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とあるSSの禁書目録 PART5
1■■■■:2009/04/26(日) 21:13:59 ID:hUF7lTsQ
ここは「とある魔術の禁書目録」のSSを書いたり読んだり原作の予想外の展開にテンパってみたりするスレッドです。
次スレは余裕を持って>>980くらいの人にお願いします。
注1)ネタバレは本スレ同様公式発売日の0時から。
注2)基本マターリ進行で。特に作品及び職人への不当な文句と思われる発言は厳禁。
注3)職人さんは随時募集中。ジャンルは無制限。IF物、クロスオーバー、嘘予告、TSからBLまでもうどんとこい!(やっぱ流れも考えて)
注4)地球がリングだ!


注5)書き込む前に少しスレの流れを確認してみるのも必要ですよ? 用法用量は正しくお使いください


とある魔術の禁書目録 Index SS自作スレまとめ
ttp://www12.atwiki.jp/index-index/pages/284.html

2■■■■:2009/04/26(日) 21:25:23 ID:r2qdxfFA


3■■■■:2009/04/26(日) 22:07:53 ID:TAumdU9w
>>1

4■■■■:2009/04/26(日) 22:18:43 ID:/erS9YtY
なんだあの荒らしは

5■■■■:2009/04/26(日) 23:27:43 ID:4UdoTo9g
>>1
まとめいじってくれた人も乙

>>4
あれはただのバカでしょ
最初のレスだけで帰れっての

6■■■■:2009/04/27(月) 00:31:31 ID:ZtnfB7OI
>>1

アニメ終わったし変なのもそろそろ消えて欲しいな……

7■■■■:2009/04/27(月) 00:49:02 ID:qxfHB2do
まあ、アニメはまたしばらくしたら始まったりしますが。

あの荒らし、最後にふざけた事ぬかしてましたね。

8とある少年の失くした日常。の人:2009/04/27(月) 07:35:19 ID:mbdOUujQ
うわ、いつの間に5へ……
おひさしぶりです、少ないながら投稿します。
えーっと、戦闘シーンは飛ばしました手を加える余地もない。
病室と幕間の初め。

土御門希望の人しかいなかったので今回も土御門か……。

9とある少年の失くした日常。:2009/04/27(月) 07:35:48 ID:mbdOUujQ

「なぁ……ステイル。おれは、間違ってんのかな。あの錬金術師は、インデックスの事を本当に想ってた。おれは、本当に」
 そいつは、そうやってこちらを見もせずに言う。
 ステイルは溜息をつきたいくらいだった。
「よかったんだろうか……俺はあの子と一緒にいる資格はあるのか?」
「資格なんてないよ」
 そうだよな、とそいつは笑って俯いた。
 だからいらつく。自分がどうとかそういう問題じゃない事に何故気付けない。
 けれど、こいつに言う気は無い。自信が無くなってもどうせこいつの周りにいる奴らが何とかする。
「僕はもう行く。あの子に迷惑かけるんじゃないぞ」
 そういって、白い病室に背を向けた。

10とある少年の失くした日常。:2009/04/27(月) 07:36:13 ID:mbdOUujQ

幕間

 当麻は、いつものように不幸だった。
 さすがに勉強とかしとくべきなのかな、と思い、適当な問題集を見ながら問題を解いた。
 さあ、丸つけという所に床にコーヒーをこぼしてしまった。
 そこまではまだよかった。
 急に突風が吹いて、今までといてた問題がコーヒーの上にぴったり着地。慌てて拾おうとして、まだ熱かったコーヒーが手に付着して涙目に。
「〜〜っ! 〜〜!!」
 しかも深夜でインデックスを起こすわけにもいかず、叫べない。
 うう、なんて今日は不幸なんだ、と心の中で呟き、もう寝ようとした時。

 電話が、なった。


 電話線は繋いである。だからそれほど驚くことでもないのかもしれない。
 けど、とりたくない。電話は使いたくなかった。
 その電話が、土御門か小萌先生からであること本当に、心から祈った。
 そして、カタカタ震える手で受話器を取る。

11とある少年の失くした日常。の人:2009/04/27(月) 07:37:08 ID:mbdOUujQ
ここまでです、本当少なくてごめんなさい。
では、もっと更新早くなるよう努力します。

12■■■■:2009/04/27(月) 21:01:52 ID:5sfbDglA
>>1乙なンだよ

連載モノは久しぶりに見た気がする
面白かったっす!
更新遅くてもおk

平行世界の人どうしちゃったのかなぁ

13■■■■:2009/04/27(月) 21:46:48 ID:Wi/pm98w
早く読みたいな

14■■■■:2009/04/27(月) 22:12:44 ID://tAtH.M
『並行世界』待ってる人はここにもいるぞ。
連載モノで一番続きが待ち遠しい。

15ミラノ在住:2009/04/28(火) 19:11:28 ID:YiCAGOz6
ss投下しにきました
『並行世界』じゃなくてすいません、別人の書く拙いssです
禁書が出てこなかったり上条さんの一人称が『僕』だったりと好き勝手やらせてもらいました
つまんなかったら飛ばしてください

16ミラノ在住:2009/04/28(火) 19:12:13 ID:YiCAGOz6
―――僕はいま、自分の遺影に向けて黙祷を捧げている
奇妙な話だ、僕は間違いなく生きているのに、遺影があるなんて、本来はありえない話だ
だけど、これは間違いなく遺影だった
記憶喪失
なにが原因なのか僕は知ろうとはしなかったが、結果として、この遺影の中にいる『上条当麻』は、思い出のすべてを失った
そのことを理解したとき、僕が感じたのは底なしの恐怖だった
そりゃそうだ、経験と呼べるものをすべて失ったのに、喪失感を感じない自分、肉体も知識も上条当麻なのに、僕という人格は
それを受け入れることができない
どうにかなりそうだった、自分が何者かわからなくて、『上条当麻』という『役割』に縋りそうにもなった
そんな僕が、今は僕として『上条当麻』を悼んでいる、奇妙な気分だ
黙祷を終え、朝食を済ます、待ち合わせまでの余った時間で、僕は僕の思い出を描き出してみることにする―――


  『とある少年の命日』


『憂鬱』今の状態を簡潔に表わすと、そうなる
はあ、と、溜息を吐く、こんなに気分が重いのには、理由がある、両親が来るのだ
それだけなら大したことではないかもしれないが、こっちには会いたくない訳がある
なぜなら僕こと上条当麻は記憶喪失だからだ、もちろん両親の顔も思い出せない
しかもそこらへんの事情はまだ両親に伝わっていない(カエルのような顔をした医者が直接伝えることになっているらしい)
ので、気まずくなることは目に見えている、そんな事情もあり、このところ溜息ばかりだ
だからってこんなことを相談できる友人もいない、だから、まあ、無断で病院を抜け出しても仕方ない状況だろうと思う
それでこの憂鬱な気分が晴れるなら、ぜひそうするべきだ、とも思う、だから僕は病院を抜け出して―――
―――何故か、女子中学生に追いかけまわされていた

………なんで?

走り回って電撃を避けながら考える、原因はなんだ?僕か?僕が悪いのか?確かに偶然とはいえスカートの中身を覗いて
しまったのは事実だが、それはそもそも彼女が自販機に向けてハイキックを放ったがゆえの事故であり、こんな、少なく
見積もっても失神は免れないレヴェルの電撃を放たれる謂れはないはずだが、最近の中学生はみなこんなに貞操観念が高いの
だろうか?
そんなことを考えながら走っていたからだろうか、道端に捨てられていた空きカンをふんづけて派手に転んでしまった
幸いにも受け身はとったので怪我はなかったが、そんなことを喜ぶ気分にはとてもならなかった、いつのまにか電撃は止み、
少女は歩いて僕に近づいてくる、ずーっとおいかっけこでまともに顔も見れなかったから気づかなかったが、意外に可愛らしい
少女だったが、全身が帯電しているせいで、まるで浮ついた気分にはならなかった、明らかにまだ怒ってるよこの人
とにかく、もう逃げる選択肢はなくなったので、あとは話し合いしかないだろう、けどなんて言おうえーっとえーっととりあえず
「…み、みてないよ?」
「嘘つけぇ!」
言葉と同時に放たれた電撃を無意識に差し出した右手で受け止める、なぜか痛みは無く、右手に触れた瞬間、電撃は消滅する
それを見ていた少女は顔をさらに怒りに染め、叫ぶ
「だーっ!一体全体なんなのよその右手はっ!理不尽すぎんでしょうが!こっちの電撃を問答無用で何度も何度も消し去って、
マジでなんなのよアンタの右手!いっつもいっつもスルーしてるけど、いい加減答えなさいよっ!」
うーうー唸ってこっちを威嚇する少女、おっかないけどちょっとかわいい
しかし、答えろ、と言われても知っていることはたかが知れているけど、なにか喋らないとまた爆発しそうなので、右手に関する
知識を披露してみる、自分でもよくわかってないけど
「幻想殺し、って言うらしい、まあ詳しいことはわからないけど、なんでも、あらゆる異能を殺す力が、この右手にはある、らしい」
僕が素直に質問に答えたのが意外だったのか、怒りを納め怪訝そうな顔をしてこっちを見つめる少女、なにか納得いかないと
いった調子で質問してくる
「アンタって、そんな素直に質問に答えるようなキャラだっけ?まあいいけど、右手にはって言ってたけど、なんで右手だけなの?
結構興味あったから詳しいこと聞きたいんだけど」
さっきとは打って変わって興味津津といった表情で質問してくる少女、怒ったり疑ったり興味を持ったりと実に忙しく表情を変える
子だ、そもそも何で追いかけまわされていたのかわからなくなるぐらいだ
けど、まあ、詳しくと言われても
「僕もわからない」
わけで
「ハァ?なんでよ?」
自分のことでしょ?と尋ねられても
「記憶喪失なもんで」
としか、答えられないし、さ

17■■■■:2009/04/28(火) 20:06:05 ID:Y6DKNkHA
>>15
これで終わりかな?
終わりなら終わりって宣言が欲しいかも。

もっとSS職人さんが増えてくれるといいなぁ。

18■■■■:2009/04/28(火) 20:06:32 ID:m7l4CQsg
>>15
えっと…終わり?

19■■■■:2009/04/28(火) 20:16:01 ID:B4dqbviM
投下するなら書き溜めてからだろ常識的に考えて

20sage:2009/04/28(火) 21:00:03 ID:3BlQ/S1Y
>>19

同意

21■■■■:2009/04/28(火) 21:00:40 ID:3BlQ/S1Y
さげるのってどうやんだっけ・・・

22■■■■:2009/04/28(火) 21:06:43 ID:Y6DKNkHA
>>21
しむらー!E-mailにsage!

23ミラノ在住:2009/04/28(火) 21:14:44 ID:YiCAGOz6
超すいません!普通書き溜めますよね!
これからも仕事の合間合間に書いていこうと思うので、暇でしたらでいいんで見てやってください

24■■■■:2009/04/28(火) 21:20:04 ID:B4hL3VwE
とりあえず上条にはわからないです

25■■■■:2009/04/29(水) 01:21:28 ID:eb/sgFZo
未熟な香りがプンプンするぜ。

モノ書きとしてじゃなく、人間としての。

26■■■■:2009/04/29(水) 01:35:24 ID:bXljFxKI
>>23
とりあえずコテ外せ

27■■■■:2009/04/29(水) 09:21:18 ID:DJBX3bGU
NGにしやすいようにコテ付けてくれたんだろうからそんな事言うなよ

28■■■■:2009/04/30(木) 00:31:58 ID:jsB8c4LA
NGにすること前提なんですね。
ま、この作品(笑)のレベルじゃね。

29■■■■:2009/04/30(木) 01:55:16 ID:9zoGux/w
>>25 >>28 それは言い過ぎ

30■■■■:2009/04/30(木) 17:21:59 ID:Kthsg26M
荒れてるね。
GW中に職人様達はきてくれるのだろうか…

31■■■■:2009/04/30(木) 18:28:11 ID:eY4OELes
如何せんこの流れじゃな…。

アニメ化で敷居が下がるのは仕方ないからさ
つまらんネタ・酷いネタは黙ってスルーしておこうぜ。

32一巻時ステイル(上条さんが学生寮に戻ってくる直前):2009/04/30(木) 19:25:29 ID:k78drY9.
こんな流れにも関わらずつまらないものを

逃走した禁書目録を探して、ようやく見つけ出したステイルは、禁書目録を連れ帰る為に神裂に斬らせた。
「けどまぁ……歩く協会が破壊されたとはね」
背中から血を流し、やっとの思いで戻ってきたとある学生寮のどこかの階層の床に伏していた禁書目録を見て、呟いた。
逃げる禁書目録の背中を、歩く協会が健全だということを前提で、脅しのつもりで神裂が攻撃した。だが、彼女の一撃が入ったのだ。
「…………、」
暫し、黙考するステイル。恐らく、禁書目録を保護していたと思われる人物がそろそろ帰って来る頃だろう。
「それじゃ、準備するとしますか」
くわえた煙草の灰を、ポトリ、と落としてステイルは、今いる階層とは違う階層へと向かった。
エレベーターを使い、先程と違う階層に着いたステイルは、懐から魔術発動を可能\にするルーンカードとセロテープを取り出した。
「さてと、貼\り付け作業を始めようか」
ルーンカードとは言っても、紙にルーンを書いただけであり、使用するにはセロテープで固定が必要不可欠なのだ。
「イ・ノ・ケ・ン 魔女狩りの王、イノケン。イ・ノ・ケ・ン 魔女狩りの王、イノケン♪」
無言で貼\り付け作業をするのは地味過ぎるので、鼻歌を口ずさみながら壁にペタペタ貼\っていく。
「炎の巨人はー、ぼーくらーのー、未来にあーいーを運ぶ鍵ー♪」
近所迷惑な位に大声で、ノリノリで歌っているステイル。
「胸のー、希望ー、捨てちゃダメさー♪」
リズミカルにルーンカードを貼\り付けていくステイルは、どこか不気味なのだが、そんなことなどどこ吹く風か、作業を止めない。
そしてー、
「イ・ノ・ケ・ン 魔女狩りの王、イノケン!燃え上がれ!イ・ノ・ケ・ン 魔女狩りの王、イノケン!正義の炎とー、運命に導かれて今ー、追跡の旅へー、ohイノケーン!♪」
一曲丸々歌いきると同時に、ルーンカードを全て貼\り終えたステイル。最早神業である。
「ふぅ…僕としたことがつい熱唱してしまった」
これが若気の至りというものか、と妙な納得をしたステイルは、再び先程の階層へと向かっていった。

33■■■■:2009/04/30(木) 20:45:23 ID:ClHpHGRI
や、なにさそれ!?
想像したらなんか不気味なんですけど!?

34■■■■:2009/04/30(木) 21:08:19 ID:acxWOFtU
ステイル〜〜ステイルが  壊れた

35■■■■:2009/04/30(木) 23:16:06 ID:k78drY9.
出来心なんだ…すまない

ステイルが歌ってたのは
「GAIKING」の替え歌って設定

36■■■■:2009/05/01(金) 00:25:06 ID:hwS2isyA
>>29
これぐらい普通だろ

37■■■■:2009/05/01(金) 17:53:14 ID:MKqGbXvw
>>32 想像してワロタw

38■■■■:2009/05/01(金) 21:49:40 ID:rH2MEFCY
垣根 帝督が活躍する OR 垣根帝督×麦野沈利 SSを書く 予定はないのでしょうか?

題目は とある科学の未元物質…

39『INOKEN』:2009/05/01(金) 22:05:54 ID:qs1oGW7k
イ・ノ・ケ・ン 魔女狩りの王
イノケン
イ・ノ・ケ・ン 魔女狩りの王
イノケン
Burning On!
イ・ノ・ケ・ン 魔女狩りの王
イノケン
イノケンティウース!

迫り来る恐怖の罠
魔術師の野望の影
空は闇に包まれる
僕達はどうすればいい?

瞳閉じて耳を済ませば
最大主教の声が聞こえるよ
強くなれと励ましてる

イ・ノ・ケ・ン 魔女狩りの王
イノケン
燃え上がれ
イ・ノ・ケ・ン 魔女狩りの王
イノケン
正義の炎と
運命に導かれて
今 冒険の旅へ
ohイノケンティウース

彼女が叫びをあげる
魔術師が襲ってくる
逃げ惑う仲間達を
救うにはイノケンティウス!

炎の巨人は僕等の
未来に愛を運ぶ鍵
Fortis931
イノケンティウース!

イ・ノ・ケ・ン 魔女狩りの王
イノケン
そびえ立つ
イ・ノ・ケ・ン 魔女狩りの王
イノケン
ルーンカードをバラまけ
追撃戦は弱いけど
防衛戦なら無敵の
炎皇神
ohイノケンティウース

どんなに消されそうになっても
負けるもんか
歯を食いしばれ
守り抜けよ
禁書目録

イノケン
そびえ立つ
イ・ノ・ケ・ン 魔女狩りの王
イノケン

イ・ノ・ケ・ン 魔女狩りの王
イノケン
Burning On!
イ・ノ・ケ・ン 魔女狩りの王
イノケン
oh year!Burning on!
イ・ノ・ケ・ン 魔女狩りの王
イノケン
On!イノケンティウース

(元ネタ、「GAIKING」サイキックラバー。歌、ステイル・マグヌス)


>>38
自分で書くでFA

40■■■■:2009/05/01(金) 22:43:58 ID:13zNsnbw
>>39
まさかのフル…だと…!?
「追撃戦は弱いけど」の辺りが無茶かなと思うけど、ステイル的には涙無しに語れない所か。

さて、このスレに足りないものは職人さんの数か、ネタの量か、ネタを投稿しやすい空気か、はたまた…

41■■■■:2009/05/02(土) 00:26:26 ID:S8XLMHwE
ネタの量に一票

42■■■■:2009/05/02(土) 06:30:42 ID:0TnaBwwk
自分は空気。
今本編がすごく動いているから
この後どうなるかで、職人さんたちはSSのプロットを決めると思う。
7月に18巻が出るそうだから多分それまでの辛抱。

43■■■■:2009/05/02(土) 14:06:20 ID:td//Enas
本編がどうなるかでSSのプロットが変わるからなぁ…

44■■■■:2009/05/02(土) 16:16:33 ID:jyXkLLvI
職人さんの数に一票





正確には職人とお呼びできるレベルの投下者の数

45■■■■:2009/05/02(土) 22:54:02 ID:XgjTfgLI
空気だろ…
何か問題があったら注意するだけで良いのに、ボロクソに叩く奴が多い。
この空気じゃ新規職人さんは叩かれるのが怖くて投下出来ない。

46■■■■:2009/05/02(土) 22:59:09 ID:YSMSZiY2
別に酷評はいいんだがどこがどう悪いかをいわないとな
ただボロクソ言うだけならガキでもできる

47■■■■:2009/05/03(日) 01:48:39 ID:GOINAmQ.
オレは上に同じく職人とお呼びできるレベルの投下者の数に一票


>>45
ここは2chだぞ
叩きとしてはあれぐらい軽い分類に入るだろ

48■■■■:2009/05/03(日) 02:17:46 ID:FM699zNQ
ここは2chじゃなくてしたらば掲示板だろ・・・
あえて言うなら2ちゃんねる風のスレッドフロート型掲示板

49みずき:2009/05/03(日) 04:20:07 ID:DVUtP75k
真ん中が一番可愛いと思う!
私の目がわるいのかな?

ttp://tadalivedx.com/aab/

好みの問題もあるけど><?

50■■■■:2009/05/03(日) 04:49:45 ID:vNCO0AJQ
ここで空気を読まず俺参上。
職人と呼べるようなレベルじゃないから、叩かれるかもしれんけど――
……も、もっとぶって下さい!



冗談はともかく、
ttp://www12.atwiki.jp/index-index/pages/1533.html
の続き。一応宣言しとくけど本人な。……何度も投稿するならコテかなんか
つけるべきなのか……?

51■■■■:2009/05/03(日) 04:50:49 ID:vNCO0AJQ
「だから、やっぱり義妹の手料理が至高なんだにゃー」
「それはお前の嗜好や! 愛情があれば消し炭だって食べるのが漢の義務なんやでー!?」
「そんな事言ったって、目の前に義妹手製料理があったら青髪はどうするのかにゃー?」
「……食べるッ、けれども!!」
 昼休み。弁当そっちのけで熱くソウルをぶつけ合っているのは上条の悪友だった。チンピラファッションのよく似合う義妹信奉者(シスコン)土御門と、エセ関西弁を操る青い髪の大男、青髪ピアスだった。どうやら手料理についての重大な会議らしい。そんなものに関わっていたら弁当箱をひっくり返す等の不幸が起きるのは目に見えていたため、上条は我関せずとばかりに手製の弁当をつついている。
 今日のメニューは肉のない肉じゃがとほうれん草のおひたし。本当はここにてんぷらがあるはずだったのだが、揚げる傍からインデックスに食べられ露と消えてしまっている。
(せっかく、姫神からレシピ教えてもらったっていうのに……)
 手間隙かけた数々のてんぷらは一つも上条の口に入っていない。一つもだ。早起きして、手間のかかる下ごしらえと、熱い油の飛沫に耐えた痛みはまったく報われず、残ったものは動物性タンパク質のない寂しげなお弁当。
「かみやん、かみやんはどう思うよ!?」
「第三者としての意見、聞かせて欲しいんだにゃー」
「……自分が作らなくていいなら、何も文句はない……」
 何十年も耐えてきた主婦みたいに上条はつぶやき、青髪は首を傾げ、土御門は哀れみの目で上条を見つめた。
「……まぁその、なんだ、かみやんにもいい義妹が見つかるといいにゃー?」
「やから義妹にこだわるのは愚の骨頂やていうとるやろ!? 美女か美少女か美幼女なら等しく愛すのが漢の道なんやで!?」
「……ていうかそんな簡単に義妹なんてみつからねーよ」
「それは嘘だ!!」
「それは嘘や!!」
「なんでだよ!?」
 そんな感じに日常は過ぎていく。

52■■■■:2009/05/03(日) 04:51:30 ID:vNCO0AJQ
 昼休みが終わり、チャイムが教室に鳴り響く。いつもは教師が来る寸前まで喋っているのだが、二人は上条が醸しだす悲しみのオーラに気圧され自らの席へと戻っていく。
 その隣をすり抜け、やってくる影があった。
「上条君。あれから。てんぷら作った?」
「……非女神か。上条さんはそこはかとなくやさぐれてるんで、そっとしといてくれると嬉しい」
 クラスメイトの姫神だ。魔術師の要塞となったビルで一度死んだ後蘇生されたり、文化祭で通りすがりの追跡封じ(ルートディスターバー)に襲われたりとドラマティックな人生を送っているものの、クラスに堕フラグ男や全属性対応型オタク、多重スパイに子供先生まで揃っているため目立たないでいる不遇の人である。
「上条君。……また。女の子でも助けたの?」
「あー、ツッコミする気力もないけどあえて言おう俺が疲れてるイコール女の子絡みだと思ったら大間違いだッ!!」
「じゃあ。どうしたの?」
「……揚げたてんぷら、インデックスに全部食われた」
「……やっぱり。女の子絡み」
 最後の呟きは上条に届かなかったらしい。上条は体を起こし、そのままの勢いで仰け反り頭を抱える。
「あーもう! あのはらぺこシスターさんはッ!! 家主に対する気遣いを知らないのか!? こう、具体的には料理とか料理とか料理とかッ!!」
 とはいえインデックスは電子レンジを爆発物だと認識するような家事音痴であり、料理を仕込むのはそれはそれで重労働であったりする。基本を知らない人間に料理を教えるのは中々大変なことなのだ。
「……ようするに。上条君は。女の子の手料理が食べたいの?」 
「いや、てゆーかインデックスが家事の手伝いでもしてくれれば……」
「女の子の手料理が食べたいの?」
「確かに食べたいかって聞かれたら食べたいけど……」
「女の子の手料理が食べたいの?」
「うん食べたい。……ってさっきから何なんだ姫神!? お前は何が言いたい!?」
 姿勢をただし、こちらの机に手をかけた姫神に向き合う。自然と距離が近くなり、どこかでかいだ覚えのある、姫神の髪の匂いを感じ、
「「…………っ!!」」
 お互いに大きく仰け反る。
 何となく気まずくなって上条は視線を逸らす。教室に目を泳がせ、あー吹寄さんが味気なさそうなパン食べてるなー、などと視線を紛らわせていると、
「……今度。晩御飯、作ってあげてもいい。けど」
 そんなことを姫神は口にした。

53■■■■:2009/05/03(日) 04:52:31 ID:vNCO0AJQ
 そして二人はスーパーにいる。
(……いやちょっとまておかしい。何かがおかしい。素数を数えるんだ……)
 晩御飯作ってあげる発言の後、そんな迷惑かけられない、そんなの迷惑じゃない、等の応酬があった挙句姫神の「一人で食べても。美味しくない」という発言に納得してしまい、押し切られる形となってしまった。
(いや別に困るわけじゃないっていうかむしろありがたいんだけれどしかし女の子を部屋に上げるのってインデックスと土御門妹はノーカンで……ていうか何テンパってるんだ俺は!?)
「……上条君。大根を。買おうと思ってるんだけど」
 顔を覗きこまれる。
「……ッ!? だ大根!? いいな大根! メニューはふろ吹きそれともおろし!?」
「……サラダに。しようと思うんだけれど」
「サラダ? ……大根って、生で食べれるの? ああいや、大根おろしも生だから大丈夫だろうけど」
「……食べてからの。お楽しみ」
 上条が大根サラダの味を想像して歩く隣、姫神はいくつかの野菜を見繕ってカゴへと入れていく。大根と玉葱、それにじゃがいも。
「ああ、カゴ持つよ」
 姫神が肘に抱えるカゴの取っ手を掴み、姫神の手を抜こうとする上条。けれど姫神はとっさに肘を固め、カゴを手放そうとはしない。
「……大丈夫。だから」
「大丈夫って、鞄もあるんだし重いだろ」
「でも」
「でもじゃない。俺が持ちたいんだから持たせろっての」
 右手で取っ手を掴み、左手で姫神の肘を開かせた。すると、
「………………っ!!」
 触れていた肌の奥、筋の強張った感触があった。同時に姫神は顔を背け、不自然な姿勢で硬直する。
「っと、ごめん、痛かったか?」
「……なんでも。ないから」
「いやでも、腕が凄く硬直してるんですが……」
 呟きつつ上条が姫神の腕からカゴを抜くと、
「……。上条君に。強引に開かれて。無理矢理。奪われただけ」
「何を言ってるんですか姫神サン!?」
「……別に。上条君が。私の(カゴ)を無理矢理奪っただけで」
「やめて! 俺の世間体が今まさに無理矢理奪われる!」
 女の子連れでスーパーにいる、というそれだけで妙に視線を集めている(気がする)のに、会話の内容が割りとシャレにならない。
「んで! 次は何を買うんだ!?」
 楽しそうに薄ら笑いを浮かべる姫神の軌道を修正させて、強引に突破を試みる。
「……。こっち」
 姫神が先導してスーパーの中を歩いていく。コースはスーパーの外周だ。上条も数歩遅れてついてゆき、精肉コーナーへと辿り着く。
「姫神!? 豚バラブロックが八十八円だぞ!?」
「……今日のメインは。こっち」
 そう言って手に取ったのは鶏ムネ肉だった。……同時に豚ブロックもカゴに入れる辺り、悲しいくらいに主婦してるなぁと思いながら上条も同じものを手に取る。
「……上条君は。どれくらい食べる?」
「俺か? 俺はフツーだけど、インデックスがなー……」
「……。そう」
「……姫神さん、そのため息は一体なんなんでしょうか……?」
「なんでも。ない」
 気が無いように応えながら、けれど鶏肉を籠に入れる手つきは荒い。勢い良く三パックを放り込んだ。

54■■■■:2009/05/03(日) 04:53:09 ID:vNCO0AJQ
「ただいまー、インデックス、インデックスー?」
 買い物袋を提げて部屋に帰り、インデックスに声をかけるが返事が来ない。いつもなら座敷犬宜しく駆け寄ってきたり、おかえりの声が聞こえるはずなのに。
「インデックスー? 帰ったぞー?」
 靴を脱ぎ部屋へと上がって、台所に買い物袋を置き奥へと歩いていく。その後ろでは姫神が取り残されていた。
(……ただいま。……帰った。……全部。家族に向ける。もの)
 インデックスと姫神は良く似ている。外見ではなく、上条当麻との関係性がだ。
 様々なものを失い――少なくとも表面上は――天涯孤独の身の上。先天的にせよ後天的にせよ、魔術という常識外の世界で、そこすら逸脱したとされるモノに関わる登場人物(キャラクター)。
 同じように助けられ、けれどインデックスは上条に、姫神は小萌に預けられた。
(私が先に助けられてたら。ここにいたのは。私だったの。かな……)
 そんなもしもはありえない。様々な事柄が重なってインデックスはここにいる。姫神もまた同じように。そもそも、インデックスと上条が出会わなかったのなら姫神と出会うこともなかったのだろう、けれど――
「――……上条。君。上がっても。いい?」
「あー悪い、適当に上がってくれー」
 姫神が身を屈めローファーを脱ぐ。部屋に上がって上条を追うとなんだか愕然としているようなポーズで固まっており、
「し……死んでる……!!」
「……ただの。屍のようだ」
 ただの屍はシスター服のまま(というかそれ以外の服がないのだが)ベッドの上で寝返りをうっており、ごはんー、だのなんだの呟いている。
「……寝かしとくか」
「……それが。いい」

55■■■■:2009/05/03(日) 05:03:14 ID:vNCO0AJQ
ってタイトル忘れたぁー!!

……えーと、とある上条と姫神秋沙、その3『お宅訪問・上』ってことで。
続きはWEBで! ……じゃなくそのうち気が向いたら。



最近の問題に関しては、誰かが初心者用創作テンプレみたいなのをまとめて
みればいいんじゃないか、とか考えなしに言ってみる。

56■■■■:2009/05/03(日) 12:55:11 ID:tW5q8dmM
あー、アルカディアのチラ裏みたいな?

57■■■■:2009/05/03(日) 19:29:52 ID:2oXDn8JI
>>55 GJ!なかなかおもしろかったぜい
  うーんその案はいいと思うけど、
  問題は誰がやるのかっていう・・・

58■■■■:2009/05/03(日) 19:42:46 ID:p8H24eP2
投下乙です。
姫神さん作品なのはわかっているけど「おかえり」「ただいま」の関係な
二人に少しほのぼのしたり。

59■■■■:2009/05/03(日) 22:39:05 ID:as0XYycc
投下乙
読み終えてもニヤニヤが止まらんぜ
非女神かわいいよ非女神

60■■■■:2009/05/04(月) 00:27:57 ID:1Vf2CnZ6
>>55
GJ!是非続きが見たいんだぜ

実は過去のPART3スレで禁書風味でSSを書く考察がなされていまして。
そのまとめをwikiに書き写してあったりします。
ttp://www12.atwiki.jp/index-index/pages/1682.html
書き手諸氏はご参考までにどうぞ。

61■■■■:2009/05/04(月) 00:34:40 ID:1Vf2CnZ6
連続スマヌ
考察が実際に行われたのはPART2スレでした。
考察内容についてはwikiの過去スレログをご覧頂くのが早いかと。(479あたりから)
まぁ、あくまで「禁書風味」についてであって、初心者用創作テンプレとはちょっと異なるんですが。

62■■■■:2009/05/04(月) 01:00:26 ID:WJgBam42
GJ!



>>48
そりゃ厳密には違うだろうが2chにある鎌池スレの外部板として機能させてる上
2chのルールや空気に従って使ってるんだから2chと言ってもさしつかえなくね?

63■■■■:2009/05/04(月) 01:42:49 ID:CNmuIg.A
>>62
とりあえず
>2chのルールや空気に従って使ってる
って前提がすでに間違いだから、別物。
BBSPINKのとこならそう呼んでも良いんだろうけど

64■■■■:2009/05/04(月) 13:51:50 ID:j6env8cw
その理屈でいくとアメリカのチャイナタウンは中国領土で
日本のコリアタウンは韓国領土になるな。

っていうか「2chのルールや空気に従って使ってるんだから2chと言った」訳ではなく
普通に間違えただけなんじゃないの? 
というか>>62は終わったというか始まりもしなかった話題を持ち出して何がしたかったの?
どんなレスを期待してたの?

それはさておき最近某ラノベの二次創作でキャラの性格を反転させるというのを読んだんだが、
禁書でそれをやるとどうなるだろうか?
例えばインデックス……大食いニート←→家事をこなす奥さんキャラ
見たいな感じで。

65■■■■:2009/05/04(月) 18:25:56 ID:H2dDRZZ6
>キャラの性格を反転
上条さんが、さわやかさんになるのはあったな。
クラスメイトの女子が次々倒れ、子萌先生・吹寄撃沈、
そして校外へ放たれ、美琴が…的なもの。

すでにありそうでなさそうな、○ateのあれ的なものはあるのかな。
『ええ。その全部が好きなの。女たらしなところも、鈍感なところも、
 子供みたいに理想主義者なところも、傷を省みないところも、全部』
「なっ…」
『素直になりなさいよね、貴方も。今の台詞、逆にそこが好きで好きで
 しょうがないって聞こえたわよ?』

66■■■■:2009/05/04(月) 20:43:05 ID:/pBbxim.
インデックスの性格反転と聞いてまず思い出すのがエンゼルフォールだと思います。
インデックス(大喰らい)←→(詩菜)家事をこなす奥様(お嬢様風?)
エンゼルフォールがそのまま続いてなおかつミーシャが世界を滅ぼさなかったら〜のIFの世界だと
近いかなぁと思うのですがどうだろう・・・?

67■■■■:2009/05/04(月) 22:50:02 ID:NiVl3BQU
上条さんがめちゃ幸運に!?
考えただけでも恐ろしい...

68■■■■:2009/05/04(月) 23:07:38 ID:yU2fM.P2
で、単にモテなくなるのか?
それともウホッな世界へ突入するのか??

…性格とは関係ないか

6955:2009/05/05(火) 01:56:53 ID:QopU6JoI
みんなのレス……あったかいナリィ……


言いだしっぺの法則で書いてみた。
あくまでも草案というか、こんな感じじゃねって書いただけなので改善して
もらえると助かる。


投稿上の注意
・SSを書くときはまずテキストファイルなどに書きましょう。スレに直接書き込むと投稿時のミスなどで文章が消えてしまう場合があります。
・分量は足りていますか? あまりにも文章が少ないと評価がつけにくい場合があります。
・投下する前に読み返して見ましょう。
・見返した後、作品を投下する前に挨拶をしておきましょう。作品タイトルや投稿回数などを書いておくとベターです。
・投下が終ったら終了の宣言をお願いします。それがなければ、感想を書き込んでいいのかどうか読者が悩むことになります。
・読者は面白い作品を望んでいるのであり、「あなた」や「あなたの作品」を望んでいるわけではありません。「自分が書いたものを読んで貰おう」と心がけましょう。感想や評価、批評をもらえれば御の字。歓迎されればめっけもんです。


作品上の注意
・原作から逸脱しすぎていませんか? もちろん完全には出来ませんが、口調や一人称などの些細な違いが読者に違和感を与えます。
・オリジナル設定、オリジナルキャラは控えめに。原作で否定されている多重能力者や、数の限られている超能力者等をオリジナルで作ってしまうとそれだけで作品世界を壊してしまうことになりかねません。オリジナルも、「原作で有り得るレベル」で。
・妄想だけで書いてはいませんか? 妄想、憶測をネタにすることは構いません。ですがその妄想は作中の描写に幻想殺しされている可能性があります。
・その他細かい設定や文章上の癖は禁書ウィキや
ttp://www12.atwiki.jp/index-index/pages/1682.html
をチェック!
・いいからとりあえず原作読み込もうぜ!


文章上の注意
・「こういった作品を初めて書く」という方は是非文章作法などをインターネットなどで調べてみましょう。『ライトノベル作法研究所』など、基礎的な知識を揃えているサイトはいくつか存在します。
・と禁は基本的に三人称視点です。上条当麻の後ろにいる神様、みたいな認識で丁度いいかもしれません。原作と違う視点で行う場合、その視点にどういった効果があるのか見定めましょう。
・原作を読み込めば、原作の文章にどういった癖があるのか分かってくると思います。もちろん、原作の文章を真似ることが面白い作品に繋がるかは分かりません。ですが原作の文章を真似ることで読者の違和感を減らすことが出来ます。


注意の注意
・この注意はあくまで55一個人が制作したやっつけ仕事であり、正しいとはとても言えません。この注意はあくまで「こんなふうに書いたら失敗しそう」と55が思ったからに過ぎません。
・当然、この注意を守らずに面白いSSを書いている職人様は沢山いらっしゃいます。これらの注意事項は「やってはいけないこと」ではなく「扱いづらいこと」であり、上手く使えば面白い作品を書くことが出来ます。ですが、書きなれないうちは上記の事項に留意すると無難です。多分。

70HAO:2009/05/05(火) 17:35:17 ID:.D5KNBz2
どうも、HAOです。
『とあるお嬢の酔いどれ騒動』を投下します。

71『とあるお嬢の酔いどれ騒動』:2009/05/05(火) 17:36:20 ID:.D5KNBz2
さて、土御門&青髪ピアスから逃走を果たした上条さんですが……、
「とうみゃ〜♪」
今回の騒動の根本的な問題の解決には未だ至ってません。
酔いどれ美琴さんは相変わらず正気に戻る気配は全くなく、上条さんにラブラブベッタリ状態のままで、今も上条さんの横にピッタリくっ付き腕をガッチリ取って胸を押し当てています。
『むにゅむにゅ〜♪』っと、この女の子な感触には未だに慣れることができない上条さんの心臓はドッキドキのバックバクです。
「(う〜〜……柔らかい……じゃなくて!)……えっと……みこ…と……?」
「にゃ〜に、とうみゃ〜♪」
「えっと……ですね……離れて…もらえませんかね? くっ付き過ぎなんじゃ……」
「や〜だ〜♪」
即答却下されました。
「わたちはとうみゃとこうちてたいにょ〜♪」
屈託のない幸せそうな笑顔でそう答えると、上条の腕をギュッっとする。
そうすることで、さらに美琴の身体が密着し胸が上条さんの腕に押し付けられます。
「う……」
さらなる事態の悪化に、口にすべきではなかったか?と、ちょっぴり後悔気味の上条さん。
離れてもらいたい理由として『胸が……』というのもあるのだが、それ以上に今は他人の視線が気になる。
今二人がいるのはさっきまでの誰もいなかった公園の中ではなく、多くの人が行き交う街中なのだ。
上条は自分たちに向けられる好奇の視線を激しく感じていた。
カップルなんてその辺にいくらでもいるにもかかわらず、自分たちに視線が集中するのは、やはり美琴の着ている常盤台中学の制服が原因なのだろうか?
あの常盤台中学の生徒が、白昼堂々男性と腕を組んで歩いているなんて、普通だったら信じられない光景である。
好奇の視線が向けられるのも当然だ。
「(はぁー……とりあえず何をするにしても、ここはまずどこかに身を隠した方がいいよな……。あんま好奇の視線を向けられるのも嫌だし、こんな状況で知り合いと遭遇なんて展開は御免被りたいしな……。はぁー……不幸だ……)」
これからの事を考えると頭が痛い。
何事もなくこの状況を切り抜けられるだろうか?
「どおちたのとうみゃ〜? にゃんきゃむちゅかちいきゃおちてるにょ?」
考えに耽っていると、美琴が不思議そうな顔をして上条の顔を覗き込んでいた。
一瞬、また考える事に意識を向けすぎて美琴の事をスルーしていたかと思ったが、今回は大丈夫なようだ。
「(ふぅー……危ない危ない。ちゃんと相手してやらないと、こいつ何しでかすかわかんないもんな……)」
こんなところで突然またキスとかされたら相当厄介だ。
ただでさえ視線を集めているというのに、これ以上の騒動は御免被りたい。
「……いや……ちょっと……」
「げんきにゃにねぇ。わたちがげんきわけてあげりゅ〜♪」
「へっ?」

チュッ〜♪

「……」
唇に柔らかい感触。
気を引き締めた側から、もういきなりキスを許してしまった。

72『とあるお嬢の酔いどれ騒動』:2009/05/05(火) 17:37:02 ID:.D5KNBz2
あまりの出来事に頭の中が真っ白になった。
こんな人通りの激しい街中でキスされ、一目散にこの場から逃げ出したいのだが、うまく思考が働かない。
一刻も早くこの場から逃げ出したいのに、それを実行することができなかった。
現場の決定的瞬間を目撃した通行人から、『おおっ』という歓声が上がり、その歓声を聞き何事かと視線をこちらに向けた人やら野次馬やらが殺到し、視線がもうこれでもかってくらいに上条さんたちに集中します。
そんな中、周りの視線やら声を全く歯牙にもかけない美琴さんは、上条さんの唇を十分堪能したのか唇を離すと、
「とうみゃ〜、げんきでた〜?」
笑顔で普通に口を開いた。
「……」
「……うにゅ?」
「ちっきしょーう!!! 不幸だー!!!」
ようやく状態異常から完全復帰した上条さんは、声を大にしてその一言を叫ぶと、美琴の手を掴みそのままもの凄い速度で走り出し、涙を流しながらその場から一目散に逃げ出した。

全力ダッシュで逃げ出した上条さんはとにかく走った、走りまくった。
で、最終的に辿り着いた先はどっかの裏路地だった。
「はぁ…はぁ…はぁ……」
全力ダッシュにより激しく体力消耗中の上条さん。
大きく深呼吸をして乱れた呼吸を整える。
しばらくして、何とか落ち着いてきた上条は一緒に逃げてきた少女・美琴に向き直る。
「あのな、み……」
とりあえず、さっきの事(街中でしかも大勢の人の前でキス)について少々説教をかまそうかと思ったのですが、
「みょ〜とうみゃ〜♪ こんにゃとこりょにわたちをちゅれきょんでどうちゅるちゅもり〜♪」
なんて、少々どころかかなりイカレた発言を、なんかとても嬉しそうに口走りやがりました。
「(あ、頭痛てー……)」
そんなイカレた美琴さんに頭を抱える上条さん。
どうやらこの酔っ払いにはもっと他の事についても説教をかます必要がありそうです。
「おい! み……」
気を取り直して、説教をかまそうと顔を上げたのですが、
「ぶっ!? なんでいきなり短パン脱ごうとしてんだよ!?」
目の前にはスカートをまくし上げて短パンに手をかける美琴の姿が。
「うにゅ? にゃにって、みょ〜わきゃってるくちぇに〜♪」
「わかるかー! って、待て待て待て、待てー! 脱ぐな脱ぐなー! 脱がんでいいー!!!」
「うにゅ? とうみゃがじびゅんでぬがちたいにゃ?」
「違うわー!」
暴走を続ける美琴さんを必死に止める。
なんとか上条さんの言う事をに聞いてくれて、脱ぐのをやめてくれました。
とりあえず一安心と胸を撫で下ろしたのだが、再び美琴に視線を向けると、
「って、なんで今度は上を脱ごうとしてるんですか!?」
いつの間にか上着を脱ごうとボタンに手をかけてました。
「うにゅ? やっぴゃりとうみゃがじびゅんで……」
「違うわー!!!」
そしてまた上条さんは必死になって美琴さんを止めるのでした。

73『とあるお嬢の酔いどれ騒動』:2009/05/05(火) 17:37:31 ID:.D5KNBz2
「(つ、疲れる……)」
「どちたにょ、とうみゃ〜? にゃんきゃちゅきゃりぇてりゅにぇ?」
それはあなたのせいです、美琴さん……。
あ、とりあえず上着のボタンはちゃんと留めてください、ブラがちょろっと見えてます。
なんかもう今となっては、かつてのあなたが懐かしいです。
電撃ビリビリされてた頃の方がマシだったとさえ思えてきそうです。
「じゃあ、わたちがげんきわけてあげりゅにぇ〜♪ んー……」
と再びキスの体勢に入る美琴に、上条さんも素早く反応する。
「待て! 待て待て待て待て待て待て、待て−!!!」
当然上条さんはキスを阻止しようとするのだが、今度は美琴も言う事を聞いてくれません。
酔いどれ美琴さんは上条さんとのキスが相当好きなようで、簡単には諦めてくれません、というか、諦める気なんて全然ありません。
美琴がキスしようとしたら、それは絶対なわけだ。
事実、今のところキスの阻止は一度も成功していない。
というわけで、再びバトルというか、バカップルのじゃれ合いが繰り広げられます。

「はぁ…はぁ…はぁ……」
「にゅふふふふ〜♪ と〜う〜みゃ〜♪」
激しいバトル(じゃれ合い)は今までの中でも最長記録を更新したのだが、結局また美琴の勝利という事になりそうです。
上条さんは美琴に追い詰められて、壁に背を押しつけられた状態。
この状況からの脱出、起死回生は無理そうです……。
「とうみゃ〜♪」
「ちょ、ちょっとま……」
「ま・て・にゃ・い〜♪」
美琴の顔が近付き、

チュッ〜♪

二人の唇が重なった。
というわけで、上条さんの唇を奪った事で美琴の勝利が確定したわけだが、

「ちっかみ〜ち〜、ちっかみち〜♪ ちっかみ〜ち〜、ちっかみ……」

変な歌を歌いながら清掃ロボットの上に乗ったメイドさん・土御門舞夏がちょうどその現場に出くわし、二人の決定的瞬間を目撃する。
バトル(じゃれ合い)に夢中だった二人は、彼女の接近に今の今まで気付かなかった。
「げっ!?」
「うにゅ?」
「おおーっ!?」
三者三様、反応はそれぞれだった。

74『とあるお嬢の酔いどれ騒動』:2009/05/05(火) 17:37:59 ID:.D5KNBz2
「大人の階段登る〜、二人まだ未成年さ〜♪」
「待て待て待て待てー! 行くな行くな行くなー! 何事もなかったかのようにスルーしようとすんな! っていうか微妙に歌の歌詞が変だぞ!? つーか、その歌詞嫌味かー!?」
変な歌を歌いながらその場を何事もなかったかのようにスルーしようとした知り合いのメイドを、慌てて引きとめる。
「なんだ、上条当麻ー。人がせっかく気を利かせてスルーしてやったっていうのにー」
「いらねーよ! そんなの!」
「まあ、何はともあれすまんかったなー、お楽しみの真っ最中にお邪魔して〜♪」
「いやいやいやいや、全然違いますから! 全然そんなんじゃありませんから!」
「違うって言われてもなー……」
普通に会話してますが、上条さんはまだ美琴に身体を壁に押し付けられた状態のままです。
で、その上条さんを壁に押し付けてる美琴さんですが、最悪な事に先程のバトル(じゃれ合い)で衣服が乱れて、上着のボタンが全部はずれて上半身の下着及び素肌をおもいっきり覗かせてます。
あ、ついでに上条さんの服装もちょっと乱れ気味。
人通りの滅多になさそうなこんな薄暗い裏路地で、若い男女が服装乱してキスなんかしてた状況で、『違う!』と言っても説得力に欠けます。
「……えーっと……」
これはもしや弁明の余地なしでしょうか?
上条さんピーンチ!と頭を抱えていると、
「とうみゃ……」
「んぁ?」
「とうみゃとちゅちみちゃどはどういうきゃんけい?」
「……はい?」
美琴がそんな質問をしてきました。
「ふちゃりはどういうきゃんけいなのきゃな?」
もう一度同じ質問を繰り返す美琴。
その表情は無表情で、なんかちょっと…どころではなく、非常に強烈なプレッシャーを感じさせます。
「えーっと……上条さんとこのメイドの……関係ですか……?」
コクコクと上条の質問の確認に無言で頷く。
「舞夏は……」
「みゃいきゃ!? いみゃ、みゃいきゃってよびしゅてでよんでぃゃ!?」
舞夏の事を呼び捨てで呼んだ事に激しく反応する美琴さん。
「どういうきょと!? ねぇ、しょれどういうきょと!?」
上条さんの両肩を掴むと、激しくブンブン振り回しながら問い詰めてきます。
「お、お、お、落ち着けー! 落ち着け、御坂ー……!」
「みゃたみしゃかっていってぃゃー! みきょとってよんでっていってぃゃにょにー! いってぃゃにょにー! みゃいきゃにょことはよびしゅてでよびゅにょにー!!!」
誤って名字で呼んでしまって、火に油を注ぎこむ結果となってしまった。
「お、おい……舞夏……こいつ…どうにかしてくれ……」
「はっはっはー、なんか面白そうだからこのまましばらく傍観させてもらうぞ〜♪」
「みゃたみゃいきゃっていってぃゃー! しょしてわたちはきょいちゅよびゃわりしゃれたー!!!」
「あーもー、誰でもいいから助けてくれー!!! 不幸だー!!!」

75HAO:2009/05/05(火) 17:40:16 ID:.D5KNBz2
PCがイカレたー! 書き溜めてたデータが消えたー!
とりあえずそんな事情で投下が遅れました。
今月中にあと一、二回投下できればいいな……と希望を言ってみたり。

あと、すまんが注意書き忘れてた。

*注意
このお話は、美琴が怪しいジュース飲んだ影響で酔っ払ってキャラがおかしくなってます。
基本、上条さんにラブラブだだ甘え状態なので、『こんなの美琴じゃねー!』とか『こんな美琴嫌だー!』って人はスルーしてください。

76■■■■:2009/05/05(火) 17:52:18 ID:p9pNP4fM
乙です!

しかしまぁ…ご愁傷様です

77■■■■:2009/05/05(火) 18:51:48 ID:sZNxcNxo
>>75、GJ! そしてご愁傷様・・・・・。

とりあえず、御琴の会話文が読みずれぇ。
仕様なのは分かっていますし、
訳つけると文章変な風になるのも分かっているのですが、ね。

78■■■■:2009/05/05(火) 22:12:43 ID:8bIxhzw.
>>75
GJ!
やっぱりあんた最高だ!

それとPCの件はご愁傷さまです。

79■■■■:2009/05/05(火) 23:05:05 ID:PP0OeZzg
GJ!!!! うーむよだれが止まらんぞ。

あれ?順番こっち?と思ったら、あちゃーーーー。ご愁傷様です。

80■■■■:2009/05/06(水) 02:50:04 ID:rp8Ht6QY
GJ!!です。
大変だと思いますが次も楽しみに待ってます。

81■■■■:2009/05/06(水) 05:52:13 ID:eLTpAUpA
二人目は舞夏   三人目は誰なんでしょう

82■■■■:2009/05/06(水) 15:10:35 ID:SEm6Rc3U
まったくレスが付いていないのも寂しいので…

>>69
さすが第一線の書き手。
必要なことはほぼ網羅されていると思います。
ただ、少し長い気が…。
偏見かもしれませんが、投稿して叩かれているような人はここまでの長文は読まない気がします。

と、ケチつけるだけというのも悪いので一応案投下。
----
投稿上の注意

1.まずは原作を読み込む。最低でも登場人物の口調や性格は把握しておきましょう。
2.オリジナル設定や妄想はほどほどに。ここは『とある魔術の禁書目録』の二次創作を投稿する場です。
3.書いた作品はテキストファイル等で保存。投稿ミスによる文章消去を防ぎましょう。
4.投稿前に深呼吸して保存したテキストを読み返す。誤字脱字はありませんか?分量は十分ですか?
5.投稿時には作品タイトルを、投稿後には終了宣言を。共有の場なので始めと終わりは明確にしましょう。

※ 参 考 ※
禁書風味SSの書き方
ttp://www12.atwiki.jp/index-index/pages/1682.html

ライトノベル作法研究所
(上記HP名でググる)
----

83■■■■:2009/05/07(木) 09:19:09 ID:HAj8R0Ug
ケチを投下するとは予想外だった。

84■■■■:2009/05/07(木) 18:13:02 ID:uv4/uldU
>>69>>82
草案作りお疲れ様です。
確かに書き方指南としては>>69くらいの量が必要かと思われます。
ただ、>>82の分量が見やすくていいのではないでしょうか。
つまるところ、>>69はwikiに記載、>>82は次スレテンプレに利用、という使い方はいかがでしょう。

一つ内容に言及するのであれば、PART2スレからこのスレの>>75氏もそうであるように、
PCがいかれてSSの内容が消失する方がちらほら……。
書いた作品をテキストファイル等で保存されるのはいいのですが、USBメモリなどのPC外部にも保存しておくとよろしいかと思われます。

85■■■■:2009/05/07(木) 20:34:15 ID:vKCw3myQ
ド素人(掲示板ルールすらあんまり)なんですが、
書き方とかルールを勉強するんで、また今度書いてもいいですかね?

86■■■■:2009/05/07(木) 20:40:59 ID:vKCw3myQ
連続してすみませんが、
まず書きたいと思っているのは(原作の○巻の一部をアレンジ)みたいなやつです。一応

87■■■■:2009/05/08(金) 06:23:33 ID:Hok7Q.Xg
>>85-86
書き込むのはいっこうに構いませんが
おれ今、こんなss書いてんだよね。的な発言は気持ち悪がられるので控えた方が良いです
ただのかまってちゃんにしかみえませんから

88■■■■:2009/05/08(金) 18:59:48 ID:2n5Opspg
書き込むのはいっこうに構いませんが
原作アレンジと言いつつ実際はただのトレースになって
ボロクソに叩かれる未来が見えたり見えなかったり

89■■■■:2009/05/09(土) 00:05:04 ID:iOxoxwyo
ああ、ボロクソに叩かれるのが丸見えですね。

90■■■■:2009/05/09(土) 14:14:21 ID:xCo4SDi2
匿名掲示板でSSの職人さんを初心者から育てるのはやはり無理があるのか…。

91■■■■:2009/05/09(土) 14:58:54 ID:nRXS04Qs
文句ばかりでアドバイスしない人達だからな

92■■■■:2009/05/09(土) 18:29:53 ID:OtjV0XP6
何を仰る。2chなんてそんなもの

93■■■■:2009/05/09(土) 20:39:26 ID:K67hvh4g
2chなんて、とか言い訳したって要は叩きたいだけだろ……。趣味が悪い。
今回だって確かに注意すべき点はあったけど、叩くほどのことでもないだろ。
しばらく前に最近スレの空気が悪いって話があったけど読まなかった?
こういう叩きをやってる人が原因なんだけど。

94■■■■:2009/05/09(土) 20:59:46 ID:dprk0h0Y
>今回だって確かに注意すべき点はあったけど、叩くほどのことでもないだろ。

何を指して今回と言っているのか分からんが、
>>85-86を指しているなら別に叩いてなくね?
叩くってのは理由や根拠も無く否定することだと思うが。
それともアレか、常にですます調でGJ連呼しないと叩き扱いか?

95■■■■:2009/05/10(日) 00:14:45 ID:HT4TWWRc
結局はアドバイスをしても「叩き乙」っていうカスが出てくるんだろうな

96■■■■:2009/05/10(日) 00:20:32 ID:A6B/MtZw
>>94
俺が見る限り叩きは起こってない。
>>93が叩きであると勘違いしたか、曲解・過剰反応したかのように思える。
流れは
>85-86:投稿してもいいかい? 原作の一部をアレンジしたものだけど
>87:どーぞ。でも、こういう告知は正直感心しない
>88:アレンジと言いつつ、原作トレースにならないことを祈る
>89:(それなら)叩かれますね
>90-92:叩きやここのマナーについてがやがや
 と認識している。

会話組のマナーがなってなかったのも事実であり問題だが、
作家組も、本当に原作読んでるのか?と疑問を呈したくなるようなSSが続いていたのも事実。

>>75 HAO氏
乙、なのです。

……美琴のセリフが読みづらいのは仕様と思うけれど、
ここまで呂律回ってないと
急性アル中でバッタリ逝きそうな状態ではなかろうかと不安になるのは俺だけ?

97■■■■:2009/05/10(日) 02:12:24 ID:DbA8wBl2
母親があれだからねぇ
それと『未成年のためのノンアルコールアルコール風飲料』
これって結局アルコール入ってるのか?こんがらがってきてアルコールがゲシュタルト崩壊気味

叩きの件に関しては>>25-28らへんがちょい酷いね

98■■■■:2009/05/10(日) 02:20:11 ID:NEOqqAOA
優しく接してみたらいいんじゃない?

99■■■■:2009/05/10(日) 03:53:22 ID:5B4fGOeU
叩き・・ねぇ
やっぱ>>92が真理だと思うが・・

>感想や評価、批評をもらえれば御の字。歓迎されればめっけもんです。もね。

100■■■■:2009/05/11(月) 01:31:29 ID:uVw7dtUE
本編での扱いが主人公より不幸な姫神秋沙をヒロインにSSを書いてみました。
タイトルは「When You Wish Upon a Star(星に願いを)」です
「吸血殺し(ディープブラッド)」はやっぱり書きにくくて
後半になると少しばかり基本設定をねじ曲げて解釈しています。なにとぞご容赦を。
全部で20回程度になりそうです。今回は導入部を4回分投下します。

101■■■■:2009/05/11(月) 01:32:53 ID:uVw7dtUE
(1.水曜日17:00)
その日も上条当麻は不幸であった。
放課後に居残り補習をさせられたため
朝から練っていたスーパー特売はしご大作戦の出鼻を見事にくじかれてしまった。
現在の上条家の食料事情は
家に棲みついた暴食シスターによってレッドゾーンに達しており、
起死回生の作戦として打ち出された本作戦において大戦果をあげない限り
破滅を迎えるのはもはや時間の問題であった。
事ここに至っては敵前逃亡も許されず早急に攻略ルートを練り直す必要に迫られていた。
そんな訳で、思考をフル回転させながら急ぐ上条が
「ちょっとアンタ!」とか「無視すんじゃないわよ!」といった呼びかけを
雑踏(ノイズ)として処理してしまったのも仕方がないことかもしれない。
もっとも、上条の事情を知らない呼びかけた当人が
デフォで自分を無視した(ように見えた)黒いツンツン頭に
つい10億ボルトの雷撃の槍を見舞ったのも仕方がないことかもしれない。
その後、命がけ(上条にとってだけだが)の鬼ごっこを
体力の限界まで堪能した上条が手に入れた戦利品(特売品)は僅かであった。
これだけの食材では次の特売日まで生き延びることは不可能である。
もちろん死因は餓死ではなく、腹ぺこシスターに噛み殺されるためではあるが
自分の死に様を想像してしまった上条は大きなため息をついた。
視線は定まらず、力無く両腕をぶら下げ、足を引きずるように歩く
その姿はどこからみても敗残兵であった。
その後、レジ袋に入った特売鳥肉を狙った野良犬にしつこく追いかけられ、
本当に、身も心も服までもボロボロになって帰宅した。

102■■■■:2009/05/11(月) 01:34:41 ID:uVw7dtUE
(2.水曜日18:15)
帰宅した上条の姿を見たインデックスの第一声は、
「なに?とうま。そのズタボロの格好は?
ズボンなんてお尻が裂けてパンツが丸見えだよ。
そんな姿で帰ってきたの?ちょっと恥ずかしいかも。」
家事はできないくせに宿主の数倍の食費を消費し、
スーパーの特売をはしごせざるをえない状況に追い込んだ
元凶(インデックス)にそんなことを言われ、ついカチンときてしまった。
「おまえの格好(アイアンメイデン)だって十分恥ずかしいだろうが」
言ってしまってから、「歩く教会」を破壊したのが「上条当麻」だったらしい
という知識(こと)を思い出し、上条は胸の奥がチクリと痛んだ。
同時に、いつもなら「これはとうまのせいなんだよ」といって
噛みついてくるはずなのに、その気配がないことに気がついた。
しかも、あろうことか
「天にまします我らが父よ。自分の行いを棚に上げ
暴言を吐くこの愚かな家主をお許し下さい。」と
まるで本物のシスターさんのように祈りを捧げる声が聞こえたりする。
いつもとかけ離れたインデックスの振る舞いに
「なんですか?インデックスさん。
その全てを許します的な慈愛に満ちたシスターぶりは?
いつもなら、問答無用で上条さんを噛み砕きにくるのでは?」
「フッフーン。それはね、とうま
明日になったら新しい「歩く教会」が届くって連絡があったんだよ。
とうまに「針のむしろ」にされたあの日から、耐え難きを耐えていたけど
明日になればインデックスは「パンクなシスターちゃん」から
「清楚なシスターさん」にクラスチェンジするんだよ。
だからね、今日だけはとうまを許してあげる。」
予想外の反応にとまどうものの頭を噛み砕かれる危機を脱した上条は
小さな幸運をくれたどこかの神様に感謝した。
とはいえ、腹ぺこシスターの機嫌を損ねてしまえば元も子もないので
夕食の準備に取りかかるべく台所に向かった。
しかし上条当麻に本当の幸運など訪れるわけもなく、
「それはそうとして、とうま、今朝約束していたゴージャスプリンは?
おなか空いたから、今食べさせてもらうとうれしいかも。」
やはり腹ぺこシスターが駄々をこね始めた。
夕食前にデザートを食べさせるのは不本意だが、ここは仕方なく、
「ああ。それならちゃんと買ってこの中に...」
といってレジ袋に手を入れたとたん、上条の顔から一気に血の気が引いた。
(ない、確かに袋に入れたハズなのに、ない。
野良犬に追い回されたときに袋から落っこちたのか?)
袋の中をいくらかき回しても現実は変わらないことは頭が理解しているのに
これから始まるであろう惨劇を回避したい体がいうことをきいてくれない。
袋の中から視線をあげることができないでいると
「忘れたんだね。今朝あれだけ約束してたのに、とうまは忘れたんだね」
と怒りにふるえるインデックスの声が鼓膜をゆすった。
(きっと今、インデックスの目は三日月のようにつり上がり、
開いた口から覗く犬歯はキラリと光っているんだろうな)と、
頭は他人事のように考えようとするものの、
体は流れ始めたイヤな汗を止めることができない。
「あの、これは不可抗力というやつで
というか、先ほどの慈愛に満ちたシスターさんはいったいどこに行かれたのでしょう?
「それとこれとは話が違うんだよ。言い訳なんて聞きたくないんだよ」
その夜、
どこかの学生寮の7階付近では「不幸だーっ!」という絶叫がこだましたという。

103■■■■:2009/05/11(月) 01:35:32 ID:uVw7dtUE
(3.木曜日1:23)
深夜、上条当麻が後頭部の噛み傷にうなされながらバスタブの中で眠っている同時刻
とある学生寮で一人の少女が目を覚ました。
一見すれば、その表情は普段と変わらないように見える。
しかし、その額にはうっすらと汗が浮かび、心臓は普段より激しく鼓動している。
その少女「姫神秋沙」は直前まで見ていた夢の中身を思いだす。
舞台は忘れたくても忘れられない10年前の京都の山村であった。
登場人物はみな顔なじみの人達ばかりだった。
あの日の夕方「暗くなったから早く帰りなさい」と言ってくれた八百屋のおじさんがいた。
「ばいばい」と言ってくれたおばさんがいた。
「また明日遊ぼうね」と言ったゆずちゃんがいた。
でも、夢に出てきた人は皆、同じ言葉をかけてきた。
「ごめんね。」
一夜のうちに皆を灰に変えてしまったのは「吸血殺し(ディープブラッド)」だった。
(どうして、こんな「吸血殺し」(ちから)を持っているのだろう。
こんな「吸血殺し」(ちから)さえ無かったら、今もあの村は平和で、
自分もその中で笑いながら生活していたかもしれない。)
そんな、決して起こりえない「もしも」の世界を夢想しても無駄なことは判っている。
理解しているからこそ強く願う。
「魔法使いになりたい。」
そして胸のケルト十字を確かめるように握って呟いた。
「大丈夫。なんの問題もない。」

104■■■■:2009/05/11(月) 01:36:16 ID:uVw7dtUE
(4.木曜日15:10)
放課後、授業の終わった教室には、楽しげなクラスメイト会話で溢れている。
そんな活気のある教室の中で、上条当麻一人だけがうだーっ上体を机に投げ出している。
今日も今日とて、朝から不幸の連続に見舞われた上に、
小萌先生から「上条ちゃんは今日も補習なのです。」と当然のように居残りを命じられ、
放課後というのにテンションは最低レベルまで下がっている。
「夕日をみるとなぜか涙が出るよ。ママン」などと現実逃避をしている間に
教室に残っているクラスメイトは少なくなっていた。
耳に入ってくる会話の方に視線を向けると、
青髪ピアスが姫神に正しい魔法使いについてレクチャーしていた。
どうやら、今は、正しい魔法使いの決めポーズの練習中らしい。
姫神は魔法のステッキ(特殊警棒ともいう。でも新素材。)片手にポーズを取っている。
(正しい魔法使いが超機動少女カナミンっていうのはおかしいだろ。コラッ!)と
青髪の後頭部に思いっきりツッコミを入れてやりたい所だが、
今の上条にそんな気力もなく、どっぷりアンニュイな気分に浸っている。
(誰か青髪の野郎にツッコミを入れてやってください。プリーズ!)
と思った瞬間、その後頭部に拳が叩きつけられた。
もちろん青髪にではなく上条の後頭部に
「貴様、いつまでだらけている。シャキッとなさい!」
後頭部をさすりながら首だけのっそりと振り向くと
そこには左手を腰に当て右の拳を握り締めている吹寄制理がいた。
「なんだそのじいさんのような動きは。疲れている?それはきっと糖分不足だ」
とかいって上条の口に無理矢理アメ玉をねじ込んだ。
「どう、これで少しはシャキッとした?」
アメ玉をなめつつ、ようやく上体を起こした上条が見回すと
教室にはもう、上条、吹寄、姫神、青髪の4人しか残っていなかった。
再起動中の頭を振りながら上条は
「でも、どうして吹寄さんはまだ教室に残っていたりするのでしょう?」
「なっ、なぜって、それは、小萌先生の助手よ。助手。
貴様は、毎回毎回補習をしなきゃならない小萌先生に申し訳ないと思わないの?
私はそんな小萌先生のお手伝いがしたくて補習の助手を申し出たのよ。
文句ある?」
そういう吹寄の顔はなぜか赤くなっているのだが
当の上条は(なんで頭に血が登るほど怒ってるんだ。こいつ?)
などと的外れなことを考えていたりする。
「貴様の補習を手伝ってやろうというんだから、感謝しなさい。
そうね、感謝の印として、この補習が終わったら、
黒蜜堂の新作スイーツ「カロリー控えめ能力開発パフェ」を私に奢りなさい。
いいわね。上条当麻。
それじゃ、私は小萌先生の所に行ってくるから
補習までに貴様は不抜けた頭をシャキッとさせなさい。」
と一気にまくしたてると、教室から出て行った。

105■■■■:2009/05/11(月) 01:40:05 ID:uVw7dtUE
とりあえず、以上です。
導入部なので盛り上がりに欠けていますが、
初心者なのでなにとぞご容赦ください。
次回からもう少し話を盛り上げていきます。

106■■■■:2009/05/11(月) 01:43:13 ID:uVw7dtUE
すみません。
sage
入れるの忘れていました。

107■■■■:2009/05/11(月) 03:03:54 ID:rXuT//Ho
とりあえず会話をもう少し入れてみたらいいと思います

108■■■■:2009/05/11(月) 19:20:10 ID:R8x4JcfM
さすが■■
ヒロインに指名されたSSでも空気ぎみw

個人的には地の文の雰囲気が好きです。
ただ、文の途中に改行が多くて読みづらいと感じました。
一文一文がそれほど長くないようなので、読点まで改行なしで書いてみては?

109■■■■:2009/05/11(月) 20:10:35 ID:a5klkGqQ
第一印象は、ギャグ面がいい感じ
現時点では、初心者にしては十分上手いと思う

ところで「とある少女の騒動日記」と「とあるお嬢の看病奮闘記」はまだ?
急かして悪いが楽しみなんだけど

110■■■■:2009/05/11(月) 21:37:55 ID:Xpe33Tj6
>>109
>>75

111■■■■:2009/05/12(火) 00:26:56 ID:Q9KJJ9ZY
PCがあぼんしたんだから時間かかるだろーぅ

いちゃレー3出ないかなぁ…

112■■■■:2009/05/12(火) 01:10:09 ID:jVU9Yt7c
俺は並行世界が読みたいよ

113ss:2009/05/12(火) 10:15:51 ID:J37bY0SU
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114■■■■:2009/05/12(火) 17:33:30 ID:IKoP5AbU
おk、みんな、sageようぜ
>>113みたいなの出てくるから

>>110
だが騒動日記はHAO氏でなかったはず
あ、toto氏もデータ消失なのか?

115■■■■:2009/05/12(火) 23:09:00 ID:4wfhmPaA
>>100
・「〜のであった。」と、セリフの一番最後に。をつけるのはNG
・というか、句読点の使い方が変
・改行がないので読みにくい
・文が説明的すぎ
・3点リーダーを有効に使うべし

SSの基本を抑えておけば、読める文章になると思う。

116■■■■:2009/05/12(火) 23:23:38 ID:KkHi1/.I
toto氏については
>514 :toto:2009/02/25(水) 14:43:45 ID:zJQebonY
> また、1,2日以内に投稿する予定です。
この発言以降消息不明みたいですね。この時点で1,2日以内に投稿すると言ってるのでやっぱりなにかあったんじゃ
それこそデータ消失(PCが使い物にならない?)とかネット環境がとか、個人的な事情とか・・・
なんにせよ我々はwktkしながら待つことしかできませんからね

117■■■■:2009/05/12(火) 23:47:57 ID:fEwWwKiA
もうすぐ三ヶ月にもなるのか……
toto氏の早期復活を願う

118■■■■:2009/05/13(水) 01:46:00 ID:zdjiFYqI
「When You Wish Upon a Star(星に願いを)」の続きを4回分投下します。

119■■■■:2009/05/13(水) 01:47:16 ID:zdjiFYqI
(5.木曜日15:20)
吹寄制理のマシンガントークに圧倒され、呆然と吹寄制理を見送る上条に
「カ〜ミ〜や〜ん」という3大テノールも真っ青の野太いボイスが聞こえてきた。
「とうとうカミやんは、吹寄にまでフラグを立てよったんか。
吹寄と放課後ドキドキお勉強タイムに、お手々つないで仲良しデートなんて羨ましすぎる」
「あのな、鬼軍曹のしごきと、不良のカツアゲに遭うのがそんなに嬉しいんかい?」
「なんで、いつもカミやんだけが良いおもいをするねん。ボクとカミやんとどこが違うというねん。
こんな不公平を神様が許すはずあらへん。その前にボクがそんな悪行を許しまへん」
青髪ピアスが上条の胸ぐらをつかんでぐいっと引き寄せた。
「カミやん。これは暴力やあらへん。人の道を外れそうな(ハーレムルートの)カミやんを
思った(妬んだ)愛の(嫉妬の)ムチ(ゲンコツ)やねん」
「さあ。歯を食いしばり」と言いかけた青髪のうしろで、姫神秋沙が
「校内での暴力は。いけない」
そう言って魔法のステッキ(特殊警棒)で青髪の後頭部をポンとつついた。
その瞬間、「バシッ」という音が教室内に響き渡り、青髪の動きが止まった。ついでにいうと青髪は白目まで剥いていたりする。
上条は姫神秋沙の(しまった)という表情を見逃さなかった。
どうやら魔法のステッキのマジカルパワー(スタンガンともいう)を間違えて発動させてしまったようだ。
上条がとりあえず姫神秋沙に「サンキュー」と言おうとした時、青髪の体は、棒が倒れるように、ゆっくりと姫神秋沙の方へ傾いていった。
上条はとっさに青髪のズボンのベルトを左手でつかんだが、180cmの青髪の身体を168cmの上条が支えきれるわけがなく、青髪が姫神秋沙を直撃しないよう、青髪の体を左に逸らせるのが精一杯だった。
そして教室に「ドスーン」、「ガチャン」という音が鳴り響いた。
上条が期待した通り、青髪の身体は姫神秋沙をそれて床に激突した。
そして、お約束通り、上条の身体が姫神秋沙を直撃した。

120■■■■:2009/05/13(水) 01:48:36 ID:zdjiFYqI
(6.木曜日15:23)
結果として姫神秋沙を押し倒してしまった上条は、
右頬が触れている弾力のある暖かさと開いた右手が押し潰している柔らかい感触に気がついた。
上条当麻は健全な男子高校生である。
この状況で右手の指が無意識に動いてしまったとして誰が責めることができよう?
しかし、姫神が小さく漏らした「アッ!」という声を聞いたとたん上条はわずか0.05秒で完全土下座体勢に移っていた。
「姫神様、今のセクハラまがいは決して故意ではなく、ここは姫神様の御慈悲をもって、姫神様をお助けしようとしたわたくしめをお許し頂きたく...」
床に額をこすり付けながら全力で謝り続ける上条は無言で立ち上がり近寄ってくる姫神の気配を感じた。
(このまま頭を踏み砕かれて上条さんはご昇天なんでしょうか?なんて不幸なんだーっ)
と嘆いていると、不意に上条の右手を姫神秋沙の両手が包み込むように握ってきた。
「へっ?」
何が起こったのか理解できていない上条が顔を上げると姫神秋沙は、そのまま上条の右手を引っ張って上条を立ち上がらせた。姫神秋沙の手の柔らかさに先ほどの右手の感触がフラッシュバックし、つい姫神秋沙の顔から視線を外してしまう。そして左手で頬をかきながら
「あっ、ありがとう。姫神。それとゴメン」
(姫神大明神、あなた様の御慈悲は決して忘れません)などと
感慨にふけっていた上条であったが、ふとあることに気がついた。
「あの〜、なんで姫神さんは上条さんの右手をお離しにならないんですか?」
そう問いかける上条に、潤んだ瞳で上条の顔を見つめていた姫神秋沙は両手で包み込んだ上条の右手を自分の胸元へグッと引き寄せることで応えた。
言うまでもないが、姫神秋沙は美少女である。本人は自分の存在感が限りなく薄いことを嘆いているが、クラスでは吹寄制理と双璧をなし、クラスの男子からの人気はすこぶる高い。
そして再び言おう、上条当麻は健全な男子高校生である。
たとえ朴念仁であろうが、姫神秋沙が美少女であるという認識はある。
不幸体質の自分にこんな美味しいラブコメなんてあるはずないと達観しつつも、美少女の訴えるような瞳に見つめられれば、鼓動が早まるのを止められない。
上条の視線が姫神秋沙の柔らかそうな唇に釘付けになったのも仕方のないことだろう。
その唇が「上条君。」と動いた。
(なっ、なんですか?この反応は、いったい私は何のフラグを立てたのでしょう?)
上条は、いつの間にか乾ききっていた喉が痛くなってゴクリと唾を飲み込んだ。
「姫神」
 :
「どうしよう。ケルト十字」
「へっ?」
現実は「甘ったるい若い男女の青春模様」ではなく、極めて深刻なものであった。
さっきの事故(セクハラ)の最中にどうやら上条の右手「幻想殺し」が姫神秋沙のケルト十字に触れてしまったようだ。「幻想殺し」に殺されたケルト十字はもはや「吸血殺し」を封印することはできない。姫神秋沙が上条の右手を握ってきたのは「幻想殺し」で「吸血殺し」を封印するためだった。
現状をようやく理解した上条は、自分のしでかした事の重大さに
「すまない、姫神」というのがやっとだった。
「大丈夫。君の右手が触れている限り。私の「吸血殺し」は発動しない」
姫神秋沙はそういってくれたものの、逆に言えば、上条の右手はもう姫神秋沙から離せなくなったということだ。
しかも、もうすぐ小萌先生と吹寄が教室に戻ってくる。
上条はどうすれば良いか判らないが、とりあえずできることをしようと思った。
「姫神、逃げるぞ!」

121■■■■:2009/05/13(水) 01:50:23 ID:zdjiFYqI
(7.木曜日15:30)
上条と姫神秋沙は、すぐにやってくるハズの小萌先生と吹寄制理を避けるために人のいない隣の教室に隠れることにした。もちろん手を繋いだまま。しばらくすると、
「きゃー、青髪ちゃん!いったいどうしたのですかー!!」
という声が聞こえた。
「吹寄さん、青髪ちゃんを保健室まで運ぶのを手伝って下さい。」
しばらくすると、ズリズリ青髪を引きずる音が、廊下を通過していった。
どうやら、学校から逃げ出す絶好のチャンスが来たようだ。
「ふーっ、どうやらうまく脱出できそうだぞ。姫神」
と隣の姫神秋沙に話しかけたが、姫神秋沙はうつむいたまま顔を上げようとしない。
なぜだかその頬は少し赤くなっている気がする。
しかも両膝をすり合わせるようにモジモジしていたりする。
(あっ)こんな時に限って直面する大問題に上条は気付いてしまった。
言い難いことではあるが、気付いてしまった以上、先送りする訳にはいかない。
意を決して、上条は姫神秋沙に小声で話しかけた。
「姫神、ひょっとしてトイレか?」
いきなり核心を突かれた姫神秋沙は一度肩をビクッと震わせたと思うと、うつむいたまま固まってしまった。
表情は読み取れないものの、真っ赤になってしまった耳たぶを見れば、どうやら上条の想像は当たっていたようだ。だからといって、上条にその大問題への解決案があったわけではない。

プラン1.右手を離す−>「吸血殺し」発動。
プラン2.一緒に女子トイレに入る−>セクハラ大魔王への成長進化ルート確定。
プラン3.トイレに行かない−>姫神が大惨事。

使えない選択枝しか浮かばないのでは話にならない。つい漏れた「どうしよう」という上条のつぶやきに反応したのか、うつむいたままの姫神秋沙が消え入りそうな声で、
「かっ、上条君。もし君が迷惑でなければ。その。女子トイレまで付いてきて欲しい。」
「いや、姫神、いくら何でもそれは」
「君が目をつむっていてくれれば。大丈夫」
「でも」
そう反論しかけた上条であったが、上条を見上げてきた真っ赤な顔の姫神秋沙を見て、
(何やってんだ、俺は。姫神の方が恥ずかしいはずなのに)
「わかった、姫神。俺は絶対目を開けない。耳だって塞いでやる」
そういって左手でポケットからティッシュを取り出し、左手で器用に丸めては両方の耳の穴にグリグリ詰めていた。その様子を見た姫神は、一度目をパチクリさせるとクスッと笑った。
そして、上目がちに上条を見たまま手の甲で口元を隠しつつクスッと微笑んだ姫神秋沙の仕草に思わずドキッとした上条であった。

122■■■■:2009/05/13(水) 01:52:17 ID:zdjiFYqI
(8.木曜日15:37)
女子トイレ、そこは男子生徒にとっては禁断のシークレットゾーン。
既に決断は済ましているものの、禁断の地に近づくほど呼吸は荒くなってくる。
入り口まで来た時には上条当麻の心拍数は160を軽く超えていただろう。
先に入る姫神に手を引かれ(ええい、ままよ)と禁断の地に一歩を踏み出した。
その瞬間、いきなり襟首を掴まれ強引に引き戻された。
「貴様!!何をやっている?」
「ふっ、吹寄さん。」
聞き覚えのある声にギギギッという感じで首を回し、後を振り向いた上条に
「教室に居ないから、どこに行ったのかと心配して、探してみれば」
こめかみに浮かんだ青筋をヒクつかせた吹寄は
「女子トイレの中まで女子(あいさ)をストーカーしようとしていたとは!」
「こっ、これにはマリアナ海溝よりも深い事情があるわけでして、
女子トイレの中を覗こうとしたとか、姫神様にセクハラをしようとしたとかを
上条さんが企んでいたなんてことは決してありま「天誅―!」」
脈絡のない上条の言い訳が終わらないうちに吹寄制理の頭突きが上条に炸裂した。
意識を半ば刈り取られながら、姫神秋沙の手を離さなかった上条は天晴れであるが、そのことが吹寄制理の怒りの炎に大量の火薬を投下する結果になってしまった。「怒髪天をつく」とは今の吹寄制理のためにある言葉である。
怒りに震えるその拳は、きっとゴーレム「エリス」ですら容易に打ち砕くであろう。
胸の前で左掌に右拳を叩きつけ、
「上条当麻、貴様、生きて朝日を拝みたいか?」
と(今すぐその手を離さなければ殺す!)と言外に言って迫ってくる吹寄に上条はとうとう観念して右手を離すことにした。
本当のことを言えば、吹寄に殴り殺されるのが怖いからではなかった。
今の吹寄制理が凶悪なオーラをまとっているとはいえ、はるかに恐ろしい神の右席とも戦ったことのある上条である。(例え「吸血殺し」が発動しても、わずか数分であれば吸血鬼がくることなんてないだろう)という打算が働いてしまったのである。
それに事情を知らない吹寄制理に拳をあげることなど決してできない上条であった。
上条の目配せに、姫神秋沙は一瞬困惑した表情を浮かべたものの小さく頷いた。
目の前で、手を取り合った二人がアイコンタクトで語り合う様子を見せつけられた吹寄は
「さっさとその手は離しなさい!」
というやいなや、上条の右手と姫神の左手をつかんで二人を強引に引き離した。
そして、
「貴様、そこから一歩でも動くんじゃないわよ。」
と上条に念を押し、吹寄は姫神の手を引き女子トイレに入っていった。
「秋沙、大丈夫?何もされなかった?」
という不穏当な吹寄制理の声がトイレ横の壁際で立たされ坊主となった上条にも漏れ聞こえてきた。
明日この話を伝え聞いたクラスメイト達から受ける冷やかし(暴力付き)を想像しかけて
(上条さんには何も聞こえません。ええ。聞こえませんとも)と現実逃避を図った。
そして(どう説明したら吹寄をうまく言いくるめられるだろう?)などと考えていた時、ヤツはやって来た。

123■■■■:2009/05/13(水) 01:53:39 ID:zdjiFYqI
以上です。
ようやく吸血鬼の登場です。
この話の中での吸血鬼は、話の流れ上、昼間でも出てこれる設定にしています。

124■■■■:2009/05/13(水) 03:17:46 ID:0kak1oCw
あー、もう言っていいかな。

ダメだこりゃ

125■■■■:2009/05/13(水) 04:21:22 ID:ksqjb7lA
まー……、はっきり言うと読みにくいです

本気で続けたいのなら書き方の勉強がてら過去ログのssや理想郷とかの投稿ssを読んでみることです
地の文の書き方とか改行の仕方とかがなんとなくわかります。では、ほどほどにガンバってください

あと、一つ質問していいですか。もしかして携帯から投稿してます?

126■■■■:2009/05/13(水) 15:11:40 ID:bfmQXD0c
なんかこういうSSあったよね?

127■■■■:2009/05/13(水) 16:54:16 ID:OwsvWRNY
姫神やらの2巻系のネタ自体が俺には合わないのでなんとも・・

と言いたいが、そもそも読みづらいのでかなり損してるよあんた

128■■■■:2009/05/13(水) 17:45:30 ID:nA1HVEkU
 内容はすごくおもしろいb

 ただオレは気にならないんだけど、
 「酔いどれ騒動」の文章と比べてみるとわかると思うけど、
 一行一行のふりわけ方っていうのかな、それが整理されて
 ない所があるんだと思う。
 その部分が読みにくく感じる人がいるんじゃないかな。

129■■■■:2009/05/13(水) 19:20:33 ID:5ThApqeE
内容はとても良いので、
後は改行や構成などが成長していけば
さらに、面白くなると思います。
がんばってください。

130■■■■:2009/05/13(水) 22:54:31 ID:eQmjiFeU
零○黙示録さんとこのやつにすごく似てるかな?

131■■■■:2009/05/13(水) 23:47:37 ID:0kak1oCw
まさか、ネタだけ拾って書き直してるだけじゃないだろうな…

132■■■■:2009/05/14(木) 22:00:25 ID:9zwYNISU
「When You Wish Upon a Star(星に願いを)」の続きを4回分投下します。
皆様のご指摘通り、自分の文章を読み直すとやっぱり読みづらいですね。自分がWordで文章を編集したり校正したりする時の文章の見やすさと読み物として読むときの文章の読みやすさを取り違えていました。今回投下する分の文章は句読点の付け方、文のまとめ方、改行の仕方などを自分なりに手直ししてみました。でも、まだまだ読みづらいかもしれません。ご容赦下さい。
また、今回SSを書くに当たって誰かのネタを拝借したつもりはなかったのですが、自分が見たサイトには姫神ものが少なかったのでネタがかぶることはないだろうと気を抜いていたこともあり、いろんなサイトを回って類似作品があるかどうか十分チェックするのを怠っていました。ちなみに零○黙示録さんのサイトが未だ分かっていなかったりします。グーグルで「霊 黙示録 禁書目録」で検索かけてもヒット数が多すぎてまだ辿り着けていません。もう少し探してみます。この辺もネット初級者なので対応が遅くて申し訳ありません。既出作品とネタがかぶっているようでしたら、以後のストーリーを練り直してみます。
その他にも文章が説明くさいところなど色々だめ出しを受けたことについては、一度にすべて直せるかどうかわかりませんが、少しずつスキルアップしたいなと考えています。それと、話の中身を向上させるのはそれ以上に時間が掛かるかもしれませんが、少しでもおもしろいものが書けるように努力したいと考えています。

133■■■■:2009/05/14(木) 22:01:31 ID:9zwYNISU
(9.木曜日15:46)
上条の踵から頭頂まで悪寒が一気に駆け抜け、上条は総毛立った。
まるで背後から氷の刃物を背中に突きつけられたみたいで、頭の中で何かが「ニゲロ!ニゲロ!」と叫んでいる。それなのに硬直してしまった身体は上手く反応してくれなかった。
(早く元凶を確認しなければヤバイ)という思考と(イヤだ。そんなもの見たくない)と思う感情がケンカしている。それでも強引に首を右に回すと、10mほど先に一人の男が立っているのが見えた。
その男の外見にはこれといった特徴はなかった。もしその男の写真だけを見たなら、だれもが普通の人間だと判断しただろう。逆にいえば、その男は不自然なほどに平凡であった。そして、今その男の周りを満たす空気は生理的な嫌悪感を上条にもたらしていた。
その男の口元がにやりと笑ったと思うとこちらに歩いてきた。いや、正確には歩いてはいなかった。男の足は全く動いていないのだから。それでも床を滑るように男は近づいて来た。
5m。上条はようやくガチガチ鳴ろうとする奥歯を無理矢理噛み締めることができた。
3m。腹の底に力を溜めるように鼻から息を吸い込むことができた。
それでもトイレで「どうしたの!秋沙」と吹寄制理があげた大声に気付く余裕はなかった。
2m。ようやく右拳を握りしめることができた。
1m。男の少し開いた口の奥に鋭く尖った犬歯が見えた。
その瞬間「うわあぁぁっ!」上条は絶叫を放ち、無意識のうちに右拳をその男の左頬に叩き込んだ。
バキッ!!とその男を殴った瞬間、上条は右拳に異様な手応えを感じた。男の皮膚はまるで金属のように硬かった。そして殴った上条の体温を根こそぎ奪いそうなほど冷たかった。
しかも、上条が右手にその痛みを感じる前にその金属の殻が突然爆(は)ぜたような衝撃が走った。右手が男を貫いたような手応えはあった。それは砂の像を突き崩すような感触だった。そして右手には金属を殴ったような痛みと痺れるような感覚も残っている。
それなのに目の前には殴る前と全く変わらない男の顔があった。こうなると、さっき右拳が本当に当たったのかどうかさえも分からなくなった。
戸惑う上条に対して、男が口元を緩めて笑みを浮かべると、まるで陽炎のように消えていった。
姫神秋沙が女子トイレから飛び出してきたのはその直後だった。上条に駆け寄るなりその右手を握りしめてきた。
上条は姫神秋沙の手の暖かさに痺れている右手が癒されていくのを感じながら、なぜ「吸血鬼」が姿を消したのかをぼんやり考えていた。
(「幻想殺し(イマジンブレーカー)」が「吸血鬼」にも効いたのか?それとも、天敵である姫神が出てくるのを察知して逃げ出したんだろうか?)
「「吸血鬼(ヤツ)」、 なのか?」
「そう。」
「どこだ?」
「わからない。でも。この学校にはもういない。それは確か。」
後から追いかけてきた吹寄制理はここで何か異常なことが起こったことには気付いたようだが、上条と姫神秋沙の会話が一体何を意味しているのか理解することができなかった。

134■■■■:2009/05/14(木) 22:02:31 ID:9zwYNISU
(10.木曜日16:10)
上条と姫神秋沙は公園のベンチに並んで座っていた。当然手をつないで。先ほどまでの全力走で疲れた体をクールダウンさせているのだ。
「ハァ、ハァ、 姫神、 大丈夫か?」
「大丈夫。 ちょっと疲れたけど。 楽しかったかな」
「ハァ、楽しかった?姫神って意外とアスリートなんだな」
「鬼ごっこみたいだったからかな」
(本当は君と一緒だったから)という本心がどうしても口に出せない姫神秋沙であった。
あの後
「上条!何があったの?きっちり説明なさい。」
「なんでもない。じゃ!俺達ちょっと急ぐから。小萌先生によろしく!」
と詰め寄ってきた吹寄制理の言葉をさえぎって姫神秋沙の手を引き脱兎のごとく駆けだした。
「ちょっと待ちなさい。何なのよ。これはーっ!」
背後からの吹寄制理の叫び声はこの際無視して全速力で走り続けた。
(ああ、きっと明日になったら俺と姫神が駆け落ちしたという話になっていて、ついでに尾ひれが付いて、既に隠し子がいるってことにされるんだ。)
「ちょっとアンタ」
(そして皆から「おめでとう」って盛大な祝福(リンチ)を受けるんだ!そうだ!きっとそうに違いない)
「なに見せついてんのよ!」
上条の理性が「吸血鬼」という災厄から無意識に目を背けたいと思っていることも手伝って頭の中の妄想劇が延々と続いている間に自分に向けられた呼びかけをいつも通りにスルーしてしまっていた。
隣の姫神にトントンと右腕をつつかれ、上条の意識はようやく現実世界に還ってきた。
「バチバチ」という聞き慣れた放電音におそるおそる顔を上げると、目の前には学園都市第三位の「超電磁砲(レールガン)」常盤台中学の御坂美琴が立っていた。
「ねえアンタ、確か今月から、不純異性交遊って一般人が勝手に取り締まっても、お咎めなしってことになったんだっけ?」
「みっみっ御坂さん。そんな規制緩和は学園都市(ここ)ではありません。きっとガセネタです。それにこれは不純異性交遊なんかじゃありません。」
「ゴチャゴチャうっさいのよ。アンタは。いっぺん臨死(い)ってみる?」
御坂美琴は既に臨界電圧(10億ボルト)に達しているようで、その身体はバチバチと帯電し、うっすらと紫色に発光していた。(エネルギー充填120%、艦長!超電磁砲いつでも発射可能です!)と中の人が言っていそうな勢いだ。
上条はこれまで雷撃の槍でも砂鉄の剣でも、たとえ超電磁砲だろうが御坂美琴の攻撃は全て打ち消してきた。その右手で。しかし右手が姫神秋沙の手を握っている今、上条にそれらを打ち消すことはできない。
(くそっ!右手を離せば「吸血鬼(やつ)」がまたやって来る。でも今電撃を食らったらご臨終(おしまい)だ。しかも姫神まで道連れにしちまう。どうする?)
考えがまとまらない上条に御坂美琴から雷撃の槍が放たれた。とっさに右手を離して雷撃の槍を迎え撃った。そして再び姫神秋沙の手を握ろうと右手を伸ばしかけたが
「だから、何やってんのよ。アンタはーっ!」
怒声とともに上条と姫神の間を引き裂くように激しい閃光と衝撃波が突き抜けた。
身体が順応してしまっている上条は踏ん張れたが、姫神は衝撃波に耐えきれずベンチの後の植え込みに背中から倒れ込んでしまった。倒れた姫神は植え込みに身体が挟まってしまったようで起きあがれずに手足をジタバタさせていた。
「ばかやろう。この状況で「超電磁砲(レールガン)」なんて、洒落にならねえぞ!」
「どうせ、アンタには効かないんでしょうがーっ!」
「これには訳があるんだよ!」
「アンタは、いつも、いつも!」
「危ない。止めろ!」
「他の女とイチャイチャしてーっ!!」
「砂鉄の剣で切られたら上条さんは死んでしまいます!」
「うるさい、たまには当たりなさいよ!!!」
「コラ!「超電磁砲(レールガン)」3連射なんて、近所迷惑だろうが!」
御坂美琴と仲良く(?)超電磁砲(レールガン)のキャッチボールを続ける上条は、直ぐにでも姫神秋沙の所に行ってやりたかったが、未だ植え込みから抜けられない姫神秋沙に流れ弾が当たらないようにするには姫神秋沙から距離をとるしかなかった。
「いい加減にしろ!」と上条が言いかけた時、また、「吸血鬼(ヤツ)」が現れた。

135■■■■:2009/05/14(木) 22:03:43 ID:9zwYNISU
(11.木曜日16:25)
あの時と同じ悪寒が上条を突き抜けた。そして御坂美琴の3m後に立っている特徴のない男の顔を視界に捉えると、上条の身体はまたも硬直してしまった。上条が最初に動かせたのは口だった。
「御坂、こっちに来い」
「何言ってんのよ、バカ!」
逆上していた御坂美琴は背後の異変にまだ気付いていなかった。
「いいから早く!」
「なっ、何なのよ?」
上条の切迫した口調にようやく御坂美琴の表情にも戸惑いの色がみえた。しかし、その時すでに男は御坂美琴のすぐ後まで近づいていた。ようやく異変に気付いた御坂美琴が後を振り向くと、その眼前に男の顔があった。
その男の両手が正面から御坂美琴の両肩をつかんだ瞬間、ビックリした御坂美琴は反射的に10億ボルトの電撃を男に浴びせてしまった。
相手が「吸血鬼」だと知らない御坂美琴は一般人に電撃を浴びせてしまった思い激しく動揺していた。さらに、その相手が電撃を全く気にしない様子でさらに顔を近づけてくることに、「えっ?」と一瞬動きが止まってしまった。
「御坂あぁぁーっ!」
今、上条と御坂美琴のあいだの距離はおよそ5m。上条は地を蹴って走り始めたが、そのほんの数歩の距離が絶望的な長さに感じられた。
(間に合うか?いや、絶対に間に合わせる!)
上条は握りしめた右拳を振り出した。
上条の右拳が「吸血鬼」の顔面に届いたのは、まさに「吸血鬼」が御坂美琴の首筋に牙をたてようとした瞬間であった。
「バキッ」という学校の時と同じ手応えを右拳が感じると「吸血鬼」も同じように姿を消した。
「大丈夫か?御坂」
御坂美琴の背後からその両肩をつかんで上条が尋ねたが、何が起こったのか良く判らず呆然とする御坂美琴はしばらく返事ができずにいた。
「(まさか、間に合わなかったのか?)御坂、ちょっと見せてみろ」
そう言うや否や、いきなり上条は御坂美琴のブラウスのボタンを2つ外し、襟ぐりに突っ込んだ指で襟元を広げて御坂美琴の首筋をのぞき込んだ。
(えっ、えっ、何?)
御坂美琴は、今度はパニックで身体が固まってしまった。その上、上条が御坂美琴の首筋を調べるために指先でさすったりするものだから御坂美琴はますます身体を強ばらせていた。
そんなことに全く気づかない上条は、首筋に何の異常もないことを確認すると一気に緊張が解け、止めていた息が「ふーっ」と漏れてしまった。
御坂美琴はというと、既に緊張の弦が限界まで張りつめている状況で上条から首筋に熱い吐息を吹きかけられたものだから、ビクンッと身体を震わせて「アンッ」という嬌声を出してしまった。
一瞬の沈黙の後、自分が出してしまったなまめかしい声を思い出し、御坂美琴は耳まで真っ赤に染めあげた。
「何やってんのよ!アンタは?」
「何って、そりゃ...」
と言いかけた上条はようやく御坂美琴と自分の位置関係を確認した。背後から襟元を覗き込んでいる上条の位置からは御坂美琴の首筋だけでなく鎖骨のくぼみやパステル柄の可愛いブラに包まれた慎ましやかな膨らみまでもしっかり堪能することができた。その事実に気付いて硬直した上条が御坂美琴から離れることができたのは視線がしっかり二つの膨らみを往復した1.17秒後であった。

136■■■■:2009/05/14(木) 22:04:34 ID:9zwYNISU
(12.木曜日16:30)
上条の右手を外したのは上条本人ではなく、ようやく植え込みから抜け出せた姫神秋沙であった。上条に駆け寄るなり、御坂美琴の襟ぐりに掛かったままの右手をつかんで一気に引き剥がして上条を自分の方に振り向かせた。
「この子は大丈夫!」
そういう姫神秋沙の口調がなぜかトゲトゲしいことに、上条は(「吸血鬼(ヤツ)」がいたから気が高ぶってんだろう)と見当違いのことを考えていた。
「「吸血鬼(ヤツ)」は?」
「いなくなった」
「やっつけたのか?」
「わからない。でも。もうこの辺りに気配はない」
一方、突然割り込んできた姫神と上条の会話を聞いて御坂美琴はなぜかカチンときた。
さらに、二人が再び手を繋いでいるのを見てムカッとした。
まるで自分が主役の舞台に部外者が突然乱入してきて主役の座を奪われたような感じだった。
(そんなこと許せるわけ無いじゃない)
御坂美琴はつかつかと上条に歩み寄ると、上条の左手をぎゅっと握りしめた。
「どうした、御坂?」
「何でもないわよ。」
「いや、御坂さんはなぜ上条さんの左手を握っているかと尋ねているのですが?」
「うっさい。その女(ひと)が右手だっていうんだったら、私は左手に決まってんでしょ!」
「はあ?おまえ、何言ってんの?」
「なによ!あんたは痴漢に襲われたか弱い女の子を寮まで送ってあげようとかいうそういう優しさはないわけ?」
(お前のどこがか弱いんだよ。)
(でも、御坂が「吸血鬼(やつ)」のことをただの痴漢だと思っているならそうしとこう。もし事情(わけ)を話せば、コイツはきっと「じゃあ私も一緒に吸血鬼退治に行くわよ」って言いそうだし)
「わかったよ。御坂。常盤台の学生寮まで送ってくよ」
「最初(はな)っから、そう言ってれば良いのよ」
上条はもはやこの状況を受け入れざるを得なくなったことを諦めつつも、つい愚痴ってしまった。
「しっかし、両手が塞がっちまうと頬が痒くてもかけないんだよな。」
すると姫神秋沙が「どこ痒いの?」といって上条の右頬を右手でさすってきた。
「あっ、ありがとう。姫神」
上条は姫神の予想外の行動につい赤面してしまった。
そして上条が赤面する様子を見てしまった御坂美琴はついにキレた。
身体が瞬間的に反応し、その右腕を上条の左腕に巻き付けて姫神から上条を引き離すように引き寄せた。
そして左手でポケットから取り出したハンカチを握りしめて睨みつけてきた。
「アンタ、痒いところがあるなら、わ・た・し・に言いなさい。さあ、どこが痒いの?」
獲物を狙う捕食者(プレデター)のような視線に耐えきれず、上条は御坂美琴から視線をそらしてしまった。
「あの〜、御坂さん。お怒りで気付きにならないのかもしれませんが、その〜、私の左腕が、当たってるんですが...」
「当ててんのよ。文句ある?」

そして3人を沈黙がつつんだ。

137■■■■:2009/05/14(木) 22:08:40 ID:9zwYNISU
以上です。
やっぱり職人さんとは比較になりませんね。Wordで書いているのを見るのと掲示板に書き込んだのを読むのでは印象が違いますね。う〜ん、やっぱり、ゴチャゴチャしていますね。それでも文章が少しでも読みやすくなっていれば幸いです。

138■■■■:2009/05/14(木) 22:34:05 ID:hn1ETe2w
>>137
乙です。何点か書かせていただきたく。

1.類似作品について
零○黙示録については、「黙示録 禁書目録」で検索するとGoogleで上から3〜4つ目くらいにあります。
また、「姫神のケルト十字を幻想殺ししてしまったら」というシチュエーションのSSは、
まとめWikiにも「彼女にとってはスペシャルな週末」というタイトルで1つありますが、
どちらも完結してるようには見えないので、是非完結まで書いて欲しいと思います。

2.文章の読み難さについて
国語があまり得意ではないので役に立つかどうか判りませんが、
一文が非常に長いのではないかと思います。
例えば>>133の2〜5行目ですが、1280*1024の画面横一杯のブラウザ表示で7行になっています。
これよりさらに狭い画面で見るとさらに改行されているかと。
もう少し一行を短くしてもいいのではないかと思います。

3.気づいていたけど言ってなかった
mail欄に記入する「sage」が半角英数字になっていないので、「sage」が効いていません。
日本語入力をオフにしてから「sage」と打ち直してみてください。

以上です。
投下はあと2回くらいかな?試行錯誤しつつ頑張ってみてください。

139■■■■:2009/05/14(木) 23:36:52 ID:9zwYNISU
>>138
零○黙示録に辿り着けました。ありがとうございました。たしかに、
個々の小ネタとかに結構似ている点がありました。やっぱり姫神もので
ケルト十字が壊れる話をすれば、その話の中には必ず出てくるようなお
約束なネタについては、既にどなたかが使ってあるはずだと想像すべき
でした。こちらの方はこれから吸血殺し(ディープブラッド)と姫神秋
沙と上条当麻そして吸血鬼を中心にシリアス方向に話を展開させようと
考えていました。
吸血殺し(ディープブラッド)を扱った二次創作は余り見かけなかった
ので、あまり気にしていなかったのですが、話の核心部に関するネタが
重なっているとさすがに洒落になりませんので、いろいろ回ってみたい
と思います。

確かに1行が長すぎますね。改善してみます。

sageについては、全く気づいておりませんでした。申し訳ありません。
今回は半角小文字に変えているので、大丈夫なハズです。

140■■■■:2009/05/15(金) 01:47:52 ID:KO.Ii1Yg
「吸血鬼(ヤツ)」とかって書き方はやめた方がいい。
原作は厨っぽい書き方を使いこなせてるけど
力量の無い人間が書いてもイタいだけ。

141■■■■:2009/05/15(金) 21:33:54 ID:PmcKrXaI
まあ職人になるためには書かなきゃいけないしどんどん書いていってください。
楽しく読ませていただいています

142■■■■:2009/05/16(土) 21:24:55 ID:GzwJj6PQ
垣根帝督、麦野沈利が活躍するSSが見たい!

題目は

垣根帝督─とある科学の未元物質

麦野沈利─とある科学の原子崩し

143■■■■:2009/05/16(土) 21:37:42 ID:GF9L3X.2
言いだしっぺの法則

144■■■■:2009/05/16(土) 21:40:39 ID:GzwJj6PQ
一方通行─とある科学の一方通行

垣根帝督─とある科学の未元物質

麦野沈利─とある科学の原子崩し

ドレスの女─とある科学の心理掌握

削板軍覇 ─とある科学の念動砲弾

145■■■■:2009/05/16(土) 21:52:25 ID:i8rbpfr6
理想郷に沸いたキチガイだろ
スルーでおk

146■■■■:2009/05/17(日) 00:34:43 ID:yIOztZ9o
「When You Wish Upon a Star(星に願いを)」の続きを2回分投下します。
「吸血鬼(やつ)」という表現は、それを使うと何となく禁書目録ぽくなるかな?と思って使っていましたが、文章の流れも考えず機械的に全部の箇所に当てはめてしまった自分の文章を見てみると、確かに文章のバランスを崩していますね。これからは要所でのみ使用して、それ以外では控えるようにしてみます。
投稿するたびに文章の書き方を試行錯誤している段階で、書くべき文章のスタイルも定まっておらず、読みにくい文章を投下していますが、自分のできる範囲で頑張っておりますので、ご容赦ください。

147■■■■:2009/05/17(日) 00:36:55 ID:yIOztZ9o
(13.木曜日16:50)
上条にとって常盤台までの道のりはイバラの道であった。
上条は黒いロングヘアーの美少女を右に常盤台のお嬢様を左にはべらせて歩いている。
その姿を見る街の男どもの視線に「羨望」のみか「殺意」まで含まれるのも仕方のないことであった。
何十本もの「殺意ある視線」に耐えきれず、ついに上条は本日3度目の現実逃避を図った。
そんなわけで、少女達の間で交わされた会話にも上条は気付かなかった。

「あなた。御坂美琴さんでしょ」
「私の名前を知ってんの?」
「あなた。有名だから。私姫神秋沙。上条君のクラスメイト」
「わ、私はコイツとは腐れ縁で、不良に絡まれている所を助けに来てくれたのが出会いかな。
(その時不良と一緒にコイツにも電撃を浴びせちゃったんだけど)」
「私の場合。監禁されてた私を上条君が(ステイルさんもいたけど)助けに来てくれた時かな」
「私達、「ハンディアンテナサービス」でペア登録しているの。夜通し遊んだこともあるわよ。
(コイツをぶっ倒そうと一晩中追いかけ回しただけなんだけど)」
「私は。上条君とお弁当を交換するぐらいかな(その後ボディブローを入れちゃったけど)」
「コイツは爆弾魔から身を挺して私(主に初春さん達だけど)を守ってくれたこともあったの」
「右腕を切り落とされたのに私のために(インデックスさんもいたけど)歯を食いしばってくれたの」
「コイツは(私の電撃で)ボロボロになった身体をおして私を(妹もだけど)助けてくれたの」
「私が大怪我したとき励ましてくれたの(すぐ行っちゃったけど)」
「いつでもどこでも私のピンチには駆けつけるって約束してくれたの(私にじゃないけど)」
「大覇星祭のナイトパレードを一緒に見ようって言ってくれたこともあったかな。(結局無理だったけど)」
「大覇星祭のとき競技中の私を助けに来てくれたりしたの。(本当は別の目的があったみたいだけど)」
どちらの少女に軍配が上がるのか確定するのはまだまだ先の話であった。

148■■■■:2009/05/17(日) 00:38:00 ID:yIOztZ9o
(13―2)
一方、現実逃避中の上条は吸血鬼について考えを巡らしていた。
(ヤツは本当に吸血鬼なのか?)
(手遅れになる前に警備員(アンチスキル)に通報しなきゃ)
(ダメだ。吸血鬼が出ましたなんていっても、笑われてお終いだ)
(そもそも撃退する方法ってあるのか?御坂の電撃ですら全く効かなかったのに)
(昼間から出てくるような吸血鬼に十字架やニンニクって効かないよな。多分)
(「幻想殺し(イマジンブレーカー)」が少しでも効いていたなら、俺が何とかしないと)
とりとめのない考えに自問自答する内に、上条から警備員(アンチスキル)という選択肢は消えていた。
(そうなると頼りになるのは魔術(オカルト)サイドの連中か)
(そうだ、土御門なら上手く対応してくれるかも)
(でもダメだ。姫神と一緒にいる今は下手に土御門に連絡できない)
(土御門との会話を聞けば、姫神はきっと土御門の裏の顔に感づいちまう)
さらに上条の頭の中は混乱し、解決の糸口すら見つけられないでいた。
(それに姫神のことだ)
(ケルト十字をもう一度イギリスから送って貰わないと)
(でも、「必要悪の教会(ネセサリウス)」に連絡しようにも、土御門が使えないんじゃ...)
頭の中にネセサリウスの面々が浮かんでくる。神裂、五和、オルソラ、ステイル、インデックス
インデックスの顔が浮かんだとたん、昨夜の会話が脳裏に蘇った。
(「明日になったら新しい「歩く教会」が届くって連絡があったんだよ」)
(そうだケルト十字は「歩く教会」の一部なんだから「歩く教会」を着せちまえば良いんじゃないか)
(そうだよ。なんでもっと早く気付かなかったんだ。早く寮に戻んなきゃ)
その時、不意に左手が引っ張られた。どうやら常盤台の学生寮に着いたようだった。
「いちおう言っとくわよ。
今日はありがとう。
でも、あいつは一体何だったのよ?電撃効かないし、消えちゃうし
ふん、まあいいわ
今日のことは後できっちり説明してもらうわよ。
そんなわけだから、今度の日曜日は予定を空けておきなさい。
まさか、電話やメールで済まそうなんて思ってないでしょうね。
当然食事付きよ!って、なんでこの世の終わりみたいな顔すんのよ!
心配しなくても、私が奢ってあげるわよ。
だから、アンタはちゃんとお洒落な格好して来なさい。いいわね。」
常盤台の学生寮へ入っていく御坂美琴を見送りつつ、いつもなら
(なんで俺が吸血鬼の尻ぬぐいしなきゃなんないんだよ。不幸だーっ)
となるところだが、ようやく解決の糸口を見つけた上条にとっては些細なことに思えた。
「姫神、今すぐ俺の部屋に行くぞ」
その言葉になぜか頬を赤らめる姫神秋沙であった。
お約束通り上条はそんなそぶりに全く気付きもせず歩き始めた。当然、姫神秋沙のつぶやきにも。
「今夜。上条君の家で二人っきり」

149■■■■:2009/05/17(日) 00:38:46 ID:yIOztZ9o
(14.木曜日17:25)
「いるんだろ!インデックス」
上条はドアを開けるなりに部屋の奥に呼びかけた。
しかし上条の呼びかけに応えたのはインデックスより姫神秋沙のつぶやき声が先であった。
「そうだった。上条君の家にはインデックスさんが。私ってバカ」
一方、インデックスはすごい勢いで奥から玄関までやってきた。
「じゃーん。どうこれ、新しい「歩く教会」だよ。」
インデックスは見て見てって感じで両手を広げている。
いまにもモデルのようにくるっと回り出しそうだ。
「えへへ」っと微笑むインデックスに上条はいきなり左手で拝みつつ頭を下げた。
「インデックス!上条さん一生のお願いです。今すぐその服を脱いで下さい。」
「なっ何を言っているのかな?とうま」
「上条さんは今とっても焦っています。一刻の猶予もないのです。
インデックスさんにはここで一肌脱いで頂きたいと願っているわけです。ハイ!」
一気にまくし立てた上条だが、周りを満たす重い空気に気が付いて顔を上げた。
(あれっ、なんでインデックスさんはうつむいているのでせう?
なんか肩が小刻みに震えているようなのですが
それにこめかみあたりがヒクヒクして見えるのは何故?どうして?Why?)
頭の中で「インデックス暴発」警報が鳴り響き始めた。
さらに上条の背中にゾクリと悪寒が走った。
(まさか、ここにも吸血鬼が?)
上条は反射的に後を振り返ったが、幸いそこに吸血鬼の姿はなかった。
しかし、視線の少し下にはジト目で上条を見上げる姫神秋沙がいた。
しかもその背からは黒いオーラが吹き出している(ように見える)。
「きみは。こんなときにも」
普段と同じ話し方ではあるが、言葉に含まれる冷気は隠しようもなかった。
「どうしたんですか、姫神さん?あなた様の背後に黒いオーラが見えるのですが。
この上条さんに何か問題でもありましたでしょうか?」
少しうろたえる上条に男の声が追い打ちをかけた。
「君はその子にいつもそんなセクハラをはたらいているのかい?」
声の主は、姫神の背後の廊下から現れた、赤い髪にくわえ煙草のトンデモ神父ステイル=マグヌスだった。
「はあっ?(こいつなにをいってんだ)」
「君はその子にストリップをさせてどうする気なのかな?」
ステイルはルーンを刻んだカードを右手に持ち、(返答次第では炎剣で焼き尽くす)と、殺す(やる)気まんまんで尋ねてきた。

「..というわけで、上条さんはインデックスさんにセクハラしようとしたのではありません」
上条家のテーブルの周りにはセーラー服の上に「歩く教会」を着ている姫神秋沙
再びアイアンメイデンを身にまとったインデックス
口の端でくわえた煙草を細かく揺らすとても不機嫌なステイル=マグヌス
そして3人の正面で正座をさせられている上条当麻がいた。
上条は自分の扱いに不満があるらしくブツクサ言っている。
「なんでステイルが学園都市(ここ)にいるんだよ」
「君はバカか!僕達が法王級の霊装を郵便で送るとでも思っていたのかい?
それとも、「歩く教会」が名前の通り歩いてくるとでも思ったのか?
僕が持ってきたに決まっているだろ。
前からバカだとは思っていたが、ここまで大バカだったとはね」
「くっ、だって、お前は俺達の後から来たじゃないか」
「君と違って、僕は女の子にストリップをさせて喜ぶような卑劣漢じゃないのでね。
レディーの着替えの最中は退席していたというわけだよ。」
「うっ」
どんどん追い詰められていく上条であった。
(くそっ、こんな事をしている場合じゃないのに。
姫神はもう安心だけど、吸血鬼の方は何も終わっちゃいない。はやく土御門に連絡しないと)
「そっ、それより。ステイル!ここで、姫神とインデックスをみていてくれないか?」
「なんで僕が?はぐらかす気か?」
「頼む、俺がちょっと見てくるだけの間でいいから」
「ん? それは、急ぐのことなのかい?」
「ああ」
何を見てくるのかを知っている姫神は表情に不安の色を浮かべた。
上条の表情からこの状況で警戒すべき相手がいるならそれは何者なのかを察したステイルは目つきを鋭くした。
何も知らないインデックスは敵前逃亡しようとする上条に不満の声を上げた。
インデックスの追求を振り切って部屋を脱出した上条は漆黒に包まれつつあった学生寮の周辺を走り回った。
辺りに吸血鬼の気配が無いことを確認してようやく上条は立ち止まり、土御門の携帯をコールした。

150■■■■:2009/05/17(日) 00:43:06 ID:yIOztZ9o
以上です。
文字数制限に引っかかり(13)を2分割していますのでレスを3つ使っています。2000文字までなら大丈夫かなと油断しておりました。
また、この話は最初20回程度で終わらせるつもりでしたが、どうも30回ぐらいに増えそうな感じになっています。こちらも見積もりが甘かったようです。

151■■■■:2009/05/17(日) 00:57:18 ID:Xy8k1tzw
ステイルがイノケンティウスに【ザバイブ-烈火-】のカードを使ってフィアンマさんを焼き尽くす、って電波が来たんだが

152■■■■:2009/05/17(日) 00:57:50 ID:Xy8k1tzw
サバイブだ、サバイブ

連投すまん

153■■■■:2009/05/17(日) 01:11:46 ID:dMIFroKM
吸血殺しの紅十字という大層な呪文?を使ってるステイルは吸血鬼の相手になるのだろうか

154■■■■:2009/05/17(日) 03:45:47 ID:Wu87d4Eo
そんなのステイル瞬殺で終わりだろ

155■■■■:2009/05/17(日) 11:57:29 ID:EH7fNKK6

吉村さんが教えてくれたところ、マジいいっす!
昨日も、2人の女の子に囲まれて、二本のおててでシゴいてもらっちゃったっす!
最初、3秒くらいで出ちゃったら慌ててティッシュとかタオルとか かぶせられるし
終始笑いっぱなし&いきっぱなしのプレイですた!(笑)

http:\/weny.younube.net/nvdpv1-/

156■■■■:2009/05/17(日) 12:35:26 ID:JyLfQCvw
GJだぜい
続きがきになる きになる

157■■■■:2009/05/17(日) 19:33:39 ID:BUxtJ.N.
姫神SSアウトな俺もコレは良いと思う
あとコレが終わったら他のも書いてほしい

158■■■■:2009/05/18(月) 01:11:33 ID:DBKNmzMY
御坂との絡みがいい?
御坂妹も絡まして

159■■■■:2009/05/18(月) 20:51:28 ID:PFuBkyIE
最近ラブコメっぽいのが多い?

160■■■■:2009/05/18(月) 22:05:00 ID:Md6fRnMg
「When You Wish Upon a Star(星に願いを)」の続きを3回分投下します。

161■■■■:2009/05/18(月) 22:05:57 ID:Md6fRnMg
(15.木曜日17:55)
「土御門か?上条だ。実は今日、学園都市にきゅう「吸血鬼のことだろ。カミやん」」
「なんで知ってんだ?」
「にゃーっ、カミやん、俺っちをなめてもらっちゃ困るぜよ」
上条は「滞空回線(アンダーライン)」など学園都市の裏の裏までは知らない。
だから土御門がこうも早く現状を把握していることに驚いていた。
「安心しろ、カミやん。今のところ吸血鬼の被害者は1名も確認されていない」
「そうか...って、じゃあ、ヤツはやっぱり吸血鬼なのか?」
「まだ研究者どもが解析している最中だが、結論はじきにでると思うぜ」
「それじゃ対策も立てられるってことか?」
「そいつはどうだろうな」
「じゃあ、今ヤツはどこなんだ?」
「それは分からんそうだ。公園で消えてから吸血鬼が現れたという報告はない」
「ひょっとして、もう学園都市にいないんじゃ?」
「楽観しない方がいい。それに吸血鬼がいなくなっていたとしても問題が一つ増えちまっている」
「問題?」
「実は吸血鬼が学園都市に現れたという情報が魔術サイドに漏れたようだ。
それで吸血鬼を捕獲しようとする魔術サイドの連中が学園都市への侵入を計画しているそうだ。
例え今から学園都市が吸血鬼はいないと宣言しても奴らは信用しないだろう。
水際で防ぎたいところだが、なんせ奴らの獲物は無限の魔力をもつとされる吸血鬼だ。
きっと手練れを集めるだろうし、多少の犠牲は構わないとも思っているだろう」
「学園都市でまた戦いが始まっちまうのかよ。くそっ!俺に手伝えることはないか?」
「そんなことより、カミやんは今どこにいるんだ?」
「学生寮の前だけど」
「そうか。実はな、カミやん。
まだ学園都市に吸血鬼がいた場合、話がもっとややこしくなる。
学園都市にも吸血鬼ってサンプルをノドから手が出るほど欲しがっている奴らがいる。
奴らは「吸血殺し(ディープブラッド)」を吸血鬼をおびき出す餌、従属させる道具として使うだろう。
それと吸血鬼が手に負えない場合の処刑道具としてもな。
奴らは「吸血殺し」にさえ影響しないなら手足だろうが平気で切り落とす連中だからな」
「何だって!人間を一体なんだと思ってやがる!」
「まあ、これは最悪のケースだ。
カミやんは、吸血鬼がもう学園都市から逃げてることと俺達が魔術師達を食い止めることを祈っていてくれ」
ただカミやん。念のため、これからは連絡を取るにしてもあまり姫神から離れないことだ」
電話を切った上条は、事態が科学サイドと魔術サイドの戦いへと展開しつつあることに困惑していた。
(最悪の場合、姫神秋沙を中心に学園都市で戦いが起こる。
姫神をどうやったら守れるんだ?
それに、インデックスだ。
このままだとインデックスまで巻き込んじまう。どうしたらいい?)

162■■■■:2009/05/18(月) 22:06:57 ID:Md6fRnMg
(16.木曜日18:05)
3人が三者三様の面持ちで上条を待っている部屋に上条は戻ってきた。
帰ってきた上条はステイルの所まで行くと用件だけを単刀直入に言い切った。
「ステイル、今から小萌先生の所へインデックスを連れて行ってやってくれ」
「なっ、なんで、僕があの女性(ひと)のところへ行かなきゃなんならないんだ。」
「とうま、それは一体どういうこと?わたしを追い出して、あいさと一緒に何する気?」
「ステイル、頼む!」
上条はインデックスの抗議には応えず、ステイル=マグヌスに再度頼んだ。
ステイル=マグヌスは上条当麻が好きな訳ではない。
しかし、上条当麻の行動原理は良く理解している。
上条が決してインデックスを危険に巻き込もうとはしないことを。
もし上条がインデックスを遠ざけるなら、それはもうすぐここが危険な場所になるということを。
ステイル=マグヌスは面白くなさそうに左手で髪をかきむしると右手をインデックスの肩の上に置いた。
「ふん。分かったよ!ただし、こいつは貸しだ」
「わたしは納得しないよ。とうま」
「インデックス、すまん。今度なんか美味いものを食べさせてやるから」
「ヤだもん。たとえ、ディナーフルコースだって納得しないんだから〜!」
暴れるインデックスを肩に担ぎあげ、ステイルが上条の部屋から出て行った。
ステイルの肩に荷物のように担がれたインデックスは怒りの声を上げあげ続けている。
「とうまこの貸しは大きいんだよ。
フレンチフルコースに高級イタリアン、満願全席に老舗割烹料理、高級焼き肉に鰻重
それから、それから〜...」
料理名を連呼するインデックスの声がようやく聞こえなくなり上条はようやく一息ついた。
「インデックスさん。行っちゃった」
姫神秋沙がポツリといった一言に、上条は今自分が置かれている状況に気が付いた。
夜、狭い部屋に美少女と二人っきり。
居候(インデックス)は今晩帰ってこない。
隣の土御門も多分帰ってこない。
ドキドキのラブコメが今すぐにも展開しそうな舞台がいつの間にか出来上がっていた。
急に上条はそわそわし始めた。
視線は宙を泳ぎだし、心拍数も右肩上がりに増加中だ。
何かで気を紛らわせないと心臓がどうにかなりそうな上条であった。
「ひっ姫神、はっ腹減っただろ、夕食を何か作ってやるよ」
(ふーっ、これで料理している間はなんとか気が紛れそうだ)
一安心した上条であったが、姫神の返事は上条のその安全宣言を木っ端みじんに粉砕した。
「その前に。私。シャワー浴びたいんだけど」

163■■■■:2009/05/18(月) 22:07:39 ID:Md6fRnMg
(17.木曜日18:25)
「シャワー?」
上条はシャワーという単語に反応してエッチな妄想に向かい始めた思考を何とか押し戻すことができた。
もっとも、一旦真っ赤になってしまった顔はなかなか元に戻せなかった。
上条は冷静になろうと客観的に姫神の発言を分析しようとしていた。
(「シャワーを浴びたい」って言う発言は、姫神がエッチな展開を期待して言った訳じゃない。
考えてみりゃ、今日の放課後はハードだったもんな。
かいた汗を洗い流したいって思うのは女の子なら当然だよな。
姫神がこんなこと言い出したのはきっと「歩く教会」を借りて余裕ができた証拠だよな。
うん。そうだ、そうに違いない。
俺がうろたえたら変な期待をしてるんじゃないかと姫神に疑われちまう。
ここは冷静に)
「あっ、ああ、いっ、いいとも、バスルームは自由に使ってくれ。オレはその間に夕食を作っておくよ」
「君も。一緒」
「へっ?」
「「歩く教会」を着たままお風呂には入れない。だから君も一緒」
「なっ、何をおっしゃって?」
「女子トイレにだって入る気だったんだから。大丈夫」
「いや、あれとこれとは違うんじゃ?」
「無理?」
「わっ、わかったよ。姫神、じゃあオレはどうすればいい?」
「とりあえず。服を脱いで」
「えっ、え”−−っ」
「着たままだと服が濡れちゃう。それにパンツまで脱げとは言っていない」
「ああ、そうか、うん、そうだよな。ハッハッ」
上条はTシャツまでは脱いだものの、さすがにパンツだけでなくズボンも脱ぐことはできなかった。
そして今、上条は手ぬぐいで目隠しをしている。
それは上条に目をつぶり続ける自信がなかったからだ。
そして上条は脱衣所の床に座っている。
そして右手で姫神秋沙の左足首を握っている。
この状況は健全な男子高校生にとっては拷問にも等しい苦行であった。
目と鼻の先に美少女がいる。
そして足首であるとはいえ、その身体に触れている。
しかもその美少女はこれから全裸になってシャワーを浴びるというのだ。
その姿を遮るものは自分の薄いまぶたと一枚の布きれだけなのである。
さらに耳には「シュッシュッ」と衣擦れの音が聞こえてくる。
(うわーっ、目が見えないと想像力ってこんなに大きくなるんだ。うん、新発見だ!)
上条当麻は透視能力者ではない。
しかし、姫神秋沙がブラウスの脱いでいるビジョンとか、ブラを外しているビジョンが次々と頭に浮かんでくる。
もし上条がレベル0の透視能力者だったなら、きっとこの数分でその能力を大きく開花させたことだろう。
しかし上条は正真正銘の“無”能力者であった。
(クソっ、こんなことならもっと真面目に能力開発の補習を受けてりゃ良かった)
と上条が激しく後悔したかどうかは上条の名誉のためにここでは言及しないでおく。
その時、不意に上条の右腕に「ファサッ」と布の固まりが落ちてきた。
目隠ししている上条であったが、それが姫神の制服のスカートであると瞬時に判断できてしまった。
その後、なぜか姫神の右手が上条の右手を誘導して姫神の左手首を握らせた。
そして上条の右手が姫神の腰の辺りまで持ち上げられたかと思うと、今度は膝の辺りまで降ろされた。
その動作の意味を理解した瞬間、上条の心臓は破裂寸前まで鼓動を早めていた。
そして姫神秋沙はバスルームへ入っていった。上条の手を引いて。

164■■■■:2009/05/18(月) 22:08:20 ID:Md6fRnMg
以上です。

165■■■■:2009/05/18(月) 23:52:24 ID:kQlQwcWk
>>160
忠告とかアドバイスとか聞く気無いんすね・・・・・・・。
正直読む気失せたわ。読みずれぇ・・・・・。

166■■■■:2009/05/19(火) 00:48:02 ID:KAlpQ//I
前よりは読みやすくなったと思うんだが、最初から完璧な奴なんてほんの一握りだろ
普通は試行錯誤していって上手くなっていくもんだ
あと>>165重箱の隅をつつくようで悪いが、○づらい×ずらい、な

167■■■■:2009/05/19(火) 01:17:20 ID:ljlMYvlQ
行間空けれ。激しく見づらい。

全体的に説明口調過ぎる。
一から十までナレーターに説明させるな。
まして台詞で説明させるなど論外。

簡潔に書くことを心がけるべし。

168■■■■:2009/05/19(火) 01:38:45 ID:s5/UmBb6
三人称から一人称にするのもいいと思う

169■■■■:2009/05/19(火) 07:09:33 ID:X1vR4.E2
>>167
行間については、ssでよくある、文毎に空行が入っている文のほうが読みづらく感じるのですが、
それは私だけでしょうか?

170■■■■:2009/05/19(火) 08:17:08 ID:ohZ7gy8Q
>>169
とりあえず会話分と地の文の間ぐらいは空けたほうがいいと思われ

171■■■■:2009/05/19(火) 11:47:06 ID:LWkkep96
灰姫のSSをwikiじゃなく過去スレ(part1-2)で見ると色々言われてる事が結構当て嵌ってて笑えるんだが……やっぱ内容かね?

最終が2007年だからなー
もう一度読んでみたいとは思うけどあんなことがあったし……

172■■■■:2009/05/19(火) 23:04:25 ID:fwvjm8To
「When You Wish Upon a Star(星に願いを)」の続きを2回分投下します。
皆様からいろいろなアドバイスを頂きとても感謝しております。ありがとうございます。
今回も自分なりに文章の書き方を少し改良したつもりです。前回より少しでも読みやすくなっていれば幸いです。

173■■■■:2009/05/19(火) 23:05:35 ID:fwvjm8To
(18.木曜日18:47)
「ぶわぁっ」
「ゴメン。手が滑った」
「ひでえぞ、姫神」

その時上条は脱衣所に腹ばいになり上半身だけをバスルームに入れていた。
右腕を伸ばして姫神秋沙の左足首を握る上条の頭に突然シャワーが浴びせられたのだった。

「お詫びに。髪を拭いてあげる」
「いや、それは、良いって」
「拭いてあげる」
「姫神様、上条さんにこれ以上余計な刺激を与えるのは勘弁して下さい」
「何の話?」
「いえ、何でもありません」
「私が手を滑らした。だから髪を拭く。なにか問題でも?」
「えーっと、そのーっ」
「拭いてあげる」
「...はい」
「じゃあ、こっち向いて座って」
「えっ?」

上条は目隠ししているのだからどっちを向いても問題ないはずであった。
それでも姫神と向かい合うのにためらいを感じる純情少年上条当麻であった。

想像1:正面に全裸の姫神が膝立ちになって頭を拭いてくれる。−>目の前に姫神の胸が...
想像2:正面に全裸の姫神が立ったまま頭を拭いてくれる。−>以下、自粛

上条は頭をブンブン振って2つの未来図を思考の外へ振り飛ばした。
どちらにしても上条は自分の理性を信用していなかった。
そこで姫神秋沙から右手を離さないようにしつつ体をひねって上体を起こした。
丁度バスルームの入り口で外向きに体育座りをする格好になった。

(ふぅーっ。こうでもしないと上条さんの心臓は破裂してしまいます)

姫神秋沙は上条の右手を自分の右膝に移動させつつ上条の後ろに膝立ちとなった。
そして上条の髪に付いた水気を丁寧にタオルで拭いていった。

「肩や背中まで濡れてる。こっちも拭いてあげる」

全裸の姫神秋沙に身体を拭かれているという状況に上条の思考はパンク寸前だった。
しかも背中に感じる上気した姫神秋沙の体温が上条の想像力に大量の燃料を投下していた。

(この状況はまずい。マジでヤバイ。
そうだ素数を数えよう。1,2,3,5,7...って素数って何だっけ?)

こんな状況は偶然起こるはずはない。
上条当麻は気付かなかったが、これは姫神秋沙がイタズラ心でワザと起こしたものだった。
姫神秋沙は気付かなかったが、そのイタズラ心は95%が嫉妬でできていた。

放課後、吹寄制理を振り切って二人で逃げ出した時は、嬉しかった。
公園で、御坂美琴を助けようとした上条を見て、なぜか胸が締め付けられた。
帰り道、御坂美琴の積極的な態度をみて、少し不安になった。
さっき、インデックスの身を案じる姿を見て、なぜか悲しくなった。
そして姫神秋沙は少し上条当麻を困らせてやろうと思ってやったのだった。

(クスッ。頭を拭いてあげるって言ったら。君はやっぱり大慌てしたね。
これはどんな女(こ)にも優しい君へのささやかな罰だよ)

姫神秋沙は慌てふためく上条を見たらもうこのイタズラはお終いにするつもりだった。
その瞬間までは。

174■■■■:2009/05/19(火) 23:06:35 ID:fwvjm8To
(19.木曜日18:51)
その時、姫神秋沙は上条の右腕に残る薄い傷跡に気付いてしまった。
そこに傷があったことを知っている人間でなければ決して気付かないような薄い傷跡に。
姫神秋沙はそれがかすり傷でないことも、どうしてできたのかも知っている。
だから姫神秋沙は無意識のうちに指でその傷跡をなぞってしまった。
唐突に腕を触られた上条はビクンと肩を跳ね上げた。

「いっ、いったいどうしたんだ、姫神」
「この傷。私のせい」

上条の右腕は一度「三沢塾」で錬金術師に切り落とされた。
幸いカエル顔の医者に元通りに直してもらえたが、たとえ腕を無くしていても上条は後悔しなかっただろう。

「君は腕を切り落とされても。私を助けてくれた。
なのに。助けてもらった私は誰も助けられない。
私の能力(ちから)はただ「殺す」だけ」

そう言うと、上条の両肩に手を乗せたまま上条を両腕ごと抱え込むように上条の背中にしがみついた。
制服越しであった放課後とは違い、姫神秋沙の二つの膨らみは上条の背中に直接押し付けられた。
ただでさえ視覚以外の感覚が研ぎ澄まされた上条である。
押しつぶされた膨らみの質感はもとよりその先端までリアルに再現された脳内はもはや熱暴走寸前だった。

「ひっ、姫神!?」
「ゴメン。もう少しこのまま」

少しの沈黙の後、姫神秋沙が口を開いた。

「以前。監禁されていた三沢塾の隠し部屋で私がどんな扱いを受けたか知りたいって聞いたことあったよね。
あのとき君は何も聞かなかったけど。何があったと思う?」

上条は高鳴っていた心臓がいきなり冷水を浴びせられたように締め付けられた。
今まであったドキドキ感すら全て無くなってしまっていた。

「まさか、奴ら、お前に非道いことをしたんじゃ」
「いいえ。私は何もされなかった。
確かに。あの人達は私の体を隅から隅まで調べていった。
でもあの人達には判らなかった。私のどこに「吸血殺し」が宿っているのか。
だから。あの人達は私を傷付けることができなかった。
 不用意に傷付けてせっかく手に入れた希少な「吸血殺し」を失うことを恐れていたの」
「それじゃ、何を?」
「だから。彼らは塾の生徒達を使ったの。
 私と身体的特徴が似ている女子生徒もいた。
 DNAマップが一番似ているというだけで実験台にされた男子生徒もいた。
 そんな生徒達の頭に、私の脳波パターンを無理矢理書き込もうとしたの。
 能力者に別の能力を上書きすることなんてできないことは判っているハズなのに。
隠し部屋の中で皆体中から血を吹き出して倒れていった。
 私はその様子をただ眺めることしかできなかった。
私はもう誰も傷付けたくないから学園都市に来たのに。
結局、学園都市(ここ)でも私はいつも他人を傷付けていた」
「それは、姫神のせいじゃない」
「大覇星祭のとき私大ケガしたでしょ。
あのときね。とうとう私に天罰が下りたんだなって思った。
 それならこのまま死んでも仕方ないかなって。
それでもね。君を見た瞬間。急に死にたくないって思ったの。
変でしょ。他人ばかり傷付けてきた私が。自分だけは生きたいと願ったの。
私なんて生きる価値もないのに」
「バカ野郎!なに勝手なこと言ってやがる。
人は価値があるから生きているんじゃねぇ、生きているから人には価値があるんだ。
自分に生きる価値がないなんて思うそんな馬鹿げた幻想なら俺がぶっ壊してやる」

姫神秋沙は上条の背中にすがりついたまま泣いていた。
それなのに姫神秋沙には判らなかった。
今自分は悲しいのか、嬉しいのか、寂しいのか、悔しいのか
そんなことも分からないのに涙はなぜか止めどなく溢れ出てくる。

(そういえばいつからだろう?こうやって泣かなくなったのは?
あれ以前はみんなと同じように泣いたことがあったような気がする。
そうだ、あれから私は感情を表に出さないようにしたんだ。
心を閉ざせば楽になれると信じていたから。
もう他人の痛みや悲しみを感じるのには耐えられなかったから。
だからもう泣くこともなくなった。
そして、それで良いと思っていた。
でも...)

姫神秋沙は上条の背中にすがりついたまま泣き続けた。
まるで、今まで表に出せなかった感情がようやく出口を見つけて溢れ出したように。

175■■■■:2009/05/19(火) 23:09:51 ID:fwvjm8To
以上です。
皆様からの貴重なアドバイスを受けているのに、文章作りがなかなか上手くなりません。これは私の文章作りのセンスが悪くてなかなかスキルアップしないのが原因であって、決して皆様のアドバイスを無視しているわけではありませんので、ご容赦下さい。
特に改行につきましては、「ライトノベル作法研究所」に書かれてあるように段落頃に改行すべきなのか、1文づつ改行した方が読みやすいのか未だに判断できておらず、今回は、一文ずつ改行して段落毎に空行を入れる変な方法を採っています。あと、一文ずつ空行を入れる方法は、それを使うと1レスが長くなり1人でスレッドのスペースを占有している感じになりそうだったので、使いませんでした。
加えて、そもそも話の内容が面白くないという根本的な欠点については、文章作り以上に向上に時間がかかりそうです。日々努力しますが、当面は皆様に最低でも目を通して頂けるような文章にすることを目標にしたいと思っております。ご容赦下さい。
あと、この話はこれから終盤なのですが、今書き溜めている文章は説明的文章や説明くさいセリフが大量にあり、今以上に読み難い文章になっています。そこで、少し時間をかけて、他の職人さんのSSを見つつ、今ある文章を整理していきたいと考えています。

176■■■■:2009/05/19(火) 23:55:12 ID:jIiIvcM.
この方が読みやすくて良いよ

177■■■■:2009/05/20(水) 00:51:02 ID:/0c1UuBA
あとがきの方にも改行を入れてくれると助かる

178■■■■:2009/05/20(水) 01:20:13 ID:UxZWKIKE
全体を通して見ると・・何か少しキャラ違ってね?
やたら意識する姫神とか、違う方向に過激な美琴が
まぁ、まとめサイトにはもっとキャラ変えまくりのSSが腐るほどあるけどさ

179HAO:2009/05/20(水) 12:10:04 ID:p67I/eOI
どうも、HAOです。
『とあるお嬢の酔いどれ騒動』を投下します。

*注意
このお話は、美琴が怪しいジュースを飲んだ影響で酔っ払っていて、上条さんにラブラブだだ甘えキャラと化しています。
なので、『こんなの美琴じゃねー!』とか『こんな美琴嫌だー!』って人はスルーしてください。

180『とあるお嬢の酔いどれ騒動』:2009/05/20(水) 12:11:09 ID:p67I/eOI
「とうみゃ〜! どういうきょとにゃのきゃにゃ〜! ちゃんとしぇちゅめいちてくれにゃいとわきゃんにゃいよ〜!」
説明しろと言うのなら、まず上条さんをこの状況から解放してください。
現在上条さんは美琴さんにブンブン振り回されまくってて、この状況ではまともに話せません。
この状況から解放してくれない事には口を開くことができない状態です。
とはいえ、美琴にはその事が全くわからないようで、上条さんを解放するどころか、むしろ逆に揺さ振りが激しくなる一方だった。
「とうみゃ〜! とうみゃ〜!」
「(うぅ……や、やべぇ……)」
振り回されまくって、脳みそがシェイクされて意識が朦朧としてきた。
このままこの状態が続くと、上条さんは気を失いそうです。
しかし、もしかしたらこのまま気を失った方が幸せなのではないだろうか?
そうすれば、もうこの酔っ払いの相手をする必要はないわけで……なんて事を考えてしまうが、
「(いや、待て……気を失ったら気を失ったで、『じんきょうきょきゅうしゅる〜♪』とか言って、またキスされるんじゃ……)」
という嫌な予感が頭を過ぎる。
考えるまでもなく、まず間違いなくそうなりそうだ。
「(それじゃだめだろー……!)」
なんて事を考えている間も、相変わらずブンブン振り回されている上条さん。
そろそろ限界か?と思ったその時、
「おーい、お二人さんー、じゃれ合ってるところ悪いんだがなー……」
今まで傍観していた土御門舞夏が急に呼びかけてきた。
舞夏の声が届いたのか、美琴の動きがピタリと止まった。
「(た、助かったのか……?)」
舞夏の呼びかけにより、なんとか美琴の揺さ振りから解放された上条だが、頭はクラクラ状態ですぐには何もできません。
っていうか、この状況がじゃれてるように見えますか、舞夏さん。
で、美琴はというと、
「……にゃにきゃな?」
と舞夏の方を鋭い目つきで睨みながら、それだけ口にする。
上条との関係がはっきりわかっていないので、美琴の中では舞夏は敵という認識らしい。
もしかして、一触即発な状況でしょうか?
「はっはっはー、そんな怖い顔するなよ、御坂ー。 心配しなくても、お前の上条当麻を取ったりしないから安心しろ〜♪」
愉快に笑いながら軽〜く酔いどれ美琴さんに応対する怖いもの知らずな舞夏さん。
何気に強者です。
しかし、今の言葉を美琴が素直に信じるだろうか?
事実、美琴の表情は未だ険しい。
っていうかその前に、上条さんは美琴さんのものではありません。
と言いたいところだが、今となってはこの酔っ払いのおもちゃと言われても仕方のない状況か……。
「って、そんな事よりだなー……」
この状況でその話題をそんな事呼ばわりできる舞夏さんは本当に怖いもの知らずです。
ある意味感心します……。
「誰か来そうなんだが……大丈夫かー?」
「……はい?」

181『とあるお嬢の酔いどれ騒動』:2009/05/20(水) 12:12:29 ID:p67I/eOI
誰かが来そう?
今の状況を確認。
上条さんは衣服が乱れ気味、美琴も衣服が乱れ気味どころか上着のボタンが全部はずれてて、開いたシャツの間から下着及び素肌を覗かせている状態。
こんな裏路地で若い男女が服装乱して一緒にいたら、
「(うん、間違えなく勘違いされる……!)」
そう思われる可能性大。
ちなみに今そこにいるメイドも、偶然通りかかってこの現場を目撃した人間の一人なわけだが、盛大に勘違いしてくれてたな。
そんなわけで、これ以上いらぬ誤解を招かぬためにも、一刻も早くこの状況をどうにかしようと行動に移すのだが、
「みさ……じゃなくて、美琴! 服を……!」
「うにゅ? にゅぎゅの?」
イカレた発言に上条さんはガツンとおもいっきり壁に頭をぶつける。
何脳みそ沸いた発言をしてますか、この酔っ払いは!?
「違うわー! なんでそうなるー!」
壁にめり込んでいた頭を取り出すと、美琴の方に向き直り軽く説教をかます。
この状況でも酔っ払い美琴さんは相変わらずです。
というか、現状を理解してないのか?
「脱ぐんじゃなくて着るの! ちゃんと……その…ボタンを留めてください……! 人が来そうなんだから、早くする!」
今更ながらあられもない姿の美琴を直視する事ができない上条さんは、視線を逸らしつつ美琴にボタンを留めるように言い、そして自分も急いで乱れた服装を整える。
が、もうあまり時間がないようだ。
足音&話し声が徐々に近付いてくるのがわかる。
「(やばい! このままだと……!)」
間に合わず、新たな目撃者追加、なんて事になってしまう。
「(こうなったら……!)」
上条は美琴の手を取ると、
「逃げるぞー!」
ここから逃亡する手段に出た。
足音&話し声のする方向とは逆にダッシュで逃げ出そうとしたが、
「わっ!」
急に走り出そうとしたので、美琴は足がもつれて転びそうになる。
「っ……!」
素早く反応した上条は美琴を支えようとしたが、体勢が悪かったのか、ドスゥンと美琴を庇うようにしてこけてしまった。
「いっつぅ……だ、大丈夫か、美琴?」
「う、うん……。あ、ありがとう〜♪ とうみゃ、かばってくりぇて〜♪ だいちゅき〜♪」

チュッ〜♪

助けたお礼に唇に柔らかい感触、美琴の唇がを押し当てられた。

「「あっ!?」」

最悪な事に、こちらへ向かっていた人物、中学生くらいの女の子二人組がちょうど姿を現し、この現場を目撃されてしまった。

182『とあるお嬢の酔いどれ騒動』:2009/05/20(水) 12:13:07 ID:p67I/eOI
「うにゅ? どちたの、とうみゃ〜?」
固まっている上条さんを不思議そうに見つめる美琴。
美琴は気付いていないようだが、かなり最悪な状況である。
倒れている上条さんの上に美琴が乗っかるような形になってて、現在キスしてます。
服装は両者とも乱れ気味。
たぶんこの現場を第三者視点から見ると、裏路地で若い男女がなんかエロ〜い事をしているようにしか見えません。
「(さ、最悪だ……)」
「うにゅ?」
頭を抱える上条さんと未だ状況がわかっていなさそうな美琴さん。
二人組はちょうど美琴の真後ろにいるので、美琴には見えない、というか美琴はさっきの声も聞こえていなかったのか、二人の存在に全く気付いていなかった。
自分の真後ろをじっと見つめながら固まっている上条を見て美琴は、
「うちろににゃにか……」
と後ろに振り返ろうとしたが、

『し、失礼しましたー!!!』

二人組が大きな声で謝罪の言葉を叫ぶと、一目散に今来た道をダッシュで戻って行った。
うん、間違いなく完璧に勘違いされた……。
もの凄いスピードで走り去ったのか、すぐに姿は見えなくなった。
「うにゅ? いみゃのこえ、どこきゃできたことありゅようにゃ……?」
結局美琴は二人の姿を確認する事はできなかったみたいだが、何やら不穏な事を口にしていた。
「(ええっ!? もしかして今の二人、御坂の知り合いだったリするの!? そうか、そういう可能性もあるのか……)」
自分の知り合いではなかったため、少しは安心いていたのだが、美琴の知り合いであったかもしれないという可能性を上条は考えてもいなかった。
「(もしそうだとすると……相当ヤバくないか?)」
あまり考えたくない事だった。
とりあえず、さっきの二人組が美琴の知り合いでない事を上条は願った。

で、その二人組はというと……。
「ううううううう初春……!」
「さささささささ佐天さん……!」
おもいっきり美琴の知り合い、初春&佐天だった。
「す、すすす凄いもの見ちゃったね!?」
「た、たたたたしかに……」
と言って二人は先程見た光景を思い出す。
思い出して、「きゃー♪」とか「わー!」とか奇声を上げていた。
「あ、あれがお嬢様の恋愛ってやつなんですかね……?」
「さ、最近のお嬢様は進んでるね……」
何やら猥談で盛り上がっていた。

183『とあるお嬢の酔いどれ騒動』:2009/05/20(水) 12:13:55 ID:p67I/eOI
「さてとー……じゃあ私もそろそろ行くかなー」
「えっ?」
声のした方に視線を向けると、清掃ロボットに乗るメイド少女・土御門舞夏の姿が。
そういえば、彼女もこの場にいたのだった。
こう言っちゃなんだが、すっかり忘れていた。
「なんかいろいろおもしろかったなー。まあ、私もお邪魔みたいだし、そろそろお暇するぞ〜♪ じゃあ、ごゆっくり〜♪」
と二人の横を通り過ぎて行こうとする。
「ちょ……」
上条が引き留めようと起き上がるが、
「あ、そうだー!」
引き留める前に、舞夏が何か思い出したかのように立ち止まった。
「おーい、御坂ー。これやるぞー。勘違いさせたお詫びだー」
と何やら紙切れを上条の隣に座り込んでいる美琴に差し出す。
差し出された紙切れを、美琴は意外に素直に受け取る。
「にゃにこれ?」
パッと見たところ、何かの券らしい。
上条も顔を覗かせて二人で書かれている内容に目を通すと、

『ホテル○○ 特別割引券』

ラブホテルの割引券だった。
「って、おい!?」
上条は絶叫して舞夏の方を睨みつけるが、
「はっはっはー、迷惑料ということで受け取っとけ〜♪」
当の舞夏はどこ吹く風と愉快に笑っていた。
「受け取れるかー! こんなもん!」
パシッと美琴から券を取り上げると、ビリビリビリっと破いて放り出した。
「はぁ…はぁ…はぁ……」
「はっはっはー、じゃあ、今度こそ本当にさらばだ〜♪」
といつの間にか舞夏の姿は二人の側にはなく、少し離れた所にいた。
「おい、こらー! 舞夏ー!」
「大人の階段登る〜、二人まだ未成年さ〜♪」
皮肉を込めた替え歌を口ずさみながら、舞夏を乗せた清掃ロボットは走り去った。
「ちょ、ま……」
上条は急いで立ち上がり、後を追おうとしたが、

ズベシっ!

美琴に服を掴まれて、その場に顔からこけた。
「いつっっ……な、何すんだよ、美琴……」
「とうみゃ……しゅっかりわしゅれてたんだけどしゃ……けっきょくちゅちみちゃどとはどういうきゃんけいにゃの?」
「……はい?」
「ちゃんと、とうみゃのくちきゃらしぇちゅめいしてほしいきゃも」
上条に詰め寄る美琴。
「えっと……」
「しぇちゅめいしてほしいきゃも」
「あー、わかったわかった。わかったから……とりあえず、服のボタン留めてください……」
「……うにゅ?」
結局このまま上条と舞夏の関係について説明する事になり、舞夏の後を追う事はできなかった。
説明中も美琴が何度も逆上したりして、気苦労が絶えなかったのは言うまでもない……。
「つ、疲れた……っていうか、不幸だ……」

184HAO:2009/05/20(水) 12:14:51 ID:p67I/eOI
遅くなりました。
現在、代わりのPC使って書いているのですが、自分のPCではないのであまり頻繁に使う事ができない状態ですので、投下速度が遅い事はご勘弁を。
あと、『いちゃいちゃ看病編』の方ですが、こちらもちゃんと書いてますけど、少々煮え詰まっている状態でして……。
なんとか来月には『いちゃいちゃ看病編』の続きを投下できるようにしたいと思っています。

185■■■■:2009/05/20(水) 14:40:39 ID:UxZWKIKE
確かに御坂変わってるけど、ノリは禁書っぽいから好きだよ
つか看病と同じ作者だったんだね。楽しみにしてますから頑張ってください

186■■■■:2009/05/20(水) 17:18:48 ID:qzIlFQK6
>>184
GJ!
ずっと待ってた甲斐があったぜ

187■■■■:2009/05/20(水) 18:39:26 ID:bOwM/GGs
CJ!
最高です。 本当に毎日楽しみにしてますので頑張ってください

188■■■■:2009/05/20(水) 18:40:26 ID:bOwM/GGs
>>187
CJってなんぞwww
GJの間違いです

189■■■■:2009/05/21(木) 23:11:19 ID:K1vR3HFg
白井黒子との絡みがとても楽しみですけれど
やはり酔っ払い台詞はすごい読みにくいし、
かつての美琴さんを懐かしがっている当麻の気持ちも
よーく分ります。

190■■■■:2009/05/21(木) 23:27:33 ID:b515F5Vo
エロパロの方で上条×黒子、黒子×上条を読みたいって言ってたのが居たな…

191■■■■:2009/05/22(金) 00:21:59 ID:vFkCvhNs
白黒は一応助けてもらったのにフラグがたってないからな
そんな訳でFestival of large star IFは好きだ

192■■■■:2009/05/22(金) 01:03:11 ID:wtl9bDIg
しかしfestival IFは打ち切りだしな……orz

黒子ヤンデレSSは前スレだかで宣伝してたのが居たな

193ユミシロ:2009/05/22(金) 02:30:33 ID:rJ1to6..
黒子×上条……を考えてみたけど


「白井、風邪引いてるのか」
「くっ……よりによってあなたに目撃されるとは思いませんでしたわ」
「御坂は知ってるのかよ」
「すでにお気づきになられていると思いますの。ですから余計なことは言わないでくださいな」
「ホント辛いなら休んだ方がいいぞ。どれ……」
 上条の右手が自然に動いて、白井の額に触れた。
(何を……)
 なさるつもりですの、と口にしようとして止まる。
 やや硬いと感じる掌は、白井や美琴よりも大きい。
 一度だけ。
 一度だけだが、白井はこの右手に命を救われている。
 そしてその右手は傷だらけだった。手だけではない。腕全体に、所々に傷がある。
 ぱっと見ただけでも喧嘩の類で負うような傷には見えない。
 刃物かワイヤーでズタズタに切られたのではないかと思われる傷。火傷らしき跡もある。
『どうして』
『何のために』
(……と尋ねるのは愚問ですわね)
 自然にそう思える相手でもある、と白井は理解している。
(この方も殿方……。ですが、この殿方なら…私への気遣いぐらい、許しても良いのかもしれませんわ)
 『異性』ではあるが。
 それとも『異性』だから、なのだろうか。
 そんな白井の思いなど無関係に時間は常に流れる。
 額に触れた少年の手が、白井の前髪がすっと押し上げる。
(だから何をなさ……)
 少年が顔を近づけてきた。
「!?」
 そして少年の――額がそっと押し当てられた。
「うわ、結構熱あるな」
 白井の目の前に少年の顔がある。
 その瞳の中に白井の顔が映っている。
 その表情は―――


 上条が額を離すと、白井は顔を背ける。
「で、ですが風紀委員の仕事が忙しいので。最近は能力者絡みの事件が増える一方ですし」
「そうなのか?」
「むしろ、あなたがその原因の一端ではないかと疑っているんですの」
「うう……そう言われると心当たりがなくもないようですが上条さんは悪いことはしてませんよ?」
「誤解を招くような行動力に関しては、お姉様と良い勝負だと思いますわ……」


やっぱり続かない……

194■■■■:2009/05/22(金) 07:33:38 ID:tx9K6VcQ
うん、ないな

195^^おいで:2009/05/22(金) 11:39:01 ID:yDARq5HA
すごく好評のブログw
ちょっとHでどんどん読んじゃうよ。
更新もしてるからきてみてね^^

ttp://angeltime21th.web.fc2.com/has/

196■■■■:2009/05/22(金) 14:25:24 ID:9Z22xlPM
>>193
エロパロスレよりいらっしゃいませ。そしてGJ!

上条×黒子、黒子×上条は本当に少ないですよね。
当wikiまとめ・エロパロまとめでも片手くらいの数しかないですし。

197■■■■:2009/05/22(金) 17:43:05 ID:ttvRNlAA
ちょっと小ネタ

『白井黒子にフラグが立ちました』

「……ん?」
「あらお兄様、おはようございますわ。(ちっ! あともう少しでしたのに…)」
「ん…おはよ……って、白井!? なんでここに!? っていうか、お兄様!?」
「あら、お兄様は気に入りませんでしたか? でしたら……」
「いやいや! そうじゃなくて……とりあえず、何故お前が俺の部屋に?」
「何故と言われましても……お兄様を起こしに来たにきまってるじゃありませんか」
「俺を起こしに……? 何故?」
「いえ、お兄様の朝の寝込みを襲おうと……ゲフンゲフン!……朝一にお兄様のお顔を拝見したかったもので……」
「(今、何やら不穏な発言が聞こえたような……いや、まだ起きたばかりで思考がはっきりしてないだけだよな?)」
上条さんの新たなる受難の日々が始まる!

中途半端でゴメン…

198ユミシロ:2009/05/22(金) 18:06:11 ID:rJ1to6..
『一人忘れても』


 頭の中で無数の知識が浮かんでは消える。
 少女は病室のベッドの上で、上半身だけ起こして窓から見える景色を眺める。
 窓からは街並み――学園都市の一角が望める。
 見慣れない街だが、知識は十二分にある。
 数日前まで、少女もまたこの学園都市の学生だった。
 だが、そんな記憶は存在しない。
 少女は記憶を失っている。
 原因は不明。気がつけばベッドの上で、多少の怪我はあったものの、今はほとんど治っている。
 そして、思い出という記憶を失っても、脳に蓄積された知識は残っている。
 その知識は莫大で、目に映るもの一つ一つに対して様々な知識が存在していた。
 言語、数式、化学、物理、歴史、機械、医療、窓から見える景色からも知識という知識が
 際限なく溢れ出す。
(怖い)
 どれだけ知識があっても、
(誰も覚えていない……)
 前髪から青白い火花が散る。
 精神が不安定になるたび、手や前髪から電光が走る。
 それが自身の能力であることは、担当の医者から説明されている。
 能力の制御方法は知識の中に存在した。
 しかし、その力は強大で――それをこの身に内包していることが恐ろしかった。
 自然に力を抑制しようとして、それを自然に理解して行えることが不気味で、
 不安と恐怖から精神が不安定になり、再び力を抑えられる自分に戸惑い――
 少女は心細さと自身が背負う力に怯える日々を過ごし、精神的に疲れ切っていた。
 病室には少女以外誰もいない。
 担当の医師や看護婦、母親だという女性が定期的に来るが、それ以外は誰も知らない。
「助けてよ……」
 そんな言葉を呟いても、記憶は戻らない。
 いつ、どうするば回復するのかは分からない。
 もしかしたら、一生このままかもしれない。
 そんな幻想が頭から離れない。
(『幻想』……?)
 その単語が、不思議な気持ちを抱かせた。
 曖昧すぎて、理解できない。
 もし、これがただの夢幻なら、早く終わって欲しい。
 でも、自分に終わらせる術はない――
「誰か、助けてよ……」

199ユミシロ:2009/05/22(金) 18:06:56 ID:rJ1to6..


 扉が開く。
 ノックもせずに。無遠慮に。一人の少年が入り込んできた。
 跳ね上がった黒い髪。
 夏服の学生服。
 包帯の巻かれた右腕。
 その少年は――
 まるで、助けを求める声を聞いて駆けつけた、ヒーローのようだった。


「……誰?」
 それが、少女の声だった。
 か細い声が、怯え混じりに震えている。
 少しでも触れれば、硝子細工のように壊れてしまいそうで。
 そこにいる少女には、上条当麻の知る強気な少女の面影はなく。
 暗闇の中で泣いていた、あの真夏の一夜を思い起こさせる。
 絶望に押し潰されそうになっても、誰にも助けを求められない少女。
「……誰、なの」
 揺れる瞳は濡れていて、今にも泣き出しそうだった。
「病室、間違えていませんか」
「いや、間違えてないよ」
 どこかで聞いた会話だな、と上条は思う。
「しばらくは面会謝絶だって、受付で言われなかったの?」
「言われたけど、特別に許可してもらったんだよ」
「……誰なの」
 俯いて、搾り出すように問いかけるその声は、
「……誰よ」
 泣き声に近かった。
 少年のその表情がショックだったのかもしれない。
「誰なのよ……」
 誰なのかという問いかける度に『ごめんなさい』『ごめんなさい』と謝っている。
 上条にはそう聞こえた。


 きっと、何も覚えていないのだろう。
 少女と同じ姿をした妹達。
 夏の終わりの恋人ごっこ。
 お姉様と慕う後輩の少女のことも。
 大覇星祭の借り物競争で走ったことも。
 罰ゲームでした携帯のペア契約。
 二人で撮った写真。
 ボロボロの上条を一人送り出してくれたこと。


 上条は今、どんな表情をしているのだろうか。

200ユミシロ:2009/05/22(金) 18:07:47 ID:rJ1to6..

(思い出せない。何も、思い出せない……)
 あとは、拒絶するしかない。
 知らない、と。
 それ以外にどうすればいいか、分からない。
 これ以上傷ついて欲しくない。
「……こっちに来ないで。今は誰にも会いたくないの。それと、どこの学生なの?
 私が通ってたのは常盤台中学のはずよ。
 女学校に男子生徒がいるはずないし――それに、その制服は高校生じゃないの?」
 早口で捲くし立てると、少女の前髪から小さな火花が二、三回散る。
 能力の暴走。
 上条も少女も、それが分かった。
 少女は慌てて両手で頭を抱え込むと、能力を抑制しようと集中する。
 それが、上手くいかない。
 今度は大きな火花が弾けた。
「駄目……抑えられない――!」
 少女はナースコールのボタンを押そうとして、そのボタンに触れようとして――
 電光が走る。
 プラスティックが焼けて、独特の臭いを放つ。
 ボタンは焼け焦げて使い物にならなくなっていた。
 しかし、このまま暴走すれば周囲に強力な電磁波を撒き散らすことになる。
 病院の医療機器やペースメイカーなどを機能停止させ、最悪の場合――
(人が死ぬ……!)
 自分が誰かに助けを求めたから?
 人を傷つけて、自分も傷ついてるつもりで。
 能力を暴走させて、人に迷惑かけて。
(誰か――)
 それなのに、また助けを求めるのは――身勝手すぎるのではないか。
 記憶喪失というのも、結局自滅の類ではないか。
 そんな考えが脳裏を過ぎる。
 電流が幾筋も発せられるようになると、室内が青白い光に照らされる。
 能力を制御に集中する。できない。それでも、それでも、それでも――
(嫌だ、嫌だ、嫌だ……!)
 それでも、抑えきれない。だから焦って、制御できない悪循環。
 少年に向かって叫ぶ。
「逃げて!危ないから……死んじゃうかもしれないから!」
 せめて、この少年をこれ以上傷つけたくない。
 この少年は少女を助けたいと思って来た。
 少女にはなんとなく、それが分かる。
 そんな人に傷ついて欲しくない……
 それなのに、

201ユミシロ:2009/05/22(金) 18:08:12 ID:rJ1to6..

「美琴」

 少女の名前を呼ぶと、少女へ向かい歩き出す。
「俺はおまえを心配して来たんだ。心配したんだ」
 少年は右腕に巻かれた包帯を解く。
 電流が少年の足元を走り、蛍光灯が割れる。
 そんな中を、少女だけを見つめて歩いていく。
「おまえがまだ、誰かに助けを求めるのが許されないって思ってるなら」
 少女に歩み寄る少年の目に迷いはなく、
「上条当麻は――」
 右手を少女へ伸ばす。
 美琴、と呼ばれた少女の記憶に『上条当麻』の名前はない。
 だけど、何かが覚えている。
 少女の中の深いところ――きっと、心のどこかで覚えている。
 この少年は、少女にできないことを成し遂げる――と。


「まずは、その幻想を――ぶち殺す!」
 上条当麻の右手が美琴に触れる。
 美琴は電流が霧散する中で――少しだけ、心がピリッとした。

202ユミシロ:2009/05/22(金) 18:09:27 ID:rJ1to6..
投下終了。

もしかしたら続きあるかも。
能力低下(制御の問題)して上条さんの高校へ通う美琴とか。

203■■■■:2009/05/22(金) 18:32:51 ID:wtl9bDIg
GJ
美琴の記憶破損か…


上黒モノは前スレ読み返してたら

>○○○のお陰
>
>ヒント、ガッ

ってあったので報告する

204■■■■:2009/05/22(金) 18:58:45 ID:ttvRNlAA
GJ
記憶破損or記憶喪失、どっちなんでしょうね。
ところで、美琴がこんな事になってるということは、アステカの魔術師との約束守れてないって事だよな?
上条さん大丈夫か?

205最近楽しい!:2009/05/22(金) 19:28:01 ID:unLwaavE
素人のリアルタイムHって、

ttp://party-show.com/aab/

↑ココだけ?他にある?

206■■■■:2009/05/22(金) 21:29:06 ID:bja0qZpw
禁書ってあんまりリアルすぎるエロは似合わんだろ
とケチつける俺はアレか・・

207■■■■:2009/05/22(金) 21:48:21 ID:PnPeAEhk
名前で呼んでもらえないエツァリかわいそす(´・ω・`)
なんにせよGJ

208■■■■:2009/05/22(金) 22:51:20 ID:1/KTiRJg
>>206
ファンタジーなエロか。

209ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/05/23(土) 00:04:12 ID:8dFSUOVg
即興上黒モノをドゾ
4分割です

夕焼けの紅に染まる学園都市のとある公園で、気だるげにベンチに腰を掛けている上条は、毎度お馴染み電撃娘に追いかけ回されていたのを、なんとか振り切ったところだった。
「はぁ…はぁ……。命の危機が、こう何度も続いてたら上条さんは砕けちゃいますがな!」
誰も居ないはずの公園で、一人愚痴る。
「あらあら、そんな大きな声を出してどうしたんですの?」
「ーっ!?」
突如、背後から声を掛けられ、ビックゥと上条は肩を震わせた。
「白井か…」
「見たところ、とてもお疲れのようですわね」
おもむろに白井は上条の隣に腰を下ろした。
「あ、あぁ……。また御坂に追いかけ回されてな」
「また、ですの?うふふ…この機会に一本、いえ、二、三本どうです?」
「そんなんいるか!」
愛するお姉様の想い人である上条を前に、白井は太もものホルスターから金属矢を抜き放ち、見せ付ける。
「遠慮しなくていいんですわよ?」
うふふふ、と黒い笑みを浮かべながら、いつでも飛ばせるように金属矢を揺らす。
「マジでいらねーよ!」
「えいっ☆」
「ぬぉわぁああああ!」
上条が遠慮するのをお構\いなしに白井は一本、上条の太ももの辺りに金属矢を空間移動させるが、間一髪で上条は脚を開いてそれを避けた。

210ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/05/23(土) 00:05:12 ID:8dFSUOVg
「…チッ」
「何故に舌打ち!?」
「空耳ですわよ?」
「んなわけあうごぉおおおおう!!」
途中、上条の言葉が絶叫に変わったのは、脇腹の辺りに金属矢が刺さりかけたからであり、それを上条は変に胴体を捻ったために奇声兼絶叫になったのだ。
「む…わたくしの金属矢を勘で避けるなんて、すごい反射神経をお持ちですのね……」
「いやいや、そこ感心しなくていいから!」
はぁはぁぜぇぜぇ、と息を切らせながら上条は必死にツッコミを入れる。
「隙あり、ですわ」
「ぶるぁああああああああああおうぅぅ!」
今度は反対側の脇腹、太もも、足元目掛けて金属矢が出現した。
「危ねーっ!」
「一発くらい当たれ、ですの」
「病院送りになるから遠慮させて頂きます!」
わーわーきゃーきゃー騒ぐ二人。普段は滅多に見られない光景だ。
(この方と一緒に居ると…どこか落ち着く…安心しますわ……)
ベンチにぐったりとしている上条を横目に、白井はそんなことを考える。
(こんな殿方でもあり、困ってる人を命懸けで助けてくれる殿方でもあるのですわね……)
かつて自分を救い出してくれた時の上条の姿を思い出す。
(何も持たず、右手ひとつで来てくれましたわね)
不意に、顔が熱くなった。

211ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/05/23(土) 00:05:27 ID:8dFSUOVg
「白井」
名前を呼ばれ、白井は我に還る。
何事かと思い、隣の少年を見直した。
「どこか調子悪いのか?」
先程までとは打って変わって、真剣な眼差しで白井を心配そうに見つめている。
「ーっ!」
その眼差しを見て、顔が真っ赤になる白井。
「顔も赤いし、風邪じゃないよな?」
どれどれ、と言いながら上条は白井の前髪をかきあげ、
「?」
「よいしょ、っと」
何をするのかと不思議に思っていると、突然コツン、と額に衝撃が走り、続いて上条の顔が拡大されたた。
(な、ななな、なんですのー!?)
混乱の極み状態に陥る白井。そんな白井を余所に、
「熱は無いみたいだな。調子悪いなら無理すんなよ?」
くっつけていた額を離しす上条。
「え、えぇ。わかり、ましたわ…」
「おkおk、わかったならいい」
白井の間抜けな返事にも、上条はきっちりと返す。
「ーーー♪」
急に、場違いとも思えるアラームが鳴り響く。
「なんだ?」
「風紀委員の仕事、ですわ」
はぁ、とため息をつきながら白井は使いにくい携帯を取り出す。
「はい、ですわ」
「白井さん、事件発生です!」
電話越しの甘ったるい声に、やっと脳が落ち着いてきた。
「えぇ、すぐに向かいますわ」
簡単な説明を受け、白井は電話を切った。

212ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/05/23(土) 00:05:44 ID:8dFSUOVg
「事件か?」
「そのようですわ」
「誰か困ってるのか?」
「恐らく、いえ、間違いなく困ってる人がおりますわね」
よし、と上条は一息付くと、
「俺も付いていく」
「一般人は下がっていて下さいな」
「困ってるやつが居るのに大人しくしてられねーよ」
白井にはこの少年が本気で言っていることを感じ取れた。
(下がれ、と何度行っても聞きそうにないですわね…)
はぁ、とまたため息を付いて、
「しょうがないですわね、良いですわ。それでは、行きますわよ」
付いてきてくださいな、と言いながら、白井は走り出す。
「了解、っと」
半ば強引に、困ってる人を助けようとしている上条は後に続く。
始末書モノですわね、と走る脚を早めながら、考える。
(でも…殿方さんが一緒ならなんでも出来そうな気がしますわ)
夕焼けの紅が、深い黒になりかけている学園都市を、二人は駆け出して行った。

213ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/05/23(土) 00:06:33 ID:8dFSUOVg
投下終わり

ぱっと出の大したオチ無しなんですみません

214■■■■:2009/05/23(土) 00:20:38 ID:F7tjCHPE
こうして読んでみると、上条が風紀委員というのもいいかもしれないと思う。
白井と組むのも前衛後衛で相性よさそうだし。
ん?むしろ上条が犯人相手に時間稼ぎして、白井が避難誘導?

215■■■■:2009/05/23(土) 00:22:49 ID:7HsAMcBE
俺は黒子×上条の話は好きだけどな

216ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/05/23(土) 00:36:40 ID:8dFSUOVg
>>214
上条さんが相手に触れて能\力使用不可にしているところを黒子がドロップキックでチェックメイト

上黒琴の3Pもいい

217■■■■:2009/05/23(土) 00:42:27 ID:AVBq4UvY
>>208
そう、裸見てボコられる上条とかオリアナあたりの雰囲気とかぐらいが丁度
あんま生々しいのは嫌っていうか、俺的に禁書は合わん。好きな人には悪いが

>>213
GJ!なんか主人公と共闘できる女キャラって好き。いざって時は!みたいな
てか何気に出番を確保する暗黙のルールな気がする・・

218■■■■:2009/05/23(土) 01:02:10 ID:7HsAMcBE
共闘する回数より上条に攻撃する回数のほうが多い女キャラというのも問題あるきがするが

219■■■■:2009/05/23(土) 01:09:09 ID:TP9i7PKo
>>217
美琴とかスペック的にも立ち位置的にも上条さんと共闘してもおかしくないのに
13巻で猟犬部隊を足止めした以外は全然だよな

220ユミシロ:2009/05/23(土) 23:13:49 ID:OZadmJu6
>インデックスが記憶取り戻して何かメリットあるのか
>ステイルが嬉しい
というのを見かけたので。
・インデックス(記憶復活・小萌がステイルといちゃいちゃしてるんだよ)
・小萌(あの子を更生するのも教師の務めです)
・ステイル(インデックスの記憶復活で感涙→異世界に迷い込んでおろおろ)
で小ネタ

「ステイル、『また』たばこを吸ってたんだね」
「いや、これはあの人がくれたもので……」
「小萌があげたんだね」
「い、いや…確かにそうだけど深い意味はないと思うんだ。だから落ち着くんだ」
「私は冷静なんだよ。それでね、ステイル」
「……」
「懺悔なら聞いてあげるよ」
「イィノケンティウスゥゥッ!(逃走開始)」
「AREEC!DEGFA!BDAR!『右へ旋回!前進!剣(つるぎ)を振り下ろせ!』」


「黒子、またなの?」
「また、ですわ。何度目だか数えるのも嫌になってきますの。
 今日は放火のようですが……まったく、夜勤なんてお肌に良くありませんわ」
「気をつけてねー」
「……ところでお姉様」
「なにー」
「最近は良い夢を見られているようで、羨ましいですわ」
「な、なんのことかな……」
「最近は門限ギリギリは当たり前。週三日、四日はお帰りは夜遅く、その内二回は朝帰り。
 そうでなくても毎晩毎晩、嬉しそうに楽しそうに気持ち良さそうにお眠りになられて」
「門限破りとか朝帰りは前からやってたことだし……。い、今更珍しくもないでしょ。
 っていうか人の寝顔とか見てないでしょうね!?」
「前から、ですか。ふふふ。もうこれ以上ないくらい幸せそうな寝顔でしたわ。ふふふふ」
「ああ、もう!こっちはいいから!早く行かないとマズイでしょう!?」
「そうですわ。火事ですの……」
「……何よ」
「お姉様も火事に気をつけてくださいな。特に夜はお熱いようですし」
「!?」
「ふふ。お幸せに。ふふふふふ……」

 深夜の街に不気味な笑い声が木霊する。

221■■■■:2009/05/24(日) 00:15:57 ID:Mt.xJQA2
>>220
GJ!
個人的には>>198の続きが見たいです。

222ユミシロ:2009/05/24(日) 00:34:28 ID:uC81FgqU
まだ時間かかるけどタイトルは多分『一人忘れない』で
その次があるなら『歩み止めずに』とかになりそうです。

設定的に、舞台は一年後の夏。
とある事件で、龍の顎の余波で美琴が記憶喪失状態。
しばらく常盤台の寮を出ることになる美琴。
事情を知らない黒子や同級生、後輩たちが見送りに。
「すぐに戻ってくる」と強気に振舞う美琴の携帯が鳴る。

『御坂さん、荷物はまとまりましたかー。
 上条さんが日焼けしない内に来てもらえるとカキ氷くらい奢りますよー』

みたいな感じになるかもです。

223221:2009/05/24(日) 12:47:58 ID:eQw8QU8U
>>222
とても面白そうです。
気長に待ちますので是非是非お願いします。

224ユミシロ:2009/05/24(日) 13:35:12 ID:uC81FgqU
ちょっと小ネタ。SS化はしませんよ。多分。きっと……!

(も、もう付き合って10年経つし……そろそろ告白しても良いわよね。
 うん。告白しよう)
「ね、ねえ」
「なんだ?」
「私とあんたって…その。い、一緒に映画見たり、一緒に買い物したり、
 一緒にご飯食べて、二人でいろんなところ行って……
 私は料理も生け花もちゃんとできて……。は、花嫁修業もばっちりだし」
「うんうん」
「そろそろ――」
「ああ、分かってるよ」
「ほ、本当!?」
「――俺と決着つけたいんだろ?」
「――――こ」
「こ?」
「こぉぉぬぉっ、ボンクラァッ!!」
「うおあぁぁ!?」


「ああ、もう……!」
「……なあ、御坂」
「何よ!」
「これ、開けてみろよ」
「? 何が入――『これ』って」
「ああ。なんていうか、そろそろ結……美琴?」
「ふ……」
「……ふ?」
「……ふにゃぁぁー」
「だからそれ何回目だよああもう不幸だぁぁーっ!!」

225ユミシロ:2009/05/24(日) 15:10:18 ID:uC81FgqU
ちょっと続き。先に投下。

「……美琴」
「――――」
「美琴!」
「……?」
「御坂、気がついたか」
「……ってあれ?私何して――ちょ、あ…あんた何してんのよ!?」
 美琴は青年に抱き締められていた。
 青年の胸の中で、茶色の髪を撫でられている。
「――また覚えてないのかよ」
「またって何よ!? っていうか離して……恥ずかしいじゃない!
 それになんか、焦げ臭くない?」
「誰かさんがビリビリしすぎるからだろ。少し焦げちまった」
「えっと……私のせい?」
「ああ。だから、責任取れよ」
「わ、分かってるわよ。帰ったら――」
「そうじゃない。これだ」
「――何よ、これ」
「これで何回目かな。
 おまえ、受け取らせる度に『ふにゃ〜』『ビリビリー!』ってなって
 そのときのことは覚えてないし。指輪は俺の右手で守れたからいいけど」
「――――」
「いつまでもこの調子だと、白井に八つ裂きにされちまうからな。
 今回は右手ですぐにおまえに触れて、ビリビリを止めたんだよ。
 こっちだって、こういうことするのは恥ずかしいんだぞ。
 ……だから御坂。罰ゲームだ」
「――――は?」
「ああ、その前に離れるなよ。ビリビリはもうごめんだからな」
「……馬鹿。で、罰ゲームってなんなの」


「……美琴」
「――――」
「俺と、―――」

226ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/05/24(日) 21:30:43 ID:EjiL2x6g
ちょいと小ネタを投下しますよー、っと

上条さんの寝癖がひどかったら、の巻

鮮やかな朝焼けに包まれる学園都市。その中のとある学生寮の一室の、洗面所から悲鳴が上がった。
「ぬぉおおおおう!!なんじゃあこりゃああああ!!」
悲鳴の主は不幸体質全開の少年、上条当麻だ。
「と、とりあえず水で濡らせば……」
キュッ、と栓を回して水を出し、手先を濡らして患部を触る。
「………、」
効果無し。
上条は濡らす量が足りないのだと思い、更に濡らすが、やはり効果が無い。
「くそっ、こうなったら……、あったあった」
すぅ、と息を吸い込み、
「てれれれってれ〜♪ワックス〜(のぶ代風に)」
濡れた手を拭き、蓋を開けて少量を手に取り、先程と同じように患部に付ける。
「よし、これでなんとかなったな」
ふう、と上条は溜め息を付くと、もさっ、と患部が崩れ落ちる。
「! ま、まぁこんなこともあり得るよな」
上条は驚愕したものの、冷静に治療する。
「おkおk、これで…」
もさっ。
………………………、
ふざけんなーっ!と少年の叫び声が木霊した。
「とうま、朝っぱらから何を一人ではしゃいでいるの?すごく近所迷惑なんだよ?あたしのお腹も減ってるんだよ?」
少年の悲鳴に、不機嫌そうな声色で銀色シスターが洗面所を覗き込んできた。

227ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/05/24(日) 21:32:15 ID:EjiL2x6g
「ご、ごめん、インデックス。だけどお腹減ってるのとこれは関係ないだろ?」
洗面所入口でこちらを覗き込んでいるインデックスを見る。
「…誰?」
こちらを見ている少女は何やら警戒している。
「誰、って、俺だよインデックス」
「とうまはどうしたの?」
「いや、だから俺!上条当麻だって!」
「そんな嘘付いても無駄だよ?とうまはね、頭がウニウニしいんだから。そんなぺたーってなんかしてないんだよ?」
「ウニウニしいってなんだよ!俺の頭は魚介類か!」
「それよりもとうまは?」
「だから俺だって!寝癖がすごいけど俺だって!」
必死に上条当麻であることを証明しようとしているのだが、全く信用してくれないインデックス。
そんなインデックスに、上条はあることを閃く。
「なぁ、インデックス」
「なに?」
インデックスの警戒心MAXな声に、うっ、と上条はたじろぐが、負けずに、
「俺の頭を噛んでみろ。そうすれば俺だってわかる筈だ!」
流石俺!でも痛いけど俺名案!、と上条が心の中で自画自賛していると、
「嫌だよ。なんでどこの馬の骨ともわからない人の頭を噛まなきゃいけないの?」
「そんなに信用無いの俺!?ってか、もう時間ねぇ!インデックス、昨日の残りが冷蔵庫に入ってるから

228ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/05/24(日) 21:34:23 ID:EjiL2x6g
勝手に食べてろな!」
上条は信用してもらえないことに虚しくなったが、時間を確認すると、時間的に限界がきていた(頭のセットに手間取りすぎた)。
「あっ!」
「行ってきます!」
未だに不審がるインデックスに挨拶し、学生鞄を持ち、玄関を飛び出し、上条は学園都市を走り出し、学校を目指した。

投下終わり
途中で切れちゃいましたね…orz

229■■■■:2009/05/24(日) 23:19:25 ID:CXP.IBz.
>>228
GJ!他の皆のリアクションも見てみたいかも

230■■■■:2009/05/24(日) 23:42:05 ID:zaFd5PDA
>>225
小ネタにするにはもったいないほどの素晴らしさです
>>228
GJ!つ、続きがきなる。

231■■■■:2009/05/25(月) 00:42:18 ID:T6CupA6o
青髪ピアス達の反応が目に浮かぶぜ

232ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/05/25(月) 01:35:46 ID:ksb6RFPY
旗男の苦痛〜翻弄する寝癖〜

第二話 学校編その一

猛スピードで走り、遅刻寸前で校門に滑り込んだ上条は、ぜぇぜぇと息を切らしながら教室へと向かった。
「くっそー、朝からツイて無さ過ぎだろ俺……。って、デフォか」
自分の机に突っ伏し、自虐的に言ってみたものの、虚しさ全開である。
最早ギャグである。
「おい、そこは上条当麻の席だろう?何故上条当麻では無い人物が座っている?」
ぐったりしていると、突然声がしたので、上条は顔を上げると、そこに立っていたのは、吹寄制理だった。
(あー…吹寄か)
目の前に仁王立ちしている少女を見る上条。
「いや、上条当麻だから」
冷静にツッコミを入れる、おk。クリアだ。
「私が知る上条当麻は少なくとも、頭がウニウニしく尖っているのだが」
いかにも疑ってます視線を上条にぶつける吹寄に上条は、
「ツンツン頭=俺、ってなんだよ!ツンツン頭じゃない俺だってたまにありますから!」
「む、むぅ……なら貴様は上条当麻なんだな?」
「あぁ、そうだ」
「そんなヘタレた髪型をしているのに?」
「そうだって!」
「本当に上条当麻なのか」
あまりにも上条が上条当麻だと言い張る為、吹寄は渋々自分の席へと戻って行った。


眠いんで続きは今日以降にでも(需要あるなら)

P.S
上条さん、美琴、黒子の3Pを誰か書いてくれw
上黒でもおk

233■■■■:2009/05/25(月) 16:56:37 ID:iQinjeeo
>>232
まてまて
ここは全年齢対象だろう?
リクでも18禁な内容は止めとけって

…俺がそう思い込んでるだけか?

234ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/05/25(月) 17:00:42 ID:ksb6RFPY
何故3PをR18モノと判断するんだw

普通の3Pだ

235■■■■:2009/05/25(月) 17:29:22 ID:VLTdvA6w
エッチしてるわけじゃなくて、エロくいちゃついてるのって、おっけー?

236ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/05/25(月) 18:25:11 ID:ksb6RFPY
いちゃついてるだけでも十\分です

237■■■■:2009/05/25(月) 23:33:29 ID:UCLS57KA
>>234
Wikipediaより引用
>3P
>一対一のパートナーシップにおける性行為ではなく3人で行なう性行為のこと。3人プレイからきた俗称


これをどうやったらR18じゃないものと考えられるんだ

238ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/05/25(月) 23:39:36 ID:ksb6RFPY
あー…すまない

つかWikipediaにそんな項目あったのかw

239■■■■:2009/05/25(月) 23:44:41 ID:ekvimUjk
書く人次第でどうとでもなるWikipediaを持って来て偉そうにすんなよ。。

240■■■■:2009/05/25(月) 23:48:26 ID:pgwB3Pfg
まあまあ落ち着いて。
とりあえずエロパロスレ誘導
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1241373517/

一応行っとくけど、エロパロスレに18歳以下の子はきちゃだめですよ!

241■■■■:2009/05/26(火) 00:20:53 ID:MNPPxkNc
まあ、上条を黒子と御坂で取り合うのも新鮮な感じがしていいと思うけど

242ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/05/26(火) 00:56:55 ID:dzPKJKnI
エロパロにも行ってるんだがな…向こうは書き込み制限喰らって…w

ヤンデレ黒子ちゃんが上条さんを貫くと聞いて

243■■■■:2009/05/26(火) 22:22:17 ID:kqNTmNTk
話題が全年齢じゃなくなってるんだが…

244■■■■:2009/05/26(火) 22:39:57 ID:dpFotz.k
■一部スレッドでは18歳未満進入禁止であり、成人向けの話題が存在します

245■■■■:2009/05/26(火) 23:27:57 ID:UEelC/DQ
投稿されるSS内容は全年齢対象ということでいいんではないかと。
まあ、なるべくエロい話題はエロパロスレで。

246■■■■:2009/05/27(水) 00:04:46 ID:rJ9/XvR2
まあ描写を書かなかったらいいんじゃね

247ユミシロ:2009/05/27(水) 00:25:54 ID:gzzNm3fw
『とあるUFOキャッチャー』〜ステイル編〜


「インデックス。あと少しだ。あと少しで君をそこから救い出せる……」
 とあるゲームセンター。
 それなりに人が入り、喧しい音を立てるこの店の入り口付近に一台のUFOキャッチャーが
 大量のぬいぐるみを景品として抱えて鎮座している。
 その景品はツンツン頭や白髪の少年、黒や茶色の髪の少女などの二頭身のぬいぐるみだ。


 一人の少年がこのUFOキャッチャーに熱中している。
 肩にかかる燃えるような赤い髪。
 右の目元にはバーコードの形をした刺青。
 黒い修道服。
 顔立ちは14、5歳だが、その長身は二メートルに達する。
 耳にはピアス、ギラギラ輝く指十本分の指輪。
 漂う甘い香水の匂い。
 この異様な姿の少年は明らかに異常な空気を発している。
 だが、ゲームセンターという人が集まる場所にいながら、誰一人この少年に目を向けない。
 少年の姿を目にした人間は、無意識の内に『おかしい』『異常だ』という思いを抱かせない、
 一種の暗示のようなものにかかっている。
 この力は『魔術』によるものだ。
 その力は少年を中心に数十メートル以上に及んで発せられている。
 そして、この少年は『魔術師』である。
「くっ……あと少し!あと少し、手を伸ばせば届くんだ」
 周囲の喧騒など少年の耳にはまったく耳には入らない。
 一つ目のボタンを慎重に押して、離す。
 目標は横倒しになった二頭身のぬいぐるみ。
 ナイフとフォークを手に愛らしい笑みを浮かべる、白い修道服を纏った銀髪碧眼の少女だった。
 二つ目のボタンを押す。防犯実験用特殊プラスティックケース越しにぬいぐるみを見る眼光が鋭くなる。
 一つ目のボタンで奥へ、二つ目のボタンで横へ移動するクレーンがぬいぐるみの真上に到達する。
 ゆっくりと、クレーンのアームが降下する。
 事前に両替した大量の五百円玉も残り僅かだ。
 出し惜しみはしなかった。手持ちの紙幣はすべて硬貨へ換金した。
 それがなくなれば、この場を一度離れる必要がある。
 一度ATMでお金を下ろせば、まだまだ戦い続けられる。
 だが、ここを離れた数分の内に、他の誰かが『彼女』を連れ去ってしまうかもしれない。
 だから――ここを離れるわけにはいかないのだ。
 ちらりと景品の一つとしてあるツンツン頭のぬいぐるみを見る。
 この場に『あの少年』はいない。
 ならば、自身の力で成し遂げるしかない。
 持てる限りの力を振り絞り、今このときにすべてを賭ける。
 アームがぬいぐるみをしっかりと掴んだ。
 今度こそ――
「君をこの手で救い出してみせる……!」

248ユミシロ:2009/05/27(水) 00:30:06 ID:gzzNm3fw
投下終了。

気分転換で考えた小ネタをちょっとSS化。
一方・打ち止め、インデックス・姫神、美琴・黒子、小萌・黄泉川、
妹達……最後に上条さんが取ったのは――何か今のところ考えてません。

249ユミシロ:2009/05/27(水) 00:33:02 ID:gzzNm3fw
>一方・打ち止め、インデックス・姫神、美琴・黒子、小萌・黄泉川、
>妹達……最後に上条さんが取ったのは――
すみません。上のやつは続きがあったらやるかもしれない人達です。

250ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/05/28(木) 00:16:57 ID:DGtQVAdQ
ども
続きを投下しやす

『旗男の苦痛〜翻弄する寝癖〜』
第二話 学校編そのニ

吹寄が立ち去ったので、全力疾走の疲れを癒すべく、上条は再び机に倒れた伏した。
「君。そこは上条君の席」
(…今度は姫神かよ)
何時の間にか近付いて来ていた姫神に声を掛けられ、上条は再び起き上がった。
「いや、俺だよ俺。上条当麻だって」
「嘘。上条君はもっとツンツン髪のウニみたいなトゲトゲしい。いわばウニウニしい頭をしている筈。それに俺俺詐欺\とか。ちょっと古い」
「本日三度目かな?ウニウニしいって聞くの。てか上条さんだってたまに酷い寝癖なときもあるんです!」
「そんな。バカな」
軽く俺俺詐欺\発言をスルーしたが、何故こんなにも皆は髪型で人を判断するのかと疑問に思う上条。
「本当に。上条君?」
「あぁ、本当だ。信じてくれよ姫神……」
うーん、と顎に手を当てて考えるような仕草をする姫神。
「わかった。もう一度確認するけど。上条君なのね?」
「そうだ」
上条の答えを聞くと、姫神は自分の席へと向かっていった。
もっかい寝るかおやすみー、と独り言を呟いて、上条はまた机に倒れ込もうとした。
「だから義妹こそ至高なんだって何度言えばわかるにゃー」
「土御門はんは毎日にゃんにゃん出来るんやろうが、普通は居ないんや!」
「い、居ないんかにゃー!?」

251ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/05/28(木) 00:17:52 ID:DGtQVAdQ
教室の外から何やら騒がしい声が聞こえてきたので、睡眠中止。
(……朝っぱらからどんな話してんだよ)
「なぁカミやん!聞いてくれにゃー!」
「上条ちゃん、土御門はんが義妹義妹ってしつこいねん!」
土御門元春と青髪ピアスは教室に入ってくるなり、机に突っ伏す上条へと声を掛けたが、
「「あれ?カミやん(上条ちゃん)が居ないにゃー(おらへんで)?」」
おっかしいにゃー、ホンマでんな、と上条を探す二人。
「あ!カミやんの席に座ってるのは誰にゃー!」
「見慣れない面してまっせ、コイツ」
好き勝手言い出した二人は上条を、左右から圧縮した。
「痛ェ!何すんだよ!俺だよ俺、上条当麻!」
「にゃー、カミやんはもっとこう…」
「建てたフラグ並か、それ以上の髪が立ってるはずでっせ」
「旗を建てる度に髪も立つんだにゃー」
「そんなわけあるか!てかお前らもかよ!俺は髪の毛が立ってないと別人に見えるのかよ!」
ぎゃーぎゃーわーわー、と騒いでいると、始業チャイムが鳴った。
「はーい、みんな自分の席に座るですよー」
チャイムと同時に、とても教師とは思えない背丈の小萌先生が入ってきて、皆それぞれの席に戻っていく。

252ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/05/28(木) 00:18:08 ID:DGtQVAdQ
「あら?上条ちゃんの席に座る、見慣れない子羊ちゃんは誰ですかー?」
上条の席の方を見て、不思議そうに首を斜めにする小萌先生。
(こ、小萌先生まで…orz)
はぁ、と上条は溜め息を吐くと、
「俺ですよ、上条当麻です」
「えぇ!?上条ちゃんはもっと黒々しくてウニウニしい頭のはずですー!そんなペッタリした髪型をした生徒が上条ちゃんには見えないですよー!」
「ねぇ、何?ウニウニしい、って表\現流行ってんの?俺にだって寝癖が酷いことありますって!」
そんなバカな、と言いたげな表\情の小萌先生やクラスメイト達を見て、上条は深く溜め息を吐いた。
不幸だ……。

253ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/05/28(木) 00:20:27 ID:DGtQVAdQ
投下終了

その一の吹寄の口調がおかしいのは、あまり多人数が出るSS書き慣れてないんですorz

それではノシ

電撃大王のスク水美琴が欲しい…

254■■■■:2009/05/28(木) 16:25:24 ID:WhoRqFwI
なんか久しぶりに小説ラッシュが起きている・・・
ぬるぽさんもユミシロさんもGJです!!

255■■■■:2009/05/28(木) 18:39:46 ID:cGABCmgg
続きが気になる終わり方ですね

256がおhsh:2009/05/30(土) 19:49:07 ID:OTyfcazc
続きはやくでないかなぁぁ

257や・ゆ・予告:2009/05/30(土) 20:04:30 ID:OTyfcazc
初めまして天翔蒼紫ともうします。受験生なのに2次創作を書こうとしている私をどうかお許しください・・・。
厨2病の私ですがわたしの作文・・違うな、投稿した作品の感想を頂けると嬉しいです。
ではそろそろ・・近日投稿しますので期待しないでお待ちください「てめぇのなんか期待しねぇぐらい言ってくれて結構です」
じつは5月上旬には投稿したかったのですが・・勇気が・・私ヘタレなんで・・
長文本当にすいませんでした。貴重な6行をありがとうございました。
では『とある戯曲の交響乱舞』を投稿させていただきます。

258とある戯曲の交響乱舞ー第1楽章帰還そして始動ー:2009/05/30(土) 20:54:37 ID:OTyfcazc
この2次創作は原作17巻終了後10月下旬に一端覧祭終了していることを仮定に作られたIF創作です。
なので17巻以降から誤差が生じるかもしれないのでそこのところをご了承ください。

一端覧祭が終わってから少したった11月2日。今回の幻想殺しの不幸は早朝から始まっていた。
(AM5:00)・・・・・・(目覚め最悪だな・・・記憶を失ってから1番悪いんじゃ痛っ)
彼の鼻から鮮血がでる・・・。こうなっているのは約2分前、一端覧祭で神裂からもらった天使らしき置物が地震のよれによって彼の鼻に落下してきたからである。
なぜこんなところに置いてあったかというと上条が貰った置物を見たインデックスが風呂に持って入浴してそのままになっていたからである。
上条は自分の鼻血で真赤になった天使を適当な場所に置くとズキズキと痛む鼻をおさえて風呂の扉を開けた。・・・その瞬間上条の目が点になった。
扉を開けると彼の視界に銀髪シスターインデックスが床に寝転がっていたからである。もとをたどればこの少女が原因で彼は風呂の中という場所で寝るはめになっている。
(危ねぇもう少しで風呂の中に侵入されるところだった。やっぱり鍵かけなきゃだめか・・・)とまだ気がついていないようである。少し前にも似たことがあったということを。扉を開けたままそんなことを考えている上条の近くで銀髪シスターは熟睡している。
前とは違いワイシャツ1枚ではなく、ちゃんとパジャマを着ている。戸惑いながらも彼女を起こさないようにティッシュの箱を一生懸命探そうとする上条であった。
彼の本日2回目の不幸はもうすぐ始まろうとしている。

259謝罪:2009/05/30(土) 20:56:20 ID:OTyfcazc
本当にすいません。時間がなくてこれぐらいしか書けません。

260ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/05/30(土) 22:51:31 ID:wA1kAK22
投下終わりかな?

続きを投下するぜい

旗男の苦痛〜翻弄する寝癖〜

最終話 上条センサー

ホームルームが終わると、舞台は変わって放課後。部活に行く生徒や、帰宅する生徒の中に紛れて、本日は絶賛ぺったりのっぺり髪日和の上条当麻は居た。
「くっそー。今日はいろいろと散々な目に遭ったぜ……って、いつものことだな…」
何も入ってるわけでもない鞄を重たそうに肩に掛け、上条はどんよりと歩いていると、

「今日こそ電撃浴びせてひくつかせてやるから覚悟しなさい!」

と、背後から少女の声が聞こえてきたのだが、「食糧はまだ残ってたよな。一応タイムサービスでも見ていくか」などと上条は家計のことを考えている。
「いつもいつも……無視してんじゃないわよーっ!!」
どばん!と心臓に悪い音がして、上条は右手を握り締めて後ろを振り向く。
「いきなり電撃浴びせようとすんじゃねーよ!」
「アンタが無視するからでしょ!」
上条は後ろでバチバチしているチューガクセーに叫ぶ。
「こっちは家計のこと考えてたんだよ!」
「そんなの家に帰ってからにすればいいじゃない!」
レベルの低い言い争いを繰り広げる上条と美琴は、睨み合う。
(面倒な奴に会ったな……ん、あれ?)
体に蒼い電撃を纏う美琴を見つめ、上条はあることに気づく。
「な、何よ?」

261ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/05/30(土) 22:51:59 ID:wA1kAK22
上条の自分を見つめる視線に気付き、美琴は恥ずかしそうに目を逸らす。
「な、なぁ御坂。お前…俺が誰か解るのかよ?」
「は?アンタ何言ってんの?」
アンタはアンタじゃないの?と美琴は上条の言ってることを心底不思議に思って見る。
(こいつ…俺のことを俺だとわかってやがる…!ウワーン(つД´))
今日一日中、散々上条当麻ではないだろ、と間違われ続けてボロボロだった上条の心に、美琴の存在は大きかったようで、
「ちょ!?え、何々!?」
「御坂、お前だけだ!俺を……今日の俺を『上条当麻』だと認識してくれたのは!」
思わず抱き締めてしまった。普段の冷静な上条ならば選択しなかったであろう選択を取ってしまったのだ。
この後、白井黒子に見つかり死にかけて、インデックスに家に入れて貰えなかったりと散々な目に遭ってしまうのだがそれはまた別の話。

262■■■■:2009/05/30(土) 22:54:07 ID:6FnIli7.
>>259
…ごめん、やんわりと問題点を指摘するの無理
とりあえず半年ROMった上で>>69を10回音読して出直してくることをお勧めする

263ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/05/30(土) 22:57:09 ID:wA1kAK22
投下終わり
これで終わりです

駄文で失礼しますた

たまに小ネタ投下しに来るんで生温い目でスルーしてくだしあ><

264■■■■:2009/05/30(土) 23:34:22 ID:h6QzLz26
>>263
GJ!
禁書っぽいノリだし、面白かったです。ウニウニしいってw
今後の小ネタも楽しみにしてます。

>>249
上条と一方通行、特に一方通行は面白そう。
続きをやるならぜひ。楽しみにしてます。

>>259
・・・

265ユミシロ:2009/05/31(日) 01:09:34 ID:UNsq4m/Y
>泣きそうになったり弱気な表情が見たい
某所でちょっと見かけて、思いつきで作った小ネタです。

「おまえ、俺以外の前でもそんな風に泣いてるのか」
「……馬鹿ぁ…あんた以外の前で、泣いたことなんて、ないわよ……」
「ほら、拭けよ。ああ…でも、その、なんだ……」
「心配、したのよ……」
「え?」
「心配、したんだから……」
「――そう、か。心配、してくれたんだよな」
「だから、これ以上…私を心配させないでよ。不安にさせないでよ。
 泣くなって言うんだったら、泣かせないでよぉ……」
「……悪い。俺はたぶん、またおまえを泣かせるかもしれない」
「……うん」
「でも、必ず帰ってくる。帰って来ないと……おまえ、泣けないだろ?」
「……うん」
「それに、帰って来ないとおまえの泣き顔が見れないからな」
「……馬鹿ぁ」
 美琴が少年の胸に顔を埋める。
 こうしたリアクションに上条は慣れていない。
 それでも、少しでも落ち着いてくれればと美琴の茶色の髪を優しく撫でる。
 少女の甘い香りが鼻腔をくすぐる。
「泣き虫だな」
「うう……あと、ごめん」
「何が」
「シャツ……結構濡らしちゃうかも」

ちょっといちゃれー風?

266■■■■:2009/05/31(日) 08:37:27 ID:obIN1mxI
今更だけどアックアさんが生きてたんだし垣根さんも無事なんでしょーか?

267■■■■:2009/05/31(日) 11:54:46 ID:I9de3SI.
垣根は生きていると信じたい。

268■■■■:2009/05/31(日) 13:09:46 ID:uJ666WWY
>>265
実際、原作のほうは、こういう展開になりそう

269HAO:2009/05/31(日) 13:17:47 ID:3o8mYRwQ
どうも、HAOです。
『とあるお嬢の看病奮闘記 いちゃいちゃ(?)看病編』の続き投下します。

270『とあるお嬢の看病奮闘記 いちゃいちゃ(?)看病編』:2009/05/31(日) 13:18:46 ID:3o8mYRwQ
というわけで今度はミカンを剥いてもらっているわけだが、さっきのリンゴと違ってとっても気が楽です。
リンゴと違って包丁なんて使わなくていいので危険は皆無。
包丁の刃が飛んでくるような事もなければ、美琴の危なっかしい手つきにビクビクさせられる事もない。
……はずなのだが、なんだか美琴の様子が変です。
「わっ!?」
『プシュッ!』っと、ミカンの汁を不意に浴びてあたふたしてます。
普通に剥けばそんなに出る事はないのだが、妙に力が入っているのかおもいっきり汁が飛び出てます。
「(なんでそんな力んでるんだ?)」
何故かまだ美琴はテンパり気味です。
まあその理由は、超が付くほど鈍感な上条さんには一生わからないことでしょう。

「む、剥けたわよ……」
妙に悪戦苦闘しつつもミカンの皮剥き完了。
ミカンの汁を目に浴びまくったせいで少し涙目です。
「……サンキュー……ごほっ…ごほん……!」
大した事頼んだつもりはなかったのだが、なんだかとっても悪い事をした気分です。
「そ、それじゃあ……その……」
落ち着かない様子の美琴は妙に躊躇いがちに、
「あ、あーん……」
ミカンを一つ摘んで上条の口元に差し出した。
さっきみたいに無理やり押し込まれるのではないかと心配していた上条さんは安堵し、そして……、
「あーん……」
「あ、あーん……」
「あむっ……」
食べた。
「っ!」
こんな超恥ずかしい事を本当にやってしまったと、驚いてビクっと緊張した面持ちの美琴さん。
「うん…これ美味いな……」
「そ、そう……それは…よかったわね……」
上条の言葉に素っ気ない態度で答えているが、実際美琴の心情はえらい事になってます。
「(や、やった……! やってしまった……!)」
恥ずかしさ半分、嬉しさ半分、気を抜いたら顔に出てしまいそうなのを隠すのに必死だった。
「? どうした? ごほっ…ごほん……!」
「な、なんでもないわよ……」
「そうか? なら、いいけど……あ、わりぃけど、もっとミカンくれるか? それ結構美味い」
ミカンが気に入ったのか、次を要求する上条さん。
餌を待つ雛鳥のように口を開ける。
「ま、全く……しょ、しょうがないわね……」
そんな事言っているが、まんざらでもない美琴さん。
再びミカンを一つ摘み、上条の口元に差し出すと、
「あ、あーん……」
「あーん……あむっ!」
再び食べさせてやった。
「うん…やっぱこれ甘くて美味いな」
「そ、そう……」
「わりぃ、もっとくれ……あーん……」
食べ終わり、また口を開けて次を要求する上条さん。
そんな上条さんの要望に、美琴は「はいはい、しょうがないわね……」なんて言いながらも、嬉しそうにミカンを食べさせていた。

271『とあるお嬢の看病奮闘記 いちゃいちゃ(?)看病編』:2009/05/31(日) 13:19:20 ID:3o8mYRwQ
そんな甘々空間が展開される中、『ピーピーピー♪』と、台所の方から電子音が鳴り響いた。
「んっ?」
「何、この音?」
「…むぐっ……炊飯器の音だな……お粥ができたんじゃないか?」
口の中のミカンを飲み込むと、上条が今の電子音について教えてくれる。
炊飯器の音という事は、どうやらお粥が完成したらしい。
「そっか……」
ようやくお粥が完成したわけだが、美琴の心情はちょっと複雑だったり。
ミカンで『あーん〜♪』も今食べさせている分で終わりという事になるので、少々名残惜しかったりする。
なんて事を思いながら、残りのミカンを上条に食べさせてやっていると、何やら指に妙な感触が。
「ん?」
何だろうと上条の方に視線を戻すと、美琴の指を咥えている上条の姿が。
「へっ?」
一瞬、何が起こっているのかよくわからなかった。
「あ、わひぃ……」
咥えていた指を解放すると、上条は謝罪の言葉を述べる。
どうやらミカンと一緒に美琴の指も口の中に入ってしまったらしい。
「(えっ? えっ? ええーっ!?)」
口をパクパクさせながらわなわなと震える始める美琴。
現在美琴さんは少々どころかどえらく大変な事になってます。
「(い、いいいいいいま、ななななななななにされた!? 私の指が・・・・・・私の指がこいつの口の中に!?)」
差し出していた手をもの凄いスピードで引っ込めると、胸の辺りに持っていき隠すように抱える。
引っ込めた手に視線を向け、指先をじっと見つめる。
指先にぬちゃっとした感触、つまり上条の涎が指先に付いている。
「(な、舐められた……? か、噛まれた……? こいつに指……)」
事実を再認識すると、意識がどこか遠くへ飛びそうになったが、何とか必死に堪え気持ちを落ち着ける。
「(い、今のはヤバかった……相当ヤバかった……!)」
今のを堪えていなければ、確実に電撃が暴発していただろう。
何とか暴発させずに済んだ事に、心から安堵した。
しかし、まだ一つ問題が……。
剥いてあるミカンはあともう少し残っていたりする。
正直なところ、残りを食べさせている最中にもう一度指が上条の口の中に入ったりしたら、今度は堪え切れる自信がない。
そういうわけで、早々にこの場を切り上げたいところなのだが、
「え、えっと……お粥ができたみたいだし、お粥食べる……?」
「ああ、食うけど……とりあえず剥いてくれた分は全部食った方がいいんじゃないか? まだ少し残ってたろ? 勿体無いし全部食っちまおうぜ」
残っている分を上条さんは食べる気なようです。
美琴としては、できればそれは避けたかったのですが、
「あ…う、うん……そ、そう…ね……」
上条の意見に頷いてしまった。
物事はそう簡単に思い通りに進まないようだ。
「(だ、大丈夫よね……?)」

272『とあるお嬢の看病奮闘記 いちゃいちゃ(?)看病編』:2009/05/31(日) 13:19:49 ID:3o8mYRwQ
そんなわけで『あーん』再開なのだが、
「……御坂、もうちょっとこっちにやってくれ。それだと食えない」
「う……わ、わかってるわよ……」
指が口に入る事を警戒してか、届くか届かないかの微妙な位置までしか手を差し出せなくなっていた。
上条に言われてなんとか届きそうなところまで、そーっと手を出すが、上条が口を開けてミカンを食べようとすると、口に入った事を思い出してしまい手を引っ込めてしまう。
『カプッ!』と上条の口が空振りする。
「あ?」
「あ……ご、ごめん……。ちょっと…その……何か付いてたみたいだったから……」
「ああ、そうなのか……」
適当な言い訳でなんとか誤魔化す。
一応何か付いているという事で手を引っ込めたので、摘まんでいるミカンを適当に掃う。
上条は美琴の言った事を馬鹿正直に信じたようで、特に何も言ってこなかった。
「(だ、大丈夫大丈夫……大丈夫大丈夫! 落ち着け……落ち着け、私……!)」
心の中で呪文のように何度も何度も繰り返し自分に言い聞かせる。
深呼吸し気持ちを落ち着けると、再び挑戦。
「あ、あーん……」
意を決し、再びそーっと上条の口元に摘まんだミカンを差し出す。
「あーん……」
上条が大きく口を開く、ここまでは先程までと一緒。
距離が近付くにつれて、また口に入った事を思い出して手を引っ込めてそうになるがなんとか堪え、
「あーん……あむっ……」
「っ!」
食べさせる事に成功、と同時にもの凄い早さで手を引っ込める。
手を引っ込める動作が明らかに不自然なのだが、上条は特に気にした様子はない、というか気付いていないのではないだろうか?
まずは一安心と言いたいところだが、量自体が微々たるものなのですぐに食べ終わってしまい、あまり間隔なく次を要求される。
多少ビクつきながらも、上条の要求に応じて次を差し出し食べさせる美琴さん。
その後も何とか問題なく残りを食べさせ、ついに最後の一つとなった。
「(こ、これで最後ね……)」
最後の一欠片を摘まんで上条の口元へ持っていく。
これで最後ではあるが油断はできない。
ここでミスったら結局意味がないので、緊張した面持ちで差し出す。
「あーん……」
「あー……」
もう少しというところまで迫ったが、その時、
「んぐっ!? げほっ……! げほっ……!」
上条が咳をした。
「わっ!?」
その際、上条の唇が美琴の指に当たりそうになるが、間一髪もの凄い速さで手を引っ込めたため触れずに済んだ。
「あー、わりぃわりぃ……げほっ……! うぅぅんっ……!」
上条自身今のは悪かったと思い謝罪の言葉を口にしたが、
「き、き……」
「き?」
「気を付けなさいよー!!! この馬鹿ー!!!」
張り詰めていたものがプツンと切れたのか、美琴さん大爆発。
激しくビリビリ発生させて、上条さんはえらくこっ酷く怒られました。(暴走というわけではなかったので、電撃による被害は何もなかった)
予想外の美琴の剣幕に上条はかなり驚かされたが、自分が悪かったのは事実なので、素直にお叱りを受けた。

273HAO:2009/05/31(日) 13:20:37 ID:3o8mYRwQ
時間がかかった割にあまり進んでない……。
『いちゃいちゃ(?)看病編』はペースダウンしてるな……どうも最近思い通りに書けん……。
投下スピードが遅いですが、気長に待ってやってください。

で、『酔いどれ騒動』の方ですけど、次の遭遇者は黒子orインデックスのどちらかになる予定。
……だったんですけど、何やら『どうせなら二人同時に登場させるか?』という危険な考えが頭を過ぎっていたり……。

274■■■■:2009/05/31(日) 13:38:19 ID:tTmgwp8s
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!
そしてGJ
待つわ!いつまでも待つわ!

275ユミシロ:2009/05/31(日) 14:22:16 ID:UNsq4m/Y
>『どうせなら二人同時に登場させるか?』という危険な考えが頭を過ぎっていたり
インデックスはいつも上条さんとセット。
黒子は美琴とセット。
お互い相方が欠けていることに気づくと、


「む。あれはいつも短髪と一緒に居る子。でも今日は一人なのかな」
「むむ。あれはおチビちゃん……。
 おチビちゃんが一人きりということは――」
「とうまがいない……短髪もあの子と一緒じゃない」
「あの殿方は一緒でないということ、
 そして私のお傍にお姉様がいないというこの状況――」
「た、大変かも!?とうまが短髪の魔の手にかかって――」
「ふふ。そういうことですの。あら、笑いが止まりませんわ。
 ふふふ。お姉様ったら。ふふふふふ」

二人一緒に上条×美琴ペアを探しに行く展開とかできますよね。
あと>>265は『いちゃれー』より『愛し方』に近かったかもしれないです。

276ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/05/31(日) 14:40:36 ID:jYcifd7w
HAOさんGJ!

インデックス(黒子)と遭遇中に黒子(インデックス)と遭遇とかも…!w

277■■■■:2009/05/31(日) 16:06:01 ID:qVvxpZQQ
>>273
                  /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`丶、         (つ、__}、
                /:´:/:.:.:./:/:.:.:.:.:.;,\       {: 人_}
  ┏┓  ┏━━┓    ´/:.:.:/:///:/:. /}:.:/ヘ:::.小   _ / xァ′.}    ┏━┓
┏┛┗┓┃┏┓┃     //:.:/从/レ{\/j://}:.i:| / / / / . : .}    ┃  ┃
┗┓┏┛┃┗┛┃┏━厶イ/f^Y′ >  <从リ/. :/ /   . : : ノ━━┓┃  ┃
┏┛┗┓┃┏┓┃┃   人/ーヘ⊂⊃,、__, ⊂八-‐ '´ /   . : : /     ┃┃  ┃
┗┓┏┛┗┛┃┃┗━{'^/:イVノ丶、( ノイ/∨ヽ _イ   . :: :: / ━━┛┗━┛
  ┃┃      ┃┃   ノ⌒丶`\ '´ ノ∨`-‐ : :´: :    . :   {      ┏━┓
  ┗┛      ┗┛   /   : : : : \_〃´: : : : : : :    . :    ノ       ┗━┛
                 {   : : : : :/ )ヽ: : : : : :    . : :    /
              /: : : : : :/ : /: : :}: : : :   . : : :     /

278■■■■:2009/05/31(日) 18:56:54 ID:WAeWBuA2
>>273
GJ!
看病も酔いどれも、楽しみにしてますので頑張って!

279■■■■:2009/05/31(日) 20:21:07 ID:uJ666WWY
HAOさんもユミシロさんもがんばれ!

280■■■■:2009/05/31(日) 21:38:08 ID:Nh8sPrO6
だめだ 妄想が止まらねえ

281ユミシロ:2009/06/01(月) 18:06:34 ID:3jV0ropg
『とあるUFOキャッチャー』〜一方通行・打ち止め編〜


 とあるゲームセンター。
 店内の客は決して多くはないが、少なくもない。
 いくつものゲーム機が様々な電子音や音楽を流し、ジャラジャラとメダルが流れ落ちる音が混じる。
 そこへ、一人の小さな少女が駆け足で中に入り込む。
 空色のワンピースの上に男物のシャツを着た少女は、一台のゲーム機の前で急停止。
 後ろを振り返ると、遅れてやってきた白髪の少年に手招きする。
 白い髪に白いシャツ。白尽くめの中で黒いチョーカーと赤い瞳が鮮明に浮かび上がっている。
 少年は必死に杖を突いて少女の下へ辿り着くと、荒い息を整える。
「なんだァ?」
「UFOキャッチャーだよってミサカはミサカは覗き込んでみる」
「俺はやらねェぞ」
「あれを見てってミサカはミサカは指差してみたり」
「……」
 少年が赤い瞳で透明なプラスティックケースの中を覗き込む。
 その中には景品の二頭身のぬいぐるみが山のように積まれている。
 黒髪のツンツン頭、煙草を手にした赤い髪の神父、巫女服の少女、茶色のツインテールの少女……etc。
 その中で、少年の目を引いたのは二つのぬいぐるみだ。
 一つはぬいぐるみの山の頂点に置かれた、白髪の少年のぬいぐるみ。
 もう一つは下の方に転がる、茶色の髪が一房ほど跳ね上がった少女のぬいぐるみ。
 誰が勝手に作りやがった、と怒り混じりの声が洩れる。
 そのぬいぐるみは一つずつしか入っていない。
 しかし、他の店でも置かれてる可能性が――
「ここのお店にしか置いてないんだよってミサカはミサカは調査済みだったり」
「そうなのか?」
「誰が作ったのかは分からないけど作れる人も限られてるよねって
 ミサカはミサカは500円玉を取り出したり」
「確かに作る度胸のある人間は限られてる。ってことは、こいつは何か意味があンのか?
 ――で、おまえはあンな綿詰めの人形が欲しいのかよ」
 跳ね上がった一房の前髪を揺らして、少女は小さく頷く。
 その目には一つのぬいぐるみが映っている。
 山積みのぬいぐるみの頂点で、黒い服を着た白髪の少年が両手、両腕を広げて笑っている。
「人生は何事も経験なんだよってミサカはミサカは妹達の上位固体としての体面を保つべく
 挑んでみたり」
「どっかのミサカがやったのか。まあ、景品だしなァ……。
 取っちまえば、どこで作られたかも分かるか」
 少女が入れた硬貨をゲーム機が飲み込む。

282ユミシロ:2009/06/01(月) 18:08:36 ID:3jV0ropg


「うう、意外と難しいんだね、ってミサカはミサカは現実の厳しさに打ちのめされたり」
 うな垂れる少女の頭が、こつんっとケースに当たる。
 そう多くはないお小遣いを全部使ってしまったらしい。
 目当ての少年のぬいぐるみは、最初に掴み損ねたときに一番下へ落ちた。
 その後、何度も掴んでは落として、その度ツンツン頭のぬいぐるみとぶつかり、あちこちへ転がり回った。
 筐体に寄りかかっていた少年は『何ですかァ、この情けねェ様は……』とまともに見ていられなかった。
 だが、少女が財布の中身を使い切ると、
「……ったく、こんなもんはなァ」
「叩いた衝撃の向き―ベクトル―を操作すると、検知器に反応して警報がなるかもって
 ミサカはミサカは注意してみたり」
 少年は杖で体を支えながら、財布から硬貨取り出した。
 100円玉を一枚投入。
 安っぽい音楽が流れ、クレーンの動く振動がケースに額をくっつけた少女に伝わる。
 少女はケースの中を見ていない。
 ぼとっという物音した。
 音楽がゲーム一回分鳴り終わる。
 少女は顔を上げて、ケース内を覗き込む。
 少年のぬいぐるみが見当たらない。
 どこにあるの?と、少女が隣を見ると、
「何ですかその顔は?……おい、何涙目になってンだよクソガキ!」
 口の両端を吊り上げて笑う、二頭身のぬいぐるみが少女にパンチ。
「取れたの!?ってミサカはミサカはあなたの意外な特技に驚いてみたり!」
「ここにいるのは誰でしょう?」
 両腕を広げたぬいぐるみが笑っている。
 それを手にした少年がぬいぐるみと同じように笑った。
「学園都市の能力者、その頂点に立つ最強だろォ?これぐらい楽勝なンだよォ」
 突き出されたぬいぐるみを少女が受け取る。
「これで満足したか?さっさと……」
「あのねあのねってミサカはミサカは上目遣いであなたを見たり」
「――で、どれなんだァ」
「言わなくても分かるよねってミサカはミサカはあなたの視線が釘付けだから妬いてみたり」
 数十秒後、小さな少女に良く似たぬいぐるみが少年から手渡される。


 この出来事は、とあるネットワーク上においてリアルタイムで実況中継されており、
 後に同じ容姿をした少女達の間で密かなブームとなる。

283ユミシロ:2009/06/01(月) 18:09:58 ID:3jV0ropg
投下終了です。

いつの間にか二倍の量になってしまってたり……

284■■■■:2009/06/01(月) 19:25:55 ID:JHRo2htM
>>283
GJ!良い雰囲気の話でした。

285■■■■:2009/06/02(火) 16:22:01 ID:eEkBntt.
まとめ。未編集大杉

286■■■■:2009/06/02(火) 17:44:23 ID:iwtBSm5I
>>285
ギクッ

…どうも、通りすがりのwiki編集人と名乗った者です。
今スレ内の投下ログを>>282まで更新しました。
いや、スレ立ってから1ヶ月ほどでこの量は速い方だと思うんです。うん(言い訳
GW除いて、1〜2日に1回はSSや小ネタが投稿されてるんですよ。
まぁサボる理由にはならんのですが。。。

その他、wikiのSSまとめについて何かあればお気軽にどうぞ。
常駐のwiki管理職人陣がきっとなんとかします。

287■■■■:2009/06/02(火) 21:43:40 ID:VIKzAhO.
wikiは誰でも編集できるからwikiなんだから皆で編集していったらいいんじゃねーの?
まあ初心者が下手に手を出したら困るかもしれないけど

288■■■■:2009/06/02(火) 23:55:03 ID:MuYbuUc6
UFOキャッチャーの景品わかりやすすぎw
土御門が仕掛け人で、近くにカメラ仕掛けてるとか?やっぱ。

289■■■■:2009/06/03(水) 00:24:21 ID:lVDFLYPI
>>285
⊃言い出しっぺの法則

290■■■■:2009/06/03(水) 01:12:31 ID:bNzhcd9w
>>286
お疲れ様です。

291■■■■:2009/06/03(水) 01:30:19 ID:3M9muw/.
>>286
乙です。

しかし、wikiの連載中の作品の内、ほとんどが停止状態だな。

292ユミシロ:2009/06/03(水) 01:51:39 ID:PgeFeE6o
>黒い服を着た白髪の少年が両手、両腕を広げて笑っている
ちなみにこれ、ポーズのイメージはアニメDVD五巻ジャケです。
ステイルは左振り向きで、煙草を咥えて手にライターとカード持ち(二巻ジャケ)、
上条さんは逆に右振り向きで頭を掻いてる、とかにしておけば良かったと後悔してます。
美琴・御坂妹・打ち止めも振り向きで手を繋げそうな感じだといいかもしれませんね。
(後半OPの妹・打ち止めが手を繋いでるのをベースに)

小萌先生のお部屋には、上条さんとステイルが背中合わせで並べて置かれますよ。
たぶんですけど。
そして黒子のポーズだけ決まらない……

293286:2009/06/03(水) 17:02:33 ID:mHJBj08M
>>291の書き込みで一念発起して、連載中作品のリスト整理を行いました。
最後の投下から3ヶ月以上経っているものを主に整理しました。
…あれ、いまの連載これだけですっけ…
まぁ、短編が一杯投下されることはいいことだと思います。うん。

連載中に記載されていた作品の行方は…
 ・とある忘却の再認識 > 更新停止中へ
 ・並行世界(リアルワールド) > 更新停止中へ
 ・常盤台嬢の恋愛競争 > 未完?の為、短編・小ネタ集へ
 ・とある少女の騒動日記 > 未完?の為、短編・小ネタ集へ
 ・終わりを目指した物語 > 短編・小ネタ集へ

toto氏戻ってこられないかな。聞きたいことがいくつかあるんだけど。

とりあえず以下、いつものSS投下スレの流れ。既存職人さんや新人さん達頑張って〜
…発信できる電波がないや。。。

294ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/06/03(水) 21:06:22 ID:4f.QVKxU
ちょっとネタが出来たんで投下します

不幸少年、上条当麻は思わず耳を疑った。
「土御門、もう一度言ってくれ。なんだって?」
通話先の隣人に、今一度尋ねる。
「にゃー。学園都市のお偉いさん方達が、カミやんが魔術師を追っ払ってくれるのは感謝してるんだが、その度に破壊される建物の修復費用が馬鹿にならないって言ってるんだにゃー。それで、カミやんには学園都市で今秋から始まる特撮モノの主人公役をやってくれるなら、費用面はチャラにしてくれるっても言ってるんだにゃー」
土御門の言っていることを上条は頭の中で簡単に整理する。
「その、つまりなんだ?俺がヒーローになれ、と?」
「その通りだ、カミやん。日時と場所は後で詳しく伝えるから、頼んだぜい」
それだけ言うと、土御門は電話を切った。
「俺が…ヒーローに?」
次回、とある戦士の幻想殺し
『変身』
お楽しみに!

295ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/06/03(水) 21:07:07 ID:4f.QVKxU
気が向いたら連載しようかと考えてます

296■■■■:2009/06/03(水) 22:34:31 ID:bNzhcd9w
>>295
面白そうなネタですね。特撮って・・レンジャーものなら他にもメンバーが?

一通さんとか面白そうだけど、原作でのあのすれ違い具合を壊さない状況ってのは難しいか・・

297ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/06/03(水) 22:51:23 ID:4f.QVKxU
亜光速で書き上げた続きを(一応推考は済ませてますが^^;)

とある戦士の幻想殺し

とある建物の一室で、白髪頭の少年とアロハシャツに金髪サングラスの少年は会話を交わしていた。
「一方通行、お前は学園都市に莫大な借金があることは知ってるよな?」
「あァ、百も承知だ。けどよォ…本当にやれって言うのかァ?」
「勿論だ。お前の他に誰がやるって言うんだにゃー。…まぁ、ある人物も似たような条件でやってるが」
そう言うと、金髪サングラスの少年は懐からとある場所と日付、時間が書かれた用紙を取り出し、白髪頭の少年に渡した。
「やれば良いンだろ、やれば」
ちっ、と舌打ちして用紙を乱暴\に受け取る。
「そうだ、それでいい。じゃ、俺は行くぜぃ」
「さっさと消えろ」
白髪頭の少年がそう言うと、金髪サングラスの少年は部屋から出て行った。
「ったく、めンどくせェなァ……」
脳裏に命懸けで守ると決めたとある少女の笑顔が浮かぶ。その幻想を護る為、白髪頭の少年も部屋を後にした。

>>296
一応ライダーです
一方さんと上条さんでやろうかと考えてはいますがね

298ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/06/03(水) 22:52:07 ID:4f.QVKxU
推考じゃねぇ、推敲だ

299ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/06/05(金) 01:38:55 ID:CwICXv0Q
『とある戦士の幻想殺し』
第二話投下します

雲一つない快晴の空、上条当麻は指定された場所に到着すると、驚きで開いた口が塞がらなかった。
「す、すげぇ……」
用意周到の撮影セット、スタッフ、見る物全てが上条には新鮮だった。
「お、君が上条君か?」
呆然と立ち尽くしていると、監督とおぼしき人物が声を掛けてきた。
「あ、はい。そうです」
「話は聞いているな?」
「えぇ、勿論です」
「それなら、まずはアクションの仕方を学んでもらう」
そう告げると、監督は作業中のスタッフを呼び寄せる。
「なんでしょう監督」
「コイツに動きを教えてやれ」
「わかりました」
監督に指示されたスタッフが上条に近寄る。
「アクション監督の山下だ。君、名前は?」
「上条です。上条当麻」
「上条君、君は格闘技とかやったことは?」
「あんま無いです…つか、路地裏での喧嘩程度なんで」
あはは、と上条は笑いながら経験を語る。
「ふむ…見たところ、それなりに筋肉は付いてるようだね」
山下は上条の肉体を見回し、感想を述べる。
「感想ー!」
「どうした」
上条の肉体を観察し終えると、山下は監督を呼んだ。
「身体的にはバッチリですが、アクションの方はまだ未熟な面がありますね」
「そうか…なら、指導を頼む」
「わかりました。上条君、今日はこの後の予\定は?」
監督と話を済ませ、山下は上条に尋ねる。
「一応は暇ですけど…何か?」
「うん、ちょっと演技指導をね」
「演技って、アクションのすか?」
「そうだね。君の役は格闘主体の戦い方だから」
「格闘主体って……まさか俺が変身した後も俺が演じるんですか!?」
「あれ?聞いてなかった?」
「てっきり変身したらスーツアクターの人が頑張ってくれるのかと、」
山下から話を聞き、上条は驚愕する。ちゃんと説明しなかった土御門を恨みつつも。
「学園都市の特撮モノは『外』とは違うからね」
ははは、と笑いながら山下は上条に動き方の説明を始めた。

300ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/06/05(金) 01:39:43 ID:CwICXv0Q
陽も落ち、すっかり闇が支配する学園都市をくたくたになった上条は歩いていて、とある学生寮に帰ってきた。
「ただいまー…インデックス」
あの後、拳や蹴りの出し方や走り方の指導を散々山下から教わった上条。
「こんなんでやって行けるのかな…」
いつもより疲労感UPで部屋に行くと、インデックスの姿が無かった。
「…………、」
自分の帰りが遅かったため、恐らく小萌先生の所に行ったのだろう。そう考えていると、書き置きがあった。
『とうまの帰りが遅いからこもえの家に行ってくるね。インデックスより』
飼い猫のスフィンクスの姿も見えない為、今は上条一人が部屋に居る。
「さっさと風呂入って飯食って寝るとしますか。…いや、貰った台本読んで台詞覚えねーとな」
ぶつくさ言いながら上条は作業を始める。
過酷な日々が始まることをその身に感じて。

301ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/06/05(金) 01:41:01 ID:CwICXv0Q
投下終わり

アクション監督/山下というオリキャラを登場させましたが、ただのアクション監督です

スレ汚し失礼でした

302■■■■:2009/06/05(金) 01:48:58 ID:8diceHqs
>>ぬるぽ様
直後のss投下お許しください。

「When You Wish Upon a Star(星に願いを)」の続きを5回分投下します。
今回は『吸血殺し』って何だろうと上条と土御門が延々と話す内容になっています。
『吸血殺し』にこんな解釈もあるのかなという程度に見て頂けたら幸いです。

303■■■■:2009/06/05(金) 01:50:11 ID:8diceHqs
(20.木曜日19:45)
上条と姫神秋沙は少し遅めの夕食をとることになった。
朝作っておいた夕食は、幸いにも暴食シスターの魔の手を逃れ、未だ冷蔵庫の中にその偉容を残していた。

「さあ姫神食ってくれ。とはいっても朝の残りをレンジで温めたものだけどな」
「上条君の夕食は?」
「俺はカップラーメンで良いから」
「君の方が疲れているはず」
「いいから、いいから」
「じゃあ。半分こ」
「いいのか?(これが正しい居候の気遣いなんだぞ。インデックス)」

件の暴食シスターとは異なる反応に心の中で涙していた上条に姫神が話しかけてきた。

「さっきは有り難う。
 それと。変なこと言ってゴメン。
 いつか。私の『吸血殺し(ちから)』だって他人の役に立つ日が来る。
 そうだね。きっと」

例え吸血鬼であってももう誰も殺したくないと姫神秋沙は願っている。
そのことを知っているからこそ、上条はどう応えたらいいのか迷ってしまった。
上条が口を開こうとした時、上条の携帯が振動した。

「悪い、姫神。土御門から電話だ。ちょっと外に出てくる。」
「どうして外に?」
「そっ、それはだな。姫神。
 もし電話の土御門に姫神が今俺の部屋にいるって気付かれたらどうなる?
 明日学校でヤツがどれほど話に尾ひれをつけるか分かったもんじゃないだろ。
 じゃあ、すぐ帰ってくるから。
 姫神は先に飯(めし)食っていてくれ。」

携帯を握って部屋を出た上条は、台所の窓の下にしゃがんで土御門のコールに応えた。

「上条だ」
「カミやんに2つ報告がある。良い知らせと悪い知らせだ。どっちからにする?」

「どうせどっちも同じなんだろ。じゃあ、悪い方からだ。」
「魔術師の侵入を許しちまった。
 集まってきたのは弱小組織や中堅組織の他に、はぐれの魔術師までいたな。
 良くもまあ短時間であれだけ色んな連中が集まってきたもんだ。
 吸血鬼を使って一気に組織のステータスをあげたいんだろう。
 そういやローマ正教の下部組織の連中もいたぜ。
 あそこも、カミやんの活躍(せい)で、今は背に腹は代えられないみたいだな。
 奴らは何か協定を結んだみたいで、複数のルートから同時に侵入してきやがった。
 大半のルートは俺達が潰したが、1ダースほどの連中が網をすり抜けやがった」
「やっぱり学園都市の中で戦いが始まっちまうのかよ。くそっ!」
「俺達はこれから追撃を始める」

「じゃあ、良いヤツって何だ?」
「吸血鬼を完全に消滅させる方法が分かった」
「あのな。先にいっとくけど、姫神に殺させるっていうのはナシだぞ」
「ああ、それ以外の方法だ」
「えっ?そうなのか。で一体どんな方法だ?」
「簡単なことだ。カミやん、姫神を殺せ!」

「姫神を殺せ?
 ちょっと待て。一体どういうことだ」
「だから言ってるだろ。吸血鬼を完全に消滅させたきゃ姫神を殺すしかない」

「姫神が死ぬことと吸血鬼の消滅に何の関係があるんだよ!」
「今日学園都市に吸血鬼が現れたおかげで吸血鬼なんて生き物がこの世に存在しないことが証明された」

「おい、一体何言ってんだ。意味分かんねえぞ」
「カミやん。おかしいと思ったことはないか?
 もし吸血鬼なんて化け物がいたなら、なぜ人間の世界は終わっていない?
 例えヤツらが獲物の数を管理していたとしても、小さくない被害があったはずだ。
 なのに吸血鬼の被害に関する記録が姫神の時以外何一つ残っていないのは何故だ?
 吸血鬼を始末する秘密組織があったのか?
 『吸血殺し』が世界中にいたのか?
 そんな記録も一切無いんだぜ。
 そもそも吸血鬼を見たという記録も残ってないのに、なぜ皆その存在を信じている?
 『吸血殺し』がいるからか?
 吸血鬼の存在に関しては何もかもが矛盾だらけなんだよ。」

「結局何が言いたいんだ?」
「つまりだ。吸血鬼がいて、それを滅ぼす『吸血殺し』がいるんじゃない。
 『吸血殺し』が吸血鬼を生み出しているんだよ。」

304■■■■:2009/06/05(金) 01:51:22 ID:8diceHqs
(21.木曜日19:55)
「なっ、お前は姫神が吸血鬼だっていいたいのか?」
「いいや。『吸血殺し(ディープブラッド)』だ」

「同じじゃねえか!」
「同じじゃない。
 カミやんが右手で吸血鬼を殴った後、ヤツはどうなった?
 消えちまったよな。
 それは傍にいた『吸血殺し』から逃げた訳じゃない。
 『幻想殺し』に殺されたからだよ」

「殺された?ヤツは公園にも現れたんだぞ」
「ヤツはAIMバーストの奇形種なんだ」
「AIMバースト?」
「簡単に言えば発狂した風斬氷華だ」
「ヒューズ=カザキリか?」
「風斬氷華は学園都市の230万人のAIM拡散力場が生みだした存在だ。
 姫神はたった一人でそれ以上のものを生み出しているんだ。
 ヤツは吸血鬼の姿をしたテレズマの塊だ。
 生命力という砂を詰め込んだ皮袋だと思えばいい。
 ただ、その外殻は硬質化したテレズマで覆われ恐ろしく頑丈だ。
 しかも貯め込んだ生命力を失うまでは外殻が傷付いても瞬時に再生する。
 だから『超電磁砲(レールガン)』の電撃位じゃ堪えなかった。
 『幻想殺し』は一撃でヤツの外殻を破壊して貯め込んだ生命力を霧散させた。
 だからもう一度生命力を補充するまでヤツは復活できなかったんだ。
 それでもヤツの核を潰さない限り何度でも復活しちまう」

「じゃあ、その核というヤツが」
「そう、姫神の中にある」

「だから姫神を殺せと...って。
 イヤ、ちょっと待て。おかしいだろ。
 お前は吸血鬼を生み出したのが姫神だって言ったよな。
 でも吸血鬼を滅ぼしたのだって姫神だろ?
 自分で生み出して自分で滅ぼすなんて、矛盾してないか?」
「姫神は吸血鬼を消しはしたが、滅ぼした訳じゃない」

「どういうことだ?」
「吸血鬼の行動原理は人間の生命を宿主に集めることだ。
 辺りの人間の生命を食らい尽くしたから宿主に戻った。ただそれだけなんだ。」

「じゃあ吸血鬼に噛まれた人間が吸血鬼になるっていうのは?」
「回帰衝動(リユニオン)だ。
 噛まれた人間にはヤツの因子が注ぎ込まれる。
 その因子は被害者の肉体や精神全てを食いつぶしそれを純粋な生命力に錬成するんだ。
 それを動力源に被害者を吸血鬼と同じ行動原理に従わせちまう。
 本人の意思とは関係なくな。
 そして全てを食らい尽くしたら、錬成した生命力を姫神に注ぎ込んでお終いだ。
 あとには燃えカス(灰)しか残らない。
 それに、その莫大なエネルギーで自己防衛を図るから並の人間じゃ手に負えない。
 一撃で身体を破壊しない限りな」

「どうしても姫神を元凶にしたいみたいだな。
 じゃあ姫神が吸血鬼を使って生命を集める目的ってなんだ?
 説明できんのかよ!
 目的もないのに人を殺しているとでも言うのか?」
「元凶は姫神じゃない。別の奴がいる」

「えっ?」
「『吸血殺し』はそもそも姫神の本来の能力じゃないんだ。
 姫神はその能力をある魔術師によってねじ曲げられているのさ」

「魔術師だって?
 魔術を使えば能力者に別の能力を上書きできるのか?」
「そいつは無理だ。
 だが、能力者から発現した能力の方向をねじ曲げることはできる。
 姫神の本質は「集めて」、「錬成し」、「与える」ことだ。
 そしてあの吸血鬼も本来は「竜脈からテレズマを集める」式神のような存在だった。
 魔術師は式神へ与える命令の中の「竜脈」を「人間」に「テレズマ」を「生命」にねじ曲げやがった。
 だから吸血鬼は人間を襲うのさ」

「魔術師が姫神の能力に細工をしたって言うのか?
 だったら。魔術師(おまえ)達で解呪はできないのか?」
「無茶言うな。カミやん。
 実際に実行した魔術師はわからん。
 だが書き込まれた術式は史上最高の魔術師エドワード=アレクサンダーのものだ。
 こいつは自動制御の魔法陣だ。
 解呪の難しさは『法の書』クラスだ。
 それに『聖ジョージの聖域』や『竜王の殺息』以上の防御魔術が組込まれているハズだ。
 現在の魔術師がいくら束になってもかなやしない。」

「お前達でもどうしようもないのかよ。
 しかし、その魔術師はなんで姫神に生命を集めさせてるんだ?」
「魔術師の計画では姫神に1万人の生命を集めるつもりだったらしい。
 1人の男に与えるために」

「たった一人のために1万人もの人間を殺すっていうのか?
 1万人もの生命を踏みにじろうってヤツは誰だ!ぶん殴ってやる!」
「残念だが、カミやんにはその男は殴れない」
「お前、知ってるのか?一体誰だ?」

「そいつの名は……上条当麻!」

305■■■■:2009/06/05(金) 01:52:09 ID:8diceHqs
(22.木曜日20:07)
「かっ?今、カミジョウトウマっていったのか?」
「そうだ、姫神は『神上計画』の補助計画(セカンドプラン)の鍵だったんだ」

「カミジョウケイカク?なんだそれ?」
「絶対能力進化(レベル6シフト)計画の一つだ。
 神ならぬ身にて天上の意志に辿り着くものを造り出すためのな。
 姫神はカミやんを覚醒させるための起爆装置なんだよ。
 そして集められる1万人もの生命は起爆装置に充填される起爆剤なんだ」

「待て、待て。お前の話はぶっとんじまっているぞ。
 何で絶対能力者(レベル6)なんだ。
 これは魔術師じゃなく学園都市の話なのか?
 そもそも無能力者(レベル0)の俺がなんで出てくるんだよ。
 姫神の話だって10年も前の話だろうが」
「じゃあ聞くが、カミやんの『幻想殺し(イマジンブレーカー)』はいつからあった?」

「それは……」
「もう10年以上前から『神上計画』は始まっていたんだよ。学園都市の闇の奥でな」

「(俺を覚醒させるために1万人の人間が殺されるって?何だよそれ。悪い冗談だろ)
 やっぱり、おかしい。
 学園都市の人間が1万人も死んじまうような計画なんて実行できるわけ……」
「いや、ちょうど学園都市には死んでも困らない連中がいるんだ」

「ひょっとしてスキルアウトことを言っているのか?」
「スキルアウトだって一応学生だ。
 さすがに1万人も死ねば、統括理事会だろうが隠蔽できやしない。
 他にいるだろう?今は学園都市にいないだけで」

「まさか妹達(シスターズ)か?」
「そうだ、元々が非合法の体細胞クローン達だ。
 シスターズに利用価値が無くなった時、闇に葬るには都合の良い計画だと思わないか。」

上条は御坂妹ことミサカ10032号をよく知っている。
出会った時は実験動物としてただ殺されるだけの運命を甘受していた。
でも今は人として生きようとしていることを知っている。

「あいつらを廃棄物扱いするっていうのか?
 ふざけやがって。
 そんな計画、ぶっ潰してやる」
「今のところ、この計画は凍結中だ。
 10年前の第2次起動実験に先槍騎士団が介入した事は奴らにも予想外だったようだ。
 奴らは計画を一旦凍結して時機をうかがうことにしたんだ。
 だから姫神が学園都市に来た時、奴らは秘密裏に『吸血殺し』に足枷までつけやがった。
 おかげで、数日『吸血殺し』が発動した程度じゃ吸血鬼は実体化しなくなった。
 だがな、オリアナの一撃がその足枷に傷を付けやがった。
 緩み始めた足枷は今では完全に外れちまっている。
 今、姫神は非常に危うい状態にある。
 奴らの意図は判らないが、『吸血殺し』はなんとかしなくちゃならない」

「でも『吸血殺し』はお前達でも解呪できないんだろ?」
「だから解呪じゃなくて、一撃でそいつを破壊するんだよ。完全にな」
「俺の『幻想殺し』なら破壊できるってことか?」
「そうだ。ただ姫神の場合やっかいな場所に術式が刻まれている」

「やっかいな場所?」
「カミやんの『幻想殺し』は神の奇跡だろうが何だろうが触れただけで破壊できる。
 逆に言えば、触れられなきゃ何もできないってことだ。
 実はこの術式は姫神の体内に刻まれている。
 普通に生活していれば、決してカミやんが触れることがない場所だ」

上条はそんな場所はどこだろうと考えていたら急に赤面してしまった。

「カミやん、今エッチい事を考えただろ。」
「そっ、そんなことはない」

上条は携帯に向かって首をブンブン振った。
しかしインデックスの首輪の時も同じ妄想をしかけたことを今の上条が知る由もなかった。

「そんなことより、それはどこなんだ?」
「この術式は吸血鬼を生み出しているんだぜ。だとしたら?」
「吸血鬼だとすると、まさか!」
「そうだ、頸動脈の内側に刻まれているんだ。
 吸血鬼も実際は血を吸ってたんじゃない。
 被害者の頸動脈に自分の術式を書き込み(コピー)していやがったのさ。」

「だったら俺には手出しできないじゃないか」
「そうか?俺はカミやんなら何とかするじゃないかと期待しているんだがな」
「どういうことだ?」
「カミやんが『幻想殺し』をほんの2mm外側に拡げれば良いんだ。
 そうすりゃ、姫神の首筋に触れるだけで全てが解決する。」
「そんなのどうすりゃできるんだよ?
 自分でも『幻想殺し』の正体が分かんねえのに。
 くそ!俺の右手はこんな時に役にも立たねえのかよ!」

306■■■■:2009/06/05(金) 01:52:53 ID:8diceHqs
(23.木曜日20:16)
「ぶわっははははっ!」
突然の土御門の笑い声に上条は困惑してしまった。
「スマン、カミやん。
 カミやんがマジに悩むからつい調子に乗っちまった。
 冷静になってみろ。
 もっと簡単な方法があるだろう。
 カミやんもよく世話になっているあのカエル顔の医者(せんせい)だよ。
 あの医者なら姫神の頸動脈を切ったところで鼻歌交じりですぐに直しちまう」
「そっ、そうか!」

「俺達は今夜中に魔術師どもを捕捉し学園都市から叩き出す。
 カミやん、今夜は姫神の傍に付き添ってやれ。
 そして朝になったら姫神を病院に連れて行け。
 それでハッピーエンドだ!」
「そうか、良かっ」
「ガシャン」「きゃあーっ!」

上条の安堵の声をガラスが割れる音と姫神秋沙の悲鳴がかき消した。
姫神秋沙の悲鳴に、上条は携帯を手に持ったまま部屋に駆け込んだ。
丁度ベランダの割れた窓から『歩く教会』を着たまま連れ去られる姫神秋沙の姿が見えた。

「土御門。姫神がさらわれた」
「何だと!奴らこんなに早く。
 いや、学園都市に内通者が居やがったんだ。くそっ!」
「俺は姫神を追うぞ」

「待て、カミやん。その前に大切な話がある」
「姫神のこと以上に大切な話があるのか!」
「だから姫神のことだ」
「なに?」

「まず確認だ。姫神は『歩く教会』を着たままさらわれたんだな?」
「ああ」
「それなら『歩く教会』の魔力を追跡すれば、奴らの行き先は分かる。
 多分17学区の工場か11学区の倉庫か19学区の廃ビルあたりだろう。
 奴らは学園都市を脱出する前に吸血鬼の存在を確認するはずだ。
 そこで捕獲できればそれで良し、手に負えなければ『吸血殺し』に殺させるなり、
 学園都市に吸血鬼を残して逃げ出しゃいいとでも思っているハズだ」
「無責任な連中だな」

「それより、さっきの話は魔術師どもには感づかれるなよ」
「どうしてだ?吸血鬼なんていないって判れば魔術師だって」
「その方が厄介なんだよ。
 相手が無限の魔力を持つ吸血鬼だと思っているから奴らは警戒している。
 果たして自分たちの手に負えるだろうかとな。
 しかし、相手が只の女子高生なら?
 これほど御しやすい相手はいないだろ。
 暗示をかけて敵陣で封印を解かせりゃ敵を皆殺しにしてくれる。
 しかも封印させてから回収すれば莫大なテレズマまで手に入る。
 理想的な殺戮兵器だ」
「なんだよ、それ」

「しかも、厄介なことは姫神には器がないんだ」
「どういうことだ」
「普通、個人差はあっても人間には蓄えられるテレズマに限界がある。
 軽自動車にはどうやったって100tのガソリンは積めないだろ。
 でも姫神にはその限界が無いんだ。
 普通の人間なら一瞬で燃え尽きちまうような量のテレズマだって蓄えられる。
 だからこそ、こんな計画の実験台にされちまったんだ」
「……」

「カミやん、姫神が蓄えているエネルギーはどれほどだと思う?」
「えっ?」
「『吸血殺し』はいわばエネルギー転換炉だ。
 全く嫌になるぜ。科学サイドでさえまだ夢物語の技術だって言うのにな。
 質量とエネルギーの等価性はアインシュタインの特殊相対性理論から導き出されたものだ。
 物質が内包するエネルギーはその質量に光速の二乗をかけたものに等しい。
 例えば1gの物質を全てエネルギーに変換するとおよそ90兆J(ジュール)になる。
 1gの水素が燃焼するときの化学反応熱がおよそ15万Jだから、その6億倍だ。
 1gで一般家庭が消費するエネルギーのおよそ3000年分をまかなえる」
「……(土御門って本当は頭が良いのか?)」

「すでに、姫神は数十人分の肉体と精神を食いつぶして錬成したテレズマを蓄えている。
 だから、決して気付かれるな。
 もし奴らが気付けば、奴らは直ぐに姫神を連れて逃げ出すぞ。
 自分たちのアジトまで連れ帰れば、後は暗示でも洗脳でも思いのままだからな」
「そんな」
「今から『歩く教会』の魔力を追跡する。カミやんはそこで待っていてくれ。
 じゃあ、一旦切るぞ」

307■■■■:2009/06/05(金) 01:53:34 ID:8diceHqs
(24.木曜日21:00)
上条はすぐに飛び出したかったが、行き先が判らない以上は連絡を待しかなかった。
土御門から連絡があったのは30分以上たってからだった。

「カミやん。まずいことになった。
 『歩く教会』の反応が2つに分かれちまった。
 それぞれ17学区の工場と11学区の倉庫に向かっている」
「どういうことだ?」
「どうやら、途中で俺達の追跡に気付いて偽装工作をしたようだ。
 カミやんと合流して奴らを叩きたかったが、こうなったら2手に分かれよう」

「どちらでもないってことは?」
「それはない。
 姫神が『歩く教会』を脱げば『吸血殺し』が発動しちまう。
 奴らだって準備が整うまでは姫神から『歩く教会』を奪うことはないだろう。
 俺達は11学区へ向かう。
 カミやんは17学区へ向かってくれ」
「わかった」

「それとカミやんの勝利条件だ」
「勝利条件?」
「まず、姫神の安全を確保しろ。」
「当たり前だ」
「次に、吸血鬼が現れたら『幻想殺し』で破壊しろ」
「了解!」

「『幻想殺し』でやられた吸血鬼が復活するのは12分後だ。
 その間に魔術師達を倒せ。」
「ちょっと待て!
 たったそれだけ?
 それって『幻想殺し』も効果なしってこと?」
「そんなことは無い。『超電磁砲』の電撃の時はたった0.03秒だったんだぜ」

「そんなに厄介なら、お前の方が本命だったらどうすんだ?」
「俺達なら簡単さ。
 一撃で魔術師どもを叩きのめし姫神から108m以上引き離す。
 それでお終いさ。
 あとはカミやんが来るまで待つだけだ。」

「なんだそりゃ?」
「吸血鬼の活動範囲は姫神を中心に半径108m以内だ。
 ただし、吸血鬼の被害者がでればそいつが中継アンテナになっちまう。
 丁度ハンディアンテナサービスみたいにな。
 だから、カミやんは魔術師どもが吸血鬼に噛まれる事態だけは絶対に避けろ」

「もし、12分で片がつかなきゃどうするんだ?」
「吸血鬼が復活するから、吸血鬼退治(ふりだし)に戻るだ」

「姫神に右手を当てたら吸血鬼が消えるって都合の良い話は……」
「ない。
 姫神から吸血鬼に流れる生命力を止めることはできても吸血鬼を消すことはできない。
 吸血鬼が消えるのは辺りの生命を食い尽くすか、蓄えた生命力を使い切るか、
 『吸血殺し』が壊されるか、姫神が死ぬときだけだ」

「つまり、本気で攻撃を仕掛けてくる相手を吸血鬼から庇いながら倒せと?」
「カミやんもやる気が出たみたいだな」
「ああ、うんざりだ」
「健闘を祈る」
「そっちもな」

308■■■■:2009/06/05(金) 01:54:17 ID:8diceHqs
以上です。
今回は延々と自分の妄想を書き連ねてしまいました。
本編との矛盾を無くそうとして説明がこんなにも長くなってしまいました。ご容赦下さい。
姫神秋沙に『吸血殺し』がある限り本編での活躍の場がもう来ない気がする今日この頃。
そこで「『吸血殺し』なんて幻想は俺がたたき壊してやる」って感じの展開があれば
姫神秋沙もヒロインの一角に食い込めるかなと考えたのが今回のssです。
このssはあと10レス分で終わる予定です。
今回、既出のssに同じものがないかを自分なりに探して確かめたつもりなのですが、
同じ話があるサイトをご存じの方がおられましたらお教え頂ければ幸いです。

309■■■■:2009/06/05(金) 14:59:29 ID:wL1QjBzU
>>301
続きを待ってます。

310sage:2009/06/05(金) 22:41:19 ID:G4aLw3KM
>>301
一方通行の仕事の姿が楽しみ

311■■■■:2009/06/06(土) 01:02:54 ID:/xmx3JmY
話のとてもよくて読みごたえがあっておもしろいです。でも、土御門の説明が上条に話すぎのような気がします。

312■■■■:2009/06/06(土) 06:04:31 ID:CJE3yYvY
SSそのものはつまらなくはないんだけど、
>>308みたく自分で自分の作品を語るのは
イタすぎると思うのですよ

313■■■■:2009/06/06(土) 23:31:16 ID:06FWFEAI
>>308
取り合えず
地の文を書こうか―――――話はそれからだ

314ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/06/07(日) 00:00:06 ID:M3J6xrqM
………、まぁまぁまぁまぁ落ち着けよ

小ネタ投下するからさ

【学園都市に蛇が潜り込んだようです】
とあるトラックの中、運送業系が使うような車両の、コンテナ内から物語は始まる。
『スネーク、いいか、よく聞け』
通信機から聞こえてくるのは男の声だ。
スネークと呼ばれた男は、通信機からの声に答えた。
『あちら側は高性能\すぎるセンサー類や、有能\な対人兵器が存在する。それに見つからないように潜入しろ』
「了解した」
『もし何か動きがあったら連絡しろ』
それだけ言うと、通信は切れた。
トラックが止まる。
恐らく検問だろう、そんなことを男は考えていると、トラックは再び走り出して、また止まった。
「そろそろだな…」
男は必要最低限の装備を整え、コンテナを出た。
「まずは段ボールだな…」
ぽつりと呟くと、身近にある路地裏へと侵入した。

315ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/06/07(日) 00:00:50 ID:M3J6xrqM
待てやゴルァ!という怖いお兄さん☆達の怒鳴り声を受けながら絶賛逃亡中を続けるのは不幸少年、上条当麻だ。
「あーもう!なんでこんなことになるんですか!不幸だーっ!!」
すれ違いざまに肩がちょっとぶつかったので、謝ったら893な人だった、それだけでこんなことになっているのだ。
「こうなったら…!」
わざと曲がりくねった道を通って、何人かの追っ手を撒き、残った何人がが角を曲がってくる前に、ある路地裏に飛び込んだ。
「っしゃあ!」
路地裏をそのまま通り過ぎていく追っ手を見て、上条は歓喜の声を上げる。
「ふー、危なかったぜ。あんな奴らに捕まったらひとたまり…も…」
ふと、上条は身を構\えた。
「てめぇ……何者だ」
目の前には眼帯をし、段ボールを探している人物がいる。
「段ボールを探している」
「そんな怪しい格好でかよ」
「そんなに睨むんじゃない。そうだ、このカロリーメイトをやろう。旨いぞ」
「丁度小腹が減ってたんだよな、サンキュー!…じゃねぇ!何の目的で学園都市に居るんだ!」
上条は拳を握り締め、眼帯の男へ、いつでも飛びかかれるように構\えた。

『幻想殺し』と『伝説の傭兵』が交わるとき、上条当麻とスネークの物語が始まる!


投下終わり
MGS最新作が待ち遠しすぎる!
カロリーメイトがUMAすぎる!

316■■■■:2009/06/07(日) 01:38:52 ID:XsDTbDc6
新しい歩く教会が届き、上条とのスキンシップが減って
拗ねるインデックスちゃんがみたい!!!111

317■■■■:2009/06/07(日) 02:44:16 ID:XFcCwYec
さすがにメタルギアは禁書とは合わないだろ

318■■■■:2009/06/07(日) 16:26:22 ID:m/sdH.m2
さすがにスネークでも、超能力や学園都市の技術には負ける。
ってか、すでにアレイスターに見つかってる

319クオリティ:2009/06/07(日) 16:47:11 ID:I0qQwi92
美味いもん食う事っていい事だよねw
いい姉ちゃん食うのもいい事だぜwwww
ヤリまくりな毎日すいませんwww
出会い探してみない??欲求不満ウジャウジャいんぜw
ttp://cc.xxme.jp/

320>>258の続きを:2009/06/07(日) 20:48:43 ID:mVSN01OQ
天翔蒼紫です。前回の私の駄文と言うより解読不可能な文章……。
本当にすみませんでした。
一応続き投下させていただきます。
 前回解読不可能のため短いですがあらすじを……。
一端覧祭が終わって少したったある日、早朝から鼻血の大量出血という不幸をくらっている上条。
ティッシュを探そうとユニットバスの扉を開けると、インデックスが扉の目の前で眠っていた。
頬を少し赤く染めつつティッシュを探す上条……。
とここまでが>>258で私が書きたかった文章の簡略+補正版です。(文章3行しかない……)
次からは人に読んで楽しんでもらえる文章レベルにupできるようがんばります。
こんな私ですがコメントしてもらえれば本当にうれしいです。
では次回から本編の続きを書かせてもらいます。

321続き:2009/06/07(日) 21:55:10 ID:mVSN01OQ
「なぜこのようなところにあるのでしょうか?」
上条はため息まじりに言う。理由は今まで自分が探していたものが、このようなところにあったからである。
探していたもの・・・もといティッシュペーパーは箱ごと自分の目の前にいる少女が抱き締められている。  
「取ったら絶対起きるよな・・・この際タオルでもいいか」
 辺りを探すとタオルがあった。
「よし あった」
上条がインデックスを起こさないように静かに移動とした。
しかし、何かにひっばられ大きな音を出してつまづいてしまった。

322続き2:2009/06/07(日) 22:56:52 ID:mVSN01OQ
「い 痛って〜。は 鼻が」
激痛のはしる鼻をおさえながら涙目で自分の後ろを見る上条。
そこには、クラスメイトの吹寄制理に負けないくらいの仁王立ちをしたインデックスがいた。
「がくっ」
(一瞬死神に見えた・・・) 身の危険を察したのか体全体から冷や汗が泉のように湧くようにでる。
「と〜ま〜♪死んだふりでもしてるの?」
一応寝ているふりをする上条。すると反応がないので歯をガチガチと鳴らしながら
「あっとうま起きてないんだね。じゃぁ お・や・す・み♪」
「イ イイ インデックサン上条さんはこのとおり起きてますから」
「ふふ かかったねとうま」
(しっ しまった孔明の罠か)
すると諦めたのか、上条が「許してもらえませんか」の合図をする。
服が血(上条の鼻血)だらけのインデックスは少し考えてこう言った。
「イタダキマス♪」
「ごめん俺、前座・・・」
最後まで言い切る前に彼の意識は途切れた。
現在(PM 5:19)まだ今日の不幸は始まったばかりである。

323続き2:2009/06/07(日) 22:58:02 ID:mVSN01OQ
「い 痛って〜。は 鼻が」
激痛のはしる鼻をおさえながら涙目で自分の後ろを見る上条。
そこには、クラスメイトの吹寄制理に負けないくらいの仁王立ちをしたインデックスがいた。
「がくっ」
(一瞬死神に見えた・・・) 身の危険を察したのか体全体から冷や汗が泉のように湧くようにでる。
「と〜ま〜♪死んだふりでもしてるの?」
一応寝ているふりをする上条。すると反応がないので歯をガチガチと鳴らしながら
「あっとうま起きてないんだね。じゃぁ お・や・す・み♪」
「イ イイ インデックサン上条さんはこのとおり起きてますから」
「ふふ かかったねとうま」
(しっ しまった孔明の罠か)
すると諦めたのか、上条が「許してもらえませんか」の合図をする。
服が血(上条の鼻血)だらけのインデックスは少し考えてこう言った。
「イタダキマス♪」
「ごめん俺、前座・・・」
最後まで言い切る前に彼の意識は途切れた。
現在(PM 5:19)まだ今日の不幸は始まったばかりである。

324■■■■:2009/06/07(日) 22:59:10 ID:EMC.aXFU
内容以前にさ
投下文である>>321より言い訳>>320のほうが長い時点でおかしいと思わない?
解読云々ではなく内容が無い(洒落でなく)からこんなコメントしかつけようが無い
もう一度言う
とりあえず半年ROMった上で>>69を10回音読して出直してくることをお勧めする

325■■■■:2009/06/07(日) 23:02:32 ID:EMC.aXFU
ああ、すまない終わってなかったのか
1時間も続きが無かったから今回終了と勘違いした
終了宣言無いのに終わりと決め付けた俺も悪かったが
これだけ間が空くと他の投稿者の迷惑になるぞ

326謝罪 その2:2009/06/07(日) 23:14:50 ID:mVSN01OQ
駄文になってしまいました。 すいません。
2重投稿してしまいました。  すいません。
続きで移動(しよう)とした。の「しよう」が抜けています。  すいません。 
訂正箇所はまだあるかもしれません。お手数をおかけします。
最後に>>320のあらすじ・・・ 本当にすいませんでした。
それと私なんかが、この掲示板に投稿させていただきありがとうございます。

327謝罪 その2:2009/06/07(日) 23:42:16 ID:mVSN01OQ
>>325
すいませんでした。
では今回終了させていただきます。色々ご迷惑かけました。
(GJまでの道は遠そうだ) とある戯曲の交響乱舞(タイトル)が無事終われますように・・・

328■■■■:2009/06/07(日) 23:57:34 ID:YDb2vQp2
>>326
SS投下お疲れ様です。

>>258を拝見していて、長編の物語を書こうとして急ぎすぎている感じを受けました。
物語のタイトルと章が決まっているのに、内容ができていないという所からです。
タイトルと章立てを考えることは長編の執筆に必要ですが、やはりその前に内容が大事です。

キツいことを言うかもしれませんが、まずは行数の少ない短編から書き始めてみてはいかがでしょうか。
そのうち、関連性を持たせたいくつかの短編をつじつまの合うようにちょちょいと書き換えれば、長編を作ることが出来る…という寸法です。
それでも長編の物語を書かれたいのであれば、ある程度の長さの内容が出来上がってから投稿されるとよいと思います。
その方が、誤字脱字や文章間の内容の食い違いによる打ち切りや防げます。長編を見る側としては、物語は完結して欲しいですし。

SS書きの練習、頑張ってください。

329■■■■:2009/06/08(月) 00:05:32 ID:7pHBbnRI
連投申し訳ない。
>>326氏、投稿時にE-mail欄は半角英文字で「sage」と入力していただきたく。
理由はスパム対策が云々、というかこのスレの作法のようなものなので。

330ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/06/08(月) 00:07:52 ID:SuWO6Y6w
wordに文章を入力して、何日かしてから見直したりすると矛盾、誤字脱字を見つけやすいぞ

それと、もう少し纏めて書くことをオヌヌメする

>>328の言うように、短編を書いていって段々長編に…、ってプロセスがいいかも試練

今回は投下無しですw

331■■■■:2009/06/08(月) 00:16:36 ID:qL6VZev6
投稿時以外はコテとかトリップとか外してくれ

332■■■■:2009/06/08(月) 01:36:19 ID:SuWO6Y6w
すまなかった

333ユミシロ:2009/06/08(月) 21:54:59 ID:c1n.hJYM
>ロリ化して素直になった美琴が上条さんに甘えまくり
……というのを見かけて
勢いで書いた小ネタ。
『君が変わっても〜いつか君が変わるとしても〜』


「ねえ、ちょっと私の話を聞いてくれない?」
「う〜ん……今日は良い天気だな」

「朝、目が覚めて……気づいたら体が小さくなってたの」
「昨日が雨だったから空は青くて綺麗だし」

「黒子がすぐに目を覚まして抱きつかれて――まあ、その瞬間に電撃浴びせたから
 名前通りに真っ黒に焼いておいたけど」

「やべぇ、授業中に寝ちまいそうだな……」
「10万ボルトしか流せなかったのよね。やっぱり知識と経験があっても
 体が変化してる分、能力の制御の仕方が違うのよね」

「居眠りしてまたまた補習なんてパターンは避けたいしな……
 しばらくトラブルに巻き込まれてないとはいえ、どうなるか分からないから
 普通に授業を受けられるときはちゃんと受けないと進級もできなくなるくらい
 単位がやばくて大変なのが上条さんの現状なのですよ」
「あんた、気づいてるんだったらこっち向いて話してくれない?」

「うう……せっかくの晴天が早くも曇りのち雨になりそうで
 当然ながら上条さんは傘など一本も持っていないのです」
「ついでに雷注意報も出てるわよ」

「――おい、ちゃんと制御できないんだろ。無闇に使うなよ……ほれ」
「ちょ…何すんのよ!な、撫でるなー!」

「癖っ毛を直してやったんだよ……って直ってねえ」
「――――馬鹿、ちゃんと直してよ。……わわ、クシャクシャにしないで!」

「おお、本当に小さいな。十歳ぐらいか?
 あの子にそっくり――というか、あっちがそっくりなのか。
 その服はどうしたんだ?」
「黒子から借りたのよ。勝手にだけど。幸い変な服とか下着はなかったわ」

334ユミシロ:2009/06/08(月) 21:55:36 ID:c1n.hJYM

「?……でも、おまえが白井の服の着ることなんて(サイズ的に)まずないから
 返したら永久保存するんじゃないか?こう、家宝にして崇めるとか」
「うう――本当にやりそうだから怖いわね。焼却処分するわけにもいかないし。
 余計な問題が一つ増えたわね」

「それとさ」
「何よ」

「途中まで歩かせて悪かったけど、靴が合わないんだったら先に買った方がいいだろ」
「え……あ、うん。そうね」

「まだどこも店が開いてないから、それまでどっかで休むか」
「――ってあんた、単位がやばいんじゃなかったの?」

「何言ってんだよ。それどころじゃないだろ?
 俺が右手で触っても元に戻らなかったんだ。
 どうなるか分からないし……とりあえず、いつもの病院に行ってみるか」
「……ありがと」

「じゃあ、行きますか。ほら」
「べ、別に手を握る必要ないんじゃ……」

「どこかの腹ペコシスターさんみたいに迷子なられちゃ困るしな。
 あと歩くのが早かったら早めに言えよ。体力も落ちてるんだろ?」


「うげェ……」
「羨ましいなぁってミサカはミサカは瞳を輝かせてあなたに期待したり」

「おまえ、今自分がガキじゃねェって状況が分かってんだよなァ?」
「分かってるよってミサカはみ…えっと」

「無理して他の妹達の真似なんざしなくてもいいだろォ」
「そ、そうかなってミサカはミサカは子供っぽくないかなって不安だったり」

「何馬鹿なこと言ってンだよォ。さっさと行くぞ、――――」
「……うん!ってミサカはミサカはあなたと手を繋いで歩けてとても嬉しかったり」

「くっつくな!歩き辛ェだろ、このクソ……」
「何かなってミサカはミサカはあなたの瞳を覗き込んでみたり」

「何でもねェよ。前見て歩きやがれ」
「♪」

335ユミシロ:2009/06/08(月) 21:56:25 ID:c1n.hJYM

「――見慣れない靴なのですが、これはもしや……お姉様の物ですの?」
「ん?そうよ。ちょっとした記念ってことで残しておいてあるの」

「この頃からゲコ太が――にしてはほとんど汚れていませんわ。
 新品同様……よほど大切な物でしたの?」

「そうね。これは魔法が解けても残ってる――『ガラスの靴』みたいなものだから」
(今はもう――二度と履けない靴だけどね)

「ところでお姉様。私の古着は何処へ?」
「そうそう……それだけど、知り合いが欲しがってて――」

「はあ、つまり。戻ってこないのですね」
「代わりにだけど、今度ショッピング行くときに新しい服買ってあげるわよ」

「――そ、それはつまり……お姉様からのプレゼント、と解釈してよろしいんですの!?」
「え?」

「嬉しいですわ……ああ、どうしましょう。永久保存して家宝にしたいくらいですわ!!」

 完。

……長くなったけどこの場合小ネタになるのかな。
会話のみで長いと読みづらいと思うので二人の会話一つごとに行間空けてみました。
いつの間にか長い針が二周しちゃってる上――エロパロの流れも別展開してるんで
こちらに投下。

336■■■■:2009/06/08(月) 22:14:05 ID:oalCJmGc
>>333-335
まさか俺の受信した電波が形になってたなんて……
超GJ!

337■■■■:2009/06/08(月) 22:14:07 ID:/h.92qpM
>>ユミシロ様
ユミシロ様のss直後にssを投稿してしまいます。申し訳ありません。
前回のぬるぽ様といい、職人さんの直後に駄文を投下するのは心苦しいのですが、ご容赦ください。

「When You Wish Upon a Star(星に願いを)」の続きを5回分投下します。
前回は文章の9割が会話という非常にバランスの悪い構成になってしまいました。
さらに後書きでちょっと羽目を外してしまいまして申し訳ありませんでした。
いつかは職人さんのようにGJを頂ける書き手になりたいものです。

338■■■■:2009/06/08(月) 22:15:39 ID:/h.92qpM
(25.木曜日21:30)
姫神秋沙は気を失っていた。

あの時、廊下に出た上条を追って姫神秋沙はこっそり台所に入っていた。
上条がヒソヒソと話している声を聞くと姫神秋沙にまたイタズラ心が芽生えた。

(上条君。私のことを土御門君に隠そうだなんて。ちょっと傷付いたかな。
 ふふ。もし今「上条君」って声をかけたら。君はどう言い訳するかな?)
「かみ……」
「姫神を殺せ?」
 (なっ何?今「姫神を殺せ」って)

会話の断片しか聞こえなかったが、姫神秋沙は理解してしまった。
自分が吸血鬼を生み出している元凶であること。
そして自分が死ねば吸血鬼も消滅すること。

バスルームで上条に励まされ、自分にもまだ存在価値があるかもしれないと思った。
『吸血殺し』が吸血鬼から人間を守るならそれを受け入れてもいいと思い込もうとした。
その矢先に自分こそがその吸血鬼という災厄の元凶だという事実を突きつけられた。

逃げ出したいのに震えだした足はうまく動いてくれない。
テーブルまで来ると立っていることすらできなくなった。
残酷な現実から逃れたくて目をつむり耳も塞いだ。

いきなり身体を持ち上げられて悲鳴を上げたことは覚えている。
でも7階から飛び降りた後の記憶は無い。
気が付くと通路に立っていた。

(ここは…………工場の中?
 でも床や壁に描かれた模様や文字は……これは三澤塾で見たことある……確か魔法陣。
 あれ?身体が動かない。足首を紐で縛られているだけなのに。
 ひょっとして私。魔術師にさらわれた?
 何のため?……やっぱり吸血鬼?
 でも『歩く教会』は脱がされていない。
 じゃあなぜ?……)

その時、姫神秋沙の考えを遮るように男の声が工場内に響いた。

「全員、準備は終わったな。では始めるぞ!」

その瞬間『歩く教会』は舞い上がり『吸血殺し』が発動した。

同時刻、上条当麻は工場を囲む広大な駐車場の外縁にいた。
仕掛けられているかもしれない罠についてはあえて考えず一気に駐車場を駆け抜けた。
通用口まで来た時、上条は違和感に気付いた。

(中はまだ明るいのに守衛室に誰もいない。
 ロッカールームにもシャワー室にも事務室にも人の気配がない。
 これは……人払いの魔術!
 待ってろよ、姫神。すぐに助けてやる)

上条は事務室に入り工場へ続くドアの前まで進んだ。
ガラス越しに覗いた工場の内部はサッカー場ぐらい広く天井の高さは20m程あった。

(ここに姫神がいるとしたらどこだ?
 囮ならやっぱり中央辺りか?
 それなら魔術師達は姫神を取り囲むように身を潜めているハズだ。
 土御門は1ダースって言ってたけど、どこにいる?
 全く気配がしねえぞ。
 くそ!ただでさえ多勢に無勢だっていうのに作戦無しの出たとこ勝負で大丈夫か?俺)

上条がドアのノブに右手をかけた瞬間「バキン!」という感触が手に響いた。
同時に「ピィィィー」という警戒音が工場内に鳴り響いた。
上条の右手が工場内に張り巡らされた防御結界の1つを破壊したのだった。

(くそっ!もう気付かれちまった)

上条が舌打ちした瞬間、悪寒が背筋を走った。
上条からは見えなかったが、吸血鬼は反対側にあった製品搬出口の前に現れていた。
そのため魔術師達は上条が結界を破ったとは思わなかった。
そして、工場内は耳をつんざく轟音と目もくらむ閃光で満たされた。

339■■■■:2009/06/08(月) 22:16:33 ID:/h.92qpM
(26.木曜日21:48)
(あれ、目の前に魔術師が2人いる。さっきまでいなかったハズなのに)

上条は吸血鬼が現れたことで隠遁の結界を解き攻撃呪文を唱えている魔術師に気が付いた。
上条は転がっていた鉄パイプを左手に持つと身をかがめながら魔術師達に近づいた。
魔術師達の真後ろまで来ると立ち上がり、その首筋に鉄パイプを叩きつけ昏倒させた。

(ふーっ、間抜けな奴らで助かった)

本当は魔術師達も油断などしていなかった。
彼らは周囲の床に対吸血鬼用の強力な迎撃術式を展開していた。
しかし、かがんだ上条の右手が触れた時それらは発動することなく破壊されていたのだ。
上条は倒した魔術師達の手足を棚にあったガムテープでぐるぐる巻きにした。
(楽勝?)と思った上条だが世の中そんなに甘く無いことをすぐに思い知った。

「こいつ!なんで効かない!」

叫び声の方向には吸血鬼に壁際に追いつめられつつある1人の魔術師の姿があった。

(魔術師のくせに簡単に追いつめられるんじゃねえ!
 目立ちたくないこっちの都合も考えろ!)

上条は30mほど先の吸血鬼に全速力で駆け寄った。
途中、轟音とともに深紅の炎が右側から襲ってきたが、右手の一閃でそれを打ち消した。

「うおぉぉぉ!」

魔術師に噛み付こうとしていた吸血鬼の背中に上条は右拳を叩きつけ吸血鬼を霧散させた。
その向こうでは追いつめられていた魔術師が恐怖で顔を引きつらせていた。

「たっ、助かった。ありが…」
「バカ野郎!」 
「ガハッ」
「ハァ、ハァ、無駄な全力疾走させやがって」

魔術師の言葉を右フックで遮って上条は倒した魔術師の手足をガムテープで縛った。
その時、二人めがけて氷の刃が襲ってきた。
もし右手の迎撃が一瞬でも遅れていたら魔術師もろとも両断されていた。

(こいつら敵も仲間も見境無しかよ。
 くそ!何で俺がコイツらの身の安全まで面倒見なきゃならねえんだ)

上条は倒した魔術師から走って離れた。
十字路まで来ると正面をふさぐ魔術師から炎の龍が解き放された。
しかも背後にいた魔術師からは1ダースもの氷の槍が飛んできた。
上条はとっさに左の通路に転がり込む。
しかし、背後で衝突した炎と氷が起こした水蒸気爆発に盛大に吹き飛ばされた。

「うぁちっちっ!こっちは一人なんだからちょっとぐらい手加減しろ」

上条が顔を上げると、通路の両端を塞ぐように立つ2人の魔術師が呪文を唱えていた。
袋のネズミとなった上条に再度炎の龍と氷の槍が襲いかかってきた。

(げっ、ヤバイ)

とっさに上条は背後の炎の龍に右手で裏拳を叩き込むとその勢いのまま床に倒れ込んだ。
上条を仕留めたと確信していた炎の魔術師は、炎の龍が消された事を理解する前に、
氷の槍の直撃を受けて床に崩れ落ちた。
予想外の事に一瞬動きが止まった氷の無術師には、素早く起きあがった上条が右拳を叩き込んだ。

(ふーっ、これでやっと五人か)

上条が周囲を見回すと、右の通路の先にセーラ服姿の姫神秋沙が見えた。
姫神秋沙に駆け寄ると足首を縛っている紐に気付いた。
紐を外そうと右手を掛けた瞬間、紐はひとりでに解けて落ちていった。

「姫神!無事か?」
「上条君?」
「俺が判るか?ここから逃げるぞ!」
「どうやったら死ねるかな?」
「なにを言ってる」
「私。聞いてしまった。上条君の電話。
 吸血鬼の正体は私。そうでしょ?」
「そっ、それは」
「結局。皆を殺したのは本当に私だった」
「違う。姫神のせいじゃない」

「やっぱり。私は生きていちゃいけない。
 私が死ねば吸血鬼も消滅する。
 でも、どうやったら死ねるかな?」
「うるさい!そんなことはどうでも良いんだよ。
 方法が見つかったんだ。
 誰も傷つかず、誰もが笑って迎えられるエンディングが在ったんだよ」
「えっ?」
「朝だ。明日の朝になれば全てが解決する。
 そしたらお前に悪夢を見せている幻想なんて俺がぶっ壊してやる」
「本当?」
「ああ、本当だ。だから諦めるな!」
「う、うん。」

上条は姫神の手を握り走り出そうとしたが、ふと立ち止まって振り返った。

「姫神、ちょっとゴメン」
「?」

上条は姫神秋沙の首筋に右手を当てると目を閉じて力みだした。

「…………やっぱりダメか」
「何のこと?」
「いや、何でもない(『幻想殺し』を拡げるって、一体どうすりゃ良いんだ?)
 とりあえず、逃げるぞ。」

340■■■■:2009/06/08(月) 22:17:35 ID:/h.92qpM
(27.木曜日21:55)
「ジャギン!」
突然、上条達を取り囲むように床から数十本の土の槍が生えた。
それらは一気に10mも伸びると一本の縄を作るように先端から縒り合わさっていった。
上条は正面の数本を右手でなぎ倒し、姫神の手を引き転がり出た。

「俺達は雑巾じゃねえぞ」
「騎士(ナイト)君を雑巾扱いして申し訳ないが、その娘に逃げられちゃ困るのでね」
「誰だ!」

上条は声のする方向に石を投げつけると、そこには人間ほどの土の塔が立っていた。
その土の塔が崩れ去るとすまし顔の魔術師が姿を見せた。

「姫神、下がっていろ!」

上条が一歩踏み出した瞬間、前方の床から土の壁が2mもせり上がってきた。
それが上条を押しつぶすように一気に倒れてきた。
上条はとっさに右手を前方に押し出して倒れてきた土の壁を突き崩した。
土煙の中から無傷で現れた上条を見て土の魔術師から余裕の笑みは消え去った。

「貴様、一体何をした?」
「俺はな、こんな石ころぐらい簡単に砕けるんだよ。学園都市の能力者を舐めんな!」
「ふざけるな。貴様ごときにわが魔術が通じないとでもいうのか!」
「じゃあ、確かめてみな。
 てめえの攻撃なんか、全てひねり潰してやる」

土の魔術師が繰り出した土の槍は上条の右手に遮られると全て砕け散った。
作り上げたゴーレム達も上条の右手の一振りによって全てなぎ倒された。
そして上条の前進を阻む土の壁は紙のように破られた。
上条に全ての攻撃を破られた土の魔術師は上条に圧されるように徐々に後ずさっていった。

「一体何だ。お前の能力は?」
「どうした。もうお終いか?
 出し惜しみなんかするんじゃねえぞ!」
「ひっ……」

上条が一歩踏み出した時、後ずさった土の魔術師が突然身体をのけ反らせた。
魔術師に無数のツタが巻き付いたと思った瞬間、魔術師は緑の十字架に磔にされていた。
我を失い自分達の罠に嵌まった魔術師を見て、上条は至る所にある魔法陣にようやく気付いた。

(あぶねえ。気付いてなかった。こんなに魔法陣が仕込まれていたなんて)
「上条君。危ない!」
「ドゴッ」
「ドサッ」

上条が振り向くと上条の後ろで姫神秋沙が倒れていた。
その向こうには広げた右手を前につきだした魔術師が立っていた。

「まさか、その女に邪魔されるとはな。
 痛みも感じないうちに殺してやるつもりだったのに」
「姫神!」

倒れた姫神秋沙を助けようとしゃがんだ上条の頭の上を何かが突き抜けた。
「グァシャ!」という破壊音に振り向くと工作機械が潰れていた。
まるでボーリングの球を高速で叩きつけられたような壊れた方だった。

(ヤバイ、奴は掌から見えない何かを高速で打ち出してやがる。
 もろに食らったらアウトだ)

上条は左利きボクサーのように右拳を肩口に構えた。
上条は魔術師の腕の方向と表情から魔術師の攻撃を予測して右手を振るった。
しかし防ぎきれなかった攻撃が脇腹や左肩や太ももをかすめていく。
その度にバットで殴られたような激痛が走り、上条は顔をゆがめていった。
魔術師は攻撃を緩めずに前進し、上条は徐々に後ずさっていった。
魔術師が姫神秋沙を跨ぎ越えた頃には、上条の背は壁に張り付いていた。
しかも、左右の床には魔法陣のような模様が見えていた。

(まずい。逃げ道がない)
「これで、お終いだ」
「バチィッ」

魔術師は白目を剥いて気を失っていた。
その後には魔法のステッキ(特殊警棒)で決めポーズを取っていた姫神秋沙がいた。

「姫神!」
「これ、萌えない?」
「…………ぷっ」
「ふふっ……」
「あははははっ。
 ああ姫神、これならいつでも魔法使いになれるぞ。イテテッ」
「大丈夫?上条君」
「大丈夫だ。姫神こそあれを食らって良く無事だったな?」
「これを抱いていたから」

姫神は床に落ちていた白い布を拾ってみせた。それは『歩く教会』だった。

「そうだ。姫神、今のうちに『歩く教会』を着ておくといい。
 そうすりゃお前も安全だし『吸血殺し』も封印できる」

頷いた姫神秋沙であったが「バシッ」という音と共に背をのけ反らせて苦悶の声を上げた。

「カハッ!くうぅぅっ」
「だから、そんなことされるとこっちが迷惑なんだ」

341■■■■:2009/06/08(月) 22:18:34 ID:/h.92qpM
(28.木曜日22:01)
ムチで打たれた姫神秋沙が落とした『歩く教会』をムチ使いはムチではじき飛ばした。
そして姫神秋沙に駆け寄ろうとする上条にもムチを激しく打ちつけた。
上条は床の魔法陣を気にする余り動作が小さくなりムチを上手く避けられない。

「くそ!(なんとか懐に入り込まないと)」

上条は両手を眼前で交差させダメージ覚悟でムチ使いに突進した。
しかしムチの衝撃に出足を止められてしまう。
何度試みてもダメージを受けるだけで間合いを詰めることはできなかった。

(痛てっ!やっぱり間合いが詰められねえ。
 しかもこいつは霊装じゃねえから『幻想殺し』も効かねえ。
 何かコイツの懐に入るきっかけが欲しい)

その時、ムチ使いの背後の壁掛け時計が目に入った。

(あと30秒)

ムチは、間合いを計る上条の腕や肩を、容赦なく打ちつけていく。

(くそ!いい気になりやがって)

約30秒後、悪寒が2人背中を駆け抜けた。
それを予期していた上条はムチ使いより早く動き出すことができた。
慌ててムチを振ろうするムチ使いに上条は右のレバーブローを放った。

「ぐはっ」
「遅いんだよ!」

身体を前に折り曲げたムチ使いの首筋に上条は組んだ両手を叩き込んだ。
しかしムチ使いを床に叩き伏せた上条も両手を膝に置き荒い呼吸をしている。
体中の激しい痛みも納まる気配はなかったが、休んでいる暇はなかった。

「ハァ、ヤツはどこに現れた?」

魔術師達の「こっちだ!」と叫ぶ声方向へ上条は重い足取りで歩き出した。
角を曲がると3人の魔術師の背中が見えた。
さらに魔術師達から10m向こうに吸血鬼が立っているのも見えた。
そして吸血鬼と魔術師達の魔力がぶつかり合い彼らに挟まれた空間が歪んでいた。
空間の歪みが5mもの大きさになると、それは徐々に魔術師達に近づいていった。

「くそ!3人がかりでも押し込まれる。
 コイツ、どれほどの魔力を持ってやがる?」

必死に押し戻そうとする魔術師達だったが、その顔には絶望の色が浮かんでいた。

(ちくしょう!見殺しにはできない)

魔術師達を救おうと、上条は身体の痛みに耐えながら歩み寄った。
そして魔術師の間近まで迫っていた空間の歪みに右拳を叩きつけた。
その瞬間、歪みを消された空間が揺り戻しの突風を巻き起こした。
突風に煽られ転がった上条が目を開けると50cmも離れていない場所に吸血鬼が立っていた。
3人の魔術師も気を失って上条の周りに倒れていた。
吸血鬼は上条の右隣に倒れている魔術師に噛み付こうとしていた。
上条は痛む右拳を握りしめると、裏拳を吸血鬼の頭に叩き込み吸血鬼を消し去った。
上条はのそりと起きあがると、足を引きずりながら姫神秋沙のいた方へ戻っていった。

342■■■■:2009/06/08(月) 22:21:06 ID:/h.92qpM
(29-1.木曜日22:07)
「姫神、無事か?」
「ヒュン!」

上条の言葉を遮るように真空刃が飛んできた。
姫神に向かってあげた右手が真空刃を打ち落としたのは偶然だった。

「その右手、噂の『幻想殺し』か?」
 『幻想殺し』は吸血鬼にも効果があるのだな。
 しかし、その役は『吸血殺し』一人で十分なんだ」

言葉も終わらないうちに圧縮された空気の塊が飛んできた。
一つは右手でたたき落としたが、一つは上条の鳩尾を直撃した。

「ごっ、がァあああ」

痛みに身体をくの字に折り曲げた上条に風の魔術師がゆっくりと近づいてきた。
身体を伸ばせない上条は顔だけ上げて魔術師を睨み付けた。

「君はよく頑張った。ご褒美に楽に殺してやろう」
「なんだと!」
「ヒュン!」

飛んできた真空刃を痛む右手でたたき落とした。
しかし次に飛んできた黒い塊に右拳を叩きつけた時、拳は血を吹き上条はうめき声を上げた。
黒い塊はただのコンクリート片だった。

「ぐっ、うぅぅ」
「噂どおり魔術には無敵の『幻想殺し』もただの石に傷つくのか?
 自分の目で見るまでは信じられなかったが、面白いものだ。
 では『幻想殺し』に敬意を払って、このナイフで君を殺してやろう」
「そんなことさせない」

姫神秋沙が両手を広げて上条の前に立ちふさがり、魔術師を睨み付けた。

「姫神、止めろ。ここは俺に任せとけ」
「大丈夫。この人が吸血鬼を欲しがるなら私を傷つけることなんてできない」
「ほう、意味深な発言だな。
 では傷つかない程度になら痛めつけてもいいのかな。ほら」
「カフッ」
「ほう。気丈な娘だ。しかしいつまで持つ?次」
「んっク」
「姫神!もういいから」
「これはどうかな」
「あっく!」

姫神秋沙は上条を休ませるために少しでも時間を稼ごうとした。
そして姫神秋沙の思惑通り、魔術師は攻撃の手を緩めざるをえなかった。
姫神秋沙は苦痛の声を上げながらも、必死で身体を支え上条の盾になっていた。
しかし右肩に受けた衝撃に耐えきれずとうとう身体を半回転させて上条の方に倒れ込んだ。
そんな姫神秋沙を上条は正面から抱きかかえた。

「ありがとう。姫神。
 もうお前は休んでいいぞ。あとは俺に任せろ」
「上条君。大丈夫?」
「ああ、お前のおかげで楽になった」
「死んじゃ……ダメだよ」

姫神秋沙は上条の背中に両手を回してぎゅっと抱きしめるとその場に崩れ落ちた。
その時ズボンの後ポケットに何かが入れられたことに上条は気付いた。

「なかなか感動的なシーンじゃないか。お別れはもう済んだかね?」
「てめえ!」

上条は足を引きずりながら前進した。
魔術師は圧縮された空気の塊を上条に放った。
右手で捌ききれない攻撃が上条の身体を痛めつける。
それでも上条は足を止めなかった。
無術師の間近まで近づくと上条は魔術師の腰にタックルした。
客観的に見ればタックルなどではなく倒れないようにしがみついただけだった。
ただ、上条にとっては魔術師にダメージを与えることより密着することが大事だった。
右手にナイフを持った魔術師が左手で上条の背中をポンポンと叩いた。

「よく頑張ったが、ここまでだな」
「うっ、うるせぇ!」
「口はともかく、身体はもう動かないのだろ?」
「うるせぇって言ってんだ」
「じぁ、今すぐ楽にしてやろう。さよなら」

343■■■■:2009/06/08(月) 22:22:05 ID:/h.92qpM
(29-2)
魔術師が上条の心臓にナイフを振り下ろそうとした瞬間、上条は動いた。
左手に持っていた特殊警棒を魔術師の足に当て電撃を放った。
魔術師がひるんだ時、残った全ての力を使って上条は右横の魔法陣に倒れ込んだ。
魔術師を道連れにして。
「ドッゴォーン!バチッバチッパチッ」
その魔法陣はインドラの檻と呼ばれていた。
魔法陣で囲まれた空間を何十本ものインドラの矢(稲妻)が跳ね回り、掛かった獲物を焼き尽くすものだった。

激しい雷光に目が眩んだ姫神秋沙が再び目を開けた時、もう放電は収まっていた。

「上条君?」

姫神の問いかけにも、魔術師に覆い被さった上条はピクリとも動かなかった。
しかも身体のあちこちからは薄い紫煙が立ち登っていた。

「上条君!」

姫神の叫び声に上条の右手がぴくりと動いた。
そして身体を左に回転させて仰向けになった。
魔法陣に倒れ込んだ時、上条は右手で自分の胸を押さえていたので致命的な一撃を受けずに済んだ。
魔術師も腹に上条の右手が触れていたので上条以上のダメージを負ったものの致命傷には至らなかった。

「上条君……」
「よう。姫神」
「良かった……無事で……」
「ハァ、これで全員か?
 これ以上はもう……動けねえぞ。ハァ
 後は『吸血殺し』を封印すりゃお終いだ」

上条が心配そうな姫神秋沙に右手を伸ばした瞬間、例の悪寒が背中に走った。

344■■■■:2009/06/08(月) 22:23:44 ID:/h.92qpM
以上です。
すみません。また文字数制限に引っかかってしまい、6スレになってしまいました。

345■■■■:2009/06/09(火) 00:00:59 ID:Exz0olsE
悪いと思ってるなら、一日あけるとかすればいいのに
わざわざぶつけてるんだよね?

346■■■■:2009/06/09(火) 00:23:19 ID:BzvS4jts
>>337
ちょいと自分を卑下しすぎじゃないかと。
もっと自分の作品に自信を持ってくださいな。

347■■■■:2009/06/09(火) 01:19:57 ID:h9KfyO3s
こういう人苦手

348■■■■:2009/06/09(火) 02:03:28 ID:s8zh5RX2
>>344
何という空気の読めない奴
下手に出てるようで、その実全く人の話を聞かないで
我がままし放題。しかも自覚なし

こういうのが一番始末に終えない。

349■■■■:2009/06/09(火) 02:43:03 ID:f.kcnGlc
>>344
わかってるなら態々職人の投下直後に投下するな。
心苦しいだなんだとか言いつつ確信犯だろ?
俺が言えた台詞じゃ無いかもしれないが、半年ROMって空気読むって言葉を覚えてから来いこの厨房が。
意見を求めるんだったら、その意見を取入れろ。

>>335
GJです。
正直その発想は無かったw

350■■■■:2009/06/09(火) 16:14:50 ID:h9KfyO3s
この話題の為だけにスレ作るのも気が引けるし
ここが1番人が来るっぽいので、場違いを承知で聞くよ

俺ようつべでいんでっくすたんとやらを2つとも観て
かなり笑っちまったんだが、あんたらは?

351■■■■:2009/06/09(火) 17:13:54 ID:WIKtePdI
>>350
百合子ちゃんの恋を応援しようと思いました

352ユミシロ:2009/06/09(火) 20:12:52 ID:cdrZt6.g
『INDEX Z.O.E』


『有史以来、人類は様々な力を手に入れ、
 文明はその力によって導かれて歩んできた。
 では、天使ほどの力が導く文明の行き先は何だ』
 学園都市理事長――アレイスター・クロウリー。


「配達に出る」
『上条当麻、注文受付――配達まで二十』
 イギリスの日本人街。

 自転車に乗った一人の少年。
 ポケットから飛び出した携帯電話のゲコ太ストラップが揺れている。
「珍しいな」
『何です?』
「シスターだ――それにしちゃ随分変わってる」
 倒れ伏している銀髪碧眼の白い少女。
『この日本人街にシスターが?』
「それも馬鹿に小さい。何だありゃ」


 少女を束縛する異能の力。
「魔術――」


 科学の生み出した力――『超能力』が襲い掛かる。
「自転車と寿司をやられた!学園都市の奴らだ……」
『学園都市って、日本の?――さん……!』


「……!」
 幻想殺し――イマジンブレイカーが少女の戒めに解く。
「動けぇぇッ!!」
「おはようございます。戦闘行動を開始します」

353ユミシロ:2009/06/09(火) 20:13:24 ID:cdrZt6.g

「魔道書図書館、『禁書目録』――インデックスです。術式の説明を行いますか?」


「ここ半年で、世界の事情は大きく変わったわ。今の学園都市の戦力は圧倒的よ。
 魔術サイドも必死の抵抗をしたけど、戦争ってほどのものも起こらなかった。
 世界が学園都市のものになるまで、あっという間だったわ。
 ヒューズ・カザキリはもう起動準備に入ってるわ。
 ヒューズ・カザキリを動かすことも止めることも、この二人にしかできない。
 この二人を手にしたものが人類最高の権力を握るって仕組みね」


 上条当麻の右手が雷撃を打ち消す。
「目的はインデックスか!?」
『さあ?』
 『超電磁砲』――レールガンと呼ばれる少女が青白い電光を身に纏う。
「学園都市にしたってやり方が荒すぎる!……指揮官は誰だ」


『カミヤン――』
 立ち塞がるのは、怨霊が憑依した機械仕掛けの人形。
 無数の折り鶴が羽ばたく。
「おまえ――土御門か!?」


『禁書目録は学園都市の中枢で自爆するようセットされているけり。
 必要になれば禁書目録は術式を起動させる――そういう命令であるのよ』
 イギリス清教、最大主教――アークビショップが運命を告げる。


 自らの意思で『守る』ために戦う白髪の少年が、上条当麻の前に現れる。
『学園都市に行くのか?おい、クソガキ――答えろよ。学園都市に行くんだろォ?』
「だったら何なんだ」
『そのガキはなァ、学園都市の中枢で死ぬするつもりなんだよォ!!』

354ユミシロ:2009/06/09(火) 20:14:59 ID:cdrZt6.g


「ぐあああ!あああああ!うう……ああ!」
 少女に支えられ、失われた少年の記憶が蘇る。
「インデックス、後はお願いね」


 『超能力者』――レベル5の第3位、御坂美琴が少年に拳を振るう。
「何でこの輸送機に乗って来たの!?」
「天草式の皆に何かあったら許せねぇ……」
「殺してはいないわ」
「信用できねぇよ」


「もう一度死んだも同然の身だ――俺は、自分で蹴り着ける」
 幻想殺しの少年が、決して引き返すことの出来ない道へ踏み出す。
「駄目よ――!」


「見ろ!天使との完全なる融合――全てを終わらせる破壊を!!」
 世界が白い闇に染まる。
 その中で、二人の少年が各々の思いと共に――光の中心へ駆ける。
 黒い翼の羽ばたきと、竜の咆哮が重なる。
「うおおおおおおォォ!!」
「止まれえええッ!!」


「あんたは今、失った記憶を魔術で補強しているわ。
 その魔力はインデックスが供給されてる。
 つまり、インデックスから離れれば――全て忘れてしまうのよ」


『この二人の力は互角』
 冥土帰し――ヘブンキャンセラーが語る。
『だが、幻想殺しがアレイスターに対抗するためには
 一つ、欠けているものがある。能力を最大限に引き出す術式だ。
 勝てるかどうかは能力者しだい――」


 上条当麻の拳が幻想を壊す。
「邪魔だぁッ!!」

355ユミシロ:2009/06/09(火) 20:17:26 ID:cdrZt6.g

 その力は幻想を殺す――上条当麻。
 その運命は世界の救済を、命と引き換えに――禁書目録。
 その力は正しいと思えることに――御坂美琴。
 その運命の『向き』―ベクトル―を変える―― 一方通行。


「アレイスターの目的は支配ではない。
 ――破壊だ」
 破滅へのカウントダウンが始まる。
「来た……!」


『ねえ……私がいなくなっても、必ず――必ずあの子達を止めて』
 少女の願いは――


「アレイスター……!うおおおォォ――!!」
「待て、一方通行!」
『天使は私を選んだ。世界の意思が…人類の無意識が、終末を望んでいるのだ。
 見ろ!これが神の意思だ!!』
 二人の少年が絶望に立ち向かう。


「妹達――シスターズが何人死んだと思ってる!」
 元・世界最強の魔術師であり、現・世界最高の科学者が少年の記憶――思い出を奪う。
「うあああああ!?」
『喜べ。おまえも計画の一翼を担っているのだ』


『私達、仲間でしょう?』
 少女の思いは――少年に託される。


『おまえは私の元へ帰ってきたのだ』
 アレイスター・クロウリーが少年を出迎える。
 そして、妹達20001号、最終信号、打ち止め――ラストオーダーが静かに眠る。
『戦闘終了――アレイスター・クロウリーの勝利です。お疲れ様でした』


「御坂。一仕事できちまった」
『どうする気?』
「また記憶を無くしたら、思い出させてくれ」
『……あんたは負けないわ』

356ユミシロ:2009/06/09(火) 20:18:16 ID:cdrZt6.g
投下終了。

「ニコニコ」で「INDEX」で「Z.O.E」な動画見て「ANUBIS Z.O.E」風のストーリー
――の予告風(この元ネタOPが劇場版予告風)

元ネタ分からない方ごめんなさい。

イメージが掴めない場合、動画サイトで元ネタの動画とANUBIS Z.O.EのOP(真元ネタ)を
見ると分かるかも。
上条さんの最初と最後「動けええ!!」「止まれええ!!」がかっこいい。
そしてさり気にヒロインな美琴。
動画上、一方通行がラスボスですけど変更してアレイスターに・会話順一部変更。

でも一方さんなら白髪だし障害ありだしで主人公のパターンとかも作ったんですが
同じようなのいくつも投下してもつまらないと思うので、あくまで上条さんベースに。
御坂妹か打ち止めをADA(AI)役にする案もあったんですが、一応動画の通りインデックスを。

やりようによってはそれらしいSSができそうでできないような…

357ユミシロ:2009/06/09(火) 20:22:19 ID:cdrZt6.g
ちょっとおまけな没案を一つ。

 一人の少女を守ると誓った魔術師が二人。
 炎の魔術師が魔人を従え、聖人と呼ばれる魔術師が刀を握る。
『学園都市へ行くのか。インデックス……答えてくれ』
『――答えてください。学園都市へ行くのでしょう?』
「だったら何なんだ」
 白い少女の運命――
『あの子は学園都市の中枢で死ぬつもりなんだぞ!』

ステイル、許してくれ……

358■■■■:2009/06/09(火) 22:36:11 ID:h9KfyO3s
>>351
てか一方さんの中の人神すぎるわww
あの人で本当に良かった。打ち止め編も良かったし。2期があるならこれも大いに期待だな。

そして言おう、岡本さん、新人賞おめでとう!

359■■■■:2009/06/10(水) 00:01:21 ID:oL.ZgHg2
>>350
【アニメ2】とある魔術の禁書目録 123冊目
ttp://changi.2ch.net/test/read.cgi/anime2/1244464028/
こっちへゴー

360ユミシロ:2009/06/10(水) 02:21:43 ID:A4EbD/YQ
『いつか君が変わるとしても〜外伝〜』


 とあるマンション。
 かつては学園都市最強の能力者、一方通行―アクセラレーター―が眠る一室。
 一方通行の眠りは深い。この部屋の主となって数日もすると、自然と眠りは深く、長くなった。
 日々、特にすることもないので昼を過ぎても目覚めない。
『飼い猫は長ければ20時間ぐらい眠るけど、その理由を知っているかしら?
 餌を探しに行く必要もないし、敵に襲われることが無い安全な寝場所があるからよ。
 特にすることもないから安心して眠り続けられる』
 と、同じ居候の身である芳川桔梗が語っている。(一方通行自身も居候であるが)
 とにかく、彼は日が昇り、雀のさえずりとともに朝を迎えることなどまったくなかったのだが――
 この日の朝だけは違った。
 目が覚めてすぐ、天井が目に映る。
 仰向けのまま、ぼんやりと思考する。
(……何だァ?)
 暑苦しい。
 全身が発汗しているのが分かる。
 布団の中が妙に暑い。
 上下ともに白い就寝着―先日、買い物で購入させられたパジャマ―が肌に張り付いている。
 『向き』―ベクトル―操作による反射を使えばどうにでもできるだろうが、
 もはやこうしたことに能力を使う余裕はまったくと言っていいほどない。
 チョーカー型電極のバッテリーを無駄使いするわけにはいかなかった。
 布団がもぞもぞ動く。
 一方通行は動いていない。動いたのは別の何かだ。
 思考が急速に早まる。
(ってことは……あのクソガキか)
 思い当たるのは打ち止め―ラストオーダー―と呼ばれる少女だった。
 とある事件以来、彼と彼女は二人三脚で生きている。
 秋も終わりに近いとはいえ、彼はこの暑さに耐えられなかった。
 反射を使ない生活を始めてそれなりに日を重ねているが、慣れなていないことは決して少なくない。
 同時に能力に頼りきった生活をしていた彼には、こうした体験は未知だった。
(ガキの体温だけでこんなに暑くなンのか?でなけりゃァ、熱でもあンじゃねェのか……)
 一方通行の左側の布団が不自然に盛り上がっている。
 彼が眠っている間にこっそり潜り込んだのだろう。
(やっぱこいつは――ガキだ)

361ユミシロ:2009/06/10(水) 02:25:44 ID:A4EbD/YQ

 布団の左端を掴む。
「おい、クソガキ」
 そして布団を引っ張り、床へ落とすと、
「さっさと起き……」
 色素の薄い“長い”髪が目に入り、
「……?」
 空色の布に白いウサギの絵柄が散りばめられたパジャマが、
 丸みを帯びた少女の体を窮屈そうに包んでいた。
 汗に濡れてパンパンに張った服が体の輪郭を強調している。
「――――」
 すらりとした長い手足。
 きゅっと引き締まった腰。
 前開きのシャツのボタンのいくつかが取れていて、胸元を押し上げる膨らみがある。
 白い肌が服の裾のあちこちから覗かせている。
「――――な」
 顔立ちの整った、大人びた少女の寝顔がそこにあった。
「ん……」
 艶のある甘い声が少女の唇から洩れる。
「……おはようだけど、ってミサカはミサカは…もうちょっとだけお休みなさい」
 独特の口調で告げると、声は小さな寝息に変わる。
 一方通行の覚醒した思考が急停止した。


「でもね、あなたの布団に入って寝るまでは特に何もなかったよってミサカはミサカは
 前後の状況を整理してみたり。……それにしても、『お姉様』―オリジナル―より
 大きいんじゃないかなってミサカはミサカは胸の大きさにどきどきしたり」
 少女は自身の胸を両腕で抱き寄せたり、長い髪や体をいじることに夢中になっている。
(こいつが――あのクソガキ?)
 一方通行は今でも信じられない状況に頭を悩ませていた。
 状況は理解している。
 目が覚めて、気がついたら体が大きくなっていた。
 それだけだ。
 だが、それが一夜にして起きたことが問題だった。
 これだけ急激に肉体を成長させることは、どれだけの劇薬を用いても不可能だ。
 少女の肉体年齢は十歳のものから、十代後半といえるほどの変化をしている。
 打ち止め以外の妹達―シスターズ―でさえ、一日辺り一年分の成長促進が限界だった。
 超能力による『肉体変化』―メタモルフォーゼ―の一種という可能性もあるが――
「というか、起きる前に何かしなかったかミサカはミサカはあなたを疑ってみたり」
 一方通行の肩が落ちた。
 肉体がどれだけ成長しようと、精神年齢と記憶情報までは変わらないらしい。
 安堵したのか呆れたのか、よく分からない溜め息が出た。

362ユミシロ:2009/06/10(水) 02:27:15 ID:A4EbD/YQ

「おまえ、今の自分の状況分かってンだろうな?」
 うん、と真っ直ぐに彼を見て少女は頷いた。
 その表情は、彼の隣を歩いていた小さな少女のようで、彼がよく知る一万人の少女達によく似ていた。
 何か、重い鈍器で頭を殴られたような気分だった。
 それを察したのか、少女が話題を変える。
「それでねってミサカはミサカはあなたに手伝ってもらいたかったり」
「何で俺がお子様のお着替えを手伝わなきゃならねェンだよ」
「今はお子様じゃないよってミサカはミサカは小さすぎて上手く脱げないことを訴えたり」
「ああ、そうかい」
 少女――打ち止めが背を向ける。
 腰まである茶色の髪をシーツの上に垂らしたまま、残っているシャツのボタンを外していく。
 両腕で前を隠しながら、肩を抱くように窄める。
「あ、あんまりじろじろ見ないでねってミサカはミサカは……」
 一方通行は少女の汗の匂いに若干戸惑いつつも、襟を掴んでシャツを下げ降ろしていく。
 幸い、難しい作業ではなさそうだった。
 曲線を描く、少女とも女性ともいえる肢体が露になっていく。
 白い首筋。
 丸みを帯びた肩と腕。
 真っ直ぐに伸びた背筋。
 汗に濡れ、火照った肌が暖かい。
(だからどうした?体がでかくなろうが、こいつはあのクソガキだろォが)
「腕下げろよ。そしたら今度は後ろに回して腕を抜いて――」
 そのとき、


 ――がちゃっと音を立ててノブが回り、部屋の扉が押し開かれる。
 眠そうに目を擦りながら踏み込んできたのは、芳川桔梗だった。
「一方通行……もう起きてるの?打ち止めがいないんだけど、こっちに――」
 芳川の目に映ったのは、少年に服を脱がされている少女。
 部屋には汗の匂い。
『――――』
「――――」
「よ、芳川……?」
「芳川だねってミサカはミサカはおはようーって挨拶してみたり」
「――愛穂ー?ねえ、ちょっとこっちに来てくれない?」


 この後、一方通行が一時間ほど問い詰められたのは言うまでもない。

363ユミシロ:2009/06/10(水) 02:32:24 ID:A4EbD/YQ
投下終了。
ギリギリ完成。
打ち止めの容姿は、製作途中で放置した美琴が上条さんと同い年になるSSの設定を流用。
気が向いたらもうちょっとだけ続くかも。


「えっと、着れる服ないからミサカはミサカはあなたのシャツを貸して欲しかったり」
『却下!』

364■■■■:2009/06/10(水) 21:15:14 ID:4aGoi2Mw
ユミシロさんにはいつも感謝

365ライク:2009/06/10(水) 21:19:14 ID:2TKZSAwo
はじめまして初投稿させていただきますライクと申します。未熟者ですがよろしくお願いします。
さてタイトルは「とある魔科学の幻想創造〜イマジンクリエイト〜」です。
オリジナルキャラは基本主人公のみです。一巻から思っている私的な謎の答えを勝手に作ってしまいました。
内容はタイトルの通り当麻とは真逆なチカラを持つ少年のお話。SS2みたいな感じで小さなお話の寄せ集めです。
アレ?何か原作と違うぞ?みたいな箇所もたたあると思いますがそこはパラレル・ワールドということで…。
そしてできましたらこの作品のご意見ご感想をいただけましたら幸いです。
それでは本文をどうぞ

366ライク:2009/06/10(水) 21:22:15 ID:2TKZSAwo
プロローグ〜とある少年の追憶Ⅰ〜

いつからだろうか?自分と他の人が違うと気づいたのは。
聖堂の中には沢山の僕と同じくらいの子供たちがいた。
空いている席に座った。みんな何かを頑張ってやっていた。
隣に居た僕よりも子供な赤い髪の男の子が苦労して小さな火を蝋燭に灯していた。
何度呪文を唱えても何も起こらない子がほとんどだった。
きっとその子には才能があったのだろう。

魔術。それは才能が無い者たちが才能ある者と同じになる為の方法。
しかし、結局は才能の差が出てしまう。
灯りを灯したその子は自慢げに笑っていた。

ボクもやってみようと思った。
最大主教様が教えてくれた通り紙に文字を書く。《K(カノ)》意味は火(ひかり)。
そして小さく唱える。

「優しき火よ、汝の役割は月夜を照らす灯りなり」

紙は瞬く間に燃え上がる。
火は炎となって燃え広がっていった。
炎は全てを燃やそうとしていた。

その時ボクは気づいた。
自分が周りの子達と違う事に。

炎はまるで祝うかのように燃えていた。
新しい化け物(聖人)の誕生を祝うように…。


とある魔科学の幻想創造〜イマジンクリエイト〜

367ライク:2009/06/10(水) 21:26:25 ID:2TKZSAwo
第一章 十月のとある日 学園都市統括理事長との接触Ⅰ

 人間はある映像を観ていた。
男にも女にも大人にも子供にも聖人にも囚人にもどんな人間にも見えてしまう人間はビーカーの中で逆さ釣りになり興味ぶかく映像を観ていた。
昨夜、彼か統べるこの街・学園都市に一人の侵入者が現れた。
侵入者の目的は牽制、交渉。学園都市が集めた『原石』である子供たちを無闇に扱うなというものだ。この際、学園都市・超能力者の第七位と戦闘になったが侵入者……名前は手元のとあるレポートによればオッレルス…『魔神』になれなかった男になす術なく敗れてしまった。

「魔神か。やはりアレでは気づいてないか…」

『魔神』魔界の神という意味でなく魔術を極め神に等しい存在になったモノ。
人間は如何なる科学技術か空中に浮かぶモニターを眺め呟く。
ここ学園都市第七学区にある『窓のないビル』は大能力者(レベル4)以上の空間移動(テレポート)系の能力が無ければ入ることは出来ない。
当然今ここに居るのは人間、彼一人のみだ。

「しかし、最大の『原石』があの程度とは……。やはり『プラン』には向かないか…」

魔神の方は放っといても問題ないだろう。理解できない、説明できないと思っている時点では支障はない。だが、第七位の方は問題だ。いくら『プラン』に向かないチカラとはいえあれ程の力の差があるとは。
彼のいう力の差とは文字通りの意味ではなく、理解しているかいなかだ。つまりは最低でも自覚的に『説明できない力』を使えなくては話にならないと言う事だ。

「理解できる・できない。違う意味だが同じ意味でもある。君はそうは思わないか?」

自分以外誰もいない部屋に人間……アレイスターは問う。

「魔神と聖人、原石と開発、魔術と超能力。全て人間離しているってだけの話だろう?」

返って来るはずない答えが返ってくる。いつの間にかアレイスターの前に一人の少年が現れた。

「ちゃんと気づいていたか。引き籠ってばかりだから鈍っているかと思ったが…。まぁ、あんなに盗撮機をばらまきゃ解んない方が可笑しいか」
皮肉げに笑いながら少年は右手を挙げる。
少年の右手には金属製のグローブがはめられていた。
『超微粒物体干渉吸着式マニピュレーター』通称ピンセットだ。
学園都市の空中に漂う滞空回線(アンダーライン)と呼ばれる超小型の偵察機みたいなものを操作する物だ。

「いつもながら感心するよ。いったいどこからそんなモノを手に入れるか不思議としか言いようがないな」
「良く言うぜ!あの警備は何だ?まるで穴だらけ。魔神候補が侵入してくるのを待っていたとしか言いようがない」

少年はアレイスターを睨めつける。そしてココに来た本題を話始めた。

368ライク:2009/06/10(水) 21:27:02 ID:2TKZSAwo
第一章 十月のとある日 学園都市統括理事長との接触Ⅰ

 人間はある映像を観ていた。
男にも女にも大人にも子供にも聖人にも囚人にもどんな人間にも見えてしまう人間はビーカーの中で逆さ釣りになり興味ぶかく映像を観ていた。
昨夜、彼か統べるこの街・学園都市に一人の侵入者が現れた。
侵入者の目的は牽制、交渉。学園都市が集めた『原石』である子供たちを無闇に扱うなというものだ。この際、学園都市・超能力者の第七位と戦闘になったが侵入者……名前は手元のとあるレポートによればオッレルス…『魔神』になれなかった男になす術なく敗れてしまった。

「魔神か。やはりアレでは気づいてないか…」

『魔神』魔界の神という意味でなく魔術を極め神に等しい存在になったモノ。
人間は如何なる科学技術か空中に浮かぶモニターを眺め呟く。
ここ学園都市第七学区にある『窓のないビル』は大能力者(レベル4)以上の空間移動(テレポート)系の能力が無ければ入ることは出来ない。
当然今ここに居るのは人間、彼一人のみだ。

「しかし、最大の『原石』があの程度とは……。やはり『プラン』には向かないか…」

魔神の方は放っといても問題ないだろう。理解できない、説明できないと思っている時点では支障はない。だが、第七位の方は問題だ。いくら『プラン』に向かないチカラとはいえあれ程の力の差があるとは。
彼のいう力の差とは文字通りの意味ではなく、理解しているかいなかだ。つまりは最低でも自覚的に『説明できない力』を使えなくては話にならないと言う事だ。

「理解できる・できない。違う意味だが同じ意味でもある。君はそうは思わないか?」

自分以外誰もいない部屋に人間……アレイスターは問う。

「魔神と聖人、原石と開発、魔術と超能力。全て人間離しているってだけの話だろう?」

返って来るはずない答えが返ってくる。いつの間にかアレイスターの前に一人の少年が現れた。

「ちゃんと気づいていたか。引き籠ってばかりだから鈍っているかと思ったが…。まぁ、あんなに盗撮機をばらまきゃ解んない方が可笑しいか」
皮肉げに笑いながら少年は右手を挙げる。
少年の右手には金属製のグローブがはめられていた。
『超微粒物体干渉吸着式マニピュレーター』通称ピンセットだ。
学園都市の空中に漂う滞空回線(アンダーライン)と呼ばれる超小型の偵察機みたいなものを操作する物だ。

「いつもながら感心するよ。いったいどこからそんなモノを手に入れるか不思議としか言いようがないな」
「良く言うぜ!あの警備は何だ?まるで穴だらけ。魔神候補が侵入してくるのを待っていたとしか言いようがない」

少年はアレイスターを睨めつける。そしてココに来た本題を話始めた。

369ライク:2009/06/10(水) 21:29:02 ID:2TKZSAwo
第一章 学園都市統括理事長との接触Ⅱ

「でだ。アレイスター。なんで俺がここに来たか解っているよな?」

パラパラと少年は左手に持っていた封筒から紙を取り出した。
紙…どうやら何かのレポートの様で数枚の紙をクリップで留めたものが幾つかある。
そのレポートの一枚目にはそれぞれ『禁書目録』『三沢塾』『妹達(シスターズ)』『御使堕し(エンゼルフォール)』などここ数カ月の間におきたとある少年が巻き込まれた事件のキーワードが書かれている。

「アレイスター。俺の友達を巻き込むのはよしてくれないか?」
少年は冷やかに笑う。
「『神の右席』あいつらは…いや『右方』は冗談では済まない。計画を今すぐ辞めろ」
「うん?その少年は偶然にも事件に巻き込まれただけのはずだか?」
人間は気にも留めない。
「あくまで白を切るか…。そんなに俺を怒らせたいか?」
「さて…。確かその少年の特徴は『不幸』だった気がするが?」

空気が張り詰める。少年は人間を睨み、人間は少年を見つめている。
「いいだろう。だが覚えとけアレイスター。アレはおまえの幻想など軽くぶち壊すと言う事を」

意外にも少年は背を向け歩き出す。

「フッ。この前にも似たセルフを聞いたばかりだ。しかし、君と彼が友達とはいつも不思議に思うよ」
人間の言葉に応じる気はないらしい。少年は最後に言う。
「暫くはこの街にいるつもりだ。何かあれば知らせろ」
少年はその場から消えてしまった。誰も居なくなった部屋で人間は呟く。

「『幻想創造(イマジンクリエイト)』と『幻想殺し(イマジンブレイカー)』か。さて両者の違いとは何だろうな」

少年がこの場でチカラを使えば学園都市は落ちただろう。
 少年は魔術師であり能力者であり、聖人であり原石でもある。そして魔神であり超能力者である。彼はいてはならない人間だ。ジョーカーは一枚で十分だ。

モニターを切り替えると『プラン』の進行状況が写し出される。

プランEX 『創造殺し(アンノーン)』稼働率34パーセント

「さあ、楽しい時間はまだ続くぞ!」

人間の幻想は止まらない。


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370■■■■:2009/06/10(水) 22:27:02 ID:WPrVEWgA
さーげよーうぜー

371■■■■:2009/06/10(水) 22:37:18 ID:4aGoi2Mw
いやはや

372■■■■:2009/06/10(水) 23:22:40 ID:jVtJhjuc
ハイムラーのサイトに18巻の表\紙絵がうpされたな…

373ルッシー:2009/06/10(水) 23:28:50 ID:Nv8QLcUU
初投稿させてもらいます。ルッシーです。
作品名は「とある暗部の未元物質」です。
名前の通り主人公は垣根帝督です。
設定としては垣根が一通戦から生存していた…という話で進んでいきます。
初投稿なので色々と至らない所があるとは思うのですが、感想やアドバイスを頂ければ…と思います。
それではよろしくお願いします。

374ルッシー:2009/06/10(水) 23:29:54 ID:Nv8QLcUU
序章  動き出す歯車 revenger_of_darkness

「チッ。まだ慣れねえな」
少年は自販機の前で愚痴をこぼしていた。
左手で地面に落とした小銭を拾い、そのままペットボトルを取ると能力を使いキャップを吹き飛ばす。
右手には財布が握られている。しかし、その右手は人間のそれではなかった。

義手。

一言で言えばそれなのだが、ここは技術が『外』より30年進んでいると言われる学園都市。
外観一つとっても一目見ただけでは到底義手とは見抜けない。
当然、機能も普通の義手とは比べ物にならない。
この義手は脳が発する電気信号を電波として受信し、ほとんど本物に近い動きを実現するという学園都市最新鋭の医療機器である。
もっともまだ試作段階の物であり、公には流通していない。
どうやら『スクール』の『上』の連中が大急ぎで手配させたものらしい。

(バカな連中だ)
垣根は頭の中で笑っていた。
自分は『第一候補』になりアレイスターへの直接交渉権を獲得しようと『上』の指示を無視して好き放題に動いた。
その結果は『スクール』のメンバー二名死亡、リーダー垣根帝督の敗北。おまけに『ピンセット』までも失った。
全てにおいて彼は負けたのだ。
闇の世界において、敗北とは死を意味する。例え、その戦場で生き永らえたところで今度は学園都市の暗部の人間により処分される。
それはレベル5とて例外ではない。
彼も本来であれば処分されるはずだった。現に『原子崩し』の女は処分されたと下部組織の男から聞いた。
なのに自分はこの待遇だ。
反乱分子なのに『上』の連中は自分を処分できない。それどころか、この期に及んでまだ仕事を持ってくるときた。
こんな愉快な話があるだろうか。
意識を取り戻して右手の義手に気付いた時には笑いが止まらなかった。
改めて自分の能力の価値を思い知らされる。
と同時に腹立たしさがこみ上げてくる。

無様に地べたに貼り付けられながら拳を受け続けたあの瞬間。
遂に第一位を超えたと確信した瞬間に味わった敗北感。
あまつさえ、こうして生き永らえた屈辱。

もっとも、一方通行のあの猛攻を受けて生きていられるのは覚醒した『未元物質』でかろうじてガードしていた垣根しかいないだろう。
それでも垣根の自尊心はズタズタに引き裂かれていた。
ボロボロだった体の傷は少しではあるが癒えてきている。
しかし失った誇りは戻らない。今となってはその誇りが何だったのかすらわからない。
それでも垣根は歩き出す。

「さて…と。とりあえずあの女に挨拶しに行かないとな」

まだ彼にはやる事がある。

375ルッシー:2009/06/10(水) 23:31:22 ID:Nv8QLcUU
第1章 表と裏と光と影と Intersecting_speculation



十一月二十一日、学園都市は異常なまでの活気に満ちていた。
三日後に迫った一端覧祭の準備に大忙しだからだ。

この一端覧祭は大覇星祭と同じく世界最大規模の文化祭であり、大覇星祭と同じく世界に公開されるので注目度も高い。
しかも演劇やクイズショーなどを学生達が能力をフルに使って演出する為、下手な映画よりも見応えがある。
一端覧祭には大覇星祭のように他校と得点を競い合うというのはないが、クリスマスイブの丁度一ヶ月前という事で学生(特に女生徒)にとって一つ大きな意味がある。

「毎年思うんだが、この時期の女子って妙に殺気立ってないか?」
浜面仕上はいつもとは違いすぎる街並を見て溜息とともに言う。
「それは、はまづらが、鈍感なだけ」
隣にいる少女はバッサリと斬り捨てる。
上下ピンクのジャージで街を歩き回るのは意外と目立つらしい。微妙に好奇の視線が突き刺さる。
右を見れば青髪で体格のいい少年が「俺はいつでも誰でもオッケーなんやでぇ〜。」などと喚いている。
左を見れば黒髪ツンツン頭の少年が電撃を浴びながら「不幸だ〜!」などと叫んでいる。
なんか聞き覚えのある声だがおそらく気のせいだろう。

彼らは現在『表』の住人として生活している。
先月激闘の末、学園都市第四位を退けた無能力者はその後『アイテム』下部組織を脱退し、普通の無能力者として生活している。
そして隣にいる少女、滝壺理后となぜか同居生活を続けている。

(いや、まあ確かにこいつには幸せになってもらいてえけどよ。確かに俺としてもやる事があるわけだけどよ)
「はまづら?」
(それにしたっていきなり同居はねえだろ…。何考えてんだあの巨乳警備員)
「はまづら」
(しかもこいつはこいつで全然意識もしないでくっついてくるし…。この一ヶ月色んな意味で生きてる心地がしないぜ)
「はまづら!」
クイクイ、と滝壺は浜面の袖を掴んで少し強い口調で問いかける。とは言っても彼女の平坦な口調での話なのでその些細な変化に気付けるのは浜面だけだ。
「ん?ああ、どうした?」
「はまづらが、ボーっとしてる」
「…そのセリフをお前に言われるとはな」
「はまづら。どこ行くの?」
「ああ、ちょっとした知り合いの所だ。割と大事な話があるからな」
「?」
滝壺は首を傾げるが、浜面は構わず進む。滝壺も置いていかれないようについていく。
「ちょっとした交渉だよ。今の状態のままじゃ流石に色々とまずいだろ?」
「何がまずいの?」
「今の状態だよ。いくら何でも同居状態はまずいだろ。それにお前は学校の寮が手配されてるって話じゃないか。だったらそっち行った方が生活しやすいぞ」
浜面は何の気なしに言ったが、その言葉は滝壺を怒らせるには充分すぎた。
「はまづら。やっぱり鈍感」
ボソリ、と小声で恨み事を言う滝壺の背中から黒いオーラが出ているのは気のせいだ。と浜面は自分に言い聞かせていた。

376■■■■:2009/06/10(水) 23:32:05 ID:67r4V.Q.
久々に期待できる新規さんの予感
いきなりオリキャラ物でハードルは高いけど
今後どう料理していくか楽しみにします

377ルッシー:2009/06/10(水) 23:34:03 ID:Nv8QLcUU


「結局、彼らはどうなったんですか?」
『ん?まぁこっちで保護するって話にはなったんだけど…。正直、私としては反対なのよねー。貝積の野郎がしつこくてさー』
「どういう事なんですか?」
『今戦争が起きそうな話は知ってるでしょ?んで、学園都市と手を組んでる組織が内乱起こしちゃってさー』
「それとこれと何の関係があるんです?」
『単純にそこまで時間と人を割けないって事。「猟犬部隊」は再編の目処が立たず、「未元物質」と「原子崩し」も失って今の学園都市は満身創痍なのよねー』
そこで電話口の女は一つ溜息を挟んで、
『イギリスの動向に注意しつつ、ローマも相手にしなきゃいけない状況なのに、更に厄介事を持ち込まれちゃたまんないわけよ』
女はそう言ってはいるが、口調からしてそこまで困っているようには感じられない。

『ところでさ、絹旗ちゃん?』
「何です?」
『新人のあの子、どうよ?』
「超使えないです。敵にやられるだけならまだしも、能力暴発させて超死にましたけど」
『死んでたのかよっ!』
「何であんなのよこしたんです?」
『しょーがないじゃーん。だって「スクール」はうざいし、「ブロック」と「メンバー」は消滅しちゃったし。こっちも人材不足なのだよ』
はぁ、と絹旗は溜息をつく。何でこんなわがままな女が『アイテム』の上役なのだろう。
『やっぱそこはさ、「アイテム」新リーダーの絹旗ちゃんにしか頼めないなーなんて。頼りにしてるんだよー?』
「頼りにしてくれるのは超ありがたいんですけど手回しくらいはきちんとして欲しいんですが」
『どゆ事?』
「先月私が海外出張しに行った事覚えています?あの時、向こうのホテルの予約が取れてなくて超野宿したんですけど?」
『あ…』
「あと先週の回収任務の給料貰ってないんですけど」
『あぅ…』
「ついでに一昨日貨した五千円、超返して下さい」
『いや、あのね、絹旗ちゃん?』
「何ですか?」
『そこは後ばら』
「超却下です」
絹旗は女の言葉を最後まで聞かずに宣告した。
「とりあえず今からそっちに向かいます。それまでに用意しといて下さい。もしできなかったら超デコピンなので」
『いやーーーー!!それはやめてーーーーー!!?前回あれやられて一週間も腫れてたんだからーーーーー!!!!!!』
電話口でぎゃあぎゃあ騒ぐ女を無視して電話を切ると、絹旗は狭い路地裏に消えていった。

378ルッシー:2009/06/10(水) 23:35:58 ID:Nv8QLcUU
投稿終了です。
とりあえず3話投稿しました。
一応、テキストメモに下書きはしたんですが…実際に投下すると微妙に違いが出ますね…

379■■■■:2009/06/10(水) 23:44:37 ID:7mFG4xHo
ちょ、何この新人さんラッシュ!?
この1ヶ月で何人の方々が参入しておられるのやら。
とりあえず皆さん頑張ってください。wktkしながら拝見させてもらいます。

…って、wikiがっ

380ユミシロ:2009/06/11(木) 00:45:22 ID:rs8TBQac
かなり量が多いですけど小ネタ投下。

『君は君でしかないから』


『よく来てくれた』
「あんたがこの学園都市理事長のアレイスター・クロウリー?」
『そうだ。この私に聞きたいことがあるのだろう?』
「ええ、そうよ。さっそくだけど、聞かせてもらうわ。
 一つ目。軍用兵器として、超電磁砲―レールガン―の体細胞クローンを量産する
 量産能力者―レディオノイズー計画を立案したのはあんたなの」
『そうだ。そして私が計画を推進した』
「二つ目。絶対能力進化―レベル6シフト―計画のために、
 量産能力者の妹達―シスターズ―を使うよう指示したのもあんたなのよね」
『それも私だ』
「三つ目。これが最後の質問よ。
 妹達のミサカネットワークから切り離された00000号―フルチューニング―はどこにいるの?」
『天井亜雄という研究者が作った妹達だ』
「妹達の製造計画は二段階に分かれていたそうね。
 元々、量産能力者計画は超能力者―レベル5―の完全体を製造することが目的の計画だった。
 これが第一段階。
 その後、絶対能力者計画の実験素体として妹達を二万人を用意するために、
 生産性を高めて大量生産したのが第二段階」


「実験のために二万人が必要だったこと。
 そして、00000号っていうシリアルナンバーが『今も』存在すること。
 つまり、00000号は計画初期――本来の量産能力者計画のために製造された妹達のことね。
 その初期段階の当時……製造されたのが一人だけなら、
 複数じゃないから妹達とは呼ばれていなかったんでしょうね。
 前者と後者では、計画に求められる妹達の性能はまったく違う。
 後者の計画で造られた妹達も相当な量の投薬をされたんでしょうけど、
 オリジナルと同等か、或いはそれ以上の性能を追求したその子はどんな扱いを受けてきたのかしら?
 大量の劇薬が使われて、頭の中を弄くり回すなんてこと、当たり前だったんでしょうね」
『それで?』
「その子はどこにいて、何をしているの。隔離しているのかしら?――答えて」

381ユミシロ:2009/06/11(木) 00:46:43 ID:rs8TBQac

『――隔離などしていない。むしろ自由にさせている。
 ネットワークに接続されていないのは、接続していないだけだ』
「だったら会わせて。私の妹に……」
『ふむ。君は勘違いしている』
「……何を」
『量産能力者計画が何故凍結されたか、その理由を知っているか?』
「樹形図の設計者―ツリーダイアグラム―の計算で、クローン体ではオリジナルの1パーセントに
 満たない能力しか発現しないって答えが弾き出されたからでしょう?
 実際に妹達の能力は異能力者―レベル2―から強能力者―レベル3―程度。
 オリジナルに遠く及ばないクローンしか造れないことが分かったから、凍結された」
『その通りだ。だが、クローン体の劣化遺伝子や固体差で、発現する能力の質がオリジナルより
 本当に劣るのか?』
「実際にそうなった。正式なカリキュラムを受けていないし、成長促進のために大量の薬物を
 使ったんでしょう?いくらでも原因は――」
『では、樹形図の設計者の計算は本当に正しいのか?』
「それは――どういうこと?何が言いたいの」
『君はどうやって超能力者という地位まで上り詰めたか、覚えているかい?』
「それは……自分だけの現実―パーソナルリアリティ―を確立して、知識と経験を積み重ねて、
 完全に制御できるようにカリキュラムを受けて――」
『それだけで、本当に低能力者―レベル1―が、超能力者になれると思うかい?』
「……なったわ。私は自分の力で超能力者になった!」
『結果だけを言えば、そうかもしれないな。
 妹達が発現した能力は、良くても強能力者。君と同じ肉体年齢で、だ。
 “本来”なら、オリジナルもその程度しか発現しないはずだったから――とは思わなかったか?』
「私がその限界を超えたって可能性を考慮してないのかしら」
『もう、察しはついているのではないか?
 確かに、御坂美琴がDNAマップを提供したときの二つ名は超電磁砲だった。
 あの歳で低能力者から強能力者になり、将来も“それなり”に期待されてはいた』
「――――」
『そしてある日、自分の限界が見えた。
 結局、努力だけでは超能力者どころか、大能力者にもなれなかった。
 だから私は少しばかり手を加えて、可能性を見せた。
 私が与えた幻想に、満足してくれているといいのだが』
「――――まさか」


『そうだ。“君”こそが00000号だ。造られた超能力者。最初の“御坂美琴”の複製』

382ユミシロ:2009/06/11(木) 00:49:01 ID:rs8TBQac

「――――」
『“低能力者が努力を重ねて超能力者になった実例がある”
 ――という宣伝はとても大きな効果があった。
 “カリキュラムをこなせば、超能力者になれるかもしれない”
 ――そんな幻想を抱いてモルモットが集まってくれた。
 おかげで多くのモルモットを確保することができたよ。
 君には感謝したいるよ』
「オリジナルは――本物の“御坂美琴”はどこにいるの」
『生きているよ。サンプルとしてしっかりと保存してある』
「そう。それで?オリジナルの“御坂美琴”はどこにいるのかしら」
『先程の質問で終わりなのだろう?それに、私がそれを答えると思っているのか』
「あー、やだ。お約束のパターンね……」
『オリジナルをどうするつもりだ。
 確かに、彼女が存在しなければ君は今まで通り“御坂美琴”として生活できるかもしれないが』
「私がその子をどうするかって?愚問ね。――何をするべきかなんて、決まってるじゃない」
『――――』
「私は“御坂美琴”よ。
 00000号?クローン?それがどうしたの?
 “御坂美琴”は、それぐらいで揺らぐものじゃないのよ。
 ――あいつは記憶を失っても自分を見失わなかった。
 あのとき、私にもそれが分かった。
 私も同じよ。
 だから、私は――」


たまに出てる考察と自分の妄想とかいろいろを混ぜて
それっぽく形にしてみたり。
実際にこうならないことを祈ります――

383■■■■:2009/06/11(木) 01:58:21 ID:eRBnU1bI
>>380-382
やべぇ、その発想無かった
続き希望してもおkっすか?w




そして真実を知らされた美琴が精神的に折れてしまうという
鬱展開を妄想して
ハァハァした俺は下種野郎だと再認識したw

384■■■■:2009/06/11(木) 02:37:19 ID:JNu.h3Q6
「When You Wish Upon a Star(星に願いを)」の最後の5レスを投下します。
前回前々回とss投下時に空気を読めずにすみませんでした。
「とりあえずご挨拶しておけば大丈夫かな?」程度に軽く考えていました。
職人さんにもそれを楽しみにされていた皆さんにも非常に失礼だったことに、
ご指摘を受けるまで気付いていませんでした。すみませんでした。
しかし、最近はss投下ラッシュですね。昨日も数編ssが投下されていました。
その流れに便乗させて頂きます。

385■■■■:2009/06/11(木) 02:43:53 ID:JNu.h3Q6
あれ、直前にチェックしたときにはユミシロさんのSSが無かった
と思っていたのに、挨拶を書き込んだときになって2時間前に投下
されていることに気がつきました。どこで、ミスったのかな?
投稿すると言ってしまいましたが、投下は少し見合わせることにします。
失礼しました。

386■■■■:2009/06/11(木) 20:50:27 ID:C8L7kEG.
前の投稿がちゃんと終わってるみたいだし別に問題ないんじゃね?
前のは「〜〜の後に駄文を〜〜」って文句が
わざと被せてるみたいで不評だったんだと思う
さらっと前の投稿の感想を書きつつ「続いて投下します」で続けばいいだろ

387ユミシロ:2009/06/11(木) 20:53:52 ID:WM9xKV0I
>「ンな事ぁ分かってんだよこの宙吊り野郎が!!」
某所でこんなのを見かけたので>>380と絡めて
美琴が今度は上条さんと窓のないビルに乗り込む話で
○クライド仕立てに。


「私の名はアレイスター・クロウリー。上条当麻、私の元へ来ないか?」
「何を言ってんだ、あんた」

「そうよ。こっちはデート中よ」
「……いつデートに?」

「そこで突っ込まないでよ。
 ――行って。あんたは自分のやりたいことをやりなさい。
 あんたは――上条当麻なんでしょう?」

「……分かったよ、ビリビリ」
「ビリビリ言うな!」

「そんじゃ、改めて……任せたぞ、美琴」
「そうよ、そうやっていつもみたく御坂って呼んでれば――あれ?」

「お?もしかして……おまえを名前で呼んだのって、これが初めてか?」
「こんなときに……馬鹿。
 ――ねえ、もう一回罰ゲームしない?」

「ルールは?」
「私とあんた……先に目的を果たした方が勝ち。
 私が勝ったら、次からは名前で呼んでもらうわよ」

「それじゃあ、俺も勝ったら上条さんって呼んでもらうぞ」
「こういう場合、名前で呼ばせるんじゃないの?」

「そうなのか?じゃあ、名前でいいぞ」
「……まあ、いいわ。今回も私が勝つんだし」

「いや、今度は俺が勝つ。――だから、死ぬなよ」
「お互いね。……行って」

「……どこへ行こうというのだ?」
「行かせないわよ」

「それ以上虚勢を張るのは止めておいた方がいい。
 おまえは余命幾ばくもない。00000号として性能を追求した結果だ」

「やっぱり、そうなのね……。
 その残り時間を、少しでも有意義に過ごしたかったんだけど」

「今からでも遅くはない」
「そうはいかないわ」

「誰かが泣いてたら迷わず手を差し伸べて、誰一人見捨てない――
 私は、そんな幻想―ユメ―を諦めないあいつが好きなの。
 私はあいつの幻想を守りたい!
 ここで残りの命を使い果たしても、絶対に後悔しない!
 でもね……私もあいつの隣に居てやらないと、
 あいつの夢を守れないから――私は死なない。私は生きる。
 “御坂美琴”は最後まで諦めないで、精一杯生きる!!
 あの子達のように――あの子達に負けないくらい、強く生きてみせる……!」

「――それでも、おまえの恋は実らない」
「そんなことは分かってんのよッ!この宙吊り野郎……!!」


……あれ?これだと負ける展開のような――

388■■■■:2009/06/11(木) 22:50:18 ID:iV.IsvMk
上条さんが某オーバースキルに対抗した彼のように愛を叫べば負けない

389■■■■:2009/06/11(木) 22:50:28 ID:JNu.h3Q6
>>386
ご指摘ありがとうございます。
自分の文章がそういう風に受け取られていたことにも気付いていませんでした。
皆さんからのご指摘がなければ別の場所でも同じ失敗をしでかしていたはずです。
ありがとうございました。
>>ユミシロ様
後に続かせて頂きます。
「When You Wish Upon a Star(星に願いを)」の最後の5レスです。

390■■■■:2009/06/11(木) 22:51:32 ID:JNu.h3Q6
(30.木曜日22:19)
再び工場内を吸血鬼の気配が満たした。

「ゼィ、後ちょっと……だったのに。吸血鬼は……どこだ?」

上条は吸血鬼が自分のすぐ近くに現れることを願っていた。
しかしその願いもむなしく、吸血鬼は上条から遠く離れた場所に現れた。
近くの魔術師までは20m程あったが、それでも今の上条が追いつくことは不可能だった。

「ちくしょう……、何か方法は?」

その時、姫神秋沙が足下に転がっていた魔術師のナイフを手に取るのが見えた。

「何をする気だ…………姫神」
「上条君。君はもう動けない。
 今アイツを止めないと。ここにいるみんなが死ぬ」
「だからっておまえがナイフを持ってどうすんだ。
 いくらお前でもナイフでヤツは止められない」
「そんなこと無い。ナイフがあれば私でもアイツを止められる」
「待て、姫神。ここは俺に任せろ」
「君の右手はアイツでさえ寄せ付けない。
 でも、今の君ではみんなを守れない。
 私が死ねば。アイツは消えて。ここにいるみんなが助かる。
 ううん。ホントはね。他の人達はどうでもいいの。君さえ助かれば」

そう言った姫神秋沙の目は涙でにじんでいた。

「上条君。今まで本当にありがとう」

すぐに涙は溢れ出し頬を濡らしていった。

「(君のこと大好きだったよ)元気でね」

「やめろ!」と叫ぶ上条から逃げるように姫神秋沙は上条に背を向けた。

「ごめんなさい」

そう言うとナイフを自分の首に当て一気に引き抜いた。
上条にはその光景はスローモーションのように見えた。
しかし、姫神の首筋から血しぶきが飛び散った瞬間、思考が灼熱した。
「姫神いィィィ!」と叫んだことは憶えている。
でもどうやって姫神の所まで駆け寄ったのかは憶えていない。

気がつけば膝が力を失いストンと座るように倒れかかった姫神を右横から抱え、
左手で倒れかかる姫神の背中を支えつつ右手で傷付いた首筋を押さていた。
吹き出す血液を姫神の中に押し戻そうと傷口を右手で強く押さえた時
「バキン!」という感触が上条の右手に響いた。
その瞬間、工場内に充満していた「吸血鬼」の気配は霧散した。

しかし上条にはそんな些細なことはどうでも良かった。
(死ねな、姫神。死ぬな)
そのことだけしか考えられなかった。

カエル顔の医者ならこんな傷でもきっと跡形もなく治療してくれるハズだ。
例えどんなにひどい傷だって生きてさえいればあの医者(せんせい)は必ず直してくれる。
そう、生きてさえいれば。
この出血では病院に着く頃にはきっと姫神は生きてはいないだろう。
たとえカエル顔の医者でも死んでしまった人間は治療できない。

そんな酷い現実なんてホントは認めたくない。
それなのに頭のどこかがこの現実を受け入れている。
だから上条には姫神に声をかけることしかできなかった。

「姫神、アイツはもう二度と現れない。
 お前の幻想は俺の右手が殺してやった。
 だからお前はもう死ぬ必要なんて無いんだ。
 姫神。死ぬんじゃない」

上条の叫びに意識を取り戻したのか、姫神秋沙のまぶたがうっすらと開らかれた。
そして姫神の唇が動いて何かを言おうとしている。

「しゃべるな。今救急車を呼んでやる。きっと助かる。だからしゃべるな」

姫神秋沙は急激な出血のせいで意識を失っていた。
上条当麻が自分を呼ぶ声が聞こえた気がして意識を取り戻した。
ただ意識は朦朧として身体はとても動かせそうになかった。
それでもなんとか重いまぶたを開けることができた。
そこには自分の顔をのぞき込み何かを叫んでいる上条の顔があった。
そしてその表情から自分がもうすぐ死ぬんだということを理解した。
そして「悲しまないで。上条君」と言いかけた時、ようやく気がついた。

(私が死ねば。きっと上条君は悲しむ。
 それどころかずっと自分を責め続ける。
 私は自分が死ぬことは怖くない。
 君が助かったのならそれで良いから。
 けど。それが君を苦しませるなら。そんなことは絶対イヤ。
 だから。私はここで死んじゃいけないんだ)

姫神秋沙の開きかけた唇が止まると少し微笑んだような気がした。
上条にはそれが何を意味するのかよくわからなかった。
「どうした姫神」と言おうとした時、視界の隅を白い羽毛のようなものがかすめた。

391■■■■:2009/06/11(木) 22:52:08 ID:JNu.h3Q6
(31.金曜日1:10)
ザーザーと水が流れる音がする。

(あぁ。今姫神はシャワーを浴びてるんだ)

上条はシャワールーム前の廊下に座りボンヤリした頭で考えていた。
あの時何が起こったのか上条はよく理解できていなかった。

姫神が微笑んだ後、白い羽毛のようなものが舞い降りてきた。
それが姫神の首筋に触れた瞬間、上条の右手は血の流れを感じなくなった。
手を離すとそこにあった傷は無く、蒼白だった姫神の顔も少し赤みを帯びていた。
その時になって同じものが工場のいくつもの場所に舞い降りていることに気付いた。
そして上条当麻の上にも。
(あれは一体何だったんだ?)

不意に背後から肩を叩かれた。
「よー!カミやん、どうやら大団円のようだにゃー。良かった。良かった」
「土御門。遅いじゃねーか。
 姫神は死ぬところだったんだぞ。あれがなかったら」
「『癒之御使(エンゼルフェザー)』」
「なんだって?」
「だからあれのことぜよ」
「お前、見ていたのか?だったら何でもっと早く」
「あのな。カミやん。
 あそこに転がっていた魔術師どもを放っておく訳いかないだろ。
 外に放り出すにしても色々指示を出す必要があったんだよ。
 それに」

話を区切った土御門は急にニヤケ顔になった。

「姫神がカミやんにしがみついて泣きじゃくっていたろ。
 あんな桃色空間に割り込んで馬に蹴られるほどオレっちは無粋じゃないってことさ」
「何言ってやがる。それより『癒之御使(エンゼルフェザー)』って何なんだ」
「あれが姫神の本質だ。
 『吸血殺し』が『幻想殺し』に殺されたんで姫神本来の能力が顕れたんだ。
 テレズマを集めて、純粋な生命力に錬成し、必要とする人間に与える」

「待てよ。あれが異能の力なら、なんで俺の右手に反応しなかったんだ?」
「あれは生命そのものだからな。カミやんの右手でも殺せないんだよ。
 俺は姫神が出てくる前に退散するぜ。
 そうだ、その前にカミやんに渡すものがある」

土御門は上条に封筒を投げ渡した。

「その中に金(かね)が入っている。姫神に服でも買ってやるんだな」

今、姫神秋沙は血まみれになった身体をシャワールームで洗っている。
当然、血で汚れた制服も新調しないといけないから確かにお金も要る。
上条もTシャツは無事だったが、制服は血まみれだった。
だが、何かが引っ掛かった上条は土御門を問いつめた。

「一体これはどんな金だ?」
「魔術師どもの落とし物だ」
「それって、まずいだろ」
「警備員に届けたってどうせ誰も取りに来やしないさ」
「そりゃそうだけど」

「連中にとったら端金の30万円だ」
「さっ、さんじゅうまんえん?
 それって諭吉さんだけで1個小隊が編成できる30万円?
 それとも一葉さんだけで1個中隊が編成できる30万円?
 それとも英世さんだけで1個大隊が編成できる30万円?」

「どれでもいいけど、その30万円だ」
「ダメだ。そんな大金受け取れない」
「この金はもうカミやんが3ヶ月前に拾ったことになっちまっている。
 その書類も封筒に入っているから、受け取ってもらわないと俺が困る。
 じゃあな。カミやん」

上条は仕方なく分厚い封筒をズボンのポケットにねじ込んだ。
しばらくして白い修道女姿の姫神秋沙が出てきた。
本来なら『吸血殺し』を無くした姫神秋沙が『歩く教会』を着る必要はもうない。
しかし血まみれの制服の代わりに『歩く教会』を着て帰ることにしたのだ。

「姫神、さっぱりしたか?」
「ええ。上条君は寒くない?」
「平気、平気。
 それより姫神。今日は疲れたろ?少し休んでから帰るか?」
「大丈夫。
 今日、色んな事があったけど。
 今すごく気分が良い。
 夜道だって全然平気」
「そっか、じゃあ帰ろう」

事件が解決して上条当麻は安心しきっていた。
そう、上条当麻は油断しきっていた。
だから、つい姫神秋沙の左肩に右手を置いてしまった。
「しゅるるっ」
衣擦れの音を残して破壊された『歩く教会』はなめらかな姫神秋沙のボディラインに沿って滑るように落ちていった。

姫神秋沙は何が起こったのか判らなかったので動けなかった。
上条当麻はその全てを目撃してしまったので動けなかった。

(あっ。姫神のヤツ、下着までやられてたのか。
 やっぱり着ヤセするタイプなんだ。
 日本人だから黒いんだ……)
「きゃああぁぁぁぁ!」「バチン!」

上条の思考は少女の悲鳴と打撃音によって寸断された。
その後、朝焼けの中、左頬を腫らした上条当麻とアイアンメイデン2号姫神秋沙が
肩を並べて歩いている姿が目撃されたそうである。

392■■■■:2009/06/11(木) 22:52:30 ID:JNu.h3Q6
(32.金曜日6:00)
「アレイスター。
 今回、何で俺は『吸血殺し(ディープブラッド)』の情報を手に入れることができたんだ。
 お前、わざと書庫(バンク)にリークしたんじゃないのか?」
「なんのことだ?」
「どうせ、今回の目的はカミやんを覚醒させることだったんだろ?
 俺が手に入れた情報もカミやんを追いつめるようなものばかりだったしな。
 だが、残念だったな。
 まさか、ああも偶然にカミやんの右手がお前の術式を破壊しちまうとはな。
 今回はお前も無駄骨だったようだな」
「ふっ。
 君は傷口を押さえたぐらいで頸動脈の内側に手が届くと本気で思っているのかい?」
「何!」
「今回は本人も気付かないぐらいのほんの僅かな一歩だったがね。
 しかし『幻想殺し』の枷は今回の件で確実に弛んだのだよ。
 くっくっ、これからが実に楽しみだ」
「アレイスター、貴様何を考えている?」

窓のない部屋にひとり残ったアレイスターは呟いた。

「これだから人生は面白い。
 まさか廃棄したはずのセカンドプランがこんなところで役に立つとはな。
 これで遅れがちだったメインプランもスケジュールを組み直す必要が無くなった。
 『吸血殺し(ディープブラッド)』の殻を破って神に非(あら)ざる創生の女神が顕れたか。
 早く『幻想殺し(イマジンブレーカー)』の枷を食いちぎって早く出て来い。神上」

393■■■■:2009/06/11(木) 22:53:00 ID:JNu.h3Q6
(33.金曜日7:00)
上条と姫神秋沙は姫神秋沙の学生寮に戻ってきた。
上条が待っていると夏服を着た姫神秋沙が出てきた。

「姫神、寒くないか?それ」
「寒くないと言えば嘘になる。でも今はこれしかない。
 それとも上条君は霧ヶ丘女学院の制服の方が好き?」
「なっ、何言ってんだ。お前」
「……(霧ヶ丘女学院の制服はポイント低し、ガッカリ)」
「それより、実は昨日臨時収入があったんだ。
 事件が解決したお祝いに姫神に服を買ってやるよ。
 放課後ショッピングセンターに行かないか?」
「それってデート?」
「いっ、いや、その、なんていうか、あれだ。
 買い物だよ。買い物」
「…………(ハァーッ)」

その後上条の下宿へ向かった二人はインデックス&ステイルと鉢合わせした。

「とうま!あいさと朝帰りってどういうこと?
 ちゃんと説明して欲しいかも。
 あーーっ!『歩く教会』がまたアイアンメイデンになってる。
 とうま。あいさを裸にして何しようとしたの?」

どうやら、インデックスは『歩く教会』を壊されたことより『歩く教会』が壊れた時の状況の方が問題だったようだ。

「いや、その。
 これは確かに上条さんの不注意だったのですが。
 でも、そこに至るまでには聞くも涙、語るも涙の物語があって……」
「と・う・ま」
「ごめんなさい。ごめんなさい。
 お詫びに美味いもの食べに連れて行ってやるから」
「え!?」
「フレンチでもイタリアンでも中華でも和食でも焼肉でも鰻でもいいぞ。どれが良い?」
「違うよ、とうま。フレンチもイタリアンも中華も和食も焼肉も鰻も全部なんだよ」
「えっ、そんなことしたら上条さんは破産してしまいます。
 マッチを売らなきゃご飯が食べられない生活なんて上条さんには耐えられません」

「大丈夫だよ、上条当麻。
 君はそんなことを心配する必要は無いさ」
「ステイル、お前……」
「そう、君はそんな未来のことを心配する必要はない。
 だって、今ここで、僕に殺されるんだからね」
「ちょっと待て!」
「黙れ!法王級の霊装をまた壊しやがって。死んで詫びを入れろ」
「だからって炎剣で斬りかかってくんな」
「骨も残さず焼いてやるから安心しろ」
「安心できるか、バカ野郎!」
「相変わらず邪魔な右手だ。出てこいイノケンティウス!」
「もう勘弁してくれー!」

結局、夏服カップルとして学校に登校するはめになった上条と姫神秋沙だった。
そんな二人を待っていたかのように校門では吹寄制理が仁王立ちしていた。

「うっ、吹寄。お前って風紀委員だっけ?」
「貴様、昨日の話はまだ終わっていないぞ。」
「いや、あれは姫神が突然体調崩しちゃったから急いで病院に行っただけで……
 吹寄に説明しないで帰ったのは悪かった。この通り」
「だれが、そんなことを聞いている」

「へ?」
「黒蜜堂の『カロリー控えめ能力開発パフェ』は期間限定のスイーツ。
 そして今日が最終日だ。
 どうしてくれる?上条当麻」
「あのーっ、今日の放課後それを奢れと?」
「その気はないと?」
「(放課後は姫神と買い物の約束しちまったからな)
 吹寄様、今日だけは何卒ご容赦頂けませんでしょうか?」

「なに?」と言いかけた吹寄だったが、姫神秋沙の悲しそうな顔を見て言葉を飲み込んだ。

「ふん、それなら仕方がない。
 来週の期間限定スイーツ『5日食べれば能力向上絶品モンブラン』で勘弁してやる」
「それは、ひょっとして来週はずっと黒蜜堂につきあえと……?」
「イヤだと?」
「わかったよ。吹寄。それでお願いします」
「わかればそれでいい」

394■■■■:2009/06/11(木) 22:53:34 ID:JNu.h3Q6
(34.金曜日8:00)
「どうしたの秋沙、夏服なんか着ちゃって」

教室に入った姫神秋沙へ投げられた女子の問いかけについ上条が口を挟んでしまった。

「いや、実は昨夜、姫神の制服を血で汚しちゃって」

その一言で教室の中から喧噪が消え去った。
その結果、クラスメイトのヒソヒソ話の一言一句まで上条は聞き取ることができた。

「上条のやつ姫神の制服を血で汚したんだってよ」
「羨ましすぎる!」
「あいつ、そこまで余裕がなかったのかねー?」
「やだーっ、上条君って意外とケダモノだったんだ」
「最初は優しくしてもらいたいものなのにね」

「こら!そことそこ!不適切な発言をしない。
 紳士な上条さんがそんなことするわけないだろ!
 姫神も何か言ってやれよ」
「でも、私の制服が私の血で汚れたのは事実だから」

「おぉーーっ」
「やっぱり」

「わー!止めて、姫神。
 それ以上言うと、なんかホントに俺が悪者みたいに思われる」
「まあまあ、みんな。
 事がここに至っちまった以上、俺達は若い二人の門出を祝ってやろうじゃないか。」
「こら!土御門。変な方向に話をまとめようとするじゃねえ」
「みんなが祝福してやろうって言うんだから良いじゃねえか。
 みんなーっ!軍資金はカミやんが全部出してくれるんだってよ。放課後は祝宴だ!!」
「おおーーー!」

上条は頭を抱えながら、頭の中で諭吉さんを点呼していた。

(こいつら36人が1人3000円飲み食いすれば諭吉さんが11人も戦死しちまう。
 吹寄の分は1つ1000円としても5000円だから問題ないとして……
 問題はインデックスだな。諭吉さん1分隊でインデックスを食い止められるか?
 まあ、でも諭吉さんなら5人ぐらいは生き延びてくれるだろう。
 そうしたら、余裕で姫神に新しい制服を買ってやれる)

しかし上条は気付いていなかった。携帯に届いていた1通のメールに。
『話を聞いたわよ。あんた今お金持ちなんだって?
 丁度良かったわ。
 日曜日にセントラルガーデンホテルに4つ星レストランのシェフが来るのよ。
 美味しい料理を食べながらお話ししましょう。
 もちろんア・ン・タの奢りで。美琴』

諭吉さんの点呼を終えた時、上条は姫神秋沙との約束を忘れていたことに気付き青ざめた。

(やべぇ、放課後は姫神と買い物だったのに。
 姫神のヤツ、また落ち込んでいるんじゃ……って、あれ?)

てっきり落ち込んでいると思っていた姫神秋沙はなぜか頬に手を当て顔を赤らめていた。
ノリで上条と恋人扱いされたことに過剰に反応した結果なのだが、当の上条には見当も付かなかった。

「(まあ、落ち込んでいる表情よりこういう表情の方が姫神には似合うかもしれないな)
 しかし、セーラー服って一体いくらするんだ?」

上条がポツリと漏らした言葉に青髪ピアスが素早く反応した。

「カミやん、やっとカミやんも目覚めてくれたんか?
 僕らのお仲間になってくれてうれしいなぁ。
 でも、セーラー服なんてものは初級者のものやからな。
 まだまだ奥は深いでぇ。
 カナミンの衣装なんかもごっつう萌えるでぇ」
「フン!」
「いったぁー!
 カミやん、いきなり拳固で殴るなんて酷いんとちがうの」
「うるさい!黙って殴られろ。
 お前はそれだけのことをしでかしたんだよ。
 お前のせいでな。姫神は……」
「どないしたん?」
「くっ……、何でもない!」

あの時、癒しの羽根を運んできたのは吸血鬼だった男ではなく少女の姿をしていた。
あんな男よりその少女の方が姫神にはよく似合うと上条が思ったのは事実だった。
その少女の可愛い顔立ちに文句がある訳ではない。
少女がまとっていた服は少し派手だったが、まあ仕方ないと納得することはできた。
しかし、その少女が超機動少女カナミンそのものであることだけには納得いかなかった。

結局、『魔法使い』になりたかった少女は、『魔法少女使い』になってしまった。
姫神秋沙が『カナミンマスター』として学園都市の小学生から絶大な人気を得ることになるのは少し後のお話である。

姫神秋沙は願うべき星をどこで間違えたのか?その答えを知る者はどこにもいなかった。

「When You Wish Upon a Star(星に願いを)」おしまい。

395■■■■:2009/06/11(木) 22:54:02 ID:JNu.h3Q6
以上です。
 今回初めてssを書こうと思いつき、右も左も判らぬまま乱雑な文章を作っては長々と
投下してしまいました。それでも皆さんからはたくさんのご指摘やアドバイスを頂き、
大変勉強になりました。本当にありがとうございました。

396■■■■:2009/06/11(木) 23:22:36 ID:mU2pFAe.
そのカナミンの主武装はやっぱ電磁警棒?

397■■■■:2009/06/11(木) 23:41:47 ID:BWtxsIhI
>>395
ついに長編姫神SSが完結しましたかー。
乙です。毎回楽しみにさせてもらっていました。
そして最後に

GJ!

398ユミシロ:2009/06/11(木) 23:48:53 ID:WM9xKV0I
考えてみれば条さんがそんな幻想ぶち殺してくれれば問題ないですよね。
と思ったので、ちょっと続きを投下。


「何者だ……おまえは一体何者なんだ!?」
「上条当麻」

「何……?」
「上条当麻よ。そいつがあんたのふざけた幻想をぶっ壊してくれるわ」

「すでに、私にそんなものはないと言った……!」
「あと悪いけど、この子――打ち止めは返してもらったわ」

「御坂……」
「なんて顔してんのよ。私を誰だと思ってんの?」

「ああ、そうだよな……!」
「私はこの子を連れて、黒子と一緒に外へ出るわ。あんたはまだ終わってないんでしょう?」

「ああ。俺にはまだやることがある」
「それじゃ……」

「――御坂!」
「……何よ」

「こいつをぶん殴ったら次はおまえの番だ。……さっき、おまえがやられるところを見せられたんだよ。
 『そんなことは分かってる』――だって?俺がそんな幻想はぶち殺してやる。
 おまえは、まだ俺に何も言ってないだろう?何も伝えてないんだろう?
 あとで聞かせろよ、おまえの気持ち……。
 ――それと、罰ゲームはおまえの勝ちだよな」
「こ、こんなときに…何よ」

「覚悟はいいな?白井にもちゃんと説明しろよ」
「分かってるわよ!あんたこそ、ちゃんと名前で呼ぶのよ。ビリビリは今後一切禁止!
 ――じゃあ、私は行くわ」

「ああ。待ってろよ、美琴」
「……うん。待ってる」


修正完了……!

399■■■■:2009/06/11(木) 23:49:15 ID:eRBnU1bI
>>387
(つдT)最終回の兄貴の最後と重なって涙腺が崩壊した

400ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/06/12(金) 00:35:26 ID:qLWXXN1w
とある戦士の幻想殺しの続きを投下開始

翌日も実に快晴日和だった。上条は準備を済ませて、撮影現場へと向かった。
「監督ー、上条君入りまーす!」
上条が到着すると、山下が出迎えてくれた。
「よし、今日は撮影開始だ」
「台本はちゃんと覚えてきたんだろうな?」
「えぇ、でも初めてなんで…お手柔らかに頼みます、監督」
「今日は登場、変身シーンと戦闘だけを撮るから大丈夫だよ」
はぁ、と上条は山下の説明を受ける。
「よーし、行くぞー!」
監督からの指示が飛び、スタッフが慌ただしく、各自の持ち場へと付く。
「上条君、はい、ベルト」
「ありがとうございます……、これが…変身ベルト」
差し出されたベルトを受け取り、まじまじと見詰める上条。
「アクション!」
上条がベルトを見ている間に準備が終わり、監督が撮影開始の合図を出すと、上条は急いで持ち場へと付く。
「キャー!」
「うわああああ!」
エキストラの人々が怪人から逃げ惑う。
その光景に上条は息を呑む。出番が近付く。
「…上条君、出番だ!」
山下が静かに上条に合図する。
「………、」
無言で頷き、上条はついに動いた。

401ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/06/12(金) 00:35:51 ID:qLWXXN1w
「おい、化け物!こっちを向きやがれよ!!」
エキストラを追う怪人の背後に立ち、叫ぶ。
「………、」
上条の姿を見つけた怪人は、上条の方へと向かってくる。
(来た来た……えーと、確か…)
次の行動を考えている間にも、怪人は距離を狭める。
(くっ…)
距離は目と鼻の先。上条は拳を握る。
「うおぉぉぉ!」
「………!」
怪人へと左拳を突き出すと、怪人は怯んだ。
(次は確か…!)
上条はおもむろにベルトを取り出し、腰に装着して、
「行くぜ、化け物!」
そう叫ぶと、両足をしっかり大地に付け、右腕を龍が天に昇るように上げ、左腕を腰の脇に置き、
「みんなは、俺が護る……、変身!」
上条が叫ぶと共に、上条の全身を眩い光が包み、姿を変えた(変身後の姿はご想像にお任せします)。
(マジで変身出来た…!学園都市の科学力すげぇ!)
いつまでも感心していられない。上条は拳を握り直し、怪人へと突っ込む。
「とりゃああああ!」
「…………!!」
上条の突進に反応した怪人も、向かってくる。
それに合わせて、上条は拳を放つ。
「はぁっ!」
「………!?」
「とぉりゃあっ!」
右、左と拳を叩き付け、これでもかと蹴りも放つ。
「………!!」
だが、怪人もただ黙っているわけではない。

402ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/06/12(金) 00:36:14 ID:qLWXXN1w
「ぐはぁっ…!」
「………、」
怪人の反撃。
急所を狙ったタックルや、重い一撃をかましてくる。
「くそっ…このままじゃ…やられちまう!」
止まらぬ怪人の猛攻に、上条は焦りを覚える。
「くっ…そったれがぁっ!!」
「!」
攻撃と攻撃の隙間を狙い、上条はパンチを決めると、怪人がぶっ飛ばされた。
「今だ!」
はぁぁぁ…、と全身に力を込め、上条は飛び上がった。
「!!?」
「俺の一撃は、ちっとばかり痛いぜ!」
起き上がり、防御しようとする怪人目掛け、上条は必殺技のキックを炸裂させ、
「!!!」
怪人は爆散するのを確認すると、
「この俺が居るかぎり!平和は乱させない!」
決め台詞を叫んだ。

403ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/06/12(金) 00:37:13 ID:qLWXXN1w
無事に本日の撮影が終わり、上条は帰り支度を初めていると、
「なかなかいい演技だったよ、上条君」
背後から山下が声を掛けてきた。
はぁ、と上条が答えると、山下は明日も頑張るように、とだけ伝えて去っていった。
「それだけの為に声掛けてきたのかよ」
思わずツッコんでしまう上条。
「さて、帰るか……」
撮影の前には聞いていたが、自分が変身して怪人を本当に倒すという、体験したくても体験出来ない体験をした上条は、変身後の余韻を噛み締め、学生寮を目指した。

404ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/06/12(金) 00:38:32 ID:qLWXXN1w
投下終了ー

最近スランプだな…
いい小ネタも浮かばないし
周りのSS職人さん達はGJ過ぎるし

おとなしく18巻を待つか…

405■■■■:2009/06/12(金) 00:59:58 ID:.GO2j9Ss
このSS増加の波はありがたいぜ

406■■■■:2009/06/12(金) 05:09:27 ID:vNROEe5k
18巻が発売されたら
アックアさんと第三王女のSSが多く見られそうだ。

407■■■■:2009/06/12(金) 16:48:49 ID:rRyC8sUU
表紙からして

408■■■■:2009/06/13(土) 00:10:23 ID:azghyO3k
when〜終わったのかー。乙
色々言われてたけど、前向きな姿勢と書ききったことは素直に評価したい。GJ

409ルッシー:2009/06/13(土) 22:18:46 ID:JMc0apWc
『とある暗部の未元物質』投下します。
前回同様、3話分です。

410ルッシー:2009/06/13(土) 22:19:37 ID:JMc0apWc


土御門元春は黙考していた。
最近、義妹の舞夏の様子がおかしい。
思えば先月のいつだったか、隣の上条宅に突っ込んで行ってからおかしくなっている。
いや、厳密に言えば突っ込んで行った時点でおかしかったが。
とにかく、以前のように「兄貴ー」と笑いながらとてとて寄ってくる事がなくなってしまった。
なんだこれは。反抗期なのか。自分は舞夏に反抗されるような事をしたのか。
否。そんなはずはない。
毎日記入している門外不出の『舞夏育成ノート』にはそのような記述は一切ない。
万一あったとしても自分がそのような愚行を犯しておいて、忘れるはずがない。
ではなぜ…?
「にゃー…」
べちゃり、と音がしそうなくらいの脱力ぶりでテーブルに突っ伏すシスコン軍曹。
そのテーブルには舞夏が早起きして作ったのであろう、味噌汁が入った鍋が置いてある。
その鍋を見つめながらシスコン軍曹は再び思考の渦に身を投じる。

事の発端は天草式の少女が上条の部屋を訪れた日だ。
舞夏と楽しくホワイトシチューをつつくはずだったのに、当の舞夏が突然血相を変えてベランダの壁をぶち抜き上条宅へと突入していった。
ほどなくして戻ってきたと思えば味噌汁がどうのこうので舞夏クッキングタイムに入ってしまった。
こうなると兄でも手がつけられない。
話だけでも、と一度だけ邪魔をした時があったが、その時は凄まじいボディブローを食らい一撃KOされている。
それからというものの、舞夏の味噌汁奮闘記に付き合わされ続けている。というか味噌汁しか出てこない。
愛する義妹の手料理と言えど、一ヶ月以上も毎日味噌汁しか出てこないとなると流石のシスコン軍曹も飽きてくる。
(にゃー…。味は文句なしなんだが、以前のような愛がないにゃー。これでは俺の腹は満たせないんだぜい)
しかし、こんな事を意見すれば待っているのは悶絶ボディブローだ。味噌汁をぶちまけたくなかったら黙って食べるしかない。
「食べ物に不自由するのは結構つらいぜい。カミやんも毎日こんな生活なのかにゃー」
思わずそんな独り言を放った直後、土御門はあるとんでもない可能性に気付いてしまう。

舞夏がおかしくなったのは上条当麻の部屋に行ってからだ。
(まさか…)
そしてその上条当麻は関わった女性に対して高確率かつ平等にフラグを立てる旗男だ。
(そんな事が…)
その上条当麻は日々食糧難に苦しんでいる。
(あるはずが…)
そして舞夏は上条宅から帰還後に究極の味噌汁開発に明け暮れている。
これらの事実から推測される事は…。


「ふざけるなああああああああ!!!!!!!おのれ!!!上条当麻ああああああああ!!!!!!!!!」


ガタッ!!と凄まじい勢いでシスコン軍曹は立ち上がり野太い声で叫ぶ。
「外国人巫女様お嬢様妹巨乳でこ女子高生豊乳シスター爆乳エロスお姉さん堕天使エロメイド隠れ巨乳と散々フラグを立てておいてまだ足りぬか!!!!」
いつもの軽い口調は完全に吹っ飛んでいる。この男、マジである。
「今までは大目に見てきたが舞夏だけは許せん!!もう見過ごす事はできんっっ!!!!!!!」
そう宣言すると土御門はベランダではなく部屋の壁をぶち抜いて上条宅へと侵攻していくのであった。

411ルッシー:2009/06/13(土) 22:20:31 ID:JMc0apWc


一端覧祭を控えいつも以上の喧騒が広がる学園都市の中でこの空間は静かだ。
ちょっとアルコールの匂いが鼻につくが、それでもどこか心地良さを感じる事ができる。
辺りは一面真っ白で清潔感そのものだった。
すれ違う人も落ち着いていて平穏な時間を過ごしているように見える。
海原光貴はそんな廊下を歩いていた。
つい今しがたショチトルという少女の見舞いを終えたところだった。
あれから毎日の日課になっているが、未だに口を利いてもらえない。
それでも最初の頃は転院した事も教えてもらえず、病室にすら入れてくれなかったのだから見舞いができているだけでも彼女との距離は確実に縮まっている。
「ようやく、向き合えてきたのでしょうかね」
海原は思わず頬を緩めてしまう。
自分は『組織』を抜け学園都市の暗部へと潜りこんだ。多くの命を奪い、自らの目的の為とあれば大切な人を傷つける事すら考えた程だ。
そんな闇に染まった自分にこんな穏やかな感情がまだ残っていたとは。
まだ少し痛む頭で海原はぼんやりとそんな事を考えていた。


「おや?」
病院を出て携帯電話の電源を入れるとディスプレイに見慣れた番号が表示される。
その番号をプッシュしようとした瞬間、
ヒュン!と空気を切り裂くような音と共に一人の少女が現れた。
「結標さん、トラウマは完全に克服されたのですか?」
「茶化さないで。これでも精神集中して慎重に演算してようやくできたんだから」
そう返答した結標の背中には低周波振動治療器はなかった。常に携帯してあった懐中電灯もない。
これはあの日、結標が『仲間』に誓った覚悟の証。
自身のトラウマがどうこうという問題ではない。自分の力で『仲間』を助ける。ただその一点。その一点が結標淡希を突き動かしている。
「それにしても、よくここにいるとわかりましたね」
「あなたの行動パターンくらいわかってるわよ」
結標はぶっきらぼうに答える。
「それはそれは」
海原は少し笑みを浮かべて、
「ところで用件は何でしょう?もしかして一端覧祭のデートのお誘いですか?」
「まだ平和ボケしてるんだったら、そのニヤけた顔にコルク抜きでもぶち込んであげようかしら?」
結標は不適な笑みを浮かべながら海原へ冷たい視線を送る。
懐中電灯を持たない今、結標の攻撃は予備動作なしで繰り出される事になる。その事を瞬時に理解した海原は降参とばかりに両手を上げる。
「仕事…ってほどじゃないんだけど、ちょっと協力して欲しい事があるのよ」
海原は表情を少し引き締め答える。
「先日の『残骸』の件ですか?」
結標は頷くと付いてこい、と言わんばかりに歩き出す。
「あなたは察しが良くて助かるわ。世界中に散らばっていた『残骸』が急に回収されたのは知っているわよね。それでちょっとばかり引っかかる事があるのよ」
「引っかかる事…ですか?」
海原は正面からテントの骨組みを持った男子高校生を避けながら結標に先を促す。
「私は以前、地上に落ちた『残骸』を回収してるけど、その時は一方通行に破壊されてるの。でもここにきて学園都市が急に『残骸』を回収し始めてるの」
「『残骸』は『外』の連中が血眼になって回収に飛んでいるはずですが…そもそも、それが『残骸』だと言う確証は?」
「ないわ。ただ、この件で人員不足の『アイテム』がわざわざ『外』まで出向いてる事を考えるとあながち嘘でもなさそうじゃない?」
「さっき世界中と仰りましたが、それが本当だとしたらそれなりの数の『残骸』が既に地上にあるという事になりますが…」
「いくつか地上に落下していたんでしょう。『外』の連中に回収されても問題ないとは思うのだけれど…データを失うのが嫌なのかしらね」
「しかし何で今なんでしょうね?貴女が『残骸』を回収したのは九月半ば。二ヶ月も経った今頃になって回収し始めるというのは…」
「それが引っかかってるのよ。『外』は今戦争直前で混乱しつつある。レベル5を二人も失った今の学園都市に寄り道をしている余裕があるとは思えないわ」
「しかし、それが寄り道ではなく近道だとしたら」
海原が質問するように返す。
結標は足を止め、天を仰ぎ、答える。
「もしかしたら私達にとっても近道になるかもしれないわね」

412ルッシー:2009/06/13(土) 22:21:15 ID:JMc0apWc


垣根帝督はとある高校の校門前に立っていた。
ミディアムヘアの金髪を靡かせ、校門前で佇む彼の姿は他校から殴り込みを仕掛けに行く不良のようにも見える。
当然、とある高校の生徒からの視線が集まるが、垣根はそんな事は気にしない。彼の目的は一つしかないからだ。

そんな彼に横合いから話しかけてくる人物が一人。
「こんな所で立って何をしているのですかー?」
垣根は声のした方向に視線を移すが何もない。
いや、いた。
自分の肘あたりに、訝しげな視線を向ける一人の幼女が。
「見ての通りここは高校ですよー?服装を見る限りあなたはここの生徒には見えませんが…?」
幼女にしては話し方が妙に大人びている。だが問題はそこではない。なぜ高校の敷地内に堂々と小学生と思しき幼女がいるのか。
しかしそこは紳士な垣根。警戒されないように優しい口調で言葉を返す。
「俺はここの生徒に用事があるんだよ。もし迷子ならここの職員を訪ねるといいよ」
「私は迷子なんかじゃありませんよー?と言うかここの先生です」
この小学生、中々面白い事を言うじゃねえか、と垣根は頭の中で感心する。しかし、こんな子供に構っていられるほど暇ではない。
「とりあえず職員室にでも行こうか」
垣根は幼女と共に学校敷地内に入ろうとするが幼女は断固阻止する。
「殴り込みはいけないのです!何か理由があるのなら先生が聞くのです!」
幼女は垣根の左足をガッチリとホールドしている。
まだ続けるのかこのガキ、と紳士な垣根が眉間に皺を寄せかけると、
「月詠先生。何をなさっているんです?」
今度は落ち着いた、大人の女性の声が聞こえた。声の主は教師を絵に描いたような黒縁眼鏡に整った髪、これと言って特徴のない顔といい教師の鑑みたいな女だった。
垣根はこの女がこの高校の教師であると確信すると、
「ここの高校の雲川芹亜という方に会いに来たんですが」
いきなり尋ねられた女教師は不審に思いながらも、雲川という生徒について考える。が、そんな生徒がいたという記憶はない。生憎だけど知らないわね、と答えようとした時、
「雲川ちゃんですか?だったらこの時間だと食堂にいるんじゃないですかー?」
また幼女が口を挟んできた。うんざりしながら幼女に視線を戻すと幼女は続ける。
「彼女はいつも食堂の椅子を繋げて寝ているのです。今ちょうど昼休みも終わったところですし、早く行かないと雲川ちゃん寝ちゃいますよ」
なんでそんな事まで知っているんだ、このガキ。という疑問を飲み込み垣根は少し考える。
様子を見るとあの女教師は雲川自体を知らないだろう。このガキの言ってる事も信用できないが、ここまで具体的に言い切るのなら知っている可能性もある。
もし違かったのなら職員室で尋ねればいいだけだ。何よりさっさとこの面倒臭い状況から抜け出したかった。
そう判断すると「ありがとう、お嬢さん」と幼女に微笑みかけ校舎に向かって歩いていく。

そんな少年の後ろ姿を呆然と眺める特徴のない女教師――親船素甘は隣にいる幼女教師――月詠小萌に視線を向け、
「あんなどこの馬の骨ともわからない少年を校舎に入れてしまってもいいんですか?それに今は黄泉川先生は休み、災誤先生は未だに療養中なのに…。何かあったら対処できませんよ?」
しかし幼女教師は平らな胸を力いっぱい張ってきっぱりと返答する。
「大丈夫なのです。あの子はそんなに悪い子には見えません」
一体何を根拠に?と親船はさっぱり理解ができずに首を傾げるが、きちんとした理由があった。
初対面なのに「え?こいつ教師なの?」と聞かれなかったという立派な理由が。

413ルッシー:2009/06/13(土) 22:24:56 ID:JMc0apWc
今回の3話分、投下完了です。

414ケチャップ:2009/06/14(日) 01:40:02 ID:BxAdIi0g
はじめまして。
このSSを読んでいて、一つ短編SSを書いてみました。拙い文章力で申し訳ありませんが、
もしよろしければ感想の書き込みお願いします。
IF物語なので、設定はあまり気にしないでください。

415もしも二人が…:2009/06/14(日) 01:45:13 ID:BxAdIi0g
一端覧祭も終わり、本格的に冷え込んできた11月のとある休日。上条当麻と御坂美琴は第一七学区にある映画館を訪れていた。一端覧祭の時に起きた魔術師との戦いが一段落して最終日のメインイベント、全校生徒が集うダンスパーティーに、御坂美琴に誘われるがままに誘われて、踊った。
そして、フィナーレの前に告げれられた、突然の告白。
人生初の告白に、最初は冗談かと思ったが、彼女の今にも泣きだしそうな表情から、これが冗談ではないことは分かった。こんな可愛い女の子から想われて、ノックダウンしない男なんていない。上条当麻は彼女をそういう目で見たことはなかったが、客観的に見れば非常に魅力的な女の子だった。とても優秀で、上条当麻とは抱え離れた世界にいる人間だと思っていたが、そうではない。むしろ、彼女を知れば知るほど普通の女の子ということが解る。幾度となく、彼女の協力を得て助かった事件も多くあり、彼女を女の子と意識し始めると、何だか胸が熱くなった。
返事はもちろん、OKだった。

そして、今、こうしてここにいる。
御坂美琴は映画館の館内にあるロビーのソファーで寛いでいた。上条当麻は買ってきた二つのジュースを、目をトロンとしている美琴の両頬に押し当てた。
「わひゃあ!」
可愛い声で、予想通りのリアクションを取った美琴に上条は笑った。
「お前さ。寝不足で映画を見たいなんて言うなよ。確かにこの映画は今日で終わりだけど、ネット配信されるのを待っておけばよかったじゃないか…」
「……」
美琴は黙り込んでしまった。
あちゃあ、と言い過ぎたと上条は思って色々と言ってみたが何の反応もなかった。美琴は俯いたまま、何かを呟いていた。
「……だもん」
あまりに小さな声だったので、上条は耳を傾けた。
「え?」
「………なんだもん」
「美琴、聞こえないん…」
上条は美琴の耳元に顔を近づけて、彼女のか細い声を聞き取った。

「当麻との初デート…嬉しくて、眠れなかったんだもん…」

(――――――――っ…)
美琴は今にも泣きそうな顔をして、顔を真っ赤にさせていた。
上条は美琴の隣に座って。無言で彼女の肩を思いきり抱き寄せた。
「わひゃあ!」
可愛い声で、予想通りのリアクションを取った美琴に上条は笑って、耳元で囁いた。
「…お前、可愛すぎ」
「なっ!!」

416もしも二人が…:2009/06/14(日) 01:45:53 ID:BxAdIi0g
美琴を抱き寄せたまま、二人はじっとしていた。先ほど買ってきたジュースを飲みながら、取りとめもない話をしていた。学校のこと、テレビのこと、友達のこと、先生のこと、そして『妹達』のこと…
美琴が寝不足なので、ローテンションの会話のままで、ジュースを飲み終えた後も二人はソファーに座ったままだった。次の映画はすでに始まっていて、周囲に人影はない。
「ねえ、当麻」
「なんだ。美琴」
「……私のこと、好き?」
「…いきなり何だよ」
「売店の子、誰?」
ぎくっと、上条は身を震わせた。その挙動不審ぶりを直に感じ取った美琴はジト目で上条を睨みつけた。いくら中学生と言えど、『超能力者(レベル5)』の第三位。その殺気は伊達じゃない。
「…ク、クラスメイ…」
「アンタのクラスには金髪の外人がたくさんいるの?」
「…髪を染めたジャパニーズしかいません」
「やっぱり私のこと、遊びなんだ」
「…俺ってそんなに信頼無いか?」
「…女の子に関しては、ね」
美琴の鋭い目つきに耐えかねた上条は視線を逸らすと、ツンツンした黒髪を掻いて、小さくため息をついた。確かに思い返してみれば、最近親しくなった女の子は両手には数えきれないほどいる。上条は事情があると言っても納得してくれないだろうということは分かっていた。
上条はもう一度大きく息を吸うと、
少年は行動に出た。

「美琴、好きだ」

上条は美琴を見据えて言った。周囲には誰もいない。防音材に囲まれた会場から漏れ出す、放映されている映画の小さな音だけであって、上条の声は周囲に響き渡った。
美琴はみるみる顔を赤らめた。言葉を放つ前に、上条の顔が近づいてきて、その口を塞がれてしまった。

チュッ

頬を染め、目を見開いている彼女に、上条は優しく微笑み、魔法の言葉をかけた。
「愛してるよ」
上条は美琴のリアクションに満足すると、彼女の持っていたアルミ缶を持った。自分の分とダストシュートに捨てようと席を立った時、ふいに右手に力がかかった。振り返ると、そこには俯いたまま上条の手を握る美琴の姿があった。
「…ねえ、当麻」
「…何だ?」
茶色のショートヘアーを揺らせながら、顔を真っ赤にした彼女の表情が上条の目に入った。
「…この後、時間ある?」
その声に、その表情に上条の心に何か迫るものがあった。急に顔が熱くなった上条は美琴の顔を直視できなかった。そして、彼には似つかわしくない小さな声で、彼女に言った。
「…当たり前だろ」
手を繋いで映画館を後にした。
映画館を出るまで、二人は顔を合わせられなかった。

417ケチャップ:2009/06/14(日) 01:47:16 ID:BxAdIi0g
以上です。
上条と御坂のやりとりが好きだったので、なんとなく書いてみました。
感想、お願いします。

418■■■■:2009/06/14(日) 02:36:15 ID:LZBX/5R.
GJ!
続きを書いてください

419■■■■:2009/06/14(日) 13:24:22 ID:Ac6YrjOo

やっべーナニコレww

たった2回!!

たった2回ぷにぷにっと

パイオツつまんだだけなのに

2O万ももらってもーた!!


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420HAO:2009/06/14(日) 16:16:50 ID:eLcbmRWg
どうも、HAOです。
『とあるお嬢の酔いどれ騒動』を投下します。

*注意
このお話は、美琴が怪しいジュースの影響で酔っ払っていて、上条さんにラブラブだだ甘えキャラと化しているので、『こんなの美琴じゃねー!』とか『こんな美琴嫌だー!』って人はスルーしてください。

421『とあるお嬢の酔いどれ騒動』:2009/06/14(日) 16:18:02 ID:eLcbmRWg
そんなこんなで、場所を移すことにした上条さん&美琴さん。
このまま裏路地にいるとまた人が通った場合いらぬ誤解を招きそうなので、早いところ裏路地を後にした。
そして今いる場所はどこかの公園。(土御門&青髪ピアスと遭遇した所とは別の)
人のいなさそうな所人のいなさそうな所と歩き回った結果辿り着いた場所がここである。
全く人がいないというわけではないのだが、今の今まで散々頭を抱えたり走り回されたりと色々あり、いいかげん疲れてきたので少しここで休憩する事にしたのだ。
「はぁー……」
公園のベンチにドカッと座ると、上条は開口一番大きく息を吐いた。
なんというか、もう上条さんはクタクタです。
「とうみゃ、ちゅかれてるね……」
「あー、まー、色々あったからな……色々……」
原因の大半はあなた、酔っ払いの美琴さんなのですがね……。
まあそんな事口には出せませんけど……。
「じゃあ、げんきわけて……」
「それは結構です……」
とりあえず不穏な事をされる前に先手を打って断りを入れる。
美琴は『えーっ』と不服そうな声を上げ、
「とうみゃはわたちのきしゅじゃあ、げんきでにゃいの?」
となんだかもの凄く悲しそうな顔をされた。
「うぅ……」
その顔は反則です。
そんな顔をされては、否定なんてできるはずもなく、
「い、いや……そ、そういうわけじゃなくてだな……」
何かしら適当な言い訳を考えていると、

ぐぅきゅるるるるぅ……!

ちょうどこのタイミングで上条の腹の虫が鳴いた。
「あ……」
「うにゅ? おにゃかしゅいてるの、とうみゃ?」
「あ……あー、空いてる…かもな……。散々動き回ったりしたからな……」
嘘ではない。
先程までのいざこざで運動量やらが半端ではなかった事もあるが、お昼から大分時間も経っているので、少々小腹が空いてきたのは確かだった。
「しょうだったんだ……」
今の腹の音で、上条が元気ないのはお腹が空いているからと思ってくれたようだ。
「あ、とうみゃ、あしょこあしょこ〜♪ くりぇーぷうってりゅよ〜♪ くりぇーぷたべにゃい?」
美琴が指差す方向にクレープ屋の屋台が。
どうやらキスの話題からは離れてくれたらしい。
「クレープか……まあ、なんか甘い物食べたい気分だし、いいんじゃないか?」
小腹も空いていたので、特に反対する理由はない。
素直にOKした。
「ほんと〜♪ じゃあいこう、はやきゅいこう〜♪ わたちもくりぇーぷたべたい〜♪」
早く行こうと上条の腕を取り、むぎゅっとしがみ付きながら急かす。
「(……待てよ。簡単にOKしちまったけど、こいつ店員の前とかで変なことしないだろうな?)」
今更ながら不安がよぎる。
今の状況、今までの行動から考えると充分有り得る。
しかし、もうOKしてしまったわけで今更退けなくなってしまった。
「はやきゅ、はやきゅ〜♪」と急かす美琴に引っ張られ、上条は一抹の不安を抱えながらクレープ屋の屋台へと向かった。

422『とあるお嬢の酔いどれ騒動』:2009/06/14(日) 16:18:29 ID:eLcbmRWg
「いらっしゃいませ〜♪」
クレープの屋台へやってきた二人を、若い女性店員が迎える。
二人は腕を組んだ状態で、「おい、あんまりくっ付くなよ……」「いいじゃん〜♪(ムギュッ〜♪)」といった感じで、いかにも『カップルでーす♪』という空気を醸し出しながらカウンターに立つ。
というかこの状況はどう見てもカップルだろう……。
上条さんは激しく否定するだろうが……。
女性店員はこういった光景に慣れていないのか、少々営業スマイルが崩れ苦笑いしているが、対応マニュアルに従ってきちんと応対する。
女性店員に「何になさいますか?」と尋ねられ、二人はざっとメニューに目を通すが、なんていうか無駄に種類が多い。
普通の甘い物系クレープだけでも種類が大量にあり、またそれプラス惣菜クレープも置いていたりしていた。
とりあえず甘い物系を食べようと思っていたので、惣菜系はスルーする。
しかしそれでも上条には「え、何これ? 何が入ってんの?」といった感じに、名前だけ見ても何が入ってるかわからないようなメニューが大量にあったりした。
「……えっと、美琴は何にするんだ?」
参考までに美琴は何にするのか聞いてみるが、
「むぅ……」
何かすっごく悩んでいた。
「え、にゃに?」
「いや、美琴は何にするのかって聞いたんだが……」
「んー、ちょっと、なやんでりゅの〜♪ にゃんとかふたちゅにまではしばりこめたんだけど……」
と言って悩んでいるという二つのメニューを教えてくれる。
一応、惣菜系ではなかった。
「えっと……だったら二つとも頼んだらどうだ?」
「え、でも……」
「いや、両方全部食うってわけじゃなくて、俺は何にするか決められないからさ、美琴が頼んだやつを半分ずつ食べようぜってこと」
と上条が提案する。
美琴としては願ってもない申し出だったので、表情がパッと明るくなるが、
「でも、とうみゃはしょれでいいにょ?」
上条は本当にそれでいいのかと心配になる。
自分のために無理をしてるのではないかと思ってしまう。
「ああ、別にかまわねえよ」
別に無理した様子もなく、上条はあっさりと承諾する。
無自覚に行ったこの行為が、好感度アップに繋がっているとも知らずに……。
「ありがとう、とうみゃ〜♪ だいちゅき〜♪」
美琴は満面の笑顔でお礼を言うと、組んでいた上条の腕を引き、

チュッ〜♪

上条の頬にキスをした。
「って、おい!?」
またこの状況で何をなさいますか、この酔っ払いは。
店員さんが目の前にいるんですけど……。
いや、この状況だからこそ頬にキスで済んだのか?
で、当の女性店員は二人のやり取りを見せ付けられて呆気に取られていた。
「うにゅ? くちびりゅのほうがよかった?」
「いや、そうじゃなくてですね……!」
無闇やたらとキスするのはやめてください、と言いたいのですが、店員さんも目の前にいるし、ここで言い合っても仕方がない(言っても聞いてくれないだろうから)ので、大人しくする事にした。

423『とあるお嬢の酔いどれ騒動』:2009/06/14(日) 16:18:59 ID:eLcbmRWg
「……とりあえず、それとそれお願いします……」
「あ……は、はぁ……少々お待ちください……」
注文を受けて女性店員が調理に移るのですが、なんていうか非常にやりにくそうです。
カウンター越しに二人の目の前でクレープを作るわけだが、上条さんと美琴の事が気になるようで、時折チラチラと二人に視線を向け、作業に集中できない様子。
まあ、目の前でいちゃつきまくってキスまでされては気にするなというのが無理だろう。
そんな感じで女性店員の手付きは少々おぼつかなかったが、それでもキチンとクレープ二つを作り上げた。
「……お待たせしました、こちら商品の方になります」
完成した二つのクレープを差し出すと、美琴が待ってましたと言わんばかりに嬉しそうな顔をしてそれを受け取る。
予想に反して結構デカイ。
結構なボリュームがありそうだ。
さすがにこれは二つは食えないか。
「っと、いくらですかね?」
代金を支払おうと財布を取り出した上条だったが、
「あ、とうみゃ、わたちがはりゃうよ」
美琴が自分が払うと言い出した。
しかし、
「いいよ。このくらい俺が出す」
と上条も引かなかった。
「でもしゃあ……」
「こういうのは男の方が払うもんだろう。だから気にするな。それに、お前今両手塞がってるだろうが」
「あ……」
美琴の両手には今渡された二つのクレープが握られているので、財布を取り出す事ができない。
「そんなわけで俺が払う。素直に奢られろ」
そう言って財布かお金を取り出すと、上条は代金を支払う。
で、上条は全く意識していないが、やっぱりこれも好感度アップに繋がるわけで……、
「ありがとう、とうみゃ〜♪ だいちゅき〜♪」
お釣りを待ってる上条の頬に「チュッ〜♪」と軽くお礼のキスをした。
「って、おい!?」
「いまはりょうてがふしゃがってりゅから、こりぇでがみゃんしてね〜♪ あとでもっといいことして、あ・げ・りゅ〜♪ ふふっ〜♪」
何やら意味深な事を言って離れる美琴さん。
いい事って、あなたは一体これ以上何をするつもりですか?
ある意味、後が相当怖いんですけど……。
で、また目の前の出来事に女性店員はお釣りを渡すために出していた手そのままの状態で固まっていた。
「あ……」
今更ながら、店員が呆気に取られている事に気付く。
今のやり取りもバッチリ見られていたわけで、そうなると今の美琴の意味深な発言もバッチリ聞かれていたという事に……。
「……えっと……」
「えっと……お釣り……です……」
硬直が解除された店員がお釣りを渡す。
こんな状況にもめげず、店員はしっかり対応していた。
態度はよそよそしいが……。
やっぱり相当変な目で見られてるのだろうなと上条は思った。
「あ……ど、どうも……」
お釣りを受け取ると、美琴が「はやくあっちでたべよう〜♪」と急かすので、すぐにそれに続いた。
一刻も早くこの場を立ち去りたいと思っていたので。
もう二度とここの屋台を利用する事はないだろうなと上条は思った。

424『とあるお嬢の酔いどれ騒動』:2009/06/14(日) 16:19:29 ID:eLcbmRWg
「んじゃ食うか。美琴、どっちかくれ」
「あ、うん〜♪」
クレープ購入後、足早にベンチまで戻り腰を下ろした二人は、早速クレープを食べようとするわけだが、
「……美琴?」
どういうわけか、美琴がクレープを渡してくれません。
美琴は交互に両手に持ったクレープを見てから、
「んとね、とうみゃはどっちがたべたい〜?」
と上条に尋ねてきた。
「へ? いや、まあどっちでもいいんだが……」
実際上条は買ったクレープがどんなものかよくわかっていなかった。
作っているところを見てはいたが、正直どんな味か想像できなかったりする。
そんなわけで本当にどちらでもよかった。
「美琴が先に食べたいの選んでいいぞ。俺は残った方を食べるから」
よくわからないので、美琴に選ばせる事にした。
元々美琴が選んだものなので、先に選ばせるのが筋だろう。
「しょう? じゃあ……」
と言って、再び美琴は両手に持ったクレープを交互に見比べると、
「まずとうみゃはこっちね〜♪」
美琴は右手に持ったクレープを上条にくれる事にしたらしい。
「それじゃあ、はい……」
美琴がクレープを差し出したので、それを受け取ろうと上条も手を差し出したのだが、何故か美琴は上条の出した手をスルーして、
「あーん〜♪」
と上条の口元にクレープを持ってくると、にこやかに満面の笑顔を浮かべて、そんな言葉を口走った。
「……はい?」
この状況に固まる上条さん。
もしかしなくても、これが意味する事はやはりアレでしょうか?
ものすごーく嫌な予感がしてきました。
何の反応もない上条に、美琴は不思議そうな顔をして、
「うにゅ? たべにゃいの、とうみゃ?」
と言った。
予感的中。
どうやら美琴さんは上条さんとカップルの定番『あーん〜♪』をやりたいらしい。
「……えっと…ですね……美琴さん……」
はっきり言って、絶対無理です。
そんな恥ずかしい事できません。
人前で散々キスやらかして(されて)おいて、何を今更と思うかもしれないが、無理なものは無理です。
当然、『無理!』と拒否したいところが、この酔っ払いはきっと何を言っても聞いてくれないだろう。
しかし、やってみる前から諦めては駄目だと一念発起し、言うだけ言ってみようと思ったのですが、
「あーん〜♪」
美琴さんはやる気満々、満面の笑顔で上条さんがかぶり付くのを今か今かと待ち構えていた。
そんな無垢な笑顔を向けられると、強く否定なんてできるはずもなく、
「あー……えっと…その……やらなきゃだめですかね?」
弱気に尋ねてしまった。
「だめ〜♪」
そんな上条の問いを美琴は満面の笑顔で却下しました。
「……マジ?」
「うん♪ まじ〜♪」
「……はぁー……」
逃げるという選択もあるにはあるのだが、もし逃げ出した場合、捕まった時に何をされるかわかったものではないし、それ以前に今の美琴から逃げきれる自信がない。
そんなわけで選択の余地はないようです。
結局上条さんは折れて腹をくくるのだった。

425『とあるお嬢の酔いどれ騒動』:2009/06/14(日) 16:19:59 ID:eLcbmRWg
「あーん〜♪」
改めて美琴が上条の口元にクレープを差し出す。
「うぅ……」
腹をくくったとはいえ、やはりまだ抵抗があります。
「(やるしかないのか……?)」
チラッと辺りの様子を窺う。
「(……誰も見ていないだろうな?)」
パッと見たところ、現在都合のいい事に人の気配はなし。
今なら目撃者ゼロです。
「(……よし!)」
やるなら今だと意を決し、
「あ、あーん……」
口元に差し出されたクレープにかぶり付いた。
「あむっ……!」
「おいちい〜?」
美琴は嬉しそうな笑顔で尋ねてくるが、味なんて全然わからないというのが正直な意見だった。
しかし、美琴が上条の感想を期待の眼差しを向けて待っているので、とりあえず適当に、
「……甘いな……」
とだけ口にした。
まあ、ある意味間違ってないだろう。
味がというより、この空気が。
美琴はその一言に満足したようで笑顔で喜んでいた。
「んじゃ、はい、とうみゃ〜♪」
『あーん〜♪』の一口目を終えた上条に、美琴はもう一方の手に握られていたクレープを差し出す。
早速次ですか?と思ったが、今度は上条の口元に持ってこなかった。
意外にも、クレープを手渡そうとしていたのだ。
「うにゅ? どうちたの、とうみゃ?」
「え? あ、いや…えっと……」
言われて上条は戸惑いながらクレープを受け取る。
また『あーん〜♪』をやらされると思っていたので、少々どころかかなり予想外の展開だった。
「(……どういう事だ?)」
『あーん〜♪』はこれでもう終わりという事なのだろうか?
もっとやらされると思っていた上条さんとしては肩透かしを食らった気分だったが、これで終わりというなら肩の荷が下りるというものだった。
ホッとした上条は手渡されたクレープを食べようとしたのだが、
「あー、まだそっちたべちゃだめだよ〜、とうみゃ〜」
美琴さんに止められてしまいました。
「あ?」
「そっちはまずわたちがたべるんだきゃら〜♪」
と言うと美琴は口をあーんと開ける。
「……はい?」
間抜け面丸出しでキョトンする上条さん。
上条の反応に美琴は、「ん? どうちたの、とうみゃ?」という不思議そうな顔をしている。
「(えっと……これはもしかしなくても、そういうことなんでしょうか……?)」
嫌な予感がプンプンします。
この状況が意味するものは、やはり食べさせろという事でしょうか?
「あーん〜♪」
可愛く口をあーんと開けて美琴は待っている。
やはりこれはもしかしなくても、美琴さんは上条さんに食べさせて欲しいという事のようです……。
「(ええーっ!? マジですか!? 今度は上条さんがやるんですか!?)」
上条当麻の不幸(?)はまだまだ終わらないようだ……。

426『とあるお嬢の酔いどれ騒動』:2009/06/14(日) 16:20:28 ID:eLcbmRWg
「あーん〜♪」
美琴はあーんと口を開けて、餌を待つ雛鳥のように上条がクレープを口元に持ってきてくれるのを待っている。
「(……やるしかないんだろうな……)」
正直なところ拒否したいのですが、きっと今度も前回のように言っても聞いてくれないだろうと思い、諦め気味の上条さん。
しかし、何だかんだであきらめの悪い上条さんは、駄目元で言うだけ言ってみようと思った。
もしかしたらの可能性があるかもしれないので……。
「えっと……やらなきゃ……」
「だ・め♪」
間髪入れず上条が言い終わる前に、笑顔で即行却下されました。
「はやきゅはやきゅ♪」
「はぁー……」
やはりやるしかないようです。
「(まあ、食べさせられるよりはマシか……? どっちかっていうと、あっちの方が恥ずかしいと思うしな……)」
どっちも変わらんと思うが、そう思い込むことによって少しでも気を楽にしたかった。
大きく溜め息を一つ吐くと、とりあえず先程と同じように辺りの様子を窺う。
「(……まだ誰もいないな?)」
パッと辺りを見渡した限り、今もまだ周りに人の気配はない。
今なら目撃者ゼロなので、やるなら今の内だ。
下手に時間をかけて人が来たら面倒である。
「(……よし! 今の内にとっととやって終わらせよう! その方がいい!)」
腹を決めた上条はさっさと行動に移る。
「美琴」
「うにゅ?」
「その……いくぞ……あ、あーん……」
多少躊躇いがちながらも、美琴にクレープを差し出した。
「あーん♪」
待ってましたと美琴が口を可愛らしく開く。
ゆっくりながらも、両者の距離は少しずつ縮まり、
「あーん……」
「あーん……あむっ〜♪」
射程範囲内に入ったクレープに美琴はかぶり付いた。
「(うぅ……ほんとにやちまった……)」
腹をくくったとはいえ、恥ずかしいものはやっぱり恥ずかしい。
そんな苦悩中の上条さんを余所に、美琴はクレープを堪能中。
モキュモキュと口を動かした後、
「おいちいね〜♪」
と嬉しそうに満面の笑顔で感想を述べた。
「そうか……よかったな……」
「んじゃ、こんどはとうみゃのばんだね〜♪」
一口目を食べ終えた美琴は、早速次を上条の口元に差し出す。
やはりまだやる気らしい。
「あーん〜♪」
「(……やっぱりまたやるんですね……)」
一度やった事とはいえ、やはり恥ずかしい。
こういうものは、一度やったからといって慣れるものではない。
とはいえ、やらないわけにはいかないだろう。
結局その後も、上条が食べたら美琴が、美琴が食べたら上条がを繰り返すことになるのだった。

427『とあるお嬢の酔いどれ騒動』:2009/06/14(日) 16:20:56 ID:eLcbmRWg
が、この事態はこんなもの程度では終わらなかった。
上条当麻の不幸(?)、いや、酔いどれ美琴を甘く見てはいけない。
「あ、とうみゃ」
「ん?」
「くりーむちゅいてるよ」
「ん、どの辺だ?」
言われた上条は空いている方の手で拭おうとするが、「あー、ちがうそこじゃないよ〜」
実際付いている所とは、全然違うところを拭っていた。
「……ここか?」
「そこでもないよ〜」
「……どこだ?」
「もー、しょうがにゃいな〜……」
そんなわけで、
「じゃあ、わたちがとってあげりゅね〜♪」
というお約束の展開になる。
「へっ?」
美琴の言葉に上条は嫌な予感がしまくった。
上条の嫌な予感というものは、不幸な事に当たってしまうわけで、『待て!』と止めようとしたのだが、もうすでに遅かった。
上条の返答を待たずに動いた美琴は、顔を間近に接近させると、

ぺロッ〜♪

とチロっと出した舌で上条の口元に付いていたクリームを舐め取った。
「……えろっ……ちゅっ……はい、とれたよ〜、とうみゃ〜♪」
「なっ!?」
美琴が『わたちがとってあげりゅね〜♪』と言った辺りから、何かしでかすなとは思っていたが、まさか舌で舐め取るとは思わなかった。
まさかの出来事に驚いた上条は、手にしていたクレープをグチャっと握り潰してしまう。
「わっ!」
「あーあー……」
クレープを握り潰した事により、上条の手はクリーム塗れでベトベトになる。
「あー、どうするか……」
とりあえず今は美琴の奇行については後回しだ。
クリーム塗れの手の件が先である。
ベトベトになった手を眺めながら、どうにかしなければならないなと思い、『なんか拭くものあったけ?』とか『これ舐めちまうか?』などと考えていると、
「とうみゃ、かして〜♪」
美琴がクリーム塗れの上条の手を取り、
「わたちがきれいにしてあげりゅね〜♪」
「……は?」

ぺロッ〜♪

とクリーム塗れ上条の手を舌で舐め始めた。
「ちょ!?」
思いもよらぬまさかの行動に固まる。
さすがにここまでやるとは思わなかった上条の驚きは先程の比ではなかった。

428『とあるお嬢の酔いどれ騒動』:2009/06/14(日) 16:21:23 ID:eLcbmRWg
「(ちょっと待てー! こいつ何しやがりましたか!?)」
なんて事を上条さんが心の中で叫びつつ大混乱真っ最中な間も、美琴さんはクリーム塗れの上条さんの手を丹念に舐めています。
「えろっ……ん…ちゅっ……んん……あむっ……」
指を一本一本丁寧に舌を這わせて舐め回していき、そして口に咥え込むと『ちゅうちゅう〜♪』と吸う。
「ちょ、待て、美琴……!」
大混乱真っ最中の上条だったが、美琴の舌使いの感触と音、そして何より口に咥えられて吸われるという衝撃的なの行動により我を取り戻す。
一心不乱に指を吸っていた美琴の口から指を引き抜く。
「……あっ」
なんとか指を美琴の口から解放させる事はできたが、まだ手はガッチリと掴まれたままで放してくれない。
「もー、うごいちゃだめだよ、とうみゃ。まだきれいになってないんだから〜」
「いやいやいやいや、もう結構です! っていうかやめてください!」
「だ〜め♪」
上条の訴えを美琴は笑顔で却下する。
そして再び舐めるのを再開しようとするが、上条がもがいて舐める事が出来ない。
「もー、じっとしててよ〜、とうみゃ」
「嫌です!」
何としてもやめさせたい上条さんは必死に阻止&手を放させようとするが、美琴もなかなか強情で諦めない&放してくれない。
まあ、諦めるという事は今までのパターンから絶対にないだろう。
やると言ったら絶対にやる奴だ。
しかし、こればかりは絶対にやめさせたい上条さんも徹底抗戦の状態だ。
まあ傍から見ると、バカップルのじゃれ合いにしか見えないが……。
「は〜な〜せ……!」
「い〜や〜だ〜♪」
「(くそー……本当にどうにかしないとな……)」
キスを阻止しようとしていた時もこんな感じだったので、このままだと今までのように押し切られそうだという危機感が募る。
しかし、今回は意外な展開が待っていた。
「本当に……いいかげんに……しろー!!!」
「ああー……!」
なんと奇跡的にも上条が力技で美琴の強固な拘束を打ち破り、自らの手を解放させたのだ。
「やったー!」
まさかの勝利の喜ぶ上条。
しかし喜びも束の間、力づくで引き剥がしたため勢い余った身体はひっくり返りそうになる。
「うぉっ!? とっ、とっ、ととと……」
なんとかバランスを保ち転倒せずには済んだ。
が、

バチバチィィン!!!

「んが!?」
そちらに気を取られている隙に、美琴がそっと上条の身体に触れて零距離で電撃を身体に流されてしまう。
「み…みこ……と? な、なにを……?」
「ふっふっふ……これでしばりゃくはうごけないよね〜♪」
「お、おま…え……!」
「……とうみゃがおとなしくしてくりぇないのがわりゅいんだからね〜♪」
そう言って美琴は動けない上条の手を取ると、
「あむっ♪」
と上条の指を咥え、ペロペロと舐め始めた。

429『とあるお嬢の酔いどれ騒動』:2009/06/14(日) 16:21:48 ID:eLcbmRWg
「んっ……ちゅむっ……んむっ……」
「ちょ……やめ……」
やめさせようとするが、美琴は耳を貸さないし、電撃を食らった影響で身体は動かない。
今まで散々やらせてくれなかった鬱憤を晴らすかの如く、妙にうまい舌使いで咥えた上条の指を丹念に舐め、ちゅうちゅうと吸う。
その姿が妙にエロかった。
「あぅっ!」
あまりの感触に思わず声が出てしまう。
先程も舐められたが、あの時はこんな事はなかった。
しかし今度のは先程までとは明らかに違う。
舐められてる指に何かが流れているかのような気分、ゾクゾクと電流が流れるような快感が上条の身体を襲う。
「(……なんだよ、これ……? うぅっ……)」
やめさせなければと思っても、身体が動いてくれない。
いや、たとえ電撃を食らっていなかったとしても、身体は言う事を聞いてくれただろうか?
今感じた快感は、そんな魔力を秘めていた。
動く事ができない上条は美琴にされるがままで、このままでは快感に身を委ねてしまいそうだった。
そんな上条の状況に気付いたのか、美琴は黙って黙々と上条の指を舐め続け、ジワジワと快感を与える。
ゆっくり、ゆっくりと丹念に舐め回し、そしてちゅぱちゅぱと音を立てながら、妙にエロくしゃぶる。
上条もなんとか抗おうとするが、快感が少しずつ上条の身体に浸食していく。
「えろっ……ん…ちゅっ……んん……」
「んんっ……み、みこ…と……!」
「んっ……ちゅむっ……んむっ……ねぇ……えろっ……とうみゃ〜……ん……」
「んぁ……?」
「もっとしてほちい?」
ちゅぽっと咥えていた指をしゃぶるのをやめると、美琴は妖艶な微笑みを浮かべながらそんな事を口にした。
「な、何を言って……」
「してほしくにゃいの?」
そう言うと、『ぺロ〜♪』っと再び上条の指に軽く舌を這わせる。
「うぅっ……!」
痺れるような快感が再び上条の身体を襲う。
快感に身を委ねそうになっていた上条はすぐには答えられなかった。
クリームを舐め取るという行為だったはずだが、どうにも趣旨が変わってきている。
「ねぇ、とうみゃ、どうしてほちい?」
再び美琴が妖艶に微笑みながら囁きかけるように問いかける。

430『とあるお嬢の酔いどれ騒動』:2009/06/14(日) 16:22:16 ID:eLcbmRWg
「……」
上条が何か言おうとしたその時、

ガブッツ!!!

「んぎゃあぁぁぁぁぁぁっ!!!」
突然脳天から走った激痛に絶叫した。
「何してるのかな、とうま!!!」
「い、インデックスー!?」
激痛をもたらしたモノの正体は、彼の部屋の居候、銀髪純白シスターだった。
「ひどいよ、とうま! 私に黙って短髪なんかと何か食べてたでしょ! 何か甘い匂いがプンプンするんだよー!!!」
今の発言からすると、どうやら今し方行われていた妙にエロいやり取りには気付いていないらしい。
単純に自分に黙って何か食ってた事に怒っているようだ。
「お、落ち着け、インデックス……!」
頭に噛み付いている銀髪純白シスターを説得しようとしていると、

「この類人猿がァァあああああああ!!!」

と今度は空間移動で急速接近した白井黒子が、上条さんの胸板にドロップキックを叩き込んだ。
「へぶっ!?」
直撃を食らった上条の身体は、轟音とともに激しく後方へ十メートルくらい吹っ飛ばされた後ゴロゴロと転がり、地面に突っ伏した。
ちなみの頭に噛り付いていたインデックスは、上条が吹っ飛んだ際に頭から離れてしまって、その場に座り込んでいた。
インデックスも突然の出来事に今の状況が分かっていないようで、キョトンとしている。
「おおおおお姉様ー!!! ごごごごご無事ですかー!?」
吹っ飛んで行った上条の事などそっち除けで、愛しのお姉様の安否を気遣う黒子。
「偶然にもお姉様の姿を見かけたと思いましたら、何やらあの殿方との間に不穏な気配を感じましたので……」
「ちょっと、突然何するんだよー! 危ないじゃないのさー!」
そんな黒子の台詞に割り込むインデックス。
突然の乱入に相当ご立腹のようだ。
って、お前も人の事を言える立場か?
「ああん!? ちょっと黙っててくださいます、このチビガキ! 私は今お姉様と大事な話をしてますのよー!」
「ち、チビガキって、あなたにだけは言われたくはないかも!」
「ぬわんですって!?」
「なによー!」
何やら二人の口喧嘩がヒートアップしてきたが、突然、

ッパァァン!!!

という音が鳴り響くと同時に、黒子の身体がインデックスに向かって飛んできた。
「……えっ?」
突然の事にインデックスは避ける事もできず、二人は絡まるように地面に突っ伏す。
「な、なんだよ、いきなり……」
「つっっ……な、何事ですの……?」
地面に突っ伏していた二人顔を上げ辺りを見回すと、美琴が吹っ飛ばされた上条のもとに駆け寄ろうとしていた。
「ああ、お姉さ……」
黒子が声をかけようとしたその時、

ッパァァン!!!

と電撃の槍が黒子の顔面スレスレ真横を通り過ぎ、数メートル後方の地面に着弾した。
「……え?」
一瞬何が起こったのかわからなかった。
「ちょっと、黙っててくれる……」
相当ご立腹の美琴さんが不機嫌そうに静かに言い放った。

431HAO:2009/06/14(日) 16:23:02 ID:eLcbmRWg
前回の予告っぽい発言通り、インデックス&黒子登場。
危険な道を選んでしまった……。
とはいえ、そこまで書くのに随分かかり、相当な量になったな……。
で、今回は色々と「大丈夫か?」と心配だったり……。

次回の投下は『いちゃいちゃ看病編』の続きかな。
なんとか今月中に投下できればなと思ってみたり……。
『酔いどれ騒動』の続きは今月中は無理か?
とりあえず次回の『酔いどれ騒動』は、お怒りモードの美琴さんによる蹂躙が始まる、と思う……。

432■■■■:2009/06/14(日) 16:47:37 ID:dh35HB..
>>431
GJ。久しぶりに酔いどれ騒動来ましたね。看病編も待ってます。

433■■■■:2009/06/14(日) 17:50:52 ID:R.oW8/tk
GJです。これは正気に戻ったのかな?

434■■■■:2009/06/14(日) 18:16:22 ID:rgf/OfAM
HAOさんGJです!
両作品、楽しみにしてます。

435ライク:2009/06/14(日) 22:13:27 ID:/1yXq4Ls
とある魔科学の幻想創造の第二章投下します。
ちなみにこのシリーズの年月はバラバラなので一章よりも前、一巻よりも二年ぐらい前かな?
「憮然。アウレオルスの口調が分からぬ」
おかげで何かキャラに違和感が・・。
いやそんなの関係なしに全然キャラ違うというのはスルーしてください。では始めます。

436ライク:2009/06/14(日) 22:14:07 ID:/1yXq4Ls
第二章 十一月のとある日 錬金術師との親交Ⅰ


バチカンの大聖堂
そこは世界最高峰の霊地にある世界最大の聖域ともいえる。その地下深くにその部屋はある。
部屋の前には13〜14歳ぐらいの東洋人…日本人らしき少年が立っている。少年は部屋には入ろうとせず作業が終わるのを待っていた。前にこの部屋が開いたのは三日前のこと。そろそろ終わるはずだ。

「憮然。ホテルで待っていろと言ったはずだが?」

三日ぶりに部屋から出きたのは15歳ぐらいのこれまた少年だった。
緑色に髪を染めオールバックにしブランド物の衣服で身を固めている。しかし良くみれば髪は所々はねており着ていた衣服もシワができていた。如何にも今まで徹夜してましたと言っているようなものだ。名をアウレオルス=イザート。ローマ正教に属する錬金術師だ。

「アウレオルス。君さ仕事熱心なのはいいけど。たまには休むことを覚えれば?」
「愚問。未だ我が目的も果たせぬというのに休むなど考えられぬ」

やれやれと日本人の少年が苦笑する。持っていたカバンから何かを取り出した。

「とりあえず英国行きのチケットと宿泊先の手配。そして清教側との密談場所の確保。その他もろもろ君に言われたモノは揃えといた」
「当然。わざわざその為に貴様を呼んだのだ。しかし礼を言おう。清教側に知り合いなどそうそういるものではない」

正、清、成。
ローマ正教は、「世界の管理と運営」
イギリス清教は「魔女狩りや異端狩り」
ロシア成教は「オカルトの検閲と削除」
と十字教の三大宗派はそれぞれ異なる方向へと進化し個性化していった。その為互いに相容れずにいた。

そしてそれこそがアウレオルスが決断した理由でもある。

魔女の脅威から罪なき人々を助ける。その為に教会に属しながらもアウレオルスは魔道書を書き続けた。それは確かに人々を助けた。しかしローマ正教は自分ら正教徒にしか助けなかったのだ。
 アウレオルスは清教と接触することにした。多くの人を助けるために。
 そして仲介役にこの少年を選んだ。特定の組織に属さずに聖人というチカラを武器にあらゆる組織との繋がりをもつこの少年に。

437ライク:2009/06/14(日) 22:16:03 ID:/1yXq4Ls
第二章 十一月のとある日 錬金術師との親交Ⅱ

「まぁ君には黄金錬成(アルス=マグナ)について色々教えてもらったし…でもいいのか本当に?」

 他組織との無断で接触することは裏切りにとらえられない。(一応この接触は非公式での会談という形であり事前に許可をとっている。まぁ、世間話程度なら問題はないのだが)

「当然。貴様にも叶えたいモノがあるように私にも叶えたい願がある」

一年ほど前にアウレオルスが初めてこの少年に会った時に少年は言っていた。友を救いたいと。
それ以来親交が続いている。

「魔女、魔術師、幽霊や悪魔に、狼男、吸血鬼。いまだこれらを退ける手段は乏しく人々は苦しんでいる。それを救いだすのが我が命題だ」
「狼男に吸血鬼ねぇ…」
「無論例えだ。カインの末裔など在ろうはずない。だが仮に存在していても私はすべての人々を救う。ただそれだけだ」

危うい。
 少年は何時も思う。この錬金術師は気づいていない。その命題の矛盾に。悪がなければ正義などない。全ての人を救うというならば悪すら救わなくてはならない事。そして悪など他人からの評価でしかない事に。

「どうかしたのか?」
「いや何でも…。そういえば学園都市には『吸血殺し(ディーブブラット)』という能力者がいるらしい」
「『吸血殺し(ディーブブラット)』?」
「そう。問答無用でカインの末裔を誘いだし自身を咬ませ灰に戻すチカラさ」
「否定。ありえないな。そもそも科学主義の連中が吸血鬼の存在を肯定するわけがない」
「別にどっちでもいいんだよ。あいつ等にはただ珍しいチカラだから研究しようってだけなんだから」
「正に都市伝説だな」

付き合いきれないとアウレオルスは歩き出す。時間は無限ではないのだ。これから英国に向かう。

「ああそうだ忘れてた。はい」
少年はカードを投げアウレオルスは受けとった。
「何だこれは?」

カードには『Index-Librorum-Prohibitorum』としか書かれていない。

「禁書目録?」
「そう入館(面会)許可状だよ」

聞いたことがある。英国の叡智の結晶。10万3000冊の魔道書を記憶する生きる魔道図書館だと。

「特別に許可を取った。役にたつだろ?」
「自然。楽しみが増えた」
「じゃな。俺はお土産を買って帰るよ」

少年は歩きだす。少年は予測もつかなかった。この事で錬金術師が道を踏み外す要因になるのを。そして救いたい友がそれに巻き込まれることを…。



Next 第三章 十一月のとある日 右方と原石の聖人

438ライク:2009/06/14(日) 22:27:33 ID:/1yXq4Ls
以上第二章です。うーんやっぱり何か変な気が・・。お次は浜面、滝壺の同棲生活を!
と考えてましたがルッシーさんとネタかぶりが!なのでそれは後回しにします。
ではご感想ご意見お待ちしてます。

アレ?・・・主人公の名前がまだ出てきてない。

439■■■■:2009/06/15(月) 02:19:54 ID:GGKK3bvA
>>431 GJ! 最高です。
今回の大ボリュームびっくりしました。
次回も楽しみに待ってます!!

440ユミシロ:2009/06/16(火) 23:40:23 ID:Xc4hkxDg
『向き<ベクトル>が変えられない』(元ネタ・エアーマンが倒せない)

気がついたら アホ毛幼女が傍にいた

それを見て大人二人が笑ってた

諦めずに 一人で過ごそうと眠りについても

すぐに起こされていた

今は反射も何も使えねェ 杖なしじゃまともに歩けねェけど

あいつの前では あいつの前では 俺は最強ォなンだよ

三下ァ クソ野郎達 木ィィィ原くゥゥゥゥゥゥゥゥン!!

演算補助が切れちまおうと 俺はまだ倒れらねェ

黒い翼を得たとしても あいつを死なせちゃ意味が無ェ

今はあいつの傍を歩けない 俺は闇の中で悪党として生きている


「不幸(ハードラック)が倒せない」なのをイメージして一番だけ。
まだちょっと微妙かもです
知らない人は「ニコニコ」で「上条当麻が倒せない(レベル2)」とか
「不幸(ハードラック)が倒せないを歌ってみた」とか聞いてみると分かるかも。

441ユミシロ:2009/06/17(水) 01:32:50 ID:XTah5z46
>ところで女性キャラが上条に何か頼み事→上条「チューしてくれたらいいよ」
>とか言い出したらどんな反応するんだろうか?
というのを見かけて某スレ内で見かけて落とした小ネタのフルVer。
こっちのノリで作ったので、原作の話の中(現段階)ではないからズレてたなーと
落としてから気づいたんですが、せっかくなので投下しておきます……
では――その幻想を形にする(Imago689)


「私はお遊びでキスなんてしなわよ」
「単にしたことないから、できねえだけじゃないのか?」
「で、できるわよ……!その気になれば、そ、それぐらい――」
「大人ぶらなくてもいいんですよー。みぃーさかーさーん」
「だからできるって言ってんでしょう!?」
「よし。それじゃあ、上条さんとキスできるなら恋人ごっこでも買い物でも、
 なんだって言うこと聞いてあげますよー」
「――ほ、本当?」
「上条さんに二言はありませんよ」
「い、言ったわね……」
「常盤台のお嬢様の御坂さんにキスなんて――」
「……ん」
 こっ。
「――?」
「ご、ごめん。歯が当たっちゃったわね。も、もう一回――」
「――!?」
「ど、どう……?」


続きは――多分ないです。

442■■■■:2009/06/19(金) 20:45:28 ID:NQPyUgAM
過疎り杉じゃね?

443■■■■:2009/06/19(金) 21:35:25 ID:A1EIoUs6
なーんか過疎ってるねぇ・・・
ユミシロさんGJです

444ユミシロ:2009/06/20(土) 06:35:32 ID:hvB2pesM
過疎ってるみたいですけど投下しますね。
いろいろ予想されてる美琴の日記的なものをちょっと。

『御坂美琴の記憶日記』

445■■■■:2009/06/20(土) 06:36:41 ID:hvB2pesM

六月×日
このご時世に、チンピラに絡まれている女の子を助けようとする奴に出会った。
でも、私のことを「ガキだろガキ」と言うので……ムカついたからチンピラ共々焼いてやった。
そしたら――そいつだけ無傷だった。
しかも自称、無能力者<レベル0>。
今回は逃げられたけど――次に会ったときは死なない程度に電撃の槍を喰らわせてやる。


七月十七日(その一)
風紀委員<ジャッジメント>と間違われ、捜索活動を爆弾探しと勘違いして、
炎天下の中――子供が失くしたバックを探し回った。
コンチクショウ。
でも、無駄ではなかったと思う。間違ってはいなかったと思う。
あの子にお礼を言われて、悪い気はしなかった。
ああいう笑顔が見れるのは悪いことではない。
そういえば、お母さんどうしてるかな?


追記。
私は決してノーパンではない。
普通の(可愛い)パンツも持ってる。
あと。オボエテヤガレ、アノオンナ。

446ユミシロ:2009/06/20(土) 06:40:34 ID:hvB2pesM
投下終了。

続き(虚空爆破事件まで)も本日中に投下予定(ちょっと修正中)。

447ユミシロ:2009/06/20(土) 16:30:53 ID:hvB2pesM
『御坂美琴の記憶日記』
の続きを投下します。

448ユミシロ:2009/06/20(土) 16:31:30 ID:hvB2pesM

七月十七日(その二)
河原であいつと決闘をした。
負けたわけじゃないけど、結局勝てなかった。
むかつく。
でも、あいつは勝てたのに――超能力者<レベル5>に勝てたのに、拳を一度も振るわなかった。
あいつの能力が何なのか、今だよく分からない。

他者の能力を無効化する――他人の自分だけの現実<パーソナルリアリティ>を否定するなんて
どんな自分だけの現実<パーソナルリアリティ>を持ってんのよ?
対能力者用に特化した特殊なタイプなのかしら。
もしかして、昔能力絡みのことで酷い目に遭って……能力の存在を否定する意思が強いとか?

この学園都市において今では超能力が当たり前の力だからこそ、その対になるように誕生した――
なんて可能性も無くはない……かな?

ただし、それだと……能力を無効化する――打ち消す力も能力だから、矛盾してることになる。
それ故に制御が不安定で、右手を中心にしか能力が発現していない……?
だから無能力者<レベル0>という扱いになっているなら、まあ納得できる。
納得できるが、その場合――暴走した際どんな現象が起こるのだろう?
右手を中心点として、超能力者<レベル5>の力を打ち消せる能力が暴走・展開したら――

その周囲の空間……世界では超能力という存在が消されてしまうのだろうか?
使えなくなる程度なら良い。
二度と使えなくなるなら、それは――

――とにかく。あいつはどういうわけか、この学園都市において最底辺とも言える
無能力者<レベル0>という不名誉な扱いを受けている。
私を倒せば――無能力者<レベル0>なんて烙印の一つぐらい消せるはずなのに。
勝ちなさいよ、あの馬鹿……


追記。
ネムイ。
アンニャロウー、いつか必ず――――

449ユミシロ:2009/06/20(土) 16:32:21 ID:hvB2pesM

七月十八日(その一)
初春さんと、その同級生の佐天さんとショッピング。
そして“あいつ”と“事件”に遭遇。
……あのパジャマ、あいつに見られた?
似合わなくはないはずだ。似合い過ぎるのも問題だが。
いや、似合う似合わない以前に――何で気になるんだろう?


七月十八日(その二)
虚空爆破<グラビトン>事件に巻き込まれた。
そして、“あいつ”の力で爆弾魔の手から守られた。
あいつは大能力者<レベル4>クラスの爆風を右手一つで防いで見せた。
当然だ。そうでなければ私の立場が無い。
でも、あいつは地位とか名誉みたいなものを欲しがらない。
あいつは『誰が助けたかなんてどうでもいいことだろう』と言った。
ムカツク。あいつは馬鹿だ。
ムカつく。絶対馬鹿だ。
むかつく――でも、本心なんだと思う。
大馬鹿だけど――たぶん、とっても強い。
『名乗り出ればヒーローになれる』と私は言ったけど、
あいつはもうとっくに正義の味方――ヒーローになってるんじゃないだろうか?
無自覚なんだろうけど。そこがちょっと……何だろう?……分からない。


追記。
パジャマ……。黒焦げよね……。

あと、あいつに貸しが一つ出来た。
……ど、どうしよう?

450ユミシロ:2009/06/20(土) 16:36:04 ID:hvB2pesM
投下終了。
一巻の十六日以降虚空爆破事件までそれっぽくやや長めにやってみました。


没案
あいつは無能力者<レベル0>。
右手にしか発現しない能力が一つ。
でも、あいつなら本物の大能力者<レベル4>相手でも挑むかもしれない。
もしかしたら……超能力者<レベル5>でも喧嘩を売るかもしれない。
そんなこと、一生に一度くらいであって欲しいけど(何で私が心配?)。

私も同じだ。
低能力者<レベル1>のままだったとしても、
超能力者<レベル5>の力を失ってしまうとしても――
あの爆弾魔みたいな奴を前に立ち塞がってやる。
――私はそう在りたい。そう強く思った。
認めたくないけど、認めよう。
あいつも私と同じ気持ちがある。

451■■■■:2009/06/20(土) 20:37:38 ID:0VAZYwhA
GJです。
いいなぁ、まともな想像が出来る人は。
俺なんか「アレイスター司会の禁書メンバーによる笑点」とかいうよく分からんネタしか思い浮かばない。

452■■■■:2009/06/20(土) 21:10:50 ID:U7ctjJjo
>>451
ここ数日で一番期待が膨らむタイトルだw
さぁ遠慮なく投下どうぞ!

453■■■■:2009/06/20(土) 23:23:52 ID:0VAZYwhA
>>452
素人には茨の道と思われる。
禁じ手だけど、禁書板の他のスレのネタを無断で拝借するとかしないとワンパターンになるのは必至。
上条さんの芸名(っていうのか?)は幻想亭不幸楽で脳内決定されたが。

454■■■■:2009/06/20(土) 23:51:45 ID:hvB2pesM
>あと、あいつに貸しが一つ出来た。
これ、『借り』の方が正しいですか?

455■■■■:2009/06/21(日) 00:58:55 ID:5c8ZaC3M
ユミシロさんGJ!
いつも楽しみにしてます

関係ないんだけどさ、アックアの魔法名ってどう読むの?
例えば神崎なら(サルヴァーレ)でしょ?アックアは?

456■■■■:2009/06/21(日) 01:38:38 ID:HGx9QixU
「When You Wish Upon a Star(星に願いを)」の後日談を少々書いてみました。
とりあえず2レス分投下します。
注)この話に出てくる姫神秋沙は『吸血殺し(ディープブラッド)』を持たず、本編より
積極的だったりします。人物設定に違和感があるかと思いますがご容赦下さい。

457■■■■:2009/06/21(日) 01:39:16 ID:HGx9QixU
(1.)
上条当麻の日常を打ち壊したのは昼休みに姫神秋沙から掛けられた一言だった。

「上条君。これ食べてみて」
「え?姫神。どうしたんだ、この弁当?」
「味見して感想を教えてくれると嬉しい」
「ホントに?それじゃ、いただきまーす」

エビの天ぷらをほおばろうとした上条だったが、右手首をホールドした青髪と
チョークスリーパーを極めた土御門に動きを止められてしまった。

「カミやん。一人だけ姫やんの愛妻弁当にありつこうなんて酷いんとちがう?」
「そうそう。
 モテない俺達の前でイチャつこうなんて人の道を外れた所業とは思わないのかにゃー?
 それともカミやんは俺達の心の傷に塩を擦り込んで嬉しいのかな?」
「ホンマ。僕らを友達と思っているならお弁当の独り占めなんてありえへんよ」

「ゲホッ、テメーら俺を殺す気か?これは姫神が俺に味見してくれって言ったんだぞ」
「いいよ」
「「「え?」」」
「土御門君も青髪君も食べて感想を聞かせてくれると嬉しい」

「じゃあ、このエビ天は僕が頂きーっ。パクッ」
「こら!それは俺が今食べようとした……」
「カミやん、スキあり!」
「返せ!土御門、そのかき揚げはエビ天の次に食べようと……」
「カミやん。食事中によそ見するなんて行儀悪いなぁ。
 あっ、このサツマイモもごっつぅ美味しいわぁ」
「こら!」
「そうそう。行儀が悪いと女の子に嫌われるぜよ。
 おっと、このイカ天は頂きなんだにゃー」
「テメーら!俺の分が無くなるじゃねえか」

最後に残ったタマネギの天ぷらを巡る3匹の野獣の最終決戦(アルマゲドン)勃発を
防いだのは吹寄制理の鉄拳制裁であった。

「止めんか!この三バカども!」
「痛てっ!吹寄、何しやがる」
「貴様ら!秋沙にお弁当の感想を頼まれたのだろう?
 なら、じゃれ合ってないでさっさと感想を言いなさい」

「アー。姫やん、エビのプリプリ感は最高やったわぁ」
「それに、かき揚げのサクサク感もたまらんかったぜよ」
「このタマネギの甘みも申し分ないし。
 姫神、また料理の腕を上げたんじゃないのか?」

上条達の絶賛の声とは裏腹に姫神秋沙は暗い表情して考え込んでしまった。

「上条君。今日のお弁当変じゃなかった?」
「いや、前に食べさせてもらった天ぷら以上の出来だったぞ。
 しかしこんな手間掛けて弁当を作るんだったら姫神は一体いつ起きてるんだ?」
「…………」

「どうした?姫神」
「実は。今日寝坊した」
「へー。寝坊してもこんな弁当が作れるんだ。すごいな」
「だから今日のお弁当は私のじゃない」
「じゃあ、だれが?」
「わからない。寝坊して起きたときにはテーブルの上に何故かこの弁当があった」
「へっ?……っということはさっきのは味見じゃなくて……」

「そう、毒味よ!」
「吹寄、テメーの入れ知恵か!」
「良かったわね、秋沙。どうやらこのお弁当は秋沙への嫌がらせじゃ無かったようね」
「こらっ、吹寄!その前に実験台にされた俺達に何か言うことはないのか?」
「文句ある?
 さっきあんた達、美味しい美味しいって食べてたわよね。
 それなのに私に文句があると言う訳?」
「うっ、……ありません」

「最近私の周りで変なことが起こるの」
「え?何だって?」
「今日のお弁当もだけど。
 一昨日も寝ている間にハンカチにアイロンが掛けられてあった」
「だから私も最初は秋沙をストーカーする変質者がいるのかと思ったんだけど」
「子供達の蹴ったボールが私に飛んできた時も、当たる寸前何かに弾かれたり……」
「なんだか守護天使みたいだけど、正体が分からないと秋沙だって不安でしょ。
 だから今日のお弁当はあなた達に協力してもらったわけ」

「おい、土御門」
「おうよ。カミやん」
「ちょっとトイレに付き合え」
「了解ぜよ」

守護天使の正体に心当たりのある二人は不審の目を向ける三人を無視して教室を出て行った。

「土御門、『癒之御使(エンゼルフェザー)』ってやつは家事もできるのか?
 それともお前、まだ俺に何か隠してるんじゃねえのか?」
「俺も知らねえぜよ」
「それに姫神は自分の能力をまだ自覚していないのか?」
「最初の時は姫神自身が気を失っていたから、まだ自覚してないかもな」

「それじゃ、守護天使の正体が『超機動少女カナミン』だってことも……」
「知らないだろうな」
「知ったらショックを受けるかな?」
「……多分」
「どうしよう」
「まあ、これはカミやんの問題だからな。俺っちは知らぬ存ぜぬで押し通すぜよ」
「こら!土御門。逃げるんじゃねえ!」

458■■■■:2009/06/21(日) 01:39:47 ID:HGx9QixU
(2.)
土御門に逃げられ、一人で帰ってきた上条を心配顔の姫神秋沙が迎えた。

「上条君、大丈夫?私のせいで……」
「へ?何のこと?」
「だって、お腹を壊したんでしょ?」
「いや、さっきのトイレはそんな事じゃなくて……」
「安心しなさい。上条当麻。
 そんな訳だから、今日の夕食は私と秋沙が作ってあげる」
「どっ、どういう理論展開したらそんな結論にたどり着くんだよ」
「それは私達の手料理なんか食べられないって意味?」
「いやそんな訳じゃ……」
「なら決定ね」
「…………はい」

「あのー、吹寄さん。僕も一緒に毒味をしたんやけど」
「うるさい!そんなものは気力で直しなさい」
「なんで……なんでいつもカミやんにだけ美味しい展開があるんや。
 神様はそんなに僕が嫌いなんか?
 ちくしょーっ、夕日なんか大嫌いやーーーっ」
「あいつ、まだ昼だぞ。どこまで走っていく気だ?」

青髪ピアスを欠いたまま午後の授業も滞りなく終わり下校時刻がやって来た。
上条は姫神秋沙と吹寄制理に連れられてスーパーマーケットまでやって来た。
もうすぐ特売タイムらしく入り口付近は結構混雑していた。

「あの、上条さんの経済状態は芳しくないので高級な食材を買われると……」
「大丈夫!貴様は大船に乗った気でいなさい」
「えっ、吹寄。まさか奢ってくれるの?」
「足りない分は私が貸してあげる。利子は取らないから安心しなさい」
「…………」

特売タイムへの突撃体勢を整えつつあるクラスメイト二人の後ろで上条は大きなため息をついた。
そんな上条に聞き覚えのある声が掛けられた。

「あっ、いたいた!ちょっとアンタ」
「よっ、御坂か。どうした?」
「どうしたじゃないわよ?
 この前レストランで美味しい食事をしようて言ったのに。
 それがなんでマク○ナ○ドのハンバーガーになったのよ!」

「バカ野郎、それでも俺がなけなしの金で奢ってやったんだろうが?
 お前だって『意外と美味しいかも』ってしっかり完食したじゃねえか」
「あれはアンタが奢ってくれたからつい嬉しくて……って、そんなことを言ってるんじゃない。
 あんなんじゃ、私は全然納得しないからね。
 埋め合わせはキッチリとしてもらうわよ」
「あのなーっ」

「どうしたの上条君?……あれ、貴女は?」
「うっ、あなたはこの前の……姫神秋沙さんでしたっけ?」
「嬉しい。名前を憶えていてくれてたんだ。
 私達これから夕飯の買い出しなの。じゃあ上条君行きましょ」

姫神秋沙に右手を引っ張られる上条の左手を御坂美琴はムンズと掴んで引き留めた。

「ちょっとアンタ。その女(ひと)が右手なら私は左手だって前にも言ったでしょ。
 なんで勝手に行ってんのよ。私も一緒に行くわよ」
「え?」

上条の疑問の声は無視して、目の前に現れた敵(姫神秋沙)に対して
美琴センサーが敵戦闘力のスキャンを開始した。

(この女(ひと)、美人よね。
 肌は透き通るほど白いし、髪も黒くてツヤがあるし。
 身長は同じぐらいか。
 体形は…………くっ、私よりスリムかも。
 それなのに胸は私より大きい…………でも
 私だって後2年あればあの位には。そうよ、私には輝く未来があるもの)

どうやら美琴センサーは敵戦闘力が自分以上ではあるものも逆転可能な差であると判断したようだった。
しかし、そんな御坂美琴の思考を遮るように新たな敵戦力が出現した。
人混みの中から顔を出した吹寄制理が上条に話しかけてきた。

「何をしている?上条当麻。
 なんだその子は?
 常盤台中学の制服……貴様は中学生にまで手を出しているのか?」
「バカ言うな。吹寄」
(また美人が……、一体コイツの周りには何人の強敵が……)

新たな敵戦力をスキャンし始めた美琴センサーは驚愕の戦闘力をはじき出してしまった。

「(くっ、この胸は……母さんより大きい。トップ93cmのFカップ……)
 ハハッ、いっ、いい気になってんじゃないわよ。
 いっ、今に見てなさい。私だっていつか……、うわあぁぁーーん。」

御坂美琴は泣きながら走り去ってしまった。
どうやら吹寄の胸は御坂美琴の『輝く未来』という幻想すら打ち壊してしまったようだった。

「一体何があった?上条当麻」
「さあ?俺達何もしていないハズなんだけど……」

その夜、常盤台中学学生寮208号室にて

「おっ、お姉様。一体どうしたんですの?
 牛乳パックを一気飲みなさるなんて。
 しかもその買い物袋一杯に一体何パック買って帰られたのですの?」
「うるさい!黒子。
 これは女と女の意地を掛けた戦いなの。絶対に負けるもんですかーっ」

つづく……と思います。

459■■■■:2009/06/21(日) 01:40:27 ID:HGx9QixU
以上です。
注)途中に出てきた吹寄の胸のサイズはデータがなかったので適当なのを入れています。

460■■■■:2009/06/21(日) 02:53:50 ID:TNp6p4/I
GJ!続き期待して待ってる!

461■■■■:2009/06/21(日) 11:56:27 ID:5c8ZaC3M
場違いなのはわかっていますが>>455に答えて下さいお願いします

462■■■■:2009/06/21(日) 12:14:19 ID:fs.O4VIU
>>461
『その涙の理由を変える者(Flere210)』
わからない事があったwikiに書いてるから、そっちを見なさい

463■■■■:2009/06/21(日) 14:25:32 ID:5c8ZaC3M
>>462
いや、だからその(Flere)をどう読むかって事。
神崎の(Salvare)ならサルヴァーレでしょ?アックアの(Flere)は?
wikiにも載ってないから聞いてるの。

464■■■■:2009/06/21(日) 14:34:37 ID:o04.ZCUI
>>463
ttp://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1326968513

465■■■■:2009/06/21(日) 15:52:49 ID:5c8ZaC3M
>>464
フレーレですか。
ありがとうございます。お騒がせしました。

466■■■■:2009/06/21(日) 21:07:03 ID:laF6IaOA
一番最初の時よりとても読みやすくなったと思います。

467■■■■:2009/06/21(日) 21:46:19 ID:KOqCnbAk
>>463
あれ、「Salvare」って読みは“サルバージ”じゃなかったっけ??


すまん。俺が間違っているかも。

468■■■■:2009/06/21(日) 21:47:23 ID:KOqCnbAk
やっぱり違ってた。すまない。

469■■■■:2009/06/23(火) 00:36:09 ID:gr82sWKE
「When You Wish Upon a Star(星に願いを)」の後日談の続きを1レス分投下します。
時系列的にはもう少し後の話なのですが、ここに入れた方がまとまりが良いのかなと思って
(番外)として入れてみました。

>>460,466
ありがとうございます。
文章作りがスキルアップした成果だとすれば、嬉しいです。

470■■■■:2009/06/23(火) 00:36:47 ID:gr82sWKE
(番外)
翌日スーパーマーケットに立ち入った上条は牛乳コーナーで牛乳パックを睨み付ける御坂美琴を見かけた。

「よっ、御坂。奇遇だな?牛乳でも買う気なのか?」
「私は……別に。あっ、アンタこそ何よ。こんな所に」

振り向いた御坂美琴は両手で胸を隠すように腕を組みながら上条に問い返した。

「ん?どうしたんだ。御坂?」
「きょ、今日はあの女(ひと)達は一緒じゃないの?」
「当たり前だ!いつも一緒な訳あるか。
 それより昨日はなんで急に泣いて帰ったりしたんだ。
 吹寄が顔を出したとたん御坂が泣き出したもんだから、吹寄のヤツも心配してたぞ」

「なっ、何でもない!っていうか、あの巨乳女は吹寄っていうの?」
「こら、女の子が巨乳なんて言うもんじゃありません。
 お前、少し変だぞ……………………あっ!
 ひょっとしてお前、胸にコンプレックスがあるのか?」
「なっ、何バカなこと言ってんの。アンタは!」
「そうか、それで牛乳パックと睨めっこしていたのか。うんうん」
「ちょっと、人の話を聞かないでなに一人で納得してんのよ!」

「でもな御坂。牛乳を飲むと胸が大きくなるっていうのは実は大嘘なんだぞ」
「え”っ…………そうなの?」
「実は牛乳より豆乳の方が良いんだぞ。なんでも大豆イソフラボンが効くそうだ」
「じゃあ、私バカみたいじゃない……って、なんで男のアンタがそんな情報を知ってんの?
 はっ!ひょっとしてあの巨乳女から教えてもらったの?
 そうなんでしょ!ほら。観念してさっさと白状なさい!」

「バカ野郎!胸元握って頭を揺するんじゃない。
 全く、そんな訳あるはずないだろ。
 俺のダチからそういう話を聞いただけだ。
 この前そいつがネットに『豊乳には牛乳』ってデマを書き込みやがったんだよ。
 それを見た俺にそいつがだな、
 『カミやん。俺がこのデマをばらまくのには崇高な目的があるんぜよ。
  いいか、全ての女性は神様からロリという美を授かって生まれてくるんだよ。
  ロリこそ人類にとって至高の美なんだ。
  だから、女性が胸を大きくしようなんて行為はいわば神への冒涜なんぜよ。
  俺の使命は巨乳という災厄から全ての女性の美(ロリ)を守ることぜよ』
 なんてことをぬかしやがったんだよ」
「なっ、なんてバカなの?そいつ。
 誰なのそいつは?教えなさい!後でキッチリ焼いてやるんだから!」
「まっ、待て!御坂。殺人は犯罪だぞ!だから落ち着け!まずは深呼吸だ!」
「スーッ、ハァーッ、スーッ、ハァーッ…………ふーっ、
 しっかし、アンタの友達ってロクなヤツがいないわね」

「俺もそう思う。
 しかし今時こんなデマに引っ掛かる女なんていないぞってヤツには言ったのに……
 まさかお前が引っ掛かったなんてなーっ」
「…………バカにして。
 ……………………
 どうせ私はAカップよ!ええ、そうよ。貧乳で悪かったわね!」
「何言ってんだ。お前!そんなことは関係ないだろ?」
「え?」

「お前はまだ成長期なんだし、そもそも胸のサイズなんて女の魅力には関係ないぞ!
 お前は今でも十分魅力的な女の子だぞ!」
「えっ?えぇぇーー?」
「世界中の奴らが違うと言っても、お前は魅力的だって俺が大声で言ってやっても良い」
「ほっ、本気で言ってんの?」

「俺がお前に嘘付いてどうするんだよ」
「ホントに?」
「ああ、本当だ」
「嬉しい…………、とう 「だから、きっとお前にも良い男(ヤツ)が現れるさ」 」

御坂美琴の最後の一言は上条当麻の言葉にかき消されてしまった。

「はぁ?アンタ今なんて……」
「きっとお前にも良い男(ヤツ)が現れるって言ったんだ。だから安心しろ」
「アンタってヤツは…………」
「ん?どうした御坂?」
「アンタってヤツは…………、アンタってヤツはあぁぁーーーーーー!」

その夜、常盤台中学学生寮208号室にて

(今日は散々だった。アイツは無神経なこと言うし…………でも、
 アイツ……私が魅力的だって言ったわよね。それに嘘じゃないとも……
 …………と言うことは、私にも十分チャンスがあるって事なのかしら?
 そうよね。
 アイツが私のこと魅力的だって言って、私をその気にさせたんだから……、
 その言葉の責任をアイツに取らせりゃ良いのよね。ふふっ、うふふふふっ……)
「おっ、お姉様。一体どうなさったんですの?
 お姉様が山賊のような薄ら笑いを浮かべるなんて……
 大丈夫ですの?黒子の言葉はお姉様に届いておりますの?お姉様ーーっ!」

以上です。

471■■■■:2009/06/23(火) 00:45:32 ID:gr82sWKE
最近、SSの投下が少ないですね。
ユミシロ様いつも楽しく読ませて頂いています。
ルッシー様とかライク様のSSの続きも非常に気になっています。
是非とも続きが書き上がった時には投下して下さい。楽しみにしています。

472ルッシー:2009/06/24(水) 18:58:56 ID:AnPS0Q7w
『とある暗部の未元物質』の今回の3話分を投下します。
>>412からの続きになります。

473ルッシー:2009/06/24(水) 18:59:59 ID:AnPS0Q7w


土御門元春は困惑していた。
上条当麻を抹消すべく壁をぶち抜きターミネーターの如く登場したはいいが、その眼前にいたのは長く艶のある黒髪を梳かしていた姫神秋沙だった。
姫神は本能で危険を察知したのか髪を梳かしていた櫛を魔法のステッキのように土御門に向けるが、当然何も起こるはずがない。彼女は魔術師ではないのだ。
ようやく侵入者がデルタフォースの金髪だと認識すると、櫛を構えていた右手を下ろし、
「びっくりした。どうしたの?」
姫神の問いかけにようやく我に返った土御門は左手を腰に当て白々しい笑みを作る。
「いやー…遂にロリの真理を発見してにゃー。それを一秒でも早くカミやんに伝えねばと思ったんだぜい」
何やら不審な事を口走り始めたロリコンサングラスに姫神は再び櫛を構える。
墓穴を掘った、とちょっとばかり後悔した土御門は別の話題を探す。上条がいないのは既に気付いていたが、そこで別の事に気付いた。
「そういえば食いしん坊シスターはどこに行ったんだにゃー?」
ついでに三毛猫もいない、文字通り姫神と土御門の二人しかいない部屋で姫神の淡々とした声が響く。
「小萌の所へ出かけて行った」
土御門が通う高校では今日から三日間は一端覧祭の準備日という事で授業は休みだ。学校では有志の生徒が登校して準備をしている。小萌はその監督者と言ったところだろうか。
当然、土御門のように通常の授業さえまともに受けていない生徒が休日に有志で準備を志願するはずがない。てっきり上条も同類で部屋で「うだー…」としているとばかり思っていたのだが。
「カミやんは?」
「ジュース。買いに行ってくるって」
ふむ。やはり同類だったようだ。まぁ黙って待っていれば直に帰ってくるという事だ。
「ところで姫神は何でカミやんの部屋にいるんだにゃー?」
姫神はクラスメイトの吹寄と仲が良い。当然、吹寄は準備組だろうし姫神もそこの一人であると思っていたのだが。
「大覇星祭の埋め合わせ。私はいい。と言ったのに彼がどうしても。と言うから」
姫神は至って平静を装って説明するが、彼女の手の中にある櫛は凄まじい速さで高速回転している。
この野郎、今日は巫女様ルートを進めるつもりか、と上条への殺意をより固めるヒットマン土御門。
だいたいの状況を把握した土御門は壁に大穴が開いた主なき部屋で標的を待つ事にした。

474ルッシー:2009/06/24(水) 19:01:02 ID:AnPS0Q7w
「………………………………………」
「………………………………………」
微妙な沈黙だ。
土御門元春には姫神秋沙に対して負い目がある。
それは大覇星祭での事。
とある魔術師との戦闘に巻き込まれた姫神は、その魔術師の手によって瀕死の重傷を負ってしまった。
しかも自分が相手に放ったハッタリが間接的な引き金になったと知って自分の失策を恥じた。それが自分の知らないところで起こった悲劇なので尚更腹が立った。
もちろん、当時の戦況を知る者であれば彼の判断を責める事などできるはずがない。
だが、プロの魔術師として魔術に何の関係もない一般人を巻き込んだ時点で自分を許す事などできるはずがなかった。
しかもイレギュラーだったとは言え、吹寄制理まで巻き込んでしまっていた。
本来であれば、きちんと筋を通して謝るべきなのだろうが彼の立場上謝るわけにもいかない。彼女達からすれば土御門はあの一件に関わっているはずがないのだから。
そのジレンマが土御門を葛藤させる。

「土御門君。」

姫神が唐突に口を開く。
土御門はまるで摘み食いがバレた子供のように素早く姫神に視線を向ける。
「なんか。いつもと雰囲気が違う」
女という生き物は怖い。こういう時は第六感が働くのだろうか、些細な変化でも敏感に察知してくる。
この能力ばかりは科学と魔術の暗部で立ち回っている土御門といえども会得できない特殊なものだ。だが、土御門とてプロのスパイ。核心までは掴ませない。
「気のせいにゃー。土御門さんにも真面目モードになる時があるんだぜい?」
「信じられない。君は死ぬ瞬間ですらヘラヘラしてそう」
これは一度誤解を解いておくべきか。と土御門は頭を抱えかけたがその時、
ピンポーン、と平凡なインターホンが鳴り響いた。
何だ何だ。来客か?と首を傾げる二人。ここは上条の部屋だし、自分の部屋に入るのにわざわざインターホンを鳴らすわけがない。
居留守を決め込む理由もないので、とりあえずドアを開ける。
そこにいたのは、姫神と同じく黒髪の少女。
しかし彼女の服装は制服ではなく完全な私服である。
デニムパンツを穿き、真ん中にレースの入った白のシャツの上にグレーのベストを羽織っている。これでレイピアでも持っていれば貴族に見える。
「あ、あれ…?ここって上条さんのお宅じゃ…それにその声、確かアビニョンで…。」


予想外の人物のお出迎えに戸惑う天草式少女。
この人誰?と訝しげな視線を送る元巫女様。
これは修羅場の予感だにゃー、とニヤけるエージェント。

上条の与り知らぬ所で奇妙な三人組が誕生した。

475ルッシー:2009/06/24(水) 19:01:32 ID:AnPS0Q7w


浜面仕上と滝壺理后は第二学区を歩いていた。
この第二学区には『警備員』と『風紀委員』の訓練所がある。
今は常時警戒態勢にある為か、建物の至る所から物騒な音が鳴り響いている。その騒音対策の為に張り巡らされている防音壁が何者かによる包囲網にも見えてしまう。
それだけこの第二学区は殺気立っていた。
なぜそんな物騒な所に無力な少年少女(片方はレベル4)がいるかと言うと、ある人物に会う為だ。

「お、浜面〜。久しぶりじゃん」
「くそっ。何でこの女はいつもこんな軽いテンションなんだよ」
待ち合わせ場所には既にジャージ女―――黄泉川愛穂が立っていた。
「いきなり電話で話があるとか言って呼び出しておいて何じゃんよ?しかも彼女まで同伴させちゃって〜。も、もしや結婚!?いや〜浜面も遂に所帯持ちか〜」
「けっ!?ち、違えよバカ!!」
浜面は、一人であさっての方向を向きながら息子の門出を祝う母親のような顔になっている黄泉川に向かって必死に否定の言葉を返すが聞いているかどうかは怪しい。
「何じゃんよ?私はまだ未婚だから婚姻届の書き方は知らないじゃんよ。とりあえず役所に行けば教えてもらえるんじゃん?」
「そうじゃなくて…。滝壺の寮の事だよ」
トボけるジャージ女の話を無視して浜面は無理矢理用件の本筋に入る。
「滝壺には一応、学校の寮の部屋が割り当てられてるんだろ?なのに何でお前はわざわざ俺の所に滝壺を預けたんだよ?」
滝壺理后は退院後、その稀少な能力を認められ霧ヶ丘女学院へ入学した。
もっとも、彼女はもう実質的に能力を使う事ができないのでその学校に通えるとは思えないのだが…。そのあたりはある人物の強い推薦があったとかないとか…。
ともかく、浜面の言い分としては寮があるのなら寮に入り、健全な高校生活を送るべきだ、という事だった。しかし。
「浜面のくせにまともな事言うじゃん。てゆうか変な物食べた?」
「ほらなっ!絶対そう返すと思ったんだ!人が折角更正しようと頑張り出した途端にこれだよ!!」
「まあまあ。確かに浜面の言う事も一理あるのはあるじゃん。でも…」
急に黄泉川は右手を口に当て言葉を止める。
「?」
浜面が首を傾げていると、黄泉川は口を開く。
「だってさ、浜面はやっとやりたい事が見つかったって言ってたじゃんよ?それはその子を自分の手で守る事なんじゃないの?」
「うっ」
「私としては気を遣ってあげたつもりじゃん。だってそうじゃん?常に一緒にいれば、どんな魔の手が来ようともすぐに浜面が助けられるじゃんよ」
「それは…」
「それにあの時の浜面は確かに守るべきモノを守ろうとする男の目をしてたじゃん。」
「……」
「それともあれは嘘だった?勢いで思わず口走っちゃって、今度は面倒臭くなったから他人様に宜しくお願いしますって感じ?」
「それは違う!」
「だったら今のままで問題ないじゃん」
返す言葉がない。
見事なまでに言い包められた交渉人・浜面仕上。そもそも交渉にすらなっていなかったが。
「それに…その子は絶対に一人にさせちゃ駄目じゃんよ…」
ボソッ。と、聞こえるか聞こえないかというつぶやき。
浜面は聞き取れなかったのか首を傾げるが、黄泉川はサッと顔を上げ、
「まあそういう事じゃん。相談なら逐一聞くじゃんよ。じゃあ私は射撃訓練があるから。じゃ〜ね〜」
そう言い残すとジャージ女は颯爽と去っていった。

「はまづら」

すると、これまで口を真一文字に閉じて二人のやりとりを見ていた滝壺がポツリと言った。
「あの女の人。あんな色のジャージなんか着てて恥ずかしくないの?」
浜面はツッこむべきかどうか一瞬迷ったが、華麗にスルーした。
彼はもうシリアスなのかギャグなのかわからない場の空気についていけなくなっていた。

476ルッシー:2009/06/24(水) 19:02:19 ID:AnPS0Q7w


垣根は食堂に繋がる廊下を歩いていた。校内の見取り図は知らないが、学校の食堂がどのような場所にあるかというのは大体の見当がつく。
途中、三毛猫を抱えた白い修道服の少女が「プリンプリンーーー!」と叫んでいた。はて、この学区には神学系の学校はあったか?などと考えていると食堂に着いた。
入り口には『一端覧祭直前特別企画!先着5名様に限り特製焼きプリン250円!』という立て看板がある。
気楽なもんだ。と、乾いた笑いを浮かべつつ食堂の中に入る。
食堂にはほとんど人がいなかった。学校が自由登校日だという事もあるのだろうが、昼のピークの時間を過ぎていたので生徒のほとんどは自分の教室に帰ったのだろう。
静かな食堂というのは、どこか裏路地の静寂にも似ている。

「あら、珍しいお客さんが来たみたいだけど」

その静寂を破る声。その声は小さくもなく大きくもない。しかし身を貫くようなしっかりとした声だった。
「随分と愉快な寝床じゃねえか」
「こう見えて結構な寝心地なんだけど。あなたもどう?」
冗談じゃねえ。とばかりに垣根は椅子に腰を下ろす。
「改めて、ようこそ未元物質(ダークマター)。こうして面と向かって話をするのは初めてだけど」
雲川は椅子を繋げたベッドから起き上がりながら言う。
「俺の名前を知らないわけじゃないだろ?できれば名前で呼んで欲しいな」
失礼。とばかりに笑みで返事をすると雲川も椅子に腰を下ろし垣根と正対する。
「色々と聞きたい事があるんだが。とりあえずテメェはどこまで知っている?」
「少なくともあなたよりは知らないと思うんだけど」
「すっ呆けやがって。テメェの『役割』くらい知ってるんだよ」
「そうカリカリしなくてもいいと思うんだけど。そうね、とりあえずここ最近の学園都市の動きでも話そうか」
「そんな世間話をする為にわざわざ来たわけじゃないんだけどな」
「話をするにも順序ってものがあるんだけど。それにあなたが眠っていた間の情報とかもあるけど?」
「そうかい」
垣根は背もたれに体重をかけ、さっさと話せとばかりに視線と顎を上げる。
「『未元物質』垣根帝督は死んだ。もちろん、表向きには…だけど」
垣根は動かない。そんな事には興味がないようだ。
「それによって学園都市の順位に変動が出た。第三位の『超電磁砲』が第二位に、第五位の『心理掌握』が第三位になったわけだけど」
「へー。あの雑魚が第二位ねえ。学園都市もヤキが回ったもんだな」
「一言に雑魚って言うけど、それはあなたの次元での話でしょ?普通に考えたら『超電磁砲』だって充分脅威だけど」
「人一人も殺せないような甘ちゃんなんか使い物にならねえだろ?」
「それはあなた達のような人種じゃないからだけど。それにあの子は学園都市にかなり協力してくれてると思うけど?」
「『妹達』か。一方通行に殺される為だけに生み出されたクローン体…。まったく、同情するぜ」
雲川は何かを言いかけたが、その言葉を飲み込み別の言葉を紡ぐ。
「それと例のローマ教徒との対立だけど、今はとりあえずは小休止ってところ。何でもあっちで色々トラブルがあったらしいけど」
「ふーん」
「まぁ…この辺はあなたにとってはどうでもいいってところだろうけど」
「道理で以前に比べて街中が騒がしくなってないわけだ。この学校に至っては呑気に学園祭の準備だもんな。危機感ってのは感じないのか?」
垣根は呆れたような声で話すが、雲川は構わず話を続ける。
「とりあえずはこれが学園都市の『表』の動き。次に『裏』だけど、今活動してるのは『グループ』と『アイテム』の2つ。あなたのいた『スクール』は再編中らしいけど」
「…。『ピンセット』はどうなった?」
「『グループ』が回収した。確か回収したのは土御門とか言う男だったと思うけど」
一方通行ではなかったのか、と垣根は思った。
「(なるほど、コソ泥がいたわけか。誰だか知らんが後で回収しとくか)」
「そういえばあなたは『ピンセット』の情報は見た?」
「あぁ。大した情報は無かったけどな。一つを除いてな」
雲川はその一つが何なのかを察し、こう釘を刺した。
「その件に関しては本当に知らないぞ。私だって普通の女子高生なんだ。いつも闇にいるお前らのように汚れていないんだけど」
よく言うぜ。と垣根は鼻で笑い、
「じゃあ本題に入るか」
不適な笑いを浮かべる少年と少女は更なる闇の世界へと潜り込んでいく。

477ルッシー:2009/06/24(水) 19:05:10 ID:AnPS0Q7w
以上、今回の3話分の投下でした。
6は字数制限に引っかかったので分割しました。

478■■■■:2009/06/25(木) 00:12:09 ID:G1G/A8hw
GJです! 次回も期待してます!

479■■■■:2009/06/25(木) 02:59:03 ID:acErQ9L6
最近過疎が酷いなぁ

480■■■■:2009/06/26(金) 22:52:59 ID:MUh2.cuU
「When You Wish Upon a Star(星に願いを)」の後日談の続きです。とりあえず2レス分投下します。
注)この話に出てくる姫神秋沙は『吸血殺し(ディープブラッド)』を持たず、本編より
積極的だったりします。人物設定に違和感があるかと思いますがご容赦下さい。

481■■■■:2009/06/26(金) 22:53:34 ID:MUh2.cuU
(3.)
「ガラン、ガラン、ガラン」
大きな鐘の音が特売タイムの終了を告げている。
外で待っていた上条の所に姫神秋沙と吹寄制理が出て来たのはその直ぐ後だった。

「買ってきたわよ。上条当麻」

姫神秋沙と吹寄制理が手に提げた大きなレジ袋を見た瞬間、上条は軽い立ちくらみを感じた。

「そ、そんなに買っちゃったのか?吹寄。」
「これ。レシート」
「あれ?こんなに買ったのに、たったこれだけの値段?」
「普段、貴様は一体どんな買い方をしているの?」
「買い物する前に売り場を一回りしておけば。このぐらいは当然」
「すげーな。きっと二人とも良いお嫁さんになるぞ」
「「……………………」」

上条が視線をレジ袋から上げると、姫神秋沙も吹寄制理も頬を赤く染めていた。

「どうしたんだ?二人とも顔がちょっと赤いぞ。熱でもあるのか?…………痛てーーっ!」

姫神秋沙と吹寄制理に同時に左右の足の甲を踏みつけられた上条当麻はその場にうずくまってしまった。

「全く、貴様というヤツは」
「ホントに鈍感なんだから」

朴念仁である上条当麻は二人の言葉の意味も当然のように理解できていない。
レジ袋を上条に押しつけスタスタと歩き始めた二人に向かって上条は恐る恐る声を掛けた。

「あのーっ、この両手一杯の食材は上条さん一人で運ばないといけないのでしょうか?」
「貴様は、これから手料理を振る舞ってもらう女の子に力仕事までさせる気?」
「君は鈍感なんだから。これぐらいの荷物なんて重くも感じないでしょ」
「うっう、なんだか二人の言葉にトゲトゲしさを感じるのですが……
 上条さんは何か粗相でもしでかしたのでしょうか?」
「なにブツブツ言ってんの?早く歩きなさい」
「頑張れ!上条君」

学生寮にたどり着いたときには上条の握力は無くなる寸前だった。

「ふーっ、やっと着いた。たっ、ただいまーっ」
「「お邪魔します」」
「おかえり、とうま。……って、あれ?なんであいさとせいりが一緒なの?」
「それは。今日の昼休みに上条君に迷惑を掛けたから。そのお詫び」

インデックスはみるみる不機嫌になりキッと上条を睨み付けた。

「とうま!とうまはそんなことがある度に女の子を家に呼びつけたりするわけ?」
「バカ野郎、俺は何も頼んじゃいない!」
「全く……いつもいつも……とうまはとうまなんだから!」
「落ち着け!インデックス。お客さんの前で流血沙汰は止めてくれ。
 つり上がった目も大きく開けた口も清楚なシスターさんには似合わねえぞ」

レジ袋を床に置いた上条は防御姿勢を取りつつ、今にも飛び掛かろうとするインデックスを必死になだめていた。

「取り込み中の二人には悪いんだけれど。台所に通してもらえると嬉しい」
「えっ?あっ、悪りい」
「本当に、前から不思議に思ってるんだけど、貴様とその子は一体どういう関係なの?」
「だから……この子は知り合いから預かっている子で…………」
「あー、わかったわよ。そういうことでいいわ!
 じゃあ、私と秋沙は夕飯を準備するから貴様はリビングでくつろいでなさい」

噛み付くタイミングを外されたインデックスが再び上条に文句を言いかけた時、
TVから『超機動少女カナミンインテグラル』のテーマ曲が流れてきた。
そのとたん「カナミンだーっ!」と言ってインデックスはリビングに飛んでいった。
カナミンに救われた上条も後を追って一旦はリビングに腰掛けた。
しかし女の子にだけ仕事をさせて自分だけくつろぐことなどできない上条当麻である。

「俺もなにか手伝おうか?」

声を掛けた上条の視線の先にはエプロン姿の姫神秋沙と吹寄制理がいた。
その姿を見た瞬間、上条の頬を熱いものが一筋流れ落ちていった。
その時、上条の顔は神の奇跡を目の当たりにした子羊のようだったに違いない。

「台所にエプロン姿の女の子がいる。……うっう、なんて、なんて感動的な光景なんだ」

上条は一人感動を噛み締めていたが、姫神秋沙から声を掛けられてようやく我に返った。

「上条君。昆布あるかな?」
「あー、昆布なら流しの上の棚に置いてあるから俺が取ってやるよ。
 よっと。はい、姫神」
「あっ、ありがとう」
「何言ってんだ。俺の方が礼を言わなきゃなんないのに」
「ううん。そんなこと……」

なんだかラブラブカップル状態になりつつある姫神秋沙と上条の後ろで、
吹寄制理がこめかみをヒクつかせていた。

482■■■■:2009/06/26(金) 22:54:08 ID:MUh2.cuU
(4.)
「ちょっと!計量スプーンはどこなの?」

吹寄の問いかけに上条が背を向けると、良い雰囲気を壊された姫神秋沙は口の中で小さく
「…………上条君のバカ」と呟いた。

「計量スプーンならこの引き出しの中にあったハズって……あれ?」

上条が引き出しの中をカチャカチャとかき回していると吹寄制理も顔を近づけてきた。

「私が探してあげるわよ」
「いいよ。俺が探すから」
「いいから私に任せなさい」
「「あっ、あった!」」

二人が同時に見つけた計量スプーンの上で吹寄制理の左手と上条の右手が重なってしまった。

「「あっ……」」

至近距離で顔を見合わせた吹寄制理と上条の顔が赤く染まっていたのは窓から差し込む夕日のせいだけではなかったかもしれない。

「……吹寄」
「……上条……当麻」
「コホン!」

姫神秋沙の咳払いに二人は瞬間的に手を引き戻した。

「みっ、見つかって良かったな」
「ええ、ありがと。そっ、そういえば男子の下宿の台所にしてはずいぶん綺麗ね?ここ」
「そっ、そうか?」
「ひょっとして。誰かが頻繁に片付けに来てくれてるとか?」
「そっ、そんなわけあるハズないだろ。ハハッ、ハハハッ」

何故かちょっとトゲのある姫神秋沙の問いかけを上条は引きつった笑いを浮かべ否定した。
そこにインデックスがリビングから上条に相槌を打った。

「そうだよ。頻繁ってわけじゃないよ」
「「えっ?」」
「こら、インデックス。なに訳分かんないこと言ってんだ。
 それよりいつも食っちゃ寝している自分の行いを反省しなさい。
 見なさいインデックス!!これが居候の正しいあり方だ!!」

上条に相槌を打っただけなのに上条から怒られたインデックスはむくれてしまった。

「むーっ、とうま。それって五和の時にも言ったことだよ」
「あっ、こら!インデックス」

「五和?五和って何?」
「いや、五和っていうのはただの知り合いで」
「女の子?」
「あーっ、姫神。人の話を聞かないうちから女と決めつけるのはどうかと思うぞ」
「女の子なの?」
「いや、だからそれは…………」
「女の子なのね!」
「…………はい」
「…………ハァーッ…………やっぱり」
「まったく貴様は次から次へと。一度その性根をたたき直さないといけないわね」

「そっ、そんなことより二人は何を作るんだ?」
「私は。鶏肉のピリ辛炒めと肉じゃがとだし巻き卵」
「私はロールキャベツにパンプキンクリームスープにシーフードサラダよ」
「どっちも美味そうだ。こりゃ何から食べるか迷っちゃうな。きっと、ハハハッ」

何とか話題を変えようとした上条であったが、上条を見る二人の目はジト目のままだった。

「うっ、じゃあ俺はテーブルでも拭いてくるかな」

二人の視線に耐えかねた上条はフキンを持って台所からそそくさと逃げだした。
すると、上条が逃げ出した台所からは姫神秋沙と吹寄制理が大笑いする声が聞こえてきた。
(あいつら、俺で遊びやがったな!)と上条は憤りつつも、二人が本気で怒っていないことにホッと胸をなで下ろしていた。

つづく。

以上です。

483■■■■:2009/06/26(金) 23:59:09 ID:47TRl5Fs
When〜っていつまで続くの

484■■■■:2009/06/27(土) 00:32:12 ID:ri7rUpDM
>>222
の予告を待ち続けてる人は俺のほかにも居るはずっ!!

485■■■■:2009/06/27(土) 03:02:19 ID:HlpVDwEo
GJ!!

私的に言うならこれは「When〜」と一応繋がっているけど
後日談は後日談なので単体の話として読ませてもらってます。

486■■■■:2009/06/28(日) 02:53:47 ID:NnB7vQ42
>>484
ごめんなさい。
他にもやってみたい組み合わせ(エロパロで投下した初春×一方の続き、他)
もあっていつの間にか忘れていました。
個人的に9982号の再登場で、

実験に投入されないまま計画が中止になり、学園都市外の街で
延命措置を受けることになった9982号。
研究室を去る前日。
9982号が最後までサポートをしていた二人の女性研究員から、
お茶会に誘われる……。
数ヵ月後、リハビリで学園都市へ足を運んだ9982号は一人の少年に出会う。

「どのお店で、どれだけ味の良い紅茶やケーキを口にしても……美味しいと感じられません、
 とミサカは正直に告白します」

「ミサカの味覚は正常で、どの紅茶もケーキもとても良いものなのですが……、
 とミサカはあのときの紅茶とケーキの味だけが忘れられません」

……の話(製作途中)を投下しにくくなっていたり。
番号順に殺されていても、例外があったらみたいな感じでやりたかったのですが
どうしよう。

487■■■■:2009/06/28(日) 21:37:06 ID:37m8mHmA
そういや18巻の単語の編集がまだ・・
と、編集のセンスの無いミサカは他力本願に煽ります

488■■■■:2009/06/28(日) 21:47:25 ID:WRA.vvyc
『並行世界』の続きが読みてー!!!

489ライク:2009/06/29(月) 10:20:13 ID:fc.jrKy2
約二週間ぶりに「とある魔科学の幻想創造」を投下。
第三章が長くなりそうなので少しづつ投下していきたいと思います。
今回の時期は本編の約一年前の十一月、舞台は学芸都市。
本当はロシアを舞台にしようかなと思いましたが本編では殆ど出で来ないので変更しました。
世界の均衡についても挑戦してみました。
ではどうぞ。
・・・感想もらえるとうれしいです。

490ライク:2009/06/29(月) 10:21:02 ID:fc.jrKy2
とある魔科学の幻想創造〜イマジンクリエイト〜
第三章 十一月のとある日 右方と原石の聖人Ⅰ


「さあ子猫ちゃん。おしおきの時間だよ」

男たちは笑っていた。
薄汚いその笑みは今は恐怖にしか感じない。

「逃げ出すなんていけないよ?悪い子には罰を与えないと」

ああこれから酷い事をされるんだな。誰も助けてはくれない。
少女たちは諦めていた。

少女らはスラム街で生まれ貧しい生活を送ってきた。
親から捨てられ食う物も家も無い。
だから生きる為に小さい頃から盗みを繰り返してきた。
本当はしたくなかったけどそうするしか生きる道が無かった。
だから手を差し伸べられた時は本当に嬉しくて疑いもしなかった。

「アメリカにある『学芸都市』で今、働く人を探してる。子供でも働ける仕事だから働いてみないか?」

食べ物も住むところもそしてお給料…お金もくれるとスラムにやって来た大人は言った。
そして遠い国からアメリカにやって来た。世界中から同じ様な子供達が集まっていた。

……………………だげど。

体からハラワタが出でいる。顔が分からない程に潰れている。最初にそれを見た時はニンゲンだとは思わなかったしニンゲン、自分達と同じぐらいの子供だと知った時はとにかく吐いた。

大人たちはウソをついていた。自分達は実験体(モルモット)として集められたのだ。

セイジンを作ると言っていた。セイジンが何なのか分からないけど自分達があの子達みたいにされるのは解ってしまった。
そしてその場から逃げだした。
大人は焦ることもなく楽しむ様に狩りを始める。
一歩また一歩と男たちは近づく。

何でこうなったのだろう?
おいしいご飯をお腹いっぱい食べたかった。
雨に濡れることもなく暖かなベッドで寝てみたかった。
みんなと仲良く幸せに暮らしたかった。
それだけなのにどうしてだろう?

491ライク:2009/06/29(月) 10:22:47 ID:fc.jrKy2
とある魔科学の幻想創造〜イマジンクリエイト〜
第三章 十一月のとある日 右方と原石の聖人Ⅱ


“助けて!!”

言葉にすることももう出来ない。心の中で叫ぶ。
神さますら助けてくれないのは解っている。でも…そうするしか出来なかった。

 “神さま私たちを助けて!!”

少女たちの叫びは神さまには届かなかった。しかし、一人の聖人にはきちんと届いた。

『もう大丈夫だよ』

頭の中に直接響いてきたやさしい声

『みんなと仲良く幸せに暮らすか…。その幻想(夢)を創って(叶えて)あげるよ』

幻聴だと思った。でも声は現実となって聞こえてきた。

「さあ、くだらない幻想(実験)は終わりだ。クソ野郎共」

現れたのは自分達よりも年上なお兄さんだった。
瞬く間に大人たちを倒してこっちに歩いてくる。
そしてやさしい声でこう言った。

「じゃあ、みんなと仲良く幸せに暮らせる所に行こうか」
涙が溢れてきた。
一人また一人泣き出し最後には全員が大泣きした。

とある魔術組織の壊滅の日の事だった。

492■■■■:2009/06/29(月) 16:39:00 ID:YveU4fb2
終わったなら終わったって言った方がいいんじゃ

493■■■■:2009/06/29(月) 20:32:10 ID:5hGTzd1w
長くなるのは構わないが
細切れで投下するならテンポ良く投下してかないと逆効果だぞ
そういった意味でも書き上がってからの投下がお勧め

494■■■■:2009/06/30(火) 00:06:13 ID:23Dov5cE
>>483 >>485
「When You Wish Upon a Star(星に願いを)」は>>394で完結しています。
実は2作目として「ミサカ、巫女と美琴(みさかみことみこと)」という戦隊ものを書いていました。
ところが原作のように対象限定の「吸血殺し」と料理スキルだけの姫神秋沙では御坂美琴
とミサカ10032号と勝負にならず、「When You Wish Upon a Star(星に願いを)」
の設定を流用する事にしました。今書いている話はそのつなぎとなる物語です。
ただ「When〜」から『癒之御使』を流用していますが、今の話は単体で完結する予定です。
急遽書き始めたものでなかなか筆が進みませんが、あと5レスほどで終わると思います。
ぐだぐだと言い訳が長くなりましたが「ミサカ、巫女と美琴」の設定変更前の第1話を
予告として投下させて頂きます。

495■■■■:2009/06/30(火) 00:06:50 ID:23Dov5cE
「ミサカ、巫女と美琴」予告

その日学園都市のとあるビルに呼び出された5人がいた。
彼らは計器類の蛍光だけに照らされた薄暗い部屋に通された。
突然室内の照明があがると彼らは驚愕の声を上げた。

「アッ、アクセラレータ!何で、お前がこんな所にいるんだ」
「テメェはあの時の無能力者。テメェこそ何でいやがる?」
「なんでアンタ達が?アンタ達も呼びつけられたクチ?」
「一方通行にお姉様にあの方まで。この組み合わせに何か作為を感じますと
 ミサカは他人事のようにつぶやきます」
「…………」
「ひっ、姫神。お前もいたのか?」
「どうせ私は影の薄い女。所詮料理に添えられるパセリ程度の存在。ふふっ」

突然彼らの正面の壁が左右に開くと大きなイスに座った人物が登場した。

「諸君!私が総司令だ!とミサカはミサカは威厳たっぷりに宣言してみたりー」

あまりといえばあまりの展開に頭を押さえる上条達。
その中で唯一口を開くことができたのは一方通行であった。

「おい、クソチビ!テメェが死ぬ前に一つだけ聞いておきたいことがある」
「一つだけで良いの?とミサカはミサカはあなたのコメカミに浮き出た青筋に
 少し身の危険を感じつつ口調だけは冷静に尋ねてみる」

「こいつァ何の茶番だ?」
「今、学園都市は未曾有の危機に直面している。それを救えるのは諸君だけだ!
 とミサカはミサカはまるで台本を棒読みするみたいに答えてみる」
「つまり、そんなくっだらねェ事のために呼び出されたのか?
 もう殺す(やる)気も無くなった。オレァ帰るぞ!」

一方通行が帰った後の気まずい沈黙を破ったのは御坂美琴であった。

「私達も帰っていいかしら?」
「えっ?お姉様に何の不満が?とミサカはミサカはまるでオリジナルの返事が予想外だったみたいに尋ねてみる」
「当たり前でしょ!何なのよこの服。レオタードみたいで身体の線が丸見えじゃないの。
 こんなの着せられるこっちの身にもなりなさいよ」

上条達は特撮戦隊物に出てくるボディスーツを着込み手にはヘルメットを持っていた。
ちなみに美琴は赤、ミサカ10032号は青、上条は黒、一方通行は白だった。

「大丈夫!そんなこともあろうかとお姉様のスーツにはちゃんと2枚胸パットを仕込んであるもん
 とミサカはミサカは部下思いの上司を演じつつ、その秘密をここに暴露してみたり」
「そうでしたか。お姉様の胸がミサカより大きくなったわけではないのですね。
 とミサカは自分の胸と比べつつ安堵の声を上げます」
「よっ、余計なことは言わなくていいの!アンタもなに人の胸元見てんのよ!」
「あっ……その……なんだ。お前もまだ成長期だ。心配するな!」
「だから何の話してんのよ!」

3人が騒ぐ中、姫神秋沙がポツリと呟いた。

「なぜ。巫女装束?」
「そうしないとあなたはインパクトに欠けるから
 とミサカはミサカは言葉をオブラートに包むことなくズバリ核心を言ってみる」
「なぜ。私だけ素顔?」
「どうせあなたの顔は誰も憶えていないから大丈夫!
 とミサカはミサカは慰めにもならないだめ押しをしてみたり」
「こうして古いキャラは数合わせに使われて消えていくのね。ふふっ」

「こんな茶番、私達に何のメリットがあんのよ!」
「そんなことないのにとミサカはミサカはオリジナルの浅はかさに呆れつつ説明を続けてみる」
「うっ、うるさいわね」
「貢献した人はブラック(上条)との1日デート権をゲットなのとミサカはミサカは驚きの提案をしてみたり」
「おい!なんだそりゃ。当事者の意向は無視か?」
「昼食券50枚綴り!
 とミサカはミサカは食料事情の切迫したあなたに魅力たっぷりの交換条件を出したりして」
「くっ、(それがあれば年末まで生き延びれる)その話。乗った!」

「お姉様達のご返事は?とミサカはミサカは分かっている答えをあえて尋ねてみる」
「素直でないお姉様は色々理由を付けてこの話には乗ってこないはず。
 そうすれば自ずとあの人との1日デートはミサカのもの。
 ふふっ、この勝負はミサカがいただきです。
 とミサカは思わず出そうになった本音を必死に隠します」
「あのね。全て聞こえてるんだけど。私と勝負しようって言うの?
 それとアンタ!これはアンタとデートしたいから受ける訳じゃないの。
 この子が私にケンカを売ってきたから買うだけなの。
 いい!勘違いしないでよ!」

そんな訳で上条とのデートを賭けてミサカと巫女と美琴の戦いの火ぶたが切って落とされた。
姫神秋沙のつぶやきを残して

「私の返事は……要らないのね……ふふっ」

496■■■■:2009/06/30(火) 00:07:52 ID:23Dov5cE
以上です。
18巻の展開次第ではこんなバカ話を書いている場合じゃなくなるかもしれませんが、
スローペースでも書き上げられたら良いなと考えています。
次は>>482の続きを投下する予定です。でもその前にタイトルを考えないと……

497■■■■:2009/06/30(火) 16:16:10 ID:k8GKnQ5Q
いや戦隊ものはとある戦士の幻想殺しがあるけど・・

498■■■■:2009/06/30(火) 17:55:13 ID:rTkL1DGQ
まあ、良いんじゃないんですか?
戦隊ものっていうジャンルは重なってるけど内容は違うのですし・・
ただ、姫神はいなくても大丈夫そうだなと思ったww

499■■■■:2009/06/30(火) 21:31:03 ID:HcrxA0B2
これは、誰と戦うのでしょう?てか戦いあり?

500■■■■:2009/07/01(水) 22:03:12 ID:vsSzMUU.
また過疎ってるな

501■■■■:2009/07/01(水) 22:26:10 ID:YS2QE9HI
「When You Wish Upon a Star(星に願いを)」の後日談の続きです。とりあえず2レス分投下します。
タイトルも決めずに書き始めてしまった今回の話は「When will I see you again? (天使のささやき)」にします。
前作に「When You Wish Upon a Star(星に願いを)」なんて英語のタイトルを付け、今回も
それらしいものをなんて無謀な事を考えたため、今までタイトルを決められませんでした。
先日とあるナツメロ英語のサイトで見かけた70年代の英語の曲名がいいなと思ったので
それを使ってみます。本来の訳は"いつまたあなたに会えますか?"だそうです。

注)この話に出てくる姫神秋沙は『吸血殺し(ディープブラッド)』の代わりに
『癒之御使(エンゼルフェザー)』という能力を持っています。
また、本編より積極的だったりするなど設定に違和感があるかと思いますがご容赦下さい。

502■■■■:2009/07/01(水) 22:26:46 ID:YS2QE9HI
(5.)
結局何もすることがなくなった上条は仕方なくインデックスとTVを見ていた。
しばらくすると台所から漂ってくる香りが上条の鼻腔をくすぐり始めた。
TVに釘付けのインデックスですら香りが気になるのか時々鼻をヒクヒク動かしている。

そうしている内に姫神秋沙と吹寄制理ができあがった料理をトレイにのせて運んで来た。
テーブルから溢れんばかりに並べられていく料理に上条は再び感動の涙を流してしまった。
だから、つまみ食いしようとしたインデックスの手を上条はペシッと叩いた。

「こら!インデックス。行儀良く待ちなさい」
「むーっ、味見してあげようと思っただけなのにーっ」
「どんぶり片手にかっ喰らうことを世間では味見とは言いません!」
「もーっ、お腹空いた、お腹空いたよーっ!」

上条が暴食シスターを押さえている間に料理を並べ終えた姫神秋沙と吹寄制理が上条の右と左に腰を下ろした。
4人揃ったところで上条がいただきますと手を合わせると、左右から同時に声を掛けられた。

「はい。上条君」
「ほら、上条当麻」

姫神秋沙が箸でつまんだ鶏肉と吹寄制理がスプーンにすくったパンプキンスープが同時に上条に差し出されていた。
その瞬間、今まで和やかだったリビングの空気がピーーンと張りつめた。
上条を見つめる二人の美少女は一見微笑んでいるようだが、目は笑っていない。

(えっ?なに、この状況?
 今から楽しい夕飯じゃないの?
 この緊張感は何?
 こいつら、俺が何から食べる始めるかで賭でもしているのか?
 なんだか良くわからないけどこの状況は危険だ。
 根拠はないけど、どっちから食べてもろくでもない結果が待っている気がする。
 どっ、どうする?上条当麻)

上条はヘビに睨まれたカエルのように固まってしまった。
しかも(だめだ。先に動いた方の負けだ)などと思考も完全に空回りしている。
この上条当麻の絶体絶命のピンチを救ったのは、意外なことにインデックスだった。

「むーっ、とうまったら!私の前でイチャイチャして!もう、こうしてやるんだからーっ」

そういうなり姫神秋沙の箸を左手で吹寄制理のスプーンを右手で握ると鶏肉とスープを一気に口に放り込んでしまった。

「「あーーっ!」」
「(ナイスだぞ!インデックス)さあ、それじゃ俺も食べようかなっ!」

今日ばかりは暴食シスターに感謝しつつ最も無難な白ご飯に手をつけた上条当麻であった。
インデックスも二人の料理が気に入ったらしくものすごい勢いで食べ始めた。
姫神秋沙と吹寄制理は二人揃って大きなため息をついたものの、視線が合わさるとどちらからとはなくクスクスと笑いだした。

「それじゃ私達もいただきましょ」
「そうね」
「「いただきます」」

上条にとって4人でたわいもない話をしながら食べる夕食はとても美味しいものだった。
上条は並べられた料理を全て平らげ、インデックスに至っては3度もおかわりをした程だ。
食事が終わって食器を片付け始めたその時、グラッと床が揺れた。
突然の地震にちょうど立とうとしていた姫神秋沙は手を滑らしトレイに乗せていた大皿を落としてしまった。

運悪く大皿が直撃する位地にインデックスがいたが、一瞬の出来事に誰も動けなかった。
大皿が当たると覚悟したインデックスは硬く目を閉じたがいくら経っても何も起こらない。
正確にいうと何も起こらなかった訳ではなかった。
インデックスが目を開けるとなぜか目の前に超機動少女カナミンが大皿を持って立っていた。

503■■■■:2009/07/01(水) 22:27:28 ID:YS2QE9HI
(6.)
今上条家のリビングには5人の人物(?)がいる。

突然のカナミン出現に目をキラキラさせているインデックス。
予想外の出来事に目が点となり固まってしまった吹寄制理。
この状況をどう説明したら良いものかと頭を抱える上条当麻。
当事者でありながら全くなにも理解できていない姫神秋沙。
そして大皿を持ちニッコリ微笑んでいる超機動少女カナミン。

「お、おぉーーっ!カナミンだ!カナミン……って
 あれ?このカナミン……なんだか変……まるでテレズマの塊…………」
「あーっ、その、なんだ……これは……」
「え?上条当麻!貴様は何か知ってるの?」

出現したカナミンの正体をインデックスが見抜いたため、もはや上条は沈黙を続ける訳にはいかなくなった。

「えーっと、姫神」
「え?」
「気をしっかり持つんだぞ」
「なっ、何?」
「これ(カナミン)がお前の『癒之御使(エンゼルフェザー)』だ」

「え?「「え”ーーーー?」」 」

姫神の驚きはインデックスと吹寄制理の驚愕の声にかき消されてしまった。

「そうなの?カナミンの正体はあいさだったの?ホントに?」
「秋沙!ホントにこの子(カナミン)は秋沙の能力なの?ねえ、そうなの?」

未だ状況を飲み込めない所にインデックスと吹寄制理に詰め寄られ姫神秋沙はパニックに陥ってしまった。

「こっ、ここはどこ?私はだあれ?」
「おい、姫神。気をしっかり持つんだ!こっちの世界に戻って来い!」
「ふふっ、カナミン、ふふふっ、カナミン…………ふふふふふふふふ…………」
「ひっ、姫神?だっ、大丈夫か?」
「カナミンだなんて、…………よりにもよってカナミンだなんて。
 こんな能力人前で使ったら。きっと私は『カナミンの中の人』とか呼ばれちゃう。
 そしてもう誰も私を姫神秋沙って呼んでくれないの。ええ。きっとそう。
 やっぱり。影の薄い女はいくらイメチェンしても影は薄いままなのね。
 ふふふっ、ははっ、はははっ…………」

力無く乾いた笑い声を上げながら、姫神秋沙は座り込んでしまった。
するとカナミンの姿も徐々に薄くなり、消えると同時に持っていた大皿も落ちてしまった。
今回は反応できた上条が床に落ちる直前で大皿をキャッチした。

姫神秋沙に声を掛けようと振り向くと、顔に縦線を貼り付けた姫神がドンヨリとした空気をまとわせていた。
予想通りの姫神秋沙の反応に上条は(あっちゃー)っと頭を抱えてしまった。

「あの子(カナミン)消えちゃったわよ。どうなったの?」
「多分姫神はまだこの能力を巧くコントロールできないんだ」

上条は吹寄制理の問いかけに応えつつ姫神秋沙をどうなぐさめようかと思案していた。
そんな上条の苦悩も知らず、興奮気味のインデックスが尋ねてきた。

「ねえ、ねえ、とうま。あのカナミンは何ができるの?教えて欲しいかも」
「あー、そうだな。まず弁当が作れる」
「え?」
「それにハンカチにアイロンだって掛けられる。どうだ、すごいだろ?」
「とうま、そんなことじゃなくて。シュプリームフレアは出せる?」
「それは無理だな」
「じゃあスプラッシュウイップは?サンダーボルトハリケーンは?
 七色の魔法のどれならできるの?」
「残念だけど、あのカナミンは魔法が使えないんだ」
「え”ぇぇエエエエーー!」

漫画であればインデックスの頭上には「がーーん!」という擬音が鎮座していただろう。
落胆したインデックスもまた姫神秋沙の横にヘナヘナと座り込んでしまった。

「カナミンなのに、せっかくカナミンに会えたのに……
 そのカナミンは魔法を使えないだなんて…………フフッ、フフフッ」
「おっ、おまえもか?インデックス。おい、気を確かに持つんだ。
 インデックス…………あのー、インデックスさん?……もしもーし」
「…………アハッ、アハハハハ、そうだ、そうなんだよ」

突然笑い出したインデックスはガバッと顔を上げて姫神の手を強く握りしめた。

「あいさ。カナミンは私がどうにかしてあげる」
「え?どうにかって?」
「ここはどーんと私にまかせて。
 だから、あいさは心配しないで。
 フフッ、それじゃ早速イギリスに連絡しなきゃね。フフフッ」

尋常でないインデックスの言動に上条はもはやアハハッと笑うしかなかった。

「あのさ、姫神も吹寄も今日は疲れたろ。
 インデックスはあんな感じだから今から二人を家まで送っていくよ。
 今日はありがとな」
「インデックスさん。大丈夫なの?」
「まあ、大丈夫だろう。多分……」
「あいさ!あさっての夕方また家にきて欲しいかも。じゃあまたね」

504■■■■:2009/07/01(水) 22:27:54 ID:YS2QE9HI
以上です。
今回の話はあと3レス前後で終わると思います。
ただ、今は最後まで書き上げていない状態なので少し伸び縮みがあるかもしれません。
注)途中に出てきたカナミンの魔法は適当な名前を付けています。公式データではありません。

505■■■■:2009/07/01(水) 22:39:39 ID:lmlBC3MM
GJ!地味に続きがきになるんだぜ

506■■■■:2009/07/02(木) 22:47:40 ID:TaXUA04g
こんにちは。
「とある少女の一つの願い」というssを投下させていただきます。
これは、上条のもとへ一人の少女がやってきて居座ってしまう一週間の話です。
ちょっとずつ投下させていただきます。

507とある少女の一つの願い:2009/07/02(木) 22:48:49 ID:TaXUA04g
 少女は、真っ白い部屋でこくりと頷いた。
 彼女はずっと、この部屋にいた。外へ出る為に、色々な下準備をした。その時、偶然にも知ってしまった彼のヒミツ。
 だから――少女は一つ、決めた。外へ出られる一週間、ありとあらゆる方法で、願いを叶え続ける。誰を犠牲にしてもいい。知らないよ、犠牲になった人間など。
 少女は白い病院内を歩いて、一つの病室の前に来る。其処には今は患者はいない。
 けれど、名札はついていた。
 そこは、彼女が立ち入らない場所。一つの――予約された病室。
 そこに、毎週のようにやってくる少年が居るので、もう面倒だからここの病室は彼の為に開けておくことにされた病室。
 今週はまだ。彼が、戻って来ないうちに、少女は。
 少女は、手をギュっと握った。高鳴る心臓を抑えて、外へ出る為に自らの病室へと駆け戻る。

 その病室にかけられた名札は、
    ――上条、当麻。

508とある少女の一つの願い:2009/07/02(木) 22:49:18 ID:TaXUA04g
「あー、だりー。畜生、あのゴリラめぇ……」
 もう夏は終わるころだというのに太陽に照りつけられてくたくたの上条は涼しいスーパーへと足を運んでいた。
 学校帰りに呼び止められて二時間説教を喰らった。しかも理由はちょっと授業でボーっとして、話を聞いていなかったことがばれたから。
 だからと言って二時間も立ちっぱなしで説教、ありえない。
 ふと、後ろから少女の声が聞こえてきた。
『おにーちゃぁああんっ!』
 だれか、兄妹がいるらしい。まぁ勝手にやってくれ、だ。上条は振り返らなかった。
 上条は今、今日の夕食の献立だけを考えていたいのだ。手抜きだとインデックスが噛みついてくる。
 それにしても、あの噛みつきは、淑女(レディー)としていかがなものだろうか。
 とぼとぼと歩いているともう一度、あの可愛らしい少女の声が、しかも明らかに上条当麻に向かって放たれた。
「おにーちゃんってば! ……とうまっ!」
「……ぇ、えーっ?」
 振り返ると真っ白いワンピースを着た自分と変わらないぐらいの歳の少女が。
 いやいやいや、お兄ちゃんと呼ばれる心当たりは無い。
 では、彼女は、昔の『上条当麻』の、知り合い? でも、妹はいないのだと思って――。
「……乙姫…………?」
 夏に会った年下のいとこの名前が浮かんで、即座にそれを打ち消す。
 いや、彼女はこんなところへ来ているはずない。なんていったって此処は学園都市。従妹は学園都市へは来ていないはず。
 でも、他にお兄ちゃんと呼ばれた事なんてない。心当たりはゼロなのだが……。
(じゃあ、こいつは?)
「へ? 当麻、それはいとこでしょーが。私のこと忘れたの?」
 戸惑ったように言う少女。お兄ちゃん、とはふざけて言ったようだった。
 でも、はっきり言って困惑したのは上条だ。全く、こいつは誰だ。
 見覚えの無い顔。鴉のように黒い髪と瞳に雪よりも白い肌、はっきりした目鼻立ちの顔。
 全くもって覚えがない。
「私は、お兄ちゃん……当麻の義理の妹――つまり、上条天花よ?」
 一瞬、上条の思考が真っ白になった。
「…………、はいィィィィィイイイイイイッッ!!!???」
 何拍か後、情けない悲鳴がご近所に響きわたったのであった。

509とある少女の一つの願い:2009/07/02(木) 22:49:49 ID:TaXUA04g

「全くもう、当麻ったら。あ、インデックスちゃんこれあげるよ」
「ひったいふぉうまひょほういうはんへーなの?(一体とうまとどういう関係なの?)」
「口に物を入れたまま喋っちゃ駄目。うん、同い年の義妹ってとこ。会うのは五年ぶりだから当麻が分かんなくてもしょうがないか。その肉私が作ったけど、おいしい?」
「うん! こんなお料理が食べれるなら毎日でもつくってほしいかも!」
 妹と姉のように見える。もしかして、インデックスと気が合わなかったらどうしよう、と上条は思っていたのだが、心配するだけ無駄だったようだ。
「へへへ、家爆破されて行く当てないからそうさせていただけるとありがたいなぁ……」
「……ああわかったよ! 天花、お前はインデックスと寝ろ!」
「えー? お兄ちゃんてばそういう趣味だったのぉ? やだぁ、へ・ん・た・い☆」
「だぁあああっ違うっ! ホントに行く当てないのか?」
 家を爆破されたって何があった、と訊いても謎めいた笑みを浮かべるばかりのついさっき発覚した義妹。
 転校届を出して、今日から当麻の学校に居座るそうだ。
 天花は、穏やかに微笑むと頷いた。
「うん。ないよ、当麻。だから、当麻に会いに来たんだもの」
「……よく覚えてたな」
 天花によると、身寄りの無かった天花を、上条の両親が引き取って、しかしすぐに当麻と一緒に学園都市行きを希望し、しかし当麻と違う学校でそれなりの力を身につけたのだが、色々あって家を爆破されたとか。
「ふふ、覚えてるよお兄ちゃん。じゃ、洗いものしておく。一週間だからさ、お願い」
「何で一週間なんだ?」
「ヒミツ。ね」
 上条は溜息をつくと了承した。
 インデックスの頭を撫でて、洗いものの仕方を教えている天花は、とても楽しそうに見えた。
 インデックスも天花の説明が分かりやすいのか、頑張って洗い始めている。
 ……決して、彼女を調教してくれそうだから許可したわけではない。家がないから許可したのであって、噛みつき癖を消してくれればとか思っていない。
「お兄ちゃん、明日の朝ごはんとお弁当、私が作るからね?」
「あー……いや、わりいし」
「お、お料理は好きなの! それに、宿借りるんだし、ね」
 もはや頼み込むような恰好の天花に気圧されて頷く。
 するとぱっと明るい笑顔になった。
「インデックスちゃん、お料理覚えといて損は無いよ? 明日一緒に作ってみない?」
「私は食べるの専門かも」
「でもね、自分で作った料理ってすっごく美味しいよ? あ、作ってくれたら一つお菓子作って――」
「やるっ!」
 上条は二人のやり取りに少し苦笑した。

510■■■■:2009/07/02(木) 22:51:11 ID:TaXUA04g
ここまでです。短くてすいません。
では、失礼しました。

511■■■■:2009/07/02(木) 23:23:38 ID:MMmUtYwE
>>510
GJ!
続きに期待

512■■■■:2009/07/03(金) 11:30:25 ID:hql4VwJ.
続編期待

513■■■■:2009/07/03(金) 16:48:28 ID:RcLHl27o
平行世界読みてェーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!

514■■■■:2009/07/03(金) 18:58:30 ID:v1ohAVLs
そんな事言ったら俺だって看病見たいわァーーー!!!!!!

515■■■■:2009/07/03(金) 19:47:56 ID:gdZ8pdfs
オレは酔いどれぇー――――――――!!!!!!

516■■■■:2009/07/03(金) 20:25:16 ID:gLZqOP9.
昨日の今日ですが「とある少女の一つの願い」少し投下させていただきます。
明日書くかどうかわからないのでちょっとずつなのですが……まとめたほうがいいのでしょうか?
とりあえず、少し。

517とある少女の一つの願い:2009/07/03(金) 20:25:47 ID:gLZqOP9.

 朝――上条はジュージューというすっごく美味しそうな音と共に爽やかに目覚めた。
 いい匂いがする。久しくこんな食欲をそそられる匂いは嗅いで居なかった。
 風呂場で寝て硬くなった体をバキバキ言わせて立ち上がる。
 目ざましで目覚めなかったので、安眠を妨害される、と言う不幸もない。そう、自然に目覚めたのだ。
 ふわぁあああ、と欠伸をして伸びをして……目ざまし?
 ちらりと見ると、……7時50分。ご飯を用意する時間は?
「うわぁああ、マズイ、インデックスが!」
 叫んで居間へ2秒で辿りつく。
 急ブレーキをかけた上条の目に映ったのは。
「ふえ? ほうまほうひたの? はやくはへよーよ(ふえ? とうまどうしたの? はやく食べようよ)」
 何やらおいしそうなものを加えてインデックスが言う。
「だから、口にものを入れて喋っちゃだめよ? 当麻、おはよう。当麻の弁当はこれね?」
 ……そういえば、インデックスとは違って家事をやってくれる居候がいたのだった。
 ご飯を片手に首を傾げた義妹に目を逸らす。――土御門、確かに案外いいかもしれない。
 ほっと一息ついた時に何故か置いてあった雑巾に足を取られて転びかけ慌てて本棚を掴んで(はっはー、上条さんだって不幸ばっかじゃないんだぜっ!)と心の内でガッツポーズをした時に、その本棚が倒れて漫画の生き埋めになってしまった。
 つくづく不幸な上条であった。
「あっ、当麻大丈夫? ごめん、その雑巾、インデックスちゃんがこぼしちゃった牛乳をふき取ってたんだけど、しまって無くてごめん」
「はは……いい、慣れてるから……」
 しかしながら落ちた漫画を片付けるは時間がかかりそうであった。

518とある少女の一つの願い:2009/07/03(金) 20:26:16 ID:gLZqOP9.

「いやぁー転校初日で遅刻ぅっ!」
「大丈夫、まだ間に合う! ……はず」
「お兄ちゃんと一緒にいれば色々トラブッた上になんかやらかして美女にでもぶつかってああああ絶対ぜぇったい間に合うわけないでしょー!?」
「その決めつけは認めたくない! っつか美女にでもぶつかるってどんなだよ!」
「ああああああああ、もうこの無自覚馬鹿っ! フラグたてまくりのもてまくりの兄貴めぇ! 私がどんな思いでお兄ちゃんの傍にいる美少女を見つめてると思ってるんだこのぶぁーか!」
「はっ!? 何言ってんだよ、上条さんの周りにいるのはとんでもない奴ばっかだぞ!?」
「そのとんでもない奴がびしょーじょじゃないのよ! お兄ちゃんのばかばかっばかぁ! お兄ちゃんは私だけのお兄ちゃんですぅ!」
「何なんだよそれは!ああもーふこ――」
「お兄ちゃん、不幸?」
「――――っ!?」
「私と会っちゃって不幸ですか」
「あ、いや、その、違う、けど――」
「ごめんなさい?」
 もはや何も言えず、涙目のまま走り続ける上条当麻只今高校生。
 二人は並んで走っていた。
 しかしながら、天花の体力が半端ではない。上条の全速力に追い付いている。それも息一つ乱さずに。
「もうまどっろこしいなぁっ! ちょ、当麻飛ぼうよ!」
「は、へ、ええええっ?」
 いきなり不思議なことを言い出したかと思うと、上条の腕を何か不思議な器具で掴んで空に飛びあがった。
「え、何なんだっ!」
「ええー? 私の能力はレベル3の『空中散歩(スカイフライ)』、二人ぐらいなら私が手を繋いでれば同時に空を歩けるの! でも、お兄ちゃんは能力効かないから特殊な重さを感じない器具で持ち上げてるってわけ。ついたよ」
 ぶふはぁ、と地面に向かって急速に落ちていく。その落下速度に上条は青ざめざるをえない。
 冷や汗が頬を伝う。ふと天花の方を見た。そう、ただふと見ただけだった。何の他意もなかったと明記しておこう。
「当麻?」
 彼女の方が高い位置にある所為でもあって、見慣れた学校の制服のスカートがめくれて、白い下着が覗いている。
 顔が急速に赤くなる。
 スカート、スカートが! と叫ぶ上条に、初めて気が付いたのか天花が、「あ……」と呟く。
 もう地面にはかなり近づいていたのだが、集中力が切れたのか。一応少しゆっくりだった速度が、自由落下に切り替わる。
 しかしすぐに立ち上がると、今度は天花が顔を真っ赤にして上条を見た。あわててあらぬ方向を見やる上条。
 天花は無理矢理笑うと、「おっ……お兄ちゃんにみられた、って平気だよっ! ほ、ほら行こ!」と、頑張っている。
 しかし、顔は完全にひきつっていた。けれども遅刻しそうなのは事実なのでその言葉に従っておく。
「あああー職員室ぅっ! どこぉ、月詠先生とか言う先生もどこーっ!」
 頭を抱えてわめく天花を見て、上条は頭に疑問符を浮かべた。
「ん? ……え、天花、お前……俺と同じクラスなの?」
「えー? 多分。あ、職員室ここっ!? じゃあね、お兄ちゃん!」
「あ、あぁ……じゃーな」
 だだだだっ! と駆けて行く彼女を見つめて当麻は思った。
 つまり。
「竜巻が……通り過ぎた」
 これから学校生活が波乱に満ちていきそうだとそんな事を適当に考えていた。

519とある少女の一つの願い:2009/07/03(金) 20:27:02 ID:gLZqOP9.

「ええーっと、今日は、なぜか転校生がまた来たのでー……」
「せんせー、このクラス転校生多いっすー」
「も、元々人数が少なめなのですよ! では、今回の転校生さんも女の子ですー。残念でしたこねこちゃん、おめでとう野郎どもー。では、入ってくるですよ」
 がらがらドアを開けて入ってきた少女は、地面に足がついていなかった。
「……天花、ちゃん?」
「幽霊や!幽霊の転校生やっ!」
「いえいえ違いますえと、そこの青い髪にピアスつけたヒト。えーっと私の名前は上条天花です。よろしくお願いします」
 おしとやかににこやかに自己紹介を済ませる。名字で皆さん、「?」となったようだが同性の人間と言う事で肩をつけたようだと上条が胸をなでおろした、ら。
「じゃぁ、天花ちゃんは上条ちゃんの隣でいいですかぁ?」
「せんせ、ボクのとなりあいてます!」
「いえいえ、開いてません。嘘はやめてください。では、上条ちゃんの隣に行って下さいー」
 上条は嵐が来ることを覚悟することにした。

520■■■■:2009/07/03(金) 20:27:42 ID:gLZqOP9.
ここまでです。失礼いたしました。

521■■■■:2009/07/03(金) 20:49:34 ID:PiU6b3Yc
明日は休日だああああああああああ

522ルッシー:2009/07/03(金) 22:53:32 ID:0MCrIyjk
『とある暗部の未元物質』の今回の2話分を投下します。

523ルッシー:2009/07/03(金) 22:54:54 ID:0MCrIyjk


「学園都市はコソコソと何をやっている?」
垣根は最も聞きたい事をストレートに聞いた。
「新たな『戦力』の増強だけど」
雲川もストレートに答える。
「『戦力』?何だ?遂に本格的に戦争でも始める気か?」
「いずれは…だけど。今は学園都市も『外』も内部状況が良くない。事実上、停戦状態だけど」
「まぁ学園都市はわかるが…何だ、『外』もゴタゴタやってるのか?」
「さっきもちょっと触れたけどイギリスでクーデターがあったらしい。ローマも教皇の謎の負傷で大混乱。どの陣営も敵地を攻め込めるような状況じゃないわけだけど」
「どこにでも反乱分子ってのはいるんだな」
垣根は口笛を吹きながら過去の自分を思い出し、笑う。
「だがそれだけじゃない。ロシアが不穏な動きを見せているみたいなんだけど」
「ロシア?」
「ロシアのある集団が『原石』と『残骸』を回収し始めたんだけど。」
「『原石』ねえ…。『残骸』はまだわかるが、何だってそんな特異体なんか集めてんだ?コレクションにでもする気か?」
「『原石』がこの戦争の行方を大きく変える…私はそう思っているんだけど?」
「仮にそうだとして、こっちには最高の『原石』がいるんだろ?二つか三つ持っていかれたくらいでどうにかなるもんでもないだろ」
雲川は背筋を伸ばし一拍置いてから答える。
「確かにここには削板軍覇がいる。即戦力として戦える力は充分にあると思うけど」
雲川はさらに一拍置いて、
「その削板が何者かによってやられている。殺されない程度にだけど。しかもアレイスターに『原石』への警告までしたもんだ」
「そいつはまた面白ぇ野郎だな」
垣根は感心したように言う。
「これが何を意味するかはわかるでしょ?『原石』を戦争に使わせまいとする連中もいるわけだけど」
「アレイスターの野郎が使わずにいられるわけがねえな」
垣根はあっけらかんと断言する。
「それに『原石』は本当に未知の存在でもあるわけだけど。削板を見ればわかるが、とにかく能力そのものが稀少で特異だ。出力すらも定かではない」
「そんな危険物を能力開発の素人集団に取られるわけにはいかねえ…そういう事か」
雲川は頬杖をつくと、
「もし、半覚醒で暴発した場合どれほどの暴走になるかわからない。仮に覚醒したとしてどれほどの能力が発現するかもわからない。学園都市にとってマイナスはあってもプラスはないわけだけど」
「だから全ての『原石』を学園都市に集めて、あわよくば新たなレベル5を作り出すって事だな」
「そこまで具体的な事はわからない。まぁ、あなたの推測が一番無難だとは思うけど。もっとも、そうなれば警告を無視するわけだから奴も黙ってないだろうけど」
「で、その回収状況はどうなのよ?」
「8割方は回収できてるみたいだけど。きちんとした数もわからないからきっちり全部ってわけにはいかないだろうがな」
雲川は右目にかかった前髪をカチューシャで掻き上げて、
「例え一つでも向こうに回収されればそれが命取りになる可能性がある。もし、それが『当たり』なら一方通行クラスの能力者が敵に回る可能性があるわけだけど」
「そうなったら『上』は大慌てだろうなぁ」
垣根は人事のように言うが、一方通行の本当の強さは自分が一番わかっている。義手をつけた右手がうずいたのがわかった。
「だから『上』はあなたを生かしたと思うんだけど」
「別に学園都市の為に戦う気なんかねえよ。俺は自分の敵以外は傷つけたくないタチなんでね」
垣根はそう言うと、聞きたい事は聞き終わったのか立ち上がるとそのまま踵を返した。
雲川はその背中に一言だけ告げる。
「そうそう、削板にもあなたのように『役割』があるわけなんだけど」
「あん?」
「まぁ、直にわかるさ」
雲川は薄く、薄く笑うと再び椅子を繋げて寝転んでしまう。
垣根は意味がわからなかったが、考えてもわからないとわかると食堂を去っていった。


「本当に、この学校はいろんな刺激に溢れてるな」
雲川は笑う。天使とも悪魔とも無邪気とも妖艶とも取れるような笑顔で。

524ルッシー:2009/07/03(金) 22:56:33 ID:0MCrIyjk
行間

とあるアパートメントに一通の手紙が届いた。
差出人はとある里親の友人だった。
まずその手紙を見たボンヌドダームの女は我が目を疑った。そしてすぐさま同居人の青年に手紙を渡す。

手紙の内容は里親が何者かに殺害された事。そしてその里親の子供が何者かに連れ去られたという事。その何者かの目撃情報として機械の装甲を身に纏った集団がいた事。

青年は激昂した。
彼は学園都市に牽制の意味を込めた襲撃を行っている。それは『原石』の保護なら構わないが、彼らの生活を脅かす事をするのなら容赦なく叩き伏せるという事だった。
そして学園都市はその牽制を無視した。これは回収や保護といったものではない。
青年はあの少女に自分の手で幸福を手に入れてくれ、と言った。
そして少女はその幸福を手に入れるべく、あの里親と共に新たな人生を歩むはずだった。
青年の頭にアパートメントを出て行く時の少女の幸せそうな顔が浮かび上がる。
しかしその幸福はあっさりと奪われようとしている。いや、もう奪われているのかもしれない。

青年の眼がある一つの『モノ』に変わろうとしている。
もはや酌量の余地は無かった。
警告はした。その上で学園都市が『原石』を使い潰す覚悟があるのなら、彼らの自由を奪い取るというのなら、青年が取るべき行動は一つしかない。
青年の見た目に変化はない。しかし彼の周りにはこの世にあらざる空気が漂っている。何にも形容できないオーラがある。

「行ってくる」

青年は一言だけ告げるとアパートメントから出て行った。
ボンヌドダームの女は引き止める事はしなかった。いや、指一本動かす事すらできなかった。
世界中で一番彼の事を理解しているであろう彼女でさえ、今の青年の雰囲気は異常だった。

学園都市は開けてはならないパンドラの箱を開けてしまった。もう引き返す事はできない。
ボンヌドダームの女はかつてない戦慄を感じながら一つだけ、確信にも似た事を考えていた。


学園都市はこの世界から跡形もなく消滅する―――と。

525ルッシー:2009/07/03(金) 22:58:52 ID:0MCrIyjk
以上、今回の2話分の投下でした。
第一章はこれで終了です。

余談ですが・・・
18巻の発売までいよいよあと1週間になりましたけど、灰村氏のサイトに17巻のイラストが更新されませんね・・・。

526■■■■:2009/07/04(土) 00:06:33 ID:uILqDX/.
>>525
18巻発売と同時って話じゃなかったか?

527■■■■:2009/07/04(土) 14:19:22 ID:ReYQIklA
おお、急展開。次章に期待です。

528■■■■:2009/07/04(土) 15:21:06 ID:Zga3cUnU
>>526
そうでしたっけ?
なんか『18巻の発売1ヶ月前にアップします』とかコメントされてたような・・・
予定変更でもしたんですかね

529■■■■:2009/07/04(土) 17:07:58 ID:nkjYZiR.
>>528
ttp://www1.axfc.net/uploader/Sc/so/14505
目欄

530■■■■:2009/07/05(日) 21:22:33 ID:0zYAgQsQ
上条さんの右手が、打ち消した能力をコピー・吸収出来て好きなときに使るようになったならチート性能じゃね?
おのれディケイド!上条さんコンプリフォームを考えてしまったじゃないか!

531■■■■:2009/07/05(日) 22:54:27 ID:6epv4A0g
>>530
消滅じゃなくて吸収ってのは竜王の顎登場の時から
言われてたネタだが、たぶんそうなんじゃないかなーと思う。

532■■■■:2009/07/06(月) 16:11:42 ID:pVCO7RZA
「超能力者は魔術を使えない」

聖母崇拝使えるアックアさんが開発受けたら無敵だと思う。
どーでしょーカ?

533■■■■:2009/07/06(月) 21:25:05 ID:q/BlMyUI
聖母崇拝自体が魔術的な意味を含むから無理でしょ。
むしろ逆に聖人としての意味合いを考えると目覚めた瞬間爆死しそうな。

それくらいなら土御門がレベル5の肉体再生になれば無敵だと思うよ。

534■■■■:2009/07/07(火) 10:38:47 ID:3geI8zPI
↑それ強いけど色々と怖い

535■■■■:2009/07/07(火) 12:03:39 ID:GPKtr7wo
肉体再生のレベル5……ホラー映画のモンスターのように、うにょうにょと色々生えてくるんだろうか。

536■■■■:2009/07/07(火) 18:14:22 ID:3geI8zPI
まぁ軽くハガレンのホムンクルス辺りは超えてるだろうな

537■■■■:2009/07/07(火) 21:02:08 ID:S6YAe7U6
それはもはや人じゃない・・・・・。
ヘルシングのアーカードと大差ない。

538■■■■:2009/07/07(火) 21:22:18 ID:GwG.bmqo
lv5クラスになると脳が大丈夫なら生き返りそうだなw

539■■■■:2009/07/07(火) 21:35:58 ID:/h7xPxtg
漫画版ゼオライマーの次元連結システムを搭載すれば!

540■■■■:2009/07/07(火) 22:35:30 ID:QxJACpjw
いや魔術使うと1発で吹っ飛ぶこともあるってどっかに書いてなかったか?

541■■■■:2009/07/08(水) 07:37:24 ID:Aabn2Azw
それは見たことないな。
だってあれだろ、エリスを殺したの結局は騎士派だったでしょ?
土御門もさすがに一回につき命がけだったらやばいよ。

542■■■■:2009/07/08(水) 16:08:59 ID:Dx5uIlnk
なるほど。だから神裂とああいう間柄なのか
唯閃ツッコミも「ねーちん、痛いにゃ〜」(と言ってる間に再生完了)って感じか

543■■■■:2009/07/08(水) 20:11:07 ID:mdNgj222
という訳でこんばんはー! いやどういう訳なんだか。過疎った時のレアキャラという事で一つ。
その割にはつまらねぇけどな!


という訳で姫神SS投下します。前回の話は
ttp://www12.atwiki.jp/index-index/pages/1533.html
今回の前編は>>50-55で。

544■■■■:2009/07/08(水) 20:13:26 ID:mdNgj222
 買い物袋の中から要冷蔵の物を選び、冷蔵庫に詰めていく。夕食の時間も近いため、すぐに調理を始めることとなった。
「このままだと。服が汚れちゃうんだけど」
「あーちょっと待て、確かインデックスに用意したエプロンがどっかに……」
 しばらく物置を漁って、上条が取り出したのはデニム生地の無地のエプロンと――
「……上条君は。私に。これを着ろと」
「じゃあ俺にこれを着ろと言うのか!?」
 ピンクの生地にひよこのアップリケ、肩紐や胸元にたっぷりのフリルがあしらわれた一品だ。上条がこれを着ると言うならあの夏の惨事を繰り返すことになりかねない。
「……私は。こっちの無地の方が」
「いやいやいやいや! ほら、姫神にはそんな地味なのよりこっちの可愛いのが似合うって絶対!」
「上条君が……。上条君が。そう。言うなら……」
 エプロンを受け取って首紐に頭を通す姫神だったが、しかし頬を染めているのは何故だろう? そんなことを考えながら上条もエプロンを着る。
「……それでは。料理を始めます」
「先生、まずは何から?」
「まず。玉葱のみじん切りから。大雑把で良い」
 皮を剥き半切りにした玉葱に切れ目を入れ、荒いみじん切りに。油を引いたフライパンにそれを全て入れ、中火で炒めていく。
「……上条君は。最近。よく学校を休んでるけど」
「? いきなりなんの話だ?」
「また……あの時みたいに。怪我して。戦ってるの……?」
 フライパンを振り、中身を焦がさないようかき混ぜる。けれどその会話はあまり穏やかなものではなかった。
 あの時。姫神が上条に救われた三沢塾ビル。そこにあったのは人の溶けた黄金や、肌を弾けさせた人々、合わせ鏡のように吊るされた断頭台。銃剣と、人の死体だった。そこは一歩踏み違えただけで命を失う地獄だ。それを経験して尚、上条は他人の為に拳を振るう。
「……姫神? 何を……」
「上条君は。……危うい。と思う。目に入る人皆。助けようとして。自分が助かることなんて。考えもせずに」
 三沢塾では腕を落とした。学園都市に爆発が起きた時、火傷と擦り傷が混じっていた。始業式から一週間で痣だらけに。体育祭ではいつの間にか消えていて、帰ってくれば包帯を幾重も巻いていた。
 あるいは姫神の知りえない場所でもっと重い怪我を、死に関わるような事件を、経験しているのかもしれなかった。
「……えーと、とりあえず、この後何すれば良い?」

545■■■■:2009/07/08(水) 20:18:48 ID:mdNgj222
 誤魔化すように――いや、事実誤魔化しているのだろう。上条は身を開き、誰かを抱きとめるような仕草で手が開いていることを示す。唐突な話し方だったことを姫神は意識し、誤魔化しに乗るように指示を出す。
「……。お皿と。鶏肉を二枚取って」
「ん。……えーと、皿はコレで良い?」
 鶏肉とともに差し出された皿は直径十五センチほどの物だ。姫神はそれを受け取り、フライパンの火を止め火の通った玉葱を移す。空いたフライパンにまた油を引き、二枚の鶏肉を並べ皮から焼いた。
「鶏肉は火を入れすぎると。堅くなるから。中火で両面を焼く」
 言葉のとおり、鳥皮に焼き色がついたのを確認して裏返す。二分ほど待ち、裏面にも火が通り始めた頃、皿に分けておいた玉葱をフライパンに戻した。
「上条君。トマト缶と。砂糖。ちょうだい」
「あいあい……っと。でも、トマト缶かぁ……」
「……もしかして。トマト。嫌いだった?」
「いや、そうじゃなくて。昔トマト缶でパスタソース作ったことあるんだけどさ、酸っぱいっつーか、味気ないものになってな」
 ううむ、と上条が唸る。
 上条の質問に姫神は缶のプルタブを引き、スプーンで中身を掻き出しつつ答えた。
「トマト缶は。煮詰めてないから。ケチャップより甘みが足りてない。だから……」
 受け取った砂糖を開け、大さじで二杯程投入する。玉葱とトマト、それに砂糖を混ぜ、さらに塩胡椒を何度か振るとフライパンに蓋をした。
「こうやって。砂糖を入れてあげると美味しくなる」
「ふーん……」
「あとは。弱火で煮詰めるだけ。煮詰めたら味が濃くなるから。味の調整は。最後に」
 コンロの火を弱め、姫神が一息つく。これで工程はほぼ終ったようだった。
「さて、姫神、次は――」
「――さっきの。話だけど」
 遮るように。一歩進み、姫神は口を開く。それは、これまで何度も考えたことだった。
「……もしも。もしも私がお願いしたら。上条。君。は。……危ないこと。やめてくれる……?」
 当事者、救われた者として一度。傍観者として一度。巻き込まれ者として、一度。上条当麻を登場人物とした事件を姫神が見たのはそれだけだ。それ以外、“絶対能力”“御使堕し”“法の書”“残骸”“女王艦隊”“天罰”“天使”――一つひとつが容易く命を奪うような事件に上条は関わり続け、しかし姫神が知るのは学校を休み、あるいは入院したという担任の言葉だけ。何かが起こり、その結果として上条の怪我を見る。
 姫神は上条に――勿論小萌や神父、インデックスにもだが――恩を感じ、またそれを返したいとも考えている。有り体に言えば好意を持っていた。それは恋に似た、諦めを含むものではあるけれど。
 姫神(わたし)が望めばこの人は止まってくれるだろうか。そう、姫神は考えていた。何度も繰り返し、だ。
 引き換えに何を差し出しても――とは言わないし、言えない。例えば命、上条やインデックス達に救われたものは、大事にしようと考えている。意思も居場所も同じだ。
 だから、それ以外。
 望みを叶える為に代価が必要で、それが自らに支払えるものなら――。
 もう一歩。姫神は歩み出て、上条の目前に立つ。手を伸ばせば上条の胸に届き、触れる。
「……悪い、姫神。多分、無理だ」
 けれど。
 差し出す全てを拒絶するように、上条は姫神の手を止めた。握った手首を僅かに押し、逆の手で、誤魔化すように頭を掻いて。
「んー……俺もよくはわからねぇんだけどさ。今までは、インデックスの近くにいたから巻き込まれてた。……ま、他にも偶然遭遇したりはしてたんだけどさ」
 例えば。インデックスがベランダに引っかからなければ、姫神と遭遇しても三沢塾には行かなかっただろう。オルソラ・アクティナスも救わなかった。使徒十字を防ぐことも、女王艦隊に乗ることもなく――少なくとも、危機の半分をやり過ごすことが出来た筈だった。
 あるいは、今からであっても、上条がインデックスと離れたのなら。これ以上の危機を回避出来たのかもしれなかった、けれど。
「俺が、狙われてるんだよ。詳しくは分からないんだけどさ。この前……後方のアックアなんて化物が、学園都市にやってきたんだ。他の何かじゃなく、俺を狙って」
 だから。上条にはもう逃げ道が存在しない。
「あの。怪我……」
 姫神が思い出したのは一つの事実だ。いつもよりはるかに長い欠席と、久しぶりに登校した上条の擦過傷。ふとした仕草で覗いた、包帯の巻かれた手首。
 姫神(私)が日常を過ごしていた頃、上条は非日常に向き合っていた。

546■■■■:2009/07/08(水) 20:19:37 ID:mdNgj222
「――でも、そんなこと抜きにさ」
 私は何も出来ない、なんて無力感。それに溺れそうだった姫神の思考を、その言葉が断ち切る。
「戦争を止めたいなんて、そんな大それたことじゃなくてさ。俺は誰かを助けたいんだよ。……痛いのは嫌だけどさ」
 冗談めかして上条が笑う。
「いろんなことに巻き込まれたけど、後悔はしてない。目の前の誰かを助けて、一緒に笑いたいんだよ。土み――ああいや、俺を変なことに巻き込む奴がいるんだけどさ。恨んではないんだ。……いや、怖いんだけどさ」
「じゃあ……。なん。で……」
 なんでそんなふうに笑えるのか。
 そう問いかける姫神に上条が思うのは一つの事件だ。それは記憶を失って初めての出来事。
 錬金術師と相対し、過去と現在、二人の上条が重なった瞬間。
「――きっと。お前を助けたみたいに、誰かを助けたいんだよ」
 記憶喪失の上条から違和感を拭い去ったのはその時だ。もう失われてしまったかつての自分も関係なく、ただ、目の前にいる誰かを助けたいと思い。思うままに行動する。
「………………………………あ……」
 上条と姫神は僅かの間見詰めあい――そして、今の状況にふと気付いた。
 姫神が詰め寄ったせいで二人の身は近く、上条は姫神の手を握ったままだ。まるでキスでもするような、恋人の距離で――

547■■■■:2009/07/08(水) 20:20:05 ID:mdNgj222
「なんだかいい匂いがするかも――!!」
 妙に甘く壊しがたい雰囲気をインデックスがあっさりと蹴散らした。
「むむ、これは鶏肉とトマトの匂い――って、あれ? 何、してるの、とうま?」
「いやいやいやいやこれはその――そう! 姫神が手を火傷したからそれを見てて! 何もやましいことはございませんことよ!?」
 姫神から身を剥がし、慌ててインデックスに向き直る。
 怒っているかと思えば、インデックスは笑っていた。それも聖女の如く無駄に慈愛と優しさに溢れる感じだが騙されてはいけない。あれは囚人の首を狩る処刑人の目だ。
「とうま……? じゃあ、その、離したくなさそーに握り締めてる手はなんなのかな?」
「あ、いや、これは……!」
 すぐさま手を離し、両手を前に出して違いますのアピール。けれど、
「……上条君が。強引に。手を。握って……」
「とう、ま?」
「いや違――」
「腕を腰に回して。情熱的に。抱きしめてくれて……」
「何言ってんだオマエ!? 待てインデックス、これは誤解! 誤解だ! そう冗談であっていやぁお茶目だな姫神さん――ってそこ! 頬赤らめるな手を添えるな!」
 ふ、と。インデックスの目から感情が消えた。慈愛の有効期限が切れた模様。ガキンガキンと歯が鳴る様子はゴミを潰していくプレス機のようだ。その横を通って姫神は飄々と退避していく。
「女の子家に連れ込んで何するつもりだったのとうま――!!」
「ぎゃああああぁぁあぁぁぁ!!」
「答えてくれるまで噛み続けるかも!」
 台所に骨と骨を打つような鈍い音が響いた。多分痛みで答えどころじゃないんだろうな、と姫神は考えるが、さらに追い討ちをかけてみる。
「……上条君。何かあったら。何でも言って。……私なら。いい。から……」
「とうまアアァァァァ!!」
 ヒートアップするインデックスとは対称に、上条は悲鳴を上げず、ふ、だとかあ、だとかいった気まずい声を漏らしている。そろそろ危ないか、と姫神はインデックスを止めたが、けれど考えていたのは別のことだ。
 上条は止められない。これからもいくつもの事件に首を突っ込み、そして誰かを助けてくるのだろう。それはまるで、姫神を助けた時のように。ならば、姫神は止めることすらできない、けれど。
(なら。私は。ここにいよう)
 自分に出来ることは限りがある。戦うような力もなく、精々応急手当をする程度だ。
 だから、姫神は選択する。
 日常として上条の傍にいることを。今自分がいる場所で、出来ることをやろうと。
 家事の手伝いでも、休日の遊びでも、何でもだ。あるいは、何か手伝えることが見つかるまで。
 隣じゃなくていい。同じ教室にいて、たまに話して、笑い合うことを姫神は決めた。

548■■■■:2009/07/08(水) 20:22:02 ID:mdNgj222
という訳で姫神SSでした。ってかまたタイトル忘れたぁー!!
えーと、とある上条と姫神秋沙、お宅訪問の下って事で。

時間はアックア戦の後を想定しています。相変わらず料理してるだけですが、レシピは普通に使えるものなので暇な人は実践してみるのもアリかも。ニンニクやバジル、オールスパイス等を使っても美味しいです。
微妙に視点が姫神よりでブレてますが、スルーで! スルーで!
え、インデックス? ラブコメに良くある雰囲気クラッシャーのペットですよね?

549■■■■:2009/07/08(水) 22:00:10 ID:X8LX5I8w
たまには。ロマンチックにちゃんとキスまでするものが。読みたい。

や、面白いし、お約束なのは分かっているんですがね?

550■■■■:2009/07/09(木) 00:59:33 ID:EyZ41zdc
インデックスは嫌われ役だからな

551ルッシー:2009/07/09(木) 13:35:35 ID:C3wPogGY
『とある暗部の未元物質』第2章の3話分を投下します。

552■■■■:2009/07/09(木) 13:37:01 ID:C3wPogGY
第2章   破滅への使者  Heimdall



ドドドドドガガガキキキキキキ!!と、建物に銃声と弾丸が壁を抉る音が木霊する。
第十七学区のとある廃工場で銃撃戦が行われていた。
その銃撃の中心にいる男は服部半蔵。『スキルアウト』のリーダーだ。もっとも、その肩書きは代理でしかなく、現在はある男の復帰を待っている。
半蔵は先月、郭という少女から『原石』のリストと思われるレポートを奪取している。普通であれば気にも留めない事なのだが、仲間である郭が関わっているという事でどうにも放っておけない状況になっていた。
この一ヶ月、色々と情報収集をしたが目ぼしい成果を挙げる事ができず、苦肉の策として学園都市に「『原石』の在り処を知っている」という旨の手紙を送りつけカマをかけてみたのだ。

(やっぱり学園都市の連中が画策してやがったか。おおよそ見当はついていたが、これで確定だな。とりあえず今はこの状況を脱する事だが―――)
カンッ、と空き缶を投げたような音がしてハッとして横を見る。そこには拳大の手榴弾があり、
(やべっ!!)
ドゴォ!!という爆発音と共に半蔵の思考が吹き飛ぶ。だが半蔵の動きは止まらない。爆発の瞬間、とっさに近くにあった風力発電のプロペラの支柱に隠れ難を逃れていた。
しかし追撃は続く。
今度は風力発電のプロペラと水道管のパイプがひとりでに動きだし、半蔵に目がけて猛スピードで向かってくる。
(念動力!?奴ら、能力者までいるのかよ!!?)
半蔵はギョっとするが、考えている暇はない。銃撃だけでも手いっぱいなのに、能力まで交えられたらとてもではないが交わしきれない。
半蔵の獲物は自身で改良を加えた三点バーストと打ち根の二つ。
射程の短い打ち根は論外。三点バーストも換えの弾を入れても十数発。しかも、ただでさえ照準の難しい三点バーストを走りながら扱うというのは半蔵には厳しい。撃ち合うという選択肢はなかった。
(とにかく逃げるしかねえ。幸いここは工場だ。遮蔽物に隠れて奴らの視界から消える事ができればそれでいい)
半蔵は忍者の末裔である。元来、物陰に隠れ敵を一撃必殺で仕留めるのが彼らのセオリーである為、こういった逃亡で敵を撒くのもまた彼の領分であった。
(―――!こいつら!!)
しかし追っ手は半蔵を正確に追跡してくる。いくら閉鎖された工場とは言っても今は昼だ。所々に差し込んだ光が彼の影を生み出してしまう。それでも半蔵はその独特の移動法で影すらも利用し追っ手を幻惑しているのだが、効果は芳しくない。
(間違いない。あの装備といい、能力者といい、何よりこの動き。全てが『警備員』や『風紀委員』とは違う!)
バッキイィィ!!!という爆音と共に念動力で高速回転していたプロペラが工場の支柱にぶつかり大破した。その破片のいくつかが半蔵に当たり、額からは血が流れてくる。一瞬怯んだが、それでも半蔵は走り続ける。
(くそっ!このままじゃジリ貧だ。何とか突破口を見つけないと蜂の巣だ…!)

553ルッシー:2009/07/09(木) 13:37:35 ID:C3wPogGY
半蔵は左へと視線を向ける。
この廃工場には地下室がある。もっとも、その地下室は元々あったわけではなく、彼ら『スキルアウト』が緊急時に隠れる為の空間だった。
おそらく学園都市の追っ手の連中はこの地下室の存在を知らない。そこに逃げ込めば簡単に敵を撒く事ができるが、こうも正確に追跡されると地下室には逃げ込めない。今の状況で逃げ込めば確実に袋小路だ。
(何か注意を引けるものがあればいいんだが…)
半蔵はあたりはぐるっと見渡す。巨大クレーンにベルトコンベアー、変圧器と完成品を運ぶ為の大型トラックが放置されている。
(どれもこれも…使えねえ!!)
半蔵は歯噛みする。次第に焦燥感が出てくる。そしてその焦りは一つのミスを誘った。
行き止まり。
平凡なミスだった。工場の地形は頭に入っていたが、予想外の追撃などで冷静さを失っていた半蔵は逃走ルートを間違えてしまっていた。
(ちっ!情けねえ!)
逃げ場を失った半蔵を十人弱の追っ手が包囲する。ある者は銃を、ある者は刃物を、ある物は能力使用の為か独特の構えをしている者もいる。
逃げられないと悟った半蔵は覚悟を決めたのか、狙いの定まらない三点バーストの引き金に指をかけ銃を構えようとした。その時―――。


『半蔵様!右へ!!』


どこからか、いきなり叫び声が聞こえた。
半蔵はわけもわからず反射的に右へ飛ぶ。
すると半蔵が飛んだ先の床がサッと、まるで襖を開けたように開いた。
「は?」
あまりにもお約束的な事態に、状況に合わぬ間抜けな声を出してしまう。しかし、気付いた時には半蔵はその穴に落下を始めていた。

「あああああああああああああああああああああ!!!????」

思いっきり落とし穴に落ちていく半蔵。落下中に穴が閉じていくのを確認すると後はもう暗闇を落ち続けるだけだった。

554ルッシー:2009/07/09(木) 13:38:17 ID:C3wPogGY


「え、えぇ…っと…」

とある一室。少女の困惑した声が響いていた。
とりあえず中に入れば?という土御門の言葉で上条宅にお邪魔した五和。
土御門がいたのも充分驚きだったのだが、何より綺麗な黒髪の少女の存在が彼女の思考の全てを支配していた。
(あの人誰なんでしょう?見たところ日本人のようですけど…。制服を着ているところを見ると上条さんのご学友といったところなんでしょうか…)
頭の中で現在分かっている状況から推理する五和。ハタから見ればリビングでボーっと立ち尽くしているようにしか見えない。
「そこ。とりあえず座るといい」
すると、そんな五和を見かねた姫神はどこから出したのか、座布団を一枚持ってくるとそこに座るように促す。
「あ、ありがとうございます!」
申し訳無さそうにいそいそと座る五和。この時点では五和が一方的に空回りし、姫神が冷静に歩を進めているという感じだ。
彼女達のやりとりが一段落したのを確認すると今度は土御門が口を開く。
「で、いきなりカミやん家に押しかけてどうしたんだにゃー?」
土御門は敢えて五和の名を言わなかった。それはこの状況を考えて彼が判断した事なのだが、
「あぁ、その件ですね。実はイギリス清きょ―――」
「思い出したぜい。借りてたDVDを返しにきたんだにゃー」
土御門は状況が全くわかっていなかった天然少女の言葉を遮る。
この場には姫神秋沙がいる。彼女は間接的ではあるが、一応イギリス清教の保護を受けている形になっている。しかし彼女は魔術師ではない。普通の人間は魔術世界に首を突っ込むべきではないのだ。
この状況でイギリス清教とか『必要悪の教会』とか言えば姫神に余計な詮索をされる可能性も有り得る。土御門はもう二度と姫神に魔術世界に足を踏み入れないで欲しかった。
そんな土御門の想いを知る由もない五和は何が何だかわからない事態に?マークを作っている。
「(とりあえず、この場でその話はまずいにゃー。姫神がいなくなるまでその話はストップだぜい)」
「(はぁ…。わかりました)」
土御門は小声で最低限の説明をすると、五和は「彼女は姫神さんと言うのか…」と何やら頷いている。
姫神はコソコソしている二人を不審に思ったが、特に問い詰めたりはしなかった。
そんなこんなで、ひとまずの静寂が訪れる。が――、

ピリリリリリ!、とデフォルト設定の携帯電話の着信音がその静寂を切り裂く。
姫神はその着信音が自分の携帯だとわかると、二つ折りの携帯電話を開きディスプレイを見る。一瞬、ほんの一瞬姫神の動きが止まったがすぐに通話ボタンを押した。
『姫神か?悪いんだけど今から下の公園に来てくれ』
その声は聞き慣れた声なのにどこか緊張を誘う。だが心地良い不思議な声。
「わかった」
姫神は一言だけ返すと電話は切れてしまう。時間にしてほんの数秒。にも関わらず得体の知れない疲労感が姫神を襲う。しかし悪くない感覚だ。
「ごめん。ちょっと出なきゃいけない」
姫神はそう言うと立ち上がる。
土御門が「留守は任せるにゃー」と敬礼のジャスチャーすると姫神は早歩きで部屋から出て行った。


「カミやんもいいタイミングだぜい」
「え?」
「いや、何でもないにゃー」
やっぱり何もわかっていない五和。しかしそんな五和を無視し、土御門はトーンを下げた声で話を切り出す。

「何があった?」
五和は土御門の低い声が「ここからは魔術師の会話だ」という意図を汲み取ると表情を引き締める。
「はい。実は―――」

555ルッシー:2009/07/09(木) 13:38:48 ID:C3wPogGY


ツンツン頭の少年はとある公園のベンチに座っていた。
今日は授業が休みで一端覧祭の準備も吹寄から逃げ切り、白シスターは「学園祭って言えばわたあめなんだよね!そんなわけでこもえの所に行ってくるー!」と三毛猫を連れて行ってしまった。
そんなこんなで晴れてプチ秋休みが出来たので姫神への埋め合わせと思い、彼女を誘ったのだが…。

「あー…なんだってこんな事になってるんだよ…」
少年の隣にはある少女がいる。茶髪を花柄のヘアピンで留めた少女。常盤台中学のエース・御坂美琴だ。
上条がジュースを買おうと自販機に向かったら例によってバッタリと会い、例によって美琴の逆鱗に触れ電撃を食らう…という顛末があったばかりだ。
「つーか、お前…学校はどうしたんだよ?」
「今日は自主休日!」
「なんだそりゃ…さっきの自販機の事といいお前不良少女の道まっしぐらじゃねえか。一時は改善の兆しがあったのに」
美琴は何やら変に不機嫌なのだが上条にはその理由がわからない。
「そんな事より…さっき電話で誰呼んだの?」
「あ?クラスメイトだよ。今日は元々そいつと約束してたわけだからな」
「……………」
美琴はしばし考える。
こいつのクラスメイトってほとんど女しかいない気がする。確か男で変なのが2名ほどいたような気がするけど、今日の相手は絶対そいつらじゃない。
全く根拠のない話なのだが、美琴の女としての本能がそう言っている。
「そういうわけだからさ。今日はお前に構ってる時間がないんだけど―――」

「女ね」

「は?」
美琴は矢を射るように上条の言葉を遮り、上条はそんな美琴の言葉に固まってしまう。
「女なのね?」
「えっと…」
「正直に言いなさい。お姉さん怒らないから」
「絶対怒る!てゆうかもう怒ってる!!何そのバチバチ!!てゆーかそもそもお前年下じゃ―――」
「また女かああああああああああ!!!!!!!!!」
「あーーーー!!?ミコトさんがキレたーーー!!最近ちょっと優しかったのにーーー!!!!」

「お・ま・え・の・せ・い・だっ・つー・の!!!」

電撃使いの少女は久しぶりにフルパワーで少年を撃った。
何やら右手で防ぎきれなかった電撃が体に回ったのか、上条は倒れてピクピクしているが「天罰よ!」とキツイ一言を投げて美琴は学校へ向かっていった。

その後、姫神が上条との待ち合わせ場所に着いた時には「不幸だ…」といううわ言を言いながら地面に転がっている高校生がいたとかいないとか。

556ルッシー:2009/07/09(木) 13:40:26 ID:C3wPogGY
以上、今回の3話分の投下でした。1は例によって字数制限にかかったので分割しました。

ちなみにうちの近所の本屋では既に18巻が発売されてました。今から読むのが楽しみです。

557■■■■:2009/07/09(木) 17:37:46 ID:AvhC1S3o
良いなぁ。明日かぁ

558HAO:2009/07/09(木) 18:38:17 ID:yZlFrzsc
どうも、HAOです。
お待たせしました、『とあるお嬢の看病奮闘記 いちゃいちゃ(?)看病編』の続きを投下します。

559、『とあるお嬢の看病奮闘記 いちゃいちゃ(?)看病編』:2009/07/09(木) 18:39:35 ID:yZlFrzsc
「はぁー……」
台所に立つ美琴は大きく溜め息をついた。
溜め息の理由は先程の失敗である。
上条は全く悪くないのに、おもいっきり怒ってしまった。
さすがにあれは理不尽だっただろう。
病人なのだから咳ぐらいするだろうし、元はと言えば美琴自身が妙に意識してしまった事が原因なわけで、上条が怒られるのは筋違いというものである。
その後、落ち着きを取り戻し我に返った美琴は、「お、お粥持ってくるわね!」と言って逃げるように台所へ姿を消し現在に至る。
「(うぅぅ……またやってしまった……)」
またもや凹み気味の美琴。
「(はぁー……嫌な奴って思われたかな……)」
上条にどう思われているか、とても心配な美琴さん。
気になる相手にはやはりいい印象を持っていてもらいたいものだが、先程の事は自分が上条の立場だったら、間違いなく最悪の印象だろう。
そう思うと泣きたくなってくる。
とはいえ、落ち込んでばかりもいられない。
お粥を持ってくると言って台所に来たわけなので、早々に食事の準備をして戻らなければならない。
なんとか沈んだ気持ちを切り替えると、お粥の出来を見るため炊飯器の中を確認する。
お米を研いで水を入れてスイッチを押すだけ、という単純かつ簡単な作業とはいえども初めての料理、うまく出来ているかどうかやはり気になる。
恐る恐る炊飯器の蓋を開けて覗き込もうとすると、蓋を開くと同時にムワっとした蒸気が立ち上りお米の香りがしてきた。
「……見てくれはいい感じね」
蒸気の先に見える炊飯器の中身はきれいなお粥が出来上がっており、見てくれは申し分ないようだが、問題は味である。
妙に失敗続きの本日の美琴さん的には、肝心な味の部分をミスしてないか心配である。
とりあえず、砂糖と塩を入れ間違ってはいないはずだと思い出しながら、何はともあれ味見をしてみる。
さすがに味見もしないで上条に出そうとは思わなかった。軽くお粥を混ぜると少量小皿に取り、そして恐る恐る口を付けてみる。
「ん……熱っ……!」
出来たてのお粥はなかなか熱かったが、
「……美味しい。問題なさそうね」
味は文句のつけようがないほど申し分ない出来だった。
ミスがなかった事にホッと胸を撫で下ろす。
「……じゃあ後は味噌汁を温め直すだけね」
一旦炊飯器から離れると、今度はコンロの前に立つ。
温め直す前に、一度中身を確認しようと鍋の蓋をパカッと開けると、
「……え?」
美琴はそのまま固まってしまい、すぐさま鍋の蓋を閉めた。
「(なに? 今の何?)」
今目にしたものが何なのかわからなかった。
意を決してもう一度蓋を開けてみるが、目にしたものはやはり先程と変わらない。
「なによこれはー!」と絶叫したい気持ちをなんとか踏み止め鍋の中身を確認すると、何やら大量の緑黒い物体が溢れんばかりに浮いていた。
先程は一瞬見てすぐに蓋を閉めてしまったためわからなかったが、よく見て緑黒い物体の正体を確認すると、それは大量のワカメだった。
「……なんで?」
正体がわかれば当然疑問が湧くが、理由は結構単純だったりする。
味噌汁を作っていた時、具に乾燥ワカメを使っていたのだがそれが原因である。
まあ美琴はお嬢様であるから知らなかったのかもしれないが、乾燥ワカメは水に浸すと増量するわけで、元の量の何倍にもなる。
美琴が見たレシピには乾燥ワカメではなく生のワカメの分量が明記されていたため、知らずに生ワカメと同じ分量の乾燥ワカメを投入した結果がこれというわけだ。
おかげでおもいっきり増量したワカメが浮いている。
乾燥ワカメの入った袋の裏面表記と先程見たレシピを見て確認すると、美琴はこの惨状の真相に納得する。
「何でこんなミスするかな……」
あまりにも単純というか、ある意味あり得ないようなミスに自分が嫌になりそうだった。
が、落ち込んでばかりもいられない。
増量した大量のワカメに汁気の大半を吸われ、味噌汁があまり残っていないのでなんとかしなければ。
とりあえず汁を注ぎ足せば問題ないだろうという事で、汁だけもう一度作る事にする。
あまり時間もかけてられないので、テキパキと急いで準備を始めた。

560、『とあるお嬢の看病奮闘記 いちゃいちゃ(?)看病編』:2009/07/09(木) 18:40:12 ID:yZlFrzsc
一方その頃、美琴が台所に去った(逃げた?)後もベットで横になっていた上条さんだったが、今彼はちょっとばかりピンチ(?)に陥っていた。
「……トイレ行きたくなってきた……」
生理現象が催してきていた。
上条は現在まともに動けない状態なので、ピンチと言えばピンチかもしれない。
美琴の手を借りれば何の問題もないかもしれないが、今彼女はここにいない。
台所に姿を消して結構経つが、未だ戻ってくる気配がないのは何かあったのだろうか?
まあ何かあったにしては先程と比べると静かすぎるので、単に準備に手間取っているだけなのかもしれない。
とはいえ、たとえ今この場に美琴がいたとしても「トイレ連れて行ってくれ」というのは言い辛いし、恥ずかしいものがある。
出来れば自分でなんとかしたいところだが、生憎と上条は身体が動かせない状態。
いいかげんに少しは動くようになってくれていないかなと、試しに手を動かそうとしてみると、
「ん……?」
ぎこちないながらもなんとか動いてくれた。
他の個所も試してみると、同じようになんとか動くようになっていた。
どうやら麻痺から回復しつつあるようだ。
多少痛みは走るが、全く動けなかった先程までと比べれば大分マシである。
これなら何とか自分一人でトイレに行けるのではと、リハビリがてら試しにベットから起き上がろうとしてみる。
「ん……っ……」
ぎこちなく少々時間を要しながらも、なんとか上体を起こす事に成功。
多少の痛み、キツさはあるが問題はなさそうだ。
「これならいけるか?」と思いベットから出ようとしてみる。
「っと、ととととと……!」
床に足を付けて立ち上がろうとしてみると、長い間横になっていたためかバランスがうまくとれずグラつく。
それでも何とか立つ事は出来そうだと、フラつく身体のバランスを取ろうとしていると、

スルッ……!

「え?」
何か踏んだわけでもないのに足が滑った。
「ちょっ!? 待っ……!」
静止の声を叫ぶが、その願いが届く事はなく、上条は盛大にバランスを崩す。
「と、と、ととととと……」
なんとか体勢を整えようとするが、ただでさえバランス感覚が狂っている状態の上条にそんな事が出来るはずもなかった。

ズベシっ!

「へぶっ!?」
そのままバランスを崩し盛大に転んだ。

561、『とあるお嬢の看病奮闘記 いちゃいちゃ(?)看病編』:2009/07/09(木) 18:41:15 ID:yZlFrzsc
味噌汁注ぎ足し分調理中の美琴の元に、何やら上条の悲鳴のような声と大きな物音が聞こえてきた。
「な、なに……?」
突然の事にビクッとし、手に持っていた物を落としそうになる。
今の上条の悲鳴と大きな物音は一体何だろうか?
何事かと思い料理を中断して急いで戻ってみると、
「えっ……!?」
上条がベットの側に倒れて床に突っ伏していた。
「いつっっ……は、鼻打った……」
「ちょ、ちょっと、どうしたのよ!?」
鼻を押さえて起き上がろうともがいていた上条に慌てて駆け寄る。
「あ、御坂……」
「だ、大丈夫なの?」
「あ、ああ……まあなんとか……」
「ほら……」
倒れている上条に手を貸し助け起こす。
先程の事もあり、上条と触れ合う事に結構心臓ドッキドキの美琴さんだが、今はそれどころではないと自分に言い聞かせる。
「あ…うん……わりぃ……」
美琴の手を借りて、上条はのっそりとぎこちない動きだが身体を起こし、ベットを背に付けそのまま床に座る。
「いつっっ……」
「全く、何やってんだか……。とりあえず、ベットに……」
「あー、ちょっと待ってくれ……。その前に、その……トイレに行きたいんだけど……」
「……へ? と、トイレ……?」
「ああ。そのー……わりぃけど肩貸してくんないか?」
「えっ……?」
そう言われてちょっと戸惑う美琴。
肩を貸すという事は今以上に密着することになるわけで……。
「(……どうしよう?)」
今までも散々上条と密着やら何やらやらかしておいて、何を今更と思うかもしれないが、まだ先程の件が未だに尾を引いているようで抵抗があるようだ。
実際の今も結構我慢しててヤバかったりする。
とはいえ、実際のところ美琴に選択の余地はないようなものだ。
早くトイレに連れて行ってやらないと、上条が我慢できなくなるかもしれないわけで……。
つまり、『出来ない=上条さんが大変な事に……!』になるわけである。
さすがにそれはまずい。
というか美琴としてもそれは嫌だ。
と、いうわけで……、
「御坂? どうし……」
反応のない美琴が気になった上条が声をかけようとしたその時、
「……あーもー、しょうがないわねー!」
急に美琴が叫んだ。
「ほら、肩貸してあげるから、さっさと行くわよ……!」
半ば開き直り気味の美琴は、さっさと上条の腕を取った。

562、『とあるお嬢の看病奮闘記 いちゃいちゃ(?)看病編』:2009/07/09(木) 18:41:52 ID:yZlFrzsc
「え……あ、ああ……す、すまねぇ……」
「べ、別にいいわよ……あ、アンタは病人なんだがらさ……ほら、立てる?」
「あ、ああ……ちょっと…待ってくれ……よっ…と……!」
美琴の手を借りてゆっくりと立ち上がろうとする。
「(う……か、顔が近い……)」
上条との密着度も気になるが、それ以上に肩を貸した状態は二人の顔は物凄く接近する。
まあ、上条は特に気にした様子はないが。
「ん? どうした?」
「な、なんでもないわよ……! そ、そんなことより、さっさと立ちなさい! さっさと……!(ち、近いんだからこっち向くなー!!!)」
「早くしろって……無茶言うなぁ……」
と言いつつも、美琴に急かされるままにとりあえず早く立とうとする上条さん。
先程コけた分の影響はそれほどないようで、何とか立ち上がる事はできそうだが、
「……っと、と、と、と、と……」
未だ平衡感覚が狂っているようで少々フラつく。
また先程みたいにコけないようにしようと上条はバランスを取ろうとするが、
「っ……!?」
その結果、美琴にさらに寄りかかる形になり、二人はより密着することとなり、当然顔もさらに近付く。
この状況に美琴もビクッと激しく反応し、ガチガチに固まる。
「あ、わりぃ……痛かったか?」
美琴の身体が強張った事に気付くが、上条はその反応をおもいっきり勘違いしていた。
上条との密着度が増した事&顔が近い事でガチガチになっているのだが、美琴がそれを口にする事ができるはずがなかった。
「わりぃけど……ちょっと我慢してくれ……あともうちょっとなんで……」
そんな美琴の心情何て露知らず、上条さんはおもっいきり美琴の身体に寄りかかって立ち上がる。
「ふぅー……」
立ち上がるまでにかかった時間は一分もかかってないだろうが、美琴には何十倍、何百倍もの時間に感じられた。
「(やば……頭クラクラしてきた……)」
極度の密着状態から解放されたものの、この状況は非常に心労に悪い。
とにかくこの危険な状況を早いところ終わらせようと思った、のだが、

スルッ……!

一歩踏み出した美琴の足が滑った。
「え?」
「っ!?」
「なんで!?」と思う間もなく、肩を組んでいる上条も巻き込んで、二人はバランスを崩す。
肩を組んだ状態&上条の身体の不調も相なって、体勢を整える事はできそうになかった。

ボフッ……!

しかし運が良かったのか、倒れたのはベッドの上だった。
「はぁー……ベットの上で助かったな……」
「そう…ね……」
いや、この状況は運が良かったと言っていいのだろうか?
仰向けに倒れた上条の胸の中に、美琴がすっぽり収まっる形で倒れ込んでいた。
たぶん、上条が咄嗟にかばってこんな形になったのだろう。
この状況に二人ともカチコチに固まる。
さすがの上条もこの状況はヤバいと思ったのか、二人の顔はもうこれでもかというくらい真っ赤だった。

563HAO:2009/07/09(木) 18:43:24 ID:yZlFrzsc
遅くなりましたー!!!
待ってた人御免なさい!
しかし……その割に進んでない……。
そして……美琴がドジっ子すぎる。
まあ上条さんが絡むと空回りする、という事にしておいてください……。

次の投下は『酔いどれ騒動』になると思います。
次回は、逆鱗に触れたインデックス&黒子が美琴により蹂躙される話になる……と思う。
なるべく早く投下できるよう努力します。

P.S.
すんません、なぜかsageが消えてました……。

564■■■■:2009/07/09(木) 18:51:18 ID:cPFHmyjU
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!

待ってるよ!ずっと待ってるよ!

565■■■■:2009/07/09(木) 21:27:02 ID:HPlN6EBA
ええと、とある少女の一つの願いを投稿します。
あの、言葉が崩れてるのはあんまり気にしないでくれると嬉しいです。

566とある少女の一つの願い:2009/07/09(木) 21:27:31 ID:HPlN6EBA


 昼休み、昼食の時間。
 上条は弁当を食べていたのだが、姫神たちは天花がいるせいで遠慮して何となく近寄れないでいた。
「天花、なんで浮いたまま入ってきたんだ?」
 呆れたように上条が訊く。天花は照れたように頭をかいた。
「へへへ、あの、暴走させちゃって。制御するのが駄目なの」
「ふーん……ってうわっ! なんだよ?」
 男子代表、上条の悪友である青髪ピアスと土御門が袖を強く掴む。
 その目にはギラギラと強い光が。
「カミやん……転校初日で転校生と打ち解けるその能力は何なんやねん……!」
「いくらなんでも節操がないんじゃないかにゃー?」
 転校初日……まぁそうだ。けれども、天花は義妹、らしいし。
 だが、そんな事を言ってしまったらまた波乱が起きそうだ。それは避けたいなぁ、とぶつぶつ呟いていたら。
「……はじめまして、あなたの名前は?」
「あー天花、その青い方が青髪ピアス、サングラスの方が土御門元春な」
「その投げやりな返答は何なんや!」
「カミやんの趣味は転校生なのかにゃー!?」
 ウルサイナァと天花が耳を塞ぐ。
「ああもう! おれは妹よりかお姉さんの方が好みです!ってあ」
「あーぁ……」
 呆れたような声を出したのは天花である。
 しばらくこう着状態が続く。天花が窓を開き、逃走経路を確保した。
「……妹?」
「妹って、……上条、天花?」
 上条は天花の方を見る。天花は溜息をつくと、上条の首に手をまわした。
 ずーっとこちらをうかがっていた姫神などの一部女子への見せつけである。
 逃走するのは面倒だからやめにしたらしい。
「えへへ、妹ではないかなぁ、ね、お義兄ちゃん?」
「うわわわわ!?」
 それなりに大きめの胸が上条にあたる。それを気付いていて気付かないふりをする。
 ちなみに、青髪と土御門はフルフルと怒りに震えています。
「さーって、私校内探検してくる。当麻の邪魔になってもあれだし」
 邪魔って言うか……天花がヒートアップさせたこいつらをどうにかして―っ! と心の中で叫ぶ。
 そんな上条にいたずらっぽく微笑みかけた天花は、先ほどからちらちらこちらを見てた女子達の方へ行った。
 校内探検は何処へ。
「かーみーやん? 一体どういう事か説明してもらえますかにゃー?」
「まっ、まて土御門! これには深いわけが―――!?」
「このもてもてがっくらえ怒りのてっつい!」
「げぼっ!?」
 腹にクリーンヒット。椅子と共に倒れる上条。
 天花は呑気に自己紹介をしていた。
「私は上条天花、貴女は?」
「……姫神。秋沙」
「ふぅん、秋沙ちゃんか、これからちょっとよろしくね」
 微妙な言葉づかいに姫神は首を傾げた。吹寄も姫神の隣で不思議そうな顔をしている。
「あ、私は吹寄制理。よろしく天花」
「うん。よろしくね制理ちゃん」
 そういって、天花は幸せそうに笑った。

567とある少女の一つの願い:2009/07/09(木) 21:27:52 ID:HPlN6EBA

「ちくしょう……酷い目に遭った」
「あはは、楽しかったね♪」
「楽しめたようでなによりですよっと」
 元はと言えば天花の所為でひどい目に遭ったのだが、今更言ってもしょうがないし、多分こういう人間は後悔しない。
 昨日より三割増しのつやつやした顔をしている。よほど楽しかったらしい。
 二人はスーパーによって今日の晩ご飯を買ったところだ。今日はハンバーグを作ってあげる、と天花がそれはもういい笑顔で言ったので好意に甘えることにした上条。
 元々、天花の方が数倍料理がうまい。だから当然でもあった。
「あ、……逃げよう天花」
「なにからよ?」
 天花の腕をつかみ、くるりと向きを変えると後ろから声が響いてきた。
 ちなみに、我が義妹は楽しそうに挨拶をしています。
「あ、こんにちはー、私は天花ですけどえーっと名前は」
「御坂美琴、だけど……アンタこの馬鹿の知り合いなの?」
「はいー。ふーん。そっかー美琴ちゃん」
 御坂が空気をバチバチ言わせながら上条に不穏な目線を投げかけた。
 なんかヤバイ、と肌でさとる上条。退路を探して目を泳がせた。
 しかし、そんな二人の空気を壊したのは。
「貴女にお兄ちゃんは渡せないよ。私の当麻を傷つけるつもりなら来ないで頂戴?」
 は?と上条が目を点にした。せざるを得なかった。
「ツンデレって苦手なの。ツンツンしてるうちに、大切な人が居なくなっちゃっても知らないよ」
 そう言うと天花は上条の首に手をまわした。同い年で身長の差がそこまでないからこそできる芸当だ。
 天花にとっても御坂は年下なのである。
「アンタ……、何、言ってんのよ」
「ふふ、でも貴女が本気でお兄ちゃんを欲しいと思うなら私も考える」
「……えーっと? 何がどうなってるのか上条さんはさっぱりなんですけども」
「おにいちゃんったらだめだなぁ。さて、私は帰ってるよ」
「天花?」
 言うだけ言って、彼女は立ち去った。
 微妙に気まずくなった御坂と上条が取り残される。
「……ねぇ、あの、子は誰?」
「義理の妹。御坂、何の話をしてたんだ、あいつ」
「あ、んた……」
 何かを言いかけて、口を閉じた。
 実際は、(アンタの話でしょうが)と小さく呟いていたのだが。
 でも、と天花が去った方向を見つめて御坂が思う。
「――とうに妹、かしら」
「なんかいったか?」
「あ、ああああなんでもないわよ! アンタはなんでそんなに女と一緒にいるわけ!?」
 そんなに、いるだろうかと上条は考え込んだ。
「いる、か?」
「いるわよ! 大体、事件ばっかに首突っ込んでろくなことにならないってのよ」
 それについては否定できないので、曖昧に笑って誤魔化す。
 実は、左手にこの間色々あってまだ包帯が巻いてあったりするため尚更だ。
 この傷を知ってるのは小萌先生だけだけれども、小萌先生にも呆れかえられていた。
「アンタも色々学んで、怪我しないようになるとかできないの?」
「うーん、病院行かないですむって言うのは夢だよな、ってしまった!?」
「やっぱしょっちゅう病院行ってんの!? 馬鹿じゃないの」
 罵倒しようと御坂が口を開いた時、ふとさっきの少女の声を思い出す。
 ――大切な人が居なくなっちゃっても知らないよ
(だぁー! 私は別にっ、コイツがっ、大切なわけじゃ!)
 熟れた林檎のように真っ赤になって顔を横に振り回す。
 以外に乙女だ。いや、ツンデレはすべからく乙女なのか。
「あああああっもー」
「おい、御坂。おれは何か悪いことしたのかぁああああああっ!?」
 バジバジィっ、という雷の音が、何度か第七学区に響きわたった。

568とある少女の一つの願い:2009/07/09(木) 21:28:20 ID:HPlN6EBA

「てんげ……? 夜なんだよ……?」
「インデックスちゃん。私の事はいいから」
「でも、昨日も眠ってなかった」
「いいから、かみ……お兄ちゃんには黙ってて」
 そっと、インデックスを寝かしつけて天花は微笑んだ。
 昨日も、同じように寝かせたが、やはり可愛い。同時に、この子が羨ましくて憎らしくて仕方がない。
 そう思いながらも、天花はインデックスを好いている。だって、この子には何の罪もありはしない。
 部屋を出て、寮の外へ向かう。音をたてないように深夜の第七学区を天花は歩きだした。
 正しくは、第七学区空中を。
 そうして、思わぬ人物に出食わした。
「……天花、じゃないかにゃー? こんな時間にどうしたんだぜい?」
「それは、土御門さんも同じでしょう?」
 天花も土御門も、相手の大体の状況を察していた。
 確証は二人ともない。そして相手の行動を止める気も、またなかった。
「……一つ、聞きたいことがある」
 がらりと言葉の調子を変えて、土御門は少女に問うた。
「お前の体……どうなってるんだ」
「あら、もしかして、土御門さんは知っていたの」
 対する少女は顔色一つ変えず。
 動いたことと言ったら、顔に手を添えて微笑んだくらいで。

「魔術の事を」

 土御門は知っている。そして、問うまでもなく少女の体がどうなっているか分かっていた。
「さあな。だが天花、お前眠れないのではなくて、眠る必要が」
「あら、それ以上は言っちゃ駄目だよ。だって、私の呪いは幻想殺しでも治せない。それに私、夜の街を歩くのは好き」
「一つ教えろ。自分で選んだのか」
「そうだよ。いいの、もう」
 ほんとうにいいのか、と重ねて問うてくる土御門に天花は笑った。
「ねぇ、皆して一週間夢を見てるだけだよ。だから、そうだ。土御門さんだけが真実を知ってればいい」
「おれにおしえるのか?」
「ええ。貴方ならいいわ」
 だって、お兄ちゃんの友達だもの。

569■■■■:2009/07/09(木) 21:29:02 ID:HPlN6EBA
終わりです、失礼しました。

570■■■■:2009/07/09(木) 22:04:31 ID:cPFHmyjU
さらにキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!

最近活発でうれしいです

571■■■■:2009/07/10(金) 23:06:14 ID:ojoZ7ep6
過疎ってるのは、18巻のネタバレ待避中でしょうか?

572■■■■:2009/07/11(土) 00:57:17 ID:.h2lCfRk
取り合えず飛鳥論カッケェ

573■■■■:2009/07/13(月) 18:45:28 ID:pXViJx1o
ところで、皆様は右方を倒した後どうなると思う? 
学園都市がボロボロになって、一時休業になったりするかな。

574■■■■:2009/07/13(月) 19:04:48 ID:XJHguYH2
科学サイドに話移るんじゃない?
学園祭やらドラゴンやらまだ登場してないレベル5やら色々伏線たまってるし

575■■■■:2009/07/13(月) 20:40:37 ID:pXViJx1o
そうですか!ありがとうございます。

576■■■■:2009/07/13(月) 20:56:26 ID:pXViJx1o
そうですか。ありがとうございます。

577■■■■:2009/07/13(月) 20:57:25 ID:pXViJx1o
すいません!
ミスりました!

578■■■■:2009/07/13(月) 22:26:48 ID:pXViJx1o
なんか学園都市が休業になって暇な当麻の為に的なノリで、両親がバイトでベビーシッターをさせる。
一方その事をスポーツジムで聞いた御坂母が、美琴の為を思ってシッターして貰う。
ちなみに御坂母はその間旅行に当麻母と行き、一つの家で当麻と美琴は二・三日過ごすことになった。的な奴誰か創ってくれませんか?

579■■■■:2009/07/14(火) 00:23:48 ID:/gmMlxl6
「ありのままでlovin'U/美琴&インデックス」

こんな電波が飛んできたんだが

「聞かないと!ビリビリよッ!!」

あぁ…もうダメぽ
上条さんがエヴォルトして各種能力使ってしまう妄想が止まらん

580■■■■:2009/07/15(水) 16:10:21 ID:mSR9P6bA
幻想殺しってフィアンマの発言から察するに、
「光を掲げる者」の力の結晶だと思うんだけどどうだろう?

「神の如き物」と「光を掲げる者」はもともと双子の天使なんだから力の質が似ているのも当然だし、
2巻で「竜王の顎」がでてきたのも「使徒十字」で「竜」は「身を落とした天使」
つまり「悪魔の隠語」って出てきてたしね。

以上、妄想でしたー。

581■■■■:2009/07/15(水) 17:11:42 ID:z/G/A6cA
いやいや「悪に染まった堕天使」を表すのは「悪竜」でしょ?
だからまずは「竜王」が何を表すのか知るべきだと思うんだ、うん。

582■■■■:2009/07/15(水) 18:18:07 ID:.QAqDxOM
ようやくサーシャやロシア成教が絡んできましたけれど
もう、灰姫どころじゃなさそうですね。

583■■■■:2009/07/15(水) 18:24:18 ID:mSR9P6bA
フィアンマの第三の腕って竜の腕に見えないこともなくない?

584■■■■:2009/07/15(水) 21:57:12 ID:45iLBEEM
>583
思った思った。
「竜王の顎」「ドラゴン」といい、竜の何かが
幻想殺しと大きく関わっているのは確実だと思う。

585■■■■:2009/07/16(木) 13:42:25 ID:uXUYl7eM
すみません、グループの馬鹿話投下します

586科学と魔術の相互理解:2009/07/16(木) 13:44:53 ID:uXUYl7eM
「で、魔術ってのは一体なんなのかしら?」

某月某日某所、さらしにジャケット一枚というなんとも個性的な服装の少女が唐突に問いかけた。
彼女の名は標結淡希、学園都市の裏組織『グループ』のメンバーが一人である。
デフォルト装備の少し性格の悪そうな笑みを浮かべた標結の問が向かう先は一人の少年、海原光貴。
実にさわやかな笑みを浮かべた彼はほんの一瞬その笑みを凍らせ、しかし何でもないように逆に問い返す。

「随分と唐突ですね、しかし何故自分に?」

海原、本名エツァリは魔術師だ。
アステカの秘術で本物の海原光貴の姿を少々借りてこの学園都市に潜入し、色々あって現在はこうして暗部で働いている。
だからまあ、魔術云々の問が海原に向けられるのは然程不自然ではないのだが

(自分魔術師ですから、なんて面と向かって標結さんに言った事は無かったはずですが…あ)

と思った直後、少年院前でショチトルと対峙した際のやりとりを思い出した。
「自分と同じ魔術師です」の言葉やショチトルが彼女も見ている状況で変装を解くなど、こうして聞かれるのは当然の事かもしれない。

(うーん簡単な説明なら構わないかもしれませんが…)

細かく聞かれた場合説明が少々面倒だし、科学側の彼女が理解出来るのかも微妙なところだ。
何より科学サイドの人間にあまり魔術について詳しく知られるのも少し問題ではある。
だがまあその部分は別に気にしなくてもいいだろう、魔術師という存在が居るということは九月三〇日事件で知られているのだし。
自分の使う術式の種明かしさえしなければいいかと、少々迷いながら口を開こうとしたその時、

「飯買ってたら少し遅れたぜー、すまんにゃー」

すっとぼけた間抜け口調で土御門元春が乱入する。
ちなみに土御門のすぐ後ろには缶コーヒーを手にした一方通行が居た。
2人の手には相変わらず栄養バランスを考えないファーストフード。
最も土御門の方は普段、栄養たっぷりの義妹の手料理を食べまくっているだろうから健康への影響は大したことは無いのかもしれない。
金髪にサングラス、アロハシャツというバカみたいな格好をした『グループ』のリーダーの姿に、海原は輝かんばかりの笑顔を見せる。

「標結さん、そういうのは彼の方が詳しいですし、自分より説明に向いていますので彼に聞いてはいかがですか?」

さわやか通り越して胡散臭さすら感じるその笑顔と突然自分に向けられた水に、土御門は良い予感はしなかったのか「え?」と一歩後ずさった。
当然の如く一方通行に邪魔くせえ、と足を蹴られる事になったのだが。
とにもかくにも、興味の視線よまっがーれと言わんばかりの海原の発言により標結は土御門を見やる。

「なンの話だァ?」

土御門を押しのけて室内に入った一方通行は缶コーヒーのプルタブを開けながら海原と標結に声をかけた。

「魔術ってなんなのかしら?って聞いてただけよ。
海原曰く土御門の方が詳しいみたいだけど」

「魔術……」

標結の答えを聞いて一方通行もこの話題に興味を持ったらしく、赤い瞳が土御門に向けられる。
2人の視線を真っ向から受け、土御門はげんなりとため息を吐いた。
面倒な役が回ってきたものである。



こうして第一回、土御門元春の『グループ』への魔術説明会は開始された。
ちなみに説明中は、

「やっぱりゲームよろしくアギとかマハラギオンとかの一声で炎が出たりするのかしら?」

と素直にメラとかファイアの名前を出さないのが標結らしいというかなんというかな質問や

「”黄昏よりも暗きもの〜”とかなンとか言ったりすんじゃねェの?」

という正直元ネタのアニメを見ている姿が想像つかない発言が飛んできたりと、中々素敵な光景になったりもした。
海原まで悪ノリをして2人を煽り、一時土御門は月の力でメイクアップしてセーラーモトハルになるとか安部清明と憑依合体してオーバーソウルで戦うとかいう
とんでも設定を付けられる事になりそうだったのはここだけの話である。


科学と魔術の相互理解はまだまだ遠いのかもしれない。


End

587■■■■:2009/07/16(木) 13:46:53 ID:uXUYl7eM
実際2人が魔術をどこまで知ってるのか分からないんで矛盾あるかもしれない…。
感想、意見、批判ありましたらお願いします

588■■■■:2009/07/16(木) 22:55:40 ID:s/WEVGik
短いくせに感想を要求しようなんてクズだ!!!!!



























































































と、言う人がいるかもしれませんが、僕はいいと思いました。
グループの面々の特徴みたいなものをよく捕えているな。
でもやっぱり長いほうがいい、結構面白かったから。

頑張れ。

589■■■■:2009/07/17(金) 00:10:57 ID:FgyKW3Ac
学園都市の人なら当然の疑問だと思うけどおもしみ無いですね

590■■■■:2009/07/17(金) 00:24:15 ID:U1rvf.P.
結標な。

591ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/07/17(金) 09:47:13 ID:vK3/cKUk
『ありのままでLovin'U/美琴&黒子ver」

子供の頃から夢見てた
ホントの願いを話したい

大人になるたびふくらんだ
(私、まけないんだから)
秘密の願いも少しだけ

もっとまっすぐにひたむきに
gimme gimme gimme 
アンタだけに
(殿方さんだけにね)
夢を打ち明けたい

ありのままで Lovin' U
アンタ(殿方さん)にいつも
(ついていくわよ!)
まるごとのココロあげたいよ
ありったけの anytime
キミの側に
(いたいんですの)
ボクらが今めざすあの場所で
「これくらい分かりなさいよ!」
「こんなに気持ちを込めて伝えてるんだから、届くはずですわ」
「気付かないとビリビリよぉ――!!」


元ネタ『ゾイドジェネシスED、ありのままでLovin'U』

上条さんでデスプレもいいかなぁ

592ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/07/17(金) 09:47:48 ID:vK3/cKUk
あ、投下終了です

593■■■■:2009/07/17(金) 17:18:48 ID:aoS4dAHI
ものすごい過疎っぷりじゃない、ここ?

職人さんはどこへ行った・・・?

平行世界・・・

594■■■■:2009/07/17(金) 17:49:42 ID:Ay1dbqkU
最近見る人は多いかもしれないが、書く人少ない!
ちょっぴり、つまらない 
っていうか何か長い奴を読みたい!

595■■■■:2009/07/17(金) 17:59:55 ID:Ay1dbqkU
ところで[とある科学のレールガン]って何処まで行くかな?
 一方通行戦やアクア戦って出るかな?

596■■■■:2009/07/17(金) 20:37:30 ID:hC5jj95c
少しだけ投下します、とある少女の一つの願い、です。

597とある少女の一つの願い:2009/07/17(金) 20:37:46 ID:hC5jj95c

「お・は・よ」
「ん……?」
 上条はその声に開けた目を、左手でごしごしこすった。
「て……んげぇええ!?」
「るっさいな。お兄ちゃんてばもっと静かに目覚められないの?」
 ちょっと顔が近い位で……などとぶつぶつ言ってるが、ちょっとどころではない。
 ほとんど顔がくっつく位置だ。もしちょっと揺れでもしたら、…………、うん。
「あぁあもう。妹らしくしてみようと思ったのに、ほら、当麻。早く食べなくちゃ遅刻しちゃうよ」
 インデックスが天花の後ろでご飯を持ったままうろうろしていた。
 上条の視線に気づくと、なぜか睨んできた。
 それからふいと視線を逸らす。どういう事だろうか。
「インデックスちゃんたら照れ屋さんねぇ。そんなんなるなら、『私だけ見て当麻』とでも言わないと」
「へっ!?? べっ、別にそんなんじゃないもん! とうまご飯!」
 あーはいはいと溜息交じりに上条は立ち上がった。ついでに着替える為に二人を追い出す。
 どうも天花といると調子が狂う。楽しいからいいかと息をついた。
 ドアを開けると、インデックスが立っていた。
 何故か、不安そうに見えた。緑色の瞳が、上条を真っ直ぐに見つめる。何かを言いたそうに言いにくそうに口を何度か開閉させるのを見て、上条の方から質問する。
「どうしたんだよ?」
「……てんげは、おかしいんだよ」
「へ? 何が」
 おかしい、と言っても、上条の周りにはぶっ飛んだ知り合いが多すぎるせいか、普通に見える。
 けれど、まだ子供とはいえ同性であるインデックスには違う風に映るのかもしれない。
「だって、一昨日も、昨日も。一睡もしてないみたいなのに、全然眠くなさそうなんだよ? ベット、てんげが寝た感触なかった。なのに、むしろ、昨日よりも元気かも」
 放たれた言葉は、予想と全く違うものだった。
 その意味を飲み込むのに数秒かかり、分かった後は、疑問符が頭を埋め尽くす。
「寝てない?」
 頷くのを見て、さらに不可解な表情になる。寝ないですむ。
 それが能力とでもいうなら別だが、彼女の能力は空中散歩の筈。寝ないで平気というのは異常だと思うのだが。
「ふーたーりーとーも。冷めるよ?」
「あああ、たべるーっ!」
 とりあえずその疑問は置いておくことに決めた当麻は、天花が、その話を聞いていたことに気づかなかった。
 そして、悲しそうな顔をしていた事も。

598とある少女の一つの願い:2009/07/17(金) 20:38:02 ID:hC5jj95c

「秋沙ちゃああん!」
「いきなり。飛びつくのは。心臓に悪いかも」
「上条当麻、またこの子と一緒に来たわけ?」
 学校へ着くなりクラスメイトに飛びついた義妹。
 しかし、姫神はそれなりに楽しそうに見える。またひどいことになりそうなので吹寄はスルー。
「せーりちゃんもおはよう。ふーん、かみじょ……当麻のこと、好きじゃないのか」
 ならそれは安心。と呟く天花に姫神も呟く。
「そろそろ。離れて」
「やだ」
 にべもない。しかし離れる気がないというならこのままくっついて授業を受けるのだろうか。
 さすがにそれは嫌だなと考えていると、天花が囁きかけた。
「けど、貴方は好きだよね?」
「……!?」
「ねぇ、当麻の事見ててあげてね。当たって砕けろなんて言わない。でも、見ていてあげて」
「天花さんは。どうして」
 答えずに、天花は昨日と同じに綺麗に笑った。

599とある少女の一つの願い:2009/07/17(金) 20:38:26 ID:hC5jj95c

「当麻、先帰ってるね!」

「……しっかし天花ちゃんってお兄ちゃんの事好きやなぁ」
「これのどこがいいのかにゃー……?」
 上条をドつきまわした二人は、当の本人そっちのけで話していた。
 窓から走っている天花を見つめながら。
「これ言うな土御門」
「あれ? 門の向こうに居る女の子って……」
 土御門が窓の向こうを眺めて呟く。青髪ピアスと当麻は同時に校門を見た。
「あーっ! カミやんとデートしてた子や―っ!」
「え、御坂?」
 御坂と天花は何事かを話し、それから歩き始めた。
 御坂の方はカチコチなのだが、天花は何も気負ってないようで、ふわふわと歩いている。
「どうして、二人が?」
 義妹の不可解な行動は続いていた。
 いつの間にか土御門が消えていることに気づかず。

600■■■■:2009/07/17(金) 20:38:53 ID:hC5jj95c
おわりですしつれいしました。

601■■■■:2009/07/17(金) 21:10:29 ID:Som42/VQ
>>600
GJ!

602■■■■:2009/07/17(金) 21:17:15 ID:Ay1dbqkU
GJ
最高です。
ところで天花ちゃんにかかった魔術が気になりますね。
幻想殺しが聞かないって、どういう事かな?
1幻想殺しがあたってない。
2魔術の本体が別の所にある。
何より続きが凄く気になります。

603■■■■:2009/07/17(金) 21:37:33 ID:Ay1dbqkU
すいません
漢字を間違えました。
[効く]を(聞く)と書いた。

604■■■■:2009/07/18(土) 04:18:36 ID:45mvYeI.
「When will I see you again? (天使のささやき)」の最後の4レス分を投下します。
これは「When You Wish Upon a Star(星に願いを)」の後日談に当たります。
注)この話に出てくる姫神秋沙は『吸血殺し(ディープブラッド)』の代わりに『癒之御使
(エンゼルフェザー)』という能力を持っています。
また、本編より積極的だったりするなど設定に違和感があるかと思いますがご容赦下さい。

605■■■■:2009/07/18(土) 04:19:08 ID:45mvYeI.
(7.)
インデクスが指定した日の放課後、上条は姫神秋沙と一緒に下校していた。
ただ二人を取り囲むものは桃色空間などではなく重苦しい空気だった。

上条はインデックスが今日姫神秋沙を呼び出した理由を知らない。
インデックスに尋ねても「フフフッ、心配しないで、とうま。とってもいいことなんだよ」
というだけで詳しいことは教えてくれなかった。

頼みの土御門に『癒之御使(エンゼルフェザー)』について尋ねても「そうだな。カナミン
は実体化したテレズマで式神みたいなもんだから、ある程度は姫神の意思でコントロール
できるハズなんだがにゃー。それ以上は俺っちにも良く分からんぜよ」というだけで
新しい情報は得られなかった。

そんなわけで上条は姫神秋沙に話しかけるネタが無かった。
そして姫神秋沙も疲れているようで上条に話しかけてくるというそぶりはない。
とうとう、沈黙に耐えきれなくなった上条が口を開いた。

「なあ、姫神。夜ちゃんと眠てるのか?今日なんて珍しく授業中ウトウトしてたし」
「……実は。昨日青髪君から貸してもらったものがある」

上条の問いかけに姫神秋沙は自嘲気味に笑うと、カバンから一冊の本を取り出した。
表紙には『超機動少女カナミン解体新書−カナミンの全てがこの一冊に−』と書いてある。
そしてマジカルステッキを持った決めポーズのカナミンが大きく描かれていた。

「青髪の野郎。また余計なもんを……。で、こんなの借りてどうすんだ?」
「これを見て勉強しないといけないから」
「いったい何を?」
「『中の人』としてはあの子をカナミンらしく操らないといけない……」
「…………姫神。
 その発言、前向きなんだか後ろ向きなんだか微妙だぞ。
 ていうか多分7:3で後ろ向きだぞ」

「所詮、私はカナミンを引き立たせる脇役。ふふっ」
「……いや、脇役だって頑張れば『パイレーツ・オブ・カリビアン』のジョニー=デップ
 みたいに主役になれるんだし」
「そう。私は主役だったハズの1作目ですらジョニー=デップに見せ場を奪われ
 2作目からは完全に脇役に追いやられたオーランド=ブルーム。ふふっ」
「……………………」

完璧後ろ向き思考にはまり込んだ姫神秋沙に打つ手の無い上条であった。

「おねえちゃんもカナミンが好きなの?」

不意にかけられた声に辺りを見渡すと姫神秋沙の傍に7歳ぐらいの女の子が立っていた。
その子はキラキラした目で姫神秋沙を見つめている。

「……私?」
「そう、カナミンのご本を持っているお姉ちゃん」
「この秋沙姉ちゃんはね。カナミンとお友達なんだぞ」
「ちょっと!上条君」
「えっ、ホント。あいさお姉ちゃんはカナミンとお友達なの?すっごーい。」
「お嬢ちゃんもカナミンが好きなんだ」
「うん。大好きだよ。かみじょう兄ちゃん。
 マユもカナミンとお友達になりたいなーっ!」

「出来る子が友達だと比較されて肩身が狭くなることもある……」
「おいおい。姫神」
「そんなこと無いよ。好きだから友達なるの。
 能力があるからとか能力がないからとかで友達になるんじゃないもん。
 だって、そんなこといったらカナミンはひとりぼっちになっちゃうもん。
 カナミンだってきっと友達はいっぱい欲しいはずだよ」
「へーっ!良いこと言うね。マユちゃん」
「へへっ、ホントはね。さっきのはマユがせんせいに言われたことなんだ」

「……良い先生ね」
「わたしは、大きくなったらカナミンみたいな能力者になるのが夢なの。
 でもね。お友達をいーっぱい作ることも夢なんだ。
 あいさお姉ちゃん!カナミンに会ったらマユも友達になりたいよって伝えてくれる?」
「……ええ……」
「ありがとう!あいさお姉ちゃん。じゃあ、またねーっ、バイバーイ」
「バイバイ」

女の子の無邪気な笑顔に姫神秋沙は無意識のうちに手を振り返していた。

「そうだよ、姫神。カナミンのことはどっちが主役とか脇役じゃなくて
 友達って考えれば良いんじゃねえか?」
「友達……ともだち……か……」

606■■■■:2009/07/18(土) 04:19:42 ID:45mvYeI.
(8.)
上条と姫神秋沙は上条の部屋の前で意外な人物と鉢合わせした。
上条も驚いたが相手も驚いたようだった。

「ステイル!」
「上条当麻!」
「「一体何があった?」」

上条の問いかけはステイルと見事にハモってしまった。
一瞬の沈黙が生じたのは二人とも自分が何を尋ねられているのか判らなかったからだ。

「「だから、こっちが聞いてるんだ!」」

またしてもハモってしまった。
気まずい空気が再びその場を満たした。

先に気を取り直した上条が口を開いた。

「ステイル。お前が来るなんて、何かあったのか?」
「それはこっちのセリフだ。僕を呼びつけやがって!理由を説明しろ!何があった?」

全く話のかみ合わない上条とステイルの堂々巡りを終わらせたのはインデックスだった。
外の会話に気付いたインデックスが玄関から飛び出てきたのだ。

「とうま!おかえり。それにあいさもステイルも一緒なんだね。
 そうだ、ステイル!頼んでいたものはできた?」
「ああ、大至急っていわれたからな。こんなもの一体何に使うんだい?」
「ありがとう」
「おい、インデックス。お前がステイルを呼びつけたのか?一体どうして?」
「実はこれ、あいさへのプレゼントなんだよ。
 ジャーン!これ、なんだか判る?」

インデックスはステイルから受け取った細長い包みを破ると入っていたものを高く掲げた。
それに見覚えのある上条と姫神秋沙は驚愕の声を上げた。

「「それは……まさか?マジカルステッキ!?」」
「なんだ?上条当麻。貴様はこの霊装の正体を知っているのか?」
「これは『蓮の杖』をベースに各種精霊の秘石を合成したものなんだよ。
 それでね。赤のシンボルに魔力を流すとシュプリームフレアがでるの。
 青のシンボルならスプラッシュウイップって感じ。
 これさえあればカナミンはもう一人前の魔法使いなんだよ」
「カナミン?なんだそれは?新たな魔術結社か?」

イギリスから運んできた霊装がまさかアニメのキャラクターアイテムだと思いもしない
ステイルは的外れなことを言ってしまう。
そんな何も知らないステイルが上条は不憫でならなかった。

「どうした?上条当麻。なぜ哀れむような目で僕を見る!?」
(このまま何も知らずにイギリスに帰ればステイルは不幸にならずに済むんだよな)
「だからそんな目で僕を見るな!貴様は何を知っている」
(でも辛いけど真実を話してやるのも友達の役目なんだよな)
「あっ、貴様。今一瞬ニヤッと笑ったろ!何なんだ一体?」

ついに苦渋(?)の決断をした上条は一冊の本をステイルの眼前に差し出した。
『超機動少女カナミン解体新書』を突き付けられたステイルは怪訝そうに上条を見る。

「なんだこれは?」
「ステイル……カナミンだ!」
「なっ!?これが……カナミン……じゃあ、まさかこの手の……」
「そう。マジカルステッキだ!」

「こっ、こんなコスプレの小道具を作るために……僕は…………
 アリューゼから『蓮の杖』をこっそり拝借するなんて危ない橋を渡ったのか?
 合成に必要な霊装を大英博物館から脅し取ったりしたのか?
 忙しい魔術工房に予定を空けさせるために延々6時間も交渉したのか?」
「ステイル。おまえ、そんなことまでやらかしたのか……」

「…………違う!断じてそんなはずはない!
 きっとこの本は欺瞞情報なんだ。
 そう!隠された真の目的があるハズなんだ!
 そうだろ、上条当麻!」
「ステイル。現実を認めたくない気持ちは分かるが、もう諦めろ」

上条がステイルの肩をポンと叩くとステイルはうなだれてしまった。
しかしその肩が震え出すとステイルはいきなり上条の胸ぐらを掴み上条を壁に押しつけた。

「上条当麻!僕はこの不条理に対する押さえきれない怒りを誰にぶつけたら良い?」
「それは……やっぱり、インデックス……かな?」
「フッ、確かに元凶は禁書目録だ。
 うん。そうだ。確かに貴様の言うとおりだ。
 そう。禁書目録に責任がある。
 ならば当然その管理人も連帯責任を負うべきだよね。上条当麻!」
「ちょっと待て!ステイル」
「うるさい!貴様を殺さ(やら)なきゃ僕の腹の虫が収まらない。
 だからおとなしく僕に殺されろ!」
「こら、俺に八つ当たりするんじゃねえ」

上条が脱兎のごとく逃げ出し、炎剣を振り回しステイルも上条を追いかけていった。

607■■■■:2009/07/18(土) 04:20:12 ID:45mvYeI.
(9.)
呆然と二人を見送る姫神秋沙の袖をインデックスがチョイチョイと引っ張った。

「ねえ。あいさ。マジカルステッキの使い方を教えるから、カナミンを出してみて!」
「……でも私。カナミン(あの子)のコントロールの仕方を知らないから」
「なに言ってるの?コントロールする必要なんて無いんだよ。
 あいさが心を開けばカナミンはあいさに応えてくれるんだよ」
「そういわれても……」
「カナミンはあいさのいわば半身なんだよ。
 だからカナミンはあいさが願ったことしかしないし、嫌なことは絶対しないよ」
「でも……」
「じゃあ、このマジカルステッキはあいさに預けるからカナミンに会ったら渡してあげてね」

上条当麻が息を切らせて下宿に帰ってきたのは姫神秋沙が帰った後であった。

「ぜぇぜぇ!とうとうステイルの野郎を振り切ってやったぜ」
「あ、とうま。おかえり!あれステイルは一緒じゃないの?」
「あーっ、アイツもあれだけ走り回ったんだ。
 ストレスもすっきり解消しておとなしくイギリスに帰るんじゃねえか。
 ところで姫神は?」
「あいさならもう帰ったよ」
「そうなのか?あいつ大丈夫かな?」
「あいさはまだ少し戸惑っていたけど、大丈夫だよ。とうま。
 だってカナミンはあいさそのものなんだから」
「そっか」

翌日、姫神秋沙が眠い目をこすりつつ登校していると交差点で声を掛けられた。

「あいさお姉ちゃーん!」

そちらを向くと横断歩道の向こうで帽子をかぶりランドセルを背負ったマユが大きく手を振っていた。
姫神秋沙が手を小さく挙げると、隣の女性からも声があがった

「マユちゃん!まだ赤信号だから渡っちゃダメよ」
「あっ、先生!おはようございまーす」

隣のスーツ姿の若い女性はどうやらマユの担任のようだ。
女性は姫神秋沙と目があるとニコリと笑って話しかけてきた。

「あなた、マユちゃんのお姉さん?」
「いえ。私は。マユちゃんの友達……かな?」
「そうだったの。マユちゃんは誰とでもすぐ友達になれるから」
「そうみたいですね」

2人の会話を中断させたのは「キーーッ!」という甲高いブレーキ音と「ドゥオン!」という衝突音だった。
2人が音の方向を見ると黄色い乗用車がガードレールにぶつかって止まっていた。
しかし2人の視線は煙を出す事故車ではなくその5m先の道路上に釘付けになっていた。
そこには壊れた人形のようなものが転がっていた。
2人にはその風景が現実のものとは思えなかった。いや、思いたくなかったのだろう。
しかし、周りに散らばるランドセルや帽子がそれがなんであるかを示していた。

「きゃあああああぁぁぁぁ」

女性が悲鳴を挙げると倒れているマユのもとへ駆けだした。
我に返った姫神秋沙も後を追う。
だが女性が膝に抱きかかえたマユの姿を見て姫神秋沙は立ちすくんでしまった。
姫神秋沙は大きな怪我であっても応急処置をする自信があった。
しかしマユの状態が応急処置で何とかなる状況でなかった。
脱臼した左肩や骨折している右足が軽傷に思えるほどだ。
頭から流れる血は止血しようとする女性の手から溢れマユの髪を赤黒く汚していった。
顔を汚す血が顔色の蒼白さを余計に際だたせている。
服で隠れているが内臓も大きな傷を負っているハズだ。
それにマユの開きかけた瞳孔は一刻の猶予もないことを示している。

「誰か救急車を!ここに治癒能力者はいませんか?お医者さんでもいいんです!」

女性は騒ぎを駆けつけて集まってきた群衆に叫んだがそこには治癒能力者はいなかった。

「痛いよ。先生」
「大丈夫よ。直ぐ救急車が来るから!」
「わたし……死んじゃうの?……怖いよ……先生」
「そんなことない。先生が付いているから!」
「せ……んせい、 くる……しぃ」
「マユちゃん。しっかり!」
「せっ、んせ……どこ?……わたしを……おいていか……ないで」
「マユちゃん!先生はここよ」
「ど こ?……あれ?カナミン……わた をむか に  くれ の?」
「マユちゃん!先生はここだからそっちに行っちゃダメ!…………えっ?」

その時になって女性はマユの視線の先に浮かんでいるカナミンに気付いた。
これが錯乱した自分の幻覚なのか誰かの能力なのかを判断できる冷静さは無かった。
だから、そのありえない光景をただぼんやりと眺めていた。

608■■■■:2009/07/18(土) 04:21:01 ID:45mvYeI.
(10.)
カナミンは女の子の顔をのぞき込み微笑んでいた。
カナミンが右手の人差し指を立てるとその先に白い羽毛のようなものがフワリと現れた。
その指を前に振ると羽根はスーッと飛んでマユの額に吸い込まれていった。

女性は自分がボンヤリしていたのが10秒だったか1秒だったか判らない。
しかし我に返るとそれまで弱々しくも聞こえていた声が聞こえないことに気付いた。
そのことが意味することを悟った女性は泣き崩れた。

「マユちゃん。ゴメンね。先生がボンヤリしてたから……」
「いっ、痛いよ。先生。」
「えっ?……マユ……ちゃん?」
「そんなに強く揺すったら痛いよ」
「マユちゃん……大丈夫なの?」
「うん。先生こそ顔がクシャクシャだよ」
「いいのよ。先生はね。今とっても嬉しいから」

「そうだ。私さっきカナミンに会ったんだよ。先生、信じてくれる?」
「ええ、信じるわよ。だって今もあなたの後ろにいるじゃない」
「ホント?あっ、カナミン!」
「カナミンがあなたを助けてくれたのよ」
「そうなの?ありがとうカナミン!」

マユに応えて手を挙げたカナミンはニッコリ微笑んでいた。

その時、突然のカナミン出現に驚いていた周りの群衆が急に騒ぎ出した。

「おい、あの車ガソリンが漏れてるぞ!」
「ヤバイ!ガソリンに引火しやがった!みんな車から離れろ!」
「急げ!タンクにまで火が回ったら爆発するぞ!」

群衆が慌てて逃げまどう中、姫神秋沙はマユ達を守るように車との間に立ち塞がった。

「Thou KANAMIN!(汝カナミンよ!)Thou shalt come here!(我が許へ)」

姫神秋沙が声をかけるとカナミンはバク転し姫神秋沙の右肩に膝をつくような姿勢で空中に静止した。

「Thou shalt follow my order.(汝!我が命じるものに従え!)
 Splash-Whip! (スプラッシュウイップ!)」

姫神秋沙が右手を水平に振るい火を噴く車に指先を向けると、カナミンも青く光るマジカルステッキを振るった。
するとマジカルステッキから水がほとばしり新体操のリボンのように渦を巻きながら火を噴く車を包んでいった。
水のカーテンが消えると、車の火は消えて白い水蒸気が僅かにあがっているだけだった。

ホッと胸を撫で下ろした姫神秋沙はカナミンの顔を見上げ微笑んだ。
カナミンも姫神秋沙を見つめて微笑んでいた。

「ありがとう。今回もあなたは私の願いに応えてくれたのね」

感謝の言葉は自然にあふれ出てきた。
同時に姫神秋沙は(私の半身が正真正銘の魔法使いになっちゃった。ということは、
あれだけなりたいと願っていた魔法使いに私もようやくなれたってことかな?)と
自然に思えるようになっていた。
その時(ええ、その通りよ)とカナミンが自分にそうささやいたような気がした。

そんな姫神秋沙にマユが飛びついてきた。
姫神秋沙の腰に抱きついたマユはキラキラした目で姫神秋沙の顔を見上げている。

「すごーい!あいさお姉ちゃん。本当にカナミンのお友達だったんだね」

姫神秋沙の肩越しにマユをのぞき込んでいたカナミンは右手でバイバイをすると徐々にその姿を薄くしていった。

「カナミン!ありがとう。あなたにはこんどいつ会える?」
「あなたが願えば、きっと直ぐよ」

マユの問いかけに応えたのは姫神秋沙だった。
この日から姫神秋沙は学園都市において「カナミンマスター」の称号を得ることになった。

「When will I see you again? (天使のささやき)」お終い

609■■■■:2009/07/18(土) 04:22:10 ID:45mvYeI.
以上です。今回のssはエンディングを考えつかないまま書き始めたせいで
後半やたら筆が遅くなってしまいました。もう少しストーリーを固めてから
書き始めるべきでした。反省。
次からは>>495で予告を投下しました「ミサカ、巫女と美琴(みさかみことみ
こと)」を投下していきたいと考えています。

610■■■■:2009/07/18(土) 04:43:38 ID:0/8mt/zk
GJ!
姫神はこれから超機動少女カナミンの正体(変身前モドキ)として活躍するわけですね分かります。(あれ?■■■■じゃなくて姫神って言えたぞ!?)

……それはそうと某スレで予告した上条さん×アニェーゼを投稿したいのだがOK?

611■■■■:2009/07/18(土) 09:29:26 ID:uPCzulAY
おk どんとこいやー!

612Forced・cohabitation:2009/07/18(土) 19:25:21 ID:0/8mt/zk


第1章 献身的な修道女達の強制的要求 Forced ・cohabitation





「と、言う訳です。理解しやがりましたか?」

…………おかしい。いやちょっと待ってほしい。
学園都市に住むレベル0の平凡な高校生、上条当麻は必死に思考する。
彼の前には黒を基調とした修道服に身を包んだシスター3人が、さも当然のように座っていた。

「やはり理解できませんでしたか?……シスター・アニェーゼ、やはりこの少年の頭脳レベルに合わせて解説するべきなのでは?」
(シ、シスター・ルチア!か、仮にもこれからお世話になる人にその言い方はちょっと……)
(しかしシスター・アンジェレネ、実際に彼は固まったまま動かないじゃないですか)

ヒソヒソ話まる聞こえだぞこの野郎。固まったまま動けないのはあなた達のせいですからね?つーか内容は理解出来たけど何でそういう展開になるんだと激しくツッコミを入れたいんですがOKですか?
と、固まっている割には意外と激しく脳内思考をしている上条だったが、続くアニェーゼの台詞で反射的に口が動き、逆に脳内思考は完全に停止した。

「そーですか、そんじゃ簡潔に……………………私達をここに1〜2週間ほど泊めやがれってんです」
「………はぁぁぁああああああああああああああああああああああああああ!!!???」


なんだかその1〜2週間全てが不幸で埋め尽くされそうな気がした。

613Forced・cohabitation:2009/07/18(土) 19:26:34 ID:0/8mt/zk


○月×日・午後3時半


上条の絶叫から、遡ること2時間半前…………


今日の授業が終わり、上条の通う高校の廊下をデルタフォースの3バカトリオ、上条、青髪ピアス、土御門元春は、今日も他愛のない話をしながら帰宅の為に昇降口に急いでいた。

その中でも特に急いでいたのが他でもない上条である。

「今日はDiscountスーパーで冷凍食品の大安売り!!節約学生の第1人者である上条さんとしては行かない訳には参りません!!」
「………どおでもええけど、なんだかカミやん最近ずいぶん所帯じみてきたような…………なんでなん?カミやんが自炊派だってのは知ってるけどそれほど金に困ってる訳でもないやろ?1人暮らしなんやから。…………まさか、どっかの薄幸少女を家に連れ込んでたりすんのん?」

ビックウ!!と肩を震わせる上条。彼は訳あってアパートの自分の部屋に「インデックス」と言う修道女を保護しているのだ。

真っ白な生地に金色の刺繍を施した、ティーカップの様な修道服をきているそのインデックスがとにかく食べる食べる。
ある日の夕食なんか、インデックスが上条さん特製フライ定食(ご飯&サラダ&スープ付き)を上条の分まで平らげ、自分だけ「18秒で出来上がり!学園都市特製、速さ0、1倍、美味さ10倍!!真・カップラーメン・しょうゆ」の時があったほどだ。

そんな訳で家計簿をつけるのは当たり前、少しでも安い物を求め、スーパーを渡り歩くようになった上条は、お目当ての店が少し位遠くても足を運ぶようになっていた。

…………問題はとある事情により、この事実を周りに伝えられないという事だ。(1人暮らしの男の部屋に少女を連れ込んでる時点で話せるものではないのだが)

自分は勿論、インデックスの為にも。

上条がどう言い逃れしようと考えていたその時

「はっは〜!夢があるニャー青髪は。朝起きたら「おはようお兄ちゃん♡」って微笑んでくれる幼女メイドがいてくれたら最高なんだけどニャー」
「……そうやな〜、考えてみたら日々フラグに塗れているカミやんがわざわざ「少女誘拐」なんてする訳あらへんもんな〜」
「ブフッ!!?」

「少女誘拐」の所で思わず噴き出した。
もしかしたら自分は何も知らない他人から見たら犯罪に見えかねない事をやっているのではないだろうか?と、上条は少々本気で頭を抱える。

「……せや、よう考えたらカミやんはそーゆー事せんでもええんやないか!おかしない!?そーゆー事に手ぇ出さんでも大満足のフラグパラダイスなんて!!?つーかどっちかっていうと僕がそっちに手ぇ出しちまいそうやもん!!」
「……何だかお前が言うと、妙にリアルに聞こえるぞ…………」
「にゃー……あとで小萌先生に青髪注意報を呼びかけておこうぜぃ……」

同時刻。職員室で職務を全うしていた上条達のクラスの担任、月黄泉小萌は、小学生にしか見えないその小さな体全体で多大なる悪寒を感じとっていた。

614Forced・cohabitation:2009/07/18(土) 19:29:48 ID:0/8mt/zk





上条の絶叫から遡る事18時間30分前・イギリス清教・必要悪の教会・とある公園の一画

「わかりました。そんじゃ、準備がすみしだい出発します」

必要悪の教会の女子寮近くの公園に呼び出されたシスター、アニェーゼ・サンクティスは仕事の説明を受け終わると、資料として渡された紙を手早く折りたたみ、修道服の中にしまう。

彼女、実は生粋のイギリス清教徒ではなく、ローマ正教の250人からなる1部隊を任されていたシスターのリーダー的存在だったのだが、現在はとある2つの事件によりイギリス清教に改宗した(本人はイギリス内にローマ正教支部を作ろうとしているらしいが)元・ローマ正教徒である。

「ああ、本当なら神裂達「天草式」の出番なんだろうけど、こんな術式が発動した以上、天草式は勿論、土御門も役に立たないだろうからね」

一方アニェーゼを呼び出したのはステイル・マグヌスという神父だ。
アニェーゼとは違い、此方は生粋のイギリス清教徒。ルーンカードを使った炎の術式を得意としていて、教皇クラスの術式も使える天才魔術師。

……ただ、神父としては勿論、人としても見本にはならない格好をしていた。

真っ赤に染まったロン毛、両耳にピアス、目の下にバーコード、そして何より超タバコ臭い……と言うか、今も喫煙中だった。

「ニコチンとタールが無い世界の名は地獄」という名言を吐いた事があるほどタバコ好きで、彼の事を知る人はそれを注意しようとしない。なぜか「絶対に」無駄だからだ。
それはもはや「依存」や「中毒」どころの話では無く、彼にとって「酸素=タバコの煙」の方程式が成り立つほどの物だ。

彼からタバコを取り上げた未来は、取り上げた者が確実な燃えカスとなる、もしくは、ステイル自身が廃人になる、の2択だろう。

だからアニェーゼも
(ったくこの喫煙神父が、自重しろってんです)
と思ってはいても口には出さないのだった。

「んで、貴方はいかねぇんですか?」
「ああ、正確には「行けない」かな?状況が状況だし「外」でサポートさせてもらうよ」
「(ふん、ウソつきやがれってんです「ジュッチューハック」禁書目録の世話がしてぇだけでしょ)」

心の中で悪態をつくアニェーゼに

「…………ずいぶん余裕そうだね、ま、仕事を成功さる自信がそれだけあるって言うなら大いに結構だけど」
「……なにがいいてぇんですか?」

ステイルの目が微妙に細まる。
何の質問が来るか分かっているのに、いや、分かっているからこそアニェーゼは聞き返した。

「別に、ただ元・同僚である誰かと殺しあう事になるだろうからさ」
「…………あたしの仕事に甘さがあるってんですか?笑えねぇ冗談です」

そんな言葉を返したアニェーゼに、ステイルは嘲るようにフッ、と笑う。

「そんな事は言ってないよ?ただ「かつて仲間と慕ってくれた者が向ける敵意の視線」に耐えられれば良いね、そう言ってるんだ。まあ、君が嫌いだった人が来ない確率も無いわけじゃないし、出来ればそっちの可能性であることを祈っていてあげるよ」

ステイルはそう言うと、公園に掛けてあった人払いを解除し、自然な足取りで公園の出口へ向かい、人ごみにまぎれていった。

「…………ったく自分の経験を尊重しすぎてんですよ」

公園に一人残されたアニェーゼは、嘲るように、自分の意思を再認識させるように呟く。



「今も、そしてこれからも、あたしに昔はねぇんですよ」

615■■■■:2009/07/18(土) 19:35:21 ID:0/8mt/zk
とりあえずここまで………長編になりますが末永く見守ってやって下さい。

616■■■■:2009/07/18(土) 20:35:53 ID:coQ0nzwY
>18秒で出来上がり。学園都市製、速さ0.1倍、美味さ10倍!!
学園都市でのカップ麺は今まで1.8秒でできてたんですか?

617■■■■:2009/07/19(日) 00:35:13 ID:DE2Jju4k
>>616
作者が言いたかったのは所要時間0.1倍(=速さ10倍)なんだろーな
と、マジレスしてみる

キャッチコピー的には
「10分の1の時間で、美味さ10倍」「速さは10倍、美味さも10倍」
の方がイメージ良さげ

618■■■■:2009/07/19(日) 01:24:32 ID:390HW7dg
>>615
GJ! この終わり方は軽く生殺しなんだぜ!

619■■■■:2009/07/20(月) 15:05:11 ID:xTDKscxs
》617
おわぁ!ご指摘どうりですね;分かり難くててすみません。

それでは続きを……

620Forced・cohabitation:2009/07/20(月) 15:08:13 ID:xTDKscxs





○月×日・午後5時半・上条の絶叫から、遡る事1時間前


「くっそ、だーもうちきしょう不幸だ〜!!」

上条は街道を全速力で走っていた。
目的地は冷凍食品のタイムセールがあるスーパー…………のはずなのだが、何故か「全く逆方向に」走っている。このまま行くと上条の住んでいるアパートにたどり着く道のりだ。

上条の全力疾走の理由は何時も通り不良に追いかけられている……のではない。
逆だ「上条」が「不良」を、追っているのだ。

何でそんな事をする必要があるのかと聞かれれば、単純明快、とても分かりやすい答えを用意する事が出来る。

サイフヲスラレタ

いや、正確にはスラれたと言っていいのかは分からない。何故なら…………

「ちっ、しつけーな!いい加減あきらめなよ!!」
「ふざけんな!こっちに近づいてきたと思ったらいきなり腹にグーをブチ込みやがって!!んでもってうずくまった人から財布奪ってそのまま逃亡開始する奴を上条さんは見逃しはしませんよ!?」

いきなり不意打ち&急所狙いをしてくる輩をスリと呼べるのかは分からないからだ。

まあとにかく財布だけは取り返さなくてはならない。
あれには1〜2週間の食生活を保障するだけのお金が入っている。もし無くしたら……………とりあえず上条の頭が腹ペコシスターに噛み砕かれる事は間違いない。

そんな不幸な未来予想に身を震わせる上条が追っている暴力スリは全身を黒いコートで包んでいて、顔は勿論、外見が全く分からなかった。だが身長と声の高低から察するに、上条より二、三歳年下のようだ。

それにしても動きにくいであろう服装のくせにとんでもないスピードだ。長距離が得意なマラソン選手と言うよりは、こういう事(スリ)に慣れた、すばしっこい子ネズミの様な感じだった。
気を抜くとすぐに距離を離されそうだったが、上条も必死で食らいついている。

「しょうがねえじゃん!だってズボンの、しかも尻ポケットなんてスリやすい所に財布入れてるなんて思わなかったんだから!!日本人って不用心だよな〜、でも銀行にはたっぷり貯め込んでんだから財布のカネ位いいっしょ?」
「ブ・ッ・ツ・ブ・ス、俺がどんな思いでやりくりしてると思ってんだテメェ!!」

上条が雄叫びと共にスピードを上げると、暴力スリは顔を引き攣らせ、同じくスピードを上げた……と言うより本能的に上げさせられた。

何と言うか、上条の表情に鬼気迫るものがある。「必死」そのものだ。
捕まったらどうなるか………………考えたくも無い。

621Forced・cohabitation:2009/07/20(月) 15:11:44 ID:xTDKscxs


……同時刻・某国で新発見されたとある遺跡内にて……


『と、言う訳なのよん♪』
「…………そうですか…………」

小宗教、天草式の女教皇である神裂火織。
片足が根元からバッサリ切られたジーンズを穿いている彼女は、遺跡入り口の大広間の様な場所に作った作戦拠点ポイントで必要悪の教会の拠点、イギリスはセントジョージ大聖堂にいる最大宗教、ローラ・スチュアートと連絡を取っていた。

『あれれ〜?カ〜ンザキ〜、どうかしたのん?それはかとなく元気ない様な気がす』
「相変わらずとんでもなく変な日本語ですね、まるで貴女のマヌケスキルをそのまま形にしたような気がします。憐れみを覚えてしまいそうですよ」
『え、あの……カンザ』
「そんな貴女のマヌケスキルに振り回される彼は非常に迷惑でしょうね。彼にはただでさえあの子のお世話をして頂いているというのにあなたは厄介事ばかり押し付けるのですね」
『カン;』
「だいたい貴女はいつも何時も………………」

……なぜだかひどく不機嫌な神裂に尻込みするローラ。


ちなみにこの状態で神裂を刺激するような事を言ってしまうと一気に「ブチギレモード」になってしまう事を知っている天草式のメンバーは「触らぬ神に祟り無し」の言葉如く、状況を静かに見守っている………………と思ったら大間違いだ。


(女教皇と五和が大ピンチなのよな!)
(少年との距離を一気に縮めるチャンスだと言うのについてませんね〜)
(ほんとですよ、この機会に堕天使エロメイド&大精霊エロメイドで少年に迫る女教皇と五和が見れたかと思うとものすごーく残念です)

……なんだか神裂が聞いたら問答無用で叩きのめされそうなセリフをがんがん言っている天草式メンバー(おもに男)。
その顔は「せっかく面白そうな展開(もの)が見られたかもしれないのに!!」という無念でいっぱいだった。

(いろいろアプローチできるチャンスだったのにな〜五和。どうするよ?あの少年が3人の内の誰かと……あ、いや、あの少年の事だから3人纏めてって事もぐぼはぁあ!!)
(不安にさせる様な事言ってんじゃないわよ!!)
(だ、だだだだだっだ、大丈夫ですよ!あああ、あ、あの人は、紳士で強くてヒーローで…………)
(いや……安心はできねーのよ)
(ど、どういう意味ですか?)

元・天草式教皇代理、建宮才二の意味深な言葉と表情に一段と反応する、恋する乙女、五和。
……実はこういう時の建宮は、大抵の場合が面白がって話を煽っているのだが、テンパッているのか、五和はまったく気づいていない。

622Forced・cohabitation:2009/07/20(月) 15:13:14 ID:xTDKscxs


(そもそも俺達の思考レベルが低いって言ってるのよ。あの少年に「俺達の知っている奴らだけが」好意を抱いているなんて事は100%無いのよな!!)
(ッツ!)

建宮の言葉に天草式のメンバーも、ああ!と、納得の表情を浮かべ、思考レベルを上昇させる。

(なるほど、確かにあの少年なら普通に1クラス位の女子は好意を抱いていそうですよね)
(むしろ学校の女子全員?)
(教師を忘れてるぞ!)
(通っている学校だけじゃねえ!違う学校の……ほら!例えばどっかの破天荒お嬢様とか!!)
(甘い!俺は学園都市の可愛い女子全員にかけるぜ!!)
(フッ……これだからド素人は……問題は数だけじゃねーのよ。フラグの立て方なのよな)

これだけでもかなりの精神的ダメージを負っている五和だが、ここで建宮がさらに追い打ちをかける。

(いいか?まずいくら好意を抱いている人間が山ほどいるって言ってもフラグの立て方が上手くなければ意味がないのよ。良い例えがアイドルなのよな。どんなに人気があってファンがいても、ファンはファン。よほど親しくならないとお互いは勿論、どちらかが完璧な好意を抱くなんて事はあり得ねーのよ)
(え?じゃ、じゃあ……)

(だがしか〜〜〜〜〜〜〜し!!少年は強い印象を残し、ある程度間を開けるというやり方でこの常識を覆したのよ!!広く浅くと言うやり方は一見駄フラグに見える。だが植え付けた印象は根強く残るから何らかのきっかけで思考の輪廻に少年の事が組み込まれてしまえば後はずっと少年の事を考えるようになる!五和!お前がその良い証明なのよな!!)
(!!??)

(要は長距離恋愛の理論を取り入れる事によって多数の人間から同時に好意をもたれる様になる!根強く、幅広くと言う方法で夢のハーレムENDへの道を確立したのよ!!さらに通常の恋愛理論「長い時間」「1目惚れ」「血族」etc……などを計算に加えれば…………もはや少年のフラグ数は我らに想像できるものでは無いのよ!!!)
(((((おォォおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!)))))
今日1番の盛り上がりを見せる天草式メンバー。


だが彼ら勿論、上条の周りに居る、彼を羨ましがる人々は何人が辿り着いているだろう。
上条がフラグ体質と言われ続けられている理由。その先にある答えに。


……その一方……


「ちょっと五和!しっかりしなさい!!いつわ〜〜〜〜〜〜!!!」
「ん?どうしたの…………んおわぁあ!!五和が壊れたのよ〜〜〜!!」
「うふふ…………私って救われない……うふふ……」
「なんか日本の巫女霊がとり憑いてる気がする!!なぜだか分からないけど確信を持って言えるわ!!」
「しっかりするのよ!何故だか分からないけどこのままだと「忘れられた子」になってしまうような気がするのよ〜〜〜!!」

623■■■■:2009/07/20(月) 15:18:45 ID:xTDKscxs

投稿してから気がついたのですが、上条が住んでいるのはアパートではなく学生寮です訂正します。

624■■■■:2009/07/20(月) 20:20:01 ID:MAexYP9U
ええと、とある少女の一つの願い……を投稿します。
長いから略せないかな名前。
では、ではぁ。

625とある少女の一つの願い:2009/07/20(月) 20:20:25 ID:MAexYP9U


「美琴ちゃん。そんなかたまらなくったっていいじゃない。ああ、ほらあそこでお茶しましょ」
「アンタ、どうして私を呼び出したの?」
 ぐいぐい腕を引っ張って行く少女に少し呆れを覚えつつ、美琴は聞いた。
 それなりにおしゃれな茶店の前で、彼女は足を止めた。心底不思議そうに顔を横に傾ける。
 くるり、と素早くその場でターンして振り向いた少女。その拍子に長く綺麗な髪が風にゆられる。
 少女は口に指をあてて、にっこりと言った。

「私の為だよ」

 ほら早く、と美琴を急かす。しょうがないかと妥協(年上に)して、彼女に連れられて店へはいった。
「お姉さん。私にアップルティーのあったかいの下さい。美琴ちゃんは?」
「……レモンティーで」
「あら、紅茶は好き? 私、大好きなの」
 砂糖を入れてあのちょっと甘くて、ほんの少し苦い味と、フルーティーな香りがいいからね、と呟く。
 それから、外を眺め始めた。ほんのちょっぴりだけ切なそうに。
「何の用?」
「ん、んー」
 外に面白いモノなど無い筈なのに、外に集中してこちらを見ようとしない。
 けれど、大声を出すのも淑女のマナーとしてどうかと思って静かに待つ。
 ……いや、もう十分ぐらいたったから、いいのか。
「あの……」
「聞きたいこと、あるのではないの?」
 唐突に、そんな事を言われてびくぅっと動いてしまった。
 ちょっと下に目をやる。それからそろお、と視線を戻すと、静かで、透明な眼差しを真っ直ぐに向けられていた。
「あるでしょ?」
「……どうして、私をよんだの」
「それは……あ、紅茶が来た。これを飲んで話そう?」
 熱い紅茶を持ち上げて微笑する彼女は、いっそ何処かのお嬢様のようだった。
「アンタと、あのバカはどういうかんけ――」
「だめだよ。意地を張ったら失くしてしまう。ねぇ、名前を呼んでよ。ばかじゃなくて、当麻と」
 カァアアア、と赤くなる音が聞こえる気がした。
 何故赤くなるのかよく分からないけれどもとっても恥ずかしくて死にそうなぐらい顔がほてってしょうがないのだ。
「とっ! 当麻、とどういう関係?」
「義妹。そう、義妹なの。でも安心して。私には当麻を閉じ込める事は叶わないしね」
「……へ?」
 閉じ込めるとはまるで鳥のようだ、と場違いな事を思う。
 それにしても運ばれてきた紅茶が熱すぎてもてない。普通、もうちょっと冷めてるものだが、此処は学園都市だし――、
「なんで、もてるの?」
 平然と紅茶を持ち上げている天花に質問をぶつけてみた。彼女は何の事だか分からなかったようで、ほえ?と呟いた。
「え、ああ、紅茶。うーん、熱い、かな? 私、温度を感じにくい体質なの」
「それと、一つ」
「なぁに?」
「貴方……何?」
 いきなり現れて。いきなり当麻と、ベタベタして。
 何故、受け入れるのか、何故不安に思わないのか。
 そんな問いに、平然と天花は答える。
「天花、だよ」

626とある少女の一つの願い:2009/07/20(月) 20:20:48 ID:MAexYP9U

「土御門さん、私のこーどー気になる?」
「まぁな」
「優しい、ね」
 美琴が去った茶店で向き合って紅茶をすすっていた。
 普通、そこは飲むのだろうが、二人してすすっていたのだ、天花も土御門も。
「そうか?」
「私が、どうしてこんなになったのか、聞いたでしょう? こうしたのは私の意思よ。それでも、ちょっとだけ、良心がうずいてしまうようなキミは優しいよ」
 例え、その手が汚れていたとしても、それに心を痛めるのならば善人。
 ――そう考えるのは間違っているだろうか。その答えは、誤りでしかないのだろうか。
 それでも構わないと、天花は思うけれども。
「見届けてくれるの?」
「聞いた以上はな。もしも、お前が『失敗』したら話す」
「いいよ。でも、成功したら、最後までばれなかったら。黙っててね」
「約束はしておこう」
 でもそれが守られるなんて甘っちょろい事考えるんじゃないぞと言った土御門に、天花は声をたてて笑う。
「ああ、やっぱり優しいなぁ、土御門さんてば」
「お前の保険だしな」

627とある少女の一つの願い:2009/07/20(月) 20:21:05 ID:MAexYP9U


(てんげは、おかしいんだよ)
 別に、彼女を疑いたいわけではない。
 でも、確かに天花は、インデックスの言うように、おかしい。行動も、言動も。
 微妙におかしな選び方をされた言葉、寝ずに夜徘徊する、上条の知り合いには片っ端から声をかけてこそこそ話し込む事がある等々。
「おにーちゃん、ご飯」
「ああ、後で食うから」
「……」
 一応、風呂の時以外は上条の私室と化している風呂場、のドアに、少女のシルエットが映ったまま動かない。
 シルエットが立ち去ろうとしないので首をひねっていると、ストンと彼女は壁越しに座り込んだ。
「悩んでる?」
「え、まぁ」
「私の所為?」
 やはり、この義妹は鋭い。そして狡い。
 気付いてるなら、何も言わなくてもいいだろうに。
「別に」
 嘘がつけなくなってしまうではないか。
 おかしな言葉は、きっと彼女がなるべく嘘をつかないようにするため。
 天花が全く嘘をついていない訳は無いけど。
「そっか」
 上条もドアにもたれかかる。天花もそれは嘘だと分かった上で何も訊かなかった。
「ごめんね。私、我儘だから。迷惑かけちゃう」
「大丈夫。あんまり気にやまなくったって平気だぞ? それならあのシスターも何もせずに居座ってるんだし」
 別にそれが嫌なわけではないが。
「そうかぁ。でも、」
「ん?」
「ごめんね。迷惑、かけちゃうから」
 だから気にすんなって、と返すと、ありがとう、と返ってくる。
 たいした事でもないだろうに、と上条は苦笑した。

628■■■■:2009/07/20(月) 20:21:50 ID:MAexYP9U
ここまで、です、失礼いたしました。

629■■■■:2009/07/21(火) 18:39:18 ID:YsLHAJkw
>>623
GJ!なるほど、上条さんの立てるフラグは、量だけでなく質もたかいとw

630■■■■:2009/07/21(火) 18:42:47 ID:YsLHAJkw
あ、あと>>628さんも、GJです。
天花の正体がきになります。

631■■■■:2009/07/21(火) 18:46:00 ID:YsLHAJkw
↑すまん、ageてしまった
sageいれたのに・・・なんで?

632■■■■:2009/07/21(火) 19:36:58 ID:dTOmzn9I
正体より彼女の言う迷惑が気になる!
これは、これから迷惑をかける予定があるから言っているのかな、そうだとしたら、どういう迷惑かけるのかな? 
って言うか、天花は誰の味方(御坂のであって欲しい)

633■■■■:2009/07/22(水) 16:25:13 ID:gS6tlXyU




「ち、ち、く……しょう……あの暴力スリ、今度会ったら……はぁ、はぁ………か、かみじょーさん必殺の一撃を……ぜぇ、ぜぇ…………」

結局あのスリに逃げられた上条は、自分の部屋がある学生寮に帰ってきていた。
エレベーターに貼られた『現在調整中です。階段をお使いください』という張り紙を恨めしそうに数秒見つめるが、使えない物は使えないので素直に階段で自室を目指す上条。だが朝は使用禁止になって無かった所から考えて、やはり不幸だった。

逃げられた原因は単純明快。

全力でスリを追い、距離もいくらか縮まってきたとき、スリは急に方向転換をして路地裏の道に入ろうとしたのだ。
これを今まで以上のスピードで追う上条、これまで何度も無能力者集団とやりあってきた上条には分かる。路地裏は彼らのホームグラウンド。縄張り。
逃げ込まれたらマズイ。そう思い、スピードを上げたのが間違いだった。
自らの経験をもっとよく思考すれば、こうなるかもしれない位の事は予想できたのに。

路地裏へと逃げたスリを追うため、上条も路地裏へと入ろうとしたその瞬間


ドゴン!!というすさまじい音が「自分の腹から」体全体に伝わってきた。ガハッツ!!と肺の酸素を強制的に吐き出させられ、上条はその場にうずくまる。
「奇襲」の2文字が頭をよぎる。対多数戦に有効なこの手は、上条がよくやる事でもあった。

喧嘩慣れしている上条は自分の実力を熟知していて、勝てるのは1対1まで。2対1なら危ういし、3対1なら迷わず逃げる…………のだが時々、逃げても逃げても追いかけてくる奴らがいたりする。
そんな時、手頃な脇道に入り、呼吸を整え準備をし、1番初めに入ってきた奴を殴り飛ばすのだ。逃げていると思っている&大人数と言う事で油断しきっているからこれがやたらと効く。さらに1人撃破する事で相手の指揮も乱れ、逃げ果せるチャンスも大きくなる。
…………まさかそのシュチュエーションを自分が受ける事になろうとは。
上条が蹲ったまま顔だけ上げると、案の定スリは逃げ果せた後だった。


「…………はぁ……これで少なくとも上条さんの1週間の食事は朝昼晩と食パン、そしてインデックスに頭を喰い千切られる事は決定ですはい……」

部屋で待つ超大食修道女の怒りをどうやって和らげようか考える上条が、自分の部屋がある階へと続く階段の途中の踊り場で立ち止まってから5分が経過しようとしていた…………その時だった。

「?」
踊り場から、ふと自分の部屋を見上げると、なにか違和感をおぼえる。階段を登り切り、近づいて違和感を確かめようと……した。
近くに行くまでも無かった。僅かだが確実に「ドアが開いている」

「んなッ!!」
上条は迷う事無く駆け寄り、ドアの具合を確かめる。

インデックスが部屋に居るならドアが開いているという事は無い。
部屋の合鍵も渡してあるから自由に外出が出来る……よって、鍵をかけ忘れたまま出かけるという事も無いはずだった。

考えられる可能性は………………かなり絞られてくる。

634■■■■:2009/07/22(水) 16:26:24 ID:gS6tlXyU


上条は、自身の不幸体質というのがあるから断言はできないが、ただの空き巣ではないと考えていた。
ただの空き巣が、学生寮、それも平凡な高校の平凡な高校生の部屋に狙いを定めるわけがない。それにこんな上の階じゃ無く、逃げやすさを考慮した下の階を狙うだろう。

…………魔術関連が1番高い、と上条は思う。

禁書目録―10万3000冊の魔道書を管理するインデックス。
ローマ政教の30億人に命を狙われている上条。

そっちの方がよっぽど納得がいく。実際には納得いってほしくないのだが、それ以外に思いつかない。
よって、誰かが無理やりこじ開けたのではと思ったのだが、その様な後は全く無い。空いている事を除けば、極々自然な状態だった

だが油断は出来ない。上条の経験上、魔術師ってのは何でもありのとんでも集団だ。

聖人だったらその腕力だけでドアをへし曲げる事が出来るだろう。スパイ業を兼ねている者なら合鍵ぐらい持ってそうだし、タバコ好きの者なら人払いかなんかで人目に付くこと無く行動していそうだ。

だからいとも簡単に、かつ自然に、部屋へ侵入する事が出来る魔術だってあるかもしれなかった。

(インデックスは今どこだ!?携帯……ってどうせまた充電切れてんだろうな…………)

このドアの先、自室には上条もしくはインデックスを狙う奴らがいるかもしれない。
ここでインデックスを呼ぶわけにはいかない、だが中で人質にされている場合だってあるかもしれない。

上条はドアを近距離で穴があくほど睨みつける。
その手はドアノブまであと数センチの所で止まっていた。

(……くそっ!どうする…………)

入るべきか、入らざるべきか

(……どうする…………!!)


と、ここで上条の意識は一度途切れかける。
ドアがいきなり内側から思いっきり開いてきたからだ。
超視近距離でドアノブとにらめっこしていた上条は、問答無用で手すりがある方の壁にぶっとばされる。

「そげふ!!??」
「………………なんだ、少年でしたか……んなとこでなにやってんです?」

顔を押さえてのた打ち回る上条の耳に、聞き覚えのある、少し生意気な女の子の声が聞こえてきて、上条はガバッ!と顔を上げる。

「な……!!」
「ちょうどよかったです、色々話したい事がありますんで早く入ってください」

いやそこ俺の部屋だし、そもそも俺に対する謝罪の言葉は無しですかそうですか、んでもってインデックスはどこ行った、つーか人の家に勝手に上がり込んでんじゃねえ。

と、言いたい事は色々あったが、とりあえず上条の口から出たのはその声の主の名前だった。


「アニェーゼ!!なんでお前がここに!!?」

635■■■■:2009/07/22(水) 20:54:32 ID:mHBt8LdA
とりあえず、投下宣言と終了宣言しような

636■■■■:2009/07/23(木) 05:40:03 ID:JTOskx8g
すみません。
投下宣言はともかく、とある事情で終了宣言が遅くなってしまいました;;

637■■■■:2009/07/23(木) 07:50:01 ID:4apS.j/c
えっと、とある少女の一つの願い、を投下します。

638とある少女の一つの願い:2009/07/23(木) 07:50:35 ID:4apS.j/c

「てんげ」
「なぁに?」
 今インデックスと天花は、膝を突き合わせてお喋りタイム。
 むしろ……。

 お説教タイム☆

「今日こそは寝てもらうんだよ!」
「んなこと言われてもなぁ……」
 今日も今日とて夜の街を徘徊させてほしいのだが。
 それに、寝っ転がったところで眠れはしないのだし、別にいいではないか。
 と頬を引っ掻いてると、真面目に聞くっ! 、と怒鳴られた。インデックスちゃんのバーカ、と心の中のみで呟く天花。
「だって、ずっと寝てないもん。それじゃ、てんげが倒れちゃうよ!」
「あー、うん」
「体は大事にするんだよ! 全く、てんげは……」
 真剣に体のことを心配してくれるインデックスに、天花は少し、苦笑してしまった。
 実の父や母は、天花の事など何にも考えずに捨ててしまったというのに、血の繋がりも何もない、両親よりずっと幼い少女が、自分の事を考えてくれるという事実に。
「インデックスちゃん」
「あ、別にインデックスでも構わないよ」
「じゃあインデックス」
「なあに?」
「ありがと……」
 そういって、小さな少女を抱きしめた。初めて、誰かと強く触れ合ったような気がする。
 ――天花には、昔から友達はいなかった。ずっと、一人ぼっちのような気がしていた。
 でも、幸せだった。
「てんげ?」
「ねぇ、ごめんね。私は、貴女の為に何かをしてあげる事はきっとできない」
「別に、何もしなくていいんだよ。ただ、てんげは、此処にいてくれる?」
 インデックスにとって、天花は友達と言うよりも、家族だった。優しい姉のような存在で。
 それは家族を知らないインデックスにとって、大切な存在であるという事。
「うん……ごめんね、ありがと」

639とある少女の一つの願い:2009/07/23(木) 07:50:53 ID:4apS.j/c


 やはり、今日も結局夜の街に出る事にした。
「土御門さん。別に気にしなくていーよって、まさかこれからお仕事?」
「……」
「ちんもくはこーていってね。じゃぁね、がんばって」
 ふらふらと歩いていると、昼間話した茶髪の少女と、クラスメイトの黒髪の長い少女を発見。
 少々迷ったが、茶髪の少女が二人いたのでそっちを選ぶ。
「えーと美琴ちゃん?」
「あっ……えっと、アンタ」
「それと、多分、一〇〇三二号ちゃん?」
「はい、とミサカは肯定します。こんにちは、し――」
「何? アンタ、こいつと――」
「天花」
 くっと押し黙るともう一度御坂妹に美琴は聞き直した。
「天花と、知り合いなわけ?」
「ええ、とミサカは肯定を繰り返します」
「あ、ミサカちゃん、私は天花でいいから」
「そうですか、とミサカはゆっくりうなずきました」
 おいていかれている美琴は眉根に皺をよせる。
「あんた達、どういう知り合い」
「「同じ病院で過ごしていたもので」、とミサカはきわめて簡潔に答えました」
 御坂妹と天花のセリフが被った。
 二人は顔を見合わせる。天花が吹き出し、御坂妹は頷いた。
 そのきわめて打ち解けた様子に、美琴もくすりと笑う。
 そして、彼女達の言葉の意味にふと引っかかった。
「……病院?」
「あーっあっとぉ……ちょ、ミサカ、ちゃんちょっといーい」
 くぃっと御坂妹を引っ張って、小声で話し始めた。
「あのぉ、詳しい事は伏せておきたいんだけど」
「何故ですか? とミサカは疑問を口に出してみます」
「まぁ、いろいろ。うん。そーだ、ねぇ」
 にやあ、とすごく楽しそうに天花は笑うと。
 御坂妹にとって、爆弾発言をかます。
「――当麻の事、好き?」
「……なぜそんななことをきくのですか、とミサカは動揺を押し隠して質問します」
「ちょっと、何話してんの」
「へぇ。頑張って」
 そう呟くと、天花は夜の町に去って行った。
 去り際に何かを呟いたが、それは御坂妹にも美琴にも良く分からなかった。
「何だったの、あれ」
「さあ、とミサカはいまだ収まらぬ動悸を必死に鎮めながら答えました」

 ――誰が彼を好きでも、私は彼が誰を好きかを想うでしょう――

640とある少女の一つの願い:2009/07/23(木) 07:51:23 ID:4apS.j/c



「おはよう、インデックス」
「とうま。てんげは」
「――書き置きがあった。ご飯も作ってってくれたけど」
 書き置きを取ると。インデックスに見せる。
『インデックス、当麻
 私、先に学校にいってるね。
 ちょっと、しておきたいことがあったから、さ』
 天花らしい書き置きだ。
 でも、ちょっとおかしな心地がするのは、上条だけなのだろうか。


 その、一時間前……。
 天花はひっそり帰って来て、料理を作りはじめた。
 出来たから、インデックス達を起こそうとして……ふらり、と倒れかける。
「……っ!」
 慌てて、ガラステーブルにぶつからないように、腕を伸ばすが倒れこむ。
 心臓がバクバクとなり出して、収まらない。指先が震える。
 目は見開かれて、現実世界の全てを見る事が出来なくなってしまった。
 体が熱い。太陽に直接焼かれたみたいだ。今日は涼しいくらいだというのに、こめかみのあたりを汗が流れおちていく。
 そして、しばらくたった後。
「こんな、はやく――起きるなんて」
 こうしてはいられない。発作が起こるところを見られないように、当麻となるべく離れていなければならない。
 インデックスもだ。そこまで思って、泣きたいような顔で笑った。
 当麻に会いたいがためにここに来たのに、当麻と離れなければならないとは、何と皮肉な巡り合わせなのだろうと、思ってしまう。
「当麻。ねぇ、ちょっとだけ。今日で――四日目、だよね。あと少しだけだから」
 私の我儘を聞いて下さい。
 そして、叶うならば。
 ――私が貴方に迷惑をかけることをお許しください。

641■■■■:2009/07/23(木) 07:52:00 ID:4apS.j/c
おわり、です、失礼いたしました。

642■■■■:2009/07/24(金) 10:52:54 ID:GIqFSAvg
/i iヽ
! !、 ___ / ノ
ヽ ヽ、 ,彡フ ̄  ̄ヽミミ、/ /
ヽ フ'' く /
_ 〉' ヽ/,_
(ヽi, /;ヽ i/ )
i ! ,,_____ノ、i;;iヽ、_____、 i i 同じ板にコピペするとそのままだけど
! 'ヽ__●ノ' 'ヽ_●,ノ ,ノ i 違う板にコピペするとかわいい美少女の顔
!、jヽ、 ,- ;; -、 / _ノ に変わる摩訶不思議な鬼コピペ。
〉 /,、''`ヽ__/` ' ,、' )
'!, ヽ`t-,、__, -'イ/ /
ヽ ヽt,=,='='=イi /
\ `'"~⌒~"' ノ

643■■■■:2009/07/24(金) 18:30:18 ID:x7SBtqlw
>>636
誰にでも間違いはあるさ・・・
続き乙&GJです。
この後、上条さんは絶対スリにもフラグをたてる!
>>641
GJです。シリアスになってきましたね・・・

644■■■■:2009/07/24(金) 18:33:03 ID:x7SBtqlw
それから、ここに訪れた諸君!
ssが投稿されたんだ
GJの一つぐらい書き込もうぜb

645■■■■:2009/07/24(金) 19:48:35 ID:zBgsO3VM
gj
言ってる事は正しいが、全員がやると下手したら100を[gj]だけでこえる。
ただし書いてる側もgjがないとやる気が落ちるからgjは、15位でいいんじゃね?

646■■■■:2009/07/24(金) 22:23:30 ID:rJPDg3.I
GJ! good job!
最近 若干過疎ってる感があって寂しいです・・・

647■■■■:2009/07/25(土) 11:40:44 ID:jQAD8VrE
ssを作成した人は安心して良い。必ず誰かが君のを待っていたから。
gjが少ないのはみんな多分書くのが恥ずかしいだけだ

648■■■■:2009/07/25(土) 13:05:15 ID:XvUfgseY
>>495で予告しておりました「ミサカ、巫女と美琴(みさかみことみこと)」を投下します。
とりあえず2レス分投下します。
注)この話に出てくる姫神秋沙は本編と少し設定が違いますがご容赦下さい。
「When You Wish Upon a Star(星に願いを)」と「When will I see you again? (天使のささやき)」の設定を流用しており、
『吸血殺し(ディープブラッド)』の代わりに『癒之御使(エンゼルフェザー)』という能力を持っています。
また、姫神秋沙と御坂美琴が既に知り合っていたりします。
ただ上記の2作品を見ていなくても話がわかるように文章を工夫してみます。
とりあえず本編より饒舌で積極的な姫神秋沙だと思っていただけると幸いです。

>>610
感想ありがとうございます。自分もアリューゼの活躍を期待しております。ひょっとして
18巻にあった○○○○モード大全開のアリューゼの活躍(?)が見られるのでしょうか?
楽しみにしております。
>>641
GJです。物語も核心に近づいてくるのですね。今後の展開を楽しみにしております。

649■■■■:2009/07/25(土) 13:06:01 ID:XvUfgseY
「ミサカ、巫女と美琴(1)」

ある日曜日の朝、学園都市のとあるビルに5人の人物が呼び出された。
彼らは計器類の蛍光だけに照らされた薄暗い部屋に通された。
突然室内の照明があがりお互いの顔を認識すると彼らは驚愕の声を上げた。

「アッ、アクセラレータ!何で、お前がこんな所にいるんだ」
「テメェはあン時の無能力者。テメェこそ何でいやがる?」
「なんでアンタ達が?アンタ達も突然呼びつけられたクチ?」
「一方通行にお姉様にあの方まで。一体これから何が始まるのでしょう?
 とミサカはまるで他人事のようにつぶやきます」
「上条君が待ってるからと言われて来たのに。騙された」

戸惑う彼らの正面の壁が突然左右に開くと大きなイスがせりだしてきた。
そのイスには白い手袋を着けサングラスを掛けた人物が座っていた。

「諸君!私が総司令だ!
 ってミサカはミサカは某第3○東○市の総司令みたいに宣言してみたり」

この場の雰囲気に全く合わないアホ毛の幼女の登場に言葉を失う上条達。

(あれ?ちっちゃい御坂さんがいる。御坂さんって一体何人姉妹?)
(えーっと、確か妹達(シスターズ)の一人で打ち止め(ラストオーダー)だったよな。
 でも、なんでこんな所にいるんだ?)
(な、なんで。ラストオーダーが総司令なのよ)
(なぜ上位個体がここに?ひょっとして新しい遊び(イタズラ)を開拓したのでしょうか?
 とミサカは上位個体が行ってきた数々の迷惑行動から好ましくない推論結果を導き出します)
(ちょっとひとが留守している間に何遊んでやがンだ。このクソチビは?
 芳川と黄泉川も何やってンだ。大人が二人も揃ってガキの一匹も管理できねェのか!)

各自がこの状況を理解しようと思考を巡らしている中で最初に口を開くことができたのは一方通行だった。

「おい、クソチビ!テメェが死ぬ前に一つだけ聞いておきてェことがある」
「一つだけで良いの?ってミサカはミサカはあなたのコメカミに浮き出た青筋に
 身の危険を感じつつ怒りの矛先を逸らそうととびっきりの営業スマイルで確認してみる」

「こいつァ何の茶番だ?」
「今、学園都市は未曾有の危機に直面している。それを救えるのは君達5人だけなのだ!
 ってミサカはミサカはまるでさっき渡された台本を棒読みするみたいに答えてみる」
「つまり、そんなくっだらねェ事のために呼び出されたのか?俺は。
 もう殺す(やる)気も無くなった。帰るぞ!」

一方通行は言葉を吐き捨てると部屋を出てしまった。
一方通行が去った部屋に漂う気まずい沈黙に耐え切れなくなった上条が
「あのさ……」と言いかけた時、総司令(ラストオーダー)が口を開いた。

「諸君!学園都市を危機から救えるのは君達4人だけなのだ!
 ってミサカはミサカはまるでさっきの出来事が無かったかのように再宣言してみたり」

また部屋の中を別の意味の沈黙が満たしてしまった。
今回の沈黙を破ったのは御坂美琴であった。

「私達も帰っていいかしら?」
「えっ?お姉様(オリジナル)に何の不満が?
 とミサカはミサカはまるでオリジナルの返事が予想外だったみたいに尋ねてみる」
「当たり前でしょ!それに何なのよこの服。
 レオタードみたいで身体の線(ライン)が丸見えじゃないの。
 こんなの着せられるこっちの身にもなりなさいよ」

上条達はスーパー戦隊ものに出てくるようなボディスーツを着込んでいる。
美琴は赤、ミサカ10032号(御坂妹)は青、上条は黒、そして一方通行は白だった。

「大丈夫!そんなこともあろうかとオリジナルのスーツにはちゃんと胸パッドを2枚も仕込んであるの
 ってミサカはミサカは部下を気遣う上官を演じつつ、その秘密をここに暴露してみたり」
「やはりそうでしたか。お姉様にこの前お会いしたのは1週間前。
 わずか一週間でお姉様がAカップからBカップに成長するのは不自然だと思いました
 とミサカはお姉様の胸がミサカより成長していない事実を確認し安堵の声を上げます」

「よっ、余計なことは言わなくていいの!
 アンタもなに人の胸元見てんのよ!」
「いや、俺は別に……」
「お姉様は何が恥ずかしいのでしょう?
 当麻さん。私でよければいくら見て頂いても構いませんよ、
 とミサカは病院の待合室にあった週刊誌から先日会得したばかりの必殺技(悩殺ポーズ)を実戦投入し、
 ここぞとばかりにミサカの存在をあなたにアピールしてみせます」

650■■■■:2009/07/25(土) 13:06:32 ID:XvUfgseY
「ミサカ、巫女と美琴(2)」

御坂妹が見たものはどうやら少年誌の巻頭グラビアページのようだ。
左手を腰にあて胸を張りながら右手で後髪をかきあげるポーズや
前に出した左足の膝に両手をのせて両腕で胸を強調するポーズなど
水着のグラビアアイドルがするようなセクシーポーズを次々披露している。
もっとも服を着たままではセクシーさに欠けるせいか、御坂妹を見る上条の目は
セクシーな女性を見る男性の目ではなく(これもこいつらが成長している証しかな)
と娘の成長を見守る父親のようであった。
しかし次の瞬間、御坂妹が両掌で自分の胸の膨らみを鷲づかみにするように下から持ち上げると、
上条は「ブッ!」っと吹き出し、そのまま固まってしまった。
どうやら教本が少年誌のグラビアからH系雑誌のセクシーページに切り替わったようだった。
さらに御坂妹が新たなセクシーポーズに移ろうと右手を下半身に降ろしかけた時、

「わっ!ちょっと、何やってんの。止めなさい!」

あと一歩の所で御坂妹の最終奥義は御坂美琴に阻止されてしまった。

「アンタも何ニヤニヤして見てんのよ!」
「待て、誤解だ!そんなことない!」
「ハアーッ、
 ミサカが4時間17分32秒を費やして習得した必殺技が効かないとは……
 まだまだ慣熟訓練が足りなかったのでしょうか?
 それともやはりミサカの胸は小さくて魅力が無いということなのでしょうか?
 とミサカはあなたに聞こえるようにわざと大きなため息をついてみせます」
「いや、魅力が無いって訳じゃなくて……」

「このスーツが必要以上に胸を締め付けているのですよ
 とミサカは暗にミサカの胸は見た目より大きいですよと主張しているのですが
 ミサカの言葉を正しく理解していますか?とあなたに確認を取ります」
「そっ、そうなの?」
「むっ!その反応はミサカの言葉を疑っているのですね。ならばその目で確認して下さい
 とミサカはあなたの誤解を解くためおもむろにスーツのファスナーを降ろします」

そう言うと御坂妹は首もとまで上がっていたファスナーをお腹まで一気に引き下ろした。
御坂妹の言う通りスーツは身体をきつく締め付けていた。
ファスナーが降ろされたスーツは内側から押し広げられるようにV字に開いていく。

「わっ!ちょっと待って!」

上条はとっさに両手で自分の顔を押さえはしたが指の隙間がしっかり開いていたのは
健全な男子の証しだろう。
しかも御坂妹は下着を着けておらず、V字に開いた隙間から見える白い素肌に
上条の目が釘付けになったのも思春期の男子としては当然かもしれない。
その隙間からは鎖骨のくぼみ、慎ましやかな膨らみの間で存在を主張する谷間、
そして可愛いおヘソまでが見ることができる。
上条は(指の隙間から覗いてるのが御坂にバレたら殺されるな。きっと)と思いながらも、
首に掛かったシルバーのオープンハートのネックレス(千円也)を見つけると少し嬉しい気分になっていた。

「なにやってんのよ!アンタは!」

御坂美琴の怒声に上条はビクッと首をすくめたが怒鳴られたのは御坂妹であった。
よく見ると胸元をさらに広げようとしていた御坂妹の両手を御坂美琴が押さえていた。

「なぜまたお姉様が邪魔をするのですか?
 とミサカは慌てふためくお姉様に戸惑いつつふてくされた声でお姉様に抗議します」
「女の子が公衆の面前で胸をさらすなんてことはしちゃいけないの!」
「この部屋にいる男性は当麻さんだけですよ
 とミサカはこの状況に何の問題もないことをお姉様に確認してみます」
「だから!部屋に男(コイツ)がいるから問題だって言ってんの!」

「ミサカの胸を確認して頂く当麻さんがいなければ意味ないじゃないですか
 とミサカはお姉様がミサカの言葉を全く理解していないことに呆れ果て
 『何言ってんだ!この野郎』って感じで語気を荒げてみせます」
「アンタがコイツに胸を見せるっていうのが嫌なの!」

「お姉様がそこまで反対される理由が判りませんとミサカは納得できる説明をお姉様に要求します」
「何故って、アンタの胸は私と同じでしょ。だからイヤなの!」
「チッ、お姉様が胸を見せるわけでもないのに、とミサカは度量の狭いお姉様に舌打ちし不満の声を上げます」
「アンタはそんなに自分の貧相な胸をコイツに晒したいのかっ!」
「ああ、お姉様は自分の胸にそんなにコンプレックスを持っていたのですね
 とミサカはお姉様に哀れみの目を向けつつこれ以上刺激するのは得策でないと判断し
 この場は素直にお姉様の言葉に従うことにします」

651■■■■:2009/07/25(土) 13:06:57 ID:XvUfgseY
以上です。最近、すっかり筆が遅くなってしまいました。
これからも少しずつの投下になると思いますが、ご容赦下さい。

652■■■■:2009/07/25(土) 13:28:53 ID:5YMmivNI
GJです
あれ・・・?姫神・・・

653■■■■:2009/07/25(土) 18:06:49 ID:lP2Hh8.A
GJです!
確かに・・・姫神が消えた・・・?
姫神・・いたよな・・

654■■■■:2009/07/25(土) 18:25:10 ID:jQAD8VrE
gj
一方通行帰って来い!
姫神はカナミンコスプレで五人目の回復系と補助魔法で後ろから援護じゃあね?!
間違ってたらすいません!

655■■■■:2009/07/25(土) 22:38:52 ID:Ni/zo5sw
存在殺し(パーフェクトエアー)を身に着けてしまったか・・・

656■■■■:2009/07/26(日) 03:06:05 ID:Jf2YsZ5.
次の更新で姫神がたとえ後ろ向きで
あっても会話に参加することを、
祈る!!とりあえず!!!

657■■■■:2009/07/26(日) 13:11:30 ID:LzNf6bWM
職人さんはどこに言ったんだ・・・
過疎っぷり酷すぎない?

658■■■■:2009/07/26(日) 18:54:12 ID:U0Za3gi6
他所の様子を見ると
夏が過ぎるまではこのままひっそりとでもいい気がしてくる

659■■■■:2009/07/26(日) 20:19:27 ID:L1mJTn3Y
↑それは思った・・・
本家のほう珍しく荒れてるしね
このまま少人数で、マッタリしてたほうがいいかも

660■■■■:2009/07/26(日) 22:56:33 ID:7MbpaDp6
並行世界の続きが読みたいな

661■■■■:2009/07/27(月) 05:55:10 ID:oJFk5oWw

F・Cの続き投稿しま〜す

662Forced・cohabitation:2009/07/27(月) 05:57:07 ID:oJFk5oWw




上条の絶叫から15秒後……


「つーわけであたし達3人をここに泊」
「まてまてまてまてちょっと待て!!話は分かったけどどうしてそういう展開になるんだっつーの!!」
「……話を聞いてましたか?それとも内容が理解できてねぇんですか?」
「いや分かったって言ったじゃん!たった今!!人の話聞いてねぇのはテメエらだろうが!!」

上条はテーブル向かいに座っている、アニェーゼ、ルチア、アンジェレネの3人に向かって、必死に説明を求めていた。
いや、正確には「アニェーゼ達がなぜここにいるのか」の説明では無くなぜ「上条の家に泊めてくれ」などと言ってくるのかなのだが、彼女達は全くくみ取ってくれない。



上条の絶叫から15分前・上条の自室


「1人暮らしの男の部屋としては結構片付いて……1人じゃねぇでした、同棲してんですよね。まああの禁書目録が進んで家事や手伝いをするとは思えねぇですが」

アニェーゼはまるで自分の家の様にベットの上でくつろぎ…………

「…………正直、修道女としてその事実は了承しかねますね。まったく……成り行きでこうなってしまったと聞きますが、あなたならこの調子で何名もの女性とパイプを持っていそうです……それと鍵はもっと解除が難しく、窓ガラスは防弾ガラスの物にしなさい、不用心ですよ?」

ルチアは礼儀こそ正しいが自分たちの行いなどまるで気にも留めていないかの様子で無神経にペラペラと話し…………

「す、すみません……ちょっと事情があって(モグモグ)……し、仕方なくなんですよ?勿論仕事であって(パクパク)……決して嫌がらせでは……(パクモグ)」

アンジェレネはインデックス様に買っておいたケーキ菓子を上条の了承も無く勝手にパクパク食べている…………

「……………………ちょ」
「「「?」」」
「ちょっと待てテメエら〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!」

と、ここで上条の今までためていた何かが一気に爆発した。それは怒りと言うより激しい混乱によるもので……

「まず人の家に勝手に上がり込んでんじゃねえよ、なんでお前らがここに居る!?んでもってなに和んでんだ!ここは上条さんのお家ですよお分かりですか!?つーか本来ここに居る筈のインデックスはどこ行った!!?そしてあなたは自分の事を棚に上げて人を注意をするんじゃありません!最後にケーキをパクパク食ってるきみ!!君がそのケーキをパクパク食べると後に私が腹ペコ野獣と化したインデックスに頭をガブリと食べられてしまうのですが!!??」

勢い良く立ち上がり、息継ぎなしで怒涛のツッコミ連打をした上条は、ここでようやく息を整えアニェーゼ達をキッ!と睨む。

「了承なら最大宗教の許可を」
「俺の許可を取れよ!何度も言いますけどここは上条さんの部屋です!!」
「……じゃあ許可をください」

一瞬ドついてやろうかとも思った上条だったが、まずは状況を把握し、混乱を治めたい。

「…………まず何がどうなってるのか説明してくれよ…………」

溜息をつきながら再び床に座る。

「ん〜……そうですね、色々説明しなきゃいけない事があんですよね…………取り合えず何かを言うなら禁書目録は無事ですから安心すると良いです」
「むしろ今頃大満足してるかもしれません…………まったく、禁書目録もそうですがあの喫煙神父も許しがたい。煙草もそうですが、あの人は禁書目録に甘すぎです」
「赤髪さん、今日の為に貯金を目一杯降ろして様々な料理店を貸し切りにしてましたもんね…………う、羨ましいです…………」

赤髪・タバコ、この2つに禁書目録が合わさるだけでインデックスがどこの誰といるかは明白だった。

「ステイルも来てるのか?だったら何でお前らと一緒じゃないんだ?」
「そりゃあとうぜんです、だって…………」


禁書目録は今、学園都市に居ませんから。

663■■■■:2009/07/27(月) 09:31:51 ID:3OCL3LMs
gj
よく出してくれた!

664■■■■:2009/07/27(月) 18:13:54 ID:wazuaHtk
GJ!
っく、だからこの終わりかたは生殺しいいいいぃいいぃぃ!!

あ、あと投下終了宣言しといたほうがいいよ

665■■■■:2009/07/27(月) 22:07:29 ID:lF7cJGEM
「ミサカ、巫女と美琴(みさかみことみこと)」の続きを1レス分投下します。
注)この話に出てくる姫神秋沙は本編と少し設定が違いますがご容赦下さい。
「When You Wish Upon a Star(星に願いを)」と「When will I see you again? (天使のささやき)」の設定を流用しており、
『吸血殺し(ディープブラッド)』の代わりに『癒之御使(エンゼルフェザー)』という能力を持っています。
また、姫神秋沙と御坂美琴が既に知り合っていたりします。
ただ上記の2作品を見ていなくても話がわかるように文章を工夫してみます。
とりあえず本編より饒舌で積極的な姫神秋沙だと思っていただけると幸いです。
>>652-656 コメントをいただきありがとうございます。少し投下ペースは遅くなりますが
何とかこのSSを書き上げていきたいと思います。

666■■■■:2009/07/27(月) 22:08:15 ID:lF7cJGEM
「ミサカ、巫女と美琴(3)」

「まっ、その……なんだ。お前達もまだ成長期だ。だから気にすんな!」
「アンタは一体何の心配してんのよ!
 私はこんな服着たくないって言ってるだけなの!
 そもそも何でこんな服を着なきゃなんないのよ!」
「秘密戦隊といえば変身して戦うのがお約束なのに、ってミサカはミサカは
 『なに当たり前こと聞いてんの?』って顔で言ってみる」
「TVと現実を一緒にするんじゃない!」

御坂美琴とラストオーダーが言い争っていると、御坂妹がスーッと上条の所にやって来た。
既にファスナーは戻されていたが、上条の脳裏に先ほどの白い肌がフラッシュバックして
つい顔が赤くなってしまう。

「お姉様の不当な介入のせいで当麻さんにミサカの胸をお見せできなくなりました
 とミサカはここに深く謝罪します」
「いや、謝罪するとかそんな事じゃないから」
「ですから今度お姉様がいないところで確認して頂けますか?
 とミサカは頬を赤らめながらお姉様に聞こえないようこっそりあなたにお願いしてみます」
「あのね。全部聞こえてんだけど!」

御坂妹の背後で声をあげた御坂美琴の目は上条を睨み付けていた。
そしてその目は(もし妹の口車に乗ってそんなことしたらアンタの命は無いわよ!)と警告している。

「ハハッ、そんな事しなくても俺は信じてるから……ハハハッ」
「そうですか。では残念ですがあなたにミサカの胸を見て頂く要求は取り下げることにします
 とミサカはあっさり要求を撤回することで聞き分けの良いミサカをさりげなくアピールしてみせます」

3人が胸の話題で騒いでいる中、姫神秋沙がポツリとラストオーダーに質問した。

「そういえば。なぜ私だけ巫女装束?」
「今、世間は巫女さん萌えーっの時代だから、ってミサカはミサカは簡潔に答えてみる。
 社会のニーズに合わせた開かれた秘密戦隊こそ私達のモットーなの
 ってミサカはミサカはさらに追加説明してみたり」
「イヤ、それは秘密戦隊として何か間違っているんじゃ……」

横からラストオーダーにツッコミを入れた上条に姫神秋沙がグッと詰め寄った。

「上条君」
「なっ、何だ。姫神?」
「君は。巫女装束とレオタード風ボディスーツなら。どっちに萌える?」
「え?何言ってんだ、お前」
「だから。どっち?」
「えーっと、そうだな。
 このスーツはスタイルの良い女性が着ると確かにセクシーだよな。
 けど巫女装束だってそれなりの艶っぽさがあるし……
 姫神はスタイルが良いからこのボディスーツも似合うんだろうけど……
 巫女装束も似合っていたしなあ…………うーん」

腕を組んでうなりだした上条の後頭部に御坂美琴のチョップが炸裂した。

「痛ってーっ!なにしやがる」
「なに真剣に悩んでいんのよ!アンタは!
 それにこの女(ひと)はスタイル良いからボディスーツが似合うってどういうこと?
 それは私がお子様体型だからこのスーツは似合わないってこと?
 あーっ、そう。そういうことなの。
 ……………………ふふっ、
 そんなに私のスタイルが気に入らないのか!こンのド馬鹿ァ!」
「うわー!こんな狭い部屋で無差別放電するんじゃない!」

バチ、バチ、バチと身体を青白く帯電させた御坂美琴の目は完全に据わっていた。

「私、決めた!」
「えっ、なにを?」
「私、このボディスーツを着る!」
「へっ?」
「だから秋沙(あなた)は巫女装束になさい」

「お前、一体何言ってんだ?」
「アンタが私をバカにするからよ!
 いいこと!
 このスーツを着た私の魅力をアンタにたっぷり思い知らせてやるんだから!覚悟なさい」
「お前、きっと何かを間違えているぞ」
「フッ、そんなことはスーツの胸パッドを外してから言いなさい
 とミサカは逆ギレしているお姉様にあえてきついツッコミを入れてみます」
「うっ!今は胸パッド(そのこと)は忘れてちょうだい!」

顔を赤くした御坂美琴の隣で姫神秋沙が(ハアッ)とため息をついた。

「しょうがない。私。巫女装束にする」
「そっ、そうか。姫神は巫女装束にするのか」
「私のスタイルは上条君だけが知っていれば良いから。ふふっ」
「ちょっ!姫神。お前何言ってんだ」

「えっ?なに?秋沙(あなた)、今のはどういうこと?」
「なんのこと?」
「とぼけるんじゃ無いわよ!
 アンタ!この女(ひと)と何したの?」
「な、何もしてない!姫神も紛らわしいことを言うんじゃない!」
「ふふっ、ちょっと思わせぶりだったかな?ゴメンね」
「むーーっ」

一瞬姫神秋沙が上条とアイコンタクトしたように見えた御坂美琴は不機嫌な声を上げた。

667■■■■:2009/07/27(月) 22:08:57 ID:lF7cJGEM
以上です

668■■■■:2009/07/27(月) 22:24:51 ID:8GdGUP0k
GJ
てかはやく一方通行さんに帰ってきてほしいです

669■■■■:2009/07/28(火) 08:54:21 ID:v/hdlEpA
だあああああ!!また投稿終了宣言忘れてしまったあああああ!!
……もういっその事最初に○ページ分送りますとか宣言しておくとかどうだろう。

670■■■■:2009/07/28(火) 18:36:59 ID:.XSWLZL6
GJ!たまには姫神にも日の当たる立ち位置を!

671■■■■:2009/07/28(火) 22:13:50 ID:.VgyDPOw
gj
御坂は制服と性格のゲャップが良い。
そのため何だかんだで巫女装束が似合いそう。

672ライク:2009/07/29(水) 16:56:32 ID:FBfSaG3I
久しぶりに幻想創造投下。テストやら何やらで忙しくってかなり間ができてしまいました。すみません。
結構長めなので今日は途中までにします。何だか会話シーンばっかになってしまいました。次からは気をつけます。
あと今回のテーマは謎出し(魔術編)。といっても投下分にはあんましありません。次回投下分でやります。
ではお付き合いください。

673ライク:2009/07/29(水) 16:56:48 ID:FBfSaG3I
とある魔科学の幻想創造〜イマジンクリエイト〜
第三章 十一月のとある日 右方と原石の聖人Ⅲ


とある魔科学の幻想創造
「それで学園都市にその子達を保護しろというわけだけど、いつも思うがそっち(魔術)側で保護しないのか?聖人開発の実験体なんて教会が欲しがりそうけど…」

時刻は夜の12時過ぎ。少女らを助け出したのち少年は後始末の為に学芸都市に魔術組織が建設したアジトに来ていた。少年の右耳には学園都市製の最新技術で作られたイヤー型携帯が装備されている。少年の手元には小型のモニターがありテレビ電話になっていた。

「今回も被害者の一人が『原石』だったからな…。一人だけ別の場所というのはかわいそうだろ?それに学園都市なら一億人ぐらいの孤児を余裕で賄いきれる。子供の三十人ぐらい屁でもないからな」
「おや私はてっきり『あたしもお兄さんみたいに強くなりたいの!だからお兄さんの近くでいたい』とか言われたて困ったからと思ったけど」
「…………。魔術と超能力、どちらで殺されたい?選んでいいぞ」
「魔術で殺されると外交問題が生じるけど。そして私はまだ死ぬ気も無いわけだけど」

今、少年と話しているのは学園都市に住む雲川芹亜という少女。学園都市統括委員である貝積継敏のブレインを務める天才少女だ。彼女を通じ貝積継敏に少女達の保護を依頼している。
そもそも今回の依頼は学芸都市から都市内の洗い出し(不法入国者の排除)という名目だった。都市内の不審な奴らを尾行していたら魔術組織のアジトだったのだ。周辺にルーン文字を刻み死角を作り人の目を欺いていた。

「別に俺は教会所属というわけではないから学園都市内部の内輪もめという言い訳ができなくもないぜ?」
「まぁ、原石がいるなら貝積も文句はないだろう。しかし、これで六件目か。最近多い気がするけど」

見事にスルーされた。
確かに芹亜の言うとおりここ数年、似たケースが多い。フランス最大の魔術結社だった『オルレアン騎士団』が行っていた『ダルクの力を持つ者の人工的な量産』など昔から『人ならぬモノ』にたどり着くことを目的にした集団は多い。それを言い出せば公然と超能力開発を行っている学園都市などがいい例になるだろう。しかし最近の事件には幾つかの共通項がある。

一つはどの事件も被害者の中に『原石』がいる事
一つはどの事件も犯人である魔術結社の規模が実験を行うには小さい事
一つはどの事件も同じ理論…方法が使われている事

「黒幕がいるのは確かだ。が、尻尾をつかめない。一番気になるのはなぜ黒幕は原石を見つけ出せるのか?学園都市でさえ世界で50人ぐらいしか把握してないのに」
「ふむ。ぜひその方法を知りたいけど。まあここで話していても答えは出せないと思うけど?」
「…だな。今から準備すれば明日の昼には飛行機を学芸都市に着かせられるだろう?俺もその飛行機で学園都市に向かうから」
「珍しいな。やはり泣きつかれたか?ロリコン趣味とはいたたけないけど」
「本気で殺すぞ?そういうアンタはどうなんだ?相変わらずの様だが」
「ああ、相も変わらず私は今の生活を愛しているよ。今日も面白い事があって退屈してないけど」
「そうかい。それは良かったな」

芹亜は含みのある笑みをしながら言う。
「今日は学校見学があってな、中学生がきていたけど、君の友人も相変わらずの様だ。階段からこけて私の胸に飛び込んできたけど」

 その友人を知る者なら…特に男子なら「またかあの野郎!」と殺意を抱くだろうがこの少年は違った。まるでどうしようもない絶望に浸っているような顔をしていた。一言でいえば悲しそうな顔だった。

「君もなかなか分かり易いな。…前から聞こうと思っていたのだけど」
「何だ?」

674ライク:2009/07/29(水) 16:58:41 ID:FBfSaG3I
とある魔科学の幻想創造〜イマジンクリエイト〜
第三章 十一月のとある日 右方と原石の聖人Ⅳ


 満足そうな顔で芹亜はゆっくりと尋ねる。

「『幻想殺し』とは何なのだ?その名付け親なら解るだろう?」

 幾分かの静寂の後、少年は答える。

「一言でいえば『幻想殺し』だ。アンタにアレの説明をしても理解できる・できないと言う以前に無意味だ。理解できてもそれは答えではないし理解できなくとも答えに意味など無い。ただ、アレはジョーカーという事だけは覚えておいた方がいい。俺が人工的なジョーカーならアレは本物の天然のジョーカーだ。両者の間にはあまりに深い溝があるというだけだよ」
「こう見えて私は天才少女で知られているのだけど」
「いずれ時が来れば嫌というほど解るさ。アレイスターの『プラン』はもうすぐ本格的に始まる。止めたいのは山々だけどそれは、今はできない。ならば被害を少なくするだけだ。それに本当は見当はついているだろう?」
「さてな。あと私にはわざと見逃しているようにみえるけど」
「それもそのうち分かるさ。じゃ手配は任せた。学園都市についたらお土産を持って行くよ」

 どうにもあの天才少女は苦手だ。こちらの心の中まで知ろうとするのは気のせいだろうか。用事は済んだ。通話ボタンを切る。
通話を終えると直ぐに着信が入る。おそらく今の会話を盗聴して(聞いて)たのだろう。このタイミングはヤツしかない。

「私だ」

先ほどの会話も国際電話にしてはクリアだったがそれ以上のクリアな声が聞こえてくる。

「お前は知っていたのか?学芸都市に魔術結社がいることを」
「だとしたらどうなんだ?君が処理するのは変わらないと思うが?」
「お前も相変わらずフザケタ奴だ。アレイスター、まさか学芸都市を捨てるのか?」

 学芸都市は学園都市傘下ではない。が科学側であることには違わない。しかし、学芸都市の上層部は魔術のまの字も知らない。現在も学芸都市には別組織の数人の魔術師たちが潜伏しているのは確認している。彼らが動けば学芸都市は陥落するだろう。戦争の火種として十分だ。

「遊園地(あそびば)など重要ではない。それに自ら虎の尾を踏む(世界の理に踏み込む)モノなどほっとけばいい」

 現在、学芸都市はとあるアステカの魔術組織と対立関係にある。今は学芸都市が有利に見えるがそれは間違いだ。魔術も知らず戦力差のみで戦うなど愚行だ。このままでは後一、二年持つかどうかだろう。

「『プラン』に関係ないモノは関心なしか…。で何の用だ?まさか子供たちを受け入れないなんて言わないよな?」
「君に依頼がある。とあるモノを創ってほしい」
「何をだ?」
「『エリュシオン』だ」
「英霊の住まう島。まさか学芸都市を……」
「どうせなら有効利用するべきだとおもわないか?」

 なるほど。この人間は心底フザケている。現世に死者の島など馬鹿馬鹿しいにも程がある。

「何を考えているか知らんがそんなことしたら魔術側、科学側共に黙ってないだろう。いくらお前が科学の大将だとしても反発はあるぞ。昔と同じ過ちをする気か?そして今度はどこに行く気だ?魔術側に戻るわけじゃないだろう?」
「私の目的はただ一つ。君は数少ない私の望みを知っている人間のはずだと思ったが?」
「知っているだけだ。理解も同感もしてない。まぁ、俺自身も他人のことはいえないからな。…俺の答えはNOだ。メンドくさい。他を当たれ」
「『幻想殺し』を制御できるとしてもか?」

675ライク:2009/07/29(水) 17:00:05 ID:FBfSaG3I
とある魔科学の幻想創造〜イマジンクリエイト〜
第三章 十一月のとある日 右方と原石の聖人Ⅴ


何の表情もなくレイスターは…モニター越しの人間は尋ねる。対して少年もどうでもよさそうに答える。

「出来る・出来ないじゃない。アレイスター、解っているだろう?そんな事に意味など無いことを」
「それでも私は進まなくてはいけない。君こそ分かっているだろう?止まれるラインは過ぎたことを」

 もしかしたら自分と似ているのかもしれない。だからこそこの人間と繋がりを持ち続けているのかもしれない。そういった意味ではローラの事以上にこの人間に惹かれている自分がいる。

「分かった。もし学芸都市が堕ちるのなら創ってやろう。だたし余計な仲介を入れるなよ。そしてもう一つ条件だ」
「何だね?」

 少年は条件を言う。アレイスターにしか出来ない事を。

「分かった。いいだろう。恐らく学芸都市はあと一年のうちに終わるだろう。おそらくと言っても『樹形図の設計者(ツリーダイアグラム)』が出した回答だ。間違いないだろう。学芸都市が堕ちたのち暫くの様子見をしてから取り掛かってほしい」
「『樹形図の設計者』ねぇ…それは宇宙とビル(どっち)のヤツだ?まあ、他人には知られたくないだろうからビルの方か?どっちでもいいけど。いい身分だな?世界一のスパコンを二台も持っているなんて」

『樹形図の設計者』学園都市が独自に打ち上げた三機の人工衛星の一つに組み込まれている世界一賢いパソコン。データさえあればどんな事でも完全な未来予測(シュミレーション)が可能という代物だ。その価値は安全保持の為に宇宙に飛ばした程で当然現存するのは一台のはずだ。

「約束は守ろう。ではな」

 肯定も否定もせず会話を終わらせた。いや、気にも留めずに。

「『プラン』か…・。本当にそれがお前の望みなのか?アレイスター」

 通信が切れ真黒な画面に向かい呟く。答えは当然ない。さて、先ほどから待っているお客さんの相手をしなくてはいけないだろう。

「さて長々と待たせか何処のどちらさんだ?出来れば黒幕だとありがたいだが…」
 やれやれといった顔で後ろを向く。そこに一人の人物がいた。

「やっと終わったか。何だよその顔は?つれないなー。俺様が出向いて来てやったのに」

 性別は男。赤を基調にした服装。あまり鍛えてはなさそうな身体。髪はセミロング。少なくとも知り合いではない。それに自分の記憶からもそんな特徴をもつ人物はいなかった。なのでシンプルに聞いてみた。

「お前なんて知らん。誰だ?」
「フィアンマ。ローマ正教『神の右席』の右方のフィアンマだ。魔神さん」

『神の右席』ローマ正教禁断の組織で世界を動かすために存在する。十字教社会に存在しない教皇の影の相談役。存在を知る者は正教内でも限られる最高機密。確かその目的は『神上』、文字通り神の上を目指す組織。

「なるほど本当に黒幕か…。探す手間が省けたが、まさかローマ正教が黒幕とは驚いた。教皇は知らないだろうな。あの人がこんな事許すはずない。神上だったか?そんなつまらん事の為に子供たちを巻き込んだのか?潰すぞテメィ」
「計画実行したのはテッラなんだげど。こちらこそ驚いたよ、まさか魔神が邪魔してたとは。暇つぶしに来たら大当たりってか?それにそこまで学園都市とのパイプを持ってるとは最大司教のババァの切り札じゃなかっのか?俺様達の存在、目的もわかっているし」
「そんな事はどうだっていいだよ!!このクズヤロウっっっっがぁぁ!!!」

 少年は右手で殴りつける。聖人の力で殴られ…いや拳から発生した風圧でフィアンマは壁を突き破り外に放り出される。もしこの光景を他の聖人が観ても驚愕するだろう。フィアンマは軽く1キロは吹き飛ばされた。
周辺2キロ四方を人払いしていても直径十キロ程の学芸都市で大規模な戦闘をするわけにはいかない。なるべく被害を出さぬようにビーチの方向に飛ばした。たいしたダメージはないだろう。本番はこれからだ。

676ライク:2009/07/29(水) 17:01:52 ID:FBfSaG3I
とある魔科学の幻想創造〜イマジンクリエイト〜
第三章 十一月のとある日 右方と原石の聖人Ⅴ


何の表情もなくレイスターは…モニター越しの人間は尋ねる。対して少年もどうでもよさそうに答える。

「出来る・出来ないじゃない。アレイスター、解っているだろう?そんな事に意味など無いことを」
「それでも私は進まなくてはいけない。君こそ分かっているだろう?止まれるラインは過ぎたことを」

 もしかしたら自分と似ているのかもしれない。だからこそこの人間と繋がりを持ち続けているのかもしれない。そういった意味ではローラの事以上にこの人間に惹かれている自分がいる。

「分かった。もし学芸都市が堕ちるのなら創ってやろう。だたし余計な仲介を入れるなよ。そしてもう一つ条件だ」
「何だね?」

 少年は条件を言う。アレイスターにしか出来ない事を。

「分かった。いいだろう。恐らく学芸都市はあと一年のうちに終わるだろう。おそらくと言っても『樹形図の設計者(ツリーダイアグラム)』が出した回答だ。間違いないだろう。学芸都市が堕ちたのち暫くの様子見をしてから取り掛かってほしい」
「『樹形図の設計者』ねぇ…それは宇宙とビル(どっち)のヤツだ?まあ、他人には知られたくないだろうからビルの方か?どっちでもいいけど。いい身分だな?世界一のスパコンを二台も持っているなんて」

『樹形図の設計者』学園都市が独自に打ち上げた三機の人工衛星の一つに組み込まれている世界一賢いパソコン。データさえあればどんな事でも完全な未来予測(シュミレーション)が可能という代物だ。その価値は安全保持の為に宇宙に飛ばした程で当然現存するのは一台のはずだ。

「約束は守ろう。ではな」

 肯定も否定もせず会話を終わらせた。いや、気にも留めずに。

「『プラン』か…・。本当にそれがお前の望みなのか?アレイスター」

 通信が切れ真黒な画面に向かい呟く。答えは当然ない。さて、先ほどから待っているお客さんの相手をしなくてはいけないだろう。

「さて長々と待たせか何処のどちらさんだ?出来れば黒幕だとありがたいだが…」
 やれやれといった顔で後ろを向く。そこに一人の人物がいた。

「やっと終わったか。何だよその顔は?つれないなー。俺様が出向いて来てやったのに」

 性別は男。赤を基調にした服装。あまり鍛えてはなさそうな身体。髪はセミロング。少なくとも知り合いではない。それに自分の記憶からもそんな特徴をもつ人物はいなかった。なのでシンプルに聞いてみた。

「お前なんて知らん。誰だ?」
「フィアンマ。ローマ正教『神の右席』の右方のフィアンマだ。魔神さん」

『神の右席』ローマ正教禁断の組織で世界を動かすために存在する。十字教社会に存在しない教皇の影の相談役。存在を知る者は正教内でも限られる最高機密。確かその目的は『神上』、文字通り神の上を目指す組織。

「なるほど本当に黒幕か…。探す手間が省けたが、まさかローマ正教が黒幕とは驚いた。教皇は知らないだろうな。あの人がこんな事許すはずない。神上だったか?そんなつまらん事の為に子供たちを巻き込んだのか?潰すぞテメィ」
「計画実行したのはテッラなんだげど。こちらこそ驚いたよ、まさか魔神が邪魔してたとは。暇つぶしに来たら大当たりってか?それにそこまで学園都市とのパイプを持ってるとは最大司教のババァの切り札じゃなかっのか?俺様達の存在、目的もわかっているし」
「そんな事はどうだっていいだよ!!このクズヤロウっっっっがぁぁ!!!」

 少年は右手で殴りつける。聖人の力で殴られ…いや拳から発生した風圧でフィアンマは壁を突き破り外に放り出される。もしこの光景を他の聖人が観ても驚愕するだろう。フィアンマは軽く1キロは吹き飛ばされた。
周辺2キロ四方を人払いしていても直径十キロ程の学芸都市で大規模な戦闘をするわけにはいかない。なるべく被害を出さぬようにビーチの方向に飛ばした。たいしたダメージはないだろう。本番はこれからだ。

677ライク:2009/07/29(水) 17:02:06 ID:FBfSaG3I
とある魔科学の幻想創造〜イマジンクリエイト〜
第三章 十一月のとある日 右方と原石の聖人Ⅶ

「空を飛ぶとは良い体験したよ。風圧で人を飛ばすなんてやっぱし聖人、魔神ってモンはすごいな。俺様実に羨ましいぜ」
「どこで俺の事を知ったのか知らんが聖人で魔神と知っていながら挑む気か?」
「魔神と戦ったことはないな。が、こう見えても俺様も強いんだせ?不完全だけどな」

(不完全?どういう意味だ?)

「さてと、さっさとアレを出してもらいますか」
「アレだと?何のことだ?」
「もったいぶるなよ。お前が魔神たる由縁だよ」

 意味は分からないがさっさと片を付けよう。
 少年は右手を砂浜に着ける。左手は炎に包まれる。右手を挙げると大量の砂鉄が付いていた。この光景を魔術師、能力者が見たら双方とも困惑するだろう。魔術師からすれば魔術の発動動作が地面に着けるだけ、能力者からしたら実現不可能とされる多重能力者(デュアルスキル)に見て取れるからだ。実際に目の前のフィアンマは珍しい物を見ているようだった。少年は砂鉄を炎に塗す様にし徐々に形を整える。砂鉄を溶かす程の高温にも関わらず左手には火傷一つ無い。完全に能力制御されている発火能力(パイロキネシス)だ。そして砂鉄は矛へとなる。

「なーるほど。その場で霊装を創るか。トンデモナイなお前」

 少年はフィアンマに世間話をするように言う。

「日本神話を知ってるか?その中に“国産み”ってのがあるがこれはその時使われた『天沼矛(あまのぬぼこ)』をモチーフにしたものだ。簡単に言うと国を創る矛だ」

 伝説に因ればイザナギ、イザナミの二人の神が混沌とした大地を矛でかき混ぜ矛から滴り落ちたのが島となり日本を創ったという。その矛を少年は知識で…正確に言うならば10万3千冊以上の魔道書と230万以上の能力(チカラ)で創る。

鉄を使い物を創るというのは実は日本の考古学上重要な事で様々な神話の基礎になっていたりする。またここは学芸都市、人口で創られた島だ。そういった一つ一つの要素、条件を知識で纏め形創る(行使する)。それが少年のチカラの一部。

「もちろん矛を振るえば大地が降ってくるわけじゃない。フィアンマ、島を創るにはどうすればいいと思う?」

 少年は矛を振り上げフィアンマに襲いかかる。その速さは言葉よりも早い。

「簡単に言えば海底のマグマを爆発させればいい。この矛はマグマを爆発させるぐらいの衝撃を生み出すんだよ」

 伝説、伝承、神話を自らの解釈で再現する。それも少年のチカラの一部。
その衝撃は軽く2キロ四方を軽く超え学芸都市全体を駆け抜けた。学芸都市に設置されている震度計でここからもっとも離れているものでも震度3を記録した。

「そうそう。俺のチカラの名前知ってるか?『幻想創造(イマジンクリエイト)』だ。覚えとけ」

 ありとあらゆる異能を生み出す力だ。
 その少年の言葉だけが辺りに響いている。

678ライク:2009/07/29(水) 17:06:28 ID:FBfSaG3I
今日はここまでです。夏休みに入りましたしこまめに更新したいと思います。どうか最後までお付き合い願います。ではまた。

679■■■■:2009/07/29(水) 17:47:47 ID:3rhCILkg
gj
じゃあどんどん書き込み宜しく!

680■■■■:2009/07/29(水) 19:23:48 ID:yznArD.w
投下乙は乙として、とりあえずsageを覚えてくれ

681■■■■:2009/07/29(水) 21:43:02 ID:N4aevJSM
学芸都市

なんじゃソレ?

682■■■■:2009/07/29(水) 21:47:27 ID:N4aevJSM
潰すぞテメィ

テメェ が普通じゃない?

683■■■■:2009/07/29(水) 22:22:43 ID:H6eKAOqI
GJでした!!

684HAO:2009/07/29(水) 22:48:46 ID:wB53tkC2
どうも、HAOです。
今回は『とあるお嬢の酔いどれ騒動』の番外編?短編版?みたいなものを投下します。

*注意
このお話は、美琴が酔っ払っていて、上条さんにラブラブだだ甘えキャラと化しています。
『こんなの美琴じゃねー!』とか『こんな美琴嫌だー!』って人はスルーしてください。

685『とあるお嬢の酔いどれ騒動・短編ver』:2009/07/29(水) 22:49:47 ID:wB53tkC2
「……不幸だ」
上条当麻はいつもの口癖を呟いた。
また例によって、彼の不幸体質が招いた不幸にげんなりしていた。
しかし、今の彼の状況を見てこれが不幸と賛同してくれる者はどのくらいいるだろうか?
「ねぇ〜♪ とうみゃ〜、とうみゃ〜♪」
彼の傍らには、彼の名前を甘い声で呼び、人目も憚らず上条にピッタリくっ付いて、好き好きオーラを出しまくっている少女・御坂美琴の姿が。
偶然にも公園で見かけた美琴に声をかけたところ、何故か現在のこのような状況に至っている。
どうも自販機で販売されている実験試作品の怪しいジュースを飲んだ影響で彼女はこのような状態、例えるなら酔っぱらっているような感じになったらしい。
理由はわからないが、この酔いどれ御坂さんは上条さんの事がエラくお気に入りらしく、ピッタリガッチリくっ付いて放してくれません。
とはいえ、これはまだマシな方と言ってもいいくらいで、この酔っぱらいはやたらと上条さんにキスをしてきたり、耳朶噛んだり舐めたり、果ては襲われかけたりと非常に危険な行為を上条さんにしてきます。
しかもこんな時に限ってやたらと知り合いと遭遇し、その現場をバッチリ見られたりもして、現在逃亡生活を余儀なくされている。
そんなわけで、酔いどれ美琴の手を引き、人込みを避けて逃げていたはずなのだが、
「何故にこんな所に来てるかな……」
何故か人で溢れ返っている地下街へと来てしまっていた。
「……不幸だ」
「ねぇねぇ、とうみゃ〜♪」
苦悩している上条さんとは対称的に、嬉しそう&楽しそうな様子の美琴さん。
今の彼女にとって現在のこの状況は、上条とデートしているような状況なのだろう。
相変わらず上条の腕をガッチリ取って、ピッタリとくっ付いている。
「あー、なんだ、みさ……じゃなくって、美琴」
「あしょこいこう〜♪」
美琴が指差す先には、結構大きなゲームセンターが。
「ゲームセンター?」
「うん〜♪ げーむしぇんたー〜♪」
美琴はゲーセンに行きたいようだが、正直なところ上条さんはさっさとこの場を去りたいのが本音だ。
特にこういった場所は、クラスの男子陣と出くわす可能性がきわめて高そうなので、できれば避けたいところなのだが、
「……だめ?」
美琴に小動物チックな視線を向けられてそう言われては、ダメとは言えなくなった。

686『とあるお嬢の酔いどれ騒動・短編ver』:2009/07/29(水) 22:50:16 ID:wB53tkC2
「……で、何するんだ?」
「んとね……あれ〜♪」
美琴が指差す先には、以前インデックス&風斬と一緒にやったプリクラの機械が。
「……プリクラ?」
「うん〜♪ とうみゃといっしょにとりたいとおもってたんだ〜♪」
「あー、左様ですか……で、どれにするんだ? ここのゲーセンは結構種類がいっぱいあるみたいだけど……?」
店内にはプリクラの機械が何台も設置されており、その種類はかなり豊富だった。
「んとね、しょのまえにあしょこにいこう〜♪」
「ん、まだ何かあるのか?」
美琴が行こうとしている方に視線を向けると、そこにはコスプレの貸し衣装部屋が。
上条さんに嫌な記憶を思い出させます……。
「……コスプレするのか?」
「うん〜♪ こしゅぷれしゅるの〜♪」
美琴さんは嬉しそうに言います。
「あー、じゃあ好きな衣装選んでこいよ。俺、ここで待ってるから」
上条がそう言うと、
「にゃにいってるの、とうみゃもいくんだよ〜♪」
と言って美琴は上条の手をガッチリ取る。
「……はい?」
一瞬何を言っているのか分からなかったが、美琴は宣言通り上条の手を引いて衣装部屋へと行こうとする。
「ちょ、待て待て待てー! 俺はコスプレなんかしないぞ!」
「うん、べつにとうみゃはこしゅぷれしなくてもいいよ〜♪」
「はぁ!? じゃあなんで俺も行かなきゃならないんだよ?」
「なんでって、それはもちろん、とうみゃにわたしがきるいしょうをきめてもりゃうためだよ〜♪」
美琴は然も当然のごとくそう口にし、上条を衣装部屋へと引き連れて行く。
できればというか、正直御免被りたかったが、そんな意見はあっさり却下された。

687『とあるお嬢の酔いどれ騒動・短編ver』:2009/07/29(水) 22:50:48 ID:wB53tkC2
というわけで、コスプレ衣装を選ぶため衣装部屋にやってきたわけなのだが、
「なんだ、このカオスっぷりは……」
なかなか豊富にコスプレ衣装を取り揃えている。
以前インデックスと風斬が着ていたカナミンの衣装はもちろんの事、こんなの着ろうとする奴いるのだろうかというようなモノまであり、その脅威の品揃えに上条は驚きを通り越して呆れ果てる。
「うわっ、堕天使エロメイドまでありやがりますよ……」
過去のトラウマを呼び覚ます衣装までも発見。
ここは本当にゲーセンの衣装部屋なのか?と疑いそうだ。
この中から衣装を選んでくれと言われても……。
とりあえず適当に選ぶ振りをして、美琴が自分で選んだ衣装を持ってきたら、それを着させようと考えた。
「とうみゃ〜♪ なにかきてほしいふきゅあった〜♪」
しばらくして、いくつかの衣装を手にした美琴が大きな声をかけながら、上条の元に駆け寄ってきた。
というか、ここでそんな事を大きな声で言ってはいけません……。
誰かに聞かれたら、絶対に上条さんは危ない人だと思われてしまいます。
「はぁー……」
「うにゅ? どうかしたの、とうみゃ?」
大きく溜め息をついている上条を不思議そうな顔で見つめる。
酔いどれ美琴さんに説明したところで意味のない事はこれまでの経験から理解しているので、何も言わなかった。
「……なんでもない……」
「しょう? で、とうみゃはにゃにかえらんでくれた?」
「いや……」
「えー」
「まあいいじゃないか。美琴も結構いっぱい選んだみたいだし。あんまり多いと全部着れないだろう? あんまりここで時間を食うわけにもいかないし……」
「うーん……まあ、たしかにしょうだけど……しょうがないか……」
少々不服そうではあるが、とりあえずは納得してくれたようだ。
「じゃあ俺外で待ってるから、着替えて……」
一応お役目終了という事で、衣装部屋を出よう美琴に背を向けると、ガシッと肩を掴まれる。
「どこいくの、とうみゃ。まだおわってないよ」
「……はい?」
「このなかからどれにするか、とうみゃにみてもらってきめるんだから」
「いや、だから外で待って……」
何やら嫌な予感がしてきた。
一応一つの答えに辿りついてはいたが、正直この答えは外れていてほしいと思った。
しかし、
「いっしょにしちゃくしつにいこうね〜♪」
現実とは残酷なもので、こういうときの上条の予想は当たっていた。

その後、二人は一緒に試着室に入る入らないで揉める事になるが、上条が酔いどれ美琴に勝てるはずもなく、結局美琴の生着替えを見せられる事になるのだった……。

688■■■■:2009/07/29(水) 22:51:15 ID:B9P8njmQ
>>676の後半の口調が一方さんにみえなくもない

689HAO:2009/07/29(水) 22:51:32 ID:wB53tkC2
『いちゃいちゃ看病編』と『酔いどれ騒動』の二作品の続きが思うように書けないので、『酔いどれ騒動』の没ネタというか、本編に組み込めなかった話を気分転換に短編風にしたものです。
一応この二作品の続き書こうとは思ってるんですけど、どうもうまくいかない……。
待ってる人、すみません……。

690■■■■:2009/07/29(水) 22:53:43 ID:stjiIfOs
リアルタイム遭遇ktkr!
お二方ともGJです

691■■■■:2009/07/29(水) 23:05:23 ID:BdjuTKF.
ええと、とある少女の一つの願いを投下させていただきます。

692とある少女の一つの願い:2009/07/29(水) 23:05:45 ID:BdjuTKF.


「……何か、変だな」
 昼休み――、ご飯を食べおえた後、上条はポツリとつぶやいた。
 その呟きを聞いた吹寄が足を止めて、不思議そうに上条を見つめた。
「変って、何が」
「天花が。おれを避けてるみたいだなぁ、と」
 いつもなら、お弁当を一緒に食べて、(見せつけ)ついでに恋人っぽく『はい、あーん』をやらされそうになったりやらされたり(口を開けた瞬間に放り込まれた)後ろから抱きつかれたりするわけなのだが。
 一度も喋ってないどころか、会ってもいない。見かけて、声をかける前にさささっと消えてしまうので、どうしたのだと聞く事も出来ない。
「上条当麻、何やらかしたの、覚えがないと言うなら記憶力ね新発売のウィスキーの香りのするチョコでも食べておきなさい海馬の血流量があがるわよ」
 ぐいぐいと押しつけられるチョコを振り払いつつ、何かしたかどうかを考えてみる。
 ――覚えがない。
 その話題に興味を持ったのか、姫神が近寄って来た。
「たしかに。今日の彼女は。おかしいと思う」
「そうかしら?」
「上条君だけじゃなく。私達の事も避けてるみたい」
「そうなのか?」
 姫神が頷くのを見ながら、上条は仮説を立ててみる。
 誰かが何かしたのではなく、天花自身に問題があるので、あまり人に近寄りたくない、という仮説。
「それは。あり得るかも。彼女。どこか変だし」
「おかしな気はするわね」
「まぁ、少しくらい話できるだろーし、その時に聞けばいいか」
 さすがに夕飯の時間まで上条を避ける事は無いだろうし、天花だって別にそこまでするわけでもないだろう。

693とある少女の一つの願い:2009/07/29(水) 23:06:05 ID:BdjuTKF.

「み・こ・と、ちゃーん!」
「へ? あ、あアンタ、天花、だっけ」
 いきなり抱きつかれたので、白井黒子かと一瞬ひやりとしたのだが取り越し苦労だったみたいだ。
 この人懐っこい少女はその奇怪な行動故にちょっと苦手だから、ひやりとしたのは正しいかもしれないが。
「じゃあね」
「ちょっと待ちなさい、それは無いでしょ」
 すぐさま何処かへ行こうとした天花を捕まえる。
 いきなり現れてバイバイってのはちょっとない。用もないのになぜ話しかける。
 なんでだよ、はなせーとか好き勝手言っている天花には、なぜか焦りのようなものがあった。
 いっっつも悠然と構えてる天花らしくない表情。それに疑問を覚えた美琴は、彼女の事情を聞き終えるまで手を離すつもりはさらさらなかった。
「何焦ってんの?」
 疑問を口にした瞬間、天花から表情が落ちた。
 真顔、いや、いっそ能面のような顔に、一歩引く。
「――焦んなきゃやってられないよ。私、もう少ししたら此処から出ていかなくちゃいけないんだから」
「学園都市から? なんで?」
「色々。だから、ズルイ。どうして、インデックスは美琴ちゃんはミサカちゃんは秋沙ちゃんは当麻の傍に居られるの、その幸運に気づきもしないで……。ズルイ。でも」
 天花は苦笑を浮かべた。それは彼女らしくない、と美琴は思った。
「でも?」
「私は、貴女も、他の皆も、何より当麻が大好きだよ」

694とある少女の一つの願い:2009/07/29(水) 23:06:22 ID:BdjuTKF.


「てんげ、てんげ」
「インデックス?」
 ご飯はまだだよ? と言うと、違う、と彼女は首を振った。
「今日は久しぶりに何処かに食べに行こうかって、話してたんだよ」
「あら。まだ作る前だし……お兄ちゃんが返ってくるのも時間かかりそうだし、お菓子作ろうかな」
 どうせなら一緒に作りましょうとインデックスへ現代知識を教えてやろうと画策する。
 しばらく、黙々と作業していてふと天花が顔を上げた。
 それに気づいたインデックスが不思議に思って彼女を見上げる。
「どうしたの?」
「ね、もしさ、世界が一週間後に消えちゃうとしたらどうする?」
 いきなりされた質問に、インデックスは迷って、口を開く。
「多分、普段と同じように過ごすよ。私には会いたい人がいないから、最後までとうまと一緒にいられたらいいな。天花は?」
「うーん。私も、お兄ちゃんと一緒にいられればいいや。それと、インデックスともね」
 そう言って、銀髪の頭を両手ではさみこんだ。インデックスははにかんだような微笑みを浮かべた。
 天花はインデックスの事をギュッと抱きしめる。
「大切な妹だもの、私にとって。ねぇ、私の事インデックスは覚えててくれる?」
「当然なんだよ? 私は、絶対に何も忘れないんだから」
 二人は笑って、お菓子作りを再開する。
 電子レンジに入れてチンした後、上条が帰ってきた。
「おかえり、お兄ちゃん」
「あ。天花、今日どうしたんだ?」
「そうだ、私も聞きたかったかも。なんで一人で先行っちゃったの?」
「したいことがあったから。あ、どこか行くのよね?」 
 はぐらかすような答えを告げて、質問する。
 こうなったらきっと答えないに違いないと思った上条は諦めて、最近見つけた安めのおいしいお店の名を言う。

695■■■■:2009/07/29(水) 23:07:18 ID:BdjuTKF.
終わりです。

――次回急展開、かもしれないかもです。期待はしないでくださいな。
されたら、うん。

696Forced・cohabitation:2009/07/30(木) 13:52:00 ID:JmEIOTjs
短いですが続き投稿します。

697Forced・cohabitation:2009/07/30(木) 13:52:20 ID:JmEIOTjs


行間1


同時刻・学園都市の外・某有名料理店


「これと、これと………ああもうここにある料理全部食べてみたいかも!!」
「…………好きにすると良いさ……」

東京で超有名な和風料理店の最高級ランクの部屋。

そこには同じく最高級ランクの、少なくとも今の上条には絶対に手が出ないほど馬鹿高い料理をガンガン注文するインデックスと、それを見て溜息をつきつつも、内心かなり和んでいるステイル・マグヌスが居た。

純和風の部屋に英国の修道女と神父がいるというのはいささか奇妙な光景だったが、店の従業員は外国からの客に慣れているのか、そこまで気にしていないようだ。

……そう「その事に関しては」気にしてない……だが

「お、お客様。お会計の方は大丈夫ですか?」
「最初にカードを渡しただろ?そこから会計の分だけ引き落としてくれ」
「は………はい」
「(ガツガツむしゃむしゃ)あ!あとこれとこれも〜!!」

従業員は呆れたような困ったような顔で注文票に料理名を書くと、厨房へと走っていった。

驚いているのはその注文の量だ。
一見一人では食べきれないだろうと思われる膨大な数の高級料理が、次々とインデックスの胃袋へと吸い込まれてゆく。しかもステイルは料理に一切手を付けていない。


「…………随分と食い付きが悪いね」

この場にインデックスと関わりを持たない誰かがいれば迷わずツッコミをいれただろうが、実際に全力時のインデックスと比べれば若干スピードに勢いが無い。

「そ、そんなこと…………」
「…………さっきも言ったけど、その術式が発動する可能性がある以上、君を学園都市に置いておくわけにはいかない。」
「う、うん……分かってるけど…………でも……」

箸を止め、若干不安そうな表情をするインデックスに、ステイルはこんな言葉を掛けた。

「……あいつには護衛が付いている。任務が優先とはいえ、ある程度安全のはずさ。それにあいつなら巻き込もうが巻き込まれまいが、勘づきさえすれば自分から飛び込んでくると思うけど?」
「!!?」

バッ!と、こちらを見たインデックスに、ステイルはこの発言が失敗だったとすぐに気付いた。

…………が、もう遅い。

「そ、そうなんだよ!当麻ったらいつも何時も!!あいさ曰く当麻はフラグ体質〜って言って次々と女の子と厄介事を引き寄せる体質らしいけど、ただでさえ色んな事に巻き込まれやすいって言うのに自分から関わっていくんだもん!私の知らない所でも色々あったみたいだし!!それと当麻は私がご飯をたくさん食べるから食費が大変だ〜!って言ってるけど正直当麻の入院費もバカにならないかも!!あとあと………………」
「…………ハァ…………」

この後ステイルは、インデックスの気が済むまで上条への愚痴(ステイル曰く、そうは聞こえない)を聞かされ、上条に理不尽な殺意を抱くことになるのだが、肝心の上条はそれを知らない。

698Forced・cohabitation:2009/07/30(木) 16:53:58 ID:JmEIOTjs
…………もう終わりですけど何か?

699■■■■:2009/07/30(木) 21:09:07 ID:IrHbD2aU
みんなgj
今日は最高
だって、無駄に疲れてた一日だったが、それを吹き飛ばす量のスレ。
正直酔いどれは、そのまま禁書目録と黒子の前で、美琴との彼女宣言!
っていうか何か「裸見られたから当麻のお嫁にして」なんて言ったら最高!(裸というか着替え)

そして次回の天花はどうなる?
どういう魔術そして当麻どうするか!が気になる。

最後に好きな人には悪いがインデックスは好みじゃないから、無理だと思うがステイルを好きになり当麻から離れろ!(あんまり家事出来ない人好きじゃないと言うか居候なら五和みたいな行動をとろう、もしくは努力しろ!)
そのためアニーュゼ隊は、大歓迎!! 
でも一番は吹寄か美琴だな!

700■■■■:2009/07/30(木) 21:20:29 ID:JEGP0KmY
皆さん、GJです!
一気に投稿されててうれしい限りです。

『いちゃいちゃ看病編』と『酔いどれ騒動』気長に待ってますよ〜
並行世界は・・・もう期待してはいけないのかなあ(泣

701■■■■:2009/07/30(木) 21:42:06 ID:gBxkIDF2
ここ数日はSS投下ラッシュですね。自分も続かせて頂きます。
「ミサカ、巫女と美琴(みさかみことみこと)」の続きを2レス分投下します。
注)この話に出てくる姫神秋沙は本編と少し設定が違いますがご容赦下さい。
「When You Wish Upon a Star(星に願いを)」と「When will I see you again? (天使のささやき)」の設定を流用しており、
『吸血殺し(ディープブラッド)』の代わりに『癒之御使(エンゼルフェザー)』という能力を持っています。
また、姫神秋沙と御坂美琴が既に知り合っていたりします。
ただ上記の2作品を見ていなくても話がわかるように文章を工夫してみます。
とりあえず本編より饒舌で積極的な姫神秋沙だと思っていただけると幸いです。

702■■■■:2009/07/30(木) 21:42:37 ID:gBxkIDF2
「ミサカ、巫女と美琴(4)」

「とりあえずオリジナルの不満が円満に解消して良かった、ってミサカはミサカは
 暴走したオリジナルによる無差別雷撃の危機が去ってホッと胸を撫で下ろしたり」
「さっきのどこが円満だったって言うのよ!?」
「これでようやく本題に入れるの
 ってミサカはミサカはオリジナルの抗議を右から左へ聞き流して話を進めてみる。
 もう既に我々は大問題に直面しているの、ってミサカはミサカは深刻そうに話を続けてみたり」

「大問題って一体?」
「この組織は学園都市を守るための秘密戦隊なんだけど、…………まだ名前が無いの
 ってミサカはミサカは単刀直入に答えてみる」
「「「「はあ?」」」」

あまりのくだらなさに4人は間抜けな声を出してしまった。

「だって他には猟犬部隊(ハウンドドック)とか格好良い名前があるのにウチにだけないなんてつまんない
 とミサカはミサカはまるで駄々っ子のようにイヤイヤしながら訴えてみる」
「「「「はあーーーっ」」」」

今度は4人から盛大なため息が漏れた。

「全員(A. Himegami, M. Misaka, Misaka, Ippoutukou, T. Kamijo)の頭文字をとって
 AMMIT(エイミット)って考えていたのに一方通行(あの人)がいきなり帰っちゃうから
考え直さないといけないの、ってミサカはミサカは暗に皆も考えてねってせっついてみる」
「あれ、なんで一方通行だけ本名じゃないの?アンタもアイツの本名を知らないの?」
「私もあの人の名前は知らないの、ってミサカはミサカは少し寂しそうに答えてみる」

「うっ、今不意にY.Sってイニシャルが頭に浮かんたんだけど…………
 気のせいだな。うん。きっとそうに違いない」
「あなたが何を言っているのか分からないけど、あなたに良いアイデアはないの?
 ってミサカはミサカは悪寒に震えているようなあなたに尋ねてみる」

「うーん。そうだな。
 お前を含めた全員の能力名(Railgun, Angel feather, Imagine breaker, LAst order, Radio noise)
 を使ってRAILAR(レイラ)ってのはどうだ?一方通行が戻ってもそのまま使えるし」
「それは良いかも、ってミサカはミサカは少しあなたを見直してみたり」
「RAILAR(レイラ)か…………、まあ、特に反対する理由はないわね」
「上条君が考えた名前だったら私もそれで良い」

703■■■■:2009/07/30(木) 21:43:05 ID:gBxkIDF2
「ミサカ、巫女と美琴(5)」

「そうだ。良いことを思いつきました、とミサカはここに一つの提案をします」
「なんだ。もっと良い名前でも思いついたのか?」
「服を脱ぐのがダメなら当麻さんがまたミサカの胸に触って下されば良いんです
 とミサカは先ほどからの懸案事項に妙案が浮かび喜色満面で当麻さんに報告します」
「ア・ン・タ・はずーっとそんなこと考えていたのかーっ!」

再び御坂妹に食ってかかる御坂美琴の様子を見て上条はヤレヤレという仕草をしていた。
その時上条の耳元で「ジャキン!」という音が鳴り響き上条の首筋に硬いものが当てられた。
上条が視線を下げると、それは姫神秋沙御用達の特殊警棒(スタンガン機能付き)だった。

「あのー、姫神さん。これは一体どういうことでしょう?」
「今。聞き捨てならないことを聞いた」
「はい?」
「『また』って何?」
「なっ、なんのことでせう?」
「さっき御坂妹さんが言ったでしょ。
 『またミサカの胸に触って下されば良いんです』ってどういうこと?」

その一言に御坂妹と言い合っていた御坂美琴もピタッと動きを止めて上条の方を振り向く。
振り向いた御坂美琴は眉間にしわを寄せて上条に疑惑の眼差しを向けている。

「アンタ、一体この子に何したの?返事次第じゃ……血の雨が降るわよ!」
「御坂さんまで……、バチバチ放電しながら凄むのは勘弁して下さい。
 上条さんには何のことだかサッパリ……」

「あの朝(病院の)布団の中で(動けない)当麻さんと(お見舞いの)ミサカが
 お話ししたときのことですよ、とミサカは間髪入れずに指摘します」
「ほほーう。アンタは妹とそんなことしてたんだ」
「待て!ちがう。これは冤罪だ! 」
「ふっ、犯罪者は捕まった時、みんなそういうのよね」

そう言う御坂美琴はこめかみに青筋を立て頬の筋肉をヒクつかせている。
ワナワナと震えだした特殊警棒は背後の姫神秋沙も似たようなものだということを教えている。

「ミサカの胸に触れる(ようにミサカが両手で持った)当麻さんの掌の暖かさを
 ミサカは今でも忘れません、とミサカは目を潤ませて訴えます」
「有罪確定ね。遺言は?」
「こら!御坂妹。おまえワザと単語をはしょっているだろ!」
「ひょっとして(一方通行から救ってくれた)あの夜のことまで忘れてしまったのですか?
 とミサカはさらにあなたを問いつめます」
「おワッちっ!」

上条の首筋から少し離れた場所で特殊警棒がバチバチと火花を散らしている。

「今のは警告。素直に罪を認めるなら楽に感電死させて(逝かせて)あげる」
「まっ、待て姫神。俺は何もしちゃいない!」
「まだ白を切るの?じゃあ上条君。あの世(あっち)に逝っても元気でね」
「わーっ、待ってくれ!
 あん時、俺は麻酔のせいで指一本動かせなかったんだぞ!」
「「え?」」

「さっきのは入院中で身動きできない俺を御坂妹が見舞いに来た時の話だろ!」
「「…………そうなの?」」

「ちっ、ミサカと当麻さんの仲を認めさせ、しかもフクロにされた当麻さんを看病する
 ミサカの甲斐甲斐しさにミサカの株もウナギ登りという一挙両得の作戦だったのに、
 とミサカは本作戦が後一歩のところで失敗したことに地団駄を踏んで悔しがります。
「「「アンタ(あなた)(お前)、そんな腹黒いことを考えていたの(か)!?」」」

「???、皆さん、どうなされたのですか?とミサカはキョトンとした顔で問い返します。
 欺瞞情報を用いて敵の混乱と敵戦力の自壊を誘い彼我の戦力差を拡げたところで
 電撃戦により敵戦力を駆逐し目標を占領することはごく初歩的な戦術ですよ
 とミサカは洗脳装置(テスタメント)で学んだ戦術の一端を懇切丁寧に説明します」

しれっと答える御坂妹に3人は本日何度目かのため息をついた。

「「「ハアーーッ」」」

704■■■■:2009/07/31(金) 04:17:55 ID:NFHtSklE
SS 上条当麻最後の選択

上条当麻の最終避難場所は自宅である
アックア戦の時のように相手の戦力が分からず、既に味方の護衛がついていた場合は除き、
もし始めから上条以外の誰も対処できない強大な敵が来ると分かっていたら
本当に危険な事態になったら
上条は誰も巻き込めない
まず何としても嘘を突き通してインデックスと猫を小萌先生の家に預ける
そしてエレベーター前に目立たず"バリケード"の役割を果たすものを置き、警備ロボットの動きを封じる
助けを呼ばれないためだ
上条は絶対に逃げられない
自宅に誰もいなければ、"敵"が追跡するために片っ端から上条に関係する人から情報を引き出そうとするだろう
"敵"が真っ先に「上条だけに」遭遇するのは絶対条件
これが満たされてようやくなんとかできる範囲での最良の状態
可能な限り他者を安全位置に隔離できた状態である
ここから先は何が起こるか分からない
上条の願いはただ一つ、誰も巻き込まないこと
上条は絶対に逃げられない
上条は今その最終避難場所に1人でいる

(おいおい冗談じゃねぇ・・マジでヤベェぞこれは・・!どうするよ・・
俺・・!)

上条は右手のスポンジを強く握り絞め、浴槽で「恐怖!これが世界の終わりだ!!」などと胡散くさいタイトルがつけられた本に興奮する子供のように、
自分の身に降り掛かる最大の危機を妄想し、ドキドキしていた
上条の口癖は「不幸だー!」である
上条の右腕には幻想殺しという力があり、魔術であろうが超能力であろう
がどんな異能の力であっても触れただけで打ち消す効果を持つ
それが神の奇跡であってもご加護であっても例外ではない
その為幸運のご加護を打ち消してしまい、上条は年中口癖の通り不幸な訳だが、それでも自らの危機にスリルを求めるのだから途方もない馬鹿である
バタン!
その時、上条の最終避難場所の扉が勢いよく開かれた
正確には蹴り破られた

705■■■■:2009/07/31(金) 04:18:57 ID:NFHtSklE
足音がいくつも聞こえる
ドタドタドタドタドタドタドタドタと騒々しい足音が響いた
上条は慌てて浴室から飛び出した
そこには1人2人3人4人5人6人・・ゆうに10人以上もの少女が1人暮らしの男子寮の一室に乗り込んでいた
見覚えのある顔ぶれだった

「美琴!!」

上条の声に1番手前の少女が振り向く
その後ろにインデックス、舞夏、五和、御坂妹がいた
さらにその後ろには何人ものシスターズがいた
そして上条の背後からもミサカは・・という話声が聞こえる

「アンタ、そこにいたのね」

美琴からは異様な威圧が感じられた
その後ろの面々からも、背後からも

「えーと、上条さん・・何か皆さんの機嫌を損ねることをしましたでしょうかー・・そうだ、鍋でもやろう!!皆に上条さん特製仕込みのダシをお披露目しちゃうよ☆」

戦々恐々としている上条は、とりあえず身を持って学んだ女の子の機嫌を治す方法を実施した
もちろん、この人数がカバーできるほど上条宅に食材はない

「・・いいから聞きなさい!」

「は、はいー!!」

美琴は上条を強い口調で制した
そして結論から言った



「ここにいるやつは全員アンタが好き!!」

706■■■■:2009/07/31(金) 04:19:33 ID:NFHtSklE
3秒ぐらいのラグがあり、上条が、な、なんですとーーー!!と奇妙なポーズでリアクションし、私は違うぞーとボソッと舞夏がこぼしとうま!とインデックスがいつものように呼び
か、上条さん!と五和がドサクサに紛れて初めて名前を呼び、なんだとおおおぉぉーーーー!!と絶叫しながら勘違いした隣人の土御門が上条宅に向かい、あたりからミサカもミサカもという声が聞こえる
美琴は本当はこんなことは言えない
大人数であることと、先程あった女性陣のやりとりによってムキになった
勢いがあって初めて言えた
それでも顔を赤らめている
上条は知らない、彼女達の間に起きた戦いを


30分前、インデックスと舞夏がアパートの下で世間話をしていたところに美琴がやってきた
上条の学生寮を探しに来て迷っていたところ、インデックスを見つけて家の場所を聞きに来たわけだ
インデックスは機嫌悪そうに何しにきたの?と聞き返し、美琴は映画のチケットを見せた
それを見て更に機嫌を悪くしたインデックスが教えないと言ったので、美琴は食い下がった
やがてインデックスはめんどくさそうに私のうちと答えた
美琴少し考えたあと、ハァ?アンタあの馬鹿と同棲してんの?!とインデックスに掴みかかった
それを見た舞夏が、はぁ、知られざる上条当麻の愛の巣の全貌が、と意味深なことを言い、美琴が本格的に勘違いした
そしてアンタあいつの何!そっちだってとうまの何!と言い合いが始まり、インデックスにも火がつく
その横を御坂妹が、では以前来たことがあるミサカは勝手に先に向いますとミサカは断りをいれてから手料理を届にいきます、と通り過ぎようとする
それを2人が待った!と声を重ねて止める
そこに任務でやってきた五和があ、あのーとインデックスに声をかけた
ここから女性陣の緊急会議が始まり、各々の気持ちを示した後、真剣勝負が決定した
そして御坂妹の提案で公平性を保つ為に同条件の学園都市にいる妹を全員を呼ぶことも決定した
美琴はビクッとした
8人のシスターズが到着した時、インデックスと五和もビクッとした
全員揃ったところで上条の部屋に向かい、ビクッと琴が鍵の開いてた上条の部屋のドアを蹴破った



「・・この中から選んでもらうわよ!!曖昧な返事したら許さないんだか
ら!!電極付けたカエルの足のようにヒクヒクさせるわよ!!」

かくして上条の未曾有の危機が訪れるまでに40分も掛からなかった

707■■■■:2009/07/31(金) 04:20:52 ID:NFHtSklE
「ちょ、ちょっと待て!!唐突すぎて上条さん、状況が掴めてませんってば!」

上条が理解したことは、今命が脅かされていることだけだ
舞夏が上条の後ろで土御門の誤解を解いてる
土御門が本気で泣いている
女性陣が上条を睨みつけて来る
彼女達の顔つきを見る限りどうやら本気らしい
しかし、他はともかく、インデックスさん、あなたはたきつけられただけでしょう・・脅威を増やしやがってー・・と上条はグルルと空腹の怒りも含めているインデックスをチラ見した
一歩下がるとシスターズの1人にぶつかった

(殺される・・下手こいたら殺される・・美琴の電撃を幻想殺しで打ち消したところでここにいる皆さん方に殺される)

己の破滅のイメージを具体的かつ鮮明に思い描く上条には背後に20cmすらも逃げ場が与えられなかった
美琴が前髪あたりでビリビリ音を立てて再び口を開く

「もう一度言うわよ・・この中から1人えらびなさい!!その後ろにいる変な金髪男の名前を言ってごまかすなんてベタな手なんて絶ッ対許さないんだから!!」

舞夏に泣きついてる土御門がはい?とこちらを見る
えええええええーーーーーーーーーー!!上条さんの唯一の逃げ道を思いつく前に潰さないでくださいよーーーーー!!と心の中で悲痛の叫びをあげる上条
その場にひざをついて倒れようと思ったら猫が足元にいた
上条さんは猫を見てははははと力のない笑みをこぼした

「ちょっと、聞いてんのアンタ!!」

美琴がうつむいている上条にどなりつける

708■■■■:2009/07/31(金) 04:21:43 ID:NFHtSklE

「あぁ、聞いてるさ」

上条はゆっくりと顔をあげた
生き残るために

「選んでやるよ!!選んでやろうじゃねえか!!この中から1人、御坂もインデックスも五和も舞夏もシスターズも1人ももれなくお前らの中から!!」

背後でなんだとぅ!!と憤る土御門

上条は無視し、インデックスちゃんは戻ってきてもいいからね〜と付け加えたが、インデックスにキリッと睨まれ怯む
美琴を始め、部屋にいた女性陣は上条の言葉に身構える
上条は再び無理矢理な場違いな飲み会のようなハイテンションになった

「お前ら上条さんの選択大人しくを聞きやがれい!!選ばれし女の子は〜〜〜〜〜〜〜ジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャン!!・・」

冷静になれば、真剣に好きな人を選ぶ時のテンションではないのは明白だ
しかしその場の全員が馬鹿げた上条の声を聞いて息を飲んだ
上条がその全員に向け声を高らかに宣言する





「18367
号ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」






その場の全員とミサカネットワークに衝撃が走った、上条と土御門を除いて

709■■■■:2009/07/31(金) 04:22:33 ID:NFHtSklE
上条が宣言したのは、シスターズのシリアルナンバーである、ただし「ここにいない」人物の
シスターズが到着した時、各々が到底覚えられないような自己紹介をした
完全記憶能力のインデックスは言うまでもない
しかし、他の面々も18000台の番号は自己紹介の時に聞いた番号で心当りがなかった
美琴が振り向いて御坂妹に声をかける

「ねぇ、アンタ・・」

「はい、お姉様の察する通りそのシリアルナンバーのミサカはこの場にはいませんとミサカは確証を持って即答します」

辺りがざわついた
美琴と御坂だけ気付いた
仮にシスターズ以外を選ぶのなら理解できる
シスターズを選ぶにしても、今まで上条と1番多く絡み、直接助けた10032号の御坂妹を選ぶのも理解できる
そして100歩譲って他の学園都市にいるシスターズとも何らかの絡みがあり、上条が選んだとしてもまだ理解できる
しかし上条が選んだのは本人が会ったことあるかも怪しい学園都市の外にいるシスターズの1人だった
美琴は唇を噛み締めて再び上条の方を向いて言い放った

「アンタ・・どういうコト・・?アンタ・・10000人のシスターズ
の中からランダムに選んだわね!!」

ピリピリした空気が一転、周りはどういうことですか?、とうま!、上条さん、ミサカはという声で騒がしくなる
真剣勝負において、ましてや命が掛かっている選択において、上条当麻は何故ランダムに、いやおおよそ「その場にいない者を狙って」選びだしたのか
その真意は上条当麻のみぞ知る
美琴は全身に電撃を纏って上条に問い詰める

「説明・・しなさいよこのクソ馬鹿ァ!!」







続きは今度書きます

710■■■■:2009/07/31(金) 04:32:49 ID:NFHtSklE
いろいろとミスったorz

711Forced・cohabitation:2009/07/31(金) 10:02:56 ID:9XzHW4sM
……………………え〜……と……
699さん?

……一応言っときますが、書いた作者は上条×インデックスも大好きなんですよ?

Ps・正直ちょっとプチッときました(いやそれ以外のCPも好きですが)

712■■■■:2009/07/31(金) 16:37:09 ID:tfedflvo
うーん、ちょっと心ない発言だと思うなって、711さんに同意してみたり。
さて、とある少女の一つの願いを投下させていただければ。

713とある少女の一つの願い:2009/07/31(金) 16:37:29 ID:tfedflvo


「当麻。口開けて〜」
「は? ぇ、こうか?」
 天花が素晴らしい笑顔で口を開けろと言うので首をかしげつつ、上条は口を開けた。
 きらん、と彼女の瞳が光ったのに気づかずに。
「それっ!」
「むぐっ!? ほい、へんえ(おい、てんげ)!」
 抗議の声をあげると、天花がむくれた。
 隣に座っているインデックスを抱きしめている。インデックスはと言えば私もやろうかな、などと目の前に置いたパフェを眺めている。上条としては戦々恐々だ。
「だってぇ。おにーちゃんてばさ、『はい、あーん』ってもやってくんないじゃないのさぁ」
「とうまっ! 私もやるから口開けてっ!」
 むしろ恋人っぽい行為、よりもとうまの口の中に食べ物を放り込む、という目的らしいので、まぁそれくらいなら許容範囲、と仕方なく口を開ける。
 すると天花が本格的にむくれた。
「ひどい……! 差別だ! 横暴だ! 私は当麻の行為を認めない……ん?」
 ふと天花は頭をよぎった考えを整理する。
 上条を想う女子はそれはもうたくさんいる。もしかしてもしかすれば五桁行ってるかも知れない。
 上条が平等に、『はい、あーん』をしてもらうとすれば……。
「ああ、ちょっと見てみたい……。一口ずつでも食べれないだろうな……、でもなぁ」
「さっきから何をおっしゃってるのですか?」
「ん、もし最後に何かを食べるなら当麻は何を選ぶ?」
「さあ。どうせなら手料理だよな」
「私だったらみんなでわいわい言える鍋とかがいいな。賑やかで、楽しく終わりを迎えられれば」
 一番の幸せとは、心残りが何もなく、静かに眠ることかも知れない。
 永遠なんて、死にしかないのだから。
「へぇ。天花は死ぬことって怖いか?」
「怖いよ」
 軽い気持ちで問いかけたのに、返ってきたのは質問を叩き落とすような即答。
 くるくると変わる天花の顔が、無表情へと変わっていた。
 けれど……何となく、その顔が一番彼女らしいかもしれない。
「怖い。死んだら、何も残んない。でも、後悔を残したまま生き続けるのは無と同じだから」
「……だから?」
 一旦途切れた言葉の続きを促すと、天花ははっとした様に首を振る。
「今日をせいいっぱい生きなくちゃね! インデックス、あーん☆」
「むぐむぐ……おいしいかも」
 何となくはぐらかされた気がする上条は黙々ご飯を食べ始めた。
 この後皿をひっくり返してしばらくテーブル拭きをやるはめになる。

714とある少女の一つの願い:2009/07/31(金) 16:37:48 ID:tfedflvo

 今日は本当についてなかった。
 毎日毎日不幸だが、それでも今日は格別だ。
 なんせ、帰り道に何処かの魔術結社に襲われるのだから。
 そして、天花がインデックスを庇い、彼らが掲げている紋章を見た瞬間、息をのんで叫んだ。
「……うそっ……! あの組織は、ネセサリウスが壊滅させたはずなのに――っ!」
「天花!? なんで、お前、必要悪の教会知ってんだよ!」
「詳しい話は後がいいかも!」
 インデックスが上条と天花を引っ張り、走る。しばらく走ったところで、天花が立ち止まった。
 それに気づいて二人とも止まったものの、天花との距離は結構空いてしまった。
「――彼らが狙ってるのはインデックスじゃない」
「え? 他に、魔術関係者はいない筈なんだよ!?」
 一応上条の隣人は関係者なのだが……とそんな事を言っている場合じゃない。
 相手はこちらを見失ったようだが、いつ見つかるか知れたもんじゃない。とりあえず天花を走らせようと彼女の元へ歩くが、はじかれた。
「はやく、逃げて頂戴」
「まさか、これ――! てんげ、あの魔道書を持ってるの!?」
 透明な壁が天花と上条・インデックスの間に出来ていた。上条が触れると、壁は消えた。
「……さぁね」
「これ魔術なのか!? 天花、あいつらの狙いって、お前……か?」
「はやく。私は死ねないし死なない。だから、大丈夫」
 そう言うと、天花は上条の左肩を狙って、空気の塊を投げた。吹っ飛ばされて、インデックスが上条に駆け寄る。
 その間に、天花は消えてしまっていた。
「とうま!? 大丈夫?」
「インデックス……あいつは、どっちに行った?」
「右。……天花って、能力者じゃないの?」
「っっ!?」
 上条は、天花がカリキュラムを受けるのを目撃した。教室で、何度か飛んでいるのも見た。
 能力者じゃない訳はない。しかし、今のは魔術だと、インデックスは断じた。
 なら。彼女は血だらけになる筈だ。
「インデックスは待って――」
「とうま、はやく!」
「あ、おいこら待て!」
 人の話も聞かず、銀髪少女は駆けて行く。

715とある少女の一つの願い:2009/07/31(金) 16:38:10 ID:tfedflvo

「生きてるとは思ってなかったよ緑青」
 かつて、父母を殺し、天花をさらった魔術結社。
 日本の神はあまたいるが、子孫から祖神として祭ってもらったりするのではなく、生きたまま髪になるにはどうすればいいか、を研究してたと思う。
「アンタは、真っ先に殺されたと思ったのに」
「天花……お前に魔道書を読ませて反応を見ようと思ったのが間違いだった。返せ、我らの書を」
「るっさい青かび。名前にカビってつけられるなんてかわいそうな親持ったね」
 天花が逃げ出した時に、丁度ネセサリウスが壊した筈の魔術結社の参謀。
 生きていたとは思いもよらなかった。いつか、この魔道書を誰にも見つからないところに捨て去れば終わりだと思っていた。
「お前が……生きてた所為で! 私はたった一つの願いすら叶えられなかったじゃない!」
「うるさい。今すぐ返せば許してやる。負ける気はしないが、やり合うのは少々辛いからな」
「全部、ぜんぶ、ゼンブお前の所為だっっ!」
 緑青の言葉をすべて無視して、天花は突っ込む。
「浅葱、天花を殺せ」
 緑青の隣に居た男が天花に飛びかかる。
 天花は空中に魔法陣を描き出し、空気を操り始めた。
「なっ? お前、空中に飛び上がる能力を持ってるから魔術は使えないは……」
「その前に疑問に思わないの!? 何故私が生きてるか」
「……そうだ、私がかけた呪いが……解ける訳ないと思ったのに」
 ゴドン! と地面を揺らすような音を立てて、浅葱の体が地面にのめりこむ。
 彼の体から血が流れ出す。生死は不明だ。願いを踏みにじった緑青達の生き死になど、気に留める気すら天花は無かった。
「そう、解けない! だけど私は生きてるの、そして魔術すら使えるのよ!」
 風の刃で緑青を突き刺そうと天花は腕を振りかぶる。
 これは、緑青が実験の為に教えた物だった。そして、緑青も同じ攻撃を仕掛け、天花の攻撃をはじく。
 その刃は、そのまま後ろへ飛んで――インデックスへ突き刺さった。
「え……?」
 インデックスは、今天花が闘ってるのを目にして、こちらへ寄ろうとした、それだけだった。
 遅れて上条が走って来る。
「インデックス、天花! ……! インデックス!?」
 緑青が笑いはじめた。
 魔道書を扱える天花に、緑青は勝てない。魔道書の中身を、緑青は読んでいない。
 逃げる事も不可能。ならば、天花を傷つけてやろうと思ったまでの事。
「お、まえ……! お前は、なんて何て事をしてくれたんだ!」
 もう、人を殺すことへの躊躇いなど天花にはなくなった。
 背後で、上条がインデックスを抱き起こした。
「何処までお前は私の願いを、夢を踏みにじる!?」
 風の刃が緑青の足を切り裂く。血が、噴き出した。天花すら紅く染まっていく。
 緑青が倒れて、尚も嗤っていた。大切な者すら守れなかった天花を。
 目から、涙があふれて止まらない。
「許さない! インデックスを傷つけて、私の命を、両親を奪って! 殺してやるっっ!」
 心臓めがけて刃を向ける。その一撃は大振りだった。
 ――だから、反撃された。
 もう避ける気すらないように、風の刃をはじくためでなく、天花を殺す為に。
 避ける事は出来なかった。


 けれど、天花にとってのヒーローが。ずっと助けてほしいと願った相手が、その攻撃を消してくれる。


 こんな幸せ、他にない。天花の瞳からホロリ、ともう一滴涙が零れた。
 緑青は、結構ひどい傷だけど助かるだろう。急所を、外してしまったから。 
「天花、大丈夫か!?」
「……逃げてって、言ったのに。酷いよ当麻。どうして来てしまうの? 聞いてほしく、なかったのに。関わらないでくれれば、よかったのに」 
 当麻にだけは知られたくなかった事が、いくつか知られてしまった。
 いると知ってても言わずにいられなかった言葉も、聞いてしまっただろう。
「お前をほっとくわけにはいかないだろうが」
 ああ、なんて彼は優しいのだろう。緑青みたいな奴らとは比べたくもない。
「体、壊れてないのか!? お前、魔術――」
「ああ、それは平気。色々あるんだけど……インデックスを回復させるから、ちょっとあっち行ってて」
「え?」
「回復魔術。当麻、打ち消しちゃうから」
「あ、ああ」

 ――しばらくして、戻ると。傷の無いインデックスが倒れてるだけだった。

716■■■■:2009/07/31(金) 16:40:20 ID:tfedflvo
えっと、終わりです。
魔道書の名前や魔術結社の名前は付け方が分からないので省きました。
魔術の描写や戦闘描写も大幅に省かせていただきましたごめんなさい。
だって、苦手だし、知らないし……。

717■■■■:2009/07/31(金) 16:41:24 ID:tfedflvo
あ、やば、いきたまま神になるだった。
髪になるって……どんな組織だろう。ちょっと考えて見たい気もする。

718toto:2009/07/31(金) 19:11:29 ID:pnaa2Csg
お久しぶりです。totoっす。
『並行世界(リアルワールド)』を長らく放置してすみません。
個人的な都合で、引っ越しやら何やらでPCから離れていました。
楽しみに待っていたみなさんにご迷惑をかけて申しわけありません。
…というか、半年近く書き込んでいないのに、まだ需要があったとは…驚きが隠せません。
今日は『とある魔術』の新刊を買いました。これを投稿した後に読もうと思ってます。

719『並行世界(リアルワールド)』:2009/07/31(金) 19:16:03 ID:pnaa2Csg
(二日目)12時08分
第一二学区。




「――――――――――――――…」
何か聞こえる。
「―――――――――――――……」
何か眩しい。
辺りが真っ白だ。
「――――――――――――……ラ」
誰か俺を呼んでいる。
俺の『名前』を呼んでいる。
(…誰…だ?)
「――――――――ラ」
彼はゆっくり瞼を開けた。
ぼやけた視界の中で、一人の少女の顔が映り始めた。
徐々に鮮明になり、白く濁った靄は消えて…

「起きろって言ってるでしょっ!」

ドガッ!と強烈な痛みが腹部に入った。
反射的に起き上がった彼の第一声は、
「ぐはッ!?」
こみ上げる嘔吐を無意識に抑えこみ、自身の腹にパンチを入れた張本人を見た。一瞬、視界が眩んだが、今は明確に少女の姿形を捉えていた。眼前にいる銀髪碧眼シスターを見上げた。
白いフードを被り、整った容姿を持つ少女は、彼の顔を正面から見て、円満な笑顔を見せた。全ての男を惹きつけるような魅力的な笑顔だった。


「起きた?シンラ」


シンラ、と呼ばれた男は周囲を確認した。
彼は教会にいた。
天井が高く、左右対称に備え付けられている証明が周囲を明々と照らしている。ステンドグラスが規則的に立ち並び、正面にはジーザス・クライストの十字架がある礼拝堂の内部だった。礼拝者が座る木質の長椅子が、祭壇に繋がる道をはさんで左右対称にいくつも置かれている。
そして、彼は何故か祭壇の上にいた。彼が寝転んでも十二分な大きさを持った祭壇の白いテーブルの端には4つの蝋燭があり、火はすでに消えていたがまだ新しい。
奇妙なことはそれだけではない。眼前にいる少女の後ろにも、そして大きな十字架がある正面にも、床にはこの祭壇を中心に描かれたような複雑な魔法陣があった。
五芒星を囲むように三重の円があり、最外円の直径をはみ出さない正三角形の紋章が記されている。三角形の端には三本の相異なる剣が刺さっていたが、途中で折れていた。ラインはペンキのようなもので綺麗に描かれていて、図形の隙間にはルーン文字が書かれていた。
このような教会の結婚式のように明るい場所で、自分は黒魔術的な儀式が施されたのだろうか?
彼がそう思えるくらい、不可解な模様が周囲に描かれている。
眼前の少女シスターに聞きたいことは山ずみだが、彼は一言口を開く。
「誰だお前」
途端、笑顔だった銀髪碧眼シスターは、表情を変えずに彼の頬を引っ張った。彼の顔に痛みが走る。
「いててッ!?」
「イ・ン・デッ・ク・スだよ?まだ記憶が戻ってないの?シンラ。もう一回、お前とか言ったら殺すからね♪」
彼女の手の力は緩まない。
彼はその声と顔に見覚えがあった。いや、見覚えというより推論に近い確信があった。
インデックス。
奇妙な名前は、『打ち止め(ラストオーダー)』を地下街に探しに行った時に、偶然出会った少女の名前だ。
顔立ちと言い、声色と言い、記憶より大人びていたが、それはこの時代は自分が知っている時間の一年後という事を考慮すればと、彼は思った。
(…あの時の暴食ガキ女…そうか、こいつ本物の魔術師だったのか)
そう考えれば、自分が座っている祭壇を中心にして描かれている魔法陣の意味も納得できる。
そして、彼は痛がるどころか、驚愕した。
(…ちょッと待て!なぜこの女は俺に触れることが出来るンだ!?今は「反射」をデフォにッ!)
彼の様子を余所に、彼女は笑顔のまま言葉をつづけた。

720『並行世界(リアルワールド)』:2009/07/31(金) 19:17:05 ID:pnaa2Csg
「ごめんなさいは?」
「はッ…ああッ!?」
彼女を吹き飛ばそうとベクトル操作を実行するが、何も起こらない。それどころか、
指一本すら動かない。
ただ痛みが彼を襲った。頬を強く抓る痛みだけが。
「私に対して「お前」とか言った罰だよ。ご・め・ん・な・さ・い・は?」
「いででィ!?」
少女の声が礼拝堂に響く。
表情から察するに怒ってはいるが、殺意は無い。それを感じ取った彼は、しぶしぶも彼のプライドを傷つけかねない命令を承諾した。
なぜなら、彼の身体は彼女に支配されているのだから。
「………ェ」
「え?聞こえないんだけど?」
彼は心に憤怒を秘めながらも、言葉を発した。

「……………すまねェ」

白髪の少年の声は小さかったが、確かに少女の耳には届いた。
シスターの格好をした背丈163センチの美少女は口をとがらせながらも腕を組んだ。
「…うーん。21点だね。それより、自分のことは思い出した?」
プライドをへし折って述べた白髪の少年の謝罪も、インデックスと名乗る少女の辛辣な言葉で一蹴された。
思わず、少女の首をへし折りたい衝動に駆られたが、上半身を起したまま、能力どころか指一つ動かない状態では彼女に触れることすらできなかった。
だが、少女に対する怒りは押しとどめた。
自分の事を思い出した?という少女の言葉が彼の頭を冷やした。
眼を覚ました第三者に初めに相手を確認するためにはまず、名前を聞く。だが、彼女は思い出したかと尋ねた。これは、自分が記憶を失っているという前提での言葉だ。
彼女が何者かは知らないが、自分の事情を知っているのは確かだと少年は思った。
彼は自分の記憶をなぞる様に、言葉を吐いた。
「ああ。俺はシンラ。御堂シンラ。出生日は一月一日。出身はこの学園都市。父親の名前は―――」
少女は告げる。


「――貴方は『御堂シンラ』という記憶を持ったクローン人間。正確にはアレイスターの息子、シンラ=クロウリーのクローン。アレイスターの『プラン』の初期計画『ドラゴン』の要であり、人工的な『竜王の翼(ドラゴンウィング)』の発現が確認された唯一の検体」


「…ああ、そうだ」
白髪の少年、『一方通行(アクセラレータ)』、もとい『御堂シンラ』は複雑な表情を作った。思い出したというより、一年後の俺が残した記憶の残滓だった。
正直、彼には心に迫るものがあった。
現実は彼が予想していた事実より遥かに残酷だった。
『一方通行(アクセラレータ)』はアレイスターの死んだ息子のクローンだった。
確かに彼自身も自分自身の記憶が妙だと感じていたのだ。幼少期に離れ離れになったとはいえ、両親の名前も顔すらも記憶に無いというのはあり得ない。
ただ「情報」がある。
自分に両親が存在したという偽りの記憶がある。
その記憶が偽りだと知った「記憶」を思い出した。
そして、
アレイスターが謀略を企てた真の動機が理解できたのだ。

世界が、上条当麻が『魔神』と成長するための箱庭だったように、
学園都市自体が、『一方通行(アクセラレータ)』を『超能力(レベル6)』、すなわち『竜王の翼(ドラゴンウィング)』の覚醒を促すための箱庭だったのだ。
その計画はアレイスター=クロウリーは常人を遥かに超える執念と意思の元、入念な準備と無数の謀略を張り巡らせながら、進められていた。
しかし、アレイスターを突き動かす真の動機は単純なものだった。
人間の範疇を超えた彼自身も、恐らく気づいていないのかもしれない。

かつて、アレイスターは、妻子を持とうとも、己の真理を追究するためなら全てを捨てる男だった。
研究に没頭した揚句、魔術を捨て去って身を滅ぼし、妻を死に追いやった。全てを失った彼に残ったものは、親の愛無くして、心の隙間をヘロインで紛らわせる息子の姿だった。
息子の朽ち果てた姿を見た、彼に押し寄せた感情は分からない。
だが、息子のDNAを元に、世界最強の存在を作り上げようとしていた事だけは分かる。
彼を覇道へと突き動かしている動機は、息子に対する、父親の不器用な愛だった。

721『並行世界(リアルワールド)』:2009/07/31(金) 19:18:37 ID:pnaa2Csg
シンラには、何とも言えない感情が込み上げる。それを外に吐くように、彼は言葉を発した。白い長髪が揺れる。
「…クソッたれが。正面切って、ツラ構えて言えッてンだよ」
『一方通行(アクセラレータ)』、もとい御堂シンラの横顔を見ていた少女、『禁書目録(インデックス)』は言う。
「親子の愛の壮大な物語っていうには、ちょっと血生臭すぎるもんね」
「…うるせえよ」
その言葉に銀髪碧眼の少女は反応し、シンラを睨みつけた。
「やっぱり「この時代」のシンラのほうが良い!言葉遣いがこんな刺々しくないもん!」
「そうですかァ……ッて、ちょっと待テ」
少年にとって不快な言葉に続いて、聞き捨てならないことをその少女は発した。
白髪の少年は、手足は動かせずとも、警戒心だけはその少女に対して露わにした。彼の記憶だけが一年後に跳んできたことを何故知っているのか。その事実を知っているのは自分と『打ち止め(ラストオーダー)』、そしてその元凶である――
少年はハッとして自分の体を見た。
無傷。
服の下は分からないが、痛みは無い。
体が動かないので、眼を動かして手足を確認するが、傷一つない。
シンラは再び驚愕し、インデックスを見た。彼女は得意げな表情をして、
「どう?」
と、聞いてきたのである。
シンラはその言葉の意味することを悟り、目を見開いた。
その時、インデックスの背後の20メートル先にある大きな扉が開き、一人の少女が入ってきた。
「おや、お目覚めですか?」
声をかけてきた少女はミニスカ状態にした修道服を身に纏い、チョピンを履いている少女だった。黒のフードからは背中まである赤毛を細かい三編みにしていた。カポカポという足音と共に、インデックスの傍までやってきた。背丈はインデックスよりも頭一つ大きかったが、チョピンを脱げば、163センチのインデックスよりも小柄な少女だ。
インデックスは振り返って、傍に来た赤毛のシスターに声をかける。
「皆はどうしてる?」
「皆、へとへとですよ。魔力不足で倒れちまった部下もいたんで、広間を借りて休んでます。まあ、疲れきって寝てる者が大半ですが」
「お疲れさま。礼を言うわ」
「貴女ほどの御方から礼を言われるなんて、いち魔術師としては光栄極まりないですね」
2人のやりとりを、『一方通行(アクセラレータ)』、もとい御堂シンラは動かない体で聞いていた。彼の視線を感じたのか、目があった赤毛のシスターは一礼した。
「はじめまして。シンラさん。ローマ正教隠密旅団隊長、アニェーゼ=サンクティスです。
と言っても、本職は『神上派閥』の幹部なんですけど……以後、お見知りおきを」
自己紹介を終えたアニェーゼはシンラに近づくと、祭壇にある一つの蝋燭を取った。すると、シンラの身体を縛っていた見えない呪縛は消え、体が動くようになった。シンラは手を動かし、シャツの袖を巻くって外傷を確認していた。
やはり傷一つない。
「『禁書目録(インデックス)』様の知識を元に、この魔法陣を成して、貴方の肉体を復元したんです。具合はどうです?体に違和感は覚えませんか?」
シンラは、耳を疑った。
「………は?」
ポカンとしているシンラに、インデックスは詰め寄っていった。

722『並行世界(リアルワールド)』:2009/07/31(金) 19:19:24 ID:pnaa2Csg
「シンラは首から下が無くなってたんだよ?」


彼女の言葉が上手く飲み込めないシンラに、インデックスは畳みかけるように言った。
両手を腰に当て、長い銀髪が揺れる。
「あのね。オリジナルの『竜王の翼(ドラゴンウィング)』をまともにくらって無傷なわけ無いじゃない。貴方の偽物の『竜王の翼(ドラゴンウィング)』より能力は遥かに強力なんだから。
私が一秒でも助け出すのが遅れてたら、シンラ、肉体もろとも魂も消滅してんだんだからね。少しは感謝してほしいかも」
インデックスは腰に手を据えたまま、強烈な視線でシンラを見下ろしていた。
彼女とは対照的にアニェーゼは、苦笑しながら一言付け加えた。
「禁書目録様の主導で行った『ラティエルの加護』に、私たちは魔力提供しただけですけど…」
「本当は100人の人間が生贄として必要な禁忌魔術なんだけど、私が魔法陣を書き換えて、生贄ではなく魔力のみで精製できるようにしたんだよ。
天使を騙すなんて、本っ当に大変なんだから!」
声を荒げるインデックスを見ながら、シンラはいまだに状況を把握できないでいた。
しかし、あれだけの大傷が治っていることは確かだった。世界よりも30年進んでいる医療技術を持つ学園都市すら、このような治療は不可能だ。
(…………これが、魔術?)
シンラは両手の掌に、力を込める。
触れた空気を『ベクトル操作』で身に纏い、ゆっくりと冷たい祭壇の上から下りた。
タッ、と静かな着地時になった音から、シンラは違和感を覚えた。
靴底が破けていただけではなく、右足の靴にはぽっかりと大きな穴が開いており、白い素肌が見えていた。
気を失う前、太いパイプが己の右足を貫通してしたことをおぼろげに憶えていた。
シンラの脳裏に上条当麻、否、『ドラゴン』と繰り広げた激戦が蘇ってきた。
そして、ドラゴンに大したダメージも与えられず、第二三学区ごと消滅させられ、自分は敗北したのだ。
どうやって自分を助け出したのか。疑問は多く残るが、その答えの全ては、『禁書目録(インデックス)』と名乗る少女が持っていることは明らかだった。
インデックスとアニェーゼたちの眼前に立ち、彼は警戒心を露わにして、言葉を綴る。
「……何者だ?」
シンラの強い視線と言葉に、身長163センチほどの銀髪碧眼少女は告げた。


「私、『魔神』だよ?」


そう言って、インデックスは不敵な笑顔を作る。
彼女の透き通った声は、礼拝堂に静かに響き渡った。

723toto:2009/07/31(金) 19:20:39 ID:pnaa2Csg
明日には、また書き込む予定です。
ではではー。

724toto:2009/07/31(金) 19:34:16 ID:pnaa2Csg
『一方通行』=『御堂シンラ』という本名を勝手に作ったのでご了承ください。
というか、設定も一年後ということにかこつけて、色々変わってるので、初見の皆さんは混乱しないように。

725■■■■:2009/07/31(金) 21:34:02 ID:Pw3H3Ek.
できればwikiの編集してください

726■■■■:2009/07/31(金) 23:28:48 ID:yG30Fhbs
待ったかいがあった!平行世界まで出てくると何か何時死んでも良いぐらい幸福だと感じられる。
gj
当麻はどうなのだろう?

727■■■■:2009/07/31(金) 23:58:16 ID:2T47f8rY
GJ!!
totoさんが帰ってきたぜ!
めっちゃ嬉しい!!
並行世界、待っててヨカッタ!    ちょっと読み返してくる!

728ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/08/01(土) 00:22:59 ID:6V0vS07A
平行世界の続きが…感激したけど投下するSSが霞むw

今回のネタはディケイドのノリでやった
もちろん、反省はしていない

〜蘇る魔獣 AIMバースト〜

「そんな…あれは前に吹き飛ばしたはずよ!」
突如、学園都市の街に現れた魔獣ーーAIMバースト。以前、それを吹き飛ばした御坂美琴は再び現れたAIMバーストに絶句していた。
「グォオオオオ!」
地を響かせる鳴き声。
学園都市は悲鳴に包まれていく。
「私の前に出て来たってなら、また吹き飛ばしてあげるわ!」
スカートのポケットから容器を取り出し、コインを一枚、構える。
照準の先にAIMバーストを捉える。
「そこよ!」
美琴の掛け声と共に、自身の能力名を模した、超電磁砲が青白い閃光を放ち、AIMバーストに突き刺さったーーー、かのように見えたが、
「ちょ、ちょっと!何よ今の!?」
美琴は驚きの声を上げた。何故なら、超電磁砲が、AIMバーストに突き刺さる寸前に、『見えない何か』にぶち当たったのだ。
「ギャアアアアア!」
鳴き声が轟音として襲い掛かり、美琴の動きを止めさせる。
「まずい……っ」
耳を塞ぎ、立ち止まったのがいけなかった。AIMバーストが突っ込んで来るのが確認出来た。
(やられる!)
美琴は衝撃に備えるため、身を構えた。
(…あれ?)
いくら待っても衝撃が来ない。
(そんな馬鹿な…、っ!)

729その2:2009/08/01(土) 00:23:52 ID:6V0vS07A
恐る恐る目を開けて、AIMバーストの方を見る。
「よう、御坂。よく持ちこたえたな」
「なんでアンタがここに居るのよ!」
目の前でAIMバーストを、『右手だけで』押さえつけている少年ーー上条当麻に、美琴は尋ねる。
「なんで、ってそりゃあ…みんなを困らせてる化け物が居るからだろ!」
うおおおお!という叫びと共に上条は右の拳をAIMバーストの顔面に叩き込もうとした。
「は?」
またもや、AIMバーストは『見えない何か』で上条の攻撃を防ぐ。だが、上条の『幻想殺し』で『見えない何か』は消えた。
「消えた…なら!」
上条の背後から見守っていた美琴が、再び超電磁砲を放つ。
だが、ガキィィイン!という効果音が響き、超電磁砲が無効化された。
「バリアが…再生した!?」
「まさか…この化け物は能力を使えるって言うのかよ!?」
上条の右手でバリアを破った。しかし、次の美琴の攻撃の際に、バリアが復活した。
「グォアアアアア!」
二人が動きを止めていると、再びAIMバーストが動いた。
「っ!」
「くそっ!」
瞬間、火球が吐き出される。
「発火能力!」
「面倒な!」
上条は降りかかる火の玉を右手で打ち消し、美琴は雷撃で撃ち落とす。

730その3:2009/08/01(土) 00:24:15 ID:6V0vS07A
「…土御門、こうなったらお前から受け取ったアレを使わせてもらうぜ!」
能力を使い、暴走するAIMバースト。破壊されゆく学園都市の街並み。
「行くぜ!スキルアブゾーバーだ!!」
上条はポケットからiPhoneのようなーーはっきり言ってしまえばケー○ッチのパチモンを取り出し、付属のベルトを腰に巻き、スキルアブゾーバーの液晶に浮かび上がる紋様に触れていく。

『火炎放射(ファイアスロアー)!念動力(サイコキネシス)!水流操作(アクアブレイズ)!風撃操作(ウインドコントロール)!肉体変化(メタモルフォーゼ)!空間移動(テレポート)!超電磁砲(レールガン)!肉体強化(ドーピングコンソメスープ)!一方通行(アクセラレータ)! ファイナルスキルライド 幻想殺し(イマジンブレイカー)!』

紋様に触れると、機械音声が淡々とスキルアブゾーバーに記録された能力名を告げていく。
「よっしゃあ!!」
上条はベルトにスキルアブゾーバーを装着し、
「俺は竜王の化身!イマジンブレイカー!当麻!(こんな音声入力にしやがって…土御門、後で覚えてろ!)」
羞恥に赤面しつつ、ちゃっかり決めポーズまでしている上条。美琴はただ、呆然と見ているだけ。
「ギャウアアアアア!」
上条が行動を終えるまで律儀に待っていたAIMバーストが、火球を放つ。

731その4:2009/08/01(土) 00:24:39 ID:6V0vS07A
「炎で来るなら…こいつで!」
腰部のスキルアブゾーバーの『水流操作』の紋様に触れ、
「スキルライド スキルライド アクアブレイズ!」
機械音声が能力名を告げる。
「とぅあ!」
火球が直撃寸前、上条の左手から強烈な威力であろう水流が撃たれ、火球を消し、水流をそのままAIMバーストへぶつける。
「……くそっ、厄介すぎるんだよ!」
やはりバリアで無効化されてしまう。
「いくらやっても、あのバリアでダメージを与えられないわよ!」
背後から、美琴が叫び、上条は考える。
単体でのダメージが少ないから弾かれているのではーー、と。
「美琴!もう一発超電磁砲だ!」
「アンタねぇ…さっきやって無効化されたでしょ!」
意図が分からず、美琴は反論する。
「ひとつでダメなら、もうひとつだ!俺にもコインを!」
今の上条の状態を見て、どうやら考えが通じたようだ。美琴は上条にコインを渡す。
「スキルライド レールガン!」
機械音声と共に、上条に美琴の『超電磁砲』が一時的に付加される。
「私に合わせなさいよ」
「了解、タイミングは任せたぜ」
背中合わせになり、上条は左手に、美琴は右手にコインを構え、
「行くわよ!」
「あいよ…っ!」
同時にコインが超加速で放たれる。

732その5:2009/08/01(土) 00:24:59 ID:6V0vS07A
「グガァアアアア!」
AIMバーストが絶叫をあげ、周囲を揺らす。
「バリアを突き破った…やったか!」
「…まだよ!」
見事にバリアは破ったものの、致命傷には至らず、AIMバーストは怒り狂う。
「おいおい、マジですか…」
(俺と御坂のダブルレールガンでも駄目か……。つかあの化け物、能力を何重にも使えるのかよ!)
AIMバーストの執拗な攻撃から避けつつ、対処法を考える。
「このままじゃ…いずれ俺達がやられ…しまっーー」
言葉の途中、上条は瓦礫に躓いてしまった。それを見逃さなかったAIMバーストは、特大の火球をお見舞いしようとした。
「アンタ!」
美琴が叫ぶ。
「間に合うか…!」
急いでアブゾーバーで能力付加をする。
「スキルライド アクセラレータ!」
ギリギリの所で左手を突き出し、火球を『反射』した。
「このままだと学園都市がヤバいな…。向こうが多重に能力を使うなら、目には目を、刃には刃を、多重能力には複合能力だ!」
「ハンムラビ法典知ってたんだ…」
この状況で美琴がごく冷静にツッコミを入れるが、上条はスルーした。
「アクアブレイズ ウインドコントロール ドーピングコンソメスープ テレポート レールガン デュアルスキルライド!」

733その6:2009/08/01(土) 00:25:46 ID:6V0vS07A
「うおおおお!」
雄叫びをあげ、上条の左手には能力が融合付加されていく。
肉体強化で右手以外の身体能力を向上させ、水流操作の派生で氷の剣を作り、表面に超電磁砲の能力を用い、砂鉄と雷撃を纏わせて斬れ味と威力を上げ、更に風絶操作で火球の射線軸をずらし、空間移動で距離を詰めつつ、能力攻撃を直接本体にぶつける作戦だ。
「一気にケリを付ける!」
「ガァアアアア!」
今まで通りに、AIMバーストが火球を吐く。上条はこれ以上被害を出さない為、下から上に風を吹かせて、空中に逸らし、強化された身体で上空に跳躍し、更に空間移動で密接する。
「こうも密接すれば能力も使えない筈…俺の右手が輝き叫ぶ!勝利を掴めと轟き叫ぶぅ!ばぁく熱!イマジンブレイカぁああああ!」
爆熱は上条のハッタリだが、バリアを突き破ってAIMバーストの顔面を思い切りぶん殴り、
「このままぶった斬るぜ!」
右拳を叩き込んだまま、左手に握った複合能力剣を振りかざし、
「戦いはこれで終わりだぁああああ!」
剣を伸ばし、纏う雷撃の量を増やし、AIMバーストを一刀両断したーー。
「もう蘇んなよ…」
真っ二つになり、消え行くAIMバーストへと優しく囁きかける上条の表情はどこか悲しげだった。

ー糸冬ー

734投下終了:2009/08/01(土) 00:27:25 ID:6V0vS07A
スキルアブゾーバー(笑)はまんまケータッチです。
上条さんの決め台詞からの流れはBLACK RXだと思って下さい。

それではまた

735■■■■:2009/08/01(土) 00:59:00 ID:cmIk5Bjc
皆々GJです!!
並行世界まで登場とは本当に感動です!
テンションあがってきました

736■■■■:2009/08/01(土) 11:00:17 ID:WVer7DvQ
本当にここ数日はSS投下ラッシュで、一時の過疎状態が嘘のようですね。
連載ものだけでもこんなにいっぱい。

Forced・cohabitation
とある少女の一つの願い
『とある暗部の未元物質』
とある魔科学の幻想創造〜イマジンクリエイト〜
『とあるお嬢の看病奮闘記 いちゃいちゃ(?)看病編』
『とあるお嬢の酔いどれ騒動』
SS 上条当麻最後の選択
並行世界(リアルワールド)

皆さん本当にGJです。

ここ数日はこの掲示板を開けるのが毎日とても楽しみになっております。
自分も皆様に続いて書いていきたいと思います。
でも最近筆が進まず困っていたりします。ハアーッ。

>>toto様
並行世界(リアルワールド)が再開されてとても嬉しいです。
自分がここでSSを書き始めたのも並行世界(リアルワールド)を読んで
こんなかっこいい話を自分でも書けたらなっと思ったからでした。これからも
並行世界(リアルワールド)の続きを楽しみにしております。

737■■■■:2009/08/01(土) 17:13:16 ID:Yarv.JAI
>>704-709
おk、とりあえず、sageから覚えていこうか。
>>718-724 toto氏
キター!
             /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`丶、         (つ、__}、
            /:´:/:.:.:./:/:.:.:.:.:.;,\       {: 人_}
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>>728- ぬるぽ氏
DCS吹いたwwww

>「目には目を、刃には刃を、多重能力には複合能力だ!」
>「ハンムラビ法典知ってたんだ…」
地味に間違う辺りが上やんだなー
(目には目を、歯には歯を=目を潰されたら目を潰せ、歯を折られたなら折り返せ)

738■■■■:2009/08/01(土) 18:54:51 ID:JpxSW1fE
toto氏復活! 喜ばしい限りです!
他二作品の再開も待ってます

739ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/08/01(土) 21:27:31 ID:6V0vS07A
またまた投下させていただきますのは、違う場所でやっている作品の試作品のようなものであり、他作品とのクロスであります。

また、物語は途中から始めた為に意味不明かと思いますが、生暖かく見守ってくださいw

ではどうぞ
「とある傭兵と幻想殺し」

学園都市をテロリストが襲う。それも、学園都市の技術に勝るとも劣るでもないテクノロジーを持った兵器。約8m程の機械の巨人達とハイテク装備で武装した無数の傭兵が侵攻してきたのだ。
また、この混乱に乗じて、戦争を求める魔術師達までもが乗り込んできた。
「おいおい…洒落にならねーぞ…」
傭兵と機械兵が学園都市の中を蹂躙する。その中を上条は隠れながら反撃を狙う。
能力者達は抵抗するものも居たが、まともにダメージを与えられたのはレベル4以上の者のみだった。今では、殆どの学生達はシェルターへと逃げ込んでいる。
「奴らの目的はなんなんだ!アレイスター!!」
「学園都市の技術、だそうだ」
窓の無いビルで、土御門が吠えた。
「何故こうも容易く侵入された!…それにあの機械…AS(アームスレイブ)だろ!」
外で繰り広げられる蹂躙劇。ビルは倒壊し、地面はひび割れ穴が空いている。能力者でもこんな破壊は困難だ。

740ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/08/01(土) 21:28:20 ID:6V0vS07A
「『水銀合金』と『魔法の銀』、いがみ合うこの二つ。じきに『おもちゃ箱』がやってくる」
土御門はアレイスターの言っていることがわからず、困惑する。

同時刻、東京湾。
ナイフのような潜水艦の中で、燃え盛る炎のようなASが目覚めていた。
「サガラ軍曹、作戦は先程言ったとおりです」
ASのコクピットの中で、場違いな少女の凛々しい声が響く。
「了解です、大佐殿」
このASを駆る少年が答える。
「出力問題無し。バランサー、電磁筋肉共に異常無しです、軍曹」
搭載されているAIが、搭乗者に知らせ、
「行くぞ、アル」
出撃を待つ。
「ARX-8、緊急展開ブースター、装着完了!」
整備士の声がハンガーに響いた。
準備完了の合図。
「TDD-1急速浮上!浮上後ハッチ解放し、ARX-8を射出!」
艦橋で、指示が飛ぶ。
「浮上!ウルズ7、発艦どうぞ!」
ASの通信機のモニターにも指示が来る。ハッチが開かれ、混迷の空が見えた。
「了解!」
機器系統を慣れた手つきで操作し、背部に装備された片道だけのブースターに点火し、
「相良宗介軍曹、『レーバテイン』、出撃します!」
カタパルトから射出され、空へ投げ出された。
「………」
宗介は無言でモニターに映る景色を睨む。
向かうは学園都市。この瞬間にも因縁の宿敵が蹂躙している戦場。
今、炎の剣が、燃え上がる。

741ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/08/01(土) 21:28:43 ID:6V0vS07A
けたたましく銃声が街を支配する。
「土御門の野郎…なにが「カミやんなら出来るにゃー」だ。何をしろって言うをだよ!蜂の巣になれってか!ヒャッハー!遠回しにキツいこと言ってくれるね土御門クン!」
倒れたビルが埋め尽くすコンクリートジャングルを上条は疾走する。
「おやおや、こんなとこにいたのかい。『幻想殺し』君」
突如、背後から声がした。
振り向くと、両脇に巨漢を従えた、日本人ではない、なめらかな白い肌と青みがかった灰色の瞳、そしてーー波打つような銀色の髪を持った長身の少年がいた。
「誰だてめぇ…」
「これは失礼、自己紹介がまだだったね」
少年は申し訳なさそうにし、続けた。
「僕はレナード・テスタロッサ。軍事関係から開発までいろいろやっていてね、学園都市(ここ)の技術をちょっと分けてもらおうと思ってね」
「こんな物騒なやり方をして、かよ!」
「こうでもしないと聞かないだろ?」
「だからってここまで破壊することは無ェだろ!」
銃弾を受け、ボロボロになった街並み。見慣れた景色。日常を壊したレナードを、上条は許せない。
「うおおお!」
「無駄だよ」

742ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/08/01(土) 21:29:09 ID:6V0vS07A
右手を振りかざし、勢いよくレナードへと突っ込んだ。
が、
「ぐっ…がぁあああああ!?」
レナードを守るようにして、隣にいた巨漢が上条の腹部に一撃を入れた。
みしっ、と骨が軋む音がしたと思ったら、先程いた場所へと吹っ飛ばされた。
「生身の人間じゃ、僕に触れることなんか出来ないよ」
「この…野郎!」
歯を食いしばり、もう一度上条は立ち上がり突進しようとする。
「物分かりが悪いようだね。ーーやれ」
向かってくる上条に対し、レナードは脇にいる巨漢が腕を出す。何をするのかと思い、巨漢の腕を見つめーー、
「なっ!」
腕から銃口が現れた。
二人の距離はそう長くない、短くもない。
「撃て」
(やべっ…よけられな…!)
上条は思わず目を瞑った。
「……また君か!」
「…?」
恐る恐る目を開ける。
そこにあったのは、巨人の手だった。
「相良宗介くん!」
「ふん…」

743ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/08/01(土) 21:29:27 ID:6V0vS07A
(なんとか間に合ったようだな…)
トゥアハー・デ・ダナンからのブースターを使った高速射出で学園都市までひとっ飛び。
(到着後、保護対象『イマジンブレイカー』を救助し、テロリストのASを壊滅させ、これ以上の学園都市の破壊を止めること、か)
「全く…つくづく厄介だね、君は!」
「その言葉、そっくりそのまま貴様に返してやる。レナード・テスタロッサ」
外部スピーカーを使い、地上のレナードといがみ合う。
「どうなってんだ!?この白い機体は俺を守った、ってことで良いんだよな」
何が何だか理解出来ていない上条。一般人でこの状況を把握するのは難しい。
「おい、お前が上条当麻か?」
今までレナードと話していた「相良宗介」と呼ばれたパイロットが、上条に声をかけてきた。
「あ、あぁ…そうだ。何の用だ!」
「上司からお前の保護を命令されている。今からここを離れる。いいな?」
「いいな?って…どこに離れるってんだよ!それにお前は一体なんなんだ!」
いまだにどうなってるかが理解出来ない上条は、宗介に噛みつく。
「…俺は私設軍事組織『ミスリル』に所属する傭兵。認識番号B-3128、コールサインはウルズ7。指令内容はお前の保護とテロリストの壊滅だ」

744ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/08/01(土) 21:29:46 ID:6V0vS07A
「……味方、ってことで良いんだな?」
「肯定だ」
「こいつの手に乗れ。AS部隊が向かってきてーー」
『緊急警告(アラーム)!』
AI、アルが敵機の発砲を知らせる。
「上条!お前は瓦礫の陰に隠れていろ!」
「わかった!」
敵のASが発砲しながら、こちらへ向かってくる。
「敵の数は三機、<サベージ>です」
「上条は後退したな…だが銃弾が五月蝿いな」
「ラムダ・ドライバを使用しますか?」
「勿論だ」
<サベージ>がレーバテインへ向け、アサルトライフルを放つ。
「敵AS発砲!」
「俺には…届かん!」
レーバテインに向け発砲された銃弾は、届く前に「見えない壁のようなもの」に当たり、弾かれた。
それを見た敵ASは、動揺し、動きが止まった。
「今です!」
「わかっている!」
タイミング良く膝に収納されていたGRAW-4単分子カッターが展開され、両手に握、敵機へ突っ込む。
「敵を叩き斬るイメージを…!」
右手の単分子カッターを<サベージ>の頭から真下へと縦に振り下ろす。
「ひとつ!」
一機目を倒した勢いを殺さずに二機目に向かい、
「二機!」
X字に斬ったところで、
「発砲!」
「!」
狙われてることで気を取り直した敵兵が再び発砲してきた。

745ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/08/01(土) 21:31:44 ID:6V0vS07A
「銃弾ごと、破壊する!」
宗介は拳を握りしめ、機体の前に力場を発生させて銃弾を防ぎ、
「うおおおっ!」
その力場の後ろから、見えない力で力場をぶち破り銃弾を破壊し、敵へとぶつけ、
「みっつ!」
「三機!」
「同時に言うな!」
レーバテインの頭部から、ポニーテール状に冷却パイプが伸び出た。
「終わった、のか…?」
一部始終を見ていた上条が、物陰から出てくる。
(見えない力が働いた…学園都市でもあんな技術は無いぞ…?)
初めて見る技術に、上条には疑問がよぎった。


『炎の剣』と『幻想殺し』が交わる時、上条当麻と相良宗介の物語は始まる!

続く…わけない

746ぬるぽ ◆TpifAK1n8E:2009/08/01(土) 21:34:03 ID:6V0vS07A
投下終了ですー

ラムダ・ドライバの説明とかかなり端折ったけど…いいよね?
答えは聞いてな(ry

>>737
きき、きっと上条さんが法典を自己アレンジしたんだよ!
別にド忘れしたんじゃないんだからn(ry

747■■■■:2009/08/01(土) 21:39:55 ID:KSBybkN2
ええっと、とある少女の一つの願い、投下します。

748とある少女の一つの願い:2009/08/01(土) 21:40:35 ID:KSBybkN2


「く……は、あぁぁぁぁぁっ……うっ、く……」
 暗い、路地に天花は倒れこんだ。
 発作……いや、正しく言うなら、拒絶反応。
 体が燃やされているかのように熱くなり、心臓がドクンと言う音がうるさく聴こえる。
 こんな時に、と思わずにはいられない。天花は秘密を知ってしまった当麻の傍にいる事は出来ない、だから一刻も早く何処かへ、消えなくてならないのに。
「天花っ!? 何処だ!?」
 道の隙間から、インデックスを背負った上条が天花を探しているのが見える。
 無理矢理あげかけた悲鳴を押し殺す。その所為で、涙が頬をつたった。
 最後の秘密を知られる前に。上条へ迷惑をかけてしまう前に。――誰かを、傷つけてしまわないように。
 逃げなくてはいけない。
「土御門さん。失敗、したけど、言わないでね?」
 届くはずもないけれど、何も言わずに消えたなら、失敗だと分かっていても口をつぐんでくれるだろう。
 重たいものを背負わせてしまったかもしれないけど、許してほしい。
「ははは……誰を、傷つけても踏みつけても、当麻の傍にいようと思ったはずだった、のにね……」
 そう呟いて、壁に手をついて起き上がる。ふと、左手が真っ赤になっているのに気が付いた。さっき、インデックスを回復させた時についた血。
 壁にその血をこすりつけてふき取る。
「さぁ……っ!? くは……っ!?」
 いきなり、席が出て、口から血があふれ出た。たら、と頬から一筋流れおちる。
 これは、発作とは関係ない。
「あぁ……魔術、使いすぎちゃった、な。さすがの光速再生も効かないかぁ」
 軽く言うと、歩き出す。

749とある少女の一つの願い:2009/08/01(土) 21:40:53 ID:KSBybkN2

「天花……何処行ったんだ?」
 背後で、インデックスが気が付いたようで、首にかけられてた手に力がこもる。
「とう、ま……?」
「あ、ああ大丈夫かインデックス。怪我は?」
 苦しそうではなかったが、一応確認を取る。
 大丈夫、とインデックスが言うのを聞いてほっと息をついた。
「それより、てんげは?」
「今、探してる」
 一人で何処かへ消えた天花。魔術結社と関わりを持ち、魔道書を所持している能力者。
 あれだけの量の魔術を使って、無事でいられるはずがない。
 どくどくとなる心臓の脈拍がいつもより早い。インデックスの手が、上条の服を強く掴む。
「てんげが私を回復させてくれた時にね、言ってたんだよ。『ごめんなさい、これ以上の迷惑はかけられないね』って。迷惑なんて、いくらだってかけてもいいのに……!」
 その時、インデックスは何も言えなかった。何も言えず、引き留める事も出来ず、天花が歩いて行くのを見ていただけだった。
 笑っていたけど、もしかしたら泣いてたかもしれない。
「……そうだな」
「私、てんげにお礼も言ってない。なのに、」
「大丈夫だよ。後で会える」
 けれど――何故だろうか。
 天花は、目を離したら淡雪のように溶けて消えていってしまいそうな気がしてしまうのは。

750とある少女の一つの願い:2009/08/01(土) 21:41:09 ID:KSBybkN2

 辺りばかり見回していて、前を見るのを忘れていた。
 誰かにぶつかる。
「わっ! ……アンタ、どうしたの?」
「みこ……と、ちゃん」
 常盤台のレベル5、上条に向かって十億ボルトの電撃を遠慮なくぶっ放す、中学生の少女。
 一番最初、知っていた事はそれくらい。上条がどう思ってるかが知りたかった。けど、未だに分からない。
「え? ちょっと、その血、本当にどうしたのよ!?」
「……な、んでもない」
 平和な日常を生きているような彼女を見て、泣きだしてしまいそうになる。
 それは許されないし、何より此処から離れなくてはならないのだ、関わってる暇なんて……。
「何でもない訳ないでしょう!」
 ああ、これでは立場が違うと天花はぼんやり思う。
 いつも、お姉さんであろうとしたのに。美琴がお姉さんみたいじゃないか。
 くいっと手を引っ張られても、顔の血を拭きとられても、天花は動かなかった。
 天花にとって、一番羨ましかったのはインデックスで、その次がこの茶髪の少女。
 ――上条は天花だけのヒーローではない。
 奪ってみたかった。誰の手からもかっさらって、天花だけのヒーローに、変えてみたかった。
「美琴、ちゃん」
「なによ?」
「――今、幸せですか?」
 美琴が戸惑いながらも頷くのを見て、天花は顔を歪めた。
 どうしてそれを聞いたのかは分からない。ただ、無性に悲しくて悔しくてしょうがなかった。
 今度こそ、本格的に泣き始めた。もう涙なんて止められない。
 天花は美琴に縋りつくように抱きついた。
 声をあげて泣きだした天花を、どう扱っていいか分からない美琴は、ただ背中をさすってやる。
 しばらく、そうしていて、上条とインデックスが天花と美琴を発見する。
「あ、ちょっとアンタ、天花に何したのよ、泣いてんじゃない」
「え、う、いや、えと」
「……てんげ?」
 天花は必死に涙を拭くと、何かを言おうとした。
 その瞬間、体が燃え上がるように熱くなり、視界が暗転した。

751■■■■:2009/08/01(土) 21:41:38 ID:KSBybkN2

おわりです、しつれいしました。

752■■■■:2009/08/01(土) 22:27:15 ID:N.jkwVwc
キタキタキター!!!
みなさん本当にGJです!
すごいssのラッシュ、うれしい限りです。

それに比べて、本家のほうは、荒れor過疎だね
どうしちゃったんだろう・・・

753toto:2009/08/01(土) 23:38:16 ID:0q5ytiEg
totoです。
『並行世界(リアルワールド)』を投稿します。
今回も、また長い話が続きです。
バトルは次回になると思いますので。

736さんへ。
まさか、そこまで持ち上げられていたとは…
この書き込みを見たとき、思わずガッツポーズをとってしまいました。
この作品を楽しみにしてもらって、ますますやる気が出ました。
応援、本当にありがとうございます!!
では行きます!

754toto:2009/08/01(土) 23:42:56 ID:0q5ytiEg
(二日目)12時12分

第三学区。
学園都市が誇る高級ホテルの一つであり、七七階建ての『セブンズタワーホテル』の屋上に、プリズムルームと呼ばれるスウィートルームがあった。
二階続きの部屋であり、七七階へ上る階段から、中央一面がガラス張りの大きなウィンドウで第三学区を見渡せる。
高級ホテルの最高級の部屋らしく、煌びやかな装飾品で彩られていた。
高級な部屋には似つかわしくない黒の延長コードが、周囲に何本もあり、それは二階のベッドルームの机にある、五台のノートパソコンに繋がっていた。パソコンの前に人はいないが、膨大なデータが自動的に処理されていた。
一階には黒色のスーツケースが一〇個ほど置いてあった。中身は複雑な機械が入っており、コードが何本の接続されている。
快晴な空と第三学区の街並みが見渡せるプリズムルームに、黒スーツを着込んだ三人の男女がいた。
一階の中央には大きなガラスのテーブルがあり、その上には三つのグラスと、トランプ、そしてカジノチップが置かれていた。
スーツを着込んだ三人はテーブルを囲んでいる。第一二学区では『ドラゴン』と天草式が死闘を繰り広げている最中だというのに、彼らは平然と金銭を賭けたポーカーを興じていた。
「今頃、『一方通行(アクセラレータ)』はドラゴンにやられて、インデックスに治療魔術を施されてる頃かにゃー」
普段のB系スタイルとは打って変わって、真新しい黒スーツを着た土御門元春は、スペードのⅧ、一枚をテーブルに置いた。彼はネクタイを外し、シャツを第二ボタンまで外し、金色のネックレスが見えている。
透明のガラステーブルの上にある、トランプの山札から一枚のカードを引く。
「結局のところ、『ドラゴン』って一体何なのよ?」
ハートのⅡとダイヤのⅤを捨てた結標淡希は、土御門と同じく、トランプの山札から二枚のカードを引いた。彼女は上着を脱ぎ、シャツに赤いネクタイをしていた。長い赤毛を後ろで二つに結んでいる髪型は今も変わっていない。
「まあ、一言でいえば『神』だにゃー。それも神を罰し、神を殺す役割を持った例外中の例外の『神(カイブツ)』。
司馬遷の史記に記されているように、その存在は二〇〇〇年以上前から確認されている」
「で、アレイスターはドラゴンを手に入れて、世界の掌握を目論んでいたと…」
土御門と結標の会話中に、海原光貴の姿をした魔術師、エツァリは手札から四枚のカードを捨て、同数のカードを山札から引いた。
彼は土御門とは違い、ネクタイも上着も脱がず、スーツ姿のまま、背もたれの高い白の椅子に座っていた。
「…ドラゴンの前では天使も悪魔も歯が立ちません。なんせドラゴンの能力は神を殺すことに特化してますからね。
それに、上条さんに備わっている能力はさらに性質が悪い。ドラゴンを抑える鞘として能力とはいえ、その能力は最上級でしょう。『現実守護(リアルディフェンダー)』を解除して、その効果範囲を広げると手の着けようがありません」
エツァリの言葉に、結標淡希は続いた。
ダイヤのジャックと、クローバーのⅡを捨て、二枚のカードを引いた。
「…確か、全身の『現実守護(リアルディフェンダー)』を解除すると、超能力や魔術だけではなく、現実の物体まで打ち消すから、小さなブラックホールみたいに周囲の物質全てを消滅させていくんでしょ?流石はドラゴンを内包する器ね。
何が『無能力者(レベル0)』よ。
ドラゴンの能力を使わずとも、『一方通行(アクセラレータ)』と対等に渡り合えるっていうのに…」
土御門は手元にある五枚のカードを全て捨て、山札から五枚のカードを引いた。
オレンジサワーが入ったグラスを手に取り、口に含んだ。

755toto:2009/08/01(土) 23:46:10 ID:0q5ytiEg
「『吸血殺し(ディープブラッド)』が吸血鬼の存在を証明するように、『幻想殺し(イマジンブレイカー)』は幻想の証明していた。では、幻想とは一体何を指しているのか?」
エツァリは「パス」と言って、土御門に返答する。
「魔術と超能力を発現する『神の物質(ゴッドマター)』の存在の証明じゃありませんでした?私たち魔術側、いや、今や我々は『神上派閥』ですが、魔術側ではゴッドマターは『エーテル』、あるいは『賢者の石』とも言われてますね」
くくくっ、と笑って土御門は言葉を放った。
彼の向かい側に座っている結標淡希は、また二枚のカードを捨てた。
「『妹達(シスターズ)』の超能力発現の結果によって、魂の存在がなされ、カウンタースキルの存在が、対象物の存在を証明した。これは因果関係を証明する科学的理論には十分通用する。まあ、それを受け入れられるほど、世間は賢くないがな。
だが、これほど大規模な戦闘が展開されれば、ドラゴンの存在は認められるかも知れない」
三人はお互いの手札をテーブルに置いた。
土御門がAのスリーカードで、エツァリと結標淡希はツーペアであった。二人の手元にあった赤いカジノチップが土御門の手元に動いた。結標は『座標移動(ムーブポイント)』で、土御門のチップの上に移動させた。
彼女はストローで、グラスに入ったカシスソーダを飲んだ。
「上条当麻の『竜王の顎(ドラゴンストライク)』。
御堂シンラの『竜王の翼(ドラゴンウィング)』。
フィアンマの『竜王の鉤爪(ドラゴンクロー)』。
オッレルスの『竜王の鱗(ドラゴンアーマー)』。
ドラゴンの元リーダーは『竜王の脚(ドラゴンソニック)』を持っていたわね」
「やつらはドラゴンの能力以外に強大な能力を兼ね備えていた。
カミやんの『幻想殺し(イマジンブレイカー)』やアクセラ…いや、シンラの『ベクトル操作』やら、『北欧王座(フリズスキャルツ)』やらをな…だが、フィアンマは別だ。あいつは自分自身のドラゴンの能力に気づき、自ら開発していた」
エツァリは、散らばったトランプを集めて、ディーラーと同じようにリッフルシャッフルを二回、ミックスを一回行い、三人に五枚のカードを配った。
彼はグラスに入ったミネラルウォーターを飲み干す。そして、土御門に対して口を開いた。
「五〇〇年以上も生きていれば嫌でも気づくんじゃないですか?でも、上条さんに、あっさりドラゴンの能力を奪われちゃいましたけどね」
「それが引き金だったな。カミやんの中にいるドラゴンが覚醒を始めた。本来、起こりうるはずのなかった現象が起こり始めた」
「だから、『幻想殺し(イマジンブレイカー)』が『パンドラの箱』っていう表現は的を得てたワケね。納得」
結標淡希は手元のカードを見て、口を緩めた。
「でも、ドラゴンの頭部を持っていた上条さんに、いずれ散らばったドラゴンの肉体が集積されるのは運命だったのでしょう?ドラゴンは、上条さんとは異なる、明確な意思を持っている」
「いや、ドラゴンが覚醒すること自体、不測の事態だったのさ」
「「?」」
土御門の言葉に二人は首をかしげた。
その様子を見た土御門は、三枚のカードを捨てて、山札から三枚のカードを引きながら言葉を紡いだ。
「前にも言っただろう?ドラゴンの能力は核兵器のような代物だと。彼らが持つ強大な能力は、ドラゴンを覚醒させない為に与えられた能力なのさ。
カミやんはともかく、シンラやオッレウスを窮地に追い詰めることなど、国家規模で挑まなければ出来はしない。
放っておけば、彼らはドラゴンの力を引き出さず、一生を終えるはずだった」
エツァリは、五枚のカードを全て捨て去り、静かな声で言った。
「…ドラゴンを覚醒させるために、アレイスターは彼らを危機的状況に陥らせた訳ですか。そんな馬鹿げたことに、私たちは翻弄され、仲間たちは死んでいった……」
彼の独白が、重い空気を生み出した。
結標淡希は無言を通し、土御門元春は言葉を続ける。

756『並行世界(リアルワールド)』:2009/08/01(土) 23:47:28 ID:0q5ytiEg
「カミやんに秘められている『ドラゴン』の存在を知った魔術側は『禁書目録』を作り、時期を見計らって、偶然を装いながら、日本に送り込んだ。禁書目録が女であることもそういう意図があったからだ。
カミやんも男だ。二人に恋愛感情でも芽生えれば、上条当麻の手綱につなぐことができる。牽いては、魔術側が『ドラゴン』を所有することになる。まあ、そもそもローラ=スチュアートにとっても万一の保険であって、『ドラゴン』が覚醒するとは夢にも思わなかっただろうよ。
それに、実際は違う結果になったがにゃー。まさか、あの『超電磁砲(レールガン)』を選ぶとは…意外だったにゃー」
意味ありげな視線を土御門はエツァリに送った。
ニヤついた二人の視線に気づいたエツァリは、表情に何の起伏も無く、返答した。
「そうですか?私には当然の結果と思いましたが」
「エツァリ…あんた、随分とあっさりしてるのね。意外だわ」
「美琴さんが幸せならそれでいいんです。私では、今のような彼女の笑顔を作りだすことはできないでしょう。一生ね」
「…日本人の感覚がかなり板についてきたわね。一言忠告しておくけど、あんたって、絶対女を幸せにできないタイプよ。私が言うのもなんだけど、彼氏に独占されてるっていう感覚を与えるのが大事なのよ。
プラトニックな関係が築けるのは、文字の上だけよ。肉体的なスキンシップは過度なくらいが丁度いいの」
「カミやんも確かそうだったにゃー。『超電磁砲(レールガン)』と深い関係を持ち始めた頃から、イキイキしてるっつーか、男のフェロモンが出てきたっつーか…というかあいつ等はもう少し、自分の立場と節度を考えた方がいいな。会ったら人目憚らず…」
顎に手を添えて土御門はブツブツとつぶやき始めた。
結標淡希は嘆息しながら、手札を置いた。
ダイヤのフラッシュ。土御門はノーペア。エツァリは前回と同じ、ツーペアだ。
カジノチップが結標淡希の『座標移動(ムーブポイント)』によって、瞬時に手元に来た。
散らばったトランプは、一つの束になって、瞬時に土御門の眼前に移動した。

「…人の幸せは十人十色ですから。それに、私には守る人が、もう一人いますからね」

土御門のリッフルシャッフルの手が、一瞬だけ止まった。
結標淡希はエツァリに言葉を発した。
「…彼女、生きてるの?」
「意識はありますが、肉体はありません。ですが、魔道書の中で生き続けています。私と共にね」
「…そう」
「そんな顔をしないでください。結標さん。話を持ちだしたのは私ですから…それに、私はまだいいほうです…貴女は…」
「……私は大丈夫よ。守るべき人たちを失って、一時期は自暴自棄になってたけど、生きる理由はちゃんとあるから」
土御門がトランプをパラパラとめくる音だけが、広い部屋に木霊していた。
日の光が内部を照らしているとは言え、彼らの心を照らしだす訳ではない。白い大きなカーテンに遮られている太陽は、まだ明るい。
スーツ姿の土御門元春はニヤッと笑うと、その空気を打ち砕くように、

「この暗ーい雰囲気はダメダメぜぃ。何事もポジティブにやることが成功するコツだにゃー。
それに結標。
本作戦の要は「お前」なんだぜぃ?頼むぜ。
『超能力者(レベル5)』第五位の『座標移動(ムーブポイント)』、結標淡希さんよ」

757『並行世界(リアルワールド)』:2009/08/01(土) 23:48:19 ID:0q5ytiEg
浮ついた土御門のセリフに、結標は冷ややかな目を向けた。
「…学園都市の内部抗争やら、先の『戦争』やらで『超能力者(レベル5)』を失って、現在は五人しかいないからね。それに言い方が嫌味にしか聞こえないんだけど」
エツァリは苦笑しながら、結標淡希に言った。
「まあまあ、二人とも。それぐらいにして、続きをしませんか?私もやっとポーカーの要領が分かってきたので、金銭の損得はともかく、少しでも腕を磨きたいんですよ。最も、作戦が失敗すれば、これが最期になりますし…」
「…アンタねぇ。喧嘩売ってんの?」
「あっはははは!エツァリ!お前、結構天然だな」
土御門は大きく笑いだすと、トランプのカードを配り始めた。
その時、
「待って」
結標淡希の一言が土御門の手をとめた。
彼女は上着の胸ポケットから、バイブレーションが作動しているピンク色の携帯を取り出すと、開いてモニターを確認した。
ピンポーン…というインターホンが鳴り、三人の目つきが変わる。三人は即座に席を立った。
そして、コンコンと重厚なドアをノックする音が聞こえた。
現在、学園都市には人はいない。
統括理事会合意の元、迅速な強制避難命令によって、核シェルターに二〇〇万人以上の人間が避難している。
このホテルはいる人間も『グループ』の三人のメンバーを除けば、無人であるはずだ。
エツァリは魔道書の原典の能力を発動させ、顔の右半身に紫のタトゥーのような紋章が浮かび上がった。
三人の間に、一種の緊張感が漂った時、


「私にも参加させてくれないか?」


という、呑気な言葉が、張り詰めた空気をブチ壊した。
プリズムルームの中央にあるガラス張りの風景を背に、一人の少女が立っていた。
『グループ』のメンバーと同じく、黒のスーツを身に纏っている。両手には黒革のグローブをつけ、背中にはハーフマントを備えていた。
ロングの黒髪をかき上げ、三人の表情を見る。彼女は歪んだ笑みを浮かべながら口を開いた。
「流石は『超能力者(レベル5)』第五位の『座標移動(ムーブポイント)』。私が指定した座標に寸分の狂いもない。まあ、これくらい出来なければ、貴女を使いはしなかったけど」
少女の姿を確認するや否や、『グループ』のメンバーは警戒を解いた。
エツァリの顔に浮かび上がっていた紋章は消え、スーツの袖を整えた。土御門はやれやれ、といった感じで手を振っていた。
「…そろそろ来る頃と思ってたよ。雲川芹亜。俺とエツァリは、とっくに仕事を終えてるぜよ。…しっかし、結標、サプライズにしては少々きついぜ」
「…全くです」
結標淡希と、彼女の能力によってこの部屋に招かれた少女、雲川芹亜はこの状況をニヤニヤしながら楽しんでいた。
雲川はその状況を見て、プッと声をもらすと、腹をかかえながら微笑した。
「土御門…お前のその格好、全く似合ってないぞ」
サングラスをかけ、スーツ姿の土御門は口を締めて、雲川を軽く睨んだ。
「俺は反対意見を述べるにゃー。『神上派閥』の制服にするんだろ?スーツなんて大人になりゃ何時でも着れるぜよ。短い青春時代にしか着れない服を着るべきだ。それにこれはお前が発案者だと聞いたが?」
「『神上派閥』の幹部にして、作戦部門『ジョーカー』のリーダーの私に対して、その発言は却下させてもらう。それに『神上派閥』の総帥様は随分と気に入ってくれたが?」
「カミやんが?」
土御門の呆けたリアクションに、雲川芹亜は腕を組み、フッ、と笑った。
「学園都市では『上条勢力』という通り名が有名だぞ。まあ、私は『神上派閥』の方が気に入ってるけど。
…今はまだ公には目立っていないが、我々は既に世界勢力の仲間入りだ。その総帥として、彼には相応の帝王学と上級社会のルールを身に付けねばならん。無論、今まで日の当らなかったお前たちも例外ではないけど…」
「…わかってるわよ」
結標淡希は皆に聞こえるほどの大きい溜息をついた。
「それと、『神上派閥』のトレードマークのアイディアを随時募集中だ」
雲川はそう言うと、ガラステーブルにある、土御門の隣の椅子に腰かけた。
「…考えておきます……はぁ、世界の終焉に直面しているとは、とても思えないですね。」
雲川芹亜の視線を受けたエツァリは、さらに苦笑した。三人とも彼女に続いて席に座り、ポーカーを再開した。
土御門がトランプを手に、リッフルシャッフルを再開した。

758『並行世界(リアルワールド)』:2009/08/02(日) 00:15:52 ID:7vjJFcpU
「ルールは?」
「レットイットランドだ。時代遅れのラスベガスでやるホールデムやセブンスタッドじゃない。分かるか?」
「ああ。知識としては知っている。なんせ、私も初めてだからな」
「はぁ?」
雲川の意外な言葉に、土御門だけは無く、ほかの二人も首をかしげた。
「これは確率論の問題だ。土御門、リッフルシャッフルを八回繰り返すと元に戻るということは、ド素人の私でも知っているぞ?」
「…流石だな」
そう言われた土御門元春はリッフルシャッフルをやめ、ミックスを三回行った。そして、五枚のカードが四人の手元に配られた。
雲川芹亜に、合計一〇〇万円の金を換金したカジノチップが置かれた。
配られたカードを三人が手に取ろうとした時、彼女は唐突に言った。

「結標。この回のゲームで私に勝ったら、報酬を二倍にしよう」

「ぶフっ!?」
彼女の予想外の結標淡希は口にしていたカシスソーダを吹きだした。急いで、上着のポケットからハンカチを取り出すと、強引に口元を拭いた。
白いハンカチに口紅がべっとりと付着していた。
「ちょっと待って!?振り込まれた金額を確認した時、私、一瞬意識が跳びそうになったくらいなのに…!でも、私が負けた時はどんな罰ゲームがあるわけ?」
「フフフ…別に、金銭的な取引ではない。それにお前が受け取った報酬は当然の金額だ。本作戦において、お前の立ち位置がそれほど重要だということだ。理解しろ。
……それと、罰ゲームは無い。ただ、ある『計画』に加勢してくれるだけでいいのだ。我らの総帥様が絡む、ある『計画』にね…」
彼女の不敵な笑顔を見た三人は、ゾクッ!と凍りついた。
「我らの総帥様が関係する」というだけで、土御門は大体の事態が理解できた。雲川芹亜も、実は『とある男を巡るラブレース』に参加していることは知っていた。
彼は心の中で、その元凶たる人物に冥福を祈った。
(…モテモテだな。頑張れ、カミやん。でも、全然羨ましくないぜよ)
結標淡希は雲川の賭けを断ろうと思ったが、彼女の性格を知っている為、断れば何をされるのか分かったのではないことは明白だったので、
「…いいわ。乗ってあげる。でも一つだけ条件。犯罪行為はダメだからね」
「当たり前だ」
彼女たちの取引が成立したところで、四人は手元にあるカードを見た。
クスリ、と結標は不敵に笑った。
「ねえ、私、勝っちゃうけど…本当にいいのよね」
その言葉を、雲川は不敵な笑みと共に答えた。
彼女たちの悪魔じみた笑顔に怖気づいた男たちは、ブルブルと震えるだけだった。土御門元春とエツァリはソロリソロリと、手札のカードを交換し、結標淡希と雲川芹亜は一枚もカードを捨てなかった。

759『並行世界(リアルワールド)』:2009/08/02(日) 00:16:20 ID:7vjJFcpU
数秒で男二人のカードターンは終了し、ショーダウンは行われた。
土御門元春はスペードのⅦとハートのⅦのワンペア。
エツァリはⅨとⅩのツーペア。
そして結標淡希は、
「クイーンのフォーカード!」
ザッ、とガラステーブルに置かれた5枚のカードの内、間違いなく4枚のクイーンが並んでいた。
二人の男と、うおおおっ!と声を上げる。
フォーカードの配当は五〇倍。彼女が賭けたチップはブルーチップ一枚。ブルーチップは一枚当たり五万円。これで彼女が勝てば、二五〇万円の利益となる。
結標淡希は赤毛の二つの髪を揺らせて、腕を組んだ。嬉々とした声が彼女の口から出る。
「さぁ?貴女はどうなの?フォーカードは役としては二番目に強い!私に勝つにはストレートフラッシュしか無い!貴女の手札は一体どうなっているのかしら?」
盛り上がる三人を見て、彼女はじっと手札を握ったままだった。
そして、雲川芹亜は突然、大きな高笑いを上げた。
「……ふっ、ふははははははは!」
その大声に怯んだ三人は、彼女の不敵な笑顔に気圧されていた。
「私は昔から賭けごとは嫌いでな…勝率が低く、不安定な勝負はしない主義なんだ。しかし、私が信じる確率論や数学的理論とはとても奇妙なものなんだよ。なぜなら、それを理論的に証明できたとしても、現実には中々当てはまらないからだ…」
「……何が、言いたいのよ?」


「つまりな。私が賭け事に強いという事実は、数学的には証明できないと言いたいのだ」


雲川は手札をガラステーブルに置いた。
三人の表情は凍りついた。
「ハートのロイヤルストレートフラッシュ」
彼らは絶句した。
一発で最強の役を出した雲川芹亜の強運も驚愕に値するが、彼らが凍りついた理由はそれだけはなかった。
レットイットランドのルール。
このゲームはホールデムとカリビアンスタッドを合わせて簡単にしたようなものであり、このルールを適応した場合、ロイヤルストレートフラッシュの賭け金に対する配当は一〇〇〇倍。
雲川芹亜が提示したチップは、レッドチップ一枚。すなわち、一〇万円に相当する。
つまり…

「「「い、いいい、いち、一億円―――――――――――――――――――――――?!!」

男女の絶叫がこのプリズムルームに木霊した。
慌てふためく彼らを余所に、ギャンブルに驚異の才能を発揮した雲川芹亜はクスリと笑うと、唖然としている結標淡希に告げた。
「…ふむ。このまま、お前の報酬をごっそり頂くのも悪くないな。さて、延長戦と行くか?『グループ』の諸君」
「や、やめてー!このままだと、俺は一生、雲川に借金を返済する人生を辿ることになるにゃー!」
「…私は、一年ほど返せると思いますが」
「……………あ………あ…」
統括理事会の一人である貝積継敏のブレインであり、『神上派閥』の作戦部門『ジョーカー』のリーダーを担い、また、その総帥である上条当麻に恋する乙女でもある少女、雲川芹亜
は意地悪い笑顔を共に、言葉を放つ。
「私たちが動き出すにはまだ時間はある。それまでこのハイレートゲームを続行しよう。なぁに…心配することはない。なぜなら、今日、この世界が終わるかもしれないのだからな」

760toto:2009/08/02(日) 00:25:24 ID:7vjJFcpU

すいません…759レスで致命的なミスを発見しました。

修正します

761toto:2009/08/02(日) 00:27:31 ID:7vjJFcpU
数秒で男二人のカードターンは終了し、ショーダウンは行われた。
土御門元春はスペードのⅦとハートのⅦのワンペア。
エツァリはⅨとⅩのツーペア。
そして結標淡希は、
「ファイブのフォーカード!」
ザッ、とガラステーブルに置かれた五枚のカードの内、間違いなく四枚のⅤが並んでいた。
二人の男と、うおおおっ!と声を上げる。
フォーカードの配当は五〇倍。彼女が賭けたチップはブルーチップ一枚。ブルーチップは一枚当たり五万円。これで彼女が勝てば、二五〇万円の利益となる。
結標淡希は赤毛の二つの髪を揺らせて、腕を組んだ。嬉々とした声が彼女の口から出る。
「さぁ?貴女はどうなの?フォーカードは役としては二番目に強い!私に勝つにはストレートフラッシュしか無い!貴女の手札は一体どうなっているのかしら?」
盛り上がる三人を見て、彼女はじっと手札を握ったままだった。
そして、雲川芹亜は突然、大きな高笑いを上げた。
「……ふっ、ふははははははは!」
その大声に怯んだ三人は、彼女の不敵な笑顔に気圧されていた。
「私は昔から賭けごとは嫌いでな…勝率が低く、不安定な勝負はしない主義なんだ。しかし、私が信じる確率論や数学的理論とはとても奇妙なものなんだよ。なぜなら、それを理論的に証明できたとしても、現実には中々当てはまらないからだ…」
「……何が、言いたいのよ?」


「つまりな。私が賭け事に強いという事実は、数学的には証明できないと言いたいのだ」


雲川は手札をガラステーブルに置いた。
三人の表情は凍りついた。
「ハートのロイヤルストレートフラッシュ」
彼らは絶句した。
一発で最強の役を出した雲川芹亜の強運も驚愕に値するが、彼らが凍りついた理由はそれだけはなかった。
レットイットランドのルール。
このゲームはホールデムとカリビアンスタッドを合わせて簡単にしたようなものであり、このルールを適応した場合、ロイヤルストレートフラッシュの賭け金に対する配当は一〇〇〇倍。
雲川芹亜が提示したチップは、レッドチップ一枚。すなわち、一〇万円に相当する。
つまり…

「「「い、いいい、いち、一億円―――――――――――――――――――――――?!!」

男女の絶叫がこのプリズムルームに木霊した。
慌てふためく彼らを余所に、ギャンブルに驚異の才能を発揮した雲川芹亜はクスリと笑うと、唖然としている結標淡希に告げた。
「…ふむ。このまま、お前の報酬をごっそり頂くのも悪くないな。さて、延長戦と行くか?『グループ』の諸君」
「や、やめてー!このままだと、俺は一生、雲川に借金を返済する人生を辿ることになるにゃー!」
「…私は、一年ほど返せると思いますが」
「……………あ………あ…」
統括理事会の一人である貝積継敏のブレインであり、『神上派閥』の作戦部門『ジョーカー』のリーダーを担い、また、その総帥である上条当麻に恋する乙女でもある少女、雲川芹亜
は意地悪い笑顔を共に、言葉を放つ。
「私たちが動き出すにはまだ時間はある。それまでこのハイレートゲームを続行しようではないか。
なぁに…心配することはない。
なぜなら、今日、この世界が終わるかもしれないのだからな」

762toto:2009/08/02(日) 00:29:45 ID:7vjJFcpU
うわお…
修正、申し訳ありません。
これで今日は終わりです。
ではではー

763■■■■:2009/08/02(日) 00:36:42 ID:2IX0sQE.
修正点はこれですかね…『北欧玉座(フリズスキャルヴ)』
フリズスキャルツになってます

投下乙です

764■■■■:2009/08/02(日) 01:18:21 ID:GxIz8gxk
職人の皆さん超GJ!
最近の投下ラッシュは素晴らしいな
少し前までの過疎っぷりが嘘のようだ

765■■■■:2009/08/02(日) 02:51:25 ID:F.AEgk6M
GJ! 最高でございます

766ルッシー:2009/08/02(日) 13:00:36 ID:OXYWpNYs
お久しぶりです。
『とある暗部の未元物質』の3話分を投下します。

767ルッシー:2009/08/02(日) 13:01:17 ID:OXYWpNYs


駅のホームの隅にあるベンチに1人の男が座っていた。
別に電車に乗るためではない。彼は人混みを避ける必要があった。
(やはりな…さっきからチョロチョロとしている奴らがいなくなりやがった)
彼は尾行されていた。
雲川と別れ、高校を出た途端、尾行され始めた事に気付いた。
裏路地を選ばなかったのは、一端覧祭の準備をしている学生が近道として何人か通っていたからだ。下手に巻き込んで勝手に死なれても困るし、何より彼の美学に反する。
(あーあ。やっぱこういう馬鹿騒ぎは嫌いだわ)
彼がそんな事を思いながら毒づき天を仰ぐと、ふと横合いから声がかかってきた。
「あの…すみません。垣根帝督さんですか?」
「あん?」
垣根は訝しげに声のした方に視線を向ける。
声の主は男。年齢は16か17だろうか。学生服のボタンを全開にしているが、その風貌は何故か真面目そうにも見える。耳と眉にかかる程度の黒髪はパーマをかけているのか微妙にウェーブしている。
(こいつ…ほとんど気配もなく現れたが…)
垣根は気配を感じさせずに近づいてきたこの男を怪しんだが、それ以上に不可解な点がある。
「なぜ俺の名を知っている?」
垣根は表向きでは死んだはずだ。当然、この世に存在しているはずがないし、そもそも垣根の顔と名前を知る者は『表』の世界にはほとんどいないはずだ。という事は…、
「失礼しました。私、特久池栄光(とくちえいこう)と申します。実はあなたにご用命がありまして―――」
しかし少年の言葉は最後まで続かなかった。

ガンッ、ガンッ、ドンッ!と銃声と小型ミサイルを撃ち込んだような爆音が響いたからだ。
突然の銃撃に、辺りの人間が蜘蛛の子を散らすように逃げ惑う。
「ふん、さっきのネズミどもか。どうやらコソコソと尾け回すのはやめて正面から潰しにかかってきたわけか。上等だ。試運転には丁度いい」
垣根は攻撃を交わしつつ歪な笑顔を見せる。義手になってから戦闘で能力を使った事がなかったので、いいテストになると思っていた。が――
「待って下さい。こんな所であなたが能力を解放すれば辺り一面が吹き飛んでしまいます。ここは私に任せて下さい」
特久池はあわてて割り込む。
既に吹き飛びかけてるだろ、と垣根は言おうとしたがその声は発せられなかった。
特久池が垣根の肩を掴むと2人はこの場から消え去ってしまったからだ。


垣根と特久池は廃ビルの一室にいた。先ほどの位置から200メートルほど離れている。
「へー、お前『空間移動能力者』だったのか。しかもこの移動性能を考えるとレベル4…限りなくレベル5に近いな」
垣根は感心したのか特久池の能力を評価している。
「…。とりあえずここならしばらくは大丈夫でしょう。あんな所でやり合っては確実に関係ない方まで死んでしまいますからね。垣根さんもそれは本望ではないでしょう?」
その言葉に垣根は適当に頷くと、
「で、お前は何者なんだ?どうして俺を助けた?そもそも何故俺は襲われてんだ?」
特久池は薄笑いを浮かべて答える。
「それなら順を追って話した方がいいでしょうね。なあに、いつも通り『上』の連中がまたロクでもない事をしようとしているんですよ」

768■■■■:2009/08/02(日) 13:01:36 ID:/jjztTPU
一年ほど返せると思いますが

一年ほどで返せると思いますが

じゃないでしょうか

769ルッシー:2009/08/02(日) 13:02:19 ID:OXYWpNYs


土御門は険しい表情になっていた。原因は天草式の少女・五和の話だ。
五和の話はこうだ。
ロシアのある魔術結社が、ある特定の条件の下、人間をかき集めている事。
それに伴い、ロシア成教がその魔術結社の殲滅にあたっている事。
それとは別にロシア政府が再び『実験』と呼ばれるものを再開しようとしている事。
これだけでも充分に怪しいのだが、土御門が気にかけている事はそこではない。


とある地域から、瞬間的ではあるものの『天使長』クラスと思われる魔力が感知された事。


魔術に携わる者であれば、この事態の深刻さは言葉にするまでもない。
これがロシアの件とどのような繋がりがあるかはわからないが、世界を揺るがす程の何かが起ころうとしているのは確かだ。

「で、『必要悪の教会』はどう動くんだ?」
「ロシアの件に関してはとりあえず静観するようです。ただちょっと気になる事があって…」
五和は一度言葉を切り、ここが重要だと言わんばかりに土御門の目を見て、
「件の膨大な魔力が学園都市に近づいているんです」
「何だと?」
「遠回りしながらではあるんですけどね。これに関してはイギリス清教も放ってはおけない…という事で私が派遣されてきたんですよ」
五和の話を聞き、土御門は右手を顎に添えて少し考える。
一体、それほどの魔力を誰が行使しているのか。一応、心当たりがないわけではないが、その可能性は先日『幻想殺し』の少年がゼロにしたばかりだ。
あらゆる可能性を検索しようとするが、頭の中にそれに該当するようなデータは見当たらない。
土御門は少し歯噛みした。そんな土御門の様子を見ていた五和が、
「わ、私なんかじゃ頼りないですよね…。そうですよね、女教皇様が来て下さった方がいいに決まってますよね…」
途端に小さくなっていく五和。そんな彼女を見て土御門が慌ててフォローを入れる。
「いんや、そんな事はないにゃー。聖人を退けた魔術師がいるのなら鬼に金棒だぜい」
「そ、そうですか…?」
うんうん、と頷いてとりあえず五和の病みモードを回避する。
五和は気を取り直して、少し大きめな胸の前で両手を組み、
「でも今回はバックアップも来ますよ。確かステイルさんとシェリーさんだったかな…。アックアの時よりは準備は格段にいいはずですよ」

天草式十字凄教、改め新生天草式十字凄教はイギリス清教の傘下にある組織だ。それは今も変わらない。
しかし、天草式には『聖人崩し』というジョーカーがある。その威力は魔術世界で五指に入るであろう「後方のアックア」を撃破した程だ。
そして、トップに君臨するのは世界に二十人といない聖人の一人である神裂火織。
普通の魔術師はおろか、聖人さえも打ち倒す組織。それが新生天草式十字凄教である。
その戦力は『必要悪の教会』をも凌ぐ。『騎士派』が再建状態にある現状ではイギリス清教最強の戦闘組織という事になる。『王室派』の切り札であるカーテナもほとんど機能しないので『王室派』は実質丸腰になっている。
その為、以前のようにトカゲの尻尾切りという扱いにはできないというわけだ。
もし、天草式がイギリス清教への待遇に不満を持ちクーデターでも起こしてしまえばそれこそ本当に国家転覆が起こってしまう。(当然、神裂を始めとした天草式の面々にそんな思いは微塵もないが)
イギリス清教に属してはいるが、事実上『第四勢力』というのが魔術世界における今の新生天草式十字凄教の位置づけだ。

「とりあえず大まかな事情はわかった。俺はこれから色々と動かなきゃならないが五和はどうするんだ?」
「そうでした!私、上条さんにお話があったんだ!!」
五和はオロオロとしている。土御門はそんな彼女を見ておどけた顔で、
「たぶんまだ下の公園にいると思うぜい」
「わかりました!ありがとうございます!」
早口でそう言うと五和はあっという間に部屋から出て行った。


誰もいなくなった部屋で土御門はもう一回冷静になって考える。
魔術世界で桁外れの強さを持った者は何人か知っている。しかし、その猛者達が『天使長』にまで達しているかと問われればそんな事はない。
器が人間である限り、『天使』の力を行使する事など有り得ないはずだ。
だが、それが人間でなく『神にも等しい存在』だとしたら。

「まさか……」
土御門は脳裏に浮かんだ人物を即座に否定しようとするが、考えれば考えるほど合点がいく。
「クソッ…」
忌々しげに舌打ちすると部屋を出る。とんでもない事になった。と、戦慄しながら。

770ルッシー:2009/08/02(日) 13:03:10 ID:OXYWpNYs


とある研究所が所々炎上している。
生体認証を始めとした九つのセキュリティを誇るエントランスゲートはバラバラにされ、警備していた者の手足にはコルク抜きが突き刺さっている。
スクランブルにでもなったのか、赤いランプと甲高いサイレンが鳴らされ、最新機械兵器の試作品らしきものが所内を徘徊している。
それらのセキュリティ全てを突破した2人は『管理部長室』という部屋にいた。

「まったく…何も殺さなくてもよかったんじゃないの?」
結標は呆れたように話す。
「しかし、万一逃げられでもしたら面倒ですし。それにこういった類の人間はすぐに沸いて出てきますからね。一人くらい消したところでどうもしませんよ」
対して海原はあっけらかんと返答する。
2人のすぐそばには、この部屋の管理者らしき男が心臓を打ち抜かれて転がっていた。
海原は男の白衣のポケットからUSBメモリを取り出す。
「持っているのはこれだけですか…。目当てのものと一致すればいいですが」
海原は言いながら結標にUSBメモリを手渡し、パソコンを含めたセキュリティの解除を頼む。
「それにしても、ここは何の研究所なんです?」
「『原石』よ。超秘密裏に行われてる研究みたいだから表向きには地図にも表記されてないみたいだけど」
結標はパソコンのセキュリティを解除し、手際よくUSBメモリのロックも解除していく。
「そもそも何の為に『原石』の研究をしていたんでしょうかね?」
「そればっかりは私にもね…。ただ、『原石』というのは私達とは全く別物なのよ。私達が研磨されたサファイアやルビーなら、彼らは稀に発掘される天然モノのダイアモンドと言ったところかしら」
「開発されずに発現する能力…つまり先天的に能力を有する者の仕組みを解明したかったというわけですか」
「先天的というのはちょっと違うわね。彼らは自然界である偶発的な要因が重なって発現するの。生まれた瞬間から能力を有しているわけではないわ」
結標は画面に出た警告文にも目もくれずにセキュリティ解除を進めていく。
「それに一口に能力と言っても私達みたいな一般的な能力とは全くベクトルが違うらしいわ。能力が特異すぎて超能力というカテゴリに分類していいのかすらわからないケースもあるらしいわよ」
らしい、という言葉をつけるという事は結標もそれ以上の詳しい事はわからないのだろう。
(学園都市の闇はまだまだ深いという事ですか…)
何やら一人物思いに耽っている海原を無視し、結標は話を続ける。
「やはり情報通り、ここに『残骸』の一部が運び込まれているわね」
セキュリティ解除の最中に拾ったのだろうか、ディスプレイの右下に新たなウィンドウが表示されている。そのウィンドウを見ながら結標は薄い笑いを浮かべる。
「やはり連中は別ルートで回収していたという訳ですか」
「どうやら『アイテム』が暗躍していたのは間違いないみたいね。当たりにしろ、外れにしろ重要な機密事項なのには変わりないと思うけど…」
海原は辺りをぐるっと見渡し、
「どうやら仰々しい情報が扱われているようですが、その割には警備がお粗末すぎませんか?これじゃどうぞ力づくで奪い取って下さいと言っているようなものですよ」
「別に面倒事がないのなら、それに越した事はないでしょ?…!出たわ」
結標が全てのロックを解除すると、画面には一つの文書データが出ていた。
「何かの実験データのようですね」
「大方、『原石』のものなんでしょうけど。それにしても凄いわ。能力開発のデータなんでしょうけど、全ての数値が通常とはかけ離れているわ」
結標は半ば感心しながら画面を下方向にスクロールさせていく。そして彼女の手が不意に止まる。そこにはこんな言葉が表示されていた。


『人造神界計画』―――被験者 『門番』 特久池栄光

771ルッシー:2009/08/02(日) 13:04:36 ID:OXYWpNYs
以上、今回の3話分の投下でした。

ちょっと試験などで中々書いてる時間が無かったのでしばらく滞ってしまいました。
これからはペースアップしていきたいと思ってます。

772■■■■:2009/08/02(日) 18:54:01 ID:/jjztTPU
gjです。

ひとつ質問ですが、
『天使長』クラスと思われる魔力 とは

『天使長』と同格の容量の魔力 という意味なのか、
カーテナのような『天使長』と同じ質の魔力 という意味なのか、
どちらでしょう?

773■■■■:2009/08/02(日) 21:07:35 ID:OXYWpNYs
>>772
結論から言うと前者です。
ここでは『天使長』としての質はなく、ただ単に『天使長』と同等の容量の力という事です
力の大きさを表現する為に『天使長』を使用したのですが…ちょっとわかりにくい表現でしたね
まぁこのあたりは「あの方」特有の力を考えて頂ければわかりやすいかと思います

774■■■■:2009/08/02(日) 22:52:21 ID:bQwpp/cw
「ミサカ、巫女と美琴(みさかみことみこと)」の続きを投下します。
最近は筆が遅くなかなか話が進みません。今回も1レス分だけになります。
注)この話に出てくる姫神秋沙は本編と少し設定が違いますがご容赦下さい。
「When You Wish Upon a Star(星に願いを)」と「When will I see you again? (天使のささやき)」の設定を流用しており、
『吸血殺し(ディープブラッド)』の代わりに『癒之御使(エンゼルフェザー)』という能力を持っています。
また、姫神秋沙と御坂美琴が既に知り合っていたりします。
ただ上記の2作品を見ていなくても話がわかるように文章を工夫してみます。
とりあえず本編より饒舌で積極的な姫神秋沙だと思っていただけると幸いです。

>>toto様
 今日も並行世界(リアルワールド)が読めて幸せです。
>>ぬるぽ様
 以前ぬるぽ様が書かれていた学園戦隊ものに似たものを書いております。
始めにご挨拶しておくべきでしたが、ここでご挨拶させて頂きます。ぬるぽ様の
お話も楽しみにしております。

>>751様、ルッシー様
GJです。続きがどうなるかとても楽しみです。

775■■■■:2009/08/02(日) 22:52:53 ID:bQwpp/cw
「ミサカ、巫女と美琴(6)」

「ところで、ラストオーダー!何で私達がこんな事をしなきゃなんないの?
 こんな茶番に参加したって私達に何のメリットもないじゃない!」
「そんなことないのに、ってミサカはミサカはオリジナルの浅はかさに呆れつつ説明を続けてみる」
「うっさいわね!」
「貢献した人はブラック(上条)との1日デート権をゲットなの
 ってミサカはミサカは驚きの提案をしてみたり」

「おい!待て。なんだそりゃ。当事者の意向は無視か?」
「昼食券50枚綴り!
 ってミサカはミサカは食料事情の切迫したあなたに魅力たっぷりの交換条件を出したりして」

ビシッと総司令に言い放たれて上条は固まってしまった。

(くっ、確かに
 それだけあれば年末まで生き延びられる……でもちょっと待て!
 見返りが昼食券50枚ってどうなんだ?……少し安すぎないか?
 ここは強気に60枚よこせって言っても……イヤ、それじゃ強欲すぎるかな?
 あいだをとって55枚にしとこうかな?……これじゃ中途半端だよな。やっぱ。
 どうする?上条当麻)

真剣そうに悩む表情とは裏腹に悩みのスケールはとても小さかった。
そんな上条の袖を姫神秋沙がチョイと引っ張った。

「上条君」
「なんだ?姫神」
「君さえ良ければ。私が毎日お弁当を作ってあげる」
「どうした?いきなり」

「そうすれば上条君は悩まなくて済む」
「悪りぃ。気を遣わせちまったのか?でも姫神だってお金に余裕がある訳じゃないだろ」

「じゃあこうしよう。私が放課後に上条君家にいってお弁当を作ってあげる。
 それだと光熱水費は上条君に出して貰うから私も助かる」
「でもな、やっぱり姫神に迷惑を掛けることになるし……」

「なら上条君が手伝ってくれると嬉しい。とにかく二人分まとめて作る方が断然お得」
「そう言われるとそうかもしれないけど……」

「一緒にお弁当を作れば料理の仕方を教えてあげることもできる」
「まあ確かに姫神の天ぷらの作り方とかは教えて欲しいとは思うんだけど……」

「どう?良いアイデアでしょ!」
「うーん。そうなのかな……」

姫神秋沙のたたみ掛けに上条も何となくそうした方が良いなのかなと思いかけた頃、
御坂美琴が二人の会話に割って入ってきた。

「なにが『そうなのかな』よ!
 アンタ達!なに不純異性交遊の打ち合わせしてんのよ!」
「お前、何訳の分かんないこと言ってんだ?」
「うるさい!アンタがその気なら黒子にチクって取締りに行ってもらうわよ。
 黒子の鉄矢で頭に3つほど風穴開けてもらえばアンタの頭もスッキリするでしょ」
「待て!御坂。落ち着け!」

上条は何とか話題を変えようと総司令に話しかけた。

「そうだ、総司令。もし俺が勝った場合はどうなるんだ?」
「あなたが勝った場合は昼食券50枚追加でなんと100枚進呈なの!
 ってミサカはミサカは大盤振る舞いの条件を提示して太っ腹なところをみせてみる」
「よし!その話。乗った!」

二つ返事でOKした上条の横で姫神秋沙は(チッ、もう少しだったのに)と舌打ちしていた。
御坂美琴は姫神秋沙のお弁当アタックを阻止できてホッと胸を撫で下ろしていた。

「お姉様も当麻さんにお弁当を作ってあげるぐらい言ってあげれば良いのに
 とミサカはかたくななお姉様に呆れ果てるとともに要らぬお節介をやいてみます」
「なんで私がアイツにお弁当を作ってやらなきゃなんないのよ」
「相変わらずお姉様は素直になれないのですね。しかしこれはある意味ミサカにとってチャンスかも?
とミサカは密かにほくそ笑んでしまいます」
「ちょっと、アンタまで何考えてんの!?」

「さてお姉様達のご返事は?とミサカはミサカは分かりきっている答えをあえて尋ねてみる」
「結局、素直でないお姉様は色々理由を付けてこの勝負には乗ってこないはず。
 ならば、姫神秋沙(あのひと)さえマークしておけば自ずと当麻さんとの1日デートはミサカのもの。
 ふふっ、この勝負はミサカがいただきです。
 とミサカは思わず出そうになった本音を必死に隠します」
「だから!全部聞こえてるって言ってんでしょうが!
 それって私に勝負して欲しいってこと?勝負したいって言うのなら受けてあげるわよ!
 言っとくけどアンタ!これはアンタとデートしたいから受ける訳じゃないの。
 この子が私にケンカを売ってきたから買うだけなの。
 そこんとこ!勘違いしないでよ!」
「二人がけん制し合うその隙に……ふふっ、上条君との1日デートは私のもの」

そんな訳で上条とのデートを賭けてミサカと巫女と美琴の戦いの火ぶたが切って落とされた。

776■■■■:2009/08/02(日) 22:54:15 ID:bQwpp/cw
以上です。
これでようやく予告した所までやってきました。まだまだ先は長いなー。

777■■■■:2009/08/03(月) 12:59:35 ID:rj4T9DQI
gj
途中で一方通行が戻ってきて、貢献したらあいつらどうするん?

778ライク:2009/08/03(月) 13:49:40 ID:sMLd7.hI
幻想創造投下します。ようやく第三章の終り見えてきました。ではよろしくお願いします。

779ライク:2009/08/03(月) 13:50:15 ID:sMLd7.hI
とある魔科学の幻想創造〜イマジンクリエイト〜
第三章 十一月のとある日 右方と原石の聖人Ⅷ


「おいおい俺様を舐め過ぎていないか?」

 その少年の声に続くようにフィアンマの声が聞こえてきた。

「『幻想創造』?そんなもんどうでもいいだよ。確かにそのチカラは素晴らしいが俺様が欲しいのは禁書目録の錠前なんだよ。『王室派』、『清教派』のトップだけが持っているヤツだよ。だがお前なら例外的に持っているんじゃないのか?禁書目録を創りあげた禁書目録の編集者であるお前なら。だからこそ『魔神』でいられるんだろ?」
「テメィ一体何者だ?さっきから普通なら知りえるはずのない情報をどうしてテメィが知っていやがる!?」

 少年は攻撃が効いていないことよりもフィアンマが持つ情報に心底驚いている。世界で数人しか知らない情報ばかりなのだ。当然その情報は漏れるはずのないモノで外部に知りえる者は皆無のはずだ。

「さっき名乗っただろ?フィアンマ。右方のフィアンマだ」

 少年は矛を握りなおしフィアンマに再度襲いかかる。

「悪いが鍵は持ってない。鍵に頼らなくとも俺の頭にはきちんと10万3千冊以上の魔道書は記憶されているんでな!テメィは今ここで倒す!!」

 矛から繰り出される衝撃にフィアンマは大した動作もせず衝撃を受け止めた。右肩から突如あらわれた第三の腕で防いだのだ。爪の様な翼の様な腕だ。そう不完全な腕だ。

「な!?まさかその腕は!?」

 フィアンマはニヤリと笑い第三の腕で薙ぐ。今度は少年が吹き飛ばされる。百メートルぐらいで矛を地面に刺し踏みとどまったのは流石は聖人といったところだろう。

「それは残念だ。それにしてもつまらんな〜。お前魔神だろ?もう少し楽しませてくれ」

 少年は不完全な腕を見上げる。その腕の正体は…恐らく禁書目録では正体をつかめないだろう。だが少年には解ってしまう。過去に見たことがあるからだ。少年の親友が持つ同じく不完全な右手を。

「対応しているは『神の如き者(ミカエル)』。お前は本当に十字教徒か!?」
「人様の事は言えんだろ。魔術、科学両方の世界にいるのだから」

 フィアンマの不完全な腕を中心にして爆発が起きる。
 少年は矛を不完全な腕にぶつける。

 爆発と爆発。二つの爆発は合わさることなくぶつかり合う。少年の爆発が力負けしまたしても少年が吹き飛ばされる。

「おいおい何なんだよお前は。魔神ってのはこんなんに弱いのかよ?不完全な腕にすら劣るのか?イヤ、おかしいな。さっきから魔術を使おうとしてないよな?そんなチンケな矛を創ったぐらいで何故魔術を使わん?うん?もしかして使えないのか?俺様達みたくなんかの制約があるのか」

 爆発の中心から約二百メートル離れた場所から少年は駆け出す。わずか数秒でフィアンマの元に近づき矛で攻撃する。

「…ちょと違うな。ニアンスとしては『使わない』が近いが『使えない』わけじゃない…。俺の魔術は威力が強すぎるんだよ。こんな風にな!!」

 矛を振り上げ不完全な腕めがけ爆発させる。先ほどとは違いただの爆発ではない。

「『天沼矛(あまのぬぼこ)』は混沌とした大地をかき混ぜることが出来た。つまり異空間を切り裂いたとも言えるだろ?」

 空間を切り裂き爆発させる。それは大規模な爆発ではなく小規模すぎる爆発。そうでなくてはすぐさま空間全てを無くすことになるからだ。
 その爆発は例えるなら一閃の煌き。斬り、光り、爆発。その一連の光景はまさしく煌きだった。しかし、爆発は無に還っていく。

「だから、俺様を舐めてるのか?本気だせよ!!聖人の魔神さまよ!!!」

 不完全な腕。それが一閃の煌きを握り潰す。矛まで握りつぶす。

780ライク:2009/08/03(月) 13:50:47 ID:sMLd7.hI
とある魔科学の幻想創造〜イマジンクリエイト〜
第三章 十一月のとある日 右方と原石の聖人Ⅸ


「ああああああああっあああああああああああああっっっああああああああああああっっっっあああ!!!!!!」


 そして少年に腕が巻きつき握り潰し始める。

「ふん。つまらんなお前。なぜ本気を出さないのか知らんが俺様の邪魔になる前に潰しとく。ハァー暇だったからアメリカまで来たら魔神さまがいて錠前を手に入れられるかと思えば持っていないし。ああそうだ。ついでに聞いとくか。おい、右手を知らないか?俺様の腕とよく似てるヤツだ。俺様の腕の正体が解るって事は何所かで似たヤツ見たことあるんだろ?」

 腕に力が更にこもる。すでに普通の人間なら死んでいる程の圧力がかかっている。

「し…らんな…」
「ふん」
「ぐ‥あっっあああ!!」

 心底つまらなそうに少年を放り投げる。ざっと五百メートルは飛んだだろうか?やっぱり聖人並には飛ばせないかとつまらん感想を抱き止めを刺しにいく。

「さてと、この後は学園都市に向かうか。面倒だが回収された『原石』のガキ共を回収しなきゃな。せっかく集めた『原石』だし。そういえばお前も『原石』だっけ?まぁ、お前はいいやここで死んどけ」
「なん‥だと…?また子供たちを犠牲にする気か!!?」
「ついでに学園都市に元々いる『原石』も貰っていくか。もしかしたら当たりがいるかもしれんしな」
「ふざけるな!!」
「う〜んそうかも。あんまし表立った行動はすべきじゃないか。アレイスターの野郎もいることだし。でも『魔神』がこの程度だし問題ないか」

 振り上げられる不完全な腕。しかし、少年は…行動しない。ただ、魔神たる証を見る。魔法名の宣言。少年の想いの全てがこめられたその真名(な)を…今、ここに。

「Intimus119!!」

 聖人である証である聖痕(ステグマ)を開放。その反動でフィアンマが吹き飛ばされる。
 さあ、反撃の開始だ。少年は魔神へとなる。

「ようやく魔神のお目覚めですか?じゃ見せてみろよ」

吹き飛ばされたフィアンマは空中で方向転換。魔神へと向かう。

「サービスだ」

 魔神は言う。

「よく覚えておけ。俺はな魔法名を名乗る条件を決めている。だから滅多に聞けるもんじゃない」

 魔神はもう一度名乗る。己の想いを

「Intimus119(我が力は我が友の為に)!!」

781ライク:2009/08/03(月) 13:51:18 ID:sMLd7.hI
とある魔科学の幻想創造〜イマジンクリエイト〜
第三章 十一月のとある日 右方と原石の聖人Ⅹ


 それはただの蹴り。速度は音速を軽く超えるただの蹴り。
 それはただの拳。速度は音速を軽く超えるただの拳。
 それはただの炎。少量の魔力だけで出来た地獄の炎。
 それはただの雷。少量の魔力だけで出来た地獄の雷。
 それはそれはそれはそれはそれはそれはそれはそれらはただの魔神の攻撃に過ぎない。

「おおおおおおおおおおおおおおおおおっっっっおお!!!」

 魔神の攻撃にフィアンマは何も出来ずにいた。そこに追い打ちが入る。

「超電磁砲(レールガン)って知ってるか?こうゆうのを言うだが」

 先ほど潰された矛を核にして音速の三倍の速度にて放出。
 何とか腕でガードするがすでに後ろに魔神が回り込んでいた。
 その背には天使の翼らしきものが生えている。

「そら気をつけろ?この光線は殺人光線だ」

 透けているその翼から太陽の光が差し込む。
 ぎりぎりで避けるがすぐさま魔神の攻撃が入る。
 避けた所が爆発する。
フィアンマは理解した。自分は遊ばれているのだと。

「クソがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 フィアンマは地面に堕ちる。堕天使が落日したように。そして堕ちた堕天使はその不完全な腕を振りかざす。悪あがきをするように。
 対して魔神は最強の攻撃で迎え撃つ。

「IT IS A SAGE, AND Ⅰ AM A FOOL
(自分はちっぽけな人間でしかない)
THE DEVIL IN THE RIGHT SIDE AN ANGEL IN THE LEFT
(力は弱く 力は小さい)
AN ANGEL AND THE DEVIL BECOME SUBORDINATES
(そんなちっぽけな力)
MY LAW OF NATURE THAT IT IS IMPOSSIBLE TO USE
(どうする事も出来ないちっぽけな自分のチカラ)
THOU BECOME THE END!!
(そんな力を受け止めてみろ!!)
THE STRONGEST BLOW!!!
(ドラゴン・ブレス!!!)」

魔神の周りの空間に亀裂が入る。その隙間から這い出るように魔方陣が現れる。
そして白い光線が放たれた。不完全な腕と完全たる光。
 衝撃が学芸都市を襲う。辺りは衝撃の中心地はクレイターができその威力を表していた。
 結果は言うまでもないだろう。魔神の一撃は不完全な腕を消し去った。

「これが魔神だフィアンマ」

 魔神の周りに光の欠片が降り注ぐ。魔神の勝利を祝うように。

782ライク:2009/08/03(月) 13:58:15 ID:sMLd7.hI
今回はここまでです。フィアンマがアサッリとやられてますが大丈夫。次回も・・・?
あと『竜王の殺息』の英語ですが何分英語が不得意なものでニアンスをくみ取ってもらえればと思います。
てか見ての通り本文と訳が違います。暇でしたら本文を訳してみたらいかがでしょう?本当の訳が知りたい人はレスくれれば載せますんで。
そして次回で第三章は終わりです。ではまた次回。

783■■■■:2009/08/03(月) 18:48:42 ID:rj4T9DQI
gj
あの英語だと天使とか悪魔が出てきてますが、これは何処から持ってきたんですか?
聖書?
ちなみにちょっと役が気になります。(英語苦手なもんで)

784■■■■:2009/08/03(月) 19:27:07 ID:rj4T9DQI
漢字間違えました
役と書いたが訳でした。

785■■■■:2009/08/03(月) 22:15:48 ID:qqOzQSsA
>>ライク様
GJです。

私も英語は得意ではないのですが、
4行目が「私の天理、それを扱えるものは誰もいない」なら
My law of nature, it is impossible for anybody to use my law.
の方が良いかなと思ったり、

5行目が「お前はもうお終いだ」ならbecomeよりmeetにして
You shall meet the end. 
とするか、あるいは「汝その生を終えよ!」とか言うニュアンスなら
Thou shalt meet the end.
なんかはどうかなと思ったりします。
ただし、私も自信がありませんので、あまり鵜呑みにしないで下さい。
どなたか英語に詳しい方に教えて下さい。

786toto:2009/08/04(火) 03:07:04 ID:BGBLP7L.
『並行世界』を投稿します。
それでは行きます。

787『並行世界(リアルワールド)』:2009/08/04(火) 03:10:32 ID:BGBLP7L.
(二日目)12時13分


第一二学区にある、イギリス清教が所有する教会にインデックスたちはいた。
この学区は、学園都市で最も神学系の学校が集まっている学区であり、その修学内容は、実際にあるオカルト的なものではなく、科学的な面からアプローチしたものが多い。だが、先の『戦争』後、学園都市復興に伴い、魔術側の勢力の一部が介入した施設が存在するようになった。
その一つがこの教会であり、その教会内にある礼拝堂で、彼らの話は続いていた。
シンラは祭壇の上に腰を置いたままで、
「『神上派閥』ってのは一体…」
赤毛のシスター、アニェーゼ=サンクティスはシンラに一目向ける。
「カミジョーさんを筆頭とする組織です。今や科学と魔術に匹敵する第三勢力ですよ。表向きは『神上派閥』で通ってます。
昔は『上条勢力』っていう通り名があったんですけど、いつの間にか変わっちまったんですよねー」
「そうかな?学園都市の上層部では、未だに『上条勢力』で通ってるけど?認知度は低いし、人数も少ないけど、『実質的な』組織としての影響力はかなりすごいかも」
「…人数は少なくても、メンツが一癖も二癖もやる奴ばかりですからねえ」
苦笑いをアニェーゼは零す。
その表情から察するに、よほど強烈な個性を持ったメンツが集まっていると見えた。
「でも、今では魔術側と科学側が手を取り合える懸け橋になってるんだよ?」
「…一年前では夢にも思えなかった状況ですね。そして、私たちが魔術と科学の未来を背負う立場だと思うと……うわぁ、考えるたびに恥ずかしくなっちまいますよぉ……
それに、今回の『並行世界(リアルワールド)』作戦は、我々の組織が世界にどれほどの影響力を持っているか、それをアピールするものでもありましたからね」
「『並行世界(リアルワールド)』?」
そうだよ、とインデックスは説明を続ける。
「『並行世界(リアルワールド)』作戦は、『神上派閥』の作戦部門『ジョーカー』が主導で立案された作戦なの。勿論、私も作戦会議に加わったんだよ……と言っても、それを知ったのはつい数時間前なんだけどね」
「は?」
矛盾している発言に、シンラは首を傾けた。
その説明をアニェーゼ=サンクティスが補足する。
「『禁書目録(インデックス)』さんは、昨日の零時から今日の九時〇〇分にかけて、私はこの作戦内容を忘れるように、自分自身に忘却魔術をかけちまってたんです。
我々が半年前から用意していたこの計画(プラン)を、『ドラゴン』に悟られないためにね」
フム、とシンラは納得した。インデックスは瀕死の状態だった自分の肉体を再生できるほどの魔術が行える魔術師だ。
自分が知っている魔術師に、超能力でも不可能なことを出来る人間を彼はしらない。
シンラは今までの内容を頭に叩き込んで、言葉を切り出した。
「…俺が聞きてェのは、お前がなンで『魔神』なのかってことなンだが……」
「『魔神』は、魔術界の定義では、魔術を極めて神の領域に踏み込んだ者に与えられる称号なんだよ。神の領域っていうのは死者の蘇生とか、時間の逆流を成しえることを指すのかな?
私も一〇万三〇〇〇冊の魔道書を応用すれば出来るけど、それはあくまで理論上の話。
そんな禁忌魔術を使ったら、世界が歪んじゃうから絶対にしないよ」
「魔術を極めた者ねェ…ようするに『魔神』ってのは核兵器みたいな代物を抱えてる強ェ奴ってことか?」 
「うん。大体そんな感じ。それにね、『魔神』になるプロセスは二通りあるの。一つは魔術を極めて到達すること、そしてもう一つは…」

「ドラゴンの肉体を宿した人間が、ドラゴンの能力を覚醒することか…」

788toto:2009/08/04(火) 03:11:45 ID:BGBLP7L.
「うん!シンラはとうまと違って、頭の回転が速いから助かるよ!」
インデックスの言葉を無視して、シンラは思考を巡らせた。
彼女の話と、昨日の『打ち止め(ラストオーダー)』の話を総合すると、『魔神』とは魔術を極めた者、あるいは、ドラゴンの能力を持ち、それを行使する者を指すらしい。
そして、『絶対能力者(レベル6)』とは、『神の物質(ゴッドマター)』を無色に近い性質で現世に持ち運ぶ事が出来る能力者を指し、上条当麻も『絶対能力者(レベル6)』に分類されている。
すなわち、シンラが自ら引き出した『竜王の翼(ドラゴンウィング)』がその能力を持っているということであり、上条当麻の『ドラゴン』も、『現実を理想に沿うように動かす』能力に匹敵するチカラを持っていることになる。
それもシンラを圧倒するほどのチカラ。
それに加えて、『幻想殺し(イマジンブレイカー)』の真の能力。
打ち消すのは魔術や超能力だけは無く、『幻想殺し(イマジンブレイカー)』のリミッターを外せば、現実(リアル)の物体まで打ち消してしまう。
また、シンラが『ベクトル操作』で、ドラゴンの頭上に飛行機を落とそうとして、機体が空中で止まったことや、『竜王の翼(ドラゴンウィング)』の能力が無効化されたことも、上条当麻が所有するドラゴンの能力によるものだとしたら、全て説明がつく。
それを考えて、シンラはポツリと漏らした。
「……勝てる気がしねェ」
彼の言葉を聞いたアニェーゼは苦笑し、
「カミジョーさんは、他の人間からドラゴンの能力を全て奪っちまって、今やぶっちぎりで世界最強ナンバーワンですからね。
先の『戦争』で、ドラゴンが暴走した時の凄まじさといったらもう…」
「……アニェーゼ。いやなことを思い出させないでほしいかも。
ドラゴンがまだ未成熟だったから、私たちは助かったけど…あの光景がトラウマになって、立ち直れずに廃人になった人間も多いんだよ…」
何かを思い出したように、インデックスとアニェーゼは体をブルブルと震わせていた。
二人の様子を見ていたシンラは、呆れた口調で、
「…それを繰り返すことがこの計画か?」
「逆だよ。二度と繰り返さないために、この計画は実行されたんだよ。それにね――」
インデックスは、いったん言葉を区切って、言った。


「この計画の発案者は、とうまだよ」


「なッ?!」
シンラは驚愕する。
「とうまとシンラの魂をこの時代に跳ばしたのも実はとうまなんだ。理由もちゃんとあるんだよ♪それにね、この時代の二人はシンラたちと同じで、一年前の貴方たちと入れ替わってるんだ♪
今頃二人はタイムスリップ気分を楽しんでるかも」
予想外の事実に、シンラはすかさず突っ込まずにはいられなかった。
「おいおいオイ!世界が滅亡するかもしれねェ計画を実行しておいて、計画を立てた張本人は蚊帳の外かよ!」
「…うーん。それを言われると元も子も無くなっちまうんですが…この計画は、カミジョーさんの意識を、『ドラゴン』が乗っ取ってしまうことが前提だったんです」
「…ハァ?」
シンラはさらに困惑した。
その心情を知ってか知らずか、彼女たちの説明は続いた。
「今のとうまは完全とは言えないけど、ドラゴンを制御できるからね。でも、ドラゴンはプライドが天より高くて、とうまの意識を乗っ取るのを淡々と狙ってたから、あえてそうしてもらったの」
「一年前のカミジョーさんなら、コントロールどころか、自分にドラゴンが宿っていることも知りませんからね。
それに、『竜王の顎(ドラゴンストライク)』だけではドラゴンの思念体も存在しませんし…」
「…つまり、ドラゴンを覚醒させて、油断した隙をつこうってことか……」

789『並行世界(リアルワールド)』:2009/08/04(火) 03:15:26 ID:BGBLP7L.
フゥ、と溜息をついてシンラは思っていた疑問を口にする。
「なァ、インデックス。上条当麻と同じ『魔神』なら、オマ…いや、インデックス一人でも何とかなるンじゃないのか?」
オマエと言いかけて、インデックスの目と歯がギラリと光ったので、シンラは口を押さえた。
シンラの当然の疑問だった。彼女は自分自身を『魔神』だと言った。ならば、それ相応の能力を持っているはずだ。
しかし、インデックスの返答は、
「それは無理」
一言で断言する。
「対抗できる知識はあるけど、それを成しえるだけの魔力が無いの。
『自動書記(ヨハネのペン)』っていう、私の魔力を抑えるリミッターがあったんだけど、それを解除しても、平均的な術者の魔力しか持たない私では、ドラゴンに勝つことは無理。でもね――」
インデックスの眼光は彼の眼を捉えて、
告げた。


「シンラには勝てるよ」


静かな口調だった。
シンラは学園都市『絶対能力者(レベル6)』第二位であり、人工的な能力とはいえ、『竜王の翼(ドラゴンウィング)』を所有している。
神の領域に踏み込んだ彼に勝てると宣言したのだ。そして、彼女の目が、その言葉が嘘ではないことを物語っていた。
彼の唇が歪む。
「……へェ」
インデックスはさらに言葉をつづける。


「貴方が科学側の『最強』だとしたら、私は魔術側の『最強』だから」


不敵な微笑に浮かぶのは、絶対的な自信。それを感じ取ったシンラは、インデックスに対する認識を改めた。
不穏な空気が漂う中、アニェーゼ=サンクティスは冷や汗をかきながら、二人の仲裁に入った。
「…あー、はいはい。そこまでですよ。お二人さん。貴方がたが戦いを始めたら、カミジョーさんくらいしか止められる人はいません」
アニェーゼ=サンクティスは、二人の間に立ちながらも、シンラに強い目つきで睨んだ。彼女は魔術側の人間であり、インデックスの言葉に乗ってきたのはシンラの方である。仲裁に入るものの、当然、アニェーゼはインデックスの味方をしていた。
「…シンラさん。私も一言いっておきますが、『禁書目録(インデックス)』様は強いですよ?なんせ、先の『戦争』でドラゴンの暴走を止めたのは、他ならぬ彼女なんですから」
その言葉を聞いて、シンラは黙り込む。
彼も無駄な争いはしたくはない。だが、一年前の記憶を持っている彼としては、自分自身が最強だという自負がある。
インデックスの言葉は、彼の『自分だけの現実(パーソナルリアリティ)』に、不快感を催した。
挑発的な態度を取った自分が悪いことは分かっていても、謝ることをプライドが許さなかった。彼の心の中で葛藤が続いていると、インデックスはパンッ!と両手を叩き、話の流れを思い切り変える。

790『並行世界(リアルワールド)』:2009/08/04(火) 03:21:25 ID:BGBLP7L.
「さてっ!時間も時間だし、ご飯にしようか!今日は私の自慢のカレーだよ。ちなみにカツも鹿児島産の黒豚Xにこだわりました!」
彼女の言葉に、シンラは呆気を取られた。
インデックスの得意げな顔とガッツポーズを見て、アニェーゼ=サンクティスは年相応の笑顔を見せ、声を上げる。よほど期待していたらしい。
「うおおおっ♪」
「正午を回ったところでしょ?私とシンラが動くには、まだ時間があるから、栄養補給しようよ。日本に『腹が減っては戦が出来ぬ』という諺があるでしょ?」
「………オイ」
「『打ち止め(ラストオーダー)』。能力の制御はお願いね♪」
次の瞬間、シンラの体は自由を奪われ、祭壇から下りると、軍人の行進のような歩行を始めた。キビキビとした歩きで、インデックスとアニェーゼと共に歩きだした。
無論、シンラの意思で動いているわけではない。突然の身体の反応に、シンラは軽いパニックに陥った。
『アイアイサーッ!って、ミサカはミサカはインデックスが作ったカツカレーが食べたいって、本音を包み隠さず主張してみる!』
「ラストオーダーッ?!テメェ!」
インデックスはクスッと微笑み、アニェーゼは、ビクッ!とラストオーダーの声に体を震わせた。ラストオーダーの声はシンラの脳内に直接伝わる電気信号であり、他人には聞こえない。インデックスはテレパシーを応用した魔術を、アニェーゼと自分自身にリンクさせていた。
アニェーゼは『打ち止め(ラストオーダー)』の存在を知らないために、シンラが少女の声を発していると勘違いしていた。
『それに、シンラの体を治してくれてありがとうって彼の代わりにお礼をするから大盛りでお願いって、ミサカはミサカはっー!』
「お前は黙ってろッ!」
第三者から見れば、一人芝居をしているようにしか見えなくもない光景を見て、アニェーゼはますます奇異な目をシンラに向けた。
無邪気な笑みを零したインデックスは、シンラの手を取った。彼はインデックスの整った容姿の笑顔を見て、言葉を噤んだ。
アニェーゼは先回りして、礼拝堂の扉を大きく開けた。扉のむこうから、ステンドグラスで彩られた光が差し込んでくる。
太陽の光に照らされたインデックスの笑顔は、まさに修道女の鏡たる天使の微笑みだった。
「食べ終わったら…」
彼女の微笑みに、シンラは一瞬と言え、心奪われてしまった。
普通の男が見れば、虜になるほどの可愛らしい笑顔で、彼女は力強く告げる。


「ドラゴンを斃しに行こう♪」


バタン、と扉は閉まり、礼拝堂に人はいなくなった。
祭壇を中心として描かれていた魔法陣は、光の粒となってキラキラと霧散していく。
その光景を、十字架に吊るされたジーザス・クライストの像だけが、静かに見守っていた。

791toto:2009/08/04(火) 03:26:52 ID:BGBLP7L.
ここまでです。
説明する内容はそろそろ終盤で、次回からバトルに入ります。
『並行世界(リアルワールド)』に対する内容の疑問、要望等が書き込みがありましたら、どんどんお願いします。
オリキャラは登場しませんが、登場するキャラクターはまだまだいます。
私的には8割方説明が終わっていると思いますが…読者さんの生の声が聞きたいです(見たいです)
ではではー。

792『並行世界(リアルワールド)』:2009/08/04(火) 03:50:13 ID:BGBLP7L.
すいません。誤字報告です。
『禁書目録(インデックス)』さんは、昨日の零時から今日の九時〇〇分にかけて、「私は」この作戦内容を忘れるように、自分自身に忘却魔術をかけちまってたんです。                                       ↑削除      
↓                                      ↑削除
『禁書目録(インデックス)』さんは、昨日の零時から今日の九時〇〇分にかけて、この作戦内容を忘れるように、自分自身に忘却魔術をかけちまってたんです。

763、768さん
誤字報告ありがとうございました。

793ライク:2009/08/04(火) 07:48:08 ID:dxliLLXQ
レスありましたので『竜王の殺息』の訳を。
 先述したようにニアンスをくみ取ってくれたらうれしいです。所処おかしい日本語があるので英訳しにくいので英訳時に別の言葉にしたりしましたが本文はこんな感じです。

『竜王の殺息(最弱を超える一撃)』

IT IS A SAGE, AND Ⅰ AM A FOOL
我は賢者であり愚者でもある。
(自分はちっぽけな人間でしかない)

THE DEVIL IN THE RIGHT SIDE AN ANGEL IN THE LEFT
右に悪魔を 左に天使を
(力は弱く 力は小さい)

AN ANGEL AND THE DEVIL BECOME SUBORDINATES
天使と悪魔は我に下る
(そんなちっぽけな力)

MY LAW OF NATURE THAT IT IS IMPOSSIBLE TO USE
我が振るうは在りえない理なり
(どうする事も出来ないちっぽけな自分のチカラ)

THOU BECOME THE END!!
汝その身にて終焉と化せ!!
(そんな力を受け止めてみろ!!)

THE STRONGEST BLOW!!!
最弱(さいきょう)の一撃!!!
(ドラゴン・ブレス!!!)

 785様ご指摘ありがとうございます。今度、英語の得意な人を探してみますね。783様、元ネタと言えるかわかりませんが別サイトで私が書いている小説からです。最後の行のドラゴンブレスの部分だけが違います。
ついでに言っときますが裏設定でこの術は『幻想殺し』対策の術だったりします。本編と同じですね。一応、設定としては英語による詠唱で異界(コトナルセカイ)を表し、異空間から攻撃をする形です。神の右に座るのは天使ですが在りえない理(自分だけのチカラ)により悪魔が右にいます。そして天使と悪魔を従えています。つまりは神(魔神)様視線な内容なわけです。少年の扱うチカラを表してたりもいます。
 そして本家との違いといえば十字教主体とオリジナルの違いと言ったところでしょうか。伝承に基づきドラゴンという生物を術の中に現わしている(私の個人的推測です)本家では亀裂の中に何かがいます。それが無いのは少年が現わしているのは自分のチカラだからです。最後の羽と欠片の違いもそういう事です。本家の竜王の殺息は追加の術がありましたがはたして幻想創造では…?
 では引き継き『とある魔科学の幻想創造』をよろしくおねがいします。質問などありましたら何なりと。少年の名前以外はお答します。

794■■■■:2009/08/04(火) 08:55:24 ID:nStxHuOA
gj
最高!平行世界です。
訳を書いてくれてありがとうございます。

795■■■■:2009/08/04(火) 08:58:35 ID:nStxHuOA
当麻っと戦った五和たちは大丈夫なの?
後御坂達は? 
疑問ばかりですいません

796■■■■:2009/08/04(火) 13:54:53 ID:wM02Jxts
totoさん、GJです!最高です!
美琴楽しみにしてます

797■■■■:2009/08/04(火) 16:28:59 ID:1pGUlENI
GJです! 続き期待してます!
ところで、対ドラゴン戦の戦力なんですけど、魔術サイドに偏っているというか、ほとんど魔術サイドのようなのですけど。
科学サイドで戦闘に参加しそうな戦力は、一方通行、美琴、妹達だけ?
まあ、妹達が五千人くらいいるので、実際少ないというわけではないのかもしれませんが、他の科学サイドのキャラは出ないのでしょうか?
って、戦力になりそうで出せるキャラがいないか?

798toto:2009/08/06(木) 01:33:07 ID:umqB01.6
totoっす。
今から『並行世界(リアルワールド)』を投稿します。

799『並行世界(リアルワールド)』:2009/08/06(木) 01:52:50 ID:umqB01.6
(二日目)12時14分


第一二学区。
周囲には高層ビルが立ち並び、四車線の交通が可能な交差点の真ん中に彼女はいた。四ツ角にはそれぞれ歩道橋があり、中心くり抜いた四角形になっている。高層ビルと歩道の間には植林が立ち並んでいる。
七天七刀が舞う。
甲高い音を立てて、コンクリートの地面が抉れていく。六本の鉄線は、常人の目には映らない程の音速を超えた斬撃となり、『魔神』を襲った。

その斬撃を、『魔神』は音速を超えた速度で回避する。

神裂火織の眼前に、『魔神』は歪んだ笑みを浮かべて現れた。
彼女は反応する間もなく、豊満な胸囲がある胸元に、握りしめられた拳を叩きこまれた。
「――――ッ、ぶごっォオ!」
強烈な衝撃を受けた神裂火織は、五メートルほど吹き飛ばされ、息を整えながら距離を取った。
神裂は意識が薄れつつも、刀を構え、敵から視線を外さない。左手で口元に滴る血をに拭うと、両手で刀を握った。
「うおおおっ!!」
バスタードソードを握りしめた牛深が、大声を張り上げて、『魔神』の頭上にある歩道橋から飛び降りた。
腕力に思い切り力を入れて、一〇〇センチを超す刀剣を、迷いなく『魔神』の頭部に振り下ろす。
だが、
ガキィイン!という音がアスファルトとの衝突によって引き起こされた。長身の男性は、我が目を疑った。眼前に迫っていた『魔神』が視界から消えたのだ。
そして、足が地面に着く前に、彼は『魔神』との再会を果たす。
『魔神』の強烈なキックが、中年男の右頬を的確に捉えた。
剣を振り下ろした反動で猫背になった長身の体は、顔だけ左に仰け反るような格好でアスファルトに着地する。『魔神』の蹴りで意識が跳びかけた男は、体の条件反射ですぐさま立ち上がるが、バスタードソードは手から離れていた。
男は、『魔神』と正面を向き合いながらも、中枢線を晒すような無防備な状態になっていた。
ズンッ!と『魔神』を起点とした半径三メートルほどの円が、アスファルトに亀裂を刻んだ。常人を逸した『掌逓』をくらった長身の男は、約10ほどメートル吹き飛んだ。
枝々が折れる音と共に、植林に身を突っ込んだ男には、既に意識は無かった。
カラン、カラン…と、空しい金属音と共に、バスタードソードはひび割れたアスファルトに落ちた。
『魔神』は足でそれを蹴って、バスタードソードを手にする。
ヒュン!という音がなる亜音速の剣筋は、後ろに迫っていた老人の斧の根本を切断した。
斧の刃の部分だけが、宙を舞った。
一瞬の出来事で呆気にとられた諫早の顔面に、重い右ストレートが直撃する。
意識を失い、膝を着いて項垂れる老人の体躯に、『魔神』は容赦なく腹部に強烈なキックを突き刺した。
『魔神』は放射線を描いて、空を舞う老体を見上げた。


この間、僅か一〇秒足らず。


30メートル程の『魔神』の背後で、ダンッ!と地面を踏みしめる音が聞こえた。
一陣の風と共に、神裂火織は『魔神』との距離を一瞬にしてゼロにした。
『聖痕(スティグマ)』を発動し、斬撃が『魔神』を捉えた。
神裂の魔力が一気に跳ね上がる。
『魔神』はそれをバスタードソードで受け止めた。
ドバァン!と聖人の人間離れした攻撃力が『魔神』の生身を襲った。アスファルトの亀裂はさらに増し、生じた爆風が破片を巻き上げた。
二つの刃は火花を散らせ、ギィィイン!と大きな金属音ともに聖人と魔神は交差した。
一〇メートルほど距離に神裂火織は降り立った。
空中で数回転した刃が、聖人の傍に落ちた。
『魔神』は手元にある剣を見た。
バスタードソードは根本から折れていた。
「……ふむ」

800『並行世界(リアルワールド)』:2009/08/06(木) 01:53:38 ID:umqB01.6
何の感慨もない表情で、『魔神』は折れた剣を見つめていた。
そして、剣として役目を終えた物を『魔神』は捨て去った。無機質な音が鳴り響く。
だが、それは『魔神』だけでは無かった。カランッという音が同時になった。
七天七刀が地面に落ちる。
「ぐぅッ…!」
神裂は膝を折り、肩から血を流していた。


この間、僅か〇,一秒足らず。


右腕に深い切り傷を負った神裂は、腕にチカラが入らず、刀を落としてしまった。
それだけはない。神裂の発動した『聖痕(スティグマ)』は、『魔神』の『幻想殺し(イマジンブレイカー)』によって強制的にキャンセルされてしまった。
水が噴き出している間欠泉に、いきなり蓋をされてしまったようなもので、神裂の魔力が暴走し、彼女の意識は朦朧としていた。
血が流れ落ちる右腕を無視して、左手で七天七刀を握り、立ち上がった。
こうして意識を保つだけで、彼女は精一杯だった。
その様子を見た『魔神』は呆れた口調を返した。
「『魔王』との余興で、右の肺を潰してしまってな。呼吸が少々苦しいのだ。その余を息一つ乱せないとは、貴様らに殺す価値も見出せぬぞ」
ゆっくりとした歩調で、『魔神』は彼女に近づいてくる。
(…私たちは、ただ…遊ばれている、だけなのですか…いくつもの戦場を駆け抜け、腕を上げてきたというのにっ…!)
天草式は、すでに戦闘不能に追い込まれていた。
『魔神』は右手に宿る『幻想殺し(イマジンブレイカー)』と、体術しか我々に使っていない。だが、それでも翻弄され続けた。
仲間たちは死んでいないが、意識が奪われて倒れている者が半数以上、他も何らかの傷を受け、万全の状態ではない。のらりくらりと策略や攻撃を回避され、確実に的確な一撃を叩き込まれていく。
連携は一〇分も経たずにズタズタにされた。
『魔神』と単体でやりあえる魔術師は聖人である神裂火織しかいない。
しかし、すでに彼女も手傷を負っており、次の攻撃で確実に戦闘不能にされる。
(私たちは…こんなものだったのですか?……私たちは…彼の…足元にすら…及ばなかったのですか?…)

「――――ってください…」

誰かの声が、神裂の耳に届いた。
それは『魔神』の耳にも聞こえたらしく、彼女に近づく足を止めた。
声がした方角を二人は見た。
神裂の四〇メートル程の視線の先には、『海軍用船上槍(フリウリスピア)』に体を預け、必死に立ち上がる少女の姿があった。
着ていた白のジャケットは、所々が破け、黒い汚れが付いている。破れているハーフジーンズはさらに傷みが広がり、彼女の素足は、膝の擦り傷の血で濡れている。
中に着込んでいるネットの黒シャツは破け、ピンク色のブラジャーと、白い素肌の胸が晒されていた。
五和は左手で、顔に付いた汚れと汗を拭い、敵を目視する。
『魔神』を睨みつける五和の眼光は鋭さを増していた。
大きな声が木霊した。

「当麻さんの体から、さっさと出て行ってください!!」

801『並行世界(リアルワールド)』:2009/08/06(木) 01:54:21 ID:umqB01.6
その殺気を感じ取った『魔神』は、何の感情もなく、彼女を見た。
五和の周囲には、数人の天草式のメンバーが倒れていた。
『海軍用船上槍(フリウリスピア)』を構え、五和は破れた靴を脱ぎ去った。素足でアスファルトに立つ彼女は、大きな深呼吸をした後、言葉を紡いだ。

“Cuando los brillos de fuego, exigiré el agua.…El agua me rodea y me protegerá―――”
(我が光り輝く炎を求める刻、我は凍てつく水を求めるだろう――)
神裂はゾッとした。
五和が唱え始めた魔術は、天草式のものではない。
彼女が単体として使う魔術だった。
「――五和ッ!」
神裂の叫びも、彼女には届かなかった。彼女の頭にあるのは、『魔神』ただ一人。
魔術の魔力を感じとった天草式メンバーの一人が、負傷している体を起して、叫んだ。
「五和ちゃんっ!」
“Cuando el agua me exige, exijo el agua!!”
(我が凍てつく水を求める刻、凍てつく水は我を求める!)
五和の素足に『水』が巻きつき、水面を滑るがごとく、滑らかな動きで『魔神』に突進していった。
彼女の魔術と同時に、ヒュン!という疾風の攻撃が『魔神』を襲う。
七教七刃。
鋼糸を張り巡らせ、七方向から同時に攻撃するという、彼女が編みだしたオリジナルの技。
速度はますます加速し、五和はさらに言葉を紡いだ。
“Cuando el fuego me exige, exijo el fuego―――”
(清らかなる炎が我を求める刻、我は炎を求め――)
両手で『海軍用船上槍(フリウリスピア)』を一回転させ、上半身を大きく捻った。「突き」の姿勢をなし、氷の上を滑るような動きで、『魔神』との距離を一気に縮めた。
七教七刃は『魔神』を攻撃したが、七つの線撃は『魔神』の足元で消滅した。七教七刃が生じた風が、『魔神』の黒髪を揺らす。
“La llama de la purga pasa por usted!”
(清らかなる炎は、全てを浄化する!)
ボワッ!と『海軍用船上槍(フリウリスピア)』の矛に炎を纏った槍は、ついに射程距離範囲に入った。
五和は、全身の回転モーメントを注ぎ込んだ一撃を『魔神』の左胸に放つ。
バギンッ!
『魔神』の右手に『海軍用船上槍(フリウリスピア)』を捉えられ、『幻想殺し(イマジンブレイカー)』に、練りこまれた魔術の細工ごと、炎は打ち消された。
『魔神』はグイッと槍を翻し、五和のバランスを崩そうとした。
だが、既に彼女は『海軍用船上槍(フリウリスピア)』を手放していた。
それだけではなかった。五和は『魔神』の視界から消え失せていた。
「っ!?」
『魔神』の目が初めて見開かれる。
そして、


“La llama de la purga pasa por usted!”
(清らかなる炎は、全てを浄化する!)


五和は大声で、魔術を唱える。
炎を纏ったナイフを手に、五和は『魔神』の背後に回っていた。素早い動きで身を一回転させ、背中に隠し持っていたナイフを左手で握り、押し込むことを前提とした突きで、右手を柄に添える。
七天七刃と『海軍用船上槍(フリウリスピア)』の二重のフェイク。
完全に『魔神』の後ろを取った五和は、咆哮した。
腹の底から、絶叫する。

「当麻さんから、出て行けぇぇえエエッ!!」

802『並行世界(リアルワールド)』:2009/08/06(木) 01:59:37 ID:umqB01.6
掠れた彼女の声が、『魔神』の耳に届く。
五和は、上条当麻を愛していた。
一目惚れだった。
その恋は、内気な彼女を突き動かしてきた。昔も、そして今も。彼の力になりたいと願い、彼の為に強くなりたいと願い、人に見えない努力を積み重ねてきた。
「浄化の炎」は、邪悪なものを断ち切る魔術。
『魔神』は一瞬で身を翻し、彼女に振りかえった。

襲いかかる五和を見て、『魔神』は心の底から笑った。

炎を纏ったナイフは直進した。
ドスッ!
という音が鳴り、五和のナイフは『魔神』の左胸に突き刺さった。
鮮血が顔に飛び散り、五和は驚愕した。
「―――えっ?!」
決死の手段だったとはいえ、自分の攻撃が当たるとは思っていなかった。
水を使う魔術は、かつて対峙したアックアの魔術を見よう見まねで編みだしたものであり、火の魔術はその術式の色彩を「赤」に変えたものである。
短剣から流れ落ちる『魔神』の血を見て、五和の喉は冷えあがった。
それは人間と同じ、赤い血。
人格は違うとはいえ、自分が愛する男の身体を傷つけたのだ。『魔神』の白いYシャツに、赤い血が徐々に広がっていく。
身を焦がしていた敵意は一瞬で消え去り、五和は凍りついた。肉を突き破った生々しい感覚と罪悪感から、身を引こうとした瞬間、
『魔神』は左手で、ドガッ!と五和の頭部を鷲掴みにした。
「うぐっ?!」
彼女は、軽い脳震盪に襲われた。
ナイフは衝撃で引き抜かれ、地に落ちる。
五和の意識が徐々にはっきりしてくる。
そして、眼前には愛しい男の顔が迫っていた。
「…良い目だ。気に入った」
『魔神』が微笑みを浮かべて、五和の顔を覗き込んでいた。
顔は、意中の男性とはいえ、精神はドラゴンに乗っ取られている。
恐怖に心を掬われた五和は、
「ッ!離せ!」
と、蹴りを叩き込もうとしたが、『魔神』右腕が腰に手を回され、胸から下の身体が密着した状態となって、五和の動きが封じられた。
五和は、『魔神』に抱きしめられていた。
彼女と『魔神』の顔の間は数センチの距離で、彼女の吐息が『魔神』の顔に当たるほど、接近していた。
五和はさらに驚く。
意中の男性の顔が、目の前にあるのだ。
戦闘中だというのに、五和の冷静な殺気は失われ、『魔神』は、不敵な笑顔を浮かべたまま告げた。
上条当麻には似つかわしくない、邪悪な笑顔と甘い囁きで。


「余の『僕(しもべ)』になれ。五和」


「――んッ?!」
五和の唇は唐突に奪われた。
熱い感覚が、彼女の口内にねじ込まれた。
ネチュ、という卑猥な水音が五和の思考を奪う。
乾いた唇を潤す、温かいキス。
右腕で彼女の身体は抱きしめられ、左手は彼女の顎を持ちあげ、顔を固定されていた。
五和はパニックに陥る。
彼女はキスをされている。
愛しい男の姿をした『魔神』に。
彼女はファーストキスは、唐突に奪われた。それも恋焦がれた男性の唇に奪われて、予期せぬ形で成しえてしまった。
奪われたのは彼女の唇だけではなく、口内まで蹂躙された。
クチャァ…と、粘着ある唾液を引き、二人の唇は離れた。
茫然自失としている五和の耳に、『魔神』の声が囁いた。

「上条当麻はお前と違う女を心底愛している。そなたに振り向くことなど、一度たりとも無い。そなたの一途な恋心が実を結ぶことなど、決して無いのだ」


「―――――――――――――――――――――――――――――――――――――え?」
五和は、凍りついた。
そして、目の前が真っ暗になった。

803『並行世界(リアルワールド)』:2009/08/06(木) 02:01:06 ID:umqB01.6
見たこともない風景が映っていた。
自分と上条当麻が仲睦まじく、過ごしていた。
天草式の皆と、笑い合っている。
自分の手と上条当麻の手は指をからめ合って、繋がれていた。
一緒に映画館に出かけたり、
一緒にレストランに出かけたり、
皆に隠れてキスしたり、
二人で夜をベッドの上で過ごしたり、
他の女の子に好かれる上条当麻に嫉妬したり、
天草式のメンバーから二人の熱愛ぶりを冷やかされたり、
恋人となった上条当麻との日々が、目の前にあった。
それは自分が望んだ現実であり、その光景に心が満たされる。

しかし、その幻は一瞬で崩れ去った。

気づけば、五和は暗闇に一人佇んでいた。
(ここは…どこ?)
一筋の光があった。愛しい男の背を照らしていた。
あのツンツンとした髪型は、一日たりとも忘れたことは無い。
「!当麻さ…」
彼女の声はそこで途切れた。
周囲が徐々に明るくなるにつれて、彼が一人ではないことがわかった。
当麻の傍に他の女がいた。
他の女が手をつないでいた。
手を取り合いながら、彼女は当麻に微笑みかける。
彼も彼女に微笑みかける。
彼の笑顔は、自分と一緒にいた時よりも輝いて見えた。
なぜ、隣にいるのは自分ではない?
こんなにも好きなのに。
誰よりも好きなのに。
彼の為に、誰よりも努力してきたのに。
彼の為に、可愛くなったのに。
彼の為だけに、尽くしてきたのに。
なんで、自分に振り向いてくれないのか。
五和は、叫んだ。
「…い、……いやああああああああ!!」


「―――――――――――――――――――――っ…―――あっ……」
気づけば、『上条当麻(ドラゴン)』は眼前にいた。
自分の瞳は、涙に濡れていた。
「それはお主が望んだ幻想。だが、それは有り得なかった現実ではない。お主と上条当麻が結ばれる運命は、確かに『在』ったのだ」
五和にはそれが、分かった。
先ほどのビジョンが真実であることが理解できた。
この世に「並行世界」というIFがあれば、自分と上条当麻が結ばれ、愛を語り合えた未来があったことは確かだった。
あのキスの感覚、抱擁された時の感覚。
愛の温もり。
芯から蕩けるような幸福の感情。

在ったことなのだ。
自分が、もうちょっと手を伸ばしていたなら、
もっと積極的に接していれば、
上条当麻と少しでも長く傍にいれば、
彼は私を見てくれた。
愛してくれた。

「……あ、ああ…ああ…あ、あああーっ……」
涙が止まらない。
感情が制御できない。
上条当麻が、御坂美琴を選んだことを知った時、自分は諦めると思ったのに。
あの時、彼を慕う人たちと一緒に思いっきり泣いたのに。
この涙は、まだ枯れていなかった。
彼女の涙を、『魔神』はそっと拭った。
愛しい男の顔が眼前にある。そして、甘い声が彼女の耳に囁かれた。

「『余』はお前を愛してやる。この身に抱かれることを光栄に思え」

804『並行世界(リアルワールド)』:2009/08/06(木) 02:01:50 ID:umqB01.6
もう一度、『魔神』は五和に唇を重ねた。
舌を入れ、彼女の口を再び蹂躙する。熱い感情が五和に湧き上がり、脳内を揺らすほど刺激する。
涙はそれでも止まらなかった。
だが、徐々に冷え切ったに生ぬるい温度が満たされていく。
何度も、彼女に濃厚なキスが襲ってくる。それを成すがままに五和は受けいれていた。
熱い。
温かい。
…欲しい。
手に入らなった愛情が欲しい。
彼女は、『魔神』の甘美な囁きに耳を傾けてしまった。


五和は自らの意思で、『魔神』の舌に、自分の舌を絡めた。


神裂火織は眼前で起こっている現象に絶句していた。
五和は『魔神』と唇を貪り合っていた。
だが、彼女が注目しているのはそれではない。
『魔神』の右肩から生えている巨大な『何か』だ。翼のような、腕のような…このようのものとは思えない、不思議な物質だった。
四本の長い指先のような先端から、一本の毛糸のようなものが出ており、それが五和の頭に繋がっていた。
五和は『魔神』に抱きしめられて、その異様な物体が見えていないだろう。
神裂火織は『それ』を『識』っていた。
この世全ての万物を操り、変換し、願望通りに物体を作りかえる神の領域の力を持つ腕。
かつて『神の右席』の『右方のフィアンマ』が所有していた、『ドラゴン』の一部。

『竜王の鉤爪(ドラゴンクロー)』。

あの腕のせいで、『禁書目録(インデックス)』や自分たちがどのような被害をこうむったか、神裂の脳裏にまざまざと蘇った。
その事件は、「科学」と「魔術」との戦争の芽となり、「ドラゴン」が覚醒を始めることとなる事件だった。
彼女は力一杯に歯を食いしばり、唇を噛み切ってしまった。
「ドラゴンッ!!貴様、何をしているッ!!五和から離れろォォおおお!!!」
七天七刀を握り締め、神裂火織は何の考えもなしに突進した。
アスファルトは聖人の脚力で蹴り砕かれた。『聖痕(スティグマ)』を発動し、魔力を爆発させた。
石柱すら一刀両断する刃は、『魔神』を捉え、右腕の傷から血が飛び散ることも恐れず、両手で刀を握り、『竜王の鉤爪(ドラゴンクロー)』の一指を斬り落とした。
『魔神』は五和から体を離すと、常人離れした脚力で跳び上がり、歩道橋の手すりに足を止めた。
斬り落とされた指と五和の頭に繋がっていた糸は霧散し、『魔神』の右肩から生え出ていた『竜王の鉤爪(ドラゴンクロー)』はゴキゴキという音と共に、『魔神』の身体に潜り込み、その姿を消した。
神裂の腕に、五和は倒れこんだ。
傍には、術式が打ち消されたナイフと『海軍用船上槍(フリウリスピア)』が転がっている。
神裂は射殺しかねない視線で、『魔神』を睨みつける。
「ドラゴンッ!!五和に何をしたあああああああああ?!」
左手で七天七刀を振りかざし、太陽を背に立っている『魔神』に吼えた。
Yシャツの左胸あたりが血で赤く染まっており、『魔神』は唇をそっと舌で舐める。
不敵な笑顔を取りつくろい、神裂火織の神経を逆なでする口調で、
「何を言っている?貴様も見ていたであろう?余は、五和を余のモノにすると決めただけだ」
「ふざけるなっ!お前は下ただの下種だっ!神を名乗る資格も無い!」
「ふはははははっ!余は神を殺すための神だ。それ以外の義務は無い。人を殺そうが犯そうが蹂躙しようが所有しようが、余の気まぐれだ。余はその人間が気に入った。それだけだぞ?聖人よ」
神裂火織の頭は激怒で沸騰した。
『竜王(ドラゴン)』は神の中でも、例外中の例外であり、神を殺す権限と能力を与えられている『怪物(カイブツ)』である。
人には災いや破壊を齎す神でもあるが、それは邪悪なものにしか適応されない。偉人を導き、絶大な力を宿し、世に平定を齎す象徴ともなる神でもあるのだ。
だが、強すぎるがために人に畏怖され、そして、肉体をバラバラにされ、人間に封印された。
よって、人間という『穢れ』と『強欲』を知った『竜王(ドラゴン)』は、ただのカイブツに成り果てていた。
その原因が人間であり、人間はその罪を忘れて、ただ『竜王(ドラゴン)』を恐れていたのだ。真に罪深き者は人間である。

805『並行世界(リアルワールド)』:2009/08/06(木) 02:11:13 ID:umqB01.6
だが、神裂火織は知らない。
『魔神』は怒りに身を焦がす聖人を見据え、笑いながら、
「聖人よ。貴様は何か勘違いをしていないか?」
「ッ!!どういうことだ?!」
『魔神』の言葉に嫌悪感すら覚える彼女に、冷静な思考はとうに失われている。
心にあるのは、『魔神』に対する憎悪と、仲間を想う情のみだ。
(ちっくしょうッ!これ以上仲間を失ってたまるか!建宮も、対馬も、香焼も死なせて、私はッ!皆を守るためにここにいるのにっ!私の為に天草式があるんじゃない!天草式のために私がいるんです!)
神裂は自分の弱さと激情に駆られ、瞳には涙すら貯めていた。
『魔神』は顔を歪ませる神裂を笑いながら見つめ、
告げた。
「五和は、自ら余のモノになることを受け入れたのだぞ?」


ドスッ…


鈍い音が響いた。
赤い血の斑点が、アスファルトを濡らし始めた。
数秒、神裂は反応が遅れた。
「か――――はっ…」
彼女は、目の前の現実が受け入れらず、途切れ途切れに声を吐いた。
なぜなら、
彼女の腹に、
五和が『海軍用船上槍(フリウリスピア)』を突き刺さしていたからだ。
喉から込み上げた血を手で抑えながら、神裂は呟く。
「……五、和?………何…をっ?…」

「なに、余に籠絡されただけのことだ」

『海軍用船上槍(フリウリスピア)』を神裂の腹部から引き抜いた五和は、立ち上がって無機質な瞳で彼女を見つめた。
大量の血が流れ出る腹部を抑え、神裂火織はアスファルトの上をのたうった。
「きゃあああああああああああああああああああ!!」
「プ、『女教皇(プリエステス)』様ぁああ!」
「五和ぁあ!お、お前何をッ?!」
他の天草式十字凄教のメンバーはその光景に目を疑った。
ある者は悲鳴を上げ、またある者は言葉を失ったまま、茫然としているだけだった。
『魔神』は高らかに声を上げる。
「ふはははははははははははっ!良い!実に素晴らしい!五和!なかなかに愉快な景色ぞ!誇るがよい!五和よ」
ぺたぺた、と五和は素足でアスファルトの上を歩き、『魔神』が立っている歩道橋の下まで近寄った。彼女は『海軍用船上槍(フリウリスピア)』を捨て、『魔神』を見上げた。
「ハイ…当麻、様」
無感情な五和の返答は、『魔神』をさらに悦ばせた。
「ふはっはっはっ!意識を嫉妬と欲望に流されながらも、それでもなお、上条当麻に恋焦がれるか!なんとも色欲に愚直で渇望する人間よ。だがそれで良い。それこそ人間のあるべき姿だ。気に入った!
これは神の加護だ!心して身に受けるがよい!」
『魔神』の背中から白の翼が発現する。4メートルほどの大きな片翼が、五和の体を覆い尽くした。
翼の形をした『何か』は、外形を崩し、白い液体のような粘着性を持ったモノへと変貌した。グチャグチャと音を立てながら、五和を包み込んでいく。
フワリと、その『何か』地面から浮き上がり、『魔神』と同じ高さまでになると上昇を止めた。ボタボタと白い液体が垂れ落ちるが、みるみる硬化が始まり、楕円の繭のようなものが形成された。
全長は三メートルをで、幅は二メートルほどある。
歩道橋の手すりから『魔神』は離れ、ゆっくりと浮遊し、白い繭に近づいた。そして、『魔神』は右手を触れる。
パリンッ。
ガラスが割れたような音が鳴り、『魔神』の『幻想殺し(イマジンブレイカー)』が反応した。
白の繭に亀裂が走り、その隙間から強烈な光が漏れだした。
辺りは眩い光に包まれた。

806toto:2009/08/06(木) 02:15:43 ID:umqB01.6
ここまでです。
それは感想や意見、書き込みをお願いします。
ではではー。

807■■■■:2009/08/06(木) 02:20:46 ID:yQIHbyqw
>>806
GJ!
五和、まさかの(やはりとも言う)ヤンデレ覚醒か

808■■■■:2009/08/06(木) 02:24:58 ID:2n5Atk4M
GJでした!
ここで五和がくるとは・・・
やっぱり御坂が来るしかなくないか?

809■■■■:2009/08/06(木) 12:05:01 ID:I9VsMTKg
totoさんGJ

ふと思ったんだが、咲-Saki-に出てくる原村和ってキャラが黒子に似てるのは気のせいだろうか?

もしや黒子が高校生になったらあんな体型になる…のか…?

810■■■■:2009/08/06(木) 23:18:15 ID:79Ic6YB2
totoさんGJッス!!!
五和を正気に戻すのも、やっばり美琴か?

811ルッシー:2009/08/06(木) 23:24:53 ID:YfuCkxHQ
『とある暗部の未元物質』の今回の3話分を投下します。
いよいよバトルです!

812『とある暗部の未元物質』:2009/08/06(木) 23:25:51 ID:YfuCkxHQ


「どういう事か。説明してもらおうか」

とあるマンションの空き部屋に、やや怒気を含んだ少年の声が響く。相手はテレビ画面の向こうにいる男性とも女性とも囚人とも聖人ともとれる人物だ。
どういう理屈なのか、テレビには電源コンセントしか入れていないはずなのに音声も映像も鮮明である。

『どういう事か…と私に言われても困るな』
画面の人間は笑いさえ含んだふざけた口調で静かに答える。
「ふざけるな!お前が何もしないで奴が動くものか!」
対して少年は刺すような怒号を叩きつける。が、画面の人間は眉一つ動かさない。
「確証はないが、あの膨大な魔力量と特殊すぎる質…『魔神』で間違いないだろう。お前、奴に何をした?」
『正確には「なり損なった」だがな』
画面の人間は嘲るが、少年の表情を見て流石に思うところがあったのか、事の顛末を話し始める。
『まぁ端的に言えば奴の忠告を無視したまでだ』
「何の忠告だ」
少年は間髪入れずに質問を繰り出す。
『原石さ』
画面の男もあっさりと答える。
その言葉を聞いて少年はわずかに眉をひそめた。

現在『外』で『原石』と呼ばれる人間の争奪戦が行われているのは知っている。
なんでも、学園都市に対抗すべくアメリカとロシアが中心となって天然モノの能力者を確保、分析して日本の学園都市に追いつけ追い越せなんていう事をしているらしい。
もっとも、超能力が何たるかを本質的に理解していない連中が『原石』を入手したところで「なんて不思議な能力なんだ」で終わるのは目に見えている。
学園都市でさえ完全に解明できていない『原石』の正体を『外』の連中が解明できるはずがないのだ。
そんな無駄な行為をあの人間が見逃すはずがない。自身の目的の為には手段を選ばないあの悪魔ならば。

「なるほど…。お前は獲物を外のカラスどもにつつかれない内に確保したかったというわけか。もっとも、ただのカラスではない者もいたわけだが」
『そう言うな。これも「プラン」に必要な事なのだよ』
「それは結構な事だが、それで『魔神』を敵に回しては元も子もないな。奴はこれまでの魔術師とは全く別次元の存在だ。俺のような一介の魔術師はおろか、聖人だって相手にもならないだろう。一体どうやって収拾をつけるつもりだ?」
『ふむ…。確かにこれまで通りにはいかないだろうな。「ヒューズ=カザキリ」もまだまだ調整段階だからな。困ったものだ』
画面の人間はそう言ってはいるが、その表情には薄い笑いのようなものが浮かんでいるように見える。
「また『幻想殺し』でも使うつもりか?」
少年は静かに問う。しかしその言葉はこれまでのどの言葉よりも鋭さのある口調だった。
『いや、今回は彼には少し休んでもらうつもりだ。「アレ」を消し飛ばされても困るしな』
画面の人間のその言葉に少年はわずかに安堵する。
「まったく…これなら二十億のローマ教徒が一気に攻め込んで来てくれた方がまだマシだったぞ。どういう策を巡らせているかは知らんが今回ばかりは俺の手には負えない。奴は特定の宗派に属していない分、学園都市をストレートに潰すという意味なら『右方』よりも厄介だぞ」
『心配しなくてもいい。私が何とかしよう』
「どうだかな。いずれにしても、俺の友人達を無関係に巻き込むのであれば容赦はしないぞ!」
少年の通告に『わかっているさ』という一言を返して通信は途絶えた。


男性とも女性とも囚人とも聖人ともとれる人物は、通信の切れた画面から別の画面に視線を向ける。
『まったく…どうにも思い通りにはいかないものだな』
溜め息を含んだような言い方だったが、その声から明確な感情を察知する事はできない。
その声の主の視線の先にある画面には2人の人間が映し出されていた。

『さて、どうしたものかな』

813『とある暗部の未元物質』:2009/08/06(木) 23:27:24 ID:YfuCkxHQ


「―――と、まぁこんな感じなわけです。じつに下らないでしょう?」
特久池は楽しげな笑顔でこれまでのいきさつを話した。
「全くだな。テメエらで生かしておいて、制御できないと踏んだら処分か。滑稽なもんだな」
垣根は哀れみを含んだ笑みで吐き捨てる。
「連中は今後学園都市が外部から受けるであろう攻撃に向けて垣根さんのような貴重な能力者を失いたくなかったようですね。本来なら助けた義理として学園都市側に完全に取り込んでしまおうとしたかったようですが…」
「俺がそんなに義理堅い人間だとでも思っていたのかね」
さぁ、と特久池は笑いながら首を傾げると、
「ところで垣根さん。肝心の今回私があなたに近づいた件なんですけどね…」
そう言うと特久池は両手を広げる。
垣根は早く話せ、とばかりに特久池から視線を外している。


「あなたを抹消する為に来たのですよ」


その瞬間、ドゴォォォォォォ!!と強烈な爆発音が炸裂した。
原因はライターと車だ。
特久池は窓から見えていた車をテレポートで部屋に移動、同時に持っていたライターを着火させた状態でガソリンタンクの中にテレポートさせた。
これによって起こる現象は単純明快。
凄まじい爆音と共に、部屋は一瞬にして灼熱の炎と黒々とした煙に包まれた。

特久池は爆発の瞬間にビルの屋上にテレポートしていた。その表情は優れない。
奇襲には成功したが、学園都市第二位があの程度で倒れるはずがない。
そんな特久池の考えに答えるように屋上のアスファルトの一部が凄まじい音と共にぶち抜かれる。
「あーあー。びっくりした。お前、人に向かって花火をしてはいけませんって教わらなかったのか?」
不敵な笑みを浮かべて現れる学園都市第二位。その体には傷はおろか、煤の一つもついていない。何やら白い光のような膜が彼の体全体を覆っている。
特久池の表情は変わらない。この程度は予想通り、といった感じだ。
対し、垣根は眉間に少し皺を寄せて質問する。
「とりあえず一つだけ聞いておきたい。お前、まさか俺に勝てるなんて本気で思ってないよな?」
「どうでしょうね?少なくとも死ぬ予定はありませんけど?」
「よーしよし。細胞一つ残らず消し飛ばしてやるよ」

814『とある暗部の未元物質』:2009/08/06(木) 23:27:55 ID:YfuCkxHQ
それが合図。

言い終わるなり、垣根は両足に光の膜を集約。その瞬間凄まじいスピードで特久池に突っこんでいった。
対して特久池は垣根から間合いを取るようにテレポート。百メートル程後方にテレポートすると、手元に金属製のプレートのようなものを引き出した。
垣根はそんな様子も構わずに、今度は左手に光を集約させ、特久池に向けると、
「そんな物で俺の未元物質を防げると思うなよ」
ドバァァッ!と光の直線が文字通り光速に近いスピードで特久池を貫こうとする。
「―――っ!!」
特久池の数メートル手前にあった金属製のプレートは未元物質によって一瞬にして貫かれ、その奥にいる特久池目がけて突っこんでくる。
特久池は何とか身を翻してこれを回避する。それはほとんど勘と偶然の回避だった。袖口には回避しきれずに当たってしまった部分が消失している。その周りには残滓と見られる白い粉末状の光が漂っている。
「(解析率二十七パーセント、シンクロ率十六パーセント、複製レベル2――、まだ足りないか!)」
ギリギリで回避しながら舌打ちを打つ特久池の眼前には笑みを浮かべた垣根が既に次の攻撃を繰り出そうとしていた。
「中々素早いじゃねえか。これは避けられるかな?」
すると、垣根の体を覆っていた白い光の膜が垣根の体を離れ、特久池の前でシャボン玉を半分にしたような形に変化する。そしてその縁が波立つように蠢くとその波は光の矢に変質し数十本の塊となって特久池を襲う。
「くっ!」
特久池は即座にテレポート。今度は垣根の二十メートル程後方に移動する。しかしその程度の距離は垣根相手では気休めにもならない。
標的を見失った光の矢は再び一つに集約され球体に形を変えると、その球体から膨大な光が発せられる。その光は特久池の視界を瞬間的に奪うだけのものだった。
しかし、この次元の戦闘において一瞬でも視界を奪われる事は致命的な瞬間になる。そして垣根がその瞬間を逃す筈が無い。
垣根は右手で新たな光の物質を生み出すと、それを円盤状に変形させ、その表面から直径2センチほどの無数のレーザー光線を光に向けて射出した。
レーザー光線が光を通過すると、あるレーザー光線は光に反応し爆散、あるレーザー光線は光を膨張させ全く別の物質となりどこかへと飛散していく。
それぞれのレーザー光線が全く違う反応を示し、その様はこの地球上の物理法則では絶対に有り得ない反応だった。科学者がこの光景を見たら間違いなく卒倒していた事だろう。

ありとあらゆる反応を見せた無数の光はやがて消え、辺りの視界を鮮明にしていく。
そこに特久池の姿はなかった。
そこにあったのは光に侵食され歪められた空間と超然としている学園都市第二位の男だけだった。

815『とある暗部の未元物質』:2009/08/06(木) 23:28:35 ID:YfuCkxHQ


「まぁ…こんなもんか」
垣根は義手をつけた右手を何度も握り直しながら一人呟いていた。
『羽』を使用しなかったのは、義手をつけての本格的な戦闘が初めてだったので意図的に力をセーブしていたのだが、使い心地は上々のようだった。
(これといった暴走も違和感も無かった。演算や制御も特別支障は無かったし、『羽』を使ってもまぁ問題ないだろ。念のため後で調整は必要だろうが…)
右手に握り拳を作り前方を見る。
「ところで――」
何も無い前方へ。

「かくれんぼはもう終わりにしていいかな?」

「――っ!?」

言い終わると同時に強烈な閃光が広がった。
標的は三百メートル前方にあったマンションの屋上。正確には貯水タンクの裏側だ。
閃光の一部から猛スピードで射出された光の剣のような物質は貯水タンクを傷つける事なく貫通し、その裏側にいる標的を正確に貫こうとしていた。
音もなく貯水タンクを貫いた光の剣は標的を瞬殺したはずだったが…、
ヒュン!という空気を切り裂く音と同時に垣根の死角から特久池は手刀を放つ。
その手刀は垣根の首筋を的確に捉ようとしていた。しかし、
垣根が咄嗟に身を屈め手刀をかわすと、地面に左手をつけ、左手を支点にぐるりと体を回すと同時に右足で特久池の足を払う。
標的の思わぬ回避と反撃に呆気に取られた特久池は垣根の足払いに対応できるはずもなく、無防備な体が宙に晒される。
その絶好の好機を垣根が逃すはずもなく。起き上がりざまの反動をつけた左拳を特久池の鳩尾に叩き込んだ。
「ごぶぅぅ―――!!!」
特久池は肺の空気を全て吐き出しながら十メートル後方へと壁を破壊しながら吹っ飛んでいった。
垣根は特久池が吹っ飛んだ方向に向き直り、薄笑いを浮かべながら楽しそうに言う。
「はん。能力で敵わないとわかったら肉弾戦ってか」
ガラガラ、と瓦礫から特久池が苦悶の表情をしながら出てくる。
「まぁテメエがそう望むなら合わせてやるよ。ただ俺はどっかのモヤシみたいに能力に頼りきってはいねえからな。肉弾戦でもそれなりに楽しめると思うぜ?」
悠々と見下ろすように宣言する。
「(解析率83パーセント、シンクロ率65パーセント、複製レベル6―――その気になれば使えるが…)」
特久池は立ち上がるが、その足取りは明らかにフラついている。
対して垣根は握手でも求めるように警戒心の欠片もなく歩み寄ってくる。
「おいおい、一発でKO寸前かよ。興醒めさせんな。もっと楽しませろよ?」
射程圏内に入るなり、左拳を振り下ろす。
ビュォッ!という空気を切り裂くような速度で左拳が繰り出される。
「―――くっ!」
特久池はバックステップし何とかかわすが、フラついた足で無理にステップしたせいか着地と同時に体勢を崩してしまう。
「チェックメイトだな」
「――っ!」
その言葉と同時に垣根は蹴りを繰り出していた。いくら生身の蹴りとはいえ、先の左拳の一発であれだけのダメージを負ってしまった。この蹴りをまともにもらえば行動不能になる可能性は極めて高い。

ドスッ!!と鈍い音が第七学区に木霊した。

816ルッシー:2009/08/06(木) 23:32:00 ID:YfuCkxHQ
以上、今回の3話分でした
「8」は分割しました。
今回初のバトル描写でしたが、いかがだったでしょう?
自分としては最大限努力して書いたつもりですが…。

817■■■■:2009/08/07(金) 00:05:52 ID:xScAey8I
GJです!
バトル描写とても良かったと思います。

818■■■■:2009/08/07(金) 02:26:35 ID:..BkDH1Y
「ミサカ、巫女と美琴(みさかみことみこと)」の続きを3レス分投下します。
注)この話に出てくる姫神秋沙は本編と少し設定が違いますがご容赦下さい。
「When You Wish Upon a Star(星に願いを)」と「When will I see you again? (天使のささやき)」の設定を流用しており、
『吸血殺し(ディープブラッド)』の代わりに『癒之御使(エンゼルフェザー)』という能力を持っています。
また、姫神秋沙と御坂美琴が既に知り合っていたりします。
ただ上記の2作品を見ていなくても話がわかるように文章を工夫してみます。
とりあえず本編より饒舌で積極的な姫神秋沙だと思っていただけると幸いです。

819■■■■:2009/08/07(金) 02:27:21 ID:..BkDH1Y
「ミサカ、巫女と美琴(7)」

「で?総司令!学園都市に一体どんな危機が迫っているんだ?」
「…………え?」

「何が『えっ?』だ!
 まっ、まさか。実は何も無いってオチじゃねえだろうな?」
「なっ、何を言うのかな?ちゃんと危機は迫っているんだから
 ってミサカはミサカは額に吹き出した汗を拭いつつしどろもどろに反論してみる」
「……………………」
「そうだ、学園都市に宣戦布告してきた秘密結社からの脅迫ビデオが届いていたの
 ってミサカはミサカはすっかり忘れていたことを微塵も悟られないようさりげない
 仕草でビデオの再生ボタンを押してみたり」

すると上条達の右側の壁が開き、出てきた巨大モニターに脅迫ビデオが映し出された。
黒い画面には映画のように③、②、①と数字がカウントダウンされている。
そして海岸の岩に荒波が打ち寄せる映像がドドーンと映し出される。
「ジャッ、ジャジャッジャアーーン」とジングルが鳴り終わると一人の男が画面に映し出された。
しかし口元をスカーフで隠した男は正面を向いていなかった。
その男は手鏡をのぞき込みクワガタみたいに黒光りするツンツンした黒髪を整えている。
どうやら撮影が始まったことに気付いていないようで横から小さな声が掛けられた。

「建宮さーん。もうキュー出しちゃいましたよ」
「なにっ!
 ウォッホン。我々は謎の秘密結社キシサクマアであるのよな!
 我々は学園都市に宣戦布告する!恐れおののけ!科学を盲信するものどもよ」

宣戦布告する謎の人物を見て上条の肩が小刻みに震えだした。

「…………ゴォら!天草式!テメーらまで一緒になって何遊んでやがる!」
「何を言う。我々は天草式とは何の関係もないのよな」
「そんなちゃちな変装で何言ったって…………って、おい!お前!今オレに返事したんじゃ?」
「ビデオに問いかけても無駄なことなのよ。ウワッハッハ!」

「おい!総司令。何が脅迫ビデオだ!キッチリ生放送してんじゃねえか!」
「むむっ!
 ここまでこちらの反応を読み切ってビデオを作っていたとはこの組織は侮れないかも
 ってミサカはミサカは追求するあなたの視線から目を外しつつ敵の強大さに驚愕したりして」
「…………もういい。追求する気も失せた」

「取り込み中すまんが本題に入っても良いかな?」
「もう好きにやってくれ!」
「では改めて、ウォホン。
 我々は学園都市に制裁を加えるために恐怖の新兵器を開発したのよな」
「はあ?新兵器?」

上条がやる気のなさ100%の声で繰り返すと、
謎の男はフリップボードを持ち上げて黒いマジックをキュキュキューッと走らせる。
クワッ!!と男の目が開かれると男はそのフリップボードをドン!と提示した。

「そう、それは恐怖の『ヒヨコ爆弾』ッッッ!!」
「……………………」
「どうだ?恐ろしさのあまり声も出ないか?」

「あのー、総司令。やっぱ俺帰って良いですか?」
「怖じ気づいて逃げだそうっていうの!
 ってミサカはミサカは男らしくないあなたにプンプン憤慨してみる」
「いや、そうじゃなくて。こいつらもう放っといても良いんじゃないかと……」
「お前達、このヒヨコ爆弾の恐ろしさを判っておらぬな。見よ!この勇姿!」

画面が切り替わるとドーンとヒヨコ爆弾のアップが映し出された。

「見よ!このまんまるフォルム、フカフカの質感、そしてラブリーな表情。
 これほどの出来映えのヒヨコ爆弾を見たことあるまい。どうだ恐れ入ったか。
 我々はこのヒヨコ爆弾を第13学区のとある小学校のヒヨコ小屋にセットしたのよな。
 爆破時刻は12:30だ。
 貴様達に本物のヒヨコと我々のヒヨコ爆弾が区別できるかな?
 早くしないと何の罪もないヒヨコ達が巻き込まれるぞ。
 せいぜい、慌てふためくがよい!ウワッハッハッ!」

ここでビデオ(?)はブチンッと切れてしまった。
上条達は呆れてものが言える状態ではなかった。一人を除いて。

「な、なんて恐ろしい兵器なんでしょう、とミサカは全身の震えを押さえきれずに呟きます。
 あんなまんまるでフカフカでラブリーなヒヨコ達が爆弾にされてしまうなんて…………
 ミサカはあなた達の非道を許しません!
 ミサカのラブリーなヒヨコ達はミサカが必ず守り抜いてみせます!
 とミサカは力強く宣言します」

一人熱く燃える御坂妹に上条達はヤレヤレって感じで顔を見合わせた。

「まあ確かに。ヒヨコ達には何の罪もない。」
「そうね。それにたまにはフカフカでまんまるでラブリーなヒヨコ達に囲まれるのも楽しいかもね」
「仕方ねえな。それじゃあ皆さん、行きますか!」

820■■■■:2009/08/07(金) 02:29:24 ID:..BkDH1Y
「ミサカ、巫女と美琴(8)」

学園都市の某所にて

「カーーット!」
「お疲れ様でした。建宮さん」
「皆もご苦労であった。しかしこれからが本番なのよな」

「しかし上条さん(あの人)怒ってましたよ。本当に大丈夫なんですか?」
「それは心配せずともよいことなのよ。
 我らは学園都市(ここ)の統括理事長からの依頼で動いておるのだからな。
 今回のことも例の件の遂行に不可欠だということで統括理事長(あやつ)に認めさせた。
 例の件さえ遂行しておけば我らが多少脱線しても大目に見るという約束になっておる。
 しかも必要な費用も全て学園都市(あちら)持ちだ。
 我らは、外の連中の目を逸らすためにも、奴らが監視する気も起こらぬほど派手に
 馬鹿馬鹿しく振る舞えば良いのよ」

「でも学園都市の依頼だっていっても統括理事長って本当に信用できるんですか?」
「ふっ、そんなもの信用できるハズ無かろう。
 だがな、こちらでもウラを取ったが今回の依頼に怪しい所は見つからなかった。
 ならばこの依頼を断る理由は無いのであるのよな」
「まあ、あの人に関連する依頼ですからねぇ」

「我ら天草式十字凄教は上条当麻殿からひとかどならぬ恩義を受けておる。
 我らはその恩義に報いるためにもこの依頼は完遂しなければならんのよ」
「そうですね。
 女教皇様(プリエステス)ですらどう恩返ししようかと未だに悩んでいる位ですから」

「上条当麻殿(あの方)は皆も知っての通りその右手に神をも凌駕する力を備えておる。
 しかしそれ以外は一般人と何も変わらないのよな。
 いや、防御術式や補助魔術が一切効かない分、一般人より危ういかもしれん」
「それでもあの人は他人を守るために真っ先に飛び込んでいきますからね」

「だからこそ、この建宮斎字は秘密戦隊を装ってあの5名を集めたのよな」
「えっ?あの5人を選んだのは建宮さんだったんですか」
「その通り。この学園都市で最も信頼でき頼りになる5人なのよ」
「信頼できる5人ですか……」

821■■■■:2009/08/07(金) 02:30:06 ID:..BkDH1Y
「ミサカ、巫女と美琴(9)」

「まず『一方通行』は言うまでもなく学園都市最強の超能力者だ。
 きやつは自分のことを悪党だとうそぶいておるがその性根には一本筋が通っておる。
 一度約束を交わせばそれを反故にすることは絶対にあり得ん。
 だからこそ信頼することができる」
「そういうもんですかねえ?」

「学園都市第三位の『超電磁砲』は、第二位が所在不明の今、事実上のNo.2だ。
 その真っ直ぐな性格は十分に信頼できる。
 しかも我らの独自の調査によればあの方にホの字のようなのだよ。
 もっとも本人は否定しておるがな。
 全くあの方の懐の広さには恐れ入るばかりなのよ」
「羨ましいというか何というか……」

「次に『癒之御使』は世界で唯一あの方を治癒できる存在だ。
 故にあの方を狙うものからすればその存在は不都合極まりない。
 つまり真っ先に狙われる可能性が高い訳よ」
「だから我々の目が届くようにメンバーに誘ったんですね」

「あのーっ」

「残る『欠陥電気』『最終信号』は学園都市が造った『超電磁砲』の体細胞クローンだ。
 彼女たちもオリジナルの『超電磁砲』と同様に信頼できる。
 残念ながらその能力はオリジナルの1%にも満たぬが、『一方通行』の能力に深く
 関わっているから外すことはできん。
 さらに『欠陥電気』には9968名の姉妹がいて全員があの方に惚れているようなのだ。
 全くあの方の器は我々常人では計り知れぬほど大きいのよな」
「競争相手がざっと1万人ですもんね。五和も大変だな。こりゃ」

「えーっとですね……」

「とにかく、学園都市においてあの方と共に戦ってもらう能力者を集めることはできた」

「建宮さーん!」

「しかし彼女らは魔術について疎すぎるのよな。
 魔術を理解する必要は無いが超能力とは違う力がこの世界に存在することをこの機会に
 肌で感じて欲しいのよな。
 その経験があれば魔術的な配置や魔術が発動する予兆をいち早く感知できるかもしれん。
 そうすれば対魔術師戦において足下をすくわれる危険性は格段に下がるはずなのよ」

「ホントは聞こえてるんでしょ!」

「次は右方のフィアンマですか?」
「ふん、それどころかひょっとするとエドワード=アレクサンダーとも闘い(やり)合うかもしれんぞ」
「その人って確か史上最高の魔術師でしたよね。でもずいぶん前に死んだんじゃ?」
「ものの例えだよ。気にするな」

「無視しないで下さい!建宮さん!!」

腕を引っ張られた建宮は初めて気づいたとでも言う風に声の主である五和へ顔を向けた。

「ん?どうした、五和」
「私、ホントにこんな格好しなきゃならないんですか?」
「いまさら何を言う。最近の戦隊ものはヒロインの露出が少ない代わりに
 悪の組織の女幹部は露出度が大幅にアップしておるものなのよな」
「だからってなにもこんなビキニ装甲(アーマー)じゃなくても…………」

「五和、我らの話を聞いていなかったのか?
 我らの受けた恩義はもう『堕天使エロメイド』と『大精霊チラメイド』の
 ツープラトンアタックぐらいでは返済できぬ程膨れあがってしまったのよな」
「そっ、そんなァ……」
「だからこそ、その小悪魔エロキャットの出動なのよ」

五和の持っている衣装は黒革製のボンデージ風コスチュームであった。
ただし服の面積は体表面の25%もなく、しかも生地の大半が膝下をカバーするブーツと
肘から先の手袋と鼻から上を隠す猫耳の付きマスクに費やされているため、
ボディーラインを隠すための生地はビキニ程度分しかない。
かろうじてそれがビキニでなくワンピースだと主張するものはチョーカーとブラとパンツ
を「とりあえず形だけは繋いどきました」と言っているヒモ状の生地のみである。
そのくせ背中とお尻には悪魔のような小さな羽と尻尾のオブジェが付いている。

「こんなのを着てあの人の前に出なきゃなんないんですか?わたし」

「仕方あるまい。お前がもっと早く大精霊チラメイドを使っておればここまで利子が
 膨らむことは無かったのだからな」
「だっ、だからってこんなことして遊んでて良いんですか?」
「ふっ、遊べるのは今の内だけだ。
 本物の闘いが始まればこんな軽口をたたくこともできなくなるのよ。
 五和は今の内に青春を謳歌していればよいのよな」
「はーっ、コスプレに命を燃やす青春か…………やだなーっ」

822■■■■:2009/08/07(金) 02:31:00 ID:..BkDH1Y
以上です。

823■■■■:2009/08/07(金) 14:04:05 ID:gWY.WCHA
てすと

824【替え歌】上条さんが歌うDestiny's play:2009/08/07(金) 14:05:48 ID:gWY.WCHA
同じ道を選んでたら
同じ場所にしか着かない
変わりたいと願うのなら
抜け出さなきゃ
殻を破り

キバって立ち向かうよ
いつだって前を向いて
ほら
僕を突き動かすDestiny
真実を知るため

Wake up

1人1人奏でる音が
違うように運命もそう
僕はただ
僕だけの未来への幻想(ちず)を創ってゆく

解き放て 未知の力
目覚めてく 戦うほど
記憶超えていつかわかる
幻想を追いかけ
ハマってく 謎の中へ
多分それこそが宿命(さだめ)
逃げられない
逃げるわけない
始まるDestiny's play
知るのが怖い?
そんなワケない
運命繋がれ
Destiny's play

幻想を ぶち壊して
Wake up!
Destiny's Play

迷い込むよ 謎の中へ
Wake up!
Destiny's Play


元ネタ
仮面ライダーキバED
「Destiny's play」

禁書目録もTETRA-FANGみたいにうわなんでもないです

825■■■■:2009/08/07(金) 23:47:57 ID:ZSEsJXWc
フィアンマを倒すということは・・・・
ローマ正教の崩壊を意味しているのでしょうか。

826■■■■:2009/08/08(土) 01:51:45 ID:xJLl2RWM
てすてす

827ルイズコピペ改変・黒子ver:2009/08/08(土) 01:52:24 ID:xJLl2RWM
黒子!黒子!黒子!黒子ぉぉおおぁああああああああああああああああああああああん!!!
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!黒子黒子黒子黒子ぉぉおぁわぁああああ!!!
あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん
んはぁっ!白井黒子たんの茶色のツインテールをクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!
間違えた!ふもふもしたいお!さわさわ!ふりふり!髪髪ふもっふ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!
小説8巻の黒子たんかわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!
超電磁砲放送されて良かったね黒子たん!あぁあああああ!かわいい!黒子たん!かわいい!あっああぁああ!

828ルイズコピペ改変・黒子ver:2009/08/08(土) 01:52:38 ID:xJLl2RWM
超電磁砲4巻も発売されて嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!
ぐあああああああああああ!!!コミックなんて現実じゃない!!!!あ…小説もアニメもよく考えたら…
黒 子 ち ゃ ん は 現実 じ ゃ な い?にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!!
そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!学園都市ぃぃいいい!!
この!ちきしょー!やめてやる!!現実なんかやめ…て…え!?見…てる?表紙絵の黒子ちゃんが俺を見てる?
表紙絵の黒子ちゃんが俺を見てるぞ!黒子ちゃんが俺を見てるぞ!挿絵の黒子ちゃんが俺を見てるぞ!!
アニメの黒子ちゃんが俺に話しかけてるぞ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ!
いやっほぉおおおおおおお!!!俺には黒子ちゃんがいる!!やったよ初春!!ひとりでできるもん!!!
あ、コミックの黒子ちゃああああああああああああああん!!いやぁあああああああああああああああ!!!!
あっあんああっああんあ一方通行ぁあ!!

829ルイズコピペ改変・黒子ver:2009/08/08(土) 01:53:19 ID:xJLl2RWM
み、美琴ー!!残念美人んああああああ!!!当麻ァぁあああ!!
ううっうぅうう!!俺の想いよ黒子へ届け!!学園都市の黒子へ届けぇ!


携帯からだから分割しますた
黒子可愛いよ黒子

830■■■■:2009/08/08(土) 19:28:47 ID:ZvEBDn4g
……3レス使うほどの内容じゃないだろ今更

831■■■■:2009/08/08(土) 23:17:28 ID:TNz9k5VY
そうだね?
みんなss最高や!
巫女と美琴へ
最高です。この後は(ヒヨコ騒動)何か五和との夢の対戦があるんですか?
って言うかあるとして、当麻は五和を守り、美琴達から誤解されたため、半殺しになる。
一方五和は誤解され照れてるとかなったりしますか?
っていうかその後美琴は当麻に決死の告白でゴールインして欲しい!

僕の美琴と当麻くっつけは、ほっておいて、gj少なくね

832■■■■:2009/08/09(日) 00:31:06 ID:fMBK2e3I
「ミサカ、巫女と美琴(みさかみことみこと)」の続きを2レス分投下します。

833■■■■:2009/08/09(日) 00:31:44 ID:fMBK2e3I
「ミサカ、巫女と美琴(10)」

「出発するのは良いけど第13学区のとある小学校まではどうやっていくのよ?
 ラストオーダー、私たち専用の車両とか航空機でもあるのかしら?」
「専用車両はあるにはあるんだけど、ってミサカはミサカは歯切れの悪い口調で返答してみる。
 ちなみにお姉様は運転免許を持ってるの?ってミサカはミサカは逆に問い返してみたり」
「うっ、そんなの持ってる訳無いでしょ!」

「たとえ学園都市を守る秘密結社であっても学園都市のルールは守らなきゃいけないの
 ってミサカはミサカは独り言のように呟いてみる」
「……ってことはひょっとして」
「そう最寄りの公共交通機関を使ってもらうの
 ってミサカはミサカは今までの会話から当然導かれる結論を当然のように言ってみたり」

「この格好のまま電車を乗り継げっていうの!?」
「心配ご無用!そのスーツの右手にはSU○CAの機能も備わっているから
 お姉様達がお金を払う必要はないの、ってミサカはミサカは小さな胸をドンと叩いてみる」

「そんなことじゃなくて、この格好のまま電車に乗れだなんて私達を晒し者にする気?
 これってもしかして何かの罰ゲーム?」
「私は。巫女装束(このまま)でも別に構わないけど」
「秋沙(あなた)は黙ってて!」

「お姉様はそんなことを心配していたの?ってミサカはミサカは呆れ顔で返答してみる」
「悪かったわね!」
「そのスーツは学園都市の最先端技術が詰め込まれているの、ってミサカはミサカは説明を続けてみる。
 光学素子を含んだ特殊高分子とカーボンナノチューブで織りあげたそのスーツは
 高い防弾・防刃・耐爆性能を持つだけでなく、特定の周波数に対応して形と色を変える
 ことができるの、ってミサカはミサカは少し鼻高々な感じで説明してみる」

「特定の周波数?」
「百聞は一見にしかず。お姉様、『チェンジ!ノーマルモード!』って叫んでみて
 ってミサカはミサカはお姉様(オリジナル)にキラキラした目でお願いしてみる」
「何なのよ、それ?……分かったわよ。……チェンジ。ノーマルモード」

御坂美琴が恥ずかしげに叫ぶとスーツは直視できないほど眩しく発光しだした。
一瞬だが強烈な発光が収まるとそこには常盤台中学の制服を着た御坂美琴がいた。

「えっ、これって常盤台中学(ウチ)の制服?」
「常盤台中学の制服みたいでしょ。でもそれはさっきのスーツが変形変色したものなの。
 もっとも、防弾・防刃・耐爆性能は元のままだから手触りだけは本物と違っているの
 ってミサカはミサカは『どう?どう?すごいでしょ!?』って感じで感想を聞いてみる」
「へーっ、本当だ。手触り以外は本物そっくり。学園都市ってもうこんなのも開発してたんだ」

「素足に見える部分だって実は透明なスーツだし、靴もリボンもお姉様愛用の短パンだって
 スーツが変形したものだから個別に脱ぐことはできないの、ってミサカはミサカは注意してみる」
「なんで私が履いている短パンまで忠実に再現されてる訳?誰?データをリークしたのは」
「ミサカはこの件には関係ありません
 とミサカは怒り指数17ポイントUPのお姉様とは視線を合わせずに言い放ちます」
「お姉様はいつもスカートをヒラヒラさせて上条当麻(この人)に短パンを見せびらかして
 いるんだからそんなに目くじらたてること無いのに、ってミサカはミサカはブウたれてみる」
「ひとを露出狂みたいに言うんじゃない!」

「ボディースーツに戻すときは『チェンジ!バトルモード!』って叫べばいいの、
 ってミサカはミサカはお姉様(オリジナル)を無視して説明をまとめてみる」
「もう。わかったわよ!」

834■■■■:2009/08/09(日) 00:33:01 ID:fMBK2e3I
「ミサカ、巫女と美琴(11)」

「でも気を付けてね。お姉様。
 このスーツには口にしてはならない『破滅の言葉』というものがセットされているの。
 不用意にその言葉を放つと装着者に恐ろしいことが起こるの。ふふふっ
 ってミサカはミサカは意味深に警告してみる」
「なっ、何よ!まさか自爆するとか言わないでしょうね?」
「自爆はしないけど機密漏洩防止のため5秒後にはスーツが分子単位にまで分解されてしまうの
 ってミサカはミサカは衝撃の事実を告白してみる」
「それはつまり…………」
「そう。お姉様は素っ裸ってこと!ってミサカはミサカはストレートに話してみたり」
「馬鹿じゃないの!もし何かのはずみでその言葉を言っちゃったらどうすんのよ!」
「大丈夫、『破滅の言葉』はスーツ毎に異なっていてその人が絶対口にしない言葉になってるの。
 例えばお姉様ならこうなの、ってミサカはミサカはお姉様を手招きしてみたり」

近づいた御坂美琴の耳元でラストオーダーが何かを呟くと御坂美琴は顔を真っ赤にした。
御坂美琴は上条を一瞬チラっと見ると「そりゃあ確かにそんなことは絶対に言わないけど……」
などと小声でゴニョゴニョといっている。

「御坂、いったい何だったんだ?」
「うっさいわね。それを私が言ったら破滅(素っ裸)でしょうが!
 (まさか破滅の言葉が『当麻大好き』だなんて。スーツを脱いでたってアイツに
 言える訳ないでしょ……ラストオーダー、憶えてなさい!)
 ハーッ、やっぱりこんなふざけたスーツを着る気無くしちゃったかも」

「お姉様。慌てる乞食はもらいが少ないの、ってミサカはミサカはことわざを引用して
 お姉様を説得してみたりして」
「乞食で悪かったわね」

「そのスーツには身体から発するAIM拡散力場や赤外線や電磁波などを一時的に隠して
 くれるステルスモードも備わってあるの、ってミサカはミサカは追加説明してみる」
「ステルスモード?」
「ステルスモードならお姉様の身体から常にでている電磁波を遮断できるの
 ってミサカはミサカはそれが何を意味するか分かってるでしょって感じで尋ねてみる」
「そのこころは?」
「ヒヨコ触り放題!」
「それを早く言いなさい。
 さあ、みんな!すぐ出発するわよ!
 アンタも何ボケーッとしてんのよ!
 ヒヨコ達が私達の到着を首をながーーくして待ってるのよ!」

835■■■■:2009/08/09(日) 00:33:31 ID:fMBK2e3I
以上です

836■■■■:2009/08/09(日) 15:17:18 ID:5SebXboU
GJです!ますます面白くなってきました

837Forced・cohabitation:2009/08/10(月) 15:45:00 ID:9fqsuvXw
ちょっと遅くなってしまいましたが続きを投下します

838Forced・cohabitation:2009/08/10(月) 15:48:54 ID:9fqsuvXw





「ちょっ、ちょっと待てよ!学園都市にいないって…………」
「言った通りの意味です。禁書目録は今、学園都市にいねぇんです。危険だから置いとけねえって事ですよ」
「な……………………」

言葉を失った。
理由は嫌というほど分かっていた。

インデックスは魔術側の人間。イギリス清教、必要悪の教会のシスターで、完全記憶能力を生かし「禁書目録」10万3千冊の魔道書を脳内に保管している「魔道書図書館」だ。
この魔術と対する科学の街。学園都市に置いておくという事自体が危険だと判断されても不思議では無かった。

今まで上条とインデックスが共に暮らしてこれた事の方が奇跡なのだ………………だけど

「……………………………………………………………………………………でだよ……」
「は?」
「なんで今になってあいつを連れ戻そうって話になったんだよ!!?」

上条は叫ぶ。奇跡という幻想が消えていくのをただ黙って見ている訳にはいかない。

「……俺は魔術の世界や魔術は勿論、肝心のインデックスの事だって殆ど知らない無知野郎だけど………困った事や苦労した事だってあったし、危険な事に巻き込まれる事なんてもう数えんのもバカバカしい位だ…………だけど…………だけど俺達は今まで一緒に居たんだ!!インデックスに確認取らないでこんな事言うのもなんだけど…………最悪、俺の幻想かもしれねぇけど…………俺「達」の意思で一緒に居たんだよ!!!」

そうだ。現に今までインデックスは上条と一緒にいた。
それ自体が危険である事を知りつつも、この学園都市で、上条の部屋で、時を過ごしてきた。

それは、笑顔を絶やさない彼女が上条に見せてくれた信頼。
だったらそれを、自分が裏切るのは勿論、他の誰かにも断ち切らせるわけにはいかない!!

上条は知らず知らずのうちにテーブルの向こうの3人に思いっきり顔を近づけていた。

「だから……!!」
「ちょっ、お、落ち着いてくださいっ!!禁書目録を学園都市の外に連れ出すのは事件を解決するまでです!!」

……………………………………………………………………………………………え?

「え?……あ…………は?」
「……シスター・アンジェレネの言うとおり。私達は禁書目録を回収、もしくは連れ戻しにきた。とは1言も言っていませんよ?」
「まったく、早とちりもいいとこです。……………それと、ちょっと身を乗り出し過ぎでねぇですか?」
「………………………あ、すみません………」

……………………………………え〜……と、と言う事は……
ゼンブカミジョウサンノカンチガイ?

(うぎゃァアアア〜〜〜〜〜!!!!!ハズッ!恥ず!!いま俺すっげぇ恥ずかしいんですけど!!?)

上条は頭を抱え、床をゴロゴロと転がる。途中ベッドの角に足の小指をぶつけ、悶絶しながら転がるという荒業を披露した。

「ふ、不幸だ〜〜〜〜〜〜〜!!!」
「……今回はどう見てもあなたの失態の様な気が……………」
「やめて!心と体に瀕死の重傷を負った上条さんを追撃して止めを刺すような真似はしないで〜〜〜〜!!」
「はぁ……………………?…シスター・アニェーゼ。先程から俯いたままですがどうかしましたか?少しばかり顔が赤い様な気もしますが」
「い、いえ!何でもねぇです!!……んなことより、さっさと話を戻して、さっさとこのめんどくせぇ説明を終わらせちまいましょう」

アニェーゼはわざとらしく体制と口調を正すと、今度こそ、といった感じで口を開く。

839Forced・cohabitation:2009/08/10(月) 15:49:53 ID:9fqsuvXw


「先週……つっても何時かは分からねぇんですが、学園都市を標的としてとある魔術が発動。今までにない強力な術式で、これを新たなる原典と断定。イギリス聖教はこの魔術を「魔力暴走」(マナ・ドライブ)と名付けました」
「マナ…………ドライブ?」
「…………詳しく説明するとなると色々な専門用語から知って頂かなくてはなりませんが構いませんか?」

ルチアの申し出に、上条は首をぶんぶん振った。

上条は以前、インデックスに魔術関連の質問をした事がある。その結果、彼女の説明のつぼに入ってしまったのか、半分以上訳の分からない、理解出来ない話を、えいえんと2時間以上語られてしまった事があった。

そして上条の不幸センサーは語っている。
このルチアと言う修道女はあの時のインデックスと同じ匂いがする、と。実際、ルチアの表情はどこか不満そうに見えた。

上条と同じくルチアに説明させるのが嫌なのか、アンジェレネが慌てて口を開く。

「え、え〜〜っとですね。簡単に説明すると、魔術師が魔術を使うために生み出した魔力にその魔力を生み出した持ち主本人を自動攻撃させるっていうものなんです」
「………………え〜っと、つまり……あれか?例えばステイルの出した「魔女狩りの王」がステイルを攻撃しちまうって事か?」
「……まあ、遠からず…………近からず…………」
「実際にはその魔術になる前の段階である「魔力」が暴走すんですよ。今の話に合わせると「魔女狩りの王」になる前に内側から大爆発って感じですかね」
「ふうん…………でもさ、何でインデックスを外に連れ出したりしたんだ?その……「魔力暴走」を仕掛けた奴の目的がインデックスなのか?」
「分かりませんが最悪の場合、死ぬかもしんねぇからですよ」

死というワードに、上条は思わず身を固くする。
話を聞いただけでは、魔術を使わなければ危険はなさそうな魔術に思えたのだが、どうもいろいろ違うらしい。

「忘れてねぇですか?禁書目録の頭ん中には10万3千冊の魔道書があんですよ?どっかでうっかりこの魔道書の1つでも暴走すれば次から次へと連鎖を重ね…………管理してる禁書目録は勿論、周りの被害だって結構なものになる可能性があるんです」
「………………そ、そうか………………でもその「魔力暴走」ってのが発動してんならお前らだって魔術は使えないんじゃ…………」

と、いうかそんなものが発動しているなら魔術師全般が使い物にならなくなるはずなのだが、アニェーゼ達は何事もない様に平然としている。

「その心配はいりません。この魔術には決定的な欠陥があんですよ」
「欠陥?」

敵の弱点を語っているのに、アニェーゼ達の表情は浮かない。困っているようにも見える。

「この魔術の構造を簡単に説明すると、まず魔力Aを魔術発動の為の魔力及び保護対象に指定、それ以外の……保護対象に入れていない魔力B〜Zの構造を崩し、暴走させるというものです」
「つ、つまり、この魔術を発動させている人達と同じ魔力を使っている人なら、その影響を受けずに済むんです…………」
「これで分かったんじゃねぇですか?どうしてあたし達3人が来てるのか」
「…………その術式を発動してるのがローマ政教の奴だからか?」

彼女達は元・ローマ政教のシスター達だ。魔力は勿論、術式もローマ仕込みの物ばかりだろう。だから送り込まれてきた。

「そういう事です。あたし達の今回の目的はこの術式の破壊」

アニェーゼは言いながら目をそらし

「並びに相手の目的、狙いを探って…………」

ルチアは溜息をつき

「必要ならばそれを阻止する事」

アンジェレネは前にもましてワタワタと挙動不審に慌て始めた。

「へ、へえ〜………………;」

そして上条はこの時点から何か嫌な予感がしていた。



「「「…………なんですが…………」」」



ギクッッ!!!と、全身を嫌な感覚が走る。
様々な不幸を体験してきた上条には分かる。これは単に「事件を解決するのを手伝え」と言われるだけじゃ無い。寧ろそれに関しては上条自身も自分から手伝うつもりだった。

これはもっと別の不幸やハプニングの匂いだ。上条にとって理不尽かつ決定的な物が降りかかってくる前兆だ。

「そ、その………………つまりですね………………」
「……学園都市ってのと、敵の持ってるであろう原点とまだ分からない目的などの理由で訳なしじゃ色々行動が出来ないんですよ」
「ま…………そんな訳で………………」


続いたアニェーゼの言葉を聞き、上条は例の絶叫をあげたのだ。


「私達3人を1週間ほどここに泊めやがれってんです」



回想完了

840Forced・cohabitation:2009/08/10(月) 15:52:23 ID:9fqsuvXw
終わりです。
……色々あって遅くなってしまいましたが完結はさせるつもりですよ。

841■■■■:2009/08/10(月) 23:36:57 ID:70qy8JSU
すべての作者さんGJです!

842■■■■:2009/08/13(木) 01:01:09 ID:17t7jsmY
「ミサカ、巫女と美琴(みさかみことみこと)」の続きを2レス分投下します。
注)この話に出てくる姫神秋沙は本編と少し設定が違いますがご容赦下さい。
「When You Wish Upon a Star(星に願いを)」と「When will I see you again? (天使のささやき)」の設定を流用しており、
『吸血殺し(ディープブラッド)』の代わりに『癒之御使(エンゼルフェザー)』という能力を持っています。
また、姫神秋沙と御坂美琴が既に知り合っていたりします。
ただ上記の2作品を見ていなくても話がわかるように文章を工夫してみます。
とりあえず本編より饒舌で積極的な姫神秋沙だと思っていただけると幸いです。

843■■■■:2009/08/13(木) 01:01:44 ID:17t7jsmY
「ミサカ、巫女と美琴(12)」

「ちょっと!これ、どういうこと!?」

第13学区のとある小学校に到着するなり御坂美琴は絶叫していた。
このとある小学校は生徒数が4000人を超す超マンモス校である。
当然、運動場や体育館などの設備も巨大なものであった。

「だからって、なんでヒヨコ小屋が東○ドームほどデカイのよーっ!!」

雄叫びをあげる御坂美琴の肩を姫神秋沙が指でチョンチョンとつつき一枚の印刷物を差し出した。

「多分。これが理由」

そこには「第15回全校一斉ヒヨコ飼育コンテスト実施要領」と書かれてあった。
実施要領には生徒一人の持ちヒヨコは3羽までといったルールが書かれてある。
どうやら、少なくとも10000羽を越えるヒヨコ達がこの中で飼育されているようだ。

実施要領を読み終えた御坂美琴はそれを両手でクシャクシャに丸めると地面に叩きつけた。

「いったい、どこのどいつよ。こんな馬鹿げた企画を考えたヤツはーーーーっ!」

フーッフーッと肩で二度大きく息をするとようやく御坂美琴は落ち着きを取り戻した。

「しっかし、10000羽の中からあのヒヨコ爆弾ってヤツを見つけなきゃなんないの?
 こりゃ、ちょっと手こずるかもしんないわね」
「まあ、とりあえず中に入ってみないとな。御坂、できるか?」
「アンタ!誰に向かって言ってんのよ!」

電撃使い(エレクトロマスター)の御坂美琴の前には小学校の電子錠など無いに等しい。
あっさりと4人はヒヨコ小屋(ただし○京ドームサイズ)に突入する。
いくつかのドアを抜けると目の前に広い空間が現れた。
室内でありながらそこはまるで牧場のようであり、小山や人工の小川まで造られてあった。
大きな木も数本植えられていたが地面は基本的には芝生のような背の低い草で覆われていた。
その緑の絨毯の上を無数の黄色い物体が動き回っている。

「全く、こんな大それた施設まで造るなんて、なに資源の無駄遣いしているのかしら。
 たかがヒヨコのために……………………
 ヒヨコなんてこんなにちっちゃいのに……
 いくらキュートなお目々をしてるからってヒヨコのためだけにこんな施設を造るなんて
 …………………………………………
 もーーっ、なんて素敵なのかしら!!」

感動に震える御坂美琴のスーツは既にステルスモードに切り替わっており、
御坂美琴が動物に避けられる最大の原因である電磁波を遮断してくれている。
そのためここにいるヒヨコ達は御坂美琴や御坂妹から逃げようともしない。
それどころか御坂美琴の足下に寄ってきては靴の先をツンツンとつついたりする。
その姿を目の当たりした御坂美琴は悲鳴を上げた。

「キャー!なんてラブリーなの。あなた達!!
 まんまるでフカフカでピヨピヨでよちよちでーーーーっ!」

目をキラキラ輝かせる御坂美琴は一羽のヒヨコを両手で優しく包み込むと顔の高さまで
持ち上げてスリスリと頬ずりしだした。
しかもそのヒヨコを持ったまま「キャーーッ!そっちの子もこの子以上に超ラブリー!」
などとのたまっている。
ヒヨコ小屋に突入してから30秒も経っていないのに、ここに来た目的はすっかり忘れている様子だった。

「あれもヒヨコ、これもヒヨコ、ミサカの目に映る黄色い個体全てがヒヨコ……
 ミサカの理想郷はこんな所に在ったのですね、とミサカは感嘆の声を上げます」

さすがに遺伝子レベルでそっくりなだけあって御坂妹も御坂美琴とおなじ反応をしている。

「あーっ、お姉様!その子は私がホッペでスリスリしようと心に決めていたヒヨコです
 とミサカはミサカのヒヨコを今まさに横取りしようとするお姉様に警告を発します」
「何言ってんの。この子は私と目があったときに私に大好き光線を送ってきたのよ。
 だからこの子は私に頬ずりして欲しいに決まってるの!
 アンタは足下のその子で良いじゃない」
「確かにこの子のつぶらな瞳は超キュートなのですが頭に1枚ある逆立った羽毛がなぜか
 某上位個体を連想させます、とミサカはやっぱりそっちの子が良いなと未練たっぷりに
 お姉様にヒヨコの交換を持ちかけます」

上条は御坂美琴と御坂妹のはしゃぎっぷりをただ唖然と見ている。
そんな上条の袖を姫神秋沙が引っ張った。

844■■■■:2009/08/13(木) 01:02:12 ID:17t7jsmY
「ミサカ、巫女と美琴(13)」

「上条君。爆弾はどうしよう?」
「まあ、まだ時間は十分にあるから焦らなくても良いけどさ。
 ところで姫神はこれだけのヒヨコを見て何か思うことはないのか?」
「……ヒヨコ……それはキジ目、キジ科、ニワトリの雛。
 雌であれば採卵用レイヤーとなる。でも雄だと食肉用ブロイラーに。
 そしてこの子達もほとんどが雄。……哀れ……合掌」

「こらこら、姫神。ヒヨコ達に手を合わせるんじゃない」
「(しまった。いつもの癖で……)ゴメン。
 それでどうしよう?このままだとあの二人は使えない」
「まあ少しぐらいは好きにさせてやろう」

そういって上条は芝生に腰を降ろした。
上条がヒヨコ達と戯れる御坂姉妹を眺めていると右隣に姫神秋沙がちょこんと座った。
上条は気付かなかったが姫神秋沙は時々上条をチラっと見ては膝の上に置いた両手を
モジモジさせていた。

(御坂さんも妹さんもヒヨコに夢中。
 邪魔者のいない今こそ上条君との距離を縮める絶好のチャンス!
 そのためにもまず適度なスキンシップを増やさないと……
 さりげない仕草で上条君の右手に私の左手を重ねるの!
 でも、あからさまなのはダメ!上条君が引いちゃうから。
 そう。上条君に話しかけようとして身体をひねったらたまたま左手が重なっちゃうっていうのが理想)

頭の中で何度もシミュレーションを繰り返した末、ようやく姫神秋沙は決心した。

(スーッ、ハーッ。よし。行くわよ!秋沙。
 さん……
 にー……
 いち……)
「で、姫神は本当にヒヨコに興味ないのか?」
「ゼロッ…………
 って、何?どうしたの?上条君」

「そうか、興味ゼロなのか。
 女の子ならみんな可愛いものが好きなのかと思ったけど。
 まあ、御坂達のはしゃぎっぷりが異常なのかもな」
「そっ、そんなこと無い。私も大好き。
 淡白な白身はタンパク質が豊富だし、しかも安いからお買い得!」 
「いや食材として感想じゃなくてさ、……っていうかその方が姫神らしいのかな」
「えっ、あっ、そうじゃなくて(わーっ、バカバカ。私の馬鹿!)」

最悪のタイミングで上条に先手を取られた姫神秋沙は妙にテンパっていた。

(おっ、落ち着くのよ。秋沙
 さっきはちょっと失敗しちゃったけどチャンスはまだある。
 ちょっと早いけど次はお弁当作戦よ!)

「上条君。今日おにぎりを作ってきたの。ちょっと早いけど二人を待っている間に食べてみる?」
「でも、それ姫神の弁当なんだろ?」
「今日はたくさん作ってきたから。大丈夫!」

姫神が巫女装束の袂から取り出したのは竹皮を紐でくくったお弁当で中にはおにぎりと
タクアンが入っていた。

「すげーな、姫神。こりゃ美味そうだ」
「(よしっ!作戦成功!そしてここで飛び切りの笑顔でだめ押しするの。秋沙!)
 上条君。いっぱい食べて」
「じゃあ、お言葉に甘えて」

「あっ、ちょっと待って!上条君の手に土が付いてる。
 だから私が食べさせてあげる。はい!アーン」
「ちょっと待て、姫神。いくら何でもそんな恥ずかしい真似は……」
「良いから良いから。(御坂さん達がこっちに気付く前に)早く!アーン」

仕方なく上条は言われるままに口を開け差し出されたおにぎりをモグモグと食べてみた。

「どう?美味しい?」
「美味い!ただのおにぎりがこんなに美味いのはやっぱり姫神が料理上手だからかな?」
「うふっ、褒めてくれたのなら嬉しい。はい!残りも食べて」
「おっ、サンキューッ」

上条は次のおにぎりを姫神に口に運んで貰いそれを美味しそうに食べている。
一方、その横で姫神秋沙は自分の指先を見つめたまま固まってしまった。
先ほど上条がおにぎりを頬張ったとき姫神の人指し指に上条の唇が当たったのだ。
しかもその指には上条に食べさせたおにぎりのご飯粒がくっついていた。

(さっき上条君の唇が私の人指し指に当たったは確か。
 そして何故か指にはご飯粒がくっついている。
 ご飯粒が指にくっついたままじゃ困る。
 でも捨てる訳にもいかないから私が食べるしかない。
 そう。決して私は上条君と間接キスをしようとしている訳じゃない。
 仕方なくこのご飯粒を食べるだけ。
 例え人指し指を口にくわえるのがはしたないって言われてもご飯粒がついているからいけないの。
 例えそれが上条君との間接キスだとしても……
 そう……間接キス…………どっ、どうしよう?)

指先を見つめること17秒、決心した姫神秋沙が震える指先を口にくわえようとした瞬間

「「あーーーっ!」」

御坂姉妹の叫び声がヒヨコ小屋の中に響き渡った。

845■■■■:2009/08/13(木) 01:03:06 ID:17t7jsmY
以上です。

846■■■■:2009/08/13(木) 13:27:45 ID:376QJMyQ
gj
姫神ナイス
美琴は爆弾見つけたのかな?
当麻は御坂にバレずにラッキーか?
それとも恒例(?)のビリビリ?

847ユミシロ:2009/08/14(金) 16:18:32 ID:64No0KLA
> 美琴がいちゃレー読んでる4コマが電撃ブースだかにでかでかと
> ワロタ
らしいので久しぶりに一つ(小ネタになるかな?)
『美琴がいちゃれーを読みました』

「な、何よ、これ……」
 美琴は『いちゃれー』こと『いちゃいちゃレールガン』の頁をめくっていく。
 頁をめくる美琴の手は止まらない。
(あ、あいつの部屋で私とあいつが二人きり……。
 掃除洗濯完璧こなしてエプロン装備でご飯の用意も私がしてあげていちゃいちゃ。
 あいつの部屋でゲームしていちゃいちゃ。撫でられていちゃいちゃ。
 ……あ、あいつの、膝に乗って、寄りかかって―――お、押し、押し倒……!?)
 一頁一頁の、一コマ一コマのあらゆる情報を脳内に焼き付け、完全記憶していく。

 登場人物はたった二人。
 小さな舞台が一つ。
 本当に、ほんの少し、ちょっとだけの、短い物語(ショートストーリー)。
 もしかしたら、とか。
 こうなってたかもしれない、とか。
 こうあって欲しかった、とか。
 そんな思いが込められた、もしも(イフ)の話。

 誰にも届かない願いに涙を流していた少女(ヒロイン)。
 少女の願いを叶えた少年(ヒーロー)。
 底なしの暗闇の世界から帰還した二人の、もしもの話。

「さ、最後…何したの?―――私、何やっちゃったの……!?」
 顔から火が出そうなくらい真っ赤になった美琴は衝撃を受ける。
「2があるの!?2って何よ!私にあの後どうしろってのよ!?
 え……3、もあるの?」

続く……かも?

848■■■■:2009/08/14(金) 18:00:32 ID:zOGMMBUM
gj
是非書いてくれ!

849■■■■:2009/08/14(金) 20:57:24 ID:YRsn22cE
>>847
やっぱユミシロさんでしたか。

>226 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/14(金) 16:30:16 ID:xZPkAbYg
>>223
> スイートストロベリーとか手持ちのやつを美琴が読んだら、みたいなのを
> 書きたくなってきたけどまずは愛しかたからいくべきか……?
> 会場限定のあれも入手しにいくべきか……

む、無理はしないでね…
むしろこれらは上条さんつか3バカで読んでたら…を見てみたかったり

850■■■■:2009/08/14(金) 21:04:42 ID:OJiBhFr2
いちゃレー3wktkすぎるわ

『超電磁砲のあいしかた』を読む美琴を作品化しようかしら

851■■■■:2009/08/14(金) 22:01:43 ID:AhJD7Cuc
えーと、とある少女の一つの願い、です。投下させていただきます

あとちょっとで終わってくれそう、ですね。

852とある少女の一つの願い:2009/08/14(金) 22:02:00 ID:AhJD7Cuc

 天花が目を覚ましたのは、白い部屋での事だった。
 誰もいない、真っ白な部屋。そこが病室だと知る。
 お気に入りの硝子の置時計が丑三つ時を指している。どうやらしばらく気絶していたようだ。
 そう、気絶――。
(え? ……私、まさか、みんなの、まえ、で……?)
 それだけは避けなきゃいけない筈だった。ばれないように気を使った。ばれる前に色々あって転校したという事にして上条の前から姿を消す。
 それまで後悔しないようにしてきた。
 臆病な自分みたいな女の子達がせめて告白くらい出来るように背中を押したらいいじったりして遊んで。
 でも、本当は、上条当麻は誰にも渡したくなかった。天花は、上条の事が誰にも負けないくらい好きだった。
 一緒に居る為に嘘ばっかついて。でも、その嘘がばれないよう、気をつけた。
 最後に最大の迷惑をかけてしまわないよう、消える。なんにも気付かれないように、分からないように。
 布団を握りしめる。すぐにくしゃくしゃになった白い布団。
 天花は顔を上げた。
 足音が聞こえてくる。誰のだか分かった。
 慌てて窓を開ける。此処は七階、でも天花の力を使えば怪我はしない。
 空を走りはじめた。見つからないよう、最後は一人で――。

853とある少女の一つの願い:2009/08/14(金) 22:02:27 ID:AhJD7Cuc

「先生、天花は?」
 あれから、しばらくたってカエル医者が上条達の元へ歩いてきた。
 インデックスは疲れて眠っている。美琴は、もうすでに帰った。
「うん? 白船天花さんの事だね?」
「……へ?」
 カエル医者の言葉に、上条は首を傾げた。
 彼女の名字は上条だ。そう言っていた。上条の義理の妹の、天花だと。それを信じて、両親に確認しなかったし、そんな事をしたら墓穴を掘ることになるだろうと思った。
 だけど。まさか……。
「君が連れて来た女の子だね? あの子は――」
「まってくれ、そこから先はおれが話す」
 かつん……、と病院内に静かに足音が響く。
 其処に立っていたのは、土御門元春――、上条当麻のクラスメイト、そして必要悪の教会のスパイ。いや、学園都市のスパイだったか。
「土御門、なんで、お前が?」
「カミやん。あいつからおれには全ての事情が話されている。結構きついことあるかも知れないけど聞くか?」
 いつもと違って、真剣な口調の土御門。
「あいつがカミやんに話さなかったのは知られたくなかったから。それでも聞くか?」
 答えなんて一つしかない。
「当然だ」
 きっぱりと答えた上条に、土御門は小さく笑った。
 頷いて、少し場の雰囲気をほぐすようにいつもの口調になってみせる。
「ま、そういうとおもったにゃー。じゃ、ちょっとちがうとこにいくか」

854とある少女の一つの願い:2009/08/14(金) 22:02:47 ID:AhJD7Cuc

「――あいつは、呪いをかけられていたらしい。とある魔術結社に、幼い頃……一ヵ月くらいだったか。色々と実験されたそうだ。両親と海に来ていて……自分達が助かる為に天花を差し出したのだとか。結局殺されたらしいけど」
 土御門はよどみなく話す。
 上条の頬が引きつった。とんでもない話だ。
「そこを必要悪の教会がぶっつぶして、ある程度の事情説明されてから学園都市帰ったんだと。まさかその時天花が魔道書持ってて魔術を使えるようになったなんて知らなかったしな。でも、もう手遅れだった。あいつの体は呪いに侵されてた」
「どんな?」
 もしかしたら、幻想殺しで直せるかもしれない。
 だが、土御門はちらり、と上条の右手を見ると首を振った。
「ああ、カミやんの右手じゃ直せない。あいつの体を蝕んでんのは毒だ。毒を一定期間体に貯めて、一気に体に回らせる此処の作業を魔術で行っただけだ。もう、回ってんだよ」
「なら、どうして天花はまだ」
「此処の医者が、その毒の進行をかなり遅くした。だけど、解毒薬は作れない。あれはそういう毒だ。でも、2、30年ぐらい先に希望はあった。でも、天花はその可能性を捨てたのさ」
 助かる見込みはもうない。その小さな呟きを、上条は聞きとる。
 何故、とからからで、上手く舌の回らない口で問いかけた。
「……天花、魔術使ってみせなかったか?」
「ああ、見た。あいつ、能力者なのに、なんで――」
「あいつは薬を飲んだ。『光速再生』、だったか。体がおかしくなっても、すごい勢いで修復される薬。でも、分かるだろカミやん。どんな薬だって副作用がある」
 魔術を使っても平然としていた天花。苦しそうに顔を歪めて倒れた。
 時々、転んでも傷一つ負っていなかったのを見た事がある。
 あれが、薬によるものだとしたら。
「あれは細胞を急速に弱らせる。もってせいぜい一週間」
「じゃ、じゃぁ、なんで天花はそんな薬……!?」
 もはや悲鳴のような声をあげる上条。
 冷静に見つめ返される。土御門は何時これを聞いたのだろうか。
「――二十年くらい、多分生きられたらしい。でも、保証が無い。明日には死んでいるかもしれない。何より、外へ一生でれないかもしれない。毒の所為で、すぐ熱が出るんだと。だからあいつは飲んだ。カミやん……お前に会うために」
「……は?」
「あいつの名字は白船、上条じゃない……っていうかなんで気付かなかった?」
「いや、しらない間に義妹いたのかと」
 冷や汗がたらりと流れた。多分、何故かは知らないが天花は上条の秘密を知っている。
「……まぁいい。ずっと前、お前がたまたま此処にきて、天花に会ったんだと。その時以来、お前は天花にとっての外の象徴だったんじゃないか? 友達なんかずっと入院してりゃいなくなっちまうからな」
 おれの話はこれで終わりだと土御門が立ち上がった。
 上条は、しばらく座っていた。土御門が去って、しばらくしてからもずっと。
 そして、全てを聞くために天花の病室へと向かう。

855とある少女の一つの願い:2009/08/14(金) 22:03:10 ID:AhJD7Cuc

「天花っ……、あれ?」
 目に入ったのは空っぽのしわが寄ったベット。触れるとまだ温かいベットは、誰かがさっきまで寝ていたことを示す。
 ガラスの置時計が、もう十二時を回っていることを示していた。指紋が付いているのは、天花が触ったからだろうか。
 縫いぐるみなどの私物が置かれていて、それは長い間天花が此処に居ることを示しているように思われた。
 風が強い。薄緑のカーテンが大きく翻る。
 窓を閉めようと近づいていって、嫌な予感がした。
(窓……、いない、まさか、『空中散歩』(スカイフライ)、か!?)
 病室を飛び出した。
 階段を駆け下り、外へと向かう。途中カエル医者にぶつかった。
「先生! 天花がいない!」
「え? ……あの子は、動けるような状態じゃ、ない筈なんだけどね?」
 それを聞くなり、もう一度駆け始めた。
 引き留める声もするが、止まる気なんてさらさらない。
 天花は、消えた。
 だけど、もう一度会わなければならない。訊かなければならない事がたくさん、たくさんあるのだから。

856■■■■:2009/08/14(金) 22:03:40 ID:AhJD7Cuc
終わりです。失礼いたしました。

857■■■■:2009/08/15(土) 00:00:14 ID:zyR1t3kQ
gj
っていうか先が気になってまともに寝れないじゃん!
そろそろクライマックス!
告白とか作りますかね?

858Forced・cohabitation:2009/08/15(土) 04:19:52 ID:L1Ic5ZF.
続きで〜す

859Forced・cohabitation:2009/08/15(土) 04:31:38 ID:L1Ic5ZF.


「ちょっと待てって!なんでそうなるんだよ!!」

上条は再びテーブルに身を乗り出し、アニェーゼ達の方へと近づく。

これが当然の対応なはずだ。例え青髪に「コンのおバカぁぁあああああああ!!!」とツッコマれようが上条は3人を止める事に反対だった。

「…………学園都市にはホテルや宿泊施設が異常に少ねぇですし、その殆ど全てがBIP用の物……………その上、魔術側から来てる我々では泊まれないどころか学園都市の警備にも敵にも警戒される事は確実…………」
「じゃ、じゃあ女子寮って手が有るでしょうが!と、上条さんはツッコミを入れてみるのですがいかかでしょう?」

学園都市の女子寮も、安い所なら上条のアパートとほぼ変わらない値段で部屋を貸してくれる所なんて沢山ある。それに学園都市には勿論、外国からの留学生だっている。不審には思われない筈だ。

「それも契約書や個人情報の偽造が面倒臭いですし、それに何かしらのトラブルが起きてしまった時、学園都市内(つまりは科学全般)に不慣れな我々3人では対処しきれない可能性もあります」
「で、ですから一応我々とのコンタクトが取れて、学園都市に慣れていて、私達3人と面識のある人に1托した方が良いって…………あ、あの!これは私の意見ではありませんよ!!?」
「ふざけんな!要は俺に丸投げって事じゃねえか!!上条さんはあなた方の執事になった覚えはございませんよお嬢様!!」

半分噛みそうになりながら、上条は一気に捲し立てる。
が、半分以上手遅れになっていることを認識しつつも諦められない。

「!そ、そうだ!土御門っていう手が合ったじゃねえか!!あいつなら色々対処法とか知ってそうだし!!」

上条は自分の隣の部屋に住んでいる悪友、土御門元春の携帯へと電話を掛ける。
んでもって開口一番に「つーかお前この事知ってただろ今すぐ反省文を300字詰め原稿用紙5枚分書いて俺の元に持ってこいこの野郎!!」と言ってやるつもりだった。

『はいは〜い〜。こちら土御門元春の携帯だぞ〜上条当麻〜』

上条の予想に反し、携帯から聞こえてきたのは上条の知っているとある少女の声だった。

土御門舞夏、土御門元春の義理の妹でメイド学校に通っているのだが、兄である土御門元春ととても仲が良く、良くこの寮に遊びに来る。ちなみに料理がとてもうまく、自炊派である筈の上条のはるか上を行っていたりする。

「舞夏か?今すぐ、速攻で、高速で、土御門に代わってほしい。いないならあいつが今どこにいるか教えてくれ」
『ちょっと待ってな〜…………兄きに「かみヤンがもうすぐ電話を掛けてくるだろうからこのメモ読んであげてくれニャ〜」って伝言頼まれてるんだぞ〜』

伝言という言葉に鋭く何か意味を感じる上条。
伝言と言う言葉は「誰かに言を伝えてくれ」と書く。

…………そんな事をわざわざするという事は…………

『え〜と「約1週間ほど留守にする、あとは頼んだぜいかみヤン♪Ps俺のいない間、隣の部屋は臨時住人がいるから期待しても無駄だぜぃ」だって』

……無言で電話を切った。
この地球のどこかでニヤッ笑っているであろう土御門をタコ殴りにする事を心に誓い、くるりと後ろを振り向くと

「ふぅ…………それにしてもつまんねぇ部屋ですねぇ…………なんつーかいじりがいがないと言うか、微妙と言うか」

アニェーゼが床に寝そべりながら部屋の文句を言い……………………

「シスター・アニェーゼ、寝るのでしたらベットを使いなさい。はしたない上に通行の邪魔ですよ」

ルチアはどこから出したのか分厚く難しそうな本を読みながらちゃっかりテーブルを占領していて……………………

「あ、あの〜……お夕食にデザートは付きますか?」

アンジェレネは上条の服の裾を引っ張りながらこんな質問をしてきた………………

上条はもう叫ぶ気力もないのか、溜息と共に、蚊のなく様な声で1言呟いた

「…………不幸だ……」

860Forced・cohabitation:2009/08/15(土) 04:38:29 ID:L1Ic5ZF.
終わりです。
これでやっと上条さんのの不幸な1週間がスタートする訳ですね。


……さて。

次回更新の際にちょっとした相談があります。(断じて休止とか言うのじゃありません)

861ユミシロ:2009/08/15(土) 04:55:15 ID:bfW4tMGE
美琴は上条さんの……って何時頃から言われてるんでしょうね?
今年の二月に原作を入手して読んで半年以上が過ぎ……
でも実は去年の大王の冊子で上条×美琴の出会いの話を読んでいて
何年か前から原作知らずに超電磁砲は読んでいたんですが……。



『美琴は上条さんの……』

862『美琴は上条さんの……』:2009/08/15(土) 04:56:57 ID:bfW4tMGE


「何で私が、あ、あいつの、よ、嫁なのよ……!」
 そろそろ発火能力に開花するのではないかと思えるほど、美琴の顔は赤みを増していく。
 体が熱くて、鼓動が高鳴る。何かが止まらない。
「大体、お嫁さんってのは―――」
(お嫁さんっていうのは、えっと……毎朝ご飯用意して)


 ……寝息が聞こえる。
 寝室に入った彼女は窓際へ静かに歩いて、カーテンを開ける。
 明るく、暖かい朝の日差しが差し込む。
 雀のさえずりが聞こえる。

 
 彼女は少女ではない。成人した、一人の大人の女性だ。
 同じように、かつて少年だった男性がベッドで眠っている。
 成人して、大人になって、社会人となって、彼女と結婚して……夫となった。
 彼女は夫の肩を揺さぶる。
『そろそろ起きなさい。朝よ』
 布団の中から気だるそうに手が伸びて、目覚まし時計を掴んだ。
『もう……こんな時間か』
『ご飯出来てるわよ。さっさと起きる!』
『いやー、中々寝させてくれなかったから眠くて……』
『私だって眠いわよ!寝かせてくれなかったのはあんたでしょ!?』


(男の人を起こして、一緒にご飯食べたり、お仕事に行くときに……)


 彼女がネクタイを整えると、スーツに着替えた彼は腕時計で時間を確認する。
 鞄が手渡された。
『じゃ、俺はそろそろ行くぞ』
『いってらっしゃい。……ねえ、その。ちょっと、いい?』
 彼女は上目遣いで彼の表情を窺う。
 彼は頬が赤みを帯びているのに気づいて、
『―――って朝から!?』
『いいでしょ?減らないんだからいくらでもしてやる、って言ったのはあんたよ。
 だから、ちょっとだけ……ダメ?』
『……ダメじゃないです』


(……って見送ろうとして)


『お弁当は持ったわね?』
『……実は結構恥ずかしいんだよな、愛妻弁当』
『私のお弁当、食べたくないの?』
『食べたいです』
『宜しい』
『お昼が楽しみです……。あと、いつもありがとな』
『ちょ……!?不意打ちなんてずるいわよ―――も、もう一回して』


(……っていうのとか、するのよね?
 あ、あいつと…私が…き―――接ぷ…口……)
 上手く思考ができない。
 頭の何かが沸騰して、茹で上がった彼女の思考はそれ以上続かなかった。


「お姉様!?い、一体何が……?」
「ええと、ちょっとネット上のお話してたら……」
「何でこうなるまで放っておいたんですの!?」
「お嫁…お嫁さん……私が、お嫁さん―――」
「違いますの!お姉様のお嫁さんは私だけですの!!」
「白井さん…それ、かなり無理がありますよ」
「私は……お嫁さんになれない……」
「そうです!殿方の記憶は消去(デリート)して……」
「御坂さん、うなされてるみたいですよ?」
「…黒子は……お嫁さん、じゃない」
「ぐァはあッ!?」

863ユミシロ:2009/08/15(土) 04:57:36 ID:bfW4tMGE
キャラスレ・超電磁砲スレとかでたまに投下してる小ネタで、こちらに
投下してない(弁当交換・超電磁砲で上条さんと再会前、他)のがありますけど
SSに混ぜて使うつもりなので、投下してなくてごめんなさい。

864■■■■:2009/08/15(土) 18:00:54 ID:zyR1t3kQ
書いてくれるだけで幸せです!
みんなgj!
美琴の深読みはスゲーな!翌日に当麻に告るがよろしい。
黒子は御坂を諦め当麻を好きになりやがれ

865ルッシー:2009/08/16(日) 00:33:19 ID:WqC6zP/o
『とある暗部の未元物質』今回の3話分を投下します。

866『とある暗部の未元物質』:2009/08/16(日) 00:34:01 ID:WqC6zP/o
10

「ここね」
結標淡希は『管理部長室』を出ると最上階にある大会議室にいた。
この研究所は十七階建ての建物で『管理部長室』は十二階にあった。普通に行けばセキュリティや機械兵器の相手をしなければならなかったのだが、結標の『座標移動』で一秒とかからず辿り着いていた。
「やはり『座標移動』は便利ですね。私一人だったらここまでスムーズにはいきませんよ」
海原光貴は壁に沿って歩いていた。それは結標から壁に何か仕掛けがあるはずよ、と言われたからなのだが…。
「あなたの思ってる程便利ではないのよ?いくら私がトラウマを克服したとはいっても十一次元上の演算は複雑なのに違いないし、私の能力の特性上、演算負荷そのものが大きいんだから」
結標は机に悠々と腰掛けている。私がここまで運んだのだから後はよろしくね?と言わんばかりの態度だ。
「(…よくよく考えると僕は手伝っている立場だったと思ったのですがね)」
海原はどこか釈然としないものを感じていたのだが、それを口に出したりはしなかった。どこぞの黒髪ツンツン頭の少年と違いレディの扱いの基本を理解している海原はここは文句を言わずに黙々と仕事をこなす所、と割り切っていた。
すると海原は壁に這わせていた指先から一ミリ程の小さな突起物のような異常を感じ取った。
この部屋は一面白一色の壁に囲まれている。その表面は本来なら突起物はもちろん、コンクリート壁にありがちな凹凸すら確認できない。
それどころか、電子顕微鏡で観察してもわずかな凹凸も確認する事はできないだろう。それほどの精度で構築されている壁だからこそ、海原はこの微々たる突起物にすぐに違和感を感じ取った。
「どうやらヒットしたみたいですよ」
海原が報告すると結標は机から立ち上がり海原が違和感を感じた壁まで歩いてきた。
「情報通りだけど、見た所何の変哲もない壁ね。まさかそこを押したら隠し部屋がある…なんていうありがちな展開じゃないでしょうね?」
「まさか。ここは紛れもなくただの壁ですよ。ほら、その証拠に――」
海原は壁をコツコツと叩いた。その音はこの奥が空洞ではないと証明するような音だった。
「だったらその突起物は何なの?」
「さぁ。いずれにしてもここに『残骸』があるとは思えませんけどね」

「それは当然ですよ」

「!!」
「っ!!」
結標と海原は背後から突然かかった声に全神経を向ける。
そこにいたのは白いニットのワンピースを着た少女、髪は茶色で全体的に少し内側にカールしている。右手には五センチ四方の白い箱のような物を持っている。
「それにしても超派手にドンパチやってくれましたね。まぁお陰様で私の『回収』の手間が色々省けたので超感謝してますけど」
「そう?感謝する必要なんてないわよ。むしろ感謝すべきは私達の方。だって貴女が例のモノをわざわざ渡しに現れてくれたんですもの」
結標は含みのある笑みを浮かべるが、絹旗の方も不敵な笑みを浮かべている。
「別に渡しに来たわけではないですよ。そこにある『キー』がないと開かないのでここに来ただけです」
『キー』とはあの突起物の事を言っているのだろう、と海原は瞬時に結論づける。
一方、結標はその言葉を聞いてわずかに眉をひそめる。
「あら、それは残念。じゃあ力ずくにでも奪わないといけないという事かしら?」
「それは超愚問ですね。あなたの『座標移動』ならそんな回りくどい事しなくても強奪できると思いますけど?『グループ』の結標淡希さん」
「貴女…!知ってたのね」
「そりゃあ知ってるに決まってますよ。『レベル5』に限りなく近く、その上裏社会に入り込んだとなればね。こっちの世界では超有名だと思いますけど」
「それは光栄ね。で、その箱を渡してくれるの?くれないの?私としてはできれば穏便に済ませたいのだけれど…」
「安心してください。ここであなた達とやりあうつもりはありません。もっとも、やりあったところで私が勝つ事なんて超有り得ないですけど」
勝てない、と自分でわかっていてもなお絹旗の表情には余裕のようなものが感じられる。
すると絹旗は右手で持っていた白い箱をおもむろに顔の近くまで上げると、

「ちょっと私と手を組みません?」
絹旗はあっけらかんと、そんな提案をしてきた。

867『とある暗部の未元物質』:2009/08/16(日) 00:35:43 ID:WqC6zP/o
11

第七学区に二つの影がある。
一つは学園都市第二位の能力者『未元物質』垣根帝督。
一つはその垣根の命を狙う少年・特久池栄光。
二つの影が交差してから何秒経っただろうか。
やがて一つの影がぐらり、と揺れる。

「テ…メエ…!何をしやがった?」

揺れたのは学園都市第二位の方だった。垣根の左脇腹には鈍い光を放つ矢が刺さっている。
垣根が矢を引き抜くと、傷口からの出血が一気に増えた。シャツに赤の侵食が広がっていく。
その様を忌々しく見ると垣根は矢を投げ捨て特久池に向き直る。
特久池も同じく垣根と正対する。垣根に確かなダメージを与えた精神的影響だろうか。さっきと比べると地に足がついている印象を受ける。
「何をした…ですか。やり返した、としか言えないですけどね?」
特久池は笑いながら返したが、垣根にとっては挑発のようにも捉えられた。
垣根は沸騰しかけた頭で冷静に思考を巡らせる。
「(何らかの方法で俺のAIM拡散力場に干渉して暴発させたのか?いや、俺はあの時能力を完全に切ってたはずだ。あそこまでの暴発が起こるはずがねえ。だったら――)」

「『能力同調(スキルチューニング)』」

垣根の思考を裂くように特久池が一言だけ告げた。
「あなたのような能力者のAIM拡散力場に干渉、解析、同調する事によって他人の能力を一時的に複製できる能力ですよ」
得意気に彼は続ける。
「あなたは私の事を『空間移動能力者』と言いましたけど、それは間違いです。あれも天然の『空間移動能力者』のAIM拡散力場から拝借したものですよ」
そもそも、と付け加えて、
「ただの『空間移動能力者』が、あなた程の大物に喧嘩を売ると思いますか?」
言いながら、ドバッ!と、無数の光の矢を生み出し垣根に向かって射出した。
「チッ!」
垣根は右に飛びこれを避けるが、飛んだ瞬間にズキッ!という鋭い痛みを感じた。
追撃はすぐにやってきた。
痛みでほんの一瞬動きが鈍った垣根との間合いを一気に詰めると、続けざまに光弾を地面に叩き付けた。
アスファルトは光弾で粉々に砕かれ、凄まじいスピードで破片が飛び散っていく。その一部は当然の如く垣根に襲い掛かる。
垣根は瞬時に未元物質の膜でこれをガード。特久池の放った光の矢もろとも叩き落していく。

868『とある暗部の未元物質』:2009/08/16(日) 00:36:18 ID:WqC6zP/o
「(これは…)」
「考え事をしている場合ですか?」
特久地は防戦一方になっていた垣根との間合いをダッシュでゼロにしていた。
懐に入った直後、特久池の右手が強烈な光を放つ。光を携えた右拳を垣根の左脇腹に捻じ込む。が、これも左肘でガードする。
バシィィ!!という皮膚で皮膚をぶつような音が炸裂する。
「(やはり…な)」 
特久池はガードされてもおかまいなしに、右のダブルを打ち込もうとしたが、
ガシィ!と垣根にその拳を受け止められてしまった。
「見えたぜ。テメエの能力がよ」
垣根は歪な笑みを浮かべる。特久池はギクリ、と表情を強張らせる。
「複製とは良く言ったもんだ。確かに俺の『未元物質』をよく再現できている。だがそれだけだ」
拳を受け止めた左手に力を込める。ギリギリという音と共に特久池の表情が僅かに歪む。
「上っ面は確かに『未元物質』ではあるが、中身はとんだパチもんだ。赤点なんてレベルじゃねぇ。そもそもこれが『本物』だとすればこんな簡単にガードできるはずがねえ。そんなにヤワな能力じゃねぇからな」
空いた右拳で特久池の鳩尾をしゃくり上げる。
「ごはぁっ!!?」
鳩尾を打たれた衝撃を利用して何とか垣根と距離を取るが、それも大した意味を成さないのは承知の上だった。それでも特久地は後ろに下がらざるを得なかった。
「AIM拡散力場からは複製できたようだが、『自分だけの現実』は複製できなかったようだな。そりゃそうだよな。そんな簡単に複製されちゃ俺の立場がないわ」
垣根は追わない。既に底が見えた獲物は慌てて狩る必要はない。ゆっくり嬲り殺そうが、一撃で粉々に砕こうが、全て自分の自由だと言わんばかりの余裕だった。
「それにテメエは同時に複数の能力を使用する事はできないようだな。まぁそんな超高精度な演算なんざできるわけがねえし、仮にできたらテメエは世界初の『多重能力者』だ」
言いながら垣根はレーザー光線のような光の線を放つ。その光の線は二つに分裂すると特久池の両肩を貫き、そのまま壁に縫い付けるような形になった。
「がっ――!!」
特久池は苦痛に顔を歪める。
確かに特久池は垣根の能力を複製してからは一度も『空間移動』を使っていない。いや、使えないのだ。もう一度使おうとするのなら別の『空間移動能力者』のAIM拡散力場から複製し直さなければならない。
もちろん特久池はそんな事は不可能だという事を理解していた。だからこそ特久池は短期決戦でしか勝ち目がない事を覚悟の上で特攻を仕掛けた。
だが、ここまで短時間で能力の真意と弱点を看破されるとは思っていなかった。薄れゆく意識の中で絶対的な壁を感じ自分の無力さを痛感する。
「最後に二、三聞いておきたい事がある」
垣根はそんな特久池を見下ろす。その目はゴミを見るような、何の感情も無いような目だった。
「…」
「テメエのその特異すぎる能力から察するに『原石』なんだろうが、なんで『原石』であるテメエが学園都市にいる?」
「さぁ…何ででしょうね?」
「……。バックについているのは誰だ?なぜわざわざ一人で俺と戦う事を選んだ?」
「そんな事を…あなたに教える義理は……ありませんね…」
「そうか、わかった。じゃあ最後の質問だ。苦しんで死ぬか、一瞬で死ぬか、好きな方を選べ」
「私を…殺しますか………。別に構いませんが……、後で必ず後悔しますよ…」
「ほざけ」

その言葉を最後に決着はついた。

869『とある暗部の未元物質』:2009/08/16(日) 00:36:43 ID:WqC6zP/o
行間 二

自分が強いという自信がある。
自分が特別だという自負がある。
自分が護るべき立場にある者だという自覚がある。

それは自分が幼い頃から夢見ていたヒーローの姿であり、『それ』が自分に中にあったと気付いた時は言葉では言い表せない程の喜びを感じた。

しかし『それ』は世界の法則を完全に崩壊させる程の『破壊の力』でしかなかった。
その日から少年はヒーローではなくなった。
その日から少年は世界の敵となった。
しかし敵などいなかった。
自分が何かを思う前に、敵は既に消えていた。
少年は『それ』が何なのかわからなくなっていた。
人を護りたいと思っていた自分が、なぜ人を傷つけているのか。
少年は絶望した。
何故こんなものが自分の中に宿っているのか。
誰か自分を殺してくれ。
しかし、そんな願いは誰も聞き入れてはくれなかった。
誰も自分を殺せない。
自分は誰でも殺せる。
そんなあまりにも理不尽な地獄にも似た世界を少年はたった一人で生きてきた。


「――――っ!」
小高い丘の上に立つ一本の木の下。その地方にしては珍しく雪のない草原に一人の男がいた。

「夢……か。いつの間に眠っていたのか…」
体を起こし、覚醒を促す為に右手を頭に添えながら頭を軽く振る。
(随分と懐かしい夢だったな……もう忘れたと思ったが――)

「珍しいものが見れたのである」

後ろからいきなり声がかかった。
しかし、男は振り返らずに応えた。
「後方…いや、今はウィリアムと呼ぶべきか?」
ザッ、という重く草を踏み締める音と共に屈強な男は、木の下に佇む男のもとに近づいた。
「こんな所で何をしている?」
「その言葉、そのままそっくりお前に返すよ。『右方』はもう退けたんだろ?もうロシアには用はないはずだが?」
「退けはしたが、首を取ったわけではない。奴は必ず次の一手を打ってくるはずである。それは――」
「俺。というわけだ」
ウィリアムの言葉を待たずに男は答える。
「奴は禁書目録を狙っていた。しかしそれは失敗した。ならば禁書目録に限りなく近い知識量、それも実用可能としている貴様のもとに現れると考えるのは当然の推測」
「それでわざわざ護衛に来てくれた…という事か」
男は言い終わると自嘲気味に笑う。
「有難い話だが余計なお世話だよ。『右方』が完全でない以上、俺の敵ではないさ。それに俺が『右方』の首を取ってはお前が納得しないだろう?」
「……。誰が首を取るかなど問題ではない。結果として奴を止める事ができればそれでいい」
「それがお前の本心かどうかは別としても、『右方』を正面から止められる奴なんて俺以外じゃお前くらいしかいないだろう?見たところ力も戻ってるみたいだしな」
男は立ち上がって伸びをすると天を仰ぎながら告げる。
「それに、今の俺にとって『右方』などどうでもいい。俺にはもっと大事な、やらなければならない事がある」
「……学園都市か」
ウィリアムは少し眉間に力を入れる。
「余計なお世話のついでに、一つ忠告しておくのである。学園都市を甘く見ない方がいい。何しろあそこは奴の居城だからな。それ以外にも――」
「その忠告、有難く受け取っておくよ」
男はウィリアムの言葉を遮り、そう告げると闇の中へと消えていった。

870『とある暗部の未元物質』:2009/08/16(日) 00:39:09 ID:WqC6zP/o
以上、今回の3話分でした。
11は分割しています。
ようやく2章終了です。当然ながら次回からは3章突入という事になります。

それにしても…夏休みでペースを上げると言っておきながら前回の更新から10日も経ってるという…。

871■■■■:2009/08/17(月) 15:18:06 ID:09081U5E
此処って他作品とのパロOKだったっけ?
OKなら………………余裕と相談しながら考えてみます。

872toto:2009/08/17(月) 22:39:53 ID:fuyhc47Y
『並行世界(リアルワールド)』
続きを投稿します。

873『並行世界(リアルワールド)』:2009/08/17(月) 22:46:56 ID:fuyhc47Y
太陽の光を浴びた羽が舞い降りる。
天草式十字凄教のメンバーは奇怪な現象に目を疑った。
「なんだ?…これ」
周囲が光に包まれ、五和や神裂火織の様子は分からない。ただ、無数の羽のような白い物体が空から降り注いでいることが分かった。傷ついた仲間に手を貸している者が多くいる中、一人がその羽のような物体を掴もうとして、
「熱っ?!これ、ただの羽じゃないぞ?!」
ジュウッ、と音を立てて掌に火傷を負った。
他の天草式のメンバーも被害を受けて、急ぎ早に物陰に避難した。
羽のような物体は、人間や植物には被害を及ぼすが、アスファルトや鉄で出来た信号や歩道橋には全く変化が見られなかった。逆に、雪が解けるように霧散していく。その神秘的な光景に目を奪われつつ、天草式十字凄教のメンバーは『魔神』の方角に目をやった。彼は言葉を失った。
天使。
左胸のあたりを赤く血で濡らしたワイシャツを着て、両手を黒ズボンのポケットに入れている一人の『魔神』と、同じ高さに浮上している『天使』がいた。
白のローブを身に纏い、金色のラインが入った純白の甲冑を着ていた。銀色の金属ブーツが光沢を発していた。無機質な紫色の瞳を宿し、紫色の髪を靡かせている。
背中には大きい白の翼が生えていた。
天草式十字凄教のメンバーは息を飲んだ。
「………五、和?」
ガチャン!と白い繭は地面に落ちて、割れた。
空に浮かび、繭から生まれた『天使』は五和の容姿をした少女だった。
二重瞼が特徴的な瞳に、肩にかかる長さのショートヘアーをした容姿は、五和そのものだ。だが、彼女の表情に、感情は宿っていない。
『天使』は右腕を水平に突きだした。
彼女の周囲に散乱していた羽が急速に集まり、純白の槍を形成する。
少女の全身の二倍ほどある翼が動き出し、槍を天草式の人々に入る方角に向けた。
空気が戦慄する。
一帯を覆い尽くしている羽が、一斉に天草式のメンバーに襲いかかった。
「―――――――ッ!!?」
吹雪のように降り注ぐ白の無数の羽。
咄嗟に武器で身を防ごうとするが、間に合わない。
生物の肉体のみを焼き尽くす羽は容赦なく、彼らに向かっていった。
それは彼女も例外では無い。
交差点の中心で倒れていた神裂火織は、穴が開いた腹部を抑え、仰向けにその光景を見ていた。彼女は朝日に照らされる『天使』と『魔神』を見つめ、茫然としたまま死を悟った。
その時だった。


「ゼロにするっ!」


天使の羽は、一人の男によって、全て受け止められた。
一閃の風が彼の背後にいた天草式十字凄教に吹きつける。猛烈な突風に、体ごと吹き飛ばされたメンバーもいた。
悠然と立ちはだかった男も、両足がアスファルトに食い込み、数十センチ引き下がった。だが、倒れない。
男は右手に持つ剣を一振り払った。
レイピアのように細い長剣はブクブクと膨れ上がり、起伏が激しい赤黒い剣へと変貌する。
魔剣フルンティング。
彼は両手で剣を握ると、重く竣功な斬撃を繰り出した。
ガキィイィン!!
大きな金属音が周囲を響かせた。
魔剣の斬撃を平然と受け止めたのは、白の翼を持った少女の槍だった。四〇メートル以上離れていた『天使』は、一瞬で彼との距離を詰めていた。
「むぅんッ!」
アスファルトに亀裂を入れるほどの踏み込みで、『天使』をなぎ払った。『天使』はその方向ベクトルに身を任せるように空へと舞い上がる。それと同時に数十枚の羽が彼を襲った。
彼は魔剣フルンティングを回転させ、一羽も残らず霧散させた。
金髪で端正な容姿を持つ男性で、紺のスーツを着込んだ後ろ姿は、天草式の人々の目にとまった。一人の女性が彼の正体に気づいた。
「……『騎士団長(ナイトリーダー)』?」
その声を聞いた男は一瞬横顔を見せ、唇を緩めた。

874『並行世界(リアルワールド)』:2009/08/17(月) 22:48:51 ID:fuyhc47Y
神裂火織は浮遊感に襲われていた。
当たり前だ。自分は二〇メートルほどの高さまで体が浮いているのだから。
「…なっ?」
誰かに担がれている。そして、自分を抱えたまま常人離れした脚力で跳び上がっている。状況確認に思考を働かせようとした彼女の耳に、
「大丈夫か?神裂」
という女性の声が聞こえた。
ふいに彼女の全身に風が纏いつく。下には着地する道路が迫っていた。衝撃を少しでも和らげるために風の魔術で上空へと押し上げ、ブーツの金属音と共に地面に着いた。そして、着地したと思うと、その体躯を乱暴に投げられた。神裂火織の体が天草式のメンバーに受け止められた。
彼女の周囲に天草式の人々が寄ってくる。一人ひとり怪我を負っていたが、彼女の為に涙を流し、心配するだけの余力は残っていた。「『女教皇(プリエステス)』様!」「出血が酷い!誰か回復魔術の準備を!」「歩ける奴は、倒れてる負傷者に肩を貸せ!」「包帯を!早くその傷を防がないと!」という声を聞きつつ、神裂はわき腹を抑えたまま、眼前に背を向けて立っている二人の人物に目をやった。
「申し訳ありません……『騎士団長(ナイトリーダー)』、シルビア…」
神裂の声は、『近衛侍女(クイーンオブオナー)』の騎士服を纏ったシルビアの耳に届いた。金髪の彼女は両腰の鞘から二本の剣を抜き放った。文字が刻まれている刃が太陽の光を浴びて輝いている。口に皺を寄せた笑いをする女性は背中ごしに、
「まだまだアンタはガキだね。ここからは、オネーさんたちに任せときなさい」
「天草式の退場は予定より早いが、相手がドラゴンとなればな…。神裂、天草式を引き連れて早くここから離れておけ」
天草式十字凄教のメンバーはその声を聞くまでも無く、撤退しようとした時、

ドッパァアン!!

875『並行世界(リアルワールド)』:2009/08/17(月) 22:51:07 ID:fuyhc47Y
ガラスを割るほどの轟音が鳴り響いた。
先ほど消滅した無数の羽が突如出現し、再び周囲を覆い尽くした。
それを見た天草式は言葉を失うが、シルビアと『騎士団長(ナイトリーダー)』は眉一つ動かさない。
次の瞬間、羽は一か所の方角に向けて、怒涛の勢いで集積した。
それは、天草式の方角では無い。
『魔神』。
交差点の中心に浮かんでいた一人の少年に襲いかかったのだ。
『魔神』の僕である『天使』の攻撃が主を標的にするという予想外の展開に、天草式を驚かせた。ギザギザの白い球体となった『魔神』の周囲が、突然、パキンッ!という音でガラスの破片のように球体が崩壊し、『魔神』は姿を現した。
「……く、くっくっく…」
『魔神』は黒髪を右手でかきあげ、神裂の血痕が残るアスファルトに立っている一人の男を見た。
「これだけか?もっと余を楽しませろぉ…オッレルス」
『魔神』の瞳には、碧眼の成年が映っていた。水色のロングシャツに麦色のジャケットとズボンを履いている男で、普段の優柔不断そうな表情は一切消え、『魔神』を強烈な視線で貫いていた。
安物の茶色の靴を踏みしめ、股を広げた。両手をポケットから抜き、姿勢を正す。金髪の前髪で見え隠れしている碧眼は、強い意志が宿っていた。右手首を左手で掴むと、数回手首を振った。そして―――――


「では、私が満足させてやる」


五メートルを超える巨大メイスが、『魔神』に直撃した。
バゴォ!と鈍い打撃音が鳴る。
「立派になった貴殿を、このような形で相間見えることになるとは…まことに残念である」
一切の躊躇なく『魔神』に重い一撃を放った男は、そう呟いた。
『魔神』の下で、その光景を見ていたオッレルスは左手を構える。
メイスを持った男は、異変に気付いた。
「むっ…?」
「そのメイス…色々と細工をしていたようだが、すまぬな。余の『幻想殺し(イマジンブレイカー)』が全て壊してしまった」
「…その能力は、相変わらず健在であるか」
『魔神』はメイスをゆっくりと押すと、物凄い勢いでその男の巨体と『棍棒(メイス)』は吹き飛ばされ、反対側の歩道橋の手すりに激突する。鉄筋は歪に曲がるほどの衝撃を受けるが、水平な立ち位置になりながらも、両足で手すりを踏みしめ、その衝撃を押し殺した。
『魔神』が触れたと思われる『棍棒(メイス)』の一部には、手形のような焼けた跡があった。
折れ曲がった手すりを蹴飛ばし、長身の男は歩道橋の地面にメイスを突き刺した。
バギバギィィイ!と亀裂が走り、その男が立っている場所を中心に、歩道橋は二つ折りに分断された。アスファルトの道路に身が落ちていく刹那に、彼の頭上に白の一閃が通りすぎた。
『天使』の槍。
音速を超えた速度で彼に襲いかかっていた。
それに気づいた彼は、絶妙なタイミングを見計らい、振りむくことなく回避した。
『天使』の槍は『魔神』の眼前を通り過ぎ、数百メートル離れているモノレールの線路を貫通した。欠片も残さず、直径2メートル程の穴がポッカリと開いていた。
瓦礫の音と共に着地した男は、メイスにまとわりついた欠片を、片手で一振りして肩に担いだ。
白いシャツに青のクロスのデザインが入っている。その下にはロングの青いシャツを着込み、青のジーンズを履いていた。茶髪に厳格な表情をした男が言葉を吐いた。
「…かつて、私がお前に負けたことは、正しき運命だったと思っている」
筋肉質の体躯をした長身の男、『後方のアックア』ことウィリアム=オルウェルは五メートルを超えるメイスを構える。
「仮にあの時、私が貴様の右腕を斬り落としたなら、ドラゴンの能力は、清い心を持つ貴殿ではなく、飽くなき野望を持つ者共に渡っていただろう。亡きフィアンマの手に渡っていたらと思うと、今でも怖気がする」
ウィリアムは『魔神』と、その隣に舞い降りた『天使』を見つめ、言葉をつづけた。だが、『魔神』の耳には届いていなかった。
顔を手で隠したまま、肩を震わせていた。
『天使』は無言で『魔神』を見つめていた。
「くっくっくっくっく……」
笑い声を必死に抑えているような声が、ウィリアムとオッレルスの耳に届いた。

876『並行世界(リアルワールド)』:2009/08/17(月) 22:54:47 ID:fuyhc47Y
無表情で『魔神』を見ていた『天使』は、視線を二人に移すと、両手を広げた。翼を動かし、彼女の周囲に再び羽が舞うと、瞬時に『天使』の両手に収束しはじめ、二本の白い槍を形成した。
「「……ッ!!」」
即座にウィリアム=オルウェルとオッレルスは身構える。
天使は眼前で二本の槍をクロスさせ、冷たい視線で聖人と魔神になりそこねた魔術師を見つめた。だが、彼女の視線は、二人から目が離れた。
そして、ウィリアム=オルウェルとオッレルス、シルビア、『騎士団長(ナイトリーダー)』も気づいた。


『魔神』と『天使』に2,95inロケット弾が直撃した。


強烈な光と共に、爆撃音と衝撃波が生まれた。
大量の酸素を吸って巨大化した炎は辺りを覆い尽くし、ビルのガラスがはじけ飛ぶ。歩道橋は熱で歪み、衝撃波によって根こそぎ吹き飛ばされた。
天草式のメンバーが悲鳴を上げるが、それすらも塗りつぶす爆音が鳴り響き、瞬く間に煙が彼らを覆い尽くした。
バババババババババッ!という機械音がなり、猛スピードで接近する機体がある。
天草式を黒い影が覆った。
シルビアは見上げ、爆煙の上にある、太陽の光を背に輝く機体を眼の端に捉えて、大きな溜息をついた。
「…まったく、あいつは……」
学園都市最新鋭の軍用ヘリコプター『AH-89 ストライカー』が第一二学区の上空を舞い、そのプロペラ音よりも巨大な『ワルキューレの騎行』の曲が、そのヘリコプターから上空一〇〇メートルで流されていた。
騒音に近い音量で鳴り響く『ワルキューレの騎行』の尊大な音楽と共に、『AH-89 ストライカー』の出口がスライドする。
「ロケット弾は当たったか?」
軍用ヘリのパイロットは告げた。
『はい。間違いなく』 
「なら、お前たちの仕事はこれで終わりだ。私たちをここで降ろして退却しろ。御苦労さま」
『Yes!BOSS!』
首領(ボス)と呼ばれた少女は、黒いマントを靡かせると、そのまま軍用ヘリから落下した。
続いて、黒いマントを羽織った赤髪の男が、上空一〇〇メートルから真っ逆さまに飛び下りた。
そして、四万枚に及ぶカードが『AH-89 ストライカー』から、ばら撒かれた。
真下には『魔神』と『天使』がいる交差点の中心があり、黒煙の隙間から二人の人影が見えた。

877『並行世界(リアルワールド)』:2009/08/17(月) 23:04:27 ID:fuyhc47Y
笑い声を必死に抑えているような声が、ウィリアムとオッレルスの耳に届いた。
無表情で『魔神』を見ていた『天使』は、視線を二人に移すと、両手を広げた。翼を動かし、彼女の周囲に再び羽が舞うと、瞬時に『天使』の両手に収束しはじめ、二本の白い槍を形成した。
「「……ッ!!」」
即座にウィリアム=オルウェルとオッレルスは身構える。
天使は眼前で二本の槍をクロスさせ、冷たい視線で聖人と魔神になりそこねた魔術師を見つめた。だが、彼女の視線は、二人から目が離れた。
そして、ウィリアム=オルウェルとオッレルス、シルビア、『騎士団長(ナイトリーダー)』も気づいた。


『魔神』と『天使』に2,95inロケット弾が直撃した。


強烈な光と共に、爆撃音と衝撃波が生まれた。
大量の酸素を吸って巨大化した炎は辺りを覆い尽くし、ビルのガラスがはじけ飛ぶ。歩道橋は熱で歪み、衝撃波によって根こそぎ吹き飛ばされた。
天草式のメンバーが悲鳴を上げるが、それすらも塗りつぶす爆音が鳴り響き、瞬く間に煙が彼らを覆い尽くした。
バババババババババッ!という機械音がなり、猛スピードで接近する機体がある。
天草式を黒い影が覆った。
シルビアは見上げ、爆煙の上にある、太陽の光を背に輝く機体を眼の端に捉えて、大きな溜息をついた。
「…まったく、あいつは……」
学園都市最新鋭の軍用ヘリコプター『AH-89 ストライカー』が第一二学区の上空を舞い、そのプロペラ音よりも巨大な『ワルキューレの騎行』の曲が、そのヘリコプターから上空一〇〇メートルで流されていた。
騒音に近い音量で鳴り響く『ワルキューレの騎行』の尊大な音楽と共に、『AH-89 ストライカー』の出口がスライドする。
「ロケット弾は当たったか?」
軍用ヘリのパイロットは告げた。
『はい。間違いなく』 
「なら、お前たちの仕事はこれで終わりだ。私たちをここで降ろして退却しろ。御苦労さま」
『Yes!BOSS!』
首領(ボス)と呼ばれた少女は、黒いマントを靡かせると、そのまま軍用ヘリから落下した。
続いて、黒いマントを羽織った赤髪の男が、上空一〇〇メートルから真っ逆さまに飛び下りた。
そして、四万枚に及ぶカードが『AH-89 ストライカー』から、ばら撒かれた。
真下には『魔神』と『天使』がいる交差点の中心があり、黒煙の隙間から二人の人影が見えた。

878『並行世界(リアルワールド)』:2009/08/17(月) 23:27:33 ID:fuyhc47Y
右手に剣と、金色の鎖で巻かれた円形のアクセサリーを持った魔術師は、金色の長髪を靡かせ、詠唱する。
「Dieu du feu prete le pouvoir a moi…」
(火の神よ。私に力を…)
赤い髪をした、2メートルを超える大男が告げた。
「J'entends mon souhait et s'il vous plait ai laisse Dieu qui donne la punition que je sers――」
(私が仕える王よ、私の願いを聞き入れてください――)

少女は、剣を握り締め、唄う。全身を黒い衣装で覆い尽くした姿は、年齢不相応の威厳を纏っていた。
「La flamme ouvre mon destin afin que lumieres de la lumiere solaires en haut de mon chemin…」
(太陽の光が、私を照らすように、炎は私の覇道を切り開き…)
少年は唄う。右目の下にはバーコードの刺青があり、神父の黒服が強い風に吹きつけられていた。
「Avec ma réputation, je prie.Veuillez me donner le grand pouvoir――」
(私の名の下に、願います。彼らを斃すに足りる力をお与えください)

879『並行世界(リアルワールド)』:2009/08/17(月) 23:32:39 ID:fuyhc47Y
「Donnez-moi pouvoir de la condemnation,L'arbitre a retiré――」
(私に断罪の力を与え、彼らに罰をお与えください――)

そして、彼らは唱えた。
「La flamme du rouge en flammes,」
(紅蓮の炎よ、全てを滅せよ!)
「Je dis un nom de mon Roi!」
(我が王の名を告げる!)



「『破滅の枝(レーヴァテイン)』!!」
「『魔女狩りの王(イノケンティウス)』!!」



再び、巨大な炎に埋め尽くされた。
火柱は交差点の中心を真紅に包まれ、一〇〇メートル以上まで昇った。
『AH-89 ストライカー』は、紙一重でそれを回避し、その場を離れて行った。火山のマグマが噴き出るような光景が出現し、ドロドロとした火の塊が周囲に飛び散る。アスファルトでさえ、三〇〇〇度を超える高熱に耐えきれず、溶け始めていた。植林された木々に火は燃え移り、交差点の東西に建っていた一〇階建てのビルは崩壊した。轟音が鳴り響き、四か所の道の内、三つの道路が、横倒れたビルによって塞がれた。
高熱の余波が、天草式のメンバーたちを襲い、心を凍りつかせた。
爆心地から二〇〇メートル以上は離れている。だが、そこで繰り広げられた戦いの空気は伝わってきた。様々に戦いを経験してきた彼らでも、眼前で起こっている激戦は彼らの範疇を越えていた。
額から血を流している野母崎は、気を失った諫早を肩に担ぎながら、その光景を見てポツリと漏らした。
「……俺は、夢を見てるのか?」
彼の言葉は、天草式の心中を吐露する言葉だった。
次元が違う。
『魔神』といえど、肉体は人間。
それに躊躇なくミサイルを撃ち込み、教皇級の魔術を次々に叩き込んでいた。真っ赤に燃えあがる火柱の前にいる六人の魔術師は、誰も彼も名だたる『魔術師(カイブツ)』だった。

880『並行世界(リアルワールド)』:2009/08/17(月) 23:33:34 ID:fuyhc47Y
「どうだ?ステイル=マグヌス。ストレス解消には持って来いだろう?」
空からフラフラと落ちてきた黒のベレー帽を、風の魔術で操作しながら、手元に置いたバードウェイは、瓦礫に腰をかけ、先ほど彼女と一緒に『AH-89 ストライカー』から飛び降りてきた不良神父に声をかけた。
バードウェイは黒のマントを纏い、高級感ある紺色のコートに白のプリーツブラウス、デザインの良い薔薇の刺繍が入った黒のストレッチベロアパンツを履いていて大人びた印象を受ける。
眼下にバーコードのような刺青のある神父は、煙草を口にくわえながら、
「ああ。あの男は、一度全力で焼き尽くしてやりたいと思ってたんだ。礼を言うよ」
大きな煙を吐いた。
眼前には大きな火柱があり、轟々と燃え上っている。
「アンタ…まさか、バードウェイ?!」
赤を基調とした『近衛侍女(クイーンオブオナー)』の正装をしたシルビアが、金髪の少女を見て言った。シルビアの隣に立つオッレルスは頭をかきながら、苦笑した。
「『明け色の陽射し』のボスが出てくるとは…いやはや、『神上派閥』のコネクションは凄いな…」
「……む」
バードウェイとステイルを眼の端に捉えたウィリアムは、直後、何かを察知したように火柱に向けた。
ステイルは腰を上げ、煙草を地べたに捨てた。
「でも――」
彼は、煙草を踏みしめ、強い視線で眼前を見つめた。


「あれだけくらって、無傷ってのはすっきりしないなぁ…」


バオォオオ!!と大きな突風が生じた。
火柱は一瞬にして消え去り、黙々と漂っていた黒煙も吹き飛ばされた。黒焦げた地面が目の前に広がる。焼き尽くされたというより、黒のペンキがぶちまけられた様な光景で、地面にはまだ焼け焦げるような熱がこもっていた。周囲の空気が温められ、蜃気楼のように揺れている。
その中心に、『魔神』は降り立った。
彼の上には、白い翼で体を覆い尽くした『天使』がいた。
白い繭のような翼がゆっくりと動き、一気にその両翼を広げる。
翼の直径は一〇メートル弱ほどで、白いローブと金色のラインで彩られた純白の甲冑で武装していた。少女の姿はまさに『羽を持つ聖騎士(パラディンオブヴァルキリー)』そのものだった。
『天使』の両手に再び、三メートルを超える槍が創造された。白い帯で丁寧に巻かれた柄に、三〇センチほどの鋭い刃が備え付けられている。
『天使』を見たバードウェイとステイルは、
「なんだ、アレは?」
「…あの子、確か天草式の…」
オッレルスは顎に手を当て、『天使』について思考した。
「…『竜王の鉤爪(ドラゴンクロー)』で加工された天使だろうな。しかし、天使を受け入れられるだけの器を持つとは…あの娘、すごいな」
シルビアは一本の剣を肩でポンポンと叩きながら、もう一本の剣を持ちかえて、
オッレルスの言葉に続く。
「あの少女の器は関係ないんじゃない?本来、天使が現世に降臨しただけでもこの世に歪みが生じるのに…人を器としたことでその反動を抑えてるのよ。…まったく、ドラゴンがやることは、えげつない上に範疇を越えてるわ」
『騎士団長(ナイトリーダー)』は、膨れ上がった魔剣フルンティングをアスファルトの亀裂に突き刺したまま、
「天使は神に従事する手足のような存在だ。神の範疇に入るドラゴンが使役していたとしても何ら不思議はないが…」
「天使の討伐は、私の仕事の内に含まれていない。後で上条当麻にターップリと請求することにしようか」
バードウェイの言葉を、メイスを構えたウィリアム=オルウェルは咎めた。
「…軽口を叩いている場合ではないのである」



「あっはははははははははははははははははははははははははははははは!!!!」



『魔神』の笑い声に、皆は戦慄した。
彼の表情を見た『天使』の頬に朱が差し、うっすらと頬笑みを浮かべた。
「良い!誠にうれしいぞ!魔術師の者共!余にもっと恐怖というものを与えてみよ!くはははははは!笑いが止まらぬ!戯前にしては、少々、余は高ぶりすぎてしまった!くっ!くはははははは!!」
ドラゴンの瞳が『紅く』輝き始めた。
紅い瞳は、六人の魔術師を射抜く。
彼らは震える体を抑え、ドクンッ!と世界が震えるような『竜王の鼓動』を感じた。
ドラゴンが『覚醒』を始めた。
『竜王の鼓動』が大地を、空気を震わせる。それに呼応するように周囲の木々や瓦礫が浮かび上がった。

881『並行世界(リアルワールド)』:2009/08/17(月) 23:33:55 ID:fuyhc47Y
魔術結社『明け色の陽射し』の首領であり他の魔術師を圧倒する強大な魔術師、バードウェイ。
若干一四歳でルーンを極めた天才魔術師であり、『必要悪の教会(ネセサリウス)』の一人、ステイル=マグヌス。
聖人でもあり巫女の役割も兼任する『近衛侍女(クイーンオブオナー)』随一の実力者、シルビア。
神の子と聖母の両方の身体的特徴をもつ『特別な聖人』であり、その力は天使にさえ匹敵するウィリアム=オルウェル。
英国で最も力を持つ三派閥の内の一つ『騎士派』のトップに冠する名を持つ男、『騎士団長(ナイトリーダー)』。
かつて『ドラゴン』の力を有し、『北欧王座(フリズスキャルヴ)』を操る最強の魔術師、オッレウス。

対し、

『竜王(ドラゴン)』。
五和の肉体を母体にした『羽を持つ聖騎士(パラディンオブヴァルキリー)』。

戦いは、加速する。

882toto:2009/08/17(月) 23:41:55 ID:fuyhc47Y
投稿終了です。
途中、NGワードに引っかかってしまい、四苦八苦してました。
フランス語の詠唱に、ヤバい単語を使ってたので修正しました。
…えっとかなり前の質問で、レベル5の設定はどうなっているのかという質問がありましたが、
書き込みの通り、一方通行は格上で除名。垣根、麦野は0930事件で死亡。
6位と7位は、戦争の際に死亡して、残りは常盤台コンビ。
彼女たちはそれぞれ2位くり上がって、結標はレベル5の第5位に。一年後はレベル5はあと一人含めて5人しかいない設定です。
次回は御坂とシスターズの話です。
それではー。

883■■■■:2009/08/17(月) 23:44:25 ID:ZW2MDkvQ
GJ!

884■■■■:2009/08/18(火) 00:32:51 ID:va9bcG0A
皆さん本当にGJです!!
最高すぎます

885■■■■:2009/08/18(火) 09:15:37 ID:XGL0PnmQ
……………あの…………他作品とのパロってOKですか?(2回目)

886ライク:2009/08/18(火) 10:39:39 ID:yk0Xq7iM
幻想創造投下します。こまめに更新するとか言いながら遅れて申し訳ありません。先週はコミケとか色々ありましたしね!?
ではよろしくお願いします。

887ライク:2009/08/18(火) 10:40:20 ID:yk0Xq7iM
とある魔科学の幻想創造〜イマジンクリエイト〜
第三章 十一月のとある日 右方と原石の聖人ⅩⅠ



 フィアンマは地面に倒れていた。なぜ自分が負けたのか?魔神を舐めていたから?それも敗因の一つには違いないだろう。だがそれだけではないはずだ。『ローマ正教神の右席の右方のフィアンマ』その名はそこまで甘くはない。

「俺様の力はこんなはずではない!!何故だ!?」
「それはテメィが偽物だからだ」

 見上げると魔神が見つめている。憐れむように。

「何だと!?俺様が偽物だと!?フザケルナ!!!」
「さっきテメィがした質問をしてやる。なぜ魔術を使わなかった?お前こそただ手を振り回していただけじゃないか」
「なに?」

 そうだ。何故使わなかった?

「それとあの手だ。不完全なあの手がなぜ俺と戦っている間保ち続けることができたと思う?」

 確かに本来なら1〜2発で分解してしまうはずだ。

「テメィはただのテレズマの塊だ。良くできたな。自分の体を見てみろよ。もう消えかかってきてる」

 自分の手を見ると徐々に消えてきている。

「俺様は!俺…様は!!お…れ………

 そのまま偽のフィアンマの声は消えていく。ラジオのチャンネルが切り替わるように新たな声が聞こえてきた。

 ……あ〜あここまでか。あっけない最後だな」

「ホンモノのフィアンマか」
「よう魔神。こいつが偽物っていつ気づいた?」

 消えていく体を通信機代わりに使っているのだろう。おそらくはバチカンから通信しているはずだ。

「最初にぶん殴った時だ。見ただけじゃ解らなかった」
「それはお褒めの言葉をありがとう。わざわざアメリカまで行くのが面倒でな。こいつで事足りると思ったんだが…。相手が魔神じゃ無理もないか」
「フィアンマ。それでどうするつもりだ?何ならこちらから出向いてテメィを潰してやろうか?」
「遠慮しとこう。錠前を持ってなきゃ魔神に興味ないしな。ああ『原石』のガキどもなら好きにしろ。本命の居場所なら実は目星がついている。だがまだ時期ではない。準備を整えてからだ」
「それを見過ごすとでも?」

 消えいく身体のままフィアンマは笑う。

「見過ごすだろうな。俺様達を潰すということはローマ正教を潰すということだ。魔神は馬鹿ではないどろうからな」
「さあ?意外に大バカ野郎かもしれないぞ?」
「……一つ聞いておこう。なぜ魔法名を名乗った?名乗らなくとも勝てただろうに」

 魔神は当たり前のことを言うように答える。

「条件を満たしたからだ。俺は条件を満たさなければ魔法名を名乗らない。逆に条件がそろうなら必ず名乗る。そう誓っただけだ」
「不自由なこった。聖人の力に魔神の知識。加えて原石の超能力者。そのチカラを振るえばいいだろうに」
「聖人、原石か……。なぜ世界に聖人が20人弱しかいないか分かるか?」
「知らんし興味もない。俺様の目的には関係ないしな」
「あながちそうでもないがな。そう珍しいモノではないというだげの話さ」

 そろそろ時間切れだろう。偽フィアンマの身体はほぼ消えている。

「そうかい。次会う時にでも講釈願おうか」
「その時はブチノメした後だと思っておけ」
「魔神か…。そのチカラを超えるチカラを俺様は手にいれる。その時までこの借りは借りておこう」

 そう言って偽フィアンマは消滅した。

888ライク:2009/08/18(火) 10:40:56 ID:yk0Xq7iM
とある魔科学の幻想創造〜イマジンクリエイト〜
第三章 十一月のとある日 右方と原石の聖人ⅩⅡ


「見過ごすわけなかろうに。Intimus119(我が力は我が友の為に)俺の刻む魔法名(名)はその為にあるのだから……」

 さてとホテルに戻るか。そして魔神は少年にもどる。後片付けは後に回そう

 ポケットから一枚の紙を取り出しルーンを記す。離すとひらひらと舞い近くのヤシの木に張り付く。

「右方のフィアンマか。アレが本当に存在していたとはな」

 覚悟はしていた。親友が持つあの右手を見た時から。

「当麻…。もしかしたらお前を殺すかもしれないな俺……」

 そうならなければいい。神様がいるかどうかは興味無いがそう願う。
 少年の祈りは空に消えていった。



 魔神とフィアンマの戦いによって学芸都市の機能は大きなダメージを受けた。いくら魔神とフィアンマが手加減していたとしても防犯システムはショートし戦いの記録など残るはずもなかった。一部を除いて…。

「面白いショーだったな…」

 ここは学園都市の窓のないビル。
 魔神の攻撃も今回は宇宙にある人工衛星までは被害は無かった。学園都市が打ち上げた人工衛星の一つである『ひこぼしⅡ号』気象用と言いつつ実態はスパイ衛星だ。宇宙より先の戦いを観測、分析し学園都市の窓のないビルに送信していた。それを人間は観ていた。

「魔神のチカラの一端が観ることなどそうそうない。そしてあの腕。右方のフィアンマか…。ローマ正教の暗部か…」

男にも女にも大人にも子供にも聖人にも囚人にもどんな人間にも見えてしまう人間、アレイスターはビーカーの中で逆さで浮かんでいた。その表情は笑っているのか悲しんでいるのか、喜んでいるのかはたまた怒っているのか誰にも分からない。

思考一つで観ていたモニター画面を切り替えると裏の『プラン』の進行状況が表示される。

プランEX 『創造殺し(アンノーン)』稼働率3パーセント

そしてまた思考を切り替えると先ほどまで戦っていた魔神の少年が秘密裏に作成していたレポートが表示される。その一ページ目にタイトルが書かれている。

『安価な人口的身体部位複製法(イージー・クローン・パーツ)』

そのレポートをとある研究施設に勤める研究者に送信する。送り主は記さず宛名には天井亜雄と記す。こうして少年の知らぬところで少年の想いとは裏腹に表の『プラン』が進められていく。

「もう止まることは出来ないのだ。____、君も知っているだろう?」

その問もまた空に消えいく。


Next 第四章 十二月のとある日 最大主教と第一王女と魔神に元女教皇

889ライク:2009/08/18(火) 10:48:29 ID:yk0Xq7iM
というわけで第三章はいかがでしたか?会話シーンばっかりになってしまったと反省はしております。
一応第六章まで小話を続けて第七章で当麻との過去話をやりたいな〜と考えてますが早い方がいいのか最後の方がいいのか皆様の意見を聞きたいです。
(このSSは20章前後で終わらそうと思ってますが・・・)
では皆さんの質問、感想などお待ちしてます。

890■■■■:2009/08/18(火) 10:52:03 ID:K/2/Dqpo
885へ。
クロスオーバーSSですよね?OKですよ。

891^^おいで:2009/08/18(火) 11:50:50 ID:jEKeR9lA

すごく好評のブログw
ちょっとHでどんどん読んじゃうよ。
更新もしてるからきてみてね^^

ttp://angeltime21th.web.fc2.com/has/

892■■■■:2009/08/18(火) 14:11:49 ID:va9bcG0A
ライクさんGJです!
話の流れはライクさんが考えてる通りでいいと思います。

893■■■■:2009/08/18(火) 14:35:30 ID:61WPGhZQ
gj凄すぎる!まるで本みたいな凄さ!
もし本が出たら大金払って買うよ!むっちゃ感動!
こんな激戦の中で未来に居た当麻達はどういう事をしてるか凄く気になる!
美琴が何時出てくるかも気になる。
っていうか気になることが多すぎです。
次回期待してます。

894toto:2009/08/18(火) 15:08:45 ID:K/2/Dqpo
今からまとめに書き込みますので、よろしくお願いします。

895■■■■:2009/08/18(火) 18:28:38 ID:1a5gQ1Cg
totoさんへ
右方のフィアンマが死に、ローマ正教の人員がこの戦いに
参列していないということは、(アニェーゼ達はたぶんイギリス正教所属
ですよね)
やはりローマ正教は、最大魔術結社の称号を明け渡したか、
崩壊したということですか?

896toto:2009/08/18(火) 18:54:12 ID:K/2/Dqpo
895さんへ。
ローマ正教は崩壊していませんが、フィアンマや他のメンバーが抜けて弱体化したことは事実です。
ウィリアムはイギリスの御姫様の騎士でもありますが、『神の右席』としての地位も持っています。もちろん表だって公表することはできませんが…
ただ、イギリス清教も『戦争』の影響で多大な被害を受けて、壊滅的なことになっていたので、一般的には総人口的に、ローマが最大と言われているが、
内部実力的にはイギリスと大差無い状態です。イギリス清教もローマ正教の配下という認識もあって、建前的に表立っての権威主張はありませんが、
一般でも、最近勢力を伸ばしてきた組織だなぁという認識が出てきたようなものです。
そして、『戦争」の際に、ドラゴンの暴走で彼らが手を取り合った経緯もあり、双方の間に『神上派閥』が緩衝材としての役割を担っているために、
対立しているというのは建前で、上層部では、実は仲が結構良くなったりしてます。

897ノミー:2009/08/18(火) 19:32:19 ID:YmrSA38w
895の者です。totoさんにならってコテハンさせてもらいます。
裏設定的な質問に答えてくださってありがとうございます。
ウィリアムはまだ『神の右席』の位置にいるのですね。
てっきり無所属の傭兵崩れのごろつきに戻ったかと思いました。

まあ確かに、権勢を振るえているのがあの事なかれ主義の教皇だと、
上条当麻と話し合うか、ローラに丸め込まれて穏便に解決しそうですもんね。

898toto:2009/08/18(火) 19:47:00 ID:K/2/Dqpo
質問があれば、いつでも書き込みお願いします。返答は主に、続編投稿の際になると思います。
ノミーさん、
『並行世界(リアルワールド)』を読んでいただいて、ありがとうございます。
書き手としても、このような質問はとても嬉しいです。

899ki-i:2009/08/19(水) 10:35:42 ID:WrstBvIU
885です。質問への回答ありがとうございます。
さっそく作業にに移ります。

900■■■■:2009/08/19(水) 19:21:29 ID:euEeEGZ6
何かここんところさ、ハイすぎてうっとおしい奴いるな
まぁ過疎るよりは十分マシだけど

901■■■■:2009/08/19(水) 22:30:45 ID:gbhgSZxk
じゃあいいじゃん。

902■■■■:2009/08/20(木) 19:49:36 ID:Uf3kRERs
言わんとすることはわかるが、荒らしているわけでもないしそっと見守ってやるのが大人の対応。

903■■■■:2009/08/20(木) 22:58:19 ID:iQLboElg
スパロボみたいなクロスでもおk?

904■■■■:2009/08/21(金) 00:11:13 ID:HTQ792ZU
無駄に細切れじゃなく
かつ完結させられれば何でもおk

905■■■■:2009/08/22(土) 00:09:30 ID:daaCZZEg
>>903
ぜひ書いてくれ。

906■■■■:2009/08/22(土) 00:10:11 ID:daaCZZEg
>>903
ぜひ書いてくれ。

907■■■■:2009/08/22(土) 00:58:39 ID:xVMVwopY
「ミサカ、巫女と美琴(みさかみことみこと)」の続きを3レス分投下します。
注)この話に出てくる姫神秋沙は本編と少し設定が違いますがご容赦下さい。
「When You Wish Upon a Star(星に願いを)」と「When will I see you again? (天使のささやき)」の設定を流用しており、
『吸血殺し(ディープブラッド)』の代わりに『癒之御使(エンゼルフェザー)』という能力を持っています。
上記の2作品を見ておられない方はとりあえず本編より饒舌で積極的な姫神秋沙だと思っていただけると幸いです。

908■■■■:2009/08/22(土) 00:59:15 ID:xVMVwopY
「ミサカ、巫女と美琴(14)」

御坂達に見つかったと思った姫神秋沙はくわえかけた指を慌てて身体の後ろに隠した。
一体何があったのかと思った上条当麻は声のあがった方向に顔を向けた。

その先では御坂御琴と御坂妹がそれぞれ直径4m程の丸い芝生の中心に立ちつくしている。
正確に言えば彼女達の周りからヒヨコが居なくなっていただけだっだ。
しかも彼女達が動くと「モーゼの十戒」よろしく黄色い海が左右に分かれ道を空けていく。
どうやら「電磁波などを『一時的に』隠してくれるステルスモード」が終了したようだ。

上条がヤレヤレとため息をついた時、今度は背後の姫神秋沙から「あー!」という声があがった。
振り返った上条が見たものは人差し指を見つめたまま固まっている姫神秋沙だった。

「どうした?姫神」
「え?なっ、なんでもない」
「その指、ケガでもしたのか?」
「そっ、そんなことない」
「本当に大丈夫か?」
「大丈夫。うん。ホント」

上条が問い掛けても姫神秋沙は愛想笑いを浮かべたまま何事もないと主張するだけだった。
上条としてもそれ以上問いただすこともできず、仕方なく御坂姉妹へ向き直った。

上条が向き直るのを見届けると姫神秋沙は静かに後ろを振り返った。
そこには姫神秋沙の野望を打ち砕き姫神秋沙を奈落の底に叩き落とした1羽のヒヨコがピヨピヨ鳴いていた。

30秒前、姫神秋沙は身体の後ろに回した手を不意につつかれたのだ。
驚いて手を戻してみると人指し指に付いてあったハズのご飯粒が無くなっていた。
上条との間接キスという妄想に浸っている時間が長かった分、姫神秋沙の受けたショックも大きかった。

ただ単にご飯粒が無くなっただけならまだ姫神秋沙は立ち直れたかもしれない。
はしたないと言われようが指をくわえさえすれば目的(間接キス)は達成できたのだから。
しかしこのヒヨコはご飯粒だけでなく上条の唇が触れた指先までつつきやがったのだ。
上条との間接キスをヒヨコに奪われた以上、今更指をくわえてもそれはもはやヒヨコとの間接キスでしかない。

姫神秋沙は自己弁護の理論武装をしようとしていた1分前の自分を恨んだ。
こんなことなら本能のままに指をくわえれば良かったなどと過激な考えまで芽生えてくる。
しかしその原因を作ったヒヨコは姫神秋沙の苦悩も知らずピヨピヨと鳴き続けている。
その姿を見た姫神秋沙はおもむろにヒヨコを両手で顔の前に持ち上げて小声で話しかけた。

「なんて事してくれたの。あなた!
 あなたは私の大切なご飯粒、いいえ!上条君との間接キスを私から奪ったのよ!
 あんなチャンスは二度と来ないかもしれないのに…………
 あなた。ひょっとして自分はちっちゃいからって許されるとでも思ってる?
 ……………………
 焼き鳥、蒸し鶏、竜田揚げ。酒蒸し、照り焼き、みそ炒め。ローストチキン、棒々鶏。
 手羽先、唐揚げ、香草焼き。鶏皮、鶏ハム、鶏つくね。チキンナゲット、オムライス。 
 チキン南蛮、親子丼。チキンピカタ、フリッター。チキンカレー、チキンカツ。……
 早く大きくなりなさい。ふふっ」

上条は不意に背後から襲ってきた悪寒に驚き後ろを振り返るとそこにはヒヨコに優しげに
語りかける(ように見える)姫神秋沙の姿があった。

(なんだ。やっぱりなんだかんだ言っても姫神だって可愛いもの好きがなんだ。
 …………じゃあ、さっきの悪寒はどこから来たんだろう?…………
 まあ、気のせいだな。うん、きっとそうに違いない)

『知らぬが仏』とはよく言ったものである。

一方、御坂美琴は悲しげな声でヒヨコ達に訴え掛けていた。

「なんで、どうしてなの?私達あんなに解り合っていたじゃない!
 さっきまでの思わせぶりな態度は何だったの!?
 ひどいわ!貴方達!
 私の心を弄んだのね!」

いつまでも御坂美琴に三文芝居を続けさせる訳にはいかないので上条は重い腰を上げることにした。

909■■■■:2009/08/22(土) 01:01:25 ID:xVMVwopY
「ミサカ、巫女と美琴(15)」

「おーい!御坂アンド御坂妹!
 あの時ラストオーダーは『ステルスモードは一時的だ』って言ってたろ!
 それに最後まで話を聞かずに飛び出すから『スーツの容量は10分が限界なの』って話も
 聞いてなかったんだな。やっぱり」
「そっ、そんな……」
「ミサカの理想郷がたった10分の夢だったなんて現実はなんと残酷なのでしょう
 とミサカはちょっとセンチな気分でつぶやきます」

「だから!二人ともそんなに落ち込むなって。
 お前達はその後の説明も聞いてなかったんだろ。
 ステルスモードはリセットするのに1時間掛かるけど再起動できるらしいぞ」
「え、そうなの?
 じゃあ私達、ここで1時間待ってれば良いのね!」

「その前に、御坂!お前ここへ来た目的を完璧に忘れてるだろ!」
「目的?…………って何だっけ?」
「ヒヨコ爆弾だよ。ヒヨコ爆弾!」
「そういえばそんなこと言われた気もするわ」

「お前なぁ……。じゃあ今から爆弾探すからな」
「「えーーっ!?」」
「えーーっ!?じゃない。
 爆弾を1時間で探しだしゃ、また10分間ヒヨコ触り放題なんだからさ」
「でもこんだけのヒヨコの中から爆弾なんてどうやって探し出すのよ?」
「それなら大丈夫!たった今、良いアイデアが浮かんだ」

5分後

「ちょっと、アンタ!覚えてなさい」
「何言ってんだ。御坂!お前のかわいいヒヨコ達のためなんだぞ」
「まったく、なんで私達だけが働かなきゃなんないのよ!」

上条のアイデアは御坂美琴と御坂妹を並べて牧場内をくまなく歩かせることであった。
本物のヒヨコなら御坂達の電磁波におびえて逃げ出すはずである。
現に御坂達が移動すると黄色いヒヨコ達が左右に分かれ彼女達に道を空けている。
もし御坂達が近寄っても逃げないヒヨコがいたらそれがヒヨコ爆弾だということだ。

一方、御坂美琴もこれが確実に爆弾を見つける良い方法であると頭では納得している。
しかし自分がヒヨコ達にどれほど嫌われているかをこうまで見せつけられては心穏やかでいられるハズがない。
それに上条と姫神秋沙が小山の頂上に座って「頑張れー」などと呑気にエールを送ってくるのも気に入らない。
三分の一ぐらい来たところでとうとう御坂美琴がキレた。

「あーっ!もう、ちんたらやってらんないわよ。こうなったら私の電撃で!」

御坂美琴が前髪から静電気のような火花を散らして盛大に電磁波を放出すると御坂美琴を
中心とする半径15m以内にいたヒヨコというヒヨコがワラワラと逃げていった。

「ふふん、これなら爆弾探しもあっという間ね!
 まっ、美琴っさんにかかればこんなものよ。ほーほっほっ!」

高笑いする御坂美琴は自分の犯した過ちにまだ気付いていなかった。
完全に怯えきったヒヨコ達はもう二度と御坂美琴に近づくことはなく、御坂美琴が自分の
浅はかさに気付き打ちひしがれるのは37分後の話である。
しかも御坂美琴の同類としてヒヨコ達に嫌われた御坂妹からの罵声が追い打ちをかけるのだった。

「全く後先考えず行動するとはお姉様はなんて馬鹿野郎なんでしょう
 とミサカはこんなお馬鹿さんが私達のオリジナルだなんて恥ずかしくてたまりませんと
 舌鋒鋭くお姉様を糾弾します」

未来のことなど知らない御坂美琴は上機嫌で爆弾探し(ヒヨコ脅し)を再開した。

遡ること30分前、学園都市某所にて

「建宮さん!」
「どうした、五和?」
「どうして私達まだアジトにいるんですか?上条さん達はもうヒヨコ小屋へ行っちゃったんでしょ?」
「心配せずとも簡単にヒヨコ爆弾が探し出せるハズないのよな。
 我らの出番は彼らがヒヨコ爆弾を探し出した時よ。
 五和はその時先頭に立つのだからしっかり準備をして貰わないとな」

「じゃあ、その準備ってのが何で写真撮影なんですか?」
「知らんのか?五和。
 ちゃんと記録を撮っとかないとその後が大変なんだぞ。
 カットが変わる度に髪型や小道具が変わっていたらおかしいだろ!」
「いったい何の話をしてるんです?
 とにかくこっちはこんな恥ずかしい格好なんてさっさと終わらせたいんです!」

(うむ。五和のやつは我らの口車に乗って潔く小悪魔エロキャットを着てくれた。
 問題はいかにして女教皇様(プリエステス)にこのお色気エロバニーを着て貰うかなのよな。
 まずは小悪魔エロキャット姿の五和の写真を添えて五和の活躍をお伝えするとして
 最後の一押しをどうしたら良いものか。うーむ)
「建宮さん。真剣に悩んでるフリしても騙されませんよ」
「いや本気で悩んでいたのだが……仕方ない。そろそろ出発するのよな」

910■■■■:2009/08/22(土) 01:02:10 ID:xVMVwopY
「ミサカ、巫女と美琴(16)」

「あっ!あった。あれじゃない?」

御坂美琴の捨て身の探索で爆弾は呆気なく見つかった。
それは御坂美琴の目の前およそ10m離れた位置にあった。
本物のヒヨコ達は御坂美琴から15m以上離れてピヨピヨ鳴いているのでどうやら間違いなさそうだ。

「おーい!御坂。俺達もそっちに行くから待ってろ。危ないぞ!」
「大丈夫よ。
 アンタ、電撃使い(エレクロトマスター)である私の能力をなめてるんじゃない?
 時限爆弾だって言うからには電子回路が組み込まれてるんでしょ?
 それなら私の能力でチョチョイのチョイよ!」

ヒヨコ達に避けられ続けること30分ようやく爆弾を見つけた御坂美琴は上機嫌だった。
しかし相手が魔術師だと知っている上条はあれが単純な時限爆弾だとは思えなかった。
案の定ヒヨコ爆弾をスキャンしていた御坂美琴が戸惑いの声を上げた。

「あれ?てっきり時限爆弾かと思ったけど中には電子部品一つ無いじゃない。
 かといってグラビトンでもなさそうだし…………ダミーかしら?」
「おい!ちょっと待て。それに不用意に近づくな」
「ホントに心配性ね!
 まあアンタがそんなに心配だって言うなら砂鉄の剣を伸ばしてみるわ」
「くれぐれもいきなりぶった切ったりするんじゃないぞ」
「いくら何でもそこまで馬鹿じゃないわよ、美琴さんは。ちょっとつついてみるだけよ」

御坂美琴は砂鉄の剣をヒヨコ爆弾に向けてゆっくり伸ばしていく。
そして砂鉄の剣がまさにヒヨコ爆弾に触れようとした瞬間、砂鉄の剣は思いっきりヒヨコ爆弾に突き刺さった。

「あ……れっ?」

砂鉄の剣を突き刺した当の本人である御坂美琴が素っ頓狂な声をあげた。
何が起きたか分からず混乱している御坂美琴の前でヒヨコ爆弾がいきなりバタバタと動き出した。
しかも電子部品一つ無い体内から警告のメッセージが聞こえてきた。

「異常事態発生。妨害工作の可能性が高いと判断。予定を繰り上げ5秒後に自爆します。
 5……4……3……」
「わっ、わっ!ちょっと、どうしよう?」

予想外の出来事に慌ててしまった御坂美琴は爆弾への対応が遅れてしまった。

「KANAMIN! Magical Tornado!(カナミン!マジカルトルネード!)」

姫神秋沙がそう叫んでマジカルステッキを放りあげた。
するとカナミンが空中に現れ、姫神秋沙が投げたマジカルステッキを空中でキャッチした。
そしてカナミンはマジカルステッキを緑色に輝かせて横一文字に振り抜く。
すると龍のような竜巻が発生してヒヨコ爆弾を空中へ吸い上げた。

「Aegis-Field!(イージスフィールド)」

続け様に姫神秋沙が叫ぶとカナミンはマジカルステッキを紫色に輝かせる。
すると空中のヒヨコ爆弾を囲むように薄紫色の力場が形作られた。
直後にその中でヒヨコ爆弾は爆発したが爆音も爆風も外には少しも漏れ出さなかった。

地上に降りてきたカナミンの頭を姫神秋沙が撫でるとカナミンは微笑みながらその姿を薄くしていった。

同時刻、学園都市某幹線道路上にて

「建宮さん!」
「まあ、その。なんだ…………」
「どうして私達、まだマイクロバスに乗ってたりするんですか?
 建宮さんの計画にはこの事故渋滞も織り込み済みだったんですか?」
「いや。そのーっ、大丈夫。きっと間に合うから。
 そんな簡単にヒヨコ爆弾を見つけられるわけ無い……ハズだから。
 だからその海軍用船上槍(フリウリスピア)の先端を喉元に押しつけるのは止めてくれるかな?五和ちゃーん」
「私にこんな格好までさせたんだから『間に合わなかった。ごめんなさい』じゃ済ませませんよ。
 い・い・で・す・ね!」
「大丈夫!きっと大丈夫……………………だといいな…………」

911■■■■:2009/08/22(土) 01:02:36 ID:xVMVwopY
以上です。
注)途中に出てきたカナミンの魔法は適当な名前を付けています。公式データではありません。

912■■■■:2009/08/22(土) 09:38:07 ID:Gc3RAA7w
gj
建宮は死亡フラグ確定!
この後どうする!
1五和は恥かしながら当麻に告白
2五和は逃げる
3その他
次回が凄く気になる!
次回が来るの待ってるよ

913■■■■:2009/08/22(土) 11:06:05 ID:n54zTOvo
ラムダ・ドライバは幻想殺しで打ち消せるのだろうか?

914ノミー:2009/08/22(土) 22:47:41 ID:AWYw7We6
おお、姫神が、ヤンデレも入って
ちゃんとヒロインしている。

915■■■■:2009/08/23(日) 00:54:59 ID:9HIorbRs
「ミサカ、巫女と美琴(みさかみことみこと)」の続きを2レス分投下します。
注)この話に出てくる姫神秋沙は本編と少し設定が違いますがご容赦下さい。
「When You Wish Upon a Star(星に願いを)」と「When will I see you again? (天使のささやき)」の設定を流用しており、
『吸血殺し(ディープブラッド)』の代わりに『癒之御使(エンゼルフェザー)』という能力を持っています。
上記の2作品を見ておられない方はとりあえず本編より饒舌で積極的な姫神秋沙だと思っていただけると幸いです。

916■■■■:2009/08/23(日) 00:55:35 ID:9HIorbRs
「ミサカ、巫女と美琴(17)」

ヒヨコ爆弾を無事処理してホッとする姫神秋沙に御坂美琴が話しかけた。

「『カナミンマスター』の噂は色々聞いてたけど、目の当たりにすると本当にあなたの能力って不思議よね。
 どう見ても実現不可能って言われている多重能力(デュアルスキル)にしか見えないわ」
「でも私がしているのは体内で練成した魔力をカナミン(あの子)に供給しているだけ。
 だから多重能力(デュアルスキル)とは全然違う」

「はぁ?今『魔力』って言ったの?あなた」
「別に魔力じゃなくても生命エネルギーって言い換えても良いんだけど」
「言ってることが良く分かんないだけど……」
「それは。私は原石だからかな」

「そういや、俺も『原石』って良く聞くけど開発された能力者と何が違うんだ?」
「原石と能力開発を受けた私達の違いって天然ダイヤと人工ダイヤの違いに例えられるけど、
 私も、実際の所、原石と私達で能力に違いなんてあるのかな?って思うこともあるのよ」
「御坂さんならある程度予想はできているでしょ。多分それで正解」
「とはいっても私は原石じゃないから半分しか自信ないのよね」

「二人だけで納得しないで俺にも分かるように説明してくれよ」
「アンタだって学園都市(ここ)で開発を受けて来たんでしょ!授業中ずっと寝てたの?」
「あいにく俺は正真正銘の無能力者(レベル0)なんでね」

「じゃあ、御坂さん。能力ってどうして発現するの?」
「そりゃあ、自分だけの現実(パーソナルリアリティ)を確立させて……」
「そういう抽象論じゃなくて物理現象として説明してみて」

「そうね。私達が見ている3次元世界って実は本当の世界の一部しか見てないのよね。
 真の世界は11次元で、その高次元世界を一つの超平面で切断した面が私達の住む
 3次元世界なの。……ってことぐらいはアンタだって知ってるわよね!」
「まあ、なんとなく……」
「……まあいいわ。私達能力者はその高次元世界に対してある種の共振を起こさせるの。
 そして共振した波動が私達の住む3次元世界に伝わり私達の能力として発現するわけ」
「その能力が発現する感覚ってのがレベル0の俺には分かんねえんだよな」

「TVで見たこと無い?
 ピンと張った布の上に粉を撒いて布に声を当てると粉が声に応じた模様を描くのって?」
「ああ、それなら見たことある」
「それと同じよ。つまり高次元に起こした超振動が伝わって一つの面(3次元世界)に
 現れた波動の模様が私達の能力という物理現象なわけ。
 能力者によって共振のさせ方が違うから発現する能力もそれぞれ違うって仕組み。
 TVの実験でも違う声を当てると現れる模様は違ってたでしょ!」
「そういえば開発の授業でもそんなこと聞いた気がする」

「アンタ、やっぱり寝てたでしょ!
 学園都市が行っている能力開発って11次元世界に共振を起こさせるための共振器を
 脳の中に造り上げることなの。例えて言うなら音叉とか発振回路みたいなものかな。
 そのために薬物や電気ショックを使って脳にある種の障害を起こさせるんだけど
 それが学生をモルモットにしているって学園都市が外から非難される所以でもあるのよね」
「やっぱり外からだとそう見えるかな」

「でもね。共振器ができたからといっても誰もが超能力者に成れるって訳じゃないでしょ。
 能力を発現させるためには11次元世界のどのポイントにどの方向からどの位の力を
 どんな周期で加えれば良いかを正確に演算できる能力が必要なの。
 それがないと能力が発現しないどころか、下手すると能力が暴走したりするの。
 つまり共振器の性能と11次元世界での演算能力が能力者のレベルを決めるってわけ」

「さすがね。御坂さん。
 学園都市で開発を受けた能力者は高度な演算処理を行った上で能力を発現させるけど
 私達原石はそんな演算処理を必要としない。
 言ってみればその血で能力を使っていると言っても良いの。
 だから私達原石の能力は学園都市の区分に分類できないものが多いのよ。
 私達自身でさえ自分の能力が何なのか良く判らないぐらいだから。
 自分だけの現実(パーソナルリアリティ)ってその人の経験に強く影響されるから
 火とか電気とか風なんかのイメージしやすい能力が自然と多くなるの。
 だからこそ学園都市第1位『一方通行』とか第2位の『未元物質』なんて能力はものすごく特殊なの」
「確かに『一方通行』って私から見てもイカサマみたいにしか見えないわ」

917■■■■:2009/08/23(日) 00:56:16 ID:9HIorbRs
「ミサカ、巫女と美琴(18)」

「それともう一つ。御坂さんは知らないだろうけど、この世界には魔術っていうものも存在するの」
「うっ、ここでいきなり魔術って言われても…………
 オカルトってお話としては面白いと思うんだけど。
 呪文一つで何でもできるなんて馬鹿げた話をされるとちょっと引いちゃうのよね」
「呪文を唱えるだけが魔術じゃないわ。魔術にもちゃんと理論体系があるの」
「へっ?そうなの?」

「能力開発では11次元に共振を起こさせる共振器を脳内に作り上げるって言ったけど、
 それって人間の脳以外の場所には作れないのかしら?」
「えっ?えーっと、だってほら……」
「同じ働きをするものが身体の外には作れないってどうして決めつけるの?」
「それは……」

「体外に造られた11次元世界への共振器が魔法陣とか霊装とか呼ばれるものなの。
 つまり魔術って能力者でない人間が能力者と同じ能力を使うために考え出したものなの。
 その代わり時刻とか星座の位置とか色んな条件が揃わないと魔術が使えなかったり
 長々と呪文を詠唱する必要があったりとかいろいろ不便なことがあるみたい」
「ふーん。なんか面倒なのね。
 でも、秋沙(あなた)って魔術(オカルト)にも詳しいのね」
「それほどでもないわよ。私の知り合いにちょっと詳しい人がいるだけ」
「ふーん。じゃあ私もその人に魔術ってのを教えて貰おうかしら」

「残念だけど能力者は魔術を使えないの」
「えっ、なんで?」
「魔術だって11次元世界に共振を起こすものだって言ったけど、
 霊装っていう共振器に魔力というガソリンを流すことで初めて魔術が発動するの。
 でもその時って術者の身体はその共振器と11元世界で繋がっているから体内に共振器
 を持つ能力者が魔術を使うと霊装(体外の共振器)とハウリングを起こしてしまうの。
 そしてハウリングが起これば大抵の場合能力者の共振器が壊れてしまう」

「でもあなたはさっき魔術をつかったんじゃないの?」
「確かにこのマジカルステッキってさっき言っていた霊装よ。
 私の場合カナミンを介して魔力を霊装に流すことでカナミンに魔術を使わせているの。
 だから、もし私が直接このステッキを持って魔術を使かったらその瞬間に私の身体は
 壊れちゃうでしょうね」

「へーっ、そうなんだ」
「あなただって体験したでしょ?」
「え?」
「さっきヒヨコ爆弾を調べようとしたときおかしな事があったでしょ」
「そういえばそうなのよね。
 ヒヨコ爆弾なんて突き刺す気は無かったのに急に手元が狂ったというか能力が暴走したというか……」
「ヒヨコ爆弾があった地面に何か模様みたいなものが見えるでしょ。
 あれが魔法陣なの。たぶん防御用結界の一種でしょうね。
 さっきはそれがあなたの能力に偶然干渉したのよ。きっと」
「ふーん。あれが魔術か…………」

「まあ、とにかくヒヨコ爆弾は無事処分できたんだし今回のミッションは無事終了だな
 それじゃ帰るとしますか」
「何言ってんのよ。あんた!
 今日は一日ここでラブリーなヒヨコ達と過ごすに決まってるでしょ」
「えーーっ!」
「なによ。文句ある!?」

期待に胸膨らませる御坂美琴がヒヨコに嫌われ落ち込んでしまうのは14分27秒後のことである。

20分後、とある小学校ヒヨコ小屋にて

「建宮さ〜〜ん!」
「なっ、何かな?五和…………さん」
「どういうことか説明して貰いましょうか?」
「いや、これはだね……」

「ああそうだ。説明なんかいらなかったですね。ふふふっ
 当然、覚悟はできてますよね。建宮さん!」
「いや、ちょっと待って!
 その凄みと迫力は悪の女幹部としては満点の出来だから
 是非ともそれを上条当麻(あの人)の前で披露してくれたらなって思う訳なのよ」
「だから、その上条さんが一体どこにいるって言うんですか!!」

「うーん。それが不思議なのよな。
 こんなに早くヒヨコ爆弾を見つけ出すなんて、一体どういう方法をつかったのやら?」
「何言ってるんですか!
 建宮さんが無駄にのんびりしてたのが一番の原因でしょ!
 責任転嫁なんかしないで下さい」
「わっ、だから待って。次、次があるから。その時はもっと真面目にするから許して」
「えっ?次って、まだ続ける気なんですか?」
「その通り、次の脅迫ビデオはもう発送済みなのよ」
「えーーーっ?」

918■■■■:2009/08/23(日) 00:56:59 ID:9HIorbRs
以上です。
今回は禁書世界における能力や原石や魔術について姫神秋沙と御坂美琴に語らせました。
当然これらは鎌池先生の頭にある設定とは違うでしょうが、自分の作品の中ではこういう
ものだとして物語を進行させていく予定です。特に能力者である姫神秋沙が例外的に魔術を使える理由としています。この辺りは8巻の内容と微妙に矛盾するのですが、結標淡希も黒井白子も魔術のことを知らなかったと言うことで、ご容赦をお願いします。
もし他にも本編と矛盾がありましたらご指摘をお願いします。今後の作品作りに生かしたいと思います。

919ノミー:2009/08/23(日) 07:34:03 ID:9RmPpZHM
つまり原石っていうのは
何らかの媒介を通じて特殊な魔術を使える能力者ってことですか?

920■■■■:2009/08/23(日) 11:09:59 ID:ZAOQutNc
gj
919 sageをつけよう!
後当麻が、原石だと言う事は御坂達や当麻達は知らないの?

921■■■■:2009/08/23(日) 12:15:57 ID:wR5WgdRg
>>920
上条さんは原石じゃないぞ

922■■■■:2009/08/23(日) 12:30:43 ID:2u5MKjhE
>>919
雑談時にコテハンつけるなうぜぇ

923■■■■:2009/08/23(日) 19:13:11 ID:R5gjHDns
まぁまぁ落ち着きなさって

>>919
メ欄にsageと、雑談時はなるべくHN外したほうがいいぞ

924■■■■:2009/08/23(日) 23:32:49 ID:UTNBZ9yI
分かりました。以後気をつけます。

925■■■■:2009/08/24(月) 11:14:46 ID:xZTWPnkc
sageは半角文字でな

926■■■■:2009/08/24(月) 12:40:10 ID:MDBHZJHI
こんな感じ?

927■■■■:2009/08/24(月) 20:12:19 ID:qJvNWrRk
____      ________               _______
|書き込む| 名前:|            | E-mail(省略可): |sage       |
 ̄ ̄ ̄ ̄       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄                ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                               _     ゝ
                             ,'´  `ヽ   / ビリビリ!
                            リソリノ"゙从 ∠  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                            ノjid゚ ヮ゚ノ  / < わ、私が教えてあげるんだから、感謝しなさいよねっ!
                             く) Y iつ>     \_________________________
                             く/_|j〉
                              し'ノ

928■■■■:2009/08/24(月) 21:06:15 ID:yphafDUo
「ミサカ、巫女と美琴(みさかみことみこと)」の続きを2レス分投下します。
注)この話に出てくる姫神秋沙は本編と少し設定が違いますがご容赦下さい。
「When You Wish Upon a Star(星に願いを)」と「When will I see you again? (天使のささやき)」の設定を流用しており、
『吸血殺し(ディープブラッド)』の代わりに『癒之御使(エンゼルフェザー)』という能力を持っています。
上記の2作品を読んでおられない方はとりあえず本編より饒舌で積極的な姫神秋沙だと思っていただけると幸いです。

929■■■■:2009/08/24(月) 21:10:08 ID:yphafDUo
「ミサカ、巫女と美琴(19)」

上条達は13学区とある小学校の近くにある公園の芝生に座っていた。
ヒヨコに嫌われ落ち込む御坂美琴と御坂妹をようやくここまで連れてきたのだ。
4人のスーツは既にノーマルモードであり他人が見ても不審がられることはない。

これからどうしたものかと上条が思案していると御坂美琴が不意に立ち上がった。
そして公園の通路に設置されているジュースの自動販売機へと歩いていく。
自販機の前に立った御坂美琴はいきなり雄叫びをあげた。

「常盤台中学内伝!おばーちゃん式ナナメ四五度からの打撃による故障機械再生法!!」

そして「ちぇいさーっ」という掛け声と共に御坂美琴の回し蹴りが自販機に炸裂した。

「こら!御坂、自販機に八つ当たりするんじゃない!」

回し蹴りを喰らった自販機からはガコンッ!と何かが落ちる音がした。
出てきたものをマジマジと眺めた御坂美琴は「アンタにあげるわ」と言って
『黒豆サイダー』と書かれた缶ジュースを上条に放り投げてきた。

「なんだよ、これは?」

上条を無視して御坂美琴は「やっぱりこの方が良いかな?」などと言って今度は掌を自販機に押し当てた。
そして掌から火花を散らせると自販機がガコン、ガコン、ガコンッと3度悲鳴を上げた。
御坂美琴は自販機が吐き出した同じデザインの缶ジュースの1本を手に取った。

「『スクリュードライバーショット』ねえ。初めてだけど炭酸系かな?まっ、いっか!」

御坂美琴はそう言って一口飲んでみた。

「あ!美味しいわ。これ。なんか梅酒のソーダ割りみたい」
「子供がアルコールなんか飲んじゃいけません!」
「大丈夫よ。ホラ!缶にもちゃんとノンアルコールって書いてあるんだから」
「なら良いけど」
「じゃあ、あなた達もこれで良いでしょ?」

投げられた缶ジュースを反射的に受け取った御坂妹と姫神秋沙も言われるままそれを一口飲んでみた。

「ほんと。美味しい。このジュース」
「確かにこれはクセになりそうです、とミサカもお姉様に完全同意します」
「任務も意外とあっさり終わったし、良い天気だし、出てきたジュースは大当たりだし、
 なんだか気分良いわーっ!」
「ヒヨコには嫌われたけどな……」
「人がせっかくそのことを忘れようとしてんのになんてこと言うのよ!」
「だからって俺一人『黒豆サイダー』かよ」

上条のぼやきに御坂美琴は残りのジュースを一気に飲み干すと上条を睨み付けた。

「ぬぁによ〜っ!この美琴っさんのプレゼントに文句があんの!?
 アンタは『ガラナ青汁』とか『イチゴおでん』の方が良かった訳?」
「おまえは酔っぱらい親父か?まったく。はいはい。文句はございませんよ」
「だったらその投げやりな返事は何なにょよーっ!」

御坂美琴が怒ったように顔を赤くして上条の元へ歩いてくる。
ところが上条の1m手前で何故か足がもつれてしまった。
御坂美琴は両手を回してバランスを取ろうとしたが堪えきれずそのまま上条の方に倒れていく。
上条は御坂美琴の両肩をとっさに両手で支えたものの勢いに負けて一緒に後ろに倒れてしまう。
それでも両腕と腹筋を使って御坂美琴が顔面から地面に激突するのを防ぐことはできた。

しかしその結果不幸(?)な出来事が二人を襲った。
上条は御坂美琴の両肩を支える両腕を曲げることで衝撃を吸収しようとした。
となれば御坂美琴の顔が上条の顔の真上に落ちてくるのは必然である。

その時、御坂美琴は倒れながらも何故か目を閉じなかった。
あと50cm。(え、えっ!?)
あと30cm。(顔が近づいて……)
あと10cm。(あーーー)
あと1cm。(ーって、あれっ?止まっちゃった)

超至近距離で上条と見つめ合う御坂美琴は倒れかけた時から瞬きをしていない。
瞬きをした瞬間にこの状況が夢のように消え去りそうな気がしたからなのだが、
当の本人は自分が瞬きしていないことにも気付いていない。

(間近で見るとコイツのマツゲって意外と長いんだ。
 あと1cm落ちてたらコイツとキッ……キスしちゃってたわね。きっと
 ……たった1cmなのに……ってなに残念がってんのよ。私は!
 私のファーストキスはそんなに安くないのよ。
 だから私はホッとしてるだけなの!
 …………でもなんでコイツまでホッとした顔してるわけ?
 私とキスするのがそんなに嫌だったの?……なんか……むかつくわね。
 アンタが嫌でもね。私がちょっと首の力を緩めたらキスしちゃうのよ。私達。
 そのことに気付いてる?
 ふふっ…………って馬鹿みたい!私とコイツにそんなことある訳無いのに……)

930■■■■:2009/08/24(月) 21:10:37 ID:yphafDUo
「ミサカ、巫女と美琴(20)」

事実、激突直前で御坂美琴を止めることができた上条はホッと一安心していた。
そのせいで御坂美琴の耳にかかっていた髪がファサッと落ちて頬をくすぐった時
御坂美琴を支える両腕から力が抜けてしまい御坂美琴の唇は上条の唇の上に落下してしまった。

((えっ、えっ、えーーーーーっ!))

御坂美琴の柔らかい唇の感触に目を丸くする上条の目の前で、御坂美琴のビックリした顔
が一気に赤くなった。
衝撃的な出来事の発生にパニくった二人は身動き一つできない。
しかし上条の吐息が御坂美琴の唇をくすぐると御坂美琴は身体をビクンとさせて上条の
上から飛び退いた。
御坂美琴は芝生の上にペタリと座り込むと唇に手を当てたまま固まってしまった。

(アイツとキスしちゃった。アイツとキスしちゃった。アイツとキスしちゃった。
 アイツとキスしちゃった。アイツとキスしちゃった。アイツとキスしちゃった。
 以下20回繰り返し)

御坂美琴の唇の感触に放心していた上条が我に返っても御坂美琴は固まったままだった。
上条は恐る恐る御坂美琴に声をかけた。

「あのーっ、御坂さん。先ほどはなんといいましょうか……
 上条さんはあなた様をお助けようと精一杯頑張ったのであります。
 お怒りはごもっともですが、そこの所を考慮して頂けませんでしょうか?
 あれはただただ不幸な偶然が重なったせいでありまして…………
 あのーっ、御坂さん。もしもーし!」

上条の呼びかけにまだ放心中の御坂美琴が消え入りそうな声でポツリっと呟いた。

「……ファーストキス……」
「えっ、いま何と?」
「私のファーストキスだった……」

御坂美琴の告白に上条は一瞬で土下座体勢に移った。

「スマン。御坂」
「……………………」
「悪かった。この通り。でも俺だって初めてだったんだぞ」
「えっ?そうにゃの?」
「でもそんなのは慰めにもならないな。俺が悪かった。本当に済まない」
「そうじゃないの。そうじゃなくて、なんて言うか、ちゃんとした雰囲気で……えーっと」

美麻美琴がモジモジながら小声でゴニョゴニョ言っているが土下座中の上条には聞こえていない。
そうしている間に御坂妹が上条へ近寄ってきた。

「当麻さん、当麻さん、とミサカは当麻さんの肩をツンツンと指でつついたりしてーっ」

肩をつつかれた上条が土下座体勢のまま横を向くと目の前に御坂妹のローファーがあった。
「どうした?御坂妹」と視線を上げかけた上条は途中で言葉を詰まらせた。
超ローアングルから御坂妹を見上げる上条からはストライプ模様のパンツが丸見えだった。
正確にはパンツの模様をしたスーツの一部なのだが、純情少年上条当麻には同じだった。
赤らめた顔をぶるんぶるんと振ると上条は急いで立ちあがった。

「発汗量と心拍数ならびに体表面温度の上昇が確認されますがどうかなされましたか?
 とミサカは疑問を投げかけます。…………?どうして目を逸らすのですか?
 とミサカは視線の先に回り込みあなたの顔を真っ直ぐ見つめながら問いかけます」
「なんでもない。なんでもない。それよりお前こそ顔が赤いぞ。どうした御坂妹?」
「それはこういう事です、とミサカはストレートに態度で示します」

御坂妹は上条の両肩に手を乗せて背伸びするとその唇を上条当麻の唇に「チュッ」と押し当てた。

上条の唇に重なる御坂妹の唇はとても柔らかくそして滑らかだった。
しかも御坂妹の吐息が漏れるとリップの柑橘系の香りが上条当麻の鼻腔をくすぐる。
先ほどの御坂美琴とのキスも衝撃的だったが不幸な(?)偶然が重なった事故と割り切れた。
しかし今回のキスは明らかに御坂妹がしてきたのだ。
上条は一体これはどういうことなのかと考えようとしたが、唇に押しつけられた御坂妹の
唇の感触に全神経が集中してしまい、思考は空転するだけだった。

「なっ、何してんのよ?アンタ!」

突然の出来事に口をパクパクさせていた御坂美琴はようやく声を上げることができた。
その声にようやく上条から唇を離した御坂妹は御坂美琴に向き直った。

「お姉様。キスはそれをする意思があって初めて成り立つものです、とミサカは重要な点を指摘します。
 ですからお姉様のはただの事故であり到底キスと呼べるものではありません
 とミサカはミサカのキスこそが当麻さんのファーストキスであることをここに高らかに宣言しちゃいます」
「ちょっとアンタ!横から出てきて何言ってんの!」
「ですからミサカと当麻さんのファーストキスについて……」
「だから、にゃに自分勝手なこと言ってんの!」

931■■■■:2009/08/24(月) 21:11:13 ID:yphafDUo
以上です。
>>919
感想を頂きありがとうございます。書き手としては感想を頂けるととても励みになります。
あと『とある魔術の禁書目録-Index』、通称『禁書Wiki』に禁書目録のデータベースがあり
ますので、もしそちらを覗いたことが無いのであれば一度覗いてみたらいかがでしょうか?
18巻までにできてきた用語の解説などが書かれています。
本家「Wikipedia」の「とある魔術の禁書目録」ページより用語検索はし易いと思います。
また「SS自作」のページにある「過去ログ」内の「1スレ目」から「5スレ目」を
クリックすれば、2009/6/26までに投下された過去作品を見ることができます。
レスごとにタイトルが付いていますので、「SS自作」内の未編集作品を読みたい場合に
役立つと思います。

932■■■■:2009/08/24(月) 22:08:38 ID:NW6g7QI2
SSとは関係ないけど、次スレの>>1に書く内容について意見求む。
前スレはそんな暇なかったので…

叩き台は↓にあるのでよろしければ。
ttp://www12.atwiki.jp/index-index/pages/1682.html

933■■■■:2009/08/24(月) 23:17:19 ID:x3gwkEOY
最初はいつもと、同じで良いと思うよ!
最初がふざけてないで単調なのが良いから。

巫女と美琴へ
gj
当麻に右手で触って貰えば永遠にヒヨコ達と遊べるのに!
っていうか、そういうのは別の作品であったが。
御坂達のキスにたいする巫女(空気さん)の反応期待してます!
1怒る
2スルーして、御坂達の口論を見てる
3その他


すいません、当麻記憶喪失になってますか?(出来れば何巻の間を想定しているか教えて欲しい!)15より前?
(他の作品によって反応が違ったから!)
ちなみに他の作品も投稿待ってます。

934■■■■:2009/08/24(月) 23:18:27 ID:x3gwkEOY
最初はいつもと、同じで良いと思うよ!
最初がふざけてないで単調なのが良いから。

巫女と美琴へ
gj
当麻に右手で触って貰えば永遠にヒヨコ達と遊べるのに!
っていうか、そういうのは別の作品であったが。
御坂達のキスにたいする巫女(空気さん)の反応期待してます!
1怒る
2スルーして、御坂達の口論を見てる
3その他


すいません、当麻記憶喪失になってますか?(出来れば何巻の間を想定しているか教えて欲しい!)15より前?
(他の作品によって反応が違ったから!)
ちなみに他の作品も投稿待ってます。

935■■■■:2009/08/24(月) 23:21:47 ID:x3gwkEOY
すまん
ミスった!

936■■■■:2009/08/24(月) 23:21:58 ID:7lNxxbvI
>>69
>>82

937■■■■:2009/08/25(火) 15:12:50 ID:7/zRYy.c
>>933
> すいません、当麻記憶喪失になってますか?(出来れば何巻の間を想定しているか教えて欲しい!)15より前?
当麻の記憶喪失は1巻だけど?

938■■■■:2009/08/25(火) 17:15:16 ID:3GGro1Tc
15巻から御坂にバレる事

939■■■■:2009/08/25(火) 20:29:23 ID:iWJhIdRc
14巻vsテッラ戦で、通話状態の上条さんの携帯から、美琴の携帯に記憶喪失のことが聞こえてきた

940■■■■:2009/08/25(火) 22:31:18 ID:5xiERylM
で、バレた。

941■■■■:2009/08/25(火) 22:57:45 ID:3GGro1Tc
アクア戦で美琴は自分の気持ちに気づいた時と言う事で


すいません説明が下手でした。美琴が己の感情に気づいているかどうかです。

942■■■■:2009/08/25(火) 23:13:29 ID:qpohZXNk
「ミサカ、巫女と美琴(みさかみことみこと)」の続きを3レス分投下します。
注)この話に出てくる姫神秋沙は本編と少し設定が違いますがご容赦下さい。
「When You Wish Upon a Star(星に願いを)」と「When will I see you again?
(天使のささやき)」の設定を流用しており、
『吸血殺し(ディープブラッド)』の代わりに『癒之御使(エンゼルフェザー)』
という能力を持っています。
上記の2作品を読んでおられない方はとりあえず本編より饒舌で積極的な姫神
秋沙だと思っていただけると幸いです。
>>933
感想を頂きありがとうございます。
一応、自分の一連の作品は「星に願いを」が16巻以前、「天使のささやき」が16巻直後、
そして「ミサカ、巫女と美琴」が18巻後で「ふにゃー」状態を少し脱した御坂美琴が
いる世界を想定しています。自分の気持ちに気付きながらも上条がどう思っているか判
らずもやもやしている心境だと考えています。

943■■■■:2009/08/25(火) 23:14:12 ID:qpohZXNk
「ミサカ、巫女と美琴(21)」

事故とはいえ御坂美琴とキスしただけでも十分衝撃的であったのに、御坂妹からも熱烈な
キスを受けた上条の心臓はドックンドックンと激しく脈打ち、血が上ってしまった頭は思
考能力が著しく低下していた。
そのため上条は遺伝子レベルでそっくりな二人の美少女の言い争いをただボーッと眺めていた。
そんな上条は後ろから姫神秋沙に声を掛けられてようやく我に返ることができた。

「上条君。ちょっと。良いかな?」
「ああ。なんだ?ひめがむぃ……………………」

上条の返事は姫神の唇によって遮られてしまった。
本日三度目のキスという衝撃に加えて、姫神秋沙が両手で上条の両頬を押さえていたため
上条は身動き一つできなかった。
例え身動きできたとしても、姫神秋沙の唇の生暖かさとその唇から漏れる甘い吐息そして
混ざりあう二人の唾液を介して唇がこすれ合う感触に思考はパンク寸前、というか既に
パンクしていたので、上条は動かなかっただろう。

「「あーーーーーーっ!」」

御坂美琴と御坂妹が揃って声をあげたが上条にはずっと遠くからの声のように聞こえていた。
たっぷり10秒は濃厚な口づけを交わしたあと姫神秋沙はゆっくり唇を離す。
二人の唇を繋ぐように糸を引く唾液が千切れても姫神秋沙は上条の両頬から手を離さない。
上目遣いで上条を見つめる紅潮した姫神秋沙の顔は淫靡な感じさえ漂わせていた。
一方の上条も姫神秋沙の濡れた唇からどうしても視線を外すことができない。
上条の心臓は既に破裂寸前でありこれ以上何かあれば上条当麻は死んでしまうだろう。

その濡れた唇が再び動き始めたとき、御坂美琴と御坂妹の叫び声が公園に響いた。

「ちょっと、秋沙(あなた)!何してんの!」

詰め寄る御坂美琴と御坂妹に姫神秋沙は上条から手を離すと教師が生徒に諭すように言い放った。

「ふっ、キスというものは両者の合意の上で成立するの。
 だから、御坂さんのも妹さんのも所詮キスにはあたらないということ。
 つまり、あなた達どちらが上条君のファーストキスかなんていう争いは不毛なのよ」
「なっ、なによ!あなたのは合意の上だって言うの!?」
「ええ!私が『(キスして)良いかな?』って尋ねたら上条君は『ああ』っていったもの。
 だから私のが正真正銘上条君のファーストキスなのよ!」
「ちょっと、アンタ!ホントに合意の上だったの?」

御坂美琴の怒声混じりの質問にようやく上条は金縛り状態から抜け出すことができた。
しかし思考回路は未だろくに動いていない。

「…………へっ?いっ、いや、姫神に呼びかけられたから俺はただ返事をしただけで……」
「ほーら、ご覧なさい!あなたのも私達と同じじゃない。
 ということは、やっぱり私のがコイツのファーストキスなのよ!」

「じゃあ、こう考えましょう。
 全員が同じことをしたということは、言い換えれば誰もしていないのと同じこと」
「えっ?まあ、そう言ってもいいの…………かな?」
「だったら、次に上条君がするキスこそ真のファーストキスってこと」
「そっ、それはそうかもね」
「なるほどそういうことですね。ふふふっ、とミサカも相槌を打ちます」

グリンと顔を向けた3人の美少女に見つめられた上条は背中に冷たい汗が流れるのを感じた。

「皆さん、これは一体…………」
「「「つまり、早い者勝ち!」」」

後ずさろうとした上条に3人の美少女が襲いかかり上条は一瞬のうちに押し倒されてしまった。
上条の腹を跨ぐように両膝を着き上条の両肩を押さえる御坂美琴、そして右手を押さえる
姫神秋沙と左手を押さえる御坂妹に上条は動きを完全に封じられてしまった。

「みっ、皆さん。いっ、一体どうなされたのですか?」
「「「観念なさい!上条当麻。ふふふふふっ……………………」」」

そう言う美少女達が揃って瞼を閉じたかと思うと突然ヘナヘナと上条にしなだれてきた。
自身に降りかかる不幸(?)に固く目を閉じていた上条が恐る恐るその目を開けると
御坂美琴が上条の胸板に頬を擦りよせて幸せそうに眠っていた。
そして姫神秋沙と御坂妹も上条の左右の上腕に頬を乗せてスースーと寝息をたてていた。

3人の美少女に覆い被さられているこの状況は男子たるもの生涯に一度は体験したい夢のシチュエーションである。
しかし彼女達が目を覚ました後の修羅場を考えると上条にこの状況を楽しむ余裕などなく、
どうしたら身の安全を確保できるものかと必死に思考を巡らせていた。

944■■■■:2009/08/25(火) 23:14:41 ID:qpohZXNk
「ミサカ、巫女と美琴(22)」

2分後、上条の考えがまとまらないうちに御坂美琴が目を覚ましてしまった。
自分が頬を擦りよせているものが自分の枕と違うことに気付いた御坂美琴が(ここどこ?)
って感じで顔を上げると超至近距離に上条当麻の顔があった。
目が合った瞬間に引きつった顔の上条から「やあ」と声をかけられても御坂美琴は状況が理解できなかった。

パチパチと二度瞬きした後、御坂美琴の顔は瞬間湯沸かし器のように一瞬で真っ赤に茹で上がった。
御坂美琴は慌てて上条の胸に置いていた両手を突っ張って上体を起こしたが、今度は自分
が腰を降ろしている場所が上条の股間の真上であることに気付くと耳の先まで真っ赤にし
て一動作で上条から1mも飛び退いた。
右腕で胸をガードし左手でスカートの前を押さえている御坂美琴の顔は赤を通り越して深紅である。

「わっ!わっ、なっ、なんで……あっ、アンタ……」

完全に動揺している御坂美琴は言葉が上手く出てこない。

「アンタ!一体私に何したの!?」
「バカ野郎!逆だろうが…………って、お前憶えてないのか?」
「えっ?確かジュースを飲んだら妙に気分が良くて。
 それで、つまずいたひょうしにアンタの方に倒れ込んだのよね…………って、
 なんでそんな一瞬の間にその二人に腕枕なんかしてんのよ!アンタはーっ!!」
「待て!御坂。お前ホントに憶えてないのか?」
「それ以外に何かあるの?」
「いや、憶えてないならそれで良い」

なにか良く判らないが御坂美琴は何も憶えていないようだった。
そうしているうちに姫神秋沙が目を覚ました。

「あれ?どうしてこんな所で寝てるのかしら?…………って上条君!ごっ、ごめんなさい!」

そう言って姫神秋沙は起きあがると、赤らめた顔を隠すように両手を頬に当てて呟いた。

「私。一体どうしてたのかしら?」
「ってことは姫神も何も憶えてないのか?」
「えっ、私もってどういうこと?」
「いや、それならそれで良いんだ。気にするな!」

最後に目を覚ましたのは御坂妹であった。

「あれ?上条さんがミサカを腕枕しています。そうかこれは夢なのですね
 とミサカは独り言を呟きます。
 でもこれが夢ならミサカが何をしても許されるのですね。
 ならばミサカは当麻さんにお目覚めのキスをしましょう
 とミサカは自分自身に確認をとりミサカの唇を当麻さんの唇に近づけます」
「アンタ!いつまでも寝ぼけてんの!」

御坂美琴にペシッと頭をはたかれたミサカは御坂美琴の姿を確認したもののまだ寝ぼけていた。

「お姉様はミサカの夢にまで出てきてミサカの邪魔をするのですね、とミサカは空気を
 読めないお姉様に悪態をつきます。
 夢に出てくるお姉様なんかにミサカは負けません、と改めて宣言し当麻さんにキスを……」
「いい加減になさい!!」

怒りモードの御坂美琴は御坂妹に最大電圧の雷撃の槍を放った。
その横に寝ている上条のことはとりあえず無視して。
上条はとっさに右手をかざして何とか雷撃の槍を打ち消すことができた。

「こっ、こら!御坂。お前今俺ごと焼こうとしただろう!?」
「アンタがそんなところでいつまでも寝てるからいけないのよ!」
「お前なぁ…………」
「おや、お姉様。おはようございます。一体どうなされたのですか?とミサカはなぜか
 怒りモード全開のお姉様にキョトンとした顔で問いかけます」
「お・は・よ・う!どうでも良いから早く起き上がりなさい!」
「現実のお姉様も夢の中のお姉様と同じようにお怒りなのは何故でしょう?
 とミサカは素朴な疑問を独り言のように呟きます」

御坂妹が起きあがり上条はようやく身体の自由を手に入れることができた。
上条は固まってしまった関節を伸ばすために一旦大きく延びをする。
そしておもむろに起きあがると御坂美琴達が飲んでいた缶ジュースを拾い上げた。
上条が見た空き缶に書かれた「ノンアルコール」の文字の下には小さな注意書きがあった。

「本飲料にはアルコールは含まれておりませんが微量の酩酊成分が含まれております。
 本飲料を摂取することによって高揚した気分が経験できます。ただし体質によっては
 アルコールを摂取したような状態になりますが10分程度で元に戻ります。
 お子様でも安心して飲めます」と書かれてあった。

注意書きを読み終えた上条は持っていたアルミ缶を思わず握りつぶしてしまい、
未だキョトンとしている3人の美少女にこう言い放った。

「お前達、もう二度とコイツは飲むんじゃねえぞ!」

945■■■■:2009/08/25(火) 23:15:13 ID:qpohZXNk
「ミサカ、巫女と美琴(23)」

学園都市の某ビル内秘密戦隊RAILAR(レイラ)司令室にて

「諸君!ご苦労だった、ってミサカはミサカは皆の活躍を褒め讃えたりして」
「まあ、今回の事件は意外と簡単だったからな。その分それ以外で大変な目に遭ったけどな」
「で、ラストオーダーこれでお終いなの?」
「なんのこと?お姉様、ってミサカはミサカはお姉様の真意が分からず問い直してみる」
「ほら、今朝あなたが言ってたでしょ!私達の勝負のことよ」

「ああ、そのことね、とミサカはミサカは納得してみる。
 ジャカジャカジャーン、ってミサカはミサカはドラムロールの口真似をして気分を盛り
 上げたところで成績を発表してみる。レッド(御坂美琴)7ポイント、ブルー(ミサカ
 10032号)5ポイント、巫女さん(姫神秋沙)9ポイント、ブラック(上条当麻)
 4ポイントなのーっ」

悔しがる御坂美琴と無表情ながらなにやらブツブツ文句を言っている御坂妹の横で姫神秋沙
は小さくガッツポーズをしていた。

「ふふっ、私の勝ちね。じゃあ上条君来週二人っきりでどこ行こうか?」

勝利宣言した姫神秋沙にラストオーダーが待ったをかけた。

「ちょっと待って、これはただの中間報告なのって、ミサカはミサカは勝利に酔いしれる
 あなたに冷や水をぶっかけてみたりして」

「「「「えっ!?」」」」

「秘密戦隊RAILAR(レイラ)の活躍で秘密結社シキサクマアの陰謀は叩きつぶされた。
 しかし、学園都市を狙う悪の組織シキサクマアが滅んだわけではない。
 戦え!秘密戦隊RAILAR(レイラ)よ! 
 学園都市の平和を守れるのは君達しかいない!
 ってミサカはミサカは次回予告風にまとめてみたりして」

「って、おい!まだ続くんかい!!」

上条のツッコミに総司令(ラストオーダー)は胸を張って宣言した。

「当たり前なの。秘密結社シキサクマアからは次の犯行予告ビデオが届いているの。
 学園都市を狙う悪の組織が存在する限り秘密戦隊RAILAR(レイラ)は戦い続けるの。
 ってミサカはミサカは流れるような仕草で犯行予告ビデオを再生してみたり」

すると壁が開いて出てきた巨大モニターに例のごとく口元を隠したツンツンした黒髪の男が
「うわっはっはっはーーーーっ!」と高笑いする姿が映し出された。

< To be continued. >

946■■■■:2009/08/25(火) 23:16:02 ID:qpohZXNk
以上で「ミサカ、巫女と美琴」とりあえず終了です。読んで頂いてありがとうございました。
「ミサカ、巫女と美琴」1〜6までが第1話「秘密戦隊RAILAR(レイラ)誕生」
「ミサカ、巫女と美琴」7〜23までが第2話「戦慄!恐怖のヒヨコ爆弾」となります。
第3話「首領ホワイトバニーの幻影(仮)」が書けるかどうかは現在思案中です。

当初はこの話の終わり方に「姫神END」と「ミサカEND」と「美琴END」の3つを
書いており、どの方向にも行けるように伏線をはっていたのですが、どの方向に向か
うかで第3話の内容がずいぶん変わってしまうので、現在第4のエンディングも含めて
物語をどう進めるかを考えているところです。
自分の中で物語の流れが固まりましたら続きを投下していきたいと考えています。

御坂美琴の砂鉄の剣と五和の海軍用船上槍(フリウリスピア)との対決とか今回は活躍の場
がなかったミサカ10032号の活躍とか書きたいことは色々あるのですがとりあえず
暫くはストーリー作りとネタ作りに励みたいと思います。
グダグダと後書きが長くなって済みませんでした。ではまた。

947■■■■:2009/08/26(水) 09:17:11 ID:LY0Pyttk
gj
疑問にお答してくれてありがとうございます。

948■■■■:2009/08/26(水) 09:26:07 ID:LY0Pyttk
gj
なにとぞ美琴ENDでおねがいします。

949ki-i:2009/08/27(木) 06:07:16 ID:56gY7luc
え〜と、予告したいたクロスオーバー作品ですが、区切りが悪いのでPART6から投稿開始します

950■■■■:2009/08/27(木) 08:22:02 ID:hiuQwbnc
ドンと来い

951■■■■:2009/08/27(木) 15:29:17 ID:/W4clxxg
もうすぐ1000か

952■■■■:2009/08/27(木) 18:05:37 ID:oy0N5Ulg
もうすぐ1000だ

953■■■■:2009/08/27(木) 18:24:19 ID:reR8UENY
また最近ウザいスレが増えてきたな。

954■■■■:2009/08/27(木) 21:45:47 ID:nytK1zmM
後30レスほどで次スレに移るせいか区切りの悪さに職人さん達も投下をためらっている
のでしょうか?
かといってただの雑談でレスを汚すのももったいないので、本スレに投下して頂いた職人
の皆さんに感謝と声援を書き込みたいと思います。
個人的にはtoto様の『並行世界(リアルワールド)』ならびにHAO様の『とあるお嬢の看
病奮闘記 いちゃいちゃ(?)看病編』が大好きです。またユミシロ様の御坂美琴の短編、
そしてルッシー様の『とある暗部の未元物質』の続きを楽しみにしております。
その他の職人の皆さんもGJでした。次スレでも面白いお話を投下して頂けることを期待しております。

955■■■■:2009/08/27(木) 23:30:19 ID:hiuQwbnc
おい[酔いドレ]わすれてるぞ!

956■■■■:2009/08/28(金) 11:15:44 ID:JlnHCSZE
できれば「とある少女の騒動日記」(だったと思う)
も、連載再開してほしい。

957■■■■:2009/08/28(金) 22:43:44 ID:OEcUOWrQ
このスレって、考察スレとして利用しちゃいけませんか?

958■■■■:2009/08/28(金) 23:57:18 ID:YUNlwtJg
個人的には、人間爆弾を再開してほしー。

959■■■■:2009/08/29(土) 00:41:12 ID:QfmcY.0E
俺はいちゃいちゃ看病と、あの神裂とかの騒動日記だな
かもん!

960■■■■:2009/08/29(土) 20:11:44 ID:Kfbu7T9c
このスレのラストを飾る作品は何なのか!?

961■■■■:2009/08/30(日) 00:36:12 ID:CJsQ6ZUM
俺は並行世界でラストをかざってほしいのだが。

962■■■■:2009/08/30(日) 09:07:41 ID:XS.emFWg
風紀委員また読みたいけど……無理かな

963■■■■:2009/08/30(日) 12:58:30 ID:CJsQ6ZUM
風紀委員よみたい〜〜!

964levine:2009/08/30(日) 23:20:05 ID:qFddUVkA
当麻×黒子信者が少ない!!

965■■■■:2009/08/31(月) 09:09:58 ID:J9hrO4V6
sageような
上黒好きが低く見られる

966■■■■:2009/08/31(月) 16:32:51 ID:YrmxUQiQ
投下ログの更新を・・・ 是非!是非とも!! m(_ _)m

967■■■■:2009/08/31(月) 16:36:50 ID:YrmxUQiQ
>>752

今更だけど本家ってどこ? できればURL張ってくれると助かります。

968levine:2009/08/31(月) 19:08:58 ID:KpJ64dVM
・・・・・・sageってなんすか?(汗

969■■■■:2009/08/31(月) 19:21:20 ID:XFnZcOnY
E-maiのとこにsage

970■■■■:2009/08/31(月) 20:14:57 ID:iNeZZhQs
落ち着こうぜ

971■■■■:2009/08/31(月) 22:07:54 ID:p5MCCfvg
919〜927
で同じsageのやりとりしてるから見てみたら

972コリャン:2009/08/31(月) 22:54:45 ID:HvZr0ynw
1000近いな

973■■■■:2009/09/01(火) 06:32:56 ID:GZ6xIPsU
sageってこんなんすか?

974■■■■:2009/09/01(火) 09:46:34 ID:BVrmwtzI
そうだね

975□□□□:2009/09/01(火) 10:05:01 ID:Dt4rC.kw
投下ログの更新を・・・ 是非!是非とも!! m(_ _)m

976■■■■:2009/09/01(火) 11:54:21 ID:BVrmwtzI


977■■■■:2009/09/01(火) 12:15:08 ID:xbyxYroc
重要な事だけ書こう!
意味の分からない事とかあまり書かないように

978■■■■:2009/09/01(火) 14:48:43 ID:6B4Lc1PE
19巻は11月10日発売予定で、話はまさかの科学サイド、一方さんたちの話らしい……?
あと浜面も登場するらしい……?

979■■■■:2009/09/01(火) 17:40:12 ID:MeFrhWzM
ええと、とある少女の一つの願いのラストを投下させていただきたいと思います。
よろしいでしょうか……。

980とある少女の一つの願い:2009/09/01(火) 17:40:33 ID:MeFrhWzM


 自分は、何処へ行こうとしてるのだろう、と天花はぼんやりと思う。
 体がもえるように熱い。多分、最近毒の進行を止めるための薬を飲んでいなかったせいもあるのだろう。
 息が荒くなる。多分、もう間もないうちに死ぬだろう。
 体の限界が分かるのだ。
 土御門は、もう天花の体の事を話してしまっただろうか。
 天花の正体を、話してしまっただろうか。
 知り合いが死ぬのは恐ろしい。もしかしたら、上条当麻を傷つけるかもしれない。それだけは避けねばならない。
 ――そんな迷惑、かけてはいけない。
 あのまま病院に居れば、上条の目の前で死ぬかも知れなかった。
 でも、死んだことがばれないようにって、今更どうすればいい。
 引っ越したことにして、病院で息を引き取るつもりだったのに。
 ああ、このまま空高くから学園都市を出ればいいだろうか。そうして、海の上空にでも立っていれば、死んだ瞬間深海に沈むだろうか。
 でも、学園都市から出れるか?
 似た系統の風紀委員に追われたら。それ以前に、そこまで能力を使用し続けられるか。
 もうすでに足がふらふらになって、そこまで高くをあるけなくなりつつある。
 がくん! と左足が落ちる。慌てて支えるが、体がゆっくり落ち始めた。
 風が強く吹きつける。なのにちっとも体は冷めてくれない。暑くて暑くて、まともな事を考えられやしない
 だんだん落ちるスピードが加速する。大怪我をおったら逃げられない。せめて――。
 下を見た。そこは公園だった。真下には、木がある。
 さすがに夜という事もあって誰もいない。
 そういえば、この町で死んだ人間はどうなるのだろうかと小さく呟く。
 体に衝撃が来た。凄まじい音がして、木の枝が何本も折れる。
 体にいくつも傷ができた。しかし、今までであればすごい勢いで治った筈なのに、血が流れるばかりでちっとも治らない。
 とうとう、「光速再生」の薬が切れた。
 あとはきっと、細胞の死か、身に回った毒が天花を殺す。
 天花を支えていた木の枝が折れて地面に落ちる。
 しかし、どこも骨は折れていないようだ。首の骨が折れてくれれば一息に逝けてよかったのに。
 木に寄りかかって、目を閉じた。
 もう、上条に、死を伝えないという事は不可能かもしれない。でも、せめて一人で死のう。
 どうか、彼が幸せになれますように。

981とある少女の一つの願い:2009/09/01(火) 17:41:29 ID:MeFrhWzM

 バキボキガキボキィっ! と、木の枝が折れる音がした。
 上条は、その音の方向に走り出す。そこに天花がいると確信したわけではない。ただ、確かめようと思っただけだ。
 走っている内に、心臓の音が自分の耳にも聞こえ始めた。疲れているからではない、天花が見つかった時にはもう手遅れになっているのではないかと、それが恐ろしくて、ただ走り続ける。
 空気が異常なほど澄みきっている気がした。普段は気にも留めない空気すら気にかかるというのは、もしかしたら思ってる以上に焦っているのかもしれない。
(くそっ……アイツはもうほとんど動けない筈なのに、何処へ……!?)
 さっき、ものすごい音がした場、夜の公園へと足を運ぶ。
 そして、折れたはずの木を探した。天花が落ちたかもしれない、木を。
 公園の真ん中あたりまで行った時、呻き声が聞こえてきた。その声は、聞きなれた物だった。
「天花!?」
「……ぇ。おにぃ、ちゃん? どう……して」
「大丈夫なのかよ、なんで病院抜け出してんだ、戻るぞ!?」
 放心したような声をあげる天花を持ち上げようとすると、天花はその手を拒み、弱弱しい力で上条を突き飛ばそうとする。
「もぅ、病院戻ったって、意味、ないよ……? あは、結局迷惑かけちゃった。誰に迷惑かけても、当麻――ううん、『上条くん』には迷惑かけたくなかったのに」
 天花は、ボロボロの顔で泣いていた。それでも、笑ってみせた。
 もう、体を動かすことすら辛いのだろう、不自然な格好なのに動く事もしない。
「天花?」
「聞かなかった? 私は、『白船』天花。上条くんの、いもうとなんかじゃないの。私は、嘘を、ついてた。それ以外に、上条くんの、傍に居る方法、思い浮かばなかった」
 再び上条が天花に手を伸ばしても、その手に彼女の手はのらない。
 天花の体を起こしてやり、少しでも楽な姿勢へと変える。
「ああ、土御門から、聞いたよ」

982とある少女の一つの願い:2009/09/01(火) 17:41:42 ID:MeFrhWzM
「彼は、私の、『保険』だったのよ。あのヒト、優しかったから、私のお願い、聞いてくれた。――私、貴方が記憶喪失になった事、知ってた。だって、貴方が入院してきた時、覚えてないだろうと、思いつつも、会いに行こうとした。そしたら、あの、医者と貴方が、『何も覚えていないんだろう?』って、話してるの、きいちゃっ、って」
 喋るのが苦しいのか、途切れ途切れにしか言葉を紡がない。
 天花の背に回した手に力が入る。彼女は自嘲の笑みを口元に浮かべて喋りつづける。
「それから、ふっと、思ったの。貴方が記憶喪失ではない、と装うならば、私は、貴方の近しい人間に、なれるのではないかって。だって、私、貴方に会いたかった。傍に居たかった。――一緒に、外に出てみたかった」
 天花は、ずっとそれだけを願って生きていた。たった一つ、上条の傍で、ともに笑う事だけを願っていた。
「ねぇ、私、どうせ死ぬかも知れない。それなら、悔いのない、道を選んだ方が、いいなって。ごめんな、さい……私、ずっと、上条くんに嘘ついてました。迷惑、かけて、酷いこと、して。本当に、ゴメンナサイ」
 もうすぐ、死んでしまうのに。天花は、自分のことよりも上条の事を優先しようとした。
 彼女の我儘はたった一つ、上条の傍にいようとしただけじゃないか。
「別に、気にしてないから。だから」
「上条くん。私、あなたの傍にいる人達が羨ましい。でもね、私は、上条くんが幸せならそれでいい。――多分、後、五分、かな。言いたい、こと、いえるかな」
「天花」
「上条くんは、やっぱり、インデックスが、一、番、なのかな? でも、怖いんでしょ。貴方ではない貴方が救ったのだから、自分がインデックスの傍に居てはいけないのではって。でもね、今の貴方、と前の貴、方はどこも、ちがわない。私、そう思うよ」
「――ありがとう」
 何を言っていいのか分からずに、そんな事しか言えない自分が歯がゆくて仕方が無かった。
 どうすれば、天花を楽にしてやれる。
「ねぇ、上条くん」
「何だよ?」
「当麻って、呼んでもい……?」
 怯えたように、天花が呟く。
 上条は、いつも通りに応えた。
「ああ、別にいいよ」
 それだけで、天花の顔には鮮やかな喜びが刻まれた。とめどなく溢れる涙は、哀しみよりも、幸せで泣いてるように見えた。
 ひゅぅ、と冷たい風が吹き抜ける。ふと上を見ると、まだ降るには早いだろうに雪が降り始めていた。
「あははは……天花って、雪の事、なんだってさ。なのに、私、触った、事もなかったのよ。これはきっと、神様、からの贈り物ね。――当麻」
 ぐっと、体を無理やり上条へ寄せ、囁いた。
 こうすると、上条には天花の表情が見えない。
「好きです。今までも、これからも、当麻は私にとって――」
 ぶつり、と言葉が切れる。
 天花の体が、ずしり、と重くなった気がした。
 慌てて、彼女の顔を見れば、瞼は閉じられ、唇は固く閉じられていた。
 ――なのに、彼女は笑っていた。
 世界一、幸せそうな顔で。上条は返事もしなかったのに。
 雪は、静かに降り積もる。まるで、彼女に捧げられた鎮魂歌のように……。

983とある少女の一つの願い:2009/09/01(火) 17:42:08 ID:MeFrhWzM

「とうま」
 とある学生寮の一室でインデックスは上条に呼びかける。
 此処しばらく、上条の料理は目に見えて下手になっていた。ずっと何かを考えているがために、お粗末になってしまうのだ。
 インデックスが上条に呼びかけても、しばらくは気が付かない。
「とうまってば」
「……」
「とうまっ!」
 力いっぱい叫んで、初めて上条は振り向いた。
「あ、……わるい、呼んだ?」
「……クッキー、焼いた。食べる?」
 インデックスが差し出したのは、彼女にしてはあまりにも上手な手製のクッキー。
 しばらく上条は口を開けて、それから訊いた。
「ぇ? ――お前、電子レンジ使えたのか!?」
「つっ、使えるんだよ! 馬鹿にしないでほしいかも!」
「にしてもなんでクッキーが焼けるんだ!? なんで作り方を知ってんだよ!?」
 その質問に、インデックスは少し黙ると、叫び返した。
「てっ……てんげがっ! てんげが教えてっ、くれたから! 『いつか、とうまに作ってあげて』って、笑って言ったからっ!」
 その時、インデックスは、てんげが作ればいいんじゃないのか、と言ったことを聞いた。てんげは哀しそうに笑って、何も答えなかった。
 今まで、泣かなかったのに。ぽろり、と涙が零れてクッキーに落ちた。
「……そっか」
「とうま、てんげは笑ってたの? 辛そうじゃ、なかった……?」
 上条が頷くのを見て、インデックスは俯いた。
 上条はクッキーを手に取り、食べた。
「上手いな、これ」
「うん」
 きっと、天花は上条達が悲しむことを望まない。
 だから、辛そうに話すのではなく、笑って彼女の事を話せるようになろう。
「……今度、一緒に焼いてみっか」
「うん。そうしよう。私がとうまに焼き方を教えてあげるんだよ」
「お前になんか教わるのって変な気分だけどな」
「とうま、失礼だと思わないの?」
「あん? だってお前、実際問題全く社会に対応できてね――ってちょっと!? インデックスさーん、そのがっちんがっちん歯を鳴らすのは乙女としてどうかと……」
「とうまの、ばかー!」
「ぎゃぁああああああああっ、やめろはなれろっ!?」
 二人の挙動はいつもより不自然なものではあった。
 いつものように、心から楽しそうではなかった。それでも日常の為に。
 けれど、天花の事は、忘れたわけではなく。彼女の事を辛い思い出ではなく、楽しい思い出として振り返れるように。
 ――天花が、笑ってくれるようにしていたいから。

984■■■■:2009/09/01(火) 17:42:40 ID:MeFrhWzM
終了です。読んで頂いた方、ありがとうございました。

985■■■■:2009/09/01(火) 19:17:08 ID:3P97Wr1o
本編でもいつか、何でもかんでも解決してハッピーエンドになるのではなく、
こんな風にしんみりしたエピソードを通して上条さんが
成長していく風なのができるといいなと思います。
でも、実際は、ヤバイくらい暴走しそう・・・・。

986■■■■:2009/09/01(火) 19:42:54 ID:tOM/zb5M
上条さんに成長はあまりいらんさ。
まぁかなり賛否が分かれる主人公だが、熱い間違わないド根性な奴だからな

987■■■■:2009/09/01(火) 19:52:25 ID:xbyxYroc
gjなぜ最近の書き込み者はsageを書かない!
ちゃんとスレを1から見直すがよろし

988■■■■:2009/09/01(火) 22:16:25 ID:UAVFuRXM
>986
いずれ上条さんは、自分のやり方やあり方を大きく変えざるを得ないような
大きな失敗や後悔をするような気がする。
それがないか、それでも自分のやり方を全く変えようとしないのなら、
上条さんは、それまでの敵に匹敵する怪物になるだろうね。

989■■■■:2009/09/01(火) 22:36:52 ID:xbyxYroc
gj
今までありがとう!できれば他にも書き続けてくれると嬉しい!

990■■■■:2009/09/01(火) 23:34:08 ID:FDqEhbbQ
GJです!感動のラストでした!
このスレももう終わりですね。
次スレは立ってるんですか?

991■■■■:2009/09/02(水) 07:25:04 ID:GWVnW1YQ
980だったんで立てておきましたが、これでいいのでしょうか……。

992■■■■:2009/09/02(水) 10:13:23 ID:suFAFLbg
うらる

993■■■■:2009/09/02(水) 11:28:15 ID:0nGFNNew


994GJ:2009/09/02(水) 17:35:05 ID:q0OhFbkw
GJ

995■■■■:2009/09/02(水) 20:07:01 ID:tlV5rRjo
995

996■■■■:2009/09/02(水) 20:24:41 ID:7QEa5r8.
GJ 埋めちゃったほうがいいんじゃない?

997■■■■:2009/09/02(水) 20:39:44 ID:7QEa5r8.
>>991様が立ててくれたので一応貼っとく

次スレ ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/6947/1251843807/

998■■■■:2009/09/02(水) 21:03:00 ID:0nGFNNew
埋め埋め

999■■■■:2009/09/02(水) 22:10:43 ID:GRzPVsXQ
早いところ次スレうつろう

1000■■■■:2009/09/02(水) 22:14:41 ID:0nGFNNew
埋めめ

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