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オリジナル小説投稿
1Death@恋の決闘者 ◆zdw5qkBtHA:2009/05/31(日) 21:14:58
「遊戯王−Light loading story−」
※スレ主以外の方は閲覧のみ、投稿を拒否します。

【各キャラクター設定】

NAME:ライトロード・パラディン・ジェイン(主人公:ジェイン)
DATA:この小説の主人公。ジャスティスワールドに住む青年。
   自分の剣技術を「裁きの龍」に買われ精鋭部隊「ライトロード」に入隊。

NAME:ライトロード・マジシャン・ライラ
DATA:「ライトロード」のリーダー的存在。
   呪術に優れ、部隊の後方支援として活動している。
   主に敵の術を解くコトを得意とする。

NAME:ライトロード・ウォリアー・ガロス
DATA:「ライトロード」の攻撃手。
   部隊一番の力のある戦士で、かなり無口。

NAME:ライトロード・サモナー・ルミナス
DATA:「ライトロード」の蘇生術の使い手。
   ジェインとは幼馴染であり、ジェインより速く入隊している。
   かなりわんぱくな性格である。

NAME:ライトロード・ハンター・ライコウ
DATA:「ライトロード」の暴れん坊。
   その昔、暴れん坊として人々に危害を加えていたが「裁きの龍」の言葉で
   「ライトロード」に入隊した。
   ジェインの頼れる相棒である。

NAEM:ライトロード・ビースト・ウォルフ
DATA:「ライトロード」の副リーダー役。
   力・術・速さに優れており、「裁きの龍」との通信役。

NAME:ライトロード・エンジェル・ケルビム
DATA:「ライトロード」の導き手
   部隊には常にいるわけではないが、破壊系呪術に優れている。
   「裁きの龍」の側近役。

NAME:ライトロード・ドラゴン・グラゴニス
DATA:「ライトロード」の猛者。
   正義の心と強力な攻撃で部隊の正面に立ちはだかる敵を倒していく。
   「裁きの龍」の古い友人であるらしい。

NAME:ライトロード・プリースト・ジェニス
DATA:「ライトロード」の守役。
   突然部隊に配備された術者。その能力はあらゆる攻撃から部隊を守る。
   ライラと共に後方支援にあたる。

NAME:裁きの龍
DATA:「ジャスティスワールド」と「ライトロード」を束ねる龍。
   常に本部におり、部隊に指令を出している。
   無論部隊の者と比べ物にならない程に術や力がある。

NAME:冥界の魔王ハ・デス
DATA:冥界に住む魔王。
   術や力は「裁きの龍」以上と結われる暗黒の世界でも一役買っている。
   いずれか「ジャスティスワールド」を支配しようと企んでいる。

2Death@恋の決闘者 ◆zdw5qkBtHA:2009/05/31(日) 21:41:26
第一話【始まり】

デュエルモンスターズの世界の一部「ジャスティスワールド」
光属性のモンスターが平和に住んでいる街。
街が立ち並び、その後ろに城がそびえ立つ。
この美しい街が戦場と化するとは誰もしるよちが無かったのである。

〜ジャスティスワールド神殿〜
裁きの龍「何か近づいている邪悪で満ちた者が・・・」
巨大な龍が目を開けゆっくりと空を見渡した。

「タッタッタッタ!!」
神殿の廊下に轟かせて、走る者が一人いた。
ジェイン「やばい!剣のケイコに遅れる!!」
「裁きの龍」に一役買われ、入隊した剣士・ジェイン。
「バタンッ!」
神殿の中庭の門を開けると部隊の皆は稽古を始めていた。
ライラ「遅いぞジェイン!気を抜いてはいけませんよ!我が部隊は・・・」
リーダーは遅れて来たジェインに叱り付けた。
ルミナス「お寝坊さんのご登場〜♪」
彼女が冷やかした。
ライラ「稽古に励みなさいルミナス。ふざけている場合ではありませんよ」
ルミナス「は〜い!」
ジェイン「遅れてすみませんでした。ちょっと・・・途中・・・アレでして・・・」
ライラ「言い訳は止しなさい。部隊の恥さらしですか?」
ライラがため息を付いた。
ジェイン「途中ライコウがどっかいっちゃって・・・アハハ・・・どこいったのかなぁ〜」
ライラは呆れた顔で奥へ行った。
奥から代わりに小さい影が出てきた。
ライコウ「酷い話だよなぁ。俺は御前のトコに迎えに行ったのによ」
ジェイン「あ、シー!」
人差し指を立てて声をあげた。
ジェインは自分の手持ちのバッグから稽古ようの木刀を出して練習し始めた。

ウォルフ「邪気でありますか・・・」
副リーダーは龍の部屋いた。
裁きの龍「城下に怪しい気配を感じました。行って確かめてきてください」
ウォルフ「は!兵士と共に行って参ります!」
ウォルフは部屋を出て行くと、神殿の門に向かって走っていった。

〜ジャスティスワールド街ハズレ〜
「グオォオオオオ!」
怪しい渦から邪悪な悪魔が出てきた。
冥界の魔王ハ・デスの部下の「レッド・サイクロプス」と「魂を削る死霊」が現れた。
サイクロプス「ココが「ジャスティスワールド」か・・・」
死霊「さぁ一暴れしてやろうぜーっ」

続く!!

3Death@恋の決闘者 ◆zdw5qkBtHA:2009/06/01(月) 20:40:49
第二話【脅威!死霊の罠!】

「ドォオオォオオオォオオオ!!」
街外れの方で轟音がした。
龍は音のした方向に首を向けた。
裁きの龍「やはり・・・邪悪な気配は忍び寄っていましたか・・・」
天使族「どうしますか!裁きの龍様!」
天井から天使族兵士がよってきた。
裁きの龍「ただちに部隊を出動させましょう!迎撃しますよ・・・」
裁きの龍(街には被害を出してはいけません・・・何としても・・・)

ライラ「悪魔族が侵入?!」
天使族「はっ!ウォルフ様の報告によりますと、現在とても危険な状態らしくただちに出動をと・・・」
この騒ぎは既にリーダーの耳に入っていた。
ライラ「わかりました・・・部隊の者は防具、武具を装備して出動!行きますよ!」
一同「イエス、ライトロード!!」
部隊の皆は装備を万全にした状態で神殿の門へ出て行った。
今まで騒がしかった中庭にはガラリと静けさだけが残っていた。

それと逆に街外れでは戦闘が始まっていた。
兵士「ぐはぁぁあああぁ!」
「ドスン!!」
兵士の一人が倒れた。
サイクロプス「こんな雑魚共相手にしても面白くねぇ!本体を出せや・・・オラァ!!!」
そう言って持ち上げた兵士を投げ飛ばした。
残ったのはウォルフ一人のみ。
ウォルフ「貴様等のような邪悪で満ちた者にここから先を行かすワケにはいかんな!」
死霊「ぉ?やるのか?お仲間無しで張り切っちゃって〜」
ウォルフ「御託はそれくらいにしろ!一歩も通さぬ!!」
サイクロプス「うるせぇ!テメーもくたばりやがれ!!」
レッドサイクロプスがウォルフ目掛けて突っ込んでいった。
ウォルフは構えた。
ウォルフ「はっ!!」
ウォルフの目の前が真っ白に光った。
目がくらんだレッド・サイクロプスは蹲った。
サイクロプス「目がぁ〜ぐおぉおお!!」
死霊「けっ!カスが〜テメーは引っ込んでいな!!」
ウォルフは剣を構えた。
前方から巨大な鎌を振り回しながら死霊が近づいてくる。
ウォルフ「ぐぉおおお!」
ウォルフは剣を突き出した。
しかし死霊の体を貫通、すり抜けた。
ウォルフ「何っ?!」
死霊「ケッ馬鹿が!死ねや!!」
死霊は巨大な鎌をウォルフの腹部目掛けて振り回した。
その時・・・

ウォルフ「はぁはぁ・・・?!」
目の前には巨大な結界で死霊の攻撃を守られていた。
ウォルフ「ルミナスか!」
ルミナス「大丈夫?反撃開始よ!それっ!!」
結界で鎌を弾き飛ばした。
それと同時に死霊の体も吹っ飛んだ。

死霊「ち、大人数と少人数では分が悪いな・・・」
そういうと術を唱え始めた。
周りには怪しい黒く光る炎が出て、上空には小さな黒い雲がでてきた。
死霊「ダークゾーン!」
そして無数の終焉の焔が現れた。
ジェイン「何だこの数は・・・ハンパじゃない・・・」

ライトロード危うし!

4Death@恋の決闘者 ◆zdw5qkBtHA:2009/06/02(火) 20:29:13
第三話【危うし!ウォルフの決死の作戦】

場は大量の終焉の焔と死霊に囲まれた。
上空は暗く霞んできた。
「ダークゾーン」を作り出したのだ。
死霊「へひゃひゃひゃ!テメーらは終わりだ!そしてこの世界も貰う!!」
ライコウ「御前みたいな異常者に俺らが負けるわけねー!」
ライコウが首を出した。
ライラ「そうです。この世界は貴方達のような獰猛な悪魔族に渡すわけにはいきませんよ!」

死霊「言ってもわからぬ馬鹿ばかり・・・」
「・・・」
皆は静まりかえった。
「ドォオオオオ!!」
上空に出現した「ダークゾーン」から雷が落ちた。
死霊「どぉせぇ・・・貴様ら全て魔王によって滅ぼされるのだ!ヒャヒャヒャ」
ルミナス「魔王?」
ルミナスが疑問に思った。
そして蹲っているサイクロプスを見て気が付いた。
ジェイン「まさか・・・魔王って冥界の魔王ハ・デスのことか!!」
死霊はニヤリと笑い、一歩下がった。

その頃神殿では・・・
裁きの龍「何という事です・・・あのハ・デスがこの世界を狙っている・・・」
龍は不安を抱えながら、部隊の事を心配していた。

死霊「どうする?この数を相手にするのは楽ではないであろう!」
終焉の焔は激しく燃え始めた。
ジェイン(どうする・・・この状況・・・考えろ考えろ・・・)
頭を抱えて悩んだジェインだが。
ウォルフ「作戦がある・・・」
とウォルフがぼそっと言った。
死霊「何を話している?余程舐められたらしいな・・・オラァ!!」
三体の終焉の焔がルミナス目掛けて突っ込んでいった。
ルミナス「きゃぁ!!」
ジェイン「てぇい!!」
竦んだルミナスにジェインがカバーした。
ジェイン「く・・・」
ルミナス「ジェイン・・・!」

ウォルフ「・・・」

ライラ「まずは体勢を整えなければ・・・?!ウォルフ?何を!」
ウォルフが突然敵の中へ飛び出して行った。
死霊「フン、馬鹿な奴め!行け、僕(しもべ)ども!!」
全ての終焉の焔がウォルフへ向かって行った。
ウォルフ「貴様らなんぞに・・・この世界は渡さん!代わりにコイツを食らいやがれ!!」
死霊「な、何を!!」
ウォルフは急に立ち止まって両手を空に突き上げた。
ライラ「まさか・・・禁術を?」
ライコウ「よせ!俺ら全員でぶつかれば何とかなる!一旦引け!!」
ウォルフは少し笑みを浮かばせた。
ウォルフ「ソーラーエクスチェーンジー!!!」
急にウォルフの頭上が輝いた。
周囲に終焉の焔はその光に吸い込まれ、消えていく。
死霊「や、やめろ!し、死ぬ・・・やめてくれぇええ・・・」
「ぎゃぁあぁあああぁぁあぁあぁあぁぁぁぁぁああああぁあぁあ!!」
酷い断末魔が響いた。
蹲っていたサイクロプスも吸い込まれた。
サイクロプス「ハ・・・デス・・・さ・・ま・・・・」


全ては何もなかったかの用に静かになった。
空に出ていた「ダークゾーン」も消えた。
ライラ「ウォルフー!!!」
ウォルフが倒れている。
足元から光が毀れていく。
そう・・・これが死んでいく者の姿なのだ。
ジェイン「ウォルフ・・・」

続く!

5Death@恋の決闘者 ◆zdw5qkBtHA:2009/06/03(水) 20:37:18
第四話【進軍!冥界への突入!!】

ジェイン「くうぅ・・・ぅうぅ・・・ぅう」
ジェインはウォルフを抱きかかえていた。
皆がウォルフの死に泣きたいのであろう。
しかし泣きたくても泣けないのだ。
そう・・・
それが戦士としての使命だからだ!
戦士とは死ぬまで泣けないのだ。
どんなに辛くても、どんなに悲しくても、戦士は泣かないのだ!
それが戦うという事なのである。
ライラ「ウォルフ・・・貴方は立派でした・・・」
ガロス「むぅ・・・ううぅ・・・」
ライコウが吠えた。
彼は作戦を提案していたのだ。
囲まれた状況を仲間の一人が誘き寄せ、残りが一気に敵を叩くと。
しかしジェインが動けない。仲間は敵に苦戦中。

「仕方が無い・・・」
ウォルフは心の中でこう言い聞かせた。
最後の最後に禁術を使って自分もろとも・・・。
奥から仲間達をかきわけルミナスが出てきた。
ルミナス「もし・・・」
ライラ「?」
ルミナス「あ、アタシ!ウォルフを蘇らせる事ができるかもしれない・・・」
ルミナスが顔を赤がめながら言った。
一同はルミナスに賭けた。
そう・・・
彼女は蘇生系・回復系呪術の達人だ。

蘇生は始まった。
上半身の首の根元まで光となって消えていった体をじょじょに戻す。
ルミナスは緊張した。
緊迫した中皆はルミナスを見守るしかなかった。
ルミナスは一部始終を見ていた。
だから・・・
「自分のせいでジェインが・・・作戦は失敗・・・自分がウォルフを死なせた」
そう攻めているからだ。
そして。

ライラ「どうでした?」
ルミナスは黙り込んだまま・・・。
一同は「まさか・・・」と思った。
ルミナスの後ろには死んだウォルフの体だけがある。
ジェイン「ダメだったか・・・チッ」
舌打ちした。

ガロスが深く息を吸って前で出てきた。
ガロス「ガロス・・・提案・・・冥界には死んだ者がいる・・・そこにウォルフも・・・」
そうか!
その手があったか。
冥界の魔王ハ・デスがいる世界は別名「死の世界」。
暗く獰猛な獣とそして死者がうろついている。
そこにはもしかするとウォルフがいるかもしれない。
手立てはある・・・
そう信じて空を見上げた。

「空間は開いている・・・行くぞ・・・」
部隊の皆は空を見上げた、微かに空間が開いている。
そこから冥界へ行ける。
ライラ「しかし、冥界は死の世界・・・私達もホッとしてはいられません」
一同はウォルフの体だけを残して空間へ入っていった。
 ・
 ・
 ・
気が付いたら周りは薄暗く霧が出ている。
ライコウ「ココどこだ?」
ライラ「多分冥界の端でしょう・・・」
すでにライラが起き上がっていた。
ライコウに釣られて他の皆も起き上がりだした。
ガロス「ここが・・・冥界・・・」
ジェイン「ウォルフ!待ってろよ!絶対に生き返らせてやるからなぁあ!!!」

冥界の隅にジェインの声が響いた。

6Death@恋の決闘者 ◆zdw5qkBtHA:2009/06/04(木) 20:16:11
第五話【戦慄の光と闇】

「ライトロード」は冥界に辿り付いた。
部隊の皆は辺りをキョロキョロと探索に向かったのだ。
二人一組でペアを組み、各自で散開である。
ジェインとライコウ。
ガロスとルミナス。
そしてライラ一人のみである。
ジェイン「薄暗くて気味が悪いな・・」
ボソッと呟いた。
しかしライコウは返事もせず「クンクン」と鼻を効かせて地面を嗅いでいた。
元は狼の獣であったので、嗅覚や聴覚には優れいてるのだ。

一方ガロス&ルミナスペアでは。
ルミナス「ねぇ・・・本当にウォルフがこの世界(冥界)にいるの?」
ルミナスが問いかけた。
ガロスがすかさず答えた。
ガロス「いる・・・絶対に・・・」
ルミナス「・・・」
二人は黙り込んだまま暗黒の世界を漂っていた。

そしてライラは・・・。
さまようミイラ「うぉおおおぉぉおおおおぉおお」
アンデット族との戦闘に入っていた。
ライラ「邪悪なる亡者よ、立ち去りなさい!」
そう言うと杖を上に翳(かざ)した。
そして輝きだし、周囲のさまようミイラは消えていく。
するとまた霧の中から、地面のなかからさまようミイラが増えてくる。
ライラ「キリがない!」
そして再び杖を翳して攻撃を繰り返した。

ライコウ「?!」
ジェイン「どうした?」
ライコウが急に止まりだし、辺りを再び嗅ぎ始めた。
何やら臭いを見つけたらしい。
ライコウがギョッとして、ジェインの顔を覗いた。
ライコウ「これはルミナスの臭いだ!」
ジェイン「何っ!」
ライコウが周囲を見回すと、何やらちぎれた布が落ちていた。
コレはルミナスのマフラーの切れ端だ!
ジェイン「ガロス達に何かがあったんだ!急ぐぞライコウ!!」
一人と一匹は走り出した。

しばらく走ると何かいる。
さまようミイラだ!
しかも左腕と右足首がもげている。戦闘をして傷ついた跡だ。
ジェインは腰から剣を取り出し、構えた。
ライコウも噛み付く体勢に入っている。
さまようミイラは急に走り出し、ジェイン達に向かって突っ込んできた。
ジェインは切りつけた。
上半身と下半身がわかれて、地中に消えていった。
ジェインは剣を腰にしまい、振り向いた途端。
さまようミイラが噛み付いてきた。
ジェイン「ぐ!!」
さまようミイラ「ぎゃああぁああぁあぁ」
ミイラの腰から下がちぎれて飛び散った。
背後にはガロスがいた。
ガロス「大丈夫・・・か・・・」
ジェイン「すまない・・・」
ライコウ「マジでジェインヤラれるかと思ったよ・・・」
奥からライラも出てきた。
そして二人の証言によると。
ライラ「ルミナスがハ・デスの部下に連れ去られました」
ジェイン&ライコウ「何だと!」
ライラ「そして私達にはハ・デスの住む城に来いと・・・」
ジェイン「で、その城はどこにある?!」
ライラとガロスが一度黙って、喋りだした。
ライラ「城は・・・あそこです」
とジェインの背後を指差した。
そこには薄暗い空に聳え立つ(そびえたつ)城があった。
城の周囲は雷雨が発生しており、警備も万全である。

ジェイン「じゃあ、乗り込むぞ!ルミナス!待ってろよ!」
全員は一斉に城に向かって走り出した。
ライラ(結局、ウォルフを探せなかった・・・)
そう思うと胸が痛く感じた。
痛む胸から腕をそっと離し、城へ向かっていった。

7Death@恋の決闘者 ◆zdw5qkBtHA:2009/06/05(金) 20:25:54
第六話【登場!魔王の策略】

ジェインは空高く聳え立つ魔王の城を眺めていた。
門を守る番兵を倒し、今入り口の前に立っている。
空は黒煙の空。
有翼の悪魔族が舞う。地上ではさまようミイラが手だけを地上に出している。
全て「ライトロード」を見ている。
城でさえ巨大な目に見える。
ジェイン「い、行くぞ・・・」
巨大な扉に触れた。
すると中央の円状の形が目となり、ジェインを睨みつけている。
鋭い眼光にライコウの足がすくんだ。
「・・・貴様等ガハ・デス様ニ刃向カウ者ハ生キテハ帰レヌ・・・」
そう言うと巨大な扉が「ゴゴゴォ」という音を響かせ開いていく。
ゆっくりと、ゆっくりと扉が開く。
ライラ「行きましょう・・・」
ライラが戦闘を行った。
他の皆も後に着いていった。
最初の部屋に辿りつくと、〈ハ・デスの使い魔〉が上空でジェイン達を笑っている。
使い魔「ケケケケ・・・」
ジェイン「舐めやがって、降りて来い!臆病者め!」
使い魔「何度でも言え・・・ケケケ・・・」
ライラ「ジェイン・・・周りを見なさい・・・」
声を細くしてライラがジェインに言った。
ジェインが周囲を見回すと、目が赤く光る悪魔族達が暗闇から出てきた。
〈レッド・サイクロプス〉もいる。
サイクロプス「よくも・・・よくも・・・俺の目をぉお!!」
片目は潰れ、怒りに燃える〈レッド・サイクロプス〉がよく見える。
ジェインが剣を抜こうとしたとき
ガロス「行け・・・ここは・・・俺が・・・」
ガロスが前へ出た。
そして剣を抜こうとする手をライラが止め。
ライラ「行きましょう、早くルミナスを」
そうだ、ルミナスが囚われているのだ。
ジェイン「頼む・・・」
そう言うと、ガロスを残して走っていく。
前に立ちはばかる悪魔をライコウが喰らい、両サイドから出てくる悪魔はジェインが。
二人と一匹は高く並ぶ階段を上っていく。
途中途中、悪魔が邪魔をするがバッタバッタと薙ぎ倒し先を進む。
そして・・・

「ドタンッ!!!」
巨大な音を響かせ、最上階へ上がってきた。
そこには囚われたルミナスが横たわり、魔王が暗黒の空を見上げていた。
ハ・デス「来たか、ライトロードどもが・・・」
ジェイン「ハ・デス!ルミナスは返せ!」
ハ・デス「ククク・・・ククク・・・」
不適に笑う。
ハ・デス「死ねぇええ!!」
上空から釣り針天井が出てきた。
真横に避けようとするが、牢屋に包まれ逃げ場はない。
ジェイン「うわぁあ!」

「はぁはぁ・・・」
横たわっていたルミナスが手を翳(かざ)し、ジェイン達の身の回りに結界を張っていた。
ルミナス「はぁはぁ・・・間に合ったわね・・・」
ジェイン「ルミナス!」
ハ・デス「おのれぇ!小娘目がぁ!!」
そう言うとルミナス目掛けて指を突き出し、魔力の砲弾を作り出した。
ルミナス「きゃぁっ!!」
「ドォオオオォーン!!」
一同は唾を飲んだ。
煙の中に巨影が見える。
ウォルフだ!
ルミナス「ウォルフ!!」
ウォルフ「遅れてすまないな・・・」
ライラ「良くご無事で・・・」
「バシィーンッ!!」
周りの牢が引き裂かれた。
ガロスが巨大なアックスでジェイン達を助けた。
ガロス「ウォルフ・・・助けてもらった・・・」
ウォルフ「御前達が城に入るのを見かけてな・・・そしたらガロスが」
ガロスのピンチにウォルフが登場!
大勢の悪魔を一掃し、最上階へ突入してきたわけだ。
ウォルフ「使い魔は消えたぞ!」
そう言うと床にパラリッと〈ハ・デスの使い魔〉の羽根が落ちた。
ジェイン「さぁ!来いハ・デス!!」
ハ・デス「貴様を消して、ジャスティスワールドは貰い受ける!!」

8Death@恋の決闘者 ◆zdw5qkBtHA:2009/06/06(土) 20:31:18
第七話【魔王封印!】

空は黒く、大地は荒れている。
今<冥界の魔王ハ・デス>と「ライトロード」達による決戦が行われようとしていた。
ジェインは腰から剣を抜き、構えた。
他の皆も各自の武器や術の構えた。
ハ・デス「クハハハッ!たかが雑魚一匹増えたところで無意味なのだぁ!」
ウォルフ「雑魚かどうかは、御前の腕に聞いてもらおうか!」
そう言うとウォルフが<冥界の魔王ハ・デス>の腕を目掛けて切りかかった。
まずは術を使えなくし、次に本体への攻撃という作戦である。
ライラ「ハッ!!」
ルミナス「ハッ!!」
二人は息を合わせ、ウォルフの手助けをした。
ウォルフに立ちふさがる邪魔な術や、相手の動きを止めたのだ。
ウォルフ「すまないっ!」
ハ・デス「むぅ!」
体が動かない<冥界の魔王ハ・デス>は、自分の杖を取り出した。
ウォルフ「はぁ〜!!」
素早い攻撃で確実に<冥界の魔王ハ・デス>へ当てた。
しかし腕ではなく杖の先端が切れた。
切れ端は床にコロッと落ちた。
ジェイン「俺等も行くぞ!」
ジェインとライコウが突っ走った。
ウォルフと<冥界の魔王ハ・デス>はジリジリと互角。
ハ・デス「はぁっ!!」
ウォルフを弾き飛ばした。
そこへライコウが噛み付いた。
ライコウ「がぅううぅうぅうう!!」
ハ・デス「邪魔だぁ!」
ジェイン「てぃっ!」
噛み付いているライコウと切りかかろうとしているジェインを魔力で吹っ飛ばした。
次にガロスがものすごいスピードで<冥界の魔王ハ・デス>に向かった。
ハ・デス「ふはははははっ!」
人差し指から魔力の塊となるビームがガロスを弾き飛ばした。

魔王になすすべはない。
援護をしていたルミナスとライラも疲れ果て、部隊はピンチ状態に。
その頃「ジャスティスワールド」では...
裁きの龍「ライトロードが危険です。ケルビム、お願いします」
ケルビム「了解いたしました、龍」
そう言うとケルビムは瞬間移動で魔王の部屋まで入ってきた。
ジェイン「!」
ウォルフ「ケルビム・・・どうして・・・」
ケルビム「私は龍の頼みで来た、魔王を封印するぞ・・・」
ライコウ「おぉ!」
そう言うと戦士達は立ち上がり、体勢を立て直した。
ジェイン「ハ・デースッ!!」
ハ・デス「フハハハハハ!来い小僧が!」
ジェインを先頭にウォルフ、ライコウ、後方にガロスが。
そして援護としケルビム、ライラ、ルミナスで。
敵は<冥界の魔王ハ・デス>のみ!!
一同「うぉぉおおおおおおお!!」
ハ・デス「ぬはぁあっ!」
トドメの連撃をハ・デスの体中に浴びせた。
ハ・デス「ぬぅ・・・う・・・あ・・・がはっ!」
<冥界の魔王ハ・デス>は倒れた。
ジェイン「やった・・・」
ケルビムは「フッ」と笑うと<裁きの龍>の元へ帰った。
しかし!
「ゴゴゴォオオオオ!!」
冥界に鳴り響く物凄い轟音。
そうこの世界(冥界)が崩壊していくのだ。
それぞれの世界には主がいて、その主の魔力によって世界は平行している。
しかし、主の存在が消えてしまうと同時に世界も崩壊していく。
冥界の主は魔王そのもの。
<冥界の魔王ハ・デス>が倒れたことによって崩壊していくのだ。
さらに崩壊した先はどこに続くか知らない。
未知の空間なのかもしれない。
ジェイン「早く脱出を!元来た道を通れば・・・」
ウォルフ「間に合わん!!」
「シュウゥウウウウウウウッ!!」
目の前が真っ白になり、気を失った。

再び目が覚めたのは・・・。
地球!
青い地球、緑の星!地球!!
そして「ライトロード」達は地上へと落下していくのだ。
ジェイン「うわあああああ!!」

9Death@恋の決闘者 ◆zdw5qkBtHA:2009/06/07(日) 18:07:25
第八話【ゴブリンの突撃を阻止せよ!】

今ジェイン達一同は地上の重力に引っ張られて落下している。
物凄いスピードで、空から落ちていく。
まるで自分が「死んだ」ような感覚である。
ジェイン「く、どうすれば・・・?!」
ライラが先行して落下する。
そして少し術を唱えると、「ライトロード」の周りに結界が張られた。
そのお陰で重力と体は反発して、ゆっくりと地上に降りてゆく。
そして雲を突き抜けると・・・。

地上は戦場であった。
多くの兵士がぶつかりあっている。
相手は「ゴブリン一族」!
かつて恐るべき兵力と力で悪魔族でも一泡吹かせていた。
しかし最近になって「ゴブリン一族」の能力は低下しつつあり。
力や知能は昔と比べて衰えてきている。
ジェイン「アレが聖書にのっていた有名な悪魔族「ゴブリン」か・・・」
ルミナス「「ゴブリン」ってかなりの種類あるらしいわね」
ウォルフ「しかし最近となっては種類は減ってきている」
そう話しながら、戦場より程遠い茂みに着地した。
「ゴソゴソッ」
と背後で茂みが揺れる音がした。
一斉に振り向いた。茂みが揺れている。何かが近づいているのだ。
グレファー「ん?」
出てきたのはこの辺り一帯の国で連合軍部隊長を務める<戦士ダイ・グレファー>である。
「ライトロード」を見た<戦士ダイ・グレファー>は立ち上がり、剣を取り出し。
グレファー「貴様達、何者だ?この辺の者ではないな・・・その格好見るからに悪魔族の手先か」
ウォルフ「待てっ!私達は怪しい者では・・・」
グレファー「てぇえい!!」
「カキンッ!!」
ジェインとグレファーが交じり合った。
ジェイン「落ち着け、俺達は怪しくはない。「ライトロード」だ」
グレファーは一旦考え、ひらめいた顔で剣をしまった。
グレファー「これはご無礼したな。御前等が<冥界の魔王ハ・デス>の強襲を受けた者達なのだな?」
ルミナス「あの魔王さんはもう倒したよ」
呆れた顔でルミナスが話した。
グレファー「何と!貴方方が魔王を・・・う・・・ん・・・」
そう考えていると、背後から<ゴブリン突撃部隊>が襲ってきた。
数は15体。こちらは不利。しかし「ライトロード」がついている。
ゴブリンA「うへへ。こんなトコロに連合軍の大将がいるじゃねぇか・・・」
ゴブリンB「やっちまおうぜ・・・早いトコさ」
ジェイン「何をごちゃごちゃと。行くぞ!!」
「うおぉおおおおお!」
ジェインは単機で敵の中に突っ込んだ。
ゴブリン突撃部隊は集団となってジェインに向かった。
数の多さでジェインが倒れた。
グレファー「ぬ!クソォッ!!」
グレファーがゴブリン達をバッタバッタと薙ぎ倒した。
ジェイン「ぐはっ、グレファーすまない・・・」
グレファー「構わない、俺のとこの部隊が危ない。お前達と俺は分かれていくいいな?」
ウォルフ「よかろう」
そう言うとグレファーは一人森の中に逃げた、ゴブリンの残像兵追撃に向かった。

グレファー「どこへいった?!」

10Death@恋の決闘者 ◆zdw5qkBtHA:2009/06/08(月) 21:21:44
第十話【暗黒界介入!!】

「はぁはぁ」
森深くへ逃げていった<ゴブリン突撃部隊>を追いかける戦士一人。
片手に持っている剣をふらつかせ、只管走る。
グレファー「どこへいった!?」
急に足を止めて辺りを見回した。
ゆっくりと目を動かして、暗い方を見た。
そこには・・・。
グレファー「ゴブリン!」
「うぅうううぅううう」
うなり声を上げて倒れている逃げた<ゴブリン突撃部隊>。
首や体や背中を切られている。
形状からは刃物による攻撃だと思われる。
一見、この暗い森なら弓矢兵などが潜んでいる事が多い。
グレファー「誰がこんなことを・・・」
そう思いながら、倒れているゴブリン近づくと
「ガサッ」
と背後から音がした。
恐る恐る振り向くと、剣が降ってきた。
グレファー「ふんっ!!」
バックステップで回避した。
飛んできた方向を見ると<暗黒界の騎士ズール>とその後ろから悪魔族の騎士達がくる。
グレファー「・・・」
ズール「貴様も戦士のようだな・・・」
グレファー「御前の腕を見せてもらおうか!」

グレファーは剣を構えた。
ズールは地面に突き刺さっている剣を抜いた。
グレファーが突進し、剣を前に出した。
ズールが軽いステップで避け、剣を突き出した。
先ほどのゴブリンとの戦闘で息が上がっているグレファーは避けきれず脇腹に当たった。
グレファー「ぐはっ!!」
腹を押えながら倒れこむグレファー。
頭に剣を突き出すズール。
ズール「この程度か・・・貴様は終わりだ」
頭上にある剣を空に翳し、勢いよく剣を振った。
グレファー「!!」
ズール「死ねぇ!!」
「カキィン!!」
グレファーは素早く剣を前に出し、ジリジリとズールの剣を交えた。
ズール「死にぞこないが!次で終わりだぁ!!」
力を入れた剣でグレファーを押す。
「ドサッ」
ズールの背後で音がした。
騎士「ぎゃあぁあああ」
声を上げながらズールの騎士が倒れていく。
ズール「何だ!!」
奥から傷ついたゴブリンが3体出てきた。
ゴブリンA「テンメーッ!調子こきやがってマジ殺す!!」
ゴブリンB「オゥラァ!死ね死ね、糞が!!」
ゴブリンC「オラオラ、くたばれや!!」
頭に血が上ったゴブリン達は倒れて動けない騎士のいたるところを
所持している金槌で叩きつけている。
騎士「ぎゃぁあああ!!!」
ズール「クソォ・・・」
グレファー「!!」
隙を突いてグレファーが、ズールの剣を弾き飛ばした。
ズール「しまったぁ・・・」
弾き飛ばした衝撃でグレファーの剣は折れてしまった。
折れた剣を投げ捨て、力を入れておもいきりズールの頬を殴った。
ズール「ぐはっ!!!」
吹っ飛んだズールはゴブリンの足元に倒れた。
ゴブリンA「テメーも死ねぇ!!」
ゴブリンB「そぉら!!」
ゴブリンC「死ねやハゲ!!」
完全にキレているゴブリンの元でズールが
ズール「やめろ!やめろ!う、うわっ!!」

「ぎゃぁあぁぁあぁぁぁあああああああああああ!!!」
酷い断末魔が森の中に響いた。
ズールはゴブリン達の餌食になり、いたるところを殴られ、叩かれ。
そして死んだ。
危険を感じたグレファーはズールの剣を奪い、ゴブリン達を切りつけた。
ゴブリンA「ごふっ!!」
ゴブリンB「うわっ!!」
ゴブリンC「げはぁ!!」
倒れたゴブリン達は今度こそ死んだ。
「はぁはぁ・・・・」

その頃「ライトロード」達は。
ジェイン「グレファーは大丈夫か・・・」
ウォルフ「大丈夫であろう。あの者には竜の力を司る気を感じた」
ジェイン「そうか・・・」
そう話しながら、草原を走っている。

グレファー「がはっ!」
グレファーは腹を押さえながら、倒れている。
グレファーの身に何が!!

11Death@恋の決闘者 ◆zdw5qkBtHA:2009/06/09(火) 21:13:52
第十話【脅威の兵力を叩きのめせ!!】

「そうか・・・ハ・デスが死んだか・・・」
「暗黒界」。そこは暗黒の空と暗黒界の悪魔族だけの世界。
そして「暗黒界」を納めるのが<暗黒界の魔神レイン>。
ブロン「レイン。準備が整いました・・・あとは・・・」
<暗黒界の狂王ブロン>。彼は「暗黒界」唯一の政治家である。
そしてレインとの通信役でもあり、かなり高い地位を持つ。
「バタンッ!!」
レインの部屋の扉が激しく開き<暗黒界の武神ゴルド>が入ってきた。
ゴルド「レイン、こちらも準備は整った」
<暗黒界の武神ゴルド>は「暗黒界」のより戦闘に向いていて
力は「暗黒界」No2である。無論、No1はレインであるが。
「ドタンッ!!」
レインが椅子から立ち二人の方向に指をさした。
レイン「行け!愚かな人間共に恐怖と絶望、そして死を与えてやるのだ!!」
二人「はっ!」
「バタンッタンッ!!」
また激しくドアが開き<暗黒界の斥候スカー>が入ってきた。
ゴルド「何事だ!!魔神の座であられるぞ!!」
ゴルドが振り向き、スカーに怒鳴った。
スカー「報告!」
ゴルド・ブロン「―!!」
ゴルドは急に静かになった。
スカー「王宮付近の「深遠の森」にて<暗黒界の騎士ズール>が死亡・・・その騎士達もまた>
レイン「むぅ・・・」
ブロン(あのズールがねぇ。さて困った)
ブロンは考えた。
彼(ズール)は「暗黒界」の特攻隊である、「暗黒暴走団」のリーダーであった。
「暗黒界」ではNo3の剣士であったが、その彼が。
あの悲劇に合うとは・・・。

ジェイン「敵が後退してゆく・・・何かあったのか?」
戦場は慌しい風景は消えていき、お互いに兵士達は退いてゆく。
蟻が散乱したかのように、じょじょに戦場は静けさを取り戻していく。
ウォルフ「見ろ!」
ウォルフが指差した方向は。
兵士達が「ぐわぁ」という悲鳴を挙げて倒れていく。
奥からは何かがくる。
<暗黒界の尖兵ベージ>だ!
それも複数の悪魔族を連れて・・・。
ベージ「宣言する!そこに「ライトロード」と名乗る光の部隊がいるだろう!!」
ジェイン「俺達のことを言っている・・・」
ルミナス「アイツ<暗黒界の尖兵ベージ>じゃない?」
ルミナスが口挟んだ。
彼女は良く稽古が無い日は「ジャスティスワールド」の神殿の図書館で
世界のモンスターの本などや聖書などを良く目を通していたのだ。
ルミナス「きっと「暗黒界に続く結界通路」を使ったんだわ」
「暗黒界に続く結界通路」・・・。
この世界のどこかと「暗黒界の入り口」が続く結界の道がある。
それはどことでも繋げて、進入はできる。
ベージ「返事がない・・・そこに「ライトロード」がいるならば今すぐ抹殺する!!!」
ライコウ「ジェイン、どうする?戦力は圧倒敵にこっちが不利だぜ」
ジェイン「・・・」
ライラ「勝敗とは戦力で決まる物ではありません。さぁ私達も行きましょう」
ライラが出てきた。
ジェイン「そうだな、俺達の力見せてやるぜ!!」

大勢の悪魔は「ライトロード」を睨んでいる。

12Death@恋の決闘者 ◆zdw5qkBtHA:2009/06/10(水) 21:56:41
第十一話【暗黒界流袋叩き】

ライコウ「うぉっ攻めて来たぞ!!」
「ライトロード」は今戦場にて囲まれている。
敵は「暗黒界」より進入してきたものだと思われる。
ベージ「大将首もらぁったぁ!!」
<暗黒界の尖兵ベージ>を戦闘に「ライトロード」に向かって突っ込んでくる。
数はおよそ1200、いやそれ以上かもしれない。
ウォルフ「くっ!」
ライラ「近づかれた終わりです、多くの敵に囲まれてるときの接近戦は危険です!」
ルミナス「私達が援護するから、ジェイン達は敵を倒して!」
ジェイン「わかった!」
多くの敵が攻め込んでくる。
ジェイン「とりゃぁ!」
ジェインに近づく敵を切りつけている。
ベージ「ライトロード、覚悟!!」
ウォルフ「む!!」
ウォルフとベージが噛みあった。
二人はジリジリ周囲にオーラを出している。
ベージ「貴様等を倒して暗黒界No2に上り詰めよ・・・」
ウォルフ「残念だったな・・・そう簡単に我らは屈しはしない!!」
ベージ「何!」
「バシン」
ベージのやりを振りほどき、爪で体を突き刺した。
ベージ「ぐはっ!」
ウォルフ「・・・」
ベージがゆっくりとうつ伏せに倒れる。
ベージ「・・・作戦を決行せよ・・・」
悪魔族「御意!」
急に敵が体勢を立て直し始めた。
ライコウ「何だ?!」
ジェイン「怪しいな、何を企んでいる・・・」
悪魔族「かかれぇ!!」
一体が命令すると「ライトロード」を目指して突撃しはじめた。
ジェイン「来る!気をつけろ!!」
ガロス「言われなくても・・・」
ライラ・ルミナス「はっ!!」
ライラとルミナスが結界を張った。
突撃する悪魔族を吹っ飛ばした。
しかしまた後ろから悪魔族が突撃してくる。
これを繰り返すばかりである。
悪魔族「見たか!これが我が軍の兵力よ!!」
ジェイン「チッ!!結界が破られる!」
悪魔族の数に耐え切れず結界のバリアーにヒビが入っていく。
ジェイン「割れるぞ!!」
「バリンッ!!」
結界が破壊され、悪魔族が突破してくる。
ライコウ「ガルルッ!!」
ガロス「フンッ!」
ジェイン「く、この圧倒的な数・・・」

悪魔族「これこそが「暗黒界流袋叩き」だ!!」

13Death@恋の決闘者 ◆zdw5qkBtHA:2009/06/11(木) 20:29:11
第十二話【正義のドラゴン!悪を裁く】

戦場は瞬く間に悪魔族に占領され、残るは「ライトロード」のみとなった。
「暗黒界流袋叩き」に合い、戦況は危険な状態に。
ジェイン「倒しても倒してもキリがない・・・」
ライコウ「ガルルッ!!数が多い・・・」
ルミナス「それに魔力がハンパなく上だわっ!!」
敵は切っても切っても後ろからあふれ出てくる。
今か今かと死ぬのを待つように悪魔族が近づいてくる。
ウォルフ「王宮からの増援は無しか!」
ジェイン「戦士ダイ・グレファーも王宮へ退避したのか?」
そう。
<戦士ダイ・グレファー>は今戦場にはいない。
森であろう。
しかし戻ってこない。
あの後どうなったのか。
誰も知る者はいない。
しかしズールの死体は全て見ていた。
そう、奪ったあの剣は・・・。

裁きの龍「今押されている・・・」
龍が言う。
ケルビム「龍。私が再び・・・」
裁きの龍「いいえ。今回はあの方に頼みましょう・・・」
ケルビム「!!」

悪魔族「どうだ!降参しろっ!そして死ねぇぃ!!」
悪魔族が叫ぶ。
一匹バカデカいのが出てきた。
<ジャイアント・オーク>である。
オーク「おうおう。雑魚共どいてろっ!」
仲間の悪魔族を押しのけて出てきた。
オーク「うぉおおおお!!」
「ドォオオオオオン!!」
突っ込んできたオークに、急に砂煙と轟音が響いた。
ジェイン「何だ!」
ウォルフ「影?竜の・・・まさか!」
『ライトロード・ドラゴン・グラゴニス!!』
その土煙の中に竜の影。
オーク「うぉ!目がぁ目がぁ!」
グラゴニス「フンッ!!」
一瞬であった。
その一緒でオークの上半身と下半身から赤い液体が出てきた。
オーク「ぐぼっ!!」
グラゴニス「・・・」
「ドサッ!!」
地面にオークの上半身が落ちた。下半身がゆっくりと歩きながら倒れた。
グラゴニスの爪には血が。
グラゴニス「はぁ・・・!!」
悪魔族「ヒッ!オークが、オークが一瞬で・・・バケモノだぁ・・・わぁあああ!」
一斉に取り囲んでいた悪魔族が逃げていく。
悲鳴を挙げながら精一杯足を動かした。
それを。
グラゴニス「・・・」
「シュタッ!!」
肉眼で捉えられないほどの瞬速で移動し、次々と。
悪魔族を切り裂いていく。
無言の表情に表れる残酷な笑み。
その笑みは何を表すのか。
ジェイン「凄い・・・あの速さ・・・」
ウォルフ「グラゴニスは元々最強の竜族だったんだ・・・」
「それがさ・・・」
ライラ「あの事件ね・・・」
ライラが口挟んだ。
こう喋っている間にもグラゴニスは次と次と切り裂いていく。
一つ生命が零れ落ちていく。
切られていく度にグラゴニスは喜んでいるように見える。
ジェイン(恐ろしい・・・あれがライトロードにだと)
グラゴニス「・・・フッ」
ジェイン「今笑った?!」
グラゴニスが一瞬だったが、切り裂く寸前に笑った。
純粋な気持ちで笑ったのか?
悪魔族「ぐぎゃぉ!」
悪魔族「ぐほっ!!」
悪魔族「げへっ!!」
悪魔族の悲鳴が聞こえる。
数は減っていくばかり。
最後の一人になったとき・・・。
グラゴニスは立ち止まり、悪魔族を睨みつけた。
悪魔族「ヒッ!!」
悪魔族は怯えた体を懸命に動かした。
グラゴニスの鋭い眼光が悪魔族の心臓を突き刺すかのように。
悪魔族「う、うわぁあああ!」
とうとう恐怖に耐え切れず、立ち上がり逃げようとしたとき。
瞬速で目の前にグラゴニスが移動し、無残にも突き刺した。
その爪は赤くなっており、白い竜には赤い模様が増えていた。
それは殺した悪魔族の数の模様である。

ジェイン「・・・」

14Death@恋の決闘者 ◆zdw5qkBtHA:2009/06/12(金) 21:49:47
第十三話【騎士舞う!魔神の雄叫び】

戦場は血と煙の臭いになった。
広大な大地の上には「ライトロード」だけが立っていた。
周囲には生臭い死体がごろごろ転がっている。
ルミナス「うっ!!」
口に手を押さえ、しゃがんだ。
ジェインが剣を抜いた。
ジェイン「御前が!御前が!」
「本当にライトロードなのか?!」
グラゴニス「・・・」
無言のまま表情を一切変えず、振り向いた。
ジェイン「何も言いたくないなら、そのまま冥界へ送ってやる!」
ジェイン「何故!ここまでやる必要はある?!」
ジェインは怒った。
体中から光のオーラが出ている。
グラゴニス「!」
ジェイン「覚悟ォォオオオ!!」
「待て!!」
天空より声が上がった。
ケルビムだ。
ケルビム「そこまでだ、ジェイン」
ジェイン「止めるな!アイツだけは許さない!!」
止めようとするケルビムを押しのけて構えた。
そして攻撃しようとするジェインに
「止しなさい!!」
ライラが怒鳴った。
ライラ「怒る気持ちはわかります。正直やりすぎです。しかし、今の貴方で勝てる相手ですか?」
「あれだけ手こずった相手を・・・一瞬で消してしまう。そんな相手に
 まだ勝てるという自信を持っているのですか?過剰もいいところです!」
ウォルフ「もういい、今の敵は「暗黒界」だ!俺達仲間ではない!」
ケルビムが無言のまま、グラゴニスに近づく。
ケルビム「初めまして、貴方がドラゴンの称号を持つ竜。お見事でした」
グラゴニスは相変わらず喋らない。
ケルビム「ですが、今回はこれでお引取りを願いたい」
そう言うとグラゴニスはシュタッと土煙を立てて消えていった。

ゴルド「全滅だと?!」
暗黒界ではゴルドの雷が収まらない。
カーキ「はっ!敵、ドラゴン族の一味に瞬殺と」
ゴルド「く!ズールのみならずベージまで・・・」
「ドォオオオン!!」
雷が落ちた。
物凄い音だった。
ブロン「レイン様、申し訳ありません!我が部隊が全滅を」
レイン「そんな事はどうでもいい!何故やられたのかを聞いている!!!」
レインが怒りまくっている。
ブロンが答える。
ブロン「誠に申し訳ございません。我が部隊が全・・・」
「ドォオオン!!」
レインはブロンの背後に雷を落とした。
ブロン「・・・」
レイン「もういいわ!退け!!」
ブロン「はっ・・・」
小声でブロンが部屋から出て行く。
レイン「グリン!!!」
グリン「お呼びでしょうか?」
扉越しから<暗黒界の策士グリン>が現れた。
彼は「暗黒界」一の策士である。
レイン「ゴルドと共にライトロードを責めろ!!」
グリン「承知・・・」
部屋を出て行こうとするグリンをレインが引き止めた。
レイン「俺も行く!そう伝えておけ!!」
グリン「フッ、おまかせを」
ニヤッと笑いグリンが消えた。
レイン「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
「天使族共、覚えていろ!貴様らを確実に!!」

15Death@恋の決闘者 ◆zdw5qkBtHA:2009/06/13(土) 18:20:42
第十四話【進軍!暗黒界】

「暗黒界」では進軍準備が行われていた。
ゴルドが指揮を取り強者どもを集めた軍団は今「ライトロード」に向けて進行しようとしている。
グリンが策を練っている。
グリン「本作戦にはレイン様もいらっしゃる。皆の者度胸を示せ!!」
「うぉおおおお!!」
悪魔族が叫んだ。
ゴルド「敵は我が軍団の半分の勢力をものの数秒で全滅させた竜もいる!」
騒ぎが一時静まった。
ゴルド「心してかかれ!!」
「うぉおおおおおお!!」
再び悪魔族が叫んだ。
ゴルドが手を差し出すと、静まった。
グリン「レイン様、準備は整っています」
グリンの背後からレインが出てきた。
レイン「ぐおぉおおおおおお!!」
レインが雄叫びを上げた。
釣られて悪魔族も雄叫びをあげた。
「うごおおおおおおおお!!」
レイン「失敗は許されない、確実に殺せ!!」
「うぉおおおおお!」
ゴルド「よし!いくぞぉおおおお!」
「うぉおおおお!」
悪魔族が流れ込むように「暗黒界に続く結界通路」を通じて出て行く。
レインが入った後、グリンが入った。

戦場は静かになり。
夜になった。
「ライトロード」は寝るところを探す暇もなく旅する。
「ジャスティスワールド」に帰れる方法を知らなければ。
ライコウ「なぁジェイン、疲れたよなぁ?」
ジェイン「そんな事言ってられないだろ?俺達は戻らなければ」
ウォルフ「そうだ。向こう側はガラ空きの今、いつ攻め込んでくるかわからないからな」
六人は生き返らせたウォルフと共に「ジャスティスワールド」を目指す。
辺りは暗く、どこからか悪魔族が出てきそうだ。
ルミナス「うぅ気味悪い・・・」

16Death@恋の決闘者 ◆zdw5qkBtHA:2009/06/13(土) 19:46:41
第十五話【レインの術】

真夜中森をさ迷う「ライトロード」達。
ルミナス「うぅ〜気味がわる・・・」
「ガサッ」
草村を何かが動いた。
ジェイン「何だ!?」
ルミナス「悪魔族?」
攻撃をする姿勢に入った。
ジェインが恐る恐る近づいた。
「バッ」
何かが飛び出してきた。
ジェイン「うわっ!!」
ジェインは驚いて腰を抜けした。
ウォルフ「何かいる!」
暗闇に光る赤い目玉二つ。
「うぅううう!!」
人型。
見た目は人型でごつい体つきである。
それはまるで・・・
ジェイン「く!!」
ジェインは急いで体勢を立て直し、剣を抜いた。
「うぅうううう!!」
威嚇すると急いで黒い影が逃げていった。
追いかけようとするジェインを引き止めるウォルフ。
ジェイン「くそ!!」

翌日。
「おい起きろ・・・」
ウォルフの小声でジェインが目を覚ました。
辺りは明るく、夜が明けたのだ。
ジェイン「?」
ウォルフ「敵だ・・・」
「ガタガタガタガタ」
「暗黒界」の軍団が列になってあるいている。
今から責めにいくのだろう。
「ライトロード」は後を追いかけた。

着いた先は・・・。
昨日戦闘を行った戦場であった。
そこには「ダークゾーン」が出現し、ゴルドが見張りをしていた。
ジェイン「暗黒界!!!」
剣を抜き、突っ走ろうとするジェインをウォルフが止めた。
ウォルフ「待て、俺達は攻撃役だ」
ジェイン「!そういえばライラ達は?」
ウォルフ「彼等は誘導役だ。動き出したら、こちらも攻撃を開始する」
ジェイン「イエス、ライトロード・・・」
二人は森の茂みに隠れて様子を見ている。
すると、
「ゴゴゴゴゴゴ」
次元の穴が開きレインが出てきた。
ウォルフ「あれが魔神か・・・」
ジェイン「デカイ!!」

ゴルド「良くきたな。レイン」
ゴルドが話しかけた。
レイン「この手で奴等が消える所を見たくてな・・・」
悪魔族「うぉ!!!」
急に悪魔族の一人が倒れた。
ライラ達の術でパニック状態にさせるのだ。
ジェイン「今だ!!」
ウォルフ「待て!!!」
ジェインを呼び止めた。
ジェイン「どうした??」
ウォルフが目を細くして言った。
ウォルフ「何かおかしい!!」
レインが術を唱えると、大地が割れ、雷が落ちる。
一体何が起きたのか。

17Death@恋の決闘者 ◆zdw5qkBtHA:2009/06/14(日) 20:55:42
第十六話【武神との対峙】

戦場は完全に「暗黒界」の軍団に占領された。そしてその場には「ライトロード」達がいる。
ジェインは感じている。その素肌を通してこの間隔は前にも味わった。
そう。<冥界の魔王ハ・デス>との戦闘のときの物と全く同じだ。
この前みたいに強大な敵を倒せるのか?それとも敗北してしまうのか?
しかしやらなきゃいけない。
この世の平和を乱す者達、幸せを奪い去り、絶望と恐怖だけ置いていく者達を。
「俺がやってやる!!」
ジェインが急に草村が飛び出した。
ウォルフ「待て!作戦が・・・チィッ!!」
ライラ「あれは!ジェイン?」
ウォルフ達がいた反対側の場所でライラが術を唱えていた。
ジェインが風の如く走り、敵の懐に突っ込んだ。
ゴルド「ん?何だアイツは!!」
辺りが騒がしくなり、ゴルドが動いた。
悪魔族を切り倒し進んでくるジェインがゴルドの目に止まった。
怒りに降るえたゴルドは剣を抜いた。
ゴルド「貴様ァ!「ライトロード」だな!!死にに来たか!!」
そう叫ぶと、ジェインに向かって走った。
周囲にいた悪魔族が道を開ける。
「カキンッ!!」
ジェイン「御前達を野放しにしておくわけにはいかないんだ!!」
ゴルド「我々もそうだ!貴様らのような弱者はこの世に必要は無い!!散り行くだけだ!!」
ゴルドが剣で薙ぎ払った。
ジェイン「クソッ!!」
ウォルフ「ジェイーン!!」
ウォルフ達が増援に来た。
ジェイン「ウォル・・・フ・・・」
ジェインが目をゆっくりと閉じ気絶した。
ゴルド「口ほどにもない・・・」
そう言ってマントを翻し、スタスタと帰っていった。
囲まれたウォルフ達はジェインを連れて森へ逃げ込んだ。

18Death@恋の決闘者 ◆zdw5qkBtHA:2009/06/14(日) 20:56:26
第十七話【策士グリンの策略】

その夜・・・
ジェイン「うぅ・・・」
ゆっくりと目を開けるジェイン。
ライラ「目が覚めましたか?」
そう問いかける。ジェインはゆっくりと起き上がった。
ルミナスが横に座っている。ジェイン「ここはどこだ?」
ライラ「ここは王宮です」
ジェインは目を丸くした。
あの後、森から王宮へ逃げ込み、どうにか地下の部屋を貸してくれたのだ。
ジェイン「ウォルフ達は?」
ライラに問いかける。
「ガチャンッ」
ドアが開いて、ライコウとガロスが入ってきた。
ガロス「ジェイン・・・元気・・・か?」
ライコウ「御前はホント無茶するよなぁ!昔から変わらないぜ!」
ジェインは下を向いた。
ルミナス「自分を変えたら?」
ルミナスが言う。
ライラ「貴方は変わらなければなりません。このままではいつか・・・」
ジェイン「いつか?」
ライラ「いつか・・・」
数秒間二人のやりとりは続いた。
ライラ「いつか死にます」
ジェイン「!!」
ルミナス「死ぬわ、絶対に」
ライコウ「死ぬぜ」
ガロス「ジェイン・・・死ぬ・・・」
周囲が急に真っ黒になり、ジェインは一人立っている。
ウォルフ「死ぬぞジェイン」
ウォルフが出てきた。
ライラ「死にます」
ガロス「死ぬ・・・」
ライコウ「死ぬぜ」
ルミナス「死ぬわ」
「死ぬわ、死ぬぜ、死にます、死ぬ・・・、死ぬぞ」
やめろやめろやめろ!!
もうやめてくれ!!
ジェインはそう心の中で叫んだ。耳を押えてしゃがみこむ。周りにはもう誰もいない。
「死ぬ」という発言だけが自分の耳に入り込む。
ジェイン「やめろ!やめろ!俺は死なない!だって裁きの龍様に!!」
「死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬ・・・」
ジェイン「俺は認められ・・・」
ジェインは目は震えている。目の前に故郷の母親が出た。
ジェイン「母・・・さ・・・ん?」
母「死ぬわよ、ジェイン。死ぬわ」
ジェイン「母さんまで・・・待ってよ!!」
母「死ぬわよジェイン、死ぬわ。死ぬわよジェイン、死ぬわ。死ねよジェイン、死ね」
こう耳に聞こえる。
ジェイン「そんなこと言わないでくれよ!俺は・・・」
そういいながら母親は遠くへいってしまう。
ジェイン「待って・・・皆ぁ・・・」
周りにいた、ライラ達やルミナスも遠くへ行ってしまう。
ジェイン「うわぁあああぁあああああ!!!」
「はぁはぁはぁ・・・」
周囲には悪魔族が囲んでいる。
ウォルフ「目が覚めたかジェイン!!」
ルミナス「大丈夫?」
ジェインは今まで眠っていたのだ。全て夢であった。
顔には汗だくでまだ手や足が震えている。
ライラ「貴方は魘されていました・・・大丈夫ですか?」
ジェイン(俺は変わらなければいけない)
そう思うとジェインは立ち上がり、地面に突き刺さっている剣を抜いた。悪魔族がうじゃうじゃ出てくる。
ライラ達は今までジェインを守っていたのだ。
ジェイン「待て!!」
ジェインは大声でゴルドを呼び止めた。
ゴルド「!?」
ジェイン「もう一度だ!!」
ジェインが構えた。手足の振るえは納まっている。
ライラ「そのほかの敵は私達が引き受けるから、貴方は!」
「うぉおおおおおおおおおおおおおおお!」
5人は敵の中に入っていった。
こっちはジェインとゴルドの一対一になった。
ジェイン「行くぞ!!」
ゴルド「来い、若造!」
グリン「フフフ、貴様等はそこでくたばれ・・・計画はちゃくちゃくと進んでいる・・・」
「ふははははは」

19Death@恋の決闘者 ◆zdw5qkBtHA:2009/06/15(月) 19:56:53
第十八話【反乱の渦!荒れる「暗黒界」】

ジェイン「てやぁあああああ!!」
ゴルド「ふん!!」
ジェインが必殺を軽々とかわした。
ゴルド「おぉりゃぁあああ!!」
ゴルドの巨大な斧がジェインの肩を掠った。
ジェイン「!!」
ゴルドとジェインは一旦静まった。
ゴルド「御前は何のために戦う」
ゴルドが問う。
ジェインが質問に答える。
ジェイン「俺は!俺は・・・皆の平和のために、笑顔のために戦う!!!」
ゴルドはニヤッと笑い、構えた。
ゴルド「いい、夢であった・・・」
小声でそう言うと、姿勢を低くした。
ジェイン「うぉおおおおお!!」
ゴルド「うぉおおおおおおお!!」
「ドゴォオオオオオオオオオオ!!!!!」
大地を駆け巡る轟音はライラ達の耳まで届いた。
ライラ「あの音はジェイン達が!!」
ウォルフ「やったか?!」
悪魔族はビクッとして、一歩下がった。
ゴルド「うぐ・・・」
ジェイン「・・・・」
ジェインの剣がゴルドの胸を突き刺している。
ゴルドの斧がジェインの脇腹に・・・
命中したと思うが、ギリギリの寸前で止まっている。
ゴルド「ぐはっ・・・」
口から血を吐きながらゴルドが倒れる。
ジェイン「はぁはぁ・・・」
ゴルドの胸から剣を引くジェイン。
ゴルド「レイン・・・後は任せた・・・」
ゴルドの体は光となって空へ帰っていった。
ジェイン「・・・」

グリン「・・・ゴルド様が死に追った・・・計画開始・・・」
岩の陰にいたグリンが通信をする。
「・・・了解・・・」
雑音とともに承知の声がする。

「暗黒界に続く結界通路」には<暗黒界の軍神シルバ>がいた。
彼は「暗黒界」の軍を束ねるリーダーである。
それゆえ力はズールとベージを比べられる物ではなく、ゴルド以上、レイン未満といわれる。
そこへ・・・
狂王ブロンが来た。
シルバ「何用だ?被害報告か?」
シルバがブロンに問う。
すると無言のままいきなり、シルバに向かって走り出した。
ブロン「・・・」
シルバ「何だ!貴様ァ!!」
シルバは剣を抜こうとしたが、時既に遅し・・・。
ブロンのナイフがシルバの胸を貫通している。
シルバ「・・・裏・・・切った・・・の・・・か・・・?」
シルバの声がかすれる。
ブロン「さらばだ・・・軍神様よォ・・・」
シルバの胸から血が出ている。
そこを押えながらシルバがうつ伏せに倒れた。
「ドサッ」
ブロン「レインよ、次は貴方です・・・クフフ、クハハハハハッ!!」
そう言うと「暗黒界に続く結界通路」に入っていく。
その先に矢が飛んできた。
ブロン「?!」
<暗黒界の狩人ブラウ>と<暗黒界の刺客カーキ>だ。
ブラウ「何処へ行くつもりだ?」
ブロン「少しばかり、レイン様の元へ報告・・・」
カーキ「しらばっくれやがって!!この兵隊は何だ?」
「ドサッ」
ブロンの元へ部下の死体が落ちた。
ブロン「何だコイツらは?」
ブラウ「残念ながら嘘もそれまでだな・・・ホラッ!」
「ピュッ!」
と一吹き、矢が飛んだ。
ブロンは剣を取り出し、それを弾き飛ばした。
カーキ「ケハァー!!」
カーキが突っ込む。
ブロン「!」
剣を振り落としたが、カーキの小ナイフでふさがれた。
と思ったら、ブロンは先程シルバを亡き者にしたナイフでカーキの額を突き刺した。
カーキ「ぐぁああああああ!!」
カーキは力が抜けたかのように、倒れていく。
ブラウ「!」
「ピュピュッ!!」
矢が2つ、3つ飛んだ。
ブロンがそれをサイドステップで避け、ナイフをブラウの利き腕に投げた。
「グサッ」
ブラウ「ぐはぁ!!」
左腕がとれた。
ブラウが腕を押えながらしゃがみこむ。
ブロン「フンッ!」
ゆっくりと「暗黒界に続く結界通路」へ入っていった。

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