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クエール博士とテイラー教授の説を紹介するスレッド
1 名前: 1 投稿日: 2005/05/15(日) 16:00:22
ECPAT/ストップ子ども買春の会が主催したシンポジウムで講演したエセル・クエール博士とその夫であるマクスウェル・テイラー教授の説を紹介するスレッドです。

シンポジウムの案内
http://www.unicef.or.jp/osirase/back2005/0502_02.htm

関連記事
インターネットと子どもポルノ被害 
http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/kokoro/topics/archive/news/2005/20050311org00m100043000c.html

児童ポルノ視察で来日したエセルさん
http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/20050311sw31.htm

参考文献として主に次の本を用います。
Child Pornography: An Internet Crime
Max Taylor (著), Ethel Quayle (著)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/tg/detail/-/english-books/1583912444/contents/ref=cm_toc_more/249-2300710-6101944

British Journal of Social Workに掲載されたレビュー
http://bjsw.oupjournals.org/cgi/reprint/33/8/1129

2 名前: 1 投稿日: 2005/05/15(日) 16:00:59
本の目次

Chapter 1
Introduction
CHILD PORNOGRAPHY
Concerns over child pornography
CHILD SEXUAL ABUSE
THE PAEDOPHILE
THE INTERNET
Control of Internet
LOOKING AHEAD
CONCLUDING COMMENTS

Chapter 2
The nature of child pornography
WHAT IS THE PROBLEM?
Production
Viewing
WHAT IS CHILD PORNOGRAPHY?LEGAL AND PSYCHOLOGICAL PERSPECTIVES
Legal perspective
Psychological perspectives
A grading system
PSEUDO-PHOTOGRAPHS
PICTURE COLLECTIONS
FEATURE OF CONTEMPORARY CHILD PORNOGRAPHY
HISTORICAL CONTEXT
CONCLUDING COMMENT

Chapter 3
Adult sexual interest in children
GLOBAL ACCOUNTS OF SEX OFFENDERS
TYPLOGIES OF SEXUAL INTERST IN CHILDREN
EVALUATING RISK
COGNITION AND SEXUAL FUNCTIONING
EMPATHY
OFFENDING AND SOCIAL SKILLS
THEORY OF MIND
OFFENDER PERSPECTIVES
FEMALE PERPETRATORS OF CHILD SEXUAL ABUSE
CHILD-ON-CHILD SEXUAL ABUSE
THE ROLE OF PORNOGRAPHY IN SEXUAL OFFENDING

3 名前: 1 投稿日: 2005/05/15(日) 16:03:23
目次(続き)
Chapter 4 The internet, child pornography and adult sexual interest in children
CHILD PORNOGRAPHY AND CONTACT OFFENCES
UNDERSTANDING THE FUNCTIONS OF CHILD PORNOGRAPHY
Child pornography and sexual arousal
Child pornography as collectibles
Child pornography facilitating social relationships
Child pornography as a way of avoiding real life
Accessing child pornography as therapy
The internet and child pornography
THE PSYCHOLOGICAL MEANING OF CHILD PORNOGRAPHY

Chapter 5 Metamorphosis
SEX AND THE INTERNET
VIRTUAL IDENTITIES AND SEXUAL INTEREST IN CHILDREN
CHILD SEDUCTION ON THE INTERNET
ADOPTING MULTIPLE PERSONAS

4 名前: 1 投稿日: 2005/05/15(日) 16:04:38
目次(続き)

Chapter 6 A virtual community

THE DEBATE ABOUT COMMUNITY
MANAGING A COMMUNITY
CREATING A COMMUNITY
VIRTUAL PAEDOPHILE COMMUNITIES
COMMUNITIES WITHIN COMMUNITIES


Chapter 7 The process of collecting

WHAT IS COLLECTING
PROBLEMATIC COLLECTIONS
Engagement and rate
Social and financial exclusion
Content
COLLECTING CHILD PORNOGRAPHY
Collections of child pornography on the Internet

THE COLLECTOR OF PORNOGRAPHY BEFORE AAND AFTER ACCESSING THE INTERNET
Before the Internet
After the Internet
CONCLUSIONS

5 名前: 1 投稿日: 2005/05/15(日) 16:05:33
目次(続き)

Chapter 8 A model of problematic Internet use

A MODEL:CONCEPUTAL CONTEXT
A MODEL OF POTENTIAL PROBLEMATIC INTERNET USE
Setting events

ENGAING WITH THE INTERNET AND THE BEGINNING OF PROBLEMATIC INTERNET USE
ESCALATION OF PROBLEMATIC INTERNET USE
OFFENDING BEHAVIOUR
Downloading
Trading child pornography and the importance of virtual/real contact
Engagement with Internet seduction of children
Commission of a contact offence
NON-OFFENDING BEHAVIOUR
PROCESSES

Chapter 9 Issues for concern and conclusions

COMPLEXITY OF DEFINING AND UNDERSTANDING CHILD PORNOGRAPHY
Contact offences
The Internet
Conceptual issues
Where does this leave us?

REGULATING THE INTERNET AND CESORSHIP
The role of ISPs
Effective investigative strategies
THE MANAGEMENT OF PRODUCTS AND PROBELMS
Perpetrator issues
Victim issues
SOCIAL CONTEXT

6 名前: 1 投稿日: 2005/05/15(日) 16:06:52
なお、クエール博士とテイラー教授の研究業績リストを次のサイトで見る事が出来ます。
クエール博士
http://apsych.ucc.ie/staff/ethel.html
テイラー教授
http://apsych.ucc.ie/staff/max.html

7 名前: 1 投稿日: 2005/05/15(日) 16:07:16
ネットで見つかった論文等
M. Taylor
Presented at the International conference Combating child Pornography on the Internet in Vienna, September 1999
http://www.ipce.info/library_3/files/nat_dims_kp.htm

Panel Paper: Challenges and Gaps
M. Taylor
Presented at Second World Congress Against Commercial Sexual Exploitation of Children. Yokohama, December 2001.
http://www.copine.ie/attachments/challenges.pdf

Typology of Paedophile Picture Collections. M. Taylor, G. Holland and E. Quayle The Police Journal, 2000, 74 (2) 97-107
http://www.vathek.com/pj/contents01-2.shtml

Child Pornography, the Internet and Offending M. Taylor, E. Quayle and G. Holland. ISUMA, The Canadian Journal of Policy Research, 2001, 2 (2), 94-100
http://www.isuma.net/v02n02/taylor/taylor_e.shtml

8 名前: 1 投稿日: 2005/05/15(日) 16:08:16
ネットで見つかった論文等(続き)

Child pornography and the Internet: Perpetuating a cycle of abuse E. Quayle and M. Taylor. Deviant Behaviour, in press.
http://taylorandfrancis.metapress.com/app/home/contribution.asp?wasp=b3491685ffd54e6a815bb931d88b9ed6&referrer=parent&backto=issue,2,5;journal,18,37;linkingpublicationresults,1:102437,1

Child seduction and self-representation on the Internet: A case study E.Quayle and M. Taylor. CyberPsychology and Behavior, 2001, 4 (5), 597-608
http://www.liebertonline.com/doi/abs/10.1089/109493101753235197

Quayle, E., & Taylor, M. (2003). Model of problematic Internet use in people with a sexual interest in children. CyberPsychology & Behavior, 6, 93-106.
http://www.liebertonline.com/doi/abs/10.1089/109493103321168009

QUAYLE, E. & Taylor, M. (2002). Paedophiles, pornography and the Internet: Assessment issues. British Journal of Social Work.
http://bjsw.oupjournals.org/cgi/content/abstract/32/7/863

9 名前: 1 投稿日: 2005/05/15(日) 16:15:24
今回ポストしたのは文献の一覧ですが、今後はクエール博士とテイラー教授の説を、児童ポルノと接触犯罪の関係を中心に紹介していく予定です。

10 名前: 1 投稿日: 2005/05/16(月) 11:02:55
>>1で紹介した
British Journal of Social Workに掲載されたレビュー
http://bjsw.oupjournals.org/cgi/reprint/33/8/1129

の訳です。

本書は偶然にも、児童ポルノに関わるインターネット上のあるネットワークの広がりを明らかにしたオペレーション・オレにメディアと警察が狂奔しているときに出版された。著者の一人はコーク大学で行われているコーピン(欧州の小児性愛者の情報網との戦い)プロジェクトの指導者であり、もう一人は同プロジェクトの研究者である。重大な社会問題であり、法執行活動の主要な関心の的であるといった様相を呈しているこの非常に複雑な問題に対し、著者らは考え抜かれた広範囲にわたる検討を行っている。本書の意図は、子どもに対する性的虐待と搾取によって喚起されるかもしれない感情的な反応に妨げられることなく、そして子どもの中心の視点を失うことなく、このテーマについて体系的な議論と調査を行う必要がある、というものである。これには、全ての犯罪者を悪魔視することを防ぐだけではなく、この問題を扱うためのはるかに効果的で根拠に基づいた方法を確立するという多くの利点がある。本書の最終章で論じられているように、これにはマクロからミクロへの幾つかの段階での戦略――――メディアと広告を通じて増大する子どものセクシャリゼイションを認識することを始めとして、技術を管理するよりよいシステム、犯罪者との作業に対して各人の違いにより配慮したアプローチをすること、そして、虐待の犠牲者の発見と保護により大きな重点を置いて資源を投入すること―― が含まれる。
(続く)

11 名前: 1 投稿日: 2005/05/16(月) 11:03:25
この論点に到達するまでに、著者らはコーピンの研究と他の広範囲にわたる研究からの知見を用いて、読者にこの問題の複雑さを説明していく。一連の章において扱われているのは、児童ポルノの性質に関する問題、警察に捕らえられた犯罪者に対してアプローチのすることの妥当性と法体系の限界に関する問題、子どもに性的な興味を持つ成人に関する理論の分析、ポルノ画像の収集、頒布及び製造におけるテクノロジー利用の分析、収集の心理の分析、そして犯罪者のアイデンティティ形成と持続に対してバーチャルリアリティが動的な要素としてどのように作用するかの分析である。本書全体を通じて33人の受刑者とのインタビューが引用されており、それらはポルノ画像の閲覧、収集および取引から得られる著しい興奮と、カメラが発明されて以来間違いなく存在した活動にインターネットの利用がどのようにして新たな規模をもたらしたかを時に鮮やかに、時にはむしろ取り留めなく示して見せる。
(続く)

12 名前: 1 投稿日: 2005/05/16(月) 11:03:48
著者らは 、コンピューターとインターネットの持つ技術的利点によって、子どもに性的な興味を持つ人々(調査によれば、主としてして白人男性)が匿名性に守られて性的空想を満足することがどれ程可能になったかを検証した。子どもの様々な画像(コーピンではコレクションから得られたマテリアルを用いて、露骨さの段階に応じた十段階の分類法を設計した)がいつでも自由に入手出来ることによって様々な性的な脚本に合致する素材が得られ、活動をノーマライズし、正当化し、そして画像の交換を通じて地位を獲得するための場所を提供するバーチャル・コミュニティに関与することも可能になる。これは活動の性質を受動的なものから能動的なものへと変化させ、この人物がどの程度子どもと実際に接触して虐待を行うのかという問題を提起する。これがどの程度起きるかということについて研究による確実な証拠を著者らは殆ど持っていない。インターネットを通して教育された子ども達の既に知られている例が紹介されており、インタビューに登場する被告人の一人は、取引をより大きくしようと欲して、自分の娘の一層虐待的な写真を撮るようになった。
(続く)

13 名前: 1 投稿日: 2005/05/16(月) 11:04:22
本書の強みは問題に主題に対するホリスティックなアプローチにある。著者らは児童ポルノという制約を越えることを恐れず、応用心理学者としての彼らの職業を考慮して、全てのコレクターの共通点と行動の特徴を検討する。両著者は共に、コンピュータに関与している時間が他の関係におよぼすかも知れない効果に関心を持っている。つまるところ、著者らは犯罪者の思考の歪みに挑戦するための認知行動的アプローチの意義について論じているのである。
説明にむらがある―――洗練された議論が文献調査の報告や進行中の調査の記述と思われるもの混ぜ合わされている―――にも関わらず、本書はソーシャルワーク以外の視点からみても挑発的な読み物である。コーピンの調査が明らかにしたところによると、現在インターネットに常置されている子どもの画像の大半は20年から30年前に作られた写真やビデオから取られたものだということである!

(終わり)

14 名前: 1 投稿日: 2005/05/16(月) 11:06:45
>>10->>13
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/news/410/1116140422/10-13

>>1で紹介した
British Journal of Social Workに掲載されたレビュー
http://bjsw.oupjournals.org/cgi/reprint/33/8/1129

の訳です。あまり上手くない訳なので、問題点を指摘していただければ幸いです。

15 名前: いつもの外人さん 投稿日: 2005/05/18(水) 14:01:08
>12、
>露骨さの段階に応じた十段階の分類法を設計した

その十段階の分類法は
イギリスと香港の児ポ裁判で採用された量刑の基準です。

16 名前: 1 投稿日: 2005/05/19(木) 14:27:35
>>15
貴重な情報提供に感謝致します。
御手数でなければ情報ソースも教えていただけると幸いです。

17 名前: 1 投稿日: 2005/05/19(木) 14:28:10
十段階評価の詳細は>>7で紹介したこちらの論文にも書かれてます。
Child Pornography, the Internet and Offending M. Taylor, E. Quayle and G. Holland. ISUMA, The Canadian Journal of Policy Research, 2001, 2 (2), 94-100
http://www.isuma.net/v02n02/taylor/taylor_e.shtml

また、クエール・テイラー両氏は児童ポルノの定義に関連して法的視点(legal perspective)と心理学的視点(psychological perspective)という二つの異なる見方を提唱しています。法的視点からは児童ポルノに該当しない写真も、心理学的視点からは児童ポルノになる場合があります。これについては後ほど紹介する予定ですが、上の論文でも論じられているので、宜しければ御覧になってください。この論文は、クエール・テイラー両氏が児童ポルノと接触犯罪の関係を論じる上で重要なポイントとなっているバーチャル・コミュニティの問題にも言及しています。

18 名前: 1 投稿日: 2005/05/19(木) 14:28:59
第二章「児童ポルノの性質(Chapter 2 The nature of child pornography)」の「問題は何なのか?( WHAT IS THE PROBLEM?)」の「閲覧(Viewing)」から、児童ポルノの閲覧が懸念の対象となる理由を次の五つを挙げている部分を要約して紹介します。

(以下要約)

1. 児童ポルノは製造に際して児童が虐待されることを必要とする。児童ポルノの閲覧者は、マテリアルの市場を提供し、インターネット上の活動、私的な交際、そして商業的なマテリアルへの支払いを通して需要の存在を明らかにすることによって、ある意味で製造のプロセスを促進、教唆している。

2. 児童ポルノは児童虐待の永久的な記録である。児童ポルノの配布と閲覧によって、写真が継続的に入手でき、かつますます手に入れやすくなる。この事が子どもとその家族に及ぼす影響は過酷でトラウマ的である。これはまた子どもとその家族のプライバシーの侵害であり、概して地位や関係の濫用の目に見えるデモンストレーションである。
インターネットの文脈ではこれは重大な問題である。ネガを破壊すれば複製の可能性を厳しく制限できる通常の写真と異なり、デジタル化されてインターネットで配布された写真の複製をコントロールするのは不可能である。

(つづく)

19 名前: 1 投稿日: 2005/05/19(木) 14:29:48
(つづき)

3. 不適切な性的妄想が現実化する危険性、そして性的な攻撃にを見ることによって活動がノーマライズされ、閲覧者がその後に性的攻撃を行うように促されること、に対する懸念は、知的には理にかなっていると思われる。しかし、実証的な証拠は、この懸念を考慮に値しないと結論付ける傾向にある(Seto et al. 2001)。

Seto C, Maric A, Barbaree E.
The role of pornography in the etiology of sexual aggression. Aggression Violent Behav 2001 ; 6 : 35-53.
http://www.sciencedirect.com/science?_ob=ArticleURL&_udi=B6VH7-423HJ4Y-2&_coverDate=02%2F28%2F2001&_alid=278078840&_rdoc=1&_fmt=&_orig=search&_qd=1&_cdi=6059&_sort=d&view=c&_acct=C000050221&_version=1&_urlVersion=0&_userid=10&md5=8c4bb6b5ee1e5d50fc7c82d960cb713a

その一方で、有罪となった強姦犯とチャイルド・モレスターによるポルノの利用と曝露を調査したCarterらの研究(1987)によると、いずれのグループも先立った(投稿者注:子ども時代に)ポルノへの曝露が同様にあったことを示している一方、チャイルド・モレスターはより一層、犯行の最中およびそれに先立ってポルノを使いそうであった。

Carter, D. L., Prentky, R. A., Knight, R. A., Vanderveer, P. L., and Boucher, R. J. (1987). Use of pornography in the criminal and developmental histories of sexual offenders. Journal of Interpersonal Violence, 2, 196-211.

これはMarshall(1988)による研究によって得られた知見と類似している。それによると、サンプルの範囲内で、チャイルド・モレスターの三分の一強が、少なくとも時折、ポルノへの曝露に刺激されて犯罪を行っていた。

Marshall, W.L. (1988). The use of sexually explicit stimuli by rapists, child molesters and nonoffenders. Journal of Sex Research, 25, 267-288.
http://pavlov.psyc.queensu.ca/faculty/marshallb/pubs.html

(つづく)

20 名前: 1 投稿日: 2005/05/19(木) 14:30:07
(つづき)

さらに明白な危険は、ポルノが模範となって見るものに自ら写真をとるように促すことにある。言い換えれば、ポルノは一部の人々に対して(状況が許せば)閲覧から虐待への境界を渡る刺激を与える。

COPINEのインタビューに応じたDX(仮名)は、自分が持っていた興味をポルノが煽り、強化し、それに従って行動したくなるようにさせたと、述べている。
'I would say it fuelled my interest that I had anyway that was in
me... but it seemed to reinforce it and... made me want to act on it' .

児童ポルノそれ自体が刺激となるのか、児童ポルノが取引される社会的文脈(特にインターネット)が決定的な要因なのか、あるいはポルノが既に形成された意図を促進し表に出させるのかははっきりしない。しかし、一部の人々にとってある種の関係があることは完全にはっきりしている。KQ(仮名)とのインタビューによってその関係を非常に明らかなものとなる。KQは、ビデオを撮った時、自分がダウンロードしたムービー・クリップをコピーしていたのだ、出演者がやっていたことを自分もやってみたかった、と述べている。

'When I made this video tape I was copying
these er movie clips... that I'd downloaded er... I wanted to be... doing
what they were doing'

(つづく)

21 名前: 1 投稿日: 2005/05/19(木) 14:35:40
訂正です。

>>12
>インタビューに登場する被告人の一人は、取引をより大きくしようと欲して、自分の娘の一層虐待的な写真を撮るようになった。


「被告人」ではなく、「回答者」の間違いでした。

22 名前: СТАЛКЕР 投稿日: 2005/05/20(金) 09:00:10
(>>20のつづき)

4.児童ポルノが子どもを「教育」する教材として利用され、子どもは性的な要求に対して無感覚化され、不適切な行動をノーマライズするように促される。(以下略)

(投稿者注:エクパットの文書等で児童虐待におけるポルノ利用について書かれているのと大体おなじ内容です。ただし、パラグラフの最後にKQのインタビューを引用して、無感覚化は閲覧者にも起きる可能性がある、としています)

5.子どもの性的な写真を見ることによって子ども時代と家庭の他の側面がセクシャライズされるかもしれないが、現在の西欧社会には、混乱はあるとしても、子ども時代と家庭がこのような仕方で奪われるべきではないという幅広い合意がある。

(要約ここまで)

23 名前: 1 投稿日: 2005/05/20(金) 09:05:08
>>22は1です。

>>19 >>20の内容について補足します。

Setoらの結論には、「少なくとも成人のポルノに関する限り」という限定がつけられています。

また、Setoらの研究に対抗する形で紹介されている、Carterら(1987)とMarshall(1988)の研究、そして著者自身のデータ(インタビュー)の内容についてについて補足します。前二者の研究内容については、第四章でやや詳しく紹介されているので、それを引用します。

著者が紹介したMarshall ( 1988)の研究内容
Marshall ( 1988)によれば、チャイルド・モレスターのサンプルのうち53%が計画的な犯行準備の一部として(as part of their planned preparation for offending)ポルノ的な刺激を故意に用いていた。

Carter et al. (1987)の研究内容
性犯罪者の犯行および成育の履歴におけるポルノの利用の調査した。全ての犯罪者が等しく子供時代にポルノに晒されていたが、チャイルド・モレスターはより一層児童ポルノ的マテリアルを犯行前と犯行中に用いる傾向にあり、犯罪衝動を緩和させるため(to relieve an impulse to commit Offenses)にポルノを利用していた。

Carterの研究に対する著者のコメント
他の説明とは対照的に、これはポルノが一部の犯罪者にとっては接触犯罪を防止するという点で好ましい機能を持っているかもしれないという考えを示している。しかし、Carter ら.の表明した見解とは対照的に、ポルノと接触犯罪の関係に関するこれまでの研究の多くは、引き起こされた性的興奮と描写された性的活動の関係を示している。

(つづく)

24 名前: 1 投稿日: 2005/05/20(金) 09:08:24
>>23
>Carter et al. (1987)の研究内容

「著者が紹介した」が抜けていました。
申し訳ありません。

25 名前: 1 投稿日: 2005/05/20(金) 09:42:21
>>20のKQの証言は、問題のはらむインターネット利用の心理学的モデルについて説明した第8章でも、接触犯罪の一例として取り上げられています。著者のコメントは次の通りです。

・幾つかの事例では、そのような製造行為を支える(持続させる?耐える?)自己陳述(self-statements)は、オンラインで見たもののコピーだから、 という行為の正当化に大きく頼っていた。

(投稿者注:訳の仕方がよく分からなかったので、原文も引用します

In some cases self-statements that supported
such production lean heavily on the legitimacy of the behaviour because it was a
copy of what had been seen online: )

・このような正当化(justifications)は、ダウンロードに伴う正当化と、多く性質を共有していしており、ダウンロードと接触犯罪の関係にすかいる重大な論点を提起する。リスク評価の観点から、これは非常に重要な論点である。

(つづく)

第8章で取り上げられた接触犯罪の例をもう二つ、紹介する予定です。

26 名前: 1 投稿日: 2005/05/23(月) 09:37:10
(つづき)

コンピューター上でより際どい画像を探して、「他の人がやっていてるし、そんなに悪いことのはずが無い、自分は危害を与えてはいないし、彼女は嫌がっていないように見える」という考えが時間をかけて次第に形成されていったとするKQ(仮名)のインタビューと、

その時までに画像を持っていたのでそれをよく見ていた、自分がしたいのは彼女を虐待することだった、ベッドで彼女が寝ているのを確認してから虐待した、とするKQ(仮名)のインタビューを引用して、

著者らは

回答者の一部オンラインにとって、接触犯罪はオンラインの行動の延長として提示されており、そこではオンラインでなされていた妄想が現実の生活に現れていた。決定的な制限因子(limiting factor)は、もちろん接触犯罪がおきうる状況で子どもに会う機会である。接触犯罪を支える認識(cognition)は、他人が同じ行為をしていたことを示す写真とともに、子どもが無抵抗に受け入れることを参照していた。

と述べています。

(つづく)

27 名前: 1 投稿日: 2005/05/23(月) 09:39:05
>>25
ミスがあったので訂正します。申し訳ありませんでした。

×このような正当化(justifications)は、ダウンロードに伴う正当化と、多く性質を共有していしており、ダウンロードと接触犯罪の関係にすかいる重大な論点を提起する。リスク評価の観点から、これは非常に重要な論点である。

○このような正当化(justifications)は、ダウンロードに伴う正当化と、多く性質を共有しており、ダウンロードと接触犯罪の関係にする重大な論点を提起する。リスク評価の観点から、これは非常に重要な論点である。

28 名前: 1 投稿日: 2005/05/23(月) 13:19:14
(つづき)

その他のケースでは、接触犯罪は、望まれるポルノマテリアルを得るための手段としての他人の信頼を維持し、そして増す欲求に関係している。以下は、ある犯罪者(ET)の、自分がどのようにして、オンラインで会った人々の要求に応じて自分が欲しいマテリアルへのアクセスを得るために、自分の娘のポルノビデオの製造に関与するようになったかについての説明である。

(投稿者注:長いので省略します。)

この説明の中心は、この犯罪者がどのようにして、自分を説得して自分の子どもとの性的接触し、写真を撮って配布するに至ったか、である。この局面に至って、部分的には自分が娘をマテリアルの製造に関与させているので、彼は自分の行動を本当はそれほど虐待的ではないとして正当化する。これが同じく強調するのは、マテリアルの製造と画像を取引するための通貨の製造における要因としての新しさの重要性である。

(投稿者注:よく分からない部分があったので原文も載せておきます
Central to this account is how the offender 'talked himself into sexual contact with
his child that he then photographed and distributed. Having arrived at that point,
he justifies his behaviour as not really being abusive, in part because he involved
her in the production of the material. What this also emphasised is the importance
of newness as being a factor in the production of material and its currency for
trading images.)

(接触犯罪に関するインタビューの紹介はここまで)

29 名前: 1 投稿日: 2005/05/24(火) 08:26:45
著者のスタンスについて少しコメントしておきます。
著者自身はかなり規制推進派よりのスタンスだと思われます。
例えば、>>1で紹介した本の第九章において>>18->>22の議論をもう一度繰り返す中で、で、

問題の重要性を考慮すれば、確実な知識が欠落している状況において、分別が実際上示しているのは、我々は警戒し過ぎるべきであり、バランスは妄想が現実となる危険性という点に当然あると考えるべきである、ということである。

Given the importance of this issue and in the absence of definitive knowledge, for practical purposes prudence suggests we must err on the side of caution and assume the balance lies in terms of the dangers of fantasy becoming reality.

と述べています。

30 名前: 1 投稿日: 2005/05/24(火) 08:27:11
クエール博士の説を根拠に擬似ポルノ(合成写真)や漫画の規制を訴える水島広子議員の主張についてコメントしておきます。

>Qualyle博士との懇談で改めて確認しましたが、やはり一部の人にとって、児童ポルノの写真を見れば見るほど、性犯罪を起こす確率が高くなるというのは事実です。
>性犯罪者本人や、一般人の中にも、「児童ポルノがあるから、自分は本当の罪を犯さないでいられるのだ」と言い張る人がいますが、それは全くウソなのです。
> 性犯罪の予防という観点からも、やはり児童ポルノの規制は必要だ、というのが私たちの結論です。

国会報告 その222(2005.03.12発行)
http://www.mizu.cx/kokkai/kokkai222.html

>実はこの児童ポルノを規制しなければいけない理由の一つとして、これはきちんとしたデータがございますが、一部の人にとっては児童ポルノに触れる機会が多ければ多いほど性犯罪に至る可能性が高くなるというデータがございます。

>児童ポルノを、これは漫画や疑似ポルノであっても規制しないでおくということは、当然それらに触れる機会を一部の人たちにとってふやすことになって、結果として子供を対象とした性犯罪をふやすということにもなるわけで、これは青少年担当の大臣としてはきちんと規制の対象としてその可能性を検討していただかなければいけないと思ううんですけれども、もう一度御答弁いただけますでしょうか。

衆議院
青少年問題に関する特別委員会 会議録
第3号 平成17年3月15日(火曜日)
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050416#p2

(つづく)

31 名前: 1 投稿日: 2005/05/24(火) 08:27:34
(つづき)

「見れば見るほど…確率が高くなる」「可能性が高くなる」「きちんとしたデータがございます」とあるので、統計データの裏づけがあるのかと思いましだか、少なくとも2003年に出版された>>1の本には、そのようなデータは出ていません。

>「児童ポルノがあるから、自分は本当の罪を犯さないでいられるのだ」と言い張る人がいますが、それは全くウソなのです

しかし、前掲書の第四章の最終節「児童ポルノの心理学的意味(THE PSYCHOLOGICAL MEANING OF CHILD PORNOGRAPHY)」では、先行研究が個人の特性とポルノ曝露の相互作用の可能性(投稿者注:人によってポルノに対する反応が違うということだと思われます)を考慮していないことを指摘したSetoら(2001)の論文に関連して、インタビューの回答者の中にはポルノを実際の犯罪の代わりに用いていた者がいると思われる、と述べています。2003年に出版された>>1の本を見る限りでは、クエール氏自身はそのような者の存在を少なくとも全否定しているとは思えません。

また、第9章では、児童ポルノをダウロードした者には様々な(進行しているという印象が明らかと思われる者、第八章の心理学的モデルの一つの段階に留まり続ける者、必ずしも全ての段階を通ることなく別の活動領域に移る者、接触犯罪の前歴がある者等々)タイプがいることを指摘してから、児童ポルノを所有している人々が子どもにとってどの程度深刻な脅威なのかを判断するという点において、関連する諸問題をよりよく認識するためにより多くの研究が必要である、と述べています。

In terms of making judgements about the extent to which people in possession of child pornography represent a serious threat to children, there is a need for more research to better identify the issues involved.

(つづく)

32 名前: 1 投稿日: 2005/05/24(火) 08:28:15
(つづき)

>児童ポルノを、これは漫画や疑似ポルノであっても規制しないでおくということは、

まず、少なくとも2003年に出版された>>1の本を読んだ限りでは、著者ら議論は、テキストに若干言及しているものの、殆どすべての場合において実在児童の写真を前提としています。

そして、擬似ポルノ(pseudo child pornography)については、第二章の「擬似写真(PSEUDO-PHOTOGRAPHS)」で二ページ程度割いて、実態の説明と犯罪化に関する議論を行っています。犯罪化に反対する側の理由として、製造過程で虐待が発生していないから犯罪化すべきではない、という主張を著者は取り挙げています。

これに対し著者は、本物であろうと無かろうと、擬似児童ポルノは児童ポルノと同様にリアルな虐待のさまを表現しているのだから、児童ポルノとして取り扱われるべきである、という議論も可能である、としています。また、虐待者はしばしば子どもを誘惑して写真や動画を作るためにポーズを取らせようとしてポルノを使うから、子どもや状況が法的に(legally、合法的に?)存在しているかどうかは関係ないとするMcCabeとGregoryの主張を取り上げています。

Recognizing the Illegal Activities of Computer Users / Kimberly A. McCabe and Sharon S. Gregory
http://hcl.chass.ncsu.edu/sscore/toc16n4.htm

さらに著者は、複雑な個人的動機が作用していると考えるのが妥当だが、この種の画像の製造に携わっている者の心理学的な性質は不明である。としています。

 漫画に関しては、インタビューを受けたES(仮名、>>28のETと同一人物だと思われます)が自分のコレクションを解説した中に、少女、少年、獣姦、妊婦、出産、死体画像、レズビアンその他のポルノに混じって有名な漫画のキャラクターの成人漫画が入っているぐらいで、著者がポルノ漫画と性犯罪の関連性について特に検討したとは、少なくとも2003年に出版された>>1の本からは読み取れません。

(つづく)

33 名前: 1 投稿日: 2005/05/24(火) 08:29:00
(つづき)

>当然それらに触れる機会を一部の人たちにとってふやすことになって、結果として子供を対象とした性犯罪をふやすということにもなるわけで、

児童ポルノをダウロードした者には様々なタイプがいることは>>1の本で指摘されており、少なくとも2003年に出版された>>1の本には、児童ポルノの存在によってトータルで子どもに対する性犯罪が増えたことを証明するような統計データは出ていません。

少なくとも2003年に出版された>>1の本を読んだ限りでは、著者らのオリジナルデータというのは、児童ポルノ画像(写真)と受刑者とのインタビューの分析だけのようです。この二年間で統計的な研究も進んでいるのかもしれませんが。

(水島広子議員の主張に関するコメントおわり)

34 名前: 1 投稿日: 2005/06/03(金) 15:17:01
第四章「インターネット、児童ポルノ、子どもに対する成人の性的興味(Chapter 4 The internet, child pornography and adult sexual interest in children)」の「児童ポルノと接触犯罪( CHILD PORNOGRAPHY AND CONTACT OFFENCES)」から、児童ポルノと接触犯罪の因果関係について論じた部分を紹介します。この節は主として先行研究のレビューからなっています。

■ Lanning ( 1992)
児童ポルノは成人のポルノと同様に性的妄想を掻き立てるために使用される。一部の小児性愛者は妄想を行動に表すことなくマテリアルを収集してそれで妄想をするだけであるが、殆どの場合、ポルノによって煽られた興奮と妄想は児童との実際の性的行動の序曲(prelude)に過ぎない。

Child Molesters: A Behavioral Analysis (Third Edition)
Kenneth J. Lanning
December 1992

National Center for Missing & Exploited Children
http://www.sexcriminals.com/library/info-1075.html


著者のコメント

この主張を支持するのはより困難である。それは、我々がポルノ(あらゆる種類の)と実際の性的行動の関係についてごく僅かのことしか分かっていないからである。児童に対する性的関心について我々が知っていることの多くが、捕まった人々に関係しているのもまた事実である。児童について妄想し、性的妄想を促すために画像(ポルノ的、あるいはエロティックな)を使っているが、決して法執行機関に気付かれることのない多くの人々がいることを、インターネットから得られる証拠は示していると思われる。

35 名前: 1 投稿日: 2005/06/06(月) 21:18:46
>>34の続きです。

犯行プロセスにおける児童ポルノの役割を扱った四つの論文が取り上げられています。

■Proulx et al. (1999)
家庭外で児童に対して性犯罪を行った者の犯罪プロセスにおける一定の筋道を調査した。その結果、児童に対する性的虐待者の集団のうち、強制的と非強制的という二つの異なる筋道を取る者に分かれた。

両者の特徴

強制的な筋道を用いる者
・通常、アルコールやドラッグといった精神に作用する物質を用いていた。
・この集団に属する30人のうち、全てが女児を虐待しており
・被害者は弱い立場にいるとは見られていない
・被害者は加害者によく知られていた。
・犯行は非計画的
・犯行時間は通常短かった
・犯行は通常性交を伴っていた
・言語的、肉体的な強制行為によって犯行を達成していた

(つづく)

36 名前: 1 投稿日: 2005/06/06(月) 21:19:41
(つづき)

非強制的な筋道を通った者
・14人であり、強制的な筋道を用いる者よりも少ない。
・通常、犯行に先立ってポルノグラフィーと逸脱的な性的妄想を用いていた
・このグループに属する者全てが男性の犠牲者を虐待していた
・犠牲者は弱い立場にあると見られていた、
・加害者とは親しくなかった。
・犯行は計画的
・犯行は長時間に及んだ
・性交を伴っていなかった
・強制を伴っていなかった。

Sex Abuse. 1999 Apr;11(2):117-29. Related Articles, Links
Pathways in the offending process of extrafamilial sexual child molesters.
Proulx J, Perreault C, Ouimet M.

http://www.crim.umontreal.ca/ cours/cri1600/prepress/cahier13.pdf

(つづく)

37 名前: 1 投稿日: 2005/06/06(月) 21:20:21
(つづき)


著者のコメント
この研究は、履歴のデータの集め方と、分かっている範囲の最も新しい犯行(平均的な犯行習慣の特徴を示していないかもしれない)のみによって犯罪者が分類されている点で限界があるものの、異性愛と同性愛の犯罪者の違いを示していると思われる。この違いは、逸脱行為の継続によって高度な洗練性の獲得が可能になるということかも知れない。これはまた、機械的な犯罪者は児童ポルノへのアクセスを与える小児性愛者のコミュニティにそれほど関与していないかも知れないということなのかも知れない。

■Marshall ( 1988) とCarter et al. (1987)
>>19>>23を参照

(つづく)

38 名前: 1 投稿日: 2005/06/06(月) 21:20:53
(つづき)

■Marshall (2000)
ポルノに晒されることは性犯罪の発展に影響を及ぼすかも知れないが、単独の原因ではないかもしれない。しかし、殆どの場合、ポルノの利用は単に、逸脱的な性的関心に対する既に発達した欲求の多くの徴候のうちの一つである。

Marshall, W.L. (2000). Revisiting the use of pornography by sexual offenders: Implications for theory and practice. The Journal of Sexual Aggression, 6, 67-77.

39 名前: 1 投稿日: 2005/06/06(月) 21:30:40
>>37
>これはまた、機械的な犯罪者は

機会的な犯罪者

の間違いでした。

40 名前: 1 投稿日: 2005/06/11(土) 22:31:34
この節の後半で、著者らは先行研究の難点を指摘します。
まず第一に、児童ポルノと犯罪の関係を調査した研究の方法論上の難点として、室内実験では曝露の時間が比較的短いこと、そして多くの小児性愛者はマテリアルの選択において非常に選択的であることを挙げています。

■曝露時間について
室内実験では刺激に曝露される時間が必然的に比較的短い。ところが、ポルノのコレクターはコレクションに相当の時間を費やす。

■選択性について
多くの小児性愛者はマテリアルの選択において非常に選択的であり、この要素は大抵の実験において無視されている(Howitt 1995)。何が性的な刺激となるかは、必ずしも表面に現れた内容には関係しておらず、それよりも犯罪者の読み取り方に関係している。ポルノの内容と行動の一致は、閲覧者がどれだけポルノとある意味で一体感を感じているのかに影響されるのかも知れない。Seto ら (2001)が示したところによると、小児性愛者のように性的に逸脱している男性は、彼らを非常に興奮させる内容を描くポルノを優先的に探し出するかも知れない。ポルノに対する主観的な反応は、描写された内容がどれだけ個人の刺激的で好みの台本に合致するかにかかっているのかも知れない(Mosher 1988)。

Howitt, D. (1995) `Pornography and the paedophile: is it criminogenic?' British Journal of Medical Psychology 68: 15-25.

Seto C, Maric A, Barbaree E. (2001)
The role of pornography in the etiology of sexual aggression. Aggression Violent Behavior ; 6 : 35-53.

Mosher, D.L (1988). `Pornography Defined: Involvement Theory, Narrative Context, and Goodness of Fit’, Journal of Psychology and Human Sexuality, 1, 67-85.

41 名前: 1 投稿日: 2005/06/17(金) 21:16:10
著者らは、先行研究のもう一つの問題点として、多くの場合にインターネットの児童ポルノが研究対象となっていないことを指摘しています。

そして、ポルノの内容に関する研究を紹介しています。

■Taylor (1999)
犯罪者に対する児童ポルノの機能を調査した研究の多くが、雑誌やビデオを通じた従来のマテリアルへのアクセス方法に焦点を当てている。しかしながら、インターネットはもっとも万能でアクセスしやすいポルノの出口の一つである。既に述べたように、インターネットで手に入る児童ポルノの多くは、商業的な製造をその起源とするが、非商業的な目的でインターネットに置かれ、無料で手に入る

The nature and dimensions of child pornography on the Internet
Max. Taylor
Professor of Applied Psychology University College, Cork, Ireland
http://www.ipce.info/library_3/files/nat_dims_kp.htm

42 名前: 1 投稿日: 2005/06/17(金) 21:17:25
■Barron and Kimmel (2000)
ポルノを製造するコストが下落したために「民主化」が生じ、製造の管理が拡散した。成人のポルノについては、Barrenらは、インターネットで手に入る同意の無い暴力的なマテリアルの量が増大している証拠を発見し、男性は被害を与える側として支配的な立場で描かれる傾向にあり、被害者として描かれることは雑誌やビデオに比べると遥かに少ないことを示している。また、Barrenらは満足の証拠(evidence of satiation)を示しており、これは消費者が興奮するためにより新しく、より露骨でより暴力的な形態の性的マテリアルを探し出すことに繋がる。

Sexual Violence in Three Pornographic Media: Toward a Sociological Explanation - Statistical Data Included
Journal of Sex Research, May, 2000 by Martin Barron, Michael Kimmel
ttp://www.findarticles.com/p/articles/mi_m2372/is_2_37/ai_64698519

(投稿者注)
著者らはBarronらの研究が雑誌とビデオをインターネットと比較したものとして紹介していますが、この研究は、インターネットについてはニュースグループに限定しており、ウェブ・サイトを対象としていません(上記論文のMETHODOLOGYの項を参照)。ウェブ・サイトが除外された理由は次の通りです。

・全てのポルノサイトのリスト(そこからサンプルを取る)を作る方法は事実上存在しない。
・大部分のポルノサイトは写真が主で、物語の要素がない。
・多くのポルノサイトでは課金されるが、ニュースグループは無料。


同時に、Barronらの方法論にも不思議な点があります。というのは、彼らが対象としたニュースグループはalt.sex.storiesなのですが、ここは小説がメインです。したがって、彼らのデータから単純にニュースネットを雑誌(恐らくは写真がメイン)やビデオと対比させるのは問題があると思われます。
(投稿者注:ここまで)

43 名前: 1 投稿日: 2005/06/24(金) 12:13:36
次に、著者らは児童ポルノの「性的な興奮という以上の機能」について言及し、そこからインターネット上のコミュニケーションの議論に繋げています。

Pierce ( 1984)は、参加した児童になされた害よりも完成品(ポルノ画像)に焦点を置くことにより、被害児童またはその他の児童が遭遇するかも知れない人間性を失わせる体験を我々が露骨に無視しているように見えるという事実に、我々の関心を向けさせた。これはこのような画像が収集、交換される必需品と看做される時に誇張されうる。Lanning (1992)はこれを野球カードの収集になぞらえた。

これが強調するのは、児童ポルノは性的な興奮という以上の機能を持ち、第5章と第6章で考察されるように、収集と社会的団結の重要性を包含しているということである。Holmes ら. (1998)が示すところによると、コンピューターが変身の装置としての役割を果たし、妄想は機会と資源を与えられてより確かなものとなる。妄想はまた、オンラインで類似の興味を持つ他者と共有することの出来る新たな現実性を帯びるかもしれない。インターネットはまた匿名性を提供し、自己と行動を隠すことで得られる喜びと他の役を演じる潜在的な喜びの両方を与える(Chou and Hsiao 2000)。

(つづく)

44 名前: 1 投稿日: 2005/06/24(金) 12:14:17
(つづき)

インターネットに関して同様に明らかなのは、多くの人々にとって、このメディアへの関与が受動的な反応ではないということである。インターネットは、落ち込んだり、不安や孤独を感じる状況で気分を変えるために使うことが出来る(Morahan-Martin and Schumacher 2000)。

他人との関わりに困難を抱えている人々にとって、インターネットのコミュニケーションは伝統的な交際を要求せず、社会的リスクを軽減し、抑制を低める(Turkle 1995)。

インターネットは多種多様な自己表現を可能することができる。そして、逸脱が跋扈しうる状況を与えるかもしれない。(Lamb 1998).

小児性愛者にとって、オンラインのコミュニティは集団の力学の根拠を示している。これは、地位、専門的技術、見習いといった問題を通じて表される (Linehan ら. 2002)。彼らが特に言及したのは、インターネットの児童ポルノのコミュニティの中で、大きな組織化それたコレクションを集めたり、シリーズ写真の欠けた部分を配布したり、投稿を通じて新しい写真を提供することによって、コミュニティ内での地位が獲得されるという点において、児童ポルノが役割を果たしていたということである。

このように使われることで、児童ポルノは小児性愛的行動の正当性を証明し、小児性愛的行動を正当化し、コミュニティ内での交換の媒体としての役割を果たす。(Healy 1997; Durkin 1997)。

インターネットが時間と空間の有形成に依存した古い規制の概念に挑戦している環境であるというのもまた事実である。(Akdeniz 1997)。力が様々な人々と集団に広められている分散型ネットワークによって、従来のヒエラルキーは崩壊している (Granic and Lamey 2000)。

それによって起こりうる結果の一つは、我々の社会の中で従来は置き去りにされていた小児性愛者のような人々が、実際にインターネットによって力を与えられているかもしれないということである。このようなエンパワーメントは匿名性によって、また全ての人の議題がインターネットでは適した場所を見つけられるという事実によって補強されると思われる。このような経験は、妄想と現実の区別をあいまいにすることを通じてオフラインの世界における抑制の欠如を強めさせるところの、有効性と管理に関する個人の信条の発達に寄与するかもしれない。

45 名前: 1 投稿日: 2005/06/24(金) 12:15:51
クエール博士の説を根拠に擬似ポルノ(合成写真)や漫画の規制を訴える水島広子議員の主張について、再度コメントしておきます。

水島議員がクエール博士からどのような話を聞いたのかは不明ですが、>> のような点も含めて「性犯罪防止の観点からの漫画等の規制」を主張しているのだとしたら、

「変な人達が集団化すると変な傾向が強化されてやばい事やりそうだから、その者たちのコミュニケーションのネタを取り締まれ」

と言っていることになると思われます。

(実写)児童ポルノの流通は被撮影児童への二次的な被害の防止という観点から取り締まるべきですが、上記のような議論には思想犯的な危うさを感じます。

とはいえ、水島議員がクエール博士からどのような話を聞いたのかは不明です。水島議員が「データがございます」というするなら、その中身を明らかにするべきです。

46 名前: 1 投稿日: 2005/06/24(金) 12:16:44
>> のような点も含めて「性犯罪防止の観点からの漫画等の規制」を主張しているのだとしたら、

>>43->>44 のような点も含めて「性犯罪防止の観点からの漫画等の規制」を主張しているのだとしたら、

でした。

47 名前: 松代 投稿日: 2005/07/21(木) 00:35:42
クエール検証リーフレットの草案をアップします。
何か問題点などございましたら、えんりょなく突っ込みをいれて下さい。
よろしくお願いします。

ごあいさつ

自分達は実在児童の人権を擁護する立場から、主に公的機関の発表するデータを独自に検証する活動をおこなっています。特に、マスメディアや一部市民団体などによる、昨今のデジタルコンテンツへの過剰なバッシングに関しては、全く根拠の無い誤解に基づくものとして危機感を強めております。そのため、デジタルコンテンツなどに関する根拠の無い誤解を解き、より実体に即した問題点の理解を促すための活動も展開しています。
中でも、神奈川県の松沢知事におきましても、科学的根拠のないデジタルコンテンツ規制を打ち出され、ご自身のブログでは猛反発を受けている状態です。さらに、民主党におきましては「子ども有害情報からの子どもの保護に関する法律」の制定に向けて準備しておられ、論議の中では水島広子議員が「幼児(もしくは幼児と思える)被害者を表現したアニメーション+ゲームの製造・販売を規制、禁止する条項」を盛り込むか、あるいは新規に立法するかして、断固規制すべしと強硬に主張しておられると耳にしました。
とりわけ、水島議員は国会質問において「きちんとしたデータに基づいて考えれば、児童ポルノを漫画や疑似ポルノであっても規制しないでおくということは、結果として子供を対象とした性犯罪をふやすということにもなる」という趣旨の発言をされ、南野法務大臣より規制に前向きな答弁を引き出しておられます。
しかし、我々が規制推進派の論拠としてひんぱんに提示され、来日時には水島議員にもレクチャーされたクエール博士の著書を検証したところ、コンテンツが性犯罪を誘発するという確かなデータは見当たらず、それどころかコンテンツと性犯罪の関係はいまだ研究途上であるとまとめてありました。
今のところ、水島議員からは「児童ポルノを漫画や疑似ポルノであっても規制しないでおけば、結果として子供を対象とした性犯罪をふやすことを示すデータ」なるものが提示されていないため、最終的な判断はデータの提示を待つことになりますが、それにしても根拠があいまいなまま国民生活に重大な影響を与えるコンテンツ規制が施行されようとしている現状は極めて憂慮すべきものです。
国会関係者の皆様におきましては、科学的根拠を踏まえた立法措置をお願いしたく、このリーフレットをまとめました。お役に立てていただければ嬉しく思います。
なお、お問い合わせ等につきましては、代表の松代までご連絡いただければ幸甚に存じます。
よろしくお願い申し上げます。

グリーントライアングル有志一同

48 名前: 松代 投稿日: 2005/07/21(木) 00:36:35
以下は、規制推進派の論拠としてひんぱんに提示される、テイラー博士とクエール博士の共著「Child Pornography: An Internet Crime」を検証した結果です。

両博士は、著書において、ポルノが犯罪を誘発するかもしれないと考える根拠について、主に以下の4点を挙げています。

・興奮剤、あるいは加害者自身が自らの心理的抑制を解除するために、ポルノが悪用される。

両博士は、計画的犯行において、児童との性的行為に対する抑制を捨てるために犯行に先立ってポルノが利用されるとして、ポルノの悪影響を説いています。

・自己正当化の道具として、ポルノが悪用される。

両博士は、以下のような児童ポルノをダウンロードした受刑者の証言から、ポルノが自己正当化の道具として用いられると説いています。

・他の人もやっているから問題ではない。
・写真の児童は喜んでいて、起こっていること楽しんですらいる
(編者注:このような自己正当化は児童が「笑っている」写真に基づいている。一方で、このような妄想に合致しない、児童が苦しんでいるような写真は拒絶される)。
・ビデオ撮影は自分がダウンロードした動画をコピーしているだけである。

・模倣犯

両博士は、ポルノが模倣犯を誘発すると説いています。

・他者の所有する画像と交換するため、新たなポルノを製造し始める。

両博士は、ポルノ交換ネットワークにおいて、ポルノが物々交換されている点に注目しました。両博士は、ポルノがあたかも通貨のように流通していることを指摘し、より多くのポルノを収集するために、やがてはポルノを制作するようになると説いています。

ただし、両博士は、新しく作られる写真に関してインターネット出現の前後で児童ポルノの規模と性質を比較することは知識が欠落しているためにできず、量的に増加しているかどうかを判断するのは困難だとした上で、「われわれが以前よりも児童ポルノが問題だと認識するようになり、その問題にインターネットが重要な役割を果たしているのは明らかである」と述べるに留まっています。

これら、両博士の挙げるポルノの問題点を検証すると、加害者が自意識をもって「みずから決断した結果として犯行に及んでいる」という視点が、全くといってもよいほどきれいに欠落していることがわかります。つまり、両博士は「人間は自意識をもって行動している」という事実を無視して、あたかも「ポルノの奴隷として、ポルノの命じるまま人間が行動している」と見なしているかのようです。

49 名前: 松代 投稿日: 2005/07/21(木) 00:37:43
■児童ポルノの閲覧と接触犯罪の関係について、両博士の結論
両博士は上記のようなリスク要因を挙げてはいるものの、他方では児童ポルノをダウンロードした者には様々な(進行しているという印象が明らかと思われる者、一つの段階に留まり続ける者、必ずしも全ての段階を通ることなく別の活動領域に移る者、接触犯罪の前歴がある者等々)タイプがいることを指摘しています。
これに加え、両博士は様々な先行研究を検討したうえで、児童ポルノを所有している人々が子どもにとってどの程度深刻な脅威なのかを判断するという点において、関連する諸問題をよりよく認識するためにより多くの研究が必要である、としています。

つまるところ、まだよくわかっていないのです。 
しかし、それにもかかわらず、両博士は以下のようにポルノの規制を主張しています。

■両博士のポルノ規制に対する考え方
両博士は、児童ポルノのプロセス(児童ポルノの製造、流通、接触犯罪における利用)への関与は児童にとって深刻な脅威であり、承認と助長にあたり、児童ポルノの所持は接触犯罪のリスクとは無関係に重い処罰を受けるべきであるとしています。そして、問題の中心にあるのはリスクの認識と管理、そして量刑実務それ自体よりも、その後の治療の提供である、としています。

両博士は児童ポルノに関する様々なプロセスの危険性を理由に所持の禁止を主張していますが、各プロセスを個別に検討することなく一律に所持を禁止するのは飛躍があります。また、予防の観点から処罰の対象を最大限に拡げて強制的に治療を受けさせようという考え方は、極めて問題だと思われます。


■水島議員の国会質問について
水島議員は「一部の人は児童ポルノに触れる機会が多ければ多いほど性犯罪を起こす確立が高くなる」とし、その一方で児童ポルノが性犯罪を抑制する可能性を否定することにより、「漫画や疑似ポルノであっても規制しないでおくということは、当然それらに触れる機会を一部の人たちにとってふやすことになって、結果として子供を対象とした性犯罪をふやすということにもなる」という結論を導いています。
 確かに両博士は「進行しているという印象が明らかと思われる者」の存在を指摘しています(ただし、水島議員の発言から想像される、例えば「児童ポルノの視聴時間と犯罪発生率の関係を示す統計データ」といったものが示されているわけではありません)。
しかしながら、前述のように、両博士は児童ポルノをダウンロードした者には様々なタイプがいることを指摘しています。児童ポルノの閲覧を接触犯罪の代わりにしていると証言する受刑者についても、児童ポルノが虐待によって作られた事を認識していないと非難はしているものの、児童ポルノの閲覧を接触犯罪の代わりになっている者がいる可能性そのものについては否定しておらず、様々なタイプがいる結果として全体として性犯罪の数がどうなるかについてのデータは示していません。

50 名前: 松代 投稿日: 2005/07/21(木) 00:39:01
■参考資料
Child Pornography: An Internet Crime
Max Taylor (著), Ethel Quayle (著)
ペーパーバック: 248 p ; サイズ(cm):
出版社: Brunner-Routledge ; ISBN: 1583912444 ; (2003/05/01)

■Child Pornography: An Internet Crimeの研究対象と方法論
・研究内容は児童ポルノ画像(写真)と児童ポルノをダウンロードした受刑者とのインタビューの分析である。
・児童ポルノの閲覧と接触犯罪(強姦等の、実際に児童に接触して行われる性犯罪)関係については、接触犯罪も行っていた受刑者とのインタビューを元に、個別の事例における犯罪発生のメカニズムを分析している。
・殆どすべての議論において実在児童の写真を前提としている。そのため、漫画やアニメ等は検討の対象になっていない。

検証者よりの注釈と結論
両博士の著書においては、例えば「接触犯罪の正当化」と「ダウンロードの正当化」という、全く異なる行為の正当化事例として同じ証言が引用されています。
また、別の部分では加害者の「画像収集行為と接触犯罪は違う」という証言を自己正当化の事例として紹介しつつ、他方で「児童が電子画像に縮小される(the child is reduced to an electronic)」という、いささか一般的には理解しがたい概念をもとに、画像収集行為を批判しています。「電子画像に縮小される」とは、画像を加工、整理などしている過程で、画像が児童虐待によって作られているという意識が欠落していくという概念で、あるいは写真と被写体とを同一視するスーザン・ソンタグの写真論が背景にあるものと推測されますが、いずれにしても犯罪をテーマにした研究において、あからさまに特定の価値観に依拠した判断基準を持ち込むことは好ましくありません。
両博士のポルノ規制に対する考え方にも現われていますが、両博士は最初から「ポルノは規制すべし」との結論を用意したうえで研究に着手したのではないかとの疑念を抱かせるような内容であり、少なくとも「法規制の根拠とするにはあまりにも客観性、公平性にかけた研究」ではないかと考えます。
また、両博士の論はフィクション作品が全くといってもよいほど検討の対象になっておらず、フィクション作品を両博士の論に当てはめると、論として破綻するものも多く見られました。この事からも、両博士の論をフィクション作品の規制の根拠とする事は問題があると考えられます。
海外の研究に頼らずとも、国内にも児童ポルノ問題に詳しい専門家は存在しており、例えば大阪弁護士会の奥村弁護士は『「所持」の禁止は問題が生じかねない。むしろ「譲受」を禁止すべき』とか、あるいは『(児ポ法の改正に)旅行業法の改正を盛り込む必要があるのではないか?』など、ご自身のブログで興味深いご意見を披露されています。まず、国内の専門家から話を聞くなど、地に足の着いた地道な調査が求められているのではないでしょうか?

グリーントライアングルTOP
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松代守弘宛

51 名前: 松代 投稿日: 2005/07/21(木) 00:40:09
■テイラー・クエール博士について
エセル・クエール氏
(アイルランド・コーク大学博士)
−プロフィール−

臨床心理学者。
「第2回子どもの商業的性的搾取に反対する会議」の特別報告者マックス・テイラー博士と共に、子どもポルノの専門的分野で世界的権威として認められているコーパインプロジェクト(COPINE PROJECT)のメンバー。
インターネット犯罪による子どものへの性暴力の調査、実態分析を行い、防止策として特に、加害者の心理分析及び、治療法を開発している。
タイラー博士との共著「子どもポルノグラフィーとインターネット犯罪」がある。
http://www.unicef.or.jp/osirase/back2005/0502_02.htm

■ 水島広子議員の国会質問
○水島委員 今の御答弁では、とても午前中、子供の利益を代弁して大臣みずからが子どもオンブードのように活躍してくださるというのからは、ちょっと違うのではないかというふうに思います。
 あくまでも子供の利益を代弁して発言していただくのであれば、いろいろな議論があるうちのやはり子供の視点に立った方の観点から御答弁なさるべきではないかと思うんですけれども、きょうは、ここへ青少年担当の大臣として来られているわけですから、その点についてもう一度答弁をし直していただきたいと思うんですね。
 といいますのが、今、子供を性の対象として見るような風潮というふうにおっしゃいましたけれども、そういう雰囲気だけではなく、実はこの児童ポルノを規制しなければいけない理由の一つとして、これはきちんとしたデータがございますが、一部の人にとっては児童ポルノに触れる機会が多ければ多いほど性犯罪に至る可能性が高くなるというデータがございます。
 日本ではいまだに、児童ポルノがあるおかげで犯罪が減っているんじゃないかなどという意見を堂々と主張する人もいるようですけれども、これは基本的にきちんとしたデータに基づいて考えれば、一部の人にとってですけれども、そういう児童ポルノに触れる機会が多ければ多いほど性犯罪を起こす確立が高くなる。
 そのようなことを考えますと、児童ポルノを、これは漫画や疑似ポルノであっても規制しないでおくということは、当然それらに触れる機会を一部の人たちにとってふやすことになって、結果として子供を対象とした性犯罪をふやすということにもなるわけで、これは青少年担当の大臣としてはきちんと規制の対象としてその可能性を検討していただかなければいけないと思うんですけれども、もう一度御答弁いただけますでしょうか。
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/007316220050315003.htm

52 名前: 1 投稿日: 2005/07/26(火) 06:12:07
草案の段階で見落としていました。
申し訳ありません。


下記の部分を

>また、別の部分では、受刑者が画像収集行為と接触犯罪を区別することによって画像のダウンロード
>を自己正当化していることを紹介しつつ、他方で「児童が電子画像に縮小される(the child is
>reduced to an electronic image)」という、いささか一般的には理解しがたい概念をもとに、画像収
>集行為を批判しています。


次のように修正して下さい。

------------------
また、別の部分では、受刑者が画像収集行為と接触犯罪を区別することによって画像のダウンロードを自己正当化していることを紹介しつつ、他方で「児童が電子画像に縮小される(the child is reduced to an electronic image)」という、いささか一般的には理解しがたい概念をもとに、画像収集行為を批判しています。

53 名前: 松代 投稿日: 2005/07/26(火) 23:50:23
最終稿です。文章に改変を加えない限り、紙媒体、電子媒体のいずれにおいても、自由に配布していただいて問題ありません。

ごあいさつ

自分達は実在児童の人権を擁護する立場から、主に公的機関の発表するデータを独自に検証する活動をおこなっています。特に、マスメディアや一部市民団体などによる、昨今のデジタルコンテンツへの過剰なバッシングに関しては、全く根拠の無い誤解に基づくものとして危機感を強めております。そのため、デジタルコンテンツなどに関する根拠の無い誤解を解き、より実体に即した問題点の理解を促すための活動も展開しています。
中でも、神奈川県の松沢知事におきましても、科学的根拠のないデジタルコンテンツ規制を打ち出され、ご自身のブログでは猛反発を受けている状態です。さらに、民主党におきましては「子ども有害情報からの子どもの保護に関する法律」の制定に向けて準備しておられ、論議の中では水島広子議員が「幼児(もしくは幼児と思える)被害者を表現したアニメーション+ゲームの製造・販売を規制、禁止する条項」を盛り込むか、あるいは新規に立法するかして、断固規制すべしと強硬に主張しておられると耳にしました。
とりわけ、水島議員は国会質問において「きちんとしたデータに基づいて考えれば、児童ポルノを漫画や疑似ポルノであっても規制しないでおくということは、結果として子供を対象とした性犯罪をふやすということにもなる」という趣旨の発言をされ、南野法務大臣より規制に前向きな答弁を引き出しておられます。
しかし、我々が規制推進派の論拠としてひんぱんに提示され、来日時には水島議員にもレクチャーされたクエール博士の著書を検証したところ、コンテンツが性犯罪を誘発するという確かなデータは見当たらず、それどころかコンテンツと性犯罪の関係はいまだ研究途上であるとまとめてありました。
今のところ、水島議員からは「児童ポルノを漫画や疑似ポルノであっても規制しないでおけば、結果として子供を対象とした性犯罪をふやすことを示すデータ」なるものが提示されていないため、最終的な判断はデータの提示を待つことになりますが、それにしても根拠があいまいなまま国民生活に重大な影響を与えるコンテンツ規制が施行されようとしている現状は極めて憂慮すべきものです。
国会関係者の皆様におきましては、科学的根拠を踏まえた立法措置をお願いしたく、このリーフレットをまとめました。お役に立てていただければ嬉しく思います。
なお、お問い合わせ等につきましては、代表の松代までご連絡いただければ幸甚に存じます。
よろしくお願い申し上げます。

グリーントライアングル有志一同

54 名前: 松代 投稿日: 2005/07/26(火) 23:51:03
以下は、規制推進派の論拠としてひんぱんに提示される、テイラー博士とクエール博士の共著「Child Pornography: An Internet Crime」を検証した結果です。

両博士は、著書において、ポルノが犯罪を誘発するかもしれないと考える根拠について、主に以下の4点を挙げています。

・興奮剤、あるいは加害者自身が自らの心理的抑制を解除するために、ポルノが悪用される。

両博士は、計画的犯行において、児童との性的行為に対する抑制を捨てるために犯行に先立ってポルノが利用されるとして、ポルノの悪影響を説いています。

・自己正当化の道具として、ポルノが悪用される。

両博士は、以下のような児童ポルノをダウンロードした受刑者の証言から、ポルノが自己正当化の道具として用いられると説いています。

・他の人もやっているから問題ではない。
・写真の児童は喜んでいて、起こっていること楽しんですらいる
(編者注:このような自己正当化は児童が「笑っている」写真に基づいている。一方で、このような妄想に合致しない、児童が苦しんでいるような写真は拒絶される)。
・ビデオ撮影は自分がダウンロードした動画をコピーしているだけである。

・模倣犯

両博士は、ポルノが模倣犯を誘発すると説いています。

・他者の所有する画像と交換するため、新たなポルノを製造し始める。

両博士は、ポルノ交換ネットワークにおいて、ポルノが物々交換されている点に注目しました。両博士は、ポルノがあたかも通貨のように流通していることを指摘し、より多くのポルノを収集するために、やがてはポルノを制作するようになると説いています。

ただし、両博士は、新しく作られる写真に関してインターネット出現の前後で児童ポルノの規模と性質を比較することは知識が欠落しているためにできず、量的に増加しているかどうかを判断するのは困難だとした上で、「われわれが以前よりも児童ポルノが問題だと認識するようになり、その問題にインターネットが重要な役割を果たしているのは明らかである」と述べるに留まっています。

これら、両博士の挙げるポルノの問題点を検証すると、加害者が自意識をもって「みずから決断した結果として犯行に及んでいる」という視点が、全くといってもよいほどきれいに欠落していることがわかります。つまり、両博士は「人間は自意識をもって行動している」という事実を無視して、あたかも「ポルノの奴隷として、ポルノの命じるまま人間が行動している」と見なしているかのようです。

55 名前: 松代 投稿日: 2005/07/26(火) 23:54:05
■児童ポルノの閲覧と接触犯罪の関係について、両博士の結論
両博士は上記のようなリスク要因を挙げてはいるものの、他方では児童ポルノをダウンロードした者には様々な(進行しているという印象が明らかと思われる者、一つの段階に留まり続ける者、必ずしも全ての段階を通ることなく別の活動領域に移る者、接触犯罪の前歴がある者等々)タイプがいることを指摘しています。
これに加え、両博士は様々な先行研究を検討したうえで、児童ポルノを所有している人々が子どもにとってどの程度深刻な脅威なのかを判断するという点において、関連する諸問題をよりよく認識するためにより多くの研究が必要である、としています。

つまるところ、まだよくわかっていないのです。
しかし、それにもかかわらず、両博士は以下のようにポルノの規制を主張しています。

■両博士のポルノ規制に対する考え方
両博士は、児童ポルノのプロセス(児童ポルノの製造、流通、接触犯罪における利用)への関与は児童にとって深刻な脅威であり、承認と助長にあたり、児童ポルノの所持は接触犯罪のリスクとは無関係に重い処罰を受けるべきであるとしています。そして、問題の中心にあるのはリスクの認識と管理、そして量刑実務それ自体よりも、その後の治療の提供である、としています。

両博士は児童ポルノに関する様々なプロセスの危険性を理由に所持の禁止を主張していますが、製造・流通による被害・およびある種の利用目的を理由として一律に所持を禁止するのは飛躍があると言わざるを得ません。また、予防の観点から処罰の対象を最大限に拡げて強制的に治療を受けさせようという考え方は、極めて問題だと思われます。


■水島議員の国会質問について
水島議員は「一部の人は児童ポルノに触れる機会が多ければ多いほど性犯罪を起こす確立が高くなる」とし、その一方で児童ポルノが性犯罪を抑制する可能性を否定することにより、「漫画や疑似ポルノであっても規制しないでおくということは、当然それらに触れる機会を一部の人たちにとってふやすことになって、結果として子供を対象とした性犯罪をふやすということにもなる」という結論を導いています。
 しかしながら、前述のように、両博士は児童ポルノをダウンロードした者には様々なタイプがいることを指摘しています。児童ポルノの閲覧を接触犯罪の代わりにしていると証言する受刑者についても、児童ポルノが虐待によって作られた事を認識していないと非難はしているものの、児童ポルノの閲覧を接触犯罪の代わりになっている者がいる可能性そのものについては否定も肯定もしておらず、様々なタイプがいる結果として全体として性犯罪の数がどうなるかについてのデータは示していません。

56 名前: 松代 投稿日: 2005/07/26(火) 23:54:41
■参考資料
Child Pornography: An Internet Crime
Max Taylor (著), Ethel Quayle (著)
ペーパーバック: 248 p ; サイズ(cm):
出版社: Brunner-Routledge ; ISBN: 1583912444 ; (2003/05/01)

■Child Pornography: An Internet Crimeの研究対象と方法論
・研究内容は児童ポルノ画像(写真)と児童ポルノをダウンロードした受刑者とのインタビューの分析である。
・児童ポルノの閲覧と接触犯罪(強姦等の、実際に児童に接触して行われる性犯罪)関係については、接触犯罪も行っていた受刑者とのインタビューを元に、個別の事例における犯罪発生のメカニズムを分析している。
・殆どすべての議論において実在児童の写真を前提としている。そのため、漫画やアニメ等は検討の対象になっていない。

検証者よりの注釈と結論
両博士の著書においては、例えば「接触犯罪の正当」と「ダウンロードの正当化」という、全く異なる行為の正当化事例として同じ証言が引用されています。
また、別の部分では、受刑者が画像収集行為と接触犯罪を区別することによって画像のダウンロードを自己正当化していることを紹介しつつ、他方で「児童が電子画像に縮小される(the child is reduced to an electronic image)」という、いささか一般的には理解しがたい概念をもとに、画像収集行為を批判しています。「電子画像に縮小される」とは、画像を加工、整理などしている過程で、画像が児童虐待によって作られているという意識が欠落していくという概念で、あるいは写真と被写体とを同一視するスーザン・ソンタグの写真論が背景にあるものではないかと推測されますが、いずれにしても犯罪をテーマにした研究において、あからさまに特定の価値観に依拠した判断基準を持ち込むことは好ましくありません。
両博士のポルノ規制に対する考え方にも現われていますが、両博士は最初から「ポルノは規制すべし」との結論を用意したうえで研究に着手したのではないかとの疑念を抱かせるような内容であり、少なくとも「法規制の根拠とするにはあまりにも客観性、公平性にかけた研究」ではないかと考えます。
海外の研究に頼らずとも、国内にも児童ポルノ問題に詳しい専門家は存在しており、例えば大阪弁護士会の奥村弁護士は『「所持」の禁止は問題が生じかねない。むしろ「譲受」を禁止すべき』とか、あるいは『(児ポ法の改正に)旅行業法の改正を盛り込む必要があるのではないか?』など、ご自身のブログで興味深いご意見を披露されています。まず、国内の専門家から話を聞くなど、地に足の着いた地道な調査が求められているのではないでしょうか?

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57 名前: 松代 投稿日: 2005/07/26(火) 23:55:13
■テイラー・クエール博士について
エテル・クエール氏
(アイルランド・コーク大学博士)
−プロフィール−

臨床心理学者。
「第2回子どもの商業的性的搾取に反対する会議」の特別報告者マックス・タイラー博士と共に、子どもポルノの専門的分野で世界的権威として認められているコーパインプロジェクト(COPINE PROJECT)のメンバー。
インターネット犯罪による子どものへの性暴力の調査、実態分析を行い、防止策として特に、加害者の心理分析及び、治療法を開発している。
タイラー博士との共著「子どもポルノグラフィーとインターネット犯罪」がある。
http://www.unicef.or.jp/osirase/back2005/0502_02.htm

■ 水島広子議員の国会質問
○水島委員 今の御答弁では、とても午前中、子供の利益を代弁して大臣みずからが子どもオンブードのように活躍してくださるというのからは、ちょっと違うのではないかというふうに思います。
 あくまでも子供の利益を代弁して発言していただくのであれば、いろいろな議論があるうちのやはり子供の視点に立った方の観点から御答弁なさるべきではないかと思うんですけれども、きょうは、ここへ青少年担当の大臣として来られているわけですから、その点についてもう一度答弁をし直していただきたいと思うんですね。
 といいますのが、今、子供を性の対象として見るような風潮というふうにおっしゃいましたけれども、そういう雰囲気だけではなく、実はこの児童ポルノを規制しなければいけない理由の一つとして、これはきちんとしたデータがございますが、一部の人にとっては児童ポルノに触れる機会が多ければ多いほど性犯罪に至る可能性が高くなるというデータがございます。
 日本ではいまだに、児童ポルノがあるおかげで犯罪が減っているんじゃないかなどという意見を堂々と主張する人もいるようですけれども、これは基本的にきちんとしたデータに基づいて考えれば、一部の人にとってですけれども、そういう児童ポルノに触れる機会が多ければ多いほど性犯罪を起こす確立が高くなる。
 そのようなことを考えますと、児童ポルノを、これは漫画や疑似ポルノであっても規制しないでおくということは、当然それらに触れる機会を一部の人たちにとってふやすことになって、結果として子供を対象とした性犯罪をふやすということにもなるわけで、これは青少年担当の大臣としてはきちんと規制の対象としてその可能性を検討していただかなければいけないと思うんですけれども、もう一度御答弁いただけますでしょうか。
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/007316220050315003.htm

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