すればモデルのような体型の痩せ型の男。
それが奇妙なベルトを腰に巻きつつ、
ゆっくりとこちらへと近寄ってくる。

712父と娘もしくは仇か宝 ◆.OpF6wOgZ2:2012/05/27(日) 20:45:06 ID:RL3RYMas0
「嘘、まさかサーヴァント? ……でもこの魔力量って」

目の前の人物が普通の人間ではない事は
聖杯の器であるイリヤにはすぐに理解できたが、
今度は一つの疑問が湧いてくる。
サーヴァントの癖に“一般の魔術師並みの魔力”しか感じ取れないのである。
先程の攻撃が同じ人物から行われとは到底思えないほどに。
襲撃者はイリヤの言葉など完全に無視を決め込んで
ちらりとランサーへと目を遣り、そして、

明らかに失望した様子を見せた。

「ランサーか、外れだな」

一気に興味が失せたように面倒臭げに呟く。
それでも仕方が無いといった様子で一枚のカードを取り出した。
取り出されたカードは異様な魔力を放っており、
それが明らかにただのカードではない事を証明していた。

「それが貴方の宝具?」

無視された事に若干の苛立ちを覚えつつ、
それでもイリヤは根気よく襲撃者へと語りかける。

「変身」

それすらも無視して襲撃者が自身に巻かれたベルトにカードを通し、
バックル部の左右の突き出た部分を手で閉じた。

『KAMEN RIDE DE・DE・DE・DECADE』

その瞬間、奇妙な声と共に幾つもの鏡像が襲撃者の前に出現し、重なり合う。
一つの鎧のような形となったそれの頭上に複数の鈍く青い光の板が出現し、
頭部へと突き刺さる形で収まる事で奇妙な戦士が其処に姿を現した。

「通りすがりの仮面ライダーだ、覚えていなくていい」

自分のクラスをあっさりと明かしながら、
指を突き出してライダーがポーズを取る。
だが、驚くべき事はその魔力量である。
この姿に変身した途端、ライダーを名乗る襲撃者の魔力量が一気に跳ね上がった。

「魔術礼装を取る事で真価を発揮するタイプのサーヴァント!?」

そんなものは長い歴史を誇るアインツベルンの記録にも残されてはいない。
初めて目にするタイプのサーヴァント。
まったくもって未知の存在の出現にイリヤは目を丸くする。
ライダーが腰に下げていた奇妙な形の武器を手に持ち、
その形状を剣のように変化させる。

713父と娘もしくは仇か宝 ◆.OpF6wOgZ2:2012/05/27(日) 20:45:51 ID:RL3RYMas0
「行くぞ」

「…………!」

刺突剣のような見た目の武器を構えてライダーが突っ込んでくる、
それを立ち上がったランサーが迎え撃つ。

「ハァ!」

剣による目にも止まらぬ連撃。
だが、その一つ一つをランサーはそのまま『受け止める』。
刻まれる筈の身体はその部厚い装甲でもって
武器で防ぐまでも無く『弾き返している』のである。

「チィッ!」

攻撃が無意味であると悟るや否やすぐに距離を離し、
すかさず形状を今度は銃のように変形させた武器で
虫も逃さぬような連弾を浴びせかける。

「…………!」

それに対してのランサーの対応は仁王立ち。
必要無いとばかりにどしりと構えたランサーは
浴びせかけられる無数の連弾をものともせずに
巨大な採掘機、所謂ドリルのような形状を先端に備えた
奇妙な形の槍を現出させる。
それを右腕に構え、連弾の事など意に介さずに一息に突き出した。

「うぉ!?」

攻撃中であるにも拘らずにその攻撃相手からカウンターですらない、
ごり押しと言える反撃を喰らい、咄嗟に身を捻る。
だが、回避した筈の攻撃はその衝撃だけでもって装甲の一部を剥がし、
ライダーの身体を吹き飛ばすほどの威力をみせる。

「……す、凄い凄いすっご〜いッ!
 ランサー、貴方強いんだね」

ランサーの圧倒的過ぎる強さにイリヤが目を輝かせる。
これほどまでに強力なサーヴァントの場合、
本来はマスターにこんな余裕などある筈も無く、
魔力を捻出する事で精一杯になる筈だが
先にも述べた様に規格外の魔力を持つ少女にとっては問題にすらならない。
規格外のサーヴァントに規格外のマスター、
この二人はまさに最高の相性を持った主従なのである。

「……やれやれ。
 だが、大体分かった」

吹き飛ばされて近くの塀に激突していたライダーが
ガラガラと音を立てながら瓦礫を振り払って立ち上がる。

714父と娘もしくは仇か宝 ◆.OpF6wOgZ2:2012/05/27(日) 20:46:50 ID:RL3RYMas0
「貴方も惨めに逃走するなら見逃してあげても構わないわよ?」

嗜虐的な視線を込めてライダーをイリヤは見下すが、
それを相変わらず無視してライダーは新たなカードを取り出す。

(さっきから、いったい何なのあれは?)

伝承において魔力を持った札の話は無い訳ではない。
だが、如何にもあのカードが伝承のそれらと一致するとは到底思えない。
それをライダーは先程と同じ動作でベルトに通すと
またもや奇妙な声が鳴り響く。

『KAMEN RIDE HI・HI・HI・HIBIKI』

そしてまたもやライダーの姿が変化した。
先程までの突起物が目立つ変わったデザインの姿から
全体的に赤が目立つ筋肉質な日本の神話に出てくる
鬼のような姿へとその身を変えたのである。
同時に魔力の質も大幅に変化した。
言ってしまえば、完全に別物である。

「な、何なの……このサーヴァント」

優位なのは自分達の筈であるが、
この未知のサーヴァントにイリヤはたじろぐ。

「次は、これだな」

更に一枚のカードを取り出し、再びベルトに通す。

『ATTACKRIDE ONGEKIBOU REKKA』

声と共に鬼面の付いた撥の様な武器が現れる。

(変化に創造……どんな宝具なのよ、あれ)

ライダーは宝具の所有数が多いクラスと言われてはいるが、
このライダーの数ははっきり言って異常な上に
いまだに終わりすら見えてこない。

「一つ良い事を教えてやる」

今までイリヤの事を無視してきたライダーが
ここに来て初めてイリヤを見据える。

「な、何よ!」

「最後に勝つのは機転の利く奴か、俺ってな」

「…………」

気障な台詞を吐きつつ、ライダーがポーズを取る。
イリヤは呆れている。
ランサーは寡黙である。

715父と娘もしくは仇か宝 ◆.OpF6wOgZ2:2012/05/27(日) 20:47:20 ID:RL3RYMas0
「……ォホン!
 行くぞ!」

一瞬、沈黙した空気を誤魔化す様にライダーが撥を構える。
応じる様にランサーも槍を構え、
先程とは違う意味で緊迫した空気が流れる。

「タァッ!」

ライダーが駆け出す。
だが、先程よりもその速度は速くない。
ランサーもドリルを最大限に加速させ、
必殺の一撃の力を蓄える。
ライダーがランサーの間合いに入り込み、

「…………!!」

ランサーの必殺の一撃が繰り出される。

「ハァ!!」

当たればライダーとてその身体を抉り飛ばされるほどの
一撃を撥を持って何とか叩き逸らす。
本命の一撃を避ける事は出来た。
それでも、次には衝撃波がライダーの身体を襲うのである。
先程は抵抗も出来ずに吹き飛ばされた衝撃波を
軽く地揺れが起こるほどに強く地面を踏みしめてライダーが耐える。
その装甲は衝撃波で抉られて無事とは言い難いが
抵抗すら出来なかった筈のライダーが耐え切ってみせた。
そして、残った結果は。
槍を振り切ってしまったランサーと、
その懐に入り込んだライダーという形。
隙だらけとなったランサーへ、
ライダーが横に構えた撥を叩き込む。

「音激打・爆裂強打(ばくれつきょうだ)の型!!」

叩き込まれた打撃は音となり、
巨大な紋となってランサーの身体を大きく揺さぶる。
ランサーの装甲は凹みすら出来ていない。
だが、ランサーの様子がおかしい。
打撃は効いていない筈なのに動きが止まっている。
ライダーがゆっくりとランサーから離れ始める。
それと同時に巨大な紋が爆発し、
ランサーがぐらりと揺れて、その巨体が倒れこんだ。

716父と娘もしくは仇か宝 ◆.OpF6wOgZ2:2012/05/27(日) 20:47:57 ID:RL3RYMas0
「ランサーァッ!!」

イリヤの悲痛な叫びが木霊する。
ライダーの打撃は確かにランサーには届かなかった。
だが、その発せられた『清めの音』はランサーの内部へと浸透し、
その霊格へと直接叩き込まれていた。
外側からではなく内側への直接攻撃。
さしもの装甲を誇るランサーでさえ、
この攻撃を発動されてしまえば防ぎようが無いのである。

「…………!」

イリヤの声に応えて、ランサーの眼に再び光が点る。
全身から火花を上げながらも何とか立ち上がろうとするランサー。
先程までの威風堂々といった様子からは一変した
弱弱しい動きにイリヤの眼に涙が溜まる。

「ランサァー……ランサァー……」

ランサーの姿と同じようにイリヤも弱弱しくその名を呼ぶ事しか出来ない。
彼女は魔力量においては規格外であっても
一人の魔術師としては未熟者の少女でしかない。
サーヴァントに抗する事など、このか弱い少女出来る筈は無いのである。

「悪いが、止めだ」

いつの間にか最初の姿に戻ったのか、
冷酷にライダーが死刑宣告を告げる。
その手に構えているのは一枚のカード。
最初の一撃を見舞った時と同じ能力を引き出す為のカード。
それを無情にもベルトへと通す。

『FINAL ATTACKRIDE DE・DE・DE・DECADE』

最期を告げる電子音声が鳴り響く。
立ち並ぶ無数の札の列。
その始発点はライダー。
その終末点はランサー。
ライダーが深く屈み込んで力を溜める。
その力をぶつける様にライダーは札の列に飛び込んでいき、
その飛脚は一枚の札を飛び越える毎に力と速度を増していく。

「ランサーッ!!」

イリヤがランサーへと駆け寄ってくる。

「…………!」

ランサーがその身を呈してイリヤだけでも庇いきろうとする。

717父と娘もしくは仇か宝 ◆.OpF6wOgZ2:2012/05/27(日) 20:48:27 ID:RL3RYMas0
だが、

「…………」

「…………」

「…………?」

来る筈の終わりが来ない事で恐る恐るイリヤが眼を開ける。
肝心の人物の姿が見えない。
ライダーがランサーへと到達する前にその姿が突如として掻き消えていた。

「な、何だったのよぅ……本当にぃ」

へなへなとへたり込んでイリヤが思わず泣き出してしまい、

「…………!?」

ランサーは如何していいか分からずにオロオロしていた。


【深山町・学園北西住宅街/深夜】
【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/stay night】
[状態]:健康 (残令呪使用回数:3)

【サーヴァント:ランサー(本多忠勝)@戦国BASARA】
[状態]:霊格損傷(中)

718父と娘もしくは仇か宝 ◆.OpF6wOgZ2:2012/05/27(日) 20:49:08 ID:RL3RYMas0
「どういう事だ?」

ムスッとした態度で変身を解いたライダーが自分のマスターを問い質す。
その言葉と視線の先で切嗣が荒い息をつき、
一つ消費されてしまった令呪を見つめている。

「僕だってどういう事か知りたいさ……」

ライダーによるランサーへの止めは切嗣による、
『今すぐ戻れ』という令呪による命令で
強制中断されているのである。

ライダーの戦闘開始の合図が来た頃には
切嗣も狙撃地点の確保を開始していた。
ライダーの戦闘が佳境に入る頃、
切嗣もスコープで相手のマスターの姿を捉えていた。
そこで、在り得ない筈の姿を見て、
息が止まるような思いに陥ってしまったのだが。

「……イ…リヤ?」

小さくその少女の、実の娘の名前を呟いて切嗣は困惑する。
居る筈がない。
居てはいけない筈なのである。
彼女が聖杯戦争に繰り出されない為に
“自分はこの聖杯戦争に参加”したのだから。

唖然としている切嗣を尻目に戦いはライダーへと傾いた様である。
ライダーがランサーへと止めをさそうとする。
これでランサーが消滅し、無傷のままイリヤが脱落するのなら
それはそれでいいのかもしれない。
だが、イリヤはランサーへと駆け寄り、
ライダーはそれを無視している。
思わず令呪へと命令していた。

「戻れ、ライダー。 今すぐにだ!!」

間一髪の所で命令は間に合った。
ライダーはキックの姿勢のまま、
そのまま近くの壁へと激突したが。

…………………。

「ライダー、あのランサーのマスターには手を出すな」

切嗣がライダーを見ずに言葉だけを告げる。

「……ふぅ、大体分かった」

それだけを応えるとライダーはバイクに跨り、
一人で勝手に走り去っていく。
その姿を見ずに煙草を震える指で取り出そうとして
パラパラと取りこぼしていく。
煙草を箱ごと握りつぶし、地面へと叩きつける。

「クソッ、どうなっているんだ、いったい!?」

顔に手を当てて、切嗣は悲痛な叫びを上げた。

【深山町・学園北東住宅街/深夜】
【衛宮切嗣@Fate/zero)】
[状態]:健康 (残令呪使用回数:2)
【サーヴァント:ライダー(門矢士)@仮面ライダーディケイド】
[状態]:全身に掠り傷(軽症)、魔力消費(中)

719マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/05/27(日) 20:50:38 ID:RL3RYMas0
投下を終了します。
切嗣の奇妙な点はご自由に解釈してください。

スカイライダーなら死んでた。

720名無しさん:2012/05/27(日) 21:46:56 ID:Cpw/AVHoO
\スカイライダー!/

投下乙です!まあキリツグはこうなるわなw

721 ◆4OblpRmYos:2012/05/28(月) 01:02:26 ID:YHyGHRDo0
投下乙です!
やはりポンコツと化した切嗣w
まさか他のマスターを差し置いて真っ先に令呪を使うほどとはww
そして原作通りだがピンチの時の対応力のなさに定評のあるイリヤェ…

<やっぱスザクに大局的な戦略は向かないな(遠い目)
いや、スザクは運とタイミング以外何も悪くないですよ。
ゲーム開始から4時間と経っていないのに当たり前のように
コンビネーション攻撃を仕掛けてくる番長と兄貴がおかしいだけです。

722マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/05/28(月) 21:32:34 ID:RPxe179k0
まどか&アーチャー、詩音&バーサーカー、アシュヒト&セイバー、
アサシン(ファニー・ヴァレンタイン)で予約します。

724 ◆Mti19lYchg:2012/05/29(火) 00:35:57 ID:4YGmVDew0
連投失礼、トリップの付け方を間違えました。

725 ◆4OblpRmYos:2012/05/29(火) 01:06:54 ID:FtrUpDnY0
編集乙です!
私も鳴上悠と花村陽介の情報を更新しました。

726 ◆ZQ8tDoZf9g:2012/05/30(水) 02:12:33 ID:apmsYuyM0
近藤剣司&セリス、金城優&セイバーで予約します

727名無しさん:2012/05/30(水) 08:01:30 ID:R6jWoYak0
おお、良い感じに回ってきたなー。

728 ◆MoyrepToUg:2012/05/30(水) 20:56:26 ID:18wYWZQE0
一時期が嘘のような予約ラッシュで嬉しい限り。
ところで現在までに(予約分を含んで)まだ出てない面子は

・ゼフィール&アシュナード
・凛&妲己ちゃん
・ワカメ&拳王
・小鳩&キンブリー

……何気にやばい連中が結構残ってるなぁ。
果たして1日目でどこまで冬木市は地獄絵図と化すのか……

729名無しさん:2012/05/30(水) 21:28:24 ID:QAFePa1g0
ぶっちぎりの反英雄ばかりだな。
これは、ひどい…。

730 ◆ARbuQtVLig:2012/05/30(水) 22:44:41 ID:hI1V7xCw0
間桐慎二&ライダー、羽瀬川小鳩&キャスターを予約します

731 ◆2TIcBhEgoU:2012/05/31(木) 00:38:19 ID:ydw7Xo9E0
延長します。

732 ◆2TIcBhEgoU:2012/05/31(木) 00:53:38 ID:ydw7Xo9E0
ついでなんで感想落としとく。

<生きてry
番長兄貴コンビつよっ!
コンビプレイが様になってて謎スロットさんも目じゃないぜ!
スザクコンビは一日目で厳しい状態よのう。

<父と娘ry
キリツグェ…。まあですよねー。
というか最初の令呪使用者がキリツグになるとはね。
あのままだとイリヤあぼーんだから仕方ないっちゃあ仕方ないけど。

733名無しさん:2012/05/31(木) 17:24:25 ID:FhhRm..Q0
おお、久々にこっちに来てたら作品が来てるw
まとめて読むよ

734マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/06/04(月) 20:46:42 ID:eXVyCIi.0
延長します。

735 ◆ZQ8tDoZf9g:2012/06/05(火) 15:58:55 ID:9Ywi1R3A0
延長します

736 ◆oGrFx9n0uA:2012/06/05(火) 16:01:55 ID:9Ywi1R3A0
あと酉変えておきます

737 ◆ARbuQtVLig:2012/06/05(火) 21:04:15 ID:uO1sWGsg0
間に合いそうにないので予約破棄します

738 ◆2TIcBhEgoU:2012/06/06(水) 00:51:44 ID:kfqCVGXU0
花村組を追加予約します。
そして、投下します。

739Beautiful dreamer? ◆2TIcBhEgoU:2012/06/06(水) 00:54:54 ID:kfqCVGXU0
『お・ま・え・は!! なにをやっているんだ!』
「だってこのカードがあれば何でも買えるんだぜ!? 
 ならエロ本たくさん買い放題じゃん! おかずにも困らない! 思わずあったの全部買っちゃったよ!
 イヤッホオオオオオオオオウウウ聖杯戦争さいっっっこおおおおおおおう!」

深夜の街にバカが一人いた。
少年――名無鉄之介は両手にビニール袋をぶら下げながらくるくると回っていた。
彼が思わず回ってしまうくらいに浮かれる理由?
そんなのはわかりきったことだ。

「帰ったら何からよっもうかな〜。うひゃひゃひゃ!」

その理由にはビニール袋の中身が大きく関わっていた。
中身は――エロ本である。そう、全てエロ本なのだ。
鉄之介は、物資調達用にと渡されたクレジットカードを使って、コンビニにあったエロ本を全て買い占めたのだ。
その後も、何件かのコンビニをはしごして、エロ本を買い漁った結果が両手のビニール袋に詰められた夢、もといエロ本である。
生きるのに必要な物資を調達する為に使うクレジットカードの初めてを、こんな形で奪う参加者は先にも後にも鉄之介ぐらいなものだろう。
聖杯戦争の期間という限られた時間内ではあるが、自由に使用できる。
それは鉄之介をエロに走らせるには十分だった。

『駄目だ、こいつ……早く何とかしないと……』
「何か言ったか〜。ウヒ、ヒヒヒ」

鉄之介は満面の笑みを浮かべながらエロ本の入った袋に頬ずりをしている。
ぶっちゃけ、気持ち悪い。
リインフォースは魔力の節約として霊体化したり、これからどう行動すべきかなど、色々と策を頭の中で考えているが、このマスターでは意味が無くなる可能性が高い。
嫌でも、このパートナーで果たして生き残ることが出来るのかと不安になってくる。

(見たところ、修羅場は一度もくぐったことがない。あの槍王とか言う力も偶然によるものだろう。
 もし、戦いになったとしたらこいつはどうする? こいつが死んだら私も消えてしまう。
 それならば、こいつを置いて一人逃げることは不可能……幸先は良くないな)
「ん? 何か悩み事かー? いつでも相談には乗るぜ☆」
『いらん、これ以上頭痛の種を増やさないでくれ……』

リインフォースの目下の目標は、聖杯戦争という現実を未だ理解していないであろう鉄之介を、どうにかまともな方向へと向かわせることである。
このままだと何も出来ないまま、参加者に襲われて脱落してしまう。
それだけは、リインフォースにとっても、鉄之介にとっても困るはずである。

740Beautiful dreamer? ◆2TIcBhEgoU:2012/06/06(水) 00:55:48 ID:kfqCVGXU0
『とりあえず、教会へ行こう。そこにこの聖杯戦争について説明してくれるアドバイザーがいるはずだ』
「そうなのかー。案内役がいる殺し合いなんて随分と親切なんだなー。
 もしかするとさ、リインちゃんとイチャラブってたら、いつの間にかに勝ち抜けたり出来たりして」
『ふん……そんな甘く行くわけがないだろう。この戦いで勝ち抜く覚悟はお前にはあるのか? これはゲームじゃないんだぞ』
「うーん……覚悟って言ってもよ。そんなことよりも今を楽しむほうが重要だと思うんだ! 
 だからリインちゃん! ちょっとそこのホテルで休もう! 俺とちょっといいことをしようぜ!」
『わかったわかった、お前のその空っぽな頭にまともなものを入れたらな』

ルンルン気分で歩く鉄之介を軽くあしらいながら、リインフォースはこれからについて考える。
マスターである鉄之介はエロ方面にしか頭が働かない。いざという時、彼はどう行動するのか。
頭の痛くなる先行きをどうにか修正しなければ、選択肢は死ぬことしか残っていない。
先行き不安なまま、二人は夜の街を進む。









「ようこそ、教会へ。まさかお前たちがここへ一番乗りだとはな。歓迎しよう、名無鉄之介、リインフォース」

運がいいのか悪いのか、鉄之介達は教会まで参加者と誰とも出会わずに辿りつけた。
最も、リインフォースはともかく、鉄之介には戦う気はない。
もし、乗り気な参加者と遭遇していたらどうなっていたことやら。
少なくとも、リインフォースの気苦労は今よりも跳ね上がっていたことだろう。

「ういーっす。アンタがアドバイザーってやつ?」
「概ねは正しい。そのようなものを努めさせてもらっている言峰だ」
「おおうっ! なんか威厳があってかっけえ!」

鉄之介の無邪気な笑みに言峰は口を三日月に釣り上げ、同じく笑みで応える。
傍から見るとなんてことのない光景ではあるが、リインフォースはどこか違和感を覚えた。
言峰のあの笑みがどこか引っかかる。彼女の何かがその笑みを危険と判断したのだ。

「まあ出来ればシスターが良かったけどな! 銀髪でエロい格好しててさ!
 これもシスターとしての役目ですとか言って筆おろしやってくれたりさ! なあなあ神父さんよー、そういうイヤッホウな女性とかいないー?」
「残念ながらここには私一人しかいない。そのような女性が必要なら風俗にでも行けばいい。お金の代わりに使えるカードがあるはずだ」
「やだやだー! そういう作られたエロじゃなくてナチュラルエロが欲しいのー!」

リインフォースはその笑みに覚えがあった。
それは闇の書として扱われた長い年月の中で多く見てきた表情。
自分の愉悦だけの為に動く外道の笑み。
彼女の経験が彼を信じることを本能で拒絶する。

(会ってみて改めて感じるが……本当にこいつは安全なのか? 何か、裏があるんじゃないか?)

アドバイザーと自分を称しているが、最後の最後で此方側が不利になる動きをするのではないか。
結論を言うと、リインフォースはこの男をどうしても信用できなかった。
経験から導かれる理性的な論理によるものか、それともただの一時の感情的なものか。
どちらにしろ、全面的に彼を信頼するのはやめておいたほうがいい。
それだけは確かであると彼女は意志を固めた。

741Beautiful dreamer? ◆2TIcBhEgoU:2012/06/06(水) 00:57:14 ID:kfqCVGXU0

「今から話す聖杯戦争についての説明は、立ち話をするには少々長すぎる。奥に大きな部屋がある。そこで食事を交えながらゆっくりと語ろう」
「まじで!? いやったああ、タダ飯ゲットォ! ちょうど腹空いてたんだよなー!」

ガッツポーズをしながら鉄之介はその場で小躍りする。
何でも買えて、無制限に使えるカードがあるとしても、やはりタダ飯は、貧乏学生である鉄之介にとっては嬉しいのである。

『おい……気軽に乗るな。ここは断ってさっさと拠点を作るべきだ』
(別にいいじゃん、飯ぐらい。何を考えているかは俺にはわかんねーけどさ。あんまり考え過ぎると深みにはまるぜ?)

鉄之介がタダ飯に小躍りして、喜びの余りジャンプした瞬間、教会を揺らす程に大きな爆発音が響いた。
いきなりの衝撃に鉄之介達は顔つきを困惑へと変える。
事態は突如、急転直下したのである。









「――――これがさっきの爆発音のあらましだ。俺はみすみす見殺しにしちまった」

爆発音の当事者、花村達と鉄之介達の情報の交換は思いの外、スムーズに進んだ。
最も、どちらも積極的に殺し回る側ではないので当然といえば当然なのだが。

「そっか……なんつーかさ、あんま深く考えんなよ」

最初は何も喋らずに意気消沈していた花村であったが、時間が経つに連れてポツポツと語り始めた。
二人の参加者との遭遇。説得を試みたが、全く聞く耳を持ってくれなかったこと。
なんとか応戦してやっと話を聞いてもらえそうな空気になりそうだと思った矢先に別のサーヴァントの攻撃を受けたこと。
そして、参加者の二人が眼の前で死んでしまったこと。
僅か数時間の出来事ではあったが、花村を大きく揺さぶったものだった。

「んなことできねーよ! 俺は、俺はっ! 目の前で死んじまった奴等を見て思っちまった……死にたくねえってっ!
 ほんの少しでも、死んだのが俺じゃなくてよかったって思っちまったんだ……!」

一瞬で4つの命が消えたのだ。その事実は花村を怯ませるには十分すぎるくらいだった。
いくら常人では思いもしない闘いをくぐり抜けてきたとはいっても、花村はまだ高校生である。
目の前で人が死んだことを素直に受け入れるなんて到底無理な話だった。

(思い出しちまう……生天目の顔を、こんなはずじゃなかった俺達の未来を)

そして、自分たちの罪が嫌でも浮き彫りになってくる。
菜々子を失った怒りをそのままに、一人の人間を殺した消せない罪が、花村を責める。
彼だって今の自分のように怖かったはずなのだ。
それを無視したのは誰だ? 自分ではないか。

(どう言い繕っても、俺は……人殺しなんだよっ! この痛みは、消せねえんだよ!
 だけどっ! 今更、死ぬことが怖いからって後戻りは出来ねえ!)

消せるものなら消したい。なかったことにしたい。
そう願って、花村は扉を開いたのだから。

――――なかったことにしてはいけないのに。

この罪を消してしまえば、自分は本当の意味で屑になってしまう。
過去は巻き戻せない。花村には罪を抱えたまま、前へ進むしか選択肢は残されていないのだ。

「実際、歯車が噛み合えばわかりあえたかもしれないんだ……一緒に戦う未来もあったはずなんだっ……」

それは生天目の時も思ったことだ。感情に身を任せずに冷静に場を動かしていれば避けれた結末だった。
しかし、あくまでこれは『IF』の話だ。
もっと真剣に彼の言い分を聞いていれば。
生天目を全ての事件の黒幕と決めずに、真犯人の可能性を考慮して考察を続けていれば。
マヨナカテレビの結末は違ったものになっただろう。

742Beautiful dreamer? ◆2TIcBhEgoU:2012/06/06(水) 00:58:29 ID:kfqCVGXU0

「……俺は弱えよ」

花村は、出ない声を必死で絞りだすかのように言葉を紡ぐ。
弱音を他人に吐く機会なんて、この聖杯戦争ではめったにないことだ。
鉄之介には悪いが、吐き出さないとやってられない。

「弱いから……立ち止まっちまう。もう、何もしたくねえって」

体感時間で言うと、一日すら経っていないのに早くも挫けそうだ。
次は自分かもしれない恐怖。それでも進まなくちゃいけない勇気。
ごちゃまぜになった感情が花村の身体に重くのしかかる。

「俺は、目の前で死んじまった奴等の分まで戦えるのかな……なぁ、名無」

花村は問いかける。これから先、どうすればいいのだ、と。
無論、そんなことを鉄之介に聞くことはお門違いであり、方針なんて自分できめるべきことだということは理解している。
それでも、聞かずにはいられなかった。









(お、重いわああああああああああああああああああああ!!!!)

鉄之介の心中を一言で言えば、困惑だった。
確かに、出会った時からどこか重い空気を出していたけれどまさかここまでとは。
加えて、なぜそんな重い話を自分に振るのだ。こういう話は花村自身のサーヴァントに振るべきだろうと、鉄之介は頭を抱える。

(何これ! 超重いよ! エロが云々とか言う話じゃねえ! そういう役目は弓樹や榊山だろ!)

いきなりのシリアストークに汗をだらだらと流しながらどう返答すべきか考える。
シリアスな戦いの最中でもボケる鉄之介としてはここは和ませるべく持ってきたエロ本を出して――。

(駄目だああああああああ!!! んなことしたらリインちゃんに絶対殴られる!
 花村のサーヴァントとか俺をぶっ殺すかもしれねえし! ヒィィイイイイイイイイィィィ!)

エロは世界を救うというが、この場面では救ってくれないだろう。
お近づきにエロ本一冊どうですか?
こんなことを言ったとしたら少なくともリインフォースは切れる。
相手方のサーヴァントも切れるだろう。
花村にも冗談が通じず、険悪なムードになってしまうかもしれない。
得意のエロ関連が封じられ、八方塞がりである。

(うぇぇぇ……どうすんのよ、俺ェ……)

普段はエロにしか使わない頭を久方ぶりにまともに機能させる。
どうする、どうやってこの状況を切り抜ける?
こんないたたまれない沈黙の中で、問いかけた本人はどんな顔をしているのか。
ちらっと花村の方に目を向ける。

(……しゃーねぇか。こんな顔してる奴ほっとけねぇわ)

そこにあったのは怒りか、哀しみか。
どっちつかずの感情を持て余し、もがき苦しんでいる姿があった。
その姿に、鉄之介は二人の少年を見出してしまった。
憎んでなんていないのに。今は対立しているが、本当は心の底で通じ合っているのに争っているバカ二人を。

「……正直、花村の言ってることに対して正しい答えは出せねえよ。俺はその場にいた当人じゃねえしな」

だからこそ、柄にもなくこうして真面目に答えているのだろう。
いつもみたいに茶化さずに自分が思っていることを伝えようと言葉を出している。

743Beautiful dreamer? ◆2TIcBhEgoU:2012/06/06(水) 00:58:51 ID:kfqCVGXU0

「花村が奥底で何抱えてんのかはわかんないけどさ。動かねえっていうことだけは間違ってると思うぜ」

鉄之介はカラカラと笑いながら頭を掻く。
自分は、救世主と支配者の対立の構図など知ったことかと言わんばかりに、やりたいように動いた。
友達と一緒にモテナイ男達の救世主になろうと決起し、13騎士の槍王も平気で掠め取った。
その行動には後悔も反省もしていない。やりたいことをやった結果なのだから当然だ。

「俺とかやりたいことは即実行だしなー。女の子の着替え覗いたり、女の子のパンツ盗んだり、女の子の胸揉んだり」
「お前それは犯罪だろうが!」
「知ってるか、花村? 犯罪はバレなきゃ問題ないんだぜ? つまりだ、俺セーフ!」
「アウトだ、馬鹿野郎!」
「大丈夫だ、問題ない……って話がそれちまったな。ともかくだ、違っていようが合っていようが動かねえことには始まんねーよ。
 小難しいことなんて考えないで、自分がやりたいことをやればいいんだよ」

花村は、鉄之介の言葉を素直に首を縦にふることができなかった。
やりたいようにやった結末が『最悪』だったのだから。
感情に任せて罪を犯した現実が重くのしかかる。

「それに、俺にだって取り返しの付かない後悔があるさ。知った時には、もう手遅れでさ。何にもできねー俺がすげえ悔しかった。
 こんな槍王なんて力を持ってても、俺は無力だった。ま、実質使いこなせてねーからしゃーねえってのもあるけどよ」

彼の持つ13騎士――槍王は、本来彼の持つべき力ではない。
13騎士の力は、救世主である弓樹真弥か支配者である榊山涼平が所有してこそ真の力を発揮するのだ。
鉄之介が持ったとしてもその力を十分に使うことは出来ない。
実質、彼は槍王の本来の力を引き出していないのだから。

「それでも、俺は動く。自分がやりたいことをやりたいからさ。先にとんでもなく辛い絶望があってもゴーイングマイウェイ!
 美少女と添い遂げる為なら。モテナイヤロー共が美少女とイチャコラできる世界を作る為に――聖杯だって奪ってみせる」

今までも、そしてこれからも。鉄之介は変わらない。
シリアスなんざ知ったことか。大事なのはどうしたら美少女をゲットできるかだ。
それ以外は全部適当適当超適当といった感じだ。

「それが俺の主義! 花村がどう受け止めっかは知らねーよ。そこんとこは、お前自身が納得するまで考えればいいんじゃねーの」

鉄之介は椅子を踏み台に立ち上がり、天高く腕を掲げる。
なぜだか知らないが、鉄之介のそのポーズが様になっており、クックッと花村は笑ってしまう。

744Beautiful dreamer? ◆2TIcBhEgoU:2012/06/06(水) 00:59:09 ID:kfqCVGXU0

「あ、言っとくけど聖杯破壊は認めねーからな! 聖杯使って美少女ちゃんとイチャコラする夢を叶えるんだからよ。
 花村が聖杯壊すってんなら敵だ! ギルティーだ!」
「ぷっ、はははっ。はははははははっっっ! なんだよ、それ……聖杯使って願うのが美少女とイチャコラとか名無ってバカだろ?
 面白すぎるだろっ、よくそんな理由でこんな戦いに乱入しようって思ったな」
「うるせー! つーか、俺にはもう美少女の嫁いるし! リインちゃんっていうマイスイートハニーがいるし!」
『誰が彼女か! というか簡単に真名をバラすな! このアホマスターが!』
「はははっ……ありがとな、名無。少しは楽になったわ。
 まだ完全に吹っ切れてねえけど、俺、よく考えてみる。相棒ともよく相談してな」
「このぐらい別に構わねえよ。それに、お前からはなんか同じ匂いがするしなー、同属を哀れんでってやつ?」
「はぁ!? 俺は地元じゃあ王子の異名を持つモテ男だぜ!? 女の子はよりどりみどりだぜ?」
「はっはっはっ、嘘つけ。お前からはガッカリオーラしかしねえし!」

鉄之介がヘッドロックをかまし、それを花村が必死で抜けだそうとしている。
だが、花村の顔つきは前よりもすっきりし、笑顔が増えていた。
それを見て、鉄之介も雰囲気が良くなったと安心する。

「イタタタタタタ、ギブギブギブ!」
「くっそくっそ! モテナイ男の渾身の一撃を喰らえ!!!」

少し緩みすぎているのではないかという両サーヴァントの説教が後に行われたのはまた別の話である。



【新都・冬木教会/黎明】
【花村陽介@ペルソナ4】
[状態]:疲労(小)・精神力消耗(小)・残令呪使用回数:3
[持ち物]:ミネラルウォーター@現実・カロリーメイト@現実・医薬品一式@現実
大学ノート@現実・筆記用具一式@現実・電池式携帯充電器@現実・電池@現実
[基本行動方針]:聖杯を探し出して破壊する
[思考・行動]
1.やりたいように動く、か……。
2.聖杯戦争について神父に聞く。
3.アレックスと今後の方針について話す。

【ランサー(アレックス)@ARMS】
[状態]:魔力消費(小)・ARMSの進化(進行度小)
[基本行動方針]:聖杯を探し出して破壊する
[思考・行動]
1.陽介と今後の方針について話す。
2.アサシンを警戒する。
3.陽介を(主に精神的に)鍛える。

【名無鉄之介@私の救世主さま】
[状態]:健康・残令呪使用回数:3
[持ち物]:エロ本(大量)@現実
[基本行動方針]:リインちゃんとイチャコラしたい!
[思考・行動]
1.やりたいように行動する。
2.聖杯戦争について神父に聞く。
3.エロ本を読みたい。

【キャスター(リインフォース)@魔法少女リリカルなのはA's】
[状態]:健康
[基本行動方針]:とりあえずは鉄之介と行動を共にする。
[思考・行動]
1.鉄之介をどうにかまともな方向へと矯正したい。
2.言峰は迂闊に信用出来ない。

【言峰神父@Fate Extra】
[状態]:健康

745Beautiful dreamer? ◆2TIcBhEgoU:2012/06/06(水) 01:00:06 ID:kfqCVGXU0
投下終了です。
アレックス「俺のセリフが一行もない……」

746名無しさん:2012/06/06(水) 08:28:59 ID:JtLYeRs60
鉄之介、登場話からして只者ではないとは思ってたがやはりかっ飛ばしてるな。
そして、この空気だとやはり重すぎるアレックスは馴染めないか。
やや重めの口を開けばガッガリ王子とは、バランスが取れていいコンビになれそうだな。

ともあれ投下乙でした。

747マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/06/06(水) 11:48:15 ID:2McbxWCwO
投下乙です!
おい、エロ本www自重しろwww
シリアスブレイカー名無のお陰で花村はもち直したか。
アレックスじゃあ叱責しか出来ないだろうし結果オーライかw
ていうか、食事って泰山の例のアレだろw

ランサー「……急に寒気が!」

748 ◆4OblpRmYos:2012/06/06(水) 12:59:10 ID:oAEkC/OU0
投下乙です!
陽介は早いうちに本音を話せる他の参加者に出会えたのが幸運でしたね。
というか鉄之介は何時間エロ本を買い漁ってたんだww

それと、誤字報告です。
(誤)生天目→(正)生田目

749名無しさん:2012/06/07(木) 09:36:52 ID:ptef2eDc0
おお、大分wikiも作り込まれてきたな。
しかし、ラオウとDIOの敏捷が低すぎる気がしたが、そんなものなのかな?
逆に魔法と縁のない世界の出身だから魔力が高く思えたが。そういうものか。

750マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/06/07(木) 10:00:40 ID:lxDcUI060
wikiの編集に関しては基本誰でもOKです。
というか、ここ1週間の新規項目は大体私が関与していないのでw
この場を借りて感謝の気持ちを述べさせていただきます。

751名無しさん:2012/06/07(木) 14:41:24 ID:Ch3kYr.A0
DIOはともかくラオウはあんなもんでしょ
北斗の拳って基本スピード型は雑魚扱いだし

752名無しさん:2012/06/07(木) 18:17:26 ID:.mwSHV02O
そろそろキャラ別SS表を更新したほうが・・・

753 ◆MoyrepToUg:2012/06/07(木) 21:59:19 ID:E3YVhcsk0
ここまで未だwikiに詳細が書かれていないイスラェ・・・・・・

754名無しさん:2012/06/08(金) 06:27:32 ID:pwlN7DfQO
そもそもサモンナイトの会社が(ry

755マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/06/11(月) 01:38:25 ID:n6EfNyqM0
投下します。

756La Danse Macabre ◆.OpF6wOgZ2:2012/06/11(月) 01:39:35 ID:n6EfNyqM0
「――世界(ザ・ワールド)!!」

アーチャー、つまりはDIOがその能力(スタンド)の真名を解放した時、
世界はカチリと時を刻むのを止めた。
ありとあらゆる生物が、いや水や空気のような無機物ですら
まるで空間に固定された様に静止した世界。
その世界の中で唯一人、DIOのみが君臨する事を許される。
それは最早、大規模固有結界とでも呼ぶべき神秘。
その世界の中でDIOは自分の前で静止するバーサーカーを見据える。
無論、サーヴァントといえどもこの静止した空間では
そのルールには従わざるを得ない。
自分の眼前に迫る兇刃を軽く退かし、DIOは鼻で笑う。

「フン、よくやってくれたものだ。
 ほんのちょっぴりだが、私を焦らせたのだからな」

狂気に歪む少女のサーヴァントの顎を腕でつぃと上げて、
その顔を一度覗き込んだ後にすぐに手を離して軽く距離を取り直す。

「無駄ァッ!!」

容赦無く叩き込まれる『世界』の鉄拳。
それは華奢な少女の身体の腹部を貫通し、
嫌な音を立てながら背骨や内臓を潰して背部まで貫いている。
唯の人間なら即死。
例えサーヴァントといえども致命傷は避けえない。
本来ならこの一撃でバーサーカーの肉体は衝撃で吹っ飛んで行く筈なのだが、
静止した世界ではそれも許されない。
にちゃりと肉を強引に掻き分けて、突き立てられた『世界』の腕を引き抜く。

「バーサーカー、貴様には謎がある。
 よって、貴様に対しての相応しい処刑方法は挽肉(ミンチ)の刑だ!」

『世界』が全身体を現し、その無慈悲な両手を構える。

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄」

壮絶なラッシュがバーサーカーの腕に叩き込まれ、肉と骨を満遍なく攪拌する。

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄」

同様の作業が少女の足を原型無く叩き潰していく、それは既に機能としての形を成していない。

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄」

既に風穴を開けられた胴体は除外し、残された未だ幼さの残る顔面を紅い血肉の塊へと変貌させる。

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!!」

拳の暴風が止んだ時には既に原形を留めず、関節が有るのか如何かすら怪しい、
いや、そもそも人の形を成していたのか如何かを疑いたくなる様な
極一部に人の名残を残した中心部に風穴の開いた肉塊だけが残されていた。

「……そして時は動き出す」

DIOが終わりを告げる。
それと同時に世界に音が戻り、活動を取り戻す。
その中でバーサーカー、美樹さやかと呼ばれた“モノ”が、
蓄積された熱量を爆発させる様に血飛沫の花を咲かせ、
肉片を撒き散らしながら吹っ飛んでいく。

757La Danse Macabre ◆.OpF6wOgZ2:2012/06/11(月) 01:40:15 ID:n6EfNyqM0
「加減はしていない。
 見極めさせて貰うぞ、バーサーカー」

DIOが腕を組み、その吹き飛んでいく“モノ”を見据える。
ナイフを全身に浴びせかけてすら死ななかった事から推測するに
バーサーカーの宝具は多分、自動修復若しくは自動蘇生。
斃しきるにはそのどちらであるかの見極めをしなければならない。
だが、どちらにせよ、必ず何らかの『条件』がある筈なのである。
自身が『不老』の吸血鬼ゆえ、心得ている事がある。
『不老』ではあるが、『不死』ではない。
限定化でしか『不死』という概念は存在しえない。
故にどのような怪物であれ、必ず“殺しきる事が出来る”。

「さて、如何出るバーサーカー?
 これでくたばる様ならこちらとしても好都合だがな」

バーサーカーが吹き飛ばされた先、丁度蝉名マンションの
反対側に面したビルの一画を睨む。
ビルの窓を突き破り、窓の淵からは引き千切れた肉片がぶら下がり、
その奥の照明の切れた暗闇の中で肉塊がビクンビクンと波打っている。
それは肉体の最後の足掻きなのか、
それとも何か別な意図のある動きなのかまではここからでは判別出来ない。

「くたばったか?
 私の思い過ごしだったか?」

若干の興味はあったが、これ以上の消耗は避けたかった以上、
これでバーサーカーが消滅する様ならそれに越した事は無い。
DIOがビルから視線を外して、その場を立ち去ろうとして、

それは風に乗って、微かに聞こえた。

ゴポリゴポリと噎せ込む様な、吐き出す様な常人ならば
聴いただけで身の毛もよだつ様な音。
それは一定のリズムを保って発せられている。

「■■■■■■■■……■■■■■■■■…」

徐々に徐々にそれは大きく確かな『声』となっていく。
暗闇の中で肉塊がミシミシと音を立てて、その形を取り戻していく。
最早判別不能だった塊の中からしっかりとした腕が生えて
何かを探すように辺りの床を引っ搔いている。
その次の瞬間には更に片腕が、続いて両足が『生え揃い』、
首はあらぬ方向を向いたままに立ち上がる。
首を両手で掴むとゴキリと強引に捻じ曲げた。

「■■■■■■■■!!」

まるで何事も無かったかのように少女の形をした『何か』は雄叫びを上げる。

「……フン。 これでも死なないか。
 良かろう、ならば死ぬまで“殺し尽くす”のみよ!」

このサーヴァントの厄介さを理解したDIOがナイフを構える。

だが、

「面白そうな事になっているじゃないか。
 私も混ぜてもらおうか?」

758La Danse Macabre ◆.OpF6wOgZ2:2012/06/11(月) 01:41:07 ID:n6EfNyqM0
月夜の中に響く、凛とした女性の声。
DIOの気がその声に削がれ、思わす声の聞こえた方向に眼を向ける。
白く淡い月光の中にぽつんと滲む一点の影。
それはばさばさとマントを靡かせてこちらへと降下してくる。
何処か距離感を曖昧にし、虚ろな印象を与える影は
DIOが気づいた事に合わせるかのように加速し、
瞬間、DIOと影が交差した。

「GIYAAAAAAAA!?」

ぼとりとナイフを構えていたDIOの右腕が落ちた。

「……馬鹿な、気配は感じなかったぞッ!!」

息を荒くし、DIOが右腕を押さえる。
その視線の先に銀の髪とその痩躯に不釣合いな大剣を構えた女性が居た。

「悪いな、それが私の得意分野なんだ」

微笑を崩さずに女性、セイバーのサーヴァント、
『微笑みのテレサ』が大剣の矛先を向ける。

「それにこっちを気にしてていいのか?
 先客はもう我慢できないようだが」

「■■■■■■■■!!」

テレサが表情を崩さずにDIOの背後へと注意を促す。
その言葉よりも早く、バーサーカーは呻りを上げて
自分が叩き込まれたビルから飛び出してくる。

「……チィッ!」

テレサの言葉に従う訳ではないが、
DIOも突撃してくるバーサーカーを迎撃しない訳にはいかない。
得体の知れないテレサの心理はさておいても、
理性の無い獣から気を逸らせば喉笛を食い千切られる羽目になる。

「『世界(ザ・ワールド)』ッ!!」

バーサーカーが数え切れぬほどの剣を練成し、それを機関銃の如く投擲してくる。
それを本体であるDIOと同じ様に右腕を切断された状態の『世界』が叩き落していき。
その場に釘付けにされたDIOへ身体ごとぶち当たる様にバーサーカーが激突する。

「■■■■■■■■!!」

「…ウヌゥッ!!」

万全の状態ならこの様な稚拙な攻撃はその身体が触れる前に地面へと叩きつけているところだが、
テレサの不意打ちによって右腕を喪失している状態のDIOでは
ぶつかる寸前に『世界』によって襲撃を和らげる事で手一杯である。
よろめくDIOだが、背後から不吉な気配を感じ、瞬時に身体を屈み込ませる。

「!?」

一瞬の間も無く、背後よりDIOへと振るわれた大剣が
屈み込んだDIOの頭上を横切り、
反応の遅れたバーサーカーの上顎より先を斬り落した。

759La Danse Macabre ◆.OpF6wOgZ2:2012/06/11(月) 01:41:59 ID:n6EfNyqM0
「何だ、良い反応をするじゃないか」

さも楽しそうにテレサは笑い、大剣に付着した血を払う。
視線の先ではバーサーカーが頭部から血を噴出させながら
よたよたと脊髄反射で後ずさっている。
その頭部の『半分』は地面をゴロゴロと転がった後、
程なくして光の粒子となり消え去った。
だが残された身体の方は突然、ピタリと歩みを止める。
硬直した姿勢のまま、その傷口から一際大きく血を噴出させたかと思うと
それが凝縮し、失くした頭部が形成される。

「……おい、死ぬのかアレ?」

「……知らんな」

呆れた様にDIOへと尋ねるテレサに素っ気無く返して
DIOはその両者から距離を取る。
セイバー、アーチャー、バーサーカーの三クラスが
お互いに睨みあい、互いを牽制する。


そんな中で突如としてバーサーカーは崩れ落ちるように跪き、

「■■■■■■■■!!」

一度だけ虚しく吼えるとその身体を霊体化させて、
その場から消えてしまった。
明らかに異変を訴える様なその変化に
DIOが自ずと答えを導き出す。

「……奴のマスターに何かあったか」

ただでさえ燃費の悪いバーサーカーである、
マスター側での不測の事態というのも確率的に跳ね上がる。
それでも、真名解放すら行った末でバーサーカーを
取り逃すと言うのはDIOにとっても大きな痛手である。
せめてバーサーカーの不死の秘密を解き明かしておきたかった。
理性無き獣にこちらの情報を探る術は無いだろうが
結果としてみれば貯蔵魔力を無駄に消費したのが実情である。

そして、残されたもう一つの問題。

その微笑を崩さぬ剣士へとDIOは向き直る。

「……向こうは“上手くいった”って事か」

消えたバーサーカーの方を眺めながらテレサがぼそりと呟く。

「……何の事を言っている」

「さぁね、答える必要は無いさ」

その言葉を聞き逃さずにDIOが問い質すが、それは甲斐無くはぐらかされる。
その態度に疑問を覚えるのと同時にある一つの可能性がDIOの脳裏をよぎる。

760La Danse Macabre ◆.OpF6wOgZ2:2012/06/11(月) 01:42:28 ID:n6EfNyqM0
「貴様、いや貴様“ら”はまさかッ!?」

それはDIOにとって最悪の展開。

「おや? 流石に気づくか」

テレサが眼を細め、それがDIOの推論を確信へと変える。

「最初から“足止め”が目的かッ!!」

DIOの顔色が明らかに変わり、それを愉快そうにテレサが嗤う。

「ご明察、端からそれが目的さ」

「クソッ!!」

DIOがテレサに背を向け踵を返そうとするが、
それを一瞬でDIOの目の前に回り込んでテレサが阻む。

「もう少し付き合って貰おうか、用が済めば帰るんでね」

話し終わるや否やのタイミングで振るわれる大剣を
ギリギリの所で払いながらDIOは思案する。

(疾いッ!? クソッ、単純なスピードは奴の方が上か。
 如何する、もう一度『世界』を発動するか?
 だが、これ以上は私の魔力だけでは補いきれん)

一種の固有結界と呼べる『世界(ザ・ワールド)』の発動効率は実の所、あまり良くはない。
むしろ、生前の頃の方が自由に発動できていたとさえ言ってしまってもいい。
英霊として召喚された事でその能力は強化されたが、
逆にそれが仇となってしまっているのである。
DIOの単独の魔力では良くてあと1,2回が限度である。
しかし、迷っている暇は無い。
時間が掛かれば掛かるほど取り返しのつかない事態になりかねない。

「……已むを得ん。
 『世界(ザ・ワールド)』時よ止まれッ!」

再び解放される真名。
同時に静止する空間。
その中でDIOのみが歯噛みをする屈辱を味わっていた。

「まさかこのDIOがここまで追い詰められるとは……
 侮っていたというのか、この私がッ!」

煮えきらぬ思いを抱えたまま微笑む剣士へと向き直る。

「だが貴様だけは見逃さん!!」

『世界』が拳を構える。
だが、それを振りぬくよりも先にDIOは奇妙なものを目撃する。
テレサの背後にある物、それはバーサーカーが練成した剣の欠片。
重なり合うその欠片の中に

腕が生えている。

761La Danse Macabre ◆.OpF6wOgZ2:2012/06/11(月) 01:43:13 ID:n6EfNyqM0
無論、それはDIOの斬り落された腕ではなく、生えているというのも正確ではない。
何かがそのほんの数センチしかない空間から『這い出ようとしている』のである。

「な、何だこいつは……何だか知らんがやばい気がする」

このままテレサを攻撃するのは容易い。
だが、それでは『世界』が解除された直後にこの謎の『腕』に近づいてしまう。
本能的にそれが拙いとDIOは感じた。
それ程にこの『腕』に脅威を感じるのである。

「この感覚は間違いない、こいつは私と同じだ」

それはDIOのもう一つの側面。
『スタンド使い』としての直感。
スタンド使い同士は惹かれあう。
それは如何やら英霊となった今でも変わらない様である。

「……クッ!」

本能的な感覚に従い、DIOは攻撃を止めて飛び退く。
それはテレサを倒す事よりも優先された。

そして、時は動き出す。

「?」

突然、振るっていた大剣の先から跡形もなく消失したDIOに
テレサが困惑して周囲を見回し、
いつの間にか、かなり離れた所にDIOの姿を発見する。

「驚いたな、瞬間移動か何かか」

「貴様に協力者はいるのか?」

テレサの質問は答えずにDIOが逆にテレサに質問し返す。
その言葉に、

「何を馬鹿なことを言っている?」

テレサは本当に呆れている様である。

(こいつは気づいていないと言う事か?)

DIOは剣の瓦礫の山へ眼を向ける。
其処に先程の『腕』は確認出来ない。

「……?」

DIOの視線が自分ではなくその背後に向けられている事に気づいて
テレサも後ろを振り返り、何も無い事を確認して
再び、DIOの元へと振り返り、
その背後、羽織っていたマントの隙間から這い出てきた『腕』に
肩部から袈裟懸けに手刀で切り裂かれた。

762La Danse Macabre ◆.OpF6wOgZ2:2012/06/11(月) 01:44:00 ID:n6EfNyqM0
「ガッ!?」

思いも掛けない攻撃にテレサの顔が初めて歪む。
彼女はけっして油断していた訳ではない。
むしろ、その微笑とは裏腹に警戒し過ぎるほどに
周囲に魔力探知の根を張らしていた。
それは隠れていたのでも徐々に距離を詰めていたのでもなく、
唐突に『其処に現れた』のである。

重傷を負い、倒れ込むテレサの背部からどうやって潜んでいたのであろうか
テレサの体躯よりも“恰幅の良い”男性が這い出してくる。

「……ナプキンを取るのは私一人でいい」

意味の分からない事を呟き、男はテレサを一瞥した後、
彼女のマントをおもむろに剥ぎ取り、DIOへと顔を向ける。

「お前は私に気づいていたな。
 どうやったのかは知らないが覚えておくぞ」

中世の貴族の様な髪形をした男がずるりと滑り込むように
テレサの大剣の隙間へと『潜り込む』。
男の身体が全て入り込む手前で掴んでいたマントは手放され、
それは風に流されていく。

「なッ!?」

いくらサーヴァントと言えども、現界中はある程度の物理現象には従う事になる。
大の大人が自分よりも遥かに細い物体に隠れる事などは出来はしない。

(これがこいつの『能力』か?
 だが、一体どういう能力だ?)

困惑するDIOの傍をマントが飛ばされて行き、
『そのマントから男が飛び出して来る』。

「Dirty Deeds Done Dirt Cheap(いともたやすく行われるえげつない行為)」

男の背後から、どこか機械的な兎のような頭部を持った形の偶像が現れ、
DIOへと手刀を振り下ろそうとする。

「クッ、『世界(ザ・ワールド)』!!」

その手刀を『世界』の片手で受け止め、相手のがら空きとなった胴体へ
すかさず『世界』が強烈な蹴りを見舞う。

「無駄ァッ!!」

「ゴェッ!?」

ほんの一瞬の攻防だが、DIOにはある事がハッキリと理解できた。
この敵はさして強い相手ではないという事が。
奇妙な移動と攻撃の二点に驚かされて反応が遅れたが、
相手の力も速さも『世界』には劣っている。
故に多少反応が遅れた所で防ぐ事は出来るし、
後出しで攻撃する事すら出来る。

763La Danse Macabre ◆.OpF6wOgZ2:2012/06/11(月) 01:44:43 ID:n6EfNyqM0
「無駄無駄ァッ!!」

怯み、無防備となった男の顔面へ続け様に拳を叩き込む。

「ウゲェッ!!」

まともに顔面に『世界』の拳を受けて、
無様に男は吹き飛ぶ。

「フン、その程度の力に厄介な特殊な能力。
 アサシンのクラスのサーヴァントといった所か」

DIOが倒れている男の傍へ近寄っていく。
男の方はと言えば、DIOから受けた攻撃で立ち上がることも出来ず、
ヨタヨタと這い蹲って何とかその場から離れようとしている有様。

「奇襲の通じなかったアサシンなど矢張りこの程度か。
 あぁ、逃げる必要は無いぞ。
 逃がすつもりなど毛頭無いからな」

蔑む様にアサシンを見下ろし、DIOが伏せる男の頭部へと
『世界』の拳を振り下ろす。

「……『D4C』……」

拳が男の頭部を叩き潰す寸前に蚊の鳴くような声で男の呟きが聞こえる。
そんな男の断末魔など意に介さず、振り下ろされた拳は
“コンクリートを叩き割った”。

男の姿は其処には無い。

「ッ!? な、何だ何故奴の姿が消えている」

動揺するDIOの足元、階下で何かを叩き割る音が聞こえる。
恐らくはアサシンが何らかの方法で階下へと移動し、
其処で何かをしているのは間違いない。
それはアサシンの領域が形成されつつあるという事。
不用意に飛び込めば三騎士のクラスでさえ喰われかねない。
ただでさえ能力不明の上に、一撃必殺の宝具を
繰り出してくる可能性がある以上、DIOは決断しなければならない。

進撃(乗る)か撤退(反る)か。

「……潮時だな」

決断は意外にも早かった。
テレサによって斬り落とされた腕を引っつかむと
すぐさまその場を離れようとする。

「……?」

そこで、アサシンの奇襲によって重傷を負った筈の
テレサの姿が消えている事に気がついた。

764La Danse Macabre ◆.OpF6wOgZ2:2012/06/11(月) 01:45:12 ID:n6EfNyqM0
「雌狐めッ、このDIOをコケにした事を後悔させてやるぞ」

吐き捨てるように呟くと夜の闇と同化した。

DIOが去った事を魔力の流れから感じつつ、
アサシン、ファニー・ヴァレンタインが暗闇の部屋の中で
息も絶え絶えと言った様子で倒れ込む。
その傍にコツコツと歩み寄る、もう一つの影。
『もう一人』のファニー・ヴァレンタインが倒れる自分を見下ろす。

「フム、私を囮にしてあのサーヴァントを『引き摺りこむ』予定だったんだがな」

そこで今にも息絶えようとしている足元の自分を
思い出したかのように持っていた銃で撃ち殺すと
彼が叩き割っていた物、ガラスをその死体に向けてぶちまける。

「どッジャァ〜〜〜〜ン」

間の抜けた声でぶちまけられたガラスが死体に触れた時、
死体が跡形も無く『この世界』から消滅する。
それが彼の能力。

『挟み込まれたものを平行世界へと移動させる』

条件こそあれ、とんでもない代物である。
瀕死の状態に陥っていた彼は間違いなくDIOと交戦した彼であり、
そして、今この場に残っているのは彼から
彼の宝具『D4C(いともたやすく行われるえげつない行為)』を
引き継いだ並行世界の彼である。
『D4C』を所有するのは全ての平行世界において一人だけであり、
その特性上、宝具こそが彼の『本体』であると言っても差し支えない。
マスターとの契約は『D4C』を引き継いだ彼だけにあり、
それ以外のファニー・ヴァレンタインと言う同一人物は
彼らにとっては捨て駒にしか過ぎない。
彼らはマスターとの魔力が切れるか条件外からの攻撃を受けない限り、
無限に交代し、何度でも戻って来る事が出来る。
その言葉通りに『えげつない』彼らはDIOを追跡する事はせずに
自らのマスターの元へと帰還する。
焦る必要は無く、確実に勝利をモノにする為に。


【新都・蝉菜マンション13階/未明】
【バーサーカー(美樹さやか)@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:霊体化・ソウルジェムに濁り(中)

【アサシン(ファニー・ヴァレンタイン)@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:健康(二人目)、魔力消費(中)

765La Danse Macabre ◆.OpF6wOgZ2:2012/06/11(月) 01:46:03 ID:n6EfNyqM0
「無事か、まどか!!」

霊体から実体に戻ったDIOが部屋へ飛び込む。
彼女が居た部屋は不用心に扉が開け放たれており、
室内に飛び込んだDIOの眼に映ったのは比較的に落ち着いているとはいえ、
明らかに荒らされた形跡のある部屋。

「クソッ、何という事だ!!」

苛立ち紛れにDIOが拳をテーブルに叩きつける。
その音に反応するように傍のクローゼットからガタリと物音がする。
それに呼応するように微かに感じる魔力。

「……アーチャーさん?」

クローゼットから怯えた少女の声が聞こえる、
DIOがクローゼットを開けるとビクリと一瞬、
身を強ばらせたものの無傷な様子のまどかの姿がそこにはあった。

「何があった、まどか!」

DIOの言葉にまどかが視線を彷徨わせる。
明らかに恐怖で困惑している。

「大丈夫だ、落ち着いてくれ。
 私がついている、だから何があったのか教えてくれないか?」

内心で舌打ちしつつ、DIOが幼子を諭すような
優しい声音で再びまどかを問い直す。
その言葉で緊張が緩んだのか、堰を切ったように
ぼろぼろと涙を流しながら嗚咽を漏らしつつ、まどかが口を開く。

「わた、私、そのアーチャーさん探そうと思って…ひくっ…
 そ、それで外に出ようとしたら、女の人が入ってきて…
 そ、その人、マスターだったんだけど…うぇっ…
 疲れてるみたいだったから…わた、し、部屋に入れたんです」

「何て馬鹿なことをッ! それでこの部屋はそいつがやったのか?」

敵のマスターを自ら招きいれる、それも悪意ではなく好意でもって。
まどかの告白を聞いた時にDIOはこの少女の思考を本気で疑った。
だが、まどかはDIOの言葉に首をぶんぶんと横に振る。

「ちが、違うんです。 その女の人、し、詩音さんは…うぅ…
 わた、私を助けてくれて…それで、後から来た人に…ひぐっ…
 連れてかれて……うわぁぁぁん!!」

泣き喚くまどかを落ち着かせるように抱き寄せながら
DIOは混乱する思考を纏めていく。

766La Danse Macabre ◆.OpF6wOgZ2:2012/06/11(月) 01:46:47 ID:n6EfNyqM0
(何もかもが滅茶苦茶だ、このDIOがここまで翻弄されるとは。
 女というのはあのバーサーカーのマスターの事だろうが、
 後から来た奴があの雌狐のマスターか?)

まだ胸元で嗚咽を漏らすまどかを一旦離し、
その顔を見つめながらしっかりと言い含める。

「いいかい、まどか?
 他のマスターに場所が知れた以上、ここは危険だ。
 今すぐにでも移動しなければならない。
 わかってくれるな?」

まどかから返事はなかったが、
力なくこくりと項垂れる様に首を縦に振る。

「そうか、では少し乱暴になるが許してくれ」

DIOはまどかを抱き上げ、窓を開ける。

「えっ、あの、ちょ?」

DIOの大胆な行動に頬を赤らめ、まどかは困惑するが
次の瞬間にはその表情は別なものに変わる。

「わきゃぁあぁ〜〜〜〜〜!?」

まどかを抱き上げたままDIOが跳躍。
街の明かりが彼方に見えるような気がするほどの
高さにまどかは目が眩む。

「すまないな、まどか。
 急いで離れる必要がある以上、
 少々手荒になってしまった」

DIOは周辺に気を配りながら次々とビルの谷間を跳躍していく。
夜の闇の中でその姿に殆どの人は気づきもせずに往来を歩いていき、
気づいた者もあまりの光景に自分の正気を疑い、
気のせいとして足早に去っていく。

「あれ? アーチャーさん、その腕は?」

泣き腫らした眼を擦りながら、まどかは自分を抱き上げる
DIOの腕に傷が出来ている事に気づいた。
“まるで切断でもされたかのように”腕を一周するような傷跡が出来ている。

「……詳しい話は後でしよう」

DIOは明らかに言葉を濁した。

「あっ…いえ、何でもないです……」

それを追求しようかと思ったが、まどかは口を閉ざす。
まどかにとって信頼できるのはDIOしかおらず、
その関係を壊す事を極度に恐れた故に。
だが、一つだけ気になる事があった。

如何して、自分のサーヴァントから血の臭いがするのだろうか?

767La Danse Macabre ◆.OpF6wOgZ2:2012/06/11(月) 01:47:37 ID:n6EfNyqM0
それはまどかは知る事がない、ある出来事。
乱戦を終えた直後、霊体化したDIOはある一室に居た。
そこに居る住人は普通の何の変哲もない女性。

(手頃なのはこの位か……)

ぼんやりとテレビを眺めていた女性の前でDIOは実体へと戻り、
女性は突然現れたDIOに唖然としている。

「へっ? あ、誰? ど、泥棒!?」

女性が慌てて電話の位置を確認し、
電話を引っつかむように取り上げる。

「女、警察を呼ぶ必要は無い。
 ゆっくりとこちらへ来い」

DIOが命令口調で呼びかける。
その言葉にこの女性は従う必要は本来は無い。
だが、その言葉は女性にとって抗い難い魅力があった。
受話器をそっと元に戻すとふらふらと夢遊病者のように
DIOの元へと歩み寄っていく。

「いい娘だ、じっとしていればいい」

ぼんやりとした瞳でDIOを見つめる女性の首筋に
DIOの指が食い込んでいく。
そして吸血鬼の特性として女性の身体から
血液が吸い上げられていき、
間も無く女性の身体が崩れる様に倒れ、
DIOはそんな事は気にせずに自らの切断された腕を
その傷口にくっつける様に押し付ける。
血液を介した事で一時的に治癒力が上昇したDIOの腕は
さほどの時間も掛からずに癒着する。

「さて、急がなくてはな」

何度か腕の動作を確認した後、DIOは再び霊体に戻り、
遺された者は哀れな犠牲者のみ。
一人のNPCが死んだ所で聖杯戦争に支障は無く、
それは後日、謎の殺人事件として処理される事になる。

そんな事はまどかが知る必要は無い事である。


【新都・駅前/未明】
【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:憔悴(残令呪使用回数:3)

【アーチャー(DIO)@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:負傷(軽微)・吸血による治癒上昇中

768La Danse Macabre ◆.OpF6wOgZ2:2012/06/11(月) 01:48:10 ID:n6EfNyqM0
時刻はDIOが『世界(ザ・ワールド)』を発動した時点まで遡る。
詩音が扉を開けた先で少女がこちらを見つめて身を竦めている。

(しまった、ここの住人? どうする、始末するべき?)

朦朧とする意識で考えを纏めようとするが
思考能力を削られた今の状態では上手く考えも纏まらない。

「ウッ!?…グ、グゥ……」

直後、それまで以上の疲労感が詩音を襲う。
胸元を握り締めるように押さえ、壁へともたれ掛る。

「だ、大丈夫ですか!!」

そんな詩音の元へと少女が駆け寄ってくる。

(駄目だ、とにかく休まないと)

身体と思考が全力で疲労を訴え、それ以外が思い浮かばない。
目の前で慌てふためく少女が誰なのかは知らないが
最早、そこに頼る事しか考えられない。

「すみません、出来れば休む場所を貸してください。
 救急車は呼ばないで下さい。
 少しだけでいいんです、お願いします」

ハァハァと荒い息をつきながら、詩音は少女に頼み込む。

「……分かりました、こっちに来て下さい」

どこか思い詰めた表情の少女の様子には気づかずに
少女の招きに従い、少女の肩を借りつつ部屋の中へと入る。
ソファーへと座らされ、荒い呼吸を何とか整えようとする。
少女の方はと言えばパタパタと部屋の中を走り回り、
タオルや水などを次々と用意している。

「ありがとうございます、少し休んだら出て行きますので」

差し出された水に口をつけて、少しだけ潤った喉で
それでも変わらずに乾いた声のまま詩音が少女に告げる。
少女は詩音の傷ついた右腕に包帯を巻いている最中で
詩音の言葉に如何返したらいいのか分からないと言った様子であった。

「……あの、その右手は?」

自分の怪我の処置までしてくれる少女の右手が
『包帯を巻きつけられている』のに気づいて詩音が尋ねる。
その瞬間、少女の動きがピタリと止まった。

769La Danse Macabre ◆.OpF6wOgZ2:2012/06/11(月) 01:48:45 ID:n6EfNyqM0
「えっと、あの、その、火傷しちゃって……」

視線を彷徨わせ、まるで今思いついたかのような
言い訳をする少女なのだが思考が混濁している詩音は
少女の言葉に疑問を感じる余裕も無く、素直に鵜呑みにする。

「そうですか、気をつけてくださいね」

どこか儚げに笑う詩音に少女がより一層その表情を暗くし、
何かを決意したかのように口を開く。

「あの…私、鹿目まどかって言います。 貴方は?」

突然のまどかの自己紹介に詩音は少しだけ疑問を覚えるが、
それ以上は結局のところ思い浮かばず、

「園崎……詩音」

まどかに対して自分の名前を告げた。

「詩音さん……あの、わたし!」

まどかが何かを告白しようとした矢先、
唐突に部屋のチャイムが鳴らされた。

「……誰だろう?」

出鼻を挫かれ、仕方なくまどかは玄関口へと向かおうとして、
響き渡る銃声の音を耳にする事になる。

「ひっ!? な、何!?」

それは鍵の掛けられていた扉へと何者かが発砲した証拠。
それと同時に外側からガチャガチャと何者かが扉をこじ開けようとしている。

「私の客人みたいですね」

立ち竦むまどかの背後で詩音がふらつく身体を何とか立ち上がらせる。

「け、警察を……」

「あんたはどっかにすっこんでな!!
 死にたくなけりゃね!」

まどかが振り返り、警察を呼ぼうとするも
それを詩音の怒声に遮られる。

770La Danse Macabre ◆.OpF6wOgZ2:2012/06/11(月) 01:49:19 ID:n6EfNyqM0
「ひっ!!」

それまでの彼女と違って狂気の滲む詩音の表情にまどかは怯える。
右往左往しているまどかを他所に詩音は玄関へと進んでいく、
その際に一言だけ、

「すみませんでした」

ぽつりとまどかへと侘びの言葉を漏らして
置きっ放しにしていた剣を拾い上げる。

「さっさと隠れなさい、邪魔なんですよ!」

詩音の言葉に何度も首を縦に振ると、
まどかは部屋の奥へと駆け込んでいく。
程なくして玄関の扉は破られ、無骨な銃を構えた青年が現れた。

「失礼、マスターとお見受けしますが間違いありませんね?」

青年は掛けていた眼鏡の位置を直しながら口を開く。

「らあぁぁぁぁっ!!」

そんな青年の言葉など無視して、詩音は青年に向かって剣を振るう。
だが、それはガキンと大きな金属音を立てて、剣は弾かれた。
青年の鋼鉄の義足によって蹴り飛ばされた剣を呆然と見つめる
詩音へ次の瞬間には青年が構えていた銃の銃把が彼女の
後頭部を打ち据える。

「ガッ!? ちく…しょう……さと…」

ただでさえ、バーサーカーに魔力を割かれ、
体力も底を尽いていた詩音の意識はあえなく沈没する。
倒れ込む詩音を支えて青年は部屋の中を見回す。

「……セイバーからは二人分の反応があると聞いていましたが、
 時間もありませんし今回はこの辺でいいですね」

詩音を抱えあげると青年は踵を返して出て行ってしまう。

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」

隠れ潜んで難を逃れたまどかはただ只管に詩音へと謝り続ける。
その無意味な行為はアーチャーが戻るまで続けられる事になる。


…………………

……………………………

…………………………………………

771La Danse Macabre ◆.OpF6wOgZ2:2012/06/11(月) 01:49:43 ID:n6EfNyqM0
新都の夜の中を少女を負ぶった青年、アシュヒト=リヒターが歩いていく。
その姿は寝入ってしまった少女を青年が介抱している様に見える為、
周りの人間も対して気に留める事無く通り過ぎていく。

『おっ、そいつが他のマスターか?』

アシュヒトの耳元で声だけが聞こえてくる。

「戻りましたか、セイバー。
 そちらの首尾は如何でしたか?」

他の人間には聞こえぬように小声でアシュヒトは声の主、テレサへと返答する。

『アーチャーらしいのとバーサーカーと戦ってみて、
 アサシンにばっさりと肩口をやられたよ』

さも愉快そうに笑うテレサに少しだけアシュヒトは眉間に皺を寄せる。

「深入りはしないように注意した筈ですが」

ふぅとため息をつき、アシュヒトは眼鏡を光らせる。
実際には光った訳ではないが、それだけの迫力を青年は持っている。

『まぁ、いいじゃないか。 負傷の方は差して問題ない。
 アサシンがアーチャーに気を取られている間に直したからな』

「……まぁいいでしょう、次からは気をつけてください」

テレサの態度にそれ以上は言っても無駄だと察してアシュヒトは追求は諦める。

『それで、この後は如何するんだ?』

「そうですね、まずはこの人から情報を引き出したいですね。
 どこか身を置ける場所を探しましょう」

ふ〜ん、と鼻を鳴らしたテレサが何かに気づいて声を上げる。

『おい、あそこなんて如何だ? 何かキラキラしてて面白そうだぞ?』

テレサの声に従って青年が示された場所に顔を向ける。
それはごてごてとした装飾が施された建物で入り口には
【ご休憩:○○○○円】等と記された看板が立っている。

「却下します」

その施設の存在意義を察したアシュヒトは即座に提案を却下するのであった。


【新都・蝉名マンション付近/未明】
【アシュヒト=リヒター@エンバーミング】
[状態]:健康(残令呪使用回数:3)

【セイバー(テレサ)@クレイモア】
[状態]:負傷(軽微)、魔力消費(小)

【園崎詩音@ひぐらしのなく頃に】
[状態]:気絶・右腕にかすり傷(処置済み)(残令呪使用回数:3)

772マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/06/11(月) 01:51:26 ID:n6EfNyqM0
投下を終了します。

詩音「バンッ!」
アシュヒト「バンッ!」
まどか「ひっ!」

773名無しさん:2012/06/11(月) 06:21:39 ID:wqVnb30MO
投下乙です。わーいスプラッタ……こんな様じゃバサカ組は後一・二回戦ってマスターかソウルジェムのどっちかが無事なら良い方だなw

774名無しさん:2012/06/11(月) 12:42:47 ID:kIAPrPrE0
有無、アーチャーがDIOなだけあって「ウジュルウジュル…」で
にっくき肉片な擬音が聞こえて来そうな復元ですな。
ブヂュルヂュルとジャムのように潰されても復活ってほぼ第四次の海魔並みだよなw

そして案の定マスターへの過大な負担。まあ雁夜さんよりはましか。
ともあれ力作乙でした!

775名無しさん:2012/06/11(月) 17:46:35 ID:NHMIIascO
投下乙です!
まどかはシオニーちゃんだったのか・・・

776 ◆MoyrepToUg:2012/06/11(月) 21:43:10 ID:mo0GUn620
投下乙です!
さやかあちゃん達の陰に隠れて目立ってませんが、何気に大統領が
能力的にヤバい・・・・・・
こりゃ参戦者決定の際に物議を醸したわけだわ。
あとテレサ知らんとはいえ自重しろwww

777 ◆MoyrepToUg:2012/06/11(月) 22:19:31 ID:mo0GUn620
今wiki見てきたらようやくイスラの項目が書かれてた。
これで遂に全サーヴァントの性能が明かされたわけですが、果たして
最後に笑うのは誰なのやら。


ていうか死亡者名鑑にワロタwwwwww

778名無しさん:2012/06/11(月) 23:20:15 ID:Jr5dnzs20
全サーヴァントの能力が明かされたのでランキング作ってみたよー

筋力
1位(A++):本多忠勝
2位(A+):アシュナード、ラオウ
3位(A):アストレア、ジョン・ドゥ
最弱(E):タマモ、ファニー・ヴァレンタイン、キンブリー

耐久
1位(A+++):サブラク
2位(A++):本多忠勝
3位(A+):アシュナード、アレックス
最弱(E):タマモ

敏捷
1位(A+):ランスロット、門矢士(コンプリートフォーム時)、トキ、テレサ
2位(A):クー・フーリン、さやか、アストレア
3位(B+):門矢士(通常時)、アレックス
最弱(E):妲己

魔力
1位(A+++):サブラク
2位(A+):タマモ、妲己、リィンフォース
3位(A):ガウェイン、テレサ、キンブリー
最弱(E-):アレックス

幸運
1位(A+):妲己、太公望
2位(A):DIO、ガウェイン
3位(B):アルトリア、ランスロット、ファニー・ヴァレンタイン、サブラク、ラオウ、キンブリー、ジョン・ドゥ
最弱(E-):アシュナード、アレックス

総合力(A+:10〜E-:0までの10段階評価による五能力値総計)
サブラク(アサシン)【43(34)】
ガウェイン(セイバー)【41】
ランスロット(バーサーカー)【40】
-------総合能力値40の壁----------
本多忠勝(ランサー)【37】
アストレア(セイバー)【34】
ラオウ(ライダー)【34】
ジョン・ドゥ(アーチャー)【33】
テレサ(セイバー)【33】
DIO(アーチャー)【33】
トキ(アサシン)【32】
アルトリア(セイバー)【31】
アシュナード(ライダー)【30】
-------総合能力値30の壁----------
太公望(ライダー)【29】
さやか(バーサーカー)【27】
アレックス(ランサー)【27】
キンブリー(キャスター)【27】
妲己(キャスター)【27】
クー・フーリン(ランサー)【27】
リインフォース(キャスター)【26】
セリス(セイバー)【24】
イスラ(セイバー)【24】
門矢士(ライダー)【23(33)】
-------総合能力値20の壁----------
ファニー・ヴァレンタイン(アサシン)【19】
タマモ(キャスター)【18】
火野映司(ライダー)【15】

平均値:【29.36】

映司が思いのほか低くて驚いた

779名無しさん:2012/06/11(月) 23:26:08 ID:l9nJomiEO
円卓二人おかしいだろww

780 ◆4OblpRmYos:2012/06/12(火) 00:24:32 ID:iC.eUTjs0
投下乙です!
しかし詩音がマーダー思考のわりに今回は微妙に綺麗な詩音になってる
ような気が……実は狂い切れていないのかもしれませんね。
あと、DIO様の魔力の消耗具合についてはどうなっているのでしょうか?
状態表に記載されていなかったので少し気になるところですね。

ランキングについては…まあやっぱり円卓無双ですねw
それに、アルトリアもマスターが士郎だからステータスが低下してるだけで、
凛あたりがマスターならランスロット、ガウェインに並び立つ能力になりますからね……
それに、映司も変身時の能力変化が含まれてないし、兄貴も原初のルーン使用による
変身を一回残していますからね。

781 ◆oGrFx9n0uA:2012/06/13(水) 02:04:38 ID:WwcjJ4mc0
ギリギリですが投下します

782 ◆oGrFx9n0uA:2012/06/13(水) 02:05:32 ID:WwcjJ4mc0

近藤剣司が引き当てたサーヴァントは、セイバー。聖杯戦争に召喚されるサーヴァントの中でも最優とされるクラスである。
真名をセリスというそのセイバーは、今まで出会った中でも最上位にランクインするほどの美人だった。
が、平時なら鼻の下が伸びたであろうその美貌も今は正直それはどうでもいい事だ。
重要なのは、強いかどうか。この戦いに勝ち残れるかという一点のみ。

剣司は対フェストゥム兵器――ファフナーのパイロットだ。
マンガやゲームではない、命があっけなく散る本物の戦場に身を置いていた経験がある。
殺し殺されする戦場の空気も知っているし、普通の、毎日を平和に過ごすただの民間人よりは多少度胸は据わっているだろう。
だが、それだけだ。
近藤剣司の強さとは、前提としてファフナーあってこそ発揮できるもの。
腕っ節にさほど自信などなく、生身では同級の少年どころか少女にまで歯が立たない。その二人が飛び抜けて強いだけであるが。
ファフナにー乗っていればこそ顕在化する変性意識で臆病になることはないが、それはマイナスがひとつ減っただけで決してプラスではない。
戦友、真壁一騎のように驚異的な身体能力を誇っているわけではなく、皆城総士のように仲間を指揮できるでもない。
この戦いに参加するにあたり、剣司は戦力としてはまったくのゼロ――お荷物だ。

「それは別に構わない。戦うのは私の役割だから」

相棒となるサーヴァントはそう言ってくれた。別に期待はしていない、という顔で。

「ただ、戦う以上は覚悟を持ちなさい」
「覚悟……?」
「敵と戦うのは私。敵を倒すのも私。でも、敵を殺すのはあなた。
 私はセイバー、マスターの剣。私が誰を斬るかは、あなたが決めてあなたが背負うのよ」

この言葉に、剣司はまだ答えを返せないでいる。
敵はフェストゥムではない。戦うべき相手は人間。剣司と同じ、生きた人間だ。
幾多のフェストゥムを屠ってきた経験はあっても、人を殺したことなどあるはずがない。
覚悟はあると、口にするのは簡単だ。
だが実際にその覚悟が剣司の中にあるのかと聞かれたら、無いと答えざるを得ない。

(総士なら、迷わず「ある」って言うんだろうな……)

783 ◆oGrFx9n0uA:2012/06/13(水) 02:06:48 ID:WwcjJ4mc0

夜の街を一人彷徨う。無論、側には目立たないよう霊体化したサーヴァントがいるが。
特に言葉を交わすこともなく歩いていくうち、剣司の目の前にきらびやかに輝く一軒のスーパーが現れた。
ポケットには支給されたクレジットカードが入っている。島育ちの剣司は初めて見る、現金の代わりになる魔法のようなカードだ。

「とりあえず、なんか食おう。腹減ってたら頭も回らないよな」

自動ドアへと足を向け、店内に入ろうとする剣司を、

「マスター。可哀想だけど、さっそく覚悟を決める時が来たわ」

音もなく実体化したセリスが留める。
彼女が現れたということはつまり、危険が迫っているということだ。

「こ、このスーパーに他のマスターがいるのか?」
「ええ。これ以上進めば向こうも気付くでしょう……どうする?」

今ならまだ逃げられる。美貌に比例してどこか冷たい感じがするサーヴァントは、そう見えても剣司を気遣ってくれていたらしい。
進むか、退くか。覚悟はできていない。だがこればかりは時間をかけてどうにかなるものでもないとわかってもいた。
時間が解決してくれないのなら、戦いの中で答えを見出すしかない。
目の前の障害から逃げた先に、より良い答えが待っているのか? とても、そうは思えなかった。
だから剣司は、一歩を踏み出すことで返事とした。

「い、行こうぜ。最初から逃げてちゃ……どうにもなんねえよ」
「……わかった。それが主の意志ならば」

どこからか剣と盾を取り出したセリスが、剣司の前に立って颯爽とスーパーへと侵入していく。
戦いが始まる――意識すれば途端に全身の毛穴が開いたかのような不快感を覚える。
この場には指示をくれる総士はいない。自分がサーヴァントに指示を下さねばならない。
ごくりと唾を飲み込む。声が震えていたことをセリスが指摘してこなかったのは情けだろう。
カツカツと歩を進めるセリスの後をついていく。
彼女が足を止めたのは、商品が陳列された棚の列を抜けた先――やや広くスペースを取られた弁当コーナー。

「あれ、だよな」
「あれ、ね」

敵は、てっきりこちらを待ち受けているだろうと思っていた。

784 ◆oGrFx9n0uA:2012/06/13(水) 02:07:57 ID:WwcjJ4mc0

「……なんだこれ」
「……現代の買い物は変わっているわね」
「いや、違うと思うよ」

足を止めたのは、どういうわけだか、そこで乱闘騒ぎが起こっていたからだった。

「あれ、サーヴァント?」
「いいえ。普通の人間……いわゆるNPCというやつね」

弁当コーナーに群がる、十数人ほどの人の群れ。
体格のいい坊主頭や顎髭の男、茶髪の女や赤毛のポニーテール、緑のジャージ。男女の別なく、年齢は様々。
その中で一人、目立つやつがいた。
コートの前を全開にして(でも肩から落ちない)、革の手袋をはめた痩身の男。
重力を振り切るように高く舞い、天井を蹴って地へ降り立つ。
長い手足が閃くたびに誰かが吹き飛ぶ。
そいつの鋭い眼光が剣司を掠める。
背筋が泡立つ。直感した。こいつが敵のマスターだ、と。

「少し待て」

怒号飛び交う喧騒の中で、不思議とその男の声はよく通った。
一瞬たりとも止まらず群衆を薙ぎ倒し続ける男は、確実に剣司をマスターとして認識している。
ということはつまり、迎え撃つ準備はされていると思うべきであり、マスターを囮にサーヴァントが仕掛けてくる可能性が大きいということだ。

「なあ、あいつのサーヴァントは!?」

セリスが油断なく剣司を背後に引き寄せ、周囲を見回していく。
その視線が一点で止まり、剣司もそちらを見る。
そこにいるのは、絹糸のような長い金髪、背中から生えた白い翼、セリスに劣らないほどの美貌。
天使だと言われたら違和感なく納得してしまいそうな女だ。

「……あれ、じゃないよな?」
「……あれ、だと思う。多分……?」

その天使(仮)は、弁当コーナーの片隅で一心不乱に口にモノを運んでいた。
ガツガツとかバクバクとか、そんな効果音を付けたくなるくらい豪快な食べっぷりで、次から次へと食べ物を消費している。
剣司たちにも気付いた様子はない。確実に視界には入っているはずだが、それよりも手にしたカツサンドのほうが大事なことだとばかりに食らいつく。
周囲には山と食料が積まれていた。おにぎり、パン、惣菜にジュースと、とにかくすぐ食べられるものはなんでもかき集めてきたという感じで。
だがただ一つ、弁当だけがない。

785 ◆oGrFx9n0uA:2012/06/13(水) 02:08:53 ID:WwcjJ4mc0

その弁当はといえば、マスターらしき男が乱闘を繰り広げているちょうどそのエリアにあった。
群衆はどうやら弁当を奪い合っているのだと、剣司はなんとなく直感した。
マスターがストリートファイトしていてサーヴァントが暴食している理由はさっぱりわからないけれど。

「どうなってんだこれ」
「わからないわ……でも、迂闊に動けないわね。私たちはここに誘い込まれたのだから、何らかの罠があるのかも」

備えがあるからこそ敢えて無防備を晒しているかもしれず、マスターが気付いている以上奇襲というわけにもいかない。
セリスが攻撃しようとすれば敵はすぐさま自分のサーヴァントを呼び寄せるだろう。
剣司が戦力として期待できない以上、正面から戦うのは避けたいところだ。

「じゃあどうす……」

その時、マスターと目があった。
顎髭の男を殴り飛ばしつつ、敵マスターがスッと剣司へと腕を向ける。
手のひらを上に、伸ばした人差し指を軽く曲げる……二度、三度。
お前も来い――そう言っているのだ。

「あなた、指名されたようね」
「俺かよ! サーヴァントじゃないのかよ!」
「私が行くと、多分あっちのサーヴァントが飛んでくるわね。私は動けないわ」
「でも、マスター同士が戦っていいもんなのか?」
「別におかしなことじゃないわ。突き詰めればマスターを倒せば勝ちなわけだから」

サーヴァントをすっ飛ばしてマスターを攻略できるなら、確かにそれが最善の手だ。

「で、でもなぁ。俺、自慢じゃないけどあんまケンカ強くないし……」
「なら、逃げる? それも選択肢ではあるわ」

セリスの提案がひどく魅力的に聞こえた。
同時に、心のどこかで、自分はただ後ろで見ていればいいと楽観していたと思い知る。
せっかく戦うと決めたのに、いざ自分が当事者になると突きつけられれば怖気づいてしまう。

(逃げるのか、俺は……いや、決めたんだ! 前に進むって!)

思い出す。何度も何度も畳へと叩き付けられた記憶を。
要咲良に、今もアルヴィスの一室で眠り続ける、剣司にとって一番大切な少女との思い出を。
あの日々を取り戻すためにここにいる。ならばここで退けるはずがない。

786 ◆oGrFx9n0uA:2012/06/13(水) 02:10:19 ID:WwcjJ4mc0

(衛……力を貸してくれよ!)

戦闘時は別人のように勇敢になる、いなくなってしまった親友。彼の記憶もまた強く脳裏に描き出す。

「……よし、行くぜ。あんたは敵のサーヴァントを頼む」
「了解。もし無理だと思ったら令呪を使ってでも私を呼びなさい。初戦で命を捨てることもないわ」

剣司の手を取りセリスが何事か唱える。少しだけ身体が軽くなったように感じる。強化魔法、と言われた。
未だ乱戦が続く中、一歩ずつマスターへと近づく。
不思議と剣司は誰にも狙われず、並んだ弁当の値札が見える位置まで来れた。
目を引く、半額のシール。そういや家の近所の店でも閉店間近になったら安くなるよなぁとか思う。

「……いや、カードあるんだから別に半額の弁当買わなくてもいいんじゃね?」

純粋な疑問だった。別に誰かに対して言ったわけではない。

「安さを求めているわけではないんでな」

その独り言に、敵マスターが反応してしまった。
相変わらず誰かを殴って蹴ってしているくせに、視線だけは剣司を捉えて離さない。

「待っていた。どうもこのNPCというやつら、生きた狼の感じがしなくてな。退屈していたところだ」
「はあ。え、なんでケンカしてんの?」
「飢えているからだ」
「じゃあ普通に買えばいいじゃん」
「それじゃ腹は満たされん」
「い、意味わかんねえ……わっ!」

放たれた矢のような拳を、剣司は自分でも驚くくらいの俊敏な反応でを受け止めた。ブロックした手が痺れる。

「ほう……! やるじゃないか。さすがに俺と同じマスターなだけはあるな」
「いってえな! なにすんだよ!?」
「お前もここに戦いに来たはずだ。なら、狩るのに遠慮はいらんだろう!」

掴んだ拳をそのままに敵マスターが跳躍した。
空中で逆立ちをするように上下逆さまになった男は、長い足にたっぷりと遠心力を乗せて振り下ろす。
剣司は慌てて手を離ししゃがみこむ。頭上を凄まじい勢いで敵の足が通り過ぎ、背中に冷たい汗が滑り落ちた。
立ち上がろうと顔を上げる。男は蹴り足をさらに振り回して身体を回転させ、もう片方の足で再度剣司を狙ってくる。
異常な滞空時間による二段蹴りが剣司の鼻を直撃し、軽々と吹き飛ばした。

787 ◆oGrFx9n0uA:2012/06/13(水) 02:11:10 ID:WwcjJ4mc0

「がっ……ぁぁあっ!」
「少しは骨があると思ったら……この程度か」

鼻が砕けたかもしれない。滝のような鼻血だ。息ができない。
かつて経験したことのない痛みに剣司の脳は悲鳴を上げる。
視線はサーヴァントを、NPCを、助けてくれる存在を求め激しく泳いだ。

「どうした。何故立ち上がらない? 何故向かってこない? 何故、他人に助けを求める?」
「痛ぇ……痛ぇよ……」
「痛みは生きている証だ。お前はまだ生きている。ならば来い! 立ち向かって来い!」

剣司は必死に首を振る。ちっぽけな決意は痛みの前に吹き飛んでしまった。
なんでこんな理不尽な暴力に晒されているのか。
なんで誰も助けてくれないのか。
その場を離れようと無様に這い下がる剣司。見下ろす敵マスターの瞳に浮かんだのは……激しい侮蔑の色だ。

「戦う誇りも、痛みを乗り越える覚悟もない。お前はただの負け犬だ」

吐き捨てられる言葉が刺さる。
だが反感を覚えようもないほどに圧倒的な暴力だ。

「挑戦を忘れた者には停滞と堕落しかない。そんな半端な気持ちで何かが掴めるものか」

失望した。
そう言い捨て、男は身を翻し弁当へと手を伸ばす。
もはや剣司に興味はない、そう背中が示している。

(殺さない……のか? た、助かった)

見逃されるのが屈辱だとは思わなかった。今は一刻も早く、この男から離れたいと思った。

「この分では、聖杯戦争とやらもそう大したことはないな……退屈凌ぎになりそうもない」

だが、何の気なしに呟かれたその言葉が聞こえた瞬間、スイッチが入った気がした。
身体か脳か、多分どこかにある。押したが最後、どんな痛みも葛藤も置き去りにして突っ走ることのできる最後の切り札。

つまり剣司はキレた。

788 ◆oGrFx9n0uA:2012/06/13(水) 02:11:52 ID:WwcjJ4mc0

「今……なんて言った……?」

半額弁当を取り上げていた敵マスターが、ピタリと止まる。
未だ背を向けているそいつを「睨みつけ」、剣司はゆっくりと膝をついて立ち上がった。

「退屈凌ぎって……そんな、そんなくだらねえ理由で……ここにいるってのかよ……!」
「俺にとっては、そうだ」

平然と返される。踏みつけられた気がした。
咲良を、衛を、平和だった島の暮らしを取り戻したいという願いを、ただの退屈凌ぎで否定された。
許せはしない。許してはならない。
たとえ勝てないとしても、こいつにだけは絶対に屈服してはならない――

(許せねえ……ッ!)

ファフナーに乗ったとき、剣司はいつも恐怖に支配されていた。
咲良を賭けて一騎に挑んでいたときは、少しの下心や一騎を超えたいという意欲があった。
怒りを抱いて戦ったことはなかった。
今というこの瞬間までは。

「お前には……お前にだけは……!」

血と汗と涙でぐしゃぐしゃになった顔を歪め、剣司は敵マスター目掛け突進する。
男の目が見開かれる。瞬時に剣司へと向き直り、拳を固めて、迎え撃つ。

「ほう……」
「うお、おおおおぉぉっ!」

すれ違い、通り過ぎる。
剣司の渾身の一撃はあっけなく避けられ、代わりに見事なカウンターを顎に決められていた。膝から崩れ落ちる。

「ち……ちく、しょう……」
「いい気迫だった。だが、それだけでは……!?」

敵マスターの言葉が中断される。
視線の先に、先刻彼が手にし、落とした一つの弁当がある。
近藤剣司の、手の中に。

「へへ、へ……いただいたぜ……」
「貴様、最初から俺ではなく……その弁当を奪う気で……!」

驚愕に震える男に嘲笑を返し、剣司はその弁当をしっかりと胸に抱え込んだ。
パッケージが潰れ中身が溢れるが剣司はもはや気付きもしない。
自分の願いを侮辱されたのだから、敵にはそれ以上の屈辱を返さねばならない――これもまた直感だった。
はたして、剣司の出たとこ勝負の作戦は敵マスターに相当の衝撃を与えることに成功していた。

789 ◆oGrFx9n0uA:2012/06/13(水) 02:12:32 ID:WwcjJ4mc0

「この俺から弁当を奪うとは、な。訂正しよう。お前は負け犬などではない。立派な狼だ……!」

敵マスターが何か言っていたが、意識朦朧とする剣司はもはや言い返すことも困難だ。
目を開いてもいられない。

「俺は金城優。貴様の名は?」

かろうじて、名を聞かれているんだとわかった。
本名を伝えるのは得策ではないのだが、今の剣司にはそれを判断する意識もなく、勝手に口が動いた。

「近藤、剣司」
「近藤、だな。この場は俺の負けだ。だが、二度はない。次は必ずお前を狩ってみせる。
 今はただ、味わうがいい……勝利の味を、月を冠したその半額弁当を!」

去っていく足音が聞こえ、代わりに近づいてくる足音があった。

「……とりあえず、切り抜けたわね」

セリスの声だ。会ったばかりだというのに、今の剣司はその声にひどく安心を覚えていた。
急速に湧き上がる睡魔に身を委ね、剣司の意識はゆっくりと闇に落ちていく。

「狼、か。確かに、牙は持っていたようね……」

呟くセリスの声は、もう聞こえなかった。


【新都 商店街 スーパー/未明】

【参加者No.15 近藤剣司@蒼穹のファフナー】
[状態]:気絶(残令呪使用回数:3)

【サーヴァント:セイバー(セリス)@FF6】

790 ◆oGrFx9n0uA:2012/06/13(水) 02:13:24 ID:WwcjJ4mc0

「近藤、剣司か……」

剣司を叩きのめし、しかし弁当を奪われた男、金城優。
傍目にはどうであれ、弁当を奪われたとなれば狼としては敗北だ。

「聖杯戦争……殺し合い、か」

甘く見ていたのは自分の方だったということ。
あの瞬間、近藤剣司の目を見た瞬間、彼は確かに気圧されていたのだ。
今まで狼として数々の戦いを勝ち抜いてきた魔導師<ウィザード>を以てして、たじろがせるほどの気迫。
半額弁当争奪戦では感じたことのないほどに強烈な殺意。
思い出すだけで背筋が震える。

「この感覚……そう、これは恐怖だ。俺は確かに、近藤に恐れを感じていた……」

半額弁当争奪戦は死闘である。死闘ではあるが、殺し合いではない。
甘く見ていたのだ。この聖杯戦争も所詮争奪戦の延長線上のようなものだと。
認識の差において、彼は近藤剣司に一歩先んじられていた。だからこそ最後の最後でひっくり返される愚を犯した。

「フフ……そうだな。そうでなくては挑み甲斐がないな……!」

ウィザードと言えどもこの場ではただの一人のマスターにすぎない。
頂点に君臨するのではなく、他の全てと食い合って頂点を目指す――挑戦者だ。

「楽しくなってきた。また会おう、近藤剣司」

決意を言葉に込める。
この次はもっといい戦いができるだろう――そんな確信とともに。









「あー、お腹いっぱい! もう食べられないわー」
「…………」

できる、だろうか……?


【新都 商店街/未明】

【参加者NO.24 金城優@ベン・トー】
[状態]:健康(残令呪使用回数:3)

【サーヴァント:セイバー(エンジェロイド・タイプデルタ アストレア)@そらのおとしもの】

791名無しさん:2012/06/13(水) 02:15:45 ID:WwcjJ4mc0
以上です

「和風唐揚げ弁当390円」

792名無しさん:2012/06/13(水) 07:48:47 ID:zMlI5vQQ0
これは、ひどい…(褒め言葉)

まさかアリスロワ以外でこの感想を使う日が来るとはw
色々とシリアスをいい具合にぶち壊しにしているのがたまらん。
お前ら聖杯じゃなくて弁当を大真面目に争奪してどうするんだ!
闘い方が違うだろw

793名無しさん:2012/06/13(水) 08:06:50 ID:1bHajiI60
聖杯戦争かと思ったら半額弁当争奪戦だった。

俺がなにを言ってるか分からないが(ry

794名無しさん:2012/06/13(水) 10:19:43 ID:raRsH./gO
聖杯……戦争……?結局相手のペースというか時空に呑まれてるwww

795 ◆4OblpRmYos:2012/06/13(水) 13:30:39 ID:KWvkHKuw0
投下乙です!
予想通り突っ込みどころ満載な展開ww
色々言いたいことはありますが、とりあえず一言
おい、聖杯戦争しろよ

796マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/06/13(水) 15:27:46 ID:NYvq.ZXIO
投下乙です!

……いや、まぁその、うん。
剣司君確かに買った(誤字に非ず)んだろうけど……
何だろう、この「そうじゃねぇだろ」空間w
これ、どこぞの腹ペコ王も喜んで参入するんだろうなぁ……

797名無しさん:2012/06/13(水) 17:25:48 ID:LXxdASRY0
投下乙

聖杯戦争かと思ったらベン・トーだった件について

798名無しさん:2012/06/14(木) 16:16:15 ID:XHW0vpvQ0
士郎&セイバー、ルルーシュ&セイバー、凛&キャスター、イリヤ&ランサーで予約します。

799マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/06/14(木) 16:16:45 ID:XHW0vpvQ0
酉忘れたーorz

800マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/06/14(木) 22:41:06 ID:XHW0vpvQ0
あ、あと今までは報告するのを忘れていたのですが、
基本的に大々的な放送はありませんのでwikiに編集される方は
放送というのを付けないで頂くとありがたいです。
連絡を忘れていて申し訳ありませんでした。
いつもwikiを編集していただき、真にありがとうございます。

>>780
ご指摘ありがとうございます。
DIOの状態に魔力消費(大)を追記しましたorz

801 ◆MoyrepToUg:2012/06/15(金) 19:01:01 ID:t.4MPtfI0
この予約面子は・・・・・・
序盤でいきなりFate勢集合となるか?

ホンダム「・・・・・・」
士郎&凛「ゲェーッ、巨大ロボ!」
ルル山「何だKMFか」

802名無しさん:2012/06/15(金) 21:43:34 ID:p7kBM86wO
そういや某ロワのホンダムは何があったかグロースターの槍なんぞ支給されてたなw

803 ◆4OblpRmYos:2012/06/15(金) 23:54:12 ID:OvL9G3lQ0
ジョン・バックス、ゼフィール&ライダー予約します。

804名無しさん:2012/06/16(土) 00:02:58 ID:Hwzn4viM0
待て、どういう組み合わせだw
だがこれでワカメ達以外は全員出そろう事になるのか?

805 ◆MoyrepToUg:2012/06/16(土) 09:49:10 ID:l3b4SCjY0
まだ小鳩とキンブリーが出てないですよ。

806名無しさん:2012/06/16(土) 21:57:39 ID:gHEwrCdc0
「四不象戦闘形態(スープーシャンバトルモード)」

ランク:A++
この形態では温度変化や物理的な衝撃から主人を守るバリアや、同ランク以下の宝具に込められた魔力を吸収するエナジードレインが使用可能になる。(宝具そのものを消滅させることは不可能)

これ強すぎじゃね?物理も魔術も効かない無敵モード。
ランクA++以下とかエクスカリバーすら防がれるんだが

807名無しさん:2012/06/16(土) 22:01:42 ID:w6zaN3tIO
そこはほら、容量オーバーで自滅までがお約束的な?

808マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/06/16(土) 22:14:34 ID:hr2jAUBk0
さやか「………」
謎スロット「………」
イスラ「アハハハハハ♪」


うん、問題ないですね。
嘘です、すいませんw
まぁ、強すぎる能力というものには反動がある物です。
設定した能力が裏目に出るという事もありますよ?と、
特に一般人な人間とかは…


魔力制限(原作仕様)って、素敵な響きじゃないですか?

809名無しさん:2012/06/16(土) 23:21:56 ID:Rd5ehXj.0
でも太公望の場合旗で魔力問題は自己解決できちゃうんだけどNE!

810名無しさん:2012/06/16(土) 23:38:53 ID:l1FKofiI0
あとはまあ太公望はどう見ても宝具が売りのタイプで地力が悲惨だから。
同じライダー、とくにラオウやアシュナードなんかとばったり空中で
出くわしたら実力差でまずいことになる。

811名無しさん:2012/06/17(日) 00:35:22 ID:3dW/ZdTkO
アシュナードはともかくラオウは空飛べるのだろうか…
ディケイドならクウガやカブト変形させればいいし、オーズならタジャドルやプトティラでいけるが

つーかライダーなのに大半が乗り物から降りた方が強いやつばっかじゃんw

812名無しさん:2012/06/17(日) 01:02:00 ID:eT.oqEAk0
ブケファラスも空飛んでたし、黒王も英霊化されてるから飛べるんだろう。

ラオウの場合は宝具に移動阻害軽減効果付いてるから、多分トラップやスースの暴風無視して突っ込んでくるぞ

813名無しさん:2012/06/17(日) 01:08:14 ID:7qF1MGtQO
>>811
アギト「解せぬ」

814名無しさん:2012/06/17(日) 01:33:02 ID:MWtxfMNM0
>>811
ジェットスライガー「…」
本編で出てはいないがたぶん使える

815名無しさん:2012/06/17(日) 03:36:22 ID:7qF1MGtQO
つーか外道もやしならこれがあったな

つ\アタックライド サイドバッシャー!/

816名無しさん:2012/06/17(日) 08:25:08 ID:kNWX//tc0
>>812
黒王は生前から空中に飛ぶ事も出来た。
具体的にはアニメ版のラオウとケンシロウの最初の戦いを参照の事。

817 ◆MoyrepToUg:2012/06/18(月) 20:00:45 ID:h7rMn8.Y0
空中戦に関する話題が出てきたので

赤い稲妻!空飛ぶサーヴァントまとめ

<単体飛行能力持ち>
リインフォース(飛行魔法による飛行)
火野映司(タジャドルコンボ、プトティラコンボによる飛行)
本多忠勝(飛行形態による飛行)
アストレア(翼による飛行)

<騎乗による飛行能力持ち>
アシュナード(騎竜ラジャイオンによる飛行)
門矢士(FFRにより変形させたライダーによる飛行)
太公望(四不象による飛行)
ラオウ(黒王号による飛行)


唯一映司だけライダーなのに別枠ですが、確かトライドベンダーが
MOVIE大戦コアで飛行シーンがあったので(Wと共に地球に中心に
殴りこむ際に滑空飛行してます)そっち側にも入れそうです。
あとディケイドは劇中で使ってませんがブレイドのジャックフォームにも
フォームライドできそうなので単体飛行も可能かと。

リインやホンダム辺りは地上への空爆も可能なので対抗手段がない
サーヴァントは最悪雪隠攻めにされるかも・・・・・・
まあうかつに空飛んでたらどっかのメドゥーサさんみたいに宝具 で
撃墜される危険もあるので、飛べるのも善し悪しだと思いますがw

818名無しさん:2012/06/18(月) 20:29:27 ID:1hq7Cl860
よーわからんが黒王がなんで空飛べるのん?

819名無しさん:2012/06/18(月) 20:33:59 ID:1hq7Cl860
ああ、ごめん
なんか上の方のレス読んでませんでした

820名無しさん:2012/06/18(月) 23:11:24 ID:VjT14SOYO
>>817
\ディディディディケーイ!/

「避けろキャスター!」

こうですか分かりませんw

821名無しさん:2012/06/18(月) 23:13:15 ID:a8KgMPGo0
ディケイドはさらにキバをFFRさせて弓まで使える対空仕様

822名無しさん:2012/06/18(月) 23:44:46 ID:MBkJfA7k0
イリヤ「おのれ、ディケイドォォォォ!!」
ホンダム「……!?」

823 ◆4OblpRmYos:2012/06/20(水) 00:30:43 ID:9LxviwoY0
ジョン・バックス、ゼフィール&ライダー投下します。

824神の座を目指す彼らの名を誰もが心に刻むまで ◆4OblpRmYos:2012/06/20(水) 00:32:10 ID:9LxviwoY0
新都のビル群の真ん中に建つ冬木市庁舎。
その最上階の執務室で、一人の男性が傍らに立つ秘書の報告に耳を傾けていた。

「警察、行政からの情報は以上です、市長」

「ご苦労、私はこれから客人との会談に臨む。
暫くの間、職員たちの指揮権は君に預ける」

「はい」

市長と呼ばれた男性は秘書にそう告げ、執務室を出るとエレベーターに乗って数階下のフロアへ向かい、多少の緊張を抑えながら応接室の扉を開いた。
そこには、中世ヨーロッパの王族のような装いの巨漢がいた。傍から見れば時代錯誤甚だしい服装だが、その巨漢には不自然さを感じさせない、一種独特な雰囲気があった。

「……来たか」

重々しく口を開いた巨漢に、市長はやや恭しく答えた。

「遅れて申し訳ない。しかし私も、市政に携わる者としてこなさなければならない仕事がありましてな。
それでは交渉を始めましょう―――陛下」

“冬木市”市長、ジョン・バックスとベルン王国国王、ゼフィール。
彼らが邂逅し、今こうして会談の場を設けている理由、それを語るには暫く時間を遡らなければならない。





ジョン・バックスが聖杯戦争の存在を知ったのは、7月を迎えたばかりの頃だった。
とはいっても、彼自身に聖杯戦争の誘いが来たわけではない。
神の後継者の座を賭けて行われる12人の未来日記所有者による殺し合い。
その参加者である天野雪輝の無差別日記と我妻由乃の雪輝日記に、それぞれ聖杯戦争の存在と、彼らがその戦いに参加するという内容の記述を自身の未来日記、The watcherによって覗き見た事がきっかけである。
この事を知ったバックスは、すぐに時空王デウスに聖杯戦争の存在の有無について問い質した。すると、いくつもの驚くべき事実が明らかとなった。
まず第一に、聖杯の正体ともいえる異世界に存在するとされるムーンセルなるものの存在。
(デウス曰くどのような因果律であろうとも自分達の世界にムーンセルなどというものは存在し得ないから、並行世界ではなく異世界にあたるらしい)
そのムーンセルが最近になってデウスに直接接触してきたらしいという事。
自分からデウスに接触できる存在というだけでも驚愕すべき事だが、話はそれだけでは終わらなかった。

825神の座を目指す彼らの名を誰もが心に刻むまで ◆4OblpRmYos:2012/06/20(水) 00:32:55 ID:9LxviwoY0
ムーンセルは現在生き残っている未来日記ゲームの参加者の中から数名を聖杯戦争に参加させることを要求し、その対価としてデウスにいくつかの情報をもたらした。
そのうちのひとつが、デウスの小間使いであるムルムルの不正行為の数々だった。
今までバックスらが接してきたムルムルは、一言でいえば並行世界の未来においてゲームの勝者となった我妻由乃とともにこの世界にタイムリープしてきた、いうなれば1巡目のムルムルだったのだ。そして、2巡目のムルムルを封印し、ゲームにおいて2巡目の我妻由乃を殺害し、彼女と入れ替わった1巡目の我妻由乃が有利になるよう不正な干渉を行なっていたことも発覚した。(もっとも、これらの不正についてはデウスも薄々は気づいていたようだが)
これらの情報を入手したデウスは、ムーンセルからの情報を基に2巡目のムルムルを解放し、彼女の力の封印を解除、1巡目のムルムルの力を剥奪し、その存在を完全に抹消した。
以上の顛末を聞かされたバックスは、自身も聖杯戦争に参加する旨をデウスに告げた。
もし我妻由乃が聖杯戦争に参加しなかった場合、並行世界で自分を破った彼女の前に敗北する可能性が高く、また、如何に寿命が近づいているとはいえ、ムーンセルが接触するまで1巡目のムルムルに対して何ら効果的な対処ができなかったデウスの、ひいては自分の世界の神の力に対して疑念を抱き、未来日記ゲームに参加し続ける意義を半ば失っていたからである。
同時に、デウスの手配によって現実世界の情報端末を通してムーンセルへの接触が可能になった事を告げられたバックスは、聖杯戦争への準備を始めた。
ハッキング技術の高い部下十数名を動員し、聖杯戦争に関するある程度詳細な情報の入手や、会場である冬木市内における市長の肩書きと権限の確保、更には自身の秘書を始めとした部下たちのパーソナルデータを再現したNPCを配置することに成功した。
勿論、普通の端末ではそこまでの改竄を行うことは到底不可能だ。しかし国内第三位の演算能力を持つスーパーコンピュータである「HOLONⅢ」を手中に収めているバックスにとっては、困難ではあっても決して不可能な事ではなかった。
そうして周到に準備を重ねたバックスは電子の海へと赴き、アサシンのサーヴァント、ファニー・ヴァレンタインを召喚した。(天野雪輝と我妻由乃が参加していることを未来日記で知ったのはちょうどこの時である)
正にチートと呼ぶに相応しい所業ではあるが、そもそも聖杯戦争は参加者間における完全に平等な争いが明文化されているわけではない。あくまで平等なのは、それぞれがサーヴァントを召喚し、3画の令呪を宿すという2点のみである。
その後、部下の報告で深夜の街を練り歩くゼフィール主従を発見し、敢えて堂々と姿を現して同盟を持ちかけた。(仮に問答無用で襲いかかられてもアサシンの宝具を用いれば時間稼ぎは十分可能と判断したため)
そして承諾を得られた後、その足で市庁舎へ赴き、秘書からの報告を一通り聞き、今に至る。

826神の座を目指す彼らの名を誰もが心に刻むまで ◆4OblpRmYos:2012/06/20(水) 00:33:41 ID:9LxviwoY0

「では内容をまとめましょう。
私はアサシンと部下たちを使って他のマスターの情報を収集し、有事の際には陛下に彼らの掃討をしていただく。
そしてその対価として、私の権限の及ぶ範囲で陛下の身の安全の確保と情報操作を行う。
これでよろしいか?」

「……構わん。だが、攻撃のタイミングはこちらで決めさせてもらうぞ」

威圧感を一切隠すことなく言い切る金髪の巨漢に、バックスは(少なくとも表面上は)涼しい顔で答えた。

「勿論です。餅は餅屋と言いますからな。
一介の政治屋に過ぎない私などよりも、歴戦の王たる貴方の判断の方が、戦場においてはよほど適切でしょう」

この言葉は本心である。
あくまで同盟に過ぎない以上、完全に信用するのは危険だが、戦場の空気を肌で知っている人間の判断力を利用しない手はない。
ちなみに、同盟をするにあたり、情報交換の一環としてバックスはゼフィールから彼のいたエレブ大陸の世界観について説明されたが、驚きはしてもさほど疑いはしなかった。
事前に手に入れた聖杯戦争の情報から、参加者がそれぞれ異世界から集められていることを知っていたためである。

「では私は失礼します。
まだ先は長い。どうぞごゆるりとお休み下さい」

そう言い残して部屋を出たバックスを無言で見送るゼフィールの隣に、実体化したライダーが現れた。

「良いのか、ゼフィール?あの男、間違いなく我らを利用し尽くす算段だぞ?」

最初に会った時から変わらぬ傲岸さと全てを嘲笑うかのような表情を隠しもせず、試すようにゼフィールに問いかける。
ゼフィールもまた、ライダーへの警戒と嫌悪を隠すことなく言い返す。

「そんな事は分かっている。だが現状、我らはこの見慣れぬ世界の土地勘で圧倒的に他のマスターに遅れを取っている。
なればこそ、他のマスターとの一時の同盟もやむを得まい。否とは言わせんぞ、狂王」

827神の座を目指す彼らの名を誰もが心に刻むまで ◆4OblpRmYos:2012/06/20(水) 00:34:26 ID:9LxviwoY0
右手の令呪を振りかざしながら告げるゼフィールに、不遜な笑みを崩さぬままライダーは再び霊体化した。

―――やはり、この男は信用ならん。

単純に現代の世界の情報を得るだけならば自身のサーヴァントに聞けば良い事だ。だがゼフィールはそういった情報提供の面ですらライダーを信用できなかった。
この魔人なら愉悦と称してわざと自分に誤った情報をもたらしてもおかしくない。少なくともゼフィールはそう確信していた。
だからこその他者との同盟。まずは比較的安全な状況下でこの世界について正確な情報を得る。いざという局面でこの狂王に遅れを取らないためにも。

だがこの時、ゼフィールも、そして聖杯から現代知識を得ている筈のライダーも気が付いていなかった。今彼らがいる応接室には監視カメラと盗聴器が仕掛けられており、先ほどのやり取りは全て筒抜けになっていることを。
知識でしか知らないものに、咄嗟に頭が回る者など滅多にいない。機械文明から縁遠い人生を歩んだライダーもまた、その例に漏れなかった。

【新都・冬木市庁舎(応接室)/未明】
【ゼフィール@ファイアーエムブレム 覇者の剣】
[状態]:健康・残令呪使用回数3回
[装備]:エッケザックス@ファイアーエムブレム 覇者の剣
封印の剣@ファイアーエムブレム 覇者の剣

【ライダー(アシュナード)@ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡】
[状態]:健康






応接室を出て執務室へ戻る途中、バックスは先ほどの金髪の覇王のことを思い返していた。

「あれが戦乱の世界を生きた王の威厳、か。全く生きた心地がしないとはこの事か」

先ほどはどうにか平静を装えたが、手は震え服の下には汗が滲んでいた。本来、一般人であるバックスには、あの男のような人種とは正対するだけで身が竦みかねないほどのプレッシャーを感じるのだ。

828神の座を目指す彼らの名を誰もが心に刻むまで ◆4OblpRmYos:2012/06/20(水) 00:35:03 ID:9LxviwoY0
しかし収穫もあった。盗聴器によって聞こえたサーヴァントとの会話から察するに、あの覇王はサーヴァントとの関係が非常に悪いと見て良い。自身のサーヴァントが信用できないとあらば、序盤のうちはそうそうこちらに牙を剥く余裕は無いはずだ。暫くは寝首を掻かれる心配はしなくとも大丈夫だろう。
そして、視線を自分の未来日記、The watcherへと向ける。そこには、最後にチェックした時から変わらぬ内容だけが書かれていた。天野雪輝と我妻由乃の死を示す記述だけが。

「まさか、彼らがな……」

嘆息しながら呟くその声には、複雑な感情が入り交じっていた。
正直なところ、バックスが聖杯を目指すにあたり、一番の障害になるのは天野雪輝と我妻由乃だと思っていた。未来日記ゲームにおいて、何度も死の予告を覆してきた彼らこそが自分にとっての最大の強敵になるのだと、半ば本気でそう信じていた。
だが、現実はバックスが考えるよりも遥かに無情で残酷だった。この聖杯戦争は、天野雪輝や我妻由乃であっても、数時間と生き残ることを許されない戦いなのだ。
そして、ここから先はバックスもいよいよ覚悟を決めなければならない。彼の未来日記、The watcherは他の未来日記所有者の日記を覗き見る能力だ。即ち、他の所有者がいなくなれば、ただの携帯電話に成り下がることをも意味する。

「だが、私は負けるつもりなどない」

誰に言うでもなく、そう呟く。
その表情は、今までの彼の人生のどの瞬間よりも闘志に満ちていた。

【新都・冬木市庁舎(最上階廊下)/未明】
【ジョン・バックス@未来日記】
[状態]:健康・冬木市市長・残令呪使用回数3回
※参戦時期は、天野九郎死亡後から、雨流みねねにHOLONⅢ(の一部)を破壊されるまでの間からです。
※ムーンセルへのハッキング工作により、冬木市市長の役職を得ています。
また、聖杯戦争に関するある程度詳細な情報を得ています。

829 ◆4OblpRmYos:2012/06/20(水) 00:36:54 ID:9LxviwoY0
これにて投下を終了します。

市長の宝具「D4C」(いともたやすく行われるえげつないチート)

830名無しさん:2012/06/20(水) 08:38:14 ID:lh7Rfqqo0
なるほど。これは酷いwまさにチートだw
自分に協力的なNPCと舞台を動かす地位、
そして美味しい手駒とかどれだけ酷いんだよ。
まさに入念な準備と万全の体勢を敷いているわけか。
だが、そこはかとなく時臣のような匂いを感じたのは気のせいか?

ともあれ投下乙。

831名無しさん:2012/06/20(水) 10:02:37 ID:NS/PBFKIO
>>830
聖杯戦争において圧倒的優位だと慢心してる奴程あっさり死ぬのはよくある話w

それと投下乙っ

832マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/06/20(水) 11:33:42 ID:GVHMYxcwO
投下乙です!
自分から補足するまでもなく、今回の市長の行為は有りです。
事前に知って対処するのは聖杯戦争の常識なのでw
圧倒的優位って訳でもないですし……

833 ◆MoyrepToUg:2012/06/20(水) 20:06:28 ID:DgXDFS6k0
投下乙です!

汚いなさすが市長きたない(褒め言葉)
NPCの手駒に参加サーヴァント中最高位クラスのライダーとの同盟。
これだけ用意していながらまるで市長が優位に見えないのはどういう
事なんだろうかwww
まあユッキーと由乃が脱落した時点で未来日記は無用の長物になって
ますし、本人の地力はかなり弱いですからね。

冬木ハイアットホテル「お前にも見えるはずだ、あの死兆星が!」
市庁舎「えっ!?」

834名無しさん:2012/06/20(水) 21:34:43 ID:NS/PBFKIO
>>833
もやし「大体分かった」
\アタックライド ギガント!/

835名無しさん:2012/06/20(水) 22:09:48 ID:Ub6/u9jk0
なんだろう、なんか市庁舎ごと爆破されないか心配になってきたw

836名無しさん:2012/06/20(水) 22:12:36 ID:EgvhtXvo0
爆破といえばキンブリーだな

837名無しさん:2012/06/20(水) 22:38:14 ID:Lyq4IBgY0
ルルーシュのサーヴァントがアサシンだったらヤバかったかもな。

アサシンとかだったらキリツグばりの爆破解体ショーが見れただろう。

838 ◆4OblpRmYos:2012/06/21(木) 00:27:56 ID:/wmebNxM0
ケイネス先生の事かー!!
まあそれはさておき、少し気になる点がありますので質問を。
ここの聖杯戦争って、舞台がムーンセルだから魔術協会や聖堂教会はありませんよね?
となると、マスターやサーヴァントの犯罪行為を何らかの形で目撃された場合、組織的な
隠蔽が図られないから普通に警察に追われることになったりするんでしょうか?
また、(サーヴァントがいる以上万にひとつも有り得ないでしょうが)マスターが警察に逮捕
された場合、ムーンセル的にはどういった扱いになるんでしょうか?
長文失礼致しました。

839名無しさん:2012/06/21(木) 04:46:33 ID:b6KEOhv.0
ある程度の隠蔽は聖杯さんがやるでしょ

840マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/06/21(木) 07:45:45 ID:zpkisP/.0
>>838
その場では追われる事はあっても最終的には警察は何もしません。
冬木市に情報が広がるというデメリットはありますが。
また、器物破損などは割と早めに修復されます。

あと、予約を延長します。

841名無しさん:2012/06/21(木) 16:31:33 ID:eonlq81sO
>>840
Q.何が始まるんです?
A.大惨事大戦だ

こういうk(ry

842名無しさん:2012/06/21(木) 21:48:59 ID:RexKj.4o0
Wiki更新乙です

タイトルの元ネタが封神演義なことに今更気付いたw

843名無しさん:2012/06/26(火) 20:22:48 ID:o6FQoU4YO
ksk

844名無しさん:2012/06/27(水) 12:38:56 ID:2k19qNg20
新作来たのかと勘違いした(訴訟)

845マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/06/28(木) 21:46:08 ID:lAIcH/C.0
すいません、予約を一旦破棄します。
間に合いそうにないというか、展開が拗れてしまったので…

846 ◆4OblpRmYos:2012/07/02(月) 23:57:31 ID:Z/e2J8AA0
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン&ランサー、衛宮士郎&セイバー、
金田一一&ライダー、鳴上悠&ランサー、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア&セイバーを予約します。
自己リレーが含まれますが、ご容赦下さい。

847名無しさん:2012/07/03(火) 00:00:46 ID:N1UgEpyA0
おう、がんばれー。

848名無しさん:2012/07/03(火) 01:16:05 ID:WNe/ePr2O
うお、結構な大乱戦になりそうだな……構わん、やれ!(何様

849名無しさん:2012/07/04(水) 05:04:11 ID:tFllLgCM0
本編では不調続きだったアニキのリベンジが始まる!

850名無しさん:2012/07/04(水) 07:35:48 ID:0IcEYbdkO
アニキが無双状態になるか、はたまた
「大変だ!ランサーが死んじゃった!」
「この人でなし!」
となるか・・・

851名無しさん:2012/07/04(水) 08:44:09 ID:3cs97wGoO
アニキ「(向こうの)ランサーが死んだ!」
シロウ「この人でなし!」

な可能性も……?唯一手負いだし

852名無しさん:2012/07/04(水) 21:22:17 ID:b7FHwr0M0
ちなみに、アニキの物理攻撃はホンダム相手には一切効かない。
Bランク以下が全て無効だから。まあマスター狙うよな、普通は。

853名無しさん:2012/07/04(水) 21:51:57 ID:G9p0v/kI0
だが兄貴はルーンでゲイボの強化が出来るんだなこれが

……やべぇ、冷静に考えたらマジで強いぞ兄貴
倒すなら幸運Aランクかつ白兵戦で圧倒できる鯖ぶつけるか、生前通りゲッシュでハメ殺しするしかねぇぞ
それでも兄貴なら相打ちに持ってきそうな恐さがある

854名無しさん:2012/07/05(木) 00:10:56 ID:VWpcp5YU0
しかも兄貴のマスターはタルカジャ持ちですぜ

855名無しさん:2012/07/05(木) 00:20:10 ID:D9vIFvm.O
>>853
勝てそうなのDIO様、ガウェイン、拳王様
くらいじゃないですかー!やだー!

856名無しさん:2012/07/05(木) 00:41:36 ID:JF6rDjds0
アシュナードとかアレックスはもう出会ったら終わるレベルのカモだしな。

とは言え、兄貴は対人特化に近いから対城宝具レベルの広範囲攻撃で
爆撃みたいに攻撃されたり、数の暴力で来られると分が悪い。
だから腹ペコ王とかとかサブラクとは相性悪くなる。

857名無しさん:2012/07/05(木) 00:41:46 ID:YY4Hv8NY0
SNでの兄貴の主な死因ってなんだっけ?

858 ◆MoyrepToUg:2012/07/05(木) 00:45:41 ID:0i/M.quU0
いや待て、ホンダムなら空中から砲撃形態で絨毯爆撃すれば
まだ勝機が……

あかん、飛翔の槍の方が飛んでくるわwww

859 ◆MoyrepToUg:2012/07/05(木) 00:50:25 ID:0i/M.quU0
映司「数の暴力と聞いて」
こなた「やっちゃってよ火野さん」

『クワガタ!カマキリ!バッタ! ♪ガータガタガタキリッバッ!ガタキリバッ!!』

860名無しさん:2012/07/05(木) 01:03:40 ID:ZPmdtMhE0
一見最強に見えるけど、それHPは増えないからボルグ刺さったら死ぬぞ

>>857
ギルとバトル、自害せよ、心臓取られて桜にごっくん

861名無しさん:2012/07/05(木) 01:53:53 ID:APg38hU20
>>856
説明見る限りだとアレックスは心臓貫かれてもコアさえ大丈夫なら死なないっぽいから天敵ってほどでも無い気がする
本編見ないで設定だけでの判断だから間違ってるかもしれないけど

862名無しさん:2012/07/05(木) 02:08:42 ID:JF6rDjds0
>>861
アレックスのコアは人間でいう心臓位置にある。
しかも、かすって罅入るだけでも致命傷になるから。
アレックスにとって天敵レベルなのは、下手に再生能力なんてある分
状況的にますます兄貴があっさり宝具使い出しかねないってのもある。
アシュナードもそういう意味では同様。

863名無しさん:2012/07/05(木) 02:35:42 ID:APg38hU20
>>862
あれ? wikiの人物紹介では心臓から少し離れてるみたいな書き方だったんだけど自分の認識がおかしいだけ?

864名無しさん:2012/07/05(木) 02:39:06 ID:MS5K3WPU0
原作で高槻に心臓部に風穴開けられても生きてたから、ちょっと離れたところにあるはず
番長組と花村組がぶつかったらおもしろそう

865名無しさん:2012/07/05(木) 09:56:39 ID:DHzYtQxM0
>>864
ああ、そういや登場していきなり反物質砲で風穴開けられてたな。

866名無しさん:2012/07/05(木) 13:37:41 ID:s3hPNrwo0
兄貴は士郎だか凛だかを逃がすためにギルと一騎打ちして消えるルートあったが、そこでギルと 半 日 戦ったんだよな
サーヴァント殺しに特化した英雄王と半日もの間戦えるってのはすごいことじゃなかろうか

867名無しさん:2012/07/05(木) 16:22:41 ID:VRNNS12g0
なんか性格とか能力考えたら最優の鯖って兄貴なんじゃないかと思えてきた

868名無しさん:2012/07/05(木) 18:22:18 ID:ZPmdtMhE0
でもランサーだからなぁ
例えばセイバーとライダーのカーチェイス中に偶然近くを通りかかって轢き逃げ喰らったり
あるいは誰かのぶっぱした対軍、対城宝具に巻き込まれて死んでもおかしくない可能性が

869名無しさん:2012/07/05(木) 18:25:07 ID:s3hPNrwo0
聖帝サウザーが出ていたらゲイボルグであのネタやれたのかね
ひとーつふたーつみーっつ

870名無しさん:2012/07/05(木) 18:30:31 ID:IAdjfvl20
癖がないからな。でもって、万能に近い。
Extraで凛が選ぶだけのことはある。
…幸運Eだけどな。

871名無しさん:2012/07/05(木) 19:40:55 ID:nmaIUPUQ0
>>869
宝具は聖帝十字陵(我が師へと捧ぐ墓標)か

872名無しさん:2012/07/06(金) 07:29:23 ID:ItN1a8NEO
いい事思いついた。ホンダムにゲッター線を照射させればいい。そうすれば兄貴にも…

最終的には聖杯をも吸収して巨大化した後、生命の種を広めるために
火星に飛び立っていきそうだけど。

873名無しさん:2012/07/06(金) 13:15:52 ID:RIPE6W4c0
wikiの本編から次の話に飛べるようにしてほしい

874名無しさん:2012/07/07(土) 00:22:07 ID:U347oTKs0
そういえばここって現在地みたいなのないのかな?
書いてみたいネタがあるんだけどキャラがどこにいるのか詳しいところが分かりにくい

875名無しさん:2012/07/07(土) 11:10:21 ID:SmD6FpAE0
ツールがないだけでSS中には現在の場所は書かれてるでしょ

876名無しさん:2012/07/07(土) 12:33:21 ID:BT6cYksY0
忠勝の解説で、史実とは異なる世界から呼び出されたとあるが
型月的にはBASARAが正史でもおかしくないよな…

877 ◆FTrPA9Zlak:2012/07/08(日) 00:09:42 ID:INeneNTY0
泉こなた&ライダー、間桐雁夜&アサシン、遠坂凛&キャスター予約します

878名無しさん:2012/07/08(日) 00:18:59 ID:Usk6CeGg0
妲己ちゃんがおじさんに興味を抱いたようです(愉悦的な意味で)

879名無しさん:2012/07/09(月) 21:11:14 ID:JMeqS2tY0
      ☆ チン    
                    
       ☆ チン  〃  ∧_∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        ヽ ___\(\・∀・) < 投下まだ〜?
            \_/⊂ ⊂_ )   \_____________
          / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /|
       | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  |
       |  愛媛みかん |/

880名無しさん:2012/07/09(月) 21:16:41 ID:nisLp2tY0
この聖杯戦争、けっこう王が沢山いるな。

881名無しさん:2012/07/09(月) 22:00:29 ID:naHwquSM0
>>880
ゼフィール(ベルン王)
アシュナード(デイン王)
アルトリア(ブリテン王)
ルルーシュ(ブリタニア皇帝)
映司(オーズ(新世界の王))
ラオウ(拳王)
由乃(時空王)

全50人中、俺が分かるだけでも7人…確かに多いな

882 ◆MoyrepToUg:2012/07/09(月) 22:13:31 ID:27iP2CW.0
これはあれか。
アインツベルン城で第2次聖杯問答の開催をしろという事か(何)
どう考えても酒盛りに進んで参加しそうな奴がほぼいないけどw

あと王と言えばサブラクも一応『紅世の王』だから含まれるか。

883名無しさん:2012/07/09(月) 22:32:50 ID:3YbrH5VU0
DIO様の帝王は所詮自称だと言いたいのか!訴訟も辞さない!

884名無しさん:2012/07/09(月) 23:04:34 ID:rpIZo0FY0
ちなみにゼフィール王は酒盛りにトラウマがある(父親に毒殺されかけた)から、
誘った時点で喧嘩売ってるものと見なされかねない。
ああ、ノリのいいイスカンダルがいさえすれば…。

885名無しさん:2012/07/09(月) 23:17:51 ID:JMeqS2tY0
妲己ちゃんが酒盛り主催すればええんや!

886名無しさん:2012/07/09(月) 23:22:02 ID:myDsGOOgO
つかfate系列皆勤のあのauOがいないのも意外だな

887マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/07/09(月) 23:45:04 ID:NkEtJzhI0
そんなに出てほしいなら出しますよ?>AUO




まぁ、その後の保障はしませんけど。

888名無しさん:2012/07/09(月) 23:51:11 ID:mQ/BsgdkO
AUO参戦だとっ…私は一向にk(ry

889 ◆4OblpRmYos:2012/07/09(月) 23:55:50 ID:LdJm/gyI0
まあ、ラスボス」としてならアリかもしれませんねw
それはさておき、予約を延長します。

890名無しさん:2012/07/10(火) 01:33:46 ID:ZcHghwQ6O
ある意味出過ぎだからってパターン決まってる感も?

それに慢心中ならシロウにすら負けるけど本気だされたら勝てる奴の方が少ないしw

891名無しさん:2012/07/10(火) 01:40:49 ID:DY2RrTqI0
英雄王は宝具の原典を持ってるから英霊相手には強いってことだが、型月世界以外の参加者にはそのアドバンテージないもんな

892名無しさん:2012/07/10(火) 02:03:56 ID:TtxF/gjk0
ラオウとかバビロンで飛ばした宝具投げ返してきそう

893名無しさん:2012/07/10(火) 02:06:25 ID:Uk7bFJW60
予約延長でもう待ちきれなくなった。(憤慨)
この不満はサーヴァントの評書いて晴らそう。







          〈 |ヽ/  /   / / /  ハ l  l|  、ヽ
   / \     ∧lヽ/ `7、 / // /! / | |  l|  l. l
   `丶、ヽ、 〈  |,ニ!   ! .>< /// /  | l|  ||  |l|
       ヽ\/ヽ.| l | 'T丁「 ̄`iく / /  l /l  ハ  ハ|
 ̄`ヽ、   /´ ̄`ヽV l  || l_/r/ 冫/ , ィ=チ、「 / ノ / l|
 ̄ \ \ 〈 −- 、 |!|  |└-‐′     /i _/ ノレ'V ノ  ″   もはや駄剣とは呼ばせません!
    丶`ー-==-┤!l  l | Vヽ ,-−- 、  Lン / ヽ\
     , -`─z- ニ_| !|  l |  /  `ヽ/ ヽヽ ∧  ト、ヽ
   /  <<  `!トl  l l\l    /   /  l  l ヽ`、
  / , =-─-= 、   l| l l トニ`ー-イ-‐ ', -─-、l.  l ヽl
  >'´ニ_-三‐三} \   l l.|    ̄T `T′    ヽ  |  !
_/ // , -=ニぅヽ ヽ/ | l/ ̄      ̄`丶、    l  |
l // /_厂ニr'⌒ヽ  l /              ヽ    l | ....    
l l | /_「,-〈  l  _〉ゝ|/    , -─ …─- 、   l   l l      ┏                   ┓   
l l」_|__人 ヽ _lニ-イ. |  /    〃  ヽ \ l  / V   .      真名:アルトリア・ペンドラゴン  
`、`'く   \ >r=^>/ヽ.l        lj    ∨  く、  ....      出典:Fate/Stay night      
  \ `ー'`ー'^ー '´/   ヽ、 r 、 「i  /7 ノ! |  ̄「   .....    ┗                   ┛  
    ` ー---一'"「    /\ ヽヽ l l f l l 'ノ,∧ |     .    
             |\_/   `0、`ー='"イノ l  |
            ヽ.  ̄ | -==.シィ丁ニ二| l
               \  |   ̄/ノ | lj _」/ ̄ヽ、  />-,=‐- 、
          r─-/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l ̄l ̄|l/∠、´ `ー->'/    /)
┏───────────────────────────────────┓
    ご存知Fateの看板青セイバー。
    公式カップリングである士郎と共に月の聖杯戦争に参戦。
    ガウェイン、ランスロットと旧円卓のメンバーが参戦する中彼女は一体どうするのか?

    魔力不足気味でステータスが低下しているため、白兵戦に不安は残るが、
    『約束された勝利の剣』の破壊力、Aランク対魔力の防御力は健在。

    その性質上キャスタークラスに対してはめっぽう強く、特に
    強悪な状態異常付加能力と、高い防御力を兼ね備える妲己の『傾世元禳』
    複数属性の風と炎を広範囲に放てる『五火七禽扇』を封殺可能。
    Fate/Zeroでの汚名はここで返す。
┗───────────────────────────────────┛

894名無しさん:2012/07/10(火) 02:07:17 ID:Uk7bFJW60


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           ∨:イ:|::::::::::;ィ/ :::/‐- :::::/::/二. ',::l ::i|:::|  
              i'⌒゙`|::::/::/::;ィ===r、. |::::ハ/f:::!j} ハ:!:::リ:::|     僕の宝具は『紅の暴君(キルスレス)』
             ',. {ヘ|:::::=彡〈 ヒ::::リ  ,!:/,/ ゙" ,:::リ:ハ:::!   
             ヽ  |::l::::::::|    ̄  ,/'´      {j刈  ヾ、     効果:マスターが死ぬ(笑)
                 `-|::l::::::::|           '  /:::::|
              r|::l::::::::ト、      -  ‐  ..:::::::::|
                .}:|::l::::::::L_`丶、     / |:i:::::::|  
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         ,ィi:i:i:i:i:i:i:i:i:|::|i:V:/∧i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|:i::::::::|i\        出典:サモンナイト3   
.       ,ィi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|::|i:i:V:/∧i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|:i::::::::|i:i:i:iヽ ......  ┗                ┛ 
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┏──────────────────────────────────────┓
   数々の叛逆、裏切りを重ねた伐剣者が参戦。
   ステータスに不安は残るが、数々の有用なスキルと召喚宝具がそれを補って余りある。

   中でも特筆すべきなのはEXランクに位置するスキル『死の呪詛』であろう。
   Aランク以上の攻撃でなければ必ずHP1残るこのスキルと、戦闘続行スキルを持つため
   最後の最後まで粘り、喰らい尽くことができる。

   一撃必殺型宝具である『刺し穿つ死棘の槍』などに対しては好相性。
   素ステータスの差を覆せるか?
┗──────────────────────────────────────┛

895名無しさん:2012/07/10(火) 02:08:19 ID:Uk7bFJW60


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                     };.;';.;!.:.:λ'.:.仆<!t;.:.:.:.{_,.ゝハ.:{.;.t
                    ノノ//fノノζf_Tゝ、).:ノi,.f_ァ>リ.;}''``
                      ノ人.;.tヽ{ト、ゝ   ゙ " l`   ,'ル'
                       ヽ.`ヽ.        j  /;}      全て、我が王のために。
                       ノ.;.;.;i丶   __´, ,.';"
                       "{.;.;.;|:::::::\ `ー ' .イ、(
                       /マ!_::::::::::` ー::':レ'、.._                
                     /: : : : : : :` : T ‐―┴‐< \              
           __ ..,ヘ 、..._,..< : : : : : : : : : : : |: : : : : : .  \ . \_,.-¬、.._       
        ,. ‐ ": : : :丶: : `: ‐ .._. `:‐.:_: : : : : : : l : : : : : : .   \   }`:ー/  ,` ‐ 、   
       / : : : : : .   ` 、: : : :` - ., : :`: ‐.ァ.. ,」_: : : : : : : .   \ノ:.:ノ  ,     ヽ.  
     / : : : : : : .         . : : :` :7./    ` ‐-..,,_ . . / \} , o      ヽ    
      / : : : : : : : .           o _/~               `´    ~/!`,,,,,、 _,. -+' ..... ┏                 ┓
     7 ̄ ~ ` '' ‐- ..,_       ,..ィ ´: :` : ‐ .                 / .i;;;;;;;;ヾ、   ! ...... │  真名:ガウェイン     ..
     }  . : : : : : : : : : `丶、 ,.-;";;;;;;|: : : : : : : : : : :` ‐ _          /  .i;;;;;;;;;;\ヽ、,ゝ   │  出典:Fate/EXTRA    
      L.....,,_ : : : : : : : : _; f ';;;;;;;;;;;;;;| : : : : : : : : : : : : : : ` ‐ .    /    !;;;;;;;;;;;;;;丶ー'     │                 
     Z,... ,,_` 丶 : ; ‐;'. ;';;;;;;;;;;;;;;;;;;;l : : : : : : : : : : : : : : : : : : :` ‐,′   .!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!  ..... ┗                 ┛
     .|;;;;;;;;;;;;;;`;;‐ .,,' ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ.!: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : !      .j;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;{
     .|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;, ヘ_;;;;;;;:/: : :l: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : l       ,';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i
     .};;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/  ヽ: : : : : : : :l\: : : : : : : : : : : : : : : : : l     /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i
┏──────────────────────────────────────┓
   セイバークラスとしては十二分なステータスと対魔力。
   テータス値を3倍にするチートスキル『聖者の数字』
   エクスカリバーの姉妹剣、ガラティーンを引っさげ再び王の元へと馳せ参じた。
   しかし夜が主戦場となるこの聖杯戦争ではやや不利か?

   さらに『転輪する勝利の剣』も早々連発できる宝具ではないため不安が残る。
   素のステータスは優秀なのでマスターであるルルーシュの知略で補うことになるだろう。
   王である彼との相性もバッチリだ。
┗──────────────────────────────────────┛

896名無しさん:2012/07/10(火) 02:09:05 ID:Uk7bFJW60

        / // ハll爪叺 爪∧ヾ、   ヽ \
          / //  从l|川l|Ⅳ从lハ | |ヽ i  }  |
       / /〃 / ̄ ̄ ̄ ̄`"'ー| l |、'i |  |  |
        { 〃l  {l__       | ! | | |  !  |
       | {i | { l ̄ ̄ ̄ ̄`'ー┼/ー、| | |\_|
         | }i ハ Ⅳ ̄`     ´ ̄`ヽ } | |、  }    おじいちゃん、魚とってきた。
       ||'l ハ| /⌒ヽ     '´ ̄ヽ // | `ー{
       リ l ||从///      //// //, /  |
 ,,__    ハ !|込    ┌─┐  イノ/ /   、 \
」\ ◎ `ヽ、  Ⅵl: >、   ヽ   |  /// /   `ー、ヽ 
| ̄      \ヘ乂、 ` ーr‐='T´/' ∠ニ二、   l }
l       /  \\ゞニノ´!   // 〈     \ /〈    
ヽ   z‐‐'´/\ \\{  丶 -' {{  ヽ、     \ |   . ┏                    ┓   
 ヽ ̄´ |`\ /\/ \\     `ヽ`)  ヽ    / ! ....   真名:セリス・シェール        
  ヽ └‐'~/\/\/ \\_/  ///  ∠=〒'´  /   .   出典:ファイナルファンタジーⅥ   
   {^「`! /\/\/\/`ー`- 、{ l ,_{ 、  /   /ィ    ┗                    ┛  
   `└「]、/\/\/\/\  `ー─| | |、/  / / ...... 
      \ /\/\/\/_ r、i~| l |  ̄  /   ..
        ヽ /\/\/\ミ/‐〉、_,、/ ̄/ヽゝ    .
         `ー──--─' ̄ ′/`ー-ィ  /     ......
┏──────────────────────────────────────┓
    魔力を吸収する剣と盾を持つキャスターメタ特化型セイバー。
    幸運Eと耐久値のなさが涙を誘う。

    白兵特化型であるクー・フーリン、ランスロットなどとは相性が悪いため、
    いかにキャスタークラスを利用し、三騎士を潰し合わせるかが重要だろう。

    鍵はAランクの変装・偽装系スキル『役者』にかかっている。
    がんばれ常勝将軍。
┗──────────────────────────────────────┛

897名無しさん:2012/07/10(火) 02:10:14 ID:Uk7bFJW60


                  ,.  '´  ̄  ̄ `ヽ、
               _,. - '        、    \
                / , '"^ヽ ヽ 、    ヽ  、  ヽ
            / /   ::::l   `ー 、    \|   :.ヽ
             │/    :,.-`ー- 、 ヽ::::....  ヽ   :ヽ   
             |,′   /,.ィ旡ァ :::l:::lヽl\:::::|:::...\  :ヽ
           ,i|l __     ゞ゚´ ::::::! l::::l:::::}::::|:::::::::::l:.. l:::ヽ    世の中 そんなに単純で理想通りにはいかないんだよ
            / |ハ,.ィテ.::.  ..::::::::::: lノ::::::::/:::::|::::::::::::l::..i l:::::l
             { l::: ,ゞ゙.:::::::...::::::::: /.:::::/::::, イ:::::::::::/l:::l::l::::l
          ', :l:::ヽ、::::::::::::::: /.:::::/::::/;;;;|;;;::::::::l:::l:::Vl::::l
           ヽヽ:l  ,. - :: / .::::/l,. -┴‐ ┴ ─-ミ:l::::ヽ::ヽ
              ヽl:..、 ー : | .:, 'z≦z、__         \:::\l           
             l l::::ヽ :::l/ 彡'´_      、       \_`丶、        
             }ノ :::l;;ヽ/∠.. _  `ヽ三ミz、  ヾ::..、    \`ヽヽ ̄ ヽ    
              /  /;;;;/ii/  zュ-、___)三ミ、_)i:i:\    ヽ::}::} :::::::::ヽ__  
             /  ,〃´;/i〈______,.ノ三三三三三,.  -─- ≧   ',l:::l ::::::/,.イ     . 
          / /.::://;;/三三三三三三> '´ ,. - ── - 、`ヽ l-┴ ' /:: l   ..... ┏            ┓
           〈l.:l.:::/ |::::/|三三三三>'  ,  ' ;;;; ::::::::::::::::;;;::;;:::|三> > _, イ::::| :: l       真名:テレサ    
         Vi:::ヽ l:::l ヽ三三>'  , ' ;;;;;;;:::::::::::::::::::::::::::;;::;;::|´_,. ' ;;;;;;;;; l:::::| :: l        出典:CLAYMORE 
            〉:::ノノ:::l::::::`ー┬ < ;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::;::;;::|;;;;;;||;;;;;;;;;;;;; l:::::| :: l、     ┗            ┛
         /::/ ,.ィア j:::/:::ヽl、_ 二二> 、:::::::::::::::::::::::::::;;:|;;;;;;||;;;;;;;;;;;;;; l::::| ;;;;l lヽ   
        r'|/ ̄ /..:_/  ::\;;;;;;;;/:::::::::::`ヽ、:::::::::::::::::::::::;:|;;;;;;||;;;;;;;;;;;;;;; l:::| ;;;;| l;;;;\
       /    〈::〈    .:::::;;;`ヽ|:::::::::::::::::::::\:::::::::::::::::::::l;;;;;;||;;;;;;;;;;;;;;;;; l::| ;;;;| l;;;;;;i }
      /     _ソ   ...::::::;;;;;;;;;;; !::::    ::::::::\::::::::::::ノ;;;;;;||;;;;;;;;;;;;;;;;;; l:| ;;;;| l;;;;ノ/
┏──────────────────────────────────────┓
     妖魔殺しでありながら、妖魔としての特性を持つ異端の騎士。
     本来怪物が持つであろうスキル『再生能力』にその片鱗が見える。

     ステータスはそこそこ優秀で、近距離から繰り出される気配遮断攻撃。
     防御では魔力探知、気配遮断無効の宝具、『妖気探知』があり隙がない。

     不意打ちを得意とするアサシンクラスに強く、特に初撃が全てであるサブラク
     隠蔽・探知型宝具を持つ妲己に対して有利が取れる。
┗──────────────────────────────────────┛

898名無しさん:2012/07/10(火) 02:11:13 ID:Uk7bFJW60


                    | ̄ ̄|   __           /  ̄ ̄ ̄ ̄ ヽ
               _   |    |   / /              /    __ __
         <\   |  |  |__| ./_/       / \  (    / ハ.[l[l
           \>   ̄          <>  /   /  ノ′   / /   、\
            <>     ____           \/     ,'     /_/    ヽ >
             '´  ̄     ̄ `丶.    _        ゝ       r.┐
         〈\/           ヽ丶//       (      | |
.          ∨   / .,' /.,'  ,| |、i, i|:/ r'´〉     .. -─).       |__|
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         `ヽ _ Y    ::/´ ̄  /::}}::]:||   ヽ:i:)   {     l_, _ |   .   出典:そらのおとしもの            
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                                    、    OO
                                        \ ___ /
┏────────────────────────────────────────────┓
   強い・カワイイ・バカの三拍子揃った天使が降臨。
   とにかくステータスが優秀で、『蛮勇』、『戦闘続行』とスキルも白兵特化のものが目立つ。
   セイバークラスに『飛翔』スキルは貴重で、多くが飛行可能なライダー、キャスタークラスを追撃可能。
 
   宝具も貫通効果を持つ『クリュオサル』、短時間小範囲だが高い防御力を持つ『イージス=エル』を備え、
   正面からの戦いでは他の追随を許さない。
   しかし、彼女にはただ一つ、致命的な弱点が存在する。

   ───バカ。 ただひたすらにバカなのである。
   拾い食いはするわ自分から土に埋まるわ犬になるわとにかくバカ。
   そのため絡め手には滅法弱く、策略を得意とするルルーシュ、バックス組。
   口八丁の得意なDIO、妲己、太公望には手玉に取られやすい。
┗────────────────────────────────────────────┛

899名無しさん:2012/07/10(火) 02:12:41 ID:Uk7bFJW60
セイバー編終わり。
他のはそのうちやる(適当)

900名無しさん:2012/07/11(水) 13:17:08 ID:Bj0QAXy60
ガウェインがzeroセイバーみたいにスーツ着てキュイラッシェ乗ったらカッコいいよね

901名無しさん:2012/07/12(木) 01:34:40 ID:ykJwLces0
wikiでのジョンさんの扱いに泣いた

902名無しさん:2012/07/14(土) 10:47:25 ID:xxKCrt8MO
>>899
毎日ドゥンドゥンやろうじゃn(ry

903 ◆FTrPA9Zlak:2012/07/14(土) 21:13:05 ID:LYUqAFcg0
延長お願いします

904名無しさん:2012/07/15(日) 20:00:45 ID:bzHIf7UwO
ワカメ&ライダー「…」
小鳩&キャスター「…」

905 ◆4OblpRmYos:2012/07/15(日) 22:08:24 ID:/Gi6aKqo0
投下します

906FINAL DEAD LANCER ◆4OblpRmYos:2012/07/15(日) 22:09:55 ID:/Gi6aKqo0
「…………………」

金田一には今、自分の目の前に広がる光景が信じられなかった。
否、信じたくなかった。
目を凝らし、もう一度だけ確認する。
だが、現実は何ひとつ変わらない。

「………なんてこった」

まるで数年前に二週間だけ過ごした田舎の村の懐かしい旧友に会いに行った矢先に、その村で起こった連続殺人事件の犯人が旧友の一人だったかのようなやるせない表情で呟いた。

「肉が、無い……」

由緒正しい寺の冷蔵庫に肉類など入っている筈がない。
それが、金田一が直面している(少なくとも本人にとっては)極めて切実な問題だった。



「そりゃあおぬし、寺に肉などあるわけなかろう。
というか一晩ぐらい我慢できんのか?」

ライダーの痛烈なツッコミに項垂れる金田一。
彼は食べ盛りの高校生。腹持ちの良くない和菓子だけで一晩過ごすなどとてもではないが出来ることではなかった。

「だってしょうがないだろ?腹が減っては戦は出来ぬって言うじゃんか。
ここ、米とか野菜ばっかりでカップ麺すら無いんだぜ?いや、何でか酒はあったけど」

「それがさっきわしが持ってきた和菓子を全部平らげた奴の言う事か。
おぬしの辞書にペース配分という言葉はないんかい!」

再び項垂れる金田一。ぐぅの音も出ない。
と、そこで何かを思い出したように顔を上げた。

「そうだ、なあライダー。さっきポケットにカードみたいなのが入ってたんだよ。
俺、ポケットにそんなの入れた覚えがないんだけど、何か分からないか?」

「おお、それは参加者全員に配布されているクレジットカードだ。
限度額は無いから残金を気にする必要はないぞ」

「えっ、マジで!?じゃあこのカードがあれば、高級寿司も焼肉も食べ放題ってこと!?」

「おぬし……いくらなんでも発想が貧困すぎるぞ…」

冷めた視線を送るライダーを他所に、金田一は両手でカードを持ちながらクルクルと小躍りしていた。

「それでおぬし、何か妙案は浮かんだのか?」

「ああ、その事なんだけどさ、ライダー。
お前、さっき魔術師とか超常の力を持ったマスターがいるみたいなこと言ってたけど、あれってどういう意味なんだ?」

金田一の疑問に、ライダーは表情を険しくしながら答えた。

「……うむ、それについてはちと話が長くなる。場所を移そう」

907FINAL DEAD LANCER ◆4OblpRmYos:2012/07/15(日) 22:11:10 ID:/Gi6aKqo0

ライダーの神妙な表情から、この話がただ事ではないと悟った金田一は、何も言わずにライダーの後について台所を後にした。




「魔術師というのは、まあ一言で言ってしまえばおぬしのような一般人にとっては傍迷惑極まりない連中のことだ」

開口一番、ライダーは魔術師をバッサリと切るような、身も蓋もない事を口にした。
それから、ライダーはおおまかな魔術師の概要を語り始めた。

「魔術師とは、“根源”、いわばアカシックレコードに到達するために魔術を研究する者たちの事を指す。
そして、魔術とは魔力を用いて人為的に神秘や奇跡を起こす術全般のことをいう。
まあ、実際のところはもっと複雑なのだが、今覚えておくべきことは、個人差こそあれ魔術師は一般人とは隔絶した能力を持っていることと、根源へと至る手段として聖杯を狙う魔術師が参加している可能性が高いことだ」

「ちょっと良いか?さっきから魔術とか魔術師って言ってるけど、それってつまり魔法みたいなものなんじゃないのか?」

金田一の質問に、ライダーは頷きながら答えた。

「良い質問だ。魔術と魔法には大きな違いがある。
それは、文明の力で再現できるかどうかだ。他の技術で再現できるものは魔術と呼ばれ、逆に再現できないものが魔法とされる。
例えば、火や風を操るとか、空を飛ぶ術は魔術に分類され、時間を操作したり、魂を物質化する術は魔法にあたる、という具合にな」

ちなみに、ライダーが生きた時代には、封神台と呼ばれる一定以上のランクの人物の魂を封じ込める、第三魔法を体現したような装置が存在していたりする。

「それと、ここからが重要なのだが、魔術師という人種は根源へと到達するためなら手段を選ばぬ。それこそ、親族や師弟などの身内を除いたあらゆる者を犠牲にすることさえ厭わぬだろう。
しかも質の悪い事に、魔術師は往々にして社会の裏に潜み、法の裁きを逃れておる。
魔術師の総本山ともいえる魔術協会も、神秘、つまり魔術の秘匿を最優先とし、魔術師たちの行為を黙認している」

「な、何だよそれ……!警察じゃあ捕まえられないのかよ!?」

憤慨する金田一から視線は逸らさず、ライダーは首を横に振った。

908FINAL DEAD LANCER ◆4OblpRmYos:2012/07/15(日) 22:12:09 ID:/Gi6aKqo0

「無理だ。彼奴等は魔術を駆使してその存在や痕跡を悉く隠蔽する上に、代を重ねた魔術師の家の多くは表の世界に対して影響力を持つ。
仮に魔術の存在や魔術師の所業を告発しようとする者がいたとしても、協会は刺客を差し向けて始末する。はっきりと言ってしまえば、この聖杯戦争で彼奴等に現代日本の倫理や常識などというものは微塵も期待できん。
故に、心するのだ金田一よ。おぬしがこれから相対するのは、そういった手段を選ばぬ連中なのだからな」

強く言い聞かせるような口調のライダーに、金田一も思わず勢いよく首を縦に振る。
実際のところ、ライダーの説明には彼自身の魔術師に対する嫌悪感がにじみ出た、やや偏向された部分があるのだが、これは彼の生前の戦いに起因する。
太公望が生きた時代は、殷王朝に巣食う皇后・蘇 妲己と、その配下である妖怪仙人らに代表される力を持つ者が、無力な人間を食い物にするというある種の弱肉強食といえる時代だった。
そして、太公望(幼名は呂望という)もまた、幼少の頃、妲己の発案によって行われた大規模な人狩りによって生まれ育った村を、一族を皆殺しにされた。偶然その場から離れていたために難を逃れた彼が自分の村だった場所に戻ってきた時、瀕死の老人と出会った。
憎しみを募らせる彼に、老人はこう語った。

“憎いですか?呂望様、復讐をしたいですか?
おやめなさい、やるだけ無駄な事なのですから………”

その声には、どうしようもない諦観があった。そういう時代だったのだ。

“世の中全体がこうなのです…全てを変えないと…いつまでも…こんな事が…続……”

そう言って、老人は息を引き取った。
それが、呂望という名の少年の終わりであり、太公望という英雄の始まりだった。
この後、呂望は仙人界のひとつ、崑崙山の教主である元始天尊に才を見出され、彼の弟子となり、太公望という名を授かった。そしていつしか、太公望はある理想を思い描くようになった。

―――わしは仙道のおらぬ安全な人間界をつくろう

強大な力を持つ仙人によって、普通の人々が脅かされる事のない世界にする。
その志を胸に、太公望は師である元始天尊から与えられた任務、封神計画を遂行していくこととなる。
そのような経緯から、太公望は普通の人間を蔑ろにする魔術師を快く思っていなかった。(それでも例外を認めないというほどではないが)

909FINAL DEAD LANCER ◆4OblpRmYos:2012/07/15(日) 22:12:49 ID:/Gi6aKqo0
また、少々お人好しすぎるきらいのある金田一に警戒心を持たせる必要があったという事情もある。
当の金田一も、納得はできないなりにどうにか事実を咀嚼しようとしていたが、事態は彼に深く考える時間を与えてはくれなかった。

「御主人!」

偵察のために円蔵山の周辺を飛んでいた四不象が慌てた様子でやって来た。

「こっちにマスターとサーヴァントが向かってきてるっス!しかも二組っス!」

それを聞いたライダーは一瞬驚いた表情を浮かべたものの、すぐに考え込むような様子を見せ、数十秒ほど経ってから結論を出した。

「よし、そやつらに会ってみよう。こんな短時間のうちに他人と協力するマスターならば、殺し合いに乗っていない可能性もある。
そうでなくとも、ある程度の慎重さは持ち合わせているだろう。金田一、おぬしも来るか?」

恐らく、ライダーは自分の覚悟を問うているのだろう。
そう悟った金田一は、強く頷いてライダーと共に四不象に跨った。
事態が大きく動こうとしていた。







「……おい」

「どうした?別についてこなくとも俺は一向に構わないぞ?
それとも、ボディーガードでもしてくれるのか?」

「そんなわけあるか!お前が何するかわからないから、こうして見張ってるだけだ!」

衛宮士郎とルルーシュ・ヴィ・ブリタニア、そして二人のセイバー。
彼らは深山町の住宅街を通って、柳洞寺へと向かっていた。
先ほどの(険悪な)初対面の時に行なった情報交換で、士郎が「前回の聖杯戦争で、柳洞寺の地下の大聖杯を破壊した」という言葉が根拠である。
勿論この聖杯戦争の舞台がムーンセルである以上、そこに聖杯が存在するなどとはルルーシュも考えていないが、それでも何かしらの手掛かりを掴める可能性はある。というより、他にアテもないので柳洞寺に向かうしかないのが実情ではあるのだが。
その他、士郎から聞かされた魔術師なるものの存在や、かの騎士王が女性であったという衝撃の事実を頭の中で整理しながら、士郎に問いかける。

「それで?俺の話は信じる気になったか、衛宮士郎」

露悪的な態度を崩さないルルーシュにムッとしながらも、士郎もまた自身の見解を述べた。

「確かに、言われてみれば街っていうか、人が変な感じはする。
けど、ムーンセルだの量子空間なんてのを信じるかどうかっていうのとは、話が別だ」

910FINAL DEAD LANCER ◆4OblpRmYos:2012/07/15(日) 22:13:43 ID:/Gi6aKqo0

先ほど、士郎もまたルルーシュからムーンセルに関する情報を聞かされたが、今のところは半信半疑だった。冬木市の住人である士郎からすれば、今自分がいる場所がバーチャル空間の類だなどと言われてすぐに納得できるわけがない。まだ固有結界の産物やアンリ・マユの仕業とでも言われた方が信じられるぐらいだ。
どうにも生気を感じにくい奇妙な通行人たちの存在が無ければ、今頃はただの虚言だと完全に切って捨てていただろう。

「大体、それが本当なら何でセイバーはムーンセルの事を何も知らないんだよ。
サーヴァントには聖杯から必要な知識が与えられるはずじゃないか」

「それは俺にもまだわからん。まさか正確な情報を与えられていないサーヴァントがいるなど予想外だったからな。それよりもあれを見ろ」

ルルーシュが指したその場所には、倒れた電柱や破砕されたコンクリートやブロックの欠片が散乱していた。気の早い参加者が既に一戦交えた跡だと想像するのは容易い事だった。
だがその直後、ルルーシュや士郎が目を疑う事が起こった。
散々に破壊された道路や電柱がひとりでに、まるで時を巻き戻すかのように修復されはじめたのだ。

「……おい、衛宮士郎。魔術師というのはこんな芸当もできるのか?」

「……いや、俺の知ってる魔術師でも遠隔でこんな真似するのは多分無理だ」

半ば唖然とした様子の二人の傍に、ガウェインが歩み寄ってきた。

「ムーンセルの修復機構が働いたようですね。見ての通り、今回の聖杯戦争ではマスターやサーヴァントによる一定以上の器物の破壊については、ムーンセルが自動で修復を行うシステムになっています」

「……だそうだ。これで信じる気になったか?」

内心の動揺をおくびにも出さずに再度問うルルーシュに、士郎はまだ複雑そうな面持ちではあったものの、静かに頷いた。
ルルーシュが今後どう行動するかはわからないが、ここまでの言動を鑑みるに積極的に殺し合いに乗ることはなさそうだ。柳洞寺を調べ終わったら、お互い別行動をとるのも手だろう。
そう考え、しばらく歩いているうちに、柳洞寺の手前に到着した。
すると、セイバーが私服姿から鎧姿になり、士郎たちよりも一歩前へ出た。

911FINAL DEAD LANCER ◆4OblpRmYos:2012/07/15(日) 22:14:38 ID:/Gi6aKqo0
「シロウ、中からサーヴァントの気配がします。既にここに陣取っていたようです」

「やっぱりキャスターか?」

「いえ、神殿や魔術工房が敷設されている様子はありません。もしそうなら、この付近は既に異界同然と化しているはずですから」

セイバーの言葉に幾分安堵する。何しろ前回の聖杯戦争では、すぐに脱落したとはいえキャスターが柳洞寺に神殿を作り、街の人々から魔力を奪っていたのだから。

「よし、じゃあ慎重に進んで行こう。けど、こっちから先に仕掛けるのはなしだ。
……お前もだぞ、ルルーシュ」

「ふん、そういうことは自分のサーヴァントにでも言い聞かせた方が良いんじゃないか?
それに、向こうから仕掛けてきた時は貴様が止めても勝手に応戦させてもらうぞ」

相変わらずのルルーシュの態度だが、士郎は敢えて反論はしなかった。セイバーの突撃癖は自身がよく知っているからだ。それに、士郎とてただの平和主義者ではない。無防備な状態で敵マスターと相対する事がどれだけ危険かは身をもって知っている。

「ああ、そうなったらこっちも戦うさ。俺だって、こんなところで死ぬわけにいかないからな」

「ふむ、気合の入っているところ悪いが、生憎わしらは戦う気はないぞ?」

どこかから聞こえた声に全員が周囲の様子を窺う。

「上です!」

セイバーの声に全員が上を向く。第四次聖杯戦争を経験しているセイバーだからこそ、相手が空中にいる可能性に最も早く気付く事ができた。
そこにいたのは、カバのような奇妙な生き物に乗ったサーヴァントらしき少年と、学生服(何故か夏服のようだが)を着た高校生ぐらいの少年だった。

「ライダーのサーヴァント、ですね?」

「いかにも。そう言うおぬしらはセイバー、それも鎧の意匠からして同郷の出身と見るが?」

ライダーの問いに、セイバーとガウェインは無言で返す。一分ほどの沈黙の後、場を代表してルルーシュが口を開いた。

「戦う気は無いと言ったな。それは貴様のマスターの意思か?」

「うむ、その通りだ。わしらはこの聖杯戦争を打破することを考えておる。
そこで率直に言うが、わしらと同盟を組んではくれぬか?おぬしらはどうも殺し合いに乗っているとは思えぬのでな」

912FINAL DEAD LANCER ◆4OblpRmYos:2012/07/15(日) 22:15:28 ID:/Gi6aKqo0

ライダーの提案に、士郎もルルーシュも暫し考え込む。
元々、自分達も殺し合いに乗っているわけではない。仮にこの提案が罠であったとしても、最優のサーヴァントたるセイバーが二騎がかりであれば容易に切り抜けられるだろう。それはそれでサーヴァント同士の戦闘を直接見る良い機会になる。士郎はそこまで打算的な考えではないが、用心のためにいつでも魔術回路を起動できるようにしている。
だが、返事を返す前に言わなければならない事があった。

「なあ、同盟を組むってのは良いんだけどさ、その前にお前のマスターを下に降ろしてやった方が良いんじゃないか?」

士郎に言われて後ろを振り向くと、金田一が顔を真っ青にしながらガクガクと震えていた。

「ラ、ラ、ライダー、無理、もう無理。お、降ろして……」

「おぬし、高所恐怖症なら早く言わんかい!」

「い、いや、高所恐怖症じゃなくても無理だって!尻尾の先っちょあたりしかケツ引っ掛けられるとこ無いじゃんか!ちょ、頼むからもう勘弁してくれ!」

「ギャー!!痛いっス!暴れないでっスよ金田一くん!」

「ああっ!揺らすでない!バランスが取れぬではないか!!」

いきなりコント(本人達にとっては切実だが)を始めたライダー主従を、四人は何ともいえない気持ちで見つめていた。というか騎乗スキルが全く仕事をしていないのはどういう事なのだろう。

「ヘルプミー!!」

ライダーの絶叫が虚しく響き渡り、場にはどこか弛緩した空気が流れていた。






「ひ、ひどい目に遭った……」

「まあ……その、何だ、大丈夫か?」

数分後、どうにか態勢を立て直して無事地面に着地したライダーらは、寺に入って自己紹介をしようとしたが、現在はその予定を変更して山中の獣道、というより絶壁に近い地形を進んでいた。士郎から、前回の聖杯戦争で大聖杯があったとされる地下大空洞を確認しようという提案があったからだ。

「しかし、この山にそんな空洞があったとは。とんだ盲点だったのう」

「それは仕方ないでしょう。あの空洞はサーヴァントでも相当近づかなければ気付かない程に高度な魔術で入口が隠蔽されていますから」

913FINAL DEAD LANCER ◆4OblpRmYos:2012/07/15(日) 22:16:03 ID:/Gi6aKqo0

セイバーとライダーの会話を聞きながら、ルルーシュは黙々と思考を重ねていた。
天才と呼ぶに相応しい頭脳を持つ彼をもってしても、この数時間の間に得た様々な情報を整理するには時間が必要だった。そして、聖杯の破壊に必要な事だとはいえ、自分達がこうして調べ物をしている間にも殺し合いが進行している以上、一秒たりとも時間を無駄にしたくはない。

「着いたぞ、この辺りが入口だ」

と、士郎が立ち止まって手招きしてくる。

「ってちょっと衛宮さん、そこ行き止まりじゃないか。確かに通れそうな岩の隙間はあるけど…すぐ先の岩にぶつかっちゃうぜ?」

金田一の指摘を柳に風とばかりに受け流し、士郎は岩場に身を乗り出す。

「まあ口で言うより見た方が早いよな。俺が先に行くから、皆はよく見ててくれ」

そう言うや否や、士郎は岩の隙間に入っていく。そのまま数メートルほど先の岩にぶつかるかと思われたが、士郎の身体はその岩をすり抜けるように通り抜けていった。

「う、うそぉ……」

「……な、なるほどな。魔術による隠蔽とはこういう事か」

トリックもクソもない光景に顔を引き攣らせる金田一とルルーシュだったが、すぐに気を取り直して入口に向かって行った。
中に入って最初に彼らを迎えたのは、闇だった。今が夜であることを差し引いても、何ひとつ見通せない。

「気をつけて進んでくれよ。ここ、相当急な斜面になってるからな。
背中を地面につけて、ゆっくり進むんだ」

先導する士郎に従って後の五人も斜面を進む。広さの関係で一人ずつしか入れないため、金田一、ルルーシュ、セイバー、ガウェイン、最後にやや間を開けてライダーの順で入っていった。
螺旋状の急斜面を百メートルほど進み、ようやく大人数で進めるだけの広い洞穴に出た。もっとも、あまり体力の無い金田一や、彼に輪をかけて体力の無いルルーシュはその段階で既に肩で息をしている有様だった。普段から身体を鍛えている士郎や、肉体言語を得意とする某赤い魔術師ならともかく、そのような基礎体力の無い二人が大きな怪我もなくここまで辿り着いただけでも賞賛すべき事だろう。
洞穴の内部は、光苔の一種が自生しているためか緑色に照らされており、視界の心配をする必要はなさそうだった。

「シロウ、ここには以前のような魔力の気配も、いえ、その残滓すらありません。やはりここには何も……」

「…かもな。でも、一応奥まで調べてみよう」

914FINAL DEAD LANCER ◆4OblpRmYos:2012/07/15(日) 22:16:44 ID:/Gi6aKqo0

そう言って、(疲労した金田一とルルーシュのために数分休憩を取った後)一行は洞穴の奥へと進んでいった。途中で学校のグラウンド程度の広さの空間を経由して、最深部まで辿り着いた結果判った事は、何もないという事だった。

「やっぱり無かったか……」

ガックリと項垂れる士郎。残っていなければおかしいほど濃密だった魔力の残滓すら感じられないとなると、件のムーンセル云々の話もどうやら完全に信じざるを得ないようだ。

「そう落ち込むでない。確かに手掛かりになるようなものは無かったが、それでも得られたものは大きい。
この洞穴は、戦略的には非常に有用な場所になり得るのだからな。おぬしには感謝しておる」

気を遣ったのであろうライダーの言葉に、士郎も多少だが元気を取り戻した。
確かに気を落としている場合ではない。元々今回の聖杯の正体など全く判っていなかったのだ。それが振り出しに戻っただけの事だ。

「さて、ここなら他のマスターやサーヴァントの目を気にする必要もない。
改めて情報交換をするかのう。今後の段取りも考えねばならぬしな」

ライダーの提案に全員が頷き、情報交換と作戦会議が行われる運びとなった。







「日本が侵略されたって……。いくら並行世界って言ったって、そんなに歴史が変わっっちまうもんなのかよ」

「それはお互い様だろう。俺からすればブリタニアが存在しない上に、日本が侵略されていない世界がある方が驚きだ」

情報交換は世界観の違いによる互いの驚きこそあったものの、つつがなく進んだ。互いに戦意がない事に加え、マスターである三人全員が他人と協調する事の必要性を感じていたのが大きかった。また、ムーンセルから十分な知識を与えられなかったセイバーも、ここで漸く正確な情報を得ることができた。そして、タイミングを見計らったところでライダーと金田一が先ほど自分達で話し合った考察を話した。

「なるほどな。確かに裏に人間がいると仮定すれば、殺し合いを行う意味や勝者に願いを叶える権利を与えることにも説明がつく。並行世界の人間を招くことにしても、無機質な記録装置では有り得ないことだとは思っていた」

915FINAL DEAD LANCER ◆4OblpRmYos:2012/07/15(日) 22:17:24 ID:/Gi6aKqo0
ルルーシュは得心がいったとばかりに頷いていた。彼もこの聖杯戦争そのものに対して疑問は持っていたが、ゲームが始まってすぐにあちこち移動を繰り返していたこともあり、そこまで具体的な考察はできていなかった。
一方で士郎は、考察の深さに感心しながらも、ある一つの事柄が気になっていた。

「けど、結局セイバーは何でムーンセルから正しい情報を貰えなかったんだ?
もっと言えば、何でサーヴァントで情報量に差をつける必要があるんだ?」

「それは私も不思議に思っていました。聖杯戦争が全てにおいて公正な戦いではないことは分かっていますが、これはそれ以前の問題だ。
令呪に関するルール一つをとっても、知らないままなら使い切ってそのまま脱落してしまう可能性すらあったのですから」

セイバーの指摘は非常に尤もな事だった。通常のマスターとサーヴァントの関係であれば、使い切れば死ぬというルールが無くとも令呪を全て使い切ることなど考えにくい事ではあるが、士郎とセイバーの場合はなまじ深い信頼関係を築けているだけに、全ての令呪を使ってしまいかねない面があった。
そんな彼らの疑問に、金田一が言いにくそうに口を開いた。

「それなんだけど…ちょっと思いついた推理があるんだ。
ただ、怒らないで最後まで聞いてほしいんだけど、良いスか?」

「?…ああ、別にいいぞ」

妙に歯切れの悪い金田一を若干不思議に思いながらも、士郎は先を促した。

「衛宮さんとセイバーさんは、より殺し合いをスムーズに進行させるために選ばれたんじゃないかな。二人とも別の聖杯戦争を経験してて、聖杯を否定してる上に、殺し合いに乗ってないってとこが逆に殺し合いの促進に繋がるんだ」

「何でさ。俺もセイバーも、殺し合いを止める側だぞ。
そりゃあ俺はまだまだ未熟だし、セイバーに負担をかけてる部分も多いけど、間違っても殺し合いの手助けなんてしないぞ」

どこか矛盾した金田一の物言いに反論する士郎だが、金田一は静かに首を横に振って続きを語り始めた。

「じゃあ聞くけど、もし最初に出会ったのが俺たち以外の人間で、ある程度話しが通じるマスターだったらどうしてた?前の聖杯戦争の事を持ち出して、聖杯は穢れてるから殺し合いに乗るのはやめろって言うんじゃないかな?」

916FINAL DEAD LANCER ◆4OblpRmYos:2012/07/15(日) 22:18:19 ID:/Gi6aKqo0

「そりゃあまあ…ムーンセルの事とか知らなかったらそう言って回ってたかもしれないとは思うけどさ。別にそう言ったところでそこまで問題になんてならないだろ?」

「それがなるんだよ。マスターの中には、前の聖杯戦争とか魔術の事なんて全然知らない奴だっているはずだ。実際、俺やルルーシュっていう前例がいるわけだから、その可能性は決して低くないだろう。
それだけじゃなく、このムーンセルはビックリするぐらい中身がリアルに作られてる。誰かに言われなきゃここが仮想空間だなんて思えないぐらいにね。そうなれば、いざ参加したのは良いものの、聖杯の存在を完全には信じきれない場合もあるだろう。そんな人間が、別の聖杯戦争の参加者から話しを聞かされたら、どうなる?」

その問いに士郎はやや口ごもったが、すぐに反論した。

「ちょっと待て金田一。お前の言いたい事はわかるけど、考えが極端すぎるぞ。
他のマスターだって馬鹿じゃないだろうし、地上で聖杯戦争があったからこっちにも間違いなく聖杯があるだろうなんて、そんな短絡的な思考にはそうそうならないだろ。
お前が言うように、魔術を知らなくて、聖杯の存在を信じきれない連中なら尚更だ」

「…本当にそうかな?俺はさ、こんな殺し合いに参加しよう、しなきゃいけないって本気で考える人間ってのは、相当追い詰められた人だと思うんだ。それこそ、聖杯なんてものに縋らなきゃいけないほど、どうしようもない状況に陥った人が。
そういう人に限って、少ない情報から誤った判断をしてしまって、取り返しのつかない事をしてしまうんだ。…俺、そういう人を何人も見てきたからわかるよ」

追い詰められた人間は往々にして視野狭窄に陥り、少ない情報や知識を自分の都合の良いように解釈した結果、さらに暴走していってしまう場合がある。そうした人間が持つ弱さや脆さを、復讐の絡んだ殺人事件を数多く解決してきた金田一はよく知っていた。
逆に士郎の知る聖杯戦争のマスターは、今は亡き友人である間桐慎二や、魔術の師である遠坂凛のような例外を除けば皆自身の目的に向かって邁進し、殺人を躊躇わないある種超越した精神性と狡猾さを併せ持った者ばかりだった。それ故に、士郎には金田一が考えるようなごく普通の人間がマスターになっているという事がピンとこなかった。

917FINAL DEAD LANCER ◆4OblpRmYos:2012/07/15(日) 22:18:58 ID:/Gi6aKqo0
段々と議論が水掛け論の様相を呈してきたその時、上から地鳴りのような音とともに、微かにだが洞穴全体が揺れた。

「これは……!?」

「サーヴァント同士の戦闘かもしれません。一度地上へ戻りましょう」

ガウェインの提案に従い、ひとまず会議を中断して一行は入口まで引き返した。
そして急斜面の近くまで戻ったところで、来る時にはなかった木の枝を見つけた。
それを見たライダーが、真剣な表情で全員に告げた。

「これは…間違いない。地上、それもこのすぐ近くで戦闘が起こっておる」

「何でわかるんだ?」

「うむ、実はさっきここに潜る時にスープーに近くを偵察するように言っておいたのだ。そして、戦闘を行なっているサーヴァントを見かけたらここに適当な木の枝を投げ入れておくようにもな。何しろ地下ではスープーの声も届かぬ可能性もあったしな」

「なるほどな。とにかく、ここで立ち止まっていても仕方ない、事情は上に戻ってからあのカバに聞こう」

そうして、一行は急斜面を登り(この時、金田一とルルーシュはまたも息を切らす羽目になったが)、地上へ戻った。

「あ、御主人!」

「うむ、スープーよ、ドンパチしているマスターとサーヴァントはどんな連中だったかきちんと覚えておるか?」

「ハイっス!片方は青いタイツに赤い槍を持った男の人と銀髪の眼鏡をかけた男の人の組み合わせで、もう片方は何かメカメカしい大きな人と銀髪に赤い目の小さい女の子の組み合わせだったっス!」

それを聞いた途端、士郎の表情が一変した。脳裏によぎるのは大聖杯を封印するために逝ってしまった雪の少女。有り得ないと思いながらも、内心の焦りを抑えきれない。

「シロウ!?」

セイバーが制止する間もなく、士郎は凄まじい勢いで獣道を駆け上がり、柳洞寺の外へと走っていってしまった。

「すみません、私はシロウを追います。ガウェイン、ライダー、貴方がたはここの守りをお願いします」

そう言うや、セイバーは一陣の風となって士郎の後を追っていった。
そんな彼らに、ルルーシュは露骨に苛立ちを募らせる。知り合いでもいるのかもしれないが、もう少し慎重になることはできないのか。

918FINAL DEAD LANCER ◆4OblpRmYos:2012/07/15(日) 22:19:40 ID:/Gi6aKqo0

「ええい、あの猪主従め……!仕方ない、俺達も行くぞ、ガウェイン」

腹立たしいが、今後有用な駒になりうる者をここでみすみす失うわけにもいかない。それに、考えようによってはこれは有利な状況でサーヴァント同士の戦闘を見る良い機会でもある。もっとも、その機会が衛宮士郎の蛮勇としか思えない行動によって齎された事が余計にルルーシュの苛立ちを煽っているのだが。

「ではわしらがここに残ろう。だが二十分経っても戻らなければわしらも駆けつけるぞ。戦力の逐次投入は愚策だが、ここを他のマスターに明け渡すわけにもいかぬしな」

ライダーの提案に頷くと、ルルーシュとガウェインも士郎たちを追っていった。

「大丈夫かなぁ…」

「なーに、あやつらは最優と謳われるセイバーのサーヴァントだ。それも二騎がかりなら、よほどの相手でもない限り心配はあるまい」

ぽつりと漏れた金田一の不安を打ち消すようにライダーが励ます。
二人と一匹だけになった柳洞寺に、ただ夜風だけが吹いていた。










「シロウはどこに行ったのー!?」

時間は士郎とルルーシュが柳洞寺に到着したところまで遡る。
謎のサーヴァントとの戦闘の後、イリヤスフィールとランサーは、再度の襲撃を警戒して大きく回り道をしてから衛宮邸に向かった。あの正体不明のサーヴァントを士郎に近づけたくなかったが故の行動だったが、そのためにまっすぐ柳洞寺へ向かった士郎らと入れ違いになってしまった。セイバー二人もランサーもサーヴァントとしては索敵範囲が狭いため、お互いの接近に気付けなかったのだ。
士郎の不在に一度は憤慨したイリヤスフィールだったが、深呼吸して落ち着くと、すぐに士郎が向いそうな場所を導き出した。

「多分柳洞寺ね。前もキャスターが居座ってたし、リンを探してから行くなんて回りくどいことをシロウがするとも思えないし」

919FINAL DEAD LANCER ◆4OblpRmYos:2012/07/15(日) 22:20:28 ID:/Gi6aKqo0

あの場に遠坂凛がいたかどうかは覚えていないが、彼女はこの冬木のセカンドオーナーだ。例えマスター候補として招かれていなかったとしても、独自に行動しているに違いない。
そう結論付けたイリヤスフィールは、霊体化したランサーを伴って柳洞寺へと歩いていった。ランサーに乗って飛んでいったほうが遥かに早いが、先ほどのサーヴァントの存在がその考えを躊躇わせた。
そのまましばらく歩いて柳洞寺へ向かっていたが、異変を感じて立ち止まった。先ほどまではいたはずの通行人が、今では影も形もない。

「人避けの結界、ね…」

そう呟き、あたりを窺う。結界が張られたということは、間違いなくサーヴァントが近くにいる筈だ。そこに、

「坊主もセイバーも留守か。あいつらならこっちの聖杯戦争にも参加してるかとも思ったが、気のせいだったか?」

聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「よう、アインツベルンのお嬢ちゃん。元気そうで何よりだ」

まるで十年来の友人にでも会ったかのような気さくさで声を掛けてきたのは、前の聖杯戦争で言峰綺礼のサーヴァントとして暗躍していた蒼い槍兵だった。






黒いバーサーカーを退けた後、悠とランサーは腹ごしらえのために学園地下の食堂に立ち寄り、何故か置いてあった中華料理店・愛家のスペシャル肉丼を二つ注文、連戦で腹が空いていた事もあってすぐに二人とも完食した。(他にも泰山の激辛麻婆豆腐やムドオンカレー、一撃オムライス、妲己ちゃん特製☆ハンバーグの4つのメニューがあったがそっとしておいた)
その後、ランサーの提案で地上の聖杯戦争の勝者が住んでいたという屋敷を訪れたところ、マスターと思しき銀髪の少女を発見した。菜々子よりも少し上程度の年齢の少女(実際には悠より年上だが)がマスターとして参加しているという事実に驚きを隠せない悠だったが、ランサー曰く彼女はホムンクルスという魔術の結晶のような存在であり、マスターとしての適性だけなら悠など問題にもならないレベルの相手だという。しばらく迷ったが、どのみち最終的には倒さなければならない相手と割り切って仕掛けることにした。

「ふうん、彼が貴方の今度のマスター?相変わらずマスターに恵まれないのね、クー・フーリン」

920FINAL DEAD LANCER ◆4OblpRmYos:2012/07/15(日) 22:21:06 ID:/Gi6aKqo0
「っ!?」

既に自分のサーヴァントの真名が知られている事に動揺する悠に、哀れみすら含んだ視線を向けるイリヤスフィール。先ほどのサーヴァントのような正体不明の相手ならいざ知らず、正体も割れている相手を恐れるわけもない。事実、目の前の蒼い槍兵は前の聖杯戦争で自分のサーヴァントであったバーサーカーに一矢も報いる事なく無様に撤退しただけなのだから。その時と比べて特にステータスに変化もない以上、彼女の余裕も当然の事ではあった。ただ、マスターの青年が宝具らしき剣を持っていることだけが若干気がかりではあったが。

「そんなに死にたいなら相手をしてあげるわ。ランサー、やれる?」

イリヤスフィールの声に応えて彼女のランサー、本多忠勝が実体化する。霊核に負った損傷は完全には癒えていないが、先ほどの汚名を返上せんとばかりに意気軒高であった。ちなみに、忠勝の姿を見た悠が「…ガ○ダム?」と呟いたが、幸か不幸か聞いている者はいなかった。ともあれ、ここにこの聖杯戦争で初となる同クラス同士のサーヴァントによる戦闘が実現した。

戦闘はクー・フーリンの先制から始まった。
神速の踏み込みから放たれた刺突は、下手なハンマーよりもなお重い一撃だったが、忠勝の装甲はそれを難なく弾き返す。そしてお返しとばかりに機巧槍によるカウンターを見舞う。獣の如き瞬発力でその反撃を躱したクー・フーリンだったが、次の瞬間、魔力による衝撃波に襲われ大きく吹き飛ばされる。しかし、咄嗟に槍を構えて防御姿勢を取った事でダメージを最小限に抑えた。

「チッ、固いっていうレベルじゃねえな、こりゃ。大方前のバーサーカーと同じタイプの宝具なんだろうが…。そこにセイバー並みの魔力放出とはな」

舌打ちしながらも再度攻撃を仕掛けるが、その直前、忠勝の背中から小型の兵器と思しき物体が数基飛び出し、クー・フーリンを襲う。これこそが忠勝の変化スキルを用いた武装のひとつ、援護形態。対象を追尾し続けるビット射撃により、自身の攻撃の隙をカバーすることができる。

921FINAL DEAD LANCER ◆4OblpRmYos:2012/07/15(日) 22:21:43 ID:/Gi6aKqo0
だが、クー・フーリンは最小限の動きだけでビットを的確に躱し、忠勝と打ち合う。またも弾かれる結果に終わったが、ビットの追撃も意に介さずあっさりと後退してのける。この一連の動きから、敵が自分と同じ矢よけの加護を有している事を悟った忠勝は、ならばと攻撃形態に切り替え、連装プラズマ砲で相手のマスター諸共吹き飛ばす手段に出る。面制圧能力の高い射撃であれば、矢よけの加護も意味を為さない。

「調子に乗るな、たわけ!」

咄嗟に張ったルーンにより、戦車砲すら凌ぐ威力を持つプラズマ砲は呆気なくかき消される。原初18のルーンを修めたクー・フーリンのルーンによる防御は上級宝具すらも防ぎきる性能を持つのだ。

「へえ、思ったよりはやるのね。でも、貴方じゃ私のランサーには傷一つつけられないわよ?もっとも、シロウを狙う以上逃がしてあげる気もないけど」

「………」

余裕のあるイリヤスフィールとは裏腹に忠勝の内心には焦りがあった。
ステータスでも武装の数でもマスターの魔力量でも圧倒しているにも関わらず、ただの一度も有効打を与えられていないのだ。無論、忠勝は手を抜いてなどいない。全ての攻撃を必殺の意気で放っている。なのに穿てない。なのに捉えられない。それでいて底が見えない。少なくとも純粋な技量においては先ほどの仮面ライダーと名乗ったサーヴァントよりも数段上と見ていいだろう。
これまで以上に気合いを込めて槍を構えたその時、マスターの青年から魔力の高まりを感じた。

「ペルソナ」

呪文のような言葉とともに実体化した黒い戦士がクー・フーリンに魔術らしきものをかけた。同時に、クー・フーリンは自身の全身と得物である朱槍にルーンを刻んでいく。

「―――え?」

イリヤスフィールの口から驚愕が漏れる。弱敵と侮っていた槍兵から感じられる威圧感は今や彼女の以前のサーヴァント、ヘラクレスにも匹敵するほどのものになっていた。それを証明するように、ステータスも大きく変化した。

【筋力】A+ 【耐久】A+ 【敏捷】A 【魔力】A+ 【幸運】E 【宝具】A

「何よ……それ」

922FINAL DEAD LANCER ◆4OblpRmYos:2012/07/15(日) 22:22:19 ID:/Gi6aKqo0

力なく呟くイリヤスフィールの声が虚しく空に消える。
これが前回の聖杯戦争では使われなかったクー・フーリンの奥の手、原初のルーン。全身にルーン文字を刻むことによって、敏捷と幸運以外のステータスを大きく引き上げる規格外の魔術である。更にイザナギの補助スキル“マハタルカジャ”と“マハラクカジャ”による支援と宝具そのものにもルーンを刻む事によって、今回の聖杯戦争で現界した全サーヴァントでもトップクラスの能力値に変貌し、一時的にだが限りなく生前に近い力を振るえるようになった。

「真名が割れてるなら出し惜しみをする必要もない。さて、第2ラウンドといこうぜ」

獰猛な笑みを浮かべ、肩慣らしとばかりに朱槍を振り回し、下段に構え直してから、イリヤスフィールと忠勝にとっての死刑宣告を口にした。

「赤枝の騎士団、クー・フーリン。―――推して参る」







先制は、またしてもクー・フーリンからだった。

「砕け―――」

先ほどまでよりも遥かに力強い踏み込みで飛び込むクー・フーリンに、忠勝はすぐさま防御形態を発動し、両腕に盾を装備して攻撃に備える。カウンターなど考えていては、自分が死ぬだけだと理解していたが故の行動だった。

「―――中つ槍!!!」

だが、そんな備えは真価を発揮した光の御子の前では全くの無意味だった。クー・フーリンの乾坤一擲の剛槍はガードした忠勝の右腕を盾ごと貫通した。忠勝の宝具“鉄壁たる鋼の武将(けっしてきずつかぬぶしょう)”の性質はダメージの軽減ではなく、あくまでAランクまでのダメージを無効化するというもの。逆に言えば、それを超えるダメージは(本人の重装甲があるとはいえ)一切軽減できずにそのまま受けるというマイナスの側面もあるのだ。そして、忠勝の宝具はランクA+の筋力とランクAに引き上げられた宝具を持つ今のクー・フーリンに対しては必殺技どころか通常攻撃にも耐えられない程度の効果しか発揮できなかった。

「ラ、ランサー!!」

「…………!!」

923FINAL DEAD LANCER ◆4OblpRmYos:2012/07/15(日) 22:23:00 ID:/Gi6aKqo0

悲痛な声をあげるイリヤスフィールから悲しみを取り除かんと、忠勝は機巧槍を左手に持ち替え全身全霊の薙ぎ払いを見舞う。

「遅えよ、間抜け」

しかし現実は非情であった。クー・フーリンはすぐさま忠勝の右腕に刺した朱槍を引き抜くと、忠勝の渾身の反撃を事も無げに受け止めた。無論、そんな事をすれば忠勝の魔力放出の直撃を被ることになるが、それすらも“マハラクカジャ”と全身のルーンにより防御力の跳ね上がった今のクー・フーリンには全く通用せず、完全に打ち消されてしまった。

「そら、貴様も英雄ならこの程度凌いでみせろ―――!!」

無防備に近い状態になった忠勝を瀑布の如き怒涛の連撃が襲う。どうにか対応しようとはするが、右腕を損傷した状態では十全に防ぎきれず、たった数秒の間に全身を穴あきチーズのように穿たれる。左腕の盾も文字通りあっという間に破砕された。

「そんな、何で……!?」

イリヤスフィールが理解できないのも無理はない。数値上においてはクー・フーリンと忠勝の敏捷値には1ランク程度の差しかない。額面通りに受け取るならば、こうまで忠勝が一方的に攻撃を受けるのは有り得ない。
しかしイリヤスフィールは知らなかった。サーヴァントの敏捷値とは、機動力と反応速度の総合値で判定されるのだ。例えば剣豪・佐々木小次郎の場合は機動力よりも反応速度に寄った状態でのランクA+、クー・フーリンは二つを均等にした状態でのランクA、そして本多忠勝は機動力に大きく偏ったランクB。実際のところ、忠勝のクロスレンジにおける反応速度と運動性は並みのサーヴァントと大差ないレベルしかない。重量級の武器による戦闘スタイルも相まって、自らの宝具が通用しない相手に懐に入られると、途端に脆弱さを曝け出してしまうのだ。

「何だ、蓋を開けてみりゃ宝具頼みの木偶の坊かよ。本気を出して損したぜ。生前、自分より強い相手と戦った事なかっただろ、お前」

失望したといわんばかりの態度を隠しもしないクー・フーリンに対して、忠勝は最早立っているのもやっとという有様だった。戦闘続行のスキルが無ければ今頃既に倒れ伏していただろう。そして、クー・フーリンは未だ宝具すら使っていないのだ。

924FINAL DEAD LANCER ◆4OblpRmYos:2012/07/15(日) 22:23:36 ID:/Gi6aKqo0
結局のところ、英霊としての格においてクー・フーリンと本多忠勝には隔絶した開きが存在していた。確かに忠勝は戦国最強の名に恥じない、サーヴァント全体でも平均以上の実力を持つ猛者だったが、その最強という称号もあくまで神秘が薄れ、幻獣や外敵の危機に晒されることのない島国の中でしか通用しないものだった。加えて、生まれついての絶対強者だった彼は自身と比肩しうる者と戦った経験に乏しく、事実、彼は心眼・真に代表される不利な状況を打開する技能を全くといっていいほど有していなかった。
対して、クー・フーリンはその逸話の中で自身よりも速い者、自身よりも強い者、自身よりも知略に秀でた者と何度も戦ってきた。彼は最初から強かったわけではなかったが、それでも研鑽を重ね、生きて帰るための準備を整え、時には文字通り血反吐を吐きながら強大な敵に立ち向かっていった。なにより彼自身、強敵との死力を尽くした戦いを望む、飽くなき向上心を持っていた。
敵が理不尽な能力を備えていることも、クー・フーリンにとっては予想外でもなんでもない、ただの日常で大前提でしかない。そうした生き様の違いが勝敗を分かつ決定的な要因になった。忠勝が善戦できていたのはお互いの知名度による補正の差とイリヤスフィールの高いマスター適性あったればこそ。その優位性が立ち消えになった今、こうなるのは必然であった。

「正直興醒めもいいところだが、またどこかから横槍を入れられるのも癪なんでな。
じゃあな。その心臓、貰い受ける―――!」

確実にとどめを刺すべく己の朱槍に魔力を込め、必殺の一撃、即ち宝具を使用する準備を整える。通常なら忠勝の宝具に弾かれるだけだが、今のクー・フーリンの朱槍はルーンの付与によりランクアップしている。そこから放たれる真名解放の一撃は、忠勝のいかなる防御をも貫くだろう。そして、忠勝には魔槍の因果逆転の呪いを跳ね返す幸運もない。否、あったとしても動きの鈍重な忠勝ではまず回避できない。

「……駄目」

それが理解できる、いや、理解できてしまうからこそ、イリヤスフィールは頬を伝う涙を止めることができなかった。だが、ひとつだけ定められた死の運命を覆す手段があった。

925FINAL DEAD LANCER ◆4OblpRmYos:2012/07/15(日) 22:24:29 ID:/Gi6aKqo0

「―――刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)!!!」

クー・フーリンの魔槍が迫る。禍々しい程の魔力をもって放たれた攻撃は、間もなく忠勝の心臓を貫くだろう。

「死なないで、ランサアアアアアーーーー!!!」

イリヤスフィールの左手から令呪が一画消える。死ぬなという絶対の命令を受けたランサーは、それまでからは考えられない速度でガッチリと心臓をガードする。必ず心臓を貫くとわかっているのならば、そこを守り通す。
魔槍がガードした忠勝の機巧槍を砕き、真っ二つにする。ならば自身の腕で防ぐのみ。
令呪によって生じた魔力と魔槍が轟音を上げて拮抗する。数秒の拮抗の後、魔槍が忠勝の左腕を貫通し、そのまま身体に浅く突き刺さり、そこで止まった。鋼の英雄は、大英雄の因果逆転の魔槍を前に見事命脈を繋いでみせたのだ。

「令呪があったとはいえ、よく凌いだ―――」

クー・フーリンから贈られる惜しみない賞賛。

「―――と言いたいところだが、詰んだぜ、お前」

そして、死。
とうの昔に“チャージ”を仕込み終え、湖の騎士から奪い取った漆黒の聖剣を持ったイザナギがクー・フーリンの後ろから姿を現し、忠勝の首を斬り飛ばした。それは、激突する英雄たちに比べて余りにも矮小な存在だった。だがそれ故に、忠勝はその存在を無意識のうちに忘れてしまっていた。

「最後に一つだけ忠告しておいてやる。お前らはうちのマスターをナメすぎだ」

聖杯戦争とは何もサーヴァントだけの戦いではない。英霊に比べれば卑小な存在であっても、マスターもまた戦場に確かに存在し、場合によっては英霊にも届く攻撃手段を持つ者もいるのだから。

【ランサー(本多忠勝)@戦国BASARA 消滅】





「ラ、ランサー……」

サーヴァントを失ったイリヤスフィールがその場にへたり込む。彼女にとって忠勝はただのサーヴァントではなく、自分に愛情をもって接してくれる心許せる存在だった。茫然自失としていたが、その時間はすぐに終わりを告げた。

「―――かっ、ぁ……!?」

サーヴァント消滅による電脳死を待つまでもなく、蒼い槍兵の朱槍で心臓を貫かれたからだ。それはあまりに迅速で、痛みを感じる暇さえ与えられなかった。

「ムーンセルに削除されるまでのたうちまわらせるのは趣味じゃねえ。せめて苦しまずに逝ってくれや」

「ぁ…し、ろ……」

926FINAL DEAD LANCER ◆4OblpRmYos:2012/07/15(日) 22:25:21 ID:/Gi6aKqo0
胸からドクドクと血が溢れ、力が抜けていく。消えゆく意識の中、最期に聞こえたのは自分を呼ぶひどく懐かしい声だった。

【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/stay night 死亡】







衛宮士郎とセイバーがその場所に到着した時には、全てが手遅れだった。

「よう、坊主にセイバーじゃねえか。やっぱりお前らも参加してたか。
俺の勘も捨てたもんじゃあなかったらしいな」

見覚えのある槍兵が街角で偶然友人に会ったかのように気安く声を掛けてくる。
もし状況が違えばあるいは士郎も多少は友好的な返事を返したかもしれない。少なくとも、ランサーが自分の義姉であるイリヤスフィールの心臓に朱槍を突き刺しているという状況下でなければ。

「イリヤぁッ!!」

手遅れと知りながらも、心臓から槍が引き抜かれ、血の海に沈んだイリヤスフィールに駆け寄った。だが士郎の手が彼女の遺体に触れる寸前、イリヤスフィールの身体は流れ出た血液ごと粒子となって消え去った。

「なっ……!?」

魔術でもこうはならないであろう、と思われる光景に思わず固まってしまう。
ショックから立ち直れない士郎に、ランサーが訝しげに話し掛けてくる。

「何だ、知らなかったのか坊主?こっちの聖杯戦争じゃ敗者は皆ムーンセルにきれいさっぱり消される事になってるんだとよ。まあ俺も見るのは初めてなわけだが」

「ラン、サー……!!」

イリヤスフィールを殺しておきながら悪びれもしないランサーに視線だけで人間を殺せそうなほどの怒りと殺意を剥き出しにする。だが、ランサーがその程度のことで怯むわけもなく、むしろ呆れた風ですらあった。

「がなるなよ、坊主。戦争で顔見知りが死ぬなんざ当たり前のことだろうが」

「………っ!!」

歯軋りし、今にも双剣を投影してランサーに斬りかからんとする士郎を傍らのセイバーが諌めた。

「シロウ、気持ちはわかりますがどうか落ち着いて下さい。それに、彼らが下したのはイリヤスフィールのサーヴァントだけではないようだ」

そう言って、忠勝を斬ったと同時に実体化を解いたイザナギから再度受け取った聖剣を持つ悠を睨みつける。

「魔術師(メイガス)、その剣をどこで手に入れた」

927FINAL DEAD LANCER ◆4OblpRmYos:2012/07/15(日) 22:26:08 ID:/Gi6aKqo0

その剣は、セイバーにとって見覚えのありすぎるものだった。
名を“無毀なる湖光(アロンダイト)”。彼女の右腕だった騎士、ランスロットが所有していた宝具である。セイバーの鋭い眼光に臆した風もなく、銀髪の青年は「拾った」とだけ答えた。
何とも掴みどころのないマスターだとセイバーは思ったが、今わかっているのは前々回と同じくランスロットがサーヴァントとして現界している事、そしていかなる手段を使ったか目の前のランサー主従がランスロットを下して彼の宝具を奪取した事(宝具が残っているところを見るに倒されたわけではないようだ)、そして今イリヤスフィールのサーヴァントを大した消耗もなく撃破したという事だけだ。言葉にすればそれだけだが、それがどれほどの困難か二度に渡って聖杯戦争を経験したセイバーは嫌というほど熟知していた。その証左に、ランサーから感じられる圧力は前回対峙した時とは比べものにならないほどだ。あれが彼の全力だったとはセイバーも思っていなかったが、それでも別人と見紛うほどだ。あるいは、あの神父の事だから何らかの制約をランサーに課していたのかもしれない。

「実を言えば少しばかり消化不良気味だったんでな。折角だ、ここで決着着けようじゃねえか、セイバー」

朱槍を下段に構え戦闘態勢をとったランサーに、セイバーもまた不可視の剣を取り出し応戦の構えを見せる。もとより敏捷性においてはランサーが上。まず逃がしてはくれないだろう。

「頼む、セイバー。…イリヤの仇を、取ってくれ」

悔しげな士郎の言葉に無言で頷く。本当なら士郎自身が仇を討ちたいが、サーヴァントであるランサーに人間である士郎が挑むのは無謀の極みだ。だからこそ、セイバーに全てを託すしかない。

「ペルソナ」

悠もまた、イザナギを呼び出し既に効果の切れていた補助スキルをかけ直す。その最中、悠は赤髪の青年と先ほど殺した白い少女に何故か自身と菜々子の影を見出していた。いや、事実自分はあの青年から自分にとっての菜々子を奪ったのだ。その罪を噛み締めながらも、それでも歩みを止めないと誓う。自分にも譲れない願いがある。ランサーもこんな自分に力を貸してくれている。何より、直接殺したわけではないとはいえ既に自分は四人、いや、先ほどの主従を加えれば六人もの生命と願いを踏み躙ってここにいる。もう後戻りなどできないし、してはならない。

「さあ、行こうか」

928FINAL DEAD LANCER ◆4OblpRmYos:2012/07/15(日) 22:27:11 ID:/Gi6aKqo0

踏み躙った生命を無駄にしないためにも、必ず最後まで勝ち抜いてみせる。戦いの第二幕が開けた。







騎士王と光の御子。いつかと同じ二人の激突は、しかし以前とは全く違う様相を呈していた。

「ぐっ……!」

セイバーから苦悶の声が漏れる。だが、手を止めることは許されない。そんなことをすれば、たちまちのうちにランサーの朱槍の餌食になるだけだ。ランサーの槍さばきは、前回対峙した時とは別人ではないかとさえ思えるほど強壮にして苛烈だった。
以前は容易く捌き、反撃に転じる余裕さえあった攻撃が、今は防ぐだけで精一杯。
以前は容易に相手の守りを突き崩したこちらの攻撃を今はあっさりと防がれる。
以前は追いつけた敵のスピードに、今は追いすがることすらできない。

「その見えない剣はもう通用せんぞ、セイバー!」

そして、今のランサーには何故か“風王結界(インビジブルエア)”による剣の隠蔽が通じていない。刀身の長さを正確に把握しているとしか考えられない的確な攻めに困惑する暇すらも与えられない。
実は、セイバーとランサーはそれぞれ異なる可能性世界からこのムーンセルに招かれていた。セイバーは士郎と同じ、間桐桜の影に飲まれ黒化した果てに士郎に討たれた世界から、ランサーはイリヤスフィールと同じく士郎とセイバーの契約が最後まで続き、ランサーが黄金の英雄王に倒された世界からサーヴァントとして選定されていたのだ。そして、ランサーは自身が経験した聖杯戦争において、二度セイバーと戦っている。その中で、セイバーの聖剣のおおよその長さを既に把握していたのだ。如何に間合いを隠蔽する宝具でも、何度も同じ相手と戦えばその効果が薄れるのは道理といえた。

(ならばっ……!)

929FINAL DEAD LANCER ◆4OblpRmYos:2012/07/15(日) 22:27:56 ID:/Gi6aKqo0

そんな事情をセイバーは当然知る由もないが、その判断は迅速だった。“風王結界(インビジブルエア)”が通じないと見るや、剣の隠蔽に使用していた魔力を魔力放出のスキルに回し、更に強力な剛剣を叩きつける。基礎ステータスこそ低下したままだが、前回と違い今回はマスターである士郎から正常に魔力が供給されている。そのため、以前に比べれば存分に魔力放出のスキルを活用することが可能になっていた。それに加え、未来予知に近い直感のスキル、そして何より戦乱の時代を切り開いた最優のサーヴァントに相応しい剣技を以ってステータスにおいて自身を圧倒するランサーとどうにか対等に渡りあっていた。
百を越える打ち合いの末、距離を取った両者はお互いに惜しみない賞賛を送る。

「いいぞセイバー。やはり戦う相手は最優のクラスに限る。さっきの奴は確かに宝具は強かったし心意気は認めるが、いかんせん技や動きが未熟だったからな」

「こちらもだランサー。アイルランドの大英雄の真価、しかと見させてもらった。だがイリヤスフィールの仇である貴方をここで逃すわけにはいかない。貴方を討つ事はシロウの願いでもある」

「珍しく気が合ったな、セイバー。召喚されてからこっち、マスターにいいところを持っていかれっぱなしでな。貴様を討ち取るぐらいの事はしてみせないとサーヴァントとしちゃあ立つ瀬がないってわけだ」

それに、と付け加えてからランサーはニヤリと笑った。

「今回のうちのマスターはやる気みたいでな。そら、早く俺を倒さないと坊主が死ぬぞ?」

二人のサーヴァントの頭上を飛び越えた黒い戦士が士郎に襲いかかっていた。







「イザナギ!」

悠の声とともにイザナギが士郎へ突進する。その手には神造兵装である“無毀なる湖光(アロンダイト)”が握られていた。(悠自身は自衛のためにイザナギの太刀、アマノヌボコを持っている)

「投影、開始(トレースオン)」

士郎もまた双剣干将・莫耶を投影してイザナギを迎え撃つ。だが、大上段に振りかぶったイザナギの一撃を受け止めた瞬間、頑強さに定評のある筈の双剣がガラス細工のように砕け散った。

「ぐっ、このぉ……!」

930FINAL DEAD LANCER ◆4OblpRmYos:2012/07/15(日) 22:28:34 ID:/Gi6aKqo0
すぐさま次の双剣を投影するが、またも一撃の下に砕かれる。この圧倒的な武器の性能差から、近接戦闘の技量では優越している士郎が防戦を強いられていた。だが、士郎とて黙ってやられているわけではない。イザナギに双剣を投げつけるとすかさず壊れた幻想(ブロークンファンタズム)でそれらを爆破した。

「ぐっ!?」

イザナギが爆発で仰け反り、イザナギとダメージを共有している悠も一瞬苦しむ様子を見せた。その隙を逃さず、士郎は大きくステップして後退すると、弓と弾丸となる剣を投影する。

「I am the born of my sword(我が骨子は捻れ狂う)―――偽・螺旋剣(カラドボルグ)!!」

放たれたのは先ほどの干将・莫耶を上回る神秘を持つ宝具、それも真名解放による一撃は投影によりランクが低下しているとはいえ英霊にも劣らぬ破壊力を備えている。それを聖剣で受け止めたイザナギだが、先ほどと同じくまたも壊れた幻想(ブロークンファンタズム)による大爆発の直撃を受けることになった。

「…っ、ぐ、や、やったか…?」

大量の魔力を消費し、肩で息をしながら煙を見つめる。だが現実は非情である。煙が晴れた先にいたのは、ダメージを受けて身体にノイズのようなものを走らせながらも未だ健在のイザナギと、苦しそうな様子ではあるがまだ十分動けそうな悠の姿だった。

「な…嘘だろ、効いてないっていうのかよ……!?」

「いいや、泣けてきた」

ガードしたとはいえ宝具の直撃を受けてなお悠が健在な理由は二つある。
ひとつはイザナギの補助スキル、“マハラクカジャ”。味方全体に防御力向上の効果を齎すその魔法は、当然悠自身とイザナギにも及ぶ。
そしてもうひとつは現在悠の学生服のポケットに入っている石、守りを司る大鹿のルーン石だった。学園でのバーサーカーとの戦いの後、万一の備えとしてランサーが用意したものだった。即席で用意したものではあるが、そこは神代の魔術師でもあるクー・フーリンが作ったもの、効果は折り紙つきだった。彼の英霊はキャスターとしても召喚できるほどの魔術の腕前を誇るのだ。
そして、今度は悠が士郎の動揺の隙を突く形となった。

「“マハジオ”」

931FINAL DEAD LANCER ◆4OblpRmYos:2012/07/15(日) 22:29:19 ID:/Gi6aKqo0

イザナギが士郎に掌を向けると同時に彼の頭上から雷撃が降りそそぐ。咄嗟に回避を試みるが、広範囲をカバーする雷撃から逃れることはできず、まともに喰らってしまう。

「があああっ!!」

感電し、思わず膝をつく。根性で立ち上がろうとするが、そんな隙だらけな状態を見逃すほど悠はお人好しではない。再度の“マハジオ”が士郎に直撃し、倒れ伏した士郎は感電により身動きひとつ取れない。

(何て、間抜け……!)

心中で遠距離攻撃はないものとタカをくくっていた自分を罵る。悠は敢えて攻撃魔法を使わず、宝具である聖剣の脅威を見せつけ遮二無二イザナギを突撃させることによって“マハジオ”を当てる好機を探っていたのだ。

「シロウ!!」

「余所見はさせんぞ、セイバー!」

マスターである士郎の窮地に駆けつけようとするセイバーだが、それがいけなかった。ほんの一瞬の隙から、左腕と脇腹にランサーの突きを受けてしまう。そのままとどめを刺せる状況ではあったが、何故かランサーは後退し、距離を取った。

「援軍ってわけか。まあこれだけサーヴァントがいるんだ、卑怯とは言わんが…ならば、これも卑怯とは言ってくれるなよ、セイバー」

「っ!?」

不可解なランサーの言葉の直後に、セイバーも漸く気付いた。この場所に近づいてくるサーヴァントの気配、それも方向と魔力の質からしてその正体はガウェインとしか考えられなかった。セイバーよりも索敵範囲の広いランサーは一瞬早くそれに気付いていた。実際にはセイバーらの援軍ではなかろうと彼にはどうでもいい事だ。この機を活かし、まとめて葬り去るだけのこと。

「いくぞ。クー・フーリンの最強の一撃、その魂に刻むがいい―――!」









「ええい、くそっ!もう始まっている!あの馬鹿共め…!」

獣道を抜けるのに手間取り、結局ガウェインにおぶさる事になったルルーシュがなおも悪態をつく。

「しかし、あのカバの言っていた銀髪の少女と巨大なサーヴァントなど見えないぞ。殺されたか、あるいは逃走したのか?」

「恐らくは敗北したのでしょう。先ほどサーヴァントの気配が消えたのを感じましたから。…!?ルルーシュ、下りてください」

怪訝そうな様子のルルーシュだったがすぐにそれの意味するところを悟った。遠くに見える蒼いサーヴァントから大気が凍りついたのではないかとさえ思えるほどの圧力を感じた。

932FINAL DEAD LANCER ◆4OblpRmYos:2012/07/15(日) 22:30:25 ID:/Gi6aKqo0

「不味い…!対軍宝具を使う気だ、ルルーシュ、迎撃の許可を!このままでは全滅も有りうる……!」

ガウェインからはもう一人のセイバー、アルトリアが左腕を負傷しているのが見えていた。あの状態では“約束された勝利の剣(エクスカリバー)”は使えまい。

「よし、行け、ガウェイン!お前の力を俺に示せ!」

「はっ!」

ルルーシュの許可を得たガウェインは疾走し、アルトリアとランサーの間に割り込む。そして同時に、魔力の充填を終えた槍兵は空高く跳躍した。

「“突き穿つ(ゲイ―――)

それはランサーの魔槍のもうひとつの能力にして本来の使用法。炸裂弾の如き破壊力を持つ一撃は命中するまで地の果てまでも対象を追い続ける。ただでさえ原典である“大神宣言(グングニル)”を超える威力を持っているそれは、ルーンの付与によるランクアップ、さらに原初のルーンと“マハタルカジャ”で魔力値が上昇したことによる単純な出力の向上によって、今や令呪の存在を除けば極限まで威力がブーストされている。錬鉄の英雄が投影した“熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)”でさえ紙くずのように一瞬で粉砕し尽くすだろう。
相対するガウェインはその手に持つ聖剣の真価を解放する。それは“約束された勝利の剣(エクスカリバー)”、“無毀なる湖光(アロンダイト)”に並ぶ星が鍛えた神造兵装。戦場に散った兵達のもうひとつの祈りの証。数多の戦場を駆け抜けた太陽の騎士が最も頼みとする最強の聖剣。今ここに、神話が再現されようとしていた。

「―――死翔の槍(ボルク)”!!!」

「“転輪する勝利の剣(エクスカリバー・ガラティーン)”!!)

閃光。そして轟音。聖剣と魔槍の衝突は大気を裂き、地を砕き、周囲のあらゆるものを蹂躙し尽くしていく。ランサーが人避けの結界を張っていなければ数多のNPCが衝突の余波によって犠牲になっていただろう。そのあまりに現実離れした光景に、離れた場所にいたルルーシュは思わず腰が抜けてしまった。例え眼前に砲戦用KMFであるモルドレッドの砲口を突きつけられたとしてもこんな醜態は晒さないだろう。永遠とも一瞬ともとれる時間の後、ルルーシュの眼前に広がっていたのは絶望そのものだった。

933FINAL DEAD LANCER ◆4OblpRmYos:2012/07/15(日) 22:31:05 ID:/Gi6aKqo0

「今ので仕留められんとはな。流石に神造兵装の名は伊達じゃねえって事か」

勝利したのはランサーだった。ガウェインと士郎、アルトリアは相殺しきれなかった分の“突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク)”の攻撃を受け、全身を穿たれた状態で倒れ伏していた。

「ば、馬鹿な……」

唯一無傷だったルルーシュが信じがたいといった様子で呻いた。
ランクの上昇した“突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク)”のランクがA+に対して、“転輪する勝利の剣(エクスカリバー・ガラティーン)”はA++。まともに競り合ったならば結果は逆でなければおかしい。だがそれはあくまでもお互いが最高のコンディションでぶつかった場合の話し。
そもそも“転輪する勝利の剣(エクスカリバー・ガラティーン)”ほどの宝具を完全な状態で使用するとなれば、相応の魔力を込めるだけの時間が必要になる。姉妹剣である“約束された勝利の剣(エクスカリバー)”を持つアルトリアでさえ約一秒程度の溜めが必要になる。それでさえ刹那の反応が勝敗を分ける英霊同士の戦いでは致命的な隙になり得るのだ。ましてアルトリアのような魔術炉心を持たないガウェインが聖剣の全力を解放するにはその倍の溜め時間が必要不可欠だ。そして今回の場合、ランサーが既に宝具を発動する直前だったために魔力を溜める時間が足りず、結果として競り負けてしまったのだ。

「さて、残るはお前さんだけなわけだが…まあ無駄な抵抗はやめとけ。もう逃げられないってのはお前自身が一番よくわかってんだろ?別段恥じ入ることじゃない、やられる側ってのは得てしてそういうもんだ」

「あ…う…」

ゆっくりと歩み寄ってくるランサーを前に、腰が抜けたルルーシュは身じろぎひとつできない。自己防衛本能から思わず切り札、ギアスを使ってしまう。

「や、やめろ!」

しかし現実はどこまでも非情であった。一瞬訝しげに歩みを止めたランサーだったが、ギアスが通じている様子は全くなかった。

「ん?坊主、そりゃ魔眼の類か?その歳で大した威力だが…俺らサーヴァントには対魔力があるんでな、効きはしねえよ」

「な……」

934FINAL DEAD LANCER ◆4OblpRmYos:2012/07/15(日) 22:31:41 ID:/Gi6aKqo0

これまで、常に絶大な効果を発揮してきた最後の切り札でさえ英霊には通用しない。今さらながらに人間とサーヴァントの間に横たわる絶対的な力の差を痛感する。

(終わるのか、俺は…?勝手に未練を利用された挙句、何ひとつ為せずに……)

近づいてくるランサーを前に、ルルーシュの心が絶望に染まる。強靭な意思と反骨心を持つ彼でさえ、サーヴァントに抗うなど無駄だと本能で理解できてしまう。

「…っ、まだ…終わりではありませんよ、ランサー」

「ガウェイン……?」

苦しみながらも剣を杖にして立ち上がった従者を見て、思わず真名で呼んでしまう。純白の鎧は己の血で汚れており、その姿は誰が見ても満身創痍であり、戦える状態にあるとは思えなかった。

「槍兵よ、我が主君を手にかけるならば、まずは私の屍を越えて行かれよ」

荒く息をつきながらもルルーシュとランサーの間に立ち、聖剣を構える。それは明らかに無謀としか思えない愚行だった。立ち上がるのがやっとのガウェインに対して、ランサーは大量の魔力を消耗しているとはいえダメージらしいダメージは受けていない。どころか、あと二回程度なら対人用の“刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)”を使用できるだけの力を残している。全サーヴァントの中でも頭抜けた燃費の良さを誇るのがクー・フーリンなのだ。このまま二人が戦えば、間違いなくガウェインは敗北する。ルルーシュがそう思った時、どこからか飛んできた風の刃がランサーを襲った。

「やれやれ、ギリギリで間に合ったようだのう」

現れたのは、四不象に乗ったライダーと金田一だった。約束の二十分はまだ経過していなかったが、宝具同士のぶつかり合いを柳洞寺から見て、ここまで急行したのである。

「衛宮さん!セイバーさん!」

金田一が倒れたままの二人に声を掛けると、気がついたのか、セイバーが傷だらけの身体を押して立ち上がった。

「援軍ご苦労さまだな、ライダー。だが一足遅かったな。如何に三対一とはいえ、瀕死のセイバー二人と貴様相手ならやってやれなくはないぜ?」

挑発的なランサーに、ライダーはわざとらしく頷いた。

935FINAL DEAD LANCER ◆4OblpRmYos:2012/07/15(日) 22:32:24 ID:/Gi6aKqo0
「うむ、確かに最優のサーヴァント二騎をここまで追い込んだおぬしと戦うには少々心許ない。では、先にセイバーらの傷を治させてもらうかのう」

そう言うと、ライダーは“打神鞭(だしんべん)”を掲げると、自身の最大の切り札の名を呼んだ。

「“太極図”よ!支配を解き放て!」

真名解放と同時に無数の文字のようなものがライダーの周囲に浮かぶと、空気に溶け込んでいく。すると、セイバー二人と士郎の負った傷が時を巻き戻すかのように回復し、破壊された周辺の家屋や道路もみるみるうちに元通りになった。

「これは…!?」

ガウェインがそれとは別の異変に気付く。擬似太陽が埋め込まれた自身の聖剣が力を完全に失っているのだ。それは、この場に集う他のサーヴァントたちの宝具も同様だった。
これがこの聖杯戦争でも数少ないランクEX宝具、“太極図”。この宝具の前ではあらゆる宝具の神秘が貶められ、ただの丈夫な武具と化す。さらに、無効化した宝具によって発生したダメージや破壊を無差別にキャンセルする文字通りの評価規格外の宝具である。

「貴様……何をした」

そこまでの事情を知らないランサーは忌々しげにライダーを睨む。誇り高いケルトの騎士である彼からすれば自身の半身たる宝具を貶めるこの行為は侮辱どころの話ではない。アルトリアとガウェインも立場や状況が違えばランサーと同じ反応を返しただろう。

「さあのう。ひとつだけ教えられるのは、おぬしの宝具は一時的に死んでおるという事だけだ。さて、セイバーらが回復した今でもさっきと同じ事が言えるかのう?けけけけ」

「…チッ、狸が」

とぼけた様子のライダーにランサーの怒りは増すばかりだが、今が不利な状況であることを理解しないわけではなかった。それを察した悠がランサーを宥める。

「ここは退こう、ランサー。流石にこれじゃ戦いようがない」

悠の言葉に舌打ちしながらも後ろを向き、悠を抱えると目にも止まらぬスピードでその場を立ち去った。屋根伝いに跳躍しながら移動している最中、ランサーは悠に気付かれないように遠見と探索のルーンを使用し、広範囲に渡る索敵を行なっていた。
記憶にある前回の聖杯戦争での苦い経験と、マスターが謀略などの面に関しては未熟である事から同じ失敗を繰り返さないことを内心で誓っているのだ。あまり性に合っているとはいえないルーン魔術を多用しているのもそれが理由だ。

936FINAL DEAD LANCER ◆4OblpRmYos:2012/07/15(日) 22:33:05 ID:/Gi6aKqo0

「ランサー」

と、背中に背負っている悠が話しかけてきた。

「さっきの三組のマスターとサーヴァント、どう思う?」

「そりゃまあ、同盟でもしてるんだろうよ。何が目的かは知らんがな」

「…そうか。ランサー、ここからは俺達も協力者を探そう。少し消耗しすぎたし、何よりあのライダーの宝具を何とかしないとまともに戦うこともできない」

「そうかい。それは構わんが、どういう風の吹き回しだ、悠?はっきり言うがお前さん、他のマスターと向かい合おうとしてなかったろ」

ランサーの指摘に、悠はしばし言葉に詰まる。
聖杯戦争が始まってから、悠は努めて他のマスターを血肉の通った人間だと認識しないようにしてきた。如何にペルソナ使いとして優れた実力を持っていても、悠は平和な日本で生まれ育った若者だ。人間を殺す事に抵抗感がない筈がない。だからこそ、他のマスターの事は人型のシャドウのようなものだと自身に言い聞かせてきた。もしも戦う相手に感情移入してしまえば殺す事を躊躇ってしまう、立ち行かなくなる。その自己欺瞞を、このサーヴァントはとうに見抜いていたらしい。

「…さっき殺したマスター、最後にあの赤髪の男の名前を呼んでた。どんなに忘れようとしても、耳に焼き付いて離れないんだ」

だが、それも先ほどの戦闘で簡単に崩れ去った。あの白い少女の最期と赤髪の青年の怒りに染まった表情を見て、人の命を奪う事の重みを改めて思い知らされた。そして、これ以上そこから目を背けることはできないのだということも。

「だから、どんなに苦しくても、今からは同じように戦ってる他のマスターとちゃんと向き合った上で戦おうと思う。付き合ってくれるか、ランサー?」

改めて大真面目に問う悠を、ランサーは笑い飛ばしながら答えた。

「最初に言ったろ?お前さんは難しく考えすぎだってな。深く付き合おうが付き合うまいが、最終的にはどいつとも殺し合うんだ。だがまあ、覚悟が決まったってんなら良いさ。最後まで付き合うぜ、マスター」

相も変わらずさっぱりとした物言いのランサーに少しだけ励まされた。気のせいかもしれないが、また少し、このサーヴァントとの絆が深まったように思えた。


【深山町・北部住宅街/黎明】
【鳴上悠@ペルソナ4】
[状態]:疲労(中)・精神力消耗(中)・残令呪使用回数3回
[持ち物]:無毀なる湖光(アロンダイト)@Fate Zero・大鹿のルーン石@Fate/stay night

937FINAL DEAD LANCER ◆4OblpRmYos:2012/07/15(日) 22:33:43 ID:/Gi6aKqo0
【ランサー(クー・フーリン)@Fate/stay night】
[状態]:魔力消費(大)・遠見と探索のルーンを使用中
※マハタルカジャ、マハラクカジャの効果中かつ原初のルーン発動時のステータスは以下の通りです。
【筋力】A+ 【耐久】A+ 【敏捷】A 【魔力】A+ 【幸運】E 【宝具】A
※参戦時期はセイバールート、ギルガメッシュに倒された後です。(記憶は継続しています)









ランサーを退けた後、ルルーシュらは柳洞寺に帰還し、今後の対策を話し合っていた。電撃を受けた士郎はまだ気絶しているため、アルトリアが客間に運び込んで士郎の傍についている。

「その…さっき言ってた女の子、殺されたのか?」

「ああ、そうらしい。…正直色々と甘く見ていたな、この聖杯戦争も、敵のサーヴァントも」

ルルーシュの言葉に全員が重く頷く。

「ケルトの大英雄、クー・フーリンか。当面、わしらにとって最大の難敵になるのはあのランサーであろうな」

「けど、ライダー。さっきの宝具があればまた相手の宝具を無効化できるんだろ?だったら……」

金田一の希望的観測に、ライダーは首を横に振った。

「無理だ。太極図は真名解放から発動までタイムラグがある。一度見られた以上、次からは間違いなくその隙を突いてくるはずだ」

「正直に言えば、使わないでもらえると助かります。自分の宝具が貶められるのは、気分の良いものではありませんからね」

柔和な表情を崩さぬままハッキリと告げるガウェインに、ライダーはいい加減な風船のような顔になり、口笛を吹き始めた。

「何にせよ、今回の敗因は個別に敵のサーヴァントと戦ったことにある。次からは、必ず数的優位をもってあたるべきだ」

ルルーシュの主張に頷いたライダーが元の顔に戻って真面目に告げる。

「他の協力者の勧誘に地下大空洞の要塞化、食糧を始めとした物資の確保。わしらがやるべきことは山積みだ。それらを適切に為すためには…」

「組織的な行動が必要不可欠、か?」

938FINAL DEAD LANCER ◆4OblpRmYos:2012/07/15(日) 22:34:18 ID:/Gi6aKqo0
ライダーの言わんとしている事を察したルルーシュの言葉に静かに頷く。

「とはいえ今は全員疲れきっておる。何よりわしが疲れた!というわけで休憩、休憩〜」

と言ってあくびをしながら本堂を出ていってしまった。だが本音は、初めてのサーヴァント戦を経験した金田一らの緊張を少しでも和らげるためなのだろう、とルルーシュは考えていた。

(あの男のような部下がいれば、俺の人生も違ったものになっていたのかもしれないな…いや、これも未練だな)

かぶりを振って頭の中の迷いを振り払う。全てはもう終わったこと、過去だ。
今は、自分自身を終わらせる戦いに集中するのみだ。


【深山町・柳洞寺/黎明】
【衛宮士郎@Fate/ stay night】
[状態]:魔力消費(中)・ダメージ(中)・気絶中・残令呪使用回数3回
※参戦時期は桜ルート終了から半年後です。
※勝利すべき黄金の剣(カリバーン)、全て遠き理想郷(アヴァロン)、赤原猟犬(フルンディング)、宝石剣ゼルレッチの投影が可能かどうかは後の書き手さんにお任せします。

【セイバー(アルトリア・ペンドラゴン)@Fate/ stay night】
[状態]:魔力消費(微)
※参戦時期は桜ルートで士郎に倒された後です(記憶は継続しています)

【金田一一@金田一少年の事件簿】
[状態]:健康・残令呪使用回数3回

【ライダー(太公望)@藤崎竜版封神演義】
[状態]:魔力消費(小)
※杏黄旗により、どこにいても円蔵山から魔力供給が受けられます。
ただし、短時間の内にあまりにも大量の魔力を吸い出した場合、霊脈に異常をきたす可能性があります。

【ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア@コードギアス反逆のルルーシュ】
[状態]:健康・残令呪使用回数3回

【セイバー(ガウェイン)@Fate/EXTRA】
[状態]:魔力消費(中)

939 ◆4OblpRmYos:2012/07/15(日) 22:35:55 ID:/Gi6aKqo0
以上で投下を終了します。

兄貴「幸運E?馬鹿め、奴は死んだわ!」

940名無しさん:2012/07/15(日) 23:31:25 ID:v/Cd80FA0
投下乙

兄貴強すぎィ!!
雪輝たちを退けランスロットに手傷を負わせ、ホンダム撃破
番長との連携も異常だしマジで優勝狙えるぞ

そしてなんやかんやでチートなスースの太極図
番長もチーム組む必要ありと見ているようだが、誰かいい相手がいるか?

941 ◆ARbuQtVLig:2012/07/15(日) 23:57:21 ID:lI/gUAQI0
投下乙です。イリヤ逝ったか…兄貴強すぎるw
では、一度破棄している身でありますが、
羽瀬川小鳩&キャスター、間桐慎二&ライダー 予約します

942名無しさん:2012/07/16(月) 01:22:47 ID:hX1MCU/oO
(やっぱり手負いの)ランサーが死んだ!
イリヤ「この人でなしー!」

こうしてロリブルマは道場へと還ったのであった……ん?

943名無しさん:2012/07/16(月) 03:44:17 ID:HWQBgDDg0
乙  戦国最強が脱落か……
日本産英霊の敗退はやっぱり悔しいね
まぁ、兄貴は原点でもチート過ぎる余り息子や親友と戦わせられるわ
一人で軍隊と戦わせられるわでムチャしてるからしょうがないんだが


キャスター除くと唯一武器製造できる士郎だが、
宝石剣→凛がいないと使えない、凛が使っても筋肉断裂の代償、そもそも投影できたのが奇跡
全て遠き理想郷、勝利すべき黄金の剣→神造兵器なので投影するのも命がけ


アチャ腕から戦闘経験とか武具についてはダウンロードしてるけど、やっぱり干将莫耶と螺旋剣が主軸になるな>士郎
凛、士郎は同じ時間軸からの参戦っぽいけど、ワカメだけはFateルートの死亡後っぽいし
というか>>941、小鳩とワカメってどんな組み合わせだよ!

944名無しさん:2012/07/16(月) 04:37:39 ID:bT2mBwTw0
>>943
逆にサーヴァントを見よう。ラオウとキンブリー。
やだー殺し合いになるじゃないですかー

945 ◆ARbuQtVLig:2012/07/16(月) 09:24:01 ID:7eKz4Frk0
投下します

946Imagine Bleaker ◆ARbuQtVLig:2012/07/16(月) 09:24:56 ID:7eKz4Frk0
羽瀬川小鳩は、夢を見ていた。
それはとても幸せな夢で、聖杯戦争という現実を忘れてしまいそうなくらいの、優しい夢。

―――そもそも彼女は、あまりに不純な動機で聖杯に選ばれた稀有な存在である。

普段から吸血鬼を自称し、奇抜な衣装に身を包んで様々な設定を自らに課して生きている。
別にやらなければ誰かが死んでしまうとか、彼女が本当に吸血鬼だとか、そういった設定はない。
とあるアニメにどっぷり嵌まってしまい、それで思春期によくある病を発症してしまっただけである。
……厨二病という、特効薬の存在しない病を。
それまでは馬鹿馬鹿しいことに情熱を燃やす、ちょっとばかし頭の足りない美少女だった。
それでも心まで吸血鬼になりきれてはおらず、内面はあくまで年相応の少女に過ぎない。
少々友達が少ない、ある少年の残念な妹。
それが、本来羽瀬川小鳩という少女に与えられるべき役割なのだ。
間違っても聖杯戦争なんてものに喜んで身を投じるような、そんな人物ではない筈。
では、何故彼女がマスターに選ばれたのか。
ひとえに、それは小鳩の心にあったひとつの願いが原因だった。

兄、羽瀬川小鷹。

小鳩と同じく友達の少ない、だが彼女にとってはかけがえのない兄。
単身赴任で父親は家に居ない、実質たった一人の家族といってもいい存在である。
どんなに妄想を拗らせようと、どんなに設定を追加しようと、兄への想いだけは揺るがない。
もし兄を失いでもしたら、自分がどうなるのか小鳩自身にも分からなかった。
それほどまでに、小鳩の中で小鷹という存在は大きいものだったのだ。

―――つい最近。小鷹はとある部活に所属するようになった。

彼と同じく友達の少ない人間達が集まって、日々馬鹿なことをする部活・隣人部。
兄がそこで友達を獲得し、自分を疎かにしてしまうのではないか。
今まですごく近くにあった兄が、どこか遠くに行ってしまうのではないか――そんな気持ちだ。
早い話が、嫉妬に限りなく近い感情である。
傲慢と言ってもいいかもしれないが、その想い故か、彼女はこうしてマスターとなったのだ。

……とはいうものの、本来の未来では小鳩もまた隣人部に所属する。
兄を追って入部し、そこで神の使い(シスター)の幼女と出会い、彼女の日々も豊かになる。
小鷹が遠くに行くなんてことはなく、むしろ距離は近付いたのかもしれない。
――聖杯戦争に参加したのは、紛れもなく間違いだったのだ。
そんなことにも気付かないまま、羽瀬川小鳩は戦争を勝ち抜こうと軽く決意した。
サーヴァントを召喚して暫く経ってから、小鳩はようやく恐怖を感じ始めたのだ。
命を懸けることへの、本能的な恐怖。或いは年相応の恐怖。
彼女は聖杯戦争を勝ち抜くには、あまりにも幼過ぎた。
だからこうやって小鳩は、まるで現実から逃避するかのような夢を見る。

周りに、数人の友達がいる。
兄の姿もあって、自分より小さいシスター少女と小鳩は喧嘩している。
吸血鬼とシスターは絶対に相容れぬ存在だ、折れる訳にはいかないと互いに張り合うばかりだ。
それを微笑ましそうに見守る兄の姿は、いつも通り優しげで、大好きな兄のもの。
遠くから走ってきて自分の頭を撫で回す金髪の少女を、小鳩は見たことがなかった。
迷惑そうにそれを払おうとするものの、どうしてもその豊満な胸に視線が行ってしまう。
小学生よりも小さい胸、それは羽瀬川小鳩のコンプレックスなのだ。
悔しい、と思うが悪くない、とも思える。
この楽しい時間が永遠に続いてくれれば、どれほど良いことか。
そう思って、小鳩は目を閉じる――――


「…………ぁ」


のではなく、目を開いた。
直後、激痛と肌寒さが押し寄せ、現実に引き戻される。
夢の時間は終わりだ。
随分楽しい夢だったなあ、と小鳩は茫然と思った。
……口には出さなかった。
いや、出せなかった。言語になってくれないから。
人間としてあるべきでない状態に貶められ、それでも尚生かされている。
傍らで下衆の極みのような微笑みを浮かべる、青い海草のような髪の毛をした少年。

947Imagine Bleaker ◆ARbuQtVLig:2012/07/16(月) 09:25:35 ID:7eKz4Frk0
小鳩が目を覚ましたことに気付くと、涎を垂れ流すばかりの口に靴を差し出した。
……そうだ。
もう自分には、人間としての権利は残っていない。
聖杯戦争を勝ち抜こうなんて、もはや無理だ。
令呪はもう残りひとつ。全て、貪り尽くされ、いいように使われた。
マスターとしてでもなく、人間としてでもなく。
羽瀬川小鳩という生命は、ただここに存在しているだけのモノに成り果てていた。

少年の下品な笑顔に嫌悪感を覚えようと、自分は彼に完全に敗北したのだ。
だから、もう何も抗う必要はない。

「おい、早くしろよ……ヒヒッ」
「……ふぁひ」

靴に舌を這わせる。
泥臭い味が伝わってくる。
そうしながら、羽瀬川小鳩は思い出していた。
自分が敗北した理由を、たった数十分で崩れ去った夢の話を。
そして、地獄のような拷問の時間を。


――――羽瀬川小鳩の、敗北の物語。殺された幻想の物語。



□ □


ライダーこと拳王ラオウと間桐慎二は、結局見慣れたとある邸宅の前で停着していた。
黒王による移動は、というよりラオウの荒々しい運転が、慎二には耐えられるものではなかったのだ。
ラオウはそれを軟弱と罵り叱咤したが、彼もまたひとつの事実に気付いていた。

(この小僧……器だけでなく力もまた弱小か)

間桐慎二は、劣等感の塊である。
始まりの御三家・間桐の家に生まれながら、魔術回路が遂に宿らなかった劣性。
義妹の桜にさえ劣等感を感じ、日々その鬱憤を晴らして生きる毎日を送ってきた。
聖杯戦争に参加してみれば外れを引き、自身のミスの可能性など考慮もせずにまた劣等感を重ねる。
そんな矮小な人間に、かの拳王の荒々しさに耐えられはしなかったようだ。
酔いに近い状態になり、流石のラオウも呆れるばかりだった。
だが、如何に矮小といえどマスターにノビられてはこの先色々と面倒なことになりかねない。
癪なものを感じずにはいられなかったが、渋々マスターに合わせることにした。
拳王ラオウは早くも、この戦の不便さに沸々と苛立ちを覚える。

一方、黒王から降りて間桐慎二は内心毒づいていた。
二度目の聖杯戦争で、今度こそ勝利を収めようと思ったらこれだ。
前回のライダーよりも扱いやすさの度合いで言えば数段質が悪い。
所詮使い魔(サーヴァント)に過ぎないのに、マスターに手をあげるとは何事だ。
もっと従順忠実で、それでいて爆発的な力を有するサーヴァントが欲しかった!
なのにどうしてこんな扱いにくいにも程がある奴なのか。
またも自分は苦い思いをし、無惨に死ぬのが落ちなのか……否。断じて否、だ。
折角の二度目の人生で、また無様に敗北するなんて嫌だ。

慎二は煮えくり返りそうな怒りを必死に抑えて、精一杯の冷静さを取り繕う。
前回の彼だったなら怒りに任せてサーヴァントと口論し、決裂していたかもしれない。
が、慎二は早まることをせずに、静かにラオウに話し掛けた。

「なあライダー。情けないが僕はちょっと酔った」
「言われんでも解るわッ! ……全く、情けないにも程がある」

舐め腐った言い回しにカチンとくるが、またもそれを寸でのところで押し留める。
ここで怒ったら折角思い付いた作戦が台無しだ。
今の慎二がやるべきことは、どうにかしてライダーを自分の言う通りに行動させること。

「ここは僕の家だからさ……少し、休む。だからお前は外で獲物を探していてくれ」
「……確かに、それも悪くはない」

存外呆気ない展開に慎二は拍子抜けの思いだったが、実はライダーにとって願ってもないことだった。
拳王ラオウの名は伊達ではない。
一対一の激闘でなら生半可なサーヴァントでは相手にならないだけの力を発揮することだろう。
――だが、この聖杯戦争にはネックがある。
ラオウが如何に強くともマスターを狙い撃たれれば終わりなのだ。
姑息な敵にマスターの慎二を狙われでもしたら、そんな下らないことで彼の聖杯戦争は終焉を迎える。
逃げ道を進むようで癪だったが、ここは妥協することも有りか、とライダーは思っていた。

948Imagine Bleaker ◆ARbuQtVLig:2012/07/16(月) 09:26:40 ID:7eKz4Frk0
「成程、理解した。その策に乗ってやる―――だが」
「……ッ、ライダー!!」
「既に先客が居たようだな」

ラオウは並の戦士なら腰を抜かして失禁しかねない眼光で、姿を現した男を睨み付けた。
白いコートの男。
だが全身から放たれる気は只者でないことを明確に示しており、マスターと見紛うことは有り得ない。
ゾルフ・J・キンブリー。キャスターのサーヴァントが間桐邸から姿を現した。

「生憎ここは私達が拠点とする予定でしてね……お帰り頂けますか?」
「――戯けィ!!」

言葉より先に、拳王の剛拳がキャスターの身体に迫っていく。
それを軽々とかわしてのけるキャスターだが、その表情に余裕の色は皆無。
彼もまた、今の一撃のみでライダーの力の程を計ったのだ。
結論、少なくとも舐めてかかって討ち果たせるような相手ではない。
紅蓮の錬金術師の力を総動員して戦い、それでも確実な勝利が約束されないいきなりの難敵だ。
些か以上に不味い状況である。
自身のマスターが非力であることも考慮して、間桐邸に侵入されることだけは避けたい。

「少なくとも……貴方だけは通しませんよ。ここで散って貰いましょう」

ライダーが無言で打撃を放ち、それをキャスターは避ける。
何度かの打ち合いの後に、その頬から一筋の血液が垂れてきた。
戦いは激化する。
―――二体のサーヴァントは、間桐慎二の鬼畜の極みともいえる策に気付いていなかった。
間桐慎二は間桐邸に命からがら侵入するなり、マスターの捜索を始めた。
未だ表からは、激戦の音が絶え間なく響いている。


■ ■


「だ……誰か入ってきた……?」


羽瀬川小鳩は、怯えた声でそう呟いた。
吸血鬼を名乗る彼女はすぐにらしくないと気付き、また強がりの「設定」を口にする。

「フ……名も知らぬ盆俗の相手をするほど暇ではない」

そう言いながらも、彼女は隠れる場所を捜す。
こんな時の為に、キャスターから地下の蔵のことについて聞いていた。
キャスターが迎撃に出向いている中、彼女の逃げる場所はそこしかない。
本来はとある老魔術師の『蟲蔵』であったそこには、だが蟲の一匹の姿もなかった。
それが何よりも、この聖杯戦争が別物であることを意味していた。
階段を慎重に降りながら、小鳩は恐怖で高鳴る心臓に左手を当て、抑えつける。
こんなに怖いなんて――こんなに苦しいなんて。
泣きそうなほどの恐怖に駆られながら、彼女は階段を降り――足を踏み外した。

「や、やぁっ!?」

素っ屯狂な声をあげて、小鳩は床に背中から叩きつけられる。
鈍痛が押し寄せるが、それどころではなかった。
今の声が侵入者に聞こえでもしていたら、大変なことになる!
床を這って、蔵の隅にうずくまって涙目になる小鳩。
ふと見上げると、そこには鎖のようなものがあった――手枷と足枷のついた、拘束具。
ここで何が行われていたのか、小鳩の知識では想像することも出来ない。
ふるふると身体を震わせている彼女。



―――――――だが、運命は無情だ。

949Imagine Bleaker ◆ARbuQtVLig:2012/07/16(月) 09:27:33 ID:7eKz4Frk0
「見つけた」


階段の上から、駆け降りてくる人影があった。
手にはいくつかの工具を持っていて、口は三日月を連想させる邪悪な笑顔に歪んでいる。
ひっ、と気の抜けた声を漏らす小鳩だが、どうすることも出来やしない。
彼女の身体では侵入者、間桐慎二を押し退けて逃げるなんて無理な話。
あれは何だろう、と小鳩はまるで他人事のように思う。
ペンチ、ドライバー。
あれを何に使うのだろうかとか、そんなことを考えている内に現実はやってきた。
慎二が小鳩の上にのし掛かった時、羽瀬川小鳩の命運は完全に尽きたのである。

「きゃ、キャス……っ、ぶ!?」
「おっと、死にたくなかったら令呪を使うのは止めな」

小鳩の顔面を容赦なく殴り、鼻から血が噴出する。
令呪でキャスターを呼び戻せばいいのだが、そんな素振りを見せたら慎二はすぐにでも、その手のドライバーで小鳩を突き刺すだろう。
微塵の容赦もなく、怒りに任せて突き刺すだろう。
怖い。死にたくない。
歯ががちがちと嫌な音を立て、鼻の痛みも相俟って慎二の言葉に頷いてしまう。
「僕の要求は二つだ」

にやぁっ、と笑って慎二は小鳩に耳打ちする。
要求の内容を聞いて小鳩はぶんぶんと頭を横に振り、条件を否定する。
その瞬間、慎二の溜め込んでいた怒りは爆発した。
サーヴァントが言うことを聞かないことへの怒り。
思い通りに行かない聖杯戦争への怒り。
そして、それらの感情は羽瀬川小鳩に向けられる。

小鳩の右手を掴むと、慎二は全体重をかけて四本の指をべきべき、とへし折った。
絶叫する小鳩の口に手を突き入れ、慎二は笑いながらペンチを取る。
もはや彼の枷はなく、ただ小鳩を壊すことしか頭にはなかった。
前歯にペンチを当てると、乱暴にそれを挟み、勢いよく引き抜く。

「っ、ぎゃあああああああああああ!!!??」

次は横にずれて、また一本。
ぶちり、ぶちりと歯を抜いていき、彼女はその度に醜く絶叫をあげた。
小鳩の令呪が不意に輝く。
慎二は僅かに焦ったが、彼女の口から消え入りそうな声で紡がれた命令に満足げな笑顔を浮かべる。
そして慎二も自身の令呪を用いて、自身のサーヴァントにとある命令を課すのだった。
だが、拷問は止まない。
小鳩の絶叫はしばし止まらず、ついに彼女の口にあるべき歯が全て抜き取られてもなお、次は爪に標的が移る。呂律の回らない口で何かを言う小鳩だが、慎二には届かない。

「ぁ、ひゃああああああああああいぃきぃいいいああああああああがががあああっくあああ――――――――――――!!!!!!」

蟲蔵に、絶叫が轟いた。


■ ■


そして、時は現在に戻る。
羽瀬川小鳩の状態は、無惨極まりないものだった。
歯は一本残らず抜き取られ、衣服は引きちぎられ、布一枚たりとも纏っていない。
爪も無惨に潰され、おまけに大便まで垂れ流し、身体中に凄惨な拷問の痕跡を残していた。
光彩の消えた瞳で虚空を見つめ、彼女は呟く。

「ひゃ……あ、あん……ひゃん……たひゅけて……ぶがっ!?」

拳がまたもその顔面を打ち抜き、醜い悲鳴を漏らさせる。
その股間から金色の水が流れ落ちる様を見て、慎二は優越感に浸り、思わず高笑いをあげる。
散らばった歯が、爪の欠片が、破れた衣服が、鎖に繋がれ手枷と足枷に拘束された小鳩の姿が、その足下に出来たアンモニア臭のする水溜まりが、散らばる大便がーー全てが、慎二に愉悦を与えた。
自分は勝ったんだと、歪んだ勝利の喜びを噛み締める。

950Imagine Bleaker ◆ARbuQtVLig:2012/07/16(月) 09:28:48 ID:7eKz4Frk0
―――間桐慎二がライダーに命じたのは、ひとつ。
『間桐慎二に異を唱えるな』と命じ、ライダーの厄介なところを消した。

―――羽瀬川小鳩に命じさせたのはふたつ。
『間桐慎二及びラオウに従え』と、『間桐慎二の命令があり次第速やかに自害せよ』。


これが、間桐慎二のキャスターを最大限利用し、使い潰す為の策だった。


「あは……はは……は、はっははははははははははっはははっはははははははっははぁ!!!!
どうだ衛宮ぁ、僕の勝ちだっ、僕にだってこれくらいのことは出来るんだ、はははッ!!!
殺せライダー、キャスターッ! 一人残らず殺し尽くせッ、あはははははははは!!!!」


【深山町・間桐邸/深夜】
【間桐慎二@Fate/stay night】
【状態:健康、気分高揚(残令呪使用回数:2)】


【羽瀬川小鳩@僕は友達が少ない】
【状態:全裸、鼻腔骨折、歯全本欠損、右手指四本骨折、手足の爪破壊、拘束中、失禁、脱糞(残令呪使用回数:1)】


■ ■


「――――あの、小僧めがッ!!」


ラオウの怒号が夜の深山町に響き渡り、キャスターはその相眸に怒りをありありと示している。
慎二の令呪でラオウは彼の策、キャスターとライダーの共闘に異議を唱えられない。
キャスターはといえば、ライダーが異議を唱えない限り、彼もまた慎二の傀儡だ。
小鳩を助けに行くにも拳王との戦いが激しすぎて、それすらも許されなかった。
令呪を使用される前は、ライダーを間桐邸に入れないだけで精一杯という有様。
しかも、命令ひとつで即座に自害させられる、まさしく只の手駒。
令呪の強制力は無情にも二人のサーヴァントを有無を言わせず従わせ、慎二の思うがままにする。
対決を邪魔されただけでなく、戦いの価値さえ貶められ――拳王と紅蓮の錬金術師は、劣等感故に狂った少年のマリオネットとして動くことを強いられるのだった。


【深山町・間桐邸前/深夜】
【ライダー(ラオウ)@北斗の拳】
【状態:疲労(小)、激怒、令呪】
※令呪の詳細は以下の通りです。
・間桐慎二に異を唱えるな

【キャスター(ゾルフ・J・キンブリー)@鋼の錬金術師】
【状態:疲労(中)、令呪】
※令呪の詳細は以下の通りです。
・間桐慎二及びラオウに従え
・間桐慎二の命令があり次第速やかに自害せよ

951 ◆ARbuQtVLig:2012/07/16(月) 09:29:23 ID:7eKz4Frk0
投下終了です

952 ◆4OblpRmYos:2012/07/16(月) 09:53:46 ID:OsDqrLFU0
あ、ありのまま今起こったことを話すぜ!
深夜に予約が入ったと思ったら既に投下されていた。
な、何を(ry
まあ冗談はさておき、投下乙です!
相変わらず原作クオリティの慎二ぇ…
しかし戦略自体はかなり有効(四苦八苦している参加者が多いことを考えればなおさら)、
魔術師的に考えてもそこまで的外れなことはしていないというのが皮肉がきいてますね。
意外と頭使ってるなあ、慎二。

953名無しさん:2012/07/16(月) 11:38:11 ID:hX1MCU/oO
投下乙です!
幼女ボコって優越感に浸るワカメェ・・・

954名無しさん:2012/07/16(月) 13:11:59 ID:Cbab3KE2O
どうしてこんなにリョナラーが沸いてるんですかねぇ…(震え声)

955名無しさん:2012/07/16(月) 16:04:42 ID:83IODX2k0
立て続けの新作、皆乙であります。しかし、ワカメよ。その命令で良いのか?
抽象的かつ強制力の高い命令ほど、束縛力は弱くなりレジストされる危険性も高まるのだぞ?

956名無しさん:2012/07/16(月) 16:14:53 ID:HWQBgDDg0
投下おつ
… なんていうか…このSS読んだ時
…その…下品なんですが…フフ………… 勃起……しちゃいましてね…………

>>955
反抗しても令呪残ってるから即自害させられるだろうからなぁ
まっとうなキャスターや高対魔力持ちなら可能かもしれんけど
キンブリーは錬金術師だし……

957名無しさん:2012/07/16(月) 18:39:42 ID:83IODX2k0
>>956
いや、問題はラオウへの令呪。
異を唱えるな、だけだから口出しは防げても
具体的な反抗には拘束力弱い。凛がアーチャー相手でようやく
「反抗している間はステータスがワンランク下がる」程度。
ワカメの魔力でラオウを御せるかと言えば…。

958名無しさん:2012/07/16(月) 19:04:21 ID:hX1MCU/oO
どっち道「自害せよ」が自殺と同義なムーンセル式じゃあワカメは少なからず好意的なのを引いてないと……相性って大事だな

959マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/07/16(月) 19:05:02 ID:1UowtlBM0
慎二…ゲスップリは相変わらずだけど、
あんたが相手してんの想像の斜め上を行くサイコパスさんなんやで…

従えなんて曖昧な命令だけで完全に動かせるとか勘違いしてたら、
気づいたら詰んでるフラグだな。

960 ◆FTrPA9Zlak:2012/07/16(月) 22:08:05 ID:c1XUIo420
小鳩ってどんなキャラか知らないからググってみて吹いた
こんな少女に拷問するとか何このワカメひどいw

ともあれ完成したので投下します

961Anything Goes! ◆FTrPA9Zlak:2012/07/16(月) 22:11:57 ID:c1XUIo420
OOO
仮面ライダーオーズ、前回の三つの出来事!

一つ、泉こなたのサーヴァントとして聖杯戦争に呼ばれた火野映司!
一つ、オーズの姿が見たいと願うこなたの前で映司は変身する!
一つ、その姿を見つめるサーヴァントの姿が映司達の傍に!

OOO

「ここは本当に冬木市なのかしら…」

遠坂凛は自宅を拠点として結界を張った後、周囲の散策に出ていた。
もちろん凛の張る結界ではキャスタークラスに通用しない可能性も高い。が、こっちのサーヴァントもキャスターだ。
変な結界を張らないよう凛が監修した上で陣地作成のスキルを活用させてもらった。

しかし出て感じたのは異常なまでの違和感だった。
もしかしたら何らかの魔術結界の中に囚われているのではないかと思うほどだ。
違和感の原因は分からない。
サーヴァントを問いただしもしてみたが、

『ごめんなさいねぇ〜、私にもそういうのはちょ〜っとよく分からないのよねぇ』

の一点張りだった。
何か知っているのは明らかだが、答えないのではどうしようもない。令呪を使うのももったいない。とりあえず自分の足で出向いてみることにしたのだった。
キャスターのサーヴァントのみを連れて出歩くというのも危険な行為な気はしたが、だからと言って引きこもっているのもプライドが許さない。
ただ、キャスターには周囲の索敵は指示しておいた。付近で戦闘、あるいはサーヴァントの気配がないかと警戒するように、と。

それが引っ掛かったのは、冬木大橋に近づいたときだった。

『ご主人様〜、どうもこの近くでお祭りをやってるみたいよぉン』


OOO

キャスターがそれに気づくより前の時間となるだろう。彼、間桐雁夜が目を覚ましたのは。

「む、目覚めたかマスター」
「…お前は、……ああ、お前が今の俺のサーヴァントか」

さすが聖杯戦争経験者というところだろうか。今の状況は大まかにだが把握できたようだ。

962Anything Goes! ◆FTrPA9Zlak:2012/07/16(月) 22:13:45 ID:c1XUIo420
「クラスは――アサシンか」

アサシンは正面からの戦闘は不得手とし、暗殺や隠密行動に優れたクラス。
だが雁夜の目の前のサーヴァントはアサシンとしては破格のステータスを持っているようだ。
これならば正面から戦わせてもある程度は行けるだろう。

「…あいつらは、魔術師とサーヴァントか?」
「ああ、どうやらそのようだ」

指したのは公園にいる妙な鎧をまとった男と一人の少女。
トキには、その少女が魔術師ではないことは彼女の様子から察しはついた。だがサーヴァントを連れているという事実は変わらないだろう。

「ならちょうどいい、あいつらを殺せ」
「…。彼ら二人を、か?」
「ああそうだ、他の魔術師とサーヴァントはみんな殺すんだ。俺は聖杯を取らなくちゃいけないんだ…!」
「―――分かった。ならマスターは近くで身を隠していてくれ」

迷いもあった。逡巡もあった。
しかしそれでも、今の自分にマスターを止めることなどできないだろう。
今の自分はサーヴァントでしかない。その言葉など彼には届かないだろうから。
だからせめてマスターに危険が及ぶことはないように願い、一歩前に踏み出した。

OOO

「こなたちゃん、下がって」
「映司さん?」

変身を解く前にその存在に気付けたのは幸いだったのだろう。
この宝具は強力なものではあるが変身するまでにはある程度のタイムラグが生じてしまうのだから。
事前に存在に気付けていればともかく、このように気配を消して接近してきたり、あるいは奇襲をかけてこられた場合は変身すらできずに負けてしまう可能性が大きい。

だが、相手は気配を隠したまま近づくことはなく、正面から映司を見据えつつ近づいてきた。
白髪に白い襤褸の布を纏った男だった。

「俺はアサシンのサーヴァント。貴様のクラスは?」
「ライダーだ」
「そうか。お前に恨みはないが、このような場所で出会った不幸を恨んでくれ」

そう言うと、アサシンは構えを取る。武器を持ったわけではなく、何かの拳法の構えのような姿だ。
それを見て映司も手に剣を構える。

(アサシンは正面からの戦闘は苦手のはず、それでも戦いを挑んでくるってことは、かなりの強敵か)
「…あれ?あの人どこかで…」
「ではいくぞ」

スッ
と、気が付いたときには相手はオーズの目の前まで移動していた。

963Anything Goes! ◆FTrPA9Zlak:2012/07/16(月) 22:15:15 ID:c1XUIo420
(っ?!早い!!)

変身していたのは本当に幸運だった。もしそうでなければドライバーを構えたところで終わっていただろう。
突き出された指はオーズの腕に防がれていたため体を突くことはなかった。しかし――

「な、何だ?腕が…重い…?」

特にダメージはなかったはず。なのに左腕の動きが妙に重くなった。


「なるほど、かなりの魔力で編まれた鎧のようだな」

映司は知らない。その突きはただの攻撃ではないということに。
体に708ある経絡秘孔、その一つを突かれたのだった。
幸い今映司はオーズへとその姿を変えている。全身に流れる魔力がその効果を軽減していた。

(何かされたのか?いや、これは…)
「だがそうであるなら」

と言うやいなや、続けざまに接近し拳を突き出してくる。

「効くまで当てるだけだ」
「っ…!」

メダシャリバーを振る暇すら与えずに攻撃を繰り出してくるアサシン。
それでも5発の拳をかろうじてかわしきった映司はとっさに距離を取り、メダルを取り出す。

(相手は何かの拳法の達人…、接近戦はまずい。ここはこいつで)

しかしアサシンもすかさず追いすがって追撃をかけようとする。
だが映司もそんなことは予測済みだ。
迫るアサシンの目の前を黒い霧のようなものが覆う。

「ぬ…」

咄嗟に送り出したタコカンドロイドの墨だ。
その一瞬の隙にメダルを入れ替える。

964Anything Goes! ◆FTrPA9Zlak:2012/07/16(月) 22:17:51 ID:c1XUIo420

―クワガタ!クジャク!バッタ!―

鷹を模した頭は緑色の双角に、虎の爪を持った腕は赤き盾を掲げた姿へと変化する。
赤い体からは6枚の羽根が広がり、飛蝗の脚力も合わせて空中へと飛び上がる。

タコカンドロイドを振り切ったアサシンの元へ、右腕の赤い盾から炎を撃ちだす。
アサシンは巧みな動作でそれをかわしていく。しかし制空権を持つオーズに近づくことができない。

炎が地面を焼き、周囲に爆音を響かせる。
おそらくこのままジリ貧になり、アサシンが諦めるのを待つだけだ―と。
だがそうはならなかった。
そうして放たれた炎弾が地面を抉ると同時、アサシンは飛び上がっていた。
それは魔術的な仕掛けもなく、ただ飛び上がっただけ、にしてはあまりに美しい跳躍。
そしてそこから繰り出される拳は確実にオーズを捉えている。
しかし映司は動かない。足がバッタのままである以上、空中を動き回ると姿勢が崩れやすくなるのだ。下手に動けば追撃を受ける可能性が高い。
そんなオーズに向けて無数の、目にも止まらぬ突きが繰り出され――

「――今だ!」

と、それらが映司を捉える寸前、クワガタホーンから緑の電気が迸った。

映司が敢えてクワガタメダルに変更した理由。
彼はアサシンが遠距離攻撃にも何かしらの対応が可能ではないかと読んでいた。それゆえの保険だ。
できるのであれば空中まで追跡してくることも考えられた。
さすがにアサシンといえど魔術や固有スキルもなしに空中を自在に動くことなどできないだろう。
迫ってきたところに、その周囲を覆うように電撃を放ったのだ。

至近距離からの電撃を受け、さすがにアサシンも避けきれずその身を後退させる。

映司はアサシンから一定の距離をとれる場所に足を下ろす。

「もう止めてください!」

そして叫んだ。

「映司さん…?」
「あなたはこんな戦い、やりたくなんてないんじゃないんですか?!」

アサシンはそう言う映司を見据える。

このアサシンはかなりの強敵だ。これまでの打ち合いの中でも幾度も危ない場面はあった。
しかしそれでも映司には彼が本気で戦うことを心の何処かで拒んでいるのではないかと、そう感じた。
実際、彼ほどの技量があれば映司を組み伏せることなど容易いはずなのだ。

965Anything Goes! ◆FTrPA9Zlak:2012/07/16(月) 22:19:23 ID:c1XUIo420
「…俺の迷いを見破ったか。だがそれでも俺には引くことなどできない」

しかしそれでもアサシンは再び構えをとり、戦闘態勢を崩さない。

その時であった。
大量の羽音がその場にいた三人の耳に響いたのは。

「な…、マスター?!」
「アサシン!!何をやってる!!早くそいつを殺せ!!」

見るとアサシンの背後から白髪の男が見えた。おそらくマスターだろう。
彼はそのボロボロの体を酷使して体を蝕む蟲を使役していた。

「うわあ!!」
「こなたちゃん!!」

蟲の狙いは映司のマスター、泉こなた。
もはや数えることなどできないだろう数の翅刃虫がこなたの元にとびかかる。

彼の狙いはこなたを殺すことだろう。マスター不在のサーヴァントは本来の力を発揮することはできない。
もし今彼女が死ぬことがあれば、おそらくアサシンに勝つことはできない。

映司はすかさずタジャスピナーから炎を撃ちだすが飛び掛かる蟲を殺しきれなかった。
そしてそんな映司の元にアサシンが迫る。

「…時間がない。素早く決めさせてもらうぞ」
「くっ…!」

焦りを抑えつつ大量の缶を辺りにばらまきつつアサシンの拳をスピナーで受け止める。

そうしている間にも蟲はこなたの元に近寄っているが、それらをばら撒いたカンドロイドが全力で迎撃をしていた。
だがあまりにも数が多すぎた。

襲いくる蟲をクジャク缶達は輪切りにし、ウナギ缶達は放電で落とし、プテラ缶達は音波で消滅させる。
だが、それでも広範囲に襲いくる蟲に対してカバーしきれていない。
それらを突破したものをかろうじてゴリラ缶、トリケラ缶達がこなたの直前で撃ち落としている。

966Anything Goes! ◆FTrPA9Zlak:2012/07/16(月) 22:22:41 ID:c1XUIo420
すみません>>965はこっちに差し替えで

「…俺の迷いを見破ったか。だがそれでも俺には引くことなどできない」

しかしそれでもアサシンは再び構えをとり、戦闘態勢を崩さない。

その時であった。
大量の羽音がその場にいた三人の耳に響いたのは。

「な…、マスター?!」
「アサシン!!何をやってる!!早くそいつを殺せ!!」

見るとアサシンの背後から白髪の男が見えた。おそらくマスターだろう。
彼はそのボロボロの体を酷使して体を蝕む蟲を使役していた。

「うわあ!!」
「こなたちゃん!!」

蟲の狙いは映司のマスター、泉こなた。
もはや数えることなどできないだろう数の翅刃虫がこなたの元にとびかかる。

彼の狙いはこなたを殺すことだろう。マスター不在のサーヴァントは本来の力を発揮することはできない。
もし今彼女が死ぬことがあれば、おそらくアサシンに勝つことはできない。
いや、それ以前にこの場ではそもそもマスターの死=敗退も同然なのだ。

映司はすかさずタジャスピナーから炎を撃ちだすが飛び掛かる蟲を殺しきれなかった。
そしてそんな映司の元にアサシンが迫る。

「…時間がない。素早く決めさせてもらうぞ」
「くっ…!」

焦りを抑えつつ大量の缶を辺りにばらまきつつアサシンの拳をスピナーで受け止める。

そうしている間にも蟲はこなたの元に近寄っているが、それらをばら撒いたカンドロイドが全力で迎撃をしていた。
だがあまりにも数が多すぎた。

襲いくる蟲をクジャク缶達は輪切りにし、ウナギ缶達は放電で落とし、プテラ缶達は音波で消滅させる。
だが、それでも広範囲に襲いくる蟲に対してカバーしきれていない。
それらを突破したものをかろうじてゴリラ缶、トリケラ缶達がこなたの直前で撃ち落としている。

967Anything Goes! ◆FTrPA9Zlak:2012/07/16(月) 22:24:04 ID:c1XUIo420
これでは時間の問題だろう。


「っく…!あなたはこんな戦いが正しいと思っているんですか!」
「俺達はサーヴァントだ。マスターを勝ち残らせなければこの戦いを生き残れはしない」
「それは、本当にあなたの言葉なんですか?!」
「……」

一瞬動きが鈍るのを感じたが、次の瞬間には再び速度を取り戻す。

「ああもう、この分からず屋!!!」

そうしてメダシャリバーを大振りで振るった。
しかしそれは受け止められ、逆に当身の形で体ごと弾きかえされてしまう。

が、

「…何?」

そのまま弾かれた勢いに乗り、宙に飛び上がりこなたの元へ降り立つ。

「こなたちゃん、ごめん!あと伏せてて!」

迫る蟲の前で映司は三枚の黄色いメダルを取り出す。
ライオン、トラ、チーター。
本来ならこなたの負担を減らすためにあまり使いたくはなかった。だが今は彼女の命がかかっているのだ。
ドライバーにそのメダルを装填しスキャンを行う。

―ライオン!トラ!チーター!―
―ラ・タ・ラ・タ〜! ラトラーター!!―

ラトラーターコンボ。猫科のメダル三枚によるコンボ。
火力、俊敏性に優れた黄色いオーズの姿。

変身と同時に、そのコンボの持つ固有能力を発動させる。

全身から熱量砲撃を放つ、通称ライオディアス。
アサシンをして近寄らせないほどの威力を持つそれは周囲を熱と光に包み、迫る蟲を一斉に消滅させる。

放射が収まったときには蟲はほとんどいなかった。
そしてわずかに残った蟲もカンドロイドに駆除されたことも確認した。

968Anything Goes! ◆FTrPA9Zlak:2012/07/16(月) 22:26:23 ID:c1XUIo420
「…?」

しかしそれ以降のアサシンの攻撃がない。

不審に思い周囲を見回すと、アサシンは地面に蹲り、血と蟲を吐き続ける己がマスターの元に戻っていた。
殺そうというつもりはない。ただ分かってほしい。こんな戦いは間違っているのだと。
こんなことに巻き込まれたこなたのような者を殺してはいけないのだと。

そう思い、チーターの脚をもって距離を詰め、彼と話せる距離まで接近する。

だがアサシンがそれを許すはずもない。マスターの目の前で近づく彼を受け止めた。
ラトラーター形態となり筋力も俊敏性も上がったオーズの攻撃も巧みに受け流していく。

「ゴオッ…、あ、アサシン、勝てないならマスターを狙え…。それで勝てる…」
「っ…、あなたは、どうしてそんなに――」
「うるさい!!サーヴァント風情が話しかけるな!!
 俺は、勝たなきゃいけないんだ!!絶対に!!」


OOO

お前たちに何がわかるというのか。
薄汚い魔術師とサーヴァント風情に。

なぜこんなにも魔術師を憎んでいるのか、もう雁夜には自分でも分からなかった。
ただその怒りと憎しみを込めて、最後に一匹潜ませていたそれを動かす。


「うわっ!!」
「なっ?!こ、こなたちゃん!」

一匹だけ、もしものときのためにそいつの近くに潜ませていた蟲。
それをあのサーヴァントのマスターの元に解き放つ。

「い、痛い…、離せ…!」

腕に喰らいついた蟲はそのまま離すことなく肉をかじり続ける。
これであの魔術師は蟲に喰らいつくされることだろう。

サーヴァントのほうはアサシンが抑えている。
これで戻ることはできないだろう。俺の勝ちは確定だ。

そうだ、こうやって殺していくんだ。それで俺は聖杯がとれる。
これで救える。桜ちゃんも、■さんも、凛ちゃんも―――

969名無しさん:2012/07/16(月) 22:26:33 ID:HWQBgDDg0
う〜ん、マスターの力量差がかなり戦闘に影響出るな

970Anything Goes! ◆FTrPA9Zlak:2012/07/16(月) 22:29:10 ID:c1XUIo420
と、そのときだった。
その蟲に向かって黒い何かが飛んでいくのが見えたのは。
それは蟲をピンポイントで撃ちぬく。
同時にアサシンとサーヴァントの戦っているところで爆音が響き、周囲が煙に包まれた。

「な…!だ、誰だ!!」

勝利を目前にしての介入者に雁夜は怒りをあらわにするが、

「はーい、ちょっとごめんなさいね」

その背後から聞こえた声に彼の思考は止まる。

「悪いけど聞きたいことがあるから邪魔させてもらったわ。
 私の質問に答えられるかしら?」

背後で指を背中に押し付けて話しかける何者か。

アサシンは敵のサーヴァントを逃してしまい、マスターの元にかけよっている。
このまま状況を立て直すのは難しいだろう。

だが、そんなことは気にもならない。
なぜなら、その聞こえてきた声は――

「――凛…ちゃん?」
「え?」

そう、その声は■さんの娘で、桜ちゃんの姉で―――
なぜその声がここで聞こえるのだろうか。


「凛ちゃん、どうして君が――」

思わず振り返る雁夜。が、そこから言葉を続けることはできなかった。

「―――あ」

だってそこにいた彼女は、自分の知っているツインテールの女の子ではなく。

「―■、さん…?」

その長く下ろした髪が、あまりにも■さんに似ていたから――

「あ…、ああ、ああああああああ!!!!」

その瞬間、何かに耐え切れなくなるように逃げだした。
なぜ逃げたのか、そもそもなぜ彼女がここにいるのか。そんなことを考えることすらできなかった。

「待って、あんた何でわたしの名前――――」

もう彼女の声も届かない。あれほど必死だった聖杯のことも今は頭にない。
足の筋肉から血が噴出していることも気に留めない。
ただ、この場から逃げ出すことしか考えられなかった。

971Anything Goes! ◆FTrPA9Zlak:2012/07/16(月) 22:31:47 ID:c1XUIo420
OOO

男は走り去り、それを追うようにそのサーヴァントも霊体化して消えていった。

『あらあら、行っちゃったけどどうするの?』
「…今は追えないわ。だけど捕捉は続けて。あのマスターからは話を聞かないと」
『はいは〜い。ふふふ♪』

霊体化した状態を解除させ、逃げたマスターの捕捉を続けさせる凛。
心なしか、キャスターは楽しそうに見えた。何が面白いのだろうか。

ともあれ、まずは目の前の二人から話を聞かなければいけない。

「君は…?」
「遠坂凛。こいつのマスターよ」

その声は泉こなたに向けられたもの。蟲に喰われた腕の傷に魔力を込めながらそう言った。

「わ、私は泉こなた。その遠坂、凛、だっけ?」
「ええ。聖杯戦争に参加しているってことは知ってるはずなんだけど、分かるかしら?」
「痛っ…、えっと、何か聞いたことがあるような分からないような」
「そう」

元々凛はこの戦いに介入するつもりはなかった。
聖杯戦争でサーヴァント同士を戦わせるのは当たり前のことだ。
むしろ様子を見てそこから他のサーヴァントの情報を得る、当初はそれを目的としていた。
が、どうしても不自然なことがあることに気付いてしまった。

「ねえ、あなた本当に魔術師なの?」

そのうちの一つがこれだ。
確かに彼女からは微量ながら魔力を感じられる。だが彼女の立ち振る舞いは魔術師のそれとはかけ離れたものに見えた。
あの蟲に対する怯え。戦いを見ている際の目。むしろ一般人のそれだ。

「その…、魔術師って――」
「違うんだ、彼女は魔術師じゃない」

否定の声を上げたのは彼女のサーヴァント。纏っていた鎧のようなものは消え、外見だけなら一般人と区別のつかない姿をしている。
一見不用心だが、周囲に小さな魔力がばらついているのが分かる。使い魔のようなものだろう。なかなか油断ならない。

「ならどうやってこの聖杯戦争に参加したか、分かるかしら?」
「その、家でPCいじってて寝落ちしたと思ったらこんなところに…」
「……」

凛は思考を巡らす。
そんな状況はありえないはずだ。
一般人が聖杯戦争に参加できるはずはない。それに言ってしまえば彼女は無理やり参加させられたということになる。
御三家である自分は百歩譲って仕方ないとしてもそんなことがあり得るだろうか?

972Anything Goes! ◆FTrPA9Zlak:2012/07/16(月) 22:34:00 ID:c1XUIo420
(綺礼、あんた何をしたのよ?)

この聖杯戦争、自分たちがかつて参加したものにも増して何かおかしい。
くわしく調査する必要があるだろう。

と、足元に転がる蟲の死骸に目をやる。
彼女がこの戦いに介入したもう一つの理由、それがこれだ。

これと似たものを凛は知っている。
間桐臓硯、あの男の操っていたあの刻印蟲。だがあれは死んだはずだ。他でもない桜の手にかかって。
蟲、というだけなら他の魔術にもあるだろうがあまりにもこれは似すぎていた。
そしてあれを受け継いだという者など知らない。慎二はもとより桜も使役することはできないはずなのだから。

ともあれあの男も追わなければいけない。
可能なら彼からも情報を引き出しておきたい。あの精神状態ではそれが可能か微妙ではあるが。

この少女はとりあえず保護しておきたい。幸いサーヴァントもそこまで戦闘を好む英霊というわけでもないようだ。

(そういえばあの男、私のこと凛ちゃんって―)

あの時は顔を見せないよう、背後から声をかけた。それでも彼が自分の名前を当てたということは声のみで判断、つまりかなり親しい存在ということになるはず。
そんな人物、そもそも「凛ちゃん」と呼んでくる者など――

(――あ)

一人だけ、思い当たる人物を思い出す。
だがそれは小さなころの記憶だ。それにそうだとしてなぜこんなところにいるのかまで分からない。
ゆえに確信には至らず、答えは出なかった。

とにかくこの泉こなたという少女はどうするかもまず考えておかねばならないだろう。
教会は論外だ。例の疑問を解決するにしてもあの男のところには一人で向かわせる場所ではない。
先に拠点である遠坂邸に向かわせるべきか、あるいはあの男を追った後で共に連れ帰るべきか。

(どうしたものかしらね…)

973Anything Goes! ◆FTrPA9Zlak:2012/07/16(月) 22:35:32 ID:c1XUIo420
OOO

こなたが凛と会話している中、映司は思い出す。
戦いの中で、そして彼が霊体化する直前に見たあのアサシンの悲しそうな眼を。
そしてその中で、血を吐きながらも戦うそのマスターの姿を。介入してきた少女を見て逃げ去る姿を。


サーヴァントとして、こんなことを考えるのはおかしいのは自覚している。むしろこなたを危険にさらす行為だ。
だがそれでも、彼はサーヴァントとしてではなく火野映司として。
彼らを助けたい、と。手を差し伸べたいと。
そう思ってしまった。

それが果たして間桐雁夜を救うのか、はたまた己が破滅を導くのか。
それはまだ、分からない。

【深山町・商店街外れ・公園周辺/深夜】
【間桐雁夜@Fate/Zero】
【状態】:全身に蟲使役によるダメージ、無我夢中(残令呪回数:3)

【アサシン(トキ)@北斗の拳】
【状態】:疲労(中)、霊体化中


【深山町・商店街外れ・公園/深夜】
【泉こなた@らき☆すた】
【状態】:左腕に大きな噛みつき傷(治療済)、困惑中(残令呪使用回数:3)

【ライダー(火野映司)@仮面ライダーOOO/オーズ】
【状態】:疲労(大)

【遠坂凛@Fate/stay night】
【状態】:魔力消耗(小)、(残令呪使用回数:3)

【キャスター(蘇 妲己)@藤崎竜版封神演義】
【状態】:健康、間桐雁夜を追跡中

974 ◆FTrPA9Zlak:2012/07/16(月) 22:37:58 ID:c1XUIo420
投下終了です
ぶっちゃけ冒頭のはなんとなく教会あたりから聞こえてきそうだったのでやりたかっただけです

975名無しさん:2012/07/16(月) 22:49:22 ID:hX1MCU/oO
投下乙です!
麻婆「何かに呼ばれた気がした(ハフッハフッ)」
ああ、時の流れの違いは順調に歪みを……あと最後にこれだけは、ジョインジョイントキィ

976名無しさん:2012/07/16(月) 22:52:34 ID:HWQBgDDg0
乙 これは妲己ちゃん暗躍フラグ?
黒聖杯関連で桜のことも聞いてるだろうし

ジョインジョイントキィといい、ラオウといい北斗勢はイマイチマスターに恵まれないな

977 ◆4OblpRmYos:2012/07/16(月) 23:59:35 ID:OsDqrLFU0
投下乙です!
二作連続でロリを襲うとはこれが間桐の血脈か…
おじさんは逃走した方向によっては近くにいるであろう陸組に出くわすかもしれませんね。
しかしあと少しでスレが埋まってしまう…

978名無しさん:2012/07/17(火) 00:17:36 ID:kN/Bp2DU0
投下おつ
こなた、格闘技やっててもさすがにここでは一般人か
寝落ちしたら聖杯戦争参加って考えると恐ろしいことだなw

このままスレが埋まればトキワ荘初の2スレ目か

979名無しさん:2012/07/17(火) 00:22:02 ID:bdmdJ0gwO
>>976
ケンシロウ「兄さん…」
ジャギ「兄者…」

980 ◆Mti19lYchg:2012/07/17(火) 06:02:50 ID:vUs6HmLg0
現在位置の地図を作ってみました。
建物の位置は適当に決めたので、異論がある方は変更してください。
参加者の情報は皆様にお任せします。
あと、テレサのステータスを討妖録を参考に書き直しました。
ステータスが上がっているように見えますが、+補正が減っている分能力値総計は減少しているのでどうかご容赦を。

最後に予約を一つ。アシュヒト&テレサ組、詩音&バーサーカー組を予約します。

981 ◆ARbuQtVLig:2012/07/17(火) 19:42:49 ID:cR1yNXyU0
鹿目まどか&アーチャー(DIO)、匂宮出夢&アサシン(サブラク)を予約します

982名無しさん:2012/07/17(火) 21:04:25 ID:XvN1tPrIO
そういえばセイバーは番長のアロンダイトに反応してたが、ガウェインについては情報交換の間も特に言及なかったのが残念
セイバーにはランスと並んでキーキャラなのに

983マーボー ◆.OpF6wOgZ2:2012/07/18(水) 16:51:27 ID:.HzeNmHE0
wikiで消えていた部分を復元しました。
誤って削除してしまった場合は私に連絡ください。

984名無しさん:2012/07/18(水) 19:53:44 ID:ONyW5y0o0
>>983
誤って削除してしまった者です。
このたびは連絡しなかった事を深くお詫びします。

985名無しさん:2012/07/19(木) 17:29:29 ID:AFClv0Qw0
番長は士郎達と敵対した以上、凛達とも組めないだろうから、剣司とでも組むのがベストじゃないだろうか。
剣司とか脇役っぽいから気付けば脱落してそうだし、番長ならセリスを活躍させられそうな気がする。
魔封剣とか、フレアとか、アルテマとか、活躍出来そうな要素も結構揃ってる。
そして、ペルソナ4で陽介がそうであったように、番長の周りには幸運の低い仲間が集まるという……敵対しそうなのも多いけど。

986 ◆oGrFx9n0uA:2012/07/20(金) 01:10:38 ID:WG1jbJwA0
衛宮切嗣&ライダー
鳴上悠&ランサー
枢木スザク&バーサーカー

以上予約します

987名無しさん:2012/07/20(金) 01:15:06 ID:WG1jbJwA0
追記

>>980、◆Mti19lYchg氏に提供していただいた現在地ツールを更新しました
このツールがあると位置把握が非常に楽になります、遅ればせながら乙です

988名無しさん:2012/07/20(金) 02:22:32 ID:keCG9B4EO
そういえば、セリスの魔法の扱いはどうするんだ?
イスラは戦闘時のサモナイト石を付けてるし、やっぱり自力習得可能な魔法だけになるのか?
番長みたいに、スキルが貧弱というような理由でもない限り、
あまりなんでもありというわけにはいかないと思うんだが・・・。

989名無しさん:2012/07/20(金) 02:55:52 ID:otmegx5g0
キャスタークラスでない以上、魔法も本来より出力抑えられてるだろ

990名無しさん:2012/07/20(金) 03:03:05 ID:sPOZjG/kO
予約……スザクロットいじめはもうやめたげてよぉ!

991名無しさん:2012/07/20(金) 03:11:25 ID:iChuJF/o0
湖の騎士(笑)になりつつあるなw

992名無しさん:2012/07/20(金) 03:36:05 ID:toySj5AcO
バーサーカーの足の傷はゲイボルグの傷だから通常の方法では治療できないってなってるけど、これって四次ランサーディルムッドの宝具効果じゃないのかな

993名無しさん:2012/07/20(金) 03:39:49 ID:iChuJF/o0
>>992
治癒不可攻撃は実はよくあるもの。 
ゲイ・ボルグの必中効果にオマケとして付いてる。
ディル涙目だけど。

994名無しさん:2012/07/20(金) 07:49:21 ID:E9XaFWicO
番長と兄貴の無双になってしまうん?

995名無しさん:2012/07/20(金) 07:55:32 ID:otmegx5g0
カッ! クー・フーリン!

996名無しさん:2012/07/20(金) 09:34:54 ID:SeJPyi4w0
>>992
セイバー・ルートで士郎刺した時もランサーが
「ゲイ・ボルクの傷は呪いだから普通では治らない」って言ってる。

997名無しさん:2012/07/20(金) 10:55:29 ID:5MG.K0UY0
とは言っても、番長達は既に力を出し切ってる感がある。
なので、これ以上の活躍をする為には協力者を得るしかないが、それに逆に足を引っ張られるパターンも考えられる。

998名無しさん:2012/07/20(金) 11:31:55 ID:sPOZjG/kO
協力パターンもありか、スザクは番長側が気にしなければ手を結べなくもないとはいえ、キリツグとかイリヤ殺ったのバレたら光の早さで
「ランサーが死んだ!」
「このひとでなし!」
だろうし・・・つかまずランスロットがキリツグから完全に敵認定だからなぁ

999名無しさん:2012/07/20(金) 15:45:06 ID:keCG9B4EO
番長と兄貴に単体でこれ以上の活躍となると、令呪ブーストぐらいかなぁ・・・
いっそ設定ひっくり返して、兄貴との間に紡がれた絆で塔のアルカナだけ復活とかもありだろうけど、
これは本当に追い詰められた時までとっておかないと、事故ナギさんにした意味がないし
なにより中途半端な場面で切ると死亡フラグにしかならない。
まあ現状はチームを組むのが無難な選択だな。

1000名無しさん:2012/07/20(金) 18:12:41 ID:vuOascxo0
>994
言うほど番長と兄貴は無双してないぞ?
初戦の雪輝&キャスター組は黒に近いグレー星だし、
ランスロットは戦利品ゲットしたけどスザクには手を出してない。
士郎、ルルーシュWセイバー組も戦略で圧倒してたけど、結局はライダーの大極図
でチャラにされてしまったから、実際白星とったのはイリヤ&ランサー組だけ。

連戦したのに、致命傷らしいダメージもないから無双してるように見えるんだろうな。
まあまだまだ序盤だし、他陣営の活躍もこれから出てくるだろうから気にする必要もないかと。

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