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クリスマススペシャル「泣けるサザエさん」
1KAZU:2006/12/24(日) 17:39:16
 今日はクリスマス・イヴと言う所でスペシャルスレッド
名づけて「泣けるサザエさん」!!
コンセプトは「感動して切なく心に残るサザノベル」、感動的なサザノベルなら何でもOK!!
聖夜に相応しい感動的なストーリーを書くのもよし!!その感想を書くのもよし!!
主催者のKAZUもサザノベラーの原点ともいえる「サザエさん 最終回if」を公開!!
なお涙腺が弱い方はハンカチのご用意を!!(大袈裟)

2KAZU:2006/12/24(日) 21:20:23
 今から約数年前に書いたKAZUサザノベルの原点とも言える幻の傑作
「サザエさん 最終回if」
ではどうぞ!!

 今日の世田谷は快晴、洗濯日和である。
今日は平日な為カツオとワカメは学校、マスオと波平は会社に言っており、フネは今日の昼食の買出しの為商店街へ買出しに行った為磯野家には現在サザエとタラ、そしてタマしかいない。
サザエはこの快晴を利用して洗濯物を干しておりタラは最近木登りを覚えたらしく家の中で一番大きな木に登っていた。
「タラちゃん駄目よ〜。」
サザエはタラが木登りをすぐ止め他の遊びに夢中になるだろうと感じ一声かけただけであった。
もしサザエ今にでもタラの木登りを止めればあんな事にはならなかった筈である…。
だがタラは木登りを止める事無く一番高い枝へ登っていった…。
「うんしょ…うんしょ…。」
だがその枝にさしかかろうとした時悲劇が起こった…。
「もうすぐあの枝に届きそうです…うんしょっと……あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
(バキッ……ドスッ!!!)

「サザエさん 最終回if」(前編)

タラの悲痛な叫びと何かが墜ちた様な音が家中に響きサザエはそれに気付いたらしく急いで現場へ駆けつけた。
「あれはタラちゃんの声…もしかして…。」
サザエが現場に駆けつけたその時彼女は見てはいけない物を見てしまった。
「嘘でしょ……いやあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
それは白目を向いて体のあちこちを痙攣させて仰向けになっているタラの姿であった。
多分打ち所が悪かったのだろうか彼はまだ体を痙攣させている、恐らく意識不明だろう。
サザエは大至急119番に連絡した。
「119番ですか!?救急車、大至急お願いします!!うちの息子が大変なんです!!」
(ピーポー、パーポー…)
その後やっと救急車が駆けつけタラは近くの病院へと運ばれる事になった…。
「タラちゃんしっかりして!ママがついてるわ!!」
同情する事となったサザエは人工呼吸器を付けた息子の側でいつまでも無事を祈っていた。
こうしてタラは緊急病棟へと運ばれた、タラが運ばれてから数分後波平とマスオが会社を早退してまで彼のいる病室へと駆け込んだ。
「父さんにマスオさん!!」
「サザエ、タラちゃんの容態は!?」
するとサザエは涙ぐみ…
「タ…タラちゃんは打ち所が悪かったらしく早くても半年以上回復しないそうなの…私が木登りを止めればこんな事にはならなかったの…うわあぁぁぁぁん!!!」
彼女はマスオの前で大粒の涙をこぼしながら泣き出し始めた。一方波平は点滴を受けながら人工呼吸器をつけた孫の前でこう呟いた。
「わしの孫が…こんな姿に…。」
すると…
「姉さんタラちゃんの容態は!?」
「大丈夫なのタラちゃんは!?」
カツオとワカメまでもが学校からこの病院へ駆けつけた。
「あんた達学校はどうしたのよ!?」
「大事な甥っ子が重態なのに学校になんか行ってられないよ!!」
「そうよ!!タラちゃんは私にとって大事な甥っ子であると共に可愛い弟みたいな者なのよ!!」
「あ、貴方達…そこまでタラちゃんの事を…。」
サザエはそう呟き2人を優しく抱きしめた…だがそれをぶち壊すかのごとく波平が…
「なあカツオ…。」
「何なの父さん…。」

(………ぱあぁぁんっ!!!)

誰かを張り倒したような音は一体…!?

TO BE CONTINUED…

3KAZU:2006/12/24(日) 21:22:30
 後書き①
いかがでしたか?この作品の感想をお待ちしています。
続きは12月25日ごろ書く予定です、それまでお楽しみに…。

4TAKA:2006/12/24(日) 22:36:59
おぉ!あの感動の作品が再び!
俺もこの作品大好きです!続きを楽しみにしてます!
いや〜KAZUさんの作品は外れが無いですね、いつも参考にしてます

登場するのはサザエさんの登場人物オンリーですよね?(一応聞きます)

5KAZU:2006/12/25(月) 19:13:54
>>4勿論そうです!!では続きをどうぞ!!

 前回までのあらすじ:快晴の世田谷、洗濯をしていたサザエ。だが彼女が目を離した隙に木登りを覚えたタラちゃんが転落、意識不明の重態となってしまった。
彼女は急いで119番に連絡をした。その後、マスオや波平果てはカツオやワカメまでも会社や学校を早退してまでタラちゃんの看病に来た。
だがそれをつんざくかの様に誰かが何かを張り倒したような音が病室にまで響いた…。

「サザエさん 最終回if」(中編)

(………ぱあぁぁんっ!!!)

音と同時にカツオは病室の床に強く叩きつけられた。
病室中に沈黙がはしった…。
「父さん!?」
すると波平はカツオの前で顔を赤くし眉毛を曲げ地獄の閻魔様のように怒鳴った。
「この馬鹿者!!!お前がわしの孫なんかに木登りなんか教えるから取り返しのつかない事になるんだ!!!さあ立てこの腐った性根を叩き直してやる!!!!」
するとサザエが後からこれまでにない怒りを露わにする波平を後から羽交い絞めにして押さえつけた。
「止めて父さん何もカツオだけが悪いって事じゃないのよ!!」
「ええい離さんか!!こやつはもうわしの息子ではない!!!息子の姿をした天邪鬼(あまのじゃく)だ!!!愛する孫をこんなにした奴はわしが成敗する、立て!!!」
波平は愛する孫がこんな姿になってしまったショックからか精神不安定となってしまったようだ…。
するとカツオは突然立ち上がり父の前でこう呟いた…。
「父さん…僕は確かに…タラちゃんに…木登りを教えた…確かに僕が・・・悪いかもしれない…殴りたいんだったら…僕の事殴って…けどこれだけは言わせて…。」
「「!!??」」
そしてカツオは自分が今までやった悪事を全て謝罪するかのように大粒の涙をこぼしながら誤った…。
「ご免…なさい…。」
「お兄ちゃん…。」
「カツオ君…。」
「カツオ…。」
「カツオ…あんたいや貴方って子は…。」
するとサザエはカツオの前に立ち彼を優しく抱きしめながらこう言った…。
「カツオ…何も貴方が誤る必要は無いのよ…悪いのはタラちゃんから目を離してしまった私なんだから…。」
「姉さん…。」
「……ハッ・・・わしは今まで何を…。」
波平はどうやら正気を取り戻したようだ、そこに病院の先生が現れ一家に緊張が走った。
「せ、先生…先生タラちゃんは!?」
サザエはちょっと興奮し先生の前で立ち息子の容態について問いた。
だが先生は落ち着いた口調でこう話し始めた…
「お母さん、今精密検査の結果を調べましたが息子さんは打ち所が悪い為かなり危険な状態です。」
「そ、そんな…。」
するとサザエはいきなり顔を青ざめ今にも倒れそうな状態となってしまった。
「お母さん、しっかりして下さい。助かる方法はただ一つはあります。それは脳手術を受ける事です。僅かな確立ですが受ければ助かる見込みはあります。」
「助かるんですか!?タラちゃんは!?」
手術で助かると聞いてサザエは再び元の元気な顔を取り戻した。だが先生は落ち着いた口調で再び喋り続けた。
「ただしこれだけは聞いてください、息子さんの容態は非常に危険な為手術するとなればこれまでに無い非常に困難な大手術となる恐れがあり莫大な費用がかかります。」
「そ…そんな…。」
その事を聞いてサザエは元気な顔から一変再び青ざめた顔になってしまった。するとマスオが彼女の変わりに費用について喋り出した。
「先生、その手術にかかる費用はいくら位ですか?」
「そうですね…かなり困難な大手術となりますから最低でも約5,000万ぐらいはかかりますね…。」
「ご…5,000万!?」
5,000万円…その事を聞いて一家は凍ったように一瞬固まった。
「ご…5,000万なんて…僕と義父さんの一年間の給料を全部合わせても足りませんよ…。」
「う…うむ…。」
5.000万円なんて磯野家にはとても払える筈が無いのである…。
「父さん、僕たちに任せて!!」
それはカツオとワカメであった。
「お、お前達払える自身はあるのか!?」
「大丈夫よ、学校で募金活動を広めればいいのよ募金によって集めたお金とお父さんとマスオ兄さんのお金を合わせれば5.000万円足りると思うわ。」
「お…お前達…。」
果たして磯野家は無事5,000万円が溜まるのであろうか!?

TO BE CONTINUED…

6KAZU:2006/12/25(月) 20:56:19
 前回までのあらすじ:愛する孫が重態になったショックにより波平は精神不安定となりカツオを真犯人と決め付ける。
だがサザエの説得そしてカツオの謝罪もあってか彼は無事自我を取り戻した。するとそこに先生が現れる。タラが助かる方法、それは手術を受ける事であった。
だが彼の手術には5,000万というとても莫大な費用がかかるのである…。

「サザエさん 最終回if」(後編)

(キーンコーンカーンコーン…)
「それでは今日の授業を終わりたいと思います、一同起立!!」
「先生、皆に話したい事があります!!」
「何だ?磯野!?」
するとカツオは教壇の前に立ち…
「今僕の甥っ子が非常に危険な危険な状態です。手術を受ければ助かるのですが5,000万円という莫大な費用がかかります。そこで皆さんに援助して欲しいのです。僕にとってかけがえのない甥っ子を救うためにも1円でもいいですから募金お願いします!!」
カツオは皆の前で自分の甥っ子が危篤状態である事を話しその為の募金活動を求める事を告げた。
「い…磯野…。」
だが皆は彼の事を理解、クラスのあちこちで「タラちゃんを救う会」が設立し学校の至る所で募金箱が設置された。
こうして学校の皆のかいもあってか目標金額まで無事達成、だが…
「駄目だ…僕と義父さんの給料が思ったより少ない…カツオ君やワカメちゃんが募金で集めたお金を合わせてもまだ足らないよ…。」
「仕方ない、やむをえんな長年住み慣れた家を売ろう!!」
「ええっ家を売る!?だってあの家は義父さんが借金をしてまで手に入れた家だと聞きましたよ!!?」
「愛する孫の為ならこの位の覚悟は出来ている、わしに迷いはないこの家を売るぞ。」
波平はこうして愛する孫の為に住み慣れた我が家を売る事に決めこうして手術の費用金額は見事達成した。
そして家族や友達が見守る中でタラちゃんの手術が開始された。

何時間たったのだろうか手術着を血で真っ赤に染めた先生が悲しそうな顔で手術室から出てきた。
「先生、タラちゃんは!?タラちゃんはどうなったんですか!?」
すると先生は悲しそうな顔で…
「我々も出来る限りの手を尽くしたんですが残念ながら思ったより出血が酷くそれが原因で途中でショック死です…。」
「そ…そんなうわあぁぁぁぁぁん…!!!」
サザエはその場で泣き崩れた…。
「こ…この馬鹿者があぁぁぁぁぁぁ!!!!よくも愛する孫を殺しおってヤブ医者がぁ!!!ぶっ殺してやる死んで詫びろおぉぉぉ!!!!」
「止めて下さいお父さん、お医者様だって出来る限りの手を尽くしたんですよ!!それ以上何を求めると言うんですか!?」
「そうだよ父さん!!先生を殴ったって死んだタラちゃんは生き返らないよ!!」
「ええい離せ離せ!!!わしはこのヤブに一発殴らなければ気が済まないんだ!!!」
孫が死んだショックからか波平は今までに無い怒りを露わにし医者に殴りかかろうとしたがカツオやフネに取り押さえられて数分後正気を取り戻した。
タラの遺体はその後霊安室へと安置される事となった。
「皆、私とタラちゃん2人だけにしたいから他の皆は出ていって欲しいの。」
サザエは他の皆を退室させた、そして彼女はタラの遺体にある物を着せた。
それはタラちゃんが来年通う筈であった幼稚園の園服であった。そしてサザエは遺体の前で大粒の涙を流しこう呟いた。
「タラちゃん、楽しみにしていた幼稚園通わせてやれなくてご免ね…。天国へ行ってもママとパパの事忘れないでね…。」
その後磯野家タラの遺骨と共には生まれ故郷である福岡の実家へと戻った。サザエの胸にはタラの遺骨が入った骨壷がしっかり抱きしめられていた。
まるで母親が我が子を抱くかのように…。

THE END

7Flash Rave System★:2006/12/25(月) 21:09:00
嗚呼・・・なんてネガティブな・・・。
昔見たやつより悲しすぎて仕方ないよ。
リメイクぐらい救われる結末にしたっていいちゃないか・・・。

8KAZU:2006/12/25(月) 21:13:35
 後書き②
やっと終わりました…。恐らく俺が今まで書いた作品の中で最も古く最も最高の傑作と言えるでしょう。(自評価)
何故こんな数年前の作品を載せたのか!?皆が気にしてた(!?)その理由を言います。
この作品は「泣けるサザエさん」をコンセプトとして数年前に書かれたのですが当時はまだ自分の書き方が甘かった事もあってか評価はイマイチでした。
けどこの作品はそのままにする事は惜しいと思いKAZU(当時は観鈴ちん)のサザノベルの原点である事を証明するとして今ここに載せる事を決めました。
当時この作品の発想が思い浮かばなかったら「サザエさん ザ・ムービー」を初めとする高砂一真の作品は無かったかも知れません。
恐らくサザノベル史上最も感動的な(笑)この作品の感想を送っていただけたら幸いです。
未来のサザノベラーを担う皆さんに期待しながら話を終わりに締めくくらせていたただきます。
以上KAZUでした。

2006年12月25日 KAZU

9TAKA:2006/12/25(月) 21:30:38
感極まりました!KAZUさんの最高傑作です!
これからも頑張ってください!(俺も頑張るぜ!)

10Flash Rave System★:2006/12/25(月) 21:44:19
今思うとあの頃は正直賑やかだった。
だが今あの作品を書くようになってから、自分の人格はガラリと変わり、
TAKA様からもKAZU様からも離れるようになった。
自分の幻想を護りたいがために。あのテンションについていけないがために。
ま、来年もよろしく。

11あぶぁろんだむ:2007/01/12(金) 12:04:25
全部見ました、凄いジーンと来ます!て言うか今も来てます!
がんばってください、そして、感動を有難うございます!

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