■掲示板に戻る■ ■過去ログ倉庫一覧■

とあるSSの禁書目録 PART2
1169:2007/02/05(月) 00:11:34 ID:OGvPf5k.
ここは「とある魔術の禁書目録」のSSを書いたり読んだり原作の予想外の展開にテンパってみたりするスレッドです。
次スレは余裕を持って>>970くらいの人にお願いします。
注1)ネタバレは本スレ同様公式発売日の0時から。
注2)基本マターリ進行で。特に作品及び職人への不当な文句と思われる発言は厳禁。
注3)職人さんは随時募集中。ジャンルは無制限。IF物、クロスオーバー、嘘予告、TSからBLまでもうどんとこい!(やっぱ流れも考えて)
注4)地球がリングだ!


とある魔術の禁書目録 Index SS自作スレまとめ
ttp://www12.atwiki.jp/index-index/pages/284.html

2■■■■:2007/02/05(月) 00:12:44 ID:5imhNzT2
>>1乙〜

3Festival of large star IF:2007/02/05(月) 00:19:03 ID:6BUzzFIE
んじゃ一番乗りって事で「Festival of large star IF」の続きを張ってみたりする。

4Festival of large star IF:2007/02/05(月) 00:19:28 ID:6BUzzFIE
◇◇◇
  
 到着した選手は後続の選手が到着するまで競技会場から離れてはならない。

短距離走ならそんなに長くはないだろう、しかしマラソンなら1着の選手はかなりの時間待たされることになる。

完走率30%以下の難関競技であるこの競技もご多分に漏れず競技時間はかなり長めだ。おそらく大覇星祭の午前中に行われる競技では最長時間だろう。

といっても全部の種目に全部の学園が参加するわけではなく、学園都市の各地にある競技会場で同時進行で行われていくのだ。

同じ学園でも違う学年はいまごろ別の競技に汗を流している頃だろう。

「ふー、なんとかなったぜ、この競技考えたやつがいたら上条さんは必殺の右ストレートを叩き込むところですよ、はい」

シュッシュッ、競技場の端っこの芝生でドカっと腰を降ろしてシャドーボクシングの真似事をしながら上条は隣に座った白井黒子に話しかけた。

 白井はそんな上条をチラリと見て、目を逸らしてしまう。

そんな態度に既視感を覚え、んっ?と視線をそらした先に回りこんで白井の目を覗き込んでみる。

「ちょ・・・ジロジロとみないでくださいな」

 放たれる言葉自体はアレだが口調は別に嫌がってるわけではなさそうに聞こえた。

「顔が赤いぞ、白井。熱でもあんのか? どれどれ」

顔を赤くしてこわばる白井の前髪を左手で掬い上げて上条は自分の額を白井の額にコツンと当てる。

「うわ、なんかあついぞ!?風邪か!?」

「ち、ちがいますわよ、風邪なんかじゃないですわ」

思わぬ急接近で余計に顔を赤くしたツインテールの少女は思いっきり動揺しながら両手をワタワタと振って否定の意を伝える。

「そういえば、さっき走ってる途中でお前舌噛んでたな、大丈夫だったか?見せてみろ」

 上条は優しげな笑みを浮かべてから、ベーってしてみろ、とジェスチャーを交えて更に接近する。

その無防備さに白井はおもわず、け、けっこうです、とうろたえまくり顔を真っ赤にしながら拒否する。

 無理やり連れて来たからおこってんのかなぁ? 上条は頭をポリポリと掻きながらいまだに下を向いてブツブツ言う白井から視線を動かして。

自分の肩にかけてある大きめのスポーツタオルに目を落とした。

検索・・・風邪の症状・・・発熱 発汗 倦怠感 などの症状が現れる。 対処方法・・・汗をこまめにふき取る 水分補給 

そんな情報を自分の頭から引っ張り出すと、近くにいた運営委員の学生に

「わりぃ、飲み物とかあるかな?」と聞いてみた。

運営委員は上条の事をチラッとみて自分の足元にあったクーラーボックスを開いてスポーツ飲料のペットボトルを渡してくれた。

サンキュー、そう運営委員に言うと500mlのペットボトルをもって再び芝生で座り込んでた白井黒子の元に歩いていき

白井の頭に自分の肩に掛かっていた大き目のスポーツタオルを被せた。

白井がスポーツタオルの隙間から、なんですの?といった感じの視線を向けてくる。

 上条は白井と視線の高さを合わせるようにしゃがみこんで

「日差し強いとキツイだろ、これでも被っとけよ、大分違うらしいぞ。」
 
タオルの上から白井の頭をポンポンと軽く叩いた。

 そして白井の隣に回ってドカッと腰を下ろして左手でニュっと白井の顔の前に先ほどもらってきたスポーツ飲料のペットボトルを差し出した。

怪訝そうな瞳で上条を見てくる白井をニコっとさわやかに見つめ返して

「水分もしっかり取っておけよ、日射病も体力が落ちてる人間には結構危ないからな」

そんな優しげなことを告げた。

ありがとうございます・・・ですわ、と小動物のように両手でペットボトルを受け取ってグビグビっと飲み始める白井の姿を確認して満足そうに微笑んだ。

一息ついて上条が視線を空に向けたとき

「へぇ・・・アンタ達、随分と楽しそうじゃない」

太陽を背にして青白い火花を体のいたるところからバッチンバッチンさせた御坂美琴の姿を発見した。

◇◇◇

5お食事券と激突する女達:2007/02/05(月) 11:53:54 ID:/n0tA/Fg
「はーい皆さん。できましたね」
「「はーい」」
調理室に声が響き渡る。
「うん、我ながら上手くできた」
「うっわー神薙君またこったの作ったわね」
「うっわーこのミニケーキおいしそう」
おいしそうな匂いとかわいらしさと美しさを兼ね備えたケーキに周りの少女達は
目を輝かせながら近寄ってくる。
「良かったら、どうぞ」
「いいの・・・?」
数人の女子が申し訳なさそうな顔で神薙に訪ねる。
「はい、私めの作ったケーキをお嬢様がたに是非とも味見をしてもらいたいのです」
「・・・え」
神薙の芝居がかった行動に一瞬とまどう少女達。だが神薙はその間もさくさくと
動き次々にテーブルの上に人数分の皿を載せ・・マグカップを並べていく。
「はい、本日は特製のセイロンミルクティーとカロリーを控えた特製チョコレートケーキを皆様のためにご用意
いたしました」
「え・・・」
あっという間に用意されたケーキと紅茶そして神薙の執事っぽい行動により
お嬢様気分にどっぷりとつかった少女達はいつの間にか席に座り出された
ケーキを一口口に運んでいた。
「「おいしい〜」」「「しあわせ〜」」
などと叫んでしまう少女達。神薙はその間に用意した鍋で煮込んだ
ミルクティーをポッドに入れると優雅な動作で少女達のティーカップに注いでいく。

「神薙くん、先生こんなにおいしいケーキ初めてです」
「はうー、おいしい食べ物ってここまで人を幸せにするんだね」
身長135センチ、ランドセルを背負っていても誰にも突っ込まれないような容姿の上条
当麻の担任小萌先生と年齢は14-15歳。幼児体型。普段は純白の布地に金の刺繍という派手な修道服を
着ている暴食魔人インデックスはケーキと紅茶に酔いしれていた。
そして彼女達の足元ではインデックスの飼い猫のスフィンクスも彼女達同様に一心不乱で
猫用にカットされたケーキをむさぼっていた。

6Festival of large star IF:2007/02/05(月) 20:12:46 ID:6BUzzFIE
◇◇◇

ねぇ?わたし最近思うんだけど、御坂美琴は上条に冷たい目線を送りながら囁いた。

「何で!?何で!?何で美琴の周りの大気が不穏な感じに帯電してんの!?」

「アンタってやつは!!アンタってやつは!!そんなに[後輩]って響きが大好きな人だったのかぁぁこのボンクラァぁぁぁぁぁあああああ!!」
 
 不機嫌少女の前髪が一瞬バチィと火花を散らし、必殺の雷撃の槍となって目の前の少年へと飛来する。

「お、おわぁ!?」

ブンブン!!バチィ!!

 彼女の前髪から光速で飛来する10億ボルトが炸裂したが少年は右拳をぐるんぐるんと回して防御する。そんな事を二回、三回と繰り返す。

「だぁームカつく!! 何なのよその耐久性!? こういう時は適当にぶっ飛ばされてそっちの方にでも転がってりゃいいのよ!!」

「だからなんでキレてんだよお前、あとそのリクエスト受けたら死にますけどね俺!!」

さらに10回、20回と回数を重ねていくとようやく不毛だと思い知らされたのか、美琴は肩で息をしながら雷撃を止める。 ちなみに

上条は腰が抜ける寸前であり、さきほどの上条と白井の作り上げていた甘い桃色空間は一変し

「警備員(アンチスキル)とか風紀委員(ジャッジメント)呼ぶ?」「いや、巻き込まれたくねぇな」といった不穏な空気で満ちており、白井はこっそりと自分の制服

についた[風紀委員]の腕章を外してスカートのポケットにしまい込んでいる。

 先ほどまで真っ赤にしていた顔を一気に冷却して白井は美琴の方を見て、

「お、お姉様、き、奇遇ですわね。お、おあ、お会いしたかったですわ。」

「黒子、アンタ入院中じゃなかったっけ?」

ビクゥ、白井の肩が大きく震えた。

元々美琴に会いに来ていた筈なのにちっともうれしくなさそうに、美琴の刺すような目線から目を逸らすと、

「あ、あの、退屈な入院生活を見かねた風紀委員の同僚が見かねて病院を連れ出してくれたのですが、途中で車椅子が壊れてしまってそこから
いろいろありましてこういう状況なわけで別にやましいこととかラブラブなこととかハプニング的におさわりイベントが発生したりなんかしてませんわ」

早口で一気に喋りきる。

「思いっきり端折ってるわねその説明、しかもなんか後半が聞き捨てなら無い。大体!!アンタコイツのこと嫌いなんじゃなかったの!?」

ビシィ!!と効果音を立てて美琴の人差し指が上条の顔を指す。

「き、嫌いだなんて別にその・・・ちょっと気に入らないところもあっただけですわ・・・・い、いまはそんなに」

ごにょごにょと言い訳を言いながら上条と美琴を交互にチラチラ

(あ゛〜腹立つ・・・アイツはアイツでなんか照れて頭ポリポリしてるし、黒子も黒子でいつもと雰囲気が違うし、なんていったらいいのかしらこの気持ち
・・・・・とりあえずムカつく)

『―――♪♪』

突然、美琴の携帯電話が鳴る。電話を耳にあてて、ウン、ウン、すぐ行くと返事をしてすぐパタンと閉じる。

どうやらそろそろ自分の学校の仲間と合流しなければならないようだ。美琴にも次の競技が控えている。

「とにかく、後で詳しく聞くから!!ちゃんと整理しときなさいよ」

 心底不機嫌そうに美琴が去って行った。途中で何度も振り返って、いい?絶対に聞くからね!!、と何度も念を押して走っていった。

「なぁ?なんであいつあんなにキレてるんだ?お前何か知ってる?」

「それを本気で言ってるとしたらお姉様も救われませんわねぇ、わたくしもですけど」

大量の?マークを浮かべながらとりあえず上条は

(なにが悪かったんだろう?)答えが用意されていない問題を思い浮かべた。

◇◇◇

7Festival of large star IF:2007/02/05(月) 20:13:15 ID:6BUzzFIE

 「で。あれはなに?」

上条と美琴の一部始終を見ていた姫神はクリップボードになにやら書き込んでいるクラスメート―吹寄制理に聞いてみた。

「知らない、上条がまたなにかやったんでしょ。 アイツは普通の学園生活というものができないのかしら」

クリップボードから決して目を離さずに吹寄は右手に持ったボールペンで姫神の右脇に抱えられたモノを指して、

一言

「で、それなに? 新しいマスコットキャラ?」

姫神の脇に小荷物よろしく抱えられたやんちゃな少女―[打ち止め]の事を聞いた。

うーん、考え込む仕草をした後に何かを思い出したように短パンのポケットからくしゃくしゃになった紙切れを吹寄に見せて、

「これ。私の[妹]」と[打ち止め]を指差して言い放つ。

「条件は問題ないかな、完走おめでと」

 右手の親指をグッ!!と立てて激励すると姫神も無表情にグッ!!と応えた。

脇に抱えられた[打ち止め]も真似をして親指をグッ!!と立てている。気に入ったようだ。

「みーさかーみーさかーたっぷりみーさかー♪とミサカはミサカは新曲を披露してみたりする、うまい?」

何の前触れもなく元気に歌いだす[打ち止め]だが

いやそれパクリだからとげんなりした様子で吹寄がクリップボードに視線を置いたまま右手だけであしらう。

「8着か・・・姫神さんは表彰関係ないから戻ってもいいよ、その子どうするの?」

「この子。迷子らしいから」、迷子センターまで連れて行く、と姫神はそう伝えた。

「そう、それじゃ迷子の呼び出しをしてもらわなくちゃならないわね、迷子センターの場所わかる?」

「大丈夫。問題ない」

無表情に片手だけガッツポーズして離れていく。

「さよーならー、ミサカはミサカは別れを惜しんでみたりしてみる」

 [打ち止め]を抱えた姫神は近くにいた運営委員からスポーツ飲料のペットボトルを受け取り、迷子センターがある会場を目指した。

「みーさかーみーさかーみーさかみさみさみーさかー♪ ミサカはミサカは懲りずに続きを歌ってみたりするー」

「歌うまいね。喉渇いてない?これ飲む?」

「わーい、飲むーグビグビグビ、ミサカはミサカは苦しゅうないって感じなってきたー」

◇◇◇

8■■■■:2007/02/05(月) 20:57:12 ID:a3rN6JIM
>>1&早速の職人の皆様乙…なんだけど。

注4)地球がリングだ!

…秋元羊介さん、いる?

9Festival of large star IF:2007/02/05(月) 21:01:03 ID:6BUzzFIE

 「なんか疲れるな、表彰なんて普段されないからなぁ」

大量のフラッシュで疲労した目をこすりながら上条当麻は街を歩いていた。

 この辺りは特に人込みが激しい。 地下鉄や自律バスの停留所など、交通の要所が集中してるが原因らしい。 電車からバスへ、バスから電車へ、

バスの路線Aからバスの路線Bへ、といった感じでさまざまな交通手段を利用する人々が溢れている。

 表彰の後に吹寄に聞いた話だと学校の仲間はいま別の競技をしているから、応援に言ってくるようにといわれたがこちらは別行動でオリアナ=トムソン達

を捜索している土御門やステイルから連絡があれば即座に動かなければならないのだが、困ったな、どうしようとか上条が一人で悩んでいると

「どうなされたんですの?さっきからブツブツと、男の独り言は嫌われますわよ」

 オレンジ色のスポーツ車椅子に座った白井黒子が車椅子の背もたれから後ろの上条を見上げるように言って来た。

 あん?と上条が眉をひそめると、

「さっきからなにやら考え事をしているようですが、もしかしてお姉様のことですの?」

ビクゥと上条が、うわ、そういえばそんな問題もあった的な顔をすると

「大丈夫ですわ、お姉様にはわたくしが上手くごまかしておきますから」

実際には全然別のことで考え込んでたのだが、自分の前にいる少女は何かの雰囲気の変化みたいなものを感じ取ったのだろう。

 上条が表彰台でフラッシュの嵐を浴びてる間に初春が壊れたスポーツ車椅子の代わりに明るいオレンジ色のスポーツ車椅子を調達してきた

のだが初春はそのまま[風紀委員]の仕事に呼び出されて支部に戻ってしまった。

 おまえはいかなくていいのか?と上条が聞くと自分の体に巻かれた包帯を見せて、わたくしこう見えても怪我人ですのと答えて風紀委員の

仕事はお休みすることを上条に伝えた。

 そのあと無言で右手を上条に差し出して、運んでもらえます?とか言って来たのでオレンジ色のスポーツ車椅子へと白井を移動させ上条も会場を移動しようとしたのだが。

「あら?レディを置いてけぼりですの?ひどい殿方ですわね」

とまあ、そんなことを言われてしまったので現在に至るといったところである。

 白井にはてっきり嫌われてるとばかり思っていたのだが今日の彼女はやたらと上条に絡んでくる。 まるでお気に入りのおもちゃを手に入れた子供のようだ。

しかし彼女は知らない。 大覇星祭で賑わうこの街とそれを楽しむ学生達、そんなささやかな幸せすら自分達の欲望の為に利用しようとしている魔術師の存在、

そして霊装[刺突杭剣(スタブソード)の取引を行う為に暗躍し、学園都市の内外では様々な思惑が交錯していることを

 させるものか―上条当麻はそう思った。

白井だけではなく美琴や上条のクラスメイト、外部から来た観客だって美しい思い出を作りたいに決まっている。 だからこそ、がんばらないと、と思う。

そんな上条の顔を怪訝そうに見つつ

「なにやら隠し事をしている気配がしますわ(ムカ)」

「は!?いや違うって、上条さんはすごくやる気ですよ、隠し事なんて滅相も無いですよ、なにをいきなり機嫌わるくなってるんですか!?」

 不機嫌のムカムカで輝きが失われつつある白井に、慌てた上条はスポーツ車椅子の取っ手から手を離して彼女の前に回りこんで彼女の顔を覗き込むように答えた所で

ドンっ、と背中を押された。

混雑している歩道で誰かの肩がぶつかったらしい。

 予期してない衝撃に対処できずに上条はおっと、と思わず一歩前に進んでしまう。

そのため覗き込むように見ていた白井との顔の距離が極端に縮めてしまう。

 というか元々顔と顔の距離は30センチほどしかない。



「「え・・・・」」



まったく同じ言葉をそろぞれ吐き出して、2人の唇は触れ合った。


◇◇◇

1001-641:2007/02/05(月) 21:01:31 ID:z6fSndrA
>>1乙(前スレの>169さんどうもありがとうございます。)

そして前スレ>948=>>3-7 Festival of large star IF さん
スレを跨いでの投稿お疲れ様です。GJ
なんか自分がいらんところででしゃばったみたいですみません。

そうか、>990じゃちょっと余裕が無かったですかね。もう少し早く提案すればよかったと反省してます。
前スレはまだ余裕があると思ってたらいつの間にか立ててくださり感謝。
何はともあれこのスレがこれからも賑わっていくように願います。
それではまた。

11Festival of large star IF:2007/02/05(月) 21:31:49 ID:6BUzzFIE
>>10 おきになさらずにどうぞ。
どの道自分がニヤニヤするためのSSですので。

Festival of large star IFはあくまでもSSのタイトルですが好きに呼んでくださって結構です。



おまけとして次回予告っぽいのでちょっといいところで止めておいてみたりする。

↓おまけ


おまけ座談会その1

白井「きゃああああああああああああ、わたくしのファーストキスがぁぁぁ!!??」
上条「不可抗力だーーーーー!?」
美琴「へぇ・・・二人はなんかあったんだ・・へぇ・・そう・・(バチバチ)
吹寄「あれぐらいの衝撃に耐えれないなんてきっと骨よ!カルシウムが足りないんだわ、ほら姫神さん捕まえて」
姫神「ガシ。観念しやがれベイベー」
上条「うわ!?なに、この状況なにぃぃ!?」

ザザザザザザァァァ   カランカラン

吹寄「さあ、あとはこの豆乳でかんぺっきよ!?ほら!飲みなさい!!?」
上条「もがーーーもがーーーー」



とある魔術の禁書目録の禁書目録SS 

           「Festival of large star IF前編」
                  次回予告


突然のハプニングで白井フラグを進行させてしまう上条

そんなとき偶然ぶつかった女性のやさしさに心を打たれその

手を握ったとき

あらゆる異能を打ち消す『幻想殺し』が発動する。

まさか!彼女が!?

     次回 Festival of large star IF第××話

         「追跡殺し Route Disturb」

まずはその[幻想]をぶち殺す―!!

                        To Be Continued

12■■■■:2007/02/05(月) 23:40:24 ID:BVo5IPNQ
>>1乙であります!
しっかし……。
>TSからBLまでもうどんとこい!
……やはりビアージオ×火野が……書いてるほうが精神汚染される魔道書になりそうだけど。

13■■■■:2007/02/05(月) 23:43:17 ID:BVo5IPNQ
む、申し訳ねぇ。まとめてで済まないけど、職人さん達はGJですぜ!

俺もなんか書くかなぁ。連投失礼いたしやしたー。

14Festival of large star IF:2007/02/05(月) 23:55:36 ID:6BUzzFIE
◇◇◇

 !!!!!!!!!

予想外の感触に白井黒子の思考は混乱の極みだった。

「「―――!?」」

超至近距離で驚愕してるお互いの目を見つめながら声にならない声はやはり同時にあげる。

(な、なんですとおおおおおおお!!)

いつものお嬢様口調はどこへやら心の叫びはちっともお嬢様っぽくなかった。

(いきなり!!?いきなり!!?)

 突然の事故で混乱していた白井は思わず上条のよく鍛えられた胸板に両手を当てて、





ドンッ!!と自分の上半身の筋肉を総動員して超至近距離の上条を突き飛ばした。



 「あどぁ!?」

 上条の全身が突き飛ばされた胸部の慣性に従って仰け反る。

反動でオレンジ色のスポーツ車椅子が少し下がった。 自分の顔の熱が上がるのが分かる、 見えないけど恐らく林檎のように真っ赤だろう。

上条の方はいまだに混乱しているのか顔色の変化はあまり見られない。

(せめて、せめてもっとムードというか順序というものがおありでしょうに)

 自分の中で不思議な感情が沸きあがってくるが白井はそれを押さえ込みながらその原因の少年に向かって
 
「人がちょっと心配してみれば・・・やはり殿方はみんなケダモノですのね!」

「違うのに!! 俺だって真面目に考え事してたのにー!」

「問答無用、ですわ!」

「うう、白井のいつもの白井に戻った気がする!!」

 上条が思わず叫ぶと、白井が真っ赤なままの顔に軽く涙目になって自分の履いていた革靴を手元に空間移動(テレポート) で移動させて

ブンっ!と振りかぶって上条の顔目掛けて投げつけた。


『スパァァン』


固い靴底が見事に命中し、痛そうな音をあたりに響かせた。上条の顔にクリーンヒットした革靴はアスファルト舗装された地面に落ちて上条の顔にくっきりと

赤い靴跡が残された。 肩で息をしながらハァハァと革靴を投げた体勢の白井を見て顔を擦りながら

上条が落ちた靴を拾おうとして地面に落ちた革靴に手を伸ばしたとき、白井のすぐ横を誰かが通り過ぎて、上条が丁度下げた頭とその人物が激突して

悲鳴を上げる。


「おわぁ!?」

「――!?」

◇◇◇

1501-375:2007/02/06(火) 18:55:49 ID:1WCpQNZc
>>1(01-169)乙です。
そして職人さん方GJです!

さて、本来なら続きをやるところですが……自分の不注意でSSのデータが丸ごとなくなってしまいましたorz
という訳で執筆していた作品は打ち切りです。本当に申し訳ないです……。

かあちゃん、俺今日から短編書きになるよ( ´_ゝ`) (´く_`;)

16Festival of large star IF:2007/02/06(火) 19:36:26 ID:PXSpBuZo
◇◇◇


 ぽふっ


白井が投げつけてきた常盤台中学指定の革靴を拾おうとして頭を下げる形で手を伸ばしたら、下げた頭になんだか柔らかいものがぶつかった。

(ぽふ?)

 両手を自分の顔の横に持ってきてみる。


ぽふ・・・・柔らかい

!!

「おわぁ!?」

冷静に確かめてみるとそれは女性の胸だった。

 上条は慌てて身を退く。 

(さっきから次から次へと何が起こってんだ!?)

ついさっきの白井との事に加えて見知らぬ女性の胸に顔を埋めてしまったのである

健全な男子高校生である上条には刺激が強くてさっきから心臓がバクバクしっぱなしであった。

 意外にもぶつかった女性は悲鳴を上げたり殴りかかってきたりはせず

「おっとっと・・・・」とあんまり気にしていないような適当な声をだしていた。

むしろその女性より更に奥に見える白井の「・・・・・・殿方」という低い声の方がよっぽど怨念が籠もっているように聞こえる。

 ぶつかってきたのは地味な作業服を着た18か19歳ぐらいの女性だった。

身長は上条よりやや高い。日本人にしては高い、と評価したいところだが、色の強い金髪や青い瞳を見る限りそれは正しい意見とは言えなそうだ。

 まるで神話などに出てくる女神が抜け出てきたような印象を受ける。

単純に胸や腰などの体つきが良いのはもちろんだがそれ以外にも目に見えない妖艶さをまちわりつかせているような気がする。

 その女性の長い金髪はワックスや巻き髪用のアイロンなどで相当手を入れてあるようだ。

全体的には髪を細い束ごとにアイロンでクセをつけ、小さな巻き髪を互いに絡めるように3本の太い束に分けている。その他にも細かい所に様々な手が

入り、一回セットするのが大変そうだ。

一方でアクセサリーの類はつけていないようだ、まるでその髪そのものを加工して黄金の装飾品を作ってる感じだ。

 女性は塗装業の関係者なのか作業服のあちこちに加工したペンキがこびりついており、脇には真っ白な布で覆われた長さ1.5m幅70センチぐらいの看板を

挟んでいる。

ピンと伸ばした手の先がかろうじて看板の下部を掴んでいた。

とここまでなら普通の[美人の看板屋のお姉様]で済むのだが、その女性の作業服のボタンは丁度胸辺りにあるボタンが一個止まってるだけで他の部分を止めていなかった。

(うはぁ、胸の谷間とかおへそとか丸見えでなんかもう・・・水着?)そんなことを考えていたら


パッコーーーーン


突然革靴が上条の顔にめり込んだ。

「ッてぇぇぇぇ!?いきなりなぁにすんだぁぁぁ!?」

革靴は先ほどと同じように白井が投げつけたものらしくオレンジ色のスポーツ車椅子に座る彼女の足元は白いルーズソックスだけがぷらぷらとしていた。

白井はふん!、と言ってそっぽを向いてしまった。

 上条が二度にわたる革靴の攻撃に傷んだ鼻を擦っていると塗装業のお姉さんは意外と流暢な日本語で

 「ああーっと、ごめんねごめんね。 こんな人混みはあんまり慣れていなくて、どこか痛い所とかないかしら?。 あ、ここ?鼻が痛いの?」

 「う、うう。実は違うんだけど優しさが身にしみすぎて、このままからだを預けてしまいそう・・・・」

ほとんど涙混じりの上条の対応に空間移動(テレポート) を発動させた白井黒子は上条の背後に現れてその後頭部にチョップを振り下ろした。

その拍子に再びお姉さんの胸へとダイブしていく。 お姉さんは特に悲鳴をあげる事もなく、片手で上条を引き剥がすと

「よいしょっと。ほら、大丈夫?あんまりケンカとかしては、ダ・メ・よ☆。 せっかくのお祭りなんだからそこの彼女のご機嫌をとって楽しい思い出
を残せるようにしたほうが賢明よね?」

 ぶわッ、と上条は顔全体を使って今にも泣き出しそうな表情になり、

「器が大きすぎる! どっかのお嬢様とは比べ物にならないっ! 上条さんはこの優しさにおぼれてしまいそうです!!」

「あらまぁ。 自分のメリットばかりを見て好きだって言うのは、くどき文句としてちょっと幼すぎるかな」

 スカートの下に取り付けられたベルトから金属矢を取り出しジト目で上条を睨んでいる白井に、塗装業者のお姉さんは薄く笑って小さく頭を下げる。

17Festival of large star IF:2007/02/06(火) 19:36:47 ID:PXSpBuZo
「そっちのお嬢ちゃんもごめんなさいね」

意表をつかれて慌てて金属矢を自分の後ろに隠しながら白井は

「な、なんであなたが誤るんですの?」

「彼氏。からかっちゃってごめんなさいね。怒ってる原因にお姉さんが関係してるからではダメかしら?」

か、彼氏なんかじゃありませんわ、と抗議して大人の女性が放つ余裕のある台詞にたじろぐ。

「(ホラ見ろあれが大人の女性ってヤツなんだよ見たか見習え参考にしろ)」

「(殿方・・・・あとで覚えてろ、ですの)」

「あーもう大丈夫かしら? はいこれお嬢ちゃんのでしょ?」

 ヒソヒソと小声で会話する少年と少女にお姉さんが話しかけた。 それから地面に落ちていた革靴を拾って白井に手渡してから

手をごしごしと作業服で擦り上条に差し出してくる。 握手の形だ。

「ぶつかってしまったお詫びに、ね。 日本じゃ頭を下げるみたいだけど、こちらではこういうやり方が一般的ね」

「はぁ・・・・そういうもんなの?」と握手を求めるお姉さんに合わせて右手を出そうとし、

「あら?キスの方が良い?」お姉さんが爆弾発言を放った。

ぶっ!! と上条は思わず吹き出した。

 純情で健全な高校生上条当麻はぶるぶると震えた後に、

「キスでお願いしますッ!!」
 
 そう叫んだ瞬間に白井黒子が上条の顔目掛けて拾ってもらったばかりの革靴を投げつけた。

◇◇◇

18Festival of large star IF:2007/02/06(火) 19:37:36 ID:PXSpBuZo
「そっちのお嬢ちゃんもごめんなさいね」

意表をつかれて慌てて金属矢を自分の後ろに隠しながら白井は

「な、なんであなたが謝るんですの?」

「彼氏。からかっちゃってごめんなさいね。怒ってる原因にお姉さんが関係してるからではダメかしら?」

か、彼氏なんかじゃありませんわ、と抗議して大人の女性が放つ余裕のある台詞にたじろぐ。

「(ホラ見ろあれが大人の女性ってヤツなんだよ見たか見習え参考にしろ)」

「(殿方・・・・あとで覚えてろ、ですの)」

「あーもう大丈夫かしら? はいこれお嬢ちゃんのでしょ?」

 ヒソヒソと小声で会話する少年と少女にお姉さんが話しかけた。 それから地面に落ちていた革靴を拾って白井に手渡してから

手をごしごしと作業服で擦り上条に差し出してくる。 握手の形だ。

「ぶつかってしまったお詫びに、ね。 日本じゃ頭を下げるみたいだけど、こちらではこういうやり方が一般的ね」

「はぁ・・・・そういうもんなの?」と握手を求めるお姉さんに合わせて右手を出そうとし、

「あら?キスの方が良い?」お姉さんが爆弾発言を放った。

ぶっ!! と上条は思わず吹き出した。

 純情で健全な高校生上条当麻はぶるぶると震えた後に、

「キスでお願いしますッ!!」
 
 そう叫んだ瞬間に白井黒子が上条の顔目掛けて拾ってもらったばかりの革靴を投げつけた。

◇◇◇

19Festival of large star IF:2007/02/06(火) 19:39:37 ID:PXSpBuZo
((((( ヾ( ゚д゚)ノ゛ )))))

Festival of large star IFの続きを投下します

投稿したあとに誤字に気づいてしまい直して投稿しなおしました。
 
16>> 
18>>
の順にお読みください。

20Festival of large star IF:2007/02/06(火) 19:58:05 ID:PXSpBuZo
◇◇◇

 再び赤くなった鼻を押さえて涙目になる上条に塗装業者のお姉さんは笑いながら、再び握手を求めてきた。

ああ、世界にはまだこんな優しい人がいたんだなぁ、と差し出された右手を同じく右手で握り返す。



『バギン!!』



何かが砕けるような奇妙な音が響いた。


「はっ?なにを固まっておられるのですのお二人とも」

最初に声を出したのは上条でもなくお姉さんでもなく、それを見ていた白井黒子だ。

当事者の2人はそれぞれ何が起きたのか理解している為、無言のままだ。

上条当麻は自分の右手に宿る能力について思い出している最中であり

塗装業者のお姉さんは自分の右手の何が破壊されたのかを確認している最中だ。

「そろそろお姉さんはお仕事にもどるわね。お二人さんケンカしちゃ駄目よ」

言うだけ言うとこちらの品返事も聞かずに走り去ってしまった。

 仕草や動きは変わらないのにさっきまであった『余裕』のような雰囲気がなくなっている。

自分の右手を見つめる上条に首をかしげて白井が

「殿方、いつまでも未練がましく握手の感触に酔ってないでわたくしの靴を拾ってくださいな」

「拾うと投げてくるから断る!?ってごぁぁぁやめろ、金属矢はやめろぉぉ」

「寝言は寝て言え、ですの!」

白井に異常な雰囲気を悟られないようにと気を使ってみる上条だったが逆効果だったようで

金属矢を投げてもいいんですわよ、というツインテールのお嬢様の言葉に渋々と革靴を拾う上条だった。

◇◇◇

21Festival of large star IF:2007/02/06(火) 21:44:02 ID:PXSpBuZo
◇◇◇

「殿方、さきほどのことなのですが―」

靴を履かせろ、ということなのかスポーツ車椅子の足板から白いルーズソックスに包まれた足を上条に向かって、にゅっ、と突き出して白井が言う。

なんだ?、上条が革靴を片手にその少女の前に膝立ちになって白井の足に革靴を履かせながら答えると

「実はさっきから狙ってやってませんこと? もしそうなのだとしたらわたくしもアナタに対する対応を変更しないといけないのですけれども」

 少女は革靴を履かせる上条をスポーツ車椅子の上から見下ろして言う。 その顔がなんだか少し赤い。

 「そのもうちょっと」 「ムードが」 「というか責任を」 

声が小さすぎてよく聞こえない白井の呟きを聞きながら上条は考える。

さきほど自分の右手が打ち消したのは[超能力]か「魔術」。

 ともに共通する項目はただひとつ、その力が[異能]によって生み出させる超常現象だということだ。

そして自分の右手に宿る能力―[幻想殺し]はそれが[異能]によるものならば、たとえ神様が創った奇跡だろうとたやすく消滅させる。

 上条は少し考えて[超能力]の線は薄いと考えた。 [超能力]を使う学園都市の能力者とは、つまるところ目の前の少女や自分のような学生である。

大覇星祭という大イベントである、普通はそっちに参加するだろう。 中には例外もいるだろうから断言は出来ないがさっきの塗装業者のお姉さんが来ていた作業服

は、メーカーのCMなどでよく見かける[外からやってきた業者]のものであるような気がする。 TVのCMで見たことがある気がした。

 当然ながら元々学園都市の内部にいる学生にはそんなものを手にする機会は無い。

だとすると、上条当麻は携帯電話を取り出して画面を開き

「聞いてますの?殿方」 そこで白井が上条の頭に正面から空手チョップをかました。

「ッタ!?」

「ですからわたくしの話を聞いてますの?と質問しておりますの」

 ベシベシ、上条の脳天にさらに攻撃する白井

「仮にもお嬢様が無抵抗の年上の男性に延々と攻撃を加える、そんなことがあっていいんでしょうか?白井さん」

 上条の抗議を受けて白井は、ねぇ殿方さん、と切って

「疑問文に疑問文で答えるな、とアナタは学校で教わりませんでしたの!!」

なんだか怒った様子で

 大胆にスカートの裾をまくって太ももに装着されたベルトから金属矢を抜こうとしたので

「聞いてます!?聞いてます!! 聞く聞くとき聞けば 聞け 聞こう!!!!!!!」

 上条は、それだけ勘弁してください、と全力の聞くの五段活用で金属矢の投擲を阻止する。

22Festival of large star IF:2007/02/06(火) 21:44:41 ID:PXSpBuZo
(そうだ・・・白井がいたんだったこいつの前で土御門とかに連絡しても大丈夫なんだろうか・・・)


 目の前の少女、白井黒子は風紀委員である。 今回の件は警備員や風紀委員に動かれるとまずい、微妙なパワーバランスの上で成り立っている科学と魔術の両サイド、

もし[科学]サイドの組織である[警備員]や[風紀委員]が[魔術]サイドの[魔術師]を攻撃なんてした日には、裏の世界に取って大スキャンダルである。

 だからこそ[魔術]側の不始末は同じ[魔術]側の[魔術師]が始末をつける。逆もまたしかり

学園都市の一員でありながらも能力者としてはまったくの無能力者(レベル0)の上条や土御門はともかく彼女は能力開発の名門常盤台中学に在学する超エリートで

空間移動(テレポート) という希少な能力を持つ大能力者(レベル4)、そのうえ学生だけで構成される対能力者用治安組織[風紀委員]の一員。

 もし上条達のやっていることが彼女の耳に入れば見逃すだろうか? 

(いや・・・絶対無いな、うん。 美琴もこいつも事件があればどこからともなく出てくるからし)

 しかし塗装業者のお姉さんが消えた方向には雑踏があるだけでもうその金髪の後姿は見当たらない。

いまから追いかければあるいは、でも土御門達にも連絡しないと、でも白井がとか上条が頭を捻って考え悩んでいると

 白井が自分のスカートのポケットから銀色の口紅の筒みたいなものを取り出すと上条に渡して

なんだこれ?、不思議な顔をする上条に

「殿方にはどうしても気になる事がおありのようですわね、でもわたくしとしても他の事に気をとられていられるのはいい気がしませんの」

ですから、と言葉を切ってニコリと極上の微笑みを浮かべた少女は

「先にその気になる事情を解決してきていただけます? だからといって連絡が取れなくなっても困りますのでアナタの携帯電話の番号をソレに登録しておいてくださいな」

 上条の手にある銀色の筒―どうも携帯電話らいいが、指差しながら言った。

「ってこれ携帯電話かよ!? こんなに小さくてどうやって使うんだよ・・・・ボタンとか画面とかないんだけどさすがは近未来学園都市だな!って使い方わかんね〜!?」

 銀色の筒を下から覗き込んだり軽く振ってみたりしながら悪戦苦闘する上条を見て、白井はクスリと笑って銀色の筒の上についているボタンのような突起を指差した。

上条がそのボタンをカチッと押すと筒の側面からスルスルと薄いシート状のものが引っ張り出された。

「うわ、ボタンちっちぇー、しかも薄くて押しにくい・・・お前らみんなこんな携帯使ってるのか? すっげぇ使いにくいんだけど」

あまりにも操作性が低い白井の携帯にアドレス帳に自分の携帯の情報を打ち込んで白井に返す。

操作シートが収納された銀色の口紅型の携帯電話を受け取ってアドレス帳を確認し

「この携帯電話はボタン押しにくい、画面見づらい、そのうえ失くしやすいと3拍子そろってますのよ」

でもオシャレでしょう?、と口紅みたいな携帯を自分の口に当てて少女は上条へ向かってもう一度微笑んだ。

◇◇◇

231-169:2007/02/06(火) 23:26:45 ID:O6ZZ.23k
 魔術の準備は整った。
 足元に石灰で描かれた円が一つ。直径はサーシャが両手を広げたよりも少し長いくらい。円の内側には掌大の何かの紋様が複数、これも石灰で描かれている。
 正確な数は十二。真上から見たなら歪な時計盤のように見えるかもしれない。方位は各時刻に対応しているものの、中心からの距離がちぐはぐだからだ。
「魔力パターンを手がかりにして術者の居場所を突きとめる魔術」というと、大覇星祭の時に土御門が使った「理派四陣」があるが、それとはまた違った系統の探索魔術である。
「理派四陣」系は「魔力の送受信」を逆探知して術者を見つけ出すものなので、『灰姫症候(シンデレラシンドローム)』のような完全に術者の手を離れた『零時迷子(ヌーンインデペンデンス)』には使えないのだ。
 だが、それでも『灰姫症候』が故意に産み出された魔術であるのなら、術者の固有魔力パターンというものは必ず内在している。サーシャが準備した魔術は対象の魔力パターンに干渉する魔力の波を空間に流し、その反響を捕らえて場所を探るものだ。イルカや潜水艦が行う超音波探知に近いものがある。
 更に今回はインデックスの持つ「神殿」の知識も取り入れられていた。
 陣とそれと同心の半径数十キロメートルの領域を簡易的にリンクさせ、十二個の紋様に相当する座標に波の受信源を作る。内と外の現象を等しくする「神殿」の効果だ。あとは三点計測の要領で目標を補足できる。
 とは言え建築物や街の人の存在をまるっきり無視した簡易リンクであるため、「理派四陣」ほど正確な位置座標は得られない。それでも探索領域の広さでは圧倒的に勝っていた。相手がどれだけ遠くにいるか分からない以上、最も求められる性能はそれである。
 仮につけた名は「零時の鐘(ロンドベル)」。硝子の舞踏会を終わらせる鐘の音だ。
「………………ふう」
 薄い胸に手を添え、一息。簡易リンクは成功。後は呪文(スペル)を唱えながら十二個の紋様を学園都市の対応する位置に仮想設置してゆき、“最後に陣の中に魔力の共鳴波を打ち鳴らせばいい”。「神殿」の中で響いた音は「神殿」の外でも大気を震わせる。
 それで終わりだ。
 もう決めたのだから、迷いは無い。
「……………………、」
 意識のない言祝栞の体を抱いて陣内に入る。
 円の中央に立ち、定められた手順に従い魔力を精製。呪に乗せて空(くう)に送る。
「――、一つ。火の粉の雪の中」
 ポゥ、と紋様の一つがこもった光を放った。
 時計盤の一時に対応する位置だ。
「二つ。二人の血の泉」
 二時。
「三つ。禊も血の中で。四つ。黄泉路の花畑」
 三時。四時。
 ――本来の、インデックスが考えてくれた呪文とは異なる呪文が紡がれる。
 重々しい数え歌は、何よりも如実にサーシャの心中を表していた。
 だけど、それでも。
「五つ。いつしか山の下。六つ。骸の丘の上」
 五時、六時――
「七つ。涙も血を吐いて。八つ。社(やしろ)を火が舐める」
 七時、……八時。
 と。

「そこまで」

 背後から発せられた誰かの声に、サーシャはドキリとして呪文を止めた。
 この場所に人がいないこと、たどり着くのも容易ではないことは確認済みだ。
 加えて知らない声。だが、知っている。
 この感覚は覚えている。
 懐かしさなど微塵もないが、確かに記憶の中に刻み込まれている。消せない傷として。
“居ないはずのナニカが居る”不条理を。
「――、は」
 呼吸が浅くなる。
 間違いない疑いない相違ない。後ろには“あれ”がいる。
 でも……でも、でも!
“あの日の悪魔はしゃべりかけてきたりはしなかった”!!
「…………、」
 振り向く勇気はない。ただ動揺で術が解けないようにするので精一杯。
 それでも、見てしまう恐怖と見えないままでいる恐怖では、後者の方が強かった。
 じりじりと足をずらして体をひねる。
「あなたが……、何をするつもりなのか、なんとなくわかります。……そして、それを止められるのは、あの人だけだってことも……」
“悪魔”が語る。
 人間のフリをした声で。
 じりじりと足をずらして体をひねる。
「……だから。あの人がここに来るまでは……私が時間を稼ぎます」
“悪魔”が語る。
 人間のような声で。
 じりじりと足をずらして、そうしながら問う。
「問一。――お前は、何だ」
 思っていた以上にかすれた声しか出なかったが、“悪魔”には届いたようだ。返事が来る。
 それと同時に振り向ききった。

「私は……貴女の友達の、友達です」

“悪魔”は語る。
 人間の声で。
 触れれば融けてしまいそうなほど儚く、しかし強い芯を持って立っている、氷の華のような少女がそこにいた。

241-169:2007/02/06(火) 23:28:10 ID:O6ZZ.23k
またちょびっとだけ投下。12巻ショック第二の理由が今ここに。試験期間真っ最中の1-169です。
実は第三の理由もあったり。まあそれはおいおい書くことになるでしょう。
あ、間に合わせで作ったテンプレ、妙に好評なようで一安心です。

>>8
箇条書きしてると、絶対に最後に落とさなければいけない気がして……解っていただけてなによりです。

>>12-13
言い出したからには……ねぇ?
お待ちしております(スッゴイ笑顔で)。

>>15
ご愁傷様です……。新たな作品を待っています。

>>22
そして真打登場。最初っからクライマックスな貴方にGJ!
「どちらかと言えば科学寄り」の世界観だったらこんな話になるんだなーと思いながら読ませてもらっています。

では、まだ試験が残っているのでここいらで。

25Festival of large star IF:2007/02/06(火) 23:28:47 ID:PXSpBuZo
●⌒ ヽ(´ー` )

Festival of large star IF作者コメント

とある魔術の禁書目録  Index の方にFestival of large star IFがUPされていたのですが

勝手ながら誤字と区切り、あと「・・・」の大きさ、そして挟み込まれて紛れていた作者のコメントの削除

などなど行わせていただきました。

コピペして乗っけてくれた方ご苦労様でした。

自分の拙い文章を読んでくれる方たちへ

・ビリビリのラブコメの予感近づく、もう空回りなんていわせないぜぃ
・今日の黒子は健気で押しますわ、動かしやすくて仕方ありません。
・一方さんがあんなところに・・・・
・がんばれ土御門もうすぐ出番が待っている。

おまけの

没シーン集
没その1

・延々と革靴を投げ続ける白井と上条のシーン
「殿方いい加減にしやがれ、ですわ」
「てめえ・・・・ポンポンポンポン、革靴ブーメランしてんじゃねぇよ」

没理由:話が進まない、投げた革靴がくるくると戻ってきて再び白井の手に収まるとか本気で考えていた時期もありました。


没その2

 ・上条が引いた借り人の指令が「ツンデレ」
「御坂、俺と一緒に来い!」
「え、あ、うん―、わっわっわ、なんでこんなカッコ!?」 

没理由:上条がビリビリをお姫様抱っこする理由が浮かばなかった。
美琴だと走った方が早そうだ。
白井なら怪我をしてるから車椅子さえ破壊すればよかった。

没その3
棒倒しで吹寄が重力を操ってクラスの3バカミサイルなる必殺技を放つ

「い、いいんちょ、ちょっと落ち着いてほしいにゃー」
「なんで人間大砲!?ちょっとタンマタンマ!!」
「いいんちょ!ここは穏便にやらへーん?って」
「いいから!?飛んで来ーーーい!!!」

『ぎゃぁぁぁぁぁぁ』

没理由:一瞬でカタがついてしまううえに青髪の見せ場が無い。

没シーン4

上条が御坂妹を借りてくるシーン

「御坂妹、ちょっと我慢しててくれ」
「ドキドキ、ミサカは驚きを隠せません」



没理由:とりあえず常盤台中学はパニックになるだろう
あと白井が上条にくっつけられない。

没シーン5

打ち止めが屋台を一方通行と練り歩くシーン

「りんご飴ウマー、ミサカはミサカはおかわりを要求してみたりする」
「おとなしくしてろクソガキ」


没理由:目立ちすぎあとほのぼのしすぎ。

26Festival of large star IF:2007/02/06(火) 23:35:22 ID:PXSpBuZo

 トゥルルルルル、ピッ

長くない呼び出し音の後によく知る声が聞こえた。

『どうもー。カミやん、そっちは上手く行ってるか? こっちはオリアナ達が取引に使いそうな警備が薄い場所を絞り込んでるところなんだが、第七学区は意外と
ポイントが多くて手間取ってるにゃー。 ステイルも別の学区を探索してるぜぃ』
 
「土御門、ひとつ確認したいんだが」

『何が聞きたい?』

 上条の口調から伝わる緊迫感で何かを察したのか電話口の土御門の声のトーンが落ちる。

「なんだったか? そのなんとかソード?とかいうアイテムの取引を阻止するのが俺達の目的なんだよな」

白井とのやり取りですっかり見えなくなってしまったが、『お姉さん』が消えた人ごみの方を見る。

『[刺突杭剣](スタブソード)な。 あとアイテムじゃなくて霊装。 カミやんもしかして弱気になってる? でも俺達3人以外の増援
なんて期待しないほうがいいぜぃ』

「で、運んでる奴も取引相手も恐らく魔術師なんだよな?」

『そうだぜぃ、判明している2名ともう1人、恐らく最低3名以上の魔術師が[刺突杭剣]の取引で動いてる』
 
「本当だな?」

『どういう意味だ?カミやん―』
                           
「ついさっきだが俺が道でぶつかった人物と握手したときに[幻想殺し]が何かを壊したんだ。 でも何を壊したのかはわからない。しかもそいつは
学生っていうより外部から来ましたって感じで―」

『待てカミやん。こっちからも質問するぞ。 そのぶつかったヤツってのは何か大きな荷物のようなものを持ってなかったか?』
 
電話口から聞こえる土御門の声に遊びが無くなる

「持ってた」

『[刺突杭剣]は全長1,5m鍔が左右それぞれ35センチ、こんなデカブツを隠せるようなもの・・・何だろうな? スーツケースでも収まらないし―』

(チッ、やっぱりか) 土御門のその言葉を聞いて上条は心中で舌打ちする。

「看板だ、その女は白い布で覆われた看板のような大きな荷物を抱えていた、間違いない」

『カミやん、お前、いまどこに居る』

 言われて上条は辺りを見渡す。 白井と一旦別れた場所から例のお姉さんが消えた方向に走ってきたのだが目印になるようなものが・・・あった。

 
「第七学区の一財銀行前だ」

そこで待ってろ、と言うと土御門が電話を切った。

上条の携帯電話からはツーツーという音がした。

通話が切れた携帯電話を見て、あの女を追うか、それとも土御門の到着を待つか、と上条は少し考え。

(でもこのままじゃ追いつけない)

 あの女が上条達の前から消えて、白井とのやり取りがあって約10分ほど、そんなに遠くには行けない時間だ。

だが土御門がここまで来るには何分かかかる、5分かもしれないが土御門が居た場所によっては10分以上かかるかもしれない。

あの女を放って置いたらいけない、そう思うと

上条当麻は敵の魔術師が消えた人ごみへと走り出した。

◇◇◇

27Festival of large star IF:2007/02/06(火) 23:36:36 ID:PXSpBuZo

 着崩した作業服を着て輝くような金髪をなびかせて、運び屋オリアナ=トムソンは人ごみの隙間を縫いながら歩いていく。

その目立ちすぎる外見と脇に抱えた大きな看板のせいでどうにも周囲の視線を集めてしまう。 自分でも浮いてるという自覚はある。

(やはり破壊されているようね)

こんなことにならない為に掛けていたのだが・・・・

 予想外の事態に動揺しつつもその歩調は緩めない。

自分の履いている作業服のズボンのポケットを探り、目的の物を取り出す。

銀色のリングに厚紙のカードが束ねてある。

 取り出したソレは一見、単語帳のように見えた。

オリアナはその単語帳を自分の口の前に持って行き一番上のカードをリングから歯で噛んで引きちぎって外し、はむっ、と口で咥えた。

 単語カードの表面に文字が浮かんでいき、それは白い紙面に〔WaterSymbol〕と黄色い文字の筆記体と書かれていた。


〔WaterSymbol〕―つまり水の象徴、本来なら青をイメージさせるその単語は黄色いインクで綴られていた。
 

 女は単語帳の束を再びズボンのポケットに押し込んで口に咥えた1ページを耳に当てて誰かに向かって話しかけるように言葉を紡いだ。

「あー、あー、もーしもーし、リドヴィア=ロレンツェッティ 聞こえてますかしらん、こちらはオリアナ=トムソン、聞こえていたら返事をしてちょうだい」

すると耳に当てた単語カードから

『本名を出すな、とあれほど言及しておいたはずです。貴女の肉声は第三者にも聞こえているのですよ、些細な事で厄介な事態を招くこともあるのです。』

咎めるような冷たい、しかし空気を震わせないその声が流れてくる。

オリアナ=トムソンを名乗る女はその言葉に、もう遅かったりして、と苦く笑い

「実はちょーっと想定外の事態に巻き込まれてしまったの。 お姉さんとしてはアドリブでもOKなのだけれど?」

そちら好みの事態ではないと、告げた。

『自慢の〔追跡殺し〕はどうなされたのですか?あなたの異名ともなっているその秘術、それで追手などモノともしないのが貴女の売りでしょう?』

いちいち言うことが感に触るよっぽど説教が好きなようだ、オリアナは嘆息して答えた。

「そうそう、それが本題のトラブルというヤツなんだけどね、リドヴィア=ロレンツェッティ 」

『本名を出すなとさっきから言っているでしょう!?オリアナ=トムソン!!』

なかなか本題に入らせてくれないリドヴィアの言葉を「わかったわかった」と適当に流して

「お姉さんがね自分に使っていた術式がね、破られちゃったの」

『あの術式・・・・[表裏の騒音](サイレントコイン)ですか?』

  オリアナの用いた一種の保険。 自分を追跡しようとするものの追いかけるという気を削ぐ術式。

一緒にいる間は何の効力も無いが 一度背を向けたら[呼び止める]という事をしようとは思わなくなるような効果を生む。

この効果が発動している間は人払いの結界のように[近寄る]気がしなくなる、[呼び止めて引き止める]、さらにはオリアナが掌から炎の塊を生み出そうが

[気にならなく]なる。 だからこそ彼女は妨害を気にせずに取引の準備にかかれる、そのはずだった。

『直接的な原因はなんです?』

「わからないわ」

『では[表裏の騒音](サイレントコイン)の再構築は?』

「それは無理、あの術式は再構築できないわ」

『ならば、これからの対応策は?』

「わからないわね」

『切りますよ、オリアナ=トムソン』

「わーっと、まってまって! お姉さんにはそういう冷たい態度にでられて喜ぶような趣味はないんだから」

『ではこれからどのように動くか、代案の提出を要求します』

代案・・・、と少し考えて

「じゃあ、とりあえず後ろから追っかけてきた坊やを撒かないと行けないわね」

自分の後方の人ごみを掻き分けて進んでくる上条当麻の姿を見つけて運び屋オリアナ=トムソンはそう呟いた。


◇◇◇

28Festival of large star IF:2007/02/07(水) 18:39:28 ID:wYdn/DU2
◇◇◇

 目的地の到着したのだが、肝心の待ち合わせの相手の姿はどこにも見えない。

(ヲイヲイ、いないぜぃ。カミやん、なんでここで待っといてくれない)

彼は上条からここの場所しか聞いてない。 つまり、恐らくオリアナ達を追って行ってしまったであろう上条当麻を探そうにも

どの方向を進めばいいか見当もつかない。

 (カミやん、本当の魔術師ってやつをなめてかかったらあかんぜよ)

薄い青色のサングラスの奥に普段の軽薄さとは違う猛禽類のような鋭い眼光を称えた[魔術師]である土御門元春の顔になる。

(思考はシャープに、どんな事態が起ころうともクールに対処するそれが本来の土御門さんだぜぃ)

彼は体操服の短パンをポケットをごそごそと探り二つ折りタイプの青い携帯電話を取り出した。

そのままアドレス帳から上条当麻を検索する。

(か、か、OKあったぜぃ)

ピっピピッピ、携帯電話を操作する音が辺りに響くが、周囲の雑踏はそんな音には耳をくれず流れる。

いまどき道端で携帯電話をいじる学生なんて珍しくもなんともないのだ。

携帯電話の画面に〔カミやん〕と表示される。

土御門はそれを確認すると通話ボタンを押した。

 トゥルルルルルル、トゥルルルルルル、ガチャ

二回のコール音のあとに回線が繋がった。

「カミやん、どこだ! なぜあそこで待っていなかった!?」

『わりぃ、でもあのままじゃ追いつけ無そうだったんだ!』

どうやら走りながら電話にでているようだ、時折上条の息遣いが聞こえる。

上条当麻の語気は荒い。 走りながらの会話は疲れる、仕方ないだろう。

(カミやんはやっぱカミやんだぜぃ)

そう思いながら更に続ける。

「やっぱり追跡中か!? でいまどこに?」

『場所は・・・・クソ!目印になりそうなものが無い。 携帯のGPSデータを送るからそっちで探してくれ!』

 GPS機能付きの携帯は友人の位置を探す、というサービスがある。

それは相手の方から使用コードを送ってもらわないと使用することはできない。 プライバシーを尊重した処置なのだが

今はそれがもどかしい。 しかも30分経つとその使用コードは使えなくなってまた相手から使用コードを送ってもらわなければならないのだ。

『――♪』 土御門の持つ携帯電話がメールを受信し軽快なメロディと振動を出す。

 上条から送られてきたGPS座標検索サービスの使用コードだ。 土御門はそのメールを開いてGPSを開き上条から送られてきた使用コードを打ち込む。

[しばらくお待ちください]と表示されて数秒、土御門の携帯電話の画面に学園都市の簡略地図と青い点で表示された上条の位置が表示された。

(って遠いな、俺が来るまでにどんだけ走ったんだよ1キロは離れてる)

 悪態をつきながらGPS画面を見て進むべき方向を決め走りながら一旦GPSを終了する。

人ごみを縫うように走りながらアドレス帳から自分の同僚を探し通話ボタンを押す。

そのまま耳に当てて魔術師―土御門元春は告げた。

「ステイル。 カミやんがオリアナ達を発見した。」

電話口の相手が息を呑む気配がわかる。

◇◇◇

29Festival of large star IF:2007/02/07(水) 18:41:36 ID:wYdn/DU2

 (クソ!?どんだけ足はえーんだよ!?) 

さっきから全力で追いかけているのに一行に距離が縮まらない。 上条は通行人を掻き分けながら追跡する。

 さきほど土御門から電話が掛かってきた後、上条は運良くあの女の目立つ金髪と作業服姿を発見できたのだが、女はそんな上条をあざ笑うかのように

角を曲がった瞬間に速度を上げてしまった。

どうやら上条の存在に気づいたようだ、上条もへたくそな尾行をやめ全力で追跡しだすが女の姿ははるか先に目立つ金髪がなんとか確認できる程度にしか見えない。

 体操服を着ていたのは幸いだったかも知れない、別に上条が着ているのは航空力学を利用した最先端技術で作られた陸上選手のユニホームではないが

それでも学生服で走るよりは大分ましだろう。

上条の視界の端で女がまた角を曲がる。 

(あの先は3本に道が分かれた細い分かれ道だ、見失っちまう。)

案の定上条が分かれ道の分岐に差し掛かった時には女の姿は見えない。

目の前には細い路地が3本あるだけだ。 上条は耳を済ませて響く靴音に当たりを真ん中の道へとつけて進んだ。

路地を抜けて突き当たりを曲がり上条は視界の端に女の金髪を発見するがかなり遠い。

「くそっ!!」 

疲労が蓄積された体に命令を送り速度を上げようとして上条は、バシっ、と背中を叩かれた。

土御門元春とステイル=マグヌスの2人だ。 ずいぶん早い、電話があってからそんなに時間は経過してないはずだったが。

 彼らは恐らくGPSで上条の現在位置から予想ルートを割り出して近道をしてきたのだろう。 ステイルは学園都市に土地勘が無いが土御門は普段からこの学園都市で

諜報活動を行う多角スパイだ。 それこそ抜け道のひとつやふたつ知っているだろう。

「どれだカミやん、[刺突杭剣](スタブソード)は看板に偽装してるって話だったよな」

「ぜぃ・・・あ、あいつだ、あの金髪の女だ」

 上条が視界の端になびく金髪を指差すと、土御門とステイルはなにやら顔をあわせて頷き速度を上げて同時に走り出す。

上条を置き去りにしたのはおそらく、ここからさきはプロの仕事だ、という意思表示だろう。

 それでも上条は息を整える事も無く、再びステイル達の後を追い駆けた。

◇◇◇

30Festival of large star IF:2007/02/07(水) 21:16:10 ID:wYdn/DU2

 (しつこい・・・ッ!!)

自分の背後を振り返りながら走り、オリアナは密かに舌打ちする。

距離は約50m、確かに離れてはいるものの裏を返せば追手との差はわずかそれだけしかない。

何度も角を曲がり、分岐の多い道を通り、時には人ごみを盾にするように姿を見失わせる。

そのように努めてきたが効果はまったく上がらない。

 脇に抱えた看板を見て自分の格好を再確認する。 看板を持った塗装業者、そう見たものは思うだろう。

この格好は見るものに『仕事中』というイメージを植えつける。 看板さえなければデパートだろうがレストランだろうが特に目立ちはしないだろう。

だがこの馬鹿でかい看板を抱えた状態で客と一緒の入り口から入れば、十中八九、従業員の目に留まり声をかけられるだろう。

 いくらでもごまかす自信はあるが追手が振り切れる確証は無い。 それに何度も説明してごまかすのも面倒だ。その間にも距離を詰められてしまう。

かと言って正面以外の出入り口を利用しようとすればIDやキーなどの手段が必要になってしまう。 そんなものは用意していないし、今からでは調達もできない。

それがあの少年の尾行を振り切れない理由でもあるのだが。

 彼女の術式が破られること、そもそもそれが異常事態なのだ。 アレはちょっとやそっとで破られるような代物ではない、そのはずだったが

現に破られてしまっている。 それにこれだけの距離を開けられてもいまだに追いかけてくる。 これは少々異常だ。

その上追手は1人から3人に増えてしまっている。 

 最初の1人は尾行が素人くさかったが、新手の2人が来てからは追跡の精度が格段に上がっている。 おそらくプロだ。

(こちらの心理を読み、行動を先読みして逃走ルートを割り出しているのね、なかなかテクニシャンだわん)

 学園都市では科学、魔術の勢力のそれぞれの事情によってうかつに手は出してこない、そういう話になっていたのだが・・・

(そうは問屋が卸さない、というやつかしらん、世の中甘くはないわね・・・ッ!)

逃走を続けるオリアナの足が急ブレーキをかける。

(ッ! こんなときに・・・!)

前方にテレビカメラが来ているのか、異様な人だかりができていている。

人の間を縫うような隙間はなくとてもではないがこの『巨大看板』を持ったままこの人だかりを突破するのは難しい。

当然『巨大看板』を捨てれば突破は可能なのだが、それでは本末転倒というやつだ。 ここまでやっている意味が無い。

(ちょっと苦しいけど・・・ッ! 作戦変更だわ)

 素早く思考し決断するとオリアナ=トムソンは人だかりを突破するのを諦めて横合いの小道へと飛び込んだ。

◇◇◇

31Festival of large star IF:2007/02/07(水) 21:16:49 ID:wYdn/DU2

 「よし!差が詰まってきたぞ2人とも」

「まったく・・・よく逃げる、ボクはこういう戦いは苦手なんだがね」

「だぁー、いい加減へばってきたぞ!?土御門ォォ!!?」
 
 逃走するオリアナを全速力で追いかけながら口々に叫ぶ

「くくく、運動不足かい?上条当麻。 所詮は科学なんていうものにどっぷりつかってるもやしっ子だな君は」

「ッてめ!? てめえだって俺と同じくらい走れば息ぐらい切れンだろうが!! [幻想殺し]すんぞゴルァァ!!」

「奇遇だね、ボクもいい加減キミのそのまぬけ面を見てるのは飽きてきたところだ」

「やんのか!? このへっぽこ魔術師!」

「こ、この・・・・ッ! オリアナ=トムソンより先にキミを始末したほうがスムーズに仕事できそうな気がするよ!!この直情熱血馬鹿が!!」

「やめるにゃぁぁぁぁ!! ガキかおまえら!」

 走りながら「なんだと!?」「なんだと!?」と喧嘩し始める上条とステイルに土御門が一喝する。

「ほら!ケンカするなら後で存分にしてくれ、とにかく今は[刺突杭剣](スタブソード)が優先だぜぃ。」

 土御門の言葉に渋々、上条は腕まくりした右手を戻し、ステイルはルーン文字の刻まれたカードを懐にしまいこむと

「ふん、命拾いしたようだね、上条当麻」
「お・ま・え・が・な!!」

言い放つととりあえずは解決したらしく真面目に追跡しだした。

 30mほど前方を走っていたオリアナが突然歩道の真ん中で急停止し、辺りを見回して脇にあった小道へと入っていった。

走りながら眉をひそめて土御門が言う。

「ん!? これまでと行動パターンが変わったにゃー・・・? 考えがかわったのか?」

喋りながらでも全く速度が落ちない。 上条も運動神経は良い方だがこの男のソレは上条のソレを軽く凌駕してる。

悲鳴を上げる肺と心臓とその他もろもろに気合で動け!と指令を送らないと置いて行かれそうだ。

 オリアナが急停止した場所までくると前方に人だかりができているのが見えた。

「にゃー、どうやらアレに捕まるのを恐れてのルート変更かにゃぁー」

「確実に追い詰めている、という事だろうね。 ルート選択にも余裕がなくなってきている。」

同感だぜぃ、土御門はそういうとオリアナが消えた小道へと走り出す。 ステイルがそれに続いて少し遅れて上条も小道に入る。

 小道を抜けると開けた場所に出た。 差し込む日差しに目を細めて上条が呟く

「バスターミナルかよ」

一面のアスファルトの空間が広がる周囲を四角いビルに覆われた馬鹿でかい敷地。

横幅は30m、奥行きにいたってはそれこそ何百mとあるだろう。 ここからではちっとも端が見えない。

 そのくせ『広い』という印象が全く持てない。 所狭しと大型車が並んでおり台数はぱっと見ただけでも6、70台は止まっている。

車両は全て無人の自律バスだ。 あちこちには金属の柱が立っていてその上をトタン屋根かなにかが覆っていた。

整備場も兼ねているのか天井には金属性のロボットアームのようなものがいくつもぶら下がっていた。

「あー、これは多分あれだな、大覇星祭用に急遽作られた自律バス用の臨時整備場ってやつだな」

 街中で走る無人バスも走れば燃料を消費するし、当然だが故障したりもする。

だから燃料を補給したり、部品を交換し整備する。そんな目的で作られた場所なのだろう。

まさかずっと同じバスが走り続けてるなんてことは無いだろうから、いくつかの車両をローテーションで運営してるはずだ。

となると今ここに止めてあるバスは全て待機中ということになる。

 上条達の目の前で1台の自律バスが無音で目の前を通り過ぎて整備場へ走っていく。
 
視線を上げてバスの上部に取り付けられてる行き先表示を見ればそこには[回送]と表示されていた。

土御門が先ほどの自律バスの後を追って一歩、整備場へと足を踏み出したとき

 轟!!―突然天井から下にいる上条達へ向けて青白い爆炎の柱が降り注いだ。

◇◇◇

32Festival of large star IF:2007/02/07(水) 21:18:50 ID:wYdn/DU2

 「ビンゴ! どうやら上手く引っかかってくれたみたいね」

微かに感じ取れる自らの魔力の残響を感じ取りオリアナの顔にわずかな笑みが浮かぶ。

 オリアナはバスターミナルを抜けて大分距離を稼いで場所にある狭い路地を走りながら意識を集中させる。

(でもだからといって完全に撒けた訳じゃあ無いみたいなのよね、若いと回復が早いわねぇ)

1つ、2つ、3つ・・・・自らの施した術式の波動はまるで糸で繋がっているかのように確認できる。

 オリアナの意識に弾けては消えてまた弾ける、そんなイメージが浮かぶ。 

最初に仕掛けた術式『反逆の炎』に続いて『災いの礫』、『旋風の暴帝』、『極寒の導』、『矛盾する魂』・・・・どうやら仕掛けた順に発動しているようだ。


(んふ・・・存外にタフなようね、まだまだイケるのかしら、お姉さんはそれでも構わないんだけどね)

 仕掛けた術式がまたひとつ発動する、まだまだ追手は健在のようだ。

それなりに時間は稼げた、そう判断するとオリアナは狭い路地を走り抜け、角を曲がる。

そのままいくつかの道を抜け、何度も角を曲がり


ドンっ!


 何個目かの角で誰かにぶつかってしまった。

 ぶつかったのは大覇星祭実行委員と背中に書かれたパーカーを着込んだ学生達だった。

彼らはなにやら大きなカゴのようなものにポールが付いた物を運んでいる最中のようで、4人の男女がそれぞれ一本づつ同じものを抱えている。

どうもオリアナがぶつかったのはその先頭の女の子のようだ。

「あー、ごめんなさいねー。 怪我とかしてない?」

アスファルトの歩道に尻餅をついている女の子に手を貸して立ち上がらせると、傍らに転がっていたカゴに手を伸ばして拾い上げ彼女に手渡す。

ごめんなさいね、と告げると彼女達は頭を下げて「いえ、こちらこそ」と軽く頭を下げて答えてくれた。

 それじゃ、そう言うとカゴを担いだ運営委員の学生達は人ごみの中に姿を消す。 

(――まあ、『保険』と言ったところかしら)

オリアナ=トムソンは銀のリングが付いた単語帳を片手で弄び、再び仕舞い込むと追手のあの少年達を振り切る為距離を離し始めた。

 幾分か余裕を取り戻した頭で

(唯一の懸念はお姉さんが現場に残して来た痕跡なのだけど・・・)

すでにその対策も仕込みが完了しているが決して安心は出来ない。

なにせ相手も自らと同じ存在―自らの生きる目的を名とし、思いによってその業を振るう[魔術師]なのだから。

◇◇◇

33Festival of large star IF:2007/02/07(水) 21:19:27 ID:wYdn/DU2

 自分の真上から迫る青白い炎の塊を見て先頭の土御門は上条とステイルに向かって

「やべッ!どうやらこちらを迎撃して足を潰す作戦に変更したようだぜぃ!? っ!カミやん!ステイル!!避けろ!」

 上条の頭を掴んで押し倒すように飛びついてきが。 突然ステイルに上条の頭を横取りされた。

赤髪の不良神父は

「なにを言う、こういうときはこうするに限る」

そんなことを言って迫り来る爆炎の塊に向かって上条を放り投げた。

「あれ?!」 直前で掴むはずの目標を失って土御門が間抜けな声を上げる。

「ッて!!あれ?!じゃねぇぇぇぇええぇぇぇぇええぇ!!」

 轟!! 魔術によって生み出された不自然な炎は筒の中を通るようにまっすぐに上条へと向かってくる。

上条はその炎をとっさに突き出した右手で打ち消す。

上条の右手『幻想殺し(イマジンブレイカー)』に触れた瞬間に炎はあっけないくらいに消滅する。

「って、ステイル!! いきなり何すんだよ!死ぬかと思ったぞ!」

あまりにも理不尽な行為に対して上条はタバコをぷかぷかさせる赤髪魔術師に罵声を浴びせる。

「我ながら、惚れ惚れするようなチームワークだね、役割分担がはっきりしてるのって素晴らしい」

「この!? 人を目減りしない便利道具みたいな使い方するんじゃねぇよ」

「なんだ、自覚があったのかい? 本当に便利だねキミの右手は」

ステイルは上条の罵声なんて気にしてない様子で悪びれなく答え、ニコリと不気味な笑みを浮かべると

「それ、ああいうのは君の役目と決まってるんだよ、三沢塾の時もそうだったろ?」

停車している自律バスの一台を指差して言う。

自律バスと地面の隙間を通ってなにやら土の塊でできたボールのような物が飛んできた。

 ジャキッ!とその表面からトゲを出しウニみたいな形になると上条のすこし手前で急激にホップする。

「うわっ!」

上条は顎の下を狙ったウニボールを『幻想殺し(イマジンブレイカー)』でなんとか防御して荒い息を吐く。

「あ゛〜なんか思い出したらムカムカしてきた!? 神様、この罪深きへっぽこ魔術師を殴り殺してもいいですか!?いいですね?」

「カミやん、右だ!」

 大気を切り裂きながら飛来する旋風の刃を咄嗟に飛びのいて避ける。

ズパン! 旋風の刃はそのまま先にあった自律バスのタイヤに当たって辺りにバスのタイヤの構成素材であるワイヤーやホイールの残骸を撒き散らす。

34Festival of large star IF:2007/02/07(水) 21:20:30 ID:wYdn/DU2
「そら!まだまだくるぞ」 

 ステイルが洗車場の水溜りから飛んできた無数の氷柱を爆炎で迎撃する。

高温の炎と氷柱がぶつかりその中間で爆発が起こる。 コンクリートやらアスファルトやらの破片と一緒に視界を奪うような土煙が上がる。

「これは・・・・一個一個相手していたらキリがないぜぃ、カミやん強行突破するぜぃ!とりあえずアレを破ってくれ!」

 舞い上がる土煙から目を守りながら土御門が言う。

「おう!・・・ってなんだありゃ!?」

ウネウネウネー

 土御門が指差した先には10m四方ぐらいの白いウネウネしたナニカが蠢いていた。

上条はおもわず、気色わるッ!!?と後ずさる。 ステイルは早く行けとばかりに指でそのウネウネを指すといまだに後ずさりを続ける上条に告げた。

「あれはエクトプラズムを媒介にした暫定物質だね。なぁにその右手なら問題なく突破できるさ」

だからさっさとやれ、と

「なんかブヨブヨしてそうで心底嫌なんだけど・・・・うわーん、ちっくしょぉぉぉぉぉぉぉ!!」

◇◇◇

35Festival of large star IF:2007/02/08(木) 00:04:52 ID:448d4QcI
◇◇Festival of large star IFおまけ座談会その2◇◇

白井「お姉様ー」

美琴「(右手で抱きつく白井を阻止しながら)はいはい、なによ一体」

白井「作者が気分転換で書いてたお姉様大活躍のSSがあるとの事ですわー」

美琴「え、マジ? なにそれ聞いてないわよ!?」

白井「なんでも大覇星祭ではお姉様は能力が制限されてる上に直接戦闘パートがないのでそれを不憫に思った作者が書き起こしたものですの」
いまやってる大覇星祭編とは違ってそれより前の原作でいうと6巻のお話ですわね。 暴走したエリスを[超電磁砲](レールガン)ぶっ放して退治するってワンシーンだけですけど」

美琴「ああ、本来禁書シスターとメガネっこがやる6巻の最後の辺りね。」

白井「ええ、それそれ、ソレですわ。 タイトルはSS本編は「Imaginary number」って言うらしいですわ、でお姉様が活躍するそのシーンのサブタイトルは例によって
決まってなかったりするんですけれどもね」

美琴「でもいま投稿するとFestival of large star IFと混ざっちゃうんじゃ・・・・」

白井「ええ、ですからお姉様の活躍が目に触れる機会は無い・・・ッツ痛、たたたたた、いけませんわお姉様・・・こんな街の往来で、わたくし何か
興奮してきましたわ。 お姉様に体の一部分を摘まれるのもまた一興ですわねぇ」

美琴「これ以上耳を引っ張ったらきっとちぎれて大惨劇になっちゃうわよ黒子、アンタなんかいい役貰ってるみたいじゃないの」

白井「・・・・(殿方さんとのシーンですわね)

美琴「密着におさわりにお姫様だっこに世話焼きスキルにキスシーンまであるじゃないの!? そのうえやきもちに携帯電話の番号の交換!?」

白井「わたくしも一旦出番なしなのですけれどね、そのうち再登場いたしますけど。 いまは魔術サイドがメインのお話なんでわたくし達の出番は・・・・」

美琴「作者は11巻のベネツィア編でメインを私かアンタか迷ってるらしいわよ。マジデ」

白井「もちろんわたくしですわね。今回は既成事実もありますので」

美琴「わ、わたわたしだと思うわよ、ほら禁書世界のヒロインだし」

五和「実は私がヒロインです、はい」

ビクゥ

白井「ど、どなたですの、というかどこから入っていらしたのですの!?」

五和「|彡サッ」

美琴「あ、逃げた!! 」

−−−−−−−−−− ここまで読んだ −−−−−−−−−−−

36■■■■:2007/02/08(木) 01:24:31 ID:HWXeluVk
あんまりこういうこと言いたくないんだが、長編書くなら自分のサイト作ってやったら?

37■■■■:2007/02/08(木) 02:13:47 ID:JjLv2WVc
本人からすれば

・サイトを作るほどではない
・作り方がよくわからないし時間が無い(もしくはもんどい)
・携帯から書いている

てな理由があると思うけどね

短篇は本スレでネタとして投下されることも多いし、俺はここでも構わないと思うけどね
色々な作品が増えて見づらいからそういうこと言うのかもしれないけど

SS(ショートショート)ではないけどの・・・
SS(サイドストーリー)って感じで

38■■■■:2007/02/08(木) 02:21:19 ID:.5X8O0fg
個人的には「1行ごとの改行」と「ぶつ切り投下」がなければ長編でも全然構わないんだがな……

39■■■■:2007/02/08(木) 09:23:28 ID:tF0Nn2e6
長編が見にくいのは仕方ないんじゃないか?大抵他のSS投下スレでもこんな風になるし。
ただ読むだけならまとめサイトを見ればいいわけだし

40■■■■:2007/02/08(木) 10:10:14 ID:UR5TJjD2
見にくいっていうのもあるけどそれ以前にあれだ、ぶっちゃけツマンネ。

41■■■■:2007/02/08(木) 11:15:07 ID:JjLv2WVc
厳しい事を言うねえ
つまらないなら見なければいいじゃないか
このスレはある意味自分の妄想を書き連ねるスレなんだ
毎回毎回自分の気に入るSSがでるスレじゃない

42■■■■:2007/02/08(木) 11:26:39 ID:tF0Nn2e6
>>41の言うようにつまらないと感じたらこのスレを見なければいいのでありそれでもつまんないとか言うのはただの中傷行為だぜ?

43■■■■:2007/02/08(木) 13:30:57 ID:vWdtwXXI
オープンな掲示板に書き込む以上、誰かに読まれるって事は忘れちゃいけない。
面白くなければスルーされる事もあるだろうし、気に入らなければ批判されることもある。
それが嫌ならチラシの裏にでも書いてろ。

あと個人的な希望だが、長編書くなら鳥付けてくれ。

気に入らない・つまらないと思うならNGしとけ。専ブラ使って無い奴は知らん。


>>kuuttikuu0904@hotmail.co.jp
余程の理由があるのでなければsageにしてろ。

44■■■■:2007/02/08(木) 15:39:22 ID:ipljzQWg
んー。Festivalの人、文章とかメール欄とか見るに、色々と慣れてないのかしら?
 
周りのやり方は良く見て見習った方が良いわよ。わざとだとしたら感心できないけど、ホントに何も知らない娘かも知れないから、一応忠告ね。

45 ◆svvzJVWQpU:2007/02/08(木) 18:35:50 ID:448d4QcI
>>43 >>44 いろいろと慣れてなくてご迷惑をおかけしているようで申し訳ありません。

46Festival of large star IF ◆Oamxnad08k:2007/02/08(木) 18:41:51 ID:448d4QcI
うーん、鳥ってこんな感じでいいんでしょうか?
教えて頂いてありがたいです、気をつけますね。

4701-641:2007/02/08(木) 19:25:01 ID:rr9jlDf.
まあ、みんなでこのスレを良いものにしていきましょうさ。
といってる自分がこんなこと書き込むのもなんですが、>5の人、ちゃんと読んでいたのに
なんか書き込んだときにアンカーが変な風になって>3、>6に紛れ込んでて申しわけなかったです。
けしてわざとじゃないですよ?
仕事明けの頭で書き込んだからかなぁ…。

これ以上はスレ違いなので一言。継続して書き込んでる人は皆GJさんだと思いますんで。

48とある魔術の禁書目録外伝〜僕たちの聖杯戦争〜:2007/02/08(木) 19:28:07 ID:6fWcDBMs
お久しぶりです。一段落ついたので投下します。

―――― 1日目 Crimson Riot ――――

夜である。結局インデックスの説明を聞いていたら正午どころか、時刻はいつの間にか六時を回っていたのだ。冬の空は暮れるのが早く、完全に日の落ちた学園都市の道路を上条当麻は歩いている。無論、説明だけでこのような時間がかかるわけがない。もちろん、上条の理解できない単語がズラズラと並んでいたから、というだけではなく、御坂美琴からの訳の分からない電話や真面目に自分の身体に起こっている異変について知りたい上条に対してインデックスは二時間ほど説明すると飽きてきたのか、面倒くさそうに上条の質問に答えるだけになったのが原因でもあった。もちろん、間に昼食を取ったり、猫が行方不明になったりと諸々の事情があったのだが、これはそのさい置いておく事にする。だが、まぁインデックスの長い長い説明のお陰で今朝突然現れた、この紋章もとい令呪についてはなんとなく理解できたし、これから自分が巻き込まれそうな事件についても理解はできた。インデックスの話によればどうやら、体に令呪が刻まれてしまった以上はその聖杯戦争から逃れる術はない、とのことだった。十年前の聖杯戦争では監督役の代行者がその辺は管理していて拒否しようと思えば拒否できたらしいのだが、今回はインデックスにさえ分からないような突発的に発生した聖杯戦争であるため、もちろんそのような監督役の所在は明らかにはなっていない。隣人の魔術師兼多重スパイである土御門元春にも相談してみようかと試みたが今日は一日中留守にしているらしく、インターフォンに反応することはなかった。
「はぁ・・・・」
上条は買出しを終え、雑多な品物が無造作に挿入されたビニール袋を片手に提げながら深く溜息をついた。まったくこれは同考えても不幸な話ではある。訳の分からぬままに魔術師の殺し合いに参加するようなハメになり、その一環としてもちろん他のマスターやサーヴァントから命を狙われることになる。そのため、一人で出歩くなとインデックスには窘められたが上条にとっては聖杯戦争と言うものじたいに実感が湧かないのでどうにも危機感は湧かなかった。確かに不安はあるが恐ろしさというものは感じない。
「はぁ・・・・」
もう一度同じ様な溜息を吐く。もちろん、そんな溜息で上条当麻の憂鬱が解消されるはずもなく、ただ帰ってから待ち受けているインデックスとのサーヴァントの召喚なるものを控えていたずらに上条は口から空気を放出していた。インデックス曰く、サーヴァントの召喚には手間は掛かるがそう難しいモノではないらしい。問題は上条の『幻想殺し』が召喚にどのような影響を及ぼすのか、だそうだが、そもそも上条には聖杯戦争に参加しようとする意志さえない。だから、サーヴァントを召喚した後はちゃっちゃとこの令呪とやらを使ってマスターを降りようと考えていた。令呪はサーヴァントに対する三回の絶対命令権であることは聞いたし、これとサーヴァントがなくなればマスターとしての資格もなくなることも質問して確認した。召喚したサーヴァントには悪いが他の魔術師をあたってもらうことになる。もちろん、召喚自体に失敗してこの令呪が消えてくれれば上条としてはベストな流れであった。
「だいたい、何で俺なんだよ」
辺りに人がいないことを確認してひとりごちる。無論、独り言なのだから仮にソレが疑問形だとしても答えは返ってくるはずがない。そう、それは独り言のはずだったからだ。だが、その声はどこからともなく、いや何故か上条の頭上から返ってきた。

「何を馬鹿な・・・・聖杯に選ばれたからであろうが」

「っ!!」

49とある魔術の禁書目録外伝〜僕たちの聖杯戦争〜:2007/02/08(木) 19:28:55 ID:6fWcDBMs
上空を仰ぎ見る。そこには誰もいない。だが、いる。確かにそこから男の声が聞こえてくる。野太い男の声がハッキリとその何もない空間から聞こえてくる。そして、明確な殺意。直感で分かる。逃げなければ殺される、と。
渾身の力で駆け出した。寮までの距離は三百メートルほど。全力で走れば一分掛からずに走り抜けられるだろう。だが、その一分を声の主は許すかどうか。もちろん、答えは否だった。
駆け抜ける烈風。一陣の風。吹き荒れる暴風はまるで嵐のようだった。いつの間に姿を現したのか、恐らく声の主であろう男は全力疾走していた上条当麻を抜き去り、巨大な壁となって屹立していた。月夜に照らされる豪奢な鎧に筋骨隆々とした体躯、二メートルを越しているであろうその長身はまさに壁と表現するよりは他ならなかった。そして、何よりも異様なもの。それは男が手に携える巨大で鮮やかな金刺繍が施された戟とその男の背後で嘶くまるで血に染まったような真っ赤な馬だった。たとえ魔術に精通していないものでも分かる溢れんばかりの威圧感と魔力。戦いなど経験したことのない人物であれば一瞬で気絶してしまいそうなそんな気迫が男からは所狭しと溢れていた。
「っ、誰だよ、テメェ」
声が震える。掌に汗が広がり、喉がチリチリと焼けるように痛い。
「誰?愚問だな。ほれ、貴様もマスターならサーヴァントを出せ。結界の中に入ってこれるのなら魔術しか有り得んだろう」
言われてやっと理解した。目の前の物体が何であるかを。目の前にいるのはさきほどインデックスと話していたサーヴァントという存在なのだろう。そして、これは聖杯戦争の戦いの一環で、他のマスターがマスターである上条当麻を殺しに来た、というただそれだけのこと。しかし、上条はあまりにもサーヴァントについて誤解していた。聞いた話ではサーヴァントは使い魔。いわゆる、蝙蝠やネズミを多少強力にしたものだと考えていたのだ。だから、今まさに自分の目の前にいる怪物がサーヴァントだということが理屈では分かっていても心が理解していなかった。一言にして言えば、有り得ない、である。
「ほら、どうしたサーヴァントを出せ。背後に控えているのだろう?」
「まだ召喚してねぇ・・・って、言っても信じてくれそうにはねぇな・・・っくそ、インデックスのやつ、サーヴァントはサーヴァントを知覚できるとか言ってたのに」
目の前の男は上条がサーヴァントの召喚を行っていることを知らないようだ。その様子からすると、結界(上条は存在すら気がつかなかったが)の中に入ってきた人物全てに攻撃を行っているのかもしれない。男はいまか、いまかと待ち遠しそうに豪奢な武器を構えている。体が震えた。走って逃げたとしても追いつかれる。まともに戦ってもおそらく勝ち目はない。ならば、上条の取るべき道はただ一つ。
「ほぅ?」
右の拳を深く落とし、左手の拳を腰の辺りへ持っていく。つまり、上条はこの目の前の化け物にたいして無謀にも臨戦態勢を取っているのである。
「馬鹿か?サーヴァントなしで俺と渡り合えるとでも?」
男の怒りが感じられる。さっきまでとは比べ物にならないような殺気が辺りを包み込む。無論、上条とてまともにやり合う気などない。賭けるのは自分の能力『幻想殺し』。サーヴァントとは聖杯が呼びだした言うなれば最上級の魔術である。上条の『幻想殺し』が魔術や超能力といった異能をことごとく打ち消すことができる。ならば、その例に従うならばこの目の前の魔力の塊だって殺せるはずである。もちろん、触れることができれば、の話だが。

50とある魔術の禁書目録外伝〜僕たちの聖杯戦争〜:2007/02/08(木) 19:31:14 ID:6fWcDBMs
「おおおおおぉぉぉぉっっっ!!」
踏み込む。少しでも触れられれば、と考えて疾走する。男は呆れたように口元に小さな笑みを浮かべると手にする大きな戟を振りかざした。刹那、振り下ろされる天よりの一撃。もちろん、上条には剣戟さえ見えない。だが、その戟の終着点ぐらいならば誰だって予想できる。右手を翳すのは自分の頭上。どういう軌道だとしても関係ない。武器が振り下ろされる以上、狙われる部位は頭上以外にはまず考えられない。無論、それはサーヴァントの一撃。受け止めようとしたところで腕ごと切断されるのが当たり前である。だが、その頭上に翳された手は全ての異能を打ち消す奇跡の右手。何も能力を持たない上条が唯一能力として誇れる絶対なる守護者。ぶつかりあう武器と腕。瞬間、ガキィという音と共に両者がぶつかり合う。だが、それとて一瞬。上条の腕に触れた瞬間に男の得物はバキィンという音を立てて粉々に砕け散った。男の表情が驚愕に染まる。そんな馬鹿な、と目の前の光景に心が奪われる。その隙を上条当麻は見逃さなかった。
―殺せる
そう理解し、武器を砕いた右腕をそのままに体をそのまま前進させる。掌を返しただ男に触れようと手を伸ばす。距離はわずかに十センチ。一気に加速した上条の右腕がまさに男を捕らえようとした時、

「戻れ!ライダー!!」

とどこからともなく消えた声とほぼ同時に必殺のつもりで放った右手をすり抜けるように男とその背後に立っていた馬はそこにいなかったように掻き消えてしまった。
「っ!?」
辺りを見回しても殺気どころか気配すらない。完全に男はこの近辺から消えていた。避けるタイミングなど与えず、自分でも惚れ惚れするぐらいに理想的に決ったはずの一撃が交わされたのだ。いや、あれは交わした、というよりはいなくなったというほうが妥当であった。それぐらい男は忽然と姿を消したのである。それだけではない。あの上条の一撃は普通ならばどうということもないただの打撃である。普通のマスターから見れば何もサーヴァントを撤退させるだけの攻撃でもなかったはずだ。それなのに、あの男のマスターはサーヴァントを引かせた。それはつまり、
「俺の事を・・・知ってんのか」
知人で魔術師かつ『幻想殺し』の能力を知っている人物・・・・を上条は頭の中で思い浮かべたがあまりにも多いので途中でやめた。この半年前後で戦ってきた魔術師はあまりにも多い。それにこっちは知らなくても向こうだけが知っている可能性も十分に考えられる。今はまだ具体的な答えを出すことなどできなかった。
「・・・」
上条当麻は自分の右腕、そして辺りを一通り見回してから当初の目的地である学生寮へと足を向けた。殺されかけた。その事実が上条当麻を締め付ける。聖杯戦争。魔術師同士の殺し合い。そんなモノに参加する気は毛頭ない。だが、例えばさっきのサーヴァントのマスターが自分の知人だとしたら。上条はその知人が殺し殺されるのをただ見ていることになる。
「・・・」
複雑な気持ちだった。止めるのならばそれだけの責任を背負い、やるのならばそれだけの覚悟を背負わねばならない。その覚悟と責任をどう持つのか、いやまず持てるのかどうかを上条は思案しつつ学生寮へと向かっていった。

―――― ――――

>>46
頑張って下さい。自分は読みやすくていいと思います。
自分の小説読みにくいですから・・・・OTZ

ではでは、また来週には続きを投下できるかと思います。

51■■■■:2007/02/08(木) 23:12:32 ID:m7Qg.Ccw
Festivalの人。今のままのノリで行くなら。アルカディア辺りのSSサイトに投稿した方がいいと思う。

それから。原作のIFをやるのはいいとして。原作の文章を丸写しするのは感心出来ない。

52Festival of large star IF ◆Oamxnad08k:2007/02/09(金) 05:29:50 ID:FP0a9CXQ
50>>いえいえ、そちら様の作品は楽しく読ませてもらっております。
51>>気をつけますね。

531-169:2007/02/09(金) 12:00:40 ID:himg2gnY
>>48
GJ! 動き出してますね聖杯戦争。
サーヴァントはこの分だと全員オリジナルっぽいですね。さて私の知識で分かる人達かしら……?
続きが楽しみです。


と、ここで突発的ネタ。

ハレ晴れユカイ 〜インデックスver

ナゾナゾみたいに魔道書を解き明かしたら
みんなとどこにも行けない 

ワクワクしたいと願うこともわすれてたよ
かなえてくれたのは君です

時間の果てまでBoooon!!
 
ワープでって言われても分からないけど
何もかもを閉ざしてた幻想を壊して!

アル晴レタ日ノ事
魔術以上のユカイが 
限りなく降りそそぐ 知らなかったよ
明日また会うとき 笑いながらオハヨウ
嬉しさが湧き上がる
カンタンなんだね こ・ん・な・の
追いかけるよ つかまえたいから
おおきな夢&夢 ありがとう


イロイロ予想が出来そうで出来ない学園都市(まち)で
それでもひとつだけわかるよ

キラキラ光って 厚い雲のわたがし飾る
星たちは甘いキャンディーだと

時間に乗ろうよByuuuuun!!
チープでクールな育ち盛りだもん
二杯だけじゃ物足りないなんてね 言わせて

手と手をつないだら
向かうトコはレストラン
輝いたテーブルに お残しはないの
上だけ見ていると お腹が鳴っちゃった
「変わりたい!」
ココロから強く思うほど ハ・ラ・ペ・コ
走り出すよ 後ろの人のおごりで
ドキドキッ するでしょう?


Boooon!!

ワープでって言われても分からないけど
何もかもを巻き込んだ春巻きをおかわり!

アル晴レタ日ノ事
魔術以上のユカイが 
限りなく降りそそぐ 知らなかったよ
明日起きたらまず 笑いながらカミツキ
朝ごはん 三人前
カンタンなんだよ こ・ん・な・の
追いかけてよ 私を見てよ
おおきな胸&胸 スキなの?


…………真面目にやるかネタに走るかはっきりすべきだったか。なんか半端だ。
そして一番初めに思いついたのが下から三行目と四行目であることは言うまでもない。

54■■■■:2007/02/09(金) 17:44:28 ID:.wnYr6vA
参考(修羅場スレのお約束)

・指摘するなら誤字脱字
・展開に口出しするな
・嫌いな作品なら見るな。飛ばせ
・荒らしはスルー
・職人さんが投下しづらい空気はやめよう
・指摘してほしい職人さんは事前に書いてね
・過剰なクレクレは考え物

55■■■■:2007/02/09(金) 18:36:00 ID:Hx4fnKpc
Fesの人は一度の大量投下と投下から次の投下までが短いことが問題な気が。
学校スレでも一挙大量投下した人が面白いけど長杉って言われたし。

前者に関しては一度の投下は数レスに纏め、最後のレスには判りやすい区切り・オチを付けるのが吉。
後者だが、投下から次の投下までが短いと感想も付けづらいし、何より被るのを嫌う職人は投下しづらい。「様子見」を覚えよう。

56■■■■:2007/02/09(金) 21:04:22 ID:.wnYr6vA
ある程度の長さがあるなら
まとめWIKIの方に投下すれば?

57■■■■:2007/02/09(金) 21:29:41 ID:QkaWqvLY
>>Festivalの人
便乗する形で言うなら、個人的なことではあるが一行毎に改行を入れてるのが少し読み辛い。
どうしても長くなるし、密度も少なくなるしね。文庫をそのまま横書きにしたような体裁が一番読み易いと思うのだがどうでしょうや?
あとアンカーは「>>レス番」と入力するとできるよ。ex)>>56

書いて投下する度胸があるんだ、その精進を待ってます。

58Festival of large star IF ◆Oamxnad08k:2007/02/09(金) 21:45:10 ID:FP0a9CXQ
>>55」 ご指摘ありがとうございます。
>>57」おなじくご指摘ありがとうございます。しかしFestival of large star IFに関しては自分も少し思うところがありますので一旦中止しようかと思います。
もっと納得のいく形に直してからという事になりますが

とりあえず打ち切りということにいたします。
書きたいシーンだけを短編にしたSSをいま書いておりますので納得のいく内容に仕上がればそちらを投下してみようと思います。

途中ですがお付き合いいただいた方々ありがとうございました。

59■■■■:2007/02/09(金) 22:20:49 ID:QkaWqvLY
あり、そうですか……。
なんか注文付けて打ち切ってしまったようで申し訳ない。

因みにアンカに鉤括弧は不要でっせ。紛らわしい書き方だったかな?

60Festival of large star IF「とある昼食のラブコメ」 ◆Oamxnad08k:2007/02/09(金) 23:09:57 ID:FP0a9CXQ
というわけでいきなりですが
別の話を投下してみます。

61Festival of large star IF「とある昼食のラブコメ」 ◆Oamxnad08k:2007/02/09(金) 23:11:43 ID:FP0a9CXQ
1 Festival of large star IF「途中抜き話シリーズその1:とある昼食のラブコメ」  

 喫茶店に入るとやたらと元気な声をさせて長髪のウエイトレスが飛んできた。 
「いらっしゃいませぇー。 お二人様ですねー? こちらへ―」
「いや、俺は人と待ち合わせしていて、先に来ているはずなんだけど?・・・ん?二人?」
 早速席へ案内しようとするウエイトレスを手で制して店内を見渡そうとしてウエイトレスの発言になにかが引っかかる。
上条はこの喫茶店に一人で来たはずなのにウエイトレスが案内しようとしたのは2人。 疑問に思ってウエイトレスに聞いてみる。
「いま二人って言った? 俺一人で入ってきたはずなんだけど――おわぁ!白井!?いつの間に後ろにいやがる!」
「あらら、その反応は女性を対してかなり失礼ですわよ。 ナイーブなわたくしのハートは結構傷つきますの。それからいつの間に、じゃありませんわ。
番号を教えてあるのに待てど暮らせど連絡は無いですし!私が殿方に番号をお教えするなんてことは本当に珍しいのですわよ。
あんまり連絡が無くて半分諦め気味に軽く散歩でもして常盤台中学の応援にでも行こうかなー、とか思ってブラブラしてたらこの
喫茶店に入るあなたが見えたので空間移動(テレポート) して背後に移動、それで今に至るって感じですわ」
 上条の背後にはスポーツ車椅子に乗ったツインテールお嬢様―白井黒子が居た。 その顔はにこにこと笑ってるように見えるが良く見るとこめかみのあたりに青筋が見える。
連絡していなかったのを怒っているみたいだ。
上条はバツが悪そうに視線を泳がせて白井を見て
「あ゛〜、その、なんだ・・・。 いまから親父達と一緒に昼メシなんだけど・・・その、よかったらお前も一緒に来るか?」
鼻の頭をカリカリと掻きながら白井に言ってみた。
「ええ、ご一緒させていただきま―――ッ!?」 快く承諾の意を上条に伝えようとした白井が突然言葉を切って固まる。
ん?、と思って白井の視線を辿ってみるとその先にはなにやら不機嫌そうにテーブルに頬杖を突いて座る御坂美琴の姿があった。
「白井?もしかしてあの人は、アレかな?俺と会うたびに10億ボルトの電撃を撃ってくる中学生かな?」
上条のその言葉を聞いて白井は顔を蒼白にしてガタガタと震えだす。 しばらくそんな状態を続けた後に
「と、殿方さん、申し出は嬉しいのですがわたくし、い、いまはダイエット中でして、その昼食は
控えておりますの、やはり痩せてるほう魅力的ですわよね。というわけで失礼します!!」
早口でそんな事を言いながら上条の「お、おい?」という言葉もスルーして来た時と同じように空間移動(テレポート)を発動させて白井黒子は消えてしまった。
 案内を止められたままのウエイトレスが事の一部始終を見ていたが全く動かなくなってしまった上条の対応に困っておろおろとしていたが丁度そこへ店内の一席
から声を掛けられた。 
 「おーい、当麻。こっちだこっち、さぁ早く来なさい。 母さんが楽しみにしてるだろう」
「あらあら刀夜さんったら。 本当は自分が一番楽しみにしている癖に」
おろおろするウエイトレスにその席を指差して「待ち合わせ相手はあそこの席みたいだ」と告げると
「はい、かしこまりましたー。 ではお席の方へご案内いたします」と言って満面の営業スマイルをくれた。
先を歩いていくウエイトレスについて店内を歩いて声の主と同じボックス席に座る。
「あんまり大声で騒ぐんじゃねぇよ。他のお客さんとか見てんだろ」
「あらあら当麻さんったら恥ずかしがり屋さんなのかしら。 刀夜さんどうしましょう?」
「こら当麻。あんまり恥ずかしがるんじゃ無い! 母さん困ってるだろ」
向かい側に座る上条の両親 上条刀夜と上条詩菜は大声などあまり気にしてない様子で話を続ける。 それを見るとまたかよ。と言う気持ちになるがこの夫婦は
いつでもこうなのだ。 いまさら息子の注意なんて気にも留めないだろう。 際限なくラブラブぷりを発揮する上条夫妻をいい加減にしろと手で制して

62Festival of large star IF「とある昼食のラブコメ」 ◆Oamxnad08k:2007/02/09(金) 23:12:59 ID:FP0a9CXQ
「喫茶店か、食料の持ち込みとか駄目なんじゃないのか?それとも何か注文するのかよ?」と聞いてみる。
「当麻、ここの喫茶店はな、なんと大覇星祭中だけ弁当の持込がOKなんだそうだ!どうだ?すごいだろう?」
「いや全然―。でも結構穴場だな、毎年大覇星祭中はどこの公園も弁当が食べられそうな場所はみんな埋まっちまうからなぁ」
「そうなんだよ、生徒の競技終了と共に会場を締め出されるから競技場では食べれないし、公園はどこも埋まってるから困った困った」
「ふーん、でどうしたんだよ結局? 適当にぶらついてここを見つけたのか?」
上条の質問に刀夜は自分の席と通路を挟んだボックス席に座る大学生ぐらいの女性を見て
「そこの女性がな、一緒に食べないかと誘ってくれたのだよ。 いやぁ親切な人が居るもんだなぁ当麻。
あ、あとそこの席のお二人さんには礼を言っときなさい。 お前を待っていてくれたんだからな」
向かいの席の大学生風の女性と目が合う。 上条は正直かなりの美人だと思った。上条の視線に気づいて大学生風の女性がにっこりと笑顔を作る。
「はじめまして。 上条当麻くんだったかな? いつも娘がお世話になっているみたいで」
大学生風のお姉さんは上条に向かって軽く頭を下げてくる。
「う、え?娘!? 娘って誰!?お世話した記憶なんてないんですけど!?」
予想外の言葉にワタワタと慌てる上条を見てお姉さんは自分の向かい側に座っていた少女を指差してこう告げる。
「御坂美鈴。ここにいる御坂美琴の母です。 当麻くんよろしくね」

「「母・・・母親・・・・ッて!?えええええ!!」」

上条と刀夜が揃って絶叫する。 とても信じられないと言った感じで美鈴を見る上条親子だったがにこにことお嬢様スマイルを絶やさない詩菜を見て
「「ま、ありえないことではないわな」」と納得してしまった。
「当麻くんの事は娘からいろいろと聞いてるわぁー。あんなこととかこんなこととかぁ――っ痛!? 美琴ちゃんがぶったぁぁ!? 娘に殴られた・・・・ショボン」
ボックス席でくねくねと腰を振って目をキラキラさせて娘の秘密を語る美鈴に向かい側からゲンコツを振り下ろし、肩で息をする美琴は瞳をウルウルさせる美鈴を無視して
上条を睨むと
「アンタ!この馬鹿母が言ったあんなこととかこんなこととかはみーんな嘘っぱちだからね!!本気にしないでよ!」ギャアギャアと一気にまくし立てる。
当の上条は「あ〜コーヒーが安いなーこんなに安くていいのか喫茶店のコーヒーって」とかメニューに目を移して完全無視を決め込む。
「あ〜!なんだってアンタはいつも私のことに対する優先順位がこんなに低いのよ!!店内入った時から気づいてた癖に席につくなりこれかぁ!!」
「気づいてたなら声掛けろよ」美琴の抗議をさらりと受け流して上条は現状を確認する。
(なるほど、ここからだと入り口側は立っている人間しか見えないのか・・・じゃあ白井は美琴からは見えていなかったんだな)

63Festival of large star IF「とある昼食のラブコメ」 ◆Oamxnad08k:2007/02/09(金) 23:13:27 ID:FP0a9CXQ
「いやぁ、仲が良いですなぁ。当麻がこんなに元気そうなのは初めて見ます。 お宅の娘さんのおかげですかな?」
「いえいえ、うちの美琴もこんなに熱く男の子と口論するのなんて初めてみますわ。ケンカするほど仲がいいと言いますしね」
「あらあら、当麻さんったらそんなに冷たくしたら美琴さんがかわいそうですよ」
 ケンカ、というよりは一方的に文句を言う美琴を上条がさらりと受け流すという流れを見て親御さん達はすっかり意気投合していた。
「なんでもうちの美琴ちゃんってばお宅の当麻くんの事ばっかり考えていて夜も眠れないとか言うんですよぉー」
「な、なんだと!!当麻!お前その子に何をしたんだ!はっ!?そういえば負けたら罰ゲームとかその子と話してたな・・・まさか!?罰ゲーム
であんなことやこんなことを!?むむむ。いかんぞぉ当麻!?」
「「やめんかぁぁ!!この馬鹿親がぁぁ!!」」
暴走する親御さんsにそれぞれゲンコツを炸裂させて上条と美琴は同じように荒い息をつく。
店内の他のお客さん達はなんだか痛い物でも見るような目でその一角を見ていた。 ありていに言えば上条達はひどく目立っていた。
 上条と美琴は顔を赤くしてお互いを見るとお客さん達の冷たい視線から逃げるようにそれぞれテーブルに戻り小声で
「(ちょっと・・・あんたの親御さんもなかなか特殊ね。あんたそっくりだわ。特に私の話をちっとも聞かないところ)」
「(それをいうならお前の母さんだって、相当お前にそっくりだぞ。 特に俺の都合を考慮しないところ)」
なんだとなによ、というやり取りを通路を挟んで展開する二人を見た詩菜は閃いた、といった具合に手をポンと叩いて言った。
「あらあらやっぱり仲良しさんなのね。当麻さんたら好きな子に悪戯して泣かせちゃうタイプなのかしらー。」
「ち、ちがうっての!?なぁ父さん、母さんが暴走してるから何とかしてくれよ」
「当麻・・・正直に答えて欲しい。父さんからのお願いだ」
なんだよ、とぶっきらぼうに答える上条に刀夜は向かい側のテーブルから身を乗り出したままの美琴を指差して言う。
「孫はいつごろ見れる?っ痛!? 当麻いきなり何をする?父さんは真剣にだな!それとも何か?まだまだ新婚気分だからしばらく子供は要らない、とそういうオチなのか!?」
「お・ま・えもか!この馬鹿親がぁぁ!!」
店内に上条の叫びが木霊する。
向かい側の席で美鈴が「最初は女の子がほしいわぁ、美琴ちゃん」と顔を真っ赤にする美琴をからかって遊んでいた。

64■■■■:2007/02/10(土) 02:02:34 ID:rhJSh8Z.
えーっと、なんだ、ここで一区切りで良いのだろうか?
ともあれ、続き……なのか?GJ。

すまないが、出来れば、話の最初と最後、区切りとして発言してくれ。
出ないと発言していいものか、どうかよくわからんのだ。

65お食事券と激突する女達:2007/02/10(土) 03:17:48 ID:CbXIUAek
えっと、続き書いてもいいのかな?
お食事券もかなり長くなると思うし…それに小ネタもところどころ入れて
お食事券の話が進む中で別の場所で他の禁書キャラが「こんな愉快な
ことを的な話」をしてそれが微妙にSS本編とリンクしているんですよ
的な事をやりたかったのですが長編をやるなというのらお食事券は
もうやめようかと。

>気分が乗らないとまったく書けない性質なので。

66■■■■:2007/02/10(土) 04:05:33 ID:PoCG40Mc
自分はそういうの気にしませんので続きを書いて欲しいです。

67■■■■:2007/02/10(土) 04:54:38 ID:ISCdyZVs
というか別に長編やるな、とは書いてないと思うぜよ。やり方が問題ってだけで。
何が言いたいかと言えばとりあえずは書く→推敲→改訂→投下で良いではないかと。

68Festival of large star IF「とある昼食のラブコメ」 ◆Oamxnad08k:2007/02/10(土) 05:28:51 ID:JtmwiBAs
64>> いままでの続きという訳では無くて
もしあのまま続いて昼食時間になっていればこういうシーンが発生していた
と思ってもらえれば
最初と最後に区切りとして発言の件は了承しました。
ご指摘ありがとうございます。

69■■■■:2007/02/10(土) 07:10:07 ID:PDV4OlEk
>>65
そんなこと言うなら別にやめてくれて一向に構わんよ。

70■■■■:2007/02/10(土) 08:21:56 ID:PoCG40Mc
≫65
出来れば続きを、と願います。

71■■■■:2007/02/10(土) 09:29:56 ID:6LRtKD1k
>>65
気にすることはないと思うが。ここに書き込まれてるのは全体の一部分の意見だし。

でも結構混沌としてるからこのあたりでこのスレの在り方を検討するべきだな。
長編を敬遠する側はその理由を端的に。
続かせたい側はその解決策を考える。
etc.

72■■■■:2007/02/10(土) 10:23:34 ID:ISCdyZVs
一意見では、できれば長編書きは続けて欲しいかな。だが無駄に長くなるのは避けて欲しい。
無駄な所を削るなりして構成を考えれば全体量は減るだろうから、職人の腕次第って事になるか。
慣れない内は短編を投下して、慣れてきた自分の目でそれまでに書いた長編を見つめ直してみるとか?

あとお食事券の人はsageて欲しいんだが。メール欄にsageな。

73■■■■:2007/02/10(土) 11:27:07 ID:iZrlw3IQ
う〜む、確かに混沌として職人が投下しにくい雰囲気に・・・
自分的にはお食事券の人にもFateの人にも、もちろんFesの人にも頑張ってほしいんだけど。

まぁ、色々あるだろうが・・・面白ければいいんじゃない?

74DEEP BLOOD ◆RNmrPLr4ZY:2007/02/10(土) 12:48:13 ID:8FS/iy9w
お久しぶりです、DEEP BLOODの作者です
まだ一章書きおわったわけではありませんが、どうにも大量投下は喜ばしくないようなので
書き上がってるものを少し投下します

それでは月姫クロスオーバー『DEEP BLOOD』許容できる方はお楽しみください


(注)まだ序盤なので明確な月キャラはでません

75DEEP BLOOD ◆RNmrPLr4ZY:2007/02/10(土) 12:54:30 ID:8FS/iy9w
第一章 それぞれの出会い
すっかり暗くなった学園都市第七学区の通りを歩きながら、平凡な高校生上条当麻は困っていた
「イタリアから帰ってきてから家に帰る暇もなく直接入院して、やっと退院できたと思ったらまた問題事か・・・」
上条は肩を落としてため息をつく。そう、上条は能力者達の合同運動会『大覇星祭』の最終日に、『ナンバーズ』でイタリア旅行を引き当て、イタリアでごたごたに巻き込まれた挙げ句大怪我をして、イタリアをまったく満喫できずにとんぼ返りする羽目になったのだ。今は無事に退院して帰路についている所である。
「しっかし連絡の取り方がワンパターンなのはなにか決まりごとでもあるのか?」
そう言いながら上条は手の中の封筒を見る。それは、いつもの病院を出る前にカエル顔の医者から受け取ったものだ。上条はすでに中を確認しており、そこには定規を使ったような字でこう書いてあった。
『禁書目録は借りていく、君は来なくていいからおとなしく家で寝ていろ。 ステイル=マグヌス』
ちなみに禁書目録とは、上条の家に居候している銀髪大食らいシスターのことで名前をインデックス(自称)と言う。ステイルは禁書目録と同じ組織『必要悪の協会(ネセサリウス)』に属している、『同僚』である。これだけなら何かの報告やちょっとした用事のように思えるのだが、夜とはいえ人通りがまったくない通りの静けさや、時々見かける警備員(アンチスキル)などが何かあることを明言している。
「来なくていいってもなあ・・・」
上条は封筒を持っていない自分の右手を見つめる。そこには『異能の力』なら神様の奇跡(システム)ですら殺すことができる力が宿っている。しかし、上条当麻はいたって平凡な高校生であり、右手の能力(チカラ)も手首から先までしかない。
「素人が首を突っ込む事じゃないってことなんだろうけど・・・」
頭ではわかっている、上条当麻は持ち前の『不幸』により何度もそのような事件に巻き込まれているしかし、熱血少年な性格の上条当麻は事件に自分から突っ込み、その右手で何とかしてきたのだ今度もなんとかなると思ってるわけではないが、
「やっぱり放ってはおけないよな」
上条当麻は立ち止まり、拳を固めて決意を新たにする。
すると、
「ごぶぁ!?」
立ち止まった位置が悪かったのか、いきなり路地裏から飛び出してきた影に体当たりを食らう
「誰だ誰ですか誰なんですか!人がシリアスな展開をしてる時に!」
言いながら自分に体当たりをかました影を見ると、黒い長髪と赤と白の巫女服が見えた
(あれ?この服装は・・・)
「姫神、か?」
その声に反応したのか、黒髪の頭がゆっくりとあがる。
「上条君?」
上がって来た顔はまぎれもなく上条のクラスメイトの姫神秋沙であった。

76DEEP BLOOD ◆RNmrPLr4ZY:2007/02/10(土) 12:57:37 ID:8FS/iy9w
姫神はゆっくり立ち上がって袴を手ではたく
「そーいやその服装見るのも久しぶりだな。」
上条は起き上がりながら唐突にそんなことを言う。
「これは私服みたいなもの。学校以外では。この服装」
「そ、そうなのか・・・」
巫女服が私服なんて変わっているなと思ったが、身近に修道服を私服にしているシスターが居るので、何も言わないことにした
「そーいや何で裏路地なんて走ってたんだ?」
上条はふと思い出し、聞いてみる。姫神はそれを聞くと少し俯いて、
「追われて。逃げていた」
それだけをぽつりと言った。
「追われてるって、まさか魔術師か!?」
上条はさっきの手紙を思い出し、推測してみる。
「たぶん。私は見てないから。わからないけど」
「見てない?」

「・・・小萌先生が。引きつけて。逃がしてくれたから」

「な・・・!?」
姫神は俯いたまま言う。
「晩御飯の片付けをしていたら。チャイムが鳴ったの。小萌先生が出たけど。いきなり小萌先生が騒ぎだして。私に『逃げて』って」
上条は何も言わずにただ聞いている。
「いきなりの事でよくわからなかった。でも小萌先生の声は必死だった。だから訳もわからず窓から逃げた。窓から出た時に聞こえたの。
『魔術師なんて変な人に姫神ちゃんは渡せません!』って。だから小萌先生をこれ以上巻き込まないように逃げてきた。今じゃ言い訳にしかならないけど」
姫神は懺悔をでもするように弱々しく言う。姫神は小萌先生をその場に残して逃げた。狙われているのが自分なら、その場に残るより離れたほうが注意がこちらに向くと思ったのだろう。
姫神も、小萌先生を残して逃げたくはなかっただろう。その決断が姫神の心を責め立てるのだ。
(小萌先生のことも気になるけど、姫神が狙われてるならこのままにするわけにもいかないしな、とりあえず姫神を安全な場所へ移すか?
でも部屋にインデックスはいないし、ステイル(あいつ)がいる場所もわかんねえしな・・・)
上条はガシガシと頭を掻く。
(他に頼りになりそうなのは・・・・・・あー、いるにはいるけど部屋に居るかどうか・・・)
上条が頼りになりそうな知り合いを思い出し、とりあえずそこへ姫神を連れていこうと決心した。
「なあ、姫神・・・」
「カミやーん!」
(ん?この声は・・・)

77DEEP BLOOD ◆RNmrPLr4ZY:2007/02/10(土) 13:06:30 ID:8FS/iy9w
とりあえずここまでです
パソコンを導入してみたものの、ネットをつなぐ余裕も無く
電気店で必死にSDカードリーダーを探し、やっと見つけたものの
メールがどこのファイルにあるかわからないので適当にワードパットで出しまくったりと
色々大変な年始めでした まる

本文に関しては突っ込みどころ満載なのであえて自分では触れません
これからも少しづつ投下していく形にします

構想はできてるんですが、文章にするのは難しいですねorz

78■■■■:2007/02/10(土) 17:18:08 ID:p5GU9moM
俺としては大量投下でも構わんよ
ただ、長編になって書きあがったら即投下するようでしたら別スレとして専用スレ立てた方が?とは思いますが。
活気がある分には歓迎です

遠慮スパイラルには陥って過疎スパイラルにシフトするよりは余程マシなんじゃないかなと


あっと、今回問題とされたのは
書きあがったのをぶつ切りで投下しつつ、かつ一日に何回も投下された事ですから
一日に一回等と決めて大量投下される分には全く問題ないかと

79大覇星祭IF短編企画「とある昼食のラブコメ」 ◆Oamxnad08k:2007/02/10(土) 22:11:42 ID:JtmwiBAs
早朝に投下した場合はどうなんだろ。
とりあえずビリビリラブコメの続きを投下してみる。

80大覇星祭IF短編企画「とある昼食のラブコメ」 ◆Oamxnad08k:2007/02/10(土) 22:12:31 ID:JtmwiBAs


 「お客様・・・通路を挟んでの会話は他のお客様のご迷惑になりますので・・・」
そんな喫茶店の要望で上条一家と御坂ファミリーは同じ席に着くことになった。 
右から刀夜、詩菜、美鈴と並んでその向かいに当麻、美琴という座り方になり、やたらとニヤニヤする親御さんとは逆に隣同士になってしまったせいか美琴
はこちらの顔をまともに見ないでソワソワしている。 上条がたまに美琴の顔を覗き込んで風邪か?顔赤いぞ?とか聞いてみると
「な、なんでもないわよ!顔も赤くなんてなってないから!あ、あっち向いてなさいよ!」
上条の顔を見ないようにあさっての方向を見ながら怒鳴ってくる始末、美鈴はそんな美琴を見てより一層顔をにやけさせる。
 詩菜は嬉しそうにニコニコと笑顔を振りまいてるし刀夜は刀夜であんなこと・・・こんなこと・・とブツブツと言って悩んでいて誰一人として上条の味方は居なかった。

(なにこの状況・・・お見合いかよ。もしくはどっかのTV番組の企画みたい)

 困った顔をする上条を見てニヤリとあんまり品のよくない笑みを浮かべて美鈴が話を切り出す。
「ね〜当麻くん、携帯電話って今持ってる? あ、それそれ貸して頂戴? うん、ありがとね」
何を唐突に言い出すんだろうこの人は、と思いつつも短パンから携帯電話を取り出して美鈴に手渡す。
「なにすんのよ、こいつの電話なんて借りて・・・使うなら私の使えばいいじゃないの」
「ん〜これは当麻くんの携帯じゃないと意味ないのよー、美琴ちゃん。 可愛い娘の為、お母さんが人肌脱ごうってのよ」
娘の文句を軽くあしらいながら上条の携帯電話をカチャカチャと操作する。
『―〜♪―〜♪』
喫茶店の店内に携帯電話の着信メロディが鳴り響き、隣に居た美琴がビクッと反応し短パンのポケットを探って自分の携帯電話を取り出す。
 携帯の画面を開いて電話番号を確認してる美琴の肩ごしにその画面が見えるが相手の名前は表示されてないようで番号だけが点滅していた。
(ん?なんか見覚えがある番号な気がするんですが、はて?)
 やがて美琴がピッと通話ボタンを押して「もしもし?御坂ですが」と丁寧に電話に出たのを確認すると美鈴は突然上条の携帯電話を投げよこした。
「当麻くんパース!そのまま電話に出て!!」
美鈴から投げつけられた携帯電話を受け取って上条が開きっぱなしの液晶画面に目を落とせばそこには『通話中 御坂美琴」と表示されていた。
(まじかよ・・・まさか、な・・)
と思い恐る恐る「あーもしもし、上条だけど―」と喋ってみた。
ビクゥ!と美琴の肩が震えてなにやら上条に背を向けて通路に向かってボックス席のシートに正座で座り始める。
 上条が持つ携帯電話の受話器からは特に目立った音は聞こえない。 
「なんでこっち向かないんだお前?おい、もーしもーし、聞こえてるか?美琴ー?」
「き、聞こえてるわよ、ば、ばか。な、なんで、この、番号知ってるの?」
上条の受話器からは自分の隣で正座する少女の上ずった声が流れてきた。
「美琴ちゃんったら照れてかーわいいー。 可愛い娘のためにお母さんからの愛の手よー」

81大覇星祭IF短編企画「とある昼食のラブコメ」 ◆Oamxnad08k:2007/02/10(土) 22:12:55 ID:JtmwiBAs
赤くなって挙動不審な娘の姿を満足そうに見つめて美鈴は更に続けて言う。
「当麻くーん、この子はもうすこーししたらきっと美人になるわよー。なんたって私の血が流れてるんだから。胸だっていまはちょっと控えめだけど今に
私みたいになるわー。お買い得の先物買いってやつねー。どうする?どうする?」
美鈴の言葉より強調するようにその存在を主張する美鈴の胸の辺りに目を奪われて思わずゴクリと生唾を飲み込む当麻と刀夜だがそれを見た詩菜の機嫌が悪くなる。
「あらあら、当麻さんはともかく刀夜さんまで。これはどういうことかしら?本当に刀夜さんったらあらあら私を怒らせて楽しいのかしら」
「い、や、母さん深い意味は無くてだね。その喉が渇いて突然生唾を飲み込みたくなっただけなんだよ!きっとそうだ!そうに違いない!!」
 突然険悪なムードになる上条夫妻を気にせずにいまだに通話中の携帯に集中する美琴を指差して美鈴が続ける。
「ほらあの子を良く見て?あの子の胸と腰、それにお尻のライン、あれが成長すると――っちょ痛!!美琴ちゃんやめて!携帯電話で殴るのはやめてぇ・・・ヨヨヨ」
「娘をいやらしい目で見させるなぁぁ!!それにアンタも!ちょっと!?そんな!?何ジロジロと・・・」
指を刺しながら美琴の胸やらお尻を上条に示す美鈴を撃沈し振り返ったところで上条の視線に気づいて慌てて胸を隠すように手で覆う。
「あわわ!見てません見てません!!美琴センセーの胸やお尻とかなんてちっとも見てません!!」
睨むような美琴の視線に思わず嘘をつく
「ほーら当麻君だってまんざらじゃないみたいだし、もっとアピールアピール!!」
「なにをアピールしろってのよぉー!!」
美鈴が頭を押さえながら真っ赤になって俯く美琴に向かってやたらとガッツポーズを連発する
 上条は自分の手にある携帯電話の通話終了ボタンを押して美琴との通話を切ると俯いていた美琴の肩がビクっと震えて上条を見て悲しそうな瞳を向けてくる。
なんで切るのよ。 瞳がそう語っていた。
「隣に居るんだから話したければ普通に話せばいいんじゃないかなーと上条さんは思ったりするんですが、なんで美琴さんがバチバチいってるのかが理解できません!!」
一応一般論で対抗してみるが乙女心は複雑なようで少女の前髪がバチィと発光すると10億ボルトの雷撃の槍が飛んできた。咄嗟に前に出した雷撃の槍が避雷針に呼ばれた雷のように集中し一瞬で消え去る。
「もー!普通にご飯タイムにしようよー。上条さんは朝から走り回っておなかぺっこぺっこなんですよおおおお!!とりあえずギブミー弁当!!」と上条は叫ぶが
ウワーンとか言いながら電撃を撃ってくる美琴の攻撃はそれからしばらく続いた。 周囲のお客さんもオオー、これが大覇星祭かとか勝手に盛り上がってる。
 10分程ビリビリ→『幻想殺し(イマジンブレイカー)』の流れを続けているといい加減疲れてきたのか美琴が電撃を止めてくれたので
チャンスとばかりに上条は美琴を呼び寄せて
「あー、もうメシにしようぜメシ!!このままじゃ胃袋のジダンが審判の頭突きして退場喰らっちまう。ほら!美琴もいつまでもバチバチしてないでこっち来い」
 美琴の肩に手を掛けて強引に隣に引き寄せる。 右手から伝わる感触にちょっとドキっとするが構わずにそのまま肩を抱く。
「ちょ!?ちょっとぉ!」 肩を抱かれて上条の胸辺りに押し付けられた美琴が顔を真っ赤になって抗議するがその全てを無視する。
「は、はなして、よ、は、恥ずかしいから」
(放すと電撃飛んでくるから離しません・・・あんなの喰らったら上条さんはこんがりといい感じに焼きあがってしまいます。)
上条の真意はどうあれ、弱弱しく上条の体を押す美琴の手には言葉ほど拒絶の意は感じられない。 形だけ嫌がってるといった感じに見える美琴と上条を見て親御さん達は口々に騒ぎ立てる。
「あらあら当麻さんったら積極的ねぇ、誰に似たのかしら学生時代を思い出すわぁ」
「こら当麻!母さん喜んでるだろ」
「みことちゃーん!その表情すてきー!こっち視線ちょうだーい!はいシャッターチャンス!」
いちゃつく上条夫妻と娘の衝撃映像をデジカメでしきりに映す美鈴。昼時の喫茶店のその一席は当の上条の思いとは別の方向に会話が弾んでいた。

To Be Continued

82大覇星祭IF短編企画「とある昼食のラブコメ」 ◆Oamxnad08k:2007/02/10(土) 22:15:07 ID:JtmwiBAs
>>80>>81
投下完了 しばらく短編で文章力の修行をしてみようと思う。

83■■■■:2007/02/10(土) 23:33:19 ID:Ge5QvZ9U
>>82
取り敢えず、間読みが大切かね。
他の人が投下したら暫く感想が幾つか付く、もしくは一日程経ったりするのを様子見とか。

話は面白い。掛け合いも良い感じだし。
だけど、できればキリの良いところで改行をした方が良いと思うぜ。

目安はブラウザを画面一杯にして見て折り返し地点に付くまでに、が吉かと。
後、五月蝿く言い過ぎだと思うが「…」を使う場合は、「……」と言った風に使うと良いかも。

それでは、長文失礼。美琴かわいいよ美琴。

84大覇星祭IF短編企画「とある昼食のラブコメ」 ◆Oamxnad08k:2007/02/10(土) 23:43:18 ID:JtmwiBAs
>>83そうなんです・・・改行がどうにもOTL
アドバイス感謝です
>あと美琴幸せにしてあげたいですね、はい

85■■■■:2007/02/11(日) 09:28:59 ID:6yocRzzE
お二方共にGJです。ただ誤字がひとつFestivalの人にあったので報告。
>>80の携帯の話での美鈴のセリフ

○一肌
×人肌

86■■■■:2007/02/11(日) 21:56:46 ID:twqDjja6
どの作家さんもGJ!
あと、これ言うならもっと早く言え、と言われそうですが一応言っとく。
>>51、すこし位は原文と一緒でも仕方ないんじゃないかな。
原作と同様に進めるんだから、これは取れない、と言うのもあると思う。
まあ、もう少し減らせるとは思うけど……
長々と、失礼しました。

87■■■■:2007/02/11(日) 22:20:36 ID:tJMrhJBE
いや、いくら原作と同じ展開でも文章そのままパクるのは駄目だろ。二次創作じゃなくて盗作だから

88大覇星祭IF短編企画「とある昼食のラブコメ」 ◆Oamxnad08k:2007/02/12(月) 00:22:41 ID:PPDtOKTQ
>>85 誤字指摘感謝です。

ビリビリラブコメの続きを投下します。

89大覇星祭IF短編企画「とある昼食のラブコメ」 ◆Oamxnad08k:2007/02/12(月) 00:23:11 ID:PPDtOKTQ
3

 事態が一旦安定したので念願の昼食にありつけることになり上条、御坂ファミリーはそれぞれテーブルにお弁当を出していた。
「今日は当麻さんがいっぱい食べると思って母さんいっぱい作ってきたの、しっかり食べてね」
「こら当麻!シーチキンマヨは父さんのだ。 お前は梅干おかかでも食べてなさい」
「私だってキチンと用意してきたわよ、いっぱい食べてね美琴ちゃん。ほらどーんとね!」
どーん、どーん、どーん・・・どすん
喫茶店のボックス席のテーブルに所狭しと並べられた弁当郡。
 綺麗に三角形に握られて海苔を張られたおにぎり、タコ、カニなどの形のウインナー(魚肉)、眩いばかりに黄色い玉子焼き
プラスチックのフォークが刺さったミートボール、千切りにされたキャベツの上に盛り付けられた大量のから揚げ、ウサギさんカットされたリンゴ
絵に描いたような運動会風のお弁当、その中に異様な存在感を放ついくつかの物体があった。
「どーんって・・・丸ごとのチーズ?」
「それに寸胴鍋・・・どうやって持ってきたのよ」
「ちゃんとガスボンベとコンロも持ってきてるわーッ痛!
せっかく美琴ちゃんの為にチーズフォンディを作ろうと思って持ち込んだのに!?ねぇねぇ当麻くん、娘が反抗期なのー助けてちょうだい」
学園都市に持ち込めないはずの危険物―ガスボンベを大きいドラムバックから取り出したところで美琴の突っ込みが美鈴を襲う。
上条に対するような電撃は使用せず純粋に鉄拳制裁なのだが見た目にはすごく痛そうだ。
 少しも懲りずに美琴はしつこく大量の乳製品を摂取させようとする美鈴を無言でシバキ倒すと当然のように上条の右手の元に戻ってくる。
「ふん、乳製品を取っても別に変化は無いわよ!!」
「いや・・背は伸びるんじゃないか?アレぐらい大量に取れば。」
 美琴の肩をぽんぽんと叩きながら言う上条に美琴が火に掛けられた寸胴鍋で溶けるチーズをプラスチックの器に取ってこれまたプラスチックのスプーンで
上条の口へと運ぶ。 湯気が立ち昇るチーズはとっても熱そうだ、っていうかこのまま口に突っ込まれたら絶対火傷する、そんな次元の熱さだった。
「ほほう・・・じゃあいっつもいっつも大怪我して病院通いなあんたにはピッタシねぇ・・・さぞ骨も丈夫になるんでしょう!!ほら!!ほら!!
ほらあ〜ん、ってしなさいよぉぉぉ!!」
「ちょ・・・もがぁぁ熱々のチーズを無理やり食わせようとするなぁぁ」
 口を閉じて断固拒否の構えを取る上条と湯気の出るチーズフォンディを無理やり流し込もうとする美琴。
すでにその体勢は先ほどまでのラブラブ体勢から向かい合う獲物と狩人と言った感じの戦闘体勢へと移行している。
「いいからさっさと口あけなさいよ!!冷めちゃうでしょうが!冷めたらおいしくないでしょう!!」
「嫌です!!断固拒否します!そんな熱々のチーズ流し込まれたら上条さんのデリケートなお口の中が大惨事ですけどね!!女の子なら普通フーとか言って
熱いものは冷ましてから食べさせるだろ普通!?そういう優しさは微塵もなしですか!?」
 美琴は自分の手に持ったスプーンを少し眺めてしばらくブルブルと震えた後、おもむろにそのスプーンを自分の口の前に持ってきて。吹く。
「ふー・・・ふー・・・ふー・・・」
 美鈴と美琴以外の時間がピタリと止まった。上条もマジデスカ、と呻く。周囲の雑音は全て止まり美琴がスプーンをフーフー吹く音だけが支配する。
湯気が立ち昇る熱々のチーズフォンディは美琴の息を吹きかけられてお口に入れても大丈夫な温度に変化しなお一層おいしそうな香りを漂わせる。
「こ、これでいいんでしょ!さ、さっさと口開けなさいよ。」
 人目で分かるぐらいに顔を真っ赤に染めて美琴がスプーンを上条の口の前まで持ってくる。 
流石にここまでやられては、と観念したように上条が
「あ〜ん」と大口を開けてみると途端に口の中いっぱいのチーズの風味が広がる。トローリと舌で程よい熱さのチーズが上条の味覚を激しく刺激する。
ほんのりとして柔らかいそれでいてまったくしつこくない後味。上条はしばらくそのチーズの味を楽しむと一言
「うまい」と言った。

90大覇星祭IF短編企画「とある昼食のラブコメ」 ◆Oamxnad08k:2007/02/12(月) 00:23:59 ID:PPDtOKTQ
 その最高の言葉を聞いた全員が笑顔を浮かべて喜ぶ。美鈴はわーい、と両手を上げてわざとらしくバンザイをし上条夫妻は二人でアーン、はいアーン、と
食べさせあいをしている。当の美琴に到っては
「ま、まだおかわりあるわよ、ほ、ほらあ〜ん」
とか言って器になみなみに盛られたチーズフォンディを再びスプーンで掬って上条に更なる乳製品の摂取を強要する。
 美琴は喫茶店のベンチシートに膝立ちになって前かがみで更に上条の方へと距離を詰めて
上条と美琴の周りだけがピンク色の空気を纏わせて喫茶店の店内の他の空間と強烈な温度差を生み出す。
「(うう、周囲の視線が痛い・・・おいしいけどなんか恥ずかしい)・・・パクリ」
早く食べなさいよ、と物語る美琴の視線に負けて上条が再び口を開くとすかさずスプーンが捻じ込まれる。
もはや上条とチーズフォンディしか目に見えてないのか美琴は執拗に上条の口にチーズを運び、上条は上条で差し出されたチーズをパクパクと食べる。
食べる→捻じ込む→食べる→捻じ込む、もはや一種の職人芸のようなタイミングで二人の動きが高速化する。
まるでわんこそばの早食い大会のような風景にギャラリーもおもわず感嘆の声を上げる。
(げぷ・・・もうお腹いっぱいですよコンチクショー)
 何回かの美琴のおかわり攻撃を繰り返し器どころか寸胴鍋の中身が底を尽きはじめた頃上条の胃袋の空きスペースも底を尽いた。
「あらあら、当麻さんったら全部食べちゃったのかしら、これでは御坂さん達が食べるものが無いじゃないのかしら?」
「あーいえいえ、こんなにたくさん食べてもらっちゃてかえって嬉しいぐらいです。やっぱり男の子は食べっぷりが違うわねー」
「あの、もしよろしければウチの弁当でもいかがですか、そちらのは息子が全部平らげてしまったようですので。困ったものですなー全く」
 お腹がパンパンになって苦しそうな上条なんて露知らず、ほのぼのとした親達も喫茶店に来た時よりも打ち解けて見える。
「美琴ちゃーん、当麻くんはもうお腹いっぱいみたいだからー、そんなに悲しそうな目をしても多分無理。やめときなさいー」
「ワリィ、本当に満腹です。これ以上はいくらなんでも食べれません・・・・」
 美琴はそうなの?、といった視線を向けてくるが上条はその視線に全力で肯定する。
結局、胃袋の全容量を大量の乳製品だけで埋めて上条はそのままゴロンとシートに横になった。 
ポフ
(お、やわらかい・・・って何ィィィィ)
 寝転んだまま視線を上に向ければキョトンとした顔でこちらを見下ろす美琴の顔が見える。 その顔はもはや赤くないところを探すのが困難なくらいに
紅潮している。

91大覇星祭IF短編企画「とある昼食のラブコメ」 ◆Oamxnad08k:2007/02/12(月) 00:25:39 ID:PPDtOKTQ
「まぁまぁ、当麻さんったら。新婚時代を思い出すわぁ、ねぇ刀夜さん?」
「こら当麻!!母さんが喜んでるじゃないか、もっとやりなさい」
「美琴ちゃんここがチャンスよ!膝枕作戦で一気に畳み掛けるのよー」
迫り来る電撃の恐怖に上条がガタガタと美琴の膝枕の上で震えていると上条の頭をぽんぽんと優しく叩いて美琴が言う。
「あんた食べすぎなのよ。食べれないならそういえばいいじゃない。」
「お前が食べさせたんだろうが・・・うっ・・・動くとチーズが・・・」
美琴ははいはい、と言うと上条を自分の膝の上で寝かせたまま詩菜からよそってもらった上条家の弁当を食べ始めた。
その顔はいまだに赤いが大分着た時より柔らかそうな表情だった。
 途端に上条に強烈な眠気が襲ってきた。 胃袋から脳みそへ超満腹、もう食べれません信号が送られ脳みそからはかわりに全身にお昼寝せよの指令が
送られる。 実際頬に当たる美琴の膝枕は大層気持ちよくてこのまま身を任せればきっとスヤスヤと夢の国へ旅立てる事は間違いない。
「前にも一回あったけど・・・お前の膝枕ってすっげーねむた・・ゴファァああ」
「人の膝の上で恥ずかしい台詞言うな! ほら!?そこの馬鹿親が前の一回って何なのとか聞きたそうにしてるじゃないの!このばか!」
 上条の素直な感想は羞恥心で顔を真っ赤にした美琴の腹部への強打によって中断され、上条の眠気は一気に吹っ飛んでしまった。
「美琴ちゃん〜、お母さんすっごく気になるわー。教えて教えて?前の美琴ちゃんの膝枕って一体なんなのかしら?」
「関係ないッ!!きっとコイツの記憶違いでしょッ!!だからニヤニヤしながらにじり寄らない!」
 苦しむ上条はどうでもいいのか、御坂親子は再びドタバタしながら暴れだす。 それでも美琴は一応自分の膝枕で横になっている
上条を気遣っているようで下半身はほとんど動かさず上半身のみを駆使して美鈴の魔手から身を守っていた。
 とても安眠できるような状況ではないのだがどうせ昼御飯の時間が過ぎれば再び土御門やステイルと合流してオリアナを追わなければならなくなる。
ならせめて今だけでも休んでもいいかな、と静かに目を閉じて吹っ飛んだ眠気を再び呼び起こす。
「美琴、少し寝るけどいいか?移動するようになったら起こしてくれ」
ピタリ、と上条の言葉を聞いた御坂親子の動きが止まる。 上条夫婦も合わせて8つの視線が上条に集まる。
 というより実は店内の視線が全て美琴の膝枕で目を閉じる上条に注がれていたのだが当然上条は気づかない。
軽く寝息を立てて自分の膝枕を占領する少年に向かって
「あ、そう。じゃあ今回だけだからね、移動するようになったら叩き起こすわよ」
 美琴はスヤスヤと眠る上条の顔を撫でて少し困った顔でそう呟いた。


END

92大覇星祭IF短編企画「とある昼食のラブコメ」 ◆Oamxnad08k:2007/02/12(月) 00:27:43 ID:PPDtOKTQ
>>89>>90>>91
これにて「とある昼食のラブコメ」は終了とさせていただきます。
お付き合いありがとうございました。

93■■■■:2007/02/12(月) 07:40:25 ID:U04i25Jc
なんかレス番抜けてるのが多いな。
Fesの人かお食事券の人か知らんけど、あんまスレ占有してくれるな。

>>86
そういう風に書き手を甘やかすようなこと言ってるとろくなことにならんぞ。
文章丸写しが仕方ないって、なんも仕方なくねえよ。>>87が全て。

94■■■■:2007/02/12(月) 15:27:29 ID:nuyRZvpc
Fesの人、ご苦労さまです。GJでした。
でも、一つ言わせてもらうと、短編にしては長くないですか?
まあ、自分の考えすぎかもしれませんが。
とりあえず、がんばってください。

それから、>>93、自分も同意見です。
やはり甘やかしは、よくないです。

95■■■■:2007/02/12(月) 19:44:09 ID:8rdxeEQk
>>15(01-375)さん。今更ながら残念な事でしたね。
自分のような拙い文章書きが言っても詮無い事かもしれませんが、自分も同じように3分の2書いたデータが
丸ごと消えました。
ですが、書きたい、という思いが残っていたので以前とは違う形にはなりましたが書いていることができています。
別作品を書き直すにしろもう一度同じ作品を作り直すにしろこのスレでお待ちしています。

あと、ここまでのスレの流れから、読み手の人も書き手の人もいろんな意見をお持ちだということが分かりました。
お互いにいろいろと意見を出し合うことでこのスレの雰囲気を良いものにしていきたいものですね。
長文失礼しました。

追記:社会見学は現在投下を保留しています。もう少しスレの総意を見極めてからにしたいと思いますので……。

96■■■■:2007/02/13(火) 03:08:57 ID:DN6bgthE
雰囲気が悪くならない程度になら意見は出していきたいものだーね。
間違いは間違いと、GJはGJと言いたいし。

まぁ当面は長さと投下スパンの問題か。
とりあえずあれだ、Fesの人。
別にレス番で指定せんでもどれが投下したものかはわかるぞ。
形式的な問題点は大体解決したようで何より。

97■■■■:2007/02/13(火) 09:16:21 ID:iF7urL1U
>>95
「スレの総意を」との記載がありますが、スレ自体がSSを読んだり書いたり…なので、スレの占有があったとしても、他の作者が書いていないのが問題なのでは?

むしろ、占有していたとしてもスレ自体を盛り上げるという意味では立派に貢献していたり。
気にせずドンドン投稿すればいいと思われる。

「とある昼食のラブコメ」は読ませて貰いましたが、今の段階でも面白いと思います。
これからも期待しているのでスレに上げて経験値を上げて欲しいですね。

98■■■■:2007/02/13(火) 13:55:39 ID:p.ShOzyo
スレの総意なんざ取るのは不可能だと思うがとりあえず俺の意見。

現在進行形で数ヶ月単位で投下ない過疎スレなら「職人居ないからどーぞ好きに使って」とも言えるんだが、ここはそうじゃないのでとりあえず少し餅搗け。
>>97論理だと「クオリティ関係なしに短期連投したもん勝ち」のオナヌースレになっちまうので却下。
…というか>>97は参加型荒らし歓迎と言ってるようにしか読めん。

9901-641:2007/02/13(火) 14:42:33 ID:CcMbbmLw
今日になってスレを読み返したら、名乗っていなかった事に気づいたので改めて。
>>95 は 01-641 が書き込みしたものです。名前欄に入れ損なった為に誤解を生じさせたかもしれません。
申し訳なかったです。

>追記:社会見学は現在投下を保留しています。もう少しスレの総意を見極めてからにしたいと思いますので……。
の書き込みについてですが、言い方が悪かったようです。すみません。
一読み手である自分としてですが、このスレに来てる人は、禁書という作品を読んでそれを好きになり、わざわざこの板のこのスレにまで足を運んでくるようになった
人であり、このスレを良いものにしたいという考えをお持ちだと愚考しています。
自分も指摘があれば直していきたいですし、という意味で書いたつもりだったのですが…。
何にせよ、もう少し意見、指摘が出るまで投稿を控える、ということですので。
語彙が足りない為に誤解や不愉快にさせたのであれば申し訳ないです。

最後に、一書き手としては今書いてる社会見学を続けたいと思います。
が、構成として長編仕様の為に今書いてる第一章を起承転結の起としてあと三章分、
サイズ単位で40mb×3=120mb程度、レス変換で概算15レス×3=45レス?程度になるかと。
(今の文体で書いた場合です。改行を気にせず一行の文字数を増やせばもう少しレス数は減らせるかもしれませんが)
当然、一回につき5レス以下で投稿してはいくつもりですが、
このやり方が受け入れてもらえる人ともらえない人がいらっしゃると思いますので今後の相談に書き込んでいます。
ご意見、ご指摘お待ちしています。

100■■■■:2007/02/13(火) 17:51:15 ID:LJd/C9kc
>>99
私としては貴方の様にキチンと間を読んでから投稿しようとするのは大いに結構だし、
そういう作者がいるのは嬉しいと思います。
社会科見学、楽しみにしてますよーっ。

今の所の問題を箇条書きにしてみると、


・間を読んでから投稿。過剰な連続投稿は禁止。投稿してからレスが幾つか付くまで待て。

・原作の文をそのまま書くな。それは二次創作ではなく、ただの盗作だ。

・長編については応相談?需要があれば〜、など予告風に書いて意見を募るのもよいかも。


最後は俺の独断と偏見で書いたんだが……こんな感じかね?

101■■■■:2007/02/13(火) 19:51:50 ID:mTdiBsc6
大方>>100の通りでいいと思うが、やはり筆が進んでしまいどんどん原稿だけたまっていく人や長編の批判を恐れる人もいることと思う。そういう人はアルカディアに投稿することを切に勧める。
まあ長編は別スレにするとかいう手もあるが過疎る恐れがありやめた方がいいかな。

102■■■■:2007/02/13(火) 20:29:52 ID:LJd/C9kc
>>101
悪いが、やっぱり長編別スレは危険だと思う。まず間違いなくどっちかが過疎るし。
ある程度の長さの奴は長編なんだか短編なんだかわからなくなりそうだしなぁ……。

アルカディアかぁ。あそこに投稿されると良作が出てもここの住人が気付かないかもしれん。
ここで宣伝させるわけにもいかないし。
せっかくスレがあるんだからコッチに出してもらいたいものだけど……バランスが難しいな。

10301‐641:2007/02/14(水) 08:52:35 ID:LpErf3Pc
訂 正
自分が予定しているSSは40*3=120kb です。
紛らわしい書き方をしまくり申し訳ありません。
120mb なんてどんだけ書くつもりなんだか……。
書き手としてどうこうよりも、タイピングを練習した方がいいのかもしれぬ。
皆さんに心の底からお詫びを。

104■■■■:2007/02/14(水) 18:48:13 ID:A0b4QyQ6
>>100
長編はやっぱりあったほうがいいと思いますよ。
やはり投稿があればそれだけ活気も出ますし。

どこまでが短編で扱うのかが・・・・やっぱりバランス難しいや

>>101
別のサイトよりはここで投稿してほしい気もする

10501-375:2007/02/14(水) 19:01:11 ID:ctdZLKJ6
>>95,99=01-641氏
ありがとうございます。
3分の2が消滅ですか、キツイですね。
フォークダンスネタも約90%書き終えていましたがorz

スレの雰囲気を良くしていきたいのは自分も同じですね。
雰囲気が悪いと人も離れていきますし。
スレ住人(職人様方も含め)全体の交流を大切にしていきたい次第です。

あと社会見学の続き、GJの用意をしながらお待ちしてます。


>>長編の件について
前スレではそれほど苦情はなかったようなので、投稿ペースさえ守ればいいのではないでしょうか。
規制すると、169氏が作品の続きを書けなくなる恐れがありますし。


それと、当日ということもありバレンタインネタが思い浮かんだのですが、需要はありますでしょうか。
長さとしては長すぎでもなく短くもなく……中編といったところでしょうか。
ご意見お待ちしております。

それでは長文失礼しました。

106■■■■:2007/02/14(水) 20:54:16 ID:fhq5sAQc
>>105
折角だしクレクレ

107■■■■:2007/02/14(水) 21:16:30 ID:Qk/zoCec
ここに投下希望者一名。
バレンタインものなら今日中に投下を推奨。

108■■■■:2007/02/14(水) 21:26:44 ID:A0b4QyQ6
>>105 そうですね、書きたい人と読みたい人がいればそれでいいと思います

時期ネタは鮮度が命、お待ちしております。

10901-375:2007/02/14(水) 21:38:13 ID:ctdZLKJ6
>>106-108
早速のレスありがとうございます。
中編ということもあり、本日中では終わらなさそうですが……

それでは最初の方を。

110■■■■:2007/02/14(水) 21:38:20 ID:zYYRWZQU
>>105
折角のバレンタインだ、お前一人じゃいかさないぜ……ッ!?
というわけで、かもーん!

11101-375:2007/02/14(水) 21:38:46 ID:ctdZLKJ6

『交差する乙女心 -Valentine_Day-』

二月十四日。
この日には様々な呼び名があるのは誰もが分かっていることだろう。
バレンタイン・デー。
セントバレンタインデー。
聖バレンティヌス記念日。
恋人達の愛の誓いの日。
製菓会社の陰謀の日―――。
もちろん、この風習は学園都市でも広まっている。
最先端科学マンセーな現実的(アンチオカルト)の街でも幻想に入り浸ることくらいはあるのだ。
よって、この日(と前日あたり)の学園都市のチョコレート及び菓子類の需要率は急激に上昇する。
今頃街の各地ではラブコメ漫画で見るような桃色空間が出来上がっていることだろう。
「……」
そんな中、平凡な高校生・上条当麻は教室の窓から外を眺めていた。
今は昼休み。
大半の学生が食堂などで昼飯を貪っている時間帯だ。
しかし上条は自分の席で一人ポツンと座っている。
別に彼は弁当を持ってきてもう食べた、とかではなく、“不幸にも”食べ物にありつくだけのお金がなかったのだ。
上条は思う。
おかしい。
これはどう考えてもおかしい。
昨日の夕方までは、財布にはしっかりと四桁単位のお金を入っていたはずだった。
重量の異変に気付かなかったのは札がほとんどだったからか。
だがおかしいものはおかしい。
何故に一晩で数千円のお金が消し飛んでいるのか。
お陰で飯はおろかジュース一本すら買えない。
……腹減った。
空腹を音で訴えようとする自分の胃袋を宥めながら、上条は教室を見渡してみた。
彼以外にも教室で飯を食わずに色々な事をやっている人々がいるが、その連中は既に食べ終わった勝ち組だ。
上条のような負け組はこの教室にはいない。
はぁー……、と彼は溜め息を付くと、
「……あー、チョコが欲しい」
直後、側頭部に裏拳が飛来した。
ゴキィッ!! と壮絶な音を立てて上条当麻の頭が九〇度横に倒れる。
拳を放ったのはクラスメイトの土御門元春だった。
「……テメェ、今度オレの前でそんな言葉吐いたらこれだけじゃ済まさねえぜよ」
「げ……ぶ……っ、クソ。不意打ちは卑怯……」
拳を固く握り締める土御門に上条は打たれた側頭部を押さえながら抗議する。

11201-375:2007/02/14(水) 21:39:25 ID:ctdZLKJ6
が、土御門は何を仰いますやら、といった風に、
「はっ、『背中刺す刃』ことカミカゼ特攻隊部隊長・土御門さんに卑怯、とな? チッチッチッ、卑怯と嘘の塊のオレにそんな言葉は届かないぜい」
「学園生活(プライベート)に仕事は持ち込まないんじゃなかったのかよ……。それより、お前さっきまで食堂でサバイバルやってなかったっけ?」
「もうやってきたんだにゃー。んで、得た戦利品はサンドウィッチ一個。こんなもん腹の足しにもなんないぜい」
そう言うと、土御門は手に持っていた戦利品を上条に見せる。
戦争状態の中で無事に持って帰る事ができたのか綺麗なままの食料(サンドウィッチ)に、上条の喉がゴクリと鳴る。
「……ああ、そういえばカミやん、金持ってきてなくてジュースすらも買えないんだっけ」
「いんや大丈夫。お前が俺に汗水流して手に入れた食料をあげるなんてステキイベント期待してないから」
「カミやんは親友を信じることができないのかにゃー。……そうだにゃー、土御門さんと賭けをして勝ったらあげてもいいぜい」
「ホントか? 嘘じゃねーだろうな!?」
「嘘じゃない嘘じゃない。その代わり賭けに勝ったら、だぜい?」
「おっしゃあ、ドンと来い! 今の上条さんならどんな賭けにでも勝てる気がするぜ!!」
ア○パ○マ○よろしく元気一〇〇倍、上条当麻。
それを聞いた土御門はニヤリ、と上品とは言えない笑みを浮かべ、
賭けの内容を発表した。

「今日一日カミやんがチョコ及び菓子全般を一個たりとも貰わなければこのサンドウィッチはくれてやるぜい!! プラスアルファで義妹から貰ったこのチョコも!!」

土御門の黒人差別撤廃ボイコットじみた早口宣言に周囲の喧騒がピタリと止まる。
そして、何かを言いたそうな視線が主に土御門に集中する。
「……………………………………………………………………………………………………………………………………」
暫く辺りを静粛が支配していたが、スライド式のドアの開閉音がそれを破った。
ずばーん!! とわざとらしい音を立てて教室に入ってきたのは青髪ピアス。
「その賭け、ボクも乗ったでぇーッ!!」
彼の体は戦争から帰還した兵士を思わせるくらいボロボロになっており、手に何も持っていないところを見ると戦いには負けてきたようだ。
この高校の食堂の席は全校生徒分ある訳ではなく、戦争が始まると同時に満席になるので、得た食料は主にお持ち帰りが基本となっている(例:土御門のサンドウィッチなど)。
昼休み開始から暫くしか経っていないのに彼が食堂で食べてくるのは理論上無理なのでそう考える方が妥当だ。
青髪ピアスは上条と土御門のいる場所へと強歩で進んでくると、
「カミやんがチョコを貰わなかったらボクにも分け前や! サンドでもチョコでもどっちでもええ、分けろ!!」
ずびしっ、と土御門を指差しながら恐喝気味に叫ぶ青髪ピアスに上条は、
「はぁ? 中途参加者が贅沢いってんじゃねーよ両方とも俺のモンだ」
「なんやとー!? 分け前くれるのはこっちやお前やない!!」
「おう、いいぜい二人とも。カミやんにはサンド、そっちはチョコでどうだにゃー?」
「オイ、いいのかよ! 畜生割り込み禁止ー!!」
「HAHAHAHA、支配人(マスター)がそう言うんやどう言ったって無駄無駄ぁー」
ぽかぽかと無駄にエネルギーを消費する二人を尻目に土御門は思う。
(アホだぜい、こいつら。“今日一日”ってあと何時間あると思ってるんだにゃー。しかも気付いてないし)
くっくっく、と影で不敵な笑みを浮かべる策士・土御門元春。
ちなみに周囲の人は、言うと土御門が可哀想だったので黙っておくことにしたらしい。
そしてこの時を境に、上条当麻の不幸な(本格的な)バレンタインデーは幕を開けた。

11301-375:2007/02/14(水) 21:41:31 ID:ctdZLKJ6
以上です。
バレンタインで上条さんにチョコをあげそうなメンバーは大体分かっていると思いますが……
あえて! 俺は予想の斜め下を行く!!(嘘

114■■■■:2007/02/14(水) 21:48:29 ID:A0b4QyQ6
>>113 いや軽快なネタGJ
あえてそこを行くのかって感じでした。

115■■■■:2007/02/14(水) 23:25:13 ID:zYYRWZQU
いやっはー!GJ!
なんか流れが爽快で見てて気持ち良かった。
この後上条さんが四苦八苦しつつも女性から逃げる様が脳裏に妄想してきてやまないッスよ。
続き、期待してまーっす!

116 ◆Oamxnad08k:2007/02/14(水) 23:39:25 ID:A0b4QyQ6
バレンタインネタなんで短編を便乗して投下してみようかな

117 ◆Oamxnad08k:2007/02/14(水) 23:39:50 ID:A0b4QyQ6
 [2・14チョコパニ上条当麻の受難]

 その日、上条当麻がかつて体験したことの無い出来事が起こった。
鞄を空けたら見慣れないものが見えた。
きれいにリボンでラッピングされた小さな紙袋
振ってみると中に何か入ってる感じがする。
メッセージカードの類は無し。
誰だ?頭をひねる上条の背後から声がして
「なぁ、カミやん、それほんまは誰からやのー、ボクたち親友ちゃいますのん?おしえてくださいよー」
左側から青髪の悪魔が現れた。
コマンド選択→たたかう
       げんそう
       どうぐ
      ▽にげる
「コマンド選択:にげる 上条当麻は逃げ出した!!」
全力でその品をつかんだまま出口へと向かって駆ける!!
「ガシっとな、しかし回り込まれてしまった、にげれないにゃぁ」
ガシっと右側から現れた金髪サングラスの悪魔が上条の肩を掴んで離さない。
「はーなーせー!! 青髪ピアスに土御門!!貴様らには人の心が無いのか!!」
上条の抗議を聞いて二人は肩をすくめてやれやれというジェスチャーをするとポンと肩に手を置いて顔を近づけてくる。
「お前の知っているテンカ・・・じゃないや青髪ピアスは死んだ」
「裏切り者には死をだぜぃ、カミやん(ニヤニヤ)」
上条が怯えた目でクラスを見渡す、誰か助けてくれそうな人はいないのか?、目で訴える一人の少女と目が合った。
目が合う→目をそらす→哀れむような視線が背後から→目が合う→目をそらす→エンドレス
「だめだ!ここのクラスには俺の味方はいないのか・・・・」
「上条当麻」
「上条くん。」
「吹寄、姫神・・・・おまえら、たすけ――」
「そのチョコはどこから持ってきたの?」
「君。あいかわらず女難の相でてるよ」
「ぐぁぁぁ!!お前らじゃないのかぁぁ!!助けに来たわけでもないのかぁぁ」
上条の叫びに反応して姫神が自分の鞄からひとつの包みを出す。
「わたしの。これ」
そういって上条の前にポトンと包みを置く。
おおおおおおおおお!! 姫神さん大胆! クラス全員の前で渡すのか!! 
クラス全体がそんな声で埋まる。
「ム、上条当麻、これでも食べてなさい!」
またひとつ包みが置かれた、でもこっちは姫神のと違ってなんだか
「ヲイ、なんだかこれ通販で見たことあるような――」
おおおおおおおおお!!なんか違う気もするけど吹寄さんも大胆!!あえてそう攻めるのか!!
またどよめくクラス。
「お肌の健康にいいらしいから、それじゃ」
「それじゃ。また明日ね」
そういってスタスタと吹寄と姫神は教室を出て行ってしまった。
あれ?あれ? ってことはこの手にある3つ目の『チョコ』ぽい包みは何だろう?
帰ろうと思って鞄を空けたら入っていたんですけど、あの二人じゃないなら・・・・誰?

「カミやん、君はよい友人だったが君のフラグ体質がいけないのだよ・・・・」
「覚悟完了?カミやん」
コマンド選択→たたかう
       げんそう
       どうぐ
      ▽にげる

「上条当麻は逃げ出した!!ダッシュダッシュ!!」

上条は肩を掴む二人の手を強引に拘束を振り払うと廊下へと身を躍らせた。
「逃がすか!!追え追え!!」
「「「「「おおおおおおお」」」」」」
上条当麻VSクラスメイト−2の追いかけっこがいま始まる。


つづかない

118 ◆Oamxnad08k:2007/02/14(水) 23:40:38 ID:A0b4QyQ6
以上です。お目汚しでした

119■■■■:2007/02/15(木) 02:39:09 ID:zsnJrSok
GJ!チョコの謎を残したまま続かないのは残念。

>カミやん、君はよい友人だったが君のフラグ体質がいけないのだよ・・・・
吹いたw

120■■■■:2007/02/15(木) 04:08:03 ID:Czmv1NkE
GJ!
しかし、俺に分かっただけでナデに覚悟にガンダムか…いい趣味だw

121 ◆Oamxnad08k:2007/02/15(木) 05:04:48 ID:KrljFdv.
>>119>>120

要望があれば続きを作るのもやぶさかではありません
当然話より先に台詞ができていたのは言うまでも無い。

122■■■■:2007/02/15(木) 17:47:00 ID:2HzZ5viU
GJっ。しかし小ネタが色々挟んであるなぁ……。

知らないのか?大魔王からは逃げられない。

123575:2007/02/15(木) 18:30:55 ID:57WT1Dbk
 P.M 6:30
 東京西部を一大開発した超能力開発機構である学園都市。
 住人の八割が学生で占められているこの街は、当然、夜ともなれば夜遊びを控えさせるための措置が取ら
れる為に人影が一気に減る。
 そんな人気の無い道路を一人の少年が歩いていた。
 ただし、その足取りは覚束無げで、右に左にふらふらと揺れ、今にも倒れそうである。
 よく見ればその身体はボロボロであり着ている服も何だか妙にくたびれている。
 「ったくありえねえんだよこちとら朝の6時前からぶっ続けで動き回されてようやく帰ってこられたのが夜って
のはどういうわけなんだよコンチクショウ」
 黄昏た顔でブツブツと呟いているのは上条当麻、この街で“無能力者”という認定を受けた学生の一人、但
し右手に少々特殊な事情が備わっている人物だ。
 疲労困憊で歩いている彼だが、独白しているように今日一日は大変な働きをしたのである。
 掻い摘んで言うと午前五時四十分に学園都市を襲撃しに来た魔術師に始まり、果ては世界中を巻き込んで
同時多発的に発生した複数の騒動を文字通り世界を飛び回って解決させられて、ようやく帰宅しようとしてい
る所である。
 (具体的に言おうとすると怖いおじさん達がやって来てしまうので明言は割愛する。というかあれだ、どうして
も知りたい人は“暦”を読んでみなさいとぶっちゃけてみる。だが決して何があったか全貌は知る事は出来な
いし自分はMWの廻し者ではないので過度の期待はしないなどそこの所はよろしく。)

 どうにかこうにか学園都市に帰ってこれた上条だが、我が家となっている学生寮まではもうしばらく歩いてい
かないと辿り着けない。
 その距離を考えて足が止まりそうになるが、今ここで止まってしまえばへたり込んでしまい道路だろうとその
まま寝てしまいそうになるので何とか歩き続けている。
 だが、もう本当に体力の限界、これ以上はどうしても無理、と判断した上条は目に留まったベンチまでなんと
か足を動かし、疲れた身体をドッカとベンチに投げ出し、背もたれにもたれ掛かる。
 (あーだめだこのままじゃ寝てきそうだこのまま寝るとマズイよなそういえばインデックスは一日中放ったらか
しだったけど大丈夫だったかなでもダメだもう動けそうにねえほんのすこしだけやすんでもいいかやすんだら
ちゃんとりょうにかえるからそうしちま…おう……か……)
 しっかりと繋ぎ止めているつもりの意識が睡魔に負け、やがて暗闇に入り込もうとしていたそのとき、

 「上条君。そんな所で寝ると風邪引いちゃうよ?」

 そんな声を掛けられた。

12401-641:2007/02/15(木) 18:31:51 ID:57WT1Dbk
 重い瞼をどうにか上げ、胡乱な視線を向けるとそこに立っていたのはクラスメイトの姫神秋沙が立っていた。
 「どう………。……か…………て……………けど?」
 それが自分に対して掛けられたものだと気付くまでに数秒、ボーっとする頭でなんと言ってきたのか尋ねる。
 「どうしたの。何だかひどく疲れてるみたいだけど?」
 「あー、わりぃ、ちょっと色々あり過ぎたんだけど今は言えないから勘弁してくれないかな」
 その言葉を受けた姫神は、しかし、内心を表に出さずその表情を変えることなく語る。
 「うん。上条君が。わたしに言いたくないんだったら。いい」
 別に上条としては姫神を邪険に扱った訳ではなく、ただ疲労からくる睡魔の為に長くなる説明をする気力が
起きなかっただけなのだが、さすがに今の言い方は悪かったかと思い、言い直そうとする。
 「あー、その、姫神……」
 「上条君は。昨日。大きな騒ぎがあった後。姿が見えなくて。今日も学校を休んでたから。少し心配だったの」
 上条が話すよりも先にポツポツと語る姫神。
 「昨日は。バタバタしてて。色々考えてたけど上手く出来なくて。今日も一日会えなかったけど。小萌先生の
用事で学校に残ってたら。最後にこうやって上条君と会えたから。居残りしたら良い事もあるんだね」
 ほんの少しの変化、僅かに穏やかな表情を見せる姫神だが、グロッキーでヘタばっている上条はそれに気
が付かない。
 「あー、居残りなんかさせられたのかよ。大変だったなー」
 聞き様によってはおざなりとも取られる返事。
 姫神は少し寂しげにしながらも、続ける。
 「本当に。大丈夫?」
 その言葉、どうやら自分を気に掛けてくれてるようだと気付いた上条は、一つ頼んでみる事にした。
 「ごめん姫神。ちょっとでいいから休んでいい? 朝の騒ぎから今日は一日中バタバタしてて体がもたねえ
んだわ。姫神が帰るときに起こしてくれればいいから」
 言うが早いか瞼を閉じ、そのまま意識を落としていく上条。
 「あ……」
 姫神が答える間も無く、寝息を立て始める。
 それを見た姫神は、珍しくそれと分かるくらいに肩を落とすと呟いた。
 「女の子と話してるときに。目の前で勝手に寝てしまうなんて。上条君の。馬鹿」


 「やっぱり。わたしは。女の子としては。見てもらえていないのかな?」
 しばらくして、上条の隣に座った姫神は先程の事を考えながら思わず突いて出た言葉に苦笑する。
 「無理も。ないのかもね」
 思考が悪い方向へ転がっていこうとしたとき、トサッ、という音とともに姫神の肩に重みが加わる。
 視線をやれば、寝入った上条がこちらの方に倒れこんできていた。
 無表情のまま数秒それを見ていた姫神だが、おずおずと手を伸ばすと元のように座らせようとする。
 だが、女子生徒の腕力、ましてや片腕に頭が乗っているという不利な体勢の為に上手くいかない。
 しばらく悪戦苦闘していたが、どうやら無理のようだと判断した姫神は、さらに数秒何事かを考える。
 そして、やにわ手を伸ばすと上条の頭を遠ざけるのではなくさらに引き寄せた。
 そのまま下に下ろすと自分の膝の上に静かに乗せる。
 そうして、上条がまだ目を覚まさないでいる事を確認すると、大きく息を吐き出す。
 どうやらかなり緊張していたらしい。

 さらに時間が経つと、上条の頭を優しく撫でながら座っている姫神の姿があった。
 「一日遅れたけど。これはこれで。プレゼントになるのかな?」
 夜目にもそれと分かるくらいに顔を紅くしながらも幸せそうな顔でいるその珍しい姿は、さらにしばらくして上
条が自分で目を覚まして飛び起きるまで続いた。
 飛び起きた上条は自分が膝枕をさせていた事をしきりにあやまっていたが、当の姫神が何となく嬉しそうに
しながら『気にする事は無い』と言ってくれたので首を傾げながらも一安心して寮へと急いで行く。
 対する姫神もポカポカと火照った体と同じくらい温かい気持ちのまま帰宅していった。

12501-641:2007/02/15(木) 18:32:12 ID:57WT1Dbk
 さて、温かく終わってもいいのだが、上条当麻の生活はそうはいかないようである。
 世界中を回って問題を解決してきた上条は地球を西回り(西に向けて進む)で一周してきた。
 つまり、上条にとっては二月十四日の午前五時四十分に始まって今ようやく終わろうとしている一日も、学
園都市に居たままの人物にとってはすでに二日が経過しているのであった。
 それに気が付かない上条は、自ら何の備えもせずに二日間食事の準備を一切しなかった飢えた同居人の
居る部屋のドアを開けようとしていた……。


 「とうま! 二日も私を放っておいてどこ行ってたの!!」
 「なにふざけた事言ってやがんだこちとら一日中世界を飛び回させられたんだから訳分かんないこと言って
んじゃねぇ!」
 「とうまの方こそふざけないで! 今日は二月の十五日、それももう終わるんだよ! 二日の間どこで何をし
てたのかきっちり説明して欲しいかも!」
 「はあ!? 今日が二月十五日でそれも終わるってんなら俺の二月十五日はどこいったんだよ!?」

 「そ ん な の 知 ら な い も ん !!!」

 日がとっぷりと暮れた学生寮の一室からくぐもった音と世にも哀れな悲鳴が聞こえてくるのはそのすぐ後であった。

12601-641:2007/02/15(木) 18:39:15 ID:57WT1Dbk
どうも。ヘタレ文章書きの 01-641 です。 >>123の名前はタイプミスです
>>111(01-375)、>>117 GJ!

去年の公式海賊本“文暦”にあった話から思い付いた話です。スレとしていろいろあると思いますが、この日のために用意してたので敢えて今投下します。
時期的に一日ずれてるだろ、と思われるでしょうが一応それがネタですので悪しからず。
短編を書こうとしたのですがやはり今回も無駄に長くなりました。短い量で上手く纏めている方が羨ましい。
さて、今回この話を投下したので社会見学の続きは少し間を置きます。待ってる方がみえたらすみませんです。

127■■■■:2007/02/15(木) 19:41:59 ID:Czmv1NkE
GJ。
しかしアレだな、禁書は近いうち足元掬われてしまいそうな。まあワタクシ始め姫神原理主義者には望むべき(ry

>>122
え、ダイ大ネタ挟まれてたのか?

128 ◆Oamxnad08k:2007/02/15(木) 20:46:52 ID:KrljFdv.
チョコパニの続きを書いてみたんだけど・・・
ネタにあんまり走れなかった!! 
投下してもいいものか・・・・
とりあえずチョコの秘密を中途半端に解き明かしてみよう

129 ◆Oamxnad08k:2007/02/15(木) 20:48:18 ID:KrljFdv.

前回のあらすじ
2月14日のバレンタインデーの放課後、帰ろうとして鞄を空けたら見知らぬチョコが
執拗に誰からかを聞きだそうとするかつての友人達を振り切り、教室から校舎へ校舎から校外へと
逃亡を続ける上条当麻だったが?

130 ◆Oamxnad08k:2007/02/15(木) 20:48:42 ID:KrljFdv.
1-2
 
 すーはー、すーはー
大きく深呼吸して肺に目いっぱい空気を取り込んでゆっくりと吐く。
もう一度繰り返して静かに目を閉じる。
「あー、その、これまあ一応だけどこれでも食べなさいよ・・・違う、駄目だこれじゃ義理っぽい」
少し考えもう一度
「き、昨日作ったんだけどよ、よかったら・・・・駄目だ、なんかキャラが違うし」
もう一度
「はい、あーんして・・・・・駄目、これは私の方が恥ずかしい」
突然、わしゃーわしゃーと自分の頭をかき乱して御坂美琴は叫んだ。
「あーもう!!、なんでチョコぐらいでこんなに悩まないといけないのー!!」
ふと自分の腕時計で時間を確認する、そう、いつもコレぐらいの時間にアイツはここを通る(事が多い)
意識したらドキドキと心臓が暴れだしてきた気がする、もしかして顔が赤くなってるのだろうかやたらと暑く感じる。
「と、とりあえずチョコを・・・・あれ?」
ごそごそ、スカスカ、ごそごそ、すかすか
「おっかしいわね、学校出たときは確かにあったのに?メッセージカードは残ってるのに」
薄っぺらい学生鞄の中には教科書の類はまったく入っておらず、いくつかの小物と青色のメッセージカードだけが入っていた。

スタタタタタタタタ!! バビュン!
そんな美琴の視界の端を見覚えのあるツンツン頭が通り過ぎた。

 
「ちょっと!!」
なにか聞こえるけど現在絶賛逃亡中の上条当麻にそんな余裕は無い。せいぜいが
「あん?」
なんて言う気の無い返事をするのがせいぜいだ。
だがその相手はトップスピードで走る上条に並走してきた。
「って御坂!? いま急いでんだよ!」
「人が声かけてんだから立ち止まりなさいよ、少しは!! ってなんでそんなに急いでんのよ!?」
「あーもうこれだ、これ」
上条は右手に持った3つの紙袋を美琴に見せたがそれを見た少女の髪がなぜか帯電しだす。
「なんだってアンタが『ソレ』持ってんのよ!? あとほかの2つも見るからにバレンタインチョコって感じだし!!」
「どうみてもバレンタインチョコだっての!?べつにいいだろそんなの!!」
「よくないわよ!!何で私が渡すはずだった『ソレ』をアンタが既に持ってんのよ!!」
はい? 上条の頭に疑問符がいっぱい飛び交う。
上条の持っているモノは全部で3つの紙袋、姫神からもらった赤い小さな紙袋と吹寄制理からもらった通販っぽいパッケージのチョコ
あとはこの事件の発端のピンク色のリボンでラッピングされた紙袋
紙袋を見つめたままバチバチやってる美琴を見てから少し考えて
「必殺鞄パスINチョコ×2」
「へ、わわわわ、」
自分の鞄を開けて姫神と吹寄のチョコを放り込み鞄を並走する美琴へと投げ渡す、美琴はキョトンとしながらもつい受け取ってしまう。
残ったピンクリボンの紙袋を手にとってリボンを解いてみる。
 人生ほんとうに何があるかわからない。いいかげん、この感想にも飽きた。

「カエル・・・・?」
「カエルじゃない!!ぴょン子とゲロ太!」


 「居たか?」
「居ないぜ」 「こっちも」 「逃げ足はえー」 「吹寄様のチョコォォオロローン」「上条め、あいつが死ねば姫神さんのチョコは俺の物に」
上条のクラスメイト達はもはや完全に上条当麻の敵と化した。
「こうなったらあれだぜぃ、アオピー、人海戦術で探すのが吉だぜぃ」
「なんも捻りがないなぁ、ソレ。 絶対にありえないとは思うが…… その妄想に一票や!」
言うとクラスの一同は思い思いの方向へと散っていき、土御門だけが残った。
「やぁ悪いね、催促したみたいで変な芝居までうたせちゃったみたいだね、土御門」
「そんなことはどうでもいいがステイル、なんでお前がここにいる?それによりによってそいつまでいるのかよ?」
陽気な口調で話しかけながら路地から赤い髪の大男が現われた。
「 ある大魔術が何かの誤作動だかで作動してしまったらしくてね、その事後処理にボクが派遣されたってわけさ、魔術のことは魔術師にってね」
「大魔術―だと、それでソレの出番ってわけか?随分と大層な大魔術らしいな」
「ああ、ある意味最恐って言い方をしてもいいと思うよ、あくまでも僕の主観だけどね。 なにせかつての聖人が残した大魔術さ」
言って赤い『魔術師』はソレの名前を告げた。

「その大魔術は聖バレンチヌスの結界、言うまでも無く聖ジョージ級の大魔術だよ、僕は面倒だからこう読んでるけどね
                                          ―『告白儀式』(ハートトゥハート)ってね」

次回に続く・・・のか?

131 ◆Oamxnad08k:2007/02/15(木) 20:52:55 ID:KrljFdv.
以上です
「チョコパニ2・14上条当麻の憂鬱 第二話」でした。
・一応チョコは美琴のものらしい
・ステイルと一緒に誰かが学園都市に来ているらしい
・美琴のチョコはラブリーミトン製の型を使用した手作りらしい
・吹寄制理のチョコは苦いらしいカカオ80%

13201-375:2007/02/15(木) 22:13:08 ID:sUutu2CA
>>126=01-641氏
>>131
GJ!
バレンタインネタお疲れ様です。

ちなみに自分はカカオ99%食べたことありますぜ。
味は聞かないで下さい……orz

と、ここで替え歌ネタをば


FRAG2


もうどうでもイイじゃんってキリステフラグ
真フラグ 見捨てちゃって パッパッパーラ

I protect you I think you I hate you 何度も言う 不幸だー
君と出逢って数ヶ月 休憩無しで ノンストップ ガブリ
隠し事は1つだけ 俺の思い出 実はイマジン
だから・・・その・・・断食してくにゃにゃい!噛まれちゃった

もうどうでもイイじゃんってキリステフラグ
真フラグ 見捨てちゃって パッパッパーラ

頭が体が なんだかヤバヤバ
噛み付かれたからか〜?
朝ならまだまだ だがまた
ガブガブ バカかとうまはー
禁書はさまざま ビリビリ様様
さぁ腹鳴ったんならDangerous
頑張らなあかん カンカン

フラグBoyBoy マダマダmurder
フラグBoyBoy 幻想から Break Time
フラグBoyBoy カタナババアーが
マタドギマギさせてKnuckle yeah!

昔 むかし ある所に
カミ ジョウ トーマが 「Hey!こもえー」
たばこぬすんだとか。
それを見たとか 見て、ナイトか!?
黒子に旗男、ミサカまでもがココロに小さな穴をあけた
穴の中をのぞいてみると そこから大きな電撃(み!)


え?こんなん書いてないで続き書け?
すみません……orz

1331-169:2007/02/16(金) 00:11:02 ID:aNEAZSa2
>>131 >>126 >>113
バレンタインSS皆さんGJ! 特に『告白儀式』は続きも楽しみっ!
チョコは冷蔵庫で冷やして食べるのが好きです(←何を言ってるのか)。
替え歌もGJです。実は元歌知りませんが。てへっ。

と、ここで私も替え歌ネタをやりたかったのですが、


ナゾナゾみたいに樹形図を解き明かしたら


の後が全く思いつきませんでした。しかもこの出だしだと当てはまりそうなキャラが多すぎです。
どなたか続きを〜。

134 ◆Oamxnad08k:2007/02/16(金) 20:30:59 ID:pi30oAPc
>>132
>>133
楽しみにしていただいて恐縮です、はい。
第三話もできておりますが様子を見ながらぼちぼちと行こうと思います。

カカオ99%はもはや苦いだけです。

135■■■■:2007/02/16(金) 22:58:50 ID:fz5CBfXM
>>134
ハートトゥハートと振られると勇者警察しか出てこない私も続きを期待してます

136DEEP BLOOD ◆RNmrPLr4ZY:2007/02/17(土) 12:57:29 ID:CuwyVjfk
Fesの人、バレンタインネタを投下した人達GJです!
社会科見学の方も続きをお待ちしております
さて、自分の作品ですがとりあえず一週間様子見をしたので続きを投下したいと思います
説明が長いので飽きる人もいるかもしれませんが、そういうのはどんどん指摘しちゃって下さい
あと、月姫クロスオーバーというより、メルブラクロスなので御了承ください

それでは月姫クロス改め、メルブラクロスオーバー『DEEP BLOOD』
広い心でお読み下さい

137DEEP BLOOD ◆RNmrPLr4ZY:2007/02/17(土) 12:59:08 ID:CuwyVjfk
上条は声のしたほうを見る。そこには、短い金髪をツンツンに尖らせ、アロハシャツにサングラスといういつもの格好の、
上条の隣人にして科学側と魔術側双方のスパイである土御門元春がこちらに向かって走ってくる。
「土御門!ちょうどいいや今からお前の部屋に行こうとしてたんだ」
土御門は上条の所まで来ると、まったく息切れせずに、
「こっちとしてもちょうどいいぜい。オレとしてもカミやんに用があったからにゃー」
「俺に?」
「ああ」
土御門は頷き、

「カミやんにも学園都市に入り込んだ魔術師の撃退を頼みたい」

上条は少し驚いた。魔術師が入り込んだ事にではない、『プロ』である土御門が『素人』である上条を戦闘に巻き込む事に驚いたのだ。
「いいのか?お前(プロ)が俺(素人)にそんなことを頼んで?」
土御門はいつものにやけた笑みを浮かべながら、
「プロが素人を巻き込まないようにするってのは、いわばプライドの問題だぜい。オレみたいにあまり気にしないやつには関係ないにゃー」
「そーゆーもんなのか・・・?」
「ま、それだけじゃないんだが。とにかく色々あるってことぜよ。―――ところでカミやん、後ろの巫女さんはほったらかしでいいのかにゃー?」
「・・・あ」
上条が思い出して恐る恐るふりかえると、いつもの表情と変わらないように見えるが、ちょっと寂しげな顔をしている姫神がいた。
「・・・悪い姫神」
「いいの。君にとって。私はそれだけの女」
「ダメだぜカミやーん。一度旗立てたは回収しないと」
「やかましい!今はそんな事よりもやるべきことがあるだろ!」
姫神が後ろで「そんなこと・・・」と言っているが、上条には聞こえていない。
「んで土御門、魔術師の撃退って言ってたけどまたリドヴィアみたいなのが現れたのか?それともインデックスを狙ったやつらか?」
手助けは頼まれたものの、実際に何が起こっているかは分からないので、超能力にも魔術師にも精通した土御門に聞いてみた。姫神も、やはり小萌先生を巻き込んだのが気になるようで、真剣な目で土御門を見ている。
「んー、どちらでもないというのが正しいかにゃー。―――奴の狙いは学園都市全てだからな。」
―――空気が、一瞬にして凍りついた。
「―――それって、本気で言ってるのか?」
「ああ、本気と書いてマジと読むほど本気だぜい」
大変な状況なはずなのに、土御門の口調は普段と変わらない。

138DEEP BLOOD ◆RNmrPLr4ZY:2007/02/17(土) 13:00:46 ID:CuwyVjfk
「だったら!」
「焦ったら。ダメ」
土御門に文句を言おうとしたところで姫神がそれを制止する。
「非常時は。まず落ち着くこと」
「案外姫神は魔術師とかに向いてるかもにゃー」
「私。魔法使い」
「あー、はいはいわかったわかった……」
土御門は「魔法使いはまた別なんだがにゃー」と呟きつつ生返事を返す。
「それよりも」
姫神は真剣な目つきに戻り、
「もっと情報がほしい。学園都市全体を狙うだけなら。私だけが魔術師に狙われる理由もわからない。」
「そ、そうだ土御門。姫神の話じゃ魔術師は玄関から堂々と来たらしいし、それに狙いが学園都市全てなら小萌先生がやばい!」
「何っ!?カミやん、そのときの状況を詳しく教えて欲しい」
姫神が上条の前に出て、
「それは。私が」
姫神は土御門に魔術師が姫神を狙っていたこと、小萌先生が魔術師を引き止めていることなどを話した。
「うーん、断定はできないがそれは『埋葬機関』の『代行者』だぜい」
「『埋葬機関』?『代行者』」?」
聞きなれない単語を聞いた上条は首をかしげる。
「埋葬機関ってのは簡単に言っちまえば『必要悪の教会(ネセサリウス)』みたいなもんだにゃー。オレらみたいなのはどこにでもあるからな。代行者は埋葬機関の異端審問員、オレやステイルみたいなもんだ」
「そいつらが学園都市を潰そうとしてるのか?」
上条が聞くと、
「いや、奴らは逆に学園都市に来た魔術師を排除しに来たんだろう。異端の排除がやつらの優先事項だからにゃー」
「だったら。なぜ。私が狙われたの?」
「まあ、とりあえずそれも含めて今回の魔術師の説明をするぜい。とりあえず今まではわかりやすいように魔術師と言っていたが、正確にはアレは錬金術師だ」
「錬金術師っていうとあのアウレオルスみたいなやつか?」
「ああ、奴の本名はズェピア・エルトナム・オベローン。アウレオルスがいたチューリッヒ学派とは別の、アトラス院って所で院長をしていた魔術師だ」
「あいつとは別の勢力なのか、でも院長ってことは、結構偉い奴じゃないのか!?」
上条が聞き返すと、土御門は薄笑いを浮かべて、
「確かに全生徒に命令ができるほどの権力を持つ、オレらの戦力と比べると・・・・・・」
「待って」
と、唐突に姫神が説明を遮る。
「どうしたんだよ姫神、小萌先生の様子も見に行きたいから早く事態を理解しないと・・・・・・」
「だからこそ。回りくどい説明は要らない。土御門くん。ズェピアの名前は。私が三沢塾にいた頃に聞いたことがある」

139DEEP BLOOD ◆RNmrPLr4ZY:2007/02/17(土) 13:02:33 ID:CuwyVjfk
三沢塾とは、姫神が錬金術師であるアウレオルス=イザードに軟禁されていた場所である。同じ錬金術師であるズェピアの名前を聞いていたのかもしれない。
「―――彼は。五百年程前の人物のはず。生きているはずが。ない」
「なっ!?」と上条は驚き土御門を見る。土御門はばつが悪そうに頭をかきながら「知っていたか・・・・・・」と呟いている。
「どういうことだ土御門!御使堕し(エンゼルフォール)」の時みたいにまたなにか隠してるのか!?」
「隠してたわけじゃない、これから話すとこだったんだぜい」
土御門は今までの口調を変えることなくそんなことを言う。
「その前に姫神、お前はズェピアについてどれだけ知っているか知りたい。そのほうが説明の手間も省けるぜい」
姫神はまだ土御門を信用できないようだったが、こちらが話さないと相手も話さないと悟ったのか、自分が知っている情報について話し始めた。
「私が知っているのは少しだけ。ズェピアは数百年前の院長だったこと。そして強大な力に立ち向かい敗れたこと。それぐらい。アウレオルスは彼の残した技術を探していたけど。結局見つからなかったみたい」
「まあ、それは当たり前だにゃー。アトラスの錬金術師は自分の技術を外に漏らすことを禁忌(タブー)としている。」
「それより土御門、早く本当のことを話してくれないか?」
「んー、本当の事も何もオレの情報も姫神の情報も間違いはないにゃー。お前らが矛盾だと感じてるのはズェピアが数百年前の人物だったってだけだろ?」
土御門の言い分に、上条は少し考えて、
「じゃああれか?『ズェピア・エルトナム・オベローン』ってのは屋号みたいなものなのか?」
「いや、エルトナムは確かに屋号だが『ズェピア』はちゃんとした名だ。カミやんは何で一番簡単な可能性を否定するかにゃー?」
「一番簡単な可能性ってまさか・・・・・・?」
上条はひとつの結果に思い当たったが、それを口にすることができない。
「―――ズェピアは。まだ生きている?」
しかし姫神はあっさりと言った。
「大当たりだぜい」
さらに追い討ちをかけるように土御門が肯定する。
「・・・・・・どういうことだよ?魔術ってそんなことまでできるのか!?」
「―――魔術とは限らない。」
唐突に姫神が口を挟む。
「どういうことだ姫神。生命維持装置みたいな科学技術だって言いたいのか?それでもかなり無茶があるぞ」
「そうでもない。確かに人間では普通五百年は生きられない。」
そこで姫神はいったん言葉を区切る。そして
「なら。人間じゃなくなればいい」
姫神はいきなりとんでもないことを言い出した。
「ほう、姫神はもう気づいたか。さすがは『吸血殺し(ディープブラッド)』ってところかにゃー。カミやんも知ってるはずだ、姫神と関係があり、なおかつ不老不死である怪物の名を」

140DEEP BLOOD ◆RNmrPLr4ZY:2007/02/17(土) 13:04:44 ID:CuwyVjfk
今はここまでしかできていません
しかも無駄に説明が長いからまだメルブラキャラがでない現状orz
いいわけとして、長いのは禁書の設定とメルブラの設定の矛盾の穴埋めをしているからです
前スレでプロローグを投下した時に色々言われたので、少しでも矛盾を減らせるようにと

生意気ですって?ごめんなさい
短篇書きのほうがいいかなぁと思いつつ続きを書きたいと思います

次こそはメルブラキャラがでますように(神頼み)

141 ◆Oamxnad08k:2007/02/17(土) 17:49:27 ID:5H2mTPv6
>>140 投下お疲れ様でした。
 >「ダメだぜカミやーん。一度旗立てたは回収しないと」
は「立てたら」かな?

142■■■■:2007/02/17(土) 20:02:19 ID:aaMokJI6
『一度旗立てたら』と書く→『一度立てた旗は』の方がいいかな?→らを消してはにする→忘れる
とかあったんじゃないかと予想。

143■■■■:2007/02/17(土) 21:04:13 ID:.cJtgxkE
>>140
執筆&投下乙(フツーは『乙』とは言わないが、ことこの組み合わせに限ってはそれが正しく思える)
 
かつて色々言ってからこちら沈黙してただけにちょっと心配だったが、続けてくれて嬉しい。
設定に関しては。
よりよくしていこうと思い続けていけば、きっと正しい方へ向かっていけると、信じている。

144とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート) ◆Oamxnad08k:2007/02/17(土) 21:30:49 ID:5H2mTPv6
自分も投下してみるかな・・・


□[2・14チョコパニ上条当麻の受難3]

[とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)]へとタイトルを変更したします。


前回までのあらすじ
 上条当麻の鞄に入っていたチョコレートは美琴の鞄から消えてしまったチョコレートだった。
不可思議な現象におもわず上条は首を捻るが事態は好転しない。
そんな時、上条を追跡する土御門の前に必要悪の教会(ネセサリウス)の魔術師ステイルが姿を現し
事件の発端となったある大魔術の存在を告げる。

145とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート) ◆Oamxnad08k:2007/02/17(土) 21:32:17 ID:5H2mTPv6
第三話 『さらばチョコレート』

 「ともかくキミにも説明をして置く必要はあるだろう?」
言って赤い魔術師が自分の体を退けると、後ろに居た人影が土御門に見えるようになった。 
ステイルの影から現れたのは純白に金の縁取りがついた豪華な修道服に身を包んだ小さなシスター。
小さな人影は両手を前であわせて組み、その瞳を閉じて土御門に向かって言葉を紡ぐ、
「自己紹介、そっちは私の事知ってるみたいだから省いてもいいよね、『必要悪の教会』(ネセサリウス)の『背中刺す刃』
それでも一応『はじめまして』って挨拶しとくね」
白い少女は閉じた目を開いて土御門を見て二コリと笑顔を作ると、土御門に対して軽く頭を下げる。
 土御門は少女へ鋭い眼光を送りニヤリと笑い、壁にもたれかかり体の前で腕を組むとこう言った。
「ああ、『はじめまして』だな、詳しく話を聞こうじゃないか―Index-Librorum-Prohibitorum、『10万3000冊』の『禁書目録』(インデックス)」

 チョコレートケーキ、いわゆるホールサイズのでっかいのではなく三角形に切り分けられビニールでラッピングされた最終兵器。
その威力(甘さ)たるや年頃の男性に致命傷を負わせ、もはやその味無しでは生きてはいけないとまで言わしめる。
 可愛い女の子の手作りだと更に破壊力は増す(上条比15倍)、本来なら幸運な事なのだがこの場合はひたすら不幸な事に
そんな物体が何故か上条当麻の鞄にはあった。 ついでに言うと鞄のほうは肩から青白い火花をバチバチさせている美琴の手にあった。 
何故か。 理由はわからないけど何故か。 
確かに美琴に鞄を渡すまでは美琴製カエルチョコ以外に姫神チョコと吹寄チョコの2つのみだったはずの鞄の中身が増えていた。
「え〜と食うか?美琴―げぶぅ」
「あほかぁぁ!!」
 場を和まそうとした上条のさりげない一言は怒り狂うお嬢様の鉄拳で粉砕された。
「タンマ!タンマ!上条さんには身の覚えがないんですよ!?こんな素敵イベント起こるはずないんです!!」
「アンタはコレを私に見せ付けて一体どうしたいのよー!!今なら怒らないから言ってみなさいよー!!」
「怒らないだなんてそんなこと・・・!? 裁判長!その発言は明らかに矛盾しています!!」
「誰よ!?裁判長って!!とにかく嘘じゃないわよ!!」
「嘘だ!!!(0,01秒即答)」
「即答するなぁ!!コラァァ!(怒)」
「ぎゃああああ、目が私のめがぁぁぁ!!めがぁぁああああ!!」
ズビシ!! そんな愉快な効果音の美琴の常盤台中学式目潰しチョキが目に刺さって上条は悶絶して辺りかまわず転げまわる。
怒りでちょっと愉快な思考回路になってるこのお嬢様がどこぞの武術家のような突きを繰り出す理由はこうだ。

ひとつ、上条が投げてきた鞄の口が開いていた
ひとつ、鞄には彼が貰ったチョコの包みが2個入ってるはずだった。
ひとつ、自分以外の女性が贈ったチョコとはどんなものなのか気になった。
ひとつ、美琴が中を覗いてみたら2個の包み以外にも明らかに自分の物より手の込んだチョコらしきものがあった。
ひとつ、あまつさえソレを自分に食えと要求してきたボンクラがいた。

146とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート) ◆Oamxnad08k:2007/02/17(土) 21:33:16 ID:5H2mTPv6
 
上条当麻曰く・・・なんでお嬢様が怒ってるのかさっぱり訳わからんし、自分に何が起こってるのはもっと訳わからん。 
判ることは只一つ、この世界に神様とか言う存在が居るのならきっとその存在は、上条当麻が嫌いに違いない。
「うう、さっきから何がなんだか上条さんにはさっぱりですよ、放課後に鞄を空けたらなんだかチョコが入ってるわ、姫神と吹寄からは
普通にチョコもらえたんだけどクラス総出で追いかけられるし、御坂が鞄を空けたらさっきまで無かったチョコケーキとか入ってるし・・・・・・」
 上条はそう言って膝を抱えてバス停のベンチにうずくまってしまうと
右手に持ったカエルさん達(チョコ)をリスかハムスターのような仕草でカリカリとかじりだす。
 それを見た美琴が大慌てで上条の前まで飛んできて
「わ!、わわ!、アンタいきなり食べるんじゃないわよ!? 
っていうかもうちょっと味わって食べなさいよ!! 昨日3時間もかかったのに『ソレ』!!せめてメッセージカードとか読みなさいよ!」
「なんと!?これは『手作り』でしたか? どうりで・・・」
どうりでなに?と聞きたそうな美琴のもじもじした視線と差し出された青いメッセージカードなんて露知らず上条は呟く。
「硬いと思っ――へぶぅ」
JET!!、そんな大文字の効果音を背負った美琴の突き上げるような一撃で上条は顎を打ち抜かれ宙を舞うと銀河(っぽいもの)を背負いながら
頭からキリキリ回転し地面に激突し、そのままドサッと崩れ落ちた。
 でも頭から落ちたくせに美琴の攻撃以外の要因による外傷はまるで見当たらないところがお約束っぽい。
その後でひらひらと美琴の青いメッセージカードが倒れた上条の顔の上に舞い降りる。
「はっ!? やりすぎ?て完全に伸びてる!? と、とりあえずじ、じんこうこきゅう!?えっとでもでも」
 ふと我に返って地面に倒れたままピクリとも動かない上条を抱えておろおろとする美琴の視界の端で上条の学生鞄がなにやら
さっきより膨らんでいたが彼女にはそんな事には気づかなかった。

147とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート) ◆Oamxnad08k:2007/02/17(土) 21:33:49 ID:5H2mTPv6
 時間は遡って2月13日午後21時 イギリスの必要悪の教会(ネセサリウス)の女子寮にての出来事
「シスター・アニェーゼ、私が航空便で送ろうとしていたこれくらいの包みを知りませんでしょうか?」
のんびりおっとりした口調でオルソラが手でこれぐらい、とサイズを示してくるのだがアニェーゼには全然覚えが無い。
「いえ、私は人の荷物をかまったりなんかしちまいませんよ、シスター・オルソラ。それより私がここに置いていた
菓子の入った小さな箱とか誰か知りませんかね?、なんていうんですかね、あれ、『ぽっきー』っていぅんですかね?」
 同じく女子寮のロビーでくつろいでる全員に聞いてみるが彼女たちは一様に互いに目を合わせて横に首を振るだけだ。
(日本とイギリスの時差は約9時間・・・いまごろ日本は14日当日の午前6時、夜間便で日本まで配送してもらうつもり
だったんですがこのままでは間に合わない?って今気づいたんですがね、荷物を受け取りに来た業者が死ぬほど困っちまってますね。
こんなときどうすればいいんでしたか?確か日本のことわざでは『万事休す』?それとも「ボスケテ」・・・・)
 
「シスター・アンジェレネ。 あんたは確か甘い物に目が無かったと思うのですが・・・あれほど甘い物への執着は断てと―」
「わ、私じゃないですよ、本気で、神様にだって誓います!でも甘いものは大好きです! 
天にまします我らの父よ・・・・哀れな子羊に救い給え・・・」
「たかが菓子ぐらいでなにをごちゃごちゃとしてるんだい?そんなものまた作ればいいじゃないのさ」
(たかが菓子を作り直す時間が無いから困っちまってるんですが、この人にはそういうことに縁が無さそうですね)
「シェリー、団体生活と言うものはそう簡単に済ますわけにも行かないのですよ、それに荷受に来られている配送業者にも失礼ですから・・・・」
なんだかけだるそうに言うゴスロリファッションのシェリーを手で退けてその後ろから神裂火織が出てきたが、
 彼女は何故か裾をお腹のところで絞って結んだTシャツに片方の裾を根元までぶった切ったジーパン、さらに腰のウエスタンベルトには
七天七刀という物騒な格好をしている。 神裂火織が好んで着る『戦闘着』だ、当然くつろぐためのロビーにあまり似つかわしくない。
彼女はロビーの中央に置かれたテーブルにダン!!と手を激しく打ち据えるとその瞳に激しい決意を秘め宣言した。

『ですから・・・・・・犯人はこの中に居る!! 
いますぐ私が航空便で日本に送るはずだった『ちょこれーと』をちょろまかした奴出てきなさい!!!』

ドーン!!とカメラ目線で世界に20人しかいない聖人様が背景に雷しょって叫んだ。
聖人様ぐらいになると背景に雨だろうが雷だろうが自由自在である、実に便利だ。 きっと聖人様の半分は優しさでできているに違いない。
でも七天七刀を抜刀してまで言うことなのか?とロビーに居る全員の目がそう語っていた。
 その後ろでオルソラは冷蔵庫から三角形型に切り分けられたチョコレートケーキを取り出してテキパキと新たにラッピングをして
ちゃっかり業者のお兄さんへと渡して手を振って送り出していたが彼女以外の人間は誰もその事には気づいていなかった。

拝啓、天にまします我らの父よ
 この事態はどう収拾をつけるおつもりでしょうか、哀れな子羊たる私に教えちまって下さい。 かしこ
追伸
 私が送るはずの『自作ぽっきー』もその深い御心で何とかしてやってください。 いやマジで

アニェーゼ=サンクティスは無言で十字を切り神への祈りを捧げた。


次回に・・・つづくといいな、いやマジで

148とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート) ◆Oamxnad08k:2007/02/17(土) 21:35:14 ID:5H2mTPv6
第三話取り合えず終了です。

おまけで片手間に作ってた替え歌を

元ネタ[Falco-ファルコ-] [島谷ひとみ]


キミは何を望むの? 誰のために傷つき
ぽかりと空いた空白 瞳を閉じた

失ったはずの記憶に 砂嵐が止まない
砂漠よりも果てなき 時を彷徨(さまよ)う

歓びや悲しみから今
受け取った幻想(チカラ) 幻想(じょうねつ)に変わる

未来その手に 飛び立つ上条
翔(かけ)るキミよ 夢をつかめ
誓い響かす 汚れなき空 増えるフラグ
ヒロインを導く

世界中が敵でも 守り抜くと誓った
信じること恐れず 右手を掲げる

大地から熱い風が吹く
幻想(まぼろし)をさらい 戦い続ける

命を燃やし 飛び立つ上条
それはキミの 強い願い
彼女への願い とどまらぬ夢 生きる意味を
キミと見つけに行こう

歓びや悲しみから今
受け取った幻想(チカラ) 幻想(じょうねつ)に変わる

未来その手に 飛び立つ上条
翔(かけ)るキミよ 奇跡をつかめ
誓い響かす 汚れなき声 増えるフラグ
ヒロインが導く

命を燃やし 飛び立つ上条
それはキミの 強い願い
彼女への願い とどまらぬ夢 生きる意味を
一緒に見つけられる

149■■■■:2007/02/18(日) 00:35:11 ID:pCN7c2GQ
>東鳩の人
アニェのポッキーが欲しいです。
GJ!!

150■■■■:2007/02/18(日) 01:24:57 ID:9fTK6dQU
どれもハイレベルだな、すごい

151 ◆Oamxnad08k:2007/02/18(日) 05:23:20 ID:BUOjHWrY
>>149
あれほど甘いものへの執着は断てと・・・・

おまけで替え歌をもう一本

WONDER MOMO-i〜New recording〜替え歌
『ワンダーミサカ』


「がんがりまーす☆」

いつか夢見た正義の味方 私に現れるなんてね
まさかほんとにネタじゃないの? マジで嬉しい

(やった〜)

素直じゃなくてすぐ怒る ちょっぴり泣き虫私でも
いつか花咲く時が来る きっとこの思い通じたら

LOVELOVE LOVELOVE ミサカ

「返信」

うなれ電撃 とどろけビリビリ さみしいときには
コイントスして[超電磁砲](レールガン) アイツ吹き飛ぶわ
なんでスルーなの ちょっと待って 切ないときには  
雷どんどん 落とせガンガン ほらね壊れちゃう

ミサカワンダー この思い
これもファンタジーだけど 科学
ミサカワンダー この思い
この世の全て 初めは 『幻想』

L・O・V・Eがんばれミサカ 
L・O・V・Eがんばれミサカ


部屋に戻れば自己嫌悪 普段の私は駄目だわ
だけどそのうち アイツと一緒 遊びいきたいな

(うっふん)

フラグはあの日立ったけど その他のフラグが邪魔をする
アイツもきっと待っている たまに優しいとこがある

LOVELOVE LOVELOVE ミサカ

「もっかい返信」

うなれ電気 とどろけビリビリ 寂しいときには
ゲーセンで長居して ストレス吹っ飛ばす

燃やせバーニング レベル5 切ないときには

雷ドンドン 落とせガンガン ほらね壊れちゃう

ミサカワンダー この思い
いつもハートに潤いを 
ミサカワンダー この思い
まだまだ彼女とかなんかじゃないけど

(間奏)

L・O・V・Eがんばれミサカ

そっと胸に手を当て 私の声を聞いて
悪いのは誰でもない にぶいアンタのせいだわ
この世界には防げない つらいこともあるけど
同じ時を生きていくの  今日もアイツと二人

子供の頃夢みた お茶目なヒロインはね 
時に厳しく 時に優しく 大事なものを守るの
正義が何か見失い 迷うこともあるけど 
微笑みは忘れないわ アイツに教わったから

152 ◆RNmrPLr4ZY:2007/02/18(日) 15:23:30 ID:Ws51TcFg
>>141さん
>>142さんの言うとおりです、ちゃんと読み返したと思ったのにorz

>>143さん
まだまだGJと呼ばれるには程遠いですしね
でも待ってくれている人がいて嬉しいです

>> 『告白儀式』の人
GJです!
まさか女子寮の人たちまででてくるとは・・・
続きの展開がかなり楽しみです!

さて、DEEPBLOODの続きに関しては早ければまた来週の月曜日にでも
ただ、まだ1レスぶんも完成していないのでできる保障はまったくありません
次の投下分にはメルブラキャラがでる予定ですのでお楽しみに!



とか言っといて出なかったらシャレにならん・・・

15301-641:2007/02/19(月) 19:41:38 ID:giy7EiAc
>>131,=>>148,=>>151
>>132,
>>140
(で合ってると思うけど)ずいぶんと遅くなったけど G J !
その尽きないネタの出所はいったいどこなのか…!

自分もこっそりと投下します。

15401-641:2007/02/19(月) 19:42:17 ID:giy7EiAc
「学園都市にいる学生達の為に『中』と『外』を比べて見せるようにしてるわけだけど、そうやって『外』か
らやって来た企業にしてみれば、せっかく普段は見ることの出来ない学園都市に入ったんだから、自分
たちが持ち込んだ技術や情報を見せるだけじゃなく、都市内にあるものを見ようとしたって不思議はない
じゃん。だけど、都市内ならともかく『外』から来た部外者に貴重なデータをそう簡単には見せるわけが無
いだろうし、そうした外部向けの為に社会見学祭に参加している各企業や研究機関の内容を紹介してる
のが『パンフレット』ってわけじゃん」
 黄泉川の言葉に上条が聞き返す。
「『パンフレット』が作られた理由は分かりましたけど、別にそんなの俺らに教えてくれててもいいんじゃな
いっすか?」
「いやいや、そうもいかないじゃん。学園都市が持っていたり都市内の研究機関が保有する技術や情報
は管理が厳しいからね。ちょっとした物でも取り扱いにはうるさいのよ。だから、サンプル品扱いで出され
ている物の遣り取りには色々な制約が絡んでくるじゃん。その一つである『パンフレット』だっておいそれと
は上げるわけにはいかないんじゃん」
「え? あれって、サンプル品なんですか?」
「そうじゃん。いくら簡単な紹介だからって、学園都市にある技術の一端を解説してるんだよ? 然るべ
き規制を掛けない事にはそこから辿られた情報を持って行かれる事だって有り得る訳じゃん。そうした事
を防ぐために、学園都市にある印刷・出版関係に属する所が集まって作るのがあの『パンフレット』なわ
けじゃん」
「なんか凄そうっすね」
「実際凄いじゃんよ。普通に読むのはいいけどそれをデータとして残そうとするのは出来なくなるようにし
てあるし、時間経過とともに文字のインクが劣化していくから祭りが終わった後に『外』に持ち出そうとして
も意味が無くなる様に出来てるじゃん」
 ちなみに、黄泉川が語るとおりである。
 肉眼で見る分には気が付かないが、特殊なインクと製紙を使った製本のために、不可視域のレベルで
出る反射光がちょうどジャミング効果のように働き、対象を光学的に捉えるカメラはもとより、電子的に保
存するデジタル機器に対してもコピーを取る事は不可能と言える。さらに、紙自体も特殊な処理がなされ
ている為にページに直接上書きして内容を残す事も出来ず、加えてインクとの反応により祭りの期間が
終わる頃には文字が識別できないようになり、ただの分厚くて重い紙の束に成り変るほどである。
「そうやって使われている学園都市の技術に対して対価を払う必要があるじゃん。外部から来てるところ
は自分たちの情報を公開したり、代金を支払う事で手に入れることが出来るけど、学園都市の学生に対
しては求められる事が違うんじゃんよ」
「どう違うんですか?」
「会場となっている全ての場所を回って一定数以上の出展ブースを見て回ってそれをレポートに纏める
事と、最低一つ、出展してるところと自分個人が契約を結んで企業なんかの研究や開発に協力する事が
条件になってるじゃん。期間中に全ての会場を回ろうとするとなるときっちり計画しとかないとスケジュー
ルに追われるだけになっちゃうだろうし、そもそも能力の高い学生は学校側が契約してる企業以外の所
と個人的に契約を結ばれる事を嫌う事が多いからね。申請しても学校側が許可しないってことも多いじゃ
ん。それに、個人的に契約を結ぶ事が出来なかった場合にはペナルティが科されることになってるから
ね。普通に考えると割に合わないって思えるじゃんよー」
 確かに、黄泉川の言うとおりである。
 ここまで聞いたところでは、デメリットばかりが目立っている様に思えてくる。
 それほどのリスクに対して得る程のものがあると言うのだろうか?

15501-641:2007/02/19(月) 19:43:06 ID:giy7EiAc
「そんなに大変なのに何で吹寄は『パンフレット』を貰おうとしたんだよ?」
 上条からの問いに対し、吹寄の答えははっきりしない。困ったように 『ええと…、あの…』 等と歯切悪く
返すだけである。
 そんな彼女の反応を見てニヤニヤしながら黄泉川が爆弾となる言葉を述べる。
「いやいや、学生にとってそう悪い事だらけとも限らないじゃん」
「ちょっ、せ、先生!」
 慌てて吹寄が止めようとするが、時既に遅し、
「その『パンフレット』を持っている生徒は何処かしらと契約を結ぶって言ったじゃん。だから、自分達と契
約を結んで欲しい所は割と優遇してサンプルを渡してくれそうなもんじゃん。最終的に何処と契約を結ぶ
かは生徒の自由意志になってるから、上手くすればサンプル品の山を持ち帰ってくる事だって出来る訳
だからね。リスクはでかいが当たれば得るものもでかくなるって訳じゃん」
「そ、そんなに欲張ったりはしませんよ!」
 黄泉川の説明に思わず大声を出してしまう吹寄。
 だが、彼女のそんな態度が今の解説が当たらずとも遠からじ、といったところである事を表してしまって
いる。
 ニヤニヤと笑い続けている黄泉川はもとより、『そっかー、サンプル品狙いかー。吹寄らしいっちゃらし
いよなー』 と呟く上条の二人に見られ続けた吹寄は、
「と、とにかく、私はこれから忙しいから貴様もさっさと集合場所に向かいなさいよ!」
 などと叫ぶようにして足早に立ち去っていく。
 そんな彼女を見送った上条も、『じゃあ、そろそろ俺も行かなきゃ……』 と言いながら黄泉川と別れて歩
き出そうとする。
 だが、ガシッ、という音と共に襟首を掴まれて黄泉川のもとに引き寄せられる。
 見れば、笑顔だが目は笑っていない様子。
「ふっふっふっ、しょ、う、ね、んー? ウチのことを気付かなかった事に対して何にも無しで済ますつもり
なのかー?」
 というかマジでコワイですヨ黄泉川先生? っていうか肩に置かれた手がギリギリって、痛タタタタ!?
「ちょ、待って待って先生! だからそれは先生がいつもと違う格好だったから分からなかったんですっ
てばって、痛、痛いですって、ギブギブ、ギブ!」
「それはあんな命懸けの遣り取りをしたってのに少年がこれっぽっちも覚えようとしてないからじゃんよ。
あとこんな窮屈な格好はウチだってしたくてしてる訳じゃないんだよ学校が公式の場に出るんだからきち
んとしろって煩いから仕方なくしてるだけじゃん!」
 思わず付いて出た一言がどうやら地雷を踏んだらしく、さらにギリギリと締め上げられていく上条。
 薄れゆく意識の中でどうにか言葉を紡ぐ。
「きょ、今日は言わないでおこうと思ってたけど言うぞー。せーの、不幸…だー……」

15601-641:2007/02/19(月) 19:46:31 ID:giy7EiAc


 どうにかこうにか黄泉川の機嫌を直してもらった上条は、ようやく解放されるとほうほうの体でクラスの
集合場所となっている所へ辿り着く事が出来た。
 見れば、どうやら自分が最後だったようである。
「もう! 遅いですよ上条ちゃん! 迷子になっちゃったかと心配しちゃったじゃないですか!」
 担任の小萌先生から早速叱られる上条。
「いや、これにはいろいろとですね先生……」
「そんな事は良いですから早く皆の所に言って下さいなのですよ!」
 後ろからグイグイと押されながら注意が続く。
 クラスの輪に混じった上条が見回すと、吹寄と目が合う。が、フン、とばかりに目を逸らされる。
 そんな上条に対して、『イヤー色々大変だったみたいだにゃーカミやん』 などと声が掛かるがこちらは
徹底的に無視、無視の方向でいく。
 そんなこんなで小萌先生による点呼も終わり、最後の諸注意が話されている。
「……ですから皆さんは自由行動で見学してもらって構いませんけど、できれば二、三人のグループで行
動する事をお勧めするのですよー。一人で動くのも良いですけど、皆で相談しながら見て回ると自分が気
が付かなかった所も知る事が出来るかもしれませんからー。後ですね、……」
 なおも諸注意を語ろうとする小萌先生だが、その時、会場各所に設けられているスピーカーが、アナウ
ンスの音を流し始める。

 『ただ今よりーぃ…ぃ……、第○○回ーぃ…、社会見学祭をーぉ…ぉ……、始めます…ぅ……』

 途端に周囲がざわつき始める。
 先程まではまだ人の動きも少なかったが、今は活発に動き回り始めた為に上条たちの一クラス分の人
数がじっと立ち止まったままでいると、大きな交通妨害となりかねない。
 それを見た小萌先生、仕方なく話を切り上げると
「もう! しょうがないのでお話しはこれで終わりです! 皆さん怪我などしないように見て来て下さいねー」
 『はーい!』、などと途端に元気に返事をする生徒たち。現金なものである。
「それじゃあ今日の終わりの集合時間まで、解散します! 皆さん楽しんできてくださいなのですよー」
 その言葉が終わるか終わらないかの内に動き出すクラスメイトたち。
 めいめいがそれぞれ考える予定にそって別れて行く。
 ある者達は比較的固まってグループで動こうとし、別の者は二、三人で連れ立って、また他の者は一人
でと、皆思い思いの方法で祭りに参加していく。


 その多くは常と変わらぬ行事を楽しみ、ある者はそこに隠された意味を知ることになり、またある者は
人知れず騒動に巻き込まれることにもなる。
 されど、今はただ、これからの予定に心躍らせて歩き出すのみ。


 何はともあれ、社会見学祭、その始まりである。

15701-641:2007/02/19(月) 19:49:30 ID:giy7EiAc
相変わらず拙い文章です。もっと筆力を上げたいです。
それではまたいずれ。

158とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)次回予告 ◆Oamxnad08k:2007/02/19(月) 20:16:55 ID:Rv2rIYc6
>>153
社会見学の続きキター、前回話の途中だったんで続きが気になっていたところです。

>『告白儀式』(ハートトゥハート)のほうは
次回予告投げときますね。

『次回予告』

「ふはははははー、ネルネルネルネは練れば練るほど・・・・うん!ウマッ痛!?、いきなり何をするのかなアナタは・・・
家庭内暴力なのかな? うう、ミサカはこんなにもアナタに尽くしているのに、ヨヨヨひどいわぁ・・・・実家に帰らせていただき
・・・ちらり
あれ?引き止めないの? ほんとに行っちゃうよ?ねぇねぇ?」
「どッかいくなら、キッチン片付けとけよクソガキ」
「ガーン。 アナタにとってミサカはその程度の女だったのね。
うわーん、こうなったらミサカネットワークを駆使してアナタをぎゃふんと言わせてやる!
それいけ一方通行のマーチ、聞いてください。(省略)あッ!あッ!あくせられーたー!
行っけ♪ミサカの夢ーまーもるたーめー♪」
「クソガキがぁぁぁ!!」

   次回、とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート) 
         
  第四話
  「とある通行止めの『告白儀式』(ハートトゥハート)」
                    様子を見つつ続く

159とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)次回予告 ◆Oamxnad08k:2007/02/19(月) 20:33:45 ID:Rv2rIYc6
様子見しながら完結に向けて書いてますね。
ちまちまと
ではまた

160■■■■:2007/02/20(火) 08:39:42 ID:6MH0FeNA
待ってるよー、とミサカはミサカは特にアンカーせずに全ての職人さんに言ってみる

1611-169:2007/02/20(火) 10:36:51 ID:43ihMtKI
 吹寄制理は苛立っていた。
 プレ公演開始まであと何時間も無いというのに、監督と主演女優と端役一名が見つからないのだ。しかもここぞと思って訪れた図書室ではどういうわけか中庭に面した窓が数枚、粉と微塵になるほどに砕け散っていて、たまたま居合わせた生活指導の災誤先生に「これ。掃除しといてね」とにこやかに言い渡されてしまった。
 硝子の粉は室内にはあまり飛び散っていないのがせめてもの救いだったが、中庭は本気でやるなら園芸業者を呼ばなければならないかもしれない。素手で触ると危険なので軍手を何枚も重ねてはめ(こういう時こそ学園都市製インチキ科学アイテムの出番ではなかろうかと思いながら)、積もりに積もった硝子の粉をスコップでかき集めていく。
「あーーーもう! 恨むわよ栞! 憎むわよ上条当麻! 一人で無関係な顔してんじゃないわよサーシャ!」
 ここにはいない友人達に届けと、虚空に呪いを吐き続ける吹寄。
 その姿を彼女について来たがために掃除につき合わされる羽目になった青髪ピアスと姫神秋沙が流し目で見ていた。
 背の高い似非関西人は排水溝からのかき出しを担当し、「祭の準備→動きやすい服装で→じゃあ普段着を」の三段論法により巫女装束を身に纏っている少女は図書室内の掃除を任されている。
「吹寄さん。荒れてるね」
「いやーあの人はいつもあんなもんやで」
「カルシウムが足りてないのかも。確か彼女は錠剤を持ち歩いていたはずだけど」
「あーそれな? あんまり関係ない思うで。昔クラスの三馬鹿(ボクら)で吹寄の手持ちの錠剤を全部それっぽく加工したヨーグレットとすり替えてみたことがあるんやけど、三日間バレへんかったし。まあ四日目には廊下に並ばされて尻叩きやったけどな」
「…………。そんなことばかりされてるから。飲んでも飲んでも足りなくなっちゃったんだね」
 空っぽの窓枠ごしにそんな会話をしながら、姫神は窓の下に据え付けられた本棚の天板を右手に持った小さな箒で掃く。同時に左手にはちりとりを構え、天板の端から落とした粉を集めていく。
 この本棚は、段に貼り付けられた名札によると絵本のコーナーらしい。そして、何故かある一列の中身だけがごっそりと抜き出され近くの床に積み上げられていた。
 後でこれらの絵本も点検しなければ、と姫神は考える。ページの間に硝子の粉が挟まりでもしていたら大事だ。
「あれ?」
 と、姫神は床の一点に目を留めた。
 絵本のタワーにほど近い、薄く硝子の砂が広がっているあたり。まるで数年ぶりにタンスを動かした時のように、ぽっかりときれいな床が覗いている場所があった。
 形は長方形。大きさは――ちょうど大き目の絵本くらい。
「……また。あの人は。面倒なことに巻き込まれているみたいね」
 ふぅ、と一息。
 とある白シスターならば、ここでなりふり構わずあの少年を追いかけるのだろうが、姫神秋沙は違った。彼女は相手を信じて待つタイプの女性なのである。
 もっとも、自分が行っても何の役にも立たないことを重々承知しているからでもあるのだが。
「それにしても。今回のフラグは。サーシャなのか言祝さんなのか」
 そこだけはどうしても気になる複雑な乙女心であった。
 すると姫神の独り言が聞こえたらしい青髪ピアスが窓枠の向こうから顔を見せた。
「あれ? 姫神さん知らんの?」
 まあ転入生やしなぁ、と勝手に納得のポーズをしていたりするのだが、姫神にはわけが分からない。
「何のこと? 青髪君」
「せやからあたかもそれがボクの本名であるかのよーに馴染まんで欲しいんやけど。……まあええわ。あのな、今言祝にかみやんフラグが立つかもて心配しとったやろ?」
「――。いえ。そんなことは」
「ええってええって照れんでも。つつき所はわきまえとるから。やっぱいじめるんやったらかみやんやもん。」
 青髪ピアスはそう言って片手をひらひらさせた。

1621-169:2007/02/20(火) 10:37:21 ID:43ihMtKI
 口ではいじめると言いながら気の良さそうな笑顔を浮かべる彼に、姫神はふと、かつてインデックスが語っていたことを思い出す。
『とうまの場合、いろんな人を守るから分かりにくいかもしれないけど、それであいさを守るって気持ちが薄らぐ事だけは、絶対にない。あいさを迷惑だなんて思うはずがない。その程度の人間なら、とうまの周りにあんなに人が集まってくるはずがないもの。とうまはそういうことを口にしない人だし、みんなも黙っているから、絆の繋がり方がいまいちはっきりしないんだけどね。もしも全部の絆が分かったとしたら、結構すごい広がり方をしているのかも』
 青髪ピアスも、その不思議な絆の一枝なのだな、と何とはなしに思った。
「…………それで。私が何を知らないって?」
「うん。てっとり早く言うなら姫神さんの心配は無用っちゅうこと。言祝にかみやんフラグが“改めて”立つゆうことはあらへんから」
 え? と言い方にひっかかるものを感じて首を傾げる。青髪ピアスは人差し指を上向きにピンと立て、
「やからな、“もう立っとるねん”。中坊ん時になんかあったらしいで。ボクは高校からの友達やから詳しゅうは知らんけどな」
「……………………。」
 ぱちくり、と姫神の目が丸くなる。先ほどの回想がすぐさまフラッシュバック。
『とうまの場合、いろんな人を守るから――』
 青髪の言う“なんか”もそういうことだろうと予想は出来るが、
「で。でも。言祝さんは。そんな風には見えなかったけど」
「んー。そりゃ一口に好き言うてもいろんな好きがあるし。言祝の場合は『誰かええ人とくっついて欲しい』いう感じの好きみたいやねん。なんとゆーか、惚れとるからこそ自分は身を引くとゆーか」
 その気持ちは、理解できなくは、ない。
 姫神自身、似たようなことを考えていた事もあったからだ。
 でもそれは。
(自分に自信が持てなくて。自分では彼の隣に居られないと。その資格はないと思った時の。逃げの論理)
 上条に特別な思い人がいるのなら、また話はちがってくるだろうが、姫神の知る限りではそんな気配は無い。
 そう思えばこそ、常にクラスの先頭に立ち、大胆不敵とも取れる立ち振る舞いで驀進していた言祝栞という人物像には当てはまらない気がする。
 しかし、所詮姫神と言祝はまだ一、二ヶ月の付き合いだ。積極的に話すようになったのなんて演劇班に入ってからのことである。たったそれだけの期間で相手の人柄を決めつけてしまうのは失礼というものだろう。
 だからそういうこともあるかもしれない、というくらいに思っておくことにする。
「あ。もしかして。初め上条君をシンデレラにしようとしたのは」
「多分やけど、吹寄とくっつけようとしたんちゃうかな。かみやん王子で吹寄シンデレラやったら、絶対吹寄は嫌や言うやろーし」
 確かに急遽配役を変更したにしては、上条用のシンデレラドレスが既に出来上がっていた辺りに計画的なものを感じないでもなかった。周りが『言祝栞ならやりかねない』というムードだったので、姫神としてはそれに流されていた分もあったのだが。
 だとすると、今度はどうしてあっさりと計画を撤回してサーシャをスカウトしたのか、という疑問が浮かぶ。
 青髪ピアスに尋ねても、頼りなく肩をすくめるだけだった。
「案外、似合いそうやったからとちゃう?」
 果たして“何”が“何”に似合うという意味なのか、深く考えての台詞ではないようだったので、姫神はそれを軽く聞き流した。

1631-169:2007/02/20(火) 10:37:48 ID:43ihMtKI
ガンプラの肩にボールジョイントを仕込む正しいやり方を教えてください。1-169です。
また短いですが仕方ないのです展開上。次回は????(隠す意味あるのか)VSサーシャになる予定。

>>157
社会見学“祭”が始まりましたね。
舞夏が言ったときには、「祭」を付けたのはトーク中の語呂を合わせるためだと思っていたのですが、まさかこれほど大掛かりなイベントだったとわ!
てなわけでGJ! こちらの「祭」もじわじわとですが進んでおります。

>>159
GJ! 世界規模でやたらと混乱巻き起こしてますね「告白儀式」……。
何が欲しいってアニェーゼの自作ポッキーが一番欲しいです。いやマジで。

>>152
サバイバルを志貴でしかクリアできない男。1-169です。白レンのツンデレボイスとやらを聞きたいのに……ッ!
私は本物の「吸血鬼」とただの「吸血種」を分けて考えてみたりすれば、型月世界とのリンクは可能だと考えています。
まあらっきょには三重能力者なんてものも出てきますけど……でも、練れば練るほど面白くなる取り合わせであることはは間違いありません。そう、ネルネルネルネのように!
てなわけで、期待してますよっ。

後はちょいと作品の今後について。
初め計画していた長編三部作はすっぱりとやめることにします。
理由としましては、少し前の長編論争と、いくらなんでも長すぎるという今さらの自覚です。
おまけにとんでもない作品とのリンクも予定していましたし……伏字にしますがサイ○デリッ○レ○キューとかこも○びに○れる○の○とかそれこそ○ateとか。
代わりと言ってはなんですが、禁書板の別のスレに昔書き込んだネタを思い出したのでそっちをSSにしようかと目論んでおります(暇な方は探してみてください)。
それでは、長々と私言にお付き合いいただきありがとうございました。

16401-641:2007/02/20(火) 14:38:33 ID:sn1Hfbo6
>>163(1-169)
まさに G J !
ちょ、中学時代?! おのれ上条めぇぇ! という怨嗟の声が聞こえるとか聞こえないとか。
姫神さんにもスポット当てられてるし。

>>158
そちらも面白くなってきそうですね。楽しみにしてます。

あと、さり気に何気にwikiのSS項目が更新されてる件について。更新してくれた人、乙。
自分も出来る範囲で手伝わせていただきます。

165■■■■:2007/02/20(火) 20:00:17 ID:HeW0YQN6
ガンプラは……下手すると……ポキッて。

ともあれぐっじょぶっ。うーん、最近はもしやGJ要員少なし?

166とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)第四話 ◆Oamxnad08k:2007/02/20(火) 20:59:27 ID:oz.dV6kE
とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)


□前回までのあらすじ
 不適切な回答をしたため御坂美琴のフィニッシュブローを派手に喰らって意識を刈り取られた上条当麻
そんなコントをよそに学園都市に現れたステイル=マグヌスとインデックス、彼らは学園都市に潜入していた必要悪の教会(ネセサリウス)
の土御門元春へとコンタクトを取り、事態の収拾を図るのだった。
 あとアニェーゼのポッキーはサクサクのスティック状に焼かれたクッキーでチョコレートクリームを少量掬って食べるという
優雅なお菓子、13日に2時間かけて製作しその失敗作は全てシスター・アンジェレネの胃袋に消えた。
せっかく出来た成功作もあおの人へ贈る前に必要悪の教会(ネセサリウス)のロビーから消え去ってしまった。
はたして彼女の想いは届くのか?

167とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)第四話 ◆Oamxnad08k:2007/02/20(火) 21:00:11 ID:oz.dV6kE
 □第四話[とある通行止めの『告白儀式』(ハートトゥハート)]

 ある一件以来[一方通行]はとある少女と一緒に暮らしている。
といっても一応の保護者となっている黄泉川愛穂の教員用4LDKに一緒に居候しているだけなのだが
[打ち止め](ラストオーダー)曰く、乙女の夢、ラブラブ同棲生活らしい。
「ちょこれーと♪ちょこれーと♪」
 さっきからキッチンでガチャガチャと音がする、多分あのガキンチョがなにかやってるんだろうが、その音のせいでせっかくの眠りから覚めてしまった。
「おい、クソガキ」
寝起きの頭を無理やり働かせ騒音の元凶であるキッチンに向けて呼びかけてみる。
「眠ってたはずなのに!? これはまずい
シーン、返事がない、いただのしかばねのようだ。きっとこれであなたの注意は他に逸れたはず、というわけで早速再開、ミサカはミサカは
本当は聞こえているけど敢えて聞こえない振りと死んだ振りをしてごまかして見たりしてみる」
 キッチンから再び聞こえる[打ち止め]の機嫌のよさそうな声とカチャカチャと言う金属音。
以前なら周囲の音を反射して完全な無音空間を作ることと眠っていても発揮される彼の能力によって誰も彼の睡眠を邪魔することはできなかったのだが
今の彼には一方通行としての能力を発揮できる時間はおよそ15分間しか無い。 
通常なら48時間使用できるはずの電極型チョーカーのバッテリーは能力使用モードではその膨大な情報の処理と
代理演算によって稼働時間が極端に短くなるからだった。 
 しかもバッテリーは特注品の為一個しか無い、次々と交換していくという使用法は出来ない。
「ヲイ、クソガキ。 キッチンは危ないから入るなと言ッてンだろうが」
「ひゃああ!こわーい、家庭内暴力だわ。こんな生活には耐えられません、実家に帰らせていただきます、ちらり、さぁ早く引き止めて?
とミサカはミサカはお昼のドラマのワンシーンを再現してあくまでもキッチンをどかない覚悟でアナタをぐいぐいと部屋の方に押してみたりするけど
か弱いミサカの力では・・・痛!? 暴力はんたーい―」
「やかましい! 黄泉川と芳川はどこへ行きやがッた!?」
 パステルカラーのエプロンと三角巾をつけた[打ち止め](ラストオーダー)はさっきまで一方通行が寝ていた部屋を指差して
「置手紙が置いてあったはずだけど、もしかして見て無かったり?アナタにとって睡眠はやっぱり鬼門かも。
意外と低血圧で寝起きの機嫌は悪そうでこわー、とミサカはミサカはアナタに意外な一面を発見したことをミサカネットワークに配信してみたい
とか思ってみたり」
 くるりと反転してさきほどまで自分が寝ていた部屋へと戻りテーブルの上に置かれた一枚の紙切れに手を伸ばす。そして読む。
紙にはただ[桔梗とでかけてくるじゃん 黄泉川]とだけ書かれていた。
「・・・・・・」 
「いい無言だ、感情に満ち溢れている、とミサカはミサカは意味ありげで無さそうな台詞を使ってみたりするけど
なんでアナタがこめかみピクピクさせてるのかちょっと理解に苦しんでみたり?・・・・カルシウム不足?」
 一方通行は無言で自分の足元でぴょんぴょん飛び跳ねる打ち止めの襟首をがしりと掴んで
「芳川と黄泉川が出かけてンのはよ〜くわかッた、だがお前は一体何をしてンだ? な〜ンなンでーすかーこれは〜?」
「えへへ、内緒。 ミサカはミサカは可愛く舌を出しつつ自分の頭を軽くコツンと叩いてドジッ子を演出してみたり、更に
宙ぶらりんなので意外と高い視点に驚きの声を上げてみたりしつつ肝心の内容についてはミサカは黙秘権を行使しますと
ミサカはミサカは専門用語を使って話をはぐらかしてみたりする」
 4LDKの教員用マンションのキッチンを見るに耐えないぐらいぐちゃぐちゃに散らかしておき、可愛く仕草で必死にごまかそうとする幼女と
普通ならありえないキッチンの惨状を指差してコメカミに青筋浮かべてる学園最強の能力者の姿がここにあった。

168とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)第四話 ◆Oamxnad08k:2007/02/20(火) 21:04:11 ID:oz.dV6kE
 「うう、くすんくすん。 夜までに仕上げないといけないから頑張ってみたのに・・・・なんでこんなときに芳川も黄泉川も居ないんだろうと
ミサカはミサカは他のミサカ達に意見を求めてみたり」
 空気をまったく振動させない声が仮想空間に響く
「ミサカ10039号から全ミサカへ、ミサカはチョコレートの作成に成功しましたと感嘆の声を上げ勝ち誇りつつ報告します」
仮想空間のどこかから少し明るい声が聞こえた。
「ミサカ13577号からミサカ10039号へ、そのチョコレートは誰に贈るつもりなのですか?とミサカは答えは解りきっているのですが一応確認します」
「ミサカ10032号からミサカ10039号へ、ミサカからも同様の質問を送ります。 
まさかとは思いますがあの人に贈るつもりなのでしょうか?だとしたら抜け駆けは断固容認できません。とミサカは自分の胸元にキラリと輝く
あの人からプレゼントしてもらったペンダントを握り締めつつ、自分もチョコレート作成の合間に質問します」
「あの人からのペンダント!?そんな報告は受けていませんミサカ10032号、むしろそちらの方が抜け駆けなのでは?とミサカ19090号は
激しく事情の説明を求めます」
声は仮想空間のあちこちから流れてきて、そのどれもが同じ声だった。
「やかましい、これは彼が私だけにくれた愛の証なのです!! 湯煎で溶かしたチョコレートをハート型の型へと流し込みながら
ミサカ10032号ははっきりと宣言します」
 再びネットワーク全体が大ブーイングを発する。 結局のところ、ほとんどのミサカが10032号のペンダントを羨ましがっているようだ。
「ここではミサカはミサカ20001号って名乗った方がいいのかな? というか他のミサカ達が夢中になってる人の事はどうでもいいから
ミサカに助言してほしいかもーとミサカはミサカは切実に頼んでみたりする」
 だけど今は他のミサカが夢中になっている男性よりも自分にとっては一方通行へのチョコレートを作ることの方が大事だ。
「ミサカ10038号からミサカ20001号へ、どうでもよくなどありません、彼の側に居ることのできるのは只一人という過酷な戦いなのです。
全ミサカはきっと虎視眈々と他のミサカを出し抜く機会を窺がってるに違いありませんとミサカは自分こそが彼の側にいるに
ふさわしいミサカだという想いを込めたチョコレートを作成しつつスラスラと訂正を求めます」
世界中の全ミサカが次々へと発言する度にそれに反応したミサカ達が返答する。
そこには距離なんて物は存在していなかった、ミサカによるミサカのためのミサカネットワーク、それはミサカとミサカ同士で
記憶や経験を共有できる能力。
「ミサカ20001号から全ミサカへ、なんだ結局みんなチョコレートつくってんじゃんか、と安易な突っ込みを入れることに少し
生命の危機を覚えつつミサカはミサカはそれでもお願いしてみる。 お願いだからあの人をうならせるチョコレートの作り方を教えて欲しい」
「ミサカ10032号からミサカ20001号へ、その気持ちわかります・・・・ミサカのチョコレートは後は冷やして固めれば完成なので
ミサカが協力しましょうとミサカはオリジナルより少し優位に立ってる自分の胸をドンと叩いて面倒見のよいところをさりげに示してみます」
「わーい、ぜひお願いしたいかもー、これでマトモなチョコレートが作れてあの人をぎゃふんと言わせれるかもドキドキ、と
ミサカはミサカはチョコレートをかじるなんて姿がまるで想像できないあの人の姿を無理やり捏造して脳内処理して
ハッピーエンドにもって行きながらあまりの嬉しさにそのままネットワークから落ちてみたり」
「ミサカ20001号!? 具体的に打ち合わせが済んでないのに一方的に通信を切断するとは!?とミサカは上位個体のあまりの自分勝手さに
呆れつつ冷凍庫へと会心の出来のチョコレートを突っ込みながら驚きの声をあげます 」
「とりあえずミサカのチョコレートは難を逃れたようです、よかったよかった、これであの人のハートはいただきですと
ミサカ19090号は勝利を確信します」
「ミサカ13577号から全ミサカへ、ミサカ10032号とミサカ19090号の抜け駆けを許してはなりません。 断固とした処置を」
「ふーんだ、悔しければ自分達もチョコレートを作成してあの人に贈ればいいではありませんか?とミサカは
あくまでも自分の優位は揺ぎ無いものと信じつつ他のミサカ達を挑発します」
 その日世界中に散らばった[妹達]はその全てがある一人の少年の為にだが、チョコレート作りの真っ最中だった。

169とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)第四話 ◆Oamxnad08k:2007/02/20(火) 21:04:57 ID:oz.dV6kE
 自分の精神をミサカネットワークから一旦切り離した[打ち止め]はゆっくりと目を開けて自分の体との同調を確認する。
 周囲を見渡せば調理器具が散乱していたキッチンはすっかり綺麗になっていた。 
ネットワークに繋ぐ前に[打ち止め]と[一方通行]が片付けたからである。
彼は彼なりに[打ち止め]の事を大事にしてくれているのだろうが、でもこの事だけは引き下がるわけにはいかないし協力者の当てもできた。
そもそも贈るべき当人が居る場所で作っても駄目だということに今更ながら気づいた。恋はインパクトが大事なのだ。
 その彼も今はソファーで再び寝息を立てて夢の中だ、このまま寝顔を観察するのもそれはそれで有意義な時間だが
今は今日中にチョコレートを作成しなければならない。 そう今は行動の時だ、と決意を新たにすると[打ち止め](ラストオーダー)は
パステルカラーのエプロンと三角巾と昨日のうちに用意しておいた容器等をポシェットへ詰め込み、 
「しめしめ、これはチャンス。 ミサカはミサカはアナタが寝ている間にとびっきりのチョコレートを作ってびっくりさせてみたり! 
でも心配するかもしれないから一応一筆書いておいてみたり、これで完璧、ミサカはいい子いい子」
そう言うなり[打ち止め]は寝ている[一方通行]を起こさない様に慎重に足音を殺し、玄関のドアを開けるとトテトテと通路を走り、
階段を使って地道に1階を目指す。 こんなとき上の方の階は不便だが[打ち止め](ラストオーダー)の背ではエレベーターのボタンが押せないので
この際仕方ないと諦めることにした。
 その小さな足の行き先はもちろん協力者たる彼女のところだ、幸い彼女の居場所ぐらいは彼女の上位固体である自分にはある程度はわかる。
「にひひひ、今日のお出かけ指数は120%!! [打ち止め]の幸せ指数は30上昇した。てろりろりーん♪ 
ミサカはミサカは気分上場でレッツゴーとか張り切ってみたり」
期待に満ちた顔をして[打ち止め](ラストオーダー)はマンションを後にするのだった。

170とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)第四話 ◆Oamxnad08k:2007/02/20(火) 21:05:39 ID:oz.dV6kE

 上条達が居た広場が近くにあるバス停の近くにはなんだかご都合主義的にいくつかの喫茶店が並んでいる。
その喫茶店の一つである洋風の小さな喫茶店『Holy land』はおいしい自家製のケーキといかついマスターが自分で挽く本格的なコーヒーが売りだ。
そんな喫茶店の窓際は普段の客とは少し違った連中が占拠していた。
 赤い髪に黒いローブの外国人と純白に金色の縁取りが入った豪華な修道服に身を包んだ銀髪の少女が隣同士に座り
さらにその向かい側の席では金髪に薄い青色のサングラスを掛けた学生服の少年がテーブルを同じくし会話を楽しんでいた。
少なくともカウンターでグラスを磨いていたマスターにはそう見えた。
「ある特定の条件をクリアした場合のみに自動で発動するタイプの大魔術だと?」
土御門はブラックのコーヒーを啜りながら向かいの純白シスター、インデックスへと疑問を投げる。
「そうだよ、聖バレンチヌスゆかりの日にのみその効力を発揮して世界中からある物を特定の条件をクリアした対象へと転送する。
それが例え世界のどこにあろうが関係ない、たとえ南極の氷の中だろうがエジプトのピラミッドだろうが対象の生死すら
問題にはならないんだよ。 但しどこの地域で誰を対象に発動するかは完全に予測不可能。
これは世界自体を魔方陣として見立ててるからだと思う」
小さなモンブランにフォークを突き立てインデックスが答える。
「つまり、世界中のどこかで初期の魔方陣の見立てと違った場所があればそれで効果も対象も変わるってわけだね」
赤い髪の魔術師は騒ぎの中心へと目を向けて呟いた。 彼は優雅にダージリンティーだ。
「で、今回の対象はカミやんなわけか・・・・・でも[幻想殺し](イマジンブレイカー)はどうなってるんだにゃー?」
土御門の問いにインデックスは修道服の襟を正しながら語る。
「トウマの右手の事だね、あれは確かに法王級の霊装ですら一撃で破壊するぐらい理不尽な能力だけど大型結界の類は多分
核か何かを直接触れないと壊せないんじゃないかな? でなければステイルの報告にあった三沢塾や神裂の報告にあった御使堕し(エンゼルフォール)
なんかも当麻がその一端に触れた瞬間に壊れないといけないんだよ。
送られてくる物品自体は異能の物じゃないから対象外なんじゃないかな?」
「ふむ、彼の右手は自動再生型の異能は確かに核に触らないと無効化できていなかった。発動条件が直接触れる事だからね。 
法の書の一件でアニェーゼが使ってた座標攻撃の魔術は彼も対象になっていたことがあったな」
タバコをぷかぷかとすいながらステイルも参加する。
「『告白儀式』(ハートトゥハート)の基本設定は『想いの篭もった品の転送』―」
「それって黙っていても、自分の手に届く品を品物だけ先に貰ってるってことかにゃ?」
「そうだよ、だからこそこの大魔術は封印されていたのかも。 隠した秘めた想いや直接渡したかった想いを踏みにじってしまう迷惑極まり無い
邪法なんだよ」
ゴクリとインデックスが唾を飲み込み神妙な顔をして説明する。
「まったく、とんだ大魔術だにゃー『告白儀式』(ハートトゥハート)ってのは」
「そうだね、これがもし自分の身に起こったらと思うとゾッとするね」
ステイルと土御門は顔を見合わせて二つの声で
『でもまぁ、上条当麻だからいっか』と同じ一つの言葉を口にした。
 真面目に聞いて欲しいかもー、と怒ったインデックスが両手を振り上げて緊張感が抜けてしまった男2人に対して抗議して
プンプンと頭から湯気を上げていた。

171とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)第四話 ◆Oamxnad08k:2007/02/20(火) 21:15:31 ID:oz.dV6kE
とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)第四話をお送り致しました。

調子に乗って書いてたら量がすんげー長くなってしまったので
本来4話にまとめるはずだった内容は2分割されております。

ですので4話目を4−1と次回の5話目を4−2としてお楽しみください。



>>163
アニェーゼの自作ポッキーは
サクサクとしたクッキースティックで別に用意した
チョコレートクリームを掬って食べるというちょっとオシャレなお菓子です。
今回は前日までの段階で2時間かかって製作した力作のようで
キチンと当麻への想いを込めたピンク色のメッセージカードが同封されていました。
ちなみに内容は全てイタリア語
そして当麻はイタリア語が読めないので美琴や土御門に読んでもらって
大層からかわれるとか必殺のミサカコレダーを喰らう羽目になるっていう
没エピソードがありましたがながーくなるので削りました。

>というか意外なアニェーゼ層に驚いております。
人気者だなアニェーゼ・・・・

>とある天使の灰姫遊戯の待望の続きが出ましたね、伏せられている名前が・・・・
個人的に言祝さんは結構いいキャラしてると思ってたりします。
ではまた

172お食事券と激突する女達:2007/02/20(火) 21:34:07 ID:BokJcRHE
まことに勝手ながらこの板で書いていた『お食事券と激突する女達』
のSSを書くのをやめようと思います。
個人的に日記ペースで少しずつ少しずつ書いていって貼るのを
日課にしようとしていたのですが「板を占有するな」等という意見があり
自分のSSが人様に迷惑をかけているのならやめてしまおうという結論
に達したのでやめようと思いました。

最後に、私のSSに意見や指摘をしてくださった皆様ありがとうございました。

173■■■■:2007/02/21(水) 00:04:00 ID:HZn.g/ys
〉172
やめてしまうのデスカ?
書くことじたいを?
何処か違うところで書くのではなく…?
……う、ううぅぅゥゥわあアァァァーん o(T□T)o

174■■■■:2007/02/21(水) 00:19:09 ID:dHTG2Bjc
おおおお、落ち着くんだ>>172君!大事なのはモラルと風習と我等のファンタズム!
なんというか、ざんねんだが、俺達は待ってるぜ!

175■■■■:2007/02/21(水) 00:52:30 ID:HZn.g/ys
うぅ、取り乱してすみません……。
しかし一言言わなければナラナイ。せーの、

不幸だー!!

176■■■■:2007/02/21(水) 17:47:31 ID:Fs.QRU4g
>>172
ありゃやめちゃうんですか。

177■■■■:2007/02/21(水) 22:41:58 ID:Fs.QRU4g
連続なんですがとりあえず投下されてる職人さんGJ
>>166
せっかく出来た成功作もあおの人へ贈る前に→あの人へ
あらすじの中に消し忘れを発見です。
ミサカネットワークでミサカ、ミサカ連呼してるが少しツボに

1781-169:2007/02/21(水) 23:46:17 ID:jAeXST0I
>>172
それを言い出したら私なんかどうなる、ってなもんですけどね。前スレからどれだけ投下し続けてるんだか。
でも、私はまだ書き続けていきたいと思っています。

以前、こことは全く関係ない場所でのことですが、とてつもなく卑劣な真似をしてしまったことがあります。
逃亡です。
相手を傷つけてしまったような気がして、何の弁明もなく、ただ書くのが、そこにいるのが怖くなったから、逃げました。
相手の意思を確かめもせずに。――いえ、わかったフリをして。気をつかったフリをして。
ちゃんと話せば、せめて一言でも返事をすればやり直すことも出来たかもしれないのに、逃げ続けて、結局その人とは取り返しのつかないことになってしまいました。

「書き込まれた言葉しか存在できない」掲示板という場所は、怖いです。
誰も何も応えてくれなかった時は寂しくなるし、また、書き込まれはしないけども誰かに不快感を与えてしまったかもしれないと悩むことも多い。
でも、私が言うのはおこがましいし、また「灰姫遊戯」を読んでくれている全ての方に失礼なことかもしれませんが、私はそう言った意見に面と向かって答えたい。
書き込むことでしか存在できないなら、それをすればいいだけのことなんです。
怒られて、責められて、嫌われて、そうしたらごめんなさいと書き込むだけで良かった。許してもらえなくても、やらなくていいはずがなかった。逃げるのはその後でよかった。
たとえ今さらだとしても、そう出来る私でいたいんです。

もしもあなたが“気をつかって”身を引こうとしているのなら、私はやめないでくれと願います。
「もしかしたら気にするほどのことでもなかったかもしれない」なんて後悔をし続けるよりは、百の苦情に答えた方がずっといいと思いますから。
けれども、もしここに書き込むことがあなたの心身への負担になっていたのであれば、私は全ての発言を取り消し、謝罪します。


それから、このスレに訪れた方々へ浅ましいお願いを一つ。
SSを読んだら、状況の許す限り感想を書き込んで欲しいんです。GJしてくれとは言いません。なにか一言だけでも構わない。
「作家によるスレの占有」は、実際作家側にはほとんど対抗策がないのです。
やっぱり書き終えたものは投下しないと見てもらえませんし、見て欲しいですから。時間を置くのも限度があります。
作家同士の挨拶ばかりが続くスレにはしたくありません。そのためには、少しでも良い作品を書いて、たくさん感想をもらう努力をするくらいしかないのです。
こうしてお願いすることは反則だとは承知しています。ですが、書くか書かないかを迷うくらいならやっちゃってください。
作家だけがいても、読者だけがいても、あまり良いスレッドにはならないと思いますから。


最後に一言。何やってるんですか大城全部長>>174

179■■■■:2007/02/22(木) 00:34:15 ID:8mwir.2k
>>178
   ノ
   [゚Д゚] 
   ( (7 
   <⌒ヽ
イエーッ! イッツ ア ショータイムひとりだけっ!

まぁ、それはさておき。
ここはSSスレ、逃げも続けるも自由。貴方が嫌と思ったならば止めても良いかと。
……まぁ、連投については活気が出るので良いかと。流石にあんまりにも間が無いのは辛いですが。

まあ、何が言いたいのかというと……皆で楽しくやりましょー。

1801-169:2007/02/22(木) 01:06:19 ID:tClR3GvQ
>>179
はい。結局、そんな感じで行けたら一番なんですよね。
178はちょっとばかりテンパってしまった結果ですので、読み流しちゃってください。

181■■■■:2007/02/22(木) 13:20:20 ID:q5rnCn9.
>>180
でもそれは大切なことだとおもいますよ。テレビのCMでもやってました
「失敗したときの後悔より、やらなかったときの後悔のほうが大きい」って。
俺は>>178の意見に賛成です。

182がちゃがちゃ禁書 ◆Oamxnad08k:2007/02/22(木) 20:13:02 ID:1E.ThP4c
>>179
そうですね楽しく行きたいですね。 
とりあえず空気を一回入れ替えて替え歌でも・・・・・

□元ネタ「ガチャガチャきゅ〜と・ふぃぎゅ@メイト」
楽曲制作:MOSAIC.WAV
歌:み〜こ
作詞・作曲・編曲:柏森進



インデックス♪ インデックス♪
インデックス★ インデックス★
インデックス☆ インデックス☆
インデックス! アレイスター☆

とびっきりタフな幻想ね
もう止めるスキすらありゃしない(FEVER☆)
ちょっとぐらい痛んでも 加熱してれば
まだまだいけるんじゃない?(調理完了!)

冷蔵庫の残りを 炒めたときに
ふぃぎゅぎゅぎゅぎゅっと急接近

[幻想殺し]で 霊装 破壊!(ふぃぎゅぎゅ〜)
触れて壊れて 魔 術を かけて
(いいからはやく か↑ け↓ て↑)(Pom!)

ガチャガチャきゅ〜とインデックス★
この街 に降りた修道女(シスター)

おでまし炎の魔術師
炎 剣 爆発   いのちがけ!(Pom!)

ガチャガチャきゅ〜とインデックス★

怒涛のトラブル 修道女(シスター)
見とれるような女教皇(プリエステス)
もっと ちゃんと 愛でなさい!(Fu〜!)
磨 きなさい(Fu〜!)
崇 めなさ〜い!(Fu〜!)
   
インデックス♪ インデックス♪
インデックス★ インデックス★
インデックス☆ インデックス☆
インデックス! インデックス!

   「アレイスター♪」
   
(テーテレレッテレッテレー)

「そんなんじゃ納得しない」って
飢えてる上に荒れてるね(FEVER☆)

だけど目的果たせりゃ
お互いイイトコゲットでしょ(交渉成立!)
記憶(き お く)の扉は   一年ごとに消去
ふぃぎゅぎゅぎゅぎゅっと[幻想殺し](イマジンブレイカー)
上条  負傷で    大ピンチ!(ふぃぎゅぎゅ〜)
キ ミの熱い  幻想 見せて

(やっぱりここで み↑ せ↓ て↑)(Pom!)

ガチャガチャきゅ〜とインデックス★

この街 は萌える蜃気楼
自動書記(ヨハネのペン)で 大暴走!
なんて 凶悪  竜王の吐息(ドラゴンブレス)!(Pom!)

ガチャガチャきゅ〜とインデックス★
魅惑の噛み付き修道女(シスター)
激しくされたら
上条の   大事な記憶

あぅ! あふれでちゃう!(Fu〜!)
こんな気持ち(Fu〜!)
受け止めて(Fu〜!)
もう少 し(Fu〜!)
あと少 し(Fu〜!)
[幻想殺し](イマジンブレイカー)!

(テレレレテーレテッテッ テ)
(ガチャガチャきゅ〜とインデックス★)
(テレレレテーレテッテッ テ)
(ガチャガチャきゅ〜とインデックス☆)
(テーレッテッテッテッテッ) (テーレッテッテッテッテッテッテ)
「お望みのフラグを立てたいときは」
(テーレッテッテッテッテ ッテ-)
「頭を3回なでてから」
(テーレッテッテッテッテッ) (テーレッテッテッテッテッテッテ)
「手料理を作って・・・ お箸をやさしくにぎって・・・」
(テーレッテッテッテッテッ)   (テーレ テッ テッ テッ)
(デデデデデッ) (デデデデデッ)
「あぁっ ダメ! そんなに強くかき混ぜたら」
(デデデッ) (デデデッ)
「こぼれちゃうよーーー!!!!」(御粥がな)
(デンデンデンデンデンデンデンデン)
(ガチャガチャきゅ〜とインデックス)

ガチャガチャきゅ〜とインデックス★
この街 に降りた修道女(シスター)
おでまし無敵の機械オンチ
噛み付き 恥じらい いのちがけ!(Pom!)→主に上条がな
ガチャガチャきゅ〜とインデックス★
怒涛のトラブル修道女(シスター)
イギリス清教の修道女(シスター)
もっと ちゃんと 愛でなさい!(Fu〜!)
磨 きなさい!(Fu〜!) 崇 めなさ〜い!(Fu〜!)

ガチャガチャきゅ〜とインデックス★

この街 は萌える蜃気楼
遥かな空に 一撃を 
なんて 強力 竜王の吐息(ドラゴンブレス)!(Pom!)
ガチャガチャきゅ〜とふぃぎゅあっと★
魅惑の看病修道女(シスター)
優しく看病
御粥の  お椀 1個
あぅ! 零れちゃう!(Fu〜!)→上条の顔にな
そんな気持ち!(Fu〜!)
とめらんない!(Fu〜!)
もういっかい!(Fu〜!)
もういっかい!!(Fu〜!)
もういっかい!!!(Fu〜!)
もういっかい!!!!(Fu〜!)
まだまだぁ〜〜〜〜〜!(Fu〜!)
早くしないと(Fu〜!)
ぶっとばすぞ★
舞夏@ メイド☆

183■■■■:2007/02/22(木) 21:18:53 ID:EfgMB4ao
……替え歌用のスレッドとか作った方が良いか?
替え歌系は長いし、元歌を知らんとどうにもなもんで。俺だけかもしれんが。

ところで、ここだけ学園スレ風味に当麻達のチョコっとしか登場しない様なSSってどうなんだろかー?

184 ◆Oamxnad08k:2007/02/22(木) 21:46:39 ID:1E.ThP4c
>>183
まぁ替え歌は実はスレの趣旨と違うかも知れませんね、自重します。

>当麻達がちょこっとしか登場しないSSというと?
世界観だけ使うってことでしょうか?
それともメインのメンバーが脇役になって普段活躍してない人が主役のSSなのでしょうか?
SS的には両方ありだと思いますよ。
>元ネタは「YouTube」や「ニコニコ動画(β) 」
なんかで検索すれば出てきますので興味があればそちらで・・・

185■■■■:2007/02/23(金) 21:51:34 ID:NL6Cp37I
>>183
いままで出た替え歌のモトネタ
知らない人のために元ネタを紹介しておこうか

Stepmania wonder momo-i"ワンダーモモーイ"
ttp://www.youtube.com/watch?v=01uAi96NX38

ワンダーモモーイ − Wonder Momo
ttp://www.youtube.com/watch?v=bjxIU83slFY

Falco-ファルコ
ttp://www.youtube.com/watch?v=1vlZDJdaGxA

ふぃぎゅ@メイト Full ver. アニメ付き
ttp://www.youtube.com/watch?v=isA1LVoWE0c

FRAG2はどうにも見つかりませんでした(;´Д`)
>SSを投下しづらい空気だったんでしょうね

186■■■■:2007/02/24(土) 00:51:18 ID:mTjQQN5Y
んー。世界観だけ使う、で良いのかな……。
構想としては学園都市にやってきた少女が此処で何をしたいか、とか考える青春もの系なんだが。
ちょいと皆さんの意見を聞いてみたいぜ。

187■■■■:2007/02/24(土) 03:37:34 ID:e4TYNdY2
>>186
俺はよいと思うぜよ。世界観としては結構オイシイし、補完のし甲斐もある。
ただ、オリキャラが主人公張る場合には物語を引っ張るほどの牽引力が必要だと思うんでそこらへんが気になるかな。
禁書的なキャラ付けも必要だろうし。
あーでもその手の青春ものってんならそれほど濃くなくても良い……のか?
そこらへんは作者氏に任せるとしても本編キャラも出すだろうからそれに負けない程度のキャラ立てはいると思うよー。
立ち入った意見だったら失礼。

あと替え歌は専用スレ作っても過疎るのがオチかと。
そこまでするほど多いわけでもないんだし(一個は長いが)、そのままでも良いんじゃないか?多すぎなければ。

188■■■■:2007/02/24(土) 05:37:02 ID:nUuTErHU
>>186
一応ジャンルは無制限ってお約束にあるし。
世界観だけ違和感が無いように仕上げてあればいいんでないでしょうかね。
ただ>>187と同じ様にオリジナルキャラクターに上条達に負けないぐらいの
キチンとしたキャラ付けが必要だとは思いますが期待しつつ待ち。

>灰姫遊戯の言祝栞とかのオリジナルキャラや
同作品の零時迷子やとある世界の告白儀式のようなオリジナルの魔術みたいな要素は上手いこといけば
作品の展開も面白くなりますしね。

189■■■■:2007/02/24(土) 12:32:07 ID:UI5KBLvQ
逆に主人公は無色透明な驚き役ってのもアリだな。ラブひな最終巻のマエダエマみたいな。
テンプレ的俺キャラtueeeeee!!じゃなきゃ割と何でもいけると思う。

190■■■■:2007/02/24(土) 17:08:22 ID:aOXh3yWk
意見感謝ー。それじゃあ、早速キャラの造形深めてきますぜ。
どっちかっていうと魔術サイドよりも科学サイド寄りの話だが、頑張らんとなぁ。

ところで、一人称は【ボク】と【私】とどちらが良いだろうか?

191■■■■:2007/02/24(土) 17:45:55 ID:dsv16Hk2
個人的に「ボクっ娘」は大好きです。ご飯3杯はいけますね

192■■■■:2007/02/24(土) 17:47:19 ID:nUuTErHU
190>>青春物の路線にもよると思うけど
一人称はあえて「私」を押したい。
>ほとんどの厄介ごとは魔術サイドがらみだから良いと思うよ。
科学寄り。

193とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)第5話 ◆Oamxnad08k:2007/02/24(土) 19:24:12 ID:nUuTErHU
第五話の修正が終わったので投下しますね。
予定では7話完結の予定になっております。
行き当たりばったりな展開が多いですが平にご容赦を
あと192は自分です。

194とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)第5話 ◆Oamxnad08k:2007/02/24(土) 19:25:09 ID:nUuTErHU
とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)
   
□前回までのあらすじ
バレンタインデー当日にチョコレートを作成するというスタートダッシュですでに出遅れてる感が漂う全世界のミサカ達。
だって他の連中は前日までに用意してるし・・・・でもなんとか当日までに渡すべく[打ち止め](ラストオーダー)はチョコレート製作を手伝ってくれる
というミサカ10032号が厄介になっているある病院へと足を運ぶ。
 あと『告白儀式』(ハートトゥハート)の真相が明かされていたが土御門とステイルにとってはあんまり大変そうには思えなかった。
インデックスが力説する中二人は同じ意見でまとまっていた。

195とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)第5話 ◆Oamxnad08k:2007/02/24(土) 19:26:09 ID:nUuTErHU
□第5話『カミやんの鞄は魔法の鞄やね』

「ぴんぽ〜んぴんぽ〜ん♪ ちわーっす三河屋です御用聞きに来ました〜って早く出て欲しいかもー、ミサカはミサカは背が届かなくて押せない
病院のインターホンをまるで押したかを装いながら下位個体がでてくるのを――」
「やめなさい[打ち止め](ラストオーダー)とミサカはあくまでも冷静に見た目ちんちくりんなガキンチョの上位個体に優しく注意を促します」
「ああ〜、か弱い乙女のミサカはあわれにも残虐な下位個体に捕まってしまった、助けて一方通行、ミサカがアナタを待っているっていうか
ミサカの頭を掴む力が際限なく強くなっているのは気のせいかな?ミサカ10032号〜ああ〜あたまがわれるようにいたい〜とミサカはミサカは
取り合えず泣き叫んでみたり」
 病院の裏口の前でドタバタやっている[打ち止め](ラストオーダー)の頭をガシっと右手でアイアンクローのように掴んだ御坂妹が無表情のまま言う。
「ミサカにはそのような残虐な趣味はありませんが上位個体の直接要請とあれば不本意ですが仕方ありません。 と いうか
チョコレート作りの協力者に対しての口の聞き方がなっていませんね[打ち止め](ラストオーダー)、たった今このまま掴んだ頭部に
直接電撃を叩き込んでみたりする必殺技を思いついたのですが、実験してみてもかまいませんね?そうですね?
とミサカはあくまでも冷静に現時点での上下関係を再確認させてみます」
「ご、ごめんなさいー、ミサカはミサカはミサカコレダーとか言う単語がしきりにミサカネットワークで飛び交っていて
その言葉があんまり不穏な響きすぎてびくびくしちゃってみたりしつつ下位個体の下克上に激しく戦慄してみたり」
掴まれたまま器用に謝る[打ち止め](ラストオーダー)を見て10秒ほどじっとみつめると御坂妹は右手を離した。
「[打ち止め](ラストオーダー)、とりあえずここではなんです、中に入りなさいとミサカは度量の深さを示してみます」
病院の裏口のドアを開けて中へと[打ち止め](ラストオーダー)を促す。
「わ〜い、お邪魔しま〜す。 ををー、外から見たらまるっきり病院なのに中は結構普通な空間にミサカはミサカは言葉を失ってみたり」
「この建物は別にすべて病院というわけではなくて半分は居住区画なのです、ミサカに割り振られた個室がありますので
そちらの方でチョコレートを製作しましょう、フフフなんと個室にキッチンがついているのですよとミサカは入ってすぐにある2階への階段を
示して見た目ただのちびっ子な上位個体を案内します」
とんとんとん、と軽い音をさせながら玄関から歩いてすぐの階段を御坂妹、[打ち止め](ラストオーダー)の順に上っていく。
「ねーねーミサカ10032号?」
「なんですか?」と振り返って御坂妹は首をかしげる。
「下から見るとミサカ10032号のパンツ見えてるよ?とミサカはミサカはあくまでもさりげなく教えてみる」
「・・・・・・・」
「さりげにサイドをリボンで止めるタイプのちょっぴり大胆なタイプの下着だね?さては例の彼用なのかな?とミサカはミサカは好奇心で
わくわくしながら固まる下位個体へと聞いてみたりする」
「お子様には関係の無い事です、とミサカは冷静に切り返します。あとここがミサカの部屋です。 10m以上通り過ぎてる上位個体のスペックの
低さを心の奥で笑いつつ忠告します」
と言って御坂妹はドアを開け、中に[打ち止め](ラストオーダー)を導いた。

196とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)第5話 ◆Oamxnad08k:2007/02/24(土) 19:26:59 ID:nUuTErHU

 御坂妹の部屋はなんいうか・・・・一言で言うなら殺風景。 部屋にはベッドと小さなサイドテーブルがある以外は
せいぜい制服を掛けるハンガーとわずかに私服を入れた大きめのダンボールが1個転がっているだけで他には何も無かった。
いや、あるといえばサイドテーブルにチョコンと置いてある小さな小物入れ。 この一つだけは殺風景な部屋の中で
唯一特別な意味でもありそうな感じだ。 手のひらに乗るような可愛いサイズの木製の小物入れには小さな錠前が掛かっている。
このサイズだとアクセサリーのような小物を2、3個入れたら他に何もはいらなそうだ。 
 ベッドの置いてある一番大きな部屋の奥には小さめだがキッチンが見える。 御坂妹の個室はキッチン、バス、トイレ完備の
ほとんどワンルームマンションのような部屋だった。
 それでも小物入れ以外はなんていうかちっとも女の子の部屋と言った感じがしないのはやはり御坂妹だからだろうか。
「さて[打ち止め](ラストオーダー)、肝心のチョコレートを作るのですが、アナタはどんなものを作りたいのです?と
ミサカは気合を入れつつ自分用のお気に入りエプロンを着用しつつ確認します」
 そういってキッチンの壁に掛けてあったオレンジのエプロンを常盤台中学の制服の上から着こんで御坂妹は聞く。
ごそごそっと[打ち止め](ラストオーダー)は自分のポシェットを探ってある物を探し当てると
「ミサカはこれであの人をうならせて見せる!と無駄に気合を入れながらミサカはミサカは自分のエプロンを着てみる」
[打ち止め](ラストオーダー)のエプロンはいかにもといった感じのパステルカラーの可愛らしいエプロンだった。
その容姿もあいまってやたらと似合う。 さらに同じ柄の三角巾というかバンダナを頭に巻いて[打ち止め](ラストオーダー)の
戦闘準備が完了する。 その手には小さな動物を象ったステンレス製の型が握られている。
「ペンギン・・・」
「あの人の前世はきっとペンギンだと思うんだよー、だって面倒くさがりだし、寒がりだし、熱がりだし、猫舌だし、
すぐ寝るしとミサカはミサカはあること無いこと言いふらしてみたり」
 あの一方通行の前世がペンギン・・・・どうにも一方通行に対していい思い出が無い御坂妹には想像がつかない話だ。
「[打ち止め](ラストオーダー)。 その型へチョコレートを流し込む気ですか?とミサカは冷蔵庫から板チョコを取り出して
着々と準備を進めながら質問します」
冷凍庫の蓋を開けて取り出した板チョコの包装をびりびりっと破いて露になった茶色いチョコレートの板をまな板の上へと置く。
 さっきから御坂妹の足元で「届かないー」と抗議する[打ち止め](ラストオーダー)の為に小さな踏み台をどこからか持ってきて
まな板が置いてある辺りの前へと置いてやる、すると「ひゃっほ〜」とか言いながら小さな手足を振り回し[打ち止め](ラストオーダー)が
御坂妹の隣へと顔を出す。 落ち着きのない[打ち止め](ラストオーダー)に御坂妹は右手の人差し指を立てて諭すように説明する。
「いいですか[打ち止め](ラストオーダー)、まずはそこのチョコレートを包丁でみじん切りにします。 こまかく切ったほうが早く溶けるからです。
包丁は使えますか?とミサカは少々心配ですがまあ本人やる気満々だしまあいいか、と後半投げやり気味に問いかけます」

197とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)第5話 ◆Oamxnad08k:2007/02/24(土) 19:27:58 ID:nUuTErHU
 やる気満々な顔で胸を張る[打ち止め](ラストオーダー)へ包丁を手渡す。 包丁を両手で受け取ると打ち止めはまな板の上のチョコをドン!ドン!と
ぶつ切りで砕いていく。 包丁を振り下ろす度に激しい音が室内に響く。 ついでにチョコレートのかけらも飛んでくる。
(まぁ、最終的に溶ければなんでもいいんですけどね・・・)と御坂妹も一応その様子を横目で見ながら小さなステンレス鍋にお湯を沸かす。
「ぴったん☆たんたチョコぴったん☆〜ミサカはミサカはなんか楽しくなってきたので歌とか歌ってみたりー」
チョコに包丁を振り下ろす[打ち止め](ラストオーダー)の顔はやたらと楽しそうだ。 いい加減肝心のチョコレートも細かくなってきているので
「[打ち止め](ラストオーダー)その辺りでいいでしょう。 そろそろ次の工程に移ります、とミサカは加減というものを知らない
上位個体に皮肉を込めて言ってみます」
 「は〜い」と元気よく返事をした打ち止めは包丁を置いて御坂妹へ「次はどうするの?」といった顔をして首を傾げてくる。
「湯煎の準備もできたのでそっちに置いてあるボウルへチョコレートのかけらを全部入れてください。 それと木ベラを、はい、これです
とミサカは見守るだけのつもりでしたが実は作り方がわかってないようなのでアドバイスをしてみます」
[打ち止め](ラストオーダー)は御坂妹に言われた通りにまな板の上のチョコレートを銀色のボウルの中へと放りこむと御坂妹が次々に指示を出すので
それに従って悪戦苦闘しながら工程を進める。 三角巾やエプロンには飛んできたチョコレートの飛沫がついてところどころ茶色く変色してしまってる。
でもそんな事は気にしてないような様子で嬉々としてチョコレート製作に取り組んでいる[打ち止め](ラストオーダー)。
そんな[打ち止め](ラストオーダー)を見て御坂妹は突然何かを思い出したような顔をした後に
「あとは完全に溶けたら型に流し込んで冷やせば完成ですよ、と最後のアドバイスを送ってミサカは自分のチョコレートをそろそろ準備しておこう
かと冷凍庫の扉を開きます・・・・・!?」
 そう言うと冷凍庫の扉をカパッという音と共に開けた。
「ヤヤ・・・・」
御坂妹はなんだか知らないがそのままの体勢で動かなくなってしまった。 冷凍庫からは白い冷気がもやもやっと漂ってきている。
「あれ?あれ?ミサカ10032号?なんか冷凍庫開けっ放しって地球に優しくない気がするんだけど、あれ?あれ?本当に動かないんだけどねぇ、ねぇ
ミーサーカーいちまんさんじゅうにごうー♪、つんつん、とミサカはミサカは環境問題を考えるいい人を演出してみたり」
しばらく御坂妹をつんつんつついていた[打ち止め](ラストオーダー)だったが反応が無いのに飽きたのか自分のチョコレート製作へと戻っていった。

198とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)第5話 ◆Oamxnad08k:2007/02/24(土) 19:28:51 ID:nUuTErHU
 ズキズキ痛むアゴの痛みで上条が目を覚ますと上から覗き込んでる美琴の顔が最初に目に入った。
「近!?」
「え!?!」
 上条が慌てて体勢を起こした為結構な至近距離にあった美琴の顔と上条の顔がゴチーンと激突した。
「痛ッ」
「いッたいわねもう、目覚ますなりいきなり起き上がるんじゃないわよ」
おでことおでこがぶつかり二人は涙目になってそれぞれ自分のおでこを抑えながら呟いた。
 地面にペタンと尻餅をついてしまっておでこを抑えながら涙目になってる美琴を上条は起き上がらせると
「わりぃ、あんまりビックリしたもんでな?」
愛想笑いを浮かべながら頭をカリカリとかき、とりあえず本音を口にしてみた。
「アンタが起きないから介抱してただけじゃないのよ〜、この扱いはちょっとヒドクないかしら?」
だがお嬢様はなんだか拗ねたような表情でいらっしゃる。 ぶつけた時に変なところでも打ったのだろうか?
いつもの彼女はこんな時には言葉より先に電撃、それも10億ボルトとか割ととんでもない攻撃を仕掛けてくると思うのだが。
「わりぃわりぃ、お詫びの印にそこの広場の自販機でなんか奢ってやるからそれで勘弁してくれ」
あまり怒っていないのなら適当に機嫌を取って事無きを得ようと上条は自分にとって最大限の誠意を見せてみる。
 上条が指差す先には今居るバス停に面した小さな広場があり、さらにその先には学園都市名物の実験試作品の自販機が聳え立っていた。
美琴は少し不満そうではあるが奢られることには異論が無いらしい、立ち上がってスカートをパンパンと払ってから自分の鞄を拾い上げて
スタスタと例の自販機まで歩いていき、これから奢られる品をふむふむとうなづきながら吟味し始めた。
実際すごく近くなのだ、それこそ歩いて1分程度。上条も自分の鞄を持って美琴の後を追いかける。
「椰子の実サイダーに後光の紅茶・・・飲むナタデココって一体なんなのかしら、本当に怪しい物ばかりあるわね」
「わっかんねぇかなぁ、この選ぶ前の『天国か地獄』的な緊張感がタマラネェんじゃないか。あと安いしな」
「私にどんなリアクション期待してんのよアンタは」
「希望としては目つぶって適当に押したら地獄お汁粉あたりが出てきてソレを我慢しながら一気に飲み干すの御坂とかツボだな。
更にその際少し涙を目に溜めて必死に我慢してたりするとそれだけでご飯3杯いけそう」
「ツボって変態かアンタは。 だったらとても飲めそうに無い物が出てきたらとりあえずアンタに毒見させるからソコんとこよろしく!」
 美琴はそう言い切るとすーっと息を吸い込んで
「常盤台中学内伝 おばーちゃん式ナナメ四五度からの打撃による故障機械再生法!!」
とか大声で叫びながら目の前の自販機に対して絶妙な角度でハイキックをかました。 風を切った彼女の足がキックの勢いで露になる。
スカートがめくれるがいつものごとく下には短パンを履いているようだ。 
がっつーん!という音の後にがちゃーんという音がして取り出し口に一本のジュースが出てくる。 
「ってヲイ、なんで奢るって言ってるのにお前は自販機に捻りの利いたハイキックなんてかますんだよ!お嬢様だろ一応!」
「お嬢様よ、一応じゃなくて普通に。知らないの?常盤台中学じゃみんなこうするのよ、黒子だってやってるわよ」
取り出し口から出てきたドリンクを見て軽く顔をしかめながら美琴は言い張る。
「どう考えてもアイツだけはそれやりそうにないぞ、そういう乱暴な手段で一般的な男子が持っているお嬢様像を粉々に砕くんじゃねぇよ!」
「あんまり女の子に幻想抱いてんじゃないわよ、それになによ、アンタ随分黒子の肩持つじゃないの〜、なんかムカツクわね。
あと出てきたジュースも結局怪しいし、どっちかって言うと後者の方が気に入らないわ――」
「ちょ、もがぁぁ!テメェためらいも無く怪しげなジュース押しつけんじゃネェ!! しかもホットじゃねぇか」
「もしまずかったらどうすんのよ! アタシがカワイソウでしょうが!男なら女の子が差し出す怪しげなジュースぐらい一気に飲んでやる
くらいの男気を見せなさい、ぶっちゃけ、もういいから四の五の言わずに飲めぇ!!」
上条を押さえつけながらその口に口の空いた『とろける激甘カカオスーパー』と書かれた茶色い缶を押し込もうとしてくる美琴。
上条も最初は嫌がってたのだが変に突き飛ばしたりすると美琴の手にあるジュースがえらいことになるので
「ムグググ!普通の女の子は怪しげなジュースを無理やり飲ませないっての! も〜!?飲めばいいんだろ飲めば!!ほら貸せ」
 口を閉じて抵抗を続けていた上条だがそう言うとキョトンとする美琴の右手から茶色い缶を奪い取って口へと運び、一言感想を口にした。
「甘ッ!? なんだこれ、この世のものとは思えないくらいに甘い・・・」

199とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)第5話 ◆Oamxnad08k:2007/02/24(土) 19:30:05 ID:nUuTErHU
美琴、ワリィこれは一口しか無理だわ、きっと全部飲んだら胸焼けしそう、と付け加え缶を美琴へと差し出す。
「え!? あ、そ、そう? じゃ、じゃあ無理して飲まなくても私甘いの大丈夫だから、も、もらおうかしら、勿体無いし、そう勿体無いから」
殺人的な甘さに顔をしかめて口を押さえる上条が差し出す茶色い缶を両手で受け取って美琴はしきりに「勿体無いから」を連呼する。
 上条は口直しにと自販機に硬貨を突っ込んで一番無難そうな『後光の紅茶レモン』を選び、取り出し口に手を突っ込む。
「ただひたすらに甘いココアだなそりゃ、冷めると余計にキツイぞ美琴、飲まないのか?」
「う、うっさいわね!? 私は、そう、ね、猫舌なのよ。熱いの苦手なの、だから冷めるまで少し待ってんのよ!」
上条は小さなペットボトルを片手に興味無さそうに、ふーん、と相槌を打つと落ちていた自分の鞄と美琴の鞄を左手で拾いあげて
自販機の横にあった白いベンチに座り込むと美琴も両手でココアを持ったままちょこんと隣に腰を下ろす。
10分経過―――
ベンチの半分を大胆に占領し脱力する上条とその横でココアの缶に熱い視線を送りながらぴくりとも動かない常盤台のお嬢様という
図式が出来上がり、なんだか他の通行人が時折暖かい視線を送ってくれる。
 その時「なぁ、御坂―」と隣の美琴に話しかけようとした上条の視界が不意に暗くなって、
「カミや〜んめっけ、そしてしねぇ!!」
 そんな陽気で聞き覚えのある声が響くのと上条が行動を開始するのはほとんど同時の事だった。

ドガァァァ!! 
 
 間一髪で美琴を抱えて上条はベンチから飛びのいたがその直後破砕音を轟かせてさっきまで座っていたベンチが真っ二つになった。
アスファルト舗装のはずなのにもうもうと土煙が立ち込めてベンチのあった場所に背の高いシルエットが浮かぶ。

200とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)第5話 ◆Oamxnad08k:2007/02/24(土) 19:30:37 ID:nUuTErHU
「ちょ、ちょっと!?」
と上条にお姫様だっこされた美琴が驚きに目を白黒させながら声を上げるが
「黙ってろ!舌噛むぞ」
それだけを美琴に言い放つと上条は美琴を抱えたまま、ベンチがあった場所を凝視する。
 煙の中からは上条の予想通りの声が響く。 もうもうと立ち込めていた砂煙は一陣の風によって綺麗に吹き払われる。
「か〜み〜やーん、そろそろ鬼ごっこはお終いやでぇ?」
ムカツクほど爽やかに白い歯をキラリとさせた長身の若者がそこに居た。 ついでにいえばその髪は不自然なくらい青く耳にはピアスをつけている。
当然上条はその人物に心当たりがあり、何度も何度も作中で説明するのもおこがましいが
その人物は上条当麻のクラスメイトであり、吹寄制理曰く『クラスの3バカ』の一人、通称青髪ピアス(本名不明)、その人だった。
「よりにもよってアイツかよ、青髪!公共物を壊すな!!あと自販機の上にのぼるな!せめて本名名乗れ!!」
「カミやんボクの名前はトップシークレットやねん。 きっとこの先の原作でも一回として語られるなんてことはこれっぽっちも
期待してないんよボク。でもだからと言って青髪ピアスという名前で過ごすなんてまっぴらごめんやぁぁ!! 
せやから、せやからやで・・・・・・大人しく投降してチョコレートの贈り主を吐けぇカミやん!!
今ならどっちかっていうと死に近い割合の半殺しで勘弁したるわー」
 青髪ピアスはそう言うなり指をパチンと鳴らす。 途端辺りの植え込みや自販機の陰から見覚えのある連中が顔を出した。
「うはぁ!?どんな理由だよそれ。それとそれは半殺しっていうかそれほとんど死んでるだろ! 最後に一言、お前ら一体どこに隠れてたのさ!!」
「はっはっはっは、愚問愚問、カミやん達がラブラブとした桃色空間を展開している隙に『背後の植え込み』とか『自販機の陰』とか
『ベンチの下』とかいろいろやぁ!!カミやん 君は完全に包囲されとるで!!」
そこまで言って青髪ピアスも上条も美琴もその他のクラスメイトも気づいた、もはや跡形も無いベンチの破片に紛れてなんかぐったりしてる人間に。
たっぷり30秒ほどこの世界の時計が針の動きを止めた、あくまでも比喩的に。
「今のなーし!!」とか言って青髪ピアスが両手でバッテンを作る。 
時間は動き出し青髪ピアスの後方でテキパキと担架で運ばれるクラスメイトA
「思いっきりお前の攻撃の犠牲者じゃねぇか!! すっげーぐったりしてるぞアイツ」
「多少の犠牲はつきものやでぇ、あいつは資料も無いことだし丁度ええやん。そんなことより、この後に及んでまだボクらに見せ付けるか!!」
あん?とよく判らない顔をする上条に周りからブーイングが飛ぶ。 青髪が両手を挙げブーイングを止めると
 上条に―否、お姫様だっこ状態の美琴をビシィと指差して大声で宣言した。
「うらやましすぎるんじゃボケェェッ!!しかもその子夏休みの最終日にカミやんにタックルかまして攫ってった常盤台中学の子やん
普段駄フラグ駄フラグ連呼しとる癖にちゃっかりフラグを回収してるやんかぁ!さてはその子からもチョコレート――ぐ、うぬぅぅぅ」
青髪ピアスの台詞は後半はなんだか聞き取れないかった。
それでも青髪ピアスの言葉に上条を包囲していたクラスメイト(男子)が一同にうんうんと頷き、
上条はそれを見て、お前らなぁ、と疲れた顔で呻くのだった。
「アンタ、さっきからウルサイ」
 上条の腕の中に居た美琴が突然キッと顔を上げ青髪ピアスをロックオンすると、美琴の前髪から青白いスパークが飛び散り
青髪ピアスに雷撃の槍が炸裂した。
電撃を喰らって一瞬で黒こげにされた青髪ピアスを見て包囲していたクラスメイト達に動揺が奔る。 ついでに上条にも動揺が奔る。
「お、おいそれはやりすぎなんじゃ?」
「ちゃんと手加減してあるわよ、なんか耳のピアスにやたらと集中したみたいだけど」
黒こげになった青髪ピアスがクラスメイトの手によってテキパキ担架で運ばれる。 手加減してあるみたいだから多分死んではいないはずだ。
最悪の場合、あの医者にでも任せればいい。 たぶんあの医者なら「こりゃひどい、ザオリクするか」とか言って死人でも生き返らせそうだ。
 ため息をつきながら周囲を見渡せば青髪ピアスがベンチを吹っ飛ばした時にでも飛ばされたのか
すぐ近くの植え込みの上に上条と美琴の鞄が乗っかっていた。
「俺の鞄?でもなんがかすっごく膨らんでないか?」
いや問題はそこじゃないだろと突っ込みを入れるクラスメイト達の視線は無視して植え込みの鞄に手を伸ばそうとして気づいた。

201とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)第5話 ◆Oamxnad08k:2007/02/24(土) 19:31:02 ID:nUuTErHU
『・・・・・・』
上条と美琴の目が合う。 彼女は両手でココアの缶を持ったまま赤くなって上条を見上げている。
両手塞がってますね。 それも結構特殊な状態で。  
 数秒経過・・・・・・
 自分の手が置いてある場所をたどってみる。 
右手は美琴の膝の裏辺りを掬うように抱えあげている。
左手・・・美琴の背中から左肩に掛けてをやはり抱えている。
左手を通して美琴の心臓の音が伝わってくるがそれ以上に自分の心臓の音がバクバクとうるさい。
「あっと、済まない!ごめん!わりぃ!許せ!」
 途端に早口になって美琴から手を離す。 途端に手の中に居た美琴は支えが無くなって万有引力の法則に従って自由落下を始めた。 
「え!わ!きゃあ!」
突然の事に大事そうに持っていたココアの缶を慌てて投げ捨てて両手をバタバタと振りながら美琴は植え込みの上に落下した。
バキバキと植え込みの木が折れる音とカァンというココア缶の音が鳴り響く。
「あ゛〜」
ギャラリーの皆さんも「あーやっちゃったよこの人」って視線を送ってくる。
「へ、へぇ、アンタはさっきまでの雰囲気をこうやって粉々にしてくれるんだぁ・・・・」
植え込みに体を半分以上突っ込んで美琴が目を閉じて静かに言う。 そのこめかみに青筋が見えた。
「ひぃ! これはと、と、とんだ粗相を!平に平にご容赦を!」
上条が地面にゴツンと頭を押し付けて土下座しながら謝ってくるのを見て美琴も怒る気が失せた様な顔で
「あーもういいから、とりあえず起こしてよ。 うまいことはまっちゃって出れないんだからこれ」
とりあえずそこまで本気で怒ってはいないようなので美琴を植え込みから引っ張り上げて地面に落ちた鞄を拾う。
 なんだか膨らんでる、というか異様だ。 明らかに持って来たときよりもかなり重たい。
「開けてみればいいじゃないの、ほらッ!!・・・・・!?」
「ありえねぇ・・・」
 鞄を見て悩みこんでる上条から美琴が鞄を奪って開けて中にあった物を目撃した。 
 上条はアゴが外れそうな顔をしてるし美琴はなんだこれは?と言った表情をしている。
結論から言えば上条の鞄の中にはぎっしりと綺麗にラッピングされたチョコレートらしきものが詰まっていた。 
「アンタの鞄は魔法の鞄なの・・・・・・?いくらチョコレートが好きっていっても
ってかこんなに食べたらアンタ糖分過剰摂取で死ぬわよ、多分」
 呆れた顔をして美琴がジト目で上条に突き刺す視線を送る。
美琴の、あんたまだ懲りてないみたいね?といった視線から逃れるため上条は自分の鞄を逆さにしてみた。
 逆さまにされた鞄の中明らかに上条の予想と鞄の内容量をはるかに超える量の『茶色い甘そうな菓子』や
『赤いリボンでラッピングされた長細い箱』とか『メッセージカードがついたハート型の箱』とかが
わんさか出てきた。 
ドサドサドサドサドサドサドサ
上条は鞄の中から出てきたものでできた山を指差してその光景を呆然と眺める美琴に猛然と抗議する。
「どこの世界に学生鞄の中身が全てチョコレートなんて高校生が居るんですか!!ていうか絶対異常ですよこの事態!」
必死に抗議する上条の叫びは虚しく、美琴をはじめ周辺に居た通行人を含めてその場に居合わせていた全員が
躊躇うことなく上条の事を指差していた。 ここにいるじゃないか?と。
「いろいろ反論はあるだろう、でもそれは一回置いといて欲しい!!なんていうか不幸だ、もう一回言うぞ、不幸だ―――!」



次回に続く、そろそろ終盤に行きたいな。

202とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)第5話 ◆Oamxnad08k:2007/02/24(土) 19:33:15 ID:nUuTErHU
いい加減バレンタインも過ぎたので
広げてきた風呂敷をたたみに掛かります。

それではまた

203■■■■:2007/02/24(土) 22:07:47 ID:xlzV3DfM
東鳩の人GJ!!
 
地味に近付くホワイトデーも何か来ないか期待してみる。どきどき。

204■■■■:2007/02/25(日) 07:03:53 ID:B7fBFyFA
ホワイトデーのは文暦があるしなあ

205 ◆Oamxnad08k:2007/02/25(日) 07:25:40 ID:0s9RM8JI
>>203 
ホワイトデーは上条さんが・・・・ウッカワイソウでこれ以上いえない・・・
『告白儀式』(ハートトゥハート)にて贈られてきたチョコレートのお返しに奔走するというわけですね。
差出人不詳のものも健気に(ぐすん)
・・・・・そんな予定はありませんがね。
ただの悲劇だし、『告白儀式』(ハートトゥハート)終了後は普通に
別の科学サイドオンリーの
SS書いてありますので投下はそちらを予定しています。
>>204 それより誰かひな祭りネタで・・・・

2061-169:2007/02/25(日) 20:52:46 ID:Qn/ZkMzk
>>205
G・J! 見た目から兎に例えられることの多いひとかたさんが、まさかペンギンの生まれ変わりだったとは!
自分脳内ではもう確定してしまいましたぜ。
私がややこしくしてしまった空気をぶち殺してくださり、本当にありがとうございます。

ここで唐突にシーン(だけ)妄想シリーズ第二弾。やりたい放題やっちゃいました。
題名をつけるなら「真赤な誓い Sunright_Heart」って所で一つ。

2071-169:2007/02/25(日) 20:54:01 ID:Qn/ZkMzk
「OOオOOO雄OOーっ!!」
 鬼が響く。気が息吹く。機が轟く。
 鋼の狂戦士が迫り来る。
 先端科学の粋を凝らして造り上げられた複合装甲は、ステイルにとって天敵と言えた。
 炸裂装甲(リアクティブアーマー)により爆風はかき消され、耐熱組成(キャンサーバブル)を纏われれば三千度の炎熱を以てしても溶かすことは出来ない。
 圧倒的窮地に追いやられながら、ステイル=マグヌスという男は、
「――それがどうした」
 と、笑ってみせた。
 半分以上燃え尽きていた煙草を吐き捨てる。
 炎剣が通じないのがなんだ。
『魔女狩りの王(イノケンティウス)』が通じないのがなんだ。
 その程度の障害は、“あの右手”ですでに経験している。
「僕は“奴”に負ける訳にはいかない。僕の力が及ばなかったなんて、そんな下らない理由で負ける訳にはいかない」
 力が要る。力が要る。
 神を浄め魔を討つ御手すら突き破れる力が。
 ――もしも、あの少年が、白い少女の笑顔を裏切ってしまった時、彼女のために立ち上がれるのは自分だけだから。
 きっと自分が勝ったならば、彼女はステイルを責めるだろう。憎むだろう。恨むだろう。
 きっと誰があの少年を斃しても、彼女はその誰かを責めるだろう。憎むだろう。恨むだろう。
 世界中の誰でも同じであるのなら、
 その役割だけは譲れない。
「光栄に思え。“その時”のために編み上げたとっておきを見せてやる……!」
 ステイルは内ポケットに右手を入れると、これまでとは違うカードを一枚抜き出した。
 惨劇の夜を閉じ込めたように暗く黒い紙片に、鮮血よりもなお赤い文字(ルーン)が刻まれている。
 魔術師ステイル=マグヌスの真髄がここにある。
「『魔女狩りの王』!」
 彼の術式の名を叫ぶと、呼びかけに答えようと炎の人型は身じろぎした。
 しかし半ば以上が砕け、風船がしぼむようにその体を縮めようとしている状態では、床の上で無様にのた打ち回ることしかできない。教皇クラスとまで謳われた炎の魔人は、今やくずぶるだけの焚き火に成り下がっていた。
 それでも、ステイルは動じない。人差し指と中指で挟んだ例のカードを崩れかけの『魔女狩りの王』に向ける。
「世界を構成する五大元素の一つ、偉大なる始まりの炎よ」
 唇が紡ぐ呪文は『魔女狩りの王』と同じ。だが、ステイルにはこれほどの大魔術を二体同時に作ることなど出来ない。
 何かの形状を変化させ操る系統の魔術を無理に重複して行えば、どちらも形のないただの固まりになるだろう。
 同僚のゴーレム使いから教わったこの事実は、しかしステイルに新たな展望を与えた。
「それは生命を育む恵みの光にして、邪悪を罰する裁きの光なり」
 教皇クラスとまで謳われた大魔術、『魔女狩りの王』。
 それでは足りない。“あの右手”には届かない。
「それは穏やかな幸福を満たすと同時、冷たき闇を罰する凍える不幸なり」
 拳の攻撃をかわしきり、異能に対する防護のない部分を狙う――そんな戦い方では勝てないのだ。そんなありきたりの対抗策で崩せるほどあの少年は甘くない。
“あの右手”を真正面から打ち破る。そのためには、そう、竜王クラスの威力が必要だ。
 禁書目録・自動書記が放った竜王の殺息(ドラゴンブレス)に匹敵する力が不可欠だ。
「その名は炎。その役は剣」
 凡才たるこの身に、それほどの魔術が扱えるだろうか?
 否。
 そこで躊躇うことが既に馬鹿者の証だ。
 下がる理由がなければ進め。
 臆する理由がなければ吼えろ。
 たとえその先に溺れるほどの後悔が待ち受けていたとしても、過去にどれほど同じことを繰り返してきたのだとしても、憎むべきを憎み愛すべきを愛し、生きあがくことを諦めぬ大馬鹿者であれ。
 奇しくもそれは、あの上条当麻から学んだことではなかったか――!
「“昇華”せよ」
 呪文が変わる。
 魔術が変わる。
 黒いルーンのカード――一枚で最小規模の『魔女狩りの王』を産み出せるように火蜥蜴(サラマンダー)の鱗と古代魚(シーラカンス)の油で緻密に造り上げた――を振りかざす。
「刻まれし役目を今こそ果たせ! 『魔女狩りの王』!」
 叫び放たれた呪に応じ、炎の魔人は歓声を上げた。
 猛々しい火勢が甦る。揺らぐ炎が象るのは、もはや人型ではない。
 火が燃え火が弾け火が飛び火が散り火が踊り火が集う。
 まるで太陽が地上に降って来たかのような燃え盛る真球。
 その名も『炎陣(システマイグニス)』。
 重複発動による崩壊を逆手に取り、純粋に魔力の炎のみで組み上げた立体型魔法陣である。
 岩をも溶かすほどの焦熱の只中に立ち、ステイルは『炎陣』の中心目掛けて躊躇いなく黒いカードを投じた。
 小太陽にカードが飛び込む。すると、

2081-169:2007/02/25(日) 20:54:42 ID:Qn/ZkMzk

 業ッ!!

 飛び込んだ反対側から爆発と共に“炎が生えた”。
 紅炎(プロミネンス)のように噴き出した炎は、三メートルあまりも伸びてある形状を取る。
 途方もない迫力と魔力を秘めた――大剣だ。
 ステイル=マグヌスは目の前の虚空を、まるで長い棒がそこにあるかのように両手で握り締める。
 大気を掴む手をバットのように振りかぶった。
 するとその腕の動きに対応し、小太陽と大剣も動く。
 見えない柄に操られ、炎陣が回る。
 ふと気づくと、狂戦士は目前だった。
 だがステイルの目には、そんなものはもう映っていない。
 全身全霊全魔力でもって焼き滅ぼさんとしているのは、白い少女と共に先に進んだあの少年だ。
 かつてステイルがいた場所を、我が物顔で蹂躙し、食い散らかしている男。
(ああ、いいさくれてやる。それは僕達が捨ててきたものだ。たまたま拾っただけの君に本当の価値が分かるとは思えないが……捨ててしまった僕に何か言えた義理じゃない。せいぜい大事にするといい。だけど)
 この身に刻んだ誓いだけは。
 たとえ想い幻と笑われても守り抜いてみせる。
 誰が敵でも誰が味方でも構わない。
 何も掴んでいないこの手を、絶対に放すものか。

「業火剣嵐……『六大罪の王(グレゴリウス)』!!」

 渾身の力で大剣をフルスイングする。
 触れるだけで大樹を灰に変える炎剣が突進する狂戦士の装甲に激突した瞬間、




 赤炎、白雷、金光。
 三色の巨大な柱がほぼ同時に内側からビルを貫いた。

2091-169:2007/02/25(日) 20:55:51 ID:Qn/ZkMzk
 パラパラ……と建材の破片が落ちる。
 ビルの壁には直径五メートルほどの風穴が開き、真夜中の夜空が覗いていた。
 鉄壁を誇っていた狂戦士は残骸すらなく、ただわずかに床に残る二本のまっすぐな焦げ跡が、最後の抵抗を象徴するのみであった。
「……ふぅ」
 ステイルは肩にかかった埃を払い、懐を探り始めた。一仕事終えた後は口寂しくて仕方ない。
 結局先ほど吐き捨てたのが最後の一本だったことを思い出し、悔しげに唇を歪めた。そしてようやく目が破壊跡に向く。
 台風と噴火がいっぺんに起きてもこの惨状には及ぶまい。フロア内の見渡す限りの物が塵と化し、あるいはなぎ払われている。
「……もう少し余波を抑えないと、危険すぎるな。しかしこれほどのものとなると、そうそう試し撃ちもできないし。おまけに一発でスッカラカンだ。マッチに火を点けられそうな気もしない。燃費が悪すぎるのも問題か」
 ま、そのあたりは今後の課題ということで、とステイルは強引にまとめた。今はとにかく煙草が吸いたい。
 その時、床から恋しい香りの煙が立ち上ってきた。
「ん?」
 足元を見ると、さっき捨てたそのまま煙草が落ちていた。
 あの高熱の中よく無事だったものだと思っていると、気づく。
 ステイルの周囲、三歩で届くくらいの範囲の床は、焦げ目一つないまったくの無傷だった。
 その意味する所は一つ。
「『炎陣』と僕との間は安全地帯になるのか」
 実際に使ってみるまで分からなかったことだ。恐らく二つの『魔女狩りの王』が起こす熱気流がうまいこと作用したのだろうが……。
 はっと。
 ステイルは、とてもおもしろくないことを連想してしまう。
「『魔女狩りの王』の発展型、『六大罪の王』。広域殲滅と物理破壊力に特化し、しかし術者の傍にいる者は傷つけない。魔力の通っていない機械仕掛けの防御も、この通り木っ端微塵」 
 なんということだ。これではまるで、
「奴の欠点を補う為に……奴と並んで戦う為に作ったようなものじゃないか」
 拳が届く範囲でしか戦えず、普通の鉄の塊相手では猫の手ほどにも役に立たないくせに、魔と名のつく物に対しては絶対を誇るあの少年。
 考えれば考えるほどに相性は抜群だ。
 ため息も出ない。
 あれほど悩んで、みっともない独占欲とか自己犠牲とかそれらを言い訳にしている罪悪感とか色々なものを飲み下してようやく作り上げた術式だというのに、結局は最も向けたい相手に向けられない代物だったなんて。まるっきり自分が馬鹿みたいじゃないか。
 理不尽だ。不条理だ。だが最も正しく今の心境を説明できる言葉はそれらではない。
「……なるほど。こういう時に叫べばいいのか。二度とはやらないよく聞けよ? せーの、不幸だー」
 試してみると意外と口に馴染んだ。しかもそれが特に不快でもなく、そんなことをしている自分を客観的に見てみてようやく苦味を感じられた。
 ――意地があるだろ、男の子には。奴にだけは負けたくない。
 色々言い訳してみても、結局のところそれだけの話だったのだが。
 ルーンの魔術師は踵を返し、上条達の後を追うために歩き出した。
 折角苦心して作り上げた新術をこんな理由で封印していいものかと、割と真剣に悩みながら。



苦情は>>1-169まで。

210■■■■:2007/02/25(日) 21:20:44 ID:ReGM7Jjw
>1-169
GJ!熱いぜステイル!
新技のネタに本編の要素が活きてる辺りも妄想力を感じます。
この手のネタは面白いけど、本編との兼ね合いがあるから書きにくいのが難点ですよねー。
書いてる途中に新刊で新技出されたりするとNooooって感じだし。
ともあれ久々に創作意欲が刺激されたぜ。

211 ◆Oamxnad08k:2007/02/25(日) 21:31:51 ID:0s9RM8JI
>>206
おお、ステイルがパワーアップしてる・・・
>あと一方さんは『告白儀式』(ハートトゥハート)の次のSS
とある世界の○○○○にて素敵なシーンが・・・
たまねぎとかたまねぎとかたまねぎとか・・・・(予告)
反射とか反射とか反射とか・・・・

212■■■■:2007/02/26(月) 10:37:57 ID:BuyJ/uJw
>>206
をを〜 これはいいステイルですね



初めの二行で鬼械神が出てきたかと思っt(ry

213■■■■:2007/02/26(月) 16:52:02 ID:kZGQ4uBA
・・・もしも、ステイルが不幸だーって他のところで言って
いるのを他人が見たらどうな反応するかな。
・・・そもそも言わないか。
後、熱かったです!

21401-641:2007/02/27(火) 13:57:02 ID:F.yIWGAo
>>195-201 青髪ピアスの本名は自分も知りたいd(ry…。
>>207-209 ステイルの真剣に悩んでるところ想像した。……なんか可愛らしく見えてくる。
ともにGJ!!

自分も投下しますよーと言ってみる。

21501-641:2007/02/27(火) 13:59:31 ID:F.yIWGAo
01020304050607080900010203040506070809000102030405060708090001020304050607080900010203

行間 一

 『………ザピッ………ジ……ザザ………』

 『……本部より各部署へ通達。……マルキュウヨンハチに状況D-7発生。レベルF-4。ディフェンスパターンをC-3に
シフト。ルートはG-27を使用。なお………』

 『………ザザッ………ブッ――――――』

「ふむ、そこそこは動くようだな……」
 呟いた人影は、顎に手を当ててしばし考えた後に踵を返すと静かに歩き去っていく。


                  ◇                    ◇ 


 『………ブルルッ………ブルルッ………ブルルッ……』

 祭り開催のアナウンスが流れ、本格的に人が動き始めた会場から外に向かって歩いていた人物は、
ポケットに入れていた携帯が受信した事を知ると直ぐに取り出し素早く操作、そこに出された表示をざっ
と流し見ると、チッ、と舌打ちをしながら携帯をポケットに戻す。
 そして、今まで歩いていた方向とは逆の方向へと歩き出す。
 肩に掛けたスポーツバッグのベルトを担ぎ直し、若干足を速める。だが、決してそうと分かるようにあか
らさまに急いだりはしない。そんなことをすれば周囲に何かあったと知らせてしまう事になるからだ。
 その表情も特に変わったりはしない。ただし、その目は鋭さを増している。
 歩きながら、先程読んだメールの内容を反芻、吟味する。

 (開始30分も待たずに動いてくるなんてやってくれるじゃんよ……。うーんと、6学区と17学区は向こうに
任せるとして問題は11学区、だよなぁ……。目立たない様にしてるようだけどラインを動かしてるって事
はかなりの状況だって事だろうし、18学区のも気になるけどどのみち今からじゃ間に合わないんじゃん。
やっぱこっちか……。となると一番早い移動方法は……)

 すれ違う人の多くは展示されている物に目を向けたり、仲間内で話し合っているためにあまり注目され
ていない。
 そんな中、一人の学生はギョッ、とした様子で慌てて道を譲るとそそくさと離れていく。
 それを視界に入れながら先を急いで行く。


                  ◇                    ◇ 


 その人物を見ていた学生は後姿を見ながら、肩の力を抜いて息を吐く。

 (あーびびったー。いきなりこっちに来るんだもんなー。何か睨んでるみたいだったから思わず逃げた
けど、どうも俺のことじゃなかったみたいだな……。なんだったんだろ?)

 などと思っていると、

「おーい、今度はあれ見に行こうぜぃ」

 と声を掛けられたので、おう、と返事をしながらそちらに歩いていく。


                  ◇                    ◇ 


 祭りが始まって直後の一時。今日という長い日が終わるまでには、まだまだ多くの出来事が起ころうとしている。

21601-641:2007/02/27(火) 14:07:16 ID:F.yIWGAo
なんかアホな書き込みになってしまいました。申し訳ない。
一行目は無視してくださいませ。

あと、以前言ってたことですが、このシリーズあと三章構成で考えてます。
が、ログを見れば分かるように基本週一のペースで投下してるので終わるまでに
試算で5月までかかる事に……。で、あまりだらだらするのもなんですし、
(ここは自分のチラシの裏じゃありませんしね)確認しときたいのですが、
時間かけてもいいですか? 迷惑そうなら設定と粗筋書き出して〆ますが?
一応、一章と行間を出してキリはいいかなと思いましたので。

毎度長文ですいませんです。

217■■■■:2007/02/28(水) 17:47:50 ID:TTC6Pt4I
おぉ……GJ……GJ……っ!
凛々しい先生も良いよっ!良いよっ!というわけで続き楽しみにしてまするー!

ふぅむ謎の人物は一体誰だろうか?

218 ◆Oamxnad08k:2007/02/28(水) 22:22:26 ID:wlQej88k
>>216
こんな黄泉川・・・・渋い、いいかも。

>『告白儀式』(ハートトゥハート)の6話目を投下します
一応7話で完結する予定。

219 ◆Oamxnad08k:2007/02/28(水) 22:27:12 ID:wlQej88k
あらすじ
上条の鞄からその容量を遥かに超えてあふれ出る世界中から転送されたチョコレート。
傍観を決めるステイルとインデックス、友人を気遣いながらも同席しヤキモキする土御門。
そして青髪ピアスは美琴によってこんがりされてしまったが彼は復活できるのか?
よい子は真似しちゃいけません。 
ポッキーはグリコの登録商標です。

220とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)6 ◆Oamxnad08k:2007/02/28(水) 22:29:04 ID:wlQej88k
第6話 『とある御嬢の『告白儀式』(ハートトゥハート)』

 薄いサングラスの奥の瞳で喫茶店のウインドウから遠くに確認できる騒ぎをぼんやりと見つめながら土御門は
自分の向かいの席で優雅に2杯目の紅茶を啜るステイルへ疑問を投げかける。
「なぁ、ステイル・・・・、アレ止めなくてもいいのかにゃー?、お前アレ処理するために来たんじゃないのかにゃー?」
そんな理由でもなければ科学が支配するこの学園都市にわざわざ魔術師たるステイルが出向く理由もないし何よりこれは彼が最初に言ったことだ。

 どんどん大きくなる騒ぎも収まる気配を見せないし、もしかしてコイツは厄介ごとを俺に押し付けるつもりなのではないか?
土御門の投げかける言葉にはそういうニュアンスが含まれている。 つまり、さっさと仕事しろこのバーコード野郎、と言いたい。
「どうせやるなら一回でドカンといきたいね、ボクは面倒なのは嫌いなんだ」
いまでも土御門が見つめる先では充分な被害が出ているのだが・・・、面倒、そんな一言で片付けられてしまった。
青いサングラスの奥の瞳が注意深く見守る少し離れた広場では騒ぎはますます大きくなろうとしていた。

特に一人に集中して、いや一緒にいる女の子にもとばっちりだろうか・・・・土御門は普段あまり祈ってないが友人の為に神に願ってみた。
(かみさまかみやま、どうかカミやんに試練を与えたまえ)

ズゥゥゥン

 腹に響くような低い音が響く。 どうやらまた被害が増えたようだが赤い髪の魔術師はいまだにティータイムだ。
これだからイギリス人という人種は・・・・午後の紅茶は欠かさず、が心情なのだろうか? その横にいる白いシスターも
同じ様にミルクティーで喉を潤している。 否、こちらはどちらかというと3時のおやつと言った言葉の方が良く似合う。
モンブラン、クレープ、ガトーショコラ、ミルフィーユ、ザッハトルテ、シュークリームなどなど、それこそ、メニューの端から端まで
持って来いとばかりに食べまくるインデックス。 本人曰く「ケーキは別腹」だそうだ。
 ここの払いは一体誰が持つのだろうか?すくなくともこの腹ペコシスターでないことだけは確かだな。
 ちなみに土御門元春の現在の所持金3500円きっかり。 思わずツケとか利くんだろうかなぁ、そんな事まで考えてしまう。
「土御門、さきほどのアイツが鞄から出してたチョコレート何個ぐらいあったと思う?」
いきなり何を言い出すのだこいつは?といった言葉をぐぐっと呑み込んで土御門が心底どうでもよさそうに答える。
「吹寄に姫神、あとあの女の子の以外にざっと400いや、500てところかにゃー? ケーキもあったみたいだしあれはオルソラあたりかにゃー?」
「500・・・・・よくもまぁそんな数を集めれるもんだ、やっぱりそろそろ動かないといけないのかな?立場的に。 彼を助けるのは
ものすごく気乗りがしないんだけど」
心底嫌そうな顔をしてステイルが懐から出したオペラグラスで覗く先の広場ではなんだかすごいことが起きていた。

221とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)6 ◆Oamxnad08k:2007/02/28(水) 22:30:07 ID:wlQej88k



ズウゥゥン、ボシュウウウ、ブォォォン。
「ひっ!? うひゃ! と、ととと」
「ちょっ!なにこれ!?わったたたた」
風を切って迫り来る茶色い凶器を紙一重で避ける、飛ぶ、転がる、飛びのく。 そしてその後を茶色い棒が追う。
攻撃を空振りした目の前の茶色い物体は悔しそうなうめき声を上げて上条と美琴へ更に攻撃をくわえる。
 その手に持った巨大な鈍器。全長3m直径でいえば道路標識のポール程度はあるかもしれない『ポッキー』で。
とにかく当たったらたんこぶでは済まなそうな勢いでそんな茶色い凶器が飛んでくる。
 自販機をなぎ倒し、地面を抉り、どんどん勢いを増していく。 しかも折れない。
「もぉぉぉぉ!なんなんですか!この茶色いのは!」
叫ぶ上条の頭上を高速で『ポッキー』が通り過ぎる。 直後の風圧だけでも当たったらどうなるか想像に難くない。
「あぁぁ!もうッ!!なんだって私まで狙ってくるのコレ」
時折向けられる理不尽な暴力をバックステップで華麗に避けつつ美琴が文句を言う。 『コレ』を指差して。
 『コレ』―つまり目下上条当麻と御坂美琴を執拗に追い回してくる茶色い・・・・人? 正確には人型をしたチョコレート。
全長は2mぐらいで見た目はなんか寸胴なロボットみたいだ。 ドラム缶+ドラム缶+バケツみたいな容姿をしている。

少なくとも数分前まではチョコレートだった。 なんだかいきなり今のような状態に『変化』したのだけれど。
グォォォォ、と低いうめき声を上げてチョコレートは剣道の突きのように『ポッキー』を突き出してくる。
「ああ、もうウザイッ!」
「なんなんだろうなー。 いきなりチョコレートが光りだしたと思ったらコレだもんな、不思議不思議」
「なんでも不思議でかたづけるんじゃないわよッ! どうかんがえてもおかしいでしょ!」
そういって美琴は電撃をチョコレートへと叩きつけたが、電撃をマトモに喰らったチョコレートは一瞬だけ動きを止めたものの
数秒後に何事もなかったかのように再び動き出す。 まるで効いた様子が無い。 当然だ、だってチョコレートだもん。
 ちなみに上条達を包囲していたクラスメイト達も通行人達もとっくの昔に逃亡していた。 みんなトラブルは御免なのだ。 
「ちょっとアンタ。 その右手でちょちょいっとあれ殴って来なさいよ、多分壊れるわよ」
「あの『ポッキー』を掻い潜ってか? 冗談キッツイぜ、お嬢様―痛!」
「私ってば完全に巻き添えっぽいんだけど? アンタはそんなか弱い女の子を守ってくれたりしないわけ? へーそうですか・・・・
私なんて結局どうでもいいわけね〜、アンタにとってその程度に価値しか無い女なのね〜。
なんだかもうどうでもよくなっちゃったかなー・・・・五月病かしら、薙ぎ払っちゃおうかなー。 全力で。木っ端微塵に」
スカートのポケットからゲームセンターで使われるようなコインを取り出す美琴を見て上条が止めに入る。
ちなみにその間にもチョコレートの猛攻は続いてます。 (注)上条と美琴は会話しながらもしっかり回避行動をしてます。
「[超電磁砲](レールガン)とか物騒な手段はやめぃ!? あとそれ人が聞いたら激しく誤解しそうだ、なんか俺が
一方的に悪い人になってるし五月病関係ない。そもそもこのSSは2月14日が舞台だから5月関係無い!!」
上条の抗議に美琴はにっこりと笑って、
「じゃあアンタ突撃ね。 大丈夫、骨は拾ってあげるし、怪我したらお見舞いぐらいは行ってあげる。突撃軍歌でも歌ってあげようか?」
と言った。 
 神様、アンタどんだけ俺の事嫌いなんだよ、と上条は神様へ問いかけるが、当然答えは帰ってこない。
「姫・・・・拙者に死ねと申されるか・・・?」
「なんでそこで時代劇なのよ」
「御坂、どうか冷静に考えて欲しい・・・・・・
もしも、もしもだぞ、『あれ』で死んだら世界初『ポッキー』で撲殺された人間になるんだぞ!?
ギネスにだって乗っちまうっての!! そんな不名誉な死に方は断固御免こうむる!
っうかそうこういってるうちになんか二刀流っぽく鈍器増えてるし!やっぱり遠慮したいね、是非!」

222とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)6 ◆Oamxnad08k:2007/02/28(水) 22:30:40 ID:wlQej88k
増えた鈍器=なんだかトゲトゲの付いた鬼の金棒のような『お菓子』
「ああ、そういえばアーモンドクラッシュポッキーってあったわね、歯に挟まるのよねアレ」
「冷静に言うなぁぁぁ!! あとポッキーはノーマルが一番だぁぁ!」
「イチゴポッキーが一番に決まってるでしょうが! もうこっちくんな!茶色い物体め」
美琴がコインを左の手のひらへ乗せ狙いを定め、[超電磁砲](レールガン)を発射する。 手のひらから伸びたオレンジ色の光条は
チョコレートに突き刺さりあっさりと貫通し、その胴体部分にぽっかりと大きな穴を作った。
が。
チョコレートの目に当たる部分が怪しく赤く光るとグォォォォォと雄たけびを上げその手を天に伸ばす。
「あちゃ、もしかしてダメージになってないのかしら?」
「次あんた行け、みたいな顔をこっちに向けんじゃねぇよ・・・・俺は無能力者なんだっての、御坂センセーみたいに
レーザー撃てないんだっての。 いわば初期状態のビッグバイパーでノーミスクリア目指すような難易度だっての」
「レーザーじゃなくて[超電磁砲](レールガン)だっての、って移ったじゃないのその口調!」
美琴は上条のレーザー発言をきっちり訂正しながらチョコレートが薙ぎ倒した自販機に目を向けた。
チョコレートはズシンズシンと地響きを伴って前進してくる。 「仕方無いなぁ」と区切って
「んじゃ、次はこれで・・・・ヒョイっとね」
「ヲイヲイ・・・・最近のお嬢様は随分と物騒だな」
上条の呆れた声を無視して美琴は標的へと狙いを定めた。

ヒュン・・・ドゴォォォォォォォォン

 轟音が響いて広場に土煙が上がる。
「おお、派手だなぁカミやんと女の子。 なんか自販機持ち上げてぶつけたぜぃ、念動力かにゃ?」
「まあソレぐらいしないと止まらないだろうね、アレは」
(だからアレはなんだよ)
土御門の説明希望ビームに気づいたのかイチゴタルトを口に運んでいたインデックスが顔を上げ、すぐにイチゴタルトへと戻った。
「ヲイ、いい加減土御門さんにもわかるように説明してほしいぜい、禁書」
「その略し方あまり好きじゃないかも。 イチゴタルトの相手終わったらね」
要するに貴方の相手はまた後で、と。 どこの悪役の台詞だよそれ。
このシスター甘いものに目が無さ過ぎる・・・節制とか重んじたりしないんだろうか。 紅茶をお代わりしたステイルへ助け舟を求めるがヤツは
諦めろ、と言った視線を返してくるだけだ。 いい加減伝票がケーキで埋まりつつありそれも土御門の胃をきゅうきゅうと締め付ける。

223とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)6 ◆Oamxnad08k:2007/02/28(水) 22:31:25 ID:wlQej88k
 イチゴタルトを完食した白シスターが「ごちそうさまでした」とイギリス人の癖に流暢な日本語で満足そうな声を上げたのは
それからコーヒーを2杯お代わりできるぐらいの時間が経ってからであり。
その間広場ではオレンジ色の閃光が何度も打ち出され、轟音が響き、上条当麻の悲鳴も響く。
(カミやん・・・・今は、今は耐えるんだにゃー、でも女の子と一緒にピンチなんてなんかムカツク)
広場でチョコレートゴーレムと死闘を繰り広げる友人を心配しつつもどのような状況でもフラグを回収する体質をすこし羨んで
絶妙な表情を浮かべる土御門。
「さて、そろそろ説明しようか? なんか文章にしづらい表情してるけど大丈夫なのかな?」
「いや、構わないから始めちゃってくれだにゃー、土御門さんは義妹だけでお腹いっぱいなんだにゃー」
紅茶のカップで口元を隠したステイルがすっごい小声で「この義妹にメイド服着せて悶絶してる変態め」と呟いたが
土御門のサングラスがギラリと不穏な輝きを放ったので途端に目を逸らす。
「『告白儀式』(ハートトゥハート)はね、ある条件を満たすとね第二段階に移行するんだよ」
「第二段階?」
頷くインデックス。
インデックスは人差し指をぴーんと上に向けて説明を続ける。
「ある特定の誰かから『告白儀式』(ハートトゥハート)を通して贈られた物品を贈った本人の前で正式に受け取る意思を示すと
残りの贈られてきた物品を媒介にしたゴーレムを作成して強制的に残りの品の受け取りを要求するの」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
絶句する男二人。
『わからん』と声をそろえて言う。
「そう?結構判りやすいと思うんだけど、様は『嫉妬』と『羨望』を媒介にして要求を促すのかも」
ステイルが無言で差し出してくるオペラグラスを奪い取り、友人の姿を探す。
「なぁ禁書、その受け取りってのはどういう基準なんだ? 受け取るって言えばいいのか?」
オペラグラスのレンズを通して見る限り、チョコレートゴーレムはどうみても殺人的な衝撃を伴った攻撃を繰り出しているように
しか見えない。 もっともその攻撃も上条と一緒にいる美琴が迎撃したり上条自身が右手で防いだりしてるのだが。
[幻想殺し](イマジンブレイカー)に触れた『アーモンドクラッシュポッキー』はボロボロと崩れていき、手元まで砕けると
崩壊はそこで止まった。 どうやら『ポッキー』と本体は別物のようだ。
「食べ物の場合はやっぱり食べないと駄目なんじゃないかな」
食べる・・・・あれをか? アスファルト製の地面を容易く抉っても折れないあのチョコレート菓子をか?
「でも14日限定の魔術だからね、今日だけ凌げば問題ないよ」
「なんだと!? じゃあほっといても大丈夫なのかにゃ?」
「まあいま発生してるあのゴーレムは倒せばなんとかなるだろうね。 これ以上うかつに食べなければの話だけど
そしたら14日過ぎるまで大人しくしてれば解決かも」
 紅茶を啜るステイルもオペラグラスを覗く土御門も判っていた、もちろん得意げに話すインデックスにだって。
上条当麻に限ってそれだけは無いな、と。

224とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)6 ◆Oamxnad08k:2007/02/28(水) 22:32:07 ID:wlQej88k
「御坂、俺が防ぐから」
「え、あ、うん」
ごにょごにょ
回避行動しつつ器用に内緒話をする二人は顔を見合わせて頷くと二手に分かれて疾走した。
上条は猛ダッシュでチョコレートへ、美琴は後方に下がって距離を取る。
接近する上条を危険分子と認定してチョコレートゴーレムは迎撃を開始する。
 飛来するハート型のチョコレートに上条の右手が突き刺さり、チョコレートは粉々に砕けちって破片を撒き散らす。
頭蓋飛んでくるポッキースティックを裏券で粉砕し、足元から跳ね上がる鋭いパラソルチョコレートへと右手を振り下ろす。
上条の右手に触れた瞬間、そのどれもが只のチョコレートと化し、ことごとく茶色い欠片になる。
「これでどうだぁぁぁぁぁ!!」
美琴の裂帛の気合と共にチョコレートゴーレムを囲うように鉄パイプや鉄柱等の金属が地面へと突き刺さり、その光景は
さながら金属の檻といった感じだった。 続いて美琴の髪がバチンと青白いスパークを発し頭上へと電撃を発し、
「必殺!プラズマリーダーァァァ!」
美琴が叫んで指を金属の檻目掛けて振り下ろす。
途端に頭上に立ち込めた暗雲は電撃を吸い込みバチバチと放電し、眩い閃光が閃き。
続いて起こったバシンという音と共に雷雲が渦巻き、地面に突き刺さった鉄柱目掛けて天空より本物の雷が飛来した。
ドゴォォォン!
轟音が鳴り響き、空気が震える。 うっすらと目を開けて上条が口を開く。
「ここまでするか?普通」
「し、仕方ないじゃないの! アンタが突撃してくれないから私がやるしかなかったんでしょ」
焦げ臭い匂いとパチパチと帯電した空気が支配する空間で美琴と上条の声が響く。
避雷針さながら雷を受け止めた鉄骨やらの金属の檻は電子レンジのように機能したのだろう。
中に居たチョコレートのゴーレムは完全に溶けてとなんだか山型の塊へと姿を変えていた。

上条と美琴は互いに顔を見合わせるとうんうんと頷き両手を構えた。
そして上条が振り上げた両手を勢いよく振り下ろす。 
それを美琴が下から受けて「パン!」
今度は美琴が振り下ろした両手を上条が受けて「パン!」
でもって最後に向かい合って二人で「パン!」
二人はスポ根ドラマのワンシーンのようなノリで手と手を打ち合わせる。

『おっしゃー!俺たち(私達)は無敵だぁぁ!!』

225とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)6 ◆Oamxnad08k:2007/02/28(水) 22:32:54 ID:wlQej88k
なんだかテンションがハイになってる二人はぴょんぴょんと飛び跳ねながら叫んだ。
そして広場の有様を見て我に返る。
倒壊したベンチ、引っこ抜かれた時計台、薙ぎ倒された樹木、見るからに廃墟と化している。
その上ぼっこぼこになった自販機からは大量の缶ジュースが溢れ、微かに警告音まで聞こえる。
多分さっきの電撃が原因だろう、以前にも美琴が自販機に電撃を加えた結果同じような警告を聞いたことがある、
そのときは警備員が現れて大変な目にあった。 
つまり[警備員](アンチスキル)や[風紀委員](ジャッジメント) が押しかけてくるのは時間の問題ということだ。
 
「あちゃー、これってやばいかしら?」
「やばいかしら?、じゃねぇよ、どうかんがえてもいい様には見えんな」
上条は自分のと美琴の鞄を拾って空いた手で美琴の手を掴むと全力で駆け出した。
「ひゃ」
「なんか以前にもこんなことあった気がするぞ!!とにかく今は何も考えずに走れ!」
上条達が去った広場には自販機から聞こえる警告音だけが広場に響き渡るのだった。

次回に続くかもにゃー。第6話完



次回予告
「結局あのチョコレート、どうすんのよ・・・・食べるの?」
「御坂、食べ物で遊ぶのイクナイ―痛ッ!? グーでなぐんじゃねぇよ」
「やかましい、アンタが貰ったチョコレートでしょうが、アンタが責任を持って食べなさいよ」
「うう、勘弁してくださいよー・・・もうチョコレートは見るのもイヤです」
「気持ちはわからなくもないけど、それよりアンタ、ちゃんと私のメッセージカード読んだの?」
「読んでません!(きっぱり)」
「・・・・・・・・(無言で肩とか髪から青白いスパーク)」

次回は最終回
    とある空白の『告白儀式』(ハートトゥハート)

226とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)6 ◆Oamxnad08k:2007/02/28(水) 22:34:55 ID:wlQej88k
毎度拙い文章で申し訳ありません。
投下終了です。

227とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)6 ◆Oamxnad08k:2007/02/28(水) 22:41:33 ID:wlQej88k
>>224×頭蓋飛んでくるポッキースティックを裏券で粉砕し
○頭蓋目掛けて飛んでくるポッキースティックを裏券で粉砕し

脱字でした。

228■■■■:2007/02/28(水) 23:40:51 ID:npNw9S82
東鳩キター――!!
ぐっじょぶ!!
 
 
 
>「必殺!プラズマリーダーァァァ!」
 
>『おっしゃー!俺たち(私達)は無敵だぁぁ!!』
 
それにしてもこの御坂、ノリノリである。

229■■■■:2007/03/01(木) 00:09:20 ID:OykMJjao
GJ
とりあえずポッキー二刀流はワロタ。

230■■■■:2007/03/01(木) 22:40:26 ID:QojGrs96
>>219-226
お見事なのですが、一点だけ。
>>224の「裏券」は「裏拳」の誤変換ですよね?

231 ◆Oamxnad08k:2007/03/01(木) 23:00:54 ID:YLvUHcs.
>>228 美琴はノリノリである、きっと2月までにいくつかフラグが進展したんですよ。
>>229 でもその後すぐに粉砕>二刀流

>>230 (;゚д゚)ァ.... 誤字脱字だらけでスマソ
○裏拳→拳の甲で殴る
×裏券→なんかやらしい券、おそらく上条秘蔵の・・・・嘘です。

232■■■■:2007/03/03(土) 14:09:34 ID:CpvSz7iQ
GJ!!

こことは関係ない話だけど、上条が異世界でスパシンと出会い、
さらに別作品の世界へと旅立って、戦闘経験ばっちり!!
原作のびりびりとかの最強キャラだって、他の世界のキャラに
比べれば、なんともないぜ。ふはははは〜
おまけに、とある魔術の世界観を無視して、他作品の
世界観を優先させてる。
二次創作の恐ろしさを味わってしまった・・・・・・。

233とある風紀の活動日誌:2007/03/03(土) 16:04:46 ID:j6T/BRW6
第一話『愛猫家達』


ペタン・・・ぺタ・・・ペタン・・・ぺタ――――
薄暗い通路に、足音が響く。
通路の先には、光が溢れている。
その場所へと、あるものを手にして通路を抜ける。
そこには緑が広がっていた。

「ほら〜おまえら〜メシだぞメシ〜〜」
 その言葉に誘われて数匹の猫がやってきた。この病院の中庭で飼われている野良猫だ。ここの中庭は結構立派に造られていて、すぐ隣にある公園とほとんど同化している。その住民である猫たちは暇な入院患者たちへとえさをねだりに来るのが習慣となっているらしい。
「今日は豪勢に猫缶だぞ〜ウェットだぞ〜カツオエキスだぞ〜味わって喰えよ〜」
 まあ持ちつ持たれつって事だよな〜。こいつらのおかげで灰色の入院生活も薔薇色だし。
 缶の中身を皿にだし、早く食わせろーといっている猫たちの元へと置く。我先にと食いつく猫たちの微笑ましい姿を眺めながら、すぐそばにあるベンチに腰掛けた。
 それにしてもこいつ等もずいぶん懐いたもんだ、と首をさすりながら思う。そこには今回の入院の原因となった怪我がギプスで覆われている。もう何度目になるのだろう。すっかり慣れてしまった。入院生活もなかなか悪くは無いものだ。心を和ませてくれる猫はいるし、夏休みの宿題をサボる理由は出来るし、堂々と休息に身を浸すことが出来る。
「これでかわいい入院患者でもいれば完璧なんだけどな〜。」
 降り注ぐ太陽の光に目を細めつつ、そんなことをつぶやいてみた。




 ―――三日前。八月二十一日。
 学園都市は信じられない情報によって騒然となった。
     一方通行、あの学園都市最強が倒された。
     しかもあの能力不明のレベル0、旗男の手によって。
 これによって警備員と風紀委員は大忙しとなった。最強の称号を得んとした無能力武装集団がサバイバルゲームを開始したのだ。おかげで俺は町中を走り回る羽目になった。集会開いてる愉快な野郎どもを解散させたり、ぶっ飛ばしたり、説得したり、ぶっ飛ばしたり、ぶっ飛ばされたり、ぶっ飛ばしたりした。
 そう、俺は風紀委員を務めている。ごく普通の高校に通うそこそこ普通の高校生、黒山大助16歳。そこにちょっとした華を持たせる風紀委員という肩書き。その仕事内容は主に各学校内で起こるトラブルを解決するというものだが、俺は更に別の肩書きも持ち合わせている。
 第7学区風紀機動員。簡単に言ってしまうと、喧嘩に強い風紀委員というとこだ。
 風紀委員になるためには適性試験などいろいろと面倒くさいテストをクリアしなければならない。しかし試されるのはあくまで適性だ。それに合格すればあとは訓練を受けることで緑に白いラインの入ったワッペン、風紀委員の証を得ることが出来る。そういうわけで風紀委員は皆が皆不良どもを蹴散らすことが出来るわけではない。そこで警備員と共に現場へと赴くのが風紀機動員である。
 まあ、実際には警備員のパシリなんだけど。
 現に三日前起こった騒動では同僚のテレポーテーターと共に女警備員にこき使われた。じゃんじゃん言いながら命令するその顔へ拳を向けなかった自分を褒めてやりたいぐらいだ。そうやって徹夜で走りまわったおかげで、事態は一応落ち付いた。



人の気配に、目を覚ました。どうやら少し寝ていたらしい。見ると、誰かが自分の持ってきた皿に新たな猫缶を盛っている。
その背中は、どうやら14,5歳の少女のようだった。
彼女は猫缶を盛り付け終えると、少しはなれて猫たちの様子を伺った。
入院服を着ている。そのせいか、やけに儚い印象を受ける。
その姿に、声をかけていた。
何故だったのだろう。
自分でも意識しないうちに、
しかし、声はするりと出てきた。

「猫、好きなのか?」
少女がピクリと反応し、こちらを振り返る。
栗色の髪が揺れる。
整った顔がこちらに向く。
そして、形の良い目がこちらを捉えた。

「はい、好きですとミサカは簡潔に答えます」

それがすべての始まりだった。ミサカ10039号とかいうフシギ少女と初めて出会った俺は、この先に待っているものなど考えてもいなかった。

234233:2007/03/03(土) 16:10:25 ID:j6T/BRW6
※主人公はオリキャラです
※風紀機動員という設定を組み込んでいます
※ミサカ10039号はもらっていきます

235■■■■:2007/03/03(土) 17:59:59 ID:7uS.Z.hs
>232
よくあることだ。寧ろまだマシっつーかそれくらいならある意味王道。
ナデシコやエヴァの二次創作なんかもうね、原作読んでないって公言とか設定だけでお腹いっぱいとか掃いて捨てるほどあって…
シンジ『我が名はダークメサイア…』とか。いやすまん板違いか。エヴァ板最低スレとか覗いてみるといいよ。

236■■■■:2007/03/03(土) 18:03:03 ID:tOpM0eKk
えっと、ちょっと今更なんですが、
前スレにあった「彼女にとってはスペシャルな週末」は、もう投稿しないのですか?
私としては、続きが見たいのですが……駄目でしょうか?
できれば、続きをお願いします!!

で、また我侭で申し訳ないのですが……
上条×神裂、または、上条×吹寄、を誰か、書いてはくれませんでしょうか。
できれば、でいいので、誰かお願いします!


でも、やっぱり自分で書こうかな……
では!

237■■■■:2007/03/03(土) 18:14:48 ID:XH1uCG2c
>>234
せめて10039号を幸せにな。

>>232
それ、なんて堕天使の作品?

238■■■■:2007/03/03(土) 19:16:10 ID:354rUu4U
>>232 >>235
あぁ、もう世界観というか、最強になれれば何でも良いや的な展開の作品類か。
最強系はなんだか主人公の心理描写とかが妙な方向に行きがちだからなぁ……。
作風がきっちりしてれば面白いのもあるんだが。

>>234
いいじゃないか、ラブコメ!10039号か!10039号なのか!?このいやしんぼうめっ!

239とある三月の雛あそび:2007/03/03(土) 19:33:30 ID:4Hivoinw
とある三月の雛あそび

「あ、あのっ」

 人影が少ないランベス区のある通りに、声が響く。
 声をかけられた人物、赤く染めた長髪の神父が振り向くと、わりと小柄な女性がそこに立っていた。
 二重まぶたが印象的な、なかなか可愛らしい少女である。

「何か?」
 神父が咥え煙草を揺らしながら答えると、
「とっ、突然すいません! あのっ、ステイル=マグヌスさんですよねっ!」
 緊張した面持ちで少女が言う。
 その、名前。
 少女の語る言葉に対し、目を細めながら口を開く。
「失礼だが、人違いでは?」
 無論、瞬時に発動できるよう術式は待機させたまま、さり気なく袖口のルーンのカードに手をやって答える。
「あっ、すっ、すいません! わたし、天草式にいる者ですっ!」
 ステイルと呼ばれた男の様子に気づいた少女が慌てて自分の身を明かす。
 それを聞いたステイルは緊張をやや緩めながらそれでも訝しげに問う。
「何か御用が?」
 己が属する『必要悪の教会(ネセサリウス)』の傘下にあるとはいえ、微妙な関係にある天草式のメンバーとは、
それほど交流がある訳では無い。
 それでも、英国紳士の一員としてレディに対する最低限の礼儀は弁えるようにする。
「こっ、これをっ」
 そんな彼に対して、少女はポケットから小さな包みを取り出すとおずおずと差し出した。
「………」
 差し出されたそれを前に、ステイルの動きがしばし固まる。
 ややあって、
「いや、その、ぼくは、こういうことは……」
 しどろもどろな答えをするステイルに対して、少女が慌てて語る。
「あ、いえっ、これ、あなたにじゃなくてですね……」
 言われたステイル、内心では安心したのかがっかりしたのか複雑な気分だが、そこはそれ、英国紳士の一
員として接する。
「学園都市に行かれるって聞いたので、これを届けて欲しいんです」
「………」
 自分の受けた任務が協力関係にあるとはいえ、外部に漏れていることに対して色々と言いたい事はあるが、
「まあ、いいだろう、どのみちついでだからね」
「ありがとうございます!」
「で、誰に渡せばいいんだい? あと、一応中身の確認をさせて貰ってもいいかな?」
 その問いに、少女は顔を赤らめてもじもじしながら答える。
「あ、中身はお守りみたいなものです。届け先は、上条当麻という方に……」
 少女の反応と相手の名前を聞いたステイルの胸中に様々な感情が浮かんでくるが、英国紳士の(以下略)
「分かった中身の確認はもう結構だこれは確実に彼に届けようああ中身が何であろうと構いはしないさむしろ
僕としては奴が日頃の振舞いを思い返すようなものだといい位だがね」
 言うと素早く少女から包みを受け取ると返答も待たずに立ち去っていく。
 ………いや、英国紳士として振舞えてませんよステイルさん?

 預かった包みを懐にしまいながら歩いていると、後ろのほうで『どうでしたか五和?』『彼はちゃんと届けてく
れるんでしょうか?』『まあ後は無事に受け取ってもらえればいいだけですし』『チョコのときは芳しくなかったで
すがこれはあくまで保険ですしね』『いやいやこんなまどろっこしいことをしていないでもっと直接的にいくべき
では?』などという声が聞こえてくるような気もしたがまあ気のせいだろう。

 そう、自分はあくまで英国紳士として振舞うだけである。
 預かった荷物は確かに学園都市にいる少年に届けよう。
 まあ、その後で炎剣の一本や二本くらいは叩き込まないとこの気分は収まらないだろうが。
「ふ、ふふふ、待っていろよ上条当麻。学園都市に行く楽しみが一つ増えた気分だよ」
 昏い笑みを浮かべながらステイルは空港への道を歩いていく。

 まあ、その後学園都市に降り立ったステイルが上条に対して渾身の力で炎剣を叩き込もうとするも、持たさ
れていた包みの中にあった人形(デフォルトにデザインされた上条に似たもの)が突如上条への攻撃を全て防
ぎ、しかし驚くステイルの前でその人形に右手で触れたために人形に掛けられていた厄災除けの効果が消え
去り、ステイルからの攻撃は自分には届かないとたかをくくっていた上条が『魔女狩りの王(イノケンテイウス)』に追
いかけ回される羽目に合ったりするのは別の話しであるとか無いとか。

24001-641:2007/03/03(土) 19:40:44 ID:4Hivoinw
どうも。流れも読まずに勝手に投下しました。元ネタは雛祭りの起源から。
元々は雅なお遊びだったそうな。

>>220-225 美琴はっちゃけてますなぁ。
>>233   こういう作品ももっと読みたいと思います。
お二方に GJ!!

241■■■■:2007/03/04(日) 00:38:36 ID:001wzeg2
》239
GJデスよ!!
》233
『ミサカ10039号はもらっていきます』というのを見てなんだかやりきれない思いが…なんとなく気に入らない……続きは気になるが………だが……うぁぁァァ……ミサカ10039号ぅぉぉ………(ToT)

242■■■■:2007/03/04(日) 01:23:09 ID:Q1xxQHfg
>>241
泣くな。
ミサカ10039号がそこに幸せを見つけたなら俺達に口出しする権利は無いのだ。

>>233
正直オリキャラ主人公ものは好きじゃないが、これくらいのクオリティが
あれば素直にGJと言える。頑張ってくれ。

243■■■■:2007/03/04(日) 02:36:06 ID:001wzeg2
そうですね……ミサカ10039号が幸せならば……もし…もし幸せにナラナカッタラ……く、ククく、…あの野郎をブッ殺シテヤル…跡形モ無クブッ殺シテヤルゼェ !!ウオオオォォォォ!!!

244 ◆Oamxnad08k:2007/03/04(日) 13:08:08 ID:NLz8TNb.
>>239 雛祭りネタですねーGJ
自分も『告白儀式』(ハートトゥハート)最終話を適当に投下して話を消化しようと思います。

245とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)7話 ◆Oamxnad08k:2007/03/04(日) 13:14:38 ID:NLz8TNb.
前回までのあらすじ
2月14日に上条当麻を襲った大魔術『告白儀式』(ハートトゥハート)の猛威。
その一旦であるチョコレートゴーレムを上条当麻と御坂美琴は辛くも撃破する。
しかしその代償は大きく(自販機一台、広場周辺の公共物多数破損、ベンチの破壊は青髪ピアス)
上条達は逃亡を余儀なくされた。
逃亡にかこつけて美琴の強引スキルが発動しそのまま地下街お買い物ツアーへと移行。
門限が近くなり美琴と分かれた上条が学生寮に付いたとき再び話が始まった。

246とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)7話 ◆Oamxnad08k:2007/03/04(日) 13:15:04 ID:NLz8TNb.
□とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート) 最終話 とある空白の『告白儀式』(ハートトゥハート)

時刻は14日の7時過ぎ
上条はようやく自分の部屋がある学生寮まで戻ってこれた。
それまで逃走ついでに
がちゃり、目の前のドアが開いた。 上条が開けたわけでは無い。そもそもドアノブに触れてさえいない。
だとしたら念動力に目覚めたか? 違う上条当麻は正真正銘の無能力者(レベル0)だ。血管が破裂するほど集中しても
胃袋が破裂するほどの錠剤を飲んでもスプーン一本曲げることは出来ない。
 いぶかしむような目を向ける上条の前に一人に少女が部屋の中から姿を現した。  
ショートカットの黒い髪の毛と二重瞼が印象的な細身の女の子。 
「い、五和!?」
自分の名前が呼ばれたのでその二重瞼の瞳を大きく輝かせて五和と呼ばれた少女は満面の笑顔で元気よく答えた。
「はい、アナタのスイートエンジェル、天草式の五和です、名前覚えていてくださったんですね、感激ですね」
呆気に取られる上条の後ろに回りこんだ彼女は強引に背中を押して部屋の中へと上条を押し込む。
「ちょ、ちょっと、なんで五和がここに?」
「まぁまぁ、いいじゃないですか、細かい事はどうでも、それよろ早く中へどうぞ」
「良くないって!? 俺の場合命の危険ってものが伴うんだってば、特に可愛い女の子が関わると特に」
可愛い、という所で「もぅ、やだなぁ」と上条の背中をバンバンと叩く五和。
 そして何より驚いたのは上条の部屋だったはずの空間の変わりようだった。
「なんだコレ・・・」
朝出るときには布団すら隅っこに蹴っ飛ばしただけの乱雑な空間だったのだが、キチンと部屋が片付いていた。
そのうえ部屋の中央に置かれたちゃぶ台にはおいしそうな匂いをさせる料理が並べられている。 和風の肉じゃがを中心にした家庭料理。
「これ、五和が?」
料理を指差して後ろで両手を組んでもじもじする彼女へと言葉を投げると少女は、
「ご迷惑でしたか・・・・?」
上目遣いで申し訳無さそうにうつむき、消え入るような言葉を返して来た。
 その質問は卑怯だ――。と心の中で叫んだ上条の頭に3つの選択肢が浮かんだ。
1、ほめる
2、頭を撫でる
3、お礼を言う
誰だよ、この選択肢用意したヤツ、っていっつもこんな展開な気がするのは気のせいですね、そうですね、では3番で、と2秒ぐらいで
上条は男として重大な選択をした。 
「い、いや、ちょっとビックリしただけだ、ありがとうな」
そう告げると少女はびっくりしたような顔をした。 あれ?選択肢間違えたっけ――。
 五和はわなわなと全身を震わせた後に突然何も無い虚空から花を降らし、どこからともなく降り注ぐスポットライトの光の中でくるくると
ビールマンスピンを披露し全身で喜びを表現した。 どうやら3番でも良かったらしい。

247とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)7話 ◆Oamxnad08k:2007/03/04(日) 13:15:36 ID:NLz8TNb.
 
「おかわり」
上条が差し出すお椀を嬉しそうに受け取る五和。 るんるん♪と鼻歌を口ずさんで電子ジャーからご飯をよそう。
(あー、よかった来て本当に良かった! 恋は・・・・積極的に)
上条へお椀を渡した後に隠れて彼女はガッツポーズを繰り出す。 ちゃぶ台で山盛りのご飯を食べる上条の姿を両肘を突いて楽しそうに
見守り、にっこりとした笑顔を向けて
「おいしいですか?」
と聞く。
間髪入れずに「うまいぞ」と返してくれるのを期待して目を閉じ、言葉を待つ五和。
「ええ、非常に美味ですね・・・・私にもお代わりをください五和」
はっ? 少女の耳に女性特有の高い声が聞こえた。 その声は口調こそ静かだが目を閉じたままの彼女へビシビシと伝わる気配は、
なんていうか敵意? いやもはや殺気に近い。 ああ、なんかいまものすっごく目開けたくない――。
このまま時間が止まってしまえばいいのに――いやマジで。 五和の可愛らしい顔にだらだらと脂汗が流れる。
「か、上条さん、ず、随分と声が高くなりましたね、五和ちょっとびっくりです」
(ちょ、短いな私のイベント! せめて夕食のシーンぐらい)
あくまでも目を閉じたまま側にいるはずの上条当麻へと助けを求める。
「なるほど、そう来ますか・・・・五和、とりあえずご飯のお代わりを所望します」
お願い、上条さんヘルプミー――。 目を閉じたまま耳に手を当てて五和は切実に少年の声を期待する。
「神ざッ痛!?―」
禁止用語を言おうと口を開いた愛しの少年へすばやく取り出した海軍用船上槍(フリウリスピア) の石突の方でごつーん☆と
突っ込みを入れてみる。 その言葉は言っちゃ駄目です――。
「大丈夫ですか上条当麻、絵的にすごく痛そうだったのですが、ここですか?」
「ちょっとそこ違う!?」
(ナッ!大誤算ですかー!? 私とした事が・・・・)
このままあの人物を無視し続けると彼とのどきどき夕食イベントが一変してしまうことだけは間違いない! このままいっても鮮血エンドっぽい
のも確かではあるが、それでも女教皇ツンデレイベントよりは100倍マシ!と五和は全力で深呼吸して怯える心とくじける精神を必死に奮い立たせた。
(逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ・・・・駄目だッ!!)

248とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)7話 ◆Oamxnad08k:2007/03/04(日) 13:15:58 ID:NLz8TNb.
 ズサッと勢いよく立ち上がりその人物へビシィと指を突きつけ、五和は、
「なんでアナタがここに居られるのですかぁぁ! 今頃、イギリスの必要悪の教会(ネセサリウス)に居るはずでは無いのでしたか!?」
上条当麻の隣で彼の頭を引き寄せてたんこぶを探すポニーテールの美女に激しい疑問に満ちた言葉を投げる。
「五和・・・・・・、まさかアナタがここに居るとは少々意外でしたが、上条当麻のフラグ体質を考慮に入れれば。
なるほど、そう不思議なことでも無かったですね。
 とりあえず、久しぶりです、こんばんわ、元気にしてましたか?」
おかげ様でこんなに元気いっぱいです!、ええおかげ様でね、っていうか人のイベント中に割り込まないでください――。 
その言葉を呑み込んで五和は別の言葉を用意する。 
「ご無沙汰しております女教皇(プリエステス)、でも疑問文を疑問文で返さないで欲しかったりもします」
ビィィィ、バチバチバチ――。 五和と神裂火織の間に見えない電撃が奔りその中間で激しいスパークを放った。
 山盛りのご飯が盛られた上条当麻がおろおろとして二人の間を右往左往しているのはこの場合何の解決にもなっていない。
「コレは失礼しました。 ですが位が上の私に指を指すのはちょっとした背信行為なのではありませんか?天草式十字清教の五和」
「普段なら確かに許される行為ではないでしょう・・・・しかし今、この空間では私のイベントの優先度の方が上です!」
ジャキン、と長大な海軍用船上槍(フリウリスピア) の穂先を神裂火織へと向けビシッと左半身へと構える。
その二重瞼の奥の瞳は激しく燃え上がる炎の輝きを放っていた。 徹底抗戦だ――、とでも言わんばかりに。
「お、おい五和、神裂に敵うわけないだろ、怪我するからやめとけって」
止めに入る上条を横に立った神裂が右手で制して五和へと向き直った。
「聖人たる私に挑むと言うのですか五和、その度胸は買いますが、いかんせん無謀といわざるをえませんよ」
「この戦い、いずれ避けては通れない道なれば、この身が砕けるまで、この心が折れるまで、この命尽きるまで戦うまでです!
 女の子には負けると分かっていても逃げちゃいけない時と意地ってものがあるんですッ。」
 「ならば、私もそれ相応の力で答えなければ失礼というものですねッ、本当はイギリスで遺跡の調査していただけなのですが」
ポニテのサムライガールは五和と対峙し腰に下げた令刀の柄へ手を掛ける。
じり、時間が引き延ばされるかのように緊張した空気が張り詰めた瞬間、
「はぁ、汗かいたからシャワーでも・・・・・あれ?お湯でない・・・・アンタ!なんでこんなとこに、っていうか見るなァァ」
そんな台詞とともに突然上条の前に現れた素っ裸の茶髪の女の子が現れ、上条の視線に気づいた彼女に思いっきり電撃を喰らって上条が腰を抜かす。
電撃自体は右手で防御できたみたいだがその顔は、なんだかよくわからないんですけど?と言いたそうだ、彼は両手をバタバタとさせ風呂場へ向かい
ダッシュで大きめのバスタオルを一枚持って部屋に戻ってきて両手で胸とか隠して背を向ける女の子にバスタオルを差し出す。
「(なんか・・・むかつきます、ていうかあの子誰ですか)」
「(五和、アナタもですか。奇遇ですね、私も少々気に入りません)」
その様子の一部始終を見ていた二人は桃色の空気に少し驚きつつ
意見の一致を見て、とりあえず腹いせに海軍用船上槍(フリウリスピア)と七天七刀(しちてんしちとう) の鞘で上条の頭にお仕置きしておく。
『せーの』
ゴツーン☆
「痛ッ!?、なに、なんでいきなり仲良くなってんのオマエら?あと美琴、お前なんて格好で―痛ッ!殴んじゃねぇよ、あとなんかお前体濡れてないか」
「部屋のシャワーで汗流してたはずなのに、なんでアンタは! 覗きとかが趣味だったのか、この変態!」
「覗いてネェ!! 大体ここは俺の部屋だっての!」
「責任取れぇぇぇぇ!!うわーん」
彼の質問は黙殺してい2人の視線はバスタオルを胸に巻いて半泣きになっている茶髪の少女へと注がれる。
14歳ぐらいの女の子、まだまだ発展途上の肉体だが切れ長の目とのバランスは充分に危険分子だ。
「貴方はどなたですか?」と二つの口がそう告げようとした瞬間に空間が軋んで一斉に魔方陣が展開し上条当麻の部屋を眩い光が支配した。

249とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)7話 ◆Oamxnad08k:2007/03/04(日) 13:16:45 ID:NLz8TNb.
一方その頃のステイルと土御門
 「それ渡さなくてもよかったのかい?インデックス、ッ!?土御門!あの子が居ない!」
赤い髪の魔術師が傍らを歩くはずの少女へと視線を投げ、驚愕に目を見開く。
「なんだと! まさかどこかの屋台にでも・・・・・迂闊だったぜぃ、どこもかしこもチョコレート系の屋台がひしめくこの時期の学園都市に
あの腹ペコシスターを連れてくるのはデンジャーだったな」
喫茶店を出てしばらくは一緒だったというのに、ちょっと目を離した途端まるで神隠しのように彼女の姿が消えてしまった。
ここは学園都市、魔術サイドの秘密兵器ともいえる彼女がうろつくには少々まずい場所だ。
「とにかく探すぞ、僕はこっち、キミはあっちだ」
「おう」
夕日が落ちた街へと再び駆け戻る二人の魔術師の姿が月明かりに照らされた。

一方その頃の常盤台中学女子寮
 「御坂は居ないのか? 寮には戻っていると記録されているが、もし無断外出なら連帯責任で減点1とみなすが」
咎めるような口調で寮監が白井黒子へそんなことを告げる。 
「いえいえ、きっとお姉様は何か理由がおありなのですわ、本当に急用なら外出届けを書いてる時間など無いはずですもの。
私はお姉様を信じてますのでその減点を受け取ることは出来ませんわ」
しかし彼女も負けずと言い返す。 寮監は御坂が戻ってきたら理由を説明するように伝えろ、とだけ告げると一応減点は保留にしてもらえたようだ。
(お姉様、一体どこへいかれたんですの、なんでバスルームのシャワーが出しっぱなしで脱衣所にキチンと畳まれたお姉様の制服が・・・・
ミステリーですわ、とりあえず(自主規制)ですわね)
寮監が去ったドアの向こうを見ながら白井黒子は静かにドアを閉めた。

一方その頃の黄泉川愛穂の教員用4LDKマンション
「ねぇねぇ、起きて、起きて、起きて欲しい、とミサカはミサカは懸命にアナタの体を揺さぶってみたり」
「んぁ」
「んぁ、じゃなくて起きて欲しいから早く起きろ、ミサカはミサカはアナタの鼻と口をそっと塞いで見たり」
ぎゅ、ソファーで眠る白い少年の顔色がみるみる悪くなり、10秒程経過した後に彼は飛び起きた。
「わー、任務成功ー、ミサカはミサカは大口を開けたアナタの口にすかさず例のモノを放り込んでみたり」
小さな茶色い物体が高速で白い少年の口に放り込まれ、ごっくん、と少年の喉が動いた。
「テメェ、何しやがる!」
「わーい、ミサカのチョコレートをアナタに食べさせる作戦大成功☆、これで二人は永遠に・・・・ぴと、ミサカはミサカはアナタの右手で
癒し系マスコットになってみたり」
少年は無言で[打ち止め](ラストオーダー)がまとわり付いた右手をブンブンと振り回す。 ブンブン、ブンブン。
「激しい上下運動に込められたアナタの愛情の裏返しが・・・はわぁぁ、ミサカはミサカはちょっと気持ち悪くなってきたり」
[打ち止め](ラストオーダー)の言葉を遮る様に一方通行の腕の速度が跳ね上がる。 
「フンフンフンフン!!だァァァ!はなれろォォォ!」
「だが断る、ミサカはミサカはァァァァ――」

一方その頃の必要悪の教会(ネセサリウス)女子寮
 「シスター・オルソラー、シスター・アニェーゼ、居られませんかー?」
誰も居ない礼拝堂に少女の声が響いた。 そばかすまじりの顔をきょろきょろと動かして礼拝堂を歩く少女。
「シスター・アンジェレネ、お二人は見つかりましたか?」
「いえ、どこにも居られませんね、調査に向かった遺跡から神裂さんの連絡が途絶えたっていうから応援を送ることになってたるんですが・・・」
「ステイルと土御門、それに禁書目録も今は日本だから、こういう事態にはあの方たちが打ってつけなんですが、仕方ありません、ロビーで
寝転がってるゴスロリをたたき起こして我々だけで向かうとしましょう」
「うぇぇ、せめてもっといっぱいで行きません? 遺跡の調査なんて恐いですよぅ、ほら神裂さんですら」
「まだそうと決まったわけではありません、彼女達の無事は主に祈っておきましょう。 ほら十字を切りなさい」
「やっぱり遺跡とかはいやですぅぅぅぅ!!」

250とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)7話 ◆Oamxnad08k:2007/03/04(日) 13:17:41 ID:NLz8TNb.

 光が収まった後上条当麻の真上からいろいろと降ってきた。 女の子とか女の子とか女の子とか。
「むぎゅ」
あえなく潰れる上条当麻。 横でバスタオルを押さえる美琴、呆れた顔でその光景を見つめる五和&神裂。
「ここはどこ。なんか見覚えある」
「上条当麻!貴様、何をしたの!、なんで裸の女の子とかエプロンの子とか諸々いっぱい居るの!」
「おや、ここはどこなのでしょう・・・・・・ミサカは自室のキッチンに居たはずなのですが、とミサカは突如変わった環境にも
動じず情報を収集します ムムム、半泣きでバスタオル一枚というお姉様を発見、さらにその横でうろたえる貴方も発見、ミサカは貴方に
400字詰め原稿用紙2枚に収まるように纏めた簡潔かつ明瞭な事態の説明を求めます」
「さぁて今日のケーキはおいしく・・・・あら?テーブルがちゃぶ台に・・・・」
「主よ感謝致します、アーメンってここどこ? なんで貴方がイギリスの礼拝堂に!?」
そして最後に一際大きな光が部屋の外に展開しドスンと音をさせる。ベランダの方からだった。 
上条が人間タワーから全力で脱出してガラガラッと窓を開けると冷たい夜風が部屋に入ってきた。
ベランダに白いものが引っかかっている、「あうー」シーツが喋った。
よく見るとベランダの手すりに引っかかった白い服の少女は白い修道服を着た14、5歳ぐらいの女の子だった。
その肩口から零れた銀髪が部屋の蛍光灯を反射して輝く。 おっかなびっくりで上条が白い少女に声をかけた。
「おい、大丈夫か?とりあえずベランダで遊ぶのは危ないから一旦こっちに―」
「このシチュエーション・・・・あははは、そっか、なかなか面白い魔術だね『告白儀式』(ハートトゥハート)。 この展開に免じて流されてあげるのも
よいかも、想いの籠もった『物』ってのは『者』でも可能なんだね」
訳が分からない――。 白い少女は上条の顔を見ると「じゃあもう一回やろうかトウマ、多分忘れてるんだろうけど」とかいって楽しそうに笑っている。
トウマ・・・・なんだか懐かしい呼び方。 いつだったかこんな風に呼ばれたことがあったような気がする。
「お前、いつだか病院に居た外国の女の子・・・・」
上条当麻が記憶を失った日、最初に会った少女、あれから随分と経ってるが間違いない。 銀髪の少女と自分は一度会っている。
『記憶を失う前の上条当麻』と面識が会ったと少女はあの時言っていた。 命を懸けて自分を助けてくれた、とも。
 あの時少女に上条が言えたのは「ごめん」と言う謝罪の言葉と、「覚えていない」という残酷な事実だけ。
部屋の中の五和と神裂とアニェーゼ、オルソラは少女と面識があるらしく事態を見守っている。
吹寄、姫神、美琴、御坂妹の4人はちょっと事態を飲み込みかねるような表情で静観していた。
「トウマ、もう一回声を掛けて欲しいかも、あの時みたいに」
あの時がどの時なのかが上条には分からなかったが言われるままに上条は少女へ声を掛けた。
「おい、大丈夫か―」と。

251とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)7話 ◆Oamxnad08k:2007/03/04(日) 13:18:08 ID:NLz8TNb.
「ちょっと台詞違うけどまあいいや・・・・おなかへった」
「・・・・・・・・・・」
上条だけではない、部屋に居る全員が同じ顔をしている。
「おなかへった」
構わずに少女は続けた。
「・・・・・・・・・・」
「おなかへった」
何か反応しないと終わらないらしい。
「・・・・・・・・・・」
「おなかへったって言ってるんだよ」
まるで対応に困る上条を見て楽しむように次々と言葉が続く。 といってもさっきから「おなかへった」しか言ってないけど。
「倒れ死にとも言う」
困った上条がとりあえず一番近くに居た五和に視線を向けて助けを求めるが彼女は柔らかそうなほっぺたをぽりぽりと掻いてあさっての方へと
向いてしまう。 言葉にするなら、こ、困りましたね――。といったところか。
「お腹いっぱい食べさせてくれるとうれしいな」
上条はとりあえず部屋のちゃぶ台の上に置かれた料理を指し示し、五和が「がーん」と自分の感情をダイレクトに言葉で表現し
オルソラは手に持った焼きたてのケーキをちゃぶ台に置いた。 
「あははは、今回は用意してあるんだね、じゃあ、お邪魔します、だっけこの国のあいさつって?」
ベランダの手すりに乗った体をひょいっと持ち上げて銀髪の少女は上条の隣まで歩いてきて上条に小さな四角い箱を手渡す。
「なんだこれ?」
「ちょこれーと、イギリスのお土産だよ」
「腹へったんならコレ食えば良かったんじゃ・・・・痛ッ!?いたたたたたた」
「相変わらずトウマは無神経だね、それ以上言うとカミクダクよ」
上条が小さな箱を開けてみると小さなハート型のチョコレートが10個ぐらい。なにげなくつまんで口に運んでみる。
銀髪のシスターがそれを見て、「あっ、やっば」みたいな表情を浮かべる。
「うまいぞ、結構」
「やっぱトウマは変わってないね」
なんだか嬉しそうに笑う上条と銀髪の少女の笑い声が学生寮に響いた。


『告白儀式』(ハートトゥハート) おしまい

252とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)7話 ◆Oamxnad08k:2007/03/04(日) 13:26:08 ID:NLz8TNb.
ちなみに

10分後――。
笑い声が満ちたほんわか空間を突き破り、チョコレートゴーレムが上条当麻の部屋の冷蔵庫から大量発生する事態が発生。
上条当麻とその部屋に居た全員はそのゴーレムにひたすら追い回され、学園都市の公共物はその日の被害だけでも5万件を越えたとかなんとか。
「あッ!ステイルに土御門! てめえら、何か俺に隠してるだろ! オマエラが揃ってここに居る時ってのは大抵ろくでもない事態が起こるって
上条当麻的な相場が決まってるんだよッ!」
「カミや〜ん、そいつは言いがかりってもんだぜぃ。この親友を信じられないのかにゃ〜? よーく目を見て欲しいにゃ〜」
「そう言う台詞はサングラス取ってから言えぇぇ!!」
「わ、わわわ!カミやんこっちくんな(ry」
「まちたま―この(ry」
被害は14日未明まで断続的に発生しており、オレンジ色の光条、ワイヤーのようなもので切断されたポール等一連の事件と関係が深そうな
破壊跡も発見されている。 

 なお事件に巻き込まれたと思われる金髪の少年と赤い髪の少年が何者かに吹っ飛ばされるような映像も記録されているが強力な電磁波の影響で
映像に乱れが生じているため人物の判別は難しい。

253とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)7話 ◆Oamxnad08k:2007/03/04(日) 13:27:41 ID:NLz8TNb.
これにて とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)を閉幕とさせていただきます。

お付き合いありがとうございました。

254■■■■:2007/03/04(日) 13:39:13 ID:6cwN5wnw
東鳩の人ぐっじょぶでした〜っ!
連載完結お疲れ様です!
 
 
 
次回作にも期待してよかですか?

255とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)7話 ◆Oamxnad08k:2007/03/04(日) 13:41:24 ID:NLz8TNb.
>>250×ベランダに白いものが引っかかっている、「あうー」シーツが喋った。
よく見るとベランダの手すりに引っかかった白い服の少女は白い修道服を着た14、5歳ぐらいの女の子だった。

○ベランダに白いものが引っかかっている、シーツ?「あうー」シーツが喋った。いやシーツじゃない。
よく見るとベランダの手すりに引っかかった白い服の少女。白い修道服を着た14、5歳ぐらいの女の子だった。

修正漏れ発見してしまいました。 
申し訳ない。

256とある世界の『空白少女』(ブランクガール)予告 ◆Oamxnad08k:2007/03/04(日) 14:08:16 ID:NLz8TNb.
>>254
次回作・・・・・こんなのでよければ

12月23日 
クリスマスを間近に控えた学園都市で上条当麻は意外な人物からのモーニングコールで目を覚ます。
寝ぼけた上条当麻が通話と間違えて通話終了ボタンを・・・・・
『切るなァァァ!!』

以下ダイジェストでお読みください。


「ピーターパンからティンカーベルへ、ウェンディを確保した」
「ぴーたーぱん・・・・そのサングラスとガタイじゃせいぜいフック船長ってとこだね、もしかして役に酔ってるのかい?」
明け方の街で謎の黒づくめの男達と出会う記憶喪失の少女。

「行儀、わるいわよ、二人とも」
「ニンジンだけより分けるんじャネェよ、ニンジン食え、ニンジン。 カリカリと生のままかじッてろ!」
「だが断る、とミサカはミサカは奇妙な冒険が好きな某人気漫画家の先生の真似とかしてみたりする」
優雅な朝食をぶち壊すわんぱくなお子様と最強の能力者

「キミが私の名前付けてよ、ねッ、いいでしょ?」
「何言ってやがる、犬や猫じゃないんだからそんなにホイホイとつけれるわけ・・・んじゃ『うまいぼう』か『ティッシュ』」
「ぶー、それどっちも人の名前じゃないのさー、もっと可愛い名前希望ー☆」
クリスマスパレード用の買い物に来た上条当麻と邂逅する少女A

トントントントン!!
「前が見えネェ!?」
「ちょ、アンタなんで泣いてるの・・・・・ああ、あれか・・・反射させなさいよ、タマネギ」
結標淡希のニンジンカレー教室で打倒[打ち止め](ラストオーダー)の為燃える一方通行。

「白井さん、白井さん、行方不明の[風紀委員](ジャッジメント) のお話聞かれました?」
「知りませんわよ、いつの話ですの?」
「はい、23日未明の事です長点上機学園の[風紀委員](ジャッジメント) 假名垣 皐月(かながき めい)さんが連絡を断ってるんですよー」
「5本指の長点上機学園ですの?」
「ええ、そうなんです、能力はたしか―大能力者(レベル4)だったかな」

魔術の魔の字すら出てこない科学オンリーのSS
とある世界の『空白少女』(ブランクガール)地味に進行中

257 ◆Oamxnad08k:2007/03/04(日) 14:54:56 ID:NLz8TNb.
不覚にもまた複数の誤字と修正漏れが・・・駄目じゃんよ
>>246
×それまで逃走ついでに

リテイク

○ここにたどり着くまで美琴と一緒に地下街をうろうろしてたのだがようやく開放されたのだ。


続いて五和の台詞
×「まぁまぁ、いいじゃないですか、細かい事はどうでも、それよろ早く中へどうぞ」
○「まぁまぁ、いいじゃないですか、細かい事はどうでも、それより早く中へどうぞ」
誤字&漏れ多くて読みづらくて申し訳ない・・・・

258■■■■:2007/03/04(日) 18:53:33 ID:kDscrL/s
>>256
結標!むっすじめっ!次回作、良いね!楽しみにしてるぜよーっ!
期待せざる得ないね、うむ。あと東鳩御疲れ様ー!燃えたし面白かったぜぃっ。


   ノ
   [゚Д゚]<ところで聞いてくれ。
   ( (7 
   <⌒ヽ

とあるの世界観だけ使ったものを書いてみたら、
社会化見学でしか当麻達と絡める手が見つからなくなってしまった。
取り敢えずオープニングだけでも載せようと思うんだが、どうだろうか?

259■■■■:2007/03/05(月) 11:25:46 ID:SDZjUyCo
♪ばにはーとぅーはーじぇいでっかー(ばきっ)
……ゴメンナサイ、余計ナコトハイイマセン。

アホなネタはさておき、完結お疲れ様でした。
面白かったですよー。最後にあのシーンの再現を持ってくるとは思わんカッタ。
次回作も期待してまっす!

26001-641:2007/03/05(月) 15:57:38 ID:/AG6kXmY
>>246-252 ハートの人。連作お疲れ様でしたー。次回作にも期待していいのかな?かな?

>>258 むしろどんどん来てくださいよ? スレが賑々しくなるのなら喜んで!!

私信 >239 について。改めて読み返したらわけ解らん内容の感じなので解説を少々。
           ひな祭りの起源は、雛あそびと節句の儀式の祓いが結びついたって情報から。
           そういうのは天草式が詳しいかなーなどと妄想。さらに、『あそび』は『遊び』に通じて、
           『遊』の字は旗を持った兵が駆けるさまからきてるって事がくっ付いて出来上がりました。
           言うなれば話の裏側、裏話みたいなものが書きたかったもので。今の社会見学だけで精一杯なんです。
           1レスでできるように書こうとしたのですがやはり自分には短編は難しかったです。
           本来SSに解説などは付けるべきでは無いですし・・・。orz 毎度の長文すいません。

261とある炎の『告白儀式』(ハートトゥハート) ◆Oamxnad08k:2007/03/05(月) 19:24:47 ID:ptiimpUw
>>259 どうやって終らそうかと・・・・・・しかし五和の出番はわずか数行。
あのシーン>
当麻が禁書に嘘をつかなかった世界の話ですから、
当麻にはすっかり忘れられていました。

>>260 次回作・・・・『空白少女』は現在30%でしょうか、戻ったりしますからなんとも

代わりに『告白儀式』(ハートトゥハート)後日談を投下してみます。
主役はステイル&小萌先生。

262とある炎の『告白儀式』(ハートトゥハート) ◆Oamxnad08k:2007/03/05(月) 19:31:26 ID:ptiimpUw
とある炎の『告白儀式』(ハートトゥハート)

□2月14日―午後10時 IN 学園都市

 暗くて冷たい――。 
上条当麻が引き連れてきた1万体近いの茶色い人形に吹っ飛ばされたところまでは覚えているが、その後の記憶が全く無い。
ズキズキ痛む体を起こそうとしたがまるで動かなかった。 それどころから浮遊感が感覚を支配すると
スルスルッと空へと舞い上がるような感覚を覚える、相変わらず目を閉じたままなので世界は暗闇のままだが
後頭部が何故か心地いい。 額の辺りに冷たい感触が触れた。
 死神のお出迎えってヤツかな――。
 僕、もう、つかれたよ・・・・・インデックス、もう休んでも・・・・いいよね――。
手に暖かい何かが触れて誰かに持ち上げられるようなそんな感触を感じた。 やっぱり天使かぃ?――。
 ああ、あと死ぬ前にタバコ。 せめて一本でいいから吸いたかった、きっと天国、いや僕が行くなら地獄かな。
そこにはニコチンもタールも無いんだろうな・・・やだなぁそんな世界――。
「――じょうぶですか」
そういえば、人は死ぬ前に神の声を聞くとか聞いたことがあるな、これは結構貴重な体験かもしれないぞ――。
「大丈夫ですか!? 起きなくては駄目なんですよー!!」
今度ははっきりと聞こえた。 どうやら僕のイメージはあの先生らしい。 
 どうせ死ぬのなら神様の姿ぐらい見てからでもいいだろう、とステイルはゆっくりと目を開いた。
ステイルが見た神様の姿は声だけじゃなくて姿まであの先生だった。 
「はは、これはまた・・・・」
力なく笑うステイルへ神様はにっこりと笑ってくれた。
随分とサービスがいい――。 こんな女神だったら崇めてもいいなと思った。
「気が付いたみたいなのですよー。 先生はとても嬉しいのですよー」
あれ?女神様、似すぎですよ?それじゃまるで本物の月詠小萌みたいですよ。
「何を言ってるんですか?先生は月詠小萌なのですよー。 大覇星祭以来なのですよー神父ちゃん」
知らない間に心の声が口に出てたみたいだ、女神様は本物だと仰っている。
「まだ動かないほうがいいのですよー、頭を強く打ってるみたいですから、しばらく先生の膝枕で休むといいのですよー」
膝枕・・・・なるほど頭のやわらかい感触は膝枕なのか・・・そうか膝枕・・・・ん?――。 本物の膝枕。
「なんですとーーーー!!」
「ひゃぁ、突然起き上がったら血流が、ああ、だめなんですよー」
背景に集中線を背負い絶叫し上条当麻に吹っ飛ばされた炎の魔術師ステイル=マグヌスはとりあえず復活した。

263とある炎の『告白儀式』(ハートトゥハート) ◆Oamxnad08k:2007/03/05(月) 19:31:49 ID:ptiimpUw
 
 とりあえずステイルは小萌先生と共に夜中でもやっているレストランへと移動した。
路上だったこともあるし、何より夜風の冷たい季節だ、カーディガンを羽織っているとはいえ女性には少々堪えるだろう。
介抱してもらったお礼も兼ねて食事でも奢って適当にあしらうつもりでもあった。
「神父ちゃんは何を頼むのですかー? 本来なら先生が奢ってあげるところなのですが・・・財布を忘れてきてしまいました」
「いや気にしないで結構。 僕を介抱してくれた礼のつもりですのでなんでも好きな物を頼んでください」
店内の壁に掛かった時計に目をやれば時刻は11時に差し掛かるところだ。 上条当麻達は多分まだ『告白儀式』(ハートトゥハート)に
追い回されているだろうが・・・・まぁこの先生を放っておく事は英国紳士としてしてはならない。
ステイルだって立派なジェントルメンなのだ、女性に対する礼儀は弁えている。
「ま、どうせ彼がこの程度でくたばるとは思えないし、大丈夫だろう。くたばったならそれはそれで・・・・」
「何の話ですか?神父ちゃん」
「いえ、こちらの話です、おっと失礼、灰皿を戴けますか」
そう言ってテーブルの一角に置いてあった銀色の灰皿を取ろうと手を伸ばす。
ガシ。
「・・・・・・・」
「えっと、手を離してもらえませんか?」
「駄目なのですよー、神父ちゃんは14歳だと上条ちゃんから聞いてます、未成年の喫煙は成長期の体に多大なる影響を――」
ああ、なんか大覇星祭の時もおんなじこと言ってた気がする。 
「なんですか、その手・・・・」
「タバコ、没収します」
ニコリと笑って女神様は残酷なお告げを下さった。 ありがたくて涙が出そうだ、ていうか出た。
「ニコチン・・・・」
力なく呟く。
「また珍しい銘柄ですねー、おいしいのですか?」
ステイルが渋々と差し出した赤い箱を奪い取った彼女はしげしげとタバコの箱を観察し始めた。 
イギリスの銘柄だから学園都市には売ってない銘柄だ。
しかしこの人元気だな。 それになんだか逆らえない。 
 他の人に上げる頭があっても、この人だけには下がってしまう、これは予感だが一生上がりそうに無い気がする。
絶妙なタイミングでウエイトレスが来たのでコーヒーと地獄ラザニアを注文する。 メニューに深い意味は無い。
ただ地獄というのがヒドク今の自分に似合っている気がしただけだ。 
「先生はこの必殺オムライスとドリンクバーをお願いします」
なんだそのおいしそうな料理――。 料理に「必殺」というネーミングをつけるセンスを疑う、これだから日本人というやつは。
「あー、先生としたことが・・・・ライターを忘れてきたのですよー」
わたわたとカーディガンのポケットを探る見た目子供な彼女。
「自分だけ吸うのは少しズルイと思うんですが?」
「あ、大丈夫なんですよー。先生はこう見えても大人ですから。20歳超えたら吸ってもおーけーです」
「没収したタバコを本人の前で吸うのもどうかと思う・・・」
「最近はタバコも値上がりが激しくてですねー、先生はがっかりなんですよー。 神父ちゃんライターとか持ってませんか?」
聞けよ、話――。 その言葉はステイルの心の引き出しナンバー13の引き出しにそっと仕舞われた。
「僕はライターは使わない」
「ほぇ、じゃあどうやって吸うんですか?」
ステイルは不思議がる小萌の顔の前に懐から出したルーンのカードを見せた。  どうせ客もほとんど居ないし、この人は魔術知ってるし――。
「K(カノ)―炎よ」
ステイルの指先に小さな炎が点り彼女が咥えたタバコの先端を焦がす。 
「おお、神父ちゃんは[発火能力者](パイロキネシスト) なんですかー? 完全に制御してますね、あのカードは燃えちゃいましたが
自己暗示用ですか? とりあえずありがたく、すぱー。 ふう、落ち着きます」
 彼女が吐き出す紫煙が小さな輪っかを作ってレストランの虚空を漂う。
「実は先生の専攻もですねー[発火能力]なんですよー。奇遇ですねー」
この人と一緒だと調子が狂う――。
どこか拗ねた顔でステイルは嘆息した。

264とある炎の『告白儀式』(ハートトゥハート) ◆Oamxnad08k:2007/03/05(月) 19:32:13 ID:ptiimpUw

「ごちそうさまでした」
彼女は行事よく手を合わせて頭を下げた。 じっとその様子を見ていたステイルの視線に気が付いて彼女は「こうするんですよー」と
ステイルに「ごちそうさま」をレクチャーしだした。 
「では神父ちゃん、先生に続けて言ってくださいね、ご馳走様でした」
「ご、ごちそうさまでした」
よくできました、と頭を撫でられた。 不思議な気分だ、そんなに悪い気がしない。
 会計を済ませて外に出るともう日付が変わっていた。 『告白儀式』(ハートトゥハート)も沈静化しただろうから後はイギリスに戻って封印する
だけで完了だ。 その前にインデックスを探す必要があるな、神裂やアニェーゼ、オルソラもついでに。
「神父ちゃん―」
「ステイルだ、ステイル=マグヌス」
神父ちゃんと呼ばれるのはやはりこそばゆい、せめて名前で勘弁してもらおう。
「じゃあステイルちゃんです」
前言撤回、名前もこそばゆい。 
「先生の家はここの近くですから」
そう言って近くに見えるマンションを指差した。 なるほど確かに近い。
「では僕はこれで―」
立ち去ろうとしたステイルの服の裾が引っ張られた。
振り返れば小萌先生がニコニコして裾を掴んでいた。
「ステイルちゃん、ちょっとここで待っていて欲しいのですよ、5分ぐらいで戻ります」
「ちょ、あ、足早・・・・」
バビュン、と猛ダッシュでマンションへ駆けていった後姿が見えなくなるのにそんなに時間は掛からなかった。
5分後―。
息切れ一つ起こさずに月詠小萌が戻ってきた。 その手には5センチ四方のラッピングされた箱が握られている。
「もう過ぎちゃいましたが、タバコの代わりにどうぞですよー」
「あ、えっと僕はそういうのは」
「貰ってくれないと先生も困るのですよ?」
ふむ、女性を困らせるのは紳士としてそして男としてもっとも忌み嫌われる行為だ――。
ステイルは渋々ながら箱を受け取った。
「ではありがたく頂いて置きます、後日お礼の手紙を送りたいので住所を教えていただけますか?」
紳士スキルを全開にして懐から片側が何も書かれていないカードとサインペンを差し出す。
「あはは、律儀ですねー、そういう子は先生嫌いじゃないですよー、さらさらさら、はい、これでおーけーですよー」
カードとサインペンを再び受け取って書かれた内容を確認して懐に仕舞い、「それでは」とくるりと背を向けステイルは
歩き出した。 小萌先生がその背中に声を掛けた―「また会えますかー?」と
無言で右手をひらひらと掲げてそれに応えた。
 いずれまた――。

265とある炎の『告白儀式』(ハートトゥハート) ◆Oamxnad08k:2007/03/05(月) 19:32:35 ID:ptiimpUw

□2月15日 イギリス―。

「あぅー、めっちゃしんどかったですぅ」
「シスター・アンジェレネ、だらしがありませんよ、もっとシャキッとしなさいシャキッと。 あと原作とキャラが違いすぎます」
必要悪の教会(ネセサリウス)の男子寮と女子寮の中間に位置するカフェテラスでそばかす混じりのシスターと切れ長の瞳のシスターが
話しながら歩いてくる。 着ている修道服はいろいろと擦り切れたりして損傷しているようだ。
「おかえりなさい、シスター・ルチア、シスター・アンジェレネ。 私が留守の間に苦労をかけちまったみたいですね」
その二人の姿を認めてテーブルで紅茶を飲んでいたアニェーゼが二人を迎える。
「いえ、そちらも随分大変だったと聞きましたが、なんでも1万体近いゴーレムと耐久戦だったとか」
「倒してもすぐ復活するらしいですねー、神裂さんでも抑えるのが精一杯って聞きましたー」
「・・・ええ、そりゃもう・・・・・しばらくチョコレートは見たくありません」
「うわッびっくりした!?神裂さんどっから現れるんですか」
「最初からいましたよ、只居るような描写が一個も書かれていなかたっただけで多分作者の陰謀です」
ウフフフフ、と壊れた笑みを浮かべる聖人様を横に置いておいて3人の視線はカフェテラスの一角でせっせと書き物をする
赤い髪の少年に注がれる。 なんだか一生懸命書いてるみたいで彼女達の視線に気づいていない。
「先日はどうも・・・・違うな。 もっとダイレクトに」
わっせわっせ、わっせわっせ。そんな効果音を背負って真剣に書面に向かう少年の姿がいつもと違うような気がする。
「あれ?ステイルさんの雰囲気がなんか違いません?」
「貴方もそう思っちまいますか」
「何かが足りないんですよね・・・・・あっ」
ポンっといい音をさせて頭に電球を浮かべ手を鳴らしたルチアといまだに分からない二人。
「ステイル、禁煙でも始めたのか? 何だソレ」
いつの間にか現れたシェリーがステイルの口元の[シガレットチョコ]を指差して言うが
「ほっといてくれ」
と間髪入れずにステイルが切り捨てた。 
 ほんとに・・・・ほっといてくれ――。
  
                                           とある炎の『告白儀式』(ハートトゥハート) 終

266■■■■:2007/03/05(月) 19:48:08 ID:yIt7QM8M
アンジェレネのメタ発言とステイルと小萌先生のやりとりで思わず噴いた。
あと必殺オムライスってなんだっ!?

ともあれ、ぐっじょぶー。
ステイルさんと小萌先生。両方にフラグが立ったんですが、どうなるんですか、これ?
どうなるのんですか?って二度聞いて見る。

267とある炎の『告白儀式』(ハートトゥハート) ◆Oamxnad08k:2007/03/05(月) 19:53:51 ID:ptiimpUw
>>266 もちろんステイルが3月14日にお返しもって学園都市に現れるに決まってるじゃないですか!!
ヤツは英国紳士ですよ、14歳なんですよ!小萌先生をあらわす三人称って何がいいんだよ!?

>ごめんなさい大人しく『空白』の方書きます・・・・

268■■■■:2007/03/05(月) 19:56:39 ID:yIt7QM8M
連投気味になるが、この熱いパッションを冷ますために失礼を……。
つまり……頬を赤くした小萌先生にプレゼントを渡しているステイルがうぎぎぎ。

空白も楽しみにしてますよー。

269■■■■:2007/03/06(火) 16:14:44 ID:80fmQPEs
GJ!!
うぶなステイル、良いですね〜

270■■■■:2007/03/06(火) 23:19:13 ID:bsmjYtEg
>>265 よく読むと・・・ねーちんが噛んでる!!
「最初からいましたよ、只居るような描写が一個も書かれていなかたっただけで多分作者の陰謀です」

27101-375:2007/03/07(水) 21:44:25 ID:l/YDqnoA
駄目だなコリャ
バレンタインネタも書き終えてないのに次のネタが浮かんでくるとは。
とにもかくにも、

>>告白儀式(ハートトゥハート)GJ!!
美琴の暴れ具合が面白いぜ!
小萌先生×ステイルもばばばばばば
空白の方も楽しみに待ってます。

272とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/07(水) 22:31:59 ID:q9sUp4g2
>>271 もばばばばってなんだろう・・・・・ホワイトデーには何かが起こるとしかいまは言えない・・・・

273とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/07(水) 22:33:57 ID:q9sUp4g2
とある世界の『空白少女』(ブランクガール)

■プロローグ

12月22日―東京、学園都市

 暗闇に支配された路地裏の隙間を走り抜ける人影が一つ。 寿命が尽きたように明滅を繰り返す頼りない明かりの下で長い影が伸びる。
少し前から振り出した冷たい雨がアスファルトを叩く雨音の中でパシャパシャと音をさせる靴音だけが木霊する空間で
ハァハァと冷たい空気を振動させて聞こえる荒い息の主は時折背後を振り返りながら懸命にビルとビルの隙間を走る。
 とっくの昔に閉店した中華料理店の勝手口脇に置かれた青いポリバケツが乱暴に弾き飛ばされ「ガランガラン」と大きな音を立てるが
日付も変わろうといている今の時間この区画、ましては路地裏に人影は無い。 
 うっすらと差し込む月明かりに照らされる後ろ姿は細身の少女、若草色のブレザーに身を包んだその体を必死に動かして後方の何か
から懸命に距離を取る。 狭い路地裏を走りぬけ奥へと進むたびに少女の足や手はさきほどのポリバケツのような障害物に当たって
傷つくがそんなこともお構いなしだ。 
 少女が濡れたアスファルトを踏みしめる音とは別の音が暗闇に包まれた路地裏から響き、少女の視界が突如赤く染まった。

ゴゥッ! 路地裏の空気を膨張させ暗闇を切り裂いてオレンジ色の奔流は大気中の水分を蒸発させ狭い路地を焦がし
少女へと迫る。 
「ッ!?」
すんでのところで横合いの建物の影へと身を躍らせて路地裏を焼き尽くす赤い炎から逃れて少女はほっと胸を撫で下ろした。
炎の波が収まった後は焦げた匂いと共に大量の水蒸気で白く染まっている。
明滅する光が白い靄に触れて白く瞬き12月終盤の冷たい空気を吸い込んで少女の口から真っ白な息がその軌跡を示す。
むせ返るような水蒸気の向こうからコツコツと誰かの足音聞こえてくる。
 規則正しく響く靴音は路地裏で聞くとこうも恐怖心を掻き立てるものなのか、と少女は震える足を強引に動かし立ち上がると
わたわたと周囲を見回した。 このあたりは廃棄されたビル等が集中しており昼間なら学園都市の時間割から外れた不良達の溜まり場と化している。
さすがに深夜のしかも雨の中では不良達だって部屋でのんびりしたいのだろう、助けを求めるような相手なんて見当たらない。
少女は自分の背後に聳え立つ廃ビルを認めると一瞬だけ迷ったあとにその暗がりへと駆け込む。

274とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/07(水) 22:34:18 ID:q9sUp4g2

 どうやら本当に廃棄されたビルのようだ、窓ガラスは割られ壁にはスプレーアートや頭の悪そうな文字が所狭しと描かれている。
鉄筋コンクリートで作られた灰色の壁は良く見ると細かいヒビが入っており老朽化の気配を漂わせていた。
少女は暗がりへと足を進めやがて大きな部屋へと辿り着いた。 キイキイと夜風にさらされ錆付いた音をさせる鉄製のドアが千切れかかった
蝶番に支えられてかろうじて引っかかっていた。 
外れかかったドアを乱暴に蹴っ飛ばして中に入り顔をしかめる。 月明かりが何もはまっていない窓枠から差し込んだ部屋の中央を照らしている、
がらんどうの部屋には普段ここでたむろしている不良達の出したものであろう空き缶や吸殻などと割れたガラスが散乱するだけで
この場所が以前何に使われていたのか判断する材料も無い。 
「ッ!?、このッ」
 少女は突然何かに反応するように革靴を履いた足を一閃させ背後へと回し蹴りを放ちしなやか足が跳ね上がる。 振りぬく勢いで放たれた
少女の脚は見事に少女の背後に迫っていた黒い影へと吸い込まれ、
「!?」
くぐもった息が吐き出される音と足に何かが当たった確かな感触が少女へ伝わる。 そしてまた「コツコツ」という足音が響く。
「[風紀委員](ジャッジメント) にこんな事をしてどうなると思ってるの!?」
暗闇へと言葉を投げる少女の顔は引きつった笑みを浮かべて左腕に装着された緑色の腕章を示す。 
「つれない返事だなぁ、ボクは悲しいよ」
どこか感に触るような声が少女の耳へと飛び込んできた、男の声、それも随分と余裕がある。 
ククク、と微笑を浮かべながら暗闇から姿を現したのは一人の少年。
白い学生服を着た少年は片手をポケットに突っ込んだ姿勢で少女を見てにっこりと笑顔を作ると言葉を放つ。
「安心して」と。
その言葉に少女が若干の安堵の表情が生まれた瞬間、少女の脳裏に「ぱちぱち」と言う音が聞こえ少女の意識は途切れた。
あっ――。
糸が切れた操り人形のように膝から順にゆっくりと体勢を変えドサリと埃まみれの床へと倒れる少女の姿が月明かりに照らされた。

汚れた床へと倒れ付す少女の左腕に付けられた緑色の[風紀委員](ジャッジメント) の腕章を丁寧に外し、
「うん―安心していいよ。 君はボクの目的に利用できそうだからね、」
既に聞く相手がいない舞台でアスファルトを叩く雨音をBGMに、
月明かりが差し込んだ廃ビルの空き部屋の中央で倒れる少女を一瞥し少年は歪んだ笑いを浮かべた。
                                                   [12月23日―未明]

275とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/07(水) 22:41:22 ID:q9sUp4g2
>どうもー、相変わらず改行が上手くいかない◆Oamxnad08kです。

『空白少女』(ブランクガール)のプロローグを投下しますねー。

276とある風紀の活動日誌:2007/03/08(木) 18:42:53 ID:p3NxSg9.
第二話『ねこLOVE』

「はい、好きですとミサカは簡潔に答えます」

・・・・・・・・・・・・・・、ちょっとだけ個性的な口調だな、うん。
それが彼女の第一印象だった。
 年齢は14、5歳といったところ。
 女子にしては少し高めの背丈にスラリとした体型。
 肩まである栗色の髪に整った顔立ち。
 そして猫好き。
そんな少女の名前はミサカというらしい。
「そうか、ミサカサンも猫好きなのか。この病院に同好の士がいるというのはうれしい」
「ミサカの正式名称はミサカ10039号ですが、通称はミサカで間違いありません、とミサカは自己紹介をします。ちなみに名前というのは自分から名乗るものだろう、とミサカは頭の隅で控えめに指摘します」
・・・・・・・・・・・・・・・・、結構個性的な口調だな、うん。
10039号というのは何の事だろう?フシギ少女指数が50アップだ。とりあえずその頭の中の控えめな指摘の言うことに従う。
「俺の名前は黒山大助という。見ての通り首を怪我して入院中の高校生です」
 立たせておくのも何なので空いている自分の隣へ促した。『女性に立たせておいたまま話し掛けるのは男性として紳士的な配慮に欠けるのではないでしょうか、とミ(ry』みたいなことが予想されたからだ。
「私が同好の士ということはあなたも猫好きということですか、とミサカは断片的な情報から打ち立てた妥当な推理を披露します」
「まあな。入院生活繰り返してるもんだから、あいつ等の飼い主同然になってるよ」
 二人していすに腰掛け、猫たちを眺めながら話す。初対面だというのに、自分でも驚くほど自然な会話だった。彼女の様子にも、『100テラ光年早いんだよ出直してきやがれナンパ野郎』というものはない。首に巻かれたギプスが邪魔なので、横目でチラチラとしか見ることが出来ないが。
女の子と一対一で会話しているという状況をやっと認識し始めて、今頃になって胸が躍り出しはじめた。

 それにしても・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・これは異常な事態じゃないだろうか?
 いや、断言できる。これは異常事態だ。
 何しろこの黒山大助十六歳。自慢じゃないが女の子との“お喋り”の方法など知らない。
 いや、流石に言葉を交わしたことが無いってわけじゃないけど。小坊の頃なんかはゲラゲラ笑いあったり、口げんかをしたこともあった。でもそれはまだただのガキであったからであり、男女の違いなんか全く意識していないからだった。高校生になってしまった今では暇な休憩時間をお喋りで潰したり、ましてや盛り上がったりする事など皆無だ。義務を伴う会話、というより情報の伝達がたまにある程度。まあ、女子との接点の無い『寂しく冴えない普通の男子学生』というわけだ。
 ん?いや、ちょっと待てよ。そういえば俺にも『女の子』の『知り合い』が居た。
 風紀機動員としてしばしば活動を共にする同僚のテレポーテーター、
 そして活動時にそいつと俺をサポートする敏腕情報補佐員だ。
 いやしかし、あいつ等とのやり取りは健全な『男子と女子とのお喋り』と呼べるのでのだろうか。なにしろ頭をめぐらせて浮かんでくる声といえば、
『黒山大助さん!!今日という今日こそは貴方を打ち倒し、第七学区最強の風紀機動員の称号を手にしてみせますわ!!覚悟なさい!!』
『黒山先輩の頭ってハリネズミみたいですねー。これは紅茶の道を極めた私に、今度は花道を学べという神のお告げなのでしょうか〜ぬへへへへ〜』
 ・・・・・・・・・・・・・・・・うん、だめだ。これはやっぱり違う気がする。しかしこんなの以外思い出せない。仕方ないか。方や少年漫画がお似合いな熱血と絶大な能力を持った大能力者(レベル4)。方やお嬢様に憧れるあまり変な方向へ突っ走ってる怪奇花瓶少女。少なくとも普通の範疇に入る女の子でないことは確かだった。

だが。
今は違う。
 今となりに居るのは、(ちょっとだけ)個性的な口調だけど入院中のか弱い女の子だ。
 そしてこの場所には俺の頼もしい味方がいる。
 そう。
 猫達だ!

277とある風紀の活動日誌:2007/03/08(木) 18:44:05 ID:p3NxSg9.
隣の少女は、俺の豊富な猫トークに耳を傾けながらも猫のほうばかりに視線が向かっている。猫にすっかり心を奪われているようだ。
こいつ・・・・・・・・・・・できる!!
そんな彼女を見て愛猫家の血が騒いだ。
今こそ、俺の使命を果たす時!!

―――あなたは何故猫の温かさを伝えるのですか?
―――・・・・・・・・そこに、猫好きが居るからさ・・・・・・・・!

 その熱い思いに応えるかのように一匹の猫がこちらへ歩み寄ってきた。猫たちの中でも一番俺になついている、トラ模様の特徴的な奴だ。少女の視線もそちらに向く。近づいてきたので“猫触りたいオーラ”(不可視のオーラ。愛猫家にだけ観測が可能)が更に強まる。
でかしたぞ、寅之助。
『別にアンタを助けようと思ってるんじゃないんだからね!ご飯の恩もあるし、仕方なく(ry』みたいなことを言いながらに足元へ擦り寄ってきた寅之助を抱き上げて、撫で回してやる。『そこーーー!そこ良いーーー!もっと撫でてーーー!』と完全に無防備になったところですでに我慢の限界のような少女へと向けた。
 この手にかかれば、どんな猫でも、初対面のどんな人間であろうと“猫猫空間”(猫と愛猫家が展開する一種の亜空間)を作り出す―――
 そう、信じていた。
 その、はずだった。

 少女の瞳から、感情が消え去った。
 猫がおびえきった表情で逃げてく。
 その姿を、しかし少女は追おうともせず、
 ただ、暗い虚無を瞳に包むだけだった。

 少女の瞳は、感情を戻していないまま。
 2分ほど経っても、俺はまだ現状を理解できなかった。
 ・・・・・・・・・・・・・なんで?
 何故、あの寅之助が、脇目も振らずに逃げ出した?
「ミサカの能力の弊害なのです、とミサカは告白します」
 元気を取り戻したのか、やっと、しかし寂しさの感情を瞳に宿らせてから、少女は言った。事務的な言葉の数も少なめだった。
「電撃使いはその能力ゆえに常時微弱な電磁波を発生させるのです、とミサカは解説を行います」
 その先は、俺にも分かった。人間には感知できなくても、感覚が鋭敏な小動物はそれに怯えてしまうのだろう。
 そして彼女は、大好きな猫に、猫好きだからこそ、触れることが出来ないのだろう。
 ――――何てこった。
俺は、思わず笑い出してしまった。
 ――――今まで一度も信じたことの無い神様に会ってみたくなった。
 少女はそんな俺を訝しげに見てきた。
――――そしてその面に向かって、言ってやりたかった。
 その、まだ寂しさの残る瞳を見つめ返す。

――――そう、神様に向かって、こう言ってやるんだ。
 ThanksThankyouVeryMuch!!!!!!!!!
 あーりがとーーーーーーーーーーう!!!!!!!!!!!!!!

そして言う。
「それ、訓練すれば克服できるぞ」
 え?と、少女の動きが止まる。

 俺の使命は、猫好きに、猫の、この素晴らしい温かさを伝えることだ。
 目の前の少女に、
俺の手によって、
俺だけが、その使命を果たすことが出来る。
 その瞳の寂しさを消し去ることが出来る。

 ―――その瞳に、絶えない喜びを灯らせてやる。

 そんな素敵な事をやってやろうと思った。
自分になら出来ると、そう信じていた。
少女が瞳に包む暗い虚無の、その本当の理由も知らずに。

278とある風紀の活動日誌:2007/03/08(木) 18:50:09 ID:p3NxSg9.
すいません、間を置かずに投下してしまいました、>>276-277です。

※なんか禁書とは似て非なるものになっている気がしますが気にしません
※なにげにツインテールも絡んできてますが、望むところです。
 一応大覇星祭まで続きます。

279とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/08(木) 19:56:01 ID:0vskfslM
>>274 
あー、またしても脱字が・・・・OTL

×少女は突然何かに反応するように革靴を履いた足を一閃させ背後へと回し蹴りを放ちしなやか足が跳ね上がる。 
○少女は突然何かに反応するように革靴を履いた足を一閃させ背後へと回し蹴りを放ちしなやかに足が跳ね上がる。

 

>>278 猫の台詞が可愛いですねーGJ

280■■■■:2007/03/08(木) 21:36:48 ID:k2CUfMLM
ちょっと間をあけてたら二つも来てるー
期待してマス




……「訓練すれば」の行で何も知らないミサカを開発していく展開が脳裏に浮かんだ。思ったより自分は病んでるようだ。

281■■■■:2007/03/09(金) 01:03:03 ID:vRLVZPEs
>>273
むむぅ?男は一体何者……。
女の子を苛めるだなんて許せませんなぁ、もっとあ、いや、ごめんなさい。
ともあれ、空白少女は風紀委員?うぅむ、続きが気になるぜ。

あと、文の改行は自分のブラウザで画面端で改行される位置、
そこまで書かれた一行をどっかからコピーしてきてワードなんかに貼り付けておくと良いかも。
目印になるし。
そして、『・・・』なんかを使う時は『……』の方が見栄えが良いですよー。
『…』は二つ纏めて使うのがポイントですッ!

282とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/09(金) 17:55:39 ID:hL/PFek6
第一幕:[Blank name blank girl]

[1] Imagine Breaker01―とある御嬢のモーニングコール

朝日がカーテンの隙間から零れ、小鳥の囀りが聞こえる。 学園都市の第七学区にあるとある高校の男子寮の一室に
『ぱーぱぱ♪ぱぱっぱ♪ぱーぱぱぱ♪ぱぱぱぱ♪ぱぱ♪ぱーぱぱっぱ♪』
突然静けさで演出されていた場面をぶち破り陽気なリズムの電子音が響き渡る。 
  
 我らが主人公、上条当麻は自分の枕元に無言で裏拳を振り下ろすが「ガン」と言う音がするだけだ。
音は止まらない。 あと手痛い。 完全な自爆なのだがその衝撃と電子音の攻撃で一応上条は目を覚ました。
形容するなら、そうだな、寝起きのハリネズミ? ツンツンと跳ね上がった黒い髪の毛は別にワックスで固めているわけ
では無い。 ただの髪質なのだ。 これらは物語を進行させる上ではさして重要なことではないし、この髪型以外の上条当麻など
想像できないし、資料も無いので以後上条当麻の髪型に関しては言及しないことにする。
 寝ぼけた顔で目をゴシゴシとこすり大きなあくびを一つ。
その間にも電子音は自己主張を続ける。 いい加減とって欲しい、そんな空気で満ちていた。
騒がしい電子音の正体は目覚まし時計では無い。 そもそも上条は目覚まし時計はセットしない人間である。
 なにせ彼は普段からその不幸な体質を大いに発揮し目覚まし時計の類をセットするとかなりの高確率でそれが機能しない
という不幸な事態に見舞われるのだ。
毎日毎日、そんな不確かな物に頼っていては遅刻大魔王の異名を欲しいままにしてしまいクラスメイトの恐い人にいろいろと
苛められてしまう。
具体的には「遅いわよ、上条当麻!!」と言う声と共に一撃必殺の威力を秘めたパンチが飛んでくることになるのだ。
「おお恐い、考えただけでもゾッとするな……」
もしかしたら同じくクラスメイトの姫神秋沙(ひめがみあいさ) ぐらいは彼の味方になってくれるだろうか?
いや、彼女も味方にはなってくれそうにない、彼女の普段の姿から想像するにせいぜいが中立といったところだろうか?
きっとあの独特の口調で「そう。キミはいつもそんな感じ」とか言ってくるのが関の山だろう。
 彼女もある事件をキッカケに上条の通う高校へと編入してから問題児クラスの雰囲気に毒されつつあるのかもしれない、
取り折り上条の予想の斜め上を行くような奇抜な行動を取ったりすることも往々にしてある。
それでも以前よりは大分彼女の笑顔が増えたとも思い上条は少し唇の端を持ち上げた。

283とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/09(金) 17:57:00 ID:hL/PFek6
 『ぱーぱぱ♪ぱぱぱぱ♪ぱ〜ぱぱぱ♪ぱぱぱぱぱぱ♪ぱぱぱぱ♪ぱーぱぱぱ♪』
その軽快なメロディー自体は上条が好きな女性アーティストが歌うナンバーのメロディなのだが、いまは心底わずらわしく感じる。
不思議だ、状況によって曲の印象というものはこうも変化するのか、と眠気を振り払うように自らの体を覆うあったかい防具を
緊急発進によって強制排除した。 様は布団から勢いよく起き上がっただけである。
 そのまま布団を足で適当に蹴っ飛ばして部屋の隅にシュートしてコンセントにささった写真立て型の充電器にセットされ、赤い
点滅をする携帯電話を取る。 大きく欠伸をしながら二つ折りの携帯電話をカパンッと開いてボタンを押す。
ピッ!と短い電子音が鳴った。
「はいはい、上条だけど……」
携帯電話を自分の耳に押し当てて上条は相手の返事を待つ・・・3秒経過・・・いまだ無言。 
「あれ?」
不審に思った上条が携帯電話を顔の前に持ってくる。 表示された液晶画面には『通話時間 1秒』の文字。 
そして”御坂美琴”の4文字。 

上条の顔から血の気が引くのと再び大音量の着信音が響くのはまったく同時の事だった。
「もし―」
『切るなぁぁぁぁッ!!このトーヘンボク!!』
 今度は着信と同時に通話状態に操作し耳に押し当て上条が「もしもし」とありきたりな電話対応をしようとした言葉を強引に
上書きしつつ携帯電話のスピーカーを揺るがし女の子特有の高い声が飛来した。 
その効果音は表現するなら多分「ガァァァッ!」とか「ゴォォォォォッ!」とかの激しい擬音語がもっとも適当だと思う。
上条は耳鳴りを起こしたように携帯電話を持つ手を目いっぱい耳から遠ざけ、
(うわッ、わざとじゃないんだけど、ものすっごい怒ってる)
心中で必死に言い訳を探した。 でもそうそう都合良く言い訳が浮かぶほど上条当麻は要領が良くないし、言い訳をした瞬間に
更にその10倍の文句を用意することなんてのはご立腹のお嬢様にとって朝飯前の事。
『アンタねぇ、散々待たしておいて回線繋ぐと同時に切るってのはあんまりじゃないの、普通の子ならそれだけで泣くわよ』
そんな事を言う電話口に向こうの女の子の姿を想像して上条は「お前は泣きそうに無いけどな」と心中でこっそり呟き、
「わりぃ、寝ぼけてボタン間違えたんだ。 この通り、許せ」
謝罪の言葉を告げて素直に頭を下げる。 電話の向こうには当然その様子は見えない、それでも自然に頭が下がったりするのは
日本人故だろうか。 関係ないけど。

284とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/09(金) 17:58:04 ID:hL/PFek6
 素直に謝ったのが功を相したのか、
『そ、そうなの、それじゃあ仕方ないわよね、うん、わざとじゃないなら今回は勘弁してあげる』
電話口の相手の声も幾分か柔らかい。 良かった人間、素直が一番だ、本気でそう思った。 
『さて、じゃあやり直すから合わせなさい』
完全に命令形である。 ややあって先ほどより更に柔らかい声が受話器から紡がれた、むしろ猫撫で声といったほうがいい。
『おはようございます、御坂美琴のモーニングコールのお時間です、良い目覚めをされましたか?』
……なんだこの違和感――。 電話越しの御坂美琴は上条の脳に記録されているイメージと180度くらい違う口調で
そんな事を言っていた。 あんまり違和感がありすぎて新手のスタ○ド使いの攻撃にでも会っているのか思ってしまうぐらいだ。
「お、おはよう、良いかどうかは知らんがとにかく目は覚めたぞ、うん、いろんな意味でな」
口調の端々をひきつらせながら答えてみる。 気が付けば額に汗がびっしょりだ、恐るべし違和感。
『それはそれは、満足していただけたようでこちらとしても感無量です』
まだ続けるのかお嬢様、やり直すって一切合切リセットしてから新たにニューゲーム系ですか? 
もしかして自分のキャラ付けをここらで一新しようとでも画策してるのではあるまいか?、上条はそんな邪推をしてみる。
「御坂」
『はい?』
「変な物食べたか?」
ピシ、聞こえるはずの無い電話の向こうの何かにヒビの入る時の心理効果音が聞こえた。
『だぁぁぁッ!! せっかく人が優雅な朝を演出してやろうとしてるのにッ。 その一言で木っ端微塵、一撃粉砕っ!』
「よかった、いつもの御坂に戻った」
よっぽどいままでの状況が堪えたのだろう、上条は心底ホッとして息をついた。 
『……アンタにそんな対応力を期待してた私がバカだったのかしら?』
「御坂にはですます調とかどこぞの令嬢みたいな口調は似合わないと思うぞ、うん、普段の御坂がいいと思う。
っていうかマジでビビッタから勘弁してください」
朝のドッキリは心臓に悪いからな、と上条は美琴に聞こえないようにボソっと呟いた。
『普段の私……そ、そうよねー、私は私だもんね、あ、あははは(そうかー普段の私がいいのかー)』
美琴は乾いた笑いの後にごにょごにょと小声でなにやら言ってるが本当に「ごにょごにょ」としか聞き取れない。 
「御坂、質問してもいいか?」
上条が携帯電話を右肩とアゴではさんでキッチンの冷蔵庫の扉を開けながら言う。
『なによ?』
「お前、なんだってこんな朝っぱらから電話を?」
冷蔵庫の中身はミネラルウォーターとぷっちんプリンとコンビニのいなり寿司とかについてくる紅しょうが(パック)だけ。
わびしいにも程がある――。

285とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/09(金) 18:01:22 ID:hL/PFek6
『なんでって、アンタが昨日会った時、起きれないから起こしてくれーって言ったんじゃないの、感謝の言葉があってもいいわよ?』
「言ったっけ?そんなこと」
とりあえずぷっちんプリンとミネラルウォーターを取り出して足で乱暴に冷蔵庫の扉を閉める。
『言った。 細部は違うけど私はそう解釈した。 だから持ち前の親切スキルを全開にして朝も早くからモーニングコール
なわけよ、アンタ感謝しないとそのうち、とちくるったツインテールとかに刺されるわよ。 
あ、別に電話代とかは大丈夫、ノープログレムよ。 良かったわねェ、私とペア登録しておいて。
登録者間での通話、及び通信は無料、さらに料金プラン自体もかなりの割安、こんなおいしい話は無いわよね。
(中略)
そういえば、アンタあの充電器ちゃんと使ってる? 全機種対応してるんだから使わないと邪魔になるわよ、いや飾れって言って
るんじゃないのよ? ただそんな場所の取る物なら使わないといけないんじゃないかーって思ったわけよ。 ねぇ?
ちょっと、ねぇ、聞いてる?』
 話し出したら止まらない。 まさにマシンガントーク、この言葉を考えた人に賛辞を贈りたい。 パチパチ。
とりあえず適当に「聞いてる」とだけ返しておく。 ミネラルウォーターのキャップを捻って直接口をつけグビグビと水分を補給する。
「ぷはぁ……はぁ生き返る」
『はっ? 生き返る? てかアンタいまなんか飲んでたでしょ。 人が話してるときはしっかりと相手の目を見て話を聞くものよ。
いや電話じゃ目は見えないけど雰囲気としての話よ。 ッて言ってる側からぷっちーん♪とか言ってプリン食べるなぁぁ』
 どうやら上条が呟いた「ぷっちーんぷりん♪」が聞こえてたようだ。 お嬢様の機嫌は10ぐらい下がったと推測する。
『私よりプリンが大事なのかアンタはッ。 どんな男尊女卑よ、まったく……。
大体朝からプリンってどんな食生活してんのよ、栄養失調で倒れるわよアンタ。え、冷蔵庫の中にそれしか入ってなかった?
あとは紅しょうが? よくそんなので持つわね……。 もしかして自炊とかしてないの?』
「いや、自炊してるんだけど昨日きっちりと使いきっちまってその上完食したからこの有様だ、おかげさまで学校終わるまで持つかどうか」
 今日びの男子高校生が朝にぷっちんプリン1個と水では到底問題がある食生活だ。 カロリー的にも、そして文章的にも。
そしてフラグの神様はそんな上条にある試練を課した、後になって思えばこの時既にフラグは立っていたのかも知れない。

286とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/09(金) 18:01:53 ID:hL/PFek6
『学校!? 今日って23日でしょ、とっくに冬休みに入ってるんじゃないわけ? あ、もしかして補修かしら』
「補修じゃねぇし普通に終業式なんだよ今日が。 昼前には帰れるのが救いと言えば救いだがな。 うちの学校ぐらいだぞ多分」
 終業式―、この場合は2学期の、と付け加えるべきだが。 学生達にとっては冬休みの前に行なわれる最終試練といった所だろうか。
試練といっても大した試練ではないけど、そう、ただ心底ダルイだけだから。 通信簿の数字の大小で一喜一憂するような人間でも無い。
 ただ不幸なことに上条当麻の通う高校では22日で終業している他の学校と違って何故か本日行なうことになっていた。
ちなみに世間一般の人々は天皇誕生日とかいう祝日であり、美琴の通う常盤台中学もだが上条より一日早い冬休みの初日のはずなのだ。
代わりに冬休みの期間が一日増えてるのでトータルでは変わっていないけど、何か損した気分になるのはなんでだろうか。
『ねぇ、その終業式って正確には何時に終わるものなの?』
「は?」
『だ〜から、アンタは何時に学校を出て来るの?って聞いてんのよッ」
いきなり何を言い出すんだろう、このお嬢様は、と思いながらも上条当麻の頭では終業式のシミュレーションが行なわれる。
 上条当麻の担任である月詠小萌のHRから始まってハゲがまぶしい校長の長い話を聞く終業式、そして再び教室に戻って
小萌せんせーから通信簿とか冬休みの心構えとか補修の通知とかを戴いて解散といってところだろう。
「え〜と多分11時半ぐらいかな、遅くても12時には帰り始めると思うぞ、でお前何―」
『別に……。ただなんとなくよ、なんとなく。』
「ヲイ!」
『本当に何も企んでなんか無いってばッ―あ、まず』
携帯電話のスピーカーからは少し遠くから『お姉様、そろそろ時間ですわよ』とか聞こえる。 大方ルームメイトの白井黒子だろう。
(そういえばもう結構長い時間話してるよな、俺ら……)
『そろそろ朝食の時間みたいだから一旦切るけど、アンタ学校終わったら寄り道せずにいつも通りに帰りなさいよ、絶対に」
美琴は言うだけ言って回線を切ってしまった。
「なんなんだ、一体……」
朝食とか言っていたし、ふと壁に掛かった時計を見れば、確かにそんな時間だ。
プリンの容器を壁際のゴミ箱へと投げ入れ、ハンガーに掛かった学生服を手に取り袖を通す。
本当に何も入っていないぺらっぺらな学生鞄を手に取り、玄関に向かう。
爪先をとんとんと地面に打ち付けてスニーカーを履き鉄製のドアを開いて部屋を出た。

 12月23日―快晴、気温は少し肌寒い程度。 学生服の下に重ね着をしてるからその辺は大丈夫だ。
大きく息を吸い込んで、
「いい天気だ、こんな日は叫びたくなるな……アー、マジダルイデスヨー!(マジデー、マジデー、マジデー←やまびこ)」
元気一杯にネガティブな叫びを発し上条当麻は歩き出した。 

上条当麻の波乱に満ちた一日が開幕の合図を告げ、その幕が開かれた瞬間だった。
                                                  [12月23日―AM7:30]

287とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/09(金) 18:05:59 ID:hL/PFek6
>>281 こ、こうなのか……?
こ、今度は上手くいったっぽい? 

>え?男、ああ、あいつですか……。そのうち、そのうちね……。

288とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/09(金) 21:34:38 ID:hL/PFek6
素敵な台詞が思いつかない男◆Oamxnad08kです、こんばんは。

とある世界の『空白少女』(ブランクガール)はIF世界のお話になっています。

まず禁書目録がある事情によって学園都市に滞在していません。
小萌×ステイルはもはや解除しようがありません。
オリジナルキャラが出てきたりもします。
まして名前だけのクラスメイトも出てきたりします。

>>281 アドバイス感謝。


そして最後に3月14日に小萌先生をもらっていきますね。

289■■■■:2007/03/09(金) 22:06:59 ID:Hr8yLrIw
んー、改行は文字サイズを小にすればピッタシかも。
中サイズの人は文字サイズに気を付けてー。

あと出来れば地の文の部分は『。』の後は空白じゃなくて出来るだけ改行した方が良いですよー。
その他は……地の文は全角一文字分だけ空白入れた方が良いぜぃ。

何か小言ばっかりになってしまいましたが、GJ!
IFといっても、禁書と出会わなかったとかそういうものではないっぽい?
何か妻っぽいなぁ、御坂。続き楽しみにしてますよーっ。後、小萌先生はステイルのものだ。

290 ◆Oamxnad08k:2007/03/09(金) 22:21:09 ID:hL/PFek6
>>289 ほむほむ、更なるアドバイス感謝感謝。

IF設定>禁書と出会わなかったわけではないです。
『告白儀式』(ハートトゥハート)のラストあたりの様に上条が記憶を失った後に取った行動が
原作とは違った世界と思っていただければ……。

小萌先生はステイルが・・・・・・げふげふ。
3月14日―とある世界の『白夜返礼』(ホワイトリフレクション)来るかも、と予告も投げておいて見る。

291とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/10(土) 18:33:37 ID:WmGoACRA
[2] Accelerator01―芳川桔梗の優雅な朝食

 バターが塗られたこんがりトースト、ちょっと半熟な目玉焼きとカリカリのベーコン、そしてニンジンとレタスのサラダ。
割とありふれた洋食風の朝食の風景。 
 学園都市の教員用4LDKのマンションの一室の空気を和やかにさせる仄かに香る引き立てのコーヒーの香りが優雅な
ブレックファーストを楽しむ―いや楽しみたい芳川桔梗の鼻腔をくすぐる。
「愛穂にしてはいい豆ね、貴方達もコーヒーでも飲んで一旦ソレ止めない?」
 目の前のテーブルで広がる小規模戦闘を少し開けた目でちらりと覗き、当事者2名に提案する。
『やなこった』
 当事者二名は芳川の好意的な提案を即座に却下した。 芳川はその返答を半ば予想していたので「あっそう」とだけ言うと
求人情報が載っている雑誌に視線を移しパラパラとめくるがやはりなかなか良い条件の就職は無い。
 ひょい、ひょい、ひょい、ひょい。
 器用に動かされる幼女の手に握られた二本の箸が高速でニンジンを隣の皿へと運ぶ。
 隣とはつまり芳川の皿の事だ。
(この子達は本当に……)
 いまだに徹底抗戦を続ける意思満々な目の前の二人はこの教員用4LDKの主である黄泉川愛穂の居候と化している。
「ヲイ、このクソガキ」
「ヘヘヘヘ、とミサカはミサカは不敵に笑ってみたり」
 芳川桔梗は黄泉川愛穂とは結構長い仲である。
 親友、そう呼んでも構わないと、少なくとも芳川はそう思っている。
 彼女は普段から竹を割ったような性格をしているし何より面倒見が良い。
 [一方通行](アクセラレーター)と[打ち止め](ラストオーダー)の学園都市屈指の問題児2名をもその異様なまでの面倒見スキルを発揮し
快く受け入れてしまった。
 芳川はついでである。
 1本でもにんじん、2本でも……。
 とにかく芳川の前に置かれた皿はこんもりと盛られたオレンジ色の物体が占領していた。
[打ち止め](ラストオーダー)が自分の皿から芳川の皿へと移してるためだ。
 黄泉川愛穂はなんでも今日が自分の勤める学校の終業式とかで朝早くから出かけてしまっているので今朝は3人しか居ない。
 せわしなく動かされる幼女―[打ち止め](ラストオーダー)のオレンジ色の箸を少年の青い箸が迎撃し空中で「ガシィ」と交差する。
 虚空をニンジンが舞う。
 真っ白なテーブルクロスの上に落下したニンジンを芳川はひょいと指でつまんで自分の口へと運ぶ。
 世の中には3秒ルールと言うものがあるのだ、だからこれはまだセーフ。
「ニンジン、おいしいわよ」 
 ちなみにこの朝食を作成したのは芳川でも黄泉川でも無く、食卓で暴れる2人のうちの一人の少年だ。

292とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/10(土) 18:34:34 ID:WmGoACRA
 その少年を目だけ動かして見てみる。
 どこか中世的な顔をした少年。 
 色素が抜けたかのような真っ白な髪の毛、白髪とはまた違っていた。
 どちらかといえば銀髪に近いかもしれないが、肝心の少年自身が髪の手入れなどあまりしていないのかボサボサ感がある。
 きっとキチンと手入れすればそれこそ輝くようなキューティクルが手に入るだろう。
(本人はやる気無さそうだけどね――)
 そして次に特徴的なのは鋭い眼光を放つ目、まるで猛禽類のような残忍な光を讃えてるのが普通なのだが、いまはどっちかといえば
ウサギといったほうがピンと来る。
 ちなみに少年の目が赤いのはニンジンの食べすぎでは無いとだけ言っておく。
 少年の持つ超能力の影響というか副作用が原因なのだがその眼球は、鮮やかな深赤の色合いをしている。
 好意的に表現するならガーネットあたりの宝石のように見えなくも無い。
 だがそれよりは血の色、と言ったほうがしっくりは来る。
(まぁ最近は大分丸くなってるみたい)
 少年は[一方通行](アクセラレーター)と呼ばれるこの学園都市で最強の超能力者(レベル5)、ある事件によって脳に傷害を負っているが
相方と化している10歳ぐらいの幼女の補助によりその昨日を補っている。 彼の首に装着されたチョーカーのような装置がそれだ。
 [冥土返し]の医者曰く―演算補助デバイスというらしいが見た目にはチョーカーとポータブルプレイヤーにしか見えない。

 今の彼は青いチェック柄のエプロンをつけ頭にも同色のバンダナが巻かれている。
 おさんどんスタイルというやつだ。
 意外にも結構似合っているので余計におかしい。
「ム、ムムム、お願いだから箸をどけて欲しいかも、とミサカはミサカは悲痛な願いを口にしてみる」
「断るッ」
 激しい鍔迫り合いで両者の間に火花が飛び交い、ギギギギギギ、と交差した箸と箸が耳障りな音を立てる。
「行儀、わるいわよ、二人とも」
 一応年長者の務めとばかりに注意しても
「ニンジンだけより分けるんじャネェよ、ニンジン食え、ニンジン。 カリカリと生のままかじッてろ!」
「だが断る、とミサカはミサカは奇妙な冒険が好きな某人気漫画家の先生の真似とかしてみたりする」
 わんぱくすぎる二人は聞こうともしない。
 諦め気味にTVのリモコンを操作して朝のニュースを映すと若い男のニュースキャスターが
 最近学園都市で起こっている事件の事を報道していた。
「失踪事件ねぇ……」
 先月の終盤あたりにまず一件、そして今月の初めに一件。 1週間ぐらい前に一件、どれも突然何も告げずに姿を消してしまうのだ、
 普通ならそのまま行方不明になるのだが、この事件の被害者は何故か数日後にひょっこりと街を歩いてるところを発見されたりしている。
 ただ、いままでどこに居たのかはまるで覚えておらず、軽い記憶障害を起こしている事と被害者が全て女子というのが共通点だ。
 特に暴行された形跡も無く大した事件にはなってないがそれでも連続して起こればそれなりに報道機関の目を集めるのだろう。
 丁度テレビには被害者の女の子の友人のコメントなどが流れていた。
『ええ、どこに居たのかとか聞いても、そう……とか、わかった……とか気力の無い言葉ばかり返ってくるんです』
『戻ってきてからボーっとしてる事が多くなった気がする』
 どれもありきたりなコメントばかりで目を挽く物は無い。
 芳川は嘆息するとリモコンを操作して別の番組へとチャンネルを変えた。

293とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/10(土) 18:35:23 ID:WmGoACRA
 さて一方通行の猛攻をひらりとかわす幼女はといえば、そのオレンジがかった髪の毛を揺らし、彼をおちょくりまくっている。
 見た目10歳児の幼女、彼女は御坂美琴と同一のDNAマップを元にして作成された[妹達]が形成する擬似ネットワーク[ミサカネットワーク]
それを束ねる上位個体だ。
 個体名は[打ち止め](ラストオーダー)、20001人目の[妹達]でもある。
 あどけない顔を今は「ぷくー」と膨らまして一方通行に対して「ニンジンいらないよ」などとどこかの士官学校のパイロットのような
台詞を吐いている。
 あまり品の良くない笑みを浮かべた一方通行が銀色のトングを使ってたっぷりとオレンジ色の物体を彼女の皿へと盛り付ける。
 どうやら相方のガキンチョ様も一歩も譲る気は無いようで懲りずに芳川の皿へとニンジンを転送する。 
「このクソガキが。 お子様はニンジン食べてすくすく育ちやがれ」
 右手でオレンジの箸と銀色のトングでドッグファイトを繰り広げながら、一方通行は左手に持った2本目のトングで芳川の皿に
こんもりと乗ったニンジンをガシッ!と掴むと、
「四の五の言わずに食えッ!食いまくれッ!そして寝ろッ!!」
オレンジ色の物体を銀色のトングから射出した。
「がーんっ! ニンジンいらないって言ったのにッ! アナタの目が赤いのはきっとニンジンの食べすぎが原因に決定、とミサカは
ミサカは新たな新事実をミサカネットワークに流出してみたりする!がしがし」
 幼女がせっせと寄り分ける先からどんどんニンジンが追加されていく。 
 一方通行→[打ち止め](ラストオーダー)→芳川→一方通行といった図式の綺麗な円運動が出来ているようだ。
 完全循環、そんな言葉が芳川の脳裏を掠めた。
「入れすぎじゃないの?それ」
 うっすら涙目になりつつある[打ち止め](ラストオーダー)を見かねて少しだけ助け舟を出してやることにした。
[打ち止め](ラストオーダー)の皿はもはやオレンジ以外の色を探すほうが困難なぐらいオレンジ色に染まっている。 
「はッ、お子様にはこれぐらいカロチンを摂取させたほうがいいンだよッ」
 彼は青いエプロン姿で胸を張って正当性を主張している。
「ブーブーッ、ってミサカはミサカは横暴な貴方に断然抗議してみたりする」
「やかましい、クソガキが一丁前に好き嫌いすンじャネェよ」
 もはやニンジンしか見えないくらいに山盛りのニンジンサラダをせっせと別の皿へとより分ける[打ち止め](ラストオーダー)。
 なんていうか……健気だ。 
 程なくして[打ち止め](ラストオーダー)のサラダの皿から綺麗にオレンジ色が消えうせた。 
 消えうせた分のオレンジはそっくりそのまま芳川の皿へ。 
 その様子を腕を体の前で組んで見守っていた一方通行の腕がゆらりと解かれ、その赤い瞳が猛禽類の光を宿す。
 獲物を狙う鷹の目、口元は残忍な形にゆがんでいる。
 なんでこの子はこんな表情ばっかり上手いのだろうか……。
「やめときなさいよ……」
 芳川の忠告などお構いなしだ。
 彼は躊躇する仕草すら見せない。
 代わりに「なにを言ッてるンだァ?」とでも言いたそうな顔をこちらへ向けてくる。
 とりあえず芳川は右手を横にひらひらと振って「もういい」と意思表示する。
 ともかく、一方通行の手が動いた。残像すら残るぐらい高速で右手に持った銀色のトングが閃く、そして、
「待ッていたンだよッ、この時をなァ!」
芝居掛かった動きで一閃、トングは芳川の皿により分けられたオレンジ色の物体を根こそぎ掻っ攫い頭上高く掲げあげる。

294とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/10(土) 18:36:09 ID:WmGoACRA
「はぅ!? そ、それで何をする気なの……びくびく、とミサカはミサカは邪悪な真性Sな貴方を見ながら恐怖で怯えてみたり」
 一方通行はゆっくりと[打ち止め](ラストオーダー)の皿の上に移動して停止した。
 まるで原作3巻のラストバトルのワンシーンようだ。
 今回集めたのはニンジンだけど。
 [打ち止め](ラストオーダー)を見下ろす彼の目は悪ガキの目になっていて、心なしかなんだか楽しそうにも見える。
「投下」
 パッ、銀色のトングがカパンと開いて挟んでいたオレンジ色の物体を真下へと投下した。 
「ニンジンきらーい、ミサカバリヤーってミサカはミサカは鉄壁防御を敷いてみる」
 飛来するオレンジ色の物体を左手に持った別の取り皿で防御するちびっ子。 にんまりとした笑顔で彼を下から見上げる。
「はっはっは、片腹痛いなぁ、もうお終いかなー、とミサカはミサカはアナタに勝利間近」
 ぺし☆、銀色のトングが[打ち止め](ラストオーダー)の持つ取り皿の軽くはたいた。 
「あ!?」
 かくしてニンジンは重力に従って本来の到達予定地点へと到達を果たす。
 したり顔の少年とわなわなと肩を震わせる幼女の視線が再び交錯し激しい火花を散らした。 
 数瞬の後、何度目かのニンジン戦争が勃発したのは言うまでも無い。 
「だから行儀悪いわよ二人とも……」
 どちゃあ、飛び交うニンジンと吹き飛ぶお皿の中、芳川桔梗が呆れた顔をして口を開いた。
「一方通行(アクセラレーター)、[打ち止め](ラストオーダー)、食べ物で遊ばないの。 ……はぁ、聞いてないわね」
 二人の戦いはまったくの互角で双方ともに士気旺盛、これは長くなりそうだ。
 ようやく諦めた芳川はしばらくその戦いを見て「やれやれ」と肩を竦めると食後のコーヒーを口に運んだ。
                                                 [12月23日―AM7:40]

295とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/10(土) 18:40:11 ID:WmGoACRA
>>289 こ、こうなのか?
これで読みやすくなったのだろうか?

296■■■■:2007/03/10(土) 20:29:28 ID:yZNUBZhg
噴いた。
なんだこの和む食卓風景。こんな平和見た事ないぞー。
というわけで、GJ!
ただ文字サイズが大きいとエライところで改行されるから注意書きした方が、いいかも?

297■■■■:2007/03/10(土) 21:25:30 ID:65RCO.Es
GJだが誤字があるな
≫292で
×中世的
〇中性的
だな

……一方さんにはFEのパラディンな装備がなかなか似合いそうだな

298とある授業の社会見学:2007/03/10(土) 22:17:54 ID:7skklyKI
とある授業の社会見学 第二章    Dance Dance Fairy-s

 学園都市が熱気に包まれている。
 喧騒の中周りを見回せば、人、人、人。
 上条たちは現在、集合場所となっていた会場の一つから移動しているところであった。
 彼らと同じように別の場所へ移動しようとしている学生たちは、携帯を操作して各種情報サービスを呼
び出しながら次に見て回るところを思案、相談している。
 そんな中、よく見れば分厚い本(と言えるのか疑問は残るが)を片手に不慣れな様子で辺りを見比べな
がら歩いていく大人の姿も見かけることがある。
 なるほど、あれが先程言われていた外部参加者なのか、などと考えながら道を進む上条に対し、横合
いから声が掛かる。
「おーいカミやん。これからどこへ行くつもりなのかにゃー」
 尋ねてきた土御門に対して
「は?」
 と、きょとんとした様子で振り返ると、その隣にいる青髪ピアスから声が飛んできた。
「カミやーん。ウチらはこれから立体映像開発研究機構出向第三技術分室主催の出展ブースに行かな
あかんのやで? そっちは方向が違うやんよー」
「……今さらながらに思うんだが、ずいぶんと怪しげなところだよな、そこ」
「なにゆうてんねん! 立体映像なんやで?! 能力者が見せる幻覚じゃない、れっきとした本物がそこ
に存在するんやで?! 二次元の画面の中でしか動くことの出来なかった彼女たちがそこから飛び出し
て自由に動き回れるんやで?! それを見に行かずして何を見に行くっちゅねん!!」
「とりあえず色々言いたい事はあるけど、立体映像を見に行く目的はそれか。あと、立体映像にしたって、
“本物”にはならないと思うぞ」
「うるさい! 一人だけ抜け駆けしたカミやんにはわからんわ! ウチらはずっと仲間やと思っていたのに
裏切りやがって! こうなったら土御門と二人でモテないもん同士寂しく結束しちゃるワイ!」
「あー、立体映像の中身が何かは分かんないしにゃー。あと、オレには舞夏がいるから別に寂しくは無い
んだぜい」
「なんだとお前もか!」
 血涙を流しながら土御門に掴みかかる青髪ピアスを眺めていたが、あまりにも騒がしくなってきたので、
土御門から青髪ピアスを引き剥がしながら
「分かった分かった。その立体映像の展示してるところに行ってやるからとりあえず落ち着けって」
 と宥めることにした。
 ようやく二人を落ち着かせたのだが、先程言われたことが気になったため、
「けど、一人だけ抜け駆けしたって何の事だ?」
 と、何気なく尋ねると、次の瞬間、目の前の二人から殺気が吹き荒れてきたので慌てて飛び退く。
「え?! 何々?! 何で急にそんな反応してるんですか?! あと土御門! そんな本気出す構えとっ
てんじゃねえ! お前の本気は洒落にならねえんだよ!」
 焦る上条を前にして、ついさっきまでの騒ぎなど嘘のように固い結束で結ばれた土御門と青髪ピアスは
じりじりと間合いを詰めながら語りあう。
「ほほう。カミやんはどうやら周りにあれだけの女の子たちがいながらこんなこと言ってるようやで?」
「自覚なしとはなかなか舐めてるようなんだぜい。それとも、分かった上で敢えてそういってるのかにゃー?」
「いずれにしても」
「ああ。一度天誅をくらうべきなんだぜい」
 どうやら判決が出た模様である。というか、これでは検察側と裁判長の二人が結託してませんか?など
という上条の内心をよそに、二人は絶妙のコンビネーションで距離を詰めてくる。
 何とかしてこの場からの離脱を図ろうと上条が視線を逸らせた次の瞬間、二人が飛び掛ってきた。
 必死に抵抗するも、あっけなく勝負が付いて上条は二人から友情と言う名の拳を受けて地に沈んだ。

299とある授業の社会見学:2007/03/10(土) 22:18:12 ID:7skklyKI


                   ◇                    ◇ 


 それからしばらくして、ようやく起き上がった上条は再び目的地に向かって歩いていた。
「しっかし、こないだの大覇星祭の時もそうだったけど、こんな時間から学生が道一杯にいるのを見ると、
つくづく今日は特別な日なんだなぁって思うよなぁ」
 上条が言うとおり、道を行くのはその殆どが学生で占められている。
 時間が午前中ということを考えるとより一層そう感じてくる。
「それにしても、何でみんなこんな外にいるんだ?」
 気軽な感じで尋ねる上条に対し、青髪ピアスが呆れたように言う。
「おいおいカミやん。それを言うたらウチらかてどうなんよ。他の人らも今から違う会場に行くか、それぞ
れの出先元へ見に行ってるんやないの? だいたいこんなのは学園都市に昔から住んでるなら分かりきっ
た事やない。どうかしたんかやー?」
 その何気ない言葉にこそ、上条の意識は反応しかける。それを、絶対の意思でもって身体が反応しな
いようにする
 “学園都市に昔から住んでいるなら”
 言った本人にしてみれば何とも思っていない言葉だろう。実際、青髪ピアスは上条にそう言った後、歩
きながら道中にある様々な催し物を眺めている。
 だが、 上条にとってはその言葉こそ、最も注意しなければならないものだ。
 なぜなら、上条当麻が夏休みより前の記憶を失っている事は誰にも知られてはいけないのだから。

 あの夏の日、あの病室であの少女に語った日からこれまで築いてきた日常。
 それを守り、続けていくためには僅かなミスも許されない。

「あー、そうだったよなー。なんかお前らにやられたせいでまだちょっと頭がボーっとしてたみたいだわ」
 だから、自分も気楽な調子で返す。
 だって、今のは本当に何でも無い事の筈なのだから。
 自分は今、何でもないように笑えているか? ぎこちなくは無いか? どこかおかしいところは無いか?
 そう自問しながらも必死に気持ちを落ち着け、普段どおり振舞うようにする。
 その上条に対し、
「んー、カミやん本当に大丈夫かにゃー?」
 隣から土御門が声を掛ける。
「だ、大丈夫に決まってるだろ。大した事無いって、ちょっと大げさに言ってみただけだから……」
 そう答えても、土御門は何も言わずにこちらを見ているだけだ。サングラスに隠れた目に自分がどう映っ
ているのかは自信が無いがそれでも日常を続けなければいけない。
「な、なんだよ……?」
「んー、まあ、カミやんがそう言うのなら大丈夫なんだろうにゃー」
 上条が逆に問い尋ねるとあっさりと返される。
 不安は残るが、あまり追求すると藪をつつく事になりかねないので困る。
 もどかしさを覚えながらも上条は二人と連れ立って目的地までの道すじを過ごすのだった。

3001-01-641:2007/03/10(土) 22:19:50 ID:7skklyKI
すんません。今回時間がないのでこんな程度で申し訳ないです。
あと、アンカーできないけど、投下された方々、GJ。

301とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/11(日) 00:28:36 ID:qrtwEcrM
>>296 全国の通行止めファンの皆さんごめんなさい。うちの通行止めはこんなのばっかりです。
>>297 ガーンッ!! 誤字王国の住民になってる…ご指摘ありがとうございます。
ファーイアーエンブレム♪手ごわいシミュレーション♪
一方さんがパラディンだとクリティカル連発しつつ一騎でクリアできそうだ。
やっぱり白馬なのですか?なのですね?そうですか・・・うちの[打ち止め](ラストオーダー)がはしゃぎそうだ。

302■■■■:2007/03/11(日) 18:50:54 ID:7JIZSeJc
おっしゃ、GJだぜ!
改行がおかしいのは、携帯からかな。
・・・学園都市・・・そんな技術考えてないで、ほかの事を考えろよ・・。
658 :イラストに騙された名無しさん :2007/03/06(火) 15:39:38 ID:YJrWx7hU
>>656
“もしもワリシーサがアレイスターだったら”『サーシャの旅』より
“もしもヴィントがピクニックに行ったら”『青眼のヴィント』より
“もしも土御門と舞夏が『キノ』の世界を旅したら”『つちみかどっ!』より
“もしも学園都市がヌーディスト・ビーチだったら”『青ピくんに女神の祝福を!』より
“もしも神裂が女子プロレスラーだったら”『半分の月がのぼる空でもお留守番』より
“もしも御坂美琴とシスターズが仲が悪かったら”『オラオラ!!』より
“もしも上条当麻がフラグに気付いていたら”『とある魔術の禁書目録』より
“もしもヒロイン達が新妻だったら”『とある魔術の禁書目録』より
“もしも風斬氷華が虚数学区で水着になったら”『影と良巨乳』より
“もしも当麻と御坂のど付き合いが大正浪漫に溢れていたら”『初春飾利の秘密』より
“もしも一方通行さんが『超機動少女カナミン』だったら”『惨殺天使アクセラレータちゃん』より

スレにあったけど、 どれか誰か書いてくれないかな・・・。
無理だったら、ごめんなさい・・・、

303■■■■:2007/03/11(日) 19:46:01 ID:RJ5l0oZk
>“もしも当麻と御坂のど付き合いが大正浪漫に溢れていたら”『初春飾利の秘密』より
どんなんだそれは。思わず爆笑しちまったぞ。

“もしも御坂美琴とシスターズが仲が悪かったら”『オラオラ!!』より
これはなんとなく想像出来るなぁ。殺伐としてそうだ。

304とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/11(日) 20:01:31 ID:qrtwEcrM
[3] Imagine Breaker02―上条当麻と愉快なクラスメイト達

「チィーッス!」
 ガラガラッと引き戸を開け元気に挨拶をしながら上条当麻は教室へと足を踏み入れた。 
「うぃーっす、カミやん」
「上条くんおはよう」
「上条当麻、貴様遅いわよ」
 他のクラスメイトはもう全員揃っていたようで次々に挨拶を返してくれる。 うん、なんか最後のだけ棘があるけど爽やかな朝だ。
「おはよう。キミは朝から元気だね」
 少し猫背気味に自分の席へと進む途中で黒髪の女の子から声を掛けられた。姫神秋沙。上条当麻のクラスメイトだ。
 目の上で切りそろえた黒髪はキチンと手入れがされているようで彼女の顔が動く度にその動きを追ってサラサラとなびく。
「よっ、姫神」
 そう言って、上条は姫神の頭に手を置いてわしゃわしゃっと撫でる。
 手のひらから彼女の髪の感触が伝わる。
「……」
 頭を乱暴に撫でられた彼女はなんだか少しほっぺたが赤い。
 自分の自慢のサラサラの黒髪が乱れるのも気にしていないようだった。
「なっ、上条当麻ッ! 貴様なにを朝から破廉恥な事を」
「えッ!なんで頭撫でたら破廉恥なんだッってッぶるぁぁぁぁぁ!!」
 上条の抗議は120%反射しながらこめかみに青筋を浮かせた吹寄制理がツカツカと近寄って
上条の右頬に右ストレートを叩き込んだ。
 クルクルクルと錐揉み回転で上条の体が宙を舞う。 冗談抜きで舞う。 
 痛い、ひたすら痛い。思わず上条の脳裏に、お前このパンチなら世界獲れるぜ――、とか台詞が浮かんできたので
しっかりと心の引き出しに仕舞いこんでおいた。
 言ったらもう一発来るしな――、上条は床にキスしながらそう思った。
「……」
「姫神……なんで残念そうな顔してるんだ……」
「それは。私の口からは言えない」
 ぽつりと呟く姫神はちょっぴり残念そうな後姿で自らの席へと戻っていった。
 吹寄も「フンッ!」と不機嫌そうな顔で上条を睨んだ後にやはりツカツカと自分の席に戻り、ほっぺたを押さえた
上条だけが取り残された。
「なぁ? なんかアイツラ普段と雰囲気違うんだけど・・・」
 近くに座る女子に声を掛ける。
 長い茶髪をポニーテールにしている女子は上条の方を向いてクスクスと笑った。
 まるでおかしくてたまらないといった様子だ。
 その女子に釣られるように段々と笑いがクラス中に伝染していく。
 爆笑の渦の中上条だけ取り残されるのにそう長い時間は掛からず、
「……」
 と無言で訴えることしか出来ない上条当麻。

305とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/11(日) 20:02:02 ID:qrtwEcrM
「あー、ごめんね上条君。 あんまり面白くってさ、プ、あはは、駄目駄目、そんな事態のわかってないハムスターみたいな
目で私を見ないで。 おねがい…おなか、おなかよじれるぅぅ」
 事態の分かってないハムスターってどんなのだよ……――。
 駄目だ、茶髪ポニテの女子とはとても会話になりそうもない。
 彼女はケラケラとお腹を抱えて笑い転げてしまっている、その笑いの度合いを数値にできるのなら43000ワラ以上は確実にあるだろう。
 彼女だけではない、他のクラスメイトも一様に背中が震えている。
 必死に笑いを堪えているのは間違いない、最初のように大笑いこそしないものの耐えかねるといった感じだ。
 但し吹寄制理と姫神秋沙と土御門元春以外は、だが。
 腕を組んで不機嫌そうにする吹寄。 
 時折チラリと上条の方を見て読み取りづらい表情をする姫神。
 ニヤニヤと唇の端を持ち上げる土御門。
 実に三者三様の対応を披露してくれる。

「カミやん、ホントにわかってへんのー? もしそうやったら天然記念物もんやねぇ、ってかこれ笑うなって言うほうが無理」
 青髪ピアスの男子は上条の周りをバレリーナのようにくるくると回りながらドップラー効果を伴いながら喋る。
 ドップラー効果を伴って笑っている姿は非常にウザイ。
 とりあえず上条は残像すら残りそうな動きの青髪ピアスを右ストレートで軽く沈黙させて席に着くことにした。
 燃え上がれ俺の小宇宙よ――、心中で宇宙を浮かべる上条の右拳に力が籠もった。
「上条コークスクリュー!(必殺技)」
「エンデバッ!(悲鳴)」
 上条の捻りの効いた右拳が深々と青髪ピアスの顔面に突き刺さりその背景を銀河へと変え、青髪ピアスが吹っ飛んだ。
「あ、あれは!」「なんだと知ってるのかラ○デン」とか「青髪ピアスほどの実力者があっさりと……」とか不思議な会話が飛び交う。
 つくづく思う、このクラスは濃ゆ過ぎる連中ばかりだ、と。

 席に着いた後もやはりクラスの視線が痛い。
 別に悪意に満ちているようなねちっこい視線ではないがその瞳のどれもが、早くおもしろい事おこらないかな?といった期待に
満ちているのは多分上条の気にせいではないだろう。
 バタリ。 
「越川さん!」
「ああ、上条当麻の犠牲者が早くも」
「衛生兵、衛生兵!」
「瞳孔が・・・・送還セット!早く」
 茶髪のポニーテール少女はあんまり笑いすぎで呼吸困難に陥ったようだ、というか笑いすぎだ。 
 彼女は笑いすぎた挙句床に身を投げ出して「く、くるひぃ」とか言ってお腹を抱えている、ここまで笑えれば大した物だと思う。
 まあ近くのクラスメイトが数人駆け寄って介抱してくれているのでそのうち持ち直すだろう。
 右ストレートを喰らって倒れている青髪ピアスは誰も介抱してくれないまま床に投げ出されたままなのだがこれもお約束というやつだろう。
 上条が薄っぺらい鞄を机の横に掛け正面に向き直ると土御門が話しかけてきた。
 こいつのニヤニヤとした表情はいつもと変わらない。
「にゃはは、カミやん寝坊かにゃー、随分とギリギリじゃないか」
「うっせー、間に合ったんだからいいだろ、こちとら朝から意外なヤツの電話で叩き起こされて血圧足りないんだっての」
 ザワリ――。
 電話、というところでクラスメイトの視線が一斉に上条に集中した。
 既に退場している青髪ピアスと茶髪ポニテ以外。
 吹寄や姫神ですら、信じられない、といった表情を向けてくる。
 なにか変な事言ったか?と上条は思考を巡らせるが、
「それ。女の子から?」
 ジーッと見つめてくる姫神が抑揚の無い言葉を紡いだ。

306とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/11(日) 20:02:24 ID:qrtwEcrM
 姫神はなんだかすこし悲しそうな表情をしている、そして相変わらず口調からは感情が読みづらい。 
「姫神、そりゃ当然だぜい、カミやんに限って男からの電話なんて無い!! 十中八九女の子だと断言できるぜい
しかも朝だぜい朝、これはもう嬉し恥ずかしのドキドキモーニングコールの展開しかないにゃー。 これに対抗するにはもはや
姫神もヤルしかないぜい」
 ザワザワ、とクラス全体が騒がしくなる。
(姫神、携帯電話を出して神妙な顔をするな……)
 口々に「やっぱり」とか「旗男め」とかそういう類の言葉が上条の耳に入る。
「あ゛ー、ノーコメント。 わたくしは無実です、ノーコメントでいかせてもらいます」
 周囲の喧騒から耳を塞ぎ上条はわざとらしく答えた。 姫神が「そう。やっぱりね」と小さく呟いたのが口の動きで判った。
(姫神さん、何が「やっぱり」なんですか?――)
 面と向かってそう聞くわけにも行かず、上条は疑問を募らせる。 
 でもここで御坂美琴のモーニングコールという爆弾を投下したら、きっとクラスの連中のテンションはいろんな意味で
ピークに達するだろう。
 おお、恐ろしい、考えただけでも寒気がする。
 上条はその結末を鮮血エンドと名づけて心の引き出しへ仕舞い込み鍵を掛けた。 心の鍵はどこかへ投げ捨てる。
 よかった、これでよかったんだ――、と胸を撫で下ろす上条へ土御門は、
「カミやんのフラグ体質は相変わらずだにゃー、舞夏にも気をつけるように言っておくかにゃー」
 とのたまった。
「……舞夏なら昨日すれ違った時に、おはようございます、お兄ちゃんって言われたぞ」
 間髪入れずに上条の言葉が飛ぶ。
 土御門とその他少数の男子の顔に驚愕の色が奔った。
「にゃッ!? お兄ちゃん!? カミやん、テメェ……ブッコロス」
「のわぁー! 朝っぱらから本気で殴りかかってくんじゃねぇッ!?」
 いち早く復活した金髪の少年はサングラスの奥の瞳を怪しく光らせると長い手を体の前でゆらゆらとちらつかせ、鞭の様に
しならせたパンチを放つ。
 左のジャブ。
 フリッカージャブと呼ばれるパンチだ。
 間一髪で一発目を顔を逸らして回避する上条の頬にスパン、スパンと第二第三のフリッカーが飛んでくる。 
「痛ッ!?」
「シッ!シッ!シッ!!」
 まともにパンチをもらって衝撃で上条の体がのけぞる。
 その時このまま国内王者決定戦でも始まるのか?と言う雰囲気を見事にぶち壊してガラガラッと音がして教室の前のドアが開いた。
 
「はぁーい、皆さんHRを始めますよー」
 そんな甘ったるい声と共に担任の教師、月詠小萌が元気いっぱいの笑顔を振りまいて現れた。
 そして不思議そうな顔をこちらへと向けてきた。
「上条ちゃんと土御門ちゃんは一体何をしてるのですかー?」
 きょとんとした表情をして彼女はクラスの委員長である吹寄制理へと説明を求めたが、
 吹寄は「べつに、いつものバカ騒ぎですよ先生」と実にそっけない返事。
 
「あぅー、HR始めますから席についてくださいー! せーきーにつーいてー! 上条ちゃんってば先生の話を聞いて欲しいのですよー
じゃないと欠席にしちゃいますよー」

 クラスの喧騒に負けないように精一杯両手をぶんぶんと振り上げながら「きいてくださいー」と声を張り上げるちびっこ教師のHRは
結局、大した内容は話せていなかったと後に姫神秋沙は語る。 

「義妹は渡さないぜ、幕のう(ry」
「誰だよ、それ!あと顔が死神みたいになってんぞ」
「モーニングコール。ぶつぶつ」
「上条当麻!早く席に着きなさい、貴様一人がクラスの和を乱しているのよ」
「のぁぁ!なんで俺だけなのさ!土御門も暴れてるジャン」

 今日も上条当麻のクラスは騒がしかった――。                          
                                                   [12月23日―AM8:00]

307とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/11(日) 20:05:59 ID:qrtwEcrM
>>302
“もしもヒロイン達が新妻だったら”『とある魔術の禁書目録』より
こんなのあったんだ……知らなかった。

308もしもヒロイン 御坂妹編 ◆Oamxnad08k:2007/03/11(日) 21:36:04 ID:qrtwEcrM
 トントントントン グツグツグツグツ
「ん、もう朝かー」
「起きましたね、おはようございます。朝はお米でよかったですか?とミサカはもう作っちゃったけど確認を取ります」
「あー、ご飯の方がパンより好き―ッ!? ・・・じゃなくて御坂妹!?」
「はい。 アナタのスイートエンジェルミサカ10032号こと御坂妹です。」
 朝起きたら上条当麻の御坂美琴のクローンである[妹達](シスターズ)の一人、御坂妹が居た。 
 彼女はキッチンから顔だけ出すと布団から驚いた顔を向けてくる上条をよそに部屋の中央に置かれたちゃぶ台の上へと
おそらく彼女が作ったものであろう朝食をテキパキと運んだ。
 メニューはご飯に味噌汁、あと焼き魚、それにたくわん。
「あ、あのこれって?」
「全てミサカが作りました、ご飯は炊飯ジャーにセットされていたので実際に調理したのは味噌汁とお魚だけです。 
漬物は冷蔵庫にあったので勝手に使わせてもらいました、とミサカは手料理という武器を使って家庭的なところをアピールしてみます」
 ほかほかのご飯からは湯気が出ていて、お味噌汁からは食欲をそそるいい匂いが漂ってくる、加えて焼き魚は絶妙な焼き加減であり、
朝食としての点数は上条当麻的に80点をマークした。
 しかもドッキリ効果もあいまって+20点合わせて100点だ。
「俺たしか寝る前に鍵かけたよなぁ、御坂妹お前、どうやって入ったんだ?」
 すると御坂妹はオレンジ色のエプロンの下に着ていたいつもの常盤台中学の制服のスカートからあるものを取り出して上条へと見せた。
 ヒヨコのマスコットがついた鍵? 鍵自体はなんだか上条にも見覚えがある。
「合鍵で堂々とお邪魔しました。 まだアナタはそのとき就寝中でしたのでミサカの朝食も兼ねて2人分の朝食を作成したというわけです」
「あ、合鍵ィ!? そんなもの渡した覚えがないんですが―」
「気のせいではありませんか?とミサカは更なる追求を逃れるために甲斐甲斐しくアナタのお茶碗に山盛りのご飯をよそってみます」
「え、あ、サンキュ。 はむ、いや、えっとそのうまいなご飯、焼き魚なんて絶品だぞ、えっと何の話だっけ?あれ?」
 上条に背を向けて見えないところで御坂妹は小さくガッツポーズをしていた。
 上条はといえば起きたら朝食ができている幸せにすっかり呑み込まれていて御坂妹がなんで合鍵を持っているのかなんてことは
焼き魚を食べている間にどっかにいってしまった。
 それからしばらく上条は御坂妹が用意した朝食を堪能し最後にずずーと味噌汁を飲み箸を置いた。 
「ふー食った食った。 ご馳走様でしたっとな、いやぁー御坂妹は料理できるんだな、意外って言えば意外だったぜ」
すっかり満腹になって機嫌もよくなった上条はだらしなくゴロンと横になると幸せそうな顔で脱力した。
「満足してもらえたようでミサカとしても満足です。 お望みならば毎日でも作りに来ますよ、とミサカはさりげなくアタックしてみます」
「毎日・・・それは非常に魅力的な言葉ですなぁ、御坂妹はいい嫁さんになれるぞと思うぞー」
「アナタの発言はたまにどこまで本気なのかわかりませんね、その発言が100%本気なのならミサカには異存は無いのですが
この場合は多分社交辞令で言っていると思うので素直にありがとうございますと謙遜しつつ答えます」
 そして御坂妹は上条が使った食器を持って再びキッチンへと姿を消した。
 どうやら洗い物までしてくれるようだ。
 あまりにも至れり尽くせりな環境に上条当麻はとても幸せだった。

309もしもヒロイン 御坂妹編 ◆Oamxnad08k:2007/03/11(日) 21:39:53 ID:qrtwEcrM
連投スマソです。
>>302
丁度以前書いてたやつがありまして……。

310■■■■:2007/03/12(月) 10:03:18 ID:t14cfrvk
そういえば聖杯戦争やメルブラクロスオーバーやらは一体どうなったんでしょうか?
続きが気になってます。

311■■■■:2007/03/12(月) 21:19:56 ID:r0i2ZhRA
空白少女イイヨー。
フリッカーで思い出したけど、
土御門はラビットパンチの使い手でもあったな。

それにしても神の集会所と化してるなここ。

312■■■■:2007/03/12(月) 21:25:22 ID:HSv2aka6
越川さぁぁぁああん!?
なんか爆笑した。こういうキャラ好きだわー。ポニテだし。
うん、こういうオリキャラなら大歓迎だなぁ。ポニテだし。
ともあれGJ!ポニテだし。

続き、期待してるですよー。
俺も神になりたいところだぜっ!まぁ、才能ないから無理だがなっ!

313 ◆Oamxnad08k:2007/03/12(月) 21:58:26 ID:s4eGMewc
>>311
土御門、腕長いからフリッカーとかチョッピングライトとか似合いそうだなぁって、つい。
>>312
彼女のポニテは世界一です。
すぐに人を小動物に例える癖があるとかないとか。
ってポニテならなんでもいいですかい!!

314■■■■:2007/03/12(月) 22:15:05 ID:AMw9yrt2
この板に来るのは実に4日ぶりで大量に投下されていて皆さんGJ

空白少女に誤字発見
>>286
補修→補習
頭の中に「上条当麻サイボーグ疑惑」が

315とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/12(月) 22:20:08 ID:s4eGMewc
[4] Railgun01―土御門舞夏の料理のすすめ『恋のレシピ伝授します』
 
 ふんふふ〜んふ〜ん♪ 
 そうとしか聞こえないようなご機嫌な鼻歌。
 その発生源は常盤台中学女子寮の厨房をせわしなく動いているメイド服に身を包んだ14、15歳くらいの女の子。 
 少女は別に常盤台中学の生徒というわけではない、その身を包むメイド服が示すとおりの家政婦の卵なのだ。
 繚乱家政女学校―、全国から一流のメイドを目指すツワモノ達が集うエリート校。
 土御門舞夏はその学校に在学しているメイド見習いの生徒だ。
 じゃあなんでここにいるのかと説明すれば実に一言で済ますことができる、つまりは実地研修。
 一定の試験を突破したエリートメイド見習いだけが他の学校などあらゆる場所へと出向することが許されているのだ。
 この場合は彼女の研修先が名門常盤台中学の女子寮だったわけであるわけで今はお嬢様方の朝食も終わってその後片付けに奔走
している真っ最中。
 しかしソレも慣れたもので鼻歌なんか口ずさんじゃったりなんかしている実に余裕だ。
 汚れた皿を水を張ったシンクの中へと放り込んで皿の形状ごとに区分けをすると透明な水の中に
きっちりと分別された皿が所狭しと並ぶ。
 [なんだか手を繋ぎたくなる洗剤]とマジックで書かれた緑色のプラスチック容器をぎゅー、っと絞って右手に持つ
オレンジと青二色のスポンジへと浸透させると丁度、舞夏の鼻歌が一巡して再びイントロの部分へと突入した。
 延々と永久ループの様だ、残像すら残りそうなスピードで水中の皿を掴んでスポンジで一拭き、流し台の上へと積み上げる。
 気分が良くなったのか、三巡目ともなると鼻歌はいつの間にか歌詞付きにパワーアップして、ますます舞夏の手の速度が
上がって手元が見えなくなる。

316とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/12(月) 22:21:09 ID:s4eGMewc
「さぁさ ちょっと 寄ってらっしゃい♪ まいかまてぃっく♪
あんな事件、こんな事件、学校に秘密♪ なんじゃこりゃ♪ びっくらこいた♪
メイドの象徴♪ 奉仕でもいい、迫って欲しいの♪ (Hなのはいけないとおもうぞー)

見習いメイド ロボに乗ってる♪ ああ、まいかさんを知ってるかい?♪
将来有望 料理絶品♪ みんなが まいかを呼んでるぅ♪

もっともっと出番をくれ♪ まいかまてぃっく♪ 10巻も11巻も出番は無いし♪ 待ってました こっからが勝負♪
13巻に期待 さぁいっしょに♪ まいかまてぃっく ラヴー♪」

 がちゃん、ざぱー。 洗い終えた食器を何枚も重ねてシンクから引っ張り上げて、ぶんぶんと振り水を切り流し台へ置く。
 同じような動作繰り返して残りの皿も水を切ると水の中には皿がなくなっていた。 
 ほとんど歌ってる間に高速で終わらしたのである、恐るべし繚乱家政女学校。
 今度は白い布を取り出してキュキュと音をさせ皿の水気を取り背後の調理台の上へと置き、手元の見えない速度で白い塔を築き、
最後の一枚を吹き終わった後、土御門舞夏は背後を振り返らずに口を開いた。
「御坂御坂、何か私に用なのかー?」
 厨房の入り口の柱に隠れるようにして舞夏の仕事を観察していた美琴がびくッと肩を震わせて驚愕の表情を浮かべた。
「土御門、アンタは後ろに目でもついてんのかしら? よくわかったわね」
 心底驚いた、といった感じに美琴。
「御坂の気配はわかりやすいんだぞー、自分で気づいてないかもだけどなー」
 大したことないぞー、とメイド服の袖を腕まくりしてシンクの水の中へ手を突っ込んでシンクに溜まった水を抜き舞夏も答える。
 (ずっと待っていたくせに素直じゃないなー、御坂らしいけどなー――)そう思っていても口には出さない。
 本来お客さんである常盤台中学の生徒の美琴に対してタメ口を聞くのは減点ものなのだが彼女は舞夏がメイド口調で話しかけるのを
嫌っているので彼女の前ではいつも素の言葉で話すことにしている。 舞夏自身も楽だし。
 実はお客さん以外にはいっつもこの調子ではあるのだが学校には秘密だ。
 水に濡れた手をメイド服のポケットから取り出した青いフェイスタオルで拭きながら調理台の下から背もたれの無い椅子を取り出して
美琴に勧める。
 美琴は遠慮する仕草を見せていたがしつこく勧める舞夏に美琴の方が折れて椅子に腰を下ろしたのを満足そうに見て舞夏は
拭き終わった食器を食器棚へと仕舞い込み、いきがけの駄賃とばかりに食器棚からコーヒーカップを二つばかり頂戴すると、
「御坂御坂ー、コーヒーでいいかー?それとも紅茶かー? 今日はいいセイロンが入ってるぞー」
 と所在なさげにかしこまる美琴に聞く。

317とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/12(月) 22:22:14 ID:s4eGMewc
 戸棚を探してコーヒー豆を取り出して計量カップで一人分豆をすくい取りコーヒーメーカーのミルへと落としミルのスイッチを押すと
がりがりがり、と言う音がしてコーヒー豆が粉末状へとすり潰され、コーヒー豆独特の香ばしい匂いが厨房に広がる。
「んじゃ、ご馳走になるとするわ、私は紅茶で。 セイロンはあまり好きじゃないから普通にオレンジペコ頂戴、あっ高級なのとか
趣味じゃないしティーパックのでいいわよ」
 かしこまっても仕方無いことに気づいたのか美琴の雰囲気は普段通りのものに戻っていた。
「御坂の嗜好は庶民派だなー、まあ楽でいいけどなー」
 別の戸棚からオレンジペコのティーパックを取り出して庶民派お嬢様のご希望のオレンジペコを作り美琴の前へ置き自分も
椅子を取り出して舞夏はそんな事を言った。
「で、御坂御坂ー、何か私に用事があるんだろー? 本来メイドに休憩や休日の類は無いけど今なら自主的に休憩中だぞー、
お茶の相手をしてくれるなら、ついでに話を聞いてやらなくも無いぞー」
 ズズズズズ、手に持ったコーヒーカップを傾けてブラックのコーヒーを飲み、「はぁ」と深いため息をついて安堵の表情を浮かべる舞夏。
美琴はといえばオレンジペコのカップで口元を隠してなんだかごにょごにょと言いにくそうな様子。
「べ、べつに用事ってわけじゃ……」
 キュピーン―。 舞夏の目が怪しく光った。 
 美琴は素っ気無く答えたがその際に生じた微妙な変化を土御門舞夏は決して見逃さない。
 一流のメイドとは優れた洞察眼を持つ者なのだ、本人よりも主人の側に、頭のどこかでメイドの神様が有り難いお言葉を下さった。 
 
 分析開始――、何も無い様子を装うにしては頬の紅潮が見られる、視線も泳ぎがち、まるで心ここに在らずといった感じだ。
 全体的にソワソワしてしきりに時計を気にしている、恐らく後に予定でもあるのだろう、それも大事な用事。
 決まりだ、これは――。
「恋か」
 ぽつりと呟く舞夏。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!? なんで私があの馬鹿にそ、その恋なんて」
 舞夏の尋問テクニックとは知らずついつい反応してしまう純情乙女一名。
「御坂御坂ー。相手は中学生かー?」
「はっ? なんでアイツが中学生なのよ」
 かかった――。
 可憐なメイドさんの表情の御坂美琴からの死角半分が怪しく歪み、見るものを不安にさせるような邪悪な笑みが浮かんだ。
 もちろん美琴から見える方の半分はキチンと平静を装ったまま、ひたすら器用な特技だが、きっちり半分半分で違う表情を作っている。
「御坂御坂ー。 今日はこれから予定とかあるのかー? もしなければ―」
「よ、予定!? あ、あることはあるわよ、そのチョット特殊なのが一個」
 またしても、かかった――。
 半分づつ逆ベクトルの笑顔を浮かべ、舞夏は返事を返す。
「そうかー、今日は23日だもんなー。 今日誘っとかないともうチャンスないもんなー」
「あ、そうね、うん……」
(引っ掛けのつもりだったのに随分とベタな反応だなー、まあ御坂は嘘下手だからなー)
 舞夏の誘導尋問的な手腕によって、目の前の少女の悩みが恋愛関係な事はすでに明白だ。
 随分とおもしろそうな話題を提供してくれる、と舞夏は内心喜んでいた。
 もちろん美琴が舞夏に相談を持ちかけてくれた事自体も正直悪い気はしないし、相談にも乗ろうと思う。
 御坂美琴はよくも悪くも常盤台中学の中で有名すぎる、誰かに相談しようものならすぐに噂になってしまうだろう。
 ルームメイトの白井黒子はちょっぴり百合の気がある、いわゆるお姉様大好き、と言うヤツだ。
 精神年齢はおそらく美琴より上なのだろうがいかんせん恋愛ごとに関する相談相手となると舞夏的には心の通信簿に
激しく0点と書かざるを得ない。
 いや0点通り越してバッテンだな――。

318とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/12(月) 22:23:25 ID:s4eGMewc
「御坂も家事とか出来ないといけないなー、ツンデレキャラが料理ベタなのはある意味お約束なんだけど、実際問題アピールできる
ポイントは多ければ多いほどいいと思うぞー、料理、洗濯、あと愛想、掃除も出来ればなお良し」
 常盤台中学女子寮の厨房で超能力者(レベル5)様が真剣にメモを取ってこくこく頷いた。
 メモもペンもなんだかファンシー系だった、これはきっと彼女の趣味だろう。
「男はなんだかんだ言って手料理という言葉に弱いのだぞー、例えどんなにへたっぴでぐちゃぐちゃだろうとなー。
一生懸命作ればきっとそれなりの結果は期待できるのだぞ、最高の隠し味は愛情って言うだろー? 
まぁ常盤台中学の家庭科はいきなり懐石料理とか満干全席とかだからなー。
家庭的さをアピールするにはちょっとかけ離れてるなー」
 こくこく、お嬢様が激しく同意といったように首を縦に振った。
 ほろ苦い液体を喉に流し込んで舞夏は言葉を続ける。
「私もうちの兄貴の所に料理作りにいったりしててなー。 まあ兄貴と同じ学校の高校生なんだけどな。
たまにその隣の住人にもおすそ分けしてたりするんだが、それはもう気持ちよくなるぐらいにパクパクと食べてくれるなー、
それこそ、うちの兄貴と料理の取り合いになったりしてて見てる分にも飽きないなー」
 お嬢様は本気と書いてマジと読むぐらいの真剣さでファンシーなメモ帳に文字を奔らせる。
 かりかりかりかり、厨房にペンを走らせる音だけが響く。 
 舞夏が冗談で「ここテストにでるぞー」って言うと美琴はスカートのポケットからピンク色のマーカーを取り出して
「きゅー」っとマーキングする。
 素直だ……。
 実は彼女の兄貴とご飯争奪戦を繰り広げる少年というのが実は御坂美琴の想い人だったりもするのだが舞夏が知るわけも無い。 

「御坂御坂ー、得意な料理とかあったっけー」
 舞夏の質問に美琴は少し戸惑いながら、「チーズフォンデュ……一応母親直伝」と小声で言ってきた。 
「あははは、それはさすがに準備が大掛かりすぎるなー、寸胴鍋が必要だし、チーズが大量にいるなー」
 舞夏のダメ出しに弱弱しく頷く美琴。
 しょんぼりと肩が落ちている美琴を見て、言い過ぎたかも知れないと 
「あ、ごめんよー御坂、そんなつもりじゃなかったんだけどなー、お詫びに舞夏式レシピの一つ、極上海老ピラフを伝授してやるぞー」
 舞夏がすかさず入れるフォローに
「ま、まじで!? 是非教えて!」
詰め寄るように顔を近づけて瞳を輝かせる美琴に気圧され逆に舞夏の方ががビックリしてしまった。
(ほんの冗談のつもりだったんだけどなー)
「う、え、予想外の反応でびっくりだぞー、まあいいけど、まずお米を炊いてだな――」

319とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/12(月) 22:24:07 ID:s4eGMewc
 5分後―。
 門外不出のレシピをファンシーなメモ帳にしっかりと記録しオレンジペコの紅茶を飲み干し美琴は
「ありがとう、これでなんとかなりそうな気がしてきたわ」
と言って席を立った。 
 慌てて舞夏が「御坂ー、相談事あったんじゃないのかー?」と呼び止めたが彼女は、
「うん、もう解決した」と言って元気よく手を振って消えていった。
(なんだったんだ、一体)
 その背中を見守っていた舞夏は突然現れた人物に後ろから声が掛けられた。

「土御門、そろそろ昼食の仕込みに入るぞ」
 ハスキーな女性の声。
「うはぁ、源蔵さん見てたのかー、全然気づかなかったぞー」
 舞夏の背後にいつの間にか白いコックのような服装をした20台前半ぐらいの女性が立っていた。 
 彼女は通称:源蔵さん。
 常盤台中学女子寮の食事を一手に引き受ける三ツ星レストランのシェフも真っ青な腕前の名料理人だ。
 気風のいい江戸っ子気質の彼女はことあるごとに「源蔵じいちゃんは言っていた……」と亡くなったお爺さんの言葉を引用する癖がある。
 なので源蔵さんだ。
 彼女もそのニックネームを気に入っていて、本名の長ったらしい名前で呼ぶと逆にテフロン加工されたフライパン
で殴られるという噂すらあるぐらいだ。
 だから誰も名前で呼ばない。
 しかも舞夏の研修は彼女の監督下で行なわれる事になっている、機嫌は損ねないほうがいいのだ。 
「あたいにもアレぐらいの時はあったもんさ、若さっていいねぇ。 源蔵じいちゃんは言っていたよ・・・。
『恋は当たって砕け』ってね。 どう思う?土御門」
「豪快な爺さんだなぁとしか思えないぞー」
 舞夏の答えに源蔵さんは「あたいもそう思うよ、はははは」と大口開けて笑い飛ばし舞夏の背中をバンバンと叩いた。 
 隠れた美琴の気配はすぐわかってもこの人に関しては声を掛けれらるまで全く気づかなかった。
 恐るべし、源蔵さん――。
「昼食はどうせ外食の連中がほとんどだから、軽く食べれるやつにしようか、海老ピラフとか」
 戦慄する舞夏を他所にそう言うと彼女は大型の冷蔵庫を開けて食材を探し始めた。 
(がんばるんだぞー、友人としてその恋の成功を……祈る)
 偶然にも常盤台中学女子寮の昼食とかぶってしまったレシピを伝授した友人の恋の安否を祈りながら舞夏も仕事を再開するのだった。
 テフロン加工したフライパンは痛いのだ。
                                                      [12月23日―AM9:00]

320とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/12(月) 22:27:39 ID:s4eGMewc
>>314 ぎゃあああああ
上条当麻は改造人間である。とか変なナレーションが脳内に……。
ごめんなさい誤字です、誤字王国の住民です。スマソ。

321■■■■:2007/03/12(月) 23:55:11 ID:7tcu3hXQ
>>空白少女の中の方

毎回楽しみに読んでます。舞夏が可愛かったー!
次も楽しみにしてます。


追伸
地の文はあまり一文が長引かないほうが読んでもらいやすいと思いますよ?
上手く文を分割するのって難しいですけど、そこは数こなすものです。
頑張ってくださいね。

追伸の追伸
ピラフは基本洋風炊き込みご飯なんで、最初に白米炊いちゃまずいです(苦笑)。

322とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/13(火) 00:35:27 ID:xH4PrhpE
>>322 はう……チャーハンにしとけばよかった……
ではリテイクするしか……

×「う、え、予想外の反応でびっくりだぞー、まあいいけど、まずお米を炊いてだな――」
○「う、え、予想外の反応でびっくりだぞー、まあいいけど、まずお米を洗ってだな――」

うう、ごめんなさい、ごめんなさい。
>あと中に人など居ない!!

323■■■■:2007/03/13(火) 00:58:27 ID:gQyFebCQ
>空白の人
舞夏かわいいよ舞夏
出来ればヒロインにっつーか俺のy(土御門

324■■■■:2007/03/13(火) 20:03:25 ID:xrU7G9gY
空白の方GJ!

舞夏と御坂のやりとりほのぼのしてていいなあ。
素直な御坂の「きゅー」がツボでしたw

325■■■■:2007/03/13(火) 23:42:50 ID:D7zdS3Nw
『空白』GJです!
>324
貴方の意見に激しく同意致します!!

さて白日のssはあるのでしょうか?期待していても宜しいのでしょうか?

326■■■■:2007/03/14(水) 14:37:49 ID:g6i4fv7I
GJです

それはそうと、禁書×終わりのクロニクルって
嘘予告ネタが突発的に思い浮かんだのはいいが、
書いてる内に、すっかり終わクロに飲み込まれてゆく・・・・・・。
これじゃいけないと、各Gに一つの作品を割り当てる多重クロスオーバーにしてみたら、
余計に禁書が目立たなくなり、ここには出せない状態に・・・・・・。
クロス先は大事だよね、うん。

327■■■■:2007/03/14(水) 14:53:38 ID:Qb3Whn0c
当麻が終わクロ相手に旗立てまくる話にすればおk
主立って佐山とか。

328■■■■:2007/03/14(水) 15:02:03 ID:g6i4fv7I
一行目を読んで突っ込みを入れたくなったが、
二行目でなごみますた。
4兄弟にフラグ立てとかいいよね。

329■■■■:2007/03/14(水) 15:20:05 ID:N1ZN.Nes
おいおい、お前ら男ばっかですかよ。
ここでボルトマンとかだろう。奴は一時オカマ化したし。

禁書は魔術関連がないと動けないからなぁ。
動けるけど戦闘とかではからっきし、って感じか。

330とある風紀の活動日誌:2007/03/14(水) 15:59:03 ID:iBrlfVtY
第三話『愛猫家への道』

 俺の両親はくだらない奴だった。まず、その職業からしてくだらないものだった。
俗に言う、咒師(まじないし)。
つまり、藁にもすがる思いで助けを求める者を相手とする詐欺師、だった。
 俺はもちろん『まじない』なんてオカルトなど信じたことはなかった。物心が付いてからは、そんなことで金を稼ぐ親を、少なくとも『尊敬する両親』として認識したことなど無かった。そんなやつらに面倒をみてもらうことも耐えられなかった。両親も、そんな俺に対して必要以上のコミュニケーションをとろうとはしなかった。俺の、自分の家庭、生活に対する不満は日々募っていくばかりだった。
しかし、そうは思っていても所詮俺はただのガキだったわけで。家を飛び出して自分だけの力で生きていくことなど出来なかったわけで。しかも、両親は俺を虐待とかしていたわけでもなく、衣食住は十分に施されていたわけで―――。
それに、あいつらは咒(まじない)の中で1つだけ奇妙な芸が出来た。それはインチキだと信じて疑わない俺の目から見てもトリックの分からないものだった(まあ、トリックは分からずとも真似だけは簡単にできたので尊敬するに至ることはなかったのだが)。そのおかげで咒を信じてやってくるアホは後を絶たず、金銭的にはかなり恵まれる生活を送っていた。俺はその快適さを手放して生きる苦労を予想することが出来る程度に利口だった。そしてそれを分かっていても投げ出すことの出来る度胸も無かった。

「いつまでこんなことをしなければならないのですか、とミサカは目に涙をためて訴えます」
「まあまあ。全ては真の愛猫家になるための訓練だ。我慢して集中集中」
 俺たちは座り込みながらそんなことを言い合った。
 ここは病院の間近に隣接している公園だ。人目に付かないように林の茂みの中で行為に及んでいるのだが、ここだけは2メートル四方ほどの空間が出来ており、なかなか快適に過ごすことが出来る。木々の間を抜けてきたそよ風が頬を撫でて心地言い。午後の太陽の木漏れ日が、二人の体の表面を照らして揺れる。
「お前だってこんなことやあんなことをしたいんだろ?」
 俺は そ れ に頬ずりしながら、不服げな表情を浮かべるミサカに言い聞かせた。
「……分かりました。すべては猫のためです、とミサカは訓練のために意識を再度集中させます」
 ミサカは更に不服げな表情を浮かべたものの、渋々といった様子で言った。しかし新たなる追及点を認めてまた睨みを利かせてきた。
「しかしあなたはいったい何のためにそのようなことをしているのですか、とミサカは当然の疑問をあなたにぶつけます」
「え?こ、これ?いや、そりゃお前―――」
 俺は彼女の凄まじき非難の視線から逃げるように、

「だって俺猫好きなんだもん」
 腕に抱える寅之助を見せ付けて、言った。
「猫に触ってないと3秒で死んじゃうの」
 ついでにその状態から撫でまくった。

「………………………………………」
 ミサカの非難の視線は止むどころか更に強くなってきたような気がしないこともないけどとりあえずスルーすることにする。この感情を向上心へと変換してくれることを願うばかりだ。
寅之助ほどではないものの、好奇心から顔を覗かせてこちらを伺っているほかの猫たちの相手をしてやる。着ている入院服の中に猫達を7匹ほど入れてみた。結構良いな、うん。至福だ。猫達磨だ。なんか『後で覚えとけよこの猫馬鹿野郎、とミサカは喉まで出てきた言葉を飲み込みます』とか聞こえたが気のせいだろう。飲み込んだのなら聞こえはしないはずだ。うん。

331とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/14(水) 20:21:03 ID:K7NsgLg6
ホワイトデー企画
とある炎の『純白返礼』(ホワイトリフレクション)

[1]夕暮れ時の再会

 思えば切欠は些細なことだった。
 学園都市に溢れる不良達。 
 彼らが喫煙、飲酒、暴行などの行為を行なうことはもはや日常茶飯事。
 だからこそ彼らを取り締まる警察なり警備員(アンチスキル)なり風紀委員(ジャッジメント)なりがいるのだ。
 この場合も大人しく通報すればこのような事態にはならなかっただろう。 多分。
(ファミレスに食事に来ただけだったと言うのに)
 店の前にたむろしている不良の少年達がタバコをポイ捨てするのを見つけて説教をかます。
 彼女の連れはそんな熱血教師だった。
 いい先生だとは思う。
 だからこそ、いまだに不良達に説教をかます担任の教師をいかにして連れ出すべきかと姫神秋沙は首を捻った。
「まったく。正義感が強いのも困りもの」
 誰に言うでもなく一人呟く。
「姫神ちゃんも言ってあげてください! 未成年者の喫煙は成長に様々な弊害を及ぼすのですよ!」
 それ、先生が言っても説得力ない――、と思ったが不良達は口々に
「おうおう、ちびっ子がいきがってくれちゃってYO」
「締めちゃう?絞めちゃう?」
「拉致っちまうか?」
「おいおい、やばくネそれ?」
「関係ないっしょ、やっちまえ」
 などと頭の悪そうな事を言っている。
 不穏な発言が増えてきたし、そろそろ潮時だとばかりに
「小萌。ひとまず退却」
 とちびっ子先生の手を引いて一目散に不良達から姫神は逃走を開始。
 そうなると当然相手も追いかけてくるわけで、現在に至るわけだ。
 以上説明終わり。

332とある炎の『純白返礼』(ホワイトリフレクション) ◆Oamxnad08k:2007/03/14(水) 20:22:06 ID:K7NsgLg6
「姫神ちゃん、まだ先生のお話は終わってなかったのですよ、あの子達には喫煙を止めさせないといけないのですよー」
「小萌。馬の耳に念仏って言葉知ってる?」
 ちびっ子先生は「姫神ちゃんは先生を馬鹿にしてるのですねー!?」と走りながら器用に怒り路地裏を駆け抜ける。
 両手を振り上げて猛然と抗議しつつ後ろに向かって「タバコは20歳になってから!!」と大声で呼びかける。
 彼らは彼らで全力で追いかけてくるが狭い通路に置かれたポリバケツなどの障害物にぶつかり一人、また一人と姿を消して行く。
 こちらは細身の女の子と更に小柄な女性の2人、するりと抜けて距離を離す。
「姫神ちゃん、行き止まりなんですよー」
 残念、狭い路地の終点は緑色のフェンスに遮られた袋小路になっていた。
 少し考えてから黒い髪を翻して垂直にジャンプして緑のフェンスをよじ登る。
「くっ……」
 ガシャンガシャンと路地裏に騒音が鳴る。
 なんとか上りきって下に居るちびっこ先生へと手を差し伸べる。
「小萌。引き上げるから」
 そこでハッと顔を上げ、少女は何者かに蹴り飛ばされフェンスから転げ落ちてしまった。
「ハッ、舐めたことしてくれんじゃねぇか」
 痛む体を無理やり起こしてフェンスの頂点を見れば、夕日を背にフェンスの上に立つ金髪の革ジャン男が一人。
「あんまりナメタことしてっと大火傷する羽目になんだよ」
 捻くれた視線を眼下に向けやはり捻くれたような口調で言う。
 どうやら、脱落したと思っていた不良達は援軍でも呼んで先回りしていたのだろう、姫神の後ろの路地から不良達が顔を出す。
 フェンスの向こうから先生が心配そうな顔で呼びかけてきた。
「姫神ちゃん!!大丈夫なのですか!」
 大丈夫じゃないけど、親指を立てて彼女は応えた。
(これは最悪、せめて小萌だけでも……)
 少女の脳裏に一人の少年の姿が浮かぶ。
 きっとこんなピンチの場面に颯爽と現れてくれるのは本の物語の中だけなんだろうけど、とその姿を打ち消した。
「へへへ、ボスはな強能力者(レベル3)の発火能力者なんだぜ、こんがり小麦色に焼いてもらうんだな」
 どうやらフェンスの上の革ジャン男は不良の元締めらしい。 どうでもいいけど。
「ボス、こっちのちびがきが俺たちに説教してきたんでさぁ、あっちからお仕置きしてやりましょうや」
 途端、夕日の赤に混じって斎条と呼ばれた男の右手に紅蓮の炎が宿った。
「小萌ッ!!」
 もはや痛みなんて関係ない、なんとかして男を止めないと、とフェンスに駆け寄り声を張り上げる姫神。
「ぼ、暴力はいけないのですよッきゃああああああ――」
 革ジャン男が腕を振るうと炎もそれに伴って燃焼範囲を広げ大きな渦になり狭い路地裏は赤一色に染まった。
「小萌ぇぇッ!!」
 少女の声がビルの狭間に悲しく反響し、
「フン、この程度で炎だと? 片腹痛いとはこの事だね」
 灼熱の炎の中から小馬鹿にしたような口調の言葉が返ってきた。

333とある炎の『純白返礼』(ホワイトリフレクション) ◆Oamxnad08k:2007/03/14(水) 20:22:32 ID:K7NsgLg6

パチン――。
 大きな指鳴りの音が響くと周囲に渦巻いていた炎はある人物の元へと収束しやがて指先に灯る程度の小さな火へと姿を変える。
 フー、と大きく息を吐く音は何故だかよく響いてその場にいる誰もが息を呑んだ。
(この声……)
 沈みかけた夕日を背に長身のシルエットから伸びる長い影が姫神の元まで伸び、その人物は口を開いた。
「ボクがわざわざイギリスくんだりから慣れない飛行機にまで乗って辺境の島国にまで足を運んだのは、この人に会うためなんだぞ?
それをこんなに手荒にされてしまっては、温和な僕もちょっと頭に来てしまうんだが」
「あ、アナタは」
 とりあえず、燃えとけ――、と聞こえるはずの無い声が姫神の耳に届き、いつの間にかばら撒かれたカードが一斉に効果を発揮した。
 炎、それは一面の炎だった。
 夕焼けよりも紅く、そして強い。
 革ジャン男が振るった迎撃の炎はあっさりと飲み込まれ更に勢いを増した炎によって自らの体を焼く。
 革ジャンに燃え移った金髪の男がフェンスから飛び降りて逃げる姿を見た。
 炎の明かりに照らされた赤い路地を見れば他の不良達も火にまかれて一目散に逃げ惑っている。
 やがて我さきにと蜘蛛の子を散らすように居なくなってしまう。
(一応手加減してる。それに小萌と私のところだけ燃えてない)
 完全に炎を制御しているのか燃え盛る紅蓮の炎は少女とちびっ子先生の周囲だけはぽっかりと空白を空けるかのように
避けて燃えていた。 
 夕日が更に沈み、逆光から開放された姫神の視線の先にその人物は居た。
 まるでフェンスの向こうのちびっ子先生を守るように悠然と。
 炎の魔術師ステイル=マグヌスは3月14日の学園都市に現れたのだった。

ここでつづく……とかありえないよね、でもつづく。

334とある炎の『純白返礼』(ホワイトリフレクション) ◆Oamxnad08k:2007/03/14(水) 20:25:04 ID:K7NsgLg6
>>331は『空白少女』(ブランクガール)ではないのですが……
ホワイトデー企画
とある炎の『純白返礼』(ホワイトリフレクション)をお送りいたしました。

335とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/14(水) 20:58:58 ID:K7NsgLg6
[5]Imagine Breaker03―上条当麻と校長と復活の茶色いポニーテール娘

 『―であるから、皆さんにはわが校の生徒であると自覚を持って――』
 500人を収納できるぐらいの大きさの上条当麻の通う学校の体育館では既に20分に渡って精神攻撃が続いていた。
 その精神攻撃の影響で一人、また一人と貧血でも起こしたかのように生徒が体勢を崩して倒れ。
 手慣れた様子で倒れた彼もしくは彼女達を運び出す保健委員の姿がまばらにちらつく。 
 まぁ、こんなの聞いてたら貧血の一つや二つ起こすよな――、と上条もいい加減うんざりした表情を浮かべながら理不尽な校長の
 精神攻撃にただひたすら耐えていた。
 いっそ壇上で熱く語り続けるハゲ頭も既に板についてきた校長先生のこの長話が超能力による超音波攻撃の類だったらなぁ、とか
あらぬ考えまで巡らせてしまうのも仕方が無いことだろう。 
 だが学園都市で能力を開発されているのは生徒の方であり、開発する側に属する校長先生は何の能力も持たない一般人である。 
 そんなごく普通の空気振動に対して彼の右手に宿るたった一つの力は彼の隣で長話なんて何するものぞとばかりに青髪ピアスの少年の
両耳に堂々と存在する只のコルク栓よりも無力だった。 
(ずりぃよ……)
 上条が若干どんよりと猫背気味になりつつ他のクラスメイトへと視線を動かせば黒髪も鮮やかな姫神と目が合った。
 彼女は相変わらずどこを見てるのか分からないような視線をぼんやりと壇上へ向けていた。
「(姫神、よくこんな長いの平気だな?)」
 と彼女の耳に口を寄せて小声で話しかける。
 大丈夫、校長先生は話に夢中だし、小萌先生は背が低すぎてここまで見えない――。
 彼女は上条に合わせて同じように上条の耳に口を寄せてくるが。
 途端上条の耳に「ふぅ」と暖かい息が吹きかけられゾクゾクゾク、と上条の背筋がとかいろいろなところに電気が奔った。
「ゥァ!?」
 思わず変な悲鳴まで上げてしまったので上条当麻の隣に立ってた茶髪ポニテの少女がそれに気づいて「にやり」と
怪しい笑みを浮かべていたりする。
(お前復活したのかよッ!?)
 そして原因の黒髪少女はそんな上条を見て声を殺してクスクスと笑い顔。
 気づけば他のクラスメイトもその様子に気づいたようで「ニヤニヤ」といった視線を注いでいるではないか、中にはあからさまに
「ヌッコロス」と殺気混じりのちょっと鋭い視線も含まれたりする。
 多分男子の視線がアレで女子の視線がアレ。
(特に茶髪ポニテ、お前何人目はばからずにお腹抱えて笑ってんだよ、校長も気づけよ!! どう考えても目立つっての!)
 壇上の校長先生はといえば長い長いお話のせいか大粒の汗を浮かべ「私が学生の時分には―」とか力説している。
 もちろん誰も聞いていない。

336とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/14(水) 20:59:41 ID:K7NsgLg6
『長期の休みだからといって、夜更かしや夜遊びに興じることが無いよう一層の勉学への精進を――』
 校長のスピーチはさっきから延々と続いているが、果たして何人が耳を貸していることやら。
 突然、トントン、と上条の肩が叩かれた。
 上条が後ろを振り返ると青髪ピアスの少年が片方だけ耳栓を外して上条の耳元に口を寄せてきた。
(顔近いんだよ、近寄るな、息吹きかけるな、うざいんだよマジで!!)
 全力でそれを拒否しようと両手に力を込めるが青髪ピアスの少年は「ならここからでええわ」と切って、
「(なぁなぁ、カミやん、姫神とか吹寄とか随分仲良さそうやねぇ、明日のクリスマスパレードはどっちが本命なんかな?
というかもう誘ったん?)」
 とぎりぎり聞き取れるぐらいの小声で言って来た。 
 クリスマスパレード。
 その単語が上条の記憶の引き出しからいくつかの情報を引き出す。
 毎年12月24日、25日の両日に行なわれる学園都市の恒例行事。
 大覇星祭のナイトパレードだけをもっとパワーアップさせて持ってきたといった感じだろうか。
 こちらは大覇星祭の時と違って一般来場客は訪れない。完全に学生達主体の行事だ。
「(誘ってねぇよ、ていうかどうみたら仲良さそうに見えるんだよ」
「(おやぁ、さっき姫神の耳フゥで撃沈寸前だった上条先生は言うことが違いますなー。
 この学校に姫神と吹寄のファンがどれだけ居ると思うとるんよカミやん、いまに刺されるで)」
 ニヤニヤと品の良くない笑いを浮かべてひそひそと話しかけてくる青髪ピアスの少年。
 壇上では校長先生の話はいよいよクライマックスを迎えようとして、身振り手振りが入り、ステージを縦横無尽に駆け回っている。
(いったい何の話なんだ、お、なんか華麗なコサックダンスを披露しだしたぞ、校長あんた一体何を伝えたいのだ?)
 壇上の校長を完璧に無視して更に後方から乱入者があった。
 室内なのにサングラスを外さないな、この男……。
 もはや説明の必要も無いこの金髪サングラス、土御門。
「(しかしカミやん、実際問題だな姫神と吹寄は異様に競争率が激しいぜい、昨日は二人とも
二桁の男子から誘いがあったみたいだにゃー)」
 上条の顔の前に指を突き出して「二桁」と言うところをやたらと強調するグラサン男。
「(結果は推して知るべしなんよ、見事全滅)」
 肩を竦めて「駄目だこりゃ」といったジェスチャーをする青髪ピアス。
「(ふぅん、もてるんだなアイツら――)」
 興味ねぇやとばかりに適当に返事をする上条。
 その時、ガシッと上条の肩へ誰かの手が置かれた。
 完全に不意打ちだったので上条の心臓がドッキーン!と大きく跳びあがった。
「(人の話を本人の聞こえる所でするんじゃないわよ、上条当麻。 私が誰に誘われようとそれを断ろうと関係ないでしょ)」
 上条の耳元で吹寄の声がした、言葉に少し棘がある。
 どうやら強引に場所を変わってもらったみたいだ。
 後ろを見れば吹寄の勝気な瞳と本来の彼女の位置で「ゴメンネ」とジェスチャーをする大きなリボンの女子が見えた。
 てか顔近いよ、吹寄さん――。
 普通ならドキドキする場面だというのに上条当麻の心臓はバクバクしっぱなし。
 ロマンス?なにそれ?食べれるといった感じで上条の顔には脂汗がダラダラと流れていたりする。
「(ど、どこから聞いてました、吹寄さんッ)」
「(ど、どこから聞いてたにゃー、吹寄ッ)」
「(ど、どっから聞いてたんよー、吹寄ッ)」
 ドッキンドッキンバクバクドッキン、と激しい動悸を伝えてくる心臓の辺りを手で押さえながらクラスの三バカが
声を揃えて(小声)で言う。
 死んだ、これは確実に死亡フラグですよね、もうね、俺この戦い終わったら結婚するんだ、あはは、レベルの死亡フラグですよ――。
 もしくは戦場で自分の宝物を誰かに預けた後の兵士並。
「(姫神さんの耳ふぅ、ぐらいから聞いてたわよ。 貴様達は終業式ぐらい静かに過ごせないの?)」
「(私も。聞こえた)」
「わたしも聞こえたー!」
「(約一名声でけぇってッ、いやお前だよお前、自分を通り過ぎて更に後ろ見て誰のこと?みたいな顔すんじゃねぇよそこのポニー)」
 いつの間にか会話の参加者が増えていき、終業式中だというのに三バカ+3のクリスマスパレードに向けた会議が始まってしまった。
 当然校長先生の話は聞いていなかったのは言うまでも無い。

337とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/14(水) 21:00:19 ID:K7NsgLg6
『冬休み中、各々が目標を持って、そしてただ遊びほうけるといったことの無いように、日々精進の心で――』
 壇上の校長先生の話はクライマックスに突入して楽に10分は経過している。
 もとから聞く気も無いので後でどうゆう話だったと聞かれても「皇女が出てきて竜を倒して感動的だった」と答える自信がある。
 試しに青髪ピアスに聞いてみたら見事に「空から女の子が降ってきてそこが一番印象的だったんよ」と返ってきた。
 こいつも同レベルだな、と彼から視線を逸らしても仕方の無いことだろう。
 式の半分以上の時間を使う校長の姿は、よく、あんなに話す事があるもんだ――、とおもわず感心してしまう。
『それでは、また新学期に一回り成長した皆さんと会えることを楽しみにしています』
 あ、終わった――。

 クラスごとに分かれて教室に戻る途中土御門が上条の肩に手を廻してよっかかってきた。
「カミやん、帰りのHR終わったら帰れるぜい、今日は予定とかあるのかにゃー?」
 予定――。
 上条の脳裏に一人の少女の顔が浮かぶ。
(そういえば朝になんか美琴が言ってた気が……寄り道せずに帰れとかなんとか。
 怒らせるとアイツ恐いからなぁ――、断っておくか?一応、[超電磁砲](レールガン)とか撃たれたらたまらんし)
 学園都市に7人しかいない災害級の能力者の必殺技を喰らって「たまらんし」で済むのも多分彼ぐらいである。
 ほら、彼は自覚無いですから、自分がどれだけ特異な存在かの自覚が。
 ここはスルーでお願いします。
「ワリィ、一応寄り道は無しの方向で―」
 というわけで上条は友情と命を天秤に掛け後者を選択した。
「カミやん、さてはコレかにゃ?」
 断ろうとした上条の声を遮って小指を立てた左手を上条の顔の前にちらつかせる土御門。
「ちっ、違ぇよッ」
「んじゃこれやね」
 と青髪ピアスは親指を立てる。
「それきっと違う。きっとコレ……」
 姫神、それはなんだ?フォークボールのサインか?――。
「はんッ、これでしょこれ」
 お前もか吹寄……ああ、あったなぁそれ、確かグーとチョキとパーが一体化されてて無敵とか言うんだろ、それ――。
「これしかないっしょッ!」
 どっから沸いた越川ァ!!もうなんだか面白い顔されても伝える言葉がねぇよ!――。 
 いろいろと突っ込みたかったが纏めてみた。
「それ全部違うから」 
 と力なく呟く上条の言葉は
「さぁ、カミやん楽しい尋問の時間やねぇ、捕虜の扱いは条約に則ってやるから安心していいんよ」
「カミやんには自由に息を吸う権利、自由に欠伸をする権利、自由に背中を掻く権利の三つがあるんだにゃー、他は無い」
 二人の捕縛者の声に遮られてしまい。
「弁護士を呼んでくれ……でなけりゃ黙秘権を行使します」
 と土御門と青髪ピアスに完全に捕獲されクラスの三バカ(合体)となった上条は深い深い溜息をつくのだった。
                                                   [12月23日―AM10:00]

338とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/14(水) 21:09:01 ID:K7NsgLg6
※『空白少女』及び『純白返礼』の推奨文字サイズは中もしくは小となっております。
環境によっては思わぬところで改行されてしまうこともあるかと思います。

>美琴の「きゅー」は作者の趣味です。
きっと真剣な目して「きゅー」してるんです。
というか……いろいろとアドバイスと感想感謝です。

339■■■■:2007/03/14(水) 21:53:43 ID:Ypl7Wmy6
『空白少女』『純白返礼』ともにGJです!続きが気になります!頑張ってください!!

340■■■■:2007/03/14(水) 23:47:26 ID:N1ZN.Nes
オリキャラも違和感が無くてバッチグーッ!
舞夏も越川も大きなリボンの子も源蔵さんもというか、オリキャラが素晴らしくてどうですか。
後、ステイルと小萌先生のラブラブも待ってるぜよー!

341■■■■:2007/03/15(木) 10:48:17 ID:ZABpqWu6
>>340
マテ、舞夏はオリキャラじゃない。
越川がいい味出してるのは同意ですが。

両方とも続き期待してますよー。

342■■■■:2007/03/15(木) 12:31:07 ID:t3MHjGTg
空白>
よく考えたらプロローグにでてた白い学生服の青年と風紀委員の女の子がまだいるんですよね、本格的に登場はまだみたいだけど。
そして空白オリジナルというなら校長先生も立派にオリジナルな気がするにゃ〜。

越川さんの下の名前が気になる今日この頃。

343とある風紀の活動日誌:2007/03/15(木) 13:00:43 ID:J0UXsFAk
 口ではぶーたら言いつつも、ミサカは真面目に言うことに従い、意識を集中させるためにその目を閉じた。すると、彼女の座っている四角形の模様上の空中に変化が起きる。宙に細く黒い線のようなものが無数に出現したのだ。
 その黒線の正体は、ミサカの磁場に反応して集まった、空気中に浮遊させた砂鉄だった。そして、通常は小動物にしか感知できない程度の磁場に砂鉄が寄り集まってきたのは、彼女がその中心に座る四角形状の模様のせいだ。これは俺が描いたものだった。
 黄色のチョーク粉によって描かれたそれは二メートル四方の空間のほとんどをしめている。四角形の頂点には赤・白・青・黒の水が入ったコップがそれぞれ配置されていて、対角線を描くバッテンは正確に東西南北の四方角を指している。
 どういう仕組みなのかはさっぱり分からないのだが、なぜかこの空間内では磁場が強化されるのだった。これは俺の両親が咒(さぎ)を行うときに利用していたものだ。怪しげに薄暗くされた部屋(薄暗く怪しげな部屋ではない)の中で、俺のお袋は磁石を隠しもった手に砂鉄をまとわせて『悪霊を引きずり出しました』と猿芝居をしていたものだった。その間に親父は白装束を舞わせて何かの神舞を舞っているフリをしながら四角形を成す線の一部を崩す。お袋は霊媒役、親父は退魔師役というわけだ。四角形を崩され、強化されていた磁場を失って落下した砂鉄(弱った悪霊)に向かって、親父は最後の仕上げとばかりに真っ白な巨大扇子を振り回す。跡形も無く飛び散った砂鉄(悪霊の残骸)をみて、まじないの依頼者(詐欺被害者)は地面に額をこすりつけて感謝したものだった。
 そんな場面を、俺はつばでも吐きたいような気持ちで吐き気がするほど見てきたわけだが、まあ用は使い道だ。俺はこれを学園都市の猫好き電撃使い救済のために使うため、日々研究を積み重ね、数週間前にやっと理論だけは完成したのだった。時間と才能をもてあます猫好きだからこそなせる業だ。原理不明の現象をこれに取り込んでいるわけだが、まああれは水イオンの空気との干渉とか四方角を示す四色が地球の磁場とぶつかる紫外線とかとオーロラ的な(ry)みたいなかんじの科学的な現象なのだろう。効果がはっきり分かってるんならあとはどうでもいいや。これを使っている間はちょっと体が重くなって疲労感を覚えたりするのも気のせいだろう。
 とにかく、ミサカはこの訓練を受ける記念すべき第一号というわけである。
「よし、んじゃいつもの通り自分の体から発生する磁場を把握したら増幅してみろ」
 その言葉に小さく頷き、ミサカは自分の体から出る黒線を太くした。指示通りに磁場を強めたのだ。これは正確に磁場を把握したかどうかを確認する作業なのだが、彼女はここ数日の間に一瞬でこなすことが出来るほどに上達していた。能力は異能力者(レベル2)程度らしいのだが、細かな作業は比較的得意とするようだ。
「もうこれは完璧に近いな。それじゃ本番行くぞ〜」
 ちょっとだけ得意げな表情を浮かべたミサカだが、すぐにまた表情を引き締めた。
「了解しました。自発的に磁場を発生させ、磁場の相殺を実行します、とミサカは今日こそ成功する期待を込めて宣言します」
 ミサカはこの上なく真面目な口調で言い、凄まじく集中し始めた。猫のためならまっしぐら!という様な殺気にも似たオーラが漂ってくる。俺は毎度の事ながら感心した。寅之助とイチャイチャしてても気付いてくれないのがちょっと寂しいけど。
 と、見ているうちに砂鉄が次々と崩壊し、落下し始めた。磁場の相殺が始まったらしい。最初は2m四方の空間一杯に広がっていた黒線は、見る見るうちに1メートルほどの頼りない糸になってゆく。磁場が弱まっているのだ。
 だが、その速度が急に落ちた。ミサカの形の良い眉がかすかに歪められる。磁場相殺を続行させようとしたものの、黒い糸は再び伸び始めており、彼女の顔が苦渋に染められ―――
 ビシュン、と。2メートル四方の空間に、再び黒線が張り巡らされた。

344とある風紀の活動日誌:2007/03/15(木) 13:01:00 ID:J0UXsFAk
「……………………………………………………………………………」
 ……何故だろう?俺は別に感情探知系の能力者でもないのに、ミサカのその無表情な瞳に膨大な感情を認めることが出来た。
 それは、絵に描いたような、OTL
「あ〜、いや、その〜……」
 俺はあわてて、必死で慰めの言葉を探った。
「いや、初めの頃と比べればメチャクチャ進歩してるって!猫に50センチも近づけばアウトだったけど、今なら触らなければ15センチぐらいは―――――――」
 言いかけて、墓穴を掘ったことに気付いた。
 ――――あれ?それって生殺し?
「……………………………………………………………………………」
 ミサカの感情の矛先は俺に向いてしまったようだった。蛇でも睨み殺すような目をしてこっちを向いてくる。向いてきているのだが、何故かその目端には涙が溜まっているような雰囲気があって、それは思わず小雨の降る中に捨てられた子犬を連想させる程のもので……
「……………………………………………………………………………」
「……………………………………………………………………………」
「……………………………………………………………………………」
「……………………………………………………………………………」
 俺はその瞳に、あっさりとKOされた。
「……………………………今日の猫缶は俺が買います」
 負けた。女の子を相手に。睨み合いで。
ああ、見事に負けたよ。

345とある風紀の活動日誌:2007/03/15(木) 13:06:57 ID:J0UXsFAk
すみません。故あって変な書き込みになってしまいました。
次回からはツインテールとか戦闘シーンとか出てきてにぎやかになる予定です。

>空白さん、オリキャラが非常に魅力的ですね。自分もそんな豊かな創造力をもちたいです。

346■■■■:2007/03/15(木) 14:51:53 ID:t3MHjGTg
あんまり越川さんに萌えすぎて・・・

越川さん家のガーゴイルとかいう変なクロスオーバーを妄想した俺は首つったほうがいいですね。

同じ響きの芳川さんとか黄泉川先生じゃ萌えないのにこの差はやはりポニテだからか?

347■■■■:2007/03/15(木) 16:10:23 ID:ZABpqWu6
>>343-344
むむ? 土御門さんのセンサーに何か反応してるにゃー。
そのうち血を吐いてぶっ倒れる人間が出そうな雰囲気がビンビンするぜい。

348■■■■:2007/03/15(木) 18:19:44 ID:8d.KT6U2
つか、コサックダンスってなにやってんだ校長。
やっぱり学園都市は変人だらけなんだな!?

349 ◆Oamxnad08k:2007/03/15(木) 18:45:25 ID:sKnaWcxU
>>339 どうも恐縮です。
>>340 舞夏は原作のキャラクターですねぇ……。 源蔵さんも存在自体は原作から
大きなリボンの子に到っては台詞すら無いのですが。
>>341 越川ですか。 この板にはポニーテール教でもあるのかと疑う今日この頃。
>>342 二人ともそろそろ登場の予感です。 でもキャラクター的に越川に喰われそうな予感もしててくまったくまった。
校長先生はあれをオリジナルと呼ぶのか?といった感じです。背景と一緒ですよ。
越川の下の名前は……皆さんが各自想像してあげてください。
ヒントを言えば 漢字一文字でなんだか甘そうな名前。
>>345 そちらの主役二人もオリジナルだったと思う、充分魅力的。
 猫も含めれば数も。
>>346 空白は科学オンリー話なんで錬金術の塊みたいな自動石像は多分……
この板にはポニーテー(以下略)
>>348 あくまで上条当麻視点ではコサックダンスぽく見えただけです。
でも校長は多分変わり者と勝手に予想してみる。

350とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/15(木) 19:41:34 ID:sKnaWcxU
[6] Accelerator02―結標淡希の一番長い一日 その1
 
 街を歩けば人ごみ、人ごみ、人ごみ、見渡す限りの人ごみだ。 
 見ろ人間がゴミの様だ――、そんな悪役の台詞まで浮かんでくる。
 絶対言わないけど。
「だるぅ……」
 せわしなく行きかう人ごみに紛れて栗色の髪の毛が力なく頭を垂れる。
 クリスマスイヴを翌日に控えた商店街はクリスマスソングと人で溢れていた。
 むしろ溢れすぎ。
「人ごみとか……苦手だわ、やっぱり」
 疲れた顔をした少女がやさぐれた口調で呟くのは長い髪を首の後ろで無造作に二本に束ねた少女。
 少女の名前は結標淡希(むすじめ あわき)、私立霧ヶ丘女学院の二年生である大能力者(レベル4)だ。
 整った作りの綺麗な顔はなんだか疲労の色が濃く表れていて肩に引っ掛けた紺色の制服が哀愁に靡く。
 どんよりオーラを撒き散らす結標の格好は12月の終盤に差し掛かった冷たい外気で過ごすには少し寒そうなカッコをしていた。
 霧ヶ丘女学院指定の紺色のブレザーの上着を袖を通さずに羽織り、ボタンも留めていない。
 胸から上だけのぴったりとしたちびTだけをつけおへその辺りは大胆に露出されている。
 そして細くくびれた腰に紺色のスカートは本来の長さから随分と短く改造されており結標の美しい脚線美は惜しげも無く晒されている。
 足元は茶色のローファーにスニーカーインタイプの靴下、露出度は結構高め。
「寒いのは我慢できるけどカッコ悪いのは我慢できない」
 というのが彼女の意見。
 彼女のトレードマークとなっている金属製のベルトは革製の普通の細いベルトに差し替えられ、警棒としても使える長い懐中電灯は
今は持っていない。
 本人曰く、あれ、結構重たいからさ、スカートずれてくるのよねアレ付けてると――、だそうだ。

 さて話を戻して彼女が商店街なんかにいるかと言えば、
「買出しめんど……」
 説明する前に分かりやすい台詞ありがとう、結標さん。
 彼女は普通にお買い物に来ただけだった。
 この人が登場する事事態があんまり普通では無いのはスルーの方向で行きたいね、是非。

351とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/15(木) 19:42:01 ID:sKnaWcxU
 正直言って外出することも随分と久しぶりだ、と結標淡希は思う。 
 以前から外出の回数は少なかったが残骸事件以来、更に回数が減った。
 事件の主犯格としての責任を取らされ結標淡希は霧ヶ丘女学院からは留学扱いにされてしまい事実上の無期停学処分となっている。
 様は現在自宅謹慎中。
 堂々と外出してるけど、咎められたりしないのは彼女のバックの人物の取り計らい故か。
 それでもしばらくは膝を抱えながら部屋に閉じこもる荒んだ日が続いた。
 ストレスが原因で体重が5kgも減ったときは複雑な気分だった。
 嬉しいやら悲しいやらわからないし、何をするにも気力も沸かなかった。
 でも部屋に引きこもるにしても当然食料がいるわけで結標はマンションに一人暮らし、当然食料が無くなれば
買出しに出かけないといけない。
 必然的に人ごみが嫌いな彼女でも週に一回ぐらいはこうして商店街に買出しに出かけるのだ。
 気楽な一人暮らしの反面、家事も自分でやらなければならない。
 そんな生活を続けるうち結標の精神はだんだんと安定を見せていて事件前と同じぐらいには元気になったのである。
 しかし統括理事長からの不定期な呼び出しもあったりするし買い物に行ける時に行かないと
現在、彼女の部屋の冷蔵庫にはろくなものが残ってないのだ。 
 主に紅しょうがと練りからししか入ってない、あとバター。
「牛乳とトイレットペーパーと……ああ、あと……」
 手元の紙片に目を移しながら買わなければならないものを要チェキする結標。
 意外にもマメだ。
 来る前から事前に広告を見て目当ての商品に目星をつけている辺りが特に。
 今日はタマゴの特売日、お一人様一パックまでだが是非ゲットしたい、1パック70円は脅威的な安さだ。
 そしてその特売をやってるお店はすぐそこの角を曲がってすぐ、このまま歩いても5分とかからない距離だ。
 自然と足取りは軽くなり、速度も上がる。
「さて、ちゃちゃっと買い物を済ませて再放送のアニメでも……きゃ」
 メモ帳に視線を落としスタスタ歩く結標。
「む……」
 ドン!と丁度角を曲がったところで誰かにぶつかってしまい、結標は悲鳴をあげ弾き飛ばされ尻餅をついてしまった。
「……ちっ」
 あからさまな舌打ちをして結標を見下ろすのは長身の男性。
 結標と同い年かそれ以上、彼の姿はそう見えた。
 少年ぽさを残しつつもどこか冷ややかな雰囲気を残す顔立ち。
 漆黒の髪と瞳、純白の詰襟の学生服。
 そして左腕に付けられた”緑色の腕章”
([風紀委員]?)
 その双眸が宿すのは明らかな侮蔑。
(こいつ……ムカツクわね)
 というのが結標が少年に抱いた第一印象。
「……フン。 目が付いているのならキチンと前方を目視して歩くんだね」
 どうやら第一印象で正解のようだ。
 左手をポケットに突っ込んだままの少年は悪びれもせず言い放つ。
(普通は謝るなり起こすなりするもんでしょう!)
 結標の怒りゲージが全開フルスロットルで一気にレッドゾーンまで突入した。
「アンタね――」
 だが結標の声を遮って遥か高みから見下ろすような視線で少年は告げる。
「まぁ一応は謝罪をしておこうか。 すまなかった」
 言うだけ言うと白い学生服の少年は足早に立ち去ってしまい、その後ろ姿は雑踏の中に消えていく。 
 誰も起こしてくれないので仕方なく自力で立ち上がり制服に付いた汚れを乱暴に叩いて結標淡希は愚痴をこぼした。
「[風紀委員]はやっぱりいけ好かない連中が多いわねぇ、白井黒子とか白井黒子とか!!」
 むかついたのでとりあえず地面をダンダンと踏みつけてやった。

352とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/15(木) 19:42:44 ID:sKnaWcxU
 それから約5分後―。
 結標は目的のスーパーにたどり着くとそのまま「よし!」と気合を入れて勢いよく店内へと入り
詰まれた黄色い買い物かごを手に取った。
 自動ドアをくぐりオレンジ系の照明に明るく照らされた店内をぐるりと見回し、入り口付近に積み上げてあった
安売りのトイレットペーパーを見て少し悩み、「エイヤ!」と結標の身長より遥かに高く詰まれたトイレットペーパーのパックを
[座標移動](ムーブポイント)し手元に持ってくる。
 こういうときは死ぬほど便利な能力だな[座標移動](ムーブポイント)って。
 これがもし白井黒子だったなら、自分自身を一旦上へ[空間移動](テレポート)させなければならないだろうが、それ以前に
彼女は特売のトイレットペーパー等買いに来そうにも無いがそれは言わないほうがいいだろう。
 大体踏み台を使えばいい話でもあった。
 肝心の踏み台はお約束で彼女から見えない位置に放置されているのだけれど仕方の無い事だ。
 ブラブラと店内を歩き回った結標は遂に目的でもある1パック70円お一人様一つ限りの卵のコーナーを見つけた。
 卵のパックを一つ手にとって小さくガッツポーズ。
 意外に庶民派だこの人も。
 この作品の中だけだけど。

 二度ある事は三度ある。 
 昔の諺にはそんなのがあった。
 主に失敗をしたときやびっくりするような事に遭遇したときによく引用されるが今回もそんな感じだった。
 実際には2回目なのだが今回だけ見逃して欲しい。
 ドンッ! 結標の背中に誰かがぶつかって彼女は大きく前へとつんのめってしまい、手に持った卵のパックがふわりと宙を舞う。
 この時誰もが思っただろう、「ああ、この卵割れるな」とか「あちゃー、やっちゃった」とかとか。
 確かに普通の人間がこの事態に直面した場合はそういう結果に終るのがそれこそ普通だろう。
 だが彼女―結標淡希は生憎と『普通』じゃなかった。
 極度の集中で色が無くなってスローモーションになった世界で結標の思考は普段の何十倍の速度で飛び交う。
思考開始―。

思考1、目標物と床までの距離およそ1m
思考2、目標物の予想滞空時間0,7秒弱
思考3、自分と目標物までの距離約50cm、但し自分は大きく体勢を崩している。 自分の手で落下を阻止するのは不可能。
思考4、[座標移動](ムーブポイント)によって落下までの時間で目標物を確保、完了まで約0,3秒

思考完了―。
 その瞳を空中の卵のパックへと集中し瞬時に複雑な計算式を組み上げ、本来3次元にある卵のパックの座標を自分だけの法則に則って
高速で11次元の座標へと変換していく。
 OK!充分まにあ――。
 しかし、卵のパックが[座標移動](ムーブポイント)することは無かった。
 彼女の名誉の為に言っておくが決して彼女の計算が間に合わなかったわけではない。
 能力を発動させる必要が無くなったのだ。
 横合いから伸びた誰かの手が空中の卵パックをキャッチしていたのだから。

「おッと、最近のスーパーは物騒だな、ヲイ」
 卵をキャッチした相手は「ほらよ」と卵パックを前のめりの体勢になって固まる結標へと放り投げてきた。
「わ、わわわ」
 結標は放り投げられた卵パックの縁を両手でつまんで膝を使ってその衝撃を吸収する。
 セーフ、割れていない――。
「おーおー、よく割らなかッたな。 んッ、お前どッかで……」
 まったく、卵を投げないで欲しい、って私も人の事言えないけど――。
 その言葉をぐぐっと呑み込んでお礼を言おうとその人物へと向き直って結標淡希の世界は本日2回目だが色を失った。
「ありが…うわッ!?なんでアンタがここに!?」
 今日の占いカウントダウンで私の運勢は確か……今日は意外な人物と再会するかも!?だったっけ。
 当たってるわよ、それ――。
 もう二度とその番組を見ることも無いだろうがその結果を出した占い師に心の中で八つ当たりしつつ、
「おお、思い出したぞ、お前あんときの三下か」
 そんな言葉を聞いた。
 だから外出って嫌いだ――、と結標はその整った顔を劇画調に固めて今日の不運を呪った。
 何故なら結標淡希の会いたくない人ランキングワースト2位以下をぶっちぎりで引き離して堂々1位の人物がそこに居たから。
 
 つまり学園最強の能力者、一方通行がそこに立っていた。

353とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/15(木) 19:43:47 ID:sKnaWcxU
 お昼前と言うこともあって大いに賑わうスーパーを灰色のショッピングカートが進む。
 滑らかに走るショッピングカートに載せられた黄色い買い物カゴの中身はそろそろ満タンになりそうだった。
「三下、次はニンジンだ」
 傍らを歩く白い少年が指示するまま結標はカートの方向を変える。 
「ねぇ……なんでこうなるの?」
 その綺麗な顔をどんよりと暗く染め、背景をベタ塗りで黒一色に塗り上げた結標が誰とは無しに呟く。 
「あン? さっき説明しただろうがよ」
 別にアンタに聞いてないわよ――、結標はその言葉を呑み込んだ。
 だって死ぬから、マジで。
「ああ、それね……なんだっけ、ニンジン嫌いな子供が食べれる料理を教えて欲しいってやつね……」
 不幸にもスーパーで一方通行と遭遇してしまった結標は、いつの間にか一方通行に料理を教える事になってしまった。
 現在進行形で材料の買出し中である。
 この場合本人の意思は尊重されていない。
 一応どうしてこうなったか回想しておこう。

〜回想シーン〜
 固まる結標が復活するにはそう時間は掛からなかった。
 白い少年が結標の額へとその指先をくっつけてきたからである。
「ひゃぁ、ゴメンナサイゴメンナサイ、殺さないでくださいッ」
 一方通行の能力は有名だ、その皮膚に触れたあらゆる”向き”を自在に変更する。
 熱、電気、風、衝撃など”向き”を持つものなら何でも、当然人間の生体電流などの操作も可能。
 白い少年は生体電流を操作して結標を覚醒させようと思ったらしいが結標はそれより早く自力で覚醒した。
 主に恐怖とかそういう類の感情で。
「気が付いたか、丁度いい。 お前料理はできるか? できるな?じャあ決定だ」
 結標の了承も取らずまさに一方的に話を進め怯える結標にズズイっと顔を寄せてくる一方通行。
 その顔は獲物を見つけてほくそえむ肉食獣のそれだ。
 蛇に睨まれたハムスターのように高速で「こくこく」と頷く結標に満足したのか彼は、
「ンじャあ、ちッとばかし買い物と行くか、材料費ぐらいは出してやるよ」
 そう言って、ギラリ、そうとしか形容できない微笑を向けてきた。
 けしてキラリとかキラーンとか可愛い表現では無いことだけ強調しておく。
〜回想シーン終了〜

 あれ?意外と短かった――。
 別に結標の残りの人生の事じゃあない、回想シーンが短かったのだ。
「ヲイ、なに自然にニンジンのコーナーをスルーしてんだよ、やる気あんのか?」
(全く無い! というかお家に帰してください――)
 心の叫びをダンダンと踏みつけて精一杯の作り笑顔を彼へと放つ。
「あはは、はは、ごめんなさーい、私ったらおっちょこちょいなもんでー☆」
 キラキラキラー、と結標の営業スマイルが一方通行の悪意の視線を迎撃する。
 結標7つの必殺技その1、スマイル0円(嘘)。
「ハンッ、ニンジンは大量に買い込むぞ。あのクソガキにしこたま食わせてやるッ!」
 必殺の営業スマイルを物ともせず、というか完全無視。
 彼はまるごとのニンジンが3本組みになった袋を5個ほどひっつかむと
 結標の押すショッピングカートのカゴへと放り込んだ。
(こんなに大量に買うの? 一体どれだけ作らせる気なの!?――)
 ちなみに1パック98円。

「め、メニューは何がいいのかしら?」
 引きつった笑顔で結標が一方通行へと聞いた。
 料理を手伝うにしても教えるにしても肝心のメニューを聞いていない。
 カゴの中身は彼が勝手に放り込んでるのだ結標は一切関与していない。
「まかせる」
 はい、会話終了――。
 さっきからこの調子で間髪要れずに答えが返ってくるので全然間が持たない。
 答えというのもおこがましいような一方的な回答。
 結標は一人暮らしをしているので一応人並みには家事ができるが、こうまで適当に任せると言われてはかえって困ってしまう。
 料理人は「任せる」と言われれば燃えるらしいが、普通の奥様方は希望を言ってくれたほうが遥かに喜ぶのだ。
 別に結標は一方通行の奥様じゃないけど。
「(大体、材料は指定するくせに……)」
 小さく、本当に小さく結標は呟いた。
 彼女なりの精一杯の抵抗という奴だ。
 効果の程は心底怪しいけど。

354とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/15(木) 19:44:47 ID:sKnaWcxU
 っていうか「任せる」が一番困る――と思った瞬間に結標の背中に見えない重りが追加された、2tと書いてある心の重りだ。
(心が、心が重たいわ――)
 結標はどんよりしながらも自分が押すショッピングカートのカゴの中身を吟味してみた。
 大量のニンジン。 
 大量のジャガイモ。 
 大量のタマネギ。 
 特売の卵1パック。
 それとは別に結標の買い物カゴもカートの下部に格納されているが今日は買出しを諦めざるを得ない。
 せめて卵とトイレットペーパーだけで我慢するとしよう、と結標は諦めオーラを醸し出す。
 (一体何作らす気なのよ! しかも野菜に全部、大量って付くのが異常じゃないの)
 「三下、牛肉と豚肉はどッちがいい? 特別に選ばせてやる」
 と振り向きもせずに一方通行。
 その両手には2種類のお肉のパックが握られている。
 早急に選べ、背中がそう物語っている。
 「私は牛肉がいいかなぁーッツ!!」
 悲しいほどの条件反射で間髪入れずに応える結標さん。
 こと一方通行に関しては即答以外は死に繋がるのだ。
 おお、恐い、本当に恐い、誰か助けて――。
 カゴの中に牛肉さんが加わった、よろしくね牛肉さん――、と病んだ笑顔で思わず食材に語りかけてしまう。
 今の彼女はかなり追い詰められているのだ、物言わぬ食材に語りかけてしまうぐらい。
 誰もそれを責める事は出来ないと一応弁護しておく。
「この材料だと……」
 結標の持つレシピはそう多くない、せいぜい一週間をローテーションできる程度にしか作ったことがないのだ。 
 あとはちょこちょこっといじって誤魔化す程度、牛丼をカツ丼にしたり天丼にしたり。
 カレーに……ハンバーグ……ああ、おいしそう――。
「ハッ!?閃いた!」
 突然、結標の脳裏に2つの料理のコラボレーションが浮かんだ。
 ニンジン嫌いのお子様でもこれならおーけーだ。
「一方通行! 挽肉!」
 前方を歩く少年の背中にそう告げる。
「あン?挽肉?挽肉になりてェのか?」
 何言ってんだこの馬鹿は?という顔で振り向く一方通行。
「なんでそうなるの!? 戦闘民族の王子様かアンタは!」
 お昼前のとあるスーパーではそんな凸凹コントが繰り広げられ、ギャラリーを大いに賑わしたとか賑わさなかったとか。

 二人が無事買い物を終えてスーパーを出たのはそれから少し後の事だった。
                                             [12月23日―AM11:00]

355とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/15(木) 19:53:46 ID:sKnaWcxU
>>投下完了……越川とか出てこないけど大丈夫なのかこれ……
とか思いがけぬ越川の反響にビビッテル、空白です。
もう名前、空白でいいや……。
最後に一言。
うちの淡希さんはアニメ好きです(待て)

356■■■■:2007/03/15(木) 20:34:11 ID:8d.KT6U2
淡希可愛いよ。淡希。
んにゃー、このなごむ世界はどうなっているのか。とにかく更新も速くてグッジョブだぜ!
俺も投稿したいけど、オリキャラオンリーの世界観使ったやつって此処的にどうなんだろ。
最強ものじゃーないけど、のんびりばっかだぜぃ。

357■■■■:2007/03/15(木) 20:54:13 ID:hljCu1fU
空白さんGJ和んだぜ

オリキャラばっかでもいんじゃね?
ここはSSスレだからな存分に妄想を形にしてほしいんだが

358■■■■:2007/03/16(金) 00:34:41 ID:rqoSzANI
>>空白の方

あ、淡希さん……家庭的になって(ほろり)。
その座標移動私にも分けて(言いたいのはそこかよ)。
いやだってほら!マジ戦場なんだぜ黄昏時のスーパーって(逆ギレんなよ)!?
一方さんと淡希さんの掛け合いが素敵でした。
打ち止めのことで頭がいっぱいの一方さんも、ヘタ淡希さんもいいな、と思いました。
またこのコンビが見られるその時まで、正座して待たせていただきますっ。

あ、あとメインのニンジンさんが袋入りだったりパック入りだったりしてますです?
(袋に入ってるものの数量単位は〜袋でいいのですよ?)

追伸
毎回細かいところの指摘ばかりして申し訳ありませんです〜(汗)。
でも、一読者として毎回楽しみにしてますので書き続けていただきたいです。

追伸の追伸
作者視点におけるツッコミは、最近萎える方も多いようです。
Ⅰ.視点ごとに分けておられるようですので、視点ごとに主人公の一人称語りにしてみる。
(EX ハルヒのキョン、スレイヤーズのリナなど)
Ⅱ.ツッコミをやめてきっちり普通の文体にしてみる。
Ⅲ.むしろツッコミの星を目指してみる。ネタも極めりゃ芸だぜっ!

……まぁ、中途半端はよろしくないかと、という話なんで。
えらそうに口きいて申し訳ありませんです。寒い今日この頃、ご自愛下さいです。

359■■■■:2007/03/16(金) 01:00:32 ID:ltgS/2Ts
ドーモこんばんわ、ここは感想を書かなきゃ駄目なのかな?
とか思いつつ話を曲げる思いで少々聞きたいことがあるんですがね
私オリジナル小説を書いているんですがね、それがとある魔術のインデックスと似てるんですよね(いや、主人公とかは違うけど)
内容の酷似に最初見た時は「マジデスカ」とか思いましたが、とか思って開き直りながらも読んでみたら面白い面白い
そんでここのSSですよ、どっぷりはまって計38時間とちょっとぐらい前から楽しく読ませてますよ
素晴らしい小説の数々で多少たじろいでます。マジで
それを見ているウチに私も買いてみたいな、とかオリジンの小説のプライドとか完全無視して(いやまぁ残すほどのプライドも無いし)
ふと思っちゃったんですよ、ええ、そこで一つ、オリジンしか書いた事無い私ですが
著作物の小説って何処から考えて作ってますか?
それと、このSSにはどういうタイミングで新しいSSを出せばいいのか・・・・
お願いしますさっぱりびっくり素敵にわかりません
妙なテンションによく見られがちですがすいませんこういう性格ですので勘弁して下さい
ごめんなさい

360■■■■:2007/03/16(金) 01:01:01 ID:9Xi1CIjE
>>357
それじゃあ、ちょっと試しに投下をば。
まだ学園都市っぽくないかもしれないけど、御愛嬌で許・し・て☆

いや、マジゴメンナサイ。あっ、石は投げないで。

361とある学園の生徒会:2007/03/16(金) 01:03:12 ID:9Xi1CIjE
◆プロローグ 〜花弁舞い散る季節に暗躍〜

 春。
 それは生命の最も活気づく季節だ。
 桜咲く並木道には幾人もの学生が歩き、談笑している。
 中には喧嘩の様なものも見えるが、それもまた日々の一つだろう。
 時刻は夕方。
 学生ばかりの道を照らす日の光も既に落ち込み、弱々しい。
 されど、街は活気づき、未だにその声を絶やす事はなさそうだ。
 此処は人口の八割を学生で占める巨大都市。
 一般的に超能力者と呼ばれる者達の研究、開発を主とする巨大な実験場。
 しかし、道行く人々はその様な事を気にするでなく、楽しそうに歩いている。
 その笑顔や笑い声は本物だ。
 詰まる所、
「のんびりやねぇ」
 誰かが呟くがその通り。
 今日も学園都市は平和なのであった。

   ○

 茜色の光が差し込み照らす広い部屋。
 その部屋には幾つもの棚が在り、其処に収まった多くの本が棚を彩っていた。
 此処は放課後の図書館だ。
 本を捲る音が響く。
 それは横に二つずつ並んだ棚の奥から聞こえた。
 広めに間をとられたスペース。
 其処には一つの長方形のテーブルが置かれていた。
 そのテーブルには現在、向かい合うようにして二つの影がある。
 一人はテーブルに肘をつき頬に手を当た少女。
 もう一人は上半身を投げ出しているといった体勢の男性だ。
「直人」
 少女はテーブルに乗った本に片手を乗せつつ呟くように言った。
 黒の長髪を頭の両側でリボンで結った髪型。
 俗に言うツインテールの下には、鋭い目付きと整った顔立ちがある。
 その身は青を基調としたスカートとブレザーという服装に包まれていた。
「なんだー、智」
 それに応えるのは髪を短く刈った体格の良い男――直人だ。
 だるそうな表情の中、やはりだるそうな目は黒の瞳が微妙に振動している。
 一目瞭然。
 今にも彼の意識が落ちそうな事を如実に知らせてくれた。
 彼の姿はまだ寒いと言うのに何故か半袖の白Yシャツというもの。
 ちなみに下は普通の学校指定のズボンだ。
 見てる方まで寒くなってきた。
 ともあれ、
「さっきも言ったけど。起きてた?」
「おーう、起きてたぞー」
 彼は相変わらず身を投げ出したまま顔だけを動かして少女――智を見上げる。
 彼女は無表情のまま彼を見下すように、
「じゃあ、さっきまで私が話してた事を言いなさい。一字一句間違わずに」
「ん」
 彼は了解の意を持った言葉を放つ。
 と同時に僅かに身を起こし、座っていた椅子に背を預けた。
 そのまま腕を組み、彼は目を瞑りながら思考の中を纏めて言うように、
「確か壮絶なテロリストどもの戦いが巻き起こり、俺とお前が戦地に残されてエロエロな展開の話だったな」
 自信満々に彼は頷いた。
 うんうん、と自分の説明に満足げに頷く彼を見て智も頷く。
 それから清々しい笑顔を浮かべ、
「氷点下って寒いのよ?」
 瞬間、白い風が吹く。
「……あぁ、寒いな。たぶん、俺が今体感してるのがそれだ」
 再び表情を通常状態の無表情へと戻す。
 無理矢理な笑顔は疲れるのだ。
 見れば彼は目を閉じたまま鼻水を垂らして小刻みに揺れていた。
 その体には霜が降りていたが、智は気にせず手を置いていた本を持ち上げ、開いた。
 そこに書いてあるのは、とある研究グループの経過報告だ。
「それでだけど、私達の学校で行われてる研究、中々進まないらしいのよ」
「んぁ、次世代飛行機の開発だったか。演算ユニットとか良いのがあるからなぁ、うちは」
 身を振り霜を取っ払った直人は未だ腕を組んだまま言う。
 その上で彼は急に表情を変化させた。真剣という表情へだ。
「で、なんで俺等にそんな話が?」
 その言葉に、ええ、と智は頷き、
「さっきも言った通り、理由は研究の難航。それで、生徒会の私達に御下命が下ったわけ」
 彼女は本のページを一枚捲り続く言葉を放つ。
「早い話がどこかから技術者かっぱらってこいって事ね」 
「無茶言うもんだな」
 腕組みを解き、直人は膝に手を置く。
 驚きの混じった呆れ顔になる彼を見て良く変わる表情だと思いつつ智は本を閉じた。
「まぁ、近々"外"から結構優秀な学生が来るらしいから、それに期待してるわ」
 本をテーブルの中央に投げ出す。
 同時に腕と足を組んで背を椅子に預けた。
 直人は、眉を顰め、
「おいおい、それで良いのか?"外"つったらこの学園都市よりも数十年分も技術が遅れてる場所だぞ?」
「外にも出てる学園都市の技術はあるわよ。それを拾って勉強したんでしょう」
 でもなぁ、と再度腕を組んで唸る直人。
 智はそれを見て溜息を一つ。

362とある学園の生徒会:2007/03/16(金) 01:05:14 ID:9Xi1CIjE
「取り敢えずその本に載ってるプロフィールを見てみなさい。結構期待出来そうだから」
「ま、とりあえずはそうだな」
 直人の頷きを見ると、智は答えに満足して視線を下に降ろす。
 そこにあるのは己の平たい胸と懐にしまった二冊の文庫本だけだ。
 認めたくない現実に僅かに顔の筋肉が引き攣る。
 が、彼女は気にしない様にしつつ懐に手を入れ、本を取り出した。
 そのまま本を開いて、しおりの場所までパラパラと流し読みし、
……あら、これ読み終わったヤツね。
 本を閉じた。
 どうやら間違った本を持ってきてしまったらしい。
 もう一つの本は授業などで使う参考資料として持ってきた物だし。
 先程と同じ様に溜息を一つ。
 仕方ないので彼女は顔を上げ、
「まだ?」
「早っ!?つか、お前まだ本開けたばっかしだぞ、俺!」
「遅いわね。そのくらいのプロフィール十秒もあれば十分でしょう」
「まだ十秒も経ってないんだが」
「今丁度十秒よ」
「理不尽だー!?」
 五月蝿いので叫ぶ彼のこめかみ目掛けて文庫本を投げてやった。
 直撃して仰け反った後に動かなくなったが、智の知るところではない。
「で、どう?」
「おおぉおおお……人のこめかみぶち抜いといて、あっさりスルーするか、このクーデレ娘」
「おあいにく様だけどデレはないわよ」
「男の幻想を殺さないでぶぁっ!?」
 両手を広げてこちらを見る様が気持ち悪かったので更に懐から一冊取り出して投げてやった。
 先と寸分違わぬ位置にぶち当たり彼をノックアウト。密かに心の中でガッツポーズを取る。
 しかし、表情はあくまで動かさず、
「……三度目は無いわよ?」
「いだだだ……お前、俺が幾ら肉体強化系の能力者だからってなぁ。てか、どこに入ってたこの本」
 自分に当たって落ちた文庫本を拾い上げつつ、首を傾げる直人。
 それに対して智は片目を瞑りつつ、つまらなそうに親指で己の胸を指差した。
「……ああ」
 彼は何故か神妙に頷き、席を立ち上がる。
 その表情は真剣を越え、まるで決戦に挑む戦士の様であり、無謀な実験に挑む馬鹿にも見えた。
 ちなみに無謀な実験に挑んだ某科学部部長はその後爆発に巻き込まれて今は入院しているが。
 などと思っていると何時の間にか直人が机の向かい側からこちらの隣まで移動して来ていた。
 夕日の光を遮って立つ彼はやはり長身で、真剣な表情もあってか少しだけ格好良いと――、
……いや、これは何かの。
 眉を顰め、僅かにこの一連の流れを感じ取った智はとある可能性を考える。
 そして、彼はその通りに動いた。
 こちらの両肩へと手を乗せ、相変わらずの真剣な表情で、
「大丈夫だ、智。俺は胸が無くても十分いけぶほぁっ!?」
 失礼な事を言いやがったので、冷気を凝縮して集めた塊を掌底と共に鳩尾にかましてやった。
 吹っ飛んで二転、三転する直人を冷めた目で見下ろしつつ、智は視線を懐に下ろした。
……そんなに無いかしら。
 手を当ててみる。
 虚しくなったので即座に止めた。
「いつまで寝てるの」
「うぉぉぉ、ちょっと待て……。今のは腹にっ。腹に来た……っ!」
「冷えると御腹壊すわよ」
「冷やしたのお前だからーっ!?」
 急に立ち上がって指を差す直人。
 それを無視して智は彼が開いたままの本へと視線を移し、
「鷹野結希。将来の志望方向は技術系。外の学校じゃ良い成績だったらしいわよ」
「無視か……」
 悲しそうに呟く直人であったが、横目で睨むと意を解したのかこちらへと近づき上から本を見る。
 彼の影が智と本にかかったがここは図書館だ。
 一応、電気もついているので視力の良い二人にはなんの問題にもならない。
「まぁ、良いんじゃねぇか。こいつ学園都市の方からスカウトしにいったんだろ?」
 彼は何度目か分からない腕組みをし、
「期待は出来るな」
 自信に満ちた笑みを浮かべつつ、鼻を鳴らした。
 それに対して智は疑問の表情と共に体を動かして、自分に覆い被さる様な形の彼を見上げ、
「外へのスカウトなんてしょっちゅうじゃない」
 少しばかり首を傾げ、
「その自信はなんなの?」
 問うと彼が眉尻を下げて呆れた表情を作り、
「お前が期待出来るって言ったんだろうに。まぁ……一番の理由は」
「理由は?って、ひゃっ」
 彼の腕が顔の横を通り過ぎた。
「ここに――って今の声可愛いなぁ」
「……っ」
 慌てて顔を逸らして本へと視線を戻す。
 そこで彼の指は一枚の写真を指差していた。
「……鷹野結希の写真がどうかしたの?」
 写真に写っているのは一人の少女の姿だ。

363とある学園の生徒会:2007/03/16(金) 01:07:01 ID:9Xi1CIjE
 首の後ろで結った黒の長髪の下で眩しいばかりの笑顔を浮かべる少女。
 彼女の身は紺色のブレザーとミニスカートで着飾られている。
 そして、その胸には抱かれる様にして細長い円筒があった。
 卒業証書だ。
「ああ――こいつは新一年生だ」
「だから?」
 薄々勘付きつつも敢えて問う。
 そうする事が会話のマナーだと、智は信じているからだ。
 再び視線を直人へと戻すと、彼は口元に笑みを浮かべていた。
「もし研究の方で使えなくても――上手くいけば生徒会役員に引っ張り込めるぜ」
 腰に手を当てて楽しそうに言う彼を見て智は頷きを一つ。
 確かに彼の言葉にも一理ある。
 この生徒会は智と直人の新二年生だけ、しかも二人という事もあり、教師からも心配されている。
 その原因は主に智が作ったものなのだが。
 ともあれ、ここで一つ新しい生徒会要員を補充するのも良いだろう。
 教師陣に余計な心配はさせずに、尚且つ自分達の仕事も数倍は楽になるし。
 別名押し付けとも言うが。
 改めてプロフィールへと目を通す。
 鷹野結希。
 今年卒業の新高校一年生。
 学園都市の"外"出身。
 工学系全般の技術と学力は高く、また性格も極めて良しと判断される。
 追記、ボクッ子萌え。
…………。
 どういう追記だ、これは。
 ともあれ、最初に確かめた通り優秀な人物である事は間違いないようだ。
 これならば生徒会のメンバーとしても申し分ない。
 だから、智は頷き、
「成る程ね。それじゃあ、担任には私が話を通しておくから――?」
 見上げると直人が眉を顰めていた。
……?
 何事かと思うと同時に彼に肩を掴まれた。
「智……」
「え……」
 唐突な、何か悲しみや憂い、困惑をない混ぜにしたなんとも言えない表情の中、彼は目を閉じた。
 なんだろうか、と思うと同時に少し顔が熱くなる。
 いや、夕暮れの誰も居ない図書館に二人。
 そしてこの様な場面。
 まさか彼は――、
「後輩に負けてるからって落ち込むぶるぁあああっ!?」
 言い切る前に馬鹿を断罪した。
 今度は掌底ではなく拳をぶち込んだせいか、先程よりも勢い良く吹っ飛ぶ直人。
 その行く先を見ずに智は勢い良く振り返った。
 何故か顔と目尻が熱いがきっと暴れ過ぎたせいだろう。
 そうだろう。
 そうに違いない。
 畜生。
 テーブルを思いきり両手で叩くと同時、後ろで何かが崩れる音が響いた。
「……うるさいわよ」
 叩いた衝撃でテーブルが揺れたのか本がテーブルから床へと落ちて開く。
 視線をそちらへ向けると、
「――!」
 思わず目を見開いて固まった。
 その原因は彼女が直人の言葉を理解した答え。その一文だ。
 落ちた本の中、Bという文字だけが届かぬ境地として輝いて見えていた。
「くぅ……っ」
 歯軋りを一つ。
 行き場のない怒りを抑え、窓へと歩み寄る。
 外にはそこそこ広いグラウンドがある。
 其処では部活動なのか、幾人かの生徒が元気良く走り回っていた。
 時折爆発などが起きて吹き飛んでいるが許容範囲内だ。
 それを楽しそうだ、と思いつつ僅かに笑顔を浮かべ、
「皆、一生懸命生きてるのね……私も頑張らなきゃ」
 空を見上げ、これからも頑張ろうと誓う。
 夕日が沈み輝く地平線はまるで燃える様に彼女を祝福していた。






「智、現実逃避はいかんと思うぞ」
 背後から馬鹿がいらん事を言ったので本日二度目の掌底をぶち込んでおいた。

364360:2007/03/16(金) 01:12:17 ID:9Xi1CIjE
てな感じで、一つ。
此処まで読んでくれた方には最大限の感謝を。

オリキャラばっかですが、取りあえずは学園都市がメインです。
物語的には普通の学園もの……?たまに変なのが混じったりしますがねっ!

取り合えず、以下キャラ構想という名の妄想。

◇鷹野・結希 (たかの・ゆうき)
 主人公。ツッコミ役。たまに泣く。だって女の子だもの。

◇大明地・智(だいみょうじ・とも)
 主人公の先輩兼、御主人。基本はクールアンドバイオレンス。

◇高水・直人(たかみず・なおと)
 主人公の先輩兼、御主人の恋人。基本受けでもたまに攻め。ギャグマンガ体質。

◇宇佐美・虎乃花(うさみ・このか)
 科学部の一員。最終ザコ戦闘員妹。

◇宇佐美・和也(うさみ・かずなり)
 科学部部長。天才と馬鹿は紙一重を体言。通称ボンバーマン兄。

◇早乙・水鳥(さおとめ・みどり)
 走る消火器。アクアジェットガール。

◇平塚・暢乃(ひらづか・のんの)
 先生。のんびりしまくって色々忘れる人。

◇近藤・正範(こんどう・まさのり)
 熱血漢先生。暑苦しい体育会系。でも心根は優しいと思わせてパイルバンク。

では、お目汚し失礼。
需要があれば、続きを書いてみたいですです。でわ。

365とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/16(金) 05:34:06 ID:gM0nnLb6
>>358 やっほーい、細かいダメダシありがとう。
ニンジンさんはこちらのミステイクですね。
きっちりと修正させていただきます。
あと舞台は昼前のスーパーですので黄昏時では無いのです(待て)

追伸に追伸に対する返信
 作者突っ込みは好みも確かにあると思いますが
ご意見はきっちりと心の引き出しに(待て)
一方&結標コンビは実は『空白少女』(ブランクガール)全体を通してのコンビですので
だんだんと出番が増えて来ます。
正座して待っていただけるののは嬉しいですので足がしびれるまでお待ちください。

視点ごとというよりは……
上条パート
一方パート
御坂パート
同軸時間上を同時進行形式ですかね。
一応12月22日未明〜12月24日未明が『空白少女』(ブランクガール)の舞台です。
それぞれのパートが展開してる間主要キャラクターが何をしているかはご想像にお任せいたします。
朝[打ち止め](ラストオーダー)とニンジン戦争していた一方さんが
AM11時ごろにスーパーに居るのは何故だ?とかね。
[打ち止め](ラストオーダー)は結局ニンジンを食べたのか?とかとか
あと越川出せとか大きなリボンの子出せとかとかお待ちしております。

ご自愛?既に風邪ッぴきさんですよ!(げほんげほん)
毎回拙い文章でお目汚しスマソ、精進致します。
最後に……うちの一方さんと淡希さんにカッコいい戦闘シーンなど無い!!
あるのは終始ほのぼのコメディとギャグとラブコメだけだ。
戦闘シーンは越川とか假名垣(空白少女)とかの担当。
特別に以下の物から素敵なオプションを選べって感じですよ。

1:工事現場のおっちゃんが持ってる誘導灯
2:金属バット
3:果物ナイフ
4:ゲームセンターのコイン
5:包丁
6:サッカーボール



>>353
指摘による修正
メインのニンジンさんの有り様について
× ちなみに1パック98円。
○ ちなみに1袋98円。

>>359 
×買いて
○書いて
遡ると確かこの掲示板の暗黙のルールっぽいものの論争があったと思う。
 
>>364 
すいません、真剣に人物紹介を凝視する俺が居ました。

>◇近藤・正範(こんどう・まさのり)
 熱血漢先生。暑苦しい体育会系。でも心根は優しいと思わせてパイルバンク。
パイルバンク!?ってなんなんだ!! パイルバンカーの親戚なのかと真剣に(略)

366■■■■:2007/03/16(金) 08:59:16 ID:DEemhoFg
>>364
オリジナルキャラクターは牽引力が命
とありきたりな感想を言ってみる。

追伸:
敢えて4月を舞台に選ぶのは勇者だ。

次回を待つ。

367358:2007/03/16(金) 13:15:49 ID:wX7OOwu.
ええぇマジで選んでいいのですか(汗)っ。

えーと、えーと……7の辞書の角、と見せかけて1の誘導灯でFA!

話変わりますが、自分も触発されて色々話の設定考えてたら
かまちーじゃなくて成田風になってしまって……。
なんだかなぁ、もうちょっと精進してきます。

368■■■■:2007/03/16(金) 13:32:06 ID:DEemhoFg
んでは自分は・・・8番クイックルワイパーと見せかけて1番の誘導灯で!!

アンケートなんて初めてみたぜい

369■■■■:2007/03/16(金) 14:33:01 ID:qK9ITHIg
>>360
気を悪くしたら済まないが、>>361-363を見た時点での感想は「『理想郷』へ池」に尽きる。
もちっと「かまちー風味」というか「禁書っぽさ」が欲しいかも、続きに期待。
個人的には嫌いなタイプの作品じゃないので頑張って欲しいデス。
偉そうな事言ってスマン

>ALL
「学園都市オリキャラメイン、本編キャラ出番ゼロ(ないし極少)」ってジャンルが増える場合、独立したスレは要るだろうか?
学園都市という舞台は使い易い反面、全く関係ないモノにもなりうる分、多少の線引きは必要ではないかと愚考。
















>>365
   1:工事現場のおっちゃんが持ってる誘導灯
   2:金属バット
   3:果物ナイフ
   4:ゲームセンターのコイン
ニア 5:包丁
   6:サッカーボール

370空白の人 ◆Oamxnad08k:2007/03/16(金) 18:45:55 ID:gM0nnLb6
>>367
辞書の角で噴いた。
誘導灯ハイリマス。
>>368
その「らくらくスイスイ」はもしかして先っぽがカバーになってて外すととんがった先端が出てきたりして槍になるのだろうか?
もしそうだとしたら越川や假名垣に持たすより……
『メイド服を着た吹寄制理』に是非持たせたい!!
次点で姫神でも可。
ピンクの特攻服を着た小萌先生でも更に可。
誘導灯またしても御指名です。
>>369
……「ニア」はもしかして包丁を指してたりするのだろうか……。
もしそうだとしたらここから一転してサイコホラー路線に転げ落ちろと……。
あとオリキャラSSスレは不要と一石投じてみる。

もしかして……自分もそこに隔離されてしまうのだろうか(ビクビク)

371■■■■:2007/03/16(金) 23:07:09 ID:grCT.6FY
メイド服を着た吹寄……ッ!
包丁なんて猟奇的な家庭的な、良いかも知れんね!?

んー、>>370氏は俺のと違ってオリキャラ混じりだし、違和感無いしオッケーかと。
しかし、禁書らしいかぁ……。
当麻とかを出すと禁書らしくはなるだろうけど、主人公のお株を奪われそうだなぁ。
学園都市らしい雰囲気とか情景を描写するとかかな?

372■■■■:2007/03/17(土) 00:03:53 ID:SuG1jRMk
今のとこ書き手さん自体が少ないんで分ける必要を感じないですが……。
もし分けるとしたらどうするか、だったらどう分けるかすりあわせがいりますね。

例えば「魔術世界、学園都市、ミックス」とか
「とあるメインメンバー主役、オリジナルキャラ主体、クロスオーバー」とか。

はっきりしとかないとスレ乱立に繋がりますしね。
現状必要ないとは思いますが、もし作るなら後者がいいかな。
オリジナル主体スレは許可さえもらえば他の職人さんのキャラも使える
とかすると学園都市が自分達の手で広げられるみたいで楽しそうだな、と思ったり。

373■■■■:2007/03/17(土) 05:07:19 ID:SQXHF3AU
>>372
お前さんのセンスに脱帽だ。
その発想はなかったなー。

374とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/17(土) 07:06:43 ID:051y3oYc
[7] Interval extra01―越川さんと置いてけぼりツインテール

 高いビルに囲まれたコンクリートの森を一つの影が飛ぶ。
 否―、飛ぶではなく跳ぶ。
 [空間移動](テレポート)でビルからビルへと跳躍し一気に距離を稼ぐ。
 左耳に装着されたヘッドホンマイクから初春飾利の声が聞こえた。
『白井さん、そろそろ――』
「問題ないですわ、もう見えてますの。 あと数回で到着ですわ」
 言い切ってもう一度[空間移動]し100メートル程先にあるビルへと移動する。
「通報時間から約5分、私以外では間に合いませんもの」
 文字通り空間を移動しながら呟いた。
 ヘッドホンマイクの向こうから聞こえる初春飾利の声は[空間移動]の影響で途切れ途切れ聞こえる。
『本来なら非番なのに申し訳ありません、假名垣さんに連絡が取れれば問題なかったんですが』
 假名垣皐月(かなづきさつき)、白井は直接会ったことは無いが白井と同じく[風紀委員]だ。
 常盤台中学と並んで名門と誉れ高い五本指と称される学園。
 彼女は昨日から連絡が取れないらしい。
 そんなわけで非番だった白井へと白羽の矢が立ったのだ。
 射手の思惑が多分に混じってる気がしなくも無いが。
「大方風邪か何かでしょう、この埋め合わせは後程キチンとしてもらいますので、黒蜜堂のデザートフェアとか」
 ヘッドホンマイクの向こうでなんだか花瓶が「黒蜜堂は高いんですけどッ!」と喚いてたが
「到着しましたわ」
 そう言い放ちオフィスビルの屋上の縁に足をかけた。
 眼下には白井の目的地が見下ろせた。 
 ビルとビルに挟まれた通路に数名の男女の姿が豆粒ほどの大きさで見れる。
 常盤台中学の茶色い冬服の上着に取り付けられた緑の腕章と茶色いツインテールが風に揺れた。
 大きく深呼吸して目標へと最後の[空間移動](テレポート)を開始する直前ヘッドホンマイクから甘ったるい声が流れた。
『了解です、それでは頑張ってくださいねー』
(事前の連絡では路地裏に連れ込まれた女性が3人、あと連れ込んだ不良達が10人程度でしたわね)
 余裕だ、と思った。
 白井黒子は大能力者(レベル4)という結構な力の持ち主だ、脆弱な能力しか持たない不良など物の数では無い。
 聳え立つオフィスビルの屋上からツインテールの少女の姿が虚空へと消えた。
 
一瞬の浮遊感の後にビルに囲まれた通報現場へと[空間移動]を完了させ白井黒子は叫んだ。
「[風紀委員](ジャッジメント) です!大人しく――」
 しかし彼女はその叫びを完了させることは出来なかった。

375とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/17(土) 07:07:24 ID:051y3oYc
 狭苦しい路地裏の空間を茶色いポニーテールが舞う。
 ひらり、ひらりと。
 もしくはのらり、くらりと。
「て、てめぇえ!よくも!」
 いかにも雑魚です、といわんばかりの不良が越川へと飛び掛るが、
「それ死亡フラグっしょ」
 彼女は右手を自分の顎に当てて疑うような視線を向けひらりと回避。
 サッと突き出された細い脚に躓いて雑魚Aがコンクリートの壁にキスをする。
「ふぉ〜らね、エィ、エィ、エィ――」
 雑魚Aの後頭部をガシっとわしづかみにして無造作に壁へと叩きつけるポニテ娘。
「ぐぁ……」
 悲鳴を上げる雑魚A、彼は5回ぐらい鈍い音がした後に倒れた。

 少し離れた場所で吹寄制理と姫神秋沙が二人揃ってその事態を見守っていた。
「彼女。助けなくていいの?」
「越川さんだから大丈夫よ、どっちかっていうと助けるなら相手の方ね」
「どういう意味だか。わからない」
「見てればわかるわよ、姫神さん」
 姫神は見てれば判ると言われて騒ぎへと視線を戻す。
 最初は10人居た連中も既に4人しか居ない。
 いや、居るけど倒れてる。
 雑魚Aと同じように頭部に打撃を受けて昏倒してるのだ。
 一様に壁に持たれかかる屍っぽいものが6個。
 いや一応6人、若しくは6名。
 本当に容赦無い。
 再びコンクリートに堅いものを叩きつけるような鈍い音が響いた。
「でっどりーどらいぶ!」
「はべら……」
 また一人脱落。
 この騒動の切欠は確かに些細なことだった。
 ちょっと特殊ではあるのだけれど。
 姫神秋沙は事の顛末を思い出してみた。
 事の始まりは少し時間を遡ったゲームセンター。
 月詠小萌のHRの後、上条当麻を捕獲し損ねた越川嬢は「憂さ晴らししかないっしょッ」とか言って姫神と吹寄を伴って
駅前のゲームセンターまで行ったのだ。
 そこまではまだ良かった、動機がちょっと強引だがありえない事ではない。
 ただいくつかの偶然が重なった。
 ある少年的に言えば不幸にも。
 たまたまゲームセンターでは格闘ゲームに勤しむ不良達がたむろしてたのも偶然なのだろう。
 たまたま格闘ゲームを楽しむ彼らがそれなりに腕の立つゲーマーだったのも偶然だろう。
 そしてたまたま50連勝直前で挑戦者が居なくなってた対戦台にこの茶髪ポニーテールが座っちゃったのも偶然だろう。
 更に言えばコテンパンに負けた彼らが腹いせにリアルファイトと洒落込んできたのもきっと偶然なのだろう。
 
 でも姫神秋沙は思った、偶然もコレだけ重なれば必然だと……。

376とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/17(土) 07:08:23 ID:051y3oYc
「ゴフッ……あべし」
「お前はもう死んでいる……なんちゃって」
 ゴスン、と鈍い音が路地裏に響いてまたズルズルと倒れこむ雑魚C。
 不良残り二名。
 でもなんだか変な方向に進んじゃってるこの事態。
「あ、あにきぃぃぃ!!」
「兄者ぁぁぁ!!」
 腰に手を当てて不適に佇む越川を指差して叫ぶ残りの不良達。
「ちぃぃ! コイツなんだかやべぇよ、異様に反応がはええ」
「落ち着け、なんかの能力者だ」
 ちっとも落ち着いて無い。
「ククク、この越川ちゃんを敵に回した事を地獄の底で後悔するといいっしょやッ」
……。
「どっちが悪役だかわからないわね」
「彼女は。もしかして北海道出身?」
「どうして?」
「語尾。違う?」
「確か実家は京都の和菓子屋のはずだけど」
「そう。それは残念」
 暢気な会話が展開され、心底残念な顔を向け事態を見守ることにする姫神と吹寄。

 ぱきぃぃぃん
 
「おっ?」
 路地裏にひんやりとした冷気が立ち込める。
 不良でも能力が発現してる奴も居るみたいでたまにこういうのも居る。
「へへへ、俺だって冷却能力者[フリーズユーザー]だ、そのまま氷漬けにしてやるよ」
「ちなみに俺は[肉体強化][ブーストアップ]、へぶぁ」
「能書き長いっしょッ! ちゃっちゃと退場しなさい。 アライグマの様に。 ページ無いんだから!」
 ひどく理不尽な理由で折角の能力を発揮することもなく張り倒された雑魚D。
 川を挟んで追いすがるアライグマを冷たく突き放す様に脱落。
 残り1名。
「さぁて、アンタで最後っしょ! 折角だから越川ちゃんの秘密兵器で」
 秘密兵器、その響きにラストの不良の顔付きが真剣になる。
 やがて緊張に慣れてないのかやけくそ気味に冷気を放つ右手を越川へと向け突撃するラストの不良。
「越川さん。何する気なの?」
「見てれば判るわよ……」
「はぁぁぁぁ……必殺――」
 ゆらり、陽炎のように揺らめいて彼女が制服の背中から取り出したのは一本の棒。
 30センチくらいの黒っぽい円筒。
 警棒に見えなくも無い。
 刀身部分に付いた電飾が無ければ。
「あれって……。工事現場の誘導灯」
「越川さん、それで殴りかかったら電球割れるって絶対!」
 工事現場で交通誘導をするオジサンがよく持ってる光る棒。
 越川がグリップの底にあるスイッチを押し込むと刀身部分の電飾が光りだした。
 ぴこぴこと点滅する紅い光が越川の腕の動きに沿って空間に紅い軌跡を描く。
「この!舐めやがって!!」
 馬鹿にされたとでも思ったのか最後の不良は越川へと突撃した。
 直後、彼は錐揉み回転をしながら宙を舞い、三回転して地面へとダイブすることになる。
 なんで過去形かといえば
「越川ぶれーッど!!」
 良く通る少女の高い声と共に放たれた紅い軌跡によって彼の意識は飛んでいたからだ。
 そしてそのまま動かなくなる。

377とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/17(土) 07:10:05 ID:051y3oYc
「ええええええ!?!?、なんで割れないんですのー!!」
 その一部始終を見て思わず突っ込みを入れるツインテールの[風紀委員]約一名。
 あんまり妙な空気が立ち込めていたので固まっていたのだがやっと出番が回ってきた。
 学園都市製の特殊樹脂で形成されているとはいえ、所詮はプラスチックだ。
 それに刀身部分は電飾、当然そんなもので殴ればたちまち割れるに決まってる。
 だが余韻に浸る茶髪のポニーテール娘が握るその棒には一切の傷など無い。
 白井じゃ無くても突っ込みぐらい入れたくなるのも仕方ない。

 その答えは本人とは別のところから来た。
「拳で殴ってる。それだけ」
「それって素手で殴ってるのと一緒じゃないですの……意味無いですわよ、それ」
 
「かっこいいから良し!!」
 そう言って問題の彼女は「ぽい」と誘導灯を投げ捨てる。
 どうやらもう要らないらしい。
「[風紀委員]の目の前でポイ捨てしないで欲しいですの……」
 ヘッドホンマイクからは「白井さん? どうしたんですか!」と切羽詰まった声が漏れていた。
「とりあえず任務完了ですわ……。 あんまり一般人が暴れないで下さいですの……出番無くなるから」
 力なく呟くツインテール中学生はなんだかしょんぼりしつつ「わたくしの出番……」とか言いながら
事後処理を開始するのだった。
                                               [12月23日―AM11:20]

378とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/17(土) 07:12:54 ID:051y3oYc
>あーやっちゃった感でいっぱい……。
しかし学園都市の不良達ってどんなカッコしてるんでしょうね……
すくなくとも学生服だけは着てないと妄想……。

379とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/17(土) 07:18:19 ID:051y3oYc
>>374 修正漏れ一点
× 常盤台中学と並んで名門と誉れ高い五本指と称される学園。
○ 常盤台中学と並んで名門と誉れ高い五本指と称される学園、長点上機学園に在学する高校生。
脱字属性も追加されそうな今日この頃……。

380■■■■:2007/03/17(土) 08:02:06 ID:vLmntpVI
朝からご苦労様ですー。

白井がまともなツッコミキャラに……素晴らしい。
越川ブレードは本気で凶悪ですね。ってかBOWY思い出した。
越川さんは京都出身なんですか。確か姫神も京都じゃなかったっけ。
京都話に花が咲くとかあったのかなー、と愚考してまたり。

お風邪をひかれてらっしゃるとのことで、ご無理はなさらないよう。
ひきはじめと治りかけが一番用心しないとですよ?
次回も楽しみにしてます。

追伸
手元にないんでちょっと自信ないですが、
白井の空間移動の距離上限は8巻時点では81.5メートルとなってたはずです。

381■■■■:2007/03/17(土) 10:29:42 ID:7/rDthQY
380>>100M飛ぼうとした白黒が限界点までテレポートしたあとに届かなくてわたわたすると言う場面を想像してしまったw

俺も背中から獲物を出す場面で絶対金属バットでてくるって期待してましたとさ。

追伸
吹寄と姫神が越川さんに喰われつつあるような気がせんでもない。

382■■■■:2007/03/17(土) 16:15:11 ID:7/rDthQY
禁書っぽさって何だろう?
当麻がでてるから禁書というわけでは無いと思うのは俺だけかな?


プロローグはある程度謎とか残して置いて伏線は控えめにしたほうが良いかも。主役級の能力についても必要に応じて小出しのが

えらそうなこと言ってゴメンナサイ。

主人公がまだ登場してないから今後の展開に期待してます。

383空白の人 ◆Oamxnad08k:2007/03/17(土) 17:38:19 ID:051y3oYc
>>380
ご指摘感謝感謝です。
これはもう素で間違えてます。
白井黒子の限界値は飛距離が最大81.5M、質量が130.7kgでしたので
100m先の建物に[空間移動](テレポート)する事は出来ません。
連続空間移動をしたとも書いてませんのでここは素直に修正致します。
ご迷惑をおかけします。

>>374
矛盾修正:白井黒子の[空間移動](テレポート)の記述
×言い切ってもう一度[空間移動]し100メートル程先にあるビルへと移動する。
○言い切ってもう一度[空間移動]し80メートル程先にあるビルへと移動する。

>>381
え? 姫神さんと吹寄さんはたべられちゃいましたか……
やはり凶器は包丁(ぼそ)

384■■■■:2007/03/17(土) 18:08:39 ID:zXXcGHAs
限界だとぶれが大きいから安定する距離を何度も飛んでるんじゃなかったっけ?

385■■■■:2007/03/17(土) 19:02:01 ID:7/rDthQY
>>384
8巻だと何回も80mづつ連続空間移動してますね。

80付近なら安定するって事だろうね。

>>383の場合は「80m程」だからその修正でいいんでないだろうか

386■■■■:2007/03/17(土) 21:49:16 ID:lJKB/Zgc
失礼、最近原稿を書き始め、頃合を見計らって投稿しようと思っていますのですが
上の投稿の仕方の激しい話合いで何となく『空気を読んで投稿』というのが解りました。
ですがそれとは別に上で何度か上がった『アルカディア』とは何なのでしょう?話的に他の小説サイトだとは思うのですが
検索結果ではハワイとか壁紙とか関係の無いものばかりで・・・誰か教えて頂けないでしょうか?

とりあえず初めての事に、右手が緊張を隠せずプルプルと震えていますが、やはりここに書き込みたいので
これをやらなければ!!
空白の人様ぐ・・・GJ!素晴らしい作品で毎度参考にさせて頂いております、これからも頑張って頂きたく存じ上げます

387■■■■:2007/03/17(土) 21:58:51 ID:x0jNEGV.
ttp://mai-net.ath.cx/index_f.html

388空白の人 ◆Oamxnad08k:2007/03/17(土) 22:10:04 ID:051y3oYc
>>386
アルカディア……大手の投稿サイトです。
禁書物も少数ですがありまして。
主に原作IF物やクロスオーバー作品が主です。
検索ワードを「アルカディア 投稿 SS」等にすれば見つかると思います。
ですが完結していない作品も多いのでその辺は理解の上でどうぞ。

あと>>386氏の作品ですが投下されてはいかがでしょうか?
そういう趣旨の板でもありますし。
自分も読んで見たいです。
ただメール欄には「sage」と入れておくとモアベターかと思われます。


追伸:自分のSSはなんていうか、そんな大層なものではないと思うのですが……。
とりあえず応援感謝。
オリキャラが暴れてるだけのみならず……原作キャラの性格が壊れてますし。
(結標とか淡希とか[座標移動](ムーブポイント)とか一方とか)

389■■■■:2007/03/17(土) 22:10:48 ID:7yKr0igw
>>386
新作は常に需要有りですので。
感想や指摘もまずは読まなければ出来ませんし。
少なくとも私は投下に期待しますので。
 
 
……で。探しものについてですが。
>>387様が書かれた場所であり。
大手のSS投稿サイト様で、間口が広くなっておりますので。
 
但し、『理想郷』と呼ばれる場合は大抵蔑称につき、注意が必要ですので。

390389:2007/03/17(土) 22:14:20 ID:7yKr0igw
……書く前にリロードすべきだったようで。
自分の文は蛇足につき。

391■■■■:2007/03/17(土) 22:24:59 ID:7/rDthQY
あ〜自分アンカーミスってた、カッコワル。

空白少女>
越川さんと置いてけぼりツインテールってサブタイトルでまず噴いた。

>>386
まずは作品を投下。
話はそれからだ

面白いと言われれば続きを書けばいい。
逆なら更なる精進。

392■■■■:2007/03/17(土) 22:37:49 ID:lJKB/Zgc
題名はきまっているんですが、まだ原稿が整理されていないので、
原稿が整理出来たら即座に投稿致します、作品の題名は
とある天草式の腐敗子(カープション、チルドレン)[corruption child]

題名がグロイかな?と思っているので、
グロイと思う方は言って下さい、投稿前に替えますので、やっぱグロイ気が・・・

393とある天草式の腐敗子(カープション、チルド)[corruption child]:2007/03/18(日) 00:22:31 ID:w69B3tvU
まぁグロければ途中で帰りゃいいかと思いつつ、自信はありませんが作品を投下させて頂きます。
震える指先でエンターを押させていただきます。精進の為、指摘感想注意点お願い致します。

とある天草式の腐敗子(カープション、チルド)[corruption child]


炎天下の道中、あまりに生気の無い顔の少年が歩いていた。
頭に歯型がある以外変哲の無い少年。
「ふ・・・不幸だ・・・」
その一言があまりに定着している不幸少年、基、上条当麻は朝の出来事を思い返していた。

「朝飯は無い」
お玉を片手に腕組みをしている当麻の一言は、ある人物に致命的ダメージを与えていた。
三毛猫とじゃれ合っていた銀髪碧眼の少女が固まっていた。
予想外の事に対処出来ていないのか、かなり戸惑っている。
「ど・・・どういう事かな・・・?」
震える唇で少女は言う、少女の名はインデックス、魔道書の原点を10万3000冊脳内に所有する人間図書館、そして絶対記憶能力の持ち主、
明らかに偽名のこの少女はとある事情から上条のマンションに居候している。
その事情は上条の記憶には無いのだが・・・上条当麻は記憶喪失でインデックスに初面識の記憶が無い。
「それはこっちの台詞だー!!」
叫びながら思いっきりお玉をカーペットに投げつける。
クワワァァンという間の抜けた音が部屋に響いた。
「何!?どういう事ですか!?昨日の夜にはまんぱんだった冷蔵庫が何故一夜にして神隠しに会うのですか!?上条さんは突然の事にめっちゃテンパッてますよ!?」
朝起きていつもの様に冷蔵庫を開けると、昨日買い込んだ食糧が無い、1ヶ月分の食料は綺麗に消えていた。
「…………不思議な事もあるもんだねー」
インデックスの目が泳いでいた。
それを上条は、見逃さない。
「・・・時に姫、一つよろしいか?」
目を瞑って上条は腕組みをする。
「な、何かな?」
突然の礼儀正しい言葉にインデックスは若干ビクッと震える。
「私、上条当麻は11時に寝床に付いており、11時前には冷蔵庫はまんぱんだった確証があります」
「ふんふん」
律儀に頷く少女は確実に上条から目を逸らしている。
「では犯人は11時から6時半までに食料隠蔽を図った、私はバスルームから出ておらず、スフィンクスは重い冷蔵庫は開ける事は出来ない」
スフィンクスとはインデックスが三毛猫に名付けた名前だ、何故上条はバスルームで寝ているのかは、健全な精神の持ち主ならお解かりだろう。
「という事は犯人は・・・」
そこで目を開けた、インデックスとばっちり目が合う。
だらだらと冷や汗の垂れるインデックスを見た時、核心に触れた。
「お前しか居ないんじゃボケえええええええええぇぇぇえ!!」
上条がインデックスの眉間に向かってチョップを振り下ろす。
スパーン!!という音と共にインデックスの眉間にチョップが炸裂。
「イッタぁ!?」
「イッタあ!?じゃねーよ!!俺の財布はもっと傷ついてるわ!!さぁ言いなさい!あの大量の食料は何処に隠したの!?お母さん怒んないから言って見なさい!!!」
額を両手で抑えたインデックスは上目使いで上条を見る。
「ほんとに怒んない?」
怒んないと上条は頷く。
「・・・・全部食べちゃった」
スパーン!!と再びチョップ炸裂。
「怒んないって言ったのにー!ハッ!!まさかこれはローマに伝わる誘導尋問!?」
また額を抑えて涙混じりに言った。
「場合によるわぁぁ!!後、誘導でも無いから!!深読みしすぎだから!!」
上条の叫びを無視してインデックスが反論を返す。
「だって!!だって!!昨日の晩御飯がカップラーメンだよ!?愛が無いよ!!」
思い返してみれば昨日は毎度の事ながら色々な事に巻き込まれてろくな晩飯を作っていない。
「でも冷蔵庫の中身全部食べなくてもよくね!?てか生の肉や大根も食ったのか!?愛とか知るかー!!!」
「だってだって!いっぱい食べたら大きくなると思ったんだもん!!」
「は!何を言いますか!その幼児体系がそんなすぐに変わりますか!世界中のロリコン達に今も貢献するがいい!!」
ビキッ何かが切れたような音がした。
「え?待って!!待って!!何で口いっぱい開けてんの!?」
カパァッと開けた口の歯がギラッと輝くと標準セットと言わんばかりに大きく上条と向かい合う。
「待って待って!!今のは違うの!!ちょっと本音が・・・じゃなくて!!やめて!!やめて!!ちょっとした比喩表現で別にインデックスさんが子供みたいな体系で、全国のロリっ子ファンに請け合い!!じゃなくて!!嫌々嫌々!!こっちこないで!!ごめんなさいごめんなさいごめんなさっギャァアァアアァアァアァア!!!」
腹減りと上条が優位だったのとで見事にストレスの溜まったインデックスは言い訳から最後謝罪になっていた上条に情も何も無しで景気良い音を立てた

394とある天草式の腐敗子(カープション、チルド)[corruption child]:2007/03/18(日) 00:23:08 ID:w69B3tvU
「はぁ・・・・」
上条は深い深いため息を付いた。
秘蔵のカップラーメンを全部持って行かれ朝から何も食べていない腹は今も鳴る。
財布はスッカラカンで小銭すら無い、

涙目のまま顔を上げると、目の前に何か倒れていた。
「・・・・・・」
何処かで見た様な光景(過去2回)
上条は考えた、今はお腹も減っていて人にかまかける程じゃないし、もしも似たような境遇でも無いもんは無い。
倒れているものはこの炎天下の中真っ白いズボンに真っ白い長袖の服を着込み見た目酷く暑苦しい。
服に付いたパーカーを被っているのとうつ伏せで大の字になっているので顔は見えない。
道路の真ん中で大の字になっている事典でかなり変である。ただ隣に置いてある物だけは右手ではっしと大事そうに持っているそれは、同じく真っ白な布で覆われた2Mはある長い棒であった。
「腹減った」
低い声から男と思える。
「・・・・・・・・・・・」
上条は考えた、ここで逃げたら多分人として最低だがフラグ王(自覚無し)にとって男であるのは以外であった。
「おい」
上条は深い深い深いため息を付く。
(話掛けられちゃったよ・・・・)
話掛けられたとあっては流石に無視するわけにも行かない。
「何だよ」
めんどくさそうに紙状はしゃがみこんで男を見る。
「悪いが・・・金、渡すから・・・そこの自販機で何か買ってくれ」
震える手で男が指差した先には自販機が2つある、指差された方は全てがあっつあつのお汁粉。
「何で!?何でお汁粉!?」
「貴様の分も買っていいぞ」
男は上条の叫びを無視して小銭を道路に置く。
「いらねーよ!!それよりも隣の自販機にしろよ!!何でわざわざお汁粉!?」
「餅」
簡単な一言に上条は呆れた。
「餅だけの為に熱々を選ぶのか・・・・」
いい加減回りに変人ばかりだと結構上条は順応が早く、サッサと小銭を取って自販機に入れる。
一瞬躊躇するがそのまま赤く点滅する熱々を押した。ガコンッという音で缶が出たのが解った。
缶の端を持って男の前に缶を置いてやった。
「じゃぁ俺はもう行くぞ?いいんだな?」
上条の言葉に男がわずかに頷く。
それを見届けた上条はサッサと歩き出す。これ以上の面倒は御免だと言いたげに。
男はわずかに顔を上げて上条の後姿を見送った。
「あれが・・・・・・・インデックスの付き人か」
男の目は純白の目であった。目が見えていないのかと思われたがその目は確かに上条を捉えていた。

395とある天草式の腐敗子(カープション、チルド)[corruption child]:2007/03/18(日) 01:28:55 ID:w69B3tvU
上条が男と会う数日前の話、

まずいことになった―
赤髪の身長2Mはある大男は黒い神父の格好えおしているがその手には何個もの指輪に目の下にバーコードの様なタトゥーはあまりにも神父らしくない。
その男の名はステイルネセサリウス(必要悪)に所属している。
ステイルは早足でイタリアの町を歩く、急ぎの場所はイタリア教会ネセサリウスの本部。
教会に付くと怒鳴り声の様な口論が響き渡っていた。
「私に行かせて下さい!!奴は私にしか止められません!!」
女性の声は恐怖と心配が入り混じっていた。
「それはなりけるぬのよ、もしあなたが相打ちになれば、うちの大切な戦力が減ってしまう」
淡々と返す女性の日本語は何処か可笑しい。
ステイルが近づくのが解り二人の女性が同時にことらを向く。
叫んでいた女性の名は神崎火織。後ろで束ねた長い黒髪、しなやかな筋肉を覆う白い肌
搾った半そでののティーシャツに片足だけを強引に断ち切ったジーンズとウエスタンブーツ、腰に巻いた革ベルトには2M超える日本刀『七点七刀』が収められている。
もう一人はネセサリウスのアークビショップ(最大主教)ローラ=スチュアート簡単なベージュの修道服に髪を一度折り返すほどに長い髪は一度見れば忘れることは無い。
世界にも20人しかいない『聖人』神崎火織が負けるとは言われないが相撃ちになると簡単に言われているのにステイルは歯噛みする、相手の力量が目に見えてしまう。
「やはり・・・本当にだったのか]
ステイルの言葉に神崎が目を伏せる。
ローラは表情を変えない。
「で、本当に『腐敗子』がインデックスを狙っているのですか?」
ステイルの声は緊張が走っている。
ローラは小さく頷く、それを見てステイルの顔が真っ青になった。
「ですから!!今回だけはあの子でも不可能です!!」
神崎の脳裏に上条の顔が浮かぶ。今まで沢山の事を解決して来た男だ。
「私が止めに行きます!!これは私の責任です!!」
神崎の声にローラは微動だにせず黙り込んでいる。
そのれを見て神埼は俯く。
ローラが口を開いた。
「わかりたもうた、この任神崎に任す」
神崎が顔を上げた。
「正し、負ける、または相撃ちとわかりたもうてばすぐに逃げる事、そして、ステイルと土御門、そして例の子と協力する事!!」
ステイルは軽く舌打ちした。またあの男かと、苦い思いを振り返る。神崎はまたあの子を巻き込むのか、と独り言を漏らすが、すぐに日本へ向けて旅立つ準備に走る。

長い戦いが始まろうとしている―
――――――――――ここらで区切り

396■■■■:2007/03/18(日) 02:38:58 ID:JsOzuscw
内容はちょっと置いておいて、誤字がもの凄く目立つ

397腐敗子:2007/03/18(日) 05:25:42 ID:w69B3tvU
すいません・・・出してから気づきました、うわーメッチャ恥かしい

398腐敗子:2007/03/18(日) 05:45:35 ID:w69B3tvU
394〜になっている事典での「事典」は「時点」
同じく394の〜めんどくさそうに紙状は 上条が紙に!!「紙状」は「上条」でした
385の 〜黒い神父の格好えおしているが えおって何、「えお」は「を

二人の女性が同時にことらを向く。「ことら」は「こちら」です
搾った半そでのの はんそで「の」
〜本当にだったのか] 「に」は要らないですよね
そのれを見て それを見て ですね

えー間違いすぎです、すいませんでした!
かなり落ち込んでます、やはりまだまだ未熟でした、すいません!!

399■■■■:2007/03/18(日) 05:59:41 ID:85Qpp6PM
>>393-397読んだ。 全部読んだよ。
『紙状』でかなり噴いたのですが、これは罠ですね?

無粋かと思ったが添削してみた。

×原点
○原典

×標準セット
○照準セット

×道路の真ん中で大の字になっている事典
○道路の真ん中で大の字になっている時点

×めんどくさそうに紙状
○めんどくさそうに上条

×赤髪の身長2Mはある大男は黒い神父の格好えおしているがその手には何個もの指輪に目の下にバーコードの様なタトゥーはあまりにも神父らしくない。
○赤髪の身長2Mはある大男は黒い神父の格好をしているがその手には何個もの指輪に目の下にバーコードの様なタトゥーはあまりにも神父らしくない。


×七点七刀
○七天七刀

×そのれを見て神埼は俯く。
○それを見て神埼は俯く。

炎天下なのに熱々の自販機……やぱり上条さんはハラペコが良く似合う。

追伸:句読点って大切。
禁書世界的には基本的にルビの方を()で読ませたほうが良いですね。

追伸の追伸の添削
×途中で帰る
○途中で変える

×神崎
○神裂

400腐敗子:2007/03/18(日) 06:13:27 ID:w69B3tvU
すいません、素で紙状とか書いてましたが、もう罠と思っちゃって下さい。
ここは笑いに持って行きますよ、わはは・・・
そしてありがとうございます、自分のみじゅくっぷりを垣間見ました。
てか間違いすぎですね俺、色々と素でやっちゃった感バリバリでした。もう穴があったら入りたい。
読み返してみると、句読点が無いのでメッチャ読みにくい
そしてなるほど、禁書の世界はルビは基本()と
成る程勉強になりました399の方、本当ありがとうございました。
神裂の名前間違いの連呼ウァーウァー

401空白の人 ◆Oamxnad08k:2007/03/18(日) 06:15:26 ID:85Qpp6PM
>>399は空白です、名前打ち忘れ。
>>398あーダブりましたね……。
内容的にはまだプロローグの段階なので本編の方をお願いします。
自分も前に指摘されましたが
「・・・」は極力三点リーダーにして「……」と使うのが基本。
多すぎても良くは無い。
地の文は長くなりすぎないように空白を1マス開けて書き始める。
「!」「?」のあとには極力空白を1マス挟む。

とりあえず続きを期待してみたりしてみる。

402■■■■:2007/03/18(日) 08:06:28 ID:LTOOg/2U
>>腐敗子の方

技術的なことは色んな方が上でおっしゃっておられるのでいいとして。
アップ分を書き上げたらすぐ投稿するのでなく、一晩置いてみるといいでしょう。
そして置いたあと、もう一度頭から読み返すのです。

これで、自分の不勉強からくる誤字脱字以外は大幅に除けるはずです。
技術面が足りてないと、せっかく面白い話を書いていても読んでいる人は白けてしまいます。
それはすごくもったいないことだと思います。

ここに出した以上は色んな人が色んな意見を出してくれます。
それをどんな意見も自分の中で昇華させていけば、いつか自分の力になります。

……て、色々偉そうなことを言って申し訳ありませんですー(汗)。
数少ない魔術メイン話、その上みんな大好き天草式とすごい楽しみにしてます!
これにこりずに次の投稿をお待ちしておりますっ。

403とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/18(日) 09:21:02 ID:85Qpp6PM
[8] Imagine Breaker04―待ち人、待つ人、空白少女
 
 青い空、白い雲、そしてお天道様は上条当麻の真上でサンサンとお仕事をしてる。
 そんな天気の良い広場の中央に位置する噴水の淵のコンクリートに腰掛けて上条は呟く。
「疲れた……」
 彼はHR後に展開された激しい逃亡戦の後でお疲れだった。
 だったら早く帰ればいいのにと思うだろうがそうもいかないわけがあった。
 ポケットから二つ折りの携帯電話を取り出して見る上条。
「ここで待ってろってもなぁ……」
 携帯電話をいじって着信履歴を呼び出せばその相手の名前が履歴の一番上に表示されていた。
 その相手は朝からお騒がせなビリビリ女子中学生”御坂美琴”。
 上条の脳裏に彼女のマシンガントークがフラッシュバック&リプレイする。
『学校終わった? 終わったわよね? 学校終わったんでしょ? だったら中央広場の噴水で待ち合わせね。
(中略)
 少しかかるかも知れないけど大人しく待ってなさい、あと買い食い禁止、これ絶対ね、破ったら痛い目見るわよ』
 とか一方的に告げられてしまったのだ。 
(腹減ったけど痛い目コワス……ガクブル……)
 そんな訳で現在、上条は空きっ腹を抱えたまま待ちぼうけ中。
 『ぐ〜〜〜』と上条当麻のお腹が可愛らしい音を立てる。
 そう空腹だ。
 ここらで上条の朝ごはんをおさらいしてみよう。
 グ○コ ぷっちんプリン×1個 あとミネラルウォーター 以上。
 文字にして1行を埋めるにも満たない食生活、原因はいろいろあるがそれらの理由すべてが上条の不幸体質ひとつで説明できてしまう
あたり同情を禁じえない。
 当然、そんなカロリー摂取量では男子高校生の腹が満足するわけも無い。
 上条当麻は現在進行形でハラペコだった。

 気を紛らわすように広場を見渡せば広場にはいろんな人が居た。
 サッカーをする少年とかキャッチボールをする大学生なんかも居た。
 楽しそうでいいと思った。
 通り過ぎる仲睦まじいカップルも居た。
 はいはい、ご馳走様と思った。
 自販機の前でたむろする中学生くらいの少年達も居た。
 オマエラ邪魔だと思った。
 白い学生服に身を包んだ不機嫌そうな[風紀委員](ジャッジメント) もいた。
 大変だなぁアンタも、ここらで休憩か?と思った。
 駆け抜けるオレンジ色の髪をした10歳ぐらいのお子様とそれを追いかける知的なお姉さんも居た。
 なんか見たこと――ある気がした。
「芳川ー芳川ー、早く行こうよーとミサカはミサカは久々の外出に興味津々だったり」
「[打ち止め](ラストオーダー)、あんまりはしゃがないで頂戴。 企業周りの途中なんだから」
(――気のせいだな)
 心の引き出し22番に仕舞いこむ事にする上条当麻。
 またしても心の鍵を投げ捨てるのを忘れない。

404とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/18(日) 09:22:02 ID:85Qpp6PM
ふわり。
 心の鍵を遠投してた上条の視界に綺麗な茶髪が舞った。
「隣いい?」
「は?」
 声がした方向に振り返れば知らない少女と目が合った。
 少女は上条の返事も聞かずに少女は上条の隣に腰掛けてきた。
 非常に長い茶髪のロングヘアーがサラサラと美しい端整な顔立ちをした上条と同い年ぐらいの女の子。
 風に乗って少女の髪の匂いが上条の鼻をくすぐる。
(誰?こんな美少女お知り合いに居ないんですけど!!)
 太陽の光を受けた茶色の髪はとても綺麗に見えた。
「だから隣に座ってもいいかな?って聞いてるんだよ?」
 少女が顔を寄せてさらに問いかけてきた。
 隣っていうか既に密着状態で座ってる癖に少女は口を尖がらせて言う。
 間近で見て上条は少女の瞳が片方だけ色素が薄いのに気づいた。
 色素の薄い淡い茶色と吸い込まれるような黒の不思議な双眸。 
 オッドアイという奴だろうか? 左右で微妙に色合いが違って見える。
「別にいいけど、座るとこなら他にも――ていうかもう座ってるし」
 上条の声は少女の声に遮られた。
「んじゃいいよね☆」
 そう言って少し腰を浮かしてスカートの裾を直してもう一度座る。
 上条の視界に少女の服装が映った。
 若草色の色合いのブレザー。
 首からはエンジ色の細いネクタイが下がり、上着の下はどうもブラウスのようだ。
 全体的にスレンダーな体つきの少女の細い腰に穿かれたプリーツスカートからは健康的な少女の脚線が覗いている。
 唐突に彼女は告げる。
「ねぇ?一目惚れって信じる?」
 色合いの違った両の瞳で上条の顔を覗き込んできた少女の顔は期待に満ちていた。
「いきなり何を言い出すんだ」
 なんだか疲れた顔を見せる上条に少女は更に続ける。
「私は信じてるんだけどね。 ほら……あれ?、ところで君名前は?」
 教えてほしい――と、上条の学生服の裾が少女に引っ張られる。
「その言葉、そっくりそのまま返してやるよ……。
 ところで……なんで俺の学生服の裾を掴んで離さないのか、納得のいく説明をもらえますか?と貴方に切に投げかけます
 ってなんか御坂妹みたいな口調になっちゃった!! ウワーンヤッタネチッキショウメ!!」
「キミがどうして錯乱気味なのかわからないけど、積もる話は焼き芋でもやっつけながら一緒に――私はお財布持ってない」
 知らない少女は広場に店を出す一軒の焼き芋屋の屋台を指差していた。
『ぐ〜〜』
 少女のお腹が鳴った。
「あはは、はは、私おなか減ったかも……」
『ぐ〜〜』
 上条の腹も鳴った。
 かくして冬の街の一角で上条当麻に新たな旗が立った。

405とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/18(日) 09:22:22 ID:85Qpp6PM
 冬にはいろいろな屋台が出てたりする。
 鯛焼き、たこ焼きこのあたりは定番と言えるだろう、この広場にもたこ焼きの屋台は出ていたが流れ的に上条は
 ほかほか湯気を立てる焼き芋をゲットして少女の下まで戻ってくる羽目になった。
「ほかほか!ほかほか!!」
 新聞紙に包まれ湯気の出る焼き芋を見て少女は心底嬉しそうな顔を上条へと向けてくる。
(買い食い……黙ってればバレナイ……よな、多分)
 少女は上品な見た目とは裏腹にどうにも子供っぽい仕草が多かった。
「焼き芋♪ 甘いのかな?♪ 辛いのか?♪」
 少女の視線はほかほか焼き芋に釘付けだ。
「焼き芋が辛かったら俺は屋台に殴りこむね、いやマジで」
 上条は投げやりな口調で答えてやる。
「でも、実際に食べてみないと甘いかどうかなんて分からないよ?」
 と少女。
「お前焼き芋食べたこと無いのかよ」
「甘いらしいってのは知ってるけど、食べたことは無いかな。 いわゆる焼き芋ビギナーって奴?」
「なんだそりゃ」
「焼き芋甘いっていう知識はあるけど食べたことが無いから味は分からないってことだよ」
 余計に訳が分からなくなった。
 でも甘いのは知っていても食べたことが無いから味は分からない、どこかで聞いた言葉だと上条は思った。
(まあ俺も似たような時期があったけどさ……)
「いいから、これでも食べてろ」
 と少女の前へ新聞紙の包みを差し出す上条。
 遠くで子供の声が聞こえた気がした。
 噴水が水を叩く音で何言ってるのか聞こえない。
「どうした?」
 瞬間、少女の顔になんだか真剣な表情が浮かんで、
「……サッ」
 そんな声を残して突然少女の顔が上条の視界から消えた。
 適当な効果音としては多分『キュピーン、シュバッ』あたりが妥当。 
「は!? ッガフ」
 少女の顔の代わりに上条の視界に現れたのは迫りくるサッカーボール、螺旋回転を描いて上条の顔へと激突し抉りめり込み
虚空へと跳ね上がりポンポンと広場のタイルに数度跳ね止まる。
 と同時に大きくのけぞった上条の手から新聞紙の包みが宙を舞い、ふらつく上条の視界には青い空が映った。
「ひょいひょいっとね」
 空中で回転し投げ出された焼き芋を少女の手が高速で動き見事にキャッチする、まるで空中の焼き芋達の動きが
分かってるかのようだ。
(効果音を口で言うなよ……)
 と心中で突っ込む上条。
「あははは、大丈夫? キミ顔赤いよ?」
 何事も無かったかのように再び座り少女は上条に微笑みかける。
 両手には焼き芋を持ったままだ
「なんでサッカーボールが……あと顔が赤いのはサッカーボールの直撃を食らったからで、照れてるわけじゃ無いぞッ」
「誰に言ってるのかわかんないよ、それじゃ」
 タタタタタ、と足音が近づいてきて一人の少年が頭を下げ「ごめんなさい」と謝り転がったボールを追いかけてまた駆けていった。
「さっきのサッカー少年か……あんなところに伏線が潜んでるとは……恐い所だ」
「だからその説明だと誰に言ってるのかわからないよ。 焼き芋は無事だから早く食べようよー」
 風にたなびく少女の茶色の長髪は太陽の光を反射してキラキラと輝いていた。
(容姿と言動がいまいち一致しねえなこいつ)
「お前は焼き芋の方が大事そうだな……」
 少女は「あはは」と笑い
「ぱっくちぃ、もぐもぐ」
 と謎の言葉『ぱっくちぃ」を残しとその小さな口で焼き芋にかぶりつき少女はもぐもぐ、ハフハフと口から白い息を
吐きながら焼き芋を食べた。
 そしてごっくんと飲み込んだ後にはなんだか悲しそうな顔。
(なんで食べた後に悲しそうになるんだよ……)
「ねぇねぇ……えーとさっきも聞いたけど。 君、名前は?教えてくれると嬉しい」
 口元を押さえたまま少女は上条へと聞いた。
「上条当麻、苗字でも名前でも好きに呼べばいいけどさ」
「んじゃ当麻君」
(いきなり名前かよ!!)
 上条が思わず心の中で突っ込むが少女はそのまま続けた。
 辛そうに、そして心底悲しいといった具合に。
「喉……渇いた。 ていうか喉詰まりそう……」
 焼き芋は結構水分を奪うから水分無しで食べるにはきつかったのだろう。
 悲しそうに俯く少女を残して上条当麻は自販機までダッシュをすることになった。
「何飲むんだよッ!、お前」
「よくわかんないから当麻君のオススメでいいよ、でも青汁は却下」
「んなもんねぇよ!!お前実は余裕じゃねぇか!!」
「いってらっしゃーい☆」

406とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/18(日) 09:23:00 ID:85Qpp6PM
 5分後―。
 汗だくになりつつ戻ってきた上条の手には二つの缶ジュースが握られていた。
「あははは、ありがと―」
「もう……しんどいです……おなかも減ったし……」
「当麻君はやさっしーねー、ハフハフ、あふいあふい」
「ああ、もうなんかいろいろと突っ込む気力もねぇや……」
 上条は疲れ来った表情でベンチではなく少女の膝へとそのままダイブするとそのまま突っ伏して動かなくなった。
 少女は一瞬だけ上条へ視線を注いだが「まあいっか」とハフハフと焼き芋に夢中なので気にしてない様子だったので
特に拒否られたりはしなかった。
 ただ小さく笑って「当麻君も好きだねェ」と軽い口調で言うだけ。
 上条は少女の膝に突っ伏したままで息を整えると少女へ抱いていた一つの疑問を聞いてみた。
「なぁ、お前名前は?」
「ひ・み・つ☆」
 金色の欠片をちぎって口へと運ぶ少女。
「その焼き芋とジュースを買ってきたのは誰だ?」
「当麻君だね、感謝感謝」
「もう一度聞く……名前は?」
 少女はもぎゅもぎゅ、ごっくんと焼き芋+ジュースを処理中。
「嫌がる女の子から無理やり……当麻君はえっちぃなぁ」
 何故か顔を赤らめつつ言う少女。
「……なんでそうなるんだよ」
「名前か……うーん、うーん」
 人差し指を額に当ててどうも真剣に悩んでるようだ。
「自分の名前でなんでそんなに悩むんだよ……教えたくないならそれでもいいぞ」
 上条の言葉に少女はわたわたと大げさな様子で手を振り回して「ち、違うよー」と目一杯否定してくれた。
 そして少し考えてから膝の上の上条の頭にぽんと手を置いて告げた。
「実は私の家は名門でね。 未婚の女性に本名を聞くのはプロポーズになっちゃうんだ。 そしてそれに答えると晴れて婚姻成立☆」
 少女は芝居がかった口調で言い切り、両手を胸の前で組んで空を仰ぐ。
 だからね―と区切ってから少女は更に続ける。
「私の名前はトップシークレットなので教えれませ、ああッ!待って焼き芋は取り上げないで欲しいっ」
「やかましい、名前も教えれない子にはあげません、つくならもっとマシな嘘つけ」
 涙目の少女の手から食べかけの焼き芋を奪って上条はすっかり悪ガキモード。
「うぅ……当麻君は意地悪だ」
 拗ねたような表情で見上げてくる少女。
「人聞き悪いこと言ってんじゃねぇよ……名前聞いてるだけだろうが」
 上条の言葉を受けて少女はすぐに元の表情へと戻り、
「名前は訳あって教えれないけどね、当麻君は特別だよ」
 と切ってから満面の笑顔で右手の人差し指を立てて少女はこう提案した。
「当麻君、私に名前付けてよ」
「なんでそうなるんだ……」
 上条が何度目になるか分からない疑問を口にした。

407とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/18(日) 09:23:35 ID:85Qpp6PM
「いいじゃない別に、女の子の呼び名を決めれるチャンスなんて無いよ? 普通」
 答えになってない……、と上条は呟くがここで引くのも面白くない。
 少女は「ね、ね。 いいでしょ? キミが私の名前決めてよ。 可愛い名前プリーズ」とか言ってくる。
 一応上条の脳裏にいろいろな女性の名前が浮かんだ、
 御坂美琴、御坂妹、白井黒子、吹寄制理、姫神秋沙、月詠小萌、竜神乙姫、越川――……。
(だぁー!特殊な名前の方々ばっかり浮かぶし!参考にならねー!!)
 少女は「まだかなぁー」と上条の頭を撫でて催促してくる。 
 焼き芋の事なのか、それとも名前の事なのかは分からないが。
「えりざべす」
 まずありえないがジャブとして軽く言ってみる。
 いや少女のオッドアイの事を考えるともしかしたらありえるかも知れない。
「却下、ていうか私は外人じゃないよー、回答権はあと2回ね」
 事実一個判明、少女は日本人のようだ。
 でもクォーターとかハーフならまだ可能性もある。 
 それにしてもいつの間にか回答権なるものまで追加されている。
「んじゃ、『うまい棒』か『ティッシュ』ッいひゃい、いひゃい!!(痛い!!痛い!!)」
「当麻君、君時々デリカシーが無いって言われるでしょ? それ両方女の子の名前どころか人間の名前ですら無いんだけど。
真面目に考えて欲しいかな、ほ〜らどこまで伸びるかヤッテミヨウカ!!」
 上条のほっぺたをを「ぎゅー」と抓り少女は淡々と告げる。
「イテテ……って言っても犬や猫じゃないんだから名前なんてホイホイ思い浮かばねぇよ」
 上条は強引に少女の手を引き離して文句を言う。
 少女のオッドアイが上条の目をじーと覗き込んできた。
 無言の圧力が上条を襲う。
 少女の責めるような視線から目を逸らした上条の視線が焼き芋へと留まる。
 焼き芋と食べかけの焼き芋。
 二人分買ってきた焼き芋。 
 紫色の皮から覗いた金色の身、甘くてホクホク、冬の王様、金時芋。
 1個105円、本格的な石焼き芋。 
(冬にこれは焼きたてのコレは結構ご馳走だよなぁ、サツマイモ……芋…ポテト…それはじゃがいも…じゃがいもは
男爵……メイクイーン…ハッ!?)
「さて、そろそろ時間切れになります、あと30秒で答えないと当麻君のオデコに猛烈に痛いデコピンが炸裂☆」
「時間制限あるのかよ!?しかもそのデコピン、すっげー風切り音するんですけどッ!!!」
 少女は右手をデコピンの形にしてデモンストレーションを繰り返している。
 腕全体を加速させ勢いを増す方法を採用しているようで中指を親指で押さえた右腕を前後させながら上条の額辺りにちらつかせる少女。
 なんだか少女のデコピンはとても痛そうであり、当然喰らいたくは無かったので思わず真剣に考え込んでしまった。
(どうする……上条当麻、考えろ、考えるんだ)
 そうこうしてる間にも少女は秒読みを続ける。 
 そのとき追い詰められた上条の脳裏に一つの名前が浮かんだ。
 失敗すれば死(デコピン)。
 少女の口が「さ〜ん」「に〜」「い〜ち」と告げた時、上条の口が動いて 
「メイ……とか?」
 と思いっきり疑問系の調子で少女の名前(候補)を吐き出した。
 その答えに満足したのか少女は満面の笑顔を浮かべて「んじゃそれでいいよ」って上条の頭をくしゃくしゃと撫でた。
(って、えー??それじゃそれでいいやって何?あ〜もう訳分からんこの子!)

408とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/18(日) 09:24:20 ID:85Qpp6PM
 ざっ、じゃり。
 上条の背後で誰かが地面を踏む音がした。
 メイの双眸が上条の後ろへと注がれ、心持ち視線がきつくなってる。
「ん、どうした?」
「お客さんっぽいよ、私じゃなくて多分当麻君に」
 そして背後からとてつもない敵意、否敵意を通り越して殺意に満ちた空気が襲ってくる。
 バチン、バチンと激しいスパーク音まで聞こえてくる、空耳だろうか?
 この感覚――。
(わ、忘れてたぁぁ)
「後ろが正面で誰がソレで……振り返りたく無い……でもきっと居る」
「当麻君、そろそろ後ろ見ないとやばいかもよ?」
「ホントにあ〜んた〜って奴は……」
 高い良く通る声が聞こえ、その声は上条にも聞き馴染んだ少女の声。
 本来ここで待ち合わせをする筈の相手。
『あと買い食い禁止、これ絶対ね、破ったら痛い目見るわよ』
 記憶にある言葉、特にその後半部分が延々とループ。
「痛い目……痛い目……」
 上条の目からはハイライトが消え、肩は小刻みにブルブルと震えていた。
 武者震いでは無く、主に恐怖によるものだ。
 常盤台中学、超能力者(レベル5)[超電磁砲](レールガン)の御坂美琴。
 振り返らなくても彼女が今どんな顔をしているのか上条には良く分かった。
「いつでもどこでも、あっちにホイホイ、こっちにホイホイ」
 なんだか怒りに満ちた声にビクゥ! 上条の心臓が大きく跳ねた。
 ついでに肺の空気も搾り出され冷や汗とか、脂汗とかがとめどなく滝のように上条の顔を伝う。
 後ろを振り返るな――、上条当麻の防衛本能が激しく警鐘を鳴らす。
 というか鳴らしまくる。
 ガンガンガンガン、ここは危険です即座に退避してください、繰り返します、ここは危険が危ないですよ――。
 思わずメイへと目を向けるが少女はニコニコと微笑むだけで何も答えない。
 それどころかどこか楽しげですらある。
 上条は全力で深呼吸をして暴れる心臓を押さえつけ息を整え、自らに言い聞かせる。
「……たった一つだけだが生き延びれそうな方法があったぜ」
「それは?」とメイが聞き返す。
「それはな……逃げることだぁぁぁぁ!!」
 そう叫ぶなりガバッと上条はメイの膝から体を起こし前のめりになりながらも全力で地面を蹴り飛ばす。
 文字通りの全力疾走。
 上条は持てる全ての身体能力をつぎ込んでわずかな延命を計る。
(多分捕まりそうな気もするけど!! アイツ足速いし)
 後方なんて一回も振り返らなかった。 
 そんな余裕なんて1ミリも無い。
                                               [12月23日―AM11:50]

409とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/18(日) 09:25:29 ID:85Qpp6PM
[9] blank girl01―遠い声とハラペコ少女と……

 土煙を上げて小さくなる上条を追っかけてスーパーの買い物袋をぶら下げた茶髪の少女も追走を開始した。
「アンタは、この私から逃げれるとでも本気で思ってんのかぁぁぁ!! 待ってろとは言ったけどナンパしてろとは言ってない!」
 わなわなと体を震わせると肩から青白いスパークを迸らせて彼女も上条と同じようにあっという間にメイの視界から消えてしまう。
 首に巻かれたクリーム色のマフラーと茶色いコートの裾が風を切って舞い上がり、少女の速度を物語っていた。
 
 荷物を持っている癖に相当足が速い。
 活発そうな容姿通り、恐らく普段から動き回ってるのだろう。
 少し経ってから二人が消えていった方向がピカピカと光りその直後、叫び声と轟音が響いた気がした。
 
「女の子の膝に顔うずめて頭撫でてもらって鼻の下伸ばしてんじゃないわよ!」
「誤解だ! 俺は無実だ! これには深い事情がありましてですね、説明するには落ち着ける場所でたっぷりと時間を――」
「無実なら逃げるな!! 年下だからってなめんじゃないわよ!!」
「逃げなきゃ死ぬだろうがッ、その帯電した空気を何とかしてから、おわぁ!?死ぬマジで死ぬっての!」
「このボンクラめぇぇぇ! [超電磁砲](レールガン)![超電磁砲](レールガン)![超電磁砲](レールガン)!!」
「のぁぁぁッ! 話聞けよ御坂!待てッ落ち着けッまずは平和的な解決方法をだなッ、やたらめったらと凶悪なもんぶっ放すんじゃねぇよ!」
「一辺死んで来い馬鹿ッ! このばか! ばかみじょう!」
「ウワーン、この常盤台中学のお嬢様を誰か止めてください、いやマジでーー!!! 今日も不幸だぁぁぁ!!」

 一方こちらは先ほどの広場。
「うひゃー、派手だねぇ、当麻君生きてるのかなぁ?」
 彼が走り去って行った方向に目を向けて暢気に呟くメイ。
 正午に差し掛かろうという時間だ、いつの間にか人影も少なくなっていて広場は静かになっていた。
 彼が逃げ切ったのか彼女が捕まえたのか、それにはあまり興味は無かった。
 
 「相手の女の子は相当怒ってるね――」
 取り残された形になったメイは自分の長い髪をくるくると弄び、目を閉じて両耳を澄ますようにして呟いた。

 広場の噴水前で少女は傍らに置かれた食べかけの焼き芋をパクリと齧る。
「少し冷めたけど甘くておいしいよね、コレ」
 と感嘆の声をあげもう一口。 
 焼き芋は甘い、そしておいしい。
 
 太陽は丁度少女の真上にあり、さらさらと流れる噴水の水は太陽の光を屈折させ虚空に小さな虹を描いていた。
                                                   [12月23日―AM12:00]


とある世界の『空白少女』(ブランクガール)
第一幕:[Blank name blank girl]終了
第二幕に続く

410とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/18(日) 09:35:16 ID:85Qpp6PM
絶賛風邪引き中の空白です……。
あー、やっとお昼まで来た。
展開が遅くてスマソとしかいえないや……。
うちの上条さんはハラペコ属性+うっかり属性付き。
というわけで一応一区切りです。

411■■■■:2007/03/18(日) 10:50:59 ID:miCVVNfs
>>411
いや、文章ではあまり空白は入れない方がいいから「!」「?」の後、空白は入れないのが基本だったはずだが……。

ふーむ、だんだん展開が読めなくなって来て楽しいぜ?
オッドアイかぁ……何か意味があるのかないのか、気になるところだ。

しかし、今見たら空白の人の作品がここの90%以上を占めている罠。
流石に更新頻度高いなぁ。

412■■■■:2007/03/18(日) 11:12:23 ID:05dOose2
>>411
オッドアイっていっても控えめなオッドアイだな。
実質片目だけでしょ?

いやそこがまたいいんだけど。

記号後の空白はどっちでも読みやすければいいや。
でも改行はしてあったほうが読みやすい。

空白の人の作品はアレだな。
よくあんなルビを思い浮かぶな〜とか禁書世界に居ないタイプのキャラ来たとか思う。
更新早いっていっても時間事態は空いてるから職人の数の問題じゃないかな?


>>408
てか上条逃げた!
御坂のセリフが本気で言いそうで良し。どうやら電話を掛けることに躊躇はないらしいなこの御坂。

413■■■■:2007/03/18(日) 13:40:03 ID:s//Mz8do
空白の人ぐっじょーぶ!
体調に気を付けて頑張ってください
 
>>422
“Odd Eye”は片目ずつ違えばそう呼ぶのでは? と無粋なツッコミを入れてみる。
 
 
 
『奇眼麗人』……いや、何でも無い

414413:2007/03/18(日) 13:41:52 ID:s//Mz8do
うわ安価ミス!?
× >>422
>>412

415■■■■:2007/03/18(日) 15:09:34 ID:IOKU//u6
>>410
GJ.
この上条さん、というか。
禁書世界はいっつも誰かしらハラ減らしてる気がするのは気のせいか(苦笑

416■■■■:2007/03/18(日) 15:57:36 ID:05dOose2
むしろ御坂の
「ばかみじょう」だけで俺はご飯3杯いけそうです。

>>415
まあヒロインが腹ぺこな世界だからな。インデックスのキャラが一巻から大分違うけど。
2巻まではまだ変わったシスターだったが段々といらない子かしてきてる。

空白世界(勝手に命名)
は禁書自体はいるけど学園都市に滞在してないみたいだからでも告白の世界も多分同じ時間軸の話だよね。
一貫して統一してあるのかな。

417腐敗子:2007/03/18(日) 16:25:30 ID:w69B3tvU
402さん
ありがとうございます。
お言葉に半ば感動を止められません、素晴らしい助言ありがとうございます!
成る程一日置けば、解り易く読み返せますからね
ここの場所の素晴らしい所は悪い所をしっかりと指摘してくださる方々がいるという事ですね
中々遠慮して言えないという方もいる中、こちらの気持ちを考えて、あえてはっきり言ってくださるのは、
とても嬉しい事です。これからも精進に未練を残すことなく頑張りたいので宜しくお願い致します。


そして空白の方グッジョブです!!我等がミコトさまは今日も爽快でミコトさまですね、
そんなミコトさまを応援!頑張ってください!!

418とある世界の『空白少女』(ブランクガール) ◆Oamxnad08k:2007/03/18(日) 19:34:52 ID:85Qpp6PM
>>411
メイのオッドアイはまあそのうち……。
2幕が気になるのなら予告を作ってありますので。
更新頻度に関しては自分からはなんとも言えません。

>>412
メイは左目のみ淡い茶色ですね。 一応日本人。

>>413
奇眼麗人……ってなんだろ? 少なくともメイは麗人って感じではない気がする。

>>415
キャラに対する愛情の一端です<ハラペコ

>>416
同一世界のお話です。
後付設定だけど。
別にインデックスが嫌いなわけではない。 

>>417
精進に未練を残すことなく……
いえいえ、そちら様も続きガンバって下さい。

419■■■■:2007/03/18(日) 20:34:46 ID:NohpdPXA
>>空白の方

またも朝早くから更新お疲れ様ですー。

美琴がかわいいなぁ、もー!
どうしてこうもかわいいのですかっ(キレるな)!

そしてヤキイモ姫ことメイちゃん(仮)。
この子はまだ不思議ちゃん風味が強い気がするので、これからに期待してます。

謎の白風紀(メイド刑事みたいだな)もちょくちょく出てきて、楽しみですっ!
次回更新も楽しみにしてますが、くれぐれもお体にお気をつけください。

追伸
風邪の時は温かいものに生姜いれて、あったかくして寝るのが一番ですよー。
お腹と足をあっためて、頭を冷やしてみてください。

420■■■■:2007/03/18(日) 22:10:30 ID:DaIrtLLw
♪隣の〜とっとろ、とっと〜ろ(殴

ええ、メイと見たときこの歌が流れましたよ、なぜか。
ともかくGJです!風呂敷がたためるぐらいなら
オリキャラ出していいかなって感じです。

421■■■■:2007/03/18(日) 23:52:03 ID:s//Mz8do
>>418
知らなきゃそれでいいんですが……
 
>>416
 
 
 
 
 
―――いらない子と言ったか、>>416

422■■■■:2007/03/19(月) 01:46:40 ID:sbWCgRUY
>>418
あ、いや。更新頻度が高いのは良い事っていう意味だぜ?
もし気を悪くしたなら、本気で謝らせてもらう。

しっかし、空白世界のオリキャラ達は個性的なのばっかりだなぁ。いいなぁ。
こんな魅力的なのが書きたいぜ。
あと、

―――いらない子と言ったか?>>416

423空白 ◆Oamxnad08k:2007/03/19(月) 05:41:48 ID:BNqkgy9c
予告編を書き込もうとしたらNGワードに引っかかってしょんぼりな空白です……。
なにがいけないんだ……。
>>419
不思議ちゃんです。 でも伏線はところどころ出てます。
>>420
猫バスは出てきません。
>>421
ぐぐっても出てきませんでした。
>>422
気を悪くしてません。
個性的……問題児ばっかりなのですよ?

あと、



―――いらない子と言ったか?>>416

424■■■■:2007/03/19(月) 13:13:43 ID:6cWf8YqU
灰姫も風紀も空白も吸血殺しも聖杯戦争もオリキャラオンリーも大いに期待。

天草式のも誤字に気をつければ良くなりそう。
めげずに頑張っていただきたい。


>>416
インデックスはちょっと腹ぺこが過ぎるだけでいらない子では無い、悪いのは腹ぺこだ。

4251-169:2007/03/19(月) 21:55:47 ID:4b3S3vkI
 判断は迅速だった。
 サーシャは言祝の体を左手一本で抱き上げると、右手で図書室から唯一持ってこれた霊装――デザートイーグル型釘打ち機・ハスタラビスタを抜く。
 直属の上司であるワシリーサが「美少女と大きな銃の組み合わせって萌えない?」などと言い出したせいでサーシャの基本装備となってしまったこの銃だが、最近ではそれなりに愛着を持つようになっていた。とある少年のせいで使用頻度が極端に上がったからでもあるのだが。
 殲滅白書において、対幽霊戦闘の鉄則として叩き込まれたのは次の三つ。
 耳を貸すな。
 容赦をするな。
 記憶に残すな。
 一つ目は余計な認識は敵を強めてしまうため、二つ目は確実に倒したと「自覚」するため、三つ目は万一の復活を阻止するために決められたルールだ。
 ゆえにサーシャはその『幽霊』の――『悪魔』の言葉を聞かない。
 撃ち殺すことに躊躇いもしない。
 そしてすぐに忘れよう。
 氷の華に似た少女の姿も、意味の分からない言葉も、全て。
 肩、ひじ、手首を意思のラインで直結。理想的な射撃体勢に移行するのに瞬きほどの間も必要ない。
「“解体一、ニ、三”」
 トリガーを引くと同時に一声。上条への威嚇に撃つのとは違う正真正銘サーシャ=クロイツェフの魔術が発動する(もっとも上条の場合、ただの釘の方が致命傷になりやすいのだが)。
 ガッガッガッ、と三連続で炸裂音が飛ぶ。
 図書室の窓ガラスを砂に変えた攻性術式『棘姫(いばらひめ)』だ。無論命名したのはワシリーサである。
 冷たい風を切り裂いて進む魔術の釘は、ひどくあっけない音を立てて全弾『悪魔』に突き刺さった。
 額に一発。喉に一発。心臓に一発。狙いに寸分の狂いもない。
「…………、」
 手ごたえあり。
 人体急所を狙う理由は単純。“こちらが弱点だと思っている場所は実際に弱点になるからだ”。
 我思う故に彼あり。この原則を戦闘に応用した結果である。
 その代わり、イメージした場所以外に攻撃が当ってしまった場合のデメリットもある。百発百中で当たり前。そういう意味で、今回の攻撃は申し分なかった。通じた。決まった。確信を得られる。

 ――――でも。
 ――――『幽霊』ごときと戦うための戦術が、
 ――――あの『悪魔』に通用するのか?

 そう、思ってしまったからかどうかは確かめようがない。
 けれど結果として、
“サーシャの魔術は全く効果を発揮しなかった”。
「……………………え?」
 芯を抜かれたような声が漏れる。それくらい目の前の光景には現実味がなかった。
 サーシャが撃った釘は、確かに『悪魔』に命中した。
 狙い通りの必殺の軌道で。
 なのに、『悪魔』は何事もなかったかのようにこちらを見返してきている。
 いや、本当に何事もなかった訳ではない。
 信じられないことだが、サーシャの目が確かなら、この『悪魔』は“砕けた額と喉と胸を一瞬で復元したのだ”。
 まるでビデオの巻き戻しみたいに。距離があるため明確なプロセスまではわからなかったが。

4261-169:2007/03/19(月) 21:56:18 ID:4b3S3vkI
『悪魔』の少女は髪の乱れをほんの少し気にするそぶり“だけ”して、
「この程度の攻撃は……私には通用しません。私を殺すなら、今の二三○万倍は必要ですよ……?」
 諭すような哀れむような声色が癇に障る。
 けれど勝ち目がなくなったのは事実だ。絶対の確信を持って放った攻撃が破られたということは、“それ以降の攻撃はどう間違っても通用しなくなったということ”。
 それはつまり観測・被観測の相対関係が上下関係に変わってしまったことを意味する。
 対幽霊戦闘における最悪のシチュエーション。
 この瞬間、サーシャ=クロイツェフが『悪魔』に打ち勝てる可能性は、完全に潰えた。
「……………………………………………………………………………………、」
 なんて、無様。
 迅速な判断?
 馬鹿を言うんじゃない。単に怯えて来るな近寄るなと子供のように暴れただけじゃないか。
 ――コツ、コツ、と乾いた足音を立てて、『悪魔』の少女が近づいてくる。
 何のために。
 何のために苦しい訓練と辛い実戦を重ねてきたのか。
 ――コツ、と足音。
 子供のように暴れただけ。
 結局、私は、パーパとマーマを失ったあの日から何一つ変わってはいなかった!
 ――コツ、と足音。
「来るな……」
 銃を持つ手が震えているのが分かる。
 照準なんてとても合わせられないだろう。
 けれど、それ以外に何が出来る?
 無力な子供にすぎないサーシャ=クロイツェフに。他に何が出来る?
 ――コツ、と足音。
「来るなぁぁぁぁぁっ!!」
 引き金が絞られた。何度も何度も狂ったように。
 出鱈目に飛ぶ茨の釘。その内の一本が、たまたま偶然『悪魔』の頭に命中した。
 無意識にでも組んでいた術式の効果が、間近に迫っていた『悪魔』の頭蓋を砕き散らす。
 そして、サーシャは“見た”。

 彼女の術式で吹き飛んだ『悪魔』の頭。
 人間なら眼球と骨と肉と脳髄が詰まっているはずの場所には――何もなかった。
 見るもの全ての視線を吸い込み、奪わずにはいられないほどの、伽藍堂だった。

4271-169:2007/03/19(月) 21:56:52 ID:4b3S3vkI
仮免合格記念投下。『灰姫遊戯』開始からもうすぐ一年になることに今頃気づいた1-169です。
スパロボWが面白すぎたので、しばらくそっちにかまけてました。申し訳ない限りです。
そろそろスパートをかけないとなぁとか思ったり。まあ新学期が始まったら授業中に書けるので多分進みます。

>>空白の人
まずはまとめてGJ! 越川(こしかわ)という苗字が読めずググったのはここだけの話です。
平和な光景があちこちで見られて嬉しい。学園コメディものとはかくあるべきかな。
これらがやがて交差していき、『空白少女』の物語になるのかと思うとワクワクです。

>>416
――――実は『灰姫遊戯』はもともとサーシャとインデックスの友情物語の予定だったのですが、言祝栞が作者の予想を超越して大暴れし始めたため、言祝とサーシャのお話になりました。
だからと言ってインデックスがいらない子になってしまったという訳ではありません。あと一回見せ場があります。お楽しみに。

428空白 ◆Oamxnad08k:2007/03/19(月) 22:45:30 ID:BNqkgy9c
とある世界の『空白少女』(ブランクガール) 

第二幕 予告編。
 冬の訪れた学園都市、とある二人は共に誓った――。

「お前と俺でアイツに一泡噴かせてやる、いいな」
「は、はいッ!?」

 水面下で進行するオレンジ色の恐怖と黄色い衝撃、閃く銀閃に弾ける飛沫は災厄か――。

「アンタ……もしかして泣いてるの?」
「これは、俺の涙なのか……くッ、止まりやしねェ」
 
 歪んだ少年は新たなる物語を紡ぎ、状況は加速の一途を辿る――。
 
「昨日ぶり、いや今日かな、ボクの事覚えてるかい?」
「誰? 知らない人だけど、私の事知ってる人?」

 悲劇、涙、そして別れ、全てを乗り越えて幼女は叫ぶ――。

「淡希の馬鹿! 傷はもう治ってるのよ! 淡希の意気地なしってミサカはミサカは振り返らずに走り去ってみたり」
「[打ち止め](ラストオーダー)……待ってッ!!」

 少女達の陰謀が交錯する戦場に舞い降りた最終兵器――その名はG。

「巨大。もうこれはどうしようも無い」
「お、大きすぎますわよ。 どう考えても」
「なんだか知らんがとにかく良し! 越川ちゃんにおっまかせ〜」
「4人がかりなら……なんとか」

429空白 ◆Oamxnad08k:2007/03/19(月) 22:51:23 ID:BNqkgy9c
 大切な物を追い求めて[幻想殺し](イマジンブレイカー)が吼える――。

「これぐらいで……俺の明日を潰せるとでも思ってんのかよ!! だったらその幻想から――」

 衝突する少女と少女、その勝敗を握るのは一枚のコイン――。
 
「大体アンタこそどこの誰なのよ、事と次第によっては強行手段を取るわよ」
「”メイ”って彼はそう呼んでる。 彼とはさっき会ったばかり、これで満足?」
「日本語で話してもらえる?」
「ちゃんと日本語だよ?」

 黄昏色に染まる街に少女の願いが木霊する――。

「つ〜かま〜えた♪ さぁ誰だか当てて見ましょうか、当麻君。 回答権は3回までね」
「メイ……お前なんでこんなことを」

「私の秘密を話したら君は信じてくれるかな?」  

 
 現在地味に進行中。
 (注意:この予告自体が激しく罠です、作為的に(ry) 

>>427
灰姫キター。
GJGJ。
越川が何故そんなに……。
空白少女は……実はシリアスです、と嘘言ってみる。

430■■■■:2007/03/19(月) 23:10:02 ID:ODL1di/Q
灰姫GJ!
いや相変わらず素晴らしい。
霊装の説明や戦闘の運びが実にかまちーっぽい。

イデア理論的な悪魔の定義も良し。
そういや本編で天使は出てきたけど悪魔は出てなかったな。

431■■■■:2007/03/20(火) 00:26:02 ID:jwbiUEcY
>>灰姫遊戯の方

数少ない魔術側SSの大作が帰ってきたー!
ホント、理屈から何から「禁書っぽい」というのが相応しいです。
作品に応じて書き分けができる人って本当に尊敬します。
一番禁書っぽいと思うのは、クライマックスまでの期待感を煽る書き方だと思ってます。
当麻という主人公(ヒーロー)が現れることを
期待して安心してワクワクできるドキドキ感と言いますか(意味不明)。
次の更新楽しみに待ってます。ていうか生殺しですよ〜。

追伸
やっぱり授業中が一番安心して書けますよねー。
まとまった時間がある程度とれると言うか、邪魔が入らないと言うか(そんな所に同意を求めるな)。


>>空白の方

なんで世界名作劇場ーーー(SE:ガビーン!)!?
いや、ハイ〇ネタがくると思わなかったですよ(汗)。
ふっふっふ、罠なんて解除したつもりでいい気になったところで見事落とし穴に落ちてみせますよ(ダメじゃねぇか)?

更新楽しみにしてますっ。

432■■■■:2007/03/20(火) 06:03:49 ID:QjziEDpA
灰姫>>>
サーシャきたきた
風斬きたきた
戦闘描写かっこいい



空白>>>
こっしかわ♪
むっすじめ♪
予告なにやらシリアス風味なのですが。美琴とメイやはり戦うのか?
どきどき。

433言い訳の繰言 01-641:2007/03/20(火) 15:30:45 ID:iLB/CWco
どうも、不定期投下の 01-641 です。
週一でSSを投下していくといっていたのですが、現状の不甲斐無さについて一言。
昨年末に前衛のデスクが負傷してから孤軍奮闘してくれていた後衛のノートが先回投下からしばらくして前後不明となってしまい、現在復旧作業に追われていますが。
が、現状無事に復旧する目処がまったく立たず、とりあえず報告だけでもと思いまして。(ネトカフェより書き込み中)

このままでは社会見学ネタはいつになったら再開できるか分かりませんので、これ以上だらだらするよりも、wikiの方に設定だけでも載せておこうかとも思いますが、
どういたしましょうか? (このスレもwikiも、もちろん自分のチラシの裏ではありませんが、あちらは不要であれば削除することもできますので)
自分としてはまあ、書き続けたいという思いはあるんですが、最近のスレの回転率の速さを見ていると、これ以上グダグダしてもなあという思いもありまして。
以上、現状報告です。毎度長文の私信ですいません。

434■■■■:2007/03/20(火) 15:34:49 ID:iLB/CWco
はぁ? 社会見学ネタ? いつまで続けるつもりだよ。もういいよ正直いい加減うざいし









という方がいたらいってください。やめときますので。

435■■■■:2007/03/20(火) 16:55:49 ID:QjziEDpA
社会科見学の人
そうじゃないだろ?書きたいか書きたくないかじゃないだろ?
『書く』か『書かない』かだろ?
もしそんな事で悩んでるのならまずはその幻想から(ru

>>427ちゃんと>>431ちゃんは先生の授業を聞いていなかったので罰として今日の放課後は居残りで『すけすけ見る見る』です。
目隠ししたポーカーで15回連続で勝たないと帰れませんよ。

436空白の人 ◆Oamxnad08k:2007/03/20(火) 19:47:14 ID:xe8HhGh2
>>430 全くの同感だ。 すばらしいの一言に尽きる。 こんなカッコいい戦闘シーンかけねぇ……。
>>431 生殺しですな。 あとアルプスの幼女ミサカとか思い浮かんだ、どうしてくれる。
>>432 空白の半分は嘘で出来ています。


>>433
続きを待っている人も居られる事ですし、まだ社会科見学祭は始まったばかりではないですか。
あきらめたらそこで試合終了、とどこかの先生も言っておられますので、ここは続きを書いて欲しいとお願いしておきます。
携帯でもなんでもいいので吹寄制理にサンプル品の山を持たせてあげてください。(待て)
個人的には怪しいグッズが出てくるお話は大好きですので有り余る科学力を明後日の方向に向けた超科学技術を期待しております。

追伸:>>434 そんな事を言う人が居るのか?
追伸+追伸:>>435
途中までカッコいい台詞なのに……オチが付いてるし。
>>427>>431両名とも小萌先生の教え子だったのか……しらなんだ。

437とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/03/20(火) 22:46:43 ID:xe8HhGh2
とある世界の『空白少女』(ブランクガール)
第二幕:[Twilight street“Odd Eye”]

[10]Accelerator03―結標淡希の一番長い一日 その2

 がちゃがちゃがちゃ、ガンッ、ガンッ。
 何度も何度も響く騒音。
 スーパーの買い物袋を両手で抱える結標の前ではなんだか物騒な光景が展開されていた。
 ガンッ、ガンッ。
 だが一見開放的なガラスの自動ドアはその鍵を持つもの以外を頑なに拒み続ける。 
「ちッ、閉まッてやがる」
 一方通行は履き捨てるようにそう言うと自分のズボンのポケットをごそごそとするがどうやら目的の物は見つからないようだ。
 状況から推測するに多分部屋の鍵。
 この男、どうやら鍵を部屋の中に忘れてきたらしい。
 同居人が居るとの事だがマンションのロビーに設置された呼び出し用のインターホンを操作しても反応が無い所を見ると恐らく外出中。
 教職員用に貸し出されている高級マンション。
 きっとセキュリティレベルは結構高いのだろう、ちらほらと監視カメラも見受けられる、当然ながらオートロック。
 部屋の鍵となるカードキーを通すスロットの様な物が自動ドアの横にあった。
 おそらくカードキーを通せばその自動ドアもすんなり開くに違いない。
 でも鍵が無い。
 だから目の前の事態も仕方の無い事なのかもしれないと結標は思った。
「無駄にセキュリティかけんじャねェよ、クソがァ!」
 そう言って乱暴にもう一発自動ドアを蹴っ飛ばす一方通行。 
 ガァーン、と言う音と共にマンションの入り口の扉に一方通行の靴跡が白く残った。
 そこで結標は少し首をかしげた。 
(でも一方通行が本気で蹴ったら一発で吹っ飛びそうなもんだけど、『残骸』の時はトランク破壊してたし)
 自動ドアはいまだ健在だ、頑なに無法者を拒む姿は信頼すら覚える。
 対爆仕様にでもなってるのか?と結標もぺたぺたと触ってみるが特に普通の自動ドアとの違いは判らなかった。
 鳴り響く騒音を出来るだけ無視して結標は自動ドアの前の呼び出し用のパネルへと視線を動かした。
 部屋の住民を記載した四角いプレートがパネルの上に取り付けられているのに気づいて”ソレ”を読んでみた。
 さっきまで一歩通行が押していたのは13階のボタンだったはずだ。
 13階の住民は一人しか居ない。
 他の部屋のパネルには空白で埋まる白いプレートがはめられているだけ。
(黄泉川? よみかわって読むのかしら? 一方通行の本名?)
 そのプレートには漢字三文字で”黄泉川”と書かれていた。
 下の名前の記載は無い。
(まさか黄泉川一方通行とか!? いやいや……そりゃないか……)
 大体彼の[一方通行]と言う呼び名は彼の絶大な能力に対する異名のようなものであり、当然本名は他にある。
 だが彼の場合はちょっとばかし能力が有名すぎるのだ。
 学園都市230万人の第一位。 
 必然的に通り名がそのまま定着してしまっていた。
 彼の本名を知ってそうな人間には少し心当たりがあるけど結標も一方通行の本名を知らない。
 その学園最強は今マンションの自動ドア一つ開けることは出来ないでいる。
 絶賛自動ドアと格闘中。
(というかいまだに破壊されないその電子錠とガラスの強度の方がすごいんだけど、なんか笑える)
 最強の能力者と目の前にいる白い少年のギャップが少しおかしくて結標は苦笑してしまった。
「あン!? 人が苦労してるッてのに何面白おかしく笑ッてやがんだ」
 不機嫌そうな顔を結標へと向ける一方通行。
 彼はそのままツカツカと結標に接近してきた。
「うひゃ、な、なに?」
 思わず後ずさりする結標の背中何かが当たった。

438とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/03/20(火) 22:47:24 ID:xe8HhGh2
壁。
 洋風レンガ調のタイルの表面をしたマンションの壁。
 結標の顔の横を灰色のトレーナーに包まれた一方通行の手が通過した。
 手は結標の後ろの壁で止まる。
(近い! 近いってば! 顔近いって!! なにこの月曜夜9時の展開は!?)
 覗きこむようにした一方通行の顔と結標の顔と距離は約15センチ。
 大接近中だ。
 間近で見ると、なるほど、彼の顔立ちは悪くない。
 少々ワイルド味が強すぎるが美形といっても差し支え無い。 
 ただ彼の特徴とも言える鋭い目つきだけはやっぱり恐かった。
 結標は若干顔を引き気味にして懸命に一方通行の視線に耐える。
「名前は?」
「はっ?」
「お前の名前だ、三下」
 名前、個人の呼称、若しくは愛称。
 なんで今更と思ったが、よく考えてみれば結標が彼に名前を伝えたことなんて無かった。
 残骸事件の時はそれこそ一蹴。
 つまり彼は名前も知らない女の子を無理やり連れまわしていたのだ。  
「む、結標淡希……」
 少しビビッてる彼女だったが反応は意外と早かった。
 強引な一方通行にドキドキする自分自身に少し戸惑いつつも小さく名前を告げる。
 その声の節々は震えている。
「結標……淡希……」
 ……。
 ゆっくりと復唱し考え込む一方通行。
 少しだけ考え込んだ後、更に接近する一方通行、もはや目と鼻の先という表現がぴったり来るぐらい二人の顔は接近していた。
 一方通行の吐息が軽く結標の顔に掛かる。
(わぁぁぁ! 私は、その、えっと! 始めてなんだけど、私ッ、もっとムードとかあっても!)
 混乱する思考が余計に彼女を焦らせる。 
「ひぁッ」
 肩に暖かい感触を覚え、思わず変な声を上げてしまった。
 結標の両肩にそれぞれ一方通行の両手が置かれていた。
 後ろには壁、前には学園最強。
 結標の動きは完全に押さえ込まれてしまった。
「よし、淡希と呼ぶか」
 少年は際限なく赤く顔を染める結標の目を正面から見て、いつもの『一方通行スマイル』を浮かべた。
 驚きの表情のままでその端整な顔を硬化させ結標の両手から買い物袋がどちゃりと床に落ちた。
(私のファーストキスはこういう場所で無理やりなの!? それはちょっと無いんじゃないのぉぉ!)
 結標は顔を真っ赤にしつつ既にこれ以上下がれないけどわたわたと後ずさる。
 
「う、わ、えっと、こういう強引なのは、そのちょっとわぁぁあぁあ!?」
 
 終いには目を瞑って身を強張らせる結標に白い少年は告げるのだった。
「んじャ、いッちョ向こう側に[座標移動](ムーブポイント)で飛ばせ」と
「初のとば……へっ? [座標移動](ムーブポイント)……」
 落ちた買い物袋の中からコロリとジャガイモが転がり出た。
 コロコロコロ……トン。
 ジャガイモが彼女の靴に当たってもしばらく結標淡希は固まったままだった。

439とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/03/20(火) 22:49:54 ID:xe8HhGh2
数分後――。
 低振動エレベータを使って13階にあるという目的地までわずかに数秒。
 エレベーターを降りてすぐのところに目的の部屋は在った。
 材質の良くわからない高級そうなドアの横に掛けられたプレートには大きく”黄泉川”と書かれている。
 マンションの入り口で見た名前と同じだ。
 結標の視界の端で白い少年ががちゃがちゃとドアノブを捻るがやはり開かない。
 鍵が掛かっているようだ。
「チッ」
「ここもオートロックなのね……」
 なんだかしおらしく買い物袋をぶら下げて呟く結標。
 一方通行はグイグイとひとしきりドアノブを捻った後、
「淡希、もう一回だ!」
「あ゛〜、はいはい」
 はぁ、――と溜息をついてドアと格闘する一方通行に向けて右手の人差し指を向け、彼を囲うようにくるくると回す。
 いつも使ってる懐中電灯の代わりだ、こうして対象を区切ったほうがなんだかやりやすいのだ。
 傍から見ると少し可愛い仕草に見えるのかもしれないがその効果は覿面(てきめん)だった。
 一瞬の間を置いて一方通行の姿が虚空へと消え、少ししてから玄関のドアが中から開いて一方通行が顔だけ扉の外へ出してきた。
 [座標移動](ムーブポイント)成功。
(これ失敗してたら殺されるところだわッ、いやマジで)
 先程もこうやってセキュリティを突破したのだがやっぱり心臓に悪い。
 本来自分以外を飛ばすことに躊躇しない結標だったがやっぱり一方通行を飛ばすのだけは生きた心地がしなかった。
 万が一にも失敗するわけにはいかないのは自分自身を飛ばす時となんら変わりない。
 細心の注意を払い、計算式に間違いが無いかチェックしてから飛ばす。
(壁に埋まっても壁を破壊してすぐ脱出しそうな気もするけど……とりあえず、よかったぁぁぁ)
 ホッとそれなりに豊かな胸を撫で下ろし安堵の息をつく結標を見て一方通行が不機嫌そうな声を上げる。
「淡希、早く入りやがれ」
 既に彼は結標の事を下の名前で呼ぶことにしたようだ。
 結標は少し照れくさかったので
「あ〜はいはい、今行く今行く」
 とおざなりに返事をした。
 結標の口調もなんだか溜め口になりつつあった。
 いい加減装うのも疲れてきたのだ。
「お、おじゃましまーす」
 おっかなびっくり一方通行が開ける玄関の扉を潜って部屋へと入る。
 第一印象は『広ッ!』の一言。
 明らかに家族用の広さを持つ4LDKの広々とした空間。
 フローリングの床はピカピカに磨かれており、結標のスニーカーインの靴下で歩いたらツルリと足を滑らしてしまいそうだ。
 結構小奇麗に片付けられており、所々の棚や台には酒(多分洋酒)のビンや趣味の良い置時計などが置かれ
雑誌や新聞などもキチンと棚に整頓されている。
 細かい事に中央に置かれたテーブルにはテレビやコンポ等のリモコンが並べて置かれており、近くにあった棚に小姑がするように
小指を走らせて見たがむしろ触る前より綺麗になった。
 『棚』が、じゃない、『結標の指』が、だ。 
「これはまた、徹底的に綺麗ね……一体どうやって磨けばここまで……」
 感嘆の声を上げることしか出来ない。
 これまた綺麗に位置取りされた大型のソファーに乱暴に腰を下ろす一方通行が疑問に答えてくれた。
「また黄泉川の奴が始末書書かされたらしいからな、昨日徹底的に掃除してやがッた」
 なんで始末書を書いて部屋が綺麗になるのかいまいち理解できないが「へ、へぇ、そうなの」と曖昧に返事しておく。
 一方通行は「はンッ、おかげでこッちはカードキーが行方不明、いい迷惑だ」とソファーから立ち上がり、部屋につながった
キッチンへと結標を促す。 
 案内されるままに一方通行に続く結標。 
「……これ調理器具なの? なんだかちょっとした未来みたいな光景なんだけど……」
 キッチンを見て思わず疑問に満ちた声を上げる結標。
 マンションにしては結構広いキッチンをぐるりと見渡せば。
 変なパイプの付いた電子レンジ(らしきもの)。
 AI搭載機能の食器洗い機(みたいなもの)などなど……。
 そんなハイテク機材の数々が転がっていた。
 でもそのどれもがまるっきり使用感が無い。
 良く言えば新品同様。
 悪く言えばほったらかしで使ってない。
 
「まぁ、そこらのガラクタはどうでもいいから、そろそろ始めるとするか」
 なんだか気合が入ってる学園最強を余所にやな予感が耐えない結標だったが面と向かって嫌とも言えない。
(こうなったらやるしか、無い!!)
 どうせ逃げられないのなら腹を据えて取り組んだ方がマシ、と判断し結標は
「や、やったろうじゃない、極上のメニューを作ってやるわよ」
 と返事を返した。

440とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/03/20(火) 22:50:44 ID:xe8HhGh2
「淡希、塩コショウ寄越せ」
「……はいはい」
 右手の人差し指をくるくる回して調味料の棚から[座標移動](ムーブポイント)で一方通行へと小瓶をパスする。
 虚空から現れた塩コショウの入った小瓶を受け取り一方通行が声を掛けてくる。
「鍋に肉は入れないのか?」
「お肉は最後に決まってるでしょ、塩コショウ持ってるなら丁度いいからそっちの肉にも塩コショウ振って寝かしといてよ、
それ終わったらご飯ご飯、ご飯炊いて、白米が肝心なの」
 意外にも素直に従ってくれる一方通行。
 さっきから彼は青いチェックの入ったエプロンを着けてさっきから結標の指揮の下せわしなく動いている。
 彼はステンレスのトレイに置かれた牛肉と挽肉に塩コショウで軽く下味をつけていた。
(意外っていえば意外)
「ねぇ一方通行、アンタの名前って黄泉川っていうの?」
 他に話題も見つからないので聞いてみたが「あん? んなわけねェだろッ」とのお言葉を頂いたのでこの話題には
触れないことに決めた。

『んじャ、いッちョ向こう側に[座標移動](ムーブポイント)で飛ばせ』

 その言葉を思い出して結標淡希の顔が少し赤くなった。
 結標の脳裏にその台詞の前後の状況が事細かにフラッシュバック&リプレイ。
(あ〜! なんであんな勘違いをしたのかしらッ、恥ずかしいったらありゃしない)
 ポカポカと自分の頭を叩く結標。
 彼女もオレンジのチェックの入ったエプロンを着用している。
 彼女の自前では無くキッチンにかけてあった物だ。
 羽織っていた制服の上着は綺麗に畳まれて居間のソファーの上に置かれて居る。
 幸いこの部屋は暖房が効いているのでちびT一枚でも別に寒くない。
 またしても彼女の露出度は結構高めだ。
「ねぇ?」
「あン?」
「なんでこの部屋には三つも四つも五つも炊飯ジャーがあるの? 不思議で仕方ないんだけど、てか邪魔じゃないの?ゴロゴロと」
 結標の質問に一方通行は天井を見ながら、
「あァ、それは確か万能の品がどうとか言ッてたな。 とりあえず飯炊くのはこいつだけで、他は別の用途だ。蒸し魚
作るときとか使うらしいぞ、あとシチュー煮込んだり」
 と並んで置いてある炊飯ジャーの一個を蹴りつつ面倒くさそうに説明してくれた。
「炊飯ジャーでどうやってご飯以外の物を作るのか想像できないんだけど……」
 と結標。
「全くだ、フザケンナよこの白米マニアがとか思ッたンだがなァ……しかも結構イケル味だったりするから余計に」
 これには彼も同意を示してくれた。
 ちょっと最後の辺りは声が小さくて聞き取れなかったが。 
(真ん中のがご飯用なら両脇のは一体何? もしかして一人一個? それともどこぞのパン職人漫画みたいにパン焼き用?)
 そんな有り得ない様子を想像してると少しおかしかった。
 炊飯ジャーに[一方通行用]とか書かれていたら多分お腹を抱えて笑ってしまったかも知れない。
 トントントントン、リズミカルにまな板を叩く音と鍋でお湯が煮えるグツグツという音が心地よい旋律を奏でる。

441とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/03/20(火) 22:51:23 ID:xe8HhGh2
「おい……」
「何?」
 横合いから声を掛けられたが包丁を使ってる時に目を離すと危ないので声だけ返す。
「なんでニンジンがみじん切りなんだ? 普通カレーなら乱切りとかじゃネェのか?」
 綺麗に一口サイズにカットされたジャガイモとタマネギの他に結標の前のまな板にはみじん切りにされたオレンジ色がこんもりしてた。
 ニンジンのみじん切り。
 木っ端微塵、それはちょっと違うか……。
「ニンジン嫌いの子がおとなしく食べてくれるのかしら、それ?」
 「おお」とか言いつつ、ポン♪、と手を打つ学園最強。
 ここまでギャップがあるともはや警戒するのも馬鹿馬鹿しい。
 どうやら一方通行はご飯のセットを終えたようだ、手持ち無沙汰に肉をつんつんとしている。
 とりあえず彼には「ハンバーグ用の下ごしらえをしておいて」とだけ指示をしておく。
 紅い瞳を凶暴にぎらつかせて青いエプロン姿の学園最強が動く。
 一応手順自体は事前に説明してあるし問題無い。
 その後姿に結標は声をかけた。
 理由はちょっと気になったから、ただそれだけ。
「ねぇアンタはなんでそこまでしてニンジン嫌いの子にわざわざニンジンを食べさせようとするの?」
 結構前から疑問に思っていた事だった。
 最初に説明を聞いた時からだったかも知れない。
 野菜の皮を剥いていた一方通行が顔を上げた。 
 拳をわなわなと震わせて一方通行は語る。
「俺のこの目の事をアナタはニンジンの食べ過ぎかも? だから真っ赤真っ赤♪とか言いやがって、あのクソガキ。 
この目は能力の弊害だッての!人をウサギみたいに言いまくりやがッて。 自分はニンジン食べれない癖に。
無意識に必要最低限以外の物を反射してたから色素が薄いだけでニンジンは関係ネェよ。 
終いには『わ〜、おめめがまっかだぁ〜、はい、ロー○子供ソフト、ドラゴンケースに入れてね』とか
(中略)
大体黄泉川も芳川の奴も[打ち止め](ラストオーダー)の味方ばかりしやがって、絶対泣かす!」
 あんまり力が入りすぎて少年の手に中のタマネギが砕けた。
(なんだろう……ものすごく愚痴られてないかしら私)
 突然ガシっと結標の肩が掴まれた。
「うひゃ、危ない、危ないから包丁がいま指掠めたって!」
「だから淡希、お前と俺でアイツに一泡噴かせてやる、いいな」
「は、はいッ!?」
 またしても条件反射で答えてしまう結標。
 残骸事件での恐怖が刷り込まれてしまっているのだどうしても逆らえない。
 一応結標の返事に満足したのか一方通行も作業に戻り、結標の隣でトントンと包丁がまな板を叩く音が聞こえ出した。
 すこしばかり手際は悪いが捨てたものではない、包丁は良いリズムを刻んでいた。

 ざっくざく、ざっくざく、ざっくざく。
 ぽたり。
 うう。
 ざっくざく、ざっくざく、ざっくざく、ざくざくざくざく。
 ぽたぽたり、ぽたりぽたり。
 う゛う゛。

 包丁の音に混じってなんだか変な音が聞こえる。
 なんだか咽ぶような押し殺した声。
 出所は結標のすぐ隣。
「ね、ねぇ?一方――、ええええ」
 一方通行の紅い目からとめどなく溢れる涙。 
 頬を伝いそれはまな板へと落ち、弾けた。
「アンタ……もしかして泣いてるの?」
 恐る恐る声を掛ける。
「これは、俺の涙なのか……くッ、止まりやしねェ」
 彼は左腕で乱暴に目を擦るが後から後から涙は溢れてきた。
 あの学園最強が涙を零している? そんな馬鹿な――。
 
 ざっくざっくざくざく。

 再び包丁で野菜を刻む音が聞こえ、今度は結標の頬に暖かい感触が伝った。
(え、私も涙……これって)
 少年が向かうまな板へと視線を向ける結標。
 まな板にはみじん切りにされた白い野菜。
 丸くて先がちょっと尖ってる。
 茶色い薄皮は剥ぎ取られつるりと凹凸のない表面は薄い繊維が透き通って見える。

 俗に言うたまねぎ。

 結標の脳裏にたまねぎの知識が浮かんだ。

[たまねぎ]
 漢字で書くと玉葱。
 学名はAllium cepa、英Onion。
 ネギ科(クロンキスト体系以前の分類法ではユリ科)の多年草。
 本来苺なみに甘いが、辛味もそれ以上に有している為、辛く感じる。
 硫化アリルが多く含まれている。
 硫化アリルが気化すると、目・鼻の粘膜を激しく刺激。
 これによって涙が出る。 もはや常識だ。
 切れば涙が出る、今時小学生でも知っている。
 
「反射させなさいよ……たまねぎぐらい」
 結標淡希の呆れた呟きは咽び泣く一方通行の声にかき消された。 
                                            [12月23日―PM12:30]

442とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/03/20(火) 23:00:13 ID:xe8HhGh2
シリアスをコミカルに書く奴、空白です。
こんばんは。
『空白少女』(ブランクガール)第二幕開始いたします。
予告にあった台詞はキチンと使わせていただきますのでご了承ください。
一方通行パートなのに主役は全編通して結標さんなのは突っ込む所ではアリマセン。

>>374 修正漏れ更に一点
×假名垣 皐月(かなづき さつき)
○假名垣 皐月(かながき さつき)
ルビ間違い。 どう考えても『垣』は『づき』には読めない罠。
假名垣(かながき)は関東地方の実在する苗字。

明日から使えない無駄トリビア、今夜のメニューに一品レシピとして使えないSSでした。
それではまた次回。

443腐敗子:2007/03/20(火) 23:15:51 ID:twfAJ.l2
空白さん相も変わらずGJです!
ここまで一方さんや超悪役の淡希を可愛いく出来るのはきっとあなただけ、
文字表現はやはり勉強になります、正直真髄から文字の書き方が違いますね
私、小説の精進のため、様々な小説やパソコンで見たりしますが、プロじゃないの?このひと?
とか何とか思ったのは始めてだったりします、いやはや…
私が今まで見てきたパソコンで小説掲載している中でもここまで文字表現が上手い人もちょっといないですね。
という訳でながくなりまこれからも頑張ってください!!ではではー
実はかまちーだったりして・・・とか考えた私は考え過ぎでしょうか

4441-169:2007/03/20(火) 23:25:08 ID:kcxgIPPk
空白GJ! 結標淡希のお料理教室。完成品は座標移動で電子レンジの中に。なんちゃって。
ドラゴンケースとか持ってたなぁ。ネタの持ってき方が上手いっす。
ラブコメが始まっているようですが、この世界には殴られた相手に惚れなきゃならんという概念でも働いてるんでしょうか。
でもその理屈だと淡希→一方→上条になって……想いは正に一方通行!?(落ち着け)
続きも期待しています。

>>435
目隠ししてポーカーなんて無理なので、ポーカーにまつわる小ネタ三つで勘弁してください小萌先生。

ネタその1
チキチキ今日の晩御飯をかけたポーカーバトル唸れ推理の大回転!!(ここまで一息で)
上条「二枚チェンジだ。チップは五枚」
禁書「四枚チェンジね。――それと、オールチップで」
上条「何ッ!?」
禁書「もう時間がないからね。これを最後の勝負にするよ」
上条(どうする……場代を払って降りてもいいが、そんなんで勝っても負けを認めない気がする。それに――も――だし……よし!)
上条「乗ったぜインデックス! こっちもオールだ!」
禁書「じゃあせーのでいくよ? せーの!」

インデックス――スリーカード。
上条当麻――――――――――ロイヤルストレートフラッシュ!

禁書「………………、」
上条(やった! 文句なしの完全勝利だ! 役の出来上がったカードを隠し持っておくイカサマを土御門から教わった甲斐があった! ばれなきゃいいんだばれなきゃ! ワハハハハ!)
禁書「ひっかかったね!」
上条「え?」
禁書「とうまにロイヤルストレートフラッシュが来るわけないんだよ! イカサマでもしない限りね。何故なら、さっき私が捨てたカードは全部――」
パラリ
禁書「エースなんだから」
上条「な……なにぃぃっ!?」

ネタその2
神裂「全ての超能力者は倒しました。後はカザキリヒョウカ! 貴女だけです!」
風斬「私と貴女は……戦うことでしか分かり合えない……!」

ネタその3
吹寄「コール! ロイヤルストレートフラッシュ! コール! ロイヤルストレートフラッシュ! コー(以下略)」
姫神「もうやめてあげて! 上条君のチップは。とっくに0」


とりとめもなく終わる。

445とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/03/20(火) 23:25:57 ID:xe8HhGh2
>>443 それはありえない。
大体自分が書き始めたのはここ最近ですから、SS歴は1ヶ月程度です。
書くと判ります、プロってすごいなぁ、と。
あの人達は神。

ほら、とか言ってる先から誤字とか発見したし……OTL

>>438
結標さんの心の台詞の誤字
×(わぁぁぁ! 私は、その、えっと! 始めてなんだけど、私ッ、もっとムードとかあっても!)
○(わぁぁぁ! 私は、その、えっと! 初めてなんだけど、私ッ、もっとムードとかあっても!)

うう、毎度毎度申し訳ない。

446空白 ◆Oamxnad08k:2007/03/20(火) 23:40:50 ID:xe8HhGh2
>>444 その理屈で行くとですね
       
白井      オリアナ
 ↓       ↓        
結標→一方通行→上条→土御門→舞夏
         ↓
       ねーちん
        吹寄
        美琴
とか
越川←不良達
とか
なかなかカオスな状況になってしまいますね。
……それもまた一興、いずれ書いてみ(ry
俺からラブコメを取ったら何も残り……げふげふ。
ポーカーネタ……反応早いな。
そちらも続きを期待してます

447空白 ◆Oamxnad08k:2007/03/20(火) 23:42:17 ID:xe8HhGh2
白井        オリアナ
 ↓         ↓        
結標→一方通行→上条→土御門→舞夏
           ↓
          ねーちん
           吹寄
           美琴

ずれた(汗9

448■■■■:2007/03/20(火) 23:51:00 ID:QjziEDpA
437>>
誤字発見したので報告
一カ所だけ
一方通行が一歩通行になってますな。
惜しい。

449空白 ◆Oamxnad08k:2007/03/21(水) 00:09:25 ID:EFX9Bamg
>>448
Σ(゚Д゚ υ) がびーん。
>>437 
×さっきまで一歩通行が押していたのは13階のボタンだったはずだ。
○さっきまで一方通行が押していたのは13階のボタンだったはずだ。
誤字多すぎ……。
きっと俺が死んだら死因はきっと自己嫌悪……。

450■■■■:2007/03/21(水) 00:22:01 ID:VWMoFLl6
>>空白の方

あはは、正座で立てなくなるまで待ってた甲斐がありました。
イイコンビだなぁこいつら(イイ笑顔で)。
座標移動にびくびくする結標さんがかわいいですねー。彼女の精神面を思えば理由は納得ですし。

そして色々たまってる一方さんがほほえましいですね。
やってることを見ればさらにほほえましい。

次回更新楽しみにしてますー。

>>小萌先生
す、すけみる(勝手に略すな)ですか……(汗)。
わかりました。
自分が二人分受けますので、皆が続きを心待ちにしている彼への処罰はなにとぞご容赦を……っ(なんでそこで無駄に熱くなる)。

……では、靖〇で会いましょう。皆様(どなどな風味で)!

451■■■■:2007/03/21(水) 01:42:09 ID:ft58Rb.s
>>444
先生! スパイラルのドラマCDは流石にマイナーにも程があると思います!

452■■■■:2007/03/21(水) 02:50:23 ID:tz/fjk5Q
>>空白の人
GJ。一方さんがえらく丸いなぁ。そしてびくびくする結標カワイイ。
告白儀式から読ませて貰ったけど書き慣れてきたのかえらく上達しましたね。
因みに誤字ですが、人間には信念バイアスというものがあるので誤字チェックの際は文章を「見る」事を推奨します。「読む」とどうしても気付き難くなりますので。

>>443
GJ!そして灰姫遊戯もGJ!だがそれはジョーカーです。貴様(SHTを)見ているなッ!剣の纏め方は秀逸だったと思うんですよ。
そしてネタが段々カードゲーム繋がりと化してきている罠w

他の投下された方々も纏めてで申し訳ないですがGJ。

453DEEP BLOOD ◆RNmrPLr4ZY:2007/03/21(水) 05:06:59 ID:2vpDxCAU
>>310に呼ばれて俺、参上!(遅っ!

とりあえず今までの職人さん、アンカー付け切れないほど多いのでまとめてGJ!

就職活動が忙しくて書く暇がなかったんですよ!
まあ、ちまちま覗いてたんですけどね
少しできたときに投下しようと思ったんですが
もう少しで終わるから霧のいいところまで進めるかーってやってたら結構長くなりました
なので前書いた人からしばらくたっていて、誰も投下しないであろうこの時間に投下します
メルブラクロス『DEEP BLOOD』
お楽しみいただけたら幸いです

454DEEP BLOOD ◆RNmrPLr4ZY:2007/03/21(水) 05:08:03 ID:2vpDxCAU
上条は考える。姫神に宿る力『吸血殺し(ディープブラッド)』はある生き物を惹きつけ、殺すことのできる能力だ。その生き物の名とは―――
「まさか吸血鬼―――か?」
「そのとおりだぜい」
「相手が吸血鬼なら。私が狙われるのにも説明がつく」
二人はあっさりと認めるが、
「ちょっと待てよ、吸血鬼はいないんじゃなかったのか?」
前にステイルがそんなことを言っていた気がする。
「確認されなかっただけだ。だから奴は俺たちが確認した最初の吸血鬼ってことになるにゃー」
「それに。私は吸血鬼を見たことがある。見た目は人間と変わらないから。わからないだけ」
土御門は少し真剣な顔になって、
「たぶんそれだけじゃないはずだぜい。吸血鬼によって殺されたり、埋葬機関が口封じをした例もあるだろう。少なくとも奴はその情報を媒体にして発生する吸血鬼だからにゃー」
「どういうことだ?」
上条はわけがわからず聞き返す。
「奴は吸血鬼の中でも特殊な例ってことだにゃー、今の奴は普通の吸血鬼と違い、台風や竜巻みたいな『タタリ』と呼ばれる『現象』に成り下がってる・・・・・・いや、逆に成り上がったと言ったほうが正しいか」
「?それと吸血鬼の噂が広まることと何の関係があるんだ?」
「手っ取り早く簡単に説明しちまうと今の奴に元となる形はない、人の噂を集めてそのカタチになって現れる、だからズェピアがとっくに死んでいるというのはあながち間違いじゃない。
今の奴に決まった形はないからにゃー。奴の名もズェピアではなく、奴が最初に発生した町の名にちなんで『ワラキアの夜』と呼ぶ奴や、能力である『タタリ』と呼ぶ奴が多い」
「うーん、つまり人の噂によってその『ワラキアの夜』の姿は違うってことか?」
「ああ、あるときは山に住むといわれる大きな山神の姿で現れたり、もともといる人間に成り代わったりしていることもあるみたいだにゃー」
それを聞いていた上条の頭に一抹の不安がよぎる。
「じゃあ小萌先生のところに来た魔術師ってのがワラキアの夜かもしれないんじゃないか!?」
だが土御門は冷静に、
「いや、その確立は低いぜい。そいつがタタリによって発生したものだったら真っ先に姫神の所に行く理由がわからない。姫神の力は『歩く教会』によって完全に封じられてるはずだからにゃー」
「でも」
姫神が胸元に下がった十字架を見つめながらつぶやく。
「歩く教会(これ)を外せば。吸血殺し(ディープブラッド)は発動する。だから魔術師には狙われる理由がある」
「そういうことだぜい。どこまで知っているかは知らないが、吸血殺しの能力と姫神の居場所、外見ぐらいは知ってるみたいだがにゃー。だから小萌先生に危害が及ぶ確立も低いぜい」
しかし上条には不安が残る。
「でもゼロってわけじゃないんだろ?だったら・・・・・・」
「大丈夫ですよ。一般人を巻き込むつもりはありませんから」

455DEEP BLOOD ◆RNmrPLr4ZY:2007/03/21(水) 05:08:42 ID:2vpDxCAU
その女性の声は唐突に聞こえた。バッ!と三人は声のしたほうを向く。しかし、その方向には誰もいない。
「どこだ・・・・・・?」
「上だカミやん!」
言われて上条は上を見る。上条たちより少し離れたところに街灯が立っている。その街灯の上、足場と呼ぶにはあまりにも心もとないところに誰かが立っている。
すでにあたりは暗いうえに、相手が街灯の上にいるため細かいところまでは確認できないが、シスター服のようなものを着ているのはわかった。
「このタイミングにその格好、おまえが『代行者』だにゃー?」
土御門が問う。
「ええ、―――初めまして、埋葬機関第7位『弓』のシエルです。私はそこの『吸血殺し(ディープブラッド)』の姫神秋沙に話があるのですが」
シエルと名乗る女性は淡々と要件だけを告げる。
「私の力を。借りたいのね」
「そうです、あなたの詳しい力はわかりませんが、吸血鬼に対しては絶大な効果があることは知っています。ですからこの学園都市に入り込んだ吸血鬼の排除の手伝いをしてほしいのです」
「魔術師が一般人に助力を求めていいのかよ?」
上条は土御門に聞いたのと同じ質問をする。
「私としても巻き込みたくはありませんよ。ですが、今回の敵は特殊であり強力です。一般人とはいえ、協力が得られるならそれに越したことはないんですよ」
そういうこともあるかもしれないとは思ったが、一つ気になったことを聞いてみる。
「協力が得られなかったらどうするつもりだ?」
ピリピリと空気が張り詰める、しかしそれも一瞬のこと、
「安心してください、協力が得られなかったからといって強制連行はしませんよ。
私たちの目的はあくまで吸血鬼の排除、人攫いではないのですから。―――それで姫神秋沙、私たちに協力してくれますか?」
完全に信用できるわけではないが、強制的に連れて行くわけではないと聞いて上条は少し警戒を解く。
「・・・・・・どうしても。私の力が必要なの?」
姫神はシエルに向かって聞く。シエルは相変わらず街灯の上から、
「私一人の力ではどうにもならないから協力を頼んでいるのです。ワラキアは一晩しか存在することができませんが、その力は一晩で町の人間の血を吸い尽くす程です。
そのような事態になる前にどうにかしたいのです。それに、先ほども言ったように私もなるべく一般人を巻き込む気はありません」
「なら。小萌先生はどうして私に逃げてって言ったの?」

456DEEP BLOOD ◆RNmrPLr4ZY:2007/03/21(水) 05:09:03 ID:2vpDxCAU
―――沈黙が空間を支配した。街灯の上に立つ影はこちらを向いたまま沈黙している。陰になっているので表情はわからないが、それが不安を掻き立てる。
その沈黙を破ったのはシエルからの返事。
「ああ、あの子供ですか。『先生』なんて言うから誰かと思ったじゃないですか」
「は?」
上条は間抜けな声を出す。
「あの子に自己紹介をしたときに、素直に魔術師と名乗ったのがまずかったんでしょうね。子供といえど、姫神秋沙と一緒にいるから少しは魔術師のことを知っていると思ったのですが、子供は子供ということですかねー」
シエルは、小萌先生が聞いたら怒りそうなことを平気で言う。それが今までのシリアスな空気を完全にぶち壊していく。
小萌先生、アンタぁすげぇよ。 と心の中でここにはいない、見た目12歳年齢不詳の担任教師に賞賛を送る。
「あの子には何も危害を加えていませんよ、何度も言うように私は一般人を巻き込むつもりはありません。まあ、今回は特例としてあなたに協力を求めていますが。
さて、姫神秋沙。何度目になるか忘れましたが確認します、私たちに協力してくれますか?」
上条は後ろに立っている姫神を見つめる。これから先は姫神が決めることだ。
前に姫神は言った。『吸血鬼は私達と変わらない。泣いて。笑って。怒って。喜んで。誰かのために笑い。誰かのために行動できる。そんな人達』 だと
確かにワラキアは学園都市を狙っているようだが、だからといって殺していいことにはならないと上条は思う。それに姫神の能力を開放すれば、
ほかの吸血鬼も呼び寄せて殺してしまう、それこそ無関係の吸血鬼を。それが嫌だからこそ姫神は『歩く教会』で吸血殺しを封じているはずだ。
だから上条は特に口を出さずに姫神のほうを見る。
姫神は拳を胸元に寄せ、うつむいて何かを考えていたようだが、何かを決したように顔を上げ、
「私は・・・・・・」
「ちょっとまった」
姫神の声を遮ったのは土御門の声。
「どうしたんだよ土御か、ど・・・・・・?」
うまく声が出ない、それほど土御門の顔は険しかった。
「今連絡があったんだが、学園都市側は代行者の受け入れを拒否したらしいな?そうだとすると貴様は何故ここにいる?」

457DEEP BLOOD ◆RNmrPLr4ZY:2007/03/21(水) 05:09:34 ID:2vpDxCAU
上条は、いつものおちゃらけた口調がまったくない土御門に驚いたが、聞かされたことはもっと驚愕すべきだった。
「その情報が正しいという確信はあるのですか?タタリにとっては情報操作など簡単なのですよ?」
土御門の言葉にもまったく動じずに、シエルは淡々と問いかける。
「そんなことはわかっている、だが魔術師である以上あの男(アレイスター)がそんなものに引っかかるわけがない。それより答えてもらおうか?学園都市に入ることを断られた代行者(にんげん)がここにいる理由を」
土御門もあくまで冷静に問いかける。
「じゃあ、もしかしてあいつがワラキアの夜か?」
人の不安を具現化し、どんなカタチにもなれるワラキアの夜だったら、代行者とやらに姿を変えるのも簡単かもしれない。しかしシエルはため息をつき、
「私はタタリではありません―――、といっても信じられないでしょうけどそれはもうどうでもいいことです。所詮タタリに関しては二の次ですからね」
「本命は姫神の誘拐というわけか?」
「ええ、もちろん。彼女の力は埋葬機関では重宝されますからね、そのためにここの警備も無理やり突破しましたし、そこの吸血殺しを連れて帰らなければ骨折り損の何とやらです」
シエルともう隠す必要は無いとばかりに話し始める。
「どういうことだよ・・・・・・、さっきの一般人を巻き込みたくないってのは全部嘘か!?」
「嘘ではありません。一般人(普通の人)は巻き込む気はありませんよ。それとも、吸血鬼を殺せるほどの力を持ったものを一般人と呼ぶのですか?」
「愚問だな、学園都市ではそれも一般人のうちだぜい?まあ確かに姫神の能力は吸血鬼に関係はあるがな」
「でも。私の能力(ちから)を利用されるのは嫌。私は。殺しの道具になんてなりたくないから。だから私はあなたたちと協力することはできない」
姫神が前に進み出て、強い意思のこもった目で街頭の上にたたずむ影に向かって言い放つ。
シエルはしばらく沈黙した後に、
「やはり、こうなりましたか」
シエルはそう言うと両手をゆっくりと上げる。
「仕方ありません。姫神秋沙、あなたを強制連行します」
シエルが両手を顔の前で交差させると、いつの間にか片手に三本、計六本の剣が握られていた。そして、陰になっているはずの顔から怪しげな眼光が見える。
「後ろの二人に言っておきますが、邪魔しなければ手を出しませんよ?私の目的はあくまで吸血殺しなのですから」
シエルが警告を発するが、そんなものはこの二人にとっては逆効果である。
「クラスメイトがさらわれそうなのに黙って見てる道理はないぜい!」
「そうだ!それに、戦いたくないやつを無理やり巻き込まなきゃならないってんなら――――――」
上条は右拳を突き上げて叫ぶ!
「――――――まずはその幻想をぶち殺す!」
まったく人気のない大通りで、上条たちと代行者の戦いが始まった。

458DEEP BLOOD ◆RNmrPLr4ZY:2007/03/21(水) 05:09:57 ID:2vpDxCAU
行間一

シエルと戦闘を開始する少し前―――――シエルが代行者だと確認した後、土御門は考え事をしていた。
(何で代行者がここにいる?オレらの組織でも埋葬機関を確認したのは最近のこと、そんなやつらを簡単に学園都市に入れるとは思えんが・・・・・・)
『土御門、聞こえるか?』
いきなり土御門の脳内に響く声があった。その声の主はアレイスター=クロウリー、学園都市の長である。
『ああ、聞こえている。念話(これ)を使うってことはかなり緊急の用事か?』
彼自身の能力なのか能力者を使っているのかは知らないが、アレイスターはたまにこの方法で通信を行う。普通の念話と違い、こちらも思うだけで相手に声を送ることができる。
『そういうことだ。―――――君は今、代行者と会っているな?』
『ああ、代行者の侵入を許可するとは何を考えている?これも手順の短縮か?』
怒りを隠さずアレイスターに問いかける。
『たしかに短縮はできるが、故意に狙ったわけではない。実際、入れる予定はなかった』
『で、利用できそうだから警備をまわさなかった、と?』
土御門は皮肉混じりに聞く。
『それもあるがな、今は警備員(アンチスキル)を割く訳にはいかない』
『どういうことだ?』
『警備員(アンチスキル)は別のことで動いている。だがそれゆえに今は学園都市全域に戒厳令も出ている、わざわざ人払い(魔術)を使わなくてもいいということだ』
ちっ と土御門は舌打ちをし、
―――私は・・・・・・―――
―――ちょっとまった―――
(やつの狙いが姫神なら、緊張感のない今の状態はまずい。とりあえずやつを敵だと認識させるか)
―――今連絡があったんだが、学園都市側は代行者の受け入れを拒否したらしいな?―――
あえていつもの口調ではなく、仕事の時の口調でしゃべる。
(これで少しはましになるだろう。ついでにもうひとつ聞いておくか)
―――所詮タタリに関しては二の次ですからね―――
―――本命は姫神の誘拐というわけか?―――
―――ええ、もちろん。―――
(かなりあっさり喋ったな)
『彼女の言葉は本当だろうな、もう隠す必要が無くなったということだ』
『そんなことはわかっている。さて、どうやってどうしたらいい?』
土御門はアレイスターに指示を仰ぐが、
『姫神秋沙を置いて逃げろ』

459DEEP BLOOD ◆RNmrPLr4ZY:2007/03/21(水) 05:10:14 ID:2vpDxCAU
『っ!?、ふざけるな、吸血殺しを代行者に渡してもいいって言うのか・・・・・・?』
『あまりよくはないがな、吸血殺し一人のために君たちを失うわけにはいかない』
『――――――そんなに強いのか、やつは?』
土御門はシエルを見る。
―――仕方ありません。姫神秋沙、あなたを強制連行します―――
『ああ、君じゃかなわないだろう。たとえ、君たち3人が束になったとしてもな。逃げたほうがいいぞ』
シエルについてはある程度の情報はある。だが、情報があれば勝てるというわけではない。それに彼女の力についての情報はあまりない。
彼が持っているのは彼女の人格などについての情報だ。しかし、そういう情報があるからこそ彼女の行動はつじつまが合わない。
『逃げるわけには行かない。確かめたいこともあるしな、それに―――――』
土御門はアレイスターにではなく、シエルを睨み、
「クラスメイトがさらわれそうなのに黙って見てる道理はないぜい!」
多重スパイの土御門ではなく、姫神のクラスメイトの土御門元春として言い放つ。
『仕方あるまい。手順を変更するか』
ブツッという音とともにアレイスターの声が消える。
(やはり、手順の短縮を狙っていたか。よくやるぜい)
土御門はため息をつく。
「巻き込まなきゃならないってんなら――――――」
(アレイスターも言っていたことには嘘があった。シエルも嘘をいっていたし、本物かどうかもわからない。それに満月の夜に発生するはずのワラキアの夜がなぜ新月の今日に発生したのか)
「――――――まずはその幻想をぶち殺す!」
(さて、何が嘘で何が本当かわからない、『虚言の夜(ミッドナイトカーニバル)』の始まりだぜい!)
ちらほらと見える星明りの中、一夜限りの祭りが始まる。



.上条&姫神&土御門 VS シエル

      FIGHT!!!

460DEEP BLOOD ◆RNmrPLr4ZY:2007/03/21(水) 05:10:38 ID:2vpDxCAU
>>310に呼ばれて俺、参上!(遅っ!

とりあえず今までの職人さん、アンカー付け切れないほど多いのでまとめてGJ!

就職活動が忙しくて書く暇がなかったんですよ!
まあ、ちまちま覗いてたんですけどね
少しできたときに投下しようと思ったんですが
もう少しで終わるから霧のいいところまで進めるかーってやってたら結構長くなりました
なので前書いた人からしばらくたっていて、誰も投下しないであろうこの時間に投下します
メルブラクロス『DEEP BLOOD』
お楽しみいただけたら幸いです






えー、とりあえず第一章というより上条(他2名)パートのさわりが終了です
彼らのバトルは第二章で書くつもりです
矛盾を無くすために長々書いていたら、矛盾を無くすというよりフレキシブルな内容になってしまったという自爆orz
まあ、伏線交じりですからそこらへんは大目にみてくだせえ
何気に片手間に書いたネタSSもあるんですが、それはDEEP BLOODが詰まった時(高確率)に投下します。
まあ、いつかはとうかするつもりなんでネタSSのイメージ予告だけしときますね


吹寄「ブルァアア!ブルァアア! ベリーメロン」
上条「ふ、吹寄サン!?」
吹寄「大好きだ、愛してる」


はい、よくわかるイメージ予告でしたね。(ぜんぜんわからんて
ちなみに予告はイメージです。予告に出てきた台詞は絶対に出てきません。(オイ
それでは、『DEEP BLOOD』と吹寄が暴れるSS『とある○○の吹寄制理』、お楽しみに

461空白 ◆Oamxnad08k:2007/03/21(水) 06:10:50 ID:EFX9Bamg
>>452 ナント!!信念バイアスとな……そうか『読む』ではなく『見る』。
勉強になるなぁ……
>>460 いやお待たせされました。 お帰りなさい。
だが今日の俺は……有給だ! 朝から起きてるぜ!
ということで氏のSS読ませていただいた。
ふむふむ……ふんふん……ねるねるねるねは……うん、うまい(ネタふるい)
唐突に思いついたネタとか投下してみたり……(製作時間10分ほぼ勢いのみ)


無かったシーンをさもあったかの様にでっち上げるSS 
 軽くメルブラクロスオーバーショートストーリー [恐怖、タタリ発症] 作者:空白の人

 すさまじいまでの魔力が場に収束してだんだんと人型をとっていく。 
 間に合わなかった、このままでは『恐怖』と『噂』を媒介にもっともらしい『災厄』の形をして『タタリ』が現れてしまう。
「人々のもっとも恐れる存在の形を借りて一夜限りの固有結界として現れる現象、『タタリ』、やはりこうなるのですか」
「ッくッ!!」
 悔しげな声を上げる魔術師達。
 だが諦めていない人間が居た。
 その少年は右手を握り締めて立ち上がり、立っているのも困難な魔力嵐の中を突き抜ける。
 そしてあらん限りの声で叫ぶ。
「まだだ、まだ俺は諦めてなんかいないッ!」
 大きく息を吸い込んで少年の目が魔力嵐の中心を見据えた。

『優しい御坂美琴が……恐いッ!!むしろ恐怖!!』

 場の空気が魔力嵐も含めて止まった。
「は?……上条当麻、アナタは一体なにを……」
「上条さん、はッ、そうか。人々の『恐怖』や『噂』を媒介に発生するのなら我々の『恐怖』も例外では……」

『噛み付かないインデックスが恐ろしい!! 鞘で突っ込まない聖人が恐ろしい!! 何も企まない黒幕が恐ろしい!!
他人を欺かない隣人に激しい不安を覚えるッ!! ぶん殴らないクラスメイトなんて見ただけで気を失いそうだ!!
丸くなって誰も傷つけない学園最強とか――』
 
「……」
「これはもしや……」
 互いの顔を見合わせて頷く。
 考えてることは一緒。
 ならば先に行動したほうの勝ち。
 二人の魔術師は己の抱く『恐怖』をさらけ出す。
 カラン……神崎と五和の後ろで七天七刀(しちてんしちとう) と海軍用船上槍(フリウリスピア)が軽い音を立てて倒れた。
 走り出す少女達の手に武器は無い。
 必要無いし、何よりわずかな差ですら惜しいのだ。
 
『ポニーテール萌えの上条当麻が恐いッ! 堕天使メイドで篭絡される上条当麻が恐ろしいッツ! 』
『おしぼりだされてあっさりと五和に転ぶ上条さんが心底恐い!! 尽くすタイプの女性に弱い上条さんに激しい不安を覚える!」
 五和と神裂まで魔力嵐の中心に向かって叫び始め、取り残された形になる土御門は
「カミやん……苦労してるんだにゃー(ほろり)」
 と憐れむように呟くのだった。

『不幸体質が恐くて髪の毛が真っ白になりそうだぁぁぁぁ!』
『上条当麻とラブラブな神裂火織が――』
『五和とデートする上条さんが――』

                                              GS+わらきあの夜 END

462空白 ◆Oamxnad08k:2007/03/21(水) 06:24:47 ID:EFX9Bamg
ごめんなさい、大人しく空白の続き書けといわれそうです、ハイ。
そして○神裂が×神崎に変換されるブービートラップ。
言ってる側からバイアス発動。
音が同じだと読んでても確かに気づきにくいとしみじみ実感する瞬間だ。

モトネタがアレなんですが皆様の脳内の上条当麻を少しGS○神風味にアレンジしていただければ
投下して思う、短い。 でも本来のSS(ショートストーリー)ってこれぐらいの長さの物なのかなぁ?
お目汚しでした。
それでは

463310:2007/03/21(水) 06:36:42 ID:lN43TtYg
>>460
おっ早起きしたらなにやら前にリクエストしたDEEP BLOODの続きが来てて
朝からいい気分の私は思わず勝利の雄叫びをあげてみたり。頑張ってくださいね。
>>461
つまり饅頭怖いというわけで今度は熱いお茶が怖いと。
GJ

464腐敗子:2007/03/21(水) 10:58:36 ID:TQ9.uSBk
DEEP BLOODさんお疲れ様です、そしてGJです!!
やはりここの先輩方のレベルは高いですねー!
最近投稿が無かったので心配していますが、お腕の方は健在のようで
私目の心配及ばずと言った所でした、これからも頑張って下さい!
全く解明不能の予告ありがとうございます、
とりあえずベリーメロンを友達が歌っていたのを知っているので、吹寄さんが!?とか色々考えてしまった付加読み好きな私・・・

空白さまお疲れ様ですそしてGJ!
元ネタは知りませんが何か見ていて上条頑張れ!超頑張れ!!と応援したくなる気持ちを隠せない所存であります。
とりあえずもう一言、
上条頑張れ!超頑張れ!!

465とある天草式の腐敗子(カープション、チルド)[corruption child]:2007/03/21(水) 11:06:23 ID:TQ9.uSBk
明らかに展開が遅い話ですが、地道にお付き合い願いいたします
評価、感想、誤字指摘、
ここもうちょっとこうした方がいいんでない?というのも大歓迎です、それではお願い致します。




「腹減った」
その言葉に合わせるかのようにお腹がハーモニーを奏でている。
現在は昼の1時を過ぎたところ、周りでは好き勝手に昼休みを楽しんでいる。
そんな中、上条当麻は机に突っ伏して一人死んでいた。
いや、実際死んでいた訳ではないが、空気が死んでいた。

「かーみやーん、昼やのに何か食わへんの? 」
青髪ピアスが上条の隣の席に座り込んだ。

のっそりと頭だけ動かして上条の目が青髪ピアスの方に向く。
「お! おお! 」
上条は青髪ピアスを目を輝かせて見ていた。
実際見ていたのは青髪ピアスの持っているおにぎり。
そのおにぎりは黄金のように輝いていた。いや、腹の減り過ぎの錯覚なのだろうが上条には確かに神々しい光が見えた。
(これは展開的に俺の様子を見ていたこいつは、きっと朝から何も食っていないのを察しておにぎりを持ってきてくれたのか!!!ビバ親友って素晴らしい!! )
珍しくプラス思考の上条は腹減りで脳内に異変が起こりつつあった。
その目の前で青髪ピアスはそのおにぎりを簡単に口にほおりこんだ。
その瞬間上条の目がショックで見開かれる。
「何やしょぼいおにぎりやなー、
かみやーんボク実はこの前に食堂でめっちゃ食ってんねーん、あーしんどい思いして食うもんちゃうなー」

「わざとか? わざとだよな? ここまで殺意が沸いたのもちょっと無いぞ」
上条はぐったりしながらも結構な怒りを青髪ピアスに注いでいる。
「この野郎、腹が減ってなきゃ上条さんのお怒りパンチがお前の顔面をクリーンヒットさせているだろう」
「? そんなお腹減ってんのやったらこれやるわ」
そう言うとポケットから缶を取り出すと上条に投げた。
慌てて受け取った缶は熱かったが、上条はさっきの殺意が綺麗さっぱり消えて輝かしい笑みを浮かべていた。
「俺、お前の事信じてた」
上条はとうとう精神的に色々来ているようだ。
上条はいそいそと缶を開けるとそのまま一気に缶を口に付ける。
最早熱々だろうがとにかく腹を満たしたかった。
きっとコーンポタージュだろうと思っていた缶の中身は

甘かった。

ぶぼぁ!? という勢いで口に入れた液体が噴出、青髪ピアスの頭にへと降りかかった。
黒っぽい液体は噴出される中に黒い豆のような物が混じっている。

466とある天草式の腐敗子(カープション、チルド)[corruption child]:2007/03/21(水) 11:06:41 ID:TQ9.uSBk

「こ……これは、」
缶にプリントされている絵は昔懐かしの

お汁粉

「テメェェェ!! 」
殺意再来
上条は怒りに任せて青髪ピアスの襟首を掴む。
「何でお汁粉なんだよ!! 腹減ってる時にこれは地獄だ!! しかも2回目かよ! 流行ってんのか!? 」
「かみやん……とりあえず口から入れたもん人の頭に噴出さしといて言う事はあらへんの?」
「チッキショォォォ!! 不幸だこの野郎ーーーー!! 」
上条は叫び声と共に教室のドアに向かい乱暴に閉めた。

「ッフ、かみやん、毎度毎度おいしい想いしてる罰やで〜?」
青髪ピアスは最早居ない上条に向けてあまり綺麗で無い笑顔を浮かべた。
何人かのクラスの男子が青髪ピアスに親指を立てていた。

続けざまにドアが開くと上条が戻ってきたのかな?と青髪ピアスは思ったが、それは女の子であった。この学校とは違う制服は名門の常盤台の制服だろう、肩まである茶色い髪をした女の子はクラスの何人かはため息を漏らす。

「あのー…」
遠慮がちな少女はドアから顔だけを出して誰かを探していた。
逸早く反応した青髪ピアスは光の速さで少女の所に向かった。
「何?どうしたん?誰か探してんの?」
お汁粉をかぶったまま青髪ピアスは歯を光らし、とてもいい笑顔を浮かべる。あわよくば知り合いになろうという魂胆が見え隠れしている。
少女は軽く引きながらも探し人の特徴を言った。
「ツンツン頭でアホ面な男の子って・・・知らない? 」
「ボクもツンツンでアホ面やでー! 何? もしかしてボクの事? 」
フラグ立ての為に青髪ピアスは自分を犠牲にしながらも少女に詰め寄る。
「……あー、頼んでも居ないのに足突っ込んできたり、女の子に見境無い馬鹿」
しかし青髪ピアスの努力虚しくすでにその少女には旗が立てられている。
登山家はどんな凄い山を登っても、頂上に別の旗があればすごすごと引き返さなければならない。
解っているが青髪ピアスは聞いた。「その馬鹿とはどういう関係で?」
言葉に反応した少女は、頬を薄らと染めて「別に…」と目を下に向ける。
それだけで青髪ピアスの心に直下型ボムが放たれた。効果はてきめんだ。

またか、あのやろう、

とクラス中の空気が不穏に暗くなる。
青髪ピアスは、さっき出て行ったと、少女に伝えると少女は革バック片手にすぐに引き返す事にした様だ。
軽く会釈して少女はすぐにドアを閉める。
青髪ピアスは閉めたと同時に体育座りで端っこで「なんでかみやんなんや…」とぶつぶつ言い続けていた。
一矢報いたはずの青髪ピアスはすぐに大打撃を食らった。
クラスの男子達が哀愁の漂う青髪ピアスの背に同情の目を送る。

467とある天草式の腐敗子(カープション、チルド)[corruption child]:2007/03/21(水) 11:14:45 ID:TQ9.uSBk
一回でどれくらいのペースで出せばいいかわからない
素人、腐敗子です、
とりあえず、誤字無しからはじめ様ともがいていますが
私はやはり美琴萌えなんだと確信に走った次第であります、

空白さんがまだ1ヶ月位と聞いた時に結構な驚きの隠せない私、
やはり才能とは恐ろしい・・・

468空白 ◆Oamxnad08k:2007/03/21(水) 11:19:36 ID:EFX9Bamg
>>464
とりあえず……モトネタの検索ワードは「ワラキアの夜」で検索すれば出てくると思うな。
>>466
普通足突っ込むと表現するのは棺桶であって、事態に参加する意味なら『首を突っ込む』が正しい気がする
とさり気無く呟いてみる。

足を使う表現は大抵物事の終わりに良く使われる。
逆に始める場合は手の表現。
大分読みやすくなったと思いますよ。

469腐敗子:2007/03/21(水) 11:41:04 ID:TQ9.uSBk
知らなかった・・・
そうかー足より首の方がいいのかー
うーむ、まだまだ勉強不足でした。
やはり文字表現で必要な知識は手に入れないと

470■■■■:2007/03/21(水) 11:57:26 ID:lN43TtYg
お汁粉の缶とコーンポタージュを間違えてる上条の件だが
普通受け取った時気付くだろ?
上条の行動が不自然気味。

受け取る。
見る。
開ける。
飲む。
が通常の流れだと思う。

炎天下と言う話だから舞台は夏だろうか?
お汁粉がそんな時期に売ってるのか?

学校に登校して更に昼休憩してるから多分平日なんだろうが御坂も学校があるはず。
移動時間の問題をどう解決してるかが謎。
結論はだ。
その辺の描写もほしい。
ただ状況描写や時間描写は慣れてないと難しいかもしれないな。

一回の投稿は区切りがいい場所がいいと思う。

空白の人みたいなわかりやすい区切りがされてる作品は別にしてもぶつ切りにならない程度には繋いでおかないと読みにくいから。
更新ペースにもよるけど。

>>467
空白の人も書いてて上手くなったクチだと思う。

美琴と言えば空白さんとこの作品も大抵が御坂ヒロイン。

でも告白はインデックスが閉めてたし。ステイル×小萌先生だったり、今の空白は誰がヒロインかまだ不明だし。
ただ萌え淡希はガチで最高。
御坂ヒロインは潜在読者多いです。
追伸
メール欄にはsageと入力して書き込みしてくださいね

471腐敗子:2007/03/21(水) 19:16:43 ID:TQ9.uSBk
470様ありがとうございます。
確かに上条の行動は不自然でしたね、
ノリと勢いで誤魔化せるものにも限度がありますね、やっぱり。
夏にお汁粉が売ってるかどうかですが、売ってるんじゃないでしょうか?
仮にも様々な物品を試作品で作りだしてるんですからきっと!(妄想)
まぁ正直、家の周りでは夏だろうが冬だろうがお汁粉はバリバリに熱々なので
どこでもそうでない?と思ってました。反省です。
美琴タンの件ですが、一応、何故居るかは考えています。
後から考えたら区切りを入れるのはその理由が出ている所まで、が一番良かったのでは?
と思い返しました。
状況描写と時間描写は少しずつ慣れて行きたいです。
やはりまだまだ鍛錬が足らない所存であります。
オリジナルの小説のレベルを上げるために著作権物で腕を磨こうと
初めての著作権物にチャレンジしましたが、
著作物ってキャラとかもう出来てるし簡単かな?とか思っていましたが
いやはややってみると、難しい、キャラを崩さず何処まで出来るか・・・
うーん勉強になる。
後、ぶっちゃけ美琴タンは大好きですが、まだヒロインにするかは決めてません
神裂や黒子、インデックスだって大好きさ!!
sageの入れ忘れ本当すいませんでした、
空白さんの美琴は可愛いですよね、あの運動会の昼食の時とか、顔のニヤニヤが止まらなかったものです。


色々長くなりましたが470様、色々と指摘ありがとうございます。
これからも指摘部分有りましたら精進の為、宜しくお願い致します

472とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/03/21(水) 19:31:16 ID:EFX9Bamg
[11]Railgun02―上条当麻と御坂美琴の『サラダ記念日』

 全力で逃亡した上条当麻だが追撃してきた美琴に捕まるのにそう時間は掛からなかった。
 むしろあっという間に捕まったとも言える。
(さようなら俺の自由(フリーダム))
 上条は思わず空を仰いだが太陽を直視してしまい、頭がクラクラした。
 止めておけばよかったと軽く後悔し、
「御坂」
 上条は前を歩く御坂美琴へと声を掛けた。
「なに?」
 と振り向かずに彼女の素っ気無い返事が返ってくる。
 絶対怒ってる――、と思った。
 わずかに2文字の短い言葉ですら少女の不機嫌さが滲み出ており上条は首をすくめる。
「どこ向かってるんだよ……」
 あちこちに可愛い絆創膏を貼り付けた顔で上条は呟く。
 傷は逃亡戦の際にいろいろと飛んできた破片や瓦礫などにより出来たものだ。
 浅く切ったり擦りむいたりしたかすり傷程度で大したことは無いのだが美琴が強引に、
『破傷風とかになったらどうすんのよ、ほら、大人しくしてなさい』
 とか言って可愛らしい絆創膏を貼り付けてきたのでこの有様だ。
 ちなみに絆創膏の色はピンク。
 キャラクター物であり緑色のカエルが描かれている。
 確か御坂美琴が好きな「ケロヨン」がどうとか「ゲコ太」がどうとかいうカエルをモチーフにしたキャラクターだったと
上条は記憶を探って結論を出す。 
(ラブリーミトンでケロケロがゲコゲコで……)
 結論:間違っても男子高校生がつけるものでは無い。
 すれ違う人達が時々振り返ってくるのは多分上条の気のせいじゃないだろう。
 中には指差して苦笑する奴らまでいる。 
 恥ずかしくて仕方ないが外すと目の前の御嬢様にもっとひどい目に遭わされる事は必至。
(耐えろ……耐えるんだ上条当麻。 コイツも良かれと思ってやってくれてるんだ、男ならそこを汲んでやれ)
「……アンタの部屋」
「は?」
 突然美琴がボソリと呟いた。
 声が小さかったので思わず素っ頓狂な声を上げて聞き返してしまった。
 それが気に入らなかったのか美琴はぴたりと足を止めて後ろを振り返った。
「だ・か・ら」
 と言葉を切って美琴は続ける。 
 美琴のサラサラの茶色い髪が顔の動きを追ってふわりと舞った。
 ゆっくりと――。 
 そして丁寧に――。
 一語一語をまるで自分に言い聞かせるように――少女は告げた。
 これはもはや決定事項だ――とでもいう目をして。
「これから行くのはアンタの部屋、そこでアンタには私の作った昼食を食べてもらう」
 上条当麻は今度こそ本当に素っ頓狂な声を上げた。
 但し今度は聞き返しではない。 抗議だ。
「意義アリ! どうしてそうなるんだよッ、大体、何か見慣れない買い物袋なんて素敵なオプション付いてると思ったら!!
一体何を企んで――」
 途中まで言いかけて上条は口をつぐんだ。
 お嬢様の視線が怪しく光っていたからだ。
 こういう顔をなんと表現するのか上条当麻には判らなかった。
 判るのは今は彼のターンでは無いという事だけ。

473とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/03/21(水) 19:32:19 ID:EFX9Bamg
「それとも何?私がアンタの部屋に行っちゃいけない理由でもあるのかしら? どうしてかしら? 何か見られたく無い物でもあるの? 
 ……! はっはァ〜ん……はっはァ〜ん!……はっはァ〜ん!!……もしかしてやらしぃ本とか?
 それなら別に気にしなくてもいいわよ。 結構寛大だから私。 あ、でも同じようなビデオとかあったらまとめて処分ね。
 これ決定。 いっそ徹底的に家捜しでも……。
それより何よりこのスーパーの袋見て気づきなさいよアンタも。 どう見たって昼食の材料にしか見えないでしょうが。
朝から悲惨な食生活を送ってるみたいだからせめて昼ぐらいはマトモな食事をとか思ったりしちゃいけないわけ?
(中略)
それにアンタ、大覇星祭の時は料理がどうのとかさんざん言ってくれたじゃない? 
私の家庭科スキルは職人芸の方向にしか成長してないと思ったら大間違いよ!
これでアンタが私に持ってる『料理は駄目っぽい』とか言う心底失礼なイメージを払拭できればしめたもの。
この辺で汚名は返上しておこうと思うわけよ。 ってアンタちゃんと聞いてる!?
そのうんざりした表情は何なのかじっくり聞き出したいけど今は忙しいからそれは後にしとく。 
とりあえず、ここまでで質問とか感想とかは?(ここまで45秒息継ぎ無し)」
 ぐぐっと上条に詰め寄り下から見上げて一気にまくし立てる美琴。
 世界を縮めるイカス兄貴も裸足で逃げ出すほどの早口。
 それでいて一回も舌を噛まない滑舌の良さ。
 こいつは声優とかアナウンサーとかの方が向いてるんじゃ無いのか?と本気で思ってしまう。
 肝心の彼女は戸惑う上条当麻の顔に「これでどうだ?」と右手の人差し指をビシっと指してくる。
 多分リアクションを期待してるのだろう、応えてやる事にする。
「質問としては、俺と途中で待ち合わせをする真意がわからん。 勝手に部屋に来ればいいだろ……。
あと感想としてはふざけんなの一点に尽きるな。 あとやらしぃ本とか無いから!! マジで!!
『嘘つかなくてもいいのに』みたいな顔すんじゃネェよッ、慰めるような憐憫に満ちた視線を投げてくるなァァァ
俺の嫁さんかお前はッ!! ツンデレキャラが料理下手なのはお約束だろうが!(ここまで16秒息継ぎ無し)」
 上条も負けずに早口で言い返す。
 後半が悲鳴じみているのは美琴が向けてくる憐れむような視線を受けたからだ。
「嫁ッ!? いやその、よ、よめとかその……いいから早く案内しなさいよ! 大体の場所しか知らないんだから私」
 と何故か頬を紅潮させ美琴は首に巻いたクリーム色のマフラーを翻してそっぽを向き再び歩き始めてしまった。
 リアクション失敗か?と首を捻る上条。
「嫁……嫁……奥さん……恋人……(小声)」
「あ?なんか言ったか御坂へぶぁッ」
「うっさぃ!! アンタも少しぐらい言葉選んでから喋りなさいよ!」
「わけわかんね……」  
 肩越しに顔寄せたら右の裏拳で迎撃されてしまった。
 『カッツーン』と丁度鼻にクリーンヒットして鼻を押さえて悶える上条。
 目尻に涙を浮かべつつプンスカ蒸気をあげる機関車娘の後ろ姿を見る。   
 今日はすこし肌寒いからか彼女はいつもの服装の上に茶色いコートを羽織っていた。
 腰の辺りまでのハーフコート。
 ジッパーで取り外し可能なフードが付いている。
 右胸の辺りに校章があることから恐らく常盤台中学の指定の防寒着なのだろう。
「案内ってどこにだよ……」
「アンタは私の話をぜんぜん聞いてないじゃないのよ……これから行くのはどこ?答えてみなさい」
「俺の部屋?」
「判ってんならさっさと前歩く」  
 上条と美琴は上条当麻の男子寮の部屋目指して目下移動中だった。

474とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/03/21(水) 19:32:52 ID:EFX9Bamg
 しばらく上条のすぐ後ろを美琴がテクテクと歩くのが続いたが、美琴が持つスーパーの買い物袋へ目を留めて少し考えると、
「御坂」
「なによ?」
「ほら荷物貸せって」
 上条は美琴の左側に回りこんで強引に買い物袋を奪い取った。
 一瞬の早業だ。
「ちょっとッ」
 当然びっくりした美琴が声を上げるが、
「へへ、頂きッ」
 と軽口を叩いて返す。
 わずかなタイムラグもさしたる抵抗も無く上条の右手に買い物袋が納まり、袋からはみ出てるセロリが揺れた。
 美琴曰く昼食の材料が入った白いビニールの買い物袋は利き腕で持っても重たかった。
(どれどれ、何買ったんだあいつ? 一応俺の口に入るらしいから確認しても文句を言われる筋合いは無いよな)
 自己完結し両手で袋を開いて中を見る上条。
 茹でてある剥き身の海老のパック。
 いくつかの野菜に豚肉のパック。
 それに2Lサイズのウーロン茶のペットボトル。
 グリンピースの小さな缶詰なんかもある。
 あとセロリ。
 
『「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日』
 今日は12月23日だけどそんな言葉が浮かんだ。
 
 買い物袋と右手に持ち直して上条は「重たかったろ?」と聞く。
「え、あ、いや、うん……その……ありがと」
 ハッと我に返って美琴は礼を言うと早足で上条に追いつき上条と美琴は横に並んだ。
「しかし今日は寒いなぁ、昼も過ぎたというのに吐く息も真っ白だぜ、ほら」
 ハァー、と息を吐くと白い軌跡が虚空に描かれた。
 隣で美琴も同じような事をしてる。
「……」
「……なによ」
「いや、御坂らしいなって思ってな」
「何言ってんの、ばか……」
 
 
「ねぇ……」
「ん?」
 5分ぐらい歩いた後、横の美琴から声を掛けられた。
 とりあえず適当に返事する上条。
 恥ずかしそうに彼女は言った。
「その、さ、て……手、繋いでもいい? 寒いから、その私が、うん、私が寒いから手貸しなさい!」
 フリーになった両手を顔の前で組んだり放したりしながら俯き加減でチラチラと上条の顔色を窺がう。
 少し瞳が潤んでいたり上目遣いだったりして普段の彼女とは雰囲気が違って見える。
 普段の彼女はどっちかといえばこっちの意見を聞かずに自分のペースに巻き込むような人間だ。
 大抵その犠牲者になるのは上条自身なのでそれは良くわかっている。
「なんで最後が命令形なのが良くわからないけど……好きにすればいいだろ。ほら」
 上条はそう言って空いた左手をポケットから出して美琴へ差し伸べた。
 上条なりのOKのサインだ。
 美琴の顔の温度が更に上昇し赤みを増す。
 熟れたリンゴですらここまで赤くはならない。
「じゃ、じゃあ好きにさせて貰うわよ、後でキャンセルは無し」
 早口で言い放ち両手で少年の手を握り締める美琴。
 美琴の手は冷たい外気のせいか少しひんやりしてて冷たかった。
「……変な奴」
 上条の照れ隠しの言葉なんて気にしない。
 少女はしがみつくように身を寄せて「さ、寒いから仕方無いのよ?、別に他意は(ごにょごにょ)」と言い訳をする。
 これだともはや手を握るというよりは腕を組むといった感じだ。
 
 隣の上条に気づかれないように美琴は口の中で小さく呟いた。

「(――時間よ、止まれ……なんちゃって、あー、もー何言ってんだろ私)」
「ん、なんか言ったか?御坂」
「なっ、なんでも無いわよ、空耳じゃ無い?」
                                               [12月23日―PM12:45]

475とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/03/21(水) 19:41:43 ID:EFX9Bamg
ふう投下完了。
今回は捕獲された上条と美琴のお話。
若干ツンデレが解除されております。
>>470
まあそうしょげずに、次で挽回してくださいよ。
まあインデックスが登場してる以上ストーリー的に主軸に置かれそうな気もしますが。
個人的にはインデックスがメインヒロインだと予想してみる。

夏にお汁粉の件>
有りじゃないですかね。
『空白少女』(ブランクガール)のオリキャラ越川の裏設定に

好物:雪見だいふく(冬でも食べる)
とかやっちゃてる俺が言ってもアレなんですが。
てかウチのSS喰ったり飲んだりしてばっかだな……。
いやマジで。
季節感を出すなら服装に軽く触れてみてはいかがでしょうか?
教室のシーンがあるなら下敷きで扇ぐシーンは必須でしょう(思い込み)
もしくは帰り道にアイスを買い食い。
プールなんかもいいかも知れません。
↑自分とこの舞台が基本的に秋とか冬ばかりなんで好き勝手言ってる人。

476■■■■:2007/03/21(水) 20:37:41 ID:lN43TtYg
>>475ちゃん
学校返りの買い食いは駄目なのですよ。貴方も放課後にすけすけ見る見るです。目隠しして十五回連続で勝たないとかえれません。

>>474
買い物袋と右手に
のところ誤字かな?多分「を」が「と」の代わりに入ると予想。
世界を縮めるイカス兄貴の件
それはラディカルでグッドな人か?
ストレイトでクーガーの事なのか?

477腐敗子:2007/03/21(水) 22:30:57 ID:TQ9.uSBk
空白さんお疲れ様です、そしてグッジョーーーーブ!!
まだニヤニヤが止まりません、美琴可愛いよ美琴
積極的なのかそうでないのか解らない美琴タンに萌えました。
続きが気になります!!と急かしてみる。

478■■■■:2007/03/21(水) 22:59:14 ID:LuCIIgqc
Oh、また世界を縮めてしまった……。
って言いつつ車ぶっ壊す人ですか、そうですか。

ともあれ、GJ。恋人同士っぽい二人が実にすばらしい。

479■■■■:2007/03/22(木) 01:19:29 ID:w2.jEvfg
>>腐敗子の人
慌てなさんな、またsage忘れているぜ。
誤字といえば時折句点が読点になってるのは打ち間違い?

>>空白の人
あぁ、インデックスがいないから部屋に来られても問題ないんだなぁと読み終わってから気付いた。いや問題あるがww
しかしここだけ読むと通い妻に見えるぜ!ラブラブだな!ライバル筆頭もいないし!
闇坂とかの禁書狙いの連中が関連するイベントは起きてないのかな?

ちょっと前に出てた禁書味ってのだけど、構成とかの面に明るくないので文体なんかを纏めてみた。
・地の文では基本的に日本人は名字、それ以外は名前。当麻視点だからと思われる。
 名字の重なる連中は名前。メインが名字でそれ以外名前ってパターンも有。
 ex)土御門/舞夏、美琴/御坂妹/美鈴
・地の文でも時折くだけた表現が用いられる。ex)〜のような→〜っぽい
・擬音語は単体で使わない。
 ex)バギン!!という破砕音で、上条は右手が何かを破壊(ころ)したことに気が付いた。
・霊装、能力名等の強調部は二重鉤括弧『』がつく。電話とかで会話が『』の場合は鉤括弧「」。
・オリキャラ有の場合は程よく妙な名前及び口調が要ると思われます。カタカナ名前の繋ぎは等号=。
・禁書っぽいルビ。ここらへんはセンス任せかなぁ…。参考になるかは不明ですが自分の脳内にあるものでも出しておきます……使い道無いし。
 身体強化(ボディブースト)、高速機動(ハイマニューバ)、飛行能力(リアウイング)、光束使い(シャイニングフィンガー)
以下は個人的に推奨。
・傍点は範囲を引用符“”で閉じて代用すると良いかも?
・ルビは振りにくいので括弧()で。
・沈黙や間は三点リーダ…で。中黒・の連続だと字数嵩むし隙間開くし。
・ダッシュ―は2つ以上重ねるべし。

こんなもんだろうか。当然なこともあるけどキニシナイ。

480■■■■:2007/03/22(木) 01:34:05 ID:16JeDnhs
んー、俺の場合は主に苗字かなぁ……名前で呼ばすのも構わないとは思うけど。
妙な名前と口調はキツイな……地味な名前・口調スキーです、ハイ。
どっちかっていうと性格とか行動で特徴を出したいタイプなので。

ん、例を上げてくれて感謝。
色々注意しつつオリキャラオンリー書いてきやすぜ。

481 ◆Oamxnad08k:2007/03/22(木) 05:33:39 ID:dw2MThn6
>>476 Σ(゚Д゚ υ)小萌先生落ち着け!!
スケミルファイトならいつでも受けてたつ!
いいだろう、お前の挑戦受けた!
『今宵 影絵の街で待つ 空白』
誤字>>
×買い物袋と右手に持ち直して上条は「重たかったろ?」と聞く。
○買い物袋を右手に持ち直して上条は「重たかったろ?」と聞く。

あと多分イカス兄貴は
文化的な行動が大好きだ。
お前には足りないものがある!!っていうのが口癖。
あと名前間違えたり萌。

>>478
ツンツン、デレデレ、空白少女の御坂は若干デレのラインに入りつつ、一線を越しておりません。

>>479

>部屋のこられても
問題? 問題あるに決まってるじゃないですか。
隅っこに固めたままの布団とか充電器とか……。
いろいろあるんですよ、本棚の内容は全部漫画だったり、冷蔵庫の紅しょうがとか
何より最大限にヤバイ奴が姿を潜めてるじゃないですか……(土げふげふ
それに禁書が居なくても浮気現場目撃!のような(げふげふ)

 『空白少女』(ブランクガール)版:御坂美琴
・早口言葉が得意
・ツンデレは既にデレの状態に移行しつつある
・電話番号は既にゲット。
・真冬なので防寒着着用、マフラー及びコート。
・いつでも絆創膏とメモ帳常備。
・随分距離が近いが告白さらたり告白したりという展開はまだ
時間軸 
『空白少女』(ブランクガール)

『影環鬼譚』(シャドウリンクリングス)こちらは和風ホラーっぽい(まて)
姫神主人公未発表

『告白儀式』(ハートトゥハート)

禁書っぽさ……Σ(゚Д゚ υ)
・オリキャラ有の場合は程よく妙な名前及び口調が要ると思われます。カタカナ名前の繋ぎは等号=。
>越川……メイ……名前出てない白風紀……源蔵さん
あれ?条件満たしてネェ!!
妙な口調のとこだけなら適度にクリアしてるが!
・禁書っぽいルビ。ここらへんはセンス任せかなぁ…。参考になるかは不明ですが自分の脳内にあるものでも出しておきます……使い道無いし。
 身体強化(ボディブースト)、高速機動(ハイマニューバ)、飛行能力(リアウイング)、光束使い(シャイニングフィンガー)
>ウチに出てるのは……
肉体強化(ブーストアップ) 冷却能力(フリーズユーザー) 大魔術『告白儀式』(ハートトゥハート)
ぐらいか? あとは二重存在(ドッペルゲンガー)とかあったりする。

禁書関連のイベントですな……そこが一番フレキシブルなのですが
風斬とか闇坂とかあと黄金練成の時ですね。
そこらへんはまた 

以下は個人的に推奨。

・傍点は範囲を引用符“”で閉じて代用すると良いかも?
・ルビは振りにくいので括弧()で。
・沈黙や間は三点リーダ…で。中黒・の連続だと字数嵩むし隙間開くし。
・ダッシュ―は2つ以上重ねるべし。

482■■■■:2007/03/22(木) 19:58:02 ID:fW3qusgs
>>477
まず落ち着いてくださいね。

>>478
最速なんだよな

>>479
禁書味わかりやすいなー
後はやたらと登場する単位がでかかったり
誰かが腹ぺこだったり
やたらと旗がたったりな。

>>480
オリキャラオンリーの続きを・・・と期待してみる。
>>481
何やってんすか七夜志貴

4831-169:2007/03/22(木) 22:27:53 ID:070zVWIQ
>>479
禁書味……
これまでに出たものの他に私が気にしているものと言えば、地の文でのキャラの呼称でしょうか。
灰姫だと「白シスター」「赤シスター」「監督少女」など。名前以外で特定人物を示す表現が多用されているのも禁書味だと思います。
しかし流石はツワモノぞろいのSSスレ。分析も適確だぜ。

ところですけみる。もしかしてひそかにブーム?

484479:2007/03/22(木) 22:59:23 ID:w2.jEvfg
読み直してたらもうちょい気付いたんで追加。
・人物の外見に関する描写は詳しい部類に入ると思う。尤も、魔術側に関しては服装に意味があるからだろうけど。
・所々に近未来アイテム有。魔術関連は元になる伝承があると禁書感up。
・各章のサブタイトルは英題付き。単語間の半角スペースは半角アンダーバー_で。巻ごとの統一性はあったりなかったり。
 ex)統一有:一巻及び三〜七巻 ex)第一章 黒の騎士団 Lelouch_of_the_Rebellion
本編を読んだ限りで気付いたのはこんなもんかな。あとは、
・ルビ部分は平仮名&片仮名のみにするとルビっぽいかも。SYSTEMとかの例外はあるけど。
・俺は最初からクライマックスだぜ!  訳)一文目が大事です。

>>480
名前はともかく口調は特徴付けるのに手っ取り早いですからねー。
文字という媒体でも「誰が話してるのか」がわかりやすくなるし。

>>空白の人
脚部限定ぇぇぇぇぇぇ!
いや越川さんは見慣れない名前なんでよいのではないでしょうかと言ってみる。

485■■■■:2007/03/22(木) 23:05:21 ID:fW3qusgs
>>484
ああアレか?
青髪ピアスとか?(違う)
髪型でよく表現されるのもあるな。
白井のツインテールとか禁書の銀髪シスター。
美琴はお嬢様とかビリビリといろいろ呼び名がある。
いっそ纏めてみるか?SSスレってよりSS議論スレのようだがな。
あと悪役にも信念があるってのも忘れちゃいけない。
で大抵トラブルの種は魔術サイドが持ち込むと。
死人がでないってのも禁書っぽいぞ
オリキャラ出すときに要注意なのが保有する能力。
一方さんに勝てるような能力者はいないはずなので。
灰姫の監督や空白のポニテは問題なさそうだなオッドアイと白風紀はどうだか知らんが。
あと透け見るブームかも。
授業中とかに書いたりしたら起こられるのですね。小萌先生見てたらなんだかハアハアしてきた。

486479:2007/03/22(木) 23:49:00 ID:w2.jEvfg
>>483
おふぅ、書いてる間にオイシイのを挙げているではありませんか。
同じ単語を使わないために様々な代名詞表現で表すのは、聞いた事ある手法ですな。
特に禁書では人物にワンポイントがあるし、この方法を使いやすいのかも。

>>485
あんまとりとめもなくなってもなと思って文体面に留めておいたけど、そういう作りも正に禁書味。
展開面ではあまり多く挙げると自由度が狭まる気がするがどうだろう。いや無視すりゃ良いんだろうけど。

んで、もういっちょ。
・各人物間の呼称や、特定人物の口調・呼称は結構注意点かも。
 特に一方通行やインデックスはWikiを参考にするヨロシ。

487■■■■:2007/03/22(木) 23:51:08 ID:pSVjgzv6
むしろ能力が判明してるサブキャラがほとんどいない件。
オリキャラだからって別に能力まで考えなくていいんじゃない?

……とか思ったけど、オリキャラだからこそ能力がないといかんのか。
オリはどうしてもメイン、準メインのキャラになってしまうし。
そもそも、ストーリーに絡ませないと出す意味ないし、能力ないと絡ませにくいしな……

488空白:2007/03/22(木) 23:53:35 ID:dw2MThn6
ありゃ、いつの間にか禁書風味を議論するスレになってるし。

禁書味>
禁書っぽい固有名詞がやはり肝だと思うのですよ。
禁書目録(インデックス)とか一方通行(アクセラレーター)とか超電磁砲(レールガン)とか
基本は四文字の漢字。
文字面から意味がわかるようなものが多い。
ex)例外として幻想殺し(イマジンブレイカー)や吸血殺し(ディープブラッド)のように送り仮名交じりのものも。
追跡殺しは異名なので含まれない。

あとは基本的に三人称進行。

>>484
越川って普通に変換ででてくるんすけど……めずらしいんですかねぇ?・・・
『茶髪ポニテ』『ポニテ娘』『機関車娘』
絵が無いのでビジュアル想像しにくいですが、オリキャラの宿命ですね。
白風紀に関してはfateのワカメ頭あたりのムカツクエセハンサムを少しキリリとさせてもらえばイメージどおりなのですが。
どうでもいいですね。


名前それにしても他の連中のあの変換の出にくさ。
思わず自作の禁書辞書とか作ったり。

489■■■■:2007/03/23(金) 00:10:34 ID:DLYTPg9s
>>487
青髪の能力がなんとなく想像できる程度、あと吹寄が飛び道具使わないでよく殴るから肉体強化系じゃね?って囁かれてりぐらい。

オリキャラの件だけど
灰姫の監督は能力判明してるし空白のポニテ、オッドアイ、白風紀はそれぞれ伏線っぽい文がでてるな。
本気で一部だけど
これは想像しろということか?
生徒会のはそもそもキャラ説明があったし。
初登場時にどれだけキャラが立てられるか作者の腕次第。

オリジナルアイテムもあるな適度に胡散臭いやつ。
サーシャの釘銃とか越川の誘導灯とか(あれもか)


展開はそこまで気にしなくてもいいと思う。
展開が読めないのが楽しいのさ。

490■■■■:2007/03/23(金) 00:12:43 ID:geV/AU6U
んー、でもちと反論するような事なんだが……。
書き方を禁書風味に近づけ過ぎるとその作者の個性がほぼ消えると思うんだが。

書き方を固めてる人とか来るとかなり厳しくないか?
いや、呼び名とかそういうのは全然どんな書き方でも適応出来るから良いんだ。
四文字漢字の能力名やその中身を考えるのは二次創作を書く上で当たり前だろうし。

まぁ、最終的に言いたい事は、
「禁書風味じゃないから禁書じゃなくても良いじゃん」
とか言われて騒がれるかもしれんというのが一番怖いんだな。
某所は似た様な事で潰れたし。

491■■■■:2007/03/23(金) 01:05:30 ID:d1BQgeyE
む、「文章をこんな感じにすると手っ取り早く禁書っぽいヨ」という趣旨のレスだったんだが変な流れにしてしまった。すまん。

>>空白の人
いや、自分は聞き慣れない名字だったし前にそう言ってた人がいたんで珍しいのかと思った次第。
因みに漢字四字なのは能力や霊装ですな。幻想殺しは正体不明なので除外、吸血殺しも同類?

>>490
何処まで禁書風味にするかは作者諸氏の裁量かと。ぶっちゃけ別に禁書風味だから面白い訳でもないし、逆もまた然り。
ただ小説という媒体である以上、特徴が最も出るのは文体とか展開とかキャラ造形な訳で。
だから禁書っぽい文体で書きたい人がいたら使ってくれればいいと思って、文体面を中心に禁書風味を挙げてみたのさ。

あとチラ裏だが、禁書である必要性は「作者氏が禁書を選んだから」で納得するべき事だと思う俺。

492sage:2007/03/23(金) 02:03:52 ID:5OJyp4HU
>>490]

書き方を禁書風味にしても、書き手の個性は消えないと思うぜよ。

料理で言えば「盛り付け」を固定するくらいのもの。

「素材の選択」や「調理法」しだいでいくらでも個性は出てくる。

「素材の選択」は登場させるキャラの選択や重視するキャラの個性に、

「調理法」は話の展開(バトルだったりラブだったりコメディだったり)、

そういうのに相当すると思いねえ。

493■■■■:2007/03/23(金) 07:04:25 ID:Is5UPsvs
誰か、ss投下してくれ。
続きが読みたい人がいるからー。

494DEEP BLOOD ◆RNmrPLr4ZY:2007/03/23(金) 12:45:59 ID:46IroCgc
>>461 空白の人
ねっておいしいねるねるねーるね
ってそーではくて、GJ!自分のSSよりクオリティ高いしorz
片手間にそんなのがかけるなんてすごいですねえ・・・・・・

そして>>472-474のSS投下GJです
デレ御坂かわいいよデレ御坂
自分はシリアス中心のSSですのでこのようなほのぼのしたのは見てて和みます


>>463
ふむ、あなたでしたか 待たせてしまって申し訳ないm(_ _)m
とりあえずまずは第一章のサブタイトルが『それぞれの出会い』なので
バトルシーンはまだまだ先ですが気長にお待ちいただけたら幸いです。


>>464 腐敗子の方
初めましてかな?
とりあえずSS投下お疲れ様です
自分は今は就職活動をしつつ、地道に細々とSSを書いて
行き詰ったらメルブラのネット対戦をやるという感じですのでいろいろ忙しいんですよ
しかしメルブラやってるとあーゆーシーンも入れたいこーゆー展開も面白そうだとゆー雑念が増えていく
人間腹八分目が一番です(色々と)


>>493
あなたが待ち望んでいるものとは思えませんが
前に予告した「とある○○な吹寄制理」(題名ちょい変更)でよければ投下しますよー




禁書味に関しては自分から新しく言えることはありませんね
他の人がほとんど言い尽くしてるので

それに自分は感覚的に文を読むので、こんなに詳しく分析したことありませんよorz
SSも禁書風にするならこんな感じかなー、と雰囲気だけ似せて書いてるので・・・・・・
SS書き失格ですね

495■■■■:2007/03/23(金) 15:29:15 ID:DLYTPg9s
キャラで難易度が高いと感じるのはダントツでローラだな。次にアウレオルスか?
一方さんがその後でサーシャが続く。

結標さんや打ち止め
アンジェレネ、ルチア、火野タン、風斬、木原、姫神は個人的に扱い難いキャラだと思う。

白黒や美琴、ミサカ妹、土御門、青髪、吹寄は意外とすんなり動く気がするよ。
上条?原作の時点で多彩な口調だからキニシナイ

496■■■■:2007/03/23(金) 15:42:42 ID:DLYTPg9s
>>494
いいんじゃないかな投下しちゃいなよ。

497■■■■:2007/03/23(金) 15:42:50 ID:DLYTPg9s
>>494
いいんじゃないかな投下しちゃいなよ。

498■■■■:2007/03/23(金) 18:42:33 ID:VYI1XyeI
>>495 ローラ書きにくいな、確かに。
アウレオルスも確かに……でもアイツ出てくるSSほとんど無い。
某所にあるアウ×デックス物ぐらいか。
一方さんはともかく……
サーシャ……いい感じに書いてる人もいるからなぁ。
一概にそうとも言えん。

扱いにくいキャラクターに関しては
結標、打ち止め共に勝手に大暴れしてくれそうな印象なんだが、駄目?
あと火野出てくるのか!? 出ちゃうのか?
木原はあれだし新刊待ちですしみんな。
木原神拳をなんとかしないと使えねぇって。
姫神は能力の関係上戦闘には向かないけど、ほのぼのラブコメや学園イベント系では存分に働いてくれるぞ。

499■■■■:2007/03/23(金) 20:18:30 ID:ZGIOc6fY
火野タンってお前wwwwwwwwwwwwwwwwwww

姫神は吸血鬼戦ではまさに一騎当千だがなぁ……。

500■■■■:2007/03/23(金) 20:28:46 ID:TTsYxLCo
だからこそ扱いづらい
吸えば死ぬってだけじゃなく、吸わずにはいられないってついてるのも更に扱いづらくしてるし

501■■■■:2007/03/23(金) 21:08:07 ID:VYI1XyeI
能力判明してる癖に詳細は不明な点が多いからな。>姫神
巫女服って設定あったのに……。折角(ry

忘れてるようだが火野タンがOKなら4巻のメンバーとか(ry
上条夫妻と御坂美鈴も登場させるには結構時期を選ぶぞ。
それこそ学園外かもしくは大規模イベント時にしか。
いや蚊帳の外の話として書けば出来るけど。
もしくは電話。

一方さんの喋りルールは確か小さい母音と「ん」がカタカナだったか。
んで乱暴な言葉を好む。
演算補助デバイスを能力仕様モードにすれば無敵一方。
強いけど制限時間有り。
リハビリすれば杖は不要になるかどうかは不明。
『空白』の一方さんは杖持ってる描写は無い。
登場時期にも寄るかと思う。
俺はリハビリすれば杖はそのうち不要になる説を押したい。

サーシャはその、なんだ、書いたこと無いからわかんないや……。
『問』がいつリセットされるかもわからんし。
『灰姫』のサーシャを参照って感じ。

502■■■■:2007/03/23(金) 22:49:24 ID:DLYTPg9s
>>493
えらく漠然とした要望だな。
続きということはいま投下されてる作品群かな?

具体的にはどれだよ

俺も灰姫と空白と生徒会と吸血と社会科見学と気になる
特に前二個。

あの後どうなるだよ!!
サーシャどうなるんだよ
禁書活躍しろよ。
青ピ大好き。
それと監督のイメージが俺の中で「お節介で活発な花の飾ってない花瓶(初春)」

あと御坂が上条の部屋にお邪魔しちゃうのか!?
ストロベリーな展開なのか!?
結標×一方の方も気になる、予告の台詞そのまま来てるから、そろそろハイジ来そうな予感。
だけど空白の人は予想の斜め上行ってるからな、いまの所。いい意味でだが

あの作品に盛り込まれたネタを全て解読できない俺はきっと負け組。

追伸
美琴はともかく結標とくっつきそうな一方さんのせいでフリーになりそうな打ち止めは俺の嫁。
誰にも渡さん。

え〜とあとあとあと。
あれどうなったんだとある風紀と聖杯。
めっきり見かけませんが続き希望。

長文スマソ

503■■■■:2007/03/23(金) 23:01:37 ID:OQ6B0L2g
>>502
『続きに期待』には同意しますけど俺嫁発言は本スレで頼むと言うかドサクサに紛れて何誘拐してやがりますかその幻想をブチ殺す!!

504■■■■:2007/03/23(金) 23:13:38 ID:VYI1XyeI
>>503 ぎゃあああ、だってこんなに萌なのに、萌なのに……打ち止め見てるとハァハァせぇへん?カミやん。

道なき道も突き進めば道となるのだ!と訳わからんこと言って逃げてみる。
……。
だってさ、打ち止めがフリーになるような作品珍しいしさ、絶好のチャンスなんだよ。
禁書も御坂にポジション奪われそうだし。
なら代わりに禁書と小萌先生を……。

505■■■■:2007/03/23(金) 23:33:09 ID:I/Ru5E8.
おちつけ、発言は最早変態

506■■■■:2007/03/24(土) 02:19:38 ID:I55czVQQ
>>502
幼体型にときめくのはわかったから。
とりあえず汁粉でも飲んで落ち着け。

507■■■■:2007/03/24(土) 05:02:40 ID:rybkA8w2
なんで汁粉……。

508■■■■:2007/03/24(土) 05:25:27 ID:hsmPs8ZI
何が言いたいかはわかった。
つまり可愛い幼体型ヒロインをもっと活躍させてほしいって事だな。

でも忘れてるかも知れないがサーシャも幼体型。
現在灰姫で活躍中。
小萌先生は空白の人が前にヒロインにしてたじゃ舞夏。

打ち止めもそのあのニンジン戦争しとけ。

禁書は連載作品だとあまり出番が無いな、正ヒロインなんだから原作に期待だ。

509■■■■:2007/03/24(土) 18:48:11 ID:rybkA8w2
いつの間にか500越えたか……。
>>494 投下希望でアリマス。

510■■■■:2007/03/24(土) 21:52:13 ID:oQcBRd5w
何?この流れは小説載せないみたいになってんの?

511■■■■:2007/03/24(土) 22:02:34 ID:eeleK0g6
いやー、というか禁書味ってのが良くわからなくなってきてなぁ。
二次創作書いてる途中でもム?これは違うかな?と思えてきて困る。

( ゚Д゚)<ヘタレで悪いか!?

512■■■■:2007/03/24(土) 22:06:35 ID:rybkA8w2
>>510 いや俺はちょっとばかし書き溜めてるだけだが……。
オリキャラのプロフィール作ってたら楽しくなっちまって。

( ゚Д゚)<ヘタレで悪いか!?

513■■■■:2007/03/24(土) 22:15:46 ID:oQcBRd5w
( ゚Д゚)<おまいら大好き

514■■■■:2007/03/24(土) 22:23:38 ID:hsmPs8ZI
んでもって俺は禁書を一巻から読み直し中。
載せないわけではないでしょ
21日水曜日の空白少女から3日ほど投下に間が空いただけの事。
きっと推敲期間なんだろうよ。
灰姫の人も忙しいみたいだし仕方無かろう?それに>>494は投下してもいい、と仰ってる。


>>512
みたいにある程度書いて推敲するのはいいと思うよ。
オリキャラのプロフとか細かい設定あるとリアリティでるしな。

515■■■■:2007/03/24(土) 22:48:10 ID:DmSWJN9k
もともとそんなに投下されるわけでも無し。
というか推敲も禄にせずに大量投下されるよりは自分が納得できるモノを書いて欲しいと思う。

516腐敗子:2007/03/24(土) 23:33:32 ID:oQcBRd5w
すいません、
明日から合宿やら大会やらでしばらく居無いので小説を投下したいなぁ〜
とか思ってたんですが、禁書味というので非常に投下し辛い
まだまだ若輩者の素人なので、禁書味というので勉強していたのですが
読めば読む程、自分との差に鬱気分
誰かが投下している際に便乗とか考えている私は臆病でしょうか
というより
( ゚Д゚)<ヘタレでスマソン

517■■■■:2007/03/24(土) 23:41:29 ID:rybkA8w2
>>516 禁書味はあくまでも禁書風味に書きたい人向けだから。
そこまで気にしないでもいいと思うよ。
結局のところ原作者にはなれないわけだし。
雰囲気を手っ取り早く出す手法としてこういうのはどうだ?と話題に出てただけだから
自分の書き方があるなら貫いてOKだと思う。
一人称とか出来なくなるし。

投下したいならやはり投下するべきでは無いだろうか?
その為に書いたんでしょうし。
ただ誰かが投下した際に便乗は間を空ける暗黙のルール的なものがあるのでやはり避けたほうがいいですね。
ドンと投下してしまえ。

518腐敗子:2007/03/25(日) 05:23:37 ID:RTSJ5LmY
投下する気満々だったのに、SSのデータが綺麗さっぱり・・・・
チキショォォォォォ!!誤字とかちゃんと見たのに、結局こんなんなのかよ!!
えー・・・517さん、ありがとうございます、帰ってきたら即効で作って即効で投稿したいです。

519■■■■:2007/03/25(日) 05:30:55 ID:jbIiYr1Y
そして俺は寝かせて推敲中。
あー、その、なんだ。 
続き待っててくれる人には
まったりと待っててくださいとしか言いようが無いな。

520494 ◆RNmrPLr4ZY:2007/03/25(日) 11:10:54 ID:EQfFbeR.
とりあえず腐敗子の方が投下するようなので、自分のSSはもう少したってからにしますね

そーいえば雑談スレにSSスレのことが書いてありました
で、シエルが土御門&上条ペアより弱いのが納得いかないという方が居たので言い訳しますと
メルブラのストーリーモードにおいて、シエルは志貴&秋葉&シオンペア相手に手加減して戦っていました
そして志貴も本気を出せばやられるのはこちらだ、と言ってます
それも含め、いくら戦闘のプロである土御門でも身体能力は人間の域を超えないので(上条は例外)
吸血鬼と戦い続けるシエルより弱いと判断しました

まあ、あとは主人公補正とかもありますから、戦闘結果はどうなるかわかりません

あと一部のキャラに関してはパワーバランス崩れたりもしますが大目に見てください

521■■■■:2007/03/25(日) 12:04:39 ID:8B/3Rv2U
雑談スレで言及されてた批判の無さは気になってたな。
まぁ理由を付けて言っても凹むものは凹むんで程よくアドバイスすれば良いんではないかと。

>>520
その手のことは作品内でさりげなく説明を加えると良いかと。
作品の外であんまり語るのは作品内で語れていないと言っているに等しいからな。
妄想パラメータみたいにどうしても書き様がなかったりするなら別だけど、今回の件はできなくはないし。

実際のところ、確かに土御門は格闘能力は非常に高いし魔術に対する知識も一級品。が、その魔術は攻撃には使えないに等しいので遠距離攻撃に徹されれば上条共々手も足も出ない。
埋葬機関は化け物揃いだしほぼ普通の人間二人では相手にもならない、みたいな説明にするとか?
あと、戦闘においては打たれ強さと見切り以外に上条の主人公補正がかからないようにするのも重要かと。

522■■■■:2007/03/25(日) 12:22:57 ID:NqNG/5HE
>>520
「マジンガーZ対デビルマン」を見たことはないかな?
あの作品では、

「マジンガーZとデビルマンはどちらが強いか」

ってことに答えを出さないんだ。
何故かって、どっちが勝ってももう片方のファンが納得しないから。
そこら辺を少し考えて欲しい。

あと、東映まんが祭りの「〜〜対〜〜」系は見ておいて損は無いぜ?
クロスオーバー物のお手本と言うべきシリーズだからな。

523■■■■:2007/03/25(日) 12:32:00 ID:jbIiYr1Y
シエルは一応防御に徹すればサーヴァントとも一応戦いのような形にはなる程度の強さをもつキャラクターです。
不死身では無くなってるでしょうが魔術も魔力も一級品。
土御門がいくら強いといっても姫神というハンディがついた状態です。
黒鍵は上条当麻が右手で触れば消えるんでしょうがあの人は数打ちますから上条に対処できるとも思えん。

最後に一つ。
ペアは二人組みの事だ。
志貴&秋葉&シオンはトリオだと思うぞ。
そもそも禁書の登場キャラクターで超人的な強さを誇るは
一方通行や神裂、神の力などで他は鍛えた一般人〜達人程度だと思うぞ。

吸血鬼などという枠外の連中はどうしたものかな。

あとあと雑談スレだがあそこは基本的に愚痴を言うスレだ。

524■■■■:2007/03/25(日) 13:44:28 ID:WDPw5VhQ
というか、基本的に吸血鬼とか月型系統は基本性能が高過ぎて扱いにくいからなぁ。
……超人だらけで組み合わせに困るぜ?
唯一戦えそうなのは神裂か本気一方通行くらいか。
ただ一方通行だと概念がなんとやら〜で高位存在の奴らには手出しが出来そうにないが。

いまんところ最高なのは、戦わせない事かね……。
戦わせると、長い準備期間でもない限り、まず禁書世界のメンバーじゃ勝てないそうだし。

かといってパラメーターを合わせるために弱体化させると誰テメェになるしなぁ。

525■■■■:2007/03/25(日) 14:07:04 ID:wN3Tf7qM
空白の人みたいにギャグで処理すれば可能そうだが。

タタリネタいろいろと弄りやすそうだな。
もっとやって欲しいが空白本編もあるしな、無理は言わないでおくか。

526■■■■:2007/03/26(月) 12:46:38 ID:JjuZ3vw2
やっぱアレだな。
ヒロインが禁書や美琴以外の作品ってのは受けが悪いのだな?

個人的に結標さんとかオリアナさんとか悪役シリーズ大好きなんだ、誰か書かないものかな。
とか妄想してたら猫耳アンジェレネの大冒険とか変な物語が脳内に・・・。

527■■■■:2007/03/26(月) 13:24:45 ID:JjuZ3vw2
型月>>

これのクロスオーバーやるときはキャラ絞った方がいいな。面白そうな組み合わせでアルクVS風斬なんての想像しちまった。

あと姫神の台詞だがあまり長すぎないほうがいいぜい、口数少ないキャラだから。
セリフの掛け合いはテンポの良さが命。
禁書味に関してだがそこまで気にする事も無いと思うぞ。
独自のテンポがあればそれで。
だが先の展開や作者しか知らないメタ情報はやはり作中で語って欲しいと思う。
人物紹介にしてもそうだ。

好物がどうのとかオッドアイの色がどっちが茶色とかぐらいなら別に構わないよ。
キャラのモデルもある程度はいいと思う。何せオリキャラは絵が無いからな。
(おかげで俺が白風紀に抱くイメージはやたらとヘタレっぽくなってしまった、脳内音声もあの人になったし)

話は変わるが
俺の中では
灰姫の言祝栞が月姫の瀬尾晶で
空白の越川がアニメ版ひぐらしの魅音なんですが・・・茶髪版。
サーシャや結標に抱くイメージまで大分変わってしまったし、どうしてくれる?(いい意味で)

528■■■■:2007/03/26(月) 13:51:51 ID:XZjE87aQ
>>526
少なくとも自分は、ヒロインで排斥とかはしないんだよ。
でも好みの差は有るかも。
 
それより>>526、おなかすいた。
その手に持ってるネコミミ話をくれたらものすごく嬉しいかも。
 
 
 
>>527
月姫(及びメルブラ系)は型月でもインフレの酷い方だから、取り扱いは特に注意した方がいいんだよ。
キャラを絞るのには賛成。型月キャラ内でも作品をまたぐだけで微妙にギクシャクする例もあるから、他作品だと余計にキツイと思う。

529■■■■:2007/03/26(月) 17:32:19 ID:FU5RBzws
型月に限らず、禁書クロスは厳密に考えて書く場合はキャラ絞らない方が難しいんじゃないか?
クロスするからにはメイン並の位置にいるわけで、キャラ絞らないなら二人か三人はいるはず。
学園都市外でちょこっと出てくるならともかく、中に何人も入れるのはそれなりの理由が必要になるだろう。祭とか。
外オンリーで話を作るなら世界観上逆に禁書がクロス先になるしな。それはそれで面白いかもしれないが。

外見の

530529:2007/03/26(月) 17:53:36 ID:FU5RBzws
間違えたの消し忘れたorz

531■■■■:2007/03/26(月) 19:22:32 ID:JjuZ3vw2
>>528
貴方にこの猫耳アンジェレネを託そう・・・

532528:2007/03/26(月) 21:59:17 ID:XZjE87aQ
>>531
ええ?!
文章作成(りょうり)なんて出来ないのに! ネタ(そざい)だけ渡されても食べられないんだよ?!
誰かちゃんと作って欲しいかも!

5339-89 ◆Oamxnad08k:2007/03/26(月) 22:15:11 ID:.ZpEWOyc
ふむ……ではここは俺が……(まて、それより本編やれ)
ただ、猫耳がアンジェレネだけで終わるとも限らんがな、俺に渡すと。
猫姫神とか猫吹寄とか猫神裂とか猫アニェとか猫御門舞夏とか
まぁ冗談ですが。

>>532
試しに書いてみればいいじゃ無いですか。
おいしいネタだと思いますよ。

534■■■■:2007/03/26(月) 22:25:52 ID:JjuZ3vw2
>>532
大丈夫です。先生は貴方の事を信じてるんですよ〜、やればできるんです。
ガッツリラップごとガブリと

535■■■■:2007/03/27(火) 10:48:25 ID:OHuDILu6
猫御門・・・兄妹揃ってにゃ〜にゃ〜か。

536『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/03/28(水) 07:13:17 ID:2ajqKjUc
[12]blank girl02―幕間 洗脳能力(マリオネッテ)と 操り人形(マリオネット)
 
 様々な研究施設が立ち並ぶ実験区画。外と30年は差があるといわれる程の超技術を作り出す一端を担っている学園都市の屋台骨。
 その性格上普段から出入りする人間は限られている。通常は研究者か警邏で回ってくる警備員(アンチスキル)の二通り。
 例外として実験に協力する能力者の出入りが無いことも無いがそれなら協力する研究機関から発行された偽造不可能なIDパスを
首からぶら下げたりして掲示する必要がある。
 だが30半ば過ぎ、やや恰幅のいい警備員(アンチスキル)の目の前を堂々と通り過ぎる二人を見る限りIDパスの類は見受けられない。
 180センチ前半、黒い髪を額の真ん中で半分に分け、白い学生服を着た少年。
 そのやや後ろに続くのは燃えるような赤い髪をしたショートカットの少女。
 しかも少女の着ている赤いブレザータイプの制服は中年の警備員(アンチスキル)が平時に勤めている中学校の物だ。
 流石に生徒全ての顔と名前を把握しているわけでも無いがそれでも自分の学校の生徒だというのならなおさら放って置けない。
 中年の警備員(アンチスキル)は二人に声をかけた。
「君達、ここは学生の立ち入りは禁止されている。実験の協力者だと言うのなら協力機関から発行されるIDパスを見せてもらえるか?」
 そこで中年の警備員(アンチスキル)は白い学生服の少年の左腕にある緑色の腕章に気づき、更に続けた。
「風紀委員(ジャッジメント)か?たとえ風紀委員(ジャッジメント)でも緊急時以外はこの区画に立ち入る事は出来ない」
 中年の警備員(アンチスキル)はIDを見せろ、と右手を彼らに向けてその行く手を阻む。
 ただ白い学生服の少年は中年の警備員(アンチスキル)よりも背が高いので下から見上げる形になってしまう。
「――」
 少年が小さく何か呟いたが声が小さくてよく聞こえなかった。中年の警備員(アンチスキル)は後ろの少女へと視線を動かし、
「それに後ろの子は風紀委員(ジャッジメント)では無いだろう?」
 と、白い学生服の少年に質問する。背の高い少年の後ろに控えた少女は無言で立ち尽くしていた。
 少年は面倒くさそうに左手をポケットから抜き放ち中年の警備員(アンチスキル)へと向け
「――邪魔だ」
 と短く言い放った。
 
 ぱちぱちと何かが弾ける様な小さな音がした後に中年の警備員(アンチスキル)が体を痙攣させて膝から崩れ落ちドサリと地面に倒れた。
 口元から涎を垂らし白目を剥いて気絶する警備員(アンチスキル)を一瞥し、
「少し強かったか……中年にはもう少し出力を落とす必要があるな」
 と呟いて、彼――襟草励磁(えりくさ れいじ)は倒れた警備員(アンチスキル)の脇腹を蹴っ飛ばして仰向けにさせ、微かに
上下する胸を確認した。
「死んでないからまぁいい。それにしても風紀委員(ジャッジメント) の腕章をつけているだけで随分と楽に動けるものだ。
流石にどこでも、というわけではないがな」
 白い学制服の左腕につけられた腕章を撫でて襟草は自嘲気味に言葉を紡ぎ嘆息する。本来の持ち主であるオッドアイの少女から奪った物
だが白い学生服の左腕に取り付けられた緑の腕章は思いのほか役に立った。
 学園都市中を歩き回らなければならない襟草にとって風紀委員(ジャッジメント) という隠れ蓑は最適だった。
 少々怪しい場所をうろついていても咎められないし、万が一咎められても襟草の足元に寝転がるこの警備員(アンチスキル)のように
勝手に油断しこちらの射程内まで入って来てくれるのだ。あとは死なない程度に加減して相手の脳に能力を叩き込めばいい。
 使えそうなら駒(ユニット)として洗脳してもいい。とにかく先手さえ打てれば彼の能力で大体片がつく。
「君の出番はまだ無いみたいだ。まぁ”虚数学区”を探ってる以上そのうち直属部隊とやらがお出ましになるだろう」
 襟草は傍らに立つ少女へと話しかけた。返事は無い。ただ虚ろな視線が虚空を見つめるだけだ。
 操り人形――そんな言葉がぴったりくる少女は感情の類を一切表さないでいた。
「『幻想殺し』(イマジンブレイカー)の方は自動暗示(オート)でなんとかなるだろ。さぁ、次に行こうか」
 襟草は左手をポケットに突っ込んだまま足早にその場を去ったが彼に返事を返す相手は誰も居なかった。
                                                 [12月23日―PM13:00]

537『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/03/28(水) 07:16:06 ID:2ajqKjUc
投下完了。それではまた次回。

538■■■■:2007/03/28(水) 09:09:56 ID:J1Z7ElVo
>空白の人
がんがれー、続きまっとるよー

ところで。前幕であの分量として、全何幕くらいのご予定で?

539空白:2007/03/28(水) 09:20:17 ID:2ajqKjUc
3幕構成ですね。
>>538
朝〜昼の一幕
昼〜夕方の二幕
夕方〜深夜の三幕
の予定になっております。
あとオリキャラの外見に関してはまぁ文章から読み取れる分から想像してもらえるのであれば
誰々に似てると思うとかで結構です。
途中で投げ出さないようにがんばりますね。

540■■■■:2007/03/28(水) 09:42:13 ID:HYlNlu8M
白風紀動き出しやがった。
何気にシリアス。
怪しい能力でてきたし。

541■■■■:2007/03/28(水) 19:00:45 ID:4Qr1uOEQ
>空白の人
続きを待っていますよー。その構成からするとここは承あたりか。
地の文は句点をもう少し入れた方が読みやすいかな。特に説明っぽい部分は。
一行目の説明は「〜担っている、学園都市の屋台骨。」にするとか。

5421-169:2007/03/29(木) 00:25:41 ID:iVdo41/s
 マトリョーシカ、というおもちゃがある。
 大きな人形の中を開くと一回り小さな人形が入っていて、それを開くとまた……というものだ。
『悪魔』の頭は、そのマトリョーシカの一番外側の人形だけを持ってきたかのように“何も入っていなかった”。
 まともな中身が詰まっていることを期待していたわけではなかったけれど、あまりに現実とは認めにくい光景に、サーシャは呆然としてしまう。
「……ふふ」
 半分だけ残った右目と、半分だけ残った唇で、『悪魔』は笑みを作った。
「あまり……怖がっている、感じじゃないですね。こういうの、慣れてるの……?」
 ゆっくりと顔面に開いた穴が塞がっていくのを見つめながら、サーシャはふらふらとうなづいていた。戦う相手の言葉に反応するなど、ゴーストバスターとしては落第だ。
『悪魔』はもう一歩サーシャに近づき、
「でも、普通の人には……怖いんだろうね。こんな――化け物みたいな体は。怯えて、避けて、それが当然だと思う。…………でも、居たの」
 歪な顔の、歪な笑み。
 人とは思えぬその有様に、サーシャは不覚にも、
「私を、友達だと言ってくれる人達が」
“彼女”を、綺麗だと思った。
 触れれば解ける儚さを、愛おしいと感じてしまった。
「だから……ね? 貴女も大丈夫だよ」
「……わ、私は」
「私と違って、貴女はあの子の傍に居られてるじゃない。それに他にもたくさんの人達が貴女のことを想ってくれている。だから、少なくとも私よりは大丈夫。想うことに……想われることに、怯えないで。そういうのは……えっと」
 しばらく言葉を選ぶように間を置くと、彼女は腰をかがめてサーシャに視線の高さを合わせた。
「もったいない……よ?」
 雪解け水が大地に染み入るように、その言葉はサーシャの中に入ってきた。
 怯えないで、と。
 何もかも分かっていると言う様に。何もかも分かっているでしょうと言う様に。
 彼女が、つ、と背後を向いた。変わった事はない様にサーシャには思えたが、
「もうすぐ……あの人が来る」
「……、」
 誰のことを指して言っているのか、即座に分かった。
 おそらくインデックスがこの場所を教えたのだろう。幾度となく話し合って決めた場所だ。サーシャがここにいると予想できないはずがない。
 けど、
「どうすれば……いいの?」
 すがるような問いかけが唇からこぼれた。
 しかしその時にはもう、“体育館の屋上”にはサーシャと気絶したままの言祝以外に“人間”の姿はなかった。

5431-169:2007/03/29(木) 00:26:56 ID:iVdo41/s
 ダッシュダッシュさらにダッシュ。
 上条当麻はまだ走っていた。
 長時間の、それも混雑した中での全力疾走に、息は上がりまくっている。だがさっきまでとは違い、今ははっきりとした目的地があった。
 側頭部に押し当てた携帯電話から白シスターの声が聞こえる。
『空想(イメージ)を現実に持ってくる魔術ってあるよね? あるの。三沢塾で錬金術師が使った黄金練成(アルス=マグナ)はその究極。で、私とサーシャで体育館に仕掛けようとしていた魔術はそれの応用版。“空想に沿う物を現実の中から選出する”術式なんだよ。数百人の観客が一斉に硝子の靴に注目した瞬間に発動させて、学園都市全域から「灰姫症候(シンデレラシンドローム)」を洗い出す計画だったんだよ』
「おいおい! 演劇を観に来る客には学生もいるんだぞ? それこそ三沢塾みたいなことになるんじゃないのか!?」
『そこらへんは大丈夫。観客の人達の空想を大気中のマナに一度転写して、そっちを使う手はずだから。魔術を使わせるんじゃなく、かけるだけだから超能力者でも問題ないよ』
「そうか? 本当にそうか? ……ん? 待てよ。その魔術、仕掛けるのはいいけどどうやって起動させるつもりだったんだ? お前と俺は魔術使えないし、サーシャに至っては舞台上だぞ」
『他に学園都市に潜入してるっていう人にお願いするつもりだったんだけど……指揮系統が違うのか全然連絡つかなくて。もし前日までに捕まらなかったら、イギリス清教かロシア成教から暇な人を適当に派遣してもらうって話になってたの』
「えらく行き当たりばったりだな……ともかく、その魔術の設置予定場所だったのが体育館の屋上なんだな?」
『そう。空想の収集、起動のタイミング合わせ、あと部外者が立ち入りにくいとか、色々条件を考えて決めたの。だからサーシャが何かしらの魔術を行使しようとしているなら、あそこが一番都合がいいはずだよ』
 それだけ聞ければ十分だ。どうせ他にあては無いのだから、全額そこに賭けるしかない。
 私は私に出来る事をやるから、というインデックスの言葉にうなづきを返して、通話を終える。
「にしても……ええい! すみませんそこ通してください! 通して!」
 人波を縫って走るのはかなり体力と集中力を消耗する。しかしそれ以上の現実問題として、
(体育館に着いたとして……屋上までどうやって登る!? 垂直飛びで届く高さじゃない。舞台袖の梯子は大道具や器材で埋まっちまってるだろうし、壁をよじ登るのは時間がかかり過ぎる!)
 初めからそういう場所を選んでいるのだから仕方ないと言えば仕方ないが、いざ追う立場になると面倒この上なかった。
 ちんたらしている時間も惜しいが考えてる時間も惜しい。目的地に近づけば近づくほど思考に回す余裕が消えていく。
 やがて組み立て中の神輿の向こうに、体育館の青い屋根が見えた。
 気のせいか、赤い制服も覗いたような気もする。あれ、どっちかっつーと青かったような……?
 近くに立てかける梯子でもあればと思い周囲を見回すが、生憎どれも使用中だった。
「くそっ! なんかないか、なんか!」
 体育館に着くまでに屋上に登る方法を見つけられなければ、もう間に合わない予感がする。
 ここまで散々遠回りしてしまったのだ。これ以上のロスは確実にまずい。
 しかし近くには梯子はおろか踏み台に使えそうな物すらもなく――

「おーいかみやーん! 皆の土御門さんが帰ってきたぜよー!」

 その時、走る上条の真正面から能天気な謎口調が飛んできた。
“まるでたまたま通りがかったかのような”気楽さで、クラスの三馬鹿(デルタフォース)最後の一人、土御門元春が体育館玄関前に立っている。
「てめえ土御門! こんな時にお前どこに――」
 上条は怒声を上げようとして、思いとどまる。
 そうだ。もうこれしかない。
 上条は疾走のスピードを上げながら、
「土御門! 疑問を持つな! 何も言わず俺に合わせろ! 『空』!」
 駆ける勢いに乗って、謎の言葉が飛ぶ。
 上条の言葉の意味を理解したのか、土御門のサングラスがきらりと光った。
 遅れてやってきた金髪チェーンは素早くその場で倒立すると、両肘と両膝を曲げて全身のバネを溜める。
 そして叫ぶ。
「『愛』!」
 聞こえたと同時に上条はジャンプ。土御門が空へと向けた足の裏に乗っかるように。
 出来上がるのは大空へ羽ばたく準備だ。
 これぞ伝家の宝刀(マンガでよんだだけ)!
「「『台風』!!」」
 一気に体を伸ばした土御門を発射台にして、上条はさらに高く高く飛び上がる!
 目指すは――

5441-169:2007/03/29(木) 00:28:07 ID:iVdo41/s
 砲弾じみた勢いで屋上に現れた少年を、サーシャは立ち尽くしたまま見上げていた。
 口だけが無意識に呪文の続きを唱えている。
「九つ。今宵彼が来て……」
 ザザザザッ! という激しい音を立て、少年が着地する。
 肩で息をしながら、汗だくになりながらも視線は揺るがず。
 その姿はまるで絵本の主人公のようで。
 主人公みたいで。
 主人公らしくて。
 ――ああ。そうだ。
「十で。――とうとう幕が開く」
 呪文がまた変わる。
 赤い少女の全身に血が巡る感覚が甦る。
 銃把を握る手に力が戻る。
 役目を果たそうと思った。
 シンデレラを演じる役者としてではなく、
 全てを台無しにした「悪い魔女」として。

5451-169:2007/03/29(木) 00:30:36 ID:iVdo41/s
 今日のオススメ漫画は「ポケットモンスターSPECIAL」。毎度お馴染み1-169です。
 今回はつちみーは飛ばないけど飛ばすことは出来たというお話。いよいよ『灰姫遊戯』も佳境に入ってきました。四章だけ無闇に長いのはご愛嬌。
 エピローグまであと何回かかるのか、私にも全くわかりません。気長にお付き合い下さい。

 えーオリキャラの見た目についてですが。言祝さんはもうぶっちゃけるとシャッフルの麻弓=タイムのつもりで書いてます。もちろん目の色は黒ですけど。
 はい。100%作者の好みです(どーん)。
 続いてサーシャ。こちらは原作にイラストありますが、「灰姫」では何度か描写した通り前髪を上げています。イメージはしにバラ。の黒崎クロエ。
 はい。こちらも200%作者の好みです(どどーん)。
 ただしこれらはあくまでも私の脳内でのビジュアルですので、文章の捕らえ方によって好きな容姿を当てはめてもらえばオッケーです。ってこれだと空白さんと同じじゃん。

>>537
 短いですが中身の詰まったパートですね……。いつの間にか引き込まれ、妄想が、妄想が……!
 GJ。ところで洗脳能力と聞いて、「“相手”を“眼鏡好き”に変える能力」が真っ先に浮かんでしまったのですがっ。



――早くも次回作、「とある二人の愛犬週間(ライフウィズドッグ)(仮題)」構想中。大概にしとけや。

546■■■■:2007/03/29(木) 00:45:45 ID:ygfOTzQ6
いえぁ来たヨ来たヨー!うっちゃり!爆・砕!こわしやネタとは恐れ入る。しかも燃え所!
各人を目立てすぎず、しかし見せ場を作るのはさすが。

ところでポケモンSPECIALってぇとミュウツーがスプーンを持ち出したりハゲがミュウツーの細胞を腕に移植するあれですか。
初代編ラストまで読みましたぜ。最新刊の帯によるとサカキさんはまだ健在のようで。アレか。榊は死なない!なんだろうか。

547■■■■:2007/03/29(木) 03:34:29 ID:t9Ff673A
ちょw スカイラブハリケーンwww
本家じゃ絶対出来ない、SSならではの悪ノリがツボった。しかしこんな役回りでも
映える土御門というキャラの器の大きさは異常。コイツ便利だなあ。

ポケモン漫画と言えばおのとしひろの電撃ピカチュウが好きであります。カスミは俺の嫁。

548■■■■:2007/03/29(木) 08:08:33 ID:0w4r.B/A
屋上までカミやん飛ばし。
一体どんな筋力してんだ土御門・・・。てかキャプテン翼
物語もやはりクライマックスに入るとドキドキしますね。

549■■■■:2007/03/29(木) 10:13:16 ID:0w4r.B/A
洗脳能力は原作で名前だけ出てきてた能力でしたか。

相手をメガネ好きにする能力>>>
つまりあのポーズを取り能力を喰らうと風斬に手が出せなくなると・・・
て御坂妹のゴーグルはメガネに含まれるかどうかも気になる今日この頃。

追伸

幕間ってなってるんで短いパートなんですね。

550■■■■:2007/03/29(木) 20:19:57 ID:b/HlIvoU
>>545 眼鏡折ると一発で勝負が付くアレですね。
でも大丈夫接着してあるから(耳に)

551■■■■:2007/03/29(木) 20:44:48 ID:9k3I6SJU
灰姫GJ。

おお見よ、あれぞタチバナブラザーズが用いた伝説の(ry

552■■■■:2007/03/29(木) 21:45:12 ID:7C06VWB.
・・・愛犬・・・・?
犬ってどこで出てきてっけ?
つーか、土御門スゲー。

553■■■■:2007/03/29(木) 21:56:58 ID:b/HlIvoU
犬か……では俺は原作猫ばっかしだから、いっそロボで一作……(メカ舞夏)

5541-169:2007/03/29(木) 23:56:11 ID:iVdo41/s
流石に悪乗りしすぎたかと思っていましたが、結構笑ってもらえたようで何よりでした。
あまり気に入らなかった方がおられましたら、指差して馬鹿にした後にこそっと苦笑いでもしていただければ作者は本望です。

>>552
一応オリキャラ(オリ犬?)です。希望がありましたら予告編でも書きます。

555■■■■:2007/03/30(金) 11:48:04 ID:UOH7kOI6
ヒロインが牝犬になる話じゃないのか(エロパロに池)
予告は灰姫の最終話にあわせて投下してもらえれば嬉しいな

556■■■■:2007/03/31(土) 08:30:22 ID:MyNxHM4o
>>554ちゃん、屋上は危ないから入ってはいけないと先生が口を酸っぱくして言っているというのに・・・罰として灰姫作中に出てきた念動専攻の能力者でも苦労するあれをやってもらいます。
鈴が鳴ったらやり直しですよ

557とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/04/01(日) 23:22:50 ID:Jbe44AL6
[13]Accelerator04―結標淡希の一番長い一日 その3

 染みひとつ、皺一つ見つからない白いテーブルクロスが敷かれたテーブルの上には結標と一方通行の努力の成果が置かれていた。
 テーブルの中央には『例のニンジン嫌いな子供用』に調整された『カレー』の鍋。
 結標は自分の細い小指で鍋の淵を軽くなぞって、ちろりと舐めてみた。甘い。
「これなら大丈夫だと思うわ。我ながら自信作と言ってもいいわね」
 満足そうな顔で一方通行へと振り返りながら結標は更に口を開いた。
「なにやってんの?いまさら冷蔵庫なんかごそごそして。このカレーは完璧よ?」
「あァん!?何言ッてやがる淡希。福神漬けの野郎がまだだろうがよッ。おッと、あッたあッた。黄泉川の奴が後先考えずに片付け
やがるから冷蔵庫の中身までごちャごちャになッてやがる」
 その後、結標は「福神漬け無くして何がカレーかッ!」と学園都市最強の福神漬け至上主義を聞く羽目となった。
 そしていい加減、話にうんざりしてきた頃、変化が訪れた。それが幸か不幸かは神のみぞ知る所だが、科学万歳な学園都市には神を
崇めるような習慣は無い。なにせ教会の類すら無いのだ、この街には。
「たっだいまー!とミサカはミサカは多分寝てる貴方に聞こえるようにわざわざ大音量を披露してみたり!」
「はぁー、やっと帰ってきたわね。打ち止め(ラストオーダー) 、ちゃんと靴を揃えてから上がりなさい」
 扉が開かれる音と同時に訪れた二つの声は結標と一方通行の度肝を抜いた。
 家主が居ない部屋に若い男女が二人っきり。一方通行の同居人であろう声の主達への上手い説明の言葉は結標の頭がフル回転しても
咄嗟には出てこない。戸惑う結標と違い一方通行の判断はメチャ迅速だった。即急即時即座即決即断即行、思考時間にしてわずか1秒以下。
 一方通行は結標の華奢な肩をがっしり掴むと大型冷蔵庫の下部にある野菜室の引き出しを開け放った。そこには野菜など一切無く、
お弁当用の小さなベビーチーズとか口の開いたお菓子の箱しか入ってない、ほぼがらんどうの空間が口を開けていた。
「ちょ!?何する気!痛いッ!痛いってば!むー!むー!」
 不穏な空気を察して抗議の声を上げる結標を、白い少年は残虐な光を讃えた紅い瞳を光らせて野菜室へと押し倒す。激しい抵抗も虚しく
結標は野菜室の引き出しの中へと押し込まれてしまった。この場合はまさに、収納されてしまった、の方がぴったりくる。
「狭い!超狭い!てか足痛いってばッ!何これ?猟奇殺人!?どこのホラー小説!?無理無理絶対無理!」
「黙ッてそこに入ッてろ!」
「ちょ、説明とか一切無し!?すっごく無理があるわよ、これ。ねぇ?ちょっと、話聞きなさいよ一方通行っ閉めるなぁ!」
 結標は膝を抱えたままの体勢で一方通行へと罵声を飛ばすが、当の一方通行はあっさり無視して野菜室の引き出しを元に戻した。
 当然結標の視界は真っ暗になった。
(暗ッ!狭!あと寒!)
 普段から野菜が入ってないのかあまり変な匂いはしなかったが、完全な密室となった野菜室の中はあまりにも狭すぎて身動き一つ
出来ない。
 自力で脱出するには自分自身を座標移動(ムーブポイント)するぐらいしか思いつかない。手や足はおろか指一本ですら動かすのが困難なぐらい
ぎっちぎちなのだ。比較的スリムな結標でも正直辛い。
 でもって勝手に脱出した場合、高確率で一方通行に苛められるであろうことが容易に想像できて結標は少し悲しくなった。
(私、今ならいい死体の演技できるわ、多分。いざとなったら適当に脱出するしか無いわね、マジで)
 外の様子が見えないので仕方なく耳を澄まして脱出のタイミングを図る。理想的なのはキッチンに誰も居なくなるのがもっともいい。

558とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/04/01(日) 23:23:24 ID:Jbe44AL6
『むむむ、今、女の声が聞こえたような!キッチンが怪しい!行くぞワトソン君。とミサカはミサカは名探偵の気分を味わってみたり』
『はいはい、ホームズさん。でもドタバタ走らないの』
 一方通行の声を聞きつけたのか声がキッチンへと近づいてくる。接触まであと数秒といったところだろうか。
 そこでプチンと言う音がして、冷蔵ファンが動きを止め、噴き出されていた冷風も止まった。恐らく外の一方通行がコンセントを
抜いたのだろう。
(い、一応助かった?お腹壊すのだけは避けれたかも)
『料理!?しかもハンバーグ入りのカレーとか妙においしそうな物を!?そ、そんな、不器用な一方通行とか萌えだったのに……。
ミサカの幻想はバラバラに砕け散ってしまったかも知れない、とミサカはミサカはがっくりと膝を突いてうなだれてみたり。でもカレーに
ニンジンが入って無いところを確認してアナタの優しい一面を発見し、ミサカはミサカはその一部始終をミサカネットワークに
配信してみたりする』
『よし、クソガキ。お前ベランダからダイブするのと階段で1階までロックンロールするのとどッちがいい?いますぐ選べ』
『わーい、なんだか聞いたことがあるような台詞キター、とミサカはミサカは叫びながら逃げ回ってみたり』
 外ではなんだかホームコメディが繰り広げられてそうだ。ドタドタと走り回る音が聞こえる。
『何やってるの貴方たち。あら?今日のお昼はカレーなの?貴方が作ったのかしら』
 トントンとフローリングの床を歩く音がしてもう一人の声がキッチンに増えた。声からすると20台前半辺りの女性。結標はなんだか
その声に柔らかそうな印象を覚えた。
『おい芳川、”野菜室は空”だぞ』
 しれしれっと嘘を言い放つ一方通行の声がした。
(あー、なんだかそろそろ足とか、手とか、背中とか、とにかく体の節々が痛い!ヘルプミー)
 もはや限界と座標移動(ムーブポイント)で自分自身を飛ばそうと思考を走らせはじめた瞬間。暗闇に光が差した。
「私のポッキーが確かここに……ッ?」
「あ……」 
 キッチンの一角に3点リーダーが通過し、たっぷり30秒ほど時間が止まった。
 20台ぐらいの若い女性と目が合った。ショートボブの可愛い感じのお姉さん。
 彼女はややあってから、
「……よいしょっと」
 野菜室の引き出しを元に戻そうとした。見なかったことにするつもりだ。
「ああ、待って。閉めないでッ!お願い!」
 再び暗闇に閉ざされかけた野菜室で、ちょっぴり涙目になりながら結標は懇願した。

559とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/04/01(日) 23:35:27 ID:Jbe44AL6
 両手を自分の膝の上に乗っけて、洋風の椅子に腰掛けた結標の目の前に置かれたティーカップに柑橘系の香りをさせる紅茶が注がれる。
 詳しい銘柄とかは良くわからない。紅茶もティーカップもだ。
「あ、どうも……」
 紅茶を入れてくれたのはさっきのショートボブのお姉さん。結標がかしこまってお礼を言うと「どういたしまして」と返してくれた。
 お姉さんが入れてくれた紅茶を飲みながら、結標は少し記憶を整理してみる。傾けたティーカップから口の中に紅茶の風味が広がった。
(えーと……野菜室から引っ張り出されて、名前を教えてもらって、それから)
 まず結標の正面で学園最強の能力者(アクセラレーター)を「いーじゃん、いーじゃん」とからかってるもう一人のお姉さんへと首を動かす。
彼女は黄泉川。黄泉川愛穂がフルネームだ。とある高校の体育教師をしていて、学園都市の治安を担う警備員(アンチスキル)としての一面も
あるとかないとか。首の後ろあたりで長い髪を無造作に纏めている。服装は動きやすそうなジャージの上下。
 これは料理の合間に一方通行が言ってたことだが黄泉川には強能力者(レベル3)程度ならポリカーボネート製の盾一個で難なく制圧してしまう
名物警備員(アンチスキル)とかいう伝説があるらしい。特別な装備も無しで『それ』を実行する姿は結標の頭ではちょっと想像がつかない。
 あと『この部屋』も彼女が借りているという事だ。結標が野菜室から救出された後にひょっこりと帰ってきた。

『は〜いタダイマ、タダイマーじゃん、おやおや珍しいことにお客さんじゃんよー?。居候の分際でこんな可愛い女の子連れ込んで……。
こちとら長々と続いた、校長のロシア談義で心身共にお疲れさんだってのに、二人でラブラブ?スーパー生意気じゃんよー』

 結標の記憶が正しければそれが黄泉川の第一声だったはずだ。その『じゃんじゃん』言う独特の口調はなんだか前に聞いたことがある気も
するのだがあれは一体どこだったか?奥歯に挟まった物が取れないような妙な気分が結標を襲う。
(思い出したくないような気もするけど、これは何故?)
 それでも彼女の顔を見るのは初めてだったし、多分自分の思い違いだろうと結標は早々に結論をだし納得した。
 続いて黄泉川の右側の席をチラリと見る結標。そこには先ほど紅茶を入れてくれたショートボブの女性が座っていた。
 優雅にティーカップを傾けて就職情報雑誌に目を落としている。多分傾けてるカップの中身は結標の持ってるものと同じ。
 さっき軽く自己紹介してもらったが名前は芳川桔梗というらしい。騒ぎまくりの黄泉川とは随分対照的で、落ち着いた雰囲気の知的美人と
いったところだろうか。野菜室から助けてもらったり紅茶を入れてもらった事もあり、少し贔屓目ではあるが、結標は芳川をそう評価した。
「桔梗ー、今日の就職活動はどうだったじゃんよー?いいところあったかい?」
「別に。特に惹かれる所は無かったわね。というか大半が打ち止め(ラストオーダー) の子守だったような気までするわ」
 芳川は黄泉川と他愛の無い会話を交わしながら『この事態』を静観するつもりのようだ。
(まぁ、この二人は別にいいんだけど……)

560とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/04/01(日) 23:38:19 ID:Jbe44AL6
 最後に控えるのは見た目10歳児くらいの小さな女の子。芳川の隣に置かれたお子様用の椅子から身を乗り出し、目を吊り上げている。
「えーと……すっごく嫌われてる気がするわ……一方通行、パスッ」 
 比喩抜きでバチバチする幼女の視線に耐えかねて結標は思わず一方通行に助けを求めた。
 幼女の「この女誰?」といった感じの不満ビームの矛先が結標から一方通行へと切り替わった。
「――チッ。オイ、クソガキ、とりあえず、その眼鏡はなンだ、その眼鏡は。俺には眼鏡属性なンてもンはねェぞ」
 一方通行が指差す幼女の鼻の上にあるのは、エンジ色の細いフレームが、四角いレンズの下側だけをなぞる今風な眼鏡。
 しかも少し幅が大きいのか折角の眼鏡は半分ずり下がってたりする。さっきから何回も位置を直してたりする。
「これ?今日芳川に買って貰ったの。似合ってる?とミサカはミサカはある言葉を期待しつつ眼鏡のフレームを持ち上げてみたり。
これでミサカの知的なイメージが5アップ。アナタはたちまちメロメロ。とミサカはミサカはオデコの眼鏡ででこでこでこりん♪とか
懐かしいフレーズを口にしてみたり」
「……」
 紅茶を楽しむ芳川に目で『語りかける』一方通行。いやもう視線の強さは目で『殺す』レベルまで達している。
「大丈夫よ。度は入ってないから。それより、貴方も野菜室に女の子押し込めるより先に早くお世辞の一つや二つ覚えたほうがいいわよ」
「社交辞令ってのは社会に出る上では結構重要な技術じゃんよー。覚えておいて損は無いじゃん。あと女の子を冷蔵庫の野菜室に押し込むのは
流石にどうかと思うじゃんよ」
「突ッ込むところはそこじャねェだろうが!」
「いや、私を野菜室に押し込めるのは充分突っ込むところだと思うわよ。って聞いてないわね」
 学園都市最強の能力者のガンツケはおろか、突っ込みを受けても、大人の女性二人はどこ吹く風といった様子だ。一向に堪えない。
 黄泉川、芳川は両名とも氷を浮かべた冷水にポッキーを濡らしてポリポリと齧ってる。
 食事の前にお菓子を食べるのは正直どうかと思ったが結標はとりあえず話が進まないので幼女の方に集中することにした。
「えーと、ら、ら、らす……」
 結標は一方通行から「このクソガキはなんたら」と紹介してもらったのだが、なんとも耳に慣れない名前だったので
ついつい記憶を探ってしまう。でも結局思い出せないので自然と言葉が詰まってしまう。
 幼女は、おでこに人差し指を当てて壊れたプレーヤーの様に幼女の名前の先頭二文字を連呼する結標の方へ、向き直って口を開いた。
「ミサカの名前(パーソナルネーム)は打ち止め(ラストオーダー) 。もしくはミサカ20001号でもいいかも!とミサカはミサカは改めて自己紹介してみたり。
貴女の名前は結標淡希でいい?唐突で悪いんだけど。この人(アクセラレーター)とは一体どういった関係で?ミサカが納得できる理由を
400字詰めの原稿用紙3枚以内で簡潔かつ明瞭にまとめて即座に答えて欲しいかも、とミサカはミサカは知的な一面をアピールしてみたり
しつつ説明を要求してみたりしてみる」
 幼女の要求した答えを探して結標淡希はさらに頭を悩ませるのだった。

561とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/04/01(日) 23:39:07 ID:Jbe44AL6
 しばらくして、結標の口から出たのは、
「えっと、私は、ほら、コイツの女友達でね。夏休みの終わりぐらいからちょくちょくと。今日はおいしいカレーの作り方を教えて欲しいと
コイツに頼まれて、仕方なくね」
 という半分以上が嘘で構成された言葉。これでも必死に考えた末のベターな答えだった。
「この人(アクセラレーター)に友達なんて居るわけ無い!とミサカはミサカは断言してみる!」
 打ち止め(ラストオーダー) はきっぱりと言い切った。
「即答すンなッこのクソガキ!」
 結局お茶を濁しながら『例のハンバーグカレー』を5人分それぞれの皿へと注いでいく結標の姿をまだ納得してません、といった
打ち止め(ラストオーダー) の視線が追う。
「うう、視線が痛い」
 結標は仕方なく一方通行を促すことにした。
「ほら、あなたもフォローしてよ」
「――あー、大体そンな感じだ」
 結標の肘に小突かれて一方通行もぶっきらぼうに口裏を合わせた。打ち止め(ラストオーダー) もそれで納得したのか『例のカレー』が
よそわれた皿を見て「わーい」と喜びの声を上げた。
(本当はニンジンがこれでもかってぐらい入ってるんだね、そのカレー)
 無邪気に喜ぶ打ち止め(ラストオーダー) の笑顔で結標の良心がちくりと痛んだ。
「やほーい!最初は『この泥棒猫が!』とか思ってたけど淡希は実はいい人だったかも!ってミサカはミサカは……淡希?
ミサカのカレーはなんだか、どんどんとミサカの手の届かない所に行っちゃうんだけど、とミサカはミサカは状況を説明してみたり」
 どうやら痛んだ良心は無駄だった様だ。
「……なんだか、打ち止め(ラストオーダー) ちゃんの頭上にある私の力作カレーが急降下しそうな予感がするわ。湯気がでてるしきっと熱い
でしょうね。大火傷かしら?こういうときは何て言うべきなの?打ち止め(ラストオーダー) ちゃん。4、3、2――」
「ご、ご、ごごごめんなさい。ミサカはミサカはいきなり4から始まるカウントダウンの恐怖に身を震わせながら一生懸命謝ってみたり!
だから罪の無いカレーを落とさないで!ってミサカはミサカは懇願してみる!!」
 ガタガタと震え涙目になる幼女の前へ、カレーを座標移動(ムーブポイント)し、その頭をポンポンと軽く叩いて結標も席に戻った。
(びっくりしてる、びっくりしてる)
 突然、何も無い虚空から出現したカレーに、目をパチクリさせる打ち止め(ラストオーダー) を見て結標はニヤリと微笑んだ。

562とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/04/01(日) 23:41:07 ID:Jbe44AL6
『いただきます(じゃんよ)(とミサカはミサカはお行儀良く手を合わせて言ってみたりする)』
 テーブルに着いた全員が手を合わせて言ったが、一方通行だけは一人やる気なさそうに口ぱくでごまかしていた。
 言い終わるなりスプーンを握りなおし、カレーにぱくつき「カレーウマー」と口から光線でも吐き出しそうなリアクション
で感嘆の声を上げる打ち止め(ラストオーダー) 。大人の女性二名もニコニコと舌鼓を打っていた。一応好評のようだ。
 どうやら隠されたニンジンの味には気づいていないようだが、作った本人としては打ち止め(ラストオーダー) の無邪気な反応が
この料理に対する最大限の賛辞とも取れ、なんだか嬉しくなってしまう。自然と結標の顔が穏やかに笑みを形作る。
 ふと結標は黄泉川の隣に座ってる一方通行へと声を掛けた。
 彼の前の皿の中身はあまり減っていなかった。「食べないの?」と聞いたら「甘すぎィンだよ」と返ってきた。
 どうも彼は甘いのは苦手のようだ。だったらカレールーを二種類用意すればよかったのにとも思ったがそれは黙っておいた。
「アンタが作れって言ったんでしょう……ニンジンが――むー!むー!」
 突然とんでもない速度で回りこんできた一方通行の右手が結標の口を塞いだ。
 カレーの皿から顔を上げた打ち止め(ラストオーダー) が「?」と首を傾げた。
「喋るな。それ以上一言も喋ンじャねェぞ。ネタ晴らしはあのガキが食べ終わッてからだ、いいな?」
 打ち止め(ラストオーダー) の様子をちらりと伺い、結標の耳元に口を寄せて、彼は囁いた。
「――!――!」
 顔を真っ赤にして、声にならない悲鳴を上げながら何度も何度も頷く。思わず心臓の音が部屋中に聞こえるんじゃないかとまで思った。
 ややあって一方通行は結標を開放した。開放された結標は「ぷはぁ」と久方振りの空気を肺に送り込んで
「死ぬかと思った……」と小さく零す。
 『それ』は恥ずかしくてなのか、息が出来なくてなのかの答えは、結標の胸にだけひっそりと仕舞われた。
「これはまた随分と仲がいいじゃんよー」
「そうね、独り身には少々目の毒だわ。打ち止め(ラストオーダー) の教育上も良くないからラブシーンはベランダでやって欲しいわね」
「はっ!?これはもしかして食べ物で懐柔された!?淡希がミサカを謀った!?ミサカはミサカは疑心暗鬼に陥って軽く混乱してみたり!」
 品のよくない笑いを浮かべる黄泉川。適当に見当違いの相槌を打つ芳川。スプーンを握り締めて叫ぶ打ち止め(ラストオーダー) 。
 赤い顔をして荒い息をつく結標と、不機嫌そうに鼻を鳴らしてそっぽを向く一方通行。
 多分これは自分が経験した中でもっとも騒がしい昼食の一幕だ――と結標はそう思った。

563とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/04/01(日) 23:43:21 ID:Jbe44AL6
「淡希淡希遊んで欲しいかも、とミサカはミサカは淡希の了解も得ずにいきなりその胸に飛び込んでごろごろと甘えてみたり!トゥ!」
「え、うひゃぁ!?」
 結標の胸に飛び込んでくる小さな魔物。可愛さ余って痛さ100万t。ヘッドダイビングを敢行した幼女を結標は変な悲鳴を
上げながら受け止める。打ち止め(ラストオーダー) の頭が結標の鳩尾にヒットしいい感じに息が詰まってしまう。
「えへへへ、ふかふかーぷにぷにーいい匂いするー、ここミサカの定位置にしたいかもってミサカはミサカは簡潔に要求してみたり」
「ぐぅ。打ち止め(ラストオーダー) くすぐったいからやめてちょうだい」
 少し遅めの昼食を取った後、結標達はリビングのソファーでくつろいでいた。
 隣には一方通行。そして結標の膝の上にはさきほど飛び込んできた打ち止め(ラストオーダー) が座る。
 黄泉川と芳川は「昼食の礼じゃんよー」「お客さんに皿洗いまでさせられないでしょ?」と二人仲良くキッチンだ。時折キッチンから
もれてくるのは水音と食器同士が奏でる不協和音。それに混じって「桔梗、1秒間に16連射じゃんよー」「無理よ」とか聞こえてくる。
 確かAI搭載の全自動皿洗い機があったような気がするのだが、どうやら本当に使われていないようだ。
(しっかし可愛いわね、この子)
「うりうり」
「きゃははははは、淡希くすぐったいかも〜、とミサカはミサカは率直な感想を口にしてみたり」
 自分の膝の上の打ち止め(ラストオーダー) の髪を撫で回して「ハフゥ」とあったかい溜息をつく結標。
 癒されまくりでマイナスイオン充填完了だ。隣の一方通行がそれを見てあからさまな舌打ちをしたがそれはどういう意味なのだろうか?
 一方通行では無いので結標にその真意の程はわからない。
 膝の上で暴れる打ち止め(ラストオーダー) を落ち着かせるために手前のテーブルからTVのリモコンを取りチャンネルを適当に切り替える。
 学園都市のローカル番組も見れるらしく沢山のチャンネルがあった。
 この時間はあまり面白い番組はやっていないようだ。せわしなくリモコンを操作して膝のお子様が焦れ始めた頃にようやく
お目当ての子供向けのアニメ番組が表示された。
 超機動少女カナミン(マジカルパワードカナミン) とか丸っこい字のタイトルが流れていた。
 少しだけ打ち止め(ラストオーダー) と一緒になって眺めてみたが初めて見る番組なので内容がさっぱり判らない。
 だが膝の上の打ち止め(ラストオーダー) はと言えば食い入るように映像に夢中だった。映像が進む度に「おおー」とか「どきどき」とか
率直な感想を口にする打ち止め(ラストオーダー) の方は見ていても一向に飽きが来なかった。

564とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/04/01(日) 23:47:17 ID:Jbe44AL6
 しばらくして両手一杯の荷物を持って黄泉川と芳川がやってきた。二人は結標達が座る3人掛けのソファーとは放れて置かれた、透明な
テーブルを挟んで独立した、一人掛けのソファーにそれぞれ座った。
 ゴトンと硬い音をさせて透明なテーブルの上に”持っていた物”を広げて、
「打ち止め(ラストオーダー) が淡希っちにすっかり懐いてるじゃんよー。居候一号、そっぽを向いてるのは焼き餅かい?」
 と聞く。
 居候一号――これは恐らく一方通行を指している。いつの間にか結標にも『淡希っち』と愛称が付いていた。
「愛穂、それだと『どっち』に対しての焼き餅なのかわかりづらいわよ、一応教師でしょう?」
「い、一応だと!居候三号め!私は体育教師であって国語教師では無いじゃんよー!」
 プルタブを開ける音がして黄泉川の持つ350mlのアルミ缶から白い泡が吹き出る。透明なテーブルの上には大量の酒。缶ビールをはじめ、
チューハイ、ワイン、ウイスキー、吟醸、泡盛、梅酒などなど。とにかく所狭しとアルコールが広げられていた。
「ど、どこから?洋酒は確かに部屋に置いてあったけど」
「戸棚の中にぎッしりとあンだよ」
 黄泉川と向かい合う芳川もなんだか梅酒をグラスに注いでちびちびと口に運んでいた。
「オイ、駄目人間1号2号……未成年の人間が3人も居る上にまだ日も高いうちから酒盛り始めンじャねェよ。酒臭ェだろうが!」
「若いうちから細かい事気にするなじゃん!それにもう一人来る予定だし、今日の黄泉川せんせーのお仕事は昼まで。
後は野となれ山となれじゃんよー」
「淡希、淡希ッ。ミサカもあれ飲んでみたい!ってミサカはミサカは好奇心全開で要求してみたり」
 おいしそうにグラスやら缶やらを傾ける大人の女性ズを横目で見て、興味を抱いたのか打ち止め(ラストオーダー) の期待に満ちた
視線が結標を真下から打ち抜く。正直幼女の要求を叶えてあげてもいい、と頭に過ぎったが、すんでのところで理性が歯止めを
掛けてくれた。未成年の飲酒は法律で禁止されています。
「打ち止め(ラストオーダー)そんなの駄目に決まってるでしょう!?お酒ばっかり飲んでると駄目人間になっちゃうわよ?」
 結標の細い指が指し示すのは隣で呆れた顔をする学園最強。幼女が縦に握った右拳を左手に打ち付けるとなんだか可愛い音がした。
「淡希……それはどういう意味だ?随分と楽しそうだな、ヲイ。俺も酒は飲まねェンだが。その顔を見る限り聞く耳持ッてやがらねェな。
あとクソガキ!間髪入れずに納得すンじャねェよ!なンだ、その、ポン☆、ッてのは」
 激しく語気を荒げる一方通行に打ち止め(ラストオーダー) が「えへへ」と可愛らしく頭を掻くので結標も真似して「えへへ」を敢行してみる。
「チッ!」 
 効果は抜群だ。やたらとあからさまな舌打ちだけを残し、オーバーレブ寸前まで達していた一方通行の戦意は見事に殺(そ)がれた。
「「イエーイ☆」」
 パチンと小気味の良い音をさせ、ハイタッチをする結標&打ち止め(ラストオーダー)。傍目からは仲の良い姉妹か親子のように見える。

565とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/04/01(日) 23:53:20 ID:Jbe44AL6
 まあそれでもお酒に対する興味は少しも薄れないようで駄々っ子モードを駆使して幼女はお酒を要求してきた。
「淡希っち、なんだか打ち止め(ラストオーダー) のお姉さんかお母さんみたいじゃん。よし、私が許す。チューハイなら一口ぐらい
飲んでも平気じゃんよー。パスッ」
 黄泉川はそう言うと緑のラベルのアルミ缶を一個投げてよこした。結標はライムの絵が書かれた350ml缶を受け取ってプルタブに
爪を掛ける。軽い抵抗と共に空気が漏れる音がした。
「あの、私も未成年なんですけどね……聞いてないですね、そうですね。いいです飲みますから。飲めばいいんでしょう。
この部屋では私に選択権って無いのね。それにしても、なんだか爪が割れそうで恐いのよね、プルタブって」
 アルコールなんてクリスマスのシャンパンぐらいしか飲んだこと無かったが軽く口をつけてみると口当たりはそう悪くなかった。
 アルミ缶を両手で持ってクピクピと呷る結標の膝の上では、お姫様がその様子を見て口を尖がらせていた。
「あー、ミサカもソレが飲みたーい!飲みたい、飲みたい、飲みたい!淡希の馬鹿ー!
淡希の怪我はもう治ってるのよ!淡希の意気地なし!ミサカはミサカは反旗を翻して振り返らずに走り去ってみたりしてみる。ちらり」
 ジタバタと結標の膝の上では幼女がご乱心だ。さっきまでの上機嫌はどこへやら、一転して駄々っ子と化した。打ち止め(ラストオーダー) は
ひとしきり暴れた後に結標の膝から飛び降りて、部屋の隅っこの観葉植物の陰に隠れてしまった。拗ねてるみたいだ。
「打ち止め(ラストオーダー) ……。最後の方、意味がわからないんだけど、とりあえず……こうしてやるっ!」
 結標は左手の人差し指で対象を指定。一瞬の後、観葉植物の陰から幼女の姿が虚空に消えた。
「ひゃあ、びっくりした。う、あひゃははははは、淡希ちょっと、それは、ぐひょい、くるしいかも、ってミサカはミサカはぁぁぁ――」
 観葉植物に隠れていた打ち止め(ラストオーダー) を座標移動(ムーブポイント)で再び膝の上に持ってきて左手で柔らかい脇腹をくすぐる結標。
 たちまち陥落する幼女。笑い疲れた幼女は荒い息をついてぐったりと手足を投げ出している。とりあえずこれでお酒の件は解決した。
 結標は隣に座る一方通行の方をチラリと覗いてみた。一言で言うならぶっきらぼうな表情。
 けだるそうな視線で結標と打ち止め(ラストオーダー)を眺めている。何か私の顔についてるのかしら?と結標は思わず勘繰ってしまう。
「淡希っちに焼き餅なのか?それとも打ち止め(ラストオーダー) に焼き餅なのかはっきりするじゃんよー!」
「寝てろ酔ッ払い」
 空き缶、空き瓶を量産する黄泉川の言葉に一方通行は打てば響く反応で返した。
 その『酔っ払い』という括りには自分も含まれてるのだろうか?と思ったが、ほどよく体を回ってきた酔いが結標の思考を妨げる。
 自分の顔に仄かな熱を感じたが結標はそれをアルコールのせいにする事にした。

 1人分スペースの開いた3人掛けのソファーの片隅では、綺麗に畳まれた紺色の上着の上で携帯電話が静かに震えていた。
                                                 [12月23日―PM14:00]

566空白 ◆Oamxnad08k:2007/04/01(日) 23:58:48 ID:Jbe44AL6
>むう、なんで時刻表示勝手にずれるのかな、かな?
毎度の如くお目汚しの駄文製造機空白でした。
プレビュー機能欲しい……。それではまた。

567■■■■:2007/04/02(月) 09:11:43 ID:CjKnfdiU
>>566
読んでて和んだ。
打ち止めかわいいよ打ち止め
GJ
 
 
>プレビュー
専ブラを導入されては?

568■■■■:2007/04/03(火) 06:04:36 ID:VWlP7XXg
和むわ。
おもわず熱いお茶飲んで縁側で猫とひなたぼっこしたくなる。
未成年の飲酒は多分小萌先生が怒ってしまうのできっと透けみるです。

569腐敗子:2007/04/03(火) 15:16:58 ID:f1lSNTSc
空白さん、相も変わらずGJです、
本当ラストオーダーはかぁいいですね〜いっそうお持ち帰りしたいですな
こんな和みについ目を細めてしまう私

570■■■■:2007/04/04(水) 01:28:07 ID:rHJMW5Vs
予告編のシリアスな打ち止め(ラストオーダー) の叫びが……なんとコミカルに。

てっきり

見て見て!一方通行。淡希が立った。淡希が立ったのよ〜、とミサカはミサカは〜

ってなると思ってた。
あと『この泥棒猫』に噴いた。
そして増える様々な形容詞。
『居候○号』『お姫様』『学園都市最強』『駄目人間○号』『ショートボブのお姉さん』
『探偵さん』

571■■■■:2007/04/04(水) 07:31:37 ID:AeXYJWwU
原作新刊発売日が近くなるとSS書きは複雑な気分だなぁ。

572■■■■:2007/04/04(水) 09:20:00 ID:iNqmsX3M
最近SSが出ない、or何か出し難いふいんきはこれから来てたのか!!!!

573■■■■:2007/04/04(水) 10:37:25 ID:AeXYJWwU
結局のところ最近空白の人と灰姫の人しか投下してないからな。
他の職人さんの作品も心待ちにしているのだがなかなか投下されなくて残念だ。
多分オリキャラオンリーの人は能力スレで主役級の能力が看破されたのが原因かな?
人間の考える事だから似たような能力思い付く時もある。
能力より問題なのはルビや漢字が思いつかん事だと思うな。
最後に。
伊達眼鏡の打ち止めは萌える。
発射台土御門は燃えた。
おでこのメガネででこでこでこりんって何のネタだっけか。確か無機物と話す教育番組だっけ?
誰か教えてたもれ。

574■■■■:2007/04/04(水) 20:49:05 ID:rHJMW5Vs
新刊か……。
木原神拳の真相とか前方のヴェントとかいろいろ楽しみだなぁ。
SS職人が恐れてるのは多分今書いてる作品との矛盾が出ることかもよ?
いろんなSS職人さんのSS(特に続き待ち)をワクワクしながら待っている。

>>572 
ふいんき……。
>>573
それいけノンタックとか言う昔のNHK番組じゃなかったけかな。
多分「相手をメガネ好きにする能力」からの思いつきなんだろうが。。
「おでこのメガネで、デコデコデコリーン♪」か随分と懐かしすぎるネタだな。

575腐敗子:2007/04/04(水) 21:17:33 ID:iNqmsX3M
小説投稿をしたいと思い立ったが、誰かの許可が無ければ出す事にびびっている臆病な私
てか投稿っていきなり出していいのかな?
現在の空気的に小説を出していいのだろうか?
前の小説の方との間はどれ位空ければいいのか・・・
わからずじまいな状態
すんません、誰か教えて

576■■■■:2007/04/04(水) 22:18:48 ID:AeXYJWwU
許可は誰も取ってないと思うよ。
投下は自由なんだし
間は最低1日開けば問題無いかと。
他の人と重なる場合は少しコメントが来るまで待つのが吉。

577腐敗子:2007/04/04(水) 22:20:31 ID:iNqmsX3M
576さん感謝ッス

578■■■■:2007/04/04(水) 22:22:19 ID:AeXYJWwU
他の人とはコメント数個分。自分とは1日以上開けるで良いと思うよ。

現在の空気って灰姫の人や空白の人は投下してますぜ

579腐敗子:2007/04/04(水) 22:26:09 ID:iNqmsX3M
嫌、ほら新刊出るから出し難いとかあったじゃないすか、
私、そうなの!?とか思っちゃて深読みしてました、何かすんまへん

580■■■■:2007/04/05(木) 04:33:46 ID:NrjDRSFI
ていうか新刊はまじで出るだろ
確かッ今月の10日だったと思うが・・・・・・

581■■■■:2007/04/05(木) 08:32:13 ID:bg4uyyoI
遠慮することは無いと思うぞ、投下したければ断る必要は無い。
それより投下しづらい空気が続いて連載中の作品の続きが読めなくなる方がよっぽど困る。
職人の方々は是非とも完結目指して頑張ってもらいたい。
そして俺に物語の続きをプリーズ。


途中で投げ出された名作はたとえそれの出来が素晴らしくても。
未熟であろうと完結した作品には絶対に勝てない。
て死んだじいちゃんが言ってた。

582量産型かいた2ごー:2007/04/05(木) 18:00:39 ID:3cm5FnFs
始めまして。
量産型かいた2ごーと申します。
皆様が書いていらっしゃる素敵なSSに触発されまして、
無謀にも書いた者です。
私のSS(?)を皆様に読んで頂きたいと思いまして、投下させて頂きますです。
誤字脱字、苦情など御座いましたら指摘して頂けると幸いです。
未熟な私の文章をどうか読んで下さい。

・・・・・・コメント硬すぎorz

583量産型かいた2ごー:2007/04/05(木) 18:05:17 ID:3cm5FnFs
「第一章・事前打ち合わせ Prior_Meeting.」

    12月24日―クリスマス・イヴ、学園都市の学生、上条当麻は泣きそうな顔で歩いていた。
    「・・・・・・・・・・・・不幸だー!」
    本日何度目になるか分からない言葉を叫びながら学校へ向かっている。
    巷では冬休み、しかもクリスマス・イヴということもあって、他の学生達がルンルン気分で闊歩している。
   しかし、今の上条には気にする余裕すら無い。
    上条の学校は今日から冬休みであり、同時に今日から冬休みの補習が開始である。
   「何で財布忘れたのを駅で気付くかなー?」
    財布を忘れたため、電車にもバスにも乗れず、
    しかも、今日は寝坊気味で起きたため、戻る余裕もなかった上条は学校まで歩く羽目となったのだった。
   「まぁ、でもインデックスが起きなかっただけましかなー」
    インデックスというのは男子寮の上条の部屋にいる居候の少女のことだ。
   年中無休ではらぺこのシスターさんなのだが、実は完全記憶能力という特殊な体質で、その頭の中に10万3000冊もの禁書目録を
   持っているというトンデモシスターさんだったりもする。
    
   「起きてたら朝飯要求されて遅刻確定だからなー」
   本人が聞いていたら頭を丸齧りかれそうな台詞を言いながら上条は学校の校門をくぐる。
    そうは言いながらも、簡単な朝食を用意して出ているところは流石はカミジョーさんである。
  
    現在時計は8時24分、補習開始は8時30分からである。
   「流石に教室までは6分かからん! よっしゃー! 遅刻免れたー!」
    下駄箱に靴を入れながら上条はそう叫んだ。

   「今日が最初の補習だろー? もう全員揃ってる頃だよなー、何人ぐらい居るんだ?」
   小走りで教室の廊下に到る道を走っている上条はそういえば他のメンバーを知らないことに気が付いた。
   「ま、入れば分かるだろ」
   と、妙に音にしない教室のドアを開ける。
   「よーカミやん。 そろそろ小萌センセーきてまうどー?」
   直後に閉めた。
   「カミやん!? ひどいやんけ! 声かけた瞬間にドア閉めるなんて!」
   「ウルセー! なんでよりにもよってクリスマス・イヴの補習をテメェなんぞと受けなきゃならねぇんだ!」
   「上条ちゃん!? なんで先生の名前が無いんですか!?」
   廊下の向こうから上条の担任、見た目小学生、身長135cmの月詠小萌が走ってきた。
   「あー小萌先生、メンバーこれで全部?」
   「欠席報告した子以外は全員いますよー? ・・・って質問に答えてもらってないです!」
   やっぱり不幸だー!と呼びかけを無視して上条は叫ぶ。
   横ではもういいです! 早くはじめますよー!とやや不機嫌な声で月詠小萌が補習開始を促している。
   教室内では青髪ピアスが「ああー! 朝っぱらからカミジョー属性がー!!」とかなんとか叫んでいる。


一旦ここまでです。

584■■■■:2007/04/05(木) 20:40:37 ID:E1g4Vin6
>>582
半年ROMれ、とはあえて言わずにいくつか指摘するに止めておこう。
・メール欄にsageと入れれ。
・名前欄は作品名で。
・無意味にコテハン名乗るのはやめましょう。
・卑屈が過ぎるとかまってちゃんに見えるぞ。

感想を書くには短すぎるのでもう少し投下されるのを待つよ。日常風景だと殊更そうだし。
あと実にどうでもいい疑問なんだが序章じゃなくて第一章なのか?

585■■■■:2007/04/05(木) 22:12:16 ID:O/HyxKVU
>>582
誤字指摘しとくか
×頭を丸齧りかれそうな
○頭を丸齧りされそうな

何度も話題にでてるが
「・・・」は『……』と三点リーダーを二個繋げるのが基本。
見た目と美しく読み易い。
「―」も同様。「――」と二個以上繋げて使うのが基本。
地の文は一段下げて。段落が変わったら次の行へ。

内容についてはもう少し待ってみるので続きをどうぞ。

586■■■■:2007/04/06(金) 19:59:11 ID:dPaHXuNs
一つ聞きたいんだが土御門の喋り方に付いて何だけどさ
真面目な時とか口調変わるんだっけ?
後、神裂も呼び捨ての時とねーちんって言うときとあるしさ、
わからんなぁ、ちょっち教えて小説に差し支える

587■■■■:2007/04/06(金) 20:13:34 ID:C0pogBfw
>>586
真面目な時は「〜だと思うか」とか「〜するぞ」とか上条みたいな口調に。
キャラクターを装う必要が無くなったり余裕が無くなった時のみの限定。
神裂の件は
通常時は「ねーちん」真面目モードは「神裂」と呼び捨てにするのだよ。
通常でも語尾が「にゃー」とか「だぜい」じゃ無い時もあるからアレは意識して付け足してるんだな。
陰陽術を使うときは詠唱は漢字とカタカナでルビには「くそったれども」とか
乱暴な表現が使われる。
あと忘れられがちだが奴は手が長いらしい。
よいSSを待っているといいながら俺も続きを……。


よし決めたぜ……俺はローラを書かないことにするぞ。
理由:古文苦手。

588586:2007/04/07(土) 00:00:44 ID:Y5nsfOyU
587、感謝
ありがとう
そっちも頑張ってくれ!

589586:2007/04/07(土) 00:46:17 ID:Y5nsfOyU
御坂美琴は廊下を歩いていた。
先ほどの青髪でピアスを付けている青年が指差した方向は長い廊下が続いていた。
御坂の格好は、上条の学校とは違い名門中の名門、常盤台女子中学の物。
廊下ですれ違うたび、この学校の生徒が振り向く。
別の制服という異質な存在は充分に周りの注目を浴びている。
しかも今は昼休み中とはいえ、遊びに来る様な時間では無いのだ。
何故、常盤台中学のレベル5の御坂美琴が居るのか? それは今から1時間半前に逆戻る。

「今日の家庭科では料理の勉強を致します。」
退屈そうに頬づえを付く美琴が今居る部屋は調理室。
何人かのペアに分けて常盤台のお嬢様達は、
真っ白な調理様のテーブルの周りの椅子に腰掛けている。
前の壇上では優しそうな笑みを見せている40台半ばの女性が料理について説明していた。
「将来的に殿方に素晴らしい料理を作る事こそが女性として完璧の証」

美琴は聞いていない。
帰ったら何をしようか、とぼんやりと考えていた。
今日は朝のホームルームで3時間だけと告げられていた。
理由は昨夜、何者かがこの学校都市に侵入して来たらしい。
それだけならいつものカリキュラム(時間割)でいいのだが、そ
の侵入者が現在常盤台の近辺にいるかもしれない。
という情報があったらしく、風紀委員(ジャッジメント)と警備員(アンチスキル)はご苦労な事に朝から飛び回っていた。
危険が伴う可能性の為、学校は午前中ですぐに終わって寮でジッとしておけ、
という意味合いが込められている気がしてならない。
常盤台近辺の学校も同じ様な状況らしい。
いつもなら常に御坂を狙う後輩の白井も風紀委員(ジャッジメント)の仕事で朝から不在。
常に警戒を怠らない様にしている御坂だが、その白井も居ないため、御坂はのんびりと学園生活を送っていた。
そんな御坂だが、ふと壇上の先生の一言が耳に入る
「料理をする女性は異性に好感を抱かれる事もあります」
御坂の頭の中で1つの言葉が思い浮かんだ。
『あの殿方も家庭的な女の子の方が好みではありませんの?』
いつかの病室で白井が言った言葉だ。
そして、御坂の脳裏に浮かぶもう一人の青年も過去に似たような事を言っていた。
(や…やっぱりそうなのかな……)
一人考え込むように白い机に目を落とす。
みるみる内に顔が赤くなる。
壇上の先生が手を叩くと、周りのお嬢様方も料理を作る為に動き出した。
御坂も慌てて立ち上がると、何処かぼうっとしながらも真剣な顔で料理作りへと向かう。


そして早目に学校が終ると上条の学校近くまで来ていた。
いつかの運動会で学校名は知っているのですぐに見つかった。
校門前で待っているはずだったが、小学生位の子に理由を聞かれ、答えると妙な顔つきになった後、軽くため息。
小さな女の子に後ろを押されて中へと連れて行かれてしまった。
上条のクラスを手っ取り早く言うとサッサと女の子は消えてしまった。
何故あんな小さな女の子がこの学校に居たかは疑問が残る。
そして現在に至る。
固い四角の革鞄には学校で作った料理が入っている小さなお弁当が一つ。
何と言って渡すかはここに来るまでに何度も考え直して決めた。
通路の先には狭い階段があった、場所的に屋上に続いていると考えたほうがいいだろう。
この先にあの青年が居る。
そう思うと早鐘の様に心臓の音が聞こえる、気に入ってもらえるだろうか、付き返されたらどうしよう、そんな言葉が頭に過ぎる。
お弁当を渡すだけのはずなのに、御坂は緊張していた。
固いアスファルトの階段を上がる度に響く靴音が耳に残る。
ドアの取っ手に手を掛けると少しだけ力を入れて回す。
ガチャっという音と共にドアが開き太陽の光が御坂の顔を照らす。
いきなりの光に目を細めるが徐々になれて行くと、広い真っ白な屋上が目の前に広がっていた。
そして、居た。
その青年は錆付いた今にも壊れそうなフェンスにもたれ掛かり真っ青な頭上を見上げていた。
御坂の早鐘が更に速くなる。
お弁当を入れた革鞄を隠すように後ろに回すと、小さく深呼吸。
何気ない調子で青年に近づいていく。
青年の前まで来たが青年は気づかない、頭上を見上げている。
御坂はいつもの調子で言った、悟られない様にさり気なく。
「何してんのよ?あんた」
青年がこちらを見ると驚いた表情を見せてから不思議そうに軽く首を傾げる。
「お前こそ、こんな所で何してんだ?」

590とある天草式の腐敗子(カープション、チルド)[corruption child]:2007/04/07(土) 00:48:34 ID:Y5nsfOyU

ちょ!上マジですんません!!しくった、586のまんまで出してしまった。
これの上が題名です、すんません
そんじゃ下から続きと




――同時刻
上条の学校から少しだけ離れた所、真っ赤な太陽が射す公園は周りには誰もおらず不気味に見える。
そんな中ベンチに腰掛ける金髪の青年、普段はアロハシャツにサングラスだが、今は上条と同じ制服を着ているのでいつものイメージはもてる為に付けたサングラスだけ。
その男の名は土御門 元春(つちみかど もとはる)。
だらしなく座っている割に顔は真剣な面持ちで携帯を耳に当てていた。
「じゃあ腐敗子はもうこっちに……?」
土御門の声が緊張で押し殺される。
『ああ、僕たちも、もうすぐそっちに着く。
こちらが着くまでは戦闘は避けてくれ、間違っても戦うな、逃げる事だけを考えろ』
電話の相手は赤髪の神父、ステイル=マグヌス。
「特徴は無いのか?誰が腐敗子かわからなくちゃこちらも対処のし甲斐が無い」
土御門はあまり腐敗子の事を知らない、それは魔術界でも殆ど見られない存在だからだ。
『………そうだな』
神父は少し合間を空けた。
『僕も実際見てないから何とも言えない、神裂からの受け売りだが』
その時、誰いないはずの公園にジャリッという砂を踏む音がした。
何気なく土御門はそちらを向いた。
そんな事を知らない電話向こうのステイルは特徴を話し始める。
『真っ白な髪、それと同じ位白い純白の眼を持つ15歳位の男』
そこに、炎天下の中、見てるだけで暑苦しくなるような厚着の青年が居た。
真っ白なスウェットを上下共に揃え上のスウェットに付いているフードをすっぽりと被っている。
顔は俯いていて見えない。
『後、長い棒の様な物を持っているらしい』
青年の右手には白い布で覆われた2メートル弱の長い棒が握られている。
青年が開いている左手でフードを取った。
白すぎると言っても言い過ぎではない髪が現れ、青年が顔を上げると白い前髪が掛かった髪が揺れ、髪と同じくらいの純白の眼が見えた。
土御門の頬を冷たい者が流れた。
それは暑さのせいで出たものでは無い。
『土御門? 』
ステイルが何も喋らない土御門に不振そうな声を漏らす。
「ステイル・・・神裂を連れて早く来い! 」
それだけ言うと土御門は携帯を切った。

青年は口を開いた。
「貴様が土御門元春、か? 」
「そうだったら?」
土御門が慎重に立ち上がると握りこぶしを固めた。
「目的は何だ、禁書目録の強奪か? 」
土御門は男を睨み付けながら後ろに一歩下がる。
突然の事に土御門の頭が摸索する。
今はどう戦うか、どう逃げるか、考える為の時間稼ぎが必要と判断した。
「……禁書はついでだ、」
青年の低い声はある種の殺気を帯びていた。
(……ついでだと?)
土御門が青年の棒の範囲外にまた一歩下がる。
「まずは貴様達の排除からだ」
青年が土御門とは逆に足を一歩前に出す。
「貴様達……だと?」
男が上下にゆらゆらと揺らす長い棒の警戒心は怠らない。
揺れるたびに棒に被せている布がはためく。
「禁書の付き人のガキの所にも別の奴が行っている」
(――――かみやんっ! )
土御門の摸索が一瞬だけ止まる。
しかし、すぐに頭は動き出す。
(かみやんなら大丈夫だ、しかしコイツは何故こんな事を教える? こいつが俺に教える事にメリットがあるのか?)
質問を返したのは土御門だったが、答えるとは思わなかった。
以外にもすらすらと男は答えた。
(動揺を誘っているのか? 嘘を言ってこっちの判断を鈍らせるつもりか? )

男が片手で持っていた長い棒をゆっくりと肩に持っていく。
トントンと肩の上で、棒をはねらせているのはクセだろうか。
唯、別の状態に切り替えたというのだけは解った。
「ガキを苛める趣味は無いんだが、悪いがそろそろ……」
男はそこまで言うと大きくため息を付いた。
「排除する」
躊躇無く言った言葉は、何の感情も込められていない。
そこから土御門にはこの青年がプロで有る事が解った。
無表情な顔は何を考えているのかは判らない、
ただ吸い込まれそうになる純白の目は、ひたすら土御門を見据えていた。

591とある天草式の腐敗子(カープション、チルド)[corruption child]:2007/04/07(土) 00:52:47 ID:Y5nsfOyU
やっぱ、これ位じゃ投稿しない方がいいのだろうか?
とりあえず『ここ、こうしたらいいと思うよ!』的な物とか有りましたら
お願いします、一応修行の為書くいてますから
まだまだ未熟な自分なのでよろしくお願いするッス
そして上での題名ミス、はスイマセンでした、以後気をつけます
本当すいませんでした!

592■■■■:2007/04/07(土) 12:41:09 ID:4q6MiL2U
まぁ、そこまで卑下に入らないでも良いと思う。
文章は破綻してないし。
後、台詞以外は全角スペースを一つ入れるとメリハリが出るぜ?

ローラは本当に難しいからなぁ。しかも古文混じりというのがまた恐ろしい。
古文口調だけならまだしも、そこに普通の喋り方が入ってくる。
SS作者にとっちゃ、天敵だろうな。

593■■■■:2007/04/07(土) 21:14:09 ID:WTu96eLU
だからあまり卑屈になるなと何度言えば(ry 
別にそれ位のミスなら怒る奴はいないだろうさ……。
>>591も言ってるが段落の頭はインデントをつけた方がいい。昔、作文の時に習わなかったかい?
一意見としては、地の文では美琴だとか、当麻の学校のセキュリティはどうしたとか、土御門の場所をどうやって知ったとか、禁書とはよばねぇだろとか、どうやって侵入したとか、
魔術師を呼んじゃまずいだろとか、他には時々ある不自然な改行が気になったな。なんか全体的にぎこちない感じがするのは書きなれてないからか?要精進。
んで前から聞きたかったんだが、腐敗子のルビに句点が入ってるのはわざと?
それと単数形ならチルドじゃなくてチャイルドじゃないのか。

ローラはアレだよ、多分普通に台詞を作ってから改造すればいいんだよと言ってみる。

594空白 ◆Oamxnad08k:2007/04/07(土) 21:46:52 ID:VEjTMSpg
>>567 なんとッ専用ブラウザにそんな便利な機能が!?

>>593 
>ローラの書き方
それだよ!
なんだこの頭の中に掛かった靄とか霧とかそういう類の物がパァーと晴れていく様子は。
もしかして俺にもローラが書ける……や、やっぱ難しいわ。
>禁書
ごめん、俺も土御門にインデックスの事を「禁書」って呼ばした事ある。

>>591
人の作品についてはあんまり言えた立場じゃないから一個だけ。
上条当麻=高校一年生、水瓶座(1月20日から2月18日まで)の16歳。

595■■■■:2007/04/07(土) 22:25:46 ID:wuPrNpnI
>>591
白井のあの台詞が回想で出るってことは原作八巻以降だよね。
つまり9月14日以降?。
炎天下?
残暑厳しいのだな、きっと。
あと空白の人がさり気なく言ってるけど青年って括りは一般的に20〜30までの男性を指すものだと思うぞ。まあ広い意味では40代まで含まれたり時代時代で範囲が変わるからなんとも言えないかも知れないがな。
ちなみに江戸時代とかなら元服すれば1人前だから元服後青年でもオーケー。

土御門の台詞の対処のし甲斐が無いってのは前後の文から見て不適切だと思うのは俺だけかな。誤字の指摘は者は人を指すとだけ言って置くから自分で探してみるといいよ。

投稿は途中で投げるべきでは無いな。
生み出したキャラクターや物語に失礼だ。
筆を置くのは完結した後か死んだ時だけぐらいの気概が欲しい。
練習練習と強調しない方がいいぜ。卑屈になっても良い事無いしな。
めげずに精進を重ねてくれ。


>>594
確かそれ自体が土御門とインデックスの会話ネタだった気がするんだが気のせいか?。俺個人としてはアレには違和感無かったぞ。
土御門なら言いそうな気がした。
インデックスもうまく切り返してたし。

596腐敗子:2007/04/08(日) 00:42:05 ID:JIozxiRE
皆様本当、ありがとうございます。
様々なアドバイスには身の染みる思いで、
やはりココは色々とはっきりと言ってくれるので直したり出来て、
精進には持って来いですな、
これからも、直す点をバシバシと言って頂けると本当嬉しいッス
お願いします、

後、卑屈と言われ、?と思っていて自分の文章を見てみると、
ああ、確かに卑屈だと自己嫌悪、
すんません、書き方がアホでした
591の『やっぱ、これ位じゃ投稿しない方がいいのだろうか?』
訂正『やっぱこれ位の量じゃ投稿しない方がいいのだろうか?』

要するにもっと沢山書いて出した方がいいのかな?という疑問です。
てかどっちにしても卑屈には変わらないんですがね、

最後にもう一度言いますが、アドバイス、指摘は本当嬉しいです。
ありがとうございました。

597■■■■:2007/04/08(日) 16:12:12 ID:DBqqF5nI
ちょっとだけ投稿し辛い空気が緩和された気がするな。
ラノベでもなんでもいいから参考にしてみると良いぜ。>>582
しっかりとキャラクターを掴んでおかないと違和感がでたりするから登場人物同士
の呼び名とか喋り方とかな。
裏返せばキャラクターの顔なわけだから。
二話目というか続きがあるならその辺り気をつけれ。
でもって地の文が小説の命。
もひとつ言えば時間を使うなら物語の構成を書き出してチャートを作ってから。
書くといいぞ
いっかい書き始めたなら完結まで行くしか無いけどな。
とにかく続きでの精進を待っている。
けっこう長くなってしまった長文スマソ。

追伸
俺はどの作品も貪欲に読み続けるつもりだ。

598■■■■:2007/04/09(月) 14:22:19 ID:yCKiS/uk
そういえばステイルなんかはよく学園都市来てるけど大抵冒頭でアレイスターと話しちまってたりします。
1巻は多分アレイスターの仕込み
2巻はアレイスターの許可ありでステイルのみ
へた錬金術師は存在がばれてる。
4巻はそもそも学園の外
5巻のオウマたんも結局騒ぎになってるし。
6巻はシェリーが警備員と風紀委員と戦闘してたりする。
7巻は手元にないからその辺り微妙だけど天草とオルソラは縮図巡礼だろう。ローマ正教組とイギリス清教はなんか説明があった気がするんで。
9巻10巻はそもそもイベントで外部から入りやすい。
11巻は外国。
と魔術師連中もキチンとした理由づけがあっちまうんですよ。
その辺りをキチンと作り込んで置かないと後々困る羽目になちまうんでしっかりとしてください。

特に時系列と経過時間。
上条や美琴の移動手段は放課後の描写みる限り多分徒歩だと思うんでバスとか駅とか正直どうだろうとか思っちまいますね。

599■■■■:2007/04/09(月) 17:03:20 ID:S29cfiAc
上条は学校行くときは基本的に電車のはず。
帰りは歩きみたいだけど急ぐときは電車でもよさそうだな。
あと七巻はそもそも学園都市外部の出来事。近くではあるけどね。

魔術師に関しては、土御門とかアステカみたいな内部スパイでも面白いかも。

600■■■■:2007/04/09(月) 18:20:01 ID:yCKiS/uk
ただアレですね。
魔術側は大魔術やら霊装やら禁書狙いやらで事件の種がたくさんあるんだけど逆に科学側の事件ってなんだか作りづらい気がしちまうんですよ。
でも一読者、一個のファンとしてSS職人さん達には期待しちまうんですよ。
そして俺の脳内にはまだまだ先の子供の日用に打ち止め日記なる不思議なタイトルが浮かんだんだけど。
こういう系得意な作家さんいらしたら是非、なんなら小萌先生の日誌でもいいやってリクエストしてみちまいます。

601とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/04/10(火) 20:17:10 ID:FG/iPCLg

[14]Interval extra02―初春さんと置いてけぼりツインテール

「明日はクリスマス・イヴだと言うのに、なんでわたくしだけこんなに働き者なんですの?」
 誰とは無しに零れた嘆きの言葉は、コンクリートの冷たい壁に反響し消える。
 狭い廊下を歩きながら、白井は自分で言っててなんだが少し悲しくなった。
 本当なら憧れのお姉様に、一日中べったりと付きまとっていたいのだが、どういうわけか今日"も"次々と仕事が入る。
 おかげで朝から学園都市中を飛び回る羽目になっている。
 もちろん昼食なんてまだだ。お腹も大分空いている。
 もう、西に事件あると聞けば西に、東に事件あると聞けば東に、といった感じだ。
「ダイエットには丁度良いのですけれどね」
 と自分のほっそりとした腰に手を当て独り言をぽつり。軽く自虐的に笑いながらも、規則的に足は動かす。
 自らのトレードマークである茶色のツインテールを従えて、長い廊下を歩く白井は、今のところ誰ともすれ違っていなかった。
 もともとこの建物を訪れる人間の数はそう多くないので、少しも不思議と思わない。
 訪れるのはごく一部の人間。
 不機嫌そうに進むツインテールの少女の様に、緑の腕章をつけた風紀委員(ジャッジメント)ぐらいだ。
 風紀委員(ジャッジメント)には幾つも支部がある。風紀委員(ジャッジメント)は、それぞれ所属する学園の治安を守るのが、本来の役目である。
 だから風紀委員(ジャッジメント)の支部は、各学園に一個づつ作られているし、風紀委員(ジャッジメント)は、各学園から選出される。
 それこそ数えるのも馬鹿らしくなるくらい存在する支部は、白井も総数でいくつあるのか良く知らないし、別に興味も無い。
 お昼前に"学外"で起きた、"ちょっとした揉め事"を解決した白井黒子が、肩で風を切るというおよそお嬢様らしからぬ様子で歩く、
硬く冷たい感触のリノリウムの廊下がある建物も、その一つだった。
 白井の、『歩く』というよりは既に早足に近い足取りは、彼女の今の気分を代弁するかのように、パタパタとスリッパが床を叩く音を
撒き散らしていた。
 
 しばらく無人の廊下を歩いた先にゴールはあった。
 『風紀委員活動第一七七支部』とこの部屋を示す長方形のプレートを睨みつけて、白井はドアの横にある四角いガラス板に自分の
人差し指をくっつけた。
 ピッ、と小さな電子音がした。
(毎度毎度面倒ですの。いっそ自動で開いて欲しいものですわ)
 もう一度わざとらしい電子音が聞こえると、指紋、静脈、指先の微振動パターンが登録されたデータと一致しないと解除されない
厳重なロックが解除された。

「入りますわよッ初春!」
 意識して出した大音量の叫びと共に、豪快にドアを開け放ち、白井は部屋の中に入った。

602とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/04/10(火) 20:23:47 ID:FG/iPCLg
 機能性のみが追及された殺風景で飾り気の無い風紀委員(ジャッジメント)の支部。
 あまり広くは無いオフィスのような空間にいるのは中学生くらいの少女が一人。他には誰も居ない。
 役所に置いてあるようなビジネスデスクが並び幾つもの最新式コンピューターがその上に鎮座しているだけだ。
「白井さんったらそんな大声出さなくてもちゃんと聞こえてますよー」 
 頭の上にお花畑を咲かせてる少女――初春飾利はケラケラと笑いながら『人間工学的に疲れない変な形の椅子』を180度回転させて
振り返り、甘ったるい声を返してきた。
 一般的なデザインの紺色のセーラー服を着ているが、どこか服に着られてる感じがする少女。左腕にはやはり白井の物と同じ緑の腕章。
 この部屋は、風紀委員(ジャッジメント)の支部であり、入り口のドアのロックは、一部の例外を除き、風紀委員(ジャッジメント)として登録されて
いる人間にしか開ける事は出来ない。
 つまり、この部屋に居る=風紀委員(ジャッジメント)という図式が出来上がる。
 彼女も白井と同じ風紀委員(ジャッジメント)だった。
 だが一口に風紀委員(ジャッジメント)と言ってもピンからキリまである。
 大多数の風紀委員(ジャッジメント)は異能力者(レベル2)よくても強能力者(レベル3)がほとんど。白井のような大能力者(レベル4)なんてのはむしろ
稀だ。中には能力の強度なんて関係無しに有能なのも居たりするがそれは更に稀と言っていい。
 例えば白井の目の前にいる中学一年生の少女みたいに。
 能力によって得意な任務が違ったりする、という面もあるから単純に、能力の強度=風紀委員(ジャッジメント)の実力というのは、
あまり成り立たない。適材適所。なんと良い言葉だろうか。
 初春飾利はどっちかと言えば有能の部類に分類されるのだろう。白井から見ても初春の情報収集能力はちょっとずば抜けている。
 その上よくコンビを組むのが機動力&戦闘力抜群の白井だ。自然と『お仕事達成率』は高くなる。
 白井はツカツカパタパタと初春の方へと歩み寄った。
「ごきげんよう初春。帰ってもよろしいですの?」
 顔だけ笑って告げた。
「ごきげんよう白井さん……って突然お嬢様っぽい挨拶で煙に巻こうとしても駄目!絶対駄目です!」
 椅子の上に立ち上がった初春は両手で大きくバッテンを作った。
 誰かの舌打ちが小さく鳴った。
 
  
「それはそうと初春。なんか前にもこんなパターンで呼び出された事があった気がするのは気のせいですわよね。あんな大事件が
ホイホイと起きてもらっても困りますものね」
 遠い目をした白井が言ってるのは『残骸』を巡って九月十四日に繰り広げられたあの事件の事。
 今回もあの時の様に初春が電話で「白井さんちょっと支部まで」って言うものだからわざわざ支部まで出向いてやったのだ。
「白井さんったら、やっぱり予知能力(ファービジョン)系の方向に目覚めたんですね。いやぁ、やっぱり才能がある人は違うんだなぁ。
ほんと尊敬尊敬。尊敬しちゃいますよ」
「……多重能力者は存在しない筈ですわ」 
「――でも多分『あたり』です。ぱちぱちぱち、すごいですね」
 初春がわざとらしく手を合わせる。何度も何度も。拍手の音がやたらと虚しく響いた。
「これはもう高笑いでもするしかありませんよね。はっはっは」
 拍手にわざとらしい高笑いも追加された。
「ふっふっふ、あら、なんだか楽しそうですわね」
 白井のわざとらしい声も加わり一七七支部には笑い声が木霊した。

603とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/04/10(火) 20:35:36 ID:FG/iPCLg
「わたくし急用を思い出しましたわ。初春、後はよろしくお願いしますですわ。それではごきげんよう」
 踵を返し、そそくさと立ち去ろうとする白井の手をがしりと掴む物があった。言うまでも無い、初春の手だ。
「あーっと。そうは問屋が卸しませんよ。そんな都合良く急用とか思い出すわけ無いじゃ無いですか!」
「チッ」
「今、舌打ちしましたね?」
「してませんわ」
「絶対しました!あんなあからさまな舌打ち初めてです」
「気のせいですわよ」
 白井はわざとらしく口笛を吹いた。 
「いいですか白井さん、嘘はいけません。嘘は最低です。まぁ世の中には『吐いてもいい嘘』ってのも確かに存在しますけど、
それらはあくまでも例外って場所に分類しておいて欲しいんですよッ」
 逃げられてたまるか!とばかりに白井の腰に初春がしがみついて来る。その目は真剣そのものだ。
「うわーん。このままでは私一人が面倒な事件に関わる事になってしまうのは明白なんです。一応定められたマニュアルに従って
本来の所轄である警備員の方々への連絡は済ましてあるんですけど、事態はどうも望まない方向へと転がって行ってるって感じ
なんですよー。この前みたいに、応援の警備員の方々が私に状況説明を求めてくるのはもはや当たり前すぎて確定事項なんです!」
だから彼女は必死だ。もう一度繰り返す。初春飾利は必死だった。必死過ぎて白井を捕まえる両の手には必要以上に力が籠もっていた。
 極端な話、とても痛い。白井が。白井黒子のウエストの辺りがとても痛い。
「嘘じゃありませんわ!わたくしの体内ではいま激しくお姉様エナジーが不足してますの!今にも枯渇しそうですのっ!」
「お姉様エナジー!?そんな不思議な成分が人間の体に存在する訳無いじゃ無いですか。冗談ばっかり言ってないでたまには
優しく手伝ってくれても良いじゃあ無いですかぁ!」
「わたくしの体には存在するんですのぉぉぉ!」
 白井も初春とは別の意味で必死だった。
 ここ最近お姉様――つまり敬愛する御坂美琴と白井黒子が接する時間は大幅に削られている。
 それもこれも、このお花大好き少女が、白井に押し付けてくる、大小様々な厄介事の数々が、その原因の一つだ。
 数々なのだから厳密には一つでは無かったりもするのだが、要するにこれ以上付き合ってられるか、と言う事だ。
「早急にお姉様エナジーを補わないと命の危険すらありえますわ。集中力も低下しますし」
「あんまり意地悪しないで下さいよ白井さん。私の命が危ないんですよ。知らないんですか?命が危ないととっても危険なんですよ!」
「訳がわかりませんわ。なんで状況説明だけでそこまで飛躍するんですの?とにかく今すぐにでもお姉様に熱烈な抱擁をしないと
わたくしはきっと明日の夜明けを見る事無く死んでしまいますわ。だからその手を離しなさい初春ゥ」
 右手で初春の頬を押しのけるようにして白井は抵抗を試みる。が、一向に初春は白井から離れない。
 だって必死なのだ。全力なのだ。人間やろうと思えばとんでもない力が出せるのだ。俗に言う火事場のなんとやら、である。
「いやですぅぅ!白井さん知らないんですか?説明って面倒なんですよ!面倒なのは誰だって嫌いですよね?私だって嫌いなんです。
だから白井さんは私の手伝いをしてくれないと困っちゃうんです!手伝ってくださいよ白井さん」
 初春の両手は白井の腰から首へと場所を変えた。ついでに締めた。キュッと締めた。
 気道を圧迫され白井の息が詰まった。
「ぐぁ」
「警備員の人って本当に細かい事まで説明を求めてくるんですよ?細かい説明は面倒なんですよ!面倒なのは誰だって嫌いです!
いいですか白井さん?私は面倒なのが嫌いなんです!だから手伝ってください、お願いです」
 初春は半狂乱気味に喚き立て、掴んだ白井の首をそのままブンブンと激しく前後に揺する。
 白井の首ががっくんがっくんと、ちょっとやばげに、壊れた水飲み人形みたいに動く。
「く、くるしいですわ……」
 弱弱しく白井の手が初春の手を掴んだ。

604とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/04/10(火) 20:37:54 ID:FG/iPCLg
「聞いてますか?白井さん。根掘り葉掘り聞かれるのはとにかく面倒です!面倒なのはみんな嫌いです。そうでしょ?
私も本当に面倒くさいのが嫌いなんです!いや嫌いなんじゃなくて本当は苦手なんですけど、この際どっちでも良いですね。
根掘り葉掘りの根掘りは判るとして葉堀りって一体なんなんでしょうね?根っこは掘れるけど葉っぱなんて掘ったら反対側が覗けちゃう
と思うんですが、まあ今は関係無いですよね。
警備員(アンチスキル)の人もぺーぺーの風紀委員(ジャッジメント)である私の説明なんかより、すらすらと答えてくれそうな白井さんの方が良いに
決まってるじゃないですか!白井さん?白井さ〜ん!私の話を聞いてくださ〜い」
 ヘッドバンギングはいよいよヘビメタ系アーティストのライブもかくやといった具合に絶好調の極みだった。
 二本のツインテールの先っぽが空中に孤を描き、規則的な縦運動にはついに、右回転まで加わった。
 遠心力は速度の二乗で増加し、白井の視界も螺旋を辿る。
「目が、息が――」
 わなわなと痙攣しだした白井の両手の動きが不意に止まり、力無くだらんと垂れ下がる。
「白井さ〜ん、寝たら死んじゃいますよぉ!起きてください起きてください起きてください――」
 初春は訳の分からない台詞を吐きながら白井を揺する。揺する。超揺する。縦縦横横丸書いてちょん。上上下下右左右左BA。
 とにかく揺すった。
「――シッ!!」
 小さく吐き出した吐息と共にギラリと白井の目に一瞬だけ活力が戻った。
 そして白井の両手が手刀の形を取り、下から一気に跳ね上がった。
 目標は首を掴む初春の手首。
 空中で合掌するように合わせられた手刀は、細い手首の間へと、強引に滑り込んだ。
 そして人間の構造上どうしても力が掛かりにくい場所から左右へと力任せに押し開く。
「いい加減にしなさいですのぉぉ!」
「はぅぁ!?」
 背景に巨大な炎を背負って大噴火したツインテールの怒号でビクゥ!と初春が正気に戻った。  
 風紀委員(ジャッジメント)の四ヶ月に及ぶ研修の中には基本的な格闘技の研修があったりする。
 当然相手に掴まれた場合、首を絞められた場合の対処法もある。今のはその応用だ。
 白井黒子の研修中に格闘技の研修を担当していた女性の警備員(アンチスキル)もまさか同じ風紀委員(ジャッジメント)同士でその成果を発揮する事に
なるとは夢にも思うまい。
 本当、人生何が役に立つか分からない。
 白井はこの時、教官役の警備員(アンチスキル)に心から感謝した。
「そのうち本当に死んでしまいますわッ!少しアレンジしただけの同じ言葉を早口で誤魔化して何度も何度も使って畳みかけようとしても
わたくしは断固として拒否致しますわ。結局あなたが面倒なだけじゃないですの!」
 ダンダンダンと地団駄を踏み、続いてハァハァと荒い息をつく白井。なんだか目が据わってる。
「面倒くさいの嫌いなんですー。これだけ頼んでも引き受けてくれないっていうんですか?
白井さんのいけず!意地悪!ツインテール!腹黒!百合系!このお嬢様め!」
「なんですの、その言い草はッ、この花瓶!はなぺちゃ!やせっぽち!セーラー服娘!他力本願!地味子!発育不良!
頭の上だけじゃなくて中にまでお花が咲いてしまった四季折々娘!しっかり雑草を抜いておかないからこんな事になるんですの!」
「白井さんッ雑草などという草は無いんです!観念して手伝ってください」
「カッコいい事言いながらちゃっかりと自分の要求だけ通そうとするんじゃないですわ!」
 思いつく限りの悪口(?)を互いに浴びせあい、二人の中学一年生による不毛な罵り合いはしばらく続いた。

 数分後――。

605とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/04/10(火) 20:47:03 ID:FG/iPCLg
「手伝う手伝わないは別として、そろそろ休戦致しませんこと?一応話ぐらいは聞いて差し上げますから」
 白井が諦めたように呟くのは、二人の少女のボキャブラリーが双方共に尽きた頃だった。
「白井さんなら、そろそろそう言ってくれるって私信じてました。でも本当は手伝うって言って欲しいですね」
 まだ言うか――と、空間移動(テレポート)で急接近した白井のデコピンが、カッツーンと初春のオデコに火を噴いた。
「のー!白井さんったら冗談が通じないんですから」
 少し赤くなった額を押さえながら初春は言う。心無しか頭の花がすこししおれてる気がする。
 初春は軽く涙目になりながら、給湯室に引っ込んだ。
「紅茶でいいですか?」
「コーヒーがあるならコーヒーで」
 空きっ腹に紅茶を流し込むぐらいならコーヒーの方がまだ胃に優しそうな気がした。
 少ししてコーヒーカップを持って初春が戻ってきた。数は二つ。もちろん初春と白井の分だ。
 白井は差し出されたコーヒーカップを、適当なビジネスデスクに腰掛けて受け取った。
「なんで机なんです?」
 これは初春の疑問。なんで机に座るのか?椅子ならいっぱいあるのに?という意味だろう。
「わたくし、その椅子嫌いですの」 
 即答で返す。
 一七七支部にある椅子は、全てが初春が座る椅子と同じデザイン。普通の椅子は無い。
 変にお尻にフィットするあの椅子は白井的に嫌だ。
 椅子が無いと座れない。
 だから消去法で座るのは机しか無いじゃないかという事になる。
 行き着いた答えがコレだ。
「白井さん。お嬢様が机に腰掛けるのはお行儀悪いんじゃ無いですか?」
「例え机に腰掛けてても絵になるのが真のお嬢様ですのよ」
「そういうものですか?」
「そういうものですの」
「じゃあ御坂嬢がそれをやれば、さぞ絵になるんでしょうね」
 まあ、しそうにありませんけどね――、と初春は続けたが白井の耳にはまるで届いていなかった。
(お姉様が机に腰掛けて!?ああ、なんてすばらしい構図!見下ろすあの勝気な瞳……考えただけでもゾクゾクしますわ)
 脳内インスピレーションを全開で開放していた白井は、コーヒーカップを両手で持って固まっている様に見えた。
 少なくとも初春にはそう見えた。
「白井さん?コーヒーはお嫌いでしたか?」
 一向に飲まない白井を怪訝に思い、初春が声を掛けた。
「ハッ!?……ちょっと考え事をしてただけですわ。それにしてもこのコーヒーは入れた人間の心が反映されてる様に黒いですわね」
 あはははは――、と二人の少女の乾いた笑いがオフィス調の部屋に響いた。
「やだなぁ白井さん、砂糖とミルクが欲しいなら素直にそう言ってくださいよ」
 そして唐突にこんな事を言った。
「白井さん、コーヒーの楽しみ方を思いつきましたよ」
 にこやかな笑顔で初春は、どこからとも無く取り出したスティックシュガーとポーションタイプのミルクを白井の持つコーヒーカップ
へと注ぎ、プラスチックスプーンでぐるぐるとかき回す。
「コーヒーはまず見た目を楽しんでから……砂糖を入れてミルクを一杯」
「それワインの楽しみ方じゃないですの?」
 コーヒーカップの中では白と黒が渦巻いて混ざり合っていた。
「次に香ばしい香りを楽しんで……砂糖を入れてミルクを一杯」
「聞けよ話、ですの」
 初春が手品のようにミルクのポーションを取り出してコーヒーカップに注ぐ。白井のカップの中身に白みが増した。
 ついでに砂糖も追加された。

606とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/04/10(火) 20:54:10 ID:FG/iPCLg
「最後に味を楽しんでから……砂糖を入れてミルクを一杯」
「飲んでないじゃないですの……」
 プラスチックスプーンが円を描き、更に追加されたミルクと砂糖を灰色の液体に溶かし込む。
「今回はコーヒーですけど。学校でお茶ってのは何度考えても優雅なイメージがありますよね。残骸事件の時は結局教えてもらえません
でしたから今度本格的に紅茶を教えてくださいよ、白井さん。……砂糖を入れてミルクを一杯」
 灰色をとっくに通り過ぎても白の侵食は止まらない。甘ったるい匂いをさせる『ほぼ白い飲み物』は溢れんばかりに増量された。
 白井はとりあえず軽く脳天にチョップする事にした。
「って入れすぎですわ。いい加減にしないとコーヒーとミルクの比率が逆転してしまいますわよ」 
「え、でも。白井さんの『黒いの』を私レベルまで『白く』するにはッぎゃわー!」
 無言で白井のデコピンが炸裂。本日二発目の思いやりにかける破壊力に初春は額を押さえてヨタヨタとふらつく。
「わたくし面白くない冗談は嫌いですの。言うならもっと面白い冗談にしてもらえませんこと」
「ほんのウェットに富んだジョークだったのにぃ」
「カップの淵ぎりぎりにまでミルクと砂糖を継ぎ足して言うことはそれだけですの?」
 レシピとしてはミルクがいくつか。スティックシュガーもやはりいくつか。いくつ追加されたかも判らない。でも飲まなくても判る。
 きっと、とんでもなく甘い。いうなれば理不尽な甘さだ。どれくらい理不尽かといえば100gのシュークリームの中に含まれてる
砂糖の量が丁度100gですよ!ってぐらい理不尽だ。
 甘さの表現で『獰猛』とか『狡猾』とかが使えるのならきっとそんな感じ。
 ぶっちゃけると、とても飲めた物では無い。
 全世界のコーヒーの製造に関わる人達、流通させてる人達に謝れ、ひたすら謝れ、謝りまくれとすら思える甘さだ。
 だから飲まない。それどころか1㎜も動かせない。動かした瞬間に零れるのは目に見えている。
 早々に白コーヒーに見切りをつけ、ポットの傍らにコーヒーカップを空間移動(テレポート)させ放置すると。
 途端に手持ち無沙汰になりそっぽ向いてツインテールの先っぽを指先でいじくる羽目になった。

「白井さん」
 初春の呼び掛けにぴくりと白井が反応を示し、顔を向けた。
「やっと本題ですの?」
「そうです。白井さんを呼び戻したのは他でも無くてですね」
 初春はそこで一旦言葉を切った。少し考えてから一台のコンピューターへと向かい、白井に背を向けた。
 白井がしばらく後姿を眺めてると無線LANで部屋中の端末とリンクしている横に置かれたプリンターが動き出した。
 学園都市の電化製品は総じて高性能だ。
 風紀委員第一七七支部備え付けの備品であるプリンターも例に漏れず、大いに静粛性を発揮し数枚のA4用紙を吐き出し動きを止める。 
「まずはこれを見てもらえますか」
 初春はプリンターからA4用紙を引っつかんで白井に差し出した。

607とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/04/10(火) 21:00:45 ID:FG/iPCLg
 とりあえず出された以上は受け取るしか無い。
 白井は足をぶらぶらさせながら、ひょいとA4用紙をつまんで自分の顔の前まで持ってくると、ザッと書類に目を通す。
 A4用紙の内容はいくつかの写真と検証で構成された報告書のような物。
 とりあえず雰囲気だけ把握し白井は顔を上げた。
「なんですのこれ?」
「今日のお昼過ぎに繁華街を警邏中の警備員が発見した事故現場に関する報告書です」
「初耳ですわね」
「今言いました最新情報です」
 初春が最新情報と言うからには本当に最新の情報なのだろう。こと情報収集に関しては白井も舌を巻くしかない程、初春飾利という
風紀委員(ジャッジメント)は優秀なのだ。
「初春、これはどういう事ですの?」
「読んだ通りですよ、白井さん」
「読んで判らないから聞いてるんですの」
 書かれた文面をつらつらと読み進めるが、報告書特有の主観を取り払った表現で書かれてる為、いまいち状況が浮かんでこない。
 報告書としては多分"良"なのだろう。白井的には"不可"だったが。
 写真付で説明された文章を、斜めに読み進めていた白井の目は、ふと"ある一文"に留まった。
「"戦闘の痕跡有り"」
 顔を上げて、パンッとA4用紙を右手の甲で叩き、白井はその言葉を強調した。
 初春も、白井が言わんとする事がわかってるようで、淀むこと無く対応する。
「レーザープリンターのモノトーン画像じゃ良くわかりませんね。こっちに画像データもありますよ、見ますか?」
「見るに決まってますわ」
 ビジネスデスクから飛び降りて、コンピューターを操作する初春の椅子の背もたれに片手を掛けてモニターを覗き込む。
 サムネイルで表示された数枚の画像がモニターに表示されていた。
 さきほどの書類に載っていた物と同じ。但しこちらは鮮明なカラー画像だ。
 鋭い切り口で斜めに切断された街灯の支柱。
 とんでもない圧力を受けて、ひしゃげ、粉砕され、小さな瓦礫になったコンクリート片と、それらが収まっていたであろう大穴の開いた
コンクリート製の壁。
 割れた窓ガラス。アスファルトに突き刺さった閉店した中華料理屋の看板。
 続いて初春が操作するコンピューターのモニターにGPSのような地図が表示された。

608とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/04/10(火) 21:07:45 ID:FG/iPCLg
「それは?」
「この赤いのがそれぞれの痕跡です。ここからこう移動してたんでは無いかと思われます」
 地図にはいくつかの赤い点が点在していた。初春の指が痕跡を辿って行く。白井がその先を追えば繁華街の狭い路地裏の入り口辺りから
途端に赤い点が集中している。というかほとんどがここだ。
「現場はこの辺りですのね」
「ええ、この路地裏で戦闘していたのは間違いなさそうです。この路地裏は監視衛星の死角になっちゃうんですけど繁華街にも監視カメラは
ありますからね。それに痕跡を分析すれば使われた能力も予想がつきます」
「目星はついてるということですの?」
「ええ。これが決め手です。おかげで假名垣さんに連絡が取れない理由がわかっちゃいましたよ。
そりゃ携帯が壊れてれば連絡取れないですよね」
 そう言って初春はモニターの後ろの辺りをなにやらごそごそと探る。引っこ抜かれたその手には、警察の鑑識班が使いそうな
チャック付の厚手のビニール袋が握られていた。
 中身はピンク色の二つ折りタイプの携帯電話らしいもの。ヒンジ部分から乱暴に分割されている。
 これでは通話はおろか電源すら入らないだろう。
「真っ二つにへし折られちゃってますね。地面に落ちた携帯電話を掴んでばっきん!ってところでしょうかね。
中身も強力な電磁波でも浴びたのかメモリーやらチップやら、とにかく全部オシャカです」
 初春が片手を開く。パーです、と言いたいのだろう。
「掴んだのなら指紋が残ってるんじゃありませんこと?」
「さぁ?手袋でもしてたんですかね。携帯電話からは"一人分"の指紋しか出てきませんでした。携帯電話のシリアルナンバーも照合
しましたがこの携帯電話は間違いなく假名垣皐月(かながき さつき)さんの物です」
「路地裏の破壊跡は彼女が誰かと戦闘した跡というんですの?」
 戦闘。それも割と全力で。画像のような破壊を行なえるだけの威力をもし人間が喰らったらどうなるかは容易に想像できる。
(でもそこまでやっても勝てていないですわ)
「痕跡から見てそれが正解だと思いますよ。真空の刃とかは風力使い(エアロシューター)の人達の得意技じゃ無いですか。
すごいですよね、あれって鉄でも切断できるんですよね」
「初春、假名垣さんの能力はその画像のような破壊を行なう事が可能なんですの?」
「可能です。ていうか楽勝です。假名垣さんは大能力者(レベル4)の風力使い(エアロシューター)、能力名は『気流操作』(エアロタービュランス)です。
書庫(バンク)にあった実験データだけでも様々な結果を残してます。竜巻だとか短距離の飛行とかいろいろ」

609とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/04/10(火) 21:08:09 ID:FG/iPCLg
 目をきらきらさせ期待に満ちた眼差しで、白井を見つめる初春の視線を、軽く無視して白井は、
「――ああ、なんだかわたくしって不幸なヒロインを演じれそうですわね。トラブルが勝手に舞い込んできますわ」
 と零した。
 初春が「トラブルメーカー体質なんじゃ無いですか?」とか言った後に、短い悲鳴をあげて虚空に消えた。
 次の瞬間彼女は白井の後ろのビジネスデスクへと落下していた。「ぎゃ」と短い悲鳴が聞こえたが当然無視する。
「いきなり空間移動(テレポート)ですか白井さん!お花が落ちちゃったじゃ無いですか、もう」
「当たり前ですわ。不意打ちはいきなりする物ですもの。声を出して襲撃するのは三流のする事ですわ」  
「お嬢様は普通襲撃なんてしないと思うのは私だけですかね、白井さん。まぁそれはそうと良いヒロインのコツって知ってますか?
今思いついちゃったんですが、そのうち忘れちゃうと思うんで特別に教えてあげちゃいますよ」
 腰の辺りを押さえ、落っことした花冠を拾いなおした初春がそんな事を言った。
「教える代わりに手伝えと?」
「まさか。そんな事言いませんよ」
 なんだか嬉しそうな初春。
「なら聞きましょうか。科学万歳なこの学園都市にはファンタジー小説みたいにヒロインを攫う悪いドラゴンも
それを打倒する勇者もいませんわよ」
「何言ってるんですか、そんなファンタジー的な要素は必要ありませんよ。ヒロインが輝くにはたった一つの事をすればいいんですから」
「それはなんですの?」
 首をかしげる白井。ヒロインに必要な事の候補が、いろいろと白井の頭を通過し、没と言う名のダストボックスへと捨てられていく。
 いくつか白井にも該当しそうな候補もあったが、どこか違う気がした。
「わかりませんか?」
 白井は唇に人差し指を軽く当てて、片目を瞑り考え込むが、やはり思い浮かばない。
 やがて降参ですわ――、と両手を上に向けて肩を竦めた。
「わかりませんわ、それは必ずしも必要な事なんですの?」
「はい、必須事項です」
 再び数秒考え込んだが結果は先程と大差ない。
 せいぜい大きな亀に攫われるぐらいしか思い浮かばないが、それだと助けにくるのがヒゲオヤジだ。
 白井はその脳内設定を全力で拒否した。
「やっぱりわかりませんわ」
 白井の敗北宣言を聞いて、初春はビジネスデスクの上に座ったまま、
「それはですね――」
 少し間を空け、
「まず事件に巻き込まれる事です」
 とまだまだ発展途上の胸を張って、得意気に告げた。
「おや、こんな所におあつらえ向きな事件がありますよ。やりましたね白井さん、これでヒロイン確定です」 
 どうやら今日"も"白井黒子が『お姉様エナジー』を補充する事は出来そうに無さそうだ。
「はぁ……働き者ですわね、わたくしって」
 深い溜息は、今の白井の気分を端的に表しているかの様だった。
                                                    [12月23日―PM14:32]

610空白 ◆Oamxnad08k:2007/04/10(火) 21:22:21 ID:FG/iPCLg

お付き合いいただいてる方々お久しぶりです。
空白少女はあくまでも原作12巻時点までの情報をベースにしたIF世界のお話ですので
13巻やコミック版の新情報にはあまり対応しておりません。
その辺りどうぞご了承ください。
あと推奨文字サイズは相変わらず『中』もしくは『小』です。
苦情は空白まで――。

追伸:紅茶良くわかりません。

611■■■■:2007/04/10(火) 23:18:01 ID:/uVvY1uY
>>空白の人
ぐじょぶーなりヨ。ほのぼのしつつ着実に事件に巻き込まれる白黒の役割や如何に?
ほのぼのと喧嘩しつつ情報を出すのはよいのですが、ちょっと冗長気味かな。
ルビ部分は一レスにつき最初の一つ位でよいかと。一回つければあとはわかるしね。
こっちは個人的なことだが、括弧付きにルビ振る場合は括弧の中に巻き込んだ方が読みやすいぜ。

612■■■■:2007/04/11(水) 02:05:01 ID:NCjP6rmw
>>空白さん
GJです!頑張ってください。心よりお待ちしております。

613612:2007/04/11(水) 02:07:27 ID:NCjP6rmw
続きを……が抜けてしまいました。すみません!

614■■■■:2007/04/11(水) 02:17:19 ID:hjbpetcw
ネタバレってもう良いのか?

615■■■■:2007/04/11(水) 04:38:59 ID:66wLeVrY
お、俺の初春がギャグキャラに〜!
エアロタービュランスとかルビがやたらとかっこいいのですが気のせい?
>>614 いいんでない?絵師も13巻の資料公開してたぞ。ラフがほとんどだったけど。

616■■■■:2007/04/11(水) 10:21:33 ID:ZtyCecmE
>空白の人
GJですよー。

初春、ジョークで富んでるのは「ウィット(機知、機転)」だ。「ウェット(湿気)」に富んでどうする。
「シケたジョーク」という自虐ネタ?(苦笑)

あと、ヒロインになるにはやっぱり対になるヒーローが欲しい所。
白井的にはお姉さまが希望なんかねー。

617■■■■:2007/04/11(水) 10:38:54 ID:66wLeVrY
もし自虐ネタなら大分深いな空白の人め(まて)
なるほど、つまんないジョークって意味か、深い、深すぎだぜ初春。
俺の原作初春を見る目が変わっちまうぜ。

活動型ヒロインなんだろうな白井はきっと。
てか上条ご飯食べれたのかが非常に気になってる。
空白の人早く上条にご飯を!!!
とか言って続きを急かしてみる。

618■■■■:2007/04/12(木) 07:51:52 ID:qHqc1FiU
ここてクロスオーバーてOKだっけ、例えばアメリカンヒーローとか。

619■■■■:2007/04/12(木) 07:52:03 ID:qHqc1FiU
ここてクロスオーバーてOKだっけ、例えばアメリカンヒーローとか。

620■■■■:2007/04/12(木) 07:52:23 ID:qHqc1FiU
ここてクロスオーバーてOKだっけ、例えばアメリカンヒーローとか。

621■■■■:2007/04/12(木) 08:10:20 ID:bhDzsb4M
>>620
物語として破綻してたりしなければいいと思うよ。
当然出来や好みによっては受け入れられないって場合もあるけど。
禁書板なんで禁書の世界観でやるなら答えは可だ。
クロス先の世界観でやるなら答えは不可。
学園都市という特異な舞台をうまく生かしてやって欲しいものだな。
あと重複で3つも使うな。sageれ

622■■■■:2007/04/12(木) 10:08:38 ID:bhDzsb4M
連投になるが賑やかになる分には職人さんが増えるの大歓迎だ。
活気づけば俺が渇望して止まない作品の職人さん達も投下しやすくなる。
つまり俺大喜び。
結論
13巻で不幸な打ち止めに愛の手を、打ち止めの幸せ指数を急上昇させてあげて!!ってお願いしてみる。

623空白 ◆Oamxnad08k:2007/04/12(木) 18:36:24 ID:uXEa2X5I
あ、初春ゴメン……。おバカな子みたいになっちまった。
>>616の指摘で正解。
×ウェット
○ウィット
恨むなら誤字を発見できなかった俺を恨め、初春。
>>続き
き、気長にお待ちください。

624■■■■:2007/04/13(金) 05:19:58 ID:k7MEVBgI
>>620
長編になりそうなら予告で反応を見てみればいいんじゃないかな。
面白そうならみんな反応返してくれるだろうし、応援してくれると思うぞ。

625■■■■:2007/04/13(金) 17:09:26 ID:epXnFmCc
とりあえず質問なんだが今連載中の職人さんてどれぐらいいるのかな?

626■■■■:2007/04/13(金) 19:02:22 ID:6ptaQ6hQ
>>625
解る限りで、三人
空白の人と腐敗子の人と灰姫の人、あとはわかんない

627■■■■:2007/04/13(金) 20:18:02 ID:k7MEVBgI
SSで一番多いパターンが「プロローグで終了」もしくは2話目で終了だ!
空白少女は多少ペースが落ちたにしても週一投下してるね。
灰姫遊戯は不定期だけどそろそろやってくれると俺は信じている。
オリキャラオンリー、ディープブラッド、風紀、腐敗子の人達は是非とも続きを投下していただきたい。
もちろん新規職人さん達も俺は歓迎だ。
是非ともガンガン投下して頂きたい。

関係ないけど、13巻ってやたらと擬音多くなかった?

628■■■■:2007/04/13(金) 21:59:42 ID:XZSMg3OQ
「彼女にとってはすぺしゃるな週末」の人はもういないのかな。
続き待ってるんだけど。

629■■■■:2007/04/13(金) 23:29:59 ID:bJH.8/bM
座して待つくらいなら書いて待つ、と言えないのが我ながら情けないぜ。構想はあってもテンションが追いつかねぇ。
オリキャラオンリーの人はとりあえず能力考え直さないとだからなー。
今度は見破られないような、或いは思いもよらない応用の利く能力を考えてくれることを願おう。
というか能力って基本的にばれてもいいものだと思う。使い方が問題だし。
週末の人はこの前一回来て以来だが、たしかに読みたいね。貴重な姫神源だし。

630■■■■:2007/04/14(土) 04:46:14 ID:a1whpiOw
姫神分が不足してきた……。
姫神分は白井のお姉様エナジーのように不足すると体調不良や集中力の低下など様々な弊害が!!

631■■■■:2007/04/14(土) 06:33:44 ID:X43WDYI.
空白シリーズは美琴がメインヒロインの様子。サブヒロインが誰だか不明だけど。てか実は結標さんが主人公の話でヒロインが打ち止めなんでは?とか思えて来たよ(それって結構燃える)
集めたら一個作品ができそうな気がするかも知んない!
科学オンリーて結構大変そうだな
灰姫はやっぱりサーシャ?インデックスがいるからやっぱメインはインデックスか?
言祝がサブなのか!

週末は姫神がヒロインだしね。俺も続きを渇望している作品だ。
美琴は原作風味にスルーされる。
他のはよくわかんね。
ヒロインが特定できるほど内容が投下されて無いのが原因かも。

632■■■■:2007/04/14(土) 08:28:10 ID:X43WDYI.
「週末」もほのぼの系だよね。13巻読んだ後だと和みそうだ。

633■■■■:2007/04/14(土) 18:32:10 ID:a1whpiOw
ところでだ……。
質問なんだが、青ピ。
あいつってインチキくさいエセ関西弁だよね?
書いてて思った、あいつ地味に難易度高いって。
一方さんも打ち止めも結構難易度高いって。
姫神も(以下略)

634■■■■:2007/04/14(土) 22:33:01 ID:341IRMnc
>>633
妄想だ……台詞は妄想で補うんだ……。

オリキャラオンリーはちょいと御待ちをー。
ウチ、ライブ派とプロット派の中途半端なヤツなので書いてると捩れて捩れて。
頑張りますよ!頑張ってますよ!助けて!

635■■■■:2007/04/15(日) 00:00:06 ID:2NxVq8BM
クロスオーバー=スピンオン→スピンオフという安易な連想をしたんだが
禁書ってスピンオフがすごくしやすいなぁと思った
じっさい一方さんが第二の主人公的存在だし『とある科学の〜』なんかまんまだし

でもさあ書いてみようとすると無理なんだよなぁ
職人さん方はマジで尊敬に値する

636■■■■:2007/04/15(日) 05:38:20 ID:Zefq/jT2
>>634
がんがれちょうがんがれ。締め切りは今日いっぱいで(待て)
オリキャラに限らずだが登場人物は絞った方が楽だよと言っておく。
>>635
いったいどんなクロスオーバーなんだ。ちょっと乗せてみない?

637■■■■:2007/04/15(日) 08:30:18 ID:HdVLf.RQ
>>636編集長、仲間を……むしろ助っ人を4人程送ってくれたら書けますけどどうですかね!?
後、助っ人は助っ人もでも変態を送り込むのは禁止ですからね!?
まあ、締め切りをそれに設定して頑張って見るか……期待はするな、俺は死ぬ。


スピンオフは面白いと思うが、誰を主人公にするか、だなぁ。
吹寄とか結標辺りがオススメな予感。あの二人は原作だとちょいちょいとしか出てないし。
結標に至っては8巻以降出る気配がねぇ。誰か、結標に愛の手を差し伸べてやってくれ。

638■■■■:2007/04/15(日) 08:46:14 ID:FfoALckU
>>637
結標は空白の人が愛の手差し伸べてねぇ?
打ち止めと絡んで幸せそうなんだが。

やるなら吹寄をお勧めする!

639■■■■:2007/04/15(日) 08:51:33 ID:Zefq/jT2
吹寄メインはいまのところ無いな、いっそアンジェレネ&ルチアとかステイルなんかどうだ?
オリアナの再登場ないのかな

640■■■■:2007/04/15(日) 12:18:27 ID:3mo5guKI
>>639
とある炎の『純白返礼』(ホワイトリフレクション)はステイル物だと思うんだけどどうだろうか?
あれの続きを期待してたりするんだが……空白の人書いてくれないですかねぇ

641■■■■:2007/04/15(日) 12:25:45 ID:FfoALckU
>>640
空白の人は今空白少女本編書いてるからな……。
あれ終わるまで無理じゃね?既に書いてあると言う事態も充分ありえそうな気がするんだけど。
一応常識で考えてだな、それに投下のタイミングもあるだろうし、占有とか言われても困るだろうしな。
でも姫神分よりも更に超レアな小萌ヒロインのステイル主人公物。続きが気になるのも確かだ。

642■■■■:2007/04/15(日) 13:45:58 ID:9y3weWpM
ここでインデックスをヒロインにしたスピンオフを!
……あれ?

643■■■■:2007/04/15(日) 13:55:30 ID:FfoALckU
>>642 そのスピンオフすこし待てw

644■■■■:2007/04/15(日) 21:19:47 ID:Zefq/jT2
インデックスが活躍しそうなのは今のところ灰姫と週末ぐらいか?
原作のメインヒロインだから仕方が無いと言えばそれまでだがな。
SS作家ごとに活躍するヒロインが違うのは仕方が無いことだな。
でも結標は上条と絡ますのが難しいからお勧めしないがな、密かに人気があるのも確かだ。上条より年上だしな。
白井は上条と絡むとラブコメより美琴との変な三角関係が優先されるイメージが強い。
テレポートで上条を飛ばしたりできないのが痛い所、もし飛ばせれたら機動力にかける上条のパートナーとして申し分ないのにな。
初春は接点が無いし能力が不明。
姫神が二次創作で一番人気あるんじゃ無いかとすら思いつつ、作品投下を期待しつつリロードを連発する今日この頃。

6451-169:2007/04/16(月) 11:24:29 ID:mjYMna0I
 能力を使用した授業を行うことを前提に設計された体育館は、一般のそれより遥かに頑丈な骨組みとただっぴろい空間を持っている。そのため屋上もかなり広く、上条が着地した玄関側の端からサーシャの立つ魔法陣まで三〇メートルくらい距離があった。
 風に揺れる金の髪。拳銃型霊装を握り締めた制服シスターの足元には、言祝栞が倒れている。
 とりあえず間に合いはしたらしい、と上条は安堵した。
 その一瞬の油断を、突如放たれた爆音とそれに伴う釘の乱打が貫く。
「うおっ!? は! おうわっ!?」
 上条は思わずのけぞったが、初めから当てるつもりはなかったのだろう。十数本の釘は上条の前方二メートルくらいで横一線に屋上の床に突き刺さり、コンクリートをバレーボール大の円形に消失させた。砂と散った建築材の名残が宙を舞う。
 境界線を引かれたみたいだ、と上条は思った。その考えをぐっと飲み込み、叫ぶ。
「おいサーシャ! 何の真似だ!」
「自明のはずであるが回答一。邪魔をしないでもらいたい。これはロシア成教とイギリス清教が下した最重要指令である。貴方の右手は儀式の妨げになると証明済みのはず」
 返事は即答。それほど大きな声でもないのにここまでしっかりと聞こえるのは、演劇の練習の成果か。
 と、息をつぎ、
「宣告一。それ以上近づいた場合、実力で排除する」
 持ち上げられた銃口がピタリと上条を照準した。
 石膏で固めたような無表情は、一人の少女としてではない、「魔術師」サーシャ=クロイツェフとしての顔なのだろうか。
 本来なら対人で用いるべきではない凶悪すぎる術式が少年に向けられる。
 しかし上条はその程度で怯んだりはしなかった。銃と向き合うプレッシャーなどおくびにも出さず、声を張り上げる。
「ふざけるな! インデックスから話は聞いた。その『零時の鐘(ロンドベル)』っていう捜索術式は、“一人じゃ使えないもの”なんだろうが!」
 右の足を前に出しかけ、
「『灰姫症候(シンデレラシンドローム)』から術者の魔力を抜き出す役と、魔法陣を保つ役の二人が必要な魔術なんだろ。本当なら教会からの応援要員を待って、演劇に乗じた『灰姫症候』の走査術式を終えてから使う予定だったから。“お前が焦って無理矢理やろうとしても”、成果なんかでやしないんだ。だから、」
 ダン! と再び足元に打ち込まれた釘弾に止めさせられる。
 前を見やると、やはり貼り付けたような無表情がそこにあった。
「宣告二。次は無い」
「サーシャ! 人の話を聞いてんのか!?」
「回答二。問題なく。続いて回答三。貴方の今の発言は作戦中断の理由にならない。単独で『零時の鐘』を行う方法は存在する」
 なんだって? と上条の思考が凍る。
 サーシャは与えられた台本を棒読みするかのように淡々と、
「補足一。用は魔法陣――『神殿』内に『灰姫症候』に含まれた魔力を波長として放てばいいだけ。わざわざ丁寧に解析せずとも、私の攻性魔術で破壊し、その際に生じる魔力の残響現象を活用すればいい」
 上条は基本的に科学側の人間だ。魔術側の用語を用いられても理解しきれない。それでも聞きかじりの知識で何とか意味を捉えようとする。
 要は、鍵のかかった宝箱のようなものか。
 中身が何であるのかを調べなければならないが、自分には鍵開けの技術もそのための魔法も使えない。箱は完全に密閉されていて、揺らしても音の一つもしない。
 ではどうすればよいか。
 サーシャはこう言ったのだ。
“宝箱ごと叩き壊し、散らばった破片から推察すればいい”と。
 肝心なのは「中身を手に入れる」事ではなく、「中身を調べる」事なのだから。
 それを現在の状況に照らし合わせた時、壊される「宝箱」とは、
「――――――っ! 言祝ぃ! 起きろぉぉ!」
 そこまで考えが及んだところで、上条の硬直が解けた。声の限りに倒れたままの言祝栞に呼びかける。だが、いつもは頼んでも黙ってくれない行動派文学少女は、まるで置物のように身じろぎすらしなかった。
「くそ、こんなときだけ物静かになってんじゃねぇよ!」
 無茶な文句を言いながら、上条は走り出す。激しい足音に無機質なカチャリという金属音が混じって聞こえた。
「宣告三。次は無いと言った」
 ダン! という強い音に釘弾がはじき出される。
 左の太ももを狙ったその攻撃を右へステップしてかわした。
 上条は再びダッシュしようとしたが、その矢先にまた左足を狙われてやはり右へ飛ぶ。

6461-169:2007/04/16(月) 11:25:27 ID:mjYMna0I
 転がり、進み、避け、かすめ。
 気づいた時には、まっすぐ走っていたはずなのにかなり屋根の端の方まで追いやられていた。
(まずい……。俺を近寄らせないためだけじゃない、俺の右手(イマジンブレイカー)を使わせないための誘導か!)
 右へ右へと避け続ければ、当然サーシャの側へは左半身が向くことになる。右手に宿るどんな異能も問答無用で打ち消す力、幻想殺しで防御させないための戦術だ。
 だが、頭ではそうと分かっていても体は勝手に避けてしまう。これらの釘が図書室の窓ガラスや体育館の屋根を塵に変えたのを目の前で見ているし、そうでなくとも五寸釘が高速で飛んでくれば普通は怖い。
『確実』に仕留める。そのためだけにロシア成教が研鑽を重ねてきた心理誘導戦術の一つである。
(止まるわけにはいかない。だからってこのままじゃ、いずれは屋根の端から転げ落ちちまう。開き直って右手を盾にして突撃しても、美琴の電撃の槍と違って腕に向かって飛んでくれるわけじゃないし、もし“魔術のかかっていない”ただの釘を撃たれたらアウトだ)
 位置関係が致命的なものになる前に打開策を見つけなければならない。上条は走り転げながら頭の中に優先事項とそのための手段を並べ立てていく。
 今一番しなければならないこと――決まっている。サーシャの魔術を止めることだ。
 そのためにすべきこと。上条当麻の勝利条件。
 ――条件一。『零時の鐘』の魔法陣を幻想殺しで破壊する。
 屋根に白い線で描かれた円と紋様。あれらが『零時の鐘』であることは間違いない。ならばあれらの線を右手で撫でるだけで効果を消すことが出来るはずだ。
 ――条件ニ。『零時の鐘』の起動に用いるあの銃型霊装を幻想殺しで破壊する。
「宝箱」を壊すために、サーシャは魔術で攻撃すると言った。それを使えなくさせれば、少なくとも儀式を中断させられるはず。
 ――条件三。言祝を確保し、幻想殺しで『灰姫症候』を破壊する。
 これはある意味最後の手段だ。確実に『零時の鐘』を中断させられる代わりに、『灰姫症候』を学園都市に放った魔術師を捕まえる手がかりがなくなってしまう。そうなればイギリス、ロシア両宗派から責任を問われるのはもちろん、正体不明の魔術師を野放しにしてしまうことになる。
 ――条件四。術者であるサーシャ自身の意識を断ち切る。
 ……出来ればやりたくない。それに、やるならば最初からサーシャのみを狙わなければならないだろう。迷っている間にズドンだ。
 これは全ての条件にも言える。一から四のどれかに失敗したからといって、別の目標に移る余裕は恐らくない。狙いは一つでなければならなかった。
(――どうする!? 魔法陣か、霊装か、言祝か、サーシャか!)
 上条当麻は全力で走りながら全力で思考する。だが極度の緊張に暴走しかけている脳は全く関係のない記憶を走馬灯のように流していた。
 サーシャとの出会いを思い出す。インデックスとの顔合わせを思い出す。言祝の無茶なスカウトを思い出す。吹寄達のふざけた裁判を思い出す。演劇班の人達との練習の日々を思い出す。小萌先生の気配りを思い出す。

 ――――――あの子達を、お願いします。

 いつか何処かで聞いたことのある、控えめな少女の声が回想に混じって聞こえた気がした。
 その瞬間。
 上条は全てを理解した。
 インデックスの知識、上条の記憶、サーシャの言動。
“それらの中にただ一つの嘘もないのなら”。
「狙うべきは…………あそこだッ!」
 決断は一瞬。想いは一心。行動は一歩。
 少年は全身に働く慣性を根性で跳ね除け、右に傾いていた体勢を強引に立て直す。
 そして、
“おもむろに目を閉じ”、何の小細工もなくまっすぐに突撃する――!

6471-169:2007/04/16(月) 11:25:52 ID:mjYMna0I
「ッ!」
 サーシャの顔色が変わった――ような気がした。
「……くっ!」
 いつ飛んできたのかも分からない釘が、左のふくらはぎを浅く裂いた。が、無視。
 ただ網膜に焼き付いている光景だけを頼りに走る。走る!
 そう、なまじ銃が見えているから無意識に体が身構えてしまい、サーシャの腕の動きに反応して回避をしてしまうのだ。その刹那の恐怖こそが最大の敵。
 目を閉じれば『いつ撃たれるか分からない』。それは即ち恐怖の均一化であり、とっさの回避を行わずにすむ。
 あと必要なのは、多少の傷を無視できる覚悟だけ。
 是が非でもサーシャを止めるという、シンプルな心意気だけだ。
 普通の戦闘では不利にしかならない選択。だがこのような“自身の認識能力を変化させることで相手の優位を封じる”戦法が用いられる戦場は、存在する。
 対幽霊戦闘、だ。
 もちろん上条がそうだと知っていたわけではない。だがサーシャはよく知る戦術が自分に向けられたことと、肉を裂かれる痛みにも怯まず走り続ける少年の異様な迫力に二重に動揺してしまった。
 その結果、銃撃がほんの少しゆるんだ。
 上条はそのわずかな間隙を惜しむことなく前進に費やす。
 記憶にある赤い少女の位置まで、残り三歩。
 サーシャは魔法陣の中から動かず、射撃に徹していた。つまり、術者は儀式の最中に陣の外に出ることは出来ないのだと見ていい。
 だから移動している可能性はない。まっすぐ走り続けるだけで辿り着ける!
 左ももをもう一発釘弾がかすめた。しかし少年は止まらない。止まる訳が無い。
 記憶にある赤い少女の位置まで、残り一歩。
 上条は目を開ける。
 怯えたような、それでいて何処か覚悟を決めたような顔がそこにあった。
(やっぱりな)
 確信する。“この少女は魔術師なんかではないと”。
 ただそう振舞おうと演技していた役者に過ぎない。上条にも見破られてしまうような大根役者だったが。
 けれど。
「お前の役は……『魔法使い(それ)』じゃねぇだろ!!」
 下半身はほとんど使わず、腰の捻りと肩の回転で右手を“撃ち出す”。
 五指は拳を作らず、大きく開かれている。
 交錯の時は一秒もなかっただろう。
 それで閉幕(カーテンフォール)だ。


 鉄以上の強度を持つはずの“銃型霊装”は、砂糖菓子のようにあっさりと幻想殺しによって握り潰されていた。

6481-169:2007/04/16(月) 11:27:28 ID:mjYMna0I
『講義を受ける』、『SSを書く』。「両方」やらなくちゃならないってのが「大学生」のつらい所だよな。
てな訳で今日のオススメ漫画は「ジョジョの奇妙な冒険」。というかオススメゲーム「ディアボロの大冒険」。やばいですこれ。そんな1-169。
戦闘シーンを引き伸ばすのって苦手です。何というか、いきなり必殺技を撃って即終わりな最近の戦隊モノのような感じになってしまって。猛省。

>>空白氏
GJ! 風力使いって極めれば飛べるのか。一番欲しい能力です。
ただ仕切り直しが二回もあるのはちょっとテンポが悪いかも。

>>631
上から三行目。それはもしや「エースの一日」では?
あとヒロインは特に限定している訳ではないです。展開的にはサーシャ&言祝ですが。

>>644
やってきました。そして待て次回。

649■■■■:2007/04/16(月) 11:50:28 ID:Q3fE8eMk
GJ!
あなたを待ってました

650■■■■:2007/04/16(月) 12:45:21 ID:B/Ib7IkQ
「私はずっと待っていた、君が来るのを―――(CV:八咫様」
うーむ相変わらずぐっじょぶ。機転で戦うことの格好良さよ。
戦闘シーンを伸ばすのってたしかに難しいですよね。必然性が作りにくいというか。
描写を細かくするとスピード感が薄まるし、戦闘自体を長引かせるのはやりにくいし。
特に禁書は良くも悪くも戦闘能力が極端なので長引かせにくい……。

あとチラ裏ですが最近の戦隊物はCGに頼りすぎだと思うんだ。

651■■■■:2007/04/16(月) 13:03:04 ID:lahIqXhA
定期的に投下、なんと良い言葉か〜!
>>灰姫の人
おほ、灰姫キタキタ!
グッジョブ!
グッジョブ!
では毎週お願いします。

追伸
戦闘を長引かせるコツか。
やっぱ会話じゃないかな?あとは視点変更。
主人公一回負けさせるとか。
ありきたりだけどね。

652■■■■:2007/04/16(月) 22:17:37 ID:TlcV1vmw
うお、灰姫きた!
戦闘シーン見ただけで灰姫ってわかるな。
原典の文体を完全にトレースできてる。

非公式外伝読ませてもらっているようだ。
ホンッとGJ。

653■■■■:2007/04/16(月) 22:36:34 ID:IUji3DT6
灰姫の人
GJです。本当に原作みたい・・・。

654■■■■:2007/04/17(火) 10:25:42 ID:TgCvvfHI
なんと!
リロードしてたら本当に投下されたぞ。なんてこったい。
ならば今日も誰かの作品投下を期待しながらリロードを繰り返すとしよう。

655とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/04/18(水) 22:18:43 ID:g0ob1u.U
[15]Imagine Breaker05―幕間 とある二人の純情
 
 第七学区にある、とある高校の男子寮の一室にある、卓上時計の針が二時半を越えた頃。
 部屋の主である上条当麻は死にそうになっていた。
 死因は多分――ハラペコ。
 空腹とか栄養失調とか、とにかくそういう類の原因で体を動かす活力が沸かない。ぶっちゃけ死にそう。
 だから、少年は一人暮らし用に作られたワンルームマンションの狭いキッチン――というか台所に呼びかけた。
「御坂ー、いい加減に腹減ったぞ。このままでは上条さんってば死んじゃうかも――がぁ」
 まるで入稿の終わった後の漫画家みたいな格好で、ガラステーブルの上に突っ伏した上条の言葉は、台所から飛んで来た調理器具に
よって中断された。調理器具は上条を撃沈した後に、フローリングの床に二度、三度と跳ね、軽い音を奏でた。
「御坂、『おたま』は結構痛いぞ」
 赤くなった額に右手を当てながら、上条の非難がましい声が台所へ飛んだ。
 上条の右手に宿る幻想殺しは、いくら痛む場所をさすっても、額の痛みを緩和してくれたりはしてくれない。
「もう少しで出来るから、大人しく待ってなさいよ」
 上条が今いる居間兼勉強部屋兼寝床な部屋に隣接している台所から、美琴の声がした。
 居間の上条からは、台所でせわしなく動く美琴の後ろ姿が、丁度目に入る。
 美琴は仕立ての良い白いブラウスの上に、普段上条が使っているエプロンといった格好。彼女が着ていた常盤台中学指定のコートと
冬服の上着は上条の丁度後ろの壁にハンガーで吊るされていた。
 美琴がいるのでおおっぴらに着替える事も出来ず、未だに上条も学生服のままだった。
 上条は美琴の後姿に、もう一度声を掛けた。
「御坂ぁ」
「んっ?」
「何か手伝うか?」
「アンタねぇ、それじゃ意味ないでしょうが。まぁその気持ちだけ受け取っておくわ」
 半分呆れ、半分照れたようにお嬢様が返答する。口調こそ柔らかいが、断固として台所に入らせないつもりだ。
「そうか?俺が直に見た方がいいような気もするんだが?」
「しつこいわ、アンタが私に話しかけてくる分だけ、食事にありつけるのが遅くなるわよ」
 上条と美琴は男子寮の部屋に戻ってきてから、こんな感じの会話を繰り返していた。何回も。実は既に三回目を数える。
 あんまり、お嬢様の機嫌を損ねると後が恐いので、上条はリモコンを操作してTVをつけた。
 一般的な大きさのTV画面に映し出されたのは、二十代前半の女性レポーターと学園都市の街並。
 レポーターはマイクを片手に走りまわり、あちこちを指差しては、その説明に声を弾ませていた。
『クリスマス・イヴを翌日に控えた、地下ショッピングモールではクリスマスカラー一色で飾りつけられ、多くの人々で賑わっていま〜
す。学生達は冬休みに突入し、友達、あるいは恋人と一緒に出歩く姿も多いようです。クリスマス・イヴ当日には
煌びやかにライトアップされた演出が恋人達の夜を祝福し、なかでも――』
 九月からこっち、幾度と無く破壊されて、その度に修復される地下街。なんだかんだ言っても近くにあるし、若者向けの店の豊富さ
や閉店時間が遅い等、便利な条件が重なるので上条もよく利用する場所だ。美琴とペア登録をした携帯電話の代理店や御坂妹にプレゼ
ントしたアクセサリーの露店などは、まだ記憶に新しい。
「痛っ」
 突然、台所から包丁の音が途切れて、小さく美琴の声。
 上条はモソモソっと立ち上がり、台所へと入った。
 そこには、少し涙目になった美琴が、左手の人差し指に例のキャラクター物の絆創膏を、貼り付けている光景。
「大丈夫か御坂、指切ったか?」
「あわわわ、ゆ、指なんか切ってないわよッ!?入ってくんなって言ってるでしょ!」
 上条の姿に気づいて、慌てて左手を腰の後ろに隠した美琴は、上条を台所から追い出した。

656とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/04/18(水) 22:26:29 ID:g0ob1u.U
 無能力者(レベル0)である上条は、当然貰える奨学金もたかが知れている。
 毎月毎月、いろいろとやりくりして過ごしてるのが現状であり。早い話が貧乏学生だ。
 美琴によって再び定位置(ガラステーブル)に、戻された上条は、美琴にどう礼を言ったものだろうか、と考えを巡らせていた。
 いくら美琴が言い出した事とは言っても、結果として上条のお財布に優しい結果となっている。買い物までして。指まで切って。
 だったらせめてその労力に見合う分ぐらいは、彼女に還元してやってもいいのでは無いか?とそう思っていた。
 もちろん手料理なんて物は値段が付けれる物じゃ無い。だから単純に「代わりに晩飯を奢る」で済ますのは、いくらなんでも早計だ。
 有力な候補は二つ。
 どこかに遊びに連れて行くか。何か喜びそうな物をプレゼントするか。
 だが、悲しいかな上条当麻、水瓶座の十六歳。いままでの人生では不幸にも彼女がいた試しは無かった。
 女の子が喜びそうな物が分からないので、そのたった二択が決めれない。
(アイツが喜びそうな場所なんて本気で知らないんだが、どうしてものか)
 普通に考えれば、映画館、レストラン、ボーリング場。ゲームセンターは美琴のイメージに合ってるけど、喜ぶかどうかは不明だ。
 欲しがりそうな物といえば、例のカエルグッズ。これは美琴と同一のDNAを持つ御坂妹も興味を示してた事から、おそらく遺伝子
レベルでああいう物が好きなんだろうなぁ、と推測できる。
 ただ、ああいう物がどういう店に置いてあって、どこに店があるのかなんて事は良く知らなかった。
「御坂」
 TVの画面から視線を外し、上下逆さまの世界で美琴を呼ぶ。
(俺に分からないのなら、本人に聞けばいいんだよな)
 乙女心はそんな単純な物では無いのだが、立て捨てフラグ王の異名を持つ上条当麻に、それを期待するのは酷と言うものだった。
「だぁぁ!もうさっきから何よ。欠食児童かアンタは!」
 バタンッ、という音の後に、台所から目を吊り上げて美琴が出てきた。美琴はエプロンの裾で水に濡れた手を乱暴に拭き、ガラス
テーブルを挟んで上条の向かい側にちょこんと座った。
 左手の人差し指には、真新しい絆創膏。やはり指は切っていたようだ。
「濡れても剥がれないなんて流石はカエルだな。水陸両用か」
「何の事よ、それ。――で、何よ」
 美琴は上条の視線に気づいて、左手の人差し指を隠す様にしてグーにした手を、膝に置いて軽く正座。
 口をとんがらせる仕草は、なんだか美琴のイメージと違い、少し子供っぽかった。
「あれ?お前料理は?」
「炊飯ジャーの中に突っ込んだからしばらく時間が空くわよ。それより続き!さっさと話しなさいよ」
「ああ、なるほどね」
 上条はガラステーブルに突っ伏した体をむくりと起こした。
「今TVで地下街の特集しててな。なんかいろいろやってるみたいだぞ。あそこ」
「"明日はクリスマス・イヴ"だもんね。"クリスマスパレード"もあるし、結構賑わうんじゃない?」
 ああ、もう何でここまで言ってんのに気づかないかな?ほんとに鈍すぎんのよコイツ、本当は気づいててやってんじゃ無いの?――
とでも言いたそうな表情を浮かべ。『クリスマス・イヴ』だとか『クリスマスパレード』だとか一部を強調しながら、チラチラと上条に視
線を送っていた。
「あそことかいいよなぁ」
 さりげなく会話の方向を誘導しようとして、画面を見ずに上条はTVを指差した。
 美琴がそれを追う。そして率直に感想を口にした。
「なによ、新装開店のレストランの特集じゃない?これから私の手料理を食べようって時に。私の料理なんか食べたくないっていう遠ま
わしな抗議?だったら素直に食べたくないって言えばいいじゃないのよ!」
「はっ?えっ?うわっ特集変わってやがる!」
 TV画面は既に違う特集に変わっており。レポーターがこの世の極楽を味わったような笑顔で、ハンバーグに舌鼓を打っていた。やたら
と幸せそうなレポーターの顔が余計にムカついたが、上条はそれどころではなかった。
 お嬢様の機嫌がすこぶる悪くなりつつあったから。
「待て!御坂」
「"待たない"」
「わかった、時に落ち着け御坂」
「"落ち着かない"」
「怒るな御坂」
「"怒ってない"」
 上条当麻の言葉を美琴は全面否定。お嬢様の表情は笑顔のまま。ただ一部分を除いて。笑顔の除外部分は目。
 TV画面を遮る様に美琴がゆらりと立ち上がった。拳を握り、敵を見据え、にっこりと微笑んで、一歩、また一歩。ゆっくりと距離を
詰めてくる。

657とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/04/18(水) 22:36:56 ID:g0ob1u.U
「御坂、目が笑ってねぇよ、マジで落ち着け」
「私は冷静よ、怒ってなんか無いわよ、ムカついてなんかいないわよ。なんだかアンタを殴り飛ばしたくて仕方ないだけよ」
「そういうのを冷静とはいわねぇよ!」 
 割と本気で命の危険を覚え、上条はわしゃわしゃーっとツンツン頭を掻き回した。そして若干混乱気味、空腹気味、ボイコット気味の
頭に様々な思考を走らせる。
(命令だ!考えろMY脳)
 命題は『お嬢様の機嫌の取り方』これ一本。
 思考の海に飛び込んで、浮上し、全力のクロールで思考の波をザッパザッパと泳ぐ。
 だけど混乱した頭では、目の前のお嬢様(きょうい)のご機嫌を戻すほどの機転が働くわけも無く。
 そもそも答えがあるのかすら怪しい。
 上条が思考の海で溺れそうになってる間にも、お嬢様は間合いを詰めてくる。
(逃げなきゃ、逃げなきゃ、逃げ、げっ)
 後ずさり、懸命に距離を離すが、ワンルームマンションの狭い部屋だ。すぐに壁にぶち当たる。
 型遅れのTVのスピーカーからは、相変わらず地下街のお店を紹介するレポーターの声が零れていた。
『こちらのお店では特に"若い女の子"に人気の商品を取り揃えてあります。こんな素敵な場所に連れてこられたら、きっと彼女は喜ぶで
しょうね』
 正に天啓。救いの光。まるで地獄の底から救い出してくれる蜘蛛の糸。
(これだぁぁあぁあああああ!)
 上条は神様って本当にいるんだなぁ――って割と本気で、思った。
 御坂美琴は十四歳。女子中学生。常盤台中学という箱入り娘養成所のようなお嬢様学校に通ってる癖に、あまりお嬢様っぽくないのが
玉に瑕だが、文句無しに若い女の子。
 レポーターのお姉さんが嘘を言ってるのでなければ、彼女はきっと機嫌を直してくれるに違いない。というより、そう願う。
 上条は美琴の後ろに見えるTV画面を指差して、
「あ〜、あそこに行きたいなぁって思ってただけだ」 
 と拳を鳴らして、鉄拳制裁の予備動作に入ろうとしていた美琴にわざとらしく言う。
(頼む!効果があってくれ!)
 神に祈る。仏にも祈る。レールガンノミコト様にも祈る。
「ん?」
 と美琴が上条の指差すTV画面へと目を向け。すぐに反応を示した。
(よし、危機(クライシス)脱出!)
「なっ!?あ、アン、アンタ。私とあそこに行こうっての!?本気で!?それマジで言ってるの?」 
(あれ?少し反応がおかしいけど?って、あ……)
 上条はいまだにTV画面を指差していた。そこに映っているのは若いレポーターと"オシャレなアクセサリーショップ"の店内。
 狙ったかの様に『恋人達の永遠の愛がどうたら』とかいうサブタイトルまでついてる。外国人らしい店のオーナーの男が、字幕音声付
で長々とレポーターへ説明している。どうも今年はハートのあしらわれたリングとかネックレスとかが巷では流行らしい。

658とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/04/18(水) 22:37:37 ID:g0ob1u.U
(うわ、まじかよ……) 
「え、あ、えーと、その……」
 美琴の視線はTV画面と上条を交互にチラチラ。さっきまでの怒りはどこか遠くのお山辺りにでも飛んでったらしい。
「アンタがどうしてもって言うなら……。その、あの、行ってもいいけど……。深い意味とか無いからね……」
 モニュモニュ、ゴニョゴニョと美琴は恥ずかしそうに両手の人差し指同士を絡ませてる。
 そこまで気が回らなくなったのか左手の絆創膏を隠す事もやめていた。
 微妙な乙女心を察しなさいよ、このボンクラ――行きたいに決まってるでしょうが、と眼で訴える美琴の顔は、誰が見ても一目で分か
るぐらい紅潮していたが。でも肝心の上条が全く気づいてない辺り、彼女も結構な苦労人だった。
 その時、上条当麻は別の事を考えていた。もはやそれは確信に近かった。
 神様なんてろくな奴じゃ無い――と。
 この世にもし神様って存在がいるとして、果たしてその存在は都合よく味方してくれるほど人間が出来ているだろうか?答えは否。
 神様は人間では無い。だから人間は出来ていない。きっと善人にも、悪人にも、働き者にも、怠け者にも、平等に幸福と苦難を与える
に違いない。きっとこの世界の神様はそんな神様。
 でもってそれには偏りがあるのだろう。"不幸にも"上条当麻の幸福は後半に偏ってるようだから。
「じゃねぇと納得できねぇよ!」
 ありがたい、ありがたすぎておもわず右手の幻想殺しが牙を剥きそうになるぐらいに、ありがたい。
「納得!?でも私のイメージにはちょっと、ね、え、えへへへへ、まいったなぁ、どうしようかな……」
 上条の発現に美琴は目を丸くして驚きの表情を浮かべた。ポーっとした目つきで自分の指や首に着けられたソレを想像し、
一人で顔を赤らめるお嬢様をよそに、
「ああ、神様。此度の温情に心より感謝致します。とりあえず一命は取り留めましたが――もし狙ってやってるのなら覚えてやがれ。
今度会ったら、その平和な幻想(よこっつら)をぶち殺してやる」
 上条は、右手を握り締めて、そんな妙な台詞を口走るのだった。
 神の子の誕生日も近いというのに、ひどく罰当たりな人間がここに居た。
                                                  [12月23日―PM14:52]

659空白 ◆Oamxnad08k:2007/04/18(水) 22:52:02 ID:g0ob1u.U
脳内で小萌先生と姫神の活躍を勝手に妄想して頭文字D(ディープブラッド)とか言う変なSSをネタ帳に記録して約一週間ぶりのご無沙汰です。
上条の部屋の小物とかを再確認する為に見取り図とか製図したり未だに近所の本屋には11巻が最新刊の如く置いてあったり。
そんなこんなの空白です。

>>『気流操作』
イメージ的にはエ○・ギアの連中や今は懐かしの忍○空、逆十○な人辺り。
格闘ゲームのコマンド的に多分溜めキャラ。
飛行は滑空に近いかと。

それでは失礼しました。

660■■■■:2007/04/20(金) 00:10:06 ID:paCauPBw
人いねー
エロパロ板に流れたか?
ともかく空白の人ぐっじょぶ。

6611-169:2007/04/21(土) 00:00:50 ID:5Wl8JCIE
遅ればせながらグッジョブ! 通い妻な御坂にノックダウン。いいね。
こういうのに言い知れぬ魅力を感じるようになったら、年をとったということなのでしょーか。
頭文字Dに対抗しようとしたら「JOJO風幻想殺し考察」という何処に投下すればよいのか全く分からないものが出来てしまった。

662■■■■:2007/04/21(土) 00:50:17 ID:gx5x9i9s
個人的にはここにおとしてほしいです

663■■■■:2007/04/21(土) 02:08:28 ID:m1e/qAtg
嘘予告っぽく全然ないものを落とします。どっちかつうと嘘場面>>623

664■■■■:2007/04/21(土) 02:09:00 ID:ToEy/U2Y
嘘予告
吹寄は雨の中を走っている。先程感じた異様な不快感を払拭すべく、先程会ったクラスメートを探していた。そして――見つけた。一人の少年が瓦礫の真ん中でひざをついていた。ホッとしながら声を掛けようとした。しかし、気付いてしまった。彼の周りには何人もの人が倒れた。常盤台中学の制服をきた子達が、三馬鹿の一人が、赤髪の神父のような人や刀をもった女性が、そして、祭でみた銀髪の女の子が。しかも、血まみれで。
気を失いかけたがすぐにもどって、「あんた何しているの!?速く手当てをしないとっ!!」叫びながらすぐ近くにいた土御門の手をとって絶句した。彼からは、血の鼓動はしなかった。全員調べたが結果は同じだった。彼女は茫然として立ち尽くした。そして、真っ青になった顔で体を震わしながら普段は馬鹿だがなによりも友達を大切にする顔なじみの少年を見た。彼は銀髪の少女を抱いて全身を震わしながら泣いていた。それはとてつもなく残酷な光景だった。何を言っても無駄だろうが慰めようとして、彼がぶつぶつ呟いているのに気がついた。吹寄は、その時後悔をした。彼の顔を見てしまったことを、彼の声を聞いてしまったことを。

665■■■■:2007/04/21(土) 02:11:31 ID:IgnDbQ5g
「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す」
上条は泣き声で怨唆を憎しみをこめて呟いていた。彼はインデックスを地面に横たえると立ち上がってこちらを向いた。その顔は激しい憎悪で歪み、右手は手でなくなっていた。吹寄は、彼の声に、彼の姿に、そして、彼の顔に恐怖した。怒ることがあっても絶対に誰かを憎んだ事のない彼に背筋が凍り腰が抜けた。そんな彼だったのにこの変わり様はなんだろうか、何故こんなことになっているのだろうと考えた。そんな事しかできない自分に腹をたてるしか出来なかった。彼からはっせられる痛いほどの殺気は彼女に身動きすら許さなかった。
彼はその場て゛有らん限りの声で吠えた。
かれは二つの口から声を発した。彼の姿は 人ではなくなっなていた。背中からは翼が生え、右手は竜王の顎と化していた。
『アレイスター――――――!!貴様はぜってぇ赦さない!!必ず殺してやるっ!!』

666■■■■:2007/04/21(土) 02:16:18 ID:9HH4wmdY
連レスすまん
しかし落としてから思ったが推敲するの忘れてたもう少し直しようがあったのに

667■■■■:2007/04/21(土) 12:41:37 ID:ydorTSX.
>空白の人
ぐじょーぶ。甘甘だなこの野郎!不幸ですら甘甘だぜ。
地の文の一部で読点が多かったのがちょいと気になったかな。

>>663
投下というその心意気に敬意を。だが確かに推敲の余地がバリバリだ。
とりあえず改行と文章がおかしいのと文末のワンパターンかな?

6681-169:2007/04/21(土) 13:37:24 ID:5Wl8JCIE
では行きます。かなりしょーもないので覚悟せよ。


「今理解したッ! 『イマジン・ブレイカー』とはつまり! 『旗を立てる』能力だッ!!」

「『旗』が意味する所は『領地』! 『イマジン・ブレイカー』が殴った場所に、『余所者』が侵入することは許されない!」

「『超能力』も『魔術』も、要は『自分だけの現実』や『異常識』の法則(ルール)をこの世界に押し付ける『侵略行為』だッ! 『イマジン・ブレイカー』はそれを許さない! たとえ、」

「たとえ肉が裂け骨が砕かれようとも! 魂に突き立てた『信念』という名の旗は決して折られることはないィッ!!」

「さらに! 『旗』は『集まる場所』という意味も持っている! ゆえに上条当麻の元には大勢の人間が集い、その力は乱れることなく一つにまとまる! だがこれは能力というよりも上条自身の人徳によるものである!」

「そしてもう一つ! 故人曰く、『旗とは皆の先頭で常にたなびいているものである』とッ!!」

「だから上条当麻は止まらない! 神を浄化し魔を討ち滅ぼし、幾多の魂の先陣を切り続けるッ!!」

「『イマジン・ブレイカー』!! それは正に物語(せかい)を率いる者の能力と言えるだろう!!」

「そしてその拳で『異界の物』でないもの。例えば人間を殴った場合どうなるのか」

「激突の瞬間『イマジン・ブレイカー』は相手の体に及んでいる『この世界の法則』さえも一瞬だけ排除する。『人の拳で人がきりもみ回転しながら10メートルも吹き飛んだりしない』という当たり前の法則を取り払う! つまりッ!!」


「『この拳で貴様はきりもみ回転しながら10メートル吹き飛ぶ』ッッッ!!!!!!」



上から順にステイル、黒子、土御門、一方通行、アニェーゼ、オルソラ、美琴、青髪、インデックス、神裂、上条の台詞。
「『』」と「ッ!」を使いまくればJOJOっぽくなると思ったのがそもそもの間違いか。

>>663
暗黒面に落ちた上条当麻、といった所ですか。本編がこうならないことを祈るばかり。
「〜した」と「〜する」系の終わり方は交互に使うとテンポがよくなるらしいです。絶対にそうしなければならないわけではありませんが。

669■■■■:2007/04/21(土) 16:31:56 ID:wAeYCW9o
実は頭文字ネタも充分に気になるんだ、気が向いたら投下をお願いする。

670■■■■:2007/04/21(土) 23:43:05 ID:XIYPVrWU
皆さん、御教授ありがとう!!その辺を考慮してまた何か書いてみます。気が向くままに書いているが、完成したらまたよろしく!!

671空白 ◆Oamxnad08k:2007/04/22(日) 08:33:51 ID:IWJVIAIM
では>>669
妄想劇場:『禁書でD』
注意:
   公道での暴走行為は大変危険ですので真似しないで下さい。
   交通ルールを守って楽しく運転。
   登場人物の大半が無免許ですが、実際の自動車では運転に普通免許が必要となります。
   そもそも山がありません、学園都市。

白井黒子<FD3S RX-7>VS上条当麻<AE86>
(突っ込みとカーブで差を縮めても立ち上がりと伸びが全然違う。ちょっとでも直線が長いとドバッと差が開く……)
「追いつかれた……!?何が起こってるんですの!?気がヘンになりそうですわ……。
――――わたくしは常盤台レッドサンズのナンバー2ですのよ」
(直線ではわたくしの方が速いんですの!!それなのに食いつかれるってことはコーナーワークで負けてるってことですの!?)
(パワーの劣る無能力者にコーナーで追い込まれるなんて……能力者として最大の屈辱ですの!!)
「どうしたんですの!?今日に限ってFDがやけにノロく感じますの!!クソッタレがですの!
セカンダリータービン止まってんじゃ無いですの!?」
(抜かねーと勝ったとは認めてくれねぇだろうしな、小萌先生……。しょーがねー、アレやるか)
(仕掛けるのはこの先……五連続ヘアピン)

結標淡希<BNR32>VS上条当麻<AE86>に付いて行く御坂美琴と白井黒子
「くっ。 目がついていきませんわ。いよいよ本気だして切れ始めたようですわね。イン側の溝にタイヤを引っ掛け始めましたわ」
(これですの?わたくしはこの技に負けたんですの。改めてこうして拝めるとは思ってみませんでしたわ)
(お姉様がしゃべらなくなった。その余裕がなくなったってことですの?今まで何度もお姉様のヨコに乗りましたけど、こんなドライブ
を見るのは初めてですわ。お姉様が本気になった?)

木原数多(EG6)のガムテープデスマッチ
「おいおい、ちぃっと元気すぎやしないか幻想殺し」
「あのヤロウ……わざとぶつけやがったな。むかついた、すっげぇむかついたぞ」
「さようなら子犬ちゃん。お前のハチロクは谷底でおしゃかさ!」
「なっ!?追いつけないだと!?ぐぁああああぁぁあぁああ」(クラッシュ)

初春飾利(S14)のレインバトル
「白井さんを負かした相手、上条当麻さん。アナタにレインバトルを申し込みます!受けてもらえますか?このバトル」
「ふぎゃあああああ」(インデックス後部座席でゴロンゴロン)
(こんなのがとうまの普通!?雨がひどくて『わいぱー』も『ライト』も役に立ってないよ)
「御坂さん、ハチロクを撮ろうとカメラを積ましたんでしょうけど無駄でしたね。ここからは私の……!?」(抜かれた)
「インデックスはうるさいからな、それで後部座席に放り込んだんだよきっと」
御坂妹&打ち止め(S13改シルエイティ) インパクトブルーの彼方に
「次、制限無し!全力で行くよってミサカ10032号てミサカはミサカは下位個体適切なアドバイスを送ってみたりする」
「OK、天井峠で一番難易度の高いドリフトで決めてあげましょう、とミサカは自信満々に答え、上位個体の指示通りにステアを切ります」
「……なっ、ハチロクがミサカ達と同じスピードで突入しやがった、気合や根性で何とかなるほど天井峠のヘアピンは甘くないんだぞ!」
「そうこなくちゃおもしろくありませんとミサカは闘志を燃やします」

アニェーゼ=サンクティス(CE9A)アンジェレネ(CN9A)とある湖のほとりにて
「ハチロク?とあるのハチロクなんて『アウト・オブ・眼中』ですぅ」(注意:アンジェレネ)
「!?な、なんだってぇ、とうまはね!とうまのハチロクは!?」
「待てインデックス」
「やめなさいアンジェレネ。あのハチロクはドライバーの腕は悪くないんですが、正直マシンの性能不足ってやつですね。
この時代ハチロクは時代遅れって事ですよ」

>>ヒロインが姫神に……。
常盤台レッドサンズ、霧ヶ丘ナイトキッズ(おまけで木原)、ランエボ軍団(ローマ正教シスター組)、天草塾とか
禁書とは段々違う方向に……。最初に頭に浮かんだのはドリフト中にタバコを吸い出す小萌先生でした。
>>禁書でD
この話はこれで終わりなんだ。続きなんて本編なんて無いんだ。

672■■■■:2007/04/22(日) 10:36:14 ID:oB1lsGK.
ジョジョも頭文字も奇妙な擬音の表現が難しいと思うんだが、とりあえず雰囲気だけは伝わってきた!
空白の人>>
アンジェレネのそのセリフはまずいだろ・・・。
だってああいう感じの表情で言うんだろ、小萌先生ってまともに運転できるのか?

��( ̄口 ̄)
底上げペダル!
アニェ並の厚底サンダル?
どこから突っ込んでいいやら。

673■■■■:2007/04/22(日) 21:02:41 ID:ZOFwTiOA
両者様とも素敵なネタっぷりだが頭文字Dの方はネタが全然わからんぜ!
ところで表現をくどくして『ッ!』をつけるとワイルドアームズっぽくなるよね。

674■■■■:2007/04/22(日) 22:57:58 ID:ohw5zzJ6
須藤兄弟はいっそ京介が教皇で弟がヴェントでどーよw

675■■■■:2007/04/22(日) 23:11:01 ID:oB1lsGK.
須藤兄弟>>
高橋兄弟だろ、高橋。エボ3混ざってるぞ>>674


多分
上条=巧
姫神=なつき
禁書=いつき
美琴=高橋兄
白黒=高橋弟
結標=中里
木原=慎吾
初春=啓太
御坂妹=真子
打ち止め=沙雪
アニェ=京一
アンジェ=エボ4のやつ
小萌=親父
なんだろうよキャスト的に。
とりあえず天草塾と常盤台レッドサンズの語呂がよくてびっくりだ。でも頭文字知ってる人しかわからんな。

676■■■■:2007/04/22(日) 23:15:15 ID:oB1lsGK.
姫神=なつきは俺の幻想だがな。
吹寄=なつきでもかまわん。なんなら風斬=なつきでも!
いっそねーちんで!
連投スマンカッタ

677■■■■:2007/04/23(月) 00:00:48 ID:.yCDB0cw
いや、ランエボ兄弟(奴らも兄弟だったよな?)の方のつもりで言ったんだが。つーか京一だっけ?

678■■■■:2007/04/23(月) 05:14:16 ID:vjLBvUtE
>>677

あいつらは兄弟じゃねぇ……。

679黒当麻 大覇星祭 if ◇:2007/04/24(火) 00:24:48 ID:x6LDaTBk
姫神の上て゛二人の少年が言い争っている。何かを通して聞いているように聞き取りずらかった。体から力が抜け落ちていくように感じた。
「……もう一度だ……ぞ、全てをか……ければ、ここをまたいでいけ」
最後の部分だけはっきりと聞こえた、そんなのやだと姫神は言おうとした。けれど、ただ一言言うだけだのに体は動いてくれない。
「俺は……め神についている、先……てくれす……い付く」
彼がそう言ってくれた時とても嬉しかった。もう一人の少年は唇を噛み締めて「……このド素人が」と吐き捨てて走っていく。それを目の隅で感じてると彼がしゃがみ込んで私の手を握ってくれた、とても温かい手だった。
「もうす……急車が来ますか……までがんばっ……い姫神ちゃ…」
小萌先生がもう片方の手を握って語りかけてくれている。彼は顔をあげて小萌と二言三言話すと小萌は頷いてここから離れていった。

680■■■■:2007/04/24(火) 00:27:25 ID:iCsndp6k
上条はだんだん冷えていく姫神の手を握りしめて呟いた。
「すまない、俺らの戦いに巻き込んで」
「……君のせいじゃ……ないよ……」「!?」
上条はもう意識はとんでしまっていると思っていたので姫神からの返答におどろいた。
「しゃ、喋れるのか無理はするな小萌先生は路地からでて救急車をまっている」
上条は少しだけ緊張を緩めた、助かるという希望の光が見えたと彼は考えた。けれど、彼女はその幻想をぶち殺す。
「……もういいの……私はもう長く……もたないから……」
上条はその言葉に怒りを覚えてさけんだ。
「もういいなんて言うな!?お前は一度助かってるんだ今回も助かる!!だからもうしゃべるな!!」
けれど姫神には伝えたいことがあった。既に目は見えなくなっている、タイムリミットまでもうすぐ、ゆえに彼女はとまらない。

681黒当麻 大覇星祭 if ◇:2007/04/24(火) 00:30:01 ID:f2PklNt2
「……最後に……言いたいこと……がある……」
力を振り絞り震える手を上条の顔に触れさせた。
「……君のことは……好き……だった……もう少し……君と……一緒に……い……た……か…っ……た…………な……」
手から力が抜ける。瞼は閉じられ一筋の涙が流れた。上条は慌てて脈をとる。しかし、彼女には血の鼓動はなかった。
「姫神、おい姫神、死んだふりかんかをしてんじゃねぇよ起きろよ」
上条は姫神の体を揺するが反応はない。彼は自分の眼から涙が流れているのに気付かず彼女に話し掛ける。
「おい姫神まだ大覇星祭は終わってないんだぜ、そうだこの事件が終わったらみんなでパレードを見にいこうな、だから……だから起きてくれよひめがみーーーーーー!!」

つづく?

682黒当麻:2007/04/24(火) 01:26:19 ID:xRcWiIFs
携帯で書いたからパソコンだと変になるかも、しかも誤字とかあるし、推敲は苦手だ

683■■■■:2007/04/24(火) 04:16:15 ID:5F3mGkgs
とりあえず、場面変更無しに視点を変えると読み手が混乱するぜ、とだけ言っておく。
あと導入部分唐突すぎてついていけなかった俺がいた。

684■■■■:2007/04/24(火) 09:02:42 ID:UwjYyLAM
黒当麻と聞いて鉄の心を思い出した俺は型月の窓から帰りますね

685黒当麻:2007/04/24(火) 11:00:59 ID:Tiz.BuRA
やはり唐突すぎましたか。けど、これよりまえをかこうとすると原文どおりになりかねなかったからなぁ。
やはり、人の言うことをきいて読むとどこがおかしいか゛よくわかります。まだ1/10人前にも届かない未熟者ですので悪い所があればどんどんツッコンでください。

686■■■■:2007/04/24(火) 11:32:11 ID:5F3mGkgs
書き方に関してはログ遡ると禁書味がどうのとかカマチ文考察とかあるから参考にどうぞ。

禁書味考察は結構ためになるぞ。

また賑やかにならないかなぁとまったりプロット中な俺。
ところでみんな。
幻想殺しって異能打ち消す度に音がする訳じゃないよな?
カマチーが省いてるだけで実はバキンバキンとやかましいのかな?
戦闘シーンで擬音だらけはちょっとなあと思ってそこで筆が止まってるんだが

687■■■■:2007/04/24(火) 13:03:20 ID:DTunuquQ
どうだろう、オリアナと握手したときはバキンって音はしていたけど。
私見一、戦闘シーンであまりいれると良くない

688■■■■:2007/04/24(火) 21:06:51 ID:ZlTzCcxg
必要な時に入れる、でよいかと。日常‐非日常の切り替え代わりとかね。
転のシーンで入れるといい感じになりそうだが。

689■■■■:2007/04/25(水) 01:52:58 ID:K/NOPu96
個人的意見なのですが、五巻から六巻の間(闇咲と呪いをとくための話)を書いてほしいんですが、手の空いてる人いますか(自分で書こうとして失敗)。

690■■■■:2007/04/25(水) 05:23:11 ID:aEr1FUlI
[16]Interval extra03―コイワズライ 前編
 
 午後三時過ぎ――第七学区。
『♪〜〜』
 駅前から続く坂道。上り坂をテクテクと歩いていた姫神秋沙の学生鞄から緩やかなメロディが流れた。
「ん?」
「電話?」
「電話だねぇ」
 携帯電話の着信音。着信メロディーは誰からかかってきても同じメロディが流れる様に設定してある。
 だから誰からかはまだ判らない。
 でも、その電子音は姫神の心臓のリズムを少しだけ早くした。
 メゾピアノからメゾフォルテへ。アダージョからアンダンテへ。トクン、トクンとときめく乙女心の旋律は頬を容易く赤色に染め
あげる。
(明日の約束とか?いや、もしかしてこれから会えないか?とか)
 真っ先に浮かぶのは一人の少年。上条当麻。
 自然に足が止まった。
(時間差攻撃。君も女の子の扱いが上手くなったね。そこだけなんかムカつかなくも無い)
 少し先に不思議そうな顔をした吹寄と越川の顔が並んでいる。突然姫神が立ち止まったから何かあったのかと思うのも当然だろう。
「姫神さん?」
「ひめちゃーん、彼氏からの電話?」
「なっ!?彼氏!?姫神さんいつの間に……。いやもしかして……あぁいやいやそれは無い、それは無い……はず」
「ふーちゃん何ブツブツ言ってんの?姫ちゃんってば結構人気あるんだよ。てかそれはふーちゃんだって一緒っしょ?」
「知らないわよッ!?私はああいう軟派な連中は嫌いなの!」
「んじゃ本命は上条君?彼も結構人気あるみたいだよ。前途多難だよねぇ"お互い"」
「なっ!?なんでそこで上条当麻の名前が出てくるのよッ!」
「図星か、にやり」
「待ちなさいッ」
「待ちませんッ」
 とりあえず姫神は歩道の真ん中でぐるぐるとコントしてる彼女達に「先に行ってて」と右手を振って先を促す事にした。 
 どうせ目的地は分かっている。一端はぐれた所で問題は無い。それに電話の内容いかんではこのまま別行動になる可能性すらある。
 あるかも知れない。無いとは言い切れない。むしろあって欲しい。あの少年には是非自分を選んで欲しい。姫神秋沙はそう思った。
 どうしても期待してしまう。それがどんなに可能性の低い事なのか理解していても。
 学生鞄と白いトートバックを持つ手に力がこもった。
 携帯電話はまだ取らない。着信音が途切れた。がすぐにまたかかってきた。
「ん、そう?じゃあ先に行ってるわね姫神さん」
「姫ちゃん、その、いろいろとがんばってね」
「わかった。できるだけ早く行く」
 着信音は鳴り続ける。これで着信は四回目。つまり、よっぽど大事な用件という事だ。
 クラスメイト二名の姿が坂の向こうに消えたのを確認してから、姫神は大きく深呼吸をして鞄を開けた。
(願わくば"彼"からでありますように……)
 淡い幻想を胸に。胸の早鐘はどんどんと勢いを増す。それは決して悪い感覚では無かった。
 だが少女の淡い幻想はその直後、無残に砕け散る事となる。
 鞄から取り出した携帯電話の液晶に表示されるのは姫神が居候している家主の名前、彼女の担任でもある月詠小萌。
「小萌。紛らわしい」
 あからさまな落胆の吐息を吐き出して、姫神の幸せ指数がみっつぐらい下がった。
 思わず携帯電話を握る手に力が籠もる。握ったぐらいで壊れる程最近の携帯電話はやわではないが何故か携帯電話はミシミシと音
を立てていた。
 携帯電話の通話ボタンを押し、耳に当てる。
『もしもし……』
 流れ出たのは聞き慣れた声。
(この人には。声変わりという時期が無かったのだろうか?)
 とえらく失礼な感想が頭に浮かぶ。
 それでも学園都市の七不思議の一つに数えられるちびっ子先生だからと説明されれば、納得できるのが凄いといえば確かに凄い。
 知らない人が聞いたら、きっと簡単に信じ込んでしまう事だろう。

691とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/04/25(水) 05:25:00 ID:aEr1FUlI
『もしもーし』
「もしもし」
『姫神ちゃんですかー?なかなか出てくれないから困ってたところですよー』
「小萌。携帯電話で相手の確認は不要だと思う」
 ちびっこ先生は自分の部屋にいるんだろうか?フローリングの床を歩く音が聞こえる。
『一応の礼儀なのですよー。そりゃ姫神ちゃんの携帯電話に掛けてるのだから姫神ちゃんが出なかったら先生は激しく
ビックリしちゃうのですけれどね。そんな事より姫神ちゃん、今外ですか?』
「今外。吹寄さんと越川さんと一緒に地下街に行く所」
 今度は扉が閉まる音。少し遅れて鍵が掛かる音。
 おそらく部屋を出たのだろう。途端に雑音が多くなり声が聞き取りづらくなった。
『ありゃ、上条ちゃんと一緒じゃ無かったんですか。先生はてっきり姫神ちゃんは上条ちゃんと遊びに行ってると思ってたんですが』
「ぁぅ」
 何気に姫神の乙女回路へとグサリと突き刺さる恩師の言葉。これで狙ってやってる訳で無いのだから余計にたちが悪い。
 が、痛む胸を押さえ姫神は冷ややかな口調で切って返す。
「小萌。切っていい?」
 既に細い指は通話終了ボタンにリーチをかけてある。後は押し込むだけ。それでこの拷問(かいわ)は終わる。
『わーわー!姫神ちゃんってばいつからそんな悪い子になったのですかぁ!?』
「小萌。そろそろ用件を言って欲しい」
『う〜、姫神ちゃんは先生の事を馬鹿にしてるのですね?先生は……先生は……』
「小萌先生。用件」
 先生とつけただけだが向こうのちいさい人はそれで満足するようで機嫌を直してくれた。
(小萌。単純)
『実はですねー黄泉川先生から部屋に遊びに来ないかと誘われてまして、これからお邪魔しに行くところなのですよー」
(体育の黄泉川先生。小萌の同僚)
「小萌。お酒はほどほどに」
『なっ!?姫神ちゃんは先生を大酒飲みだと思ってるのですかー!?』
「うん。あとヘビースモーカー」
『うぁぁぁああああああ!教え子がいじめるんですよぉぉぉぉ』
「小萌。うるさい」

 時折姫神の後ろを車が通り過ぎる。この街は学生が人口の八割を占めるので道路を走っているのはほとんどが学バスだ。
 小萌先生が落ち着くまでに要した時間は数分――。その間姫神は坂道の中腹辺りでガードレールに腰を掛けて待つ事になっていた。

『えぐえぐ、ですから夕食は外で済ますか何かして欲しいんですよー』 
 結局の所、肝心の用件自体は数分もしない内に終わった。
 要は小萌先生はこれから同僚の部屋に遊びに行って夜まで帰ってこないから、夕食は適当に済まして来て欲しいと言う事だ。
 メールでも済む所を律儀に電話してくれるのは責任感故か。
『というわけで、姫神ちゃん、すみませんがよろしくお願いしますね』
「わかった。小萌も気をつけて」
『それでは行ってきますねー』
 パタン、と二つ折りに携帯電話を畳んで姫神は軽く嘆息した。
 視線は左手に持つ携帯電話に落とされる。
 細い指で小さなボタンを押し込んで姫神はアドレス帳を呼び出した。
 登録件数は少ない。三十件程度。二学期からのクラスメイト達がそのほとんどだ。
 だから目的の番号はすぐに見つかる。探して数秒で即ヒット。見つかるように整理もしてある。"特別"な分類にも分けてある。
「上条。当麻」
 姫神秋沙にとってその名前は特別な意味を持つ。
 ただ口から出しただけで顔の温度は上がる。思い浮かべれば胸が苦しくなる。吐き出す吐息は熱を帯びる。
 典型的な恋の病。
 胸に秘めた思いが成就するその時まで決して完治する事の無い不治の病。
 学園都市屈指の名医であるあの医者ですら、姫神の難病を治療する事は出来ないだろう。なにせ手ごわい恋敵(ライバル)は例の少年が
無自覚の内に発揮するフラグ体質のせいで現在進行形にて増殖中だ。正直いい加減にして欲しいと思う時もある。
「はぁ……。虚しい」
 丁度坂道の頂上に差し掛かった頃だった。後ろの方からけたたましい排気音。接近する騒音に気づいた姫神が振り返った。
(歩道なんだけど……。スクーター!?)
「きゃっ!?」
 姫神の手から携帯電話が落下しカツンと音をたてた。
 掠めるように通過した黄色いスクーターに驚いて姫神はアスファルトの地面に尻餅をつく。
「いたたたた。なんて乱暴な運転」
 悪態をつき、ゆっくりと立ち上がる。スカートの汚れを手で払い。地面に落ちた携帯を拾った。そして鞄へと手を伸ばす。
 手は何も掴まなかった。
「……あれ?」
 黒い瞳をパチクリ。ぐるりと周囲を見渡す。一気に血の気が引いた様な気がした。
(鞄が。無い)

692とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/04/25(水) 05:26:40 ID:aEr1FUlI
 姫神は慌てて走り去るスクーターを見た。
 赤いフルフェイスヘルメットを被った運転手の手に握られているのは"姫神の学生鞄と白いトートバック"。
 それを表す言葉が姫神の頭に浮かんだ。ひったくり。普通はもっとお金になりそうな物を狙う。
(よりによってアレを……)
 この時、姫神秋沙は自分の準備の良さを呪った。まさかこんな事になるとは思っても見なかったのだ。
「返してっ!」 
 姫神秋沙の思考はただ一つの目的の為に動いた。
 彼我の距離を確認。続いて自分の速度を確認。最後に相手の速度を確認。
(走って追いつくのは無理)
 相手はまがりなりにもバイクだ。姫神が仮にオリンピック選手級の運動能力を持っていたとしてもまともに競争しては勝負の結果が
見えている。まるで兎と亀。そもそも競う事自体が間違ってるような絶望的な状況だ。兎が昼寝しない限り、亀は絶対に勝てない。
 だけど諦めるわけにはいかなかった。
(せっかく。せっかく"編みきった"のにっ)
 懸命に手を振って。脚を急かして。追いかけた。
 だけど距離は縮まらない。むしろ開く。
 下り坂を降りきった所で、引ったくり犯のスクーターが二十メーター程先の角を右に曲がったのが見えた。
 遠い。おそらく姫神が角を曲がる頃には更に差は開いてるだろう。
「はぁ。はぁ」
 荒い息がひっきりなしに吐き出される。悲鳴をあげる心臓と弱音を吐く脚の筋肉。いくら若いとは言っても準備運動も無しに全力疾走
すれば当然だった。筋肉がボイコットを開始し、体を倦怠感が襲う。脳からは休息の指示が出る。
 だけど全部無視する。

693とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/04/25(水) 05:27:20 ID:aEr1FUlI
「ま、負けるか。他の何でもいいけどアレは駄目」
 悩んだり、迷ったりしてる暇は無い。
 見失ったらアレは二度と姫神の手には戻らないだろう。もしかしたら犯人の手によってボロボロに切り裂かれてしまうかも知れない。
 何せ相手は金目の物でも入ってるかと思って姫神の鞄を盗ったのだろうから。その辺りが少し疑問ではあるが。
 性根が曲がっていれば腹いせにそれぐらいの事はやりかねない。
 実際の所、別に鞄自体はどうでもいい。戻ってこなくてもいい。アレ以外の中身もどうでもいい。ボロボロに壊されても破かれても、
今は興味も愛着も沸かない。アレ以外は。
 だけどアレは駄目だ。代わりが無い。
 普通なら、ここで諦めて警備員なり警察なりに駆け込むところだった。そう"普通”なら。
(こっちも。はい、そうですかって諦められない)
 悔しそうに握り締める右手。生憎、姫神秋沙の事情は"普通"ではなかった。いうなればそれは"特別"。
 明日はクリスマス・イブなのだから。その為に一ヶ月も前から準備をした。
 あのやたらと情報通な茶髪ポニテからは購買のチョココロネ十個と引き換えにあの少年の胸囲だとかその他もろもろのデータを教え
てもらった。暇を見つけては少しづつ編んだ。
 だというのにこれではあんまりでは無いか。これは姫神では彼に相応しくないと意地悪な神様が与えた試練なのだろうか?
「そんな神様なんて要らない。そんな結末なんて認めない。そんな結果なんて――絶対に従わない!」
 走りながら目尻に涙を滲ませて吼える。バッドエンドのヒロインになるのは嫌だった。
(犯人が逃げたのは一本道……)
 考える。姫神秋沙は考える。考えなければいけない。
 取り戻す為に。明日の為に。一ヶ月の努力の為に。そしてあの少年の為に。何よりも自分の為に。
 思い浮かぶのは切欠。追憶の一ページ。
『今年の冬は寒くなるからな、俺なんて去年まで着てたセーター縮ませちゃってさ。新しく調達しなけりゃならないのに上条家の家計
簿は火の車ですよ、もう赤ペン先生もびっくりだ』
『ふぅん。それは大変』
『大変だと思ってねぇだろ姫神』
『そんな事は無い。私も大変だから』
『んだよ、それ?』
『来月になればわかるかも知れない。それまでセーターは買わないほうがいいよ』
『わけわかんねぇぞ姫神、何かの謎掛けか?』
『それは秘密。とにかく言うとおりにしてみて』
 丁度ひと月前の教室。些細な出来事。ただの世間話。友人同士の他愛の無い会話。
 だけど姫神の知る限り、それからあの少年が学生服の下にセーターらしき物を着てきた事は無かった。
 もしかしたら本当に買う余裕が無いだけだったかも知れない。
 でも姫神は違うと思っていた。彼はわがままを聞いてくれているのだ。優しいから。誰も対しても優しいから。
 だったら誰がその優しさを裏切る事なんて出来るだろうか?誰にだって出来やしない。少なくても姫神秋沙には出来ない。
(あきらめない。絶対に取り戻す) 
 "あの先には何があった?あの先には誰がいた?自分はどこに向かう途中だった?"思い至り額の汗を拭う。
 黒真珠の瞳には活力が戻り、汗だくの手が制服のスカートのポケットを探る。固い感触が指先に当たった。乱暴に引っつかんで手首
のスナップで開き、アドレス帳から目当ての番号を探し当てる。
「あっち。あっちには彼女達が――いる!」
                                                   [12月23日―PM15:12]

694空白 ◆Oamxnad08k:2007/04/25(水) 05:33:18 ID:aEr1FUlI
>>690……名前欄が失敗でしたぜ。まさか戻るを押したら名前までリセットされるとは
……迂闊。
 回想シーンって苦手です。はい。それではまた。

695■■■■:2007/04/25(水) 20:13:31 ID:z4wFLuPY
越川……チョココロネってあんた……。あと姫神かわいいよ姫神。

696■■■■:2007/04/25(水) 22:44:23 ID:BbUUTb0w
"お互い"ってことは越川にも立っているのか?

697■■■■:2007/04/25(水) 23:53:24 ID:wQkdbp.Q
『吹寄が最後の砦』=『吹寄以外の女子は全員陥落済』
という恐ろしい等式が

698■■■■:2007/04/26(木) 05:09:51 ID:VMUChWhY
結局陥落してないのって結標と白井、初春、打ち止め、ルチア、アンジェレネぐらい?

699■■■■:2007/04/26(木) 11:01:20 ID:VVGBzF/c
出会った時点でアウトのような気がする

700■■■■:2007/04/26(木) 11:58:12 ID:Glqz6Uso
上条のフラグ数はどのくらいになるんだろうな?シスターズだけで9969だけど

701■■■■:2007/04/27(金) 02:48:45 ID:M3ZOO2IA
テスト

702■■■■:2007/04/27(金) 10:15:12 ID:6JUPS5nU
フラグは4桁単位ですよもうすぐ5桁か?
天草式とローマ正教あと上条の学校の連中がどれだけなびいてるかによるが5桁はけして不可能な数字では無いと思った。

あと>>701
何のテストだか知らんがそういう使い方はどうかと思う。

703■■■■:2007/04/27(金) 14:11:17 ID:kcFbOcMk
インデックス
御坂
シスターズ×9969
姫神
オルソラ
アニェーゼ
神崎
五和
吹寄
小萌
風霧
その他の学生
ぐらいか?他に居たっけ?

704■■■■:2007/04/27(金) 15:18:07 ID:aWxjz6Ro
神裂はまだじゃない?
邪険にしても妙に懐いてた乙姫は落ちてると思う。
あとルチアたちを含めた250のシスターは? 彼女たちは助けてもらったわけだし、なんかまとめて落ちてそうな気がするんだけど。

それはそれとして空白さんよかったですよ。
その調子で日常ならヒロインはれるのに非日常ではまず出番のない姫神に愛の手を。

705■■■■:2007/04/27(金) 18:26:45 ID:XX9eiVek
吹寄も立ってないと思うがなあ。
つか吹寄さんにデレなど要らぬカミジョー属性完全防御の100%ツンがいいのだ!
なんて思う俺は少数派なのだろうか。

706■■■■:2007/04/27(金) 18:40:52 ID:SOILbBs6
けど、大覇星祭で上条が御坂といるときにむかついていたから、自分では気つ゛いてないって設定なのでは?

707■■■■:2007/04/27(金) 21:52:31 ID:oUB0IT2Q
吹寄のあれは「また違う女の子といちゃいちゃしやがって……」というところでは?
速記原典くらった時の上条の反応が少し気になった程度だと思うけどな。
あとオルソラはともかく250人のシスターはどうよ。
命は助けてもっらただろうけど恩人の域は出てない気がする。

五和は上条とのパイプを作っておこうとする天草式の陰謀だと思ってたゼ。

708■■■■:2007/04/27(金) 23:00:41 ID:X6gk1I2s
天草式は陰謀って単語から最も遠い宗教団体だと思うが。何でも斜に構えて読めばいいってもんでもないぞ

709■■■■:2007/04/27(金) 23:18:53 ID:8UbZANm.
なんだかんだで吹寄と姫神の人気は高いのだな。
今まで登場してきた女性キャラだと上条と接点が直接無かった結標、初春は完全に除外。
白井は完全に敵としてしか見て無さそうだし、シェリーはそんなキャラじゃない。
やはりなんだかんだ言っても原作は結局インデックスなのですよ。
吹寄さんは潜在的には旗立ってると思う。意識してかどうかはわからないけど隠してそう。
インデックス、美琴、御坂妹、姫神は大好き、アニェ、五和が秘めた思いぐらいか?
神裂は恋愛対象というよりは恩人?しかも返し切れない程の大恩人。旗は立ってるけどねーちんの経験の無さがネック。
外野から見れば惚れてるようにしか見えないんだろうよ、天草式の連中もいずれ激突するって言ってたし。

オルソラは一番わからんです、はい。
ローマのシスター軍団は可能性低そう。

710■■■■:2007/04/28(土) 06:12:47 ID:gjHMt5pw
正直姫神はもっと幸せになっても良いと思う。わざわざ転校してきたんだよ?
もっとおいしいイベントあっても俺は気を悪くしたりなんかしないよ、うん。

>>707
あいつらは神裂が一目置いている上条に素直にあこがれているだけではないか?
五和のフルネームが不明なままだけど。
なにせライバルが一杯だ。
パイプなら恋愛なんて障害が多い物より他の手段をとると思うぞ。

711■■■■:2007/04/28(土) 08:05:15 ID:KsY3SX5Y
上条がいままで着替えや裸、パンチラに遭遇したのは……

インデックス
御坂妹
神裂
風斬
アニェ
白井
吹寄
オルソラ
ルチア
あれ?美琴と姫神いねえ

712■■■■:2007/04/28(土) 09:12:33 ID:vOG2maPs
御坂はスパッツはいてるからな

713■■■■:2007/04/28(土) 22:09:31 ID:gjHMt5pw
御坂は短パンだと思うが、スパッツな御坂とか素敵な幻想をアリガトウ>>712
きっと上条に「スカートの意味ねぇ」とか言われるに違いない。
白井には「スカートの下にスパッツを履くのは少々はしたなくありませんか?」とかとか。
上条が通ってる学校の制服はスカート丈長いにも関わらず上条って、きっとそういう系のハプニングとか豊富なんだろうな……。

何気に一方さんも打ち止め、芳川、黄泉川、結標とお風呂ハプニングやローアングルとかあるよね、上条と違ってあくまでも冷めた対応なんだけど。

てか健気だなこの姫神……嫁に欲しいぜい。

714■■■■:2007/04/29(日) 11:41:10 ID:LQs8.0Jk
投下が無いとネタが無いな……
ここらで潜伏中の作家達が一斉に登場とかしてくれても俺は一向に気を悪くしたりしないぜ、むしろ歓迎。
>>712
美琴は短パンだ。

7151-169:2007/04/30(月) 00:10:46 ID:TK0YVPxA
                    ◇   ◇

 ポロポロと、砂の塔のように崩れ落ちていく自らの霊装を、サーシャは戸惑うような視線で追いかけていた。
 何故。
 どうして。
 そんな思考が見て取れる表情だ。
 上条は五歩後ろに下がり――“もちろん”サーシャにも言祝にも指一本触れていない――赤いシスターに向き直る。
「問一。なんで銃だけを壊したのか、って顔だな」
 返事はなかった。しかし彼女はその代わりに疑問の表情を浮かべたまま見上げてきた。上条はそれに対し、右の人差し指を立てて見せる。
「回答一。まず魔法陣を狙うのは真っ先にやめた。確かに速攻で魔術の発動を止められるだろうけど、やり直しも簡単そうだったから。俺が下で走り回ってる間に準備できた訳だしな」
 続けて中指。
「回答ニ。次に切ったのは『灰姫症候(シンデレラシンドローム)』だ。まあそうだよな、作った魔術師を捕まえなくちゃならないんだから、壊すわけにはいかない」
「でも」
 サーシャが初めて反論した。青い瞳は感情の乱れに同調し、今にも決壊しそうである。
「私は言った。シオリを撃つと。そう言えばトーマは絶対にシオリを優先すると思ったから。だから、」
「んなこと言ってねぇよ。お前は」
 ピシャリ、と突き返した言葉に、
 今度こそ、演技という名の仮面は少女からはがれ落ちた。
「…………な、」
 上条は口を挟む余地を与えないよう畳み掛ける。
「お前はこう言ったんだ。『「灰姫症候」の魔力を解析する役の人間がいないから、「灰姫症候」そのものを破壊することで解析の手順を省略する』って。――それだけだ。“誰”を撃つかってのは一言も言ってない」
 薬指を立て、

「これが回答三だ。銃を壊さなかったら、“サーシャは自分で自分を撃っていた”。『灰姫症候』は今、お前の体の中にある。違うか?」

 サーシャはうつむき、唇を固く結んでしまう。
 その沈黙は何よりも雄弁だった。
 上条当麻は言葉を続ける。幕を引き切るために。
「ふっとな、思ったんだよ。サーシャに本当に言祝が撃てるのかなって。そしたら俺に対しても、絶対直撃しない戦い方をしてることに気づいた。日頃から乱射をかましてる俺にこの調子なら、言祝を撃てるはずがない。……不謹慎かもしれないけどさ、正直安心しちまった」
 二つの巨大宗派から与えられた使命と、
 たった一、二週間程度の知り合いを天秤にかけてしまうような甘い心の持ち主。
 友達を傷つけたくないという意思を最後の最後まで抱いてゆける、弱くて強い女の子。
 サーシャ=クロイツェフというのがそういう少女で、本当によかった。
 だからこそ上条は――卑怯かもしれないが――迷わず釘の嵐の中で目を閉じることが出来たのだ。
「で、言祝でないのなら何を撃つ気なのかって考えたら一発だった。まさか逃がしてる訳もなし、サーシャ本人の体しかないって」
「もし私が最初からそのつもりだったなら、私は一人でここまで来ればよかったのでは? シオリを気絶させてまで連れてくる必要は全くない」
 風に埋もれてしまいそうな、小さな声での反論だった。しかし屋上を流れる風はその声を遮るどころかそっと背中を押すようにして上条の耳まで届けてくれる。
「いや。サーシャは絶対に言祝を連れてこなくちゃならなかった。“俺に追ってこさせるために”」
 きっぱりと断言する。実はほとんどがこの会話の最中に思いついたことだったのだが。銃を壊す直前の数秒はほとんど無心だったから、あの瞬間の閃きを言語化しようとすると結構手間取る。
「自分で自分を撃つなんて裏技、必ず成功させる自信はなかったんじゃないか? まあ人肉プラネタリウムになっても平気で魔術を使ってた変態もいるけど、サーシャはあそこまでぶっ飛んでるようには見えないしな。だからもしも探索の魔術が失敗した時、俺やインデックスがお前の『共犯』にされないように。先走ったサーシャを止めようとしていたと、形だけでもそう見えるように。もし言祝を残していったら、俺は『何か考えがあるのかも』って思って、深く考えずに任せた気分になってたかもしれない。そしたら俺達も叱られる――で済めばいいけど――まああんまり良くないことになってただろ」
 指を立てていた右腕を下ろす。
 そして、
「結局サーシャはさ、全部自分の責任にして、事件を終わらせるつもりだったんだろ?」
 上条は、言った。
 思ったことを、全て。
 考えてみれば簡単な話だったのだ。
 上条達は、少女を友達だと思っていた。
 少女は、上条達を友達だと思っていた。
 ゆえに上条は少女を止めたいと思い、少女は全ての責を負おうと心に決めた。
 たったそれだけの、三文芝居。
 しかし、上条は自分で気づいていた。この推理の穴を。

7161-169:2007/04/30(月) 00:11:31 ID:TK0YVPxA
「……トーマ。貴方には推理小説の主人公は似合わない」
 彼女も同じことに感づいたのだろう、わずかに余裕めいたものが生まれた。
 それは、
「貴方が述べているのは全て状況証拠でしかない。いや、それよりも悪いただの願望だ。私の行動に勝手な理由をつけて、貴方自身が納得するための筋書きを作っているにすぎない」
「…………、」
 言い返そうとして、言葉に詰まる。
 そんなことは分かっていた。
 上条にはサーシャが何をしようとしているのかを推測することは出来ても、何故そこに思い至ったかを推察することは出来ない。彼女には彼女の事情があり、思惑があり、思い出があり、それらの中から生まれた結論を理解しようと思うなら、事情を思惑を思い出を全て知らなければならないだろう。しかしそんなことは読心能力でもなければ不可能だ。
 理解出来ないものを無理に語ろうとすることを、暴論と呼ぶ。
 結局上条の言葉は、彼自身のための、主人公気取りの偽善の押しつけにすぎないのではないか。
(でも、)
 ばらばらになったカケラをでたらめに貼り合せたような、歪な仮面に似た少女の顔を見る。
 様々な感情が交錯し、どんな表情をしているのか自分でも分かっていないに違いない貌を見つめる。
(お前のその顔じゃ……証拠にならないか?)
 ここに鏡があれば見せてやりたかった。もしも演劇がシンデレラでなく白雪姫だったなら、魔法の鏡を用意出来ただろうか。
「貴方に似合うのは――やはり絵本のような、勧善懲悪、荒唐無稽な御伽噺の主役だな」
 少女は夢を見るように、夢に浸るように、夢に溺れるように呟く。
「そして、私は『悪い魔女』だ」
 もしかしたら、その一言が全てだったのかもしれない。
 サーシャ=クロイツェフの迷いも決意も、全てはその一言の中にあったのかもしれない。
 そう思った時には――
 赤いシスターはまるで敬礼をするように、額に右手を当てた。
「トーマ。貴方は私を直接殴るべきだった。そうすれば、こんな結末は見ずに済んだのに」
 え? と問い返す間もなく、滑らかな動作でサーシャの手が何かを引き抜いた。
 そんなところから何を?
 答えはまたも風が教えてくれた。
 ゆるやかになびく金髪。
“ヘアピン”で止められていた前髪が下ろされたのだ。
「――――――あっ!」
 サーシャの手の中にあるヘアピンの先端は、鋭く尖っていた。“まるで釘のように”。
「十一。遠いいつかの空で」
『図書室から持ち出せた霊装』は、あの銃一丁のみ。
「十二。自由に飛べたなら」
 けれど、『常日頃から身に着けていた霊装』はカウントされない。
『サーシャ』と『ミーシャ』の最もはっきりとした相違点。
 何故、そこに考えが及ばなかったのか――!?
「…………アンコール」
 その囁きが呪文だったのか、指先でつまむように持たれたヘアピンが鈍い魔力の輝きを放ったように見えた。
 細い指が最後の釘を落とす。重力に引かれてまっすぐ落下するその先には、サーシャの足の甲があった。
 一瞬で、上条は思い出す。潜伏段階の『灰姫症候』は、発見されるのを防ぐため、自分の靴に所有者限定をかけるだけの効果にされているという話だった。
 つまり、破壊するために狙うべき場所は――
 飾り気のない上履きは今、まぎれもなく硝子の靴と化していたのだ。
「う――――おおおおおおおおっ!!」
 叫びながら、駆け出しながら、上条は絶望的に直感していた。
 距離が開きすぎている。足の筋力より重力の方が強い。腕の速さより落下速度の方が速い。
 これは、間に合わない。止められない。
 この釘は間違いなくサーシャの足を貫く。
 脳裏に浮かぶ1フレーズ。
 ――――最低の結末(バッドエンド)。
 それを払ったのは、やはり、また風だった。

7171-169:2007/04/30(月) 00:12:03 ID:TK0YVPxA






   世界中の大好きを集めても 君に届けたい思いに足りない
   体中の愛がうたいだしてる ぼくらの鼓動は全ての始まりだよ ハレルヤ






 時間が間延びしたように感じる。実際にはヘアピンが落下するわずかな時間だったはずなのに、歌声ははっきりと聞き取れた。
 旋律に気を取られたせいだろう、集中が途切れ、ヘアピンにかかっていた攻性魔術が霧散する。上履きには当ったものの、何の破壊も行わずにコロコロと転がっていった。
 上条とサーシャは空を見上げた。そこに誰かがいた訳ではない。しかし、確かにそこにあった。
 風が運んできた、白い少女の歌う歌が。


   とんでる鳥にはわからない苦労 逃げだしたい気持ちは足かせ
   けってみたけど まわり続けてる ラールルー地球

   つまんないはずだったDANCE 君となら軽くSTEPふめる
   どーして大地が暖かいんだ


(放送室をジャックして海賊放送……お祭りじゃなきゃできませんよねー)
 回転椅子に腰掛けて足をブラブラさせながら、小萌先生は目の前で行われているコンサートを観賞していた。
 舞台道具はマイクのみ。出演者は一人。聴衆は恐らく全校生徒。
 最初このシスターの少女に「学校中に声を届かせる方法はないか」と迫られた時には仰天したものだが、これほどの歌を特等席で聴けるのなら文句は無い。
 祈るように目を閉じ、胸の前で小さく拳を作って歌う彼女の姿は、聖職である教師の目から見ても神聖さを感じずにはいられなかった。
 だがそれでいて、ひどく人間らしい感情も伝わってくるのだから、大したものだ。
 神様に捧げる歌ではない。手を取り合える誰かのための歌なのだと。
 小萌先生は自然に――マイクに届かないように――口ずさんだ。


   ハレルヤ


 歌はそこいら中のスピーカーから流れているらしい。誰もが作業の手を休めて聞き入っていた。
 上条は嬉しかった。シンプルにそれだけを思う。
 きっとこの歌には何の意味もない。
 メロディに乗せて『強制詠唱(スペルインターセプト)』を試みるとか、『零時の鐘(ロンドベル)』の魔力拡散波を打ち消す波を作るとか、そんな下心は存在しない。
 ただ歌い、ただ届けと。
 押しつけじゃなく、あなたが何処で何をしている時にも、私はここにいるんだよと伝えるために。


   世界中の大好きをひきつれて 君に届けたい思いは一つ
   体中の愛がとびだしそうさ ぼくらの鼓動は全てをぬりかえてく ハレルヤ


 彼はサーシャに歩み寄った。少女は空を仰ぎながら耳を澄ましている。
 その邪魔をしないよう、静かに話しかける。
「いい歌だな」
「………………うん」
「俺達の、友達の歌だもんな」
「………………うん」
「じゃ、ここで回答四だ」
「え?」
「サーシャを直接殴らなかった理由。これから舞台に上がる役者の顔に、傷なんかつけられないだろ?」
「………………うん」
 泣いてはいなかった。演技ではなかった。
 彼女の今の表情を説明するのに、これ以上の言葉はいらない。


   世界中の大好きを集めても 君に届けたい思いに足りない
   体中の愛がうたいだしてる ぼくらの鼓動は全ての始まりだよ ハレルヤ

7181-169:2007/04/30(月) 00:12:58 ID:TK0YVPxA
1-169です。ニコニコなどでこの歌の動画を探すと、恐らくとあるシーンで大ダメージを受けることになるので勇気がある方はどうぞ。
四章はもう少しだけ続きます。
それと、ネタになるかどうかは分かりませんが、一応このスレを立てた者としてお願いしたいことが。
PART2も700を超えてしまったので、ここいらで正式なテンプレでも決めておいたほうが良いのではないかと。
私の考えたものは所詮間に合わせですし……TSは専用スレがあることに最近気づきましたし。
どなたかにバシッとしたものを決めてもらえれば、当方とても安心します。

719■■■■:2007/04/30(月) 00:29:01 ID:WhldrHa2
>>718
久々の投下GJでした!
ここでグルグル二代目OPというのは意外性バツグンでしたね。
サーシャ可愛いなあ。
次回も楽しみにしています。

720■■■■:2007/04/30(月) 01:23:23 ID:Ynf6.5tE
>>718
相変わらず見事なり。GJ!
キャラは立ってるしどいつもこいつも「らしい」。
『零時の鐘』の詠唱にはセンスを感じるねー。

テンプレは現行でも充分必要なことは書いてある、かと。
あとは前スレとかTSスレへのリンクでも張っておくか。
不当な文句厳禁の項に指摘歓迎と追加したり禁書味談義をとっておくのも有りかな?

721■■■■:2007/04/30(月) 04:13:08 ID:S4jIm8Ac
>>2>>3にでも禁書味考察を貼ってみてもいいかもな

722■■■■:2007/04/30(月) 05:33:31 ID:n.W0KkFs
あとは投下の基本的な流れとか鳥付けとかSSの基本的な事は禁書味考察でほとんどでてるからなぁ。
「作品は完結させましょう」の一文をどっかに張っておくか?
「投下までの間は面白い話題を探し出して待て」とか

723空白:2007/04/30(月) 18:50:41 ID:P1g/fmvE
 
【舞夏版草案】
 ここは鎌池和馬先生箸の「とある魔術の禁書目録」のSSを専門に扱うスレッドなんだぞー。
 SSを書いてみるもよし、読んでみるもよし、感想を書いたり、SSの書き方を研究したり。
 もしくは新刊のぶっ飛び具合に「なんじゃこりゃぁぁあああぁ」と叫んでみるのもよしだぞー。
 

 あんまり埋まって来ると大変だから、次のスレ立ては余裕を持って>>970くらいの人にお願いするぞー。
 >>970を踏んだ人は「踏んじゃったじゃ舞夏」って自己申告して頑張ってもらいたいなー。
 ↓はこのスレのローカルルールだ、キチンと守って楽しく禁書、これが一番かも知れないなー。
注1)ネタバレは本スレ同様公式発売日の0時から。要するに小説なら11日になってからだなー。大王なら21日からなんだぞー。
   早めに入手できたからってフライングするといろいろとまずいのだぞー。
注2)基本はマターリ進行でお願いするぞー。特に作品及び職人への不当な文句と思われる発言は厳禁になってるから注意なー。
注3)上は職人さんの希望によっては指摘及びアドバイスOKの場合もあるから、その時は臨機応変になー。
注3)SS職人さんは随時募集中だぞー。ジャンルは無制限だから、どんと来いだぞー。
   但し作品を投下したら、挫けずに完結目指して欲しいぞー。
   主なジャンルは以下の通り、これ以外も大丈夫だぞー。
[他作品クロスオーバー、IF、オリジナルキャラ、オリジナルストーリー、嘘予告]などなどだなー。
   ただしTS物は【女性化】禁書キャラを性転換させてみるスレ【男性化】への投下が好ましいかもなー。
   ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/6947/1137765797/l50
注4)なかなか投下されなくても男の子はじっと我慢だぞー。
   とりあえず退屈を感じたときは
”一回原作を読み返してみる”
”過去ログを読む”
”辞典を眺める”
”スレで質問してみる”
”禁書板の考察スレを読む”
”感想を書き込んでみる”
”いっそ自分でも書いてみる”
”リクエストをしてみる”
   とかやってみるといいのかも知れないなー。意外に納得できたりできるのだぞー。
   SS作家の連中は割りと不定期更新だから、投下までに間が空いてもあまり責めないでやって欲しいぞー。
 
 
↓関連リンク

本スレ 【鎌池和馬スレッド89「とある魔術の禁書目録」】
 ttp://love6.2ch.net/test/read.cgi/magazin/1177434297/
とある魔術の禁書目録 Index SS自作スレまとめ
 ttp://www12.atwiki.jp/index-index/pages/284.html

◇禁書風味考察
・地の文では基本的に日本人は名字、それ以外は名前。上条視点だからだと思われる。
 名字の重なる連中は名前。メインが名字でそれ以外名前ってパターンも有。
 ex)土御門/舞夏、美琴/御坂妹/美鈴
・地の文でも時折くだけた表現が用いられる。ex)〜のような→〜っぽい
・擬音語は単体で使わない。
 ex)バギン!!という破砕音で、上条は右手が何かを破壊(ころ)したことに気が付いた。
・霊装、能力名等の強調部は二重鉤括弧『』がつく。電話とかで会話が『』の場合は鉤括弧「」。
・オリキャラ有の場合は程よく妙な名前及び口調が要ると思われます。カタカナ名前の繋ぎは等号=。
・禁書っぽいルビ。ここらへんはセンス任せかなぁ…。
・傍点は範囲を引用符“”で閉じて代用すると良いかも?
・ルビは振りにくいので括弧()で。
・沈黙や間は三点リーダ…で。中黒・の連続だと字数嵩むし隙間開くし。
・ダッシュ―と三点リーダーは2つ以上重ねるべし。
・人物の外見に関する描写は詳しい部類に入ると思う。尤も、魔術側に関しては服装に意味があるからだろうけど。
・所々に近未来アイテム有。魔術関連は元になる伝承があると禁書感up。
・各章のサブタイトルは英題付き。単語間の半角スペースは半角アンダーバー_で。巻ごとの統一性はあったりなかったり。
 ex)統一有:一巻及び三〜七巻 ex)第一章 黒の騎士団 Lelouch_of_the_Rebellion
・ルビ部分は平仮名&片仮名のみにするとルビっぽいかも。SYSTEMとかの例外はあるけど。
・俺は最初からクライマックスだぜ!  訳)一文目が大事です。
・各人物間の呼称や、特定人物の口調・呼称は結構注意点かも。
・ヒロインに関しては作者の自由に。
・クロスオーバー作品の場合はあくまでも禁書の世界観で。

 これらはあくまでも禁書風味を出す為のコツであり、絶対ではありません。各人味付けは自由に頑張ってください

724空白:2007/04/30(月) 18:56:53 ID:P1g/fmvE
 遅ればせながらGJ灰姫と賛辞を贈ってみたり。
 完結も近いのだろうか?完結した折には是非裏設定等を暴露してもらいたいと要望してみたり。
>>723はとりあえず次スレテンプレ案として作ってみたのだけど、
「ここはこうだっての」
「いーや、ここはこォだろうがよッ」
 とかとかいろいろあるだろうし、叩き台としてでも……。

725■■■■:2007/05/01(火) 06:09:58 ID:kJv0mCC6
>>723
( ゚д゚) (つд⊂)ゴシゴシ
(;゚д゚) (つд⊂)ゴシゴシ _, ._ (;゚ Д゚) …?!
「注)3が二つある!?」

726■■■■:2007/05/03(木) 08:30:23 ID:9k9eeWtY
連休中だとまったりだなぁ〜。


ネタになるかどうかわからんが5月3日は憲法記念日と報道の自由の日、あとゴミの日。
リカちゃん人形の誕生日も5月3日。

>>8月31日の夜
なんかかまち〜が7月にそういう短編出すとかなんとか本スレに上がってた。

727DEEP BLOOD ◆RNmrPLr4ZY:2007/05/04(金) 15:31:53 ID:VoR5jpnM
4年になって楽になるかと思ったら
就職活動&卒業研究で忙しくなるなんて・・・
SS書いている暇がねえ・・・・
少しはできてるんだがキリが悪いので
生存報告ついでに>>494で言った「とある○○な吹寄制理」を投下します

728DEEP BLOOD ◆RNmrPLr4ZY:2007/05/04(金) 15:32:48 ID:VoR5jpnM
とある○○な吹寄制理

大覇星祭三日目―――。上条当麻、土御門元春、ステイル=マグヌス、インデックス、青髪ピアスの5人は学園都市第七学区の表通りを歩いていた。
「うだー、疲れたー!」
「もう昼だし、今日は種目もたくさんあったしにゃー」
「しかもそのすべての競技にボクらは出なあかんかったしなー」
「僕としては君たちの慌てる姿が見れて楽しかったけどね」
「それよりとうまー、おなかへった」
ちなみにステイルは事後処理ついでに上条たちの競技を見ているらしい。まあ、上条としてもインデックスのお守りが必要だったので助かっている。
「ちょっと待て、昼飯はさっき食ったばかりだし、俺らの競技を観ながらステイルのおごりでポップコーンとかバクバク食ってたってのに何でまだ減る腹がある?」
「さ、さっきのはお菓子だから別腹だもん!」
「そういう問題じゃないと思うぜい・・・・・・」
「まあ、お腹が空いたというのなら、どこかに食べにいこうか?」
それじゃまるで人攫いだぞ・・・・・・。 と、上条はステイルをあきれた目で見つめる。
「まあ、連れて行ってくれるなら頼むよ、俺らは次の競技の時間がヤバイから・・・・・・」
「いや、ついていこうぜカミやん。次の競技は『クラス対抗サバイバルマラソン』だ、へたすりゃ死ぬぜい。それにたくさんの人数が入り乱れるから二、三人ぐらいなくて大丈夫だろうし」
「そうやそうや。いまなら女の子と食事できるってサブイベントまでついてるし」
そっちが本命か、つーかお前はインデックスと一回会ってるはずだが。 と上条は心の中でつぶやく。ちなみにクラス対抗サバイバルマラソンとは、つまり名前のとおりである。
能力者がお互いを妨害しながらマラソンをするだけである。マラソンとついてはいるものの、どちらかといえば妨害がメインになるため戦争に近い。
「んー、まあいっか。『へたすりゃ死ぬ』なら俺は確実に死にそうだし・・・・・・」
「それはないやろ」
「それはないぜい」
「それはないな」
「それはないよ」
「何で全否定!?」
3人から突っ込みを入れられ、上条は「不幸だー!」と叫ぶ。
しかし、その声に負けないぐらいに響いた声があった。
「見つけたわよ上条当麻!」

729DEEP BLOOD ◆RNmrPLr4ZY:2007/05/04(金) 15:33:23 ID:VoR5jpnM
5人はいっせいに声のしたほうを振り向く。
「ヤバイ・・・・・・吹寄だぜい」
そこには鬼の形相をした大覇星祭実行委員の吹寄制理がいた。だが、いつもの吹寄とは少し違う気がした。
「吹・・・・・・寄?」
しかしそれに答えず、吹寄は大股でこっちに向かって来ながらまくしたてる。
「次の協議まで時間がないというのに!貴様ら、こんなところで長々と何をしている?」
吹寄の違いは一歩を踏み出すごとに大きくなっていく。体が大きく、肌の色は黒く、髪の毛が青く長くなり縮れていく、まるでわかめのように。そしてその声は・・・・・・
「鼠のように逃げおおせるか、この場で死ぬか、どちらか選べぃ!」
女の子とは思えないような渋い声になりました(体も)。そのうえいつの間にか手にはゴツイ斧が握られていた。
近くにいた人が悲鳴を上げて逃げ出す。それほどまでに今の吹寄?の姿は恐ろしかった。
『ふ、吹寄ぇ!?』
すっかり変わってしまったクラスメイトに驚く一同。
「あれはもしかして穴子堕とし(バルバトスフォール)!?」
「なんやねん!その語呂の悪さは!」
「そんなこと言ってる場合じゃない、なんか危なそうだからとりあえずあれを止めるよ!」
ステイルはそう言うと、ルーンのカード(マジックアイテム)を取り出して炎剣を生み出す。その瞬間、
「アイテムなぞ・・・・・・、使ってんじゃねええええええええええええええ!!!!!」
吹寄?の怒号とともに、ステイルの足元から黒い刃が飛び出す。
ドズッ! と鈍い音が響く。そしてさらに、
「微塵に砕けろぉ!」
ステイルに突き刺さった刃が十字型になり、さらにステイルの体を切り刻んで後ろに吹き飛ばす。
「ステイル!」
上条はステイルのほうへ行こうとするが、
「大丈夫!あの人もまだ意識があるから、私が知ってる回復魔術を教えれば・・・・・・!」
インデックスがどこから取り出したのか救急箱を抱えてステイルの元へ行こうとするが、

730DEEP BLOOD ◆RNmrPLr4ZY:2007/05/04(金) 15:34:06 ID:VoR5jpnM
「回復魔術だと?貧弱すぎるわ!」
吹寄?がそう言い放った後、口の中で小さく何かを唱え、
「断罪のエクスキューション!」
インデックスの足元と、頭上から不可視の圧力のようなものがかかる
「きゃあああっ!」
インデックスが倒れて動かなくなる。
「インデックス!てめぇ、吹よ「イノケンティウス!」」
上条は驚いてステイルのほうを見る。倒れたステイルの隣に、3000度を越す炎でできた人の化身が現れていた。
「彼のクラスメイトだか何だか知らないが、あの子を傷つけるなら「いつまで術に頼るか!」」
ステイルの声をさえぎって吹寄?が叫ぶと、ステイルの体が重力に押しつぶされるように地面へとめり込んでいく。
「がああああ!」
「くそっ!やめろ、吹寄ぇ!」
上条は叫びながら吹寄?のほうを向く。しかし吹寄?はそれを無視するように高速で後ろに走り出す。その先には『ここは第七学区三番通り』とカラフルな文字で書かれた大きな看板がある。
「俺の背後に・・・・・・」
吹寄?は手に持った斧を看板に突き刺すと、
「立つんじゃねえ!」
吹寄?が斧を力任せに振り上げると看板は木っ端微塵に砕かれ、看板の後ろに隠れていた土御門が宙に舞う。
「くっ!?」
斧に突かれたダメージは浅いようで、土御門は空中で体勢を立て直そうとする。しかしその前に吹寄?がひび割れた斧をこちらに向ける。飛んでくる土御門と上条は一直線に並んでいる。
まずっ・・・・・・!? 上条は移動しようと横に動くが、
「皆殺しだ!ジェノサイドブレイバー!」
吹寄?の斧から避けきれないほどの大きさの衝撃波が飛んでくる。
「くそっ!」
とっさに上条は右手を前に出す。衝撃波は空中でガード姿勢をとっていた土御門を、簡単に弾き飛ばし上条へとせまるが、上条の右手に当たった時点で消えてゆく。
「よし、これなら防げる・・・・・・!」

731DEEP BLOOD ◆RNmrPLr4ZY:2007/05/04(金) 15:34:39 ID:VoR5jpnM
しかし上条は衝撃波が荒れ狂う前で、変わり果てた吹寄の声を聞いた。
「縮こまってんじゃねえ!灼熱のバーンストライク!」
上条の頭上から、複数の火の玉が振ってきた。
「どうしろってんだぁー!」
上条は火の玉の直撃を受けて右手がずれ、それによって襲い掛かってくる衝撃波で吹っ飛んでいく。
「あかん、カミやんまでやられてしまうとは・・・・・・、ここは一時撤退やーっ!」
青髪ピアスが、カール・ルイスも真っ青の速さで逃げていく。しかし、それを見逃す吹寄?ではなかったようだ。走り去っていく青髪ピアスの方を向き、言い放つ。
「男に後退の二文字はねえ!絶望のシリングフォール!」
青髪ピアスに一抱えもある岩が雨あられと降り注ぐ。
「死んでまうわーっ!!」
岩の直撃を受けて青髪ピアスが倒れ付す。
「ぶるああああぁぁぁ!!!」
しかし吹寄?はそれだけでは飽き足らずに謎の奇声を上げながら、倒れた青髪ピアスに走りより、
「死ぬかぁ!消えるかぁ!土下座してでも生き延びるのかぁ!」
炎を纏った斧を叩きつけ、返す斧で斬り上げ、浮かんだ青髪ピアスをつかんで膝蹴りをかましてまた地面に叩きつける。そして青髪ピアスも動かなくなる。
「これぞ三連殺!」
吹寄?はなにやら技名のようなものを言う。
「ぐ、吹寄・・・・・・どうしたっていうんだ」
上条は体を起こして呟く。
「どうして、だと?」
吹寄?が聞き返してくる。吹寄?はこちらに歩み寄りながら、
「おまえは自分に原因があるとは考えないのか?おまえを恨んでる人間はいないか? おまえを馬鹿にしてる人間はいないか?
おまえは本当に誰かに必要とされているのか? おまえを殺してやりたいと思っている人間は本当に誰もいないのかぁ!?」

732DEEP BLOOD ◆RNmrPLr4ZY:2007/05/04(金) 15:35:11 ID:VoR5jpnM
吹寄?は上条が混乱している間に、早口でまくし立てて戦闘モードに入ると、
「それがわからないなら、今死ね!すぐ死ね!骨まで砕けろぉ!」
上条を斧で滅多打ちにする。
「貴様の死に場所は!ここだ!ここだ!ここだぁぁぁ!!」
斧と拳の乱れ打ちをした後、おもいっきりおでこで頭突きされて上条は近くのビルの壁にめりこむ。
「今日の俺は紳士的だ、運が良かったな」
どこが紳士的だ、途中変なの混ざってたし。 と思いつつ上条の意識は遠のいてゆく。



上条の意識が無くなると同時に吹寄も元に戻っていく。髪の毛は元の黒髪に、体も発育の良いいつもの体に戻っていく。そして周りを見渡して驚く。
「これは・・・・・・、何があったの?」
地面には大量の破壊跡、そして倒れ伏す3バカ+2人。
とにかく何があったのかと、吹寄は腕を組んで今までのことを思い出してみる。
(確か次の競技場に行く途中で3バカが居ないのに気付いて、前の競技場付近を捜していたら女の子と歩いてる上条当麻を見つけて、そうしたらなぜか知らないけど怒りがこみ上げて―――)
「それで・・・・・・」
吹寄は首をかしげる。
「それで・・・・・・、どうしたんだっけ?」
吹寄は、頭の上にたくさんのはてなマークを浮かべて首をかしげている。


遠巻きに見ている人の畏怖の顔にも気付かずに―――




「貴様らはぁ、俺の最高の玩具だったぜぇ!」
その後、上条ちゃんたちの行方を知るものは誰もいなかったのですー
吹寄ちゃん!暴力はだめですよー!


とある穴子な吹寄制理  GAME OVER

733DEEP BLOOD ◆RNmrPLr4ZY:2007/05/04(金) 15:41:08 ID:VoR5jpnM
お粗末さまでした
見てもらったらわかりますが、ネタSSなので細かいことは全力で気にしないでください

それと本編DEEP BLOODのシエルにの強さに関してのことは
確かに文章中で表現するべきだったなーと反省しております
これからはもっと注意をしたいと思います

遅れましたが他の職人さんたちGJです
こんなにいい作品をこのペースで書けるのは凄いと思います
所詮私は遅筆&駄文orz

それでも待ってくれる方はもうしばらくお待ちください

734■■■■:2007/05/04(金) 18:45:38 ID:/AG7dyDk
>>733
えっとTOD2?
漢に後退の二文字はねぇ……とネタ返しておく。

735■■■■:2007/05/04(金) 21:41:16 ID:WG2HAHX6
バルバトスさん何してんスかwwwwwwwwwwwwwwwww

というか、吹寄にそういう魔道具を持たせたら面白そうで困る。

736■■■■:2007/05/04(金) 22:10:04 ID:Roh.P2Ys
あの人一方通行とやっても

「 反 射 な ん ぞ し て ん じ ゃ ね ぇ ッ !! 」

とかやりそうだもんなwwwwwwwwww

737とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/05/05(土) 05:47:23 ID:VJWOlR7w
[17]Accelerator05―結標淡希の一番長い一日 その4

 丁度とある坂道でちょっとした窃盗事件が起きていたのと同じ頃、黄泉川愛穂の部屋は結構散らかり始めていた。
 結標がこの部屋に来た時には驚くほど片付いていたはずなのだが今では見る影も無いぐらいに混沌としている。

(あの短時間でここまで散らかせるとは……)
 結標は思わず顔に手を当てた。
 これで片付けた人間と散らけた人間が同じだなんて、正直な話全然信じられない。
 いや、もしかしたら自分で散らけるからあれだけ片付けに力が入るのだろうか?
(いや、それは考えすぎね)
 一方通行がいうのは部屋が片付いてる時は何か揉め事というか、問題が起こったときだけ、との事だったが。
 結標のつま先に何かが当たった。
 空き缶だ。
 下を見れば床には空き缶がいくつも転がっている。
 ぐびが生だったり、札幌が黒かったり、端麗が緑だったり、七福神の一人があれだったり、冬季限定のサワーがどうだとかアクアがブルー
だとかギュギュっと何かが搾ってあったり。とにかく銘柄はいろいろ。
(えーと、一本、二本、三本……あぁ、めんどくさい、あといっぱい!)
 全部集めれば冬休みの工作として結標の身長くらいありそうなでっかい電気ネズミとか作れたりしそうだ。
 作るのが誰かは知らない。少なくても私では無い。と結標は思った。
 とりあえず手当たり次第で手に持った学園都市指定のゴミ袋へと空き缶達を次々放り込んでいく。
 自分だって客のはずなのになんで結標が掃除してるのか……それは結標本人にだってわからない。
 一つわかっている事は、今この部屋にいる人間の中で彼女以外は掃除しそうに無いって事だけだ。
 芳川なら掃除ぐらいしそうなのだが、彼女も今は散らける側っぽい。  
「ん……?」
 空き缶は当然、発生源になっている黄泉川、芳川両名の側に集中している。 
 酒のつまみにとガラステーブルの上の深皿には、柿の種とかチーズおかきとかのお菓子類がこんもりと盛られていた。
 打ち止めにはお酒は飲ませないようにしていたので彼女用のオレンジジュースのコップも置かれていた。
 そのすぐ側には打ち止めの小さな背中。
 可愛らしい青のワンピースは打ち止めによく似合っている。
 後ろを向いてるので表情まではわからない。
 でも、なんだか小刻みに小さな肩が震えている。カリカリと変な物音もする。
「打ち止め?」
 どうしたんだろう?と疑問を持って結標が声をかける。
 声に応えて打ち止めがくるりと振り返った。
(うわぁ……まじで?)
 結標はそう思った。
「ハムスターみたいよ……打ち止め」
 そして率直な感想が口に出た。
「――、―――――、―――――」  
 振り返った打ち止めの口元には食べかすがいっぱい。
 口いっぱいに頬張っている。まさにハムスター。
 でも頬張ったまま喋るのでまるで言葉になっていない。
「ごっくんしなさい……打ち止め。ごっくんってしてから喋りなさい」
 こくこく。打ち止めの首が上下に大きく振られた。可愛い。
「お酒のつまみばかり食べてると鼻血でるわよ、打ち止め」
 オレンジジュースが減っていく。
「っぷは――チーズおかきの真ん中っておいしいかも……。ミサカはミサカはもうコレに夢中だったりする」
 小皿の上には真ん中だけ無くなったチーズおかきの成れの果て。
 ごっくん、と残骸を飲み込んだ打ち止めの口元をスカートのポケットからハンカチを取り出して拭ってあげる。 
 打ち止めは「うにゅ〜」とわけのわからない鳴き声を発していた。ますます小動物のようだ。
「はぁ……なんで私こんな事してるんだろう……」
 元凶たる人物の方へと視線を送り、やがて諦めたかのようにぼやく。 
 打ち止めの不思議そうな瞳でそれを見ていた。

738とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/05/05(土) 05:49:34 ID:VJWOlR7w
「淡希っちぃ、その制服って霧ヶ丘女学院(きりがおかじょがくいん)だろ?結構いいとこ通ってるじゃんよ」
 声の主は一人掛け用ソファーには背を預け、缶ビール片手にほろ酔い状態の黄泉川。
 飲み始めより大分アルコールがまわって来た様で頬はほんのりと桜色に染まっている。
 髪をかきあげる。ただその仕草だけでも同性である結標から見ても妙に色っぽい。
(こういうのってフェロモンっていうのかしら?それとも大人の魅力?)
 結標だって年頃の女の子だ。化粧もすればアクセサリーだってつける。
 いつもは二つに分けて纏めている髪をほどいたりして髪型を変えてみるのも良いだろう。香水を少しつけてみるのもありだ。
 クローゼットを開いてコーディネイトを考えて時間をかけてオシャレな服を選んで着こなせば、それなりに大人びて見えたりもする。
(……と思うわ、この人見てるとなんか自信無くなるけど)
 だが黄泉川のソレはそういう後付の色っぽさとは一線を画す物だ。人工物では無くあくまでも本人から滲み出る天然の色気。
(着ているのは普通のジャージの上下なのに……羨ましい限りだわ)
 ピンク色の毛布を抱えた結標はとりあえず、「ええ、"一応"」と限りなくグレーゾーンの言葉でお茶を濁した。
 結標淡希は一応霧ヶ丘女学院所属にはなっているがそれはあくまでも記録上だ。
 残骸事件の影響でいまだ扱いは留学中のまま。
 学園都市の中にいないと言う事になっているので今は霧ヶ丘女学院の女子寮には住んでいない。
 現在はあのプカプカ逆さ人間がどこからか手配したワンルームマンションで一人暮らし中。
 風の噂で耳にした話だと残骸事件で結標に協力していた仲間達も似たり寄ったりな境遇らしい。
 もっとも連絡は取れた試しが無いのだが。
(とはいえ、実際問題として霧ヶ丘への復学の見込みは低いのよね……。アレイスターは長点上機学園か常盤台付属辺りにでも転入処理して
やっても良いとか言っていたけど、どこまで本気やら)
 実際、大能力者(レベル4)である結標が申請を出せば大抵の学校は「はいはい」と二つ返事を返してくるだろう。
 少し考えただけでもいろいろなパターンが思い浮かぶ。
 転校、転入、新しい空間。
(それもいいかもしれない)
 結標がふと口を開いた。
 そういえばこの黄泉川は現役の教師だったはずだ。
(どんな学校なんだろう)
「黄泉川さんの所の学校……」
 少しばかり黄泉川の勤める学校に興味が湧いた気がした。
「うん?」
「高校でしたか?」
「そうじゃんよ」
 グビっと缶を傾ける黄泉川。教え子達の事でも考えてるのか、その表情は柔らかい。
「どんな学校ですか?特徴っていうか、その、特色みたいな?そんなのってあります?」
「いや、全然無いじゃん」
 即答。
 思考時間にして一秒以下だろう。
「学力レベルが高かったり?」
「いや、全然」
 これも即答。
 空き缶が床に転がった。
「スポーツが盛んだったり?」
「コレといって記録を残してるクラブは無いじゃんよ」
 三度即答。
 ガラステーブルの上の皿から柿の種を口に運び、ぽりっと齧る。
「小学校からエスカレーター式のマンモス学校?」
「うちは高校のみの単品だったりするじゃん」
 しつこいが即答だ。
 辛いものばかり食べてたら甘いものが欲しくなったのか、今度はコンビニ羊羹に手を伸ばす。
「じゃあ……」
 少し間を空けて結標が本命を聞く。
 器用に片手と口で羊羹の包みが開かれた。
「能力開発が」
「それもいたって平凡なもんじゃんよ。上は強能力者が片手の指でお釣りが来るぐらい。下は正真正銘の無能力者まで。
特徴っていう程の特徴は……、無いことも無いか。強いていえば生徒がやたらと個性的な事ぐらいじゃんよ。
特に一年生のクラスの一つは個性的って言葉が馬鹿らしくなる様なのが何人かいるじゃん。まぁ、見てる分には退屈しないかもね」
 皆まで言うなとばかりに途中で先を言われてしまった。
 ここで黄泉川が再び缶ビールを呷り始めたので結局それ以上は聞くことが出来なくなってしまった。

739とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/05/05(土) 05:59:34 ID:VJWOlR7w
「ふぅ」 
(個性的……。個性的とそうでないの線引きってどこからかしら?)
 結標はそこで毛布を持って三人掛けソファーの前まで来て、そこで寝ている人物へと視線を落とした。
 そう、個性的な人間ならここにもいる。それもとびきりの。
 学園都市最強。質、量を問わず、あらゆるベクトルを支配下におく超能力者(レベル5)。学園都市の全能力者二百三十万人の中の第一位。
 現在むかつくぐらい気持ち良さそうに睡眠中。
 穏やかな寝息が結標の耳に届く。
 変な人格の人間を個性的って乱暴に一括りにしてもいいのなら、結標の知っている人物の中に一方通行程個性的な人間も見当たらない。
 彼がこうなったのは確か十分ぐらい前の事だっただろうか?確か三十分まではいかなかったと思うが、とにかく少し前。
「勝手にやッてろ」
 の捨て台詞と共に三人掛けソファーを大胆に占領して、不貞寝してしまった事だけははっきり思い出せる。
(一方通行って学校行ってるの?)
 結標の手がソファーで寝ている一方通行の肩辺りまで毛布を掛けた。
 もともと、こうする為に隣の部屋から毛布を持ってきたのだ。
 更にソファーのアームレストは枕には少々硬すぎるだろうと、少年の頭を下から少し持ち上げて白と水色のクッションを二つ折りにして
滑り込ませた。
 毛布がくすぐったかったのか一方通行が身じろぎし、ゴロンと寝返りを打った。
 横を向いていた白い少年の顔が九十度向き変更で結標の正面へと来る。
 ビクゥ!?と露出している結標の肩が大きく震えた。
「び、びっくりさせないで欲しいわ……」
 多分今の台詞を一方通行が聞いていたら確実に半殺しモードだろう。
 だけど寝顔だけは、なんというかとても穏やかであり、なんだかカワイイ気がしないでも無い。
「う゛ッ……」
 思わずたじろぐ結標。不覚にもスヤスヤと寝息を立てぐっすりと夢の中にいる一方通行に目を奪われてしまう。
(反則だわ……この顔は反則だってば……なんでこんなに)
「カワイイじゃんよぉ。なんなら襲ってもいいよ淡希っち」
「ひぇえぇぇ!?」
 結標の心の声に合わせる様に黄泉川の声が訪れた。
 変な悲鳴が結標の喉から飛び出た。
 完全な不意打ちに呼吸は乱れ、心臓はバクバクと落ち着かない。
 ただ口をパクパクと開いたり閉じたりするだけで声にならない。
 それでも、しどろもどろでなんとか言い訳を探す。
「み、見とれてませんよっ!寝顔がカワイイなんて思ってませんよ!」
 結標はそう言い切り、身振り手振りを織り交ぜてブンブン両手を振り回して黄泉川に訴える。
 が、返ってくるのは暖かな視線が二つ。
 いつの間にか芳川まで「あらあら、初々しいわねぇ」とかすっかりお姉さんモードだ。
 ガラステーブルを挟んで黄泉川と一緒に
「若いわねぇ」
「若いじゃんよ」
「でも口喧嘩してなかった?」
「喧嘩するほど仲が良いじゃんよ。それに一方通行と口喧嘩できるなんて人間、そうそういないじゃんよ」
 とか少し暢気な会話をしている。

740とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 ◆Oamxnad08k:2007/05/05(土) 06:01:05 ID:VJWOlR7w
「夫婦喧嘩っていうんだよね。ってミサカはミサカはミサカネットワークから引き出した情報を得意気に使ってみたりする」
 にょきっと出てきた打ち止めが会話に乱入した。そして結標のスカートの裾を引っ張る。
「淡希、夫婦喧嘩って何?ミサカはミサカは詳しく聞いてみる」
「ぁぅ……」
 答えられない。
「違うじゃん打ち止め、あれは痴話喧嘩っていうじゃんよ。キチンと固有名詞で登録しておくじゃん」
「愛穂」
「何?桔梗」
「あんまり打ち止めに変な事ばかり教え込まないで頂戴」
「そっかそっか、わかったじゃん。なら打ち止め、夫婦の一個下のランクで『恋人』とか『彼女』とか登録しておくといいじゃん、これなら
バッチリじゃんよー」
 なにがバッチリなのかわからない。
 ばちこーん☆と黄泉川のウインク。 
「だ、だから違うっ!私はコイツ(アクセラレーター)とは何でも無いんですって!?さっきから何回もそう言ってるのに信じ――」
「ぶぅぇつにぃー、淡希っちの事だとは一言も言って無いじゃんよー」
「あらあら……墓穴を掘ったわね」
 ニヤニヤとした生暖かい視線の中、結標に出来るのは両手をバタバタと振って抗議する事ぐらいだった。
「ミサカもこの人で遊びたいかも、とミサカはミサカは準備運動を始めてみたり」
 幼女が助走をつけようと壁際まで下がったのはすぐ後の事。
 ソファーにダイブしようとした打ち止めを結標が空中で阻止して一言。
 このままでは自分の身が持たない、と結標の目が物語っていた。
「ら、打ち止め……さ、散歩、そう、外に散歩とか行きましょう。ついでにお菓子的な物、買ってあげるから、ね、ね」
                                                     [12月23日―PM15:17]

741嘘場面禁書編 ◆Oamxnad08k:2007/05/05(土) 06:07:26 ID:VJWOlR7w
本スレで出てた話題を拾ってきたので【高圧的なインデックス】ってのに刺激されて嘘予告って言うか嘘っぽい場面をでっち上げてみる。
 【五月五日は子供の日企画 小さい人達を活躍させてみよう―インデックス編】
                    ◇     ◆     ◇
 漆黒の闇を淡く照らす満月の光の中、対峙する純白と漆黒の少女。
 二つの青い瞳、二つの白銀の髪。二つの同じ顔。だが彼女達を象徴する色は互いに真逆。
 片や魔術勢力の一角を担うイギリス清教の最終兵器『十万三千冊』のインデックス。
 雪のような純白の修道服に身を包み、暗がりでもやたらと目立つ。
 方や科学的にクローニングされたインデックスのコピー。名前は無く、強いて言うなら黒インデックス。
 全身黒尽くめ、高圧的な口調、そしてオリジナルより高い身体能力。
 更には学習装置によって拳銃などの扱いも可能と至れり尽くせり。
 目的はインデックスの中に眠る十万三千冊の魔道書の知識だ。
 学園都市の郊外に位置するコンテナ倉庫ではあちこちで火花が散り、無慈悲な弾丸が飛び交う。
「アハハハハハ、お姉様(オリジナル)どうしたの?動きが鈍ってるわよぉ。無様ね、ざまぁないわ」
 高いソプラノが冷えた大気を震わせる。
 戦いの主導権は始まってからこっち、一度も黒い少女の元を離れていない。
 一方的に銃撃し、一方的に追い詰めて、一方的に命を、記憶を、大切な物を奪う戦い。
 ゴシックロリータ風の衣装に身を包んだ少女の手には不釣合いな程大きな自動拳銃が握られていた。
 月明かりを妖しく跳ね返し、鈍く光る黒い銃身からマズルフラッシュの閃光と共に無慈悲な弾丸が吐き出される。
 螺旋回転で空気を掻き分けて進む弾丸が風斬り音を立てて飛んで行き、重たい金属音を響かせて弾痕を穿つ。
 着弾音に遅れて数瞬、カツンと軽い金属音。鈍色の空薬莢がコンクリートの地面を跳ね返った。
「そうやっていつまでも惨めに隠れているといいわぁ。もっともその前に蜂の巣になっちゃうと思うけどね」
 普通、拳銃を発射すると大きな反動が起こる。四十四口径もある『告死天使(アズライール)』ならなおさらだ。
 本来大男が撃っても両手両足で踏ん張っていないと反動で自分の肩が外れてしまう。
 だがそれを黒い少女はモデルガンでも扱うかの様に自由自在に操ってみせる。ひとえに対衝撃用術式のおかげだ。
「まっしろしろすけでておいで?でないとめんたまほじくるっぞっと」
 黒い少女が歌い、トリガーを引く。
 ガァン。
 硝煙がたなびき、銃声と共にコンテナの角に弾痕が増えた。 
 勿論蜂の巣にする気は無い。コンテナを狙ったのは威嚇射撃。殺してしまってはインデックスの脳を手に入れる事が出来ないからだ。
 だからこそインデックスは下手に動けないのだろう。わかっているからだ。その体を晒せば狙い撃ちにされる事が。
 だが黒い少女にも方法が無いわけでは無い。
 殺してはいけない。
 逆に言えば"死んでなければいい"のだから、呼吸をしていて心臓が動いていて脳が死滅してなければいいのだ。
 方法なんていくらでも思いつく。
 自分と同じ色の瞳を黒い銃身の下部に仕込まれた跳ね上げ式の銃剣で刳り抜いてやっても良い。
 膝を弾丸で撃ち抜いても容易く行動不能にできる。抵抗する意思を削ぐだけならあの細い指をことごとく銃底で叩き砕くのも有効だ。
 自分と同じ存在を否定する。何という矛盾。何という狂気。そして何より何という得がたい優越感だろう。
(楽しいわぁ、私なんだか楽しくて仕方が無いわぁ)
「くっ、とうまをどこにやったの!?」
 あまり当てには出来ないコンテナ越しにインデックスが吼える。
 表情にも声にも余裕の色は無い。
 黒い少女は少し不機嫌になった。
(いまはそんな事どうだっていいでしょう?自分の事より他人の心配ばかり。虫唾がはしるわ)
「トウマァ?あぁ、あのツンツンした頭の男の子の事ォ?」
 黒い少女は余裕しゃくしゃくといった様子でもったいぶった口調を返す。
「そんなのアナタが気にする事じゃないでしょぅ?どうしても知りたいって言うんだったら、私を倒して聞き出しせばいいじゃなぁい」
 若干の険を含んだ声が飛び交う。
 双方共に同じ声帯を用いて声を発しているのにも関わらず、もたらす印象はまるで違う。
 正反対。光と影。白と黒。
「お姉様ってばつまんなぁいのぉ」
「答えなさい!」
「ばぁか、そこで顔見せたら駄目でしょう」
 形の良い唇が残虐に歪む。

742嘘場面禁書編 ◆Oamxnad08k:2007/05/05(土) 06:08:40 ID:VJWOlR7w
 黒い少女はそこでおもむろに引き金を引いた。
 フルオートマチックの機構によりマガジンに残された弾丸が次々と発射される。
 かちんかちん、と空撃ちの音が残響の残る空間に虚しく響く。
 全弾命中。でも肝心のインデックスにはただの一発も命中しない。命中させていないのだ。
 ろくに狙いもつけずに発射された弾丸は本来の役目を発揮する事無く、ただ騒音と残骸を撒き散らすだけだった。
 硝煙の煙を従えて、黒い少女は月を背に悠々と空になったマガジンを排出。スカートの中、丁度太腿の部分にベルトで固定された予備
マガジンを取り出す。そこで空のマガジンが地面に転がった。
 ずしりと重たいマガジンを大型拳銃のグリップの底に押し当て、勢い良く押し込む。
 ガコンとパーツ同士が噛み合う金属音。
 白い左手でチャンバーを引き、薬室に初弾を装填してリロード完了。
 この瞬間が銃使いにとってはもっとも無防備になる瞬間だった。にも係わらず攻撃が来ない。
「ふふふ、どうしたの白いの。今が絶好のチャンスだったのに、もしかして怖気づいたのかしら?一応武器はあるでしょう?
私の『告死天使』に比べれば随分と貧弱な武器だけど。なんだっけソレ。霊装とか言ったかしら、お姉様にはお似合いよ」
 インデックスの手に握られているのは一つの霊装。蓮の杖(ロータスワンド)それは一級品の霊装であり、使う者が使えば強力な武装と
化すのだが魔力の無いインデックスにはこの霊装を発動させる事が出来ない。ただの貧弱な武器。これなら普通に金槌や包丁の方が武器と
しては役に立つ。それにこれは玩具だ。カナミンの魔法の杖。頼り無いにも程がある。
「インデックスの名前と知識は私が貰ってあげるわ」
「アナタにはとうまも十万三千冊も渡さない!」
「忘れてた。トウマも、ね」
 インデックスが身を隠すコンテナに轟音と共に弾痕が穿たれる。辛うじて貫通はしてない。
 だが破片がインデックスの頬を浅く切った。つぅ、と白い頬を流れる赤。
「やってごらんなさいなオリジナル、今のアナタに味方はいない。肝心の上条当麻はここにはいないし、本来敵地であるこの場所では
孤立無援。必要悪の教会(ネセサリウス)から新たに援軍も呼べない。これでまだ私に勝って生き延びようっていうのは少々難しくない?考えがシュー
クリームみたいに甘いわよ。
 あ……わかったわ、わかったわ、お姉様、トウマが心配なんでしょう?お姉様から知識を貰ったらお姉様は始末するけどお姉様の代わりに
トウマと幸せになって、あ・げ・る。どう?優しいでしょう?婚約指輪は給料の三ヵ月分。石の種類はトルコ石以外なら何でもいいわ、
瞳の色と同じサファイアなんか贈られたらきっと素敵ね。そして友人を呼んで六月に式を挙げてお色直しは二回。やがて生まれるだろう子供
には姓名判断でもっとも最適な名前をつけて、やや苦しいながらも幸せな家庭を築くわぁ、これで満足?お姉様。残念な事に感動のエンドロー
ルには名前載らないけどね、それは許して頂戴ね」
 だってインデックスは二人も要らないもの――、これは口の動きだけ。
 黒い少女は半身になり片手で照準をつける。標的はコンテナからはみ出ている白い修道服の裾から少し中に入った辺り。
 あの位置だとコンテナを貫通した弾丸があの白い修道女のふくらはぎあたりを砕くだろう、と黒い少女は予想をつけた。
「死ななければいいんだから、手足の一本や二本は覚悟してねぇ。まぁ、どうせ後で死ぬからどうでもいいんでしょうけどね、ともかくこれで
お姉様も見納めかと思うと少しだけ寂しいわぁ」
 と少し目の下を拭う黒い少女。水分なんて一滴もついてない顔で自分の根源に別れを告げる。
「かくれんぼは終わり――インデックス。願わくば悲鳴の一つでもあげて頂戴」 
 引き金が引かれ、閃光が閃いた。続いて爆竹の音を何倍にも増幅したような音。
 連続した銃声が轟く。コンテナ倉庫の灰色の床に大量の空薬莢が散乱しチリンチリンと軽やかな鈴の音を奏でた。
 火薬と鉄錆の匂いが漂う。
 非日常の世界でしか出会えない嫌な匂い。それがやたらと近く感じられた。
 
 少女の口元から血の塊が吐き出された。
 靴底を濡らす液体は暗闇の世界でもはっきりと赤く、止まる事を知らず灰色の床を紅に染める。
 そして青い瞳もまた朱に染まったのだった。
 世界が紅く染まっていく。世界が黒く塗りつぶされていく。
「あ、あ、あはははは、はアーハッハハハハハハハ」
 狂ったような笑い声が夜に木霊した。

743空白 ◆Oamxnad08k:2007/05/05(土) 06:21:47 ID:VJWOlR7w
>>741-742に関してはでっちあげですので黒インデックスって誰だよとかは無しの方向で。是非。

>>725 あ、本当に二つある……。
>>728-733 吹寄さんが後退の二文字が無い人に……グミたくさん用意しなくちゃ

       「 ア イ テ ム なんて使ってんじゃねぇ!」
って言われそうだがな。でもあの人自分も少しだけ後ろに下がる気がせんでも無いのだが。

744■■■■:2007/05/05(土) 09:12:49 ID:3WLK.SZI
お、結標さんの相方が一方さんから打ち止めに変更されたっぽい。
打ち止めかわいいよ、打ち止め。

おまけ企画のインデックスのはこれ嘘場面で終わらせるの少し勿体無い気がする。

745■■■■:2007/05/05(土) 21:37:47 ID:0DgzDCB6
 イギリスのウォータールー駅から徒歩五分の所にある日本食街。
 その一角の中にある、とあるスシレストラン 『AMAKUSA』 は、開店してから日が浅いものの、従業員の接客や、
メニューの豊富さ、さらにイギリス人好みの味付けなどにより、すっかり地域に住む人の人気スポットとなった店である。
 時刻はまだ朝を迎えたばかりであるため、人通りは少ないが、ランチ時や夜などにはお客の絶えないところでもある。
 そのレストランからさらに10分ほど離れたところには、そこで働く従業員一同が住めるよう、アパートメントひとつを
丸々借り切った建物がある。
 そのアパートメントの一室で、一人の少女が一心不乱に作業をしていた。
「ふんふふんふんふーん♪」
 鼻歌交じりに作業を続ける彼女。ともすれば簡単そうな作業に見えるかもしれないが、意外に手先の器用さが求められる
それを、しかし、鮮やかな手捌きでこなしていく。
 そうして、彼女がなおも作業を続けていると、
 『トントン』
 と、ノックの音が響いた。
「はいはーい。どうぞー」
 手元の作業を止めずに、返事だけを返す少女。
 部屋の主の返事を聞いて、キィ、という音とともに扉が開けられる。
「五和ー、準備できたー? もう朝ごはんだよー………って、うわっ、何これ?!」
 半分ほど開いた扉から顔を覗かせながら少女に呼びかけた女性はしかし、部屋の中のありさまを見て思わず声を出した。
「これって、アイリス………? こんなに沢山、いったいどうしたのよ………って、あんた何やってんのよ?!」
 慌てて問いかける女性の目を追えば、五和と呼ばれた少女が傍らに挿してあった花瓶の中からアイリスの花をまとめて
何本か引き抜き、その茎から葉っぱをむしっているところだった。
「何って、見ての通りですけどー?」
 問いかけられた五和の方にはしかし、慌てた様子は無い。
 おもむろに全ての葉っぱをむしり終えると、葉っぱを手元に取り置き、残りの花を別の花瓶に挿し替えていく。
 そして、何枚かの葉っぱをまとめると、違う葉っぱでそれを器用に縛っていく。それが済むと違う葉っぱをまとめ上げ、
また葉っぱで縛っていく。そうして手元の葉っぱが無くなれば、また花瓶からアイリスを引き抜いて葉っぱをむしっていく。
 彼女は先ほどからこの作業を繰り返していたようである。
「…………いやまったく分かんないんだけど?」
 部屋に入ってきた女性がその光景を見ながらなおも問いかける。まあ、うら若き少女が部屋にこもって一心不乱にむしった
葉っぱを束ねているのを見て一発で何をしているかなんてまず分からないだろう。これが花を束ねているのならばまだ理解も
しやすいというものだが、葉っぱの方をとなると、首を捻るしかないというものである。
 そんな女性の様子に、五和は手元の作業をやめて向き直り、説明をする。
「もう、今日は五月五日ですよ。端午の節句じゃないですか。だから、その準備をしてたんですよー」
 そう言われても、女性の方は今ひとつ理解しかねている様子である。
「いや、今日が五月五日で端午の節句だってのは分かるけどさ、何でアイリスの葉っぱをむしってんの?」
 もっともな意見である。端午の節句にアイリスは関係ないはずである。……いや、直接的な関係は無かった、筈?
 それに対して、
「あ、それはですねー、本当は菖蒲(しょうぶ)を用意したかったんですけど、ここじゃ用意できなかったんでアイリスで代用して
みたんですよー。やっぱりこういうのは形が無いと盛り上がりませんからねー」
 どうやら菖蒲の代わりにアイリスの葉っぱを使って何やらやっているのか、と答えを聞いた女性は再び作業を再開した五和と
その周りにある幾つかの出来上がった品物を見て、ようやく合点がいったように呟いた。
「ああ、なるほど、薬球(くすだま)か………」

746とある五月の端午節句  ――いつも、五和たんの巻――:2007/05/05(土) 21:39:25 ID:0DgzDCB6
 端午の節句。
 古代中国にその起源を持つとされるそれは、中国においては邪気を払い健康を祈願する日とされ、野に出て薬草を摘んだり、
蓬で作った人形を飾ったり、菖蒲(しょうぶ)酒を飲んだりする風習があった。蓬や菖蒲は邪気を払う作用があると考えられていた。
 現代の日本においても菖蒲や蓬を軒に吊るし、菖蒲湯(菖蒲の束を浮かべた風呂)に入る風習が残っている。

 日本においては、男性が戸外に出払い、女性だけが家の中に閉じこもって、田植えの前に穢れを祓い身を清める儀式を行う
五月忌み(さつきいみ)という風習があり、これが中国から伝わった端午と結び付けられた。
 宮中では菖蒲を髪飾りにした人々が武徳殿に集い天皇から薬玉(くすだま:薬草を丸く固めて飾りを付けたもの)を賜った。
 かつての貴族社会では薬玉を作りお互いに贈りあう習慣もあったという。(現代電子演算相互互助辞典:Wikiより引用)
 
「で、こっちのやつは何なの?」
 そう問いかけられた先には、薬球と呼ばれた品物よりも幾らか作りの甘いようにも見受けられる物があった。
「そっちのは、菖蒲湯に使うためのものですよー」
 言われてみれば、確かに菖蒲湯に使うものはあまりガチガチに固めておいては上手くいかないだろう。
 しかし、
「菖蒲湯をアイリスで、ねぇ………」
「えー、良いじゃないですか。手に入らないのならあるもので代用すればいいんですし。私たち天草式はその土地その風土に
溶け込んで発展していくものですよー。菖蒲もアイリスも似たようなものですし、大丈夫ですよー」
 対する五和は実に楽観的に話している。
 しかし、五和の部屋にあるアイリスの花から作られたもの、いや、現在進行形で増え続けているものは明らかにその量が
多いように思える。この部屋全体を埋め尽くすほどのアイリス、まあ、そこから葉っぱだけを取ったとしてもその数は今現在
このアパートメントに住んでいる住人全てと照らし合わせてもいささか多いように見受けられる。
 それについて尋ねられると、五和は、えへへ、と照れたように笑いながら、
「あの人にも、あげたくて……」
 と体をもじもじとさせながら言った。
 
 ふむ、と女性は軽く息を吐きながら考える。
 彼女が言う 『あの人』 とは、故郷である日本の学園都市と呼ばれるところに住んでいるある学生のことだろう。
 以前起こったとある事件の折に知り合って以来、どうも五和はあの少年のことを想っているようである。
 彼女と歳の近い者たちは何かと五和のことを応援? していたようだが……。
 そんな彼女の耳に五和のさらなる声が聞こえてくる。
「それに、この前の上巳のときに送ってもらった内裏雛は上手くいかなかったみたいですから、今度は霊装自体が失敗しても
菖蒲湯にしてもらえば大丈夫ですし………」
 五和の視線の先には、一体の人形が机の上に置かれていた。
 どことなく五和の姿に似せて作られたそれの隣には、何か、似た大きさの物が納まるような空間が空いている。
 『内裏雛(だいりびな)』
 内裏が代理に繋がる霊的意味を持つこの人形には、本来もう一つ男の形をした人形が存在する。
 いや、存在した、と言った方が正しいか。
 過ぎる三月三日の上巳の節句の折、内裏雛の片割の、ある少年の姿を模した人形はやはり海を越えて学園都市に送られた。
 そして、少年の身の回りで起こる災厄をその身を挺して少年を守るという使命を立派に果たしたのだが、あらゆる異能の力を
打ち消す少年の持つ右手によりその存在を終えた。
 そのことを同じ霊装である女雛たる人形を通して知った五和は、今度は霊装自体が壊れても大丈夫なようにと、次善の策まで
用意しているようである。

747とある五月の端午節句  ――いつも、五和たんの巻――:2007/05/05(土) 21:39:46 ID:0DgzDCB6
「なるほどねぇ……」
 想いを持つ少女の行動に対し、いささかの呆れと感心のこもった言葉をついた女性は、もうしばらく好きにさせていようとそのまま
部屋を出ようとする。
「ま、何はともあれ早くしなさいよ間に合わないわよ?………」
「それに、菖蒲湯で朝風呂に入ると気持ち良いですし………」
 二人の声が重なる。
「え?」
「え?」
 ぽかんとした五和に対して、慌てたように女性は尋ねる。
「あ、あんた、これ、朝風呂に使ってもらえるように渡すつもりだったの?!」
 そのただならぬ様子に不安げに顔を曇らせながら五和が 『は、はい、』 と返事をすると、
「ば、馬鹿! あんた時差のこと考えてなかったでしょ! “イギリスのこっちが朝だったら日本のあっちはもう夜じゃないのさ!!”」
 その、言葉に、
「あ………ああああああーーーーーーっ!! しまったーーーーーっ!!」
 アパートメント中に響き渡るほどの声を上げて五和は頭を抱えていた。

「なになに、今の声?」
「なんかあったの?」
「ちょっとー、昨日遅かったんだからこんな朝から大声出さないでよー」

 部屋という部屋から彼女たちと同じ天草式の面々が飛び出して五和の部屋の前に集まってくる。
 彼らが恐る恐る部屋の中を覗き込むと、床にへたり込んでがっくりとうなだれている五和の姿があった。
 というか、かなり尋常じゃない位の落ち込みっぷりである。
 何かを呟いているようなので耳をすませてみれば、
「うう………、わたしのわたしの馬鹿ばかバカ………!! ちょっとした思い付きでいい気になってるもんだからこんな単純な事に
気付かないのよ………っ!! こ、こんなことだからいつまでたってもあの人に伝わらないのよ………っ!! ………!!」
 見ていて哀れを通り越して不憫である。
 最初に五和を呼びにきた女性から訳を聞いた面々もさすがに居た堪れなくなったのか、
「ド、ドンマイだぞ五和。これくらいの失敗は誰にだってあることだ!!」
「馬鹿! そんなありきたりの励ましなんかじゃ駄目だろ!」
「そ、そうです五和、今回は駄目でしたが、今度頑張れば良いじゃないですか!!」
「今度っていつだよ!?」
「えーっと、そう、次は七夕です七夕!! 次の節句の時にはこの教訓を生かせばいいだけのことです!!」
「そ、そうだぞまだ次の節句があるじゃないか落ち込むのはまだ早いぞ!!」
 そんな励まし? の言葉に、うずくまっていた五和がようやく顔を上げる。
 やがて、言われた言葉を反芻してようやく理解し終わると
「そうですよね! これくらいであきらめたり落ち込んでいたりしてちゃ駄目ですよね!? 分かりました! 次の七夕の時には
この教訓をちゃんと生かします!!」
 えらく立ち直りの早いもんである。
「ようし、次の七夕に向けて早速準備するぞ!」
「今度の節句には天草式が全面的に協力するからな!!」
「どうせなら今度だけじゃなくて節句ごとにするってのはどう?」
「いいなそれ!」
「じゃあこれから節句ごとに五和がプレゼントするのを応援するって事で!」
「「おーー!!」」
 とたんに沸き立つ天草式の面々。揃いも揃ってノリノリの様子である。
 だから当然、
「え? ちょっと? これから節句ごとにこういうことするの? 本気なの? ちょっと?!」
 という女性の意見があったことは誰の記憶にも残らなかったのである。

748とある五月の端午節句  ――いつも、五和たんの巻――:2007/05/05(土) 21:40:01 ID:0DgzDCB6
「で、盛り上がってんのはいいけどよ。こんだけの量の薬玉と湯種をどうするつもりなのよ?」
 皆に遅れてやってきた一人の男、天草式十字凄教教皇代理、建宮斎字は呆れながら尋ねた。
 それに対して一同が固まっていると、質問をした建宮はガリガリと頭をかきながら 『しょうがねえなぁ』 と呟くと、集まっていた
面々に指示を出す。
「あーっと、あれだ、薬玉の方は一人一個ずつもらっとけ。こんだけいりゃなんとかなるってもんよな。あと、残った湯種の方は
どうすっかなあ……。ま、いいか。なんとかなるのよ。あてもいくつかあるもんだしのよ」


 その夜、イギリスのランベス区において少なからぬ浴槽に奇妙なものが入っていたという。

「はあ、何やら今日のお風呂は不思議な物でございますね。何か変わった趣向なのでございますか?」
「趣向なんてたいしたもんじゃねえだろうよ。ただの草が放り込んであるだけじゃないのかしら?」
「ええっ! これ、ただの草なんですか?! なんだか汚そうですよぅ!」
「あらあら、でもなんだかいい香りもしますですよ」
「む、そういわれてみればかすかにいい香りがしないでもないでやすね」
「貴女は本当にそう思っているのですか? なら何故さりげなく葉っぱを遠ざけようと波を送っているのですか?」
「とっ、遠ざけようとなんかしちゃいやせんよ……!!」
「ご心配なく。これは日本に伝わる風習で薬湯浴のようなものです」
「ふーん。相変わらず日本ってのはおかしな風習があるもんなんだな極東宗派」
「(しかし、菖蒲の代わりにアイリスを使うとはいったい何を考えているのやら………)」
「ん? なんか言ったか?」
「いえ別に。とにかく、害があるわけでも無し、ゆっくりと湯につかったらどうですか?」
「へいへい」

「なっ、なんでありうるのよこれは!? 湯船という湯船に怪かしげな草が放り込んであるとは、一体どういうつもりでありうるのか!?
さてはこれは一日の激務で疲れた体を癒すための私のささやかたる楽しみを奪わんがための陰謀に違いなきのことね!!
くっ、イギリス清教のために身を粉(こ)にして励みたる私に対して何たる仕打ちたるのか!! されど、かかる仕打ちに対して
いまさら湯を交換している時間もなし……。ええい、やむを得んのよ。今宵はこのままで湯に浸かりたるしかなしにつきなのよ。
ううっ………………あら? 何だかかすかにいい香りがするのことよ。ふむ……、意外にそれほど悪しきものでもないのかも
しれなきね………。ふむふむ………」

749■■■■:2007/05/06(日) 19:59:40 ID:bOavq6NM
えっと、五和の話は終わったのかな?と聞いてみたりする。

750745:2007/05/06(日) 21:01:29 ID:eRHigJSU
あ、はい、終わりです。どうも分かりにくいオチだったようですみません。
なんだか書き込みの一投目は無駄にageてあるし、自分のせいでスレが一日止まってしまったようだしで
こんなことなら投下しない方が良かったと反省中です。
本当にご迷惑おかけしました。

751■■■■:2007/05/07(月) 20:45:58 ID:6Cy04I62
最大宗教さんのしゃべり方がいいかんじだぜ・・・。
七夕・・・。なにをするんだろう、天草式は・・・。
リアルに天の川を作ったりs(ry

752■■■■:2007/05/07(月) 21:16:26 ID:K18zSDaY
巨大な笹に跨って急な山の斜面を滑り降りるという過酷な祭りを敢行する。

753■■■■:2007/05/07(月) 22:09:41 ID:J3yxoPRI
>>741-742
ゴスロリで性格がSなインデックスだと!?
レンと白レンみたいな関係なのか!?

>>743
本編に関しては動きが少ないパートみたいなんで続きを正座しながら待ってる。

>>745-748
時差は9時間……
イギリスの方が9時間早い。
女子寮の風呂は合同なのか?
イギリス人はよくシャワーだけの人が多いとかなんとかで……バスタブも小さめらしいが。
ってあまり突っ込むのは無粋か…。

でも最大主教の喋り方ほんとに書きにくそうだ。
最大主教は結構雰囲気近いと思う。

754■■■■:2007/05/08(火) 13:44:58 ID:ju2vGl2o
>>753
 その時差につきては日本におけるほうが9時間早いというものではないければかしら?

755■■■■:2007/05/08(火) 19:01:55 ID:0rvWYACw
どうやら、まとめを編集してくださる、素晴らしいお方が居られるようだ、だ、だ。
微力ながら俺も手伝おうでは舞夏!

756755:2007/05/08(火) 19:37:31 ID:0rvWYACw
そして、数が多かったので、後ろからちょろちょろっと、編集して力尽き。
あとは頼んだ……。
てか文字数が変わるのがうざいんじゃぁ……。

757■■■■:2007/05/10(木) 06:30:50 ID:XbyaiCz2
そういえば灰姫、空白、あと吸血殺しとオリキャラの人以外、最近見ないな。

758■■■■:2007/05/11(金) 12:02:03 ID:AzDhj3/E
星辰の彼方から外なる神々のバックアップを受けて木原カムバックしねーかなー

759■■■■:2007/05/11(金) 12:45:00 ID:upLZJ6s6
>>758
ギターかき鳴らしてマシンガン電波トークをかますDr.木原か

760■■■■:2007/05/11(金) 12:45:06 ID:iFlB5ZXU
むしろ俺はあの木原は偽物だと幻想(r

そして一方さんのクローンも実は密かに存在していて、アルビノチックな美少女だと幻想(r
ごめ、電波。
誰かこういう話書いてみない?

761■■■■:2007/05/11(金) 15:42:20 ID:AzDhj3/E
>>759
あんまり違和感を感じないのに吹いた

762■■■■:2007/05/12(土) 09:35:20 ID:XXplPNko
ん〜つまり、ついでに土御門と木原と白井と初春もその機械に突っ込んじゃえ、て事だな。

カエルはきっと両刀使い……

『存在反転』……いやなんでもない。

763■■■■:2007/05/12(土) 09:37:57 ID:XXplPNko
ごめ、スレ誤爆
流してください

764ソードマスター上条:2007/05/12(土) 20:17:26 ID:vvMvaucM
最終話 希望を胸に すべてを終わらせる時…! どっこい神裂火織の第1巻は、発売未定です。 

上条「チクショオオオオ!くらえヴェント!お前の幻想をぶち殺す!」

前方のヴェント「さあ来い上条当麻ぁぁ!私は実は一回殴られただけで死ぬぞオオ!」

(ばきぃ)

前方のヴェント「グアアアア!こ このザ・エキス○ランドと呼ばれる神の右席のヴェントが…こんな小僧に…バ…バカなアアアアアア」

(ドドドドド)

前方のヴェント「グアアアア」

右方のフィアンマ「ヴェントがやられたようだな…」

後方のアックア「フフフ…奴は神の右席の中でも最弱…」

左方のテッラ「能力者ごときに負けるとは神の右席の面汚しですねー」

上条「くらええええ!」

(ばっきぃ!)

3人「グアアアアアアア(ですねー)」

上条「やった…ついに神の右席を倒したぞ…これでアレイスターのいる窓の無いビルの扉が開かれる!!」

アレイスター「よく来たな上条当麻…待っていたぞ…」

(ギイイイイイイ)

上条「こ…ここが窓の無いビルだったのかよ…!感じる…アレイスターの魔力を…」

アレイスター「上条当麻よ…戦う前に一つ言っておくことがある お前は私を倒すのに『十万三千冊の禁書目録』が必要だと思っている
ようだが…別になくても倒せる」

上条「な 何だって!?」

アレイスター「そしてお前の担任はやせてきたので最寄りの学校へ解放しておいた あとは私を倒すだけだなクックック…」

(ゴゴゴゴ)

上条「フ…上等だ…俺も一つ言っておくことがある この俺にはフラグを立てた大量のヒロインがいるような気がしていたが
別にそんなことはなかったぜ!」

アレイスター「そうか」

上条「ウオオオいくぞオオオ!」

アレイスター「さあ来い上条当麻!」

上条の勇気が幻想(せかい)を救うと信じて…! ご愛読ありがとうございました!


ふぅ……SSじゃないな、これ。
嘘最終回になるのか?

765■■■■:2007/05/12(土) 20:27:49 ID:q6BGOPSY
>>764
キャラの配役は違うけど俺もこのネタで考えたことがあるw
というか一度は誰もが通る道だろwww

766空白:2007/05/12(土) 21:07:23 ID:vvMvaucM
あ、エキスポランドは自重した方が良かったかな?
とりあえずご冥福を祈る……。

誤植編と完結編のもあるんだけど、パロディだしスレ違いかなぁ、といった所でさようなら。

767■■■■:2007/05/12(土) 22:04:14 ID:Jolri6Jw
エキスポランドが何なのかと思ったらアレか
スゲー不謹慎だな

768■■■■:2007/05/13(日) 09:43:07 ID:WgYwezb2
>>766
誤植辺のネタってこんなのだろうか……


『アイツだけは許せない』
    ↓
【短パンだけは許せない】


超電磁砲の『高速』って文字が!

【光速】

「なんで光の速度になってんすかぁあ!」とか

「俺が上条だ!」っていう超クールなシーンが

【俺が紙状だ!】

上条ペラペラ宣言とかw

主人公が科学方面の知識に詳しい担任に『小萌先生だ!』って叫んで電話を掛ける緊迫したシーンで!

【子萌え先生だ!】

ロリコンに目覚めちゃったみたいな上条……を幻想した。

ニコニコで「ソードマスター」ネタを探すと、もう土御門が担当にしか見えんな。

土御門
「やっちゃったZE☆HAHAHA!」
「気に入ったんだZE☆盗っちゃヤダZE☆」
 うわ、似合う。
んで最後が「義妹ができましたー」で終わるんだろうな。
んじゃ「ごめんねだZE☆」

漫画家役誰だよ……

769■■■■:2007/05/13(日) 09:51:36 ID:WgYwezb2

四天王はヴェントより、一方さんで別名ザ・無敵をやってほしいなぁ。
あ、そうすると美琴含め残りのレベル5達が二コマで退場してしまうか。
生き別れの御坂妹……
四巻で家を砲撃されて地獄の様な労働を強いられる上条夫妻。
仕事中に義妹から別れのメールが来て「ありえないんだZE」
と言ってバタンとぶっ倒れる土御門……

連投スマソ

770とある魔術のMissing:2007/05/13(日) 17:55:23 ID:0duZpwYI
以前嘘予告で書いたネタが固まってきたので試験投下してみます。



 それは冬休みも近づいたある日の何気ない放課後の一幕。
「あれ?それって昨日まで見てたのとは違うページね」
「うん。いつもの所の掲示板で話題になっていたから」
 夕日の差し込む図書室で吹寄制理が話しかけたのは純和風黒髪クラスメイトの姫神秋沙。
 二学期になってから転校してきた生徒なのだが、今では違和感なくクラスへと溶け込み吹寄と行動する機会の多い少女である。
 対する吹寄はと言うと、高校生らしからぬスタイルの持ち主であることもさることながら、ある特定の(、、、、、)男子生徒に対する耐性の高さからクラスでも一目置かれていることから二人は校内でもかなりの注目を集めるコンビになっている(本人たちにその自覚はあまりないのだが)。
 特に二人がよく目撃されるのはこの図書室内のインターネットコーナーだ。
 通販が趣味の吹寄は新たなグッズを求めて、姫神はこの科学バンザイの学園都市に住む人間らしくない(、、、、、)趣味のために頻繁にネットを利用しているからだ。
「どれどれ?……今日のはまたずいぶんとコアな所ね……」
「そうかな?」
 何気なく覗き込んだ吹寄はそのホームページに顔をしかめた。
 が、それを見ている張本人の姫神はほとんど表情を動かすことなく答え、そのまま真剣な目つきでそこに書いてあるものを読んでいく。
「人の趣味をどうこう言うつもりもないけれど、見ていて面白いの?そんなオカルト関連のページなんて」
 やや遠慮がちに、それでも若干のあきれた口調で吹寄は告げる。
 そう、これこそが姫神秋沙という少女の学園都市らしくない趣味。
 時間割に超能力開発が組み込まれており、総数二三〇万人の超能力者が存在する都市の人間からは最も遠いと認識されている存在。
 すなわち、魔術や神秘といったオカルト系のページを巡ることをこの見た目おっとりの少女は好んでいるのである。
 そりゃ、女の子なら科学では説明できないおまじないというものに興味を持つのもわからないでもないが、ここまで熱中してしまうのはいかがなものかと思ってしまうのだ。
「うん。見ているだけでも結構楽しいものだよ。例え使えないとわかっていても(、、、、、、、、、、、、、、)」
 その言葉に吹寄は「そんなものかしらね」と軽く流す。
 だから彼女は気づかなかった。
 真剣にオカルトページを見つめる少女の口調に、どこか諦観じみたものがあったことに。
(そう。私たちには使えないものだから……)
 そう思いながら、姫神は手元のマウスを操作してあるアイコンをクリックする。
 そこにはこう書かれていた。
『おまじない・都市伝説編』と。

771とある魔術のMissing:2007/05/13(日) 18:00:02 ID:0duZpwYI
 帰ってくるなり飛び込んできたのは、やたらうるさく鳴り続ける電話の音と、その電話を前にオロオロとする同居人の姿というなんともシュールな光景だった。
「……で、いまだに電話の扱い方がわからない、と」
 半ば以上諦めた表情でため息を吐き出すのは上条当麻。
 この学園都市の能力開発でも一切の超能力が芽生えなかったという無能力の烙印を押された男子学生である。
 上条は電話を取ると、何か言おうと口を開きかけた同居人――純白のシスター服に身を包んだ少女インデックスを手で制しながら受話器の声に耳を傾ける。
「あ〜もしもし、上条ですけど」
『おお、やっとでたか。もしかして留守なんじゃないかと思ったぞ』
 電話口から聞こえてきたのはどう聞いても自分の父親、上条刀夜の声だった。
「何だ、父さんか。どうしたんだよいきなり電話なんかかけてきて」
 そう言いながらも内心胸を撫で下ろす。
 もしもインデックスが電話に出ていたら今の自分の現状が両親に発覚してしまっていたところだったのだから。
『ああ、そのことなんだがな。お前、詠子ちゃんのことは覚えているか?』
「え……、誰だっけ?」
『おいおい、いくら幼稚園のときにあったきりだからって幼馴染の名前を忘れるのはちょっと酷いんじゃないのか?』
「あー、あ、そうそう、幼馴染、オサナナジミね。はいはい思い出したヨ。ソレガドウカシマシタカ」
『本当に思い出したのか……?まったく、相手はせっかく何年か振りにお前に会いたいって電話をくれたのに』
「ははははは……って、はい!?」
 突然の展開に上条の頭は処理能力の限界を超えてしまったのだが、刀夜はお構い無しに会話を続ける。
『もうすぐそっちも冬休みに入るだろ?それに合わせて学園都市見学もしたいって頼まれてな。試しに申請してみたら意外とあっさりオーケーもらえたんだよ』
「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待てよ、そいつ学園都市に入ってくんのか!?」
『そうだ。冬休みの初日に着くって話だから、しっかりと案内してやれよ』
「案内しろって、そんないきなり……って、照れてんじゃねぇよ!あんまり急だからに決まってって……おい、ハハハじゃねぇよ切るなってモシモシ、モシモーシ!!」
 単調な電子音しか聞こえてこない受話器に悪態をつくと、苛立ち紛れに受話器を置いた。
「冗談じゃねぇぞ……よりにもよって幼馴染来訪イベントだなんて……」
 頭を抱えながら、どうしたものかと考えを巡らせる。
 現在の上条はとある事情により、夏休み以前の記憶を失っている上にそのことを両親にさえ隠している状態だ。
 そんなときに幼馴染と会うなど、自分の記憶喪失がばれてしまうこととイコールといってもいい。
「とうま」
(とにかく、何とかごまかすしかないのかよ……チックショウ、ま〜た不幸な予感がしてきましたよ)
「とうま」
(とにかくさしあたってはその『詠子』ってのが誰なのかをしっとかなくちゃな……今夜あたりにでももう一度実家に電話でもして……)
「とうまってば!!」
 突然袖を引っ張られたことにより、上条はようやく自分が呼ばれている事に気づいた。
「あ、何だよインデックス……さん……」
 振り向いた先には、今にも怒りゲージを振り切りそうな表情のシスターがいた。
「さっきっから私のこと無視して百面相してたのもそうなんだけど、それは置いといて誰なの?詠子って。また女の人?」
「あ、聞こえてたのかよってなぜにアナタハそんなにも歯をクイシバッテイルノデスカお、落ち着けインデックス、まずは、まずはゆっくりと話をし……」


 数秒後、男子寮が立ち並ぶ一角に絶叫が木霊した。





ルビ振り失敗……

772■■■■:2007/05/17(木) 20:21:28 ID:qcLdRahE
やっとこさwikiの編集が終わった…………のはいいんですが(好きでやってることだし)、
>>770-771 さん、>1-42 と思ったんですが合ってたでしょうか? 違ったらすいません。
もし書き手の方が違うようならお伝えくださいな。

それと、wikiスレで聞いてからしたのですが、投下ログを調整してみました。
見た目問題があるようなら教えてくださいませ。
さて、そろそろ自分もSSを再開          できるといいなぁ……







>755-756 とは違うことは明記しておきたい。

773■■■■:2007/05/18(金) 02:41:21 ID:JAuZ1dHA
>>772氏御疲れさんですー。
さてと、スランプ脱出の為にちととある最終回直前風のを妄想してみましたので投下をば。

元ネタとしては『スクライド』というアニメで一つ。

774Reckless Imagine 〜とある魔術と禁書目録〜:2007/05/18(金) 02:44:27 ID:JAuZ1dHA
 果てしなく広がる青がある。
 所々に白の綿をゆったりと浮かせたかの様な見た目を持つ、清々しい空気に満ちた空だ。
 空の下には海があった。
 風に揺れ動く海は風が吹く度に己の身を変形させ時折、岩へとぶつかっては飛沫を立てる。
 自然の音だけに満ちた空間がある。
 不意に其処に音が追加された。
 音は地を踏み締めた結果、動いた砂利が生み出した音であり、響いたのは海へと突出した崖の上だ。
 そして、そんな崖の上から海の変動を目を細めながら見る影が一人。
 影は黒い短髪と鋭い目付きを持ったまだ高校生程度に見える少年だ。
 彼の格好は黒のインナーとズボンというものであり、上着として緑色のジャケットを羽織ってもいる。
 黒髪の少年は海を見ながら、口開く。
「いい天気だな」
 出たのはありきたりな感想だが、それが素直な黒髪の少年の感想だった。
「あァ?」
 が、その感想に文句をつけるかのようにかに怒気の混じっている様にも思える疑問が飛んで来る。
 振り向けば、黒塗りの角張ったデザインの車の上に乗った少年の姿が見えた。
 肩ほどまで伸びた白髪に、黒髪の少年と同じかそれ以上に鋭く、猛禽類の様な印象を与える赤い目。
 嫌でも目立つ容姿を持った彼の身は現在、更に目立つ軍服にも似た青を基調とした服に包まれていた。
 その彼の容姿を見てから黒髪の少年は歯を見せた楽しそうな笑みを浮かべ、
「なんでもねえよ」
 適当に受け流す事にした。
 すると白髪の少年は一瞬呆けた表情となり、しかし直ぐにつまらなそうに視線を逸らす。
「はン、相変わらずわけわかンねェやつだ」
 彼は僅かに腰を浮かせて車の上から飛び降りる。
 着地した際に多少砂埃が舞い上がったが、それは白髪の少年の身を汚す事はなく、
「――」
 どこからともなく吹いてきた風に巻かれて消えた。
 風は白髪の少年の身を包み、暫くして先程の砂埃と同じ様にしていずこかへと去って行く。
「そういやよォ」
 黒髪の少年へと背を見せた白髪の少年の声が響く。
 掛けられた声は止まらず、彼は続けて、
「……あの白いのに会ってやらねェのかよ?」
 僅かに優しげな雰囲気を宿した口調で問うて来た。
 思わず目を見開いてしまう。
 それは驚きではなく、純粋な感嘆からの動作だ。
 驚きの理由を簡潔に述べるとすれば、
……コイツも人並みに心配すんだなぁ……。
 というものである。
「……なンかてめェ、失礼な事考えてねェか」
 直後、何時も通りの鋭い声が飛んで来た。テレパシーにでも目覚めたのだろうか。
「滅相も御座いませんですよ?上条さんは何時でも誠実、純粋なのですよー」
「あのチビ教師の真似にしては似てねェな」
「そうか?」
 どちらともなく笑い出す。
 が、それも数秒で停止、再び沈黙が場を満たした。
 しかし、沈黙とは破られるものであり、それを実行に移す者がこの場には居た。
「学園都市や各宗教連中の動きも納まって来た――潰すなら今だけどなァ……」
 破ったのは白髪の少年の言葉だ。
 ぬめり、と邪悪な雰囲気を纏った台詞は、口調と合わさってもう毒の気配を漂わせる。
 だが黒髪の少年――上条当麻はその様な重圧にも怯む事はなかった。
 むしろ、とばかりに彼は楽しそうに笑みを浮かべたまま、
「やめとくわ。俺は狙って来た奴を叩くだけだしな」
「それじゃあ、白いのはどうすンだ?」
「インデックスは強い。それにアイツには沢山の仲間がついてるし」
 大丈夫だろ、と付け加えた上で苦笑を一つ。
 白髪の少年はやや呆れた様な表情を浮かべて溜息を吐く。
「……過剰な信頼は逆に危険って知らねェのか?」
「過剰な心配性の一方通行に言われたくはないのですよー?」
 言うと白髪の少年――一方通行は小さな声で一瞬呻き、言葉を止めた。
 その様子に満足して頷いてから、体の向きを反転。
「……さてと、行くか。ま、少しの間大変だったけど中々楽しかったぜ、一方通行」
「ケッ……とっとと行きやがれや、クソ野郎が」
 皮肉の混じった別れの挨拶に当麻は振り向かない。
 ただ片手を上げ、それを返事代わりとして背を向けたまま歩き出した。
……さって、とこれから本当にどうすっかなぁ。
 正直これだけ大暴れをしておいて、今更安息の地があるとは思ってはいない。
 何せ実質現状は、世界中を敵に回しているのと同じ状況だ。
 表沙汰になるような馬鹿みたいな戦法は取ってこないとは思うが、色々考えなければなるまい。
 しかし、何やら忘れている事がある様な。
……あ、そういや。
「忘れてた事があったな」
「あン?」

775Reckless Imagine 〜とある魔術と禁書目録〜:2007/05/18(金) 02:46:28 ID:JAuZ1dHA
   ◇○◇

 振り向けば上条当麻はコチラを見ていた。
「ちょっと忘れもの、しちまってたよな?」
「……?」
 鋭い目付きの中に獰猛な笑みを浮かべた彼は言い、一報通行はそれに対して怪訝な表情を作る。
 車は学園都市からかっぱらって来たもので、中身は殆ど武器類であり、それ意外は空同前だ。
 目の前の男とてそれは承知済みの筈。
 何も持っていない者に忘れ物など有り得ないのだから。
……いや。
 その考えを否定する。
 あった。
 一つだけあった。
「あァ。そうだ――すっかり忘れちまってたなァ」
 振り向く。
「あぁ。そうだよ。本当に忙しかったからな、ついつい保留にしちまうところだった」
 相手も同じ様に振り向いていた。
 相対する二人の間に吹くのは生温い春の風だ。
 それを不釣合いだと思いつつも、一方通行は目を閉じ、数秒沈黙。
 呼吸を整え、ゆっくりと目を開く。
 そして、
「ンじゃ、やるか」
 声と共に相手を睨みつけた。
 そうだ――まだ目の前の男と自分は決着をつけていなかったのだ。
 色々あってすっかり忘れていたが、とてもとても大切な事。
 一度目は無様に負け。
 二度目は相手と出会えずに不戦勝。
 三度目は他人に横槍を入れられた。
 ならばここで闘い、勝たねば何とする。
……一生の恥だよなァ?
 地面を軽く蹴り、能力を起動。
 試運転として近場にあった岩を弾けさせると、共に背に小規模な竜巻を形成する。
 同時に相対する敵も右手を突き出した構えをとった。
 準備は万端。
 どちらも何時でも戦える状態だ。
 しかし両者は動かない。動けば戦いが始まる。
 だからその前に一方通行は思考を過去へと飛ばした。
 思えば――目の前の男との出会いから一方通行の歩みが再び始まったのだろう。
 自分の力に達観し、ただ我武者羅に暴れていた実験。
 それは彼によって止められた。
 自分の力に自問し、大切な少女と出会った日。
 それは結局のところ自分が救われた日だった。
 自分の力に絶望し、新たな力を求めた戦場。
 それは大切なものを必死に守ろうとした戦い。
 自分の力に希望し、堕ちた闇。
 それは黒く染まった自分を受け入れられる唯一の地獄だった。
 自分の力に唾棄し、這い上がり、再び戻ってきた戦場。
 そして今。
 自分の力を確認し、対等と呼べる相手と相対している。
 過程で得たものは多く、失ったものもまた多い。
 その全てが糧であり、それが集まって今の一方通行を成しているのだ。
 だが、と思う。
 起点には、どうしても目の前の男がちらつく。
 今の自分は最良だ。
 最高の自分だ。
 ならば今の自分を作ったのは誰か。
 その答えは目の前にいる。
 だから決着をつけなければならない。
 足を先に進める為に。
 此処で止まらずに更に先へ、過去に囚われず何時か振り返れる日を掴む為に。
「まァたお前と戦うなンて思っても見なかったもンだけどよォ」
「今度も勝たせて貰うけどな」
「ほざいてろ」
 会話はすぐに途切れる。
 訪れた沈黙の中に、風の音とその風に吹かれて砂利の舞い上がる音が響いた。
 そして、次の沈黙が訪れる前に、当麻が口を開く。
「始めるか」
「あァ」 
 地を踏み締めて蹴ると同時に敵も走り出す。
 かくして、決着を着ける為の戦いは始まった。

 そこに退く者はおらず。
 そこに進まぬものもおらず。
 男二人、己の意思を競い合う。

776>>773:2007/05/18(金) 02:50:23 ID:JAuZ1dHA
最後の辺りは若本ボイスで宜しく頼みますぜ。

ああもはや何も言うまい。語るべきここにあらず。
話すべき相手此処におらず。
男唯前を向き、ただ上を目指す。ただ前を向き、上を目指す。

という感じで立場的には、劉鳳⇒一方通行、カズマ⇒当麻、みたいな感じだと妄想。
そんなわけでここまで見てくれた方に感謝を。駄文失礼いたしやしたー。

777■■■■:2007/05/18(金) 18:36:39 ID:vZONHSto
>>776
 大きいモノ。
 硬いモノ。
 雄々しいモノ。
 それは、上条当麻の【幻想殺し】である。
 当麻の拳と、一方通行の能力の衝突と衝撃が、
 学園都市を大きく震わす。
 二人、男の太さを競う。

            ────── ─────
          ∧ ∧,〜 ────────
          ( (⌒ ̄ `ヽ───_ ────
           \  \ `ー'"´, -'⌒ヽ──
          /∠_,ノ    _/_───‐―─
*============(( ノ ヽ、_/´  \―────‐
          (     く     `ヽ、 ―──
           \____>\___ノ ───
            /__〉.───`、__>.―‐―
                     ‐─────
       俺の股間は幻想殺し!!!!!

こうですか?

778■■■■:2007/05/20(日) 04:43:37 ID:umnbttL2
>>777
色々と台無し吹いた

779■■■■:2007/05/20(日) 21:23:47 ID:dRNtbb..
そしてこうなる。
      /:.:::::_,,,.....,,,___::::::::::_,,,,,,::::::::::,,_::::..:.:ヽ,
     ,:":.:::::/::::::::::上条当麻:::::::::::::::ヽ、:.:.:.::゙、
    ,:":.:::::r' ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::゙'i:::::.:.゙i
    i:.:.::::::ミ ,,,...,,::::::::::::::::::::::::::::::::::::_,.-、  ,l:::::.:.:l
    |:.:.::::::ミ ´  ゙ヾ、、::::、:::::::/:::,.‐'"  ゙ヽ 彡:.:.:.l       俺の幻想殺しは
    |:.:.:.:.:j   _,.、-、.,ヾ、:゙i::/::/,r‐-、,   ゙,:.:.:.:.l
    .!:.:.:.::l  i"  o,.' ...:::::::::::::..〈、o.  ゙,    !:::::::l       太いんだよ!
     !:.:.:::!  ヾ=‐'".:::::  l:.. ::::..゙ヾ=''"   !:::::::i
     l_:,:.:l          !::::..        l:.:.:r-、      硬いんだよ!
   r'" /:.:l          ヽ l::::          !:.:.',"゙!
   !l_,ノ:.:.::!  〃_,.、--‐‐‐--‐‐‐-、.,___,.ヽ   !:::::.゙:::',、     暴れっぱなしなんだよ!!
   !lヽ:.:.:::l  ゙ ゙iヽ-‐‐'''''''''''''''''''‐-、 ,!´"  l:::::::.:.:.'、.
  彡:´:.::::::l    !:::::::::::::::::::::::::::::::::::::゙"l     !:::::::::...:.:l
  ,.":::::::::::::l    l'"´ ̄``'''"´ ̄`゙ヽ,j    !::::::::::::.:.::!
  ゙i::::::::::::::゙,   l          /    l::::::::::::.:.:,'"
  ,'::::_,,..,,__l゙ヽ.  ゙ヾ、.,____,,..,/    /!:::::::::::::::ゝ、
  '''"´r‐''''"l  \  `'''‐‐‐‐‐‐‐'''"   / l゙`ヾ、.,r'"`゙
    lヽ、  l_,.、‐'ヽ,  ,.-‐‐‐‐-、,  /ヽ、,l  _,,.-゙ァ
    l   `゙'''‐、  :゙、. ´  ̄ ` /  ,.、-''"   l
    .!      ゙i / `'''‐‐---‐‐'"ヽ  /     /

780■■■■:2007/05/20(日) 22:39:47 ID:BXqwAUTQ
>>779
黙れ立浪。

というか……合いそうだよなぁ、立場的に二人が。
まぁ、最初に負けたのは一方さんだったけど。

781■■■■:2007/05/23(水) 17:54:25 ID:mprn/vOE
ttp://www.youtube.com/watch?v=bHCmNLkh_oc
つまりトリーズナートウマということだな。

782上条戦士・フラグマン:2007/05/26(土) 09:53:06 ID:DMeIf5CY
上条戦士・フラグマンは結果的に世界の平和を守るスーパーヒーローだ。
彼は世界征服をたくらむ悪の組織の女幹部にフラグを立てる。
「世界を征服する前に、まず彼を落とさなければ……」
彼は地球を侵略しに来た銀河帝国の女王にフラグを立てる。
「彼には恩がある。帝国のすべてをもってしてでも私は彼への恩を返そう」
そしてさらに世界を滅ぼさんとする邪悪な女神にすらフラグを立てる。
「ああっ、彼がいるこの世界を滅ぼすことなんて私にはできない……」
かくして世界は救われた。ありがとう!上条戦士・フラグマン!

783科蚊化:2007/05/26(土) 10:03:38 ID:DMeIf5CY
はじめまして、上条戦士・フラグマンを投稿した科蚊化と申します。
旗男→フラグマン→なんかヒーローっぽい
ということで、ヒーロー番組の宣伝風に作りました。

784■■■■:2007/05/26(土) 16:40:37 ID:.bCdqSy.
>>783
フラグマンが誰かになびいた瞬間に世界が滅亡するんじゃないか?

785■■■■:2007/05/26(土) 17:28:01 ID:GYEqgv.6
昼寝してたら妄想展開真っピンクの桃色郷から電波受信したんだけど………
ここに投下してもいいもんかいな? えろぱろに行ったほうがいいかな? 
具体的には、
当麻と美琴が指ちゅぱしてたりとか
6巻最後で右手を骨折した当麻が慣れない左手で■■■■をしようとしたのを見た禁書が代わりにしてあげると言い出すとか


あ、ちなみに自分は坊やだからHな話は書けてもエロは書けないんだ
R18 ではなく R15 みたいな? (つまりは一応ネタで済むレベルにはするつもりだけど)




ゴメン。 正直ウザかったらバッサリ切り捨てて欲しいのではっきり言ってくださいな
これでも間と空気は読みたいと思ってるんだよ?

786■■■■:2007/05/26(土) 17:35:09 ID:VbPJKgTQ
>>785
>桃色郷
冒頭に真っピンク注意とでも書いておけばよいかと。下の方はNGっぽいがな。

>>783
とりあえずコテハンはなしで行こうぜ。

787注 意 !! 桃色郷〜妄想展開真っピンク〜:2007/05/28(月) 19:45:06 ID:CfUgSUOI
>785ですが、とりあえずレスしてもらえたので指ちゅぱの方を書くことにします。
打鍵のノリにもよりますが、打ち込んで一晩寝かせて、推敲して添削すると……早くて6月のあたまぐらいですかね?
余り期待しないでおいてくださいまし。
それでは。

788■■■■:2007/05/28(月) 22:15:39 ID:RLW6Bx8k
>>785
 
 
ハッ ハッ ハッ
 ハァ ハァ
 
「当麻……」
 
独り身の女子高生である
御坂美琴が時折このような妄想にふけるのを
見てみぬふりをする情けが白井黒子にも存在した
 
  ちゅぱっ ちゅぱっ
 
 
 
>美琴 >ちゅぱ
こうですか >< わかr

789■■■■:2007/05/28(月) 22:20:53 ID:LbEXMeX6
>>788
禁書でシグルイとな…!

790■■■■:2007/05/30(水) 18:22:53 ID:BcGny6HE
あ〜、なんかひさしぶり来て見たらチョットHな話するスレになってきてる。
しかし、指チュパか >>788
俺の勝手な想像だが黒子は「見てみぬふり」より、 
「上条の息の根を止めに行く」の方がしっくりくるんだが、どう思う?

791■■■■:2007/05/30(水) 22:58:49 ID:5ks25elo
>>790
息の根を止めにいったらフラグ立てられた、て事態になりかねんな。

792シグルイネタ:2007/05/31(木) 14:44:12 ID:FQ.3AClw
「ミサカ10032号、そろそろ婿を貰ってオリジナルを安堵させてはいかがでしょう、とミサカ19090号は提案します」
「ミサカ19090号と私二人の相手をする旦那ですね、とミサカ10032号はユーモアを交えつつ返答します」
「ワハハハ」
「ワハハ」
 
 
ついカッとなってやった。
謝罪はするが賠償はs(ry

793783:2007/05/31(木) 23:47:52 ID:Z/N0Sfwc
>>784
上条だからきっと大丈夫だと思います。

>>786
はい、郷に入っては郷に従うことにします。

794■■■■:2007/06/07(木) 19:39:36 ID:/.RWFB/2
 なんだ? 何か知らん間に話す内容変わってるし、
何か、人少なくなってるし、どうなってんだ?

795■■■■:2007/06/07(木) 20:01:37 ID:sK4VHLvg
>>794
過疎ってるのでは?
応援アゲアゲぱらだいすぅ

796■■■■:2007/06/07(木) 23:03:24 ID:tOOMh8dQ
話題なんて幾らでも変わるし、過疎るのも最近は無かったがよくあることだろう。好ましくはないが。
なんか燃料でもあればいいんだけどなー。ラジオドラマも近いしそれがきっかけになればいいが。

797■■■■:2007/06/08(金) 17:36:16 ID:YuMJGaTQ
てか、話題変わったのは空白の人とかがSS書いてないからでは?
 そんなこと言うのだったらお前書け、て言われそうだけど。

798■■■■:2007/06/10(日) 12:16:07 ID:UdE1pCa6
いや話題は投下があっても常々変わるものでは?職人が投下しないからってわけでもないっしょ。
そういやみんなラジオドラマ聞いた?

799■■■■:2007/06/10(日) 15:09:57 ID:VW/Crybs
>>798

僕がいる地方では放送していない

800■■■■:2007/06/17(日) 07:01:58 ID:HGl60PhA
何故こんなに過疎ってるのだろう?
一応来月には新刊でるから話題はあると思うのに・・・

801■■■■:2007/06/17(日) 16:44:01 ID:.TvMY6LQ
ラジオドラマ関連も話題ありそうだけど、話でレス消費するのはこのスレの用途じゃないからかな?
あとは過疎が過疎を呼んでるとか。
新刊が近いと寧ろ書きにくいってのもあるだろうしねー。パラレルにすればいいんだろうけど。

802■■■■:2007/06/18(月) 01:52:18 ID:NOPotd6c
じゃあやっぱり職人さんが投下してくれるのを待つしかないのかな……
なんていったらお前が投下しろといわれそうだがw

803■■■■:2007/06/18(月) 08:08:15 ID:H0GDYo3M
実際書いて見るのはどうよと言ってみる

804■■■■:2007/06/18(月) 17:13:10 ID:NOPotd6c
そんなことしたら俺は恥で死ねてしまう

805■■■■:2007/06/18(月) 22:34:26 ID:H0GDYo3M
死ぬまで言うか……

806■■■■:2007/06/19(火) 07:46:24 ID:UR95Ebks
いやぁ未熟なまま投下した者だが事実を抹消したくもなるぜ?

807とある風紀の活動日誌:2007/06/19(火) 09:17:30 ID:sfKTHsWQ
第四話『家族と破壊とミサカと俺と』

  ▼

 傾き始めた太陽が、学園都市を照らしていた。
 近未来的な町並みは、一日の終わりを感じさせる日の光を受けて横たわっている。
 夏も終わりに近づきかけている夕暮れは、ノースリーブに短パンという格好にとっては結構快適な温度を運んでくる。
 姿の見えない、どこか遠くの喧騒をBGMに、風力発電のプロペラがカラカラカラ、としゃれこうべのように鳴いる。耳を澄ませば、豆腐屋の笛の音さえ聞こえてきそうだ。
 で。
「………………………疲れたぞ畜生」
 そんな近未来的なくせに風流な街の中、俺はビニール袋を引っ提げて歩いていた。
 何の用事なのかといえば、猫缶の買い出しだ。
 何でそんなことしているのかといえば、またミサカの奴に頼まれたからだ。
 俺だって入院患者なのに。あいつ意外と人づかい荒いな。
 病院といえども、脳開発を行う学園都市の手は及びわたっている。普通の病院食のように見えるメニューの中にもわけの分からない薬品なんかがどさどさ入っているため、そこらへんの猫に残り物を食わせてやるわけにもいかないのだ。それに、育ち盛りの腹ペコ男子学生には厳しい食事制限の中でご飯を分け与えてやる余裕は無い。猫のための食料は買い出して確保する必要がある。
 しかし、猫缶は学園都市ではなかなか手に入らない。ここの住民の大半は学生であり、そのほぼ全員が学生寮で生活をしている。普通の寮はペットを飼ってはならない、などという動物愛好家泣かせな掟がデフォで設定されているため、外からの動物用食料品搬入量が低いのだ。その結果、数少ない動物用食料は筋金の入っている動物愛好家達の間で奪い合うことになってしまい、猫缶を買おうと思っても一日中探し回ってたったの一個、ということが多々ある。そんな理由で猫缶はとっても希少なものなので、俺はいつもドライのスナック菓子みたいなキャットフードを買っていた。
 しかしミサカは猫缶を気に入ってしまったらしく、野良たちに毎日食わせようとしていた。俺はそのために毎日猫缶を捜し求めているわけだ。今日も今日とて、ミサカは訓練が終わった後俺に買出しを頼んできた。いや、口調だけなら頼んできた、といえるかもしれないが強制力でいうならあれはほとんど命令だな。そうして頼まれた俺は長い間歩き回ってやっと猫缶をひとつ探し当て、今はその帰り道というわけだ。ミサカは病院の中庭のベンチで猫を眺めながら待っているのだろう。猫缶を。

808とある風紀の活動日誌:2007/06/19(火) 09:18:51 ID:sfKTHsWQ
 まあ、あいつはあまり体を動かしてはいけないらしいし、俺なら病院の窓からひとっ跳びで抜け出せるから妥当ではあるのだが、一応これでも入院患者だ。首のギプスは取れたものの、体調はまだ万全とはいえない。
「ほんと、人づかい荒いっつの」
 そう愚痴をはいてはいるが、猫缶提げた俺の足は家路を急いでいた。いや、この場合は病院路か?それとも院路?どっちでも良いか。
 俺はなぜかミサカの頼みを断れないのだった。
 能力の強さによって上下関係が決められる学園都市。男だから女より上、などという考えは外に比べればほとんど無きに等しい。低レベル男が高レベル女に対して頭が上がらないというのは普通のことだ。しかしながら、俺は異能力者(レベル2)の風紀機動員であり、特に戦闘能力にはそこそこ自信がある。相性的に弱点を突くことのできる感覚撹乱系の神経操作能力者でもない、レベル2の電撃使い(エレクトロマスター)に負ける気はしない。何かを与えられればその分だけ返す。何も与えられなければ何も与えない。無報酬の仕事に精を出すなんて俺の行動パターンには存在しない。『何で俺がそんなことしなくちゃなんねぇんだよ』という一言だけで突っぱねることが出来るはずだ。というか実際、そんなことがあった。何かと突っかかってくる強能力者(レベル3)がいたので“丁寧なお返事”を返してやったら、あっちも急に態度を改めてくれたな。
 そう、断ろうと思えば、簡単に断れるはずだ。
 しかし、現に俺はこうしておつかいに走っている。
 それは俺の行動パターンにないはずなのに。
 俺があいつに訓練を受けさせているのは俺の研究理論『猫と人間の絆〜能力という障害(かべ)を超えて〜』を証明するためだ。まあ、同じ愛猫家として放っておけないという理由もあるがそれはあくまでおまけだ。俺がやっているお使いにお釣りが来ることは無い。完全なる無償奉仕だ。
 俺をこの行動に駆り立てる因子はどこにあるんだ?ないはずはない。ということはつまり俺ははっきりと掴みきれていないか、もしくは俺に把握することは不可能なほど難解なものであるのか。
「ぬぅぅぅうううううううううぅぅう……」
 脳の処理能力限界の思考をしながら、俺は頭をプスプス鳴らして歩き続けるが、そのどこか間の抜けた音は人の注目を集めてしまった。
 くそ、見せ物じゃねえんだよこっち見てんじゃねえよ通行人A。いやBお前もだよどっか行けよ。おいそこのCDEなにクスクス笑ってんだよ。でもじつは俺の事なんか全然見てなかったりしたら恥ずかしい。自意識過剰か。でもなんか指差してきてやがるんだが。いや、俺の死角方向にあるもの指してんだよ、多分。
 ああくそ、もうどうでもいいや。とにかく早く帰ろう。ミサカが待ってるからな。

809とある風紀の活動日誌:2007/06/19(火) 09:19:20 ID:sfKTHsWQ

  ▼

 日の暮れはじめた学園都市。最先端の科学技術を誇るこの場所は、当然医療技術も優れている。ここの病院は、そんな学園都市内病院の中でも結構立派なほうといえる。
 患者というものは、病気や怪我などといった身体的なダメージの影響から、精神的にも疲労を蓄積してしまうものだ。病は気から。罹患心理学に従って設計された病院は、精神的にヒーリング効果を与える構造になっており、湿気や陰気などといったものとは無縁の、真っ白な塗装が広がっている。
 その中でも、白い壁と緑の草木の色合い素晴らしい病院の中庭は、もはやひとつの芸術と化していた。
 暇な入院患者なんかが、よくここで猫について話したり、猫にご飯をあげたり、猫とじゃれあったりそれを眺めていたりして時を過ごしている。
 その中庭も今は夕暮れに沈もうとしており、患者たちの憩いの場としての役割を終え、眠りに付こうとする時間。

 私は、その場所に一人で座っていた。
 私はただ、その場所に存在し続ける。どこともない空中に向ける視線は、何も目に捕らえることはない。
 何をする気も起きなかった。
 私は、あの実験のターゲットとして生み出されたのだ。破壊される事こそが私の存在意義。それ以外の事をするのを考えることなどできなかった。
 私は、ただ一つの目標だけに向かって日々を過ごすだけでよかった。自分が存在する理由のためだけに活動を繰り返す日々は、この上なく充実したものだった。しかし、私の存在する意味が証明される前日、それをかなえることはできなくなってしまった。
 実験の要、学園都市最強の超能力者が、一人の無能力者によって倒されたのだ。
 いったいどうすればあの化け物を倒すことができるのか。それだけでも十分に驚くべき事だったが、私が一番驚いたのは別の事だった。
 彼は、他でもない私達実験体のためにそのような奇行に走ったというのだ。彼は、もとから殺されるために作られたもののために命をかけたのだ。
 私は、そんなこと全く理解できなかった。それは、他の私達も同じだった。その時殺されかけていた10032号を助けたかったというのであれば分かる。彼は彼女と複数回接触していたからだ。その中で愛着が沸いたのだと考えることができる。
 だが、彼は言った。私達は、世界に一人だけしかいないのだと。今度こそ、本当に分からなかった。私達は完全に、遺伝子レベルで同一なのだ。現に私達は、同時に同じ答えを出した。
 この少年の言葉を理解することは、できない。
 しかし一方で、私達は分かってしまった。
 私達を、世界に一人しかいないのだと言い張る少年は、私達のうち誰か一人でも死ねば、きっと悲しんでしまうということに。
 それは、困ると思った。嫌だと思った。だから、私達は実験を止めるために手を貸した。そうして私達は殺されることなく、ただ一人の人間として生きるために、病院で治療を受けることとなった。
 そうして私は、目的などどこにもない、生ぬるい日々を手に入れた。
 意味のあることなど、どこにもなかった。
 何をしようにも、ただ虚しさだけが残る。
 そんなものは、もうたくさんだ。
 しかし私は、自らの生命活動を止めることはできなかった。
 私達のうち、誰か一人でも死んでしまえば、あの少年は悲しんでしまうから。 だから私は、植物になりたかった。
 誰一人気にしないような、ちっぽけな草に。
 何も考えなくていい、虚しさなど感じることのない、そんな物になりたかった。
 肺を膨らませて、空気を取り入れて。酸素を取り込んで、心臓から押し流して。細胞から二酸化炭素を受け取って、また呼吸して。
 私はただ生命活動のみを繰り返す。
 辺りはいよいよ暗くなってきた。
 私の網膜への刺激が減少され、それに従って脳の活動率も低くなる。
 遠い先のことではなく。このままいけば、私は本当に植物になれるかもしれない。
 足の先には根が生えて。
 お腹のまわりには、葉っぱが茂って。
 頭の天辺からは、花が咲くのかもしれない。
 それは、なんだかとっても気持ち良さそうだ。
 早く、そんなにならないだろうか。
 しかし、そんな私の願いは、少なくとも、今かなえられることはなくなったみたいだった。
 私に対して、最大の刺激を与えるものがやってきた。
 それは、暗がりの中からふいに姿を現した。
 疲れ切った足取りに、身軽な服装。
 重そうなビニール袋を、堅そうな腕に吊り下げて。
 縮れた癖っ毛を、不自然にボサボサと揺らしながら。
 への字を描いた口で。
 彼は。
 黒山大助は、私を人間に戻した。

 ――帰ったぞ、ミサカ

810とある風紀の活動日誌:2007/06/19(火) 09:20:37 ID:sfKTHsWQ

  ▼

「あ、猫缶。とミサカは待ち焦がれていた物品の到着に心を躍らせます」
 帰還を告げた俺に対する第一声。
 予想通り、ミサカは病院の中庭にあるベンチで猫を眺めながら待っていた。
 猫缶を。
「いきなりそれか。いいかげん敬虔なる遣いに対する感謝の情ってのがわかねえのかお前―――って無視すんなやこら」
 俺は猫缶入りビニール袋をベンチに置いて疲れきった体を投げ出したが、ミサカはすでに猫缶をごそごそと探り始めていた。
 自己中な女だ。ほんと、何でこんな奴のいうこと聞いてんだ?
 ミサカは猫缶を見つけ出すと、その華奢な手をにゅっと突き出してきた。猫用の底が浅い皿を渡してやると、彼女は猫缶の中身を取り出しつつこちらを伺っている猫たちのほうへと歩み寄る。ミサカが慎重に皿を置くと、猫たちは我先にとえさをがっつき始めた。彼女は身動きひとつせずその様子を眺めている。
 ミサカがある程度磁場を相殺できるようになってから、猫にご飯を与える役目は彼女に任せていた。触れることは出来なくとも、猫缶を味わう至福のときをすごす猫たちを間近で見せてやるためだ。寸止め生殺しのような気がしないでもないが、その悔しさは明日への羽になるってことで。
 何かと注文の多いミサカも、このときばかりは真剣に、何処までも健気に、猫たちを見つめていた。
 そんな姿を、俺は一言もしゃべらず、ただずっと眺めていた。

 正直に言うと。
 ミサカの容姿は、かなり優れている。
 メチャクチャ整った顔立ちをしている
 なんか、“綺麗”と“可愛い”をこの上なく絶妙にブレンドしたような感じで、時と状況によって雰囲気が変化したりするのだ。その美しさは、思わず見とれてしまっていたらバナナの皮踏んづけて転んだ先に犬の尻尾があって怒った犬に追い掛け回されているうちに怖い兄ちゃん方に囲まれてましたレベルだ。
 ぶっちゃけはっきり端的にいって、美少女だ。
 しかし、俺が彼女の頼みを断れないのは、そのせいなのだろうか?
 よく分からなかった。
 俺は異性に興味を持ったことがなかった。
 なんか、“違う”のだ。何かは分からないけど。
 綺麗、可愛い、という感想を持たせる奴はそれなりに居る。
 鉄壁の防御を誇っているけど真面目でスタイルよくて美人なクラスメイトとか。
 メチャクチャ熱血ですぐ金属矢ぶっ放してくるけど客観的に見さえすれば可憐なお嬢様のツインテールとか。
 だが、俺が抱くのは“感想”だけだった。
 そこに、“感情”が伴うことは無かった。
 しかし。

 猫が飯を食い終わり、ミサカはベンチへカムバックしていた。
 日は暮れて、あたりは夜闇に包まれている。
 彼女は、今日も簡単な手術着の寝巻き姿だった。
 寒くなり始めた中、その格好で、数時間も待っていたのだろうか。暗くなっていく夕暮れを、ただ一人、ベンチにずっと座って過ごしていたのだろうか。
 そして。
 その間、ずっとあんな目をしていたのだろうか。
 俺が帰ってきたとき、ミサカがこちらに気づく前に俺が見た目。
 喜怒哀楽、いかなる表情も映さない、完璧な虚無を包む目で。

 ミサカは違った。
 今まで俺が目にしてきた“違う”奴らとは、違った。
 それだけは分かった。
 もしかすると、俺がこいつの言うことをきくのはそのせいなのかもしれない。
 やっぱり、あれなのか?
 あらゆる場所で取り上げられ、いかなるストーリー上でも必ず組み込まれているプログラム、われ等が人類の永遠なるテーマ―――
 変。
 いや、恋。
 しかも、今ならヒロインはか弱く入院中の無表情キャラときた。
 ぬううぅぅむ。しかしなあ。やっぱよく分からんなあ。
 だいたい恋と言うのは、なんか、こう、もっとさ。ブチブチというかドロドロというか、とにかくもっとドンドコしたもんじゃないのか?まあ経験したことがあるわけじゃないんだからなんとも言えないか。くそ、なんか悔しいな。ついでに滅茶苦茶小っ恥ずかしくなってきたぞ。
 はは。
 でもさ。
 何なんだよ、これ。
 こんなの、思ってもなかったぞ。
 俺は何でこんな、内臓に鉛流し込まれたような気分になってんだよ。

811とある風紀の活動日誌:2007/06/19(火) 09:21:08 ID:sfKTHsWQ

「もしもし?だいじょうぶですか?とミサカは泥沼思考状態のあなたに覚醒を促します」
 頭から“プスプス”どころか“ブッスンブッスン”といった感じで音を立て始めた俺を心配したのか、ミサカが首まで泥に浸かった俺に棒切れを差し伸べてくれた。
「前から思っていたのですが、あなたの頭部に起こるその怪奇現象は何なのですか?とミサカは疑問と好奇心を処理すべくあなたに問いかけます」
 俺の頭をポルターガイストクラップ劇場と認識されるのは願い下げたいな。
「いや、これは俺の能力(チカラ)だ。複雑な演算が必要ない、というか、できないもんだから、発動コマンドが曖昧になっててさ。勝手に発動してることがあるんだよ」
 これには色々と迷惑をかけられている。授業中居眠りしていた罰としてどこかの宇宙文字な数式が記された黒板の前に立たされ、緊張と混乱のあまり尻から轟音を響き渡らせたあの日は青春の一ページ。おまけに、その衝撃で担任教師のスカートをまくり返してしまったんだからな。子供の人権保護団体の集中砲火(リンチ)を受ける中、青髪学級委員は何故か涙を浮かべて抱きついてきたけど。
 ああ、くそ。
 俺、ちゃんとにやけてるか?
 ちゃんと、馬鹿みたいに馬鹿話できてるか?
 俺の話す、何処にでもあるような学園生活の日常風景を、ミサカはどこか遠くの世界の出来事のように聞いていた。

 気が付くと、あたりはすっかり暗くなっていた。
 俺が話を切り上げてベンチを立つと、ミサかも素直に腰を上げた。
「じゃ、また明日な」
「はい、さようなら」
 と、ミサカは別れの挨拶を告げた。
 夜空の下、暗闇の中で、俺はただ黙って見送った。
 重病患者棟の病室へと帰るミサカの、その小さな背中を。

  ▼

 有名な、つうか、ありきたりな台詞がある。
 悲劇的なドラマには欠かせない台詞だな。
 そう、『なんであの子があんな目に合わなければいけないのおぉ!?』ってやつだ。
 この台詞、大抵ウザったいオバサンが鼻水目水撒き散らしながら喚いててさ、いかにも悲劇的な境遇に巻き込まれた人物ぶってる感じがするんだよな。こういうの、ムカついたことないか?
 ちなみに、俺はムカつく。唾をはきたくなる。
「はあ?黙れよ豚。何でって言っても、なっちゃったんだから仕方がないだろうが。前世で悪いことでもしちゃってたんじゃねえの?それよりこれからのことを考えようぜ、くそボケ」ってなもんだ。
 だから、俺は言わない。
 ましてや、醜く喚き散らしたりなどしない。

 心の中で、叫ぶだけだ。
 ―――何で、あいつなんだよ。

 ここには脳と心臓が動いている限りなんでも治しちまえる医者が居るのに。
 なのに、なんであいつはあんな目をしてるんだ。
 あいつ、なんであんなに虚しそうなんだよ。
 ミサカは、そんなに重病なのかよ。
 おい、ここにいるぞ。あんたらが一番助けたがりそうな人間が。
 おまえら、言ってたじゃねえかよ。
 どうしようもない絶望を何とかするのが私たちだ、とかなんとかさ。
 えらそうに言ってたじゃねえかよ。

 俺の頭に、遠い日の記憶が呼び起こされる。
―――痛む手足、夕日に照らされる帰り道。
 俺がまだ普通の一般人だったときのこと。
―――交わした言葉、温かい手と指の感触
 それは学園都市に入る前、俺がまだまだ、ただのガキだったときのこと。

―――私たちはね、どうにもならないような事をそれでも何とかしたい、そんな人のためにいるのよ。

812とある風紀の活動日誌:2007/06/19(火) 09:22:13 ID:sfKTHsWQ

  ▼
 その日、俺は喧嘩に負けて家に帰った。
 異端を攻撃することによって自らの正常を証明しようとする子供にとって、親がまじない師であるなどという特異なステータスを持っていることほど十分な理由はなかったのだろう。
 そのいじめは、初めのうちはただの陰湿な嫌がらせに過ぎなかった。
 しかし、それはある日突然俺の方から暴力をふるった事によって激変した。俺が拳をもって仕返しをしたことに激怒したガキ達は、直接的な暴力で俺に接するようになったのだ。
 それまでいじめられていた奴が明確に反撃したりすると、事態が多少は改善されたりするという場合はないだろうか?漫画みたいにガキ大将と友達になったりまではないにしても、いじめられっ子属性の崩壊というかさ。
 しかし、俺のケースにそれは当てはまらなかった。どうやら俺をいじめていたガキ大将は、よほどプライドの高い奴だったらしい。たった一回殴られて気を失ったぐらいで、大袈裟な奴だよな。
 そんなわけで、俺は今日も売られた喧嘩をまとめ買いし、惜敗という結果を得たのだった。
 当然、俺は傷ついた体で家路を帰る羽目になった。これは少しきつかった。俺の家は結構な山の中にあったのだ。
 俺は痛めた膝に苦労しながら家にたどり着き、ひねった手首をかばって顔をしかめながら古めかしい木の門を開いた。
 直後、俺の顔は更にしかめられる事となった。
――キャー!あなたったら素敵!やっぱりこの服がよく似合うわ!私ったら惚れ直しちゃう!
――何を言っているんだ母さん。こんな服を着ていなくたって、私はいつだって惚れっぱなしさ。
 どうやら、今日は新たな詐欺被害者が誕生する日らしい。
 ボウボウに伸びた雑草だけが広がる庭。そこに面した縁側に、ハイテンションかつ奇怪な姿をした人間が二人。
 その神父と巫女は、仕事用の衣裳に身を包んだ俺の両親だった。
 あまりにも非常識的な光景に、俺は現実から逃避してしまう。
 うーん、お袋が巫女なのは分かるが、何故親父は神父の格好なのだろう?そんなところで和洋折衷しても、信頼を深くする依頼人などいないだろうに。
 そんな疑問点をボケーっと考えていると、親父(ローブ装備)が俺の姿を認めたようだった。
――おぉ、大助。帰ってたのか。おかえり。
 親父に続いてお袋(巫女属性)も俺の帰還に気付いた。
――おかえり、大ちゃん!ごめんね、これから出かけてくるから今日はお母さん達帰ってこれないの。冷蔵庫に晩ご飯置いてあるから。火の元と戸締まりに気を付けてね。
 仕事。俺はその言葉に対してあからさまにムッとした表情をした。
――あっそ。そんなインチキまじないごっこ、勝手に行きゃいいだろ。
 俺の非難に、二人は悲しそうな顔をした。
――大助、お前はまだ私たちの仕事について納得できないかもしれないが、私たちは、そのようなものにさえすがってしまう人こそを助けたいと思ってこねような事をしているのだよ。
 親父の驚くほど真剣な顔に、俺は思わず押し黙ってしまった。
――確かに普段している仕事のほとんどはインチキ臭い物かもしれないけど、あれは精神的な問題を持った人のカウンセリングのために必要な演出なのよ。でもこれから私たちが行ってくるのは、正真正銘の本業なの。私たちは決して人を騙すことを職業にしてるわけじゃないのよ。だから大ちゃん

813とある風紀の活動日誌:2007/06/19(火) 09:22:46 ID:sfKTHsWQ
 子供を諭す母の顔で俺の顔を覗き込んだお袋は、そこで言葉を切った。どうやら俺が今日できた傷に気付いたらしかった。
 どうしたのこの怪我、と聞く母に、俺は友達と遊んでいる最中で作ったのだと嘘付いた。俺はこれを完全に自分の問題であるとしていた。二人とは全く関係のないものだった。こんな事ぐらい自分で解決できる。関係ないのに教えてやるつもりもなかった。そんな事でうるさく問い詰められるのはたまったもんじゃない。
――あんまり危ないことをするんじゃないぞ。父さん達はどんな人間でも救いの手を差し伸べるけど、その中でも最優先するのは絶対にお前なのだからな。
――そう、私たちにとっては、大ちゃんが一番なのよ?
 すると、お袋は突然俺の額に手を当てて、痛いの痛いの飛んでゆけーっ、という、いかにも子供騙しなおまじないをした。
 俺はとっさに手を振り払った。こんな年にもなって親の慰めなんかいるもんか。しかし、ふと気付くと傷痛みは消えていた。体重が軽くなったような気さえした。理解できなくなってますます不貞腐れてしまった俺を見て、二人はけらけらと笑った。
――さて、もう行かなければならないな。今日の依頼は死神に寿命を奪われた子供のを救う事だ。
――そうね。じゃあ大ちゃん、行って来るねー。
 阿呆らしい事をなに真面目に話してんだよ。俺はとっとと自室へ向かった。でも、しばらくして二人がこちらに背を向けている事を確認すると、その姿が見えなくなるまで見送ってしまった。正真正銘の本業とやらに向かうその後ろ姿は、確かに、自身と貫禄が備わっているように見えないでもなかった。
 晩ご飯のハンバーグを食べている途中も、俺はそのことを何度も思い出しては我に帰るという事を繰り返していた。クソ、何であいつらの事考えたんだ。
 俺は頭をブンブン振り回してみたが、やさしく微笑む親父とお袋の顔は俺の網膜からはなれる事はなかった。
 何だかやけに暖かい気がして見回してみると、それはお袋の手に触れていた自分のおでこだった。それをなんとかごまかそうとした俺は、家の裏の林へ向かった。サンドバッグ代わりの大木を何度も殴り付けてみたが、その感触は消えることなくいつまでも俺の額に居座り続けていた。

 懐かしいことだ。
 俺の両親の受け持つ依頼は、いつも悪霊だのなんだのといった現実離れしたものだった。
 あいつらは、そのような科学に見放された問題を、やはり科学以外の方法で解決してしまっていたようだった。
 もしそれがまぐれや偶然なんかではなかったのだとすれば。あいつらはもしかすると、現代の医療技術で救えない患者さえ救うことができるのかもしれなかった。
 しかし、その真偽を奴らに聞いてみる等という事はできない。
 それは、全く以てくだらない、簡単な理由のためだ。
 俺の声はもう、あいつらに届く事はないから。
 あいつらの声はもう、聞く事ができないから。
 あのくだらない両親は、もう、この世に居ない。

814とある風紀の活動日誌:2007/06/19(火) 09:23:17 ID:sfKTHsWQ

  ▼

「遅かったな、カエル先生」
僕が部屋のドアを開けたとたん、いかにも眠そうな声が聞こえた。
 少し嫌な予感と共に自室中兼研究室の中へ入ると、そこにあったのはボサボサの癖っ毛にゴリゴリという金属の削れる音。 
 ごちゃごちゃとした、僕が開発している医療用器具が並ぶ中、窓際の床に座り込みながら工作作業にいそしんでいる少年、黒山大助が目に入った。
「またかい?大君」
 どうやら彼は人の道具箱から取り出した棒ヤスリで、手に握る鎖を削っているようだった。
『まただよ、先生』と悪怯れもせず返答する彼に、僕はため息をついて眉毛をハの字にする。
「毎度のことだけど先生、よくこんなこんな散らかってる中で新技術の開発なんかできるよな」
 彼は僕が最も長く付き合っている患者の一人だ。怪我をして入院しては翌日退院と共に学校へ登校する、という異常な生活リズムを持つこの少年は、よくこの部屋を訪れては僕の発明品を冷やかしていくのが好きらしい。今回負った傷はなかなかに重傷だったため、病院に滞在しているここ数日は特に頻繁に出入りしている。
 今日も今日とて、実に二日ぶりの休息を邪魔されることを悟った僕は、
「いい加減人の部屋に上がり込む癖は何とかしてほしいものなんだけどね?」
 一応注意はしておくが、実は内心、彼の来訪をあまり迷惑には思っていなかった。学校での成績は良いとは言えないくせに専門的な事に対する知識と好奇心が人一倍強いこの少年は、もはや年の離れた弟子の様なものだった。
「あの機械」と、彼は壁の一角を占める鉄の箱を指差して、
「前に来たときには見なかった。酸素カプセルのようにも見えるけど、まさか細胞を若返らせたりなんかする技術を開発してるんじゃないだろうな」

 神を冒涜する異端者を見るような彼の視線に、僕はハハハと苦笑して答える。
「惜しいね。確かに酸素カプセルの機能も取り入れてあるけど、残念ながらそれは肉体の自己回復を促進させるものだよ。簡単に言えば、これを使うと一週間を三時間四十三分の睡眠時間で正常に活動できるという事さ」

815とある風紀の活動日誌:2007/06/19(火) 09:23:41 ID:sfKTHsWQ
 僕が得意気に説明してやると、彼は今度は苦業修業者を見るような顔をした。
「てことは先生、あんた既に実用しちゃってんのかよ」
「そうさ。はっきり言ってしまうと、僕が活動している時間の長さはこの病院の救命率とイコールだからね?」
 僕はハハハ、と笑いながら、
「命はお金で買えないけれど、それを別のもので得たり、その別のものを金で買ったりすることはできるのさ」
 まったく事もなげに言う僕に、予想していた言葉は返ってこなかった。彼は『調子に乗ってんじゃねぇよ』とも言わずに、
「…そうか」
 ポツリと呟いたきり、口を閉ざしてしまった。
 僕は何か変なことでも言っただろうか?
不審に思って彼の表情をうかがった僕は、少し面食らってしまった。
 彼は身を切られているかのように痛々しい顔で、唇を噛み締めていたのだ。  フム、と僕は察した。
 どうやら、今回の彼は何か僕に話があって来たようだ。これは珍しい。しかし、いつも飄々とした態度を崩さない彼に頼られるというのは、決して悪い気分ではなかった。
 そういうことならば、と僕は彼に紅茶を出してやることにする。これは頭をはっきりさせるくせに気分も落ち付かせてしまう、というなんとも奇妙かつ便利な飲み物だ。頭をはっきりさせるのはコーヒーの二分の一ほど含まれているカフェインによるものだろうが、その上何故落ち着かせてしまうのだろう?よくは分からないが、案外紅茶の高級なイメージによる気分的なものもあるのかも知れない。
 僕はどうでもいいことをつらつらと考えながら水を沸かし、彼は黙りこくったままにヤスリを動かし続ける。
 暫くの間、単調な響きに支配される部屋。
 彼がついに口を開いて意外な言葉を発したのは、ちょうど電気ポットの湯が沸騰したときだった。
「ここ、ミサカってやつがいるだろ」
 正式名称は10039号だったかな、と彼。
 それを聞いたとたん、僕の顔は固くなった。
「…あいつ、どうなんだ?」
 言葉は、すぐには返せなかった。
 再び黙る彼。
 言葉が出せない僕。
 ポットの湯が沸騰する音。
 金属と金属が摩擦する音。
 やっとのことで僕の唇が紡いだ言葉は、やけに擦れた音がした。
「……彼女は、まあ……大したことないよ」
 僕と彼は、目を合わせる事ができなかった。
 コポコポ。
 ゴリゴリ。
 そうか、大したことないのか。
 ブクブク。
 ガリガリ。
 ああ、そうさ。大したことないよ。
 コポコポ。
 ゴリゴリ。
 なんでもないんだな、あいつ。
 ブクブク。
 ガリガリ。
 ああ、なんでもないよ

 プクプク。
 カリカリ。
「そうか。……あいつは――」

 ――ガガギリギリガリガリギリギリギリ!!!という音は、彼の歯が砕けそうなほど強く噛み締められたものだった。

816とある風紀の活動日誌:2007/06/19(火) 09:24:36 ID:sfKTHsWQ

 それを背後で感じながら、僕はただ茶葉へと湯を注ぐ。
 大したことない。美しき日本の文化、曖昧な言葉。なんでもない。なんと便利な言葉だろう。
 当然の事ながら、医者は患者の病状を守秘する義務を持っている。それを何の繋がりを持たない彼に教える事ができるはずはなかった。ましてや、ミサカ10039号という少女は、僕でさえ何も手を打つことができない患者だった。
 彼は、ダン!と我慢ができなくなったように立ち上がり、乱暴な足音をたてて窓へと歩み寄る。
「そうか。そういう事か。あいつはなんでもないのか。全然大したことねぇのか」
 曖昧な言葉。
 そこに隠されているのは、後ろめたさ。
 病院での生活が長い彼はには、わかっていたのだろう。
 その人間の様態は、口にできないほどに重いということを。
「紅茶、いらないのかい?」
 今すぐにでもこの場を立ち去ろうとする彼に声をかけても、『いらん』とそっけない返事が返るだけ。
「ちょっと散歩にいってくる」
 言葉の中に、許可を求める色はない。それは、ただの宣言だった。
 散歩。彼のその言葉は、方言だった。
「また、壊しに行くのかい?どっちかと言うと、いい加減直した方が良いのはその“壊し癖”の方だと思うけどね?」
「知るか。大体、“破壊”は俺の現実(パーソナルリアリティ)だぞ。そう簡単にいくかよ」
 取りつく島もなく背を向け続ける彼。
 僕は深く息を吸い込み、一番気になる事を尋ねた。
「そんなに、あのミサカさんの事が気になるかい?」
 彼は、その言葉にピクリと反応した。
「ああ、気になるよ」
 そして足を止めると、振り替えると同時に口を開いた。
「気になるさ、悪いかよ。あいつ、ひとつも動かないんだぞ?俺と喋ってる時は普通…の範囲内なのに、一人になったとたんにお人形状態だ。普通じゃねえよ。なんなんだよ、あいつ。心配して当たり前じゃねぇか!?」
 次第に荒くなっていく彼の啖呵を聞いて、僕はフッとため息をつき…
 ホッと、安心して微笑んだ。
 僕は、間違っていなかったのだ。患者の事を聞かれても、秘密を守るのが医者だ。曖昧な言葉など、半分バラしている様なものである。その気になれば、彼を納得させる嘘などいくらでもつくことができた。
 しかし、そうはしなかった。
 何故か、そうした方が良い気がしたのだ。
 そして…その勘は正しかった。
「そうか、君は彼女とお喋りしていたのか」
「それがどうかしたってのかよ」
 僕は彼に向かってにっこりと笑った。
 そうか。そうなのか、大君。
 それなら君に、もう一つだけ。
「いいことを教えてあげよう」

「ミサカさんが話しているのを、僕は見たことがない。彼女の言葉を聞いたことがあるのは、おそらく君だけだと思うよ?」

817とある風紀の活動日誌:2007/06/19(火) 09:24:59 ID:sfKTHsWQ
その言葉を聞いた彼は、実に面白い顔をした。
 ………………………………はへ? と。
 まるで、貴方は500年後に処刑されますと宣告された死刑囚のように惚けて、
「は?え?いや、なに?どういう事?!あいつは話すときは普通に、え?俺だけがって、は?」
 混乱の極みを深める彼の姿を見るのは面白かった。
 しかし、そのようにうろたえたいのは僕も同じだ。彼が僕の言葉に驚いているように、僕の方も彼の言った事実に驚いていた。
 ミサカ10039号さんは、機械的な受け答えをする彼女達の中でも異常といってよかった。何せ、その行動の中で言葉すら発することがないのだ。医者として患者とのコミュニケーションを身に付けている僕でさえ、彼女の言葉を聞く事はかなわなかった。
 しかし、それを彼はやってのけたのだ。
 彼自身でも自覚しないほど、自然のうちに。
「つまり、だ。僕が言いたいのは…」
 我ながらうまくいれることができた紅茶のカップをずいっと差出しながら、僕は告げた。
「これからも、ミサカさんと仲良く頼むよ、ということだね?」
 僕の突然の頼みに彼は更に混乱を深めてしまったようだった。
「う、ううううううううるせぇな!」
 紅茶のカップを奪い取ると、その熱さにゲホゲホと咳き込みながら、顔を真っ赤にして叫んだ。
「んな事、いわれなくたって勝手にやってやるよ!」
 彼は血の昇った顔のまま、今度こそ部屋を立ち去ってしまおうとする。その様子を見てこの上なく愉快な気分になった僕は、さらに追い打ちをかけてやることにした。
「あーあ、今はもう良い子が寝ている時間なんだけどねえ?僕はこんな時間にまで、君の壊し癖のとばっちりをくらわなければならないのかなぁー?」
 僕のわざとらしい文句に、未だ混乱から回復しきれていない彼はぐっと言葉に詰まった。
「だぁークソ、お袋みたいなネチネチ文句なんてほざいてんじゃねぇ!分かったよ、寝る前の単なる散歩だよ。ストレスの発散方ぐらい、ガキじゃねぇんだからわきまえてるっつの。じゃぁな!」
 それこそさっきまでグレた子供のようだった彼は窓枠に足を掛けながら、最後にそっと小さな声で呟いた。
「……クソ。ありがとな、先生」
 彼はその言葉をごまかすかのように素早く窓から飛び降りた。その後響いた轟音が聞こえる頃には、彼の姿は夜の闇に消えていた。
 まったく、愉快だ。僕は笑いながら、夜の黒しか写さない窓に語り掛ける。
 君はいつだってそうだったよ。
 必要でない事以外には見向きもしない、関心の低さ。
 自分が認めたものにしか従わない、聞かん気の強さ。
 同年代の若者の中でも浮き立つその姿は、大人びているように見えない事もない。しかし、僕に言わせればそれは一本の足で立つ椅子のように危ういものだった。僕がそれを指摘しようとしても、君は毎回のらりくらりとはぐらかすばかり。
 しかし今回、君はまるで自分の自分の醜態を認めてしまった子供のように、素直に僕の言う事を聞いたよ。しかも、あろう事か最後にはちゃんとお礼も言えたんだ。
 本当に、これは愉快な事だよ。
 それに、君は言ったね? お袋の様な事を言ってんじゃない、と。
 その言葉は、まず鏡で自分の顔を見てから言うんだね。きっと自分でも驚くだろうさ。
 他人の事などどうでもいいと言っているようだったのが、今はどうだい?

 まるで、妹思いのお兄さんの様な顔をしているよ?

818とある風紀の活動日誌:2007/06/19(火) 09:54:13 ID:sfKTHsWQ
 待ち続けて下さっていた方、お待たせしました。
 お前なんかお呼びでない、という方にはごめんなさい。
 禁書っぽいのはここだけです。風紀の人です。
 構想は出来上がっているんですが、我が家のパソコン事情には苦しいものがありまして。しばらく間をおいていたかと思えば、長々とした書き込みを行うことになってしまいました。
 これでようやく序章が終わった、という感じです。ここから八月三十一日、二日連続コードレッド、レムナント事件、大覇星祭といくわけですが、果たして全て書き終えることが出来るのはいつになることやら。
 前回ツインテールとか戦闘シーンとか言っちゃった気がしますが、すいません。ごめんなさい。忘れてください。
 次回こそ出てきます今度こそ絶対です。オリ主人公の能力とかも明かされます。
 ということで、次回『対人指向性散弾地雷の日常』、お楽しみに……してくれると嬉しいです。

ちなみに、自分がイメージ用に描いた物。妄想映像の足しとして、よろしければどうぞ。
ttp://pict.or.tp/img/7545.bmp

819■■■■:2007/06/20(水) 17:21:58 ID:65Q54o/A
GJです!
しかしどうしたらこんないいSSが浮かぶものなのか…
できればアドバイスいただけるとうれしいデス・・・(笑

820■■■■:2007/06/23(土) 00:55:04 ID:gJuPEceU
や、どうも過去にここで小説書いてたものです。
あまりにも未熟なので、自分のオリジナルで腕を磨きましたがすぐに錆びてしまったやからです。
ここの方にどんな作品でも最後まで書ききるのが礼儀だと聞いていたので再び続けようと思うんですが、
今まで居なかった分際でまた続きからというのもむしがよすぎるのでは……とか考えてしまった次第で
てか前に書いてたのを一から書き直すとかって駄目でしょーか、
まだ上に残ってるし、それもなーと、思うのですが……
素人が妙な事言ってすいません

821■■■■:2007/06/23(土) 01:13:26 ID:FL/akX.U
>>820
大丈夫
君を待ってる人はきっと居るよ
つか、書き手なんて自分勝手でいいんだよ?
さすがに俺ルールはダメだが

822■■■■:2007/06/23(土) 16:08:57 ID:e91mmFUg
そうそう。
流石にずっと俺のターン的な事は駄目だが、基本的に読み手は常に需要過多。
というわけで、Pleaseと言わせて貰うんだぜ。

『とある風紀』の人のは見てるとミサカ10039号がこれからどうなるか気になるなぁ。
後、なんか知らんが「キュッとしてドッカーン」ってのが思い浮かんだ。浮かんだ。

823820:2007/06/24(日) 19:22:59 ID:q/8fXvz2
どうも、821も822の方もありがとうございます。
不器用ながら再び書きたく思うのですが、前に書いてたのが結構最初の方で、しかもかなり色々矛盾していたので一から書き直したいのですが、それは
前の作品を捨てた事になるんでしょうか、
中身は一緒ですが誤字やら矛盾やらで一から書きたいという事なのですが、
これは礼儀に反するでしょうか、

824■■■■:2007/06/24(日) 23:27:57 ID:gWjYhgD2
>>風紀
おういえGJ。久々の投下ですなー。
オリジナルとミサカの絡みがいい感じだぜ。魔術側出身、という心理描写も良さ気。

>>820
sageない時点で誰だかわかった気がするが、とりあえずメール欄にsageと入れてくれな。
で、中身が一緒なら別に前の作品と変わらないんじゃないのか?
それこそ別物レベルに修正するとしても、発展系なんだからおkと一意見。
何にしろ投下自体はいつでも歓迎だよ。貴方が納得できるほどに練ってくれるなら尚更。
>>822が言うようにいつでも需要過多だし。需要は供給を生む、てねー。

あと礼儀正しいのは結構なんだけど、もうちょい読みやすい文章だと助かる。句読点とか。

825785:2007/06/25(月) 19:55:41 ID:fa.bVDbE
>>818 風紀の人、乙です。
久しぶりにこのスレに投下があると何だかほっとしますな。

そして、書くといったのが一月近く経ってしまった自分ですが……。
いえ、話はね、一応書いたんですよ? 
ただ、当初予定していたのがストロベリームースに生クリームとチョコソースが
たっぷりかかったベタベタで甘々なパフェのようなものを作るつもりだったのが
作ってる途中で出来上がりそうなのが金つばになりそう、みたいな?
(この例えで分かってもらえ……ませんかそうですかそうですね)
とりあえず明日にでも前半だけでも投下しようかなと思いますが、
修正利かせて纏めて投下した方がいいならおっしゃってください。

あと、上に引き合いに出したのはあくまで物の例えであって、自分は金つばを貶めようとかしてるわけではありませんので。
方向性が違ってしまったということですよ?
自分は和菓子も洋菓子もどちらもいけるクチです。でも、和三本みたいなものは作れません、と。

長々と長文失礼しました。

826820:2007/06/25(月) 20:37:01 ID:.heXf.OU
824の方ありがとうございます。
読みにくいのはすいませんでした、なにぶん慣れていない者でいや本当すいません
お言葉に甘え、新たに書き直させて頂きます。
sageを入れてなかっただけで誰だか解るのが流石だなぁ、
と思いながら自分を見直すと、成程そりゃ解るわと思いなおしました次第です。
そうです上条を紙状と言ったやからです。そして夏にお汁粉を出したやからです。
それでは書き溜り次第に投稿させて頂きますので、その時はお手数ながらアドバイスを宜しくお願い致します。
腕を上げるために投稿するので、そりゃもうバシバシとしばいてやって下さい
お願い致します

827■■■■:2007/06/26(火) 14:00:28 ID:f.fd/vGc
そういう自分語りはいいから本文を書いてくれ本文を。

828785:2007/06/26(火) 14:58:15 ID:mW3e/N9M
どうもすいません。つい調子乗って自分語りが過ぎました。
というわけで、とりあえず前に言ってた指ちゅぱの前半部分を投下します。
苦手な方や読みたくない方はNG指定してくださいませ。

829桃色郷〜妄想展開真っピンク〜:2007/06/26(火) 14:59:14 ID:mW3e/N9M

 (な……)

 ――――薄暗く調整された部屋の中――――

 (なっ……)

 ――――前方からの光が淡く顔を照らす――――

 (ちょ……)

 ――――流れてくる音は自然な感じで耳に入り――――

 (ちょっと……)

 ――――預けている体には柔らかい弾力と心地良い布地が触れて――――

 (ちょっと待ってよ……)

 ――――そして、隣に目をやれば一つ年上の気になる男子生徒がいて――――

 (だから……)

 ――――目を瞑り、顔を僅かに傾けながら俯かせて――――





 静かに寝息を立てながら眠りこけていた。


「何であんたはそうなのよぉ……」


 上映中の映画館の暗がりの中、自分の隣に座りながら盛大に眠り込んでいる上条当麻を見ながら、

御坂美琴はなんだ
か泣きそうになって、盛大にため息をついた。

830桃色郷〜妄想展開真っピンク〜:2007/06/26(火) 14:59:53 ID:mW3e/N9M
                        ◇                    

     ◇                    


 そもそも、事の始まりは数時間前に遡る。
 学校での授業が終了した後、寮へと帰宅しようとしていた美琴は同じく帰宅途中の上条とバッタリ

出くわした。
 いつもならば、授業が終われば真っ先に自分のところに飛んでくる、少々じゃれ付き過ぎではある

が憎めない後輩が即座
に前面に躍り出て迎撃体制に出るのだが、生憎と今日は風紀委員(ジャッジメント)の関係でどうしても外

せない仕事があるらしく、
 『お姉さまにお一人で帰宅していただくのは非常に心苦しいのですが、すぐに片付けてまいります

から帰ったらいっぱい
甘えて下さいませ』、と言って立ち去っていったために一人だったのだ。
 (ちなみに、そう言いながら隙あり、とばかりに抱きつこうとしてきた後輩に関してはきっちり電

撃で追い返している)
 いきなり出くわしたものだから、心の準備などない。
 思わずいつもの様に喧嘩ごしに話しかけてしまいそうになった矢先、上条の方から 『こないだは

悪かったな』と謝ってきた。
 いつものおざなりな上条の反応とはあまりにも違う態度に、御坂の方が戸惑ってしまう。
 それが顔に出ていたのか、上条は言う。
「いや、こないだの罰ゲームのときのことなんだけど、あんときは結局学園都市中がえらい騒ぎにな

ってたし、おまけに、
お前まで巻き込んじまってさ………。ほんと、悪かった」
 いつも自分に向けるのとは全く違う真剣な態度で謝ってくる上条に対し、けれど美琴は素直な態度

に出ることが出来ず、
つい、いつものように天邪鬼な反応をしてしまう。
「っ、ほ、ほんとよねー。なんか訳の分かんない奴らはいっぱい出てくるし、あいつらの相手をして

たせいで雨に濡られるし、
そうそう、おまけにアンタは罰ゲームの途中だってのにどっかいっちゃうんだから、結局、くたびれ

損の散々な一日だった
わよ」

 口をついて出てくる言葉。
 ―――本当は、そんなことが言いたいんじゃない。
 ―――自分だけが、大変な思いをしたんじゃない。
 大体、自分が相手をした奴らなんか大したことは無かった。
 ―――そんなことを言い出したら、コイツの方がもっと大変な思いをしていたに違いないのに。

831桃色郷〜妄想展開真っピンク〜:2007/06/26(火) 15:00:26 ID:mW3e/N9M

 でも、そんな美琴の思いとは別に、言葉は止まらない。
「大体さぁ、アタシと罰ゲームしてる最中にいなくなったと思ってたら、今度はあのシスターのコと

一緒にいたってのは実際
どうなのよ?!」

 違う。
 ―――会って尋ねたかったのはそんな事じゃない。
 あのとき、『友達を助けるため』に走っていったコイツはきっとまた自分の身も省みず、危険な目

に遭っていたんだろう。
 ―――だから、心配だったのだ。
 ―――本当は無事だったのかどうか訊きたかった筈なのにどうして自分はこんな事を喋ってしまう

んだろう?

「だから……っ、何で……っ、アンタはっ……!!」

 気持ちとは裏腹の言葉が止められない。
 上条に投げる言葉がどんどん鋭くなっていき、最後には叫ぶように叩き付ける。

「一体どういうつもりなのよっっ!!」

 叫び終わったまま息を荒げている美琴。
 それと共に周囲に静けさが戻ってくる。
 そして、美琴の思考にも冷静さが戻ってくる。
 ―――自分は、何を口走ってしまったのか。
 ―――理不尽な言葉をただ投げつけただけ。
 ―――これでは、ただの八つ当たりですらないではないか。
 見れば、美琴の目の前では上条が何も言わずに俯いたまま立っていた。
 それこそ、自らの上を通り過ぎる嵐をやり過ごすかのように。

「あ………」

 自分が取り返しのつかない決定的な一線を踏み越えてしまってのではないかと危惧する美琴。
 おずおずと上条のほうに手を伸ばそうとする。
 その時、上条が小さく息を吐いた。
 びくり、と慌てて手を引っ込める美琴。
 そしてそのまま後ずさり、上条の前から逃げ去ろうとする。
 だが、美琴が走り去ろうとしたまさにその瞬間、

「わかったよ、御坂。なら、罰ゲームをやり直そうぜ」

 そんな上条の言葉が届いたのだった。

832785:2007/06/26(火) 15:06:08 ID:mW3e/N9M
はい、今回はここまでです。
何だよこんなの全然御坂じゃねえじゃん! という苦情は受け付けますが、
何だよこんなの全然ピンクじゃねえじゃん! という突っ込みは受け付けられませんので悪しからず。

この後の経過としては、一応御坂さんのリベンジ☆罰ゲームになるわけで、
そこから例のちゅぱにもってくつもりですが……。
いい加減弁えろよ! というご指摘があれば引っ込みますので宜しくどうぞ。
それでは失礼します。

833785:2007/06/26(火) 15:10:00 ID:mW3e/N9M
というか、何度も申し訳ないんですが、書き込みのミスで改行しまくりですね。
おかしいなぁ、テキストでは別に何とも無かったんですが……。
中身が薄いのにどうも大変失礼しました。

834■■■■:2007/06/26(火) 18:12:53 ID:SvyMdZn.
>>785
作品には期待。
ただ専ブラの導入を奨める。
読みやすさは評価のポイントのひとつだと思うヨ

8351-169:2007/06/27(水) 01:26:54 ID:Gz8lnYYE
 がやがや……ざわざわ……と、人ごみに特有のさざめきが舞台袖まで聞こえてくる。騒がしくはなく、大人しくもなく、これから始まることへの期待感が隠し切れなかった分だけ漏れ出しているような感じだった。
 体育館の入り口には、このイベントの名前がでかでかと書かれたポスターが貼り付けられている。
 生徒代表(プラスα)による演劇『シンデレラ』プレ公演。
 五時開演と告知してあったのだが、四時を少し過ぎたあたりから人が集まり始め、三十分後にはほとんどの座席が埋まっていた。五時五分前の現在では、立ち見客がでるほどになっている。全校生徒全教員に加え、近隣の学生なども集まっているのではないだろうか。
 この公演を見るために、ほかの場所の作業が通常の数倍のスピードで進んだというのは、誇張でもなんでもなかったりする。
 そんな本番直前の舞台裏。
「とうま、とうま。この帽子どう? 似合ってる?」
「いやーしかしすごい混み具合だなー。三〇〇人、いや五〇〇人、いやいやもっとか? そんなに椅子並べたっけかなぁ」
「ねぇねぇとうま、とうまってば」
「あれ? 客席最前列に何やら見覚えのある他校(よそ)の制服が……って美琴と白井!? なんであいつらあんな肘掛とドリンク置きのついた豪華なパイプ椅子に座ってんの!? しかもそれでも不満っぽいし! おのれブルジョワ!」
「…………………………」
「え? 言祝、何だって? かみやんマスク捕獲部隊の士官待遇? 一発ネタじゃなかったのかてか人の知らねーとこで物騒な組織運営してんじゃねーよ! お前の一声でどんだけの戦力が集まるんだ!? あのな、そんな風に考えもなしに勢力を広げてると、その内アステカスマイルに輝き殺されるぞ。あるいは糸目のロリコンに誘拐されるかもしれんし、黒光りしたサンゴが集団で襲ってくるかもってぎゃあああぁぁぁぁぁ……(フェードアウト)」
 場所柄を考慮した慎ましい悲鳴が上がる。ネズミ着ぐるみ(リバーシブルで馬に。芦田先輩渾身の力作)の上条当麻は踏み潰された足の小指をつかんでけんけんしつつ、その少女を睨んで言った。
「インデックスぅぅぅぅ! 何しやがる!(小声)」
 シスター少女は靴の踵を修道服の裾に隠しつつ、素知らぬ顔でそっぽを向く。どこから持ち出してきたのかお嬢様風の帽子など被っていたが、いつものフードの上に乗せているので似合っているとかどうとかいうレベルではない。
 その騒ぎの横で王子様ルックの吹寄が「また上条はあんな小さい子に……」とイライラ呟き、魔女装束の姫神は「まあ。今さらではあるのだけど」とひっそり腹を立てていて、上条とお揃いの着ぐるみを着た青髪ピアスは「あはははー! テンションうなぎ登りやー!」とヤケクソにわめいている。
 なぜインデックスがここにいるのかというと、それはずばり言祝栞が連れ込んだからだった。海賊放送で校内を魅了した美声に監督少女が目をつけないはずがなく、飛び入りでナレーションをさせようと目論んだのである。ちなみにその情報が知れ渡ると観客動員数は一.五倍ほど増えた。
 ちなみに、『灰姫症候(シンデレラシンドローム)』は海賊放送に文句をつけに来た教頭先生に貼り付けた。元々人気のない人だし、機嫌の悪い今は特に近寄る者もいないはずだから、公演が終わるまでは大丈夫だろう。
 さてそんな混迷とした本番直前の舞台裏で、主演女優たるサーシャ=クロイツェフは何をしているのかというと、
「はいどうぞ。サーシャちゃん」
「…………ありがとう」
 缶入り紅茶を差し出してきた言祝と、壁際に並び、それきり何を話すでもなく沈黙を続けている。
 言祝はその後も音声増幅(ハンディスピーカー)で指示を飛ばしたり、上条をおちょくったり(上手く調節してあるので音量に関わらず客席には漏れない。便利な能力だと思う)、自分の分のジュースを飲んだりしていたが、一向にサーシャの傍を離れる気配は無い。
 気まずい、という言葉の意味を嫌というほど実感する。
 何を話せばいいのか、分からない。いや、話せることなど一つもないのだ。サーシャが言祝に返せるのは、亀のような沈黙のみ。
 互いの関係が魔術サイドと科学サイドだから、魔術師と超能力者だからなんてくだらない理由からじゃない。
 任務と友達を天秤にかけてしまったことを知られるのが、どうしようもなく恥ずかしかっただけ。

8361-169:2007/06/27(水) 01:28:10 ID:Gz8lnYYE
 でも、このまま黙っているのは、何故か嫌だ。このまま何も言わないまま終わってしまうのは、きっと辛いという確信めいた予感がある。
 この街でサーシャが知り合った人達なら、笑い飛ばしてしまうくらいちっぽけな悩みなのだろうけど、彼女にとっては生まれて初めての苦しみだった。葛藤(ジレンマ)はロシア成教のシスターとして絶対に抱いてはいけない感情だったから。
 揺らぐ心には魔が宿る。それを嫌というほど見てきたはずなのに。
 今、サーシャには自分で自分が分からない。
 何も聞かれないことを言い訳にして、何も言わない。でもどこかで胸の内を明かしたいと思っている。
 責められないことを言い訳にして、謝らない。でもどこかで許されたいと思っている。
 ただ一つ確実に言えるのは、上条の言葉とインデックスの歌に応えたいと思っている自分がいるということだ。
 だからこの演劇だけは全力でやり遂げる。最高の演技を見せる。
 そして、その後は――
 と、
「聞かないのって聞かないの?」
「なっ」
 不意に言祝が口を開いた。思考に埋没していたサーシャは反応できずにおかしな声を上げてしまう。
 それがおかしかったのか、監督少女はくすくすと肩を揺らし、
「まあいいのですけどね。聞かないのって聞かれても聞かないよとしか答えないし、聞かないのって聞かれなくても聞かないんだからかまわないんだけど――」
「待った、シオリ、待って」
 早口言葉のようにまくし立てる言祝を、サーシャは両手を突き出して制しようとする。
 何なんだ、この状況は。
 なんであんなことがあったのに、この人は、この人達はサーシャに笑いかけることが出来るのか。
 責められるのならまだ理解できる。それが一番自然な反応だと思う。
「そうとも限らなかったりするのが、人間の面白いところなのですよ」
「……え!? 今、私、」
「ああ別に読心能力とかじゃないから。サーシャちゃん、きっと自分で思っている以上に考えてることが顔に出やすいよ」
 思いもよらないことを言われ慌てふためくが、それも監督少女の含み笑いを増量させることにしかならない。
 それをひとしきり堪能すると、言祝は空になった缶を床に置き、
「サーシャちゃんはさ、舞台に上がってくれたじゃない」
 まるで過去のことのように言う。
 私達の舞台はこれから始まるのでは、と返しかけて、違う意味なのだと気づく。
 彼女が言っているのは“ここ”ではない。
「どんな事情があったとしても、どんな秘密があるのだとしても、私にとっては私の演劇に参加してくれた“貴女が”サーシャちゃん。」
 誰よりも傍若無人で、誰よりも重責を担ってきた監督少女は、サーシャにしか聞こえない声で、サーシャのためだけに言祝ぐ。

「……それがお芝居でもいいじゃない。同じ世界(ぶたい)に立ってるってことなんだからさ」

 誰も本音だけで生きているわけじゃない。演技(うそ)もつけば化粧(かめん)もつける。
 でも、だからってありのままを分かって欲しくないわけじゃない。
 矛盾していても、その両方を抱えていくのが人生だ。
 サーシャは悟った。さっきまで、自分は「友達」という「本当」だけを見て悩んでいた。それでは駄目なのだ。今日に至るまでについてきた「嘘」も、全部ひっくるめて答えを出さなければいけなかったのだ。
 魔術師と超能力者という立場の違いを下らないものと切り捨てたことの愚かさをようやく知る。そんなのは身分を偽った「嘘」を誤魔化すための方便だ。
「友達」という「本当」を大切に思うのなら、「彼らから見たサーシャ」という「嘘」も守り抜かなければならない。
 誤解も偽りも、今となっては、手放せないくらい暖かなものになってしまったのだから。
 小さく小さく、言葉がこぼれる。
「………………もう少しだけ、この舞台の上にいてもいいのかな」
「ん? 何か言った?」
 言祝が聞き返してくる。自分が言ったことなどもう忘れてしまったかのような、吹き抜けのようにすっきりとした声で。
 その向こうでは上条達がぎゃあぎゃあ騒ぎながらも最後の準備をしている。これからのために。これまでのために。
(……うん。確かに、もったいない)
 心の中であの『悪魔』に感謝してみたりして。
「別に。少し元気になっただけ」
「それは何よりなのですよ」
 差し出された手を、迷わずとる。
「本当」も「嘘」もまとめて握り締めて。

8371-169:2007/06/27(水) 01:30:43 ID:Gz8lnYYE

                    ◇   ◇


 その頃。体育館の屋上。
 どこから登ったのか、土御門元春は屋根の端に腰掛けて遠くを見るような目をしていた。
 彼の尻の下では、今まさに演劇が始まろうとしている。普通ならどきどきわくわくしてもよさそうなものだが……そういう気分ではなかった。
「なんだかにゃー」
「こんなところで何してんだー? 兄貴」
 土御門が振り返ると、これまたどこから登ってきたのか義妹の舞夏がいた。メイド見習いの少女はジュースやお菓子の詰まったバスケットを提げ、ドラム缶みたいな掃除ロボットの上に正座している。この状態で屋上にまで登る方法なんてあるのだろうか。
 が、義兄もこのくらいの不条理には慣れっこなようで、気にした様子もない。
「……ん、舞夏。お前、演劇見に行かなくていいのか?」
「どうせ本公演で売り子するしなー。美味しいものは最後まで残しておくタイプだしー」
 そうか、とだけ答えて土御門は再び遠くを見る目をする。
 どうにも覇気のない義兄を、舞夏は訝しそうに見る。すると、彼がその手に何やら赤いものを持っていることに気づいた。
「何だそれー? …………絵本? 兄貴、まさかとうとうやっぱり児童文学にまで萌えを求めるように」
「淀みのなさが酷いぞ妹よ。――まあ、ちょっとメランコリック入ってるお兄ちゃんを心配してくれるのは嬉しいが」
「いいからはよ言え」
 今度はちょっぴりしょげる妹愛の伝道師、土御門元春。気を取り直して赤い絵本を開くと、表紙の裏側に落書きだらけの折り紙のようなものが貼り付けられていた。
 彼はそれを爪でつまんでピッと剥がすと、二つに四つに八つにと引き裂いていく。
 季節はずれの桜吹雪のように、細かくなった紙片が散っていく。
 最後に手の中に残った細切れを投げ捨てて、ぼそっと呟く。
「『迷子札』。……ウチのお姫様もあのびっくりホルマリンも、もう少しましなやり方があるだろうに……」
「兄貴ー? よくわからんが、ゴミのポイ捨てはいけないんじゃないかー?」
「そうだな。お兄ちゃんは悪いお兄ちゃんだ。だから皆に合わせる顔がなくて、こんなところで黄昏れてるんだ」
 それは彼の偽らざる本音だった。誰に対しても数え切れない嘘をつき続けてきた『背中刺す刃』がこのような弱みを見せる相手は、決して多くはない。
 しかし、舞夏は彼の事情は知らない。知らされていない。彼が滅多に言わない弱音を吐いているのだとしても、それと判断する基準がない。
 ただ、そういう秘密も義兄の一部だと知っているから、舞夏は何も気にすることなくいつものように接する。それが最良なのだと思っている。

8381-169:2007/06/27(水) 01:31:21 ID:Gz8lnYYE
「――――ところで兄貴」
「ん?」
「あれは何なんだー?」
 と、舞夏が指差したのは屋上の別の場所。そこにはスーツが所々凍りついた細目の男と特徴的なヘアースタイルに風穴が開いた男とやばい催眠術でもかけられたみたいに目がぐるぐるしている爽やかそうな少年が大の字になって倒れていた。どんなすさまじいバトルを展開していたのか、三人とも息絶え絶えである。
 耳を澄ませば、うめき声に混じってかすれた会話が聞こえてくるような気もする。
「……け、結局貴方がたは何しに来たんですか……?」
「……一端覧祭の前売りフリーパスが一枚しか手に入らなかったので……その、決して彼女のためという訳ではないのだが、確実に当日券を手に入れたく……色々と下調べを。いや、彼女が一緒に祭に行くのをとても楽しみにしていたとか、そのような理由では絶対にないのだが」
「俺はあれよ。とある女教皇(おひと)がご執心の方々が、今度のお祭りでおもしろそうなことやるって聞いてな。忙しいあのお方の代わりに記録映像でもと思ったんだが……どこの学校だか聞くの忘れたんで、早めに来て調べてたんよ。で、あんたは?」
「自分は……ちょっと訳あってこの街の近くに軟禁されてたんです。ようやく開放されたので、以前迷惑かけた人に謝りに行こうと思ったんですが――」
「が?」
「その人、自分に会うなりこう言ったんですよ。『腕の皮くらいいくらでもやるから、ちょっと変わり身やってくれ』と。その日のうちに彼はバカンスに出かけました」
「あー、その顔借り物なのな。爽やかそうなルックスしといて腹黒いなぁそいつ」
「断じて間違っても彼女に責任はない。彼女のためなどではないのだからしかし」
 土御門は激闘の果てに奇妙な友情が芽生え始めている三者をちらっと見やり、
「気にするな。そういう季節なんだ」
「そうかー」
 かなり投げやりな感じに、舞夏はうなづいた。納得した訳ではなかろうが、世の中にはそういうこともあるのだ。
 そして、土御門義兄妹は揃って校庭の方に目を向けた。
 割と無視したかった光景がそこにあった。
 なぎ倒された並木。地面ごとひっくり返された仮設ステージ。『ぐわし』になった掌のオブジェ。エトセトラエトセトラ。
 校門から体育館まで、ほぼ一直線に竜巻でも通り過ぎたかのような有様になっている。ただし、地面に氷柱が幾本も突き刺さっていたり、屋台がネジ一本にいたるまで分解されていたりするのは、通り過ぎたのがまともな竜巻ではなかったことを示しているのかいないのか。
「…………誰がこの後始末を…………」
 公演直前で生徒教員のほとんどが体育館に集まっているため、今のところ騒ぎは起こっていない。しかし、公演が終わって観客達が帰りだす前に、魔術的事象の痕跡は消しておかなければならないだろう。
 決まりきったことを恨めしそうに吐きつつ、苦労性な陰陽師は頭を抱える。結局の所、彼の役回りなんてこんなもんだった。

                    ◇   ◇

 そして時刻は午後五時になる。
 同時に観衆は静まり返り、やがて厳かに幕が上がり始めた。
 白い少女の謳う声が、御伽噺に最初の色を着ける。

「――これはとある時代、とある国の、とある少女の物語。灰かぶりの少女と不思議な魔法使いが出会う時、奇跡の夜が始まります……」

 はじまり、はじまり。

8391-169:2007/06/27(水) 01:32:57 ID:Gz8lnYYE
えー何から謝ればいいものやら。遅れに遅れ、削りに削ってようやくの投下の1-169です。
完璧スランプでした。書くことは決まっていたはずなのに、あれはいるのかここはいらんだろとか延々と考え始めてしまって。加えて忙しくて忙しくて……これは本当に言い訳ですね。
結局蛇足になりそうな部分はまとめてとっぱらい、四章の締めとさせて頂きます。次回の幕間+エピローグで完結のはずです。
待っていてくださった方には、本当にすみませんでした。随分長いことかかったので文章が何やらちぐはぐしてます。申し訳ない限りです。
謝ってばかりというのもあれなので、出来もしない次回投下予告を(いや頑張れよ俺)。
次は三週間以内だ!

>>785
私もメモ帳に打ち込んでからコピペですね。シンプルイズベストだと思っております。
ラブコメ展開が良い感じ。もっとピンクを!

そういやラジオドラマを録音して聴いているのですが、灰姫に使えそうなネタが……これも鮫肌。いや運命か。
長編第二弾とかぶっちゃけておりましたが、現在そのような余裕はとてもないので原案だけでお蔵入りになりそうです……。
>>724で完結後に裏ネタ暴露して欲しいというリクエストがあったので、それには答えようと思います。
ええそりゃあもう色々ありますよ中二病みたいなのが。いろんなキャラのオリジナル技とか擬似時間移動とか放棄した複線とか。なんだかタノシクなってきた。

840■■■■:2007/06/27(水) 01:55:05 ID:VDnWWoNo
>>839
ブラボー!!すばらしい!

それにしても土御門カワイソス
そして、上条に世話になった男三人組はどうして喧嘩してるんだww

841■■■■:2007/06/27(水) 10:52:52 ID:LiBAgTuY
>>灰姫
ここはジョニーばりに ワ ー オ ! と喝采を上げさせてもらうぜ。
三人組の伏線がちゃんと回収されてて吹いた。大事になりすぎないところがいいな。
最後にはお蔵入りしたとしても設定を考える楽しさはやっぱガチだよねー?
ラジオドラマで出てきたネタというと呪文かな?

>>840
三人組の喧嘩は纏めで読み直せば出てくるぜ。行間のあたり。

842■■■■:2007/06/27(水) 18:20:54 ID:VDnWWoNo
>>841
サンクス
後で読み直してみる

843820:2007/06/28(木) 19:38:47 ID:s98kC67o
現在小説制作中なのですが少し疑問が、
『もし〜だったら』
とかって有なんですか?
例えば『もしステイルに兄弟がいたら』とか『もし上条さんに生き別れの妹がいたら』
とかって有りですかね?上のはあくまで例えばですが、
現在制作中にそういう部分があるので、元の小説のイメージが崩れる可能性が!
と考えたんですが、大丈夫でしょうか?

844820:2007/06/28(木) 19:42:39 ID:s98kC67o
すいません、またしてもage入れミス

845■■■■:2007/06/28(木) 20:44:40 ID:BTUsSI7.
たしかにイメージが崩れる点はあると思いますが、んなこといったら禁書でて
ないSSはどうなんだ! と←が私の超個人的意見です。が、いまいちこういう
のはわからないので次の7月10日の新刊がでてから次のがでる間のを利用する
とかずるがしこいことを提案するがほかの人の意見を聞くのもありかと。
とにかく最終決定はそちらに・・・・・・。
長文失礼しました

846■■■■:2007/06/29(金) 12:11:48 ID:4ovhQhRo
>>843
「汝の欲する所を為せ」

847■■■■:2007/06/29(金) 16:57:00 ID:f3KKH/96
それくらい、いいんじゃないか>>843
既にこのスレには『もし上条が記憶喪失のことをインデックスに言っていたら』
てな感じのSSがあるんだし。
まあ、さすがに跡形もなくイメージを壊すのはどうかと思うが。

848820:2007/06/29(金) 19:56:47 ID:pVM.urak
皆様ありがとうございます。
悩みが解消致しました。
これで心起きなく投稿出来ます。

849820:2007/06/30(土) 00:41:48 ID:BIRXLkTE


小説を投下したいと思います。
小説の腕を上げるために書いているので、様々な指摘をお願いします。
「ここ、こうした方がいいんじゃない?」とか小説の書き方とか指摘出来る所があればバシバシと、自分が未熟なのはよく解ってますのでお願い致します。
それでは宜しくお願い致します。
初っ端から主人公の上条が出ないのは大丈夫だろうか・・・



とある魔術の     堕落天使(コラプト)corrupt.

序章



ヒーローとは何だと思いますか?

誰にでも優しく、力強くて、どんな人間でも守る事が出来る人間。

それがヒーローだと信じた少年が居た。

そんなヒーローに憧れていた。

ドロドロの雨の中、少年は絵本を読んでいた。

体が濡れるの気にせず、熱心に絵本を読み続ける。

赤い手はページをめくる。

雨とは違う、べっとりと付いた赤

絵本には男が沢山の悪役を倒している姿の絵が。

少年はその絵で手を止めた。

強くて
強くて
強くて
それでこのヒーローは何を手に入れたのだろう?

ある少年はヒーローに憧れた。
誰にでも優しく、力強くて、どんな人間でも守る事が出来る人間に。




とある魔術の     堕落天使(コラプト)corrupt.






イギリス清教、必要悪(ネセサリウス)の女子寮の一角。
夜遅くの寮はシン…と静まり返り、殆どの住人が寝入っていた。
そんな中、燭の灯りが照る部屋があった。
その部屋の主は洋風の部屋に似合わない着物を着た女性であった。
背中まで伸びた長い黒髪は纏められており、その女性、神裂火織はベッドに腰掛けていた。
太腿に乗せられた絵本をペラペラと捲っているが、その目は絵本を読んでいるわけではなく。
唯、懐かしそうに見つめているだけであった。
身長のある女性は端から見ればモデルの様なスタイルを持っている。
その女性に更に不釣り合いな異常なまでに長い日本刀、『七天七刀』が近くのタンスの立て掛けてある。

「元気でしょうか……」
ボソッと呟く言葉は誰に向けるわけでもなく自然に口から出ていた。

その瞬間、突然体中を妙な物が駆け巡った。
洗練され、鍛えられた体が反射的に魔術を感知したのだ。
妙に懐かしい感覚の魔術に体が知っている事には気づかない。
とっさにタンスに立て掛けていた刀を取るとベッドから飛んだ。
足が床に付くと直ぐに刀を抜く体制に入る。
部屋のドアと丁度、正反対の灰色の壁に紫色の線が走っていた。
その線は角が付かないように半径1M程の円を作っていた。
神裂はまだ構えている。
紫の線で囲まれた円の中から一つの映像が浮かび上がってきていた。
浮かび上がった物がみるみるうちに輪郭を作り、はっきりとした映像に変る。
(………これは通信用の術式?)
映像には真っ白なフードを被った人間が現れた。
すっぽりと被ったフードで目は見ることができない。
『警戒を解いてくれ、戦う気は無い』
映像に映る人間の口の動きと共に神裂の耳に声が聞こえる。
少し低い、男の声だ。
イギリス語では無く、久々に聞くなまりの無い日本語。
「!」
その声を聞いた時、神裂の顔色が変わった。
「あ……あなたは」
戸惑いと迷い、そして喜びが浮かんだ。
「今どこにいるんですか!?心配したんですよ!!」
その男は神裂にとって知り合い以上の存在であった。
自分の幸福に巻き込まれた男が目の前に居た。
「何で今まで連絡が無かったんですか!?」
神裂の声に男は何も言わない。
神裂は気にせず言葉を出す。
「それに、何故こんな所に通信術式を!?」
この寮には様々な魔術師が存在する。
そんな所に魔術で通信を行うのは、監視カメラの前にいるのと同じ意味をする。
『………それは大丈夫だ。『隠す』魔術は専門だろう?』
男は神裂の言葉に答えると少し間を空けて再び口を開く。
『そこで同じ技術を持つのは、あなた位だろう、見つけれるのはあなただけだ』
男の声に感情は無く、ただボソボソと小さくしゃべるだけであった。
変わらない仕草にほっとする。
「良かった、生きていてくれたのですね」
神裂は心から嬉しそうに言った。
「でも……どうして」
神裂の言葉を無視して男は続けた。
『時間が無い単刀直入に言う、俺はもうすぐ死ぬと思う』
ッザ
テレビのノイズの様に映像が一瞬ぶれた。
『俺が死んだ…ら代わ…に』
男の言葉が途切れ途切れになる。
(これは通信術式の妨害……!?でもどうして、誰が!?)
『……を守っ…て……く…れ』
更に映像は悪くなる。

850820:2007/06/30(土) 00:42:39 ID:BIRXLkTE
「今、何所にいるんですか!」
神裂が映像に向かって叫ぶ、この手の術式は専門外だ。
修復する事は出来ない。
『日……本』
もはや映像はテレビのノイズの様にしか映らない。
かき消える様な声が神裂に届く。
『頼………む、……ね…え…さ……ん』
ッブという音と共に映像は消え、そこは元の灰色の壁に戻っていた。
「・・・・・・」
神裂は無言で強く刀を握ると、布団には向かわずタンスへと向かった。
いつもの戦闘の為の服に着替えるために。
たった一人の弟に会いに行くために。
現在、深夜1時、時差が有るので日本は午前の10時だ。
飛ばせば夜には付く事が出来る。
ベッドから飛んだ拍子に落ちた絵本が目に映った。
少年が一番好きだった絵本を神裂は拾うと優しく机の上に置いた。







日の射す森の中で、男がはじけ飛んだ。
足元に描かれた紫の円が同時に消える。
男は無言で立ち上がった。
(通信の魔術回路に無理矢理割り込みやがったな……)
通信の途中で別の力が働き、術式の失敗により体にリバウンドで返ってきたのだ。
それは魔術の詠唱を割り込む強制詠唱(スペルインターセプト)と似た様なもので、
通信の術式を横から割り込んだのだ。
通信の術式は電話と同じ様にAからBに回線を繋ぐので、
この回線のAとBの間に割り込む事が可能だ。
だが、
それには自分の場所と繋いだ場所が解らなければ割り込む事は出来ない。
男は軽く舌打ちをする。
(クソが……何処でも見張ってやがるか)
下はダボダボの黒いズボンに上は真っ白なトレーナー。
トレーナーに付いたフードは今もすっぽりと被っている。
黒い運動靴の紐は両方共キッチリと結んである。
両手に黒の革手袋、腰に巻いた小さな鞄にはチョークの様な白い棒がビッシリに入っている。
端から見ればかなり暑そうに見えるこの格好は男の戦闘スタイルだ。
男は鬱陶しそうにまっ白いフードを取った。
フードが取れると共にサラサラとした日本人を示す黒髪が現れた。
男は青年と言うには幼く、少年と言うには老けて見えるが、まだ少年という年代ではある。
だが少年には少しおかしい物があった。
それは黒髪とは不釣り合いな赤い瞳。
その目は森を抜けた先を見ていた。
森が抜けた先に学園都市が存在する。

少年は視線を外すと近くの太い木へと移した。
腰に巻いた小さな鞄から一本の真っ白なチョークを取り出すと太い木に器用に円を描く。
続いてその円の中に三角を書き入れる。慣れた手つきで三角の中にビッシリと文字を書き入れた。
文字には様々な天使の名前が英語で書かれている。そこに魔方陣が出来上がっていた。
チョークを投げ捨てると、書いた円に革手袋をはめた右手で魔方陣に手を付いた。
ぽうっと紫色に魔方陣が光りだした。
『極力連絡は避けてもらいたいんだけどな、』
魔方陣から男の声がした、通信の術式だ。
「……ターゲットの確認だ」
少年が男に向けた声は知り合い同士とは思えない殺意が込められていた。
『確認せずともすでに書類は渡しただろう?まどろっこしいのは無しだよ罪人』
男の罪人という言葉に少年が一瞬反応を見せた。
「………」
少年は黙り込んだ。更に殺意を広げて通信の魔方陣を睨む。
『クククク正直だ、安心しろよ『今』は無事だ』
男の『今は』という言葉に少年は赤い瞳で魔方陣を睨む。
『なんなら声を聞かせてあげようか?』
男の楽しそうな声と共にジャラッと鎖の様な音がした。
『キャァッ!』
少女のか細い声が魔方陣から聞こえた。
「!」
少年が目を見開く。
先ほどまでの殺意が消え、あまり動かなかった表情に恐怖の色が浮かぶ。
『聞こえたか?聞こえたか?ククク』
男の楽しそうな言葉が少年の耳に入る。
『こんな女の何所がいいんだか……僕だったら見捨てるけどね、罪人が正義気取りか?クク」
少年が男の正義という言葉に反応した。
「正義?俺が?……俺は善人じゃ無ェ…依頼が終われば殺してやるよ、糞野郎が」
少年は殺してやる、と何度も口ずさむ。
『しっかりと殺れよ、僕は監視しているからねェ、怖くなってオネーチャンに連絡するなよ』
馬鹿にした様に言った後、楽しそうな笑い声と共に通信が切れた。
少年がギリッと歯を食い縛る。
少年は善人では無い、壊す事のみで存在意義を示す。
その赤い眼がそれを示していた。

851820:2007/06/30(土) 00:47:18 ID:BIRXLkTE
はい、とある魔術の堕落天使(コラプト)corrupt
以前に書いた小説を改造して投稿致しました。
アドバイスを頂けると嬉しいです。
しかし、一回の投稿でこれは短いでしょうか、しかも上条出てないという、
嫌、ちゃんと出すんですが、初っ端から出てないなぁ、と

大丈夫だろうか・・・

それではお願い致します。

852■■■■:2007/06/30(土) 17:55:49 ID:3VJBr/Pk
自分で言うなという感じですが一方通行(?)の口調に少しばかり
違和感を感じたので(あ行の小さいのがないとか等)そこらへんをなおせば
いいとおもいます
投下しないくせに言ってしまってすいません・・・・・・

853■■■■:2007/06/30(土) 22:52:48 ID:gN04.Imw
>>820
んー、そだな。「・・・」なんかの点は「……」にした方が良いと思うのだー。
ほら、文章では「……」が一般的みたいだし。オリキャラ?も居そうで楽しみですよー。

>>852
いや、感想は客観的に見れる人からの方が為になるし投下してるしてないは関係ないっしょ。
気にしないでどんどん行こー。

まぁ、俺も投下しないが。

854820:2007/07/01(日) 19:12:44 ID:IevtUMYU
852の方ありがとうございます
すいません、まぎらわしかったです、あれは一方通行では無くオリキャラです。
ごめんなさい。
一方通行は多分出ません
魔術メインのつもりなんで、すいません赤目って一方通行ですよね、まぎわらしかったです。
後、投下しないくせにとは思いません。
もうじゃんじゃん言って下さい。853の方の言うとおり、客観的意見はとてもありがたいものです。
色々言っていただけるとより良い小説が作れますので、どうか宜しくお願い致します。
853の方アドバイスありがとうございます。
点は全体的に小さくまとめた方が良いみたいですね、ありがとうございます。
またアドバイスがあればよろしくお願い致します

855820:2007/07/02(月) 00:08:26 ID:kuztE0GU
すんません、皆さんが一番イイ!とか萌え!とか感じるパンティーorブラの色ってどんなですか?
小説関連の事何で教えてください。
マジお願いします

856■■■■:2007/07/02(月) 17:17:53 ID:hRmd9Rbc
>>855
パンティーだとかブラは良く分からんが、好きな色は青だなぁ。
さっぱりとしてて爽やかさもあるし。

857■■■■:2007/07/02(月) 22:08:53 ID:/cCWxq5.
むしろ、自分からネタばれをするのは作家としていかがなものか?
それでは、今後、そういう展開が待っていますと教えているようなものではないか?
と思うのは、俺だけだろうか?

あ、読み飛ばしてくれて構わんよ。作品の投下自体は大歓迎だからね。おもしろい作品まってるさ。

858820:2007/07/02(月) 22:21:08 ID:kuztE0GU
すいませんでした。
出してからものっすごく反省してます。
本当スイマセンでした!!
馬鹿でした……本当馬鹿でした…
忠告ありがとうございます。
856の方答えて頂きありがとうございます。
参考にさせていただきます。

859■■■■:2007/07/03(火) 16:18:53 ID:AU5jAI.E
これもアドバイスというよりは注文めいているので無視してくれてもいいんだが。

んー、前にも言ったかもしれないけどさ、あまり作品外で長々なレスをつけるのはお勧めしかねるぜ。
すいません、とか以後やめときますー、位の一言でいいんだからさ。ま、投下待ってまっせ。

860820:2007/07/04(水) 00:06:10 ID:GgS6UC3I
あー……成る程
わかりました。
アドバイスどうもっす

86101-641:2007/07/08(日) 11:48:42 ID:8LtlOkXs
皆さんこんにちは、お久しぶり、初めまして。
不定期投下の文章書き 01-641 でございます。
え〜、まずはのっけから一言。

ご め ん な さ い 。

本来ならば、この手の作品は期日を守るべきなのですが、昨日は投下することが出来なかったために本日投下と言う形になりました。
理由については後ほど、まずは待っていなかった方、あれ、そろそろそんな季節じゃなくね? という方、またもしかしてみえたら待ってた方々、とりあえずご覧下さい。

862とある七月の七夕儀式  ――いつも、いつも、五和たんの巻――:2007/07/08(日) 11:49:42 ID:8LtlOkXs
とある七月の七夕儀式  ――いつも、いつも、五和たんの巻――

 ―――イギリスの首都、ロンドン。
 そこで活動している多くの人の喧騒と市内を行きかうたくさんの車の排気ガスで満ちているロンドン市内ではあるが、
逆に、人々にとっての憩いの場所、オアシス的な公園も数多く存在する。
 いや、都市に暮らしている人間にとっては欠かすことの出来ないものかも知れない。
 有名処としては、セント・ジェームス・パーク、ハイド・パーク、リージェント・パーク、バターシー・パーク、などがある。
 公園によっては「公園ファンクラブ」なるものが存在し、市民の寄付やボランティアによって公園の清掃、維持管理がなさ
れ、オアシスとして成り立っているのである。
 そんな公園には早朝にはジョギングをする人、昼間にはベンチでゆったりと過ごしている人、夕暮れにもお散歩をする人
などがいる。
 それほど、ロンドンでの生活にとって「公園」は欠かせないものとなっている。
 そして、ロンドンを特徴付けているものに、市内を大きく横断しているテムズ川とその上に架かる数多くの橋がある。
 川の上流から、バターシー橋、チェルシー橋、ランベス橋、ウォータールー橋、ロンドン橋、そして有名なタワーブリッジがある。
 そんな数多くの橋の一つ、ウォータールー橋の上で、一人の男が橋の欄干にもたれて川の水面を見るとはなしに眺めていた。
 手に持っているのはイギリスの食べ物として有名な『フィッシュ・アンド・チップス』。
 ここにくる途中で買い求めたのであろうそれを口に入れながら広がる夜景を眺めていたが、やがて、手にあったものを
全て食べ終えると、中にあった残りカスを水面にはたき落とし、残った紙袋をクシャクシャと丸めた後、これもまた水面に
投げ落とす。
 重力の法則に従い、ゆっくりと落ちていった紙屑はしかし、水面まであと少し、というところで突如として燃え上がった。
 火がついた紙屑は一瞬のうちに燃え尽き、灰となったその名残が数片舞い散るのみ。
 だがそれも、流れる水に溶けてあっという間に見えなくなる。

「感心しないね、景観を損なうような真似は」

 かけられた言葉に男が振り返ると、そこには奇妙な人物が立っていた。
 2メートルを越す長身に真っ赤に染めた長髪が特徴的な『必要悪の教会(ネセサリウス)』所属の魔術師、ステイル=マグヌ
スは、男の視線に対し咥えていた煙草を右手に持って灰を落とし、口から紫煙を吐きながら言う。
「誰だって住んでいる街が汚されたりしたら、ましてやそれが余所者によってとなればいい気はしないだろう?」
 そう言われて、橋の欄干にもたれていた男は身を起こし、頭をガリガリと乱雑にかきながら答える。
「景観を損なうってんなら、お前さんが歩きながら咥えているその煙草はどうなのよ?」
「ふん、注意に対して反省するどころか食って掛かるとは、天草式というのは随分と恥知らずなんだね?」
 反論に対して整然と切り返してくるステイルに対し、ふん、と息を吐くのは天草式十字凄教教皇代理の建宮斎字である。
「わざわざそんなことを言うためにゴミを燃やしたのかよ? おまえさんの仕出かす事のほうがよっぽど大事(おおごと)に
なるってもんじゃねえのか?」
「別に問題はないさ、人払いはすでに済ませてある」
 答えるステイルの言葉どおり、何故か不自然なほど橋の上からは人も車もその姿を消していた。
 もっとも、共に世界の裏側、異端を扱う者として二人とも口調ほどには大して気にも留めずに話を進める。
「時間が惜しいからさっさと答えてくれるといいんだがね? こんなところで何をしていた?」
 問いかけに対して建宮は答える。
「別にどうという事もないただの散歩が? それがどうしたのかよ」
「ふん、ただの散歩、か。なら訊くけども、その体の周りに張り巡らせてある人避けの術式は何のためにしているんだい?」
 更なる問いかけに対して建宮は、はっ、と小さく笑いながら答える。
「おいおい、こんな格好をしている俺が言うのも何なんだがよ。こんな人目を引く格好で街を普通に歩けると思っているの
かよ。大体、そんなものお前さんだってしているってもんよな」

863とある七月の七夕儀式  ――いつも、いつも、五和たんの巻――:2007/07/08(日) 11:50:16 ID:8LtlOkXs
 そういう建宮の格好は確かに人目を引くだろう。
 もともと黒い髪をさらに真っ黒に染め直したあげく尖った髪やぶかぶかのシャツやジーンズはともかく、首もとに掛けた
四つの小型扇風機や一メートル以上ある靴紐などは人目を引くなと言うほうが無理と言うものであろう。
 だが、その答えにステイルは苛立ちを深めたように問いかけを続ける。
「気晴らしの散歩、と言うのなら近くのパークにでも行けばいいだろうに。わざわざここにいた理由はなんだい?」
「わざわざそれをお前さんに答えなくちゃならん義務はないわなぁ」
 小馬鹿にしきったようにステイルのほうを見ながら答える建宮。
 だが、次の瞬間建宮の頭があった位置を灼熱の輝きが通過する。
 慌てて頭を下げてそれを避けた建宮は、ステイルから距離をとろうとしながら慌てたように叫ぶ。
「何をしやがるこの若造が! 何の真似だ!」
 その激昂に対して、右手に持っていた煙草から炎剣を出したステイルはむしろ穏やかとも言える口調で語る。
「このテムズ川はね、イギリスを代表する川でね。英国人であれば多かれ少なかれ愛着を持っているものさ」
「?」
 唐突に変わる話に戸惑う建宮をよそに話を続けていくステイル。
「ロンドン市内を流れているために都市防衛用の結界術式も組み込まれているから、いろんな意味でなくてはならない存
在と言えるね」
「………」
「そんなテムズ川の術式の一部におかしな点が見受けられると報告があってね。どうも水脈を走る魔力の一部がどこかへ
流れていっているらしいんだ。全体から見れば微々たるものだから気付くのが遅れてしまったそうなんだけども、見過ごす
わけにはいかない問題だ」
 じりじりと張り詰めていく空気の中、核心となる質問をするステイル。
「ここ数日、夕暮れ時に天草式のメンバー数名がテムズ川周辺で歩き回っているのが確認されているのは何故だい?」
 それに対し、建宮は答える。
「さてなあ、たまたま川からの夜景を楽しみたくなったのが増えたってところだろうよ。大体なんでそんなことを俺に訊く?」
 憮然としたまま答えた建宮に対し、
 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「住んでいる街が余所者に汚されたりしたらいい気はしないと言っただろう!」
 手に持つ炎剣を建宮に向けて振りかぶりながら叫ぶステイル。
「流れていく魔力のパターンから仕掛けているのは東洋の術式らしいとの報告だ! それにキミ達にはあの子に向かって
刃を向けたツケもある! 目的を訊くまでは生かしておく必要があるけども、腕の一本くらいはもらっておこうか!」
「チィッ!」
 繰り出される炎剣をかわそうとする建宮だが、後ろに下がった足が何故かもつれてバランスを崩す。
 そこに迫る炎に対し思わず腕を出してガードしようとするが、
「紙程度にもならないね!!」
 ガードした腕をあっさりと炎剣で断ち割られてしまう。
「ふん、イギリス清教の膝元で牙を剥くからどれほどの覚悟かと思えば大した事はないんだね」
 ほくそ笑むステイルだが、次の瞬間、その顔をギクリと強張らせる。
 腕を切られた建宮の体が一瞬にして崩れ、細かな紙吹雪となって襲い掛かってきた。
「! しまっ……!?」
 その波に飲み込まれてそのままテムズ川へ落ちるステイル。
 何とか水面に浮かび上がろうとするが、それよりも早く自分の周りが何かによって覆われてしまう。
「これは……、木材……?」
 一瞬のうちに自分を取り囲むようにして出来た筒のようなものによって身動きが取れないまま流されてしまう。
「そいつはアレンジの一つで一人用だがよ、水漏れの心配は無いから安心すると良いのよな」
 どこからか聞こえる建宮の声。
「貴様! どういうつも……」
「ああ、それとお前さんではそいつの操縦は出来ないと思うから言っといてやるが、橋げたにぶつかったり流れが急に変
わると舌を噛むからな。 ま、頑張れよな」
 気楽そうに言う声。
 思わず言い返そうとするが、ガゴン! という音と共に衝撃が走り抜ける。
「……! く、くそっ!!」
 何とか出ようとするが、建宮の言うとおり動きに翻弄され、そのまま流されていく。
「お、覚えていろ……!!」
 何だか悪役のような捨て台詞と共に消えていく大きな樽を眺めながら建宮は大きく息を吐く。
「やれやれだ、まったく」
 そして、周りを見ながら呟く。
「くそっ、二割削られたか……」

「何の二割なんだかにゃー?」

 その声にピクリ、と反応した建宮がゆっくりと振り返ると、そこには金髪サングラスの土御門が立っていた。

864とある七月の七夕儀式  ――いつも、いつも、五和たんの巻――:2007/07/08(日) 11:50:43 ID:8LtlOkXs

「……っ!」
 先ほどステイルを簡単にあしらった建宮の顔から余裕が引いていく。
「なるほど、陰陽博士だったお前さんがいたから知られたって事かよ」
 唸るように言う建宮に対して
「まあなぁ。西洋術式の連中じゃ気付けなかっただろうが、『必要悪の協会(ネセサリウス)』には俺もいるからな。加えて言え
ば俺の専門は『黒の式』、水脈を使った術式を隠れ蓑にしようとしたのは上手い手だったが相手が悪かったな」
 両者はゆっくりと間合いを計りながら情報を語ることで相手の隙を作る機会を窺っている。
 建宮にとっては先ほどのステイルと違い、大きな一手を持つ者は確かに脅威だが、ようはその一手を出させないように
すればいいのと違って、手札を多く持っている相手では読み合いが必要になってくる。
 一方の土御門にとっても状況に合わせて戦術を切り替えていく天草式の使い手である建宮はうかつには仕掛けにくい相
手といえる。
「さて、どうやらあんた達天草式が関わっている事もはっきりしたようだし、何を企んでいるのかさっさと吐いた方がいいん
だぜい」
「ひでえ奴だな、今流れていったのはお前さんの仲間だろうがよ。わざと仕掛けさせたって事か」
「能書きはどうでもいい。こっちの庭で好き勝手させたままにしておくわけにはいかんし、このままではあんた達の元女教
皇まで出張ってきちまう。そうならないうちにとっとと片付けたいから協力するんだぜい」
 その言葉に、建宮は大きくニヤリと笑いながら
「そいつは出来ない相談なのよ。こっちだって覚悟もなしに動いたわけじゃ無し、いまさら後には引けんのよな。それに、あ
の方は元じゃない、今でも我らの女教皇(プリエステス)なのよ」
「だったらなおさらこんな馬鹿げた事を続けさせるわけにはいかないんだぜい」
 建宮の言葉に歯噛みしながらいう土御門。
 だが、
「覚悟もなしに動いていないと言ったろうが! 我らを止めたければそのつもりでかかってくるのよな!」
 建宮の宣言と共にその場の空気が再び緊張に高まっていく。
「……!」
「……!」
 そして、一瞬の静寂の後に、二人は戦闘へと突入した。

865とある七月の七夕儀式  ――いつも、いつも、五和たんの巻――:2007/07/08(日) 11:51:09 ID:8LtlOkXs

 ―――ステイル、そして土御門と建宮がぶつかってからしばらく後、ロンドンを代表する橋の一つであるタワーブリッジの
上に、一人の少女がいた。
 二重まぶたが特徴的な天草式十字凄教の一員である五和は、そこから見える上流の景色を眺めながら思い詰めた様
な表情をしていた。
「本当に、これで良かったのかな………」
 呟いて出た言葉。
 辺りには他の天草式メンバーはおらず、返事を期待してのものではなかったのだが、
「そのような迷いがありながらこのようなだいそれた行動に及んだのですかあなた方は」
 掛かる声にビクリ、と反応する。
 慌てて振り返れば、天草式十字凄教の元女教皇にして世界に二十人もいないとされる聖人の一人、神裂火織が静かに
立っていた。
「プ、女教皇(プリエステス)………」
 洩れ出た言葉に対して、しかし、返ってくる言葉はあまりにも冷たいものであった。
「わたしはもはや天草式を抜けた身です。そのような称号で呼ぶのはやめなさい」
 向けられた眼差しは冷徹、構えた七天七刀の柄には右手がそえられている。
 完全に、五和に対して“敵”として対峙していた。
 天草式に留まっていた当時はこの上なく頼れる存在としてあったものが、今、こちらを敵と見なしている。
 そのことに認識がいき、身動きできずにいる五和に対して神裂は淡々と続ける。
「現在ロンドン市内で動いていた天草式メンバーの殆どはすでにこちらが押さえました。術式の組み立てが特殊な為にそ
れ自体を破壊するわけにはいきませんでしたが、起動する場所さえ分かれば問題はありませんでした。あなたが最後で
す、五和。おとなしく投降しなさい」
 冷たく響き渡る声。
「ど、どうして……」
 後ずさりながら言う五和に、
「どうして、とはまた、意外なことを。今のわたしはイギリス清教『必要悪の協会(ネセサリウス)』にある身です。イギリス清教に
とって不利益なことが行われるようであればそれを未然に防ぐために動くのは自然なことではありませんか?」
 後ろへ下がって行く五和を追いながら歩いていく神裂。
 その目はひたりと五和に据えられたままだ。
「それとも、ここが術式の起動場所だと分かったことでしょうか? 離れたとはいえわたしが扱うのも天草式のものです。土
御門から連絡を受けて調べれば何をしようとしているのかおおよそのことは分かります」
 その言葉に、後ずさっていた五和の足が止まる。
「流れる川を縦糸に、架かる橋を横糸に見立て、それを渡る術者によって織り上げられていく機織(はたおり)。細かいとこ
ろまでは分かりませんでしたが、何をやろうとしているのか大まかに見えればそれで十分です。あなた方は七夕の術式を
行おうとしているのですね」
 突きつけられた答えに、固まっていた五和が大きく体を震わせる。
「何を思ってここイギリスで七夕を行おうとしたのかは知りえませんが、通告します。今すぐにこの術式を止めなさい。さも
なくばこのわたしが実力を持って排除します」
 科学世界における核にも等しい存在である聖人の神裂から、事実上の死刑宣告とも取れる宣言を突きつけられ、五和
は殆ど半泣きになっている。
「今ならばまだ何とか間に合うでしょう。これ以上この地で勝手を通せば天草式にもはや居場所はありません。五和、それ
をやめなさい」

866とある七月の七夕儀式  ――いつも、いつも、五和たんの巻――:2007/07/08(日) 11:52:02 ID:8LtlOkXs
「わ、わたしは……」
 身動きできないまま震える五和が何かを言おうとしたとき、突然別の声が割って入った。
「おっと、そうはいかんってもんなのよ」
 声がしたほうを向けば、何と土御門と戦っていたはずの建宮がそこに現れていた。
 衣服はわりとぼろぼろだが素早い動きで五和と神裂の間に入る。
「すまん神裂、抜けられた!」
 それに続いて現れる土御門。ただし、こちらは建宮よりも若干疲労とダメージの色合いが大きいように見受けられる。
「何をしていたのですか土御門!」
 以外にも声を荒げる神裂を見ながら、後ろにいる五和に向かって振り返らずに建宮は言う。
「五和。お前さんはどうしたいんだ?」
「!? 建宮斎字! まだ諦めないのですか! やめさせなさい!」
 叫ぶ神裂に対して一歩も引かず、建宮は続ける。
「いいや。こればっかりはいくら相手が女教皇(プリエステス)様であろうと譲れんのよな。五和、お前が決めろ。舞台に上がる
のか上がらないのかを」
「建宮!!」
 膨れ上がる緊張感。
 お互いに動きを牽制し合う一触即発の様相の中、場を動かす一言が告げられる。
「…………わ、わたし、やります!」
「!」
「くっ、五和!」
「よく言った、それでこそなのよ!」
 慌てて飛び出そうとする神裂と土御門。
 だが、それよりも早く建宮の手が動き、






 そして、術式が発動する。

867とある七月の七夕儀式  ――いつも、いつも、五和たんの巻――:2007/07/08(日) 11:53:18 ID:8LtlOkXs

 術式が発動した直後、橋の下を流れるテムズ川に移る夜景が大きく輝きだす。
 そして、街並みから照らされる光よりも眩く輝いた次の瞬間、辺りの風景は一変する。
「ここは、……一体?」
「何!? これは……馬鹿な!」
 飛び出したものの、激変した状況に足が止まる神裂と土御門。
 橋の欄干から広がるのはもはやロンドンの街並みなどではなかった。
「これは……、学園都市?」
 あっけにとられて呟く神裂。
 そして、その場にいた幾人かには何となく見覚えのある学生寮があった。
 時差の関係か、起き抜けで眠たそうな顔をした一人の少年がドアを開け、表に顔を出す。
 どうやら、何かで目が覚めてしまい、外の様子が気になって見に出た、といったところか。
 だが、ドアを開けたまま、固まってしまっている。
「うわっ、なんだこりゃ?!」
 こちらにある橋の欄干に手を伸ばし、触れようとするが、その手はあっけなくすり抜けてしまう。
「あれ? なんか景色が二重に写ってる……って、まさかまたどっかで何かが起きやがったのか?! くそっ、こんな夜中
に何してくれるんだよ!」
 途端に表情が一変し、辺りを見渡し始める少年。
 本人は至って真面目なのだが、そこに、なんとも言えない声が掛けられる。
「……おーい、カミやーん」
「その声は土御門か? どこにいるんだ……って、あれ?」
 対峙している四人を見て、きょとんとした様子で尋ねてくる。
「なにやってるんだ、お前ら? いや、そんなことより丁度いい、何だかまた大変なことが起こってるみたいなんだ、お前ら
何か知ってないか?」
 またしてもいつもの調子で事件に飛び込もうとしてくる上条に対し、土御門はあきれた様な口調で話す。
「そんなことよりカミやん。下、下」
「そんなことってお前な! ……って、え、きゃーーーー!!」
 指で指されている所に目を向けて慌ててドアの陰に身を隠す上条。
 どうやら上条さんは寝るときは下半身にはあまり多く履かないようです。というか、ぶっちゃけ一枚しかTシャツの他には
体に身につけていません。
「…………(真っ赤)」
「ま、まあ、今の季節、そちらの気候では涼を取るのは大変でしょうし……」
「やれやれ、こうなると百年の恋も覚めるってもんよなぁ……」
 先ほどまでの緊張感がさっぱり取れてしまった一同は、ドアの陰から顔だけ出している上条を見ながらあきれたように首
を振ったりしている。

868とある七月の七夕儀式  ――いつも、いつも、五和たんの巻――:2007/07/08(日) 11:53:42 ID:8LtlOkXs
「う、うるせえ、寝起きなんだからしょうがねえだろ! っていうかお前らこんな夜も明けないうちから何してやがるんだよ!」
 顔を赤くしながら吠える上条。しかし、ドアに隠れた状態では迫力なんかちっともありませんが。
「こらこら、カミやん。夜中に大声出して騒いだら駄目なんだぜい」
 土御門がからかう様に掛けた言葉に、うっ、と詰まる上条。
 それを横目に見ながら建宮は五和に尋ねる。
「どうやら二割ばかり糸がほつれた影響が出ちまったのよな。どうするよ、予定通りにはいかないようなのよ?」
 それに対し、五和は緊張した面持ちながら、いえ! と答えると、上条の姿が映る橋の欄干に向かって近づいていく。
「あ、あのっ……!」
 掛けられた声に顔を向けた上条は、見知った顔を見つけて怪訝な顔を向ける。
「あれ? 神裂に、天草式の、建宮? お前らまで何して……?」
 近づいてくる五和の姿を見て言葉が途切れる。
 そんな五和は緊張で顔が強張ったまま、ギクシャクとした動きで近づいていく。
「あ、あの、その、…………」
 緊張で後が続かない五和。
 それが伝わったのか上条まで緊張して身構えている。
 それを眺める建宮らまでがいつの間にかじりじりと見守る中、意を決したように五和が叫ぶ。
「あ、あのっ! わたし、い、五和と言います! はじめまして、カミジョウさん!」
「あ、はい、こちらこそはじめまして」
 ガチガチで声が裏返っている五和と慌ててそれに応じる上条。
「…………」
「…………」
 だが、緊張で後が続かないようである。
 後ろにいる建宮、さらには神裂までもが手を握って見守る中、ようやく五和が続く言葉を述べる。
「あのっ、そのっ、お、お素麺、お素麺送りましたから食べて下さいっ!」
「え、あ、はあ、ありがとうございます」
「し、失礼しますっ!」
 それだけ言うと、バッと大きく一礼して身を翻し走り去る五和。
 ポカンとして見送る上条。
 それを見ながらやれやれといった感じで引き上げていく神裂たち一行。
「あー、まあ、あんなもんか。五和にしては精一杯ってところなのよなあ」
「まったく、あれだけ大騒ぎしておいてとどのつまりは話をしたかっただけとは。あなた方は話を大きくしすぎなんですよ。大
体建宮、あなたと言う人は……」
「なーねーちん、もう俺帰っていいかにゃー? 今からならまだ今日中には学園都市に帰れるしにゃー。こうなったら俺も
舞夏と七夕を祝わないとやってられないんだぜい」
 ぞろぞろと歩いていく一行に向かって上条からは、「え、何、何だったんだよ一体? おい、説明してけよ土御門!」と声
がするが、土御門は一言、
「今のカミやんにはそんなことよりもっと重大なことが差し迫ってるんじゃないかにゃー?」
 と切って捨てる。
 は? と首を傾げる上条の背後からは、大声で叩き起こされ不機嫌極まりない純白のシスターが素麺という言葉を聞い
てさらに上乗せされた攻撃力の歯を光らせながら近づいてきていた。
 術式の効果が切れ、薄れゆく学園都市の景色の中にある少年のわりとハンパ無い悲鳴が聞こえたかどうか、定かでは
ない。

869とある七月の七夕儀式  ――いつも、いつも、五和たんの巻――:2007/07/08(日) 11:54:04 ID:8LtlOkXs

 走り去った筈の五和が橋の出口辺りで他の天草式メンバーに取り囲まれ、
「よくやりました五和!」
「ナイスです!」
「女教皇(プリエステス)様相手に良くぞ一歩も引きませんでした!」
「しかし、結局名前を名乗って素麺を送ったことを言っただけとは……」
「女ならもっとガツンと行くべきだったのでは? 思い切って告白してみるとか」
「馬鹿者! そんな暴挙、女教皇(プリエステス)様の眼前で出来るわけが無かろう!」
「そうです。ここはまず外堀を埋めていくことが大事なのですよ」
 などと口々に言われている様子を眺めながら、
「しかし、これほど大騒ぎにする必要は無かったでしょうに」
 と、まだ言い足りない様子の神裂とそれをへいへい、と聞き流している建宮。
 だが、
「まったく、細かい術式まで調べる時間が無かったわたしにも責任はありますが、七夕の術式を発動させるというからてっ
きり棚機津女(たなばたつめ)になぞらえるのかと思ってしまったでは無いですか」
 という言葉に思わずぎょっとして神裂を見やってしまう。
※日本の棚機津女(たなばたつめ)の伝説は『古事記』に記されており、村の災厄を除いてもらうため、水辺で神の衣を織
り、神の一夜妻となるため機屋で神の降臨を待つ棚機津女という巫女の伝説である。(現代電子演算相互互助辞典:Wikiより引用)

「な、何ですか一体。これ、あなた達まで何なんですか一体!」
 そんな神裂を横目で見ながらひそひそと話す天草式一同。
「な、なんと、さすがは女教皇(プリエステス)様、我々の発想の数段上を行かれるとは」
「ど、どうしますか。ただでさえ勝ち目が少ないというのにあんな手を考えられていたらどうしようもありませんよ?」
「やはり最後は己の身体を捧げないといけないのでしょうか」
「くっ、こ、こうなったら五和、あなたも身体を張って当たって砕けるのです!」
「いや、砕けちゃ駄目でしょうよ!」
 ひそめているつもりでもわりと結構聞こえてくる声を聞いてわなわなと体を震わせていた神裂は
「いい加減にしなさい!」
 と顔を赤らめながら追いかけていく。
 きゃわー、とクモの子を散らすように逃げていく天草式とそれを追う神裂の姿を見ながら
「平和なのよなあ」
 と呟く建宮。
「出来ればこれからはいらん誤解を持たせないようにして欲しいもんだがにゃー」
 と返しながらも何かを忘れているような気がするが、まあいいにゃー、と丸投げする下土御門。

870とある七月の七夕儀式  ――いつも、いつも、五和たんの巻――:2007/07/08(日) 11:54:21 ID:8LtlOkXs

 ちなみに、北海河口まで流されたステイルが通りかかった漁船に引き上げられて九死に一生を得たのはそれから一日
後の事であり、オルソラ救出戦の折にインデックスが戦闘に巻き込まれかけたことと会わせて建宮個人にさらなる恨みを
募らせるようになったそうである。

 さらにさらに、学園都市の上条の部屋にカササギ印の配達業者の手によって五和からの素麺が届いたのはやはり次の
日のことであったが、例によってその殆どは純白のシスターによって消費されたという。

87101-641:2007/07/08(日) 11:54:52 ID:8LtlOkXs
はい、以上です。
まずは>>818>>785>>839(01-169) さんたち、投下ありがとうございます。
特に灰姫の方、長期にわたっての長編もいよいよクライマックスですね。これからも期待してます。
また風紀の方、最近作品投下が寂しいですのでこれからもがんばってくださいませ。
そしてちゅぱの人、続きマダー?とは尋ねません。そんなこと言ったら自分も社会見学という爆弾抱えてますから……。気長に待ちます。


え〜、遅れた理由はぶっちゃけて言うと昨日の昼頃、ほんの昼寝のつもりで寝たら、起きてみれば朝でした、と。
すいません。自分が一番びっくりしました。
まだだ、イギリスの時計では今はまだ七月七日だ! と言いたいところですがどう見てもあちらも日付が変わっている時間ですね。
出来れば今回の投下が受け入れてもらえるものであること、そして見直したつもりの誤字脱字が無いことを願いつつ、またの機会までごきげんよう。
以上、毎度の長文と自分語り、長々と失礼しました。




次は重陽で……ってネタはどうしようかと震えているので次回予告は出せません。

872■■■■:2007/07/08(日) 17:33:32 ID:DhEePbLI
お疲れ様です。
・・・橋の名前を調べるために時間がかかったのかな、
ステイルもお疲れ様でした・・・。

873■■■■:2007/07/09(月) 16:13:52 ID:o4zWCKSk
上条が雨の中泣き崩れながら記憶喪失になった責任をインデックスに押
し付ける、ていう妄想が浮かんできたが俺じゃ文にできない。誰か書いてく
れないか?

874■■■■:2007/07/10(火) 01:06:59 ID:RsKntzpM
そんなネガティブな上条やだ。そもそも、なんで雨の中なんだ。その辺の詳細が無いと。
プロットを書くんだ>>873

875■■■■:2007/07/10(火) 01:55:35 ID:V.M2yA32
>873
そんな上条さんは上条さんじゃない!!
さらにそんな状況はキライです!……所詮私事ですが……

876■■■■:2007/07/10(火) 17:07:10 ID:zlvb6tzI
>>874
13巻でヴェントが「人のことを殴り殺そうと〜」と言った所を見てたら、
人を殺してしまって「もとの日常に帰りたい。」と泣いている上条がうかん
できて、そこから発展してしまった。雨は雰囲気。まぁ妄想だからあまり
気にしないでくれ。

877■■■■:2007/07/11(水) 03:26:30 ID:.kTdCEc2
あのー、はじめましてこんばんわ。
自分もSS書いてみたんですけど、投下してもいいですか?

妄想ばっかり膨らんじゃって、頭の中ではすでに3部作構想ができていたりします。無駄に壮大な。
もうすぐ夏休み入るのでその間にちこちこ書いていこうかと思っとります。
現在最初の第一部を書き出してるところでして、序章と第一章の途中までできているので、
需要があれば出そうかなと思うのですがどうでしょうか?

878■■■■:2007/07/11(水) 04:57:10 ID:C2e5vR4E
>>877
いっちゃえ!いっちゃえ!

879■■■■:2007/07/11(水) 06:11:20 ID:Pjn0bDaI
>>877
SSスレってのは基本需要過多だからおk
ただ、酷評されても挫けるな

880■■■■:2007/07/11(水) 10:33:36 ID:g1w.DtbM
>>877
おkおk。
このスレに残ってると思うけど禁書風味考察も参考にしておくれー。
あとsageね。

881■■■■:2007/07/11(水) 22:42:38 ID:dVBBFvQk
さて、SSでようやくまた淡希さんに
出番が来たけど、なんか活躍しそうなかんじ。

882■■■■:2007/07/12(木) 00:23:57 ID:pGL4fq.U
亀だけど、既出かもしれないけど。
>>745さん、菖蒲湯で使う菖蒲はサトイモ科の菖蒲。
貴方が作中で書いておられるのはアヤメ科の花菖蒲。
別物なんだ。全くの、別物なんだよ(´;ω;`)ブワッ
ああ。でもこれで術式起動してたら失敗してたろうから良かった……のか?

無粋でごめんよ orz

883745(01-641):2007/07/12(木) 10:24:04 ID:xW4zIa5U
>>882さん
そこまで読み込んでくださってる貴方に感謝。
で、くだんの件ですが後付の言い訳設定っぽくなりますが一言。
>「菖蒲湯をアイリスで、ねぇ………」
 「えー、良いじゃないですか。手に入らないのならあるもので代用すればいいんですし。私たち天草式はその土地その風土に
溶け込んで発展していくものですよー。菖蒲もアイリスも似たようなものですし、大丈夫ですよー」
対する五和は実に楽観的に話している。

>「(しかし、菖蒲の代わりにアイリスを使うとはいったい何を考えているのやら………)」(神裂:談)

一応、菖蒲湯用の物との区別は付けていたつもりだったのですが、(神裂さんは分かっているけど五和は分かってない)
上手く表現できていなかったようです。
次回はもっと精進したいです。

ところで、新刊のSSを読んでふと思ったのですが、騎士団長(ナイトリーダー)が出てきたのなら、
3巻P.58にてインデックスが言ってた近衛侍女(クィーンオブオナー)も出てくれないかなー、なんて。
曰く、パーフェクトクールビューティーらしいのですが、(シスターズよりさらにクールなんでしょうなあ……)
仕える主はやっぱ女王陛下なんでしょうかね……。

そして、七夕儀式にやはり誤字があったことを自己申告しつつ、今回の新刊SSでイギリス清教女子寮は大浴場らしいとのことで、
ホッとしています。
では、長文失礼でした。

884877:2007/07/12(木) 14:39:07 ID:MxMJGBQ6
前回はsage忘れ申し訳ないです。
それでは本編の方を投下してみたいと思います。まずは序章くらいまで。
では、はじまりはじまり。



とある異人の永久彷徨



序章 嵐の前触れ The_stormy_night

 学園都市、深夜。
 月明かりが照らし出す無人の街にからからと風車の音が響く。
 風は関東に近づきつつある台風の影響で刻一刻と強さを増し、道路に沿って建てられたビルとビルの間を吹きぬけて街路樹の枝をざわざわと揺らしていた。
 最近たまに外れるようになった天気予報によると、台風は明日の明け方には関東上空に到達するらしく、そこから本当の嵐が来るようだった。大半の人々は明日の午前中の移動を控えるつもりで今日のうちに食料や生活用品の買出しを済ませていたため、日付が変わろうとする今の時間帯には街を歩く者は誰もおらず、学園都市に住む教師も学生も研究員も今はしっかりと戸締りをして家に篭っているのだった。
 窓を叩く風の音は徐々に重さを増してきている。夜空は何時しか分厚い雲に覆われ月と星の灯りを隠されて、街はいっそう深い闇に覆われた。
 街灯の光が瞬く。
 チカチカと不安定に点滅した街灯はすぐにいつもの安定を取り戻し、再び街を照らした。
 
 そこに、人影が在った。

885とある異人の永久彷徨:2007/07/12(木) 14:42:05 ID:MxMJGBQ6
 街灯の点滅する前には無人のはずだった中央道路のアスファルトの上に、人の形をした黒い影が現われていた。実際それは真実「人」であったのだが、その身に纏う端が擦り切れた黒のローブがその輪郭を曖昧にし、存在感をも希薄にしていた。
 黒い影は、ざり……ざり…… と地面を擦るように一歩一歩街を歩いてゆく。風を受けて黒衣がはためくその姿は、まるで西洋の亡霊の様に仄暗くぼんやりと浮かび上がって見え、もし見る者があるならばその背筋を冷たく凍らせるような不穏な禍々しさを放っていた。
 黒い影はゆっくりと街を進む。
 その時、空を覆う黒い雲の合間から月明かりが一条零れ落ち、黒い人影の輪郭を浮き上がらした。
 擦り切れてぼろぼろになった黒衣の裾から覗く痩せた足。
 長年風雨に晒されてきた古木のような腕。
 そして頭まで被ったフードの奥に彫りの深い顔立ちと漆黒の髪。
 それは男性だった。中近東の人々を思わせるその顔付きは、若々しい青年にも歳を経た老人の様にも見えて異様な雰囲気を漂わしていた。
 男の顔からは生気が感じられず、頬は扱け眼窩の肉は落ち窪み、表情は憔悴しきっているように見える。
 その中で、鈍く光る金色の瞳だけは強い意志を秘めて炯炯(けいけい)と内に炎を抱(いだ)き、ただ真っ直ぐと前だけを見据えていた。
 月明かりが再び雲に隠れる。
 その間にも風はさらに猛威を増大させる。
 高層ビルや学校の校舎は強風に煽られぎいぎいと悲鳴を上げ、
 街路樹の枝は烈風に吹かれてぎしぎしと大きく軋み、
 枝葉を通り抜けた風はひょおおおっと甲高い音を立てて泣き、
 黒雲は速い速度で上空を不気味にうねり今にも激しい雨を降らそうとしている。

 それは、学園都市全体が震えている様であった。
 招かれざる来訪者に脅えている様であった。

886とある異人の永久彷徨:2007/07/12(木) 14:46:06 ID:MxMJGBQ6
 



 やがて男はある建物の前でその歩みを止めた。
 ゆっくりとした動きで正面の建物を見上げる。
 そこは病院であった。とある少年が何度も世話になり、そして多くの命を守ろうとして確実に守り通してきたある医者のいる、あの病院。
 男は前を向き直して、病院の正面玄関から中を覗く。すでに院内の明かりは落とされており、非常灯の緑色の光だけがぼんやりと玄関ホールを照らしていた。普段多くの人が順番待ちをしているこの玄関ホールも今は誰もいなくて深と静まり返り、どこか空恐ろしい感じがする。
 営業時間を終えた後ロックの掛かった自動ドアの前に立って、小声で何かを呟く。
 そしてそのまま自動ドアのほうへ向かって影は歩き出し、
『ずるり』
 とその体は強化ガラスでできた自動ドアを“突き抜けた”。
 院内への侵入を果たした男は、またゆっくりとした足取りで歩き出す。
 受付窓口から右に進むとそこから左手に見える中央階段を上って二階に出る。二階の階段前ホールの前を左右に伸びる廊下を右に真っ直ぐに進み、廊下の突き当りのT字路に男が差し掛かったとき、
「きゃっ」
 とん、と曲がり角から出てきた少女とぶつかった。
 病院はもう消灯時間をとっくに過ぎているので、原則この時間に病室の外をうろつくことは禁止されているはずなのだ。パジャマ姿のその少女は寝付けずに夜更かしをしてしまい、途中でちょっとトイレにでも行こうとしていた所なのだろう。
 ぶつかった拍子に尻餅をついたその少女は、
「いたたたたた、とミサカは突然のアクシデントに痛むお尻をさすりながら混乱します。なんなのですか、一体?って……………………………………ぁ、え?」
 不思議な語調で会話をするその少女は自分がぶつかった「何か」を確認しようとして、
「きゃあああぁ……ぁ…………ぅぐ………………っ!」
 叫ぼうとした瞬間に影の男に口を封じられた。声を出せずに少女は動転する。相手の正体が分からないことで恐怖感が少女の中で一気に膨れ上がる。
 後ろから羽交い絞めの形で口元を塞いだ男の手から必死に逃れようともがく少女に、男は覗き込むように自身の顔を近づけて囁く。
「    、             」
「………………!!」
 少女の目は呆然と見開かれ、その体からゆっくりと力が抜けていった。


 遠くの方から低く轟く地響きの様に雷が鳴り出し、
 やがて降り出した雨の音に、全ての音は飲み込まれていった。

887877:2007/07/12(木) 14:54:08 ID:MxMJGBQ6
……というところまでで序章でした。おそまつさまでした。
それから、前回(>>877)とIDが変わっちゃってますが
リビングのパソコンと部屋のパソコンの違いなので特に気にしないでいただけたら幸いです。

続きは来週くらいに。
やっとまともにキャラが出てきますよ。上条さんとか。

888■■■■:2007/07/19(木) 13:55:35 ID:qA78hdVY
作家さんの一人の前回投下からとりあえず1週間が経過したわけだが、
ここ最近投下が無くて寂しいと思うのは自分だけですかいのぅ……。
また前みたいに賑やかになってもらいたいもんですわい。
とりあえず、灰姫の人のエンディングを期待して待ってる。
あと、空白の人、すぺしゃるな週末の人、復活を切に待ち望む。

あと、ROMしてるだけでもいいからここにはどれくらいの人が来てるのか知りたい。
とりあえず挙手してみてください。
(〃∀)ノシ

889■■■■:2007/07/19(木) 18:12:50 ID:BjGOcGRQ
ノシ

SS出たから皆さんSSの練り直しでは?

890■■■■:2007/07/19(木) 22:14:47 ID:bwPOeEGc
ノシ
あんなに面白いもの待ちきれませんよ。

891■■■■:2007/07/19(木) 22:38:56 ID:FXfRf1RA
ノシ
一辺かいたことあるけど、あまりに駄作だったから書いてない俺。書き手にもそういうのがいるのでは?

892■■■■:2007/07/19(木) 23:40:06 ID:Fgx0OeUU
ノシ
この時期は色々学生さんとかは忙しいのでは?

893■■■■:2007/07/19(木) 23:45:33 ID:c.toJ1dE
ノシ
とりあえず作品読み返して気長に待つですよ

894■■■■:2007/07/20(金) 00:28:20 ID:Der0lYIc
ノシ
忙しくなくてもSSは書けなかったりするぜ
つか、禁書風の文に全然ならんな……持ち味全開すぎる

895■■■■:2007/07/20(金) 00:45:25 ID:YCksZ9bo
ノシ
ずっとROMってます。

896■■■■:2007/07/20(金) 01:49:48 ID:J9moas3U
ノシ
9月28日に起こった事件を書こうとしているのだがちっとも進まない。

897■■■■:2007/07/20(金) 03:15:35 ID:PmTxiOjU
ノシ
それではROMに戻りますえ

898■■■■:2007/07/20(金) 20:10:00 ID:spzrIW.U
ノシ
現在製作中

899■■■■:2007/07/21(土) 02:21:24 ID:AFJVbdyE
ノシ
鋭意製作中&職探し中
そろそろどっちも真面目にやらないとorz

900■■■■:2007/07/21(土) 17:25:56 ID:MyXpon0k
ノシ
鈍行執筆中

さて、偶然にも自分がキリ番である >900を踏ませていただいたわけですが、
投下が無い今のうちに以前出たテンプレの正式文などを決めてしまうのはいかがでしょうか?
投下があるとけっこう早くスレが進んだりするんじゃないかな、などと愚考いたした次第でして。

あ、もちろん挙手は継続したままで結構ですし、テンプレ案も無理に話題にしなくてもよろしいですので。

901■■■■:2007/07/21(土) 17:46:52 ID:bEXK/lr2
ノシ

オリジナルオンリーは相変わらず色々想像が膨らむぜ。時間がないが。

902■■■■:2007/07/22(日) 13:17:27 ID:TYTPcKhk
はじめまして。皆様の作品楽しく拝見させていただいております。
ということで(どういうことで?)お目汚しではありますが試しに書いてみた小話を投下。
ご意見をいただければ幸いです。

構想的には長編の一番最初、プロローグなのですがその後が続くのかどうかは予定は未定ということで。
タイトルはとりあえず『とあるプリンの争奪戦』です。


-------------------------------

 学園都市の一角に教員専用のマンションが建っている。様々な実験の対象となっているために格安で人気は高い。
 そのマンションの見晴らしのいい13階に住むのは黄泉川愛穂。これといった特徴のない高校で体育教師をしている。非常時には警備員(アンチスキル)として学園都市の治安を守ったりもするらしいが普段の彼女からはその姿はまったく想像できないと一方通行は考えている。
(こンなこと本人に言ったら何されるかわかったもンじゃねェが……)
 今も居候その1となにやら取っ組み合いをしている。
「これは最後のプリンなのってミサカはミサカはお伝えする。やっぱりこういうものは小さい子にあげなきゃねってミサカはミサカは都合のいいときだけ子ども扱いを求めてみたり」
「最後のひとつだからこそこれは家主サマがたべるべきじゃん。先に冷蔵庫から取り出した私が食べるんじゃんよ」
「むきーってミサカはミサカは……」
「むむー……」
(たっくなにやってンだか……)
 一方通行は呆れ顔で二人のやりとりを見つめ大きなため息をついた。
「二人ともおやめなさいな。プリンひとつでみっともない」
 ここぞとばかりに良識的なのは居候その2の芳川桔梗だ。キッチンのほうでなにやら探し物をしていたらしくカウンターから顔をのぞかせている。
『だってー』
 二人の声が重なる。とはいえ芳川の言葉に不満をあらわしながら休戦中の双方とも目はまだあきらめてはいない。
「ちょっと貸してみなさい」
 キッチンから出てきた芳川の手にはお皿と包丁を乗せたトレー。どうやら最後のプリンを分けるために包丁をとりにいったようだった。
 このままでは決着はつかないと悟ったのか一刻も早くプリンを食べたい打ち止めと黄泉川は芳川の言葉に従いプリンを渡す。
「確かにこのプリンおいしかったわね。学園都市の試作品なんてまともなものはないとおもっていたのだけれどそうでもないのかしら」
 芳川はそう言いながら怪しげなマークのついた学園都市謹製まったり濃厚とろとろプリンのふたを開ける。そしてお皿をプリンの容器にかぶせるとそのまま反転。容器のそこについた突起を指で折る。「ぷりん」と聞こえてきそうなほど柔らかな動作でプリン本体がお皿の上に着地。どうやら二人の争奪戦程度ではプリンは型崩れしないらしい。
 打ち止めと黄泉川が見守る中芳川がプリンに包丁を入れる。芳川の持つ包丁がプリンから離れると二人は本の少しでも大きい方のプリンを手に入れるべくプリンを凝視している。
 しかしその瞬間二人は驚くべき光景を目にする。
 芳川が再びプリンに包丁を入れたのだ。一度目の切り口と垂直に交わり、上から見ると半月形だったプリンが扇形になる。
『あー!』
 再び二人の声が重なる。
「なぁに? だって最後の一つなのでしょう? 私だって食べたいわ。あなたも食べるわよね、一方通行?」
 声をかけられて居候その3の一方通行は言葉に詰まる。
(これは……どうすりゃいいンだ?)
 正直彼はプリンは割りとどうでもいい。もともと甘いものはそれほど口にしない。しかしここで辞退すると話しはさらにややこしくなりそうだ。おそらく彼が辞退すれば一つの四分の一を巡って再度プリン争奪戦が始まる。もしかすると今度は三つ巴の争いになるかもしれない。
(俺は静かに昼寝でもしたいンだけどなァ。仕方がない)
「食うに決まってンだろ。さっさとスプーンをよこしやがれ」
 再度ため息をつきながら一方通行は打ち止めたちが囲むプリンの皿に手を伸ばす。
 それはかつての学園都市最強の日常の一こま。一人の少女との出会いによって彼が手に入れた平穏な時間。そしてただ3等分よりも4等分の方が簡単だったというお話。

 ちなみにその後芳川が用意した果物や生クリームのトッピングに満足した打ち止めと黄泉川は終戦協定を結んだのだった。

------------------

以上。
12巻の事件がなかったら、の世界のお話です。
それではよろしくお願いいたします。

9031-169:2007/07/23(月) 15:20:52 ID:Uk3OkG8U
>>902
GJ! プリン買ってきます。

さて、前回の宣言から少々オーバーしましたが………………………………
今晩あたり、投下できそうです。

904■■■■:2007/07/23(月) 19:25:52 ID:8Cp7mhkk
>>902
これは、いい。
なんかほのぼのしてるー。

そして、いよいよ灰姫の人、来るのかー!?
これは寝ないで待っていなくては・・・・・・・・・!!

9051-169:2007/07/24(火) 00:03:08 ID:N5hWBqSg
 行間 三

『彼女』と『彼』が中学二年の時の話だ。
『彼女』は中学から学園都市に転入してきた生徒で、その分能力開発などで他の生徒と開きがあった。
 七年時間割り(カリキュラム)を続けてきた人間と、一年弱しか受けていない人間では差がつくのは当たり前だろう。しかし学園都市という街では子供達にとってあまりに閉鎖的で、偏執的だった。能力の差は地位の差であるとどんな小さな子供でも普通に認識し、そのように振舞っている。
『彼女』がいじめにあうようになるのに、そう時間はかからなかった。
 ――何十年分も進んだ科学技術を有し、誰でも超能力が使えるようになる夢の街。
 絵本や漫画の中にしかないと思っていた楽園。
 子供心に抱いていた憧れは、現実という言葉に完膚なきまでに叩き潰された。
 ここは絵物語のように都合の良いことばかりが並べ立てられた幻想の世界なんかじゃない。痛いことも辛いことも、醜く汚い感情さえも存在するただの現実。
 帰りたい、と。枕を濡らした夜は数え切れない。
 だが、ある日。
 電撃使いの子数人に火花で追い立てられていた時、

「てめぇら! 何してやがる!」

『彼』が現れたのだ。
 レベル0。
 序列で言えば『彼女』よりも格下。何の異能も持っていないはずの少年。
 だけど、その時思った。
 超能力という幻想を身に宿しているこの街の誰よりも、
 何も持たない『彼』の姿の方が、ずっと幻想(ゆめ)みたいだったって。


 久しぶりに開いた古い日記帳の一番初めのページを、『彼女』――言祝栞は愛おしげに指でなでる。
 日記をつけるようになったのは、あの日からだ。『彼』に助けてもらったことが嬉しくて、絶対に忘れたくなくてノートに書き留めた。翌朝になって「彼」のことだけが書かれたノートを見た途端、無性に恥ずかしくなってしまい、熱すぎる風呂を水で埋めるように書き重ねていったのが始まり。
「我ながらウブなことなのですよ。うっかり萌えちゃいそう」
 言祝はその日記帳を自室の机の引き出しに収め、しっかりと鍵をかけた。
 人に見られたくないというのももちろんだけど、あまり身近に置きすぎると、あの日の思い出が風化してしまうと思うから。
「うーん。女の子してるなー、私」
 言祝は実は独り言が結構多い。それがあまり知られていないのは、音声増幅(ハンディスピーカー)で不可聴音に変換しているからだった。というより、練習の為にやっていた行為がそのまま癖になったと言ったほうが正しい。
 次に監督少女が机の上に広げたのは、今日プレ公演を行った「シンデレラ」の台本。
 表紙をめくり、役名と配役が書き込まれたページを開く。
 並べて書かれた役名の先頭。『シンデレラ』の欄には『上条当麻』の名前が二重線で消され、その横の余白に『サーシャ=クロイツェフ』と記入されている。
「……………………」
 結果としては、これでよかったと思う。観客の評判も上々だったし、何より可愛い後輩の願いを叶えてあげることができた。
 それでも、思う所はあったりする。
 あの日、いじめっ子から助けてもらった後、『彼』と少しだけ話をした。
 学園都市の子、それも男の子と二人きりで話をしたのはあれが始めてだった。『外』の学校のことを話すと『彼』はとても面白そうに聞いてくれた。
 そんな中で、どうして学園都市に来ようと思ったのかと尋ねられた時、当時の言祝はこう答えたのだ。

「夢のような場所だって……思ったから」
「夢、ねぇ」
『彼』の反応は馬鹿にする風なものではなく、ただ単に理解できないといった様子だった。
「確かにここには『外』ではありえないようなものが山ほどあるけどさ、“それだけのことだろ”? 塀で遮られていたって、その気になれば歩いてたどり着ける場所でしかない。大げさに憧れたり失望したりするほどのものなんて、初めからこの街にはないんじゃないかな」
「…………」
 それは言祝には、とっくに失望してしまった人間の言葉に聞こえた。
 砂の丘を延々と登り続けるような、緩やかだが終わりのない絶望。
 自分が諦めていることにすら気づけていないのが、なおさら悲劇的だった。
「夢っていうならさ、ほらあるじゃん、『将来の夢』って。そういうもんの方がよっぽど追いかけるべきものだって思うぞ。言祝にはそういうの、ないのか?」
「え……っと、……………………………………………………舞台監督」
「いい夢じゃんか」
 と、言ってくれた。
 瞬間、思いついた。
 助けてもらったお礼に、言祝が出来ること。
「もし、ね」
「うん?」
「もし私が監督になったら、かみやんくんを主役にしてあげるのですよ」

9061-169:2007/07/24(火) 00:04:19 ID:N5hWBqSg
 ――とまあ。そんなこっぱずかしいエピソードがあったのだ。
 とても人には言えない。まるで小学生の恋愛ごっこのような思い出話。
 あれから二年。上条はすっかり忘れてしまったようだけど、言祝はずっと覚えていて、ずっと努力をし続けてきた。
 誰よりも素晴らしい幻想(ゆめ)を持っているのに、それを気づいていなくて、気づいてももらえない彼の為に、彼が主役の物語を用意しよう。
 自分がお姫様でなくたっていい。彼を大切に思ってくれる人を、たくさんたくさん見つけてあげるんだって。
「……、」
 でもそんなのは、“世界で自分だけが彼のことを理解している”という思い上がりに過ぎないと、そのうち気づいた。
 言祝が何をしてもしなくても、上条当麻という人は体当たりで他人と接し続けた。時には対立したり、誤解されることもあったけど、次第に『誰かにとってその他大勢ではない人間』になっていった。
 それは言祝が上条と出会う前からずっとそうだったことで、今も、そして未来でも変わらない彼の生き方だ。
 わざわざ舞台の上に担ぎ上げなくても、上条は大丈夫。だんだんそう考えるようになっていく。
 決定的だったのは、上条がサーシャを連れてきた時のことだ。
 女の直感、とでも言おうか。“サーシャ=クロイツェフはこれからも上条当麻と関わっていく。彼を主人公とした物語のなかで”。そう確信してしまった。
 そして自分が、『上条を舞台の主役にすること』を自分にとってのゴールにしてしまっていたことを悟った。この舞台が終わればハッピーエンドだと、決めつけていた。
 そんな身勝手なエンディングに、これからも『誰かにとってその他大勢ではない人間』になっていく人を引きずりこんではいけない。
 だから。
 ――後のことは語るまでもない。
 満足のいく結果を出せたと思う。三日後の本番にも不安は微塵もない。
 最高の舞台が、上条とサーシャを中心にして出来上がるに違いない。
「だから」
 言祝は思いを言葉に変える。。
 だからこそ、これでめでたしめでたし(エンディング)にはしたくない。
 自分で決めたシナリオに浸るのではなく、これから先の誰にも予想のつかない舞台に出演して(とびこんで)いきたい。
 メガホンで遠くから声をかけるだけの生き方は、もうやめだ。
「つまるところ…………本格参戦なのですよ」
 能力を使わなくても誰も聞いていない言葉は、ひそかな宣戦布告。級友達や、それ以外の大勢のヒロイン候補達への。
 恐れも気負いもない。
 女の子は皆、お姫様になるために生まれてきたのだから。


                    ◇   ◇

9071-169:2007/07/24(火) 00:04:57 ID:N5hWBqSg


「…………と、そうだ」
 もう一つ気になることがあったんだっけ、と言祝は我に変える。
 今さらだが部屋の中を見回して、他に誰もいないことを確認。
 空間の中心に顔を向け、“意識して”、適当な言葉を呟く。

「…………しゃーぶーしゃーぶー(×6)」

 口から出た声は一つ。
 耳に届いた声は“六つ”。
“部屋のあちこちから言祝の声が発せられたのだ”。
「5.1チャンネルサラウンド?」
 いやボケてる場合か。
 気づいたのは学生寮の自室に帰ってきた時。いつものように意味のない独り言を音声増幅で打ち消しつつ呟いていたら、声が変な方向から帰ってきたのだ。
 言祝の音声増幅は、本来自分の顔の前に空気の膜を作り、それを通り抜ける音の音量や周波数をある程度操作する能力だ。
 その気膜を、“何故か好きな場所に複数同時に”作ることが出来るようになっている。今のは顔の前に作った膜(仮に親膜としよう)で不可聴域に変換した声を部屋のそこここに配置した気膜(子膜でいいか)で可聴域に再変換し、更に自分の立っている場所に帰ってくるように指向性を持たせてみたのだ。
 これまでは――少なくとも昨日までは絶対に出来なかったことである。
 空気膜を一つ作るのと二つ作るのでは、思考演算は単純に二倍になるわけではない。音波の相互干渉、空気の密度変化など計算しなければならないことが山のように増える。だから年季の浅い言祝にはこれまで一つしか気膜を作ることが出来なかったのだ。
 それが何故か、超楽勝。まるで設計図が最初から頭の中にあるみたいだ。
 さっきは親一つに子六つの計七つを作ったが、この調子だと子膜は“十二個”くらい同時に作れそうな気がする。数字に特に理由はないけれど。
「しっかし……最近は開発の成績、そんなによくなかったんだけどなぁー」
 眠っていた才能が突然開花した――訳はないか。
 しかし、それにしても急激すぎる変化だ。
 すると、何かきっかけになるようなことでもあったのか。
「そう言えば――」
 昼間、理由はわからないけどサーシャが突然暴れだし、当身をくらって気絶して担ぎ上げられた後(冷静になってみるとすごいことをされたもんだ)、気がついたときには体育館の屋根の上で何やら『魔法陣』のようなものの中に寝かされていたが……
「……まさか、ね。話は聞かないと言っちゃった手前、撤回する訳にもいかないし。なるようになるのですよー」
 宿った“異質”を正しく認識することもなく、言祝は寝間着に着替えるためにクローゼットに向かった。
 図らずも、それが彼女を強引に『上条当麻の立っている舞台』に押し上げることになるのだが、それはまた別のお話。

9081-169:2007/07/24(火) 00:08:46 ID:N5hWBqSg
 虚章 語らう者たち My_Fair_Lady

 その建物は生きていた。
 パイプは血管、空調は肺、レンズは瞳、鉄は肌。
 命に近づきすぎた人工物、学園都市統括理事長の住む窓のないビル。
 赤い液体に満たされた水槽の中に逆さまに浮かぶ、男にも女にも大人にも子供にも聖人にも囚人にも見える『人間』アレイスターの前には、どのような技術によるものなのか空中にディスプレイが浮かび上がり、灰色の髪を後ろに流し儀礼用の法衣を着た精悍な顔立ちの男を映し出していた。
 口を開けば、出てきたのはイメージ通りの低音楽器のような重い声。
『礼は言わないことにするよ、アレイスター。君にあの子を任せてよいものかどうか、正直私は今でも迷っているんだ、科学の街の領主』
「結構なことだ、アレクセイ。二つ名は伊達ではないな」
 画面の中の男は不機嫌そうに顔を歪めた。
 ロシア成教、アレクセイ=クロイツェフ高司祭。
 三十代後半という若さで町教会の牧師からウスペンスキー聖堂の高司祭にまで登りつめた男で、信仰心はもちろん政治手腕もロシア成教内外を問わず高く評価されている。聖職者に対して使う言葉ではないが、いわゆる「やり手」というやつだった。
 年若い教徒達の面倒を真摯に見る姿から、『親鹿のアレクセイ』と呼ばれ敬われるほどの人物である。
 ――だが最近、とある日本かぶれのシスターが彼の二つ名をもじってこう呼んだ。
 曰く、『親馬鹿アレクセイ』。
 これが大流行。
 彼が義娘サーシャ=クロイツェフを溺愛してることは非常に有名である。何せ高司祭の地位を求めたのは女子寮のサーシャの部屋を一番日当たりのいい場所にするためだったというのだから筋金入りだ。他にも似たようなエピソードは思い出のアルバムをダンボールに詰めて積み上げて家を建てられるくらいある。近頃では礼拝に訪れた一般の信者にも親しみを込めて呼ばれるほど有名なあだ名になってしまった。
 当然というか何というか、本人はあまり嬉しくない。
『…………義娘(むすめ)にコスプレを強制するばかりか私にまでおかしなあだ名をつけおってからに、ワシリーサめ。大体自分の名前を棚に上げて人を馬鹿呼ばわりとはどういうことだ、ヒロイン気取りの厚顔無恥の厚化粧の……』
「非常に興奮しているところ申し訳ないが、話を戻すぞ。“当初の予定通り”、一端覧祭終了後、サーシャ=クロイツェフは学園都市の一学生として登録し、こちらの管理下に置く。『灰姫症候』の術者を捕らえるために負傷した駐在員の後任、という名目でな」
 アレイスターはなおもエキサイトする灰色の髪の男を上下逆さまに見ながら、ほくそ笑んで言った。
 この後、サーシャには殲滅白書から「こちらで『灰姫症候』の術者を捕らえることに成功した。しかし学園都市駐在のエージェントに負傷者が出たため、当分の間そこに留まり情報収集に従事せよ」という指令が下る手はずになっている。
 たが、『灰姫症候』の術者は本当は捕まったりはしていない。

 なぜなら今回の事件は、最初から最後までアレイスターとアレクセイ、そしてこの場にはいないがイギリス清教のローラ=スチュアートによって仕組まれた狂言だったからである。

9091-169:2007/07/24(火) 00:10:00 ID:N5hWBqSg
 筋書きはこうだ。
「学園都市で危険性の高い魔術現象が発見された」という偽情報を使って、サーシャを学園都市に送り込む。当然本当はそんなもの存在していないのだから、いくら禁書目録の知識があっても見つかるはずがない。
 そしてある程度の期間を置いてから、サーシャの触りそうな場所に『迷子札』を仕掛ける。これはローラが作成した霊装とも呼べない子供のいたずらのようなもので、「魔術師とそうでない人間が同時に触れた時、魔術師に零時迷子(ヌーンインデペンデンス)が移動してきたような違和感を与える」効果を持つ。
 一度“『灰姫症候』を発見した”と思わせることで、居もしない術者の存在をサーシャに認識させ、学園都市に留まらせる理由に正当性を加味するために。
 この時点でサーシャが探索魔術を成功させたとしても、「効果範囲に居なかったか、素早く察知して身を隠した」という判断をアレクセイが下せばサーシャはそれに従うしかない。そして何らかの理由で失敗した場合は、その責任を取らせるという形にすれば一層自然に彼女を学園都市に置くことが出来る。
 サーシャ以外のエージェントが学園都市に来ている、というのも嘘。『迷子札』が失敗した時のために「こちらで魔術師を見つけたが逃げられた」という報告書を作るためのスケープゴートだ。
「とりあえずは想定の範囲内だ。“こちらの一般人が少々干渉したようだが”、概ね予定通りに転入生を迎え入れることが出来そうだよ」
『まあそれは何よりか、電脳の旗手。――ただし、これもあらかじめ決めてあったことだが、』
「分かっている。サーシャ=クロイツェフへの時間割り(カリキュラム)は行わない。特殊な能力の持ち主なので、不用意な投薬等は危険であるとでも言っておけば問題ないだろう。実際そのような扱いを受けている人間はいないでもない」
 超能力者は魔術を使うことが出来ない。対して、既に魔術を学んでいる人間が能力開発を受けた場合、能力が発現する可能性はあるが、やはり魔術は使えなくなる。土御門元春は、目覚めたチカラとの兼ね合いでギリギリ両方のスキルを保っている変り種である。
 学園都市に住むことになると言っても、建前の上ではロシア成教のエージェントとして任務を続行している訳だから、魔術師としてのスキルを失わせる訳にはいかない。
 だが、ならばどうしてそこまでして、彼女を学園都市に置かなければならないのか。
 アレクセイは重く、苦いものを噛みしめているような顔をして、
『…………「都市流し(エクソダス)」。最大主教(アークビショップ)からお聞きした時はまさかと思ったものだ、学徒の守護者』
 アレイスターは平然と返すのみだ。お互いの利益のためだと。
 姫神秋沙という少女がいる。
 保有する能力は『吸血殺し(ディープブラッド)』。カインの末裔、吸血鬼と呼ばれる者達を惑わし、誘い、殺害する魔性の毒。
 かつて彼女の故郷が吸血鬼に襲われた時、真っ先に事態の収容のために現場に到着したのは警察でも自衛隊でもなく、イギリスの騎士団だった。山と積み上げられた灰の中に無傷でたたずむ少女は、彼らに保護されたはずである。
 にも関わらず、姫神秋沙は魔術サイドのことなど何一つ知らないまま学園都市の霧ヶ丘女学院に入学している。
 いったい何故か。
 答えは一つ。吸血殺しの能力、そして存在がイギリス清教にとって決してプラスにならないと判断したローラの手によって、姫神は学園都市に送られたのだ。
 魔術サイドにおける猛毒も、科学サイドではその毒性を真の意味では発揮出来ない。あえて殺してしまわなかったのは、いつか役に立つと思ったからなのか、単純に命を救いたかったからなのか、ローラの真意は分からない。しかしその後も同じような理由で人、あるいは物がアレイスターに預けられることがたびたびあった。最近ではインデックスもこれに当てはまると言っていい。
 学園都市側のメリットは、魔術サイドの情報が少なからず得られるということだろう。もちろんその当りはローラも熟知してるので、油断はならないが。
 これをいつしか、アレイスター達の間では都市流しと呼ぶようになっていた。

9101-169:2007/07/24(火) 00:10:45 ID:N5hWBqSg
『私が不甲斐ないばかりに、義娘の身が危なくなってきたのだ、ぜんまい仕掛けの仙人。八月のある日を境に義娘の『悪魔憑き』に異変が起きたと魔術局の奴らは言う。だが私は亡き友、あの子の本当の父親に誓ったのだ、あの子の幸いのためにあらゆる努力をすると。いかれた学者共などに義娘を渡してなるものか』
「ふむ。だがこの街には学生と教師と研究者しかいない。そして大抵の研究者は君の言ういかれた学者に当てはまると思うのだが、それでもいいのか?」
『…………………………』
 アレクセイは押し黙る。考えていなかった訳ではないだろう。ただいくら考えても、他の手段が思い浮かばなかったのだ。
 深く息を吸い込み、飲み込んで、飲み込んで、飲み込んで、
『もしかしたら……私はあの子を学校という場所で暮らさせてやりたいだけなのかもしれない、違う世界の魔王』
 それを聞いて、今度はアレイスターが口をつぐんだ。
 このアレクセイという男は、本当に馬鹿なのだろう。
 馬鹿な、親なのだろう。自分でもどうしようもないほどに。
「……私には理解できない感覚だな。しかもあれだけ自分のあだ名に文句をつけておきながら、他人のことは魔王呼ばわりか」
『許せ、鉄の城主。私の行動宣言(コマンドワード)は相手に相手自身を強く認識させるためのものなので、客観的なイメージが優先されてしまうのだ。それも慣れない日本語で話すとなれば、語彙の乏しさが誤解を招くこともあるだろう、薬漬け宇宙人標本』
「………………ローラといい君といい。今度の時節の挨拶には携帯ゲーム機と日本語トレーニングソフトを送らせてもらうことにしよう」
 世間話を楽しむ間柄でもない。アレクセイの機嫌がよくなったのを見計らって、アレイスターは通信を切った。昆虫のはばたきのような音を立てて、ディスプレイが消失する。
 残ったのは機械の低い振動音と、水槽内の気泡が時折立てる音だけ。
 いや。もう一つ。
「く、くくくく」
 魔王と呼ばれた人間の含み笑いが、ただっぴろい部屋に木霊する。

(全て計画通りだ。『悪魔憑き』は手順の短縮に大いに役立つだろう)

 アレイスターの脳内で、恐ろしい計画が組み立てられる。
“八月二十八日の『御使堕し(エンゼルフォール)』事件”。原因の方は土御門元春が誤魔化してうやむやにしたようだが、あの時誰も予想すらしていなかった結果が密かに生まれていたのだ。
 成体幽霊の模範解答(ショートカット)を精神に刻み込まれた少女の中に、十二使徒をすら超越する量の天使の力(テレズマ)が注ぎ込まれた。それも単なるエネルギーとしてではなく、“明確な姿”をもって降臨したのだ。
 ロシア成教の魔術局はこう判断した。
“その時『悪魔の設計図』は『天使の設計図』に書き換えられた”。
 おそらく次にサーシャが力を使ったとき、顕現するのは悪魔ではなく天使だ。魔術局の学者達はいち早くそれを予測し、研究に利用しようとした。これまで不確かだった『聖母』の資格の秘密に迫れるかもしれない、重要な調査対象であると。
 だがその能力はアレイスターにとっても非常に有用なものだった。そこで彼はローラを通してアレクセイに都市流しという「娘を助ける手段」を教え、紆余曲折の果てに見事『悪魔憑き』――いや、もうその名は相応しくないだろう――を手に入れたのである。
(短時間ではあるが、すでにヒューズ=カザキリの出現が確認された。あれがあれば最終信号(ラストオーダー)を使わずとも虚数学区を御せるかもしれない。く、くくくく……!)
 今回の事件は、最初から最後までアレイスター、ローラ、アレクセイの三者による狂言だった。
 しかし、“最後よりも後は”。
 再開幕(アンコール)は全て彼一人のものだった。
 魔王は自分の腹の中とも言える暗い部屋で、いつまでも笑い続ける。
 父親の願いも、子供達の想いも、全て愚弄して。

9111-169:2007/07/24(火) 00:11:30 ID:N5hWBqSg
                    ◇   ◇


 サーシャ=クロイツェフ。
 十三歳。ロシア国籍。
 第七学区、夕凪中学校へ留学生として転入予定。
 特例として、能力開発の単位は全て所得済みとする。極めて特異な能力を有しているため、待遇には統括理事会の指示を仰ぐこと。
 暫定能力序列(レベル)――4。
 能力名――『天使憑き(エンジェルハウリング)』。

9121-169:2007/07/24(火) 00:12:15 ID:N5hWBqSg
 終章 ものがたり Power_to_the_Dream

 一端覧祭が始まった。
 大覇星祭と違い、全校生徒を集めての開会式などは行われない。お祝い電報が廊下に貼り出されたりはするが、そのくらいである。
 主役はあくまで学生達。
 なので始まりの合図は、八時三十分ジャストに鳴らされる始業の鐘だけなのだ。
 街中のスピーカーが一斉にベルを鳴らすと、学生達は思い思いの出し物を目指して突撃していく。学校によっては街頭パフォーマンスを行ったり、会場校の外にステージを設けている場合もあるので、大覇星祭に負けず劣らず街中は人で溢れかえることになる。まさにお祭り騒ぎだ。
 第七学区三番臨時会場、つまり上条の通う高校では、前日に竜巻による被害が出たものの、学生総出で深夜まで突貫作業を続けたため、なんとか開場に間に合わせることが出来た。
 上条は睡眠不足の頭を運動系クラブのマネージャー達が差し入れしてくれた(厳密には上条の分だけクラスメイトの男共の手を何重にも経由してぬるくなってしまった)スポーツドリンクで活性化させ、こちらは睡眠ばっちりのインデックスとサーシャを伴って、まずは自分達の会場を見て回っている。目ぼしい所を大体巡ったら、少し遠出をして第九学区六番会場の特大お化け屋敷あたりに行ってみるつもりだ。何といっても一端覧祭は三日しかなく、しかも最終日は演劇の支度に追われることが確定しているから、遊び倒すなら今しかない。今日ばかりはお財布事情を顧みないことに決定済みだ。
「という訳だから、存分に飲んで食っていいぞインデックス! 今日の俺が豪気なのは決してサーシャからもらった宿泊代が大分残っているからじゃないからな!」
「そうだねとうま! サーシャが任務の報酬で奢ってくれるって言ったことなんて全然関係ないよね! ようっし、私に食われたい奴はいねーかー!!」
「…………まあ、今さら文句はないけれど」
 夜道を照らせそうなくらい目をギラギラさせて、欲望丸出しの白シスターは立ち並ぶ屋台やら出店やらに突撃していく。昨日のゲリラライブですっかり有名になってしまったこともあり、インデックスがやってくるとどの店の店員も気軽にひょいひょいと出来立てのたこ焼きなりリンゴ飴なりを放ってくれた。それを白シスターは空中でぱくり。頭の上に乗っけた三毛猫もおこぼれに器用にあずかっている。
 ひょいぱくひょいぱくひょいぱくぱく。ひょいぱくひょいぱくひょいぱくぱく。
「……どっかの桜の町の名物町長か」
「意味は分からないが、確かに名物になってもおかしくない光景だと思う」
 恐るべし托鉢シスター。てか宗教的にどうなのよそのへん。
 上条とサーシャはその後ろをのんびりついて行きながら、たまに飲み物や食べ物を購入する。劇の主役としてインデックス以上に有名人になった赤シスターは、焼きそばが大盛りだったりクリームソーダにアイスが二つ入っていたりとおまけの嵐だ。もうエージェントとして不法侵入してきたこととかどうでもよくなっている気がする。
 が、上条に対しては『噂のヒロイン二人を独り占めしている不届き者』という視線が集まりまくり、今にもかみやんマスク捕獲部隊が再結成されかねない状態である。オムライスを買ったとき、ケチャップで『Frag man is Destroy』と非常に偏差値の低い呪いが描かれていたのには流石にビビった。
「うう。お得なはずなのになんか不幸だ」
「「では、貴方のために祈りましょう」」
「ダブルシスターお祈り体勢!? 待て周囲の目線が怖い怖いてか知っててやってるだろお前らうわわさびはわさびはやめてぷぎゃあぁぁぁぁー!!?」
 そんな感じで出店巡りは続く。
 教頭先生連盟によるパイ投げ企画「先生笑ってゆるして(はぁと)」に参加したり、シルクハットから飛び出すもので尻取りを続ける二人のマジシャンを見たりして、そろそろ他の会場に行こうかなと思い始めた時、ふと上条の目にサーシャが持つ手提げ鞄が入ってきた。
 初めて会った日に、拷問道具を詰め込んでいたあの鞄である。だが『灰姫症候(シンデレラシンドローム)』を昨日あの後現れたロシア成教のエージェントだという人物に渡した時点で、サーシャの任務は終わりになったはずである。仕事道具を持ち歩く意味はないはずだ。
 じゃあ中身は何なのかしら? と上条がこっそり覗き見ようとしても、制服シスターはさりげなく手を持ち替えたりして手提げ鞄を上条の死角に持っていく。どうあっても見られたくないという意思が感じられた。
「………………ふっ」
 上条は潔く諦めた。やっぱり女の子の鞄を覗くなんてデリカシーのない行為はしちゃいけないよね。今日の彼は豪気な男。細かいことは気にしないのだ。

9131-169:2007/07/24(火) 00:13:41 ID:N5hWBqSg
「おや。あんな所で原作版くまのプーさんのお面が売っている」
「えっ?」
 童話好きの悲しい宿命か、あらぬ方向を指差されそちらに気を取られてしまうサーシャ。
 その隙に上条はずさーーっと横滑りし、金髪少女の背後に回る。今日の彼は豪気な男。GO MY WAYだ。ごま和えにあらず。
 そして視界に入ったのは、
「え――――ってぐおぇぁっ!?」
 眼球が捉えた情報をが脳に伝わる直前、強烈な衝撃が上条の脳天から股間まで突き抜けた。
 サーシャが手提げ鞄を持っているのとは反対の手に身の丈ほどの巨大なT字ハンマーを掴み、全力で振り下ろしたのである。
 ちょっと待てどこから出したそれ!? と上条が驚いて、ふと周囲に目をやると、周りの風景はいつの間にか屋台ゾーンを抜けて様々なゲームが並ぶアミューズメントエリアになっていた。
 一番近くにあったのは力自慢ゲーム。ハンマーで基盤を叩いて重りを打ち上げ、上にあるゴングを鳴らせるかどうかを試すあれである。プレイヤーに応じて難易度を調節する機能があるらしく、ハンマーも複数のタイプが備え付けられていた。ちなみにサーシャが片手で振り回している物には『成人男性(格闘技で何かタイトル持ってる人)用』と張り紙がされてある。
 最近こんなのばっかだなーと思いながら、上条は意識を手放した。


「はあ……はあ……」
 荒い息をつきながら、サーシャはハンマーを返却する。いやーいい振り抜きっぷりだったよ、ちょっとやっていかないかいと聞いてくる店の人に丁重にお断りを入れ、ぶっ倒れた上条当麻を背におぶる。不可抗力とは言えあまりに見事に入ってしまったため、目を覚ます気配がない。保健室に連れて行ったほうがいいだろう。
 尻や足には手が届かないので、ズボンのベルトを掴む。両手が塞がってしまうので、手提げ鞄は首にかけていくことにした。
 頭二つ以上身長の違う人間を背負うのは難しい。つま先が地面を擦ってしまうのは仕方ないとしても、正中線をずらさずに歩くのは肩幅の差もあって至難の技だ。
(やっぱりトーマも男の人なのか………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………うあ)
 そう意識してしまった瞬間。
 背中にかかる体重とか、ほっぺたに当るツンツン髪とか、汗の匂いとか、とかとか、色々なものに動悸が急上昇。
 上条当麻と密着していることが、めちゃくちゃ恥ずかしく思えてきた。
(ま、まずい。よく分からないけどこれはまずい。――そうだインデックス! インデックスと二人で引きずっていけば――!)
 サーシャはがばっと顔を上げて白シスターの姿を求めるが、目の届く範囲にはいなかった。遠くの方から「ぴこぴこー! ぴこぴこー!」というエキサイティング真っ最中な叫び声が聞こえてくるのみである。全力お楽しみ中ですかそうですか。
 裏切り者、と口の中で呟き、サーシャはヘアピンを外して前髪で顔を隠した。そうでもしなければ、大衆の面前で顔を上げていられなかった。
 保健室へ向かう途中、何人もの人が手伝いましょうかと尋ねてきたが、今のサーシャには聞こえちゃいない。ずんどこずんどこ、男性一人かついでいるとは思えない速度で突き進む。
 やがて中庭にさしかかる。開場してまだそんなに時間が経っていないため、休憩用のベンチには人気がなかった。
 周りに人がいないと、それはそれでドキドキする。どうしろというのだ。
 その時、彼女が撃ち抜いた図書室の窓が目に入った。昨日のうちに張り替えられ、もう痕跡も残っていないが、

9141-169:2007/07/24(火) 00:14:23 ID:N5hWBqSg
「……………………、」
 ふと、首に提げた鞄の中に目線を落とす。
 上条には見られたくなかった中身。
 鞄の中に入っていたのは、もちろん拷問道具ではなく、昨日劇が終わった後に言祝に無理を言って貸し出してもらった大量の絵本だった。
 その中には、両親から最後にプレゼントされた絵本の日本語版もある。
「……………………、」
 ふと、おぶった少年の横顔に目をやる。
 銃撃にも怯まず、目的を見失わず、彼女をまっすぐに見つめていた瞳は、まぶたの奥にしまわれている。
 今なら言えるかもしれない。
 結局言いそびれたままになっている言葉。
 止めてくれて、ありがとう。
 もう一度この本を開く勇気をくれて、ありがとう。
 だが口を開きかけて、思いとどまった。
 やっぱりそういったことは面と向かって、起きている時に言うべきではないだろうか。気絶してる相手にお礼を言っても、感謝の意は伝わらない気がする。
 それに、だ。
 今しか言えないこと、というのを、一つ思いついてしまった。
 ロシアに帰る前に、どうしても言っておきたいこと。
 絵本でしか知らなかった、あの感情。
 本当にこの気持ちが“そう”なのか、確かめられるのは今しかない。
「……………………、よし」
 少し考えて、上条の体を近くのベンチに寝かせる。まぶたを叩いたり指先をくすぐったりして意識がないのを確認