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皇軍(明治〜WW2の日本軍)がファンタジー世界に召喚されますたvol.18
1名無し三等陸士@F世界:2008/02/27(水) 13:48:20 ID:z4bRGpbM0
自衛隊ではない日本の軍隊のスレッドです。
議論・SS投下・雑談 ご自由に。

ローテク兵器VS剣と魔法

戦国自衛隊のノリでいて新たなジャンルを開拓すべし
銃を手に、ファンタジー世界で生き残れ!

・sage推奨。 …必要ないけど。
・書きこむ前にリロードを。
・SS作者は投下前と投下後に開始・終了宣言を。
・SS投下中の発言は控えめ。
・支援は15レスに1回くらい。
・嵐は徹底放置。
・特定の作者専用スレは板として不可。
・以上を守らないものは…疫病と戦争、貧苦と死に満ち溢れたファンタジー世界に召喚です。 嘘です。

2名無し三等陸士@F世界:2008/02/27(水) 13:48:52 ID:z4bRGpbM0
暫定ガイドライン(分家皇軍Ver.)

1.「皇軍がファンタジー世界に」とあるように、あくまで「大日本帝国の軍事組織」が「ファンタジー世界」に関わる話であること。
2.大日本帝国というからには、日本軍の組織・装備は実在もしくはその延長上にあるものに限る。
実在しないが延長上にあるものを出すには、そこに至る流れを説得力のある理由つけてハッタリかますこと。
3.核兵器(含む動力源)・大陸間弾道弾・人工衛星、巨大人型兵器・海底軍艦・飛行戦艦・陸上戦艦など当時の日本が配備するにはナンセンスなものは極力避ける。
しかし確信犯(誤用)的トンデモ架空戦記としてならまた別かも知れない。
4.あくまで「ファンタジー世界」の話であり、F世界側の設定は作者が自由に決めることが出来る。
ただしそれ単独でパワーバランスを大きく揺るがす存在(兵器・魔術・キャラクター等)は作らない事が望ましい。
5.日本・F世界双方の人間をきちんと描写する方が好ましい。
一方の主観という演出などであえて描写しないのはこの限りで無い。
6.戦略・戦術としてありえないものを避ける。例えば一人の帝国陸軍軍人が軍刀一本で100人斬りとか。
7.萌え・エログロはあくまで表現手段であり、目的ではない。安易に狙ったり、しつこく要求するのは流石にウザイので自粛すべき。
どうしてもそれ主体でやりたい場合は各専用スレでやる事。
8.叩き・煽り・嵐は徹底放置。嵐認定を受けた後に、かまった者も同罪とする。
9.SS作者は、抽出がしやすいようにトリップ装着を推奨。
なお、二次創作の可否については原SS作者の判断に一任とする。現在、SS「帝國召喚」では公序良俗を乱す作品でない限り問題なし。
10.感想書き込む人も節度や口調を考えるべし。作品が気に食わないなら透明あぼーん汁

3名無し三等陸士@F世界:2008/02/27(水) 13:49:59 ID:z4bRGpbM0
過去スレ
01 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/4152/1116672903/
02 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/4152/1125644871/
03 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/4152/1130199183/
04 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/4152/1134983039/
05 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/4152/1139108925/
06 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/4152/1142596115/
07 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/4152/1145757330/
08 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/4152/1148549150/
09 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/4152/1151766955/
10 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/4152/1155287974/
11 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/4152/1157915129/
12 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/4152/1161151313/
13 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/4152/1167373446/
14 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/4152/1173192902/
15 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/4152/1179579011/
16 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/4152/1187842098/
17 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/4152/1194994629/

4名無し三等陸士@F世界:2008/02/27(水) 13:50:36 ID:z4bRGpbM0
SS「帝國召喚」関係

くろべえのサイト
KUROのどこかでみたような世界
ttp://www.geocities.jp/wrb429kmf065/

ここまで読んだ氏による公開済み設定まとめWiki
帝國資料館
ttp://www12.atwiki.jp/kokomadeyonda/pages/1.html

5名無し三等陸士@F世界:2008/02/27(水) 13:55:39 ID:z4bRGpbM0
以上テンプレ終了

6名無し三等陸士@F世界:2008/02/27(水) 15:51:21 ID:oVuuhHNoO
>>1
スレ立て乙であります

7くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/28(木) 07:37:06 ID:LyPPIJW.0
>>1
 1様、スレ立て乙です。


>>980
 980様、有難うございます。

>発見に関してはマストトップや舷側高が発見距離に影響するのではないでしょうか?
 戦記なんかでも、「マストが見えた」って表記が結構ありますしねえ。
 やはりHPにUPする時には再検討してみようかな。

8名無し三等陸士@F世界:2008/02/28(木) 23:00:33 ID:5wHaWlEk0
>>1

9名無し三頭兵:2008/02/29(金) 15:11:28 ID:0kc1biKE0
>>くろべえ様
帆船はトン数に比して全高がかなり高めですから修正されたほうがよろしいかと思います。
参考までに500トンの帆船の要目を挙げます。
ttp://www.santjuan.or.jp/bautista/record.html

10名無し三等陸士@F世界:2008/02/29(金) 16:02:47 ID:UWlfXywM0
皇軍は勝てる・・・が、勝ち方が問題でしょうな。
・・・だから、カナ姫さまの「色々」とリンクが繋がるのでしょうけど。

11名無し三頭兵:2008/02/29(金) 16:28:37 ID:0kc1biKE0
そういえばこの世界の軍艦は風の魔石を積んでいますが、
これの分居住性と積載量がかなり犠牲になっているのでは、と愚考します。
戦闘時と凪の時以外は基本的にデッドスペースになりますし…

12名無し三等陸士@F世界:2008/02/29(金) 17:41:07 ID:VPXOL95o0
1個あたりの大きさによるのでは?

13名無し三等陸士@F世界:2008/02/29(金) 21:33:35 ID:U/OuAZQI0
>>12
軽空母に風の魔石搭載した時は、航空魚雷用の弾薬庫潰して搭載してたはず。
まあ、沿岸海軍で長期航海の必要無いみたいだから、居住性には影響少ないのかな?

14名無し三等陸士@F世界:2008/03/01(土) 00:24:40 ID:phUL.iPY0
と、言うか、この世界土着の呪術である「魔法」を
調査・分類したり取り入れたりを画策する機関や組織が無いのが不思議。
宮内省傘下の「あちこち」で、「勉強会」とか「会合」とか
あるはずなんだけどな・・・・機密費・宮廷予備費からの予算が付いて。

15名無し三等陸士@F世界:2008/03/01(土) 01:08:11 ID:slWT8wvs0
 そういや維新後は陰陽寮なくなっちゃってるんだよな。
これを機に復活させたとかは?

16名無し三等陸士@F世界:2008/03/01(土) 01:22:50 ID:ygWgjS/60
>>14
魔法を研究する機関があったとしても、宮内省ではなく内務省の管轄だと思う。

17名無し三等陸士@F世界:2008/03/01(土) 02:00:47 ID:phUL.iPY0
内務省でも陸軍でも「私的研究会」扱いはあるかもしれんけど
一番「その手の人材」を集めやすいのは宮内省だろ?
学会から「異端」の人材を招聘したりできるのは陸軍と内務省の
どちらだろうか・・・・
(ここから端を発した研究成果が「異世界からの個人召喚」だったりして)

18名無し三等陸士@F世界:2008/03/01(土) 02:38:11 ID:Cqr.o6K.0
全てプラズマで説明できます。

19名無し三等陸士@F世界:2008/03/01(土) 04:30:58 ID:JnQxMnBc0
陰陽寮という名の迷信と伝統、風習を復活させても魔法とは関係ないだろ。
第一F世界と同じ目線で魔法研究してたら帝国の意味無いでしょ。
正当な科学の実験で魔法を明らかにしていく方がこの手の科学とファンタジー世界にあってるのでは?

20名無し三等陸士@F世界:2008/03/01(土) 07:59:08 ID:XU5JMbtc0
そもそも、魔力の無い地球人じゃあ、まともに研究出来ないだろうしね。
そういう機関を作ったとしても、いいとこダークエルフに丸投げじゃない?
そして彼らは当然重要情報は秘匿したまんまだろうし。

21名無し三等陸士@F世界:2008/03/01(土) 10:51:48 ID:Zsg6ZW920
全く使い手が居ないわけでも、ないかも知れない。
ifの話なんだから、陰陽寮に所属してたりする人たちに本当の使い手が居ないかどうかは作者さんしかしらないわけで。
マナが豊富になった世界に来たら適正難易度が下がって今まで使えなかった人が使えるように
今まで使えていた人はより使えるようになるかも知れない。
TRPGのガープス的な解釈だけど。

22名無し三等陸士@F世界:2008/03/01(土) 11:41:05 ID:XU5JMbtc0
いや、だから地球人類そのものが基本的に魔力を持たない種なんでしょ?
特例的に少数の適正持ちが転移によって出現したとして、
都合よく陰陽寮ばかりから人材が出てくるわけなかろうし、
それが研究機関として成り立つわけないじゃん。

23名無し三等陸士@F世界:2008/03/01(土) 11:54:19 ID:XU5JMbtc0
それに、使い方を学習しさえすれば誰にでも使え、大量生産出来る科学技術と
魔力を持ってなければ基本的に意味がない上に量産の概念なんて存在しない魔法技術。
どちらに傾注すればよいかなんて考えるまでもなく明らかだと思う。

まあ、旧版通りなら、医療方面においてはかなりの影響を残しそうだし
DEの子供に作らせた攪乱用のチャフみたいに、
魔法攻撃からの防衛のためのちょっとした研究とかはしそうだけどね>魔法技術

24名無し三等陸士@F世界:2008/03/01(土) 12:09:18 ID:jq1gc/4c0
そういえば、RPGとかでは「魔力」は大抵「魔法攻撃の抵抗値」に大きく影響するけど、
魔力を持たない帝國人はそこら辺はどうなっているんだろう?

直接的な攻撃魔法以外でも、広範囲に散布できる毒のような間接的に影響をもたらす魔法があるのなら影響は大きそうだ。

25名無し三等兵@F世界:2008/03/01(土) 13:00:04 ID:DX9fFP720
>魔力を持たない帝國人はそこら辺はどうなっているんだろう?
限りなく低いとして考えるか、「民間人」と同レベルかな?
というか、魔法攻撃に耐えられないのはF世界の民間人も同じだし。

>広範囲に散布できる毒のような間接的に影響をもたらす魔法
装甲車に逃げ込めば安全そうだけど、帝國じゃなあ…。

26名無し三等陸士@F世界:2008/03/01(土) 14:13:06 ID:VC/jnjMg0
帝國の科学や工業では生み出せない・加工できない「色々」を
魔法では「職人手作りレベル」程度の量産なら出来る・・・となったら
それもアリと考えるのでは?
逸品物が必要とされる局面もあるんだし

27名無し三等陸士@F世界:2008/03/01(土) 14:23:21 ID:eK5hkLm60
現代(2000年代)のレベルの精度を出せるマザーマシンが月1、高度な術者一人を酷使すると作り出せる……とかだったりすると帝國はおそらく躍起になって魔法技術を研究しそう。
そしていつの間にかなんのために魔法を研究していたか解らなくなるくらい魔法技術を取り入れてたりするかもしれん。

28名無し三等陸士@F世界:2008/03/01(土) 14:41:37 ID:y6szPJ6U0
一大消費活動の最たるものである「戦争」に生産数に限りのある家内制手工業を今更組み込むのはリスク高すぎると思うんですけどね。
それも作り手の資質に大きく左右されるような技術じゃなあ。
核爆弾レベルの破壊力のあるものなら、使う価値あるかもしれませんけども。

なにより、「日本人からはマジックユーザーが生まれない(?)」っていう前提じゃあ、怖くて力を入れる気にはならんでしょ。
下手に社会の根幹に根ざす技術になったりしたら、DEや他国人協力者にキンタマ鷲づかみにされるようなもんだし。


それにぶっちゃけ、個人的にはあくまで「科学力vsファンタジー世界の力」のぶつかり合いを読ませてほしいな。
帝國から陰陽師とか退魔士なんて出てきても萎える。

29名無し三等陸士@F世界:2008/03/01(土) 15:06:04 ID:VC/jnjMg0
DEを教官として、「帝國人」にだけ教える魔法学校を創設するとか。
ただ、術だけでなく理論と応用・・・そして、「魔法」に対する
科学的アプローチに特化していきそうな気がする。
最終的には「人力」でなく「発電機」を使って「魔力」を生み出したり
高速積分計算機を用いた「制御」の方向に進みそうだなぁ・・・・

30名無し三等陸士@F世界:2008/03/01(土) 15:35:14 ID:6kBOJ8/20
アルフェイムの魔道技術が、「人」っていうインターフェイスを必須とするのかどうかがよく分かってないからなぁ。
作成や運用に魔導士の存在がが必須なら、いずれにせよ魔法を使える人間が生まれる可能性が低い帝國で本格的に導入するのは自殺行為だと思う。

それにまあ、パラレルの話とはいえ、転移男の世界を見る限り、未来の帝國で魔法が発展してるようには見えないし、
魔法と科学が融合してるようにも思えないしね。

31名無し三等陸士@F世界:2008/03/01(土) 16:41:59 ID:1LB7c8FY0
それなりに痛い目にあっている、決して無視できるものではない。
それが分かっているのに、「魔法の事など知る必要はない」というの方が不自然で萎える。
実を結ぶ結ばないはあるにせよ、研究は継続して行われると思う。

あとF世界側には科学に近い物があるのに、こちらに魔法に近い物が全くないという方が萎える。
異質な物同士の交流による化学変化のようなものも見てみたい。
社会全体で科学と魔法の融合とまでは行かなくても、現場レベルくらいでは便利な物は取り入れていても良いと思う。
永久に魔法を拒み続ける訳でも無いのだし。

32名無し三等陸士@F世界:2008/03/01(土) 17:06:48 ID:6kBOJ8/20
魔法を科学に融合させようとするなら、初歩の初歩から物理学を構築するくらいの労力が必要だと思う。
竜とかの生態とか、ローコストな燃費とかは、生物学者が頭を掻きむしったなんていう表現があったと思うし、
それに50年経ってもファミコンレベルのコンピュータさえ出てないんだから、
電算に魔法の機能を代替させるのも当分は無理だろうしね。

なにより、再転移して地球に戻ってしまう可能性も考慮すると
マナの存在しない地球では使えない魔法を本格的に戦争や生活レベルに組み込むのは躊躇するんじゃない?
旧版じゃあ、地球に戻ったときのことを考慮して対アメリカ用に過剰なまでの核配備してるみたいだし。
少なくとも、地球時代の世代が死んで、支配層が完全に世代交代するまでは、あくまで科学が主流で行くと思う。

33名無し三等陸士@F世界:2008/03/01(土) 17:13:44 ID:6kBOJ8/20
そういえば、今まで出てきた中で、大規模戦闘で脅威になりそうな魔法技術なんて
竜、探知魔法、魔法の矢
この三つくらいだよね。ほかにも何かあるのかな。

34名無し三等陸士@F世界:2008/03/01(土) 19:15:47 ID:fqyHfca20
弾頭を魔法結晶で作られた
コスト馬鹿高の高威力兵器 魔道砲

故障率は生態ゆえに少なく信頼性が高く
歩兵の携行火器では撃破しがたい戦竜

金さえあって短期決戦でホームグラウンドなら帝國と張り合えるんだよな現状でも

35名無し三等陸士@F世界:2008/03/01(土) 20:31:16 ID:VC/jnjMg0
予備的な研究くらいは始まってると思うぞ。
兵器にしても、開発計画が全て成功するなんてこと無いんだから

36名無し三等陸士@F世界:2008/03/02(日) 01:29:13 ID:6IYjC78Q0
無線は実用可能だから帝國も欲しいんじゃね?あと空母用の風。
ていうか怪しい魔法とか陸軍登戸研究所の出番だろ。
さらに例によって瀬戸内海の地図にない島でなんか危ない兵器の生産するんだって!

37名無し三等陸士@F世界:2008/03/02(日) 02:23:58 ID:VC/jnjMg0
量産を最初から考えない逸品物の製造なら魔法でも良いかと
前スレで、名人と呼ばれた職人の最後の弟子が師匠の為に
材料を求めて大陸に渡った・・・と言う、石原裕次郎主演の映画ネタが
あっただろ

38名無し三等陸士@F世界:2008/03/02(日) 09:18:10 ID:5cdVuct20
>>33-34
どれもこれも(順調に進めばという条件付で)技術の進歩で対処可能。
今は太平洋戦争前半の兵器&相手を徹底的なめてるからそれ相応の被害をだしてるが、5年10年20年経てば・・・・。
この間魔法兵器はろくすっぽ進化せんしな。

39名無し三等陸士@F世界:2008/03/02(日) 09:58:50 ID:/8jum7PE0
いっそのこと最高の刀鍛冶と最高の魔法使いの手による恩賜の軍刀とか。
魔法強化の工芸品はステイタスシンボル。
むろん使用者の実力がともなわないと陰でプゲラされることになる。

40名無し三等陸士@F世界:2008/03/02(日) 10:50:55 ID:N/eAJa2w0
魔法金属のオリハルコンとかアダマンタイトとかミスリルとかの産出量も
問題だ。これが希少すぎたらどうしようもないぞ。

例えばだ、ICにつかうシリコンもたくさん算出するシリコンだったから
復仇したのであって、これが金でしか作れないような物なら
ICは作れなかったし、パソコンが復仇したとは思えないな。

大量生産には、なにより潤沢に資源がある事が求められる。
どうも、希少希少と言っているイメージがあるから現代社会とは
相容れない気がするな。

どうせ敵さんも同じくらい資源で困るんだから、現代のような鉄の大量生産で
なんぼでも成ると思うが。

41名無し三等陸士@F世界:2008/03/02(日) 12:18:43 ID:eK5hkLm60
みすたー。
携帯電話のバッテリーに使う原料の中には金より稀少なレアメタルもかなり使われてますが普及しとりますぜ。
あと「復仇(ふ”っ”きゅう)」やのうて「普及(ふきゅう)」ね?

42くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/02(日) 13:04:10 ID:LyPPIJW.0
 9様、資料提供有難うございます。
 up時の参考にさせていただきますね。

>風の魔石
 “帝國”海軍では商船改装空母(除く“隼鷹”“飛鷹”)に搭載されています。
 設置場所は魚雷調整所ですね。

>帝國の魔法研究
 現在のところは私的に細々と、に過ぎません。
 過小評価してますし、何より「なにがなんだかよくわからない」ですから。

>「魔力」は大抵「魔法攻撃の抵抗値」
 魔導師が魔道使って抵抗或いは迎撃・防御するならともかく、それ以下の
人間では精神力で耐えるしかありません。
 だから精神系の攻撃(催眠とか)以外は抵抗不能(火球とか)……


 ではss投下。

43くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/02(日) 13:04:41 ID:LyPPIJW.0

――――昭和六〇年二月一一日(*1)。外洋、四凶島。

 “帝國”本土の裏側、外洋のまっただ中にある四凶島。
 その上空に、“帝國”軍機の編隊が姿を現した。
 編隊は全部で14機、その全てが“帝國”軍の誇る超重爆撃機“富嶽改”である。
 うち、7機が空中給油型。本土から飛び立ったこの編隊を、アルフェイムの裏側まで導いた空飛ぶガソリンスタンドだ。
 うち、6機が火力支援型。多数の機銃を備え、何者も寄せ付けぬ編隊のエスコート役だ。
 そして、残る1機が特殊爆撃型。この編隊がはるばる世界の裏側までやってきた、その理由だった。

 特殊爆撃型の富嶽改は、高度10,000メートルから“巨大な爆弾”を投下する。
 “巨大な爆弾”は落下傘でゆっくりと降下、やがて島のほぼ中央に位置する山の火山口に入り、消失した。
 その次の瞬間、“巨大な爆弾”は作動を始めた。核分裂―核融合―核分裂という三段階の反応を瞬時に行いそのエネルギーを開放、想像を絶する大爆発を引き起こす。
 爆発による火球は高度12000mにまで達し、あらゆるモノを焼き尽くす。その爆風と熱線は、半径80㎞圏内の生物を即死させ、それに数倍する圏内の生物に深刻な損害を与えた程だ。
 生じたキノコ雲は高さ100㎞/幅50㎞にも及び、世界中で目撃されたという。

44くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/02(日) 13:05:29 ID:LyPPIJW.0
 “巨大な爆弾”の正体は、重量30tの超巨大水素爆弾“超兵器ガ壱號”。
 そのTNT換算で100Mt超にも達するエネルギーにより、清華人が“海の向こうにある破壊神の眠る島”と恐れる四凶島を、文字通りこの世から消し去ったのである。
 ……それだけに止まらず、爆発の余波は1万㎞以上隔てた両側の大陸沿岸に、大津波を引き起こした。
 おかげで、あらかじめ避難していた東側の大陸(“帝國”領)とは違い、西側の清華はこれに直撃、大きな被害を蒙った。
 轟音と共に天まで届く不気味な噴煙……そしてその後の大津波により、清華の民は『破壊神が目覚めた』と震え上がったという。

 この一撃は、“帝國”が清華に……いや、(月連合王国を含む)全世界に向けて発した強烈なメッセージだった。
 言うなれば“天下布武”、『武力を持って天下を取る(*2)』という、“帝國”の世界制覇宣言だったのである。


*1 二月一一日は紀元節にあたるが、偶然では無いだろう。
*2 近年の研究では、(“天下布武”に関する)この解釈は否定されつつある。

45くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/02(日) 13:06:15 ID:LyPPIJW.0

――――平成一九年四月二九日。帝都、陸軍兵器行政本部。

 ガサゴソ、ガサゴソ……

「む〜、無いなあ……」

 陸軍の兵器行政を一手に担う陸軍兵器行政本部。その第幾つだかの資料庫の一画で、年の頃24〜25の青年将校が何やら探し物をしていた。
 良く見ると、兵科色は黄色。襟章は金線4本に星が2個――技術中佐であることが判る。
 が、漫画じゃああるまいし『二十代半ばで中佐』など、あり得ない。(他国ではあり得るが、少なくとも“帝國”軍においてはあり得ない)
 加えて、その一挙手一投足がおよそ軍人らしくない。幾ら技術将校とはいえ、あまりに酷すぎる。
 ……とはいえ、こうして行政本部に出入りしていることから考えて、どうやら“本物”らしい。事実は小説よりも奇なり、だ。(いったい如何なる裏技を用いたのやら……)

 技術中佐は、頭の埃を叩きながら嘆息した何やら嘆息している。
 ……よく見ると、我らが主人公稲葉だ。

「やっぱり、沙羅を連れてくれば良かったかなあ? アイツ、喜んでやりそうだし……」

 陸軍兵器行政本部、と聞いただけでぬこまっしぐら、きっと飛んでくるだろう。
 が、彼女は現在“まんぷく”で仕事中、呼び出すのはロンさんに悪い。まして公務ならともかく、これは私用なのだから。

46くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/02(日) 13:07:22 ID:LyPPIJW.0
「中佐殿、いくら探したってありゃあしませんよ」

「しかし、だな。可能性はある」

「……いや、ありませんから」

 技術中佐の台詞に、この資料室を管理する老人は呆れ気味に答えた。

 ……きっかけは、昨日の夜だった。
 NHKスペシャル『挑戦者達〜史上最大の爆弾を造れ!“超兵器ガ壱號”開発秘話〜』を見た時のこと。
 突如、彼の頭にキバヤシが舞い降り、耳元で囁いたのだ。

 …………

 …………

 …………

「なるほど、世界制覇宣言ね。『我が目指すは天! 阻むなら神とも悪魔とも戦うのみ!! 我、世紀末の覇者となろうーーー!!!』 ってか? く〜〜、カッコいいなあ……」

 ――本当にそう思うか!?大本の情報が間違っていたとしたら…!!

「むう……? けど、確かに筋は通っているし……」

 ――ナワヤ……速断は禁物だぞ!!

47くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/02(日) 13:07:56 ID:LyPPIJW.0
「何?どういうことだ?」

 ――おれは今この映像を見て、恐ろしい仮説を思いついたんだ。

「恐ろしい仮説?」

 ――クククク…クククク……何故、“帝國”はあんな巨大爆弾を投下したのだと思う? 莫大な予算をかけ、しかも清華人どころか“帝國”領民まで犠牲にして……

「でも、“帝國”領民の方は死んでないし。被害も補償したし……」

 ――あの爆弾の本当の目的は、四凶島の地下に眠る、伝説の破壊神を抹殺するためのものだったんだよっっっ!!

「な、なんだってーーーっっ!?」

 た、確かに……アノ爆弾ならゴジラだって殺せるぞ。
 それにぬこミミ少女やいぬミミ少女がいるのなら、伝説の破壊神がいたっておかしくないな。だって、ファンタジーだし。

 ――が、あれが最後の破壊神だったとは思えない。必ずや第二、第三の破壊神が存在するだろう。今回は封印された状態だったから良かったが……

「クッ!だとしたら、俺達が今までやってきたことはっっっ!!」

 ――あきらめない!!それがオレたちにできる唯一の闘い方なんだよ!!

「!!」

48くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/02(日) 13:08:27 ID:LyPPIJW.0

 ――よしMMR緊急出動だ!!新たなる破壊神を、俺達の手で見つけ出すのだ!

「ラジャッ!」

 …………

 …………

 …………

「破壊神〜出ておいで〜〜♪」

「……その手の本屋で探した方が早いんじゃあないですかねえ――おっと電話だ。はい、第11資料室です!」

「む〜〜」

「はい、わかりました。 ……稲葉中佐殿、お電話ですよ。ご自宅からだそうです」

「“まんぷく”から?」

 何の用だろ?と稲葉は受話器をとり、転送されるのを待つ。
 と、まるで身を乗り出す様なシャオの声が聞こえてきた。

『あ、稲葉さんですか!?』

49くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/02(日) 13:09:11 ID:LyPPIJW.0
「シャオちゃん?何か用?」

『今、ヒマですか!?ヒマですよねっ!!』

「忙しいよ」

『お仕事で忙しい、のではないですよね!?』

「……まあ」

 今日のシャオちゃんキッツいなあ〜と思いながらも、稲葉は返す。

『じゃあ、大急ぎで帰ってきて下さい!お願いですっ!!』

「何があったの? ……なんか、やたらせっぱ詰まった様な」

 稲葉の何気ない質問。が、それはシャオにとってはとてもマズいものだったらしい。
 ナニやら慌てふためいた声で、否定する。

『い、いえ!な〜んにもないですよ?本当ですっ! ……ただ、稲葉さんがいなくてさみしいなあ、早く帰ってきて欲しいなあってっっ!』

「…………」

 ……怪しい。

 稲葉の頭の中で、警報が最大限に鳴った。
 今、帰ってはならない!と。
 故に、きっぱりと断るべく、稲葉は大きく息を吸い込んだ。

50くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/02(日) 13:10:02 ID:LyPPIJW.0
「せっかくだけど――『(あんたじゃダメよ!貸しなさいっ!そんな、沙羅ちゃん横暴だよ……)あ!ご主人さま♪お帰り待ってますので、早く帰ってきて下さいね♪♪』」

 !?

 つうこんのいちげき!稲葉は1000ポイントのダメージをうけた!

 ……ぶっちゃけ、ありえねえ。ナニか、よほどヤバい事態が進行しているに違いない。
 頭では、それが判っていた。
 が、体は別だった。

「……帰ったら、シッポとミミ触らしてくれる?」

『ご主人さまのお望みのままに♪』

「うん、ボク帰る」

 まてまて、これは孔明の罠だ!早まるなっ!!

 ……MAX値を振り切らんばかりの警報を無視し、稲葉は帰ることに同意した。
 虎穴に入らずんば、萌えを得ず――稲葉は命よりも萌を選んだのだ。
 稲葉がハイヤーを使い、運転手を脅してまでして、超特急で帰宅した。

51くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/02(日) 13:10:51 ID:LyPPIJW.0
 ss投下終了。
 本編の続き、少し時間かかりそうなのでつなぎに……

52名無し三等陸士@F世界:2008/03/02(日) 13:48:03 ID:165f6PWs0
ここで「次回に続く」は、ちょっと酷だとおもいませんかぁ?

53名無し三等陸士@F世界:2008/03/02(日) 13:53:05 ID:rnieKo0I0
「引き」も続き物の醍醐味だ。
昔の漫画やアニメは、一番次のシーンが気になる所で次週に続いたもんだ。
最近この手の演出少ないよな。
それはそうと、くろべえ氏、乙。

54名無し三等陸士@F世界:2008/03/02(日) 15:08:17 ID:165f6PWs0
>昔の漫画やアニメは、一番次のシーンが気になる所で次週に続いたもんだ
次週でヒーローの弟が出てきてピンチになり、その次の週で
ヒーローの従兄弟が助けに来るとか?

55名無し三等陸士@F世界:2008/03/02(日) 16:14:55 ID:0BZ4HrOI0
投下乙ですw
完璧に沙羅が稲葉の扱い方をマスターしている件についてwww
それはそうと、今度の稲葉中佐は破壊神に挑むのですか?
楽しみにしていますwww

56名無し三等陸士@F世界:2008/03/02(日) 17:59:51 ID:4.sP2/5M0
そして長年の眠りから目覚めた破壊神は・・・



非常にかわいかった。  というオチが見えた!

57名無し三等陸士@F世界:2008/03/02(日) 19:17:24 ID:0E919J7g0
TUDUKI!

58名無し三等陸士@F世界:2008/03/02(日) 20:14:41 ID:rnieKo0I0
>>54
いや、「未来少年コナン」とか「ガンバの冒険」とか、そういうヤツ。

59名無し三等兵@F世界:2008/03/02(日) 21:46:51 ID:DX9fFP720
くろべえさん、投下乙です。

稲葉氏よ、命を大事に。
しかし、沙羅さんも慣れたものですねえ。

…ハイヤーを脅してまで急いで帰りますか(苦笑)。

60名無し三等陸士@F世界:2008/03/02(日) 22:05:02 ID:GZ3CmDbs0
・・・で、「おにゃの虎 沙羅タン」って正規の階級ってあるの?
それとも、軍属扱いで”稲葉中佐”の個人秘書、兼、護衛なだけ?

お父さんとかお母さんとか、お姉さん’sには(予備役・退役はさておき)
正規の階級と軍籍がありそうだけど、沙羅タンってどーなんだろ

61名無し三等陸士@F世界:2008/03/02(日) 23:36:45 ID:nDrLZQbg0
>>60
沙羅さんは少尉じゃなかったっけ?

62名無し三等陸士@F世界:2008/03/02(日) 23:44:01 ID:njlPJyHw0
>>54
オシシ仮面の続きはまだですか? ふにゃこふにゃお先生

63名無し三等陸士@F世界:2008/03/03(月) 08:25:23 ID:BSbuSQCQ0
そのうち「天上人」なる組織が、「銃による自由」という最強兵器をもって
消しにきますよ(笑

64くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/03(月) 15:09:14 ID:LyPPIJW.0
>>52
 申し訳ない。キリがいいもので……
 あと、後編書いてて思ったのですが、どうも前編は贅肉が多すぎたようです。(ぶっちゃけ、蛇足)
 HPにUPする時は、前編相当部は大幅減量されるかと。

>>53
 53様、有難うございます。
 前編は前振りで、後編が主題です。ご期待ください。

>>55
 55様、有難うございます。

>沙羅
 短い付き合いですが、ある意味シャオ以上に稲葉のことを把握しています。
 あと、今回の沙羅の勝利はスペックというよりも、性格の差によるものですね。
 正直、シャオではとてもあそこまで露骨に態度を変えられない……

>>56
>破壊神
 まあ仮に居たとしても、100メガトン超級の熱核爆弾の直撃を受けたのだから滅殺でしょう(笑)
 ある意味、核を保有する“帝國”こそが破壊神かも……

>>57
 もう少々お待ちください。

65くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/03(月) 15:15:03 ID:LyPPIJW.0
>>59
 名無し三等兵様、有難うございます。

>稲葉氏よ、命を大事に。
 沙羅のミミとシッポを触るために、命賭けてます(笑)

>>60
>正規の階級
『そう、“まんぷく”の住み込み店員とは世を忍ぶ仮の姿、その正体は稲葉の秘書……というか監視役だったりする。ま、仕事が遅い作家の尻を叩く編集、みたいなものなのだが。
 とはいえ、一応まがりなりにも軍属である。本来一生徒だった沙羅に与える筈も無い職――だったのだが、未だ軍務を諦めきれていない彼女は、一族のコネを総動員して志願したのである。(当然学校は中退だ)』
 となっております(初登場時のSSより抜粋)
 階級は……上等兵相当じゃあないですかねえ、よくて伍長がぜいぜいかと。
(最終学歴とか考えれば、二等兵でも不思議ではない。でも頭を下げてコネ使ったのだから、「もう少し上」ということで上等兵〜伍長)

>>63
 ……ごめんなさい、元ネタ判らないや。
 今回の核実験(+清華への嫌がらせ)は全世界に対する“力の誇示”です。
 帝國が何をしたか理解できぬ民衆(或いは国)も、その天まで届く巨大なキノコ雲に恐怖すること間違い無しですからねえ。
 正直、今までの核実験とはレベルが違います。月からもよく見えたことでしょう。

66名無し三等陸士@F世界:2008/03/03(月) 15:49:36 ID:mBGvTHw60
投下乙です。
相変わらずというかなんというか、稲葉って地球にいた頃、よく社会生活を営めてましたねw
そういえば、沙羅は軍務には向かないということでしたが、具体的にどこが軍務に向いてないんでしょうか?
虎人として失格というのは分かるのですが、帝國人レベルの軍務にすら就くことができないくらいの適性の無さとかですか?

67名無し三等陸士@F世界:2008/03/03(月) 17:35:41 ID:5cdVuct20
>今回の核実験(+清華への嫌がらせ)は全世界に対する“力の誇示”です。
>帝國が何をしたか理解できぬ民衆(或いは国)も、その天まで届く巨大なキノコ雲に恐怖すること間違い無しですからねえ。
>正直、今までの核実験とはレベルが違います。月からもよく見えたことでしょう。

にも関わらずその後の清華と月が帝國に敵対してるあたり、向こうも何らかの対抗手段を誇示したのでしょうか?
例えば洋上に隕石を落としてみせたとか。

68名無し三等陸士@F世界:2008/03/03(月) 19:07:52 ID:0E919J7g0
自分は本編よかおまけマンガの方が好きだ。
鋼の錬金術師のおまけマンガとか。
おまけや番外編の方を愛する私は変化もしれんが、
この調子で稲葉編がんばってクダサヒ

69名無し三等陸士@F世界:2008/03/03(月) 19:39:15 ID:29AVKOXQ0
地位が人を作るんですよ

ぬるま湯(?)の地位に入った以上ダメになるのは当然
日本の男の子だもん、ダメで当然

70名無し三等陸士@F世界:2008/03/03(月) 20:24:36 ID:PV1upL3Y0
>>66
>沙羅は軍務には向かないということでしたが、具体的にどこが軍務に向いてないんでしょうか?

稲葉のホラを真に受けて失神しちゃうあたりじゃね?

71名無し三等陸士@F世界:2008/03/03(月) 22:01:41 ID:TXHMlQjg0
親兄弟親戚一同軍属で「お前は向かない」と引導渡されたんだから
根っから向いていないんだろ。
あと、「おにゃの虎」初投下スレで、虎人は確立的に
「寝ないと身体が持たない」個体が発生するとか無かったか?
ぬこ属の先天的特長として

72くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/04(火) 13:56:53 ID:LyPPIJW.0
>>66
 66様、有難うございます。

>稲葉って地球にいた頃、よく社会生活を営めてましたねw
 二次元の世界に入り込んだ、なんて気が心の何処かに残っているのでしょう。
 或いは、未だに現実を完全には受け入れていない(表層はともかく心の深層では)のかもしれません。
(もちろん、小人が特権手に入れたから、なんてこともあるでしょうね)

>沙羅は軍務には向かないということでしたが、具体的にどこが軍務に向いてないんでしょうか?
 本質的に臆病なので、虎人の恥さらし……どころか今まで築き上げた評判を落としかねない、という点です。
 あと、1日最低8時間以上(できれば10時間)寝なければダメなとことか、夜起きてられないとこですかねえ。

>>67
 それに関してはおいおい……
(ただ、それも本編と完全にリンクしている訳ではありませんが)

>>68
 有難うございます。
 後編は少しシリアス……

73くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/04(火) 13:57:28 ID:LyPPIJW.0
ではSS投下。

74くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/04(火) 13:58:39 ID:LyPPIJW.0
帝國召喚 ジャンク編1「転移男」

――――昭和二八年春。オクサス文明圏、“帝國”軍立臨時難民収容所。

「ふー」

 少年は満足気に息を吐いた。
 一つまみの塩のみだけで味付けした重湯、三分粥、五分粥、七分粥、全粥と経て、本日ようやく固形食を得ることが出来た。
 米麦飯に豚汁、沢庵……
 生まれて初めての“料理”に、心底満足する。

「今までボクが食べてきたのは、“エサ”だった訳だよなあ……」

 そう、思わざるを得ない。

 少年は清華からの難民だった。
 最下層の被差別民族だった少年は、清華では僅かばかり配給されるソバ粉――それも砂まじりの――に山や川で採れた雑魚や木の実、挙句の果てには雑草まで入れて“かさ”を稼いだ粥を食べて暮らしていた。
 逃亡時だって似たようなものだ。
 だから、塩だけの粥にすら感動した。米の甘みに、蕩けそうだった。
 そして今日、“本物の料理”を食べた。
 感動した……とても感動した。

 ――こういう物を作れるようになりたい!

 それは、少年が持った始めての“夢”だった。

75くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/04(火) 13:59:39 ID:LyPPIJW.0
 コト。

 と、少年の前に皿が置かれた。
 ……なにやら、白い四角いものが載っている。

「特別配給食だよ。今日は――だからね、特別さ」

 そういって、兵隊さんは笑った。

「???」

 匂いをかぐと、とても佳い匂いだった。
 少年は手に持つ木のスプーン――今まで手づかみだったので箸が持てない――で、その白いモノを掬って口に入れた。





――――平成一九年四月二九日、帝都。

 本部に待機していたハイヤーの1台――軍(陸軍兵器行政本部)がタクシー会社と契約を結び本部付として借り上げていた――に乗り込み、急ぎ帰宅すべく出発した……は良いが、渋滞で遅々と進まない。
 稲葉はイライラと前の運転手座席を揺さぶる。

「え〜い!もっとスピードあがらんのかっ!? クラクションを鳴らせ!蹴散らせ!」

76くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/04(火) 14:00:15 ID:LyPPIJW.0
「勘弁してくださいよ、旦那……」

 苦笑しつつ、運転手はやんわりと断った。
 ハイヤーに限らないことだが、“人を乗せる車”の運転手には交通規則の厳守が要求される。(であるからこそ、彼等は“特殊資格者”として規制による保護を受けているのだ)
 だから、無視して当然だった。
 が、運転手の所属するタクシー会社にとり、軍は上得意の顧客であると同時に、社の信用を高める金看板でもある。相手がその“お偉いさん”ということを考えれば、無視する訳にもいかない。
 ……正直、運転手はこの厄介な客の対応に苦慮していた。

「しっかし、何でこんなに混んでるんだ?」

「そりゃあ、今日は四月二九日ですからねえ」

「? ……ああ、黄金週間か」

 納得、と稲葉は頷いた。
 “毎日が旗日”の彼には関係ないので、すっかり失念していたのだ。

「……いえ、確かにそれもありますが、今日は四月二九日の“聖誕祭”じゃあないですか」

「??? あ、昭和の日……じゃなかった天長節……いや、“先の天長節”ね! ああそうそう、すっかり忘れてたよ!や〜、まいったまいった」

「“先の天長節”って……まあそうなんですけどね、若い方でそういう人は初めてですよ?」

77くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/04(火) 14:01:19 ID:LyPPIJW.0
「大陸、それも辺境暮らしが長くてね……こっちじゃあどういう風に祝うんだい?」

 誤魔化すついでに、ちゃっかりと情報収集だ。

「基本的には、家族でケーキ食べたり子供にプレゼントをやったりですかねえ? この車の列もきっと、都心のデパートで買い物したり食事したりしに行くんでしょうし」

「はー」

 まるでクリスマスである。
 ……日本人は、騒げれば誰の誕生日でも良いのだろうか?

「そういや、冊子がありますよ。仕事の合間に行ったデパートで貰ったのですが」

 そういえば今気づいたのだが、助手席にはリボンで結ばれた袋が置いてある。 ……きっと、子供へのプレゼントだろう。

 冊子を受け取った稲葉は、パラパラとめくる。
 大部分が宣伝だが、冒頭に“いわれ”が物語風に語られていた。

78くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/04(火) 14:01:52 ID:LyPPIJW.0

『今からもう何十年も昔、帝國がこの世界に来てからまだ10年も経っていない頃のことです。
 当時は先の帝であらせられる昭和帝の御世で、聖誕祭もまだ天長節と呼ばれていました。
 その天長節に、大陸の王侯貴族からたくさんの貢物が献上されたのです。
 これを聞いた国内の貴族・富豪・企業……挙句の果てには普通の臣民までもが、負けじと競って貢物が献上します。
 たちまち宮城は貢物で溢れました。
 けれども、山と積まれた高価な貢物を前にしても、昭和帝は一向に喜ばれません。
 それどころか、深い深い溜息をおつきになりました。
 “帝國”の民は未だ貧しく、大陸の民は更に貧しいのに、と心をお痛めになったのです。
 けれども今更返す訳にもいきません。
 かといって放っておけば、来年も再来年もこの様なことが起こるでしょう。
 昭和帝は暫しお考えになりました。そして、おおせられたのです。

「朕ばかりが祝われるのは心苦しい、朕も皆に礼をすべきであろう。
 これからは朕にでなく、王侯諸侯は民に、富豪は使用人に、企業は労働者に、親は子に贈り物をするように」

 そのさきがけとして、昭和帝はご自身の財産をはたき、臣民に贈り物をなされました。
 大人には米などの生活必需品を、そして子供たちにはお菓子やボールなどのおもちゃを。
 ――これが聖誕祭の始まりです。
 現在では昭和帝のご意向もあり、すっかり家族皆でにぎやかに祝うお祭りになってしまいました。
 ですが、この様な事実あったということを、私達は忘れてはならないでしょう』

79くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/04(火) 14:03:40 ID:LyPPIJW.0
「むう、そういうことか……」

 なんか某北の国みたいな気もするが、まあクリスマス代わりだと思えば――
 そこで、稲葉は気づいた。

 クリスマス→シャオと沙羅が呼んでる→サンタ服を着た“いぬっ娘&ぬこっ娘”とのクリスマスパーティー

 ぶーーーっ

 ……想像しただけで、鼻血出しちゃいました。

「ちょっ、どうしたんですか!?」

「機関全速……」

「は?」

「全速力で帰宅じゃああっっっ!!」

 ……コイツ、諦めてねえ。

 諦めるどころか、更にエスカレートしている。
 運転手は深い溜息を吐き、何か言おうと口を開いた。
 が――

「お、あそこのレーン、あいてるじゃん!」

80くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/04(火) 14:04:22 ID:LyPPIJW.0
 その前に、この馬鹿客(←ついに評価がここまで落ちた)トンでもないことをのたまわった。

「あそこは非常用レーンですよ!?」

 正気か、と運転手は目を剥く。
 非常用レーンとは、車道の両側に設置された一般車両通行禁止のレーンである。(一定規模以上の道路には、必ず設けられている)
 故に、現場に急行する救急車や消防車、或いはパトカーといった緊急を要する車両の他は、公共性の高いバスしか走ることができない。
 ……そんな所を走った日には、おまんまの食い上げである。運転手は怒鳴りつけそうになったのを抑え付け、やんわり諭し、きっぱり拒否する。
 が、稲葉は聞いちゃあいなかった。

「大丈夫、見つからなければ無問題さ!」

「捕まりますよ!」

「大丈夫、俺は不逮捕特権持ってるから」

 そう言って、稲葉は自慢気に“免許”を見せる。
 ……そう、信じ難いことだが稲葉は“不逮捕特権”――しかも高レベルの――を持っていた。
 逮捕には“帝國”宰相か陸軍大臣の許可を必要とし、一般警察はもとより特高や憲兵でも彼を逮捕拘留できない。(たとえ現行犯でも、だ)
 これはその身の特殊性に加え、国家機密に深く関わっていることによるものである。
 つまり、VIPということだ。だからこそ、軽々しくそれをひけらかしたり、ましては私利私欲のために使ってはならぬのだ。ならぬのだが……稲葉はやっぱり稲葉だった。

81くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/04(火) 14:05:12 ID:LyPPIJW.0
 それを見て、運転手は腹を括った。

「……わかりました、わかりましたよ。その代わり、ちゃんと警察追っ払って下さいよ?」

「ま〜かせてっ!」

 その言葉を合図に、ハイヤーは非常用レーンを勢い良く走り出す。
 途中パトカーに尋問されるも稲葉の“免許”で態度豹変、かえって先導する始末である。
 ……本来、不逮捕特権は稲葉個人の身を保証するだけのものであり、それ以上でもそれ以下でも無い。
 が、『高レベルの不逮捕特権を持つ』ということは、『権力の中枢に近い位置にいる』ということの証拠でもあった。
 要するに『虎の威を借る何とやら』、命令権の無い中央の参謀に現地部隊の上位者が従うように、“こういった現象”を起せる、という訳だ。
(無論、後で部長(大見中将)にバレて、『正座して反省文100枚書かされる』ことになるのだが、今の稲葉に知る由もない。パラダイス目指してまっしぐら、他の事なんか気にも留まらないのだ)

 かくして、虎の威を借る狐以下の小人は、短時間で帰ることに成功したのである。

 …………

 …………

 …………

82くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/04(火) 14:06:07 ID:LyPPIJW.0
「ただいま〜〜っ!」

「お帰りなさい!」

「待ってたわよっ!」

 稲葉の帰宅に、シャオと沙羅が飛び出した。

 ガシッ!

 そして、二人は逃がすものかと稲葉の両脇を固め、家に連れて行く。

 ――や〜、二人に腕組まれて“両手に花”だね、こりゃあ♪

 二人がサンタ服を着ていないのは不満だが、二人の少女の柔らかい胸と良い香りの前に、すっかりフニャフニャである。
 稲葉は上機嫌で門を潜った。
(とはいえ、傍から見れば『両脇を拘束』され、『まるで犯罪者の様に』『連行』されていったという。どちらが正しいかは……まあ、直ぐに判るであろう)



 プ〜〜ン

 家に一歩入った途端、強烈な甘い匂いが漂ってくる。
 これは……一体?

「お〜、丁度いいところに帰ったな。早く席につけや」

83くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/04(火) 14:07:00 ID:LyPPIJW.0
 ロンが台所から顔を出す。
 ……むう、普段は男子厨房に入らず――料理人だが――とか言って、シャオちゃんと沙羅ちゃんに全権任せているクセに。
 目を下に向けると、手には大きなホールケーキが抱えられている……ケーキ?

「パーティのケーキ、ロンさんが作るんですか?」

「おうよ、コイツばっかりは任せちゃあおけねえからな」

「……任せてくれていいのに」

「?」

 ボソッとシャオが漏らしたつぶやきを聞き、稲葉は怪訝に思う。
 が、ロンさんもプロだ。幾ら専門外とはいえ、そんなにヘンなモノは作らないだろう――そう思い直し、支度して居間へと向かった。
 ……途中、二人はまるで監視するかの様にずっと張り付いていた。



「うおっ!?」

 ……思わず、声に出た。
 食卓には、直径30㎝以上もあるホールケーキが4個も並んでいる。 ……マジっすか?

「1人1ホールか……」

84くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/04(火) 14:07:32 ID:LyPPIJW.0
 そのノルマに眩暈がする。

「……逃がさないわよ」

「一蓮托生、ですよ」

 ……なるほど、そーゆーオチね。
 両脇を固めるシャオと沙羅の言葉に、稲葉はようやくはめられたことに気づいた。
 そして、やはり孔明の罠だったか、とがっくりと肩を落とす。
(まあ考えてみれば、二人が急に稲葉に愛想を振りまく筈が無いのだ。自業自得である)

 ――でもまあ、“いぬっ娘&ぬこっ娘とのクリスマスパーティー”と考えれば、悪くないな。

 甘いものも嫌いじゃあない。少しキツいが、まあ何とかなるだろう。
 そう苦笑しつつ、稲葉はケーキを口に放り込んだ。が――

「くっ!?」

 稲葉目を白黒させ、コップの水を飲み干す。
 こ、これは……これはまさか――バタークリームっ!?

 そう、あの“しつこい(油っこい)”“パサつく”“マズイ”の三拍子揃った、あの悪名高いバタークリームケーキである。
 ……一応、バタークリームケーキの名誉の為に付け加えておくが、本物のバタークリームは決して不味くない。(胃に重くはあるが)
 が、純正バターでは無く代用物(安いマーガリンとか)を使ったり卵黄をケチったりすると、途端に不味くなる。『バタークリームケーキが不味い』となったのも、まあそんな理由からだ。

85くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/04(火) 14:08:43 ID:LyPPIJW.0
 とはいえ、何故ロンさんはわざわざバタークリーム(モドキ)なんか使ったのだろう?生クリームだってそう高い物ではないのに、むしろバタークリーム(モドキ)を探す方がよほど――

「全部、お父さんの手作りなんですよ……」

「おじさん、わざわざ乾燥卵と粉バターで作ったのよ?信じられないわ……」

「……うおう、グレート」

 乾燥卵に粉バターって……ここは何処の伊号潜水艦ですか?
 生クリームの方がよほど安いし楽だろうに。
 しかし納得、マズい筈である。が、わざわざ家主が作ったものだ、食わぬ訳にはいかぬだろう。
 スポンジにたっぷりとバタークリーム(モドキ)を塗りたくっただけの、イチゴ一つ載っていないケーキを睨み、稲葉は覚悟を決める。

 カッカッカッ……

「ほー、いい喰いっぷりだな?」

「うそっ!?」

「凄い……」

「カッカッカッ……ご馳走様!」

86くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/04(火) 14:09:51 ID:LyPPIJW.0
 完食すると、稲葉はそのまま仰向けに寝っ転がった。気を抜くと、吐きそうだ。

 リーン

 突然、電話が鳴った。
 いつもの様にシャオが応対する。

「あ、はい! お父さーん、電話」

「ほいよ」

 よっこらしょ、とロンが席を立つ。
 電話に出ると知人らしく、時々笑い声が聞こえる。
 ……長くなりそうだ。

「チャ〜ンス」

 沙羅がニヤソと笑った。
 そして、沙羅をずずいっと稲葉の前に押し出す。

「男の子だものね、それだけじゃ全然足りないでしょ♪これも上げる♪♪」

「や、もー『間接キス』……ミミ、シッポ『判ったわよ!その代わり半分は食べるのよ!』うん、がんばる……」

「あー!ズルいっ!!」

 もうかなりいっぱいいっぱいらしく、ケーキをフォークで突いていたシャオが抗議の声を上げた。
 が、沙羅はすましたものだ。

87くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/04(火) 14:10:47 ID:LyPPIJW.0
「正当な取引よ」

「うー」

 ウルウル……
 チワワの様に潤んだ瞳で稲葉を見るシャオ。
 その視線に耐え切れず、稲葉は最大限の譲歩をする。

「……1/4でよければ」

「ありがとう!稲葉さん!」

「や、やるわね……」

 かくして、稲葉の腹に1と3/4ホールのケーキが収まった。
 ……もう、死ぬかも。





 その夜、ロンはケーキを肴に酒を飲んでいた。
 右手に椀と箸を交互に、左手には古びた写真を持ち、酒を飲む。
 懐かしそうに見る写真には、ロンをはじめとする多くの義勇少年兵が写っている。 ……うち、半分以上が既にこの世にいない。
 清華出身の亡命獣人志願兵によって編成された第1442部隊(通称“狼牙”)は東部戦線で激闘に次ぐ激闘を重ね、死傷率400%超と“帝國”軍最悪の数字――それも飛びぬけて――を出している。
 ロンの友人達の多くも、その確率から逃れられなかったのだ。

88くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/04(火) 14:11:35 ID:LyPPIJW.0
 ……が、後悔はしていない。第1442部隊数多くの感状を獲得し、遂には大隊規模でありながら聯隊旗まで授与され、教科書にまで載ったのだから。
 そしてその功績は、清華出身獣人の地位向上に大きく役立った。彼らの死は無駄死では無かったのである。
(現在の“帝國”人で“忠狼”聯隊の存在と功績を知らぬ者はいない。同聯隊の聯隊長になることは、多くの陸軍軍人の憧れである)

 暫しそれを黙って見ていたロンは、遠い目をして語りかけた。

「どうやら、今の若い者にはコレが不味いらしいよ……」

 あの頃の“俺たち”には、天にも届く味だったのにな……
 喜ぶべきことではあるが、少し寂しい――そう思うのは、年をとった証拠だろうか?

「あれからもう55年……55歳か。もう年だわな」

 そう、自嘲気味に笑う。
 ロンは、55年前より前の人生を認めていない。
 自分は、55年前に初めて“人”になった。
 だから、自分は63歳ではなく55歳――そう考えていたのだ。

 自分が初めて“人”になった日のことを思い出す。
 忘れもしない、昭和二八年四月二九日。陛下のお生まれになった日のことだ。
 あの日、ロンは生まれて初めての料理を食べた。なおかつ陛下の御高配で、ケーキすらも食べることができた。
 そして、砂糖の甘みにクラクラした……何と、美味かったことか。

89くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/04(火) 14:13:54 ID:LyPPIJW.0
 が、オクサス文明圏は貧しく、卵やミルクが簡単に手に入る地ではない。“帝國”軍の補給だってギリギリだっただろう。
(当時、“帝國”兵達が三度の食事を二度に減らし、何とか子供たちの食糧を定量確保していたことをロンは子供ながらも気づいていた)
 だから、今にして思えばカステラは蒸しパンモドキ、クリームも乾燥卵と粉バターで作ったまがいものだったに違いない。
 でも、それでも――
 その価値が減じることは、些かも無い。

 だから、ロン……いや清華狼にとり、ケーキといえば“これ”なのだ。
 そして、今日この日腹いっぱいケーキを食すことが、先帝陛下と死んでいった多くの仲間達への弔いなのである。

90くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/04(火) 14:15:09 ID:LyPPIJW.0
SS投下終了。
あと訂正。
>>86
そして、沙羅をずずいっと稲葉の前に押し出す。
   ↓
そして、皿をずずいっと稲葉の前に押し出す。

91名無し三等陸士@F世界:2008/03/04(火) 14:52:52 ID:njlPJyHw0
ちと泣いた GJ

92名無し三等陸士@F世界:2008/03/04(火) 15:18:07 ID:BjW1SdV.0
イイハナシダナー

93名無し三等陸士@F世界:2008/03/04(火) 16:22:42 ID:lUmeIgxc0
投下乙
きっと彼らは万歳を心の中で叫びながら突撃していったんでしょうなぁ・・・
いかん、目から汁が

94名無し三等陸士@F世界:2008/03/04(火) 16:23:12 ID:or3duDzc0
投下乙であります
ロンさんの過去に全俺が泣いた。


しかし、死傷率400%超って米422連体よりも
被害を被ってますな。
激闘に次ぐ激闘という言葉すら生ぬるいほどの
戦闘を経験したんだなぁ・・ロンさん。
大隊はおおよそ600名が定員だった気がするから
のべ2400人以上が死傷したのか。
英霊達に、黙祷。

95名無し三等陸士@F世界:2008/03/04(火) 18:08:15 ID:kNx.HngY0
くろべえさん投稿お疲れさまです。
何か花粉症のせいか目が潤んでいるのは気のせいでしょうか(汗)

96名無し三等陸士@F世界:2008/03/04(火) 18:18:31 ID:AVsH.Z560
稲葉とシャオ、沙羅、ダークエルフ(新キャラ)が当時に転移して活躍する話を読んでみたい。

97名無し三等陸士@F世界:2008/03/04(火) 22:02:30 ID:bJqbubJg0
投下乙です
なんだか眼から汁が・・・
ち、違うやい!黄砂で眼がかゆいんだい!

98名無し三等陸士@F世界:2008/03/04(火) 23:30:20 ID:YYJa5X/g0
>>96

ただでさえ書き直しやら外伝やらで本編が全く進んでないのに、さらに外伝を要求するのはどうかと思います
どうしても読みたいのなら、自分で書くべきじゃないかな?

99名無し三等陸士@F世界:2008/03/05(水) 00:32:25 ID:up.GzMUs0
不逮捕特権・・・・
異例の若き陸軍中佐にして中将直属、んでもって、この特権ですか。
なんてエタイの知れない男だろ。
「帝國」映画にダブルオーシリーズみたいな「陛下(宰相)直轄で
帝國の危機に対しては”あらゆる利便”を”陛下(宰相)代理”として
行使できるヒーローもの」があるかはともかく、もし、ソーユー映画とか
マンガとかがあったら、軍内で密かに「稲葉中佐殿は、ダブルオー要員(仮称)らしい」とか
囁かれていそうですななぁ。
見た目(と、言動を知らなければ)虎人の個人秘書・兼ガード(軍服着用中)の沙羅タソを
従えて、闊歩するその姿はある種の憧れを羨望を持って見られてるかも。
配属された新兵とか、大いにカンチガイしてそうだ。

100名無し三等陸士@F世界:2008/03/05(水) 01:30:24 ID:slWT8wvs0
 基本ギャグのシリーズにこの手の話をするのは野暮かもしれんけど、
稲葉以外に平成日本からの転移者っているんですかのう。
良くも悪くも、稲葉はああいう性格だから今の地位にいられるけど、
下手に常識人とかが来てたらエラいことになりそうだ。

101名無し三等陸士@F世界:2008/03/05(水) 02:02:49 ID:up.GzMUs0
>稲葉以外に平成日本からの転移者っているんですかのう。

稲葉が第一号だったら、「あんなのがまた来たら誰が責任とるんだ!」の
一声で、関係部署の役人全員が「とりあえず、稲葉の今後の行動を鑑みて」と
後回しにして、そのうち当時の関係者全員退職・移勤等でうやむやになって・・・
で、予算が減少して転移技術・計画自体が記録庫で埃をかぶって・・・と
なりそうな官僚統制国家「帝國」

ま、「来るのを選べない」のが一番の欠点だろ

102名無し三等陸士@F世界:2008/03/05(水) 02:33:52 ID:m3s.7n6w0
稲葉は問題が多々有っても、必要とされるスキルを持っていてかつ遣る事はやってる、居ない
よりは居た方が遥かに良い人材だろ。
じゃなきゃこんだけ特権は与えられないよ。
逆にどんな常識人でも軍事にも歴史にもさして興味が無い、そして市役所の人事課や総務課の
ような、ろくなスキルも持って無い人間が来ても、糞の役にも立たんし。

103名無し三等陸士@F世界:2008/03/05(水) 03:17:18 ID:WFd0vdMs0
稲葉が逮捕されたときの憲兵とかの反応からするに、最初から捕捉されてたような印象があるよね。
もしかしたら稲葉だけじゃないのかも。
そもそも偶然迷い込んだのか、任意に呼ばれたのかの、どっちともまだ分からないし。

104名無し三等陸士@F世界:2008/03/05(水) 07:27:40 ID:0TUjgjg.0
役に立たない人を呼んだ場合は帝國はどうするんだろうねえ
良くて送り返し、悪くて始末とか?
そう考えるとある程度は「来るのを選んでる」と思いたいんだが

105名無し三等陸士@F世界:2008/03/05(水) 10:12:22 ID:5cdVuct20
そういえば旧版の2次創作はいくつか出たけど、現行版の2次創作って1つも出てないね。

106名無し三等陸士@F世界:2008/03/05(水) 17:21:31 ID:bJFcWGuQ0
>>105
そりゃまだ、旧版の1話も終っていないからな

設定が何処まで変わっているのか把握しないで書き始める奴はいないだろ

107名無し三等陸士@F世界:2008/03/05(水) 17:42:11 ID:I74zNG260
獣人ネタの短編を書きたいが何処に投下すればいい?
『陸軍の猛虎、海軍の餓狼』と構想してたが、今回の外伝で『陸軍に人狼系部隊、しかも清華出身』と矛盾&ネタカブりを確認したので、
予定を変更してどっかで聞いた事がある猩々人にしますorz

108ヨークタウン ◆r2Exln9QPQ:2008/03/05(水) 17:57:30 ID:Bohu6sek0
くろべえ氏投下お疲れ様です。

稲葉中佐殿、無茶しすぎ(;´∀`)
しかし、このようなちょこっとばかりガキらしさが残る奴に特権を与えるとは、
ある意味、太っ腹ですな。

>ロンさん
いい話です。真の漢だ 。・゚・(ノ∀`)・゚・。

109くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/05(水) 21:22:45 ID:LyPPIJW.0
>>91
 91様、有難うございます。

>>92
 92様、有難うございます。

>>93
 93様、有難うございます。

 当時、兵站は伸びきっていましたからねえ。(安易な戦線拡大のツケ。早期決着を図るためではあったが、それが――)
 兵力も分散され、“帝國”軍は各地で思わぬ苦戦を強いられました。
 ……加えて、当時は獣人&敵国難民ということで差別感もあります。
 彼等は、常に最も激しい戦線に投入されたのですよ。

>>94
 94様、有難うございます。

>死傷率400%超
 米軍日系部隊よりも「戦闘期間が長い」「小規模」ですからねえ。

>大隊はおおよそ600名が定員だった気がするから
 第1442部隊は隊本部/中隊3個/段列ですから、だいたいその位ですね。
(後にもう1個中隊増強されますが、定員は増えても……ですし)

>95
 95様、有難うございます。

 彼等は帝國のため、そして何より同胞のために戦かいました。
 ……血を流す事により、その忠誠を証明したのですよ。
(清華亡命獣人の活躍は有名ですが、旧版の短編のように、この他にも多くの部族が帝國の保護を受ける為に戦ったのです)

110くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/05(水) 21:23:56 ID:LyPPIJW.0
>>96
 ……ぶっちゃけ、稲葉は役立たずかと(笑)

>>97
 97様、有難うございます。

 今回はちょっと趣向を変えてみました。
(当初は、『バタークリームケーキのマズさ』がメインだったのですが???)

>>99
>不逮捕特権
 まあ、一応国家の一大プロジェクトのキーマンですからねえ。
 ……それにコイツ、バカやって「あ〜君、ちょっと署まで」って連行されかねませんし。

>>100
>稲葉以外に平成日本からの転移者っているんですかのう。
 これに関してはまだ秘密です、ごめんなさい。

>下手に常識人とかが来てたらエラいことになりそうだ。
 進歩的な人なら、危険思想の持ち主として……

111くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/05(水) 21:26:12 ID:LyPPIJW.0
>>101
>あんなのがまた来たら
 稲葉は、かなり「あたり」だと思いますよ?
 稲葉はヲタだから、WWⅡどころかその後の世界の社会体制や戦争にも詳しいですから。(それも教科書を鼻で哂うくらいディープに)
 ま、本人の主観入りまくりですが、それでもこれだけのレベルの情報、一体社会の何人が知ってることやら……
 それこそ100人に1人以下じゃあないですかねえ?(軍ヲタなんて人口の1%もいないだろうし)
 加えて、帝國が欲しがる技術まで持ってるとなると、千人どころか万人に1人もいませんよ。
 帝國も80年初頭の米レベルだから、ちょっとやそっとの技術じゃあ喜ばないですし。
 その点、勃興期の情報技術はタイムリーでハードルが低くラッキーでした。(現物のオマケ付きで更にドン、です)
 ……それに、帝國に好意的&協力的ですしね。

>>102
>ろくなスキルも持って無い人間が来ても、糞の役にも立たんし。
 大学の政治学の教授やってて、英米が未だに徴兵制だなんて思い込んでるヒトもいますからねえ……
 それ前提で両国を非難してるから始末に終えない(苦笑)

 ちなみに……
 稲葉の知識により、戦車のハイ・ローミックス調達を行っていた陸軍は、均質圧延鋼装甲&100㎜砲の“ロー”の調達を中止し、来年度より複合装甲&127㎜砲の“ハイ”一本に絞ることとしました。
 今のところ目に見える大きな動きはこれ位ですが、水面下では他にもかなりの動きが見られます。
 これは稲葉の膨大な情報を基にした判断です。ただ「湾岸戦争のTVを見て〜」なんて程度だったら、こうはならなかったでしょうね。
(帝國軍は“ロー”戦車の使い道が非常に多く、運用やコストを考えれば軽がるしく「全て“ハイ”に」なんて言えない。それを「数ヶ月で」ということは、上層部が稲葉の情報をよほど重く見た結果だろう)

112くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/05(水) 21:27:33 ID:LyPPIJW.0
>>103
>そもそも偶然迷い込んだのか、任意に呼ばれたのかの、どっちともまだ分からないし。
 これに関しては「偶然」です。帝國に召喚技術はありません。(そもそも平行世界ですから、異世界よりタチが悪い)

>>104
>役に立たない人を呼んだ場合は帝國はどうするんだろうねえ
 基本、帝國にとって密入国者ですから「お土産の有無」とか「協力的かどうか」等で大分待遇が違います。
 たとえばもし稲葉が役に立たなかった場合、「目の届くところにおいて飼い殺し」でしょうかねえ。
 ま、放り出されるよりはマシかな?待遇的には転移前と変わらないだろうし。(公務員だから肉体的にはかえって楽かも)
 ただこれはあくまで協力的な場合。非協力的だったりましてや思想的に問題アリと見做されれば、それ相応の……

>>107
>獣人ネタの短編を書きたいが何処に投下すればいい?
 ここでいいのではないでしょうか?

>矛盾
 二次が一次と完全に同じである必要は無いかと。(HPをご覧の方はお判りでしょうが、くろべえの書く二次創作なんて……)
 書き手によりいろいろな解釈や設定、書きたいことがあるでしょう。くろべえは書きたいように書くのが一番だと思いますよ。

>>108
 ヨークタウン様、有難うございます。

>ある意味、太っ腹ですな。
 まあ「それだけの価値はあった」&「そうでもしなきゃどうなるか……」ってトコでしょうか。
 ……それに、そうした方が喜んで一層協力するでしょうし。

>真の漢
 少年の身で志願し、何年も激戦を潜り抜けた“古つわもの”ですから。
 ただのコックではないのですよ。

113名無し三等陸士@F世界:2008/03/05(水) 22:02:54 ID:rnieKo0I0
>>112
>何年も激戦を潜り抜けた“古つわもの”ですから。
>ただのコックではないのですよ。

古強者のコックと言えばあの人しかいない。

114名無し三等陸士@F世界:2008/03/05(水) 22:19:55 ID:5cdVuct20
>稲葉の知識により、戦車のハイ・ローミックス調達を行っていた陸軍は、均質圧延鋼装甲&100㎜砲の“ロー”の
>調達を中止し、来年度より複合装甲&127㎜砲の“ハイ”一本に絞ることとしました。
>今のところ目に見える大きな動きはこれ位ですが、水面下では他にもかなりの動きが見られます。

播磨も真っ青の30万トン級戦艦を建艦しようとしたが稲葉知識のおかげでつぶされた、なんてことも将来起こりうるかもしれませんね。

あっ、さすがの帝國でもこの時期になって戦艦なんてもんつくらんか。

115名無し三等陸士@F世界:2008/03/05(水) 22:43:30 ID:slWT8wvs0
 なるほど。
そういう意味では、技術的な知識もそうだけど、
もしかしたら「元の世界に近い並行世界の"現在の"アメリカ」について
かなりの知識量を持っている、という方がキモなんでしょうか喃。
その状態に至った流れも知ってるでしょうから、尚更。

116名無し三等陸士@F世界:2008/03/05(水) 23:02:56 ID:SVrDHZCA0
理系で、サイバー系ならハードハックもやってた軍オタ!と、言うのが
希少なんでしょうな。
中将閣下曰く「無能なら銃殺していた」ですから。
知識とかの出し惜しみとか、威張ったりしない人柄で、接した皆様は
「コマッタ人だ・・・」と言いつつ許容している気が。
なんだかんだ言って結構好かれてたり人気ある気がします<稲葉中佐

ところで、この世界の映画・演劇・小説・マンガで「ダブルオーシリーズ」
みたいなのはありますか?
あったとしたら主演は、ダークエルフか”こんな軍人いねぇ!”と言うくらい
伊達男かなぁ・・・

117名無し三等陸士@F世界:2008/03/05(水) 23:11:42 ID:JesVyLPE0
稲葉が転移してきたということは、元の世界だけでなく
先々他の平行世界と接触する可能性を考える必要があるってことか……
帝國も大変だ。

118名無し三等陸士@F世界:2008/03/06(木) 03:09:15 ID:BSbuSQCQ0
>>63
天上人=ソレスタルビーイング
銃による自由=ガンダム

ですか

119名無し三等陸士@F世界:2008/03/06(木) 03:59:06 ID:BSbuSQCQ0
世の中の技術開発においても、「未知の荒野」を血まみれになって進むよりも、
「既にできる・或いは出来ないと分かっている事」を知った後に進んだほうが
俄然効率的になるでしょうからね

CPU開発で、アウトオブオーダー実行にリーク電流の問題
45nmプロセスの存在と銅を配線に使う、ハフニウムが絶縁に使える、
ってことを知ってると大幅に進歩が進むでしょうし、
稲葉クラスなら、Core2やAtomの雑誌に載ってる原理やダイヤグラムくらいはかけるのでは?

120名無し三等陸士@F世界:2008/03/06(木) 08:56:50 ID:6Ll8WCO60
>119
PC/AT(DOS/V)規格も向こうにとっては衝撃的かも。

121くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/06(木) 15:36:10 ID:LyPPIJW.0
>あっ、さすがの帝國でもこの時期になって戦艦なんてもんつくらんか。
 一応、
 昭和50年代に造られた大和/改大和型戦艦の後継、
 昭和60年代に造られた薩摩型装甲巡洋艦の後継、
 が健在です。うち半数は保管されていますが、残り半分は立派に現役ですよ。
 更に平成20年度より、上記を統合した新型戦艦の建造計画が始まる予定です。(稲葉登場前)

>技術に関する知識。
 ヒントだけでも大助かりでしょうね。それだけで数年は違ってきますから。
 ……ただそれ以上だと、その後の技術開発力が落ちるかも。
 




 SS投下します。本編です。
 で、少し訂正。
 ヴィエンヌ州の州都がやはりヴィエンヌだと、非常に書き難いです。
 ……そんな訳ですから、ヴィエンヌ州州都の港湾都市はサンザックに改名します。

  ヴィエンヌ市→サンザック市
  ヴィエンヌ港→サンザック港
  ヴィエンヌ湾→サンザック湾

 ――です。
 毎度、申し訳ない。

122くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/06(木) 15:37:14 ID:LyPPIJW.0
帝國召喚

 挺身部隊(駆逐艦“水無月”“長月”)がサンザック港に突入しようとしていた丁度その頃、駆逐艦“文月”と輸送船“新夕張丸”から成る輸送部隊もまた、目的地に到着していた。
 場所は、サンザック南東40kmに位置するエギット岬。後方で遊弋する“文月”の援護の下、“新夕張丸”は海岸数百m沖という近距離で投錨、揚陸作業を開始する。
 挺身部隊が派手に暴れまわったお陰か、はたまた市街から大分離れた地点に上陸したことが幸いしたのか、妨害は一切無い。軽装備ということもあり、夜明け前に揚陸を完了した。



 陣容を整えた一木支隊は、夜陰に紛れ一路北西へと進む。
 計画としては、昼間は森林に身を潜め、行軍は主に夜間に行うことによって可能な限り隠密裏にサンザックを衝く、というものだ。
 ……が、これは流石に虫の良過ぎる考えだったらしい。上陸した翌日には、もうその存在は王国軍に知れることとなった。
 
――――ロッシェル王国サンザック郊外、オート砦

 当時、ヴィエンヌ軍管区隷下のヴィエンヌ歩兵連隊司令部は既に戦時体制に移行しており、第3大隊を臨時編成していた。(*1)
 第3大隊は軍管区直属の機動戦力、虎の子としてサンザックに留め置かれており、うち半数が周辺の警戒に当てられている。
 第37中隊もその一つであり、オート砦――というより臨時の駐屯所――に配備されていた。

123くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/06(木) 15:37:54 ID:LyPPIJW.0
「森の中に見慣れぬ集団だと?」

 中隊長であるベルモン大尉は猟師からの通報に眉をひそめ、重ねて質問する。

「規模は?」

「猟師の話では、20〜30人だそうですが……」

 直ぐに逃げたからよく判らなかったらしい、と報告する下士官は付け加えた。
 これを聞き、部下の少尉が意見を述べる。

「山賊では?幾らなんでも少な過ぎます、“帝國”軍なら、その10倍は上陸させるでしょう」

「……それだけの規模の賊が存在する、という報告は無い」

「混乱乗じた可能性もありますが」

「確かに、な。火事場泥棒を目論む輩が出ても不思議ではないだろう。 ……が、これが“帝國”軍の偵察隊で『本隊は別にいる』という可能性もある」

 ……何れにしても、放っておける報告ではない。
 ベルモン大尉は砦を出、捜索を行うこととした。

124くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/06(木) 15:38:45 ID:LyPPIJW.0

 第37中隊は臨時編成であり、ベルモン大尉を含め将兵は全員が予備役だが、その練度に不安は無い。
 兵は皆、最低でも5年間の軍務を経験している古兵である。加えて、ついこの前――長くとも数年前――に除隊したばかり。年30日の訓練も受けており、何の心配も無いだろう。
 唯一の不安は『将校は些かとうがたっている』ということだが、それとて老人という訳ではない。体力がやや劣っている代わりに十分な経験がある。
 こういった部隊は、未だ除隊最低年限にも達していない兵が大半の現役部隊よりも、むしろ頼りになる――そう評する指揮官も、少なく無い。
 無論、ベルモン大尉もその一人である。
 だからこそ、彼は正体不明の集団が“帝國”兵であることを内心望んでいた。

 ――こんなチャンスは滅多にあるものではない、これを機会に是非手柄を立てたいものだ。

 彼は一番槍を上げ、軍功を挙げることを目論んでいた。
 下級士族である彼には、そうしない限り世に出る目は無い。
 退役して尚、彼は野心を捨てていなかったのである。


 閑話休題。


 さて、ここでロッシェル王国軍歩兵中隊の編制を少し見てみよう。
 中隊は歩兵の基本戦術単位であり、定員は通常100〜110名前後よりなる。(これに段列や将校の個人従卒が加わるが、規定が無いので省略)
 必要に応じて1/2中隊2個や1/4中隊4個等に分かれるが、基本は中隊一丸での行動を旨とする。

125くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/06(木) 15:40:48 ID:LyPPIJW.0
 ……そうでなければ、打撃力が余りに低いからだ。(匪賊討伐や残敵掃討ならともかく、会戦において中隊以下ではとても戦力足り得ない)

 彼等歩兵の武器は、銃剣付のマスケットに擲弾(*2)と、まるでナポレオン時代のそれである。“帝國”軍から見ても十分に戦闘機(ワイバーン・ロード/ワイバーン)や戦車(戦竜)として通用するドラゴン達、そしてやはり様々な近代兵器に匹敵する魔道兵器が激突する中央世界の戦場において、アンバランスとも言える非力さだった。WWⅡの欧州戦線にナポレオン時代の歩兵が登場する――そんな違和感すら感じさせる。
 が、実はこの奇形的な現象こそが、アルフェイム世界と地球世界の差異を雄弁に物語っていた。

 戦闘用のドラゴンや各種魔道兵器は強力だが高価であり、かつ(多くの場合)重厚長大な存在である。故に、貴族や士族といった“選らばれた階級”のみが唯一、使い得た。
 対する平民(歩兵)は、マスケットに擲弾……これでは貴族士族(ワイバーンや戦竜)に敵う筈も無い。故に平民はあくまでドラゴンや各種魔道兵器を操る貴族士族の補助、下働きに過ぎなかった。(彼等が主役となる戦闘など、せいぜい匪賊討伐や残敵掃討ぐらいのもの)
 つまり、地球世界において(銃の普及等により)戦士階級が没落した様な現象が、アルフェイム世界では未だ起きていないのである。それどころか、魔道の進歩に伴いその差は開く一方だった。

126くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/06(木) 15:42:55 ID:LyPPIJW.0
 ……これは武力だけに止まらない。
 日常生活を快適にする、冷暖房や冷蔵庫を始めとするさまざまな魔道機械、
 文字通り寿命を左右する、魔道医の医療魔道、
 中央世界中の情報を瞬時に提供する、(提供量はともかく)質的には“帝國”の数十年先を行く大容量高速通信、
 ――このように、魔道の恩恵を受けられる者(貴族士族や富豪)と受けられない者(平民)の生活レベルの差は、天と地ほどもある。
 『支配者に絶対的な武力と情報を与える』『一部の選ばれた者のみがその恩恵に与る』――それこそが、魔道というものの本質だったのだ。
(加えて、魔道は科学の発展を抑え込んでいた。それ故、この世界の科学レベルは産業革命の一歩手前で停滞を余儀なくされている)

 話は少しそれたが、そんな訳で中央世界において歩兵は到底主力足り得ず、その割合も地球世界と比べて小さかった。(それでも軍の最大勢力には変わりないが……)
 当然、その地位も低い。 ――であるからこそ、下級士族出身のベルモン大尉にも出世するチャンスがあった。
 もしかしたら現役復帰を許され、少佐になれるかもしれない。そうなれば家格は上がり、以後子供や孫が出世し易くなる。
 そうなれば、子孫達は自分をベルモン家中興の祖と称えるだろう。百年二百年とその名を覚えられるのだ……こんなに喜ばしいことは、無い。
 ベルモン大尉はささやかな栄華を夢見て、砦を出た。



 中隊は森に入り、捜索を行う。
 そして森林を抜ける直前、“帝國”兵の集団を発見した。

127くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/06(木) 15:43:31 ID:LyPPIJW.0
 中隊が発見したのは、一木支隊の放った将校斥候30余名。
 幸いまだこちらに気付いていないが、それも時間の問題だろう。
 ベルモン大尉は頭の中で素早く計算する。

 敵は約30と、我々の1/3以下だ。
 距離はおよそ100バッシス(約150m)。駆け足ならば30秒もかからず……いや、背嚢を捨てさせれば20秒程で到達できる。
 その間、敵は1銃あたり2〜3発/分として一撃撃てるかどうか、撃てたとしても発射可能な弾丸は30発強だ。
 ……ただその場合、想定銃撃距離は目と鼻の先なので、かなりの損害を出すだろう。20名は覚悟した方が良い。
 が、かなりの確率で装填前に白兵戦に突入できることもまた確かだ。運が悪くとも、そのまま数の差で押し潰せる。うん、賭ける価値はあるな。

 瞬時に決断したベルモン大尉は大声で叫んだ。

「背嚢投棄!総員突撃!」



 喚声を上げ、1個中隊100余名が突撃を開始した。
 精兵をもってなるロッシェル兵らしく、密集隊形ではなく散兵での突撃だ。(突撃阻止の難易度が格段に上がる)
 ようやく気づいた敵が、体勢を整え射撃体勢に入る。

 ――チッ!

 ベルモン大尉は思わず舌打ちする。どうやら、予め銃弾を装填していたようだ。(火縄銃ではこうはいかない!)

128くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/06(木) 15:44:23 ID:LyPPIJW.0
 が、銃撃距離は100バッシスと有効射程ギリギリである。加えて慌てて撃つだろうから、命中率はそう高くないだろう。不発だって多いはずで、せいぜい一割(死傷2〜3人)も命中すれば御の字だ。
 ……加えて、次の装填が致命的に遅れる。次射はないと見て間違いない。
 勝利を確信し、ベルモン大尉は笑みを浮べた。

 ――この一撃に耐えれば……何っ!?

 ダーン! ダーン! ダーン!

 笑みが、驚愕で歪む。
 ……重い、聞いたことの無い独特の発射音。
 その直後、20名近い兵が倒れた。 ……命中率80%以上。

 ――馬鹿な、あり得ない……

 ロッシェル王国軍の実験では、平均的な射手――それでも他国から見ればヴェテランだが――で人間大の目標に対し、
  50バッシス(約74m)において、命中率60%。
  75バッシス(約110m)において、命中率50%。
  100バッシス(約150m)において、命中率40%。
  150バッシス(約220m)において、命中率25%。
  200バッシス(約300m)において、命中率20%。
 となっている。が、これはあくまで静止目標に対する、理想的な環境下での“理論上の数値”に過ぎない。(少なくない確率で生じる不発すら無視している)
 実戦での疲労と緊張の中で動く敵を目標にすれば、数値は数分の一にまで落ち込むだろう。特に100バッシスを超えた遠距離では、途端に命中率が落ちることが知られている。

129くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/06(木) 15:45:36 ID:LyPPIJW.0
 故に、ロッシェル王国軍は最大有効射程を100バッシスと定め、その命中率を1/8(12.5%)と見積もっていた。
 ……だから、あり得ないのだ。『100バッシス弱で命中率80%』などという数字は。
 が、そんな彼を嘲笑うかの様に、次の射撃音が響いた。 ……そんな。早い、早すぎる。

 ダーン! ダーン! ダーン!

 今度は、20人を超える兵が倒れた。
 が、敵は些かの手も緩めず、射撃を続行する。
 まったく装填操作をぜずに、ただ片手を軽く動かすだけで、次の射撃に移る。

 ――連発式…だと……

 前提が、崩れた。
 ベルモン大尉は失敗を悟る。

 ダダダッ! ダダダッ!

 今度は、発射音がほとんど連続した銃撃が聞こえ始めた。 ……どうやら、敵は更に高性能の銃を投入し始めたらしい。
 対する中隊は、既に半数を割り込んでいる。このままでは全滅は時間の問題だ。
 が、もはや後戻りは出来ない。進むも死、退くも死……一縷の望みを賭け、中隊は突撃を続けるしかなかった。

130くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/06(木) 15:46:12 ID:LyPPIJW.0
「怯むな!続け!」

 それはもはや破れかぶれ、自暴自棄の命令だった。
 ……そして次の瞬間、ベルモン大尉は敵弾に倒れた。



 中隊長が倒れても尚、中隊は突撃を続ける。
 他の多くの国々の兵ならば、とっくに崩壊していただろう。
 が、崩れない。崩れる訳にはいかぬのだ。
 
 ――怖い……怖い……死にたくないっ!

 デルボワ卒長は、目を瞑りしゃにむに駆けていた。
 身は恐怖で震え、失禁までしながらも、駆ける。ひたすら駆ける。
 が、逃げない。逃げられない。
 “郷卒”である彼に、逃げることは許されなかったのだ。



 他の多くの同僚と同様、デルボワ卒長は“郷卒”だった。
 “郷卒”とは『“卒郷”出身の兵卒』のこと、そして“卒郷”とは『除隊した元兵卒達の村』のことである。(ちなみにどちらも俗称だ)

 ロッシェル王国において、規定の軍務を終えた退役志願兵は、“卒郷”に家と田畑を貸し与えられ、そこで生涯暮らすことを許されている。
 要は『国が地主の小作人』という立場ではあるが、小作人と違うのは『小作料を納めなくても良い』ということだ。それどころか、『作り取り』である。

131くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/06(木) 15:46:42 ID:LyPPIJW.0
 自作農ならば、税25%/諸経費35%掛かり、可処分所得40%。
 小作農なら、上記に更に15〜20%の小作料が加わり、可処分所得は20〜25%にまで低下する。
 これに対し、“卒郷”では税の変わりに5%の村会費を払わねばならぬとはいえ、可処分所得は60%にも達する。
 同規模の自作農の五割増、小作農ならば二倍半〜三倍の手取り――これは大きい。さして広くない農地だが、家族でさして贅沢せずに暮らすだけならば十分な収入だ。

 加えて、公的に保証されたものではないが、慣例として士族に準じた待遇を受けることができる。
 つまり、周囲の村の農民達は“卒郷”の者に出会えば道を譲り、頭を下げねばならぬのである。たとえ地主であっても、譲らねばならぬのだ。
 また、『士族に準じた待遇を受ける』ということは、こういった名誉だけに止まらず実質的な利益をももたらす。
 例えば、各種の魔道の恩恵を、(一定の制限があるとはいえ)士族価格で受けることができる。魔道医の治療を受けることだって不可能ではないだろう。(これは寿命の長短に直結する)

 ……これだけ恵まれた待遇が、保証されているのである。当然のことながら、この“利権”を他人に渡す手は無いだろう。
 かくして“兵になる権利”は子へ、子から孫へと受け継がれる様になり、いつしか兵は“卒郷”出身者で独占される様になった。
 半ば譜代化した彼等を、世間は“卒族”と呼んだ。 ……新たなる階級の出現である。

132くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/06(木) 15:47:14 ID:LyPPIJW.0
 が、彼等“卒族”は、厳密にはあくまで平民に過ぎない。
 王国はこの状況を黙認――国にとっても悪い話ではない――しつつも、兵役をまっとうできなかったり、軍務違反があったりすれば、容赦なく“卒郷”から追い出した。(場合によってはその家族すらも、だ!)
 ……彼等に己の立場を思い出させ、身の程を弁えさせるために。

 “卒郷”から追い出された元“郷卒”は悲惨だ。
 平民でありながら準士族として遇され、様々な恩恵を受けていた彼等を庶民は羨望と嫉妬を込めて“蝙蝠野郎”と呼び、決して快くなど思っていない。
 だから、そのしっぺ返しを受けるのだ。
 それを知るからこそ、“郷卒”は“郷卒”でなくなることを恐れた。

 だから、デルボワ卒長は駆ける。
 待遇以上に、恐怖が……家族への想いが、彼を縛っていた。逃げることなど、できない。

 ――なんて…なんて遠いのだ……

 僅か100バッシス、駆ければ20秒の距離。
 が、遠い。果てしなく遠い――
 ……それが、彼の最期の思いだった。
 彼もまたベルモン大尉同様、敵弾に倒れ伏したのである。



 結局、中隊が“帝國”軍に達することはなかった。
 彼等が放つ銃弾の前に、ひれ伏したのである。

133くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/06(木) 15:47:58 ID:LyPPIJW.0
 “帝國”軍30余名が放った銃弾は、およそ200発弱。
 無論、全力ではない。それ以上は『必要でなかった』――それだけのことだ。(ただ、当時の“帝國”陸軍の運用思想では限界に近い数字だろうが)
 ……が、それでもこれはロッシェル歩兵のおよそ150名分、1と1/2個中隊のそれに匹敵した。
 命中率を考えれば、5個中隊以上……射程や威力を加味すれば、『10個中隊と同等』と言っても不思議ではない。
 僅か1/4個中隊相当の“帝國”兵が、それだけの火力を発揮したのである。
 それは、雑兵に過ぎぬと思われた歩兵が、戦場の主役に躍り出た瞬間だった。

134くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/06(木) 15:48:30 ID:LyPPIJW.0
*1 ――――『ヴィエンヌ軍管区隷下のヴィエンヌ歩兵連隊司令部は既に戦時体制に移行しており、第3大隊を臨時編成していた。』――――
 ロッシェル王国軍においては、歩兵連隊は州内の募兵や新兵の訓練等を行う管理単位であり、戦闘単位ではない。
 各州に1個、計16個(除く近衛)が置かれている。その編制は以下の通り。

   歩兵連隊
    ┣━連隊司令部
    ┣━第1歩兵大隊
    ┣━第2歩兵大隊
    ┗━連隊段列

 第1大隊は歩兵軍に提供され(故に、通常はその隷下に無い)、
 第2大隊は歩兵に限らず新兵全般の訓練を担当し、上記第1大隊や各軍に人員を提供する。

 ……但し、有事には予備・後備役や新兵をもって第3以降の大隊、或いは独立中隊を臨時編成することがある。今回も同様だ。
(とはいえ装備や物資、人員・予算の兼ね合いから、せいぜい第3大隊の臨時編成がいいところ)

*2 ――――銃剣付のマスケットに擲弾――――
 マスケットの主力は滑腔式マスケットで、点火方式はフリントロックである。(仏の“シャルルヴィル”や英の“ブラウン・ベス”と同レベル、と考えてよいだろう)
 施条式マスケット――いわゆる“ライフル”――も存在したが、コストや装填が困難なことから軍用としては一部に装備されるにとどまっている。これとは逆に、マッチロックを点火方式として用いる滑腔式マスケット――いわゆる“火縄銃”――は、現在では流石に旧式化しているにも関わらず未だに大量保有され、後方部隊や二線級以下の部隊に配備されている。
 なお、擲弾とはいわゆる“手投げ弾”のこと。多くの場合、中空の球形鋳物に黒色火薬を詰めて導火線を付けただけの物に過ぎない。

135くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/06(木) 15:49:03 ID:LyPPIJW.0
SS投下終了。

136くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/06(木) 16:00:09 ID:LyPPIJW.0
あ゛、ベルモン大尉は下級『貴族』でした。

137名無し三等陸士@F世界:2008/03/06(木) 17:33:39 ID:rA.E4kz60
投下お疲れ様です。

遥か西方に行くとはるきゲにあとか文明圏を自称していそうな気がしてきましたw

138名無し三等陸士@F世界:2008/03/06(木) 18:39:37 ID:wiwzACe60
>>113
ライバック?w

139名無し三等陸士@F世界:2008/03/06(木) 22:59:38 ID:Vsxdx9E20
優秀な頭脳は、科学なんかより魔法を私用出来る地位への出世を望むだろうしな。
「帝國」と言う”異物”が出現しなければ「魔法文明」の高度化”のみ”の
方向しか無かったんじゃないか?
生物を使用した「魔法機関」とか気色の悪いものが出現しそうだけど。

140名無し三等陸士@F世界:2008/03/06(木) 23:32:39 ID:DY3EUYSw0
>>139
 パラサイト・イヴのゲームに出てきたな、それ。
 快楽物質を与えられて発電する元人間の発電専用の怪物。

141名無し三等陸士@F世界:2008/03/06(木) 23:49:20 ID:ddD8R2is0
>>139
>>140
D&Dとかでもあったはずなので、ファンタジーでは意外と良くあるネタ?

142名無し三等陸士@F世界:2008/03/06(木) 23:53:10 ID:Zsg6ZW920
メックナイツって古いTRPGでは、「光合成してそのエネルギーで放電する植物」を封じたソーラーパネルが使われてた。
植物とかだと、感じとしては蔦で壁を覆ってる建物とかもあるのだからそんなに気持ち悪い訳でもないかも?

143名無し三等陸士@F世界:2008/03/07(金) 00:05:03 ID:FC4jSiCg0
くろべえさん、投下乙です。
なんかもう両陣営で既成概念に基づいた判断ミスで失敗合戦してるようで、
現場で命を失っていく人たちが見てて可哀想になってきますな。


>>141
そういやD&D作った人がお亡くなりになったそうだね

144名無し三等兵@F世界:2008/03/07(金) 00:43:52 ID:DX9fFP720
くろべえさん、投下乙です。

さすがに、練達の部隊の斥候だけに、帝國側は練度が高いですね。
同数の40倍の戦力ですか。
北方方面艦隊司令長官が余裕と思いこむわけだ。

だけど、この戦闘で陸軍部隊はロッシェル軍の士気の高さを感じるのでしょうね。
最後の一兵まで突撃をしてきた、と受け止めるわけですし。

145名無し三等陸士@F世界:2008/03/07(金) 02:01:50 ID:NmlTCxIs0
>>137
おまい実はあのスレに居たりする?ww

146名無し三等陸士@F世界:2008/03/07(金) 03:58:53 ID:slWT8wvs0
>>145
数スレ前にくろべえさんとこのサイトを紹介してたから、
そこから流れてきた人なんじゃないの?
というか、私もそうだし。

147名無し三等陸士@F世界:2008/03/07(金) 05:03:19 ID:W89qtAIg0
紹介……なんてご大層なものじゃなくて、どう見ても荒らしと厨房の誘導工作でしょう?
そうして、>>146のように軍板住人でもなく、自分から厨房だと暴露するような空気嫁ない子が流入してくると…('A`)

148名無し三等陸士@F世界:2008/03/07(金) 06:36:58 ID:SKm9V39M0
元々このスレにも厨房はいるだろ
おにゃの虎おにゃの虎言ってるキモオタとか
そういった奴らを締め出すにはくろべえ氏にそういう流れを削いで貰うしかない

だけどそれは無理だしな
軍板住人も厨房共もそれぞれ自重し合って楽しむしかないないだろ

149名無し三等陸士@F世界:2008/03/07(金) 06:57:02 ID:/SuCiDSc0
>>おにゃの虎おにゃの虎言ってるキモオタ

正直、そいつだけは見てて引くよな。勘弁して欲しい。

150名無し三等陸士@F世界:2008/03/07(金) 08:28:24 ID:0TUjgjg.0
例の御仁が何者であるかは知らんから変なレッテル貼りで中傷するつもりは無い
が、彼の発言にはドン引きせざるを得ない
郷に入りては郷に従えと言うし、もうちょっと自重してほしいとは思う

151名無し三等陸士@F世界:2008/03/07(金) 08:29:35 ID:xcZsEuTI0
>>143
そういやD&D作った人がお亡くなりになったそうだね

それで思い付いたが約40年前に作られたD&Dが全てのRPGの元になっているわけでくろべえ氏の世界だとRPGとか、現代日本のライトノベルとか存在しないんだろうなぁ。
そのあたりも稲葉の功績(?)になるのかな?

152名無し三等陸士@F世界:2008/03/07(金) 09:35:35 ID:Hg4roxiY0
アルフェイムはリアル剣と魔法の世界だから、
邦国の神話伝説とかでドキュメンタリーを作ったら、自然とRPG物になるんじゃない?
シュヴェリン祖父王のとかw

153名無し三等陸士@F世界:2008/03/07(金) 10:14:57 ID:JtzknK8s0
くろべえ氏世界は啓蒙時代+魔導技術世界であって、
剣と魔法までは行かないんじゃないか?
FFの世界観みたいなRPGは生まれそうな希ガス

154名無し三等陸士@F世界:2008/03/07(金) 11:25:14 ID:T0FuuHIs0
くろべさん乙カレー(・∀・)

小規模戦闘とはいえ、ホント久々の完全勝利w
こちらの被害が0であることもさることながら、
相手に情報を与えなかった(目撃者を皆殺しにした)
点もすばらしいと思います。

たとえこの後地獄が待っていると分かっていようとも
(いやだからこそ)
wktkせずにはいられなくなりましたよヽ(^ー^)ノ

155くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/07(金) 12:04:40 ID:LyPPIJW.0
>>137
 137様、有難うございます。

 ちなみにベルモン大尉は騎士です。
 騎士としては中級ですかねえ?200坪程の屋敷を構え、下男下女を1人ずつ雇っている――といった程度の分限です。
(金銭面では、家禄だけですと体面を維持するのでカツカツですので、職禄が頼り)

>>139
 あと、投資する立場の人々もやはり魔道に投資するでしょうね。
 ……誰だって命は惜しいですし。
 加えて、この時点の科学では魔道に対抗できるだけの投資案件を提示できません。無理も無い話です。

>>143
 143様、有難うございます。

>なんかもう両陣営で既成概念に基づいた判断ミスで失敗合戦してるようで、
 仕方が無い、と言えなくも無いでしょうねえ……
 何しろ、まったく異なる技術体系を持つ者同士の対決ですから。
 これ程までにギャップがある戦いなど、歴史上存在しなかったのではないでしょうか?
 (特に軍人達は“自分の常識”を基にするから尚更でしょう)

156くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/07(金) 12:05:10 ID:LyPPIJW.0
>>144
 名無し三等兵様、有難うございます。

>同数の40倍の戦力ですか。
 特に軽機の存在が大きかったです。
 ……でもま、相手が相手ですからねえ(苦笑)
 これから敵は、旅順における帝國の如く突撃を繰り返すのだろうか?

>最後の一兵まで突撃をしてきた、と受け止めるわけですし。
 シナ相手では考えられませんよ、コレ。
 督戦部隊もいないし(笑)

>>154
 154様、有難うございます。

>小規模戦闘とはいえ、ホント久々の完全勝利w
 そういえばそうですねえ。
 今までは思わぬ苦戦の連続だったからなあ……

>相手に情報を与えなかった(目撃者を皆殺しにした)
>点もすばらしいと思います。
 クノスに続いて二度目(初回は敵が自爆したようなものだけど)の殲滅です。
 ……とはいえ中隊を殲滅した以上、敵も本腰を入れてくるでしょうね。
 次回以降、主力が出てくる?

157名無し三等陸士@F世界:2008/03/07(金) 19:49:30 ID:0bQekrhw0
>>152
大河ドラマにはなるだろうけどRPGにはならないと思うなぁ。
そもそも家庭用ゲーム機がない上に、欧米と違ってホームパーティとかをこまめにやる習慣がないから、TRPGも発生しない。
うまくいってボードゲームの信長の野望くらい?

158名無し三等陸士@F世界:2008/03/07(金) 19:51:36 ID:0bQekrhw0
ごめんあげちまった・・・

159名無し三等陸士@F世界:2008/03/07(金) 19:55:05 ID:52B1PS/M0
学校の授業に軍事教練が取り入れられて、んで図上演習もやるようになって、ボードゲーム人口増加とかありそう。

160名無し三等陸士@F世界:2008/03/07(金) 20:28:38 ID:V/FCcmwoO
双六があるじゃないか!

161名無し三等陸士@F世界:2008/03/07(金) 21:44:38 ID:mTXkJTF60
軍人将棋というものもある

162名無し三等陸士@F世界:2008/03/07(金) 23:56:24 ID:hY94N/VQ0
>軍人将棋
突破口に地雷を置くのは禁止とか
軍旗の後ろには大将配置(司令部には中将)とか
ミサイル行軍はよー知らん

>>151
>ガイジャックス(ガイギャクス)氏
某エロゲデヴが名前だけ拝借してたな・・・
新和の赤箱はおいらの青春でしたよ

163名無し三等陸士@F世界:2008/03/08(土) 00:35:46 ID:YnrPq2J60
>>159
一般の軍事教練ではそこまではやらんだろう。>図上演習
全員が士官になるわけでもなし。

大学に予備役将校訓練課程が、となるやもしれんが。

164名無し三等陸士@F世界:2008/03/08(土) 02:28:54 ID:CQ.CjYyk0
大学の先輩後輩が図上演習をやって、先輩ここ一番でピンゾロを出すと「いや、現実なら
ここでこんな結果が出るのはおかしい!」と振り直しを…… そしてそれが恒常化

165名無し三等陸士@F世界:2008/03/08(土) 07:58:29 ID:BSbuSQCQ0
個人的には、運の入り込む余地の無いディプロマシーが好きかなあ

166名無し三等陸士@F世界:2008/03/08(土) 12:24:56 ID:sK61Hh760
地政学をどう学ぶか興味があるな。
あと、帝國の「色々」が一段落したら、この世界(この星)の情報収集の為の
探査艦隊をあちこちに派遣すると思う。
正確な地理情報を編纂するだけで一世紀程度はかかるかもね

167名無し三等陸士@F世界:2008/03/08(土) 20:32:30 ID:Qz3Dq2YM0
既知の大陸の内陸部もほとんど手付かず状態らしいっすからねぇ
人間やエルフとの戦いが終わった後も、内陸開発でモンスターとかの相手しなくちゃならないんだろうな。

168名無し三等陸士@F世界:2008/03/08(土) 22:42:29 ID:5cdVuct20
激動の召喚本編の時代では無理っぽいですが、転移男時代では考古学はどうなってるんだろう。

169名無し三等陸士@F世界:2008/03/09(日) 01:10:10 ID:uetxleeY0
博物学が復活しそうだな
昭和帝とかお好きだっただろ。

あと、帝國の拡張が一段落ついたら、軍の機能の一部は警察軍になると思うけど
それとは別の戦略軍のかなりの部分と地理院が、探査・測量・記録専属に
なると思う。
気候とか資源とか植生とかだけでなく、海流調査とか地磁気・重力分布とかも
重要なので。
列強とかが、重要性に気づく前に情報を全部抑えておかなければ。

170名無し三等陸士@F世界:2008/03/09(日) 08:47:15 ID:yEvhYehQ0
>169
あれだね。天気予報は軍事情報なので民間に流さない時があったて話だね

171名無し三等陸士@F世界:2008/03/09(日) 11:34:41 ID:GMeVnp1A0
>>170
今でも中国は、気象情報は国家機密だから公開できないと黄砂の飛散情報を隠蔽しているが。

172名無し三等陸士@F世界:2008/03/09(日) 11:35:03 ID:fqyHfca20
21世紀の今でも
中国なんかは環境汚染対策の周辺国会議に自国の気象情報ださないけどな

手前のところ以外侵略国家なんていねえってのに

173名無し三等陸士@F世界:2008/03/09(日) 11:42:51 ID:s/2NboIM0
黄砂対策で日韓中で共同に予報システム作ろうとしたときも、自分とこのデータ提出は拒否したらしいね>中国

174名無し三等陸士@F世界:2008/03/09(日) 11:43:55 ID:s/2NboIM0
あ、171を見逃してた。ごめん

175名無し三等陸士@F世界:2008/03/09(日) 12:51:21 ID:eK5hkLm60
あげくに
「黄砂?違うよ。 全然違うよ。 関係ないよ。 隣の砂漠から飛んできてるんだよ。 もしかしたら日本でも発生してるかも」
だからなあ……あきれ果ててもうね。

176名無し三等陸士@F世界:2008/03/09(日) 17:48:45 ID:3S0mQVmI0
稲葉の時代、帝國勢力圏(邦国・直轄領だけでなく)の
詳細な地図とか、資源分布とか人口分布や物流網とかも
帝國内務省の専門部局(庁かな?)に準備されてるでしょうな。
で、定期的に再調査されて更新されると。
地味な作業かもしれないけど蓄積された情報は帝國の宝だと思う。

それらとは別に、軍や諜報機関もそれぞれ製作してるだろうけど。
で、内務省帝国地理院の蓄積情報の整理・検索体制の電子化に
ぐ〜ぐるがどんなもんかを知る稲葉中佐殿が三顧の礼で迎えられて・・・とか。

認証(ガチガチの物理的なものを含んだ多重認証だろうけど)を、
帝國電子情報網端末が置かれている設備さへあれば、どこからでも
本省に居るときと同様な快適さで色々できるとなれば
立案書を読んだだけで、理解できる人間なら目の色が変わるだろうしな。

177名無し三等陸士@F世界:2008/03/09(日) 18:25:47 ID:gFRlK2hM0
支那と朝鮮は今でも戦時体制だからね。
衛星もあるしgoogleマップとか有って今更な感じだけど
気象情報、国内地図は第一級軍事機密で国外持ち出し禁止。

それが原因で現地まで行かないと仕事できないんだよ…

178名無し三等陸士@F世界:2008/03/09(日) 22:38:16 ID:/UR5y/iA0
それがシナの経済成長を抑制しているなら
けっこうなことではあると思うな、日本の国防的に

苦労することになる>>177氏には悪いが。

179名無し三等陸士@F世界:2008/03/09(日) 22:45:44 ID:4NuMqdQ20
民主化されたシナなんつーのは、国力的に悪夢だからなー
金ブタも、周りの国にとっては数百万の飢餓難民の流出を食い止めている便利な道具、
という意味では必要な人間だしね。

180名無し三等陸士@F世界:2008/03/10(月) 01:31:08 ID:eK5hkLm60
民主化で百年くらいごたついてくれないかねえ、こう、五胡十国とかそんな感じで。

181名無し三等陸士@F世界:2008/03/10(月) 09:04:02 ID:TZ6IR7Xw0
>>180

揚げ足取りでスマンが五胡十六国な、十国は五代。
まぁ、その意見には大いに賛同するところではあるが、そろそろスレ違いになってきてね?

182名無し三等陸士@F世界:2008/03/10(月) 09:32:55 ID:NxLASh8E0
そういや、結局今回の水爆実験の描写から、月王国はズバリ月にあることが確定した訳だけど、
転移男時代の宇宙開発はどうなってるんでしょうねえ。
80年代アメリカレベルってことは、月面着陸くらいはなんとかやってのけるんでしょうけど。

183名無し三等陸士@F世界:2008/03/10(月) 15:10:11 ID:55XpGFAo0
月に仮想敵国の本拠があるのならまずは月軌道の無人周回衛星を送り込む
のが先かも。
そもそもこの世界の月には大気があるのか、とか無いとしてもどの
程度の大きさでどのくらいの周期で母星(アルフェイム)の周りを公転
しているのかとかも考えないといかんのでは?
地球と同じ大きさの月だとしてもそこから何かを発射して帝國を攻撃
するためには重力を脱出するためのエネルギーがいりますし距離が
あれば軌道計算も必要でしょう。

ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%B3%E9%81%B7%E7%A7%BB%E8%BB%8C%E9%81%93
ホーマン遷移軌道

技術的には有人探査機(着陸船)を使うより無人探査機を使う方がリスク
は低いから、旧ソ連のルナシリーズのように無人探査機や観測衛星を
周回させるだけでも相手国にはプレッシャーを与えられるよ。
実際旧ソ連の探査衛星や偵察衛星には小型原子炉を積んで長期間の稼動
時間を狙った物もありましたからね。
60〜70年代の科学技術でも無人探査機なら月到達は可能でしょう。

ttp://www.masaakix.interlink.or.jp/apollo/framelujfs_old.htm
旧ソ連の月探査

どうでもいいけど旧ソ連の探査機は無骨で無機質的な部分もあるけど
なんとなくですが「帝國」的な物作りにも見えなくはないですね。

184名無し三等陸士@F世界:2008/03/10(月) 22:37:44 ID:7klH60uU0
ワームホールって言うか、ゲートでアルフェイムとつながってるっていう設定があったと思ったが?

185名無し三等陸士@F世界:2008/03/10(月) 23:00:48 ID:ucZgvUGE0
だったら尚更、ゲート以外の手段で帝國が戦力を投射できると示せれば
月へのでっかい圧力になるんでね?

186名無し三等陸士@F世界:2008/03/10(月) 23:24:09 ID:slWT8wvs0
 しかし、月がどういうところなのかわからんのがなあ。
大気があって普通に生活できるのか、ドーム型都市でも持ってるのか、
それとも、真空に適合した生物なのか。
まあ、宇宙レベルの科学技術持ちだったら、
メテオドライバーがっすんがっすん撃たれて帝國負けそうだし、それはないかなあ。

187名無し三等陸士@F世界:2008/03/10(月) 23:51:50 ID:oVuuhHNoO
そもそも月王国はアルフェイム世界に認知されていたのか?とか思ったり・・・
平成の世では清華と同盟を組んでるんだっけ?

188名無し三等陸士@F世界:2008/03/11(火) 00:35:56 ID:K2B7BASU0
>『清華王国に対する月連合王国の大量武器供与問題について、帝國政府は断固たる措置を……』
とかありましたね。何を供与してるんだろう。

189名無し三等陸士@F世界:2008/03/11(火) 00:39:06 ID:.rrbrDDM0
開戦理由
「かぐや姫が思ってたより不細工だった為」

・・・この世界の「月」には、大気も水も豊かな生態系も存在するんだろう。
で、太古の昔から魔法を使って「偶に」交流もあったと。
古代魔法文明が開拓したかもしれんけどな。


そーいえば、ガンダムで文明が退行したコロニーとか
あったような無かったような・・・

190名無し三等陸士@F世界:2008/03/11(火) 08:38:35 ID:55XpGFAo0
>この世界の「月」には、大気も水も豊かな生態系
厳密にはそういう星は我々の世界だと連星系ですな。
他方から見ると連星だけどどちらかの星から見ると衛星に
見えないこともない。

>ガンダムで文明が退行したコロニー
ターンAのあれはコロニーというより月面都市ですな。
あれも月面に住んでいる人とは別に他の惑星系に人類が旅立って
いってるような感じがありますが。

それはそうとこの世界の帝國の産業は重工業重視になってるんですかね。
林業の衰退とか現実世界では問題になっているけどこっちは国策で保護
してそうだけど。

191名無し三等陸士@F世界:2008/03/11(火) 08:58:07 ID:uB3eO1fk0
>>190
横レスなうえに、禿げしくどうでもいいことなんだけど、
>>ガンダムで文明が退行したコロニー

これはZZのムーンムーンのこと指してるんじゃね?

192名無し三等陸士@F世界:2008/03/11(火) 11:12:29 ID:BSbuSQCQ0
「アルフェイムで生まれ育った全ての人類に報告させていただきます。
 私たちは、「高天原」。機動兵器「銃と自由」を所有する私設武装組織です。
 私たち「高天原」の活動目的は、この世界から戦争行為を根絶することにあります。
 私たちは、自らの利益のために行動はしません。
 戦争根絶という大きな目的のために、私たちは立ち上がったのです。
 ただ今をもって、全ての人類に向けて宣言します。
 領土、宗教、エネルギー、どのような理由があろうとも、私たちは全ての戦争行為に対して、武力による介入を開始します。
 戦争を幇助する団体、組織、企業なども、我々の武力介入の対象となります。
 私たちは、「高天原」。
 この世から戦争を根絶させるために創設された武装組織です。
 …」

こんな声明が月から全世界にながれたのかもしれないなとか

193名無し三等陸士@F世界:2008/03/11(火) 12:31:43 ID:Y0JW9sr20
>>192
ああ,それは有っても不思議じゃないかも

もっとも,月王国がアルフェイムからマナを強奪している
……のは当然,「心に棚を作る」のか

それが政治の世界と言うものだし

194名無し三等陸士@F世界:2008/03/11(火) 12:58:15 ID:oVuuhHNoO
>>192
そこまで来るとエルフの権威も何も無い気がするwww

195名無し三等陸士@F世界:2008/03/11(火) 14:43:05 ID:5cdVuct20
月との敵対理由が
「黄緑の球体をキャベツと言うか否か」
であること希望

196名無し三等陸士@F世界:2008/03/11(火) 15:10:27 ID:W89qtAIg0
夜明け前よりキャベツ色なwww

197名無し三等陸士@F世界:2008/03/11(火) 17:33:32 ID:BSbuSQCQ0
マナ=モノポールだったりして

今の世のモノポールは強い磁場のあるところ、つまり木星にあるかもしれない、
ってことですけど
もしかするとアルフェイム世界には普通に漂ってて、
それを何らかの形で引き出したものが「魔法」。
…とか妄想してみますw

ってことは、>>192の声明だしたのって湯川秀樹博士とかw
魔法の原理研究のなかで…と

198名無し三等陸士@F世界:2008/03/11(火) 19:26:23 ID:Qwd7j3vA0
>>190
アニオタのミナサマ
こんな時間に書き込んでるけど仕事は?

199名無し三等陸士@F世界:2008/03/11(火) 20:54:19 ID:29AVKOXQ0
>198
自宅警備員しながら株屋なんぞを

200名無し三等陸士@F世界:2008/03/11(火) 20:57:07 ID:0TUjgjg.0
学生は休みの時期じゃないの?

201名無し三等陸士@F世界:2008/03/11(火) 21:51:41 ID:7klH60uU0
>>198
か・・・会社のPCから書き込みなんてしてないよ!ないよ!

202名無し三等陸士@F世界:2008/03/12(水) 01:13:18 ID:Y0JW9sr20
>>198
仕事? 会社ならついこの間倒れたけど,それがなにか?

今は今週半ばにある『次の会社の面接までお休み』ですが,それがなにか?

203名無し三等陸士@F世界:2008/03/12(水) 02:07:35 ID:5wHaWlEk0
>>202
イ㌔

204名無し三等陸士@F世界:2008/03/12(水) 19:59:12 ID:iEzH4aCg0
稲葉でさえ召喚前から働いていたとゆーのに!

205名無し三等陸士@F世界:2008/03/12(水) 21:24:25 ID:Il9dO2Oc0
つうかシフトが夜勤という可能性も有るんじゃね? とニートの自分が言ってみる。

206名無し三等陸士@F世界:2008/03/12(水) 21:52:20 ID:55XpGFAo0
稲葉のいる「平成時代」の帝國世界が我々の世界に近いとなると
こちら側で実用化された技術のいくつかもいずれは帝國世界でも
発明されるかもしれないとしたらバイオテクノロジーなんかは
どうなるんじゃろ。

日本は伝統的に発酵食品が多いからそこから転用した技術なんかで
この分野の研究が進みそうなんだけどなぁ。
人材としてはダークエルフなんかも投入できるしアルフェイムに存在
している「かもしれない」未知の発酵食品やバクテリアの研究が進めば
医療だけでなく軍事転用(生物兵器)も可能だから帝國は研究に力を
入れてそうな分野なんだけどなぁ。

バクテリアだけでなく多様な気候区分を持つ地域を支配しているから
我々の世界よりも様々な改良された品種の食物を栽培してそうだし。
貧民向けの食料として味はイマイチだけどとにかくたくさん収穫出来る
品種のサツマイモや荒地でも容易に育てられるソバなんかは栄養価も
高いし帝國が積極的に後進国に農業技術指導なんかをしてやれば国の
威信も増しそうなんだけどね。

207名無し三等陸士@F世界:2008/03/12(水) 22:14:56 ID:eK5hkLm60
むしろそう言った国力倍増要素は皆実行してる、みたいに考えるべきかも知れない。
そうでもないと80年代ちょい前の技術水準で月と宇宙戦争なんて!

208名無し三等陸士@F世界:2008/03/13(木) 00:40:08 ID:mtGm6y2A0
かぐや姫がぶさいくなんて許せない
絶世の美女で取り合い戦争になったのでお願いしますw
男の夢を壊さないで下さい

209名無し三等陸士@F世界:2008/03/13(木) 01:40:12 ID:TZ6IR7Xw0
>>208

でも、平安美人って今の基準だとただのしもぶくれだ、って聞いたんだが……。

210 名無し三等陸士@F世界:2008/03/13(木) 02:18:28 ID:52bQUkYgo
>>208 >>209

平安時代の美人の条件は、

下膨れ
一重の切れ長の目、垂れていると可愛いらしい
おちょぼ口で色が白い
髪の毛が長くて太くて黒くて立派←最重要

だったそうです。
ソースは「御石神落とし」8巻。
永久保貴一が原作ですから、多分間違いないと思うけど。

211名無し三等陸士@F世界:2008/03/13(木) 02:49:24 ID:cTHtHKR.0
要するにオカメか

212名無し三等陸士@F世界:2008/03/13(木) 08:34:28 ID:m9sU.qIU0
まあ暗い屋敷の中で自分を主張するための顔だから・・・
時代によって美しさは移り変わるからね
でも不細工の定義はそうかわらないと思うがorz

213名無し三等陸士@F世界:2008/03/13(木) 09:14:09 ID:NxLASh8E0
戦国魔神ゴーショーグンの小説で、醜女の大女として有名だった坂本龍馬の姉の乙女が
タイムスリップした現代人の目から見ると、モデル体型でグラマーな美女だったとかいう設定だったな。

そういや、ダークエルフの外見は西欧風だったと思うんだけど、
戦前の日本人の美的感覚って、西欧美女を許容出来てたのかな。

214名無し三等陸士@F世界:2008/03/13(木) 09:31:58 ID:oVuuhHNoO
庶民の男性はDEの女をバタ臭いとか思ってるんじゃないかな?

215名無し三等陸士@F世界:2008/03/13(木) 10:20:46 ID:i/BGxRX.0
しかし

「独逸メイドは〜世界一イイイイイィィィ! 仲間に組み込めん国など無いイイィィ!」

と言う実例があるからな

216名無し三等陸士@F世界:2008/03/13(木) 13:25:17 ID:i.kmv40Q0
そこで森鴎外の出番ですね。分かります

217名無し三等陸士@F世界:2008/03/13(木) 20:34:28 ID:fqyHfca20
鴎外も大概な西洋かぶれだったからなぁ…

正直あのおっさんの好みが当時の一般的な日本人男子の好みとは思えねぇ

218名無し三等陸士@F世界:2008/03/13(木) 21:22:52 ID:wDr0citw0
仮想的に鴎外には脚気で失脚して欲しいんですが・・・

あ、失脚したら小説書く時間が増えるかw

219名無し三等兵@F世界:2008/03/14(金) 01:45:39 ID:DX9fFP720
>>218
鷗外はWW1の頃の人物だからねえ。
くろべえさんの世界ではそれから約30年経ったけど、西欧風女はどう見られているんだろう?
満鉄「あじあ号」のウェイトレスは若いロシア人だったようだけど。

220名無し三等陸士@F世界:2008/03/14(金) 01:45:42 ID:bhbvuqDo0
森鴎外といえば「饅頭茶漬け」

221名無し三等陸士@F世界:2008/03/14(金) 02:19:22 ID:CgdnQHtE0
「身近に居ない」「新聞やラジオで活躍を報道」「帝國人でなく、自分たちの国を持っている」
と、言うことなので、同化政策は目立たなく、密かに・・・・ではないかと。
あらゆるメディア(学校教育も含む)で、教化と宣伝をやっていれば
次世代あたりには、さほど違和感無くなるかと。

それに・・・・獣人という「緩衝材」もあることだし。

222名無し三等陸士@F世界:2008/03/14(金) 02:27:48 ID:slWT8wvs0
西欧人話で思い出した。
今更な話題かもしれんけど、
ハーフやクォーターは転移したのかね?
朝鮮・台湾が住人ごと移転してないことを考えると、
民族的な意味で日本人なのだけが転移してるっぽいけど…。

223名無し三等陸士@F世界:2008/03/14(金) 05:11:16 ID:UxaReVqs0
鴎外はドイツ医学に無いから信じられないって
ビタミン研究を闇に葬ったぐらいだしな。

224名無し三等陸士@F世界:2008/03/14(金) 05:37:04 ID:7ASfDmg20
>>222

その辺については、かなり昔(旧版の設定だけど)に触れられてたと思う
物の場合、帝國に所有権が有るのは外国に置いていても帝國に、逆に帝國に所有権の無いものは所有権を有する国に飛ばされる
土地の場合は、所有権関係なく帝國領土と領海のみ
人の場合は、例え国籍が帝國でも帝國より外国に親近感を覚えていればその国に、逆に外国籍でも母国よりも帝國に親近感を覚えていれば帝國に来る
私の記憶が確かなら、こういう設定だったはず

225名無し三等陸士@F世界:2008/03/14(金) 07:45:46 ID:gFRlK2hM0
鴎外だけじゃなく日本人は舶来モノを有りがたがるからね。
フロッピーディクスがそうだっけ?

226くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/14(金) 08:27:33 ID:LyPPIJW.0
>そもそも家庭用ゲーム機がない
 アタリとかカセットビジョン級なら、わりと普及してますです。値段も手ごろですし)
 ……ファミコン級も作れなくはないですが、「子供の玩具」としては高価すぎますからねえ。
 加えて、帝國では「子供は外で遊ぶもの」「子供に高い玩具を買うのはよくないこと」という固定観念があります。家で遊ぶにしてもボードゲームか漫画程度でしょう。
(上の家庭用ゲーム機も、金持ちの子供か高専生以上がバイトして買ったのが大半です)

>あと、帝國の「色々」が一段落したら、この世界(この星)の情報収集の為の
>探査艦隊をあちこちに派遣すると思う。
 本編の段階でも潜水艦等による探索が行われていますが、「本格的に乗り出すのは10年後」って感じですからねえ。
(縄張りの大内海ですら……)

>転移男時代では考古学はどうなってるんだろう。
 この世界を知る上で考古学及文化人類学は非常に重要です。
 故に帝國も力を入れてはいますが、その歴史は浅く未だ発展途上です。
(「余裕が出来てから」&「その重要性を認識してから」なので本格的に始まったのはここ50年ほど。やはりほとんど一からなのでとても大変)

>気候とか資源とか植生とかだけでなく、海流調査とか地磁気・重力分布とかも重要なので。
>列強とかが、重要性に気づく前に情報を全部抑えておかなければ。
 測量船等の増勢も行われていますが、何しろ範囲が広いですからねえ……
 開拓者は大変だ。

227くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/14(金) 08:27:33 ID:LyPPIJW.0
>そもそも家庭用ゲーム機がない
 アタリとかカセットビジョン級なら、わりと普及してますです。値段も手ごろですし)
 ……ファミコン級も作れなくはないですが、「子供の玩具」としては高価すぎますからねえ。
 加えて、帝國では「子供は外で遊ぶもの」「子供に高い玩具を買うのはよくないこと」という固定観念があります。家で遊ぶにしてもボードゲームか漫画程度でしょう。
(上の家庭用ゲーム機も、金持ちの子供か高専生以上がバイトして買ったのが大半です)

>あと、帝國の「色々」が一段落したら、この世界(この星)の情報収集の為の
>探査艦隊をあちこちに派遣すると思う。
 本編の段階でも潜水艦等による探索が行われていますが、「本格的に乗り出すのは10年後」って感じですからねえ。
(縄張りの大内海ですら……)

>転移男時代では考古学はどうなってるんだろう。
 この世界を知る上で考古学及文化人類学は非常に重要です。
 故に帝國も力を入れてはいますが、その歴史は浅く未だ発展途上です。
(「余裕が出来てから」&「その重要性を認識してから」なので本格的に始まったのはここ50年ほど。やはりほとんど一からなのでとても大変)

>気候とか資源とか植生とかだけでなく、海流調査とか地磁気・重力分布とかも重要なので。
>列強とかが、重要性に気づく前に情報を全部抑えておかなければ。
 測量船等の増勢も行われていますが、何しろ範囲が広いですからねえ……
 開拓者は大変だ。

228くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/14(金) 08:30:24 ID:LyPPIJW.0
 二重投稿してしまった……

>稲葉の時代、帝國勢力圏(邦国・直轄領だけでなく)の
>詳細な地図とか、資源分布とか人口分布や物流網とかも
>帝國内務省の専門部局(庁かな?)に準備されてるでしょうな。
>で、定期的に再調査されて更新されると。
>地味な作業かもしれないけど蓄積された情報は帝國の宝だと思う。
 多くが機密……というよりも非公開ですからねえ。
 大まかにしか判らないから、企業もリサーチが大変です。
 国と組んでる(国に調査協力している)企業が有利……後発組は厳しい……
(ただ企業の方も大分情報を蓄積してきており、一部では国以上に詳しくなっていますから、最近では大幅緩和の声が大きくなってきました)

>>月連合王国
 稲葉編のジャンク設定では、
 ・複数のドーム型都市に住んでいる。(大気設定はアルフェイムと同一+α???)
 ・アルフェイムからマナを大量に運び込み、これを大気に変換、残りを各種エネルギーとして利用している。(マナが空気・石油・天然ガス・石炭・ウラン代わりのようなもの)
 ・マナを運ぶ“ストロー”“井戸”として、月とアルフェイム両側に無人施設(塔?)がある。
 ・“ストロー”や大気・エネルギー変換装置は過去の遺産で、現在の月では作り出すことができない。保守がせいぜい。

229くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/14(金) 08:32:21 ID:LyPPIJW.0
 上の“ストロー”は強力な結界で守られ、ちょっとやそっとでは壊せません。
 ですが稲葉世界の帝國は、ちょっとやそっと以上の破壊力を手に入れております。それも大量に。
 “ストロー”の位置は全て判明していますから、最終戦争時にはこれを破壊&大威力核搭載の月ロケット(到着頃にはエネルギー不足により探知も迎撃も不可能の可能性大)を送り込んで、最悪でも相打ちにもっていけるのですよ。
 ……水爆の開発前は、結界に小さく開けた穴から、片道切符の特別攻撃隊が内部に侵入&破壊するしかなかったのですが。
(難易度的にはバビル2世のバベルの塔を破壊するようなもの?)

>バイオテクノロジー
 これと医学に関しては、ある意味地球よりも進んでるかも。

>ハーフやクォーターは転移したのかね?
 国籍によります。中の人?は国籍(本国人かどうか)を基準に判別してますから。
 ただ補正事項があって、
 ・植民地人等であっても帝國の官位(雇人ではなく正規の官)や爵位を持つ場合は転移
 ・その居住国に強い親近感を抱いている場合、或いは帝國に強い嫌悪感を持つ場合は転移しない
 という法則がみられます。
 ……まあ、中には不幸な間違いとか手違いもありますが。

230名無し三等陸士@F世界:2008/03/14(金) 16:04:08 ID:B4/QAi6M0
>>229
月王国ってアルフェイム列強に比べると、人種、文化、軍事力、魔法技術はどうなってるんでしょうか?
地上に向けて衛星軌道攻撃とか出来るレベルにあるのか興味があります。
ここまでの規模だともしかしてエルフの王国なのでしょうかね。

231名無し三等陸士@F世界:2008/03/14(金) 20:40:58 ID:bx2MMM3I0
あんまり、ネタの先食いするのはよそうよ

ところで、くろべえさん
稲葉って不逮捕特権を持ってるけど、佐官程度の軍人として
桁外れの「機密情報閲覧許可」とか持ってそうですね。
下手したら「将官クラス」でも閲覧に手間がかかる
「責任者」と「宰相」レベルしか自由閲覧できない情報への
アクセス権を。
・・・で、エルフの色々を見てハァハァしてるとかやってそうだ。

232名無し三等陸士@F世界:2008/03/15(土) 00:34:27 ID:PrNDtOqYO
ここまで鮮やかなダブルスタンダードは久しぶりだ

233名無し三等陸士@F世界:2008/03/15(土) 01:14:56 ID:W89qtAIg0
>PrNDtOqYO
お前が言うな。

234名無し三等陸士@F世界:2008/03/15(土) 03:02:21 ID:PrNDtOqYO
>ところで、
この一言が光ってる
こういったセンスは評価されるべき

235名無し三等陸士@F世界:2008/03/15(土) 03:16:10 ID:vEvo/GtA0
231=232に見えてきた

236F世界逝き:F世界逝き
F世界逝き

237名無し三等陸士@F世界:2008/03/15(土) 08:06:04 ID:m9sU.qIU0
だが心配のし過ぎではないか

238名無し三等陸士@F世界:2008/03/15(土) 09:31:11 ID:wN5x5/cM0
なあに、かえって免疫がつく

239くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/15(土) 11:15:48 ID:LyPPIJW.0
>>230
 ジャンク設定ですので、その辺はいい加減です。それでよろしければ。
 ……そもそも、本編で月が出てくるかも判りませんし(苦笑)

>人種・文化
 これは後ほど。

>軍事力
 数は少ないですが、質は侮り難いです。
 60〜70年代に東西ドイツでにらみ合うNATO軍とWTO軍(世界貿易機構にあらず)みたいなもの?

>魔法技術
 進んでます。でも、開発力はもはや帝國の方が上かな?

>>231
>機密情報閲覧許可
 や、これは職務に関すること以外は「普通の技術中佐に毛が生えた程度」です。
 先のSS中の捜索も、まあ古い資料漁ってただけですし。


 ではSS投下。

240くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/15(土) 11:16:47 ID:LyPPIJW.0
帝國召喚

 当時、ロッシェル王国は対“帝國”戦の舞台を『ヴィエンヌ州沿岸部のみ』と想定しており、動員も同州に限定していた。
 この、今日における軍事常識からすれば、希望的観測としかとれぬ判断――だがそれは、当時の目から見れば極めて妥当な判断だった。

 その思考は、こうだ。

 軍事、というよりも“常識”的に考えれば、『空爆による戦力の喪失』『兵站線の伸張』といった無視できぬほどに大きなリスクを極力抑える為、“帝國”軍は最短距離での渡航を試みる筈だ。その上陸地点は、ヴィエンヌ州の何処か――恐らくは州都サンザック近郊――に違いあるまい。
 が、それでも尚、飛竜軍の警戒を潜り抜けるのは容易なことではない。仮に突破したとしても、師団規模の野戦軍を打ち破り、なおかつ州全土を占領できるだけの陸兵を送り込むことは不可能である。(*1)
 故に、“帝國”軍は目標を州都サンザックに絞り、これを占領することにより“州全土の制圧”に準じた成果を得ようと考える筈だ。(足りぬ陸兵については、空中戦力により補うつもりだろう)

241くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/15(土) 11:17:18 ID:LyPPIJW.0
 そして向こう同様、こちらにも事情がある。
 過大な兵力の動員は、大陸同盟諸国のほぼ全ての国々からは『本分を忘れている』と非難され、一部の諸国――ロッシェルの近隣諸国――からは『何か別の意図があるのではないか』と警戒の目で見られることだろう。蛮族如きに、と軍の能力を疑われる可能性とてある。何れにせよ、外交上の大きな失点となるに違いなかった。
 ……いや、それ所かこれをライバル国に利用され、足元を掬われかねない。それほど“美味しい”のだ、“大陸同盟諸国の盟主が一国”という地位は。
 故に、動員をヴィエンヌ州に限定することは、政治的に極めて重要だった。(加えて費用の問題もある。動員規模を広げれば広げるほど、王国にとっては負担となる。如何に“紛争”から“戦争”に格上げされたとはいえ、費用対効果を無視したあまりに過大な出費は避けるべきだった)

 こういった思考に基づき、『ヴィエンヌ軍管区(州)のみの動員』と『師団規模の野戦軍の編成』が決定された訳だ。

 結果論として見れば、この判断は(その推測過程は別として)正しかった。
 “帝國”軍は、ロッシェル軍がほぼ予測した通りの基本構想を立てていた。
 故に、もし計画通りにことが進んでいれば、先の本土空襲時における“帝國”軍航空隊の損害は更に広がり、とても上陸どころの話では無かった筈だ。もしかしたら、一時的とはいえ全面撤退にまで追い込まれていたかもしれない。(少なくとも、クノス島から撤退した可能性は高いだろう)
 ……が、ここで問題が起きた。
 先ずここまで配慮したにも関わらず国外(大陸同盟諸国)から声が上がり、投入される空中兵力が削減された。(以前のSS参照)
 次いで国内からも抗議の声が上がり、更なる削減こそ無かったものの、ヴィエンヌ州に配備される空中兵力が半減されてしまったのである。(実質的には削減と変わりない)

242くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/15(土) 11:18:18 ID:LyPPIJW.0
 ロッシェル王国は、空中戦力の実戦部隊として4個騎士団12個飛竜連隊を保有している。(各騎士団はワイバーン・ロード1個連隊及びワイバーン2個連隊を保有)
 この戦力で王国の空を守っていた訳だが、各騎士団には当然管轄区域というものがある。
 そして、投入予定の第3騎士団(飛竜第3/第8/第13連隊基幹)はヴィエンヌ州のみならず計4州40,000k㎡と、実に“帝國”九州地方にも匹敵する地域を抱えていた。
 同騎士団は他の騎士団同様にこの広い空域を二つ(各2ヶ州)に分け、これを第8/第13連隊(ワイバーン装備)にそれぞれ担当させ、残る第3連隊(ワイバーン・ロード装備)を団司令部直属の予備兵力としていた。
 が、戦争が始まり、南部2州の空域を守る第13連隊は“帝國”軍との交戦により壊滅。第3騎士団は残る第3/第8連隊の全力をもってサンザック市を中心とする旧第13連隊区沿岸(ヴィエンヌ州)に展開、“帝國”軍に備えようとした――ここに北部2州が噛み付いたのだ。

 ――我が州が丸裸になるではないか!王軍は我々をお見捨てになるのか!?

 ことに、沿岸部にあるセーヌ州の反発は大きかった。
 同州はヴィエンヌ州の真北にあり、やはり長い海岸線を持つ。“帝國”軍の空襲や上陸の可能性も、ゼロとは言い切れぬのだ。(こういうことは理屈ではない)
 加えて、王国第二の都市であると同時に最大の港湾都市であるマリティームを抱えている。ここに“帝國”軍が現れた場合の経済的・政治的損失は計り知れない。
 かくして王都の高官の一部が動き、その圧力を無視出来なくなった第3騎士団はやむを得ず部隊を半分に割き、セーヌ州に置いたのである。(サンザックにあれだけのワイバーン/ワイバーン・ロードしかいなかったのは、まあそんな訳だ)
 この時点での対“帝國”戦兵力とその序列は、以下の通り。

243くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/15(土) 11:19:08 ID:LyPPIJW.0

   “帝國”討伐軍(司令官:ブリュノー中将)
     ┣━“ブリュノー”師団 *司令官直卒
     ┣━ヴィエンヌ歩兵連隊第3大隊
     ┣━ヴィエンヌ軍管区
     ┃  ┣━ヴィエンヌ歩兵連隊第2大隊    *低充足の訓練部隊
     ┃  ┣━ヴィエンヌ州兵連隊(1個中隊欠) *歩兵大隊規模の武装警察
     ┃  ┗━他
   (協力関係)
     ┣━飛竜軍第2騎士団 *後詰め(現時点での参加は未定)
     ┣━飛竜軍第3騎士団
     ┗━海軍第3艦隊

 うち、サンザック周辺の主要戦力は――

   サンザック市防衛部隊
    ・ヴィエンヌ歩兵連隊第2大隊
    ・ヴィエンヌ歩兵連隊第3大隊
    ・ヴィエンヌ州兵3個中隊
   機動打撃部隊
    ・“ブリュノー”師団主力
   空中部隊
    ・飛竜第3連隊半隊
    ・飛竜第8連隊半隊
   海上部隊
    ・第3艦隊主力

244くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/15(土) 11:19:59 ID:LyPPIJW.0
 ――である。一木支隊が上陸した時点で空中・海上部隊はかなりの打撃を受けていたが、地上戦力は(施設に少なくない被害を受けつつも)なお健在であった。
 同支隊がサンザックに入城するためは、この“ブリュノー”師団を中核とした地上軍を打ち破らねばならなかった。





――――サンザック市郊外、“ブリュノー”師団司令部。

「圧倒的に優勢な敵空中戦力を前に、我が騎士団は勇戦奮闘、これを多数撃墜し――」

「“そんなこと”はどうでもいい、私が聞きたいのは『飛竜軍は敵の爆撃を阻止できるのか、それともできないのか』――それだけだけだ」

 その修辞に溢れた……だがまったく中身の無い“単語の羅列”に嫌気がさしたブリュノー工兵軍中将は、遂に堪りかね目の前の相手を手で制し、あらゆる飾り言葉を投げ捨てて単刀直入に問うた。

 ドー…ン……

 時折、遠くから爆発音が聞こえてくる。
 “帝國”軍航空隊が、市内に爆撃を加えているのだ。

「第3騎士団は――」

245くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/15(土) 11:21:04 ID:LyPPIJW.0
 暫しの沈黙の後、ブリュノー中将の目の前の相手――飛竜軍少佐――は口を開いた。

「1個連隊欠の上に、その戦力を二分しております。故に、二兎を追うことはできません」

 ……酷くもってまわった言葉だが、今までで一番具体的な返答だ。
 その意味を察したブリュノー中将は穏やかな、だが明らかに大きな怒りを込めた口調で確認する。

「……だから、敵空中戦力の撃破に専念する、と?」

「長期的に見れば、その方が損害が少ないでしょう」

 それを聞いた瞬間、ブリュノー中将の心に激しい怒りが渦巻いた。
 なんたる無責任、なんたる傲慢――

 ――自分達だけで戦争をしているつもりか?この阿呆共が!

 飛竜軍に要求される任務は多岐に渡るが、今現在において要求されているのは“敵空中戦力の撃破”と“防空(爆撃阻止)”。
 言うまでもなく、先ず敵の爆撃を阻止するのが第一であり、敵空中戦力の撃破は二の次の筈だ。
 が、飛竜軍は『“敵空中戦力の撃破”こそが主』と宣言したのである。(おそらく、『この数では爆撃を阻止しきれない、ならば敵騎を積極的に狩って敵の継戦能力を削いだ方が良い』とでも考えているのだろう)

「それに現在の所、“帝國”軍の爆撃目標は我々(飛竜軍)です。 ……でなければ、ここ(師団司令部)が無事の筈がないでしょう?」

246くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/15(土) 11:21:59 ID:LyPPIJW.0
 ……事実だった。
 “帝國”軍は(本土空襲)初日こそ飛竜軍関連以外の施設にも爆撃――それでも飛竜軍の半分ほどだったが――を加えていたが、今日そのはほぼ全力を飛竜軍狩りにあてている。(飛竜巣が破壊されたために)ワイバーン達は分散・隠蔽され、非効率この上ないにも関わらず、である。
 地上軍や海軍に対する爆撃など、飛竜軍に比べればほんの片手間みたいなものだ。

「だから、口を出すな、か?」

「まさか! ――ですが、政治に振り回され、“帝國”軍からは夜討ち朝駆けされ、我々もいろいろ大変なのですよ」

 その辺りを考慮して頂きたい、とのたまう飛竜軍少佐。
 ……この男を怒鳴りつけること、叱り付けることは簡単だ。
 が、彼は第3飛竜騎士団司令部からの名代である。彼が言ったことは第3飛竜騎士団が……ひいては飛竜軍が言わせている様なもの、目の前の一少佐を怒鳴りつけても意味は無い。(加えて、この少佐は大貴族の一族だ。完全に敵に回すのは得策で無い)
 ブリュノー中将は理性を総動員して怒りを鎮め、次の話題に移ることとした。

「“帝國”軍の……いや、“帝國”に関する具体的な情報は?」

 ブリュノー中将は、喉の奥から手が出る程、情報を欲っしていた。
 カラクリ仕掛けのワイバーンといい、惜しげもなく投射される魔力弾といい、どうも“帝國”軍は何処かおかしい。
 そもそも。“帝國”の詳細な位置すらも判らぬのだ。正直、現状では正体不明の相手と戦っている様なものだった。

247くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/15(土) 11:22:53 ID:LyPPIJW.0
 が、飛竜軍少佐はにべもない。

「現在調査中です」

「判ったことだけでもかまわん」

「ですから、現在の段階では何も」

「無いはずは無いだろう?」

 地には撃墜した機体が散在しているし、少ないが捕虜だって存在する。その尋問や調査から、何も得られぬはずが無い。クノス島での戦訓だってあるだろう。
 が、飛竜軍少佐は首を振った。

「現在、鋭意調査を続けておりますが――」

 未だその情報は回ってこない、という。
 それを聞き、ブリュノー中将は腹を決めた。

「……我々は、敵兵器の残骸や捕虜の発見・回収に協力してきた。飛竜軍と通信軍がそれを囲い込み、合同調査を行なうことも認めた――にも関わらず、君達は一切の協力をしようとしない」

 そこで、言葉を切る。

「ならば、我々も態度を決めよう。我々は……少なくとも私は、以後飛竜軍に対し一切の協力をしない。そう、伝えてくれたまえ」

248くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/15(土) 11:23:39 ID:LyPPIJW.0
「……失礼ですが本気ですか、閣下?」

「本気だよ。協力しようがしまいが、同じだからな」

「…………」

「構わんね?」

 それは、最後の賭だった。
 が――

「止むを得ません、な」

 飛竜軍少佐の態度は、遂に変わることは無かった。
 ……いや、変わる訳にはいかなかったのである。

 既にワイバーン部隊は全滅し、ワイバーン・ロード部隊も急激に消耗しつつある今、支援を約束できる筈もなかった。
 あまりに荒唐無稽な情報を、確認も無しに渡せる筈もなかった。

 その、余りに高きプライド故に、余りに大きな今までの功績故に。
 他軍になど、洩らせる筈もなかったのだ。

「では、私はこれで失礼させて頂きます」

 ――もはや一刻の猶予もならない、なんとしても我々だけでケリをつけねば……

249くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/15(土) 11:24:48 ID:LyPPIJW.0
 頭を下げながらも、そして退出する間も、飛竜軍少佐の頭はそれで一杯だった。
 既に1個連隊半分の竜と騎士を、他にも多くの兵と物資失っている。 ……なんたる損害。
 既に南クローゼを奪われたばかりか、本土に対する爆撃まで許している。 ……なんたる不名誉。
 この失態は、何としても――

 ギリ……

 屈辱のあまり、飛竜軍少佐は歯を強くかみ締める。
 が、それもあと少しの辛抱だった。
 数日内には第2騎士団がマリティームに到着、これに合わせて同地においた戦力を呼び戻すことができる。そうなれば――

 ――我々は、一気に攻勢に出る!

 幸い、数こそ多いものの敵の空中戦力は大したことがない。第3騎士団だけでも十分に殲滅可能だろう。
 もしそれでも駄目ならば、少々しゃくだが第2騎士団の手を借りたって良い。
 ……もはやこれは第3騎士団のみならず、飛竜軍全体の問題なのだから。

 彼は……いや“彼等”は、今までの様に今回も『飛竜軍だけで片がつく』と考えていた。
 少なくとも、この時点では。

250くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/15(土) 11:25:33 ID:LyPPIJW.0

*1 ――――『仮に突破したとしても、師団規模の野戦軍を打ち破り、なおかつ州全土を占領できるだけの陸兵を送り込むことは不可能である。』――――
 何しろ、ヴィエンヌ州だけでも約10,000k㎡と、帝都・神奈川・埼玉の一府二県に伊豆半島までも加えた面積に匹敵する。故に、如何に“帝國”の海上輸送力が大きくとも、不可能と考えられていた。
(この頃になると流石にロッシェル王国も、“帝國”の海上輸送力を『自分達よりも上』と認める様になっていたが、それでも尚過小評価の域を出ていなかった)

251くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/15(土) 11:28:29 ID:LyPPIJW.0
 SS投下終了。
 ウイルスバスターからノートン先生に変えたら、HP閲覧の切り替わりが遅い遅い。
 ストレスが溜まる……

252名無し三等陸士@F世界:2008/03/15(土) 13:34:55 ID:oVuuhHNoO
投下乙です
軍の花形である飛竜軍としてはなんとしても自分達だけで決着をつけたいみたいですね
まぁ緒戦の失態を帳消しにするのに躍起になるのは分かるんですけどね・・・

253名無し三等陸士@F世界:2008/03/15(土) 22:48:15 ID:MF1AsWP20
・・・宮廷に、事実が報告されたら元・花形になるのでしょうな

254名無し三等陸士@F世界:2008/03/16(日) 00:18:14 ID:5wHaWlEk0
>くろべえ氏
Avast4なんてどうですか?
2年おきにライセンス更新しなきゃなりませんが、無料でウィルス検地率も高いですぜ。

ttp://www.avast.com/jpn/download-avast-home.html

255ヨークタウン ◆r2Exln9QPQ:2008/03/16(日) 00:35:57 ID:zKI.BuYs0
投下お疲れ様です。
飛竜軍側もかなり意地になっていますね。やはり緒戦の失態のせいで、相当頭に血が上って
いるみたいですが、相手はあの帝國軍。飛竜軍はさらに苦戦しそうです。

256くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/16(日) 07:46:37 ID:LyPPIJW.0
>>252
 252様、有難うございます。
>まぁ緒戦の失態を帳消しにするのに躍起になるのは分かるんですけどね・・・
 それももちろんですが、それ以上に司令官が王弟であることが大きいです。
 帝國でいえば「陛下の弟宮がGF長官」のようなもの、なんとしても自分達だけでケリをつけないと……

>>253
 重要性は変わらないでしょうが、その損害を回復するための時間と費用は膨大です。失態の責任もとらねばなりません。
 ……王弟のこともありますし、正直腹がいくつあっても足りませんよ。

>>254
 情報有難うございます。
 結構ストレス溜まるので、更新時に乗り換えを検討しております。
 ……前の時はこうではなかったのだけど???

>>255
 ヨークタウン様、有難うございます。

>飛竜軍側もかなり意地になっていますね。やはり緒戦の失態のせいで、相当頭に血が上っているみたい
 飛竜軍に北方方面艦隊……両者とも既に引っ込みがつかなくなっております。
 きっとこのまま殴り合いを続け、泥沼になるんだろうなあ。

257107 ◆CXfJNqat7g:2008/03/16(日) 09:12:22 ID:wDr0citw0
獣人の短編投下します

258107 ◆CXfJNqat7g:2008/03/16(日) 09:13:26 ID:wDr0citw0
暗闇の中、斥候が戻って来た。
堅肥りにも見えるその体躯に疲れの色は無く、むしろこれから起こる事象への期待を抑えている感すらあった。
「略評二一一三」
(たったの六点か……ゴミめ!)
敬礼もそこそこに手短な報告を受けた指揮官はほんの一瞬だけ侮蔑の欠片で口元を歪めた。
略評とは彼等独自の戦力評価で、敵の人員・装備・練度・地勢を五段階で短評する物だ。
例えば人員なら五人以下で評価一。以下桁が繰り上がる度に評価が上がるが、評価五──旅団規模の敵と
交戦する状況は現状で想定されてはいない。
こうした戦力倍化要素を累乗する事で簡単な脅威度を求めるのは彼等の伝統であった。
兎に角、『たったの六点』では話にならない。が、彼等の庇護者はいかなる対象であれ敵の殲滅を望んでいた。
指揮官の鉄鉢から覘く金の癖毛が風に揺れる。
「攻撃用意、殲滅せよ」
復唱の代わりに幾つかの影が素早く動く。それは手馴れた物ではあったが、悪しき慣行から最もかけ離れてもいた。

259107 ◆CXfJNqat7g:2008/03/16(日) 09:14:22 ID:wDr0citw0
打ち付ける音と共に何かが横穴に放り込まれる。自然物にしては規則正しく並んだそれ等から光と音と熱が
一緒くたに噴き出した。悲鳴というには動物的な叫びと人影がそれに続く。肩に載った猪頭──オークだ。
「チュェーイ」
『猿(ましら)の如く』と称された裂帛の叫びと共に軍刀が振り下ろされる。遠目にも五尺を超えているのが判るその刃が
オークの上半身を袈裟に斬り下げた。
ぼんっ、という鈍い爆発音。頭部を失ったオークが棒立ちになっている。別の兵士が寸詰まりの銃を握っていた。
八九式重擲弾筒を連装信号拳銃風にした物だ。厳密には軍機違反なのだが。
五、六頭のオークが賢明にも脱出を試みる──やはり兵士が立ち塞がっていた。
「プギィッ」
邪魔だと言わんばかりに無造作に繰り出された腕が兵士を薙ぎ倒す。宙を舞う鉄鉢。
十メートルは弾き飛ばされたであろう兵士は起き上がりざまに猛然とオークへ飛びかかった。
「ホキョワァァァッ!」
戦闘服が四割程膨らんだかと思うと、軍手を裂いて顕になった毛むくじゃらの手がオークの頭蓋を打ち砕く。
半ば包囲された事を理解したオーク達は最も手薄な箇所に見えた指揮官のいる場所へと殺到する。
地の底から響くような唸り声と共に金色の柔毛が総立つ。支那の奇書に記された然る行者の姿が現れた。
自在に伸びる金砕棒こそ持ってはいないが、身の程知らず共に自らの身に訪れる破滅を知らしめるには充分過ぎた。

大内海に産する『石鹸の実』から採取・精製されたグリセリン化合物を主成分とする焼夷弾が投げ込まれた。
全ての死体は補給段列の熊人が無言のまま運び去り、他の人工物は悉く破壊された。
殺し尽くし、曝き尽くし、焼き尽くす──神州大陸奥地では当たり前の様に起きている。
清華では災野尽と称された究極の懲罰。
汚れ仕事という点では変わりは無い。しかし、匪賊や叛徒、暗妖(ダークエルフ)に対するかつてのそれを考えると
心理的負担が少ないのも確かである。
同じ獣人からも距離を置かれる彼等には相応の貢献が暗に要求されていた。
それを理解出来ぬ莫迦者は存在しない──

260107 ◆CXfJNqat7g:2008/03/16(日) 09:16:02 ID:wDr0citw0
投下終了です

○ 軍規違反
× 軍機違反

261名無し三等陸士@F世界:2008/03/16(日) 11:39:04 ID:55XpGFAo0
Youtubeを見ていたら戦前のドイツのプロパガンダ映画がアップロード
されていたのでご紹介。

ttp://www.youtube.com/watch?v=ky-zdHMNFNM&feature=related

カラー映画なのでこれはアグフア社が開発したカラーフィルムを使って
撮影しているんじゃないかと想像。
多数の独逸兵士(中には少年兵も)と戦車や無反動砲、88cm対空砲らしき
映像もあります。

262名無し三等陸士@F世界:2008/03/16(日) 12:07:30 ID:55XpGFAo0
avast!の解説サイトもあります。
「avast!」は検出率はフリーウェアのウイルス対策ソフトの中では
高いですが動作の方はそこそこの負荷があるのでご注意を。
それでもノートンよりは大分マシですが。

ttp://www.iso-g.com/
おじいちゃんのメモ

263名無し三等陸士@F世界:2008/03/16(日) 13:57:18 ID:dO1niVbU0
>>260
107氏が・・・107氏が帰って
キタ Y⌒Y⌒(゚∀゚)⌒Y⌒(。A。)⌒Y⌒(゚∀゚)⌒Y⌒Y !!!

この調子で平成日本m・・・って別人かい!まぎらわしいな!

まあ、とりあえず投下乙!
獣人いいかんじに暴れてますな。

264名無し三等陸士@F世界:2008/03/16(日) 14:01:55 ID:WnlDXRm20
くろべえさん乙です。

>仮に突破したとしても、師団規模の野戦軍を打ち破り、なおかつ州全土を占領できるだけの陸兵を送り込むことは不可能である

常識が打ち破られたときのことを想像して
今から(´Д`;)ハアハアしておきます


セキュリティソフトについては、Nod32が軽快さと堅実さに
定評があるのでお薦めしておきますね
無料体験版は30日間使用できます。
つttp://www.canon-sol.jp/product/nd/

265名無し三等陸士@F世界:2008/03/16(日) 14:23:52 ID:m9sU.qIU0
くろべえ氏投下乙です
お互い非常識な戦いになりそうですね

軽くて無料のウイルス検索ソフトならAVGの7.5がお勧めです
無料なのに定義ファイルも更新されますしなにより日本語版があります
ttp://www.avgjapan.com/
ちなみに8.0は有料版です

266名無し三等陸士@F世界:2008/03/16(日) 16:08:51 ID:55XpGFAo0
>AVGの7.5
AVGも確かに軽くていいんですが開発元のGrisoft社はEwido(海外の
ウイルス対策ソフト開発会社)を買収してそこが開発した検出エンジン
を有料版に搭載しているので無料版との性能にかなりの差があったり
します。
軽量ではありますがウイルスの検出能力では「avast!」に劣る部分
もあるんでよりセキュリティを求める場合には「avast!」の方が
お勧めかなぁという気はします(その分「avast!」は動作面でAVGより
重い)。
有料ソフトで軽快な動作を狙うならNOD32でしょうか。
「NOD32」はアンチウイルス機能だけなのでPFW機能を付けた「ESS」
(イーセットスマートセキュリティ)もあります。

まあ選ぶのはくろべえ氏ですし、AVGは無料かつメールの登録も不要
ですからその点では優秀なんですが。
私もサブのVista搭載PCでAVG使っていますが起動中でもほとんど
負荷がかからず使えています、メインメモリも1GBしか積んでいない
しょぼいPCでも使える点では便利なソフトです。

267名無し三等陸士@F世界:2008/03/16(日) 16:24:53 ID:dO1niVbU0
>>266
>メインメモリも1GBしか積んでいないしょぼいPC

いまだにメモリ256MGのPCだましだまし使ってる漏れの立場は?w

268名無し三等陸士@F世界:2008/03/16(日) 16:55:36 ID:55XpGFAo0
>>267
はうぁ、そういやまだWindows2000やら98(MEは黒歴史だと思うんですよ)
は現役だったスマン。

269名無し三等陸士@F世界:2008/03/16(日) 17:31:13 ID:eiFtVZkM0
ファイヤーウォール入れてるならavastは相性悪し。

ZoneAlarm+AVG(+Ad-Aware+Spybot)が最良。

270名無し三等陸士@F世界:2008/03/16(日) 18:34:22 ID:69okkrqY0
カスペルスキーも良いかと。

271名無し三等陸士@F世界:2008/03/16(日) 18:54:43 ID:rriRymYk0
コンタクトつけれんから眼鏡買ったが流石に即日は無理だった
代わりのもの借りたがPCから20センチの距離でやっと見れる
きつすぎるぞ

272名無し三等陸士@F世界:2008/03/16(日) 18:55:57 ID:rriRymYk0
ミスです
失礼しました

273名無し三等陸士@F世界:2008/03/16(日) 19:56:18 ID:55XpGFAo0
自分で勧めておいて実証していないのはアレだなと思ったんで
「ESS」30日間体験版を予備PCにインストール(AthlonXP3000+ RAM 1GB/XP)。
動作そのものはかなり軽いですね、動作自体はAVGと同じくらいか。
フォルダスキャン(容量約580MB)も割と早いっす。
ダウンロード版だと4000円で買えるので1台のPCにインストールするだけ
ならウイルスバスター2008より安いですな。

274名無し三等陸士@F世界:2008/03/16(日) 20:12:48 ID:5cdVuct20
>飛竜軍に北方方面艦隊……両者とも既に引っ込みがつかなくなっております

つくもなにも北方方面艦隊実質壊滅してません?
9隻中旗艦を含めた6隻失い、トップの司令官戦死で事変初の将官戦死者第1号。

275名無し三等陸士@F世界:2008/03/16(日) 20:13:37 ID:fqyHfca20
もまいらそろそろ落ち着け

>>258-259
投下乙

猿人型の獣人がなぜ他の獣人と距離を置かれているのか
そのあたりの背景が表されていればオチのあたりがもっとスッキリしたと思うよ

276SARU ◆CXfJNqat7g:2008/03/16(日) 23:49:25 ID:wDr0citw0
>>263
107氏と紛らわしいので変えますたスンマソン

>>275
もうバレバレなので敢えて猿人とは書きませんでした
トリアーエズFF4投下

「行者部隊? ああ、おサルさん達ね。自分達や猫ども〔*1〕とは仕事が違うから……
 詳しい事は知らないがあっち〔*2〕じゃあいつらの通った跡にペンペン草一本生えないって話だし。
 同じ戎夷域〔*3〕出身でも待遇というか色々あったし〔*4〕、流民やトンガリ〔*5〕もいい顔しないよな。
 それを挺身〔*6〕に再編って話を聞いた時は怒髪が天を衝いたよ。うん、比喩じゃなくてさ。
 軍務中なのに獣化して全身逆毛立ったのもいたよ〔*7〕。
 何でもその話を持ち出したのは金ぱ……もとい弼馬温殿〔*8〕だそうな。
 奴さんがローレシアに恨み骨髄なのは誰でも知ってるしな。
 まあ威力偵察を表看板にしていても、ねえ……」
(犬狼部隊隊員へのインタビューより抜粋。公開が許可されたのは平成になってから)

*1 虎人部隊の事。犬狼部隊とは金虎銀狼と並び称される陸軍の精鋭。
*2 恐らく神州大陸の事。当地に展開した部隊については現在もなお、その多くが不明である。
*3 じゅういき、と読む。ローレシアと精華の中間に位置する勢力外地域の総称。
   中央世界からは東夷(とうい)、精華からは西戎(せいじゅう)とされる。獣人等のアジールが点在していた。
*4 猿人が列強(主にローレシア・精華)からの依頼で叛徒や流民、ダークエルフ、更には他の獣人の
   掃討を請け負っていたのは帝國新民(ダークエルフと獣人)の間では公然の秘密である。
*5 耳尖りの略、ダークエルフの事。但し、同じ獣人でも温度差があり、こうした蔑称を使う者は少数派。
*6 一般的には降下部隊(落下傘・滑空機)の事だが、ここでは特殊工作・強襲部隊(レンジャー)を指す。
*7 勿論、重大な軍務違反である。が、この件について上官が科した罰則は獣化を解いての腕立て100回だった。
*8 猿人部隊隊長・堀井春人(ほりい・はると)陸軍少佐(当時)の事。東洋系の外見が多数を占め、名前も
   帝國風に統一している猿人の中にあって、ローレシア系の金髪碧眼は否が応にも目立っていた。
   尚、弼馬温(ひつばおん)とは西遊記に登場する孫行者(悟空)に与えられた天界での役職名。

277くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/18(火) 08:25:46 ID:LyPPIJW.0
 SARU様、投稿乙であります。

 かつてならダークエルフが担ったであろう汚れ役や捨て駒を、帝國では彼等が担う訳ですか。
 こういう仕事はなかなかなくならないだろうから、ある意味重宝されるでしょうが、悲惨ですなあ。

>261
 宣伝ということを考えても、やはり日本軍と比べて洗練されてますよねえ。
 ……何もかもが。
 まあ国力とか考えれば当たり前ではあるのですが。

>>262、264〜270、273
 ゼキュリティーソフトの情報ありがとうございます。
 次回の更新時にはノートン継続はパスですね。

 ちなみにくろべえが使っているパソコンは、NECのVALUESTAR W(VW790/KG)です。
 父が自分用に買ったのですが、年末にSONYの壁掛けPCに一目ぼれしたため、くろべえに回ってきました。
 ……でも未だにTV機能もブルーレイも使ってません。ネットのみですよ(笑)

>>264
 264様、有難うございます。

>常識が打ち破られたときのことを想像して
>今から(´Д`;)ハアハアしておきます
 帝國との戦いにより、世界の常識は大きく塗り変わるでしょうね。
 ロッシェルは不幸にもその最初の証明例となる……

278くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/18(火) 08:27:39 ID:LyPPIJW.0
>>265
 265様、有難うございます。

>お互い非常識な戦いになりそうですね
 両者共に内心では「こんなはずでは」「詐欺だ!」の大合唱でしょうね。

>>274
>つくもなにも北方方面艦隊実質壊滅してません?
 後方の第九艦隊から戦力(艦戦隊)を引っ張ってきました。
(下手すれば昭北島のデポから機体掻っ攫う羽目になるかも)

>トップの司令官戦死
 大臣も経験したことのある海軍大将が戦死したら、大変なことになるでしょうね……

279名無し三等陸士@F世界:2008/03/18(火) 09:25:37 ID:5cdVuct20
いまやっと気付きましたがロッシェル第3方面艦隊と帝國北方方面艦隊を混同するという大ボケかましてました。
我ながらトンでも級の大ミスです。
くろべえ様が返答してくださらなかったら・・・・

280名無し三等陸士@F世界:2008/03/18(火) 17:39:32 ID:VhNXpGcw0
>257
災野尽に気がついてなかった……orz

281名無し三等陸士@F世界:2008/03/18(火) 19:38:58 ID:7LZGzQEs0
>280
何気に声優ネタも入ってるぜ
あと
>補給段列の熊人
『♪輜重輸卒が〜』揶揄される兵科に獣人が・・・

282名無し三等陸士@F世界:2008/03/18(火) 21:44:50 ID:55XpGFAo0
>277
独逸人はやるときは徹底的にやる辺りがすごいというかなんというか・・・
ちなみにナチスが作った映画の9割は娯楽映画だったそうです。
独逸もラインの守り作戦(バルジの戦い)前くらいの状態で帝國と
一緒にアルフェイムに来てたらエラい事になってたかもしれんなぁ。

283名無し三等陸士@F世界:2008/03/19(水) 19:04:34 ID:55XpGFAo0
>補給段列の熊人
兵站の重要性に多少は目を向けたんだろうか・・・。

284名無し三等陸士@F世界:2008/03/19(水) 19:31:15 ID:FH.PlnVk0
>>283
>兵站の重要性

大洋のど真ん中に放り出されて、それでも兵站の重要性に気付けなかったら、帝國軍人はアホの子の集団だと思います・・・

285名無し三等陸士@F世界:2008/03/19(水) 22:30:58 ID:fqyHfca20
>>284 の言っている事は少しもおかしくないのに

素直に頷けないのが皇軍ふぁんたじぃという奴なんだろうか…

286名無し三等陸士@F世界:2008/03/19(水) 23:42:33 ID:dO1niVbU0
気づいても船が無い、石油が無い、ものが無い、弾薬が無い。

287名無し三等陸士@F世界:2008/03/19(水) 23:59:06 ID:oVuuhHNoO
じゃあ気付かなかったことにしよう・・・
これぞ帝國クオリティーな気がする

288名無し三等陸士@F世界:2008/03/20(木) 00:56:58 ID:nG.iD8SY0
石油が無い、武器弾薬が無い、技術が無い、船が無い、金が無い
足らぬ足らぬは工夫が足らぬ(このセリフ似合いすぎw
すべて精神力で補えます、それが帝國クォリティー

289名無し三等陸士@F世界:2008/03/20(木) 03:07:13 ID:7eMb8rcE0
あれにかんしては
「足らぬ足らぬか工夫が足らぬ(ということにしておいておくれよ、無い袖は振れんのよ、苦しいだろうけどけっぱってやー)」
「精神力で補えます(無理は承知でそこをなんとか!みんなビンボが悪いんや)」
的な、実状の苦しさは理解してるけど武士はくわねど高楊枝、のように空元気張るための文言が一人歩き、
さらには戦後教育で皇軍否定、貶しの流れで持ち出されたからってなのもあるかも。
時々空気読めないお馬鹿さんがマジで主張したりして他のも拍車かけてたとか。

まあだからといってお役所でなあなあに流して根本改善しようとしない、出来ないのがやっぱり日本くぉりてぃではあるけど_l⌒|〇l||l

290名無し三等陸士@F世界:2008/03/20(木) 06:11:08 ID:dO1niVbU0
まあ、史実でも気づいてはいたんだよな。気づいては。
だけど無いものは無い。

291名無し三等陸士@F世界:2008/03/20(木) 07:16:00 ID:FPLMsZuo0
日本は連合国に敗れたんじゃないよ
自分自身に負けたんだよ
自分に負けたということは勝ったのも自分なんだよ
つまり勝者日本!



……あれ?
まあ日本の貧乏神が大勝利したのは間違いない

292名無し三等陸士@F世界:2008/03/21(金) 22:36:53 ID:Nu0mY2KQ0
>>289
敵の選定がまずかっただけでは、
石油、武器弾薬、技術、船、金ある分で勝てる相手を選定すればよい。
根本改善は「敵の選び方」ですよ。

平安時代へ攻めこむのは大正解、リミッター付き最高速音速生態戦闘機を持ってるWW2時代に攻めこむのは大失敗。
ただそれだけのこと。

293名無し三等陸士@F世界:2008/03/22(土) 00:46:12 ID:jIUAS9F20
敵を選ぶなんて贅沢できるのは金持ちだけです!!

294名無し三等陸士@F世界:2008/03/22(土) 03:44:02 ID:S0s6.qEY0
そして金持ちなら戦争する必要なんて無いのです!!!

295名無し三等陸士@F世界:2008/03/22(土) 04:32:18 ID:X5/6XVqA0
いや、より確実に儲けるためには(ry 逆らう奴は(ry 資源地帯には王制だろうが
独裁だろうが親○政(ry

296名無し三等陸士@F世界:2008/03/22(土) 09:11:01 ID:yqnqjl6k0
「戦争は別の手段で行われる外交の一形態である」
陸軍と海軍が別々に戦争やってたら(更に政府と外務省も)
絶対勝てないって・・・

297名無し三等陸士@F世界:2008/03/22(土) 10:46:59 ID:55XpGFAo0
話は変わりますがこの世界における帝國はトラクターを大量生産している
ということはこの技術を転用してハーフトラックを量産できる目処が
ある程度たっているという事ですよね。
燃料油にしても(生産能力に限りがあるとしても)地球と比べればまだなんぼ
か確保が出来ることを鑑みれば歩兵の装甲機動化も史実より若干進む?

道路事情がマシな大陸の列強地域(一部)はともかく戦場での機動を考えれば
「1式半装軌装甲兵車(ホハ車)」のような車両は便利ですし。
状況によっては全装軌式の一式装軌式兵員輸送車より使えそうです。
何よりハーフトラックが全装軌式に勝る点は変速機とデフの機構、耐久性
が簡略化できるのは大きなメリットだと思います特に帝國のような国の
場合は。

298名無し三等陸士@F世界:2008/03/22(土) 16:12:56 ID:LPbZ0bm.0
スペインのように一部隊で滅ぼせる国を狙うのが勝つ方法ですよ。
国家一丸となって、が必要な相手は大失敗。
アメだって米軍の一部でイラク滅ぼしたからね。人道上のパフォーマンスで躓いてるだけだから。

その点では一部隊で滅ぼせた近隣の島のゴブリン?(名前忘れた)の敵認定は大正解。

299名無し三等陸士@F世界:2008/03/22(土) 18:50:37 ID:FH.PlnVk0
神州大陸のオークの事ですか?

300名無し三等陸士@F世界:2008/03/23(日) 00:39:44 ID:xAoaZeas0
ゴリラやオランウータンを敵認定するようなもんだな>神州大陸のオーク

301くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/23(日) 11:43:31 ID:LyPPIJW.0
>>297
>ハーフトラック
 戦車の生産設備を流用してますので、量産する余裕は無いかと。
 戦車ですら片隅に……
 残念ですが、トラクタがある程度揃う数年後を待つしか無いですねえ。
 ……いっそ、トラクタに装甲被せてAPCにするかな?


 ではss投下します。長いので前後編に分けてupしますね。
 改訂版初めてのifです。

302くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/23(日) 11:45:25 ID:LyPPIJW.0
帝國召喚if「繁栄の光と影」前編

 ――現在の“帝國”ほど富み、栄えた国家はアルフェイム史上存在しない。(“列強の興亡”(*1)冒頭より転載)


 “帝國”がアルフェイム世界に現れてから、早くも60年を超える歳月が流れた。
 ……60年、である。
 “帝國”において地球世界のことを肌で知る者は、もはや圧倒的な少数派だ。
 多くの“帝國”人にとってはアルフェイムこそが故郷であり、地球世界のことなど遠い世界の御伽噺に過ぎない。
 所謂“旧世代”が各分野の長老として存在していることから、未だ地球世界は無視し出来ぬ存在だが、それも時間の問題だろう。
 地球世界の影響力は、急激に薄れつつあったのである。
 ましてや、『人生50年』などと言われるアルフェイム世界の人々にとっては、“帝國”は『自分達が生まれる前から存在する世界帝国』に他ならなかった。

 現在の“帝國”は、アルフェイムの過半を領する超巨大国家である。
 その版図はかつての中央世界に加え、いわゆる夷狄蛮戎の内の北狄・南蛮・西戎の三つを完全に下し、現在は清華を中心とする東夷相手に徐々に勢力を広げている、といったところだ。(これは地球世界でいえば、ウラル以西の欧州・インダス以西のアジア(中東・中央アジア)・アフリカ・南北アメリカを支配しているに等しい。往年の大英帝国……いや中世のモンゴル帝国をも凌ぐ“世界帝国”だ)
 この広大な版図を、“帝國”は本国・属州・邦國の三つに大別し、管理していた。三者の大まかな違いは――

303くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/23(日) 11:46:41 ID:LyPPIJW.0
 本国とは『“帝國”本国政府が本国人を治める地』で、転移前からの列島に神州島を加えた極狭い地域(とはいえ、“帝國”の国力は殆ど全てこの地に存在する)、
 属州とは『“帝國”本国政府が非本国人を治める地』で、資源地帯や交通・防衛の要衝等、戦略上の要地を含む限られた地域(いわゆる直轄地)、
 邦國とは『現地政府が非本国人を治める地』で、“帝國”の大半を占める“その他”の地域(いわゆる自治領、藩国)、

 ――となる。(ちなみに本国人とは『本国に居住する人々』ではなく『転移前からの“帝國”人とその子孫』のこと。俗に“譜代民”“御譜代”とも呼ぶ)
 要するに“帝國”とは本国を中心とした多数の国々の連合体であり、その統治の大半は現地人に委ねられていたのである。
 そんな地域の一つに、ホラズム土侯国連合なる邦國が存在した。


 土侯国とは邦國中最下位の格である。国主は王位を許されず、“帝國”爵位も大騎士爵か騎士爵に過ぎない。(*2)
 要は土豪、地方の中小豪族である。
 が、ホラズムの土侯達は豪族ですらなかった。

 そもそも、ホラズム地方は無人の地だった。
 その80%が山岳地帯であり、農業に適した土地は僅か5%にも満たない。土は痩せ、水も乏しい……到底、人が住める地では無い。
 が、にも関わらず“帝國”は、強引に入植を行った。
 対象は、各地の流民達――そう、ホラズム土侯国連合は“流民の国”だったのだ。

304くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/23(日) 11:47:40 ID:LyPPIJW.0
 “帝國”が世界各地を併合しつつあった当時、国と国……或いは文明圏と文明圏の隙間に生きる流民は、急速にその活動範囲を狭められていた。
 そもそも『独自の社会を営む不定住者集団』など、統治者からすれば邪魔でしかない。
 故に、各地の流民達のうち大勢力のものを強引にホラズムへと入植させ、ホラズム土侯国連合を建国したのである。(*3)
 時に昭和三三年、第一次東征の時のことだ。


 ホラズム土侯国連合の建国により、流民は流民でなくなった。
 そればかりか、大族長は“帝國”騎士爵を、族長も“帝國”士族籍を下賜され、それぞれ土侯・村長となった。
 流民が、押しも押されぬ“帝國”貴族・士族に列せられたのである。
 アルフェイムの人々は、時代が大きく変ろうとしていることを痛感した。
 ……が、所詮は形式だけに過ぎなかった。

 まず、彼等流民出身の土侯達は、他の諸侯から徹底的に無視された。(当然のことだ。『自分達と流民の頭風情が同格』などと認められる筈もない)
 “帝國”もそれを黙認……どころか助長した。建国当時ですら『200土侯国、総人口100余万』と言われたホラズム土侯国連合の土侯長――任期制の土侯代表――を、騎士爵のままに据え置いたのである。(他とのバランスを考えれば、より上位の待遇とすべきところだろう)
 つまりは、“そういうこと”だったのである。

305くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/23(日) 11:48:50 ID:LyPPIJW.0
 加えて、与えられた国そのものが、深刻なほど貧しかった。
 ホラズム地方は面積こそ100,000k㎡と広いが、上でも述べた通り農業に適した土地は僅かであり、資源も碌に存在しない。
 唯一見込める産業は牧畜であるが、100万の民を養うに足る家畜を用意することは困難であるし、また数年に一度旱魃があることを考えれば、到底安定しているとは言い難かった。
 何より、牧畜は部族主義と内部対立を生み出す。200の部族(土侯国)が一丸となることは、まず不可能だ。
 ……が、それこそが“帝國”の狙いだった。
 “帝國”は『最初から“帝國”に対して協力的だった』とされる12の土侯を連合体の理事国とし、他の大多数の土侯の監督を任せることによって更なる内部対立を煽った。
 ホラズムという牢獄に流民達を押し込め、かつ分断し互いに監視させる――転移から十余年、“帝國”もようやく大国の流儀を会得しつつあったのである。(*4)

 何れにせよ、ホラズムが独力で生きていくことは不可能だった。
 故に“帝國”は、ホラズムに対して税(*5)を免除したばかりか、毎年多額の援助(*6)を与えていた。
 その額、平成一〇年代でおよそ年2億圓相当。(*7)
 ホラズムが曲がりなりにも国家として機能しているのは、この援助のお陰以外の何者でもなかった。

 無論、ただではない。
 “帝國”は、ホラズムが唯一支払えるであろうものを、代償として要求したのである。
 ……それも大量に。

306くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/23(日) 11:49:58 ID:LyPPIJW.0

――――平成二〇年一月。“帝國”領ホラズム土侯国連合。

<クナル土侯国サラン村>

 ホラズムでは、年齢は数え歳で数える。
 16歳になれば成人だ。
 ここサランの村でも、15回目の正月を迎えた少年少女達が、新年の祝いの主役として祝福されていた。

 家族……そして村の一族(*8)は彼等彼女等のために、ささやかな宴を催した。
 芋・豆・小麦を水で煮込み、植物油と塩で味付けした“スープ”、小麦粉を水で溶いて焼いた“ケーキ”、といったいつもの食事も心なしか“身”が多く食べ応えがある。
 この他にも、大人達の前には自家製の芋酒ではなく買い求めた麦酒、子供達の前には白湯ではなく山羊の乳で満たされた杯を手にし、喉を潤す。
 更に主役である新成人達の前には、特別に林檎とゆで卵まで並べられていた。
 ――そしてメインデイッシュ。大きなコーンビーフ缶が切り開かれ、皆に切り分けられる。
 誰もが目を細め、それを“ケーキ”に包んで食べる。
 麦酒を、山羊の乳を次々と胃に流し込み、笑いあう。
 幸せの一時。だがそれは、別れの宴でもあった。
 ……明日の朝には、彼等彼女等の多くが村を出なければならぬのだから。

 少年達は軍に入営し、少女達は人買いに売られていく。
 理由は、『長男長女でないから』。
 長男は家を継ぎ、長女は嫁に行く。それぞれの家で暮らしていける。
 が、次男次女以下は、村に居場所が無い。
 故に、村から出なければならぬのだ。
 男は兵士に。
 女は奴婢に。
 ――それ以外、彼等彼女等に生きる道は無かったのである。

307くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/23(日) 11:51:02 ID:LyPPIJW.0
 翌朝、次男次女以下の新成人達は竜車の荷台に乗せられ、それぞれの地へと連れて行かれた。



 ホラズム土侯国連合軍は4個軍団16個旅団よりなる。兵力はおよそ10万人。(*9)
 平成一九年末の人口が約200万人だから、凄まじいまでの重武装国家だ。
 とはいえ、この10万人のうち本国に存在するのは、多くても半分に満たない。
 何故なら、その大半は常に戦地に身を置いているからである。
 彼等は“帝國”本国軍の指揮の下、『ホラズム男性最大の死因は戦死/戦病死』と言われる程の激戦地を渡り歩いていた。
 ……それこそが、“帝國”の要求した“代償”だった。
 ホラズム土侯国連合軍は、文字通り血と命を“帝國”に支払っていたのである。

<直轄地ホースト、第3軍教育隊>

「お前達は賊国の出だ!」

 クナル出身の新兵達を前に、教官は開口一番そう叫んだ。

 今から三年前、当時のクナル土侯は他の土侯達に呼びかけ、12理事国の特権を大幅縮小しようと目論んだ。
 12理事国は本国政府が認めた権益を拡大解釈すべきでない――それが、彼の主張だった。
 が、それを察知した12理事国は『本国に対する叛意あり!』とクナル土侯を口撃、追い詰められたクナル土侯は退位に追い込まれてしまった。(クナル土侯は退位ですんだが、数人の側近は自決に追い込まれた)
 ……それから三年、12理事国のクナルに対する目は未だ厳しい。その影響は、彼等新兵にまで及んでいたのだ。

308くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/23(日) 11:52:06 ID:LyPPIJW.0
「――だから、お前達は他人の百倍千倍の忠誠を見せろ!国の為に死ね!」

 そう結び、教官は話を終えた。

 ――僕は、死ぬまで飼い殺しか……

 サラン村から入営した少年の一人、カリム・サラン(*10)は、現実を知って目の前が真っ暗となった。

 次男以下が身を立てるには、軍で立身出世するしかない。
 立身出世とは、具体的には『下士官になる』ということだ。
 兵のままでは、最低限の衣食住が保証されるに過ぎない。
 が、下士官になれば俸給を貰え、妻を迎えることもできるのである。
 故に、新兵の誰もが下士官になることを夢見ていた。
 ……が、下士官になるのは狭き門だった。
 元より絶対枠が少ない――ホラズム軍はその規模に比し将校下士官が非常に少ない――上、まず優先されるのは12理事国の出身者。
 他の大多数が、残る枠を争うのである。壮絶、と言って良い。
 賊国出身者など、真っ先に落とされるだろう。
 『下士官となって妻を持つ』というカリムの夢は、入営初日で儚く潰えたのである。

 カリムの、夢も希望も無い、辛い新兵生活が始まった。

309くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/23(日) 11:52:47 ID:LyPPIJW.0
 新兵の仕事は、殴られること、である。
 ましてや賊国出身者、殴られるにはこと欠かなかった。
 ……いや、殴られるだけならばまだ良い。
 上級者……ことに将来を望めぬ古参兵達の陰惨な虐めは凄まじく、少ないない数の新兵が死を選んだ程だ。(中には『どうせ死ぬなら――』と“事件”を起こす者も存在したが、全て“事故”で片付けられた)
 が、それ以上にカリムがショックを受けたのは、新兵間の対立だった。
 『部族が違う』といだけで大切なもの、必要なものを盗み、壊し合う。
 切羽つまれば同じ部族同士ですら、『村が違う』といだけで盗み合う。
 産まれてから一度も村を出たことがないカリムにとり、ここは地獄も同然だった。
 辛い……苦しい……
 が、カリムには死ぬ度胸すら無かった。
 故に、ただただ耐えるしかない。
 他の新兵同様、カリムは村の仲間達だけで固まり合い、この地獄を何とか乗り切った。
 が、その代償として、カリムは“壊れて”しまった。
 内気でのんびりした、というカリムの性格は、卑屈で猜疑心の強いものへと作り変えられてしまったのである。(尤も、これは多かれ少なかれ全ての新兵に言えることだった)

 三ヶ月間の基礎訓練を終えたカリム達新兵は、無印の訓練兵から星一つの二等兵に昇進、それぞれの任地に赴いていった。
 カリム達クナル出身者は、全員が補充・交代要員として戦地へと送り込まれた。

310くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/23(日) 11:54:01 ID:LyPPIJW.0

*1 ――――“列強の興亡”――――
 皇紀1700年から2700年までのアルフェイム世界における経済の変遷と軍事闘争を記した歴史書。2687年に発売され、世界的なベストセラーとなった。
 著者はフォール・ボネー氏。同氏はロッシェル王国出身で、現在は大阪帝國大学歴史学部教授・同大学国際安全保障研究所所長である。(専門は軍事史、外交史)

*2 ――――『土侯国とは邦國中最下位の格である。国主は王位を許されず、“帝國”爵位も大騎士爵か騎士爵に過ぎない。』――――
 邦國は、その殆ど全てが君主制である。
 “帝國”はこれ等の諸国を厳密に格付し、その待遇に様々な差を設けていた。
(これは邦國諸国を懐柔・分断する上で、大きな効力を発揮した)

 邦國の階梯は大きく分けて王国と土侯国の二つに大別される。
 うち王国は公王国/侯王国/伯王国/正卿王国/副卿王国の五つに、
 土侯国も正土侯国/副土侯国の二つに分けられ、明確に区別されていた。
(同位の邦同士においてすら、様々な格差が存在する)

311くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/23(日) 11:55:09 ID:LyPPIJW.0

*3 ――――『故に各地の流民達のうち大勢力のものを強引にかき集め、ホラズムに入植させてホラズム土侯国連合を建国した。』――――
 “流民”と一括りに呼ばれているが、その構成は様々――それこそ民族も出自も――である。
 共通項といえば、血族集団ということ位だろうか?(彼等は基本的に他人を信用しないので、血の繋がりによりその結束を保っている)
 規模もまた同様で、数家族程度の集団から数百数千人規模の流民集団まで大小様々だ。(とはいえ大規模な流民集団は移動……というよりも存在すること自体が困難を極めるため、多くは数家族単位に分かれて生活している)
 彼等は独自の社会を持ち、幾つもの小集団を束ねる族長や大族長が存在する。
 
 “帝國”は彼等大族長達と話をつけ、流民をホラズムへと追放した。
 ……が、数百人以下の小規模勢力はそのままとされた。
 『きりがない』ということもあるが、やはりある程度の数の被差別者は統治上、存在した方が色々都合が良かったのであろう。

*4 ――――『ホラズムという牢獄に流民達を押し込め、かつ分断し互いに監視させる――転移から十余年、“帝國”もようやく大国の流儀を会得しつつあったのである。』――――
 近年の研究では、ダークエルフであるゴドウィン・サドラー統合陸軍中将(当時)が指導的役割を果たした、とする説が有力である。

*5 ――――税――――
 いわゆる“朝貢”。全ての邦國は、そのGDPの5%相当を本国に納める義務がある。

312くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/23(日) 11:56:02 ID:LyPPIJW.0

*6 ――――援助――――
 援助の内訳は、以下の通り。
・食糧:12,000万圓相当(輸送費等の経費を含む)。
 内容は小麦・大豆・トウモロコシ等の穀物と植物油や塩などの調味料で、ホラズムの民一人当たり1500kcal分の栄養価――要は基礎代謝分だ――が得られる量となっている。
・食糧以外の物資:5,000万圓相当。(同上。うち半分は軍事関連)
 ホラズムにはいかなる工業も存在せず、医薬品や井戸の配管――深い井戸を掘らねば水が得られない――といった必要不可欠な物資はもとより、鉛筆・ノ−トといった日用品ですら外部より取り寄せねばならない。
・現金:3,000万圓。
 歳入の大半を占める。

 以上、20,000万圓相当にも上る。
 ……が、当然のことながら、この物資は平等に行き渡っていない。
 物資の分配は12理事国が担当しているが、全人口の一割に過ぎぬ彼等が1/3の物資を独占し、他の九割には残る2/3しか渡さないからである。
 こうして不当に得た物資のうち余剰分は横流し(換金)され、理事国の懐に入ってしまう。
 このため、理事国国民と非理事国国民の配給内容には大きな差があった。

313くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/23(日) 11:56:51 ID:LyPPIJW.0

 例:食糧配給(一人一日あたり)
   非理事国国民(約1,000kcal)
    小麦  100g *他の穀類で代用される場合も多い。
    小麦粉 100g *他の穀類で代用される場合も多い。
    大豆   35g *他の豆類で代用される場合も多い。
    玉蜀黍  20g
    植物油  15g
    塩    5g

   理事国国民(約2,000kcal)
    小麦  200g *他の穀類で代用される場合も多い。
    小麦粉 200g *他の穀類で代用される場合も多い。
    大豆   70g *他の豆類で代用される場合も多い。
    玉蜀黍  40g
    植物油  30g
    塩    10g

 理事国国民には連合政府からの上記配給の他に、所属土侯より10〜15銭/日相当の追加配給がある。
 一見小額に見えるが、鶏1羽が2圓前後という事実を考えれば、決して小額とは言えないだろう。

 この状況を“帝國”政府は把握していたが、許容範囲として黙認し続けていた。
(とはいえ、これ以上悪化すれば流石に動くだろう。理事国もそれを熟知しているからこそ、「この程度」で済んでいるのだ)

314くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/23(日) 11:57:54 ID:LyPPIJW.0

*7 ――――『その額、平成一〇年代でおよそ年2億圓相当。』――――
 ホラズム土侯国連合の国力は、平成一九年末現在でおよそ――
   人口   100,000k㎡
   面積  2,000,000人
   GDP   20,000万圓
 ――となっている。(援助額がGDPに相当する!)

 ただしGDPに関しては推測部分が多く、正確とは言い難い。
 というのも、ホラズムの民はいかなる工業も持たず、ほぼ全員が牧畜或いは農業を営んでいるのだが、
 農業は、家庭菜園レベル、
 牧畜は、痩せた鶏が数羽、
 といった事例が大半で、援助物資で足りない部分を補う程度でしかないのである。
 当然、生活は自給自足か村内での物々交換となり、市場は各土侯国に一つ……それも多くて月に数回しか開かれない。
 故に、計算は非常に困難となる。
(“有力産業”として阿片栽培が囁かれているが、確認できないため未算入とした)

*8 ――――『家族……そして村の一族。』――――
 各土侯国は、それぞれ一つの流民集団を母体として誕生した。故に*2で述べた通り、国そのものが一つの血族集団となっている。
 ましてや村ともなれば、皆が近い親戚のようなもの、と言える。

315くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/23(日) 11:58:34 ID:LyPPIJW.0

*9 ――――『ホラズム土侯国連合軍は4個軍団16個旅団よりなる。兵力はおよそ10万人。』――――
 この他に親衛隊2万人が存在する。
(親衛隊は12理事国出身者からなる理事国の私兵に過ぎないが、その装備と待遇は国軍よりも上)

*10 ――――カリム・サラン――――
 出身村と同じ姓であるが、別に村長(族長)の家の出という訳ではない。
 単に村の全員がサラン姓というだけの話で、『サラン村のカリム』といった程度の意味だ。

316くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/23(日) 12:00:08 ID:LyPPIJW.0
 ss投下終了、後編に続く。

317名無し三等陸士@F世界:2008/03/23(日) 14:08:11 ID:rnieKo0I0
投下乙、なんという第三世界……。
ところで
>邦國とは『現地政府が非本国人を治める地』で、“帝國”の大半を占める“その他”の地域(いわゆる自治領、藩国)、
この中に『本国人が建てた現地政府』というものはあるのでしょうか?
もしあるとすれば、現地政府を建てるに至る開拓事業なり国盗り物語なりを見てみたいですね。

318F世界逝き:F世界逝き
F世界逝き

319名無し三等陸士@F世界:2008/03/23(日) 17:06:53 ID:6Ll8WCO60
くろべえさん投下乙です。

>318は怪しいのでクリックすんな。

320名無し三等陸士@F世界:2008/03/23(日) 17:16:20 ID:Nakhwrvw0
投下乙です。
いわゆる黒部男爵がいなっかたらっていうifですね。
後半も楽しみに待ってます〜

321名無し三等陸士@F世界:2008/03/23(日) 17:43:36 ID:SeMiaYts0
物資の変わりに農奴を前線に運んでたソ連のような盛大な無駄でしょうか。

322名無し三等陸士@F世界:2008/03/23(日) 17:48:51 ID:j0hrGJrQ0
黒部男爵居るんじゃないですか?
ただ、帝國勢力圏が万民平等でないだけで。
帝國の統治が、もっと性格が悪かったら、手柄を立てた土侯国出身者に
帝國貴族(騎士爵、行って大騎士爵)を、授与して、その身分に相応しい
生活を始めれる、ちょっとした支度金と領地を与えた、と言う実例を
四半世紀に全土侯国で一桁くらいの実例を示し続けたら
戦意と忠誠が旺盛な「使い捨てできる兵力」に事欠くことはなくなるでしょうね。

努力して、下士官・・・更に努力と幸運に恵まれた一つまみの”実例”は
帝國直参の貴族に取り立てられて、支度金と領地も貰える・・・家族を、子孫を
現在の生活から抜け出させることができる・・・・
その程度の、褒章で十万単位〜百万に及ぶ”死に物狂いの”兵力が得られるなら
安いものだと思いませんか?

323名無し三等陸士@F世界:2008/03/23(日) 17:58:00 ID:Byj9isUM0
千年後は本州がエルサレム化だな

324名無し三等陸士@F世界:2008/03/23(日) 18:17:01 ID:z146iP1Y0
投下乙です。
まぁ、流民が第二次大戦以前の中韓レベル以下の民度だとすると
一カ所に隔離しておき、内部対立を煽って相争わせながら飼い殺すのは、冷酷だけど正しい処置でしょうね。
彼らにとっても、それまでの流民暮らしよりは、自分たちの国が出来た分、まだマシでしょうし。

325名無し三等陸士@F世界:2008/03/23(日) 18:27:52 ID:j0hrGJrQ0
一番重要なのは「帝國が憎まれない事」ですからね。
”憎悪と不満”を、目先の対象で発散させて、「帝國」が
何よりも貴重で「帝國」だけが与えることが出来る
子々孫々に伝えることができる「身分」を、ニンジンに
死に物狂いの働きを得ることを目的とする、と。
死さへ恐れない絶望は、サポタージュどころの損失ではありませんが、
十年に数人の割合であっても、帝國爵位と領地と支度金を貰っている「実例」が
あれば、「絶望」はしないでしょうし。

326陸士長:2008/03/23(日) 19:55:29 ID:KNJCSNJU0
投下乙です。
使い道の無い空き地にこれまた使い道の無い流民押し込んで死兵と奴隷を抽出するって事ですかこれはw
彼らを統率している指揮官が、コードギアス一期の名誉ブリタニア人使っている親衛隊長みたいな事言ってそうですねぇ。
旧式装備しか使えさせて貰えず、敵陣の真っ直中を有りもしない希望を抱いて死んでいく。
まさに絶望ですねぇ……。

327名無し三等陸士@F世界:2008/03/23(日) 21:04:12 ID:Il9dO2Oc0
そういえば改訂前だと兵士として大量に血を流すことで分不相応な地位を得た国があったと思ったけど、
そっちは流民兵よりデリケートな任務に回されるのかそれとも没設定になったのか……。

328名無し三等陸士@F世界:2008/03/23(日) 21:18:39 ID:5cdVuct20
旧版どおりなら男爵はレディング鉱山の流民のおかげで

「どちらかと言えば御人好しだった黒部中尉は、ここにきてからというもの、すっかり人種差別主義者に宗派替えしている。」(旧版より抜粋)

なってますから、流民が死のうが売られようが知ったこっちゃ無い、という感じじゃないですか。

329名無し三等陸士@F世界:2008/03/23(日) 21:41:27 ID:fqyHfca20
しかし
数学どころか初歩的な四則演算もできず文字も読めない兵って
帝國流の運用についていけるのかね?

それを教練で教えていたら費用が馬鹿みたいにかかるし

敵が見えたら帝國本軍の時間稼ぎ用にとりあえず突っ込んどけという
程度の使い方しか出来ないんじゃないか?

330名無し三等陸士@F世界:2008/03/23(日) 21:52:02 ID:k.u3JmU.0
う〜ん・・・
学が付いたら自分たちの境遇に疑問を持つだろうし、かといって
無知蒙昧なままだと戦力として活用しずらい(できない)
土侯国で知識水準にランクをつけるか、邦国兵より更に下の
消耗部隊として扱うかしかないでしょうな。
で、絶望させない為に目先に人参をつるす。

考えたのは絶対、性格の悪い内務官僚にチガイナイ!

331名無し三等陸士@F世界:2008/03/23(日) 22:40:01 ID:rnMkOcRc0
というより、大英帝国がインドやらアフリカでやったことそのまんま^^;

こういう部隊の運用は英仏が得意ですが、グルカ兵の様な一部例外を除いて、大概は二線級の後方警備部隊ではないかと。
第一次、第二次世界大戦では本国軍の消耗が大きすぎて前線にも投入されてますけど。

この世界の「帝國」は敵に対して優勢なようですし、帝國軍の下での軍務は案外楽な仕事かもしれません。
すくなくとも故国にいるよりは・・・

332名無し三等陸士@F世界:2008/03/23(日) 23:11:19 ID:AKNUbHfc0
しかしこういう部隊を後方配備にすると、それはそれで問題起こすんだよな
太平洋戦争の時、捕虜収容所の警備として配備された某民族みたいに…

333名無し三等陸士@F世界:2008/03/23(日) 23:16:03 ID:.FtqMwWY0
植民地軍は本国軍の能力を低下させかねないので正直嫌いです。
ゲルマン傭兵に滅ぼされたローマ帝国の例もありますし。
ただ、国が豊かになれば軍に行きたがる人間が減って豊かさを
維持するために外国人兵を登用せざるを得ないジレンマ・・・

最も豊かな階級である武士(騎士)に「名誉」のために戦い死ね、
と教え込む中世的な社会が、他の時代に比べて安定的な理由も分かります。

334名無し三等陸士@F世界:2008/03/23(日) 23:21:58 ID:oVuuhHNoO
くろべえさん投下乙です。
旧版短編のホラズム再登場かと思いきや、流民の事情と絡めた話ですか。
流民の立場は60数年経た平成でも変わっていないのですね。
しかしコイツは第三世界よりも酷いですね。
いや、第三世界の人々の生活実態もよく知らないので何とも言えませんが・・・

335名無し三等陸士@F世界:2008/03/23(日) 23:30:55 ID:k.u3JmU.0
若い女が、ほぼ全員身売りで、若い男も一部を除いて戦死なんぞ
まともな社会ではありません。
下手な奴隷より将来の展望が無い。
隔離した外部情報が無い状態ならさておき、曲がりなりにも
帝國の情報と色々が流れてくる現状で、「反乱」とか「集団脱走」とかが
それなりに頻繁にあってもおかしくは無いですな。
・・・それこそ、極上の人参が目先に吊るされていない限り。

それでも、いくらかでも頭が回る奴は脱出と生き残りを考えるでしょう。

336名無し三等陸士@F世界:2008/03/24(月) 00:02:40 ID:rnMkOcRc0
>>333
正規軍が消耗しまくってるならともかく「帝國」の命運がかかってる主戦場にこういう部隊は送り込まないでしょう。
祖国の為に命がけで戦ってくれるのは、やはり自国民だけではないでしょうか。

>>332
とはいえ「帝國」が統治する膨大な領域を考えるとこういう部隊も必要なわけで。
ナチスドイツの武装親衛隊は多くの外国人部隊を傘下にしていましたが、残虐行為を繰り返したどうしようもない部隊も
あれば、勇敢に戦った部隊もありましたが、この辺は指揮官次第なところもあると思います。

>>334
ぎりぎりですが餓死者は出てない水準のようですし、はるかに第三世界よりマシかなと。

337名無し三等陸士@F世界:2008/03/24(月) 01:26:25 ID:BSbuSQCQ0
ソレスタルビー…いや、「高天原」が武力介入しそうな世界になってますね

死の先に神はいない、となれば、カリムの歩む道は・・・
刹那・F・精鋭!?

>>333
現代(と帝国世界)が決定的にちがうことは、ある程度の反乱程度なら、
本国の機械化部隊、そして核で消し飛ばせる点ですな

(イラクの米兵みたいに)いくら歩兵の重要性はかわらないとはいっても、
量を集めても圧倒的な質には勝てない、ってのが現代戦の鉄則ですからな

338名無し三等陸士@F世界:2008/03/24(月) 02:54:32 ID:1WqHy/QU0
F世界の帝國・・・・よく考えてみると米国以上の超大国ですね・・・
ホラズム軍の扱いは辺境での戦闘が主なんじゃないでしょうかね
英国の植民地兵みたいに本国にまで立ち入らせたりする事は無さそうですよね
それにしても、どんな武装をしているのかが気になるw
もしや50年前仕様の歩兵銃とか。。。さすがにね、、、、

339名無し三等陸士@F世界:2008/03/24(月) 03:18:55 ID:BSbuSQCQ0
帝国の、余りに強大な(国ごと核で消し飛ばせる)力により無理やり押さえ込まれた「歪められた世界」、
これに、異議を唱えるような人物はたくさんいそうですね…
ある意味、19世紀〜今の世界よりも無理を強いてるわけですからな

社会主義者、共産主義者はもちろんなんですが、外の世界の惨状を見た官僚や財界人、
科学技術が帝国の圧制に利用されてることに良心が痛んだ科学者など、
今の体制を変革しようとする人は、多いんじゃないでしょうか

特高により言論が抑えられてる分、ガス抜きもできてなさそうですしね

340名無し三等陸士@F世界:2008/03/24(月) 04:04:29 ID:z146iP1Y0
>>339
無理矢理押さえ込まれてはいないだろ。殆どの邦国が自治を許されてるんだから。
GDP5%の税も、軍事費まるまるカットしていいのだとすると、それほどの負担にはならない。

どうやら例外らしい土侯国に関しては、内部の不満は確実に12の理事国へ集中してるだろうし、
暴発したとしても今回話に出てたクナル土侯国みたいに、帝國に直接怒りが向く可能性は低いと思うけどね。
つか、どこから「帝國の圧政」なんて判断してるわけ? 
どちらかというと古代ローマが上手く回ってた時期のような印象があるんだけど>帝國の支配
獣人の扱い見ても分かるように、地上唯一の敵対国らしき清華の支配よりは帝國の支配を望む国の方が多いと思う。

341名無し三等陸士@F世界:2008/03/24(月) 04:21:01 ID:BSbuSQCQ0
>>340
少し前のSSにあった核実験でしょうかねえ
実際、今のパックス・ジャポニカを実現する過程で、
核によっていくつかの中規模クラスの国家(あるいはエルフ?)を
国民ごと消してる位はしてるんじゃないでしょうかね

そういうのをみせられれば、どんな国でも嫌が応でも恭順するしかないでしょう
もちろん、はいれればそれ相応の飴があればこそでしょうし、
すでに恭順してる国家も、万一なんて思わないでしょう

…でも、そんななかでも、矛盾や歪みは孕み膨らんでいくわけで

今回のSSは、その歪みが形になってでてきた、って風に見えましたね

342名無し三等陸士@F世界:2008/03/24(月) 04:23:58 ID:BSbuSQCQ0
あと、各国の自治だからこそ、
帝国に頭を抑えられ、科学も魔法も封じ込まれた、「自由なき平和」により歪んでいくんじゃないでしょうか
ある意味、ロシア革命やキューバ革命前夜と同じ物を感じましたかな

343名無し三等陸士@F世界:2008/03/24(月) 04:52:50 ID:z146iP1Y0
>>341
>>核によっていくつかの中規模クラスの国家(あるいはエルフ?)を
>>国民ごと消してる位はしてるんじゃないでしょうかね

思いっきり論拠無しの妄想じゃないすかw
そういうのはせめて作中に描写が出てからにしなさいよ。
パラレルとはいえ、転移男で核のお披露目したのは昭和六〇年ってあるし、多分実用化したのは帝国支配が実現してからでしょ。

それにあれは>>228でくろべえさんが言ってる、
月王国の強力な結界で守られた地上中継点に対する破壊可能を証明するためのデモンストレーションでしょ。
過剰なまでの核を配備してるのは、帝國の長老クラスの人たちが
地球に戻った時の、対米を視野に入れてることも影響してるそうだし。

344名無し三等陸士@F世界:2008/03/24(月) 05:18:01 ID:BSbuSQCQ0
>>343
核と言う圧倒的な力があるというのに、昭和60年に成るまで使わない、
なんてのは政治学的にありえない

あのアメリカですら、作ったらすぐ広島長崎で実際に使って、
実戦的かつ政治的アピールにつかったというのに

あの好戦的な帝国なら、海外の武官を集めてでも、
一国家を消滅させるデモンストレーションを見せるでしょう

下手に泥縄うって血を流すよりも効果的に恭順を迫れますよ

345名無し三等陸士@F世界:2008/03/24(月) 05:43:49 ID:z146iP1Y0
いや、だからあれば使ってたかもしれないけど
>>43の描写見ればわかるように

>>NHKスペシャル『挑戦者達〜史上最大の爆弾を造れ!“超兵器ガ壱號”開発秘話〜』

昭和60年になってやっと実用ベースになったってことでしょ。
転移までの間に海外から理論くらいは日本に入ってたかもしれないけど、
日本単独での核開発をそんな簡単に進められる訳ないでしょ。

ま、ここで読者同士が言い合うよりも、実戦で核を使用して

>核によっていくつかの中規模クラスの国家(あるいはエルフ?)を
>国民ごと消してる位はしてるんじゃないでしょうかね

かどうか、くろべえさんに聞くのが一番でしょうけどね。

346名無し三等陸士@F世界:2008/03/24(月) 06:05:08 ID:1WqHy/QU0
数多の邦國が見守る中で、総力戦でもない状況で中規模の国家に核を落としたりしたら、逆に政治的に最悪な状況になりそうですがねw

347名無し三等陸士@F世界:2008/03/24(月) 06:18:50 ID:z146iP1Y0
「あのアメリカですら、」じゃなくて「あのアメリカだから、」

あっさり使ってしまったんだと思うしなw

348名無し三等陸士@F世界:2008/03/24(月) 07:13:57 ID:BSbuSQCQ0
>>346
それは帝国と均衡した力が担保されてた場合に過ぎないよ
くろべえさんの作中の帝国のように、明確な格差があるなら、
むしろ飴とともに核という名の鞭を見せてしまったほうが効果的でしょう

ローマも、カルタゴという実例を見せてるわけですしね

349名無し三等陸士@F世界:2008/03/24(月) 07:42:53 ID:mgiNlgfU0
どうしても帝國を粗暴な圧政国家に定義したいんだなと思ってID抽出してみれば、納得。
ソレスタルビーイングソレスタルビーイングと連呼してた人かw


63 名前:名無し三等陸士@F世界[] 投稿日:2008/03/03(月) 08:25:23 ID:BSbuSQCQ0
そのうち「天上人」なる組織が、「銃による自由」という最強兵器をもって
消しにきますよ(笑

118 名前:名無し三等陸士@F世界[] 投稿日:2008/03/06(木) 03:09:15 ID:BSbuSQCQ0
>>63
天上人=ソレスタルビーイング
銃による自由=ガンダム

ですか



自演までしてるしw

350名無し三等陸士@F世界:2008/03/24(月) 08:27:13 ID:BSbuSQCQ0
>>349
圧政はともかくとしても、
なにをあがいても帝国に一手一頭足すべてがんじがらめな以上、
歪みは確実におこってるとおもうが

黒部男爵の話で、教科書と絡めて教育の重要性と、アクセス制限の話が出てくる
産業や商業も、帝国の企業がつよすぎて成り立たないんでないの?

大英帝国時代のイギリスや、現代の世界でもそこまでがちがちの頭押さえはしてないでしょうが、
くろべえ世界の帝国は科学技術の制限を本気でしてるようですから、
知識人は帝国内外問わず、「おかしい」「歪んでる」と気づいてるんでないか

それが自己の利益につながるなら黙ってもいようが、
世界のあるべき姿をゆがめてまで居座ってることを良しとしない良心を持ち合わせてるなら、
動く人はいるでしょう

351名無し三等陸士@F世界:2008/03/24(月) 08:40:15 ID:BSbuSQCQ0
少しでも大きい商売やものづくりをしたくても、
三井、三菱、住友などの帝国本土の財閥と、それに結びついた御用商人が強すぎて手も足もでない。

工業は帝国本土から流れてくる高品質な製品に勝てず壊滅

出来るのは帝国のための物産を作る農業とお目こぼしをもらった零細産業だけ…

何か新しい事をしようとしても、帝国が上にいて邪魔をする、
こんな閉塞状況で不満が出ないほうがおかしいよ
インドやアフリカですら大爆発したというのにさ

衣食住が満足しててもさ、人間は自由と無限の可能性がないと生きてはいけないものですよ…

352名無し三等陸士@F世界:2008/03/24(月) 09:18:12 ID:K2HwOIAI0
それは、資本主義や民主主義を知り、その恩恵に浸った立場からの目線じゃないかな。
帝國が来るまでのアルフェイムなんて、それこそ下は縄文レベルから
上でも中世レベルの文化と自由しかなかったみたいだけど、
帝國支配下になったとしても、そこから暮らしや政治が悪化さえしなければ、そんなに反発はしないでしょ。

帝國だって、直轄地や本国ならともかく、科学技術の優越を守る為にも、
邦国や、ましてや流民の国になんか積極的に文化を流出させないだろうし。
それは今回の短編の流民の国の生活描写からみても明らか。

というか、転移男の時代になっても、帝國支配地域も含めて
アルフェイムの大部分はまだ中世レベルの文化と意識にとどまってると思うけどね。

353名無し三等陸士@F世界:2008/03/24(月) 09:26:34 ID:BSbuSQCQ0
>>352
テクノロジーも低いが、何をしても止められない、上に誰もいない自由と
なにかしようとしたらすぐ帝国の壁がある鳥篭

壁は意識したときからストレスとして現れますよ。

すくなくとも、邦国で教養を受けられる知識人や、
庶民でも少し学のある商人・職人レベルなら
帝国の壁は意識できるんじゃないだろうかね?

すこし知識を広げようとしたとたん学校の先生や大学教授が明言をさけるようになったり、
ダークエルフが飛んできて消されりゃ、
嫌でも意識せざるをえないでしょうよ

354名無し三等陸士@F世界:2008/03/24(月) 09:30:20 ID:uc0EnucY0
帝国だけでこの広大な市場の需要を満たすような供給力があるのかよ。

355名無し三等陸士@F世界:2008/03/24(月) 09:35:27 ID:nzEJ9jg.0
>>ID:BSbuSQCQ0

どっちにしろ

>>なにをあがいても帝国に一手一頭足すべてがんじがらめな以上、

この辺を、詳しく描写もされてない段階で断言するのはやめておいた方がいいと思う。
自分の脳内での仮定の上に仮定を積み上げてる段階なのに断定口調で結論を語るのは性急すぎる。

っていうか、脳内ソース飛ばしまくりで怖いよ。
どこから

・ダークエルフが飛んできて消される
・三井、三菱、工業は帝国本土から流れてくる高品質な製品に勝てず壊滅
・出来るのは帝国のための物産を作る農業とお目こぼしをもらった零細産業だけ…
・住友などの帝国本土の財閥と、それに結びついた御用商人が強すぎて手も足もでない。

こんな状況が出てくるんだ。
ありえなくもないかもしれないが、
まだ各邦国の工業や農業がどうなってるかなんて書かれてもないでしょw

あと「一挙手一投足」な。

356名無し三等陸士@F世界:2008/03/24(月) 12:04:41 ID:.FtqMwWY0
>>355
そもそもBSbuSQCQ0の言ってる「圧政」は中世的社会のデフォ
とも言えるしな。

元々圧政が行われていたなら帝国が圧政を行っても反発は少ない。
帝国の方が、与えられる「飴」が多い分、むしろ親帝国意識は
高まるんじゃないかと思える。

あとま、根本的な指摘をするとしたらだ。
「帝国はボランティアで異世界統治してるわけじゃない」
ってあたりだろうな。

357名無し三等陸士@F世界:2008/03/24(月) 12:37:49 ID:i/BGxRX.0
根本的に日本=悪にしたいだけだろうから何言っても無駄だろうけどね。
そうでなくとも「こんな閉塞状態で」とか妄想を並べて喜んでるようじゃあ、人の話を解析する能力なんてないさ。

358名無し三等陸士@F世界:2008/03/24(月) 13:29:13 ID:Kwf1mP6o0
というか現代日本みたいな民主主義、資本主義を行うには社会基盤が脆弱すぎるよ

359名無し三等陸士@F世界:2008/03/24(月) 13:39:34 ID:rnieKo0I0
>>355
>何処から
>・ダークエルフが飛んできて消される
>・三井、三菱、工業は帝国本土から流れてくる高品質な製品に勝てず壊滅
>・出来るのは帝国のための物産を作る農業とお目こぼしをもらった零細産業だけ…
>・住友などの帝国本土の財閥と、それに結びついた御用商人が強すぎて手も足もでない。
>こんな状況が出てくるんだ。

その辺りは類推だろう。
工業製品の輸出とモノカルチャーの強要による、資本と資源の吸い上げは、植民地経営のデフォ。
貧乏国家の帝國が工業化を果たすには、その為の原資を何処からか調達せねばならんよ。


>>356
>帝国の方が、与えられる「飴」が多い分、むしろ親帝国意識は
>高まるんじゃないかと思える。
韓国人が親日親米なら同意するがね。大多数の流民の民度は半島レベルという設定だったように記憶してるが。
もっとも半島レベルでなくとも、平の土候国民にしてみれば「次女以下は奴婢で男の死亡率第一位は戦死」
という状況で親帝國感情を抱くのは難しいだろう。帝國からの援助も理事国がぼってるようだし。


それはそうと帝國擁護派は妙に喧嘩腰だな。
架空の国家の在り様への批判に、そこまで感情的にならんでもよかろうに。

360名無し三等陸士@F世界:2008/03/24(月) 13:44:41 ID:I7F4oWpU0
類推するのは良いが、それで断定するなってことでしょ。

まだ描写されても居ないことを勝手に「類推」して、
そこからさらに「類推」した結果を根拠に「批判」することのナンセンスさが分からない?

361くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/24(月) 13:48:43 ID:LyPPIJW.0
>>317
 317様、有難うございます。

>この中に『本国人が建てた現地政府』というものはあるのでしょうか?
 両手に余る程度に存在します。彼らの英雄譚は、多くの国民を沸かせたものです。
 ……けどその大半は軍(陸軍)の国内向けプロパガンタ、自作自演ですね。
 自力で建国した例なんて、黒部家くらいのものでしょうか?(それだって実情は英雄譚と程遠い)

>>319
 319様、有難うございます。

>>320
 320様、有難うございます。
 このSS、部隊は平成20年と転移男時代の話です。
 そのギャップをご堪能下さい。(まあ、アッチは芸風が違いますが)

>>321
>物資の変わりに農奴を前線に運んでたソ連のような盛大な無駄でしょうか。
 無駄……確かに無駄ですねえ。
 けど、政治的に必要な無駄、と“帝國”は割り切っています。
 統計上、ホラズムの人口は200万。
 実はこれ、「帝國がホラズムに送り込んだ人間の数」なのです。
(送り込まれたのは、“帝國”に最後まで刃向かったとか色々と問題のある部族や個人)

 で、「元の200土侯国100余万+後から送り込まれた人間100万弱=200万」

 「これ以上は存在する筈がない」というのが“帝國”のスタンスです。
 要は牢獄、収容所ですね。泣く子も黙る、“ホラズム流し”です。
 そんな訳で、実は各土侯国の人口は入植時からほとんど増えておりません。
(唯一の例外は12理事国ですが、それでもせいぜい倍……)

 で、ただ食わせとくのも何なので―――

362名無し三等陸士@F世界:2008/03/24(月) 13:49:15 ID:0TUjgjg.0
人間に「自由と無限の可能性」があるという思想がある国から来た人なら帝国は住みづらく感じるだろうね
そういう国があればの話だが

363くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/24(月) 13:50:08 ID:LyPPIJW.0
>>324
 324様、有難うございます。

>彼らにとっても、それまでの流民暮らしよりは、自分たちの国が出来た分、まだマシでしょうし。
 少なくとも、
 ・(他者がいないから)面と向かって差別されることはない。
 ・(配給があるから)ある程度働けば、少なくとも飢えて死ぬ心配は無い。
 ですから。
 かつては、地元民に嬲り殺されたり飢え死にしたりなんて珍しくなかったですし。

>>325
>一番重要なのは「帝國が憎まれない事」ですからね。
 顔の見えない帝國よりも、12理事国の方が憎いでしょうからねえ。
 これは多くの現代人でもそうでしょう。(判っちゃいるけど、ってやつです)
 ましてや無知無学な彼等など……

>>326
 陸士長様、有難うございます。

>まさに絶望ですねぇ……。
 下手に食えるから、余計まずいです。
 女は兎も角、次男だって軍に入れば戦死するまで食えるし、必ずしも戦死する訳でもない。
 それに長男長女でもちょっと大きな怪我や病気をすれば死ぬし、特に女は出産時に死ぬ可能性が少なくない。だから死ぬ年齢は(統計上は)大きな差が無い。
 ならば、「可能性」のある軍も悪くない、と考える者もいるでしょう。(良かった探し?)
 次女以下は連れて行かれるけど、国外へ行く訳だから、その末路を実際見ている訳ではありませんし……

 傍から見れば絶望以外の何者でもありませんが、中の彼等がそれを意識しているかは疑問です。
 だからこそ、余計に―――

364くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/24(月) 13:51:15 ID:LyPPIJW.0
>>327
>そういえば改訂前だと兵士として大量に血を流すことで分不相応な地位を得た国があったと思ったけど、
>そっちは流民兵よりデリケートな任務に回されるのかそれとも没設定になったのか……。
 彼らとホラズム兵では、格が違います。
 彼等は質の高い傭兵、プロ。
 ホラズム兵は3ヶ月で実戦投入されりような、幾らでも代わりのある……それでいて「どんな使い方」をしても誰からも非難されない使い捨ての剣&盾です。

>>329
>しかし
>数学どころか初歩的な四則演算もできず文字も読めない兵って
>帝國流の運用についていけるのかね?
 ……ソ連の懲罰大隊みたいなものですよ。幾分マシではありますが。

>>330〜333
>植民地軍
 一部を除き、基本的に邦國軍は武装警察或いは治安軍レベルに過ぎません。
 攻撃防衛を問わず、戦争は“帝國”軍が担当します。(そのための朝貢税です)
 ですから近隣でドンパチやってる場合を除き、一般の邦國軍が動員されることはまずありません。

 ……ですが、流石に広大な領域全てを本国軍だけでカバーすることは不可能です。
 余程の戦線・地域を除き、どうしても機動運用がデフォルトとなってしまいます。
 そんな訳で補助戦力として一部邦國軍が活用されるのですよ。

365くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/24(月) 13:52:36 ID:LyPPIJW.0
>>334
 334様、有難うございます。

>第三世界
 意外とは思われますが、ホラズム人は非常任理事国民であっても「地球世界最貧国の中流レベル」「地球世界アフリカ難民キャンプ」レベルの生活をしています。
 ……そして、ホラズム人以下の生活を営む他邦國民も多数存在します。(少なくともホラズム人は飢える心配は無い)
 矛盾、ですねえ。

>>335
 上記324、326様の返レスをご参照下さい。

>それでも、いくらかでも頭が回る奴は脱出と生き残りを考えるでしょう。
 脱出を試みる

 まあ大多数は上で順応します。(人間なんてそんなもの)
 けど、やはり極一部は逃げ出すことを考えるでしょうね。
 こればっかりは防ぐのは不可能です。
 ……けど、国抜けは某北の国並に死罪なのですよ。
 ついでに、地図無しでは他文明圏にたどり着くのも大変です。(そういう所に造った)
 線路伝い(線路まで国境から歩いて3日以上だけど)に何日も歩いて……まあ入念な準備無しには不可能ですね。まず水が尽きる。
 運よくホラズム周辺の文明圏にたどり着いても、この辺りは何処も貧しいですからねえ。
 身元も保証されない、訛りのある異国人がどんな仕事につけることやら。

366くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/24(月) 13:53:54 ID:LyPPIJW.0
>>337
 帝國がいた世界自体、帝国主義万歳の時代(末期ではあるが)でしたし、
 アルフェイム自体も封建時代のノリですからねえ。
 それに引き摺られて帝國も、ほとんど18〜19世紀のノリですよ。

>>338
>それにしても、どんな武装をしているのかが気になるw
 一般邦國軍は流石に自動小銃装備です。(古い型が多いですが)
 けど、ホラズムは……

>>339
>これに、異議を唱えるような人物はたくさんいそうですね…
 多数派ではありませんが、そういう人も少なくないですね。

>ある意味、19世紀〜今の世界よりも無理を強いてるわけですからな
 ある意味同レベルでしょう。
 チベットとかアフリカ・中東の問題を見れば、現代だって褒められたものじゃあありません。
 でもまあ、一つの民族が他の大多数の民族を支配し、富の大半を独占しているのですから、歪みが出るのは当然でしょうね。

>>340
>GDP5%の税も、軍事費まるまるカットしていいのだとすると、それほどの負担にはならない。
 確かにその通りですが、それが帝國との軍事力格差を一層広げます。
 ついでに、従っていれば対内的にも対外的にも王政を保証してくれるますから、戦争・革命・クーデターによる失脚もありません。
 周りは皆仲間(邦國)ですから、外交も楽です。何かあっても帝國の裁判でケリがつきます。
 王様は〜気楽な稼業と〜きたも〜〜んだ♪
 かくして牙を奪われていく……

367くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/24(月) 13:55:13 ID:LyPPIJW.0
<補足①>
 このSSの帝國は、面積にして地球より遥かに広い版図(陸と海共に)を誇っています。
 そこには、本国人の他に30億を超える人々……従う邦國も2000を超えます。(土侯国まで入れたら万!)
 ……ぶっちゃけ、細かい管理なんて不可能です。どんぶり勘定(統治)ですね。
 で、安定期のローマ帝国、現代の米国の例でもお判りのように、紛争や反乱は防ぐことは不可能です。こういう状況ならばなおさらでしょう。
 目の届かない場所での海賊・山賊行為だってあるでしょう。暴動略奪だってあるでしょう。
 これらを見て、帝國支配が末期状態にあるとするかないとするかは、見る人によります。
(対応を間違えたら火傷する……でもそれは、支配者なら当然負うリスク)

368くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/24(月) 13:56:02 ID:LyPPIJW.0
<補足②>
 このSS、最初はかなり違う話でした。題名も「蘇りし亡霊」
 大まかな初期プロットは以下の通り。
・冒頭、戦闘シーン。市街戦、王宮に突入する兵士と民衆。
・王宮陥落。
・戦後、民衆の前でタブリン王と帝國領事の首が切り落とされる。涌く民衆。
<大段落空け>
・舞台は移り帝都、首相官邸。事態に驚くも、「やはり」という色が強い。
・ここで説明。ここ20年ほどタブリンでは騒乱が続き、何度も帝國軍の世話になっていること。
・そこに緊急情報。タブリンが共産主義を標榜していることを伝える。
・驚愕する大臣達。事態を察知できなかった情報省を責める。
・ここで再び解説。情報省の役割と帝國の版図、防げなかった理由。
・ついで共産主義の状況。徹底的な弾圧で絶滅同然。
・共産主義の他に弾圧された思想、宗教説明。(何故弾圧されたかも)
・帝國軍にタブリン制圧を命令。
<大段落空け>
・帝國軍の説明。
・邦國軍の説明。
・タブリンの状況。一人の官僚が主導的役割を果たしたこと、彼が帝國留学組のエリ−トであることも。
・戦闘前の状況。共産主義者相手に如何なる勧告も手加減も不要。
・戦闘開始。
・民衆主体で右往左往。
・王都奪還。指導者自決(特殊部隊により確保失敗)。
・次々と町村が降伏する中、指導者が長く長を務めた町は抵抗を試みる。
・戦略爆撃機の空襲。
・懲罰として、帝國軍は“流民兵”(ホラズム兵)を送り込む。徹底的な破壊と略奪。
<大段落空け>
・戦後処理。
・少しでも指導的役割を果たした者は処刑、参加した者も10人に1人を処刑。(並ばせて10番目の者を射殺)
・上の措置が、今までに無く厳しい措置であることを説明。帝國の恐れを詳しく。
・最後。処刑者の一族数千人がホラズムに流される。
・『今、死んだ筈の亡霊が“帝國”を徘徊している。共産主義という名の亡霊だ。』という文で締めくくる。

 ……ダメすぎる。没って当然。
 暗いのはいいけど、ここまでは絶対ダメ。楽しめない。


 では、またお会いしましょう。

369名無し三等陸士@F世界:2008/03/24(月) 18:14:19 ID:BSbuSQCQ0
くろべえさん、レスありがとうございます
くろべえ世界の世界が幾分か理解できました

>>368
うへ、歪みを歪みのまま放置してるんですか…
しかし、夢も希望も未来も無い世界とは

>・ついで共産主義の状況。徹底的な弾圧で絶滅同然。
>・共産主義の他に弾圧された思想、宗教説明。(何故弾圧されたかも)

このぶんだと帝国本国も息苦しそうな感じですね

そんななかでも、自由が一番あったのは
自由な発想が新発見・新発明につながる科学者ですから
(ロシアも自由主義・共産主義が育ったのは科学者の間からで、
 ソ連が科学を優遇したのも革命の論功行賞が関わってるとか)
共産主義はそこで温存されてたかんじはしますね
ってか、大規模な反乱のうしろには、帝国大学の有志やOBがかかわってる、
ってんならかなりわかりそうなんですが

たしか、戦前の官僚も共産主義の隠れシンパがおおかったらしいですね
それが戦後の日本の経営に影響してるというのは本で読んだことがあります

370名無し三等陸士@F世界:2008/03/24(月) 18:26:18 ID:BSbuSQCQ0
>そんななかでも、自由が一番あったのは
>自由な発想が新発見・新発明につながる科学者ですから
あ、これは戦前の日本のことを指してます
科学者は欧米に留学することが多く、そこで自由と平等思想に直接振れられる、
っていったことがありますからね

実際、戦後の原水爆禁止運動や自然保護運動も、科学者間のつながりが重要な役割をはたしてますから

371名無し三等陸士@F世界:2008/03/24(月) 20:04:11 ID:rnieKo0I0
>>360
何をムキになってんだか。
茶でも飲んで落ち着け。

>>361
>>この中に『本国人が建てた現地政府』というものはあるのでしょうか?
> 両手に余る程度に存在します。彼らの英雄譚は、多くの国民を沸かせたものです。
> ……けどその大半は軍(陸軍)の国内向けプロパガンタ、自作自演ですね。
> 自力で建国した例なんて、黒部家くらいのものでしょうか?(それだって実情は英雄譚と程遠い)

夢もロマンもありませんな……。

372名無し三等陸士@F世界:2008/03/24(月) 21:35:16 ID:5cdVuct20
ところでくろべえ様
質問ですが現行版の流民の設定は旧版と一緒ですか?

373名無し三等陸士@F世界:2008/03/24(月) 21:41:40 ID:5cdVuct20
追記
後質問とは関係ないんですが、転移男の稲葉君は帝國の暗部にいつ気付くのかなあ

374名無し三等陸士@F世界:2008/03/24(月) 21:46:20 ID:8RNT3GbA0
稲葉はあれで結構頭いいから気付いてるんじゃないか?
転移直後の対応なんて暗部そのものだろうし…

375名無し三等陸士@F世界:2008/03/24(月) 21:51:05 ID:.FtqMwWY0
くろべえさん乙です

>>368
このプロット、個人的には読んでみたかったですw
どんなに暗くて残酷な話でもハァハァできる性格ですので♪


>>371
現実が夢とロマンに溢れてるなら
夢やロマンを語る意味がなくなっちまうだろ?
(これは小説だがww)

376名無し三等陸士@F世界:2008/03/24(月) 22:29:12 ID:55XpGFAo0
現実世界の南北問題などを見ればやっている事はここ100年ほどは大きく
変わってないと思います。
富の偏在が起きれば必然的に共産主義なり全体主義(国家主義)が復活
してきますし、代理戦争なんてのもしょっちゅうです。

結局の所帝國がアルフェイムでは実質的に地球でいう所のアメリカ(もしく
はかつてのソ連)のような存在でいるしか世界は治められないんじゃない
でしょうか。
良くも悪くも自由主義などがちゃんと機能し始めるのには民衆が知恵を
付けるしかありませんが地球世界であっても国によっては初等教育すら
難しい地域も未だにあります。
我々の眼からすれば「歪んで」いてもこれがこの世界でやっていくため
の「秩序(ロウ)」ならばそれがどんなに歪んでいてもやるしか無いと
思います。

>食料の援助
これを見て思ったのはコソボにて米国が大量にばら撒いた「難民援助用
糧食(HDR)」ですね。
HDRも発想と思想はいいんですがいかんせんモノが悪かったのとあから
さまな宣伝が目に付く代物でしたな。
至るところに星条旗が書いてあるし「合衆国国民からの贈り物」とまで
ある糧食というのも珍しいもんです。

377名無し三等陸士@F世界:2008/03/24(月) 23:09:41 ID:55XpGFAo0
話は変わりますが>>366での回答にくろべえさんが書かれていた、
>周りは皆仲間(邦國)ですから、外交も楽です。
何かあっても帝國の裁判でケリがつきます。

この裁判というのは帝國のどこの部署が管轄しているのでしょうか?
地球で言う所の「国際司法裁判所」みたいなものが在りそこが裁判
を実行しているのでしょうか。
一般に「国際司法裁判所」は国際法に照らし合わせて裁判を行う
所ですがアルフェイムの場合国際法=帝國の邦國向けの法律だとは
思いますが、裁判と名が付くからには弁護士がいそうなんですが
こういった問題に取り組む弁護士は帝國から出るのか、邦國の方
が出す物なのかも興味があります。
裁判の成否をかけての邦國同士の暗闘とか「根回し」「買収(金だけじゃ
無いとは思いますけど)」なんかもありそうですね。

378名無し三等陸士@F世界:2008/03/24(月) 23:16:00 ID:q6eMekrM0
内務省とちゃう?
で、最後まで揉めたら「天皇陛下の名において」決着をつける。
と、言うかこの世界の邦国の扱いって江戸時代における徳川幕府の
やり方に似ていなくも無い。
「お国替え」とかありそうだな・・・・

379名無し三等陸士@F世界:2008/03/25(火) 00:39:52 ID:8RNT3GbA0
留学という名の「参勤交代」もできるしね

380名無し三等陸士@F世界:2008/03/25(火) 01:53:32 ID:BSbuSQCQ0
今日、我々科学者は、一つの罪を背負うことになった。

我々の研究はあくまでも、来るべき再転移のため。
資源に、燃料に、工業力に、総てが米国に劣るわが皇国。
果てしなく開いていくであろう軍事力を埋めるための非常手段。
その切り札だった。はずだ。

少なくとも、仁科博士からはそう聞かされていた。
安田中将から激をもらったことを、鮮明に覚えている。
「ニ号研究」のころから…「ゲ号計画」に変わってからも、それは変わらなかった。

しかし、それが…

最先端の、科学技術が…

一つの国を地上から焼き払ってしまうとは!

平和な土地を、百万を超える、罪無き人々を、地獄の業火に放り込むとは。
かの閻魔大王さえ成し得なかった鬼畜にも劣る所業など。

資源に劣る窮鼠の我が皇国が作り出した伝家の宝刀が、
強盗が世界を脅迫するための、圧政の道具に成り下がってしまったとは。


そして、何人も抗うことの出来ない太陽の力をを手にした皇国は、愚かな者達は、躊躇なくそれを行使するであろう。
世界は目を覆わんばかりに歪み潰れて行くに相違ない。

2600余年の歴史を誇る誇り高き皇国は、いつから斯様な匪賊に落ちぶれてしまったのだ。
これでは、科学の力を持って皇国を救わんと奮闘してきた仁科博士に面目が立たないではないか!

381名無し三等陸士@F世界:2008/03/25(火) 01:54:06 ID:BSbuSQCQ0
…我々は、科学者は。
百万余名の生命を弄び、地獄の業火に投げ込んだ、世界を歪ませた罪を贖わなければならない。
そして、二度と過ちを犯さない。
姿無き恐怖と甘言に唆され、世界を業火に包む力を作り出し、浅はかで戦いを好む愚者の手に与えてしまった徹を。

神にも等しい太陽の力と相まみえるために、又同等の力によってでしか釣り合わせる事は不可能である。
そして、それを私は、我々は、遂に見出した。
この世界に、余りにも有り触れた粒子。
この力を集め引き出した暁には、我々が作り出した力にも抗する事が可能に成る。

だが、その力を体現するには、人の生命は余りに短い。
この微弱な粒子を収集し一機関として実現するには、途方も無い歳月を要する。
我等が一生を、百余万人の魂への償いとして捧げようが到底足りるものではない。
そして、それは決して我が代ではなしえないであろう。
故に、後の世代に、この力を託す。

この力は、
全ての、平和を願う者達のために。
全ての、自由を求める者達のために。
全ての、虐げられた者達のために。
託して欲しい。

そしてこの大いなる計画を、皇国のみならず、全世界に自由と平和と幸福をもたらすために。
全人類の変革のために。
せめて…世界を、あるべき姿に。
切に願う。

理学博士
湯川秀樹

382名無し三等陸士@F世界:2008/03/25(火) 02:16:09 ID:55XpGFAo0
>内務省
あー、確かにやりそうな部署だ(苦笑)
でも留学はともかく「お国替え」は難しくないですか?
あまり積極的に内政干渉しない方針を取ってるようですし。

本国の大企業で大ポカやったサラリーマンが邦國の支社に飛ばされたり
する話も出てきそうですね。
この世界の帝國企業サラリーマンなんかは「特権」持ってそうなんで
邦國にゴリ押しで土地を買い上げて工場とか安い労働力で作っていそうだ。

383名無し三等陸士@F世界:2008/03/25(火) 02:52:33 ID:55XpGFAo0
>ホラズム兵士
士気も低くて錬度も低い兵士だと散兵戦術は取れないので必然的に数
で押す戦い方になると思うのですが自動小銃が無いとすると武装は
38式小銃のようなボルトアクションライフルなのでしょうか?
それともソ連式に「PPSh-41」のようなサブマシンガンと弾倉1つで
突撃させるような戦い方が主体なんでしょうか。
豊かになると、人間、命が惜しくなる傾向があるのでそういう意味では
貧しい方が兵士を扱いやすいのだとは思います。
思想がそういう方向で行くのならサブマシンガンは使いやすい武器かも
しれません。
射程の短い装備をさせておき「何か問題」が起きたら後始末をしやすく
するとか。

384名無し三等陸士@F世界:2008/03/25(火) 04:29:58 ID:Uqcv/OBU0
そこで百式機関短銃を簡易生産型としたステンガンですよ。

385名無し三等陸士@F世界:2008/03/25(火) 04:38:26 ID:V64IjoI60
以前あった傭兵?邦国のSSはくろべえさんのHPにはないんですかね?
見つけられなかったモノで。
どなたかvolいくつにあったか覚えてる方いたら教えてもらえないでしょうか。
お願いします。

386名無し三等陸士@F世界:2008/03/25(火) 07:22:40 ID:oVuuhHNoO
>>385
何スレ目かはすまんが思い出せないけど、
過去のスレッドをあらかた文字検索すれば出てくると思うが?
因みにあの短編はくろべえさんのホムペにはありませんよ
ネタとしてまだまだ発展するかもしれないから、という理由だっけかな?

387くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/25(火) 11:52:16 ID:LyPPIJW.0
 380様、投稿乙です。
 原爆や水爆が使用されたら、科学者達はさぞかし悲嘆にくれるでしょうねえ。
 ……その威力を理解しているだけに。

>>369、370
>>368のプロットはあくまで没シナリオです。
 採用版では世界設定を多少ソフト化しております。

>このぶんだと帝国本国も息苦しそうな感じですね
 上記のソフト化により、多少改善されておりますが、一部のインテリなんかは息苦しく感じるかもしれません。
 でもまあ、大多数には関係の無い話です。自分が豊かなら気にしませんよ。マスコミでガンガン報道でもされれば別ですが。
 そもそも、帝國はその歴史上、自由な時代を経験していませんから。
 ましてや現実日本ですら、中東アフリカ問題やチベット虐殺等の問題に対して無視を決め込み、ロクに抗議の声上げませんからねえ。
(周辺諸国に梳き放題やれても、抗議の声一つ上げない……自分に直接関係がある筈なのに)
(海外からの安い輸入品の少なく無い数が、劣悪な生活を余儀なくされている海外労働者の犠牲の上で成り立っているが、気にもしない)

 ……現代(特に80年代以前の)日本の逆バージョンみたいなものかな?
 さすが中国(は凄い)やはり中国(は凄い)だから中国(は凄い)→帝國万歳!
 中国のチベット虐殺?知りませんなあ→帝國の圧制?知りませんなあ
 ○○の話は絶対タブー! → ××の話は絶対タブー!

 あ〜、別にこの考えが正しい、と言っている訳ではありません。念のため。
 あくまで「くろべえはこう考える」ということです。
 SSを書く上では、思想の基準が必要ですから。

388くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/25(火) 11:53:59 ID:LyPPIJW.0
>>372、373
>質問ですが現行版の流民の設定は旧版と一緒ですか?
 はい。(>>311でも少し解説しております)

>後質問とは関係ないんですが、転移男の稲葉君は帝國の暗部にいつ気付くのかなあ
 あれはギャグですからねえ……(話にそぐわない)
 でも無理に設定するとすれば――

 ロンさんの国籍の話とか、刑務所の話とか聞いた時点で気付いたかと。
 とはいえ、彼は歴史とか社会情勢にそれなりに明るかったですしね。
 馬鹿やってるけど、その辺は“大人”ですよ。触らぬ神にたたり無し、です。

 ――って感じかな?

>>375
 375様、有難うございます。

>このプロット、個人的には読んでみたかったですw
 有難うございます。
 でも、一応主役の帝國をここまで露骨かつ直接的に悪役にする訳にはいかぬのですよ。

>>376、377
>結局の所帝國がアルフェイムでは実質的に地球でいう所のアメリカ(もしく
>はかつてのソ連)のような存在でいるしか世界は治められないんじゃない
>でしょうか。
 両者共両極端ではありますが、何れにせよ「力を持った者」が「力の駆使を躊躇わない」ことこそが重要かと。
 無論、ある程度の公正さは不可欠ですが。(完全無欠に、という必要はないかと)
 ……しょせん話し合いで物事が解決する筈無いのですよ。

389くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/25(火) 11:55:20 ID:LyPPIJW.0
>この裁判というのは帝國のどこの部署が管轄しているのでしょうか?
 帝國内には2000近いの邦國が存在します。
 ……これで問題が起こらない筈ありません。現実世界の例から考えても、それこそ無数の軋轢が生じていることでしょう。
 これを「最終的に」調停するのが帝國の役目なのですよ。(まあ、義務みたいなものですか)

 邦國間の問題を解決するには、幾つかの段階が存在します。(下に行くほど深刻)

①自力で解決する。
 ……まあそれができれば、始めから騒動なんて起きませんが。

②周辺諸国による斡旋。
 縁戚関係にある邦國、或いはその地方の中核国が仲介します。

③帝國本国による仮公式調停。
 帝國本国が仮調停を行います。
 この段階では厳密な法によらず、柔軟的な対処を行います。
 この段階では帝國は調査を行いません。両国の主張を聞くのみです。

 例:J国とK国が島の帰属を巡って争っている。その1(補足事項:両国は中が悪い)
 帝國「(両国の主張を聞いて)島と周辺海域は両国の共同管理でどうか?」
 J国K国「拒否します」
 帝國「島と周辺海域を分割支配でどうか?」
 J国K国「拒否します」
   調停中
 J国K国「拒否します」
 帝國「しょうがない、正式調査に入るか……」

390くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/25(火) 11:56:36 ID:LyPPIJW.0
④帝國本国による公式調停。
 帝國本国が公式調停を行います。
 この段階で初めて帝國は調査を行います。(簡単なものですが)
 あ、ちなみにこの費用は両国折半で請求されます。(まあ大した額ではありませんが
 
 例:A国とB国が島の帰属を巡って争っている。その2
 帝國「(……どうもJ国の主張が正しいようだ。が、K国にも立場がある)島の所属はJ国に、ただし経済水域は両国共同管理でどうだろう?」

 島の帰属を完全にJ国のものとしたら、K国首脳は対外的に恥をかくだけでは済みません。対内的に大きな突き上げを食らうでしょう。
 ですから、帝國は利益を折半することでK国の面子を立てようと考えました。

 J国「……持ち帰って検討してみます」

 おっ、ここで初めてJ国が含みのある発言をしました。
 まあ実質的な勝利ですから、検討の余地はあるでしょう。
 加えて帝國の心象も良いでしょうし、K国に貸しも作れます。(何よりこれより先は色々と金もかかります)

 K国「……拒否します。以前の『島と周辺海域の両国共同管理案』を主張します」

 K国は拒否しましたね。ま、彼等も後には引けないのでしょう。
 とはいえ情勢の不利を悟り、精一杯の譲歩を行います。

 J国「拒否します」

 ……ま、そりゃあそうですよね。
 今更何を、って感じです。

391くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/25(火) 12:00:35 ID:LyPPIJW.0
 K国「……では、裁判です」

 ……とうとう裁判ですか。
 でも、“ブラフ”とも考えられます。
 裁判は色々と金がかかりますし、ね。

 J国「……やむを得ません、な」

 J国も裁判はやりたくありませんが仕方がありません。腹を決めました。
 帝國が暫し仲裁するも、不調です。

 帝國「では、裁判に移行する。今までは非公開の秘密会談だったが、裁判では両国の主張及び帝國の見解が全面公開される。
 ……本当に良いね?」

 その詳細が公開される訳ですから、負ければ大ダメージです。
 帝國、念を押します。

 J国K国「はい」

 帝國「では、手付金を振り込んでくれ」

 詳細な調査を行い、かつ裁判を行う訳ですから、その分の費用を要求されます。
 とはいえ所詮は実費ですから、(公式調停時よりは高いですが)高額という訳ではありません。
(貧国に関しては一部或いは全額減免の措置があります)

 ……でも、別の意味で金はかかります。
 そう、激しいロビイスト合戦です。
 K国は最後の望みをかけ、背水の陣で望みます。
 対するJ国も、対抗上やらざるを得ません。無駄な出費です。
(このロビー活動、実は裁判での効果は疑問視されています)

392くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/25(火) 12:02:09 ID:LyPPIJW.0
⑤裁判
 例:A国とB国が島の帰属を巡って争っている。その3
 舞台は内務省から帝直属の勅審院(仮)に移ります。
 勅審院はまず内務省からの報告の分析に加え、独自調査を行います。
 そしてある程度把握した後、両国の代表を呼びます。
 裁判は勅審院の質問に両国が答えることから始まり、次いで両国の弁明や討論を行います。(時々、勅審院からの突っ込み入る)
 何回かの裁判の後、判決が下されます。

 勅審院「判決、島の帰属権はJ国に全面的にあるものとする」

 その後、長々と勅審院の見解が述べられます。

 ……やっぱり。
 判決は、帝國の統治する上で最も重要なものです。大勢はくつがえりません。
 激しい活動の甲斐も無く、K国は全面的に敗北しました。これで確定です。

 両国代表は深々と最敬礼します。
 が、その表情はまったく対照的です。特にK国代表は可哀想な位真っ青です。
 ……それはそうでしょうね。完敗した挙句、今までのK国の主張を「まったく根拠無し」と切り捨てられたのですから。
 これからK国は大変です。(この責任は激しく追及され、何人かの政治生命が絶たれるでしょう。政治の季節到来です)

 ……あ、最後に何かあるみたいです。

393くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/25(火) 12:03:29 ID:LyPPIJW.0
「――ただし、K国は同島の経済水域内で10%の漁業権を持つものとする」
 
 ……どうやらこれがロビー活動の成果のようです。
 これは帝國が認めた最低限保証された権益ですから、これからはJ国相手にどの程度上積みさせていくか……腕の見せ所でしょう。
 とはいえ、島を失った挙句、今まで梳き放題とっていた魚を全漁獲高の10%(J国の1/9)に抑えられました。海底資源に至ってはゼロです。
 ま、「まるっきりの無駄」とは言いませんが、費用対効果から考えたら到底割の合うものではないです。踏んだり蹴ったりでした。

>裁判の成否をかけての邦國同士の暗闘とか「根回し」「買収(金だけじゃ無いとは思いますけど)」なんかもありそうですね。
 帝都では、ワシントン以上の激しい外交活動が日夜繰り広げられています。
 帝都には世界中の情報が集まり、世界規模の政策が決定されますからねえ。
 帝都を制すれば世界を制す、ですよ。
 ロビー活動も活発です。裁判以外では結構効果がありますから。(議員がその問題について発言してくれるだけでも大分違う)
 ……中には“教科書問題”等の、両国の面子“だけ”をかけた下らない活動もありますが。

394くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/25(火) 12:04:44 ID:LyPPIJW.0
>>378
>お国替え
 これはまずありません。
 地域が不安定化しますから。(異民族同士ですし)
 ……といえ、かつては大きな事件がありました。
 転移初期にシュヴェリン王国をモエシア文明圏に移そうとした、有名な“カナ姫のお国替え”です。

>>383
 自動小銃用の7.7㎜ショート弾(7.7㎜弾の全長を短くしたタイプ)を使用したボルトアクションライフルにしようかと考えていたのですが……どうしよ?

>>385
 HPには記載しておりません。
 貧乏邦國の悲哀……といいますか、のんびり帝都暮らしをしていた第三王子が、兄達の死により嫌々王位を継いだ――って話で連載したいので。
 でも、時間無い……

395名無し三等陸士@F世界:2008/03/25(火) 14:56:08 ID:dlEeCcM.0
>>385
12スレの661からだね

396名無し三等陸士@F世界:2008/03/25(火) 16:54:41 ID:Kwf1mP6o0
そういや帝国人が邦國で犯罪を犯した場合どのように捌かれるんだろ?
昔の領事裁判権とか今の日米地位協定みたいなのがあったりするんだろうか?

397名無し三等陸士@F世界:2008/03/25(火) 18:18:18 ID:m7fc6WRk0
>>383
>>394
ハンドガンに+ショルダーストック兼用ホルスター+バナナマガジンでSMG的に使えなくもない、
帝國版VP70なんてものが脳裏に浮かびました

……しかもハンドガン自体のメカニズムはモーゼル・ミリタリーの発射速度を遅めにしただけの。

398名無し三等陸士@F世界:2008/03/25(火) 20:45:01 ID:BSbuSQCQ0
帝国人、ってだけで特権階級みたいなもんだから(現地の上級貴族レベル?)
多少のことなら「おとがめなし」になるんじゃないですかね

そのぶん、帝国内でおしおきがありそうですが
渡航許可が下りなくなったりとか、逆に日本に帰れなく成るとか

399名無し三等陸士@F世界:2008/03/25(火) 21:28:37 ID:55XpGFAo0
>自動小銃用の7.7㎜ショート弾(7.7㎜弾の全長を短くしたタイプ)を
使用したボルトアクションライフルにしようかと考えていたのですが

中途半端に変な物を作って邦國に渡すよりある意味帝国の工業力を見せ
つけるような合理的な銃を邦國軍用に与えるのはどうでしょうか。
例えばM3短機関銃(グーリスガン)のような大量生産が効き攻撃力が
限定的な銃(射程を抑える等)を与えることで(帝國への)潜在的な畏怖
の念を与えるような。

邦國向け仕様の短機関銃を与えられた邦國軍では歩兵はその威力(至近距離
からの全自動射撃により敵を殲滅)に驚き、士官やより上位の者は量産性
と耐久性に驚くと同時に近隣の邦國軍にも大量に供給される銃の数に帝國
の底力を見るとか。
学の無い連中にしてみれば連射が効き即応性が高く、扱いが容易と来れば
急に自分が強くなった様な感覚に酔ってしまうかも。

武器のレベルを統一し、弾薬も邦國同士で共通化させれば「何か起きて」
も補給が楽ですし邦國のレベルによっては戦術の幅が制限されますから
対処しやすくなるかもしれません。
邦國同士の武装レベルが少なくとも歩兵に限って言えば一定であるならば
後は戦術の工夫次第になるのでここで帝國にも一目置かれるような「成果」
を上げた所は取り立て行くといった(飴)事をすれば邦國同士で適度に
切磋琢磨してくれそうです(勿論帝國は美味しい所だけ持ってく)。

400名無し三等陸士@F世界:2008/03/25(火) 21:45:25 ID:5cdVuct20
帝國召喚ifでは平成の世になっても奴隷売買が横行してるようですが
帝國人が外地や邦国で買った奴隷は帝國本土にお持ち帰りOK?
それとも税関で没シュート?

401名無し三等陸士@F世界:2008/03/25(火) 21:55:58 ID:55XpGFAo0
>VP70
って銃としては中途半端だと思うのです。
連射できるといっても3点バーストしか出来ないし集弾率が低い上反動
がストックを付けても大きくなるといった問題もあります。
元々VP70のコンセプトが「予算をあまり取れない国向けの銃器」で
拳銃としても使用できて、短機関銃モドキっぽいことも出来るという
物なので帝國が大量に供給させる武器として考えるなら制限を付ける
としてももちょっとしっかりしたコンセプトを持った銃を与える
気がします(短機関銃もバースト射撃はしますがフルオートも出来ます
速度を考えればフルオートで相手に頭を上げさせないというのは便利)。

私のアルフェイム世界に置ける帝國はイメージとしては「色々あって
お金はあるけどやっぱりどこか貧乏臭さがある国」なので予備研究
としてならともかくVP70のような奇妙な銃は作らないと思えてきます。
あと現代の国家はともかく徴用された兵士が拳銃を持つとは思えない
というのもあります。
普通歩兵はサブウェポンとしての拳銃なんて標準装備していませんし
(現代の歩兵や米国はともかく)。
平時の治安機構用としての拳銃はありますが帝國と一部の邦國を除けば
前近代的な国家が圧倒的なこの世界だと拳銃が出回るという状況は危険
だと思います。

402名無し三等陸士@F世界:2008/03/25(火) 22:00:37 ID:q7Ur.MV.0
>>400
奴隷なんて身元の怪しい人間、治安上からも風紀上からも入国許可が
おりるとは思えない。
つーか帝國行きの飛行機や船にすら乗れ無そうな希ガス。

403名無し三等陸士@F世界:2008/03/25(火) 22:20:41 ID:55XpGFAo0
>反動がストックを付けても大きくなるといった問題
ちょっと訂正。
反動が大きくなるんじゃなくて反動の割りに威力がイマイチという事で。
でもやっぱりこんな銃より短機関銃の方が威圧にもなるし警護任務でも
「ちゃんと仕事しています」というアピールにもなりそうです。
おおっぴらに短機関銃を持って歩けない人(要人警護)が持つなら便利
そうだけど。

404397:2008/03/25(火) 22:29:04 ID:m7fc6WRk0
>>401
>>403
「中途半端」「予算をあまり取れない国向け」「奇妙」……
こういう実用性が微妙な兵器が好きなんスよ自分。

でもモーゼル・ミリタリーのメカニズム〜と書いているのにVP70の方に引きずられて、
連射が3点バーストしかできないとか突っ込まれても困ります。

405名無し三等陸士@F世界:2008/03/25(火) 22:38:33 ID:55XpGFAo0
>404
ああ、その点に関してはすいませんです。
でもなんとなく「モーゼル・ミリタリーのメカニズム〜」というのが
いいとこ取りな気がしたもんでそう上手くいくかなぁ帝國クオリティ
だしと思ったのも事実です。

406名無し三等陸士@F世界:2008/03/25(火) 22:57:49 ID:fqyHfca20
んーぶっちゃけ邦国の従属兵レベルだったら一部の適正のある奴以外は
弓と槍で十分だと思うんだがなぁ

相手側が工業化されていないなら
その程度の装備でも十分前線を晴れるだろ

それに火薬どころか螺子の存在すら知らない奴に自動小銃の整備させるなんて
カラシニコフ級のメンテナンスフリーの傑作でも作らない限り
2週間でゴミになるぞ

407名無し三等陸士@F世界:2008/03/25(火) 23:03:41 ID:f7taI4VQ0
>>406
弓は習熟に十年単位の時間食うからクロスボウだな

408名無し三等陸士@F世界:2008/03/25(火) 23:05:54 ID:qMmsLFfQ0
帝國勢力圏では、下手な邦国士族よりもダークエルフは元より
獣人の方が羽振りを利かせてる気が・・・
あと、邦国士族以上ならともかく、富裕でない平民は
そもそも、帝國語(日本語)が話せないのではないかな?
一生、帝國人を見ないで過ごす人間も多そうだし。

409名無し三等陸士@F世界:2008/03/25(火) 23:10:40 ID:55XpGFAo0
>帝國語(日本語)
マナのおかげで会話は通じるはずでは?
細かい単語や言葉遣いの部分では帝國人が聞けばおかしいと感じる
でしょうけど。

410名無し三等陸士@F世界:2008/03/25(火) 23:19:30 ID:fqyHfca20
>>407
それもそうだ

お、ひらめいた

38式のモックアップに取り外し式の弓と銃剣をつけて
クロスボウ兼槍にすればいいんだ

ついでにソフトウェアとして銃剣術を広めれば問題ないな

…十数年後の大国民体育大会には各国から銃剣術の達人が
覇を競い合う事になるかもしれないがw

411名無し三等陸士@F世界:2008/03/26(水) 00:23:04 ID:/VioUs7I0
つか大会とかオリンピックとかあったとしても獣人の一人勝ちになっちゃう

412名無し三等陸士@F世界:2008/03/26(水) 03:25:45 ID:C9qLcFQ20
>>411
人間・獣人で部門ごとに分けられるんじゃね?

413名無し三等陸士@F世界:2008/03/26(水) 05:16:02 ID:PrNDtOqYO
>>410
38式じゃ槍として使うには短すぎだろ
3〜5mくらいの槍持った奴らに手間かけて作った小銃の模型で突撃させるくらいなら、普通の長柄持たせた方が安いし強い

414名無し三等陸士@F世界:2008/03/26(水) 10:51:12 ID:A2NYO/ao0
確かに鑓襖ってのは馬鹿にできないよな。

415名無し三等陸士@F世界:2008/03/26(水) 11:08:13 ID:.FtqMwWY0
相手の槍衾が出来上がってるならクロスボウで攻撃、
隊列が崩れたら銃剣突撃で殲滅、って流れなんでね?

ただま、弓なんかついてたら銃剣使いにくそうではあるがw
いちいち取り外すのもメンドクセ

416名無し三等陸士@F世界:2008/03/26(水) 11:39:08 ID:rnieKo0I0
鏃をつけた200-300g程度のグライダーを、投槍器で打ち出して弾幕を張るという電波を受信した。

417名無し三等陸士@F世界:2008/03/26(水) 12:44:15 ID:Uqcv/OBU0
>>410
それだとボルトアクションの旧式銃を支給した方が良いとなるけど、ソ連のような錬度未熟兵ってことでやっぱりサブマシンガンになるんじゃない?

妄想だけど、突撃銃が採用されるまでの間は、サブマシンガンも現役だったろうから、百式機関短銃の後継機種が採用されている可能性は高いと思う。
そこで生産性の良いプレス溶接のウージーみたいなのが有ったとしてもおかしくないと思うが、
(流民の国にイスラエル製ってのもイメージぴったりだし)

418くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/26(水) 13:02:42 ID:LyPPIJW.0
>>396
 基本領事裁判により国内法で裁かれますが、場合によっては引き渡される場合もあります。
 ……例えば、あまりにも悪質で領事の怒りを買った場合とか。

>>398
>帝国人、ってだけで特権階級みたいなもんだから(現地の上級貴族レベル? や、そこまで高くありません。
 平民ならせいぜい「羽振りの良い士族」とか「下級貴族」レベル?

>>400
>帝國召喚ifでは平成の世になっても奴隷売買が横行してるようですが
 地域によっては、存在します。
 ……でもこの場合、奴隷売買というより女衒への身売りですね。
(同じかな?でもこっちは「邦国ではよくある話」……)

>>406
>弓と槍で十分だと思うんだがなぁ
 本編ですらマスケット大量装備してますからねえ。
 帝國との戦争が続けば、直ぐにミニエ弾も登場するでしょう。
 後装式とかガトリングガンだって、そう遠くない将来(数は兎も角)登場するに違いありません。
 ……それからウン十年ですからねえ。
 流石に厳しいかと。



 ではSS投下。

419くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/26(水) 13:04:39 ID:LyPPIJW.0
帝國召喚if「繁栄の光と影」中編

 ホラズムは楚漢時代の巴蜀すらも楽園に見える程険しく、荒れた地である。
 その峻険さは天然の要害として、外に対してだけでなく内に対しても効力を発揮している。
 故に、出国するには12ある国道の内、何れかを利用しなければならなかった。(*1)

 任地へと赴くべく、多くの補充兵達と共に駐屯地を出たカリムは、行軍7日目にしてようやく理事国が一つであるクンドゥズ土侯国に辿り着いた。

――――クンドゥズ土侯国。

 12の国道は、全て何れかの理事国に通じている。
 しかも各理事国はホラズム最外縁に位置し、国の出入り口を塞ぐ形となっている。
 言わば、国を出る為の最終関門だった。
 ……これは偶然ではない。

 各理事国は、ただ連合政府の要職を独占して政治を動かすに止まらず、他にも多くの役割を担っている。
 例えば――
 ホラズムを12に分けた地域の筆頭土侯国として、それぞれ地域内の他土侯国を管理する。(前回の話に出てきた、配給物資の分配もその一環だ)
 ホラズムと外界を通じる道、その最外縁に在り、その出入国を管理する。
 ――等、どれも重要な任務である。
 ことに出入国管理は最重要任務であり、理事国はホラズム人・他国人を問わず、その出入国を厳しく制限していたのである。

420くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/26(水) 13:05:55 ID:LyPPIJW.0
「止まれ!」

 クンドゥズに入ろうとした瞬間、厳しい誰何が飛び、行軍が止められた。
 ……クンドゥズ親衛隊だ。
 12理事国内には国軍は駐屯しておらず、“親衛隊”なる各土侯国の私兵集団が警備に当たっている。
 そして、入国するには一般人はおろか国軍ですら、一々許可を得ねばならなかった。

(おい……隊長殿って大尉だろ?向こうは少尉なのに、なんでぺこぺこするのさ?)

 隊の指揮官がわざわざ騎竜を降り、頭を下げながら許可証を手渡している。
 対する親衛隊の隊長は、ふんぞり返っていて傲慢不遜そのものだ。
 その光景に目を丸くし、カリムは仲間の耳元で囁く。
 と、仲間の方は苦虫を噛み潰した様な表情で、カリムの耳元に返した。

(同じ理事国民同士ですら、親衛隊の方が一段上なんだぜ?うちの隊長は非理事国民だから、実質二階級下さ)

 つまり、親衛隊少尉は理事国民の国軍中尉か非理事国民の国軍大尉に匹敵する、ということだ。
 が、納得できないカリムは更に囁いた。

(それでも、同位同士だろう?)
(お前は本当に馬鹿だなあ……相手は親衛隊の将校様だぜ?大隊長殿だって平伏するさ)

421くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/26(水) 13:07:19 ID:LyPPIJW.0
「第3軍の補充隊か……よし、通れ!」

 その声で、二人の密談は中止された。
 見ると、親衛隊の隊長が顎をしゃくり、隊長に命じていた。
 隊長は敬礼し、再び騎竜する。
 ……が、その表情は軍帽に隠れ、確認することはできなかった。

 こうして、隊は行軍を再開した。
 親衛隊の銃は、最後までこちらに向けられたままだった。



「うわ……」

 行軍中に次々と目に入る光景に、カリムは目を丸くした。
 他の新兵達も同様で、皆目を丸くしている。

 クンドゥズの家々はどれも小奇麗で、人は肥えている。
 ……そして何より、隊を横切る羊の群れ。
 カリムの知る限り、クナルでは多くの家が痩せた鶏を一組も飼うのがやっとであり、それすらできぬ家――かくいうカリムの家もその一つだ――も少なくない。羊や牛を飼うなんて一部の裕福な家だけだ。
 クナル中の牛や羊を集めても、この群れ一つにすら敵わないのではないだろうか?

 ――目に見える範囲内でこれ程いるということは、一体全部でどれ位いるのだろう?

 そう思わずにはいられない。
 あからさまな格差を見せ付けられ、カリムは気分が悪くなった。

422くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/26(水) 13:08:26 ID:LyPPIJW.0
 ペッ!

 思わず、唾を吐き捨てた。
 注意する者は、誰もいなかった。



――――ホラズム国境周辺。

 クンドゥズに入領して丸2日後、隊はクンドゥズ……というよりもホラズム国境に辿り着いた。
 橋を越えれば国外だ。
 が、橋を渡り終えたカリムは、目の前に広がる光景に目を丸くした。
 ……クンドゥズの時とはまた別の意味で。

 ――これじゃあ、クナルの方がマシだよ……

 生まれて初めて見る国外は、一面の荒野だった。
 道すら、無い。

 ――こんなところで脱落したら、死ぬなあ……

 道なき道をひたすら歩きながら、カリムはぼんやりとそんなことを考えた。
 もう強行軍も10日目である。疲労も蓄積し、足も棒の様だ。(何せ、テントすら張れない野宿続きである)
 本気で脱落者が出てもおかしくない。
 が、行きも帰りも判らない。もしはぐれたら、さ迷い歩く内に水筒の水が無くなり、飢えるより先に乾いて死ぬだろう。

423くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/26(水) 13:09:33 ID:LyPPIJW.0
 ――それは、イヤだなあ。

 座り込みたくなる衝動を必死で押さえ、カリムは歩き続ける。
 ……実のところ、彼等ホラズムの民は(次男以下ですら)それほど自らの境遇を嘆いていなかった。

 やはり、食える、ということが大きいだろう。(これを保証されているだけでも、邦國最貧国の民より遥かに恵まれている!)
 女は兎も角、男は次男以下でも軍に入れば食えるのだ。
 それに、必ずしも戦死する訳でもない。
 そもそも、長男長女とてちょっと大きな怪我や病気をすれば、死ぬ。
 特に女は、出産時に死ぬ可能性が少なくない。だから、死ぬ年齢に(統計上は)大きな差が無い。
 『ならば、“可能性”のある軍も悪くない』――そう考える者だって、少なからず出てくるのだ。

 無論、これはあくまで男達の視点である。
 売られていく女達には、また別の見解があるだろう。
 が、悲しいことに、まだ幼い内に消えていく彼女達にその不当を訴える手段は無い。
 国外へと売られる訳だから、男達もその末路を実際見ている訳ではない……

 その身の不幸に気付ける程、ホラズム人は物を知っていなかった。余りに、無学過ぎた。
 そして何より、人とは“慣れる”生き物だった。
 故に、ホラズムの民は己の不幸に気付く事が出来なかったのである。

424くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/26(水) 13:10:33 ID:LyPPIJW.0

――――“帝國”大陸鉄道臨時停車駅。

 クンドゥズ土侯国まで7日、
 国境まで2日、
 更に歩くこと5日――都合丸2週間の行軍で、ようやくカリムは“帝國”大陸鉄道の駅舎へと辿り着いた。
 ここで最後の一泊、汽車を待つ。

「へえ〜立派な石を使ってるなあ〜〜」

 ……石ではない、コンクリートだ。

 就寝前の自由時間、カリムは仲間達と共に駅舎を散策していた。
 ……駅といっても荒野の真っ只中にある臨時停車駅なので、無人の粗末なものだ。
 が、ホラズム人から見れば、中々に立派な建物である。
 久しぶりに目にする人工の建造物ということもあり、カリムにはまるで御殿の様に見えた。

「汽車は明日何時来るの?」

「昼前の10時に来るらしい」

「そうか……楽しみだなあ」

 ホラズムには竜以外の輸送手段が存在しない。
 そしてその竜ですら、限られた機会にしか利用できない貴重なものだった。(カリムなど片手で数えられる程だ)
 故に、汽車にのれる、と聞いて少し……いやかなりワクワクしていたのである。

425くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/26(水) 13:11:33 ID:LyPPIJW.0
「……お前、暢気だなあ」

「そうだ、深刻な問題があるんだぞ! ……いやそりゃあ、汽車に乗れるのは楽しみだが」

「と、いうと?」

 仲間の言葉に、首を捻る。
 汽車に乗れるし、もう当分歩かないで良いし、いいこと尽くしではないか。

「カリム……いいか、その足りない頭でよく考えろ。これから汽車で数日だぞ数日」

「車内じゃあ、どう考えたって温食の支給はない。 ……まだ当分、冷たい乾パン尽くしだ」

「うへえ!」

 ……もう丸二週間、乾パン尽くしである。
 それがまだ続くと聞き、カリムもうんざり顔になる。
 が、何か思いついた様な表情をし、口を開いた。

「……あ、でも“帝國”が支給するんだろ?もしかしたら、氷砂糖が入ってるかもしれないよ?」

 何といっても、あの“帝國”だ。それ位してくれだろう。
 もしかしたら、干肉だって期待できるかもしれない。
 が、仲間達はそれを聞き、呆れた様に首を振った。

426くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/26(水) 13:12:24 ID:LyPPIJW.0
「本っ当に馬鹿だなあ……金持ちほど吝嗇なんだよ」

「金持ちになれば財布の紐を締める。締めるからまた貯まってもっと金持ちになる……それが真実さ」

「そう……なのかな?」

「そうさ!クンドゥズ見りゃあ、判るだろう?」

「……そうだね」

 納得し、カリムは肩を落とした。



 ボオオオオーーーー!

 汽車は、翌日の10時ジャストに駅に滑り込んだ。
 その巨大な鉄の塊に、新兵達は皆圧倒される。(あの巨大な黒い鉄塊が向かってくる威圧感!)
 そして何より――

「凄え…本当に時間通りやってきたぜ……」

 その正確さに驚かされる。
 コイツ、何百kmも向こうから来たのだろう?なのに……

 軍隊で多少矯正されるものの、ホラズム人の時間感覚はかなり大雑把だ。(それはそうだろう。何せ時計すらロクに無いし、また必要も無い生活なのだから)
 それ故に、針が10時を指した同時に停車する、という“芸”に驚愕したのである。
 ……尤も、“帝國”大陸鉄道の機械の如き精密なダイヤは、その偉容と並んで全世界のアルフェイム人の驚嘆の的だったが。

427くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/26(水) 13:13:13 ID:LyPPIJW.0
 彼等を運ぶべくやって来た汽車は、帝國大陸鉄道のかつての主役、D62(*2)だ。
 大陸貨物輸送の主力として昭和二〇〜五〇年代にかけて全世界で活躍したタイプである。
 が、現在では流石に老朽化し、二線級以下……どころか稼動状態にある車両を探す方が難しい状況だった。
 要するに、レア(或いはオンボロ)、ということだ。 ……まあそれが喜ぶべきことかどうかは判らぬが。

 カリム達は整列し、貨車へと乗り込む。
 貨車の前後には警戒車が連結され、鉄道警備隊が乗り込んでいた。



 汽車が動き出して暫くすると、早めの昼食が配給された。
 が、渡されたのは乾パンの袋ではなく、茶色い箱(*3)だった。
 あちこちで疑問の声が上がる。

「何だ、これ?」

 カリムとその仲間達もやはり首を捻る。
 紙包みの乾パンにしては――

「おい!缶詰が入ってるぞ!」

 箱を開けた仲間が驚き、声を上げる。

「うそっ!? ……本当だ」

 中には、大きさも様々な4つの缶詰。先割れスプーンやナプキン、醤油や塩といった調味料まで入っている。
 これが昼食!?携行食の!? ……嘘、だろ……

428くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/26(水) 13:14:52 ID:LyPPIJW.0
 彼等ホラズム兵にとり、携行食といえば乾パン以外に、ない。
 ましてや缶詰など、記念行事のときに出される“ご馳走”だ。
 恐る恐る、缶を空ける。

「こりゃあ……」

 絶句する。
 一番大きな缶詰には、具がたっぷりと入った麦粥。
 2番目の大きさの缶詰には、乾パンと氷砂糖。
 3番目の大きさの缶詰には、果汁ジュース。
 一番小さな缶詰には、コーンビーフ。

「……凄いや」

 これはもう“旨い”ではない、“凄い”である。

 麦粥を一口啜り、カリムは目を丸くした。
 具は豆や野菜だけでなく、肉までゴロゴロと入っている。
 今まで食べてきた麦粥とは異なり、全ての材料が贅沢に使われているそれは濃厚な味わいで、しかもよく腹にたまる。
 今度は乾パンに噛り付くと、今度は芳醇な甘みが口の中に広がっていく。 ……コーンビーフに至っては言葉も出ない。凄い、凄過ぎる。
 カリムは夢中で食べた。

 腹がくちくなると、背嚢に寄り掛かり目を閉じる。(彼等には一人半畳のスペースが与えられている)
 そして、ふと思いだした。

429くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/26(水) 13:16:01 ID:LyPPIJW.0

 『“ボトムズ”が……(*4)』

 食糧配給時に現れた、獣化した獣人兵達を引き連れた将校は、確かそう言った。
 そして、獣人兵達と笑いあっていた。
 ……あれは、どういう意味だろう?
 初めての経験に、カリムは首を捻る。
 その言葉の意味も、彼等の態度も、全く理解できなかった。
 が、それはかつて彼の、いや彼等の先祖が散々受けた仕打ちだった。

 かつて、彼等流民は人と見做されず、獣の様に扱われていた。地元民に嬲り殺されることすら珍しくなかった。
 が、“帝國”の世となってからはホラズムに隔離され、良くも悪くも外界から隔離された。
 それから、早50年。
 今まで外界から他者がいないから、面と向かって差別されたことはない。
 配給があるから、ある程度働けば少なくとも飢えて死ぬ心配は無い。
 ある意味、彼等は“温室”にいたのである。
 それ故に、その底知れぬ悪意に気付くことが無かったのだ。
 ……少なくとも、今はまだ。

430くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/26(水) 13:16:37 ID:LyPPIJW.0
*1 ――――『故に、出国するには12ある国道の内、何れかを利用しなければならなかった。』――――
 他のルートも無くは無いが、全て荷車の使用すら不可能な道なき道である。
 加えて途中の補給も見込めず、必然的に水や食糧を始めとする全ての物資を背負っての踏破となる。実質不可能と同義語だろう。
 ……まあそれ以前に、必須たる地図が手に入らない――ホラズムの地図は一般人には手に入らない――だろうが。
(仮に手に入ってもホラズム人の場合、その大半は文盲で地図どころか文字すら読めない)

*2 ――――D62――――
 転移後、D51を上回る性能と生産性を確保すべく開発された本国用のD52を、大陸広軌(1575㎜)に合わせて拡大改良した“化け物”。
 その大牽引力を最大限に活かし、大陸における物資輸送に活躍した。

*3 ――――茶色い箱――――
 携行用の軍用糧食、その一食分である。(ただ“帝國”軍の糧食は現在、より簡便なレトルトパウチが主流になりつつあるため、少し古い生産年のものと推測される)
 文盲のカリムには判らなかったが、箱には様々な文が印記されていた。その中に「第五区地域用」なる一文があった。
 これは帝國領全域を区分した内、五番目の区に住む住民用、という意味である。
 様々な種族・人種を抱える“帝國”は、食事一つとっても様々な工夫を必要としていたのだ。

*4 ――――『“ボトムズ”が……』――――
 ホラズムをもじった、ホラズム人に対する侮蔑語。
 「最下層共」「最低(ボトム)の野郎共」といった意味だろうか。
 単語から察するに、“帝國”人が広めたと思われる。
(一説では、人とすら見做していない、とすらある)

431くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/26(水) 13:17:59 ID:LyPPIJW.0
SS投下終了。

432名無し三等陸士@F世界:2008/03/26(水) 14:38:15 ID:Il9dO2Oc0
GJ!
なんとなくロンさんのケーキの話を読み返してしまった。
しかし最後の晩餐? だのと考えてしまった俺歪んでるなあ……。

433名無し三等陸士@F世界:2008/03/26(水) 15:22:15 ID:aDYePWRo0
>獣化した獣人兵達を引き連れた将校

まさか奴か? 奴がまだ生きているのか!?w

434名無し三等陸士@F世界:2008/03/26(水) 17:13:41 ID:Usdm0btQ0
俺達、気がつけばボトム's!?
っていうどっかのアホ漫画のセリフ思い出した

435名無し三等陸士@F世界:2008/03/26(水) 17:28:27 ID:EVRTpFjs0
>>433
なっつかしいネタだなぁw
ってか「奴」が生きてたら何歳だよ?w
いい加減現役引退してるだろ・・・・してるよね?

436名無し三等陸士@F世界:2008/03/26(水) 17:49:11 ID:ImfJ0QBk0
最初、「奴」が誰のことを言ってるのか分からなかった。
本編・外伝合わせても該当しそうなキャラと言えば有馬子爵? 黒部大尉? 稲葉なわけないし……?

――!? そうか、「奴」か!! いい加減自重してくださいクソワロタwww

437名無し三等陸士@F世界:2008/03/26(水) 18:52:02 ID:FH.PlnVk0
>>435
獣人連れてるって事は異世界の魔神食っちまったヴァージョンってことぢゃ?
なら、老いていないのは間違いないww

438名無し三等陸士@F世界:2008/03/26(水) 19:09:12 ID:6ZfEORuo0
>帝國語がわからない
会話ではなく、帝國文字、つまり文盲ではないと言う事でした。
邦国平民は、帝國語については読み書きできず、自国文化圏の
読み書きができる程度ではないかと。

439名無し三等陸士@F世界:2008/03/26(水) 19:27:58 ID:kx.1QN9w0
投下乙です。
ダイヤ厳守なところに、日本の几帳面さというか、真面目さが現れてて嗤っちゃいました。
しかし、かつての被差別民族だった獣人も、この時代になると立場逆転しちゃってますね。
ホラムズみたいなところで隔世遺伝の獣人が生まれたりしたら、
マケドニア送りになったり帝國に回収されたりして勝ち組になっちゃうんだろうなw

440439:2008/03/26(水) 19:28:40 ID:kx.1QN9w0
あ、「嗤う」じゃなくて「笑う」です。すみません。

441名無し三等陸士@F世界:2008/03/26(水) 21:16:59 ID:wer/eVWc0
逆に帝国内の差別は消滅していそうだ。
なんたって全員「神が認めた帝国臣民」だもん。

442名無し三等陸士@F世界:2008/03/26(水) 21:22:02 ID:0vPzRhH20
スコープドックの登場はまだですかwktk

くろべえさん投下乙です。ボトムズ笑いましたw

443名無し三等陸士@F世界:2008/03/26(水) 21:55:51 ID:kx.1QN9w0
>>441
ちょっとデリケートな話題になるけど
転移出来なかった朝鮮人はともかく、Bの人たちの扱いって帝國内ではどうなってるだろうなぁ

444名無し三等陸士@F世界:2008/03/26(水) 22:13:27 ID:6ZfEORuo0
帝國内でも四民平等でなくて、爵位の増設みたいに
かえって身分制を強化したんだから、外地でならともかく
内地では、かえって厳しくなってると思うぞ。
ま、迂回ルートとして貧家出身でも帝大卒とかがある分マシかもしれんけど。

爵位持ち階層内でも、歴史とか譜代・外様とか色々あるでしょうし。

445名無し三等陸士@F世界:2008/03/26(水) 22:47:34 ID:BSbuSQCQ0
>>441
身分がそのまま権益につながるので、
階級や差別はさらに過激化してるんじゃないだろうかと
たぶん、就職や結婚で、階級による合否がきまったりするんでないか?

イギリスなんて、いまだにオックスフォードやケンブリッジは貴族優先になってるし

…ただ、被差別なかたがたも、働かなくても食える身分ではあるでしょうなあ

446名無し三等陸士@F世界:2008/03/26(水) 23:18:04 ID:fqyHfca20
>443
転移して数年は慢性的な労働力不足だったから
経済的な困窮からは抜け出せた人も多いんじゃないかな

後は神州大陸に開拓民として移住して心機一転するか

まぁ元々Bの数なんて国民の総数から見れば少ないから
国全体に金が回れば徐々に教育を受けて
抜け出せる(あくまで一般市民レベルだろうけど)人も多いんじゃないか

447名無し三等陸士@F世界:2008/03/26(水) 23:21:32 ID:BSbuSQCQ0
現代社会でも、Bの方は自分から主張しない限りは分からない状態ですよね。
移住して2代過ぎるともう無理

でも、その分名家はそのまま、その他一般庶民が階級的に落ちていく、
ってのが今現在進行形でおこってることですが。

特に、就職氷河期のとき、名家か庶民の出か、
ってのはそのまま就職の合否に直結しましたからな
逆に家名だけの無能を切れなくて困ってる、ってのが今の大手企業

448名無し三等陸士@F世界:2008/03/26(水) 23:29:20 ID:J7kYh./c0
まーでも、さすがに小作制度も消滅してるだろうし昭和初期より本土の差別は緩和してるんじゃない?
帝國の豊かさから言って一般人は今の日本人より恵まれてるんじゃなかろうか。
元々本国人の総数って異世界人より全然少ないという中で、さらに本国人の中で身分制度をガチガチにして
しまって本国の求心力が低下するいうのが最悪のパターンだと思うし。

449名無し三等陸士@F世界:2008/03/26(水) 23:32:56 ID:BSbuSQCQ0
>>448
どうだろう、今の日本と同じで、企業や政府、それにかかわれる人だけが富でウハウハで、
庶民は豊かというほど豊かさをかんじられてないんじゃないだろうか
と、稲葉の話を利いてて思った。

敗戦後の資産没収、再シャッフルもないなら、
共産主義や民主主義(!)なども根強く残ってるでしょうな

450名無し三等陸士@F世界:2008/03/26(水) 23:33:14 ID:J7kYh./c0
>>特に、就職氷河期のとき、名家か庶民の出か、
>>ってのはそのまま就職の合否に直結しましたからな
>>逆に家名だけの無能を切れなくて困ってる、ってのが今の大手企業

これまじ?w
うち一応一部上場の大手だけど、んな話聞いた事ないよ、、、
名家とか言われても「それ何?食えるの?」みたいな感じですよ
週刊現代とかに乗ってる眉唾記事じゃなくて?

451SARU ◆CXfJNqat7g:2008/03/26(水) 23:39:28 ID:lKlzm25Y0
北海道の先住民族については熊人がらみでプロット考えてるところです
できれば週末あたりに

452名無し三等陸士@F世界:2008/03/26(水) 23:44:49 ID:fqyHfca20
>>450
俺の知っている範囲じゃあ縁故採用はあっても
名家だからって理由で採用した例なんてねーな

そのあたりが話題になるのは縁談による業務提携とかその類だし
組織的な話じゃなく家同士の話だしな

453SARU ◆CXfJNqat7g:2008/03/26(水) 23:46:52 ID:lKlzm25Y0
『名家の経営者/重役による縁故採用』では?

454名無し三等陸士@F世界:2008/03/26(水) 23:51:56 ID:J7kYh./c0
いあ、縁故採用なんかはあると思うけどさ、別に経営陣は名家ってわけじゃないし。。。
てか、今の日本の経済界ってほとんどは戦後に成り上がってきた人たちじゃない?
名家を華族と定義するとしたら、元華族の旧家で大手企業を一族経営するパターンが
日本にごろごろしてなきゃ>>447の発言と合わないと思うが。。。

455名無し三等陸士@F世界:2008/03/27(木) 03:45:00 ID:BSbuSQCQ0
>>454
名家、ってのは言い過ぎた。
でもまあ、地方の旧家など出自がはっきりしてる人と、
そうでない、普通のサラリーマン家庭出身者で、
採用で区分けしてたのは実例で知ってる

名家採用で、リストラできずにっちもさっちも行かなくなった
有名な実例といえば日本航空だよな。
他に三井や住友などの財閥系も、いろいろあるかな。

まあ、日本の内部にもそういう門閥的採用・人事がのこってるといった話でした

456名無し三等陸士@F世界:2008/03/27(木) 07:17:11 ID:HwNsgXOE0
>>455
そんな話聞いた事もないよ
てかさ、多くの人が初耳だっていってるんだからソースくらい提示しなさいよ
あなた前にも脳内設定で「帝国は中堅国に核を使用しているはずだ!」って垂れ流してたしさ
およそ常識からかけ離れた発言をして人を混乱させるなよな

457名無し三等陸士@F世界:2008/03/27(木) 08:35:52 ID:BSbuSQCQ0
>>456
ええと、日航と三井の話は海外のニュースサイトでよんだかな
ちょっとURLは失念してるが

まあ、断定口調ばかりだったのは反省、申し訳ない

が、あえて言わせてもらえば、地政学的視点から見れば核はあれば使われて当然なんだよ
他国と国力が圧倒的にかけ離れてて、国内世論以外のペナルティが皆無に等しいからね
冷戦¥期で使われなかったのは、報復の恐れと天稟にかけた末での判断に過ぎない
※現実でにも、朝鮮戦争時に核を使うかどうか遡上に上がった
中国は、チベットの都市に核実験と称して核を使ったんではないかという疑惑は
今でも上がり続けてる

458名無し三等陸士@F世界:2008/03/27(木) 08:52:08 ID:6KZVl8Ds0
妄想と現実の区別が本気で付いてないみたいだなw

459名無し三等陸士@F世界:2008/03/27(木) 09:31:24 ID:.FtqMwWY0
帝国が中堅国に核を使っちゃダメなの?(´・ω・`)

460くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/27(木) 09:54:31 ID:LyPPIJW.0
>>432
 432様、有難うございます。

>なんとなくロンさんのケーキの話を読み返してしまった。
 同じ光景でも、あれとは大違いですよね。
 “帝國”は決して万人に平等でない、という証拠でしょう。
(同じ被差別民である獣人に対しては、あれ程優遇しているというのに……)

>>433
 氏は……どっかで大往生してるのではないでしょうか?
 ……講談の大久保彦左衛門みたいに「陸軍のご意見番」なんかになってた
らイヤだなあ。

>>439
 439様、有難うございます。

 “帝國”大陸鉄道は海運と並んで“帝國”物流の中核であり、膨大な人と
物を日夜運んでおります。
 きっと豪華な寝台列車による世界一周とかもあるんだろうなあ。
 オリエント急行なんて目じゃない……

 ……なんか銀河鉄道999の銀河鉄道管理局を思い出してしまった。
 カリム、C62に乗りなさい……

>>442
 442様、有難うございます。

>スコープドックの登場はまだですかwktk
 スコープドックは登場しませんが、ぺラい装甲、誘爆しやすい弾薬配置、
人間工学よりもコストを優先した設計の戦車モドキなら。
(某重工が邦國向けに開発した激安の戦車(っぽいもの)。主に暴動鎮圧とか
ゲリラ狩り向け。おかげさまでロングセラー)

 60式106mm無反動砲に、無反動砲の代わりに砲塔を載せたみたいな外見を想
像して下さい。

461名無し三等陸士@F世界:2008/03/27(木) 12:35:40 ID:rnieKo0I0
>>459
>帝国が中堅国に核を使っちゃダメなの?(´・ω・`)
人道的にはまずい。
国家戦略としては理由と状況次第。

462名無し三等陸士@F世界:2008/03/27(木) 12:41:11 ID:rnieKo0I0
追加
帝國が核を、文明国(と帝國が認めた相手)に使った経験が無いなら、
使用する際の心理的・政治的ハードルはかなり低いと思われる。

463名無し三等陸士@F世界:2008/03/27(木) 16:31:00 ID:bJFcWGuQ0
核の最初の一発なんて当事者にすれば
規模の馬鹿でかい爆弾って意識しか無いと思うよ

核の冬とか残留放射能とか非戦闘民どころか根こそぎ消去なんてこと

一部の開発者以外 想 像 の 範 囲 外 だと思うよ

冗談みたいな威力なんだから

464名無し三等陸士@F世界:2008/03/27(木) 18:11:26 ID:EVV0x4N.0
マンハッタン計画の当事者達も、広島に投下するまでは「他の爆弾よりちょっと威力が大きい爆弾」程度の認識でしたからね
人間は自分の経験や常識でしか物事を計ることができないので、あの(当時の)常識外の威力を予測しろというほうが無理な話なのだが…

465名無し三等陸士@F世界:2008/03/27(木) 18:16:28 ID:CpYRb9F60
でも、マンハッタン計画の予算考えたら「他の爆弾よりちょっと威力が大きい爆弾」程度のものじゃ上は納得しないと言う
位わかるだろうJK

466名無し三等陸士@F世界:2008/03/27(木) 18:24:34 ID:J7kYh./c0
てか、核を投下としたエピソードも無いのに「中堅国に核を落としているはず」とか断定しているから叩かれるのでは?
核を落とす背景も何もないのに、「とりあえず持ってたら中堅国に使うはずだ」って、、そりゃ決め付けってもんですよ。
批判している人は別に「帝國が核を使うはず無い」って言ってるわけじゃなくて、「なんで作中に描写が全く無いのにいきなり断定する???」ってことなんだろうね。

467名無し三等陸士@F世界:2008/03/27(木) 18:43:38 ID:omfOzYoU0
戦争中でもない、向かうところ敵無しの超大国が
実験もしないで、いきなり使うと考えるとこが厨房。

それに、帝國には「処刑人」と呼称される富獄の末裔がいたはずだし。

どっかの邦国が反乱をおこしたら、周辺邦国に「領地割譲OK」
「手柄を立てれば爵位授与考慮」で、必要以上の兵力を得れると思う。
かのアリマ子爵も「将をうてば騎士にしてやるぞ」の一言で
なで斬りを行なったではありませんか!

468名無し三等陸士@F世界:2008/03/27(木) 18:44:43 ID:5tq78LWQ0
あったら使うだろ
アメリカだってソ連だって報復が恐ろしくて使わなかっただけなんだから

469名無し三等陸士@F世界:2008/03/27(木) 18:59:37 ID:rnieKo0I0
米軍は初期の核実験で、爆心地に歩兵を投入して兵士を白血病にさせたりしてたな。
多分帝國も似たような事やらかしてるだろうな。
残留放射能の脅威なんて認識してないだろうから。

470名無し三等陸士@F世界:2008/03/27(木) 19:09:29 ID:pz6qagTw0
詳細知ったら、少なくともこの作品内の昭和帝は安易に使うのを止めさせるんじゃないの?

471名無し三等陸士@F世界:2008/03/27(木) 19:31:58 ID:9EmZMaZk0
ただでさえ竜がうろついているアルフェイムで下手に核を使ったら怪しい獣大発生だろJK

そして稲葉大歓喜

472名無し三等陸士@F世界:2008/03/27(木) 19:32:39 ID:aRnWFFLc0
下手すりゃ、稲葉による平行世界情報でようやく詳細がわかった・・・なんて事態もありうるな。

473名無し三等陸士@F世界:2008/03/27(木) 20:00:44 ID:rnieKo0I0
ゴジラが帝都に上陸か。
ゴジラVS連合艦隊なんてSSがどこかのサイトにあったな。

474名無し三等陸士@F世界:2008/03/27(木) 20:14:08 ID:bwijXK9I0
>>あったら使う

ナイフ持ってたら人を刺したくなるのかい
拳銃を持ってたら人を撃ちたくなるのかい

475名無し三等陸士@F世界:2008/03/27(木) 20:28:54 ID:omfOzYoU0
まず、実験だろうなぁ・・・
が、必ずしも緊急に大量配備が必要な状況じゃないので
製造予算とかで、陸軍の装備とか海軍の艦艇とかとの
兼ね合いで、そんなに簡単に使えないと思うぞ。

「最終兵器」扱いの”御神体”になりそうな気がしないでもない。

476名無し三等陸士@F世界:2008/03/27(木) 20:34:49 ID:pz6qagTw0
「あったら使いたくなる」と「あったら使う」では、意味は似て非なる物だしね

477名無し三等陸士@F世界:2008/03/27(木) 20:45:57 ID:55XpGFAo0
核兵器を作る事、配備して命令があれば即座に使用できる用にしてはおく
事には重要な意味はあるがあくまで1つの「手段」に過ぎないのは確か。

478名無し三等陸士@F世界:2008/03/27(木) 21:00:51 ID:55XpGFAo0
実際問題ホラズムは国としての実情(強制労働キャンプもどき)は
さることながらやっぱりぎりぎり最低限度の食料が供給されている
のが大きいのでしょうな。
後、情報を極度に制限された環境(先進国の生活などの情報)にあるのも
国民を制御するのに一役買っているんでしょう。

それはともかく時刻表通りに列車(電車)がやって来るというのはありがたい
ですね。
欧州でダイヤが正確なのは独逸くらいでしょうし、スペインの鉄道は定刻
通りにやって来ないことも多かったですし(20年近く前の話ですが)。
この辺りはさすが日本人だからでしょうか。

479名無し三等陸士@F世界:2008/03/27(木) 21:37:39 ID:55XpGFAo0
>コストを優先した設計の戦車モドキなら。
人間工学無視という言葉を見ると「九五式軽戦車」を連想させますな。
実際の話今まで戦車なんて見たことも乗ったことも無い人間からすれば
そんな2号戦車レベルの代物でも「これはこんな乗り物なんだべ」で
片付けられそうですね。

480名無し三等陸士@F世界:2008/03/27(木) 21:48:42 ID:XHKcPrY20
>>474
自分はナイフや銃などは社会的に報復されるのが怖いから使いませんよ
もちろん倫理的にも使いたくありませんし
でもそれは戦後教育の現代日本人の考え方ですよ

481名無し三等陸士@F世界:2008/03/27(木) 21:58:53 ID:rnieKo0I0
そもそも核の惨禍を知る前に、核の使用を自重するとも思えんが。
今の日本の反核感情も広島・長崎の悲劇を経て形成されたものだし。

482名無し三等陸士@F世界:2008/03/27(木) 22:08:54 ID:q7Ur.MV.0
>>480
>でもそれは戦後教育の現代日本人の考え方ですよ

江戸時代だって武士の切捨て御免なんてのは建て前で、実際は制限厳しかったんだが。

483名無し三等陸士@F世界:2008/03/27(木) 22:14:56 ID:.W8KCj3U0
考えてみてよ
刀作った職人は紙や藁で試し切りするし、鉄砲作った職人は板を狙って試し打ちするだろ。
技術者ってのは本当に完成したかどうかを実際に試すものだよ。
たとえ人の命は奪わなくともどこかで実験を行っているはず。

484名無し三等陸士@F世界:2008/03/27(木) 22:20:05 ID:BSbuSQCQ0
人間の制限ではなく、圧倒的な力の格差を持った国家が、
その力を行使するか否かってのは明らかに違うよ

帝国は、今のアメリカ以上に圧倒的なテクノロジーや軍事力の格差をつけてるから
たとえ反発されても報復手段は限られますよ
むしろ反発を上回る恐怖を植えつけ、帝国に逆らえなくするメリットの方が大きいでしょう

だから帝国の意に従わない国一つを核で全滅させるデモンストレーションを
アルフェイム世界の権力者に見せてしまうほうが、
帝国に逆らうと国から根こそぎ消すよ、って警告になるんじゃないかと見ます

人間として最低限の常識さえもってれば(宗教による洗脳を除く)
国1つ消し飛ばせる帝国に楯突くこと自体無意味なことだと分かりますからね

485名無し三等陸士@F世界:2008/03/27(木) 22:23:28 ID:ZnBA5BnE0
お前ら構ってちゃんの春厨に付き合いが良いな。

486名無し三等陸士@F世界:2008/03/27(木) 22:30:24 ID:omfOzYoU0
予算とか、帝國って景気が良くて外敵がいなければ
それなりに温厚と言う前提条件を無視しているしなぁ・・・・
戦争中でもなければ、軍も世論に気を使っていたんだが

487名無し三等陸士@F世界:2008/03/27(木) 22:32:01 ID:0H.P1Tto0
机上の理論だけで人間が動くと思ったら大間違いだからな

488名無し三等陸士@F世界:2008/03/27(木) 22:35:36 ID:jIUAS9F20
まあ、「お披露目」はしとかないと外交上の価値が低下する。
おまけに実戦での評価も欲しいだろうしね、多額の予算を次ぎ込んでいて使わないほうが国家として不健全な気がするなあ個人的には。
とはいえ、大和みたいに秘密兵器化してしまうという勿体無い事をしかねないのが日本の可愛い所w

489名無し三等陸士@F世界:2008/03/27(木) 22:46:23 ID:55XpGFAo0
そういや、平成時代の獣人向けの武装それもマケドニア向けのは
マケドニア国内でライセンス生産されてるんでしょうか?
それともあくまで帝國製のをマケドニア側が輸入しているのでしょうか。
獣人は肉体的な能力がかなり上なので歩兵向けの装備も頑丈に作られて
いるのでしょうね。

くろべえさんに質問なのですが>310にあったロッシェル王国出身のフォール
・ボネー氏なんですがこの人は平民なのでしょうか?
帝國大学に教授職を持っているという事からするとロッシェルの出だと
してもただの人というわけではなさそうなんですが60年経って帝國に近
しい邦國の中には教育の門戸を広げた国もあったんでしょうか。

490名無し三等陸士@F世界:2008/03/27(木) 22:48:41 ID:slWT8wvs0
 まあ、実証実験はやっただろうな。
それを公開したかどうかは、その時の帝國の状況に左右されると思うけど。
あと、この世界で帝國が核を必要とするようになる要因が何であるかによって、
開発時期も変わりそうだ。
旧版のレムリア(or列強)並のレベルの敵であれば、
決戦兵器としての核は必須ではないだろうしなあ。
それよりもっと五式戦や烈風を作れやゴラァ!って現場の声も強いだろうしさ。

491名無し三等陸士@F世界:2008/03/27(木) 23:00:17 ID:omfOzYoU0
連合艦隊をもう一個作れるだけの予算と資材を、成功するかどうかも
わからん新型爆弾に・・・・
とりあえず、予算争奪戦争を勝利してからじゃないと造れないと思うぞ。

492名無し三等陸士@F世界:2008/03/27(木) 23:09:14 ID:rnieKo0I0
そこまでして作った兵器を飾り物にしようものなら、
議会や他の部署から突き上げ喰らうな。
それを避けるには目に見える「実績」を挙げる必要がある、と。
官僚の論理だが。

493名無し三等陸士@F世界:2008/03/27(木) 23:32:24 ID:Tr6B9fdQ0
>>成功するかどうかもわからん新型爆弾に・・・・
成功するかどうかも(判断をする側が)理解できない新型爆弾に・・・・
に訂正したら?

飾り物にする必要はないだろ、市販小説で核使用の肯定はある種の宗教モドキのターゲットにされるから自主規制されてるけど。
決戦兵器などと自己自縛せずにかるーく使っていけばいいんだよ。ちょっとだけ威力の大きい爆弾だよ。

494名無し三等陸士@F世界:2008/03/27(木) 23:49:35 ID:Tr6B9fdQ0
自分が面接官の場合
1、親が公務員の家庭の子
2、親が無職またはヤクザ、新興宗教の子
3、小企業サラリーマンの子

何か就職後に面接を担当した新卒が問題を起こしたとき責められにくいという消極的理由なだけ。
銀行やクレジットカードの融資額は社会的信用のポイント化で決まるのだから、
職業に貴賎はない、親は親子は子といっても社会上の信用度の価値観はある程度一定のものがあるということです。

495名無し三等兵@F世界:2008/03/27(木) 23:56:09 ID:oCcNuPp20
くろべえさん、投下乙です。

帝國大陸鉄道の記述がより詳しく出ましたね!
軌間は1575mmですか。きり良く1600mmにするかと思いました。
地球世界に存在しない幅を選んだのかな?

機関車が「D62」ということは、帝國大陸鉄道は満鉄より鉄道省式な部分があるのかな?
しかし、この軌間だと、D52のボイラーでもスマートに見えるのだろうなあ。

また、車両も、三等車だと通路を挟んで3人掛けが出来そうだなあ。
戦車などの車両輸送も、余裕ですね(車幅4m超は普通に積めるはず、…そんなデカブツあるか!)。

496名無し三等陸士@F世界:2008/03/28(金) 01:11:30 ID:55XpGFAo0
電化は進んでいるのだろうか?
さすがに帝國本土は電化した方が有利だろうけど、大陸だとまだディーゼル
機関車が主体なんでしょうか。
地球と違い邦國や資源地帯などから石油の供給を受けられるからこちらより
は省エネ対策は緩そうだけど。

497名無し三等陸士@F世界:2008/03/28(金) 02:49:15 ID:PRgysjNs0
流民で一番上手くやったグループの待遇はどうなんでしょ?
早い時期に帝國に臣従してリーダーが優秀でモラルが維持できてて、
他の流民とは別格扱いされるようなグループですが。
それが12理事国なのか、それとも別の待遇なのか?
別とすれば、何か問題点が有るけれど解決できれば開墾可能な
無人地帯に入植してるんでしょうか?

例えば、帝國製の武器が有れば駆逐可能だが無い場合は
戦竜を連れてこなければ対応できない魔獣の群生地とか。
絶壁の谷を流れる川しか水源が無くて生活できないが、
ダムが有れば開拓可能な土地ですとか。
2級河川程度でもダムが有れば2〜3万人程度の小国家なら
維持できそうですし。

498名無し三等陸士@F世界:2008/03/28(金) 04:51:50 ID:BSbuSQCQ0
>>494
就職氷河期のころ人事で選考に関わっていた人にきいたことがあるんですが
あの頃は、有力者からの推薦を、色々理由つけて断ることも人事の仕事だったようです
それでも少なくなかったはずの採用枠がしがらみに縛られ、
本当に採用したい人をなかなか採用できなかったとこぼしてたのを鮮明に覚えてます。

そして、そういう人ほど問題起こす上に辞めさせにくいそうで…大変だ

499名無し三等陸士@F世界:2008/03/28(金) 06:58:46 ID:W5oM6qEY0
若い平社員の権限でやらかす問題<貸しを作った有力者からの見返り
収支がプラスの間はクビにしない。
基本的に縁故採用は重要な部署に配属されない。

500名無し三等陸士@F世界:2008/03/28(金) 08:48:35 ID:aRnWFFLc0
>>496
電化すると維持費の桁が変ってくるし、軍の意向も反映されるんではなかろうか。
弾丸列車計画で東京〜静岡と名古屋〜姫路以外を非電化としたのも軍部の意向
だったし。

D62以降もSL作ってそうな気がします。獣人なんて機関助士にうってつけの人材が
いるし、蒸気ボイラーはいろんな燃料を使えますからね。

501名無し三等陸士@F世界:2008/03/28(金) 10:13:08 ID:5cdVuct20
もし流民が誠実・勤勉で転移初期段階の帝國に好印象持たせておけば平成の世でもこんな境遇には至らなかっただろうなあ。

それはともかく原爆が実用化されるのは転移男でも60年代あたりだとくろべえ氏がおしゃってた気がします。
転移男で60年代だから本編はそれより後かな?
このころの帝國勢力範囲と国際情勢・敵対勢力の種類・残存列強数はどうなってんでしょう?

502名無し三等陸士@F世界:2008/03/28(金) 10:33:44 ID:rA.E4kz60
>>489
東京の某有名プロダクションの偉い人の偽名でないの?

503くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/28(金) 10:46:01 ID:LyPPIJW.0
>>核の実戦使用。
 う〜ん、落とすとすれば軍事的、政治的、科学的な理由が考えられますねえ。

①軍事的
 基本的に通常戦力で十分なんですよね、それにアレ高いし。(数揃えた方がマシ)
 ……エルフの里の結界でもぶっ壊すのにでも使うかな?
 とはいえアレの初期型はデカくて重いから、確かB29でも結構ギリギリだったような気がする……物理的に結構厳しいなあ。
(回避能力が極度に低くなっているから、ある程度の防空能力持ってる相手には……)
 でもまあ、使うとすれば対エルフ決戦?

②政治的
 旧版7-09に出てきた“試製1500㎏貫通爆弾”“試製大型襲撃機”やその発展型で十分な気がします。
 核の示威なら島や山の一つや二つも吹き飛ばせば……
(高度数千mにも達するきのこ雲とか、巨大クレーター見せるだけでも……)

③科学的
 核実験なんかは沢山やってるでしょうねえ。データとかとらなきゃいけませんし。
 その一環として実戦データを欲しがるのは、ある意味当然かもしれません。
 けど、科学的で実際に落とすのは……どうだろう?
 実験だから地形とか季節とか計測手段とか、条件も多いだろうし。
 特に大規模な都市一つ皆殺し、となると相手を探すのが……

504くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/28(金) 10:47:59 ID:LyPPIJW.0
 データを得るには人口の集中している固定目標、都市が最適。規模は10万以上できれば数十万……
 けど、くろべえ世界ではこれ程の都市ともなれば大国の都か、そうでなくともその文明圏の経済中枢の一つ以外にあり得ない。
 これを破壊した場合の経済的政治的損失が大きすぎる……
(要するに、東京や大阪吹き飛ばすようなものなのですよ)

 結論として落としてるかもしれないし、落として無いかもしれません。
 これIFですから、流石にそこまでは考えてない(結論を出してない)のですよね……
 でもまあ、落とすにしてもそう気軽にはできないでしょう。高いし。

 下手すると、冗談抜きで稲葉登場までその悲惨さを知らないかもしれません。
 まあ放射能の恐ろしさ自体は、チェルノブイリみたいに「核実験後の周辺住民の異常多発」とか「核環境下での運用実験による将兵の被爆」とかで嫌でも気付くだろうけど。

505くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/28(金) 10:49:24 ID:LyPPIJW.0
>>489
>そういや、平成時代の獣人向けの武装それもマケドニア向けのは
>マケドニア国内でライセンス生産されてるんでしょうか?
>それともあくまで帝國製のをマケドニア側が輸入しているのでしょうか。
 全て帝國企業によるオーダーメイド(大概元からある兵器をべースとしますが)です。

>くろべえさんに質問なのですが>310にあったロッシェル王国出身のフォール
>・ボネー氏なんですがこの人は平民なのでしょうか?
 裕福な商家(富豪というほどではないが)の出で、私費留学生として帝國に留学しました。
 留学は基本貴族対象ですが、優秀な学生は国費留学できますし、そうでなくとも裕福ならば伝手を使って留学できます。
(時代を経るに従い基準が大幅に緩和されましたし)
 まあ明治時代前半の日本から欧州に留学する様なものですかねえ。
(滞在制限はより厳しいけど、行くだけならこの程度?)

>>495
 名無し三等兵様、有難うございます。

>軌間は1575mmですか。きり良く1600mmにするかと思いました。
>地球世界に存在しない幅を選んだのかな?
 ご指摘の通り、「地球世界に存在しない幅」を意図的に避けています。(ついでに標準軌以上、できれば1500mm以上)
 ……始めは夢大きくインド並の5フィート6インチでしたが、英連邦が同規格列車を多数保有、ということで却下されました。
 まあ採用された規格(約5フィート2インチ)でも一部近い規格が存在しますが、それくらいは仕方が無い、ということで。

506くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/28(金) 10:50:16 ID:LyPPIJW.0
>>496
>電化は進んでいるのだろうか?
 本国はほぼ完全に電化されていますが、大陸鉄道では「電化=新幹線」並の扱いですね。

>>497
>流民で一番上手くやったグループの待遇はどうなんでしょ?
 一部には、れっきとした王国となった所もあります。

>それが12理事国なのか、それとも別の待遇なのか?
 12理事国は単にホラズム流しの際に裏取引した連中です。
 帝國が特に有力な部族を選んで持ちかけたのですよ。

>別とすれば、何か問題点が有るけれど解決できれば開墾可能な
>無人地帯に入植してるんでしょうか?
 そうです。(邦國が本国の協力の下、開墾する場合も多いです)

>>500
>D62以降もSL作ってそうな気がします。
 現在も非電化が主流ですからねえ。(石炭ならどこでも簡単に調達できますし……)
 未だに開発&製作されていますよ。

>>501
>このころの帝國勢力範囲と国際情勢・敵対勢力の種類・残存列強数はどうなってんでしょう?
 IFでは国力も整い、帝國が大攻勢に出た時期、としています。

507名無し三等陸士@F世界:2008/03/28(金) 11:48:02 ID:dzclX93c0
帝國が核使う相手だったら、大陸奥地に行けばいるんじゃね?
普通に相手するには手ごわくて、しかも結構な数がいるようなの。もしくはまさに怪獣としかいえないような非常識ナマモノ。

使った結果、ゴジラ化というのはお約束。

508名無し三等陸士@F世界:2008/03/28(金) 11:54:15 ID:BSbuSQCQ0
核をつかうとするなら、帝国に徹底的に抵抗する国や民族、
ホラズム送りになるレベルで、そこそこの人口のところ
ってところじゃないかな

敵対がきつくて失っても痛手が少なめということで

509名無し三等陸士@F世界:2008/03/28(金) 12:31:32 ID:uB3eO1fk0
>>508
よほどの大国相手じゃないと、一度に吹き飛ばせても数千〜数万程度。
後に残るのは向こう数十年間工作不可能な荒地。

どう考えても費用対効果悪すぎです。本当にありがとうございました。

つかさ、そんなに核が好きなら勝手に核ボンボン使う帝國のSS自分で書けよ。
隔離スレ立てて。

510名無し三等陸士@F世界:2008/03/28(金) 13:54:50 ID:.FtqMwWY0
>>508
豊かな国でも、敵対したのであえて不毛の地に変える、なんて
ことを考える人もいるかもだな。
古代ローマが、カルタゴ跡地に塩をまいた故事にならって。

ただま、俺が一番可能性高いと思うのは
帝国軍の特殊部隊が反乱、核弾頭を奪取→鎮圧に向かった正規軍大部隊に対して使用
って流れ。

一応書いておくが、自分の妄想をくろべえさんや他の十人に強要しようなんて意図は全くない。

511名無し三等陸士@F世界:2008/03/28(金) 14:41:19 ID:C12VuW2g0
『最初の一発』に至る認識であれば、

「今まで実験ばかりだし、とりあえずソレ使ってみね?」
「いやー、一度実戦で使ってみたいよねアレ。見た目も派手だし」
「まぁなんですか。これからの兵器はやっぱコレですよコレ。戦艦とかマジ時代遅れ」

位の方がありえそうな気が。

あとは何処かの邦国が反帝國を掲げて反乱起こした所へをこれ幸いと見せしめついでに使った挙句、
「やんごとなき御方」の微妙な不興を買って関係者一同顔色真っ青になるとか。

512名無し三等陸士@F世界:2008/03/28(金) 15:29:27 ID:V3hTANYk0
>戦艦とかマジ時代遅れ
本来そうなんだろうけど貧乏性の日本がそうそう12戦艦全部破棄できんだろうしどうしてるんだろう。
やっぱアイオワみたいにミサイル積んで適当に使ってるのかな。
未だに艦隊決戦思想引っ張り続けて某ソ連製リヴァイアサンとか魔改造大和みたいに砲戦一直線で強化してたら面白いけど。

513名無し三等陸士@F世界:2008/03/28(金) 15:57:27 ID:55XpGFAo0
>戦艦とかマジ時代遅れ
米軍も湾岸戦争に戦艦持って行ってましたがあまり活躍できていなかった
ですからね。
でも、アルフェイムの場合水域面積も多いし主な文明圏は皆沿岸部周辺
にあるので艦砲射撃主体で使うならまだいけそうな気が。

>鉄道
電化に積極的でない場合は蒸気機関だけでなくて多様な燃料を使える
ガスタービンエンジンの開発が継続されてるかもしれないですよね。
日本の場合アレはオイルショックが原因で量産、実用化が凍結された
のでアルフェイムなら生き残っていそうです。
以前ヒストリーチャンネルで見たフランスのTGVも初期型はガスタービン
駆動だったので機関車+客車(貨車)の組み合わせならなんとかなりそうです。

514名無し三等陸士@F世界:2008/03/28(金) 16:15:47 ID:55XpGFAo0
>核実験
実物の都市でなくてもトリニティ実験のような模擬都市や標的を作ってその
実験を邦國や友好国の首脳陣に極秘裏に公開するくらいでいいんじゃない
ですかね。
勿論記録映像は撮って置くでしょうが、中には信じない人や国もいるかも
しれませんから「新開発の大型爆弾」という触れ込みで宣伝するだけでも
インパクトは違うとは思います。
一定数を配備できるのは帝國だけでしょうが、列強がこれを見たら使い所
が限られていてもとてつもない脅威を感じるとは思います。
使わないにしても作る事配備することには意味はあると思いますよ。

515名無し三等陸士@F世界:2008/03/28(金) 16:16:57 ID:bJFcWGuQ0
戦艦が時代遅れになったのは

大きな要因に火力に対する防御力が追いつかなくなった

電子機器によるリンクによって
多数の中型艦船が一隻の船のように連動した攻撃が出来るよう成った

艦砲の射程よりミサイルのほうが射程が長いし
コンパクトおまけに誘導による命中率が高い

上記が大型恐竜化した戦艦という艦種が絶滅した理由だと思っているけど

この世界じゃあ戦艦の防御力を超える破壊兵器が存在しない以上
平成の世でもまだまだ現役でいけるんじゃないかと思うよ

516名無し三等陸士@F世界:2008/03/28(金) 17:08:59 ID:RST3HdwU0
まあ帝國なら予算獲得のために実績を示すために使ったとか
そんな感じで使われるほうが自然じゃないか?

517名無し三等陸士@F世界:2008/03/28(金) 17:25:46 ID:55XpGFAo0
思ったんですが(アルフェイムにおける)平成時代の帝國って
食料の自給率はどのくらいあるんでしょうかね。
米はこの世界でも自給率高そうですがこれだけ広大な版図を支配している
のですから食料調達のために邦國やら友好国などから食料を輸入もしくは
徴収してそうですけど。

518名無し三等陸士@F世界:2008/03/28(金) 17:34:42 ID:bJFcWGuQ0
>>517
日本の直ぐ隣に
満州よりちょっと小さい程度の
3毛作ができるほど土が肥えて亜熱帯の広大な沃地があるのに
食料を心配する話題が出るとは思わなかったわ

519名無し三等陸士@F世界:2008/03/28(金) 17:50:32 ID:55XpGFAo0
>518
それは転移直後ないし昭和時代の話ですよね。
平成時代になって産業構造の変化や消費生活の変化で求められる食料
自体に変化はあるのかという質問なんですけど。
帝國の力の9割方が本国周辺にあるとくろべえさんが書かれておられた
ので本土と神州島の耕地だけで帝國が必要とする食料資源などが賄え
るものかという趣旨の話なんですが。

520名無し三等陸士@F世界:2008/03/28(金) 17:56:18 ID:bJFcWGuQ0
アメリカの穀倉地帯の大きさと満州の面積を比較してみることから
始めたら良いと思うよ

三毛作や小麦ではなく稲という点も計算に入れたほうがいい

あと食生活は実質そう変わらないと思う
もちろん外地や外洋の変わった食材もあるだろうが
菜食中心の日本人の食生活が
劇的に変わるようなものはいまだに作中に登場していないしな

521名無し三等陸士@F世界:2008/03/28(金) 18:32:05 ID:2842FOa.0
>>520
転移後の粗悪な学校給食のせいで、家庭ではますます和食嗜好と肉への忌避感に磨きが掛かってると思うw

ま、少なくとも、農作物に関しては、耕作可能ならば神州大陸だけで本国の消費分くらいは十分賄えると思う。

522名無し三等陸士@F世界:2008/03/28(金) 18:40:10 ID:2842FOa.0
×耕作可能ならば
○耕作可能な作物ならば

523名無し三等陸士@F世界:2008/03/28(金) 18:40:44 ID:J7kYh./c0
>>510
よくカルタゴを例に出す人いるけどさ、カルタゴとローマの因縁は単に敵対したってだけじゃすまないものがあるんよ。
ローマ側はカルタゴとの戦争で、得にアルプス越えしたハンニバル相手に、当時の人口規模から見て信じられないような死者をだしてる。
それに、イタリア半島の多くの都市は蹂躙されてる。
まぁ、そりゃ塩も撒くわと納得できるわけだよ。

524名無し三等陸士@F世界:2008/03/28(金) 19:31:16 ID:BSbuSQCQ0
カルタゴとローマの故事をしってるからこそ、
あえてその故事まねて、核と言う名の塩をばらまこうとするんじゃないかな
あの軍隊なら

あとでやんごとなき方が科学者と同じく絶望するかもしれませんな

525名無し三等陸士@F世界:2008/03/28(金) 19:34:13 ID:.FtqMwWY0
>日本人の食生活

異世界の食材がどんなふうに取り入れられているのか気になるw
黒田SSで、得体のしれないエビ代用食があったのは知ってるけど、
他にも恐竜っぽい生物の肉とか食ったりしてるんだろうか。

北東ガルム文化圏グルメレポートみたいなタイトルのテレビ番組
とかがいずれ放送されるかもしれんw



>>523
勘違いしているようなので一応指摘しておくが、俺は
「カルタゴの故事にならって邪魔な地域を不毛化しようと考える帝国人がいるかもしれない」
と主張したのであって
「ローマ人がカルタゴに塩を撒いたのだから帝国人は敵対的な地域に放射能を撒くはず」
と主張したのではないぞ?

526名無し三等陸士@F世界:2008/03/28(金) 19:50:24 ID:rwMMZMgk0
・・・・キミタチ、二次創作したら?


どっか、スレ住人が知らないところで・・・・

527名無し三等陸士@F世界:2008/03/28(金) 20:07:13 ID:aHItOUyo0
帝国なら核兵器は決戦兵器ととらえて、
来るべき決戦に備え、列強に対策を採られない様に
使用を控えると俺は思う。

たった一発で都市を灰燼に帰せる
なんてことが知られたら、爆撃機を撃墜可能な魔法の槍の開発と配備に
よりいっそう邁進するであろうことは明白だからな。

俺なら(迎撃の困難な)弾道弾の開発がすむまで核兵器の存在そのものを秘匿する。

528名無し三等陸士@F世界:2008/03/28(金) 20:20:14 ID:ZnBA5BnE0
で、何時まで春になると出てくる奴の「ぼくののうないのていこくのひどう」に付き合うんだ?

雑談スレでやれ。

529名無し三等陸士@F世界:2008/03/28(金) 20:32:09 ID:VX72d0vo0
>>528
春厨同士の相乗効果や〜(彦麻呂っぽく)

530名無し三等陸士@F世界:2008/03/28(金) 20:32:19 ID:55XpGFAo0
「脳内帝國」は興味ないので食い物の話で。

>北東ガルム文化圏グルメレポートみたいなタイトルのテレビ番組
テレ東の夜19時〜21時辺りに入ってそうですよね。
或いは一時期流行ったゲテモノ系シリーズでギャラの安い芸能人相手に
「さて、これは何の肉でしょう?」ってパターンでやりそうだ。
>505でくろべえさんに回答してもらったロッシェル王国の技術レベルが
明治初期としている事から見てもやっぱり一般庶民の食文化も帝國から
見たらアレゲな物も混ざっているに違いない。
この辺りは外食文化がロッシェル王国でどれくらい早くから発達していた
のかも絡んで来るかもしれないけど。
日本人も人の事は言えないですが(ハチの子とかクサヤとか納豆とか)。

531名無し三等陸士@F世界:2008/03/28(金) 20:53:36 ID:55XpGFAo0
改めて読み返して見ると>427でカリム(とその仲間達)が食べていた糧食
って内容だけ見れば割といいほうですよね。
手元にある「戦闘糧食の三ツ星を探せ!(光人社刊)」を見る限りでは
少なくともウクライナ軍の糧食よりは良さそうです。


にしてもこの糧食についている果汁ジュースはどんな物なのだろう?
戦闘糧食向けのジュースというとCレーションの合成甘味料の味がする
粉末ジュースが思い浮かびますが予め缶詰の形態で出るということは
欧州軍の糧食に多い「フルーツスープ」みたいな物なんでしょうかね。
(果肉の粒がたくさん入っている)

532名無し三等陸士@F世界:2008/03/28(金) 21:19:34 ID:5cdVuct20
>>512-513
以前「さすが戦艦なんて作ってないでしょう」と言ったところ
くろべえ氏の返答は
昭和50年代に大和・改大和型の代艦が
昭和60年代に薩摩型の代艦が建造され
さらに平成の世では両者を統合した新型戦艦が計画中(稲葉転移前)たそうです。

533名無し三等陸士@F世界:2008/03/28(金) 21:48:42 ID:.FtqMwWY0
>新型戦艦

最近、米海軍がレールガン搭載新型駆逐艦を開発中ってニュース見たので
海に浮かぶ機動電磁砲台が月王国を狙撃、っていう電波受信した。

534名無し三等陸士@F世界:2008/03/28(金) 23:03:38 ID:rwMMZMgk0
こういう荒れているときにこそ、食いしん坊男爵の逸話の投下が望まれる・・・

535名無し三等陸士@F世界:2008/03/29(土) 00:06:21 ID:Pusv3SwY0
>>515
戦艦保有の戦略的価値が暴落していないと言うのに加えて、

「外交上保有していると有利」ってのはあると思う。
地域ごとに技術格差がでかく、地域によっては砲艦外交の目玉としての価値があるんじゃないだろうか?
少なくとも中小型船が群れなしてくるよりも重厚長大な戦艦が来た方が庶民らが見たときのインパクトが全く違うだろう。

536名無し三等陸士@F世界:2008/03/29(土) 00:06:54 ID:SLXViSRI0
黒部グループ(王国)は、軍用レーションも開発しております・・・が、
TOPが食べて満足できるものしか生産許可がおりないもんだから
帝都の貧乏人だけでなく、たいていの邦国においてすら
「帝國製軍用携帯食の美味さ」が知れ渡っているのです・・・とか

537名無し三等陸士@F世界:2008/03/29(土) 00:39:45 ID:poQaqK5A0
さぁ、そこで チキンラーメン の出番ですよ。

538名無し三等陸士@F世界:2008/03/29(土) 02:45:53 ID:aRnWFFLc0
>>537
呉百福さんは転移できたのでしょうか・・・・。日本人ではありますが、
台湾出身なのです。

539名無し三等陸士@F世界:2008/03/29(土) 10:35:08 ID:55XpGFAo0
日本人なら安藤百福さんもこっちに来ているのでは?
ただ日本初のインスタントラーメンは安藤さんの発明ではないから
(おやつカンパニーの「味付中華めん」あまり売れなかった)仮に
安藤さんがこちらに来ていなくても誰かが開発している可能性はあるよ。

日本も昔は貧乏だったから食べ物の美味いマズイは士気にかかわるという
のは十分分かっていそうだ。
貧乏人の気持ちがわかるというか、どうやったら取り入りやすいのかとか

震災の時に自衛隊の人にもらった缶詰(戦闘糧食1型)の五目御飯は美味
かったな〜。赤飯ももらったけどこっちももち米がたっぷり入っている
ので腹持ちがよかった覚えがある、腹持ちを良くしているのはやはり
軍隊向けの糧食だからかねぇ。

540名無し三等陸士@F世界:2008/03/29(土) 11:01:19 ID:mmMT/eeg0
缶飯って本当に美味いの?
なんかご飯がβ化してて美味しくなさそうに見えるんだが。

それとも俺が食ったこと無いだけで本当に美味しいとか?

541名無し三等陸士@F世界:2008/03/29(土) 11:16:41 ID:y5wmitdI0
貧しい邦国では、ヘータイにいった息子が休暇のとき
お土産に持ち帰った軍用缶詰を「こんなに美味いもん毎日食べてるのか!」と
驚愕されて、「ヘータイに行ったら毎日美味い飯を腹いっぱい食える」という
東北出身貧農の小倅みたいな状態になったと思う。

トンカツやカレーなんて軍隊じゃなきゃ食えなかったという階層が多かったそうな
(で、出身生活水準で比べても、さして辛い毎日でもない おまけに給料ももらえて技術も学べる!
 こういうところ出身のヘータイは強かったりします)

・・・おれは、軍隊で車の修理を覚えたから都会で自動車会社に就職できたんだ。
故郷じゃ兄貴一家が泥だらけで田んぼ耕しているよ。
帝國軍に入れなきゃ、俺もああして一生を終えてたんだな・・・

542名無し三等陸士@F世界:2008/03/29(土) 11:27:47 ID:aRnWFFLc0
俺は元自衛官で、缶メシはよく食ったけど、五目御飯はあんまり好きじゃなかったなぁ。
赤飯は結構好きだったけど。まぁ、俺は段列だったから演習時でも缶メシばっかりって
ことは無かったな。

普通科だと弁当詰めて持ってきてくれたはいいが、状況に追われてロクに食う暇が無く
ようやく食えると思ったら、既に変な臭いがしていたとか。しかし他に食い物無いので
食ったって同期が言ってたな。ちなみに腹壊した奴はいなかったそうだ。

まぁ戦闘糧食Ⅰ型の最高傑作はやっぱり「たくあん」だなw 酒のツマミにいいんだわw

543名無し三等陸士@F世界:2008/03/29(土) 11:43:23 ID:55XpGFAo0
>540
美味いですよ、あれは食べる前に鍋で暖めてから食べるもんなんです。
大体鍋で25〜30分間くらいグラグラと煮て食べます。
25分間も暖めるというのは一般的な感覚からすると長く感じるでしょうけど
震災を体験した身からするとあれも一種の戦場なのでそういう感覚でいる
と気にはならないですね(暖め方は缶に書いてある)。

実際自衛隊の中でも評判はいいです細かな改良が繰り返されていて隊員
の意見がかなり反映されていたりして、献立もしょっちゅう更新されて
いるようです。
最近はレトルト形式の戦闘糧食2型が主流になっていますが保存期間の
関係からか1型も備蓄されてるらしいです。
私は震災の時に避難場所に来ていた自衛官の方に貰った物とバザーで
配給にまざっていた物と両方の缶詰を食べましたがボリュームがあって
美味しかったですよ。
味の方は下手なレトルト食品よりはいい味ですコスト面で見ても
いい作り方はしている感じはありました、赤飯も少し塩味が付いていて
私の祖父(兵役経験あり)は「美味い美味い」といって喜んでがつがつ
食べていましたね。
百聞は一見にしかずで食べたら納得していただけるとは思いますが放出
とか多分なさそうなので入手が難しそうですよね。

缶詰なので保存期間が3年ほど(自衛隊員の人に言われた)なのでしばらく
もらった缶詰を持っていて震災からだいぶ経った後に食べましたが
味の劣化なんかは感じませんでしたね。
あとご飯の缶詰は結構ボリュームがあります多分二合くらいはあったと
思うので私の場合は家族と分け合いました。

乾パンも自衛隊の人にもらいましたがこっちは普通の乾パンですね。
市販されている乾パンと違うところといえばほとんど味らしき味がない
感じです(ほんのわずかな甘みや塩味といったものもない)。
乾パンに付いていた缶詰もありましてこっちはウインナーが入ってました。
味は、缶のご飯などに比べるとそっけない感じです。
マズくは無いけど特別美味しいというほどでもない普通に食べられる味
でしたね。

544名無し三等陸士@F世界:2008/03/29(土) 11:47:11 ID:W5oM6qEY0
たまに食うと、毎日これしかないは別。
太平洋戦争の時、潜水艦の食事はわざと①旨い飯、②そこそこの飯、③不味い飯を採用した。
採用審査の際、将官から「この不味い飯は止めよう」と言われ、「旨い飯だけだと直ぐに飽きてしまう」との理由で採用されたそうです。

545名無し三等陸士@F世界:2008/03/29(土) 12:50:52 ID:7Yea2TjM0
「帝國軍は、冷たく真っ白いとろけるような甘いお菓子を戦場で食べてる!」

546名無し三等陸士@F世界:2008/03/29(土) 13:05:08 ID:BcvhR2R20
>>540
自分はヤフオクで手に入れてかなり食べました。
電気で温める式の口が広い魔法瓶にぽんと放り込んで、30分位したら取り出して食べる。
うまいですよ。

547名無し三等陸士@F世界:2008/03/29(土) 13:24:16 ID:y5wmitdI0
貧しい邦国(の田舎)では、砂糖一斤で家一軒ですしね・・・
帝国兵になったら、色々と”役得”もあるだろうし、
邦国兵より帝國兵になることを夢見ているのとかもいるだろうなぁ。

で、獣人さま(そろそろ、そう言われるころだろ)は、羨望されたり
やっかまれたり。
帝國軍服を着た獣化した獣人たちの方が、邦国繁華街とかで
羽振りを利かせてたりするだろうな。
帝國において、軍人は支配階級の一部(官)だし、平民上がりも
珍しくはないんで、ソーシャル・クライミングの手段として
「学歴」と並んで重視されていますと。

548名無し三等陸士@F世界:2008/03/29(土) 13:29:49 ID:BSbuSQCQ0
>>544
自衛隊のレーションはフランス軍と並んでトップを争うくらいいいものですけど
当の隊員からはあまり好かれてないみたいですな
要するに「飽きた」からだそうですが…

549名無し三等陸士@F世界:2008/03/29(土) 13:44:56 ID:55XpGFAo0
>548
まあ、糧食ですから毎日あればっかり食べていたらそりゃ飽きるでしょう。
(補給が頻繁に行えない状況なら贅沢はいえないでしょうが)まずいより
は遥かにマシですが。
あと>542の方がお勧めした「たくあん」缶は本当に美味しいです田舎で
食べるたくあんのような感じで分厚く切られていて厚みが2cmくらい?ある
代物です。
ご飯の上に載せてお茶をかけるのも美味いです。

震災にあった直後はショック状態で食べ物を胃腸が受け付けないんですが
しばらく経つとお腹がすごくすくんですよね。
そういう時に糧食を食べるととても美味しく感じました。
祖父は南方で色々見て帰ってきた(マラリアにかかって帰還)人だった
ので感慨深げに缶飯を食べてましたけど。
今の自衛隊はこんな飯を食べられるようになったんだなぁとか言って
ましたね、祖父は結構食道楽なのでチキンラーメンとかも大好きです。

550名無し三等陸士@F世界:2008/03/29(土) 14:37:46 ID:2Cix9MMY0
>>515
軍事費にどれだけ余裕があるかが問題だろうな。
広大な勢力範囲を考えると、どう考えても空母そろえたほうが効率的。
戦略的な価値が大幅に低下した中で、どれだけ予算を確保できるかが最大の問題点だと思う。

551名無し三等陸士@F世界:2008/03/29(土) 15:37:56 ID:EVV0x4N.0
示威効果を考慮した場合、戦艦の価値は十二分にあると思う
ようするに移動可能な城と考えればいいわけです
そして戦艦=移動可能な城とすると、当然ながら象徴としての価値も出てくる
ようするに政治の話になってくるわけね
まぁ、戦争と政治は切り離すことができないし、当然ながら戦争を担う軍やその装備も政治とは無関係ではいられない
例え軍事的な効果が下がったとしても、政治的にかける費用に見合うだけの価値があれば必要とされる
それどころか軍事=戦術・政治=戦略と考えると、後者が優先されてしかるべき
史実の日本軍見てると、とても不安になる意見だが…

現実世界では「戦艦は航空機に対抗することができない」と周知されてしまったので、軍事的価値だけでなく政治的価値も大暴落した
そして軍事的・政治的価値を考えた場合、その費用に見合わなくなったので廃れ、代わりに空母がその役目をしてます
しかしこの世界では(転移当初はともかく)「戦艦はワイバーンのカモ」っていう図式が成り立ってないので、軍事的に空母に劣っても政治的価値は損なわれていないのでしょう
また戦艦の天敵がいない以上、その軍事的価値もまだそれなりにあるんだろうね

552名無し三等陸士@F世界:2008/03/29(土) 16:56:29 ID:55XpGFAo0
>戦艦の天敵
航空機の持っている「爆弾」ないし「魚雷」が戦艦の敵なので
これがアルフェイムに登場しない限りは戦艦の価値は残り続ける
でしょう。
個人的にはミサイル搭載艦も好きですが戦艦も好きですけどね。

史実でもそうですが対空火力と分厚い装甲を持った戦艦を航空機だけで
沈めるには百機以上の航空機による波状攻撃が必要です。
戦闘機ならばそこに搭載される武装が爆弾でも魚雷でも必要十分な威力
を持ちさえすれば数を揃えて(無論搭乗員の質は重要)攻めることが出来ます
が、ワイバーンの搭載武装で同じことが出来るのかという点は疑問が残り
ます。
魔法弾もコスト面から100、200発或いはそれ以上を用意できるのかという
面でも問題ですし戦艦の場合上部の構造物を破壊できても撃沈できないで
は話にならない事もあるでしょう。
船を確実に沈める最良の手は敵艦の喫水線下を狙った攻撃特に魚雷が
メインとなるでしょうがこれをアルフェイムの列強が数を揃えられる
かという話になると思います。
シブヤン海海戦で戦艦「武蔵」が魚雷20本、航空用爆弾数十発を受けて
もすぐには沈まなかった事を考慮すれば米軍のような圧倒的な航空優勢を
持っている軍でも出来なかったのをアルフェイムの列強が成し得るか
という話にもなりそうです(反対に言うと大和級戦艦だからとも言えます)。

553名無し三等陸士@F世界:2008/03/29(土) 17:16:01 ID:f7Sa4z9Y0
戦艦の価値ってのは、敵の戦艦に対抗できると言う点に5割ぐらい詰まってるので、
F世界で戦艦以外では撃破が難しい目標がないと重雷装型巡洋艦と同じ運命を辿る可能性が…。
一隻に国家予算数パーセントとかどう考えても恐竜化しすぎ。
対地攻撃なら46cm砲なんか積む必要はなく、15〜20cm砲搭載艦+空母のほうがコストパフォーマンス
がいい感じ。

554名無し三等陸士@F世界:2008/03/29(土) 18:35:44 ID:1GxfwYTY0
再転移した際、相手が戦艦を揃えてる可能性が頭にあるからっていう単純な理由じゃだめ?

555名無し三等陸士@F世界:2008/03/29(土) 19:00:47 ID:5cdVuct20
稲葉証言が新型戦艦にどう影響してくるか。
今のところ表立って影響受けてるのは戦車ぐらいですが、
水面下ではげしい動きや駆け引きがあるそうで。

556名無し三等陸士@F世界:2008/03/29(土) 19:38:28 ID:PrNDtOqYO
大きさ
空母≒戦艦

使い勝手のよさ
空母>戦艦

軍事的象徴のワイバーンが駆逐(帝國の覇権)された世界なんだから、
それなりのレベルの国なら航空機がマジやばいって植え付けられてるはずだから空母のが示威効果あるでしょ

船と言ったら漁船に毛が生えたようなのしか見たことないような国の奴ら相手には巡洋艦で十分でしょ

557名無し三等陸士@F世界:2008/03/29(土) 19:41:11 ID:4xTGePnU0
>>556
おまえはいつもageすぎ

558名無し三等陸士@F世界:2008/03/29(土) 22:06:05 ID:55XpGFAo0
もう、「強いアメリカ」ならぬ「強い帝國」の象徴たる戦艦でいいじゃない
ですか・・・。
ミサイルなどの武装としてはスラヴァ級みたいなハリネズミ装備を
オプションで付けるとかむしろ対空兵装をより充実させれば沈みにくい
(航空機に強い)船になりますし、輪形陣を取っていればワイバーンや
魔法の槍、航空機が突っ込んでくる可能性は下がりますから。

話は変わりますが安藤百福さんは亡くなられた後に正四位を頂いた
そうですが、アルフェイムにおける帝國でも同様の贈位はあるんでしょう
かね?

559長崎県人:2008/03/29(土) 22:55:07 ID:2MxH4A12O
何の事はないでしょうよ、潜水艦のように身を隠さず、空母のように遠距離から一過性の嵐を送るだけでなく、帝國の力が目の前に迫ってくるのが解りながら、それを阻止できない自国戦力に絶望と、町の一区画ずつゆっくり順番に吹き飛ばしていく威容を、十分に見せ付ける事が出来るのは戦艦だけですよ?


恐怖は一瞬ではなく、絶え間無く、かつ長く、これに限ります

560名無し三等陸士@F世界:2008/03/29(土) 23:20:34 ID:lU2EtNsI0
巨大な爆撃機が編隊を組んで反乱軍を都市ごと灰に変えたことが
一度でもあったら、帝國に対して反乱を起こす勢力は無くなると思うけど。
で、戦艦は移動する城として帝國の支配と安寧の象徴として維持されると。

561名無し三等陸士@F世界:2008/03/30(日) 00:05:36 ID:EVV0x4N.0
>>560

それはないな
もしその程度で反乱がなくなるのであれば、今頃世界はもっと平和になってるさ

562名無し三等陸士@F世界:2008/03/30(日) 02:39:48 ID:Hx4GmCGQ0
文字通りの皆殺しにでもしない限りは
必ず、広く長く燻ぶり続ける火種になる

563名無し三等陸士@F世界:2008/03/30(日) 04:01:00 ID:J7kYh./c0
まぁ、大和ブームが象徴するように、現代においても戦艦は男の夢ですし

564名無し三等陸士@F世界:2008/03/30(日) 05:05:58 ID:5igVdj9w0
戦艦好きな人間が予算を取る。
  ↓
戦艦造る。
  ↓
戦艦好き(第二世代)が誕生。

以下エンドレス

565くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/30(日) 08:48:57 ID:LyPPIJW.0
>>530
>505でくろべえさんに回答してもらったロッシェル王国の技術レベルが明治初期としている事
 あ〜、これ技術レベルじゃあないです。
 単に「それだけ本国入国が大変」って意味ですね。

>>531
>にしてもこの糧食についている果汁ジュースはどんな物なのだろう?
 デザートも兼ねているので、果肉の塊もごろごろと入ってます。
 この地域(第5区)では良質の水が手に入りにくいので、良質な水分を摂らせる意味もあるでしょう。
(とはいえ、第5区用全てのレーションに入っている訳ではありませんが)

566くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/30(日) 08:50:26 ID:LyPPIJW.0
>食料の自給率
 “帝國”の食糧自給率は米国程ではありませんが、バランス良く殆ど全ての作物が100%を超えています。(カロリーべースなら120%近い?)
 米国並みでないのは、「規模が小さい」(平均的な農家の耕地面積は内地なら10町歩、神州島なら100町歩)こと、何より「食糧管理法により生産量と種類が規定されている」ためです。
(ちなみに神州大陸を除いた場合、つまり内地だけでは自給率はカロリーべースでも80%ほどですが、食糧管理法による生産制限がなければ100%超えるので問題ありません。ま、だから80年代並に食品が高いのですけどね)

 “帝國”本国で生産された食糧は、基本的に全て国内で消費されます。
 余った分は大半が「保管」(本国民1年分の食糧が常時備蓄!)または「国外輸出」されます。(「援助物資」は被援助国近隣の諸国から買い集める)
 ちなみに輸出はアメリカほど大規模でなく「中国における日本食品のようなもの」、高級食材といった位置づけです。
 アメリカのやりかたも他国をコントロールする上で役に立ちますが、それやると邦國経済が軒並み傾きますからねえ……
 ま、邦國間では活発に食糧の輸出入やってますし、“帝國”は国際物流や国際通信、国際金融といった分野をほぼ独占してますから、必要ないのですけどね。

567くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/30(日) 08:51:06 ID:LyPPIJW.0
>あと食生活は実質そう変わらないと思う
 平成日本程ではありませんが、やはり小麦や肉の割合が大きくなっています。
 時代の流れですねえ……

>異世界の食材
 大半が異世界生まれですから、多くはすっかり受け入れられてるでしょう。
 ……ただ老人は、未だに忌避する者も少なくない、と。

>戦艦
 やはり費用対効果が低いですから、後継艦建造の度に数が減っていくのは避けられないでしょう。
 問題は「いつ廃止するか」ですが、まだ老人達が生きていますからねえ……

>貧しい邦国(の田舎)では、砂糖一斤で家一軒ですしね・・・
 流石に現在ではこれは無いです。(古きよき時代の話です)
 庶民用の小さな家なら、交渉しだいで建てられる……かも?


 ss投下。
 後編、長いので二つに分かれます。

568くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/30(日) 08:52:24 ID:LyPPIJW.0
帝國召喚if「繁栄の光と影」後編その1

 ホラズム近郊の臨時停車駅から7日、汽車は終着点であるラーワルに到着した。
 そこから、更にトラックで1日、東部戦線に最も近い町の一つ、ビンディへと到着する。
 ここから先は、徒歩だ。

「ん〜〜!」

 歩きながら、カリムは大きく背伸びする。
 今まで何日も狭い場所で揺られていたこともあり、手足を思いっきり伸ばせるのが心底、心地良い。

 ――これで重い荷物がなければ、最高なんだけどなあ……

 幾ら慣れた重みとはいえ、キツイことに変わりは無い。(銃に個人装具を合わせれば、優に30㎏を超える!)
 ついでに食糧が従来の乾パン袋から“帝國”軍配給の缶詰に変更されているため、余計に重い。

 ――それに、少し飽きてきたしね……

 既に“帝國”の配給缶詰も8日間……優に20回以上食している。
 いい加減、慣れた。飽きた。
 が、かといってホラズム軍支給の乾パンが恋しい訳ではまったくない。(アレは“不味い”だけだ)
 要は、口が奢り始めている、ということなのだろう。
 人間とはつくづく現金なもの、慣れの生き物だった。

569くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/30(日) 08:53:53 ID:LyPPIJW.0

――――“東部戦線”カラート地方、ホラズム軍第307小銃大隊。

 ホラズム軍は総兵力10万人。その全員が、国内なら国軍司令部か12個軍管区の何れかに、国外ならば東方派遣軍に所属している。
 うち東方派遣軍は所謂“東部戦線”に派遣されている外征軍で、4個軍団16個旅団7万人からなる。(*1)
 ちなみに各旅団は5〜6個小銃大隊編成で、計88個小銃大隊を保有している。(ホラズム軍の保有する小銃大隊が全部で100個だから、その大半を供出している計算だ)
 これ等の小銃大隊(*2)は“帝國”軍の指揮の下、その全てが最前線各地に貼り付けられていた。

「おお!カリムじゃあないか!」

「ハシムおじさ……軍曹殿!」

 懐かしい人物の姿にカリムは喜びの声を上げかけ、慌てて敬礼した。
 敬礼された人物は笑いながら、敬礼を返す。
 
「ははは、すっかりいっちょう前の兵隊じゃあないか」

「は、ありがたとうございます!」

「構わん構わん、甥っ子との久方振りの再会だ、普通にやれ!」

 そういって笑う軍曹は、カリムの叔父ハシムだった。
 言葉に甘え、カリムは口調を変える。

570くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/30(日) 08:54:35 ID:LyPPIJW.0
「嬉しいなあ、叔父さんと一緒の大隊なんて!」

「それどころか、同じ中隊さ」

「信じられない!」

 カリムは目を丸くする。

 若くして軍曹となったハシムは村の英雄、カリムの憧れだった。
 そんな叔父と同じ中隊とは、これが喜ばずにいられようか!
 ……が、そんな無邪気な感情とはまた別に、胸の奥で打算が働いていることも事実だった。

 ――良かった。

 軍曹が叔父ともなれば、ここでは虐められないだろう。
 それこそが、何よりの喜びだった。

「……そういえば、叔父さん?」

「何だ?」

「“ボトムズ”って何?」

「……どこで、聞いた?」

「ここに来る時、乗った汽車で。鉄道警備隊の将校がそう言って、部下の獣人達と笑ってた」

571くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/30(日) 08:56:30 ID:LyPPIJW.0
「鉄道警備隊ってことは、帝國人かダークエルフか……」

「ダークエルフじゃあなかったよ」

 幾らなんでも、ダークエルフの区別位は付く。
 カリムは、あの時の光景を思い出した。
 ……あの時は巨大な獣人に目を丸くし、同時に将校の背の高さにも驚いたものだ。
 獣人が大きいのは、判る。 ……だって獣人だし。
 けど、同じ人間族の将校もカリムより……いや、カリム達ホラズム人より頭一つ分近く大きかった。
 これは、驚きだった。

 ――でも、あの将校が特別じゃあなかったんだよね……

 ここに来るまでの旅で、それを痛感した。
 確かにあの将校も背が高かったのだろうが、それ以上に『自分達ホラズム人が小さかった』のである。(*3)

 そんなとりとめもないことを考えていたカリムだったが、ふと叔父が険しい表情をしていることに気付いた。
 ……何をそんなに怒っているのだろう?

「叔父さん?」

「いいかカリム、よく聞け」

「?」

「それは俺達を侮辱する、“帝國”人が作った言葉だ」

572くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/30(日) 08:58:16 ID:LyPPIJW.0
「“帝國”人が?」

「お前も知ってるだろうが、俺達は元を正せば流民だ。 ……流民といやあ、“外”じゃあ人とは認められない。路地裏で叩き殺されても文句の一つも言えないんだよ」

「えっ!?」

 カリムは驚き、慌てて肩の銃に手を当てた。
 その身長に不釣合いな程、長い銃。
 ……その重みが、彼を落ち着かせる。

「まあ、俺達はもう流民じゃあないから、そんなことにはならないがな」

 何より集団で武装していることが、それを防いでいる。

「“帝國”のお陰だね」

 “帝國”が自分達をホラズムに送ったのはそういう訳だったのか、とカリムは納得する。
 が、その言葉を聞いたハシムは鼻で哂った。

「ハッ! “帝國”のお陰、お陰ね……確かにその通りだわな……」

「だって、守ってくれたんだろう?食べ物だってくれるし……」

「“帝國”人は、単に“差別できる国”を作りたかっただけさ」

573くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/30(日) 08:58:53 ID:LyPPIJW.0
 流民は身分制度の最底辺に位置し、誰からも差別される存在だ。
 少数の差別できる相手は、平民共の不満のガス抜きには丁度良い相手だろう。
 ……これを“帝國”は国レベルに拡大した。
 最底辺に位置する、どの邦國からも差別される存在。不満のガス抜き相手――
 無論、増えすぎた流民の厄介払い、という意味もあっただろう。もしかしたら、僅かな善意すらあったかもしれない。
 が、“そう”考えなかった、とは言わせない。

「俺達がここにいるのも、これ以上増え過ぎないように、だよ。俺達は殺されるために……少しでも“帝國”の役に立ちつつ殺されるために、国外に引き摺り出されたのさ」

「じ、じゃあ僕は、死ぬ……殺されるの?」

「……そこが“帝國”の上手いところさ」

 ホラズム兵は隔離されている。故に、逃げても百のうち九九は失敗するだろう。
 運良く成功したとしても、そこは右も左も判らぬ異国の地……結局は『見つかって射殺される』か『野垂れ死ぬ』かの違いに過ぎない。
 が、ここに居続ければ、生き残れる可能性がある。必ずしも戦死する訳ではないのだ。
 ……そして何より、“肉”が喰える。

「一度肉を、贅沢の味を知っちまえば、もう元には戻れねえ。ホラズムにも帰れねえよ……年季明けてもここに居続けるしかねえのさ……死ぬその日までな…………」

574くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/30(日) 08:59:31 ID:LyPPIJW.0
 “帝國”は国外に展開するホラズム兵に、食事の他にも酒・煙草・菓子といった嗜好品を配給している。
 “帝國”の基準からすれば大したことは無いだろうが、それはホラズム兵の食生活を、舌を一変させるには十分だった。
 ……故郷では考えられぬ贅沢な食生活に、彼等の口はすっかり奢ってしまった。
 もう、故郷の粗末な食事には耐えられないだろう。

「あ……」

 それはカリムも同様だった。
 僅か10日間程の“帝國”食で、もう自分はホラズムの食事を“不味い”と思っている!

「俺達は、“帝國”の家畜なのさ」

 自嘲気味に、ハシムは哂った。

 『“帝國”の家畜』――それは、訓練期間中の虐め云々などというレベルの話ではなかった。
 無論、叔父の言葉がどこまで真実かは判らない。(何しろ話が大き過ぎる)
 だが、だが――それならば、納得できたのだ。
 鉄道警備隊の将兵の哂いの意味も、
 通り過ぎる人々の表情も、全て。

 『自分達は、“人”ではない』

 カリムの世界が、崩れ始めた瞬間だった。

575名無し三等陸士@F世界:2008/03/30(日) 08:59:53 ID:oVuuhHNoO
帝國ならその時代の最新技術を投入して戦艦を造ってくれるはずさ!

いや、GF旗艦は戦艦しかありえない、と・・・
でもこの時代にはGF司令部は陸上だろうしなぁ
それこそ戦艦信奉者への慰みとして数十年に何隻か建造とか・・・
議会から相当突き上げられそうだ

576くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/30(日) 09:00:10 ID:LyPPIJW.0


 現在の“帝國”軍は、そのレーゾンデートルを外征から防衛に移して久しい。
 空を見上げれば、月連合王国に対する防宙・防空。
 海に目を向ければ、敵性国家や海賊、海中に潜む魔海獣等に対するシーレーン防衛。
 陸に目を向ければ、邦國間紛争や反乱の防止と領域内の安定。
 何れも日夜ドンパチやっている訳ではないが、それでもその抑止能力こそが“帝國”の安定と繁栄を支えている、と言っても過言では無いだろう。
 抜かずとも、守る――これこそが軍の本懐である。
 建軍100余年にして、“帝國”軍はようやくあるべき姿、その一つを身に着つつあったのだ。
 ……もう一つのあるべき姿に関しては、未だ手付かずのままったが。(*4)

 とはいえ、“帝國”軍は本来、外征軍である。
 かつて朝鮮で、満州で、支那で――“帝國”軍は常に国外で戦ってきた。
 その熱きDNAは、簡単に消えるものではない。
 “帝國”世論も、それを良しとする。(何せ、『常に敵地で戦う』ことが讃えられるお国柄だ)
 故に“帝國”軍は、現在も唯一残されたフロンティア――東方――に向かい、ゆっくりと……だが確実にその領域を拡大しつつあった。(*5)
 所謂、“東部戦線”である。

577くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/30(日) 09:01:09 ID:LyPPIJW.0
 “東部戦線”は世界最大の大陸(*6)を南北に縦断する大戦線だ。
 が、この全ての戦線で、ましてや常に激しい戦闘が繰り広げてられている訳ではない。
 むしろ、戦闘が行われている地域など極限られた狭い範囲に過ぎなかった。
 ……そして、毎日戦っている訳でも無い。
 はっきりと言ってしまえば、極限られた地域で散発的な小競り合いが繰り返されている、というのが東部戦線の実態だった。

 そもそも、“帝國”本国軍は陸海空合わせても高々300万に満たない。
 ましてや、その本分は上で挙げた様に“防衛”である。とてもではないが、東部戦線のみを相手にしている余裕などない。
 加えて、本国軍を大規模に運用すれば膨大な出費となる。装備の開発や調達に大きな支障をきたすことは避けられないだろう。(これは“東”にも言えることだ)
 ……そうなれば、“長老達”が黙っていない。
 故に本国軍が、ましてや大規模投入されるなど、余程のことが無い限りあり得なかった。(せいぜい旅団級部隊が、偶に思い出した様に前進する程度だ)
 そんな本国軍の代わりに配備されていたのが、邦國軍である。

 邦國軍は、基本的には武装警察或いは治安軍レベルの軍事組織に過ぎない。攻撃防衛を問わず、戦争は本国軍の担当なのだ。
 故に、近隣で紛争が起こっている場合を除き、一般の邦國軍が動員されることはまず無い。
 ……が、同時に“帝國”の広大な領域全てを本国軍だけでカバーすることは、物理的に不可能だった。
 余程の戦線・地域を除き部隊を常駐させず、機動運用をデフォルトとしているが、それでもなお絶対数が不足しているのが現状だ。
 故に補助戦力として、一部の邦國軍が活用されていた。
 無論、ホラズム軍もその一つである。
 彼等は邦國軍中で最も危険な地域を担当し、夥しい血を流し続けていた。

578くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/30(日) 09:03:13 ID:LyPPIJW.0

――――“東部戦線”カラート地方、ホラズム軍第307小銃大隊第3中隊駐屯地。

 人型の獣が3体、こちらに向かって駆けてくる。
 獣人、ではない。その姿は禍々しく、まるで絵物語に出てくる悪魔の用だ。

「魔獣兵だ!」

 その姿を見て、ホラズム兵達は悲鳴を上げた。
 魔獣兵――獣人を上回るパワーとスピード、そして“防御力”を兼ね備えた“東”の化け物である。
 それが、3体。数から考えてただの“嫌がらせ”だろうが、やられる方にとってはたまらない。恐怖で銃を持つ手が震える。

「撃ち方用意!」

 中隊長の号令で、中隊は一斉に銃を構える。
 ……前方警戒線の哨兵班が連絡を絶った時点で、準備に抜かりは無い。
 100挺を遥かに超える数の小銃が、魔獣兵へと向けられる。
 そして、距離500mを切った時点で射撃を開始した。(*7)

「撃ち方始め!」

 ダーン! ダーン! ダーン!

 全小銃が火を噴いた。
 ホラズム軍の小銃は“試製一〇式小銃”。九九式長小銃をべースに発展したボルトアクション式の軍用ライフルである。

579くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/30(日) 09:03:55 ID:LyPPIJW.0
 同銃は九九式実包は無論、重機用の九二式実包も発射可能なハイパワー小銃だ。
 これは主に人以外の相手――主に戦竜の突撃阻止――を意識した為だったが、その代償として重く、反動の強い銃となってしまった。(*8)
 ……所詮、『戦竜の突撃を小銃のみで阻止しよう』という考えそのものに問題があったのだ。

 それ故、制式化されることはなかったのだが、その威力故に対中大型獣用の猟銃としての重要が生じ、(一部使用変更されたものの)商用べースで生き残った。
 ホラズム軍が装備していたのは、この商用べースに修正――命中精度を高める為に二脚を追加する等――を加えたものだった。
 同軍は実質的に小銃しか装備していない。(*9)
 だからこそ、高威力の同小銃が採用されたのである。

 ダーン! ダーン! ダーン!

 ホラズム軍の小銃から放つ7.7㎜弾は、距離500mでも最大6mmのニセコ鋼板を撃ち抜くことが出来る。
 無論、これは徹甲弾の話だが、普通弾でも4㎜はいくだろう。
 ……ただの鉄板ではない、鋼板、である。
 そして、この値は近づくにつれて増えるこそあれ、減ることはない。
 距離350mで6mm、200mで8mm――
 ホラズム兵と魔獣兵の、一騎討ちが始まった。

 魔獣兵は、500mを30秒もかからず走り抜ける。
 対するホラズム兵は、小銃を10秒に1発発射する。(*10)
 1銃あたり2〜3発。
 1個中隊の装備する小銃が約160挺。うち八割が参加するとして260〜390発……およそ300発以上の銃弾が、発射される計算だ。
 魔獣兵は3体だから、1体あたり100発以上。半分が命中したとしても、50発が命中した計算である。
 ……これではさしもの魔獣兵も堪らない。

580くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/30(日) 09:04:44 ID:LyPPIJW.0
 魔獣兵の皮膚は、魔術により強化――防護結界の簡易版のようなもの――されている。
 このため、高い強度と衝撃吸収能力を兼ね備えている。近距離からの7.7mm弾とて、弾き返せるだろう。
 ……それが4〜5発程度ならば。

 残念ながら、魔獣兵が受けた7.7mm弾はその程度では済まなかった。(ましてや連続的な命中だ)
 まず、多数の銃弾が瞬間的に命中したことにより、凄まじい負荷が生じる。
 元々、量産型魔獣兵の魔力出力は高くない。ましてや“廃棄”前の個体である、たちまち限界を超え、防護術式は弾け飛んだ。
 無防備となった肉体に、銃弾が殺到する。
 それでも巨象並のキャパシティーをもつその肉体は、何とか耐えようと試みた。
 が、降り注ぐ銃弾の前に1体、また1体と力尽きていく。
 結局、駐屯地に辿り着くことなく、全ての魔獣兵は倒された。
 
 
「連中、馬鹿だから助かるぜ……」

 分隊を指揮するハシムは、そう言って哂った。

 量産型の魔獣兵は、複雑な思考が出来ない。有体に言えば、馬鹿、だ。
 故に、突撃といえば馬鹿正直な正面突破のみだ。
 ……如何に高速で駆けようが、それでは話にならない。(せめて前進法を変えるだけでも大分違うのだが……)
 が、決して油断の出来る相手ではないこともまた確かである。
 今回は3体だったから簡単に撃退できたが、数がもう少し多ければ、阻止能力を超えていたかもしれない。
 そして、1体でも懐に入り込まれてしまえば――

 ホラズム軍の戦死傷者の数が、それを雄弁に物語っていた。

581くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/30(日) 09:05:18 ID:LyPPIJW.0
「ふう……」

「どうだ、カリム。初陣の感想は?」

 地べたに座り込んだカリムを見て、ハシムは声をかけた。

「……あれが、僕らの敵ですか?」

 あの姿、思い出しただけでも身震いする。
 ……“アレ”は、この世に存在してよいものではない!

「ま、今の所はね」

 ハシムは肩を竦めた。
 量産型魔獣兵は頭が悪いので、どうしても目の前にいる敵に向かってしまう。
 つまり、最前線のホラズム軍を無視出来ぬのだ。(だからこそ、ホラズム兵が配置されている。要は“鳴子”だ)

「……なんで少数で来るのですか?」

 それがカリムの疑問だった。
 あれが10だったら?20だったら?
 ……恐らく、ロクでもないことになるだろう。
 が、ハシムの言葉にカリムは耳を疑った。

「そりゃあ、連中も全然本気じゃあないからあ。単に廃棄期限が近づいたヤツを、有効利用しただけだよ」

582くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/30(日) 09:05:58 ID:LyPPIJW.0
 量産型魔獣兵はその生成時に強引な成長を行っている為、寿命が短い。
 故に、“東”の魔獣兵部隊は“処理”と称して廃棄が近づいた魔獣兵を西に向けて放つ。(“東”の言い分はあくまで“逃亡”、不幸な“事故”だ)
 ……こいつらが万が一にでも町に進入すれば大惨事である。だからこそ、魔獣兵部隊が駐屯する前線には、ホラズム軍が配置されていたのだ。

 この一連の過程で失う物は、“東”は廃棄間近の魔獣兵、“帝國”はホラズム人に過ぎない。
 多少穿った見方で言えば、『両者の利害は一致していた』のである。





*1 ――――――――『うち東方派遣軍は所謂“東部戦線”に派遣されている外征軍で、4個軍団16個旅団7万人からなる。』――――――――
 正確には68000名程。とはいえ、軍司令部も軍団司令部も旅団司令部も名目上の存在に過ぎず、いかなる指揮・支援能力も有していない。
 というのも、兵站は“帝國”軍丸抱えの上、指揮下の大隊も全て“帝國”軍隷下のため、その必要が無いからである。
(まあそもそも、これだけの規模の軍を支えるにたる支援部隊を編成すること自体が、人的にも物的にも不可能だったが)
 故に上記の高級司令部は全てお飾りであり、単なる名誉職と化していた。

583くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/30(日) 09:06:39 ID:LyPPIJW.0
*2 ――――――――小銃大隊――――――――
 戦闘大隊の編制は、以下の通り。

   小銃大隊
    ┣━大隊本部
    ┣━小銃中隊×4
    ┃  ┣━中隊指揮班
    ┃  ┗━小銃小隊×3
    ┃     ┣━小隊指揮班
    ┃     ┗━小銃分隊×4(小銃12)
    ┗━大隊段列

 定員は約750名。なお全員が徒歩であり、大隊段列が保有する僅かな荷竜が運ぶ一部物資の他は、全て兵が運ぶことになっている。
(少なくとも中隊長以上は騎竜することが標準であるアルフェイムの常識からすれば、『大隊全員が徒歩』というのは異様である)

*3 ――――――――『確かにあの将校も背が高かったのだろうが、それ以上に『自分達ホラズム人が小さかった』のである。』――――――――
 事実、ホラズム人は身長が低かった。(平均身長は成人男性でも150㎝ほど)
 これは獣肉や乳製品はおろか魚肉ですら殆ど摂らない(摂れない)食生活が大きく影響しているものと思われる。
(無論、険しい山道を重い荷を背負って歩く、といった生活環境も無視できないだろう)

584くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/30(日) 09:07:31 ID:LyPPIJW.0
*4 ――――――――『……もう一つのあるべき姿に関しては、未だ手付かずのままったが。』――――――――
 軍政期より遥かにマシとはいえ、平成の御世になっても未だ軍は無視できぬ政治力を有していた。

*5 ――――――――『故に“帝國”軍は、現在も唯一残されたフロンティア――東方――に向かい、ゆっくりと……だが確実にその領域を拡大しつつあった。』――――――――
 無論、純粋な国防問題として、というよりも覇権的な意味合いの方が強い。
 また対内・対外的な権益確保や戦術・兵器の実験場といった面も否定できないだろう。
 ……とはいえ今の所、“東”も“帝國”も全面戦争を行う気は更々無かった。

*6 ――――――――世界最大の大陸――――――――
 西は中央世界東部から東は極東の清華まで、という文句なしに世界最大の大陸である。
 余りに大きすぎ、複数の大陸に分けて呼ばれている程だ。(規模は違うが、地球世界のユーラシア大陸のようなもの)

*7 ――――――――『そして、距離500mを切った時点で射撃を開始した。』――――――――
 中隊は駐屯地周辺の森林を伐採、良好な視界を確保している。その上、100m毎に標識を設置し、射撃精度の向上に努めていた。

585くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/30(日) 09:08:07 ID:LyPPIJW.0
*8 ――――――――『これは主に人以外の相手――主に戦竜の突撃阻止――を意識した為だったが、その代償として重く、反動の強い銃となってしまった。』――――――――
 とはいえ、地球世界の他の小銃と比較すれば、別に重量も反動も突出している訳ではない。単に“帝國”陸軍がその内情故に、こだわり過ぎていただけだ。
(長銃身のため、九九式実包使用時にはむしろ九九式短小銃よりも反動が少ないくらいだった)

*9 ――――――――『同軍は実質的に小銃しか装備していない。』――――――――
 ホラズム軍の武装は、将校が拳銃(携行弾数10)及びサーベル、下士官兵が小銃(携行弾数60)及び銃剣である。
 これ以外の如何なる銃砲も、“帝國”軍は支給していない。(ちなみに手榴弾は支給しているが、弾薬扱い)
 なお、ホラズム軍の弾薬定数(一会戦分)は、拳銃弾20発/小銃弾150発/手榴弾10発とされていた。

*10 ――――――――『対するホラズム兵は、小銃を10秒に1発発射する。』――――――――
 あくまで「よく狙って」の数値。(ただ撃つだけならば、1分間に10発程撃てるだろう)
 が、弾数が限られているホラズム軍にとり命中精度は何より重視すべきものであり、これ以上の数値は事実上あり得なかった。
(実のところ、同小銃は如何考えてもホラズム兵の体格にあっていなかった)

586くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/30(日) 09:10:44 ID:LyPPIJW.0
 ss投下終了。

 ちなみにアメリカでいえば、
 大和・改大和型戦艦の代艦は1950年に1番艦が、
 薩摩型装甲巡洋艦の代艦は1960年に1番艦が、
 それぞれ就役したって感じです。
 ……ホント、何やってるのでしょうね。

587575:2008/03/30(日) 09:28:09 ID:oVuuhHNoO
リロード忘れてました、すみませんorz

そして投下乙です
実に良く計算されていますね
生かさず殺さず、上手く管理してやると・・・
魔獣兵が街に入り込まないようにするための壁にも活用できますしね
しかし朧気ながらも真実を知ってしまったカリムが可哀想ですね

588名無し三等陸士@F世界:2008/03/30(日) 10:37:30 ID:xr5rc7.Q0
で、叔父さんって嫁いるの?
あと、出世頭の下士官がここまで絶望しているのに対処してないのかな?
例えば、子供(養子含む)は新たな戸籍をもらって
最下層邦国へ「帝國」の官として移住できるとか。

・・・それでも「ボトムズ」よりはマシな身分への上昇ですよね

589名無し三等陸士@F世界:2008/03/30(日) 10:47:48 ID:I912VXps0
投下乙です。

清華は軍備を帝國の技術を模倣してるのかと思ってましたが、
今回の話からすると、機械式よりも魔法関係の方が主体になってるのでしょうかね。
魔獣兵って、なんか獣人が素体にされてるような気が……。

590名無し三等陸士@F世界:2008/03/30(日) 11:13:36 ID:55XpGFAo0
>で、叔父さんって嫁いるの?
数を制限しているんじゃないでしょうか、飴と鞭の要領で。
話に上るくらいはいるけれど実際はそんなに数がいないという風に。

>贅沢な食生活
この手って古今東西施政者がよくとった手ですよね。
近い所じゃあフセイン元大統領が作った執行部隊(名前は知らない)が
貧困層の若者や孤児を集めて贅沢な食事と女を与えて餌付けした上で
「汚れ仕事」をさせていたという話があるようなので(本当かどうかは
知らないのですが)似た様な事は結構あるんじゃないかと。

591名無し三等陸士@F世界:2008/03/30(日) 11:36:35 ID:55XpGFAo0
くろべえさん乙です。

>試製一〇式小銃
対戦車ライフルほどじゃないですが「熊(グリズリー含む)撃ち」銃みたいな
物でしょうか。
まあ商用ベースでも生産が出来るという事なら部品調達もしやすいしただの
小銃よりはマシなんでしょうね。
標識を設置し、射撃精度を高めているなら錬度が低くてもある程度カバー
できますね。
体格に合っていないのはやはり「体を銃にあわせろ」的な発想もある
のかもしれない(ただ単に供給しやすい余剰兵器を当ててるだけかも
しれないですが)。
相手が獣でなくともこれくらいの威力があれば治安維持程度には使え
ますね。

592名無し三等陸士@F世界:2008/03/30(日) 11:43:58 ID:55XpGFAo0
しかし、ホラズム兵は実質給料貰っているんでしょうか。
食料のみの現物支給なのか安い賃金(帝國からの感覚として)が与えられて
いるのか。貰っているならばそれを使う場所は必要ですし(酒保とか)場合
によっては買春も必要かもしれないですよね。
最も元流民であり差別民族であるホラズム人を相手にしてくれる娼妓が
どのくらいいるのかという問題はありそう(軍が用意する場合衛生管理
も必要なので)です。

593名無し三等陸士@F世界:2008/03/30(日) 11:55:23 ID:EVV0x4N.0
>流民であり差別民族であるホラズム人を相手にしてくれる娼妓がどのくらいいるのかという問題はありそう

ヒント:長女以外のホラズム人女性がどうなるか

594名無し三等陸士@F世界:2008/03/30(日) 12:26:34 ID:xr5rc7.Q0
給料は下士官にならなきゃもらえないと説明が。
兵の間は衣食住が保障されるだけだと。

下士官の子孫がどういう扱いになるのか気になりますな。
境遇からの足抜けが出来るかどうかが

595名無し三等陸士@F世界:2008/03/30(日) 16:18:53 ID:hH7x9.KU0
>魔獣兵
ファイヤーボール発射能力や超音波砲発射タイプもその内清華は開発するかも。
そして、上位指揮官用に神獣兵や神獣将も存在したりして。

>ホラムズ兵
使い処の難しい部隊で忠狼部隊と共に指揮官の出世が早くても、こちらは逆に左遷扱い並みに嫌わられるのでしょう。
クルド兵の様に精強とかゲリラ戦に強いと思えず、読み書きソロバン出来て当たり前の帝國軍の基準から他の邦国軍もそうなっているだろうけど、ホラムズでは下士官でもそうなっているかどうか。
かつての、部下の戦死が多い=積極的で敢闘精神高い指揮官の時代なら良いが平成時代では通用しないでしょうし。

実際はダークエルフの献策でも陛下が御不快の念を洩らして、慌てて軌道修正を建国数年で行う気がしますが。

596名無し三等陸士@F世界:2008/03/30(日) 20:33:10 ID:55XpGFAo0
>ヒント:長女以外のホラズム人女性がどうなるか
その人らは海外に売り飛ばされるのでしょう(奴婢として)?
それらを直接もしくは間接的に帝國が買い上げて慰安部隊を作って
ホラズム兵の相手をさせているのですかね。
曲がりなりにも軍隊ですから、娼妓の衛生管理は手間がかかるはずです。
一度、海外に売りに出されたホラズム人の奴婢がどのような状態に
あるのかという事を考えたら「捨て駒」である彼らにそこまでするかな
ぁという疑問はあるのです。
(梅毒などの性感染症で軍がダメージを受けた例はありますから)

597名無し三等陸士@F世界:2008/03/30(日) 20:47:32 ID:PrNDtOqYO
>>ゆとりsage厨
まだ解答がないけど、1番上にあるスレをsageる意味(意義じゃなくて“意味”)を端的かつ明確に言え
無意味なことを強要するのはカルト
子供相談室にでも電話して愚痴ってろ

>>589
その理屈はおかしい
確定してる設定は
・戦線は南北
・“東”が西に向かって破棄する
・清華は極東にある
・わざわざ“東”という表現

大陸極東にある清華の西隣に南北に延びる戦線が必要条件になるから(打通しすぎ)、
そう考えるよりは大陸西部に南北に延びる戦線があり、東側世界の清華ではない国が破棄したと考える方が妥当

“東”ってのが清華勢力圏の俗称なら話は別だが、それはそれでクドすぎる

598名無し三等陸士@F世界:2008/03/30(日) 21:29:47 ID:EVV0x4N.0
明言しないあたり、エロ婦関連かもしれんね

599名無し三等陸士@F世界:2008/03/30(日) 22:59:15 ID:J7kYh./c0
>>596
んでも、軍隊ってのは常にソッチの面で暴走の危険を孕んでいるものではないのかな。
慰安婦を持たなかったソ連兵のはっちゃけぶりは有名だし、去勢でもしない限り性の問題は常に付きまとう問題。。。
常に最前線に配置される部隊なのに、慰安婦持たないなんて、、、怖くて町とか入れられませんw
もしや後編2ではカリム君のアッー!な話とか。。。

600名無し三等陸士@F世界:2008/03/30(日) 23:21:07 ID:55XpGFAo0
>カリム君のアッー!な話とか。。。
「やらないか?」、まあこれは冗談だとしても男娼はありえそうですよね。

601名無し三等陸士@F世界:2008/03/30(日) 23:51:45 ID:FUyDPFug0
テーバイの神聖隊ばりにアッー!な軍隊だとそれはそれで強そうだが……。

602名無し三等陸士@F世界:2008/03/30(日) 23:54:02 ID:6IYjC78Q0
オッスオッス!

603名無し三等陸士@F世界:2008/03/30(日) 23:54:26 ID:K8Q99yIA0
光と影と言うことは、光もあるのでしょうな。
しかし、これだけ巨大で今でも広がり続けている史上空前の世界帝国なんだから
それこそ以前の稲葉ネタで出てきた、陛下(宰相)直属で、非常時には
全権委任されるダブルオーナンバーとかがいないと上手くまわらんのではないかな?
皇室紋が刻印された身分証明には陛下直筆で「この者が命ずる言葉は朕の言葉である」
とか記されていて。
ダークエルフとか華族出の軍人とか密かに選出されていそうだな。
あと、映画とかで「存在」だけは流布されていて野心のある名家出は
「俺も帝國の為働くダブルオーナンバーに!」とか言う柑橘類みたいな奴とかいそうだ

604名無し三等陸士@F世界:2008/03/31(月) 00:42:22 ID:0S4U9gBEo
そこで、ギターを抱いた渡り鳥や、
エースなジョーが登場!

605くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/31(月) 12:50:17 ID:LyPPIJW.0
>>587
 587(575)様、ありがとうございます。

>生かさず殺さず、上手く管理してやると・・・
 彼等ホラズム人は、邦國のガス抜きの一つであるとともに、見せしめでもありますからねえ……
 帝國が単独で世界を支配するには、支配下の国は独裁国であることが望ましい。(遣り易い)
 更に、そういった国を多数管理するには序列づけるのが最適。
 で、そうした封建的な体制下では、ホラズムの様な存在はある意味必然かつ必要……

>>588
>で、叔父さんって嫁いるの?
 独身です。ついでにホラズム女など貰う気更々無いです。(この辺は後々……)

>あと、出世頭の下士官がここまで絶望しているのに対処してないのかな?
 してません。他の邦國なら話は別ですが、ホラズムですから。
 ホラズム人は、いわば「囚人」なのですよ。(懲役は永遠)

>>589
 589様、ありがとうございます。

>清華は軍備を帝國の技術を模倣してるのかと思ってましたが、
 IF編の清華を始めとする“東”側は、魔術に力を入れています。
 まあ科学による軍備もおこなっていますが、それだけでは絶対勝てませんからねえ。

606くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/31(月) 12:52:02 ID:LyPPIJW.0
>>590
 難民キャンプの子供にジュースをあたえちゃうみたいなもの、もう元の生活は不可能です。
 悪辣だ……

>>591
 591様、ありがとうございます。

 この世界、訳の判らぬナマモノを相手にしなきゃあいけない例が多々ありますんで、大変ですよ。

>>592
>しかし、ホラズム兵は実質給料貰っているんでしょうか。
 基本、給料もらえるのは下士官のみです。
 ですが、実戦任務に就くと幾ばくかの小遣いが貰えます。
 ……ま、帝國が払ってるのですけどね。
 ここからの税収(せこっ!?)は、ホラズムの貴重な収入源です。

>最も元流民であり差別民族であるホラズム人を相手にしてくれる娼妓が
>どのくらいいるのかという問題はありそう
 この辺はSSで……

>>594
>下士官の子孫がどういう扱いになるのか気になりますな。
 本国軍と邦国軍はあくまで別ですから、その待遇に本国はあまり関与しません。(邦国の権限のうち)
 邦国人で出世したければ、(狭き門ですが)本国に国費留学する等、幾つかの手段が存在します。
(ただホラズム人は別です。事実上、彼等に出世の手段は存在しません)

607くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/31(月) 12:53:01 ID:LyPPIJW.0
>>595
>ファイヤーボール発射能力や超音波砲発射タイプもその内清華は開発するかも。
>そして、上位指揮官用に神獣兵や神獣将も存在したりして。
 超魔獣兵とか魔獣神将とか……
(ごめんなさい、好きなのですよ)

>軌道修正を建国数年で行う気がしますが。
 上でもありますように、封建制度を維持する上では、こういった国も必要なのですよ。

>>596
>一度、海外に売りに出されたホラズム人の奴婢がどのような状態に
>あるのかという事を考えたら「捨て駒」である彼らにそこまでするかな
>ぁという疑問はあるのです。
 まあ最大限の利益が得られる様、といった思考でしょうねえ。

>>597
>光と影と言うことは、光もあるのでしょうな。
 あ〜、光は「帝國の繁栄」です。申し訳ない……



 ではSS投下。

608くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/31(月) 12:54:01 ID:LyPPIJW.0
帝國召喚if「繁栄の光と影」後編その2

   町に住む男が新しい猟銃を手に入れた。
   男は銃の試射を行うべく、野良犬を探しに町を出た。
   野良犬が見つからなかったので、代わりに流民を撃った。
   そこを通りがかった“帝國”人警官が、怒って言った。
   『なんてことをするんだ!弾がもったいないじゃないか!』

   ――――ロッシェル侯王国のジョーク。



 箱を開けると、中には小銃弾がぎっしりと詰まっていた。
 拳銃弾や手榴弾が詰まった箱もある。
 頭から足元までフードで覆った正体不明の男は、それ等を一つ一つ慎重に鑑定する。
 そして全ての鑑定を終えると、振り返って言った。

「全部でこれだけネ」

「……もう少し上げてくれよ。長い付き合いじゃないか」

 男が指で示した金額を見て、ハシムは露骨に顔を顰めた。
 実弾訓練や戦闘のドサクサに紛れて少しづつちょろまかし、貯めてきた装備である。もう少しその辺を汲んで欲しい、と主張する。
 が、男は一考だにせずビジネスライクに首を振る。

609くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/31(月) 12:54:54 ID:LyPPIJW.0
「関係ないネ、これが相場ヨ」

「これなんて徹甲弾だぜ?普通弾よりもずっと強力だぞ?」

「……正直、手榴弾はまあいいとしても、小銃弾や拳銃弾なんて余ってるくらいネ。でも、長い付き合いだから買い取ってるのヨ?」

「ちっ!」

 ハシムは忌々しそうに代金を受け取ると、その場で数え始めた。
 ……しかもご丁寧に、“すかし”まで確認している。
 が、その余りにあからさまな態度にもさした気にする様子も見せず、男はじっと数え終わるのを待つ。

「確かに」

「高く買って欲しければ、それ相応の物を持ってくるヨロシ」

「本当か?」

「私、嘘いわないヨ。 ……ま、無理だろうけどネ」

「へえ…… じゃあ、コイツなんてどうだ」

 パチッ!

 ハシムが指を鳴らすと、ホラズム兵が数人がかりで大きな箱を一つ運んできた。
 訝しげに箱を開いた男は、中を見たとたん絶句する。

610くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/31(月) 12:56:05 ID:LyPPIJW.0
「……これはっ!?」

「“帝國”本国軍の対装甲弾だ」

 それは、携行式の使い捨て軽対装甲弾、いわゆる“LAW”――Light Anti-Armor Weapon――だった。
 重量こそ3㎏にも満たないが、最大1000mを飛翔し、強力な防護結界に守られた戦竜、厚い壁で守られたトーチカを粉砕する凶悪なまでの威力を秘めている。
 ……そして、ホラズム軍には絶対に納入される筈の無い兵器でもある。

「……どうやって、手に入れタ?」

「町の軍倉庫から、ちょっとね」

 この種の兵器は弾薬扱いだから、多少の誤魔化しは利く、とハシムは笑う。

「……無茶するネ」

「危険は承知さ!けど、カネが欲しいんだ! ――そういうそっちは、買う買わない、どっちだ?」

「負けたネ、買うヨ」

「そうこなくっちゃ!」

「……けど、ほとぼりが冷めるまで、暫く会わないネ」

「それは同感だ。俺も暫く“仕事”を休む」

611くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/31(月) 12:56:42 ID:LyPPIJW.0
「賢明ネ。あと、お金、今あるだけじゃあ足りないから、残りは後で払うヨ」

「……おいおい、『いつもニコニコ現金払い』がお前のモットーだろ?」

「仕方ないネ、あんな大物あるとは思わなかったヨ。でも大丈夫、私約束守る、きちんとあなたの口座に振り込むヨ」

「!? ……何故、俺の口座のことを知っている?」

「取引相手調べるの、当然ヨ。蛇の道は蛇、偽名使って隠してるみたいだったけど、すぐ判ったネ」

 ま、ホラズム人は口座作れないから偽名でもしょうがないケド、と男は笑う。
 が、ハシムは痛い所を突かれたのか厳しい顔だ。(手下のホラズム兵達も初耳らしく、顔を見合わせている)



 ――おじさん、うそだろ……

 目の前の光景に、カリムは呆然としていた。
 ちょっと、手伝ってくれ――そう言われてハシムの子分達と共に荷を運んだのだが、まさかこんなことに……

 ――おじさん、なんて顔してるんだよ……

 金を数えるカリムの顔は脂ぎり、とても嫌だった。
 ……そんな叔父は、知らない。叔父は賢く強い英雄で――

612くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/31(月) 12:57:38 ID:LyPPIJW.0
「オ、新しい子分ネ?」

 男がカリムを見て、今気付いた、とばかりに言った。

「ああ、俺の甥だ」

「おお!甥か!私、チャンね、よろしク」

 男はカリムに近づき、手を持つとブンブン振る。
 ……が、フードの下の顔を伺い知ることはできない。
 声も作った様なくぐもり声だ。

「か、カリムです……」

「お近づきの印に、これあげるヨ」

 そう言って、男はカリムに何本かの“紙巻煙草”を手渡した。

「僕、煙草吸えません」

「煙草、違うネ。もっといいものヨ」

「……煙草じゃあないんですか、これ?」

「もっともっといいもの、とても幸せになれるヨ」

「??? ありがとうございます」

 とりあえずカリムは礼を言い、“紙巻煙草”をポケットに収めた。

613くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/31(月) 12:58:42 ID:LyPPIJW.0
 …………

 …………

 …………

 男が去った後、ハシムは子分達に札束を配り、最後にカリムの所にやって来た。

「どうだった、カリム?」

「……おじさん、これはどういうこと?」

「『どういうこと』って聞かれても、『見ての通り』としか答えられねえなあ」

 ハシムはせせら笑う。
 ……なんて、嫌な表情で笑うのだろう。
 カリムは悲しそうな声で言葉を続ける。

「おじさん、村の英雄なのにどうして……」

「英雄?村の?はんっ!安っぽい英雄もあったもんだ。 ……それにな、その程度の名誉じゃあ腹は膨れねえんだよ、カリム」

 目を吊り上げ、ドスの利いた声で話すハシム。
 ……これが叔父の本当の姿なのだろうか?
 だとしたら、とても悲しいことだ。とても、悲しい……

614くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/31(月) 12:59:36 ID:LyPPIJW.0
「でもこれ、犯罪だよ……見つかったら……」

「見つからなきゃあ、犯罪は犯罪にならねえよ」

「…………」

「ま、仕方ねえよな。混乱してるんだろ?何も教えずに連れて来た俺も悪りいやな」

 そう言って頭をかきつつ、ハシムは札束を一つカシムに手渡した。

「カリム、これが今日のお前の“取り分”だ。 ……ま、初めてだし小遣い程度だが、とっておけ」

「え……」

 手に、ずっしりとした重みが加わった。
 見ると、1圓札(*1)の束が握らされていた。

「こんなに……」

「景気づけに、これで女でも買えや!」

 ガハハ!

 目を丸くするハシムを見て、カリムは満足そうに笑った。





*1 ――――――――1圓札――――――――
 “帝國”中央銀行が本国以外の地域用に発行した紙幣。(無論、本国でも使用可能)
 本国では、1圓といえば硬貨であり、紙幣は5圓からである。
 が、本国以外では1圓といえどもそれなりの使いでがあるため、紙幣として発行している。

615くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/03/31(月) 13:00:24 ID:LyPPIJW.0
SS投下終了。
次回でいい加減、ラスト……だと思います。たぶん。

616名無し三等兵@F世界:2008/03/31(月) 14:24:35 ID:DX9fFP720
くろべえさん、投下乙です。

あ〜、いつぞやの辺境司令官を思い出すような光景が。
>「……これはっ!?」
語尾のカタカナが抜けてますな。驚きのあまり、地が出たのかな?
「あの組織」の人かな?

617名無し三等陸士@F世界:2008/03/31(月) 14:45:48 ID:SIqEjBAI0
投下乙です。

このあやしげな言葉遣いからすると……
どう考えても単純な軍需物資横流し程度の話じゃないですねw

っていうか、黒部男爵の話では帝國人将校がやった教科書程度の横流しでもあれだけ厳しい処分になったのに
被差別人種がこんなことしたらどういうことになるか(ガクガクブルブル

618ヨークタウン ◆r2Exln9QPQ:2008/03/31(月) 15:30:13 ID:zKI.BuYs0
くろべえ氏投下お疲れ様です。

ちょwww ジョークを見てどこぞの共産主義国を思い出しちまいました。

しかし、村の英雄が、まさか武器の横流しをしているとは、カリムにとっては
思っても見なかった事でしょうなぁ。カリムが可哀相に思えました。
しかも、武器の横流しが、”これだけ“ではなさそう・・・・・
まるで、ソ連崩壊後の光景みたいです。

619名無し三等陸士@F世界:2008/03/31(月) 17:13:33 ID:Ajjw8v5k0
そして、”資金”を貯めた後、戦死を偽装してどこか・・・どこでも良い
邦国でも、直轄領でも・・・に逃げることを考えている叔父さん。
そうしたら、新しい戸籍を買って人生を一からやり直すんだ・・・

620sage:2008/03/31(月) 17:58:46 ID:bwijXK9I0
頭が切れるやつならその道を選んでもしゃーないわな、ほんのわずかな可能性でも…

621名無し三等陸士@F世界:2008/03/31(月) 19:26:46 ID:oVuuhHNoO
投下乙です

こいつはバレたら一族郎党、つか村丸ごと消滅なのでは?
なんにしろカリムがカワイソス

622名無し三等陸士@F世界:2008/03/31(月) 19:30:23 ID:Ajjw8v5k0
>>603
オレンジ乙!-w

623陸士長:2008/03/31(月) 19:52:20 ID:KNJCSNJU0
投下乙です。
ジョークは凄く……ブラックです。
本気で人間扱いじゃないんですな。

村の英雄は武器流して一財産ですか。
まぁ、あの商人がふん捕まったりすれば身の破滅でしょうけど。
個人的には『紙巻煙草』と『棚ぼたな大枚』がフラグだと予想してますw

624名無し三等陸士@F世界:2008/03/31(月) 20:07:27 ID:BSbuSQCQ0
こないだまであった某アニメの傭兵みたいな生活ですね
彼はどうしようもない「殺人狂」でしたが

625陸士長:2008/03/31(月) 21:05:35 ID:KNJCSNJU0
久し振りにショートSSでも投下してみます。

〜傾聴〜

このショートSSはくろべえさんの設定をお借りした二次創作です。
帝國召喚とはリンクされておりませんので、悪しからずご了承ください。

626じゅうじんのむかしばなしそのさん:2008/03/31(月) 21:14:24 ID:KNJCSNJU0
これは、いだいなる『かんこうたい』がたいりくのにしがわにさしかかったころのおはなしです。


ぎらぎらとひかるたいようのした。
げんきにあるいているかんこうたいのたいちょうと、おとものじゅーじんたち。

そんなかれらのまえに、まずしそうなかぞくがあらわれました。
おとものじゅーじんたちには、すぐにわかりました。それは、しょうたいをかくしたどうぞくだったのです。
おたがいのしょうたいをさっし、かれらはしばらくはなしをすることにしました。

じゅーじんのかぞくは、わけてもらったみずをのみながらいいました。

「わたしたちには、すむくにもありません。にんげんにおわれてずっとずっといろんなばしょをさまよってきました」

かんこうたいちょうは、じゅーじんのかぞくにいいました。

「ひがしにむかえば、じゅーじんのくにがある。そのくにはおまえたちをうけいれているぞ」

じゅーじんのかぞくは、なみだをながしてかんしゃのことばをいい、うれしそうにひがしへとさっていきました。


じゅうじんのかぞくたちとわかれ、かんこうたいはまたたびをつづけました。
しばらくあるくと、こんどはもりのなかをひっそりといどうしているかぞくとそうぐうしました。
そう、かれらはせかいじゅうからじゃあくとされているだーくえるふのかぞくだったのです。
たたかいになりそうでしたが、たいちょうがとりなしてはなしあいをすることにしました。

だーくえるふのかぞくは、わけてもらったパンをたべながらいいました。

「いちぞくがてーこくにしたがうとききひがしにむかっています。ほんとうにてーこくはわたしたちをうけいれてくれるのでしょうか?」

ながくながくいじめられたせいか、だーくえるふたちはふあんそうです。
かんこうたいちょうは、だーくえるふのかぞくにいいました。

「てーこくはおうどうらくどである。しょうかんのそこくはおまえたちをうけいれているぞ」

だーくえるふのかぞくは『あなたをしんじてみます』といい、ひがしへとさっていきました。

だーくえるふのかぞくたちとわかれ、かんこうたいはまたたびをつづけました。

627じゅうじんのむかしばなしそのさん:2008/03/31(月) 21:15:21 ID:KNJCSNJU0
しばらくあるくと、こんどはぼろきれをまとったにんげんたちとそうぐうしました。
そう、かれらはくにもこきょうももたないりゅーみんだったのです。

「わたしたちには、すむくにもありません。ずっとずっといろんなばしょをさまよってきました」

りゅーみんのかぞくは、なぐられてしにかけているおじいさんをまえにしていいました。
おじいさんはであいがしらに、かんこうたいちょうのおとものものたちがうっかりなぐりたおしてしまったのです。
でも、それはしかたがありません。りゅーみんはかちくとおなじかそれいかだからそうするのがふつーなのです。
めがあっただけでころされてもしかたがないのがりゅーみんなのです。

「かんこうたいちょう、りゅーみんをくににまねきいれればふこうをよびます。このばでしまつしましょう」

そっきんは、このせかいではじょうしきのていあんをしました。
しかし、かんこうたいちょうはうなづきませんでした。
それどころか、なみだをぽろぽろとながしていました。
かんこうたいちょうは、りゅーみんのきょうぐうにふかくどうじょうのねんをおぼえたのです。

「おまえたち、つらかっただろうな。そんなむしけらにもおとるあつかいでいままでたびをしてきただなんて」
「そのきょうぐうにはしんそこどうじょうをおぼえる……しかし!」

かんこうたいちょうは、うすよごれたりゅうみんのまえにかたひざをつき、なみだながらにいいました。

「しょうかんは、じゅうじんとだーくえるふのかぞくをすくうてだてはかんがえついた。しかし、りゅーみんをすくうてだてはかんがえつかんのだ!」

そっきんのじゅーじんたちは、しょうげきをうけました。
あれだけのちょうじんてきかんこうをなしとげた『さくせんのかみさま』ですら、りゅーみんをきゅうさいするてだてはわからないのです!!
じゅうじんたちは、うまれてはじめてほんのちょっぴりりゅーみんたちにどうじょうしてしまいました。

ふるえるひざをたてて、たきのようになみだをながしながらかんこうたいちょうはたちました。
そのてに、ぬきみのあいとうをにぎりしめ、かなしみにみちたくちょうでりゅーみんのかぞくにいったのです

「せめて、せめてしょうかんのあいとうでげんせのくびきからたちきってやろう!」

ずんばらりん。
ずんばらりん。
ずんずんばらりん。

かんこうたいちょうのにぎるおうごんのかがやきをもつさむらいぶれーどが、りゅうみんたちをいきるくるしみからきゅうさいしたのでした。

きっと、りゅうみんたちはこういったのでしょう。

「くるしいりゅーみんのせいかつからかいほうしてくれてありがとう。わたしたち、らいせできっとしあわせになります!」

こうして、りゅーみんのかぞくはしあわせになったのです。
そのごも、かんこうたいちょうとそのおともたちはたびさきでりゅーみんたちをきゅうさいしつづけたのでした。

めでたし。めでたし。

628陸士長:2008/03/31(月) 21:15:57 ID:KNJCSNJU0
※童話の本質とは現実的で残酷なものなのですよと言い訳して、投下終了。
……いや、くろべえさんのブラック・ユーモアにムラムラしてしまいました。
元ネタは始皇帝の漫画に出て来た趙の将軍李牧のたとえ話です。

629名無し三等陸士@F世界:2008/03/31(月) 21:20:52 ID:55XpGFAo0
くろべえさん乙です。

しかし、軍の倉庫から盗み出せてしまえる環境というのは過去から
学んでいないのだろうか帝國は。
LAWの構造と誘導方式によっては軍事機密どころでは無いでしょうし
そういった兵器の保管&管理を軽視しているというのは辺境軍で
あっても末期臭いですよね。
それともわざと泳がしているのかもしれないですよね(売り手と買い手
が分かった所で始末する)。
「紙巻タバコ」に関しては人間追い詰められたら溺れる物は「薬と酒
と女」と大体相場が決まっているのでなるほどなぁと。

それはそうと稲葉は一応軍事マニアでもあったと言うことは稲葉の知識
にある兵器のいくつかは実験レベルとはいえ実用化されているものも
出てきている可能性もあるんですかね(昔よりは金があるから)。
東部戦線が兵器の実験場としての要素も含んでいるならば「燃料気化爆弾
(サーモバリック爆弾)」や「デイジーカッター(正確には爆弾じゃない)」
なんかが出ているかもしれないですね。

630名無し三等陸士@F世界:2008/03/31(月) 21:44:58 ID:V7tnGOCw0
阿片タバコで幸せな夢を見ながら死ぬのも幸せかもな・・・
絶望しかないなら

631名無し三等陸士@F世界:2008/03/31(月) 21:46:14 ID:TDGJFons0
>>629

>LAWの構造と誘導方式によっては軍事機密どころでは無いでしょうし

誘導弾とは一言も出てないので、無誘導のロケットランチャーのようなものかもしれない
というか、むしろそっちのほうが可能性高そう

632名無し三等陸士@F世界:2008/03/31(月) 22:12:58 ID:55XpGFAo0
>631
あー、確かに誘導弾とは書いてないですね早とちりでした。
という事はRPG-7などの無誘導携帯型ロケットに近いんでしょうかね。
だとすると弾頭(弾薬)の構造解析をされると厄介ですね(リバース
エンジニアリング)。
「東」にLAWの模造品を作れるかどうかという問題はありますが「Tu-4」
の例もあるので馬鹿には出来ない(ソ連だから出来たという可能性は別
として)ですよね。

阿片って脱力(ダウン)系の薬物のようなイメージがあるんですが阿片が
兵士の間に蔓延すると使い物になる兵士が減るんじゃないかなぁと。
突撃錠(メタンフェタミン)などは日本もドイツ(後に危険薬物指定)
も戦前は処方されていたので一定量がまだ備蓄されている可能性も
ありますが。

633名無し三等陸士@F世界:2008/04/01(火) 02:58:20 ID:55XpGFAo0
「帝國」が平成時代に配備しているこのLAWの仕様だと米軍のM-72が
近そうですね。
80年代米軍レベルの技術で見てもバズーカの後継とはいえ300mmの装甲
貫通力はこの世界の国家にとっては脅威ですし。
しかし、これの弾頭に使われている成形炸薬の仕組みを知られるのは
マズそうだなぁ・・・。

634くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/01(火) 08:26:51 ID:LyPPIJW.0
 陸士長様、投稿乙です。
 ……こっちも黒いですねえ。
 でもまあ、封建制度下ではこういったことはある意味“当たり前”なのでしょうねえ。
 現在ですら、色々ありますから……

>>616
 名無し三等兵様、有難うございます。

>あ〜、いつぞやの辺境司令官を思い出すような光景が。
 情報統制にも所詮限界がありますからねえ。
 この頃になると、かなり規制も緩くなってますし。
 ましてや邦国中に配っている兵器なんて、横流しを防ぐことは難しいでしょう。

>>617
 617様、有難うございます。

>どう考えても単純な軍需物資横流し程度の話じゃないですねw
 “薬”もからんでいるみたいですしねえ。
 ……といいますか、普通?の武器密輸商人ならこんなチンケな取引、相手にしない訳で(謎)

>>618
 ヨークタウン様、有難うございます。

>カリムが可哀相に思えました。
  村を出てから数ヶ月、少年は現実を嫌というほど見せ付けられてきました。
 ……でも、それでも信じていたいものがあったのですよ。
 それが、壊された瞬間でした。

>しかも、武器の横流しが、”これだけ“ではなさそう・・・・・
 ですね。でも水は低きに流れるわけでして、完全に防ぐことは難しいでしょう。

635くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/01(火) 08:27:59 ID:LyPPIJW.0
>>619
 大正解です。
 彼はこんな糞みたいな生活も、それを黙って受け入れる仲間も大嫌いです。
 当然、同族と結婚する気なんて更々ありません。

>>621
 621様、有難うございます。

>こいつはバレたら一族郎党、つか村丸ごと消滅なのでは?
 昔と違い、流石にそれはなくなりました。
 けど、やはり家族は不味いですねえ。

>>623
 陸士長様、有難うございます。

>ジョークは凄く……ブラックです。
 こういった類のジョークは大陸中に見られます。
 そういう扱いなのですよ。

>村の英雄は武器流して一財産ですか。
 財産といいますか、逃亡資金が欲しいのですよ。
 逃亡までの旅費、戸籍を買う資金、逃亡先で一旗上げる為の資金等々……
 金は幾らあっても多いことはありません。

>>624
 ちなみにハシムは薬はやりません。
 あんなもんで身を持ち崩す気は更々ないのですよ。
 ……エクソダスする気満々ですね。人生賭けてます。

636くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/01(火) 08:29:45 ID:LyPPIJW.0
>>629
 629様、有難うございます。

>しかし、軍の倉庫から盗み出せてしまえる環境というのは過去から
>学んでいないのだろうか帝國は。
 ギンバイは陸海問わず頻繁にあったらしいですからねえ。
 まあ横流し……それも兵器を、となるとそうそう無いでしょうが、ゼロとも言い切れません。
(まして扱う量が膨大かつ消費が多い、世界中に補給網が広がっている、となれば……)
 これに旧式兵器装備とはいえ邦國軍もある訳ですから、憲兵隊も目を光らせるのが大変だ……

>稲葉は一応軍事マニアでもあったと言うことは稲葉の知識
>にある兵器のいくつかは実験レベルとはいえ実用化されているものも
>出てきている可能性もあるんですかね(昔よりは金があるから)。
 その可能性は十分あるでしょう。
 対ステルス、対巡航ミサイル対策とかも加速するでしょうねえ。
 とても戦艦に回す金は無くなるな……

>>633
>「帝國」が平成時代に配備しているこのLAWの仕様だと米軍のM-72が近そうですね。
 といいますか、M-72モドキです。
 「安いし軽いし使い捨て」と三拍子揃っている上、“弾薬”扱いなので気軽に使えます。
 ま、対装甲弾というよりも“大きな手榴弾”か“擲弾”感覚ですね。(対戦車としては重対装甲弾とかATMとか大型無反動砲がありますし)
 本国軍の歩兵はこれを持てるだけぶら下げ、気軽に敵にブチ込みます。
 ……やられる方はたまったものじゃあありませんが。
 
 なお、同じ型でも甲乙丙の3バリエーションがあります。
 甲は貫通力大、爆発力小
 乙は貫通力中、爆発力中
 丙は貫通力小、爆発力大
 丙でも150㎜以上の装甲を貫通する能力があり、十分対装甲に使えます。
(ちなみに生産数は丙>>乙>>>>甲)

637名無し三等陸士@F世界:2008/04/01(火) 11:02:21 ID:.Gmpnd6o0
今SSのネタにど〜ぞ
 ttp://nw2.blog112.fc2.com/blog-entry-856.html

638名無し三等陸士@F世界:2008/04/01(火) 20:20:43 ID:BaWzNbb20
>>619
>>635
古来から、流民に対して最も過酷かつ残酷な態度をとるのは
密かに成り上がった流民かもしれませんな。
しかし、叔父さん「外」にどんな伝手や人脈を有しているのか。
一旗上げるのにも教育は必要でしょう。
それとも、下士官にでもなったら「機能」させるだけの最低限の教育を
施されるのですかな?

639名無し三等陸士@F世界:2008/04/01(火) 22:05:50 ID:0CLNqiz.0
叔父さんの話読んでてカムイ伝を思い出した漏れはおっさんです

640名無し三等陸士@F世界:2008/04/01(火) 23:27:58 ID:55XpGFAo0
くろべえさん有難うございます。

>丙でも150㎜以上の装甲を貫通する能力があり、十分対装甲に使えます。
>対装甲弾というよりも“大きな手榴弾”か“擲弾”感覚ですね

ああ、帝國も贅沢な兵器の使い方ができるようになったんだぁとか
しみじみと考えてしまいました。
150mmの装甲貫徹力があるならば大抵の事には使えそうですよね。
・・・特殊弾頭とか開発されてたりして。

641くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/02(水) 16:52:10 ID:LyPPIJW.0
>>637
 提供、どうも有難うございます。
 少し違いますが、このIF編中の“帝國”人は、邦國最貧国あたりに出張する時は、現地通貨の小銭を沢山用意するようにしています。
 群がる物乞いに小銭をばら撒くことにより注意を逸らし、その間に逃げるのですよ。

>>638
 伝手や人脈は兎も角、叔父さんは蛍雪並の独学で知識を得ました。
 普通の邦に生まれていれば、国費留学生にだって選ばれたかもしれません。
 こういった商売のボスをしているのですから、知識だけの人間でもないでしょう。
 ……本当に、運の悪い人ですよ。だからこそ、余計に鬱屈したものがあるのでしょうねえ。
 俺はお前らとは違うんだ、と。

>>640
>ああ、帝國も贅沢な兵器の使い方ができるようになったんだぁとか
>しみじみと考えてしまいました。
 アメリカのレーガン政権時並かそれ以上の軍事費ですからねえ。
 自衛隊が見たら、目を丸くするでしょう。

>150mmの装甲貫徹力があるならば大抵の事には使えそうですよね。
・・・特殊弾頭とか開発されてたりして。
 こいつは手軽さが売りなんで、そういった任務はより「重い」兵器が担当します。
 軽く、安く、使い易く。これがモットーなのですよ。


 ではSS投下。

642くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/02(水) 16:53:02 ID:LyPPIJW.0
帝國召喚if「繁栄の光と影」後編その3

 ――どうしよう……

 ハシムと別れた後、カリムは一人途方に暮れていた。
 その懐には、今まで見たことも無い大金が唸っている。
 1圓札が100枚――これだけあれば、ホラズムなら山羊を1頭買ってお釣りがくる。(交渉次第では、“つがい”だって買えるかもしれない)
 本当なら、喜び勇んで故郷の家族に渡したいところだ。が――

 ――これは、“汚い”金だ。

 犯罪で得た、不当な金。持っていたら、きっと不幸になるだろう。
 それを思えば、家族に渡すわけには、巻き込む訳にはいかなかった。

『家族!? ……お前、馬鹿か?』

 ふと、叔父の言葉が思い出された。
 自分が戦地手当(*1)を使わず、故郷の家族の為に貯金していることを知った時の言葉だ。

『奴等はな、ただ長男長女に生まれたというだけの理由で、俺達次男次女以下の犠牲の上に胡坐をかいて、のうのうと暮らして恥じぬ屑共だ!
 ――そんな奴等に金だと!?カリム、目を覚ませ!お前の金はお前だけのもんだ!!』

 その剣幕に、カリムは驚いてただただ頷くしかなかった。
 ……が、考えてみれば、叔父は碌に村に帰ってきたことがない。
 本来ならば、大威張りで帰ってきても良い筈なのに、である。
 そして、もう30を過ぎているというのに、未だに妻すら持とうとしない。

643くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/02(水) 16:54:02 ID:LyPPIJW.0
 ――ああ、そうか……

 カリムはやっと気付いた。
 叔父は家族を、いや村そのものを嫌っているのだ。

 ――うん、おじさんの気持ちもわかるよ。でも、やっぱり僕は……

 カリムも昔のカリムではない。
 軍に入り、国を出て、様々な経験をした。
 でも、だからこそ信じていたいのだ。
 血の繋がった、一緒に暮らしてきた家族だけは。
 それだけが、もはやカリムにとって唯一の寄りどころなのだから。



「兵隊さん!」

 その声に振り向くと、一人の女が立っていた。
 ……女性の年は良く判らぬが、20を一つ二つ越えた所だろうか?まだ若い女だ。
 女はにっこり笑い、口を開く。

「近くで店やってるんだ、何か買ってかない?
 サイダ−が瓶入り1本20銭、ビスケットが1箱25銭、他にも色々あるよ。
 ご希望なら料理だって作るよ。一番人気はオムレツ、卵と肉をたっぷり使った、作りたての熱々が30銭!」(*2)

644くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/02(水) 16:54:51 ID:LyPPIJW.0
 ……ああ、客引きだ。
 町から遠く離れたこんな場所だが、駐屯するホラズム軍目当てに商売する者も、少なからず存在する。
 歌や踊り、劇に曲芸といった娯楽を提供する者、
 屋外食堂を開き、食事を提供する者
 物品の売買を行う者、
 部隊の雑用を引き受ける者、
 ――等々様々だ。(上の複数兼ねる者も珍しくない)
 が、そんな多種多様である筈の彼等にも唯一、共通点があった。
 それは、『流民である』ということだ。
(或いは例外も存在するかもしれないが、圧倒的な少数派だろう)

 勿論、彼女も流民に違いない。
 でなければ、いくら商売とはいえ若い女が、“ボトムズ”相手に愛想を振り撒く筈が無い。

「……えっと、僕は二等兵ですよ?どうせなら、もっと偉い人を誘った方が――」

 久しぶりに見る女性、その眩しさにカリムは思わず顔を俯け、否定的に答えた。
 ……正直、まともに目を合わせられない。
 が、女はカリムの反応に満足しつつ、更に近寄る。

「でも兵隊さん、大金持ってるでしょ?」

「え!?」

645くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/02(水) 16:55:49 ID:LyPPIJW.0
 カリムは驚き、慌てて飛び退いた。
 そして、警戒して女を見る。

「あははは、それじゃあ丸判りだよ。やっぱり持ってるんだ」

「何で……判ったの?」

 笑う女、その様子に警戒を解いたカリムは、不思議そうに問うた。

「そりゃ、お金の匂いがしたからね」

 どうということはない、とでも言う様に女は答えた。

「匂い?」

「う〜ん、何と言ったらいいか……
 ま、お金に恋焦がれていると、判る様になるんだよ」

「そういう……ものなのかな?」

 判ったような、判らないような……
 カリムは首を捻る。
 ……本当に世の中、不思議でいっぱいである。

「うん、そう! だ・か・ら……お願い♪」

「でも、食欲無いんだよね……」

 カリムは首を振る。
 正直、悩みでいっぱいいっぱいだ。

646くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/02(水) 16:56:39 ID:LyPPIJW.0
「ふ〜ん、食欲が無いんだ…… じゃ、“こっち”はどうかな?」

 が、女は諦めず、今度はカリムにしなだれかかった。
 その甘い“匂い”に、クラクラする。
 女は耳元で囁いた。

「5圓で今日一日、私を好きにしていいよ」(*3)

「え゛」

 カリムは目を丸くした。
 それって……

「高い?じゃあもう一人、私の妹もつけるわ。場所も露天じゃなくてテントの中――どう?」

 カリムの反応の意味を勘違いした女は、条件を引き下げた。
 そして、上目遣いで見る。
 ……実は、ホラズム軍相手の商売の中で最も利益を上げていたのが、こういった“売春”だった。(何しろ元手がいらないのだから、丸儲けだ)
 故に、こういった成り行きは、言わば必然と言えた。

「いい!いいよ!」

 カリムは真っ赤になって首を振った。
 ……正直、彼には刺激が強すぎたのだ。(それに、“初めて”が3人で、というのもイヤ過ぎる)
 が、閃いた。
 丁度いい……のではないだろうか?

647くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/02(水) 16:57:23 ID:LyPPIJW.0
「お金が欲しいのなら、あげるよ」

 正直、カリムは懐の金を持て余していた。
 使う度胸もなければ、捨てる勇気も無い。かと言って持っているのも気分が重い。
 だから、渡りに船、だった。(いいことをした、とちょっぴり良い気分にもなれる一石二鳥だ)
 カリムは懐から札束を出すと、女に差し出した。

「これ、あげるよ。だから、暫くでいいから“そんなこと”止めなよ」

「…………」

 が、女は沈黙し、微動だにしない。
 カリムは女が驚いているのかと思い、更に言葉を重ね、札束を押し付けた。

「……どうしたの?泡銭だし、気にしないで」

「……ふざけんな」

「え?」

「ふざけんなって言ってるんだよ!このホラズムの乞食野郎がっ!!」

 バシッ!

「!?」

 思いがけぬ反応に、カリムは呆然と立ち尽くした。
 打たれた手が、じんじんと痛む。 ……何故?お金が欲しいんじゃあないの?

648くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/02(水) 16:59:11 ID:LyPPIJW.0
「あたしたちはね、“あんた等”と違ってちゃあんと二本の足で立ってるのさ!」

「僕だって働いて……」

「は!“御主人様”から与えられた住処でぬくぬくと守られて、挙句日々のおまんままで貰ってるあんた等の、一体何処が『働いてる』っていうんだい!」

 女の目は、憎悪に染まっていた。
 もし相手がホラズム人でなければ、喜んで金を貰っていただろう。自尊心を投げ捨て、這い蹲ったに違いない。
 ……が、女にも最後の一線があった。
 それを、カリムは踏み越えたのだ。

 流民達が最も憎む存在、それはカリム達ホラズム人だった。
 ただ『大きい勢力だった』というだけで放浪の時を終え、安住の地を与えられた、逃げた“卑怯者”達。
 対する自分達はと言えば――
 ……“こんな”生活だ。

 “帝國”という絶対者の出現により、国々の国境は確定され、交流も進んだ。
 もうかつての様に、国境の不確定さを利用し、そこに住むことも出来なくなった。安全な住処を、奪われた。
 排斥の大きい、より内側で暮らさざるを得なくなったのだ。
 ……が、排斥はかつての比ではなかった。
 数千人といった規模の大勢力群が姿を消し、残ったのは数十、数百人といった小集団のみ。絶対数も減った。
 かつてその数と組織力によって警戒されつつも、それなりに手加減されていた状況が、一気に崩れたのである。
 流民に対する風当たりは、一層激しくなっていた。
 そんな場所で、流民達は暮らすことを余儀なくされたのだ。

649くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/02(水) 17:00:32 ID:LyPPIJW.0
 戦争もなくなったため、稼ぎも大きく減った。
 戦争になれば兵士達の財布も緩くなるし、何より火事場泥棒だって期待できる。
 ハイリスクだがハイリターンの“稼ぎ時”でもあったのだ。
 結果、流民達は一層困窮した。

 このように、『“帝國”による平和』は定住民達に繁栄を与えたが、流民達にその恩恵は無かった。
 昔は良かった――そう老人達が嘆くのを子守唄に、今の流民達は育ってきたのである。

 ――それに引き換え、ホラズム人はどうだろう!
 隔離された環境で、迫害を知らずぬくぬくと暮らしている。
 食糧や生活必需品を与えられるため、日々の生活を気にする必要も無い。
 ……何故、こんなにも違うのだろう?

 食い物の恨みは恐ろしい。ことに、日々飢えと戦っている流民達のそれは恐ろしい。
 彼等は、ホラズム人を心の奥底から憎み、妬んでいた。
 ――そのホラズム人を、ここの流民達は生活の糧としているのである。
 屈辱、と言ってよいだろう。
 この女にしたところで、『生きるため』という諦観と『巻き上げてやっている』と腹で哂うことにより、何とか精神均衡を保っていたようなものだ。
 ……それが、カリムの“施し”により崩れた。
 一度崩れてしまうと、もう止まらない。
 女はまるでカリムが全ホラズム人を代表しているかのように、激しく罵り続けた。
 カリムは、それを呆然と聞くことしかできなかった。

650くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/02(水) 17:01:18 ID:LyPPIJW.0

*1 ――――――――戦地手当――――――――
 ホラズム軍の規定によれば、俸給を得られるのは下士官以上の正規軍人のみであり、兵は衣食住の支給のみとされている。
 が、それでは色々と問題がある為、“小遣い”程度の金が月々渡されている。
 これに加え、戦地に出た場合には物価差を補填する形で“帝國”本国が戦地手当を給付していた。
 この戦地手当ては現地でこそ大した額ではないものの、ホラズムではそれなりの価値を持っていた。


*2 ――――――――『
「近くで店やってるんだ、何か買ってかない?
 サイダ−が瓶入り1本20銭、ビスケットが1箱25銭、他にも色々あるよ。
 ご希望なら料理だって作るよ。一番人気はオムレツ、卵と肉をたっぷり使った、作りたての熱々が30銭!」
  』――――――――
 一番近い町ビンディの物価と比べ、明らかに割高である。
 まあ“ぼっている”というよりは“外国人向け価格”或いは“危険料込み”といったところか。

*3 ――――――――『「5圓で今日一日、私を好きにしていいよ」』――――――――
 *2と比べ、これは明らかに“ぼっている”。早々に条件を引き下げたのも、当たり前だろう。
 この国の王都ですら街娼は60〜90分1圓、一晩でも3〜4圓といった所だ。(この他に宿代がかかる場合も有るが)
 故に5圓という額は、幾ら“外国人向け価格”とはいえ、王都から遠く離れたド田舎で要求できる額ではない。
 まあ引き下げた条件が“落としどころ”だろうか。

651くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/02(水) 17:02:08 ID:LyPPIJW.0
 SS投下終了。
 ……終らなかったorz

652名無し三等陸士@F世界:2008/04/02(水) 17:56:43 ID:Qdkt50CM0
投下乙!次話が気になるw

653名無し三等陸士@F世界:2008/04/02(水) 17:58:36 ID:aRnWFFLc0
投下乙

でも、正直、今回の話は無くてもよかったような。ありがちなネタで面白み無かった。

654名無し三等陸士@F世界:2008/04/02(水) 18:07:16 ID:rnieKo0I0
投下乙。
くろべえ氏は、各種の立場の人々を書くのが上手いですな。
>>653
どんなネタを面白いと思うかは人それぞれ。

655名無し三等陸士@F世界:2008/04/02(水) 18:18:17 ID:jcsriX5g0
カリム君って、なんだかんだ言って、この境遇を抜け出す気がする。
帝國も、帝の性格と自分の財布と暮らしに関係なければ温厚、な
帝國人の性格から、帝國高級官僚も勢力圏内の流民に対する施策を
そろそろ考え始めているころだろうし。

・・・特に、帝が知ったら(聡明な方だから私的な聴聞ラインも保持してるだろう)
憐憫と不快の意を示されるだろう。
勢力圏外が地獄になろうとも、勢力圏内は安寧に包まれている、事を是とするのが
帝國人の感覚ですし。

656名無し三等陸士@F世界:2008/04/02(水) 18:41:10 ID:aRnWFFLc0
>>654
だから感想として書いただけですが。
そんなに自分と違う意見を潰したいですか?

657名無し三等陸士@F世界:2008/04/02(水) 18:41:26 ID:BSbuSQCQ0
>>655
反帝国運動のスポンサーは皇室だった!とかありえるな
戦前も、事実上象徴天皇でしかなかったわけだしなあ

下手に軍に逆らうような意向を示すと、暗殺の可能性もあった

658名無し三等陸士@F世界:2008/04/02(水) 18:46:45 ID:IWoX4whc0
なんとなく帝國召喚本編第一部外伝事変前夜第009話に出てきた元役人(使い走りだけど)が思い浮かんだ

659名無し三等陸士@F世界:2008/04/02(水) 18:49:07 ID:YvF1DTmw0
>>656
別にお前の感想が否定されたわけじゃありまいし、
お前こそ「自分の感想を肯定しない奴に噛み付いてる」だけじゃないのか?
狂犬乙。

660名無し三等陸士@F世界:2008/04/02(水) 18:51:27 ID:EP.Ix/yE0
>>656
SS投下終了後一時間も経たない内に「今回のイラネ」とかどんな神経してるんだ?
第一そんなのは「感想」なんかじゃないよ。

661名無し三等陸士@F世界:2008/04/02(水) 18:59:17 ID:J7kYh./c0
>>656
SS投下を楽しみにしている人が多い中で、自分のコメントがどんな気持ちで受け止められるか良く考えてレスしたら?
つまらなかったら自分の胸の内にしまっておけばいいじゃないか。
SS読んだ後にいきなり「つまらない」だの「ないほうが良かった」だののレス付けたら、多くの人が興を削がれるとか思い至らないのかな。。。
とりあえず、ゆとり乙としか言いようがない。

662名無し三等陸士@F世界:2008/04/02(水) 19:07:37 ID:J7kYh./c0
>>657

>>反帝国運動のスポンサーは皇室だった!とかありえるな

>>655のレスを見て、どうしたらここまで話が飛躍するのか不思議だわ
てゆうか、前から思ってたんだがなんでID:BSbuSQCQ0は仮想戦記のスレで
こりずに反日キャンペーンしてるんだ?w
識者ぶりした痛い発言多くて、ちょっといいかげんウザイんだが、、、

663名無し三等陸士@F世界:2008/04/02(水) 19:16:40 ID:EQR1yfvk0
投下乙です。
うむむ、見事に帝國への直接的な憎悪を逸らしながら、下層同士の相互不和の種が芽吹いちゃってますね。
支配者側としては効率的な手法ですが、当事者からすれば辛いでしょうな。

しかし、流民の老人が言っている「昔は良かった」というのも、その反面、カナ姫様の話のように、
その気になれば小国を攻め落とせるくらいの勢力が大きさを持つような集団もあったからには
流民による近隣定住民への圧迫などもあったということでしょうしねぇ。
それに、帝國があえて流民のままにしておいた集団ってのは、やはり特にタチの悪いのを選んでたでしょうか。

なんにせよ、神ならぬ身で「皆が幸せに」なんてことは無理なわけで
やはりどこかでこういうしわ寄せを食らう人たちが出てくるのはしょうがないんでしょうね。
自分がそうなるのはごめん被りますが。

664名無し三等陸士@F世界:2008/04/02(水) 20:36:31 ID:DGEIl7Ec0
投下乙です
カリムも善意としてやったことが
知らなかったこととは言え拒絶されたのはショックでしたでしょうし
同じ流民からも憎まれていることを知ってしまったのですね

665名無し三等陸士@F世界:2008/04/02(水) 20:52:36 ID:Y37AW33I0
GJです。
見事な光と影です。こういう描写があると物語に深みを感じます。

666名無し三等陸士@F世界:2008/04/02(水) 22:31:10 ID:cluo1dyQ0
帝國勢力圏が、インド並みのカースト社会に見えてきた・・・
邦国国王が帝國爵位のどのあたりかで、家臣である貴族・士族・平民の
「帝國勢力圏内における」身分も上下するだろうし。
ぶっちゃけ公王国上級士族と副卿国(国王が帝國男爵)下級貴族では
どちらが重く見られるのだろう。
表向きは士族と貴族の別があるかもしれんけど、実際の対応では
公王国の貴族とも縁戚があるであろう前者の方が羽振りを利かせれるのだろうな。

667名無し三等陸士@F世界:2008/04/02(水) 22:54:46 ID:PrNDtOqYO
「sage進行の意味とは?」

時々分家において、「このスレはsage進行で」とか誰かが言いだし、みんながそれに従いsageで書くということがあります

私はこれをただ単に無意味であるというだけでなく、日本人的な気持ちの悪さを感じるのです

分家においてたまにレベルの高いスレッドがありますが、それがsage進行で行われているというわけでもない

sage進行にすると内容のクオリティーが上がるとかいうことはないと思います

sage進行に意味があるとすれば全く板違いの話をしている場合や、重複スレッドが立ってしまった場合には上に上げないということくらいだろうか

それ以外の場合はほとんどというより、全く意味がないような気がします

要するに、「sage進行」に何か意味があると思っている人間が話に参加すると、「上げるな」とか騒いでみんなが横並びでそれに従うみたいな感じなのかなと

誰かが「sage進行だ」と言ったら意味がなくてもそれに横並びで盲従するというのが分家のルールということなのかもしれません

それでsage進行したがる心理に関しては、何というか、ある種の秘密会議的な雰囲気があるからなのかなと

そしてこの「秘密の話」のスレッドを上に上げるというのは、その「雰囲気」を壊すから責められるのである

雰囲気以外の実質は何も変わらないにせよ

668ギズモ:2008/04/02(水) 23:04:37 ID:fl5SxBEs0
中出ししたのに7万て!!!!!!ww
なんで今まで飲食なんかで働いてたんだろ。。。
始めっからこれやっときゃ良かったorz
http:\/www.hpranking.com/out.cgi?dir=deai&id=amour&url=053%2e0364%2e051%2e0333/same/manco.jpg?<RANDOM>

669名無し三等陸士@F世界:2008/04/02(水) 23:07:29 ID:EP.Ix/yE0
早速ageたせいでいらん宣伝に引っかかってるが?

最近暖かいとはいえ、おかしな奴が増えたなあ・・・

670名無し三等陸士@F世界:2008/04/02(水) 23:19:27 ID:Hx4GmCGQ0
ただのレス乞食だよ。放っておけ。

671名無し三等陸士@F世界:2008/04/02(水) 23:23:29 ID:33SGvbyM0
この板で専ブラアボーンを使う日が来るとは思ってなかった。
つか、ギコナビだとここIDアボーンできないのな。

672名無し三等陸士@F世界:2008/04/03(木) 00:05:29 ID:J7kYh./c0
とりあえず管理者に頼んでトップに「SS投下時以外はsage進行とすること」って明文化してもらえ
話はそれからだ
認知度イマイチなローカルルールでやんや争っても不毛もいいとこだ

673名無し三等陸士@F世界:2008/04/03(木) 00:54:17 ID:55XpGFAo0
くろべえさん乙です。

こちらの世界でも流民に対する問題は色々ありましたからねぇ・・・。
地球においても「19世紀は移民の世紀、20世紀は難民の世紀」と
言われたほどですし。
ハシムが嫌うのもわかりますがエクソダスが必ずしも成功するとは
限らないのが不安要因ですよね。

封建的な国家が多いアルフェイムである程度上手く国を支配するためには
身分制度が必要なのですがそれが差別を生んでいるのも事実ではあります。
結果的にこういった問題を解決していくには指導的立場にある国家の国民
の理解が深まるか思想的な成熟が起きない限りは難しいのかもしれません。
邦國の中から「フランス革命」のような思想革命が起きれば別かも
しれませんが帝國の体制だけでなく邦國諸国の体制からしてもコレは
一歩間違えば戦争と分裂ですからねぇ。

それにしても帝國周辺の同盟国や友好国の文明(技術)レベルは平成時代
の時点ではどの程度まで進歩しているのでしょうかね。
地球においては色々な見方はあるにしても東アジアでは日本からの距離
に比例して工業化の段階と生活水準が低くなる傾向にありますが(近年
の経済発展でこの差は多少縮まっている)アルフェイムでも似たような
環境にある地域はあるのでしょうか。

674名無し三等陸士@F世界:2008/04/03(木) 01:54:03 ID:55XpGFAo0
ヨークタウン氏のスレにも書きましたが戦時中に日本や他国が研究&開発
していた射爆照準機を紹介しているサイトです。
日本だけでなく各国の射爆照準機が載っています。

ttp://gunsight.jp/b/english/index1.htm

サイトの下の方には日本が研究開発していた電波兵器(要はレーダー)
の簡単な仕様の説明が載っています。

675くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/03(木) 05:42:50 ID:LyPPIJW.0
>>652
 652様、有難うございます。

>>653
 653様、有難うございます。

 今回の話は、駐留しているホラズム兵の慰安とかの疑問が出ていましたので、挿入しました。
 まあホラズム人と流民の関係についても、一応説明が必要かなあ、と。

>>654
 654様、有難うございます。

 ホラズム軍と商売するのは、やはり流民が主となるでしょうねえ。
 もう少し羽振りが良ければ別なのですが、被差別階級の上にここまでしけているとなると……
 で、流民は流民でホラズム人に対し、かなり複雑な目で見ているところがあります。
 隣りの芝生は青い、って感じですかねえ?常に野垂れ死ぬ恐怖と戦っている彼等にとり、「喰える」彼等はそれだけで憎いものなのですよ。

>>655
>帝國人の性格から、帝國高級官僚も勢力圏内の流民に対する施策を
>そろそろ考え始めているころだろうし。
 個人的にはそういう考えの人も多いでしょう。
 けど、組織となると別です。
 “帝國”は大きくなり過ぎました。
 対外的には敵を必要とし、
 対内的にはこういった差別構造を作り、
 安定を維持していかなければならないのですよ。
(ホラズムへの援助物資が、質はともかく量・総額が人口に比して多いのも、もしかしたら一部高位官僚・政治家が贖罪の意味を込めて、政治上許容できる範囲内で増やしているからなのかもしれませんね。
 例えば、常に成人男性が7万人も国外に派遣されているから、その分の食糧はいらない筈なのに――)

676くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/03(木) 05:44:43 ID:LyPPIJW.0
>>658
 くろべえ的にはカイジ地下労働編に出てくる班長ですかねえ。
 なんか書いててそんな気が……

>>663
 663様、有難うございます。

>下層同士の相互不和
 ホラズム人と流民は対立し、
 ホラズム人同士でも理事国と非理事国の対立がある。(理事国同士や非理事国同士だって一枚岩じゃあない)
 きっと流民同士でも内部対立があるのでしょうねえ……
 帝國もあくどくなったものだ、“立派”に“植民地統治”をしている……

>流民の老人が言っている「昔は良かった」
 正直、彼等がここまで差別されているにも尤もな理由があります。
 生きるためにある程度は仕方が無いでしょうが、時には数と結束を頼りに山賊行為をしたりと定住民……特に国境周辺や中央から離れた民はえらい迷惑を蒙りました。
 平時ですらこれですから、戦時ともなれば酷いものです。
 火事場泥棒は当たり前、多くが避難民や村を襲って略奪暴行を働きましたからねえ。
(そういった理由からか、流民が撲殺されることが多い地域も、国中央から離れた地域、特に国境付近に多い)
 ですから流民集団、特にホラズムに送られる様な大規模集団の大族長や族長はかなり貯めこんでいる筈……

 ぶっちゃけ、連中がホラズム送りになったのは、ある意味彼等を守る為でもありました。(究極的には地域安定の為ですが)
 国家間紛争が終わり、周囲の国々が軍民結束して流民を狩ろうとしましたからねえ……
 ですから、帝國のこの措置は「甘過ぎる!」と多くの国や民から不満の大合唱でしたよ。(各国に対して非公式ながら討伐禁止令も出しましたしね)
 危険度の少ない小規模流民集団を残したのも、当初はこういった連中のガスを抜くため、という点が大きかったでしょう。
 大局的に見れば、帝國は流民を保護していたのですよ。

677くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/03(木) 05:45:33 ID:LyPPIJW.0
>>664
 664様、有難うございます。

 カリム少年はホラズムを出て、初めて世間の風を知りました。
 自分達が如何に嫌われているのかを。
 辛い、でしょうねえ……まだ中三程度の年なのですから。

>>665
 665様、有難うございます。

 有難うございます。
 幾ら圧倒的な力を持っていても、
 支配する地域は余りに広く、支配する民・民族は余りに多い。
 そしてこれらは複雑な糸で絡まりあっている……
 これを一から編みなおそうとすれば、大混乱が起きるでしょう。
 故に、帝國は一部を編みなおすだけに留めました。
(獣人・ダークエルフを引き上げただけでも……)
 “帝國”が出来ることは、正直限られているのですよ。

>>666
 多数の民族・国家を支配していますからねえ。
 上記の通り、既存の体系に乗っかるしかないのですよ。

 とはいえ、帝國支配前より遥かにマシです。
 戦争はなくなり、平和が訪れました。
 国家間に序列はありますが、そこには秩序があり、決して無法を意味するものではありません。
 国々は争うよりも協調する場面が多くなりました。
(例えば、飢饉時には帝國を始め、周辺諸国からの援助が期待できる!)
 民の暮らしも確実に豊かになりましたし、何より安全になりました。
 大局的に見れば、明らかに人々は“幸せ”になったのですよ。
 ……無論、このSSでもありますように、様々な陰が存在しますが。

678くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/03(木) 05:46:20 ID:LyPPIJW.0
>>673
 673様、有難うございます。

>それにしても帝國周辺の同盟国や友好国の文明(技術)レベルは平成時代
>の時点ではどの程度まで進歩しているのでしょうかね。
 IF編では、
 本国は80年代初頭のアメリカレベル。
 邦国は後進国が江戸時代以前、中進国が明治時代、先進国が大正時代、といった所でしょうか?
 最も早く帝國傘下に入った旧大国のロッシェルやレムリア諸国あたりだと、大正を越えてそろそろ昭和(1920年代末期)に突入する頃かと。
 学問は別として、科学技術による工業技術レベルはこんなものですかねえ。
 まあ帝國の機器とかも一部輸入されていますから、単純には比べられませんが。

>>674
 674様、情報提供有難うございます。
 早速参考にさせて頂きますね。

679くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/03(木) 11:05:33 ID:LyPPIJW.0
ではSS投下します。

680くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/03(木) 11:06:31 ID:LyPPIJW.0
帝國召喚if「繁栄の光と影」最終話

 女から逃げる様にして去った後、カリムはトボトボとあてもなく道を歩いていた。
 そんな彼に、声をかける者があった。

「お、カリムじゃあないか?」

「分隊長殿!」

 なんと、直属の上司である分隊長(伍長)だ。
 カリムは慌てて敬礼する。
 ……本来ならば声をかけられるよりも先に気付き、敬礼すべきところである。
 が、分隊長はとくに気にした様子もない。
 代わりに、ニヤニヤとカリムを見るのみだ。

「お前も、女を買いに来たのか?」

「い、いえ……」

 先の光景を思い出し、カリムは口篭る。
 ……それを見て、どうやら分隊長は勘違いした様だ。
 バンバンとカリムの肩を叩く。

「隠すな隠すな! ……そういやお前、まだ童貞なんだって?」

「な、何故それを!? い、いえ…その、あの……」

 しどろもどろに弁解するカリムを見て、分隊長は爆笑した。

「そんなの、見りゃあ判るさ! ――よし、俺が奢ってやろう!」

681くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/03(木) 11:08:50 ID:LyPPIJW.0
 賭けで買って今日は懐が暖かいんだ、お前得したな、と分隊長は笑う。
 ……正直、有難迷惑だった。
 が、分隊長はカリムに目をかけてくれている。(まあ軍曹の中でも一目も二目も置かれているハシムの甥だから、ということが大きいだろうが)
 故に、断る訳にはいかなかった。
 カリムは『有難うございます』と頭を下げ、分隊長の後を付いて行くことにした。



「……ここは?」

 漂ってくる嫌な臭いと、地獄の底から洩れてくる様な声に、カリムは思わず顔を顰めた。
 が、分隊長は慣れている様で、全く気にしていないようだ。 ……どうやらかなりの常連らしい。

「“因業婆さん”の店さ」

 分隊長が連れて行ったのは、流民のキャラバンではなかった。
 より安く、かつ流民以外の女がいることを“売り”にした、売春の専門宿だ。
 無論、安いからには理由がある。
 この売春宿にいる女達は、実は全員“廃物利用”なのである。
 要するに、普通の売春宿で使い物にならなくなった女達を、格安で買い取ったのだ。
 ……当然、見た目は悪いし“しまり”も悪い。何より、色々と“危険”だ。
 が、安い。流民以外の女が抱ける、というのも魅力的である。
 それ故、利用者は少なく無かった。
 この分隊長も、そんな一人の様だ。(むしろ“愛好者”と呼んで良いかもしれない)

682くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/03(木) 11:09:40 ID:LyPPIJW.0
「ま、流民女も悪くはねえが、俺は“こっち”の方がいいわな」

 どんな相手であれ“外”の女を嬲れるのが堪らない。
 今日は懐も暖かいから、“壊して”も構わねえや、と分隊長は暗く哂う。
 ……どうやら、相当鬱屈したモノがあるらしい。
 カリムは顔を背けたくなる気を抑え、曖昧に笑った。



「……いらっしゃい」

 店の受付――と言っても露天に蓆を敷いて木箱を置いただけだが――には、主である老婆が座っていた。
 が、この主、細長いパイプを拭かせつつ愛想の無い挨拶をするのみで、こちらを見ようともしない。

「おいおい客商売。客……それも常連客相手にそりゃあねえだろう?」

「はん……常連だからこそ、余計に必要ないんだよ。それに愛想も抜きだからこそ、“この値段”さ」

 老婆がパイプで指し示した先には、『30分15銭、60分25銭、90分35銭』と書かれている。
 ……確かに安い。いや、安過ぎる。

「違いない、か……」

 分隊長は苦笑しつつ、くしゃくしゃの1圓札を放り投げた。

683くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/03(木) 11:10:32 ID:LyPPIJW.0
「俺とコイツ二人、90分で入る。釣りはいらんからその分マシなの回してくれや。
 ああ、俺はいつも通り“外”の女、コイツは何でもいいからマシなヤツを」

「ほう、景気がいいねえ…じゃああっちの二つにお入り……」

 老婆は砂時計を引っくり返すと、二つの“部屋”を指し示した。

「ふむ。カリム、じゃあ俺はいくぞ? ……あとこれだけは言っておくが――」

 分隊長はカリムに小箱を手渡し、真剣な口調で耳元に囁いた。

「やる時は絶対にコイツを使え、あと決して接吻もするな。 ……何なら、布袋被せちまえ。顔も見えないから一石二鳥だ」

「? ……はい」

 訳が判らないまま、カリムは頷いた。



 カリムは“部屋”の前で立ち止まった。
 そして、しげしげと見る。
 部屋と言っても、蓆で作った一畳程の小さな小さなテントだ。
 造りも粗く、隙間風は当たり前、直ぐに壊れてしまうだろう。
 暫しの逡巡の後、カリムは意を決して“部屋”に入った。

684くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/03(木) 11:11:23 ID:LyPPIJW.0
 中は、更に臭いがきつかった。
 鼻を摘みつつ、カリムは横たわったままの女を見た。
 やつれ果て、汚れきった体、焦点の合わぬ目――その姿は悲惨そのものだ。
 ……とても抱く気にはなれない。
 カリムはどっかりと腰を下ろした。

「……?」

 いつまで経っても行為をしようとしないカリムに訝しんだ女は、ちらりとこちらを見た。

「!?」

 その瞬間、女の顔が驚愕と絶望で歪んだ。
 両手で顔を隠すと丸くなり、慟哭する。

「? ……おい、どうした?」

 その態度に驚き、カリムは女に近づく。
 と、女は一層激しく抵抗した。

「どうしのさ?『――』!?」

 女が思わず漏らした言葉に、カリムは驚愕する。
 ……何故、何故この女は、僕の名前を知っているのだ!?
 が、次の瞬間、カリムの脳裏に思い浮かんだものがあった。
 まさか……嘘、だろ…………

「ハ……ハディル姉さん?」

685くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/03(木) 11:12:15 ID:LyPPIJW.0
「!?」

 カリムが思わず呟いた名、間違いであって欲しかった問いかけ。
 だがそれが真実であることは、女の態度が雄弁に物語っていた。

 ――この女は…いや、この人は、僕の姉のハディル姉さんだ……

 絶望の余り、ハリムは這い蹲って号泣した。



 ハディルはカリムより5つ年上で、美人とは言えぬが愛嬌のある、優しい少女だった。
 が、次女であった為、やはり数えで16歳になると何処かへ売られていった。
 ……たったの100圓で。
 それから5年――僅か、5年だ。
 にも関わらず、かつての面影は見る影も無い。
 一体何があれば、ここまで変われるのだろう?
 一体姉が何の罪を犯したというのだろう?
 ただ、『次女である』というだけで――

『奴等はな、ただ長男長女に生まれたというだけの理由で、俺達次男次女以下の犠牲の上に胡坐をかいて、のうのうと暮らして恥じぬ屑共だ!』

 ハシムの言葉が、頭に浮かんだ。
 耐え切れず、カリムは涙ながらに呟いた。

「なんで、なんでだよ…なんでみんなして、僕の想いを踏みにじるのさ……」

686くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/03(木) 11:14:14 ID:LyPPIJW.0
 軍で他のホラズム人から否定され、
 ここまでの旅路で他国人から否定され、
 ここで叔父の本当の姿を見せ付けられた。流民にすら否定された。
 そして今また、今度は家族の“裏切り”を見せ付けられた……

 ――もういやだ、こんな人生まっぴら御免だ!

 カリムの中で、何かが弾けた。

「姉さん!二人で逃げよう!もう家族も故郷も知るもんか!」

 幸い、金ならある。
 二人で、どこか遠くに――

「……姉さん?」

 が、ハディルが返事を返すことは無かった。
 ……永遠に。
 絶望の余り、ハディルは頚動脈を切り、自ら命を絶ったのだ。

 カリムの“世界”は、完全に砕け散った。





 カリムはハディルの遺体を背負い、ひたすら道を歩いていた。
 ……もう門限を過ぎているが、関係ない。
 あてもなく、ただただ歩き続けるのみだ。
 その目には、ただただ諦観だけがあった。

687くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/03(木) 11:14:59 ID:LyPPIJW.0
「カリム!待ちやがれ!」

 そんな彼を追いかけ、爆走する竜車があった。
 追いつくと停車し、ハシムとその手下達を吐き出した。

「何、おじさん?」

「てめえ、何処に行こうってんだ!良い子は家に帰る時間だぜ!」

「判らない……それに、もう帰る気は無いよ」

 そう言うと立ち去ろうとするが、その行く手は阻まれた。

「……何?」

「このまま“喰い逃げ”されちゃあ、堪ったもんじゃあねえ!こいっ!」

 そう吐き捨てると、ハシムはカリムを力尽くで荷台に乗せる。
 ……その勢いで、ハディルの遺体が道に転がった。

「姉さん!?」

「死体なんざ、放っておけ!」

「姉さん!」

「少しは黙りやがれ!」

 ガシッ!

688くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/03(木) 11:15:34 ID:LyPPIJW.0
 ハシムはカリムを気絶させると、何処かへ連れ去った。



 目を覚ますと、ハシムはいつの間にか武器の隠し場所に連れ込まれていた。
 そして、目の前には鬼の形相のハシムが立っている。

「カリム……てめえ、俺が“預けた”100圓を、一体何処に隠しやがった」

「……もう、ないよ。全部使った」

 カリムは正直に答えた。
 あの金は、ハディルの遺体を買い取るのに使った、と。
 が、それを聞いたハシムは怒り心頭でカリムを殴りつける。

「んだと!?この、金の価値も判らん糞餓鬼が!」

 100圓といえば、ビンディの町なら一家族が一月……無理すれば二月暮らせる大金である。
 どうせカリムのこと、碌に使えんだろう、と気を引くために気安く渡したのが、カリムのミスだった。
 ……そう。始めからやる積りなど、更々無かったのだ。

「おじさん……」

「気安く叔父なんて呼ぶな!この“ボトムズ”野郎!」

 息も絶え絶えで呼ぶカリムの顔を踏み躙り、ハシムは吐き捨てるように答えた。

689くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/03(木) 11:16:15 ID:LyPPIJW.0
「俺はな、手前等みたいな馬鹿共とは違うんだよ!」

 訴える様に、ハシムは叫んだ。
 ……まるで劣等感を消すかの様に。

 カリムとて、始めから“こう”なった訳ではない。
 始めは夢に希望に燃えていた。
 特に、最年少で伍長勤務上等兵となった時は、喜びの余り眠れなかったものだ。
 が、やがてハシムは現実を知る様になる。
 非理事国の民、それも一庶民のハシムでは、この先幾ら努力しても国軍少尉が関の山、だ。
 どんなに帝國語の読み書きが出来ても、
 どんなに難しい数式が解けても、
 どんなに戦術論を学んでも、
 何の役にも立ちはしない。これが他の邦國ならば、国費留学生として本国留学の夢もあったのに――
 知能が高いだけに、ハシムは直ぐに自分の、自国の置かれた状況を理解した。
 目の前が、真っ暗になった。
 ……が、それでもハシムは絶望しなかった。
 この閉塞状況から抜け出すべく、一層知識の吸収に励んだのである。
 そして下した結論が、『ホラズム人を辞めること』だった。

 ホラズム人を辞める――無論、合法的には不可能だ。
 だから、戸籍を買う必要がある。身元がばれねば属州、邦國何処でもいい、全てを一からやり直すのだ。
 が、それには金がいる。
 死んだことにするため、戸籍を買うため、逃亡するため、一旗上げるため……金は幾らあっても多いことは無い。

690くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/03(木) 11:16:45 ID:LyPPIJW.0
 だから、横流しに手を染めた。
 金を得るため、そして裏の世界にコネを作るために。
 ……その最後の仕上げが、先の取引だった。
 ちまちまやっていたら何時まで経っても金は貯まらない、だから勝負に出たのだ。
 その甲斐もあり、やっと何とか脱出できるだけの金が貯まった。
 が、欲が出た。
 まだだ、まだ足りない。駄賃として、カリムを殺して弔慰金も手に入れよう――そう考えたのである。

 ホラズム兵が外地で戦死すると、帝國が幾ばくかの弔慰金を出す。
 それに、ハシムは目を付けた。
 だからこそ、カリムを丸め込もうとこうして色々と吹き込み、かつ世話してきたのだ。

 が、こうしてカリムは騒ぎを起こした。
 ……弔慰金どころか、下手をすればこっちのケツにまで火が回りかねない。
 故に、口封じに出たのだ。

「ちっ!もう待ってられねえ……せいぜい苦しんで死んで貰うぜ」

 回収しようと思った金が手に入らなかった恨みもある、ハシムは凄惨に笑って斧を振りかぶった。

 …………

 …………

691くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/03(木) 11:17:21 ID:LyPPIJW.0

 …………

「どうした!」

 外が騒がしいことに気付いたハシムが叫ぶと、手下の一人が真っ青になり駆け込んできた。

「ぼ、ボス!憲兵隊です!」

「なっ!?」

 カシムも顔色を変えたが、直ぐに真顔に戻り、指示を出した。

「武器を持って、散り散りに逃げろ!」

「は、はいっ!」

 手下が退室した後、ハシムは素早く身支度を整え、手下も知らぬ抜け穴の戸を開けた。
 ……ぐずぐずしてはいられない。手下が囮になっている間に逃げねば――

 ――そうだ、俺はこんな所で終る人間じゃあねえんだ!

 カリムが死ぬ所を見れないのは残念だが、心配は無い。
 意識を失っているし、放っておけば出血多量で死ぬだろう。
 ……何より、“一味”のカリムを憲兵隊が助けるとも思えない。

「じゃあな、カリム。俺がお前の分まで生きてやるよ」

692くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/03(木) 11:17:53 ID:LyPPIJW.0
 捨て台詞を残し、ハシムは部屋から出て行った。



 バンッ!

 憲兵隊が扉を蹴破ると、部屋の中には血まみれのカリムが一人、横たわるだけだった。

「……遅かったみたいですね」

 憲兵隊の中尉は呟くと、部下に指示を与えた。
 そして一人になるとカリムの血止めをし、運ぼうとした。

「……誰、ですか」

 目を覚ましたカリムが、かすれ声で尋ねた。

「憲兵隊の隊長ですよ、カリムくん。 ……ま、命だけは助かるでしょう。安心なさい」

「殺して…下さい……」

「?生きていたくはないのですか?」

「どうせ……こんな体じゃあ……この先……迷惑をかけるだけ……」

「わかりました」

 憲兵中尉は頷いた。

693くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/03(木) 11:18:26 ID:LyPPIJW.0
 確かに、この先生きても碌なことはなかろう。
 ましてや五体不満足ともなれば、最後は野垂れ死にの可能性が高い。
 ……そして何より、カリムの目にもはや生への執着は見られなかった。
 望み通り、憲兵中尉は拳銃をカリムのこめかみに当てる。

「……ではさようなら。もしも来世というものがあるのなら、願わくはもっとマシな国に生まれることを」

 それは、単なる口上に過ぎなかった。
 が、それを聞いたカリムが最後の力を振り絞り、何かを伝えようとしていることに気付いた。
 憲兵中尉は銃を降ろすと、彼の口元に耳を近づける。

「………………」

「……そうですか、判りました」

 その言葉を聞くと、カリムは目を閉じた。
 ……力尽き、失神したのだ。
 放っておいても、死ぬだろう。
 が――

「約束、ですからね……」

 そう呟くと、憲兵中尉はカリムのこめかみに拳銃を当て、引き金を引いた。

694くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/03(木) 11:19:06 ID:LyPPIJW.0


「中尉殿!全員の拘束を完了しました!」

「そうですか、ご苦労様」

「抵抗を行った者については、止む無く射殺しました」

「まあ、親玉さえ確保できていれば問題ないでしょう」

「は、その点は抜かりありません。恐ろしく往生際の悪い男でしたが、確保しております」

 ハシム軍曹の醜態を思い出し、憲兵軍曹は苦笑した。
 ……あの男、最後は泣き喚いていたっけ。
 あまりにも煩く、見苦しいその姿は、憲兵達の失笑を買ったものだ。

「……あまり笑うものではありませんよ、軍曹」

「ハッ!まことに申し訳なく――」

 任務中の不謹慎を咎められた、と思った憲兵軍曹は慌てて表情を引き締める。
 が――次の瞬間、耳を疑った。

「彼はね、まあ……こんな言い方は適当ではないかもしれませんが、“強く”“まとも”な男でしたよ」

「は……?」

695くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/03(木) 11:19:51 ID:LyPPIJW.0
 意味が判らず、憲兵軍曹は怪訝そうな声を上げた。
 “強い”……あの醜態で?
 “まとも”……大それた犯罪に手を染めながら?

「彼は彼なりにね、今の境遇から逃れようと必死だったのですよ、きっと。 ……ま、だからといって同情する気は更々ありませんけどね」

 そう。カリムはこの“地獄”に絶望せず、なんとか逃れようと必死にもがいていたのだ。
 そしてあと一歩、あと一歩で抜け出す所にまで這い上がった。
 が、ギリギリの金額で妥協し逃げれば良かったのに、欲をかいた。
 よりにもよって、自分を慕う甥っ子を、弔慰金目当てに殺そうとした。
 ……その瞬間、“蜘蛛の糸”が切れたのだ。

 暫しの沈黙。
 それに耐え切れなくなった憲兵軍曹が、恐る恐る口を開いた。

「で、その餓鬼ですが……」

「カリム君が、何か?」

「一味の話では、そいつも仲間のようでして――」

 死んだとはいえ、確保したい、と言う。

「カリム君は関係ありませんよ?悪い叔父に騙されて殺された、可哀想な子供です」

「ですが――『軍曹』」

696くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/03(木) 11:20:47 ID:LyPPIJW.0
 憲兵中尉は今までとは全く異なる口調と目付きで、呼んだ。

「私と連中の言葉、君は一体どちらを信じるのかね?」

「し、失礼しました!」

 憲兵軍曹は顔色を変え謝罪すると、何やら理由をつけて逃げる様に出て行った。
 ……その後姿を眺めながら、憲兵中尉は懐から煙草を取り出した。
 そして、煙草を咥えつつ、カリムの最期の言葉を思い出す。

 ――中尉殿、僕はもう、人間に生まれたくないです……

 この世の全てに裏切られたカリムは、人間に絶望しつつ死んだ。

 ――もしも生まれ変われるのなら、貝がいいな。深い深い海の底、殻に閉じ篭って暮らすんだ……

 それは、叔父とは真逆の選択。
 憲兵中尉は呟いた。

「かわいそうな坊や。君はこの世界で生きていくには余りにも弱すぎた……」

 天は自ら助くる者を助く、動かず嘆いているだけでは何も状況は変わらないのだ。
 我々(ダークエルフ)とて、今の地位に辿り着くまでにどれ程の辛酸を舐め、だが絶望せずどれ程足掻き続けたことだろう。
 方法の是非はともかく、君の叔父とて必死に足掻いていたのだよ?

697くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/03(木) 11:21:21 ID:LyPPIJW.0

 ――だから、あなたもそう祈ってくれたら嬉しいな……

 願うだけでは、祈るだけでは、何も変わりやしない。
 が、君がそう望むのなら、せめて最期の望みどおりに祈ってあげよう。
 カリム・サラン、かわいそうな坊や。願わくば来世では、君が望むように生きられることを。





 憲兵中尉の尽力もあり、カリムの死は戦死とされた。
 カリムの“戦死”に、“帝國”は1,000圓(*1)の弔慰金をホラズム土侯領連合に支払った。
 うちホラズム土侯国連合が1/4、クナル土侯国が1/4を税として差し引き、残る1/2の500圓がカリムの家族に支払われた。
 家族はこの弔慰金で長男に嫁を迎え、長女も嫁がせた。
 そして余った僅かな金で、鶏のつがいを購入した。

 雄鶏はカリム、雌鶏はハディルと名付けられた。



 ――――現在の“帝國”の繁栄は、我々アルフェイム人の犠牲の上に成り立っている!(清華王国丞相 李業)

698くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/03(木) 11:21:52 ID:LyPPIJW.0

*1 ――――――――1,000圓――――――――
 “帝國”本国では学生のアルバイト代程に過ぎないが、国民の大半が(それも大家族全員合わせて)1日1圓以下の生活費で暮らしているクナルでは、眼がくらむ程の大金である。
(ホラズムよりも遥かに豊かな筈の、カリム達が駐屯していた国ですら、庶民の月収は王都でも100〜150圓前後だ)

699くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/03(木) 11:22:33 ID:LyPPIJW.0
 SS投下終了。
 IF編完結です。

700名無し三等陸士@F世界:2008/04/03(木) 13:02:35 ID:rnieKo0I0
投下乙。
秋山瑞人を思わせる欝展開……、IFの中では一番好みです。

701名無し三等陸士@F世界:2008/04/03(木) 13:35:15 ID:Lm7oJGmE0
あー、そういう結末ですか・・・・
まぁ、あと何世代かしたら流民施策も変わるかもですね。
少なくとも、帝國勢力圏内の流民はホラズム扱いくらいまでには
まとめられればいいなぁ

702名無し三等陸士@F世界:2008/04/03(木) 16:43:32 ID:EQR1yfvk0
投下乙です。
辛いお話ですね。
しかも、よりによって実家に家畜として飼われる鶏にカリムや姉の名前付けられちゃうあたりが切ないというか暗示的というか……。
読み手としてはどうしても帝國に感情移入してしまいますが、国家に真の正義なんて無いってのがよくわかります。

まあでも最後の清華丞相には「おまえらが言うな!」といってやりたいですがw
今までは少数のアルフェイム人が大多数のアルフェイム人を搾取してたんですからね。
しかも清華とかは、詳細はまだ語られずとも、特に悪辣であるような気がします。

703名無し三等陸士@F世界:2008/04/03(木) 17:41:49 ID:5cdVuct20
投下乙です。
数十年後に「僕は貝になりたい」というタイトルでドラマ化したりして

704名無し三等陸士@F世界:2008/04/03(木) 18:30:56 ID:55XpGFAo0
くろべえさん乙です。

まあ、因果応報という終わり方でしたのでこれはこれでよかった
と思います。
最後の清華丞相の言葉はそのまんま熨斗付けてお返ししたいですな。
結果と方法はどうあれ以前の支配者よりマシな支配者としての帝國
を受け入れるのがアルフェイム人にとっての「幸せ」であればこれも
また是であると思います。
・・・地球の南北問題や水問題などを見ればまだ帝國の統治はなんぼか
マシですからね。

705名無し三等陸士@F世界:2008/04/03(木) 18:38:39 ID:Y37AW33I0
投下乙です。

清華丞相の言葉は、あるいは帝國人を本来よそ者であると、認識させようとするがために言った言葉かもしれないね。

706名無し三等陸士@F世界:2008/04/03(木) 18:43:12 ID:Bz6zdHp60
帝國人にしてみれば「清華の繁栄は獣人の犠牲の上に成り立っている」
ってところだ品。
ただま、某ジャーナリスト宣言みたく、米がアジア人を弾圧するのは
ペケだけど中国人がアジア人を弾圧するのはおkっていう人たちもいるし、
そういう人たちの価値観は大アジア主義的な同族意識によって成立して
いるっぽいから、難しい話ではある。

707名無し三等陸士@F世界:2008/04/03(木) 21:12:20 ID:55XpGFAo0
近い所からでも改善させていくしかないやろなぁ。
僅かずつであれ周囲が変わることで段階的に善くしていくそういった
積み重ねでないと物事は変わらないんだろう。
急激な変化は痛み以上の反動もあるので結局は地道な変化が大きな流れ
に繋がると考えていくしかないのだろう。
なんか現実の環境問題にも似てるな。

708名無し三等陸士@F世界:2008/04/03(木) 21:25:21 ID:MWoGLKeU0
なぜ帝国が改善させなければいけないかがわからない。
こういうことってホラズム人が自分たちで努力して国民の意識を変えて、
国力を上げていって帝国を含む周りの国に認めさせるしか無いと思う。
原因があるから区別されているのに努力もしないで自分たちは被害者って・・・
帝国の罪は国境が安定した時に皆殺しにされるのを止めたことだけだと思います。

709名無し三等陸士@F世界:2008/04/03(木) 21:32:36 ID:MrfWE2SI0
1,000圓が帝國本土ではアルバイト代とありますが、時給じゃなくて一月分ってことですよね?

710名無し三等陸士@F世界:2008/04/03(木) 21:36:19 ID:rnieKo0I0
帝國に自己投影してファビョってる奴がいるなw

711名無し三等陸士@F世界:2008/04/03(木) 21:38:09 ID:Y37AW33I0
現在、日本が抱えている対朝鮮半島問題並びに在日朝鮮人問題。
これらは全て、過去日本人が犯した重大な過ちに対する天罰なのだそうです。

神様曰く。日本人が犯してしまった『重大な過ち』とは、
ドロで造った粗末な住まいと汚物だらけの荒地で蠢きながら生活をしている
平均寿命わずか24歳という哀れな民族の存在を知った過去の日本人。
これを「助けてやろう」などと思い考えた事は、慢心から来る「おごり」でしかありませんでした。
彼らがそのような荒んだ生活をしていたのには、それなりの原因と理由が存在し、
単に彼らには向上心や努力心といった概念が全く無かったに過ぎないのです。
つまり、因果(原因と結果)の法則は見事にと成り立っていたというのです。
当然、彼らにはそのような生活や生涯に見合う魂しか宿っておりません。
彼らが長寿や健康や豊かな暮らしを望んでいたのであれば
それらは彼らが自らの努力によって会得していくべきものだったのです。
それを浅はかな日本人は、彼らに対しいきなり全てを与えてしまいました。

まだ成熟した人間としての魂を有していない彼らに向かって、
いくら正の道を説いたところで通じる道理がありません。
魂そのものが獣と何ら変わりの無い存在なのですから・・・
日本人が彼らに与えてしまった最大の生きる為の知恵とは、
 「何らかの施しをしてくれる人とは、それだけの余裕のある人なのだから
 そういう人を騙そう・利用しよう・奪いとろう・殺してしまおう・・・
 そうすれば苦労せずにいい思いが出来る」ということでした。
勿論、それは彼らの身勝手で一方的な解釈なのですが、
未熟な彼らにはそのような発想・会得しか出来なかったのです。
分かり易く例えるなら
 猿にエサを与えないで下さい。
 自分でエサを取れなくなり、人間を襲うようになります。
という立て看板は、当時の日本の何処にも立っていなかったのでしょうか? ということです。
正に今、その誤った判断から来る当然の結果が、現実の厄となってしまっているのです。

この世に関する全ての事柄には「保存の法則」が存在しています。
当然、魂(命)の存在も例外ではなく、その絶対数は常に一定に保たれています。
不用意に増幅増長させてしまった命は、代わりの命の消滅をもって相殺しなければなりません。
また、高等生物を下等生物に下落させるのは容易いことですが
下等生物を高等生物に向上させるには、それなりの準備期間を必要とします。
神は、獣から人間への向上の準備期間として、あの場所を設けられたとも仰っておられます。

何ら努力も苦労もせず、魂の向上すらも放棄して、
『自らの意思』で短命飢餓貧困の生き方を選択し、それに甘んじて生きていた他民俗を
身勝手な判断で手を差し伸べてしまった、愚かで浅はかな日本人。
狂わせてしまった事象を元の正常な状態に戻すまで、この厄はつづくことでしょう。

以上です。


だって。

712名無し三等陸士@F世界:2008/04/03(木) 21:42:07 ID:ljmgrf3s0
>>708
確かに正論だ

貧国を先進国なり大国が文化的な生活をさせてやろうとすると

結局第二のアフリカを作り出すだけだしな

自分の足で立って歩けない国ってのは
結局援助の手がなくなった瞬間に瓦解する砂上の楼閣だからな

713名無し三等陸士@F世界:2008/04/03(木) 21:42:14 ID:55XpGFAo0
>アルバイト代
これって現代で言う所の高校生のバイト代くらいなんだろうか。
大学生と高校生では時給計算が違うのでどっちが基準かによって帝國
の豊かさがわかるかも。

714名無し三等陸士@F世界:2008/04/03(木) 21:46:18 ID:MrfWE2SI0
>>708
んま、農業やろうにも土地がアレだし、何より内部での仲違いが激しいから難しいかもねw
大体理事国の人間が富と武力を独占している以上、内部からの改革とか無理だと、、、
まぁ、世の中どうにもならんことなんて山ほどあって、ホラズムがホラズムであることもその内のひとつかとw
確かに帝國がどーにかしてやる義理はないわけだが、帝國がどーにかしてやらん限りどーにもならんのも事実ではないだろうか
まぁ、ホラズムの人間が大規模な暴動起こしまくって反乱祭りにして、帝國の干渉を促すって手もあるが、結局これも帝國頼みであることには変わりないしなぁ

715名無し三等陸士@F世界:2008/04/03(木) 21:50:30 ID:ljmgrf3s0
おっと忘れていた
>>699

くろべえさん投下乙
俺も今までのIF物の中ではこれが一番良いな

716名無し三等陸士@F世界:2008/04/04(金) 00:41:06 ID:BSbuSQCQ0
くろべえさま、投下おつかれさまです

自由がない事を強いられる世界、ってのは個人的結構きついですね
カリムたち庶民は気付くことすらできないでしょうが、

流民だけでなく、邦国や帝国国民に至るまで、大きすぎる存在によって
上を向いて歩くことが許されない
三度の飯のために明け渡した物としては余りにも大きすぎる代償の様な…
今のアメリカですら、思いのままにならないことだらけなのに、
ここまで意のままに成るわけですからねえ

この帝国の支配世界のばあい、帝国はほぼ神にもちかい力をもってるってのが
救われないといいますか・・・

私なら、たとえ結果なぶり殺しになっても、野垂れ死んでも、
上に神がいない自由、ってほうを選びますかな。
本来帝国がいなかった、誰も操る者のない世界の方が健全でしょうから。

717名無し三等陸士@F世界:2008/04/04(金) 00:51:17 ID:hH7x9.KU0
くろべえさん投下乙

ホラムズは、DEや獣人と違い指導層に危機感は無いし、下も最低限の食事が在って外に出るまで命の危険が低ければ、それでは外部情報も無ければ自分から改革して上を目指さないでしょうから理事国が帝國の逆鱗に触れるか清華が滅びて完全統一して清華人が最下等カーストになるまではカリムの悲劇は続くのですね。
流民は小集団だけが残った時、帝國の助言でサーカスや芸人集団、移動商人に変われたらここまで迫害が酷くなかっただろうし、定期的に同じ街に戻るので信用の大事さを知って数世代掛かっても性格が変わって受け入れられたかもしれないけどやっぱり無理かな。

>LAW
遅レスですが日本語世界で英文字が学問の世界だけだと矢張り破甲擲弾や、墳進榴弾と呼ばれているのでしょうか。
不発弾や戦場で遺棄されたのも結構あると思うから、いまさら横流しで機密漏洩と重大視は無くても弾薬庫に忍び込めるとなると陸奥も史実通り爆沈して下級兵の待遇改善になっているか。

>稲葉情報
戦車のハイ・ローがハイのみだけが表立っている影響ですが当時はまだF35はばら色だったからもしかして陸海共同万能ステルス戦闘機が計画されていて失敗して陸海対立が激化するかも。

718名無し三等陸士@F世界:2008/04/04(金) 00:58:36 ID:BSbuSQCQ0
>>716の続きですが、
もし、今でもテクノロジー制限があると仮定するなら、前に進む自由がないのが特にきついですね
今の世界でも、どんな途上国(たとえ北朝鮮やアフガン)でも、手間と金さえ惜しまなければ
最新テクノロジーを手にして、自由に研究することが出来るわけですからねえ

…くろべえ世界ではどうなってるんでしょうか?

719名無し三等陸士@F世界:2008/04/04(金) 01:11:55 ID:POKB8V9Q0
数十年後なりにカリム君の「僕は貝になりたい」が出版された時に
帝國人のメンタリティがその事実を許せるかどうかは疑問だな。
ホラズムがなんぼエタヒニンだと言ったって鬼畜米英じゃなく身内には違いない。
身内にそれだけの仕打ちをしてやってた事に理解を示す人間はなかなか少ないだろ。
アルフェイム世界に2ちゃんがあったらおまいら絶対憤るだろw

そういうのも見越して保険かけてるようには見えないからな、
帝國もある意味目先の安定に釣られて将来に巨大な禍根を残してるように見える。
そのへんをつっついてるのが清華なのかね。

720名無し三等陸士@F世界:2008/04/04(金) 01:25:14 ID:8LJdO2k60
ま、現状でもアフガニスタンでは十歳くらいの女児が
小麦粉100キロと言うのが相場です。
14以上だと嫁に行けるからもう少し高いかな?
先進国と途上国では人間の命の値段も違うのです。

帝國譜代臣民一人と邦国国民複数の命では、帝國臣民の方が
重要であるのがこの世界なのです

721名無し三等陸士@F世界:2008/04/04(金) 01:41:12 ID:BSbuSQCQ0
>>719
この時代の帝国人の場合、歯車から外れたらそれだけで人生終了なほど世襲でガチガチな
気配がするんですが
たぶん大正デモクラシー時代よりも自由は確実にないのでは

エタヒニンどころか、爵位や出自の良し悪しで大企業や官公庁への優先就職などおおっぴらにやらかしてますからね
これだけでももう1つの社会階級を作りかねないくらいの大事ですよ
おそらく企業や官公庁内部に、学閥より強い門閥が出来てる可能性が高いです

722名無し三等陸士@F世界:2008/04/04(金) 01:48:25 ID:8LJdO2k60
でも、日本人って形式はそのままで融通を利かすんだよな・・・
江戸時代でも、養子制度を使ってのソーシャルクライミングが
一般化してたし。
それに、帝大経由での逸材は出自に優先することを明治大帝が示されている。

就職とか、社会階層の上昇には軍が機能していると思う。
地方の貧農出であって教育を受けれなくても、軍に入って努力して
そこそこの地位まで上がれば、予備役編入後に優先枠で就職できるとか。
そうでなくても、軍で施された教育で身を立てる臣民は多いと思う。

723名無し三等陸士@F世界:2008/04/04(金) 02:03:16 ID:BSbuSQCQ0
>>722
確かに転移以前はそうだったんでしょうけど、
問題は爵位に力と特権を与えた上で大幅増加させてしまって50年もたったあとでは
いろんな意味で変わりすぎてしまってるんではないのではと。

あと、何年も安定した上、爵位もちの層が姻戚や兄弟という形で増えれば、
それだけ企業や官公庁のポストを圧迫するわけですからねえ

たとえばイギリスのオックスフォードやケンブリッジは、
貴族と平民で合格点が違うのが今でも公然と行われてます。

こんなバウムクーヘンみたいなカースト制度が見えないうちに整備されると
人はそこから落ちないようにどんなネガティブなことでも、
あえて見ない様にしちゃうんではないでしょうかね

それでも、大学と科学の分野だけは、自由であって欲しいとは思うんですね…
科学者ってのは、科学の進歩と発展が人類を幸せにし、
生活を豊かにすると盲目的に信じるリベラリストなんですよね・・・

724名無し三等陸士@F世界:2008/04/04(金) 02:17:43 ID:ljmgrf3s0
>>723
簡潔に言おう
お前さん 俺理論と妄想が先にきて
人間性が捩れているぞ

725名無し三等陸士@F世界:2008/04/04(金) 02:28:08 ID:BSbuSQCQ0
>>724
家名とかそれに付随する権益を甘く見すぎだよ
こんだけ地位だけで「おいしい思い」が出来るなら何が何でも維持しようとするのは世の常だけど、
それが国中に蔓延したら、息苦しい社会になるってことな

726名無し三等陸士@F世界:2008/04/04(金) 02:30:10 ID:Unhhq6zoo
>>720-721
いや、現時点の帝國や今の日本がそうでも
現実を知って帝國人がそれもまたええじゃんかと言えるかって話な。
どこぞの国の非道い話も知られてないからワァワァ言われないだけで
ちょっとワァワァ言う奴がいたら志願して娼婦やった話ですら誇張されてお涙頂戴だぞ。
ただでも右から簡単に左に振れる国民性なんだから
普通に考えても非道い話にはコロッと逝く可能性大だと思わね?

と、義憤にかられてν速で大暴れする稲葉氏が見たい気がしてきたw

727名無し三等陸士@F世界:2008/04/04(金) 02:52:44 ID:MWoGLKeU0
別に娘が売られることなんて昭和初期なら帝国でもよくあったことだし、
現実世界の今でも発展途上国ではよくあることじゃないかな?
それで現実でそんなに問題になってない以上帝国でも其処まで問題になるとは思えない。
例の売春婦のあれは日本を貶めたい勢力の働きだからそういう勢力が帝国本国に大規模に存在しない以上
同じことはありえないことだと思うから。

728名無し三等陸士@F世界:2008/04/04(金) 03:04:51 ID:MWoGLKeU0
>>くろべえさん

今までのくろべえさんのSSの中でも特にすばらしく感じました。
ダークエルフの憲兵中尉がハシムのことを「“強く”“まとも”な男でしたよ」
と評価するところなどは今までのダークエルフ一族の悲哀が感じ取れました。

729名無し三等陸士@F世界:2008/04/04(金) 06:51:43 ID:MrfWE2SI0
>>723
>>725

>>問題は爵位に力と特権を与えた上で大幅増加させてしまって50年もたったあとでは
>>いろんな意味で変わりすぎてしまってるんではないのではと。

>>家名とかそれに付随する権益を甘く見すぎだよ

激しく妄想だろ。
妄想って言われて意味分からない理論で否定するところがまた痛いわけだが。
てかさ、貴族階級が社会のほとんどの富、権益を手中にしていて、平民はあらゆる機会から遠ざけられている、とか作中にそんな描写でてきたか?
どっちかっていうと、軍や官僚の連中は中世ばりの「爵位偏重」思考の現地人を冷笑するような態度で描写されているように思うが。
典礼参謀とかね。
実際に国政を動かす高級官僚達の大半は華族じゃないわけで。
完全な貴族制の社会に移行する可能性より、完全な軍政に移行する可能性の方が全然高いだろw
とゆーか、そんな貴族だけが幅を利かすような社会になったら100年を待たずに崩壊するだろ。
社会の根幹を支える平民の士気や能力ががた落ちした国が地球より広大な世界を支配できるはずがない。
あと、帝國民は共産主義の崩壊も見てないわけで理想はくすぶり続けているはず。
そういった思想を抑えるには普通に考えたら社会福祉を整えて社会の不条理性を少しでも取り除く努力をするはず。
実際冷戦下で西側諸国はそうしてきた。

730名無し三等陸士@F世界:2008/04/04(金) 08:05:50 ID:rnieKo0I0
帝國が特に悪辣な覇権国家とは思わん。
作品中の描写を見る限り、アルフェイム世界に現れた覇権国家ではマシな方だとも思う。
とは言え、社会の底辺に生まれたが為に不遇の人生、不幸な死を遂げた者を貶めての
帝國擁護にはドン引きだな。

731くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/04(金) 08:18:00 ID:LyPPIJW.0
>>700
 700様、有難うございます。
 本作品は“帝國”統治下のIF世界の一つ、その陰の部分を書いてみました。
 ……大分欝になっちゃいましたね。
 何時の時代、何処の世界でも貧乏籤を引く人々がいるとはいえ、悲惨過ぎる。

>>701
>まぁ、あと何世代かしたら流民施策も変わるかもですね。
 何事も永遠なんて存在しませんからねえ。
 周囲の国々が豊かになり、安定すれば徐々に変わっていくかも。

>>702
 702様、有難うございます。

>国家に真の正義なんて無いってのがよくわかります。
 帝國としても自分の繁栄と安定が第一、その他のことは二の次でしょうからねえ……
 それが自国の利益となるのならば、何だってやるでしょう。

>まあでも最後の清華丞相には「おまえらが言うな!」といってやりたいですがw
 心に棚を作ってるから大丈夫です(笑)

>703
 703様、有難うございます。

>数十年後に「僕は貝になりたい」というタイトルでドラマ化したりして
 あの憲兵中尉が退役後本を書いて……とかあり得そうです。

732くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/04(金) 08:19:01 ID:LyPPIJW.0
>>704
 704様、有難うございます。

>因果応報
 叔父さんもあと少しで逃げられたのに……
 気の毒といえば気の毒ですよ。

>・・・地球の南北問題や水問題などを見ればまだ帝國の統治はなんぼか
>マシですからね。
 少なくとも大規模な内戦はありませんし、食糧供給力を逸脱した人口膨張もありませんから、「大規模な」飢餓や難民は発生していません。
 ……まあ現在の問題の多くは、
 アメリカが補助金でバカ安にした食糧輸出やって現地農業を潰したり、
 欧米が余りに植民地のプランテーション化を推し進め過ぎたり、
 民族・地域事情とか無視した国境線引いたり、
 したことが大きいですからねえ。
 帝國みたいに、版図の九割方を始めから現地の従来政権に丸投げしてれば、致命的な問題は起きないかと。
 ……それでも無数の問題は生じるでしょうけどね。

>>705
 705様、有難うございます。

>清華丞相の言葉は、あるいは帝國人を本来よそ者であると、認識させようとするがために言った言葉かもしれないね。
 です。「お前らは何処の誰とも判らん余所者に支配されてるんだぞ」ってことです。

733くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/04(金) 08:20:14 ID:LyPPIJW.0
>>706〜708、711〜712
 帝國の方針は基本的に「民族自決」……っつーか「丸投げ」です。
 帝國は基本的に内政不干渉、余程目に余らない限り干渉しません。
 版図全域の平和と秩序を守ることを本分としているのですよ。
(っていいますか、介入しまくったら金や兵が幾らあっても足りない……)

 ……まあ上が理想ですが、現実問題困ったちゃんとか、予期せぬ問題とか色々ある訳です。
 まず周辺諸国内での解決を試み、最後に本国が出てきますが、中には直接介入しなくちゃならないことも少なくありません。難しいものですよ。

>>709
>1,000圓
 だいたい1/100と考えて下さい。リアル世界なら10万円くらいです。
 あとIF編の帝國世界では戦前同様、その学歴で給料が左右されます。
 基本的に
 大卒>甲種高専卒>高等学校&乙種高専卒>中等学校卒
 となります。
 まあここまではリアルでも同じですが、その格差はより大きくなっています。
 更に同じ大卒や甲種高専卒同士でも、専攻学部や出身学校(要するに有名校かどうか)で違います。モノホンの学歴社会です。
 ……いいとこのボンボンは抜け道あるのですけどね。
 例えば始めから有名私立幼稚園に行ってれば、ある程度のレベル維持すれば中高エスカレータ、大学も学部を問わねば入れる、みたいな。
 この辺はリアル世界と同じだ(笑)

734くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/04(金) 08:21:39 ID:LyPPIJW.0
>>713
>>アルバイト代
>これって現代で言う所の高校生のバイト代くらいなんだろうか。
 高等学校&乙種高専生なら、リアルでいう所の高校生価格、
 甲種高専生なら、リアルの大学生価格、
 大学生ともなると肉体労働は安いからしない……かな?

>>715
 715様、有難うございます。

>>716、718
 716様、有難うございます。

>自由がない事を強いられる世界
 ホラズムは兎も角、他ではほぼ以前通りの世界です。
 各国は封建制度は崩れつつありますが、今尚階級社会を維持しています。
 人々は帝國よりもまず先に、現地政権の圧迫を感じるでしょう。
 帝國の圧迫を感じるとすればその上、所謂特権階級の人々でしょうね。
 ……ただ仰る通り、大多数は何も感じずに過ごすでしょうが。

>…くろべえ世界ではどうなってるんでしょうか?
 流石にかつて程の制限はありません。
 ですが、帝國本国は各種工場進出に制限をかけています。
 自分で作ろうにも、プラント建設なんかは請け負いません。
 先端機器・技術にも輸出制限があります。

 少数の指導者招聘に甘んじ、一から自分で作るか、
 制限の無い小型旧式工場を発注し、それを基礎に地道に行くか、
 或いは運動したりして帝國の心象を良くし、待遇レベルを上げることによってより緩い制限枠を獲得するか。
 ――って感じです。

 まあココム(対共産圏輸出統制委員会)みたいなのが国外への技術物資を輸出制限してるのですよ。
 で、制限もリアル世界のアメリカが兵器売買の際にその国の重要性でランク付けしている様に、やはりランク付けしてます。

735名無し三等陸士@F世界:2008/04/04(金) 08:23:36 ID:35MlamBU0
単に帝国の勢力圏内だが庇護下にはない地域だからだと思うけどな……
併合前の朝鮮の被差別地域だと思えば、それほどでも。

736くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/04(金) 08:25:08 ID:LyPPIJW.0
>>717
 717様、有難うございます。

>ホラムズ
 ぶっちゃけ、“帝國”としても重荷といえば重荷です。
 放っておけば地域の安定を損なうから隔離しようとしたものの、マトモな場所は空いてない(当たり前)
 下手にブチ込めばリアル中東問題かコソボ問題です。周辺諸国だってリアルで原発建てるかゴミ処分場を作るか、という大反対でしょう。それでは本末転倒です。

 結局ホラズムにしたものの、
 自給自足できないから大量の援助が必要。
    ↓
 多くの国が流民如きに!と反発
    ↓
 増えられたら金かかることもあるし……と今の待遇に落ち着いた訳です。
 実際、年ウン億っていう援助(リアルなら200億円超)だって……

>>728
 728様、有難うございます。

 ハシムも、他の邦國に生まれていれば国費留学で帝大にだって入れていたかも、って位の人物です。
 そうなれば国帰っても上級官僚は約束され、退官後は悪くとも士族位、多分下級の爵位(騎士とか)を貰って特権階級の仲間入りすることだって出来たのに……

737くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/04(金) 08:31:05 ID:LyPPIJW.0
補足。

>>711
>LAW
 未だに英語の授業がありますので、高学歴者ほどひけらかす……って訳ですよ。

>F35
 当時(H19年)でも結構悪評ありましたからねえ。どうでしょう。

>>733
 訂正です。
 有名私立幼稚園→有名附属私立幼稚園

738名無し三等陸士@F世界:2008/04/04(金) 12:57:00 ID:1LB7c8FY0
>>729
そいつに何言っても無駄。
いつものことだから。
ID:BSbuSQCQ0 でスレを検索してみたら解る。
NG設定推奨。

739名無し三等陸士@F世界:2008/04/04(金) 14:11:53 ID:NcpIPfYI0
「帝國」が、共和制だったり共産国家だったら、今まで以上に
血が流れていただろうな。
帝國が帝を頂点(名目上)にしてたから、融通を利かせた身分制で
安定した統治が出来ているんだろう。
将来的には立憲君主制になっていくかもしれんけど、この世界の民度で
いきなり自由選挙なんて押し付けた日には、文明圏を焦土にしかねないと思うぞ。

邦国・帝國中間層を拡大して、発言権を付与し、平民議会を創設して・・・を
百年くらいかけて行えば、色々は緩和してくと思うぞ。
とりあえず、再後進邦国をせめて江戸時代中期程度の豊かさと安定にまで
もっていかなければな・・・・

740名無し三等陸士@F世界:2008/04/04(金) 14:35:19 ID:BSbuSQCQ0
>>739
問題は、そこまでの自浄作用とビジョンがあるかどうか、
ってところかな…
戦前の日本がやたら満州ブームだったのは、日本国内の現状からの現実逃避の面があったし
嫌なことに目をつぶる、って意味だと、大正〜敗戦までずっとそういう状態
帝国主義で搾取マンセー、富国強兵のためなら、(自分じゃない)労働者からの搾取も容認する、
ってかんじで、見たくないものを見ないふりしてたら、
調子乗って行き着く先まで言った結果が、竹やりでB29落とせで敗戦なわけですから・・・

741名無し三等陸士@F世界:2008/04/04(金) 15:28:52 ID:rnieKo0I0
別に、架空の国家の未来を心配する必要などあるまい。

742名無し三等陸士@F世界:2008/04/04(金) 15:35:35 ID:Bz6zdHp60
>>740
や、満州開拓が軌道に乗った結果、WW2前の日本は
列強の中でトップの経済成長率を実現しているですよ?
見たくないものに目をつぶってるのはむしろ貴方の方では?
レスを呼んでいると、汚い現実から目を逸らしたくて
たまらないように見受けられます。
潔癖なのは悪いことではありませんが、あんまり思いつめると
出家して坊主になるぐらいしかできなくなってしまいます。

743名無し三等陸士@F世界:2008/04/04(金) 15:53:01 ID:.OFonk5k0
>>740
君は大変、不勉強ですね。

>戦前の日本がやたら満州ブームだったのは、日本国内の現状からの現実逃避の面
遠因は北海道・東北地方の開発に投下すべき予算を全て朝鮮半島のインフラ整備につぎ込んだ結果です。


>帝国主義で搾取マンセー
戦前の日本はちと違うがな。
欧米諸国ならとち狂っても植民地の原住民に教育施したり役所の管理職に登用したりせんよ。
(※参考・朝鮮総督府・満州国の官僚制度、米英蘭仏の東南アジア植民地における中産階級に中国人・インド人を置いた支配体制etc)

744名無し三等陸士@F世界:2008/04/04(金) 18:19:09 ID:rnieKo0I0
>>742>>743
国内植民地化による外需依存の経済成長と、朝鮮経営にリソースを回した事による国内開発の遅れは矛盾しない。

1938年から始まった、30万前後の満洲開拓移民に関しては、
対米開戦までのたった3年では開拓事業は採算に乗らんし、30万前後では成長エンジンとして小さすぎる。
「列強トップの経済成長」が昭和恐慌からの脱出と32年以降の10%成長を指しているなら、あれは高橋是清の功績と、
テイクオフを始めた低開発国独特の特徴によるもの。
低開発国は先進国より伸び代が大きいんだよ。

>>740の「現実逃避」が具体的に何を指してるかまでは知らん、とはいえ。
植民地から吸い上げた資本と資源を原資として近代化した欧州と比して、後発国の日本には資本を吸い上げる為の植民地は無く、
近代化の原資を国内に求めざるをえなかった。
そういう時代背景を踏まえれば、的外れな事は言っていないな。
アルフェイムという架空世界の、これまた架空国家である帝國に入れ込み過ぎ、という点を除けば。

もっとも帝國に入れ込み過ぎてるのは彼だけでは無いようだがw

745名無し三等陸士@F世界:2008/04/04(金) 18:46:50 ID:Swv6NOKAO
ここまで議論されるとは、くろべえさんは幸せ者です。

746sage:2008/04/04(金) 21:18:22 ID:TRe0yIGw0
議論じゃなくて、持論の水掛合戦じゃないのか。

747名無し三等陸士@F世界:2008/04/04(金) 21:21:26 ID:PRgysjNs0
>744
成長エンジンとしては日本人の新規移民者の数で無く、満州5000万人の人口と土地が
日本の管理下に入った事が効いてるんでは?
あと、朝鮮半島は税率が本土より低くて初期で1/3,末期でも1/2程度だったはず。
米の本土への移入でも、農民の生活安定のために総督府が逆ザヤを出したりしてて、
とても搾取と言えるような扱いはしてないでしょう。

748名無し三等陸士@F世界:2008/04/04(金) 21:24:56 ID:jO3kGuBo0
彼は、学校で教師に習ったことを鵜呑みにしてるんだよ

749名無し三等陸士@F世界:2008/04/04(金) 22:53:45 ID:/UR5y/iA0
>>744
>「現実逃避」

やっぱこのフレーズが一番の問題なんでね?
こんな表現を使った時点で、自分の主観が入りまくってるのは丸わかりだ。
そしてお前さんが言うみたいに、「具体的に何を指してるか分からない」点
がなおさら性質が悪い。
反発する奴が出てくるのも仕方ないぜ。

750名無し三等陸士@F世界:2008/04/04(金) 23:05:08 ID:hH7x9.KU0
流れを変えて、22世紀まで帝國が存続していたら、ほとんど江戸幕府の体制になっているのでは? と妄想。
対外的には清華と月連合王国のみ脅威として残っているだけ。
そして外交と軍事は幕府=帝國本国、参勤交代=帝國留学生、江戸屋敷=在帝国領事館。
留学生や領事館員から帝國文化が広がり、大規模な戦争が無くなり帝國から軍備の研究が制限されて江戸の花火みたいに魔法も非実用的な方向に発展して更に町民文化が芽生えれば、ヨーロッパの様な市民革命だ宗教革命だと血生臭い事件が起こら無い世界になる。
そして歴史の記述も苦労する歴史上最ものんびりした時代と呼ばれる時代になれば召喚された甲斐もあるけど、技術発展も停滞か一部宇宙旅行が出来るだけで、民主化運動は無いでしょうから反対意見も多いか。

751名無し三等陸士@F世界:2008/04/04(金) 23:53:53 ID:55XpGFAo0
>>740
創作に主観入りまくりの意見を垂れ流ししても反発しか出ないぞ。
せっかくネットに繋がっているのだからもう少し日本の事を勉強して
みたら?
まあ今までの発言を見る限りでは言うだけ無駄かもしれんけど。

>>732
くろべえさん回答有難うございます。
ホラズムが出来てからまだ数十年ですからねぇ現実世界でもそうですが
アルフェイムの民が諸国の政治制度に対する圧迫を跳ね除けられるよう
な思考を持たない限りは難しいですよね。
成熟した世界に到達するにはまだアルフェイムは未熟ですから徐々に
改善していくしかないとは思います。

ま、世界が平和になればその分余興や科学技術は別の意味でも発展
しそうなので宇宙を目指そうという人も出てきそうですね。
「日本のロケットの父」糸川英夫氏がロケットの道に入ったのは
終戦による飛行機技術の研究凍結が大きいですが、新しい知識
面での人材としてのダークエルフもいるわけですから世界の探求
やアルフェイムという「惑星」自体を外から見ようという動きも
出てきそうですし。

偵察衛星や測量衛星も便利ですし帝國が80年代のアメリカレベル
なら合成開口レーダーを搭載した人工衛星を作れる気はします。
(最初のランドサット1号は1978年に打ち上げられた)
合成開口レーダーは雲の影響を受けませんし海洋観測などにも使える
応用範囲が広い技術なので複数運用すればまさに「神の目」になる
やもしれません。
合成開口レーダーは便利ですけどデータ処理が大変なので高性能な
コンピューター(とソフト)が必要になるのでこれに稲葉が持ってきた
知識が合わされば・・・・。

752名無し三等陸士@F世界:2008/04/05(土) 00:00:22 ID:/xN4EG/c0
ひねった感想書こうとしたら、ひねた感想になったんだよ。

753名無し三等陸士@F世界:2008/04/05(土) 00:33:17 ID:jO3kGuBo0
ダークな話だったから、お気楽稲葉SSが読みたいな

ところで、稲葉って邦国とかに行けるのですか?
それとも、やっぱり帝都から外へ出るのはまかりなら〜ん(中将)なのかな?
日本列島から外へ出れたら(護衛付き)、稲葉視点の邦国とか
判るのですけどね

754名無し三等陸士@F世界:2008/04/05(土) 00:57:30 ID:rtMSpYgM0
話の流れを遮って恐縮ですが、
稲葉時代における帝國での一般的な娯楽というのは何になるのでしょうか。
ゲームやアニメ・漫画といった、いわゆるコンテンツものがあまり発達していないとすると、野球や相撲などのスポーツか、囲碁・将棋といったボードゲームが中心でしょうね。稲葉中佐はあまり興味がないのでしょうか。
この世界での日本シリーズや甲子園大会は、メジャーのワールドシリーズを超えるビックイベントになるはず。…(妄想中)
傭兵で立つ邦國があるなら、ブラジルやキューバのように優れたスポーツ選手を輩出することで立つ國、というのも有ったら面白いかもいれませんね。

755名無し三等陸士@F世界:2008/04/05(土) 00:58:16 ID:rnieKo0I0
>>747
つまり「満洲開拓がWW2前の日本の経済成長を促した」と言う>>742の主張は間違いだ、と。
満洲開拓移民の開始は38年、恐慌を脱出しての高度成長の開始は32年からだからなー。
ちなみに、満洲事変と満州国建国が経済成長のカンフル剤になったと言うなら否定はせんよ。
大局的には国益を損なうものであったとも思うが。

ところで、私は日本が朝鮮を搾取したなんて言った覚えは無い訳だが……
>>744できっちり「日本は資本を吸い上げる為の植民地が無かった」と書いてるだろ。

>>749
架空の国家の在り様を熱く批判する入れ込み具合は少々変だが、
その意味では帝國擁護も同じくらいおかしい。

756名無し三等陸士@F世界:2008/04/05(土) 01:02:56 ID:BSbuSQCQ0
えー、まず
>>740で「現実逃避」という言葉をだしたのは、
明治維新〜大正に至るまでに、日本は相当歪んだ状態だったわけですよ
本来国内投資にまわすところを軍隊や都市・太平洋ベルト部や植民地でのインフラ整備につかってましたから。
その結果として東北〜北海道立ち遅れと、格差や貧困にともなう
国内社会不安をもたらした遠因の1ついになったことには異論はないでしょう?
現に富山で打ち壊しとかあったわけですし、プロレタリア小説までブームになり
貧困農民の息子が若手将校のかなりを占めてた日本軍で、226事件が
起こったりしたわけじゃないですか。

当時の政府は、格差や貧困などの社会不安をそらすための方法が必要だったんです
本当なら富の再分配をするべきだったんですが、
特に財界や軍の極度のアカアレルギーにより、ニューディールみたいなことは禁じ手とされ
政府がすがったのが海外領土、特に満州だったわけで

大々的なキャンペーンを張った結果、国全体が大陸ブームで沸き立つことに成功し、
とりあえずの国内問題から目をそらすことには成功はしたんですよ。

日本の植民地経営が終始赤字だったのももちろん存じてます
搾取どころか国内から補助金出してますしね

でも、国内では上記のごとく様々なしがらみがあってできなかったことも、
植民地興業という目的で自由裁量が与えられ、予算をつけ実行できた、
ということはおおきいんですよ
現に、満州国に関わった官僚には、左入った人って結構いましたからね

だから国内、特に東北や北海道を差し置いて、
韓国、台湾、満州に立派な建物がのこってるってのは、そういうところあるんです

でも、その自由が関東軍という癌細胞のような軍隊を生み出す結果となったわけですけれどもね

そういう意味をこめての「現実逃避」なんです

757名無し三等陸士@F世界:2008/04/05(土) 01:05:31 ID:jO3kGuBo0
あの頃の日本人は子沢山で、尚且つ、半農業国だった帝國政府は
日本人の生存圏の拡大が急務だったのであります!

敗戦後の、優生保護法については知ってる人間は口を噤んでいるのですな

758名無し三等陸士@F世界:2008/04/05(土) 01:10:36 ID:55XpGFAo0
>>754
野球って道具揃えるのにお金が掛かるのでそれをどう負担するかが
問題になりそうですな。
アマチュアを育てるにしても練習道具はいりますからなー、手作り
するにしても人数分がいるのでサッカーの方がお金は掛からない
んですが・・・。
公共の娯楽としては競馬なんて発達してそうです。
アルフェイムの馬はしょぼいですがそこは帝國の馬と交配させるか直接
帝國の馬を輸出する方法もあります。
もしくは戦竜を使ったレースとかもありかもしれないですよ。

759名無し三等陸士@F世界:2008/04/05(土) 01:19:04 ID:BSbuSQCQ0
国内が十分に潤っていたなら、あそこまで満州ブームは起こらなかったでしょう
狭い日本にゃ住み飽きた、ってのは、閉塞的な日本よりも、未知の満州には可能性がある
ってことを言ってるわけですから。
そしてこういうモデルは、戦後の中南米にも使いまわされて悲劇を呼ぶことになるんですが

>>751
科学ってのは自由がないと発達しないもんですよ
科学と自由主義思想ってのは、本来車輪の両輪みたいなところはあるんです
自由主義は封建主義支配との戦いであったのと同様、
初期の科学技術はガリレオの「それでも地球は回ってる」が示すとおり、
技術を押さえ込む既得権益者すなわち教会との戦いだったわけです

あのソ連ですら、科学アカデミーや研究・開発・設計関連の部署は
欧米との対抗の必要上、様々な自由があったわけですからね

760名無し三等陸士@F世界:2008/04/05(土) 01:21:23 ID:8HxePJ/g0
外伝より改訂版の本編を進めて欲しいです
今はまだ蛮族扱いされている帝國のこれからの立ち回りが見てみたいです
軍事力だけではないアルフェイム世界との色々なギャップは読んでいて楽しいです

761名無し三等陸士@F世界:2008/04/05(土) 01:36:33 ID:slWT8wvs0
個人的にはエルフがどういう風に世界に関わっているのか興味あります。
DEは迫害されて闇に潜まざるをえないとして、
じゃあエルフはどういう生活してるのでしょうか。
ワイバーン誕生のSSを見た限りでは、基本的には聖域みたいなのに篭って、
なんかあった時にだけ出てくる「世界の調整者」を自認してる印象があるのですが。
そういやエルフと帝國が直接やりあう場面ってないですね。

762名無し三等陸士@F世界:2008/04/05(土) 01:50:12 ID:jO3kGuBo0
この時期の帝國って、まだまだ「得たいのしれない田舎者」でしかない訳で。
見えてるほとんどが軍ですし

763名無し三等陸士@F世界:2008/04/05(土) 02:01:29 ID:IzLmGUHk0
>>759
中世から近代にかけての欧米の科学者ってのは、その既得権益者である貴族が
最大のパトロンなわけだが。中世や近代の科学の発展は遅くて、労働者が趣味で
研究してたとか思ってる?
宗教との戦いはまた別の話だろ。

764名無し三等陸士@F世界:2008/04/05(土) 02:30:14 ID:BSbuSQCQ0
>>763
その支援者のパトロンは、結構啓蒙的な人がおおかったんだよ
貴族でありながらも無神論やら民主政治、初期の社会主義の論客がいたりするところだったからね
原水爆禁止運動の際の科学者の連帯や、インターネット文化の根底である「基本的に自由」
ってのは、そういう学者・研究者がもつ学問の自由の気風からきてるところってのはある

日本の大学生はすっかり忘れてるだろうけど、大学の自治というのは本来
権力や教会から学問の自由を守るために付与されたもんなんだよ?

ただ、帝国までになると、大学の自治を許し、科学者を自由に研究させる危険性には
気づくんじゃないだろうか?
ってのが俺の仮定なんだが…
そこから

765くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/05(土) 07:50:05 ID:LyPPIJW.0
>>753
>ところで、稲葉って邦国とかに行けるのですか?
 一般人でも行ける様な場所なら直ぐにでも、それ以外となると要相談、ですね。一般論としては。
 ……ま、「その前に溜まってる仕事片付けろや」って却下でしょうケド。

>>754
>娯楽
 じゃあリアル世界でゲーム・アニメ・漫画等のコンテンツに(ヲタ以外では)一番縁のある中等生や高専生の場合をば。
 この世代になると、流石に小学生の様には外で遊ばないようになります。
 ……勉強とか部活動・バイトで忙しくなりますしね。(何よりいい年してそんなこと、となる)

 余暇は室内では読書とかTV・音楽鑑賞、友人達と雑談、囲碁将棋、ボード或いはカードゲームに興じます。工学系の場合、機械を弄くる人もいるでしょう。
 屋外ではプール行ったり散歩したり、図書館で本読んだり……って感じですか。映画鑑賞やスポーツ観戦も盛んです。
 まあ八割方、最大公約数はこんな感じですかねえ。後はそれこそ人ぞれぞれ……

>稲葉中佐はあまり興味がないのでしょうか。
 個人的には「つまらん」の一言です。
 唯一の共通項である軍事系と漫画で時間を潰して(←ホントは潰すほど余っていない)いますが、それでもやはり……

>この世界での日本シリーズや甲子園大会は、メジャーのワールドシリーズを超えるビックイベントになるはず。…(妄想中)
 この世界では映画鑑賞やスポーツ観戦の動員数が凄いです。

>>760
>外伝より改訂版の本編を進めて欲しいです
 ……申し訳ないです。

766名無し三等陸士@F世界:2008/04/05(土) 08:27:06 ID:rnieKo0I0
>>756
>本来国内投資にまわすところを軍隊や都市・太平洋ベルト部や植民地でのインフラ整備につかってましたから。
>その結果として東北〜北海道立ち遅れと、格差や貧困にともなう
あれは積極財政での経済規模の維持を主張した大隈が下野し、
財政再建の優先する松方のデフレ政策が採用された事が原因。
戦前日本の貧富の格差は、松方財政下での産業構造の変化によるもの。

>財界や軍の極度のアカアレルギーにより、ニューディールみたいなことは禁じ手とされ
>政府がすがったのが海外領土、特に満州だったわけで
えー、統制派と皇道派は?、高橋是清の財政出動は? 政府の事変不拡大方針は?

767名無し三等陸士@F世界:2008/04/05(土) 14:06:56 ID:2Cix9MMY0
稲葉SSを見る限り、現実と比べても(本国の)自由の度合いはそう変わらないように思えるんだが。
「帝國が自由が制限された社会である」といっている人はどの辺りからそう読み取ったのかな?

768名無し三等陸士@F世界:2008/04/05(土) 16:01:53 ID:/NdWnO5g0
稲葉中佐、オヤジさんと娘二人と邦国へバカンスの巻を希望!
でも、獣人三人と規格外れに若い高級軍人(で、とーてい帝國軍人に見えない)
から、邦国へ行ったときと帰還で帝國に入国するときひと悶着あるかもね。
で、わざわざ陸軍中将どのが出張ってきて「こいつは確かに俺の部下だ」の
一言で、入国官上司と一緒に土下座の嵐で・・・

稲葉って軍内でどう思われてるんだろ・・・

769名無し三等陸士@F世界:2008/04/05(土) 17:45:19 ID:55XpGFAo0
映画を国策で保護しているならミステリー物も採算が取れそうだ。
テレビで刑事物はこちらでも放送されてるんだろうか?
「西部警察(古いか)」や「太陽にほえろ!(これも古いか)」なんか
も放映しているなら予算かけてそうだなぁ。
アルフェイムは魔法があるので爆破シーンの制御とかに使えそう
だし。

770名無し三等陸士@F世界:2008/04/05(土) 21:53:29 ID:PRgysjNs0
>755
>ちなみに、満洲事変と満州国建国が経済成長のカンフル剤になったと言うなら否定はせんよ。
こちらの方です。

>大局的には国益を損なうものであったとも思うが。
同意します。
政府が軍の統制を取れなくなった事は致命的でした。

>744
>国内植民地化による外需依存
ここの「国内植民地化」の意味が読み取れなかったもので台湾や朝鮮半島の事と思いました。

771名無し三等陸士@F世界:2008/04/06(日) 00:43:16 ID:FH.PlnVk0
>アルフェイムは魔法があるので爆破シーンの制御とかに使えそうだし。

問題は、元ネタになる爆発満載なハリウッド映画が無いって事ですが

772名無し三等陸士@F世界:2008/04/06(日) 03:26:45 ID:Hx4GmCGQ0
派手なアクションや殉職シーンを売り物にする刑事ものも
良いがF世界版「刑事コロンボ」みたいな推理ものも見たい

魔法がトリックに取り入れられると、かなり何でもありに
なってしまいそうだが...

773名無し三等陸士@F世界:2008/04/06(日) 05:10:17 ID:wDr0citw0
むしろ川内康範大先生のドラマが主流になるんじゃないかと思われ
 例:帝國抹殺を企む清華系な秘密結社・殺殺団と戦う虹色仮面

あと活劇なら忍者部隊月光がまんま使えるかも

774名無し三等陸士@F世界:2008/04/06(日) 07:32:21 ID:9CUchHFAO
>756

明治時代に江戸時代を貶めた歴史の教科書が作られたように(一揆が頻発したとか、士農工商が固定されていたとか)、戦後作られた教科書も帝国治世を貶める部分があるんです。
例えば、インフラ資本ですが、集中整備と拡散整備のどちらが効率が良いか、お分かりですよね?
当時、拡散整備出来る程予算が無かっただけなんです。
植民地にある程度はお金をかけたイギリスは別にして、フランス植民地辺りだと、昔のままな訳でして。
とりあえず、他列強に舐められない為には軍備が必要だった訳ですから(まあ、暴走気味だった陸軍の一部は否定出来ない恥部な訳で)、仕方ないとは思います。

後、プロレタリア小説の流行について言及されていますが、この流行は一部インテリ層を中心に流行していたのはご存知ですか?
当時のインテリ層は、ほぼ富裕層であり、いわゆる苦学生はスポンサーに実力を見せないと援助を切られるため、小説を読む余裕が無かったようです。
つまり、プロレタリア小説の流行は、自らが富裕層である事に慣れきり当たり前に思っているボンボンが、火遊び半分読んだ流行だと思われます。

後、ニューディール政策をアメリカがやった時、日本ではアメリカ赤化!と言われたらしいです。
つまり、公共投資など社会民主主義すら許されない社会だったようですよ。

775名無し三等陸士@F世界:2008/04/06(日) 07:44:02 ID:fEKQh9Qk0
なにいっても無駄なんだから構わずに放っておきなさいよ

「真の狂人は自らの狂気を自覚できない」

776名無し三等陸士@F世界:2008/04/06(日) 09:33:02 ID:5cdVuct20
>>767
大日本帝國の延長社会に現実日本並みの自由があるなんて考えられんよ。
治安維持法その他も健在だろうしな。
反日親清華(&月)のTV局や新聞社が大手を振って堂々と活動してるなら別だが。

777SARU ◆CXfJNqat7g:2008/04/06(日) 09:57:02 ID:wDr0citw0
こういう時は空気を変えたい

という訳でSS前編投下します

778SARU ◆CXfJNqat7g:2008/04/06(日) 09:58:07 ID:wDr0citw0
北海道という名前から思い浮かべるのはどの様な物であろうか。
厳冬の未開地? 
観光の盛んな避暑地? 
はたまた熊が出る?
それらは帝國本土を含めた外部の者達による偏見を通した印象ではあるが、一方で歴史的事実に
起因する真実の幾許かを表してもいる。
それを説明するには獣人諸族の中で異彩を放つ熊人について語らねばならない。

779名無し三等陸士@F世界:2008/04/06(日) 09:58:37 ID:55XpGFAo0
>例:帝國抹殺を企む清華系な秘密結社・殺殺団と戦う虹色仮面
それは特撮なんじゃあ・・・。

推理物としては浅見光彦みたいなのはどうだろう?
名家の次男坊で、ブルゾン姿でトヨタ・ソアラを乗り回すって辺りは
こっちでもいけそうだが。

780SARU ◆CXfJNqat7g:2008/04/06(日) 09:58:50 ID:wDr0citw0
輜重輸卒が兵隊ならば 蝶々蜻蛉も鳥の内 電信柱に花が咲く
                   ──兵士が輜重兵を揶揄した戯れ歌(*1)

帝國がダークエルフを通じて獣人の存在を知り傘下に収める決意をした時、最初に考えられたのは
その怪力を利用する事であった。武器弾薬の輸送から野戦陣地や飛行場の設営に至るまで、乏しい
機械力の代替が可能な仕事は軍に限っても数え切れない需要があった。
だが当の獣人達はマケドニア建国と共に尚武──と言えば聞こえはいいが、要は軍事力──の風を
以って帝國に仕えるを好しとし、それは虎人・狼人と言った好戦的な種族に顕著であった(*2)。
これはマケドニア王国の自主運営表明と同様に帝國政府の頭痛の種となった。

そうした中、ダークエルフに案内されたある種族の代表が帝國陸軍参謀本部に控え目な申し出を行った。
曰く、「我々を輜重兵として編入して戴きたい。マケドニア軍ではなく、帝國軍の」
最初にこの話を聞いた参謀将校達は何かの間違いと思ったらしく、もう一度聞き直した。
「我々熊人は帝國軍が本当に求めている物、つまり大量の物資輸送能力を提供出来ます。
 又、道具さえあれば均土車(ブルドーザー)や様々な作業器械の代わりも出来ます」
こと戦いに関して無駄に気位の高い獣人が他兵科から格下に見られている輜重兵を志願している!
自分達は癲狂院にいるのではないかと錯覚する程の衝撃を受けた参謀将校達は、ダークエルフによって
熊人の具体的要求が提示されるとようやく正気に戻った(*3)。
「マケドニアは気候が合わないので、北海道という島の奥地に移住したい」
職掌を超えた要望に対し、参謀本部は政府諸機関との折衝が必要と回答を保留した。

*1 現在、これを歌う事は軍の懲罰対象となっている。
*2 「きつい裏方仕事が嫌」なのでは無く、「自分達も戦える=役立つ存在だと証明したい」のである。
*3 この時の狼狽振りは平成の世にまで語り草となった。

781SARU ◆CXfJNqat7g:2008/04/06(日) 10:01:09 ID:wDr0citw0
この頃、北海道は転移後の好景気から取り残されていた。
神州大陸という『不毛の満州朝鮮とは比べ物にならぬ』『天国に一番近い島』が眼前と言っても良い
場所に出現し、国民の移住が国策として急速に進められていたからである。元来、外地から帰還した
人々を対象としていたそれは、主に東北・北海道に住む人々を蜜と乳が流れる豊穣の地へと誘い、
結果として急激な過疎をもたらした。
帝國本土における社会資本の偏りは転移前から問題視されており、政府もそうした地域への開発を
考えてはいたが、如何せん予算・資材・人手のいずれも足りなかった。内国輸送の要となる鉄道網と
港湾の整備だけはどうにかした物の、自然環境の厳しい北海道の各地から人々が流出するのを止める
には至らず、函館から石狩平野、十勝平野にかけての諸都市と、鉄道の敷かれた炭鉱町、本州と
神州大陸とを結ぶ航路の要港を除けば開拓以前に戻ったも同然の有様となった(*4)。
政府は広大な『空き地』の処遇に苦慮し、最終的には軍関連施設としての再開発を模索し始めた。

こうした動きに無関心な人々がいた──先住民族である。
旧土人、新平民と呼ばれ、五百年前から他者の支配下に置かれた彼等だけは自分達の土地を離れる
事を頑強に拒み、面子を潰された政府も態度を硬化しつつあった。内務省等では『最終的解決』(*5)が
取り沙汰され始めていた。

*4 鉄道は産業や軍事的に不可欠な物を除いて建設中断・運行停止(事実上の廃線)され、その沿線
   住民は電気・水道・郵便等のライフライン廃止で半強制的に立ち退かされた。
*5 帝國に居住する少数民族を大内海沿岸へ強制移住するという計画。一説には流民政策の雛形に
   流用されたとも言われるが、この件については現在も国家機密に等しく扱われ詳細は不明。

782SARU ◆CXfJNqat7g:2008/04/06(日) 10:23:55 ID:wDr0citw0
後編は今打ってますので後日
あと、某ネズミーランドなネタも準備中です

>>779
個人的には禿鷹仮面の方が好みなんですが、いかんせん耳毛大先生作品の中ではマイナーで……
ゼニクレージーなんてほとんどパーデンネン(逆だ
憎むな、殺すな、赦しましょう

783名無し三等陸士@F世界:2008/04/06(日) 11:43:47 ID:55XpGFAo0
>>782
SARUさん乙です。

ネズミーランド・・・ファンタジーで攻めるのかスペースワールド(今も
あるのか?)のようにSFで攻めるのかが気になります。

784名無し三等陸士@F世界:2008/04/06(日) 12:57:58 ID:55XpGFAo0
漫画で思い出しましたがこちらの世界では「学習まんが」も広範囲で
使われていそうです。
特に主要邦國の文化や科学技術の紹介や簡単な魔法の解説には漫画の
力は使えそうですからね。

785名無し三等陸士@F世界:2008/04/06(日) 13:09:41 ID:rnieKo0I0
>>781
投下乙、開拓モノは好物です。

786名無し三等陸士@F世界:2008/04/06(日) 14:25:08 ID:BSbuSQCQ0
くろべえさんやその支持者には悪いんですが、私は「自由が無い」と喚いてる人や>>776さんの推測に賛成します。
国家総動員体制で転移した帝国が、現代日本より自由だとは到底思えません

たとえば、最近度々ニュースで問題にされる特殊法人や、それにともなう規制利権ってのは、国家総動員体制の時代に編み出されました
国家非常事態ということで作られた各種の規制が今でも亡霊のごとく残ってるんです。
本来なら戦時や復興を過ぎた現代日本には必要ないのに、未だにたくさん残てるどころか、
最近の政局の混迷を利用して様々な規制法案が提出されまくるニュースがテレビをにぎわせているるのをみるに、
この国の官僚は、国民に自由を与えたくないのだなと邪推してしまいます

…何を言いたいのかというと、50年後の帝国は、現代日本よりも今の中国に近い国家になってるのではないでしょうか
表面上は平穏でも、肥大化した特高が24時間監視してるような社会の方がイメージ的にはあってるように思われます

787名無し三等陸士@F世界:2008/04/06(日) 14:38:04 ID:ljmgrf3s0
>>781
投下乙
最後まで頑張ってくれ

>>786
わかったから自分でホムペなりブログなりたちあげて

そ こ で 自分の主張ぶちまけてくれ

空気読めない子だぞ お前さん

788名無し三等陸士@F世界:2008/04/06(日) 14:50:12 ID:0brV5/mQ0
>>787
ヒント:>>786の一レスだけでも「たくさん残てる」「にぎわせているる」とか含まれている不自由な日本語

789名無し三等陸士@F世界:2008/04/06(日) 16:00:00 ID:rnieKo0I0
SARU氏の気遣いを台無しにしたお前らに乾杯。

790名無し三等陸士@F世界:2008/04/06(日) 16:27:16 ID:NPINsWLA0
SARU氏投下乙です。

>>781ですけど、

>帝國本土における社会資本の偏りは転移前から問題視されており、政府もそうした地域への開発を
考えてはいたが、如何せん予算・資材・人手のいずれも足りなかった。
    (中略させていただきます。)
>*4 鉄道は産業や軍事的に不可欠な物を除いて建設中断・運行停止(事実上の廃線)され、その沿線
   住民は電気・水道・郵便等のライフライン廃止で半強制的に立ち退かされた。

 本文と注釈が微妙にあってないように思えるのですが。
本文から解釈する限り、住民の流出を止められず開拓以前の状態に戻った。
注釈では、政府が強制的に住民を神州島などに移住を促進。
というように読めます。
 政府内部で各省庁の方針にずれがあると考えればよろしいのでしょうか?

791名無し三等陸士@F世界:2008/04/06(日) 16:44:54 ID:Ck/V/6as0
・・・そりゃ、現代日本社会より色々な制限は多いと思うけど
あまり「逸脱」も無いと思う。
「帝國」覇権下の世界がユートピアとは思わないけど
大多数の人間にとって「昔よりずいぶんマシな暮らし良い生活」を
与えだのだから。
軍人が威張っているとか、身分制が数多の非喜劇を生んでいると思うけど
収奪帝国をやっている訳ではなく、「邦国を含めた平民を豊かに」と言う
方向で、帝國政府・官僚機構も動いているとおもうぞ
新官僚たちも、大陸で腕を奮っていただろうし、その全てが失敗したわけでも
あるまい

792名無し三等陸士@F世界:2008/04/06(日) 16:48:39 ID:b4FyMvGQ0
>>786
日本語不自由な方ですね。
本国に帰りたくないんですね。わかります
このハ○チョッパリ

793名無し三等陸士@F世界:2008/04/06(日) 17:02:42 ID:ZbQHgkfA0
そもそも大日本帝国が、異世界転移のおかげで
史実と違って現代まで存続しているという架空の物語の話なんだから、
21世紀の帝國が現代日本より多少堅苦しい世の中だったとしても、
「それがどうした?むしろそれが当然じゃないか。
俺たちはその架空世界の話を楽しんでいるんだから、
無粋なことを言って邪魔するのはやめてくれ」としか思わんのだが。

794名無し三等陸士@F世界:2008/04/06(日) 17:29:46 ID:55XpGFAo0
もう、荒らしはほっておいていいじゃない。
反応するから付け上がって居座るんだよ、放置しておけばいいのさ。

795名無し三等陸士@F世界:2008/04/06(日) 17:35:00 ID:55XpGFAo0
昼食に家族でフォルクスいったんだがああいう店の「サラダバー」とか
「スープバー」は獣人向けのお店も「帝國」にはあるかもしれんねぇ。
「バイキング(スウェーデン)形式」のお店なんかは採算を取るのは難しい
かもしれんけど喜びそうな獣人や邦國人はいそうだ。

796名無し三等陸士@F世界:2008/04/06(日) 18:52:12 ID:Ck/V/6as0
帝國人とダークエルフと獣人の、めんこいおにゃの娘たちの
トリオでアイドルとかありそうだ
TVとか、銀幕とかレコードとかで。
その中で、恋愛モノもあるだろうし、歴史モノとかアクションやサスペンスも
あるだろう・・・・”僕は貝いなりたい”とかも。
で、帝國製だダブルオーシリーズとかは無いかな?
「陛下の代理人」として、目に見えない帝國の危機に立ち向かう複数の男たち
陛下直筆の「全権委任状」を身分証明とし、帝國臣民の安寧の為に
ひそかに戦っているのです、とか。

「ボンドガール」は、帝國人・ダークエルフ・獣人・・・偶に邦国出身女優かな

797名無し三等陸士@F世界:2008/04/06(日) 19:01:16 ID:DSJ3nywA0
>>796
君も本当に懲りない子だな……('A`)
明日はもう小学校の始業式が始まるんじゃないのかい?

798名無し三等陸士@F世界:2008/04/06(日) 19:07:02 ID:C1FDNOQw0
>>790
本文と注釈の間には相応の時間経過があるものと思われる。
ある程度人口流出してしまえば開拓地放棄論もでてくるのではないかと。
無論大都市、港湾、鉄道は別でしょうけど。

しかしながら空地だらけとなると
この北海道には「地図にない街」がいくつかあるのやも。

799名無し三等陸士@F世界:2008/04/06(日) 19:37:49 ID:slWT8wvs0
>>786
これってあれか?

「ぼくの考えた帝國世界が正しいんです!
 くろべえさんの帝國世界が間違ってるんです!」

「だから、ぼくが正しい帝國世界を"考えてあげます"から、
 その通りにしてください!」

・・・そのうち、

「ぼくが正しい話を"書いてあげます"から、
 くろべえさんが勝手に帝國世界を書くのはやめてください!」

とか言い出すパターンか?
押し掛け厨みてえ。

どっかチラシの裏にでも、
「ぼくの考えた正しい帝國世界」でも書いてろよ。

800名無し三等陸士@F世界:2008/04/06(日) 19:50:13 ID:rnieKo0I0
>>796
>「ボンドガール」は、帝國人・ダークエルフ・獣人・・・偶に邦国出身女優かな

「ボンドガール」より「主水ガール」の方がいい。

801名無し三等陸士@F世界:2008/04/06(日) 20:42:15 ID:7FqL.Nek0
>>786
そんな現在日本でも自由があるのだから、帝國日本にも自由はあるんじゃね?
などと空気を読まない発言をしてみる

802名無し三等陸士@F世界:2008/04/06(日) 21:06:34 ID:7NQaTi7I0
帝國世界がどうであろうと、面白いSSが読めればよいのだ!
と主張してみる

803名無し三等陸士@F世界:2008/04/06(日) 21:59:10 ID:55XpGFAo0
>>802
同意。

804名無し三等陸士@F世界:2008/04/06(日) 21:59:23 ID:fl83Oq8w0
>SARU氏版ネズミーランド
作風を見るとそのまんまを持ってくるとは思えない
なんか色々とツッコミ所満載なモノが出てくると思われ
それが帝國クォリティ

>>795
いくらなんでもビュッフェ(いわゆるバイキング形式の料理)は獣人価格が適用されるでしょう
現実世界でも男女で差額が存在するし
ギャル曽根みたいな規格外はしょうがないとして

>>799
2ちゃんの同人板でサイト乗っ取りスレを読んでてこんなアホなと思っていたが、

いるんですねorz

805名無し三等陸士@F世界:2008/04/06(日) 22:18:59 ID:55XpGFAo0
>>804
なるほど、反対に比較的コストが安くて嵩が稼げる料理がそういう場合
はメインになりそうですね。
嵩が稼げる料理ってなんだろう・・・バイキング形式に多いのは中華
だけど後はパスタとかか?一度だけ出合ったことが在る物としてはカレー
バイキングはあったけど(カレーづくしなメニュー)。

806名無し三等陸士@F世界:2008/04/06(日) 23:52:39 ID:lKlzm25Y0
>カレーバイキング
西新宿でランチタイム千円を食した事がある
おからのタルタルソース和えみたいな物もあって胃袋大満足
あとシェーキーズのバイキング(最近、値上げしやがった)も
カレー・パスタ・フライドポテトとかさ上げメニュー充実w

でも帝國の場合、専門店のカレーは高級料理になりそうだ(中村屋のボースもいるし)

807名無し三等陸士@F世界:2008/04/07(月) 00:42:11 ID:Ck/V/6as0
バイキングみたいな形式はどうだろう
それより、制限時間内ならおかわり自由みたいな方が
帝國人の気質に合うと思う。
あと、獣人と言っても世代でだいぶ気質が変化してるかも
忠狼連隊上がりのお爺ちゃんと、根っから帝国育ちの孫では
お爺ちゃん、戦友会とかで酒が入ると嘆いていそうだ

808くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/07(月) 12:51:20 ID:LyPPIJW.0
 SARU様、投稿乙であります。
 北海道の気候が合うってことは、ヒグマ系の方々でしょうかねえ。
 まあ、毛皮があるんじゃあ南方は厳しいですよね。
 その上に服着た日には地獄だ……

>自由
 正直、現在の日本は自由というよりも自由(無責任)過ぎる気が。(特に都会)
 ……こんな時代、いつまでも続かないだろうなあ。
(アメリカという“圧倒的な存在”の庇護があってこその、ですからねえ……)


 ではSS投下!久しぶりの本編です。

809くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/07(月) 12:52:39 ID:LyPPIJW.0
帝國召喚

 ――――“帝國”は、異界に生まれし国家なり。守護神たる八百万の神々の御導きにより、アルフェイムに顕現せり。(新“帝國”書紀)



『“帝國”は大内海のほぼ中央に位置する島国であり、四つの大きな島と中小無数の島々からなる。
 その国力は強大で、1億の民と300万の軍を擁する。“帝國”人は自らを“異界の民”と称し――』

 そこまでが、限界だった。

「…………」

 パタン

 ダカン通信軍大佐は無言で報告書の綴りを閉じた。
 そして二三度頭を振ると、いかにも皮肉たっぷりに、目の前に座るネッケル飛竜軍大佐へ声をかけた。

「……これは一体、何処の御伽噺だい?ディー」

 この報告書、何と言うかもう突っ込み所満載である。
 一々指摘するのも馬鹿馬鹿しいが、まず1億の人間を喰わすには、膨大な国土が必要だ。
 が、報告書にある“帝國”の大きさでは、その半分どころか1/3も喰わすことは出来ないだろう。
 輸入?食糧自給は国家の根幹、およそあり得ないし、そもそも大内海沿岸域にそれ程の余剰食糧はない、断言できる。

810くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/07(月) 12:53:40 ID:LyPPIJW.0
 仮に万歩譲って1億養えたとしても、300万もの兵を養えば国家は破綻すること間違いない。
 ……そもそも、外敵がいるとも思えない大内海のど真ん中にある国家が、何故それ程の軍備を必要とするのか?
 兎に角、およそ現実的ではない。(異世界云々に至っては……まあ、誇大妄想もその辺にしておけ、といった所だ)

 が、同様に報告書――ダカン大佐とは別の物だ――を読んでいたネッケル飛竜軍大佐は、軽く肩を竦めて答えた。

「……しょうがないだろう?連中、本気でそれを信じてるんだから」

 ……よりにもよって、他軍(通信軍)の将校に自軍(飛竜軍)が作成した報告書を小馬鹿にされたにも関わらず、さして気にした様子も無い。
 同じ魔道兵科、魔導師同士ということもあるが、それ以上に二人が“幼馴染”故になし得る(許される)会話だった。
 それ故に、二人共歯に衣を着せない。他軍同士の会合でよく見られる様な、虚飾と婉曲に満ちた会話とは無縁である。

「そりゃあ、俺だって『何処の狂人が書いた妄想だ?』と思ったさ! ――けど、何度もやった尋問の結果が“それ”なのだからしょうがないだろう?」

「……捕虜達が、法螺を信じ込んでいるのではないか?」

 ダカン大佐は指摘する。
 辺境の場合、自国を過大に見せるのはよくある話だ。
 ことに自国民に対して王家或いは自国の優越性を謳うことは、その支配を正当化する意味もあり、古今東西どこででも行われている。
 故に、捕虜が偽情報を信じ込まされている可能性も無いとは言えないだろう。(と言うより、絶対そうに違いない)

811くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/07(月) 12:54:26 ID:LyPPIJW.0
 が、ネッケル大佐は首を振った。

「可能性はある。が、それを否定する情報が無い。
 ……と言うか、捕虜からの情報以外、情報が無いのだ」

 辺境からはるばるこれだけの戦力を投入できるのだから、“帝國”がそれなり以上の国力を持った国家だということは間違いないだろう。
 が、にも関わらず、情報が全くと言って良いほどに存在しない。(交易関係にあるイルドーレにすら無いのだ!)
 判っていることは、『一年程で急激に大内海で頭角を現し始めていること』『――にも関わらず、どの国もその詳細を知らぬこと』くらいのものだ。
 今まで聞いたことも見たことも無い国家が、突然と歴史の表舞台に登場してきたのである。正直、困惑を隠せなかった。

「――にしても、だ。まだ調べ始めて数日ということを考えても、全く何も出てこないのはおかし過ぎる。伝承にすら無いんだぜ?」

 お手上げ、といった感じでネッケル大佐は両手を上げた。
 王立図書館にある大内海の風土記は元より、伝承にすらそれらしきものが出てこないのだから参ってしまう。
 止むを得ず交易商人共に当たっているが、目ぼしい情報は集まらない。

「商人にとり、情報は資産だ。知っていてもそうそう教えるとも思えんが?」

 むしろ、その価値を吊り上げるだけだろう。

「判ってる、判ってるよ、ポール。が、このままでは報告書は“これ”で決定稿となってしまうんだ。 ……それだけは避けたい」

812くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/07(月) 12:55:17 ID:LyPPIJW.0
「……まあ、気持ちは判るがね」

 こんな報告書を国王に提出すれば失笑もの、飛竜軍は大いに面子を失うことになるだろう。
 気の毒そうに、ダカン大佐は首を振った。

「いや、面子を失うだけならまだいいんだ……忘れたのか?俺達(飛竜軍)のボスは王弟殿下なんだぜ?」

「ああ!そりゃあ確かに不味いな……」

 この報告書は、最終的には飛竜軍司令官の名で出される。
 ……つまり、王弟の顔に泥を塗ることになりかねないのだ。

「そうなりゃあ、比喩ではなく本当に何人かの高官の首が飛ぶことになる。無論、俺の首もね」

 実際に首を切られる訳ではないが、家を守るために死んで責任をとらねばならなくなる者が多数出てくるだろう。
 それだけは避けねばならない、とネッケル大佐は真剣な口調で告白した。

「ああ、何と言ったら良いか――」

 友の不運に、ダカン大佐は言葉を何とかけて良いかも判らない。
 思わず口篭ってしまう。

「気にするな!すまじきものは宮仕え、仕方の無い話さ!」

 ――そう言って自分を気遣い笑う友に、ダカン大佐はただただ顔を歪めることしか出来なかった。

813くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/07(月) 12:56:26 ID:LyPPIJW.0


「そう言えば――」

 突然思い出した様に、ネッケル大佐が話題を変えた。
 そして、ダカン大佐(通信軍)が作成した報告書を手に取った。
(飛竜軍が人的情報の調査、通信軍が物的情報の調査を担当しているのだ)

『“帝國”軍が運用する“カラクリ仕掛けの飛竜”及び“魔力弾頭並の威力を有する砲爆弾”の残骸からは、魔力残渣をまったく検出できなかった。
     (中略)
 特に“カラクリ仕掛けの飛竜”より回収された銃と弾薬は、実に驚嘆すべき性能を有していた。
 銃の正体は後装式の小型連発砲で、要する動作の大半が自動化されていることから、その発射速度は――』

「――こりゃあ、本当かい?」

「……ああ、残念なことに事実だ。“帝國”の技術力、決して侮れん」

 ホッとしたのもつかの間、ダカン大佐は重々しく頷いた。
 慎重に言葉を選びつつ、言葉を続ける。

「魔道技術は全く使われていない。我々とはまったく異なる未知の技術体系を有している、と見て間違いなかろう」

「――その反面、魔道に関しては無知に等しく、将校ですら迷信と見做している。それ故か、“帝國”人の魔力は測定できぬ程に微小だ。」

814くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/07(月) 12:57:29 ID:LyPPIJW.0
 それにネッケル大佐が付け加える。

「“科学”、というらしいぞ?」

「“科学”、ね。“科学”が進んだから魔力が衰えたのか、それとも魔力が微小だから“科学”が進んだのか……」

「或いは、本当に異界からやって来たのか」

 二人は顔を見合わせ、笑いあった。
 そして、調査結果の中間報告を一時見送り、今後も調査を継続することで一致した。

815くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/07(月) 12:59:30 ID:LyPPIJW.0
 SS投下終了。
 飛竜軍が将軍に情報を出し渋っていたのは、まあそんな訳です。
 ……どうやらこの世界にも「すさまじきは宮仕え」なる言葉があるらしい(笑)

816名無し三等陸士@F世界:2008/04/07(月) 14:56:08 ID:55XpGFAo0
くろべえさん乙です。

まあこの世界の人間から見たら「科学」の印象はそんなもんでしょうなぁ。
現実世界でもいきなり「魔法の世界」からやってきましたなんて言ったら
良くて変人か気が狂ったのかと思われますからな。

にしても撃墜された機体から武装を回収されていたのですね。
早速試験されているようですがこれを試作できる程の技術水準ではまだ
なさそうですね。

817名無し三等陸士@F世界:2008/04/07(月) 15:55:45 ID:AcDYmxfM0
搭乗員が持ってる写真とかに興味を持たないのかな?

818名無し三等陸士@F世界:2008/04/07(月) 23:49:17 ID:7LZGzQEs0
>>806
>中村屋のボース
転移している可能性大だな・・・
『洋食神』黒部男爵と衝突しそうだ

819名無し三等陸士@F世界:2008/04/08(火) 04:49:50 ID:YOfwdKmk0
投下乙です。
確かに人口一億、総兵力300万なんて、あっちの世界からすれば
ほら吹くのもいい加減にしろといいたくなる数字ですね。
しかも、こんな狭い国土で。

>>817
リアルタイムで『動画』を送受信できる水晶球(第1章第1話)がある世界だし、
解像度もいまいちな上に、色が付いてるかさえ怪しい当時の写真じゃ、
あまり興味示さないんじゃないですかね?
パイロット個人がそんなたくさん戦場に持ってけるとも思いませんし。

820名無し三等陸士@F世界:2008/04/08(火) 11:25:15 ID:9CUchHFAO
諸説ありますが、現在の能畜業では、米と麦+牧畜の人口養育率には2〜4倍の差があり、米が有利です。
当時の日本は、本土の大部分を農地が占め、しかも土地の活用率が高い多種少量栽培農法をとっていましたから、本土だけでも最大で6000万人を養えたらしいんです。

これに対し、魔法技術で改良された麦なんかが栽培されていない限りは、ジャガイモ・トウモロコシ等が無いヨーロッパと同等と考えると、人口養育率は更に広がりますが、今のところ、その辺り言及されていないので分かりませんが、5倍くらいなんでしょうか?

821くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/08(火) 13:31:48 ID:LyPPIJW.0
>>816
 816様、有難うございます。

>まあこの世界の人間から見たら「科学」の印象はそんなもんでしょうなぁ。
 “科学”という単語自体が存在しませんからねえ、この世界。
 化学生物物理学や機械工学も魔道分野と見做されていますし。
(一般職人の技術は、せいぜい「魔道の下位(従属)技術」或いは「魔道の副産物」とされている)

>>817
>搭乗員が持ってる写真とかに興味を持たないのかな?
 似たようなもの、ありますんで。
 情報としても、被写体が家族では……

>>819
 819様、有難うございます。

>確かに人口一億、総兵力300万なんて、あっちの世界からすれば
>ほら吹くのもいい加減にしろといいたくなる数字ですね。
 特に財政や兵站に縛られている彼等からすれば、荒唐無稽な数字ですよね。
 動員率も滅茶苦茶ですし。
 まあ、ナポレオンの国民皆兵制、第一次世界大戦の総力戦を経た現代国家が異常なだけなのですが……

822くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/08(火) 13:36:42 ID:LyPPIJW.0
>>820
 江戸時代末期の日本(米主食)が北海道を除いた約30万k㎡に約3500万人。
 フランス革命時のフランス(小麦主食)が約50万k㎡に2500万超人。
 気候とか時代(フランスは産業革命起こってる)はまあ無視するとして、
 日本は約110〜120人/k㎡
 フランスは約50人/k㎡
 ……近代でもだいぶ違いますねえ。

 アルフェイム中央世界では、(大量生産こそ出来ないけど)魔法技術が発展してますので、大国ともなると経済力は欧州の産業革命初期並、としています。
 農業もそれに準じておりますので、まあ土地によりますが50〜60人/k㎡程度は養える、としています。
 ですから帝國の面積を40〜50万k㎡として最大2000〜3000万、と計算したのでしょう。
 ……ただ、やはり辺境ということが頭から抜けませんので実際はその1/2、1000〜1500万程度がせいぜい、と考えているでしょうねえ。

 ま、「人口1000万、軍5〜8万」としても辺境じゃあ破格も破格、中央世界ですら、大きめの中規模文明圏まるごと、ですよ。

823名無し三等陸士@F世界:2008/04/08(火) 15:09:05 ID:i75.YM8w0
「桁一つ違ってるんじゃないか」と、ゆー意見が出てきている気がします。
辺境では、数え方も中央と異なっているとかで

824名無し三等陸士@F世界:2008/04/08(火) 19:53:54 ID:5mXthgqg0
アイデア思い付いたんですが「1937〜8年ぐらいの日本とF世界が不完全に繋がる」
択捉とか硫黄島とかにゲートが出現してエルフやドワーフがコンニチワすると言う始まりで

しかもそのゲート、封印された物を完全に解析されずに使った所為で
「日本の1時間=F世界での3時間」と言う「浦島太郎なゲート」と言う

細かい設定とかもあるんですが…ここに書いて良いでしょうか?

825名無し三等陸士@F世界:2008/04/08(火) 20:11:30 ID:7NQaTi7I0
SSが増えるのは個人的に歓迎です。

826名無し三等陸士@F世界:2008/04/08(火) 20:58:16 ID:918eufB60
>>824
なにそのドラグネット・ミラージュは? 激しく見たいぞ

827名無し三等陸士@F世界:2008/04/08(火) 21:06:22 ID:55XpGFAo0
>ゲートが出現してエルフやドワーフが
ゲート物として別個にスレ立てて書かれてはどうかと。
ここのスレは、
>皇軍(明治〜WW2の日本軍)がファンタジー世界に召喚されますた
なのでゲートでリンクというより丸ごとあちらへGo!向きかと。
話が混ざって読みにくくなるよりはプロットだけここに書いて別にスレ
立てしたら違和感無いかと思います。

>50〜60人/k㎡
生産穀物が多種多様で主要生産穀物が米であるというのもあるでしょう。
単位面積当たりの収穫量で見れば米は麦より勝りますから。
加えて化学肥料などを使った現代的な農業の力は大きいと思います。
かつて高峰譲吉が米国から持ち帰った燐酸肥料で麦の生産量が3割から7割
まで増えたと言われています。
様々な穀物の品種改良もそうですが工業力を持って大量の肥料などを生産
して収穫量を高められるというのは非常に大きなアドバンテージがある
と思います。

動員自体は国家経済に影響を与えるのでそう頻繁には出来ないのは帝國
も同じですし欧州などの諸外国も同じです。
むしろ戦前の日本は平時の徴兵人口は欧州諸国よりは低めでしたし。
特に総動員は人口バランスが崩れるので国家としては「最後の手段」
でしょう。
とはいえ動員をかけても「ある程度」使える軍隊を投入できるかという
点では帝國の方に分がありそうですし、近代的な武装があれば徴収兵
でも職業軍と戦えるのは確かですね。

828824:2008/04/08(火) 22:10:00 ID:5mXthgqg0
>>825 >>826
ありがとうございます

>>827
はい、プロットだけ書いてみます 文才無いので正直連載出来るか難しいですが

「大日本帝国軍異界に立つ(仮題)」
状況設定:1937年頃の択捉島に異世界とのゲート出現
歴史設定:基本的にゲート出現まで史実と同じ
ゲート設定:海上に存在、見た目は海に浮かぶ黒雲みたいな感じ
      サイズは直径500mぐらい、海面からの高さは90mぐらい
      ゲートと接触する事で異界へ移動可能、生物か「生物が乗っている」乗り物のみ
      無人船はゲート接触後何処かへ消えてしまった
      ゲートを発生させた道具は異界側にとってもロストテクノロジー
      その為ゲートの移動、増加は行えず 「突然消える可能性」まである
      さらに日本側と異界では「時間の流れ」に差がある
      異界は日本側の認識で「約3倍」時間が早く進む
      もちろん日本側から移動した人や物も日本側の認識で「約3倍」動き老いる
      異界側から日本側に移動したら逆に異界側の認識で「3分の1」となる

829824:2008/04/08(火) 22:50:08 ID:5mXthgqg0
続きです
異界設定
大気組成など殆どは地球と同じ、しかし各種亜人や特殊鉱物「ミスリル鉱」が存在する
魔法が存在する(詳細は別項目にて)
太陽が出て地平線に沈むまでは地球と同じ「約24時間」
月のような物は「2個」存在する
数百年前にもゲートが開かれ異世界の存在が来訪している
しかし異世界の存在は侵略行動を行おうとした為異界側は阻止行動を行う
異界側の決死の行動によりゲートは消滅したが消滅の瞬間ゲートから半径10キロほど「吹き飛んだ」
その為ゲート展開は禁忌であった

異界大陸&国設定(名称は借りの物です)
アイオワ大陸:初期の舞台となる大陸 規模、形状ともにユーラシアに酷似している
       ただし日本列島やインドネシアなど「繋がってない部分」は同じではない
       各種鉱物資源が豊富であるが何故か鉛に比べると「ウランの鉱脈」がとても少ない
アストリア連合:ゲートを展開した国、実際は国と言うより亜人達の部族居住区の集まり
        それでも各種問題を話し合いで解決する為の代表者による「評議会」が存在する
        「人類至上主義」を掲げるバルチモア帝国に対抗する為、禁忌であるゲート展開を行う

830名無し三等陸士@F世界:2008/04/08(火) 22:53:40 ID:GuUiQ32A0
>異界は日本側の認識で「約3倍」時間が早く進む
おもしろい・・・とは思うのだが、
俺の頭では日本と異界国家のどちらにとって有利なのかわからない
勝利時に得る利益が大きくなるのは日本側だろうけど戦争では・・・?

ある程度進出できなければ日本が圧倒的に不利?

831名無し三等陸士@F世界:2008/04/08(火) 23:03:55 ID:7FqL.Nek0
>ゲート物として別個にスレ立てて書かれてはどうかと。
別にここでいいんじゃね?皇軍が関わるSSなら
スレッドをやたらに乱立させてもしょうがないと思うし

832824:2008/04/08(火) 23:27:21 ID:5mXthgqg0
設定はまだ不完全な部分が多かったので残りは後日纏まって出します
しかし日本陸軍は「それ以上にド外道」な敵に勝てるんだろうか
ウラン鉱脈だけ減らしたのって「ダーティボム量産」がシュミレート出来た為の物だし

>>830
火力や工業力的には日本の方が上です、「本腰入れる事が出来れば」
「逆・浦島太郎化」と「消滅の可能性」で決死隊同然ですから
それでも欧米列強と戦う為に「3倍の生産力」「資源豊富」の誘惑には勝てないのですが

833名無し三等陸士@F世界:2008/04/08(火) 23:37:11 ID:rtVAWUXE0
 ふと思ったのですが、帝国世界では、『海ゆかば』が大っぴらに歌われてる筈ですよね。戦没者慰霊祭は当然、毎年行われている筈だし、そこで鎮魂歌として歌われていることも間違いない。
 あのメロディーを聴いて感動しない者はまずいない筈だし、一度あの、名曲中の名曲についてのエピソードを書いてみて欲しい気がします。

834名無し三等陸士@F世界:2008/04/09(水) 00:22:22 ID:GuUiQ32A0
>しかし日本陸軍は「それ以上にド外道」な敵に勝てるんだろうか
勝てない、と言い切っては話が生まれないが
それにしたって時間3倍のハンディはキツイ。異界軍が銃持ちなら\(^o^)/
しかもゲート消失の可能性があるなら無茶はできない・・・
大日本帝国涙目www

835名無し三等陸士@F世界:2008/04/09(水) 01:02:27 ID:nRNWbPiE0
新スレを建ててやるべき
そのほうが読みやすいし質問とかもし易いので。

836824:2008/04/09(水) 01:15:17 ID:5mXthgqg0
>>834
銃は火縄銃程度で、前装式の砲が敵側の「革新的兵器」です
それよりも「各種生物兵器」が厄介だったり
「ゾン○の戦略的運用」や「人が魔術を使えるようにする為の各種研究」とか
めちゃくちゃ血が流れているって設定なので

果ては「亜人を母胎に繁殖する魔獣」…これはやっぱ入れない方が良いかな?

837名無し三等陸士@F世界:2008/04/09(水) 01:34:12 ID:GuUiQ32A0
俺はどっちでもいいと思うけど新スレ移行したほうが良さげ

異界での時間の流れが3倍 ということは
物資の消費 兵員の損害 兵器の損耗
これがぜーんぶ3倍なんだが日本耐えられるか?
これを解消するには設備・人員を異界に移動させていくしかない
しかし英米健在・・・ゲート開通時期によるが、下手すると二正面作戦?
まぁ日本滅亡END予定なら別に問題は無いのだが

838名無し三等陸士@F世界:2008/04/09(水) 01:37:43 ID:uFlSaD9c0
設定だけ出されてもなぁ……。
SSにして投稿してよ。

839SARU ◆CXfJNqat7g:2008/04/09(水) 02:03:13 ID:wDr0citw0
>>790
簡単に言うと外地から帰ってきた人を神州大陸に再移住させる政策が
北海道の人間まで吸引してしまった事による政策の混乱&開き直りです
一応本文を読めば大丈夫と思ったんですが・・・

とりあえず中篇投下します
後編は後日

840SARU ◆CXfJNqat7g:2008/04/09(水) 02:04:00 ID:wDr0citw0
昭和17年の北海道をめぐる混乱の最中、即席教育を受けた熊人輜重兵の第一陣が既に神州大陸へ
派兵されていた。分隊どころか班規模に分散され、しかも輜重科士官・下士官の実地教育を受けつつの
物ではあったが、急速に延伸する兵站線や元より機械力が貧弱な補給段列の綱渡りに等しい維持に
ついて熊人は欠くべからず貴重な『戦力』であったと、多くの将兵が実感する事となった(*6)。
これはほぼ同時に大内海へ展開した熊人輜重兵にも同様の評価が与えられており、後に建国・建軍で
出遅れた他の獣人(特にマケドニア王国軍人)が『帝國に功績のない』焦りから度々独断専行を行う
遠因ともなった(*7)。

懸案の北海道移住については政府・軍・関係省庁の間にも様々な意見が出されていたが、熊人部隊が
外地で挙げた地味ながら多大で貴重な功績を鑑みて、結局は許可・容認する方向へと議論が進んだ。
そして具体的な部分を定める段階になった時、件の熊人とダークエルフが先住民族の代表と共に姿を
見せた。例によってダークエルフは解説役として振舞った(*8)が、熊人は先住民族との協調・空白地の
自発的再開発・各種自然資源の保守を担う事を移住の条件として示した。
政府の一部代表からは『土人ずれが』と激しい言葉による反発があった物の、北海道内の鉄道打通
(横断と縦貫)維持と無人集落への再入植が両立し得ないという現実から提案を丸呑みした(*9)。

*6 後方の兵站線に出没した『はぐれオーク』の襲撃を熊人輜重兵が撃退した事も大きい。
*7 その多くは表面化していないが、マケドニア軍を編成へ編合された司令官や高級参謀は連絡将校に
   帝國軍の軍法や軍律を事細かに伝達させるのに苦慮しているのが通例である。
*8 先住民族については『熊』というトーテムを共通項として結果的に帝國と融和する意図を通じ、今後の
   北海道に欠かすべからざる存在と位置づけた。現在では自らが世界の終わりまで少数派である事を
   自覚しているダークエルフが、同じ立場の獣人や先住民族を通じて帝國の覇権下における生存権を
   主張する為の叩き台にしたからだと推測されている。
*9 北海道庁と鉄道省、旭川第七師団を指揮下に置く北方軍は、自分達の業務に支障さえ無ければ
   『空き地』の住人が土人や獣人でも大した問題ではない、という合意に達していたのである。

841名無し三等陸士@F世界:2008/04/09(水) 09:04:02 ID:QH3dsVYc0
どっちでもいいからコテハンつけてやってくれ

842名無し三等陸士@F世界:2008/04/09(水) 11:58:41 ID:MsAR/znU0
>>840
投下乙

状況はわかった

さぁ次はドラマだ!

843くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/09(水) 14:53:26 ID:LyPPIJW.0
 SARU様、投稿乙です。
 北海道は寒いですからねえ……
 豊かな南国の方がいい、ってなるのも仕方がないか……

>>823
 1、2……たくさん、とか(笑)

>>824
 楽しみに待ってます。

>>827
>収穫量
 やはり化学肥料の有無は大きいですよね。
 ……空気から肥料を作る?何処の世界のファンタジーですか?(笑)

>動員
 ちなみに300万とは転移直後の数字です。(正確には270万程だけど)
 ……まあ130万だろうが300万だろうが、向こうには似たようなもの、かな?



 では、SS投下!

844くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/09(水) 14:54:18 ID:LyPPIJW.0
帝國召喚

 ロッシェル王国軍は王国元帥たる国王の下、
 近衛軍/飛竜軍/戦竜軍/歩兵軍/砲兵軍/工兵軍/通信軍/海軍の八兵科軍、
 輜重集団/工廠集団/竜廠集団/施療集団の四兵科集団、
 そして軍務省隷下の16個軍管区よりなる。
 その数、およそ58000(*1)。総人口の0.7%とかなりの重武装だ。(無論、自力で支えるには重過ぎ、同盟諸国からの協力金により維持しているのが正直なところである)

 ――とはいえ、このままでは戦力たり得ない。王国軍が戦地に赴くためには、各兵科部隊が編合された混成軍を編成する必要がある。これが“野戦軍”だ。(*2)
 “野戦軍”の編成は時と場所、場合によって異なるが、最大で『4個師団1個戦竜団の基幹戦力と支援部隊』となる。
 尤もこれはあくまで軍の総力を挙げた場合の話であり、レムリア王国との全面戦争時以外はおよそあり得ない編成、とされている。故に、想定される最大の野戦軍は“師団”(*3)だった。

 師団とは、独立して一正面の作戦を遂行する能力を保有する戦略単位で、以下の編成を標準としている。
(下記の場合、司令官は中将、定員は(軍属を除いて)6000名弱といったところ)

845くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/09(水) 14:55:11 ID:LyPPIJW.0
   師団
    ┣━師団司令部
    ┣━歩兵旅団×2
    ┃  ┣━旅団司令部
    ┃  ┣━歩兵大隊×2
    ┃  ┃  ┣━大隊司令部
    ┃  ┃  ┣━歩兵中隊×8
    ┃  ┃  ┗━大隊段列
    ┃  ┣━歩兵砲中隊:3リブラ歩兵砲×8
    ┃  ┗━旅団段列
    ┣━戦竜連隊
    ┃  ┣━連隊司令部
    ┃  ┣━戦竜中隊×8
    ┃  ┗━連隊段列(*1)<br>
    ┣━砲兵連隊
    ┃  ┣━連隊司令部
    ┃  ┣━砲兵中隊×8:各6リブラ加膿砲×4、6ダイム榴弾砲×4
    ┃  ┗━連隊段列
    ┣━工兵大隊
    ┃  ┣━大隊司令部
    ┃  ┣━築城工兵中隊
    ┃  ┣━地雷工兵中隊
    ┃  ┣━器材班
    ┃  ┗━大隊段列
    ┣━通信群
    ┣━輜重隊
    ┣━工廠隊
    ┣━竜廠隊
    ┣━施療隊
    ┗━他

846くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/09(水) 14:56:00 ID:LyPPIJW.0
 今回の戦いにあたり王国軍が編成した野戦軍も、この“師団”だった。
 司令官は、軍事参議官のブリュノー予備役工兵中将。
 急遽現役復帰し、国王より指揮杖を授けられたブリュノー将軍は直ちにサンザックへと赴任、野戦軍を編成し“帝國”軍に備えていた。





――――“ブリュノー”師団司令部。

 ヴィエンヌ歩兵連隊第37中隊はその出撃前、正体不明の集団が存在することを大隊司令部に報告していた。
 ……そして、これよりその捜索に出る、との報告を最後に連絡を絶った。
 故に、大隊司令部は最悪の事態を想定、警戒態勢に入ると共に一連の経過を上級司令部に報告した。

「……中隊が、連絡を絶った?」

「は、恐らく全滅したものと思われます」

 その報告に、ブリュノー中将は眼光を鋭くする。
 只の匪賊に中隊がやられるはずも無い、“帝國”軍だ。帝國”軍が上陸したのだ。
 
 ――恐らく、昨夜の闇と砲撃に紛れて上陸したのだろう。

 それしか考えられない。あれだけの魔力弾頭による砲撃も、ただの陽動に過ぎなかった、ということだ。(なんと贅沢なことか!)

847くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/09(水) 14:57:16 ID:LyPPIJW.0
「ヴィエンヌ第3大隊(第37中隊の親部隊)は、『手に余る』と言ってきています。 ……如何なさいましょう?」

「賢明だな」

 ブリュノー中将は、そう評して頷いた。
 ……何しろ、相手は1個歩兵中隊を瞬く間に殲滅した程の戦力である。警備のため、隷下の中隊を広範囲にバラ撒いている1個大隊では、手に余るだろう。
 下手に動けば第37中隊の二の舞、更なる損失に繋がりかねない。(それに同大隊の任務はあくまで“周辺の警戒”だ)
 故に、その判断は正しい。

 が、である以上、師団が直接動く必要がある。

「問題は、どの部隊を差し向けるか、か……」

 ブリュノー中将は、少し考え込む。
 “帝國”軍の詳細は依然、不明。
 何の連絡も出来ずに中隊が全滅した、ということから『奇襲を受けた』か『圧倒的に優勢な敵と遭遇した』かの何れかに違いない。
 が、捜索に出た以上、中隊も警戒していた筈だ。練度の低い部隊ではない、奇襲を受けても同数かそれ以下ならば直ぐに立ち直った筈だ。
 加えて、彼等は郷土兵でもある。勝手知ったる地で一方的な奇襲を受けるとも考え難い。

 ――ならば、敵が倍以上の兵力だった、ということか。

 少なくとも半個大隊。もしかしたら、それ以上。
 が、敵の前線拠点であるクノス島から本土まで、130ミール(約190km)の海が横たわっている。
 それを考えれば、上限も同時に限られてくる。(ましてや本国が遠く離れた大内海だ)

848くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/09(水) 14:58:07 ID:LyPPIJW.0
 ――おそらく500〜1000、多くても2000未満の歩兵を中心とした部隊。

 そう、ブリュノー中将は見当を付けた。
 が、そこまで考え、頭を振る。
 ……敵は、今までの常識では押し測れぬ様な、何処か得体の知れぬ不気味さがある。
 故に、先入観は禁物。

 ――情報、情報、何よりも先ず情報が必要だ。動くのは、それからでも遅くない。

 では、どの部隊を差し向ける?
 小規模ながら大きな捜索能力を持ち、
 敵の攻撃をはね返すだけの“防御力”があって、
 敵の追撃を振り切れるだけの“機動力”がある部隊。
 そんな部隊が、適任だ。

 ――ふむ。

 結論を下したブリュノー中将は、顔を上げて副官に命じた。

「戦竜連隊(*4)司令部に繋げてくれ」

849くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/09(水) 14:58:41 ID:LyPPIJW.0


――――ロッシェル王国サンザック郊外、オート砦近郊。

 もはや無人と化したオート砦を横目に、20騎程の巨竜が疾走する。
 ただの竜ではない、戦竜、である。

 戦竜(兵)とは騎竜(兵)の上位兵科であり、アルフェイム先進諸国では騎竜を完全に駆逐した存在だ。(*5)
 その攻撃力・防御力・機動力は地球世界の騎兵の比ではない。
 だからこそ、ブリュノー中将は彼等を選択したのだ。
 この、アルフェイム世界最強の陸戦兵科を。

 今回の任務に差し向けられたのは、戦竜1個中隊。
 命令を受けた中隊は竜卒を宿営地に置き、戦竜のみで行動していた。

「よし!全騎結界展開!」

 オート砦付近に到達すると、中隊は臨戦態勢に入った。
 中隊長の号令により、全戦竜の防護術式が待機状態から起動状態へと移行される。

 ヴォ――……ン

 各戦竜の前方に、2.5×1パッシス(約3.7×1.5m)の盾状防護結界が出現した。

850くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/09(水) 14:59:25 ID:LyPPIJW.0
 ロッシェル王国軍の主力小銃は、“帝國”軍から見れば旧式を通り越して骨董品のマスケットである。
 が、決して非力な存在ではない。
 約26gの鉛球を300m/s近い速度で撃ち出し、銃口付近で10mm、距離50mで8㎜、100mで6㎜、“最大有効射程”とされる150mでも3㎜厚の鉄板を貫通出来るだけの威力を秘めているのである。(とはいえ、対する“帝國”軍の小銃は三八式歩兵銃ですら、400mで8㎜厚の鉄板を貫通出来るのではあるが……)
 これを中隊・大隊規模で斉射されたら、如何に強靭な肉体を誇る戦竜種と言えども堪らない、忽ち倒されてしまう。
 故に中央世界の有力国は、これに耐え得るだけの防御力を戦竜に付与していた。
 具体的には戦竜に簡易魔道手術を行い、防護術式を組み込んだのである。
 これにより戦竜は防護結界を展開可能となり、対小銃能力を獲得したのだ。(*6)

 ロッシェル王国軍戦竜の場合、その防御力は鉄板換算でおよそ7.4mm(3ダイム)厚。
 小銃で撃ち抜くには60……いや50mまで引き付ける必要がある。
 が、50m以遠で結界を撃ち抜いた場合、運動エネルギーの大半を失い、かつ弾体自体も著しく損傷しているため、殺傷能力は無い。
 それ以下であっても、大きく減衰した威力の弾丸で戦竜を倒すことはかなり難しいだろう。おそらく、1騎の突撃を阻止するだけでも多数の命中弾を必要とするものと思われる。
 騎乗する戦竜兵を狙撃できれば話は早いが、結界命中時に大きく弾道は逸れるため、狙って騎乗者に命中させることは非常に困難……
 故に、戦竜の突撃を歩兵が単独で阻止することは、事実上不可能に近かった。(*7)

851くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/09(水) 15:00:24 ID:LyPPIJW.0
 ――にも関わらず、ロッシェル軍はこれに更なる“特別な改良”を加えていた。(敵は小銃弾だけではない、より強力な武器は少なくない)
 仮想敵たるレムリア軍に数で劣る同軍は、様々な実験や研究を行っている。
 その過程で、結界を傾斜させる事により、かなりの確率で敵弾を逸らし、弾くことができるのを発見――まあよく考えれば当たり前なのだが――した。
 加えて、傾斜させる事により、設定よりも上位の防御力が実質的に得られることも判った。(*8)

 この発見に小躍りしたロッシェル軍は、これを“傾斜結界”と命名、戦竜に組み込んだ。
 その傾斜角、約45度。
 鉄板7.4mm(3ダイム)厚相当の結界は、実質10.2mm(4.2ダイム)厚相当に強化された。
 跳弾し易くなったことも考え合わせれば、最早小銃での貫通は望めない、と言っても過言ではない。
 それどころか、対竜用大型銃もほぼ無力化出来る。
 大傾斜角の結界を安定して展開することは非常な困難を伴ったが、その甲斐はあった、と言えるだろう。
 ……それが、今回も彼等を救った。

 カンッ! カンッ!

 突然、銃弾が結界に弾かれた。
 “帝國”軍の狙撃だ。
 “傾斜結界”は、距離500mから放たれた“帝國”軍小銃弾をも見事防ぎきったのである。

852くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/09(水) 15:01:21 ID:LyPPIJW.0
「ほう……手間が省けたな」

 そう笑いつつも、だが中隊長の表情に油断は見られなかった。
 ……彼我の距離に比し、余りに結界に対する衝撃が大きい。
 まるで、50バッシス(約74m)付近からの銃撃を受けたような――
(何より、この距離まで“届く”こと自体が驚きだ!)

 ――なるほど、そういうことか……

 第一の目的は情報収集、極力戦闘を避けよ。慎重の上にも慎重に――師団長閣下直々にそう命じられた理由が、やっと判った。
 確かに、こいつ等は何処か“違う”。

「中隊、砲撃戦用意!」

 敵は歩兵20程と少ない。常道で行けば、突撃により仕留めるべきだろう。
 が、中隊長は砲撃による殲滅を選んだ。
 命令が……何より、彼の感がそうさせたのだ。

 将校が騎乗する4騎の戦竜が、砲撃体勢に入る。
 この4騎の戦竜は特別にブレス攻撃能力が付与されており、遠距離攻撃が可能となっている。(それゆえ、特に“魔戦竜”と呼ばれていた)
 中口径砲級の榴散弾或いは散弾相当のブレス攻撃が可能で、発射速度は2発/分と加膿砲・榴弾砲の倍を誇る。
 つまり、戦竜は突撃兵科でありながら、同規模の砲兵にも匹敵する遠距離戦能力を保有しているのだ。

「砲撃開始!」

853くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/09(水) 15:08:18 ID:LyPPIJW.0
 戦竜中隊の“砲撃”が、始まった。



 先の敵部隊(第37中隊)との交戦により『その存在が知られた』と判断した一木支隊司令部は、接敵に備えて複数の警戒隊を配置すると共に再び将校斥候を放っていた。
 斥候隊はオート砦近郊でほぼ同数の敵“騎兵”と遭遇、先制すべく敵指揮官の狙撃を試みる。
 が、結果は見ての通りの失敗、斥候隊は退くべきか進むべきかの選択を迫られていた。

「畜生!化け物め!」

 目の前の信じ難い光景に、沖中尉は思わず呻いた。

「どうしますか、中尉殿」

 傍らで待機する軍曹が尋ねる。
 が、その言葉には撤退を要求するニュアンスが込められていた。
 確かに、同数の騎兵と戦うのはぞっとしない。が――

「相手は、旧式どころか骨董品の兵器しか持たぬ蛮族だぞ?」

「……ですが連中、銃弾を弾き返しましたぜ?」

 軍曹の軍人としての経験が、先ほどから激しく警戒音を鳴らしている。
 ……ありゃあ、“やばい”。兎に角、普通じゃあない。

854くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/09(水) 15:09:01 ID:LyPPIJW.0
「集中射撃を加えれば、直ぐに化けの皮が剥がれるさ」

「集中射撃?1頭につき1人も割り当てられないのに、ですかい?」

 尚も強気を崩さぬ中尉に、軍曹は呆れたように首を振った。
 多数の警戒班を作成したツケで、斥候隊の人数は大幅に減らされていた。
 具体的には、将校1人に兵20。軽機も2挺から1挺に減らされている。
 先の戦訓から、それでも問題ないとはされていたが、不安は隠せない。

 ……まだ、ある。
 実は斥候隊の小銃は、非力な三八式なのだ。

 無論、一木支隊……というよりも陸軍の第一線部隊は、既に新型の九九式小銃への更新を終えている。
 が、同銃は確かに威力が向上したものの、引き換えに反動が強くなり命中率が低下したため、現場では少なからぬ不評を買っていた。
 それ故か、大陸に展開する一部の部隊では、未だに三八式歩兵銃を平行装備(保管)していた。
 一木支隊も、その一つだった。

 特に今回の作戦(本土上陸作戦)では、携行弾数も多く命中精度も高い三八式が最適と判断され、九九式は三八式の代わりに船の倉庫に戻された。(当然、軽機も九六式だ)
 故に、彼等は7.7㎜弾ではなく6.5㎜弾で戦竜に立ち向かう羽目となったのである。

「自分らの任務は、あくまで“斥候”であります。ご決断を」

 軍曹は、中尉を睨み付けた。
 古参軍曹である彼の視線に耐えられる将校は、そういない。
 ……ましてや、若い中尉ならば。

855くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/09(水) 15:09:41 ID:LyPPIJW.0
「……判ったよ、軍曹。撤退する」

「有難くあります、中尉殿」

 軍曹は満足そうに頷いた。
 が、一足遅かった。
 この僅かな時間の浪費は、致命的な結果をもたらしたのだ。

「敵、発砲!」

 悲鳴じみた報告が、上がった。




 ドー……ン!

 中隊長の砲撃により各竜は角度を修正、順次発砲していく。
 “弾種”は榴散弾、8発/分の発射速度で、12発が発射された。

「く……」

 這い蹲り、泥だらけになりなった沖中尉は呻いた。
 ……何なのだ、あいつ等は。
 銃弾を手前で弾き返し、口から榴弾を発射する生物。
 馬鹿な、そんな生き物が存在して堪るか。

「中尉殿!」

「そうだ、夢に決まっている。これは悪い夢……」

856くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/09(水) 15:10:18 ID:LyPPIJW.0
 中尉が正気を失っているのに気付き、軍曹は舌打ちする。

 ――こんな阿呆のせいで……

 見渡した所、味方は半数以上の兵が死傷している。
 対する敵は、隊形を修正していた。
 ……あれは、突撃体勢だ。

 ――もう、駄目だ。

 軍曹は、決断した。
 生き残った兵で最も若い兵に伝言を託すと、残る兵を集めて最期の抵抗を試みる。

「――いいな、絶対に伝えるんだぞ。『あいつ等、断じて騎兵なんかじゃあありません!タンクです!』とな!判ったらさっさと行け!」

「敵、突撃開始!」

「撃て!」

 敵が突入するまでの30秒間に、7名の“帝國”兵は126発の弾量を投射した。
 うち、90発がたった1挺の軽機によるものだった。
 小銃による射撃が一向に効果を与えている様には見えぬ中、軽機は確実に敵を屠っていく。
 射撃開始7秒後に1騎目が、17秒後に2騎目が、27秒後に3騎目が――
 ……が、それが限界だった。
 血塗れになりながらも突入した4騎目の戦竜に踏み潰され、機銃手は絶命した。

857くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/09(水) 15:10:59 ID:LyPPIJW.0
「……随分やられたものだな」

 制圧後、中隊長はその損害の多さに顔を顰めた。
 高々7名の歩兵相手に4騎喪失し、5騎が負傷……(*9)
 今はまだ“麻酔”が利いているから良いが、数時間後には酷いことになるだろう。(*10)
 そこまで考えると、中隊長は目の前転がる銃に目を転じた。

 ――敵の銃の性能は凄まじいものがある!

 そう、判断せざるを得ない。
 威力もさることながら、あの速射性は脅威である。
 特に、あの雨の様に大量に弾を振り撒く銃は恐ろしい。あれ1挺で、数騎の突撃を阻止できる。
 他の銃とて、3〜4挺も集めれば、1騎の突撃を阻止できるだろう。
 こういった銃を装備した歩兵が100、200と集まれば――
 ろくでもないことに、なる。

 ――急いで、報告に戻らねば……

 中隊は“情報”を掻き集めると、長居は無用とばかりに撤退した。

858くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/09(水) 15:11:33 ID:LyPPIJW.0
*1 ――――『その数、およそ58000。』――――
 この数値は常備定数であり、かつ軍属が含まれていない。
 また、この他に武装警察とも言うべき州兵が16個連隊約12000名存在する。

*2 ――――『――とはいえ、このままでは戦力足り得ない。王国軍が戦地に赴くためには、各兵科軍部隊が編合された混成軍を編成する必要がある。これが“野戦軍”だ。』――――
 このような体勢となっているのは、伝統やそれぞれの兵科のセクショナリズムもあるが、それ以上に“近隣諸国に対する配慮”が原因として上げられる。
 李下に冠を正さず、大陸同盟の中心国としての地位を保つために必要な、政治的配慮だった。

*3 ――――『想定される最大の野戦軍は“師団”』――――
 司令官が中少将の場合は“師団”、大佐以下の場合は“戦闘団”と呼称する。
 なおこうして編成された部隊は、通常司令官の名を冠して呼称される。(例:ブリュノー中将の“ブリュノー”師団)

*4 ――――戦竜連隊――――
 戦竜連隊は、連隊司令部/戦竜中隊8個/連隊段列より成る。
 戦時定員500名+、戦竜定数200騎+(うち魔戦竜32騎+)

 戦竜中隊は総員50名、戦竜24騎(うち魔戦竜4騎)、騎竜1騎からなる。
 その内訳は――
 将校が大尉1、中尉1、少尉2の4名。(全員が魔戦竜に騎乗)
 下士官が曹長6、軍曹又は伍長16名の21名。(うち曹長1名(書記)が騎竜騎乗、同1名(竜卒長)が徒歩、他は全員が戦竜に騎乗)
 兵が24名。(徒歩。戦竜の世話を主任務とする竜卒)
 ――である。(ただし、随伴時には竜卒は連隊段列の竜車で移動)

859くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/09(水) 15:12:04 ID:LyPPIJW.0
*5 ――――『戦竜(兵)とは騎竜(兵)の上位兵科であり、アルフェイム先進諸国では騎竜を完全に駆逐した存在だ。』――――
 (運用コストを除けば)地球世界の騎兵とさして変わらぬ能力しかない騎竜兵が戦竜兵に駆逐されたのは、騎兵が戦車に取って代わられたように、ある意味必然であった。

*6 ――――『これにより戦竜は防護結界を展開可能となり、対小銃能力を獲得したのだ。』――――
 ……とはいえ、それはワイバーンと比べれば、同じ防護結界と呼ぶには余りに貧弱なものだった。
 ロッシェル軍の戦竜を例に見れば――
・持続時間が短い。ワイバーンが最大1/2日もの連続展開を行えるのに比し、戦竜のそれは1時間に満ない。
・展開範囲が狭い。ワイバーンが360度全周囲の展開が可能なのに比し、戦竜は僅かに前方への展開が可能に過ぎない。
・強度が低い。ワイバーンが“帝國”防弾鋼換算で(強弱あれど)平均10㎜厚もの固い“球”に守られているのに比し、戦竜は鉄板――防弾鋼の1/3程の強度しかない――換算で7〜8mm厚程の“前盾”に守られているに過ぎない。
 ――と、全てが余りに違い過ぎた。
 簡易手術のせいも確かにあるだろうが、それ以上に戦竜とワイバーンの間には、基礎能力及びキャパシティで埋め難い大きな差が存在したのだ。
 そして、それを埋めるには、人間族の技術は余りに未熟過ぎたのである。

860くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/09(水) 15:12:46 ID:LyPPIJW.0
*7 ――――『故に、戦竜の突撃を歩兵が単独で阻止することは、事実上不可能に近かった。』――――
 歩兵が戦竜を攻撃する場合――
・伏兵により無防備な側面を攻撃する。
・近距離(最大でも50バッシス以内)まで引き付け、最低でも1個班(5名)〜できれば2個班以上で騎乗する戦竜兵を狙撃する。
・至近距離から手榴弾を投擲、“盾”を避けて騎乗する戦竜兵を狙う。
・各中隊に2〜4挺配備されている対竜用大型銃(所謂“大鉄砲”のようなもの)を用いる。
 ――といった手法が一般的である。
 が、心理的にも技術的にも難易度が高く、到底効果的な手段とは言えなかった。

 ……とはいえ、戦場にいるのは歩兵だけではない。
 砲兵は実体弾による狙撃、榴弾による前面部以外への中遠距離射撃を行い、
 工兵は陣地築城や地雷敷設により間接的に対戦竜戦闘を支援する。
 これ等が歩兵と組合わされば、敵陣突破の難易度は飛躍的に増し、如何な戦竜とて下手な突撃は自殺行為となる。
 これに敵の戦竜兵や飛竜兵までも加われば、もう戦竜単独での戦闘は不可能だ。
 このように、戦竜は陸戦の王者として君臨してはいたが、決して絶対無敵の存在ではなかったのである。

861くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/09(水) 15:13:18 ID:LyPPIJW.0
*8 ――――『加えて、傾斜させる事により、設定よりも上位の防御力が実質的に得られることも判った。』――――
 確かに理論上はそうなるのだが、やはりある程度(せめて数cm単位)の厚みがなければ意味は無く、期待した程の効果は発揮できなかった。
 敵弾に対する耐性が増したのは、主に跳弾或いはそれに準じた現象が多発――何せ球形だ――した為であろう。(この現象には“帝國”軍も悩まされた)

*9 ――――『高々7名の歩兵相手に4騎喪失し、5騎が負傷……』――――
 喪失した戦竜は、戦闘能力を喪失したもののまだ生きていた。
 これが味方勢力圏ならば竜廠に送られ、何騎かは再び現役に復帰できただろう。
 が、敵前行動であるため、止むを得ず“処分”した。(結局、4騎目も処分された)

*10 ――――『今はまだ“麻酔”が利いているから良いが、数時間後には酷いことになるだろう。』――――
 被弾による暴走等を防ぐため、戦竜には結界展開時に魔道による痛覚麻痺が行われる。

862くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/09(水) 15:14:05 ID:LyPPIJW.0
 SS投下終了。

863名無し三等陸士@F世界:2008/04/09(水) 16:26:12 ID:NPINsWLA0
>>839
SARU氏、丁寧な回答ありがとうございます。
注釈部分は神州大陸への移住加速後ということですか。
本文だけ見る限りでは政府は過疎地域に対して対策無しで放置、
あるいは主要路線開発で沿線に波及を期待している程度、
という印象を受けたものですから。
その後注釈部分では政府が積極的に住民の流出を計っているので違和感を感じました。

SARU氏の意図を的確に捉えられた方も多いと思いますが、
私のように多少察しの悪い者としては、
注釈部分に「政府の政策変更により」という記述があったほうが分かり易かったと思った次第です。

864863:2008/04/09(水) 16:58:38 ID:NPINsWLA0
一言多くて申し訳ありません。

>>私のように多少察しの悪い者としては
ですが、見なかったことにしていただけると助かります。
また、不快な思いをさせてしまったとしたら、この場を借りて謝罪いたします。

865名無し三等陸士@F世界:2008/04/09(水) 17:08:36 ID:nTYAiIHM0
くろべえ氏、投下乙であります
戦竜はブレスの威力は不明ですが装甲から考えても九五式軽戦車並ですね
しかも生物ですので素早い陣地転換も可能だろうし

866名無し三等陸士@F世界:2008/04/09(水) 20:45:50 ID:55XpGFAo0
くろべえさん乙です。

まあ、戦意旺盛な上官は下手な敵より厄介だということですね。
とはいえ若い兵士は貴重な情報を持って本隊に帰ってくれてそうですので
本隊が「適切な」判断で持って対処してくれるのであれば死んだ兵にも
申し訳が立つものです。

>軽機関銃
大戦中日本軍では「軽機組」という2〜3名のチームによる運用方式
を取っていたので偵察小隊で1つの軽機関銃という運用の仕方は
標準的ですね。
列強各国の軽機関銃に対する認識は今昔とも「軽機とは個人携帯火器の
延長線上で一人で運搬・操作が出来る軽量・軽便な機関銃」というのが
ありますからこういった銃が大量に配備できる軍というのはナポレオン
以前の軍隊にとっては脅威でしょうね。

日本軍は白兵戦術重視ではありましたが、大抵の場合は十分な重機関銃に
よる支援射撃を受けた上での白兵突撃を旨としていましたので条件が
合えば敵にとってこれほど恐ろしい相手は無いと思います。
軽/重機関銃は防御戦闘においても恐ろしい武器になりますし歩兵操典を
見ても日本陸軍は積極的に機関銃を運用しています。
陸軍歩兵部隊において最も頼りになる携行火器は軽/重機関銃であり、
あらゆる局面で使われていた事を見ても本隊の攻撃の際にはかなり派手
に使われそうです。
発射速度が遅いと言われる92式重機関銃ですが命中率は高いのでこれが
戦線に投入されれば戦竜といえど無事では済まないでしょうね。

867くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/09(水) 21:06:06 ID:LyPPIJW.0
>>865
 865様、有難うございます。

>戦竜はブレスの威力は不明ですが装甲から考えても九五式軽戦車並ですね
 あ、7.4㎜厚というのはあくまで鉄板(錬鉄)相当であって、焼き入れした鋼板相当ではありません。
 九五式の装甲は更に高硬度の鋼板ですから、もっと硬いです。
 まあ鋼板なら4㎜弱といったところですかねえ?
 ……そういや、確か一式47mm機動砲の防盾も大傾斜の4㎜厚鋼板だったような。あんな感じかな?

 防御力的に言えば装甲車ですね。
 ただ被弾時のリベット飛散や内部装甲剥離、火災とかによる被害がないから、間接防御力も結構あるから一概には……

>生物ですので素早い陣地転換も可能だろうし
 低圧砲装備の装輪式装甲車みたいなものかな?

>>866
 866様、有難うございます。

>まあ、戦意旺盛な上官は下手な敵より厄介だということですね。
 前任の戦果を考えれば、ってヤツでしょうねえ。
 大内海での経験から敵を舐めきっておりますし。
(クノスでの経験が活かされて無い……orz)

>列強各国の軽機関銃に対する認識は今昔とも「軽機とは個人携帯火器の
>延長線上で一人で運搬・操作が出来る軽量・軽便な機関銃」というのが
>ありますからこういった銃が大量に配備できる軍というのはナポレオン
>以前の軍隊にとっては脅威でしょうね。
 コレ無くしては攻勢はありえませんからねえ。
 計算してみて改めて痛感しましたが、軽機だけで分隊の火力の過半を占める……

>発射速度が遅いと言われる92式重機関銃ですが命中率は高いのでこれが
>戦線に投入されれば戦竜といえど無事では済まないでしょうね。
 強装の7.7㎜弾ですからねえ。結界なんて障子みたいなもんですよ。
 このままでは二〇三高地でしょう。

868名無し三等陸士@F世界:2008/04/09(水) 21:23:17 ID:pFJbykxo0
>発射速度が遅いと言われる92式重機関銃ですが命中率は高い

史実の使われ方を考慮すると、92式重機関狙撃銃と呼称すべきだな
狙撃してりゃ命中率は高くなるわな
しかしそれが機関銃としてよい使い方かどうかは疑問の余地がありまくる

それから旧日本軍が使ってた重機ですが、運用にかなりの熟練を要するのが問題だったそうですよ
機銃座潰されて人員が全滅した場合、例え銃が無事でも周りの歩兵が代わりに撃つことは困難だったみたいです

869名無し三等陸士@F世界:2008/04/09(水) 21:39:07 ID:55XpGFAo0
>強装の7.7㎜弾ですからねえ。結界なんて障子みたいなもんですよ。
米軍も92式の射撃には非常に注意していた程ですしね。
フォークランド紛争でアルゼンチン軍が用いたM2重機関銃による長距離
狙撃の例からみてもこの手の「対物ライフル」的使い方ができる重機関銃
は歩兵にとって最大の脅威でしょう。
これを敵が阻止するためには砲撃するしかありません(英軍もロケット
ランチャーを使いましたし)。
軽機関銃でも阻止できるなら下手したらロッシェル側の阻止物&陣地の
大半は帝國軍には効果が無いという事になりかねませんね。

870名無し三等陸士@F世界:2008/04/09(水) 21:58:08 ID:55XpGFAo0
>>868
歩兵操典の、白兵突撃における各兵士・兵器に対する項目を見る限りで
は「弾薬さえあれば」狙撃戦術にはこだわらないので狙撃銃という呼称は
こちらの帝國ではちょっとあれですね。
歩兵操典自体は攻撃時はこうしなさい、防御時にはこうしなさいと教える
教科書にすぎないので多少なりとも理想論が書いてあるのは仕方が無い
と思います。
なお、歩兵操典に関しては検索したら有志の方がhtml化されている物
が見つかりましたので参考までに。

ttp://www.warbirds.jp/sudo/infantry/souten_index.htm
歩兵操典

>熟練を要するのが問題
こっちの帝國の場合軍縮の影響がこの錬度に影響を与えそうなので推論
は避けますです。
ただ「彼ら」は一木支隊ですのでこの部分に関する問題はある程度は解決
できるんじゃないかとは思います・・・私はくろべえさんでは無いので
あてずっぽうですけど。

>強装の7.7㎜弾ですからねえ
そういえば日本軍が開発した92式重機関銃用炸裂弾なんてのもあった
そうで弾頭に起爆剤と爆薬を詰め、命中して潰れると起爆する形
になってました、戦竜がこれを喰らったら騎乗している人間は悲惨
ですね。

871名無し三等陸士@F世界:2008/04/10(木) 02:37:07 ID:55XpGFAo0
>一式機動四十七粍速射砲
そういえばこの対戦車砲は1000mの距離で50mm強の防弾鋼板を貫徹可能
でM3軽戦車を撃破、M4中戦車にも側面射撃ですが効果があった日本軍に
おいて比較的優秀な対戦車砲でしたが、ロッシェル戦役には投入される
可能性はあるのでしょうか。
目標としてみる場合対戦車砲は発見が難しく厄介な脅威目標なので帝國
の側から見ても偽装を巧みに行えばかなりの数の戦竜を屠れそうですし。

872くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/10(木) 07:52:02 ID:LyPPIJW.0
>軽機関銃でも阻止できるなら下手したらロッシェル側の阻止物&陣地の
>大半は帝國軍には効果が無いという事になりかねませんね。
 初速こそ低いですが、前装砲による攻撃はかなりの威力を誇ります。
 ですから、これらに対する防御陣地なら、流石に軽機レベルでは抜けないかと。

>なお、歩兵操典に関しては検索したら有志の方がhtml化されている物
>が見つかりましたので参考までに。
 資料提供有難うございます。

>一式機動四十七粍速射砲
 あ〜、実はこれ、くろべえ世界では転移時のゴタゴタで量産化を見送られました。
(もしかしたら極少数生産されているかもしれませんが……)
 ですから師団砲兵から外された九〇式野砲が代わりを務めることになってます。(重っ!)
 九〇式野砲は独立野砲兵聯隊や戦車聯隊隷下の機動砲兵中隊、或いは師団隷下の師団重速射砲隊等に配属されております。(保管中も多い……)
 師団重速射砲隊は対戦車対陣地に優れておるのですが如何にせん重い。自走化が望まれてはいるのですが……(苦笑)

 ぶっちゃけ、この世界での陸軍砲生産数は酷いものですよ……
 転移後、どれも技術維持のため年間一桁二桁、ぶっちゃけ転移前と保有数がかわっておりません。
 唯一大量生産されているのが高射機関砲ですが、これとて史実から見れば……
 予算と資材と設備人員を他に回されちゃってますからねえorz

873名無し三等陸士@F世界:2008/04/10(木) 10:59:26 ID:wyvozybU0
兵器は必要不可欠だけど食えないかなら。
土人(この時期の認識)相手なら旧型兵器でも皇軍が負けるはず無し
と、言うのがそろそろ怪しくなってきている時期なんでしょうな

874ヨークタウン ◆r2Exln9QPQ:2008/04/10(木) 12:02:00 ID:zKI.BuYs0
くろべえ氏投下お疲れ様です。

ロッシェル軍も様々な研究を行っているようですね。
傾斜結界の導入もなかなかのもので、ソ連のT34の開発経緯と共通する物がありますな。
しかし、今回は帝国軍もロッシェル軍も互いに驚いた戦いになりましたね。
次回もまた、双方とも更に驚愕しそうな気がします。

875名無し三等兵@F世界:2008/04/10(木) 20:55:57 ID:oCcNuPp20
くろべえさん、投下乙です。

>>一式機動四十七粍速射砲
>ですから師団砲兵から外された九〇式野砲が代わりを務めることになってます。(重っ!)
昭和16年に開発指示が出された「試製57mm機動砲」の代わりだと思えば良いのですよ。
何しろ、「機動九〇式野砲」と20kgしか変わりませんから。
でも重いことには変わらず(苦笑)。

876名無し三等陸士@F世界:2008/04/10(木) 22:53:27 ID:55XpGFAo0
>九〇式野砲
機動九〇式野砲ならまだソリッドゴムタイヤなので牽引車があれば
いけるんですがまあ多分人力か馬匹で移動でしょう。
獣人がいればマンパワーであっても機動的な運用が利きそうですが
この時期にはまだそれはなさそうですね。
連隊砲としては「四一式山砲」も挙げられますがこちらは活用されていない
のでしょうか。
初速は遅いですが山砲なので比較的軽量ですし分解すれば持ち運べるうえ
(馬匹が主体となるでしょうが)砲口径も75mmありますから対戦車戦闘に
使えなくもありません、ネックは生産量くらいでしょうか。
山砲だと複雑な地形下で奇襲的な使い方もできるので使いようによっては
戦果を挙げられそうです。

877名無し三等兵@F世界:2008/04/10(木) 23:56:09 ID:oCcNuPp20
>>876
旧版の『帝國召還』では、昭和十九年型師団において四一式山砲は予備役に回されていました。
代わりに九四式山砲(と九一式榴弾砲)が主力火砲とされています。

詳しくは、くろべえさんのページ(アドレスはテンプレ参照)をどうぞ。

878名無し三等陸士@F世界:2008/04/11(金) 00:20:21 ID:55XpGFAo0
>>877
ご指摘ありがとうございます。
ただ、私としてはあくまで「新版」の設定ではどうなっているのかを
くろべえさんに伺いたいだけですので。

879名無し三等陸士@F世界:2008/04/11(金) 02:36:39 ID:slWT8wvs0
というか、凄く今更な話なのですが、
新版に切り替えられた理由ってなんだったのでしょうか?
旧版がいいところで終わってたので、
続きが気になってたところだったので…。

880くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/11(金) 07:57:27 ID:LyPPIJW.0
>>873
>兵器は必要不可欠だけど食えない
 どこの工場も、兵器の代わりに大陸開発用の製品造ってるのでしょうねえ。
 史実では戦闘で消耗された筈の資本が、生産性のある製品に回されているわけですよ。
 ……考えてみれば凄い規模の公共投資だなあ。ケインズもびっくりだ。

>>874
 ヨークタウン様、有難うございます。

>傾斜結界
 帝國軍もコレに悩まされることになります。
 いや、弾丸が滑る滑る。
 これに懲りて、陸軍は弾頭に“滑り止め”を被覆する様になる……かも。

>次回もまた、双方とも更に驚愕しそうな気がします。
 互いにカルチャーショックの連続です。
 ま、仕方ないといえば仕方が無いのですが……
(返す返すもロッシェルは気の毒だ)

>>875
 名無し三等兵様、有難うございます。

 結局の所、一式は「能力不足」と判定されたのですよ。
 わざわざ貴重な資材と設備人員を割く価値が無い、と。
 で、まあ能力的に満足できる九〇式野砲を回した訳です。
(これは戦車にも言えることなのですが、何故か同レベルの47mm砲……
 元に戻せなくなるため、砲兵が転用されるのを嫌った?)

881くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/11(金) 07:58:22 ID:LyPPIJW.0
>>876
 新版では、
 甲(現役)師団砲兵が九一式榴弾砲×36
 乙(予備役)師団砲兵が九四式山砲×24、九九式山砲×12
 独立混成旅団砲兵が九四式山砲×12
 となっております。

 四一式山砲は聯隊砲として、
 第二八、三七聯隊に各8門(聯隊砲隊)
 甲師団の聯隊に各6門(聯隊砲中隊)
 乙師団の聯隊に各4門(聯隊砲中隊)
 配備されております。

>>879
>新版に切り替えられた理由ってなんだったのでしょうか?
 ぶっちゃけ、「戦争が書きたかった」のですよ。
 旧版ですと……ねえ?

>続きが気になってたところだったので…。
 あれ以降の流れとしましては、
・レムリア西部で大規模蜂起、少なからぬ戦力が投入される。
 この際、典礼参謀の有馬中佐は死亡します。
 ィメージとしては本能寺ですね。
(で、こうなるともう威信にかけても鎮圧せねばならない訳です)
・戦力が半減したところで王都で大規模夜襲。
 敵主力はエルフ派民衆ですが、旧レムリア軍人等に指揮されています。
 一部正規軍も参加しており、西部の反乱よりも組織化されています。
 出所不明の夜間戦用ワイバーンや重装甲の戦竜も出現し、軍は大混乱に陥ります。
 が、これは陽動に過ぎず、敵の目標は王城にいる総督殿下でした。
 これに旧王国近衛軍の精鋭や正体不明の戦闘集団や魔導師集団が投入されます。
 これを近衛大隊が迎撃する訳ですが――

882くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/11(金) 07:59:29 ID:LyPPIJW.0
 とまあ、こんな流れです。多分、これだけで5話位いくんじゃないかなあ。
 で、何とか鎮圧しますがこの責任で東条内閣は総辞職します。
 時に昭和一九年、七月二八日のことです。
 
 ゾンビとか冒険者とか色々なネタ考えたんですけどね……新版で流用するかな?

883名無し三等陸士@F世界:2008/04/11(金) 13:34:13 ID:rnieKo0I0
>>881
>>新版に切り替えられた理由ってなんだったのでしょうか?
> ぶっちゃけ、「戦争が書きたかった」のですよ。
> 旧版ですと……ねえ?
旧版では
  「帝國は大内海で膨大な資源を手に入れた。しかし開発資本が足りない為に中央世界に進出した」
   という設定だったように記憶しているのですが、新版ではどうなっているのでしょう。
  帝國の戦争目的がいまいち解かりません。
  只単に新市場が欲しいだけなのか、ガチで開発資本が足りないのか……。

884名無し三等陸士@F世界:2008/04/11(金) 14:31:12 ID:9CUchHFAO
私の祖父が南方で重機を使っていたんですが、銃ごとの特性が違い過ぎたらしいんです。
銃ごとに、
『3発連射したら、1秒休む』
とか、
『10発撃ったら弾装をはめ直す』
とか癖があり、これを守らないと、弾詰まりや暴発が起きたらしいです。
これは38式歩兵銃に始まる帝国兵器全てに言えた事らしく、結局『その武器・兵器の』職人が羽場をきかせる世界だったみたいです。

885名無し三等陸士@F世界:2008/04/11(金) 19:29:29 ID:55XpGFAo0
>>880
くろべえさん質問への回答ありがとうございます。

>凄い規模の公共投資
HOIの日米同盟プレイ(某所でのリプレイにあった)の異世界版みたい
ですねあれも資本投入で世界の工場になった日本が出てきましたが。
あるいはナチスが行った大規模な公共事業による失業者の一掃みたい
にも思えます。
四一式山砲は戦前の砲としては比較的使い勝手が良い物なので活躍して
くれるといいなあ・・・と勝手に妄想(成形炸薬弾を使えば威力アップ)。
カルチャーショックもありますが「文明の衝突」的な展開になるやも
しれませんね。科学の怖い所は軌道に乗りのりさえすれば量産できる
うえ素人でも簡単に人を殺す力を与えられる点にもあります。

>>884
これはよく言われる話ですよね。
規格統一が徹底されていなかった部分もありましたが、工作精度だけで
なく工作機械1つとっても当時の日本は欧米各国に比べて立ち遅れて
いる部分があったのは確かです(足りない部分を職人の腕でカバー)。
工作機械を駆動させるモーターにしても当時の日本はモーター1つの
動力を3つ4つの機械に分散させて使うというやり方をとっていた所も
あったくらいです(すべての工場がそうだった訳ではない)。
通常工作機械1つに付き1つのモーター(発動機)というのが当たり前
なのですが当時の日本ではそれが出来ない部分もあったと。
こういった部分の改善にはやはり時間が必要なのでしょう・・・。

886名無し三等兵@F世界:2008/04/11(金) 19:37:20 ID:oCcNuPp20
>>880
言葉が不足していたようで、くろべえさんに誤解させてしまったようです。
自分が言いたかったのは、
「九〇式野砲(機動含む)が重い重い言われているけど、既に開発指示が出ていた試製57mm機動砲に比べたらほぼ同重量なんだから良いんじゃない?」
ということです。
すいません。

887名無し三等陸士@F世界:2008/04/11(金) 19:42:51 ID:55XpGFAo0
帝國の対空火力としては九八式20mm高射機関銃と一式37mm高射機関砲
が主体になっていくのでしょうかねぇ。
ワイバーンがいる世界なのでさすがにこの手の兵器は必要でしょうし。
こちら(転移世界)の世界にはボ式40mm高射機関砲が出てこないと思い
ますので。
構造は一式37mm高射機関砲の方がボ式より簡単なので整備性は良さそう
ですが。

888名無し三等陸士@F世界:2008/04/11(金) 19:56:36 ID:2E0RS8Vg0
典礼参謀死亡・・・・
では、食いしん坊男爵は?
双子と未亡人に会いたいなぁ

889名無し三等陸士@F世界:2008/04/11(金) 20:17:29 ID:55XpGFAo0
>38式歩兵銃と工作精度
これらの問題をある程度とはいえ改善しようとしたのが「九九式小銃」
だったわけなので全部当時の日本の技術が悪いんやと結論付けてしまう
わけではないです。
また九九式小銃は名前が示すとおり「歩兵銃」ではなく「小銃」なので
反動が大きいとはいえいくつかの技術的特徴を見ると捨てたものじゃない
と思います(銃身内側のクロームメッキ加工とか)。
九九式小銃の別バージョンである2式小銃(テラ銃)なんか前後2つに
分割できるのでダークエルフ辺りに持たせたら面白いかもしれません。
なお、戦前の日本の軍用銃に関してはこちらのサイトも参考になるかも。

ttp://www.xn--u9j370humdba539qcybpym.jp/gunyojyu/index.htm
日本の軍用銃

890名無し三等陸士@F世界:2008/04/11(金) 21:47:21 ID:55XpGFAo0
くろべえさんに質問なのですがアルフェイムは人口が集中している
沿岸部を中継するならば飛行艇の出番も出てきそうなのですがこちら
の帝國は飛行艇はあまり運用していないのでしょうか?
時期的には二式飛行艇が初飛行している(1941年)のと速度は遅いですが
航続距離に優れた九七式飛行艇があるはずなので。

891名無し三等陸士@F世界:2008/04/12(土) 01:39:23 ID:2E0RS8Vg0
某エコノミストのコラムなのですが、上スレの「帝國による安寧」における
流民の悲惨さについて繋がるところがあるので

 ttp://tameike.net/comments.htm

「帝國社会」なら戦争をやってることから、どうかと思いますが
邦国(特に士族層)は、本当に固定化が進んでいるでしょうね

892名無し三等陸士@F世界:2008/04/12(土) 03:05:34 ID:jIUAS9F20
日本が平和かつ安定すると総合的には悲惨な状態になっていくのは、徳川300年の実績があるしなあ
人口減るわ、体格は落ちるわで最悪だった。

893名無し三等陸士@F世界:2008/04/12(土) 04:37:20 ID:BSbuSQCQ0
くろべえ世界の帝国も、そんなに安定した社会ではないかもしれない、ってことですか?
そういえば、イギリスは社会階級で就職できる職種が決まってるんで、
下層階級で上昇志向の強い人はシンガポールや中東など、
他の英語圏に流出しちゃうってのをビジネス書で読んだことあります。

もし帝国人に入出国の自由があるなら、同じことになってるんじゃないですか?

894名無し三等陸士@F世界:2008/04/12(土) 04:45:16 ID:VzMHD1p.0
>>893
諸外国全てが身分制に凝り固まったバリバリの中世封建制度真っ最中。
平成19年代で一番進んだ邦国でも、せいぜい明治レベルの世界で何を言ってるんだ君は。

あと、いい加減その「くろべえ世界」って言い方はやめろ。他人事ながら見てて不愉快だ。

895名無し三等陸士@F世界:2008/04/12(土) 08:31:36 ID:rnieKo0I0
>>891
>>893
リンク先の記事
>○そこを逆転の発想で、「格差社会においてフリーターは戦争を欲する」とやったのが赤木論文である。
 一理あるな。戦前の日本が対米戦に突入したのも、貧富の格差を国内で解消できなかったからだし、
 戦後の総中流意識も、敗戦で革新系官僚が台頭したからだし。

だが「帝國」が経済運営どうであるかは、作中の描写からは読みきれない。

>>892
悲惨といえば明治の方が悲惨。

896名無し三等陸士@F世界:2008/04/12(土) 08:54:15 ID:ljmgrf3s0
というか悲惨じゃない黄金期ってあるのか?
どんな時代であっても光と影はあるだろ

影に目を向ければ有史以来どの時代だって悲惨な人々というのは
古今東西必ずいるのが人間社会だと思うがな

897名無し三等陸士@F世界:2008/04/12(土) 09:15:45 ID:rnieKo0I0
>>892が「江戸時代はそれ以前より悲惨」と言うから「それは違う」と返したまで。
日本の人口は室町以前では700万程度で落ち着いていたのが、戦国時代では1400万に増加し個人所得も跳ね上がった。
経済成長は江戸時代に入っても続き、元禄時代に3000万台に乗って以降安定した。
個人所得と国富の双方が増大したんだから、そう悪い時代でもないだろうと。

体格に関しては彼の言うとおりちっちゃくなったけどね。

898名無し三等陸士@F世界:2008/04/12(土) 09:44:59 ID:5cdVuct20
>>881
くろべえさん乙〜。
エルフ派民衆で気になりましたが、カリム少年が悲劇を遂げたif世界平成の世の帝國領ではエルフはどうしたんですか?
エルフ自体は大量虐殺のすえ生き残りは東へ亡命、エルフ崇拝を捨てない民衆は見せしめに全員ホラムズ送りですか?

899名無し三等陸士@F世界:2008/04/12(土) 12:26:16 ID:OTfMcnJw0
それはおいおいSSで書かれるんではないかいな

900くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/12(土) 13:08:51 ID:LyPPIJW.0
>>883
>帝國の戦争目的
 今回の戦争は、直接的には海軍強硬派の思惑に外務省が乗っかる形で引き起こされました。
 目的は権益の確保、及び中央世界進出の実績&橋頭堡作りです。
(強硬派は、この戦いを梃子に縮小された軍事費を増大させたい……)

 が、間接的には様々な要因が重なり合っています。
 SSで、教科書的に欠いてみました。

>>884
 結局の所、当時の日本は未だ本当の意味での工業化が達成できていなかったのでしょうねえ。
 ここまで来た時間を考えれば、仕方の無いことではあるのですが。

>>885
>資本投入
 現在で言えば年間100〜150兆円もの大規模投資しているようなものからねえ。
 しかも熊用道路とかじゃなくて全部が全部生産関連……
 そりゃあ、経済も過熱しますよね……
(如何考えても“マトモ”じゃあないです)

>四一式山砲
 彼等は帝國製の砲の高性能さ、軽量さに驚くでしょうねえ。
 特に九二式なんて、おもちゃみたいなクセに……

>>886
 なるほど、了解しました。
 でもやはり歩兵には「重い」です。
 こいつを馬で引いていくかと思うと……(苦笑)
 自走化できないかなあ。

901くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/12(土) 13:09:27 ID:LyPPIJW.0
>>887
>帝國の対空火力としては九八式20mm高射機関銃と一式37mm高射機関砲
>が主体になっていくのでしょうかねぇ。
 ですね。あと75㎜砲もボフォースに更新されるでしょうが、37mmがある分需要は少ないでしょう。
 ……とはいえ、コイツ重いなあ。
 九八式/二式20mm高射機関砲の4倍弱、
 八八式75㎜高射砲の2/3あるよ。
 ボフォース高射砲と比べても1/2……こりゃあ自動車化が大前提、実質八八式高射砲の後継扱いだなあ。
 ボフォース高射砲を重高射砲、一式高射機関砲を軽高射砲って感じで。

>>888
>では、食いしん坊男爵は?
 ちょっとネタばらし……
 結局、彼は財産全部売っぱらい、ケネットに帰ります。
 で、その金でケネットの開拓を行います。
 ……世話していた子供達やサーナの旧臣達のために。
 そしてなにより子供達のために。
 で、ケネットの大領主となる訳です。(名目上はサ−ナさんが領主ですが)

>>889
 情報提供ありがとうございます。

 九九式も「反動が強い」とされているけど、ガーランドとかモーゼルに比べれば大したこと無かったらしいですからねえ。
 単に旧軍の基準が厳しすぎるだけ、かもしれませんね。
(兵の体格とか考えたらしょうがないのでしょうが……)

902くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/12(土) 13:10:47 ID:LyPPIJW.0
>>890
>飛行艇
 大内海で救難や哨戒任務に多様していますよ。
 ……でもあれ、実は相当高価な上に量産も大変だったみたいなんですよね。
 一応、本編中では4個航空隊96機(うち補用24機)を実戦部隊としていますが、これですら史実の倍なのですよ。

>>891
 情報提供有難うございます。
 邦國はアレでしょうけど、本国では学歴さえあれば出世できます。
 ……ま、学歴を得られるのはやはり環境の良い層が中心なのですが、少なくともチャンスはある訳ですよ。
 奨学金制度とかありますしね。

>>898
>エルフ
 これはおいおい……



 ではSS投下>>900で書いた「SSで、教科書的に書いてみました」ってやつです。

903くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/12(土) 13:12:01 ID:LyPPIJW.0
転移直後における“帝國”の憂鬱(フォール・ボネー著“列強の興亡”より抜粋要約)


①失われた市場
 当時の帝國は軽工業中心の経済構造だった。(輸出総額の8割を生糸・絹織物や綿糸・綿製品が占める!(*1))
 雑貨等、輸出が大半を占める産業も少なくなく、経済は事実上輸出によって成り立っていた、と言っても過言では無い。
 ……が、転移により、全ての海外市場は失われた。
 これは“帝國”経済にとり、極めて深刻な状況だった。

②巨額の公共投資と高度経済成長
 当時、“帝國”は軍事費を大幅削減(対GNP比38%→20%未満)し、そのリソースを大陸開発関連に投入していた。
 その割合は年々増え続け、昭和17年度に20%、昭和18年度に25%、昭和19年度には遂に30%にまで達した。
 それ故、当時の“帝國”は未曾有の好景気、経済発展を遂げ、かつての失業率が嘘の様な人手不足に見舞われた――そう、後の多くの書物に書かれている。
 ……確かにマクロ的に見れば、それは真実だろう。
 が、分野別に見ていけば、そんな“お気楽”な状況とは到底言えぬ、極めて深刻な実情が浮かび上がってくる。

904くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/12(土) 13:12:57 ID:LyPPIJW.0
③産業構造の変化を求める急激な圧力
 上でも述べた通り、当時“帝國”が公共投資に投入した額は、大陸関連だけでもGDPの1/4にも匹敵する巨大なものだ。
 ただし、これはその大半が重工業に対するものだった。
 当時の経済構造の過半を占めていた軽工業には、全体から見ればほんの僅かな投資しかされなかったのである。
 確かに元の巨額である以上、投資額そのものは決して少なくは無い。むしろ大きい、と言って良いだろう。
 が、それは到底“失われた市場”を埋められるものでないこともまた事実だった。
 何より、重工業と……当時の経済構造に比して、その投資は余りにアンバランス過ぎた。
 結果、“帝國”経済はかつてない程の急激な構造変化の圧力に晒された。

④ついていけぬインフラ
 残念ながら、当時の“帝國”重工業は需要を満たせるだけの能力を欠いていた。
 設備・人員・技術・資源……何もかもが、欠けていたのだ。
 中でも欠けていたのが“人”だった。

 資源は、運べばある。
 技術も、ある程度は妥協できる。
 設備とて、一年〜長くても数年で拡張できる。
 が、“人”は……一人前の職人は、数年では育たない。
 ことに当時の“帝國”工業は多かれ少なかれ職人芸に頼っており、高い技術力を要求されていた。
 ……つまり、人手不足とはいえ、頭数を集めてどうこう出来る問題ではなかったのだ。(事実、止むを得ず新人を大量採用した現場は、ほぼ全てが大混乱に陥った)
 かくして、開発計画は次々と“繰り延べ”されたのである。

905くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/12(土) 13:14:06 ID:LyPPIJW.0
⑤人材需要の偏在――人が余っているのに人手不足?――
 転移直後の“帝國”には、数百万規模の失業者が存在した。
 元からの失業者に加え、大量の大陸移住者が出現したからだ。
 加えて、軍が100万を超える人員を除隊させたことも大きい。(軍の動員解除は、人手不足に対応する、というよりもむしろ臣民に安堵感を抱かせる意味合いの方が大きかった)
 転移直後、“帝國”は失業者で溢れていた、と言っても過言では無いだろう。
 彼等は、主に以下の“産業”に吸収された。

・企業からの募集
 膨大な発注に対応すべく、重工業分野では多くの人材を必要としていた。
 故に、ホワイトカラー或いは手に何らかの技術を持った労働者なら、まず間違いなく就職できる状態だった。

 ――が、失業者の大半は何の技術も無い。
 故に、その多くは以下の道を選ばざるを得なかった。

・神州島入植事業
 大陸移住者の大半を当てる計画だったが、その支援能力の不足(入植者の数年間の生活を丸抱えする必要がある上、数百万規模の入植者を支援するだけの器材資材を手当できない……)から予定は大きくずれ込んでいた。
 入植三年目の昭和二〇年度に入ってようやく入植100万人を突破したが、これでも予定の半分にも達していなかった。

906くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/12(土) 13:14:54 ID:LyPPIJW.0
・大陸開発
 軍属として参加することになるが、技能者は軍人或いは企業からの派遣となるため、要は単純作業者に過ぎない。
 最盛期には100万とも言われる労働者が投入された。

・国内開発
 帝都開発や工場の新設・拡張等の作業に従事する単純作業者。
 また国内鉱山でも多くの人員を必要としていたが、危険の多い作業だった。
 失業者の大半がここに吸収された。

 結論として、多くが危険かつ厳しい単純労働作業に従事せざるえなかった。
 それでも政府の指導もあり、多くの工場や企業で新人が登用されたが、これも若年者のみの話だった。
 多数の、若くない、単純労働者は取り残されたのだ。

 必然的に、彼等は日雇い労働に従事した。
 幸い、好景気の恩恵で職に困ることはなかったが、到底安定した状況ではない。
 確かに、彼等は食事と寝床に困らなくなったばかりか、ささやかな楽しみすら享受できる余裕をも持てる様になった。
 これはかつてより遥かにマシな状況ではあったが、それがずっと保証される筈も無いことは明白である。
 “帝國”にとり、彼等はある種“時限爆弾”とも言える存在だった。

907くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/12(土) 13:15:54 ID:LyPPIJW.0
 また、生活が安定している筈の社員達も、決して恵まれた環境とは言えなかった。
 労働時間が延長した割に、収入は伸びていないのだ。(一見大きく伸びている様に見えるが、これは残業代とインフレによるもの)
 これは政府が待遇指針を設け、かつての好景気(第一次大戦時)の様な極端な待遇向上を抑えていたからである。
 社会が統制下だった、何より物資が不足していた、ということもあるだろう。
 が、政府の目が企業・資本家に向いていたことも、また否定のできない事実だった。

 当時の社会主義者達は、この状況を評して以下の様に述べている。
 “労働者に恩恵無き好景気”と。

908くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/12(土) 13:16:28 ID:LyPPIJW.0
 また、生活が安定している筈の社員達も、決して恵まれた環境とは言えなかった。
 労働時間が延長した割に、収入は伸びていないのだ。(一見大きく伸びている様に見えるが、これは残業代とインフレによるもの)
 これは政府が待遇指針を設け、かつての好景気(第一次大戦時)の様な極端な待遇向上を抑えていたからである。
 社会が統制下だった、何より物資が不足していた、ということもあるだろう。
 が、政府の目が企業・資本家に向いていたことも、また否定のできない事実だった。

 当時の社会主義者達は、この状況を評して以下の様に述べている。
 “労働者に恩恵無き好景気”と。

909くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/12(土) 13:17:07 ID:LyPPIJW.0
⑥作られた“夢”
 確かに、当時の生活環境は転移直前と比べて好転していた。
 失業者は消え、(長時間労働の産物ではあるが)収入も増えた。庶民の生活は明らかに向上したのだ。
 が、その一方で“重い空気”が生じていたこともまた、確かなことだった。
 転移という得体の知れない状況に対する不安、
 日常生活に対する不満、
 覚悟していた対英米戦が消え、日支事変すら終った、という一種の虚脱感……
 これ等のはけ口として、政府は夢を作った。

『“帝國”は、八百万の神々のお導きによりこの世に顕現した』
『“帝國”は大内海全域を支配した!これは環太平洋全域にも匹敵する!』

 “聨合帝國”“帝國一千諸侯”なる見出しも新聞に踊る。
 臣民は、これに熱狂した。

『“帝國”の支配領域はどんどん広がっていく、今日より明日、明日より明後日……生活はどんどん良くなっていくに違いない』
『我々は支配民族だ!』
『明日には世界を!』

 ――それは、政府の思惑を超える熱狂振りだった。
 この熱狂は、やがて“帝國”を抜き差しならぬ状況に追い込むこととなる。

910くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/12(土) 13:17:38 ID:LyPPIJW.0
⑥歪な成長――自転車操業の“帝國”経済――
 当時の“帝國”経済を一言で言い表すならば、以下の様に言い表せるだろう。
 “自転車操業”――と。

 GNPの三割近い投資により、確かに“帝國”経済は急成長を続けていた。
 が、これは極めて異常な状態であり、長期間続けられるものでないことは明白だった。
 ……とはいえ、重工業の発展に比し、民需は全くと言って良い程育っていなかった。
 もしこの状態で投資を止めれば、その瞬間に成長は止まるどころか停まりきれず転げ落ちるだろう。大恐慌の再現だ。
 かつての主力である軽工業企業は人員を大幅に縮小しており、中小の企業では倒産したところも少なくない――その状況が……いや、それ以上のショックが重工業に起こるのだ。
 当然日雇い労働者も職を失い、真の意味での失業者が数百万単位で出現することとなる。
 不満は噴出し、社会は不安定化するだろう。
 故に、“帝國”は投資を止める訳にはいかなかった。

 企業は大陸からの資源で製品を造り、
 政府はその製品を用いて大陸を開発する。

 このサイクルを、延々と続けていかねばならぬのである。
 しかも、政府はこれを維持する為に膨大な金を借り続けねばならない。
 資金調達、資源調達、製品生産……どれか一つでも躓けば、大惨事となる。
 “帝國”は血反吐を吐きつつ、ひたすら走り続けなければならなかったのである。

 このため、“帝國”は市場を必要としていた。
 徐々に大陸開発から手を引いていく分を、代替できるだけの市場を。

911くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/12(土) 13:18:50 ID:LyPPIJW.0
⑦必然だった中央世界進出
 この様な状況下で昭和一八年八月、“帝國”はロッシェル王国との間に戦端を開いた。
 それは、中央世界進出への幕開けだった。
 軍の野望?
 外務省の思惑?
 ……ああ、確かに直接的な原因はそうだろう。
 が、そんなことは所詮大した問題ではない。
 大内海の制圧が完了した時点で、“帝國”は遅かれ早かれ中央世界に進出せざるを得なかったのだ。
 そしてその種は、“帝國”が転移した時から撒かれ続けていたのである。
 “帝國”は、常に拡大し続けねばならなかったのだ。

 民に、夢を与え続けるために
 企業に、市場を与え続けるために
 何より、“帝國”の安寧の為に。





*1 ――――『輸出総額の8割を生糸・絹織物や綿糸・綿製品が占める!』――――
 ただし、ここ数年は制裁の影響もあり、三割程に落ち込んでいた。

912くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/12(土) 13:23:00 ID:LyPPIJW.0
 SS投稿終了。
 ちなみに>>908は二重投稿ですね、ごめんなさい。

 ま、転移当初は戦前の矛盾とか経済構造抱えたままですからねえ……しょうがない。
 でもこのss、確かに真実ではありますが、一面に過ぎず全てを語っているわけではありません。
 念のため。

913名無し三等陸士@F世界:2008/04/12(土) 13:26:05 ID:hkK.8VSM0
江戸時代に小柄になったのは獣肉を食べる習慣が廃れたせいじゃなかったかと。
特に生類憐みの令以降、悪趣味と見られる傾向が強くなりましたし。
識字率の上昇、平民階級が趣味に金と時間を使えた事、晴れ着の普及、
お蔭参りの巡礼者の支援など生活に余裕がないとできない事をやってますしね。

914名無し三等陸士@F世界:2008/04/12(土) 15:11:16 ID:k8I/WSFA0
「団体旅行ツアー」が開発されたのも江戸時代でしたしね。

あと、転移後の産業社会で「若年層向け職業教育」が爆発的に拡大するかと。
それと、軍で技術教育を受けた貧農の三男とかが、除隊後に大企業の
エンジニアとして雇用され、故郷で泥にまみれている長男一家に羨望されるとか
あるでしょうね。
開発途上国において、軍はソーシャルクライミングを行う機能もあるので。

アメリカみたいに、「軍の奨学金での大学(帝大)進学」とか
作れませんかね?

915名無し三等陸士@F世界:2008/04/12(土) 15:41:48 ID:55XpGFAo0
くろべえさん乙です。
>九二式なんて、おもちゃみたいなクセ
物の豊かな米国はおろか当時の日本人からも「おもちゃかこれ?」と
まで言われるような砲なのに実用レベルの性能があるというのはある意味
スゴイですな、ただやはり砲身が短かいため射程が短く目標に近接しない
と命中率が下がる、発射音、発砲炎ともに大きいので敵に発見される
恐れがあったため曲射が主体だったそうです。
曲射であれば遮蔽位置からでも撃て、近接してても遮蔽を取っていれば
位置が相手にわからず一方的に撃てる利点があります。
まあ重量200kgしかない大砲というのは本当すごいですわ。

>アメリカみたいに、「軍の奨学金での大学(帝大)進学」とか
作れませんかね?

州兵の一部はそのクチですな。
経済的に大学に行けない人が軍に入って大学進学を目指すという。

916名無し三等陸士@F世界:2008/04/12(土) 15:57:10 ID:55XpGFAo0
いつの時代も「経済」と「戦争」は表裏一体コインの表と裏ですから
仕方ないですな(そもそも経済という言葉自体が「経世済民」の略語)
取引の方法がフェアかアンフェアなのかといった問題はありますが。

>団体旅行
転移直後の「帝國」世界ではまだ貯蓄が叫ばれてそうで「団体旅行」
はあまり行われていないのかなぁ。

917名無し三等陸士@F世界:2008/04/12(土) 17:28:50 ID:k8I/WSFA0
帝國勢力圏での戦争が激減してるから、邦国士族層(特に中級士族以下)は
困窮しているでしょうね。
無役だったら、それこそ江戸時代の貧乏士族みたいに「娘の身売り」(裕福な商人の”妾”に)
とか、普通にありそう。
で、子弟の出来が良くて国費帝國留学生とかになれれば、一気に家運が開けることから
武芸でなく「教育」での生き残りを目指す「家」とか増えてるかも。
そして、「武芸一筋」の士族が没落・消滅していくのでしょう。
邦王に取り立てられた幸運な一部の例外を除いて

918名無し三等陸士@F世界:2008/04/12(土) 22:01:44 ID:JaXt6YGIo
ひとつ恐ろしいのは、この板にいる住人の果たして何%が
重工業への転換期でさえ“人材”と呼べる物であるかだよな
おそらくほぼ全員が神州大陸に移民になって何割かは野垂れ死にするんだろうなと思うと憂鬱になる
稲葉氏のはあれは限りなくオタに都合の良いファンタジーなのだから

919名無し三等陸士@F世界:2008/04/12(土) 22:13:42 ID:CS.3U9lg0
対米戦必至となったあの時代、国を挙げて理系教育を行った訳なんだな。
で、彼らは、その後の高度成長期に活躍しましたと。
政府も官僚も財界も人材が足りないことを認識していたよ。
たぶん、陸海軍でその内、地方人に戻る兵に対して、色々教育していると
考えられる。
あと、大学とはいかんけど、技術専門学校を彼方此方につくるんじゃないかな?
戦前の師範学校は、授業料が無料で貧家の逸材を呼び寄せたが、そういった
システムが使えると思う。
戦前の「学歴」と言うものの凄さは現代人の想像をちょっと超えてる
「技術学校」を卒業すれば食いはぐれない!となると結構な人材が養成されるだろう。
ドイツみたいな学制になるんじゃないかな?

920名無し三等陸士@F世界:2008/04/12(土) 22:54:07 ID:W88vakDo0
>>918
てか、重工業の転換期じゃまったく必要とされる人材が異なるかと。。。
いまは資料も統計も全部PCだし。。
たまに文章手書きするときには書けない漢字が大量に出てくるような状況、、、。。。
今の日本人が転移しても皆神州送りでそw

921名無し三等陸士@F世界:2008/04/12(土) 23:24:12 ID:7FqL.Nek0
>>914
そういや前に水戸黄門の再放送を見たときに、「江戸時代のツアーコンダクター」が登場してましたね

922名無し三等陸士@F世界:2008/04/13(日) 01:10:19 ID:PCLAvMIM0
>>918
俺は穴明き万能包丁や消しゴム付き鉛筆で特許を取る。

923名無し三等陸士@F世界:2008/04/13(日) 01:29:02 ID:iDJRHrpE0
>>922
なんというのびた君的タイムマシン利用法

924名無し三等陸士@F世界:2008/04/13(日) 04:32:11 ID:BSbuSQCQ0
ガンダムのスペースノイドとアースノイドみたいに、
日本領土内に住め、自由に行き来できる日本人と、
神州大陸や邦国への片道切符で追い出された国民との間で
深刻な対立が起こってるかもしれませんね

925名無し三等陸士@F世界:2008/04/13(日) 06:36:58 ID:CS.3U9lg0
片道切符はないだろ-w
現地妻をつれて帰郷できるとは思わないけど。

あと、戦前には両親とも日本人であっても、本国以外で生まれた子供は
「土人」といじめられたので、余裕のある階層の婦人は産むときは本国へ
里帰りすることが多かったそうな

926くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/13(日) 12:48:44 ID:LyPPIJW.0
>>914
>アメリカみたいに、「軍の奨学金での大学(帝大)進学」とか
>作れませんかね?
 稲葉世界になら色々な奨学制度がありますよ。
 公立なら学費もタダみたいなものですし。
 ……けど、稲葉世界でもでも大卒は希少です。
 大卒ってだけで現実世界では最低でも早慶に入れる位の人口比率で、勉強はより大変……

>>915、916
 915様、有難うございます。

>九二式
 迫撃砲の方がより軽量かつ簡便なのですが、やはり弾が無かったのでしょうねえ。
 生産も、油槽も、追いつかない……

>>917
 小規模領主だと領地返上する例も多いですね。
 借金清算できる上、年金貰えますから。
 役人としての俸給も期待できますから、面子さえ捨てればウハーですよ。

927くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/13(日) 12:49:48 ID:LyPPIJW.0
>>918
>おそらくほぼ全員が神州大陸に移民になって何割かは野垂れ死にするんだろうなと思うと憂鬱になる
 神州島で野垂れ死には無いかと。
 開墾までの数年間は色々補助がありますし、地味もいいから自分だけ食えればいいのなら、どうとでもなります。
 あと、神州島行きは順番待ちの状態ですので……
 特殊技能を持つ者以外は農業経験必須ですし……
 ぶっちゃけ、ドヤ街行きが一番可能性が高いかと。

>>919
>対米戦必至となったあの時代、国を挙げて理系教育を行った訳なんだな。
 本編中でも、若い人ならば正社員にして技能習得、もっと若ければ学校で教育されます。
 けど、若くない人々は、どうしても多くが取り残されてしまうのですよ。

>あと、大学とはいかんけど、技術専門学校を彼方此方につくるんじゃないかな?
 稲葉世界でも工科出れば食いはぐれないですからねえ。(あと商船学校卒とか、要は技術者技能者)
 ……ま、合わせて10年ほどは大陸行って貰いますが。
 あ、その前に結婚してけよ?へんなのに捕まったらたまらんからな?
 です。

>>924
>日本領土内に住め、自由に行き来できる日本人と、
>神州大陸や邦国への片道切符で追い出された国民との間で
>深刻な対立が起こってるかもしれませんね
 いえ、別に追放される訳じゃあありませんから。
 あと、何時の時代にも取り残された人はいますよ。(現代日本にだっていますし)
 彼等は、そういう気の毒な人たちなのですよ。
 ……もう少し遅くに生まれていたら、技術も学歴の無くてもこの好景気で採用され、一から教えてもらえたのに。
 更に遅くに生まれていれば、何らかの教育を受けられただろうに。

928名無し三等陸士@F世界:2008/04/13(日) 14:15:47 ID:rnieKo0I0
くろべえ氏、投下乙。
帝國はフーバーと同じ間違いをやらかして、過剰になった在庫を
アルフェイム中央世界に押し付けようとしていると踏んでいたのですが、
帝國の経済構造と戦争目的、>>903->>911のSSを読んでますます解からなくなりました。
大きな疑問点は以下の3つ。

1)通貨供給量の過剰と不足が同時進行している(様に見える)。
2)増資した資本の行方。
3)改善しない労働環境。


1)通貨供給量の過剰と不足が同時進行している(様に見える)。

>労働時間が延長した割に、収入は伸びていないのだ。(一見大きく伸びている様に見えるが、これは残業代とインフレによるもの)
>これは政府が待遇指針を設け、かつての好景気(第一次大戦時)の様な極端な待遇向上を抑えていたからである。
>社会が統制下だった、何より物資が不足していた、ということもあるだろう。
インフレで物資不足なら、通貨供給量は過剰で製品の供給は需要に追いついていない。
喪失した海外市場を、拡大した国内需要が代替しているように見えます。

>かつての主力である軽工業企業は人員を大幅に縮小しており、中小の企業では倒産したところも少なくない――
軽工業関連の企業が、海外市場を喪失した故に倒産してるなら、需要に対する供給過剰で在庫があふれてデフレが起きます。

>重工業の発展に比し、民需は全くと言って良い程育っていなかった。
資本の総量が増大しているにも関わらず、富が資本財の生産と消費活動に偏在しているなら通貨の供給量が不足しています。
(重工業も民需の一部だと思うのですが、それでは文意が通らないので、
「民需」を「内需」と読み替えました。間違ってたら御免なさい。)

>企業は大陸からの資源で製品を造り、
> 政府はその製品を用いて大陸を開発する。
> このサイクルを、延々と続けていかねばならぬのである。
> しかも、政府はこれを維持する為に膨大な金を借り続けねばならない。
> 資金調達、資源調達、製品生産……どれか一つでも躓けば、大惨事となる。
掘りきれない程の資源があり、供給が需要に追いつかず、資本の国外流出は無く、資源と資金の調達先は国内。
この状態でつまずく場合は、通貨の供給量が不足しています。

SSの記述からは、通貨供給量の過剰と不足・製品供給の過剰と不足・製品需要の過剰と不足という
本来同時に起こる筈が無い現象が同時に起こっている様に見えます。

929名無し三等陸士@F世界:2008/04/13(日) 14:16:54 ID:rnieKo0I0
2)増資した資本の行方。

>①失われた市場
> 当時の帝國は軽工業中心の経済構造だった。(輸出総額の8割を生糸・絹織物や綿糸・綿製品が占める!(*1))
> 雑貨等、輸出が大半を占める産業も少なくなく、経済は事実上輸出によって成り立っていた、と言っても過言では無い。
> ……が、転移により、全ての海外市場は失われた。
         (中略)
>当時の経済構造の過半を占めていた軽工業には、全体から見ればほんの僅かな投資しかされなかったのである。
>確かに元の巨額である以上、投資額そのものは決して少なくは無い。むしろ大きい、と言って良いだろう。
>が、それは到底“失われた市場”を埋められるものでないこともまた事実だった。

世界経済からの孤立と資源の自給は、
資源とマザーマシンを購入する際に国外に流出していた
(海外市場とほぼ同規模の)資本を、国内に還流させます。

>②巨額の公共投資と高度経済成長
> 当時、“帝國”は軍事費を大幅削減(対GNP比38%→20%未満)し、そのリソースを大陸開発関連に投入していた。
> その割合は年々増え続け、昭和17年度に20%、昭和18年度に25%、昭和19年度には遂に30%にまで達した。
>当時“帝國”が公共投資に投入した額は、大陸関連だけでもGDPの1/4にも匹敵する巨大なものだ。
>GNPの三割近い投資により、確かに“帝國”経済は急成長を続けていた。

公共投資は社会資本を増大させると共に、企業を通して労働者に資本を分配し、内需を喚起する。
SSの記述からは、国内資源に支払った資本と重工業に投下された資本が蒸発したように見えます。


3)改善しない労働環境。

>・企業からの募集
> 膨大な発注に対応すべく、重工業分野では多くの人材を必要としていた。
> 故に、ホワイトカラー或いは手に何らかの技術を持った労働者なら、まず間違いなく就職できる状態だった。

>生活が安定している筈の社員達も、決して恵まれた環境とは言えなかった。
> 労働時間が延長した割に、収入は伸びていないのだ。(一見大きく伸びている様に見えるが、これは残業代とインフレによるもの)
> これは政府が待遇指針を設け、かつての好景気(第一次大戦時)の様な極端な待遇向上を抑えていたからである。

戦前の日本の、貧富の格差を固定する産業構造は、資源の欠乏と資本に対しての労働力の過剰と
低賃金によって製造コストを切り詰めての国際競争力の維持を目的としたものです。
資源を国内に囲い込み、資本が増大して労働力の過剰を緩和し、国際競争力を維持する必要が無いなら、
人材獲得競争が起こって労働力は売り手市場となります。

930824 ◆XksB4AwhxU:2008/04/13(日) 17:34:03 ID:5mXthgqg0
どうも、「ゲートによる日本軍召喚」を書こうとしていた>>824です
何とか「プロトタイプ」みたいなモノが出来たのですが書き込んでも良いでしょうか?

931名無し三等陸士@F世界:2008/04/13(日) 17:41:41 ID:AYuk8nsQ0
>>1
>議論・SS投下・雑談 ご自由に。
を鑑みてまずは投下されたし

932名無し三等陸士@F世界:2008/04/13(日) 17:57:21 ID:1GxfwYTY0
F世界との交流スレの方が雰囲気的にあってる気もするけど、そんなことはないのかな。

933名無し三等陸士@F世界:2008/04/13(日) 18:40:14 ID:mSiubQ.I0
設定ヲタが少ししつこすぎwとりあえずあんまり細かくすると
読むほうもそうだけど書くほうももっと大変だと思うのでほどほどにね。

934名無し三等陸士@F世界:2008/04/13(日) 20:25:59 ID:ZbQHgkfA0
スターゲート方式の場合、どちらかというと新スレ立てたほうが良いような気がしなくも無い。

935名無し三等陸士@F世界:2008/04/13(日) 20:33:52 ID:93XF9X920
新スレ建てるべき<ゲートもの
他の人もそうしてるでしょ?

936名無し三等陸士@F世界:2008/04/13(日) 21:13:39 ID:ZAwXMHNI0
議論や雑談でもいっぱいいっぱいなので小説書くなら別にスレ立て
てください。
書くなというわけではなく見易さとプロトタイプとはいえSSを書く
のですから意見を聞けるような場に投稿した方がいいでしょう。

937名無し三等陸士@F世界:2008/04/13(日) 23:59:59 ID:ZAwXMHNI0
>九一式十糎榴弾砲
遅レスですが、榴弾砲は弾頭とは別に火薬パック(装薬袋)を装填して
発射しますから戦竜との距離によっては水平撃ちはちょっとデンジャラス
ですね。

くろべえさんの創作の参考になるサイトがありましたのでご紹介して
おきます。

ttp://sus3041.web.infoseek.co.jp/index.html
大砲と装甲の研究

特に「装甲研究室」にある旧日本軍の防弾鋼板データは興味深いです。
また「装甲の破壊状況写真」も資料になるかと思います。
お勧めなのは61式戦車の主砲である61式90mm戦車砲から発射された90mmAP
による侵徹孔写真です。

938名無し三等陸士@F世界:2008/04/14(月) 00:00:52 ID:k1gyDIYU0
スレの趣旨に合致した、日本軍がF世界に関わるっていうコンセプトならここで問題ないと思うけど、
最初から、「自分の考えたネタをここでみんなの話題にしてくれ」って姿勢で来られるとちょっとね。

設定だけダラダラ投下するような真似をせず、そのネタでまず面白い作品を自分で書いてここに提示したなら
みんな喜んで語り出すと思うよ。

939名無し三等陸士@F世界:2008/04/14(月) 00:04:56 ID:n8Nl/iBQ0
>>399

五月蝿すぎって・・・ここはそういう場所ですよ
現代軍隊とまったく技術レベルおよび技術形式の違う軍隊を戦わせたらどうなるかをシミュレートするのが本来の目的だったはずなのでは?
それを報告書形式ではなく、小説形式で書いてるだけ
腐っても軍板なので、設定に五月蝿くなるのは当たり前なのです
そういうのが嫌ならば、ラノベ板に行くことをお薦めします

940名無し三等陸士@F世界:2008/04/14(月) 00:06:04 ID:n8Nl/iBQ0
アンカーミス
>>933ですね

941名無し三等陸士@F世界:2008/04/14(月) 01:39:30 ID:7FqL.Nek0
>腐っても軍板なので、設定に五月蝿くなるのは当たり前なのです
>そういうのが嫌ならば、ラノベ板に行くことをお薦めします
ここは軍板じゃなくて分家
ここはそういう軍板の風潮になじめない、もっと軽い気持ちでssを書きたい、って人のために出来たんじゃなかったの?

942名無し三等陸士@F世界:2008/04/14(月) 02:11:30 ID:fJS6ILN60
>>941
懐かしいねw

943名無し三等陸士@F世界:2008/04/14(月) 03:46:59 ID:vEvo/GtA0
最近はしたらばとか知らんのかな
それとも専ブラで見てるのか

944824 ◆XksB4AwhxU:2008/04/14(月) 07:22:07 ID:5mXthgqg0
>>935-936
では新スレ立ててみます
スレ名は…「ファンタジー世界への道が開きますた」なんてどうでしょうか?
世界が異世界と『召喚』や『移動』ではなく『接続』される作品全般のスレと言う事で

945名無し三等陸士@F世界:2008/04/14(月) 07:59:21 ID:ZAwXMHNI0
>>944
それでいいかと。
スターゲート物は少なかったので作品の方楽しみにしております。
良い旅を。

946824 ◆XksB4AwhxU:2008/04/14(月) 09:54:53 ID:5mXthgqg0
>>945
新スレはこんな感じで良いでしょうか

その日、異世界への道が開いた…その先に待つのは希望か絶望か
議論・SS投下・雑談 ご自由に。

このスレは異世界へ直接召喚されるのではなく「繋がる」作品全般スレです
戦闘妖精雪風みたいに異世界で延々と戦うのも良し
スターゲイトみたいに複数の異世界をまたに掛けるのもOKです

銃を手に、ファンタジー世界で生き残れ!

・sage推奨。 …必要ないけど。
・書きこむ前にリロードを。
・SS作者は投下前と投下後に開始・終了宣言を。
・SS投下中の発言は控えめ。
・支援は15レスに1回くらい。
・嵐は徹底放置。
・特定の作者専用スレは板として不可。
・以上を守らないものは…疫病と戦争、貧苦と死に満ち溢れたファンタジー世界送りです。 嘘です

947名無し三等陸士@F世界:2008/04/14(月) 13:05:13 ID:ZAwXMHNI0
>>946
初めて立てるスレの一発目なのでそれでいいと思います。
手直しが必要ならば追々手を入れていけばなんとかなりますよ。

948名無し三等陸士@F世界:2008/04/14(月) 21:23:28 ID:FHYQdo9c0
>>941
他のスレは多少違うけどこの板のわりと初期からやってた皇国スレは初代から38式の弾にオークは耐えられるか?
とか、戦闘機ばりの速度が出せるワイバーンの科学的整合性とか散々やってたんですが。

949名無し三等陸士@F世界:2008/04/14(月) 22:13:55 ID:rnieKo0I0
ツッコミを入れた当人が言うのもなんだが、
創作においての考証は演出意図に奉仕するモノだと思っている。

950名無し三等陸士@F世界:2008/04/14(月) 23:07:21 ID:gZ6.dJCU0
>>948
そのつど、ほどほどにしとけという突込みが入ってるのは無視ですか。そうですか。

951名無し三等陸士@F世界:2008/04/15(火) 02:40:58 ID:azo5KQmA0
>>948
くろべえ氏が帝國召喚として纏める前の準備段階ではそういう流れもあったが
帝國召喚が始まって流れに乗りだした後も
俺はこう考証してるからそうしろ!とわめく設定厨はただのKYだよ。
無料で見せて貰ってる側のくせにああしろこうしろと偉そうに宣う輩が俺は大嫌いだが
ここの管理人氏も同じ考えらしいぜ?
管理人がこうだと言ってるのに俺は違うと言うやつは自分で別板立てればいい。

952名無し三等陸士@F世界:2008/04/15(火) 08:12:26 ID:ZAwXMHNI0
何事もほどほどにな、という事だろう。
実際そんなに人の設定にケチつけたいなら自分の「脳内設定」で小説
書いて人に考証してもらえばいいのさ。

953名無し三等陸士@F世界:2008/04/15(火) 17:43:50 ID:bJFcWGuQ0
カタログ上その設定はおかしいと言って
人の設定にケチつけるんじゃなく
そういう現状が何故起きるのかという原因を
類推するほうが建設的なのに

軍オタに多いカタログ厨とかスペック厨って
全然そういう意識無いんだよなぁ

荒探すよりも理に沿わない現状を難着陸させるほうが
面白いし創造的だと思うんだが

思考膠着している連中には思いもつかないんだろうか?

954名無し三等陸士@F世界:2008/04/15(火) 19:42:56 ID:ju/aUidk0
くろべえさんの新作投下は、この分じゃ次スレですかな
議論したいなら、試論スレでやればいいのに

955名無し三等陸士@F世界:2008/04/15(火) 20:40:27 ID:Z8/md8sc0
いつも思うが、そんなに設定や考証ってだいじか?
読み物だから、楽しく読めればいいと思うが。

956名無し三等陸士@F世界:2008/04/15(火) 20:42:51 ID:gc4fwrqQ0
小説を楽しみたい人と世界設定が楽しみたい人がいる

957名無し三等陸士@F世界:2008/04/15(火) 20:57:07 ID:ZAwXMHNI0
>いつも思うが、そんなに設定や考証ってだいじか?
読み物だから、楽しく読めればいいと思うが。

それはただの小説じゃないか?
分家とはいえ軍事板だからミリタリーに関係した議論や設定を楽しみ
たい人もいるだろう、少なくとも仮想戦記を楽しむなら。
勿論最近の脳内設定先行の傾向は好ましいとは思えないけど。

958名無し三等陸士@F世界:2008/04/15(火) 22:02:53 ID:a61IvCg.0
SSの演出を否定せずにどうすれば、成り立つのか考証して楽しんでいたのではなかったかな?

959名無し三等陸士@F世界:2008/04/15(火) 22:15:10 ID:gZ6.dJCU0
その辺にしとけ。
今以上に詰め込んだらくろべえさんが佐藤大輔症候群になっちまう。
それじゃ本末転倒だろ?

960名無し三等陸士@F世界:2008/04/15(火) 22:27:04 ID:zBj4O4hs0
そーいや、月刊ドラゴンマガジンで連載始めてたな・・・・
既存読者層と、あんまり重ならない雑誌だから驚いたよ

961名無し三等陸士@F世界:2008/04/16(水) 01:46:50 ID:O2OMIaz60
設定を細かくすればするほど調べ物が増えて執筆が遅くなる
それだけは勘弁してほしい
くろべえ氏が1ヶ月に1回ほどしか投稿しなくなったら俺はほとんど来なくなる

ファンタジーなんだよ転移なんだよね
大体、魔法は無から有を生むのが基本みたいな感じだろ
地球世界での常識の多くがこれで無効になってしまうだけの力がある

962くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/16(水) 10:39:11 ID:LyPPIJW.0
どうも、くろべえです。
現在、ちょっと二次創作モードに入っていて中々頭が切り替えられないので、
少しお返事するのが遅れそうです。御免なさい。
(思考が集中できないのですよ、どうしてもネタが入る……)

963名無し三等陸士@F世界:2008/04/16(水) 19:20:48 ID:oP5koDuc0
>>955
くろべえ氏が考察や設定に費やしたマンパワーを評価するために検証するのは悪いことか?
史実などから大量の資料を引っ張ってくろべえ氏が検証した設定を
「どうでもいい」「無駄」と否定するのか?

964名無し三等陸士@F世界:2008/04/16(水) 19:42:20 ID:gZ6.dJCU0
>>963
お前はくろべえさんに富樫ってほしいのか?

965名無し三等陸士@F世界:2008/04/16(水) 20:20:21 ID:KsVZtvS.O
>>963
その『検証』の基準が全員で同じって保証があるのかね?

966名無し三等陸士@F世界:2008/04/16(水) 20:29:49 ID:rnieKo0I0
>>962
お気になさらずに。
どうぞごゆっくり。

967名無し三等陸士@F世界:2008/04/16(水) 20:36:12 ID:o74fUphU0
>>964
それはありえないから安心しろ。
アレは、もっと別の何かだ。

968名無し三等陸士@F世界:2008/04/16(水) 22:29:46 ID:ZuNV1RV60
>>965

全員同じだと検証の意味がなくならないか?
検証や議論や考察ってのは、様々な意見・資料・基準その他諸々があって初めて意味をなすものではないかと愚考してみる

969名無し三等陸士@F世界:2008/04/16(水) 22:38:52 ID:mSiubQ.I0
流れに笑ったw
まあ次スレまにはみんな落ち着こう

970くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/17(木) 09:53:56 ID:LyPPIJW.0
 どうも、くろべえです。
 昨日の今日ですが、伸びに伸びたお返事をば。


>>937
 情報提供有難うございます。
 先の本編SSについては、表現に通常の鉄板と防弾鋼板等が混ざり合い、判り難かったので、HPにUPする時には統一修正しようと考えております。
(以後の投稿に関しても、修正して表現されるかと思います)

>>九一式十糎榴弾砲
>遅レスですが、榴弾砲は弾頭とは別に火薬パック(装薬袋)を装填して
>発射しますから戦竜との距離によっては水平撃ちはちょっとデンジャラス
>ですね。
 九一式十糎にしろ九〇式野砲にしろ重いですからねえ。
 かえって軽量の九四式速射砲の方が便利かも。


>>928
 ご指摘、有難うございます。大変参考になりました。(お返事が遅れてごめんなさい)
 以下、素人の単純な考え、戯言ですが――

971くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/17(木) 09:54:34 ID:LyPPIJW.0
 転移によって帝國は食糧供給源、資源供給源、海外市場を失いました。
 どれも極めて深刻ですが、
 このうち最も問題なのはやはり食糧供給源の喪失でしょう。(放っておけば1000万以上の餓死者が出かねない)
 その次が資源供給源の喪失(放っておけば文明を維持できない)
 最後に海外市場の喪失(放っておけば1000万以上の失業者が出かねない)でしょう。
 まあ食糧に関してはこの際置いておくとして、資源供給源及び海外市場の喪失についての設定をご説明します。

 資源地帯については、大内海沿岸を制圧することにより確保しました。
 が、現地人が採掘する量だけでは到底足りず、加えて輸送ルートも手付かずのまま同然です。
 それ故、帝國は現地の資本や労働力を集め、鉱山開発や輸送網構築を行いました。(第一部外伝「事変前夜」第2話参照)
 ……実は、帝國の大陸開発の大部分は、この様にほぼ100%現地人の手によって行われています。
 帝國の関与はせいぜい数名の監督官を派遣すること位でしょうか?技術もせいぜい現地人でも自力でできるような、江戸時代レベルのものを供与しているに過ぎません。
(とはいえSS中にもあるように、これだけでも大内海沿岸の各文明圏にとっては革命的な出来事でしたが)

972くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/17(木) 09:55:15 ID:LyPPIJW.0
 限られた人員や資本資材を有効活用すべく、帝國が直接開発するのは重要な資源が大量に眠っている場所のみです。
 が、それでもかなりの数を、それも早急に開発する必要がありました。
 それ故、帝國は有史始まって以来の大規模投資を行います。
 初年度は軍事費を半減、浮いた分を開発へ回し、二年目以降は開発関連の投資は更に拡大、三年目の昭和一九年度には対GNP比30%もの投資を大陸に投入しています。
 当然、経済成長率は大きく伸びました。
 が、ここで幾つかの疑問が浮かびます。
 「当時の帝國の生産力で、本当にこれだけの需要に応えられるのだろうか?」(“帝國の憂鬱”中にある『④ついていけぬインフラ』)
 「これにより、帝國は重工業主体の経済構造へと変化していくのではないだろうか?」(“帝國の憂鬱”中にある『③産業構造の変化を求める急激な圧力』)
 といったものですが、中でも大きかったのが「これだけの投資をいつまでも続けられる筈が無い。また規模から考えて、歪みも大きいのではないだろうか?」という疑問でした。
 そして、次の様に考えました。

973くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/17(木) 09:55:56 ID:LyPPIJW.0
「国家債務が膨大なものとなる。近い将来、財政が破綻しかねない」
 何しろ、軍事費を含めれば対GDP比50%もの公共投資です。当然、国家債務は恐ろしい勢いで積み上がっていくでしょう。
 資源地帯の開発という裏付けのある借金ですが、いつまでも続けられる筈がありません。返済には相当苦労するでしょう。

「余りに投資規模が大きいため、これを止めた時の反動は大きいだろう」
 現代日本でいえば年間250兆円を投入するようなもの、個人消費が約300兆円ということを考えればとんでもない額です。
 到底、民間だけで補えるはずがありません。下手な着陸は大不況の引き金となるでしょう。

「これ程の金を国が吸い上げている訳だから、国民の負担率は恐ろしく大きいのではないだろうか?」
 まあ集めた金は国民に投入還元される訳ですが、全くの=ではないでしょう。
 またあまり労働者の待遇を上げ過ぎると企業が困るし、国も金は国民から直接取るよりも企業から取った方が取りやすいため、「持ちつ持たれつ」で労働者の待遇はある程度で頭打ちになる、とも考えました。
(労働者への待遇を改善する分、投資に回す方が国としてもいいでしょうし。 ……ま、経営者の方は肥え太るでしょうけどね)

「空前の好景気とはいえ、その恩恵に与れぬ“落ちこぼれ”企業が出じることは避けられないだろう」
 具体的には軽工業分野の一部企業群です。
 国の投資は、その大部分が重工業に対するものです。
 海外市場への依存度の高かった繊維・雑貨系企業は、一部を除きかなり厳しい状況に置かれるでしょう。
(戦前の貿易依存度は20%近く、また輸出の大半が繊維・雑貨系……)

974くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/17(木) 09:56:37 ID:LyPPIJW.0
 ――大まかには、こんな感じです。
 答えになってないような?って気もしますが、その辺は多めに見て下さい。
 ……そういえば、問題点をそれぞれ個別には考えていたけれど、組み合わせて考えていませんね。
 ご指摘されてハッとなりましたよ。(多分、矛盾もそのせいかと)
 以下、それ以外のお返事……


>インフレで物資不足なら、通貨供給量は過剰で製品の供給は需要に追いついていない。
 現在の中国並かそれ以上の経済成長をしているのですから、ある程度のインフレは必須と考えました。
 物資不足については、基本的な生活物資はあるのですが、いわゆる贅沢品が少ない、という意味です。
 誇張しすぎましたね……

>喪失した海外市場を、拡大した国内需要が代替しているように見えます。
 金額的には十分以上に補えると思いますが、個別に見ると「割を食う」分野が出てくるのは避けられないかと。
(経済構造の転換の真っ只中ですし)

>軽工業関連の企業が、海外市場を喪失した故に倒産してるなら、需要に対する供給過剰で在庫があふれてデフレが起きます
 食品系は安泰でしょうが、絹とか眼鏡・玩具等の一部雑貨は需要が減って人員縮小、一部では廃業も出てるのでは、と考えました。
 必需品系が溢れる訳ではないので、さほど価格を押し下げる要因とは思わなかったのですが……

975くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/17(木) 09:57:07 ID:LyPPIJW.0
>公共投資は社会資本を増大させると共に、企業を通して労働者に資本を分配し、内需を喚起する。
>SSの記述からは、国内資源に支払った資本と重工業に投下された資本が蒸発したように見えます。
 上記にもありますように、「企業を通して労働者に資本を分配」する段階でかなり間引かれております。
 大半は生産力増強や技術開発に、一部は資本家の懐に、です。
 無論、労働者の所得は転移前よりも平均で実質かなりの上昇をしていますが、底辺(日雇い労働者や失業者)への梃入れを除けば二割程でしょうか?
 それも労働時間の延長による面が大きいです。

>戦前の日本の、貧富の格差を固定する産業構造は、資源の欠乏と資本に対しての労働力の過剰と
>低賃金によって製造コストを切り詰めての国際競争力の維持を目的としたものです。
>資源を国内に囲い込み、資本が増大して労働力の過剰を緩和し、国際競争力を維持する必要が無いなら、
>人材獲得競争が起こって労働力は売り手市場となります。
 一応、「設備増強」「技術開発」が「国際競争力の維持」にとって変わった、としています。
 「売り手市場」に関しても、統制で抑え付けている、といった感じです。
 ……とはいえ、労働者の待遇は明らかに改善しております。
 特に底辺の労働者達の底上げが著しいです。
 これは働こうと思えば大概職にありつけることから失業者がほぼ消えた上、日当がそれなりに上昇したことによります。
 かつてその日の職にありつけるかどうかも判らなかった日雇い労働者達が、その気になればほぼいつでも職にありつけ、
 週5〜6日も働けば毎日の衣食住に困らず、酒や映画等の娯楽に興じられる余裕が持てるのです。
 転移前と比べれば、夢の様な生活でしょう。
 ……ただやはり陰は付き物でして、少し負の側面を誇張し過ぎた感がありますね。
 演出過多でした。

976くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/17(木) 09:59:13 ID:LyPPIJW.0
 以上です。
 本編次話はHP上で>>970の鉄板/鋼板換算を修正してからになりますので、次スレになるかなあ?

977くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/04/17(木) 10:12:43 ID:LyPPIJW.0
 あ、あと次スレ立てられる方にお願いです。

SS「帝國召喚」関係

くろべえのサイト
KUROのどこかでみたような世界
ttp://www.geocities.jp/wrb429kmf065/

ここまで読んだ氏による公開済み設定まとめWiki
帝國資料館
ttp://www12.atwiki.jp/kokomadeyonda/pages/1.html

 の次に、

『帝國召喚の記述に矛盾が生じた場合、HP掲載時に設定が修正された可能性があります。
もし気になられた場合、お手数ですがHPをご確認ください。』

 と付け加えて頂けないでしょうか?
 さっきスレ立てしようと思ったら弾かれたもので……

978名無し三等陸士@F世界:2008/04/17(木) 15:31:51 ID:zH1/0Ec.O
真面目な話、設定なら誰でも考えられるんだよ。
でも、それを小説の形にまとめられるのは、ほんの一部であり、読み続けられるのは更に一部であるんだよな。
特に、設定なんてものは、解釈や資料の違いで全く変わるし、著者の立場からすれば、設定がどうあれ、恣意的と言われても自らの望む方向へと誘導するのが当然なんだから。
それに、ネットでの小説は、くろべえ氏を始めとする諸氏の好意により、無料で公開されている。
設定の一部が気に入らなければ、(当然くろべえ氏等作者の許可は必要になるだろうが)自分で考えた設定に直した小説を書けば良いんだし。

先ずは書いてみたら?

979名無し三等陸士@F世界:2008/04/17(木) 17:07:05 ID:PI2ipkIg0
問題は自分内での設定や常識を一方的におしつけてくることでしょ。
ID:BSbuSQCQ0みたいな、誰が見ても偏ってるような脳内設定で攻撃的に書き込んでくるようなのは問題あると思うけど
予測数値に個人の主観がある程度入ってることを自覚した上で楽しく検証したり設定語りするのは別に構わないんじゃないの?
実際にこの皇軍スレの流れって今までずっとそうだったし、くろべえさんも歓迎してたじゃん。
(ID:BSbuSQCQ0みたいなのに対してすら、多分くろべえさん本人は別に不快に思ったりはしてないと思う。


というか、「書き手じゃないくせに他人の作品に文句を付けるな」って考えは、設定厨よりもよっぽど問題だよ>>978

980名無し三等陸士@F世界:2008/04/17(木) 17:23:49 ID:xBX.EDps0
スレ立てました〜

ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/4152/1208419952/l50

981名無し三等陸士@F世界:2008/04/17(木) 17:34:08 ID:ljX0xe6U0
> 「書き手じゃないくせに他人の作品に文句を付けるな」って考え
唐澤俊一が某作品をアニメ雑誌でボロクソにけなしていたら全然関係ない手塚治虫が突如上記の理論で乱入してきた話を思い出した

982名無し三等陸士@F世界:2008/04/17(木) 18:26:40 ID:BSbuSQCQ0
>先ずは書いてみたら?
そんなこと安易に行ったら、それこそ俺脳内帝国小説合戦になりそうな予感が
ID:BSbuSQCQ0の論説が小説に変わるだけで、何も変わらないんでないか

俺は読む物が増えるからいいが。

983名無し三等陸士@F世界:2008/04/17(木) 19:29:36 ID:VPXOL95o0
設定より小説をどんどん書いて欲しいを思う

984名無し三等陸士@F世界:2008/04/17(木) 20:38:28 ID:gZ6.dJCU0
982 名前: 名無し三等陸士@F世界 [sage] 投稿日: 2008/04/17(木) 18:26:40 BSbuSQCQ0
>先ずは書いてみたら?
そんなこと安易に行ったら、それこそ俺脳内帝国小説合戦になりそうな予感が
ID:BSbuSQCQ0の論説が小説に変わるだけで、何も変わらないんでないか

俺は読む物が増えるからいいが。

982 名前: 名無し三等陸士@F世界 [sage] 投稿日: 2008/04/17(木) 18:26:40 BSbuSQCQ0
982 名前: 名無し三等陸士@F世界 [sage] 投稿日: 2008/04/17(木) 18:26:40 BSbuSQCQ0
982 名前: 名無し三等陸士@F世界 [sage] 投稿日: 2008/04/17(木) 18:26:40 BSbuSQCQ0

BSbuSQCQ0
BSbuSQCQ0
BSbuSQCQ0


自演してる暇あるなら書け

985名無し三等陸士@F世界:2008/04/17(木) 20:44:29 ID:CfjvIlC.0
笑ったw
IDすら理解してなかったのか

986名無し三等陸士@F世界:2008/04/17(木) 20:50:56 ID:FHYQdo9c0
>先ずは書いてみたら?
ここは掲示板なんだし、公開されたものに対して好意的、非好意的、論証的な意見が付き、なんらかの議論が起こるのは当然とは考えないので?
意見イコール雑音としか捉えられないのなら仕方ないけど、このスレでくろべえ氏の作品そのものに否定的な議論はあまり見ないけどね。
自分としては設定がどうでもいいと言わんばかりの人はここよりラノベスレのほうがむいているんじゃない?とおもう。

987名無し三等陸士@F世界:2008/04/17(木) 20:56:35 ID:3ZJvExjw0
>>982
BSbuSQCQ0
BSbuSQCQ0
BSbuSQCQ0BSbuSQCQ0
BSbuSQCQ0
これはwwww
自演かよアク禁にしてしまえよもう
どうせ変なことかいてるの全部こいつだろ
BSbuSQCQ0BSbuSQCQ0
BSbuSQCQ0
BSbuSQCQ0BSbuSQCQ0
BSbuSQCQ0
BSbuSQCQ0BSbuSQCQ0
BSbuSQCQ0
BSbuSQCQ0BSbuSQCQ0
BSbuSQCQ0
BSbuSQCQ0BSbuSQCQ0
BSbuSQCQ0
BSbuSQCQ0BSbuSQCQ0
BSbuSQCQ0
BSbuSQCQ0BSbuSQCQ0
BSbuSQCQ0
BSbuSQCQ0

988名無し三等陸士@F世界:2008/04/17(木) 21:05:48 ID:4JO6QnTQ0
分家でここまでアホな奴は初めて見たwww
>>924では懲りずにまたガンダムネタやってるしwww

989名無し三等陸士@F世界:2008/04/17(木) 22:02:51 ID:MZKO7gLI0
嵐or釣りじゃね?
今日日ここまでベタ踏んでくれるやつなんていないだろ。
レスの無駄だから無視が正解

990名無し三等陸士@F世界:2008/04/17(木) 22:40:21 ID:1.zwuTpU0
とりあえず、獣人娘を投下するからみんな落ち着け!
 ttp://www.geocities.jp/hokakoko/1128796284567.png

991名無し三等陸士@F世界:2008/04/17(木) 22:57:10 ID:mH2mB16A0
>>986
こういう場で軍板によくいる設定だけ厨が嫌われる原因っていうのは
創作を見せてもらって楽しむ場でのマナーがなってないってことなんだよ。
いいかい?どんなバカでも分かるように噛んで含んで説明するよ?

基本的に創作っていうのは作者の意図に基づいた匙加減で行われる、OK?
示した設定からどんな展開を微細に渡って作り上げてるかも知れないものを
いちいち難癖付けて閉ざしてじゃ今後の可能性をどんどん狭めるだけなわけよ。
だから、設定で一言申すなら作者さんの思ってる部分もある程度鑑みて
その方向でより良い演出を出来るんじゃないか?という場合にこそ申すべきなんであって
自分である程度の青図面を描いて見せられる技量がなかったら本当はやっちゃいかんのさ。

幾人か、くろべえ氏の二次創作の形を取りながらifを提案してみせる人がいるだろ?
ああいう形がこういう場での理想型なんであって、
作者さんのイマジネーションに枷をはめるような真似しか出来ない奴は要らない子なのよ。
だから、気に入らないなら自分で書けと言われるわけだ。
別にSS書けない奴は来るなと否定されてる訳じゃなくてな、マナーに則れって話なのよ。
たとえ最初は拙くても自分なりで書いてみりゃいいじゃん。
それがこの板の看板作品に化ける可能性だってあるんだからさ。
作り手には自分も作って応える、こりゃ創作系板の基本マナーだぜ?
開かれた場だからこそ見て意見する側にも相応のスキルは求められるんだ。
自分はリスクゼロで批判だけしますなんてのが通る筈がない。

まぁ俺はSSじゃなく2D・3D系だから
いずれ絵や立体でここの作家さん達のイメージの役に立てればと思ってるが。

992名無し三等陸士@F世界:2008/04/17(木) 23:04:56 ID:mH2mB16A0
まぁ創作には自分なりの創作で応えろって話だよ。
創作やってみた人間でないと分からないハードルも無視して突っ走ればそりゃ楽さ。
そういうハードルを自分で自覚した上での可能性の提示のほうが
ただ知ってる範囲の設定だけ羅列しましたよりは読めるものになるんじゃね?
設定厨が嫌われる原因その2は、文章として何も面白くない読むに耐えないものってのもあるんだ。
だから、もの申したいならまず読ませる文章から始める必要があると思うんだぜ。

993名無し三等陸士@F世界:2008/04/17(木) 23:48:36 ID:QAm6XwFs0
上から目線で書かれると、とりあえず反発したくなる

994名無し三等陸士@F世界:2008/04/18(金) 01:01:20 ID:MZKO7gLI0
お年頃なんですね、わかります

995名無し三等陸士@F世界:2008/04/18(金) 01:15:18 ID:24RRfc3so
要は口だけは出すくせに参加者意識がないんだよ。
この作品への一参加者として俺には何が出来るだろうか、どうやって役に立とうかじゃなく
看板になってるような幾つかのSSに難癖つける俺カッコイイが先に来てるのが問題なんだ。
この題材でみんなして盛り上げようじゃないか、が普通なの。
盛り上げなんてどうでもいいから俺が気持ちよくなれればいい、なんてのはどこの世界でも要らない子。
コミュニティが2ちゃんだったとしたってこれは変わらないぜ。
2ちゃんだと公然と咎められはしないってだけの話だよ。

996名無し三等陸士@F世界:2008/04/18(金) 01:34:50 ID:4raGAgAE0
雑談でいいのにね、まあ展開予測は勘弁だけどね。

997名無し三等陸士@F世界:2008/04/18(金) 04:43:15 ID:CfjvIlC.0
ぶっちゃけ、痛さはBSbuSQCQ0レベルだよな>991

998名無し三等陸士@F世界:2008/04/18(金) 07:21:20 ID:rqhWtsz.0
>>992
>まぁ創作には自分なりの創作で応えろって話だよ。

長々と俺様理論語る前にテンプレ読めば?

>自衛隊ではない日本の軍隊のスレッドです。
>議論・SS投下・雑談 ご自由に。

勿論、対象になってる作品や書き手へのリスペクトがあることが大前提だけどな

999名無し三等陸士@F世界:2008/04/18(金) 07:25:18 ID:tFSqC8hsO
久々に覗いたら殺伐としてる・・・
とりあえず埋め

1000名無し三等陸士@F世界:2008/04/18(金) 08:36:34 ID:/akJunkQO
1000げと?

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