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SSスレ(萌え)6
1名無し三等陸士@F世界:2010/05/26(水) 16:08:44 ID:mcg6esMA0
萌え中心のSSを投下するスレッドです。
ここでは逆に萌え以外の話題は厳禁です。

ハイテク兵器VS剣と魔法

戦国自衛隊のノリでいて新たなジャンルを開拓すべし
銃を手に、ファンタジー世界で生き残れ!

・sage推奨。 …いや、sageる必要ないか。
・書きこむ前にリロードを。
・SS作者は投下前と投下後に開始・終了宣言を。
・SS投下中の発言は控えめ。
・支援は15レスに1回くらい。
・嵐は徹底放置だ。反論は許さん!…スレ住人が。
・以上を守らないものは………メイブ様による「3分持たないのね・・・・」の刑に処せられます。

前スレ SSスレ(萌え)5
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/4152/1266250866/

2名無し三等陸士@F世界:2010/05/26(水) 16:10:33 ID:mcg6esMA0
暫定ガイドライン(分家Ver.)

1.「自衛隊がファンタジー世界に」とあるように、あくまで「現代日本」が主に関わる話であること。
2.現代日本というからには、自衛隊の組織・装備はあくまで現用もしくは近未来的に配備が予想されるものに限る。
3.核兵器などの日本が配備するにはナンセンスなものは極力避ける。
4.あくまで「ファンタジー世界」の話であり、F世界側の設定は作者が自由に決めることが出来る。
  ただし、「超兵器・超魔法まんせー」な話にならぬよう気をつける。また、無敵キャラは作らないことが望ましい。
5.ファンタジー側の人間もきちんと描写する方が好ましい。自衛官主観という演出などであえて描写しないのはこの限りで無い。
6.戦術、戦略としてありえないものを避ける。たとえば人間の徒歩部隊が一日に100kmすすむとか。
7.萌え・色気はあくまで表現手段であり、目的ではない。 安易に狙ったり、しつこく要求するのは流石にウザイので自粛すべき。
8.叩き・煽り・嵐は徹底放置。嵐認定を受けた後に、かまった者も同罪とする。
9.SS作者は、抽出がしやすいようにトリップ装着を推奨。
10.感想書き込む人も節度や口調を考えるべし。作品が気に食わないなら透明あぼーん汁


2補足.どうしても出したい兵器がある場合は納得できるような説明を説得力のある理由つけてハッタリかますこと。
7補足.どうしても萌えが主体でやりたい場合は萌え専用スレ立てておくのでそこでやる事。

3名無し三等陸士@F世界:2010/05/26(水) 16:22:56 ID:mcg6esMA0
参考資料

自衛隊公式サイト集!
ttp://www.geocities.jp/msdfob/index.htm ←new
戦略、戦術について
ttp://www.d1.dion.ne.jp/~r_dom/lans_index.htm
自衛隊の装備について
ttp://www.military-powers.com/

戦術の世界史
ttp://www.k2.dion.ne.jp/~tactic/ ←new

京大RPG研究会
ttp://www.ku-rpg.org/
ttp://www.ku-rpg.org/trpg/population.html 中世の人口(改装中)

Dragon's Lair by Water Dragon
ttp://ww2.enjoy.ne.jp/~tteraoka/
ttp://ww2.enjoy.ne.jp/~tteraoka/esse.htm 中世とF世界の食事
ttp://wdragon.fc2web.com/fg/index.html 中世ヨーロッパの装い(下着含む)

ファンタジー辞書(工事中)
ttp://yamabiko.finito-web.com/aafanindex.html

Wiki
ttp://fwsdf.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/wiki/wiki.cgi?%BB%F1%CE%C1 資料

4名無し三等陸士@F世界:2010/05/26(水) 16:23:28 ID:mcg6esMA0
■今まで本家で討議された議題

・ファンタジー世界の市場規模についての考察
・褌エルフとTバックドワーフ、見たくないのはどっち?
・食料輸入を経たれた日本は自活できるか
・メイドさんの服は黒と青のどちらが望ましいか
・麻薬による世界支配は許されるか
・江戸時代とファンタジー世界の類似性について
・中世城郭入門
・エルフの着衣はどこまで許されるか
・大陸国家VS海洋国家戦略、その長短について
・マッチとメラ、着火手段としてどちらが優れている
・F世界での日本経済再生と交易について
・二大料理カレーとラーメン、新たなる勢力の台頭はあるのか。
・ドラゴン…契約方法と空軍戦力としての有効性を考える
・生首砲台の進歩と改良についての一考察
・自衛隊的ダンジョン攻略法
・対人地雷と魔法の罠。
・その世界を司るもの:科学・魔法・宗教

5名無し三等陸士@F世界:2010/05/26(水) 16:25:46 ID:mcg6esMA0
本家まとめサイト
ttp://shizuoka.cool.ne.jp/fantasure/ (初代保管庫。3章まで保管)
ttp://fwsdf.hp.infoseek.co.jp/ (二代目保管庫。34章まで保管)
ttp://powlow.breeze.jp/jfs.htm (三代目保管庫。51章まで保管/リンク切れ)

分家まとめサイト
ttp://www.geocities.jp/wrb429kmf065/ (皇軍、くろべえ氏のサイト/閉鎖?)
ttp://www12.atwiki.jp/kokomadeyonda/pages/1.html (皇軍Wiki)
ttp://www.geocities.jp/wimsigma/ (ラノベ+エログロ)
ttp://wiki.livedoor.jp/teikokuryuujinn/d/ (『帝国の龍神様』まとめサイト)

6名無し三等陸士@F世界:2010/05/26(水) 20:56:26 ID:Mam49/ig0
>>1
乙、だが
>あ、テンプレの ・以上を守らないものは………メイブ様による「3分持たないのね・・・・」の刑に処せられます。
> を、
>
> 以上を守らないものは………メイブ様による「5回(スレ数)しかできないの・・・・」と冷たく罵られます。
>
> に変えて頂けると(まて)
は無視ですか?

7名無し三等陸士@F世界:2010/05/26(水) 21:54:38 ID:j28SFiU60
前スレ忘れてしまったと報告有り、無視ではない人間はミスをするものなのです

8名無し三等陸士@F世界:2010/05/27(木) 00:10:12 ID:oXmDehTQO
そうだよ。
3分持たなくても5回しかできなくてもいいじゃないか。
人間だもの。

9名無し三等陸士@F世界:2010/05/27(木) 09:29:17 ID:LMGyRPl.O
スレ建て乙

10名無し三等陸士@F世界:2010/05/28(金) 00:15:38 ID:LUUvjQ5k0
スレ建て乙

ふと思ったんだが、

U511のドイツからの譲渡。
マウザー砲を贈られて、その威力に驚愕。

って史実に対応するイベントって、起こりうるのかな。
史実では無理だった、ドイツのUボートをライセンス生産して騒音潜水艦を卒業とか、マウザー砲のコピーを成功して欲しいとか思うんですよ。

11名無し三等陸士@F世界:2010/05/28(金) 00:33:37 ID:AVoSHFOg0
>>10
スレチっつーか板違いじゃね

12名無し三等陸士@F世界:2010/05/28(金) 02:09:20 ID:j28SFiU60
萌えでも竜神様由来のF技術でも無いしな
べつに技術向上イベントがまったく無いこのスレの話題としては史実で無理ならココでも無理としか
技術不足をF世界技術で解決するなら別だけど

13名無し三等陸士@F世界:2010/05/28(金) 21:50:08 ID:TYimCcWE0
当たらない事で有名な20mmに飛行呪文を掛けることで有効射程の延長を…

14名無し三等陸士@F世界:2010/05/28(金) 22:07:07 ID:IdeF7gWY0
>>10
つまり、撫子がマウザー砲で相手を撲り倒したり、投げ付けたりするんですね。
それで、標的を撃破して周りが驚愕のあまり蒼くなるんですね。

15名無し三等陸士@F世界:2010/05/29(土) 00:58:42 ID:LUUvjQ5k0
コツコツと試行錯誤を繰り返して、昭和21、2年くらいにやっとコピー成功。
日本の異世界転移後の中央世界との戦争で、飛行艇相手に猛威を振るった。

F世界を絡めるなら、こんな感じか?

16名無し三等陸士@F世界:2010/05/29(土) 01:20:24 ID:j28SFiU60
F世界産と撫子様発見の希少資源で開発にあたっての制限が撤廃されて本来の技術力が発揮できるようになる位かね?
史実じゃ無理だったことも多少可能になるかも

17名無し三等陸士@F世界:2010/05/29(土) 01:34:22 ID:TYimCcWE0
陸軍「いいこと考えた…独逸からマウザー輸入すればよくね?」

18名無し三等陸士@F世界:2010/05/29(土) 03:00:40 ID:j28SFiU60
満州の動きしだいじゃドイツから敵認定されて貿易どころじゃなくなるんだよな
両方にいい顔してたからこそ通商破壊をすり抜けて商売が出来たんだし

19陸士長:2010/05/29(土) 03:01:42 ID:bzayc27M0
ふと、Uボートか伊号に禁則破り覚悟でダークエルフのお姉ちゃんが載せたらどうなるか。
植物を操れば艦内に溜まった二酸化炭素を酸素に変換させたりとか、食用植物を栽培して食事事情を改善させたりとか。
まぁ、一番のアレは慰安でしょうね慰安。
潜水艦乗りは元々結束が強いそうですが、1つの穴を通じて搭乗員全員が○兄弟となりより一層の結束と団結が期待出来ると。
駆逐艦の聴音手が相手を発見した理由が喘ぎ声だったら大笑いですがw

20陸士長:2010/05/29(土) 05:00:04 ID:bzayc27M0
>>18
ドイツもソ連との殴り合いに手一杯だから敵認定はされないのでは?
代わりにルートの即時封鎖と、責任者(甘粕)と共謀者(辻)を吊せとは言って来そうだけど。

21名無し三等陸士@F世界:2010/05/29(土) 05:01:47 ID:TYimCcWE0
海軍「いいこと考えた…英、おまえ俺にマリーンエンジン売れ」
英国「えー、戦時中にですかー!?」
海軍「紳士は度胸、なんでも試して見るものさ!」

22名無し三等陸士@F世界:2010/05/29(土) 06:30:18 ID:LUUvjQ5k0
>前スレ977
>だからこそ、ソ連の背後にあたる帝国において外交攻勢は更に熾烈になっていた。
>独逸は『速くソ連を叩いてくれ』と、英国は『そのまま動くな』と。

動かない見返りとして、英国からレーダー・無線通信機・マリーンエンジンの技術供与やらライセンスの提供をちらつかせられたりしてるかもな。

23名無し三等陸士@F世界:2010/05/30(日) 15:42:10 ID:P9w/H5Tg0
>>22
技術供与とかライセンス提供くらいじゃどうにもならんのが、
当時の日本クオリティでしょw

マリーン貰うなら交換部品コミコミの現物渡しで。

24名無し三等陸士@F世界:2010/05/30(日) 18:33:31 ID:OiCx0Zqo0
>>23
予備部品が潤沢だった飛燕二型の可動率が結構高かったらしいから、
少数の本土配備で適切な整備体制ならなんとかなるかも

マーリンも構造が複雑だから生産自体難しいだろうけど

25名無し三等陸士@F世界:2010/05/30(日) 18:54:38 ID:TYimCcWE0
工業地帯まるごとの改装は必要だろうなぁ・・・w

26名無し三等陸士@F世界:2010/05/30(日) 21:20:07 ID:oXmDehTQO
>>25
日本の驚異の戦後復興は、
米軍が旧くて効率の悪い生産設備を全て焼いてくれたから。
なんて笑えないジョークがあったくらいで。

27名無し三等陸士@F世界:2010/05/30(日) 22:18:24 ID:TYimCcWE0
流石にないよりは有った方がいい
どっちかと言うと日本経済の足を引っ張っていた財閥と軍部、地主をGHQが粛清したのがその後の復興原動力だと思う。

満州朝鮮を売り飛ばし、大戦非参戦で英独に武器売りまくるのが一番良かったんじゃねーかと思うw
チハを独に売っぱらって3式レベルの75mm級戦車に更新、38式を大陸撤退で何もかも失った英軍に売っぱらう。
無駄に居る歩兵は片っ端から復員、満州と工場に送り込む。
戦艦を全部売却してコストパフォーマンスのいい金剛クラスの発展型に変更
赤城以下正規空母を英印軍に売っぱらって完全な正規空母に変更
旧式駆逐艦と秋月、コスパの悪い重巡をUボート追い掛け回してる英軍に売っぱらって、伊号は独に売る。
余った金は全部工場施設の更新に当てればあら不思議、20年早く高度経済成長期が!

まぁ無理だな…好戦的な国民と青年将校的に考えて…orz

28名無し三等陸士@F世界:2010/05/31(月) 12:00:38 ID:88jGOUzo0
サウスダコタの半値以下(為替次第では1/4以下)、POWの4割増な大和をDisっている!?
40000tクラスの中型戦艦にしても、トン当り3250円(マルヨン計画単価、同計画の大和級トン単価約2400円)で1億3千万以上となり、能力差ほど変わりませんよと。

29名無し三等陸士@F世界:2010/05/31(月) 20:22:03 ID:TYimCcWE0
もう建造済みなんだから維持費の話だがや
金剛で十分な所に大和出したらその分金掛かるワケで
しかも参戦しないなら戦艦なんぞただの大食い
全部売ると海軍がグダグダいいそうだから代艦として超金剛型

世界大戦始まってるからそれなりの値段で売れるでしょう。
鉱山か何か物納じゃないと回収が不安だけど

30名無し三等陸士@F世界:2010/05/31(月) 21:25:42 ID:oXmDehTQO
>>27
>>29
前提として粛軍でどれだけ血を流す必要があるか考えたら、
日本が自力で原爆作るより無理ゲーだと思う。

31名無し三等陸士@F世界:2010/05/31(月) 22:34:19 ID:TYimCcWE0
だから最初に無理って言ったじゃないか!w

ただ米に戦争ふっかけるより粛清のが4桁は死者少ないだろう。
好戦派と財閥に中国戦・経済崩壊の全部責任おっかぶせて片っ端から粛清して某宮様も皇籍剥奪。
同志スターリンまで行かなくてもプーチンなら・・・

でもそんな有能な政治家が日本に存在すること自体が原爆作るより無理ゲry

32名無し三等陸士@F世界:2010/05/31(月) 23:40:51 ID:MQ.xeeJU0
財閥で潰すべきは持ち株会社ぐらいでしょ。
戦後の財閥解体でも解体したは良いが、結局経済的に非効率でGHQのある内から
合併したり併呑したりで結局解体は有名無実化してるし。

33名無し三等陸士@F世界:2010/06/01(火) 01:19:48 ID:EPLyLKNI0
竜神様の世界に即して考えるなら、

財閥系がしがらみで異世界進出に及び腰なのを尻目に、松下や本田といった小回りがきいて積極的なところが異世界に工場建設して足場固め。
そこで日本全体が異世界転移して、環境が激変。環境に適応できずに財閥系は自然に弱まる。
って流れになるのかな。

34名無し三等陸士@F世界:2010/06/01(火) 02:25:41 ID:P9w/H5Tg0
>>31
その前にクーデターが起こる。うまくすれば粛正の好機だが
2・26を考えれば期待できない。

異世界転移後の留守居役はあまり軽視してはいけないと思うな。
戻ってきた時に備えて満州・沿海州から半島は押えておいてもらわないと。
海軍主力はほとんど置いていく必要がある?
いや大連あたりを根拠地にして撫子市の泊地から転移させれば良いだけか。

あれ?日本が転移した場合、撫子の竜脈契約はどうなるんだ?

35名無し三等陸士@F世界:2010/06/01(火) 18:14:14 ID:Cip2xVuo0
>>33
日本全体を転移させるような大事業で財閥の力を借りられないとか
悪夢もいいところだと思うぞ。

36名無し三等陸士@F世界:2010/06/01(火) 20:08:53 ID:XX1BIl4M0
事故を装う関係上、表向き準備は出来ないのでは。
計画の上での転移だと外国人に思わせず、なおかつ国民にだけ知らせるってのも現実的じゃないし。
パイプラインが繋がってるわけじゃないし、船の出入りが可能ならそれほどの
大事にはならないんじゃないかな。
あと、満州や半島なんかも持っていくのでは? 日本列島を持って行けて、
そっちは持っていけない理由ってないと思うんだけど。

37名無し三等陸士@F世界:2010/06/01(火) 20:21:06 ID:mcg6esMA0
場合によっちゃ満州はあえて残すという手もありそうだけどね。そこにいる軍ごと
ダーナが満州軍を危険視し、将来の日本にとってのガンだと判断すれば切り捨てるかも

38名無し三等陸士@F世界:2010/06/01(火) 21:46:48 ID:TYimCcWE0
>>35
どうせ日本の財閥程度じゃ全部集めても金足りない…

39名無し三等陸士@F世界:2010/06/01(火) 22:33:13 ID:MQ.xeeJU0
>>38
尚更潰せんな。
そもそも、財閥が潰すとか日本政府の信用を激しく損なうだけだろ。
真っ当な企業家や投資家は日本で資産を持ったり投資したりするのを避けるようになるだけだろうね。
計画経済や国家資本主義でも目指すの?

40名無し三等陸士@F世界:2010/06/01(火) 22:34:20 ID:MQ.xeeJU0
>財閥が潰す

正しくは“財閥を潰す”だね。誤字スマソ

41名無し三等陸士@F世界:2010/06/01(火) 23:18:51 ID:TYimCcWE0
>>39
解体つっても別にGHQの真似する必要はないワケで。適当に汚職の容疑でも付けて。
真面目に叩けば埃が万t単位で出るんだから。
そもそもそれ以前に日本に投資する投資家も居なければ、そんな世界情勢でもなかった事を忘れてる。
今の感覚で考えちゃだめよ。
GHQの財閥解体自体は問題だらけだったが付随する利権・悪習を解体したのは大いに意味があった。

42名無し三等陸士@F世界:2010/06/01(火) 23:40:36 ID:MQ.xeeJU0
>>41
>適当に汚職の容疑でも付けて
キミ共産党員か何か?

43名無し三等陸士@F世界:2010/06/01(火) 23:44:30 ID:TYimCcWE0
共産主義が誕生する遙か以前からある手法だが?
実際にやってるから効果テキメン


○沢をちょっと加工した証拠で起訴しても誰も疑わなry

44名無し三等陸士@F世界:2010/06/01(火) 23:47:10 ID:oXmDehTQO
汚職がどうのって、
当時はまだ世界のどこでも便宜供与上等だってば。
今の基準でものを考えるべきではないよ。
財閥は当時数少ない、資本と資産を蓄積した民間セクターだ。
解体より活用こそ考えるべき。

45名無し三等陸士@F世界:2010/06/01(火) 23:48:51 ID:0p4TjTpk0
国家しかまともに資本がないんじゃ間違っても先進国にはなれそうにないが

46名無し三等陸士@F世界:2010/06/02(水) 07:30:46 ID:oXmDehTQO
>>45
つまりそういうこと、当時の日本ってその程度。
労働人口における一次産業従事者比率が7割越えてて、
あと金持ってるのが田舎の土地持ちくらいだから
彼らが小銭稼ぎに興した酒蔵からの税収が
国庫の収入のかなりを占める
そんな国。
税制で糸色望先生ネタが1本書けます。

47名無し三等陸士@F世界:2010/06/02(水) 09:00:04 ID:IAqPsUTM0
>>45
大分前にNHK教育テレビで「大日本酒税帝国」ってネタがやっていた。
つまりそれだけ戦前戦後のある時期までは日本の税収のいくらかが
酒税を頼りにしていたくらいの国だったというのがよくわかる講座
だったよ。

48竜神様の中の人 ◆gIMSpc5V.M:2010/06/02(水) 20:22:19 ID:1zpMfFdA0
 時間ができたのでレス返し。

>四脚歩行装甲兵員輸送車と八脚歩行小隊輸送車。
つ【予算】

>ワッフルな外伝
 基本的にはまとめサイトには載せません。
 ちなみに、この話そのものがわっふる話を作るための設定だったというのはまぁ見ない方向で。
 絵師から了解を得たのでわっふる絵は再UP可能ですがいる人いるのかな?

>納得。というか突き抜けっぷりがさすがw
 えー。ごくごく普通のエロゲーちっくな設定のはすでは?(黙れ)

>技術開発について
 どうなるんだろうなぁ。純粋にそこまで知っている訳ではないので。
 このあたりは誰か面白い話作りませんか?

>前スレ983氏
 投下乙です。
 技術者は馬鹿ではできませんわな。
 二人は機体から出て吐いたんだろうなぁ……

>今の民主政権が日本の歴史上最低最悪であり、これ以上悪くはならないだろう。……ならないよね?
 まさかこんな右斜め上な辞め方があるって知らなかったから、もしかして……

>チャーチルのインタビュー
 やはり彼は偉大だった(苦笑)

>ちょっとした口げんかみたいなもの
「起きるのじゃー!」
「寝るのー!!」
 そんな南海生もの大決戦がどこかで行われたよーな気が。が。

>円谷映画
 模型を見てらんらんと目を輝かす馬鹿竜二体が見える……

49竜神様の中の人 ◆gIMSpc5V.M:2010/06/02(水) 20:38:43 ID:1zpMfFdA0
レス返し続き

>辻ーんその辺理解してるのか?
 理解して無視していると見た。

>対ソ援助物資満州ルート
 それにかこつけて帝国からもソ連に物が売れる(代金英米持ち)という悪魔の果実。
 ばれたら間違いなく独逸大激怒という諸刃の剣。
 そして帝国内にはソ連にたいする脅威は認識しているから、中央がちゃんと制御できるかでしょうね。

>短編書きたいなぁと思えて来たんですけど。
>実は、クルト・シュタイナ(ジャック・ヒギンズ「鷲は舞い降りた」の主人公)が、シチリアに派遣されるという力量を顧みないSSのアイデアがあったりはします
>パラレルって前置きして書けば、多少はっちゃけても許容範囲でね?
 かもんかもん。
 SS投稿大歓迎です。
 そして出たネタはぱく……(お約束)

>史実に対応するイベントって、起こりうるのかな。
 話を作ればわたしがぱく……(お約束)
 インド洋は日の丸をつけている船が行き来しているから持ってくるのはできるはず。

>駆逐艦の聴音手が相手を発見した理由が喘ぎ声だったら大笑いですがw
 何?そのラジオポルノ(苦笑)
 ちなみに、メイヴ一人で戦艦一隻の慰安ができるよ。できるよ。

>財閥系がしがらみで異世界進出に及び腰なのを尻目に、松下や本田といった小回りがきいて積極的なところが異世界に工場建設して足場固め。
 北崎あたりは真っ先に竜州に投資しそうですね。

>「大日本酒税帝国」
 異世界の主要輸出品ですよ。酒。
 地味に地場産業復興中です。

では。

50名無し三等陸士@F世界:2010/06/02(水) 20:59:52 ID:TYimCcWE0
>>49
そこでソ連と独逸共倒れ戦略ですよ!
なんで英国はそっちに行かなかったのか…ソ連があそこまで強大化すると想定してなかったんだろうけど

>>44
解体して作り直した方が早い
敗戦してズタボロにならなきゃ日本が世界第2位(今は3位か)の経済大国なんてありえなかったわけで

51名無し三等陸士@F世界:2010/06/02(水) 21:03:59 ID:mcg6esMA0
>>四脚歩行装甲兵員輸送車と八脚歩行小隊輸送車。
>つ【予算】
ぶっちゃけ板金叩くだけで作れますんでw エンジンも足回りもいらないですから
火器も有りものの流用とか廃品利用ですんで、1台あたりの費用は多分チハの5%切るかとw
つーかシートやハッチのような細かい部品さえなんとかすれば現地(竜州)ででっちあげられます
八脚歩行小隊輸送車に至ってはベニヤ張りですんで更に安くつくかと
エンジンやサスの整備も燃料も不要なんで、火器以外は維持費もほとんどかかりませんし

>>駆逐艦の聴音手が相手を発見した理由が喘ぎ声だったら大笑いですがw
> 何?そのラジオポルノ(苦笑)
> ちなみに、メイヴ一人で戦艦一隻の慰安ができるよ。できるよ。
「鋼鉄の少女たち」「蒼海の世紀」の野上武志が描いてたエロ漫画で、男女逆のパターンがありましたw
乗員が女性ばかりの潜水艦にただ一人乗り組む青年「ダニエル」。彼の任務は、艦が敵のソナーに
捕らえられた時、大乱交をやらかして敵の聴音兵を無力化することだった――w
ちなみに「ダニエル」の寿命は平均半年ほどだそうでつww

52名無し三等陸士@F世界:2010/06/02(水) 21:10:32 ID:mcg6esMA0
>>50
出来上がってる組織を解体するのがどれだけ大変か……
それが簡単にできれば苦労はないよ。現に今の日本だって民s(r

53名無し三等陸士@F世界:2010/06/02(水) 21:19:09 ID:TYimCcWE0
>>52
やらなきゃ待ってるのは大貧民国

IMF! IMF!

54名無し三等陸士@F世界:2010/06/02(水) 21:35:54 ID:mcg6esMA0
>>53
大日本帝国は、腐敗しきってた軍を解体できずに敗戦への道を突き進んだわけでね……
組織ってのは明日の国家滅亡より眼前の利権が失われることを恐れるもの

55名無し三等陸士@F世界:2010/06/02(水) 22:24:43 ID:TYimCcWE0
元からまぁ無理だがと断ってる話なんだが…

56名無し三等陸士@F世界:2010/06/02(水) 23:38:02 ID:UD66Eipg0
>>48
>わっふる絵は再UP可能ですがいる人いるのかな?

なんかだれも突っ込まんので俺が

Zipうp! Zipうp!

57名無し三等陸士@F世界:2010/06/02(水) 23:53:54 ID:mcg6esMA0
>>56
あ、忘れてた。是非まとめスレに……って可能ならですがー

58名無し三等陸士@F世界:2010/06/03(木) 10:30:08 ID:EPLyLKNI0
「帝国の龍神様」72話の時点で、1942年8月19日のディエップの戦い(ジュビリー作戦)前後くらいかな。
アメリカ軍の代わりに自由フランス軍が入るけど、史実の通りに失敗。
この失敗をドイツに喧伝され、微妙な時期での日本へのイメージの失点を挽回するために何かするすると思うんですが。
何か日本の得になりそうなことってあるかな?

59名無し三等陸士@F世界:2010/06/03(木) 20:40:06 ID:cEJfwUoI0
>>48
わっふるわっふる

60陸士長:2010/06/03(木) 20:55:21 ID:3rgpiIEM0
>>58
米国が参戦出来て無くて、北大西洋がカチカチな有様では……。
あれは翌年の大君主作戦の試験的な意味合いあるけど、弱ったイギリスとフランスと属国であの規模の上陸作戦出来るんでしょうかね。
龍一匹仲間に引き込んで作戦の軸にするとかしないと無理っぽいのでは?

61山閥将軍:2010/06/03(木) 21:57:10 ID:TYimCcWE0
よし!空挺作戦でベルリン落とそうぜ!!!!www
俺天才wwww

62名無し三等陸士@F世界:2010/06/03(木) 22:22:09 ID:EPLyLKNI0
フランス沿岸の防衛なんて二線の部隊だと思って、試しにやってみたような作戦でしょ。
で、見事に失敗して、余程の戦力じゃないと上陸作戦の成功は無理だということで、オーバーロード作戦の規模につながったわけで。
だったら、コッチの世界でも同じ作戦が行われてもおかしくはないと思います。

しかし、龍神様の世界では、アメリカの参戦はいつになるんでしょうね。
さすがに、V1・V2ミサイルが飛来するようになってもアメリカ参戦がないようなら、英国内でも休戦派が政権をかなり揺さぶるでしょうね。

63名無し三等陸士@F世界:2010/06/04(金) 20:18:11 ID:oXmDehTQO
>>55
>>61
きみには難しそうだから萌える話しをしろとは言わない。
空気読むのも無理かもしれん。
せめて話題が広がるような投稿しような。

64名無し三等陸士@F世界:2010/06/04(金) 21:01:16 ID:TYimCcWE0
熨斗と牟田口付けてその言葉そのまま返してやるw

65名無し三等陸士@F世界:2010/06/05(土) 08:33:01 ID:XQ1O0zNkO
俺、生粋の日本人じゃないから思う。

もう日本人に対して変態って言葉は誉め言葉なんじゃね?
俺が知らないだけで密かに変態レベルが高い程社会的地位や収入が多いんじゃね?
しかも精神的にも超充実してんの、変態だから。
でさ。俺、この仕事終えたら変態マスターになる為に修行するんだ。どこか良い所知らない?

つ「IJN」
つ「田舎」
つ「某祭り」
つ「上流階級」




って世界になんでしょ?この作品内での未来日本は。
なら「正しい事をしたかったら……エロくなれ」とか某刑事ドラマで出てくるのかな。
んで、いかりや長介に言われたらエロくなるしかないよな。

66名無し三等陸士@F世界:2010/06/05(土) 13:30:47 ID:LMGyRPl.O
???

67陸士長:2010/06/05(土) 18:26:23 ID:3rgpiIEM0
そいやサイレントハンターやりながら思ったんですが。
大西洋の北側が凍結してるって事は、航路がかなり下がった状態になる。
航路が制限され米国の参戦が無い状態でウルフパック凌げるんでしょうかね。
本来であれば米国産の大量の駆逐艦と新鋭対潜装備でUボートの撃沈数が増加している頃ですけど。
いや、43年以降はやたらと米軍から貸与されたUボートハンター多いんで、こいつら居なくなったどうなるかなって思ったり。

68名無し三等陸士@F世界:2010/06/05(土) 22:25:47 ID:/ukUhGkY0
サイレントハンター動画見たけど面白そうだよね
もとい参戦が無くとも買うんじゃないかな英国さんは
引き渡す為の移動中に食われまくって顔真っ青となるかも知れないけど

69名無し三等陸士@F世界:2010/06/05(土) 23:12:00 ID:TYimCcWE0
史実より積極的にアメリカの駆逐艦が英の港付近までついてくるんじゃないかな?
余裕が無いと言ってもドイツも不用意に刺激はしたくないだろうし

70名無し三等陸士@F世界:2010/06/06(日) 00:46:02 ID:rqOS7KnE0
航路が制限されてるってことは、護衛艦艇も集中できるってことだから、一方的にはならないだろう。
史実ほど連合軍側有利ではないけど、継戦能力が大きく損なわれるほどでもない、痛み分けか五分五分ってところではないかと。

71名無し三等陸士@F世界:2010/06/06(日) 19:36:26 ID:P9w/H5Tg0
会敵機会が増加する分、Uボート有利に一票。
アメリカが参戦していたら話は変わるだろうが、英国海軍主体である以上
航路が限定されても護送船団1つあたりの護衛が顕著に増えると思えない。
しかしこの時点の連合軍は英国のみだよね、南無。

72陸士長:2010/06/06(日) 19:57:24 ID:3rgpiIEM0
>>68
うぃ、面白いですよ。頑張り次第では歴史が変わる……とかもあれば良かったんですけどね。

>>69
それは有り得ますねー。ただ、本土をハワイの竜に脅かされている以上、参戦してない手前あまり出張らないかなとは思えますが。

>>70
イギリスがどこまで粘るかですよね。
個人的には44年度後半まで拮抗してたらイギリスやばいんじゃないかなと。
あの潜水艦が出て来ますので……初期不良と不安定さをどれだけ早く克服するかですが。
ゲーム中では護衛4輸送船8の小規模コンボイを単艦で壊滅させる事が出来ましたけど。

>>71
正確には英国連邦加盟国ですね。カナダや南アフリカも居ます。
自由フランス艦隊とかは……あんまり当てには出来ませんか。

しかし、こういった海の闘いも竜が居るだけで変わるんでしょうね。
自堕落な太平洋のアレとか、アレとか。

73名無し三等陸士@F世界:2010/06/12(土) 02:33:58 ID:znyO1K4.0
龍神様の中の人、続きマダー?

74名無し三等陸士@F世界:2010/06/12(土) 17:16:49 ID:mcg6esMA0
大友のほうが進んでいたので、しばらくそっちに集中するつもりなのかもね

75名無し三等陸士@F世界:2010/06/12(土) 17:29:53 ID:TYimCcWE0
そういや大友はテルシオをやたら高評価してたけど


あれ、あの場合鉄砲隊+槍隊の編成でもかわらなくね?

76名無し三等陸士@F世界:2010/06/12(土) 19:46:04 ID:kHzODBG20
あっちの話をこっちに持ち込むなって(逆も)感じのやり取りが以前あった気がするが
もう忘れたのか?

77名無し三等陸士@F世界:2010/06/12(土) 20:11:22 ID:AyMQ89jo0
皇軍スレで自動空戦フラップの話で粘着してるID:TYimCcWE0がいる時点で、

 わ ざ と や っ て る

としか思えないんだが。

78前々スレ983 ◆Mh4kAg814k:2010/06/12(土) 20:36:00 ID:DL5hiADs0
ディプシー&プリム、
「曲芸飛行できる飛行機は常人の乗るもんじゃねぇッスの巻」
投下します。

79前々スレ983 ◆Mh4kAg814k:2010/06/12(土) 20:36:51 ID:DL5hiADs0
−−−撫子三角州上空二千メートル−−−

互いに相手の後ろをを取るように、緩やかな円を描きながら飛ぶ二機の九九艦爆。
傍から見ればのんびりとした空中散歩といった風情ではあるが……
実際に乗っているディプシーとプリムはそうのんびりとしていられる状態にはなかった。

たかだかバンク角30度の緩い旋回である、間違ってでも曲芸飛行の範疇には入らない。とはいえこの30度というのが意外とバカにならないのである、三角定規では緩やかに見えるこの角度、
実はスキー場の上級者コースや競輪場のバンクに匹敵する急角度なのだ。
横方向にそんな急角度を保ったままグルグルと何回転もするのは、ディプシーもプリムも生まれて初めての体験である。
※勿論、九七大艇で似たような経験はしたがアレは、せいぜい半回転もすれば直線飛行に移るものだ。

「……なるほど、空中での戦闘を考慮すれば、この傾斜の中安定した姿勢を保つために
座席にベルトで雁字搦めというのも頷ける。」

納得顔のディプシーに対し、前席の操縦士から「これから特殊飛行に移る」と告げられる。

(……特殊飛行はこれから?)

そう疑問に思ったとたん、身体が殆ど横倒しになった、そしてその姿勢のまま九九艦爆は
【横 に 向 か っ て 上 昇 を 始 め る】

ほんの半回転ほどの『垂直旋回』……特殊飛行の中では割合やんわりとした部類にはいるが、
30度のバンクで顔をしかめていたディプシーにとっては強烈な体験である。

(こんな飛び方はグリフォンですら滅多に行わない……いや、行えない。
それを造作もなくしてのける帝国の飛行機……一千馬力とはこれほどか!)

そんなディプシーの驚きをよそに緩降下でスピードを上げ、一転上昇に転じる九九艦爆。
上昇角度がどんどん急になってゆき……プリムから思いっ切り喧しい絶叫テレパスが入る。

(ぎや〜〜真上に昇って、じゃなくって逆に傾いてる! つか、あ゛〜〜逆さまっにっ!
うおぉ〜落ちるぅ〜〜……あ、元に戻った。)

宙返りは鳥でもまれに行うし、祭りに集まった軽業師が披露することも珍しくない。
……しかし通常一瞬で終わってしまうそれを、何秒も掛けてじっくりと体験するとは、
さすがにディプシーもプリムも夢にも思わなかったことである。

ディプシー機のすぐ後ろを追いかけるようにプリム機が飛んでいるところで、ディプシー機が宙返りを行う。
先ほどの宙返りより小さく素早い宙返り、座席に押しつけられれような強いGの感覚に耐えると、
先ほどまで後ろにいたプリム機がディプシー機の前を飛んでいた。

(方向転換するでもなく一回転し元の姿勢に戻るだけの宙返り、しかしただの大道芸ではなかったか。)

今度はプリム機が宙返りをしディプシー機の後ろに付く。

(空中の戦いは後ろの取り合いになるッス、そのための特殊飛行、敵を狩るにも逃げるにもこれを駆使して……。)

ここでディプシー機が不可思議な動きを見せた、一瞬、斜め方向にに上昇したかと思うと、
横転しつつタルの内側をなぞるように螺旋を描いたのである。

「「? ? ?」」

一体何が起きたのか、にわかには理解できないディプシーとプリム、そうこうしているうちに、
ディプシー機とプリム機の前後関係が入れ替わり、今度はプリム機が先ほどのディプシー機と同じ動きをする。

(??? め、目が回りそうッス、ってか一体どうやったらこんな変態じみた飛び方が出来るんッスか?)

(鳥や飛行型の魔法生物のように翼の形状を大きく変えることは不可能、僅かに翼後縁の小片を動かせるのみ、
その組み合わせだけでこれだけ激しい動き、どうすればどう動くかは見れば理解可能とは思うが……)

前を向いた座席に雁字搦めである以上、三舵のうちの二舵……ラダーとエレベーター
が有る尾翼を見るのは困難である。
ベルトを外すか、せめて振り返られるぐらいに緩めるか、そう思案していたプリムに
ディプシーがこちらを見るようテレパスで呼びかける。

80前々スレ983 ◆Mh4kAg814k:2010/06/12(土) 20:37:34 ID:DL5hiADs0
「え、なに、ディプシー姉?」

横に並んで飛ぶディプシー機を見ると……

「ばん♪」

ディプシーがプリム機に銃口を向けていた。
プリムは思わずテレパスと同時に大声で叫んでしまう。

「(どわぁ〜ディプシー姉っ! そんなモンどこから持ってきたんッスか?)」

(座席の後に格納してあるのを見つけた、後から襲ってくる敵にはこれで対抗するらしい。)

(ぬう、そんな物があったとは……外に気を取られて中に目がいかなかったッス。)

ベルトを緩め機体内部を見回すと、なるほど座席の後に収納してある機関銃が見つかった。

「なるほどこれで……ふっふっふディプシー姉、覚悟。」

ニヤニヤしながら機関銃を取り出したところで、ディプシーからのテレパス。

(……怒られた。)

ディプシー機に目を向けると、微妙にガタガタと震えている。

「うわ〜すごい剣幕ッス、怖い怖い。」

機内を勝手に弄るなときつく言われているにもかかわらず、よりにもよって一番危険な
アイテムに手を出したのだから当然である。

後に視線を感じたプリムが前を見ると、憤怒の形相の操縦士と目があった。
プリムも怒られているディプシーと同じ事をしようとしているのだから、その末路も同じ
……大声でどやされた後に容赦のない「お仕置き」が始まったのだ。
ガクンと機が傾き高度2000mから急降下、見る間に地面が迫ってくる。

「ちょ、ちょっとこれ落ちてないッスか?! 変な音もしてるし、もう止めてぇぇぇ〜〜」

感覚的に真っ逆さまと言っていい角度の急降下と、それに伴う浮き上がるような感覚、
更にダイブブレーキの風切り音がプリムの不安を駆り立てる。

「いやぁぁぁぁ〜〜御免なさいぃぃぃ〜。」

(状況からここで地面に突っ込むような自爆の可能性はゼロ、勝手に銃を弄った懲罰として
怖がらせるのが目的と思われる、しかし実際身の安全は保証されているから、怖がる必要はない。)

(でもっディプシー姉、さっきから妙な音がしてるッス、絶対おかしいッス!)

(プリム、私の乗る飛行機の翼をよく見る、寝かせてあった板が立ち上がり風を受けている、
これによって速度が出すぎるのを防いでいるものと推察できる、聞き慣れない風切り音もこの板によるもの。)

やけに冷静なディプシー、このカラクリにプリムが気付いた。

(ディ、ディプシー姉また自分だけっ! 銃弄る前に沈静の魔法掛けてたなぁっ!)

とてもではないが、急降下の真っ最中に精神集中して魔法など掛ける余裕はない。
昨晩に引き続きディプシーの用意周到ぶりを見せつけられたが、この直後に沈静魔法など
無に帰するような出来事が待ってた。

「ぎゅむぅっっっっ!」

(つっ……!)

大の大人ですら、慣れていなければ失神しかねない【急降下からの引き起こし】
いくら魔法で平静を保っていようとも「G」は等しく襲いかかる。
身体が重くなり、貧血を起こしたかのように目の前が暗くなる。

(うかつ……沈静の魔法で心拍を……下げたから意識が……持た……な……い…………)

「うぎゅ〜〜〜〜(めっ目が霞むっ身体が重いっ! 手加減無しだとここまで厳しいッスか。)」

81前々スレ983 ◆Mh4kAg814k:2010/06/12(土) 20:38:15 ID:DL5hiADs0
なまじ鎮静魔法で興奮を抑えた分、ディプシーは引き起こしのGに耐えられずに気を失ってしまう。
それに対し、パニックを起こしていたが故に心拍数が上昇していた分、プリムの方がより強いGに耐えられた。
……とはいえ、引き起こしに続いてすぐに宙返りが始まったので、気絶し損なった分
かえって苦しみが長引いたとも云える。

「も、もう絶対勝手に弄らないから……か、勘弁ッス……。」

それが聞き届けられたのか宙返りの行程を半分ほどで中止する九九艦爆。
……勿論、機の姿勢は上下逆つまりは真っ逆さまである。

「だぁ〜〜こんな所で止めるなぁ! じゃなくって止めないでくださいってうぁ!?」

ロールを打って元通り。

「た、助かったけど……うっぷ、胸が……。」

強烈なGに三半規管を揺さぶられ、さすがに気分が悪くなるプリム、一方ディプシーからは
いつもと変わらない様子のテレパスが飛んでくる。

(これだけ激しい動きが出来ながら空中戦ではゼロセンに敵わないという、
エンジンの出力でやや劣るにもかかわらず戦闘力が逆転していると言うことは……
リソースの振り方が対空重視か対地重視かで設定しているか否かで出てきていると思われる。)

(問題は、その重視していない分野……キュウキュウカンバクとの空中戦、
ゼロセン相手の地対空戦闘ですら、普通の軍隊では全くと言っていいほど対処できないところッス。
……うっぷ、気持ち悪い……ディプシー姉さっき意識落ちたみたいだけど大丈夫ッスか?)

ディプシー機を見るとまたもガタガタと揺れている、風防内をよく見るとディプシーが
顔面蒼白で俯いているのが判った。
そのわりに元気そうなテレパスが飛んできたのは……。

「だぁーーっディプシー姉! 出てる、口から出てるッス、魂っ!」

顔面蒼白のディプシーの口から白い煙のような物が出て、それがディプシーの上半身を形作っている。
幽霊と見紛う白一色のディプシー(の魂)が表情のない顔で呑気にこちらに向かって
手を振っているのはなかなかシュールな風景である。
ディプシー機がガタガタと揺れているのは、操縦士が恐慌を起こしているためだろう、
プリム機の操縦士もディプシーの幽体離脱に気付いて吹き出している。

「(ディプシー姉っ! いいい一体なにがどうなってそんなっ……)」

(特殊飛行で激しく揺さぶられた結果、感覚器官に深刻なダメージを受けた。
現在回復に努めているが、目まい・吐き気は耐え難い、故に身体のダメージが回復するまで
一時的に身体を離れることにした。)

「(ダメーっ、そんな無茶なコトしたらダメーっ! 魂抜けきったら死んぢゃう〜〜!)」

(心配ない、どこまで離脱すれば危険かは自分で判る。)

(傍からはどう見ても死にかけッス! お願いだから中に戻ってぇ〜〜。)

もはや曲芸飛行どころの騒ぎではない、各所に事情を説明し体験飛行を切り上げることとなった。
しかしそうなったわりには、一行に飛行場に近付く気配がない。
それどころか洋上に出てしまい、陸がぐんぐん離れていく……。

「ええっと、この飛行機どこに向かっているッスか? 帰り道はこっちじゃないんじゃぁ……。」

恐る恐る操縦士に問いかけるプリム、間違いではないとの返事が返ってくるが、
どうにも信じることが出来ない。
どこかの小島に不時着するとしても、わざわざ飛行場から離れてまでそうする理由がどこにもないのだ。
そうこうする間に、洋上に浮かぶ小島が見えてくる。

(プリム、リュウホウ……。)

(あの巨艦!? しかしいくらでっかい船でも、これで降りられるとはちょっと……。)

竜州艦隊随一の巨艦とはいえ、その飛行甲板の長さは僅か185m。
グリフォン以上の速度で動く3トン超の巨体を停止させるには、些か不足していると云えよう。
しかし二人の乗る九九艦爆は、明らかに龍鳳に向かっている。

82前々スレ983 ◆Mh4kAg814k:2010/06/12(土) 20:39:03 ID:DL5hiADs0
「(ほ、本当に降りられるっつーか、止まれるのあの艦の上で? そのまま海にボチャンってのは勘弁ッス。)」

怖がるプリムをよそにディプシー機が龍鳳に無事降り立つ、甲板をいっぱいに使って
停止するかと思いきや、何分の一も使わないうちに急速に止まってしまった。
続いてプリム機も着艦する、「グン」と後から引っ張られる感じがして、急速に速度が下がり停止する。
どちらかというと、引っ張られると言うより何かに掴まった感じが強い。
99艦爆から降りて目に付いたのは、甲板に張られたワイヤーロープと、機体後部のフック。
フックをワイヤーに引っかけて無理矢理止まるという強引さに驚き半分・呆れ半分といった感じの二人。

「港で飛行機を積み込んで艦から発進、攻撃後そのまま陸上基地へ帰還だとばっかりおもってたッス
まさかこんな強引な方法で降り立つとは……。」

「鋼製ロープとフックだけではない、艦後方の赤と青の灯火に気がついた?
あれで着艦に最適な角度を指示しているらしい。」

「風向き関係無しに外洋ザブザブ渡ってく船から飛んで、また船に帰ってくるってことは……
空中騎士1個中隊を外洋突っ切って世界中にデリバリー? 
対抗可能な『直轄軍』がマナ汚染で運用制限掛かっているのを考えたら、
大半の戦はコイツ一隻で片が付きそうッス。」

「内陸ならば龍鳳の攻撃範囲から逃れ得るが、主が近くまで運河を掘った時点でチェックメイト。」

「まだ帝国本土にも着いてないけど、一度師匠に手紙送っておいた方が良さそうッスね、
ま、この状態じゃ手紙書くどころじゃないけど。」

こんな会話を死人と見紛う顔面蒼白な幼女が、半開きの口から白い煙を出しながら
やっているのだから、屈強な帝国軍人もドン引きである。
それだけディプシーとプリムが三半規管に負ったダメージが深刻であった証左なのだが、
付き合わされる龍鳳クルーはたまったものではない。
事実、「可愛い女の子が来ると聞いて楽しみにしていたら、ゾンビと幽霊がセットで出てきた。」
という当時の龍鳳クルーの言が残されている。

この後、一体誰が事の顛末を艦長に報告するのかで、一悶着有ったのは言うまでもない。

83前々スレ983改め「ハルサブロー」 ◆Mh4kAg814k:2010/06/12(土) 20:44:39 ID:DL5hiADs0
投下終了。
それと、コテハン付けます。

>二人は機体から出て吐いたんだろうなぁ……

なんか普通とは別な物を吐いたようですw

84名無し三等陸士@F世界:2010/06/12(土) 21:04:02 ID:glgPfdOo0
投稿乙でした。

85名無し三等陸士@F世界:2010/06/12(土) 21:47:38 ID:TYimCcWE0
>>77
一部が勝手に言い出したことで知らんがな…
煽る>>78みたい阿呆が居るから荒れるだけで別に問題のある話題でもないし

86名無し三等陸士@F世界:2010/06/12(土) 22:23:40 ID:AyMQ89jo0
>>85

>煽る>>78みたい阿呆が居るから荒れるだけで別に問題のある話題でもないし
>煽る>>78みたい阿呆が居るから荒れるだけで別に問題のある話題でもないし
>煽る>>78みたい阿呆が居るから荒れるだけで別に問題のある話題でもないし

やっぱりわざとやってるのかwww

87名無し三等陸士@F世界:2010/06/12(土) 22:26:48 ID:AyMQ89jo0
投下してくれた職人にいきなり噛み付いてるのがわざとじゃないんなら、
ID:TYimCcWE0は安価のつけ方からやり直した方がいいと思うんだが。

88名無し三等陸士@F世界:2010/06/12(土) 22:35:42 ID:ppLp5h4Y0
>67
そこで氷山空母の出番ですね、わかります><

89名無し三等陸士@F世界:2010/06/12(土) 22:36:39 ID:ppLp5h4Y0
>67
そこで氷山空母の出番ですね、わかります><

90ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/06/12(土) 22:54:50 ID:DL5hiADs0
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/4152/1266250866/119
> あと、お願いが一つ。
> 「大友の姫巫女」の方で、「竜神様書いてくれ」という感想がちらほら。
> さすがに申し訳ないのでその手の感想はこちらにお願いできないでしょうか。
> 逆に、こっちでも「大友の続きどうした」と尋ねられるのを控えていただきたく。
> 今回は顔が割れているので、黙って放置とかせずに休んだり断筆する場合はきちんと告知しますので。

とゆーことで、大友姫関連のレスは控えるべきと存じます。
のんびり待ちましょう、かつて1年以上待っていたのですから。

91ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/06/12(土) 22:57:20 ID:DL5hiADs0
>煽る>>78みたい阿呆が居るから荒れるだけで別に問題のある話題でもないし

安価ミスぐらい笑って許しますわ(苦笑)。

92名無し三等陸士@F世界:2010/06/12(土) 23:57:52 ID:TYimCcWE0
>>91
安価ミススマソ

専ブラじゃないとマンドクサ・・・

93名無し三等陸士@F世界:2010/06/12(土) 23:59:13 ID:P9w/H5Tg0
可哀想な子はスルー推奨と。

94名無し三等陸士@F世界:2010/06/13(日) 00:08:14 ID:TYimCcWE0
まぁまず無理だけどなw

95名無し三等陸士@F世界:2010/06/13(日) 00:35:08 ID:PCAxRam60
>>78
投下乙です


あと本家のほうでいきなり大友の話をしだした馬鹿はこのスレにいる奴か?
TPOを弁えんとあかんぞ馬鹿タレ、犯人は性転換薬飲んで竜洲行きの刑な

96名無し三等陸士@F世界:2010/06/13(日) 06:21:27 ID:KsVZtvS.O
>>95
もしかしなくても>>94の仕業だとオモ

97名無し三等陸士@F世界:2010/06/13(日) 10:16:59 ID:znyO1K4.0
ハルサブローさん、投下乙。

龍驤一艦で、大半の戦が片がつくと思ている、ディプシーとプリムは、第一、第二、第五航空戦隊の
正規空母六隻を見て、どう思うのだろう。

98名無し三等陸士@F世界:2010/06/13(日) 12:55:10 ID:TYimCcWE0
スレ違いの話だと思ったらスルーすればいいのになんで煽るんだか・・・

99名無し三等陸士@F世界:2010/06/13(日) 13:08:06 ID:mcg6esMA0
>>98
いや、それはその通りだけど、それを本人が言ったらただの開き直りですがなw

100名無し三等陸士@F世界:2010/06/13(日) 13:31:48 ID:TYimCcWE0
>>99
大友の名前が出たから板違いの話の雑談振った俺も悪いが
それだけの事でやたら煽りが沸くのは何だかなぁと思ってついぼやいた。
以降自重しときます。

101名無し三等陸士@F世界:2010/06/13(日) 15:45:49 ID:AyMQ89jo0
>>100
>以降自重しときます。

その自重とやらは今回で何回目かね?

102名無し三等陸士@F世界:2010/06/13(日) 15:51:42 ID:TYimCcWE0
君も自重しような?

103名無し三等陸士@F世界:2010/06/13(日) 15:59:59 ID:MQ.xeeJU0
こいつはwww

104名無し三等陸士@F世界:2010/06/13(日) 16:02:25 ID:TYimCcWE0
やれやれ

105名無し三等陸士@F世界:2010/06/13(日) 16:29:18 ID:KsVZtvS.O
2時間ちょっとって自重した内に入るのか?

106名無し三等陸士@F世界:2010/06/13(日) 17:06:53 ID:2OOfSUB60
TYimCcWE0 をNG化しておけば全て解決

107名無し三等陸士@F世界:2010/06/13(日) 18:55:56 ID:oXmDehTQO
>>106
それが正解だろね。
携帯だとできないのが残念だが。

108名無し三等陸士@F世界:2010/06/13(日) 19:22:22 ID:oxY8trmE0
ハルサブローさん爆撃乙でした。九九艦爆的に。
久々に声出して吹きましたw相変わらずかっ飛んでる幼女共ですなあ。

109竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/06/14(月) 00:43:02 ID:1zpMfFdA0
小ネタ投下

110竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/06/14(月) 00:45:42 ID:1zpMfFdA0
竜州 撫子三角州の対岸の野原にて

「ん……しょ……ん……しょ」

 かわいい声をあげて黒長耳族の娘さんが石人形に何かを引っ張らせていた。
 まぁ、四一式山砲なんだが。
 これを運用するのにけっこうな人員が必要なのだが、石人形で引っ張れば黒長耳族の娘さん数人(獣耳族なら十人程度か)で弾薬運搬まで含めた運用が可能になる。
 そんな可能性を確かめる為の実験である。

「あの娘っ子がいると仕事が無くなっちまうなぁ」

 四一式山砲の持ち主である第201師団連隊砲大隊所属の分隊長がため息をつくが、この実験の責任者である瀬島少佐はいたって真面目に石人形に引っ張られる四一式山砲を眺めていた。

「そうでもない。
 そもそも黒長耳族にしても獣耳族にしても数が足りないからな。
 試験運用の粋から出ないだろう」

「では、何でこんな実験を?」

 分隊長の質問に瀬島少佐は四一式山砲を見据えたまま、あっさりと種をばらす。
 まぁ、貧乏国家が機械化部隊を持つとどうなるかという悲哀でしかないのだが。

「足がないんだよ。足が」

「足……ですか?」

 分隊長の疑問系の質問に瀬島少佐は答えるが、その視線は四一式山砲でも分隊長でもない第三のものを見ていた。
 四一式山砲の運搬や運用に使っていた馬や自動貨車である。

「近く、蟲どもの巣に攻撃をしかけるって話は聞いているか?」

「本土から増援まで呼ぶって話でしたっけ?」

 分隊長も瀬島少佐が見ているものをみてやっと何を言わんとするのか理解した。
 それでも、瀬島少佐が説明を続けたのはきっとそういう性格なのだろう。

「欧州の戦争を参考に機械化を取り入れた師団がこっちにやってくる。
 のはいいんだが、こっちにはそれに追随するだけの足がない。
 その足の確保にいろいろやっているという訳だ」

 その成れの果てが海軍に頭を下げた陸上巡洋艦だったりするのだが。
 だったら潔く輸送船を陸で運べよと言いたくもなるのだが、まともな輸送船は現在傾いた帝国経済再建の重大な使命を受けて大海原を活躍中である。
 そればかりに頼るわけにもいかないので、地味に節約というかまぁ無駄な足掻きというかそんなものを考えてるのだった。

111竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/06/14(月) 00:48:25 ID:1zpMfFdA0
「もう一つは火力の集中だ。
 どれだけ蟲がいるかわからない巣の攻略だ。
 しかも、中に囚われている黒長耳族や獣耳族を助ける以上、巣を吹き飛ばす作戦は取れない。
 ならば、巣の前で延々と蟲を叩く事になるんだが、その為にも火力を集めないといけない訳だ。
 こいつなら数を揃えられるからな」

 今までは航空支援などで蟲を潰していたが、巣の前での攻撃ともなると四六時中航空支援が受けられる訳もなく。
 その時に蟲どもを追い払うのは展開している部隊の仕事である。
 で、撫子三角州を襲った蜘蛛の戦訓を考えるなら、歩兵でこいつらに立ち向かわせると被害がしゃれにならない。
 砲火力で確実に火葬にするのが堅実だった。
 そして、この四一式山砲は昭和11年までにすべての歩兵連隊に配備され、中華民国も購入している輸出武器なので数が揃えやすいという利点があった。
 これをかき集めて砲火力で圧倒する作戦を瀬島少佐が考えた時に、やっている事が日清・日露戦争時とさして変わらないと気づいて苦笑したのは内緒である。

「で……だ。
 あれ、なんとかできないのか?」

「勘弁してください」

 そんな二人の問答の先では……



「主!のいてっ!!
 そいつ分解(ばら)せないっ!!」

「わらわがもらったのじゃ!!!
 わらわのものなのじゃ!!!」

『博之が勉強しているので暇なのじゃ』の一言でふらふらやってきた駄竜一匹とその従者の幼女鍛冶師。
 四一式山砲の輸送用に用いていた自転車の虜(接待していた兵士が乗せたのが原因だった)となり、「ちょーだい」オーラを垂れ流したあげくに強奪(この自転車は分隊長の私物でまだ月賦が残っていた)し、分解したい幼女と博之に乗せてもらおうとたくらむ駄竜の壮絶主従バトルが勃発したのだった。

 瀬島少佐はため息をついて分隊長にこう言ったのである。

「誰か、真田少佐を連れてきてくれ」

 その十数分後に、真田少佐とメイヴ(もちろん仕事中だった)の二人に正座で説教された駄竜と幼女の姿が目撃されたとか。されなかったとか。
 なお、分隊長の自転車の代金として数人の獣耳族が配備(もちろん分隊長の愛人候補だ)となって、「海老で鯛ならぬ自転車で竜を釣った」と同僚にえらくからかわれたとか。


 帝国の竜神様 小ネタ話

112竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/06/14(月) 01:04:51 ID:1zpMfFdA0
投下終了。

 小ネタなので分量はこんな所。
 貨車山砲なるものを知りそれで小ネタをと考えていたのにごらんのありさまだよ。

 という訳でレス返し。

>四脚歩行装甲兵員輸送車と八脚歩行小隊輸送車
 多分次の小ネタ候補。
 陸上巡洋艦の周りをこいつらがとことこ歩くという浪漫戦場が!が!!

>Zipうp!
 OKまとめておきます。
 どこか適当なアプロダを探しておかないと……

>サイレントハンター
 なにこのゲーム?楽しそう……

>自堕落な太平洋のアレとか、アレとか。
 起きる時に大海嘯をやらかすやつですね。わかります。

>ハルサブロー氏
 投下乙です。
 この二人順調に技術を学んでいるよなぁ。
 で、どこかの幼女は自転車解体わ目論んでいるし、この差はどこにあるのだろう?

 では。

113リュータ ◆viMvJifIpw:2010/06/14(月) 01:30:07 ID:KD97mA0M0
ハルサブロー氏も、中の方も、投下乙でした。

巣攻撃の際の山砲の運用があまりに手間だったので、
それを戦訓に、山砲から迫撃砲への移行が計られるようになった、
という方向に行くのでは、と思いました。

114名無し三等陸士@F世界:2010/06/14(月) 02:12:51 ID:mcg6esMA0
>ハルサブロー氏
投下乙。「幼女、仕事を失いて不善を為す」とは前スレで言われましたが
まさか「幼女、不善を為して魂魄を吐く」ことになろうとはw」
ちなみに零戦の航続能力だと、30分空戦時間を取っても内陸1000kmは優に入り込めますねw
>竜神の中の人
投下乙です。貨車山砲ってこれですかw
ttp://homepage3.nifty.com/akitamus/news/148/148-P5.pdf
果てしなく胡散臭いシロモノですなあ。いや私がでっち上げたアレの方が更に、というのはさておいて
>陸上巡洋艦の周りをこいつらがとことこ歩くという浪漫戦場が!が!!
前スレでも言いましたが、サラミスの周りを取り囲むボールの群れ……w
これで18m級石人形+艦載砲改造の携帯火器を投入したらまんまファーストガンダムの連邦軍ww
自転車(銀輪部隊)は……不整地だから行軍速度の維持が難しそうな。せめてサイドカーならねえ

115名無し三等陸士@F世界:2010/06/14(月) 03:46:02 ID:M0YXC0KU0
自転車って当時高価だったんだろうね
乙です

116名無し三等陸士@F世界:2010/06/14(月) 05:51:36 ID:mcg6esMA0
小ネタ候補になるかもしれないというので、新たな種を撒いてみるテスト

対戦車自走地雷甲型:超小型の四脚ゴーレムの腹の下に対戦車地雷を貼り付けただけのシロモノ
ゴーレム本体自体も、横棒部分が極太(50cm角の正方形)のH型に切り出した鉄板を曲げて四脚型
に仕立てただけ(脚の先はさらに凵型に曲げて接地圧を減らしつつ強度を持たせる)の超廉価版
用法は、敵車両あるいは蟲の下に潜り込み、腹を上にして転がってわざと踏まれるか、信管を前脚で
叩いて起爆させるというもの。地面の起伏を利用して蟲の魔法障壁をかいくぐり、柔らかい腹の下で
起爆させることで大打撃を与えるのが目的
比較的小型・軽量であるため、長耳族や獣耳族が搭乗している輸送機器に搭載しておき、戦闘状況に
応じて散布・行進させる形で運用するが、通常の地雷のように防衛戦を形成することも可能である
廉価で量産性に優れ、容易に投入でき、兵員の損耗を押さえられるのが長所

※ノリは「今週のびっくりドッキリメカ」(笑)。陸巡から大量投入しましょう
 なお、使用する地雷の種類によって乙型以下のバリエーションがあります

117名無し三等陸士@F世界:2010/06/14(月) 12:11:43 ID:oXmDehTQO
>>116
素直にゴリアテ欲しいと白状したらw
ついでにゴーレム駆動のパンジャンドラムもいこうか。

118名無し三等陸士@F世界:2010/06/14(月) 22:54:35 ID:mcg6esMA0
>>117
む、失礼な。ゴリアテと違って動作を完全に制御できるので確実に目標を捕らえることが可能
更に製作費用もただ同然(←重要)かつどこでも作れる(←超重要)こすとぱふぉーまんす!
長耳族と友好的な関係にある帝国ならではの秘密兵器だというのに(棒)
その上四脚でのこのこ歩く姿がらぶりーとご近所の奥様方に好評で(何)

パンジャンドラム?そんなん作るより、ゴーレムに直接航空爆弾でもくくりつける方が早いし確実w

119名無し三等陸士@F世界:2010/06/15(火) 00:30:31 ID:NtiluqhI0
まあ、簡易遠隔自律or簡易遠隔制御が可能なら
自爆兵器を開発すべきでしょうね。
石人形の以外にも力を重視しない従者呪文もある様ですし。

120名無し三等陸士@F世界:2010/06/15(火) 00:39:36 ID:P9w/H5Tg0
>>118
・満州国で開発の石人形式地雷原開削機
当初は石人形を某国懲罰舞台のごとく歩いて地雷原に突入させてみたが、
 歩いているだけでは良い的である
 二足歩行では接地面積が少なく処理漏れがでる ということで試行錯誤。
直径2m強の鉄環2、3本の間に木製の踏み板と小銃程度の弾避けに鉄板を張った代物。
人間サイズの石人形が中に入って押して歩くwww
そこそこの速度が出るので割と使えるらしい。

妄想力が足りてないのを自覚。

121名無し三等陸士@F世界:2010/06/15(火) 00:56:57 ID:mcg6esMA0
>>120
簡易地雷除去装置……水を詰めたドラム缶をゴーレムにごろごろと押させるw
通常のドラム缶は200L入りだから重量およそ200kg以上。対戦車地雷でも除去できるお!
水の代わりにセメントでも詰めれば、地雷が爆発しても損傷軽微でそのまま作業続行可能
シャーマン地雷除去戦車と原理的には同じw

122名無し三等陸士@F世界:2010/06/15(火) 02:27:12 ID:wAThZc2M0
おかしいな。“押す”と書いてあるのに,コンダラを引いているゴーレムの姿を幻視した。

123陸士長:2010/06/15(火) 02:52:17 ID:3rgpiIEM0
コンクリートが詰まったドラム缶を押すゴーレム達。
地雷原で爆発を巻き起こしながらも、何度も立ち上がってボロボロになりながらもゴーレム達はドラム缶を押す。
その勇姿を見ていた日本軍戦車隊の戦車兵は、その後、何故か訓練でドラム缶を押す事を鍛錬としたという。
彼らの不屈さを規範とし、そして何よりも何となくドラム缶を押したくなったからだ。
今日も、日本の戦車兵達は延々とドラム缶を押し、ドラム缶を押す日に必ず出るカレーライス(不味くはない)を貪るのだった。

124名無し三等陸士@F世界:2010/06/15(火) 08:53:22 ID:/ukUhGkY0
・・・・おしても いいんだぜ!
なつかしい ドラムかんをよ!



日λ...

125名無し三等陸士@F世界:2010/06/15(火) 23:53:13 ID:M.JIm3Z20
ドラム缶を押す…。
元ネタが記憶の片隅に引っかかるんだが出てこない。
このもどかしさ、喉に刺さった小魚の骨というか
出そうで出ないエクトプラズムというか…。

126名無し三等陸士@F世界:2010/06/16(水) 00:24:56 ID:vhTUE3XA0
>125
火炎放射でこちらを消毒してきたり、モヒカンスラッガーで即死させてきたり
半分まで体力を削ると全快して来る鬼畜モヒカンが出てくるゲームですよ。

127名無し三等陸士@F世界:2010/06/16(水) 00:59:00 ID:AGo6gtUw0
ふと、コンクリが詰まったドラム缶の上に立って
脚で転がしていくゴーレムの姿を幻視しましたよ。

両腕に持った一本の棒にバランスを託し、次々と起爆
する地雷の爆炎を掻い潜って念入りに前進と後退を
繰り返すその雄姿。
離れた術者からの視認性を確保するため、そのボディや
ドラム缶はあえて鮮やかな原色で塗り分けられており...

128名無し三等陸士@F世界:2010/06/16(水) 01:06:01 ID:cD5YkzBw0
>>125
竜退治はもう飽きた
なゲームですな

129125:2010/06/16(水) 23:14:46 ID:M.JIm3Z20
>126 & >128
サンクス、思い出せましたわ。
特に鬼畜モヒカンで一気にきましたw
萌えスレじゃなかったら直轄軍の勇者の一人に
鬼畜モヒカンを期待したい気分だわw(スレ違いスマソ)

130名無し三等陸士@F世界:2010/06/17(木) 00:54:20 ID:PCAxRam60
>>126
おまけに戦車から降りて戦わなきゃいけないあの人ですね、わかります。

WANTED!
インランサウルス
出現場所:日本、竜洲
賞金65000

131名無し三等陸士@F世界:2010/06/17(木) 01:16:22 ID:IAqPsUTM0
メ○ルマックスですね、DSで出たメタル○ーガはアレでしたが・・・。

132名無し三等陸士@F世界:2010/06/17(木) 13:20:44 ID:PCAxRam60
しまった!賞金65000じゃなくて69000にしとけばよかった作品的に考えてw

でも撫子ってF世界だとすごい賞金懸けられてそうだな

133名無し三等陸士@F世界:2010/06/17(木) 20:30:45 ID:uVhfI0Vw0
>>131
携帯アプリの方は、もっと最悪でしたよ?

134名無し三等陸士@F世界:2010/06/17(木) 23:00:31 ID:mcg6esMA0
>>132
いっそ191919では駄目なんですか?

135名無し三等陸士@F世界:2010/06/19(土) 16:07:41 ID:TYimCcWE0
アレに出すなら大和でも背負わせないと…

136名無し三等陸士@F世界:2010/06/24(木) 15:52:33 ID:DSuSbq360
この異世界なら、Tー34クラスならまさに街道上の怪物……

137名無し三等陸士@F世界:2010/06/29(火) 01:40:48 ID:iJRAOcG.0
次話マダァ-?(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン

138名無し三等陸士@F世界:2010/06/29(火) 07:37:16 ID:oXmDehTQO
7月末迄、仕事が忙しいらしい。

139名無し三等陸士@F世界:2010/06/29(火) 10:07:24 ID:iJRAOcG.0
そうだったのか(´・ω・`)お仕事がんばってね

140ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/07/05(月) 01:01:21 ID:b0warBCo0
>>84氏、95氏、97氏、108氏、113氏、114氏
>>中の人様

楽しんでいただけたようで何よりです。

>正規空母六隻を見て、どう思うのだろう。

前置き無しでいきなり見せたら、間違いなく噴くでしょうね。
うすうす「本国にはもっとすごいのが……。」と思ってはいるでしょうが、
さすがに想定外かと。

>どこかの幼女は自転車解体わ目論んでいるし、この差はどこにあるのだろう?

殆どのドワーフは、「帝国相手の鉱石大量取引でウハウハ」でしょうけど、
ディプシーとプリムは「身体が弱く鉱山で働けない」という設定なので、
帝国相手の取引で精錬・加工の仕事激減→飯の食い上げってコンボが見えてる分、
危機感が強いという設定です。

それでは今回の投下、趣向を変えて「ディプシー&プリム外伝」
『そりゃ、知らんかったら怖がりようもないわな』の巻です。

141ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/07/05(月) 01:02:58 ID:b0warBCo0
隣町へのお使いから要人暗殺まで……冒険者達の請け負う仕事は、それこそ千差万別である。
とはいえ人によって請け負う仕事に一定の傾向が見られ、その傾向が似通った者が集まって
パーティーを組み冒険を続けるようになるのは良くあることである。
そして、数人から始まったパーティーが徐々に大きくなり複数のパーティーを擁する「クラン」
と呼ばれる集団を形成するのもしばしば見られる。

諍いごとに優れた戦士や魔法使いを送り込む「傭兵クラン」、賞金首の捕縛や魔獣退治を
生業とする「討伐クラン」、迷宮や遺跡から財宝を探し出す「探索クラン」……。
カイル・スィディ女王国の治安維持を担っている「山賊殺し(バンデットバスターズ)」
と呼ばれる傭兵団も、元を正せば数ある「傭兵クラン」の一つだったのである。
それが何故、小さいとはいえ一国の治安を担う栄誉に浴することが出来たのかというと、
それは正・副団長の「奪って良いのは奪った奴等からだけ、堅気には絶対手を上げるべからず。」
という薫陶が行き届いており、暇な傭兵団がよくやる「暴行略奪」の類を一切行わないためであった。
……代わりに「奪った奴等」に対する攻撃は苛烈を極め、文字通り裸一貫無一文にまで剥かれた(下着まで分捕られた)
盗賊団の数は4ケタにも届くとの噂であった。(もっとも傭兵団長は「桁が一つ違う」と否定している。)

大小にかかわらず悪を挫き、弱きに手を出さないからこそ、カイル・スィディ女王国の
治安維持を打診され、「そろそろ地に足を付けた活動を考えるべき」と思っていた団長の意向と
一致したが故の事ではあったが、実はその他にも(団長にとって)魅力的な理由があったのであるが……
それは傭兵団「山賊殺し(バンデットバスターズ)」の最高機密とされている。
(もっとも半ば公然の秘密と化している……つまりバレバレなのだ。)

……そんな傭兵団が珍しくトラブルを起こした。
相手は、現在鉱脈調査のためカイル・スィディ女王国を訪れている「満州鉄道調査団」護衛の帝国軍人である。
しかもトラブルの渦中にいるのが傭兵団「山賊殺し」の『魔術師レイナ団長』その人である。

「だから何もタダで分捕ろうってんじゃないわよ、ちゃんと対価を払うって言ってるじゃないの。
300……いいえ350で買うわ、てゆーか売りなさい。」

「……あの……何度も言ったとおり、譲ることも売ることも出来ませんとのことです、
畏れ多くもテンノーヘーカ……ええとこっちの言葉では……皇帝陛下から賜った武器を
売り飛ばすなど出来るわけがないと……」

「でも陛下から賜ったなんてのは形式的なものでしょ? そもそも武器なんか自分に合ったものや、
より強力なものに次々変えていくようなモンだし、いつまで鉄パイプの先にナイフ付けた
だけの槍に拘ってんのよ、形だって明らかに使いにくそうだし、何だったら私がドワーフ達に話し通して、
とびっきりの槍を用意させても良いわよ。」

「怒らないでくださいよぅ(泣)……陛下からの預かりものを侮辱するかって言ってます、
ああん、私が言ったんじゃないのに怒鳴られたぁ。」

大声で言い争う傭兵団長と帝国軍人、そしてその間で冷や汗を流しながら小さくなっている
通訳のダークエルフ。
唯一争いを止めることが出来うる副団長の『剣士ガディ』は今ひとつ状況を掴みかねているのか、静観の構えである。
いつ殴り合いに発展してもおかしくない危険な状況を打ち砕いたのは、その時飛んできた
一人の幼じょ……もとい、ドワーフであった。

「やめんか、この強欲詐欺師いぃぃぃ!」

レイナに向け、カタパルトで飛んできたかのような強烈な跳び蹴りを放つドワーフ『鉱石の娘マベル』
いち早く気付いた副団長ガディがマベルを受け止めるが……完全には止まらず、
レイナの側頭部に跳び蹴りがヒットする。

「どわっ、痛った〜ぁい……こらガディっ! ちゃんと止めなさいよっ!」

「いや、でもな、完全に止めちまったら今度はお前さんが止まらないだろ、怪我しない程度に
勢い殺したからそれで良しってことでな……」

「怪我無くたって、痛いモンは痛いし嫌なの、ってゆーか商談の邪魔すんなっ!」

側頭部に一撃を食らい、味方のはずのガディも中途半端な止め方しかしなかったことに、
憤懣やるかたないレイナ。

142ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/07/05(月) 01:04:03 ID:b0warBCo0
もっとも自業自得な面が多分にあるのだが……。

「そのアホな商談を止めっちゅーとるんだ、この貧乳ペテン師っ!」

わめくレイナを一喝するマベル、だがその言葉の中にレイナの気に障る……どころか琴線を
引きちぎる単語が入っていたため、彼女の怒りが倍加してしまった。

「なっ貧にゅ……っっ! 永久幼児体型のアンタらに言われたくないわよっ、
てーか確実にアタシの方が大きいわっ!」

何かと自分の体型を気にしているレイナからすれば、【貧乳】という言葉は禁句中の禁句であった。

「ドワーフと胸の大きさ張り合う時点で、色々と負けている気がするな〜なんか人間として……
つーか、突っ込むトコそこなのか? 【強欲】とか【詐欺師】【ペテン師】っての否定しないんだ。」

空気を読んでいるのか読んでいないのか、今ひとつ判然としないツッコミは副団長のガディ、
指摘を受けたレイナは青筋を立てながら歯ぎしりをしている。
……気がつけばレイナと言い争っていた帝国軍人は蚊帳の外である。
結果的にレイナが幾分冷静さを取り戻したところで、マベルが説明を始める。

「ディプシーとプリムからの手紙が届いてな、帝国人の武器の正体が分かったんだよ、
おいそれと売るわけがねぇ、官給品……皇帝からの借りモンな上、オリハルコン鋼に
彩鉛メッキを施したの超高級品だ、第一そいつぁ槍じゃねぇ。」

「魔法掛かってない鉄棒のどこがオリハルコンなのよ、そもそもあれ、槍じゃなきゃ何だってのよ?」

「飛び道具……あえて言うならスリングの一種かな? 小さなドングリみたいな礫を飛ばして攻撃するんだとさ。
材質に関しては、間違いなく『魔法の掛かっていないオリハルコン鋼』だ。」

「へえ〜ドングリを飛ばす武器なんて、また強烈な武器ねえ(藁)。職業柄、オリハルコンやミスリルの
武具は山ほど見ているけど、護符のないものはともかく魔法自体が掛かっていないものなんて、
初めて聞いたわ、世の中広いものね〜〜(w)」

レイナは欠片も信じていない声&ジト目で返す。

「ドングリでも小石でも、鉄板ぶち抜く勢いで当てられたら一発で戦闘不能だっつーの。
オリハルコンやミスリルの武具にしたって、炉を傷めてまで作った希少なヤツだぜ、
折角エンチャント効率が高けぇんだから、魔法かけなきゃ損だろうが……だから『俺たちが卸す』
オリハルコンやミスリルの武具は全部魔法が掛かってるんだよ。
……けどな、魔法抜きの地金や未完成の段階でも十二分に実用に耐えられる性能なんだよ。
んで魔法を使えねぇ帝国の連中は、トンデモねぇ量の【未完成オリハルコン】や【ミスリル地金】
で武器を作っているんだ。」

「弓の弦もスリングの紐も無し、まして魔法すら使わずにどうやって鉄板ぶち抜く勢いの
礫を飛ばすってぇのよ、オリハルコンも魔法炉じゃないと精製できないんでしょ?
魔法の使えない帝国がどうやってオリハルコンやミスリルを精製するのかしらね〜
嘘吐くのならもっと上手いのを……」

「ほう……だったら何か賭けるかい、つーか、勝負にならんわな〜キュウナナタイテイ
見ているはずなのに、魔法抜きでのミスリル精製が無理なんて現実逃避しているバカが相手じゃぁな。」

お互い返事に余計な嫌みを入れてしまうため、つまらない言い争いが収まる気配を自ら壊してしまう。
さすがに埒があかないため、副団長ガディが勝手に話を進めため、傍らのダークエルフに話しかける。
(※マベルとレイナを止める機はさらさら無い。)

「な〜ちょっと通訳頼むわ、『アンタらの訓練を見せて欲しい』って……
いやな、団長があんな失礼なこと言っていたところで悪いんだけど、それってお互いのことを
よく知らない所為でもあると思うんだ、普通なら一緒に酒でも飲めば良いんだろうけど、俺たち傭兵団だしな〜。
やっぱりそれなりの『実力』ってのを知らないと色々と難しいと思うんだ。」

…………。

143ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/07/05(月) 01:04:43 ID:b0warBCo0
このようなトラブルが起こってしまったのは、皮肉にも傭兵団「山賊殺し」の治安維持活動
における優秀さから来るものでもあった。
仕事と暇つぶしと団長の趣味&欲求不満解消に、近隣の盗賊団から魔獣狩りまくたため、
「真夜中すぎに幼女が外を出歩ける」ほど治安が良いので、「満鉄調査団護衛隊」の出番が全く無く、
結果、帝国の武器(この場合38式小銃が主だが)の威力を披露する機会が得られなかったのだ。

小銃に着剣していたため、曲がりなりにも武装していると認識されそれなりに敬意を払われていたが、
それでもいずれ今回のようなトラブルは起こっただろう。
トラブルを起こしたのがたまたま「団長レイナ」だったが、そのレイナにしたところで、
基本的に悪気はなく、『珍しい武器だからちょっと欲しくなった』という単純な理由が出発点だった。
それが存外強硬に反対されたためムキになってしまったのが真相である。
……もっとも、レイナをよく知る古参団員は「買い取りの値段が数倍になるだけで、
同じ事やると思う」と評したが……。

−−数日後、某採石場跡地にて−−

「バーン……バーン……バーン……」

耳を劈く破裂音が採石場跡に響く。
初めて目にする帝国軍の射撃訓練、団長レイナ以下の傭兵団「山賊殺し」の面々は……。

「「「キーーーン……クラクラクラ……」」」

「だから耳栓しとけって言ったろうが、団長以下意地張りやがって。」

マベルの忠告を無視し、射撃の轟音をモロに聞いた傭兵達は耳をやられ目を回していた。
心底呆れたマベルとようやく耳のダメージが抜けてきた傭兵達の下に、標的近くで控えていた
副団長ガディがやってくる。

「いや〜すげぇすげぇ、ホントに鉄板ぶち抜くのな、あの礫。」

いつもと変わらない軽い口調で言うので、すごいと言いながらちっともそんな気がしないが……
ガディの性格をよく知る傭兵団のメンバーは、それが字面通りの真実であると理解した。
そこに遠見の魔法で標的の様子を確認したレイナが驚きの声を上げる。

「うっそ……チェーンメイルやスケールメイルどころか、プレートメイルまで穴だらけじゃない……
ガディ、あの礫なんとかできる?」

「うーん、見ていれば避けられないこともないと思う。」

「おい、ウチの副団長ってたしか……」
「ああ、剣技だけなら勇者とタメ張るバケモンさ、それが『避けられないこともない』ってのは……。」
「俺たちじゃ逆立ちしたって無理って事じゃないか、勘弁してくれよ。」

凄まじいまでの銃の威力に頭を抱える傭兵達、そこにガディが一見ボケに見える追い打ちを架けてしまう。

「あの礫すごいな〜こうグリグリってな、ドリル見たく回転しながら……なんて言うか、
風に穴開ける感じて飛んでくるの、おまけに音がしないんだぜ、ビックリしたなぁホント。」

「アンタも耳やられたの? すっごい音だったから仕方ないけど。」

「ん〜? マベルのおばちゃんに言われたから耳栓してたし、お前達より離れていたから
耳は全然痛まなかったぞ。」

「??? 耳栓であの轟音聞こえなかった?」

「いや、『バーン』ってあの音は耳栓しても聞こえるって。」

「アンタ今、音がしないって言ったじゃない。」

「ああ、その……なんてぇかな……『バーン』ってあの音は礫の後に聞こえるんだ。」

「???」

「最初にあの鉄棒の先端から火と煙が出てな、んで、ものすげー速さで礫が飛んできて、
礫の風切り音は礫と一緒に聞こえてくるんだ、『バーン』って音はその後なんだな。」

「風切り音が先にじゃなくて、礫と同時に聞こえる? あの轟音がその後? ……ってことは……まさか……。」

「「「あの礫は音より速い!?」」」

144ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/07/05(月) 01:05:15 ID:b0warBCo0
「ちょっ……音より速いあんな小さな礫、ガディのアニキ以外は、避けるどころか見つけるのも無理じゃね?」

百戦錬磨の「山賊殺し」の面々でも、超音速の攻撃は受けた経験がない、
どうやって対処しようかと思案するが、ろくな案が出てこない。

「ああいうのとやり合うんだったら……副団長に避けながら突っ込んでもらって、
接近戦で混乱しているところに、団長の魔法で……」

「おーい、それじゃオレまで吹っ飛ばされるだろ。」

「あはは、やっぱダメッスよね……団長ならやりそうだけど。」

実際、腕の良い僧侶が傭兵団にいるのを良いことに、死なない程度に敵味方まとめて
魔法で吹っ飛ばすと言う戦法をレイナはしばしば採用している。
とはいえ、下っ端団員の揶揄を笑って済ませるほど彼女は人間が出来ていなかった。
レイナはコメカミに怒りマークを浮かべて怒りをぶちまける。

「くぉらっ! アンタ達ぃ〜〜〜(怒) ちょうど良いわ、今度はアタシの魔法を帝国の皆さんに見せてあげる。」

最大魔力の爆発呪文を唱え始めるレイナ、意図せず揶揄された内容を自分で肯定しているあたり、
間が抜けているのも甚だしいのだが、巻き込まれる側はたまったものではない。

「だっ団長ちょっと待ってっ! じょ冗談……」

「バカっ! 言ってる間に早く伏せろ、口開けて耳塞げっ!」

『ちゅど〜〜ん!!!』

…………。

今回の射撃訓練は、カイル・スィディ女王国と傭兵団「山賊殺し(バンデットバスターズ)」
に大きな衝撃を与えた……と同時に「射程はともかく威力は榴弾砲に匹敵」するレイナの
攻撃魔法も帝国に衝撃を与えた。

そんな経緯と大蜘蛛の脅威に曝されていることあり、頑丈な溶接構造の新型中戦車(1式中戦車)
の早期開発・配備が竜州軍から強く望まれたものの、予算不足で思うようにいかなかった
のが貧乏国家の悲しい現実である。
挙げ句の果てに、「(性能の良い横流し品を手に入れるため)中国向けレンドリースの戦車を新型にしてくれ」
と言う打診が日本からアメリカに有ったとかで、関係各所から大いに呆れられたと言う
真偽不明な笑えない笑い話が伝わっているあたり、日本陸軍の混乱と焦りがどれだけ大きなもの
だったかが偲ばれよう。

145ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/07/05(月) 01:09:03 ID:b0warBCo0
投下終了。

モデルがバレバレな傭兵団の団長&副団長なのでした(w)

146ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/07/05(月) 01:19:00 ID:b0warBCo0
訂正
誤:(※マベルとレイナを止める機はさらさら無い。)
正:(※マベルとレイナを止める気はさらさら無い。)

誤:近隣の盗賊団から魔獣狩りまくたため、
正:近隣の盗賊団から魔獣に至るまでを狩りまくたため、

147ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/07/05(月) 01:19:54 ID:b0warBCo0
onz
正:近隣の盗賊団から魔獣に至るまでを狩りまくった為、

148名無し三等陸士@F世界:2010/07/05(月) 01:25:31 ID:M0YXC0KU0
乙です
売れなんて言われたらマジギレですよねw

149名無し三等陸士@F世界:2010/07/05(月) 02:17:38 ID:.ReCRAxc0
現場の人間(階級が高くても尉官だろ)じゃ横流ししろって誘われてるのとかわんないからな

150参謀たちの長い午後(ひそひそばなしafter):2010/07/05(月) 11:03:50 ID:mcg6esMA0
 長耳族による四一式山砲の牽引実験を終えて、瀬島少佐は撫子城内に割り当てられている執務室に
戻った。レポートの作成は若手参謀に任せたが、結果自体は単純なものである。問題は、その結果を
どうやって軍の強化につなげるかである。

 四一式山砲は、1門を運用するのに11人が必要であり、歩兵連隊に付属する1個中隊には砲4門と
弾薬輸送小隊(77名)、さらに馬匹約40頭、馬車5台が必要とされる。これが長耳族数人を割り当てる
ことで大幅に軽減されることになる。特に、本国から持ち込むのも、現地調達も難しい馬の必要数を
減らすことは重要な要素であった。
 とは言え、長耳族の数は決して多くはなく、その不足を補う獣耳族の数もまた然り。瀬島としては
なお省力化を推し進める必要性を感じざるを得ない。それに、砲を牽引する石人形の速度不足も問題
だった。新編成されるという自動車化連隊に彼女たちが随伴できるかとなれば、やはり厳しい。牽引役の
石人形を増やせばある程度速度は上がるだろうが、今度は長耳族の人員不足が問題になる。

 とりあえずまとめられた一次報告書を携え、参謀長執務室に向かう。その部屋の主は、今回の遠征を
単なる土地の征服ではなく、長耳族母体の大量獲得やら、この世界において既に失われている魔法
文明の遺跡発掘やら、様々な成果を獲得するための軍事行動と位置付け、必要な物資を本国から
引きずり出すべく諸々画策中のはずであった。


 提出された報告書を一瞥すると、石原は机の中から1冊の薄いファイルを引っ張り出して瀬島の前に
ぽんと投げ出した。表紙には「前田繁治実験 第1次試験結果とその応用についての考察」とある。
 瀬島はファイルを手にとり、斜め読みしていく。内容は、予め整形した物体を人形化することによる術者
の負担軽減及び四脚台の制御と運用に関する実験についてのものだった。4本の脚をつけた金属の箱を
ゴーレム化することで、時速15km前後で移動させることが可能ということだった。

 「――この実験が何か?」
 「瀬島。貴様、これをよく読んで意見を聞かせろ。実現性があるか、あるとすれば必要なものはどれほどに
なるか。明日報告を聞く」
 「はあ……」

 不得要領の顔つきで頷く目の前の部下に、石原は微笑しながら言う。

 「この箱に四一式山砲でも九〇式野砲でもいいから載せてみろ。どうなると思う?」
 「あっ!」

 雷に打たれたように立ち尽くす瀬島から視線を外し、窓の外に広がる広大な草原を眼下に収めつつ
石原は言葉を継いでいく。

 「必要な人員、資材、編成、運用。素案を作って持って来い。こいつと海軍から借りた陸巡を組み合わ
せれば、いろいろ面白いことがやれると思わんか?」

151名無し三等陸士@F世界:2010/07/05(月) 11:04:59 ID:mcg6esMA0
>>140
投下乙。内容については……まあいろいろとノーコメントということでw
団長・

152名無し三等陸士@F世界:2010/07/05(月) 11:08:34 ID:mcg6esMA0
>>151つづき
団長・服団長コミで勇者候補クラスの能力なんだろうなあw
ただ「剣技だけでも勇者に匹敵」ってのは大分誇張されてはいるんでしょうが

>>150
中の人が当分来られなさそうなので、>>110から蟲の巣遠征までの部分を補完してみるテスト
次の小ネタに繋がるような方向性で。流れ壊してないよね?よね?

153名無し三等陸士@F世界:2010/07/05(月) 20:51:36 ID:oXmDehTQO
>>152
もーまんたい

154名無し三等陸士@F世界:2010/07/06(火) 14:02:18 ID:fpQonzEw0
なーに、魔法に威力で負けても擲弾筒ならお手軽さで勝てるさ。89式とか。

155名無し三等陸士@F世界:2010/07/06(火) 21:36:15 ID:GWDOZGKc0
ハルサブロー氏投下乙。
銃弾の回転まで見えるとは、勇者はやはり化け物ですな。
機関銃で弾幕を張れば何とかなるか?
予算不足で弾幕を張る弾が無いのが問題かな。

三八式は基本鋼鉄にバネと木だから、オリハルコンとは違うのでは?

156名無し三等陸士@F世界:2010/07/06(火) 22:46:14 ID:OsXm6F.k0
ハルサブロー氏、投下乙でした。

>そんな経緯と大蜘蛛の脅威に曝されていることあり、頑丈な溶接構造の新型中戦車(1式中戦車)
>の早期開発・配備が竜州軍から強く望まれたものの、

史実だと、1942年秋の段階で試作車完成。
チハの数を揃えるのを重視したのと戦時のゴタゴタで、量産と部隊配備が1944年まで遅れ。

米英との戦争突入がなく、陸軍全体での兵員削減でチハ自体の数を確保する必要性が低下、竜州での部隊壊滅のインパクトで、
数は別として一式中戦車の生産自体は、1942年中に開始されてると思う。

157名無し三等陸士@F世界:2010/07/07(水) 00:29:29 ID:Gd/StS52O
>155

三八式は【タングステン鋼】製

158名無し三等陸士@F世界:2010/07/09(金) 00:53:29 ID:IAqPsUTM0
>>155
>>157の人も指摘していますがただの鋼鉄じゃないですよ。
銃身に使われるには炸薬の爆発に耐えられるだけの強度が必要なんで
ただの鋼鉄ってわけにはいかんとです最もこんな贅沢な銃身を使って
いる国も珍しいのですが貧乏な国なので耐久値を底上げする目論見
もあったのでしょう以下抜粋。

ttp://ja.wikipedia.org/wiki/三八式歩兵銃#.E9.96.8B.E7.99.BA.E3.81.A8.E8.A3.BD.E9.80.A0

・・・金属部は、タングステン合金銃身鋼(高速度鋼)である。鉄鉱石は、
中国鞍山鉱山産を使用し、タングステンは、山口県産重石鉱から抽出して
いた。これらを八幡製鉄所で精錬し、鋼材を各兵器廠で加工した。
レアメタルであるタングステンを使用した軍用銃は珍しく、
貧国日本が歩兵の主力兵器にいかに気を使っていたかが分かる。

159名無し三等陸士@F世界:2010/07/09(金) 01:03:17 ID:IAqPsUTM0
ちなみに昭和15年頃までの歩兵操典を見る限りでは陸軍の戦術は
無謀な突撃重視主義でもなんでも無いです。
軽機関銃のような運用を任せられた重機関銃を効率的に用いた
弾幕射撃の圧倒的な支援のもとに小銃と擲弾筒、手榴弾+軽機関銃
で武装した小隊が敵の陣地を取りに行くのが「教科書通り」な戦い方
になっている辺り精神論だけの戦い方じゃないです。
この世界の日本は米英国との戦争はやってないので多分基本的な戦い方
は昭和15年の歩兵操典と変わらない部分があると思います。

ttp://www.warbirds.jp/sudo/infantry/souten_index.htm
歩兵操典〜昭和15年改定軍令陸第七号

160名無し三等陸士@F世界:2010/07/09(金) 01:11:39 ID:IAqPsUTM0
>>159
一部訂正。
×弾幕射撃
○三点射撃(バースト)
保弾板を使っている日本陸軍の重機関銃では弾幕射撃はしないですね
失敗失敗。弾幕張らなくても敵の火点を制圧できればいいのでバリバリ
撃つ必要性は無いですわな。

161陸士長:2010/07/10(土) 03:33:03 ID:3rgpiIEM0
>>160
元々、火力を充分に使用して敵火点と陣地を潰し、最短距離まで匍匐して距離を詰め、機関銃と擲弾筒の支援の元突撃を仕掛けるって感じだったようで。
餓島のは、あの地が地だったが故にまともな火力も運搬出来ず、本営の見積もりの甘さもあって大損害を出した訳で。
国民党軍なんか目じゃないレベルでの戦力と火力を持つ米軍相手だったのもある訳で。
充分な火力と戦力が整っていれば米軍とだって戦えます。
……米国、マジチートですよねぇ(嘆息
日本、やっぱり貧乏だよねぇ(もっと嘆息

162名無し三等陸士@F世界:2010/07/10(土) 11:01:02 ID:9tbe0/Y.0
>>161
あの戦争が無ければ 20年頃には陸軍はアメリカほど大規模なのではない自動車化師団を作ろうとしてたみたいだけどな

163名無し三等陸士@F世界:2010/07/11(日) 21:05:33 ID:Dhs/IxZU0
>>162
移動を馬匹や牛に頼らず、トラックで行える部隊かな。

ところで戦場の神たる砲兵は何処。

164名無し三等陸士@F世界:2010/07/12(月) 08:59:10 ID:IAqPsUTM0
>>161
貧乏人だからこその戦術もあったんでしょう。
ただ米国は普通の国じゃ無かったですからねぇ・・・・相手が悪い。

保弾板は1枚で30発発射できるので三発ずつなら10射撃分、五発ずつでも
6射撃できるから布ベルトにしろメタルリンクにしろベルト給弾式は不要
ですしなぁ。弾丸ばら撒くのは見た目は派手だけれどあまり効果的では
無いし。
>>163
乗り心地はともかく丈夫で整備が楽なトラックの数次第ですけど歩兵が
良好な機動力を確保できるだけでも大分ましでしょうね。

165名無し三等陸士@F世界:2010/07/13(火) 23:15:27 ID:e86pH6GU0
日本陸軍の思想って、通説と違って何処までも普通というか常識的な範囲なんだよなぁ。
火力重視してるし、上陸作戦に関する装備開発なんかは世界でも最先端だったし。
地味な部分だと戦闘糧食に関する研究も航空隊用のものを含めてある種狂ったレベル。
結局びんぼが悪いんだ、に行き着くのか日本陸軍……。

166名無し三等陸士@F世界:2010/07/14(水) 01:03:59 ID:F6YvPnTw0
>165
※ただし牟田口を除く
とりあえず実物を見ずに自身の感性だけで重要なことを決める
この手の馬鹿を排除することも忘れないとな。

167名無し三等陸士@F世界:2010/07/14(水) 01:19:30 ID:mcg6esMA0
>>166
インパール作戦の阻止に決定的な役割を果たした英軍のある将官の言葉
「日本軍は奇妙な軍隊だ。一番愚かな者が参謀肩章を吊っている」

168名無し三等陸士@F世界:2010/07/15(木) 01:15:02 ID:sXj7WR1E0
>140
やはり、龍神様もその団長を跨いで通るのでせうか・・・

169名無し三等陸士@F世界:2010/07/15(木) 01:16:24 ID:sXj7WR1E0
>140
やはり、龍神様もその団長を跨いで通るのでせうか・・・

170リュータ ◆viMvJifIpw:2010/07/15(木) 02:04:12 ID:kF5vxVnQ0
投下します。

171リュータ ◆viMvJifIpw:2010/07/15(木) 02:06:16 ID:kF5vxVnQ0
 1942年某月某日
 竜州 撫子三角州
 海軍陸戦隊演習
 
 あえて等身大で創造された土人形十数体に、アメリカ製ハーフトラック(今は白い星ではなく日の丸が描かれている)に車載されたブローニング機関銃を発射する犬耳族。
 そこから少し離れた場所で、MP18ベルクマン機関短銃を構えた猫耳族とトンプソンM1機関短銃を構えた狼耳族が、やはり等身大の土人形達を射撃の的にしていた。
 狩人をしていたという狐耳族が、双眼鏡を覗く人間の指示を受け、布きれなどで目印をつけられた土人形に97式狙撃銃で狙いをつける。発射された銃弾は、対象の土人形の頭部に風穴を空けた。
 うさぎ耳族の数人が、アメリカ製迫撃砲で指定された区域に迫撃砲弾を撃ち込む。擲弾筒から発射された擲弾も打ち込まれ、連続した爆発音が響いた。

「いやあ、それなりに様になってきたじゃないか」
 演習を視察に来ていた石原は、同行していた真田に楽しそうに話しかける。
 海軍陸戦隊に所属する長耳族・黒長耳族が、標的になる土人形を作成・操作。同じく陸戦隊に所属している獣耳族が、それらを撃破。きたるべき遠征を念頭においての演習内容だった。
「陸戦隊に志願してくれている獣耳族は、『絶壁の森』で狩人や衛兵的なことをしていた者がほとんどだって、フレイヤやディアナは言ってましたよ。しかし……」
 M3軽戦車が、通常の大きさで作成された土人形に狙いをつけているのを眺めながら、真田は少し呆れたような口調で続ける。
「国民党からの横流し品とはいえ、こんなに海軍がもらってしまっていいんですか?」
「はは。海軍というより、海軍陸戦隊所属の彼女たち、だけどね。彼女たちは君や撫子様のいわば旗本だよ。万一の時に最後まで当てになるものに手厚くするのは当然じゃないか」
 言外に、陸軍はそこまで当てにならない、と言う石原。
 M3軽戦車の主砲が発射され、土人形が吹き飛んだ。
「……彼女たちの一人が言っていたよ。この武器があったら、『絶壁の森』を追い出されることはなかった、妹がここに来る途中で死ぬことはなかったと。今度の遠征が終わって、次の遠征があるとしたら、目的地は彼女たちが住んでいた場所になるかもしれないな

172リュータ ◆viMvJifIpw:2010/07/15(木) 02:10:03 ID:kF5vxVnQ0
投下終了です。

173名無し三等陸士@F世界:2010/07/15(木) 21:19:50 ID:.UmhniXQ0
これだけ? というかなにが言いたいんだ

174名無し三等陸士@F世界:2010/07/16(金) 02:10:47 ID:8en7C0gA0
たしかになあ、作者さんが伝えたい情報が何なのか伝わってこないよ
訓練に消費する弾薬を石原さん他上層部が許容できるのかなとかが感想ですかね

175名無し三等陸士@F世界:2010/07/17(土) 00:12:13 ID:tRfwcwBkO
外人部隊ならぬ○耳族部隊の可能性とか?

176名無し三等陸士@F世界:2010/07/17(土) 23:20:19 ID:mcg6esMA0
むしろ「Cat Shit One」?
アレは動物を戦争させている漫画だから、いわば二重の擬人化ってことになるなw

177名無し三等陸士@F世界:2010/07/18(日) 01:08:34 ID:tRfwcwBkO
つーか獣耳族部隊ってSenkaでヒャッハーな展開しか浮かばないよ?
それか慰安婦部隊

178名無し三等陸士@F世界:2010/07/18(日) 09:56:01 ID:/ukUhGkY0
Cat Shit Oneアニメになったよね
ようつべかニコニコ行けば今無料放送中だよ

179名無し三等陸士@F世界:2010/07/18(日) 21:17:40 ID:mcg6esMA0
まとめサイトに62話が載ってて、しかも物議をかもした撫子による石原誘惑シーンが修正されとるw
あそこは別にそのまんまでもよかったと思うけどなあ

180リュータ ◆viMvJifIpw:2010/07/18(日) 23:23:37 ID:7RzF1Z0A0
「ネタは思いついても、ソレをSSに転換できないよ」の状況から卒業したくて、
何はともあれ書くだけ書こう、と思って書いてみたんですよ。
まずは書いてみる、というのが先行してて、たしかに何を伝えたいのか分からないSSになってました。

・海軍陸戦隊に参加してる獣耳族には、銃器や乗り物の操作とかも教えてるだろうなぁ。
・竜州に持ち込まれてる米軍兵器って、はっきり出てきた描写はなかったような……
・米軍兵器は、問題兵士がほとんどの陸軍には、あまり回されないような……
・今度の遠征で、黒長耳族の大半がゴーレム作成・操作でかかりきりになるから、海軍陸戦隊の獣耳族にも護衛役が回ってくるのでは。
・そうなると、演習とかも行われるだろう。
・住んでいた「絶壁の森」を追い出されたことに、それなりに思うところあるよな。

なんてことを思いながら、取り止めもない書き方になってしまいました。
次に書くときは、何を伝えたいか、をはっきりさせて書くようにしますね。

181竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/07/19(月) 17:41:10 ID:yHqMRpI.0
 久しぶりのレス返し

>>「今週のびっくりドッキリメカ」

 陸巡は何隻やってくるかまだ考えてないけど、巣攻撃時には八雲だけではない予定。
 そんな振って沸いた装甲巡洋艦フィーバーに、
「扶桑と山城と伊勢と日向を使わせてくれぇぇぇっ!!!」
 と嘆願して、総突っ込みを受けた艦隊派の重鎮がいたとか居ないとか。

>>まあ、簡易遠隔自律or簡易遠隔制御が可能なら

 久しぶりに某国営放送見て思い出した人類諸国家連合の初期イメージって、某星の戦争の通商連合だったり。
 勇者ってのがフォース&シスの連中で、ひたすら大量生産されるドロイド&クローンで殺し合いという。
 そのあたりの話を次回あたりから出してゆく予定。

>>メ○ルマックス

 陸上戦艦大和を出せと申したか。
 近藤和久さんの『ジオンの再興』みたいな陸上戦はやってみたいなと妄想が。が。

>>ハルサブロー氏

 投下乙です。
 いい感じでカイル・スィディ女王国の設定ができてうれしい限りです。
 そろそろ身元がしっかりした冒険者がやってくるのもいいかもしれないなぁ。
 カッパドキア共和国やカイル・スィディ女王国あたりの紹介状をだしたら断れないだろうし。

>>やはり、龍神様もその団長を跨いで通るのでせうか・・・

 いや、多分撫子はL様だから(まて)

>>参謀たちの長い午後

 保管ありがとうございます。
 こういう話がそのまま小ネタに繋がるのでおおいにやっちゃってください。

>>米英との戦争突入がなく、陸軍全体での兵員削減でチハ自体の数を確保する必要性が低下、竜州での部隊壊滅のインパクトで、
数は別として一式中戦車の生産自体は、1942年中に開始されてると思う。

 あと、どこぞから横流しされてきたM3中戦車を見て、それが大量配備されているはずの国民党に脅威を覚えた陸軍が何か考えているんだろうなぁ。

>>移動を馬匹や牛に頼らず、トラックで行える部隊かな

 それ、アメリカ以外何処も無理なような気が……気が……(血涙を流しながら)

>>リュータさん

 投下乙です。
 最初は誰もうまくいかないのです。
 けど、出されたネタは極力食べるのが竜神様くおりてぃ。
 このあたりの娘っ子達をガサッソニカに送るととっても楽しいヤンマーニができそうと、私の電波がささやいております。
 何時書くのかはおそらく永久に未定。
 四方八方に戦線を広げるとこうなるという見本を晒しつつ、レス返しでした。

182名無し三等陸士@F世界:2010/07/19(月) 19:59:21 ID:mcg6esMA0
>>181
>竜神様の中の人 様
レス返しご苦労様です。またまとめwikiの更新が進んでましたが、そちらもご苦労様です
ところでjpg.のほうのまとめはいつ掲載に(略)

>陸巡艦隊
1隻で2000人輸送できるとしても、1個師団の輸送に必要な数は到底確保できないでしょうし
その不足をどうやって補うかという話に。自走地雷は戦力不足の穴埋めに。ある意味ボールより
さらにお手軽な(ジオンのミサイルボートのような)使い捨て兵器です。大量投入推奨

>身元がしっかりした冒険者
へっぽこーずかぞんざいズか、さもなきゃフォア・ローゼスか(待て)

>りゅーた氏の「Cat Shit One」
独立愚連隊的な編成にして、本編と関わりの薄いところで「COMBAT!」やるというのはありかと
もっともそれだと撫子親衛隊という感じではなくなりますが

183名無し三等陸士@F世界:2010/07/19(月) 20:51:41 ID:im3yFnB60
>身元がしっかりした冒険者
リ○イも身元はしっかりしてるよ。
紹介状を用意する手間を忘れて、国交もない相手に顔パスを要求する非常識かましたけど。
へっぽこーずはダークエルフ戦もしてるしエ○ューのエルフに対する要求とか考慮すると
ちょっと協力出来ない気がする。
ぞんざいズだとバトエルデンみたいな上位種が頼りない竜を補佐していそうだな。

184名無し三等陸士@F世界:2010/07/19(月) 21:48:31 ID:mcg6esMA0
>>183
この場合、身元がしっかりしているってのは、大日本帝国に対してしっかりとした身元保証を
示せるかどうか、だからハーレムパーティーは完全に落第だ罠

冒険者ネタはあくまでシャレだが、一応検証するとへっぽこーずは旧パーティーじゃないと
エルフフェチwはこの世界設定では出せないなww ぞんざいズは……なんで人間しかいないはずの
冒険者が上位種とか竜の補佐とか言う話になるんだ?いや竜=ルーorリアって見立てなのはわかるが

185名無し三等陸士@F世界:2010/07/19(月) 22:18:50 ID:GXAQ/XgQ0
マジックフェザーは…この世界観で出したらえらいことになるなぁ…身元はしっかりしてるけど。

186名無し三等陸士@F世界:2010/07/19(月) 22:53:43 ID:IAqPsUTM0
ソード・ワールドシリーズのネタはほどほどに。
モデルにしてはいるけれどあっちのままのが出てくるわけではないので。

まともな外交をしたいのならまず責任者(政府)からの委任状でも無いことには
どこの法治国家も相手にしないのが地球世界の常識。

187名無し三等陸士@F世界:2010/07/20(火) 06:05:39 ID:im3yFnB60
身元がしっかりしてても保証がなかったのがハーレムパーティ。
紹介状以外にも、黒船みたいに戦力で立場を明確にしたり
補償金を積んで金で責任を示すやり方もあるけどね。

188リュータ ◆viMvJifIpw:2010/07/20(火) 20:48:33 ID:tqf1HbqA0
>>181
レス、ありがとうございます。

>このあたりの娘っ子達をガサッソニカに送るととっても楽しいヤンマーニができそうと、私の電波がささやいております。
>>182
>独立愚連隊的な編成にして、本編と関わりの薄いところで「COMBAT!」やるというのはありかと

こういう事実が積み重なって、それにインスパイアされて、5〜60年後くらいに

・「あなた、階級章が曲がっていてよ」と先任の黒長耳族士官に声をかけられる、「おねえさま」な小説。
・自分以外、黒長耳族や獣耳族だけの部隊を率いる「何とか一郎」という海軍士官候補生が出てくるゲーム
・「パ○ツじゃないから恥ずかしくないもん!」とのたまう、別の異世界から正体不明の敵が攻めてきたという架空戦記風アニメ

みたいな作品が、次々と作られることになってる……かもしれないですね(w

>冒険者
カッパドキアが帝国(と思っている竜州)に送ることになった大使の護衛で共に、というのが一番順当かも。
将来的には、「ロムルス国家連合」や「カルタヘナ王国」が、カッパドキア共和国越しの外交に業を煮やし、
特使みたいな形で冒険者に直接に行かせたり、とか。

「はいかイエスで答えてくださいね」な貴族の少女に翻弄されている剣士な冒険者とかが帝国に行かされることになると、
なにか楽しいかもとか個人的には思います(w

189名無し三等陸士@F世界:2010/07/23(金) 15:09:14 ID:tfGnAod.0
ここは龍神様とその信者しかいないの?
スレ主に媚びている様でキモイ

190名無し三等陸士@F世界:2010/07/23(金) 16:02:54 ID:hsFpOLMk0
というわけで、>>189の新作にご期待下さいwww

191名無し三等陸士@F世界:2010/07/23(金) 19:50:18 ID:2L1VvAjU0
その煽りは作品の内容をくさしている相手にしか使えねーんだよタコ
書き込む前に考えろハゲ

192名無し三等陸士@F世界:2010/07/23(金) 20:47:28 ID:KsVZtvS.O
>>189=>>191
わざわざIDを変えての書き込みご苦労様ですw

193名無し三等陸士@F世界:2010/07/23(金) 22:21:48 ID:mcg6esMA0
>>189
つーかスレ主って誰さw

194名無し三等陸士@F世界:2010/07/23(金) 22:47:25 ID:Z3Jj1Xig0
SS感想・評価スレをageといたから、

195名無し三等陸士@F世界:2010/07/23(金) 22:49:24 ID:Z3Jj1Xig0
具体的な感想とか批判とかあるなら、あっちでやってほしい。

(変なところで書き込みしてしまいました。申し訳ない)

196名無し三等陸士@F世界:2010/07/24(土) 00:02:11 ID:LMGyRPl.O
〉スレ主
1のことじゃね、つまり193のこと

197名無し三等陸士@F世界:2010/07/24(土) 09:01:09 ID:nNitjzhE0
なんのことだ?と思ったらマジだった。
俺たちはみんな193に媚びたのか…しらんかったわ。

198名無し三等陸士@F世界:2010/07/24(土) 09:46:59 ID:yIqW0yD60
夏だな。

199名無し三等陸士@F世界:2010/07/24(土) 14:19:33 ID:mcg6esMA0
なんと、私がスレ主だったのか――――

ははは、媚びろ媚びろぉ!俺は転載だあ!

200名無し三等陸士@F世界:2010/07/24(土) 15:26:45 ID:4escX4so0
>>199
転載?削除依頼スレに転載っと

201名無し三等陸士@F世界:2010/07/24(土) 17:41:04 ID:tRfwcwBkO
なんか笑った

202名無し三等陸士@F世界:2010/07/24(土) 18:02:26 ID:oXmDehTQO
夏だねぇwww

203名無し三等陸士@F世界:2010/07/24(土) 22:22:28 ID:iUqvfzII0
ちょっとmcg6esMA0のことが好きになったw

204ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/07/24(土) 22:40:24 ID:b0warBCo0
なんだか、いろんな意味で夏らしくなってきた今日子の五郎……もとい、
今日この頃、皆さんお元気そうで何よりです(w)

以下、レス返しを兼ねてのチラ裏。

>38式小銃

すでに指摘もありましたとおり、「タングステン鋼」で出来ています。
「帝国の竜神様」の設定では、「タングステン+魔法処理=オリハルコン」ですので、
マベルの表現は間違いで名有りません。
それと、オリハルコン製剣のチラ裏として……
高級品……タングステン鋼(ハイス鋼)の刀身に超硬合金の刃に魔法処理
廉価品……刀身も刃もハイス鋼(+魔法処理)
と言う設定にしています。

>一式中戦車
史実でチハの数を揃えるのを優先させたため、量産開始が遅れたのもありますが、
開発自体が以外特選した形跡もあります。
試作車完成こそ昭和一七年の秋ですが、開発完了は昭和一八年までずれ込んでいます。
「帝国の竜神様」の世界では、史実よりは開発が早くなるでしょうけど、飛躍的に早く
開発が終わかといえば、色々とハードルが有りそうな気がします。

>カイル・スィディ女王国関係
ドワーフの数がMAX300人、しかも殆どが鉱山か鍛冶場で働いているとなると、
国として治安維持に支障をきたすなぁ……と思ったのです。
となると、その解決には、他国の軍に治安時事を委託するか、自前で傭兵でも雇うことになるなと。
日本との鉱石大量取引が成立しているところから、他国の不評が少ないであろう傭兵制を採用、
同じ傭兵でも素行の悪い連中は使えないだろうから、傭兵団も無茶はやらないから、
カイル・スィディ女王国から声が掛かったというところまで出来ました。

あと、MAX300人のカイル・スィディ女王国……『産児制限』かかっているんだろうなぁ……。
んで、鉱山で働けないディプシーとプリムは、昔『間引き』の危機が何度もあったんだろうと。
人数を抑えられている以上、一人で全部出来てナンボのドワーフに、無駄な人員抱える余裕はないだろうから。
そんな中で精錬の腕をマベルに見込まれて、やっと安定した生活が出来るようになったってチラ裏があります。

では、「ディプシー&プリム」『これが萌えとグレムリンの元祖ッスか?』を投下します。

205ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/07/24(土) 22:44:53 ID:b0warBCo0
……書き間違いひでぇonz

誤>マベルの表現は間違いで名有りません。
正>マベルの表現は間違いではありません。

誤>開発自体が以外特選した形跡もあります。
正>開発自体が意外と苦戦した形跡もあります。

誤>開発が終わかといえば、
正>開発が終わるかといえば

……。○| ̄|_

206ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/07/24(土) 22:45:32 ID:b0warBCo0
「もてなすべき客人を殺しかけた」と言うのは不祥事の中でも最大級のものだろう。
その客人が是非とも取り込まなければならない竜神様の眷属とあらば、将校一人の首が飛んでも何ら不思議ではない。
その不祥事を自分の部下がやらかした……丸耳族のディプシーとプリムを曲芸飛行で振り回したあげく、
幽体離脱するまでに痛めつけたという報告に空母龍鳳の艦長は凍り付く。
結果的に命に別状は無かったとはいえ、軍医の診察結果が出るまで生きた心地がしなかった。

「……で、何度も確認するが、本当に命に別状は無いんだな?」

「こっちも何度も言うが正真正銘、間違いなくアレは【只の乗り物酔い】、間違ったって死にゃぁせんわい。」

何度も確認する艦長に、軍医が憮然とした回答を繰り返す。

「口から魂が出ているというが、死にかけた為に出ているのではなく、身体の不調から来る
吐き気や目まいから逃れるために、自分から吐きだしたんだそうじゃ。不調の信号を出している
肉体から離れることによって、感覚を司る魂を隔離し気分が良くなるとか何とか……
自分でやっとる分、危険はないじゃろ。」

いい加減な乗り物酔い対策もあったものだが、付き合わされる方はたまったものではない。

「それで体調はまぁ判ったとして、機嫌の方はどうなんだ? 参謀長からあの二人を取り込めと
言われているのだ、怒ったり怖がったりして海軍を嫌われてしまっては元も子もない。」

「ちょいと高価な薬を使わせてもらったからの、機嫌は一発で上々に、体調も程なく戻るじゃろう。
ああ、これが処方箋な(笑)、これも官費で出るのじゃろ?」

処方箋と言われた、折りたたまれた書類を広げつつ艦長がぼやく。

「丸耳族で当面手を出せる数が300人、その程度なら陸軍なり商工省の連中にくれてやっても構わんはずだった……、
それが今や官民挙げての接待合戦に海軍も宣戦せざるを得ない事態だ、こんなもの誰が予測できる。」

帝国政府としてはともかく、帝国海軍としては丸耳族に多大な期待を寄せていたわけではなかった、
あくまでも海軍が欲しいのは黒長耳族であり、せいぜい資源確保に有利で多少腕の立つ刀鍛冶を
300人ばかり入手できようが出来まいがあまり関係がないと考えていたのである。
それが、ドールの武闘会で評価が一変してしまった……
ドールの精密動作を高角砲の自動装填装置に応用できないか。
鞭代わりにしてもビクともしないドール用銀線を、ロクに聞こえない無線機の銅線と取り替えたら……
あるいはレプラコーンのような魔法動力機関を潜水艦に搭載できないかと考え、
そのために丸耳族の技術者を欲した海軍関係者が続出したのである。
そんなことをぶつくさと言いながら艦長が処方箋に目を落とす……その瞬間目がつり上がる。

「おい!これのどこが【高価な薬】なんだ!?というか、本当にあの二人は大丈夫なのか?」

艦長が声を荒げるが、怒鳴られた軍医は全く意に介さず、からからと笑いながら曰く……。

「甘味の限られるこの世界じゃぁ砂糖や水飴も立派な薬じゃ、おまけに容器にはしっかりと
【最高級】と書いてあろうが、ウソは言っておらんがの、うはははは(笑)」

ここ竜州に飛ばされるだけあって、この軍医もいわゆる問題人物……
腕はともかく人格に難があり、持てあまされた類なのであった。

処方箋(笑)にはこう書いてあった……。

【サクマ式ドロップス 2缶】

事実、滅多に味わえない甘味を……それも程良い酸味を伴った宝石のような飴を一缶丸ごと貰った
ディプシーとプリムはこれ以上ないぐらい上機嫌なのだった、幽体離脱状態も味覚を損なうので止めている、
軍医の判断はたしかに『間 違 っ て は い な か っ た』のである。

207ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/07/24(土) 22:46:16 ID:b0warBCo0
−−空母龍鳳格納庫−−

「りふしーねー、はろひろうひのはわっらほころ、ふぁはりゅっす?モグモグ……」

「ムグムグ……ふふぁふぁふぉひりふめはへいほうふぉ、ほおふふふぉほほはらはふぁ
ふぁいふぇんひょふの……」

「……何言ってるか判らないから通訳できませぇん(泣)、喋るか飴しゃぶるか、
どちらか片方にして下さぁい……グスッ」

ドロップを頬張りながら喋るディプシーとプリムの会話が聞き取れず、通訳のベイラが涙目になっていた。
彼女らの前には、カウリングを取り外され、絶賛整備炎上中の少々見慣れない……ようで
その実よく知ったおなじみの機体があった。
【零式艦上戦闘機】
海軍の主力戦闘機であるばかりでなく、改良型の二式局戦が陸軍でも使用されているために、
竜州では毎度おなじみと言って良い機体である。
そんな竜州でもっともなじみ深い機体にもかかわらず、一風変わった印象を受けるのは……

「モグモグ……ゴクン……ディプシー姉、あの飛行機って零戦っすよね?」

「バリボリ……シャクシャク…………、形状はパッと見ほど変化していない、零戦……もしくはその改良型と推察。」

「ええっと……ゼロ戦のサンニーガタって、なんでニーイチの次がサンニーになるんですか?
その前はイチイチガタだったじゃないですかぁ〜(泣)」

以前あまりにも直訳がすぎて不評を買ったベイラはそれ以来、意識的に意訳をするよう心がけているのだが、
専門的な話を扱うにはその分野の『お約束』というものを覚えていないと対応が難しいため、
専門知識の乏しいベイラは相変わらず通訳に苦労している。
ディプシーもプリムも、そろそろ通訳が無くとも日常会話程度ならこなせるレベルに達しているが、
なんだかんだでベイラの特訓に付き合わされている。

「あ〜っと、数字を見れば改良の履歴が判るようになってるみたいッス。」

「十のケタが機体の改良、一のケタがエンジンの換装を示している、法則を理解すれば便利。」

「原型の一一型に対し、翼折りたたみ機構を付けた二一型、翼ぶった切ってエンジン新型
にした三二型ッスか、なるほどなるほど……あれ?じゃぁ二式局戦は一三型じゃ??」

「根本的に用途が違うらしい、そのため零戦と二式局戦は別立てとして扱ってる模様。」

「なるほどねぇ……しかし、翼の先端ぶった切っただけで随分と印象が変わるもんッスね。」

主翼の形状が全体の印象に大きな影響を及ぼしている為だろうか、翼端が円いか四角いかで
全く別物のような感じを受ける。
実際、三二型以外の零戦と二式局戦や陸軍の隼がよく混同されるのに対し、零戦三二型は欧米ばかりではなく、
カッパドキア共和国を初めとする異世界各国にも、明確に他の形式の零戦とは別物と扱われたのである。

「異世界:零戦≒二式局戦、三二型は別物」
「帝国:三二型も二一型も零戦は零戦、二式はあくまで局地戦闘機」

という認識の違いが敵国に余計な混乱をもたらしたという、笑って良いのか悪いのか判断に苦しむ事態が、
ザル同然と酷評された帝国の防諜体勢にもかかわらず、帝国が情報戦で致命傷を被るのを
回避できる一因となったのは皮肉以外の何ものでもない。

整備の手間を軽減するのと、20mm用大型弾倉の採用で主翼に生じたバルジの空気抵抗を
相殺するために施した翼端の切り詰め処理だったのだが、本来意図したのとは別な方面で
重要な効果を発揮したのである。

……一方、意図した以上の効果を(別方面で)上げた翼端処理と裏腹に、期待を持って導入された
新型エンジンの評判は芳しくなかった。
現実に龍鳳の格納庫で整備班の手を煩わせているのも、零戦三二型の【栄二一型】エンジンなのである。
栄エンジン自体はすでに零戦二一型や九七艦攻でお馴染みのものであるが、この新型栄には
【二速過給器】という、整備班が初めて扱う新型機構が組み込まれていた。

「あれ? 以外と整備に苦戦している? 陸軍で苦労していた金星を難なく扱って、
使い慣れたはずの栄で頭を抱えるって、一体どういうことッスかね?」

空母龍鳳の整備士が金星を容易く整備出来たのは、二速過給器を搭載していない旧型だったからである。

208ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/07/24(土) 22:46:58 ID:b0warBCo0
零戦三二型の栄二一型、二式局戦の金星五〇型ともに、つい最近採用された新型であるため、
新型に付きものの【初期不良】というのもが付いて回っているのだ。
空母龍鳳整備班に比べて陸軍航空隊整備班の不満が少ないのは、デリケートな栄に対し、
余裕のある金星エンジンが良好な整備性を発揮したためだというのが戦後の一般的な評価だが、
実際は新型金星を扱った陸軍も、新型栄に苦労した海軍に負けず劣らず悩まされている。
海軍、特に空母搭乗の整備士は限られた器材とスペースという悪条件下で、
陸軍は根本的に使い慣れない海軍専用エンジン(※)で苦労を強いられたのだが……。
(※金星のこと、陸軍での使用は二式局戦が初であった)
陸軍の不満が少ないのは、戦車隊の整備士が航空隊以上にテンパっていたから、文句も言えない状態だっただけである。

そんな整備炎上中にもかかわらず、貴重な栄エンジンの整備マニュアルを貸して貰ったのは
客人であるディプシーとプリムに対する最大限の配慮であった。
……とはいえ、いつまでもその配慮に甘えている訳にもいかない。

「プリム、このような修羅場でいつまでも説明書を借りているのは忍びない。」

「そうッスねディプシー姉、急いで書き写しちまいやしょう。」

「あの〜普通そこは返すんじゃ……?」

……格好のオモチャ(整備マニュアル)をそう簡単に返すはずがないのである。
整備炎上中の栄エンジンの隣にちゃぶ台を持ち込み、整備を見学しながらマニュアルを書き写す幼女。
ただ書き写したのではない、オリジナルでは文字ばかりで堅苦しく難解だったものを、
精密な図面を交えて要点を分かり易くアレンジしたそれは、程なく日本語に逆翻訳され、
【非公式整備要項】として、殆どの整備班に備えられることになる。
このように広く普及した要因としては、図面をふんだんに使い要点を分かり易く説明しているだけでなく、
二頭身に簡略化された丸耳族や黒長耳族がスパナ片手に走り回ったり、図面の要点を差し示して
いたりといったコミカルなイラストが好評を博したところが大きい。
後年、いち早く出現したが非公式の立場に甘んじた【栄発動機(非公式)整備要項】と
後発だが、見事に『公式』の立場を確立させたドイツの【ティーガーフィーベル】との
どちらか萌え本の元祖といえるかという議論が巻き起こったが、その決着は21世紀に
至るも付いていないようである。

また、ディプシーとプリムがマニュアルを書き写したときの様子を撮影した写真が残っている。
バラした栄エンジンの横で、ちゃぶ台を持ち込んでマニュアルを書き写す幼女、
更にその隣に机を持ち込んで、要約されたマニュアルをまた書き写す帝国人&通訳の黒長耳族……
ほほ笑ましくもどこか間の抜けたその写真は、堅苦しいマニュアルの弊害を体現したものとして、
語りぐさになっている。

なお、数十年後に公開された【オリジナルの写本】つまり、ディプシーとプリムが直接
書き起こした写本にはSD化丸耳族のイラストは描かれていなかった。
再翻訳バージョンのイラストは、通訳のベイラが書き込んだイタズラ書きだったのである。

209ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/07/24(土) 22:49:10 ID:b0warBCo0
投下終了。

夏じゃのぅ……
夏休み企画として、『カブクワ』『恐竜』で一本ずつ書いてみようかのぅ……。

210名無し三等陸士@F世界:2010/07/24(土) 23:01:19 ID:mcg6esMA0
>>209
投下乙。だんだんわけのわからない方向へ向かっている気が……w
しかしこのスレでティーガーフィーベルの゜名を見ることになるとはwそれにしても誰か
栄発動機(非公式)整備要項を同人誌かなんかで出さないものか
……しかしあれ、外部の人間に書き写させていいもんなのか?思いっきり機密漏洩じゃねーかww


ところで「俺は転載だ」というのはまんざらデタラメでもなくて、私ゃ某所では転載初号機の名を
貰っていたことがあっt(r

211名無し三等陸士@F世界:2010/07/25(日) 03:19:30 ID:E9RdhL4E0
>>MAX300人のカイル・スィディ女王国
あれ?300人制限って『各ドワーフ王国の大使館兼人質』の町で開業してるドワーフ職人の制限じゃなかったっけ?

212リュータ ◆viMvJifIpw:2010/07/26(月) 01:14:01 ID:vCb694is0
ハルサブロー氏、投下乙です。

>>204
>開発自体が以外特選した形跡もあります。
>試作車完成こそ昭和一七年の秋ですが、開発完了は昭和一八年までずれ込んでいます
43年に量産・配備開始でも、史実よりはかなり早いと考えれば、結果としては上々なんでしょうね。

>>206-208
>零戦32型
基本的に空中戦が無くて、「三角州を目指す獣耳族の発見・護衛・保護」が現在の最重要目的の竜州の航空隊としては、
航続距離が短くなって、ガタルカナル戦に投入できなかった史実ほどではないにしろ、使いにくい機体として敬遠という結果に落ち着きそう。
実は本土の方の部隊に新型として優先的に回されたけど、やはり使い勝手が良くないと不評で早々と竜州に回されたというオチだったり……

213名無し三等陸士@F世界:2010/07/26(月) 03:29:12 ID:Dhs/IxZU0
>>211
69話にて
「ちなみに、この西方世界で彼女達の工房は百を超える事無く、
 西方世界に住むドワーフの数も三百人を超えないそうだ。」
つまり本国にはそこそこいる様だし、カイル・スィディ女王国1国でもなさそう?
なお、同じく96話の記述より、工房に詰めてる丸耳族は長命族ゆえの永い永い修業期間を終え、
超絶的な技巧を持つ一人前達。
リクルートの対象は、とりあえずまずこの約300名という話でFA。

>>212
蟲は空飛ばないようだし、要撃主体な常駐戦闘機部隊としては
96艦戦、97戦主体で十分だったと思う。
まぁ龍鳳は零式積んでるだろうが二式局戦持ってくる必要はあまりないかと。
欲しいのは99艦爆、97陸攻、99双軽、97軽爆あたりじゃないか。
本土は陸海の一本化が始まってるなか、
この辺りの旧式機を転移世界で共食いさせながら使い潰していけばよかろ。

214名無し三等陸士@F世界:2010/07/26(月) 05:12:57 ID:E9RdhL4E0
>>蟲は空飛ばないようだし
扶桑の主砲で蟲退治した時に
>羽を使って飛んで逃れようとしていた蟷螂はその衝撃波でやはり他の虫達と同じ運命を辿った。
ってのがあるんで飛行可能な蟲もいるみたい、どの程度なのかわまだ不明ですけど。
旧式機で十分だとは思うけどね、現状のF世界じゃ。

215ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/07/26(月) 08:03:55 ID:b0warBCo0
>>210
>機密漏洩
呑気に丸耳族も身内だと思っているのかも(^^;
>同人誌
チラ裏で、某航空機会社の社長がアップし始めていますw

>>211&213

あり?
ドワーフ女王国って「西方世界の辺境」じゃなくって、
「西方世界"外"の辺境」で別カウント?
それだと西方世界人にとって、帝国並みのド辺境になりますよね、ドワーフ女王国。

>>212
>三二型
竜州の面積って、100万平方km2(1000km四方相当)でしたっけ?
むしろ航続距離より、高々度性能が「竜州では過剰性能」と判断されそうw

216名無し三等陸士@F世界:2010/07/26(月) 08:52:38 ID:GrB7ubiI0
>>207
二式局地戦闘機じゃなくて二式単座戦闘機じゃなかったか?

217名無し三等陸士@F世界:2010/07/26(月) 09:55:56 ID:oXmDehTQO
西方世界=人類国家群の一つだよね。
だからドワーフの国は別勘定。

218竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/07/26(月) 10:58:39 ID:yHqMRpI.0
久しぶりの投下。

219竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/07/26(月) 11:04:11 ID:yHqMRpI.0
 撫子三角州で竜州軍の戦車が訓練をしている。
 戦車という代物は、動かなければ錆びるし、動けば油を食うという厄介な代物で、とはいえ戦時に役に立ちたいならば訓練は欠かすことができない。
 大陸で国民党に大量に配布された米国製M3中戦車は帝国陸軍に衝撃を与え、とりあえず九七式中戦車の改造と打倒できる新型戦車の研究が進められているが、やっぱり金がかかるわけで。
 何処からというか国民党から横流しされたM3中戦車の上で佐藤大輔少将は、表面上は役に立たないという理由で副官の中佐をいじめていた。

「あ、『八雲』ですよ」

 内心の殺意は漏れているのだが、表面上はおとなしい副官が鏡の川を遡上する八雲を指差す。
 陸軍の領分に陸上巡洋艦というゲテ物を投入した海軍にいい思いはしてはいないが、八雲が動くことで黒長耳族と獣耳族が助かっている事と、大火力と重防御という戦車の一つの方向性を見せている事は素直に評価していた。

 八雲がずしんずしんと地響きと波をかき分けて鏡の川を遡ってゆく。
 手の空いた兵達や三角州で働く黒長耳族や獣耳族が手を振るのを眺めながら、唐突に思いついた疑問を口にした。

「おい。襲ってくる蟲って何の兵科に当たると思う?」

「はい?」

 答えられない副官を殴りながら、質問を副官に判りやすく怒鳴る。

「馬鹿野郎!
 あの蟲も昔の人間が作り出した兵器だろうが!
 だとしたら、人間の戦に適応する為にも何だかの分類がされているだろうが!」

 つまり、佐藤少将が言いたいのはこういう事だ。
 昔ならば、歩兵・騎兵・弓兵と分けられていた兵科は、今では騎兵が戦車に、弓兵が砲兵になったがその意味は昔と変わっていない。
 その中で、あの蟲達がどの分類なのかを佐藤少将は尋ねているのだった。

「あのでかさと、機動力は戦車なのでは?
 多分、魔術師が砲兵でしょうから」

 「畜生。いつか殺してやる」と思いながらも副官の中佐が素直に思った事を口にする。
 陰湿で佐藤少将にいじめられているが、陸軍大学校を出ているだけあって頭は悪くない。
 その解答に頷きながら、佐藤少将は独り言のように呻く。

「ならば、百年単位で戦争する軍隊にとっての歩兵って何だ?」

 その言葉はある種の予言だったのだろう。
 その解答に、今回八雲は襲われる事になる。

220竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/07/26(月) 11:07:33 ID:yHqMRpI.0
「今回の任務は、蟲の巣への偵察が入っている」

 八雲艦長である大田実大佐は、淡々と今回の航海の目的を語る。
 撫子三角州の近くに作られた蟲の巣に対して陸軍が攻撃をしかけるのが規定事項となり、海軍も航空機だけでなくこの陸上巡洋艦を投入して協力する事を約束していた。
 上空偵察で地形は確認しており、蟲の巣の近くまで鏡の川の支流が流れていた事から今回の偵察となった。
 もちろん、刺激する事を避けて巣に近づくつもりは無いが、鏡の川との合流点までは出向いておこうというのが今回の目標である。
 本土ではこれ幸いとあまっている装甲巡洋艦を更に二隻ほどこっちに持って来る事を決定したとか。
 これも、

「どこぞの馬鹿竜がこっちに横須賀を作ったお礼」

 らしいから基本的にこの話について海軍軍人の口は皆固い。
 なお、情報源はそのどこぞの馬鹿竜の飼い主だから多分間違いない。

「それは、通常の避難民の救助と平行して行われるという事でしょうか?」

 サブリナ特務大尉が大田艦長に確認の質問をするが、それに大田艦長は頷く事で応えた。
 彼女が何で特務大尉なんてものになっているかというと、これも魔法という厄介な要素のお陰であり、それなしでこの八雲は動けないが海軍の基礎常識なんて知らない彼女達に船の指揮なんてできる訳も無く。
 で、特務で別枠にしてしまおうという上層部の事なかれ主義のなれの果てである。
 ちなみに、その事なかれ主義の極めつけが撫子付のメイヴと黒長耳族大長のダーナであり、対英米戦寸前という緊急時に付与してしまった、

 従三位 神祇院 知事(ダーナ)・副知事(メイヴ) 

が壮絶に日本官僚機構を大混乱の果てに叩き込んでいたりする。
 そのメイヴ達の前例が、竜州公表で長耳族大長グウィネヴィアにも同じ従三位が与えられ、魔法がらみで開発厳禁のグウィネヴィアの森知事として祭り上げる事に。
 行政上区別するために、竜州とは別に『緑州』と名づけられて『日本の異世界開発は恐ろしいほど進んでいる』と欧米列強に壮絶に勘違いされたのはさておき。

「最近、蟲どもの攻撃に変化が出てきています。
 魔法誘導弾(マジックミサイル)を使う蟲が増えており、あやうく撃墜寸前になった機もあるとか」

 副長が航海前に竜州艦隊から渡された情報を報告する。
 ここ最近の蟲達の攻撃は明らかに変わりつつあった。
 地を走る蜘蛛や蟻の中で色違いの輩が出て、そいつらは積極的にマジックミサイルを撃ってくるし、蟷螂などは飛んで爆撃機に切りつけようとしたという。

「やつらも、ただやられるだけではないという事だ。
 皆も気を引き締めるように」

 もっとも、この時点で大田艦長も己の言葉が現実になるとは思っていなかった。
 撫子三角州の襲撃以来、帝国は兵を増強し近隣の蟲達を駆逐していたからである。
 その楽観視を責めるのは酷であるが、しっかりとその代償は払うことになった。

221竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/07/26(月) 11:09:05 ID:yHqMRpI.0
 最初にその洗礼を受けたのは、目標地点近隣まで来た八雲を上空から支援している偵察機だった。
 避難民の発見も任務に入っているので、高度を落として飛行していた時にそれは発見された。

「下、何か飛んでいるぞ!
 一部がこっちに向かってくる!!」

 八雲の上空で警戒していた九六式陸攻の下方に発見した群れから、迫ってくる物体が数個。
 この近くの上空には彼ら以外に味方は存在していない。

「あれは……蜻蛉?」

 テレパス要因として乗り込んでいた黒長耳族の娘が叫ぶ。

「マジックミサイル!
 こっちに向かっています!!」

「機体を上昇させろ!
 身代り札をばら撒け!」

 巨大蜻蛉の群れから大量に発せられたマジックミサイルが一斉に九六式陸攻に向かうが、速さはマジックミサイルよりも九六式陸攻の方が速い。
 身代わり札をばら撒いて高高度に逃げる九六式陸攻だが、その蜻蛉の群れが何処に向かっているかをしっかりと司令部に報告する事は忘れていなかった。

「司令部!
 巨大蜻蛉の群れが八雲に向かっている!!」

「巨大蜻蛉だけじゃない!
 巨大蜘蛛もいる!
 その数5、いや7、……どんどん増えてる!!
 あいつらも八雲の方向に向かっているぞ!!
 …………何だあれは…………」

 偵察員が指指す方向に見える荒地に広がる土煙の一角を見て叫ぶ。
 それを見た黒長耳族の娘が恐怖と共にその正体を告げた。

「『殺人人形』……古代魔術文明の殺戮兵器があんなにいっぱい……」

222竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/07/26(月) 11:13:51 ID:yHqMRpI.0
「人形遣い……か」

 魔法という摩訶不思議かつ奇妙奇天烈なものが存在するこの世界において、数が大事である歩兵すら魔法の恩恵を受けていたりする。
 その際たるものに、従者形成魔術があり、それを極めた魔術師の事を総じて『人形師』もしくは『人形遣い』と呼ぶ。
 ちなみに、何の因果で撫子三角州にやってきた勇者ゼラニウムは、万ものスケルトン・ゴースト・ゾンビなどを指揮できる近年最高の人形遣いだったりする。
 その結果、大崩壊前では彼ら人形遣いによって率いられた億単位の殺人人形によって、長耳族は滅亡寸前にまで追い込まれた。
 そんな人形遣い達が好んで使ったのが『殺人人形』と呼ばれる人形達で、今はもうその製造技術は失われている。
 人と同じか人より少し大きなその人形は人を殺す為だけに特化した兵器であり、街や城などの巨大生物では攻め難い場所でその真価を発揮する。
 よって、中央世界の人類諸国家連合等では鎧を人形化した『鎧人形』が人形遣い達の主力となっていたり、先に名前を出した勇者ゼラニウムが死霊を操ったりと失われた殺人人形の代わりで人々は殺し合いをしていたりするのだが。
 九六式陸攻の報告でそんな兵器がこっちに向かっているというのに、大田艦長の表情は冷静なままであり、それが艦橋にいる他の人達に落ち着きを取り戻していた。
 
「そんな奴等が群れてやってくるとはいえ、こちらは川の中だ。
 飛んでくる巨大蜻蛉と水面を渡る巨大蜘蛛さえどうにかすれば、問題はないと思うが?」

 副長の楽観論をサブリナ特務大尉が即座に否定する。
 彼女はこの虚無の平原を逃れてきた黒長耳族の長で、蟲達の怖さを身を持って知っていた。

「数が違います。
 現在報告があっただけで、巨大蜻蛉に巨大蜘蛛。
 あいつら、餌を見つけたら群れを呼んでどこまでも食らいついてきますよ。
 それに、今まで殺人人形なんてあいつら投入してきませんでした。
 間違いなく、今回の敵は何か違っています」

「対空戦闘用意!右九十度、敵の大編隊こちらに向って来る!!」

「対空戦闘!」

 不意に飛び込む見張りの報告に即座に大田艦長は対空戦闘を発令し、ラッパが鳴ったかと思ったら12.7センチ連装高角砲と25ミリ機銃の轟音が艦内を包み込む。
 大田艦長達海軍軍人にとって蜻蛉は敵機に当たるらしい。
 その対空砲火に数匹の蜻蛉が地面に落ちていったが、おかえしとばかりに残った蜻蛉達光の直線数十本がまっすぐに八雲に向かってゆく。

「マジックミサイル!」

「身代わり札拡散!!」

 対魔術関連は全てサブリナ達の仕事であるが、大田艦長にとって魔術関連の知識はあれど経験が無いから口出しをしない。
 今回はそれが幸いにも有効に機能したから良かったのだが、この合戦を機会に「対魔術戦闘」という新しい言葉が海軍内にできる事になったとか。
 同時に魔術関連の攻撃と防御における艦の防衛についての連携も課題となり、海軍関係者を悩ませることになるのだがさておき。
 甲板に出た黒長耳族の娘が身代り札をばら撒いて、風の呪文で一気に八雲上空に散らす。
 ほとんどのマジックミサイルはその身代り札によって外れたが、数発は銃座で射撃していた兵士に当たり死傷者を発生させた。
 マジックミサイルは、生物のオーラめがけて発射される魔法だから、対人殺傷能力の効率が地球兵器に比べてはるかに高い。
 そして、対空戦闘というのは、艦のみの攻撃で敵機に当てるのは恐ろしく難しい。
 風に乗ってグライダーのように滑空して八雲の周囲を飛び回る蜻蛉の群れは数は減りはすれども、執拗にマジックミサイルを放ち続けて確実に死傷者を増やし続けていたのだった。

「航空隊からの援護はまだか!」

「もうすぐこっちに来るそうです!」

 何しろ八雲の現在位置から撫子三角州まで百五十キロも離れていない。
 たしかに、飛行機にとってすぐの距離なのだが、現状は一秒が惜しい状況まで切迫していた。

223竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/07/26(月) 11:16:34 ID:yHqMRpI.0
「蜘蛛接近!
 対岸からこっちに渡って来ます!」  

 水面を地面と変わらぬ速さでこちらに迫る巨大蜘蛛を見て大田艦長は決断する。

「主砲発射準備!
 目標、対岸の巨大蜘蛛!!」

 このままでは、主砲の反動で八雲がひっくり返りかねない。
 仮にも戦場に出る以上、主砲が使えない状況だけは避けたいと、サブリナと入念に打ち合わせをした事もあり、大田艦長の命令にサブリナが部下の黒長耳族に次々と呪文を指示する。

「『地盤沈下』呪文用意!
 石人形は艦を下ろして蜘蛛の足止めに!
 水人形を召還して石人形と交代させて!」

 八雲の巨体が水に漬かる。
 主砲が動き、迫り来る巨大蜘蛛に照準を合わせる。
 石人形が離れて蜘蛛の足止めに動く間、水人形の巨大で透明な手が八雲を流されないように支えた。

「『地盤沈下』、主砲撃てま……
 転移魔術反応!
 殺人人形が転移して……」

「撃て!」

 サブリナの声を遮って大田艦長は主砲発射を命令し、その瞬間、八雲に最初から搭載された兵器で唯一取り外されていなかった20.3cm連装砲2基が火を噴いた。
 主砲発射の衝撃が八雲を襲うが、鏡の川と水人形の手によって吸収される。
 外すほうが難しい距離の砲撃に命中した巨大蜘蛛達が爆散し、転移呪文で一気に接近して乗り込もうとした殺人人形達も防ぐことはできなかった。
 主砲発射の爆風と衝撃をもろに浴びる形になり吹き飛ぶ人形達。
 連携が乱れた巨大蜘蛛と殺人人形達に追い討ちをかけるように、12.7センチ連装高角砲と25ミリ機銃の弾幕の雨がこれらを駆除していったのである。

「航空隊です!」

 九六式陸攻と八雲からの報告に泡を食った航空隊司令部は、ありったけの航空機をかき集めて八雲の支援に付けたのだった。
 その戦爆連合の数は六十機。
 身代り札が乱舞する上空で、零戦と二式戦の攻撃に残った巨大蜻蛉も駆除され、九九式艦爆の爆弾で残った巨大蜘蛛と殺人人形の群れを駆逐し、八雲は危機を逃れたのだった。

224竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/07/26(月) 11:20:08 ID:yHqMRpI.0
「八雲を動かすために使った魔竜石に蟲どもが寄せられたか……こいつは盲点だったな」

 八雲の危機一髪の直後、竜州陸海軍のトップを集めての報告に石原中将が苦笑する。
 たしかに、魔力に誘われる性質を持つ蟲にとって、魔竜石で動く八雲は鴨が葱を背負ってやってきたと同じだろう。
 この戦闘で八雲乗員で十六名が死亡し、三十八名が負傷していた。
 特に転移してきた殺人人形達を主砲で吹き飛ばさなかったら、帆船時代よろしく艦内切り込みという事態になっていただけに海軍関係者は顔が真っ青になっていたりする。
 殺人人形達が第二派以降転移呪文を使わなかったのは、巨大蜻蛉と巨大蜘蛛を航空隊が相手にしている間にサブリナ達が大急ぎで対転移障害魔法の結界を張ったからで、功労者であるサブリナ特務大尉が口を開く。

「もし、巨大蜘蛛がそのまま迫ってきて、結界中和魔法を撃たれたらと思うと……
 延々と殺人人形達が艦に乗り込んできて、最後はこっちが皆殺しになっていたかもしれません」

 サブリナの後に大田艦長も口を開く。

「今回の蟲は、巨大蜘蛛ばかりでなく対空戦力にあたる巨大蜻蛉や、転移魔術で乗り込もうとしていた殺人人形の存在など明らかに今までの蟲と動きが異なっています。
 九六式陸攻の報告も、それまでの哨戒ではこれだけの数の蟲の発見の報告を聞いていません」

「その蟲自体を、巣から直接転移魔法で持ってきたかもしれないわね。
 転移魔法による軍の召喚はこっちでの戦争の基本戦術だから。
 ここも、簡易結界を張った後の八雲にも殺人人形は乗り込んでこなかったでしょ。
 直接乗り込めないから、近場に飛んで攻めるのよ」

 是非にと請われてオブザーバーとして参加していた勇者ゼラニウムことアニスの発言に、頭が痛くなる帝国陸海軍関係者の一同。
 距離の概念全否定に等しいアニスの発言は、これまで安全と考えられていた蟲の駆除区域にまた蟲がやってくる可能性を示していたからである。

「推測でいいのでしたら、今回の蟲の行動に理由がつけられますが」

 メイヴが発言を求め、参加者の無言の承諾を確認してその推測を語る。

「今まで、蟲達は我々への攻撃を前提に生態系を進化させてきました。
 ですが、帝国の皆様による蟲の駆逐活動に、蟲の巣も防衛を考えたのではないかと。
 蟲も馬鹿ではありません。
 特に巣の奥に鎮座して蟲を生み続ける女王蟲は、全ての蟲を指揮するだけの高い知能を持っています。
 この蟲の駆除は女王蟲にとって、大崩壊以降初めての事態のはずです」

 メイヴの推測は蟲がはっきりと帝国を敵と認識したと言っている様に聞こえていた。
 とはいえ、蟲ごときの障害で帝国は開発を止めるつもりはまったくない。

「対策は各自考えて再度、この席で報告してもらうとして。
 で、我等が竜神様はどうした?」

 いつも騒がしい竜神様がいない事を不思議がる石原中将の言葉に、飼い主である真田少佐が苦笑しつつ応えた。

「ええ。今、八雲修理の協力に……」



「痛いのじゃ!!!
 肌がひりひりするのじゃぁ〜〜〜〜!!」

 マジックミサイルの攻撃の修理と対魔術装備を八雲につける改造の為に、幼女から材料(竜の鱗)を強請られた竜神様は垢すりで肌が真っ赤になっていたとか。
 そして、しばらくの間、対転移阻止結界や魔法結界をつけるために嬉々として幼女鍛冶師が八雲を弄くる姿が目撃されたという。



 帝国の竜神様 八雲奮闘記

225竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/07/26(月) 11:35:28 ID:yHqMRpI.0
 投下終了。

 このあたり、本編とも絡むのでまとめサイトでは竜神様本編ナンバーを付ける予定。
 既に熱海の旅館状態のまとめサイトが更にカオスにと頭を抱えつつレス返しを。


>>「Cat Shit One」

 何をトチ狂ったのか、映画になっていたよ。これ。
 動画サイトで無料で見れるからと見てきたけど、パッキー無双ずき。

>>つーか獣耳族部隊ってSenkaでヒャッハーな展開しか浮かばないよ?
>>それか慰安婦部隊

 元々そんなノリで始まった『帝国の竜神様』なのですが……どうしてこうなったorz

>>まとめサイトに62話が載ってて、しかも物議をかもした撫子による石原誘惑シーンが修正されとるw
>>あそこは別にそのまんまでもよかったと思うけどなあ

 物議をかもしたのと、こちらの「修正する」と告知したので修正を。
 まとめサイトではこんな修正はこれからもする予定です。

>>ところでjpgのほうのまとめはいつ掲載に

 だからわっふる絵はまとめに載せないので、zipにしてこそっと。
 そのままでは芸が無いので絵師に何か新しいのを描いてもらおうと思ったら、夏の戦場に向けて壮絶修羅場中でした。

>>身元がしっかりした冒険者

 言われてみると、成金の方はカッパドキア共和国の紹介状持っていそうだよなぁ。
 まとめサイトでは、持っていることにしよう。

>>「あなた、階級章が曲がっていてよ」と先任の黒長耳族士官に声をかけられる、「おねえさま」な小説。
>>自分以外、黒長耳族や獣耳族だけの部隊を率いる「何とか一郎」という海軍士官候補生が出てくるゲーム
>>「パ○ツじゃないから恥ずかしくないもん!」とのたまう、別の異世界から正体不明の敵が攻めてきたという架空戦記風アニメ

 わっふるわっふる!!
 その煩悩をこのスレに。
 そういえば、パンツ恥ずかしくないアニメ第二段まだ見てないな……

226竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/07/26(月) 11:48:44 ID:yHqMRpI.0
>>ハルサブロー氏

 投下乙です。
 サクマ式ドロップスをくれと物欲しそうな目で、元女王とその主が見ています(笑)。

>>カイル・スィディ女王国関連
>>西方世界=人類国家群の一つだよね。
>>だからドワーフの国は別勘定。

 この解釈であっています。
 カイル・スィディ女王国本国の人口は万を超えているはず。
 鉱山関係を調べてて、別子銅山最盛期の別子山村と現在の人口を見て愕然とした覚えが。
 
>>蟲は空飛ばないようだし
 というわけで、飛ぶ蟲&デスラー戦法を出してみた。
 戦闘描写の下手さに色々orzな今日この頃……

 では。

227名無し三等陸士@F世界:2010/07/26(月) 13:26:26 ID:i1EeQzokO
中の人、投下乙

228ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/07/26(月) 13:29:15 ID:b0warBCo0
竜神様の中の人様

>>>カイル・スィディ女王国関連
>>>西方世界=人類国家群の一つだよね。
>>>だからドワーフの国は別勘定。
> この解釈であっています。
> カイル・スィディ女王国本国の人口は万を超えているはず。

回答有り難うございます。
私のチラ裏を書き直しておきます。

人類国家群にとっては、

ドワーフ=「名誉人類−α」
エルフ=駆除対象
ダークエルフ&獣耳族=家畜、逃げたら駆除
って感じでしょうか?

229名無し三等陸士@F世界:2010/07/26(月) 14:17:06 ID:mcg6esMA0
>竜神様の中の人 様
投下乙です。てっきり蟲が歩兵代わりなのかと思っていたら殺人人形(キリングドール)……
あの殺人人形って自動人形(オートマタ)なんでしょうか?それとも偉大なる母蟲(ファースト・ポーン)とか
中ボスクラスの蟲の意志で動く操り人形(マリオネット)ですか?描写見る限りでは自動人形っぽく見えますが

そしてついにお目見えのデスラー戦法。幸い結界術という対抗策が存在したため致命的な被害は
免れたようですが、同時に魔法と奇襲の利がなければ、飛行タイプの蟲は航空機に適わないということも
実証されたわけで、これはこれでまあ悪くないかも。今後、蟲の居住区に攻撃をかける際には、一定間隔ごとに
結界担当の長耳族を乗せた車両を配置して、壁を作って行軍することになるのでしょうね……あれ?
これはひょっとして対中央世界軍との戦いの演習になってやしないだろうか?

あと、蟲の生態についての研究(長耳族と帝国昆虫学者の共同)、出しても構いませんかね?
これ出すと虫の弱点も明確になるので(というか私が決めることになるので)躊躇しているのですが

230名無し三等陸士@F世界:2010/07/26(月) 14:29:37 ID:mcg6esMA0
本編の内容についての続き
>佐藤少々の副官
中村ェ……(´;ω;`)
>垢すり幼女と被害者馬鹿竜
そういやもともと八雲は幼女のおもちゃとして誕生したんだっけ。忘れてたw
ところであと2隻装甲巡洋艦がやってくるわけですが……い㌔>撫子
>カッパドキアからの紹介状を持つバブリーズ
こいつら中央世界の冒険者なのに、既に西方世界に足場築いてやがる!?
この設定なら、遠慮なく「似非ルナートの冒険者」っぽいもの書けるなあw
なんかでっちあげちゃっていいですか?

231名無し三等陸士@F世界:2010/07/26(月) 23:44:27 ID:GEyy3aZw0
>「畜生。いつか殺してやる」
畜生噴いたw

F世界にも兵科があるというのは道理ですね
そのうち相互に支援し合う諸兵科連合なんが出てきたら恐すぎるw

232名無し三等陸士@F世界:2010/07/27(火) 00:31:44 ID:im3yFnB60
>F世界にも兵科があるというのは道理ですね

千日手に陥ってなきゃ百年もかければ勝敗が決しているべきだと思う。
千日手に陥っているならもっと捨て駒になるべき(黒)長耳族が余っている筈だし。
正直今回の指揮官ユニット設定は後付けに見える。
撫子も上位種も個体能力はともかく指揮官としては優秀に見えないので
長期戦争を支える高い生産力(必要なユニットの優先)とトップの能力の均衡が感じられない。

233名無し三等陸士@F世界:2010/07/27(火) 01:00:27 ID:mcg6esMA0
>>232
日本語でおk
「誰と誰の」勝敗か、それをまずはっきりさせような

234リュータ ◆viMvJifIpw:2010/07/27(火) 02:09:12 ID:uCNfZKv.0
竜神様の中の人様、投下乙です。

>殺人人形
咄嗟に無情な女性型・少女型の外見を思い浮かんでしまいました。

>そんな人形遣い達が好んで使ったのが『殺人人形』と呼ばれる人形達で、今はもうその製造技術は失われている。
巣の攻略で、大量の殺人人形の実物と、失われたはずの製造技術を得ることができた、という伏線を感じてます。

>ですが、帝国の皆様による蟲の駆逐活動に、蟲の巣も防衛を考えたのではないかと。
>蟲も馬鹿ではありません。
>特に巣の奥に鎮座して蟲を生み続ける女王蟲は、全ての蟲を指揮するだけの高い知能を持っています。
巣への遠征の時期前倒し&遠征戦力増加って結論に落ち着きそう。

山本五十六の「実戦経験を積ませよう」の鶴の一声で、かつて予定していた真珠湾奇襲と同じ規模で空母航空隊が参加……
とかあるといいな、が個人的な希望ですね。

235232:2010/07/27(火) 12:32:29 ID:im3yFnB60
ごめん、酔ってたみたい。

236名無し三等陸士@F世界:2010/07/28(水) 00:37:04 ID:P0ERxDaw0
>わっふる絵はまとめに載せないので、zipにしてこそっと。
どこに?

237名無し三等陸士@F世界:2010/07/31(土) 02:24:50 ID:IAqPsUTM0
大陸が落ち着いたから余った砲艦(モニター艦)を持ち込むというのは
どうだろう?
「八雲」を超重戦車と考えるなら重(中)戦車扱いにして。

238名無し三等陸士@F世界:2010/07/31(土) 13:46:50 ID:WhqhFoTE0
>>237

砲艦と言っても河川用の砲艦はよくて12センチ砲2門、装甲は銃弾を防げる程度で戦力としては不安。
モニター艦のイメージがイギリス海軍の戦艦主砲を搭載した沿岸砲撃艦なら、その手の艦は日本海軍には存在していないよ。
むしろ中戦車的な運用をするなら天龍型軽巡洋艦、あるいは鹵獲した寧海級巡洋艦が良さそう。

239名無し三等陸士@F世界:2010/07/31(土) 16:23:38 ID:mcg6esMA0
そもそも八雲が来た名目が「河川砲艦が来るまでのつなぎ」だしねえ

240竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/07/31(土) 19:06:27 ID:nHNBiwwg0
思いつき小ネタ投下

241竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/07/31(土) 19:09:11 ID:nHNBiwwg0
 陸上巡洋艦『八雲』の存在だが、「諜報なにそれおいしいの?」を地で行く帝国はあっさりと諸外国に公開していたりする。
 これは、時代のあだ花である事をはなから認識していた海軍が、

「異世界でも海軍がんばっています!だから予算よこせ」

 という対大蔵省向け戦略と、
 陸軍の、

「海軍があんなもの持っているのに、陸軍が持ってないのはおかしい!
 だから戦車開発予算よこせ」

 という対大蔵省向け戦略と、
 竜州行政を誰が行うかで軍、拓務省、神祇院を抱える内務省、異世界外交で主導権を握りたい外務省がめずらしく合同で、

「異世界殖民はこんなのが守りにつくので安心です。
 だから殖民推進予算よこせ」

 という対大蔵省向け戦略……というか、財布の紐がとても硬い破綻寸前国家大日本帝国大蔵省に対しての熾烈なアピールだったりする。
 一説には、竜州殖民計画は現在の小磯内閣の最重要政策目標である為に、内閣が裏で糸を引いているのではと勘ぐる筋も。
 まぁ、さておき、公開されたものは当然国内だけでなく国外にも出る訳で。
 国内では、

「巨人がお船を担いでる。かっけー」

 で、終わっていたこのゲテモノに食指を動かす国があったのもまた事実だった。
 何しろ、現在欧州では大戦真っ只中だったのである。

242竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/07/31(土) 19:13:45 ID:nHNBiwwg0
 大島駐独大使は、急にヒトラー総統から呼ばれた理由が良く分からず、訝しがっていたが総統執務室の机の上に置かれた巨人に担がれた八雲の写真を見て、なんとなくその理由を察した。

「貴国が色々とわが国に同盟国として支援をしているのは感謝している。
 と、同時に我が国は勇猛なる貴国に更なる協力を期待しているのだ」

 とはいえ、元陸軍将校だった大島大使にとって海軍が投入してきたゲテモノの評価はあまり高くない。
 だから、ヒトラーの期待とはまったく違う方向に更なる勘違いの言葉を投げ入れてしまう。

「最初、戦艦扶桑を陸上に上げようと考えたらしいですが、海軍がそれを惜しんで八雲に白羽の矢が立ったとか」

 その言葉に驚愕するヒトラーの顔を大島駐独大使はついに理解する事はなかった。

「『フソウ』が担げるのならば、『ヤマシロ』も担げるのでしょうな。
 ならば、『イセ』や『ヒュウガ』、『ナガト』や『ムツ』も可能でしょう」

 何のために呼ばれたのか分からない、海軍再建に東奔西走しているレーダー元帥は訝しがりながらヒトラーの質問に答えた。
 ちなみに、それを聞いていた総統の取り巻き達も何か期待に満ちた顔をしていたのだが、レーダー元帥は気づかない。
 モスクワ正面で行われているソ連軍の夏季総反攻でドイツ軍は対応に追われており、特にソ連軍に半包囲されて『モスクワポケット』と呼ばれているモスクワ周辺部の状況が予断を許さなくなってきていたからである。
 特に、モスクワとレニングラードを繋ぐ鉄道が途絶されると、モスクワ死守命令を出しているだけにドイツ軍が完全に包囲下に孤立しかねない。
 幸い、モスクワ近辺の航空戦力は辛うじて拮抗しているが、英国からの本土爆撃と陥落したクレタからルーマニア油田に向けて爆撃が始められた事で、空軍は急速に消耗し始めていたのだった。
 そんな時に、大火力かつ重装甲の移動要塞に等しい陸上装甲艦の情報が一応同盟国である日本から飛び込んできたのである。
 八雲一隻でも、ソ連軍一個師団を拘束できると参謀本部では判断していた。
 それが、戦艦クラスになれば、軍を拘束できるかもしれない。
 そして、ヒトラー総統は元々大きなものは大好きだった。
 何か希望と期待に満ちた目で、彼はまだ事態がよく分かっていないレーダー元帥に尋ねた。

「レーダー提督。
 尋ねるのだが、日本から魔法技術の供与を受けた場合、我が海軍の船も陸に上げられるのか?」

 と。

 なお、この時点でドイツ水上戦力がブレスト空襲で枯渇している事を彼は忘れていたりするのだが。


 帝国の竜神様 小ネタ話

243名無し三等陸士@F世界:2010/07/31(土) 19:24:24 ID:zFTXI9060
中の人乙

244竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/07/31(土) 19:29:30 ID:nHNBiwwg0
 投下終了
 以下レス返し

>>エルフとダークエルフ
 こいつら元は同種です。
 契約樹と契約し、膨大な魔力と引き換えに森から離れられないのがエルフ。
 自由に移動できるけど、魔力はエルフより弱いのがダークエルフです。

>>あの殺人人形って自動人形(オートマタ)なんでしょうか?それとも偉大なる母蟲(ファースト・ポーン)とか
>>中ボスクラスの蟲の意志で動く操り人形(マリオネット)ですか?描写見る限りでは自動人形っぽく見えますが

 このあたり億単位であるので両方ある事にしておいてください。
 ぶっちゃけると、某星の戦争のドロイドとクローンをイメージしたので。
 ちなみに、最高級殺人人形は、魔術師オーフェンのあれ。
 だって、勇者の従者かつ対竜戦に投入するものなので、かるく人間の勇者クラスはあったり。

>>あと、蟲の生態についての研究(長耳族と帝国昆虫学者の共同)、出しても構いませんかね?
>>これ出すと虫の弱点も明確になるので(というか私が決めることになるので)躊躇しているのですが
>>こいつら中央世界の冒険者なのに、既に西方世界に足場築いてやがる!?
>>この設定なら、遠慮なく「似非ルナートの冒険者」っぽいもの書けるなあw
>>なんかでっちあげちゃっていいですか?

 問題なくOKです。
 使えそうなら設定に組み込んで、使えそうでなかったらパラレルと割り切るのが竜神様くおりてい(まて)

>わっふる絵はどこに?
 もう少しお待ちを。
 折角なので、現在絵師様に「新しい絵描いて♪」と交渉中なので。

>>河川砲艦
 現在大陸に送っていた河川砲艦は国民党に売り払っています。
 華北の共産党大攻勢で河川防御の重要性が増した今、「返して」は無理でしょうねぇ……

>>八雲が来た名目が「河川砲艦が来るまでのつなぎ
 週刊護衛空母に月刊正規空母を見ていると感覚が狂ってしまうのですが、船って作るのに本来年単位の時間がかかるんですよ。
 今回の小ネタも『今欲しい!』がゆえにゲテモノにも価値がという話で。

 では。

245名無し三等陸士@F世界:2010/07/31(土) 19:46:28 ID:UPOxt5ac0
>>今回の小ネタも『今欲しい!』がゆえにゲテモノにも価値が
でもドイツご自慢の列車砲がレールに関係なく移動出来るって理解なら……凄く欲しくなるな

246名無し三等陸士@F世界:2010/07/31(土) 21:30:20 ID:0pv5Vhr20
多脚列車砲か。昔のゲームのRing of Redに80cmの奴が出てきたっけ。
多脚のそれぞれをやってる石人形の背に信管抜いた砲弾一発背負わせりゃ、相当な弾数を一緒に持ってけないかな?

247名無し三等陸士@F世界:2010/07/31(土) 22:17:09 ID:mcg6esMA0
>竜神様の中の人 様
投下乙です。相当閣下血迷いすぎ。レーダーから陸上で使える艦がないと聞かされて
「畜生めー!」と叫ぶ姿が容易に目に浮かぶのは何故?w

>このあたり億単位であるので両方ある事にしておいてください。
億単位の殺人人形!?駆除できるかそんなもん!
もはや「焼き払え!」「薙ぎ払え!」あるのみか……

>だって、勇者の従者かつ対竜戦に投入するものなので、かるく人間の勇者クラスはあったり。
人間の「勇者」って、種族「勇者」じゃない改造前のってことですか……それでもアレだなあ
ただ、近代軍隊は中世型のそれと違って、指揮官暗殺されても崩壊したりしないのが強み
おそらくその点だけは理解できないだろうからなあ、蟲にせよ中央世界にせよ

>使えそうなら設定に組み込んで、使えそうでなかったらパラレルと割り切るのが竜神様くおりてい(まて)
蟲の研究はそのうち出します。今までの設定と矛盾ないようにすり合わせできれば
多分、指揮官タイプと地上型と飛行型という分類になるかと
似非ルナートは、とりあえず各国各勢力の位置関係が頭に入ってからになるかと
ていうか先に地図作らないとダメかもw

248名無し三等陸士@F世界:2010/08/01(日) 02:13:56 ID:WhqhFoTE0
>>244

ところがどっこい、河川用の砲艦の建造速度は半端ない。
昭和2年度計画の熱海型ですと、

熱海
1928年11月6日起工(建造所:三井造船)
1929年6月30日竣工

二見
1929年6月25日起工(建造所:藤永田造船所)
1930年2月28日竣工

8ヶ月程度で建造しちょります。
次の伏見型は約1年となってますが、平時の建造でこれなので戦時急造となれば4ヶ月程度で出来るんじゃないかと。
戦時建造極まれりの海防艦には正味74日で竣工させた艦も存在してますので、やる気になれば1000トン以下のフネは日本でもそれなりにやれそうです。

249名無し三等陸士@F世界:2010/08/01(日) 03:07:24 ID:au6lxWr.0
総統閣下の巨大兵器と新兵器好きはこの世界でも健在なんですねw
しかし、ゴーレムの供与を受けるというのなら素直にドーラの砲弾装填にでも使うほうがまだしも効率がいいと思いますw
もしくはソ連戦車の連携の無さを利用して装甲と盾と巨大ハンマー持たせたゴーレムでT34の群れを文字通り叩きのめすとか。
・・・どっちにしても対費用効果は微妙っぽいですが。
個人的には閣下お抱えの(自称)魔術師とか占星術師とかいたら日本に派遣とかのどたばたとかあったら面白いなとか思ったりw

250陸士長:2010/08/01(日) 04:22:27 ID:3rgpiIEM0
ドーラやカール臼砲をよっこらせと担がせてえっほえっほと陣地移動させたらどうですかね。
その後ろを運搬車に山積みにされた砲弾を富山の薬売りよろしく運んでいる巨人達の群れとw
連中にUボート運搬させれば、あまり用途は無いだろうけど地中海や黒海への兵力移動が楽になりそうですね。

251名無し三等陸士@F世界:2010/08/01(日) 05:58:46 ID:mcg6esMA0
ただのゴーレムを直接戦場に投入しても、相手がソ連軍だと戦略砲兵やらカチューシャの集中投入で
バラバラにされちゃうだけだから、あまり有効じゃないと思うぞ。蟲は長距離砲撃たないからこそ、ゴーレムを
最前線に投入できるけど、ロスケ相手だとやっぱり後方での輸送や支援に使うのがベターじゃね?
まあ四脚自走砲みたいに、ある程度敵火力に耐えられるものを作れば別だけど

252名無し三等陸士@F世界:2010/08/01(日) 10:52:51 ID:IAqPsUTM0
>>248
河川砲艦の建造速度は異常ですからねぇ。
史実と違い資材に余裕があるなら考えて建造速度アップを目指して
戦時設計を導入しそうだし。
海防艦クラスの主砲でも陸戦では有効でしょうね。

>>249
ただのゴーレムだとソ連軍の重砲撃弾幕に阻まれます。
カチューシャもそうですがソ連軍はあるゆる野砲を対戦車砲
として活用するほどの国ですよ。
独逸に押されているとはいえあの国は正真正銘の陸軍国ですから
投射能力のない壁なんていくらソ連戦車の搭乗員がぼんくらでも
近付かれる前に主砲射撃を受けるでしょう。

253名無し三等陸士@F世界:2010/08/01(日) 12:31:05 ID:im3yFnB60
石人形は兵器としても使えるけど黒長耳族と一緒じゃなきゃ使えないから輸出は出来ないな。
傭兵or義勇兵として参戦することになる。

254陸士長:2010/08/01(日) 15:46:29 ID:3rgpiIEM0
と言うか、多脚式は道路の事情が悪い場所(南方)など向けですね。
後強度がキャタピラとは違って脆いから、路面状態に囚われずに迅速に陣地移動出来る自走砲タイプや運搬用かな?
オロシヤは路面がドロドロになる事が多いから、ワッシワッシと移動出来る多脚式は強そうだ。

レジスタンスへの威圧になりそうですしね。
多脚車両がワシワシ脚を忙しく動かして列を為しているトコに襲いかかりたくないなぁw

255名無し三等陸士@F世界:2010/08/01(日) 17:08:51 ID:KTaGRDGk0
前ド級戦艦2隻と装甲艦の生き残り2隻がまだ残ってませんでしたっけ?

256名無し三等陸士@F世界:2010/08/01(日) 18:40:06 ID:ysukU/QU0
>>255

残っている前弩級戦艦が富士、朝日のコトなら前者は1926年に推進器を撤去して浮き講堂として利用されてる。
浮き講堂になる前に兵装、装甲も撤去されているので現役復帰は難しい。
後者も1923年に兵装、装甲を撤去しているし1931年以降は工作艦になってる。
ついでに敷島もワシントン軍縮条約締結により兵装、装甲を撤去しているので前弩級戦艦を戦闘艦として復旧させるのは無理。

装甲巡洋艦に関しては、
浅間>1935年の座礁事故による竜骨損傷や経年劣化もあって一線での使用は厳しい
常盤>1923年に敷設艦に改造されているが20センチ砲は1基残っているので使えなくもない
吾妻>1931年海防艦に分類、1942年に練習特務艦になっているので使用可能?
出雲>1937年から第三艦隊帰還を務める、1942年に一等巡洋艦に類別変更、これも使用可能?
磐手>この艦も1942年に一等巡洋艦へ類別変更、使用可能?
春日>1934年より練習艦、使用可能?

他の艦は既に除籍されているので除外。
……物持ちが良いな、日本海軍。
八雲を除いても旧式装甲巡洋艦の大半が稼働状態ではある、状態は余り宜しくないみたいだけど……。

257名無し三等陸士@F世界:2010/08/01(日) 18:41:15 ID:ysukU/QU0
第三艦隊帰還ってなんだ、旗艦だよもうorz

258名無し三等陸士@F世界:2010/08/01(日) 22:43:46 ID:F6YvPnTw0
>254
戦後になって
僻地に飛ばされた某情報機関の幹部が
怪しい資金を元手に弾道ミサイルを搭載した
自立型多脚歩行兵器を量産して自身のいる土地の重要度を
あげようと目論むも暴走してえらい事になる。
そんな光景が思い浮かんだ。

259名無し三等陸士@F世界:2010/08/01(日) 23:03:07 ID:0pv5Vhr20
>>256 吾妻は1944年に老朽化で解体。ただ陸に上げて使うんなら浸水は気にしなくていいよね。
出雲、岩手、春日は昭和20年まで練習艦で、呉空襲でボカ沈食らった。普通に使える。

260リュータ ◆viMvJifIpw:2010/08/01(日) 23:08:59 ID:gWsuaqKA0
竜神様の中の人様、投下乙です。

>>242
>英国からの本土爆撃と陥落したクレタからルーマニア油田に向けて爆撃が始められた事で、空軍は急速に消耗し始めていたのだった。

トルコーバリクパパン・パレンバン間で燃料を運んでくれている日本は、ドイツにとって重要性が増してますね。
対人形戦で数との戦いになっていく日本としては、これを生かして、MG42やらMP40とか大量生産しやすくて、
多数との戦いに有効な火器のライセンスを上手く交渉して購入していってほしいところ。
ついでに88㎜砲FLAK36のライセンスも購入して、陸軍の高射砲も新型に更新してほしい。

261名無し三等陸士@F世界:2010/08/02(月) 09:48:51 ID:IAqPsUTM0
>>260
日本の工業力でFlaK36って扱えるのか?
部品の精度やら工作技術が劣っているのにライセンスだけ購入してもなぁ。
戦場での牽引車両代わりにゴーレムを使うとしても総重量が7トン近い
から運用する方が苦労しそうな気がする(九〇式野砲ですら重いといってるのに)。
一応日本も大陸で鹵獲した8.8cm砲をデッドコピーして九九式八糎高射砲
として使ってはいるけどコピー元が固定式だったし九九式八糎高射砲は
軽量化されているからFlaK36そのままのライセンス購入するのはどうかと
思わないでもない。

262名無し三等陸士@F世界:2010/08/02(月) 09:56:35 ID:IAqPsUTM0
>>259
吾妻は老朽化していても元は装甲巡洋艦だから移動砲台としては使えますね。
春日も吾妻より起工は遅くまだ新しい方だから使いようはあります。
春日はフランス製、吾妻はイタリア製という違いはありますが・・・・。

263リュータ ◆viMvJifIpw:2010/08/03(火) 00:32:53 ID:eiwFUgO20
>>261
「竜神様世界の日本は、史実の日本よりも技術力が相当に上である」説を、個人的に採っています。
FlaK36は多分に趣味ではありますが。
化け物蜘蛛を1,000メートル以上の距離で拠点に設置したFlaK36で次々と撃破とか、
後々に戦車砲に転用とか、面白そうなんですよね。

技術力が相当に上、の根拠は――
・史実では希に来るUボート頼りだった欧米の技術情報が、ほとんど問題なく流入してるし、獲得にも努力してるはず。
・熟練工が徴兵に取られていない。
・工作機械も、古い型とはいえ英独から購入している。
・米国からも、南米やオーストラリアを経由しての三角・四角貿易で、工作機械を購入しているだろう。

あと、
・独ソが休戦した時期に、クルップ社やダイムラー・ベンツ社やハインケル社からエンジニアを空路で招いて技術指導をしてもらう。
というのも、ありかと。

264名無し三等陸士@F世界:2010/08/03(火) 01:28:34 ID:Dhs/IxZU0
夏だな。

265名無し三等陸士@F世界:2010/08/03(火) 03:25:46 ID:O4aRQ2hs0
>>256
いや日本じゃなくてドイツ
前弩級艦シュレジェンと、シュレスヴィヒ・ホルシュタイン、装甲艦リュッツォウとアドミラル・シェーア

266名無し三等陸士@F世界:2010/08/03(火) 17:34:14 ID:onxAtG3g0
ここは萌えスレだから女(アニス)を口説こうぜ。

彼女に協力してもらって
回天、桜花、震洋とか風船爆弾を魔術式遠隔制御へ
可能なら魔術式近接信管を開発
理想としては魔術式自律制御爆弾=誘導ミサイル、誘導魚雷、敵味方識別近接機雷or地雷を目指すのはどうだろう。

267名無し三等陸士@F世界:2010/08/03(火) 19:54:04 ID:oXmDehTQO
>>266
F世界で一般的なマジックミサイルの誘導ロジックを組み込めば、近接信管も不要で船舶や航空機には百発百中だろ。
アニス引き出す必要もない。

268ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/08/03(火) 20:52:06 ID:b0warBCo0
ちょっと短いけど、投下するのです。
後半部分は近日中に投下の予定。

ディプシー&プリム『不安だからってナントカが自棄になるとロクな事にならない(前編)』

269ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/08/03(火) 20:52:44 ID:b0warBCo0
蟲の巣への殴り込みが近付く竜州撫子城下……。
石原中将を始めとした竜州軍幹部が、竜神撫子・勇者アニス・サキュバスメイブ・丸耳族ブリーイッド
……といった豪華メンバーをアドバイザーに様々な対策を練っているとはいえ、
実際に蟲の相手をする兵士達は不安でいっぱいなのであった。

何しろ、10m級の巨体にかかわらず、舗装道路を走行する自動車並みの速度で不整地を疾走し、
粘着弾と体当たりで戦車すら撃破してのけた、文字通りの化け物が相手である。
不安にならない方がおかしい相手だ、上が何とか対策を取ってくれるとはいえ、
自分たちで何かできることはないかと兵士達が足掻くのは当然のことであろう。
また、軍の貧乏ぶりから『ろくな対策が取られないまま、ごり押しで事が運ぶ』
可能性もあると言う噂が、下士官以下に広がっているのもそれに拍車をかけた。
大蜘蛛や巨大蟷螂といった化け物とどうやって戦うか、何とか弱点を掴めないか、
そこまで至らずとも、何でも良いからあの化け物の情報が欲しい……。
そんな兵士達の切実たる願いは……今のところ大きな進展を見せないまま、
ただ不安だけが募っていくのであった。

「おい、大変だ『八雲』がやられたぞ!」
「『八雲』ってあの陸巡か? 何があったんだよ。」
「やられた? 石人形が転んで自滅した訳じゃなさそうだな。」
「蟲に奇襲を食らって小破したらしい、怪我人含めて50〜60人ぐらいやられたそうだ。」
「蟲ぃ?この辺のは戦艦で粗方片付けたはずで、偵察でも生き残りは殆ど無いって聞いていたぞ。」
「巣から陸巡の近くまで、魔法を使って直に送り込んだんだと。
 八雲に乗ってた黒長耳族の娘の話だ。」
「巣から標的まで、途中経路すっ飛ばして直かよ……勘弁してくれ。」

この事態を首都圏に当てはめると次のような感じになろうか?

『東京から小田原まで蟲を掃討したら、箱根の巣から日本橋まで直接蟲を送り込んできた』

大元たる【蟲の巣】を叩かない限り、安心など出来る状態ではない。
結界を張って、直接転移を防いだところで、結界の手前まで大蜘蛛を送り込んで結界を解除、
その後に三角州内に直接転移でもされては目も当てられないのだ。

「蟲の巣に殴り込みをかけて勝たないと、いずれ俺たちは蟲の餌か……。」
「上は大丈夫なんだろうな? って言うか、ちゃんと対策出来ているのか?」
「新しい蟲が出てきたそうじゃないか、大蜘蛛、大蟻、大蟷螂、油虫に続いて巨大蜻蛉や
殺人人形まで、下手すりゃ戦い方も判らないまま新種の蟲に食われるぞ。」
「せめてどんな蟲がいるのかを知りたいところだが……知っていそうなのは城に呼ばれて缶詰だしなぁ。」
「城に呼ばれている竜神様やその直属じゃなくって、他の黒長耳族や獣耳族はどうなんだ?」
「だめだな、基本的に命からがら逃げてきた類だから、蟲の観察なんか出来やしねぇよ。」

下っ端の兵士に出来ることなどそう多くはない、ならば大人しく上の決断・決定を待てば
良さそうなモノだが、そんな殊勝な面々ならば、そもそも竜州に飛ばされたりはしない。
案の定、良からぬ企みを始めるゴロツキ兵士達であった。

「そういえば、買われてきた黒長耳族や、逃げてきた獣耳族ではない奴がいたな。」
「丸耳族か、アレだって竜神様直属のようなモンだぞ、下手に手出しは……。」
「いや、前女王じゃなくてチビタン姉妹の方は半人前の下っ端だ、話を聞くために一晩
付き合って貰うのはそう問題がないはずだ、部屋に連れ込んでしまえば何とでもなる。」
「連れ込むって、昼は整備の連中が尽きっきりだし、夜はあの石清水の野郎が護衛に付いているぞ。」
「その石清水大尉殿だがな、最近城詰めであの姉妹の護衛はしていないんだよ、
代わりの護衛が最近来たばかりの『ナントカ田』っていう小男だ。」

石清水大尉は、お祭り好きの性格と巧みな話術で「宴会奉行」と言う異名で親しまれていると同時に、
素行の悪い兵士達からは「仁王の石清水」と恐れられている。
『武芸合わせて十五段』と自称するだけあって腕っ節はめっぽう強く、
偽りを即座に見抜く観察眼の前に、叩きのめされた上で憲兵隊に突き出された竜州軍兵士は数知れず……
その鬼神にも等しい大尉が不在、代わりは最近来たばかりの小男。
欲求不満なゴロツキ兵士の『たがを外す』には充分なファクターであった。

270ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/08/03(火) 20:53:46 ID:b0warBCo0
異世界の軍務はストレスが溜まるのである、美女(黒長耳族・獣耳族)の存在がそれを
大分緩和しているとはいえ、何万人も男が……それも札付きのワルが集まれば、
当然その中には『ロリ』な趣味を持つものも含まれるもの少なからず存在する。
性癖として『和姦』ではなく『陵辱』を好む者もいる。
一般的に黒長耳族も獣耳族も「だいなまいつばでぃ」の持ち主が殆どなので、
彼らのような幼女趣味の者達はストレスと欲求不満が溜まる一方なのであった。

ドールの舞踏会以来、そんな不届き者からディプシーとプリムを守っていたのが、石清水大尉だったのだが……。
最近本来の仕事が多忙で、ディプシー達の護衛に付く余裕が無くなってきたらしく、
代わりに小男一人を付けてお茶を濁している。

「仁王(オニ)が不在か……で、その『ナントカ田』ってのはどうなんだ?」
「ネズミみたいなチビだったぜ、石清水とは比較にならんだろう。」
「ここは外地も外地、異世界の竜州だ……ネズミ一匹見あたらなくなるなんてのは良くある話だよな。」
「巣から飛ばされてきた、偵察の大蜘蛛に食われたとかなんとかで、行方不明ってのは有りだな。」

にやりと笑みを浮かべるゴロツキ兵士達、もはや蟲の情報を聞き出すのか己が性癖を
満たすのが目的なのか判然としなくなってきている。
半ば自棄になって思考と行動が刹那的になっているが故の暴挙、狙われた側はたまったものではない。
いたいけな幼女(?)を狙う屈強な兵士達……。
その脅威から彼女らを護るのは、身長5尺程度の小男一人であった。

…………。

「……ん?」

幼女の護衛中、通りの角を見渡す小男。

「ふむ、ちょっと視線を感じたんだがな。」

「誰?」

「知らん、男の顔なんかいちいち覚えられんわい。それにしても、モテる娘は大変だな。」

そういって笑う小男にプリムは顔をしかめる。

「絶世の美女揃いのダークエルフやライシアンと比べたら、ウチらドワーフはどうしても見劣りするッス、
整備のみんなにも『女房じゃなくって娘にしたい』って言われたッス。
とてもモテているとは……。」

「『蓼食う虫も好き好き』って諺があってな。」

「『食えたモンじゃない毒草も食べる虫がいる』って……シオダさん、それ誉めてないッス。」

「わははは、これは一本取られたか。」

プリムのツッコミに笑いで返すシオダ……その時、家屋の陰に隠れていた人影が6人……
3人が前を塞ぎ、残りの3人が退路を塞ぐ。

「そこのお嬢さん、ちょっとお付きあい願おうか……それとそこの小男、消えな。」

後に『撫子五条通りの惨劇』と呼ばれるこの事件は、竜の眷属だけではなく、
現役将官の元秘書まで巻き込み凄惨な結末で終わったことで知られている。

271ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/08/03(火) 20:56:06 ID:b0warBCo0
投下終了。

蟲のネタで書こうと思ったらこんなになった。
ドウシテ コナタ\(=ω=.)/

272名無し三等陸士@F世界:2010/08/03(火) 22:02:37 ID:riMTO/qs0
剛三センセー!?

273名無し三等陸士@F世界:2010/08/03(火) 23:49:53 ID:nNitjzhE0
塩田先生が相手だったら…
オワタ \(^o^)/

274266:2010/08/04(水) 12:23:30 ID:onxAtG3g0
>>267
F世界で一般的なマジックミサイルの誘導ロジックを組み込めば、近接信管も不要で船舶や航空機には百発百中だろ。

それこそどうやって?
魔法で得た情報を科学機器に入力する方法もマジックミサイルを科学で模倣する技術も無いだろ。
術者が従者操作して従者が兵器を操作するか
命令を与えられた従者が条件を確認して決められた操作をする
これは長耳族たちの従者作成技術じゃ出来なかった。
手持ちの中じゃアニスが最優秀なんだから研究に協力してもらった方がいい。

275名無し三等陸士@F世界:2010/08/04(水) 17:31:11 ID:tBX0L6fI0
>>267,274
 マジックミサイルの誘導ロジックって何でしょう?
RPGでのマジックミサイルでは命中判定なしで当たるというルールが制定されてるものがありますが、それのことでしょうか?
でも、それはロジックじゃないですよね。
ロジックとすれば
 1・対象を探知、位置を特定
 2・自己の進路と目標の位置の誤差を測定
 3・目標との快適位置の予測、及び進路の修正量の算出
 4・進路の修正
と、こうなると思いますが、これは科学、魔法問わず同じロジックのはずで、誘導弾なら基本ロジックは変わらないはずです。

 267氏はマジックミサイルが「必ず命中する」というこの部分が通常の誘導ロジックとは違うと考えられておられるのでしょうか?
この部分を考えると、因果律的操作がされているという感じですよね。
マジックミサイルを「撃つ」という原因が発生すると必ず「当たる」という結果を伴うという感じですか?
確かファンタジーで「ゲイボルグ」という槍があって、必ず当たる投槍(?)でしたっけ?
ロジックというよりエンチャント魔法というか呪いという感じですが、そういうものを誘導弾に付与するということを考えておられるのではないかと思いました。

 これだと266氏が>>274で言われたような「魔法で得た情報を科学機器に入力する方法」がなくても266氏の考えているような誘導弾ができるかもしれません。
ただ、その場合付与魔術師の能力と数で生産数が制限されるため科学の利点である量産性がどの程度生かされるかは疑問に思えます。
まあ、それこそアニスに聞けですよね。

 この世界の正当な技術進化の方向性は魔法と科学の融合ですかね。
そのためには、まずは魔法を科学機器で定量的に計測できるかが鍵となるんでしょうね。

276名無し三等陸士@F世界:2010/08/04(水) 17:35:58 ID:tBX0L6fI0
>>275
自コレスです。
>この部分を考えると、因果律的操作がされているという感じですよね。
概念付与と言ったほうがいいかもしれませんね。

277名無し三等陸士@F世界:2010/08/04(水) 17:38:08 ID:wHg5lvEc0
ハト誘導対艦ミサイルを連想した。
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88%E9%B3%A9

278名無し三等陸士@F世界:2010/08/04(水) 20:32:27 ID:zFTXI9060
ハルサブロー氏、乙

プリムとディプシーはいつ大日本帝国に行けるのやら…

279リュータ ◆viMvJifIpw:2010/08/04(水) 21:30:10 ID:BAsF2mNs0
ハルサブロー様、投下乙でした。

今回の事件で「安全のため、賓客を一時的に緊急避難させよう」という名目で、大日本帝国本土にしばらく行ってもらう。
そういう伏線なのかな、と思ってみたり。

280名無し三等陸士@F世界:2010/08/05(木) 01:16:54 ID:oXmDehTQO
テキスト読まないで独自理論持ち出すのが増えるのは夏だからか。
まぁ以前から徘徊している輩もいるし変わらんか。

勇者が他より優秀とされるのは兵器としての優劣を評価されてのこと。
技術的評価の結果ではない。
メイブやグネビィア、ドワーフ達との技術的優劣が
作中で語られたことはないし、スレ内でも合意形成はされてないな。

それとも震洋・回天にゾンビやスケルトンを乗せるか。
別板の物語じゃないがそんな軍隊を持った帝国は
さぞかし心温まる評価を受けるだろう。
そもそも震洋・回天・桜花など切羽詰まって考え出された代物に過ぎず
母艦母機の生存性など系全体での性能を考えたら評価にも値しない。

マジックミサイルが人間のオーラを追跡するため、
対人目標に対して「百発百中」である旨は第42話にある。
誘導精度を表す記述としてこの表現で揃えたが必中と読む必要はない。
単独で米西海岸に飛来したドラゴンが百を超える迎撃機を
全て叩き落とす凶悪な命中精度を持っていること、それを日本語では百発百中と呼ぶだろう。
100%と読み替えるのは日本語の読み方として無理がある。

八雲奮闘記では身代わり札が大量に使用されていることから
単に魔法・魔力を付与した物品の量産は比較的容易なことは十分読み取れる。
一案としてオーラ誘導の魚雷設計を考えるなら、
オーラを感じたら微弱な電流を発する札が作成できればよい。
左右に貼った札に電位差があれば差異を最小化するように操舵する、
ただそれだけの機構で良く、量産に勇者が必要な兵器など語るに値しない。

まぁきちんと過去スレ読んで、
流れに沿ったネタ提示しような。

281266:2010/08/05(木) 04:21:31 ID:onxAtG3g0
>>何の因果で撫子三角州にやってきた勇者ゼラニウムは、万ものスケルトン・ゴースト・ゾンビなどを指揮できる近年最高の人形遣いだったりする。

282名無し三等陸士@F世界:2010/08/05(木) 04:32:23 ID:onxAtG3g0
上記の記述があるから人形を制御中枢(AI)に据えた思考爆弾の開発を進めようと言ったのであって
>>テキスト読まないで独自理論持ち出す
などと言われる筋合いじゃない
>>八雲奮闘記では身代わり札が大量に使用されていることから
>>単に魔法・魔力を付与した物品の量産は比較的容易なことは十分読み取れる。
それこそ過去スレでメイブが人類サイドの魔術書を買い込んで研究に入れることを喜んでいたのに
黒長耳族サイドで可能なことを大きく見積もりすぎじゃないか?

283名無し三等陸士@F世界:2010/08/05(木) 08:15:37 ID:oXmDehTQO
数万の従者がこさえられるなら、当代最高と枕もつくな。
しかし勇者は戦略兵器に近しい存在、
ヘイヘ、ルーデルに格闘術の教えを請う様なものか。
見積もなにも
お札大量生産が撫子三角州内部で確立してなければ、
こんな使い方はできんだろ。
おそらく擬似オーラを発するだけの身代わり札と比べたら
高度な代物になって身代わり札ほどは数作れないかもしれんが
F世界で一般的な生産技術で扱えなければ、
スケールが違い過ぎて兵器として量産ラインに乗せるのは難しいだろうな。

そもそも最近のテーマは蟲対策と竜州独自の兵器生産なんだよね、
空気読もうや。

284sage:2010/08/05(木) 15:36:40 ID:nINGZbLk0
お札の量産は確かに確立しているとみて良いだろうが、
「オーラを感知して微弱な電流を出す札」を作れる根拠は本編中に全く無いんですけどね
「テキスト読まないで独自理論持ち出さす〜」
って言ったそばからこんな理論出すのはダブスタにあたると思うぞ

>空気読もうや。
なら>>267の時点で空気読めって言うなり、そもそも流れに沿ってない話は無視すれば済む話
自分から反論しておいて今更言ってもな・・・

285名無し三等陸士@F世界:2010/08/05(木) 19:34:59 ID:tBX0L6fI0
>>280
>対人目標に対して「百発百中」である旨は第42話にある
竜神様42は乙姫さまを起こす話で、マジックミサイルのマの字も出てきません。
マジックミサイルの記述は竜神様55ですので、探す方はご注意を。

286名無し三等陸士@F世界:2010/08/05(木) 21:42:30 ID:sQ1Cli3k0
世界観によるものだから、>>1の裁定待ちがよいと思う。
過去話も「違うなあ」と思えば修正になるし、
合ってれば次回に期待となるよ。

287名無し三等陸士@F世界:2010/08/05(木) 21:52:28 ID:oXmDehTQO
>>284
1940年頃の兵器に量産を考慮しながら魔法技術を利用した誘導機構を組み込むなら、の一案を提示しただけだが?
駄目なら次考えるさ。

で、アニスに何ができそうか。どんなものを作ってもらいたいか。
君にそういう思考あったかな?
アニスに頼んだら、回天が勝手に自立誘導されて、目標近くでひとりでに爆発するようになる。
それがポコポコ産まれるようになる。
その程度の考えしか感じられないのだか。
運用性などに至っては思考の遥か埒外みたいだし。

>>285
フォローありがとう。

288yuiti:2010/08/05(木) 22:27:46 ID:yMdqcVcw0
うわ、、、伝説の武道家、、兵士カワイソス

289リュータ ◆viMvJifIpw:2010/08/05(木) 22:49:37 ID:BAsF2mNs0
これは竜神様の中の人様のレス待ちだけど、新型の蟲や殺人人形の出現は西方世界全体に影響出ますよね。

・カッパドキア共和国から三角州に向けて砦を築きながら道を切り開いている冒険者達が大損害。
砦もいくつか壊されて「三歩進んで二歩下がる」状態に。
・ロムルス国家連合・カルタへナ王国と、虚無の平原の境を守ってる守備隊が全滅。
国土内に蟲が侵入して、両国は一時的に休戦になった。

みたいな事件が、起こってくるのではと。

290284:2010/08/06(金) 00:09:21 ID:nINGZbLk0
俺はアニスで誘導〜言い始めた奴とは別人だ、単にマジックミサイル案に懐疑的なだけ

>>一案を提示しただけだが?
機械にも魔法的な誘導ロジックを組み込めるって確証できる設定が無い以上、
マジックミサイルロジック転用案そのものが「独自理論〜」になる。だから「一案」を示したんだろ?
それが結局駄目なら、ロジック転用案そのものが「独自理論〜」のままじゃん
よって「一案だから」って言いつくろうがダブルスタンダートのままだぞ

ただまぁ、アニスで誘導案の方も…
本人近くに居なくても動くのか?魔力の範囲内だとか条件必要なんじゃねーの?
スケルトンとか自意識あんの?無いと探知誘導が操者頼みじゃね?あっても船にぶつかれってんな細かい指示出来んの?
そもそも暴走が怖いだろ、アニスの過去的に。ってな感じで現状じゃ不確定要素多すぎて駄目だが

何か良い設定が出てくるまで、魔法で誘導弾って考えそのものを諦めた方がいいんじゃね?

>>286
だから>>1は作者じゃな(ry

291名無し三等陸士@F世界:2010/08/06(金) 00:28:47 ID:FR35viCE0
むしろ塩田剛三の武技をトレースした格闘戦特化型
ゴーレムの研究をだな

292名無し三等陸士@F世界:2010/08/06(金) 00:31:58 ID:mcg6esMA0
なに、俺様に裁定をしろと?w

まあ中の人の言いそうなことはわかるけどね
「とにかく書いてプリーズ!設定が矛盾しなかったら外伝、矛盾するようならネタ扱い」でそw

ただ、個人的には「できないこと」が多いほうがいいと思うけどね
なんでもかんでも魔法で解決、になっちゃうと痛々しい火葬戦記の方向へまっしぐらだし
「できること」の範囲を決めるときは過去の記述睨んで慎重に、という意見には賛成

あと身替り札はもともと異世界に存在する技術(紙に印刷という点だけ帝国の技術)ってのも忘れないように
別に長耳族たちがロジック解析して製作したものじゃない。長耳族がその手の研究で中央世界に
遅れをとってるって設定があるのは>>282の指摘どおり

293名無し三等陸士@F世界:2010/08/06(金) 02:44:02 ID:sQ1Cli3k0
>>292
誤爆にもかかわらず、丁寧な対応ありがと!

予想を信じて、今回の戦闘だけでどんな制限があるかを書いてみる。

1.転移魔法による軍の召喚はこっち(F世界)での「戦争の基本戦術」
 →基本になるほどだから、他の戦術と大きく引き話されてないかな

2.トンボが視界に入った後にマジックミサイルを撃ち、生物のオーラを頼りに誘導中に身代わり札に当たった。
 →視界外から撃てる様子はない。生物のオーラを詳しくは識別していない。

3.ただし、マジックミサイルは九六式陸攻より遅い
 →回避行動を行っていることから、必中と書いてあっても避けれる(射程切れ?)。

4.蟲は目標とする「魔竜石の魔力」へ向けて、投入する戦力を決定し進軍した。
 →港への転移はないから、哨戒?以外は一定範囲内の魔力に反応している。

5.『人形』は接近後に転移した。
 →こちらも発見後に転移魔術を使っている。

とりあえずここまで読んで、大抵の魔術は視界による制限があるのかなと思った。
マジックミサイルの誘導もLOGICでは無く、
磁石のように「生物のオーラ」に近づくものである方が、説明がつく。

今回の戦闘前半分だけでこれだけ分かった。
しかし、転移を見ていたらマグチューブができそうな気がした。
古代遺跡にないかなあ。

294名無し三等陸士@F世界:2010/08/06(金) 08:13:57 ID:h702HvKA0
>>291
四肢を失った兵士がそのゴーレムを義肢として取り付けられ
そして、ダークヒーローとして活躍するんでな?

295名無し三等陸士@F世界:2010/08/06(金) 15:08:57 ID:IkqVMtN.0
テスト飛行中の事故で両足、左目、右腕を失ったパイロットが魔道技術を駆使したゴーレムパーツを移植されて活躍する「600万円の男」が放映されるんだな

296名無し三等陸士@F世界:2010/08/06(金) 19:05:26 ID:yV0A8k.20
600万円とは随分安いな。

297名無し三等陸士@F世界:2010/08/06(金) 19:48:51 ID:eCySEScc0
>>296

時代を考えなさいって……。
零戦1機で18万円(発動機、兵装込み)の時代だぞ。
秋月型駆逐艦で1200万円程。

298名無し三等陸士@F世界:2010/08/06(金) 20:31:41 ID:JCSPtdlU0
>>297
ヒント:夏休み

299名無し三等陸士@F世界:2010/08/06(金) 20:36:34 ID:BAsF2mNs0
公益法人「社会福祉公社」を設立して障害者の少女を優先的に助けるところでしょ。
「少女に与えられたのは、大きな銃と小さな幸せ」

300名無し三等陸士@F世界:2010/08/06(金) 22:38:05 ID:mcg6esMA0
>>299
誤爆?

301名無し三等陸士@F世界:2010/08/07(土) 00:44:26 ID:IAqPsUTM0
>>254
今更だけれど機械で四脚歩行兵器を作るのは現実的では無い以上
ゴーレムで四脚移動装置を作るのにはメリットがありますね(整備性がよい)。
数はそれなりに揃えられる四一式山砲を四脚ゴーレムに搭載して
火力支援に投入すれば急峻な地形でも歩兵の支援ができます。
野砲と違い山砲ならば軽量で分解・運搬もできるのでゴーレムが
仮に破壊されても戦力復帰が早いでしょうし。
欧米の技術情報を宛にするならタ弾の開発も進みそうだし・・・。
(外装タ弾の貫徹能力は限界厚300mmか・・・・)

ttp://sus3041.web.infoseek.co.jp/contents/gun_db/t41_7cm_mh.htm

302名無し三等陸士@F世界:2010/08/07(土) 06:50:43 ID:o/vBe2.60
『ガンスリンガーガール』を知らない世代か?>>300は?
ライトノベルならシュピーゲルシリーズもこの世界ならできるな。

303名無し三等陸士@F世界:2010/08/07(土) 07:29:35 ID:8ICEhJaY0
>>297
円の価値が今と百倍位違うんだっけ、なんか丁度現代円と当時の円の交換レートがドルと一緒で身近に感じる

304名無し三等陸士@F世界:2010/08/08(日) 04:07:00 ID:2fdadcXc0
>>297
つーか、元ネタを知らない可能性が。

305名無し三等陸士@F世界:2010/08/08(日) 04:58:59 ID:NP7ZlF0U0
萌えスレなんだから、ゴーレム技術で甦った美(少)女のがよくね?

306名無し三等陸士@F世界:2010/08/08(日) 06:32:03 ID:IkqVMtN.0
>>305
ジェミー・ソマーズで手を打とうじゃないかw

307名無し三等陸士@F世界:2010/08/08(日) 07:03:07 ID:2fdadcXc0
>>306
600万ドルでも今では安く感じるね。
バイオニック! バイオニック!

308名無し三等陸士@F世界:2010/08/08(日) 16:09:18 ID:88FqWb620
>>306
盗撮男から盗聴女と申すか。
これが本当の耳年増。

600万円で身請けする為に勇者への改造手術を受ける婚約者の帝国軍パイロットも出てきそうですな。

309名無し三等陸士@F世界:2010/08/08(日) 18:43:09 ID:oXmDehTQO
>>284
>>290
いまさらながら誤爆申し訳ない。

>>308
「ドイツの科学力はぁぁぁぁぁぁ〜」
な人もでてきそうな。

310陸士長:2010/08/08(日) 20:30:52 ID:3rgpiIEM0
>>301
構造を単純化させれば単純化するほどキャタピラよりコストパフォーマンスが良くなりそうですね。
踏破性が売りだから、山の斜面を脚をギュイギュイ動かしながら上れそうです。
これで修理も簡単だと、山岳兵の心強い友になりそうですな。

311名無し三等陸士@F世界:2010/08/08(日) 21:54:30 ID:IAqPsUTM0
>>310
山岳兵にとっては擲弾筒以上の火力が手に入りますからね。
モノが山砲なので多種類の弾丸を使い分けできますし歩兵の直協支援
も可能となれば敵に大した火力がないとたかをくくっていると重火力
による反撃が来るわけですから。

>>309
シュト○ハイムの戦闘能力をどの程度まで数値化出来るかによるでしょう
けれど人間=勇者クラスの能力を複数の人間に持たせられるなら大した
ものだと思います。

312名無し三等陸士@F世界:2010/08/08(日) 22:10:18 ID:F6YvPnTw0
>310
bigdogの背中に四一式山砲をくくりつけたような代物
その名も「ポチ」なんてものが脳裏に浮かんだんだが。
実際多足ゴーレムを作るのならbigdogサイズで荷物持ちにする
となかなか使える予感。

313名無し三等陸士@F世界:2010/08/08(日) 23:12:08 ID:Dhs/IxZU0
蟲こそ保護して帝国の戦力に、
なんて狂った考え持つ奴もそろそろ出てくるんじゃまいか。

314陸士長:2010/08/08(日) 23:17:31 ID:3rgpiIEM0
>>311 >>312
真面目な考察お見事。

カフカス戦線におけるエリブリス山登頂。
登頂時の写真で多脚ゴーレムの上にハーケンクロイツを掲げる山岳兵達を幻視してた自分とは違いますね。

「あの馬鹿な登山家たちは軍法会議ものだ! 貴重なゴーレムをあんな事に使うだなんて、畜生め!!」

報告書と写真を見て激怒する総統閣下は凄く愛おしく感じましたがw

315名無し三等陸士@F世界:2010/08/08(日) 23:25:33 ID:0GxQjdc60
>>312
メタルマックス3発売! メタルマックス3発売!

316リュータ ◆viMvJifIpw:2010/08/08(日) 23:28:57 ID:7nCFDcHk0
>>313
蟲の材料とか生産方法は、巣で捕まっている黒長耳族・獣耳族・人間を使うものだから。
言う人がいたとしても、まともに取り合わないだろうな。

それなら、殺人人形を解析したり巣を調査して、殺人人形を制作・操作する魔法や技術を復活させて……
の方が可能性は高いと思う。

317名無し三等陸士@F世界:2010/08/09(月) 04:17:04 ID:7qhXXXjoO
>>314
まー普通はクラブガンナーかヴィントシュティレですからねえ

318名無し三等陸士@F世界:2010/08/09(月) 07:10:04 ID:F6YvPnTw0
>315
簡易生産版多脚ゴーレム(ソイヤウォーカー)
普通のゴーレム数体に神輿のごとく砲や荷物運搬コンテナを担がせたもの
その冗談みたいな見た目とは裏腹に生産性の高さで意外と重宝がられ
後年には動く対戦車、対空ミサイル陣地のような代物も出現したという。

319名無し三等陸士@F世界:2010/08/09(月) 07:55:14 ID:8ICEhJaY0
蟲はゴーレムの解体魔法射って来るから前線じゃ使えないしなぁ
だからこその対長耳族兵器なんだが

320名無し三等陸士@F世界:2010/08/09(月) 12:17:10 ID:oXmDehTQO
無効化魔法という代物も考えると悩ましい。
今までは接近しての直接攻撃主体で使われているみたいだが
支援砲撃みたいな使われ方したらかなりヤバくないかい。

接触しないと使えない制限でもあると良いが。

321名無し三等陸士@F世界:2010/08/09(月) 18:57:37 ID:mcg6esMA0
結界中和魔法はあったけど、魔法無効化魔法なんて出てきたっけ?
あと攻撃魔法の射程は、ここまで見てきた限りじゃそう長いものじゃない(ほぼ有視界)から
砲兵の距離における優越は否定されないと思う。曲射が可能なら、そもそも蟲が使ってたはずだし

322名無し三等陸士@F世界:2010/08/09(月) 19:51:13 ID:oXmDehTQO
>>321
中和と無効化ごっちゃにした。フォローありがとう。
幸い今までの攻撃魔法は有視界の直射までだと思うけど
蜘蛛型による無効化魔法主体の飽和攻撃と、
殺人人形のデスラー戦法がセットできたらどないしよか。

323リュータ ◆viMvJifIpw:2010/08/09(月) 21:14:25 ID:ZqQ2OdiU0
>>322
殺人人形は飛行能力はないから、航空機による対地攻撃で頑張ってもらおう。
二式複戦の丙型(37㎜×1、20㎜×1)の地上掃射とか、対地ロケット弾の開発とか。
それで数を減らして、凌いでいくと。

324名無し三等陸士@F世界:2010/08/09(月) 21:25:19 ID:mcg6esMA0
>>322
結界を中和される距離に入る前に、砲兵と航空機による飽和攻撃で蟲を漸減するのがセオリーかと
そのための陸上巡洋艦だし、私が四脚の自走砲シリーズ考えたのも同様の理由から
そもそも魔法障壁もってる相手に歩兵ぶつけるなんて無謀にも程があるからなあ

325名無し三等陸士@F世界:2010/08/09(月) 22:15:32 ID:wIfqef1c0
このまま行くと異世界での戦闘には強くなる一方で
地球での戦闘では取り残されてしまいそうな・・・。
大丈夫なのかいな。

326名無し三等陸士@F世界:2010/08/09(月) 23:16:26 ID:oXmDehTQO
>>323
>>324
デスラー戦法はその計算をぶち壊しにしないか?
八雲襲撃に際しては視界外から蜘蛛と人形を多数転位させて来たわけで。

327名無し三等陸士@F世界:2010/08/10(火) 03:08:20 ID:mcg6esMA0
>>326
だから転移阻止結界を張ってるじゃないの。そのせいで馬鹿竜赤剥けだけどさw
その結界を中和されないように、中和魔法の射程の外からタコ殴りにするって話だろ

328名無し三等陸士@F世界:2010/08/10(火) 03:38:31 ID:tBX0L6fI0
>>326
323、324は転移魔法による乗り込み戦術に対する対処を語っているのに対して、
326は戦略移動で対処不可能な数を持ってこられたら無駄にならないか?と言っておられて、
話がかみ合ってないと思うのですが?

329名無し三等陸士@F世界:2010/08/10(火) 03:40:14 ID:tBX0L6fI0
328です。
敬称が抜けてしまい失礼しました。
323氏、324氏、326氏にお詫びいたします。

330名無し三等陸士@F世界:2010/08/10(火) 04:08:56 ID:sQ1Cli3k0
>>328
転移までの手順をもう一度見直したほうが良い。。
まず「巣」から大量の蟲が出撃し、
目標に近づいてから転移となっている。

戦略単位での大規模転送は、行っていない。

331名無し三等陸士@F世界:2010/08/10(火) 04:49:30 ID:mcg6esMA0
>>330
それは結界が起動してからの手順だな。結界がなければ転移自体は可能だと思われ
逆にいうと、対転移障碍結界さえあれば、対処不可能な距離に転移してくることはできないように
してあるはずなので、蟲が本拠地をカラにするくらいの大襲撃をかけてこない限りは問題ないだろう

おそらくだが、今後の帝国側の戦術は、陸巡が張った結界の傘の下に自走砲などを収めて保護した上で
徹底してアウトレンジから撃ちまくる型になるだろうね。比較的外縁部に近いところに、直接火力担当の
戦車などを配置して、転移してきた蟲たちに対処する、と
しかしこうなると、人的被害を出さずに蟲を駆逐できる自動兵器の重要性が増すなあ
殺人人形の大群が来ると、歩兵が役立たずになるのも困ったもんだ

332名無し三等陸士@F世界:2010/08/10(火) 06:26:23 ID:tBX0L6fI0
>>330
>転移までの手順をもう一度見直したほうが良い。。
いや、転移までの手順はわかってますよ?
八雲襲撃の話中では蟲たちは視認距離からの転移しか行っていないのも招致しております。
また、その話中で、八雲を襲った蟲たちが巣から転移して来た可能性もあるとも書かれております。
故に、転移戦術に関しては
 視認距離から目標への乗り込み(確定)
 「巣」から目標地域への移動(推定)
の2通りがかんがえられますよね。

私が328を書いたのは326氏の「デスラー戦法」の言葉からです。
330氏の書かれた様に、蟲の転移戦術は2段階で成り立ちます。
323、324両氏は視認距離からの転移乗り込みを織り込んで対処戦術を述べておられるのに対して、
326氏は「デスラー戦法が計算をぶち壊す」と述べておられます。
326氏が視認距離からの転移乗り込みを「デスラー戦法」と述べておられるなら、
転移乗り込みに対抗するために転移中和結界を展開しているところに「デスラー戦法」=転移乗り込みを掛けることで対抗戦術をぶち壊せるということになり、
すでに計算に入れてある戦術をもって計算を壊すというのは意味が通りませんから、
故に、この場合の「デスラー戦法」=「巣」から戦場への転移(戦略移動ですよね)と言われてるのだと愚考した次第です。

つまり、323、324両氏と326氏の論点の基盤が違うのでかみ合わないんじゃないか?って言ったのですが、
328の私の記述は>>326の論説に対する個人的な解釈を基に展開したものなので、326氏の意図したものと違う形に曲解させる可能性があった点は謝罪します。

333326:2010/08/10(火) 12:33:55 ID:oXmDehTQO
言葉足らずで申し訳ない。
具体的にイメージを述べるなら
八雲の全方位数百m圏に蜘蛛が10匹も転位してきたら
ほぼ対処不能になるよねと。
帝国がアウトレンジから一方的に火葬するつもりでいても、
デスラー戦法でキルゾーンの内懐に多数の兵力突っ込まれたら
対応能力は容易に飽和する。

転位阻止結界の効果範囲が十分広ければとりあえず凌げるだろうが
距離をとれば大丈夫という安心感を吹き飛ばしたのが先の竜神様本編かと。

334名無し三等陸士@F世界:2010/08/10(火) 12:42:01 ID:mcg6esMA0
>>333
>転位阻止結界の効果範囲が十分広ければとりあえず凌げるだろうが
それが「充分広い」からこそ、実際に先の八雲が「凌げた」んだと私なんかは考えるわけだが
というか、そもそも凌げないなら対転移障碍の意味がないわけでね

まして本来異世界の戦いで使われてる結界であって、帝国のような長射程兵器はないんだから
(その分の戦力不足を補う要素が「種族・勇者」「(人間の)勇者」だと思われるわけだが)

335名無し三等陸士@F世界:2010/08/10(火) 18:10:04 ID:oXmDehTQO
私は八雲艦上への直接切り込みを阻害する程度と読んでました。
後は指揮官の判断とエアカバーが間に合ったお陰かなと。

336名無し三等陸士@F世界:2010/08/10(火) 18:52:49 ID:8ICEhJaY0
蟲対策だけじゃなくF世界の人間の戦争時にも使用されるわけだから有る程度の範囲はカバーしてるのが普通じゃね?
文章をから感じるのは目に見える範囲くらいかね?
ただ、蟲のスピードが凄いからね
F世界の戦車で騎兵なわけでしょ、それで今回みたいな事に……と見たんだが

337名無し三等陸士@F世界:2010/08/10(火) 19:07:53 ID:mcg6esMA0
こういう時は数字出して考えるのがわかりやすいだね
蟲が不整地を40km/h(T34に近い)で走れると仮定すると、500m(小銃の有効射程に近い)進むのに
45秒かかるだね。突然現れた敵を1分に満たない時間で迎撃するというのも結構大変だと思うのね
それでも三角洲は起伏が少ないし、蟲の支配地域は草木もないから見晴らしはいいはず
航空機の支援もあり、長射程兵器の多い帝国なら凌げなくもないと思うのね

338リュータ ◆viMvJifIpw:2010/08/10(火) 19:43:07 ID:ZqQ2OdiU0
帝国の竜神様44で、巨大蜘蛛の時速は60㎞って書いてあるね。

文章読む限り、
・トンボのような飛行型(マジックミサイル)
・蜘蛛(魔法中和魔法)
・殺人人形(転移)
と、それぞれ一つの魔法しか使えないみたい。
そして、殺人人形は基本は徒歩。連続転移で近くまで移動してくる、というのはなさそう。

迎撃に有利な場所で、そのスピードと転移阻止結界を消去しようとする戦法ゆえに突出してくる蜘蛛を先に倒していけば、
けっこう有利に戦を進められると思う。

339リュータ ◆viMvJifIpw:2010/08/10(火) 20:23:59 ID:ZqQ2OdiU0
帝国の竜神様44で、巨大蜘蛛の時速は60㎞って書いてあるね。

文章読む限り、
・トンボのような飛行型(マジックミサイル)
・蜘蛛(魔法中和魔法)
・殺人人形(転移)
と、それぞれ一つの魔法しか使えないみたい。
そして、殺人人形は基本は徒歩。連続転移で近くまで移動してくる、というのはなさそう。

迎撃に有利な場所で、そのスピードと転移阻止結界を消去しようとする戦法ゆえに突出してくる蜘蛛を先に倒していけば、
けっこう有利に戦を進められると思う。

340名無し三等陸士@F世界:2010/08/10(火) 20:38:35 ID:IAqPsUTM0
>>318
山砲を使ううえでの利点は四脚ゴーレムを無力化されても砲自体が
無事なら随伴歩兵などが山砲を分解したり人力で移動できる点でしょうな。

341リュータ ◆viMvJifIpw:2010/08/10(火) 20:38:53 ID:ZqQ2OdiU0
二重カキコになってしまいました。
申し訳ありません(汗

342名無し三等陸士@F世界:2010/08/10(火) 20:40:36 ID:oXmDehTQO
>>336
通常の有効範囲としては弓矢の射程+αが妥当な線?
>>337
マンティコア襲撃の様な単騎駆けなら十分対処可だと思う。
頭がいない、協調のとれてない攻撃も然り。
けど全方向から同時に襲撃されたら?
そこに空から蟷螂に牽制されたら?
五百が千でもヤバイと思う。

全方向からの同時飽和攻撃なんて、本来そうそうできるものではないが
それを容易にしてしまうのがデスラー戦法の恐ろしさな訳で。

過去の襲撃は威力偵察とするなら、
今回はまとまった戦力を投入して明らかに陥としに来ていた。
それで駄目なら、蟲も考えてくるよね多分。

後はブリちゃんに期待しよかと。

343ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/08/10(火) 23:25:26 ID:FXRlVrA60
護衛の小男は、皆さんの予想通りな「達人」でした。
皆さん、弔いの準備はいかがでしょうか(w)
では、ディプシー&プリム
『不安だからってナントカが自棄になるとロクな事にならない(後編)』
投下します。

344ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/08/10(火) 23:26:10 ID:FXRlVrA60
屈強な兵士が6人に囲まれたディプシーとプリムそして護衛の小男。
戦力差は一目瞭然、どう考えても無事で済みそうにない。

「ちょっとお嬢さんに聞きたいことがあるんでな、付き合ってもらおう……朝までじっくりとな。」
「そこのチビ、後は俺たちが引き継ぐから帰っていいぞ。ゲラゲラゲラ……」

下品な笑みを浮かべた6人に対し、シオダはノンビリとした様子で返事をする。

「あ〜〜そいつはどうも、けど大尉殿からは『必ず寝室のドアまで送れ』ってきつく言われておりましてなぁ……」

「いいんだよ……どのみちお前はここで送れなくなるんだから。」

前から話す男がシオダの気を引き、背後からは二人が襲いかかる。
上手く虚を突いた形になった……はずなのだが、シオダが半歩退きいきなりしゃがみ込む。
殴りかかった一人はしゃがんだシオダに躓く形で転ぶ。
もう一人もバランスを崩してつんのめる、シオダは右手でその足を掬い上げ、勢いを利用して放り投げた。
投げる瞬間、掴んだ足首をひねって関節を外しておく。
「ブチン」というゴムでも切れたかのような音がし、投げられた男は踵を押さえてうずくまる。

「お? 足腰がガタガタだな〜長耳っ娘に絞られすぎだぞ。」

この呑気な台詞と口調がゴロツキ兵士の逆鱗に触れた。

「チビ、巫山戯てんのかコラァ!」
「こっちが下手に出ていりゃぁ調子に乗りやがって。」

転ばされた男と最初に話しかけた男が襲いかかるが、シオダは二人の間を通り抜け
あっさりと攻撃を避けてしまう。
そのままプリムを連れ去ろうとした別なゴロツキに突進、喉仏に人差し指を突き刺す。

「グゲッ」

喉を粉砕され崩れ落ちる兵士。

「借りるぞ」

一応断ってプリムの懐から得物を取り出し、それをディプシーに掴み掛かるゴロツキに向かって投げつける。
投げたのはずしりと重い、戦槌も兼ねた丸耳族用のハンマー……それが眉間にめり込んだ。

“グシャッ”
「ぎゃあぁぁぁぁ」

顔面を血に染めながら転げ回る男に対し。

「五月蠅い」

ボソリと呟きつつ、ディプシーが男の首に踵を落とす。
哀れな男はうめき声すら上げられずに意識を断たれる。

瞬く間に3人の兵士が戦闘不能である。

「あ〜〜その、これ以上はな……回収するのが難儀になるだろう?
この辺で持って帰ってくれんか?」

シオダは茶化したような話し方で相手の神経を逆なでする。

(クソっ油断したとはいえ、ここまでやられるとは……どうする?
逃げるとしても本当に見逃してくれるかは……。)

押すか引くか決めかねているゴロツキ兵士達に、シオダが無防備に近付く。
今なら捕まえられると、千載一遇のチャンスを見いだした残りの3人は、
逃走ではなく継戦を選択した。

「……もらったっ!」
「馬鹿め、油断したな。」
「へっへ……捕まえたぞ。」

あっさりと残った3人に捕らえられてしまう。
だだでさえ体格で劣る上、人数も3対1で圧倒的不利。
その状態でついに掴まってしまっては完全に「詰み」であろう……普通ならば。

「チビ、もう逃げられねぇぞ!」
「このままボコボコにして、簀巻きにした上で蟲の餌だ。」

そのまま力ずくで押し潰そうとするが……

345ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/08/10(火) 23:27:23 ID:FXRlVrA60
5尺そこそこの小男が、まるで大地に根を張った巨木のように押しても引いてもビクともしない。
気が付けば逆に、自分たち三人がまとめて潰されそうになっている。

“グシャッ ボキン ごりん”

潰されて地面に叩き付けられる音、何かがへし折れたかのような音、そして関節が外れる音。
屈強な男三人が、小男一人に無惨にも捻り潰された。

「こんな小さい人で大丈夫かなとと思ったけど……
イワシミズさんが『一人で大丈夫、むしろ確実に吊りが出る』って太鼓判押すわけッス。」

「どう見ても過剰戦力、本当にお吊りが出た。」

見た目とはまるっきり逆の、あまりに一方的な実力差にディプシーとプリムは関心を通り越して呆れてしまう。
それに対して呆れられた本人は……

「はやり受け身がいい加減だと、しなくてもいい怪我をするな、知った同士でやる道場ではこうはならん。
はやり外地は良い、本気で殺しに来るのが相手だから、技をかけるのに遠慮も要らんし、経験も積める。」

幼女の言など全く気にとめず、からからと笑いながら物騒なことを言う。
一分に満たない僅かな時間で、6人を叩き伏せておきながら笑っていられるあたり、
この男も強烈な性格の持ち主である。
【塩田剛三】……後に『帝国の達人』の二つ名で知られるこの男、もともとは畑大将の秘書として
各地を飛び回る傍ら、合気道の普及に努めていたのだが、某所で起こした乱闘事件の責任を巡り、
『ほとぼりを冷ましに』竜州へ来る羽目になったと伝わっている。
(※最初から竜州行きを狙ってワザと乱闘を起こしたという説も根強い。)

「さて、こっちに非はないが憲兵に捕まっても面倒だ、トンズラするとしようか。」

幼女を促し、その場を走り去る……。
とはいえ、翌朝に3人とも憲兵隊による事情聴取を受けることになったのだから、
かえって逃げない方が良かったと、方々で言われることになる。

−−−翌日、病院にて−−−

全身包帯だらけでうめいている男が6人……昨晩ディプシーとプリムを拐かそうとし、
塩田(+ディプシーの追い打ち)に叩きのめされた、ゴロツキ兵士達の哀れな姿である。

「塩田君、これはキミの仕業かい?」

皺の寄った眉間を指で押さえつつ塩田に問いかけるのは、彼に護衛を依頼した岩清水大尉、
側には事情聴取に来た憲兵が二人控えている。

「昨夜叩きのめしたのはたしかですが、ここまではやっていません。」

「じゃぁ、どこまで痛めつけたのかな?」

「アキレス腱断裂一人、喉頭隆起(喉仏)損傷による呼吸困難一人、顔面陥没及び頸骨亀裂骨折が一人、
右鎖骨骨折及び右肩脱臼一人、左鎖骨骨折一人、後の一人は打撲と捻挫で済んでいる……精神的に折れてましたが。」

十二分に重傷者を量産しているが、全身包帯とまではいっていない。
それが何故こんな事になっているかというと……

いたいけな幼女……と言うより『仁王の石清水大尉』&整備班お気に入り+軍民上げての
接待対象に上がるVIPを穢そうとした事に対する、関係各所による私刑(リンチ)と考えられた。

「下手人の目星は?」

「彼女たちの支持基盤から、おそらくは整備の誰かだろうけれど、それ以外はサッパリだよ……
戦車隊付きか航空隊付きか、他に黒長耳族や獣耳族の誰かが絡んでいるか否かも含めてね。」

容疑者の心当たりが多すぎるうえ、そこから絞り込もうにも残された証拠の少なさ、
整備員どうしの横の繋がりの強さから来る「口裏合わせ」、トドメに「被害者」に対する
「ざまぁみろ、自業自得だ」という意識が操作の進展を阻んでいた。

「捜査の進展が望めない上、被害者が被害者なだけに憲兵隊の指揮もダダ下がり……
そこで塩田君、頼みがあるのですが……。」

346ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/08/10(火) 23:28:14 ID:FXRlVrA60
「何を?」

「全部キミがやった事にしてくれないかな?」

「ぶーーーっ ゴホゴホゲホッ」

「それに従って処罰も受けてもらうことになりますが……基本的に正当防衛(過剰防衛)だから罪も重くないし、
処罰内容もイッソスへの転属ぐらいだから、塩田君にとっては願ったり叶ったりでしょう。」

「…………。」

後に【帝国の達人】の異名を大陸中に響かせる塩田も、このときは呆れと驚きで声も出ないかった。

「此所には……ほとぼりを冷ましに来ているのですがね……埋め合わせはしてくれるのでしょうな?」

「実を言うとね、彼らの怪我は殆ど魔法で治せるんだそうだ。
で、塩田君が実際にやった部分以外を魔法で治療してしまって辻褄を合わせておく算段なんだ。
あと、話が変わるんだけどね……イッソス転属の前に、女体化刑に処せられる連中に
『護身術』を教えてくれないかな? 頼み事ばかりで恐縮だけれど。」

無茶を押しつけておいて更に頼み事……呆れ返って怒りも湧かない塩田に、
石清水は頃合いは良しと【御馳走】を差し出す。

「ちなみにその連中だけど、薬が足りなくて処刑はもう少し先になる、つまり今はまだ男だから、
変に手加減はしなくて良いし、さっき言ったとおり多少の怪我……骨の5〜6本程度なら
魔法ですぐ治るから、みっちりとしごいてやっても問題なしだ。」

それを聞いた塩田からどす黒いオーラが立ちこめる。

(つまり……軍公認で八つ当たり用にボコボコにしていい【生け贄】を用意したとな?
面白い、足りない分は治療役の長耳っ娘の手を煩わせることで支払ってもらおうか。)

子供が見たら間違いなく泣き出すであろう顔で「フフフ」と笑う塩田、その笑顔を『了承』
の意味に取る石清水大尉と憲兵隊の二人。

「よしっ、じゃぁ後は任せたよ、僕は急ぎの仕事があるからこれで。」

"ばひゅーん"という音でも聞こえてきそうな勢いで走り去る石清水大尉。
後には呆然と見送る塩田と憲兵の3人……とベッドでウンウン唸っている兵士6人。

「……仕事って、大尉殿のは一段落したんじゃなかったか?」

「本業の方はな……でだ、副業の方を考えたら後は予測できる。」

「『宴会奉行』の面目躍如って所か……対する俺たちは辻褄合わせの報告書作りとな。」

「はぁ……」とため息をつく3人。
ここ竜州は、口の悪い帝国人には【異世界の流刑地】と呼ばれている。
竜神様に直接関係のない帝国軍人は、ほぼ例外なく【問題人物】なのであった。

−−−撫子城下町、居酒屋『竜宮亭』−−−

撫子城下で一番規模の大きいその酒場は、佐官以上の高級士官を除く帝国兵でごった返していた。
場を仕切るのは『竜州軍宴会奉行』の異名で知られる石清水大尉。
今回の『撫子五条通りの惨劇(丸耳族姉妹暴行未遂事件)』では直接関わりがなかったとはいえ、
娘同然に思っている姉妹が襲われたとあって、大尉も怒り心頭であったのだが、
その怒りの発露が色々と常識から外れるものであった。

「あの姉妹を、二度と襲わせてなるものか!
 かくなる上はこの石清水自ら襲う理由を潰してくれよう。」

とはいえ、『ロリ』な性癖は修正し難ので、実際に潰すのは『口実』の方……
つまり、ディプシーとプリムから『蟲の情報を聞き出す』ことを出来なくする、
もしくは、その必要を無くしてしまえば良いという結論に達したのだ。

347ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/08/10(火) 23:28:55 ID:FXRlVrA60
そもそも蟲の情報を上層部で独占してしまい、下は対処法も判らない敵におびえるだけという、
『軍の風通しの悪さ』が今回の事件の遠因なのだから、上にも文句は言わせないとばかりに、
嬉々として大尉が撫子城下を駆け回った結果、居酒屋『竜宮亭』を会場に『対巨大蟲戦闘研究会』
と称した会合が開かれることになり……参加希望者が殺到したため、整理券を配り人数制限を
課すことになってしまったあげく、海軍の某E大尉がかき集めた整理券を高額で捌いている姿が
目撃されるに至って、ついには数回に分けて『研究会』を開く羽目になってしまった。

後日伝わった話として、どっかの馬鹿竜が会議中にもかかわらず「あっちの方が楽しそうなのじゃっ!」
とか曰って、幼女をお供に城を抜け出そうとして止められたとかで一悶着あたっとか、
某E大尉がダフ屋をやっていたのを咎められ、耳の長いおば……もとい、お姉さんに
色々な意味で絞られたとか……陸軍主導の会合なのに何故か海軍の被害が目立ったあたり、
竜州のカオスぶりが現れている。

そんなカオスな状況に、被害者にもかかわらず思いっ切り巻き込まれたあげく、その騒ぎの
中心に据えられた丸耳族姉妹……。

「プリム、どうしてこうなった、説明を……」

「……何も知らないで蟲と戦うのは御免だから、何でも良いから蟲の情報が欲しいって話ッス。
ウチら(カイル・スィディ女王国)で雇っている傭兵団の経験と、孫引き曾孫引きの
魔術書からの知識だから、あんまり当てにするのもどうかって伝えたんッスけど……。」

そういって頭を抱えるプリムと、こめかみを引きつらせるディプシー……
それでも構わないと頭を下げてまで話を聞きたがるのだから、如何に彼らが蟲の情報に
餓えているかが嫌が応にも判ってしまう。

「レプラコーンの改良や陸巡の制御で、帝国本土行きが延び延びになっている処に更に蟲対策?
いい加減、これで最後にして欲しい。」

心底ウンザリとした口調のディプシー、早く帝国本土に行きたくてたまらないのだ。
何しろ、龍鳳の艦長に「軍艦見学の紹介状」を書いてもらい、更に大川内中将と草鹿少将
にも同じものをもらって、『長門でも赤城でも、何でも好きな艦が見学できる』状況、
更に『三菱・中島・川西・川崎・空技廠がカモンカモンと手招きしている』
『住友・日立・大同etc……といった鉄鋼メーカーから贈り物があった』
などという状況で、竜州の馬鹿騒ぎにいつまでも付き合っていられる心境になれないのである。

「ディプシー姉、これ終わったら次の帝国行きの船が出るまで、航空隊の整備の所に
籠もったほうがいいッス、栄や金星弄って時間を稼ぐッス。」

なんとかこれ以上の関わりを、最低限に抑えなければと考えながら、水を打ったように
静かな会場に入るディプシーとプリム。
研究会参加者の真剣な眼差しに、『はやり本土行きは申し越し先になるのだろうか……』と、
蟲との激闘の日々を覚悟せざるの得ないのであった。

348ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/08/10(火) 23:35:07 ID:FXRlVrA60
投下終了。
『対巨大蟲戦闘研究会』
に向けて、チラ裏公開。
−−−−−−
蟲設定(案)

指揮官型
空中型・地上型の大型上位種が主、コストも高く数も少ない……でも強い。
フェロモン散布(広範囲を指揮できるが内容が大雑把)
テレパス通信(指揮可能数が限られるが、細かい制御が可能)
該当種……大蟻(大型働き蟻)・巨大雀蜂・巨大ヤンマ(蜻蛉上位種)・巨大蠍

空中型
襲撃機や攻撃ヘリに該当、一般的に空中戦より対地戦闘を得手とする。
該当種……巨大蜻蛉・巨大蜜蜂

地上型
戦車・装甲車・騎馬隊に相当、一部対空戦車的なものも有り。
該当種……大蜘蛛・大蟷螂・大ゴキブリ(蜘蛛や蟷螂の餌)・大蟻(小型働き蟻)

失敗作・廃棄種
性質が戦闘に向かなかった、コスト的に引き合わなかった、気性が荒く制御が困難等の理由で
開発が中止されたもの。
目撃等の噂はあるものの、残されている逸話が強烈すぎて実在が疑われているもの多い。
該当種……巨大????

転移魔法
戦略転移……転移距離:数十キロ〜100キロ程度、距離が伸びるにつれ、転移先の精度が悪化。
転移後に集結・編成の必要有り。

戦術転移……転移距離:数百メートル程度、転移後そのまま戦闘に移れるが、転移先の精度を確保するには目視の必要有り。
−−−−−−

追い追い調整かけながら次を書くといたしますのです(w)

349名無し三等陸士@F世界:2010/08/10(火) 23:56:51 ID:MVdnM2tY0
乙でしたw

ものの見事に問題人物ばかり…
D&Pの日本人に対する印象が歪んでしまうw

…もう手遅れかw
本土でどんな騒動巻き起こすのか、今から楽しみです。

350名無し三等陸士@F世界:2010/08/10(火) 23:57:48 ID:nNitjzhE0
投下乙です。
圧倒的じゃないか、達人は!

351名無し三等陸士@F世界:2010/08/11(水) 04:33:42 ID:Sd0fj/8g0
投下乙。
なんか文章のあちこちで「やはり」が「はやり」になってませんか。

352名無し三等陸士@F世界:2010/08/11(水) 07:32:53 ID:oXmDehTQO
乙です。
さすが竜州軍、いい感じの壊れがステキw

蟲と転位魔法の設定の方向性も妥当じゃないですか。個人的に気になる点は、
・半ばロストテクノロジーである蟲の新型は今でも開発されているのだろうか。・転位魔法は自らを跳ばすのか、跳ばしてもらうのか。
・殺人人形は蟲ではないよね多分?

353竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/08/11(水) 17:25:44 ID:nHNBiwwg0
レス返し

>>でもドイツご自慢の列車砲がレールに関係なく移動出来るって理解なら……凄く欲しくなるな
>>「畜生めー!」と叫ぶ姿が容易に目に浮かぶのは何故?
>>ドーラやカール臼砲をよっこらせと担がせてえっほえっほと陣地移動させたらどうですかね。

 たしかに。
 こうしてシチリアの竜に更なる交渉団が……

>>前ド級戦艦2隻と装甲艦の生き残り2隻がまだ残ってませんでしたっけ?
>>前弩級艦シュレジェンと、シュレスヴィヒ・ホルシュタイン、装甲艦リュッツォウとアドミラル・シェーア

 出したくないでしょうね。
 これ丘に上げたらドイツにまともな水上艦艇残らなくなるような……
 ブレストで打撃を受けたのはどれだったかな?
 一度ドイツの残存艦艇をまとめないと(書いた本人がかなり忘れています(汗))

>>ハルサブローさん
 投下乙。
 塩田先生ネタ話にお借りします。
 多分、勇者つき犬耳メイドの鼻を折るのに格好のお方なので。

>>新型の蟲や殺人人形の出現は西方世界全体に影響出ますよね。
 壮大に出ますね。
 とりあえず、あげた以外で出るのは国家組織が崩壊しきっているガサッソニカ王国とか。
 カルタヘナへの防衛戦を行っているロムルスに追加支援の余力があるかとか。

>>「とにかく書いてプリーズ!設定が矛盾しなかったら外伝、矛盾するようならネタ扱い」でそw

 な ぜ わ か っ た (まて)

354竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/08/11(水) 17:51:40 ID:nHNBiwwg0
レス返し続き

>>転移魔法による軍の召喚はこっち(F世界)での「戦争の基本戦術」
 これ、イメージ的にちょうどいいのがあったので引用。
 F.S.S魔導大戦のフィルモア帝国のMH集団テレポート。
 当然、こんなことすれば国家の魔法インフラのほとんど使い切る上に、マナ汚染がしゃれにならない事に。
 けど、理論上は大陸間転移可能です。
 ぶっちゃけると、惑星間転移OK。
 でないと、どうやってこちらと地球を繋いでいるのかと。

>>四肢を失った兵士がそのゴーレムを義肢として取り付けられ
>>そして、ダークヒーローとして活躍するんでな?

 そして、息子に倒されると。

>>踏破性が売りだから、山の斜面を脚をギュイギュイ動かしながら上れそうです。

 ぴっけるくんを作れと申したか。

>>蟲こそ保護して帝国の戦力に、
>>なんて狂った考え持つ奴もそろそろ出てくるんじゃまいか。

 はい。採用。
 多分、この世界死刑って軽い罪でしょうね。
 巣(格世界にある似たようなもの)に「ぽいっ」ってのが一般的でしょうから。

>>そして、殺人人形は基本は徒歩。連続転移で近くまで移動してくる、というのはなさそう。
 OK。
 次はタンクデサント(蜘蛛の上に殺人人形)だ。

>>『対巨大蟲戦闘研究会』
 楽しみにしております。
 で、一つ追加を。
 デスラー戦法を行う為の、偵察型蟲の追加を。
 こいつらの誘導にて転移を行うので。
 ……そういえば、F.S.S.でもミミバ族使ってコーラス本陣に突貫してたな。

>>殺人人形は蟲ではないよね多分?
 けど、材料は同じ。


そして、修羅場が終わった絵師に無理を言って絵をもぎ取ってきました。

ttp://image02.wiki.livedoor.jp/t/n/teikokuryuujinn/c7900e0b.jpg

トレス注意との事。
良かったら、夏の戦場で絵師の本をよろしくお願いします。
では。

355名無し三等陸士@F世界:2010/08/11(水) 20:43:11 ID:IAqPsUTM0
上の方で600万円が安いってコメントがあったので当時の物価についての
参考資料をば。

「月給百円」のサラリーマン―戦前日本の「平和」な生活 (講談社現代新書)
によると、
物価はおよそ2000倍にすると分かりやすい(コーヒー1杯10銭は現代の200円相当)
月給は見習い5円、住み込み女中(メイドとも言ふ)10円、タクシー運転手50円、配属将校85円。
サラリーマンの9割が年収650円以下(現代換算で年収325万円)※カッコ内は現代換算
警察官夫妻の生活費例 家賃12円、米6円、副食費10円、電気代2円、薪炭代3円、
新聞雑誌代3円、保険5円、毎月10円貯金。
ちなみに零式艦上戦闘機が5万円位だから現代換算で1億円くれぇか。

356リュータ ◆viMvJifIpw:2010/08/11(水) 21:26:14 ID:06YauyA20
>竜神様の中の人氏
レス返し、ありがとうございました。
今回の絵、大受けです。
龍神文庫には、「とある帝国の竜使い(ドラゴンライダー」とか「竜神ナデシコ様の憂鬱」
といった本もありそう(w

357名無し三等陸士@F世界:2010/08/11(水) 21:57:33 ID:0pv5Vhr20
>>355 150億円の男…なんか微妙にリアリティあるな。

358名無し三等陸士@F世界:2010/08/11(水) 23:55:26 ID:HvFNQ1/o0
>>355

その零戦の値段、発動機と兵装が入ってない。
全部込みだと初期18万くらいで後に下がる(量産効果)。
当時の日本陸海軍の場合、発動機や武装は官給品扱いで別計算(国が支給しメーカーが取り付ける)になるから注意が必要。

359名無し三等陸士@F世界:2010/08/12(木) 00:21:46 ID:oXmDehTQO
>>354

> F.S.S魔導大戦のフィルモア帝国のMH集団テレポート。

> デスラー戦法を行う為の、偵察型蟲の追加を。

うわ〜自重無しだよ中の人(汗

> こいつらの誘導にて転移を行うので。
 ……そういえば、F.S.S.でもミミバ族使ってコーラス本陣に突貫してたな。

つまり座標固定さえできればラルゴ強襲のごとく、
索敵圏外からのピンポイント転移を蟲が仕掛けてくると?

アウトレンジから一方的に叩けるつもりでやってくる
本土からの増援が骸を晒すのが目に見える…。
なけなしの機械化部隊が…あぁ。


転移阻止結界だけに頼るのはヤバい。
座標固定させないよう、機動続けての攻防が必要かな?
陸巡は良いだろうが、さて。

360名無し三等陸士@F世界:2010/08/12(木) 00:51:33 ID:sQ1Cli3k0
>>359
後は距離と消費魔力で竜神様の中の人の差配を待つしか。

けど一番やばいのって、地球⇔竜州間のゲート付近じゃないのか?
魔力たっぷり、転移が目的で妨害できない等々。
通商が成り立たないと干からびちゃいそう・・・

361名無し三等陸士@F世界:2010/08/12(木) 01:27:01 ID:HvFNQ1/o0
358だけど、零戦に関しては当初装備していた瑞星>栄への換装も実は三菱側が嫌がってた。
理由は発動機分の利益が吹っ飛ぶから。
九九式二十ミリも1丁で2万3千円以上するので、2丁で5万円近い。
弾薬の値段は含まれていないから、実際にはもうちょっと掛かる。
この官給品の値段を考慮に入れずに機体本体の価格だけで考えると、凄く大きなズレが発生するから危ないよ。

362名無し三等陸士@F世界:2010/08/12(木) 01:37:12 ID:HvFNQ1/o0
>>353

ドイツ戦艦のうち、前弩級の連中は基本練習艦任務についてますので戦力としては計算していないかと。
海戦劈頭に砲撃任務に割り当てられてはいますが、水上戦闘に用いるつもりはなかったようですし。
実際問題としてこれら旧式戦艦で相手に出来るのは北欧の海防戦艦くらいです。
あとはヒットラーの横槍で水上戦闘艦の大半は用済み扱いされてるでしょうし、ポケット戦艦もバレンツ海海戦が行われていれば事実上戦力価値を喪失しているに等しい状態と思われ。
それにポケット戦艦、「戦艦より早く重巡洋艦に砲力で優る」とか言われてるけどドイツ海軍の初期評価は「戦艦に勝てず巡洋艦からは逃げ切れない」と正反対だったり。
作っちゃったものは仕方ないから、利点と欠点を入れ替えて宣伝した結果が今の評価になってたりする。
なのでドイツ海軍内部での水上戦闘艦としての評価は必ずしも高くないということに留意する必要があると思います。

363リュータ ◆viMvJifIpw:2010/08/12(木) 08:12:58 ID:06YauyA20
西方世界で人や長耳族・獣耳族が全滅せずにいたんだから、蟲側にも相応の弱点・欠点はあるんだよ。

デスラー戦法だって、それに必要な艦は凄いコストがかかってそう。
転移艦の一つで、通常の艦なら艦隊一個作れるくらいかも。

F.S.Sだって
・転移してきたのが一流レベルの騎士で、ミミバ族という隠し球&私怨による視野狭窄で後先をあまり考えてなさそう。
・攻める側に超一流が数人いて、受ける側が完全に平時状態。
だから成功したんであって、前者も結局は攻撃側がほぼ全滅。

蟲だって過度な転移魔法を使うとマナ汚染の影響を受けて、同士討ち・共食い・他の巣や女王蟲にも襲いかかる、
みたいなことが起こるとかあるんだよ。

364名無し三等陸士@F世界:2010/08/12(木) 14:51:55 ID:oXmDehTQO
>>360
・エネルギー消費が極めて厳しい。
 集団・長距離を跳ばすには相応のマナ供給手段が必要?
 単独の長距離転移には××レベルの個体魔力が必要?
 →××は竜どまりか一部の勇者までか
・目視圏外への転移に必要な座標固定は
 詳細な現地情報と高度なスキルを要す?

まずこのあたりが予想される制限ですかね。

>地球⇔竜州間のゲート付近じゃないのか?

伊豆下田だけではなく撫子市沖合にも灯台5本建てたのかしらん。
あぁ逆に、固定すると滞留した魔力に蟲が寄ってくるから、
海上を適宜移動してゲート構築する必要があると考えても良いのか。

>>『対巨大蟲戦闘研究会』

獲物を巣に持ち帰ったり、他の蟲のケアを担当する
支援型もいるんジャマイカ。
……ケア担当が殺人人形な光景を幻視。

365名無し三等陸士@F世界:2010/08/12(木) 17:55:34 ID:F6YvPnTw0
>『対巨大蟲戦闘研究会』
人の耳には聞こえないレベルの音波をばら撒いて
神経を常に興奮状態にして知らず知らずのうちに士気とか
注意力をボロボロにする戦闘支援用蟲「蝉」とか
対陣地用に地面に穴を掘ったりコンクリを砕くパンチを繰り出す
「シャコ」なんかも追加で。
(ちなみにシャコのなかには無誘導マジックミサイルを嵐のごとくばら撒く
巨大種がいるとの噂が・・・

366名無し三等陸士@F世界:2010/08/12(木) 18:57:14 ID:im3yFnB60
この世界の戦争って消費魔力+マナ汚染<獲得魔力資源+汚染浄化能力でないと
社会基盤崩壊しそうだから鏡の森も落ちなかったんじゃないかな。
アニスが帝国に譲られたのもこの辺のコストパフォーマンスが悪いからだと思う

367名無し三等陸士@F世界:2010/08/13(金) 01:03:46 ID:06YauyA20
作中の時期って、史実だとガダルカナル攻防戦やってる時期だよね。
何か嫌な符号だなぁ。
こっちでも、敵の戦力を甘く見て全滅とか度重なる敗北になったりして。

368名無し三等陸士@F世界:2010/08/13(金) 12:07:20 ID:mcg6esMA0
>.綾子さん
>>354のイラストはとってもかわいい。かわいいのですが……どう見ても胸が重巡どころか駆逐艦みm(死)

369名無し三等陸士@F世界:2010/08/13(金) 14:19:19 ID:zFTXI9060
>368
駆逐艦どころか海防艦な・・・うわ、なにをする!

370名無し三等陸士@F世界:2010/08/13(金) 14:29:11 ID:ADCw.P2U0
>>368
俺は海防艦でもOKだ(マテ

371名無し三等陸士@F世界:2010/08/13(金) 15:29:17 ID:tRfwcwBkO
駆逐艦だろうが海防艦だろうが美しければ問題無いのだよ

372名無し三等陸士@F世界:2010/08/13(金) 16:59:46 ID:T8N5zH0U0
だがじつは特設駆潜艇。
そのこころは、漁船なのでくぼんでいまsくぁwせdrftgyふじこlp;@:「」

373ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/08/13(金) 22:18:10 ID:FXRlVrA60
>>351
>なんか文章のあちこちで「やはり」が「はやり」になってませんか。

ぐはっ!何というタイプミス……onz
ご指摘有り難うございました。

>>349
>本土でどんな騒動巻き起こすのか、今から楽しみです。

おそらく某『変態(?)エンジン』を中心に書くことになるかと……(^^;

>中の人様、>>350
>塩田先生ネタ

大陸から足抜けしたこの時期、塩田先生を狭い日本に置いておくのも勿体ないと思ったら、
「ここは竜州で一暴れさせても良いのではないか」と思ったのです。
謎の格闘術に目を白黒させるF世界人ってのも面白いし。

374ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/08/13(金) 22:19:59 ID:FXRlVrA60
『対巨大蟲戦闘研究会』に向けての蟲設定(修正案)

女王階級(クイーン)、司令官階級(コマンダー)、兵士階級(ソルジャー)、労働階級(ワーカー)に分化。

女王階級
繁殖及び個体の進化改良を担当、
シロアリの女王

司令官階級
蟲軍団の統率、兵士階級の上位種が主、指揮能力を有するのみならず戦闘能力も高いが、
高コストで数少なめ。
空中型……巨大ヤンマ(蜻蛉上位種)、巨大雀蜂(大蜂上位)、
地上型……大蠍(大蜘蛛上位)、大蟷螂(大ゴキブリ上位)、巨大兵隊蟻(大蟻上位)
偵察型……巨大スズメガ及び巨大イナゴ(指揮系統上、殺人人形上位:ただし戦闘力皆無)

兵士階級
蟲軍団の主力、戦闘能力に長け、数も多い
空中型……巨大蜻蛉、大蜂(キラービーorアシナガバチ、労働階級兼務(従))
地上型……大蜘蛛、大蟻(労働階級兼務(主))、殺人人形

労働階級
戦闘補助・後方支援等の雑務担当、数が多いが、戦闘能力イマイチなのが多い。
大ゴキブリ(他の蟲の餌)、大蟻(兵士階級兼務(従))、大蜂(兵士階級兼務(主))、大シロアリ(運搬・繁殖支援)

失敗作・廃棄品(ロスト・ナンバーズ)
◆巨大蝉……超音波攻撃により、相手の精神や士気に被害を及ぼすが、飛翔中に発声出来なかったのと、『育成7年実働7日』という活動期間のアンバランスさから開発中止。
◆巨大アナジャコ……計画段階では岩すら砕く強力なパンチと、マジックミサイルの
釣瓶打ちが可能なほど豊富な魔力、優れた穴掘り能力が期待されたが、活動の場が海水中のため、
『森のエルフ攻めるのに使えるのこれ?』という使い勝手の悪さから、計画段階で廃棄。
※計画段階での期待の高さから、実在の噂や目撃談が根強く残っている。
◆巨大カブトムシ……好戦的な性格、ずば抜けたパワーと防御力から、『次期主力戦闘蟲』
として研究が進んでいたが、意外と攻撃力(殺傷能力)が低いことが判明、あえなく開発中止。
◆巨大クワガタ……カブトムシに変わって『次期主力戦闘蟲』として開発開始。
攻防性能は他の蟲の追随を許さず、実用化された蟲で最強といわれる大蠍ですら圧倒する。
しかし、気性があまりにも荒く制御に失敗、暴走を繰り返す度に器材人員に多大な被害をもたらし開発中止。
残されている開発中の逸話があまりにも強烈すぎるため、アナジャコとは逆に実在が疑われている。
※実在を疑われる逸話のいくつか
1)一度暴走すれば、女王階級も司令官階級も関係なく、動くものは全て斬殺、
2)暴走事故の度に研究施設一つが潰れた
3)暴走事故の鎮圧に直轄軍の出動が本気で検討された
4)開発が中止された後、腹いせに残った蛹や卵をグウィネヴィアの森に投棄したとされるが、
「それが本当ならば、かの森は今頃砂漠になってる」というのが研究者間の共通見解。
故に、この記述がある文献は全て【偽書】として扱われる。

−−−−−
って少し手直し。
いかがなものでしょう?

375名無し三等陸士@F世界:2010/08/14(土) 01:26:10 ID:Dhs/IxZU0
設定公開乙です。
前提として確認しておきたいのだけど、
蟲たちは古代魔法文明の兵器が野生化したもの、だったような。
この時点で新型の開発あるのかな。

>偵察型
発見され難くなることで生存性を上げるため、小型化するのはいかが。

>殺人人形
蟲とはちと異質なので、共生関係にある別種というのはどうでしょ。

376名無し三等陸士@F世界:2010/08/14(土) 02:12:01 ID:TJZXDjec0
>>374
個人的に、帝国軍主催の研究会の成果という設定で横文字が出てくると
なんかもにょるな。

377リュータ ◆viMvJifIpw:2010/08/14(土) 08:44:37 ID:j15hEXZM0
ハルサブロー氏、設定案投下、乙です。
資料が存在していたということは、最近になって出てきたのは新種が生み出されたのではなくて、
普通に運用していたのでは、巣の資源を食いつぶしかねないくらいコストパフォーマンス
が悪くて、巣の危機に冬眠とかさせてたのを目覚めさせてる、みたいなイメージなんですかね。

>偵察型
転移戦術のための多数との感覚共有という特殊能力と引き替えで、
戦闘力皆無の上に魔法障壁も使えず生命力も低い、
くらいまで弱くてもいいと思います。

>>354
>>>殺人人形は蟲ではないよね多分?
>けど、材料は同じ。
敵対勢力が強力と女王蟲が判断したときに、短期間で頭数を揃えるために作り出される。
――というのではどうでしょうか?
イメージとしては、RPGでいうところのフレッシュゴーレム(肉で作ったゴーレム)。

そういえば、竜の鱗で錬金術が出来るなら、竜の牙でRPGでいうこところの竜牙兵が作れたりするんだろうか。

378名無し三等陸士@F世界:2010/08/14(土) 15:52:07 ID:tBX0L6fI0
>リュータ氏
偵察型は上位種ですし、その運用を考えればその特殊能力に「被発見率を下げる」能力を備えていても良いのでは無いでしょうか。
周囲にあわせて体色を変化させる能力とか、浅く砂に潜るとか(戦車が戦車壕に潜んでいる程度を考えてます)。
直接戦闘力が低くても、無為に失われるには惜しい程度にはコストがかかってるでしょうし、無理ない程度に防御能力を強化されてるでもいいのではないでしょうか。

379名無し三等陸士@F世界:2010/08/14(土) 19:54:15 ID:.m3ck1vQ0
最終鬼畜兵器の巨大蜂はいないんですか?

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   .。  ,',:'  ,''  .;':   ,r゙‐、`‐iー‐i'"ノノ‐:、 .:;.o
      ,.:':。    `;:.  `>、〉`i;:三:f゙ 、゙〈~ .:: ;. 。
    。 `'    。'  ';:. { f゙!´ ゙: ;゛::j.゙i j   :;
        ,:';. o  ';: . ``!゛i,.| :. ;:.,ト:, |´ ..:;:'   。
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380名無し三等陸士@F世界:2010/08/14(土) 23:05:21 ID:lcBHKDgc0
>>379
この世界の蟲戦闘時のイメージはシューティングの「虫姫さま」に為ったじゃないか。
帝國陸海軍じゃ弾数が全然足りネエ。

381リュータ ◆viMvJifIpw:2010/08/15(日) 22:46:08 ID:A4U4g2So0
>>301
>欧米の技術情報を宛にするならタ弾の開発も進みそうだし・・・。
>(外装タ弾の貫徹能力は限界厚300mmか・・・・)

ttp://www.warbirds.jp/ansq/4/D2000106.html

こちらの内容を見ると、竜神様世界でもタ弾の技術情報は日本にもたらされていると判断していいようです。

>>378
私を含めた皆さんの意見が集まれば、妥当な所に落ち着きそうですね。
個人としての意見は言い終えたので、あとはハルサブロー氏のまとめと中の人氏のジャッジ
を待とうと思います。

382名無し三等陸士@F世界:2010/08/15(日) 23:44:14 ID:0pv5Vhr20
そういや、大山柏貴族院議員はどうしてんだろうなこの世界では?
史前学(考古学)者として龍州にwktkしてそうな気がするんだが。古軍事学にも詳しいし。

383名無し三等陸士@F世界:2010/08/15(日) 23:48:31 ID:Dhs/IxZU0
南方熊楠も存命なら嬉々として竜州入りしてただろな。
16年末には無くなっているが。

384名無し三等陸士@F世界:2010/08/16(月) 21:04:04 ID:tBX0L6fI0
>>381
>私を含めた皆さんの意見が集まれば、妥当な所に落ち着きそうですね。
>個人としての意見は言い終えたので、あとはハルサブロー氏のまとめと中の人氏のジャッジ
>を待とうと思います。
リュータ氏のおっしゃるとおりですね。
どのようなものが出てくるのか楽しみに待ちたいと思います

385ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/08/17(火) 00:27:24 ID:FXRlVrA60
『対巨大蟲戦闘研究会』に向けての蟲設定(提出案)

古代魔術文明期の生物兵器が野生化したもの、使役・操作に関してはともかく、
新種を生み出す技術は失われている、一般的に【新種】といわれている物は、
普段は運用コストの高さから巣の中で冬眠状態にあったものが、巣の危機に瀕する等で
戦場に現れて再発見されたもの。
ゴキブリや蜘蛛などの地上を高速移動する種は、飛翔魔法の応用で『半分空を飛んでいる』、
つまりは【ホバークラフト】のようなもの。
手慣れた冒険者や傭兵は転倒による自滅を狙って、地雷のように【飛翔阻害】の魔法を
掛けたトラップを仕込んで退治する事がある。(ただし、蟲が少数の場合に限る)

社会性を持っており、女王階級、司令官階級、兵士階級、労働階級に分化。

女王階級
繁殖及び個体の進化改良(バランス調整程度)を担当、
シロアリの女王(産卵)、シロアリの王(成長ホルモン注射役)
巨大化した女王胎内に捕らえた女性を拘束、孵化器兼幼虫への栄養補給役としている。
不完全変態する蟲は、(戦力的に劣るものの)孵化後即戦力になるが、完全変態をする蟲は、
蛹を経て成虫になるまで戦力外。その分コストも上がる。
シロアリ、ゴキブリ、蟷螂、蜻蛉、バッタは産卵→孵化でOK、
蜘蛛・蠍は王による母体(苗床の女性)にホルモン注射が必要(産卵→注射→孵化)
蟻・蜂は生産コストが高いが汎用性も高く、多くの数が産まれている。
(産卵→ホルモン注射→孵化→授乳育成(数が数なので母乳を床にぶちまけ)→蛹化→羽化)
※偵察種のスズメガも同じ手順、ただし偵察&転移専門で汎用性なし。

司令官階級
蟲軍団の統率、兵士階級の上位種が主、指揮能力を有するのみならず戦闘能力も高いが、
高コスト(大飯喰らい)で数少なめ。
空中型……巨大ヤンマ(蜻蛉上位種)、巨大雀蜂(大蜂上位)、
地上型……大蠍(大蜘蛛上位)、大蟷螂(大ゴキブリ上位)、巨大兵隊蟻(大蟻上位)
偵察型……巨大スズメガ及び巨大バッタ(指揮系統上、殺人人形上位:ただし戦闘力皆無)
※バッタ:転移戦術のための多数との感覚共有という特殊能力と引き替えで、戦闘力皆無のうえに魔法障壁無し、ただし色彩による擬態能力有り。
※スズメガ(オオスカシバ):転移戦術のための多数との感覚共有という特殊能力と引き替えに
戦闘力皆無、ただし飛行性能が蜻蛉上位種のヤンマに匹敵する上、蜂に擬態している。
※※いずれの擬態能力も、一見での見分けは困難だが、よく観察すれば比較的容易に見破れる程度。

兵士階級
蟲軍団の主力、戦闘能力に長け、数も多い
空中型……巨大蜻蛉、大蜂(キラービーorアシナガバチ、労働階級兼務(従))
地上型……大蜘蛛、大蟻(労働階級兼務(主))、殺人人形(『便宜上』蟲として扱う)
※殺人人形:生成の技術は失われて久しいが、かつて億単位で作られたこともあり、
【在庫】は豊富、とはいっても無為に消耗させるのは惜しい存在。
新規生産が出来ないが、蟲と同じ材料で出来ているだけあって、外傷等の治療は蟲と同じ手法で可能。
(場合によっては【ニコイチ】することもあり?)

386ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/08/17(火) 00:27:58 ID:FXRlVrA60
労働階級
戦闘補助・後方支援等の雑務担当、数が多いが、戦闘能力イマイチなのが多い。
大ゴキブリ(他の蟲の餌)、大蟻(兵士階級兼務(従))、大蜂(兵士階級兼務(主))、
大シロアリ(運搬・卵を女性の胎内に仕込む等の繁殖支援)
ゴキブリの存在意義:活動エネルギー源である魔力(オーラ)は比較的容易に入手できるものの、
問題は肉体形成の材料……つまりはタンパク質入手の困難さであった、
(人間を襲うか野生動物を狩るかしないと手に入らない。)
そこで、有機物なら何でも食べてしまう悪食のゴキブリを養殖し、他の蟲のタンパク源
として利用するに至っている。
(ってコトは、苗床にされたおにゃのこ達は、ゴキブリ喰わされているってことに……。)
……うん、これだけじゃなく、蟻にキノコ栽培ぐらいはやらせよう(w)

失敗作・廃棄品
◆巨大蝉……超音波攻撃により、相手の精神や士気に被害を及ぼすが、飛翔中に発声出来なかったのと、『育成7年実働7日』という活動期間のアンバランスさから開発中止。
◆巨大シャコ……計画段階では岩すら砕く強力なパンチと、マジックミサイルの
釣瓶打ちが可能なほど豊富な魔力、優れた穴掘り能力が期待されたが、活動の場が海水中のため、
『森のエルフ攻めるのに使えるのこれ?』という使い勝手の悪さから、計画段階で廃棄。
※計画段階での期待の高さから、実在の噂や目撃談が根強く残っている。
※※実は、蟲(魔法生物)としてではなく単純に野生動物(未確認種扱い)として、
全長数メートルの大ジャコが存在(古代のウミサソリや現代のタカアシガニみたいなもの)
……ただし、強力なパンチで小型漁船程度なら沈めてしまうこともある。
◆巨大カブトムシ……好戦的な性格、ずば抜けたパワーと防御力から、『次期主力戦闘蟲』
として研究が進んでいたが、意外と攻撃力(殺傷能力)が低いことが判明、あえなく開発中止。
◆巨大クワガタ……カブトムシに変わって『次期主力戦闘蟲』として開発開始。
攻防性能は他の蟲の追随を許さず、実用化された蟲で最強といわれる大蠍ですら圧倒する。
しかし、気性があまりにも荒く制御に失敗、暴走を繰り返す度に器材人員に多大な被害をもたらし開発中止。
残されている開発中の逸話があまりにも強烈すぎるため、巨大シャコとは逆に実在が疑われている。
※実在を疑われる逸話のいくつか
1)一度暴走すれば、女王階級も司令官階級も関係なく、動くものは全て斬殺、
2)暴走事故の度に研究施設一つが潰れた
3)暴走事故の鎮圧に直轄軍の出動が本気で検討された
4)開発が中止された後、腹いせに残った蛹や卵をグウィネヴィアの森に投棄したとされるが、
「それが本当ならば、かの森は今頃砂漠になってる」というのが研究者間の共通見解。
故に、この記述がある文献は全て【偽書】として扱われる。

−−−−−−
こんな感じに修正&追加。

387名無し三等陸士@F世界:2010/08/17(火) 07:53:04 ID:F6YvPnTw0
>380
あの世界の虫どもは火力の高さもやばいけどそれ以上に
飛行や弾を形成するエネルギーが人間のみ有害なのがやばすぎえる
森の植生を見る限りだとあのエネルギーは緑化には有効みたいだけど

388名無し三等陸士@F世界:2010/08/17(火) 09:52:48 ID:mcg6esMA0
>>387
エネルギー(マナ)の性質を魔法の術式で対人攻撃に特化させてるものと思われ

389名無し三等陸士@F世界:2010/08/17(火) 17:52:22 ID:im3yFnB60
森と長耳を食い荒らして進軍してくる大崩壊前の蟲軍は手に負えん強さだったろうな。

あと魔法を使えない帝國人(地球人)や地球産の動植物は汚染マナにどんな影響を受けるんだろう?

390名無し三等陸士@F世界:2010/08/18(水) 15:33:41 ID:KyQReZQg0
えっと、このレスを、違う掲示板3つに貼り付けてください!
そうすると下記のよぅなことが起きますヨ♪
◆好きな人に告られる!!
◆告ったらOKもらえる!!
◆彼カノがいるコゎめっちゃLOVE?になれる!!
◆勉強、学年トップ!!
◆男女にモテる!!
◆5キロ痩せる!!
◆お小遣いが上がる!!
上記のことが起きます。
あたしの友達Mが、これをやったら、上記全て起きて、今は彼氏とめっちゃラブ×2です?
先生からも好かれ、男子に8人から告られました。
女子も友達がたっくさんいます!!
この魔法のようなパヮーを信じて、貼り付けてください!!
コレを信じなくて、貼り付けなかったKは、3日後に彼氏にフられて、5日後に告ったらフられて、一週間後に家族が死にました。
そして一ヵ月後にはKが死んで、クラス全員でお葬式に出ています。
さぁ、あなたはMかKかどちらになりたいですか?
信じるか、信じないかは、あなた次第です。

あなたが回してくれるのを信じています。。。

ある人のおまじない♪

391リュータ ◆viMvJifIpw:2010/08/19(木) 13:53:41 ID:U4DSs4DE0
ハルサブロー氏、力作の設定案、乙です。

西方世界の北大陸は撫子(緑竜)の力のおかげで、眷属(と、ついでに人間も)
は絶滅せずにすんだのかも。
五匹の竜の誰もが常駐してないとこでは、巨大蟲で全滅。
(竜以外には)忘れ去られた島があるとか……

392名無し三等陸士@F世界:2010/08/20(金) 13:49:18 ID:SOfYid2.0
一つ思ったんだが皆は虫への対策を
40年代でも可能な実弾兵器を前提に考えてるよな?
でも、ルーンなど魔法加工で金属本来の性質が変わるなら、
超伝導金属も可能なんじゃないだろうか?
F世界では電気の利用がないから作られないだろうし、
開発もされていないだろうが、もし作れるのならば
陸軍登戸研究所が「と号電気擲弾砲」を作ってくれるに違いないし、
うまくやれば1960-70年代に日本縦断リニア新幹線ができるかも。

393名無し三等陸士@F世界:2010/08/20(金) 22:09:37 ID:oXmDehTQO
>>392

まず超伝導という現象を魔法で実現させるための概念を
伝えることが非常に困難だと思う。
また観測が困難な事象を魔法によって実現することも
著しく困難だと思われる。

394名無し三等陸士@F世界:2010/08/20(金) 23:16:20 ID:mcg6esMA0
>>392
そもそも超伝導なんてモノをどうやって思いつくかという過程がすっぽ抜けてる

395名無し三等陸士@F世界:2010/08/20(金) 23:41:51 ID:MVdnM2tY0
>>393-394
発想を逆転させてみるんだ。
常温超伝導を魔法で実現させるんじゃない、魔法によって常温超伝導が実現されていると考えるんだ。

なにが言いたいのかといえば、もともとは別の用途に使用していた魔法金属にたまたま常温超伝導の性質を持ったものがあってもいいんじゃない?
てこと。
これなら、超伝導を思いつく過程はいらない、だってそんな想定していないのだから。

あと、観測が困難な事象も魔力量によっては実現可能だというのは異世界転移魔法の存在からして明らかだと思うけど。

396名無し三等陸士@F世界:2010/08/21(土) 00:23:59 ID:Dhs/IxZU0
>>395
>これなら、超伝導を思いつく過程はいらない、だってそんな想定していないのだから。

落ちていた石ころ集めたら原爆作れました。って感じかと。

>あと、観測が困難な事象も魔力量によっては実現可能だというのは異世界転移魔法の存在からして明らかだと思うけど。

異世界がその存在を何らかの偶然にしろ認知されていれば
その世界への移動を想起することが可能になるだろう。
移動の実現に相応の魔力量が必要になるということ。
観測不能事象の実現と魔力量に相関を見出すのは、K国起源説並みに苦しいかと。

397名無し三等陸士@F世界:2010/08/21(土) 00:44:44 ID:F6YvPnTw0
あとレールガンを作るにしても電力をどこから持ってくるのかという問題があるのがきつい
極端なことをいってしまえば電気が湧き出る泉から取れる電力を
蓄積する謎の物体なんてものがあればレール使い捨て前提で
携行レールガンなんてものは帝国軍でもそれほど時間をかけずに作れるわけで。
まあ帝国軍が作るのなら連続照射ができ、厚い殻を貫通して内臓
を蒸し焼きにできるメーザー砲のような気がする。

398リュータ ◆viMvJifIpw:2010/08/21(土) 00:50:17 ID:RbDDVhX20
超伝導の仕組みを解明したのは、1957年、アメリカ合衆国の物理学者ジョン・バーディーン、レオン・クーパー、ジョン・シュリーファー。
今日3人の頭文字をとってBCS理論とよばれている。
3人はこの業績によって72年のノーベル物理学賞をうけた。
BCS理論は、超伝導を電子と結晶格子を構成する原子の格子振動との相互作用によりおこる量子力学の現象(→ 量子論)として説明している

手持ちの辞典から、説明を引っ張ってきた。
さすがに、これだけの理論の裏打ちがないと、魔法で超伝導物質とか応用して何を作るとか、思い浮かばないかと。

399名無し三等陸士@F世界:2010/08/21(土) 01:31:48 ID:mcg6esMA0
で、何度もいってることだが「魔法を使えばなんでもできる」という厨房的火葬戦記よりも
「できないこと」が多い方が小説として面白くなると思うんだ

400名無し三等陸士@F世界:2010/08/21(土) 03:04:05 ID:zHPT8JPs0
とりあえず電力に関しては
アルミの精製に電気を使えばよい事を知っているのにアルミは希少金属なF世界
だから安定した電気を得る方法は無いか失われてる方が自然

別に飛行する島ラピュタの奥に隠された反重力石とか否定しませんが

401名無し三等陸士@F世界:2010/08/21(土) 03:14:10 ID:mcg6esMA0
>>400
ドワーフたちが発電方法だけは知っているけど、異世界の技術ではそれを大規模な形で
実現するのが不可能ってところかな。ハルサブロー氏のSSの設定を採用すればの話だけど

402395三等陸士@F世界:2010/08/21(土) 07:12:34 ID:MVdnM2tY0
>>396
偶然性、ご都合主義性が高いのは認める。
しかしありえない話ではない。

>異世界がその存在を何らかの偶然にしろ認知されていれば
異世界を認知できればね。
だけど現代科学を基準として考えると、異世界(正確には異次元空間)の証明には巨大な加速器が必要とされているわけだから、
超伝導物質よりも異世界の発見・観測のほうが困難だと考えられる。
ましてや移動なんて考えたら、さらに困難であるのは容易に想像がつく。
さて、そんな観測困難な事象を何度も(少なくとも異世界の存在を確信するほど)偶然観測できるというのはちょっと無理があると思うけど。

>観測不能事象の実現と魔力量に相関を見出すのは、K国起源説並みに苦しいかと。
観測不能事象の実現ではなく観測困難事象の実現。
魔力量に相関性がありそうだと思ったのは作中の描写や設定からの推測。
一般的に、魔法は大規模なものや観測の困難な現象を利用したと思しきもののほうが必要魔力が大きいように見受けられた。
相関があると考えてもおかしくないと思うが。
流石になんでもかんでも魔法で解決とはいかないだろうが、超伝導物質が実現できていてもおかしくない程度の説得力はあると思う。

403名無し三等陸士@F世界:2010/08/21(土) 08:10:39 ID:F6YvPnTw0
>398
まだ帝国海軍が詐欺師に騙されて水から石油を作る実験に付き合わされて
その過程でなぜか常温核融合を発見するという設定の方がマシに見えてくるな。

404リュータ ◆viMvJifIpw:2010/08/21(土) 10:09:04 ID:RbDDVhX20
そもそも、困難な敵が現れたから、それを乗り越えるために電磁砲なんて
現実でも実用化どころかSF的な兵器とされているのを持ち出してくるのは
安易すぎる考え方だと思う。

405名無し三等陸士@F世界:2010/08/21(土) 12:47:45 ID:oXmDehTQO
>>402
本編中で、竜が渡ってくる以前からF世界と地球の関わりがあったことが仄めかされている。
先のことを知ってれば力押しも可能になるだろが、知らないものに力押しもできんだろ。

>>流石になんでもかんでも魔法で解決とはいかないだろうが、超伝導物質が実現できていてもおかしくない程度の説得力はあると思う。

それは牽強付会と呼ばれる理屈だと思うが、少なくともこの掲示板ではK国起源説並みの説得力しか持てないな。

ついでに言うなら、1,2門のレールガンでなんとかできるような世界じゃないし。
それでもというならレールガンの活躍するSSでも投下してくれ。

406名無し三等陸士@F世界:2010/08/21(土) 18:37:32 ID:IAqPsUTM0
>>401
電力の安定供給を目指すには当時の日本でも発電所と規模に応じたインフラ
が必要だということは分かっているからそれらを異世界では用意することが
出来ないならアドバンテージにはなりますやね。

407名無し三等陸士@F世界:2010/08/21(土) 19:53:22 ID:M6sdhRMc0
大体、魔法が使える世界で、なんでわざわざ電磁誘導でレールガンにしなきゃならんのだ……

408名無し三等陸士@F世界:2010/08/21(土) 20:25:45 ID:IAqPsUTM0
そういえば中世世界に爆弾やらライフルを持ち込んだ方が低コストで
運用しやすいはずなのに製造のめんどくさいモンスターを作って大国
に売り込む・・・そんな話が漫画ゴーストスイーパー美神に出てきましたね。
例のライトノベルからのネタ引きなのかな・・・>レールガン

409395三等陸士@F世界:2010/08/21(土) 21:38:32 ID:MVdnM2tY0
>>405
>先のことを知ってれば力押しも可能になるだろが、知らないものに力押しもできんだろ。
??この力押しというのはいったいどこのことを言っているんですか?

>1,2門のレールガンでなんとかできるような世界じゃないし。
なにを当たり前の話を。
>>395を読んでもらえばわかりますが、私はレールガンについては一切言及していません。
竜神世界に“常温超伝導体が存在するとしたら”という前提での推論(こじ付け)を書いただけです。

レールガンの実用性については、作中の工業力や支援能力では厳しいと思っています。
私はむしろ常温超電導体を利用した閉ループ電流保存回路や、強力なモーター、送電線、電気回路への応用などの方にときめきを感じます。
インフラにこれらの技術を応用できたときのほうが想像していて楽しいし。
どの程度常温超伝導体が生産できるかにもよるでしょうが。

与太ですが。
竜神様の鱗があるんだから核開発が促進されるかも。
ウラン235だろうと、プルトニウム239だろうと自由に生成できるとすればですが。
少量でも純度の高い核物質があるだけで核開発のハードルは思いっきり下がります。
事故がものすごく怖いですが。
列強が何言ってくるかすごく怖いですが。
放射能すら竜神様が何とかしそうでとても怖いですが。
まあ、与太ということで。

410名無し三等陸士@F世界:2010/08/21(土) 22:01:20 ID:Dhs/IxZU0
>>409

   ( ^ω^) 涙拭いて良いよ…
  / ,   ヽ    
 ̄_|,..i'"':, ̄ ̄ ̄ ̄
  |\`、: i'、
  \ \`_',..-i すっ…
   \.!_,..-┘

411名無し三等陸士@F世界:2010/08/21(土) 22:26:13 ID:mcg6esMA0
>>409
だから超伝導を閉ループ電流保存回路や、強力なモーター、送電線、電気回路に応用しようという
発送がどこから出てくるのかと小一時間……つーか科学分野における基礎研究の意味が
まるで理解できてないあたり、まるで民主党の仕分けチームみたいな発想だと思うんだがどうか?

412名無し三等陸士@F世界:2010/08/21(土) 22:35:24 ID:dJopjsuU0
スレが進んでるんで、作品投下されたのかと思ったのにクソが…

413名無し三等陸士@F世界:2010/08/21(土) 22:38:59 ID:Dhs/IxZU0
夏だねぇ。

414395三等陸士@F世界:2010/08/21(土) 22:46:16 ID:MVdnM2tY0
>>411
1911 Onnesが水銀を始め,スズ,鉛などの純金属で超伝導性を発見
1914 Onnesが超伝導線の閉ループで永久電流を発見
1933 W. MeissnerとR. Ochsenfeldが超伝導体の完全反磁性現象を発見
1935 Friz and Heinz London兄弟がLondon方程式を発表し,超伝導現象を電磁気的に記述

とりあえず、発想自体はあるよ。

415名無し三等陸士@F世界:2010/08/21(土) 23:07:48 ID:oXmDehTQO
>>414
それは金属の電気抵抗が低温で低下することから、
抵抗が0になる仮定を実験から検証し、理論づけしていった歴史だ。
超伝導を利用した工学技術研究の話ではない。
日本語すら読めんのか。

無駄な書き込みを続けてスレを埋め立てる君には
「夏厨」の称号を贈るとともに
次の言葉も贈らせてもらおう。

100万年ROMってろ。

416395三等陸士@F世界:2010/08/21(土) 23:33:53 ID:MVdnM2tY0
>>415
んんー
「夏厨」でいいから、教えてほしいんだけど、結局何が言いたいの?

>>411では発想自体がないというから、その発想につながる発見の歴史をもってきたんだけど。
抵抗値が0なら、送電線に利用しようと考えるのは自然だし、超伝導線の閉ループで永久電流を発見では電流保存の可能性に思い至るのもおかしくない。
超伝導性を発見したOnnesは超伝導コイルによる強磁界コイルの提案もしている。
強磁界コイルがあれば強力なモーターを作れると考えるのは自然だと思うけど。

>日本語すら読めんのか。
>>409の1〜3行目のこと?
どの部分にかかるのかわかりにくいから聞いたんだけど、まだわからないから面倒くさがらずに説明してほしい。

417名無し三等陸士@F世界:2010/08/22(日) 00:00:51 ID:mcg6esMA0
>>416
電気抵抗とか送電とかいう概念があるのか電気を工業利用してない世界で
そもそも異世界には、電気をエネルギー源として理由するという概念から存在しないわけだが

418395三等陸士@F世界:2010/08/22(日) 00:12:28 ID:MVdnM2tY0
>>417
ええ、それは理解していますよ。

だから、>>395では
>もともとは別の用途に使用していた魔法金属にたまたま常温超伝導の性質を持ったものがあってもいいんじゃない?
と書いたわけです。

この文でいう別の用途というのは、具体的には考えていなかったわけですが・・・
無理やりたとえれば弾性の向上する魔法的加工を行った魔法金属が、実は常温超伝導体の特性も持っていた。
けれど、実際にF世界で注目されているのは弾性強化の効果のみ…といった状況を想定していたんです。

419名無し三等陸士@F世界:2010/08/22(日) 00:52:53 ID:F6YvPnTw0
>418
それやるぐらいだったら雷とか電気系の攻撃から身を守る守り石の正体が
電力を高効率で蓄える謎物体で十分のような。
何も超伝導にこだわる必要はない。

420395三等陸士@F世界:2010/08/22(日) 01:07:00 ID:MVdnM2tY0
>>419
そうですね。
しかし、この論の始まりは>>392の超伝導体が存在したら?というのを前提にしています。
>>393-394をかんがみて、竜神F世界でそういったものが存在していてもいいんじゃないかという屁理屈をこねていたわけです。

421名無し三等陸士@F世界:2010/08/22(日) 01:47:51 ID:Y.pSYpWw0
>>420
皆は、別に君の屁理屈に付き合ってるわけじゃないよ。
ただ、「その時、不思議なことが起こった!」を、てつを以外が使うと、急に物語が面白くなくなるって皆分かってるんだよ。
だから、君の言ってることを「ゆ゙る゙ざん゙!」と批判してるんだ。

ちり紙を踏んで「ゴルゴムの仕業か!」って、てつを以外の人がやるとさすがに無理があると、君も思わないかい?
怪魔界は30分間だけ光が差し込むから変身できたとか、てつを次元じゃないんだから現実はそんなに都合よく行かないのさ。

422名無し三等陸士@F世界:2010/08/22(日) 02:48:56 ID:mcg6esMA0
>>420
非常に初歩的な話なのだが、練成するためには「何を練成するか」が明確じゃなきゃできないんじゃないかね?
概念自体が存在しないものは練成できないだろJK 適当に化学薬品混ぜてたらなんか化合物ができたとか
そういうのとは根本的に違うんだから

423名無し三等陸士@F世界:2010/08/22(日) 08:54:41 ID:nNitjzhE0
部屋の片づけをしていたら懐かしい物を見つけた。
竜神様の世界でなら、光武みたいなのがいつか出るに違いないっ!と思ってしまった。

424名無し三等陸士@F世界:2010/08/22(日) 10:21:18 ID:NM9wZTus0
>>423
それはこれからじゃない?
ゴーレムやドールの魔法・冶金技術を解析した帝国が、いずれ開発する人型戦車、とか。
ただし、起動に一定レベル以上の魔力を必要とするので、搭乗者が限られるみたいな。

425名無し三等陸士@F世界:2010/08/22(日) 10:41:14 ID:F6YvPnTw0
>424
そこは負傷した兵士を有効活用するために人の技術で作ったドールに
脳を埋め込む形式で作ったロボット日の丸人だろ。

426名無し三等陸士@F世界:2010/08/22(日) 11:06:40 ID:Dhs/IxZU0
>>423
駆動用に黒耳長族1名、火器管制に人間1名要るか?
MH的な何かになりそうだ。

427名無し三等陸士@F世界:2010/08/22(日) 15:16:59 ID:uVhfI0Vw0
異世界側の魔法使いを捕えて、カレンデバイスのように組み込むとか。

428名無し三等陸士@F世界:2010/08/22(日) 16:43:24 ID:h702HvKA0
>>425
そこで達人orその弟子に負傷して貰えれば完全だな

429名無し三等陸士@F世界:2010/08/22(日) 21:05:40 ID:YA.v9pGo0
思わず「ゴーレム三等兵」というのを想像してしまった。

430名無し三等陸士@F世界:2010/08/22(日) 21:27:50 ID:oXmDehTQO
ネタを途中まで書いてみた。作中不明確な点は妄想で補完。

:人型動甲冑の開発について

竜州での対蟲戦闘においては、敵戦力に対し十分な距離を取ったうえで
砲火力または航空支援による減殺が最も有効である。

しかし蟲側の戦術も修正が見られ、指揮官とおぼしき大型種が投入される戦場では
隠蔽や埋覆、瞬間移動などを駆使した戦術を駆使して、
帝国軍に対して出血を強いる状況がしばしば見られる様になっている。
これは現状、中〜遠距離の火力及び制空権においては帝国軍が一方的に優位にあるもの
の、
白兵に移行した時、歩兵の固有火力では蟲に対抗することが困難であることに起因する

よって、歩兵の固有戦闘力引き上げを課題として検討したい。

竜州周辺地域の国家群においては冒険者と呼ばれる職業が、
それなりの数確認されており、その上位技能者においては固有の戦闘技能において
蟲に対抗している。また冒険者の上位にあるとおぼしき勇者と呼ばれる者達も
その戦闘技能において蟲を超越することを可能としている。

蟲に対抗する彼らの技能を分析すると、
 ・身体能力(魔法による能力向上も含める)
 ・魔法
 ・その他(毒物等)
この3種に大別できる。このうち魔法技術による対抗手段は現在黒耳長族の協力を
得て研究中であり、3番目は事例として特殊であるらしい。ここでは1つめの
身体能力での対抗手段について述べる。

蟲を白兵で強力なものとしている能力に魔力障壁がある。
障壁の強度は蟲の種別によって異なるが、渇国を初めとする竜州周辺地域の国家群で
主に使われている弩では貫くことがまず不可能であり、小銃でも十分火線を
集中させなければこれを突破することはできない。
これまで帝国軍は障壁の強度を上回る火力の集中を得て蟲を排除してきたわけであるが
現地調査員による報告により、一部の冒険者は刀槍をもって蟲に対抗し
これを排除していることが判明した。

これまでの観察でもある程度判明していた事実ではあるが、蟲の魔力障壁は本体から
数m離れた場所に展開される。これは魔力障壁が自身の行動を制約することを避けるた
めで
あると推察されるが、障壁は十分に高いエネルギー(魔法的・物理的を問わない)に
対してこれを制するために反応する様であり、人が徒歩で接近する場合これを妨げない


つまり彼ら冒険者の攻撃手段とは、蟲の至近に突貫し一度ならずその弱点に刀槍を打ち
込み、
蟲の躯を破壊するものである。これは一度なりとも蟲の攻撃に身をさらしたものとして

驚嘆に値することであり、彼らの胆力は賞賛するべきものである。

続ける?(y/n)

431リュータ ◆viMvJifIpw:2010/08/22(日) 22:01:12 ID:RbDDVhX20
>>424
>ゴーレムやドールの魔法・冶金技術を解析した帝国が、いずれ開発する人型戦車、とか。

そう来るなら、「ゼノ○ーガ」のK○SーMOSとか、「ぺ○ソナ3」のア○ギス的な
ものをコスト度外視で製造。動力源は魔竜石。
2000年代には、「イ○の時間」的に、一家に一台のハウスメイド。

と、いうのを萌え的に押したいな(w

432名無し三等陸士@F世界:2010/08/22(日) 22:57:35 ID:0eyNf5TE0
対蟲用人型動甲冑(パワードスーツ)とか
なんかもうハインラインの「宇宙の戦士」だな

核バズーカと火炎放射器を装備出来れば完璧

433名無し三等陸士@F世界:2010/08/23(月) 00:03:41 ID:oXmDehTQO
勝手に続けてみる。

これまで帝国に存在する蟲と接触して戦いうる手段は、実質竜州駐在の黒長耳族部隊が
生成する
土人形(水人形)しかなかったが、これら人形の腕力は彼ら冒険者にたいしてそれほど
劣るものではない。しかし遠隔から操作するため視覚聴覚の感覚のズレが避けがたく
反応に遅れを生じること、魔力で都度生成されるものであるため、蟲が持つ魔力中和能
力に
会うと容易に無力化されるなどの問題があり、白兵を人形に頼ることには不安が拭い難
かった。
本来であれば冒険者が持つ腕力・耐久力を帝国将兵のものとすべく解明し、我がものと
するべきであるが、その能力獲得手段については現在調査中であり、帝国将兵に適用す
ることは
不可能である。

しかし現地将兵の自助努力によってこれまでにない人形の製造手段が
開発されたことが契機となった。
既存の"型"を用意しこれを魔法によって駆動するならば、生成に要する黒耳長族の
魔力もより少なく動作速度にも向上が見られる。四脚歩行重砲等がその成果である。
しかしこれらは砲火力の運搬をより容易にはしたものの、白兵で十分な性能を発揮
できるものではないため、他の手段が模索された。
土人形に直接火砲を持たせる手段も検討されたが、感覚のズレから直射での照準を
速やかに行うことは難しくこれも検討対象外から外れることになった。

転換点となったのは現地で魔法処理された全金属鎧を入手したことである。
もともと体力腕力が飛び抜けていた冒険者が魔法支援の元で用いていたため、
質量が100kgを越える、およそ通常の人間が来て歩けるものではなかったが
黒耳長族が人形として操作すると十分な速度で駆動することができた。
ただし感覚のズレが拭いがたかったため、兵にこの鎧を着せたうえで、兵と操作役の
黒耳長族の間にテレパシーによる感覚共有を用いてみると、劇的と言ってよい
運動性能を示すに至った。この時の試験では30kgの戦槌、25㎏の大戦斧を振り回して、
標的となった土人形を破壊し、不整地100mを20秒台で駆ける鎧には戦慄すら
覚えたことをここに記すものである。ただし着用していた兵は試験終了後、
乗り物酔いのため、嘔吐後人事不省に陥った点も併せて記録する。

何はともあれ、非常に強力な白兵戦力となりえることは事実であり
試験的に重甲冑分隊が編成されることになった。

434名無し三等陸士@F世界:2010/08/23(月) 01:42:11 ID:oXmDehTQO
ちょっと後悔しながら3つめ。

重甲冑分隊は戦槌、戦斧、大剣を装備し近接戦闘を主たる任務とした
魔法処理された鎧は蟲が放つ魔法矢に耐え、牙を防ぎ、その質量を
乗せた一撃はよく蟲の外殻を砕くものであった。
また分隊支援火器として装備した92式重機関銃を甲冑2体で運用し、
火力も通常の分隊の域を越えた強力なものであった。

しかし訓練として虚無の平原外縁で蟲との遭遇戦を繰り返すうちに
テレパスによる感覚共有の混信が問題として顕在化してくる。
テレパスによって繋がっていても、距離による減衰や戦闘中の
混乱から甲冑側の兵と操作役の黒耳長族の接続が切れたり
別のペアと繋がるケースが発生したのである。
改善のため試行錯誤を繰り返していたが、戦闘中に接続切れで擱座した
重甲冑を救出しようとして合わせて3人の犠牲が発生した段階で
分隊の試験運用が停止され見直しが検討されることになった。

ここで出てきた改善案というものが、要は後方から操作するから問題なのだと
より至近から操作すればよいのではないかという敢闘精神に富んだもので
あったのは帝国陸軍としては当然のものだろう。
しかしそんな前線からの至近に後方要員たる黒耳長族を晒すことなど
到底許容できるものではなく、議論は白熱迷走することになる。
そこで出てきた改案が、だったら一緒に乗せてしまえという誠に乱暴かつ
当然なものであるも、まぁ必然である。

そうして製作されたものが、兵1名黒耳長族1名を搭乗員とする
二脚歩行式拡大型重甲冑「阿形」「吽形」である。
全高約4Mまで巨大化した「阿形」「吽形」はその代償として
やや運動性の低下をみた。しかしその打撃力はさらに倍加するものであり
白兵向きの「阿形」は大戦斧をその両腕に1本ずつ装備して蟲をなぎ払う
ものであり、支援型「吽形」は固定装備としてその双肩に2門の41式山砲
を背負い、分隊レベルにあるまじき打撃力を備えることになる。

435名無し三等陸士@F世界:2010/08/23(月) 01:45:28 ID:oXmDehTQO
とりあえず大筋は現在までの系列からはみ出してないと
思うがどんなもんかと。
オチは魔法を付与した装甲が誰かが趣味にも走ったため
やたら高コストになったこと、黒耳長族を1人占有して
他に活用しづらくなるからボツ喰ったってことでよろしく。
ロボットもmoeだ!と書いてみたけど、
竜神様世界には似合わず、そして設定厨の域を出ず。

436名無し三等陸士@F世界:2010/08/23(月) 09:09:19 ID:mcg6esMA0
二足直立歩行兵器の弱点は、前方投影面積が大きいこと(被弾確率が高い)と、片足でも破壊されると
行動不能になること。この点の解決がなされないと実用化が難しいというのが常識なんだけど
蟲相手だと前者の弱点はあまり問題にならない(飛び道具が少ないし、マジックミサイルはどうせ当たる)
という利点はあるかなー。でもやっぱり兵士一人に長耳族一人つけるのは効率が悪すぎるわね
没られたのもむべなるかな
でもこういう研究が、将来まったく別の用途で花開いたりするかもしれんなあ。災害救助とか

437名無し三等陸士@F世界:2010/08/23(月) 09:53:32 ID:cTRetI4E0
山風だか石川賢にあったね
男女がつながって戦うのが

これでテレパシーの伝達はより滑らかに、小型化もできるよ!

438名無し三等陸士@F世界:2010/08/23(月) 10:09:01 ID:o/vBe2.60
えーとおねニー様と一緒になって闘うロボとか、男女が後背位で操縦するロボとかあったよね。

439名無し三等陸士@F世界:2010/08/23(月) 10:24:35 ID:oXmDehTQO
"型"を人形として動かす場合は、型を作る過程が無く操作に集中できる分、
中和魔法に対する耐性が高まる記述と、一緒に乗っていればテレパスの混信
無くなる記述入れようと思って忘れてた orz

>>436

単に接敵しての攻撃手段なら
ゴーレムに地雷抱かせて突っ込ませたら良いけど、
投影面積の件も併せ、壁としての安心感こそ欲しいぞと。
そしてなにより、肉弾戦燃え〜。

>>437
>>438

搭乗姿勢についてはいろいろ浮かんだけど、察してw
エロは到底無理www

440名無し三等陸士@F世界:2010/08/23(月) 12:20:15 ID:mcg6esMA0
>>439
>投影面積の件も併せ、壁としての安心感こそ欲しいぞと。
これはホントに対蟲以外の使い道がないことを意味するけどいいの?
すでに>>252で指摘されてるように、相手が近代軍隊だと砲爆撃で容易に殲滅されるけど
そうなると、長耳族が搭乗してる分、無人ゴーレムの突撃兵器よりさらに損害が痛たたたたた
……つーかだから没られたのかw 納得

441名無し三等陸士@F世界:2010/08/23(月) 12:27:40 ID:bINKcZRA0
>>379->>380
亀だが
「(涙と鼻水と両替の)用意はよろしいでしょうか?」

442名無し三等陸士@F世界:2010/08/23(月) 13:08:14 ID:oXmDehTQO
>>440
そういうこと。
近現代の兵科として到底成り立つような代物ではない。
なにより徒花は無為に咲くから面白いw

けど蟲相手の白兵だけ考えるなら、少し使ってみたくない?

443名無し三等陸士@F世界:2010/08/23(月) 16:32:42 ID:mcg6esMA0
>>442
強敵と殴りあう二足歩行兵器に浪漫を感じる人がいるのは否定しないw私はもう感じないけど
一番イメージが近いのはエヴァかな。シンクロするのにコアの代わりに長耳族入れてるとw
まあ蟲の大集団相手にするには数が圧倒的に足りないなあ

444名無し三等陸士@F世界:2010/08/23(月) 16:43:12 ID:h702HvKA0
人型が納得出来る状況は
圧倒的な優位性をもたらす技術を人型形態でしか装備不能
しか無いしな。
思いつくのはエヴァ位か。

445名無し三等陸士@F世界:2010/08/23(月) 17:14:50 ID:C1YMAymk0
重装甲と結界の組み合わせで無敵兵器「福音」を作るのか?

446名無し三等陸士@F世界:2010/08/23(月) 18:33:55 ID:jW6zDGkE0
つーか、接近されてしまった虫を撃退できるのは(勇者以外では)4m程度の人型兵器しか
無いとしたらそのためだけに開発する意味はあると思うんだ。
無理に山砲を乗せたりしなくていいから近接戦闘に特化しておけば十分だ。
おまけ程度の携行武器(航空機用の大口径砲)をサブで使いつつ、近接してきた虫に対して
魔法剣とか槍とかをメインウエポンとして振り回せば虫に踏み込まれたときも支えることが
できるから。

447名無し三等陸士@F世界:2010/08/23(月) 19:29:07 ID:C1YMAymk0
前に石人形を軽量化したら早くならないか?とかいった人がいたけど
その逆として材料がなんでも積載重量もスピードも変わらないとしたら
装甲板の塊で作って防御に特化することで
魔力分解光線を受けてもシェルターとして機能させ、
運搬に従事させながら黒長耳族を保護し
戦闘時はシェルター内から転移魔法などを妨害させるというのはどうだろう?

448リュータ ◆viMvJifIpw:2010/08/23(月) 19:35:55 ID:RbDDVhX20
うん、たしかに人型兵器のロマンは分かる。
でも、

・一撃の火力でバズーカやパンツァーファウスト、飽和攻撃狙いでサブマシンガンや軽機関銃の装備率を上げる。
・魔法障壁中和魔法の開発

あたりが、一番順当だろうね。

449名無し三等陸士@F世界:2010/08/23(月) 20:24:07 ID:nNitjzhE0
軽い戯れ言のつもりで書いたら話が進んでいた。
別に耳長族じゃなくても、ごく少数しか居ない特殊な素質を持つ日本人が動かせるような特殊な代物でとか思ってました。
何が言いたいかというと、華げk(ry

450名無し三等陸士@F世界:2010/08/23(月) 20:45:06 ID:uAFqXd5g0
歩兵の強化は、人権意識が高すぎて 「一山いくらの歩兵」 や 
赤紙一枚で雇える薄給兵士が使えない時代のものではないかな

竜神様の日本では
 エルフや獣人の取り合いがされている
 大陸から引き上げた悪質兵士を異世界に棄民してる

貴重なエルフの労力を使って歩兵を強化するより、歩兵を使い捨てにする方を選ぶかと思われる

451名無し三等陸士@F世界:2010/08/23(月) 21:01:28 ID:jW6zDGkE0
>>448
>・一撃の火力でバズーカやパンツァーファウスト、飽和攻撃狙いでサブマシンガンや軽機関銃の装備率を上げる。
たぶん、異世界用の独自編成として、こういう特殊な仕様を考えてられると思うんですが、
軽機関銃の装備率については日本は英米独といった国と同様分隊につき1挺を持ってますから
これを増やした場合分隊の規模が大きくなって鈍重なものになるでしょう。
それに軽機関銃で撃とうにも虫が空を飛んでいたり、人間の身長より高かったりした場合、
至近距離から軽機関銃で急所をねらえるかというと疑問があります。小銃なら個人で構えて撃
てますが軽機関銃を振り回しながら腰だめ射撃するなんて事誰にでもできるモノじゃないですし。
また、サブマシンガンを持ったとしたら携行火器であるライフルをオミットすることになりま
すからと比べ中距離での火力が劣ることになりかえって虫の接近確率を上げることになると思
います。
バズーカ等の使い捨て火器も、運用にはそれなりの人数がいりますから(一番の問題が持ち運
びする手間)、結果的に通常の小銃なり機関銃なり持った兵士の数が少なくなるor分隊の人数
を増やして火器運用班として対応するということになり、あまり益があるのかと。
サブマシンガンなんて中途半端なモノを持たせるくらいなら自動小銃を持たせるべきじゃない
かなと思う次第です。

もちろん、個人携行用の重装備(バズーカとかです)を装甲兵車などで運べるなら問題は軽減
されますから、こっちの開発を進めりゃ問題も解決しそうですが。

452リュータ ◆viMvJifIpw:2010/08/23(月) 22:04:16 ID:RbDDVhX20
あ〜、ちょっと言葉が足りませんでしたね。

>>446
>つーか、接近されてしまった虫を撃退できるのは(勇者以外では)4m程度の人型兵器しか
>無いとしたらそのためだけに開発する意味はあると思うんだ。

これを受けてのつもりでした。
わざわざ人型兵器に金と手間をかけなくても……と。

>>451
>サブマシンガンなんて中途半端なモノを持たせるくらいなら自動小銃を持たせるべきじゃない
>かなと思う次第です。

これは全くの同感なのですが、竜神様世界の日本といえど、自動小銃が開発・配備されるのは、
44年くらいではないかと。
だとしたら、自動小銃が配備されるまでは、接近してきた敵の魔法障壁を素早く剥ぎ取るのに、
個人か数人のレベルならサブマシンガンは手頃ではないかと。

ただ、百式機関短銃は生産性とか使い勝手に問題ありそう。
日系商社によるトルコでのドイツとの取引で、代金の一部がドイツの小火器で支払い。
さらに商社から竜州予算の一部で購入というので、MP40や発射速度の速いMG42が
竜州に持ち込まれるというSSを考えてみますかね。

453名無し三等陸士@F世界:2010/08/23(月) 23:42:17 ID:oXmDehTQO
>>450
それが現実解と思う。
ただ無策の印象は士気を下げるから限定数なら?
##本編やハルサブロー氏のSS投下までのつなぎのつもりで
##ボツ前提でのネタだけど少し愛着がw

ポイントは接近して蟲と殴り合いするためだけに人型を選択したこと。
白兵の距離で火力を振り回すのは流れ弾など周辺被害を考えると
微妙な一方、得物を握っての肉弾戦なら手数が稼げるし。
仕留められればよし、壁役として支援火力が
揃うまでの時間が稼げばまぁ上等かと。

現状、白兵に移行したら策らしい策はない。
研究会で何がでてくるか楽しみだ。

454名無し三等陸士@F世界:2010/08/24(火) 08:42:29 ID:mcg6esMA0
>>453
偶発的な少数の蟲の襲撃に対してならともかく、いま計画されている策戦だと何千何万の蟲を
叩く必要があるわけで、その中にせいぜい2桁の機動歩兵投入してどれくらい意味があるかというと
それこそ「全滅……わずか1体の機動歩兵に12匹の蟲が全滅!……3分もたたずにか!?」クラスの
戦果上げても足りないと思われw

455名無し三等陸士@F世界:2010/08/24(火) 20:14:32 ID:oXmDehTQO
>>453
だからこそ、こんなお遊びネタを考えてられるw

まぁそんなときに前線には出ない。
デスラー戦法に備えて陣地の番。

456名無し三等陸士@F世界:2010/08/24(火) 20:48:40 ID:oXmDehTQO
ミスった自爆、454だw

457名無し三等陸士@F世界:2010/08/24(火) 21:41:59 ID:jW6zDGkE0
>これは全くの同感なのですが、竜神様世界の日本といえど、自動小銃が開発・配備されるのは、
>44年くらいではないかと。
>だとしたら、自動小銃が配備されるまでは、接近してきた敵の魔法障壁を素早く剥ぎ取るのに、
>個人か数人のレベルならサブマシンガンは手頃ではないかと。

小銃の設計技術は史実と比べて大幅に強化されたと思えないのでむしろ46年くらいまでずれ込むんじゃ
ないかなと思ったりもしますが、どっちにしろ自動小銃は間に合わないことはその通りだと思うんです。
だけど、小銃を捨ててサブマシンガンを持ったとしたら700-0mだった歩兵の火力投射力が50-0mまで減っ
てしまい、不利な接近戦に持ち込ませる前にたたくという方法ができなくなってしまいますから正直それ
はどうなのよ? と思ったわけです。
このライフルでカバーするべき距離での火力を機関銃に頼るとしたら、軽機の火力支援を受けられないた
めに歩兵分隊は一カ所に固まるしかできなくなり、広い範囲をカバーできなくなるのはやはり問題と思ったんです。

一方で、ゴーレムを普通に作り出して運用できる魔法なら人型機動歩兵を形にすることは少なくとも自動小銃を作る
より楽にできそうですから、こっちに虫に接近された場合の対処をしてもらうのがベターじゃないかと。

5分でも10分でも足止めできるならその間に再編した部隊を送り込んで突破口を防ぐこともできますし、その際に別の
機動歩兵を転移させて送り込めがなおよしと。

もちろん、このばあいでも歩兵分隊のうち数名にサブマシンガンを持たせるというのはありだと思います。

458名無し三等陸士@F世界:2010/08/24(火) 23:09:01 ID:0pv5Vhr20
とりあえず、まったくの史実ですらこんなもん作ってた軍隊なら、
それを可能とする技術が存在するなら人型機動歩兵に手を出してみるに一票。

ttp://void-matter.hp.infoseek.co.jp/log/picture/sisakuzyuugai.JPG

459リュータ ◆viMvJifIpw:2010/08/24(火) 23:54:46 ID:RbDDVhX20
>>457
接近戦に持ち込ませる前に叩こうとは思っても、それでも殺人人形に転移で接近されてしまう場合もありますよね。
その場合に、軍刀・銃剣・拳銃だけというのは厳しい。やはりサブマシンガンも欲しいところ。
将来的に、カッパドキアの村や町で冒険者や渇国一般兵士と共に殺人人形との市街戦って可能性もありますし。

陸軍内のサブマシンガン推進派と、火力投射力の減少を憂う派で論争になって

・最初は下士官に軍刀からサブマシンガンへの装備変更を促し、実戦による戦訓から適正数を導き出す。

という結論に落ち着いた、ってのはどうですかね?

460名無し三等陸士@F世界:2010/08/25(水) 00:07:37 ID:IAqPsUTM0
短機関銃は射程が短いのと弾丸の威力に問題があるからそれなら
まだペターゼンライフルやM1ガーランドを参考にして作った四式
自動小銃の開発早期に物にするべきだと思う。
ストッピングパワーでは短機関銃は人間相手ならある程度対処出来る
けれど人形辺りには効果が薄そうなんですよね。
いっそのこと短機関銃の量産技術をステンガンを作った英国から導入して
日本で量産したらいいんじゃないかとも思ってみたり。
ドイツもステンガンを鹵獲して研究してますが日本はドイツや英国ほど
も工業力が無いんで見た目がアレでも実用性重視で研究してみるのも
アリだと思うんですよね。
米英と戦争していないこの日本では物によっては米国から半自動小銃
の技術情報とノウハウが入手出来る可能性も残されているわけで。

>>458
何の写真かと思たら防楯(ぼうじゅん)ですねこれ。
防盾の場合相手の持つ銃器から完全に身を守るための防備を
すると重くて人間には持てない重量になってしまうからそれを
人型兵器みたいなもので補おうという話なのかな?
でもそれだと>>252と同じ状況になりますよ。

461名無し三等陸士@F世界:2010/08/25(水) 01:31:47 ID:9WkjAW.k0
十分な威力と量産性、最低限度の信頼性という条件なら擲弾筒はどうだ?

単発ならM79ぽいのがすぐ作れるし、思いつけばM203も良いだろう。
火力増強という意味ではリボルバー式のアーウェン37なんかは理想的だろう。
普通の榴弾でも相当なものだがHEATにすれば重装甲も抜ける。
交戦距離は小銃と同等位の400〜100m位だが、形状によってはもう少し融通がきくだろう。

手榴弾ほど簡易ではないがバズーカほど大げさでもない。
重量あたりの弾数ももっと多くできるだろう。
フルロードで5kgくらいならなんとか普通の歩兵分隊で運用できるだろう。

462竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/08/25(水) 06:33:36 ID:ybLtRT0s0
ひっそりと小話のつもりだったもの投下

463竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/08/25(水) 06:34:44 ID:ybLtRT0s0
 犬耳メイドのリールの朝は早い。

 寝床にしている愛国丸の一室で目が覚めると、まず着替えて体操がてらに甲板で体を動かす。
 竜州の独特の夜である赤と青の月が沈む前に、その姿は十分異常ではあったが彼女にとってはそれが日常である。
 黒の長袖にロングスカートのメイド服、当然白のエプロンとカチューシャは洗濯済み。
 その上にレザーアーマーをつけ、手に持つのはハンドアックス。
 日常生活に便利な道具であり、勇者の随行員でもあったリールにとって信頼できる武器でもあった。

「まだ、馴染んでいない……」

 武装メイドな犬耳リールにとって当然の自己鍛錬。
 しかも、この撫子三角州にやってきた西方世界随一の鍛冶師でもあるブリーイッドに頼み込んで作ってもらった、オリハルコン製のハンドアックスの試し振りである。
 基本の型から投擲まで一通り済ませても彼女の顔には汗一つ出ず、息なども当然乱れていない。

 うっすらと朝日が三角州の草原から闇を追い払ってゆく。
 そこで鍛錬を終えたリールはメイドとしての仕事に取り掛かるのだ。
 つまり、朝食を作るのである。

「……最近、ゼラ様は日本食を好んでいらっしゃるし、ご飯と味噌汁に海苔に漬物……何か一品……。
 魚でも取って……」

 レザーアーマーとハンドアックスを外したメイド姿で呟きながら食堂の厨房に向かう。
 もちろん、リールとて料理はできるのだが、異世界でも同様に通用するルールや暗黙の了解というのがあったりする。
 その際たる者は職人の世界。
 ある種の徒弟制度が残っている食堂の厨房等は、その最たるものである。

「おはようございます」

「おっ、犬耳娘っこじゃないか。
 あんたのご主人のお姫様の朝食は何にするんだい?」

 リールは万能メイドではあるが、流石に異世界の料理までは知らず、知らない物を作れるほど料理というのは甘くない。
 そういう時は素直にプライドを捨てて、教えを乞う柔軟性も持っていたりする。
 もっとも、彼女がそこから学ぶものが無くなったら、自分一人でしようとするのが彼女の悪い癖なのだが。

464竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/08/25(水) 06:35:20 ID:ybLtRT0s0
「アニス様はここ最近、そちらのお食事に好んでいる様子で。
 ご飯と味噌汁に海苔に漬物を。
 あと何か一品あればと思って、魚でも釣ろうと思っていますが、料理長は何かお考えのものはありますか?」

 特設巡洋艦とはいえ元は貨客船、おまけに竜神様の御座船となったおかげで食堂の装備は充実しており、ここの料理長も元は花の太平洋航路の客船の料理長をしていた経歴を持つ。
 当然、そんな男の率いる厨房ゆえ、和洋中なんでもござれの対応を取って竜神様をいたく満足させているらしい。
 なお、この厨房には甘いもの大好きの女性が多く乗艦している事もあって、ラムネ製造器と米国から贈呈されたアイスクリーム製造機も備え付けられており、アイスクリーム製造機の前でよだれをたらしてじっと完成を待つ竜神様なんてものが良く見られたりする。

「そうだなぁ。
 こっちの魚は料理したいとは思っていたんだ。
 あんただったら、食えない魚は取ってこないだろう。
 撫子様達にもお出ししたいから、十匹ぐらい取ってきてくれないか?」

「かしこまりました。
 お時間はどのぐらいで?」

 リールの言葉に料理長は時計を見る。
 午前五時。仕込みを考えたら六時には調理を始めたい所だ。

「五時半までにお願いできるかい?
 釣ったものを見て決めたいんでな」

「はい。
 では、それまでにお持ち致します」

 深く一礼して厨房を出る。
 網と竹篭を持ったリールはそのまま甲板に出て浮遊呪文で海の方に。

(アニス様付メイドのリールです。
 これから撫子様および、アニス様方への朝食の魚を取りに行きます。
 以上)  

 テレパスで、警戒しているだろう黒長耳族および長耳族の娘さん達に報告して、メイドは空を飛ぶ。
 これをしないと警報が鳴って、戦闘機が飛び立つという事態に。
 最近、冒険者達が自力でこの撫子三角州にたどりついてからは更に警戒のレベルが上がっていたりするのだが、その原因である竜神様は今頃夜の逢瀬の成果である魔竜玉で産卵中だろう。

「何にしよう……味噌汁は塩気があるし、ご飯は噛まないと味がしない。
 ならば、ご飯を噛むのに適した魚を……」

 沖合いに出たリールは、感覚を澄ませて鳥のオーラを感じ取る。
 カモメなどが狙っている魚を横取りする腹なのだ。

「いた……」

 網に浮遊呪文をかけて、ゆっくりと気配を消して鳥が狙っている魚群に網を流す。
 今度は魚のオーラを感じ、一番近い魚群にその網を落とし込み、一気にすくい上げた。

「……十匹程度でよかったのですが、どうしましょうか?」

 引き上げた網には大小合わせて三百匹近い魚が網の中で跳ねていた。
 結果、この日の朝食には、焼き魚の半身がつく事になる。

465竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/08/25(水) 06:36:26 ID:ybLtRT0s0
「あれ……便利よね……」
「悔しいけど、あれには勝てないわ……」

 一応備品というかメイドというか、元英独情報部の二人が眼前の光景にため息をつく。
 その彼女達の目の前で、洗濯物が空に舞っていた。
 家事の基本といわれるのは、掃除・洗濯・料理だが、洗濯というのは本来時間のかかるものである。
 とはいえ、既に米国では電気洗濯機が普及し始めていたのだが、そんな便利なものが日本に広まる経済的余裕なんてものもある訳も無く。
 元英独メイドの二人は図々しくも祖国に幾許かの情報提供(もちろんメイヴ了承済み)によって、最新式の電気洗濯機を愛国丸に備え付けさせたのだった。
 だが、パーフェクトメイドのリールにとってはそれはいらない物だったらしい。

 風の魔法で緩い竜巻を起こして、大量の洗濯物がその中でひらひらと舞っているの見たら、この二人がそう思ってしまうのも無理は無い。

 なお、これの応用ででかい桶に水を入れて渦巻きを起こして洗濯をしてみたり。
 彼女一人で愛国丸六百名の乗員乗客の洗濯物を処理できるのだがら、最初は見物客(もちろん馬鹿竜様も主つきでかぶりついて見ていた)が出るぐらい。

「魔法って非常識ですわ……」

 この綾子の呟きがその日の愛国丸乗員乗客(異世界人を除く)の全てを物語っていた。
 ちなみに、メイヴにもこんな魔法はできないらしい。

「生き残る事に魔法を使わざるを得ない私達に、このような魔法の応用が作れる時間も余力もありませんでしたから。
 この光景が、人がこの世界の覇者になっている証なんでしょうね」

 寂しそうに笑うメイヴだが、彼女も大魔道士の一人。
 こっそりと一人で練習したりするのは内緒である。
 洗濯がこんな感じなので、アンナとナタリー及び撫子付の黒長耳族の娘さん達はモップと雑巾片手に船内の掃除を始める。
 この仕事までリールに奪われてなるものかと皆真剣に手早くやっているので、愛国丸の女性は自然と掃除スキルが上がっていたりするのだが。

 まぁ、馬鹿竜とか馬鹿竜とか馬鹿竜とか極一部の女性を除いて。
 なお、お兄様にいい所を見せようと某日本人の巫女さんもできるだけ参加していたりするのはみんな見ないふりをしていたりする。


 小ネタ話だったもの 犬耳メイド リールの一日 前編

466竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/08/25(水) 06:56:51 ID:ybLtRT0s0
 時間が無くなったのでここまで。
 あれ?
 なんでこうなった??

 後は時間が許すまでレス返し。

 絵について
 絵師からこんな言葉を預かっています。

「乳がでかくなると作業時間が倍になるんだよ……」

 そんな絵師の夏コミ本はまだ委託注文残っております。
 18禁なのでよい子は買っちゃ駄目だよ(By絵師)

>>ドイツ戦艦のうち、前弩級の連中は基本練習艦任務についてますので戦力としては計算していないかと。

 陸上戦艦きた!
 これで勝つる!!(ただこれが言いたかっただけです(笑))

>>獲物を巣に持ち帰ったり、他の蟲のケアを担当する
>>支援型もいるんジャマイカ。

 採用。
 で、中ボス扱いでキメラみたいに複数の蟲を合体させたようなのがいたりとか。

>>この世界の戦争って消費魔力+マナ汚染<獲得魔力資源+汚染浄化能力でないと
>>社会基盤崩壊しそうだから鏡の森も落ちなかったんじゃないかな。

 正解です。
 そりゃ、リールみたいに魔法使いまくっていれば、マナ汚染止まりませんがな。

>>塩田先生ネタ

 おかしい……小ネタだったのにどうして前後編になった……

>>この時点で新型の開発あるのかな

 『兵器』としてでなく『生物』としての適応進化はあるはずです。
 では、前回の蟲の行動はというと、危機を認識して『兵器』として蟲が覚醒したと。

>>竜の牙でRPGでいうこところの竜牙兵が作れたりするんだろうか

 はい。採用。

>>最終鬼畜兵器の巨大蜂はいないんですか?

 今、私にとっての蜂は某フリスビーなので(まて)
 多分、撫子は肉食系。

>>ハルサブロー氏

 設定まとめありがとうございます。
 これを使って、話を作らせていただきます。

>>あと魔法を使えない帝國人(地球人)や地球産の動植物は汚染マナにどんな影響を受けるんだろう?

 これもおいおい……


 あぅ。
 もう時間なので。
 では。

467名無し三等陸士@F世界:2010/08/25(水) 07:33:25 ID:Dhs/IxZU0
投下乙です。
600人分の汚れ物片づける洗濯の魔法…
…パンツじゃなくてフンドシが空を舞ってのかw

>>461
弾道山なりの擲弾筒でHEAT撃っても当て難いのと違うかな?
対戦車擲弾ならパンツァーファウスト持ってこいって話で別物だろうし。

468名無し三等陸士@F世界:2010/08/25(水) 07:59:35 ID:d/4ctlpo0
投下乙です。

>>『兵器』としてでなく『生物』としての適応進化はあるはずです。
>> では、前回の蟲の行動はというと、危機を認識して『兵器』として蟲が覚醒したと。
この場合はあらかじめ持っている機能が発現したということでは。
しかし、いずれこの世界でも殺虫剤に強い蟲が増えるのだろうな。


>>461
HEATに対しては魔力障壁が空間装甲として機能するでしょうね。
一点にエネルギーが集中すると障壁が破れやすいとかはあるかも。

469名無し三等陸士@F世界:2010/08/25(水) 12:26:11 ID:oXmDehTQO
>>468
節子!それ蟲とちゃう!虫や!!

470名無し三等陸士@F世界:2010/08/25(水) 22:00:45 ID:IAqPsUTM0
>>467
世の中には「PIAT」という山なりの弾道を持った対戦車榴弾投擲装置
なんてのもありましてな。
ttp://www.vesta.dti.ne.jp/~pickles/unchiku/piat.html

あとパンツァーファウストも弾道は山なりなので擲弾筒の角度を変えて
発射するのと基本的な要領は変わらないはずです(細かい部分は当然
違ってきます)。

471457:2010/08/25(水) 23:20:58 ID:jW6zDGkE0
投下乙です。
文明の利器とはいえ高位術者の前には微妙なのは仕方ないのはわかりますが
少しもの悲しいですねw

サブマシンガンの射程外から転移されるなんてことが起こったらそのまま戦線の
内側に虫が現れたりするのかと思ってちょっと不安ですよね。
でも目の前で虫と対峙するにはサブマシンガンも必要と。
せめて分隊ごとに1台のくろがね号(荷台型)があれば予備武器も持てるのに。

ロシアからフェドロフM1916を手に入れることができたらいいんですけどね。
弾薬も問題ないし。

472名無し三等陸士@F世界:2010/08/26(木) 00:27:20 ID:0pv5Vhr20
そこでポンプアクション・ショットガンですよ、とか更なる電波を飛ばしてみる。当時の日本に生産設備あったかな。

473名無し三等陸士@F世界:2010/08/26(木) 01:18:31 ID:9WkjAW.k0
>>467
>>弾道山なりの擲弾筒

いやいや、迫撃砲みたいなものばかりじゃなくて。
結構低伸するようなライフル型とかあるし、
リボルバー拳銃を2,30倍したような物もある。
重機関銃と同じような据え置き型なら40mmグレネードを320発/分で撃ち出すものもある。

>>461で挙げられてる型番のもの見てよ。
もちろん小銃や戦車砲に比べれば山なりだが、野砲、山砲の水平射と比べられるくらいにはなる。

474リュータ ◆viMvJifIpw:2010/08/26(木) 06:35:45 ID:RbDDVhX20
投下、乙です

>>466
>>>竜の牙でRPGでいうこところの竜牙兵が作れたりするんだろうか
>はい。採用。

あ、採用された。
すぐに生え替わる外側の牙で、それを取ったとしても人間で言うなら……歯石除去?(w

ある程度の数を使って、殺人人形の転移を浪費させる囮とか使えそう。
それに、アイテムとして、異世界で冒険者として活動してる人たちに送られて、
冒険者・神堂辰馬元大尉の相棒のベルとか喜びそうですね。
あと、ハワイ州オアフ島で、アメリカ海兵隊VS竜牙兵というカードが見れたりして。

475名無し三等陸士@F世界:2010/08/26(木) 08:24:49 ID:Dhs/IxZU0
>>473
りょうかい。分隊レベルの支援火力なら十分だ。
>>470から手繰って米軍の60mmバズーカー確認してみると
史実では昭和17年時点で登場している様子。
米が参戦していない竜神様世界で開発進んでいるか微妙だけど
M3中戦車と同じ経路で流れてこないものか。

蟲相手の戦いも結局のところ、随伴歩兵を伴う機甲部隊との
戦闘様式に帰着するのか。

476リュータ ◆viMvJifIpw:2010/08/26(木) 13:40:08 ID:RbDDVhX20
 1942年後半は、ドイツから様々な兵器が日本に渡っています。
 有名なものとして、「ヒットラ総統から日本のヒロヒト天皇への贈り物」としてタ弾が、
日本がトルコを経由しての日独間の貿易量を増やす確約をした礼としてU511(ⅨC型)の無償譲渡があります。
 
 タ弾の資料と模型は外交郵袋として、駐在武官と共にトルコ経由で零式輸送機で日本に運ばれます。
 その際に、ドイツ陸軍省兵器局の弾薬班長ニーメラー大佐と技術大尉2名も同行します。
(彼らの日記には、日本の歓待への感激と、黒長耳族・獣耳族が入り交じり始めている日本の姿への驚きが随所に残されています) 
 
 U511(日本に到着後、呂500と改名)には、日独伊三国同盟の軍事委員としてドイツに滞在していた野村直邦海軍中将が同乗。また、ドイツに派遣されていた陸海軍合同の調査団が購入を決定したFW190ーA3の輸送も担当することになります。
 6月初旬にフランスのロリアンを出航後、堂々と日章旗を掲げてジブラルタルとスエズを水上航行で抜け、8月には日本に到着します。
 呂500と改名後は、日本海軍により様々な調査や試験が行われ、以降の日本の潜水艦開発に大きな役割を果たしました。
 ちなみに、乗組員の士官の一人が亡命を希望し、戦中にドイツから日本に亡命したドイツ軍人の第一号になります。(実は反ナチス思想の持ち主で、母親がオーストリア人でした)
 
 MG151/20「マウザー砲」も、弾薬40万発と共に800門が上記の調査団によって購入が決定され(陸軍側の要求が強かったそうです)、トルコ経由で空路で日本に輸送されます。

477リュータ ◆viMvJifIpw:2010/08/26(木) 13:41:06 ID:RbDDVhX20
 他にも、陸海軍は日系商社を通じて、主に研究用としてドイツ兵器を購入しています。
 ドイツからの支払いの一部を兵器で払ってもらい、それを陸海軍が購入するという形です。
 ドイツ製兵器を入手したがっていたトルコ政府も、この取引に噛んでいたため、トルコがこの取引のほとんどの舞台になっていました。 
 残念ながら、この当時の独ソ戦の状況から、トルコや陸軍が望んでいた装甲車輌は、この時期ではほとんど扱われませんでした。
 しかし、ドイツが鹵獲したT−34が一両、T−34に搭載された500馬力の水冷ディーゼル・エンジンが複数、「空飛ぶ戦車」と恐れられたイリューシンIl-2数機が研究用として日本にもたらされ、大きな衝撃を与えたことも事実です。

 ちなみに、この日系商社が間に入った武器取引では、竜州も絡んでおり、研究用として陸海軍が少数購入した以外の小火器は、ほとんどが竜州に持ち込まれ実戦で使用されています。
 特にMP40とMG42は好評で、竜州予算でドイツからのライセンス購入が検討されることになります。
(陸軍は性能は認めましたが、7.7㎜弾への共用化を進めていたのと、弾薬消費量の増加を恐れて消極的。海軍も予算問題から、小火器には興味薄でした)

「海を渡って日本に来た兵器 ドイツ兵器編」 光○社 ○○文庫 より

478リュータ ◆viMvJifIpw:2010/08/26(木) 13:48:33 ID:RbDDVhX20
SSでなくてごめんなさい。
某文庫のパロディ風に書いてみました。

竜神様世界ならありうると思えることを、虚実入り混じらせています。
これこれの兵器が欲しいと何度も発言しているので、それが持ち込まれる理由付けを
きちんと書かないとと思っていましたが、SSに昇華できず……

こんなのでもOKかな?

479名無し三等陸士@F世界:2010/08/26(木) 18:26:03 ID:mcg6esMA0
>>478
1942年後半以降に、日独が友好的な関係を維持できているかと言うと激しく疑問だけどね

480名無し三等陸士@F世界:2010/08/26(木) 23:36:13 ID:jW6zDGkE0
>>478
空路はまずいんじゃないかな。
インド経由になるだろうから行きの途中でイギリスに積み荷を取り上げられても
文句は言えないし。
かといって海路でもロイヤルネイビーの臨検でドイツ人を捕虜や設計図なんかを
しょっ引かれるなんて事も起こりかねない。
少なくとも行きに積むモノは国際法上ドイツ(というかトルコに)に持ち込めな
い可能性が高いのがなんとも。

481リュータ ◆viMvJifIpw:2010/08/27(金) 01:14:56 ID:RbDDVhX20
>>479
日本は結局はソ連に攻め込まず、英米と接近していくのは確実ですからね<1942年後半以降
ただ、日本は燃料・生ゴムといった重要物資や零式輸送機、コーヒー豆といった嗜好品を取引ができる相手でもあり。
43年以降は、おそらく魔竜玉で米国からペニシリンの知的権利を買って、医療品としてペニシリンも輸出品目にはいるのではと。
ギリギリまでは取引相手国としての関係はそれなりに続くのではと思います。

>>480
竜神様日本の現時点での日英の状況なら、あからさまに英国の不利になるようなものでない限り、目こぼしや黙認状態じゃないかと。
日本がドイツに燃料・生ゴム・零式輸送機といった品物を売ってるのを邪魔してないのに、ドイツから日本に送られる少数の武器や人間を邪魔するような
ことは、やらないんじゃないでしょうか。

「42年後半に、この兵器がこういう経緯・経路で持ち込まれました」という自分なりの意見・提案は言い終えたので、あとは竜神様の中の人氏の判定・判断を素直に待ちますね

482名無し三等陸士@F世界:2010/08/27(金) 07:04:54 ID:Dhs/IxZU0
>>481
なんか考え違いしていると思うが、判定人などいない。
スレの中で多数意見の集積として合意事項が形成されていくのさ。

>>479>>480 は優しいよな、すごく。

483名無し三等陸士@F世界:2010/08/27(金) 08:50:13 ID:IAqPsUTM0
>>481
それは英国との内々の取引によるものであってドイツからのそれら
技術が英国の国益に取って不利になるようなら妨害があって然るべき
だと思うのですけど。そもそもその取引される技術が目溢しを受けられる
ような物なのかどうかという判定は英国(と情報部など)がするんでしょ?
量の問題じゃなく、その技術が英国から見て将来的にモノになりそう
だと判断されれば空路での輸送は危険が大きすぎると思うよ。
まだ遣欧潜水艦のような輸送路なら(航路にもよるが)まだしも。

484480:2010/08/27(金) 18:22:02 ID:jW6zDGkE0
なんといいますか、リュータ氏の最終的な結論についてはそれなりにあり得る事なんじゃないかなと思うんですが、
その理由付けが個人的に荒っぽくないかとかご都合世過ぎじゃね、と思えてうさんくさく見えてしまっただけでして。
文句があるわけではないんですね。

485名無し三等陸士@F世界:2010/08/27(金) 19:15:12 ID:oXmDehTQO
>>480
それ立派な文句だと思うw

緊張緩和が演出されているとは言え、枢軸国の日本が英国の敵性国家で
あることに変わりないのに、ミートボール付けた輸送機がのんびり飛べる
軍事連絡空路が開設できるとは驚きだね。
印あたりでは、ドイツ人が乗ってる日本の輸送機が英軍基地で
整備受けるのか、シュールすぎて邪魔するしないのレベルじゃない。
海路も同様だろ。日本向けだった荷は事故で海に沈むか、気がつけば
英国にあるのがオチか。
何せ情報ザル国家ニッポンだ。

486名無し三等陸士@F世界:2010/08/28(土) 16:01:51 ID:HpUGi8Ds0
>>485

今の日本は情報ザル国家だが、当時は別だろう。
情報関係だと外務省と海軍の暗号関係は戦争後半には殆ど解読されていたが、陸軍暗号は解読されていない。
そもそも当時の日本の情報管理がザルだったら超甲巡とアラスカ級の建造経緯の混乱っぷり、ガダルカナル戦での米軍による日本軍戦力見積りの過大評価の説明がつかん。
情報関係に関しては当時の日本には漁船用暗号まで存在していたって事実もある。

487リュータ ◆viMvJifIpw:2010/08/29(日) 00:08:32 ID:RbDDVhX20
>>484
>なんといいますか、リュータ氏の最終的な結論についてはそれなりにあり得る事なんじゃないかなと思うんですが

いえいえ、その言葉をいただけただけで十分です。
100%、俺の言ったことが起こるはずだ、何て言うつもりはまったくありません。
「42年後半に、これくらいドイツの技術やら兵器やら入ってくれていると、あとあと助かるだろうなぁ」
という結論先にありきだったことは確かですから。

>>486
海軍の暗号関係は、当時の連合艦隊司令長官・古賀峰一の遭難の際に、福留繁参謀長がゲリラの捕虜。
生還したが作戦書と暗号書類が奪われ、それを海軍の面子のためにうやむやにしたのが原因でしたっけ。

488名無し三等陸士@F世界:2010/08/29(日) 00:38:28 ID:10vSZT1I0
>>487

海軍暗号は海戦劈頭にはまだ解読されず。
その後米海軍による戦略レベルの暗号解読が徐々に進み、ターニングポイントになったのは伊号第一潜水艦がガダルカナル沖で連合軍と交戦、座礁沈没後。
この時暗号関係の書類を徹底的に処分しておらず、連合軍に暗号書を捕獲されたのが一番大きい。
何せこの伊号第一潜水艦から連合軍が引き上げた暗号関係の書類は総数二十万頁に及んでた。

489名無し三等陸士@F世界:2010/08/29(日) 12:10:28 ID:rEAOON2I0
>>486
>>487
暗号ではなく意識の問題じゃね。防諜意識の低さは本編で語られ、黒耳長族が入ることで強化が図られてるにしても、商取引ベースにまで徹底されているとは人的資源の面から考え難い。
また、英勢力下を通る独→日向けの荷は全てチェックを受けると思うほうがよほど自然だし、そんなとこに秘匿物資を流そうとすれば、さぞ目立つだろうな。

>>487
結論を得たいなら理屈を考える必要がある。
その辺を蔑ろにしないのがこの作品の魅力なわけで。よって進行がカメだがw

説得力のある説明とは言えず、レールガンとレベルが変わってない。
アイデアがあるなら提示して揉んでもらえばいいのさ。
その遥か手前のレベルで中の人の裁定仰ぎたいって言い出すのは、

描いた絵を周りに貶された幼児が、先生に観てもらうんだからイイもんと涙目

って光景を思い浮かべるが、ここではイタいだけ。

490名無し三等陸士@F世界:2010/08/29(日) 14:10:44 ID:XVTkF5FY0
>>489

意識の問題と言ってもそこがまた複雑。
史実を例に出すと、ミッドウェー海戦前に床屋の親父までが「次はミッドウェー」を知っていた、なんてのは有名な話。
だけど当のミッドウェー海域に向けて航行中の南雲艦隊は濃霧の中で針路変更する際、無電封止の元微勢力電波の発信する事を問題として大騒ぎになってたりする。
防諜に意識が向いていなければここで躊躇う事はないだろうし、戦略レベルと戦術レベルでかなり意識の違いが見て取れる部分も多い。
こういったことを考えると、一概に防諜に対する意識が低いとは言い切れない気がする。
特に陸軍暗号は戦争中最後まで解読されなかった事を合わせて考えると、防諜に関する件は海軍のみの問題という気も?

491名無し三等陸士@F世界:2010/08/29(日) 15:25:53 ID:HBQVum.c0
陸軍の暗号はワンタイムパッドを使っていたのが解読されなかった原因で
暗号資料は陸軍でもそれなりに鹵獲されています。
ただ役に立たないだけで(鹵獲してもトイレットペーパー扱いだったらしい)
じゃあ海軍でも使えよという話にもなりますけどあれは通信に思いっきり手間がかかるので
通信量が少なくて済む陸軍とは違い海軍では通信量が多くなるので
使うと通信網が破綻をきたします。

あと鹵獲されたから破れたという意見もありますけどパープル暗号自体が
母音は母音でしか置換できないという今となっては信じられないザル設計だった
ということも決して見逃してはいけない事実なんじゃあないかと。

492名無し三等陸士@F世界:2010/08/30(月) 07:19:28 ID:oXmDehTQO
>>490
これに尽きるか。陰謀論を除けば、真珠湾奇襲は隠しきったのに対して
ミッドウェー攻略は床屋の親父から待合の姉ちゃんまで知っていたというバカさ加減。
暗号以前の話だろう…。

>>491
陸軍の方が進んでいるかというとまた違う気がする。
中野学校の存在から窺うに、破壊工作含めた攻性な情報操作の必要性は認識されてたと思うけど。

493竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/08/31(火) 00:00:07 ID:ybLtRT0s0
リールの話をひとまず置いて、突発的小ネタを投下。

494名無し三等陸士@F世界:2010/08/31(火) 00:06:16 ID:EKril1ZA0
支援by大隈

495竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/08/31(火) 00:11:45 ID:ybLtRT0s0
 スリランカ コロンボ港

「日本郵船所属、帝亜丸。17537トン。
 横浜発、香港・シンガポール・サイゴン・コロンボ・アレキサンドリア経由、イスタンブール行。
 乗員乗客3587名。
 積荷はバンコク商会が発注したゴム・錫・ガソリン等でトルコ向けと」

 現在、英国に所属しているこの港で、英国人の係官が英語でてきぱきと臨検の手続きをする。
 もっとも、実際の臨検は彼の部下が始めており、ここでは船側の責任者と確認をするのみだったが。
 慣れたもので、責任者である日本人乗員も日本人特有の薄笑いを顔に浮かべてその指示にしたがっていた。
 インド洋情勢は複雑怪奇なもので、枢軸同盟に所属していながらまだ連合国と開戦をしていない日本船舶が我が物顔で航海をしていたりする。
 理由は簡単で、英国からすればインド洋を気にする事無く動けるからと、世界第三位の日本商船団が使えるからであり、それを福音を考えるほど大西洋の通商破壊戦は激烈を極めていたからである。
 何しろ、連合国の反撃の狼煙として派手に宣伝されているクレタ島攻略作戦の戦力は、インド洋の海軍戦力を空にして集められたものだったりするのだから。
 そして、このクレタ戦で海軍戦力に大打撃を受けた英軍が、日本を枢軸参戦させないように更なる飴を持ってこの状況を黙認していたのもむべなるかなである。
 とはいえ、腹黒紳士達の国である英国がやられっぱなしでこの状況を黙認しているわけでもなく、石油をはじめとする天然資源価格を吊り上げることで日本に『調子に乗るな』と警告を入れる事を忘れてはいない。
 この交易は枢軸側にもちゃんと利があって、現在のドイツでは手に入れることの難しい天然資源がトルコ系由(あくまでトルコの会社に売るのであって、そこからドイツに転売される)で手に入るからであり、日本が枢軸側に立って戦争に参加した時、目の前には乙女が裸で横たわるがごとく戦力がないインド洋が広がっているという期待感がこの交易を認めさせていた。
 もっとも、現状で異世界に目がくらんだ日本が枢軸国側で参戦するのは限りなく低くなったという事を、この英国人係官――前歴が英国情報部所属――は熟知していたのだが。

「イスタンブールからの帰りは積荷がほとんどですか。
 えらくくず鉄が多いですね。
 以前までは工作機械とかだったようですが?」

 こんな状況で行われている交易ゆえ、政治が入り込まない訳が無い。
 だから、応対している日本人船員も陸軍中野学校出身者だったりするのだが。

「お恥ずかしい話ですが、わが国では鉄を作るのに、この手のくず鉄は必要でして。
 貴国のインドやオーストラリアからも購入させていただいているのですが、何分戦争のせいで需要はうなぎのぼり。
 こんな遠くにまで買い付けをせねばならなくて苦労していますよ」

 もちろん、地球の裏側あたりの戦争真っ只中にある東地中海くんだりまで来て買い付ける商品ではない。
 くず鉄の名前で運ばれるのは、独ソ戦で破壊されたソ連製の戦車だったり、飛行機だったり。
 一機一台はそれぞれちゃんと破壊されているのだが、ここからエンジン、ここから砲塔と共食いさせるとあら不思議。
 なぜかちゃんと動く(使えるとなってないあたりがポイント)ものが仕上がるようになっている。

 これは、もう旧式工作機械や自国兵器すら独ソ戦に回して日本に出せなくなった事と、バーター取引で成り立っているこの交易が英国の資源価格吊り上げによって採算が合わなくなって次の次元――技術情報等――の支払いに移行した事を物語っていた。

496竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/08/31(火) 00:16:22 ID:ybLtRT0s0
「そういえば、今回の乗客はアレキサンドリアでほとんど降りるはずでしたね。
 食料の方は大丈夫ですか?」

 真顔で係官が心配するのも理由がある。
 この船に乗り込んでいる乗客は英連邦軍の兵士だったりするのだから。
 もちろん、軍事活動に使われると中立国としての資質に問題が出るので、彼らは一度除隊してこの船に乗り込み、アレキサンドリアで義勇兵として志願という筋書きである。
 このあたりの配慮をしているから日本としても怒るに怒れず、当然国際法ぎりぎりの行為ゆえにサービスとしてそんな危険を行った船には資源価格の割引という特典がついていたり。
 腹黒紳士の面目躍如である。 

「この船が快適らしく、皆満足していますよ。
 ただ、一つ困ったのは、皆が紅茶を楽しむので、紅茶がなくなるかも知れないと心配する次第で」

 日本郵船所属、帝亜丸。
 その元の名前はフランスの豪華客船アラミスである。
 日本の仏印進駐にともなって、サイゴンに居た彼女はそのまま帝国海軍に接収されたのだが、竜の飛来という政治的大混乱で日本が避戦を選択した結果、フランスに返却される事が決まっていた。
 とはいえ、返した所で今のフランスに使う場所も無く、おまけにフランスそのものが自由フランスとヴィシー・フランスに分かれて所有権を主張。
 この件でも自由フランスの肩を持つイギリスと、ヴィシー・フランス側のドイツの外交官が東京で激論を戦わせて外務省と軍をげんなりさせ、とりあえずそのままなし崩しで戦争が終わるまで日本が使おうという事に。
 日本が支払うアラミスの使用料金はポルトガル領マカオの銀行に納められて、最終的解決を待つ間、その金を膨らませることになるのだがそれは別の話。

「だと思っていましたよ。
 セイロンは紅茶の産地だ。
 この地で良い紅茶を仕入れてください。
 良ければ、今日の出会いに、私のお勧めの茶葉を一缶差し上げましょう」

「これはありがたい」

 たいした事ではない所で恩を売るというのは、最後には大きな流れとなって自分に帰ってくるものである。
 しかも、たいした事ではないから失敗しても構わない。
 外交とは人脈でもあり、こうして日英の諜報員が自然と交流を増やしている事が既に、彼らを親英派に塗り替えるという英国情報部の作戦だったりするのだが、それは日本側も承知していたりする。
 狐と狸の化かしあい。
 そんな言葉がふさわしいこの場所に変化が訪れたのは、着物を着た日本人女性が入ってきたからである。

「紹介しよう。僕の家内だ。
 今夜、コロンボ到着を祝ってささやかなパーティーをするのだが、いかがかな?」

「はじめまして。奥方様。
 パーティ、楽しみにしておきます。
 では、紅茶はその時にお持ちしましょう」

 船員の言葉に、ぺこりとお辞儀をする和服越しにも胸が強調された女性が家内などではなく、異世界から来た黒長耳族である事を係員は知らない。
 諜報の中枢に居座ろうとしている黒長耳族にとって、この手の各国にまたがる交易に随伴する事は格好の修行の場であり、人脈を築く舞台でもあった。
 そんな彼女達のお目付けとして陸軍中野学校関係者が呼ばれたのは、黒長耳族にも食い込んでおきたい陸軍の期待と、彼女達にふさわしい海軍関係者――特に仕官クラス――が、海上護衛総隊や海上保安隊等の海軍組織改変の大混乱で枯渇していたのが大きい。
 数分ほど外交辞令を終えて係官が去った後、家内役の黒長耳族がぽつりと言葉を漏らす。

「クレタが落ちたのに、アレキサンドリアにまだ兵を集める……
 英国は更にどこかを狙っているのかも知れませんね」

 その言葉に日本人もため息を漏らして答えた。

「東地中海がきな臭くなってきたか。
 この交易も長く続けられないかもしれないな……」


 帝国の竜神様 小ネタ話 帝亜丸幕間

497竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/08/31(火) 00:29:11 ID:ybLtRT0s0
 投下終了。
 皆様から頂いたネタは極力物語で返そうと心がけているのですが、それゆえ本編がものすごく遅く、まとめどう整理しようと頭を抱える中の人です。

 という訳で、レス返し。

>>…パンツじゃなくてフンドシが空を舞ってのかw
 はい。元ネタはそれです(笑)

>>ある程度の数を使って、殺人人形の転移を浪費させる囮とか使えそう。
 このあたりはアニスの話でおいおい。

>>リュータさん
 投下乙です。
 このSSはこのネタを基にした御礼SSを兼ねています。
 これを見て、何処にネタが入って、ぞのネタが入らなかったを確認していただければと。
 光○社 ○○文庫はいいですよね。
 私の資料です。

>>空路について
 厳しいでしょうね。
 とはいえ、海路はこんな感じなので、それを元にネタを広げて頂ければと。

 では。

498リュータ ◆viMvJifIpw:2010/09/02(木) 22:49:12 ID:RbDDVhX20
竜神様の中の人氏、投下乙です。

思っていた以上に日英関係が良好ですね。
英国にキチンと根回しすれば、「中立を守っていることの便益」又は「貸しの一つ」として
カウントされるかもしれませんが、そこそこのコトは見て見ぬ振りをしてくれそうです。
英国駐在武官補佐官の黒長耳族の特務士官が、リデル・ハート氏の間接アプローチ論といった
戦略論の講義を受けたりする未来もあるかもしれませんね。


>一機一台はそれぞれちゃんと破壊されているのだが、ここからエンジン、ここから砲塔と共食いさせるとあら不思議。
>なぜかちゃんと動く(使えるとなってないあたりがポイント)ものが仕上がるようになっている。
使えなくして廃棄されたはずのM4中戦車を、映画撮影とか色仕掛けであちこちからかき集めて使えるようにして、
アラブ連合軍を打ち破ったイスラエルという史実がありますからね。
動いて使えるようになったT−34が、異世界の大地にということもありえそう。
イリューシンIl2のモノコック構造が、烈風やキ102乙襲撃戦闘機に使われるとか。
T−34の500馬力水冷ディーゼルエンジンのコピーとか改良が搭載された日本戦車という、
パ○ツァーフロントBisで、F○Sの永○護がデザインした戦車(ソ連エンジンのドイツ車体)
とコンセプトが似た戦車がお目見えしたりとか。

色々とアイデアが出てきそうな内容で、興味深い内容でした。

499名無し三等陸士@F世界:2010/09/05(日) 02:54:16 ID:dJopjsuU0
あ、投下キテルー!超乙です

500陸士長:2010/09/07(火) 23:55:06 ID:3rgpiIEM0
英国抜け目ねぇえげつねぇ、流石腹黒。
まるで第一次世界大戦の米国の如く儲けてますが、何時まで続けられるのやら。

しかし、オロシヤの技術を取り入れようにも出来ますかね……。
斜面装甲を作るには高度な溶接技術が必要な筈ですけど。

と、ちょいと1レスSS投下。次回は天使の使いと踊る悪魔の共演を描けたらなぁ……。

501陸士長:2010/09/07(火) 23:56:33 ID:3rgpiIEM0


スリランカ コロンボ港から帝亜丸が出航して数日後の事。


戦時中であるにも関わらずインド洋を悠々と西進中の帝亜丸を見詰める目が海中から生えていた。

それは、Uボートの潜望鏡だった。
そう、インド洋に展開している独逸海軍潜水艦隊モンスーン戦隊の内一隻である。



「どうでしょうか艦長」
「……あれは獲物じゃないな、明確に中立国船舶。何よりも東方の友人の船だ。恐らくエジプトかトルコ行きだろう」

艦長は―――艦長のアアル・ヴァンリート海軍大尉は、攻撃用潜望鏡に取り付きながら呟いた。

「もっとも、血気盛んな植民地軍の将兵を民間人扱いでスエズに輸送している……と、情報部は言っているらしいが」
「なるほど、彼らも世渡りが上手な様子ですね」

微かに軽蔑の雰囲気が、となりに居るスティア・ノール中尉から漂う。

「先任、そう言うことを言うな。彼らのおかげで中立国経由で戦略資源が手に入っているのだからな」
「はっ……」

戦争時の各国は色々な事情を抱えている。中立国だって同じだ。
特に日本は枢軸同盟に参加しつつ中立国という、非常に歪な立場にある。
しかも、世界を変革させかねない竜の1つを抱え込んでいるのだ。

「アイルランドやスペイン船舶は兎も角、日本船舶だけは絶対に沈めたり誤射するなとの親父さん(デーニッツ)からのお達しだ」
「そうですね……」
「彼らには引き続き優雅な船旅を堪能して貰おう。他に中東からの船団かコロンボ発の船舶が居ないか索敵してみるか」
「ヤヴォール、ハイドロフォンによる探査を開始します」

ゆっくりと司令塔の中から発令所へと、ノールが梯子を伝って下りていく。
見送りそうになって慌てて目線を逸らす。
彼女の上半身は薄手のシャツのみだ、見下ろせばどうなるかは明白だ。

(しかし、あの縞々の群れはどうにかならんだろうか?)

つい、脳味噌の端っこに掃き寄せていた事を思い出してしまう。
自分は、静かなるオットー、スカパ・フローの牡牛、ヨアヒム・シェプケに憧れて潜水艦隊の士官に志願したのではないのか?

下水道のような艦内環境や日々劣化していく食事は覚悟の上だ。
しかし、幾ら暑いからと言って……正直、目に毒だ。
この二ヶ月でいい加減耐性が出来てきた筈だが、艦長室へ呼び出しに来たノールの縞々を起きがけに見ると流石に動揺する。
寝台に寝っ転がって読み飽きた雑誌を眺めている時に、通路を縞々がフリフリと行ったり来たりしているのを見ると頭が痛くなる。

南アフリカ周辺、西インド洋で作戦活動を行い既に41000tを撃沈したから、もっと高揚して良いはずなのに。
他の若い艦長なら、騎士十字勲章のリーチ来たと言わんばかりにはしゃいでる頃合いなのに。

性欲を持て余すとか何とか言ってられない。
もう、自分が異世界に居るような気がする。

実際遙々補給に来たミルヒクーの連中は、こっち側で作業する船員達の姿を見て目を丸くしていた。
何というか、現実的でないものを見せられた、そんな感じだった。

もっとも、彼女達の服装を責める事は出来ない。
地中海のイタリア海軍の潜水艦乗りは広報映画でも短パン一丁だった。
自分達よりも南寄りで活躍していたロベルト・ギーゼーのU-177でも、シャツと短パンが基本的な服装だ。
強力な空調設備を持つUボートだが、その恩恵に預かれるのは機械達だけ。

平穏な航海が続けば幾らかは涼しいが、哨戒の駆逐艦に探査されている時は音を掴まれないように空調も制限される。
つまり、静音航行等は……船内は蒸し風呂になる。
船員達の服装は縞々と汗で透き通った薄手のシャツ……。
畜生、自分はこんな事で頭を悩ませる為に潜水艦隊に志願した訳では……!

(いや、これ以上考えるのは止そう。彼女達を責めるのは……良くない)

彼女達には、このような場所ぐらいしか居場所がない。
竜が出現してから、暗黒時代の如く行われた魔女狩りによって追われた女達。
彼女達を保護したナチスドイツが、彼女達の中で親独的な人材を教育して戦線に投入した。
そして、海軍での実験部隊がこのUボート、正式な番号を持たない秘匿名『ウルディアーナ』だった。

アアルは知らない。
彼女達に、この艦に秘められた意味に。
自分に課せられた任務に。

この艦に秘められたものも、異世界から流れ込んで来たものである事に。

502陸士長:2010/09/08(水) 00:00:00 ID:3rgpiIEM0
多分、続きませぇん☆
第三帝国に属する女子は縞パンが鉄則でありますジークハイル!

脳内で、美女美少女がウィッチのハルトマンの下半身状態で潜水艦任務していると想いねぇ。
後、凄く詰まらない突っ込みですが、体臭が強い西洋女性が潜水艦任務したら素晴らしい事になりそうですよね。
アアルが理性を強く保てているのも、彼女達が発している体臭のおかげです。
スコールを利用して頻繁に身体を洗ってたら逆に理性がやばいです。

503名無し三等陸士@F世界:2010/09/08(水) 13:43:45 ID:sqBEfBOo0
陸士長さん乙です。

むしろ、女の側が我慢できない気がする・・・・
軍人として促成栽培された女達であるのだから、精神的にタフだとは思えない。
駆逐艦の爆雷とソナーにおびえつつ、隠密行動を長期間続けて、
一人しか男がいない状況で、しかも父兄的な立場にいるのだから、
モーションかけられない方がおかしい。

504名無し三等陸士@F世界:2010/09/08(水) 14:00:44 ID:uL7CqFs20
つまり、「レーベンスボルン(生命の泉)・インド洋出張所」というわけですね。
ワッフルに励んで「魔法の使える純粋アーリア種」を増やすという……外道だ(w。

505リュータ ◆viMvJifIpw:2010/09/08(水) 20:17:44 ID:iki3Ekyk0
陸士長さん、投下乙です。

>しかし、オロシヤの技術を取り入れようにも出来ますかね……。
>斜面装甲を作るには高度な溶接技術が必要な筈ですけど。

42年後半の時点で、T−34等を目の当たりに出来た事実が大切なのではと。
目標・指針があれば、それに追いつこうと試行錯誤すればいいわけで。
42年後半から43年いっぱいかけて、44年にやっと成果が出たくらいでも、
十分ではないかと思います。

506名無し三等陸士@F世界:2010/09/08(水) 22:29:53 ID:KxPku4PQ0
陸士長さん、乙。
某エロゲのオマージュですね。

507名無し三等陸士@F世界:2010/09/09(木) 14:58:18 ID:bINKcZRA0
わっふるわっふる!
ワッフルスレが超過疎ってて悲しい限りだ

508陸士長:2010/09/09(木) 23:49:15 ID:3rgpiIEM0
>>503
確かに、1vs47はキツイですよね。(彼らの船は人員と装備などは特殊ですが艦はⅥc型41です。
こっそりサプリメントに精力剤とかありそうですな。主に艦長用に。
しかし、誰も彼も唯一の男に縋ろうとしたら、その内取り合いが始まりそうな。
女同士の修羅場で沈むUボートだなんて情けないなぁw

>>504
ノールがこんな事言うんですね解ります。
「ふふ、立派な魚雷をお持ちですね」
「大丈夫ですよ。グリースをタップリ塗り込みました。装填不良はありえません。さぁ、前部発射管へどうぞ」
「さ、さぁ、か、艦長、早く"Torpedo los!" してください! 諸元(危険日)の測定は完璧ですから!」
数ヶ月後
「初期の磁気信管よりも起爆率が酷いってどういうことですか! こうなったら接触信管で……!!」

>>505
確かに技術目標とお手本があるかどうかは大事ですね。

>>506
その通りです。原作の新機能とは異なります。こっちゃ、オカルトな機能になりそうです。

>>507
同じく。でも、エロ書けないから自分は待つしかないですな。

509ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/09/10(金) 00:15:09 ID:FXRlVrA60
ディプシー&プリム、
続き書けたけど、最近誤字が多いので一晩寝かして添削するのです。

今日(10日)の晩には投下する予定ですので、しばしお待ちを〜〜。 (−−)ノシ

510ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/09/10(金) 21:08:30 ID:FXRlVrA60
見直してあちこち直したら、そのたび膨れあがる罠……onz

それではディプシー&プリム「研究会は危険な香り」を投下します。

511ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/09/10(金) 21:09:05 ID:FXRlVrA60
竜州での戦闘は帝国にとって誤算の連続と言っていい。
根本的に異世界相手の戦闘を『所詮、蛮族相手』『野生動物(熊や虎に)毛が生えたようなもの』と、
どこか侮っていた所があるのは否定できないだろうが、それ以外に異世界に対する情報収集が
捗っていないのが大きい。
おかげで前線の兵士は、殆ど何も判らないまま異世界の化け物と戦う羽目になっている。
また、陸巡「八雲」の戦訓から存在が判明した「殺人人形の製造数が億単位」という圧倒的物量は、
元々足りない竜州軍兵士の士気を、雲散霧消させかねないものであった。

そんな中、「素直に蟲の餌になってたまるか!」という気概のあるは者は、助かるために
七転八倒したあげく、蟲のことを『何も知らない・知らされていない』状況に愕然とする。
知らなければ対策も取りようがない、かといって上に任せっぱなしではこれまでの実績から
どうなるか判ったものではない。
そこで一部の兵士が暴走した結果が『丸耳族姉妹暴行未遂事件(通称:撫子五条通りの惨劇)』であった。
……しかし、程なく暴走した彼らが【当たり】を引いていたことが分かったのだ。

−−−撫子城下町、居酒屋『竜宮亭』−−−
−−【第1回「対巨大蟲戦闘研究会」】−−

「重ねていっておくがこれから話す内容は、私たちカイル・スイディ女王国で雇っている
傭兵団の蟲との戦闘経験と、古い魔導書を参考に理論構築した所見にすぎない。
概要は押さえてるはずだが、細かいところで実際とは違ってくる点が出てくるのは
避けられないはず……くれぐれも過信・盲信はしないよう気を付けて聞いて欲しい。」

「ウチら丸耳族が鉱脈探索で山の中を歩いているとき、はぐれの魔獣や蟲と出くわすことが
たまにあるわけッス、その時に備えて護衛の傭兵を雇ったり、魔導書を読みあさったり
しているんッスけど、その魔導書も、原典からの孫引き曾孫引きって状況だから、
どこまで真実なのかは保証しきれないっす、【偽書】とされる魔導書も結構ありますし。」

挨拶もそこそこに、蟲についての説明を始めるディプシーとプリム。
とはいえその内容も『どこまでホントかは保証外』という、実に頼りがいのない話である。
だからこそ、聴く側は【ウソをウソと見分ける能力】が試される、ましてそこに自分の命がかかって
いるのだから、みんな一言一句聞き逃すものかと真剣に耳を傾けている。

「あの蟲共の正体は、古代魔術文明期の生物兵器が大崩壊のゴタゴタで逃げ出したものが
野生化したものってのが、協会や学園の魔術師達の共通見解ッス。」

「その生物兵器の総称を帝国語訳すると【対長耳族魔導生物群】となる……つまり、あの虫達は、
緑竜の眷属たる長耳族(エルフ)を滅ぼす事を目的に開発されている、それは蟲の開発経過を
なぞることによってからも窺い知ることが出来る。」

「長耳族(エルフ)の魔力は人間とは比較にならないほど膨大ッス、正面からの魔法の撃ち合いでは
引っ繰り返っても敵わないから、じゃぁその魔力の源から断っちまおうってところが、
蟲兵器開発の発端らしいッス。」

長耳族は豊かな森に生える巨木と契約することによって、膨大な魔力を得て強力な魔法を
行使することが可能になる、逆に言うと森(契約樹)を失えば、その魔力の大半を失う。
長耳族の魔法に苦戦を強いられた人間達が、そこを狙わないわけがなかった。

「長耳族が守護する森への攻撃、最初は森への放火……これはすぐに水流魔法で消し止められた、
次に蝗の大群をけしかけた……最初は森を浸食する効果が認められたが、蝗自体の戦闘能力の欠如と
ただ群れるだけで全く統率されていないという弱点を突かれ、広範囲攻撃魔法で屠られた。」

「蝗をエルフの森にけしかけるつもりが、逆に自分たちの畑を荒らされたことも有ったようッス、
結局、長耳族の森を攻めるには『チマチマ放火しても魔法で対処されるので埒があかない』
『大規模攻勢を掛けるにも統率が甘ければ撃退される、下手をすれば自滅』って問題を解決する
必要が有ったわけッス、で、それらの問題を一挙に解決するための方策がいわゆる『蟲』、
【対長耳族魔法生物】ッス。」

「最初に白羽の矢が立ったのは木材を食害する【シロアリ】、牛ほどの体格に大型化され、
働き蟻が森を食い荒らしつつ兵蟻が長耳族を駆逐、元々社会性を持ち群れを形成するので、
統率面での心配も要らないとされた。」

とはいっても、今まで竜州軍が戦った蟲の中に【シロアリ】は確認されていない。

512ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/09/10(金) 21:10:43 ID:FXRlVrA60
「まぁ、結果からいうとこの【シロアリ】ってのは失敗作の範疇に入るッス、対長耳族の
“戦力”としては、案外使いづらかったとか何とか……、女王蟻の繁殖力は採用されて
巣を構成する基本種族として残ってはいるけど、野生化した【シロアリ】の目撃談は
殆ど残ってないッスね。」

「シロアリの次に開発された蟲……【ゴキブリ】の要求仕様から推察すると、【シロアリ】は
動きが鈍く戦闘能力に劣る点と、偏食傾向が強かったことが窺われる。」

「シロアリって、生木は喰わずに枯れ木・朽ち木しか食べないから、森を襲った【シロアリ】が
やったことは、実質的に森のゴミ掃除……森が活性化して逆に長耳族に感謝されてたそうッス。」

「兵蟻をけしかけても殆どの場合逃げられてしまい、防衛戦以外はものの役に立たないと評価された、
シロアリをけしかけられた長耳族も、実害がほとんど無いので無理に攻撃をしなかったのだろうと思われた。」

ここまで聞けば、竜州で見かけたことがないのも頷ける。
明らかな失敗作なのだから、残っていたとしても外征に出すわけがないのだ。

「偏食と動きの鈍さを克服するために開発されたのが、【ゴキブリ】ッスね、
アレはとにかく何でも食べますんで。」

それには皆が納得するが、盲点も存在した。
身体を大きくするごとに動きが鈍ってしまったというのだ。

「寸法を大きくするごとに、筋力は拡大率の2乗に増大するが、重量は3乗にまで膨れあがる……
つまり、筋肉の負荷は拡大率に比例して大きくなる、巨大化した生物の動きが鈍るのはそのせい。」

「【ゴキブリ】も最初はモッサリとした動きしかできなかったそうッス、その対策として
普通なら軽量化を図る所ッスけど、【ゴキブリ】の次を睨んでいた関係で、中身の空洞を増やして
軽量化を図るのが躊躇われたって記録に残ってるッス。」

「【ゴキブリ】に求められたものは高速化と偏食の改善……それとタンパク源の確保、
つまり、他の蟲の餌となること。」

「逆に求められなかったのは、【戦闘能力の強化】ッス、これは次の【蟷螂】や【蜘蛛】に要求してたッスね。」

蟲の身体を作る「タンパク資源」を【ゴキブリ】という形で確保できたことにより、
肉食性の虫を【対長耳族魔法生物】の原型にすることが可能になったのである。
そして、蟷螂や蜘蛛の餌として利用する予定があったからこそ、鳥の骨のように中身をスカスカに出来なかった。
しかし、ゴキブリでだけでなく蜘蛛も高速移動が求められたため、そのテストベッドとして
肉量を損なわずに高速移動する手段が模索されたのである。

「色々試した結果採用されたのが、軽量化魔法と飛翔呪文を併用して、地面ギリギリの高度で浮遊する
【半飛翔魔法(ホバー移動)】、これによって肉の量を減らすことなく高速移動が実現できた。」

「【ゴキブリ】と【蜘蛛】の速さがあんまり変わらないのも、この辺の事情によるッス、
元の速さはゴキブリの方が上ッスけど、体重減らせなくってその分速度が低下、対する蜘蛛は
餌になる訳じゃないから、軽量化して元はゴキブリより下だった速度を同程度に引き上げる
ことができた訳ッス。」

「長耳族との戦闘を前提として開発されたのが、戦線突破用の【蜘蛛】、指揮・地対空戦闘を担う【蟷螂】、空中を制する【蜻蛉】。」

「長耳族の戦闘で壁の役割を果たしていた泥人形(ゴーレム)を、効率よく破壊する為に【蜘蛛】には
【魔法解除光線】の発射機能が付与されたッス、【蟷螂】はテレパスでの指揮能力を付ける関係から、
【魔法解除光線】は省かれたッスけど、アレは素で泥人形に勝てるから、必要ないと判断されたんでしょう。」

「上空を乱舞する天馬(ペガサス)や翼獅子(グリフォン)に対抗するのは、【蟷螂】でも可能だが、
元々指揮官として開発された蟷螂は数が少ない、そのため空中で天馬や翼獅子を駆逐できる
飛行型蟲として【蜻蛉】が存在する。」

「んで、組織だった空中戦を展開するために、【空中指揮官】として更に大型の【ヤンマ】
が開発って訳ッス。」

513ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/09/10(金) 21:11:22 ID:FXRlVrA60
これで一応の完成をみた【蟲軍団】ではあったが、まだ問題は残されていた。
【蟷螂】の指揮能力が指揮すべき下位戦闘蟲の数に追いついていなかったのと、
戦場での運搬等の支援任務を担うワーカー(労働者)の不在である。

「蟷螂の指揮能力の低さは、主力となる蜘蛛との『血縁の遠さ』から来るものと判明した、
故に、より近縁の蟲を指揮官とすることで解決が図られた、そこで開発されたのが、
最強の蟲といわれる【蠍】……ただし、魔力を馬鹿食いするため、よほどのことがないと
【蠍】を繰り出す事は無いとされている……結局指揮官として出撃するのは相変わらず
指揮能力に難のある【蟷螂】で本末転倒。」

「支援用の蟲は、シロアリを無理矢理出していたんだけど、やっぱり戦闘力の低さからする
被害の多さはどうにもならなかったようッス、そこで『戦闘主力・指揮・支援』の問題を
一挙に解決すべく開発されたのが【黒蟻】と【蜂】ッス。」

「ただ、黒蟻と蜂の開発は難航を極めたらしい、形態が今までの蟲とは根本的に違っていたいから。」

【シロアリ】や【蟷螂】と【黒蟻・蜂】とでの決定的差異……それは完全変態か不完全変態かである。

「蛹になるまでが随分と繊細だったようで、何百何千という苗床(捕獲した黒長耳族)
を使い潰してやっと実用化されたそうッス。」

「そしてすでに実用化されていた【殺人人形】との併用、殺人人形を指揮し転移戦術を
行う【バッタ】と【蛾】の開発を持って、長耳族に対し決定的優位に立つこととなった。」

「以上が、大まかな蟲の開発経緯ッス、この他失敗作や廃棄種がいくつか知られているけど、
まず出会うことはないと思うんで割愛するッス。」

そう言って話を切り上げようとするプリムだったが、帝国側が食い付いて放そうとしなかった。
それだけ【新種の蟲】に対する恐怖感というのが強かったのだ。

「え〜〜〜っ! 所詮【シロアリ】以上の失敗作だから、未だに残っているとは思えないッス。」

面倒くさそうに声を上げるプリム。

「音響による攻撃で精神異常を引き起こす【蝉】……育成7年実働7日という使えなさからボツ。
豊富な魔力と圧倒的膂力が期待された【シャコ】……殆ど海水中でしか活動できないため
森の長耳族に対しての活動が限定されたため、ボツ。
丈夫な甲羅と比類無い筋力で、次期主力と目された【大角甲虫】……以外と殺傷能力が
低いことが判明しボツに……。」

ボツった蟲を述べてゆくディプシーに対し、プリムがツッコミを入れる。

「ディプシー姉、その順番だと次に来るのは【大牙甲虫】だと思うッスけど……
それ、実在が疑われる蟲の筆頭ッスよ? それこそ言及の必要無いはずッス。」

「そもそもこの会合は、蟲についての情報が不足していたが故に、情報を引き出そうとして
私たち姉妹が襲われたのが切っ掛け、知っている蟲の情報は全部吐き出すべき。」

「わざわざ居ない蟲の話までしなくたって良いでしょうに、言わなきゃ分からないんだから。」

「後で発覚した場合、目も当てられなくなる。
こことは別……お城でブリーイッド様が言及する可能性は十分ある、
ならばなぜ『居ないと思われるか』を説明し、余計な恐怖を取り除くべき。」

ディプシーの言葉を受け、「はぁ……」とため息をつきつつプリムが早口で述べる。

514ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/09/10(金) 21:12:10 ID:FXRlVrA60
「【蝉】は今ディプシー姉が言ったとおり、極端な実働時間の短さでボツったッス、
あと、魔術師が音波攻撃のパターンを学習させない限り、ただ喧しい馬鹿でかい蝉ってだけなんで、
万が一、野生化した個体が居たとしても、実害は殆ど無いッス……多分みんな滅んでいると思うけど。
んで、【シャコ】は構想段階でボツってますんで、そもそも開発されてない代物、
目撃した噂なんかは有るけれど、研究施設跡や長耳族の森の跡地とは全然関係ない地方での
目撃ってんだから、おそらく何かの見間違いなはず……そもそも海の底に住んでいるんだから、
竜州や緑州の内陸部には引っ繰り返ったって出てくるはず無いッス。
【甲虫】は実際にかなり開発が進んでいたけれど、蛹を経て成体になる蟲はあれこれと
世話をしないと成長できないッス、蟲の巣の中じゃぁ黒蟻や蜂なんかは孵化するところから
ずっとシロアリの世話になりっぱなしだそうで、同じく蛹になる【甲虫】もほったらかしなら繁殖できないッス。
で、【大牙甲虫】は成蟲になったら辺り構わず暴れ回って女王ごと殺しちまう問題が未解決のままだから、
蟲の巣での繁殖可能性は無視できるッスね。
てぇか、コイツは暴走する度に研究施設一つ潰したとか、本来竜を相手に戦う勇者の部隊を
暴走鎮圧のために本気で派遣を検討したりとか、思いっ切り嘘くさい逸話がゴロゴロしているんッス、
話半分としても強烈すぎるんで、実在が疑われる蟲の筆頭って言われているッス。」

「計画破棄後、残った【大牙甲虫】の蛹や卵をグウィネヴィアの森に投棄したとの記録が
複数の文献で確認されているが、それが本当なら蛹ぐらいは孵っているはず。
時期的にグウィネヴィアの森が蟲の激しい攻撃に曝されていた頃なので、森の防衛に致命的な
損害を生じたはずだが、その場所は荒野や砂漠になるどころか、ひときわ緑の深い原生林、
故にその部分は虚偽記載の可能性が極めて高いとされている。」

【失敗作】を相手にしなくても良いと理解できたところでやっと、『対巨大蟲戦闘』の検討に入る。
まず優先的に対策を練るべきは、主力たる大蜘蛛と殺人人形、それと転送戦術を担う
バッタと蛾の対抗策である。

「蟲との戦闘で最悪なパターンは、蜘蛛の接近を許すか、殺人人形の転送を喰らって
白兵戦に持ち込まれることだな。」
「接近される前に、火砲で吹っ飛ばすのが最善なんだろうが……弾、足りるのか!?」
「蜘蛛の魔法障壁はやっかいだぞ、チハの57mm砲弾を何発か跳ね返すんだからな。」
「……57mmは障壁に阻まれる、47mmはあたったところで突き抜けちまう、どうすんだよ。」
「魔法障壁は連続した打撃に弱いって話だから、かえって砲より機銃の方が有効なんじゃないのか?」
「それこそ弾の残りを心配しなきゃならんだろうが、つーか、10mもある化け物を
7㎜やそこらの機銃で止められるのか?」
「やっぱり砲……最低でも20mmは必要か。」
「20mmって……97式自動砲か? 弾丸どころか、銃そのものの数が足りないだろ。」

貧乏国家の貧乏軍隊の悲しさで、対策を練ろうにも結局アレが足りないコレが足りないで行き詰まってしまう。
やはり問題は、ただでさえ少ない弾丸を浪費させる『魔法障壁』の存在である。

「機銃で魔法障壁を消耗させた後で、砲や擲弾筒でトドメって所か……普通の手順と逆じゃね?」
「じゃぁ、砲すら防ぐ障壁をどうやって引っ剥がすんだよ。」

機銃より取り回しの悪い砲や擲弾筒で接近戦というのも、相当な負担である。
接近戦をやりたくないのに接近戦でないと仕留められないのが悩ましい。
10mもある巨大蜘蛛の突進の防ぎ方、この世界での代表的なやり方は聞いていたが、
基本的に防御戦闘用であり、せいぜい数匹の蜘蛛を相手にするのが限界であったため、
巣への侵攻用途には使いづらいものであった。

「【飛行阻害魔術】だっけ? あれで蜘蛛を転ばせて自滅を誘うとか。」
「俺達が使うとしても、鉄条網を組み合わせての防御戦闘用だぞ。」
「こっちからカチコミかける場合にはなぁ……。」
「榴弾をしこたま撃ち込んだら何とかならないか?」
「飛び散った弾片が障壁を消耗させて、障壁が無くなった蜘蛛はそのまま八つ裂きか……何とかなるかもな。」

結局火力での力押し、それに黒長耳族の結界による転移阻害、今までやっていることと何ら変わりがない。
そして、接近された時点で手の打ちようがないのも……。

「くそっ! 魔法障壁さえ剥ぎ取っちまえば、装甲自体はたいしたことないんだから何とかなるものを。」
「それだって、ある程度距離を持った上で砲撃かます余裕が有ればこそだ。
あまり距離が近いとこっちにも榴弾の破片が飛んでくるぞ。」
「信管の調整も難しいな、上手く手前で弾けてくれればいいが……。」

515ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/09/10(金) 21:12:50 ID:FXRlVrA60
単なる数減らしならば、蟲の群れのど真ん中に榴弾を撃ち込んでしまえばいいのだが、
突進の阻止を目的にするならば、何とか先頭の大蜘蛛を止めなければならない。
そして、止め損なってしまえば、【結界解除→殺人人形の転移→凄惨な白兵戦】という
多大な被害が約束された3連コンボが待ち受けている。
信管の調整を気にせず、確実に突進を止めうる攻撃方法……それも魔法結界を剥ぎ取った上でである。

「もっと形が小さければなぁ……マタギの爺さんから散弾銃でも借りてくるんだが。」

一人の兵士が呟いた一言が攻略のヒントとなる。

「……今、何て言った?」
「ん……? もっと大蜘蛛が小さければって。」
「そこじゃない、その後!」
「爺さんから散弾銃借りるって所か?」
「横流し品のM3には有るんだよ、戦車用の散弾が。」
「!!!」

そう、横流し品の米国製戦車に、対人用のキャニスター弾(砲弾サイズに拡大した散弾)が
少数ながら搭載されていたのである。
広範囲にばらまかれた散弾は、何十という弾丸が微妙な時間差を伴って蟲に襲いかかるだろう。

「なぁ、念のために聞くが、散弾を魔法障壁に当てたらどうなるんだ? 
障壁が無くなるのは、機銃で撃つのとどっちが早い?」

そう聞かれたディプシーだが、「判らない」としか答えられなかった。
キャニスター弾に匹敵するような攻撃方法を知らなかったのだ。

「100を超える金属球を高速でまとめて撃ち出す? そんな攻撃聞いたことがない。」

「……似たような方法なら、軽く束ねた矢束をバリスタや投石機で撃ち出すってのが有ったッスけど、
射程と威力が激減するから実戦で使われたって話は聞いたことがないッス。」

「魔法で石礫を撃ち出す方法もあるが、所詮投石に毛が生えた程度の威力、まして
戦車砲用散弾ならば100以上の金属球一つ一つの威力がクロスボウを上回るなど、
想定外としかいいようがない、魔法障壁はそのような攻撃を前提として作られてはいない。」

想定をはるかに上回る攻撃というならば、魔法障壁を速やかに無効化できるかもしれない、
試す価値は充分にありそうである。

「蜘蛛が散弾でいけるなら蟷螂もやれるな、じゃぁ、殺人人形やバッタとかはどうなんだ?」

「殺人人形は人間大の泥人形と大差ないのから、勇者候補の冒険者と渡り合う強力な
ものまで千差万別、故に一概には言えないが、概ね蜘蛛より障壁の強度は劣る、
バッタは障壁を張れない。」

「ってことは、榴弾や散弾ぶち込んで蜘蛛を片付けりゃ、その頃にはバッタや人形も挽肉と化してるって事だな。」
「問題は、榴弾や散弾の数が足りるかって事だが……。」
「なぁ……話が戻ってないか?」

頼みとすべきキャニスター弾も数が限られる。
貧乏軍隊の悲しい現実である。

「ちくしょーっ、どうせ徹甲弾じゃぁ障壁撃ち貫けないし、障壁抜きの蟲に撃ったって
そのまま突き抜けて致命傷にならないんだから、その変わりに散弾寄こせってんだ。」
「まぁそれなら、最低限必要な散弾は揃いそうだな……内地から持ってこれるんなら。」
「戦車砲用散弾なんて代物、内地でも作ってないだろうからなぁ……
いっそのこと自作するか? 蟲相手じゃ使えない徹甲弾バラして。」
「小銃弾じゃあるまいに、そんな改造出来る奴がどこにいる?」

っと、思わず丸耳族姉妹のいる方を向いてしまう参加者達。

「う……嫌な予感がするッス。」

(戦車砲用散弾とやらの構造は単純なもの、やってやれないこともないが……受けたくない。
受けたらいよいよ帝国本土行きの機会を逸してしまう)

「「「散弾作ってくれぇぇぇ!!!」」」

ディプシーとプリムの元に殺到する兵士達、命が係っているだけあって彼らも必死である。
深刻さではディプシーとプリムの比ではない。

516ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/09/10(金) 21:13:34 ID:FXRlVrA60
「いやぁぁぁぁ〜やっぱりこうなったぁ〜〜。」

「……出来ることなら誰かに代わってもらいたい。」

とはいえ、一定以上の技量を持った丸耳族はみな仕事を抱えており、そうそう呼び寄せられるものではない。
結局、手隙の自分たちにお鉢が回ってくるのは確定的であったが、プリムには一人【アテ】があった。

「ディプシー姉、も……もう一人呼びましょう、あの寝坊助を此所まで呼んでそいつにやらせるッス。」

「『寝坊助リズちゃん』……たしかに彼女ならおそらく喜んでやって来る。
……来るだけならば……。」

彼女らの脳裏に浮かんだのは、いつも眠そうな目をしている得意先の幼女。
金属加工の腕には定評があるものの、怠け癖が酷く「精錬」「採掘」の仕事はあれこれと理由を付けてサボる……
というより一切やらない問題児、寝てばかりいるため、「寝坊助」の有り難くない二つ名を
頂戴したリズというドワーフ。
しかし、呼んだはいいとして働いて貰えるかどうかが問題である、下手をすれば一族の
名誉と信用にかかわってくる。

「作るだけの腕があるのなら、後はこちらで何とかしましょう。
なに、説得材料はふんだんにありますから何とかなります……30年式(銃剣)で足りなければ
99式(小銃)を併用すれば一発でしょう。」

しれっと怖いことを言うのは石清水大尉、サボるようなら銃剣突きつけてでもやらせると
公言するあたり、蟲対策に必死なのがよく解る。

「それと、近距離での戦闘に備えての事ですが、皆さんに伝えることがあります。
近日支給予定の新型銃弾がありまして……此所にその見本が御座います。」

コトリと銃弾を置く大尉、銃弾の先端が鈍い銀色を放っていた。

「……新型銃弾? 猟やってる俺の叔父貴が使っている銃弾と同じじゃないか。」
「鹿や猪じゃぁあるまいに、俺達が相手にするのは戦車よりでかいバケモンだってのに。」

期待して損したとばかりに落胆する研究会の参加者に対し、石清水は恐ろしい事実を突きつける。

「この銃弾、【ダムダム弾】といいまして、国際法……つまり【ハーグ陸戦条約】で
軍隊での使用が禁じられている代物であります。」

「「「「「ブーーーーッ!!!!!」」」」」

盛大に吹き出す兵士達、ディプシーとプリムに至っては目が点になっている。

「なにしろ、命中後体内に潜り込むやいなや、十文字状やキノコ状に変形しながら
肉や臓器を引き裂き……ライフリングによる回転運動も与えられているのですから、
まぁ……銃弾の通った痕は殆ど挽肉と化しているわけでありまして。」

「「な……なな……な」」
「「こっ……ここ……こんな……」」

何の変哲もない狩猟用銃弾と舐めてかかっていたら、トンでもない代物だったとは。
聞いている側は思いっ切りドン引きである。

「人間に対して使うにはあまりにも残酷であるとして、30年以上前に軍での使用が禁じられた訳なのですが……
実はこれには『抜け道』があります。」

そう、あくまでも使用が禁ぜられたのは『軍隊が』『人間に対して』なのだ。
早い話、軍隊以外の組織や個人(例えば警察や猟師)が使ったり、人外(獣)相手に使用するのは自由なのだ。

「更に言うと、【ハーグ陸戦条約】を批准している国々は転移門の向こうにしかありませんし、
有ること無いこと書き連ねる邪魔なブンヤ共もいませんから、使用が発覚し国際問題化する危険も僅少でしょう。」

タガは外した……あとは煽るだけ。

「畜生や人間辞めている類、そして蟲……要は人間に対して使わなければ良いのです、
いいですか皆さん、【ダムダム弾】を撃って良い相手は畜生と化け物だけです、
そして我々が竜州で相手をするのは…………化 け 物 だ け で す。」

ニヤリと笑う石清水大尉、掛けている丸眼鏡に部屋の明かりが反射し不気味な雰囲気を醸し出す。

517ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/09/10(金) 21:14:09 ID:FXRlVrA60
「『人間辞めた類』……おそらくゾンビやスケルトンといったのを想定しているのだろうが、
同じ理屈で魔法による強化を受けた勇者にも【ダムダム弾】とやらを平気で撃ち込みかねない、
我々竜の眷属も下手をすれば対象に……帝国人、いや人間というのは本当に恐ろしい種族……。」

「腕を食いちぎられたとか、脚を切り飛ばされたってのもかなりキツイけど、
身体の中挽肉にされるってのは、生き残ったとしてもマジで精神やられるッス、
確実にトラウマになるッス、てか、毒のある鉛が身体の中飛び散るじゃないッスか、
それ取り出すためにまた身体切り刻んで……にょわーっ考えたくないぃぃぃ!」

真っ青になってガタガタと震える幼女二人。
震えているのは彼女らだけではない、居酒屋で手伝いをしていた黒長耳族や獣耳族も
話を聞いていたのである。

「怖いよ、石清水のおじさんさん怖いよ……ガクブル……」
「禁呪を使いまくるって感じだよね、今の話ってさ。」
「うう……怖さでは、帝国と戦うのと【魔牛】に怯えながら【禁断の森】に入るのといい
勝負かも知れねぇです。」

獣耳族の娘の一人が言った聞き慣れない単語、【禁断の森の魔牛】。
まだこの辺にやっかいな化け物がいるのかと、その情報を求め帝国人が殺到した。

「グウィネヴィアの森の近くっていうか、虚無の砂漠との境目のある一角なんだけど、
世界樹を目指して逃げるにはちょうど良いんだけど、入ったら最後誰も出てきたのはいないって言う
原生林があるんだ、そこを僕ら兎耳族は【禁断の森】って呼んで避けるようにしているんだ、
そしてそこに住む化け物が【魔牛】、大蟷螂でさえ苦もなくちょん切っちゃったって話もあるよ。」

聞いた場所を地図と照合すると、緑州グウィネヴィアの森の端に周囲の状況と比較して
不自然なまでに緑の深い原生林があった。
ドライアドのグウィネヴィアから堅く立ち入りを禁止されたそこは、長耳族から
【アルトリアの原生林】と呼ばれ神聖視されているところでもあった。
そんなところを化け物の済む場所といわれてはたまらない。
案の定、黒長耳族の一人が噛み付いた。

「そこはグウィネヴィア様の右腕、アルトリア様が身を賭して護りきった原生林、
化け物の巣窟と化すはずがありませんっ!」

「僕のお祖母ちゃんが、大蟷螂の鎌も歯が立たない焦げ茶色の甲羅と水牛みたいな角を
持った【魔牛】を見て逃げ帰っているんだ、本当にいたんだって。」

ぎゃぁぎゃぁと言い争う黒長耳族と獣耳族の横で、研究会に参加している帝国兵達には、
引っかかるモノがあった。

「焦げ茶の甲羅? 水牛の角?」
「なんか身に覚え……というか懐かしい感じがするんだが。」
「気性の荒い【大牙甲虫】か……直訳だな、こっちで言う何虫になると思う?」
「気が荒くて、でかい牙を持って……ハンミョウか? いやちょっと違うな。」
「嬢ちゃん方の話に出ている【アルトリア様】ってのは動物が好きでな、親を亡くした
栗鼠や兎をよく育てていたんだそうだ。
でだ、長耳族ってのは、種の保存と繁栄を司る竜神様の眷属なだけあって、あらゆる陸上種の
雌に化けることが出来るんだとさ。」
「おい……ひょっとしてひょっとすると……。」
「ああ、ひょっとしたかもな。」

『昆虫百科事典』をポンと叩きながら納得顔の兵士が言う。

「コイツは雌を護るし気性もひときわ荒い、身体のデカイ奴は雀蜂でも真っ二つにするから
蟷螂や蜘蛛なんかは敵じゃないだろう、別名で【水牛】なんて呼ぶ子供もいるから……。」

おそらくコイツで間違いないと指し示した表紙には、大アゴをめいいっぱい開いて威嚇する
お馴染みの昆虫が大写しになっていた。

「で……誰がこいつを探しに行くんだ?」

【第1回「対巨大蟲戦闘研究会」】の最後は、誰がアルトリアの原生林の調査に行くかと、
その許可を取るため、グウィネヴィアとの交渉役の決定に伴う一悶着であった。

518ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/09/10(金) 21:19:57 ID:FXRlVrA60
投下終了。

>ダムダム弾
モロに同じなんですよね、狩猟用弾丸と。
まぁ、撃たれる方はたまったモンじゃないわけでして……。
手っ取り早く攻撃力上げるにはこれかなと思ったのです。
あと、「国際法? 何それ美味しいの?」的なイカレ具合が(w)

石清水大尉……リアル上司がモデルだったのに、いつの間にか
(少佐+アンデルセン神父)÷2的なイメージに……
どうしてこうなった(悩)

519名無し三等陸士@F世界:2010/09/10(金) 21:46:50 ID:D.JMkq2Q0
ダムダム弾……

軍人が『使用』するのを禁止ではなく、
軍人が『所持』すること自体が禁止だったような…

確か、所持してたら死刑だったかと

520名無し三等陸士@F世界:2010/09/10(金) 22:11:04 ID:oXmDehTQO
投下乙でした。
しかし帝国が遠いことw

521名無し三等陸士@F世界:2010/09/10(金) 22:28:20 ID:2X5SPjM.0
投下乙っした。
アジア戦線のみで使われた悪名高いキャニスター弾が帝国の救世主となろうとは皮肉ですなあ

522名無し三等陸士@F世界:2010/09/10(金) 22:56:28 ID:YA.v9pGo0
投下乙です。

蟲退治ですが、止めはダムダム弾で刺すとして、その前の補助として、
除虫菊から作成した蚊取線香を使用するのはどうでしょうか?

蚊取線香の殺虫成分であるピレスロイドは、哺乳類・鳥類に対する毒性は比較的低く、
その一方で、昆虫・両生類・爬虫類には強力に作用しますから、生物である以上、蟲にもいくらかの効果はあると思います。

大日本除蟲菊株式會社(金鳥)の創始者である上山 英一郎の協力を受けた竜州軍防疫部(通称:蚊取線香部隊)が、
シロバナムシヨケギク(除虫菊)の現地栽培及び蚊取線香の大量生産を行い、基地防衛の為に蚊取線香を炊いて回ったり、
魔法の力を借りて蟲の巣を燻したり、余剰生産分を販売して軍事費の足しにしたりなど、地味に活躍できると思います。

523名無し三等陸士@F世界:2010/09/11(土) 01:18:18 ID:HBQVum.c0
>522
後のことを考えないなら
ピレスロイド系よりDDTの方が安くて効果も高くて
残留するから効き目も長いぞ。

とはいえDDTはアメリカの独占状態だけどな

後ふと思いついた電波として効き目の特別強い農薬ということで適当に注文したら
ドイツからは蟲にも人にもよく効く有機リン系神経剤が来たというものも。

524名無し三等陸士@F世界:2010/09/11(土) 07:59:46 ID:avS0rX3M0
>>519
ハーグ陸戦条約の原文には、下のようにあります。

>The Contracting Parties agree to abstain from the use of bullets which expand or flatten easily in the human body,
> (締約国は、人体内で膨張、或いは容易に潰れる弾丸の使用禁止に同意する)

したがって、「所持」および「人間以外への使用」は合法ですね。
「人間への使用」は違法ですが、罰則規定は記載されてないので、締約国の裁量次第かと思います。

なお、「人間への違法使用」が立証されたケースは、現在に至るまで無いらしいので(下記参照)、
罰則が適用されたことも無いと思われます。

>Although there have been allegations of violations of this treaty, to our knowledge none have been proven.
> (本条約の違反について申し立てが為されたことはあるが、筆者らの知る限り、立証されたケースはない)
>
>出典: International Review of the Red Cross, No. 849 (2003), p.135-142

525リュータ ◆viMvJifIpw:2010/09/11(土) 09:55:31 ID:iki3Ekyk0
ハルサブロー氏、投下乙です。

>「殺人人形の製造数が億単位」
これは読み手側の質問に、中の人氏が答えてくれて分かった、メタな情報。
文献等で億単位までと分かるというのは、ちょっと違和感がありますね。
作中人物視点としては「かなり大量にいる」止まりじゃないかと。

526名無し三等陸士@F世界:2010/09/11(土) 19:24:38 ID:IAqPsUTM0
>>523
濃度の低い青酸ガスをゴキブリ退治に使ったという話はドイツでありました
やな。
蚊取り線香を例に出すなら虫退治より交易品として異世界に売り込める
んじゃなかろうか?
蚊がいない地域でも蚤取粉としては価値が出そうなんだが。
蚤取粉として使うのは除虫菊の本来の用途だし。

527名無し三等陸士@F世界:2010/09/11(土) 20:42:50 ID:HBQVum.c0
>526
ドイツからチクロンBが送られてきそうだよな。
あれも元々は殺虫剤だし。

ナチス時代に作られた殺虫剤は本当に人も殺せるからこまる。

528名無し三等陸士@F世界:2010/09/11(土) 23:27:35 ID:dJopjsuU0
このスレに出てくる蟲って、地球防衛軍を思い出すな
よく生き残ってるなーこの世界の人類ww

529名無し三等陸士@F世界:2010/09/11(土) 23:35:04 ID:0GxQjdc60
>>528
サ、サンダー!

530名無し三等陸士@F世界:2010/09/12(日) 00:11:03 ID:HjgBq6nY0
>>519
それは法律で決まってるわけではなくて、捕虜になったときに弾頭に十字傷つけた弾丸を
持っていたらその場で殺されるってだけの話。

法律や条約で持っていたら死刑なんて代物じゃないよ。

531名無し三等陸士@F世界:2010/09/12(日) 00:33:40 ID:Iq9yW0XM0
>>530
それは単なる捕虜虐待であって条約とは全く関係ない戦場での暴走って
やつだと思うんだが。

532名無し三等陸士@F世界:2010/09/12(日) 03:46:07 ID:h702HvKA0
狙撃兵捕まえたら弄り殺すのと同じか

533名無し三等陸士@F世界:2010/09/12(日) 19:03:10 ID:gsj8xfTA0
>>531
だからダムダム弾持ってると死刑っていうのは法律関係ないよって書いてるでしょ
それに戦場の暴走っていうか
ダムダム弾持ってる→撃った相手を殺す気満々かよ→なら死ね
っていう論法だしねえ

手榴弾投げた奴が直後に両手を上げてもそのまま殺されるのと方向性は一緒

534名無し三等陸士@F世界:2010/09/12(日) 20:34:03 ID:Iq9yW0XM0
>>533
いや悪い。なにか「(条約とか関係ない)それが戦場のルールだ」
みたいな書き方に見えたもので。
よくある捕虜虐待の一つだな。

535名無し三等陸士@F世界:2010/09/14(火) 06:27:24 ID:iki3Ekyk0
禁止されてるダムダム弾を持っていた時点で、正規兵とは認められず、単なる殺人者って扱いになるんじゃないの?

536竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/09/15(水) 09:48:07 ID:ybLtRT0s0
リールの一日中編投下

537竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/09/15(水) 09:50:37 ID:ybLtRT0s0
 午前中のアニスの執務だが、リールにとってアニスの話し相手となる事に他ならない。
 元々、金に困らない高級娼婦であり、長き生を生きる有閑マダムであり、この異世界における大魔道士である勇者の称号持ちでもあるアニスである。
 そんな彼女の亡命劇は色々と関係各所に素敵な騒動を巻き起こしていたので、表立って動いてくれるなという帝国政府関係者のお願いに従っている。
 つまり暇なのだった。

「この国の戦力で、蟲達に勝てますか?」

「どうかしら?
 彼らの魔法外兵器は強力なんだけど、所詮、私たちが通った道でしかないのよね。あれって」

 お茶を片手にアニスと話す今日の話題は、陸上巡洋艦『八雲』が蟲と殺人人形に襲われて死傷者が出た衝撃で右往左往している日本人達についてだった。
 アニスも蟲掃討の火力の高さを見せられていたが、その破壊力よりもはるかに冷めた視線でその攻撃を見ていた事にまだ日本人達は気づいていない。

「『大崩壊』の後の戦争は、勇者を初めとした魔法戦になったけど、かつての勇者達も崩壊した魔法文明復興と汚染されたマナで動けず。
 で、戦争行為が膠着した時があったのよ。
 それで、魔法以外で戦争をしようという動きがあったわけ。
 弓矢や投石器という遠距離物質攻撃が戦争の主役になった時代があったんだけど、今はそんな名残が戦のあちこちに残っているのみ。
 どうしてだと思う?」

 ここで答えを出さないのもメイドのつとめである。
 暇な主の一人語りに相槌を打つという大切な仕事。

「さぁ。
 私にはさっぱり……」

「リール。
 あなたのそういうおくゆかしい所好きよ。
 で、その魔法外戦に対して、どういう手を取ったかというと……あ、お茶お願い」

 入れようとして、お茶が磁器上部から空気のように消える。
 それに呆然とするリールにアニスがいたずらほく微笑む。

538竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/09/15(水) 09:53:27 ID:ybLtRT0s0
「これが解答。
 矢程度ならば、風の呪文で逸らしてしまえばいい。
 石程度なら魔法結界で弾いてしまえばいい。
 けど、隕石召喚呪文を頂点とする物質攻撃は、逸らす事も弾く事もできない。
 幾百幾千の村や町が隕石で消滅した後にとられた対抗手段ってのが、転移魔法結界を展開して、魔法外兵器を全部『因果の果て』で飛ばしてしまいましたとさ。
 ある程度の復興が進むと、結局魔法が持つ便利さに魔法外戦力が追いつけなくなったのよ。
 魔法以外で星を落とすことが出来る?
 島を沈めることが出来る?
 極寒の大地を作ることも、灼熱の砂漠を生み出すことも魔法以外ではできなかった。
 だから、魔法に回帰しちゃうのよね」

 話はそれるが、現在の主流になっている魔法結界は慣性は防げないという欠点を抱えていたりする。
 もっとも、都市部の多重結界ならば都市そのものがその慣性に耐えるし、石人形・鎧人形が前列になる合戦ならば慣性に耐え切れずに壊れた所で構わない。
 隕石すら防げる転移魔法結界が現在においてまったく使われていない事を不自然に思ったリールが、自然とその疑問を口に出した。 

「ならば、どうして今の戦いにそれが使われていないのですか?」

「簡単な話よ。
 転移魔法は恐ろしく制御が難しい超一級魔法よ。
 常時、『因果の果て』に繋がる結界を開くなんて、渦の近くで泳ぐようなもの。
 吸い込まれるのよ」

 ちなみに、転移魔法によって出発点から出口に転移する間に何処を通るのかは、未だ持って解明されていない。
 魔術師達はとりあえず、その通過点を『因果の果て』と呼んでいるが、出口を設定せずに転移した場合どうなるのか誰もわからない。
 アニスの指が鳴ると同時に、『因果の果て』に消えていたのだろうお茶が湯気を立てていた。
 このあたりの制御に自信があるからこそ、彼女は勇者なのである。

「で、あとはお決まりのマナ汚染。
 決定打になったのは、中央世界のある国の話。
 国全部を転移結界防壁で囲んだその国は、マナ汚染で転移魔法が暴走。
 国ごと『因果の果て』へ消えてしまいましたとさ。
 この顛末の果てに『第一次学園禁呪協定』が成立。
 人間同士の殺し合いにこの呪文は使わない−−禁止呪文−−に隕石召喚と転移魔法結界は他のやばい呪文と一緒に指定。
 まぁ、人間外では使っているかもしれないけど、マナ汚染を考えるとそれも皆二の足を踏んでるみたいね。
 この数度の禁呪協定によって、人間世界の戦争は勇者決戦主義に修練されてゆくのよ」

539竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/09/15(水) 09:57:06 ID:ybLtRT0s0
 蛇足だが、魔法結界が壊れるというのは実はとても大事なポイントだったりする。
 結界を展開してそれが完全に密閉された場合、マナ汚染の逃げ場がないのだ。
 事実、アニス自身がゼラニウムと名乗っていた時に、そのマナ汚染で守るべき街を一夜にして滅ぼしている。
 壊れる事によって瞬間的にマナを入れ替え、それを重ねがけする事で全体の防御力と持久力をあげているのだった。
 もちろん、慣性制御をしていないのも、最初から設計されている欠陥である。
 これによって、防御側も攻撃を誘導できるからだ。
 こういった魔法戦のルールみたいなものをアニス以外知らないというのは、彼女のここでの滞在における強力なカードになっていた。

「で、それを教えるんですか?」

 リールの質問にアニスはさも当然という感じで答えを口にした。

「私は、自分を安く売らない主義なの。
 まぁ、一万二万死人が出たところで、私が操れば問題ないし」

 リールが差し出したお茶を口にしながら、アニスはなんとなく思った事を口に出した。
 それは、魔法という便利すぎる道具に依存しきっていた者の告白でもあった。

「魔法って便利だけど、だからこそ、決定的なまでにそれ以外を軽視しちゃうのよね。
 人が、あなた達獣耳族や長耳族を軽く扱うのは、同じように世界を軽く扱っているからに他ならないわ。
 一度『大崩壊』で滅んでも、いや、だからこそか。
 滅んでもここまで復興できると歴史が証明しているから、容赦なく、世界を軽々しく扱うんでしょうね」

 そして、アニスはティーカップを置いて、窓の外に広がる世界樹を眺める。
 そこから出たアニスの疑問にリールは答える事ができなかった。

「じゃあ、そんな壊れきったこの世界をあの異世界の人達に見せて、竜は何をしようというのかしらね?」


小ネタ話だったもの 犬耳メイド リールの一日 中編

540竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/09/15(水) 10:14:58 ID:ybLtRT0s0
 投下終了。
 『因果の果て』に飛んでいった国の名前をアルハザードって名づけなかったのは自重の証(笑)。
 という訳でレス返し。

>陸士長さん

 投下乙です。
 ちなみに、元ネタは何のエロげーでしょうか?
 詳細をお願いしたく……

>ワッフルスレが超過疎ってて悲しい限りだ

 ほんとごめんなさい。
 わっふるを書くのは意外とぱわぁがいるので。
 しかし、よく言われるエロくないエロから脱却するにはどうすればいいのやら……

>ハルサブローさん

 投下乙です。
 アルトリアの原生林を設定に追加してよろしいでしょうか?
 そうか……クワガタか……
 なんとなくゾイドを思い出した私です。
 という事は、ラスボスはウルトラザウルスにデスザウラー?(笑)

>大日本除蟲菊株式會社

 以前からネタに上がっていたのでちょっと会社史から調べてきます。

>このスレに出てくる蟲って、地球防衛軍を思い出すな
>よく生き残ってるなーこの世界の人類ww

 そりゃ、容赦なく蟲も人も殲滅しますので。
 この世界、魔法による相互確証破壊が成り立っていると思いついてこんな話を。

 では。
 次はリールの一日『中中編』です(まて)。
 いつになったら塩田先生とリールが出会えるのやら……

541名無し三等陸士@F世界:2010/09/15(水) 14:30:31 ID:YA.v9pGo0
投下乙です。
この世界の文明が進むと、時空管理局のある世界のように、
質量兵器禁止が叫ばれるようになるのかなw

大日本除蟲菊株式會社(金鳥)の会社史については、金鳥のHPに結構詳しく載っていますね。
ttp://www.kincho.co.jp/kaisha/japanese/ayumi/ayumi01.html

まさか、大正14年には既に教科書で上山英一郎の功績が称えられていたとは知らなかった…

542名無し三等陸士@F世界:2010/09/15(水) 15:19:32 ID:nNitjzhE0
某世界は質量兵器が大戦争で活用された結果、とんでも無いことになったからということでああなったのだから
この世界だと寧ろ、魔法が禁止になると思われ。

543陸士長:2010/09/15(水) 19:51:56 ID:3rgpiIEM0
>>540
投下お疲れ様でした。
どっちも長短あるんですから、日本人には両方とも受け容れて欲しいもんです。
管理局の場合は行きすぎてるように感じますからね。
……まぁ、魔法素養者が権力層を独占するように、市民に小銃が行き渡らないようにするようの名目にも感じますけど。

>詳細をお願いしたく……

タイトルは「蒼海の皇女たち」です。
先に発売された純愛系が本SSのモデルです。後に作られた方は艦丸ごと○○便所に(ry
悲惨のキワーミですが、某淫乱竜からすれば「うん、まだまだぢゃな」でしょうね。

後、ひとつ質問なんですが、雨抜き北側航路封鎖状態の無制限通商破壊戦はどの位の過酷さになってるんでしょう?

544リュータ ◆viMvJifIpw:2010/09/15(水) 22:48:45 ID:iki3Ekyk0
投下、乙です。

>「魔法って便利だけど、だからこそ、決定的なまでにそれ以外を軽視しちゃうのよね。
帝国本土に赴いたときに、
「人間が魔法無しで、これだけのモノを創ることができた……それが分かっただけでも、ここに来た価値はあった」
みたいなこと言ってくれるのでは、と期待するのは甘過ぎかな。

>「じゃあ、そんな壊れきったこの世界をあの異世界の人達に見せて、竜は何をしようというのかしらね?」
「私たちは、幾度と無く繰り返される、この壊れたループの世界を終わらせるために、異世界に渡ったのだ!」
なんてのが思い浮かぶのは、某なんとかのなく頃になゲームをやりすぎかもしれない(w

545ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/09/15(水) 22:52:42 ID:FXRlVrA60
本日はレス返しのみで。

>竜神様の中の人 様

投下乙です。
町一つ消し飛ばす隕石落としまくりって、
こっちで言ったら核ミサイル撃ちまくりってのに匹敵しそう。(^^;
隕石落下の衝撃で本来ならば自然環境が壊滅状態になるところを、
竜神様が涙目で予防&後始末している様が浮かびました。

>アルトリアの原生林を設定に追加してよろしいでしょうか?

はい、そのための二次作品ですので、ご自由にやってくださって構いません。

>リュータ様
>億単位の殺人人形
>これは読み手側の質問に、中の人氏が答えてくれて分かった、メタな情報。

>>244
>このあたり億単位であるので両方ある事にしておいてください。

を指していると思うのですが、初出は
>>222
>人形遣いによって率いられた億単位の殺人人形によって

つまり本文中です。

>>519氏他
>ダムダム弾と国際法

実際に規定されているのは>>524氏の指摘の通り、「使用の禁止」のみです。
「ダムダム弾の所持」によって、捕虜になる資格を喪失するとかの規定はないはずです。
おまけに罰則規定もないモンだから、戦争中の国際法違反事例はダムダム弾に限らず
ゴロゴロしているわけでして……無防備都市とか赤十字とか……。

546名無し三等陸士@F世界:2010/09/16(木) 01:52:22 ID:M0YXC0KU0
このF世界の魔法は強力すぎますからねw
乙です

547F世界逝き:F世界逝き
F世界逝き

548リュータ ◆viMvJifIpw:2010/09/16(木) 14:56:14 ID:iki3Ekyk0
>>545

>初出は>>222
>>人形遣いによって率いられた億単位の殺人人形によって
>つまり本文中です。

これは完全に私の勘違いです。申し訳ありませんでした。

で、あらためて考えてみて思ったことが一つ。
「人形遣いによって率いられた億単位の殺人人形によって、長耳族は滅亡寸前にまで」
イコール
「虚無の平原には億単位の殺人人形が存在している」
ではないってことですね。
・別の竜の眷属の地域にも、大量の殺人人形が分散して存在。
・中央世界で、万一の場合の秘密兵器として保存
・当時の戦いや、現在までの時の流れで相当数が喪失。
・兵馬俑みたいに、当時の人形遣いの墓所に大量に眠ってる。
などなどで、
「虚無の平原全体に存在してる殺人人形は、意外と少ないかも」
「巣一つ当たりの殺人人形の数も、懸念してるほどではない」
という可能性があるな、と。
今度の巣への攻撃も、思ったより上手くいったりするかもしれませんね。

549名無し三等陸士@F世界:2010/09/16(木) 20:28:48 ID:Rktrmm.g0
マナ汚染対策としてストレイト・ジャケットの様に使用済みマナをカートロッジに固定するとか、防毒面の様なマナクリーナーを被るようになったら魔法も使い放題になるのかな?

アニスは日本しか知らないから、物質文明を舐めているけれどヨシフおじさんや人民の海みたく10万、20万の被害は人口の0.1%にも満たない被害とか、発言する存在やマナ汚染で自滅するまで砲撃を続けれるコメリカ人を知ったら少しは警戒するでしょうかね?
最後はメテオストライクvsリトルボーイ。どちらの世界でも滅びそうですね。

550名無し三等陸士@F世界:2010/09/17(金) 17:28:35 ID:2mjTW22A0
撫子の卵の魔力を「攻撃魔法」で「一瞬で」消費すれば初期の核くらいの破壊力は出そうだと思ってたから納得だな

551名無し三等陸士@F世界:2010/09/17(金) 18:38:18 ID:ms8cqGzU0
アニスの説明を読んでいると遠距離物質攻撃を防ぐ手段は転移魔法結界しか存在しないと思えるのだが。

というか、弓矢や投石機と銃弾砲弾爆弾を同列に並べて判断し魔法のほうが投石機よりも便利さや威力で上なので魔法外兵器は役立たずといわれてもなあ。
非魔法兵器なので(魔法で強化されていない)投石機(バリスタ)の射程は4.5kgの槍でいいところ365-420mくらいだそうだし。

20-30kmの距離から都市に1時間おきの砲撃を1週間くらい続けたら砲弾を防げなくて壊滅か、魔法結界のマナ汚染で都市が壊滅するんじゃなかろうか。

552名無し三等陸士@F世界:2010/09/17(金) 18:42:04 ID:IAqPsUTM0
初期の原爆から十数年後には強化原爆がほこほこ制作され始めた
事を考えれば科学技術の方が厄介な気がしますけどね。
米ソ冷戦ならぬ異世界の脅威なんてものが必要以上に恐れられれば
原子爆弾の改良は早期に進むかな?

553名無し三等陸士@F世界:2010/09/17(金) 18:54:21 ID:8vCphbdU0
>>551
アニスも魔法以外を極端に軽視する思考から逃れられなかったということでは?

554名無し三等陸士@F世界:2010/09/18(土) 22:15:37 ID:H7pvzUYA0
だいたい、転移結界じゃドワーフ姉妹の言い出した『汚染マナぶちまけ』は止められないよね。
攻めるためには結界を解除しなくちゃならんのだしそうすると汚染マナが一気に流れ込む。
となればやられる前に隕石でもぶち込むしかないがどの程度の射程があることやら。
蟲相手に鍛えられて早期警戒網はとてつもなく厳重になっているであろうこちらの目をどれだけ搔い潜れますかね?

555ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/09/19(日) 22:50:06 ID:FXRlVrA60
>リュータ様
>「虚無の平原には億単位の殺人人形が存在している」
>ではないってことですね。
>「虚無の平原全体に存在してる殺人人形は、意外と少ないかも」
>「巣一つ当たりの殺人人形の数も、懸念してるほどではない」
>という可能性があるな、と。

その可能性は大いにあるでしょうけど、何せ元の数が数ですからねぇ……。
「億単位」と表現されているんだから、1億2億で済まなさそうって感じてます。
で、そこから相当数が減って、現在は億単位はないにせよ、万単位なら十分ありうるわけです。
蟲の巣への攻撃がうまくいくか、大損害を被って失敗するか……。
まぁ、心配の種は尽きないわけです(苦笑)。

……というわけで、対巨大蟲戦闘の切り札「キャニスター弾」の生産要員を確保してみる。
……ついでに、核攻撃級の【禁呪】の制限を付け加えてみたSS
ディプシー&プリム外伝(?)
「寝坊助鍛冶屋は仕事をサボって、帝国兵に聞き込みをしていたようです。」
投下します。

556ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/09/19(日) 22:50:53 ID:FXRlVrA60
大日本帝国との鉱石取引ラッシュに沸くカイル・スィディ女王国……。
人員の殆どを鉱石採掘に取られ、製錬所や鍛冶場の殆どは開店休業状態である。
女王国屈指の規模と品質を誇る、マベルの精錬所も例外ではなかったのだが、
「どうしても」と頼まれて久しぶりに製錬を行っていた。

「マベル、おるか〜?」

地方訛りのある言葉を発しながら製錬所に入ってきたのは【エレイン】という名の鍛冶屋。
永久幼児体型と揶揄されるドワーフの中では発育が良く、【貧乳】を気にしているどこかの
傭兵団長より胸の大きさは上だったりする。

「おう、エレインか、軟鋼から銑鉄まで鋼材一式、今朝方上がったところさ。」

王族に匹敵する製錬の腕から【鉱石の娘】と讃えられる稀代の職人マベルが、【鋼】という
実に有り触れた素材を生産する羽目になったのは、ちょっとした事情があった。

「すまんなぁ、アンタみたいな腕利きにわざわざ鋼なんか作らせてもうて。」

心底申し訳なさそうなエレインに、マベルは気にしていないと笑う。

「いいってことよ、ここ最近は穴掘りでなきゃぁ傭兵団の連中のお守りばっかりだったからな、
良い気分転換になったってヤツだ。」

「傭兵団……レイナん所の連中か、まだ帝国の奴等と揉めてん?」

「揉めているっちゅーより、団長と帝国兵が一緒になって騒いでいやがるんだ。
で、やりすぎた莫迦をシメたり、上の連中をなだめたりするのはオレの仕事なんだわ。」

「ウチ、めっちゃ忙しい所に仕事持ち込んでるやん……ホンマ申し訳ないわ。」

「忙しいのはお互い様さ、そっちだって寝坊助の世話は大変だろ?」

寝坊助と呼ばれるエレインの弟子【リズ】、さぼり癖が酷く寝てばかりいるということでそう呼ばれている。

「ああ、もう大変も大変や……元から鍛冶以外は鉱石採掘から製錬まで嫌がる奴やったが、
最近は『マベルの刻印のある地金じゃないと嫌だ』って、鍛冶場にすら立たん。」

「鍛冶場にすら立たねぇって……あの寝坊助、金属加工だけは熱心だったじゃねぇか、
いつからそんなになってんだ?」

「【コテツ】と【サンパチ】を見て以来やな……あれからずっと落ち込みっぱなしや。」

「鉄と鋼だけで魔剣並の【コテツ】に、オリハルコン鋼を全員に配布した【サンパチ】か……
まぁたしかにドワーフの自尊心ぶっ壊してくれる代物だわな。」

「あんな寝坊助でもウチの可愛い弟子や、あそこまで落ち込んでいるのを放っとけるわけあらへん。」

そう、落ち込んで全く働こうとしない不肖の弟子のため、エレインがマベルに頼み込んで
地金を作ってもらう羽目になったのだ。

「うん、さすがは【鉱石の娘マベル】の作や、これだけ良質の地金は王族といえどもそうそう作れるモンやない、
これを手に取ったらあの寝坊助といえどもドワーフの血が騒ぐこと請け合いや。」

満足そうにマベルの刻印が入った地金を眺めるエレイン。

「代金はリズの出世払いでいいぜ。
リズの寝坊助は、怠け癖さえ直ればすぐにでも独り立ちできる腕なんだからな、
まぁ、取りっぱぐれは心配してねぇさ。
それに、大半の工房が動いていない今、若手の腕が鈍っていくのは見ちゃいられんし。」

帝国との取引で、鉱石の大量輸出によって経済的に潤ったカイル・スィディ女王国だったが、
その反面、鉱山に人手を取られた製錬所や鍛冶場の大半が開店休業状態に陥り、
技術的な面ではあまり歓迎できる状況でもないのである。
金が入ってくる分、冶金の腕が落ちてしまうと苦笑いする幼女(マベル)と少女(エレイン)。
これから帝国とどう付き合っていくべきか、彼女ら個人だけでなく女王国もまだ結論を出しかねていたのだ。

「鉱山丸ごとお買い上げな勢いの取引量だっちゅーのに、これでまだ手付け程度ってんだから、
ディプシーやプリムじゃないが、『詐欺か法螺』を疑いたくなるぜ。」

557ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/09/19(日) 22:51:26 ID:FXRlVrA60
「常識外の採掘量で鉱山の人手不足を補うのに、もうすぐ独り立ちできそうな若手も
穴掘りに駆り出されとるしな……あかん、益々寝坊助のさぼりが酷ぅなりそうや。」

頭を抱えるエレインだが顔が笑っている、半ば冗談なのだろう。

「まぁ、あいつの穴掘り嫌いはしゃぁない、今までどおり飛び入り仕事に備えての待機組や。
槌を振るう元気が出ればそれで良し……それにリズは鋼材マニアやからな、
この地金見れば長剣の一本も、すぐにでも打ちにかかるやろ。」

上機嫌でリズの元に鋼のインゴットを持っていったエレインだったが、
リズの状況は彼女が考えていたよりも深刻であった。
エレインの鍛冶場に戻り、リズにマベル製錬所製の地金を見せたところ、たしかに槌を振るう
元気は出たようなのだが、その際仕事を始めるにあたっての発言が次の言葉である

「よし、包丁でも作るか。」

「……鎧や剣作ろうって気概は無いんかい。」

槌を振るう元気は出たものの、最高品質の鋼を自由に使って良い条件のわりに矢鱈と低い志し、
リズのローテンションぶりをよく知るエレインも、さすがに呆れてツッコミを入れざるを得ない。

「うーん……これからは剣や鎧みたいな武具よりも、包丁や鋏なんかの日用品の方が
食べていけるかなと……。」

「『鉱石の娘マベル』が直々に製錬した鋼材やで?
包丁なんかより、名うての冒険者が振るう剣なり戦斧を作るべきやろ、
ちゅーか、せっかく作ってもらった鋼が勿体ないわ。」

ジト目呆れ顔の師匠エレインに対し、リズはノンビリとした口調。
あこがれの素材を手にしたにしては、随分とテンションが低い。
そしてそれには相応の理由もあった。

「帝国製の武器を見ちゃうとね〜〜、チマチマと剣や鎧を手作りしても無駄に思えちゃんです。」

「たしかのあの素材と品質、それに下級兵士一人一人にまで配れる数は驚きやけど、
剣や鎧がいらなくなるほどや無いやろ、所詮魔法外兵器や。」

【大崩壊】で魔術文明が滅んでなお、弓矢に投石といった【魔法以外の飛び道具】は扱いが軽い。
竜の眷属や高レベルの冒険者といった魔法に長けた者達は、そんな物は魔法で殆ど
防げるという意識を少なからず持っているからだ。

「師匠、【サンパチ】の攻撃力が具体的にどのくらいのものか知らないでしょ。」

「鉄の鎧ブチ貫くんやから、クロスボウ並みはあるやろ、ドングリみたいに小っこくて
音より速く飛んで来るっちゅーのはやっかいやけど、あんなのは結界で……。」

「……20倍。」

「あん?」

「20倍、屈強な兵士が全力で放った投石の20倍力があるの、【サンパチの礫】には。」

エレインの目が点になり、カクンと顎が落ちる。

「サンパチの礫を見たガディ副団長の話と照合するとね、あの礫は音の2倍以上の速さで飛んでいるんです。
で、力ってのは重さと速さの2乗に比例するから、トンでもない速さで飛んでくるサンパチの礫は、
それこそトンでもない力を秘めて襲いかかってくる……ありゃぁ『バリスタ対応の障壁』
でもないと凌げないはずですよ。」

バリスタ対応の魔法障壁を張れる存在といったら、竜や勇者は別格として、
相当高レベル……勇者の従者がつとまるほどの魔術師か、魔導生物兵器たる蟲ぐらいである。
いや、勇者といえど隙を見せれば、障壁を張る間もなく一瞬にして頭蓋を砕かれかねない。

「ア、アホな……そんなモンを下級兵士に至るまで全員が持ってるなら……。」

「更に恐ろしいのは、サンパチの操作は基本的に資質を問わないって所。
弓の張りの強さと腕力の関係とか、剣の才能・魔法の相性とかも関係なし、
同じ姿勢で同じ所を狙えば、全部同じ所に同じ威力の礫が飛んでいくんです。
クロスボウでも同じ事になるけど、威力と射撃速度が段違いだから、
全く別な物と考えた方がいいでしょうね。」

558ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/09/19(日) 22:51:56 ID:FXRlVrA60
「10年間鍛えた剣技や20年修行した魔術師の魔法が、半日やそこらで使い方習った
雑兵のサンパチに打ち砕かれるって事やないか……た、たしかにこれなら鎧も長剣も
廃れるわ、閉所での取っ組み合いにダガーを使うのがせいぜいや。」

「トドメが巨船【愛国丸】、全部鉄で出来ている城みたいに巨大な船って話だけど、
実際は鉄じゃなくて【鋼】で出来ているはず……ただの鉄じゃぁ強度的に持たないから。」

「船……いや、砦丸々一個分の鋼を用意しろ言われても、ウチらの生産力じゃ追っつかんわ、
そんな大量の鋼使って、船なりサンパチの量産されたら……。」

帝国の物量に飲み込まれるカイル・スィディ女王国が容易に予想できた。
その帝国すら欧米列強に比べれば、ささやかな生産力しかないのをまだ彼女らは知らない。

「今、帝国が女王国に求めているのは、あくまでも希少金属の大量取引、それと魔法金属のノウハウ。
おそらく将来的にドワーフの活躍余地は、帝国の圧倒的物量の魔法面でのサポートと
鉱脈探索に僅かな魔法金属の生産、そのぐらいまでに落ち込むと思いますよ。」

『ある程度まとまった数でドワーフが働く』という事例は、本当に少なくなると予測するリズ。

「魔法で落盤防止と換気だけさせて、採掘自体は帝国のカラクリでザクザク掘り出すっちゅー事かいな。」

「そう、今まで王族が出張って済んでいた仕事を、一族総出でやる羽目になっちゃう。
それで残されたドワーフの仕事は?」

「工具用のオリハルコンを扱えれば御の字や、今までのように魔剣や魔法鎧で潤う
っちゅーのはないやろ、主力商品が壊滅や……なるほどそれで包丁か……。」

金属加工業としてドワーフの明るい未来が見いだせなかったからこそ、リズは落ち込んでいたのだ。

魔法が無いということで、何かと軽く見ていた……いや、軽く見ようとしていた帝国の国力。
冷静に分析してみれば、ドワーフ国の一つや二つ簡単に飲み込んでしてしまう規模であるのが判る。
そして、帝国にしてみれば、カイル・スィディ女王国の国土は宝の山だったのである。

「愛国丸だけど、使っている鋼が何種類あるんでしょうね〜〜。
多分、添加物の割合や熱処理の加減を調整して、部分部分で異なった特性の鋼を
使い分けているんじゃないかな?」

「その見立てで間違いないやろ、腐銀鉱や妖銅鉱を文字通り山ほど買い漁っているんや、
城みたいにでっかい巨船を【特殊鋼】で作らなあかんなら、それも当然や。」

「師匠、ドワーフの鉱山……帝国が手放すと思う?」

「腐銀も妖銅もいくらあっても足りんような、無茶な使い方している帝国や、それからすれば
ウチらの国は文字通り宝の山、いよいよとなったら軍隊送り込んででも自分のモンにするやろ……
もっとも馴れ初めが"主"の紹介やから、どのみち帝国の注文は断れんが。」

「我が国が常識外の取引に応じたってのは、"主"経由だから断れなかったってのもあるけど、
破格の好条件ってのも大きいです。
これ、他の女王国が聞きつけたら『ウチもウチも』って寄ってきますよ、で、人間世界への
地金供給が滞って……逆に、地金を帝国から輸入する羽目になるかも知れません。」

鉱石の『詐欺やホラを疑うレベル』の大量注文に対応するため、他の注文に応える余裕が無く、
仕方なしに他所のドワーフ女王国を紹介しているのが、カイル・スィディ女王国の現状である。
今はこれで凌げているが、『詐欺やホラを疑うレベル"以上"』の取引が恒常化するのは
帝国の物量からして確定している。
おそらく、帝国の需要を満たすには、カイル・スィディ女王国だけでは不可能だろう、
もう二つ三つ、ドワーフ女王国を丸ごと買い取る必要も出てくるかも知れない……
いや、おそらくそうなるのだろう。
そうなると、いよいよ帝国以外への希少金属の供給が滞ることになる。

「帝国以外の新規注文は全部断ってんねんからな。
このままでは、魔法金属の供給を絶たれた人間世界がキレるのは確定や。
それで戦にでもなったらどうなるか……。」

「まぁ、どっちみち帝国との関係を切るわけに行かない以上、思い切って『国ごと嫁入り』
したほうが良いと思いますけどね〜〜それもなるべく早いうちに。」

559ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/09/19(日) 22:53:01 ID:FXRlVrA60
西方世界も中央世界も竜の眷属はどうにかして『飼い殺し』にしておきたい。
それを帝国がかすめ取って、美味しいところを独り占めする様を放置するとは思えない。

「それこそ戦の原因になるで……隕石でも落とされて国ごと消し飛ばされるっちゅーねん。」

一応、隕石召喚や転移魔法結界というのは条約で人間同士の戦いでの使用が禁止されてはいるが、
あくまでも【人間同士】のである、そして竜の眷属は人間扱いされていない。
条約適応外ということで禁呪を使ってくる可能性は十分ある。
だが、リズはその可能性を一笑に付した。

「隕石? 【攻城級】の小型ならともかく、【亡国級】の代物を撃てるわけ無いじゃない。
言うだけ言って脅すつもりが、かえって足下見られて、立場悪くするだけだと思いますよ。」

「そりゃぁ、曲がりにも条約有るんやし、マナ汚染の問題もあるから……」

「それ以前の問題、『炉が傷むから火入れしたくない』ってのが、
禁呪を撃てない表向きの理由だけど、最近は事情が変わっているんですよ……
やっぱり、魔法を制限無く使えた良い時代覚えている、古い人ほど気付きにくいのかな〜〜。」

「古い人って……リズ、間違ってでも人間に向かってそんな言い方したらあかんぞ……。
で、それ以前ってどうゆうこっちゃ、俗に言う【禁呪協定】の発足理由はマナ汚染で
間違いないはずやで、変わった事情って何や。」

「『炉が傷む』以前に、『炉にくべる薪も炭も不足』しているんですよ。
隕石召喚? 転移結界? そりゃぁ撃とうと思えば撃てるでしょ……
山と積まれた魔竜玉を使い潰せば……でもね、
今はもう、竜から魔竜玉をザクザク掘り出せる時代じゃないんです、竜の殆どが行方不明、
因果の果てを通り抜けて、竜が別な世界に旅立ったって説もあるぐらいで、
また見つかる気配は全くなし、唯一所在が判っている緑竜(我らが主)は、帝国ががっちり押さえている。
魔力の供給源を押さえられながら大規模な禁呪の発動?
たかがドワーフの国を吹っ飛ばすのにそんなリスク侵しますかね〜?
それやるぐらいなら、帝国からミスリルやオリハルコンを買い付けた方が安全確実。
竜確保のために帝国と全面戦争やらかすにしたって、割に合わないですよ。
マトモじゃない攻撃……禁呪の類は主が防いで、それにメイヴ様達サキュバスが禁呪の発動妨害すりゃぁ、
魔法攻撃による戦の主導権は望めない、そしてマトモな攻撃の方は【サンパチの洗礼】ですよ、
たとえ勇者を繰り出したとしても、サンパチの魔法に頼らない超音速の攻撃ってのは、
背後からやられたら、それが当たるまで気がつけないんだから……
国が総力を挙げて育て上げた勇者といえど、何かの弾みで討ち取られかねない。
よほど頭が硬くて古い莫迦じゃないかぎり、怖くて手が出せないはずです。」

「【亡国級隕石】は無いにしても、【攻城級隕石】はキツイで。
アレなら連発してくるやろ、そうなると術者の数で圧倒されとる以上、主やサキュバス達が
いちいち防ぐのは厳しいはずや。」

「これ、帝国兵に直に聞いた確かな情報。
帝国はそれ以上のペースで【攻城級魔法外攻撃】を連発できますが何か?
……具体的には、【城壁を余裕でぶっ壊す一撃の“12連発”をおよそ“1分おき”】に。
そいつを数回繰り返しただけで、大規模な蟲の群れが殆ど吹っ飛びました。
勿論、余力を残したままでね……ここまでやっといて、些か物足りなかったってぬかしてやがりましたよ。
【成金一味】が青くなって逃げ帰るわけだよ。」

「ま……まぁ、全面戦争や亡国級の大型隕石はないにしても、陰に陽に嫌がらせはしてくるやろ。
むしろ、そっちの方が問題や。」

560ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/09/19(日) 22:53:38 ID:FXRlVrA60
「だから、早いうちに帝国に嫁げってんです。
そうなったら帝国は、文字通りの宝の山と、優秀な鉱山技術者を抱えるんだから、
必死になって護ってくれるでしょうね〜、それこそ帝国住まいのダークエルフと比べても
勝るとも劣らない手厚さで。」

「余計な被害被る前に帝国そのものになる訳か……
いや、元女王国同士での“派閥”が出来ることを考えたら、早く手ぇ挙げた方が有利や!」

その決断を上(王族)が出来るか否かが問題なのだが、"主"撫子直々の紹介ということで
帝国の関係で先行していると油断している隙に、出し抜かれる事もあり得るのである。

「で、めでたくカイル・スィディが帝国に嫁入りしたとして、潤うのは鉱山関係……
ハブられた鍛冶屋の私は、町の鍛冶屋として包丁と鋏を売って慎ましく暮らす予定。」

「ウチも鋏作ってみるか……、なんかお先真っ暗で泣けてきたで……。」

“ずーん”と落ち込む二人に“ガツン”と衝撃が襲う。

「あ痛っ!」
「にゅぉっ!」

振り返ると、手紙を持ったマベルが拳を握り、コメカミを引きつらせながら立っていた。

「大事な話があって追いかけてきたら、何二人で葬式開いてんだ。
つーか、エレイン! 寝坊助に釣られてお前まで落ち込むたぁ何だ!」

「好きで落ち込んでるやないわ、ちゅーか大事な話てなんや?」

「おうよ、プリムからの手紙でな……寝坊助!」

「ふぇ?! はっハイ何でしょう?」

「仕事だよ、依頼主は帝国陸軍、紹介はディプシーとプリム、
図面と材料は用意するから、帝国が使う武器を作ってくれって内容だ。
つべこべ言わず帝国の城まで行ってこい!」

訳も分からないうちに旅の用意を強要され、飛行艇に詰め込まれるリズ。
拉致同然に帝国行きにされてしまい、目が点になったまま戻らない。
挙げ句の果てに、心配した師匠エレインまで付いてきている。

「な……何が何だか判らない……。」

思考が停止し呆然とした幼女と少女を乗せ、青鐘の湖を飛び立つ飛行艇……。
彼女らを待っていたのは、蟲との対戦に備えて混沌の極みにある竜州軍であった。

561ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/09/19(日) 22:55:22 ID:FXRlVrA60
投下終了。

地方訛りと称した【エセ関西弁】が皆さんの気に障るようなら、
標準語習わせる事にします。

562名無し三等陸士@F世界:2010/09/20(月) 02:35:46 ID:Ar28F54c0
投下乙でした。
>>関西弁
大阪人ですが、使ってることに気付けないくらい自然だったんで全然OKですわw

563名無し三等陸士@F世界:2010/09/20(月) 12:17:20 ID:HBQVum.c0
投下乙
>「10年間鍛えた剣技や20年修行した魔術師の魔法が、半日やそこらで使い方習った
>雑兵のサンパチに打ち砕かれるって事」
彼らはまだ知らないサンパチ程度なら軽く弾き返す
”騎兵”を洪水のごとく流し込んでくるクマーな国がいることを。

実際問題この世界のソ連は何をしているんだろうか。
プリピャチ辺りに高濃度マナ汚染された土地に直結する門が勝手に開いて
マナ汚染されて変な性質を示すようになったゴミを拾っているとか。

564名無し三等陸士@F世界:2010/09/20(月) 12:30:47 ID:dU5/9oY.0
投下乙。

未知の戦に向けて大わらわな帝国。
勇者だからこそ魔法指向の強いアニス。
技術者として現状客観視してみせるドワーフ。
このところの投下で三者三様のありさまが見れた。

で、うまいこと正解はまだわからんねw

565名無し三等陸士@F世界:2010/09/20(月) 18:39:28 ID:t7fIzoAc0
投下乙。

これでリズがゾーリンゲンや関の包丁を見たらどう反応するのだろうか。

サンパチで驚いていると、米のM2、ドイツの機関銃や突撃銃(これはまだ完成していないか)を見たら絶望するかも。

ドワーフは油断が出来ませんね。力は重さと速さの2乗に比例というのを理解しているから、ゆで理論よりよっぽどしっかりしている。

ディプシーとプリムはカラクリの方に興奮して気が付かなかったようだけれど、間近でM3をこの二人が見たら車体が全面鋳鋼製の技術力に驚くだろうな〜。(日本の技術では無理だけど)

566リュータ ◆viMvJifIpw:2010/09/20(月) 20:30:45 ID:iki3Ekyk0
投下、乙です。

「あの大日本帝国に対して直接的に行動すべき!」
「いやあ、魔竜玉は普通に使うなら数十年分はあるんだから。もうしばらく現状維持で。若い奴らは短絡的だ」(主流多数派)
みたいな、変化を嫌う官僚主義とか役人根性みたいのが蔓延してて、中央世界の動きが鈍い。
私の場合は、そんなイメージでした。
ちなみに、竜達の異世界転移がこの時期だったのは、数百年ぶりに5匹の竜全員が人間の支配を受けてない状態になってたから、
というのをSSネタとして勝手に思ってます(w

>「ま……まぁ、全面戦争や亡国級の大型隕石はないにしても、陰に陽に嫌がらせはしてくるやろ。
>むしろ、そっちの方が問題や。」

帝国を西方世界の戦争に巻き込むために、

・「二つの国の顔色をうかがうのをやめ、帝国の力を借りでカッパドキア自身が支配を広げよう」
と主張するカッパドキアの政治勢力を援助したり、カッパドキア国民の世論を焚きつける。
・「我が国に味方してくれたら、敵国の所有する黒長耳族奴隷は全て帝国に」
という帝国が考え込まざるを得ない条件を出すことを、戦争中のロムルス・カルタヘナの要人に囁く。

みたいなこと、してくるんでしょうね……

567名無し三等陸士@F世界:2010/09/21(火) 01:02:18 ID:vNWbO7ug0
帝国陸軍は世界でも稀な『軍隊単位で夜間浸透』考えてた軍隊だからなあ
F世界の戦の夜がどんななのか知らないけど
日が沈んだらお休み夜は暗殺者のお仕事の時間なんて戦ならパニックだぞ

568名無し三等陸士@F世界:2010/09/21(火) 01:52:47 ID:M0YXC0KU0
結局優位なのかそうでないのかww
乙です

5692:2010/09/21(火) 11:11:56 ID:nBu7y9us0
ttp://draft.hp2.jp/index.html

570リュータ ◆viMvJifIpw:2010/09/21(火) 22:48:23 ID:iki3Ekyk0
>>567
地下足袋(じかたび)履いて姿隠しの魔法使って敵陣に入り込んで、喉をナイフでかき切りまくってる黒長耳族が思い浮かんだ。
TRPG風に言えば、センス・オーラ的な生体感知の魔法とか、指揮官クラスは殺気感知スキル所持とかあるから、そうは上手くいかないんでしょうけどね。

571名無し三等陸士@F世界:2010/09/22(水) 02:46:01 ID:rfPWkOAQ0
いつも通り龍神様面白いな
ハルサブロー氏は地球優位だと思っているみたいだけど魔法の汎用性とか竜とかを考えれば
やはりF世界優位じゃないかと思うのだがどうなのだろう
軍事的にはF世界優位でも地球の生産力が圧倒的すぎるから全体的には間違いなく地球優位だろうけど
それにしても反応弾と隕石召喚の相互破壊とか妄想したw

572陸士長:2010/09/22(水) 03:56:27 ID:3rgpiIEM0
>>571
その辺は地球側がどれくらい魔法技術を取り込んで科学と混合出来るかですねぇ。
竜の殆どがこっちに来ている以上、物凄くチャンスな訳なんですよ……本当は。
まぁ、一部が暴れ回ったり地中海でヴァカンスを楽しんでたり北大西洋でニートしてたり。

閑話休題(または異世界の力の鱗片を得る機会を得た国家社会主義国のお話

天の使い「と、言うわけで我が主をニート生活から脱却させたいのですが」
デーニッツ「すまん、訳が解らんのだが」
天の使い「空気読んでください。我が主は退屈し始めると何時までも引き籠もってしまうんです。刺激を与えて腰を上げて貰わないと」
デーニッツ「ふむ、それは解ったんだが……手段としては?」
天の使い「退屈を持て余して不貞寝している我が主の尻にG7魚雷を数本当ててくだされば」
デーニッツ「……本当にそれでいいのかね? 折角君達とコンタクトが取れたと思ったらそんな事要求されるとは思わなかったぞ」
天の使い「いいんですよ。折角、この大陸で一番我が主の退屈を紛らわしてくれそうなのは貴国だと判断したのですから……チャンスですよこれは?」
デーニッツ「……総統にお伺いを立ててみよう。(モスクワ・ポケットの件でピリピリしてるのに……はぁ、また胃薬を増やさないと」

暫くお待ちクダサイ

ロリアン(へ航空機乗り継いでいきなりやって来たデーニッツ+1

デーニッツ「と言うわけで、すまんが今一番活躍している君に是非とも遂行して欲しい任務がある(すまん、本当にすまん」
エーリッヒ・トップ「はぁ……総司令閣下直々のご指名であればお引き受け致しますが」
デーニッツ「そうか、ありがとうトップ大尉。本当にありがとう(すまない、本当にすまない、本当にすまない!」
エーリッヒ・トップ「はっ、それと総司令閣下、後ろに居る目麗しい方と……記者殿は?」
デーニッツ「今回の任務でオブバーザーとして君に同行する女性だ。それと彼はヴェルナー君。宣伝省が寄越した従軍記者だよ」
天の使い「よろしくお願いしますね……ふふ、素敵な殿方。歴戦の勇者のような」
エーリッヒ・トップ「は、はぁ……よ、よろしくお願いする」
デーニッツ「では、直ちにU552は北大西洋へと向かってくれたまえ。作戦指令書はこれだ。指定座標に到着したら開封する事」
ヴェルナー(大臣直々の命令で突然派遣されてよく分からないが……この任務で私の望みである『極限状態へ身を置く』事が出来るのかなぁ?)

ヴェルナーは後年語る。
あの願望は若さ故の過ちだったと。

エーリッヒ・トップは後年語る。
あの瞬間にいろんな意味で私は捕まったと。

573名無し三等陸士@F世界:2010/09/22(水) 09:23:49 ID:mcg6esMA0
>>571
竜を考えなければ、地球優位だと思うんだ
なぜなら、魔法は完全に個人の技だが、科学技術の産物は誰が使っても同じ結果を出せるから
最終的に物量で勝ててしまうんだよね
ぶっちゃけ、火球の魔法は威力も射程も個人の技量に依存するが、90式野砲の砲弾は
普通に狙って普通に撃てば誰でも同じ威力と射程が保証されているわけで
どっちが戦略や作戦に組み込みやすいかはいうまでもないでそ
ああ、無論日本人だから、野砲の射程ギリギリのところでピンポイント射撃やっちゃうような
バカヤローは出てくると思うけどwそういうのは基本例外扱いだから問題にならないし




――ルーデル?ヘイヘ?舩坂?誰が人外の話をしてるか、誰が

574名無し三等陸士@F世界:2010/09/22(水) 11:09:13 ID:mcg6esMA0
>>565
ドイツから輸入したソ連製戦車の残骸のなかにT34があるかどうかですが、もしあったら
アルミニウム(ミスリル)鋳造ディーゼルエンジンみて日本の技術者と一緒にorzしそうなヨカーン
ニコイチ・サンコイチでソ連戦車再現できたとしても竜州に回ってくるかは微妙ですが

575名無し三等陸士@F世界:2010/09/22(水) 13:10:26 ID:uAFqXd5g0
そういえば魔法技術の金属加工ってどこまで行けるんでしょう

現実のマグネシウム合金は加工に手間がかかって普及しませんでしたが
実用化できれば超々ジュラルミンを超えた軽量新素材の戦闘機ができますし
チタンの加工が可能ならジェットエンジンの目処がたちます

576名無し三等陸士@F世界:2010/09/22(水) 17:34:47 ID:mcg6esMA0
>>575
金属の練成自体は可能だと思うけど、必要量を確保できないね、おそらくは
F世界に無縁なものの最たるものが大量生産技術(と、それを支える思想)だと思う

577名無し三等陸士@F世界:2010/09/22(水) 18:34:56 ID:uL7CqFs20
>>575
>現実のマグネシウム合金は加工に手間がかかって普及しませんでしたが

確か、「戦時中に作られたヴィンテージもののDC-3」ってのが、派手な機体火災を起こして
墜落したって話が。で、その原因が「ジュラルミンの代用に使われたマグネシウムの発火」
だそうで……。マグネシウム合金で飛行機作って、大丈夫なんだろーか……。

578名無し三等陸士@F世界:2010/09/23(木) 00:30:16 ID:oXmDehTQO
>>576
F世界はいわゆる家内性手工業の域を脱してない様子だから
確かに大量生産の概念無さそう。
>>577
リニア開発の例を引くまでもなく、不時着即炎上か。
一式ライターなんて目じゃないw

579名無し三等陸士@F世界:2010/09/23(木) 00:33:48 ID:uAFqXd5g0
耐火のエンチャントなら多分いける

580名無し三等陸士@F世界:2010/09/23(木) 01:19:31 ID:oXmDehTQO
それはMgではないのでは。

581名無し三等陸士@F世界:2010/09/23(木) 13:27:06 ID:yV0A8k.20
>>578
ワンショットライターとして有名な一式陸攻は実際には
双発機としては高い防御力を持ってたと聞きますな。

582リュータ ◆viMvJifIpw:2010/09/23(木) 14:27:14 ID:iki3Ekyk0
陸士長氏、投下乙です。

>>571
>まぁ、一部が暴れ回ったり地中海でヴァカンスを楽しんでたり北大西洋でニートしてたり
乙姫やアイスランドの竜は性格的に自分から動くタイプじゃないにしろ、設定では一番に頭が良いシチリアの竜が静かすぎるとは思いますね。
ハワイの竜は、「オアフ島に放置された有り余る資材で、陸上に転移装置を作ってた」というSSを考えてはいます。

>>574
>ニコイチ・サンコイチでソ連戦車再現できたとしても竜州に回ってくるかは微妙ですが

再現して使おうとするなら、逆に竜州以外に使えないでしょう。
当時は舗装道路が少なく、15トン以上の車両通行に使える橋も主要道路にない。
さらに、日本の線路は海外よりも幅が狭くて大型車輌を運ぶのは困難でしたし。

同世界転移を大っぴらに使える竜州なら、そういう問題もかなり緩和されますし。
車体だけとしても、ソ連の120PMー38重迫撃砲コピーのドイツ12cmGrW42重迫撃砲を
さらに日本でコピーしましたなのを載せたり、戦車回収車としても使えそうですしね。

583リュータ ◆viMvJifIpw:2010/09/23(木) 14:29:11 ID:iki3Ekyk0
>15トン以上の車両通行に使える橋も主要道路にない。

訂正。
「主要道路にしかない」
でした。

584名無し三等陸士@F世界:2010/09/23(木) 16:26:21 ID:mcg6esMA0
>>582
国内はさすがに想定してません。大陸(対ソ戦)を考えてたわけで
T34に対抗しうる戦車は、この当時T34(とKV1)しかありませんから。米のM4や、独の4号F2はも少し先ですし
ついでに、T34の運用はむしろ体格の小さい日本人の方が向いてそうな気もw

585名無し三等陸士@F世界:2010/09/23(木) 19:36:58 ID:inTe32560
戦車だ!
戦艦だ!って言いたい気持はわからんでも無いが
インフラの全く無い竜州で整備と補給を支えるのは大変だと思うぞ。
数を揃えられたり原価償却の済んだものから使うことになるだろう
兵士からしてそんな感じなんだし。

586陸士長:2010/09/23(木) 20:33:46 ID:3rgpiIEM0
>>582
……まだまだ先進国を名乗るには遠かったんですかねぇ。
半島と満州にぶっ込んだ投資を国内に振り分けてたら、高速鉄道と高速道路ぐらいは出来てたかな?

587名無し三等陸士@F世界:2010/09/23(木) 21:42:04 ID:dwRiaKAA0
>>586
主要国道の舗装も大都市部を除いて戦後の話です。
何しろ、自動車がほとんどいない国ですし。

588名無し三等陸士@F世界:2010/09/24(金) 07:04:34 ID:t7fIzoAc0
>>586
戦後の自動車産業が壊滅したかもしれないが、戦前事後立法までして潰したフォードの日本工場を認めていたら高速道路は無理でも道路の舗装率は上がっていたかも。
結構社会インフラに対して口を出したり、ガソリンスタンドの全国展開など自動車を売れる努力をしたと昔何かで読んだ気がする。

でも、ニコイチ、サンコイチで組み立てたら国内から運ぶ桟橋が無いというオチになったりして。

589名無し三等陸士@F世界:2010/09/24(金) 16:39:12 ID:N3GLyELc0
>>587
1939年時点での自動車保有数


イギリス 約150万
フランス 約180万
ドイツ   約200万
イタリア  約30万
日本   約12万

アメリカ  約3000万

590名無し三等陸士@F世界:2010/09/24(金) 22:46:02 ID:HtVIfaJo0
戦前は2000円あれば借地に家が建つといわれたそうだが、1935年当時
フォードトラックの国内販売価格は3,100円・トヨダG1(1.5t)でさえ
2,900円もしたという
高等文官試験に合格した公務員の初任給が75円(1937年)、小学校の
教員のそれが55円(1933年)、日雇い労働者の賃金は2円かそこらの時代
国から積極的な助成制度でもないと民間に自動車は普及しなかった
のでは

591名無し三等陸士@F世界:2010/09/24(金) 23:28:32 ID:OiCx0Zqo0
日本メーカーなんて、
軍用自動車保護法と自動車製造事業法があってやっと経営が成り立つよ、って状況だからな
しかも軍による買い上げ前提だからどうしても軍用トラック生産が中心だし

陸軍は「連絡に補給品輸送に負傷者移送に大活躍!」って自動車部隊を宣伝する新聞記事を書かせて、
国内自動車メーカーの育成を図ってるんだけどな

592名無し三等陸士@F世界:2010/09/25(土) 00:08:16 ID:x7bGmUG.0
いっぽう1939年アメリカ
スタインベックが「怒りの葡萄」を発表
凶作の続くオクラホマの貧農ジョード一家は畑や家財を売り払い
"フォードのトラックで"新天地カリフォルニアを目指すのだった...

593名無し三等陸士@F世界:2010/09/25(土) 03:44:48 ID:/ukUhGkY0
平坦な土地が広がっているアメリカさんはイイデスネ

594安井 賢一:2010/09/25(土) 12:02:49 ID:DzLDIjiE0
F世界逝き

595安井 賢一:2010/09/25(土) 12:06:45 ID:DzLDIjiE0
鉄道でふと思ったんだが、あるSSで地面を操るキャラが岩盤を出して
その上を機関車が走るというのを見たことがある。

同じこと撫子にやってもらう事出来ないかな?
(まあ耐久性の問題がありますが……)

596名無し三等陸士@F世界:2010/09/25(土) 19:42:31 ID:IG6u5Xig0
ネタ投下

597名無し三等陸士@F世界:2010/09/25(土) 19:43:20 ID:IG6u5Xig0
1942年5月25日 満州国新京

「第一小隊、左に回って凹みに姿を隠せ」
隊長車からの無線連絡を受け、土煙を巻き上げて急速旋回する4両のM3軽戦車。
ガバナーを解除し、弾薬その他のオプションを降ろしたうえ車長と操縦手の二人しか乗っていない軽負荷状態のM3は時速80キロ近い猛スピードを出している。
九五式や九七式なら瞬く間にエンストを起こすかギアが抜けるところだが、T型フォード1,500万台の実績を持つアメリカ自動車業界の職人魂が乗り移った前進5段・後進1段のシンクロメッシュ式変速器と動力再生型二重作動式操向装置は、この荒っぽい操作に完璧に答えてみせた。
「砂に足を取られるなよオイ、こんなところで立ち往生はゴメンだぜ」
砲塔内でマイクに向って語りかける車長。
前のカットでハッチから半身を乗り出していたはずなのだが、娯楽映画で細かいことを気にしては負けである。

満州映画本社ビルでは、満州国軍戦車連隊が撮影に全面協力した超大作「覇琉質(ハルチ)大作戦」の試写会が行われていた。
映画は満州国内の架空の都市覇琉質(ハルチ)を舞台に、どこからともなく現れて暴虐の限りを尽くす国籍不明の戦車部隊と満州国軍戦車隊との戦いを主軸に、切れ者の情報将校と頭の固い大佐の対立と友情、はみ出し者の戦車兵と現地女性のラブロマンスに加え、国民党軍が隠した黄金を狙う無法者三人組が狂言回しを演じるという群像劇で、アクションあり笑いありお色気あり、そのうえさり気無く鋭い戦争批判も散りばめられているという一大娯楽巨編である。

「諸君、私は戦争が好きだ、諸君 私は戦争が好きだ、諸君 私は戦争が大好きだ。
殲滅戦が好きだ、電撃戦が好きだ、打撃戦が好きだ、防衛戦が好きだ、包囲戦が好きだ、突破戦が好きだ、退却戦が好きだ、掃討戦が好きだ、撤退戦が好きだ。
平原で、街道で、塹壕で、草原で、凍土で、砂漠で、海上で、空中で、泥中で、湿原で。この地上で行われる ありとあらゆる戦争行動が大好きだ」
長身痩躯の死神のような雰囲気を漂わせた男が、ずらりと並んだM3中戦車と乗組員の列線の前で熱弁を振るっている。

598名無し三等陸士@F世界:2010/09/25(土) 19:44:09 ID:IG6u5Xig0
映画デビュー作となるこの「覇琉質(ハルチ)大作戦」で実質上の主役と言っていい謎の戦車軍団を率いる狂気の部隊長を演じるのは、帝大法学部を卒業し外交官僚としての道を歩み出してはみたものの、政治の世界に失望して俳優に転身した青年、天本英世。
天本はこの部隊長を演じるにあたり、スカルキャップにブーツにマントという特徴的なコスチュームを自前で用意し、さらにスペイン文化に傾倒していて暇があればフラメンコのステップを練習をしているという設定を提案するほどの熱の入れようで、その入れ込み具合は初老の従兵を演じた小林昭二をして「あれはどこまでが地でどこからが演技なのか全く分からない」と言わしめたほどである。
かくして天本英世演じる部隊長は、その特異なキャラクターとインテリジェンスな物腰のなかに狂気を滲ませた怪演で観客に強烈な印象を与えることになる。
そして天本に劣らぬ存在感を見せ付けたもう一人の新人がいた。

謎の戦車隊に占拠された村を助けるかどうかで衝突する無法者三人組。
ほっとけばいいという仲間の一人にリーダー格の男が人差し指を突きつけて言う。
「お前、それはよくないよ、よくない中流個人意識だよ!その手の小ブル排外主義は浪花節で乗り越えるしかないよ!」
無法者のリーダーを演じるのはこちらもこの映画が銀幕デビューの松田優作。
鍛えられた肉体を持つ男前でありながら大真面目な顔ですっとぼけたセリフを吐く。
それでいて見せ場では建物の屋上から下を通過する戦車に飛び乗るという危険なアクションを涼しい顔でこなし、大向こうを唸らせた。
こちらも黒のソフト帽にサングラス、イタリア製のオートバイを乗り回しライターの火力は常に最大と松田本人のアイデアによるキャラクター造形が随所に採用され、印象深いキャラとなっている。
他にも流浪の柔術使い瀬形三四郎を演じた藤岡弘、香港マフィアの殺し屋ボロを演じた楊斯(ヤン・スエ)といった曲者揃いのキャラクターが画面狭しと暴れまわる。
だがこれら俳優陣を圧倒する存在感を発揮し、映画の立役者となっているのはなんといっても戦車であった。

599名無し三等陸士@F世界:2010/09/25(土) 19:45:00 ID:IG6u5Xig0
1941年11月にデトロイト戦車工廠で生産がはじまったばかりのM3中戦車は当時のアメリカ陸軍における最新鋭車輌である。
車体に75ミリ砲、砲塔に37ミリ砲を搭載したうえに30口径機関銃を装備した車長用の小砲塔まで備えた、日本には無い30トンクラスの重戦車(帝国基準)であるM3はまさに移動要塞、陸に聳える鉄(くろがね)の城であった。
この視覚的インパクト十分のM3が、映画の中では75ミリ砲で満州国軍のM3軽戦車や重砲を積んだ軍用列車や便所を吹き飛ばし、37ミリ砲で九九式襲撃機を撃墜する(M3中戦車は設計段階で対空戦闘(笑)も考慮されており、37ミリ砲用に開発されたM23型連動砲架は最大仰角60度を取ることが出来た)さらに一列横隊で低速前進しながら車体前面に装備された二挺の固定機銃で民間人もろとも歩兵をなぎ倒すといった暴れっぷりを見せるのである。
これによる刷り込み効果は強烈で、日本および満州で一般人に戦車といえばだれもがM3(中)をイメージするようになる。

そして戦車という被写体の魅力を最大限に引き出したのが、戦闘場面の演出を担当した二人の助監督、本多猪四郎と岡本喜八である。
本多が模型を使った特殊撮影を交えたスケールの大きな合戦シーンを担当する一方で、西部劇ファンの岡本は短いカット割りを積み重ねる手法でアメリカ映画にもひけをとらないスピード感あふれる殺陣を見せた。
特に無法者三人組がM3中戦車と対決するくだりでは岡本演出が暴走、横一線に並んだ三人が戦車に向って行進する歩調に合わせて何故か拍車が鳴るという名(迷)シーンが生まれ、アメリカの観客に大いにウケたという。

かくして満州映画の名を世界にしらしめた「覇琉質(ハルチ)大作戦」だが、一般の観客の熱狂とは別に各国の映画人を悩ませた一つの疑問があった。
それはクライマックスの戦車戦の撮影方法である。
地を這うようなアングルから戦車が小石大に見える大俯瞰図までワンカットで見せ、航空機では絶対不可能な変幻自在のカメラワークを実現したのは一体どのような機材なのか?
タネを明かせばたまたま満州を訪れていたシチリアドラゴンの眷族が召喚した天馬をカメラプレーンとして使ったのである。
顔の上半分を奇怪な眼帯で覆った妖艶な美女に対して、例によって映画出演の話を持ちかけた甘粕正彦だったが「私がカメラの前で素顔を晒せば競演者もスタッフもまとめて石になりますが」と言われては諦めるよりなかったのであった。

600名無し三等陸士@F世界:2010/09/25(土) 19:45:53 ID:IG6u5Xig0
投下終了

601名無し三等陸士@F世界:2010/09/25(土) 20:21:42 ID:At9QrOwA0
天本英世はともかく藤岡弘と松田優作は戦後の生まれなんだが・・・

602名無し三等陸士@F世界:2010/09/25(土) 20:25:54 ID:mcg6esMA0
何でいきなりシチリアドラゴンの眷属が

603名無し三等陸士@F世界:2010/09/25(土) 20:33:48 ID:GdeXPKqw0
なんつうか、もったいない。

604リュータ ◆viMvJifIpw:2010/09/25(土) 23:56:10 ID:iki3Ekyk0
「映画人・甘粕正彦」って題名の映画の1シーンであるという解釈はどうだろう?
「覇琉質(ハルチ)大作戦」という映画を撮影してる場面ということで。

605名無し三等陸士@F世界:2010/09/26(日) 02:00:53 ID:mcg6esMA0
>>604
その設定なら、いっそ最初からパロディ映画で哈爾浜大作戦とかのほうがリアリティありそうなんだがw

606名無し三等陸士@F世界:2010/09/26(日) 08:48:11 ID:t7fIzoAc0
最後のメドゥーサのネタを使いたかったのだろうが、機動力が落ちるけれど普通に天馬を竜州で使っているから黒長耳族で新人女優発掘。
次回作は? 新たな味方巨大蛾と美人姉妹対蟲軍団みたいので良かったのにもったいない。

607名無し三等陸士@F世界:2010/09/26(日) 19:32:20 ID:uLPeMQeo0
この世界だと怪獣VSヒーローよりも
怪獣VS軍の映画の方が受けそうだな。

608名無し三等陸士@F世界:2010/09/26(日) 20:52:45 ID:Iq9yW0XM0
一瞬当人が投下かと思ってしまった。乙です。

609名無し三等陸士@F世界:2010/09/27(月) 00:11:30 ID:EGdSH5jo0
ネタは鮮度が命!
天本英世や藤岡弘とくれば当然コレだろ。

「仮面ライダー、本郷猛は勇者である。
彼を改造したショッカーは、世界征服を企む悪の魔術師学園である。
仮面ライダーは、人間の自由の為にショッカーと戦うのだ! 」

610名無し三等陸士@F世界:2010/09/28(火) 00:45:20 ID:xvrWyT8E0
空気を読まずに何となく思いついた馬鹿ネタ。
それぞれの龍のパートナーにふさわしそうな人を、既存作品から持ってくると……

・ハワイの龍ー坂井悠二(「灼眼○シャナ」)
・アイスランドの龍ー桜井智樹(「そら○おとしもの」)
・乙姫ー上条当麻(「とある魔術○禁書目録」)
・シチリアの龍ー遠野志貴(「○姫」)

611名無し三等陸士@F世界:2010/09/28(火) 01:09:25 ID:mcg6esMA0
>>610
撫子→空を飛ぶ竜→天竜→新城直衛(「皇国○守護者」)という連想ゲームががが

612名無し三等陸士@F世界:2010/09/28(火) 13:29:22 ID:0a1sCpoE0
>>610
全員に絶技『スケコマシ』と一部キャラに『絶倫』が装備されてんじゃねーかww

6131:2010/09/29(水) 11:34:29 ID:nBu7y9us0
ttp://draft.hp2.jp/

614ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/09/29(水) 12:42:58 ID:FXRlVrA60
チビタンが実在していてワロタ(w)

ttp://www.youtube.com/watch?v=hh2nLWYnxkM&feature=player_embedded

「事実は小説よりも奇なり」なのです。

615リュータ ◆viMvJifIpw:2010/09/29(水) 22:58:42 ID:xvrWyT8E0
>>611
そういう連想ゲームなら、私だったら……

撫子→日本を大いに盛り上げるための撫子の団→NON団→真田博之=キョン(涼宮ハルヒ○憂鬱)

です(w

616名無し三等陸士@F世界:2010/10/01(金) 04:56:34 ID:beZZSS7M0
ttp://live.nicovideo.jp/watch/lv28258277

617名無し三等陸士@F世界:2010/10/01(金) 23:28:29 ID:4i0OCEVM0
>>610
乙姫さんのパートナーは浦島景太郎でしょう。
生息地のミクロネシアの島々を独立させて「トーダイ王国」を創立させれば

618名無し三等陸士@F世界:2010/10/02(土) 18:32:57 ID:i5OJTLdU0
続き、マダー?

619名無し三等陸士@F世界:2010/10/03(日) 05:06:57 ID:FP4o35YA0
>>617
それなら瀬田記康でいいと思うが。所詮,浦島は劣化した瀬田なんだし。

620名無し三等陸士@F世界:2010/10/03(日) 15:42:15 ID:vNWbO7ug0
瀬田のほうが
乙姫→浦島よりも連想ゲームの回答率が高いなんて新事実だな

621名無し三等陸士@F世界:2010/10/03(日) 17:58:24 ID:TzcdOFU.0
ttp://draft-bbs.com/index.html

622竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/10/03(日) 18:11:30 ID:ybLtRT0s0
 久しぶりのレス返し

>陸士長さん
 「蒼海の皇女たち」の情報提供おりがとうございます。

>>雨抜き北側航路封鎖状態の無制限通商破壊戦はどの位の過酷さになってるんでしょう?

 帝亜丸幕間の話が出るぐらい、英国が気を使っている事で察してほしいと。

>>:ハルサブロー氏
 投下乙です。
 リズちゃんに納品書置いておきますね。

つ【キャニスター弾とりあえず一万発】

 ドワーフって金型とか覚えたら凄く強そうだなぁとこの間のNHKスペシャル見て思ったり。


>>それにしても反応弾と隕石召喚の相互破壊とか妄想したw

 素敵でしょ。それ。
 けど、大崩壊はそれ以上ですから。

>>――ルーデル?ヘイヘ?舩坂?誰が人外の話をしてるか、誰が

 この間から『とある魔術の禁書目録』と『とある科学の超電磁砲』を見ておりまして。
 ミサカネットワークの発想に大興奮中の中の人でございます。
 クローンウォーズにすっころんでいたので、ドロイド・クローンに続く兵士はこれだぁぁぁっ!!と、

 ダースベーダー率いるシスターズなんて妄想が。が。

>>F世界に無縁なものの最たるものが大量生産技術(と、それを支える思想)だと思う

 その通りです。
 基本、竜を頂点とした個で世界を何とかするのがこの世界の方向なので。
 
>>589

 誰か絶望先生呼んできてくれないか。
 現在日本では自転車とオート三輪がブームなのですよ。
 多分自転車ローンとか始まっているはず(笑)。

>>597

 投下乙です。
 この時期は天本さんは学生ですね。
 そういえば、宝塚を調べていた時にえらく時代を作ったトップスターが居て、その人と甘粕正彦と絡めたいなとふと思ったり。
 春日野八千代さん。
 この人と李香蘭を組ませてなんて妄想が。
 この時期の俳優は良く知らないので作れないですが。

>>最後のメドゥーサのネタ

 居てもおかしくないよな。ゴルゴン三姉妹。
 とある本に、「メドゥーサ=歩く対人地雷」と書かれて大爆笑した覚えが。

>>チビタンは実在した

 すげぇ……

>>全員に絶技『スケコマシ』と一部キャラに『絶倫』が装備されてんじゃねーかww

 忘れたらいけない、この『帝国の竜神様』はわっふるOKな萌えスレの話という事を。
 作者である私が思いっきり忘れていたのは内緒(汗)

623竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/10/03(日) 18:12:46 ID:ybLtRT0s0
 最後に一言。
 最近、ライターのお仕事もやっており、そっちの仕事中は大友も含めて音信普通になります。
 どうかご容赦を。

 では。

624名無し三等陸士@F世界:2010/10/03(日) 18:59:14 ID:YhY9P2LA0
中の人。
お仕事優先ですから終わったら戻ってください。

>金型
確かに手先も器用だし、硬度の高い金属を削るのも当時の日本じゃ対抗も出来ないから産業界が引き抜きそう。
あとは平和になったらレース用エンジンのチェーンみたいな単品仕事か。

625名無し三等陸士@F世界:2010/10/03(日) 20:01:30 ID:k6AtKoSI0
最近、ゼロ魔SS等で旋盤等の工作機械に強化魔法をかけるのを見かけるが
最終工程以降でさらに硬度や剛性を上げれるなら工作用の刃物と
製品の素材が同等でも加工が楽になるな。
竜神様世界でもドイツから買った工作機械に強化魔法をかけたら
本家以上の製品が出来たりするかもしれん。

626名無し三等陸士@F世界:2010/10/03(日) 20:06:57 ID:IAqPsUTM0
金型の技術は重要ですね。
材質もそうですが昔は工具鋼が主流でしたしこの分野でドワーフが入る
余地は大きいですね。何より「金型は生産工学の王」とも言われますし。
鋳造製エンジン用放熱板の品質が安定化したら飛行機用空冷エンジンの
生産にも影響が出そうです。

627名無し三等陸士@F世界:2010/10/03(日) 20:53:17 ID:oXmDehTQO
帝国が真に必要とするのは、銃器や発動機の生産技術じゃなく
マザーマシン(工作機械)の生産技術なんだろうな。
ドワーフはそこに集中投入するのが一番じゃなかろうか。

オリハルコンのバイトあたりから始まって
簡易NCあたりまでは期待しても良いんじゃ無かろうか。

628名無し三等陸士@F世界:2010/10/03(日) 21:51:05 ID:mcg6esMA0
前から考えてたんだが、金属呪付技術が自動化・量産化思想に適応したら日本は第二次産業革命起こせるかもしれんw
いちいち製品に札を貼って魔化するのではなく、精錬のための炉を巨大魔法陣の中心に置いたりとか、製品にプレス機で呪刻したり
まあ大戦中には間に合うまいが、エルフの魔法研究とドワーフの技術研修が進めばありえなくもないのではないかと
装甲の強化はもちろん、内燃機関や伝導システムにも革命が起きるぞうは夢が広がりングww

629名無し三等陸士@F世界:2010/10/03(日) 21:56:30 ID:MVdnM2tY0
>>627
オリハルコンのバイトについては同意するけど、NCは難しいと思う。
根本的に発想の方向性が違うように思えるんだよね。
だからむしろその反対、感覚的な工作機械になるんじゃないかと思うんだけど。
たとえば、超小型ゴーレムハンドからの感覚が伝わってくる万能工作機とか。

630名無し三等陸士@F世界:2010/10/03(日) 22:33:11 ID:YhY9P2LA0
>工作機械
電力が足りなくて魔力モーター。
潤滑油の輸入外貨の節約でベアリングを超電導みたいな魔力反発による宙空に浮くベアリング。
といった変態マシンが開発されるかも。

631名無し三等陸士@F世界:2010/10/03(日) 23:45:48 ID:oXmDehTQO
>>628
いや、それはない(AA略
産業革命がなぜ革命と呼ばれたかと言うと、社会構造までもが劇的に変化したから。
魔法の導入で科学技術の限界が少々伸びたところでそこまでの効果はないよ。
情報化を第二次に擬えた向きもかつてあったが、社会構造的には退行した感があるよな
…。

むしろ艶話06で描かれたような風俗産業の巨大化の方が余程インパクトがw
眷属除いても社会の性別構成比すら変化するし。

>>629
やっぱりそう?改めて考えてみると
今までに現れた魔法技術に自動化の概念って薄いんだよね。
人形技術は似ているようでもかなり違うし。

632名無し三等陸士@F世界:2010/10/04(月) 00:55:01 ID:8jlrj9/o0
>>622
>この時期は天本さんは学生
若き日の岸田博士や羽名警備主任と一緒になって世界各地で
悪の限りを尽くしておられたころですね!わかりますw

633名無し三等陸士@F世界:2010/10/04(月) 06:46:32 ID:c/2vdU4Y0
魔術を学んだ天本さんが改造人間研究に突き進むのか?
岸田博士は女性型ゴーレムを目指すとか。

634リュータ ◆viMvJifIpw:2010/10/04(月) 08:16:28 ID:YUee8Ukc0
>>622
レス返し、乙です。
お仕事に区切りがついたときに、中の人氏の執筆意欲に火がつくようなSSを頑張ってみたいです。

>ダースベーダー率いるシスターズなんて妄想が。が。
スターウォーズのスピンオフ小説だと、皇帝が暗黒面フォースで帝国軍将兵のメンタルを後押ししてたって設定があるんですよね。
だから、ダースベーダー的な人物がミサカ・シスターズのメンタルにアクセスしてコントロールしてても、あまり原典からは外れてないかと。

ちなみに、日本ではまだ翻訳は出てないですが、スピンオフ小説の歴史だとハン・ソロとレイア姫の子供達の長兄が結局はシス卿になってたりします。

>現在日本では自転車とオート三輪がブームなのですよ。
>多分自転車ローンとか始まっているはず(笑)。
ソ連が五カ年計画の時に、フォードから自動車製造プラントを丸ごと購入したそうですけど、
魔竜玉の代金として、それと同じようなことをする必要はあるかも。

>>627
>マザーマシン(工作機械)の生産技術。
工業用ダイヤモンドも量を確保する必要が。
でも、竜神様世界の異世界だと、ダイヤモンドといった宝石や金銀の貴金属系の採掘は、人間がほぼ独占。
ドワーフは排除されてる可能性が高いかも。

635名無し三等陸士@F世界:2010/10/04(月) 08:33:55 ID:mcg6esMA0
>>634
>魔竜玉の代金として、それと同じようなことをする必要はあるかも。
魔竜玉の代金は「撫子が得して帝国は得しないもの」だと明示されてるわけだが
>工業用ダイヤモンドも量を確保する必要が。
オリハルコンを使えるなら必ずしも必要ないかもしんない

636名無し三等陸士@F世界:2010/10/04(月) 12:45:38 ID:oXmDehTQO
>>634
マザーマシンは生産財。
消費材ほど材料確保に神経を使う必要は無いな。

637名無し三等陸士@F世界:2010/10/04(月) 19:56:55 ID:TzcdOFU.0
ttp://draft-bbs.com/index.html

638名無し三等陸士@F世界:2010/10/04(月) 22:17:21 ID:EGdSH5jo0
星の血肉で文明を作る地球と、星の命で文明を作るF世界。
繋がれた龍脈と竜たちの真意と異世界日本引きこもり計画。

地球の未来は明るい?

639リュータ ◆viMvJifIpw:2010/10/05(火) 00:41:39 ID:YUee8Ukc0
>>635
>魔竜玉の代金は「撫子が得して帝国は得しないもの」だと明示されてるわけだが

>SSスレ(萌え)3の533
>で、皆様にやはりアンケート。
>米国が撫子に送る魔竜石のお礼は何がよろしいでしょうか?
>ポイントは二つ。
>①撫子が喜ぶ ②帝国が得をしない(合衆国が得をする) です。

この部分ですね。
ただ、このあたりのレスの文脈からすると、

・対象は「太平洋宣言」直後に渡した魔竜石のお礼に対して。
・中の人氏の、一種の読者参加企画としての条件付け。
ですから、
ハワイの竜のさらなる攻撃による追加発注との引き替えで、帝国に得になる物品をもらう。
という話の筋は排除されてない……というか、後でそういう話を出そうとネタ話ではなく本編話(55話)に入ってるのでは、と思うのですが。

640リュータ ◆viMvJifIpw:2010/10/05(火) 01:09:28 ID:YUee8Ukc0
>竜神様の中の人氏
まとめサイトの兵器辞典の追加、乙です。


話は変わりますが、昨日発売の「東洋経済」(10/9号)。
元外務省分析員・佐藤優氏が連載の「知の技法 出世の技法」で、野村吉三郎駐米大使について、
「一般書による日米戦争回避に全力を尽くした優秀な外交員というイメージとは違い、実は能力にかなり問題があった人物」
という話を載せてました。

・野村吉三郎氏は駐米大使から外れたことに。
(本編51話で「だった」という表現なので、すでに外れてるかもしれませんが)
・駐米大使の後任は、日本のシンドラーと言われた杉原千畝氏に。

という提案をしておきますね。

641名無し三等陸士@F世界:2010/10/05(火) 01:16:11 ID:mcg6esMA0
>>639
その見返りの一部として、撫子個人あてに豪華客船がプレゼントされたという話があったはずだけど
撫子は大喜びだが、帝国にとっては保守(含む燃料)に金がかかるは一緒についてきた乗組員が
スパイだってことはわかってるのに排除できないわで頭を抱えたって話
この問題は概ねこういう路線に沿って考えろってことだと思うんだがどうか

642F世界逝き:F世界逝き
F世界逝き

643名無し三等陸士@F世界:2010/10/05(火) 07:26:49 ID:oXmDehTQO
>>641
同意。
魔法ほど万能性はないが、貧乏国にとってジョーカーになりえるもの。
その程度のお約束は必要だろうね。

644F世界逝き:F世界逝き
F世界逝き

645F世界逝き:F世界逝き
F世界逝き

646名無し三等陸士@F世界:2010/10/05(火) 21:08:13 ID:sHuEZWNo0
都合のいい結論のために勝手に作品を曲解するのではどうしようもないよね。

647名無し三等陸士@F世界:2010/10/05(火) 23:53:30 ID:GdeXPKqw0
制約を如何に活かすか、乗り越えるために
くりだす裏技を考えるのが楽しみだから、作中で
繰り返し語られてる、超貧乏なんちゃって列強な
大日本帝国の実像を無視して欧米の最新兵器が
生産できるとか、万能の魔法を適用すれば資源も
技術も解決なんていうのはつまらんな。

648名無し三等陸士@F世界:2010/10/06(水) 09:57:07 ID:IAqPsUTM0
>>647
そういう作風がお好みなら皇軍(明治〜WW2の日本軍)が
ファンタジー世界に召喚されますたのスレでやってという
話じゃないの?
棲み分けだと理解していたんだけれど。

649名無し三等陸士@F世界:2010/10/06(水) 12:38:20 ID:uMZifdkY0
そもそもこのスレで一番大事なのは萌えだしな

650名無し三等陸士@F世界:2010/10/09(土) 15:08:53 ID:b/IIIupE0
>一番大事なのは萌え
下手な理屈や説明より説得力がある一言です。w

651名無し三等陸士@F世界:2010/10/09(土) 16:46:39 ID:LpHkhkpc0
言葉ではなく「心」で理解したッ!

652名無し三等陸士@F世界:2010/10/11(月) 02:52:42 ID:mcg6esMA0
まとめが大分増えてた。ご苦労様です>中の人

653名無し三等陸士@F世界:2010/10/11(月) 14:54:20 ID:GlTL37OU0
まとめから此処へ
仮想とファンタジーの絶妙なバランスで大ハマリ^^

皆さんのように積極的に議論出来るようになりたいですね(^^;;
仮想戦記自体は檜山氏の『大逆転』シリーズから愛読してますが・・・・
頑張ります!!

654名無し三等陸士@F世界:2010/10/11(月) 20:25:26 ID:3.rNyVig0
なんかイタイ奴が来た

655名無し三等陸士@F世界:2010/10/13(水) 13:25:56 ID:35NRQCJc0
>> ttp://mai-net.ath.cx/
arcadiaのssj掲示板って廃止になったの?

656名無し三等陸士@F世界:2010/10/13(水) 14:50:49 ID:mcg6esMA0
鯖落ちしてるだけだろ。よくあること。復旧までおとなしく待ってれ
アレはあくまで個人の趣味でやってる掲示板だから、管理者の都合次第で復旧が遅れることもある

657655:2010/10/13(水) 15:10:20 ID:35NRQCJc0
>>656
了解
ありがと

658名無し三等陸士@F世界:2010/10/13(水) 21:28:14 ID:GlTL37OU0
Arcadia、復旧したようです(^^;;

659F世界逝き:F世界逝き
F世界逝き

660竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/10/15(金) 01:12:17 ID:ybLtRT0s0
 萌えスレ4までまとめサイトに収録。
 で、告知を。
 5スレからネタ話などに竜神様ナンバーを振るので、まとめとこちらのナンバーがずれます。

 あと、某わっふるスレに絵師からもらったわっふる絵投下したので、感想を某スレに書いていただけると嬉しいかも。

 で、レス返し。

>>スピンオフ小説の歴史だとハン・ソロとレイア姫の子供達の長兄が結局はシス卿になってたりします。
 やっぱり暗黒面に落ちたのか……

>>その見返りの一部として、撫子個人あてに豪華客船がプレゼントされたという話。
 たしか、「アイスクリーム日本国民分」というネタが採用されたはず。
 もう少し先で八万トン越え豪華客船に大量のアイスクリームが満載されてやってくる予定。

>>そもそもこのスレで一番大事なのは萌えだしな
 萌えスレ3より。
「ある意味「竜神様」という話自体、ゴリゴリとリアリズムで話を進めて自ら
袋小路に突入した挙句、「リアリズム? なにそれ美味しいの?」という妄想と萌えに充ちた斜め上方向に
すっ飛んでいくのが醍醐味なんではないでしょうか」

 こんなノリでやってゆく帝国の竜神様をどうかよろしくお願いします。
 では。

661陸士長:2010/10/20(水) 00:15:03 ID:3rgpiIEM0
>もう少し先で八万トン越え豪華客船に大量のアイスクリームが満載されてやってくる予定。

溶けたアイスの中で……いかんいかん危ない危ない。


とまれ、本編リンク無し外伝投入。
作者様を困らせるのは何なんで前回のドイツ×竜の座談会はデリートされました○。

では、投下。前編っす。

662陸士長:2010/10/20(水) 00:18:42 ID:3rgpiIEM0


大西洋の海底から見上げる者達(前編)






北大西洋。

無数の流氷と、氷山の群れ。多くの船乗りを恐れさせた海域は、今まさに氷によって閉ざされていた。
7つの海を跨いだロイヤル・ネイビー、圧倒的工業力により新たな海洋の覇者とならんとした米国海軍。
彼らの力を持ってしても、この海域を突破する事は不可能だった。
大西洋を横断する艦船は軍民区別無く、大西洋の中央かそれより下を移動するしかない。
そこではドイツの海狼の群れと、イギリスの護衛船団が死闘を繰り広げていた……。

新型の対潜装備により一時期程の被害は出てなかったものの、英国海軍と英国籍船舶は常に守勢を強いられていた。
本来なら参戦してても良い頃合いである筈の米国は、ハワイの火竜の所為で欧州に介入する所ではない。
イギリスに売却される予定の駆逐艦も、西海岸に飛来する飛竜に対抗する為にそちらへ回されあまり数が揃わない。
米国であれば続々と作り出せた軽空母群も、ハワイから飛来する小型の飛竜に対する哨戒線を形成する為に英国には形ばかりしか与えられなかった。
大西洋航路をカバーするグリーンランドの航空基地も人員毎分厚い氷河と氷山群とブリザードに閉ざされ、未だに救助どころか調査すら赴けない。

「史実」において大西洋で英国に勝利をもたらした大西洋を覆い尽くす空と陸からの防護は、イレギュラーの介入によって頓挫していた。
イギリスは本土を守るため、米国抜きでの勝利を得る為に内外の反発を無視した本国及び連邦国の護衛艦生産強化を行い、後先考えぬ船団護衛の増強を行っていた。


一方のドイツ海軍も、なかなかしぶとい英国海軍の必死な抵抗に手を焼いていた。
以前ほど活発ではないが着実に敵艦を沈め、少しずつイギリスを追い詰めてはいる。
しかし、拡大しすぎた戦争のツケは元々弱体な海軍にとって堪えるもの。
ヒトラーの関心事は殆どモスクワで行われてる独ソ両軍の壮絶なつぶし合いに向けられていた。
レーダーの後任であるデーニッツの陳情もあまり耳には届かず、消耗した潜水艦と搭乗員を埋め合わせするので精一杯だった。
研究中の潜水艦戦において画期的な革命をもたらせる『本物の潜水艦』も、実戦投入はまだ1年以上先であり現状を劇的に打破できる要素では無い。
航路が制限されているとはいえ、イギリスのシーレーンを完全に断ち切る程の戦力を独逸海軍は揃えれずにいたのだ。


そして今日も、大西洋航路は地獄となる。





「ローア、フィア、ロス!!」
「ロス!!」

くぐもった気泡音と共に、前発射管最後の魚雷が発射される。

「うなぎ(アール)、駆走中! 敵船団へ向かってます」
「深度を何時でも下げられるようにしておいてくれ、雷跡を見つけたエスコート共が来る前にな」
「諒解、少佐殿!」

攻撃潜望鏡から目を離したU552艦長、エーリッヒ・トップは下の発令所に居た先任士官へと声をかける。
再び覗きこんだ彼の目に映った頭上の光景は、まさに海上の地獄だった。

彼が今属しているUボート・ウルフパックグループ『プロシア』と中部大西洋を突破中の英国船団の死闘の光景。
被雷し爆発炎上を起こしながら傾斜しているエンパイア級戦時標準船。
味方との接触事故を回避しつつUボートの雷撃も避けなければならず、必死に逃げ惑う哀れな商船団達。
防衛の中核である護衛空母艦も損傷を受けたのか、船体の一部から火を噴きながら必死にジグザクの回避行動を取っている。
フラワー級駆逐艦と雑多なコルベット艦数隻が他のUボートを追い回してるのか、盛んに爆雷を投下していた。
遠くでピーン、ピーンと死に神の足音が聞こえるが、恐らくは他のUボートを探査しているのだろう。
願わくばこちらを探知してくれるなと願いながら、トップ少佐の視線は自分の獲物を捉えていた。

「いいぞ、そのまま変針するな。良い子だから気付かないでくれ……」

ドイツ週刊ニュースでも載った、右腕を潜望鏡のレバーに載せた姿勢でトップ少佐は呟く。
彼が、前部発射管に装填されていた2本の魚雷を撃ち込んだ相手はT2タンカーだった。
先に撃った2発の内1発は増速して魚雷の進路を横切った駆逐艦の艦尾に命中し爆雷に引火。
潜水艦を狩り出す準備をしていた哀れなハンター・ハンターは、大爆発を起こして瞬く間に沈没した。
もう1発は後100mを切った時点で早爆し、敵船団の肝を冷やした程度に終わっている。

「タンカーを沈めないと意味が無いんだ……タンカーを」

左手に持ったタイムウォッチの秒針音がやけに大きく響く。
トップ少佐の祈りが通じたのか、今の所二本のG7e魚雷は順調にタンカーの横っ腹へと30ノット前後の高速で駆走していた。

663陸士長:2010/10/20(水) 00:19:54 ID:3rgpiIEM0





此処暫くの間、ヒトラーの命令でデーニッツは大西洋で活動するUボートへ対しタンカーへの優先的攻撃命令を出した。
ソ連との闘いを後方から蝕んでいるもの、それは英国空軍によるドイツ本土へ執拗な戦略爆撃だ。


ドイツ軍本土防空軍側も緻密な高射砲群と迎撃機(東部戦線優先で数は多くない)で立ち向かっているものの、英国側もまさに必死。
愛国心に燃えるパイロット達が燃料漏れを起こしたままドイツの工場に爆撃を敢行し、そのまま眼下の工場へ突入した例がある位だ。

撃墜しても阻止しても一向に諦めない英国空軍に業を煮やしたヒトラーは、デーニッツを呼び出すと英国本土に出入りするタンカーの徹底殲滅を命じた。
どれだけ英国が爆撃機を揃えようと、パイロットが不屈の敢闘精神を持とうと、それを飛ばすだけの燃料が無ければ意味がない。

デーニッツ率いるUボート艦隊は、一層通商破壊に邁進せよ。
ただし、英国行きのタンカーを何よりも優先目標とせよ。と。

この決定が為されようとした時、本土防空の失態で官民から『デブ』と呼ばれてたモルヒネ中毒者が横槍を出した。
海軍にこれ以上英国本土封鎖の主導権を握らせまいと長距離哨戒機によるタンカー撃沈を力説しようとしたものの、
諸問題のお陰で目の下が真っ黒な総統が鈴を鳴らした瞬間、背後に現れたテオドール・モレルによって沈静され会議場から退出したそうな。

その際、モレルが零した、

「ん〜、ちょっぴり投薬の量を間違えたか? だが、私に間違いはない。なぜならば私は医学と魔術の天才だからだぁ!」

という言葉は会議参加者と護衛の武装SS隊員の誰からも敢えて聞かなかった事にされた。
モレルは最近、ヒムラーと組みヴェヴェルスブルク城にて魔女達と共同で黒魔術に傾倒している……らしい。
(主な理由としては、自分の医学がヒトラー以外に認められない=現代の医学が間違っている=そうだ、新しい私の医学を作ればいいじゃないか!)
エヴァの懇願によってモレルは主治医を解任されたものの、今でもヒトラーの為に城で非常に妖しい実験をしているそうな。



モルヒネデブとモレルの事はさておき、総統命令を受け取ったデーニッツは大西洋方面に展開する各戦隊に命じた。


『英国空軍の戦略爆撃を阻害する為、英国へ向かう油槽艦は必ず海底に送られねばならない。
ドイツ本土防空の成否は諸君等の働きにかかっていると総統は仰られた。攻撃せよ、奮起して、撃沈せよ!!』


こうして大西洋方面に展開しているUボート艦隊は総力を結集してタンカー狩りを始めた……が、結果はなかなか上がらなかった。
確かにかなりの船舶を撃沈してはいる。だが、タンカーが思ったよりも沈められていないのだ。

理由は2つあった。

1つ目は英国側がタンカー達を死守した事による。
原油などが手に入らなければ爆撃機の燃料どころか国その物が干上がってしまうのは当然の事。
元々重点的に狙われていたタンカーが更に執拗に狙われ始め、ドイツ側の意図に気付いた英国側がタンカーの護衛を強化したのだ。
貴重な護衛空母や正規空母すら投入したが、逆に『空母付き=タンカーが船団に居る』と判断され損害を恐れぬ雷撃を受ける事もあったという。
同時に優先順位の低い商船や貨物船の損害が増加し、『船舶保険会社が査定した商船船員の予想余命は二ヶ月』等と言ったブラックジョークが流行した。


2つ目はドイツ側にあった。
歴戦の艦長であるエーリッヒ・トップは優先順序を守っている方だが、所謂『騎士十字勲章未満』の新人連中となると妖しい。
いまや、大西洋で活動するUボートの多くが未熟な艦長を擁しているが、彼らからすれば兎に角目の前に来た敵船は沈めたいものだ。
早く功績と実績を作りたいと焦る彼らに、目の前を「さぁ、お食べなさい」とばかりに横切る獲物を我慢しろというのは酷な話。
出されている命令もあくまで『優先』である為、運良くタンカーに巡り会うのが遅いと魚雷を使い果たしてしまう場合が続出した。
その為、戦果を挙げて帰港はしたものの、バツの悪そうに出迎えた潜水艦隊司令部と敬礼を交わす艦長は多かった。
彼らが沈めた船の中にタンカーが無かった場合は特に雰囲気が気まずかった。
偶然ロリアンに出向していたデーニッツが苦笑を交えながら「そう言うこともある。気にするな」と言って場を取りなした位だ。


本土の生命線である石油を運ぶタンカーを決死の覚悟で守る護衛艦隊。
ドイツ本土の安全確保と英国を屈服させる為、犠牲を払ってでもタンカーを沈めようとするUボート艦隊。


例え海上に南下してきた流氷原が漂っていても、ドイツUボート艦隊と護送船団の闘いは激しくなっていくのであった……。

664陸士長:2010/10/20(水) 00:20:55 ID:3rgpiIEM0




カチンという音と共に、トップ少佐のタイムウォッチの秒針が停止する。
それから2秒ほど遅れてドスンという破裂音と震動が伝わってきた。
全員が顔を見合わせたり頷き合ったりする。
歓声が上がる前に、副長の手にしたタイムウォッチが止められる。
今度は同時にくぐもった爆発音と、誘爆と覚しき爆発音が響いてきた。

「魚雷、2発とも目標タンカーに命中! タンカーは誘爆していると思われます!」

聴音室から顔を出した聴音手が、快哉の声を挙げる。
同時に魚雷発射管室、発令所で歓声が上がった。

「やったぞ! 総統閣下ご指名のタンカーを食ったぜ!!」
「俺達の、狩りの獲物だ!」
『ライミー、ライミー!!』
「フタエノ・キワミー、アッー!!」
「シャイセ! 静かにしろっ!」

先任士官が怒鳴って歓声を鎮めている中、トップ少佐は潜望鏡を上げてタンカーの様子を伺う。
目の前を氷の破片が僅かに過ぎって視界が悪いものの、確かに自分達が狙っていたタンカーが派手に炎上している姿を確認出来た。
雪がチラホラ降ってきた中、タンカーは黒々とした爆煙を空高く舞い上げる。
カナダの沖合で夜間に沈めたタンカーと同じように、漏れ出た燃料は船体と周囲の海面を焼く。

「撃沈確定だな。航海長、タンカーの沈没位置を記録しておいてくれ」
「ヤヴォール!」

もう一度、周囲を攻撃用潜望鏡で確認する。
船団と護衛艦隊は、この海域を突破すべく前進を続けている。
そして『プロシア』のUボート達は必死に追い縋ろうと追い縋っている途中だろう。
U552も敵の監視範囲外へ移動してから浮上し、船団を追撃しなくてはならない。
例え本隊に振り切られても、船団が乱れた事から出る落伍船を狩れるかも知れないからだ。

「そろそろ、夜になるか。副長、魚雷の再装填を急がせてくれ」
「はっ、諒解しました艦長」

季節外れである……筈の雪が舞い始めた大西洋の景色。
竜が北側に潜むが故に、かつての大洋とは大きく異なってしまった大西洋。
それはもはや普通の光景であった。


「踊る悪魔から逃げられると思うなライミー。今夜も、重油か航空燃料を使った盛大な海上松明行進をお見せしてやる」


船団外縁の駆逐艦の監視範囲から逃れたU552は、浮上して船団を追い掛け始める。






―――自分達を、冷ややかに海底から見詰める存在を知らずに。





後編へ

665陸士長:2010/10/20(水) 00:21:39 ID:3rgpiIEM0
投下終了。

俺思うんですよ。最初に指導者が萌化した国が世界を制するって。
ヒムラーと一緒に黒魔術に傾倒し始めたテオドール・モレルの手腕に期待。

666名無し三等陸士@F世界:2010/10/20(水) 20:22:35 ID:oXmDehTQO
投下乙。
乙姫in北大西洋だったらどうしよう。
想像つかん。

667名無し三等陸士@F世界:2010/10/22(金) 18:01:13 ID:7qhXXXjoO
アレイスター・クロウリーの出番マダー(チンチン

668竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/10/23(土) 01:12:03 ID:ybLtRT0s0
 まとめサイトの整理用に、二式戦の文章を友人に頼んで書いてもらいました。

−−−−−−−−−−−−−−−−

二式局地戦闘機「閃電」/二式単座戦闘機乙「毘沙門」

 昭和17年度における日本陸軍の戦闘機情勢は芳しいものではなかった。
 機体の大半は旧式化してしまった九七式戦闘機であり、ようやく生産に入ったばかり新鋭機であるキ−43「隼」もキ−44「鍾馗」も満足のいく性能ではなかったためである。
 幸い龍神様の降臨による日米戦回避によって一息つくことができたため、陸軍ではより満足のいく次世代機の開発を急ぐことになるが、問題となったのはそれが完成するまでの間に訪れる戦力ギャップを埋めるための機体をどうするかであった。
 そんな陸軍の苦悩に目をつけたのが三菱である。
 当時、トラブルが続いていた十四試局地戦闘機(J2M1)に見切りをつけ始めた海軍に対し三菱側が代案として検討していた「金星搭載の零戦」を陸軍に提案したのである。
 陸軍としては、すでに十分な生産実績があり、かつ陸軍が持っていない20ミリといった強力な火力を持つ機体であることは十分魅力的なものであった。
 しかし、元々は海軍開発の機体であり、そのうえ陸海軍の間で未だ提供についての交渉もまとまっていないエリコン機銃に金星エンジンを搭載した代物となれば難航することは明白であった。
 こうした流れの中、水面下で陸海軍の接触が何度か行われることとなったのだが、予想に反して海軍側は現状の零戦の生産に支障がないのなら「金星搭載の零戦」を陸軍側で生産するのは特に問題はないとの結論を出してきた。
 これは、対米戦回避によって急激な軍備増強に待ったがかけられたことで、海軍の航空機生産数が減少し、エリコン機銃と金星エンジンの供給数に余裕が出たためであった。
 最終的には、将来は陸軍側で生産設備を構えるものの、当座は海軍よりエリコン機銃を供与し、機体については中島での零戦ラインを陸軍向けとして転用することで決着がつけられることになった(注1)。
 そして、まずは海軍で「金星搭載の零戦」を正式採用することし、二式局地戦闘機「閃電」(A6M4-J)の名前が与えられた。
 実際のところこの名称は書類上だけのもので、あくまで「元々海軍の機体を陸軍向けとして提供している」という形とするためのもので、海軍機として生産された機体は存在しない(注2)。
 陸軍のキ番号では元々陸軍向け「雷電」に与えられていた65番を与えられることとなり、機体の採用名称については皇紀二六〇二年に採用された事でキ−44とかぶることから、キ−44を二式単座戦闘機甲「鍾馗」とする一方、キ−65については対比するかのように二式単座戦闘機乙「毘沙門」とすることで決着がつけられることとなった。
 もっとも、さすがの陸軍でも「この名前はねーよ」という意見が多数昇っている。
 一般的にはニシキセン(ニシキタンセン)で通ったが、他にニシキタンオツ、タンオツ、タンセン、ロクゴー等々様々な名前で呼ばれている(一例として、ある部隊では毘沙門天を信仰していた上杉謙信にかけてケンシンと呼んでいたらしい)。

669竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/10/23(土) 01:15:05 ID:ybLtRT0s0
機体略号 A6M4-J/キ-65
 全幅 12m
 全長 9.1m
 全高 3.6m
 翼面積 22m2
 発動機 金星51型/ハ-112(離昇1,300hp)*注3
 最高速度 575km/h
 上昇力 6,000mまで7分
 実用上昇限度 10,300m
 降下制限速度 630km/h
 航続距離 全速30分+950km(正規)/全速30分+1900km(増槽あり)
 武装 海軍九九式一号20mm機銃/陸軍二式二十粍固定機関砲 短 ホ-7 2挺 *注4
  海軍九七式7.7mm機銃2挺

 データーは先行生産型のもの。
 量産機は海軍機銃(7.7mm)の代わりに八九式7.7mm機関銃を搭載している。
 基本的には機体は着艦フックを外した零戦二一型であるが、改良型として零戦三二型相当の機体に八九式の代わりにホ-103を搭載することを検討したものや、近く形になる金星五四型を搭載する案、あるいは機首武装をやめ翼内にホ-7とホ-103を搭載する案などが検討されている。

注1:海軍側としてみれば、陸軍枠で航空ラインの維持が可能ということが協定締結に当たっての一番のポイントであった。
 ただし、いろいろもめ事はあったらしく、それを黙らせるためにキ−44との模擬空戦が行われている。

注2:プロット上は海軍機としては生産されない予定であるが、作者(龍神様の中の人)の話の都合で急展開することがあります(笑)
 もっとも、そんな機会があったとしても少数で終わる予定。
 そもそも必要なら普通に「艦載機型の金星搭載零戦」が作られるはずですから(ぉ
 
注3:史実だと金星54型相当であるが、龍神様世界では51型相当の品がハ−112となった。
 
注4:海軍九九式一号20mm機銃と陸軍二式二十粍固定機関砲 短 ホ-7は同じものである。
 ちなみに、九九式二号20mm機銃が二式二十粍固定機関砲 長 ホ-17と同じものとなっている。
 
補足:海軍が九九式二〇㎜機銃を供与した代わりに陸軍からはホ-103が提供されている。

 作者補足
 SSスレ6時点において、先行量産型が竜州に到着。
 陸軍航空隊に配備。

670竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/10/23(土) 01:23:55 ID:ybLtRT0s0
 投下終了。
 ついでにレス返し。

>陸士長さん
 投下乙です。
 一体、何が見ているのやら……
 期待しております。

>乙姫in北大西洋
 移動する大津波で素敵なことに(遠い目)
 
>アレイスター・クロウリーの出番マダー(チンチン
 学園都市を帝都に作れと申したか(笑)
 学園都市を取り囲むプロテクトギアをつけた帝都警とかいいなぁ。
 前々から○クラ大戦のあれも希望があったから適当に混ぜて入れてみようかなぁ。

 では。

671名無し三等陸士@F世界:2010/10/23(土) 15:38:33 ID:FP4o35YA0
陸軍飛行隊の人たち,機種転換で泣いていたでしょうね。
海軍機と陸軍機だと,フットレバーからして違っていたわけで。

672名無し三等陸士@F世界:2010/10/23(土) 15:48:54 ID:GdeXPKqw0
将来は空軍設立って話なかったけ。
操作や兵装の統一もこれを契機に徐々に進んでいけばいいのにね。

673名無し三等陸士@F世界:2010/10/24(日) 07:41:59 ID:OiCx0Zqo0
>>671
九七戦と一式戦、二式戦とではスロットルレバーの操作が正反対だけど、
混乱無く機種転換してるし、その位は大丈夫じゃない?

674名無し三等陸士@F世界:2010/10/24(日) 16:25:17 ID:oXmDehTQO
>>669
カタログスペックでは大戦末期登場の零戦五四型に匹敵するのか。
ニ一型ベースで軽い分、金星51型でも62型並みの性能がだせるということかな。
なにげに42年時点最強戦闘機ぢゃね、これ。

675名無し三等陸士@F世界:2010/10/24(日) 19:22:10 ID:GdeXPKqw0
>>674
ただし高々度を除く

676名無し三等陸士@F世界:2010/10/24(日) 23:46:12 ID:qv4T3dXQ0
>>674

急降下制限速度が630kmと二式戦の水平最大速度と比しても25kmの差しかない。
正直この性能だと対爆撃機戦闘を念頭に置いた場合陸軍じゃ通用しないんじゃないか?
何せ鍾馗は850kmの急降下でもびくともせず、800kmで機動可能だった訳で当時の日本機としては異常な機体強度を持っている。
これを前提に考えた場合、元が脆弱な零戦では鍾馗を用いるような戦闘は不可能。
米軍にすら「上昇性能を急降下性能が傑出し、迎撃機として最適」との評価は伊達じゃなく、四式戦や雷電すら差し置いて日本の迎撃機としては最高という評価を与えられている。
使い方さえ間違わなければ鍾馗は十分に強力な戦闘機。

677名無し三等陸士@F世界:2010/10/24(日) 23:48:28 ID:qv4T3dXQ0
上昇性能をってなんだ、上昇性能と急降下性能が、だorz

678名無し三等陸士@F世界:2010/10/25(月) 10:54:50 ID:qSXXsddE0
サイレントハンター乙w

679名無し三等陸士@F世界:2010/10/26(火) 06:52:29 ID:oXmDehTQO
>>676
鐘馗の素性の良さには同意だけど対爆撃機の重戦としては武装が半端。
そして派生型が積む40㎜や37㎜は弾道特性腐ってるから本当に対爆撃機限定仕様。
九九式20㎜を積む単乙の方が広く使い易い機体だと思う。
さらに零戦ベースの設計は生産性とコストでも有利だろう。
確かに最強というのは買いかぶりすぎかもしれんけど。
本来は鐘馗が20㎜積めばと思うけど、零戦と単乙でいっぱいぽいし。

680名無し三等陸士@F世界:2010/10/26(火) 11:28:12 ID:BaZFG1PQ0
>>679

零戦の20ミリはフィリピン戦やニューギニア戦線でB−17に対し効果が薄いって事が判明、海軍内部で大問題になってる。
原因は九九式一号機銃の低初速から来る貫通力不足なんだけど、この世界ではまだそれが判明していない。
史実では九九式二号機銃への転換が図られて昭和18年後半にこの問題が解決する。
対大型機戦闘では20ミリを早々に撃ちつくした為に7.7ミリを多数撃ち込んで仕留めたって話も多いし、12.7ミリ×4(一型乙)で装弾数も多いとなればどちらが上かは微妙な所だと思う。

それから零戦の生産性は元々艦上戦闘機として開発されている為、設計段階では多量生産を考慮していない。
結果として日本最多生産戦闘機になってはいるけど、生産性そのものは決して良い機体とは言えない。
そして何より問題なのはノモンハンの戦訓を受けて一式戦以降の戦闘機は全て防弾装備を施した陸軍が、防弾装備皆無の零戦改良型を受け入れるか?という点。
対7.7ミリの防弾装備でも一定の効果はあり、史実でも一式戦を使用した前線から「防弾タンク効果有り」との報告が上げられている。
669のデータを見る限り防弾装備は施されておらず、陸軍の基準で防弾装備を追加するのなら航続力&速度性能の低下は避けられない。
やはり総合的に見て陸軍の思想からは受け入れにくい機体だと思う。

681名無し三等陸士@F世界:2010/10/26(火) 20:16:21 ID:oXmDehTQO
>>680
いやだから作中で陸軍が採用するわけだから。
それなのに受けいれられないと言ってもねぇ。

682陸士長:2010/10/26(火) 20:54:22 ID:3rgpiIEM0
対重爆撃機にはMe262が使ってた対空ロケットが一番理想的ですかね。
1200対50で何機か撃墜して見事一撃離脱で逃げ切ったそうで。

683名無し三等陸士@F世界:2010/10/26(火) 21:19:22 ID:sHuEZWNo0
>>680

30話で
>「こいつは、速度・上昇力に防弾性能をつけて、零戦とおなじく20ミリと7.7mmをつけています。
> その代わりに航続距離が前の機体より若干下がっていますが、OKが出たら即座に生産に取り掛かれますよ」
とあるから最低限の防弾装備は取り付けられてるんだろうと思う。
鍾馗ほど立派なものじゃない可能性はあるけどな。

毘沙門が微妙な機体なのはわかるが鍾馗も別の方向で微妙な機体。
どっちがいいとかいう問題じゃないと思うんだ。
第一ユーザーである陸軍は両方とも採用してるんだし意味はあると思う。
採用されたものに問題があるというなら否定するんじゃなくてフォローする方向で考えればいいと思うんだよね。
毘沙門は防弾装備がつけられていた、とか毘沙門と鍾馗はこれこれ言った理由で双方補完し合う戦闘機だったとかさ。

684名無し三等陸士@F世界:2010/10/27(水) 18:22:08 ID:MzsSKqjw0
全部予算のせいで解決。

金がないのは首のないのと同じ、新規開発より安く上がることが何よりだろ
大陸から足抜けするんだし、蟲や魔法相手にするならそれこそ鍾馗だろうが疾風だろうが実戦証明されてないんだし。

685名無し三等陸士@F世界:2010/10/29(金) 05:49:59 ID:HBjipe6I0
>>681
>>680はその“作中で陸軍が採用する”設定に無理があるっていってるんじゃないかな?
いや、一般論でね。

686名無し三等陸士@F世界:2010/10/29(金) 07:06:15 ID:GdeXPKqw0
>>685
どの辺りが一般論と?

史実では鐘馗も十分受け入れられたとは言い難い。
それに対し検証の結果、今では結構良い機種だったという評価がある。
なぜ受け入れられなかったのかというと九七戦で定着した格闘戦至上主義の流れのためで
それらに対しても零戦から受け継がれた毘沙門の格闘性能は歓迎されるのではないかな。

687名無し三等陸士@F世界:2010/10/29(金) 17:50:46 ID:PNVPLzTs0
>>686

そもそも速度性能が不足しているのに採用するってのが微妙。
陸軍の重戦は武装に加えて速度を重視しているので、初期型の鍾馗より遅い機体を採用する理由が見つからない。
火力を重視したので20ミリを積んでいる零戦改造機体を採用した、というのであれば史実で雷電をキ65として陸軍仕様で採用しようとしていた事から判らなくはない。
それでも根本的な速度性能の不足と機体強度の不足を補える程の利点なのか、という疑問が残る。

元々重戦は格闘性能など重視されていないので、
>零戦から受け継がれた毘沙門の格闘性能は歓迎されるのではないかな
という事自体があり得ない。
よく勘違いされている事だけど、軽戦闘機は「軽い」じゃなく「軽武装」の意味であって、大出力の発動機が得られない中で対戦闘機戦闘に用途を限って作られた機体を指す。
重戦闘機は軽戦闘機に比して重武装かつ汎用機である事が求められた結果で、これは昭和10年の海外視察団(伊藤調査団)が纏めたレポートに既にその雛形が出てきている訳。
そこには将来的に戦闘機は高速かつ重武装となっていくであろう事、それに伴い現行の空中戦闘法(格闘戦)が変化するだろうという事も正確に予測している。
そういった前提があって高速戦闘に向いたキ44、対戦闘機戦闘に的を絞ったキ43が開発されている訳で、どっちつかずの機体がそこに入り込む余地は少ないと思う。
よく言えば両者の中間でどちらの任務もこなせる機体だけど、裏を返せばどちらも中途半端。
陸軍の戦闘機開発思想が軽/重戦の二系統のままである限り、個人的には導入のメリットがあまり見当たらない。

688名無し三等陸士@F世界:2010/10/29(金) 19:28:22 ID:ED65ALaY0
>>687

> 機体の大半は旧式化してしまった九七式戦闘機であり、
>ようやく生産に入ったばかり新鋭機であるキ−43「隼」も
>キ−44「鍾馗」も満足のいく性能ではなかったためである。
> 幸い龍神様の降臨による日米戦回避によって一息つくこと
>ができたため、陸軍ではより満足のいく次世代機の開発を急ぐ
>ことになるが、問題となったのはそれが完成するまでの間に
>訪れる戦力ギャップを埋めるための機体をどうするかであった。

軽/重戦の二系統の両方が失敗作だから、次の機体ができるまでの
暫定的措置として両者の中間の性能を持ってる「毘沙門」を採用したと
書いてるように思えるんだが?

689名無し三等陸士@F世界:2010/10/29(金) 20:47:46 ID:PNVPLzTs0
>>688

その性能が史実の三式戦と似たり寄ったりで、その三式戦は性能が中途半端で米軍からカモ扱いされているのよ。
それでも三式戦は急降下制限速度が800kmを超えているので最悪の場合ダイブで逃げる事も出来たけど、毘沙門ではそれも不可能。
軍事開発において全てが出来るというのは何も出来ないと同義語で、その無茶を現実にするには戦闘機であれば高出力発動機が必須。
現実の日本陸軍なら四式戦がそれで、2000馬力級の発動機を装備した機体でないと性能面であまりにも中途半端。

それに軽/重戦である一式戦、二式戦ともに失敗作と言う程性能は悪くないし実際に対戦した米軍の評価も高い。
それに対して毘沙門と似た性格を持つ三式戦は米軍から格闘/上昇性能に優れた一式戦のような怖さがない、とまで言い切られている始末。
陸軍は軽戦としては速度性能に優れていた三式戦を採用はしたけれど、それ以前に重戦的性格を持つ二型の開発を進めていた訳で。
陸軍の戦闘機開発は軽戦闘機の系譜である一式戦、重戦闘機の系譜である二式単戦、軽戦闘機として開発されたものの高速性能を買われ両者の中間的性格となった三式戦、最後に軽/重戦という区別そのものを無意味にした四式戦に繋がってる。
特に三式戦の試作機は昭和十六年十二月に完成、量産機は十七年から就役しているので、毘沙門を採用するのならこの三式戦との比較検討がなされていないとおかしいと思う。
……三式戦と比較した結果として毘沙門になった場合、ライセンス契約までして導入したハ40発動機の行き先はどうなるんだ、とか別問題が浮上してくる可能性が高いのだけど。
予算面が問題というなら高額のライセンスを支払ってまで導入した発動機を装備する戦闘機が海軍の機体を改良導入します、でぽしゃったんじゃ陸軍内部で大問題を引き起こす可能性が高いし。

690名無し三等陸士@F世界:2010/10/29(金) 21:41:20 ID:si842e/w0
おまいら、まとめサイトに中の人が載せちゃってるんだからいい加減にその話をやめい。

龍神様世界でそこまで金星零戦をなかった事にしたいんなら中の人に言えよ。

691名無し三等陸士@F世界:2010/10/29(金) 22:06:47 ID:ED65ALaY0
>>689

その流れを知ってるから逆に火力に足らない隼にまともに稼働できない鍾馗のバックアップとして金星搭載で20ミリ砲を
装備した零戦改造の機体をもつのは変な選択とも思えないがなあ。
3式戦と比べてダイブ性能こそ劣るものの稼働率は高く火力は20㎜で優越する毘沙門ならそれこそ十分役目を果たせると思うけどな。
(使用者から性能は足らないという感想はついて回るだろうけど)

>毘沙門を採用するのならこの三式戦との比較検討がなされていないとおかしいと思う
別に作中で検討されてないと言われてないかならあ。
そもそも採用するに当たって今持ってる機体とこれから採用される機体との比較は
全部やってるのが普通だから当然検討されてると見るべきと思うな。
模擬空戦が行われたのはパフォーマンスと作中でも言われてるし、重戦の任務もこなせる
とアピールするなら鍾馗と空戦するしかない。軽戦である3式戦としてもどっちが優秀な軽戦かを
争うだけにしかならないからみんなの前でやるのはそんな意味あることでもない。
当然陸軍内部では評価のために空戦してると思うけどさ。

>ライセンス契約までして導入したハ40発動機の行き先はどうなるんだ
それこそ1個飛行体分維持できるだけ生産して終了ってだけじゃないか?
川崎のラインをつぶさないように作ってお茶を濁せばいいだけだし。
そもそもわざわざエンジンをライセンス生産したのに毘沙門と比較されるような性能にしかならない機体じゃ
確かに問題になりそうだな。

692名無し三等陸士@F世界:2010/10/29(金) 22:32:12 ID:Ch3RcRIs0
>>689
そういや軽戦…つまり隼の代わりに毘沙門ってのは駄目なのか?
スペック見る限り、最高速でも降下制限速でも上回ってるし航続距離も申し分ない
懸案なのは運動性だけど元があの零戦だから極端に劣っているとは思えない
現状だと副武装が劣ってるけど、それは主武装でカバーできるし副武装の強化案も存在する
トドメに隼は中島だから打ち切って毘沙門(機体製造は中島)に替えても問題は少ない

>>691
鍾馗との模擬空戦ってさぁ
海軍が見切った雷電の代わり(保険の紫電があるからその完成まで繋ぎだろうけど)に
鍾馗を検討していたからってのもありえるんじゃねーのか?
要は毘沙門の売り込みついでに鍾馗の性能を実地で調べたって線

これなら相互に相手方の機体を採用するって事にもなるからどちらか一方だけってよりはカドが立ちにくいメリットがある
機銃では九九式20mmとホ-103を相互が採用する流れになるっぽいし、機体もある程度そうなるのでは?

693名無し三等陸士@F世界:2010/10/29(金) 23:01:06 ID:C1YMAymk0
陸軍大幅削減とか陸巡とか史実と作品との違いもあるんだから仕方ないよ。
弾膜突破に関しては装甲より結界の方が良さそうだし。

694686:2010/10/31(日) 01:40:13 ID:HBjipe6I0
>>686
いや、おれは「“作中で陸軍が採用する”設定に無理がある」っていうのを一般論といったんじゃなくて
>>680が“作中で陸軍が採用する”設定に無理があるって言っている」事を一般論と言ったんだがな。
日本語って難しいな。

695名無し三等陸士@F世界:2010/10/31(日) 01:42:04 ID:HBjipe6I0
>>694の名前欄は685だったでござる。オウフ

696ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/10/31(日) 23:12:00 ID:DZt8ismc0
スランプ→現実逃避→なんとか書き始め→区切りが悪くて分量が増える
という流れで、随分と間が空いてしまいました。

では、ディプシー&プリム『めいきんぐ・おぶ・ぶらっくふぁくとりぃ』投下いたします。

697ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/10/31(日) 23:12:52 ID:DZt8ismc0
対巨大蟲戦闘の切り札である【キャニスター弾】の大量発注を受けてしまった
(受けざるを得なかった)ディプシーとプリム。
このままでは、ただでさえ延び延びになっている帝国本土行きが更に延期……
最悪の場合、変わりの人材が本土に派遣され、ディプシーとプリムの本土行きが中止になりかねない。
そんなことにならないよう師匠マベルに手紙を出し、おそらく手が空いているであろう
鍛冶屋のリズを援軍(実質は身代わりである)として派遣して欲しいと訴えたのだ。
出来れば、もう一人二人送って欲しいとも添えて……。
だからこそ、リズと一緒に彼女の師匠エレインが一緒に付いてきたのは、嬉しい誤算であった。

「エレイン師、まさか貴方に来ていただけるとは思わなかった。」

「仕事するかどうか定かでない『寝坊助』一人遣るわけにいかんやろ、心配でついてきたんや。
寝坊助が目移りする前にちゃっちゃと終わらせるで、工房に案内せぇ。」

「その前に見せるものがある、御同行願う。」

エレインの返事も聞かずにスタスタと歩き始めるディプシー。
とても目上の者に対する態度とは言えない酷いものであったが、エレインもリズも
『ディプシーは昔からこう、今更直らないし、本人も直す気が全くない』
と知っているので、呆れつつも後をついて行く。

「ディプちゃんも相変わらずだね〜、ありゃ普通の客は怒り出すよ……
てぇか、いつもなら妹のプリちゃんの方が来るのに、何で姉の方が?」

「プリムの方で、帝国人を相手にしているんやろな。
そっちの方の機嫌を損ねる訳にいかんのと、ウチらはディプシーがああなのを
よう知っとるから、こっちは実害がないと踏んだんやろ。」

そんなことを話しているうちに案内された建物の一室。
白い衣を羽織ったディプシーが、いくつかの試薬を用意して話を始める。

「最初に確認したい、エレイン師とリズは帝国の兵器についてどこまでご存じ?」

「【サンパチ】の威力が投石の20倍っちゅーのと、【キュウナナタイテイ】が鉱油を使うとるのは判ったな。」

「【サンパチ】を使った後の煙の臭いから、多分硝石が絡んでいると思うけど、
それにしたって威力が合わないんだよね〜、正直、細かい事情はどうなっているのかサッパリ。」

その返事に頷きながら、ディプシーは金属缶をを取り出す。

「そこまで理解しているなら、話が早くなる。
鉱油と硝石が帝国製兵器の要、それで正解……だが、その質が尋常でない。」

缶の蓋を取ったとたんに立ちこめる刺激臭。
その臭いにエレインは顔をしかめる。

「こんなん盗賊ギルドでも使うてないで、なんやこの強烈な揮発性は。」

「ここまでやるかってぐらいの精製度だね〜、火ィ付けるのにしたってこんなにまでする必要は無いよ。
いや、かえってこれだとすぐ燃え尽きちゃう、保存・携帯にも難有りだね〜。」

こんなもの一体何に使うのだという二人に対し、ディプシーがその正体を明かす。

「地下よりくみ出した鉱油の中から、揮発成分のみを抽出・精製したこの精製鉱油、
『ガソリン』あるいは『キハツユ』と呼ばれている、帝国はこれを動力源として用いている。」

「わ、わざわざ危なっかしい、真冬でも爆発事故起こす代物を取り出してんのかいな!?
しかも動力源? 何が悲しゅうてそんな危ないもの使わなあかんのや。」

ガソリンというものは、日本語で『揮発油』と言うとおりとても揮発し易いため、
零下40度でも火災や爆発事故の危険を伴う。
また、ガソリンそのものが容器との摩擦で静電気を発生させるため、保存は静電気を
ため込まない金属缶でないと危険である。
そしてこの世界では、「水も漏らさないような金属容器」というのはとても高価な代物なのだ。
そこまでしてガソリンを動力源に使う理由が、エレインは理解できなかった。

「あっはっは、なるほど魔法が使えないってぇのはそう言うことか。」

笑い出すのはリズ、どうやら何かピンと来るものがあったようだ。

「魔法で動かすべきものを魔法抜きで動かすなら、人力か獣力、でなければ風や水流に頼るしかないけど、
もう一つ方法があったんだ、【爆発】ってやつがね。」

698ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/10/31(日) 23:13:29 ID:DZt8ismc0
「そう、爆発に伴う体積の膨張を金属製の筒に封じ込め、その動きを直線上に整えた後に
いくつかの部品を介して回転運動に変換している、これが帝国式動力炉の原理。」

「爆発を利用する動力炉だからこそ、爆発しやすい揮発鉱油は好都合ってわけだ、
無茶を押し通して遂には修めちゃったとは、技実者魂が疼くよ。」

いつもは眠そうに半開きにしている目を輝かせるリズ、もう楽しくて仕方がないという様子だ。
それとは対照的にエレインは冷や汗を滝のように流していた。

「帝国の仕事を受けるっちゅーのは、こんな危険物を恒常的に扱わなならんってことかいな……
ど、動力源でこの有様言うたら……武器はもっとやばいんか?」

ガソリン缶を片付け、今度は容器から黒い埃を取り出すディプシー。
皿の上に少量を盛りつけ、エレインとリズにこれが何かと尋ねる。

「火薬でしょ? マナ汚染を気にせずに爆破作業が出来るってんで、一時期流行ったけど、
少しでも湿気ったらダメなのと、元々威力がイマイチってんで廃れたヤツ。」

「爆発事故も少のうなかったしな、サンパチもそれを使っていそうやったけど、
なんか違う感じがすんねん。」

火を点けると“しゅぼー”と音を立てて燃え上がる。
その次に取り出したのは白い綿。

「綿?」

「綿だねぇ……」

綿を指でつまんで眺めるリズ。
エレインもしげしげと眺めているが、綿にしか見えない。
そこへ、ディプシーが火の付いたマッチを近づける。

“ボッ”

着火したと思う間もなく、一瞬にして燃え尽きる綿。
エレインもリズも驚きで目を丸くして固まっている。

「……火呪綿。」

「師匠、サラマンダーの呪いが掛かっているって言われているあれ?
初めて見た……というか、実在したとは思わなかったよ。」

「ウチかて見たのは初めてや、ディプシーそれどこで拾うたん?」

「帝国人に作り方を教わった、帝国では【綿火薬】もしくは【ニトロセルロース】と呼ばれる。
……次に極めつけを見せる。」

そう言いながら小さなガラス瓶を取り出す。
慎重にも慎重を重ね、音も立てずにそっと机に置く。
中の液体をスポイトで吸い取り、近くの金床に置いた濾紙に数滴垂らす。

「あちらの人間は、工夫と改良でこのようなものまで使いこなす……そう言う世界。」

そう言って手にしたハンマーで、液体のしみこんだ濾紙を軽く叩く。

“パァーン”
「「…………。」」

大きな破裂音を立てて爆発する濾紙、エレインもリズも驚きのあまり声も出ず、
目も点になったまま戻らない。

「ニトログリセリン……強力な火薬を求め、ついにはこのように威力の高いものを作り出すに至った、
しかしこれでは僅かな衝撃で爆発事故を起こしてしまうため、非常に危険。」

淡々と説明を続けるディプシーは、その危険な液体をビーカーの中の乾燥したした土に振り掛ける。
液体が全部土に染み込んだところで、それをビーカーから取り出す。
そしてその土に無造作にハンマーを振り下ろす。

「「qあwせdrftrgyふじこ!」」

声にならない悲鳴を上げながら後ずさるエレインにリズ、いくら何でもここで爆死などしたくはない。
だが、ハンマーは“ぺったん”という間の抜けた音を立てながら、土にめり込んだだけである。

699ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/10/31(日) 23:14:03 ID:DZt8ismc0
「た……助かった、不発や……。」

「酷いやディプちゃん、からかうなんてっ!」

ホッと胸をなで下ろすエレインと、涙ながらに抗議するリズ。
それに対するディプシーの反応は、ニトロの染み込んだ珪藻土を紙筒に詰めながら
不思議そうに呟くだけだった。

「……危険もないし、からかってもいない、危険な薬品を安全化したのを実演しただけ。」

「あ、安全なら最初にそう言わんかボケッ!」

「仮に危険があるならば私が一番危ない、そして私に自殺願望がないのは二人とよくご存じのはず。」

「【火呪綿(綿火薬)】や【液体火薬(ニトロ)】で散々脅かされた後だよ〜
そんな前提、頭から吹き飛んでいるってぇの……。」

先ほどまでの元気はどこへやら、リズは疲れ切った表情で座り込む。
渉外担当のプリムが居ないだけで、ディプシーの空気の読めなさがここまで酷くなるとは、
それなりに長い付き合いのエレインとリズも予測しきれなかったようだ。

「あかん……こっ、この駄姉貴(ダネキ)早よう何とかせぇへんと……肝心要の片割れはどこや?」

「……作成作業に備えての【仕込み】で手が離せない。」

「一体何やってるのさ、それこそディプちゃんとプリちゃん入れ替えても問題ない……
むしろその方が良いと思うけどね。」

「内容がプリムの方が得手、将来を見据えるならばより詳細なログが必要だった。」

「ログぅ? 制御魔法板(コマンドプレート)作るんかいな、ちゅーか、完成品がどんなのか見当も付かへん。」

制御魔法板作成には、再現すべき動作を正確にトレースする必要がある。
そしてその動作が、どのような力やマナの動きをしているかを、実際の動きの記録(ログ)から解析を行うのだ。
そうすることによって初めて制御魔法の術式を構築でき、それをルーンとして制御魔法板に
刻みつけることが可能になるのである。

「これから作る製品そのものに制御魔法板を使うわけではない、作成段階での単純作業を
代替させるためにログを取っている。」

そう聞いてもエレインは、何がなにやらサッパリ理解できない。
その時やって来た帝国人がディプシーに何かを伝えた。
「準備が出来た。」とエレインをリズに伝えて、先ほど土を詰め込んだ紙筒を持ったまま
外に出て行くディプシー。
後をついて行くと広場に帝国人が数人、それと奇妙な鉄の塊……
【九七式中戦車改】、現在『"帝国製"最強』を誇る戦車が待機していた。
(ちなみに『帝国最強』の戦車は、例によって横流し品のM3中戦車だ。)
戦車の近くで煙草を吹かしていた帝国人がディプシーに話しかける。

「よう嬢ちゃん、47mm散弾有り難うな、おかげでクワガタ穫りに間に合いそうだ。」

上機嫌で話しかける『端村』という名の戦車長、【対巨大蟲戦闘研究会】でもめにもめた結果、
【アルトリアの原生林】への調査隊に放り込まれた不幸な男とされているが……、
本人はごらんの通り大いに楽しんでいる。
本当に不幸なのは彼に付き合わされる部下達であろう。

「試作品が三十発ほど出来ただけ、細部確認の試射で殆ど無くなる、量産はまだ先……
それよりもこれを。」

端村に土の詰まった紙筒を渡すディプシー。

「おう、例のマイトな……嬢ちゃん、危ねぇから下がってな。」

端村はくわえた煙草でダイナマイトに点火、その後思いっ切り前方に投げる。

"ドカーン!"

数十メートル先で爆発するダイナマイト。
エレインもリズもある程度予測は付いていたが、魔法抜きでの大爆発というのに
慣れていない分驚きは禁じ得ない。

「魔法抜きでこの威力、しかも『火ィ付けてポイ』なだけで発動かいな。」

700ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/10/31(日) 23:14:42 ID:DZt8ismc0
「あらかじめ大量に作っておけば、爆発系統の魔法はいらないかな?
……雨の時を除いてだけど。」

冷や汗を流しながら呻く二人に、ディプシーは「実戦で使っているものを見せる」と告げる。
ディプシーに促された端村が、ピンの付いた石のようなものを見せながら話を始める。

「何て言ってるか分からんくても、何て言いたいかは大体判るな?
実戦じゃぁ、いちいち火ィ付けたり導火線引っ張ったりなんてやってる暇ねぇから、
こんなのを使ってるんだ。」

そう言って石からピンを抜き、突起部分を叩いて放り投げる。

"ドーン"

魔法はおろか、火すら点さずに爆発する石。
リズは顔面蒼白、エレインに至っては卒倒寸前である。

「魔法を使わない・使えないからといって舐めてかかると、手痛いしっぺ返しを受ける。
魔法を使えないからこそ、火薬という危険な物すら使いこなし、魔法に頼らないからこそ、
個人的力量に頼らず、均質な威力の攻撃手段をあらかじめ大量に用意することが出来、
それを一気に放つ事によって、マナ汚染を気にすることなく、敵をまとめて粉砕することが出来る。」

ディプシーがエレインとリズを連れ回したのは、これが言いたいからこそであった。

「ちょ、ちょっと待てやディプシー、ウチらにアレを作れと?」

「それはこれから見せる……ハシムラグンソー。」

戦車に乗り込んだ端村が、弾頭部分が円筒形になっている砲弾を取り出し、ディプシーに手渡す。

「帝国軍が蟲の巣を攻略するときの切り札、エレイン師とリズにはこれを作って戴きたい。」

ディプシーとプリムが不眠不休で作り上げた試作品、米国製M2キャニスター弾を
パクった【試製二式重散弾】。
山吹色の光沢を放つそれは、先ほどの手榴弾やダイナマイトより相当大きい。

「ま、まさかその中身、例の帝国製火薬や無いやろな……?
いや、話の流れからしてそうなんやろけど、こんなんどうやって扱うんや?
スリングやカタパルトで放るにしても、形からしてマトモに放れそうにないで。」

「いやいや師匠、形と色からしてこれは、でっかいサンパチから撃ち出すんじゃぁないかと。」

言われてみれば、先端が平らなのを除けば三八式歩兵銃の弾薬とそっくりである。
七倍サイズに拡大した三八式歩兵銃を想像するエレイン、「そんな代物、巨大ゴーレムに
でも抱えさせるのかと」周囲を見渡したところで、リズに突っ込まれる。

「師匠、もうちょっと落ち着きましょうよ……目の前に有るじゃないですか。」

そう言って、長い鼻のように突き出た砲を備えた戦車を指差す。
そもそも砲弾を戦車内から取り出したのだから、考えるまでもなく判りそうなものだが、
ダイナマイトや手榴弾で揺さぶられたエレインの思考回路は、殆ど機能不全といえるまでに
鈍くなっていたのである。

「注目するのはそこではない、あちら。」

そう言ってディプシーが戦車の前方200mほどの地点を指差す。
そこには山と積まれた木箱が複数あった。
エレインとリズの視線が木箱に移った直後……

「撃てーっ!」
"ドォーン!" "ガガガガガガガガガン!" "バラバラバラ……"

端村戦車長の号令で47mm戦車砲が火を噴いた……と思う間もなく粉砕される木箱の山。
エレインはへなへなと腰砕けになり、座り込んでしまう。

「あ、あの距離と範囲でまとめて粉砕かいな、本国の傭兵団でも同じ事出来るのが何人いるか……。」

「距離が半分ぐらいで良いなら、レイナ団長に4人の分団長……この5人は連発出来るでしょうね、
でも師匠、魔法はどうやっても詠唱に時間が掛かる分、速射性能はどうあっても敵いませんよ。」

「射程でも負けとるしなぁ……帝国式は反則やで、コレ魔法で言うたら『詠唱済みで発動待ちの魔法』を
そのまま保存して仰山戦場に持ち込むようなもんやで。」

701ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/10/31(日) 23:15:19 ID:DZt8ismc0
「マジックアイテムに魔法を封じておくにしても、一体金貨何枚分かかるんだか。
こんなのに対抗しようとしたら、戦う前に軍団が破産すると思いますよ。」

二人とも驚くやら呆れるやらで、色々と神経が麻痺してきたようだ。
ここまでがディプシーが仕掛けた罠だったのを、エレインとリズが知るのはもう少し後になる。

「あの木箱の壊れ方、見た目爆発とは違うんだよね〜、ディプちゃん、アレ礫でも飛ばしているの?」

「サンパチの銃弾や通常の砲弾は、一度に一つの礫や鉄塊を飛ばすだけだが、
この砲弾は、円筒形の容器内に詰められた100以上の金属球を高速で撃ち出す。
攻撃を受けた相手は、いくつもの金属球を高速で叩き付けられる事になる。」

「で、ディプシー、それをあの鉄塊はナンボ積んどるんや?」

「概ね100発積んでいる、そのうち半数が爆発力を重視した炸裂型で、残りの半数が
堅い鎧や鱗を打ち貫くための貫通型、そしてこの砲弾は貫通型砲弾に変えて搭載する予定。」

「50か、その仕事ウチも受けたるわ、人数居った方が仕事が仕上がるのも早いしな。」

「材料と図面は用意はそっちで用意してくれているんだっけ? まぁ、何とかなるかな……。」

安請け合いをしてしまうエレインとリズだが、肝心なことを失念している。
そしてそれを見越しているディプシーも、まだ肝心なことを話していない。

「……工房に案内したいが……。」

移動を促すが、二人とも座り込んだまま動こうとしない。

「あはは〜、腰が抜けてもうて、しばらく動けんわ(苦笑)。」

「同じく動けません、ディプちゃんおぶって♪」

どうしたものかと困惑するディプシーに、事情を察した端村が助け船を出す。

「嬢ちゃん、そこのリヤカーとチビタン、明日まで貸すから使いな。」

「制御魔法板を組み込んだ改良型! コレならゴーレム操作を不得手とする私でも操れる。
貴重な機材を貸していただき感謝に堪えない。」

かくてエレインとリズは、端村分隊の面々にリヤカーに乗せてもらい、そのままディプシーが
操る改良型チビタンに牽引されて、演習場から陸軍の整備工場までドライブをしゃれ込んだのである。

−−−−

工場で出迎えたのは、消耗しきった顔で今にも倒れそうなプリムだった。

「ディ……ディプシー姉……コレ、例のログっス……。」

「御苦労、ではエレイン師とリズに組み立て工程と仕上げの説明を。」

ログの詰まった水晶玉を受け取りながら、更に追い打ちを掛けるディプシーに、
プリムは息も絶え絶えになって返事を返す。

「む、無理ッス……魔力も気力もスッカラカン……つか、完徹4日目なんッスけど……ガクッ。」

疲労の限界に達し、遂に倒れ込んだプリムの口にディプシーは小瓶を押し込む。
小瓶には、いくつかの薬草と茶葉を混ぜ込んで煎じた、特性エキスが入っていた。

「モガッ……グビグビ ゴックン……qアwセdrftgyフジコlp;@:!
ドゥわぁぁぁ〜〜苦っ! ゲホゲホゴホッ! づぁ〜〜目ぇさめたッス。」

強烈な苦みと特濃カフェインの効果で七転八倒しただけあって、完全に目が覚めるプリム。
「一体どんな味しとるん?」と一滴舐めてみたエレインも、ジタバタともがき苦しんでいるから
その味の強烈さや推して知るべし。

「これ以降、私は制御魔法板の作成と、例の物の設計で手が離せない。
プリム、エレイン師とリズに組み立てと仕上げの説明を。
それが終わったらいくらでも寝てて構わないから……。」

「誰かさんに凶悪な気付け薬飲まされたんで、寝たくても寝られないッス……。」

702ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/10/31(日) 23:15:57 ID:DZt8ismc0
ジト目で睨むプリムの嫌みにも全く動ぜず、ディプシーは工場の一角で作業を始める。
「はぁ……」とため息をつくプリムを見てリズがぼやく。

「実の妹が相手でもコレだもの、私たちがどうこうできる相手じゃなかったか(苦笑)。」

文字通り『お手上げ』とばかりにリズがバンザイをするところに、なんとか立ち直ったエレインが近付いてくる。

「うぁ〜〜まだ口ん中が変な感じや……っとプリム、説明頼むで。」

「あ〜〜なんかやる気満々って感じ……こりゃディプシー姉、注文量がどのくらいか説明していないッスね。」

「ん? あの『タンク』っちゅー代物1体につき50やろ?」

プリムが再度ため息をつきながら今回の注文内容を告げる。

「大蜘蛛相手じゃ貫通力が高すぎて、かえって使えない徹甲弾を改造してくれって内容、
それが1両当たりおよそ50発、援軍含めて100両以上あって、そいつを"取りあえず"
2回分作ってくれって注文ッス、しめて戦車用重散弾一万発。」

泣きそうな顔をするエレインに、「安請け合いするもんじゃないね」とバンザイするリズ。
士気がダダ下がりの丸耳族二人に、目の下にクマをつくりながら組み立てと仕上げの説明を
行うプリムだが、どうにも手元が危なっかしい。
相当疲労がたまっているのは一目瞭然、見かねたエレインが実演はやらなくてもいいから、図面と工程の説明だけしてくれと言い出す始末である。

「この金属板を組み合わせて円筒作って、中に金属球を大きさに応じた数入れて蓋をして完成、
後は"テッコーダン"の頭とすげ替えるだけやな。」

「文字通り、寸分違わぬ形にしなきゃならないのが厳しいけどね〜。
こりゃ確かにウチらドワーフの仕事だよ。」

いい加減な寸法で作られた砲弾は、不発や暴発を招く。
小さな拳銃弾や小銃弾でも、暴発事故は深刻な惨事を引き起こす、砲弾ともなれば、
確実に死人が出る……更に悪いことに、この弾薬は戦車という密閉空間での使用が前提だ。
暴発事故など起ころうものなら、戦車長以下、砲手、操縦手、無線手、それに最近搭乗することが
増えてきた装填手、都合4〜5名の人肉ハンバーグのできあがりなのである。
冗談でも戦車での暴発事故はご遠慮したい……かといって、【正式に生産されたキャニスター弾】は
支給される目処は未だ立っていない。(というより、生産計画自体今の今まで皆無だったのだ。)
まともな方法でキャニスター弾が確保できないからこそ、徹甲弾の弾頭と自作キャニスター弾頭
をすげ替える形での砲弾改造という乱暴な手段が取られたのだが……。
前述の通り精度に不安があり、暴発の危険が伴う手作り戦車砲弾などという代物は絶対に使いたくない。
そんなとき、比類無き冶金の技と器用な手先を有する丸耳族が竜州に滞在していたのである。
不安のあった精度を確保できる人材が目の前に転がっているのだ。

蟲の巣攻略によって、巣に囚われていた黒長耳族と獣耳族の大量確保することが、
破綻寸前の帝国経済を立て直す前提と化した帝国政府。
キャニスター弾の大量配備によって、最終防御射撃を充実させなければ自分の命が危ない竜州軍。
奴隷扱いを通り越し家畜同然の境遇から逃れるために、帝国に賭けた黒長耳族と獣耳族。

二重三重の包囲網が完成しているため断れないし、ふて腐れていい加減な仕事など以ての外。
かくて、幼女が渋面でチマチマと一発ずつ砲弾の手作りと手詰めを行うことになったのだ。

「うう……ディプちゃんにハメられたよぅ。」

「あの駄姉貴……強化火薬で脅かして判断力麻痺させたあげく、肝心要な部分有耶無耶にしよったな。」

工場の片隅で、青白い火花を散らしながら銅板にルーンを刻むディプシーを見ながらぼやく子弟。
文句の一つでも言おうとしたが、どうせ『この程度の詐術に引っかかる方が悪い』と
一蹴されるだけなので、無駄なことはやらない事にした。

「今は組み立てだけで済んどるけど、そのうち部品作るところからせぇへんとあかんのやろな。」

「そうですね師匠、一万発作らなきゃならないのに、部品は三〇〇発分ぐらいしか見あたらないし。」

703ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/10/31(日) 23:16:59 ID:DZt8ismc0
「組み立てと仕上げしか頼まれとらんし、それ以外は受けると言うてないからな、
三〇〇仕上げたら部品が揃うまでお休みや(w)」

これ以上こき使われてたまるかと笑うエレインに、毛布にくるまってうつらうつらとしていたプリムが答える。

「部品の加工まではやらなくていいッスよ、そこまで頼んじゃぁ悪いッスから。」

「言質取ったで、後で泣いて頼んでも手伝ったらんからな(笑)。」

「ディプシー姉の制御魔法板と、ドールの図面が出来れば後は……スピー……。」

「ドールって、あんなオモチャで何するんや? つか……お〜いプリム〜〜。」

呼びかけても、スヤスヤという寝息が聞こえるだけで返事がない。
つい先ほど凶悪な気付け薬を飲んだ上に、喧しい工場内にもかかわらず熟睡しているプリム。

「よっぽど疲れていたんだろうねぇ……師匠、このまま寝かせてあげましょうよ。」

「しゃぁないな、好きなだけ寝かせたるわ、しかし駄姉貴の方はオモチャいじりかいな。」

呆れて溜め息をつくエレインだったが、作業用の魔法従者といえばパワーに優れるゴーレムが一般的であり、
ドールを使うといった話は殆どない、エレインが聞いて呆れるのも当然といえば当然なのであるが、
個人的な付き合いから、ディプシー達の使うドールが秘めるポテンシャルを知っていた
リズには、
ディプシーとプリムが身を削るようにやっていることが、単なるオモチャいじりだとはどうしても思えなかった。

「……同じ魔法を同じ出力で繰り返す【制御魔法板】、
ディプちゃんとプリちゃんのドールは精密動作をウリにしている、
そして足りない精密部品……
まぁ、『頂への道は一つに限らず(目的を達する手段は複数ある)』ってところかな?」

それを楽しみにして待っていようと考えられるあたり、リズのディプシーとプリムに
対する信頼度の高さが伺える。
そして二人はしっかりとその信頼に答えたのである。
……答えたのであるが…………。

−−−1週間後−−−

"スチャ・ガチャン!・カラン スチャ・ガチャン!・カラン スチャ・ガチャン!・カラン"

工場に並べられた機械、形状はエレイン曰く『腕だけドールと脚だけゴーレム』、
そんな奇妙な機械達がけたたましい金属音を響かせながら、凄まじい勢いで
キャニスター弾の部品を吐きだしていた。
稼働してから数分しか経ってないにもかかわらず、すでに百を超える部品が作り出されている。
後は丸耳族による組み立てと仕上げを待つばかり。

「いやぁ〜師匠、確かに部品の製造まで、手を出す必要は無くなりましたねぇ……(汗)。」

「アホ、無くなりすぎや! なんやこの製造速度は、明らかに組み立ての方が追いつかんわ!」

「三つ数える間に1個分出来ているような……こりゃ一万発分もすぐですね。
……その分の材料があればですけど。」

「その材料かて、ブリの婆様がナベ掻き回してやっと確保しとんねん、それも元を正せば主の鱗や、
この機械のペースに合わせとったら、一万でける時分で主が丸坊主になってまうわっ!」

「いや、それは大げさかと……所詮、材料は薄い金属板と小さな金属球ですし。
心配するなら主の御髪より、ブリばーちゃんの魔法鍋の耐久度じゃないかと……
それだって、次の便で帝国本土から材料が届くまでの間だから、もうちょっとの辛抱ですし。
もっと深刻なのは、魔晶石のバカ喰いに、組み立てと仕上げに従事する人員の圧倒的不足。
……いや、魔晶石はここに掃いて捨てるほど転がっているから問題はないか。」

「そ、そうや、どうやったかて組み立てとかはウチら二人じゃ追っつかん、
マベルは何やっとんのや、早よう援軍寄こしてもらわんと……。」

「本国だって、鉱山で人数取られて余裕無いんだから、マベル師匠でもなかなか難しいのではないかと。」

「ディ、ディプシーとプリムはどこ行ったんや? さっきまでそこに居ったはずや。」

704ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/10/31(日) 23:17:49 ID:DZt8ismc0
「あの機械の正常稼働を見届けて、直後に倒れて運ばれましたが何か?
っていうか、休ませてあげましょうよ、アレ仕上げるのにディプちゃんは1週間徹夜、
プリちゃんだって二度目の四徹なんだから。」

「あ、あの気付け薬使ったら、せめて数刻ぐらい何とかならんか?」

「師匠が一滴舐めただけで悶絶した、ディプちゃん特製のですか?
そいつの空瓶が10本近く、ディプちゃん達の作業台の下に転がってますが?」

「二人の復帰は?」

「まぁ、曲がりなりにも頑丈なドワーフ族ですから、2・3日もあれば。」

ホッと息をつくエレインだったが、側で話を聞いていたダークエルフがその希望を打ち砕く。

「あのぉ、ディプシーさん達なんですけど……。」

「ベイラさんだっけ? ディプちゃん達に何かあったの?」

「はい、実は何日か前から帝国軍のお偉いさん達の中で、ディプシーさん達に無理をさせすぎだと、
問題になってまして……それで、『これ以上最前線のここに留めておく訳にはいかない、
何が何でも次の便で本土に送る』ということが決まっているんです。」

「……次の便っていつや?」

「船の遣り繰りが厳しいのか、随分急いでいるみたいですね。
明後日やって来て、その次の日に帰る予定だそうです。」

「詰んじゃった\(=ω=.)/♪」

終わったとばかりに両手を挙げるリズ。

「仕事が忙しいのは本国も一緒だしねぇ、こっちの仕事が大変だからって理由だけじゃ、
援軍なんか寄こしてくれないか。」

その言を聞いてエレインが「フフフ……」と笑い出す。

「あの……、師匠?」

「フッ……フハハハハ! そうや、もう一個理由があったらええんや!」

「師匠〜〜。」

「リズ喜べ、炉の煉瓦をを分けたるで。」

「??? 煉瓦を貰えると、何か良いことがあるんですかぁ?」

エレインの言わんとすることが良く分からないベイラにリズが事情を話す。

「私たちドワーフはね、独り立ちするときお守り代わりに、師匠の工房の炉に使っている
煉瓦を何個か分けて貰う風習があるの、そこから独り立ちを許すって意味で『炉の煉瓦を分ける』って言うの。」

「わぁ、リズさんおめでとう。」

ベイラに祝ってもらったリズだが、何故か複雑な表情をしている。

「いやその、嬉しいことは嬉しいんだけど、何もこのクソ忙しいときにやらんでも……。」

「だからこそや、工房の立ち上げともなれば本国の方でも応援を寄こさずにはおれんやろ。」

「……で、工房立ち上げの要員を、砲弾作りでこき使うんですね。」

「それじゃ、工房の立ち上げはどうなるんですかぁ?」

「決まっとるやないか、両方やらす。」

「うわ、ディプちゃん達もすごかったけど、ウチの師匠も酷いこと言ってる(汗)。」

…………。

後にリズが立ち上げた工房(規模や設備の充実ぶりから実質的に工場だったが)は、
竜州軍の砲弾改造や兵器への魔法付与を請け負い、大いに繁盛する事になるのだが……。
立ち上げに際してのドワーフ使いの荒さが、カイル・スィディ女王国に伝わって
『帝国の暗黒大工房』として悪名を馳せ、そこへの派遣が決定したドワーフは、
栄転なのか左遷・懲罰の類なのか悩むのが常だったという。

705ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/10/31(日) 23:23:57 ID:DZt8ismc0
投下終了。

やっとこさディプシー&プリムを本土に送れそうです。
どうしてここまで長くなった(悩)。

706ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/10/31(日) 23:34:13 ID:DZt8ismc0
現実逃避でやってたこと。
ttp://a-draw.com/contents/uploader2/src/a-draw1_25787.jpg.html
pass:harusa
竜神様で不遇だった2機種。

707名無し三等陸士@F世界:2010/11/01(月) 00:18:23 ID:Ch3RcRIs0
投下乙

あいつら産業用ロボットを完成させやがった!
史実じゃ1980年代のテクノロジー(精度面での差はあるだろうけど)を…恐るべし

ただ、寸分違わぬ動きが出来るって事は、逆に言えば原料側の誤差に合わせた融通が利かない事になるから
原材料も精度が必要になるんだよな

まぁ原料供給側もロボット化すれb…肝心の開発者が異世界逃亡(違)しとるやん!
量と精度の双方を求められる原料供給サイドの修羅場確定?

708名無し三等陸士@F世界:2010/11/01(月) 01:41:28 ID:oXmDehTQO
投下乙。

>>707
確かに素材の精度甘いとジャムりそうではある。
しかしD&Pの奮闘に免じて追及しないであげたいw

709名無し三等陸士@F世界:2010/11/01(月) 10:42:23 ID:MuOvP6w20
投下乙。

一応ノウハウは残しているはずだから、一気に産業革命進みそう・・・・
まあ、先のレスの通り、投入する材料の精度や純度が追いつかないので、痛し痒しかな(^^;;

710名無し三等陸士@F世界:2010/11/01(月) 14:24:41 ID:M0YXC0KU0
あの手この手で人員確保w
乙です

711名無し三等陸士@F世界:2010/11/01(月) 18:41:37 ID:rC1ZC.sw0
投下乙。
外枠の外板用の薄板プレス機かな音からして。
それとも、散弾を自動旋盤か何かで削っているのかな?

今後はクワガタ獲りなど侵攻作戦になるか、帝国珍道中になるか大変でしょうが楽しみにしています。

あれかな、サボっているドワーフに竜州に修行に行くかと肩を叩かれるのか、出来が良いから腕を上げる為に行くかと二つのパターンがあるのかな。

712名無し三等陸士@F世界:2010/11/01(月) 19:31:40 ID:n/Xfaiho0
投下乙です
投下前の流れが戦闘機だったせいかコマンドプレートを一瞬コマンドゲレートと読んだ

713竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/11/02(火) 06:55:52 ID:ybLtRT0s0
 思いついたものは書いてみるシリーズ。
 ハルサブロー氏に捧げます。

714竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/11/02(火) 06:59:49 ID:ybLtRT0s0
 出迎えに赴いた幾人かの政府関係者を左遷させる事になったきっかけを作った丸耳族の娘っ子二人なのだが、その歓迎は帝国政府の最大級の礼を持って行われた。
 それだけの事を彼女たちはしてくれていたし、どこぞの馬鹿竜から、

「可愛がって欲しいのじゃ!」

 なんて言われたら、こくこくと頷くしか出来ないだろう。
 という訳で、とりあえず熱海の旅館で一泊してもらった幼女二人は温泉にちゃぷちゃぷとつかっていたりする。

「ディプシー姉。あれ……」
「皆まで言うな。プリム。
 残存マナから我らの主の仕事だろうが、目を引くのは別にある」

 帝国政府は異世界人、特に黒長耳族や獣耳族をインフラ整備に使う事で内需を拡大し、それによって莫大に積み上げられた戦時国債を償還する事を目論んでいた。
 そうなれば、あとは『本当にそれができるのか?』と投資家連中が信じるかどうかが問題となる。
 その信用の証が温泉につかる彼女達の前に広がっていた。

 新丹那トンネル。
 弾丸列車計画に基づくもので、1941年(昭和16年)8月に工事が開始。
 大量の犠牲者を出し、伝説となった丹那トンネルの反省から難工事が予想されていたこの工事だが、異世界への転移装置が下田に作られた事がその運命を変えた。

「わらわにまかせるのじゃ!」

 異世界に向かう寄り道ついでの馬鹿竜の呪文および、その馬鹿竜の飼い主を一日箱根の旅館に閉じ込めた結果、その両端は穴によって繋がれてしまったのだった。
 湧水も地震も起こさなかったあたり、馬鹿竜の馬鹿竜たる力の真骨頂だろう。
 多くの投資家達はこのトンネルを見た結果、帝国の開発国債に出資。
 その内需開発は確実に帝国経済の回復に繋がっていたのだった。
 そして、最難関のトンネルができたのだから、弾丸列車計画は加速する。
 というか、トンネルだけしか作らず、その先なんて馬鹿竜が考える訳もなく。
 既に現状運用でいっぱいいっぱいの国鉄は線路からその先まで大急ぎで作っているあたり、所詮馬鹿竜の仕事だったりする。
 ちなみに、喜ばしいが全計画の修正を余儀なくされた国鉄の関係者が本気で関係各所にガチ込みに行ったらしいが、本計画だけでなく下田に分岐させて転移装置に繋げ、直で異世界と鉄道で繋ぐ事も計画されていたりもするらしい。

 その鉄道も二人の目を驚かせていた。
 東海道本線。
 日本の全ての物流を司っていたこの鉄の道に、黒々とした煙を吐き出しながら大量の客車と貨車を連ねて信じられない速度で突っ走ってゆくそれは、陸上のどのような怪物に勝るとも劣らなかった。

715竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/11/02(火) 07:07:40 ID:ybLtRT0s0
「すごいっす!
 この鉄の化け物こんなに速く、こんなに多くの荷物を乗せているっす!!」

 窓を眺めてはしゃぎまくりなプリムの姿は、そのあたりではしゃぐ子供とさして変わらない。
 もっとも、彼女達二人が乗っている列車は下田から東京駅へ直通する異世界専用の特別列車なので、この車両に乗っているのは彼女達を入れて五人しか居ない。

「驚くのはそこではない。
 ひっきりなしにすれ違う列車の量と、同じ方向なのにこの列車は他の列車を追い越している。
 鉄の道しか走れないのに、このようなすれ違いができる管理こそ注目に値する」

 その発言に今回のガイドを買って出た暇人の元社長……もとい、海軍に復帰した堀悌吉中将は目を細めてその推察を評価した。
 海軍内部の派閥抗争からまともなポストにつけるのは色々とあった事もあって、副官の遠藤一哉大尉とその自称彼の性奴隷であるフィンダヴェアを連れてこの幼女達の案内を買って出たという訳である。
 何より、彼女たちは技術を学ぶ為にこちらにやってきたのであって、竜神様や竜州軍から最大限の便宜を図ってくれと頼まれた訳で。
 産業情報だけでなく、軍事技術も見せてしまおうと腹を固めていたのだった。
 もちろん、反対論者も居たが、

「竜神様の機嫌を損ねてまでする事かね?それは?」

 という堀の一言で見事撃沈されていた。
 また、堀は当時日本が世界と何とか互角に戦えていた造船業の社長をしていた事もあって技術に詳しく、軍事機密情報にアクセスしやすい海軍将校の肩書きが有効に作用する事を見越してである。
 と、同時に彼は某ばくち打ちな軍令部総長よりある密命を帯びていたのである。

 列車が横浜駅で不意に止まり、五人は遠巻きに護衛を連れて港を目指す。

「凄いっす!
 人が一杯いるっす!!」

「建物が高いし、馬無しの馬車も走っている。
 おそらく、人口はイッソスは越えている。
 下手したら、ロムルス国家連合の首都に匹敵するかも」

 丸耳族の二人を見ながら、『私もこうだったなぁ』なんてフィンダヴェアが思いつつ男二人は歩きながらひそひそ話。

「しかし、アレ見せていいんですか?」
「技術を学ぶのだろう。
 ならば、あれはこの世界最高峰のものだよ。
 私の悪友たる軍令部総長の言葉を借りるならば、『デトロイトの工場やテキサスの油田を見せるのと同じだけの価値があるだろう』だと。
 私も同意見だな。
 実際、あれをどうするか政府内部でも揉めに揉めているんだから」

「……」
「……」

 そして、それを見た二人が言葉を失う。
 鉄の船は竜州にも停泊していたから凄いと思っていたが、これはもう別格だった。
 全長313,3m、全幅35,9m、83,423トンの巨体はそれ自体が技術の塊である。
 いや、現在地球を支配している西洋文明という思想の塊でもあった。
 あまりのでかさに停泊する場所がなく、黒長耳族や獣耳族を総動員して停泊地を大急ぎででっちあげたといういわくつきの大西洋の女王は、ミッドウェーをハワイの竜から守ったお礼として、日本国民にアイスとチョコレートを届けるために全員諜報系の乗務員を乗せて撫子に差し出されたである。

「『ラファイエット』号。
 かつては、『ノルマンディー』号と呼ばれた洋上の宮殿。
 君たちの主に差し出された、この世界最大最強国家からの贈り物さ。
 そして、わが国はほんの少し前まで、こんな化け物を作り出した国と戦争をする寸前だった」

 堀中将の顔に浮かんだ自虐の笑みをその技術に見惚れた丸耳族の二人は理解する事は無かった。

716竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/11/02(火) 07:16:23 ID:ybLtRT0s0
 という訳でお礼SS終了。
 好きなんです。ノルマンディー号が。
 という訳で再登場。
「アメリカが買い取ったのだから、『ノルマンディー』の名前はおかしくね?」
との指摘を以前受けて、『ラファイエット』に修正&『アイス日本国民分』を追加。
「これ作ったのアメリカじゃないやん」
と言う突っ込みは覚悟の上(笑)。
 けど、技術を学びに来たのなら、これ以上の衝撃はないと思う。間違いなく。

 という訳でレス返し。

>>戦闘機ネタ
 多くの意見本当にありがとうございます。
 このあたり、どうするかはまた改めて告知させていただきます。

>>あいつら産業用ロボットを完成させやがった!
 あ、『人形使い』の勇者アニスの使い道ができた(笑)

 では。

717名無し三等陸士@F世界:2010/11/02(火) 12:27:05 ID:M0YXC0KU0
現代の日本人でも直に見たら言葉を失うでしょうしねw

718名無し三等陸士@F世界:2010/11/02(火) 12:35:11 ID:MuOvP6w20
投下乙。

てっきり『大和』だと思ってたので、「サイズ、違うくね?」と見てたら、『ラファイエット号』でしたか(^^;;

719名無し三等陸士@F世界:2010/11/02(火) 20:27:52 ID:rC1ZC.sw0
投下乙。
ラファイエットの停泊地も馬鹿竜に一言いったら一晩で出来たのに(笑)ついでにオーバーホール用のドッグも。

機関車はディーゼルと違って蒸気ならこの二人だったら幕末の日本人みたいに気が付いたらコピーを作っていそう。

720名無し三等陸士@F世界:2010/11/02(火) 21:16:20 ID:oXmDehTQO
投下乙
8万トンが接岸してるのか、
ちょっと沖に投錨してるのか、
そこが気になる。

>718
横浜に大和晒すのはまだ無理だよね。
横須賀で建造中の3号艦見学はダメだろか。

721名無し三等陸士@F世界:2010/11/02(火) 21:43:16 ID:IAqPsUTM0
投下乙です。

>>719
模型クラスや国内導入初期の蒸気機関車くらいまでかなと。
正直蒸気機関車の蒸気釜などを作るためにはかなりの量の鋼鉄が
必要だし強度も十二分に必要なのでドワーフといえどしんどい
と思います。
むしろ二人に技術を学ばせて英米に劣っている分野に投入したほうが
いいんじゃないかなー。
復水式蒸気機関車なんて水資源の確保が難しい異世界に持ち込んだら
使いでがありそうです。

722名無し三等陸士@F世界:2010/11/02(火) 21:43:22 ID:ED65ALaY0
トンはトンでも総トン数だよな。排水量と勘違いしそうになったw
軍艦換算で15万トンオーバーくらいか? 確かに巨大だ。

723名無し三等陸士@F世界:2010/11/02(火) 22:00:34 ID:rC1ZC.sw0
>英米に劣っている分野に投入したほうが
そう言えばこの二人は当時米くらいしか生産していない贅沢な(クロム、ニッケル多用)ステンレス製のナイフとフォークを作っていたな。
デザインでブランド化したら輸出商品としてヒットするかも。銀製品にはそれでも負けるのかな。

この二人にはやはりクランクシャフトの鍛造用プレスの製造が有効だろうか。

724名無し三等陸士@F世界:2010/11/02(火) 23:04:12 ID:IAqPsUTM0
ああ、丸耳族の二人には是非鉄道省が小学生向けに作った教育映画
「鐵道信號」を見てもらいたいですね。
内容の方も子供向けに作られてますし鉄道を運用するためのシステム
がどのようなものなのかを分かりやすく説明していますから。

Youtubeには無かったですがニコニコ動画には動画があったのでアカウント
をお持ちの方は一度試しにご覧になられては。

ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm3252055
鉄道文化映画集 「鐵道信號」

725名無し三等陸士@F世界:2010/11/03(水) 04:18:21 ID:mcg6esMA0
>>竜神様の中の人様
投下乙です。
とうとうやってきました洋上宮殿w 今後、同乗員と長耳族の地味な諜報戦が常態化すると思われ
もっとも、追加注文分の支払いはどうなりますかね。帝国も同じ手を許すほど戯けているとは
さすがに思えないので、なんとか帝国の利益を獲得しようと計ることになるのでしょうなあ
それが米帝に通じるかどうかはともかくw とは言え圧倒的に売り手の強い取引ですからなあ
真田を通じて撫子コントロールできればどうにでもなるはずなのですが

>>戦闘機ネタ
――で全く別方向のネタを(前スレ読み返しつつ)思いついたのですが
中央世界が擁する大型飛行戦艦の外装甲、蟲の甲殻でできているというのはどうでしょう?
軽量が絶対条件ならあり得るかと。強度や耐熱性については、魔竜玉の魔力を流すことで
強化されると言う設定で

726名無し三等陸士@F世界:2010/11/03(水) 14:19:17 ID:GdeXPKqw0
>>725
ネオチキン…。

蟲は古代魔法文明、大型飛行戦艦は超古代魔法文明だから
テクノロジー的には別文脈の方が面白いのと違うかな。

727名無し三等陸士@F世界:2010/11/03(水) 14:36:32 ID:mcg6esMA0
>>726
ああ、それは確かにそうですね。うっかりしてました
また近いうちに全部読み返すか……

728名無し三等陸士@F世界:2010/11/03(水) 18:02:22 ID:onxAtG3g0
モンハンとかナウシカとかに出てくる簡単に解体できるけど素敵素材って
材料工学を馬鹿にしてるって知り合いの自衛隊予備役が言ってた。

ファンタジーとしては楽しいので上手く文章に出来たらいいけど。

729名無し三等陸士@F世界:2010/11/04(木) 05:25:45 ID:mcg6esMA0
おお、そう言えば>>225で「(65話に出てくる)成金冒険者はカッパドキアの招待状を持ってることにしよう」
という話はどうやらすっ飛んだ模様ですな(←過去発表分読み返し中)

730リュータ ◆viMvJifIpw:2010/11/04(木) 17:25:52 ID:R.V0JKsE0
勇み足がいささか過ぎた書き込みがあったと反省して、しばらく自主的に謹慎してましたが復活します。

で、「竜神様世界の未来では……」という偽史風に書いてみたものを投下です。

731リュータ ◆viMvJifIpw:2010/11/04(木) 17:26:29 ID:R.V0JKsE0
「日本人兵士の体格と兵器」

A:当時のアメリカ戦車兵は、体格の大きな者から選ばれていました。逆に日本の戦車兵は、ソ連と同じく小柄な者から選ばれていました。
 当時の日本人の平均身長は160センチ前後でした。
 アメリカ人の中でも大柄な者が扱うことを基準にした乗り物に、平均身長160センチ前後の日本人の中でさらに小柄な者が上手く扱えるかというと……
B:それは難しい。第二次世界大戦終結後に、二束三文で買い叩いた各国兵器をそのまま異世界戦争に投入していた日本が、どうして信頼性の高いM4中戦車を大量に購入しなかったか分かりました。
A:特にM4中戦車は、左手のみで主砲弾を掴んで砲尾に押し込む必要があって、日本人にとって実戦では非常に使いにくい戦車だと判断されたんだと思います。
 イスラエル建国時に、イスラエルがM4を買い集めてアラブ連合軍を撃退したことから、「ユダヤ人のために買い控えした。日本とユダヤが共謀していた証拠」なんていうトンデモ陰謀論を唱える人もいますが、実際は単純な話なんですよ。
 実はM3中戦車も、戦車というよりも「動くことが出来る砲台」として使われていました。B:M3中戦車は、けっこう活躍していたという印象があるのですが……
A:満州で撮られた映画や、異世界での戦いの初期にM3中戦車のキャニスター弾が有効だったことから来るイメージですね。
 実はM3中戦車の操縦者は皆、下駄を履いて操縦していました(笑)満州でM3中戦車の出てくる映画を撮った関係者の自伝に、「下駄を履いて戦車を操縦するなんて、映画の絵としてあまりに間抜けなので、そういう場面はカットして普通に操縦してるように見せた」と書いてあります。
 黒澤明なら、しっかりと撮っていてくれてたでしょうが(笑)
B:自動車を下駄を履いて運転するようなものですか。それは確かに大変そうです。
A:それも剣林弾雨が飛び交う実戦のプレッシャーの中でですよ。咄嗟の判断で自在に動き、戦車として機動して射撃なんて、マトモにできたもんじゃないでしょう。
 それに当時の工兵は20トン以上の車輌が通れる橋を架けてくれませんから、地形を把握しきれてない敵地に入り込むのも不安です。
 防御的な戦闘で自力で移動できる砲台として運用するので、精一杯だと思います。
 「後退を命令したら、操縦者の下駄の緒が切れてペダルに足が届かなくなって仕方なく戦車から脱出した」とか、「僚車を避けようとペダルを踏もうとしたら下駄が滑って、結局は衝突した」とか、「M3軽戦車の方が使い勝手は良かった」と当時の戦車兵の証言があります。
B:M3軽戦車は、重量12.9トンでしたし日本人の体格にもそこそこ合っていたようですね。
A:陸軍のクーデター未遂事件の時に、クーデター側が特車隊のM3軽戦車に対抗するためにM3中戦車を持ち出さなかったのを謎とする本もあるのですが、何のことはない。待ち伏せや防御、単なる移動くらいでしかマトモに使えないからですよ。

732リュータ ◆viMvJifIpw:2010/11/04(木) 17:27:59 ID:R.V0JKsE0
A:日本人兵士の体格と言ったら99式小銃の話を出さざるをえませんね。
B:当時の兵士の人が書いたものにも、「反動に驚いた」「38式では200メートル先の的の9点10点によく当てていたが、99式では当たらなくなってしまった」とありますね。
A:ええ。38式は口径の割に重い銃だったので、反動が小さくて撃ちやすい銃でした。銃声も小さかったので、初年兵でも撃つことに抵抗が少なくて落ち着いて狙えて命中率が高かった。
 逆に99式は7.7㎜の大口径の割に軽いせいで反動が激しく、当時の平均的な日本人兵士の体格では射撃で肩の骨が痛くなってしまう。ついでに、音も大きくて耳も痛い。それで、身体が強い反動を予期して固くなって「ガク引き」(注1)になってしまうんです。
B:その上、実戦で銃声砲声が周囲に響き渡って敵が襲ってくるなんて状況になれば、単発の小銃で落ち着いた照準や射撃動作なんて期待できませんしね。
 ただ、軽機関銃の場合は二脚がありますし、大体の照準でも弾が当たる確率が一気に上がる。だから機関銃手も強気になって、しっかり狙いをつけて撃てるわけです。
 実戦経験が豊富な兵士で「99式は閃光が派手で音も大きく、距離が離れていても射点が見つけられやすく不安だった」と書いていた人もいますね。
A:そういう意見が、陸軍に黒長耳族が入ってくることで上下の風通しが良くなったお陰で、やっと上の方にも届いてくる。結局、99式への更新は一部止まりになる。
B:ただ、小銃の一新なんて百万人除隊させたからといっても、予算がかかるのは明白です。当時の陸軍の状況から考えても、予算の方の問題が主だったような気がします。
 しかし、99式への更新は黒長耳族が陸軍に入ってくる前に始まっていた訳ですよね。99式への兵士の意見は上には届いていなかったのでしょうか?
A:ある程度以上で止められてしまったでしょう。なにせ、撫子様の到来以前の陸軍ですから。
「畏れ多くも大元帥陛下からお預かりした銃に文句を言うとは何事だ」と(笑)
B:「当たらないのは精神力が不足しておるからだ! バカモノ!!」で終わりと(笑)
A:他にも黒長耳族が上と下をつなぐ立場に入ってきてくれたお陰で、陸軍の不合理なものがいくつか解消されます。
B:「いかにも選良だとふんぞり返って横柄な参謀達の顔を見る機会が少なくなっただけでも、黒長耳族に感謝したい」なんて日記に書いていた人もいたぐらいですよ。
A:そりゃ黒長耳族の美女に、もの柔らかな調子で話をしてもらえたら、反感なんて起きませんよ。まして言っていることは、観念論振り回すそこらへんの参謀と比べてマトモこの上なしと(笑)

733リュータ ◆viMvJifIpw:2010/11/04(木) 17:29:07 ID:R.V0JKsE0
B:戦車の所で工兵部隊の話が少しありましたが、工兵の車輌に武器を搭載できるようになったのも黒長耳族のお陰とか。
A:なんと「武装を搭載すると戦車となるから、他兵科の領分を侵す」と言って自己防衛用の装備が一切許されてなかったんですよ。で、黒長耳族がそれを指摘して、武装を許可しようという流れになりました。
 擁護みたいな言い方になりますが、指摘される前から不合理とは内心で思っていたはずです。けど、工兵が言い出せば縄張り広げたいからだろうと叩かれるし、他兵科も下手なこと言って自分の所の予算が削られたら仲間内から吊し上げられると、空気を読んで言えなかった。
 で、自分たちから言い出せないから、黒長耳族にお願いして言い出してもらって通したと。
B:なにやら「空気の研究」(注2)じみた話ですね。しかし、自分で言い出すと叩かれるし角が立つから、黒長耳族の女性に代わりに言ってもらい、それに乗っかるというのは軍人としてどうなんでしょう? まるっきり官僚の処世術ですよ。
A:こんな話がアメリカで知られていたら、「菊と刀」(注3)で「日本は恥の文化」じゃなくて「恥ずかしい文化」とでも書かれてたかもしれないですね(笑)

『学園都市大学 第○談話室でのとある研究家二人の対談より』  

(注1)射撃の際に自分が思っている以上の圧力で引き金を引いてしまい、その反動で射撃の焦点がぶれること。確実に弾を標的に当てる為には、なめらかな引き金移動が必要になる。
(注2)龍の到来時にアメリカとの開戦寸前までになっていた日本の状況に関して、当時の指導層だった政治家・軍人・官僚のほとんどが異口同音のように「個人的には反対だったが、当時は言い出せる空気ではなかった」と語ることに奇異の念を感じた著者による日本文化論。
 日本特有の集団による意志決定の問題と、「空気を読まない意見」の必要性・重要性を説いた。個々では優秀な人間が集団になると愚かな決定を下してしまうことの集団心理の考察の側面もある。
(注3)龍の到来直後に、ルーズベルトが日本研究のために招集した各分野の学者達の一人である、女性文化人類学者による日本文化論。日本の文化を「恥の文化」と定義した。
 ただ、本人は日本を訪れず、文献や日系移民への聞き取り調査を基にして書いたこと、撫子到来後の日本には当てはまらなくなったという意見もあり、評価は分かれている。

734リュータ ◆viMvJifIpw:2010/11/04(木) 17:35:14 ID:R.V0JKsE0
投下終了。

ハルサブロー氏のSS内容への抵触もあるので、恐縮ですが。

見づらくてごめんなさい(汗)

735名無し三等陸士@F世界:2010/11/04(木) 20:58:11 ID:3.rNyVig0
あんたやっぱり自己満足の気配が強いよ
他人に見せるという事を意識しないと

736名無し三等陸士@F世界:2010/11/04(木) 22:45:41 ID:SzmjlAKkO
>>732
小銃の更新は軽機関銃の更新とも関係してますから変わらないと思いますよ。
そもそも弾丸が軽機用としては威力不足だというのが変更の大きな動機ですから。
そうなると軽機用と小銃用で弾丸が違うのは不合理ですよね。
戦場での火力の中心は軽機ですので小銃の扱い易さにこだわって軽機の威力が落ちたのでは本末転倒です。
小銃が扱い難くなっても軽機の威力を高めた方が戦場全体での火力は向上するのです。
ですから小銃の更新を止めるなら軽機の問題を解決しないと片手落ちです。

737名無し三等陸士@F世界:2010/11/05(金) 01:34:55 ID:/ukUhGkY0
読んでて思ったんだが
7.7mm弾への変更って前線からの三八の威力不足という報告からだったんじゃなかったか?
性能の面も末期の粗悪品ならともかく初期のきちっとした奴は悪くないそうだが

738名無し三等陸士@F世界:2010/11/05(金) 22:25:44 ID:e/q8Ds460
自衛隊の64式小銃とか同じような口径・弾薬(ただし弱装弾だけど)で小柄な人間が撃ってもよく当たるんだけどなぁ(ただし基本200,300メートル的でしか射撃訓練しないけど)
そもそも銃なんてものある程度の反動が強くなる程度は構え方ちゃんとしてたら問題にならないわけだし
問題はそこまで十分な訓練をする予算があるかだけど、弾薬消費量も馬鹿にならないから、そこだけクリアすればいけるとおもうんだけど

それに常装弾の.308と比べて99式実包、弾頭重量が重くて少し発射薬多いだけだから、64式小銃みたいに弱装弾にするのも手?
別段数百メートル以下であればそこまで気にする威力低下とかは見られないだろうし
弾頭重量が増してるから威力は必要分確保出来るだろうし

739737:2010/11/06(土) 04:03:33 ID:/ukUhGkY0
しまった乙と書くのを忘れていた
遅くなったが投下乙

740リュータ ◆viMvJifIpw:2010/11/06(土) 10:09:09 ID:R.V0JKsE0
>>735
>他人に見せるという事を意識しないと

言われるとおりですね。一言もありません。

>>736
>小銃が扱い難くなっても軽機の威力を高めた方が戦場全体での火力は向上するのです。
>ですから小銃の更新を止めるなら軽機の問題を解決しないと片手落ちです。

なるほど。
荒っぽくて思い切ったコトを書いてしまっても、きちんと突っ込んでもらえると、かえって安心します。
個人的には、予算不足で小銃と軽機の弾丸が違ったままで泥縄でやりくりとか、その方が日本軍らしいかな、とか思ったりして。

>>737
貫徹力の問題ですね。中国家屋の土壁を打ち抜けないとか、世界的に対車輌とか対戦闘機への射撃のために増口径が流れがありましたから。
ただ、出てきた兵器の「それ自体としての品質と性能」「使用者の資質と使用目的への相性の善し悪し」は位相が違うのではないかと。
欧米人が初期型を大型獣への狩猟に使うならOKだけど、当時の日本人兵士が小銃として使うにはNGというのは十分にありうることだと思います。

>遅くなったが投下乙
ありがとうございます。

>>738
さっそく64式小銃のwikiに目を通してきました。
wikipediaから、一部引用します。

>日本人の体格を考慮した設計となっており、命中精度を高めるために二脚を標準装備する
>銃口部の消炎制退器(フラッシュサプレッサー)は、発砲炎を水平方向に拡散することで射撃位置の秘匿に効果があるほか、反動の30%を軽減する。
>独自の緩速機構による低発射速度を採用

ついでに、弾倉と付属品無しで99式よりも約0.5㎏重いと。

同じような口径の弱装弾を日本人が楽に撃つのに、これだけやるというのが、かえって99式はやはり反動が大きかったのではと思うのですが……

741名無し三等陸士@F世界:2010/11/06(土) 10:50:23 ID:aOzPDJjg0
ストーリーを見せるんじゃなくて最初に答えあり、な作者の考えだけをだらだ
ら書くから見るのがつらいんだよね。
作者の考えを書きたいなら十分とはいかなくてもそれなりの裏付けと考察を元
に説得力ある論を書けばいいんだが。そのへんも全然練られてないし。だから
作者にとって改善だと思うことを書いたら、なんだこれ日本軍弱くなるよね?
なにがしたいの? な内容になってるから読み手としたらおもしろくないどこ
ろか呆れるしかないわけで。

世の中嘘をつくにも(相手をだますだけの)準備というものがあると思うんですよ。

742名無し三等陸士@F世界:2010/11/06(土) 11:00:21 ID:wGdmfBpw0
>>740
64式小銃では99式小銃と違いフルオート射撃を考慮する必要があった事を考えると別におかしくは無いのではないでしょうか
アメリカ兵でもM14で7.62mm×51弾のフルオート射撃した場合には反動の制御が難しかったそうなので

64式小銃での減装弾を使用したり、数々の反動軽減策を講じた理由は日本人の体格問題以上にそもそも
小銃でのフルオート射撃を考えずに開発されたNATO弾を無理に全自動小銃に流用した事への対策だったと思います。

99式小銃での反動の問題とは別問題と思います。

743名無し三等陸士@F世界:2010/11/06(土) 12:19:32 ID:GdeXPKqw0
文は稚拙で読むのが辛い。ネタも作者の妄想にとどまり補強する材料が出てない。
読んだ側が否定的見解しか出せないから、広がりがなく面白くない。

744名無し三等陸士@F世界:2010/11/06(土) 15:23:29 ID:OvIRCLIk0
九九式は三八式に比べ反動が大きく、それが元で命中精度が落ちていたのは事実。
裏を取ろうと従軍経験のある親戚に聞いてみたけど(御年95歳)、三八式は撃っても肩に痕が残らなかったが九九式では10発も撃つと反動の強さもあって床尾板の形に青痣が出来たそうな。
なので威力は十分だったけど三八式の方が当てやすく使いやすかったと言っていた。
幾ら威力があっても当たらなければ敵は倒せないから、と。
ガタイの良い兵は逆に九九式の反動をものともせずに撃てたとも。

745名無し三等陸士@F世界:2010/11/06(土) 19:58:59 ID:IAqPsUTM0
>>740
戦前の日本の場合軽機関銃の開発に満足出来なかったから重機関銃
でも軽機関銃のような運用が可能なように改良を加え歩兵操典でも
重機関銃との連携を取るようにと教科書を作っている事を考えれば
この案だと戦前より(小隊火力が)弱体化してないですかね。
あと>>742の方も書かれていますが99式小銃はそもそも自動小銃
じゃないんでそこで64式小銃を引き合いに出すのはおかしいと思います。
それを言うなら史実では開発途中だった四式自動小銃と比較しないと
回転焼きとたい焼きとを比べるような物だと思いますよ。

歩兵操典はWEBで閲覧できるように有志の方がHTML化されていますので
皇軍関係の小説をお書きに成るのであれば一度全文に目を通して
みるのも一興かと。

ttp://www.warbirds.jp/sudo/infantry/souten_index.htm
歩兵操典 昭和15年改定軍令陸第七号

ネタをアウトプット出来る技術はあるんですから出来れば頑張って
欲しいなとは思います。でもどんな嘘やネタを披露するにしても
補強材料が弱いと論文ぽくなってしまうのは小説では無い気が。
SSスレ(萌え)とはいえ説明文を出すのであればそれらしく
読む側が騙されてくれる要素が必要なんじゃないでしょうか。

746無料 ライブチャットFC2:2010/11/07(日) 19:39:29 ID:p/rkuU5c0
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747名無し三等陸士@F世界:2010/11/07(日) 23:28:19 ID:Fhxu6/b60
九九式は銃剣術の師範が見切りの感覚が狂うと言って反対したけれど他の評判は悪くないと開発者は言っていたけれど現場は別だったか。

機関銃の方はバネの開発が出来なくて弱装弾になって更新完了しても補給の問題は残っていたのが貧乏、技術不足国家の悲しさ。

史実と違い竜神様の世界では結界持ちの蟲や勇者といった人外がいるから結局三八では威力不足の声が上がって更新が始まるんではないのかな。

748竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/11/08(月) 06:38:47 ID:ybLtRT0s0
 思いついたものは書いてみるシリーズ。
 鉄道文化映画集 「鐵道信號」 を見せていただいた724氏に捧げます。

749竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/11/08(月) 06:44:16 ID:ybLtRT0s0
 基本、陸軍の吹き溜まりである竜州軍だからこそ、筑豊の人間がいたのも当然といえば当然で、だからこんな話が出てくる。

「なにこれ?なにこれ?なにこれ??????」

 この時の幼女の尻にはおもいっきり振られる尻尾がついていた(もちろんついている訳が無い)と久留米出身者の整備班所属の某曹長は語る。
 この幼女、その視線の先の大量のガラクタ……もとい部品を前に涎をたらして曹長に尋ねる。

「機関車ってもんで、馬の代わりにこれで物を運ぶんだって聞いているのか?」

 既にこの幼女聞いちゃおらず、がらくた……じゃなかった機関車の部品を楽しそうに漁りだしている。
 まさに、子供が玩具に夢中になるの絵が目の前に展開されているそばで、整備兵の一人が曹長に尋ねた。

「なんですか?あれ?」

「九州では、『駒吉機関車』って呼ばれていた。
 南筑軌道でついこの間まで使われていたもんだ。
 国鉄矢部線の建設に合わせて廃線になったのを拾ってきたとかなんとか。
 ちなみに、あれ、焼玉エンジン」

 幼女が楽しそうに弄る傍らで、聞いた整備兵が絶句する。
 なお、馬力は7馬力。
 間違いなく自動車の方が速く多く運べる。
 もう少し突っ込むと、獣耳娘や黒長耳娘の石人形の方が馬力があるのは言うまでもない。

「なんで、あんながらくた持ってきたんですか?」

 呆れ顔の整備兵に曹長も苦笑する。

「ほら、あの娘っ子に色々苦労かけていたし、あれの娘っ子の子分だかしらんが二人組みの娘っ子が来たろ。
 色々無茶をさせたのもあるし、整備班でとお礼を考えていたのだが、金や男より喜ぶのがあれだと慰安婦の誰某が忠告してくれた訳だ」

 なお、その某慰安婦の名前は、そこで歓喜の笑みを浮かべて喜んでいる幼女の長い付き合いで、どこぞの馬鹿竜の従者をやっていたりして、しかも相談がピロートークなあたりで察して欲しい。
 頻発する故障と馬力が馬力なのでまったく役に立たず、鉄道ならば『もっとましな機関車を持ってこい!』と突込みが入って、時局が逼迫していたなら全部鋳潰されていただろうこれは、徴収後にそのまま久留米の師団倉庫に眠っていた。
 けれど時局は急転し、こんな異世界くんだりで蟲退治をしているご時世で、そのまま埃をかぶっていたこれに曹長が目をつけたのもまぁ当然といえば当然という訳で。
 ちなみに、この曹長がこんな竜州くんだりに流された理由が物資の横流しだったというのだから、これも運命なのだろう。きっと。

「あれならば、構造も単純だし、農家出身の兵隊なら修理できる。
 俺たちの手を煩わせる事もない」

「つまり、俺達の周りで子犬よろしくじゃれてくるのを厄介払い……」

「それ以上は言わぬが花ってやつだな」

 だが、彼らも幼女を舐めていた。
 これから一週間後に、

 ぽんぽんぽんぽんぽん…………

 と、愉快な音を立てながら朝っぱらからこの機関車が三角州を走って、


「うるさいのじゃっっっっっっっっっっっっっっっっっっ!!!!」 


 と、これから眠る幼女の主から罵声が飛んでそこそこ大問題になったりもしたが、まぁ竜州のいつもの一日という事で片付けられた。
 なお、その罵声を飛ばした某馬鹿竜様はこの軽快な音と、ゆっくりな進み具合にその日の内に機嫌を直した(多分、一緒に飼い主が乗ったのが一番の理由だと思う)事を付け加えておく。

 帝国の竜神様 思いついたものを書いてみたシリーズ その二

750竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/11/08(月) 06:56:10 ID:ybLtRT0s0
投下終了。

 今回のネタである駒吉機関車のネタはこれ。
 迷列車【九州編】#23α 畜力を駆逐せよ〜福岡駒吉と筑後軌道の挑戦〜
 ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm10131255

 いやぁ、事実って小説より奇だな……まじで。
 整備兵の手が借りれないなら、一般兵でも分かる技術を教えようでした。
 という訳でレス返し。

>トンはトンでも総トン数だよな。排水量と勘違いしそうになったw
 すいません。書き忘れていました(汗)

>ああ、丸耳族の二人には是非鉄道省が小学生向けに作った教育映画
「鐵道信號」を見てもらいたいですね。
 本当にいいものをありがとうございました。
 凄く面白かったです。

>おお、そう言えば>>225で「(65話に出てくる)成金冒険者はカッパドキアの招待状を持ってることにしよう」という話はどうやらすっ飛んだ模様ですな(←過去発表分読み返し中)
 orz <見事に忘れていた馬鹿
 近いうちにまとめサイトを修正します(汗)

>リュータ氏
 投下乙です。
 準備して調べれば調べるほどドつぼに嵌って本編が著しく滞る私みたいな例もあるので、お気をつけて。

 では。

751名無し三等陸士@F世界:2010/11/08(月) 12:30:10 ID:M0YXC0KU0
機関車は文明開化の象徴みたいなイメージがあります
乙です

752名無し三等陸士@F世界:2010/11/08(月) 13:09:25 ID:IAqPsUTM0
>>750
投下乙であります。

「鐵道信號」は自分も好きな映画でして昭和15年ら制作された教育映画
としてみても出来が大変よい作品なのでお気に入りです。
筑豊炭田に関しては迷列車【九州編】の中でも語られていますがとんでも
ない増産に継ぐ増産体制で1930年代に複々線と3複々線が作られるほど
の規模になってますから設備や物資は三流工業国だった戦前の日本でも
あるところにはあるんだなというのが実感できます。

迷列車シリーズは何気に歴史の勉強になる話が多く戦前の日本や軍を
元にする小説を書く際に使えそうなネタがごろごろしてたりもします。

753名無し三等陸士@F世界:2010/11/08(月) 14:16:12 ID:IAqPsUTM0
あ、駒吉機関車は当時の価格で1500円していますので明治30年ごろの
物価を考えると現代の自動車より高くなるはずです。
時代がもう少し下り昭和に入ると物価も上がるのでその時点でみれば
駒吉機関車は多少は割安感が出てくるでしょうか。
でも焼玉機関で1500円(明治30年時)は工作精度の問題があるにしても
やっぱり少し割高のような気がする・・・・。

ttp://chigasakioows.cool.ne.jp/ima-ikura.shtml
いまならいくら? 「月 給 百 円」 サラリーマン

754名無し三等陸士@F世界:2010/11/08(月) 14:59:13 ID:oXmDehTQO
投下乙です。
焼玉エンジンな機関車とはw確かに内燃機関入門にも好適だ。

けど、幼かった頃に松島観光で乗せられた遊覧船がこれで
一発で酔った悪夢を思い出します。
油が悪いのか規制も緩かったのか排気の臭いがとにかくきつかった。

755陸士長:2010/11/08(月) 16:22:23 ID:3rgpiIEM0
投下お疲れ様です。

>駒吉機関車

三角州や広大な陸海軍の基地内で物資や人員を運搬するには持ってこいかもしれませんね。
小型で整備性が幼女達によって高くなれば、重機やトラック不足の日本軍にとってお手軽な輸送機関になりそうです。

>「うるさいのじゃっっっっっっっっっっっっっっっっっっ!!!!」 

対抗してベットの上でご主人様にスパンキングして貰って「パンパンパン」と鳴らせばいいじゃないjk


中編が出来たので再度投稿します。同時にレス返し。

>>666
津波で大西洋沿岸が壊滅して世界大戦どころじゃ無くなりますね解ります。
やったね、これで世界が平和になるよ!(嘘

作者様

感想ありがとうございます。天使の設定が少し出せれば良いなと思っております。

>>678
フヒヒ、サーセンww

さて、投下開始。萌えがなのはどうかなと我ながら。

756陸士長:2010/11/08(月) 16:24:12 ID:3rgpiIEM0
「うー、寒いなぁ。ここ、本当に中部大西洋なのか?」
「間違いねぇよ。ああ、でも本当に寒いぜ。見ろよ、俺の装具がバリバリ言ってやがる」

U552の艦橋上。
双眼鏡持っている数人の見張りの内、2人の見張りは小声で話をしていた。
先任士官に見つかったら間違いなくどやされる行為だが、話でもしてないと寒さがしんどいのだ。
事実、他の見張り達も寒さを誤魔化すように蠅の如く手を擦り合わせたり足踏みしたりしている。
防寒具の上に更に防水用の合羽を着込んでいるが、それでも皮膚の露出部分は寒い。

「まるで冬のカナダ沖合みたいだ。もう少し北側に移動したらアハトアハトや船上の装具が凍り付くかも」
「はぁ……ウチのグループに追い回されている船団の連中も災難だよな。こんな冷たい海じゃ、放り込まれたら五分も持たないぜ」

この時期の英国連邦船団に所属する船で、万が一乗船が沈んだ場合船員達が助かる確立は低かった。
船団は落伍船や損傷した船を助ける事は余りない。二次災害を恐れて『自助努力をせよ』と言い残し置き去りにする場合が多い。
これは仕方がない事だ。Uボートがうようよしている海域で速度を落としたり停船して救助活動をする事は、船団全体を危険に晒す事になる。

カナダや英国本土に近い海域などでは救助信号を受けた飛行艇が飛来したり、哨戒艦隊がUボートを狩るついでに助けてくれる事もあるだろう。
しかし、この海域には英国軍の拠点は存在しない。従って味方が助けに来る確率は非常に低い。
次に通過する船団だって、自分達の身を守るのが精一杯でたかだか数人から数十人の漂流者の為に船足を止める事はまずないだろう。


その点、Uボートの乗員の場合は問題無いと言える。
何せ、沈む時は大概船体が一瞬で圧壊するか爆散して乗員は溺死する暇も無くヴァルハラに召されるからだ。


「そう言えば……あの噂、お前知っているか? あの発光体の噂」
「あぁ、最近、この辺で見られるようになったっていう奴か。俺ぁ、自分の目で見なきゃ信じない方だがな」
「まぁ、そうだけどな……じゃあ、その発光体が例の行方不明に携わっているというのはどうだ?」







大西洋の海底から見上げる者達(中編)







発光体の噂とはこうだ。

中部大西洋の北側航路を走っている船は、時折大小様々な氷山に遭遇する。
無論、船は回避するのだが、氷山の側を通過する時に見張りが見たというのだ。

氷山の上に、ぼんやりと発光するものが佇んでいたと。

別の船の証言者によれば、氷山だけでなく海の中にも存在したという。

光はまるで泳ぐように浮上したかと思ったら、空をスゥーと飛んで遠離っていったらしい。

セントエルモの火か何かじゃないかと言われたが、ただの発光現象と呼ぶには常軌を逸していたそうだ。


そんな不可思議な現象が、連合軍、ドイツ軍、中立国の艦船問わず度々目撃された。
こんな、よく冷える氷雪かブリザードが吹きそうな寒い夜は特に。

この噂はそこで終わらない。まだ、続きがあるのだ。

757陸士長:2010/11/08(月) 16:25:29 ID:3rgpiIEM0

これはU552と同じく大西洋中部で活動しているU333が体験した奇怪な話だ。


U333の艦長はペーター・クレーマー大尉。
42年の始めに行われたカナダ沖合をUボートで封鎖し英国連邦の船団を一網打尽にする作戦『パウケンシュラーク』。
作戦に参加したU333はタンカーから体当たりを受けて手酷い損傷を受けつつも、合計2万以上の戦果を挙げて全員帰還した。
その後も哨戒を行う毎に艦へ何らかの損傷や損害を受けつつも、U333は必ず母港へと帰還している。

彼らは1ヶ月ほど前に何度かの船団狩りに参加した後、作戦区域の端にある比較的安全な海域に向かっていた。
そこで待機しているXIV型(補給型潜水艦)のU460から魚雷や物資を補給して貰うためだ。

久し振りに焼き立てのカビが生えてないコミスブロード(小麦1:ライ麦9で作った黒パン)が食べれる。
絞めた雄鳥で油の滴るローストチキンが楽しめるかもしれない。
カツレツ用の肉や新鮮な卵が支給されればいいな、等と期待しつつ彼らは指定された座標に到達。
予定通りにU460が浮上状態で待機しているのを確認し、U333は速度を落としつつU460に接近した。


異常にクレーマーが気付いたのは、後数分でU460に接触できる位置まで近付いた時だった。

補給を行う際の準備の為、多数の乗組員と共に艦橋へと出て来たクレーマーは、見張りの叫び声に耳を疑った。

「艦長、何か、妖しい光がU460の周囲に!」
「何だと!?」

確かにぼんやりと灯りは見えたが、U460が灯しているものかと勘違いしていたのだ。
見張りの言うように、光点はゆらり、ゆらりとU460の周りを漂っていた。


慌ててクレーマーは伝声管で無線士に、XIV型に警告を出すよう命令した。
貴艦の周囲に妖しい発光体が浮いている、至急退避せよと。

相手の無線手からは反応が無く、手旗信号や発光信号にも全く反応は無い。
痺れを切らしたクレーマーはメガホンで叫んで見たがやはり何の反応も無い。

U460が尋常ではない事態に巻き込まれていると判断したクレーマーは、司令部に緊急電信を打たせた後総員に戦闘配備を命じた。

そして、距離を詰めてから対空機関砲を数発と88mm砲を1発、U460の上を跨ぐようにして撃ち込んだ。

威嚇射撃に効果はあった。
光点はあっさりとU460から離れたかと思うと、半数は海中へ、残りは数キロ離れた場所に浮いていた小さな氷山の影へと去っていった。

U333は尚も警戒しつつU460に接近したが、突如として光点―――先程よりは幾分小さい光点が水中から飛び出してきた。

「なんだあれは……ぬおっ!?」

ガン、ガァンと鈍い音と共に、光点の一発が司令塔の装甲を抉ってから弾け、もう一発は20mm単装機銃の銃身をへし折った。
驚愕の悲鳴を上げながら機銃の側に居た射手が甲板に倒れ込む。

「うわっ!」
「伏せろっ。周りに不審なものが居たら構わず撃てっ!!」

MP38を手にした乗組員が、辺りを見渡し警戒する。
しかし襲撃はそれっきりであり、U333が無駄に緊迫した時間を止めるは更に30分後の事だった。

758陸士長:2010/11/08(月) 16:29:13 ID:3rgpiIEM0
30分後。

警戒しながらU460に乗り込んだ先任士官とU333乗組員達は、艦橋の中や周りで倒れているU460の乗員達を見つけた。
艦内を覗いてみると発令所、居住区などの乗組員は倒れるかぼんやりと立ったまま虚空を凝視していた。
異常な艦内の様子に驚愕しつつも、倒れている乗組員を教護し意識を取り戻させる事に専念した。

先任士官は艦内を調べてみたが、航海日誌や作戦図、重要書類やエニグマは全く無事だった。
英国軍やドイツに敵対的な組織の仕業であれば、これらは盗まれている筈。
不可解な現象に首を捻りつつも、事情を聴取する為にU460の乗組員達を救護した。

それから暫くした後、U460の乗組員達は次々と虚脱状態や気絶した状態から復帰し始めた。
艦橋で倒れていたU460の艦長メーレンドルフ中佐が意識を取り戻した時、驚くべき体験談を話したのだ。


指定された海域でU333を待っていた所、いつの間にか周りを海中から飛び出してきた光点に囲まれていた。
監視員達も聴音手も、光点が自分の艦を包囲するまでその存在に気付くことが無かったと。
呆気にとられる艦橋の要員を他所に光点の幾つかは滑り込むように艦内に入っていく。
伝声管に向かって警告しようとした中佐も、眼前に迫ったおおきな光点を見詰めた後、記憶が残っていなかった。
歌声が聞こえたような気がしたが、気のせいかも知れないとも。

事後処理を終えた後で彼らが現状を司令部に通報した所、なぜか両艦とも直ぐに帰還せよと命令を受けた。
母港に帰還すると何時もなら行われるレセプションもなく、真っ先にブンカーへ入る事を指定された。
そして身体を洗う事も服を着替える暇も無く司令部への出頭と報告を要請された様だ。

これらの話は、あくまでも『噂』としてラ・ロシェルやブレストの大西洋方面基地で流れている。
しかも、被害はU460だけではなく、本当に乗員が居なくなり漂流していたUボートも存在してるという噂まで流れている。
しかしこの噂を海軍司令部は完全否定し、根も葉もない噂を流すのは利敵行為だとまで言い切っているらしい。


「潜水艦隊のお偉方も、箝口令を敷いて噂を否定する様に仕向けてるって話だぜ」
「本当かよ……本当だったらあの『大西洋放送(対Uボート乗組員用プロパガンダ)』が喧伝するんじゃねぇか?」
「まぁな。でも、相手は敵味方問わずだぜ。下手に流せば……」
「げふん!」

後ろから咳払いが聞こえる。
恐る恐る振り返ると、前方を監視してた一階級上の見張りがこちらをじろりと睨んでいた。

2人は慌てて双眼鏡を手に周囲の監視行動に専念し始めた。


ウナギの寝床より狭そうな食堂のテーブルに載った、湯気が立っているアイントプフにトップ少佐はスプーンを突っ込む。
アイントプフ、ドイツ料理の所謂ごった煮スープだ。
ブイヨンかトマトのスープにザクザク刻んだ野菜と肉をぶち込んで煮込むと完成な手軽な料理。
茶色いスープからスプーンを引き上げると、ぶつ切りにされた骨付きのベーコン肉が乗っかっていた。

759陸士長:2010/11/08(月) 16:30:26 ID:3rgpiIEM0


(恐らく、夕方に姿を消した発令所のブロック・ベーコンだろうな)

そう思いながら口の中に入れて咀嚼する。
少し傷んでたのか僅かに歯応えが悪い。
しかし、この程度の劣化を気にしてては一ヶ月以上の哨戒任務なんて出来はしない。
骨をスプーンの上に吐き出してトレーの端っこに転がしておく。スープを飲み終わったら皿の中に戻せばいいだろう。

辺りはザワザワと騒がしく、キッチンで皿を動かすカチャカチャとした音や、スープを啜ったりソーセージを噛み切る音が聞こえる。
一応ここは士官食堂だが、普通の機関員や魚雷整備を終えた直後らしいグリス臭い整備兵も食事を摂っている。
とは言え、兵員居住区でベットに座り通路に設置した卓の上で食事をするよりはマシだろう。
今は船団追撃でみんな忙しく、効率よく夕食を摂らせるため士官食堂で兵員が食事をしても殊更咎めるつもりはなかった。
艦が1つの運命共同体であり、軍に必須な階級意識が薄い潜水艦乗り達ならではの光景とも言える。


今日の晩ご飯はタンカー撃沈のお祝いと船団追撃に気合いを入れる様に特配を命じた為か、中々豪華だった。

具がタップリと入った熱々のアイントプフ。
茹でたソーセージ数本とザワークラウト。(出航して数日はこれに粒マスタードが付く)
カビで化粧された皮を綺麗に剥がして薄切りにしたのを炙ったコミスブロード。
これに刻んだ林檎とタマネギをラードに混ぜ込み、塩胡椒と調味料で味付けしたものを添える。
特配の為、半分に切ったオレンジと缶詰のパイナップルが数切れデザートとして出された。

飲み物はアプフェル・ザフト(林檎果汁)か、明らかに粉の量をけちったとても薄い珈琲。
(それでも本物と色合い位しか共通点の無い代用珈琲よりは随分とマシな味わいだった)

材料の鮮度を除けば、最前線で闘う兵士の食事としてはかなり豪勢な方だろう。
尤も、最近食堂で食事をする度に乗員達の何気ない雑談や愚痴に食事に対する話題が上がり始めたのを少佐は知っていた。

「そろそろ、ラ・ロシェルのバーで作りたてのソーセージを囓りながらビールかスピリッツを呷りたいもんだねぇ」
「俺は焼き立ての白いパンかクロワッサンで、フワフワのスクランブルエッグを挟んで食べたい。甘ったるいカフェオレ付きで」
「スクランブルエッグねぇ……乾燥卵黄で再現して貰ったらどうだ?」
「あの猫の糞の様な乾燥卵黄で作ったスクランブルエッグなんて人間の食うもんじゃないよ!」
「俺は兎に角新鮮な魚料理が食いたいね。鰊にしろ鰯にしろ瓶詰め缶詰ばっかなのはな」
「最近はのんびり浮上してると航空機の奇襲を喰らうからな。海亀捕まえたりゆっくりと釣りも出来ないぜ」
「……俺、次本土に帰ったら実家の精肉店でハーブソーセージ作って結婚約束してた幼なじみと一緒に食べるんだ」

辛抱強い練達の乗員達が愚痴をこぼし始めているという事は、疲れが相当溜まっているという事だ。
十日前にミルヒクーから鮮度と具合の良い食料を物資燃料と一緒に受け取っていたものの、二ヶ月以上に長引く哨戒は堪えた。

(そろそろ、乗員を陸に上げて養生させたいものだ……この船団攻撃が終わったら帰還の許可がおりればいいのだがな)

エーリッヒ・トップ少佐はそんな事を考えながら、食後の薄い珈琲を飲み終えると席を立った。

次は自分が艦橋に上がって監視行動を行わなければならない時間帯だからだ。





雪がチラチラと降る中、黒い海面を割るようにして浮上航行するU552の背後。

深度80mほどの海中を幾つもの発光体が追尾しているのを彼らは知らなかった。

760陸士長:2010/11/08(月) 16:32:02 ID:3rgpiIEM0
投下終了。

しかし、軍隊の食事風景は描いていて楽しい。
後編では萌えが描けたらいいなぁ……。

761名無し三等陸士@F世界:2010/11/08(月) 18:02:28 ID:sqBEfBOo0
投下乙であります! 陸士長殿!

762名無し三等陸士@F世界:2010/11/09(火) 00:24:56 ID:JCiBoKNk0
時代感あふれる食事はほっこりするよなあ

763名無し三等陸士@F世界:2010/11/09(火) 07:47:17 ID:u6qX6VMY0
>>737
大陸戦線で「発射音に迫力が無いからシナ兵が侮って逃げない」からだった様な<7.7mm弾への変更

・・・・・・もしも竜神達が来たのが2001年9月1日だったらどうなってるのかな・・・・・・

764名無し三等陸士@F世界:2010/11/09(火) 08:18:56 ID:kYgAmJuU0
>>763
2009年の7月なら「国民の信を問わない麻生政権に幻想生物まで怒りの声」とか書く。東スポとかが
2009年の9月なら「歴史的な政権交代に幻想生物も祝辞」とか書く。ムーとかが

2010年の10月なら「とっとと国会を焼いて売国奴どもを皆殺しにしてくれ」とか書く。俺らがw



マジレスするとゴジラ見て育った世代がたくさんいるから、日本も竜神世界のアメちゃんみたいに攻撃しかけて反撃でひどいことになってたと思われ
11日以降なら核も普通に飛ぶんじゃね?

765名無し三等陸士@F世界:2010/11/09(火) 15:35:48 ID:u6qX6VMY0
>>764
お返事ども。
・・・・・・しかしこの世界、“萌え”の“も”の字も無い(概念が現れない)のはマズイのでは?
二次元美少女による自動的な少子化が進まないと地球外植民を余儀なくされる気が(大地は有限)。

766名無し三等陸士@F世界:2010/11/09(火) 17:56:06 ID:IAqPsUTM0
>>763
それは現場での1つの意見なんでは。
参考意見くらいにはなるでしょうがいくらなんでもそんな意見だけで
貧乏な陸軍に新規小銃への更新を考えさせられる理由になるとは
思えないです。

他の列強に比べて威力不足であった面と「貧乏性」ゆえの「どの道新規で
小銃作るなら対物ライフルとしても使えるようにしてみないか? 」という
意見を含めての7.7mm化の部分もあるように思いますが。
三八式小銃の威力不足については明治時代からそれなりに問題視されて
いたようですしそもそも99式小銃は三八式小銃を更新する意味で開発
されている面もあります。
これはどういう事かというと99式小銃が投入される(予定)戦場は
ソ連軍がいる大陸戦線であり、7.7mm弾の長射程性と大威力が評価される
戦場だという事です。
冷戦時代まで(恐らく今も?)の日本の仮想敵国はソ連(ロシア)であったので
それに対抗するにはどうすんべ?というのが重要です。

767名無し三等陸士@F世界:2010/11/09(火) 19:00:37 ID:oxWZR05M0
>>750
えー元沿線住人であります。
現在の八女市星野村には金山があったため(鯛生金山より歴史は古い)金山関係者の足としても使われていたりしたそうです。
ちなみに戦前の話ではありますが駅前には福島の駅前には貸し自転車屋があり映画館4軒ストリ○プ劇場があったり、飲み屋、甘味屋があり(現在でも住人に対する件数では全国トップクラス)
戦時中は風船爆弾の原材料である和紙、こんにゃく糊の生産拠点でもありました。
現在はかなり寂れた(映画「呪怨」および緑茶「一」のロケ地)町となっております。

768陸士長:2010/11/11(木) 22:19:53 ID:3rgpiIEM0
>>761

投下乙であります! 陸士長殿!

どもです。後編も十一月中には。

>>762

>時代感あふれる食事はほっこりするよなあ

映画でこれでもかと強調されてた艦内の不衛生さが描けないのは修行不足ですかね……。
あの生焼けの肉をクチクチとフォークとナイフで掻き回してるシーンが好きなんですけど。

ところで、お知恵をお借りしたいのですが。
史実で欺瞞気泡目標(コーボルト)が実践投入されたのはいつ頃でしたでしょうか。
42年春には使ってたという記述や、クレーマーの本では42年の秋にヒトラーがアイディアを出してそれを海軍が実用化したって書いてありましたが。

769名無し三等陸士@F世界:2010/11/12(金) 14:37:09 ID:RyJMrakc0
>>766
本来は自動小銃として採用されるはずだったけど日中戦争で余裕がなくなり、
7.7mm化は日中戦争で6.5mmだと中国軍の7.92mmモーゼル弾に撃ち負けることがあったからだったからじゃなかったっけ?

770名無し三等陸士@F世界:2010/11/12(金) 15:43:44 ID:IAqPsUTM0
>>769
いや元々はボルトアクション式の小銃としての採用が先で半自動小銃化の
研究は後ですよ。
小倉造兵廠研究所での試作は昭和16年で99式の制式化は昭和14年です。
日中戦争の影響は無いとは言い切れ無いでしょうが自動化に伴う弾薬
の消費量の増加を当時のお金のない陸軍が嫌ったのとただでさえ多種多様な
口径の弾薬を扱っていた関係から補給に不安が出る小銃の自動化に躊躇
したのもあると思います。
竜神様の世界の日本が弾薬供給に不安がないくらいにまで生産力を伸ばす
事が出来るならいずれは自動小銃も出るでしょうけど。
「7.7mm弾によって小銃・軽機・重機の弾薬を共通化する」という目的の
達成が出来れば自動小銃化もまだ楽なのでは。
歩兵銃と同型式の騎兵銃を一緒に制定するのが99式小銃と呼ばれる所以
だし。

771名無し三等陸士@F世界:2010/11/13(土) 00:06:16 ID:/ukUhGkY0
>>768
名作U・ボートの事だと思うがだんだんひげ面になって行くんだよねあれ

艦の軋む音、爆雷の音、深度計が怖いと思った初めての作品だった・・・
あと音楽も良かったな。

772名無し三等陸士@F世界:2010/11/13(土) 18:06:10 ID:IAqPsUTM0
>>768
SilentHunterⅢなんかもUボートの動作を忠実に再現しているPCゲーム
ですね。全部手動でやると物凄く敷居が高くなりますが・・・(艦種識別表
で調べながらやるとか)。

773名無し三等陸士@F世界:2010/11/13(土) 22:20:46 ID:IAqPsUTM0
>>769
一応その辺りの経緯も含めて戦鳥のA&Qに書いてありましたよ。

ttp://www.warbirds.jp/ansq/41/D2001461.html

いずれにしても海軍と違い懐事情の厳しい陸軍にボルトアクション銃
よりも精密な構造と設計が求められる自動小銃の開発は昭和16年以前
においては難しいと思います。
竜神様の世界では米国との戦争が勃発していないので歩兵操典の内容
にしても昭和15年発行の延長線上にある物がその後も採用される可能性
があります。観戦武官を独ソ戦に派遣しているなら違うかもしれませんが。
ジャングル戦とかなら自動小銃は有利なんでしょうが。

>>750
丸耳族の二人はテルミット溶接とかにも興味を示すかなぁ。
あ、でも戦前の国内鉄道は10メートルレールかロングレール作るには
テルミットは便利なんですけどね。
そもそもアーク溶接自体が彼女らには珍しいかもしれない、19世紀に
なるまでは鍛接くらいしか金属同士をくっつける方法が無かったし。
鍛接しか無い場合幼女な外見の彼女たちがガンガン金属叩いて鎧など
を修理したりするのか・・・。

774名無し三等陸士@F世界:2010/11/14(日) 22:25:24 ID:GdeXPKqw0
>>773
つ「リベット」
それに溶接は古代からある、鋳掛けとか。

775名無し三等陸士@F世界:2010/11/15(月) 07:39:18 ID:mcg6esMA0
>>768
っ【Nシップ】
以前ちょっと名前出したが、女兵100%乗り組みの潜水艦に男の艦長が赴任させられたという漫画
同人誌だったから入手難だしのぉ、と思ってたら、今月頭にイカロス出版から出たので手に入りやすくなった
艦内生活とか中心に描かれてるんで、絵に抵抗が無ければお奨め

776763・765:2010/11/15(月) 17:24:02 ID:u6qX6VMY0
エログロスレの艶話06読みました。

>>765
>・・・・・・しかしこの世界、“萌え”の“も”の字も無い(概念が現れない)のはマズイのでは?
>二次元美少女による自動的な少子化が進まないと地球外植民を余儀なくされる気が(大地は有限)。
↑日本人女性という日本人女性が竜の眷属に入れ替わっていくので眷属であるなしに関わらず女性の絶対数は増えないという事は分かりました。
避妊効果のあるピアスによって子供の出生数をコントロール出来る事も分かりました。
・・・・・・究極的には地球がダークエルフだけの惑星になりませんか? この場合。

777名無し三等陸士@F世界:2010/11/15(月) 21:55:19 ID:wGdmfBpw0
>>773
アルミニウム(ミスリル)を酸化鉄の還元剤&熱源として消費するテルミット法は
丸耳族の皆さんにはまさに狂気の沙汰でしょうね

778名無し三等陸士@F世界:2010/11/16(火) 00:47:00 ID:oXmDehTQO
>>777
テルミット反応そのものは既知かもね。
アルミがあるなら偶然でも発見しそうだ。
錬金術的なアプローチから、意外と科学的知識が蓄積されていてもおかしかない。

779竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/11/16(火) 01:10:54 ID:ybLtRT0s0
 『大友の姫巫女』の二次創作を書いている大隅氏から巡洋艦についてのネタを頂きましたので投稿。
 大隅氏に感謝を。

780竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/11/16(火) 01:12:24 ID:ybLtRT0s0
 昭和十六年十二月、日米戦を回避した日本海軍は戦時建艦計画を急遽改める事となる。
 そして既に船台やドックで起工されている艦を除き大型艦の建造を取り止め、一部の艦は売却対象とされていった。
 その中で建造継続側に含まれていた1隻の巡洋艦。
 彼女は春の進水式を控え、工事が続けられていた。いたのだが。



「潜水艦隊旗艦に巡洋艦など無駄だと図上演習でも結果が出ているではないか!」
「いや、図演は図演だ。
 実際に運用せねばわからん!」

 呉海軍工廠の某所でその巡洋艦に対する様々な意見が出されていた。
 彼女本来の用途は漸減邀撃作戦における潜水艦隊指揮用軽巡洋艦。
 しかし日米戦が回避された後に行われた図上演習において、単艦で行動する彼女は常に敵艦隊からの航空攻撃を受けて撃沈されていたのだった。

「少し休憩としようか。
 1時間後に再開とする」

 そんな室内の空気を嫌ってか、議事進行役を務める男が休憩を宣言した。
 建物を出て建造ドックへと脚を運ぶ彼の後ろを図演にオブザーバーとして参加していた造船官がついていく。
 数分も歩くと目の前に喧々諤々の論争対象である建造中の巡洋艦が見えてくる。
 偵察/航空巡洋艦”大淀”。
 それが彼女が進水式を迎えた際に与えられる予定の名前だった。

「……素性は良いフネだと思うんだが、な」
「ええ、設計担当者の一人として言わせて頂くなら十分に優秀な艦です。
 もっともお使いになる側の無定見に翻弄されているのは否めませんが」
「痛いところを突いてくれるよ、まったく。
 にしてもよもや図演とはいえあそこまで沈められるとは思わなかったな」

 ふう、と溜息をつきながら目の前で艦体のあちこちから火花を散らして建造が進むフネを眺める。
 潜水艦隊の旗艦として単艦で敵勢力下の行動を余儀なくされる彼女は主砲に対空戦闘も可能な60口径15.5センチ三連装砲を2基、対空火力として65口径10センチ連装砲を4基、25ミリ連装機銃を6基搭載していた。
 このように単艦行動を前提にしているため非常に充実した対空装備を有するものの、図演の結果から結局のところ空母機動部隊に捕捉されれば逃げ切る事は不可能だと判定されている。
 そして建艦計画の見直しにより彼女の立場は完全に宙に浮いた形となっていた。
 雷装を持たないため水雷戦隊旗艦への転用は水雷関係者の猛反対を受けて挫折、建造が単艦となったために戦隊を組ませる相手もいないという事実がさらに彼女の立場を厄介なものとしていたのだ。
 何しろ某水雷戦隊司令官は「雷装のない巡洋艦など帝国海軍水雷戦隊に必要なし!」とまで言い切ったという。
 それでも二番艦が建造されていれば利根型と同じく戦隊を組んで偵察巡洋艦として用いる事も可能だったかもしれない。
 しかし艦隊編成において単艦という立場は艦隊側からも使いにくいと言い渡され、建造継続は決定されたものの未だに完成後の見通しが立っていないのが実情であった。
 これは大正時代に実験艦としての性格を帯びて建造された軽巡洋艦「夕張」にも当てはまる事例であるが、夕張は魚雷発射管を装備していた事から水雷戦隊旗艦に使用されたのに対し、大淀は魚雷発射管を持たないというその一点において軽巡洋艦としての存在意義を否定されていたと言えるだろう。

「……そういえば貴様例の話を聞いているか?」
「例の話?
 ああ、龍州に派遣されている艦隊の事ですか」
「ああ」

 進水式を間近に控え、艦上構造物の大半が完成しつつある艦を横目に男が造船官に尋ねる。
 龍州に派遣されている艦隊、それは特設巡洋艦愛国丸を旗艦として隷下に一個駆逐隊を配した部隊だった。
 当初黒耳長族を連れ帰るという目的と共に交易も行うという事で選ばれたのが愛国丸を始めとする三隻の特設巡洋艦だったのだが、特設巡洋艦であるが故に本格的な戦闘には向いていなかった。
 その為に護衛として駆逐隊が付けられたのだが、これが海軍内部で問題となっていたのだ。
 護衛として付けるのは一個駆逐隊とはいえ、建艦計画の見直しによって大幅な駆逐艦戦力の増勢が見込めない以上その戦力的価値は非常に大きなものがあった。
 英国との協定によりインド洋に派遣する駆逐隊の確保も必要であり、龍州に派遣される駆逐隊は待機組を含めれば常に三個駆逐隊が必要だった。
 インド洋、龍州と二つのシーレーンを防衛するには帝国海軍の手駒はあまりにも少なかったのである。

781竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/11/16(火) 01:13:09 ID:ybLtRT0s0
 そして三隻の特設巡洋艦も本来は大阪商船の優秀な貨客船であり、開戦を見越して特設巡洋艦に改造されたのだが結果として戦争は起こらなかった。
 その為大阪商船では三隻(愛国丸、報国丸、護国丸)を本来の輸送業務に投入したいと海軍に申し入れていたのだ。
 何しろこちらも英国との協定によって輸送船舶の必要トン数は右肩上がりで増え続けている。
 それでもこちらは龍州へは海軍の運送艦を派遣する事で改善は可能と見られており、特設巡洋艦三隻を航路から引き上げる事それ自体にあまり問題はないと判断されていた。
 しかし船団を護衛する駆逐隊の派遣は海軍にとって地味に負担となりつつあったのだ。

「……確かに三個駆逐隊を常に持っていかれるのは厳しいですねぇ」
「だろう?
 龍州が重要なのは俺にもわかるが、それ以上に帝国本土を守る艦隊やインド洋派遣部隊が手薄になるのは問題だ」
「はあ」

 男はそう言いながら目の前に佇む巡洋艦を見上げていた。
 そんな男の視線が後部に備え付けられつつあった格納庫でぴたりと止まる。
 それは試作中の高速水上偵察機を収める為に設けられた前例のない大型格納庫だったが、肝心の高速水上偵察機は開発中止となる事が内定しており彼女は完成前から役目も装備も奪われていたのである。
 が、その格納庫を見た男の脳裏に過ぎったのはまったく別の使い道だった。

「……あの格納庫を居住区にすれば兵員輸送艦になるんじゃないか?
 龍州にこいつを持っていくのも良いかもしれんな」

 それは単なる思い付きで、目の前で生まれながらに不遇を託つであろう巡洋艦に向けた慰み程度のものでしかなかった。
 否、そのはずだった。

(……格納庫転用の居住区、黒耳長族を乗せる為の改装。
 駆逐艦を圧倒的に上回る砲熕兵装、35ノットの最大速力、十分な航続距離。
 もしかしていけるんじゃないか、これ)
「すみません、私は先に戻ります!」
「あ、ああ」

 彼の言葉を真に受けた造船官の脳内では既に彼女に対する改装が形を成し始めていた。
 そして後日開催された丙型巡洋艦用途研究会議において彼は”輸送巡洋艦改装計画”をぶちあげ、驚くべき事にその案は即座に採用されることとなる。
 これが後に”ラブホテル大淀””娼艦””乗艦すれば脱童貞””チョンガー専用艦”等多数の異名で呼ばれる事になる本艦の始まりだった。

782竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/11/16(火) 01:13:47 ID:ybLtRT0s0
 そして同時期、もう一つの問題が発生していた。
 水雷戦隊期間用軽巡洋艦「阿賀野」型のタイ王国への売却である。

「承服できかねます!」

 ドンッ、と拳骨で机を叩いて抗議するのはあちこちから艦政本部にやって来た水雷関係者。
 何しろ大正時代に完成した5500トン型を延々使い続け、ようやくの事で更新が決まった艦を同盟国に売り渡すというのである。
 いくら予算削減の煽りを受けて4隻の予定が3隻に削られたとはいえ、それでも水雷戦隊旗艦の更新を待ち望む関係者は多かった。
 なのにその虎の子とも言うべき3隻までも取り上げようというのだから彼らの怒りは至極当然と言えた。
 しかも既にタイ王国とは話がついており、要望に従った改造計画まで完成しているというのである。
 政治的には完全に決定された方針であり、これを覆す事など認められる筈がない。
 それでも艦齢20年という5500トン型軽巡洋艦の更新は必要であり、すったもんだの挙句「早く安く強く」というスローガンの下いくつかの計画が立ち上げられた。
 既存艦の改装、設計流用による新規建造、外国艦の購入などなど。
 結果として最終的に決まったのは。

・第五、第六水雷戦隊旗艦用に2隻の軽巡洋艦を新造する(後の水無瀬型)。
・第一〜第四水雷戦隊旗艦用として古鷹型、青葉型重巡洋艦の主砲を換装し、軽巡洋艦とする。

 この2点であった。
 特に前者は雷撃戦能力が高く評価され、後者は短期間で再就役が可能である点が高く評価された。
 結果として6個水雷戦隊全ての旗艦を更新可能となり、水雷関係者は皆満足したのであった。
 が、あちらを立てればこちらが立たずという諺がある通り、次なる問題が艦政本部を襲ったのはある意味必然だったのだろう。

「貴重な重巡洋艦の砲力を落としてまで水雷に出すとはどういう了見かッ!」

 再び艦政本部に襲来したのは当然ながら砲術関係者。
 第6戦隊の重巡洋艦を全て取り上げられた形となった彼らの剣幕は凄まじく、このとき対応した佐官は後に「殺されるかと思った」と述懐しているほどだった。
 米海軍に巡洋艦戦力で劣っている日本海軍としては、たとえ8インチ連装3基の6門艦といえど貴重な兵力である事に違いはない。
 実効戦力としては些か力不足である事は判っていたが、代艦もなしに取り上げられるのでは砲術関係者もそりゃ激怒するだろう、てなもんである。
 結果、砲術関係者の強烈な直談判の下、再び「早く安く強く」というスローガンが掲げられる事になったのだった。
 そして最終的に纏まった案が装甲巡洋艦「那須」型の建造である。
 主砲は航空戦艦へ改装される四隻(扶桑、山城、伊勢、日向)から降ろした14インチ連装砲、装甲は空母への改装に伴い舷側装甲が当初の410ミリから200ミリへ半減された信濃型の部材をそのまま利用、完全新規建造はドンガラだけとなった。
 その分建造期間は2年程度まで短縮出来ると見込まれ、隻数こそ半減したもののその大火力に目がくらんだ砲術関係者は設計案を即座に了承。
 結果として日本海軍は、
・水雷戦隊旗艦用軽巡洋艦「水無瀬」型2隻の新造
・水雷戦隊旗艦用に回すため「古鷹」型、「青葉」型各2隻の重巡洋艦を軽巡洋艦に改装
・「古鷹」型、「青葉」型重巡洋艦の代替として「那須」型装甲巡洋艦2隻の新規建造
を行う事となった。
 当初懸念された予算面の問題だが、設計流用や装備流用、部材流用となりふり構わずありとあらゆるコスト削減を追求した結果、驚くほど安く上がったと言われている。

783竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/11/16(火) 01:14:29 ID:ybLtRT0s0
付記:昭和二十年代におけるとある軍事雑誌より抜粋。

輸送巡洋艦「大淀」
 主砲:60口径15.5センチ三連装砲2基6門
 両用砲:65口径10センチ連装砲4基8門
 機銃:25ミリ三連装機銃14基42門
 搭載機:零式水上偵察機1機
 射出機:呉式二号五型1基
 搭載艇:特型運貨艇(陸軍の大発を海軍仕様にしたもの)2隻
      ※本艇は人員輸送用であると共に、大淀が接岸不可能な港が多い龍州において交易品を陸揚げする為の重要な手段であった。

 本来装備される予定であった射出機を撤去、格納庫をほぼ倍に延長してその内部を居住区に改めた龍州黒耳長族移送用の艦。
 格納庫は三段に区切られ、左右両舷に居住区が配されている。
 4名の収容が可能な部屋が合計54部屋作られ、一度に216名の黒耳長族を本土へ移送する事が可能とされた。
 もっともこれはあくまでも定数であり、若干の居住性悪化を許容すればさらに100名以上の輸送は可能であった。
 また延長された居住区には応接室が6部屋用意されており、これらの部屋は移送する黒耳長族の希望に応じて使用するとされている。
 その内容については公表されていないが、龍州へ派遣された後に本艦へ与えられた異名から中身を類推するのは容易であろう。

 兵装は基本的に計画のままとされているが、機銃兵装のみ居住区上へ増設することとされ、連装から三連装へ強化の上合計14基が装備された。
 これは龍州において主砲や高角砲を用いるまでもない目標が殆どであることがその理由である。
 また、当初は収容人員を増やすために航空兵装を全撤去する予定であったが、最終的に偵察や連絡用として1機を搭載する事とされ、艦尾に射出機を設置してその上に露天係止する形となっている。
 この決定に関しては黒耳長族の特徴を知った航空関係者が強く働きかけたというまことしやかな噂話が流れたものの、それを肯定する文書などは発見されていない。
 日本から龍州への航海では居住区へ煙草や日本酒を、艦内倉庫には塩や砂糖などを満載、龍州における交易部隊の護衛艦兼輸送艦として活躍した。
 また、本艦の就役によって黒耳長族の本土移送は本艦のみの任務とされ、同時に愛国丸等3隻の特設巡洋艦を大阪商船へ返還し(※1)龍州航路へは海軍の運送艦を当てる事とされた。
 就役後は大量輸送を前提としない派遣であれば護衛も必要なく、その航続距離を生かして単艦で本土〜龍州間を行動している。
 本艦は黒耳長族の日本国内移送に関わっている間、幾度となく襲撃を受けるもその戦闘能力を遺憾なく発揮してこれら全てを撃退する事に成功、そのコンセプトの正しさを証明した。
 後に日本〜龍州への民間交易路が確立するまでの間、本艦は常に龍州における日本帝国の象徴として君臨することとなった。
 また、戦力としての価値が減少していた巡洋艦「夕張」が本艦の改造思想を受け継いだ形で改装され、龍州へ派遣されている。


 本艦に関わる逸話としては、
  ・一度に黒耳長族が400人以上乗艦、乗員居住区にまで彼女達を詰め込んだ為に航行中の大淀から常に謎の嬌声が上がっていた。
  ・停泊中、甲板に女用の下着類が干されているのを見るために本艦の周囲を少年達が泳ぎ回っていた。
  ・龍州での戦闘時、乗艦していた黒耳長族が活躍した兵に多数での奉仕を提案し一夜限りのハーレムが開かれた。
 等、帝国海軍ではあり得ない話が多数存在している。

784竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/11/16(火) 01:15:29 ID:ybLtRT0s0
阿賀野型軽巡洋艦

 本級は旧式化した5500トン型に代わる新世代の水雷戦隊旗艦用軽巡洋艦として四隻が計画、建造される予定であった。
 しかし1941年12月に世界各地に現れた龍の影響により急遽日米戦が回避、艦艇建造計画に大幅な修正が加えられる事となる。
 その中で本級は3番艦(予定艦名「矢矧」)までの建造継続は認められたものの、起工に至っていない四番艦の建造は中止とされた。
 水雷関係者は本級の建造を継続させるべく運動するも、予算圧縮の壁に阻まれてしまう。

 さらに本級の運命を変えたのが同盟国イタリアがタイ王国より発注を受け建造中であった「タク・シン」型巡洋艦の建造停止である。
 南部仏印に駐留するフランス海軍に対抗すべく発注した同艦が入手不可能となり、海軍戦力の拡充を図るタイ王国は急遽日本に巡洋艦の購入を申し入れたのだ。
 そしてこの売却対象に挙げられたのが1番艦が艤装中、2、3番艦が建造中の本級であった。
 同時にタイ王国は本級と共に行動可能な小型駆逐艦の設計・建造をも申し出ており(※2)、これが予算不足に悩む大蔵省と外務省を強烈に後押しする事となった。
 結果、海軍水雷関係者の猛抗議をも跳ね除け、本級のタイ王国売却が決定されたのである。
 この売却決定に際し、海軍内部でも水雷関係者を納得させるべく既存艦艇の改装による水雷戦隊旗艦の更新が図られる事となる(※3)。

 既に1番艦「阿賀野」は41年11月に進水していたものの艤装工事を一時中止、タイ海軍による要求仕様を盛り込んで建造が再開された。
 主要な改造点は以下の通り。
・92式61センチ4連装魚雷発射管及び次発装填装置の撤去
・撤去した魚雷発射管に変えて飛行作業甲板下部両舷に53.3センチ4連装魚雷発射管を1基ずつ装備
・旧2番連管装備位置両舷に98式60口径8センチ連装高角砲を1基ずつ装備
・主缶2基を撤去、居住区へ変更する事により居住性を改善
 この結果として本級の最大速度は30ノットへ低下するも航続力は増加、魚雷発射管は53.3センチ4連装2基とされた上に両舷配置の為、実質的な雷撃力はかなり低下している。
 しかしその分高角砲の門数は倍になり、同様に機銃兵装も艦橋前の機銃台に2基、後部マスト基部に2基、後部甲板に2基が装備され対空火力の強化が図られた。
 本級は当初2隻の購入が打診されていたが、日本とタイ王国の折衝の結果最終的に3隻全てがタイ王国海軍の巡洋艦として就役した。
 特筆すべきは本級3番艦の艦名であり、「ナガマサ」の艦名はシャム王国時代にアユタヤ王朝のソンタム王の元で活躍した山田長政から取られている。
 これはタイ王国の本級に対する期待と新造軽巡洋艦売却に同意した日本への感謝の現れであろう。

 なお、3番艦「ナガマサ」は起工直後であったため主缶撤去後の艦内構造を再設計しており、余剰スペースに王室関係者用の居住区が設置され事実上の王室ヨットとしての役割を担う事となった。

タク・シン型軽巡洋艦
 基準排水量:6500トン
 公試排水量:7600トン
 全長:180m
 全幅:15.2m
 機関:ロ号艦本式重油専焼水管缶4基
 主機:艦本式オールギヤードタービン4基
 軸数:4
 最大出力:65000馬力
 航続力:18ノット/8500海里
 兵装:主砲/50口径15.2センチ連装砲3基
     高角砲/60口径8センチ連装砲4基
    魚雷/53.3センチ4連装魚雷発射管2基
    機銃/96式25ミリ3連装機銃6基
    爆雷/艦尾爆雷投下台6基(爆雷搭載数18発)
 航空兵装:呉式二号五型射出機1基
       零式水上偵察機2機
 同型艦:タク・シン
     ナレースアン
     ナガマサ

785竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/11/16(火) 01:20:08 ID:ybLtRT0s0
那須級装甲巡洋艦/古鷹・青葉型軽巡洋艦

 元はマル五計画による超甲巡。
 本艦は本来大規模化した水雷戦隊の夜襲において、旗艦として巡洋艦戦隊と共に米海軍の防御スクリーンを形成する軽快艦艇を撃破する事を第一義として建造される予定であった。
 しかし1941年12月の日米戦が回避された結果、大型水上戦闘艦の新規建造は全て見送りとされ建造計画が凍結されてしまったのである。
 この状況が変化したのは既に建造中であった「阿賀野」型軽巡洋艦の売却問題が発生した為である。
 本来ならば水雷戦隊旗艦としては旧式化しつつある5500トン軽巡の代替として四隻が建造される筈であった阿賀野型は三隻のみが建造継続とされ、その全てがタイ王国向けの輸出用とされてしまったのだ。
 これによって新たな水雷戦隊旗艦を取得する事が不可能となった水雷関係者が激昂、新たな水雷戦隊旗艦を求めて艦政本部に直訴するという前代未聞の行動に出る。
 結果、「最低限の予算で阿賀野型に匹敵する艦を」という条件の下、新造艦の検討から既存艦艇の改装まで様々な案が出され、最終的に採用されたのが、「古鷹」型及び「青葉」型重巡洋艦の主砲を60口径15.5センチ三連装砲に換装して軽巡洋艦に類別変更、水雷戦隊旗艦に充てるというものであった。
 元々阿賀野型軽巡洋艦の主砲は旧式の15.2センチ砲を新開発の砲塔に収めたものであり、威力は十分ながら発射速度等に問題を抱えていた。
 しかし元来「最上」型軽巡洋艦の主砲として開発された15.5センチ砲であればその問題もなく、片舷当たりの雷撃力の低下を加味しても1.5倍に強化された門数は水雷戦隊旗艦として露払いを務めるに十分と判断されたのである。
 さらの同砲は最上型の改装に伴い余剰となっていた上、大和型戦艦や大淀型巡洋艦へ搭載する分を除いても合計10基が保管されていた事が幸いした。
 この為主砲換装に伴う砲塔新造は僅か2基で済み、全艦の改装は僅か数ヶ月で終了する事となった。
 また、高角砲も12センチ単装砲4基から12センチ連装砲4基に強化されている。

 しかし改装計画が決まった事で新たなる問題も生じる事となった。
 それは砲術関係者からの突き上げである。
 元々第六戦隊を編成していた重巡洋艦四隻を取り上げられた形となった砲術関係者らは、水雷関係者の要求を飲むならば自分達の要求も取り上げるべきである、とこれまた艦政本部に直訴。
 すったもんだの挙句、再び「早く安く強く」との掛け声の下短時間で多種多様な案が検討され、結果として浮上してきたのが超甲巡の建造計画の再開であった。
 再開された超甲巡建造計画の中で、原計画との最大の差異は50口径12インチ三連装砲(試製乙砲)三基とされていた主砲を伊勢型、扶桑型戦艦の航空戦艦化に伴い余剰となった14インチ連装砲を再利用する事で、14インチ連装砲3基6門の実質的な巡洋戦艦とされた事である。
 これは余剰となっていた14インチ連装砲塔を再利用する事で予算を圧縮する事、最も時間のかかる主砲開発をキャンセルする事で建造期間を短縮する事を主眼として採用された。
 当初は砲術関係者より装甲も強化する事が求められていたが、建造期間の短縮という絶対命令の前に計画通りの対12インチ砲のものとされ、搭載している主砲への対応防御は切り捨てられた。
 装甲は空母へと改装される事が決定していた信濃用の部材を流用(410>200ミリに半減された分だけ資材と製造工程に余裕が出来ていた)する事で製造期間を短縮する事に成功しており、この事から本級は「主要装備が全てお下がり」と揶揄される事となった。
 また、砲戦時における諸問題から航空兵装を撤去する事とされ、その代償重量とスペースを用いて当初計画では連装8基16門とされた65口径98式10センチ連装高角砲(長10センチ砲)を片舷6基の合計12基に変更、対空戦闘能力が強化されている。
 この高角砲は実質的に両用砲として扱われており、対軽艦艇射撃、事に接近してくる米駆逐艦相手においても有効に使用される事が期待されていた。

786竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/11/16(火) 01:20:45 ID:ybLtRT0s0
 結果として設計変更を受けた本艦は高い指揮能力、重巡洋艦の砲力では撃破不能な装甲、そして主砲を変更した事により一撃で巡洋艦を戦闘不能に追い込むだけの大火力が与えられることとなった。
 元来日本海軍の夜襲水雷戦術では米巡洋艦群をいかに無力化するかという点に問題を抱えており、これを解決する為の手段ならびに大規模化した水雷戦隊の指揮統率をどうするかという命題への回答が本艦であると言って良い。
 同様に米巡洋艦群撃滅の任務は金剛型にも割り振られており、日本海軍は大和型ならびに長門型各二隻を囮として敵戦力を誘引、米戦艦群を引き付けている間に那須級装甲巡洋艦二隻と金剛型戦艦四隻、合計六隻で米前衛部隊を叩き潰す事を目指す事となる。
 また、当初予定されていた12インチ砲は、欧州における海戦を研究した結果(※ラプラタ沖海戦におけるグラーフ・シュペーの戦闘)から対巡洋艦とするには威力不足であり、戦艦相手にはまったく歯が立たない事が判明。
 旧式とはいえ14インチ連装砲3基6門を装備した本級は結果として米海軍の同級艦であるアラスカ級を圧倒するだけの砲力を持つ事となった。
 さらに主砲の変更は限定的ながら米戦艦への対応能力をも本級に付与、その速度性能と相まって米海軍には本級を確実に捕捉・撃滅しうる大型水上戦闘艦が存在しない事になり、その対応に苦慮する事となるのだった(※4)。


「那須」型装甲巡洋艦
 排水量 基準:31500トン
     公試:35000トン
     満載:36500トン
 全長:240.0m
 全幅:27.5m(公試水線)
 平均吃水:8.8m(公試状態)
 主缶:ロ号艦本式専焼缶8基
 主機:艦本式オールギヤード・タービン4基4軸170000馬力
 速力:33ノット
 航続距離:8000海里/18ノット
 燃料:4600トン
 兵装:45口径35.6cm連装砲3基
    98式65口径10cm連装高角砲12基
    25ミリ三連装機銃12基
 同型艦:那須、剣


「古鷹/青葉」型軽巡洋艦
 排水量 基準:8700トン(青葉型:9000トン)
      公試:10500トン(青葉型:10800トン)
 全長:185.17m
 全幅:17m
 平均吃水:5.61m(青葉型5.66m)
 主缶:艦本式重油専焼缶10基(青葉型:ロ号艦本式重油専焼缶12基)
 主機:オールギヤードタービン4基4軸
 最大出力:103390馬力(青葉型:104200馬力)
 最大速度:33ノット
 航続距離:8000海里/14ノット
 燃料:2000トン
 兵装:60口径15.5センチ三連装砲3基
    45口径12センチ連装高角砲4基
    92式61センチ四連装魚雷発射管2基(次発装填装置付、搭載魚雷93式魚雷16本)
    25ミリ三連装機銃4基
    呉式二号五型射出機1基(零式水上偵察機2機)
 同型艦:古鷹、加古(古鷹型)
       青葉、衣笠(青葉型)



※1 当初3隻全てが大阪商船へ返還される予定であったが、愛国丸をことのほかお気に入りとなっていた撫子が抵抗。
    愛国丸を取り上げるなら「だったらわらわはあれに乗るのじゃ!」と代船にラファイエット号を指名したため、大阪商船は泣く泣く愛国丸を諦めざるを得なかったという。
    後に海軍側が予算を出して同等の貨客船を1隻建造する羽目になった。
※2 後に松型駆逐艦となる汎用量産型駆逐艦。
※3 古鷹型及び青葉型重巡洋艦の主砲を60口径15.5センチ三連装砲へ変更する事で、阿賀野型に代わる水雷戦隊旗艦に改装された。
※4 米海軍は対金剛型の切り札として最大速力33ノットに達するアイオワ級を建造したが、那須型装甲巡洋艦はそのアイオワ級と速度面で同等であり、確実な捕捉・撃滅が事実上不可能であった。
さらに追撃戦において発生しやすい遠距離砲戦における14インチ砲弾の対甲板打撃力は侮れないものがあり、それが米海軍の苦悩をより深めたと言われている。

787竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/11/16(火) 01:36:55 ID:ybLtRT0s0
 投下終了。
 以下レス返し。

>迷列車シリーズは何気に歴史の勉強になる話が多く戦前の日本や軍を
>元にする小説を書く際に使えそうなネタがごろごろしてたりもします。
 本当ですよね。朝倉軌道とか朝倉軌道とか朝倉軌道とか(まて)
 『迷列車【九州編】#42 或る列車』とか撫子専用御召し列車にしようかとふと思ったけど、整備されてないだろうから却下したのは内緒。

>油が悪いのか規制も緩かったのか排気の臭いがとにかくきつかった。
 それ、ネタ採用(笑)

>陸士長さん
 投下乙です。
 本当においしそうな料理描写でした。
 ここは負けじと私も同じような和食を……(まて)

>えー元沿線住人であります
 わ。いらっしゃるとは思わなかった(汗)。
 折角ですから、八女茶を幼女に飲ませておきますね。

>同人誌だったから入手難だしのぉ、と思ってたら、今月頭にイカロス出版から出たので手に入りやすくなった
>艦内生活とか中心に描かれてるんで、絵に抵抗が無ければお奨め
 よし。探してこよう(まて)

>・・・・・・究極的には地球がダークエルフだけの惑星になりませんか? この場合。
 つ【変身魔法】

 では。

788名無し三等陸士@F世界:2010/11/16(火) 07:29:57 ID:oXmDehTQO
大淀不憫w世が世なら連合艦隊旗艦なのにwww

789名無し三等陸士@F世界:2010/11/16(火) 09:11:46 ID:MuOvP6w20
投下乙。

大淀の別名がww
チョンガーにとっては、夢の配属先ですねww
ただ、戻ってきた乗組員は殆ど腎虚だったりして(^^;;

愛国丸取り上げ→撫子涙目→海軍涙目orz

790名無し三等陸士@F世界:2010/11/16(火) 14:04:48 ID:Jp89XkNk0
この時代に仕分け人が居たら鉛玉のプレゼントがされそうだなw

791名無し三等陸士@F世界:2010/11/16(火) 19:04:32 ID:lJ33FnvQ0
連合艦隊の旗艦はホテル呼ばわりされる宿命なんですね・・・

792名無し三等陸士@F世界:2010/11/16(火) 19:07:20 ID:JMhFkq4s0
投下乙。
でも素直に阿賀野級の増産の方が安く付きそう。
尤も水雷戦に特化した阿賀野級は使い道に困ったからこの方が良かったかな。

後は古鷹級の主砲の換装の必要性も不明だったりして。

793名無し三等陸士@F世界:2010/11/16(火) 22:10:40 ID:IAqPsUTM0
>油が悪いのか規制も緩かったのか排気の臭いがとにかくきつかった。
焼玉機関の燃料は重質油の中でも精製技術が未熟だった時期に出てきた
余り物の油ですから硫黄も多く混じっていたのが悪臭の原因なんじゃ
ないかと。

大淀は二つ名が不憫だなぁw
>搭載艇:特型運貨艇(陸軍の大発を海軍仕様にしたもの)
これの主機はディーゼルエンジンなんでしょかね。
海軍仕様の物には灯油を燃料とする石油機関の物もあったようですが。
でもお金をかけない方向なら陸軍と同じ主機にするのかなやっぱり。
大発には木造仕様のものもあるので設計図と設計士がいれば竜州でも
ガワだけなら生産できるのかしら。

794名無し三等陸士@F世界:2010/11/16(火) 22:35:39 ID:BQYRaU3o0
大淀が哀れだ……
でも適材適所すぎる

795名無し三等陸士@F世界:2010/11/16(火) 23:01:13 ID:NxykowyQ0
日本帝国の経験したことの無い
戦闘輸送兼用任務艦かホントに遅く来た大航海時代なんだな

796大隈 ◆GEOWx7XpRI:2010/11/17(水) 00:09:25 ID:CU5gKkf.0
ネタ作成者の大隈でございます……。

いくつか疑問にお答えをば。
阿賀野型に代わる水雷戦隊旗艦、古鷹型&青葉型が主砲を換装しているのは想定している敵戦力が駆逐艦だから、です。
8インチ砲では駆逐艦を相手取るには威力は十分ながら発射速度が足りず、破壊力が十分&命中速度が速い15.5センチにする事で対駆逐艦攻撃力を強化しました。
相手の装甲を問題なく抜ける場合、手数が重要になりますので。

海軍仕様の大発、とはいっても基本はほぼ同じです。
ただ海軍側が同じ設計図から作ったってだけで、後は名称が「14m特型運貨艇」になっているくらいです。

なお、このネタ採用にあたって一番大きな影響があったのは「大淀」の異名でした。

797名無し三等陸士@F世界:2010/11/17(水) 00:41:43 ID:CB4VgqNI0
機動娼館大淀w
しかしタイが巡洋艦を欲しいなら古い方を押し付けて新しいのを更新用にしなかったのは何でなんだぜ?

798大隈 ◆GEOWx7XpRI:2010/11/17(水) 01:06:27 ID:CU5gKkf.0
タイ王国が欲しいのはインドシナに駐留するフランス艦隊に対抗する為の戦力なので、旧式艦ではコーチャン島沖海戦のようになってしまう恐れがあったためです。
阿賀野型はイタリアに発注していた本来の「タク・シン」級を一回り上回る性能を持っているので白羽の矢が立った、と言うわけです。
あとは「新しい方が高く売れる」からというのが最大の理由かと……。

799名無し三等陸士@F世界:2010/11/17(水) 02:07:09 ID:mcg6esMA0
投下乙です
しかしあれですね。大淀1艦だけでは、いくら活動しても帝国が望む数の長耳族を
本土に運ぶには足りないだろうというのがネックでしょうか

800名無し三等陸士@F世界:2010/11/17(水) 02:21:27 ID:mcg6esMA0
ああ、そういや中の人は大友の作者でもあったんだよなw
そんなに機動娼艦実現したかったんですかいww

801名無し三等陸士@F世界:2010/11/17(水) 08:24:03 ID:IAqPsUTM0
>>796
大発についての疑問への回答ありがとうございます。
つーことはいつかは武装大発も出てくるかもしれないのか。
異世界向けの戦闘輸送艦っていくつあれば需要を賄えるんだろうかな。

802リュータ ◆viMvJifIpw:2010/11/17(水) 09:00:26 ID:QN72SwqY0
投下乙です。

けっこうストレートに本土に黒長耳族を連れて行っているイメージに、意外性があったかも。

竜州撫子市で、
・「帝国本土への事前知識を教える」
・「奴隷の際に身につけたスキル・知識を確認」(学者の秘書役から女剣闘士奴隷とか)
・「読み・書き・そろばん」
・「黒長耳族の繁殖農場育ちの場合、時間をかけて基礎的なところから教育」

みたいなことに、それなりに時間をかけて本土に送ってると思っていたので。
そういうのは、富士山裾野の居留地の方の役割なのかな。

803763・765:2010/11/17(水) 16:25:30 ID:u6qX6VMY0
>>つ【変身魔法】
日本人が日本人による魔法でダークエルフに変身する事は出来ますか?


ところで、もしも竜とその眷属達の(地球への)来訪が古代魔法文明が滅びた時だったら、応仁の乱が起きず、しいては戦国時代にもならなかったんでしょうか。

来訪時期(暦変換ツール換暦ttp://maechan.net/kanreki/にて換算)
:嘉吉1年10月9日・ユリウス暦1441年11月22日(グレゴリオ暦換算で1441年12月1日)

この場合、主人公は赤松教康(嘉吉の乱で有名な赤松満祐の子。史実においては嘉吉元年9月29日に自殺(享年19))でしょうか。

804名無し三等陸士@F世界:2010/11/17(水) 19:38:35 ID:NxykowyQ0
竜の目的地が富士山だから足利家の分家筋な今川家って可能性も有りじゃね
どっちにしても日本の東側から富士山向かうルートで出現した撫子嬢が京都周辺ににわざわざ行くかな?

805名無し三等陸士@F世界:2010/11/17(水) 19:41:06 ID:oXmDehTQO
>>793
30年以上昔と言え、精製がそれほど酷いとは思えず。
たぶん小船の排ガス規制が緩かったってあたりじゃないかと。
今でも旧車の後ろを走ると、臭いに頭痛くなることがある。

>>799
大淀が活躍するのはF世界各地と撫子市間の輸送だと思う。
一度に二、三百人買い付けられるなら上等で、供給能力が先にボトルネックに達すると見た。
撫子市と本土間で大量の人員輸送が発生するなら、
空母の格納庫甲板と飛行甲板にギッチリと体育座りさせればよろしいw

806名無し三等陸士@F世界:2010/11/17(水) 19:51:12 ID:NxykowyQ0
撫子市(三角州)と本土間は異世界移動だから撫子嬢の機嫌が悪くない限りそう時間も掛からないうえに
撫子市には立派な港まであるから乗り込みも直接可能ときたもんだ
今のところ輸送艦より暇な空母の役目になりそうだな、ほんとに。

807名無し三等陸士@F世界:2010/11/17(水) 20:49:54 ID:3.zWj02U0
大隈氏回答ありがとうございます。
対駆逐艦の為に手数が必要。横山氏の世界観ですね。
クリーブランド級やアトランタ級の様に日本の駆逐艦並みに量産された巡洋艦が相手かと思っていました。

遅レスですが、焼き玉エンジン。
竜州の暗黒工房の特産品として渡し船や漁船用に販売したら儲けられるかな。
燃料もそう選ばないからF世界でも運用しやすいし。

808名無し三等陸士@F世界:2010/11/17(水) 21:15:12 ID:NxykowyQ0
そういう工業力系の物をF世界に流すとドワーフっ娘達に対するF世界国家の要求が大きくなりそうだね
焼き玉エンジンを渡されて帝國の鋼鉄船を動かす動力と同等の品を造れ!って無理難題とか
ドワーフ女王王国は断れるのかね?要求
立場的に微妙な立ち居地だし

809名無し三等陸士@F世界:2010/11/17(水) 21:33:23 ID:ve8XLZLk0
連装20センチ砲塔のターレットは三連装15.5センチ砲塔よりわずかとはいえ小さいから
仮にやるとしたら大工事とはいかなくてもそれなりの手間がかかると思う。
駆逐艦を短時間で撃退するには6インチじゃ足りなくて8インチが必要という試算がある
そうなので(どこの種本から出たのかは知りませんが……)古鷹級を水雷戦隊旗艦に
したいなら砲塔はそのままで、高角砲を連装12.7センチに強化(重量的に乗りそうも
ないけど)するとか、水雷戦隊旗艦設備の強化をする方向にする方がいいんじゃない
でしょうか。
でもこれら乗せるとしたら主砲を連装6インチクラスにまで落とすしかないだろうとか、
そもそも機銃・射撃装・レーダー等々の増設をする余裕無くする気かというのはおい
といて。

あと、大淀は水偵施設を縮小して司令部機能をつけて、機動部隊の旗艦にするのは
どうでしょう。
比較的大型の高速艦を単艦で強行輸送するなんてミッションのためにわざわざ改装
しなくても、駆逐艦を1個駆逐隊投入すれば十分こなせるのだしもったいない。
(大淀自体もったいない代物ですが)

810名無し三等陸士@F世界:2010/11/17(水) 23:05:53 ID:mcg6esMA0
>>809
>比較的大型の高速艦を単艦で強行輸送するなんてミッションのためにわざわざ改装
>しなくても、逐艦を1個駆逐隊投入すれば十分こなせるのだしもったいない。
その1個駆逐艦隊を投入するのがもったいないから大淀を改装して投入した、と書いてあるように
見えるんだが、気のせいだろうか
今この時点で必要とされているものが何か、という観点がすっぽ抜けてるよ

811名無し三等陸士@F世界:2010/11/17(水) 23:13:41 ID:vwHPhBMk0
軍縮が進むなら香取級をまわす手も。
足は遅いから大淀とは組めないけど、候補生用の居住区画を使えば
改装なしで長耳さん輸送に使えるし。

812名無し三等陸士@F世界:2010/11/17(水) 23:16:37 ID:ve8XLZLk0
>>810
いやね、まず200人とか300人とか以上の多数の黒長耳族を強行輸送するような
ミッションがまず起こらない。
そして仮に起こった場合貴重な黒長耳族を運ぶのに1隻しか軍艦を派遣しない
という事があるはずがない(何かあった場合1隻だと仮に沈んだら全滅ですよ)。
だから、難にでも使える駆逐隊で普通に護衛してればいいということです。
このような任務に当てるには純粋に駆逐隊等の戦力を増やすしか解決策がない。
それに、強行輸送しないといけないときに改装してない大淀があったとしても、
別にミッションをこなすのに十分な能力を持ってるわけでしょう?
だから、それしか使えない艦にする必要は無いと思うんですよ。

813名無し三等陸士@F世界:2010/11/17(水) 23:20:13 ID:NxykowyQ0
戦艦の乗組員を降ろして通商護衛艦の乗組員にしてる状況で
重巡一隻と駆逐艦三個駆逐隊が交換ならって事らしいね本文中じゃ
欧州の交易で一息ついてる状況で竜州の交易の利益は交易全体の1%
ダークエルフの件を計算に入れても軸足は欧州
一応戦争状態では無いから暇してる大型艦と通商護衛戦で大忙しの小型艦という特殊な状況が生んだ艦ですな
……ぶっちゃけ陸巡艦と同類

814名無し三等陸士@F世界:2010/11/18(木) 00:00:18 ID:Wa0eOAyc0
古鷹&青葉の主砲換装の理由だけど
最上級が重巡になったからワシントン条約の兼ね合いで軽巡に改造しましたでいいんじゃないかな。
帝國の竜神様33で最上や利根が突っ込まれたら困るから表に出せないって言ってるし
言い訳くらいにはなると思うんだ。

815名無し三等陸士@F世界:2010/11/18(木) 00:11:13 ID:GdeXPKqw0
>>812
>795 のコメントに要約されているが、このF世界においては戦闘専任の船ではなく、
戦闘能力のある輸送艦or輸送能力がある戦闘艦の方がつかいでがある。
というのが先のSSの趣旨だろう。
F世界で遭遇する脅威の程度だって不明な中で基本は船団組むべきというのは確かだが、
その旗艦もこなせ状況によって独航も可能な戦闘力を持つ大淀の投入を否定するほどの論拠はないわ。

それに強行輸送ミッションが起こらないという主張の方がよほど根拠が薄い。
ネタゲットとばかりににそういうシチュを狙って書くぞこの中の人わw

816名無し三等兵@F世界:2010/11/18(木) 00:50:20 ID:TzZzhaIQ0
中の人さん、投下乙です。

古鷹型の水雷戦隊は建艦当初の目的へ戻りましたね。
一方、装甲巡洋艦は名ばかりで、実質巡洋戦艦(攻撃力>防御力)ですな。
しかし、皇軍の架空戦記をすると、大体このような艦(金剛型に似た性能)が出てくるのは面白い現象というか、必然なのか。

817名無し三等陸士@F世界:2010/11/18(木) 01:01:11 ID:NxykowyQ0
駆逐艦で大型艦を喰う水雷戦術の前提で敵艦隊を乱すために突っ込む艦は絶対必要だから>>金剛型ポジション
無ければ水雷戦術もあきらめる事になるし
……奇策使わなくても勝てる相手が太平洋の向こうにいれば必要ないのだけどな

818名無し三等陸士@F世界:2010/11/18(木) 01:10:50 ID:oXmDehTQO
それに史実での金剛型の奮闘ぶりは集目の一致するところだから
後継艦はどうしても欲しくなるよな。

819名無し三等陸士@F世界:2010/11/18(木) 18:35:19 ID:ve8XLZLk0
何か勘違いされているようです。

>>795 のコメントに要約されているが、このF世界においては戦闘専任の船ではなく、
>戦闘能力のある輸送艦or輸送能力がある戦闘艦の方がつかいでがある。
>というのが先のSSの趣旨だろう。

812で書きましたが改装しない状態での大淀は十分400名の人間を運ぶことが可能です。
戦闘艦だろうがフネはフネなんです。
ここで問題にしたのはあくまで客船のような部屋を作って快適に運送できるようにした
(逆に言えばそれにしか使えない)スペースを作ってまでやることではないと言いたい
のです。
後方で輸送するなら快適な部屋が必要でしょう。しかし、大人数の緊急輸送であるから
こそ戦闘能力を削るというのは何かあった際の対抗手段を減少させると言うことになる
のですからほめられるものではありません。
安全な場所まで強行突破できる能力が何より必要なのであって、輸送車の都合を考える
余裕を高い優先順位に置くまでのことはないです。
だからこそ812で無駄と思うと言ったわけです。

加えて言うなら、緊急時の輸送が常設的に行われるなどというリスクの高い事をやらかす
という考え自体が無茶なのであって、安全にこなすためにやる方法が他にあるのだから、
そっちをするべきであり、さらには日本は戦争に参加してないのだから仮装巡洋艦なり
5500t型軽巡なり駆逐隊なりをやりくり出来ないほど追い詰められてるのではないのです
から、より安全に行える手段をとればいいと言ったわけです。

ですから、

>F世界で遭遇する脅威の程度だって不明な中で基本は船団組むべきというのは確かだが、
>その旗艦もこなせ状況によって独航も可能な戦闘力を持つ大淀の投入を否定するほどの論拠はないわ。

と言われてるようなレベルの問題は、わざわざ改装せずともこなせる内容ですので、改装する
必要はないと言ったんです。

>それに強行輸送ミッションが起こらないという主張の方がよほど根拠が薄い。

第1次ソロモン海戦並みの頻度で起こりうるとは思いますよ。ほとんど無いと言ってるの
ですから。全く起こらないとは言っていません。
たった一回程度起こるかどうかのために、ひたすら該当地域で浮かび続けて待ってるなんて
無駄なことをせず、手元にある戦力(竜州ですぐに動かせる船大小問わず)をいざ事が起
こったら投入するとした方が経済的と思います。

>ネタゲットとばかりににそういうシチュを狙って書くぞこの中の人わw

それは神の視点だからネタのために他人が無駄なことをしてる様をおもしろおかしくできるんです。
物語の中で生きている日本海軍の当事者が考える話と差があるのは当然だと思いますが?
海軍の(まあ大蔵も入れていいかもしれませんが)立場での考察ではないんでしょうか?

一読者として、登場人物や組織が右往左往するのを見るのはおもしろいですよ。
でも話の論点はそこなのか疑問に思えます。

さらに加えるなら、この二次SSは読みやすくて説得力もあると思いますし、仮にこの話で
いくのなら、改装予算は(黒長耳族救助のためなんだからと)宮内なり内務なりから
ぱちってこれるなあとか、この名目なら多少無駄でも反対しづらいしと強引に通すことも
可能であり、かてて加えて大淀は輸送艦なので巡洋艦ではなく、故に純減になるからどうにか
して代艦作れないかと交渉することも可能だと思います。

でも、その辺を無視してこの改装の価値をシミュレートするなら、やっぱり無駄だろう、
と思うというわけです。

820名無し三等陸士@F世界:2010/11/18(木) 18:43:17 ID:ve8XLZLk0
うん、まあ、輸送車じゃなく輸送者だね。

あと、仮に武装輸送艦にするのなら大発じゃなく、もっと小型のものを多数の方がいいと思います。
でかいものをのせるんじゃなく、驚異から逃げるヒューマノイド型生物を急いで乗せるだけですから。
また、これらの内火艇を素早く回収するためのスロープなりなんなりを装備させる必要もあるでしょう。

821名無し三等陸士@F世界:2010/11/18(木) 19:20:34 ID:i8epRVZs0
この任務で艦載機より機銃のほうが効果的だと判断したからこその改装でしょう
そして、専用船を仕立てるというのは多分に政治的な物が絡んでると思われます

822名無し三等陸士@F世界:2010/11/18(木) 21:17:27 ID:sdu/BcMc0
>>819

とりあえずさ、大淀改装の話を書いたのが本編書いてる人だってのはわかってるよね?
思いっきり中の人に喧嘩売ってるんだけど?

後、その長文はどうでもいいわ。

823名無し三等陸士@F世界:2010/11/18(木) 21:29:53 ID:0GxQjdc60
>>820
っていうか、どの作品の大淀なのか分からなくなってきたんだが。
中の人の大淀と、>>820の大淀って、運用目的が全く違うだろw

なんで交易品満載したまま、「敵中横断! 激戦の黒耳救出劇!」をやらないといけないんだよw

824名無し三等陸士@F世界:2010/11/18(木) 21:36:58 ID:ve8XLZLk0
>>822
え? 大隅氏の二次SSではないんですか?
阿賀野級が4隻建造されるはずがされてないとか、タイは同盟国じゃないはずだしとか、
そもそも書き方が中の人の説明方じゃないと思ったんですが。

825名無し三等陸士@F世界:2010/11/18(木) 22:13:44 ID:sdu/BcMc0
>>824

もう中の人が採用してるだろうに…。

長文書くのに必死で中の人が投下したのが見えてないのか┐(´д`)┌ヤレヤレ

826名無し三等陸士@F世界:2010/11/18(木) 22:17:28 ID:Ch3RcRIs0
>4隻建造されるはずがされてない
酒匂(にあたる艦)がない事か?
それなら25話の時点で
>船台に乗る前のものは空母以外は全て白紙だ
ってなっているから、1942年11月起工(予定)の酒匂はこの時点で「撃沈」された

>タイは同盟国じゃないはず
たしかに史実の流れからすると、開戦してないこの世界じゃ同盟組んで無い可能性は大きいな。
ただ、その事について本編中で言及されてはいないから、同盟国になってないとまでは言い切れないぞ

827名無し三等陸士@F世界:2010/11/18(木) 22:44:05 ID:oXmDehTQO
>>820は思いこみで状況設定して思いこみで駄目だししてると思うな。

828リュータ ◆viMvJifIpw:2010/11/19(金) 02:20:17 ID:QN72SwqY0
見逃していたレス返しです。

>>650
>準備して調べれば調べるほどドつぼに嵌って本編が著しく滞る私みたいな例もあるので、お気をつけて。
はい。自縄自縛になりすぎないように、適度にいきます。

コテハンを付け忘れましたけど、>>610みたいな書き込みもしちゃう、それなりにユルい人でもありますから(w

でも、調べればネタになりそうなものとか、大きな影響がありそうなことが色々と見つかるのが困りもの。

・「赤城」「加賀」の二十センチ舷側砲は、撃つと爆風で飛行甲板がめくれ上がる。

→43年度予算で空母改装の余裕があれば、真っ先に「赤城」「加賀」?
→英国への艦隊レンタル料の一部を油圧式カタパルトの現物支給で受け取って取り付けの可能性?

・真珠湾攻撃後に米国はすべての大学を一時閉鎖、理系大学生の三分の一を研究機関の助手に。
 残りは陸海軍に招集してオペレーター要員等に。

→竜神様世界では、そこまでやってないだろうから、米国の電波兵器の性能向上とかVT信管開発がかなり後ズレ?
→英国への技術のフィードバックも遅れるだろうから、陸士長さんのお話にけっこう影響が出る?

・日本駆逐艦は、雷撃時の被発見率を下げるために艦型を低く抑える必要があって、高角砲を搭載できない理由の一つだった。

→雷撃重視+高角砲は、少なくとも42年中では新型駆逐艦の発想としては出てこない?
→ついでに、魚雷兵装は甲板面積をかなり必要とするから、しわ寄せも居住区に行って居住性の良さも併存不可。

・日本海軍艦艇の大前提は、波が荒くて世界有数の暴風地帯の日本近海で、台風の中でも航行できること。
 そのため、友鶴事件の教訓で、重心点の上昇を嫌い、大仰角を取る高角砲の駆逐艦主砲の採用を廃止した。

→「あえて悪天候を突っ切る」という作戦行動での選択肢の存在?
→異世界の海では、大抵の所を航行可能か?
→米軍艦艇を引き写したような高角砲装備数の新型艦は、異世界での使用前提でないと困難?

・米海軍艦艇は比較的に穏やかな海域で運用されるのが普通。トップヘビーを気にせずに高角砲装備による対空砲火力が高い。
 反面、悪天候に弱い。戦時中の米機動艦隊が一日で負った最大の損害は、台風によるものだった。

→実は米海軍の天敵はハワイの竜ではなく、天候操作能力のあるアイスランドの竜なのでは?

とかとか……

829名無し三等陸士@F世界:2010/11/19(金) 14:53:11 ID:mcg6esMA0
>>824
大隈氏には「ネタを頂きました」と書いてあるだろうよ>>779
つまり大隈氏からネタを貰って中の人が書いたんだろう、常識的に考えて……

830ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/11/21(日) 12:50:14 ID:DZt8ismc0
執筆ペースにムラがあって、結局投稿まで3〜4週間かかるってのは……
不調なんだかそうでないんだか(悩)。

>>707氏、708氏、709氏、711氏
>産業用ロボット

外板用の薄板プレス機ですから、あまりシビアな精度要求は想定していなかったです。
大まかな形状だけ作って、後の細かい点はドワーフの手作業なのです。

>>710氏、
>あの手この手で人員確保w

ただでさえ人手が足りないのに、余計な仕事まで舞い込むから、
もう搦め手や裏口からの人材確保ってのが常態化しているとw

>711氏、
>サボっているドワーフに竜州に修行に行くかと肩を叩かれるのか、
>出来が良いから腕を上げる為に行くかと二つのパターン

正解です。
どっちみち、山のような砲弾に囲まれてのブラック職場ってのは
替わりがないんですけど。

>中の人様

返信SS有り難うございました。

>最難関のトンネルができたのだから、弾丸列車計画は加速する。

うん、「蒸気機関車D52型、大改造!!劇的ビフォーアフター」ってネタがw。
いや、標準軌だから、D52よりもパシナの改造かな?

>『ラファイエット』号

これで「スケール的」に度肝を抜かれた分、後で長門や大和を
見学しても冷静さを失わずに済みそうです。


それでは、ディプシー&プリム外伝
『お前ら、蟲だか人だかハッキリしやがれ!』投下いたします。

831ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/11/21(日) 12:51:10 ID:DZt8ismc0
−−アルトリアの原生林−−

巨木が鬱蒼と生い茂るその原生林は、立ち入ったが最後、人だろうが竜の眷属だろうが……
凶悪な戦闘力を誇る蟲ですら帰ってくることがないと、冒険者間では有名な危険地帯であった。
そんな危険地帯を奥へと進む一団があった。
長耳族の若長【アルトリア】捜索の命を受けた、竜州軍の捜索隊である。

巨大な獣道のような【蟲の道】を拡幅・鋪装しながら進む集団の先頭に、泥人形数体を
従えて進む97式中戦車改の上で、耳の長い少女と若い男が話し込んでいた。
通訳兼案内役の長耳族【ロメリア】と、端村戦車長である。

「やはりこの森、眷属の手が入っていますの。」

「ん? 単なる蟲の通り道じゃねぇんか。」

「正真正銘、紛う事なき蟲専用の道ですわ。
ただ、同じ場所を何度も通るうちに自然と出来た獣道ではなく、眷属が魔法で木を退かし
藪を払って作った道ですの。」

巨大な蟲が通る獣道ならぬ【蟲の道】があるとはいえ、車数台が並んで走れる幅があるわけもなく、
まして鋪装などされているはずがない。
そんな状態で何故、捜索隊の車両が問題なく森を進軍出来ているのかというと、
ロメリア達が魔法で【蟲の道】の道幅を広げ、藪を払って幅広の舗装道路を建設しているからである。
ついでに言うと、喧しい戦車のディーゼルエンジンに【沈黙の魔法】を掛けて、
戦車の上や車内で会話が成り立つぐらいに騒音を押さえてもらっている。

「魔法ってなぁ大したもんだ、でっけぇ木や茂みが歩いて避けていったあげく、
山んなってる地面は泥人形作って削って、穴ぼこに人形突っ込んで土に戻して一丁上がり……
モッコとスコップで、えっちらおっちらやってんのが馬鹿馬鹿しくならぁ。」

サクサクと大きな通りを造ってゆく泥人形達、モッコどころではない、欧米製の重機顔負けの能力である。

「本来ならば、これほど幅広で平らな道を造るのは、黒長耳族(ダークエルフ)どころか、
長耳族である私の力量を持ってしても簡単なことではありませんの。
魔法で道を切り開いた際の残存マナが多く残っているからこそ、同じような魔法を掛けやすく、
少ない労力で道を広げることが出来るのですわ。」

「弄くりやすい森が、クワガタと一緒に長耳族が住んでるって証拠ってわけか。
こりゃ本当にアタリだな……。」

白兵戦の王者と魔法の達人、その両方を戴きだとご機嫌な端村に対し、ロメリアはそう上手く
いくかどうか、わからないと眉間に皺を寄せる。

「アルトリア様のオーラが感じられる以上、生きているのは間違いないのですが、
グウィネヴィア様のテレパスにすら答えないというのは、いくら何でも異常ですの。
蟲を使役しているのではなく、逆に使役されている可能性の方が高いでしょう。
アルトリア様が蟲に堕とされているのでしたら、以前に話したとおり……」

「アルトリアの姫さんを優先するってんだろ? 隊長にも耳タコで言われてるし、
飼い慣らせねぇ蟲に拘る気もさらさらねぇよ。
そのために装甲車に換わって持ち込んだ戦車だし、そのために無理言って作ってもらった散弾だ。
むしろそっちの方が燃えるじゃねぁか、最強のバケモンとの一騎打ちなんかゾクゾクすらぁ。」

和戦両方覚悟済み、矢でも鉄砲でも巨大クワガタだろうがドンと来いと豪語する端村。
どんな状況でも楽しんでしまうその神経、竜州の水がよほど合っているとみえる。

「クワガタが居たぞぉ〜〜!」

後方から随伴の歩兵隊から知らせが入るが、どうも様子がおかしい。

「そっちに逃げたぞ!」
「捕まえろぉ〜〜」
「茂みに逃げやがった、鎌持ってこい鎌。」

本来、恐竜並みの化け物を想定していたため、事前の計画では歩兵はあくまで牽制役に徹する
予定だったのだが、何故か積極的に捕獲に動いている。

832ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/11/21(日) 12:51:50 ID:DZt8ismc0
「おいおい……やっていることが打ち合わせと違うだろ。
ちゅーか、よく恐竜見てぇなバケモンと生身でやり合う気になれるもんだ、感心するぜ。」

感心すると言いながら心底呆れた表情の端村である。
一緒に報告を聞いたロメリアの眉間の皺も、数と深さが増したようだ。

「私の泥人形が行くまで、手出しは待ってくださいまし〜」

泥人形の肩に乗ってクワガタを捕らえに行くロメリアだったが、それは結果的に無駄足になってしまう。

「よしっ、捕まえたぞ!」
「こっちもだ、つがいで確保とは幸先が良いぜ。」

あまりにもあっけない幕切れに、身の丈4メートルほどの大型泥人形の肩で脱力のあまり
ずり落ちそうになるロメリア。

「なっ生身の人間があっさり生け捕りって、それのどこが『最凶最悪の蟲』なんですのっ!」

呆れ・怒り・安堵・失望etc……様々な感情が入り交じった複雑な表情をしている。
しかし戦車の前に連れてこられたクワガタを見て、端村分隊の面々は納得してしまう。

「……またこりゃ、随分とちっこいのが出てきたなぁおい。
いや、確かに桁違いにデカいんだけどな、クワガタとしちゃぁ……。」

「デカいって言っても、人間大じゃありませんか。
戦車長、アレを10mもある大蜘蛛とやり合わせるのはいくら何でも酷ですぜ。」

「ヒラタかなと思ったけど、多分ヒメクワガタ(コクワガタ極小個体)ですね、
温和しい種類だから、喧嘩は無理かなぁ……人の手であっさり捕まるぐらいだし。」

「戦車長、これ外れじゃないですか?」

兵士に抱えられ、わさわさともがく巨大(?)コクワガタをみて溜め息をつく面々。

「嬢ちゃん、雌の方はどうなんだ?」

「オーラが長耳族の物ではないんですの……。」

「「「「外れたか……。」」」」

ガックリと肩を落とす捜索隊の兵士達。
その直後、そんな気の抜けた部隊に冷水を浴びせる存在がが現れる。
突如上から降ってきた、巨体。
"ずぅん"という音を響かせて降り立つ、湾曲した大顎と頑丈そうな甲羅に覆われた、
赤褐色の怪物を前に全員が凍り付く。

「ごっゴーレムっっっ!」

魔法で道を切り開いていた黒長耳族の一人が、怪物を止めるべく大型泥人形で取り押さえにかかるが……。

"ザク・ザク・ザク ぽいっ"

ズタボロに切り刻まれたあげく簡単に投げ捨てられる。
捜索隊を『敵』と認識した怪物から、急激に膨れあがる魔力を感じたロメリアは、
あわてて魔法障壁を張り始める。

「攻撃魔法が来ますの、皆さん逃げてっ!」

そう言われたところで逃げようなどない、歩兵は戦車の陰に隠れるしかない。
そうやっている間に、怪物の大アゴの間に光球が作られていく。
4〜5mはあろうかという巨大な光球、魔法に疎い端村ですらその危険性は理解できた。

「やべぇ……クロ、シバ、ぶっ放せっ!」

あわてて砲手の黒部伍長、機銃手の柴門上等兵に発砲を命ずる。
端村車の発砲と、怪物が光球を放つのはほぼ同時だった、砲声が魔法の飛翔音をかき消すように響く。

"ドォン ガガガガガガガガガガガン"
"パンパンパン"
"ふぉん……ばしゃっ バチバチバチバチ……"

砲弾や機銃弾の殆どは怪物の魔法障壁に阻まれたが、200発以上の金属球を一度に叩き付けられた
怪物の障壁も無事に済むはずがなく、ガラスの割れるような音を響かせて破壊されてしまった。
47mm砲から放たれた散弾のいくつかは障壁を突破し、赤褐色の装甲にめり込こみ、6本ある
脚のうちの1本を叩き折ることに成功した。

833ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/11/21(日) 12:52:21 ID:DZt8ismc0
「GYUUUUU!」

折れた足を引きずり怪物が苦しそうな呻き声を上げるが、彼が放つ殺気が衰える気配は全くない。
一方、怪物が放った巨大光球は捜索隊に多大な損害を与えていた。
怪物は砲弾を撃ち込まれる寸前に、光球を斜め上に放り投げたのである。
上空で光球が弾け、身代わり札の乱舞する捜索隊の頭上に光の雨を降らせる。

「ぎゃぁ〜!」「ぐぁっ」「ひぃっ!」

兵士達や黒長耳族に降り注いだ光の雨は、その身体に高圧電流のような衝撃をたたき込んだ。
数瞬後には、苦しそうに呻きながら横たわる歩兵達が、無惨な姿を曝していた。
無事だったのは、ロメリアの障壁に護られたり、戦車の陰で難を逃れた数人の歩兵と
黒長耳族、そして戦車の装甲に護られた乗員だけである。
無線を聞いていた柴門上等兵が、撤退命令を伝える。

「戦車長、歩兵が全滅です、隊長から撤退命令が……。」

「クソッ、突っ込んでくるあの怪物止めねぇと、撤退もままならんぞ。」

ハッチから身を乗り出し、周りの状況を確認していた端村が悪態をつく。
ちょうど被害を受けずにすんだ兵士や黒長耳族の泥人形が、【光の雨】で負傷した兵士を
車両に乗せているところである。
怪物の正面に位置する端村車以外の戦車が、無闇にキャニスター弾をぶっ放せば、
彼らまで挽肉にしてしまう。

「クロ、徹甲用意! ヤス、撃ったら突っ込め! シバっ!隊長に通信、『アレは本車が食い止める』ってな。」

発砲と同時に170馬力のディーゼルエンジンがうなりを上げ、15.5トンの鉄塊が赤褐色の怪物に突進する。

"グォォォォン ガキィィィィン!"

端村車を大アゴで受け止める怪物……体長10mを優に超える【ノコギリクワガタ】。
ミシミシと音を立てて軋む戦車上で、端村が啖呵を切る。

「よう『大関』、横綱(カブト虫)不在で張り合いがなかっただろ?
大日本帝国陸軍二〇一師団、【紅蓮の鬼軍曹】端村様が相手だ、
昆虫相撲竜州場所、結びの一番と行こうぜぇ!」

『森の横綱』の異名を持つカブト虫に準え、目の前の相手を『大関』と名付けた端村は、
啖呵を切りながら、操縦手の田安兵長に足先で操縦の指示を出す。
『大関』の大アゴに挟まれながらも、持ち上げられないよう前進・後退・左右の旋回を繰り返し、重心を移動させる。

「ヤス、しくじるなよ、踏ん張られたら一気に投げられるぞ。 クロ、隊長らの準備はどうだ?」

「始まったばかりですぜ軍曹殿、頃合いになったら合図しまさぁ。」

「戦車長、隊長車から通信、『もう少し持ちこたえろ』。」

巨大ノコギリクワガタ『大関』とがっぷり四つに組みながら、矢鱈と長く感じる時間が過ぎてゆく。
エンジンや変速機から焦げ臭い臭いがし、撤退準備はまだかとじれ始めるたとき、
周囲に『大関』と似たような気配が現れ始める。

「戦車長、隊後方に二匹目を発見……いや、三匹目も出たそうです。」

「チィッ、これ以上出てこられたら完全に囲まれるぞ、怪我人の収容はまだかかるのかっ!?」

「今、お嬢(ロメリア)の泥人形が抱えたので最後、戦車長、逃げるなら今ですぜ。」

「シバ、隊長に砲撃要請、本車ごと散弾で撃てと……。」

「『横から出てきた新手の対処で手一杯、支援は無理』だそうです。」

「クソッタレ、『大関』のカンヌキは自分で振りほどけってか?!」

「戦車長、これ以上はクラッチが焼けちまう、早く撤退を!」

負荷のかかったエンジンと変速機が悲鳴を上げる中、端村は指示を出す。

「シバ、機銃! (機銃が)焼けるまでありったけぶち込んでやれ!
クロ、榴弾だ! 「戦車長、こう近くちゃ、狙いも間合いも……」 狙いなんか適当でいい、
どうせ榴弾だ、近くで弾けりゃ破片で攻撃できる、『大関』が放すまで撃ち続けろ!
ヤス、もう少し頼む!」

834ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/11/21(日) 12:52:59 ID:DZt8ismc0
殆どを魔法書壁で防いでいるとはいえ、後先考えない猛然たる砲撃・銃撃の衝撃を受け、
たまらず『大関』は挟んでいた戦車を放す。

「今だ、逃げるぞ!」

全速で後退し『大関』との距離を取ったとき、やっと助けの手が入る。
怪我人の収容を終えたロメリアが、魔法で道をふさぎ、大木を使ったバリケードを構築したのだ。
胸をなで下ろす捜索隊の兵士達だったが……
怒り狂った『大関』がバリケードの大木を次々とぶった切りながら追いかけてくる。
それでもなんとか逃げ切ることが出来たのは、不用意に『大関』に近付いた別なクワガタが
彼の怒りのとばっちりを食らったために、結果として捜索隊の身代わりになった為である。

結局のところ、今回の捜索は大失敗に終わってしまった。
奇跡的に死者は出ていないものの、【光の雨】による攻撃を受けた兵士はしばらく使い物にならない。
端村軍曹の九七式改もあちこち異音がする、本格的に分解整備しないと、何時バラバラになるかわからない。
そんな損害を出していながら、成果は巨大クワガタの実在とその戦闘能力を証明したに留まる。
長耳族の若長【アルトリア】の消息は掴めず仕舞いだし、クワガタを飼い慣らす可能性も
今の時点では全く不明なのだ。

這々の体で橋頭堡まで逃げ帰った捜索隊を迎えたのは、コメカミに怒りマークを浮かばせた
『仁王の石清水』こと石清水幸義(ユキヨシ)大尉である。

激しい怒りにコメカミが引きつりながら、顔には満面の笑み。
ハッキリ言って怖い、まだ開口一番怒鳴りつけられた方がなんぼかマシなぐらいに……。

「入り込んで帰ってきた者が居ないとすらいわれ、【禁断の森】とも【帰らずの原生林】
ともいわれる危険地帯から全員帰ってくるとは、実にすばらしい快挙です……
と、言うとでも思ったかド無能共っ!
標的外の小物に気を取られた隙に奇襲されたあげく、歩兵小隊と戦車一両を使い物に
ならなくされた上、命からがら逃げ帰ったと?
これ以上ないぐらいの危険地帯だと口酸っぱくして念を押したはずだが、聞いていなかったのか?
貴重な油を浪費して、なんのためにここまで出張ったんだ?
小学生の遠足じゃあるまいに、何をだらけた仕事をやってる!」

雷を落とす石清水大尉に、ロメリアが涙ながらに縋り付いて許しを請う。

「お待ち下さいユキヨシ様、どうか……どうか怒りをお静め下さい。
彼らは悪くありませんの、全てはこの私、ロメリアが蟲の穏業を見抜けなかったため、
私が未熟だったせいなのです、どうかお許しを……。」

そんな懇願をあっさりとはね付ける大尉。

「残念ですがそうは行きません、不案内な土地での索敵を外部委託してそれっきりなど、
軍隊として言語道断です、ロメリアさんに今回の責を負わせる訳にはいきませんし、
ましてそれによってこの者達を許すなどとてもとても。」

幾分口調が柔らかくなったものの、大尉の怒りはまだまだ収まる気配がない。
ついには泣き出す黒長耳族も出始める。

「うわぁーん、ごめんなさぁい……グスッ……ボクが、ボクがゴーレムをけしかけたら、
あの蟲を怒らせちゃったんだ、ボクが悪かったんです。」

無責任なゴロツキ揃いの竜州軍に対し、帝国に窮地を救ってもらい、多大な恩を感じている
竜の眷属は、過大なまでに強い責任感を有していた。
後に「この莫迦共に彼女らの爪の垢を煎じて飲ませたい」と、ぼやいた士官は石清水大尉だけではない。

青い顔でげんなりとした兵士と、わんわんと泣いている黒長耳族の娘さん達。
気が滅入るこの状況に耐えかねた端村軍曹が発言の許可を求める。

「何だ端村、辞世の句でも浮かんだか?」

「自分らがヘマやったのは事実ですし、その責はどの様にでも。
ですが、仮にヘマをしでかさなくても、今回の結末は変わらなかったかと自分は考えます。」

「ほう……思うところがあるならば、話してもらおう。」

「クワガタが相手らしいってんで、大アゴに挟まれたり刻まれたりってぇ覚悟はしていました。
が、魔法での攻撃はせいぜい数発の【魔法の矢】を撃ち込まれる程度しか考えていませんでした。」

835ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/11/21(日) 12:53:32 ID:DZt8ismc0
「元が実在すら疑われていた代物だからな、どうしても事前の情報が限られてくるのは仕方がない。」

「で、普通のクワガタの習性と今まで戦った蟲共の情報から、この森に住むでっかいクワガタ
の習性と戦力を予測したわけですけれどね。」

「やはり【魔法の矢】か……一個小隊を薙ぎ倒したのだから、随分と撃たれたのだろうな、
【身代わり札】をありったけ、持ってきたものを全部配るべきだったか。」

「いえいえ大尉殿、予定の三倍持ってきましたが役に立ちませんでしたわ。」

パタパタと手を振りながら、しれっとトンでもないことを言う端村。

「貴様勝手なことをっ! いや、それ以前にそんな数どこから持ってきた?!」

「伝手があったんで、海軍さんのをちょいとばかし。
まぁ、そうやって対策しておいたつもりだったんですが、自分らがやられた【光の雨】は
追っかけてこない魔法のようで、せっかくの身代わり札が無駄になっちまったってわけです。」

物資の横流しを堂々と告白する部下に、石清水大尉は内心頭を抱えるが、今はそんなことで
悩むときではないと、そこは取りあえず後回しにする。

「その【光の雨】はどんな魔法だったんだ?」

「馬鹿でかい……4〜5mぐらいの光の珠っころを、敵の頭上に放り投げたところで、
その珠が破裂、その破片が雨のように敵の頭上に降り注いで、一個小隊全滅。
まぁ、魔法の雨降らせるんなら、喰らう方は屋根付きの何かに隠れる以外避けようがないから、
確かに追尾機能はいりませんわな。」

「ふぅ……」と溜め息をつく石清水大尉、今まで溢れ出ていた怒気もみるみる萎んでゆく。

「歩兵剥き出しでは損害続出ですねぇ……。
捜索中の他の部隊も呼び戻すよう具申しましょう、やり方を変える必要があります。」

…………。
数時間後、兵を徒に消耗させるわけにも行かないので、クワガタを森の中に探しに行くのではなく、
走光性のあるクワガタを照明で誘き寄せる方法がとられることになったのである。

−−−更に数時間後、アルトリアの原生林近くの橋頭堡−−−

煌々と灯る照明、その下で若い兵士達が戦車に護られながら、大鍋で何かを煮ていた。
水に溶いた水飴・黒砂糖・酒・酢などを火にかけた大鍋にぶち込みかき混ぜる。
寒天を溶かし込んだら冷まして固めて出来上がり……。
クワガタを光と餌の臭いで誘き寄せようという魂胆である。
若い兵士が鍋をかき混ぜていると、妙な視線を感じた。
後ろを振り返るが誰もいない。

「??? 視線を感じたけど何だったのかな?」

首を傾げつつ、また鍋をかき混ぜる作業に戻る。
今度はすぐ側に人の気配、いつの間にか隣に甲冑を着込んだ耳の長い少女が、
指をくわえて鍋を見つめていた。

「うわぁ、いつの間に……って、この人長耳族だよね。」

整った顔立ちに金髪碧眼、白磁のようにきめ細かく白い肌に長い耳。
特徴から間違いなく長耳族なのだが、甲冑を着込んでいるのが珍しい……というより変である。
基本的に魔法に長ける分、身体能力に劣る黒長耳族や長耳族は、動きを妨げない軽装を好む。
近代軍隊においても、銃弾を防げず無題な重石と化した甲冑は廃れて久しい。
そんな代物を何故この娘は着ているのか、いや、それ以前に今回参加している竜神様の眷属に
こんな娘居ただろうかと訝しがっていると。

"ぐぅ〜〜〜、きゅぅぅぅぅ〜〜"

彼女のお腹から大きな音が発せられる。

「……お腹空いているんだね(汗)」
「おいおい、こっちまで聞こえたぞ。」
「どんだけデカい腹の虫飼ってるんだよ。」

周囲で作業していたり、警戒に当たっていた兵士達も笑顔を見せる。

836ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/11/21(日) 12:54:04 ID:DZt8ismc0
「ほら、これでも食べて。」

背嚢からおにぎりを取り出すが、少女は不思議そうに首を傾げるだけだった。

「??」"きゅ〜〜 くぅ〜"

そうしている間にも、彼女の「腹の虫」は鳴き続けている、視線は蟲の餌を作っている大鍋。

「♪♪♪」"きゅーきゅー、くぅ"

何事かをブツブツと呟いたかと思えば、"シュッ"という音と共に、鍋の寒天(餌)が固まる。
どうやら冷却の魔法で、熱々の寒天を冷ましてすぐに虫が食べられるようにしたらしい。
そして勝手に鍋の中身を食べ始める少女を、若い兵士が止める。

「ちょっと、それは蟲の餌だってば、人間の食べるものじゃないんだから。」

「××××」"きぅきぅきぅ くぎゅぅ〜"

"ぷぅ"と頬を膨らませる長耳族の少女、食事の邪魔をされたのが気に障ったらしい。

「それにしても見かけない娘だな、名前なんて言ったっけ?」
「あれ? 黒長耳族はともかく長耳族は確か……。」

首を傾げる危機感の足りない兵士たちに、くわえ煙草の端村軍曹が呆れ顔で指摘する。

「侵入者に決まってるだろ、歩哨は何やってんだか……。
お前ら、まぁた石清水のオッサンにどやされっぞ。」

「ぐ、軍曹殿、しかしどう見ても彼女は竜神様の眷属で……。」

「魔法か何かで変装しているかも知れねぇし、第一、今回付いてきた長耳族はロメリアの嬢ちゃん一人だけだ。
黒長耳族は他に何人も来ているが、肌の色は間違いようがないし、その中に甲冑着込んで
動けるような強者は居ねぇよ。
隊長やオッサン(大尉)にバレる前に、連れていくところに連れて……」

そこまで言ったとき、"ブウゥゥゥゥン"という羽音が聞こえてくる。
ちょうどカブト虫や大型のクワガタが発するような大きく低い音。

「ちぃっ! おいでなすったか。」
「ほら姉ちゃん、こっちに来るんだ。」

蟲の餌を貪る甲冑の少女を連行しようとするが、全く動こうとしない。
強引に引っ張っていこうとするものの、まるで根が生えたようにビクともしないのだ。
そうこうしているうちにも、羽音はどんどん近付いてくる。
騒ぎを聞きつけて、長耳族のロメリアが駆けつけた。

「気を付けて下さいまし、その者は帝国兵の監視と黒長耳族の魔法探知をかいくぐる程の使い手、
ただ者ではありま……あ、アルトリア様ぁ?!」

驚きの声を上げるロメリア、思わぬ形で探し求めていた長耳族の若長が、向こうからやって来た
というのは、僥倖以外の何ものでもない。
アルトリアの原生林内での探索が失敗・断念に追い込まれただけになおさらである。

「アルトリア様、グウィネヴィア様から……
いいえ、我らが主【緑竜】様からの言伝があります、取りあえずこちらへ……。」

このままでは、飛来したクワガタとの戦闘に巻き込まれてしまうので、ロメリアが
アルトリアを安全なところまで案内しようとするが、全く動こうとしない。
ついに大きな羽音を響かせながら、クワガタが上空にやって来る。
10mを優に超える巨体と、折れた中脚に傷ついた腹側の甲羅……。

「大関っ! ここまで追っかけて来やがったか。」

「戦車長、それにしては時間が経ちすぎてますぜ、それよりもアレ。」

指し示されたのは、飛んできた『大関』を眺めるアルトリア。
逃げようとしたり怖がったりといった様子は微塵も見られない。

"くぅ〜〜 きゅぅ〜〜〜"

腹の虫のような鳴き声が、相も変わらず聞こえてくる。
そこから導かれる結論……。

「あの姉ちゃんが呼んだのか!?」

「アルトリア様、本当に蟲を使役して……。」

837ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/11/21(日) 12:54:59 ID:DZt8ismc0
"ずしん"と地面を響かせて『大関』が降り立ち、アルトリアはその巨体を愛おしそうに見つめる。
まるで守護するようにアルトリアに覆い被さり、大アゴを開いて威嚇する『大関』。

「まて、撃つな、撃つんじゃない!」
「作戦中止! 後は長耳族に任せるんだ!」

巨大クワガタを操る長耳族の存在が確認された以上、無闇に攻撃するわけにはいかない。
そして帝国軍から後を託されたロメリアが必死に呼びかける。
主撫子(緑竜)と帝国が同盟を組んだこと、帝国では竜もその眷属も人の『家畜』ではなく、
対等な立場で暮らしてゆけていること、そして蟲の群れを駆逐する帝国の戦力……。
もうアルトリア一人が犠牲になって森を護らなくても良いのだ、グウィネヴィアの森に
戻ってきても良いのだと伝えるが、どうにも色よい返事を貰えた様子がない。
ただ、やや寂しそうな笑顔を返すのみである。
二人のやり取りが理解できる黒長耳族の中には、そのうち涙ぐむ者が出てきた。

「アルトリア様……お労しい……。」
「うう……そんなの気にしなくていいから、だから戻ってきてよ、アルトリア様。」

目頭を押さえる黒長耳族の娘さん達だが、側で聞いている帝国人は何がどうなっているのか全くわからない。
涙と鼻水で顔がグシャグシャになった黒長耳族に問いただして、何とか話の流れを把握する。
どうやら、眷属にも人にも忌み嫌われる蟲に身をやつしたことを気にして、主や仲間と
共に暮らすのに気が引けているらしい。
ロメリアはそのようなこと気にしないと言っているが、人や竜の眷属が持つ蟲に対する
嫌悪感は相当強いのだろう、アルトリアは頑なに拒んでいる。

「軍曹殿、何とかならないものでしょうか?」

「可愛い娘さんの泣き顔は、見るに偲びねぇしな……。
てぇか、蟲ったってクワガタじゃねぇか、蜘蛛やムカデじゃあるまいに、オレたちゃ全然平気なんだがなぁ。」

そこまで言ったところで、端村にあるアイディアが浮かぶ。

「おい、大尉殿のところに行って、昼に捕まえたアレ連れてこい。
それとスイカと包丁もだ、こっちはダメなら銀蠅してこい。」

程なくして大きな木箱と、リヤカーに満載されたスイカやバナナを初めとした果物が届けられた。
満面の笑みを浮かべた、『鬼の石清水』改め『竜州軍宴会奉行』こと石清水大尉も一緒である。
部下に命じ木箱を開けさせ、スイカを切り分ける。

「ロメリアさん、アルトリア姫に伝えて欲しいことが二つばかりあります、お願いできますか?」

…………。

石清水大尉からの言伝を聞き、アルトリアは満面の笑みを浮かべながら駆け寄ってくる。
巨大ノコギリクワガタ『大関』も温和しくアルトリアの後を付いてきた。

「大尉殿、一体何を伝えたのですか?」

「なに、端村軍曹の考えをそのままですよ、帝国人は【大牙甲虫(クワガタ)】を忌み嫌ったりはしない、
むしろ好んで飼育するぐらいだとね。
その証拠に、昼間捕まえたコクワガタを連れてきました。
あとは、『帝国に来たら美味しい物を御馳走しますよ』と伝えたらあの通りです。」

−−−数日後、撫子城下の居酒屋『竜宮亭』における後日談−−−

竜宮亭で冷や酒をチビチビと飲んでいる帝国兵達、そこに暖簾を潜って入ってきた
丸眼鏡の士官が話しかける。

「残念ながら、あの甲冑の長耳族はアルトリア姫本人ではありませんでした。
『大関』も使役している訳ではないようです。」

「なんだ、ロメリアの嬢ちゃんが太鼓判押したのに外れでありますか、大尉殿。」

「ええ、ただ当たらずとも遠からずと言ったところでして。
彼女の正体は【アルトリアの記憶と力の一部を受け継いだ分身体】だそうです。
城の中では【孫姫】と呼んでいますね。」

「『大関』はどうなんです? 温和しく孫姫さんの言うこと聞いていたようでしたが。」

「いわゆる主従関係では無いということです。
まぁ我々に置き換えたら【おしどり夫婦】と言ったところでしょう。」

838ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/11/21(日) 12:56:09 ID:DZt8ismc0
「道理で、森から出るのを渋ったわけですな……。
ってえことは、蟲の巣へのカチコミでクワガタに近接戦闘を任せるって計画はどうなるんです?」

「そこは、石原中将を初めとした上の方々の決断次第でしょう。
少なくとも、夫の方は妻を護るために一暴れも二暴れもしてくれるでしょうし、
妻の方も魔法で大いに役立ってくれるはずです。」

「……で、その際味方の歩兵や車両を、巻き込んでくれる可能性が大有りってところですか?」

「そういうことです。
故に上の方でも決断をしかねている。
やはり皆さん方戦車隊の散弾で、蟲や人形を片付けておくのが一番確実でしょう。」

「大尉殿、もう少し何とかならんもんでしょうか?」

「我々の手では何とも……まぁ、なんとか出来るとするならば、それは竜神様次第でしょう。
いよいよとなれば、竜神様自ら乗り込んで説得するなり、強権発動するなりとね。
いずれにせよこの件は我々の手を離れました。」

ところでその竜神様だが、殆ど思考が昆虫然とした『孫姫』との意思疎通に駆り出され、
テレパス併用にも係わらず「蟲語→西方世界言語→日本語」の通訳で、相当な苦労があったそうである。
途中で「もう嫌なのじゃ、帰って寝るのじゃっ!」と、むずがった竜神様を宥め賺し、
終いに「蟲語→西方世界語(直訳)」と竜神様が訳したのをメイヴに再度意訳させてから日本語に直す
という二度手間三度手間かけてやっと、前述の『孫姫』の正体と『大関』との関係が明らかになったという有様。
キレそうになったメイヴと既にキレていた竜神様を、何とか宥め賺していた某少佐殿と某大尉殿が、
数日間、竜神様とそのお付きと共に姿を消していたのは、「無理をさせた代償に、
あっちの方で絞られたのだろう」ともっぱらの噂であった。

−−−−−−
後年、アルトリア(孫姫)を涙ながらに説得するロメリアの談が、芝居や小説にされ好評を博したのだが、
実際のところはロメリアの涙よりも、スイカとバナナに釣られただけという真相は……
少なくとも女性の前では、言及しないでおくのが礼儀とされている。

839ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/11/21(日) 13:02:32 ID:DZt8ismc0
投下終了。

『大関』が本土ノコな理由ですが、
1,白兵戦用生物兵器なので、そこそこ大型で気性の荒い種類
2,ある程度環境の変化に強い種類
3,雌を護る程度の分別を持っている種類
って事になってます。

外国種の大半と暑さに弱いミヤマ、分別無しのヒラタ、
温和しいオオクワ除外したらこうなったのです。
素手で捕まえたコクワは、基本研究用って事で。

840名無し三等陸士@F世界:2010/11/21(日) 13:40:37 ID:oXmDehTQO
投下乙。お見事です。
本編とつかづ離れずの絶妙なところに投げ込む力量に敬服します。
生物兵器ならウチの領分だと、満州からマッドが来るSSを練ってたんですけど
萌えのモの字も出せなくて断念しました。
蟲を利用するならこういうあり方がいいですな。

841名無し三等陸士@F世界:2010/11/21(日) 14:21:54 ID:MuOvP6w20
投下乙。

熾烈な戦いが続くはずが、なんだか腹ペコ姫とぞっこん(?)の大関で和む話に(^^;;

キャニスター弾も、甲殻類には効きにくいようで(><)
甲殻類相手には徹甲弾と硬軟取り混ぜての攻防が、カギになりそうですね。

842名無し三等陸士@F世界:2010/11/21(日) 14:50:40 ID:NxykowyQ0
GJ!
化け物みたいな馬力持ってるんでしょうね大関
外骨格の昆虫がこの動き魔法併用とはいえどんな筋肉してるんだろう?

843名無し三等陸士@F世界:2010/11/21(日) 18:50:43 ID:8kmm0IJY0
投下乙。
孫姫はもしかして複数いてクワガタ軍団が出来たら面白そう。

結局戦車が主力になると散弾製作が増えて失業の恐れは無くなりますね。

将来のムシキングのゲームが子供向けから18禁になっていそう(勝った方が負けた方の嫁さんゲット)。

844名無し三等陸士@F世界:2010/11/21(日) 21:01:38 ID:GdeXPKqw0
>>842
まともに考えると非現実的な筋量になりそう。
体躯の駆動は魔力頼りで筋繊維ゼロが順当だと思われ。

外骨格を構成するキチン質みたいなものと神経系、あと生殖系の維持に
タンパク質とカロリーが必要で、代謝はそんなに高くはないって
とこじゃないかな。

845名無し三等陸士@F世界:2010/11/22(月) 02:50:33 ID:M0YXC0KU0
これがムカデだったら危うかったかもw
乙です

846名無し三等陸士@F世界:2010/11/22(月) 17:48:25 ID:IAqPsUTM0
>>844
巨大昆虫が現在の地球にはいないのと同じ理由になっちゃいますからね
それ突き詰めるて考えていくと。
魔法生物だからマナの影響で体躯をどうにか制御しているでいいと私も
思います。

847リュータ ◆viMvJifIpw:2010/11/25(木) 12:55:32 ID:UmX5IfQg0
投下乙です。

こういう発想は私にはないから、羨ましいですね。

私の場合は、

獣耳族のおばあちゃん
「若い頃は、こうやって帝国の兵隊さん達と一緒に殺人人形を倒してたよ」
ttp://www.youtube.com/watch?v=dooGrI0FHkU&translated=1

だからなぁ……

848F世界逝き:F世界逝き
F世界逝き

849名無し三等陸士@F世界:2010/11/26(金) 15:09:34 ID:uL7CqFs20
 その後の「大関」に関する妄想……

帝国兵①:「……へぇ〜、あれが『孫姫様』の旦那の『大関』ねぇ。凄え迫力だなぁ。むしろおっかねえくらいだ」

帝国兵②:「いや見かけこそあれだけど、結構親切なんだよアイツ。この前エンコした戦車を引っ張ってくれたし」

帝国兵③:「道路造ってる時に、ドでかい岩を除けてくれた事もあったよなぁ。そういえば」

帝国兵②:「なんていうか、俺らが苦労してるといつの間にか来て手伝ってるんだよな」

帝国兵①:「……そんな風な『人間に親切な妖怪』とかいなかったか? ブラウンだかブロッコリーだかっていう……」


そしてそんな話をする帝国兵をよそに、赤と黒の甲殻を日にテカらせながら、樹の根っこを自慢の大あごで引っこ抜く
「大関」であったとさ。オシマイ。

850竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/11/28(日) 01:17:18 ID:ybLtRT0s0
レス返し。

>大淀ネタ
 大隅さんからレス返しのメールをもらったので転載&小ネタ追加。
 

>大淀1艦だけでは、いくら活動しても帝国が望む数の長耳族を本土に運ぶには
足りないだろうというのがネックでしょうか
>けっこうストレートに本土に黒長耳族を連れて行っているイメージに、意外性
があったかも。
>大淀が活躍するのはF世界各地と撫子市間の輸送だと思う。

 修正し忘れていたので訂正を。F世界各地から撫子市への移送を本業としていま
す>大淀
 一度の買い付けで購入可能な人数は100〜200人程度が標準なので、あの収
容力で問題ないのです。
 ただ、時々大量の黒耳長族買い付けが発生して大淀艦内がエライ事に……。


>連装20センチ砲塔のターレットは三連装15.5センチ砲塔よりわずかとはいえ小
さいから

 作中設定上、最上型の主砲換装時に陸揚げしていたリングサポートを転用してい
ます。
 とにかくある物全てを注ぎ込んで期間短縮予算圧縮を掛けた結果なのです。
 ……艦内構造、事に居住区へ若干の皺寄せが発生してますけど。


>機動部隊の旗艦

 機動部隊を指揮する場合、空母に旗艦を置かないと航空戦の状況把握が困難にな
ります(パイロットの情報等がすぐに反映できないため)。
 ですので機動部隊旗艦に転用するのはむしろ不具合が目立つ事になります。


>比較的大型の高速艦を単艦で強行輸送するなんてミッションのためにわざわざ
改装しなくても、駆逐艦を1個駆逐隊投入すれば十分こなせるのだしもったいない

 強行輸送を目的として改装されたのではなく、あくまでも護衛艦を必要としない
輸送任務を兼用可能な巡洋艦です。
 そして輸送船と共に一個駆逐隊を展開させる為には実数それ以上の駆逐隊を待機
させねばならず、使用可能な駆逐艦を増やす為の方策が大淀です。



>軍縮が進むなら香取級をまわす手も

 当初はその案を考えていたのですが、増大する護衛艦艇への兵員供給に伴う訓練
用艦艇としてフル稼働中です。


>超甲巡全般

 装甲”巡洋艦”としたのは戦艦のように出し惜しみする事無く前線へ投入する為
でもあります。
 史実における金剛型が活躍したのは「高速だから」ではなく「戦艦戦力としては
重要ではないから」ですし。
 そして建造期間短縮&予算圧縮の為に装備した14インチ砲がアメリカに多大な
混乱を齎す事に……。


>専用船を仕立てるというのは多分に政治的な物が絡んでると思われます

 実際には改装決定に関しては政治的意味はなく、「日本は黒耳長族の移送にあた
り、その安全を最大限に配慮する」という宣言が大淀完成時になされる事に。


 そして大淀の使用実績が良好だった為、夕張もまた改装される事に……。

 輸送巡洋艦「夕張」
 大淀が成功作と見做され、旧式化が進んだ上艦そのものの発展性が皆無に等し
いとされた夕張は大淀同様に黒耳長族輸送用居住区へ改造された。
 変更点は魚雷発射管および中央部機銃台の撤去、その跡地へ二階建ての居住区
(最大収容人数100名)を設置した事である。
 居住区の上には大淀と同じく25ミリ三連装機銃が合計4基設置され、1、4
番主砲は14センチ単装砲から12センチ単装高角砲へと換装された。
 また、搭載艇も大淀と同じく海軍仕様の大発に変更されている。
 この改装に伴う上部構造の大型化による安定性悪化が懸念され、復元性確保の
為にバルジが追加されている。
 さらに本艦の航続距離の短さを補うためにバルジ内部が重油タンクとされ、最
大速度の低下(30ノット)と引き換えに航続距離が増大している(14ノット
で6000海里)。
 本艦は大淀と行動を共にする事も多く、小型ながらも有力な砲熕兵装を持つ輸
送巡洋艦としてF世界で重宝された。

851竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/11/28(日) 01:50:56 ID:ybLtRT0s0
>大淀の別名がww
 ちなみに私の心にクリティカルしたのは『ラブホテル大淀』でした。

>ネタゲットとばかりににそういうシチュを狙って書くぞこの中の人わw
 何 故 分 か っ た (笑)
>遅く来た大航海時代なんだな
 この台詞も琴線に引っかかったので、大淀ネタで何か一本作る予定。
 その前に本編進めないと……

>機動娼館大淀w
 実は私はネタには使うけどそんなにエロゲーはしていないのです。
 某別名義の戦国もの作品で、慰安婦の予定が政治委員化した時点で察して欲しいと。

>本土に黒長耳族を連れて行っているイメージ
 まだ運ばれてくる人が少ないからなんとかなっているのでしょう。
 次は学校施設を竜州に建てるとするか……(シムシティ脳)

>嘉吉1年10月9日・ユリウス暦1441年11月22日
 ちょっと面白そうですね。
 鉄砲による大火力時代の前だと魔法火力が絶大すぎるから、異世界出身者で国を取る者が出てきたり。

>竜州の暗黒工房の特産品として渡し船や漁船用に販売したら儲けられるかな。
 はい。ネタ採用。
 丸耳族の仕事が増えるよ。やったね撫子ちゃん。

>つまり大隈氏からネタを貰って中の人が書いたんだろう
 あ、ごめんなさい。
 この話は大隅氏が書きました。メールで頂いて面白かったので転載という形を取っています。

>ハルサブロー氏
 投下乙です。
 腹ペコ姫に萌えさせて頂きました。
 今回の作戦の報告は上にあがってその結果……ははやく続きを書かないと出せない……orz

>生物兵器ならウチの領分だと、満州からマッドが来るSSを練ってたんですけど
>萌えのモの字も出せなくて断念しました。
 そんなものでもかもんかもん。
 萌えスレはみんなの投稿を待っているZE。

>「若い頃は、こうやって帝国の兵隊さん達と一緒に殺人人形を倒してたよ」
 この婆ちゃんすげぇ……

 では。

852名無し三等陸士@F世界:2010/11/28(日) 02:50:44 ID:mcg6esMA0
>竜神の中の人 様
ビッチ姫の電子書籍化でお忙しいところをご苦労様です
電子書籍化に当たっては、あの「幸いかな」は直していただけるものと期待しておりますw

>>竜州の暗黒工房の特産品として渡し船や漁船用に販売したら儲けられるかな。
> はい。ネタ採用。
> 丸耳族の仕事が増えるよ。やったね撫子ちゃん。
……え゛
例えポンポン船でも、動力機関のサンプルをF世界に渡しちゃうのって問題ありません?
私が担当者だったら、ネジひとつでも渡したくないなあ……

>>遅く来た大航海時代なんだな
> この台詞も琴線に引っかかったので、大淀ネタで何か一本作る予定。
> その前に本編進めないと……
この比喩自体は今まで何度も出てきましたけどねw
そんで「大航海時代なら(帆船だから)石油いらないんだね?」とか英国にイヤミ言われたりw

>>機動娼館大淀w
> 実は私はネタには使うけどそんなにエロゲーはしていないのです。
> 某別名義の戦国もの作品で、慰安婦の予定が政治委員化した時点で察して欲しいと。
私もタイトルしか知りませんけど、なんとなくロマンの香りはしますw

853名無し三等陸士@F世界:2010/11/28(日) 08:56:44 ID:cD6seqGk0
中の人コメント返し乙。

>輸送巡洋艦「夕張」
そのうちに、天竜や龍田も改造されて一個駆逐隊の方が安上がりと本末転倒な事を日本ならやらかしそう。
三隻共に対魔法障壁として赤く塗装。赤線通りと交易ルートが呼ばれたりして。

>超甲巡
アメリカも対竜に対独、対日と全部違う装備が必要とは同情します。

>学校施設を竜州に建てるとするか
24ならぬ240の瞳の世界か、はたまた瀬戸内ではなく竜州野球娘の世界になってゴロツキ兵も手を出せずに萌えならぬ悶々世界が出来そう。

8544:2010/11/28(日) 11:54:02 ID:cY3KTIK20
ttp://draft-bbs.com/index.html

855名無し三等陸士@F世界:2010/11/29(月) 19:26:33 ID:XfLhW2Ow0
>慰安婦の予定が政治委員化
やっぱりあれ政治委員だったのかw
じゃああの世界でも神祇院が出来ちゃったりするんだろうなあ

856名無し三等陸士@F世界:2010/11/29(月) 19:38:30 ID:en2T.Rb60
>853
沢村栄治伍長がコーチに来て、竜州アストロ野球娘になりそうな気が……

857名無し三等陸士@F世界:2010/11/29(月) 20:54:37 ID:KMYrejXE0
>>856
景浦將曹長のことも忘れないであげてください。

858名無し三等陸士@F世界:2010/11/29(月) 22:11:26 ID:.H1YtO/.0
そういえば、ファンタジー世界側では宗教関係の組織はどうなっているんだろう?
正義の味方勇者のパーティーのような考えの、辺境の野蛮人である帝国人に偉大な我々の神の教えに従えようとか考えて、
トラブルメーカーにしかならない宣教師がそろそろ乗り込んできてもおかしくないのだが。

859名無し三等陸士@F世界:2010/11/29(月) 23:50:05 ID:mcg6esMA0
>>858
前スレの800番過ぎあたりに、そのへんいろいろ考察してる議論があるから見るといいよ
ぶっちゃけ結論は出てないけど

860リュータ ◆viMvJifIpw:2010/11/30(火) 21:19:08 ID:.oJVyfXE0
>中の人様
レス返し、乙です。

>輸送巡洋艦「大淀」「夕張」
殺人人形が出てきて、「第二次ポエニ戦争の最中に、ゲルマン民族大移動が起きちゃったよ」的な状態になりそうな西方世界。
台風の中でも突っ切れる輸送巡洋艦は、意外と重宝しそうかも。
でも、「せっかくなら乗り心地の良い元ドイツ客船シャルンホルスト号(史実だと空母・神鷹)の方が良かった」みたいなこと言われたりして。

>実は私はネタには使うけどそんなにエロゲーはしていないのです。
「異世界に行って運命の男性との出会いをした私、撫子。そして、クセはあるけど、一角(ひとかど)の男性達との出会い。彼らの力も借りて、不毛の大地となった故郷をよみがえらせるための戦い、はじめました」
という、光栄の「アンジ○リーク」っぽいノリで、エロゲーはエロゲーでも「18禁乙女ゲー」という路線もありますよ〜(w

>次は学校施設を竜州に建てるとするか……(シムシティ脳)
今は青空教室とかでも、撫子市が西方世界一の都市になる頃には、黒長耳族版の
・「リリアン女学院」(マリア様○みてる)
・「聖應女学院」(処女はお姉さま○恋してる)
的な伝統ある名門学校になってるかも。

「ナデシコ様がみてる」で、「ナデ見て」。「真田様がみてる」は……あるかなぁ?(w

861竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2010/12/02(木) 05:31:06 ID:ybLtRT0s0
ちょっと戯言に近いレス返し

>ファンタジー世界側の宗教関係の組織について
 考えがまとまりきってないので、公開してみんなの意見を扇いでみます。

基本的な信仰

 (自然の代弁者としての)竜信仰 <> (人類の守護者としての)勇者信仰

 この二つがあって、人類社会は基本として勇者信仰が前提となっています。
 逆に辺境部や人類外種族は竜信仰が前提になります。
 宗教になりうる信仰上の奇跡は、竜信仰は自然に対する魔法行使、勇者信仰はその竜を倒す事による対竜攻撃魔法が奇跡となります。
 宗教上必要な聖人や殉教者については、勇者信仰の場合勇者そのものが当てられ、竜信仰の場合は竜という絶対者がいるのでその眷族が預言者の代わりをする事になります。

聖魔分離について
 宗教(教会)と魔法(魔術ギルド)は分離しているか?
 分離していません。
 勇者は数がいる事もあって、地域地域での勇者信仰(A国の勇者B C国の勇者D)みたいな感じに土着化している所もあります。
 人類世界的に広がっている宗教は、一番最初に竜を落としたと言われる『始祖の勇者達』で、多くの人間はこの勇者達の誰かを信仰しています。 

神聖魔法の扱いについて
 魔法そのものが行使しやすい状況にあるこの世界において、神聖魔法というのは『始祖の勇者達』が竜を落とした魔法の系統化で、マナを行使する段階で思考や感情に左右されるから一つの神(勇者)を信仰(妄信)した方が威力は強くなります。

魔術師学園について
 魔法による『学園都市』(多分この言い方が、今一番みんなに分かりやすいと思う)
 勇者でも魔術師でも無い『賢者』の存在あり。
 賢者とは【禁則事項】のアクセス権を持つ【禁則事項】の存在。

勇者の謀反について
 勇者が己の欲望によって一国を作り上げたとしても、魔術師学園はそれに関与しません。
 魔術師学園(古代魔術文明)の存在意義は『竜の制御による人類社会の復興』のみです。
 魔術師学園に対する勇者の反乱は、竜を使って起きた事はあれども全て鎮圧されています。


 アニメしか見ていない『とある〜』を見て、「学園都市って権力者階級って能力者でなく研究者だよな」と漠然と思いながら作成。

>この比喩自体は今まで何度も出てきましたけどねw
 ですね。ただ、この比喩に大淀の話が絡み付いてネタが(笑)
 ちなみにこのネタ、

 大航海時代+大淀+紅魔城伝説Ⅱ(ニコニコで見ていた)=バイオハザード

 と謎進化を(まて)。
 だからこそ、私はいつでも皆様の投稿をお待ちしているのです。
 では。

862名無し三等陸士@F世界:2010/12/02(木) 07:52:13 ID:z0C0TvcM0
古代のヒエラルキー

神:竜
神官:竜崇拝における特別な役割と地位を獲得した人々
王:神官の言いなり
奴隷:それ以外の人々

権力その他 神官(神の威を借るただびと)>>>>|越えられない人権の壁|>>>>奴隷(家畜並)

神官「うはww信仰を利用してやりたい放題wwうめぇwwwおらおら、この龍神様のご紋が目に入らぬかww」
勇者「俺、竜殺せるよ?」
奴隷「叛乱起こすぞゴラァ」
王「(神官マジうぜぇ……)龍はもう古い。これからは勇者、つまり人間の時代(キリッ」
神官「ちょwwwww」


みたいなやり取りが昔あったのかなぁ、と少しだけ妄想した。

863名無し三等陸士@F世界:2010/12/02(木) 10:52:27 ID:6hivGB9s0
勇者って生きてる戦艦(WW2以前)みたいなものかな、単体で最強だけど国家には逆らえない
現在は核戦争のようなマナ汚染がおこって世界がぐちゃぐちゃになったので、単体でもかなり好き勝手やれてるけど
本来は『とある〜』の超能力者程度の地位なのかも

864名無し三等陸士@F世界:2010/12/02(木) 11:18:42 ID:mcg6esMA0
問題は、竜をも倒せるという勇者が集団で反旗を翻した時に、魔術師学園がどうやって
それを鎮圧するのかというその点かなあ。やはり【禁則事項】の多い賢者が関わってるんだろうか
あるいは、賢者は「竜には絶対勝てないが、勇者には絶対的に強い」存在なのかもしれない

竜<勇者<賢者<竜 のジャンケンが成立すると考えれば矛盾はしないなあ
(例えば、賢者による勇者化の儀式の際に、自爆コードに類するものを組み込んでいるとか)

865名無し三等陸士@F世界:2010/12/02(木) 16:38:10 ID:Uj3UDO1g0
安全装置タイプか?
燃料や整備の供給体系という可能性もある
単に魔竜玉を持つだけでは維持できなくて学院から人員を派遣されないと行使できない儀式魔法が必要とか
アニスは独自開発を目指した為に対竜能力は無いがその手の整備も必要ないとか
帝国と学院の最終的な対立も帝国が魔竜玉を各国に供給・販売するとその手の対人専用勇者を生まれる為とか

866ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/12/02(木) 20:16:16 ID:DZt8ismc0
>竜と勇者と賢者

竜が全力発揮したらシャレにならないのを、勇者や賢者が封じ込めていると(ウソを)喧伝
しているかもしれないと予想。

なにせ、撫子たち竜の全力攻撃(ttp://jbbs.livedoor.jp/movie/4152/storage/1195181534.html#673)が、
↓と同等。
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm1208573
『惑星の表面こんがりと』なんてやったら、ネズミどころかゴキブリ一匹……
いや、地下深くに生きる単細胞生物しか生き残れない有様。
マナ汚染も気になるだろうけど、それ以前に単細胞生物からのやり直しは10億年単位。
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%9F%E7%89%A9#.E7.94.9F.E7.89.A9.E3.81.AE.E6.AD.B4.E5.8F.B2
しかも、生態系を担当している竜は『撫 子 様 と 乙 姫 様』。
表向きの全力を出さない(出せない)理由は『マナ汚染』って事になっているんだろうけど、
内心「そんなところからのやり直しなんか嫌なのじゃぁ!」 ってなっていそう。

そんな事情で全力発揮が出来ず、どこかおっかなびっくりで【手加減攻撃】を強いられる
竜を、勇者や賢者は出し抜いて落としている。
で、実際に竜を落とした協会や学園が、「このように危険極まりない竜という存在を、
我々協会(or学園)が支配し制御しているからこそ、この世界の平和と安定が保たれているのです。」
……とかなんとか言って、信者を獲得していのではないかと。

>魔術師学園の勇者&竜のタッグ対策

勇者の力の源が、【始祖の勇者】への信仰(盲信)に在るのならば、その信仰を揺るがすことが出来れば、
【勇者の弱体化→竜の謀反→勇者Nice boat】のコンボが狙えるのではないかと。
(弱体化した勇者に竜が温和しく従うとは思えないので)
その、【勇者信仰を揺るがせるノウハウ】が【禁則事項】の一つにありそうです。
学園の教授が始祖の勇者の恥ずかしい過去を暴露して、信仰心ダウンなんてアホな展開とかw

あと、竜の存在意義ってのが、「自然(星の意思)の代行者」的立場ではなく、「生きとし生けるものの守護者」
って立ち位置なのではないかと考えています。
P-T境界やK-T境界での大絶滅で死に絶えた生物の「生き延びたい・もっと栄えたかった」
という思念が竜を生み出したと。
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/P-T%E5%A2%83%E7%95%8C
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/K-T%E5%A2%83%E7%95%8C
実際、星や天空の都合に振り回されていますもの、生物って……。

以下、レス返し。

>>840
>本編とつかづ離れずの絶妙なところに投げ込む

2次SSってのは、「こういう所にしか投げ込めない」と思って書いているつもりです。
その制約ゆえに原作の続きを待ちつつ、2次SSも書き続けるということが出来ているのかなと。
あくまで、私の持論ですけどね。

>>841氏、842氏、843氏他、大関&孫姫関連

受けが良くて一安心です。
大関は脚一本失っているにもかかわらず、170馬力のチハと互角以上に組み合うんだから、
正真正銘のバケモンです。

>その後の「大関」

そんな可愛いもんじゃないはずですw
曲がりなりにも気性の荒いノコギリクワガタ、しかも世界観が「嫁」「敵」「敵ですらない雑魚」の3つだけ。
孫姫の助力がない限り、とてもとても……。

そういえば、大関のモデルになった飼育していたノコギリが、前回の投稿を待っていたかのように☆になりました。
供養代わりになったかなぁ……。

>腹ペコ姫

うん、アルトリア(セイバー)=腹ペコは真理だw

>孫姫はもしかして複数いて

アルトリアの原生林に住む「ノコギリクワガタ(♀)」は、全部【孫姫】という設定ですw

>845氏
>これがムカデだったら危うかったかもw

好んで飼いたがるのは極々一部でしょうからねぇw

今回はここまでです。
では。(−−)ノシ

867名無し三等陸士@F世界:2010/12/02(木) 23:47:12 ID:oXmDehTQO
信者の獲得には信仰によって得られる利益がポイントだと思うのだけど
この点で竜信仰はわかりやすい。
竜は実在していて眷属には現世利益を齎してくれるわけで。
対して勇者信仰はちょっとわかりにくい。
勇者を拝むと人類社会の平和が保障されますといっても、
生活が苦しい人々にとっては現世利益をもたらす竜の方が魅力的に映る気がする。
しかし信仰によって魔法が習得できるなら魔法が現世利益そのものとなり
勇者信仰は、勇者を御本尊とした魔法信仰として成立する。
こんな理解でいいのかな。

だけど一般人にとっては竜信仰の御利益の方がより直接的に見える。
これを勇者信仰に偏向させるにはかなり強力なプロパガンダが必要だと思うけど
中世レベルの文明度でそれを流布させるのはかなり難しい。
それをある程度やってのける学園都市って…かなりトンデモナイ。
その根幹は魔法だけではなく、一部現代に匹敵するような高度な社会科学・
自然科学技術を持っているのか。勇者といえど、そのベースは中世の田舎者で
学園中枢から見たらただのコマかと。

868名無し三等陸士@F世界:2010/12/03(金) 01:48:58 ID:Ch3RcRIs0
宗教ってぶっちゃけ「困ったときの神頼み」をする為に存在すると思うんだが…
勇者にしろ竜にしろ真に万能でない以上、叶えられない頼みって必ずあるよな?

勇者信仰の場合は、始祖に神頼みする様にすれば全く問題無いけど、
竜信仰はどうするんだ?何を神頼みの対象にするんだ?星?自然そのもの?

869名無し三等陸士@F世界:2010/12/03(金) 02:43:08 ID:NxykowyQ0
神頼みというより明確な上位者に対する服従っぽい気がする>竜信仰
竜の眷属も含めた絶対的な力に対してその力の矛先が自分たちの破滅に向かわないよう祈る
そして自分たちの繁栄にその力を貸してくれる事を期待するみたいな

うん、実に日本人的な感じ方だな

870名無し三等陸士@F世界:2010/12/03(金) 07:45:11 ID:oXmDehTQO
>>868
竜を信仰していればあまり「困らない」のさ。
その桁外れの魔法行使に依って自然を制御し豊穣がもたらされるから。
「緑竜様、水がありません」「まかせるのじゃ!」川がバーン。
てな感じ。乙姫なら鰊の群れが出現とか。他の竜の例は適当にw
人が一番困るのは食えないことだから、そこを担保してくれる存在が一番ありがたい。
日本の神社でも一番多いのはお稲荷様、まぁ次が八幡神と言うのが人の業だw

871名無し三等陸士@F世界:2010/12/03(金) 09:05:37 ID:FP4o35YA0
>>869
日本人というより多神教かアミニズム的宗教観だな。

まあ本来ならそこら辺りの木が元エルフだったりした世界が崩壊した結果,地の力が上手く循環して
いない分,プロパガンダが効き易いんだろうけど。

ただ,それはそれで群集心理を分析して,意識操作を行っているということになるわけで……。

872名無し三等陸士@F世界:2010/12/03(金) 10:00:16 ID:mcg6esMA0
そもそも日本人の宗教観自体、アミニズムが基盤のひとつだしねえ
そういう意味では、竜信仰との親和性は抜群だな。キリスト教諸国はこの点到底及ばない

それ考えると、最終的に竜と共存できる国は、列強の中では日本しかないわけだが

873名無し三等陸士@F世界:2010/12/03(金) 10:31:20 ID:NxykowyQ0
日本人の宗教観は独特ですからねぇ
年末年始のカオスっぷりは他国人には理解できないでしょう
クリスマスから始まって除夜の鐘、新年参り、お年玉
信じられるかい……全部宗教が違うんだぜ

874名無し三等陸士@F世界:2010/12/03(金) 17:04:45 ID:Uj3UDO1g0
この世界500年しか歴史を積み上げてない上に長命種、不老化なんてのもあるから
あんまり神話化、観念化はしないんじゃないかな。
現世利益が根本にある都市国家の守護神扱いだと思う。
感情も信仰も力になるならカリスマがある扇動者がいる都市の方が強くなるが
竜信仰の方が利益は多きいけど竜は下位種族を必ずしも必要としてないし
世界を滅ぼして復興してくるのを待つなんてことを一度ならずしてるから
対抗手段を持ち得た人間は竜を信じるのをやめてるんじゃないかな。

875リュータ ◆viMvJifIpw:2010/12/03(金) 23:32:17 ID:.oJVyfXE0
勇者信仰は、「仏教」がイメージされるな。

学園の勇者・魔術師
「世俗を捨てて出家して釈迦・仏陀のように悟りを開いて輪廻を解脱する」→「始祖の勇者を目指して修行を積み、自分も始祖の勇者のようになる」

一般民衆
「仏様を拝んで念仏を唱えれば、いいことあるよ」→「始祖の勇者を拝んでいれば、いいことあるよ」

と、信仰に人生を捧げる勇者や魔術師への奥義伝授を含む密教・一般民衆向けの顕教に、はっきり別れてると思う。

いくら勇者を信仰してても、酒場の給仕の娘さんやパン屋のオジサンは、神聖魔法は使えない。
学園内部の魔術師・勇者の名門や一族は、神聖魔法の使い方等の修行を含めた密教的な信仰。
で、冒険者上がりの勇者は、勇者に到達するまでに段階的に密教的な部分を教えている、と。

876名無し三等陸士@F世界:2010/12/04(土) 02:11:40 ID:mcg6esMA0
>>875
むしろ土俗的な英雄信仰なんじゃないの?

877ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/12/04(土) 08:52:18 ID:DZt8ismc0
>リュータ氏

仏教と言うより、ある程度規模が大きくなった(大きくなれた)宗教自体が
概ねそんなものじゃないかな?

怪我人、病人の治療と炊き出し、それに人生相談。
こんだけやってくれれば、充分有り難い存在だよね<教会

魔法を使える奴には、「勇者様を信じれば魔法威力up」という恩恵、
魔法が使えない者にとっては、困ったときに助けてくれる教団の方々。
そして、その教団の方々に力を与えてくれる始祖の勇者様。
基本はこんな感じかと。

878リュータ ◆viMvJifIpw:2010/12/06(月) 04:22:09 ID:19es9EYg0
>ハルサブロー氏
根がヘソ曲がり的なので、あえて「仏教」というのを出してみたって所もありました。


では、始祖の勇者様たちって、どんな人たちかというと――

……ここから先は、大変な悪ノリです。
受け狙いのギャグだとして許してくださいね。

龍を従えた「始祖の勇者」の人たち?
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm6543476
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm6649234

「始祖の勇者」たちは、さらなる力を求めて内輪揉め
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm6905702
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm7035384

「始祖の勇者」も、龍によってそれぞれにふさわしい扱いを……
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm8108489
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm8732197

879リュータ ◆viMvJifIpw:2010/12/06(月) 04:24:02 ID:19es9EYg0
書き落とし。
すでに見たことある人や、他人のフンドシで相撲取るようなやり方に不愉快になった人がいたら、ごめんなさい

880名無し三等陸士@F世界:2010/12/06(月) 06:37:54 ID:faAyl/bY0
自覚あるなら最初からやるなよ…。

881名無し三等陸士@F世界:2010/12/06(月) 16:47:16 ID:IAqPsUTM0
揉めそうな内容のを態々ここに書くのはちょっと・・・。

882名無し三等陸士@F世界:2010/12/06(月) 17:07:17 ID:oXmDehTQO
スルー力検定w

>874の指摘の様に、500年程度しか経てない文明で体系化された宗教が
成立しているとすればむしろ胡散臭いw
眷属を中心としたアミニズム的竜信仰に対して、勇者信仰は
古代魔法文明残党が仕立てた竜に対抗するプロパガンダ的
人工宗教ってことかもね。
人に対する魔力賦活も人が行えたりすると支配は完璧>賢者の存在

883名無し三等陸士@F世界:2010/12/06(月) 18:35:16 ID:eb3iGro60
よし!ここまでの流れがよくわからないがわかった!

つまり新しい宗教として日本の神様の中から『多産』と『豊穣』の神様の信仰を持ち込めばいいんだ!

当然御神体は萌え像で! F世界最初の萌え宗教を成立させるんだ!

いっそのこと日本が接触できている2柱の竜を信仰するのでも、萌えがあれば可で!

884名無し三等陸士@F世界:2010/12/06(月) 19:49:05 ID:.H1YtO/.0
>>874
場合によっては、勇者が都市の領主になって北の将軍様みたいなカルト的な新興宗教になっている可能性もあるのか。

885名無し三等陸士@F世界:2010/12/06(月) 20:47:29 ID:C1YMAymk0
共和国(笑)な、あの国と違う所は御神体は何百年でも千年でも生きてるから世襲は無いだろうね。
世界観的に血族、姻族は溢れんばかりにいるだろうし。
長子相続の可能性は非常に低いと思う。
長子の直系より末子の方が御神体に近い血縁になるからな。
現在御神体が寵愛している異性>その子供>その外戚>王権成立時の直系?
リウイ(類似品)も王(勇者)似なら皇太子扱いかもしれん。

886763・765・803:2010/12/14(火) 03:10:41 ID:u6qX6VMY0
>>866
>>HOI2の大ルーマニア攻防記やアイルランド交響曲
読んでたー!

ハキリアリの真の脅威は植物を菌糸を介して間接的に食べているからアルカロイド系の毒を全て無効化している所なんだそうで。
つまり植物だったら全種類が食物の範囲内。

やる夫スレで書かれていたアイデアが凄かったので紹介。
“人工の蝗害を発生させて戦略的攻撃に使用する”というものでした(原作版のナウシカの粘菌かい・・・・・・)。

887名無し三等陸士@F世界:2010/12/14(火) 09:19:04 ID:Ork3kiCs0
ふと思ったが「戦術」生物兵器って軍事的にどうなん?
例えば殺傷力を上げた代わりに単純で潜伏期間が短く対策を取りやすいウィルスなんか
初期投資をべつにすれば量産は楽だし環境汚染もないしで核より使いかってが良さそう

888名無し三等陸士@F世界:2010/12/14(火) 09:25:22 ID:F7Efu8X20
問題はウィルスの突然変異を完全には読み切れないこと。
だから、「殺傷力を上げまくったウィルスが潜伏期を長く、感染力を高いまま自壊コードも無効化」
なんて言う悪夢の事態が普通に起こりうる。
核よりよほど使い勝手が悪い。
軍事で何が一番嫌かって「不定、不明」でございますからして。

889名無し三等陸士@F世界:2010/12/14(火) 11:02:38 ID:oXmDehTQO
小松左京「復活の日」
凶悪なウイルス創っちゃった>兵器としてヤバすぎるから弱めよう>さらに凶悪になりました>バッドスピル>人類あぼーん

890名無し三等陸士@F世界:2010/12/14(火) 13:17:40 ID:YA.v9pGo0
>>886
人工の蝗害といえば、漫画版「墨攻」でありましたね、それが元ネタかな。
墨家の農耕部門が農業研究の上で得た害虫の知識を、軍事に応用して作り上げた「虫部隊」は、
初めて読んだ時に面白いアイデアだと思ったなあ…

891ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/12/14(火) 13:46:10 ID:DZt8ismc0
>887
>「戦術」生物兵器

まぁ、どんなものでもピンキリでして……。
生物兵器なら「ドーベルマンからペスト・炭疽菌まで」ありますけどね〜。
ウィルスや細菌は、ライスサイクルが短かく、個体数も桁外れに多い分、
進化の速度が早く、下手に弄くったら手に負えなくなるから、「改造」は
お勧めできない。
さらに、「狙ったタイミング」で「狙った場所」に「狙った効果」ってのが
通常兵器比較して困難なため、2重にお勧めできない。
毒ガスやらなんやらなら、そのうち自然に分解されるけど、生物は増える。
兵器なり道具なりってのは、『コントロールできてナンボ』。
それが困難な物は、所詮失敗作なのよ。

892ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/12/14(火) 16:14:41 ID:DZt8ismc0
>ライスサイクル
ミスった、ライフサイクルだ。
飯(ライス)のサイクルってなんだよ……onz

893名無し三等陸士@F世界:2010/12/14(火) 18:10:09 ID:xF2tM7so0
ふーん、ウィルスって単純にするより複雑化する方が簡単なのかな
それならサリンでも撒いたほうが楽か

894名無し三等陸士@F世界:2010/12/14(火) 18:21:19 ID:HBQVum.c0
>893
ウイルスに限らず基本的に自己の複写により短時間で大量に自己増殖するものは
複写ミスによる突然変異で何が起こるかわからないというリスクがあるからなあ。

895名無し三等陸士@F世界:2010/12/14(火) 19:20:48 ID:UxaReVqs0
この辺はアニスの様な人形遣いにも言えるかもしれん。
敵味方の戦死者を飲み込んで軍を再構成していたらゾンビの中から
適正や才能に目覚めるやつが出て下克上されるとかも楽しいかも。

896名無し三等陸士@F世界:2010/12/15(水) 00:30:45 ID:xF2tM7so0
>>895
さっちんですね、分かります

897名無し三等陸士@F世界:2010/12/15(水) 14:39:01 ID:NxykowyQ0
>>895
アニスの場合、動く死体を増やす時は鼠算式でも操作自体はアニス直轄だから
独立個体が発生しても周りの操作された死体にフクロにされるだけのような
ゲリラ戦みたいな分散型の戦い方は都市国家相手には無意味ですし

毒ガスの風向きが変わった時のリスク以上にウィルス兵器はリスクが大きいよね
>>893 作る時の労力が簡単とかよりミスった時のリスクが無限大って怖いよね

898763・765・803:886:2010/12/15(水) 19:05:01 ID:u6qX6VMY0
>>890
『墨攻』は読んだ事無い・・・・・・。

>>897
>>作る時の労力が簡単とかよりミスった時のリスクが無限大って怖いよね
リスク、リターン、コスト、ベネフィットで考えると・・・・・・

ウイルス兵器はインフィニティリスクでハイリターンでローコストのハイベネフィットな手段という事?

899名無し三等陸士@F世界:2010/12/15(水) 20:46:21 ID:3.rNyVig0
もう黙れ
誘い受けうざい

900リュータ ◆viMvJifIpw:2010/12/17(金) 12:12:55 ID:KQWpzp7E0
中の人氏からの課題に戻りますか。

勇者の中でも一握りだと思いますが、野に下れば国を立ち上げることも可能な勇者。
そういう勇者の多くを学園に囲い込んでおくため、学園は勇者に対して相当な好待遇をしている。

そのため、学園は国税とは別の「学園税」も民衆に課していて、かなりの重税になっている。

直感的にそんな状況が思い浮かんだ。

901名無し三等陸士@F世界:2010/12/17(金) 23:22:58 ID:4i0OCEVM0
>その後の大関さん

大関「貴様!勝手に降伏しおって!無気力相撲は禁止だと決まったろうが!
よ〜〜し、明日までに「木工用ボンドと登校きょひについて」という題でレポート300枚書いてこい!」
アルトリア「えっ!それ書けばお腹いっぱい食べれるようになるんですかっ?」
大関「ならん!」

902763・765・803:886:2010/12/19(日) 04:52:58 ID:u6qX6VMY0
>>899
了解しますた(´・ω・`)
自分の書き込みを読み返してみたけどウザいな・・・・・・。

903リュータ ◆viMvJifIpw:2010/12/20(月) 01:02:34 ID:uTsJ4RDQ0
>>901
>アルトリア「えっ!それ書けばお腹いっぱい食べれるようになるんですかっ?」

それはアルトリアじゃなくて、「アストレア」じゃないのかー!!

904名無し三等陸士@F世界:2010/12/24(金) 16:36:58 ID:u6qX6VMY0
・“人魚”のものらしき血を輸血されてから不老であり
・初潮前に胎内に精を放たれた少女は寿命はそのままに成長も妊娠も老化も病気も薬物で死ぬ事も無い“人形”と化し
・栄養剤を飲み続ければ只でさえ異常に量の多い精液が益々増える肉体であり
・その血と精は他の男性には“人形化”の効果に極度の糜爛性と畸形化の作用が足された猛毒であり
・“人形”の製造と行為の撮影と日常生活への奉公の為の三千人が暮らす専用の島と屋敷が用意されており
・島の屋敷の隣にある寮は“人形屋敷”と呼ばれる四百人以上の少女が住まう離宮であり
・油断をすれば男性だけが死ぬ疫病が屋敷の排水の不良で流行り
・性器が十寸の長さであり
・母親の胎内にいた時から二人の妹と繋がっていた
そんな人魚の血を継いでいるらしい種児の少年の存在が“日本で”確認されたら、『帝国の竜神様』の世界観ではどの様な扱いになりますか?
F世界での対男性戦略兵器に使えそうに思えるのですが。

905名無し三等陸士@F世界:2010/12/24(金) 19:34:55 ID:oXmDehTQO
以前のレールガン以上に訳がわからないネタなんですが…。

906名無し三等陸士@F世界:2010/12/24(金) 23:20:01 ID:3.rNyVig0
無自覚な荒らしという奴だろうなにせ冬休みだからな

907名無し三等陸士@F世界:2010/12/25(土) 10:24:51 ID:u6qX6VMY0
>>905-906
ぶっちゃけるなら18禁のweb小説で読んだ設定だったりします。

908名無し三等陸士@F世界:2010/12/25(土) 13:31:09 ID:FP4o35YA0
一言で言うと「んなもん自分で考えろ!」ってところかな。

909ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2010/12/25(土) 22:54:27 ID:DZt8ismc0
都の条例を巡るアフォなゴタゴタに手を出してしまい、こっちに手が回らなくなってしまいました。
しばらく執筆目処が立たないのですonz

本当に申し訳ありません。

910リュータ ◆viMvJifIpw:2010/12/25(土) 23:18:32 ID:w1kuwmHY0
>>909
そういう事情でしたら、仕方がないですね。
状況が落ち着いて、復帰できるのをお待ちしています。

911名無し三等陸士@F世界:2010/12/27(月) 04:29:45 ID:M0YXC0KU0
>>909
やっぱりこういうスレにいる人はリアルでの生活範囲も似てそうでどっかで会ってるかもしれないな、と思う今日この頃
どんなごたごたか分かりませんが、なるべくけがなどはしないようにお気を付けください

912F世界逝き:F世界逝き
F世界逝き

913名無し三等陸士@F世界:2010/12/31(金) 06:31:37 ID:u6qX6VMY0
>>908
考えてみましたが、敵国の水源地に溜め込んだ精を戦略爆撃して終わりました。

マヤ文明の性教育がキッチリしている件
ttp://metalogue.jugem.jp/?eid=126#comments

914リュータ ◆viMvJifIpw:2010/12/31(金) 14:07:17 ID:DvpRmzfg0
>>878での書き込みに関して、「帝国の竜神様」に適した翻訳をしないのは、無責任な気がしてきました。
で、>>878に挙げたものから導きだすなら、こんな風に……

・特殊な病を患っているが、強大な魔力を駆使する正統派魔術師
・難病の家族を救うために、剣を取って龍と戦った戦士
・電撃系魔術に特化した天才的な電撃使い
・魔術に類するものなら、龍が使うものでも打ち消せるマジックキャンセラー
・神になると豪語する、禁呪の対人即死系魔術を駆使する知謀の策士
・重度マナ汚染で精神異常を起こしたけど、生き残って奇跡的に桁外れの戦闘力を得た狂戦士
・古代王国の遺産である秘宝を身裡に宿した謎の少女


「龍を従えたつもりだったけど、龍の方が上手で実は嵌められてた勇者の人が」
「サポート役だけに龍対龍のタイマンガチバトルでは最弱。でも、他の龍にはない、特殊スキルと知謀で補ってるよ。勇者に従えられたけど、代わりに精神操作系の高度の学園系魔術を盗み学んでやったよ。ついでに、眷属が吸血鬼だから、必要性もあって蛮族(人間)を最も多く従えてるんだよ」
なシチリアの龍さん。

・電波ジャックする龍
・龍対龍の脇で、タイマンバトルやってるパートナー
の使ってみたいシチュエーション。

本来は「帝国の竜神様ZERO」とかいって、「奈須○のこさん、それとも虚○玄さん!?」的なバトルロイヤルなSS書いて、問わなければいけないんですけど……さすがに(汗
ついでに、本編が龍+パートナー+国のトリオ同士で繰り広げられるバトルロイヤルって方向にはいきそうにないから、過去話としてバトルロイヤルというのはありかと思いました。

915名無し三等陸士@F世界:2010/12/31(金) 18:02:42 ID:0WtkeaBo0
てす

916名無し三等陸士@F世界:2010/12/31(金) 22:49:59 ID:3.rNyVig0
以上無自覚な荒らしに定評の有るID:u6qX6VMY0とリュータがお送りしました

たしなめられても注意されてもそれをわからないばかりか自分に都合良く受け取るから嫌われるんだよ

917名無し三等陸士@F世界:2010/12/31(金) 23:17:55 ID:faAyl/bY0
KYにはスルー推奨、実際にレスがほぼ付かなくなった現実。
皆様よくご理解されている様子で。

そろそろ中の人が来ないかねぇ。

918竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2011/01/01(土) 12:34:03 ID:ybLtRT0s0
 あけましておめでとうございます。
 去年は別名義の電子書籍を出した事もあり、『竜神様』は滞り気味ですが今年もよろしくお願いします。

919名無し三等陸士@F世界:2011/01/01(土) 21:41:07 ID:mcg6esMA0
>>918
謹んで新年の寿ぎを申し上げます
今年はより一層よろしくお願いし奉ります(-人-)ナムー

920リュータ ◆viMvJifIpw:2011/01/01(土) 22:14:53 ID:DvpRmzfg0
>>918
あけましておめでとうございます。

新年最初の書き込みが中の人氏ということで、幸先が良いですね。
「帝国の竜神様」という作品を楽しませてもらっている読み手側としても、なにがしかの貢献ができればいいなと思っています。

921ID:u6qX6VMY0:2011/01/02(日) 02:45:56 ID:lV/.OD1o0
そもそも「萌え以外の話題は厳禁」って書いてあるんですね。
申し訳ありませんでした。

おみくじ大凶('A`)

922あーる:2011/01/04(火) 00:18:31 ID:qXbqSNbcO
質問します
フィンランドの冬戦争はどうなっの?
北欧の三カ国はドイツの影響化にあるですか

923リュータ ◆viMvJifIpw:2011/01/04(火) 01:16:22 ID:DvpRmzfg0
>>922
>フィンランドの冬戦争はどうなっの?
ほぼ史実通りの結果でしょう。

「帝国の竜神様」は、1941年12月1日に異世界から龍が到来して、それ以降の歴史が変わったという前提で話が進んでいます。
「独ソ戦においてソ連軍冬季攻勢の挫折」を例外として、それ以前の出来事は歴史通りに進んでいることになっています。
もしかすると、ソ連軍冬季攻勢の挫折も、異世界で龍達が異世界転移の準備を進めていたことが、こちらの世界にもなにがしかの影響を与えていた予期せざる結果かもしれません。

>北欧の三カ国はドイツの影響化にあるですか
作中の現時点では、ほぼ史実通りかと。
スウェーデンは中立。ノルウェーはドイツの占領下。フィンランドはドイツ側に立って枢軸側。

ただ、1942年2月から、シチリアの龍の眷属の吸血鬼の活動により、ヨーロッパで魔女狩りが横行。
多くの女性が魔女狩りを逃れるためにSSに志願したり、スペインが魔女狩り騒ぎによる国内不安のためにSSを受け入れ、見返りに義勇軍を派遣してドイツに協力したりしています。
北欧の三カ国でも、同様の騒ぎのせいで、結果的に史実よりもドイツ寄りになっている可能性はあります。

まとめサイトがこちらにあるので、そこの年表等を見れば、大体の疑問は解決できるかと。
>>5
ttp://wiki.livedoor.jp/teikokuryuujinn/d/ (『帝国の龍神様』まとめサイト)

924名無し三等陸士@F世界:2011/01/04(火) 02:14:57 ID:376K3ZA60
>>866
>アルトリアの原生林に住む「ノコギリクワガタ(♀)」は、全部【孫姫】
それはつまり、♂も含めてすべてが「アルトリア姫の末裔」と考えて良いってことじゃないですか。
グウィネヴィアの森の緑が枯れなかったのはそれゆえで、つまりアルトリア姫は、
「化け物に自分自身を差し出すことで、森を守った」可能性が高いことになる。

「ダイニホン帝国が魔法を使わない技術を獲得するに至った経緯」について、この世界の人間は
こう推測するんでしょうねえ。
「大崩壊の時、マナ汚染の被害に懲りた結果、思い切って『魔法そのものを捨てる』決意をした国が
有っても、べつに不自然ではない。その国は、その後数百年をかけて、魔法を使わずに魔法と同等の
ことを成し得る技術を作り上げた。それがダイニホン帝国なのであろう」と。

925名無し三等陸士@F世界:2011/01/04(火) 23:00:19 ID:oXmDehTQO
>>924
F世界から見た異世界の存在が考慮されずに論理的思考を積み上げれば、多分。
けど、意外と流布している転位魔法と、その研究から異世界転位の可能性を確認し、
さらに竜のF世界からの消失と帝国に伴われた再登場を関連付けるという展開はありかな。

926名無し三等陸士@F世界:2011/01/07(金) 11:32:49 ID:t7FPmtQo0
大地(地脈)の力を吸収して魔力に変える力は元々弱かったのか?クワガタ
もしくは効率良く変換できる傑作種だったか
でなきゃアルトリア姫がどう頑張っても混血前のクワガタが生きてた間にグウィネヴィアの森が荒地にあってるはず
巨大虫にとって呼吸をするようなもんでしょうし魔力変換

927リュータ ◆viMvJifIpw:2011/01/07(金) 21:21:27 ID:DvpRmzfg0
>>926
撫子(緑龍)とエルフの本拠地に近いから、地脈の力が強くて許容範囲内だったか。
または、蟲は所属する巣へ地脈の力を送るための端末の役割があって、巣とリンクが切れた蟲自体は地脈の力をそれほど吸収しない、とか。
そんな理由も考えられますね。

928名無し三等陸士@F世界:2011/01/08(土) 18:03:29 ID:TuM8whQg0
何とかして話題に絡もうと必死な奴がいるな。

929名無し三等陸士@F世界:2011/01/10(月) 00:14:47 ID:.TxdnUcw0
煽ろうと必死な奴よりはマシ

930リュータ ◆viMvJifIpw:2011/01/12(水) 07:53:32 ID:gxDxWlOI0
とある深夜アニメで……
「レッドドラゴンの人間体女性のCVが釘宮○恵、というのはありきたりの発想だったんだな」
とちとショックが。

931竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2011/01/13(木) 06:53:06 ID:ybLtRT0s0
 久しぶりの本編投稿投下。

932竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2011/01/13(木) 06:57:45 ID:ybLtRT0s0
「帰ってきたのじゃ〜」

 見えていた世界樹の代わり富士山が視野に入ると、本土なんだなと実感する。
 ここから愛国丸は横須賀に整備の為に出てゆくので降りる事になっていたのだが。
 手を振っている遠藤の隣に居る堀中将を見て、いやな予感がびんびんしているのだが。
 そして、その予感は的中していた。

「式典に出ろとおっしゃいますか?」

 遠藤から概略を聞いた上で確認するのだが、今度は堀中将が口を開く。
 中将の手には、俺達が式典に出る予定の潜水艦――呂号第三〇潜水艦――の写真が握られていた。

「君達が異世界に行っていた間にモスクワ近隣での独ソの合戦の結果が出た。
 独逸の辛勝だ」

 全世界が注目していたモスクワ攻防戦の結果だが、同盟国独逸からは景気の良い戦勝報告と英国からはソ連が独逸に与えた損害の全てが帝国に提示されていた。
 幸いだったのが、この情報を客観的にかつ公正に見ることが出来た黒長耳族と神祇院という人材と組織を持っていた事だろう。
 陸海軍の参謀の助言を仰ぎつつ真逆に近い英独の情報の整合性を見つけ出した結論、それが『独逸の辛勝』だった。
 ソ連軍のモスクワ奪還を目指して始められた夏季攻勢はモスクワを半包囲下に置きながら、ついに包囲しきれずに独逸軍の反攻によって挫折。
 ソ連軍は四十万近い損害をだして撤退に追い込まれたという。
 だが独逸軍も追撃はそこまでで、二十万近い兵力の消耗に東部戦線全域にわたる航空機稼働率は50%を切りかかっており、自慢の機甲師団の損害は独ソ戦累計で二千両を越えてその全てが後方での再編を必要としていた。
 なによりも、脅威の低い戦域では同盟国の軍隊ですら足らず、降伏したロシア人を義勇SSとして投入する始末。
 はっきりと攻勢限界が来ている事を物語っていた。
 とはいえ、勝利は勝利である。
 独逸は全世界に『ソ連軍最後の足掻きを粉砕!』大層な見出しをつけてPRし、その勝利に国内の親独派が俄然勢いづいていたのだった。
 異世界という新世界発見に酔っている国民は『バスに乗り遅れるな!』のスローガンには騙されていないのだが、『苦戦する同盟国に支援を!』という正論にはそれなりの説得力があったのである。
 元から政権基盤の弱い小磯内閣ではこの事態を制御できる訳も無く、独逸側の外交アクションに先制攻撃を受けてしまう。
 それが、独逸からの潜水艦売却の打診だった。

 大西洋という主戦場で、潜水艦対海上護衛という形で英独は激しく争っていた。
 戦況は互角。
 とはいえ、七つの海を支配していた大英帝国の底力は凄く、大西洋の海上護衛戦力を分散させるべく独逸は何だかの手段を必要としていた。
 だが、英国ががっちりと制海権を握っているインド洋に潜水艦を送るにも途中の補給が問題となり、その活動は徐々に押さえ込まれつつあったのである。
 で、彼らが目をつけたのは一応同盟国なっている我が大日本帝国だった。

933竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2011/01/13(木) 07:03:55 ID:ybLtRT0s0
 我が物顔で走る日本商船団に少しずつ潜水艦要員を乗せて日本に送り、日本に潜水艦売却の打診をし、それを英国に全てばらしたのである。
 これで日英関係が悪化するならしめたものだし、日本国内は世論が割れており戦争参加は望まないが同盟国への同義的支援をとの声は高い事を独逸情報部は把握していた。
 潜水艦というのは『いるかもしれない』というだけで海上護衛に多大な戦力を割かねばならない費用対効果の極めて良い兵器である。
 もし帝国から潜水艦を購入した場合、いるかもしれない潜水艦一隻の為に英国は太平洋に数十隻の海上護衛艦艇を必要とするものなのだ。
 当然、独逸側から意図的にタレこまれたこの行為に英国は激怒した。
 海上護衛どころか、いまや世界物流における要石になってしまった日本列島近海での独逸潜水艦の跳梁など、許せる訳がない。
 彼らは紳士的な態度をかなぐり捨てて、

「独逸潜水艦が日本近海において活動するような事があったら、日本が三国同盟に沿って英国に宣戦布告したとみなす」

 と高圧的脅迫を既に受け取っていたのだが、多くの国民はそもそもこの半年前から激変した外交環境についていけず、『同盟国だから、潜水艦を売るぐらいはいいんじゃね?』と問題の本質をそもそも分っていない。
 この状況に帝国政府は大混乱に陥った。
 何より救いが無かったのが、このモスクワ戦の報告が少し遅かった事にある。
 モスクワ戦の大勢が判明する直前に異世界から戻ってきた丸耳族ブリーイッドがもたらした報告、

「竜州の地下に十万・百万単位の黒長耳族・獣耳族の可能性がある」

 という報告が、文字通りの『宝の山』として大蔵省と内務省に狂喜の歓声をあげさせたのだから。
 ましてや、現状では色々資源などで制約があるが帝国は第一次大戦時と同じく、英・独・大陸にありとあらゆる物を売りまくろうとしていたのだった。
 その物資生産における原資が、黒長耳族をはじめとした異世界種族を担保にした開発国債である。
 何をするにしても既に限界まで疲弊しきっていた帝国において、旗幟を明らかにして戦争に突入する選択は、はなから持っていなかった。
 もちろん、『いまなら英国について独逸見捨てていいんじゃね?』という意見もあったりはするのだが、そんな事をすれば国内の親独派が暴発してクーデターが勃発しかねない。
 ただでさえ、モスクワ戦の独逸の勝利に陸海軍の親独派が『バスに乗り遅れるな!』と叫んでいるのだから。
 一応『太平洋宣言』で対英米の関係が改善傾向に向かっている現状では徐々にその声はしぼんでいたが、その動向は無視できるものではなかった。
 この潜水艦売却問題はそんな最中に振って湧いたのだった。

934竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2011/01/13(木) 07:06:59 ID:ybLtRT0s0
「一隻ぐらいならいいんじゃね?」

 海軍中央も英国傾斜に傾きつつある現状からバランスをとって容認的姿勢をとっていたのだが、その一隻に振り回されかねない現場では海上保安隊設立に向けて修羅場っているから、

「何、厄介事持ち出してきやがる……」

 と殺気を撒き散らしており、山本軍令部総長ははやくもこの問題で頭を抱える羽目になっていたのである。
 という訳で生贄に選ばれた呂号第三〇潜水艦は元の名前を第六九潜水艦といい、今年の四月に除籍された潜水艦である。
 大正時代の潜水艦で日本海軍唯一の通商破壊作戦用中型潜水艦として開発された特中型潜水艦の一隻で、除籍の理由は老朽化から対英米戦にも使う事ができないと判定されたからに他ならない。
 こんな船を出してきたあたりで山本軍令部総長の苦悩が窺い知れる。
 とりあえず一隻売却して様子見という所で国内はなんとか話をまとめたのはいい。
 問題はこんな船でも海に出れば魚雷を放ち、船を沈められるという所である。
 さらに厄介な事に、現在横浜港には潜水艦の洋上補給活動が行えるインド洋で暴れまわった独海軍仮装巡洋艦トール号と、独逸に帰ろうにも帰れなくなった高速貨物船ターフェルラント号が停泊しており、潜水艦を海に出してしまったら捕まえる事が困難になる事が予想されていたのだった。
 もちろん、英国はこの二隻の引渡しも一緒に求めており、横浜港の沖合いにトール号を追いかけていた英海軍重巡洋艦エクセター及び、豪海軍軽巡洋艦アデレードが駆逐艦四隻を引き連れて浦賀水道沖の公海上にいたりする。
 それに呼応して横須賀沖に重巡洋艦足柄と妙高、下田を守るように相模湾には先に異世界から帰っていた扶桑がそれぞれ駆逐隊を引き連れてにらみ合いをしていたり。
 そんな緊迫化の中、ターフェルラント号は状況が状況だけに日本に売却の方向で話が進んでいたが、トール号はこの潜水艦売却問題と密接に絡んで海軍を英独の板挟みに容赦なく押し込んでいた。

 なお、話はそれるが呂号第三〇潜水艦に乗った独逸将兵はそのあまりにもうるさい音に、

「我々を殺す気か!」

 と激怒したのだが、最新鋭の伊号潜水艦にも乗って納得してもらったという情けなさ過ぎる話があったりもする。
 この一件で、潜水艦の音の改善という課題を突きつけられてまた艦政本部が修羅場に陥っているとか。
 閑話休題。

「話は分りましたが、それがどうして式典への参加へと?」

 俺の発言に堀中将が黄昏た顔を浮かべながら、情けない事極まりない理由をぶっちゃける。

「撫子君が好き勝手暴れても、君以外誰も文句は言えないからさ」

 英国が納得するぎりぎりの妥協線が、撫子の担ぎ出しと太平洋とインド洋の船団護衛の拡充だった。
 近くできる予定の海上保安隊は海軍との存在意義の違いをどう出すかという所で明確な敵を欲しており、その格好の敵がこの独潜水艦である。
 そして、現状その組織の性質上親英米路線の牙城となるであろう海上保安庁拡張の大義名分と拡大を英国は望んでいた。
 更に、独逸も下手に煽って帝国を英国側に追い込む事をよしとしていない。
 何しろ軍事協定での独将兵の保護要請が締結されているがゆえに、どうしてもやばくなったら日本に逃げ込めと独海軍は命令を出していたのだから。
 つまり、誰もこの睨み合いを本音では望んでいないのだった。
 で、八方手塞がりの状況で山本総長と堀中将が思い出したのが、傍若無人にマリアナで大暴走した馬鹿竜の事だった。

935竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2011/01/13(木) 07:09:49 ID:ybLtRT0s0
「撫子がやらかしました。ごめんなさい」

 現状、この台詞に異議を出す国家はこの地球上において存在しない。
 それを見越した上で、撫子を潜水艦譲渡式典に引きずり出して全部うやむやする。
 その上で、譲渡した潜水艦にマリアナの巨大海洋生物でも張り付かせて(彼女達の協力を得るために、遠藤は三日ほど某乙姫様の眷属の愚痴を聞き続ける羽目になったそうな。かわいそうに)四六時中見張らせる段取りまで組んでいるらしい。

「……統帥権をたてに好き勝手した連中の事を笑えないよ。今は」

 堀中将が黄昏ている理由はそれらしい。
 対照的に撫子の顔といえば、獲物を見つけた獣というか、おもちゃを見つけた子供というか。

「それは構わぬのじゃが、それをする御礼は何じゃ?」

 撫子の言葉に、堀中将は淡々とそれを告げた。

「異世界での戦争。
 この場合は蟲退治かな。
 海軍も全面的に協力する」

 車窓は横浜近辺の街中を写している。
 工場とそこから流れる煙が窓から流れながら堀中将はため息をついた。

「戦争をしないと舵を切っても、戦争をする予定で進められていた生産や経済政策は簡単に舵を切れない。
 もちろん、対英・対独、民生品生産に切り替えたとしても、その効果が出るのはもう少し先だ。
 帝国は、それらの処分をする『ちょっとした戦争』を欲している。
 たとえ、この蟲退治が大陸以上の泥沼になったところで、いや泥沼でも構わない。
 黒長耳族と獣耳族を帝国は必要としているのさ」

 なぜか嬉しそうだった撫子の顔が青くなって震える。
 いや、俺も悪寒がとまらない。
 目の前で窓の景色を眺めている堀中将はかわっていないというのに。

「帝国はこの異世界、いや竜州と言った方がいいかな。
 竜州に二千万もの殖民を送り込み、彼らを磨り潰して黒長耳族と獣耳族をかき集める事を国策として決定している」

 ぽつりと、ほんとうにかすかな声で堀中将はその数字を口にした。

「二万人らしい。
 総力戦研究所の試算だと、かの地で二万人の黒長耳族・獣耳族を得られるのならば、二千万人全て異国の土となっても構わないと」

 その言葉に、俺は愕然とする。
 二万人はの黒長耳族・獣耳族の数字は、現状の異世界交易ですら達成しかねない数字だ。
 その事実は、この二千万人が本当にいらない事を意味しているのだから。

「何、心配するでない!
 大船に乗ったつもりでわらわに任せるのじゃ!!」

 あ、なんというか堀中将が更に黄昏た。
 ちなみに、俺も黄昏ている。
 ついでに、遠藤も黄昏ていた。

「なぜ三人ともそんな顔をするのじゃっっっっ!!!」 


 ちなみに、予感は的中した。

936竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2011/01/13(木) 07:13:28 ID:ybLtRT0s0
「あ」

  
 ぽきっと金属なのに中々乾いた音と共に、横須賀鎮守府の残橋につけられた呂号第三〇潜水艦はV字にぶくぶくと沈んでゆき、俺や遠藤に堀中将は顔に手を当てて予感的中を呪い、乗る予定だった独海軍将兵と式典に招かれたお偉方は固まったまま。
 なお、後でメイヴに聞いた話だが、先にあげた裏事情によって招かれていた英国情報員のフレミングが大爆笑していたとか。
 いや、予感はあったのだ。

「なんだか、写真より小さいしみずぼらしいのぉ」

 式典前に呂号第三〇潜水艦を見た馬鹿竜の感想に海軍お偉方が引きつり、堀中将が必死にその場をごまかしたりとか。
 そんな事を馬鹿竜に言われたとも知らずに表敬訪問に来た独逸海軍の少佐に、

「わらわにお菓子をくれた英米の船を沈めないで欲しいのじゃ」

 と言って壮絶に相手を困らせたり、極めつけが今のこれである。

「こ、この超弩級馬鹿竜がっっっっ!!!」

「ば、馬鹿じゃないのじゃっ!!!
 わらわはちゃんと加護をかけたのじゃぞ!!」

 そうなのだ。
 表敬訪問時に話した独逸海軍の少佐(潜水艦館長)から、航海の安全を祈ってくれと頼まれて、加護の呪文をかけるとはりきっていたのである。
 その結果があれである。
 式典中なので誰も船に乗っていなかったのが幸いだが、やらかしたのが撫子なので見事なまでに誰も何も文句が言えない。

「じゃあ、なんで潜水艦がああも急に沈むんだよ!」

「知らないのじゃ!!!」

 とりあえず、全員見事に固まった中、俺と遠藤とメイヴが撫子を引っつかんで強制退場させてこの顛末である。
 で、三人に総突込みを受けた撫子が、急に思いついた顔をしてぽそぽそと呟く。

「もしかしたらなのじゃが……あれがまずかったのかもしれぬ……」

 やっぱりお前が原因か。
 とりあえず言ってみろと目で語ると叱られて涙目のまま撫子はそれを告げた。

「あの船長の願いを加護の呪文に入れたのじゃ。
 『無事に祖国に帰れるように』とな」

 そして、その撫子の言葉を聞いて納得したのが大魔道士でもあるメイヴだった。

「それでですか。
 主の呪文は強力ですから、それで願いが適ったんでしょう。
 多分……」

 勝手に納得するメイヴに俺と遠藤が更に説明を求めると、とんでもない言葉が出てきた。

「だから、『無事に祖国に帰れるように』という願いが適ったんですよ。
 つまり、あの船に乗り込んだら彼は祖国に帰れない、きっと沈められていた……」  
   




「首相にいい笑い話ができましたが、残念ですね。
 バンコク商会か海上保安庁にあの船を沈めさせて、三国同盟破棄の布石にしようと思ったのですが……」



 帝国の竜神様 ナンバー未定

937竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2011/01/13(木) 07:24:21 ID:ybLtRT0s0
 投下終了。
 本編久しぶりなので、少し雰囲気が違うかもしれませんがご容赦を。
 で、ナンバー未定なのですが、これはまとめサイトの方で割り振るためです。
 蟲退治の話が先行して、その間の話が書けてなかったので、しばらくはそれを埋めてまとめサイトで一気にナンバーを割り振る予定です。

 あと、
 ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm13286429
 を見て、今のハワイの竜よりなのはさんの方が戦略兵器だった事に衝撃を受けながらレス返し。


>>924 >>925
 この見方いいですね。
 ネタとして使わせていただいていいでしょうか?

>「レッドドラゴンの人間体女性のCVが釘宮○恵、というのはありきたりの発想だったんだな」
 そのとある深夜アニメまだ見ていない……見ておかないと……orz

 では。

938名無し三等陸士@F世界:2011/01/13(木) 07:27:21 ID:oXmDehTQO
投下乙です。

計算どおり(AA略
ですかw
帰りたければ乗るなって、まぁそりゃそうだけどさwww
売買契約上引き渡しは済んでたのかどうなのか。

939ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2011/01/13(木) 10:57:35 ID:DZt8ismc0
投下乙です。

>「異世界での戦争。
> この場合は蟲退治かな。
> 海軍も全面的に協力する」

多分、戦争回避で燻っている方々……例えば台南空の皆さんとかの投入フラグ?

940名無し三等陸士@F世界:2011/01/13(木) 11:02:50 ID:jKeGJu820
投下乙。

>「帰ってきたのじゃ〜」
中の人の言葉ですね。

>加護の呪文
艦魂みたいに次の出撃で撃沈されるかどうかわかるのですね。
普通の魔法使いなら沈むのではなく、1ゾロで失敗ORファンブルを起こし乗組員の士気崩壊と。

今回の事件でトール号も買い取り竜州行きのフラグが建ったのかな?

941名無し三等兵@F世界:2011/01/13(木) 13:15:54 ID:AJfFr3jcO
投下乙です。

シリアスで黄昏れていたら、潜水艦ポッキリで爆笑でした。
独逸将兵の心境や如何に。

しかし、この加護、もし航空機にも使えるのなら戦死者が減るのでは?
またポッキリ折れたら部品取りに。
テストパイロットあたりから需要があったりして。

942名無し三等陸士@F世界:2011/01/13(木) 14:26:57 ID:oXmDehTQO
>>941
(・∀・)ソレダ!!
試験飛行前に討ち死にする機体がバシバシでるか。
いや戦時中でなければそこまでひどくはないか。

943名無し三等陸士@F世界:2011/01/13(木) 17:23:22 ID:inTe32560
それより大和が沈まずに済むかどうか占った方が〜(爆)

進水式ごとに占っては外れた船は改装・改名する羽目になったりして?

944竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2011/01/13(木) 18:42:15 ID:ybLtRT0s0
突発ネタ メイヴの魔法教室 投下
……設定は派手に考えたけど使うところがないので出しちまえという……

945竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2011/01/13(木) 18:54:19 ID:ybLtRT0s0
「『加護』の魔法を軍艦にかけてくれですか……
 お止めになった方がいいと思いますよ」

 某超弩級馬鹿竜がやらかした魔法の真相が知られるにつれて、当然『加護』の魔法をかけてくれという人達が我も我もと群がる訳で。
 というか、必死すぎです。英国海軍とロイズ保険組合。
 そんな人達引き連れてお話にやってきたフレミング氏を前にしてメイヴはため息をつきながら苦笑する。

「私達がかける『加護』の呪文って少し運が良くなる程度なんですが、主の『加護』になるともはや呪いなんですよ。
 その願いを確実に叶えに行くから、その根本や前提を容赦なく破壊するんです。
 あの潜水艦のように」

 つまり、船や軍艦に加護をかけたらそのほとんどが『ぽっきり』となると。
 皆、同じ事を考えたらしくそれを感じたメイヴが肯定を含めた意味で、こんな質問でしめくくった。

「仮にも戦場に出てゆく船で、どれだけの船が帰れると?」

 ちなみに、この呪文はシチリアの竜の大得意呪文らしく、彼女はその特性を明確に理解しており、敗亡寸前の国に求められて加護をかけ、勝つまでひたすら戦い続けさせられたとか。
 だから彼女がかける『加護』の呪文はその名前では呼ばれず、こう呼ばれるという。

『運命確定』

 と。


 帝国の竜神様 ネタ話 メイヴの魔法教室

946竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2011/01/13(木) 18:58:20 ID:ybLtRT0s0
 投下終了。

 という訳で、『猿の手』に近い加護の呪文でした。
 どんなものも力が強すぎるとろくな事にならないという話。
 ちなみに、現在の全帝国艦船および航空機にこの呪文をかけると、もれなく全て『ぽっきり』いきます。

 だって、世界は第二次世界大戦中だから〜

 では。

947名無し三等陸士@F世界:2011/01/13(木) 20:00:48 ID:XTOI1uhc0
ドイツとイギリスの全艦艇がもれなくポッキリ逝くのなら平和になるんだろうけど・・・

948名無し三等陸士@F世界:2011/01/13(木) 20:11:41 ID:jKeGJu820
それでもヤンキーは半分くらいはポッキリ逝かないのが出るのがチート国家ゆえん何でしょうね。

949943:2011/01/13(木) 20:28:28 ID:inTe32560
お気に触ったようなら申し訳ない。
「やってみないと判らない」が「やる前から決まってるだろ」になるだけでしたか。
何よりも投下乙。
で、お返事ありがとうございます。
お詫びになるのでしたら商品開発のネタがありますが
文章にすべきが否、どうすべきでしょうか?

950名無し三等陸士@F世界:2011/01/13(木) 21:17:05 ID:oXmDehTQO
帝国海軍でポッキリ逝かないのは長門と雪風くらい?
というレベルではないわけだ。

951名無し三等陸士@F世界:2011/01/13(木) 23:26:12 ID:rAMTr7pQ0
雪風はポッキリ逝かないで欲しいなぁ。

952名無し三等陸士@F世界:2011/01/13(木) 23:48:19 ID:jKeGJu820
シチリアの竜が森と湖の国やルーデル閣下を見たら「何時わたし呪文を掛けたかしら?」と疑問に思うかも。
いや、馬鹿竜では無いからそんな勘違いはしないか(運命の確定)。

953名無し三等兵@F世界:2011/01/14(金) 00:19:00 ID:AJfFr3jcO
航空機なら乗員が少ないし、ライフサイクルが短いから意味があるかも…。
あっ、撫子は既に愛する人が搭乗する機体(前に出た陸攻とか)にかけていたかもしれませんね。

そして頭によぎったネタ。
総統「最高勲章あげるから後方に下がって」
ルーデル「私の機体に『加護』をかけて折れたならば下がりましょう」

そして折れずに済んで、嬉しいやら悲しいやらなガーデルマン。また出撃だ!

954リュータ ◆viMvJifIpw:2011/01/14(金) 00:57:02 ID:gxDxWlOI0
竜神様の中の人氏、投下乙です。

「運命確定」勝てる可能性があったから良かったけど、万が一にもなかった場合は、
「天国に迎えられた魂には、負ける者などいない」
そういう解釈で、国民全員がその時点で即死というブラックジョークな結果になったような気が……

>>932
>「君達が異世界に行っていた間にモスクワ近隣での独ソの合戦の結果が出た。
>独逸の辛勝だ」
>>933
>「独逸潜水艦が日本近海において活動するような事があったら、日本が三国同盟に沿って英国に宣戦布告したとみなす」
>と高圧的脅迫を既に受け取っていたのだが

沈没事件後、ドイツにポイント稼がれたことと、この脅迫へのフォローで、イギリスは日本にそれなりの便益提供を追加しなければならないのは確実ですね。

あと、この沈没事件は、史実でのドイツタンカー「ウッカーマルク」の爆発事件の竜神様世界バージョンなのかなと思いました。
爆発で失われたか、前後の事情でイギリスに目を付けられて日本に売却せざるを得ないかの違いで、結局はドイツからトール号は失われた、という意味で。

>>935
>「異世界での戦争。
>この場合は蟲退治かな。
>海軍も全面的に協力する」

たしかに撫子のお礼の側面もあるけど、主目的は「海軍予算を引っ張ってくるために、英独の勝てる側と戦おう!」との主張へのオルタナティヴでしょうね。

>>937
さすが管理局の白い魔……ゲフンゲフン。
動画のお返しに、「この馬鹿竜が!!」というフレーズが出てくるエピソードで、私が思い浮かんでしまうED曲をどうぞ
ttp://www.youtube.com/watch?v=R4EHnhkcoaI&NR=1

955名無し三等陸士@F世界:2011/01/14(金) 02:16:05 ID:3.rNyVig0
早速ウレションの真性KYリュータ ◆viMvJifIpw 君だ

956名無し三等陸士@F世界:2011/01/14(金) 14:29:44 ID:SzmjlAKkO
>>953

ルーデルも墜ちたことはあります。
だから機体に加護をかけても大丈夫ということはないでしょう。
やっぱりポッキリと折れると思いますよ。
彼は敵に与える損害が凄いだけなんです。
けして無敵の存在ではないのです。
実際に片足を失う大怪我をしていますしね。

957名無し三等陸士@F世界:2011/01/14(金) 16:41:21 ID:XcoA34fc0
>>956
落ちたこと在ります、っつーかあの人たしか生涯被撃墜数30くらい…まあみんな知ってると思うけど
加護かけてもらって普通に帰ってくるのってハルトマンくらいじゃね?


というか加護をかけてスツーカの足が折れたら別の機体に乗るのがルーデルクォリティ
大ドイツの製品でもたまにはこういうことがある。ガーデルマン、さあ出撃だ!w

958名無し三等陸士@F世界:2011/01/14(金) 18:44:37 ID:MuOvP6w20
投下乙。

暫くポッキリネタで楽しめそう^^

と言う事は、遠藤の苦労は『骨折り損』ですねw

959ハルサブロー ◆Mh4kAg814k:2011/01/14(金) 19:13:05 ID:DZt8ismc0
>加護

乗る人がどうあっても帰ってこれないからこそ、乗る前にポッキリ逝くわけであって、
無事帰ってこられる目処があるなら、折れるどころか弾避け代わりになるんじゃないの?
例えば戦艦大和なら、沖縄特攻直前まで折れやせんでしょう。
伊勢や日向あたりなんか、「絶対折れると思ったのに無事だ!?」って後々の語りぐさになりそうだ。

960名無し三等陸士@F世界:2011/01/14(金) 19:34:55 ID:mcg6esMA0
>>956
ルーデルは落ちても帰ってくるので加護かけても機体折れないんじゃないかなあw
ちなみに彼の被撃墜は全て対空砲火によるもので、空中戦で負けたことは一度もない
スツーカなのに……大砲鳥なのに……いあ!いあ!

961名無し三等陸士@F世界:2011/01/14(金) 20:34:03 ID:H94/D3rY0
ハルトマンは帰ってこれるけど心が死んでそうだ

962名無し三等陸士@F世界:2011/01/14(金) 21:27:54 ID:oXmDehTQO
>>961
それこそ心がポッキリwww

963名無し三等陸士@F世界:2011/01/15(土) 11:10:07 ID:PzQ6e2yQ0
一つ疑問が。
なぜ誰も黒長耳族牧場の運営を言い出さないのか。
今までのF世界の記述的にどう見てもいい環境ではないだろう牧場の持ち主から運営権を買い、
産婦人科医と看護婦と協力者の黒長耳族と酪農の専門家を数人ずつ+野戦病院設備を送り込む。
これで彼女達の衛生と健康状態は相当よくなるはずなのだが。
これは牧場の生産量の増加に寄与し、牧場主も帝國も喜ぶ。
この噂を積極的に広め、他の牧場主から運営の委託を進める。
後はカッパドキアだけでなく、西方世界全土に運営を拡大。
そして最終的には牧場主から牧場そのものを買い取る。
牧場にいた人間は本土に送るか竜州に船で送るか、どっちでもいい。

生産コストを工面出来るなら酪農家になるのが家畜の値段は安いに決まっている。

964名無し三等陸士@F世界:2011/01/15(土) 11:20:20 ID:gnXhjgyU0
>>963
『虐げられてる黒長耳族を救う』という大義名分を掲げてる側がそれをやってどうするよ。

むしろその考えを書き込む前に考え直さなかった事こそ疑問だわ。

965名無し三等陸士@F世界:2011/01/15(土) 13:26:10 ID:376K3ZA60
>>964
同感ですな。
「いきなり牧場そのものを買い取って、黒長耳族を解放する」のならともかく、帝国自身が黒長耳族を家畜扱いするようなことは、絶対にやってはいけない。

966名無し三等兵@F世界:2011/01/15(土) 14:28:58 ID:lW2PlklU0
>>963
そんなに冷徹になれる政府なら戦争直前まで追い詰められてないって。
帝国が基本的にお人好しなのは分かっているでしょう。

967名無し三等陸士@F世界:2011/01/15(土) 14:43:48 ID:nzkjt/ig0
いや、そもそもそんなことしたら、黒耳族が帝国に一生懸命つかえてくれるはずないよw
失望されるだけだよ。

968名無し三等陸士@F世界:2011/01/15(土) 14:45:39 ID:lV/.OD1o0
ルーデルの義足なら折れないんじゃね?

969名無し三等陸士@F世界:2011/01/15(土) 15:14:38 ID:oXmDehTQO
>>968
ソビエトの戦車兵に加護を掛ければ折れるかも…
無駄か。

970名無し三等陸士@F世界:2011/01/15(土) 15:21:25 ID:FP4o35YA0
>>969
無駄だろうな。
アンサイクロペディアですらルーデルの前では折れるしかなかったんだし。

971名無し三等陸士@F世界:2011/01/15(土) 18:19:59 ID:t7FPmtQo0
>>963
黒長耳族の主の竜神様を敵に回す覚悟が必要ですよ
黒長耳族の保護は一番最初竜神様へのゴマすりが動機、黒長耳族が日本にとって貴重資源だったオチでしたが
黒長耳族を養殖したお礼に竜神様が日本列島を海に沈めて下さる場合、利益は黒字?赤字?

972963:2011/01/15(土) 23:11:44 ID:PzQ6e2yQ0
救われるよ、黒長耳族は。
少なくとも現状より良い状態へ移行する。
そして最終的に牧場は全て買い取られ、彼女達は救われる。
もちろん、軍事力でもって強制的に接収出来るならこの話は必要ないけど。

973963:2011/01/15(土) 23:12:39 ID:PzQ6e2yQ0
ああ、もちろん。
実は牧場では結構気を使って成長させているとかなら、話は別なのだけど。

974963:2011/01/16(日) 00:18:06 ID:PzQ6e2yQ0
最終目標は全ての牧場の購入と彼女達の解放。
なので運営という段階を踏まずに最初から牧場が買い取れるなら、その方が望ましい。
ただ、一般的に生産者は商品を売る事で生計を立てるので、生産手段はあまり売ろうとはしない。
なのでその過程で一段階必要かも、と思った。別に家畜扱いをしたいわけではない。

最後に考えたけど、撫子やメイヴに別案がある可能性は割りと高いのかもしれない。
そうであればいいと思う。

975名無し三等陸士@F世界:2011/01/16(日) 01:04:12 ID:t7FPmtQo0
ただ牧場の経営者は(表向きは違うでしょうが)国家の上層部を形成する貴族やそれに近い大商人な事がはっきりとでは有りませんが暗示されています
金に困ってない経営者から牧場を購入するにあたって必要な資金は膨大な物になる事が予想されますし、持ち主の言い値を覚悟しなければいけません。
帝國が大量に購入しているせいで市場価格が高値で安定した優秀な投資先なわけです。
この莫大な利益が確定した利権を手放させるには「最悪」戦争による賠償金とかしか方法が無いように思いますが
どう思われますか?現代の油田(それも枯れない状態)とかを想像すると近いかもしれませんね。

976リュータ ◆viMvJifIpw:2011/01/16(日) 08:13:21 ID:gxDxWlOI0
油田というより、南米や東南アジアの政情不安や治安の悪い地域での「麻薬栽培」がニュアンス近いと思う。
反龍の意識の強い宗教下で、「龍の眷属の繁殖に手を貸す」というのは、一般人レベルだと「金にはなるけど、犯罪レベルの行い」ではないかと。

977名無し三等陸士@F世界:2011/01/16(日) 19:09:56 ID:inTe32560
無理強いしなくても撫子市では盛りっぱなしでしょ。
牧場式にしないほうが無事な子が生まれるし忠誠心も高い。
成り金たち・冒険者(エルフ狩)からの直接購入も認めなかったし。
とりあえず売られた喧嘩は買ってるけど、
まだこの世界の状況も把握しきらない内から
現状では唯一の貿易相手を滅ぼすのは暴挙。

978963:2011/01/16(日) 20:46:17 ID:PzQ6e2yQ0
>>975
そう簡単に売らないであろう事はその通り。
なので彼女達の状況改善するための手段は「我々のやり方の方がもっと上手く出来ます。」
と利を説いて運営に携わる事しか考え付かなかった。
もちろん撫子市では生まれるだろうけど、それでは今牧場にいる黒長耳族は救われない。

もちろん、見ない振りをする選択肢はいつでもある。
あるいは西方世界でのプレゼンスを高めた上で商売ではなく外交で手に入れる方法も。
しかしながら前者をするには日本人は善人過ぎるし、後者は英米並みの外交力が必要。
そして軍事オプションは避けるべき最後の手段。リスク高すぎるし。
ただ誰かが牧場に実際に行ったら持ち帰った話次第で本当にどうしようという話になるだろう。
そして日本人よりも黒長耳族自身の方が冷静な判断を下すかもと考えるのは私の偏見だろうか?

979名無し三等陸士@F世界:2011/01/16(日) 21:42:00 ID:3.rNyVig0
これだから自分では頭が良いつもりのバカは…
聞く耳を持たず自論を押しとうそうとしてナニイッテルノカワカラナイ馬鹿長文だ

980名無し三等陸士@F世界:2011/01/16(日) 23:31:32 ID:TuM8whQg0
現代だと中米とかで麻薬が産業化している地域に対して
栽培法指導してお買い上げしてあげるから仲良くしようっていう感じ?
ヴァカじゃね。

981名無し三等陸士@F世界:2011/01/16(日) 23:45:50 ID:3V/h8nyc0
新作投下来とるがな!超乙!いつも楽しみにしてます!

982リュータ ◆viMvJifIpw:2011/01/16(日) 23:59:06 ID:TfdOIUqI0
「黒長耳族女コマンドの復讐・地獄の美女軍団」
「牧場」での虐待への復讐心を持ち続けた彼女は、帝国の元で魔法と銃器と破壊工作のプロフェッショナルとして生まれ変わる。
同じような境遇の女性達を集めた彼女は、山火事といった事故や内紛を装って次々と「牧場」を潰していくのだった……

なぜか唐突にこんなのが頭に浮かんだ……

983名無し三等陸士@F世界:2011/01/17(月) 09:12:32 ID:t7FPmtQo0
>>978
利益と宗教が絡んだ大変複雑な利権な事をお忘れではありませんかな
黒長耳族を大量に購入するカモな国大日本帝国は他国それも接触した歴史が無い国、F世界的には新参国です。
その国の人間を牧場に近づけるような警戒心ゼロな国があれば医師として入り込む事も可能かも知れませんね
また医師として入り込んだとき黒長耳族を優遇するような行為の一切禁止を牧場主から命令されるのは容易に想像できる事です
なぜか?それは彼女達黒長耳族がF世界国家にとって異教徒で異民族だからです。
彼女達の状況改善を命を懸けてできる医師が即座に無駄死にして黒長耳族の環境は何も変わらないのがオチでしょう

984名無し三等陸士@F世界:2011/01/17(月) 20:36:02 ID:PzQ6e2yQ0
牧場は麻薬より奴隷船の環境改善に近いと思うが、麻薬で一つ思い出した。
昔あるマフィアが配下に麻薬を扱わせない代わりに分配金を多めに配っていたというお話。
エルミタージュ経由でツテを作り、環境改善と引き換えに資金援助するほうが、
直接運営に携わるよりは反発が少なそうだ。監視というか見届け役が出来る日本人冒険者もいるし。

985名無し三等陸士@F世界:2011/01/17(月) 21:52:28 ID:TuM8whQg0
それで家畜以下の扱いをされている彼女らが救われるのか、オメデタイ。
あれだな、ホワイトバンド一つ身に着けて、社会に貢献している自分って
カッコイイと勘違いするレベルのアホだなあんた。

986名無し三等陸士@F世界:2011/01/17(月) 22:20:12 ID:RC0cJK3M0
異世界に来たばかりでエルフを救うなんて夢のまた夢
移民が軌道に乗って十分な開発が行われ…  十数年はかかるな

987名無し三等陸士@F世界:2011/01/17(月) 22:50:34 ID:oXmDehTQO
自己正当化の末ここまで流れる人も珍しい。

けど不毛なのはそろそろ、次スレも近いし。

988竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2011/01/19(水) 02:29:26 ID:ybLtRT0s0
 新スレができたので、突発埋めネタ投下。

989竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2011/01/19(水) 02:50:13 ID:ybLtRT0s0
 撫子三角州には飛行場がある。
 そこに、陸海軍合わせて二百機近い航空機が日夜蟲退治にいそしんでいる訳なのだが、当然二百機もの航空機を運用する為の滑走路は一本であるはすがない。
 これは、そんな飛行場のお話である。

 将来の空軍設立を目指して航空機の共通運用の研究とか始めている帝国だが、撫子三角州にある飛行場は陸軍用と海軍用の二つが存在する。
 とはいえ、それぞれの飛行場は誘導路で繋がっており、整備なんかも一緒にしていたりとかしているのだが。
 で、蟲退治の為に運用を始めて気づく。
 飛行場が足りないと。

 まぁ、独ソ戦の教訓が届いていたりするのだが、突発的な蟲の転移に即応する為に撫子三角州からでは遠すぎるのだ。
 たとえばモスクワ戦で独ソ両空軍が激しくぶつかった日の独空軍は4000ソーティ以上の出撃をし、ソ連軍ですら3000ソーティの出撃をしている。
 これを、撫子三角州の飛行場で全て処理できるか?無理に決まっている。
 なお、帝国は撫子三角州近くの蟲の巣に攻撃をしかける事が決定しており、という事は攻撃用の増援が送られる訳で。
 修羅場確定の撫子三角州飛行場の運用を効率良くする為にも、第二・第三どころか第十ぐらいの飛行場を造る羽目に陥ったのである。

990竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2011/01/19(水) 03:09:23 ID:ybLtRT0s0
 対地攻撃の為にも飛行場は多く必要である。
 だが、蟲どもは距離無視の転移で襲ってくる可能性が高い。
 効率良く分散して飛行場を作ったら、それこそ各個撃破の的になりかねない。
 かくして頭を抱えた関係者だったのだが、おおむね次のように纏まった。

1)母飛行場(撫子三角州飛行場)の拡張。
 司令部がおかれる撫子三角州の対岸に飛行場を新設。
 新設飛行場とその周囲に結界を張って要塞化。

2)中継飛行場の設置
 撫子三角州から距離にして100キロ地点に中継飛行場を設置。
 飛行機の一時待機場および前線司令部として周囲を魔法結界で囲み要塞化。

3)前線飛行場の設置
 中継飛行場から蟲の巣に向けて前線が延びるごとに十個程度の前線飛行場を設置。
 前線が延びるにつれて移動、移動後は放棄。

 ここで問題となったのは3)だった。
 何しろどれだけいるか分らない、蟲の巣攻撃である。
 昼夜問わない弾幕で蟲を殲滅しないといけないのだが、昼間の蟲殲滅の鍵が航空機による対地支援と偵察機の着弾観測である。
 で、この飛行場は死守しないといけないのだが、問題はその死守する為の補給をどうするかであった。

991竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2011/01/19(水) 03:27:49 ID:ybLtRT0s0
 もとより『足がない』と竜州軍参謀が嘆き続け、必死に足の確保に奔走している有様である。
 そこに降って沸いた、飛行場守備戦力と飛行場運営維持の補給問題に竜州軍および竜州艦隊は頭を抱えたのであった。
 まだ鏡の川の近くならば船も使えるだろうが、そこから先は見渡す限りの荒地である。
 道路を作ってトラックか鉄道でも通そうかと当初は考えていたが、転移魔術を使って沸くであろう蟲を前に安定的な補給を維持できるかといえば疑問符が着く。
 そして、結界魔法を使う黒長耳族や獣耳族の数は圧倒的になりないし、グウィネヴィアの森全域に張られている広域魔術複合結界で覆うには蟲の巣が邪魔になる。

「空しかないだろうな」

 現在の所、まだ制空権は圧倒的に帝国が握っていた。
 いつこれが魔法的なもので覆るか分らないが、安定性を考えたら輸送機を使うのが一番だろう。
 ちなみに、この空中補給作戦はモスクワポケットにて独空軍が実行し、三百機近い輸送機と輸送任務に就いた爆撃機を失っている(この時点で突込みが入ったのだが無視された)のだが成功しているからだ。
 で、輸送機を用意……できなかったのである。

992竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2011/01/19(水) 03:53:06 ID:ybLtRT0s0
 理由は簡単である。
 輸送機は貴重な貴重な輸出品だったからである。
 三百機近い輸送機を失った独空軍はその補充に真っ青になり、帝国からの零式輸送機は引っ張りだこになっていた。
 そこに、『竜州で使うから輸送機回して』といえる訳がない。
 国をあげて異世界に乗り出そうとしているが、帝国そのものは第二次世界大戦が行われている地球にあるのである。
 外交関係の悪化がどうなったかはほんの半年ほど前まで戻れば分ろうというもの。
 何かないかと本土を駆け回った関係者が目をつけたのが、陸軍が日本国際航空に試作を支持したク8――グライダー――である。

 エンジンはつけないから製作は簡単だし、兵員なら15〜20名、兵器輸送なら四一式山砲1門を搭載でき、機首部分は操縦席後方で90度に開くことができ大型貨物の出し入れも容易。
 何よりも木金混成で資源の確保に手間取らなくて良い点が評価され、制式採用され四式特殊輸送機としてさっそく製造に入ったのだが……

「いいもの作っているじゃないですか?」

 当然、そんなものを独逸が見逃す訳もなく、色々な高度技術と引き換えにこれも輸出品に乗せられて竜州軍および竜州艦隊関係者が足を求める日々はまだ続くのであった。

993竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2011/01/19(水) 04:07:09 ID:ybLtRT0s0
 なお、この四式特殊輸送機は全部輸出に回った訳ではなく、幾許かが竜州にやってきている。
 で、その運用方法が試験という事もあって素敵にダイナミックだったりするので一例を紹介しよう。

1) 撫子三角州から九七式重爆撃機を曳航機にして離陸。
2) 途中でグリフォンライダーと合流、九七式重爆撃機のワイヤーを切り離してグリフォンがそれを掴んで引っ張る。
3) 飛行場上空でグリフォンがワイヤーを離し滑空で着陸。飛行場では黒長耳族もしくは獣耳族の風魔法で着陸をサポート。

 油をほとんど使わないのでこの方法は結構重宝がられ、帝国はグリフォンや更に力のあるワイバーンを求めて西方世界で東奔西走したりするのだがそれは別の話。
 なお、試験的だがこのグライダーを超大型カブトムシだかクワガタだかが抱えて飛んでいたとかなんとか……
 

 帝国の竜神様 突発穴埋め話

994竜神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2011/01/19(水) 04:13:17 ID:ybLtRT0s0
投下終了。
という訳で次スレはこれ。
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/4152/1295341232/

では。

995リュータ ◆viMvJifIpw:2011/01/19(水) 08:21:31 ID:qRE3o96A0
投下、乙です。

>帝国はグリフォンや更に力のあるワイバーンを求めて西方世界で東奔西走したりするのだがそれは別の話。
総称が帝国海軍特別陸戦隊飛行(空中?)騎兵部隊で、鷲頭獅子騎兵分隊とか天馬騎兵分隊とか翼竜騎兵分隊とかの名称になるのでしょうか。

あれ? ワイバーンて「ハワイの龍の眷属としてのワイバーン」と「ただの野生動物やモンスターとしてのワイバーン」に分かれてたのか。

996名無し三等陸士@F世界:2011/01/19(水) 16:48:46 ID:TuM8whQg0
他に相手にされないからって埋め草に投下されたネタ話にまで
イチイチ突っ込みいれるなよ、このKYが。

997名無し三等陸士@F世界:2011/01/19(水) 18:27:47 ID:mcg6esMA0
>>996
いちいち絡まんでよろしい。つーかキミ、人の書き込みにケチつける以外にすることはないのか?
もうちょっと建設的な書き込みはできないもんですかねえ……

998名無し三等陸士@F世界:2011/01/19(水) 22:43:00 ID:dKUqQ8Pc0
>>996
何回も絡むなよ。お前の方がKY。

999名無し三等陸士@F世界:2011/01/20(木) 00:49:04 ID:M0YXC0KU0
虫が抱えたら羽ばたきの振動で壊れそうだけど、俺が思ってるより虫の羽ばたきって安定してるのかな
それともグライダーが頑丈なのか
投下乙です

1000名無し三等陸士@F世界:2011/01/20(木) 08:49:18 ID:2w4fxHuE0
埋め

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