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小説「遊戯王5D's BLUE OVER SPEED〜時を超えし者〜」
1Death ◆fiMo2VZlJI:2011/01/14(金) 21:24:01
【遊戯王5D's BLUE OVER SPEED〜時を超えし者〜登場人物】

Name:ブルーノ〈アンチノミー〉
本作の主人公。未来の運命を託され、過去へ旅をする。
決闘王がいた時代へと渡り、未来を変えるために行動をする。

Name:ZONE〈ゾーン〉
未来人。アポリアとアンチノミーに未来を託し共に行動する。
過去や未来を自由に行き来するタイムトラベルを担当している。

Name:アポリア
未来人。少年時代に両親をなくし、青年時代に愛する女性を失い。
そして人類の破滅を目撃し、3つの絶望を味わっている。
そのため心を捨て、希望を消し去ろうとしている。

Name:パラドックス
未来人。DMそのものを抹消しようとペガサスを暗殺を企てるも、
遊戯、十代、遊星の3人により阻まれる。

Name:ユウセイ
未来のセキュリティ。タイムパトロール隊のリーダー。
ZONEの世界と平行世界で平和な生活を送る世界のセキュリティ。
その中で時間を混乱させようとする犯罪者を捕まえる部隊。
モーメントの回転力で平行世界まで移動可能とし、ブルーノを追い続ける

NAME:機皇帝
未来の戦闘ロボット。シンクロ召喚によって活発化した人類に突然攻撃を仕掛け始めたロボ。
アポリアの使う機皇帝はこれがモデルとなっていた。

2Death ◆fiMo2VZlJI:2011/01/14(金) 22:24:24
EPISODE:Ⅰ「プロローグ前編」

「ZONE…パラドックスが武藤遊戯・遊戯十代・不動遊星によって破れた…」

異空間を思わせる巨大なタイムマシンの中で覆面をした青髪の青年が呟く。

「えぇ、正直彼が敗れるとは驚きです。しかし事態は悪化しています…」
「分かっている。僕だって使命がある…」

覆面と会話をしていた殻で覆われた男はくるりと回転をして映像を出した。

「…」

映像に表れたのは髪が腰まである長い男が倒れていた。
彼はパラドックス。

シンクロ召喚によって破滅させられた人類の生き残りであり、彼はすぐさま行動を起こした。
DMの創造主である"ペガサス・J・クロフォード"を暗殺し、DMそのものを抹消すべく、
過去へと旅立ったのであった。

しかしつい最近通信が途切れ途切れとなっていたのだ。

「急ごうZONE…」
「では貴方に命運を託します。」

異空間のような部屋は二人の会話のあと、一瞬にして光に包まれ、
目の前が白い世界へと変っていく。

「アンチノミー、貴方の使命は"再び決闘王国が開催された後の時間へと行き、決闘王である武藤遊戯を倒す"こと…」

白い光の中殻の男の声が聞こえ、アンチノミーは「わかった」と言葉を交わし途切れた。

〜XX年XX月XX日、決闘王国終了一ヶ月後。

次第に意識を取り戻し、そっとまぶたを上げたアンチノミーは視界が緑に包まれていた。
目を見開いたらそこは町外れの林の茂みの中であった。

座り混んでいた大勢を立てて、再び周囲を確認する。
ここが何となく「童実野町」ということが何となくだがわかる。確定はできない。

周囲と共に自分の格好まで目に入り、自分は制服を着ていることがわかる。
不自然に突然ポケットへ手を突っ込むと何か発見した。

「生徒手帳…童実野高校2年…そうか…」

アンチノミーとしての自覚を忘れた彼は少し高めの丘陵に上り町を見渡して

「あれが童実野高校…武藤遊戯が通う学校…」

3Death ◆fiMo2VZlJI:2011/01/16(日) 12:46:36
EPISODE:Ⅱ「プロローグ後編」

「童実野高等学校二学年D組…ブルーノ…ていうのか…俺は…」

既にアンチノミーとしての記憶は抹消され、完全に打ち解けるために"ブルーノ"として動いた。
丘陵を下っていくと、直そばに童実野高校の正門がある。

「おぉーいあと5分で遅刻だぞォー」

正門では教師らしき人物が5分前の遅刻の合図を伝える。
その脇を生徒が「はよございまーす」と一言いってから通過していくのをブルーノは遠目で見ていた。

「おい、御前!あと5分だ、早く教室へ行きなさい!!」
「は、はい…」

ブルーノはそのまま正門を走りぬけ自分の教室と思われる場所に向う。
この時間での使命は"武藤遊戯を倒すこと"。決闘王と称えられたヒーローを倒すことで第一段階フェイズを進められるのだ。

とにかく行動を起こさなければ、と思いつつも時間だけが過ぎていく。

「なぁ御前、何かあったのかよ?」

授業終了の鐘とともにこの時間で自分の友人らしき人物が話しかけてきた。

「い、いやとくに…ないよ…」
「そぉかぁ?御前らしくねーよ!」

疑った素振りで聞いてくる友人に

「武藤…遊戯って人…今どこにいるの?」
「ハ?」

大きく口を開いて返された。何かマズイことでも聞いたかのように。
しかし返答はすぐにかえってきた。

「御前、知らないのかよ?3年B組だろーよ!どうしたんだよ!」

突然ブルーノは「ありがとう」と感謝の言葉を添え、席を立ち廊下へ出て行く。
「おい」と友人らしき人物が追いかけてくる。
制服の名前を読み取り、返事をする。

「織田…3年の教室まで一緒に来てくれないか?」
「何すんのサ?」
「ちょっとした使命をね…」

このときブルーノ、いやアンチノミーは自分のやるべき事だけを覚えていることに
何か違和感を感じていたのだ。何故この世界にいるのか?
自分はこの時間の人間ではないのではと何度も自分自身に問い詰めるものの、
答えはどこからもかえってこない。

しかし分かっていることは、自分の使命とやらを果たせば見つかる。
そう信じていた。

「遊戯さんいっかなぁ…」

織田は3年B組の教室をこっそり覗くも、人が多すぎてどこにいるかわからない。
武藤遊戯を探すのに夢中になっている二人の背後から

「キミ達…」

低く高いところから声がしてくる。
振り向くとそこには巨漢が一人立ちふさがっていたのだ。
上から下を見下す視線。それがブルーノには胸に突き刺さってくる。

「う、牛尾さ…ん…?!」

思わず織田が名前を呼んだ。がしかし、ブルーノにはさっぱりわからない。

「キミ達は2年生だね。3年生の教室に何か用でもあるのか?」
「い、いえ…何でも…ないですぅ…へへ」

織田はビクビクしながらペコペコしている。

「そうか。学校の風紀を乱すのは許さんからなぁ?」

そう捨て台詞を吐いて巨漢の男は立ち去っていく。
見れば、廊下行くその巨大な背中に生徒達は道を開けていく。

「誰?」

ブルーノはこっそりと織田に聞いてみた。

「御前、ふざけているのか?牛尾さんだろ!挨拶しろよ!殺されるぞ?!」

すっごい冷や汗だった。
そんな中織田の背後から武藤遊戯らしき人物が出て行くのを見つけて

「行くぞ織田!」

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