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カンタベリー系に関して教えて下さい
1 名前: ピルグリムてつ 投稿日: 2002/11/09(土) 02:27
ヒデさんやKAZUKIさんの書き込みを見て触発されました。実は僕個人は、
ジャズやフュージョンとかも結構大好きなんです(そんなに詳しくは
ないですけど)。SOFT MACHINE, HATFILED AND THE NORTH, CARAVAN,
MATCHING MOLEなどなど、この辺りはカンタベリー関連の話では
必ず出てくるバンドですね。少し昔に(といっても4年ぐらい前に)
プログレのコンピで初めてSOFT MACHINE, CARAVAN, MATCHING MOLEの
曲を聴いて面白く感じました。年々、ジャズ系ぽいサウンドが好きに
なってきているのでそろそろ我輩もカンタベリーに目覚めようと
思っています(笑)。キャラバンのスレッドを参考にしつつ、
カンタベリー情報を皆さんと交換したいと思います。分からないことも
結構ありますので、よろしくお願いします(^^ゞ

2 名前: KAZUKI 投稿日: 2002/11/09(土) 16:10
てつサンこんにちは!
カンタベリーは自分もヒデさんの書き込みを興味津々で見守ってる所です。
『HATFILED AND THE NORTH』、『Caravan』と進んで行こうと思ってるんですが、とりあえずは
聴き巧者、有識者の皆さんのオススメに従って少しずつ。
てつサンのアンテナに引っ掛かる物がありましたら是非ご教示ください。

3 名前: ヒデ 投稿日: 2002/11/10(日) 21:32
KAZUKIさん、てつさんこんばんわ。

カンタベリー派は、ワイルド・フラワーズというバンドから派生した
ソフト・マシーン、キャラバンが始まりのようです。
元々、カンタベリー派って言うコミューンがあったわけではなくこの辺りのバンドに
係わりのある一派を後から定義付けたようですね。
(詳しくは、レコード・コレクター誌、2002年3号に載ってます。)

中心となるバンドは、ソフト・マシーンですが、未だによく解ってません。
「サード」「バンドルズ」の2枚を持ってますが音が全然違います。
「サード」はウエザー・リポートみたいな音。(かなり強引な例え。)
「バンドルズ」はフュージョンです。(これはその通り。)
「ファースト」から「Six」は比較的入手が容易になったようなのでぼちぼち買い揃えて行きます。

ロック的には、キャラバン、ハットフィールドから入るほうがとっつき易いと思います。

後、フランスのゴングは「TOU」1枚しか聴いてませんが浮遊感のあるジャズ・ロックで
また違った魅力に溢れてます。

私もカンタベリー初心者。この深い迷宮に足を踏み入れたばかりです。
ヘンリー・カウ、スラップ・ハッピー、エッグ、ギルガメッシュなどボチボチ入手したいと思います。

KAZUKIさんもてつさんもお勧め盤が出来ましたら是非ご一報下さい。

4 名前: KAZUKI 投稿日: 2002/11/11(月) 00:55
ヒデさんありがとうございます、こんばんは!
カンタベリー派についての書き込み、とても勉強になっています。

とりあえずキャラバン、ソフトマシーン、ハットフィールド、ゴング(このフランスのバンドが
カンタベリー派に分類されている事についても込み入った事情がありそうですね。)については
アルバムを一通り聴いてみようかなと考えています。

>私もカンタベリー初心者。この深い迷宮に足を踏み入れたばかりです。
別の友達とも話したのですが、非常に捉えどころの無いシーンですよね。人脈を辿れば主なバンドは
網羅できるけど、肝心の音のスタイルが浮かび上がってこない。
一度魅了されたら抜け出せない、と真面目に語られるだけあって奥の深そうなシーンであります。

5 名前: ピルグリムてつ 投稿日: 2002/11/11(月) 19:18
キャラバン、ソフトマシーン、ハットフィールド辺りから探してみようと思います。
全然関係ないけど、ZEUHL系っていうのも面白そう(これってフランス語?、ズールと読むのか・・でも
ある人達はツィオルと発音するという人もいるみたいですが)。マグマ関連の音楽
やその周辺などを指していう言葉みたいですが。

6 名前: ヒデ 投稿日: 2002/11/11(月) 22:08
KAZUKIさん、てつさん、こんばんは。
本日、姫路タワーレコードで買ぅてもた。3枚も・・・。

ソフト・マシーン「1&2」「4&5」
スラップ・ハッピー「カサブランカ・ムーン&悲しみのヨーロッパ」
全てのアルバムが2in1で実質3枚分!お買い得やら、体に毒やら?

現在、リスニング中ですが、ソフト・マシーンのファーストは手強い!
ころんたさんが難解と申しておったのが良く解る。
これからじっくりと向かい合ってゆきます。

>ZEUHL系っていうのも面白そう・・。
マグマ、ZEUHL系ってんですか?知らなかった。(メモ、メモ)
「ライブ!」しか聴いた事が無いですが、あれも凄いです。
カンタベリーとは別系統のジャズ・ロックと自分なりに解釈しております。
いずれは、この辺りも旅したいと・・・。あまりに広いぞ!

7 名前: KAZUKI 投稿日: 2002/11/12(火) 02:15
てつサン、ヒデさんこんばんは!

>>5 ピルグリムてつサン
 >ZEUHL系っていうのも面白そう(これってフランス語?、ズールと読むのか・・でも
 >ある人達はツィオルと発音するという人もいるみたいですが)
 マグマ界隈だとまた奥の深い世界が広がっていそうですよね。
 枝分かれした所までは手が届かないかも知れませんが、とりあえずマグマはきちんと
 聴いてみたいと以前から思っておりました。
 ZEUHL系と言うんですね。憶えておきます。

>>6 ヒデさん
 >本日、姫路タワーレコードで買ぅてもた。3枚も・・・。
 盤屋が近くにあるのは羨ましいですよ(笑。
 自分が地理的に通信販売中心なのは仕方ない事だけど、やっぱりなるべく店頭で手に取って
 品物を選びたいですもんね。
 
 2in1、最近増えてますけど、やっぱりお得だと思います(笑。
 体に毒なのも確かだし、お得感が財布にも毒ですよね…。

 >現在、リスニング中ですが、ソフト・マシーンのファーストは手強い!
 >ころんたさんが難解と申しておったのが良く解る。
 >これからじっくりと向かい合ってゆきます。
 貴重な時間を割いて書き込みして頂いて本当にありがとうございます。
 精神力も体力も使うでしょうけど、きちんと参考にさせていただいていますので!

8 名前: ヒデ 投稿日: 2002/11/16(土) 08:27
カンタベリーに偏ったリスニングが続いたので気分転換にTSUTAYAでCDレンタルしてきました。
前から聴きたかった電化マイルス(電車じゃねーぞ!)ものです。

マイルス・デイビスは、アコースティック時代のもの数枚と'80年の復帰第一作「マン・ウイズ・ザ・ホーン」
位しか聴いた事がありませんでした。(「マン・ウイズ・・・」では、若き日のマイク・スターンが参加)

で、マイルス'69年作品「ビッチェス・ブリュ-」
一言で言ってこれは「プログレ」。ソフト・マシーンは勿論クリムゾンにも影響を与えたのでは?
と、思われる音作りです。
ジャズ側からのロックへのアプローチ、所謂フュージョンであるがイージーリスニングの聴き易さは無い。
卓越した演奏者によるインタープレイは常に緊張感を誘う。

フムフム、カンタベリーとは、ロック側から電化ジャズへの回答であったのか。
カンタベリーを紐解くためにもこの辺りのジャズは聴いておきたい。
あぁ、金のなる樹が欲しい。

9 名前: ずぉりゃああ 投稿日: 2002/11/16(土) 19:28
ヒデさんへ
 70年代のMiles Davisならこんなところがオススメ品です。
At Fillmore
 なんとキース・ジャレットとチック・コリアのツイン・キーボード。キースはオルガンを弾いている!暴れ具合は足りないけれど....。チックは暴れてます。すっかりロック・ミュージシャンのマイルスなのです。
On The Corner
 ブラック・ファンクの始まりともいわれる全編リズムが主役のアルバム。ロックとアフロとインドのリズムが三位一体に融合していて、とうてい既存のジャズでは括れなくなってしまいました。
Pangaea
 日本録音の2枚組ライヴ2種のうちAgarthaに続く後編。前編もいいけれどエネルギッシュという点では、Pangaeaの前半部分は本当に素晴らしい。まさしく熱演。70年代に入って旧来のジャズなんぞ何するものぞという姿勢を貫いてはきたとはいえ、この力強さはエレクトリック編成でなければなしえなかったでしょう。
その他にもJack Johnson、Agartha、Get Up With It、Dark Magus等全然アコースティックでないアルバムが何枚も並んでます。

10 名前: ヒデ 投稿日: 2002/11/17(日) 08:01
ずぉりゃああさん、おすすめ有難う御座います。
お奨めいただいたアルバムは全部あったと思います。
半額クーポン期間中に全部借りてきます。(爆)

しかし、マイルスって人は凄いですな。
音楽に対する貪欲さ(節操の無さ)は天下一品だ。

11 名前: KAZUKI 投稿日: 2002/11/17(日) 12:15
ずぉりゃああサンヒデさん、こんにちは!

お二方ともジャズも聴かれるんですね。自分は有名なものを数枚聴いただけで、どこから手をつけていいのかも
判らないようなていたらくなので、お二人の書き込みは非常に勉強になっています。

カンタベリー系とジャズの関係も聴き比べてみると面白そうですよね〜。
まだソフトマシーンにすら手をつけていないのに、一足飛ばしにそちらに進みたくなってしまいます(笑。

12 名前: ずぉりゃああ 投稿日: 2002/11/17(日) 18:50
 マイルスの無節操さは天下一品です。75年からの休場(ああ、ついつい相撲風になっている)がなければと思うことも。
 1940年代の「クールの誕生」からスタジオ作ラスト「ドゥー・バップ・マイルス」までの激変ぶりは少々のミュージシャンでは真似できない。ちなみに生きていれば今年で76才。ライオネル・ハンプトンのように90過ぎまで生きれとはいわないけど65才は少し早かったかもしれません。

14 名前: ずぉりゃああ 投稿日: 2002/11/18(月) 19:06
KAZUKI さんへ
勉強になるなんていわれると光栄です。でも、これってやっぱり責任重大なような...

15 名前: ずぉりゃああ 投稿日: 2002/11/18(月) 19:08
 出自がジャズのせいかロック畑では知名度が今一つですが、こんな作品もプログレ・ファン向きです。
 Return To Forever
/Return To Forever
記念すべき1st。30万枚ぐらい日本でも売れたとか。後の路線と較べるとかなりおとなしくロック色も控えめですが、エレクトリック・ピアノの澄んだ音色はクリスタルの響きなどと称されて、実際とても美しい。ジャズ・ファンにしてみれば本当に知らない人はいないぐらいに有名盤。静かな一夜を過ごしたい時のお供に是非...

 Return To Forever
/Hymn Of The Seventh Galaxy
/Where Have I Known You Before
/No Mystery
/Romantic Warrior
 アイアート・モレイラやフローラ・プリムが脱退して中途半端なラテン色は一掃。最もジャズ・ロックな時期のR.T.F.。チック・コリア、スタンリー・クラーク、レニー・ホワイト、アル・ディ・メオラ(3rdはギターが別人)のスリリングな演奏はもし予備知識なしで触れたなら、きっとどこの国のジャズ・ロックの名作と聞こえるはずです。ちなみに4人ともジャズ界隈では大変なビッグ・ネーム。プログレ界ならリック・ウェイクマン、トニー・レヴィン、カール・パーマー、アンディー・ラティマーが合体するようなもの。

 Chick Corea
/The Leprechaun
/My Spanish Heart
/The Mad Hatter
 キース・ジャレット、ハービー・ハンコックと並び称される現在のジャズ・ピアニストの三代巨匠の一人チック・コリア。シンセサイザーを弾きたくてしょうがなかった時期のソロ・アルバム。ジャズはアコースティックに限るというジャズ・ファンにとっては苦り切ってしまいそうな3枚です。R.T.F.(3rdから6th)と較べると音は硬くはないものの、やはりジャズ・ロック。元来ピアニストだけに、ピアノの指捌きは秀逸です。この3枚の中ではThe Mad Hatterが叙情性やアルバム構成の巧みさでシンフォニック・ロック・ファンには一番向いてるかも??ハービー・ハンコックとツイン・キーボードの曲もあります。チック・コリアの奥方もヴォーカルで参戦!

 他のバンド、ミュージシャンについては、また今度第2弾をするかどうか分からないけどちょっと考えてみます。

16 名前: ヒデ 投稿日: 2002/11/18(月) 22:19
ずぉりゃああさん、KAZUKI さん、毎度です。

昨日、TSUTAYAに行ってまいりました。
電化マイルスを根こそぎレンタルしてきました!
2枚組みが多いので凄いボリュームです。(汗)
聴き込んでから感想を。

Return To Forever、いいですねぇ。
数年前、CD屋で聴いて店員さんに尋ねて即買いしたんですよ。
確かにプログレ・ファン好みの音ですね。

ジャズ系でしたら渡辺香津美「スパイス・オブ・ライフ」もプログレ・ファン必聴。

ずぉりゃああさん、第二弾大いに期待です。

18 名前: ピルグリムてつ 投稿日: 2002/11/19(火) 17:05
僕もRETURN TO FOREVER - ROMANTIC WARRIOR「浪漫の騎士」は大変好きな
アルバムです。

19 名前: ずぉりゃああ 投稿日: 2002/11/19(火) 19:04
ええええええええーーーーーーーーーー!!(DOKKKKAAAAAAAAANNNN)
 エレクトリック・マイルス全部借りたんですか?それは凄い!あたしは「ビッグ・ファン」と「ブラック・ビューティー」は持ってないし聴いたこともないですよ。面白いと言われるのから順に揃えていったため、この2種が今もって取り残されているのです。国内盤がでていない(はず)のIsle Of Wightなんかはさすがに見たこともないけど、多分そういう国外のみの作品以外揃えたと言うことですよね?凄まじいヴォリュームですよ、それって。ヒデさんの町のTSUTAYAの品揃えにも驚くばかり。隣町滝川のTSUTAYAにはそんなになかったですよ(^^;
 で、話変わって70年代の奇跡などともいわれるAgartha、Pangaeaの2種のライヴについて気が付いたことをここでこっそり。
 ベースが前任デイヴ・ホランドからマイケル・ヘンダーソンへ変わったことでマイルス・デイヴィス・グループには躍動感が増し、ドラムが前任ジャック・デジョネットからアル・フォスターに変わったことでよりストレートなロックのノリが強調されたように思います。更にリリース年は後になるものの前年の作品であるDark Magusではギターが3人もいたりしてメンバー過剰気味だったところを人員整理。その完成型がかくの如し。もしかしたら本当は発展途上だったのかもしれないけれど、実際80年代まで5年半ほどお休みしてしまうので70年代の完成型と言わざるを得ません。80年代マイルスと70年代マイルスは似ているようでどこかしら異なるとよく言われるのですが、それは「影の深さ」のような気もします。Pangaeaを聴いているとまるで魂を削り取りながら演奏しているような鬼気迫る部分すら感じるほど。
 以上これは私観でおじゃる。

20 名前: 婁香 投稿日: 2002/11/20(水) 11:20
ジャズのお話参加させてください〜アル・ディ・メオラの名前が出てきたのでカキコします、アル&パコ・デ・ルシア&
ジョン・マクラフリンの三人がトリオライヴやってるんですが、これが最高です地中海の舞踏聞いてみてください
あとはマイルスのバンドにいたギターのマーク・スタンも良いですよね、面白いのはジョンスコおじさんとパット・メセニーがセッションしてるんですが
これが又面白いです、持ち味の違った二人なのですがお互いの良いところを引き出しているって感じが
とても良かったです。

21 名前: MASATO 投稿日: 2002/11/20(水) 14:55
ア…知ってますよ。trioのやつ…。
マクラフリンが相変わらず爆発している作品ですよね(笑
Titleが炎の〜でしたっけ?確か持っています。
まだ聞き込んではいませんが。。

22 名前: ずぉりゃああ 投稿日: 2002/11/20(水) 19:07
アル&パコ・デ・ルシア&ジョン・マクラフリンのアルバム確かジャズ・ライフかなんかで紹介されてたのを見たこと有ります。実物は見たことも聴いたこともないですが。

24 名前: ピルグリムてつ 投稿日: 2002/11/21(木) 17:01
俺もMIKE STERNのプレーは凄く好きです(ライブで実際に見ましたけど、
非常に流麗なプレーと技巧に感動且つとてもエモーショナル)。MIKE STERNって
凄い気さくな人でライブが終わった後で、サイン会&握手会そして会話も
したのですが、なんてナイスな人なんだろうーと思いました。思うに凄い
ミュージシャンって、とても気さくでフレンドリーなのかもしれません。
婁香さん、俺もメセニーとジョン・スコ好きですねー。マクラフリン、
パコ、ディメオラ辺りも楽しめますねー。パコ・デ・ルシアとチック・
コリアの影響でスパニッシュ系とかフラメンコとか南欧系にも
興味が出てきました。ジャズとは趣きが違うのですが、
ルンバ・フラメンコ系のジェシー・クックが好きです。

25 名前: ずぉりゃああ 投稿日: 2002/11/21(木) 19:31
 第二弾です。Weather Reportの話にします。
 <アルバム・リスト>
1.Weather Report
2.I Sing The Body Electric
3.Live In Tokyo
4.Sweetnighter
5.Mysterious Traveller
6.Tale Spinnin'
7.Black Market
8.Heavy Weather
9.Mr.Gone
10.8:30
11.Night Passage
12.Weather Report
13.Procession
14.Domino Thoery
15.Sportin' Life
16.This Is This

 解散まで16枚の作品を残したWeather Reportは今の20歳以下ぐらいの人にとっては「何それ」というぐらいの知名度かもしれませんが、30歳以上ぐらいの音楽ファンにとっては「フュージョンの権化」というほどによく知られていると思います。間違いなくMiles Davisの休業期はフュージョン・シーンの第一人者として君臨したのです。
 で、予め言っておくと16枚中6枚(3,4,5,13,15,16)は持ってません。それと15,16はかなり好みと違うようなので、今もって買おうという気にはならず。そう言う人間が話を進めていると思って下さい。
 Weather Reportの作品は人により最高作がかなりばらけているのが特徴です。1stが良いという人もいれば8作目が良いという人。あるいはバンド絶頂時のライヴ8:30だと言う人もいれば後期の名作と言われる14作目。いやいや15作目やラストのほうが良いに決まっているだろうとか、ほとんど16作万遍なしです。
 曲の特徴は初期に特に顕著ですが、どの楽器がその曲の主役なのかよく分からない場合がままあることが挙げられます。これははっきりした楽曲を好む人にとってはなんとももやもやとして吹っ切れない印象を抱かせるかもしれません。
 途中3作飛んで6枚目ぐらいになるとその傾向がかなり薄くなりました。とはいえ同時期に活動していたR.T.F.と較べるとさびのメロディーは起伏が小さく、楽曲の輪郭もずっと朧に写ります。
 バンドのメンバーが最も充実していたのは8:30を挟んだ数作でウェイン・ショーター、ジョー・ザヴィヌル、ピーター・アースキン、ジャコ・パストリアスが揃っていた頃。とりあえずWeather Reportをどれか一枚というのならベスト・アルバム的な性格を持ち、最もノリが感じられる8:30を薦めます。
 後にごたごたのうちにピーター、ジャコ、パーカッションのボビーも脱退してヴィクター・ベイリー、オマー・ハキム、ホセ・ロッシーを迎えアルバムを制作するわけですが、この時期の注目作は彼らの実質のラスト・アルバムだとまで言い切る人までいる14です。初めて大胆にヴォーカルを取り入れたのは当然の如く波紋を呼びました。ラストのタイトル曲はドラムがメロディーを取る曲として作られたそうで、初期の曲並にフュージョンで連想される甘口サウンドとは全く異質世界です。
 次作以降は申し訳ない、省略させて下さい。
 健在時はR.T.F.と較べても決して引けを取らない重要かつ人気のバンドでした。解散して15年あまりたった今ならどうでしょう?分かり易くメリハリがあるR.T.F.程に誰にでも薦められるようなある種大衆性には乏しく思います。一方で下手な大衆性を加えたのが15、16というわけですが、それを彼ららしくないと捉える向きも多いようです。
 ジャズ・ロック・ファンであれば完全無視を決め込むのは少し寂しい話。是非何か一枚ぐらいいかがでしょう?なお似たような音楽性を持つものにTribal Tech 、知名度は低いですが旧ソ連のAllegroなんかが挙げられます。

26 名前: ヒデ 投稿日: 2002/11/21(木) 21:44
見ない間に巨大なスレッドになってきましたね。
PCがコピーマシンとして稼動していたので久々の訪問です。(笑)

ずぉりゃああさん第2弾待ってました!
Weather Reportは、7〜12の時期に聴いてました。現在持ってるのは数枚。
渋谷陽一の番組で「パンク・ジャズ」がかかったときは度肝を抜かれました。
「これ、ジャズ?」ってのが当時の感想です。
フュージョンは当時ファンク系(スタッフ、クルセイダース等)全盛で初めて聴いた時は異質に聴こえました。
特に12.Weather Reportは出てすぐ買ったので思い出深いアルバムです。
でも、どれか1枚と言う事になるとずぉりゃああさんと同じで「8:30」でしょうか。
当時2枚組みが1枚になってお買い得でもあります。

28 名前: 婁香 投稿日: 2002/11/22(金) 08:17
てつさん☆
マーク・スタンとお話されたんですか?凄いですね〜羨ましい
メセニーのバンドでVoとして参加していたリチャード・ボナ
ご存知ですか?彼って多才でして実際はベーシストなんですが
何でもこなすんです、っで彼のアルバム買ったんですがちょっと
ボサノバ系で良かったです。
ずぉりゃああさん☆
Weather Report要チェックですね、是非聴いてみたいです

29 名前: ピルグリムてつ 投稿日: 2002/11/22(金) 18:10
あ、リチャード・ボナもいいですねー。ボサノバ系とかルンバ・フラメンコ系など
最近は、今まであまりトライしていなかったタイプの音楽が凄く新鮮に聞こえます。
あとT-LAVITZやSTEVE MORSEなどのように、DIXIE DREGS関連の人達が
やっているカントリーなフレーバーがふんだんに使われているジャズ・フュージョン
タイプとかも凄く新鮮というか、凄い良いと思います。カントリーも和めますね。
というかカントリーという素材を上手く使うと、こんなに新鮮でエキサイティング
な音楽になるというのも凄いです。あとあまりケルト系はよく分かりませんが、
トラッドな音楽っていうのが身に染みて楽しめる時期になってきたのかなーとか。

俺もWeather Reportは一時期結構好きで聞いてました。・・・ていうかここの
スレッドはいつの間にか、カンタベリー関連とは距離が離れた話題に
なってききているけど、それもまた面白いかなー&ご愛嬌ということで^^。

30 名前: ずぉりゃああ 投稿日: 2002/11/22(金) 18:59
 8:30は多分一枚物は1曲カットのままだと思いますよ。2枚で合計80分50秒ぐらいなので、今でも入りきっていないのでは?無難に全曲を余すところなくなら、若干値は上がりますが2枚組の方で入手を。
 ヒデさんもどれか一枚なら8:30ですか。意見合いましたね。
婁香さん、Weather Report、お金と相談してどうぞ何か一枚。バンド初期、中期、後期でかなり違いがあるのでびっくりしましょう!
 てつさんすいません。ここのスレッドを全然カンタベリーから離してしまった張本人は自分ではないかと...。むち打ち100回の刑は勘弁して下さいっす。
 にもかかわらず第3弾を画策してたりする。しつこいからやめるべきだろうか?

31 名前: KAZUKI 投稿日: 2002/11/22(金) 23:00
単独でジャズスレッドを立てましょうか?
どちらの話題にせよ、非常に勉強になる&皆さんの音楽にかける情熱が伺えて楽しいスレッドに
なっております。
最近はこのスレッドを見ながら中古屋やWebショップでチェックするのが楽しみになってまして、
間口の広いスレッドを立てていただいたピルグリムてつサンや、非常に該博な知識を発揮して
書き込みしておられる参加者の皆さんには感謝の念で一杯です。

32 名前: ずぉりゃああ 投稿日: 2002/11/23(土) 10:06
 第3弾です。John McLaughlinが目立ってない作品。
 言うまでもなくJohn McLaughlinはパーマネント・メンバーとして参加しているバンド、ソロではよく目立っているのですが、「一番地味な存在に甘んじているのではないか?」と思われるのが中にはあります。その中でジャズ・ファンにとってはあまりにジャズっぽくなく、さりとてプログレッシヴ・ロック・ファンにとってもそのロック色の薄さ故にあまり話題に上ることがない2枚を取り上げたいと思います。
 Shakti With John Maclaghlin/A Handful Of Beauty
 そうです。インドのミュージシャンとプレイしたアコースティック・ユニットのシャクティでのことです。ここでのジョンはギターが完全にアコースティック一本槍。当然の如く弾きまくってはいるものの、存在感はインドの剛腕ミュージシャンに及ばず。ガータム、タブラなど普段西洋音楽では隅っこの存在の楽器がここぞと言うばかりに暴れてます。ジャズはよくなんでもありなどという言われ方もしてますが、ここには既存のジャズからイメージされるものは微塵も感じられません。ピアノもドラムもベースもサックスもトランペットも歌すらもない。ただ、ジョンがジャズ出身ということのみでどこかに品物を置かなくてはいけないからそこにあるだけで、それは商売上仕方ないことなのです。炸裂する演奏が持つエネルギーは寧ろハード・ロック譲りと言いたいほど。70年代シャクティはこの作品を含め3枚のアルバムを残して解散しました。
 Remember Shakti/Saturday Night In Bombay
 90年代しかも後半、まさかまさかのシャクティ復活です。しかし、ちょっと違う。相変わらずインドの剛腕ミュージシャンには敬服するばかりですが、どこかはっきり違う点が。なんと以前のシャクティではジョンはアコースティック一辺倒だったのが、今度はエレクトリックのみと変身したのです。これは思い切ったことを。尤も、大きな変化はそれだけ。シャクティでプレイする気持ち、方針は不変で耳にすればすぐに分かるでしょう。どちらのシャクティも非常に優れたアンサンブルです。
 
 で、ジャズ畑からのプログレッシヴ・ロック・ファン向けの作品話は一旦打ち止め。ここはカンタベリーですからね。しつこくなるのもなんだから。機会があったら、ラリー・コリエル、ビリー・コブハム、ジャック・デジョネット、ザヴィヌル・シンジケートなどの手持ち作品にも良いのがあるから、それを話のネタにするかもしれません。

33 名前: KAZUKI 投稿日: 2002/11/23(土) 22:48
ずぉりゃああサン、ためになる書き込みをありがとうございました。
一端終了残念ですけど、気が向いたらまた是非是非、紹介お願いいたします。

34 名前: ずぉりゃああ 投稿日: 2002/11/24(日) 08:52
 カンタベリーですか?
 ソフト・マシーンとその取り巻きなんていわれますが、どうなんでしょう?よくわかりません。
 手持ちの作品ではやっぱりNational Healthのデビュー・アルバムが入門者向きの傑作だと思いますよ。なんとも頼りないアマンダのヴォーカルもここではいい味出してる。次作以降ではよりいっそうインスト指向ですが、ドラムがビル・ブラッフォードのリズムなデビュー作の方がインスト面でも面白い感じがします。ファンの間では実際どうなのでしょうね?
 大手を振って歩けないアルバムなのでこっそりと。
 ブートで出ているPublic Hygeneは1stリリース以前の音源。ドラムはピップ・パイル加入以前なのでビル・ブラッフォードです。1stと1曲入れ替わりClocks And Cloudsが収録されてます。音が少々ひしゃげているのが残念ですが、1st時のライヴ音源としてはなかなか上々の出来映え。2nd以降ではこういう歌心がなくなったから、彼らとしては結果的には数少ないバラード(?)になってしまいました。スタジオ収録ヴァージョンよりも音が悪いこちらの方が好きだったりする。

35 名前: KAZUKI 投稿日: 2002/11/24(日) 23:02
ずぉりゃああサン、『National Health』推奨どうもです!
これもカンタベリーを辿ってるとよく聴く名前です。購入予定に加えさせてもらいますね。

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