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フイルム風って?
1 名前: SATOSHI 投稿日: 2002/03/01(金) 21:43
DVでも1秒30フレームで1/60以上で撮ったらフィルム風の動きになる
とかってこの前の書き込みで皆さん書かれていましたが、どういうことなの
ですか?通常でもビデオって1秒30フレームじゃないんですか?それ以外の
設定とかできるんですか?教えてください。
最近、作品を撮り始めたのですがなんか、画が映画っぽくならなくて悩んで
います。自主映画の上映会とかに行っても、みなさんビデオで撮っているのに
なんかフィルムっぽく見えたりします。なんかコツがあるんですか?また、そ
ういうビデオカメラの機能についての勉強はどうやってすればいいんですか?
よろしくお願いします。

2 名前: ariko 投稿日: 2002/03/01(金) 21:44
初めまして。
うちの周りは学校の関係もあってもっぱらフィルムで撮ってます。
16ミリを主に、たまに35ミリにブローアップしたり等。
イマイチDVの画が好きになれなくて…
ビデオでフィルムっぽく撮れるならちょっとやってみたいですね。

ただ、画角に関してのみ言うなら、やっぱり『映画らしい画角』ってあると思うんです。
上手くは言えないんですが、例え16ミリでも、初めて撮監をする子が撮ると、
やっぱりイマイチ映画っぽくならない…というか、家庭用ホームビデオみたいな、
そんな出来になってしまう事も多々あります。
フィルムで撮れば必ずしも映画っぽくなるわけではないようです。

まだ撮影を始めたばかりなら、あまり”映画ぽさ”に捕われずにいろいろ試してみて、
自分らしい画を作ってみるのも良いのではないでしょうか。
そうしているうちに、撮監としての持ち味と一緒に、身に付くのではないかと。

なんか的を射てないレスで申し訳ありません…(^^;

3 名前: 高山カツヒコ 投稿日: 2002/03/01(金) 21:44
>通常でもビデオって1秒30フレームじゃないんですか?

 従来のビデオはインター・レース(飛び越し走査)と言って、1フレームを2つのフィールドに分けておりますので、毎秒30フレームのビデオでは事実上60コマ分の動きがあります。(30フレームのインター・レースなので30iと呼びます)
 1フレームが完全に1コマとして撮影されている動画をプログレッシプと呼びます。便宜的に言うとフィルムの映画は24pです。プログレッシプモードで撮影出来るビデオで毎秒30フレームで撮影した30pは、フィルムの24pと近い動きになるというリクツです。
 その際、シャッタースピードを1/60に設定出来ると、フィルムで言うところのシャッター開角度180度相当になるため、モーションブラーの量が適度になります。VX1000やVX2000でシャッタースピードを1/30にすると、画質は悪いですが30pの映像が撮れます。しかしシャッタースピードが1/30と、シャッター開角度になおすと360度相当のモーションブラーがかかってしまうので、少し被写体が動いたりパンしたりするだけで、ものすごいブレが発生してしまいます。
 ちなみに、最近のテレビCMはテレシネやデジタル合成との親和性から、毎秒30フレームのフィルムで撮影されている事も多いそうで、それはすなわち30pの映像という事になります。
 また、コマ数だけでなくフィルムとビデオではガンマやコントラストの違いがありますので、動きだけ30pや24pになっただけではフィルムっぽくはなりません。

 面倒な場合は普通に撮ったビデオ素材を、http://web.archive.org/web/20020127034032/http://www.digieffects.com/ の、DigiEffects社のCineLookというプラグインを、AfterEffects か Premire6.0 以降に入れてレンダリングすれば、イーストマンコダック、フジ、アグファゲパルトの主なフィルムの色と、フィルム風の動きにシミュレートしてくれます。

4 名前: にんべん 投稿日: 2002/03/01(金) 21:45
突然ですが、arikoさんって、下の書き込み見て思ったんだけど、ひょっとして、大◯大の人?
それはさておき、たしかにarikoさんの書いている通り、画調云々よりも、構図の取り方一つで映画っぽくなるのはたしか。
僕もカメラをやっていたケド、やっぱり「映画」というコトは意識してたなぁ。
要は、どういった形で観せるかってコト(スクリーンなのか、モニターなのかとか)を考えればいいのかな、と思います。

5 名前: SATOSHI 投稿日: 2002/03/01(金) 21:45
なるほど、とりあえずもっと撮れということですね。arikoさんの言うとおり今の僕が
フィルムで撮っても映画っぽくならないと思います。もっと精進します。
ところでふと疑問に思ったのですが、30pよりも30iのほうが1コマの中での動きが
多いと言うことですよね。ということは、30iの方がより細やかに動きを捉えていると
いうことですか?そっちのほうがすごくないんですか?ほんとショーもない質問ですいま
せん。

6 名前: 高山カツヒコ 投稿日: 2002/03/01(金) 21:46
>ところでふと疑問に思ったのですが、30pよりも30iのほうが1コマの中での動きが
>多いと言うことですよね。ということは、30iの方がより細やかに動きを捉えていると
>いうことですか?そっちのほうがすごくないんですか?

 その通りで、30iの方が30pよりも動きが滑らかで現実味のある描写が出来ます。ドキュメンタリーなどの「現実」を取材する時には30iの方が臨場感がありリアリティー溢れる記録が取れます。
 それ故、逆に30iは生々しすぎて、虚構を描くドラマには結構使いにくく、セットから照明果ては演技にいたるまで「作り物」を「忠実に作り物臭く」表現してしまいます。ヒドイ時は、画面に映っていないハズの撮影現場の雰囲気まで映ってしまう事もあり、どんなに物語に説得力を持たせようとしても「結局は作り事じゃん」と観客に醒められてしまう難しさがあるわけです。「表現」と「記録」は別物なので、映画では現実を忠実に撮る事が必ずしも正義ではないわけです。(単純に、ビデオ画質の作品はレンタル屋でも人気がないって現実もありますが)もっとも、物語よりもアイドルやタレントがリアルにくっきり映る方が重要な場合もあるので、使い分けが重要だと思います。

 人間の目は疲労度にもよりますが、毎秒30〜40回未満の点滅は認識できしてしまうので、それを防ぐために毎秒50回程度以上点滅する上映方法をとります。毎秒24コマのフィルム映画も回転シャッターで1コマを2回点滅させながら上映しますので実際には毎秒48回の点滅をしているため、映画のフリッカーは人間の目では認識できません。ビデオの場合は毎秒30フレームだと画面の点滅が気になるので、1フレームの画質を半分に分けて2回表示する事で60回の点滅にしてるわけですが、1フィールド目を表示している間にも被写体が動くので動きも60コマ分記録されてしまうわけです。じゃあ、始めから60pにしちゃえばいいのにと思うかもしれませんが、テレビが開発された頃にはまだフル・フレームの画像を毎秒50枚以上送信するのは技術的に難しかったので、1フレームを2回に刻んで表示するインター・レースが採用されたわけです。現在はデジタル技術で画像をメモリーできるようになったので、インター・レースのフィールドを2枚とも同じフレームで撮影する事が可能になったのです。(プログレッシブテレビは、また別の原理)

 ちなみなに、映画的な画作りとテレビ的な画作りの撮り方の大きな違いは、基本的には視聴する画面サイズの違いで、例え視聴者が小さな画質の悪いテレビで見ても「伝わる」画作りにするか、色と明るさの基準が決められた大画面で観る事を前提に作るかの違いが大きいです。また、ビデオはその解像度の粗さと感度の高さから被写界深度が無駄に深いので、そのまま撮ると余計な所にもピントが合いすぎると言う特徴もあります。テレビモニターの色や明るさの基準は事実上デタラメなので(店頭でキレイに見せるため、派手で明るい味付けにしてある)、写真的な狙いは劇場映画でないと難しい部分あります。劇場で観た作品をDVDで観ると役者の表情が小さく見えなくなってたり、本来見えちゃいけない暗さが明るく上がって明確に映し出されてしまったりと、撮影意図や映画そのものの雰囲気まで変わっちゃうケースも多いです。

7 名前: SATOSHI 投稿日: 2002/03/01(金) 21:46
なるほど、勉強になります。よくわかりました。
しかし皮肉なもんですね、動きが滑らかになるとリアルすぎて作り物っぽくなるなんて
・・・。しかし、この前ある人から「環境問題のため、将来的にはフィルム作品はなく
なる。ビデオが主流になる。」と聞いたのですが、そうなると映像の世界もがらっと
変わっちゃうんですかね。それともフィルムに変わるようなビデオが開発されているん
ですかね?

8 名前: 仏陀電影プロデューサー 投稿日: 2002/03/01(金) 21:47
フィルムに変わるビデオの件ですが、現在製品としてはハイビジョン用カメラとしてソニーが今年から
販売しているのがあるのですが、まだまだ映画撮影用カメラとしては発展途中で、映画製作者を集めて
プレゼン&撮影会なんかもやっていますが、評判はさんざんです。
カメラスペックとしては撮影画素数200万で30フレームで撮影できる以外にフィルムと同じ24P
で撮影できる機能があり、一般の35mmフィルムカメラ用のレンズが使えるそうです。
しかし、ハリウッドで使っているデジタル合成用フィルムスキャナの画素数が6000×4000ぐら
いの解像度がるようで、この数値一つとっても、ビデオカメラはまだまだフィルムにはかないません。
それとビデオカメラの被写界深度がフィルムに比べて浅くなるのは,撮影面積が小さくなるほど、撮影
機の被写界深度が深くなる傾向があるからで、今の民生用ビデオカメラのCCDの大きさが4分の1です
から約6mmの大きさとなるのでこれは8mmフィルムよりボケにくいということになります

9 名前: 高山カツヒコ 投稿日: 2002/03/01(金) 21:48
>しかし皮肉なもんですね、動きが滑らかになるとリアルすぎて作り物っぽくなるなんて・・・。

 特に、特殊メイクやミニチュア特撮などはビデオ画質には不向きで、作り物臭さが酷くなり、CG素材の合成も、いかにもCGIをはめたって感じになります。

>「環境問題のため、将来的にはフィルム作品はなくなる。ビデオが主流になる。」と聞いたのですが、

 環境問題というよりは、単に消費量が減って商売がなりたたなくなったら止めるって意味の方が大きいようです。フィルムはナマモノですので、常に新鮮な物を供給しないといけないし、現像所も維持しないといけないので大変なわけです。
 以前、コダクロームの8mmフィルムが日本で販売現像を中止する時にも環境問題を理由に挙げていましたが、一眼レフのコダクロームは健在ですし、海外での販売は継続されていて、現像も水の綺麗なスイスでも継続されています。

>それともフィルムに変わるようなビデオが開発されているんですかね?

 企画はされているようですが、普及するのはずっと先だろうし、最初はプロの劇場映画用からだからアマチュアが自主映画で使えるようになるのは遙か先でしょう。
 今、SONYで24pのハイビジョンが劇場映画に向けて開発され、スターウォーズのエピソード2の撮影に使われているらしいですが、話によるとこのキャメラは斜めの線やエッジに出るギャザーが汚いらしく写真的にはあまり良くないとかで、日本では使う人は少ないそうです。何でそれをハリウッドが使ってるかと言うと、フィルムで撮ってもデジタル合成のために一度デジタルデーターになおし、合成の後でまたフィルムに戻すという手順をとってるので、どうせデジタルにするなら始めからデジタルハイビジョンで撮った方が楽だって事だそうで、画像の汚い部分は全部ポスプロで手直しするんだそうです。もっとも、ポスプロだけで何億も予算がかけられるハリウッドでの話であって、撮ってそのまま素材を使わざるを得ない日本の予算では、まだまだフィルムで撮った方が安くてキレイなようです。
 劇場版ウルトラマンコスモスがハイビジョンからのレーザーキネコだそうで(おそらくアナログの方)、デジタルビデオ特有のギャザーは出てなかったようですが、色はあんまりキレイじゃなかった感じです。肌色がなんとなく濁った感じで暗い部分のグラデーションがイマイチ美しくなく、カットによっては輪郭補正の不自然なエッジが現れていたり、自動車のフロントグリルなど格子模様の部分にはモアレが発生していました。そのかわり、怪獣やウルトラマンが出てくると、そこはフィルムで撮ったりCG素材を直にフィルムに焼いてるので、とたんに画質が滑らかになります。とは言え、おそらくDVDソフトに落としたら分からなくなる程度なんで、作品的には問題は無いのだと思います。

10 名前: 高山カツヒコ 投稿日: 2002/03/01(金) 21:48
>それとビデオカメラの被写界深度がフィルムに比べて浅くなるのは,撮影面積が小さくなるほど、撮影機の被写界深度が深くなる傾向があるからで、今の民生用ビデオカメラのCCDの大きさが4分の1ですから約6mmの大きさとなるのでこれは8mmフィルムよりボケにくいということになります。

 簡単に捕捉を。
 被写界深度の計算は、レンズの焦点距離、絞り、そして焦点の許容錯乱円直径から割り出します。撮影面積が小さくなるとフィルムの解像力が荒くなりますので、画面対角線に対する錯乱円直径の比率が大きくてもピントのボケが解像度の中に収まってしまい被写界深度が深くなるわけで、感光面積が小さいと被写界深度が深くなるという風な言い方になります。
 ただ、デジタルビデオの解像力は、CCDが大きくても小さくてもNTSCは720×480(D1は720×486)と決まっており、これは16mmフィルム(ある意味、低感度の8mmフィルム)よりも体感的には荒い解像度なので(フィルムは動くと粒子が積分されるので解像度が上がる)ビデオの被写界深度は深くなりやすいわけです。

11 名前: 高山カツヒコ 投稿日: 2002/03/01(金) 21:49
劇場版の仮面ライダーを見てきました。これが件の24pのHDによる撮影だと聞いてます。
 観た感じ、噂で聞くほど酷くはありませんでした。数カット、ギャザーのヒドイ画もありましたが、それはもしかしたらその部分だけNTSCか何かなのかも知れません。
 今の処、24pHDからフィルムを焼くのは、始めからフィルムで撮るよりも予算がかかるって話なんで、余程、特殊効果の多い作品でない限り、メリットはまだ少ないようです。

 キネコやデジタルからのフィルムレコーディングの値段ってスゴク高い割に、自主で主に使うNTSCからだとやっぱり画質が悪いので、大画面上映とか、海外の映画祭とかのフィルムでないと受け付けない所に出す計画がある場合は、もしかしたらまだ16mmで撮った方がイイのかも。
 最新の16mmフィルムって感度高いし、画質もチョット前の35mm並(もしくはそれ以上)らしいって話なんで、中古で揃えてフィルム回すのも面白いかもね。

12 名前: 高山カツヒコ 投稿日: 2002/03/01(金) 21:49
 〈リリイ・シュシュのすべて〉を見てきました。これも件のSONYの24PのHDで撮影されてて、沖縄のシーンはDVで撮影されてるそうです。
 画質はと言うと、印象としてはあんまり綺麗じゃなかった。まぁドキュメンタリータッチの撮り方だとかで手持ちで照明も作り込まずに撮ってるカットが大半なんでしょうがないのかもしれませんが、垂直なラインのエッヂがチラついたり細かいディティールがザラついたりした感じがありました。
 雑誌の記事によるとDVのカットは特殊な処理をしたとかで、DVの30iをHDの24pに親和させるために、DV映像を一端DLPシネマで上映してそのスクリーンをHDキャメラで再撮するという手順を踏んだんだそうで、これはゼヒ自分の目が確認しなければ(もし本当にDVがHDと繋がる画質になるんなら私も使いたい!)と思って、それダケ見に行ったわけですが、スゴクきたなかった(^^; なんかもう、ガビガビ。〈ダンサー・イン・ザ・ダーク〉どころか〈ラプ・アンド・ポップ〉の一番荒いカットよりも汚かったです。結局、私には何でわざわざこういう手順にしたのか良く分かりませんでしたが、きっと何か演出意図があったんだと思います。

 余談ですが、〈ダンサー・イン・ザ・ダーク〉もそうでしたが、ドキュメンタリータッチの撮り方って映像文法で言うと二人称になるので、画面から筆者(キャメラマン)の存在が常に意識されちゃうんで、どんなに緊迫したシーンになっても「オイ、撮ってないで助けてやれよ」って思っちゃってドラマの虚構性が崩されちゃうんで、私はあんまり好きじゃないんですよねぇ(^^; 珍しいからもてはやす人は多いけど。
 〈ユートピアノ〉は好きだけどね(^^;

13 名前: <削除> 投稿日: <削除>
<削除>

15 名前: 高山カツヒコ 投稿日: 2002/06/07(金) 01:22
 〈ナースのお仕事 ザ・ムービー〉と〈突入せよ!「あさま山荘」事件〉を観てきました。
 〈ナース〜〉はSonyの24pHDキャメラ『シネアルタ』で撮影された作品で、〈あさま山荘〜〉はPanasonicの24pHDキャメラ『バリカム』で撮影された作品です。
 同時期に公開されたHD撮り劇場作品という事で気になって観て来たわけですが、正直な感想、Sonyシネアルタの映像はなんか汚かったです。ものすごくチープな感じ。観れるカットもあるのですが、ちょくちょくエッジにジャギーが出たり、輝度差の激しいエッジがレンズの色収差のように滲んだり、格子状の部分にモアレが出たり、キャメラをパンするとディティールが変化したり、細かいディティールがチラついたりと、『写真として美しくない』映像でした。色も再現されているというだけで味はないです。というか不味い。デジタルビデオとの欠点を全部再現した感じのフィルムで、キネコ臭い映像でした。
 対して、Panasonicのバリカムは、思いのほか綺麗だった。言われなければHD撮りだと気付かないくらい自然なフィルムだったし、『写真として美しい』映像でした。ハイライトもシャドウもディティール感があって綺麗で、色も自然な感じで作品として楽しめる味のある画質でした。
 Sonyシネアルタの走査線数1080本に対してPanasonicバリカムは720本と少なく、スペック的にはバリカムの方が劣るはずなのですが、何故かバリカムの方が美しいというのが不思議でした。走査線はDVの480本の1.5倍しかないのですが、ラチシュードの幅をHDの帯域一杯に広げたキネコ前提のフィルムトーンガンマと、フィルムレコーディングを前提としたフィルムガンマで記録出来る点で、フィルムの性能と表現力に近づけてるんだそうです。
 シネアルタのキネコの親玉というか、悪く言うと「結局はビデオ」的な画質とは一線を引く感じで、正直驚きました。バリカムは毎秒4〜60コマまで撮影速度が可変できる点も、実に映画の事を知ってるって感じで、もし、どっちか好きな方を使わせてやると言われたら、私は迷わずバリカムの方を選びます。
 スターウォーズEp2、Ep3はシネアルタですが、おそらくポスプロでかなり修正したんじゃなかろうかと思います。ポスプロだけで数億かけられる国だから。

16 名前: YOKO 投稿日: 2002/07/27(土) 20:59
ちょっと見当外れかもしれませんがすみません。
常々思うんですがビデオって赤外線まで写りますよね(例えばリモコンをレンズに向けるとその発光が写る)?
ということは可視光線以外の光の入った映像になっている(肉眼の色と違う)という事じゃないですか?
それなら赤外線カットのフィルターを使えば、もしかしたらビデオ映像のギラギラ感みたいなものが消えるんじゃないか?
だれか実験とかした人はいませんか?
わざわざ買って実験するのも気がひけてしまって自分ではやったことがないんですが・・・。

17 名前: 高山カツヒコ(TEPPROJECT.COM) 投稿日: 2002/07/28(日) 03:05
 それはビデオだからではなく、フィルムでも赤外線や紫外線に感光し、本来の色に影響が現れます。
 そのあたりを気にする場合のため、赤外線や紫外線をカットするフィルターもあります。
 ビデオのギラギラ感とはまったく関係ありません。

18 名前: YOKO 投稿日: 2002/07/29(月) 01:04
良かったー赤外カットのフィルター買わなくて(笑)。
でもあのビデオのギラギラ感はなんだろう?エッジがきついのかな?
以前そう思って、軽いソフトフォーカスのフィルターをかけてみた事があって、若干は柔らかい感じにはなったんですが。
やはりそれ以上を望むのであればPC等でいじるしかないんですかねぇ・・・。

19 名前: 高山カツヒコ(TEPPROJECT.COM) 投稿日: 2002/07/29(月) 01:33
 ビデオのギラギラ感は直線的なガンマによるコントラストの堅さが原因の一つで、特に白のトビかたと、黒の潰れかたが急激なのがそれを強調しています。
 つまり、解像度とかエッジとかの問題ではなく、明るさ関係の問題なんです。(あと、再現できる色空間の違い)
 性能と言うよりもテレビの規格の関係で、記録できるコントラスト比がフィルムより狭いんです。
 試しにバリカムのサイトの商品情報の、特性曲線を見てみてください。
 http://www.panasonic.co.jp/bsd/salesj/varicam/index.html
 シネガンマですと、100%の白よりずっと上の400%以上の明るさを、100%白まで圧縮して表現しているので、普通のビデオなら白く飛んでしまうような明るい部分のディティールまで再現でき、逆に暗い部分も潰れずにディティールが再現できています。これがフィルムっぽさの一部です。

 そういった、もっと根本的な機械の特性の問題なので、撮影の時の照明やフィルターでフィルム風に見せるのは現実問題として無理で、数々の先人が試していますがうまく行った話は聞きません。
 色味に関してはシネガンマ以外では、キャメラの基盤を調整してしまうか、フィルムトーンやシネルックなどのエフェクターによる後処理をするかのどちらかしかないようです。

20 名前: KSM 投稿日: 2003/02/25(火) 00:51
質問ですがDVの60iの映像を30pにするとき、同じ動画を2つ作って
片方のフィールドを逆にして、インターレースを解除後合成すると綺麗に
なると思うのですがそうなりますか?

21 名前: しん 投稿日: 2003/02/25(火) 07:56
確かにきれいになりますよね。
片方をlowerfieldもう片方をupperfieldに設定して、
二つを合成し、重ねた上の映像の透明度を50%にすれば、
かなりきれいに見えます。

22 名前: 高山カツヒコ(www.tepproject.com) 投稿日: 2003/02/25(火) 14:37
 好みによると思いますが、きれいになると言うより滑らかになるという感じでしょうか。
 編集用の小さいモニターだと分からないかもしれませんが、大きなテレビで見た時のフォーカスの甘くなった加減が許せるなら大丈夫という所でしょうか。

 いずれにせよ、シャッター開角度が360相当になりますので、動きやパンでブラーが目立つのが難ではあります。
 フィールド逆で重ねると、動きがない部分も全体的に解像感が落ちるので、全体的な「甘さを揃える」という方向では有効な使い方かもしれません。

 FieldKidというインターレース解除プラグインだとその逆で、動きのある部分はもともとブラーがかかるから解像感が落ちても目立たないという考えのもとに、動きのない部分の解像感を守りながら、動いてるピクセルだけフィールド解除の時に滑らかにする事で、全体の解像感を下げずに、動いてる部分を滑らかにプログレッシブ化するような仕組みになっています。

23 名前: 高山カツヒコ(www.tepproject.com) 投稿日: 2003/02/25(火) 15:30
 ツールのによって仕上がり変わると思いますが、試しにPremiereを使って数種類のクリップで試してみましたところ、ジャギー感が下がるのは良いですね。動きのブラーが強くなるのが我慢できるなら、ジャギーが強い映像よりは自然なので良いのではないかと思います。解像感が下がるのは我慢。プログレッシブのキャメラを使わずに全てきれいにプログレッシブ化というのは贅沢な話ですから(^^;

 ちなみに、今MagicBulletを試してるのですが、これの60i→30pプログレッブ化はジャギーが目立たない事もさる事ながら、解像感もあまり下がらないというのが非常にすばらしいです。値段が高いのとレンダリングに時間がかかるのが難ではありますが、充分商業レベルの品質でプログレッシプ化できます。
 さすがもとILMのスタッフが作っただけの事はあります。

24 名前: 高山カツヒコ(www.tepproject.com) 投稿日: 2003/02/25(火) 18:25
 あ、↑の23の試してみたと言うのは、KSMさんの方法ね。念のため。
 他の編集ツールでは確認してないのでわかりませんが、Premiereのみの単体でプログレッシブ化を済ませるには良い方法だと思います。
 予めこの方法を使うと分かってる時は、ブラーが強くなるので、撮影の段階からあまり早い動きやキャメラワークは控えるようにした方が良いかましれません。

 あと補足ですが、もう一つ、Twixtorというスローモーションを作るプラグインがあり、これが素材と出力のインターレース、プログレッシブを指定できるので、スローを1倍のままにして29.97p(30p)出力を指定すると、これも比較的きれいなプログレッシブ化かができます。ややジャギーが残るのですが解像感の下がり方も少なく余計なブラーも足されないので、同社のSmoothKitを使って目立つジャギーは抑えられば、これも一つの手かもしれません。

25 名前: しん 投稿日: 2003/02/26(水) 05:38
私は普段VX2のフレームモード(偽30P)をつかって
フィルム風な映像をつくっているのですが、
VX2の30pとMagicBulletでつくる30pの映像はどちらが
画像の劣化が少ないのでしょうか?
VX2のフレームモードは75%ほど解像度が下がるそうです。
MagicBulletは画像劣化は防げると思うのですが、
VX2の30Pよりはブラーが少しだけ目立ちすぎると思います。

26 名前: しん 投稿日: 2003/02/26(水) 05:40
上の書き込みはVX2ではなく、CanonのXV2のことです。
書き間違いです。

27 名前: 高山カツヒコ(www.tepproject.com) 投稿日: 2003/02/26(水) 10:39
 私はXV2を使った事がないので正確な事はわかりませんが、キャメラ自体がプログレッシブに相当する機能を持っているなら、おそらくその方が綺麗だと思います。
 時間軸を絡めて抜け落ちた映像データーを補間するのはどんな技術を使っても非常に困難で、100%完璧を望む事はできません。なぜXV2がフレームモード時に解像度が下がるのかは知りませんし(画素ずらしが利かなくなるとか?)、その(偽)30pと呼ばれるフレームモードがどんな処理をしているのかを知りませんが、CCDがちゃんと1フレーム毎の画像を拾っているのであれば、色々な手段で無理矢理データーを補うよりはきれいな筈だと思います。
 ブラーに関してもVX2がフレームモード時にもシャッタースピード設定が利くのであれば調整は自在なわけですからその方が自然で良いでしょう。

 こういったツールでプログレッシブ解除を行うのは、インターレースのキャメラで撮らざるを得ない場合の話ですので、始めからプログレッシブで撮影できるならそちらを使うべきだと思います。

28 名前: 匿名 技術太郎 投稿日: 2003/03/04(火) 22:29
AE用のフィルムルックのプラグインはこのスレに載ってるの以外でどのようなのが
ありますか?

29 名前: 高山カツヒコ(www.tepproject.com) 投稿日: 2003/03/05(水) 01:09
 整理すると、DigiEffectsのCineLookとCineMotion、The OrphanageのMagicBullet、プログレッシブ化ツールとしてDVFilmのDVFilmMaker、RE:VisionEffectsのFieldsKitとTwixtor、その補佐としてSmoothKitとMotionBlur。
 あと、AfterEffects用ではありませんが、Combustionというツールにフィルムルックの機能があるそうです。フィルムルックサービスとしてDVFilmのRembrandtカラーコレクションサービスというのがとても綺麗です。
 編集スタジオで使うクラスではマジックボックスのコンポーネントの一つにフィルムトーンとかいうエフェクターもあるそうです。
 私が知ってるのはこれくらいです。
 他にもご存じの方いらしたら是非教えてください。

 多くのスタジオでは、これらのプラグインは使わず普通にエフェクターの調整の組み合わせだけで似た効果を出したりしますが、それ故に仕上がりに差はあるようです。
 同様にAfterEffects(またはPremiere)付属のエフェクトフィルターの組み合わせだけでも似た事はできますし、効果によっては上記のプラグインよりも早いレンダリング速度で処理もできる事もあります。
 銀残し風の処理(BreachBypass)などは、Premiere単体の操作だけでもMagicBulletと同等の効果が出せます。

30 名前: しん 投稿日: 2003/03/05(水) 06:33
高山さんが上に書いてあるソフトウェアをすべて使っていますが、
個人的にはMagic Bulletが一番良いと思います。
プログレッシブ化もさることながら、フィルムルックな色調整もできます。
色調整ではCinelookもかなり使い道がありますが、
最近は色調整もMagic BulletのLookSuiteで仕上げています。
簡単に色調整ができるし、仕上がりもきれいです。
Magic Bullet(LookSuite)のプリセットにはWarm/Cool、Deffusion、B & W等の基本的な設定から、
Breach Bypass(銀残し)、Color Reversal、Epic(テクニカラー)、
No.85、Punchy(ミュージックビデオのようなインパクトのある色合い)があります。
これらを基本にして、自分なりに設定を変えていけばかなり楽に色調整ができます。
例えば、ブラック(ホワイト)プロミストフィルター効果は、
PremiereやFinal Cut Proなんかでも似たような効果は作れますが、
少々面倒くさかったりしますよね。
2つクリップを重ねて1つにブラーをかけて、もう1つのクリップにLuma Key
をかけたりしてね、、、
撮影の時にプロミストフィルターをレンズに付けて撮影すればいいんですが、
似たような効果をポストプロダクションで出すときは、いいですよね。

31 名前: 高山カツヒコ(www.tepproject.com) 投稿日: 2003/03/05(水) 08:20
 プロミストに限らずソフトフォーカス系フィルターは、現場でフィルターかけると画角によってかかりかたが変わったりするので数種類揃えてカットによって交換しないと編集した時の統一が難しいのですが、エフェクトで処理できるとシーン全体が統一できるので楽なんですよね。
 ただ、現場でかけるのと違って、光源もただのハイライトも同じ程度にしかかからないのがちょっと残念ですが。

 レンダリング時間が長いのと価格が高い事さえ我慢できれば私もMagicBulletが一番好みです。先日Windows版もリリースされましたし。
 個人的に一番気に入ったのは、DVX100の24p&シネライクガンマの映像にMagicBulletをかけるという二段階のF処理工程を踏んだ映像で、解像感が高いまま階調と色調と動きがフィルムになっているのが実に綺麗です。画質を一切落とさずにビデオ臭さが完全に抜けるのが私にとってはとても魅力です。

32 名前: しん 投稿日: 2003/03/06(木) 12:04
この間、Allen Daviau(カラーパープル、太陽の帝国、バグジーの撮影監督)
がうちの大学に来て講議をしてくれたのですが、彼もMagicBulletのことを
とても褒めていました。
Allen Daviauさんは、サンダンス映画祭で賞を獲ったSweetっていう3分くらいの短編映画の撮影監督をしたらしんですが、その映像はとてもきれいです。
Sony-VX1000で撮影したものを、Magic Bulletでプログレッシブ処理したあとにフィルムにキネコしたようですが、ブラーもほとんど出てなかったです。
劇場でのフィルム上映だったのですが、VX1000で撮影したとは思えないほどの出来でした。
ま、撮影時にいろいろと工夫したみたいですが、、、
色補正もフィルムラボと打ち合わせをしながら、
MagicBulletのLookSuiteを使用したそうです。
Sweetを見たことのない方はwww.sputnik7.comで見ることが出来ます。
オンライン上映ですので圧縮はかかっていますが、
映像の美しさを少しは感じ取れると思います。

33 名前: ナツ 投稿日: 2003/03/06(木) 22:02
先日、高山さんが『銀残し風の処理などは、Premiere単体の操作だけでもMagicBulletと同等の効果が出せます』と書かれてましたが、具体的にはどうやればいいんですか?

34 名前: 高山カツヒコ(www.tepproject.com) 投稿日: 2003/03/06(木) 23:38
 基本的にはレベル調整と彩度調整とトーンカーブなどの調整を組み合わせで使い、プリントの銀残しの場合は全体の彩度を落として暗部を暗く締め、ネガの銀残しの場合は反対に明部を跳ばす感じに調整していきます。
 文字で説明するはちょっと難ですが(^^;実際に画像を見ながらいじれば簡単。
 こう作らないといけないと言う決まりはないので、好きな風に調整して自分好みのレシピを出してみてください。
 私の好みの詳しいレシピは――ナイショ(^^;
 単なる数字の組み合わせだけど絵の具のブレンドみたいな物だから。
 自分と同じ色の作品が他に増えても楽しくないでしょ?

35 名前: 高山カツヒコ(www.tepproject.com) 投稿日: 2003/03/08(土) 05:26
 試しにPremiereによるF処理の画像をアップしてみました。
 ビデオ撮り素材を元に、彩度やコントラストなどを調整したもので、CommotionやAfterEffects、その他の編集ソフトでも同様の調整はできるはずです。
 ついでにMagicBulletの処理例もあげておきます。

 http://www.tepproject.com/contents/cinetone/cinetone_l.html

 ビデオ画質そのままだと現実の生々しさがそのまま記録されてるために、味気ないと言うか、付加価値がないと言うか、ドラマなど虚構の世界を描いても現実と何ら変わりない質感のせいか、かえってチープに見えがちです。
 これが人気タレントが写ってるとかなら生っぽい方がありがたいのかもしれませんが、自主映画のような予算に限界のある現場では、演技や照明や美術のアラがくっきり映ったり、特殊メイクやミニチュアなどの作り物やCGがとても忠実に作り物臭く映ったりと、ありがたくない面が多く、このあたりもフィルム時代から撮り続けている人がビデオを嫌がる理由の一つになっています。

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