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イベント進行用スレ

1 : 斎藤 ◆435bdiv0ac :2014/04/13(日) 15:01:13 v3jjVw7c
イベント進行用のスレッドです


2 : 星奈 ◆xlzDWJoFy2 :2014/04/13(日) 15:02:46 SrNNNKXc
ふあぁー....何か無いかな....
【第二高校付近の公園でブランコを漕ぐ】


3 : 欲望の赴くままに ◆435bdiv0ac :2014/04/13(日) 15:02:50 v3jjVw7c
「……クヒ、ヒヒ」

開発区のとある一画
住宅区にほど近い場所で、黒ドレスの女が独り、舞う
ニィと口を歪ませ、目を見開き、長くボサボサの髪を揺らし
くるくると、クルクルとドレスの裾を翻し、心底楽しそうに、舞う

「わっちと共にくるネズミ、どこかにようけあらんかの……?」

廻り、止まり、身体は住宅区の方へと

「……あそこになら」

女の履く黒のハイヒールがかつ、かつ、と鳴る
不気味な女は能力者が多く住まう、住宅区へ向かわんと歩き出した

//それでは参加者の皆様、よろしくお願いします


4 : 佐々見沙希 【影法師】Level2(5)E:日傘 :2014/04/13(日) 15:10:03 fRhYBGU.
>>3
ピピーッ!!

つんざく様な甲高い笛の音が女の歩を止めんと響き渡る

「そこのあなた!一般生徒から不審な人物が確認されたとの報告を受けています」

笛の音が聞こえた方角には小さな人影が1つ
右手には先ほど鳴らしたのであろうホイッスルを握り、畳まれた日傘を提げる左腕にははためく腕章があった
それは紛れもなく学園内のとある組織―――――そう、風紀委員に所属する証

「風紀委員として、あなたに質問させていただきます!」

ホイッスルから離れた人差し指が、女へと真っ直ぐ差し向けられた


5 : 星奈 ◆xlzDWJoFy2 :2014/04/13(日) 15:11:08 SrNNNKXc
>>3
お....おお?何だありゃ....
【一際目立つ女を見て歩いてる足を止める】

気になる....何故あんなに笑ってるんだろ?でも話し掛けたら変な人って思われないかな....いやでもあの人自体変な人だし大丈夫かな?いやいや見知らぬ人に変な人なんてそんな失礼な....
【一人でブツブツ悩んだ後】

ええい!話し掛けたら分かる事だ!!
【ずかずかと歩いて向かい】

こんにちは!!良い天気ですね!!ところで何でそんなにニタニタ笑ってるんですか!!

(やべー!!まじやべー!!すっごい失礼な事聞いちゃった!!怒らないかな??)
【汗だくで失礼な事を問い掛ける】


6 : 緒里谷 依織【生体磁気】Lv.2(0) E:金属球 ◆oEVkC4b3dI :2014/04/13(日) 15:18:12 qRA7tcnM
>>3>>4

【同時刻、住宅区境界付近では折しも一人の少女が業務に出るところであった】
【男物の制服と制帽を油断なく身に纏い、手には十字マークの入った紙袋】
【帽子には風紀委員のバッジがきらりと光る】

佐々見さんの言っていた魔術遣い……やはり都市伝説で検索しても出てきませんね

【手にした携帯の画面には件名ヒット数0の文字】
【学園都市のインターネット上にはそれらしい情報は皆無と言っていい状態であり】
【予想はしていたとはいえ、落胆の溜息をついて端末をポケットに戻す】

やはり彼女の勘違いが有力でしょうか。 ――――、!

【今しがたすれ違った一人の女性、その風貌に思わず歩みをくい止められる】
【とりわけ不審な点は見受けられなかったが、その目つきに言い知れぬ胸騒ぎを覚えて】
【声を掛けようとした途端響き渡る笛の音。躊躇い無く地を蹴立て、雑踏を掻き分けその方向へ向かう】


//GM様、他の参加者様、よろしくお願いしまず!


7 : ヴリアーダ=マクスウェル 【傷呪使い】Rank-C E:ルーンの呪札 ◆6DCo2Q6QI. :2014/04/13(日) 15:21:22 NHyXshf2
「ここの街は俺が住んでいた街よりも若者が凄く多いなー…」

授業が終わり、第二高校から下校している男が1人。魔術勢力の人間であり、学園都市内で暗躍をする教会勢力の魔術師を倒す事が目的で潜入したまだ青二才な魔術師である。

「しっかし、今日は授業も早く終わったし…道を覚える為に帰りはいつもの道じゃない所を歩こうか」

そして、開発区へ進んで行き…>>3
何かと変な笑い声を聞く。その笑い声の主は髪が乱れる程に黒ドレスをくるくると翻し、何やらブツブツと言っているようだ。

「うわ…真っ昼間からロクでもなさそうな奴に出くわしたって感じだけど…旅行者か?」

そして、多分道を聞きたいのかと思い、つい話しかけてしまった。

「なあ、そこの姉さん」
「もしかして、旅人で、道が聞きたいのか?」
「あー、いや、別にアンタの事を変人だなんて一片足りとも思っちゃいないから安心してくれ」


8 : エルヴィラ『武器召喚 RankB(00)』 :2014/04/13(日) 15:34:04 v3jjVw7c
>>4-6
女は、甲高い警笛の音がする方へ顔を向ける
そちらには沙希と、視界の端には星奈とマスクウェル

「……ヒヒ、早速ネズミがひぃ、ふぅ、みぃ、よ………ようけは、ないのう」

残念、残念、そう零して女は立ち止まる
後ろからこちらへと駆ける依織も含め、4つの身体が彼女を囲った
後ろに依織、正面に沙希、右に星奈、左にマスクウェル
4つの方からバラバラに投げかけられる問い、それに対して、

「ちぃとはわっちの事も考えやあ、質問まるけにされりゃあ誰が何を言ってるなんざわからんやないけ?」


澄んだ声で、言い放つ
ごもっともだ、4人中3人が各々の好きなように、同時に話しかけているのだから
女は残念ながら聖徳太子のような耳の持ち主ではなかった、質問の全てに答えられるわけがない

「……ほんで、あんさんらはわっちに何の用け?順番に言ってちょう」


9 : エルヴィラ『武器召喚 RankB(00)』 :2014/04/13(日) 15:34:39 v3jjVw7c
//>>8
おうふ、安価は>>4-7のミスです


10 : 佐々見沙希 【影法師】Level2(5)E:日傘 :2014/04/13(日) 15:43:34 fRhYBGU.
>>6
「お、緒里谷さん?」

昨日のことを思い出したのか、ちょっと挙動不審な反応を見せる

……とは言え職務中だ

彼女ならば状況をすぐに把握できるだろうと、視線を渡し小さく頷くだけの動作を見せた

>>8
「……な、ないけ?」

聞きなれない語尾、と言うか口調にぱちくりと目を丸くする
恐らくは方言か何かなのだろうが、残念ながら沙希にはそれを判断する術がない

「……コホン、まずはお名前とここで何をしていたかをお話しください」

咳払いで動揺を払しょくし、風紀委員としての表情を取り戻す
浮浪者……とは思わない、ただこんな見た目をしているなんて普通だとはとても思えない

沙希は目の前の女へと近づいていく


11 : 緒里谷 ◆oEVkC4b3dI :2014/04/13(日) 15:46:40 qRA7tcnM
>>8>>10

【佐々見に名前を呼ばれて無言で頷く】
【大体の状況は把握した。と同時に掛けられる黒ドレスの声】

佐々見さん――――そちらの風紀委員の方と同僚の者です
其方の方の指示に従い、ついでに身元を確認できる物品を提示していただけますでしょうか

【その場に居る全員の掛けられた質問に、背後から低い声で答える】
【テンプレートな対応ではあるが、基本的には先に到着していた佐々見に任せるようで】


>>5>>7

そこの二人、関係者でないなら下がっていなさい

【星奈とマクスウェルの方へ高圧的に指示を飛ばす】
【同時に、無意識の内に指がベルトのホルダーの留め具を外していた】


//レスは初めの順番で返した方が良いのでしょうか?
//そうであればこのレスは無視してくだされ…


12 : 桐谷 ◆4kHUINgaqs :2014/04/13(日) 15:54:36 uFyS4vcE
一方、>>3の向かう住宅区の方では
買い物から帰路を行く途中だった桐谷が、あるものを遠くに見つける
少しの人の群れ>>4>>5>>6と、その中にもう一人、異質な雰囲気を漂わせている>>3であった
ビニール袋を下げ、立ち止まる

「あれは…風紀委員に、髪がボサボサの人が呼び止められている?」

強くホイッスルを吹く>>4の顔をよく見ると、なんと何時ぞやの第一高校で見た風紀委員ではないか
一度は絡みがあった人間だ
桐谷は何かあったのかとそちらの方へと歩き出す
ビニール袋を握る手に力を込め、ゆっくりと


13 : ヴリアーダ=マクスウェル 【傷呪使い】Rank-C E:ルーンの呪札 ◆6DCo2Q6QI. :2014/04/13(日) 15:57:13 DiHUpf3U
>>8
「じゃあ言わせてもらうぜ」
「俺の質問は、「アンタは道でも迷っていたのか?」「そして、分からないなら教えてやらない事もない」って事だ」

エルヴィラの横顔をじっと見つめて、問い返す。

「……最も、今まであんなにおかしく笑っていた奴がこんな理知的な質問をする辺り…嫌な予感しかしねえ」

話しかけた後、ヤバいと直感が働いたがもう遅かったと思う。
彼女のおかしな笑顔…だがその目は笑っているようには見えなかった、という事を今更気づいたのだ。

(話をする相手を間違えたか…だが奴からは学園都市にいるような人達とは明らかに漂わせる空気が違う)
(まさか…こんな所で魔術師と遭遇ってわけか?)

と、心の内で思い、苦々しく唇を噛む。

(魔術師同士の戦いなら、能力者を巻き込む事は許されない…だがここには3人、しかも2人は風紀委員…ッ!)
(どうするべきか?)

「おい、俺はアンタと一対一で話がしたい」
「アンタの職業的にもその方が良いんじゃあないのか?」

指をクイックイッと挑発するように動かす。
後は彼女が予想通り動いてくれれば良いという話だが。

>>11
しかし、予想は違う方向へ崩れた。
風紀委員…奴等が彼女を捕らえようとしていた事を全然考えていなかったのだ。

「チッ…」

軽く舌打ちし、

「アンタこそ、あまり偽善ぶらない方が良いんじゃない?」
「たとえ風紀委員だったとしても、見過ござるを得ない場合だってあるだろう?」
「そう…自分の実力では及ばない相手とかな」

そして、ポケットから札を取り出し、落ちていた鉄パイプに貼り付ける。

「今がその状況だ、俺もヤバそうになったら離脱するからとっとと失せな!」

あの彼女の反応次第では真っ先に倒す必要があると信じ、強く鉄パイプを握りしめた。


14 : 星奈 ◆xlzDWJoFy2 :2014/04/13(日) 16:11:37 SrNNNKXc
>>11
は....はい....
ていうかこの方は知り合いですか?何と言うか物凄い方ですけど....
(また失礼な事言っちゃった....何かもう別に失礼でも良いか....)
【困惑した顔で後ろに下がる】


15 : エルヴィラ『武器召喚 RankB(00)』 :2014/04/13(日) 16:16:32 v3jjVw7c
>>10-14

「伝わっとらんのけ?しゃあないのう……こうやったっけね」
(伝わってないの?しょうがないわね……こうだったかしら)
「………順番に話しかけてもらわないと何言ってるか、ええと……分からないじゃないの」

ようやく聞こえた標準語、先ほどの言葉はどうやらそういった意味の言葉だったようで

「名前ねえ……わっちはエルヴィラよぅ、普通の言葉は苦手やき、こう話してええかね?」
(名前ねぇ……私はエルヴィラよ、普通の言葉は苦手だから、こう話してもいいかしら?)

それから、と周囲をぐるりと見回す

「学園都市ってのはこんなにも怖い所なんけ?」
(学園都市は、こんなにも怖い所なの?)

鉄パイプをこちらに構えた少年、鋭い目つきでこちらを睨む少女二人、
右手の星奈はやや後ろに下がったようで、その後方から

「……いつつ、これだけありゃ足りそうかの」

ボソリ、と
星奈の後方から、桐谷がこちらに向けてやってくる

今のところ、女は周囲に敵意を向けてはいない

//やはり分かりにくいと思いましたので、()内に適当な役を書いておきます


16 : 星奈 ◆xlzDWJoFy2 :2014/04/13(日) 16:24:07 SrNNNKXc
>>15
あれは....関西弁?九州だっけ....ってこんな事考えてる場合じゃない!!皆取り敢えず落ち着こうよ!!著作権とか平和論とかがテコの原理になっちゃうよ!!
(いやいや....テコの原理って何だよ....ていうか何となくで話し掛けたのに何故こんな事に....)

【半泣きで訳の分からない事を発言して取り敢えず殺気立ったこの場を沈めようとする】


17 : 佐々見沙希 【影法師】Level2(5)E:日傘 :2014/04/13(日) 16:26:08 fRhYBGU.
>>15
「エルヴィラさんですね」

方言で識別できない部分もあるが口調もはっきりしている
近づいてみて分かったが年齢は20代後半、身長の高さと名前と容姿からして外人であろう
それにしても方言含めてやけに日本語が上手だ

「『いつつ』?それも何かの方言ですか?」

確かに名前は教えてこそくれたが何か要領を得ない

「先ほどの質問の通り、ここで何をしていたのかを教えて頂きたいです」

とりあえずは確認をしなければならない、奇抜なファッションと言う可能性だってある
………本当に?


18 : 緒里谷 依織【生体磁気】Lv.2 E:金属球 ◆oEVkC4b3dI :2014/04/13(日) 16:28:20 qRA7tcnM


>>15>>17

【質問に答えたようで的外れな回答】
【それを聞いて眉を顰める】

……佐々見さん、分かってていますね

【敵意を持つ持たないは関係ない、先程からの不明瞭な言葉の連続】
【この状況、多勢に囲まれても髪一筋ほども揺るがない態度】
【何者にせよ連行対象に間違いないと、エルヴィラの肩越しに同僚へ声を投げ掛ける】
【彼女が不審者の相手をしている内の自分は周囲の混乱を鎮めようと改めて見渡し――――】

>>13

貴方と今、善、偽善について議論している暇はありません
我々の手を煩わせないで。 即刻武器を捨てて、此処から立ち去りなさい

【男が握りしめた鉄パイプに、きゅうと目が細められる】
【只の熱血正義感にしては、どうにも黒ドレスに対する態度が親し過ぎる――そんな疑念が浮かんできて】
【それまでエルヴィラの方を向いていた身体を、斜めにしてマクスウェルに対しても徐々に警戒を強めていく】
【相手が誰であろうと、職務の邪魔をするなら排除の対象として認識するlことも吝かではない】
【牽制するように男の方へ持ち上げられた手は、その硬い意志を如実に表していた】

>>12>>14>>16

それはこちらの台詞です
我々は忙しい。 民間の方は此処から立ち去ってください

そこの貴方もです

【大人しく従ってくれた星奈に対しては幾分軟化した態度で接する】
【とはいえまともに会話する様子はなく、星奈と目ざとく見つめた桐谷に一刻も早い撤退を再度促すだろう】


19 : ヴリアーダ=マクスウェル 【傷呪使い】Rank-C E:ルーンの呪札 ◆6DCo2Q6QI. :2014/04/13(日) 16:29:35 DiHUpf3U
>>15
「別に学園都市は怖いって訳じゃない」

鉄パイプを握りしめる力は未だ変わらず。
最大限の疑いをもって、口を動かす。

「怖いのはアンタの方さエルヴィラ」
「アンタはここまで周りを人で固められているのに、誰にも焦点を合わせていないように見える、俺の予想ではな」
「ーーーつまり、俺から見れば何かしらやらかすようにしか見えないのさ」

そして、ジリジリと少しずつエルヴィラとの距離を詰め始める。

「アンタが特に何もしなければそれでいい」
「むしろそうであってほしい」

「でもな…」

エルヴィラの正面まで移動し、彼女でも分かるように唇の動きで内容を伝える。

『アンタ、もしかして魔術師の類か?』

彼女が放っていたオーラはマクスウェルにとって身近な魔術師たちと同じように感じていた。
この解答が本当でも嘘であっても、彼は何時でも迎撃しようとする覚悟を解くことはないだろう。

「…というか、話は変わるけど…その奇抜なファッション…すんごく俺にとっては「ダサく」感じるね」

小さな皮肉と共に睨みつけた。


20 : 星奈 ◆xlzDWJoFy2 :2014/04/13(日) 16:34:13 SrNNNKXc
>>18
いやいや....君も風紀委員だからってこんな人と関わるのは危ないですって!!
きっと池沼かキチガイ何ですから一緒に逃げましょうよぉー!!
まずこんなマジ基地な服装で一人でニタニタ笑ってる時点で危ないんですよ!!
君も早く行きましょうよー....
【今にも泣きそうな顔で酷い言葉を淡々と喋る】


21 : ヴリアーダ=マクスウェル 【傷呪使い】Rank-C E:ルーンの呪札 ◆6DCo2Q6QI. :2014/04/13(日) 16:41:56 DiHUpf3U
>>18
「フン、いつものように風紀委員サマはしかめっ面がお似合いってか」

やはり、彼女等は退こうとはしなかったようだ。
マクスウェルは「やっぱり無理か」と小さく呟く。

「それが無理だから言ってんの」
「あのエルヴィラって女には能力者っぽいオーラを感じるようには見えないからさ」
「つーか、嫌な予感しかしない」

彼女にどんな視線を浴びようとも、侮蔑されようとも、鉄パイプを放すつもりは毛頭無いようだ。

「あまり言っちゃうと怒られるんだけどよォー…」
「アンタって能力者以外に能力を使う者がいるって聞いたら信じる事ができるか?」
「例えば…オカルトチックな「魔術」とかさ」

能力者には伝えてはいけないと言われているワード…「魔術」。
潜入している彼等にとっては余り教えてしまうのは自滅行為にもならない事を軽々と口にした。
しかし、マクスウェルにとっては自滅行為にはならないかもしれない。
その位、エルヴィラに対して大きな危機感を覚えていたからだ。

「とにかく、今は俺と睨み合う訳にはいかねえだろ?」
「アンタ達はこの女をとっちめたい、そして俺はこの女を倒さなければならないかもしれない」
「外部協力って奴だ、ボランティアって事で共同戦線でも貼らないか?」


22 : 桐谷 ◆4kHUINgaqs :2014/04/13(日) 16:53:57 uFyS4vcE
>>15
桐谷はこう思っていた
風紀委員に数人の人間が捕まってしまっているのだ、と
しかし現実は異質なものだった
そこにいた複数の人間たちは、皆、痛んだ髪の女の方へと目を向けていた

そして何か言っている

「……「足りそう」…?それは、人数の事ですか…?」

何かしらの方言を使っているのでいまいち聞き取れないが、意図は少しだけ読み取れた
>>18
どうやら風紀委員が他人と、それから自分の方へ向かって
「離れろ」と軽く促しているようだ

「(あの女は何なのでしょうか…風紀委員がこんなに過剰に反応する存在とは)」

ただでさえ元から桐谷は離れていたが、少しずつゆっくり後ろへと引く


23 : エルヴィラ『武器召喚 RankB(00)』 :2014/04/13(日) 16:58:15 v3jjVw7c
>>16-19>>22
「いつつは、いつつよぉ……あんさんらには関係ないさね」
「わっちは歩いてただけやないの、呼び止めたんはアンタよ?」
(5は5……あなたたちには関係ないわ)
(私はただ歩いていただけじゃない、呼び止めたのは貴方よ?)

クヒ、と女は笑いを洩らす
言っていることはその通りなのだが、態度がいかんせん怪しすぎる
その上殆ど通じない言葉を使うとなれば、引き止められるのも無理はない


「それにしても……ヒヒ、ヒヒヒ」
「ぼうは同業者なんかの?こん所にまさかおるとは思わんかったよぉ」
(坊やは同業者なのかしら?こんな所にまさか居るとは思わなかったわ)

口唇での意思疎通をはかるマスクウェルに、エルヴィラは容赦無く言葉で返す
「同業者」その言葉は周囲の者にもはっきりと聞こえたことだろう
これが彼女なりの、皮肉に対する応えというところか

やや遠く、一度近づいたものの離れていこうとする桐谷へ視線を向け、にやりと嗤う

「……ぼう、そんな離れとらんとこっちへきぃな……」
(……坊や、そんなに離れていないでこっちへいらっしゃいな)

おいで、と
不気味な女は、離れつつある桐谷を誘う


24 : 緒里谷 依織【生体磁気】Lv.2 E:金属球 ◆oEVkC4b3dI :2014/04/13(日) 17:02:51 qRA7tcnM
>>20

見知らぬ貴女と行動するメリットも必要性も感じられませんので
早く行ってください。 そこの男性と同じように、無理やり除ける真似はしたくありません

【泣き顔に対して宥めるどころかあからさまに苛立った顔で語調が強くなる】
【状況が見えてないのはお前の方だと言わんばかりの口ぶりで、このままいけば実力行使も厭わない態度である】
【呆れた顔のまま男の王へ向き直るが――――】

>>21


――…最終警告を通達しようと思ったのですが
その言葉を紡いだ以上、ただで返す訳にはいかなくなりました

【これがぎりぎりの譲歩と言った言い方か。しかし俄かに顔色を変えて】
【冷静なようでいて負の執念が体内に渦巻く中、感情を押し殺した低い声でマクスウェルに言葉を投げ掛ける】

>>17

佐々見さん、改めてそちらの方は貴女にお任せします
私はこちらの方に聞くべき要件が出来ましたので

【佐々見へ念入りに声を掛けて、今度は完全にそちらからマクスウェルの方へ向き直る】
【どうやら暫くはこの相手に集中する気なようで、腰と胸の中間辺り、中途半端な位置に手を掲げ僅かに腰を落とした】

>>19-23

全員、よく聞きなさい! 最終通告です!!
風紀委員以外の者は即刻退避! 従わない者は処分対象とみなし、私自ら排除します!!

【一拍だけ深呼吸】
【そして、通りの向こうまで響くような声音で滔々と怒鳴りつける】


25 : 佐々見沙希 【影法師】Level2(5)E:日傘 :2014/04/13(日) 17:11:09 fRhYBGU.
>>23
「……そうですか」

ただ歩いていた―――― その言葉に沙希は眼を鋭くする

この状況に於いて『ただ歩いていた』なんて言葉はまず使わない
仮に歩いていたこと自体を理由にするならば、『散歩』と言う的確な表現が存在しているからだ

心理において、どうしても真実とは離れた場所を答えたくなる
つまり歩くと言う行為と過程は説明できても、その理由は口にできないと言う事
万が一本当にただ歩いていただけであれば、わざわざ一度質問を受け流す理由が無い

つまり、この言葉は十中八九嘘――――

雰囲気だとか、気配だとか、直観だとか

そんな不確定の要素で構成されたものではない、経験と事実から導き出された結論

「お答えできないのだったら仕方有りません」

沙希は一歩、エルヴィラから下がる

「風紀委員として、あなたをしょっ引かせていただきます!」

高々と、彼女の口から啖呵は切られた


26 : 星奈 ◆xlzDWJoFy2 :2014/04/13(日) 17:17:35 SrNNNKXc
>>23
そ....それは貴方が変な行動してるからで!
....ぅえ?同業者?魔術師?何ですかそれ?頭の中までメルヘンなんですか?
うわぁ〜....引くわ〜....そんな絵本みたいな事信じてるんですか?そんなもの居るはず無いでしょ!

【引き攣った笑みで煽る】
>>24
何ですかそれ!私は他人に去れって言われる程弱くありませんよ!!全く!

キチガイの相手はめんどくさいんですよ!!ちゃんと分かってるんですか!!

風紀委員だからって貴方も一人の人間なのだからちょっとは人を頼りなさいよ!!

(そんなこと言ったものの風紀委員に処分されるのも怖いしあのキチガイと関わるのも嫌なんだけどね....)

【先程の態度とは一変に色々文句を垂れるが言葉とは裏腹に顔が青ざめ足が震えそのまま近くの電柱に隠れようとする】


27 : ヴリアーダ=マクスウェル 【傷呪使い】Rank-C E:ルーンの呪札 ◆6DCo2Q6QI. :2014/04/13(日) 17:20:25 DiHUpf3U
>>23
「チッ…てめえ、わざと…!」

「同業者」。その言葉は彼女はともかく、自分にも周りの人間は敵意を向けるかもしれない。

「いや、もう後の祭りだ……アンタ、相当イかれちまってんじゃあねえかよぉ!!」
「我々のルールとして、それは守らなければならない事!」
「アンタは…能力者を相手に何がしたいんだ!」

彼女の言葉に苛立ち、反感を覚え、鉄パイプを構える。
そう、臨戦態勢に入ったのだ。

「俺は教会勢力側の人間以外とは戦おうとは思わねえが……やるってんならとことんブッ潰してやる覚悟はある!」
「さあ来い…「呪い」の恐ろしさ、教えてやるよ!」

>>24
「…今、てめえと関わることは無駄なんだ」
「俺は一刻も早くアイツをとっちめなければならねえ」

視線は依織には全く向けず、ずっとエルヴィラの方を向いている。

「俺をどうしたいかはこの女を始末してからでいい…」
「もしそれでもやるつもりならーーーー俺だって考えがある」

再び、学ランから札を取り出し、自分の身体に貼り付ける。
そして、もう一枚ーーーー耐火使用の札を胸元に貼る。

「これは最終警告だ、今すぐ俺から離れろ」
「できればこの件に対して何も干渉はして欲しくないが、干渉するなら、先にこの女を倒すことを優先してくれ」

「俺は青二才じゃあない…いつでも「呪う」覚悟はある」


28 : 緒里谷 依織【生体磁気】Lv.2 E:金属球 ◆oEVkC4b3dI :2014/04/13(日) 17:39:27 qRA7tcnM
>>26

ええ、ですからあちらの佐々見さんには頼らせてもらっています
強い弱いは関係ありません。 これは“私たち”だけが知っている事情なので

【吠えるような罵声も馬耳東風と聞き流し、切り捨てるような返答】
【遠巻きに観戦するだけならまあ結構と背を向ける】
【積極的に関わってきた場合はどうなるか分からないが――――】

>>27

最終警告? ご自分の立場が理解できていないようですね…
そのような言葉は、我々と同じ立ち位置に到達してから述べて頂きたい

【男の苛立ちに対し逆にせせら笑うように口元を歪ませる少女。そればかりか】
【まるでエルヴィラを庇うが如く――無論そんな気はなく佐々見の邪魔をさせない様になのだが――両者の間に立ち塞がる】

ええまったく。 貴方と関わっているなど寸刻も惜しい事です
なので、大人しく拘束されてくれると助かるのですが、ねっ――!

【差し出した右手を、宙でぐんと引き寄せる。同時に、マクスウェルの持つ鉄パイプに前触ない引力が齎されるだろう】
【磁力による武器の強奪、基本的に凶器が金属製である以上少女がもっとも得意とする戦術だ】


29 : ヴリアーダ=マクスウェル 【傷呪使い】Rank-C E:ルーンの呪札 ◆6DCo2Q6QI. :2014/04/13(日) 17:51:17 4TdtofMk
>>28
「ーーーーークッ!」
「この能力…引力、もしくは、重力の類の能力!?」
「こっちはこっちでヤバいってのに何でこうも話を聞かない風紀委員と戦わなければいけねえんだよ!!」

突如、握りしめていた鉄パイプが依織に向かって動き始めた。
その勢いは最早止まらず、手放さないなら、身体ごと依織の方へ向かってしまうのだろう。
ーーーーだが、マクスウェルは「敢えて」手放さなかった。

「…だったらアンタにはとことん呪われてもらうしかない」
「標的を変えよう…今からあの女からこの女にする!」

引力に身を任せ、鉄パイプを彼女の鳩尾へ向け、剣で突くように体制を変える。

「ま、呪い終わる前に打撲で気絶してくれればありがたいんだがねぇ!!」


30 : 山口 星奈 【光を操る能力level1(6)】E:竹刀袋に包まれた槍 :2014/04/13(日) 17:59:56 nEbdPaXM
>>28
何が私達ですか!何が我々と同じ立ち位置ですか!そんなに風紀委員が偉いんですか!!こんな時に仲間割れ何ていけないし、能力者を舐めないでくださいよ!私だってやる時はやるんですからねー!!
【電柱の影から指を指して叫び続ける】


31 : エルヴィラ『武器召喚 RankB(00)』E:剣×1、槍×1 :2014/04/13(日) 18:01:30 v3jjVw7c
>>24-30
「退避?しょっぴく?……わっちは、何にもしてないのにけ?」
(退避?しょっぴく?……私は何もしていないのに?)

エルヴィラの顔からから笑みが消え去る
身体を右にターンさせ、左手に沙希とマスクウェル、右手には依織
背後になる星奈には、既に興味は無しといったところだろうか

「皮肉るってことは、仕返しされる覚悟はできとるんと違うのけ?」
「……ぼんたのルールなんざ知らんよぉ、わっちは自由やでの」
(皮肉るってことは、仕返しされる覚悟は出来ているんじゃないのかしら?)
(坊やたちのルールなんて知らないわ、私は自由だから)

す……と後ろへ下がる
そうすることで、自身に敵意をもつものは全て、視界に捉える事ができるのだ
そうして、女は

「……クヒヒ、びいもぼうもおる、もうええかしゃん」
(うふふ、お嬢さんも坊やもいる、もういいかしら?)

両手を斜め左右に……敵意を向ける者たちに突き出しす
それと同時、女の右手には剣、左手には槍が握られていることだろう
どちらも量産型の、チープな鋼でできたもの
そして槍は偶然か必然か、エルヴィラへ背を向けた依織を挟みうちにするように伸びて―――


32 : エルヴィラ『武器召喚 RankB(00)』E:剣×1、槍×1 :2014/04/13(日) 18:06:00 v3jjVw7c
//おうふ、槍と剣を持つ手は逆でした
//脳内変換で依織のいる方に槍、沙希の方に剣だとしていただきたいです


33 : 山口 星奈 【光を操る能力level1(6)】E:竹刀袋に包まれた槍 :2014/04/13(日) 18:10:54 SrNNNKXc
>>31
うわぁ....やっぱりキチガイだったか....ていうか大丈夫なのかあれ、風紀委員は話を聞かないしなんとかしてくれるでしょ....やばくなったら加勢すれば良いし....
【電柱から覗き込む】


34 : 佐々見沙希 【影法師】Level2(5)E:日傘 :2014/04/13(日) 18:15:22 fRhYBGU.
>>31
(―――――武器!!)

突如として目の前の女の手に握られていたもの―――― それは剣と槍

どちらも刃引きなどされていない明確な『凶器』、女は何もない空間から取り出したように見えた
つまり何らかの『能力』……ではなく、先ほどの周りのガヤから統合するとこれは魔術!

「!!」

左の手に握られた槍の矛先は、先ほどまで目の前に退治していた沙希ではなく
背を向けていた緒里谷へと伸びているではないか!!

「くっ、【影法師】!!」

沙希はとっさに足元から闇を生み出すと、それは腰まで程度の大きさの1体の人型となった
そのままエルヴィラを取り押さえる為に飛びかかる影人形

だが―――――

(―――間に合わない!!)

「緒里谷さん!」

沙希はとっさに仲間の名を叫んだ


35 : 緒里谷 依織【生体磁気】Lv.2 E:金属球 ◆oEVkC4b3dI :2014/04/13(日) 18:16:23 qRA7tcnM
>>29>>30

まさか、そのまま突っ込んで来るとは。 公務執行妨害に傷害罪も加えて欲しいとみえますね

【引き寄せられながらも冷静に身を任せて突撃してくる男】
【その場慣れした様子に一度瞬きをして再度認識を改める】

しかし、本当に放さなくていいのですか? 
…あとそこの人、私とこの男は仲間でも知り合いでもありませんので、お忘れなきよう――!

【自ら戦いを始めておきながら、電柱の方の少女に対しても逐一言葉を返しており】
【その姿は存外呑気なものだが、警戒をしていない訳ではなく。やがて男の手にぐんと、重い手ごたえが響くだろう】
【件の鉄パイプは少女の掌で――――正確には後数cmという空間で停められており】
【直後、その手を振り翳すと今度は真逆の力――弾き飛ばす斥力が襲う】
【だが、今回もその対象は男ではなく鉄パイプだけ。更に、確りと握りしめたままならば身体ごと吹き飛ばされる程の威力もない】
【先の不意打ちもそうだが、虚を突かねば敵を丸ごと振り回せるほどの威力は無いようであったが――】

>>31-34

な、っ……!

【ぞくん、と身を総毛立たせるような感覚】
【直感――――ではなく、体表及びその周囲に纏った磁場が、己に接近する金属類に反応した証である】
【そしてやや遅れ、佐々見の声と共に後方にさくりと冷たい感触】

く―――、っ!

【前以て接近を感知したお蔭で、身を捻り半歩回転】
【直前まで居た空間を槍が通り過ぎていく。しかし、完全回避とは至らず、】
【腰の辺りが軽くなったと気付くも後の祭り。革ひもを千切られ、地に転がるのは己の武器】

(くっ、鉄球が――――)

【隙を見て拾おうにも今は前後挟み撃ち。右手にマクスウェル、左手にエルヴィラを見つつひとり歯噛みする】


36 : 山口 星奈 【光を操る能力level1(6)】E:竹刀袋に包まれた槍 :2014/04/13(日) 18:29:33 SrNNNKXc
>>35
そーゆー意味じゃありません!!協力をしろって言ってるんですよ!!それにキチガイに攻撃されてるんですから一緒に倒せばいいじゃないですか〜!!
【ブンブンと腕を振り回す】


37 : ヴリアーダ=マクスウェル 【傷呪使い】Rank-C E:ルーンの呪札 ◆6DCo2Q6QI. :2014/04/13(日) 18:46:24 DiHUpf3U
>>31
「やはり動いたかーーーーー!」

彼女の両手には剣と槍。人を刺傷するにはもってこいの武器だろう。
しかし、あの武器は何処からやってきたのだろう。

「あのような能力は能力者ではない、やはり彼女は魔術師かーーーー!」

直接戦闘出来ないことを歯噛みしつつ、その手は依織の方へ向かう。

「奴は能力者じゃ裁けねえ、同じ土俵に立つ者しか裁く事は許されない!」

その意志を目に宿しつつも、まずは依織を倒す、その事だけを頭に入れ、突撃するがーーー

>>35
「ーーーーー何っ!?」

そのまま突く筈であった鉄パイプは依織の周辺数cmで止まる。
引力を操るとしてはこのような芸当は不可能。ましてや重力使いでも無理だろう。

「磁力使いかーーーーっ!」

ならばこの鉄パイプは必要なし。向かうは己の肉体のみと考え、咄嗟に手放し、鍛えた拳で鳩尾にストレートをかまそうと腕を伸ばし、大きく跳躍する。
当たれば、意識を奪う事も出来るだろうがーーーー

「やりやがったか、魔術師め!?」

依織はエルヴィラの剣と槍で傷つけられ、その槍はこちらに向かってきた。

「うっーーーーーーぬおおおおお!?」

その槍を身を捻って避けた為に、殴る事は出来なかった。

「だけど…俺だって魔術師だーーーーー!」

そして、大きくジャンプして、エルヴィラと依織の間に着地する。
そのまま徒手空拳の体勢で、空手のような構えを取る。

「エルヴィラという女…これ以上は我々の事情を話すな!」


38 : エルヴィラ『武器召喚 RankB(00)』E:剣×1、槍×1 :2014/04/13(日) 18:52:50 v3jjVw7c
>>33-
「ヒヒヒ、今日は運がええね」

転がり落ちる鉄球と、己の手に握られた得物へむけてそう口にする
敵の武器を早く知ることができたのは嬉しい誤算だった
想像通りではないが、今の状況にあった武器も手にする事が出来ている
槍は避けられた、剣は沙希へは届かない、だが
一瞬の判断、横に薙ぐように槍を振り回す
剣で届かずとも、槍で届けば問題無いのだ


……そしてまたしても偶然に、間合いに飛び込んだ直後のマクスウェルも沙希と同様横薙ぎの餌食となる

果たして二人は、それを避けることができるのか―――


39 : 緒里谷 依織【生体磁気】Lv.2 E:金属球 ◆oEVkC4b3dI :2014/04/13(日) 19:03:54 qRA7tcnM
>>36

【二対二の状況、そのうえ武器を落としては流石に顔色も変わるようで】
【電柱の山口に対しては最早罵声に答える余裕もないようで】
【視線だけで「絶対に出てくるな」と、指すように睨み付けて釘を刺し、硬い表情でエルヴィラへ向き直る】

>>37>>38

不意を突いたくらいで私を刺そうなどと、舐められたものです、ね――っ!

【ぐん、と両手を広げ磁場を拡散。エルヴィラの持つ槍と剣を操作範囲内に収める】
【男にも警戒する以上完全に掌握するまではできないが、多少の妨害くらいは可能と】
【手にもった武器同士が引き合うように微弱な妨害を与える。後は佐々見に任せると勝手に判断し】


そちらの事情は知りませんが…今の言葉は自白と取らせてもらいます

【俺は魔術師だと叫んだ男、やはり敵に違いなかったかと憎悪の色を一層濃くして】
【くい、と指を振ると放り捨てられたはずの鉄パイプが宙を舞い依織の手中に収められる】
【少女にはやや長めの棒を、手の内で重さを確かめるが早いか、振りかぶって男の頭部目掛けて容赦のない一打を見舞うだろう】


40 : 佐々見沙希 【影法師】Level2(5)E:日傘 :2014/04/13(日) 19:04:31 fRhYBGU.
緒里谷さんが刺された――――!?

目を見開いて緒里谷の方を見る
だがその体が回ったのは刺された力を受けてではなく、自らのステップによるもの―――
―――つまりかわしたのだと理解した時、沙希の口からは安堵の息がこぼれる

「やっぱり猫被ってたのね……!」

エルヴィラを睨み付けながら声を絞り出す
緒里谷の革ひもを貫いた女の剣閃は、ただ刃物を振り回す狂人の動きではない
確かな感覚を備えた、言うなれば刃物を使い慣れた人間のそれだった

……もしかしたら、相手は自分よりも格上かもしれない

そしてその洗練された動きはたった今、沙希の目の前でも行われた


横薙ぎに振るわれた長槍、その先端の白刃が沙希へと迫ってきたのだ!

「っ!!【影法師】、ホロウ・ドレープ!」

咄嗟に技を唱える沙希、黒い闇の壁が現れるとその槍先を受け止める
だが――――強度が足りない
黒い表面は刃によってガリガリと削られ、黒の壁には一閃の後が残った

沙希自身はと言えば、壁によって受け止めた瞬間に素早く歩を踏んで一歩後ろへと下がっていた
その肩には制服を切り裂いて肌についた切り傷、おそらく回避し損ねたのだろう

「っぅ……、ペインフル・ピンクッション!」

顔を顰めてはいるが、今は己の肩など顧みる暇はない
闇の壁が消える瞬間に、沙希の命令のまま大地を黒い塊が走り出す

それはエルヴェラの正面まで這いより―――大地から、無数の黒い針山を出現させた!!


41 : 山口 星奈 【光を操る能力level1(6)】E:竹刀袋に包まれた槍 :2014/04/13(日) 19:11:40 SrNNNKXc
>>38
>>39
あっ....危な....!
【出て行こうとするが視線に気付き足が止まる】

うぅ....でも....
【電柱の周りをウロウロしながら目で訴える】


42 : ヴリアーダ=マクスウェル 【傷呪使い】Rank-C E:ルーンの呪札 ◆6DCo2Q6QI. :2014/04/13(日) 19:15:26 DiHUpf3U
>>38
「とうとう使うわけになるな…この切り札をーーー!!」

そう言った瞬間、胸に貼ったルーンの札が光り出す。
その姿は、マクスウェルの身体中に何かが蠢いているようにも見えるだろう。

「この鎖はお前を呪い、腐らせる物!」
「捕まえろ、キュロナーダの刃鎖ィィ!!」

刃鎖はマクスウェルの右腕の指の先から飛び出し、槍に巻きつかんと襲いかかる。

「さあ、呪われろ!!」
「俺の呪いの鎖でなーーーー!」

刃鎖は勢いの限界を知らず。
肩や膝など、身体のあらゆる部位から掴み傷つけんと蛇のように飛び出し蠢く。

>>39
「お前は知らなくていい所まで知った…ならば風紀委員という栄誉を抱いたまま眠れ!!」

キュロナーダの刃鎖は依織の持つ鉄パイプに巻きつき、動きを止まらせる。
むしろその動きは依織をも巻きつかんと襲いかかる。

「でしゃばり過ぎた事は身を滅ぼすーーーー流石の青二才の魔術師でも分かる事だ」
「そして今から実際に分からせてやる、呪いによる腐敗を知れーーーー!」

顔つきは高校で見せるような表情は無くなり、生死を分ける闘争に躊躇う事がない冷酷な表情と変化する。
元来の魔術師同然とした表情だった。


43 : エルヴィラ『武器召喚 RankB(00)』E:剣×1、槍×1 :2014/04/13(日) 19:24:32 v3jjVw7c
>>39-

「猫なんて被って無いよぉ、さっきまでは歩いてただけやん?」

依織の発生させた磁力によって得物が一人でに動く
結果として槍は沙希の創り出した闇の壁を削るに収まり、沙希自身には殆ど傷がつけられない

「そいやぁ、磁力使い……やったっけ?」
(そういえば、磁力つかい……だったかしら)

じろりと依織の方へ視線を向ける
厄介な相手だ、自分の得物の殆どは鋼の使われた槍や剣なのだから
そしてその視界には、マクスウェルも入っており……

「もう使ってまうんかえ?切り札なら大事にとっとかんとあかんよぉ」
(もう使ってしまうの?切り札なら大事にとっておかないとダメよ?)

女は嗤い、地面を蹴って後方……星奈の方へ
足元に伸びてきた影から飛び出る鋭い棘を紙一重で躱し、右足に軽く赤い線をつくりつつもその場を一時的に離れんと動く
槍と剣は、それと同時にあっけなくエルヴィラの手から離れてしまって

もし、未だ磁力による引き寄せが続いていたならば
女の体重分軽くなった槍と剣が依織に襲いかかる―――


44 : 緒里谷 依織【生体磁気】Lv.2 E:金属球 ◆oEVkC4b3dI :2014/04/13(日) 19:34:28 qRA7tcnM
>>40-43

【腐敗――――その言葉が耳朶に沁み渡る前に、鎖が絡みつき身を軋ませる】
【締め付けばかりでなく肉に走る鋭い痛み。見ると一つ一つが小さな刃で出来ている】

何が切り札…――! ご自慢の獲物で天国へ送ってあげま――――

【無数の痛みに歯を喰いしばりつつ、血のにじむ右手を力任せに横へ】
【同時に磁場の大半を男の身体全て――――つまり出ている鎖を覆う範囲にまで拡大】
【操作権を奪えれば、刃鎖を纏めて横殴りに振るおうと】

ぐぁ、――――!

【そこへエルヴィラからの強襲】
【槍の刃が脇腹を、剣が鎖ごと腕の肉を裂いていく】
【痛みに意識を奪われ、鎖に対する磁力も大幅に削減されるだろう】


45 : 佐々見沙希 【影法師】Level2(5)E:日傘 :2014/04/13(日) 19:37:30 fRhYBGU.
>>43
「避けられた――――!」

いや、女の足に赤い液体で走った線――――掠めたとするのが正しいか
どちらにしろ有効打にはならなかった

沙希は己の左肩を押さえながら着地と同時にエルヴィラとの間合いを詰める為に駆け出す
魔術師、もっと言えば無数の武器を取り出すことができる非常に危険な存在

「ここで逃がすわけには行かない!【影法師】!!」

彼女の言葉と共に足元にあった闇が形を変えてゆく
それは針でもなければ刃でもない、その銃口をエルヴェラへと差し向けたカタパルト!

「シャドウィ・バレッ……!?」

唱えると時を同じくし、装填された黒い弾が引かれ真っ直ぐに放たれる

否、放たれてしまった

沙希の表情が何よりも驚いていたのは、エルヴェラの後ろに人影―――山口の姿が見えたからだ
ギリギリのタイミングで銃口を逸らした闇の弾丸は軌道から外れてしまっている
エルヴェラへ仮に命中したとしても、致命傷には足りえないだろう


46 : ヴリアーダ=マクスウェル 【傷呪使い】Rank-C E:ルーンの呪札 ◆6DCo2Q6QI. :2014/04/13(日) 19:47:55 DiHUpf3U
>>43
「待て!」
「…って言っても待つわけじゃない、か」

ここで、つい感情的になり過ぎたと反省し、冷静さを取り戻す。

「2人を纏めて戦える程、俺は器用じゃない」
「魔術師相手に能力者が戦うのは良くないとは思うが…仕方あるまい」

そして彼は視点を依織に向け、

「あの女にはもう片方の風紀委員に任せよう、奴なら少しは時間稼ぎをしてくれるはず…」
「今はこの女をどうにかしない限り、エルヴィラを倒す事は出来ない」

>>44
「ーーーまたエルヴィラの強襲か!」

巻きつく事に成功したのはいいものの、刃鎖は勿論金属で出来ている。
そして、磁力使いである依織にはこれまた勿論相性が抜群に悪い。

が、エルヴィラの強襲により、依織は意識を逸らしてしまったようだと感じ取る。

「痛いのは分かっている、ならばそのまま意識を落とせ」

刃鎖は蛇のように蠢き、さらなる傷をつけんと依織に襲いかかる。
傷つけられた部分には不自然な黒い痣が現れるだろう。

「このままいけば治療不可能な事態になりかねない」
「アンタがここで降参すれば…これ以上の攻撃はしないと誓おう」

刃鎖はさらに飛び出し、左腕の指の先から現れた。
巻きつき、「腐敗」をさせるような勢いで素早く依織へ向かっていく。


47 : 山口 星奈 【光を操る能力level1(6)】E:竹刀袋に包まれた槍 :2014/04/13(日) 19:53:25 SrNNNKXc
>>44
や....やめ....
【絶望した顔で目の前の悲惨な光景に足がプルプル震えるが】

うあああああ!やめろおおおおおおおお!!
【鬼の様な表情で竹刀袋から急いで槍を取り出しながら走り出し目くらましに体を発光させながら】

うわああああああああ!!
【槍を使い鎖だけを斬りかかる】


48 : エルヴィラ『武器召喚 RankB(00)』E:鞭×2 :2014/04/13(日) 19:58:59 v3jjVw7c
>>44-47

「ヒヒ……まんずネズミ一匹、とらまえた」
「ぼうのおかげよぉ……?ありがとうね」
(ふふ……まずはネズミ一匹、捕まえた)
(坊やのおかげよ……?お礼を言っておくわ)

槍と剣が依織の身体の各部を切り裂くのは、女にしっかりと見られていた
マクスウェルに意識が向けられていた結果、依織はエルヴィラの得物に気づけなかったのだから、これは彼のおかげなのだろう

とん、とん、リズムを刻むように軽やかに後ろへ下がった所で、エルヴィラは気付く

こちらへ向けられた銃口、そして、そこから放たれた闇の銃弾
あと少し早ければ綺麗に避けられただろう、しかし残念なことに避けきることは出来ず

「……クヒ、ヒヒ……エライもん使うんやね、びいは」
(うふ、ふふ……凄いものを使うのね、お嬢さんは)

脇腹を抉られ、痛みでふらりと長身の身体が振れる
しかしまだ、戦うという意思までは揺らいでおらず

次に女の両の手に握られていたのは、太く、鋭い鞭がふた振り


49 : 佐々見沙希 【影法師】Level2(5)E:日傘 :2014/04/13(日) 20:08:33 fRhYBGU.
>>48
エルヴェラへと当たったこと、そして山口へと当たらなかったこと―――
その2つの幸運が重なった現状に、沙希は安堵の息を吐きながら感謝していた

「……まだやるようですね」

しかし目の前の女はまだ闘志を捨てていない
さらに気づいた時にはその両手に握られていた鞭――――非常に厄介だ
間合いが広く、かわし辛い

仮に達人であれば手の動きの延長線にある鞭の動きを読むことも出来るだろう
だが沙希はそこまでの力は持って居ない

となれば……

「すぅ……行きます!!」

沙希は大きく息を吸い込み、己を鼓舞する様に叫ぶ

そして――――駆け出した
ただ真っ直ぐ、エルヴェラの元へと一直線に

その手に持った畳まれた日傘を握りしめ、ただ真っ直ぐに――――!


50 : 緒里谷 依織【生体磁気】Lv.2(0) E:金属球 ◆oEVkC4b3dI :2014/04/13(日) 20:09:09 dx8Xa3Bk
>>46-48

こ、のッ

【意識が朦朧としながら、転がったままの鉄球一つをエルヴィラの方へ飛ばす】
【しかし、男の鎖の影響で操作力が落ちているのか肝心の磁場がどんどんと弱まり】
【辛うじて飛んだが狙いは殆ど定まっていない。当たれば御の字と云ったところだろう】

【そのまま耳にささやかれる言葉に沈黙していたが】

……良いでしょう、貴方にはもう攻撃しません
ですからこの鎖を除けてください

【イカレタ正義の少女には珍しく、素直に身体の力を抜いた】
【本来ならば決して有り得ぬ行為、しかし流石に二対二から形勢が悪くなれば意地も折れ曲げる】
【更にはより自分を大きく傷つけた女――エルヴィラの方へ怒りの矛先が向いたというのもあるだろう】


51 : ヴリアーダ=マクスウェル 【傷呪使い】Rank-C E:ルーンの呪札 ◆6DCo2Q6QI. :2014/04/13(日) 20:28:48 DiHUpf3U
>>48>>50
「ーーーそうか」
「本当は魔術師の戦いに能力者は巻き込みたくは無い、アンタがどうしてもと言うのならーーー」

巻きつけていた刃鎖は解け、マクスウェルの身体に溶け込む。

「後は好きにしろ、俺はエルヴィラを倒さなければならない」
「いや、倒す…絶対に」
「彼女のような魔術師は危険すぎる」

そして、エルヴィラが投げた剣と槍を手に取り、ルーンの札を貼り付ける。

「だからもし倒したとしても、風紀委員には身柄を渡すわけにはいかない」
「魔術師には魔術師の裁きが必要なんだ」

両手に剣と槍を持ち、マクスウェルはエルヴィラへ足を急がせた。

そしてーーーー


「よう、年貢の納め時だぜエルヴィラァ!!」

剣と槍を構え、エルヴィラの前に立つ。

「てめえはこの…俺が裁く!」
「同じ魔術師としてなーーーー!」


52 : 桐谷 ◆4kHUINgaqs :2014/04/13(日) 20:55:41 uFyS4vcE
>>42>>43>>44
中身の入ったビニール袋は手から離れてしまった
明らかに向けるべき意識はこちらではないと身体が反応したのだろう
桐谷は思った、これは夢でも見ているのだろうかと
「魔術師」という言葉や「知りすぎた」という会話
日常生活では決して聞かれないその異様な光景は桐谷の頭の中に突き刺さる

「なん…だ、これは…?」

そして間違いなく
今、この現段階で
目の前で風紀委員が腐りに縛られ、斬りつけられているという事も現実なのである


53 : エルヴィラ『武器召喚 RankB(00)』E:鞭×1、 :2014/04/13(日) 21:00:43 v3jjVw7c
>>49-52
「……クヒヒ」
「いつわっちが、二つしか持てんと言ったっけね?」
(いつ私が、二つしか持てないと言ったかしら?)

頼りなさげにこちらへ飛んできた鉄球を、身体を捻ることで難なく躱す
来ると分かっていれば避けられない事はない、これは依織だけでなくこの女にも当てはまることで
……同様に、傘を握りしめて突貫する沙希と、元は自分のものである槍と剣を持つマクスウェルに対してもそれは同じ事が言える

折角出した鞭を、なんの躊躇いもなく片方手放すと
その代わりとして次に握られていたのは―――
まきびしだった
もう一度言う、まきびしだった
詳しく言うと、ステンレスでできたなんとも現代風のまきびしだった

「ちぃ……あぁもう、こんな時やのに……っ」

やっぱり入れんけりゃよかったという女の苛立たしげな声、同時にまきびしは、デタラメに周囲にバラ撒かれることとなる

そんなこんなでエルヴィラの意識は全面的に依織、沙希、マクスウェルへと向けられてしまい
桐谷を気にしている様子はない


54 : 桐谷 ◆4kHUINgaqs :2014/04/13(日) 21:12:24 uFyS4vcE
>>53
目の前では劇的な戦闘が行われている
その激しい動きの中でも普段見ることにい槍や剣、それとまきびしなども目立っていた
鎖の男の方も風紀委員の方でも傷んだ髪の女にしても、負傷者、最悪死傷者が出ることを思わせる戦いである
しかも今の状況では風紀委員が大怪我を負っているようで
まさに一般人目線ではあるのだが、この戦いの原因、源は明らかに髪の傷んだ女であることは分かる

「(…自分には意識が向いていない…!)」

そう、よく見れば女は一斉にかかられている相手で精一杯なようで
桐谷の方を一切見ていない様子だ

そう、今なら一撃なにかしら与える事はできる

桐谷は少しずつ近付いて、試みた事のない
「動くものへの干渉」を行おうとする
今までは念動力で動くことない小さなものを動かしてきたが、
今回は髪の傷んだ女自信を操作しようという事である
もちろん大きく上に動く存在なので、正確には捉えきれないし力も足りないので動きをコンマ数秒止める程度だ
だが、この戦いの中であればそれは恐らく何かしら役に立つだろう

女の動きを少し、少しだけ止めるべく
桐谷は女の方へと念を込めた


55 : 佐々見沙希 【影法師】Level2(5)E:日傘 :2014/04/13(日) 21:13:52 fRhYBGU.
>>53
「なっ……!?」

直進する沙希と降りかかるまきびし、この時沙希は2つの思考に到達する
止まるか、止まらないかと言う2つに


……彼女が選んだもの、それは『止まらない』こと


怖い――――当然だ、刃物で自分を傷付けることに恐怖を覚えない人間は居ない

それでも、と沙希は言った

「スムース・コート!」

奥歯を噛みしめ、手にしていた日傘を開いて思い切り踏み込む
闇によってコーティングされた傘布は見事に降りかかるまきびしを弾く、弾く、弾く

だが足元に転がったまきびしは防げない、ほんの数本が運悪く彼女の分厚い靴底を貫き足へとその刃を突き立てる

「ッ―――――!!」

痛みをかみ殺す、だが彼女の歩みは止まらなかった
エルヴィラの元へと近づくまで


56 : 緒里谷 依織【生体磁気】Lv.2(0) E:金属球 ◆oEVkC4b3dI :2014/04/13(日) 21:16:02 qRA7tcnM
>>51-55

【佐々見が突貫し、続いてマクスウェルが武器を構えるのを、よろめきながら見守る】
【右腕が死んだ以上操作能力は実質半分に落ち込んだと言っていい】
【今の自分に出来るのは自衛か支援程度だろう】

佐々見さんっ、先程の鞭が出たら注意してください!
それ以外の武器は、私が抑えます、から!

【金属を含まない武器は自分の手の及ばぬ領域】
【しかし逆を見れば男の持つ武器で対抗は可能と言えなくもない】
【そう考えて咄嗟に出した言葉。故に相手があっさりと鞭を手放したのには一抹の違和感を覚えていた】

【疑念が拭えないまま男の後ろから、撒かれた金属片――撒きびしだろうか――に遅まきながら磁力を与え、エルヴィラの後方、戦闘の邪魔にならない場所まで弾き飛ばそうとする】
【相手が金属製武器を多く使い、そして自分が足手まといにならない方法を模索した結果、後方支援という結論に落ち着いたようだった】
【無論納得してではない、それが証拠に傷を庇い無事な左腕を振るう少女の顔は普段以上に苦み走っている】


57 : ヴリアーダ=マクスウェル 【傷呪使い】Rank-C E:ルーンの呪札 ◆6DCo2Q6QI. :2014/04/13(日) 21:21:25 DiHUpf3U
>>53
「なっ…まきびしだとっ!?」
「何とも嫌らしい攻撃…跳躍中に狙って攻撃する事が目的か!」

このまま進めばまきびしに巻き込まれ、傷つくだろう、だが…

「伊達にこの身は鍛えちゃいねえ!」
「こんな戦い、どれだけ体験してきたと思ってやがる!!」

槍の柄をまきびしが巻かれた地面に突き、棒高跳びのように飛び越える。

「うおおおおおおおーーーーーーーっ!」

そして大きく跳躍し、海老反りの体勢で、槍を投げつけた。
この槍には呪いの効果を持ち、当たれば当たった部分に黒い痣が出来るだろう。

「まだまだ序の口だ!」

剣を構え、一気に距離を詰めようと、駆け出した。


58 : エルヴィラ『武器召喚 RankB(00)』E:鞭×1、木製バット×1 :2014/04/13(日) 21:37:52 v3jjVw7c
>>54-56

「……ヒヒ、おいでよぉ……っ!?」

口をイビツに歪ませ、手招きするように手を前に
そして何かを握ろうとする形をとったまま、キシ、と身体が動かなくなる
桐谷による妨害、女はその事実には気付かず、初めて焦った表情を見せた女は身体を捻ろうとするも、動かない
ステンレス製のまきびしも電磁では殆ど引き寄せられず、ぞの場を僅かに動いただけ

――数秒後、女が動くことが出来るようになったその瞬間
エルヴィラの目前まで迫った沙希と、そして――――

>>57
忘れていないだろうか
槍も剣も、どうしようもない程にチープで、量産型で……それ故に、脆い

マクスウェルが全体重をのせた槍は、いとも簡単に中心でヒビが入り使い物にならなくなってしまう
元々が量産型の安物、更にはエルヴィラの戦い方から、既に寿命が近かったのかもしれない
……何はともあれ、折れた槍はエルヴィラへ届くことはなく



―――そして、
数秒ばかり固まり、ようやく動き出したエルヴィラの目の前には
足を痛めながらも迫る沙希と、呪いをのせた剣を構え駆ける、マクスウェルの姿が

慌てたように動作を再開、その手に握られるはこれまた量産型の木製バット
……さて、どう動くか


59 : 桐谷 ◆4kHUINgaqs :2014/04/13(日) 21:53:36 uFyS4vcE
>>58
桐谷の身体から力が抜け、一瞬だけ意識が朦朧とする
キャパシティ以上の事をやろうとしたのだ、当然ではある
そして僅か、たった僅かだが動きを止めることは出来た

「くっ……」

しかしタイミングが悪かった
風紀委員と魔術師を名乗る男が攻撃している最中などであれば
恐らく女は動けず大打撃を食らっていたのだろうが
どちらも間合いを詰めたり攻撃する体制を取ろうとしていたところであり、
少し女が焦っただけであった
しかし幸い桐谷がこの足止めをしたとはまだ気づいておらず、

桐谷は頭を抑えて
突ける次の最大のチャンスを伺う


60 : 佐々見沙希 【影法師】Level2(5)E:日傘 :2014/04/13(日) 21:55:35 fRhYBGU.
>>58

「【影法師】!!」

沙希は己の能力を叫ぶ
呼応するように彼女の右手に集まる闇、それは収束し回転し球体となる

沙希は気づいたことがある、自身の能力について
どれだけ悩んでもある1つの課題が浮かび上がってきたからだ
『間合い』――――パワーを生み出すためには間合いが近くなければならい

体が小さく、運動神経は兎も角体力は人並みの沙希が接近することに対するリスクは大きい
だが、それに見合う自分に足りないものを手に入れる為ならば―――!!

ヘリカル
「Helical――――」

打ち出す右手とその内に宿る闇、それが瞬時に膨張する
この技の理屈は簡単だ、瞬時に膨張することでその衝撃を叩きつけるというもの

だがそれだけでは足りない、何故ならそのままでは衝撃が拡散してしまうから
ボールを一気に膨らませた際、まっすぐ上ではなくあらぬ方向にボールは飛んでいってしまうように
中心から全方向に勢いは分散してしまう

だから沙希は考えた――――『helical』

つまり―――――螺旋による直進力を!!

       バンカー
「――――Bunker!!」

球体は螺旋を描く、真っ直ぐにエルヴェラを打ち抜く杭として!!

もっとも今はまだ未完成―――彼女が望む物に比べれば、威力も間合いも足りないが

余談であるが沙希の技は全て刃引きと共に先端が潰されている
理由はただ、彼女が『風紀委員』だから


61 : ヴリアーダ=マクスウェル 【傷呪使い】Rank-C E:ルーンの呪札 ◆6DCo2Q6QI. :2014/04/13(日) 21:56:23 DiHUpf3U
>>58
「槍はーーー外したか」

槍は既にヒビが生えていたのかーーー脆く崩れてしまい、エルヴィラまで届くことはなかった。

「ならばお前を刺し貫くまで…!」

剣を担う者は迷うことなく、エルヴィラに向かい、駆けていく。
身体には刃鎖が蠢き、今か今かと飛び出す準備を始める。

「俺は今まで様々な魔術師と戦ってきたが、どんなにゲスな奴でも……能力者を巻き込もうとした魔術師はいなかった」
「俺はそれが許せない。 魔術師と能力者は必要以上に関わってはいけないんだ」

「お前は魔術師の矜持を貶し、魔術を汚したのだーーーーーー!」

勢い良くエルヴィラへ飛び出す刃鎖。剣にも巻きつき、鋸状のような長剣と変化する。

「喰らえーーーー!」

大きく振りかぶり、そのまま大振りで斬りつけんと振り下ろす。
もし当たれば、鋸状の剣と化している剣は身体をズタズタに傷つけ、簡単に切り落とす事も許さないだろう。


62 : 緒里谷 依織【生体磁気】Lv.2(0) E:金属球 ◆oEVkC4b3dI :2014/04/13(日) 22:01:55 qRA7tcnM
>>57-61

動かない!? ――! …そうか、ステンレス……!

【自慢の磁力も弱磁性の物質相手では分が悪い。散々能力を見せたのだから対策を取られて当然】
【相手がこちらの能力に気付いていないと高をくくっての失態に歯噛みして悔しがる】

【槍が砕けるのが、そしてその奥でエルヴィラが棒状の得物を構えるのが見える】
【一連の光景を目の当たりにし、反射的に少女が伸ばした先は】

いや、まだです――!

【相手ではなく、あろうことか折れた槍の穂先】
【しかし、既にこちらの能力へ対策がなされているならあのバットを狙っても無意味】
【落下するであろう重力には敢えて逆らわせず、射程ぎりぎりであったため穂先は真っ直ぐに固定できずに】
【佐々見が放った攻撃に合わせ、無軌道に回転しながらエルヴィラの足辺り目がけ飛んでいくだろう】


63 : エルヴィラ『武器召喚 RankB(00)』E:拳銃×1 :2014/04/13(日) 22:35:51 v3jjVw7c
>>59-62
木製バットを手にした瞬間、目前に迫るは闇でつくられた闇の球

「………ぁ、か………」

ミシリ、と
避けることも防ぐことも間に合わず、エルヴィラの腹部にそれは、埋まる
受け身を取らずに受けた攻撃、ひゅぅと音をたてて苦しそうに息を飲む女

そしてそこへ、容赦なく向けられる鋸状の刃
こちらは辛うじてバットで防ぐ
木製のそれは鋸状の刃をその身半ばまで受け入れる、それを感触で確かめた女は
弱々しくも未だ強い力で軌道をズラさんと、バットごと刃を何処かへ弾こうと横へ振り抜く

更に、追い打ちとばかりに襲いかかるは、柄が折れた槍の切っ先
足元に刺さるそれにビクリと身体が震える

……情報量の容量オーバー、考えるのはやめよう、考えるのからいけないのだ、感情にに身を任せれば……全ての欲望に、身を任せれば

身体を痛みでくの字に曲げ、うつ伏せになり動かなくなる女
だがそれも一瞬、狂ったように、猛ったように、笑い出す

「……クヒ、ヒヒヒヒ、ヒヒヒヒハハハハハっ!!!!」

痛みで抱えていた腹はいつの間にか笑いで抱えられたそれにかわり
痙攣するように大声をあげると、勢いをつけて上体を起こす

その顔に貼り付けられるは、狂気


「わっちはエルヴィラ、縛られんと自由に生きる魔術師さぁ……ならよぉ」
「なぁんにも考えんと自由に動くのは、当然やんなぁ?」

そう言って現れるは、武器……計10個
剣が3つ、槍が1つ、鞭が4つ、刀が1つ……そして、黒く鈍く光る拳銃が、ひとつ
全て、彼女の腕の中に
しかし、拳銃以外のものは全て、すぐにどこかへ消え去る

「……やぁっと出たき、もうちょいだけ付きあって欲しいけんど」
「すまんなぁ、またこんど出直すでな……それまで、待ってくれんかいね?」

片手で拳銃を構え、依織、沙希、マクスウェルそれぞれに向けて計3発、打ち出すと
クルリと向きを変え、脱兎のごとく駆け出す
追いかけるも追いかけないも各々の自由だが、
その言葉を信じるのならば、彼女は再び現れるのだろう、学園都市に


64 : 緒里谷 依織【生体磁気】Lv.2(0) E:金属球 ◆oEVkC4b3dI :2014/04/13(日) 22:45:34 qRA7tcnM
>>63

まさか、ここまで来て……――ッ!?

【予想だにしない逃走。】
【追いかけるという意識が向く前に。取り上げる隙も見せず、3発の弾丸が発せられた】


ッッ、――――磁力全開ッ!

【轟っ、と】
【超速で届く銃弾に繊細な操作など到底及ばない】
【最大全力の磁場を展開し、3発まとめて少しでも軌道を上方に曲げようとする】

ぐぁッ……

【人生最大の衝撃】
【撃たれたと脳が理解する前に1.5mばかりも吹き飛ばされる】
【肩口を押さえてみると今日一番の出血】
【そのまま地に倒れ、エルヴィラの後姿をぼやけた視界で見送る】


65 : 佐々見沙希 【影法師】Level2(5)E:日傘 :2014/04/13(日) 22:50:01 fRhYBGU.
>>63
「ハァ……、ハァ……」

伸ばしていた腕がだらりと垂れさがる
全力疾走してからの能力の行使、沙希は完全に息が上がっていた

「やった、の……?」

うつ伏せに倒れこむエルヴィラの姿を見て、沙希は絶え絶えに言葉を紡ぐ
だが、それもほんの束の間の話
狂ったかのように笑い出す女の姿を見て、沙希は驚きを隠せない

「ッ!」

女が生み出した数々の武器、その中で現れた異質な物――――『拳銃』
その銃口が沙希に向けられ、躊躇もなく引き金が引かれる
だが銃弾を遮るように彼女の足元から闇の壁が引き上がり、その弾丸をかろうじて防ぐ

「待ちなさっ――――!!」

そして、逃げようとする女の後ろ姿を追いかけようとした時―――
沙希は足の痛みによってその場に倒れこんでしまう
足に刺さったまきびしだ、この足では追いかけることは出来ない……

「また、しょっ引けなかった……!」

悔しさから強く歯を噛みしめる
前に戦った魔術師に並び、今回もまたしょっ引くことが出来なかった―――


66 : ヴリアーダ=マクスウェル 【傷呪使い】Rank-C E:ルーンの呪札 ◆6DCo2Q6QI. :2014/04/13(日) 22:52:02 DiHUpf3U
>>63
「これでも効かないだと!?」

大振りで振り下ろした剣はバットに防がれ、中で支えていた剣の部分は脆く崩れてしまった。


「ーーーー!?」

そして放たれる銃弾。
それを上手く刃鎖で弾き飛ばし、逃げて行った方向へ向き、追いかけようとしたがーーーー

「ーーーーーーグフッ」

口から大量の血を吐血し、身体中からも、切り傷のような傷が一気に開き、至る所から血が勢いよく飛び出す。

キュロナーダの刃鎖のデメリットである…フィードバックがこの時に及んで現れてしまったのだ。
それは使えば使う程ダメージが溜まる武器であり、マクスウェルは長時間使用していた為にこのような状況に至ったのだ。


「が……待て………エル…ヴィラァ……!!」

その叫びは虚しく響き、届くことはなかった。
そのまま後ろへ反り、後頭部から倒れる。
今の実力では、エルヴィラを追いかける事は出来ない。

「クソ…何が魔術師だ、奴は俺が裁くべきだった……のに………!」

悔しさを胸に抱き、苦々しい思いを口に出す。
これ以上の戦闘は、不可能だった。


67 : 桐谷 ◆4kHUINgaqs :2014/04/13(日) 23:02:18 uFyS4vcE
>>63
女は闇の球をまともに食らい、槍の切っ先で足を斬られていた
地面に倒れ込んだかと思いきや、女は突然笑いだした

「…!」

人間は本当に恐ろしい物を見ると動けなくなると聞いたことがある
恐らく自分の脳の中で現状況を把握しようとしているのだろう
耳からの情報、目からの情報、気配など
自分では意識できないが、頭の中では途方もない情報量が廻っている、そんな気がした

攻撃を受けている3人だけでなく、意識すら向けられていなかった桐谷でも
あの恐ろしい女を追いかける事は出来なかった

横を見やると肩を押さえている>>64、足を押さえている>>65、口を押さえている>>66がいた
目の前は今まで生きてきて見たこともないように真っ赤で
桐谷は虚ろな目で風紀委員へと連絡をし、
携帯を持ったまま静かに意識を失った
耳には音が届いた
ただ、それに応えることは出来なかった


『もしもし、こちら風紀委員ですが何かありましたか?』

『もしもし…?もしもーし!!!』


68 : エルヴィラ『武器召喚 RankB(00)』E:拳銃×1 :2014/04/13(日) 23:17:29 v3jjVw7c
>>64-67

「ヒヒ、ヒヒヒハハハハ………」

逃げながらも尚、狂ったように笑続ける女は
ケタケタと身体を揺らしながら、何処かへと立ち去っていった


……また来るという言葉を、その場にいた者たちへのこして

//それでは皆様お疲れ様でした、イベント終了でございます
//自分の拙い進行にお付き合い頂き、ありがとうございました!


69 : 緒里谷 依織【生体磁気】Lv.2(0) E:金属球 ◆oEVkC4b3dI :2014/04/13(日) 23:26:52 qRA7tcnM
>>68

く、誰か……あの女を――――

【相手が遠方にまで逃げ去ろうかという頃、漸く身を起こす少女】
【周りを見てみれば一面血の海。三者三様身体に傷を負い、自分も右腕、右脇腹、そして左肩にそれぞれ傷を受けている】

【懸命に追手を募ろうともそれに答えるどころか自身も指一本動かない】
【立つこともままならないまま、全員で救急車が到着するのを荒い息で待つより他なかった】


//初イベントお疲れ様でした! GM様、参加者の皆様ありがとうございます!
//途中流れを乱してしまい申し訳ありません、これからはもっと円滑円満に楽しめるよう精進していきます


70 : 佐々見沙希 【影法師】Level2(5)E:日傘 :2014/04/13(日) 23:35:19 fRhYBGU.
>>68
己の傘を支えに何とか体制を立て直す、痛みの原因であるまきびしを引き抜くために
深く刺さった数本に手をかけるも、靴底を貫いたそれはそう簡単に動かない

「っぅ……!!」
こうなれば仕方がない、己のローファーの紐を解いて外す
そして唇をかみしめながら、苦痛にゆがむ表情を晒して無理やり靴から足を引き抜いた
彼女の黒いソックスは、光を赤く反射している
出血しているのだろう、肩口の傷も周囲の制服が赤く染まってしまっていた

「……流石に、歩けないよね」

痛みに目を細めながら、寂しそうにつぶやいた

/と言う訳でイベント、おつかれでしたー!!


71 : ヴリアーダ=マクスウェル 【傷呪使い】Rank-C(10/80) E:ルーンの呪札 :2014/04/13(日) 23:50:40 DiHUpf3U
>>68
エルヴィラがいた周りには負傷した者が3人。
どの人もタダではすまされない怪我を負った。
だが、マクスウェルはその中で一番血を流していた。

「………グッ、ガァァア…………!」

その呻きはまるで武器である牙を折られ、戦意喪失したトラのような呻きであった。

しかし、今、彼が風紀委員の2人と一緒に病院に搬送されれば、魔術師とバラしてしまったことによる大きな影響を与えてしまうだろう。
そして、気力だけで、指を動かし、足を動かし、顔を上げて、立ち上がった。

「……やはり、無理をすべきではなかったか?」
「もう…限界だ、でも、俺は魔術師だ…能力者に、バレては、いけない」
「………それは魔術師として一番守らないといけないんだ」

その時、マクスウェルの同僚に偶々遭遇し、助けてもらい、彼の所属する魔術師の隠れ家へ治療の為に向かった。

彼女達はこの戦いを覚えているだろうか?
もし覚えていたとしても、彼が魔術師である事は忘れていてほしいと心の内で思った。

そして、魔術師たちは、彼の証言により、エルヴィラを「指名手配」するのであった。

/イベントお疲れ様でしたー!
/また次の機会もよろしくお願いします。


72 : 桐谷 ◆4kHUINgaqs :2014/04/14(月) 00:09:52 LNQZX3rM
>>68
完全に例の女は学園都市から姿を消して
しばらくしてサイレンの音
それに反応できる者は少なかったのだが
救急車と、そこから出てくる救助員の第一声は驚きと恐怖のものだった

「血で真っ赤じゃないか…」
「うっわぁ…」
「こんな所で殺し合いでもしたのか?」
「足跡があるぞ、いなくなった人もいるみたいだ」

「大丈夫ですか?私が見えますか?」

何かが聞こえる
怪我なんかしていないのに情けない、そんな言葉を頭の中で呟いて
耳から入ってくる音を脳で判断する事も出来ずに
そのまま最後に担架の固さを感じた
/イベントお疲れ様でした!


73 : 【地上に落ちた星一つ】 :2014/04/16(水) 17:57:49 RlcUyCfY
//返信不要


PC佐々見沙希 導入<一通のメール>

風紀員の少女、佐々見沙希の携帯に一通のメールが届く
差出人は以前に情報交換の約束を行った高城宗次郎からのようだ

「魔術関係っぽい依頼が来たんだが、手を貸してくれないか?」

彼曰く、その手の依頼は複数存在しその内の一つを彼女に任せたいのだと言う
メールによれば依頼人は第二学園の生徒の少年
騒音被害によって眠れぬ夜を過ごしているのだと言う

「詳細は会って聞いてくれ、商業区の<楽園の東>って喫茶店は知ってるか?」

ご丁寧にそのメールには地図まで添付されている
沙希はその地図を頼りに喫茶店へ向かう事にした


74 : 【地上に落ちた星一つ】 :2014/04/16(水) 17:58:19 RlcUyCfY


PC緒里谷依織 導入<風紀員会支部での一幕>

風紀員の少女、緒里谷依織が今日も風機員としての役務に精を出す
そんな中、1つ目を引く職務が存在した

「寮の近くの騒音被害について」

風紀員の仕事としては珍しい物だった
この歳に住まう者達がいくら学生とはいえ、分別を弁えられる年齢の者が多い
だから、この手の職務はあまり風紀委員まで届かず生徒達で解決する事が多いのだが……
それでも此処まで話が上がっているとすればかなり悪質な事案なのだろう

「情報提供者は商業区の<楽園の東>にて待機中」

依織は準備を整えると商業区まで出向く事にした


75 : 【地上に落ちた星一つ】 :2014/04/16(水) 17:58:51 RlcUyCfY


PC桐谷和泉 導入<優等生の憂鬱>

新たな学園、新たなクラス、新たな友人に慣れ始めたそんな時
学園都市に住まう少年、桐谷和泉にクラスメイトの一人が大きく頭を下げる

「頼む、力を貸して欲しいんだ」

そのクラスメイトの話によれば彼の友人が騒音被害で困っている、との事
それの解決の手伝いを二つ返事で受けたは良いが、今日はデートの約束があると先ほど思い出したのだと彼は言う
なんて責任感のない男なのだろうか

「代わりに行ってくれないか?ほら、お前頭良いし」

頭の良さと騒音被害解決に何の関連性があるのか
だが、和泉の真面目さ故かそれを断り切れない
和泉はそのクラスメイトの友人がいるという喫茶店へと足を向けた


76 : 【地上に落ちた星一つ】 :2014/04/16(水) 17:59:47 RlcUyCfY



共通 <喫茶店<楽園の東>/依頼人による説明>

3人が喫茶店についたのはほぼ同時だった
依頼人である学生、佐竹裕太の説明で初めて3人は同じ依頼を受けたのだと理解した
裕太が言うには寮に住まう者達が各方面に依頼を出してしまった為にこんな状況になってしまった
その代表として彼が説明役を行う、と

本来なら此処で自己紹介なりを行うべきだろうが幸運な事に以前にこの3人は共闘した事がある
自己紹介の必要もなければ能力がどのような物であるのか程度は理解があるだろう

「騒音と光のせいで僕達は夜まともに寝ることすら出来ないんです」

彼らが住まう寮に隣接する公園に二週間ほど前から現れる変人によって、だ

彼の語る情報を簡潔に纏めるならば

1.その人物は少女で、決まって深夜に現れる
2.雨の日にはその少女は現れない
3.拡声器とスピーカーによる騒音を撒き散らす
4.能力なのは不明だがミラーボールが宙を舞い激しく発光している

そして、5つ目

「彼女は自分が魔術師だって言うんです
 その証拠だって、いつも2mを超える巨大な虎を意のままに操っている」

裕太は肩を落とす
何度も自分達で解決しようとした、と
だが、彼女には能力とは思えない不思議な力が存在している

だから、頼らざるを得なかった
友人を/風紀委員を/何でも屋を

これが依頼の内容だった


77 : 【地上に落ちた星一つ】 :2014/04/16(水) 18:05:25 RlcUyCfY
共通<準備時間>

お互いの紹介が不要だった事や3人が手馴れていた事から予定よりも時間が余ってしまった
彼女が現れるまで少し時間の余裕がある
3人が1個づつ、質問をするだけの時間はありそうだ
交渉、もしくは戦闘が有利になる情報が存在するかもしれない


【イベント開始時に依頼者である佐竹裕太に1つ質問を行う時間を設けます】
【どのような内容でも構いませんが佐竹裕太は魔術師という存在について無知です】

その質問が終われば、3人と裕太は公園へと向かう事になるだろう
魔術師を名乗る女が待つ、公園へ


78 : 【地上に落ちた星一つ】 :2014/04/16(水) 18:06:39 RlcUyCfY
【イベント開始は4/18 20:00〜21:00予定】
【21:00を越えて反応がない場合、他プレイヤーを優先します】


79 : 【地上に落ちた星一つ】 :2014/04/16(水) 18:08:15 RlcUyCfY
時間が充分に取れず、イベントの前半が簡易になってしまい申し訳ありません
最大限努力し、イベントを進行しますので宜しくお願い致します


80 : 【地上に落ちた星一つ】 :2014/04/18(金) 20:06:40 KxVLsuOQ
少し遅れてしまいましたが、イベント開始時間となりました
参加者の方はこの書き込みにレスをお願い致します

確認出来次第、イベントを開始します


81 : 緒里谷 依織【生体磁気】Lv.2(10) E:金属球 :2014/04/18(金) 20:08:34 dCCz7Knc
>>80
//緒里谷中身です、本日はよろしくお願いします!


82 : 佐々見沙希 【影法師】Level2(21)E:日傘 :2014/04/18(金) 20:08:35 UBFf8orI
佐々見沙希、いますよー


83 : 桐谷 和泉『lv.2(11)-念動力-』E:なし :2014/04/18(金) 20:12:05 idp07ZR.
桐谷OKです


84 : 【地上に落ちた星一つ】 :2014/04/18(金) 20:13:12 KxVLsuOQ
では、開始させて頂きます
宜しくお願い致します


85 : 【地上に落ちた星一つ】 :2014/04/18(金) 20:16:20 KxVLsuOQ
【地上に落ちた星一つ】 開始

【今までの3人の状況は上に記したと通りとして、進行を開始します】



佐竹裕太と三人は既にバーとしての営業時間となった<楽園の東>で今回の依頼についての情報を整理していた
裕太が今まで語った情報は>>76の通りだ

「………と、言った状況なんです」

裕太が一通りの説明を終え、テーブルの上のアイスコーヒーで喉を潤した
説明続きで疲れたのか、風紀委員2人と会話するという緊張感からかそのグラスの中身はもう空だ

「その、これからどうしましょう?」

申し訳無さそうに裕太は店内の時計を見つめる
三人の手際が良かったせいか彼が言う魔術師の女が現るまで少しばかり時間があるようだ
勿論現場である公園へ歩いて移動する事を考えて、だ
三人が望むなら依頼人である裕太に疑問があるなら質問をすることが可能だろう
1人が1つ、3つ程度質問をすれば公園に向かうにはいい時間だろう
それとも、今すぐに公園に向かっても良い


86 : 緒里谷 依織【生体磁気】Lv.2(10) E:金属球 :2014/04/18(金) 20:24:51 dCCz7Knc
>>85

【はいと、挙手された包帯まみれの右腕】

虎というのは、所謂動物園にいるネコ科の猛獣でしょうか
そんなものを都市部で飼育にしているという情報はついぞ耳にした事がありませんが

【疑問を口にしたのは風紀委員の一人、緒里谷 依織である】
【2mを超えるというこの上なく目立つ生物を何処から連れてきて何処へ去っていくのか】
【付け加えるなら操るという点、それとどうやって“飼い馴らしている”のかが疑問点のようだ】
【まさか首輪とリード紐で手ずから連れ回している訳ではあるまい、と胡乱な瞳を向ける】


87 : 桐谷 和泉『lv.2(11)-念動力-』E:なし :2014/04/18(金) 20:29:31 idp07ZR.
>>85
喫茶店にて説明を受け、テーブルのグラスに注がれた氷水を啜りながら桐谷は
その依頼人の必死で切実な様子を見て、なるほど、と首をかしげる

「近くとは言え公園から寮まで…相当な音なようですね」

腕を組み、しばらく色々と考える
初めて聞く状況に試行錯誤しているようで
一時して、口を開いた

「騒音を撒き散らしながら放った『私は魔術師だ』という言葉はどういう意味なのか分かりますか?例えば所属しているグループの名前だとか…」

彼は前にも魔術師と名乗る人物を見たが、あまりその存在を把握できていない
やはり対処しに行くにしても相手の情報を知ることからだと考えてるのだろう


88 : 佐々見沙希 【影法師】Level2(21)E:日傘 :2014/04/18(金) 20:29:36 UBFf8orI
>>85
「どうするも何も、迷惑行為である以上その人に話を聞くしかないでしょう」

手元にあったオレンジジュースのストローに口を付ける
沙希の身長ではいささか大きなイス故か、相対的に沙希の身長がより小さく見えた

「そういえば……」

己の左腕につけた腕時計を確認していた沙希は、ふと彼の発言から疑問に感じていたことを口にする

「側にいるのが虎だってわかったのはミラーボールで周囲が明るかったから?」
「それとも周りが暗くても、虎自体が光ってたりして確認できたから?」

何気無いしぐさで尋ねる沙希の質問に、裕太少年はどう答えるだろうか


89 : 【地上に落ちた星一つ】 :2014/04/18(金) 20:34:56 KxVLsuOQ
>>86
「……能力、だと思うんです
 あの子は魔法だって言ってましたけど」

裕太が語るのは、こうだ
彼女に文句を言おうと寮生で公園に詰めかけた所

『出ておいで、私のカワイイペットちゃん』

彼女のその一声でその場に巨大な虎が現れたのだという
まるでその場に初めから居たかのように
そしてその虎は彼女に喉元を撫でられ、嬉しそうに高く唸ったという

「寮生に農林系の高校に言ってる奴がいるんですが、そいつが言うにはアレは虎だって……」

>>87
「それについてはわからないんです
 ただ、『私は魔術師だ』とか『魔法は素晴らしい』とか
 そんな事を叫んでいるだけで……」

あ、と裕太が何かを思い出したかのように頷くと言葉を続けた

「『魔術解放戦線』ってそう言ってた気がします
 まあ、魔法とか魔術師とか絶対におかしい人なんだと思いますけど」

>>88
「それは前者ですね
 僕達が公園に行った時は、既にその中は昼間みたいに明るかった」

それは虎が現れる前からだった筈だ、と裕太は言う

「虎自体は……普通だったと思います
 でも皆慌ててて、よく覚えてないんですけど」

//次レスに続きます


90 : 【地上に落ちた星一つ】 :2014/04/18(金) 20:40:57 KxVLsuOQ
>>全員対象

裕太が全員分の質問に答えると、店を出るには良い時間になっていた

「お急ぎでしょうし、お支払いは後日で結構
 この依頼が終われば、結果報告なども行うでしょう?」

その時にもご利用下さい、とマスターは笑った
中々商売上手な人だ、と裕太は笑いながらそのまま店を出た

10分程、裕太に続き3人が歩くと住宅区へとたどり着いていた
遠くから微かに何か音が聞こえてくる

「……彼女、もう居るみたいです」

この音が、騒音だろう
まだ公園すら見えていないのに聞こえる辺り、近くでは相当の音量だろう

「準備いいですか?」

裕太はそう言い、喉を鳴らした
もう少し歩くと公園に辿り着く、もう時間はあまりないがなにか行うことはあっただろうか?


91 : 桐谷 和泉『lv.2(11)-念動力-』E:なし :2014/04/18(金) 20:50:57 idp07ZR.
>>89-90
少年の言った言葉がもう一度頭に浮かぶ

「(『魔術解放戦線』…ですか…物騒な印象ですが)」

そろそろ丁度良い時間にもなっており、少年に続いて店を出た
住宅区に入ると少しだけ音が聞こえた
もしや、とは思ったのだが
どうやら予感通り…この音を出している正体が今回のお相手らしい

「まだ姿どころか公園も見えていないのに…すごい音だ」

段々近づくにつれ今にも耳を塞ぎたくなる
公園に着いた桐谷は、確かに両耳を手で押さえて
具合が悪そうに方瞼を閉じていた


92 : 佐々見沙希 【影法師】Level2(21)E:日傘 :2014/04/18(金) 20:51:39 UBFf8orI
>>89-90
「……なるほど」

何故沙希がそんなことを聞いたのか――――彼女は別に虎であることを気にかけたのではない

「虎は最も有名なベンガルトラ含めレッドリストに絶滅危惧種として記載されています」
「通常の方法でこの学園都市まで輸送するのは困難を極める、十中八九『魔術』で作られた何かでしょう」

「ですがいくら慌てていたと言っても、昼間ほどの明るさで普通だと思える再現度となると……」

例えば沙希の能力で虎を作ろうと思ったら、当然真っ黒で明らかに虎の形を真似ただけの何かだと分かるはずだ
それだけで相手の異能による再現度の高さを証明できる

恐らくは自分よりも格上―――――沙希はそうつぶやいた

…………
………
……


裕太に連れられ、沙希は公園へと向かう

……うるさい

そう口にこそしなかったが、思わず顔をしかめてしまった
公園までそれなりに距離があるはず、となると明らかに常軌を逸した音量だ

「問題ありません」

裕太の問いに沙希は答える
はっきり言ってここまでの騒音だとは思わなかった、こうして風紀委員に話が来た以上相当だとは思っていたが

「しょっ引いて聞くしかありませんね」

腕を組む沙希の表情がキュッと引き締まった


93 : 緒里谷 依織【生体磁気】Lv.2(10) E:金属球 :2014/04/18(金) 20:51:50 dCCz7Knc
>>89-90

一言で、現れた……?

【少女は騒音を尻目に、先程の言葉について反芻していた】
【転移、転送能力と推測するには少々胡散臭すぎる】
【特定の人物に懐いた生物を呼び寄せるという、普通に考えれば限定的で役立ずな能力】
【だが魔術という言葉が、女の能力も同様だがその虎とやらも普通ではない予感にさせられる】

まあ、実際に拝見してみなければ問題の解消も出来ませんので

【全員に聞こえる程度の呟きを残し、自分は公園の正面ではなく裏手に回ろうとする】
【本来独りを好むのだが、今回は同時に召集されたので単独行動は出来ない】
【故に留められれば渋々承諾するだろうが――――】
【しかし騒音公害というかつてない異質な職務に戸惑いを覚えている現在】
【とりあえず危険度の高そうな虎とやらに焦点を置いて、それを使役する人物については他の面子に任せるつもりであった】


94 : 【地上に落ちた星一つ】 :2014/04/18(金) 21:03:07 lJmHyC3I
>>91-93

「それじゃあ、お願いします!」

一歩一歩、公園に近づく毎に音量が増していくようなそんな感覚
公園が視覚出来る距離になれば、声を張り上げなければ会話が不可能なレベルだ
そして、裕太の言うとおり公園は昼間かと錯覚するほどに明るく照らされている
街灯の明かりなどではない、宙に浮かぶミラーボールの仕業だろう

どんどん強烈になっていく音
どうにも外国の物らしいロック、数年前に流行ったポップス、ただ楽器をかき鳴らすような音
他にも様々な音が交じり合い、全ての意味を失いただただ『音』となってしまっている

『アレ?今日は観客が居るのね!』

拡声器によって増幅された音の波が3人を襲う
音割れするほどにその威力を増したメガホンを手に持つのは少女……だろうか?
甘ったるい少女の声だけでも、ビリビリとその体を揺らす

『んー……私の魔術が見たくなっちゃった人達かな?』

まず眼に入るのはそのショッキングピンクの髪
長く伸ばされているのだろうその髪を左右に2つづつ後ろに1つ、と5つに分けて結ぶ奇抜な髪型
そして、服装もスクール水着に刺繍には「あぐなた」の文字
その上に羽織るように、虎の刺繍が入ったスカジャンを着ていた

『今日のライブは楽しくなりそうだね!』

音の1つ1つが不快
公園の中心にいる彼女の両サイドには巨大なスピーカー、更にその上にはミラーボールという配置だ


95 : 【地上に落ちた星一つ】 :2014/04/18(金) 21:12:36 KxVLsuOQ
>>94修正
正面からは2名

緒里谷 依織はまだ敵に認識されていません


96 : 桐谷 和泉『lv.2(11)-念動力-』E:なし :2014/04/18(金) 21:13:31 idp07ZR.
>>94
長かったように感じるも漸く問題の公園に着いた
歩くたびに怯んでしまいそうなその音の根源は、ある少女の手に持つ拡声器から出ていた
悪意を感じるのは圧倒されるその音だけでなく、この暗闇の中ミラーボールで反射されている光である
これでは慣れるまでまともに辺りが見えない

「(これは…途轍もない被害だったでしょうね)」

口を開け、共にきた3人へと声を発する
この騒音だ、お互いの意思疎通が出来るかの確認だろう

「聞こえますか?!」

元々こんな状態で喋りや何かアクションをしたくは無かったのだが、
注意は風紀委員の方々がしてくれるであろうと思い、桐谷は黙って目を瞑って集中する

………

注意だけで止めばよいのだが、この公園は常識に囚われない謎が多すぎる
今から何が起こるのか、それに備えるべく
目の前の少女を見据えた


97 : 佐々見沙希 【影法師】Level2(21)E:日傘 :2014/04/18(金) 21:13:41 UBFf8orI
>>94
「へ?」

まず驚いたのは目の前にいた少女の容姿
少女と言う情報しか耳にしていなかったのもあって、見た目だけは『普通』の少女だと思っていた

それがどうだ、目の前のステージに立っている『それ』は
スクール水着に虎のスカジャン、ピンク色の髪……

……あれは人間なのか?


いざ沙希が声をかけようと口を開いた時、激しく鳴り響く音が沙希の耳を貫いた

「――――――!!」

みみが、びりびりする―――――!!

「う……」

「うっるさぁぁぁぁあああああああい!!」

思わず飛び出す大声は、スピーカーからあふれ出る騒音に勝るとも劣らないほどの声量
この小さい体のどこから飛び出してきたのか

「うるさいです!迷惑です!!」

その音量に怒り心頭した沙希は少女を睨み付け、思いのたけを叩きつける

「騒音規制に基づき、あなたをしょっ引かせていただきます!!」

彼女の足元から溢れる闇、沙希は臨戦態勢に入った―――――!


98 : 緒里谷 依織【生体磁気】Lv.2(10) E:金属球 :2014/04/18(金) 21:13:57 dCCz7Knc
>>94-95

【二人から離れて公園の裏手から侵入した少女】
【場所を問わずかき鳴らされる騒音、近づく毎に酷くなるそれに思わず耳を指で押さえる】

取り敢えずは、虎が出てくるまでは直接の危険は無さそうですが…

【目立たぬ位置に身を落ち着け、物陰から全体の様子を窺っての感想】
【大事な説得及び連行はもう一人の風紀委員がどうにでもするだろう。人付き合いの苦手…いや億劫な自分が好むところではない】
【問題はあのスピーカーとミラーボール。普通の機械ならば自分の磁力で封殺、故障くらいには追い込めるはずだが――――】
【いずれにせよこの距離ではまだ遠い。何とか気付かれずに射程圏内に収めようと、木陰に身を窶しつつ、標的の背後からじわじわと接近を試みる】


99 : 【地上に落ちた星一つ】 :2014/04/18(金) 21:26:09 KxVLsuOQ
>>全員対象
公園へと潜入した3人、依織は裏手からだが
その時から3人は肌寒さを感じた
もう4月も中旬、夜とはいえそう感じることのない感覚だ

そして、もう一つ……その身に何かが纏わりつくような感覚
2つが重なって、どうにも気持ちの悪い雰囲気が公園に広がっている


>>96-97
『うーん、煩いとか言われても正直全然響いてこないんだよね
 君達全然ロックじゃない、うんうん良いフレーズだ!』

この状態を傍観する和泉と臨戦態勢に入った沙希を見つめたがお気に召さなかったのか
すぐさま興味を失ったように視線を外す

この騒音と発光の中、注意深く彼女を確認していた者ならば気付くかもしれない
拡声器は、常にスイッチがONになっている訳ではない
時折スイッチが切られかすかに動く唇、何を言っているのかは騒音にかき消され聞こえないのだが

『やーれやれ、これだかラブアンドピースを知らない人種って嫌いなんだ
 でも良いや、COME ON、強引なのって嫌いじゃないんだ!』

>>98
ゆっくりと忍び寄る依織に少女は気付かない
少々の物音も、彼女自身が生み出した騒音にかき消されてしまい隠れて接近するには好都合だった

彼女が能力を発動する気配もない
依織が視覚的に隠れ続けているならば、その接近は気付かれることはないだろう

だがこの公園の敷地はそれなりに広く開けている、木や草陰に隠れるのも限界がある
彼女は公園の中心、障害物のない場所にいるのだから


100 : 緒里谷 依織【生体磁気】Lv.2(10) E:金属球 :2014/04/18(金) 21:39:11 dCCz7Knc
>>99

――――ここまで、ですか

【眼前に広がるは明確な切り取り線のように開かれた地平。これ以上は隠れずに動く他ない。おまけに未だ直接支配の射程圏外である】
【しかし春先にしてはやけに寒い。一度身震いして、一度だけ腕の傷が開いていないか確認する】
【動かすと痛むが、これなら能力の使用にさして問題はなさそうだ。ついでにコンクリートに打ちつけられた道路ではない事が幸いした】
【直接攻撃の手段はないにしても、此処にはいくつか使えそうなものがある】

……《magnetism》、――

【右掌を上に向け、何かを掴み取るような仕草を見せれば、そこにじわじわと黒い染みの様なものが集約し始める】
【量は多くないが、周囲の地面から砂鉄を集め始めたのだ】
【更には上、目標に対し直線ではなく、45度斜め上方に対しての目測を付け始める】


101 : 佐々見沙希 【影法師】Level2(21)E:日傘 :2014/04/18(金) 21:39:56 UBFf8orI
>>99
「うるさいし!なんだか居心地も悪いし!!」

大体ロックってなんだ、ロックって
スピーカーからは確かにロックも流しているようだが、まったく別種の音楽と混じって原型を聞き取れないではないか
それのどこがロックなのか

「何言ってるか聞こえません!」

拡声器を通さない少女のつぶやきは当然沙希には届かない
だが口を動かしているのだけはなんとなく分かる、その内容が分からない以上どうこうすることも出来ない
拡声器を通さないということはこちらに聞かれるには少々分が悪い事なのだろう

悪口か、それとも―――――

「風紀委員は学園都市の平和の為に働いているんです!強引でも構わないのでしたら――――!!」

『アグナタ』の言葉に、沙希は己の足元から影を1つ引き延ばす
その突起は先端を『アグナタ』へと差し向ける―――――それは銃口、それは影で出来たカタパルト

「【影法師】!シャドウィ・バレット!!」

沙希の号令のもと、引き絞られた砲身から黒い弾丸が一直線に放たれる――――!!


102 : 桐谷 和泉『lv.2(11)-念動力-』E:なし :2014/04/18(金) 21:40:31 idp07ZR.
>>99
風紀委員の沙希が大声で害を訴えていた
その相手との会話を辛うじて聞き取る

当然、予測できていた結果ではあるのだが
やはり迷惑という事を理解していない。或いは理解していても改善する気はない
そうなるとやはり、武力行使という事になるのか

突然だが、ここは公園である
沢山の遊具や整った木々、石などもその辺に転がっている
硬く重く、尖った物を桐谷は複数ポケットの中に入れる
あくまで最悪の事態の為だ

少女の方へと向かってなるべく出せる限りの声で言う

「その騒音は何のために放ってるんです
ー!!!」
「止めたり抑えたり、場所を移すことは出来ませんかー!!!!」

返答を聞こう
この吐き気を催すような
胃に刺激を与えるような音に耐えながら


103 : 【地上に落ちた星一つ】 :2014/04/18(金) 21:51:41 KxVLsuOQ
>>100
能力を使用し始めた依織であったが敵に彼女の言動に気付く気配はない
公園の砂からは砂鉄が問題なく集結する
その能力の使用に障害はないと言っても過言ではない

だが、1つ違和感
砂鉄を集める依織ならば、地面がいつも以上に水分を含んでいる
つまり湿っていることに気付くだろう

それが何かに影響を与えているわけではないが

>>101
『ロックとは、生き様だ!
 はっはっは、参ったかい?』

何を言っているのかわからない、その言葉にアグナタの表情は嬉しそうに歪む
よくぞ見ていてくれた、と

『あーぁ、気付いちゃってたか
 じゃあ、最後の詠唱だけは聞かせてあげちゃうね』

―――<水面に映る月光 Screen of Blue >

拡声器から聞こえたのはそんな声
それが引き金だったのだろう、少女は羽織っていたスカジャンを投げ捨てる

それは一瞬光りに包まれたかと思えば次の瞬間には裕太が見たという2mを超える巨大な虎へと姿を変えていた

迫る黒の弾丸は、その巨大な鉤爪に撃ち落とされ砕かれる

『うーん、ボール遊びも出来ないか
 それ、脆いんだね』


>>102
『誰かに迷惑をかけるのに、楽しいから以外の理由がある?』

彼女から返ってきた返答はあっさりとしたものだった
何の理由もなく、ただ楽しいからと彼女は笑う

『場所を移すなら次はもっと人の多い場所にするよ!
 どこが良いと思う?教えてくれない?』

和泉の意思など関係なしに、拡声器から聞こえる楽しげな声は彼の求めているような意思は微塵も含まれていなかった


104 : 桐谷 和泉『lv.2(11)-念動力-』E:なし :2014/04/18(金) 22:03:09 idp07ZR.
>>103
駄目だ、恐らく彼女に改善の余地は無いだろう
お話する考えは捨て去ろう
能力で攻撃を放った風紀委員二人の表情がそれを物語っている

何かがメガホンから聞こえた
「スクリーンオブブルー」…だろうか
その声が発せられると共に投げられたスカジャンは大きな虎へと変貌を遂げていた

「なん…だ、あれは…?」
「あれが、『魔術』なのか…」

桐谷は暫く口を開けていたが、咄嗟にポケットへと手を突っ込む
それを、思いっきり、振りかぶって

全長10cmのゴツゴツした石がその手には握られていた
全力で投石するのだが、普通に投げれば本来石には「手から離れるまでの間、かけた力と勢い」のみが生じている
しかし桐谷は手から離れた後は念動力で後押しをしている
とても繊細な使い方ではあるが、言うほど莫大な速度にはならないし
その加護を受けていても、野球の上手い才能ある高校生なら出せる速さであろう大凡130km/h程のものであった

しかし念動力で後押しする為空気抵抗は普通に投げる時よりも無く、
石をそれほどの速度で投げれば当然武器にもなるであろう

その投げられた石の狙いは、当然虎の顔、もっと正確に言えば目であった


105 : 緒里谷 依織【生体磁気】Lv.2(10) E:金属球 :2014/04/18(金) 22:03:48 dCCz7Knc
>>103

【磁場の中に感じる違和感】
【樹木一本を隔てて始まった戦闘を意に介さず、手中の変化に眉を顰める少女】

(思っていたより――――重い?)

【いや違う、引き付けにくいのだ】
【その理由に気付いたのは、磁力を伴わないもう一方の手で直接触れてみてからの事だった】

……、濡れている

【降雨――――初めに浮かんだ結論をすぐさま打ち消す】
【ここ数日雨はおろか、雲もほとんどない晴れ模様だったのは記憶に新しいし】
【誰かが水やりのつもりで散布したとも考えにくい。最近の騒音騒ぎの只中に植木の心配をする奇特人がいるなど都合が良過ぎるだろう】
【となると原因は自ずと限られてくる。そしてどう楽観しても、その推測はこれからの結果を楽しくするようには到底思えなかった】

――っと、早速お出ましですか

【現れた巨大な闖入生物に、待ち構えたように照準を定める】
【だが、そこからいきなり攻撃するような意図はなく、何かを待つように、手を構えたまま何かを窺うように、じっと己の呼吸を数えていた】


106 : 佐々見沙希 【影法師】Level2(21)E:日傘 :2014/04/18(金) 22:07:36 UBFf8orI
>>103
「!!」

撃ち出した銃弾は虎の爪によって防がれる
それ自体にも驚いた、バレットの威力はそれなり保証できる――――だがそれ以上に驚いたのはその虎の作り方だ
目の前の少女が唱えた詠唱によって虎のスカジャンが変身したのだ、なるほど確かに虎で間違いない

攻撃が防がれた事、そして虎を生み出した事
沙希の頭は完全に切り替わり、すっかり冷静になっていた

―――――水面に月……李白?

目の前の少女から飛び出してくるとは思えないような詠唱のフレーズ
沙希が真っ先に思い浮かんだのは李白、古く中国の詩人だ――――が、多分これは関係ないのではないだろうか
李白に虎は関係なかった記憶がある、まさかの優れた美的センスとでもいうのか

「とは言えその態度では説得は不可能と判断しました、こちらも牽制打は無しです!」

「【影法師】!」

足元に集う闇から切り離される1つの影、それは大地を滑走する
それは少女の前に立ちはだかる虎まで迫り―――――

「ペインフル・ピンクッション!」
大地から吹き出るのは何だ、それはまさしく無数の棘―――――針山に他ならない!


107 : 【地上に落ちた星一つ】 :2014/04/18(金) 22:14:24 KxVLsuOQ
>>104
『あーダメダメ、そんなの聞かないよん!』

高校野球ならエースナンバーを背負える程度のストレート
そんな速度で迫る石
だが、虎も少女もそれに興味もないように躱すことも防ぐこともない

『世界は私の言葉のままにねじ曲がる!
 すり抜けちゃえー!』

その言葉の通りに、虎の目を貫いたはずのその石はそのまま通りぬけ地面を転がる
何のダメージもなく、虎にも損害はない

『どう、私の魔術!』

>>106
『おぉ!次はブラシかな?
 毛繕いに使ってあげる!』

狙いは正確、虎の足元からその無数の棘はその身を貫く……筈だった
だが、その刺は虎の毛皮を撫でるように滑るとそのままブラシ代わりに使われてしまう

『だから、私の言葉は世界を曲げちゃうの
 ふっふっふ、魔術ってのは能力なんかに負けたりしないんだから』

言葉が世界を曲げる、そんなことがありえるのか?
だが、影は虎を貫けなかった
何にも触れていないように、軽すぎる手応えを残し天へと伸びただけ

>>105
依織の記憶通り、此処最近雨は降っていない
雨、と言う単語で依織は裕太の言葉を思い出すかもしれない

【雨の日には彼女は現れない】

それは偶然なのだろうか?
何にせよ、2人は苦戦を強いられている
伏兵である依織の動きによって、この戦闘は一気に動くことになるだろう


108 : 緒里谷 依織【生体磁気】Lv.2(10) E:金属球 :2014/04/18(金) 22:28:10 dCCz7Knc
>>107

【目をみはる、もとい目を疑うような言葉と光景】
【およそ戦闘の場面とは思えぬような怪しげな敵の魔術(スタイル)に、戸惑いつつもある種の核心を持ちつつある】
【その一つとして今回の対象について、直接狙い撃っても効果が薄いとみたのが一つ。いや、実際に彼ら二人の攻撃が軽くあしらわれるのをこの目で見ていた。そして――】

今――ッ!

【投擲された石が素通りし、闇の棘が玩具同然に弄ばれるその瞬間、少女の掌からすかさず黒ずんだ弾丸が発射される】
【だがその狙いは虎でもなく、女性でもなく――――無機物であるミラーボール】
【更に言うなら、その弾道は一直線ではなく、放物線を描いて斜め上から斜め下へ、打ち下ろしの投射として物体を砕かんと降り注ぐ】

【その攻撃は目標と対面する二人からはよく見えたであろう。できれば視線で追わないでほしいものだが――――】
【攻撃の成果に依らず、少女は再び手の内に砂鉄を集め始める。木蔭に潜む顰め面は向こうとの連携など考えもつかないという表情であった】


109 : 桐谷 和泉『lv.2(11)-念動力-』E:なし :2014/04/18(金) 22:29:20 idp07ZR.
>>107
この騒音の中、精神を研ぎ澄ませて行う能力の応用
それを繰り出して得た戦果

「今のは…本当にすり抜けた、…?」

それは決してこちらを優勢とするものではなかった
あの虎のへと投げ込まれた石は間違いなく目を射た
しかし、すり抜けたのだ
あの少女の「すり抜けちゃえ」、という言葉のままに

>>106の方を見ると、沙希の繰り出した針でさえ
意図もたやすく虎の毛繕いに使われていた

一体あの虎は何なのか
本当に少女の言葉で世界が変わり、あの虎にも攻撃が通用しないのならどうしようもないではないか

「(…「スクリーン、オブ、ブルー」、あの虎はスクリーン、映し出されたものなのだろうか)」
桐谷は先ほどの少女の言葉から、あの虎はただの像であるという考えを導いた
だが>>103では確かに沙希の弾丸を打ち砕いたはず

何もしなければ、むしろ何かしてもそれが対したことで無ければあの虎は興味を持たない様子
とりあえず作り出された虎は置いて
この音…慣れてはきたのだが
消す術は無いだろうか
桐谷は純粋な念動力で、少女の両サイドにある右の方のスピーカー
それの電子回路の破壊を試みる

大規模な破壊で無くてもいい、ただ細かい「動作に必要な最低限の」回路さえ潰せれば


110 : 佐々見沙希 【影法師】Level2(21)E:日傘 :2014/04/18(金) 22:32:14 UBFf8orI
>>107
――――世界を曲げる?

本当にそんなことが可能なのか
沙希は能力の精確性には自信がある、間違いなく針山を生成したはず
だがその感覚はあまりに軽く、あまりに呆気ない

少女の言う通り干渉によって曲げられたと言う可能性
もう一つあるとすれば―――――虎が幻覚と言う可能性

現に桐谷が投げつけた石はすり抜けた、だが沙希が放った闇の銃弾は消し飛ばした
ここに何の違いがある、伊達や酔狂ですり抜けただけの場合だってあるだろう

あるいは……沙希が『能力によって生み出した』闇――――だからか?
物質が効いて、能力が効かないという可能性……?

「今確認できる可能性から潰していくしかない」

……スムース・コート

沙希は懐に持つ1本のペンに影を纏わせる、当然『アグナタ』に見えないように
再び沙希の足元に生み出されるカタパルト
今度は弾は備えていない―――――手に持った、闇によって矢として生まれ変わったペンを打ち出すのだから

少し前に、とある男子生徒に教えて貰った発想を使って


「【影法師】!シャドウィ・バレット!!」

砲身から撃ち出されるのは影――――に偽装された、鋭いペン
だがそれは今、闇の矢と言って差支えが無い威力と速度を得ている――――どうなるのか!


111 : 【地上に落ちた星一つ】 :2014/04/18(金) 22:47:05 KxVLsuOQ
>>109
和泉が能力を行使するとスピーカーからは何かが軋むような不快な音が響く
キシキシ、何かと何かがこすれ合うような音の後、破裂音

『あ、ああ!
 私のスピーカーに何してるの!』

聴力を破壊しつくすような騒音は止まった
先程までこの音を聴き続けた者達には夜の街は静か過ぎる
耳に痛い無音とはこの事か

だが、すぐにそれにも慣れる
……何かが聞こえる?

スプリンクラーのような、何かを散布するような音が頭上
つまりはミラーボールから聞こえていた

『許さない!やっちゃえ!
 痺れさせてあげる!』

壊れたスピーカーが不吉な音を立てるとバリバリと巨大な電流を吐き出した
その一条の光が和泉に向かって疾走する

>>108>>110
弧を描くように放たれた砂鉄の弾丸
それは少女の意識の外からミラーボールを撃ち抜いた
衝撃でミラーボールは空中で激しく揺れ、公園を包む光が乱れる
その瞬間、トラの姿が歪んだ

『―――伏兵ッ!
 修正修正修正、守って騎士様、私は姫よ!』

虎は歪みのままにその場から消え去った
時を同じくして、少女の服装がガラリと変わる
スクール水着から、フリルで装飾過剰な純白のドレスへと

彼女を庇うように現れた騎士は横薙ぎに剣を振るう
それは影で作られた矢をいとも簡単に切り裂いてみせた

『―――時間差!』

だが、その中に潜んだペンはその剣をすり抜けた
騎士を抜け、真っ直ぐと少女へと迫るペン

『私の純潔は破れない!』

それを防いだのは純白のドレス
だが、彼女も予想外だったらしく、先ほどのような余裕はない
彼女の言葉は沙希の予想とは違うが、その行動は成功のようだ

『……もうもうもう、何なのよ!
 伏兵は後ろ、やっつけて!』

甲冑を着込んだ騎士が2つに分裂、沙希と依織、前と後ろに鏡写しのように吶喊
その鋼鉄の塊とも言える存在がその勢いのままぶつかれば只ではすまないだろう


112 : 佐々見沙希 【影法師】Level2(21)E:日傘 :2014/04/18(金) 22:58:27 UBFf8orI
>>111
「!!」

闇は掻き消され、中身は残った―――――
だが、その中身も彼女のドレスによって迎撃された

――――なるほど、目の前の少女の能力……読めてきた

 ダーカン
「【影法師】!特大!!」

沙希が作り出すのは特大の黒玉、威力はこの際度外視で良い――――重要なのは大きさだけ
その分今まで使っていた闇の再生成も早い

だが迫る鋼鉄の騎士の速度に間に合うか否か―――――

「ディマー・フォッグ!」

目安分の闇が集まった瞬間、沙希は間髪入れずに叫ぶ
人差し指が作り出す拳銃、その先端が差し向けられるのは少女の頭上に浮かぶミラーボール

この技名のDimmerと言う単語、この意味を知っているだろうか?


意味は―――――――――――――『証明を落とす者』

放たれた闇の玉は分散し、黒雲へと生まれ変わる
それはミラーボール―――――――月を覆い隠すかのように


この時沙希は完全に無防備、鋼鉄の騎士がこれで何の影響もなければ真正面から食らうことになるだろう――――


113 : 桐谷 和泉『lv.2(11)-念動力-』E:なし :2014/04/18(金) 23:01:05 YItJnHVM
>>111
桐谷の行った騒音の妨害は見事に成功した
あれほどスピーカーから発せられていた甚大な被害を及ぼす音は消えた
大きな音を出せる物が他にあるとすれば、あとはメガホンくらいだろう
しかしそれも多少は本人の声の調子や発声の頻度に依存する
前ほどに絶え間無く流れるような事にはならないだろう
キーン…、と音のない時にたまに感じる耳鳴りを覚えた

「やった…しかしまだ虎が…、!?」


視界が真っ白になった
桐谷は咄嗟に力で自身を少し上に浮かせた
電流は地面に多少は流れてゆくのだが、電気は空気を介して伝導してくる
桐谷は軽減されたとはいえまともに電撃を浴びて
そのまま倒れてしまう

思考が麻痺する。何も考えられない
あの電流がどれほどの単位であったのかは分からないが、目の前もよく見えず耳も聞こえない

体が痙攣している。だが彼女達は戦っている
あんな相手では自分が精一杯なのは当然だろう
何とかしなくては、そう思いつつも
現段階では桐谷は立ち上がれずにいた


114 : 緒里谷 依織【生体磁気】Lv.2(10) E:金属球 :2014/04/18(金) 23:02:38 dCCz7Knc
>>111

【その瞬間一息の起こった様々な変化。虎が消え、雷が落ち、衣装が変わる。その中で分かった一番の収穫は】
【予想外の攻撃、つまり不意打ちは総じて高い効果を齎すが、この相手にとってはそれ以上の意味を持つようだ】
【だが不意打ちとは文字通り「意識に在ら不(ず)」の状況での有効打となるものであり――――】

ッ、やはり気付かれますかっ

【後ろ、の声が聞こえるや否や弾かれたように立ち上がる。しかし怪我の影響と能力使用直後で動きは幾分鈍い】
【せめて姿を見られない様にと木陰から下がり、迫りくる鋼の鎧に対しては、右手は砂鉄の弾丸、左手は弾き飛ばす斥力の磁場を生成】

【伏兵としての優位性は崩れ去った。ならば次点で有効な一打を模索する】
【能力の直接的干渉/磁場と間接的干渉/砂鉄弾。敵の能力に対してどちらが有効なのか】
【二択に対しその裏をかかれる心配も交えつつ、磁場を放った手でホルダーの留め具を外す】


115 : 【地上に落ちた星一つ】 :2014/04/18(金) 23:08:53 KxVLsuOQ
>>112-114
沙希の読みは正しかった
ミラーボールの光と騎士を分断すれば、騎士はその瞬間消え去った

『……ヒント、あげすぎちゃったかな』

少女、アグナタの服装もスクール水着へと戻ってしまっている
つまりはこの魔術のネタは彼女でもスピーカーでも拡声器でもなく、ミラーボールに存在していたのだ

和泉へ向かう電流、依織に向かった騎士もまた光を失ったことでその姿を消している

『……あ、煙々羅が』

先程、砂鉄の弾丸を受けたミラーボールは徐々に徐々にそのひび割れを広げていき、砕け散った
滝のように流れ落ちる大量の水、それがぐっしょりとディマー・フォッグと呼ばれた影を濡らし地面へ滴る

濡れた地面、何かを散布する音、冷えた空気
他にもいくつもヒントはあった

水面に映る月、とは空気中の水分に映像を投射する映像
それを操り、一瞬のみ実体を与える魔術だった

『…………うう』

だが、今となってはその投射機であるミラーボールはない
少女に打つ手は既に……


116 : 桐谷 和泉『lv.2(11)-念動力-』E:なし :2014/04/18(金) 23:16:08 idp07ZR.
>>115
ハッと目が覚める
…自分は何をしていたんだ?と
見渡せば騒音は無くなり、ミラーボールも消え
あの大きかった虎もいなくなっていて
そこには悲しみの表情を持つ、先ほどロックを語っていた少女がいた

「…なるほど」

電気を受けていてせいで少し思い通りにいかない声帯から出る掠れた声
記憶は蘇ってきた
スピーカーを壊したと思ったら聞こえたあの水を撒くような音
実際に水は撒かれていたのだ

その水を水面とし、ミラーボールを月とする
そして先ほどまで彼女が作り出し、思い通りにしていた世界はまさしく「水面に映る月」であったのだ

何かを何かと置く、その魔術の仕組みを少しばかり桐谷は理解した
まだその勢力が学園都市に大勢潜んでいることなどは知る由もなかったのだが


「…どうするんです?」

先ほどまでは騒がしかった公園で
たった一つ呟いた静かな桐谷の声は風紀委員の方々の耳にすぐ届くだろう


117 : 佐々見沙希 【影法師】Level2(21)E:日傘 :2014/04/18(金) 23:21:52 UBFf8orI
>>115
「『ひとえに水月をもちてねむごろに空観す』」

ひとえに水月をもちでねむごろに空観す、即ちその意味『鏡花水月』――――――

「……あなたの能力はそれを実現する力、ですね」

つまり少女の異能は光で映る儚い幻影を実態にする
特定条件下と言う誓約こそあれ、おそらく大抵のものを実態にすることが出来るのだろう
彼女の詠唱は本当に『李白』、水面に映った月を取ろうと溺れた詩人に関係していたものだったのだ

「さて、もう後は無いようですね……」

ゆっくりと近づいてくる沙希の姿、彼女の迷惑行為
そして魔術師と言う言動―――――重要な情報源だ

「このまましょっ引かせて―――――」

沙希は続ける、本当にこのまましょっ引ければ―――――

そういえば壊れたスピーカーに電気、そして滴る水と公園というキーワード
これだけでも、何か起きてしまうような予感もした


118 : 緒里谷 依織【生体磁気】Lv.2(10) E:金属球 :2014/04/18(金) 23:21:57 dCCz7Knc
>>115

【強大な鎧の騎士はに対し小さな少女――――二つはまさにぶつかるかに見えたその時、直前で片方がふわりと掻き消える】
【その現認を探るべく目を凝らし、やがて天井の厚い闇が月とそれ以外の何かを遮っている事に気付いた】

なるほど、蜃気楼、いや逃げ水ですか
道理で砂鉄――地面が濡れているわけです

【感心したように漏らす声その眼差しは闇を操る向こう側の少女に向けられて】
【特に見抜いてからの彼女の行動と胆力には目をみはるものがある】
【あの分では自分が居なくともあの二人で決着をつける事になっていただろう】

さて、肩透かしを食らった気もしますが
結局その方の目的は何だったのでしょうか

【距離を取っていた所為でアグナタからは尤も遠い位置にいた少女】
【当面の脅威は去ったと判断し、敵に向けていた両腕は既に降ろされていた】


119 : 【地上に落ちた星一つ】 :2014/04/18(金) 23:29:53 lJmHyC3I
>>116-118

此処で一つ、月に関しての話をしよう
古来より月は死者を表していた、そこから転じて死の世界は月であると信じられている

つまり、月とは新たな世界への扉であると信じられていた

「……もう残った手なんて」

――1つしかない

それに気付いた人間は居るだろうか
地面に大量の水が溢れ、水たまりを作っている事を
そしてそこに映るのは漆黒の空に輝く月、奇しくもこの日は満月である

「―――魔術解放戦線、これは忘れないでよね」

地面を這うように少女は水溜りに辿り着き、『潜った』
深さにして1cmあるかないかという水溜りに少女は姿を消したのだ

きっと、何処か同じく月の映る水溜りまでのワープホール
逃走経路まで彼女は計算付くだったのだろう

だが、3人の目的は彼女の捕縛ではない
騒音と発光は消え、夜の安らぎが帰ってきた

今なら空の浮かぶ月も綺麗に見れるだろう


120 : 緒里谷 依織【生体磁気】Lv.2(10) E:金属球 :2014/04/18(金) 23:40:21 94KJp1v.
>>119

……! やけに落ち着いていると思ったら、――――っ

【異変に気付いて駆けつけるも時既に遅し。走り寄った時は相手の足先までするりと水面に溶けた後であり】
【渋面一杯で、姿の消えた水溜まりを睨み付ける】

魔術解放戦線……。 一体何が目的なのでしょう――――

【幾ら目を凝らそうと、そこに映るのは金色の淡い燐光】
【嘆息して上を見上げると、機械や幻覚では作れない、本物の月夜が底に広がっているのであった――――】


//GM様、他の参加者様、ありがとうございました! 綺麗に纏められていて、とても楽しかったです!


121 : 佐々見沙希 【影法師】Level2(21)E:日傘 :2014/04/18(金) 23:42:20 UBFf8orI
>>119
「なっ――――――!!」

水面に……『水鏡』に潜った――――――

沙希は駆け寄る、その水たまりに
だが彼女が水面に顔を映した時には、向こう側に公園の地面を透けさせるただの水溜りでしかない
鏡花水月、実体の無い幻
それを映す世界であるのなら、その世界もまた『実体の無い幻』の世界

「やられた……」

幻の世界を通り、現実の世界へ抜ける
それは言い換えれば、月の映る水面に身を投げ入れ――――――――

「こんなところまで李白だったなんて……」

沙希は苦々しく表情を歪める、折角魔術師をしょっ引けたと思ったのに
これで様々な情報を聞けると思ったのに――――――
それどころか『魔術解放戦線』なる意味深な置き土産まで残されてしまった

でも、とりあえず

「相談は完了、ですね」

これにて彼女らがこの場に集められた理由である騒音被害は幕を閉じた

月は多くの物を祝福するだろう、だが―――――
―――――月光は、ただただ沙希の影を色濃く映していた


122 : 桐谷 和泉『lv.2(11)-念動力-』E:なし :2014/04/18(金) 23:44:06 idp07ZR.
>>119

彼女は消えてしまった
たった少しの、足を踏み入れて普通に地面を感じれる程度
地面の色を見ることが出来るほど、浅い水溜まりに

桐谷はそれを見ていることしか出来なかった
何より突然の事に反応出来なかった

あれだけ絶体絶命の状況に陥れば、もうここへ来て騒音を撒き散らすことは無いだろう
スピーカーを壊して音を消した時よりも
その街には静けさが確かにあった

少女が消えていった水溜りには夜と明かりが見えて

「(『魔術解放戦線』…一体どんな軍集団なんでしょう)」
「…今夜は月が綺麗ですね」
/楽しかったです!GM様含めみなさまお疲れ様でした!


123 : 【地上に落ちた星一つ】 :2014/04/18(金) 23:49:52 KxVLsuOQ
>>120-122
後日、3人は裕太から<楽園の東>へ呼び出しを受けた

「騒音の被害はなくなりました、ありがとうございます」

あの日から、あの魔術師アグナタはその姿を表していないのだという
夜はその役割を思い出したように安らぎと静寂を彼らに与えているだろう

「それで報酬なんですけど」

そう言って裕太が取り出したのは幾つかのチケット
学園都市が経営する牧場、水族館、遊園地のチケットのようだ

「風紀委員さんにお金を渡す訳にも行かないし、悩んだ結果こんなのなんですけど」

牧場のチケットを見れば、乗馬や牛の乳搾りの体験
今の時期ならば動物の赤ちゃんと触れ合える施設

水族館のチケットは、ペンギンやイルカのショー
渓流や海の環境を人工的に再現した釣り堀

遊園地ならば学園都市の技術を集結させた最新鋭のアトラクション

それを楽しめると書かれている

「ペアチケットなので誰かを誘って行ってみるといいんじゃないですか?」

テーブルの上のチケット、3人は好きな物を手にとって良い
それが今回の報酬なのだから

//これにてイベント終了です
//お付き合いありがとうございました


124 : 佐々見沙希 【影法師】Level2(21)E:日傘 :2014/04/18(金) 23:57:20 UBFf8orI
>>123

まさか本当に報酬が出るなんて思っていなかった
沙希からしてみれば、はっきり言って風紀委員として当然のことをしただけなのだが……

だが、これを用意して貰ったということは相応のコストがかかっているはず
……そう考えると受け取らない訳にもいかない

「それじゃあ……」

差し出されたチケットのうち沙希が真っ先に手を伸ばしたのはもちろん牧場のチケット
だが、チケットに触れる前にぴたりとその手が止まる

周りの様子を伺っているのだ
これを私が取って良い物か……という話

だが動物の赤ちゃんは見たい!触りたい!
きっと犬の赤ちゃんとかいるんだ、ウサギの赤ちゃんとか、ミニブタとかもいるんだ

これがダメならせめて水族館!ペンギン!白熊!

「……」

だが風紀委員と言う手前、どうしても自分の願望で手を差し出し辛い―――――

「えいっ!」

沙希は目を強く瞑ったまま、勢いに任せてそのまま牧場のチケットを抑えたのだった

数日前の切れ者な雰囲気は、どこへ………


/乙でした!急かしてしまったみたいで本当にすみません……
/ですが楽しかったです!またよろしくお願いします!


125 : 緒里谷 依織【生体磁気】Lv.2(10) E:金属球 :2014/04/19(土) 00:03:05 4uJ1xIko
>>123

【後日、喫茶店に集められた少女たちを歓待したのは少年と三つの紙】

ふん、中々悪くないチョイスじゃないですか

【対して嫌味たらしい口調でふんぞり返る依織。だがいつものような棘が少ない事から】
【今回の報酬に並々ならぬ興味を示している事は明白であり】

【遊園地は精密機械があるし能力の関係上却下。となると残るは動物園か水族館だが――――】

(ぐぬぬ……)

【興味のない振りを装っても、視線がその二つを右往左往】
【イルカショーと触れ合い施設、どちらも魅惑に溢れていて選びかねる様子で】
【この女、威張っていても肝心な所で決め切れないタイプのようだった】


//ダブるようなら他の御二方を優先で!
//被りが無ければ最終的に水族館に決めたと補足していただければ…


126 : 【地上に落ちた星一つ】 :2014/04/19(土) 00:04:26 MG48Lgqs
//複数枚あるということで被ってもいいんじゃないかな?


127 : 桐谷 和泉『lv.2(11)-念動力-』E:なし :2014/04/19(土) 00:11:32 eJYG7yZ.
>>124
報酬があるとは思ってもいなかった
事前に話していたのなら恐らく聞き逃してしまったのだろう
何しろ桐谷には今まで自分が住んでいたこの都市
そこにあるものが「科学だけでない」事を知れて
それだけで満足だったのだ
彼はまだ未熟だ。それ故に今回も浅い読みで死にかけてしまった

さて報酬のチケット3枚が目の前にはあるが
レディーファースト、という言葉を聞いたことがある
元々そういった楽しみを桐谷は娯楽としていなかった

そのまま桐谷は隣の二人がチケットを取るまでただぼーっとしていて
残ったのは遊園地のチケットだった

さて、誰を誘えばよいのやら

「ありがとうございます、裕太さん」
「是非また何かあれば聞きますよ」

一枚となったチケットを取ってそう言った
/みなさんお疲れ様でした!!!


128 : 異端のモノ ◆CS.DTW4Buc :2014/04/27(日) 19:31:21 Qgvdpowg

───学園都市某所。

太陽が落ちた時間帯の路地裏に届く光は少なく、暗闇と静寂が閉鎖的な空間で不気味にひしめき合う、まさにここは学園都市の『闇』だ。
都市伝説や怪談のように、人ならざるモノが出没しても不思議ではない、闇に何が潜んでいるかなんて、それを目で見るまではわからないからだ。
だが得てして、闇に潜むモノを見た時は手遅れである。

「や、や、やった…やりましたよ……お父様……」
「こ…これで…五人目……」

血溜まりに佇むソレは、喜びを抑えきれない気持ちを辿々しい言葉で表した。
今まで動いていた肉塊を見下ろしてニンマリと笑顔を浮かべると、ゆらゆらと体を揺らしながら独り呟く。

「もっと……もっと殺さなきゃ…魔術師を……殺さなきゃ…」
「お父様に…褒めてもらうんだ……」

ソレは人なのか、別の何かなのか、ズルズルと引きずる音を立てながら、ゆっくりと移動して闇に溶けて行く。
ソレが去って行った跡には、物言わぬ肉塊だけが赤い血溜まりの中に残されていた。

/イベント開始前の導入文です、これにレスなどはいりません。


129 : 異端のモノ ◆CS.DTW4Buc :2014/04/27(日) 20:18:11 Qgvdpowg

夜もすっかり更けた学園都市の街中で、君達は惹かれたようにそれを感じ取るだろう。
血の匂い、嫌悪感、破壊の音───大凡それらは『虫の知らせ』ともいうべきかもしれない可能性であったが、君達は思わずそれに釣られてしまう。
脚を踏み入れたスタートはバラバラでも、向かう先は同じ、路地裏に入った君達はある地点で合流し顔を見せ合う事となる。
沢山の道が合流する開けた広場、ビルとビルの間の暗い空間のその中に、一人の人間がうずくまっていた。

「………」

黒いジャージを着た、金髪の坊主頭の少年…第二高校の二年生、見崎寿太郎太だ。
地面に横たわり荒く息をする彼の右手には自前の三節棍が握られていて、彼の体は赤く血に塗れている。

「ッ……おいおい…ちょっちやべえんじゃねえのこれ……」

「…アンタ達…悪いけど手貸してくんない?」
「『全速力で逃げる』から」

君達に気付いた見崎は、強がりかニヤつきながら助けを請うだろう、彼の傷は思ったよりも深いようだ。
とめど無く血が流れるその傷を彼に負わせたモノが、近づいて来る気配がする。

ズルズルと、何かを引きずる音をさせながら───

/イベント開幕文です、参加者の方々はこちらにレスをお願いします


130 : 桐谷 ◆4kHUINgaqs :2014/04/27(日) 20:30:10 fP/SLq.I
>>129
日の光が消え、街を暗闇が支配する
そんな時間の流れの中、桐谷は公園にいた

「(…そろそろ、帰りましょうか)」

彼が先程まで公園で行っていたものは
自身の待つ能力に慣れたりその応用をし易くする為の言わば修行、と言った所だった
辺りの変化に気付かずただそれに集中し続けた桐谷だが、我に返るとある違和感に気付く

なんだか嫌な予感がする
だが、そこに行かなければならない気がする
何かの悪夢が其処で野放しにされているかのような感覚を覚えた桐谷は
自らの寝床とは違った方角、街中の方へと足を踏み出した

そこをいつものように歩く人々の数は、何だか今日は少なく感じて
本当に触れてはならないような、そんな根拠のない不安を覚えてはいるのに
その足は止まらなかった
少しだけ、少しだけ路地裏の方を覗く
ゆっくりと、ゆっくりと角から視界が広がってゆく

何かが見えた

それは姿が見えない途轍もない恐怖を感じるあるものと
襲われている、青年であった


131 : 星宮晴【星属性魔術】 Rank:D(1) E:ペンダント :2014/04/27(日) 20:33:14 lfY3YWVg
>>129

【行き先も目的もなく、ただなんとなく彷徨っていた路地裏で】
【数日前に出会った風紀委員の姿を、偶然、見つけた。】

おや、君はこの前会ったロリコン…。
…なんて、冗談を言ってられる状況ではなさそうだね。

【血に塗れている彼の姿。異変が起きているのは明らかであった。】
【どうやら、ここに来たのは偶然ではなかったようだ。】
【魔術師としての本能のためか、自分はきっと、『何者か』に招き寄せられたのだ。】

ふふ、知り合いのよしみさ。
時間稼ぎくらいはしてあげるから、逃げるんだ…『早く』。

【微笑みを浮かべてはいるが、そこに以前見崎と会った時のような余裕はなかった。】
【濃厚な悪意の気配。学生である能力者たちが、このような気配を発せるとは思えない。】
【つまり敵は恐らく、自分と同じ『   』】

【まるで盾にでもなるかのように、星宮は、見崎の前に立ち塞がろうとする。】


132 : 瀬戸 睦 《回天》Level2 E:ヨーヨ&グローブ他 ◆VBGdiVDfd6 :2014/04/27(日) 20:55:50 mejxRCZY
>>129
【数の少ない街灯が暗い道を照らす中、靴の踵にある車輪に重心を預けガムを噛みながら辺りを徘徊する男が一人……】

……チィっ、なかなか見当たらねえな

【瀬戸睦第二高校に通う二年生だ】
【さて、何故こんなところで男が散歩をしているのかというと】
【この辺りで学校の生徒が襲撃を受けている、という嘘か本当かあやふやな噂を聞きつけて軽い気持ちでやってきたのだ。まあ肝試しの様なものだろう】

はァ、俺に恐れをなして逃げたとか……は、ねえかな

【だが、一時間近く探して何もないのだ、多分これは嘘だったんだろうなんて思い、帰ろうとすれば】
【遥か後方から何かが破壊される大きな音。】

おいおいwww何この音wwwwwマジかよwwwwwwwwww

…………え、マジ?

【まだ少し肌寒い季節だというのに冷や汗を垂らして音が響いてきた方向へ走る】
【少しして、ようやくそれらしきところへ着くと】
【被害者らしき男一人と、先客が二人】

(…誰だっけこいつら……見崎はわかる、あとは……)

【自分の中の記憶を辿るも、最終的にはわからなかった】

アンタら……大丈夫かよ、特に見崎。あれ、見崎で名前合ってたっけかァ?
まあいい、全速力で逃げるって……どうすんだよ
お二人さん、なんか作戦あったりする?

【三人に語りかけ、自分はー右ポケットにあるヨーヨーを握りしめている】
【ダイコン、じゃなかったオオネと戦闘した時に思いの外ボロボロになったもので、新しく作ってもらったものだ】

(あれ?もしかしてこの二人が犯人だった?あれ?じゃあ俺ヤバくねェ?)

【音には気付かず、別のものに若干の危機感を覚えながら】

//すみません非常に遅れてしまいました


133 : 異端のモノ ◆CS.DTW4Buc :2014/04/27(日) 21:24:40 Qgvdpowg
>>130>>131>>132

そこにあつまった三人の内、見崎は二人を知っていた。
一人は一度出会った星宮、もう一人は同じ高校の生徒である瀬戸だ。
知り合いがいるならば、以前の見崎との違いに驚くだろう、その声色にふざけた様子はなく、切迫した真剣な物である。

「ダメだ…立ち向かうだとか、引き止めるとか、考えちゃ…!」
「奴は…魔術師だとか超能力者だとか……そういう問題じゃない…!」

傷の痛みに悶えながら、危険を必死に伝えようとする見崎。
それがなんであるか、君達はすぐに知るだろう、奥の方の闇から、ズルズルと引きずる音と共にやってくる。



ズルズル。ズルズル。



「……───あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛………」

まるでそれは下手な人形劇の人形のように、ガクガクと頭を前後に揺らしながら、歩いてきた。
背が高く、痩せ細っていて、赤錆色の髪は長く顔を隠していて、髪の間から碧眼が狂気の光を称えている。
身に纏う物は地面に引きずるローブ以外靴も何も着ておらず、それすらも真新しい血に真っ赤に濡れていた。

「…なんですか…あなた達ぃ…?」
「僕の邪魔をしないでくださいよ……僕の邪魔をする奴を殺す邪魔をしないでくださいよ……」

現れたそれは、人の姿形をしていた、人の形をしていて、人の言葉を持って話しかけてきた。
だが、すぐに分かる、『こいつは人の理屈が通じない』と。

「なんなんですか…なんなんだよ…?なんで僕の邪魔をするんだよ…」
「僕はただお父様に褒められたいだけなのに……なんで邪魔をするんだ…なんで、なんで、なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで!!!」

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」

───ソレは、何も言われずとも、何もされずとも、ただそうであると思い込んだだけで、目の前にいる君達を邪魔者だと判断した。
勝手にそう判断したのに、それがとても耐えきれないようで、奇声を上げながら俯き自分の両手で自分の顔をガリガリと引っ掻き始めた。
ボタボタと俯いた顔から赤い血が落ちて血溜まりを作る、異常性しか見えないその動作は続く。

すると、いきなりピタリと自傷と叫び声が止まる、一時停止ボタンを押したように止まったソレが、顔を覆う指の隙間から目を光らせて君達を睨んだ。

「そうだよ…君達が悪いんだ……僕の邪魔をするから悪いんだよ」

寒気がするような声をソレが響かせたかと思うと、足元にある血溜まりが沸き立つ様に動きだし、ずるりと空中に浮き上がった。
ソレが自傷で流した血は、巨大な剣の形をとって空中に浮き上がる、明らかな殺意と強大な狂気を伴って、君達を威嚇する。

「死んじゃえよ、邪魔者はさ」

次の瞬間、浮遊する大剣が横に倒れたかと思えば、一気に横薙ぎに振るわれる。
塀を砕きながらも振るわれるその一撃は、その場にいる君達を腰の高さで一斉に切り払おうとする攻撃だ。


134 : 桐谷 ◆4kHUINgaqs :2014/04/27(日) 21:51:52 fP/SLq.I
>>133
他にも何人か人間がここへ居合わせたようだった

「こ、れは……」

この血に濡れた男をこうしたのは自分たちだと疑うような顔をした者も居たが、今はそれどころではなかった
見てみると倒れている男は第二高校のジャージを着ていて、腕には腕章
恐らく風紀委員の者なのだろう
街の治安を維持する腕っ節を持つ彼らにこれだけの傷を負わせたという事は相当の「何か」だと分かる

倒れている男は必死にこちらへ何かを訴えかけているが、あまり頭には入って来なかった
明らかに意識にあるのは物を引きずる音のする方向、あの影だ
あれこれ考えているうちに姿を見せたそれは
長く…そして細くて、ほとんど髪に隠れた顔から覗く目をこちらに向けていた
それが裸足であるとか、そんな些細な事は掻き消される程に、"狂っていた"
ふと我に返った桐谷

「だめだ…風紀委員の人を、何とかしないと」

しゃがんで見崎の足を持って路地裏から引っ張り出そうとする
その直後、あの女か男かも分からないそれの目の前には大剣があった
血の色をしていた
見崎の足首を持っていた桐谷はそれに反応することは出来なかったのだが
運良く、横薙ぎに振るわれたそれは丁度桐谷の頭の上を掠めて

血の気が引いたが、腕に力を込めてそのまま見崎の救出を試みた


135 : 星宮晴【星属性魔術】 Rank:D(1) E:ペンダント :2014/04/27(日) 21:54:44 lfY3YWVg
>>130

【この暗い広場に、もう一人見覚えのある少年がいた。】
【確か、学園都市に来た初日に出会った少年だ。】
【うろ覚えであるが、他愛のない会話をした覚えがある。多分。】

…やあ、こんな所で会うとは奇遇だね。
再会を祝したいところだけど…、さっさと逃げたほうがいいかも。

【話しかけているはいるものの、桐谷の方に顔は向けず、星宮はじっとヒトガタを睨みつけている。】

>>133

…狂ってるね、全く。
何があったかは知らないけど…、僕達を巻き込まないで欲しいんだけど。

【目の前で行われる、気味が悪いまでの自傷行為。】
【しかしはっきり目にして、分かったこともある。】
【『コレ』は異常だ。早く逃げろ、と本能が訴えかけているような気さえする。】

…まずっ…!

【大剣が倒れたのを見て次の攻撃を予期、慌てて後ろに駆け出し、攻撃範囲内から抜けだそうとする。】
【しかし、見崎を庇うために前に出過ぎていたのがまずかった。】
【全力で回避しようとしても、大剣の刃先が深々と星宮の腹部を刳り、赤い鮮血が舞う。】

っ…、この…!

【大勢を立て直すと、左手でペンダントを握りしめ、右手の指先を目の前のヒトガタに向ける。】
【そして祈りを捧げれば、細い星の光線がその指先から放たれる。】
【所詮牽制程度の一撃である。しかしこのまま防戦一方では、話にならない。】


136 : 瀬戸 睦《回天》Level2 E:ヨーヨー&グローブ他 ◆VBGdiVDfd6 :2014/04/27(日) 22:08:38 mejxRCZY
>>133
【血みどろで満身創痍の見崎】
【「能力者」でもなく「魔術師」でもない……一般人?いやそんな訳がない】

(つか魔術師ってなんだろ……幻覚系でやられたんかなァあっ!??」

【何かを考えていた瀬戸だが、耳に入った謎の呻き声に素っ頓狂な声を上げ跳ねる】
【数秒跳ねたポーズのまま硬直していると、現れたのは子供

(何あれ……やべえよあいつ……血塗れだし目が逝ってるし……え、血塗れって事はあの子もやられて)
(いやそれは無いか……邪魔スンナとか言って───)

(───え?もしかしてアレが犯人?いか八郎もびっくりだぞオイ、ヤバくね?)
(何あの子なんでなんでってきが くるっとる

【一人ぶつぶつと呟きながら考えていたが、それは咆哮に掻き消される】

!?(ビクン
落ち着けよ、ちょっとマテ、俺は今来たばっかでだな

【ジリジリと後ろへ退きながら説得を試みるも、言葉が通じてないようだ】
【自傷している様子を見ながら、ガムを吐き捨てヨーヨーを構える。新しく作ったばかりなのにもう壊してしまうのだろうか?】

(クッソ……なんだその大剣……何?攻撃してくるカンジ?)

【出来上がってゆく剣に多少のかっこよさとただならぬ恐怖を感じながらまたゆっくりと下がる】
【そして、それが何か呟いた後に剣が振るわれた】

マぁジかよォ!!

【横薙ぎに振るわれた一撃に対応しかね、一瞬反応が遅れて身を後ろに引いたが、攻撃が当たった場所はそれより少し下だった様だ】
【右脚の太腿がぱっくりと裂ける】
【そこからは赤黒い液体がダラダラと流れ、痛みを感じさせる】

痛えなあバッちきしょうが!!!

【あまりの痛みにプッツンと糸が切れる、その鋭痛を紛らわせる為に一度大きく怒鳴ると、左ポケットからもヨーヨーを取り出し攻撃の体制で構えた】


137 : 異端のモノ ◆CS.DTW4Buc :2014/04/27(日) 22:34:14 Qgvdpowg
>>134

「うおっ!?ちょっとちょっと!助けてくれんのはいいけどもうちょっと優しく運んで!」

体制が低くなっていた見崎と桐谷は大剣の攻撃を免れる事が出来た。
それはいいとして、流石に脚を引っ張られていくのはたまったもんじゃないと見崎が叫ぶ。
このまま逃げ切る事が出来ればいいのだが…そう簡単にはいかないのが常だ。

>>135

思い切り振り払われた大剣は、振り切った後にそのまま反対側の塀に突き刺さる、攻撃した後の相手の反撃など考えていないのだろう。
星宮の放った光はソレの右肩を掠っていった、痛がる様子もないが、何より異常なのはソレが攻撃をかわす動作すらしなかった事。

>>134-136

「なんなんですかもおおおおおおおおおおお……なんでまだ生きてるんだよおおおおおお………」
「早く死ねよおおおお…僕が死ねって言ったんだから死ねよおおおおおお…!」

ガリガリ、ガリガリ、ソレが自分の顔面を引っ掻くのを再開した、過剰に感じるストレスからの自傷はまるで子供が癇癪を起こすかのようで。
塀を崩しながら突き立った剣が引き抜かれる、ふわりと浮遊した大剣は頭上高く浮かんだかと思うと、下に向けた刀身がボコボコと沸き立つように形を変え始めた。

「早く……早く死ねっつってんだろォォ!!?」

余り人と話さないのだと聞いて取れるような上ずった怒鳴り声、声を出し慣れていない者の叫び声が、路地裏に響き渡る。
沸き立った血の大剣が、瞬時に形を変えたかと思えば、人数分の太い杭の形となり頭上から君達一人ずつに襲い掛かる。
杭のスピードは早いが動きは真っ直ぐで追尾性は無い、発生をしっかりと見ていたなら回避は可能だ。

そして、先程からずっとの事だが、ソレの戦い方には大きな弱点がある。
隙だらけなのだ、術師本人に積極的な動作が無く、防御力もない。上手く攻撃を掻い潜る事が出来れば術師本人を狙う事が出来る。


138 : ヴリアーダ=マクスウェル 【傷呪使い】Rank-C(10/80) E:ルーンの呪札 :2014/04/27(日) 22:48:07 JfGoEWLM
ヴリアーダ=マクスウェルは現在とある路地裏へ急いでいた。
何とも、そこに凶悪魔術師がいて、能力者と魔術師を巻き込むような形で大暴れしているそうだ。
そこで、所属する魔術結社の指令により、路地裏へ向かっていた。

「ったく……人使いが荒いんだよなぁ、オイ」
「でも、前回よりも危険だと聞く…大丈夫だ、覚悟は出来てるよな、マクスウェル!」

自分で自分を励まし、呪いのルーンを刻んだ呪札を手に取り、身体に貼り付け、「ある」札を使ってとある「武器」を身体の中へ張り巡らす。

「いくらフィードバックが辛いとて「武器」を使わなければ、フィードバックは現れない」
「だがらこその保険…取り敢えずはこいつでぶちかます事にしよう」

そして、近くの「道路標識」をぶっこ抜いてルーンを刻む。
暫くはこの「標識」が自分の武器になるだろう。

>>137
ーーー路地裏から叫び声が聞こえた。
その声は恐怖からくるモノではなく、深い怒り、もしくは憎しみからなる「呪い」のようなモノだった。
そして、奴の持つ武器から見るに、おそらく奴が指令の対象の魔術師なのだろう。
彼の身に何が起きたのか分からないが、その憎悪は周りを破壊しかねないだろう。
そう思い、マクスウェルはダッシュし、路地裏へ滑り込む。

「ーーー奴が目標(ターゲット)か」
「魔術師はこの学園都市で暴れる権利はサラサラ無い、弁えろ下衆…!」

奴の周りには3人の能力者と魔術師。彼等もここを感づいて戦っているのだろう。
その中の一人、桐谷は前回の魔術師の強襲で一度合間見えた。そして、同じ学校の出身者である瀬戸もいた。もう一人は…おそらく初対面だろう、しかし、その武器からして同業者に違いない。

「…能力者はあまり魔術師には触れさせたくねえんだがな」
「んな事言っててもしょうがねえ、一時期の共闘だな」

そう吐き捨てて、奴へ向かって大きく跳躍して、勢い良く標識を振り上げる。

「ギャーギャー騒ぐなよ、他の人に気づかれちまうーーー!」

落下速度で勢いづいた標識は奴に向かって振り下ろされる。
もし、奴にヒットすれば、大きな打撲のダメージになるだろう。
しかし、軌道は真っ直ぐであり、真正面から攻めているため、冷静な判断が取れれば避ける事は容易いだろう。


139 : 瀬戸 睦《回天》Level2 E:ヨーヨー&グローブ他 ◆VBGdiVDfd6 :2014/04/27(日) 22:51:46 mejxRCZY
>>137
まだ死ねるかバカヤロォォォォオオオオ!!!!
てめえそこ動くなよ!!すっ転ばせて小一時間そのまま回し続けるぞゴルァ!!!

【すぐ近くに重症の怪我人が居たり、自分の太腿に力が入らなかったり、そんな事気にせず叫ぶ男】
【半分涙目になり視界が歪むがそれも気にしない】
【やられっぱなしは癪なので、一度、反撃を試みる】
【体制を低くし、一度瞬きをするとそのまま突撃しよう、攻撃は多分どうにかなる……と、思ったが】

(あァ?なんかおかしくね?)

【目の前で浮かんでいた大剣が無い】
【瞬きの間に何処へ消えたのだろうか……?】

(前後?左右?下?)
……上かっ!?

【思わず前へ飛び出し】

ラッキー?

【そのまま大振りに左腕のヨーヨーを相手の肩へ向けて放つ】


140 : 星宮晴【星属性魔術】 Rank:D(1) E:ペンダント :2014/04/27(日) 23:06:25 lfY3YWVg
>>137

なっ…!

【牽制程度の一撃だったとはいえ、反応すらされずに驚愕する。】
【しかしショックではあるが、同時に分かったこともある。】
【相手はノーガード…、攻撃力は高いが、隙も大きい。】
【とはいえ今の反応を見るに、自分では攻撃力が足りないようだが。】

【そんなこの場に、もう一人男が乱入してきた。】
【装備を見るに、恐らく同業者だろう…それも武闘派の。】

ヤバイ相手だと思ったけど、4人ならどうにか…。

【少しほっとしたのもつかの間、次の攻撃が飛んできて】

今度は杭って…、変幻自在だね、もう!

【杭の発生を見逃さなかったため、左に跳んで回避する。】
【しかし回避の動作の際に腹部の傷口が広がったようで、僅かに顔をしかめる。】


141 : 桐谷 ◆4kHUINgaqs :2014/04/27(日) 23:19:18 fP/SLq.I
>>137
見崎の叫ぶ様子を見て思わず手を放す

「(駄目だ、手負いの人間をこんな雑に扱えば逆に悪化してしまう)」

桐谷はしゃがんだ際に立っていた他の人間は、その大剣による攻撃で流血していた
直後の反撃によるダメージはあったようなのだが、怯みすらしない
今までの常識が、人間としての本来の定義が通用しないのだ

大剣が形を変える
みるみるうちに太く尖った杭を形作ったそれは
桐谷にも襲いかかる

「…ッ!?」

目で追ったそれに、辛うじて念動力で反応する
ガン、という固い物同士がぶつかり合う音が響く
その杭は完全には止まらなかった
近づいてくるそれを今度は直接両手で掴むが、止まらないので方向をズラそうとする
肩の方にまでずらした所で、尖った部分が肩を抉る
見崎の方を見て

「『全速力で逃げる』、と言いましたね

…どうか自分たちが生きている内にお願いしますよ」

刺さり始めた所で杭の勢いは止まった
傷口から杭を抜くと、服には血の色が滲んだ
桐谷に杭を持つ手に力を込め、
念動力で後押しされた投擲をする
手足では細すぎて上手く狙えない。標的は腹部である
時速150km級のそれは間違いなくその青年の肩から投げ出せるはずであるものではなかった


142 : 異端のモノ ◆CS.DTW4Buc :2014/04/27(日) 23:46:51 Qgvdpowg
>>138

声が聞こえた、ギョロリと眼を動かして、新たに近づいて来る人間を見る。
こいつも、邪魔をする───ソレの頭の中は最早自分のやるべき事など無く、目の前にいる邪魔者を全て排除するだけしか考えられなくなっていた。
邪魔をするのなら、殺すしかない、血を流すソレは狂気の瞳にマクスウェルを写して。

ゴキン、と生々しい音がした。マクスウェルが標識で殴るのを、それはかわそうともしなかったのだ。
上から殴られ、鈍い音と共に首が垂れる、普通の人間ならばこれだけで勝負がつく筈だが。

>>139

ゆらり、とソレは垂れた頭を引き上げる、頭からとめど無く流れる血に顔を真っ赤に染めながらも、体制を直そうとしていた。
そこに瀬戸が放ったヨーヨーが接近し、先程星宮の攻撃が削った肩を叩いた、衝撃で直そうとしていた体制が崩れ、ぐらりと後方に揺らいだ。

>>141

そして更に、その次の瞬間にソレの体は後方に吹っ飛んでいた。
吹っ飛び、地面を転がり、跳ねて、止まる。
仰向けに倒れたソレは、糸に吊られたように上体を引き起こした、その体には───

「…あ……れ……?」

赤い杭、桐谷が投げ返した血の杭が、腹部に深々と突き刺さっていた。

>>138-141

「痛いなあ……痛いよお……」

「痛い」 「痛イ」 「イタイ」

「このままじゃ……お父様に怒られるよ…叩かれるよ……嫌だなあ…」

ズルズル、血の杭が溶け、また一つに集まっていく。
やがて元の大剣の形に戻ると、座り込み涙を流して愚図り始めたソレの前に浮遊する。
腹に大きな穴が空いたと言うのに、死ぬ所かまるで堪えているようには見えないだろう、しかしダメージは確かに通っている。

「もおおおおおおおおお……!なんでみんなして僕をいじめるんだよおおおおおおおおお…」
「僕はただ言われた事をしてるだけなのにいいいい……なんでそんな目で見るんだよおおおおおおおお……!」
「僕は魔術師を殺したいだけなんだよおおおおおおおお……ただそれだけなのにさああああああああああ!!!」

異端の魔術師───。魔術師である星宮とマクスウェルならば聞いた事はあるだろうか。
魔術師の中でも異端とされる者は少なからずいる、彼等の中には自らを異端とする魔術師達を憎む者もいると言う。
だとしたらここにいるソレもまた、その異端の魔術師の一人か、または…

「なんで!君達は!まだ生きてるんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

憎悪の咆哮と共に、大剣がコンクリートの地面にやすやすと突き刺さる、地面を抉る。
魔術師の目の前でめちゃくちゃに振り回される大剣が、地面や塀を砕き、そのコンクリートの破片が雨の様に君達に襲い掛かるだろう。
また、大剣が目の前で振り回されている関係上近付かなければ大剣自体には当たらない、だが裏を返せば攻撃の為に接近するのは難しくなっている。


143 : 桐谷 ◆4kHUINgaqs :2014/04/28(月) 00:07:43 Ih6ysgnc
>>142
少女が>>140で左に回避した際、顔が見えた
今まで前の方にいたので誰だがよく分からなかったのだ
見れば何時ぞやの公園で家を探していた少女ではないか
あれから如何にかやっていけてるのだろうか、などと心配をするが
今はそれどころではなかった。しかめた表情の彼女もまた傷を負っていたのだ

狂気の目線の先を追うと、いつの間にか魔術師を名乗っていた、マクスウェルという男がそこには居た
記憶が確かであれば、前にもこのようなイレギュラーな"事件"が起こった際に共闘した人物であった
彼の頼もしい一撃で敵の首は鈍い音と共に垂れ下がったのだが、
何ともしない様子で再び体制を整えていた
あんなに攻撃を受けていたのに。血があんなに出ているのに。
瀬戸のヨーヨーの直後に繰り出された桐谷の投擲は上手く命中し、腹部に大きな穴を開けた
それでもなお、目の前のヤツは平然と立ち上がるのだ

「もう…どうしたらいいんだ…」

突如、強く大きくデタラメに振り回された大剣
桐谷は負傷した左肩の痛みに怯んでしまい、反応が遅れる
崩れた塀を使って防御に使おうとする

「(駄目だ、間に合わない…!)」

塀を能力で引きずり出す考えは諦めた
グチャグチャに迫ってくる形の異なる複数のコンクリートの破片は、間違いなく桐谷の身体へと激突する

「くっ…出来るか…!!」

桐谷はそれが剣を振り回し、被害が迫ってくるまでの間の僅か数秒間、考えた
多少の念動力で「空気に"留まらせる力"を与える」事を試みようとする
桐谷の目の前の空気は若干の強度を帯び、破片を桐谷へと簡単には通さないだろう
だがしかし、こんなものは付け焼き刃の応用
破片の動きを完全に抑えきる事など出来るはずもなく、その緩まった速度と勢いに激突し
桐谷は後ろの方へと吹っ飛んでゆく


144 : 星宮晴【星属性魔術】 Rank:D(1) E:ペンダント :2014/04/28(月) 00:25:03 XT8X5p8A
>>142

【魔術師としてまだ未熟な星宮は防御系魔術を持っていない。】
【よって頭を両腕で覆ってガードしただけで、コンクリートの破片の雨をその身に浴びてしまう。】

ぐっ…ぁ………!

【運悪く鋭利な破片が右腕に深々と刺さり、また他の大きな破片に左の脇腹を抉られる。】
【また、小さな複数の破片が足や胸部に傷跡を残し、声にならない悲鳴をあげる。】
【最早満身創痍。あと少し攻撃を加えれば倒れて、下手すればそのまま事切れてしまいそうな、そんな状態で】

……。

【そんな息も絶え絶えな状態で星宮は、強い願いを乗せてペンダントを握りしめる。】
【次の、もしかしたら最後になるかもしれない一撃に、望みを託して。】


145 : ヴリアーダ=マクスウェル 【傷呪使い】Rank-C(10/80) E:ルーンの呪札 :2014/04/28(月) 00:25:13 MOlDlj..
>>142
確かな手ごたえ。奴の頭から標識をぶちかましたからだ。
だがしかし、奴の憎悪の念はさらに増幅しているようだった。

「……これでも無理か!」

しかし、「呪い」の効果は確かに効いている。奴の首元から黒い斑点が見えているだろう。あとは首元に「呪い」を加えた一撃を繰り返し与え続ければ勝つ見込みはあるだろう。

そして瞬間ーーー奴の憎悪がマクスウェルにもぶちまけられた。
奴の持つ武器は大剣となり、目の前でめちゃくちゃに振り回し始めた。
そのせいで、壊れた瓦礫がマクスウェルに襲いかかる。

「狂人めっ!」
「その狂い様…異端の魔術師とは本当の事だったようだな!」

魔術結社の上司には気をつけろと警告された目の前の魔術師。学園都市に異端の魔術師が現れたという噂はあったが真実だったようだ。

「だがよぉ…だからってよぉ…暴れれば許してくれると思うなよ!」
「テメエがやっている事は魔術師にとっても能力者にとっても傍迷惑な事でしかない事に気付かないか!」

奴の叫びに対抗し、マクスウェルも負けじと雄叫びをあげる。
そして、落ちてきた瓦礫を標識で薙ぎ払い、振り回す大剣に向かってなりふり構わず標識を振り落とす。
おそらくこの標識は大剣によりバターのようにぶち壊されるだろう。
しかし、マクスウェルにはマクスウェルだけの礼装がある。

「ーーーキュロナーダの刃鎖」

刃鎖はマクスウェルの全身を駆け巡るように纏いつき、無数の刃を生やしたチェーンメイルのように変化する。

「突撃…!」

そして、マクスウェルの肩、腕、胸から、残りの刃鎖が飛び出し、まるで獲物を見つけた毒蛇のように様々な軌道を描いて奴の首元へ襲いかかる。


146 : 瀬戸 睦《回天》Level2 E:ヨーヨー&グローブ他 ◆VBGdiVDfd6 :2014/04/28(月) 00:30:18 sPlj8SVY
>>142
ッしゃあ!!今日はツイてる様な気がするなァ!!

【自分の攻撃のコンマ数秒前にヒットした乱入者の標識が上手く気を逸らしたと思っている】
(あの男……めっちゃ強えじゃんかよ、カッケェ)
(まあ俺のがカッケェし?多分)
【ヨーヨーが当たったのダメージの方が遥かに小さいのだが】
【そして足取りがフラついているところを見てかなり体力を削っている様に見えた】
【しかし】

はァ?
(……これ全ッ然効いてなくね?)

【攻撃は通っている筈なのに、その言動を見るとまるで倒れそうにない】

クッソ、だから俺はマジツシなんて知らねえってんだろボケ!
(あいつ身体中鉛なんじゃねえの?なんで気絶しねえんだよ)

【あまり効きそうにない自分の攻撃】
【あの大剣をどうにかしない限り自分達は勝てないだろう】
【「武器の無力化」というと、警棒に絡め取られた自分のヨーヨーが浮かぶ】

(あっ……これ、逆にあいつの剣絡めればいけるだろ)

【……自分の力の事を考慮してなかった事に気が付いた時には、もう手からヨーヨーが離れていた】


147 : 異端のモノ ◆CS.DTW4Buc :2014/04/28(月) 00:54:17 ./aZaGb.
>>143-146

めちゃくちゃに振り回されていた大剣の動きが止まった時、その周囲のコンクリートは全てが削れてなくなっていた。
これで破片を飛ばす事は出来なくなった、しかしこの攻撃性能の高さを省みれば、このまま先手を取らせていればジリ貧なのは一目瞭然だ。
攻撃の間の隙であるこの瞬間に、一気に攻め立てるしかない。

まずはマクスウェルの放った鎖が、動かない魔術師の首に絡み付いた、その細腕で鎖を引き剥がそうとするが、彼自身に大した力はなく、それは叶わない。

「うぅ〜〜…やめてよ〜……僕はワンちゃんじゃないよ〜〜……」

自分で切れないなら、と大剣を引き寄せ、マクスウェルごと鎖を断ち切ろうと振り上げる、だがそこにいきなり負荷がかかった。
桐谷の投げたヨーヨーが大剣に絡みつき、その動きを阻害している為だ。

「邪魔しないでって何回も言ってるのにいいいぃぃ〜〜……!」

だが、人一人ならば無理矢理に持ち上げられない事も無い、そのまま桐谷を引きずってでも大剣を動かそうと───
したが、そこに更に負荷がかかり、遂には大剣を動かす事が困難になってくる。凶悪な凶器に臆さず止める、それは…


「…っ……風紀委員が他人に任せっぱなしにする訳にはいかないっしょ……!」

なんと、大怪我を負ってうずくまっていた見崎が飛び出し、脱いだ上着を大剣に絡ませて力付くで引き止めている。
傷は浅くはないのにも関わらず体中に力を込めている為、傷口は広がり血が流れる、恐らくこのままなら長くは持たないだろう。
だが、桐谷と見崎の力で大剣は止められ、マクスウェルの力で魔術師本人の動きも止められている。今この瞬間に攻撃を叩き込まずしていつ、やるというのか。


148 : マクスウェル ◆6DCo2Q6QI. :2014/04/28(月) 01:10:48 MOlDlj..
>>147
全員が挑んで、どうにか抑える事ができた。
前回の強襲した魔術師は最後逃走してしまったが、今回はもしかしたら捕縛成功したのかもしれない。

「…これで何とかなったのか?」

マクスウェル自身も内心こんなに上手く捕縛できようとは思っていなかったが、奴が動かなかったおかげで刃鎖は奴の首元にギチギチと音を立てながら絡みついていた。

「ーーーさて、あとは他の人に任せるしか無い、かな」

現在、マクスウェルは刃鎖で奴を抑えている為に、これ以上の派手な動きはできない。もし動いたら解けてしまうかもしれないのだ。
なので、マクスウェルは動くことはできない。あとは残りの三人に回そう。
そう思い、より一層縛る力を強め睨みつけた。

「そこの三人方…俺はこんな状態だから身動きが取れねえ」
「トドメを刺すなら今がチャンスだぜ、やりたいなら早くやりな!」


149 : 瀬戸 睦《回天》Level2 E:ヨーヨー&グローブ他 ◆VBGdiVDfd6 :2014/04/28(月) 01:15:38 sPlj8SVY
>>147
(やれば結構上手くいくんだな……こういうのって)
(他のヤツもやってるみたいだからな……俺でももなんとか抑えられる位になってんのか)

【ギリリ、と両腕を使い大剣を引っぱりながら自分を中心に思う】

(攻撃は出来ねェか……後は手ェ使わずに攻撃出来る様な他のヤツに頼んだぜ)
……つッ……ぐゥッ

【だがそこで、踏ん張り過ぎたせいか右脚の痛みが酷くなり、力が抜ける】
【ヨーヨーからも手が離れかけ、負荷が一気に減るだろう】


150 : 星宮晴【星属性魔術】 Rank:D(1) E:ペンダント :2014/04/28(月) 01:17:34 XT8X5p8A
>>147

…ふふ、流石だね、皆。
それじゃあ、僕も頑張らないと…。

【三人の活躍によって、ついに敵の動きが止まった。】
【大怪我を負っている見崎さえも頑張ったのだ。】
【満身創痍の状態といえど、この隙を見逃す訳にはいかない。】

…折角の機会だし、堪能していきなよ、異端の魔術師サン?
星宮の魔術を、さ…!

【意識も虚ろであり、魔術の隠蔽などという事は頭から飛んでいて、感情の赴くままに言葉を発する。】
【両目を閉じるが、気絶したわけではない。全てはただ、星に願いを捧げるために。】

星宮の魔術は、祈るだけ。

【星形のペンダントを握りしめたまま、左の拳を敵に突き出し】

叶わない願いなんてないのさ、星に願いを懸けたなら…ね?

【その拳からいざ放たれるのは星の光線。】
【先程の攻撃と同じ魔術であるが、しかし、強く祈ったのだから、その威力は格段に上昇している。】
【眩い輝きが暗い夜道を照らし出し、異端の魔術師へと向かっていく。】


151 : 異端のモノ ◆CS.DTW4Buc :2014/04/28(月) 02:17:22 ./aZaGb.
>>148>>150

異端の魔術師は知らなかった、自分がここまで何故追い詰められているのか。
今まで一度たりとも追い詰められた事が無い彼は、人と人とが手を取り合う事の強さを知らなかったのだ。
魔術師と超能力者が協力して作り出した勝利を、理解する事は彼には出来ない。

「やめてよ!邪魔すんなよ!僕は僕のやるべきことをやってるだけなんだ!離せよ!」
「お前達はいいよな!そうやって皆で寄ってたかって僕一人の邪魔をしてさ!僕は一人で頑張ってるのにさ!」
「僕はお父様に褒められたいんだよ!君達はさっさと死───」

絡み付いた鎖を細腕が揺らすが、どう足掻いてもそれは解けず、大剣も上手く動かない。
怒りと焦燥感に駆られてギャアギャアと喚く彼の体を、星宮の放った光が貫いた。弓なりに体をしならせ、びくんと体が跳ねる。
鎖に首を縛られたまま、魔術師は地面に膝を着く。すると、大剣がどろりと溶け出して、元の血液となって地面に弾けた。

「……もう…だめ…」

とうとう、魔術師は体力の限界が来たらしく、目を×にして地面に倒れ伏した。
動かなくなった魔術師が再び起き上がる事は無い、君達はこの異端のモノに打ち勝ったのだ。

「……なんとか、なったか…」

息も絶え絶えに見崎が絞り出した一言が、静寂を突き破った。

/これにてイベントのメインとなる戦闘は終了です、皆様お疲れ様でした。
/これの後はソロールだけとなりましたので、このまま落ちて下さっても構いません。


152 : 異端のモノ ◆CS.DTW4Buc :2014/04/28(月) 02:17:57 ./aZaGb.
>>151
/>>149が抜けてました、すみません


153 : 星宮晴【星属性魔術】 Rank:D(1) E:ペンダント :2014/04/28(月) 02:39:11 XT8X5p8A
>>151

…やった…。

【魔術師が倒れたのを見て、小さく喜びの声をあげる。】
【『お父様』などまだ幾つか気になる事は残っているが、星宮にはそれを考える余裕は残っていなかった。】

あれ…?

【戦いが終わって張り詰めていた気が抜けたのか、地面に膝をつくと】

……もう…だめ…。

【奇しくも異端の魔術師と同じ台詞を残して、頭から地面に倒れ伏した。】
【全身ボロボロではあるが、すぐに救急車を呼べば命は助かるだろう。】

【こうして酷い怪我は負ったものの、仲間たちの協力も会って、星宮の学園都市初の戦いは勝利に終わったのであった。】
【次なる戦いがあるのか、あるとしたら、そこに星宮がいるのかは…また、別の話である。】

//お疲れ様でした。ありがとうございましたー!


154 : マクスウェル ◆6DCo2Q6QI. :2014/04/28(月) 05:46:51 MOlDlj..
>>151
「…終わったか」

異端の魔術師は星宮の一撃によって、とうとうトドメを刺されたようだ。
幸運にも奴の息も止まったわけではない、ようだ。

「息は…微かだがあるな」
「んじゃ、また他の人に知られないように、さっさと回収して離脱しねえとな」

刃鎖を解き、ルーンの札に戻す。
今回のフィードバックは、それ程食らっていなく、少し貧血気味なったくらいだろう。
マクスウェルは携帯を使い、仲間の魔術師に連絡した。
あと数分もすれば、異端の魔術師を回収する為に駆けつけてくれるだろう。

「今回は色々とめちゃくちゃだったが、相手が冷静な判断が取れていなかったからどうにかなったってわけだ、ヒヤヒヤした…」
「…能力者の皆さん方も、お疲れさん」
「同業者の魔術師さんも最後のトドメ、かなりGOODだったぜ」

そう言ってマクスウェルは路地裏からダッシュして、去っていった。
相手を殺す事なく、それでいて自分のフィードバックの被害も少なく、危険な異端の魔術師も捕縛する事が出来た……マクスウェルにとって、今回の戦いはまさに「パーフェクト」と言っても過言ではなかっただろう。

//見崎さん、桐谷さん、瀬戸さん、星宮さん、お疲れ様でした!
//イベントロール、ありがとうございました!


155 : 桐谷 和泉『lv.2(21)-念動力-』E:なし :2014/04/28(月) 08:28:18 Ih6ysgnc
>>151
星宮の一撃でこの事態は終わったのであった
あれほどどんな攻撃も避けようとせず受け続け、平然とした顔で耐え続けたあよ化物は
見事に今、地に伏しているのである

「終わったんですね…」

自らを防御することに精一杯であった桐谷にとって
今回共闘した彼らは非常に頼もしく、戦いの中で何処となく安心できた

「この人は、一体なんの為に人を襲っていたんでしょうか…」

何故見崎が襲われたのか、奴は「異端の魔術師」と呼ばれていたが他にもその類の存在は無いのか
ただ倒すだけに終わってしまった今回の事件、何も聞けずに終わってしまった
だが結果的に見崎も何とかなったようだし、現状は一件落着である
桐谷は倒れ込んだ魔術師を見ることはなく
左肩の傷を右手で抑えながら、静かに後ろを向いて去っていった

路地裏から血の匂いが無くなる
あの狂った魔術師は、もういないのだ
/最後1レスで寝落ちしてしまい申し訳ございませんでした…!
/皆さんお疲れ様でした。また宜しくお願い致します


156 : 【胡蝶の夢、或いはアルハザードのランプ】 :2014/04/28(月) 17:55:30 tWs1cDGI
本日20:00よりイベント参加者様の点呼を行います
20:30までに返答がない場合、他プレイヤー様を優先し開始させて頂きます


157 : 異端のモノ ◆CS.DTW4Buc :2014/04/28(月) 18:11:01 ./aZaGb.

その後、見崎が読んだ救急車によって残った怪我人は回収され、マクスウェルの読んだ魔術師達によって異端の魔術師は回収された。
見崎の傷は深かったが、彼本人が頑丈であった為に大事にはならず、今は蒼十字病院にて療養中だ。
そして、異端の魔術師はと言えば───……



「…捕まってしまいました……」

「うう…お父様に怒られる……嫌だなあ…」

学園都市の闇、魔術師しか知らない独房の中で、彼は嘆いた。
体中を封印が施された革ベルトで縛られ、身動きは疎か魔術すら使えない状態になって、それでも危惧するのは『叱られる』事だ。
光の届かない闇の中で狂気の碧色が輝いている、彼の耳は、向こうから近づいて来る音に気が付いた。

「………!」

独房を包む闇に光が射し込む、開かれた扉から入り込んだ光に眼を眩ませながら、現れた人影を見た彼は、ぱぁっと表情を明るくしてその人物を迎え入れた。

「お父様!」

思わず、子供のように無邪気な声を上げた彼の頭を撫でながら、『お父様』と呼ばれた人物は人差し指を唇に立てる。
それは、その人物はここにいてはならない存在であって、いる筈の無い存在。

「大丈夫だよ、私は怒っていないから」
「……本当ですか…?」
「本当さ、さあ家に帰ろう。こんな魔術師達の巣窟にいては虫酸が体を走り回って削れてしまう」

「ダインスレイブ、君はよくやったよ。君は私の自慢の武器だ」
「…!」

「ありがとうございます……お父様…!」

───その日、僅か拘束から一日と経たず、捕獲された異端の魔術師は脱走した。
そこには何かが侵入した形跡も、逃げ出した形跡も無く、ただ忽然と姿だけがなくなっていたらしい。

/閉幕ソロールです、これにてイベントは終了となります
/皆様お疲れ様でした


158 : 【胡蝶の夢、或いはアルハザードのランプ】 :2014/04/28(月) 19:58:39 tWs1cDGI
少し早いですが点呼とさせてください
斎藤さん、佐伯さん、佐々見さん、見崎さん
居らっしゃいましたら書き込みお願い致します


159 : 佐々見沙希 【影法師】Level2(32)E:日傘 :2014/04/28(月) 20:00:02 f2okLzHA
佐々見沙希、ここにいるぞー!


160 : 佐伯 ◆XJan2K7omU :2014/04/28(月) 20:00:19 1Oa9wM76
いまーす


161 : 斎藤とか大根とか ◆435bdiv0ac :2014/04/28(月) 20:00:28 ocQWlhNQ
斎藤がただいま参った
予定は全て終えたので滞りなく参加出来る筈


162 : 見崎 ◆CS.DTW4Buc :2014/04/28(月) 20:06:36 ./aZaGb.
見崎\ここにいるぞ!!/


163 : 【胡蝶の夢、或いはアルハザードのランプ】 :2014/04/28(月) 20:07:29 tWs1cDGI
では、開始します


164 : 【胡蝶の夢、或いはアルハザードのランプ】 :2014/04/28(月) 20:08:00 tWs1cDGI
//返信不要


導入<佐々見沙希&見崎寿太郎太>

最近学園都市を騒がせている連続昏睡事件
生徒達がある日突然眠りにつき、目を醒まさない
ぽつりぽつりと被害は増えていき、昨晩被害者が20名を超えた
これ以上の被害拡大を防ぐため、風紀委員の巡回が始まった
本日の巡回は沙希と寿太郎太がペアを組み行う事となった

丁度、住宅区の公園に差し掛かった所夜空を何かが通り抜けた
白い一閃、目で追えばそれは鴉の造形をしている
白い鴉、そしてその足元には仄かに輝くランタン

2人はゆっくりと眠りに落ちていく


導入<斎藤烈&佐伯メルクレイア>

烈とメルクレイアは買い物袋を下げながら夜道を歩く
<ファミリー>で使用する備品の買い出しの帰り道だった
両手に掛かる重みが、それを必要とする仲間の顔を思い起こさせる
春の夜風が少しばかり冷えるが、歩き疲れた体を冷ますには良い

丁度、住宅区の公園に差し掛かった所夜空を何かが通り抜けた
白い一閃、目で追えばそれは鴉の造形をしている
白い鴉、そしてその足元には仄かに輝くランタン

2人はゆっくりと眠りに落ちていく


165 : 【胡蝶の夢、或いはアルハザードのランプ】 :2014/04/28(月) 20:08:49 tWs1cDGI

<共通パート 泡沫の……>

ゆったりと、ゆったりと身体が何か沈んでいく
暖かな海の中を潜るような、干したての毛布に包まるような、母に抱かれる赤子のような
何より、眠りにつく前の微睡みのような

その感覚に思考力が奪われていく
ふと、目を瞑り脱力すればその瞬間にも眠りに落ちてしまうだろう



斎藤烈は夢を見る
それは家族と過ごす冬の夜、この暖かさは炬燵の温もり

佐伯メルクレイアは夢を見る
それは両親と歩く散歩道、この暖かさは春の日差し

佐々見沙希は夢を見る
それは家族と出かける車の中、この心地よさは揺れる座席

見崎寿太郎太は夢を見る
それは誰かとの待ち合わせ、この心地よさは再会への期待


166 : 【胡蝶の夢、或いはアルハザードのランプ】 :2014/04/28(月) 20:09:30 tWs1cDGI
//ここより返信お願い致します



<斎藤烈の夢>

砂糖醤油の焦げた良い匂いが烈の胃袋を刺激する
祖母が炬燵の上に並べたのは磯辺焼きと熱い緑茶

烈は全身を包む炬燵の暖かさの誘惑を断ち切り、上半身を起こす

「まだまだ一杯あるからね」

優しい祖母の声
視線を横に向けえば、同じく炬燵に入っている祖父が優しく微笑んだ

「明日は雪下ろしをしないといけないな
 烈、手伝ってくれるか?」

窓の外に視線をやれば、しんしんと雪が降り積もる
これは明日の朝には随分と積もりそうだ

祖父の優しい視線が烈へと向けられる
何かを、答えなくては……


<佐伯メルクレイアの夢>

メルクレイアの周囲には物珍しい光景が広がっていた
高く聳え立つビル、波のように溢れる人
目眩を起こしそうなほど騒がしい光景に、メルクレイアは圧倒される

それでも真っ直ぐ歩けているのは、両手を引く存在があるからだろう

「大丈夫か、メルク」
「大丈夫、レイア?」

視線を上へと上げれば、そこには微笑む男女の姿
春の日差しが逆光となり、その顔付きまでははっきりとはわからない

だが、それが両親であるとメルクレイアは理解できていた

「もうすぐ、お前の行きたがっていた寿司屋だよ
 日本に来たら一度は食べないとな」

「もう、貴方もレイアも食いしん坊なんだから」

そうだ、本で読んだ日本の寿司屋
メルクレイアが行きたいとそう考えていた場所
両親と共に行けるなんて……その溢れだしそうな感情を言葉にしなければ


167 : 【胡蝶の夢、或いはアルハザードのランプ】 :2014/04/28(月) 20:10:02 tWs1cDGI

<佐々見沙希の夢>

カタンカタン、と座席が揺れた
心地の良いその振動に眠ってしまいたい衝動が沙希を襲う

「どうした、昨日は楽しみで眠れなかったのか?」

前の座席からからかうようなそんな声が聞こえてきた
運転席の父の声だとすぐさま沙希は気付くだろう

「沙希は動物が好きだから、楽しみだったのよ」

助手席の母の声は父を咎めるようでありながら楽しげな声色をしていた
ああ、そうだ
両親とともに動物園へ向かう途中だった

日曜日、家族皆で動物園へ
出掛けるのはいつものことの筈なのに妙に沙希には嬉しく感じられた
両親が言うように動物園へ向かうからなのだろうか?

「沙希、まずはどの動物を見ようか?」

そうだ、こんなことを考えているよりも
今は父の声に何かを返さなければ……



<見崎寿太郎太の夢>

寿太郎太は街の雑踏の中、誰かを待っていた
流れていく人の中、たった一人だけを

「おまたせ、じゃ行こうか?」

寿太郎太の前に現れたのは、一人の少女
にっこりと悪びれた様子もなく寿太郎太の手をとって歩き出す

「今日は何処へ行く?
 時間はたっぷりあるけど、予定がないね」

寿太郎太の手を取る細い指先
そこから感じる熱が、どうしてか寿太郎太にはかけがえの無いものに感じられた
いつもの、日常の中の1コマでしかないのに
何故だろうか、この温もりがひどく幸せに感じられた

「ねぇ、ボクの話聞いてる?」

ぼーっと、そんなことを考えていたのがバレたのか
彼女は頬を膨らまし、寿太郎太を見つける
何か、答えなくては……


168 : 佐々見沙希 【影法師】Level2(32)E:日傘 :2014/04/28(月) 20:25:59 f2okLzHA
>>167
「へっ?」

意識を包んでいた薄い微睡みの靄の中、それを掃うかのように言葉が沙希の耳に入り込んだ
うつらうつらと閉じかけていた瞳を開く
目の前にあったのはペットボトルの飲料が差し込まれたドリンクホルダー

窓の外から入り込む光が不規則であることに疑問を持って外を見れば、
目で追えるか追えないかと言う速さで街並みが動いていた

「たのしみ……?」

運転席と助手席から聞こえてくるパパとママの声に、小さな小さな手を窓ガラスに当てたまま首を傾げる
楽しみ―――― 楽しみ―――― 楽しみ――――

「うん!わたしどうぶつ好き!」

ママの言葉で思いだした、今日は日曜日
いつもは近くにあそびに行くだけだけれど、とくべつに動物園にいくことになったのだ
なんでわすれていたんだろう、あんなに楽しみにしていたのに

「キリンさん!」

パパのといかけに声を大きくして答える、せっかく動物園にいくのにねむいなんてもったいない!
いまから楽しみだ、帰るときにはぬいぐるみを買ってもらおう―――――


169 : 佐伯 ◆XJan2K7omU :2014/04/28(月) 20:31:30 j3GvW.AQ
>>166
だってママ、せっかく日本に来たんだよ?外国の寿司バーに出てるのはほとんどがアレンジされたやつなんだから。一度は本場の味を食べなくっちゃ。ねぇパパ?
【母親の右腕と父親の左腕をそれぞれ両手に抱いてメルクレイアはそう言った。並んで歩くその足取りは軽く、疲れなど一切感じない】
【テレビや漫画で見るような御殿があるわけでも侍や忍者がいるわけでもないけれど、行き交う人々や建ち並ぶ建物は自分たちの暮らす国とは違うエキゾチックな雰囲気を持っていた】

さっきからこうして歩いてるけど、みんなぶつかる前に除けちゃうねぇ。ボクたちもぶつからないようにしなくちゃね
【目に入る景色、耳に入る音…全てが新鮮で、まるで巨大な遊園地に来たようなそんな気分だった。早く目的地に着かないかと、足取りはさらに軽くなっていく】


170 : 斎藤 烈 『水操作Level1(04)』 :2014/04/28(月) 20:34:22 ocQWlhNQ
>>166
暗い視界のなか、鼻を擽る懐かしい香りにゆっくりと目を開く
そこに広がっていたのは自分の家……自分の家?うん、そう……みんなで住んでいる家だ
身体を起こせば、丁度祖母が磯辺焼きと緑茶を置いている所で
窓の外を数秒ほど眺め、炬燵の上の磯辺焼きへ手を伸ばす
昔から味の変わらない祖母の磯辺焼き、素朴な味わいのこれが、烈は大好きだった

「うん、わかった!」
「……あ、早起きしなきゃいけないなら教えてね?目覚まし、セットするからっ」

祖父への元気のいい返答の後、慌てて言葉を付け加えたのは、朝起きる事が苦手な為
雪下ろしとなると時間もかかるし、何より重労働、手伝わないという選択肢は烈からするとまずあり得なかった


―――これくらいつもれば雪だるまも、カマクラだってきっと作れるよね
そう考えると、今から楽しみでしょうがなくなってくる


171 : 【胡蝶の夢、或いはアルハザードのランプ】 :2014/04/28(月) 20:43:25 tWs1cDGI
>>168
「キリンさんか、だったらパパが肩車をしてあげよう
 キリンさんは背が高いからね、沙希じゃ上を向きすぎて首が痛くなってしまうよ」

「そうね、それが良いわ」

前の座席から笑い声が響く
聴き馴染んでいる筈の両親の笑い声は、何故か上手く聞き取れない
掠れたテープを再生するように、何処か薄れたような歪んだ音を立てていた

「そう言えば、学校はどうだい
 友達は出来たかな?」

「沙希は可愛いからすぐボーイフレンドが出来るわよ」

……学校
その響きに、沙希は何か言いようない不安を感じた
何かを忘れてしまっている、いや何かを怠っている?

いや、考える必要はない
今は目の前に楽しみが、両親との動物園が……


>>169
「日本人は礼儀を重んじるからね
 道では自分が少しぐらい遅れようと他人を優先するんだ」

「素敵ね、私達も見習わなくちゃ」

父が自慢気にそう語る
父も日本に来るのは初めてのはずなのに、妙に知ったかぶり
その様子に母は小さく笑った

「……あれは?」

母親の視線が道の端へと向かっていた
歩道と車道の間、子猫が横たわっている

車に轢かれたのか、それとも逃げた先で人に踏まれたのか
足に怪我を負っているのはメルクレイアにはわかるだろう


172 : 【胡蝶の夢、或いはアルハザードのランプ】 :2014/04/28(月) 20:44:00 tWs1cDGI
>>170
「目覚ましなんて鳴らさなくてもお兄ちゃんに起こして貰えばいいでしょう?」

「ああ、そうだな
 逢魔に起こしてもらいなさい」

祖父と祖母が頷き合う
逢魔……烈の兄だという男に起こして貰えば良い、と

「ええ、良いですよ
 烈を起こすのはいつもの事ですから」

ふすまがゆっくりと開くと、そこには一人の少年が居た
身長は烈よりも少しばかり高い、つまり男としては少し低い身長と病的に白い肌が目に入った

「烈、隣いいかい?」

ああ、そうだ
彼は兄である、烈の兄
……何故だろう、当たり前の事なのに違和感を感じる
何かが瞼の裏で疼くように


173 : 見崎 ◆CS.DTW4Buc :2014/04/28(月) 20:45:31 ./aZaGb.
>>167

「……?」

見崎寿太郎太は、街中の雑踏の中に立っていた。
いつの間にこんな所に?確か自分は他の場所で他の事をしていたはずだ。
何故こんな───何故?

(何故って…何でだ?)

『いつの間に』とはどういう事だ?自分は今何かをしていたのか?
いや違う、何かを忘れているような、思い出したような気がする───頭がボンヤリとして、働かない。

(…そうだ…確か俺は───)

待っていたんだ。

彼女を。

「おいちょっと待ってくれよ、いきなり手引っ張んなってば」

そうだった、確か今日は友達と遊ぶ約束をしていたのだった、その待ち合わせをしていたんだ。
声をかけられ、腕を引かれてようやく思い出した、この手の温もりに触れてようやく現実に引き戻された。

「聞いてるって、ちょっと考え事してただけだよ」

「そうそう、今日は行きたい場所があるんだ、これこれ」

頬を膨らませる彼女に対して、困ったように頭を掻いて誤魔化してから、ポケットからスマホを取り出して操作する。
画面に出して見せたのはこの近くの丘にある天文台のホームページ、どうやらここで今夜流星群を見物する企画があるらしい。

「これ、見にいこーぜ!」


174 : 【胡蝶の夢、或いはアルハザードのランプ】 :2014/04/28(月) 20:49:47 tWs1cDGI
>>173
「……流星群?
 何処でそんなロマンチックなプラン教えてもらったの?」

からかうようなそんな声
それでも彼女の表情は余程嬉しいのか緩んでしまっている

「でも、少し遠いよ?
 どうやって行こうか」

歩くのは疲れるからヤダ、と少女は首をふる
向かうにはバスが最も効率的に思える

そう言えば、目の前にバス停が存在している


175 : 斎藤 烈 『水操作Level1(04)』 :2014/04/28(月) 21:00:15 ocQWlhNQ
>>172
磯辺焼きを一つ手に取り、口へ運ぼうとした所で動きが止まる
兄さん、逢魔、二つのワードが繋がらなくて、怪訝そうな顔になる

「おう、ま……?」

誰だったっけ……兄さんって、たしか、そうじろうって名前じゃ……おかしいなぁ、なんで変な記憶があるんだろう?
……兄さんの名前は、逢魔なのにね

「……そっか、そうだったね!」

きっと、寝起きだったから頭がはたらいてないんだ
目覚ましなんて無くっても、兄さんがあたしを起こしてくれるんだから心配なんていらないもんね

「もー、そんな事きかなくっても、全然大丈夫だよ?」

ほらほら早く、ココなら炬燵に入れるよ

真ん中から少しずれ、隣に一人分の空間をつくり、ぽすぽす叩いて示す
違和感は、気の所為だと決め付けて


176 : 佐々見沙希 【影法師】Level2(32)E:日傘 :2014/04/28(月) 21:02:30 f2okLzHA
>>171
「かたぐるまっ!!」

パパのかたぐるまなんていつ以来だろうか、おぼえてる範囲には―――――

いや、そんなことはない
いつも日曜日のおさんぽのとき、パパにせがんでよくやって貰っていた
パパはわたしの何倍も背が高いからいつも見上げていた公園のすべり台が小さく見えて……

「えっと、まえの席だったけいこちゃんといっしょの班のななみちゃんとは友だちになったよ!」

「ぼ、ボーイフレンドって……、りょうくんはかっこいいけど……」

りょう君はサッカーのクラブに入っていて足もとても速かった、クラスのみんなから人気だった
ドッジボールなんかも上手で、皆よりずっと誕生日が早いのに下手だった私はいつも助けて貰っていた
でもりょう君はまみちゃんと付き合ってるって噂になっていたはずだ
りょう君は今何をしていたっけ…… 今は確か…… 今って――――――

いけないいけない、と沙希は頭を左右にふった
今日はせっかくの日曜日、せっかくパパとママとお出かけできたんだ
楽しまなくちゃ!こんな機会めったにないんだから!


177 : 佐伯 ◆XJan2K7omU :2014/04/28(月) 21:06:17 j3GvW.AQ
>>171
テレビショーで言ってたやつでしょ?
【そう言ってクスクス笑う。テレビショーで取り上げられた「観光に役立つ日本のマナー」。それを録画して何度も見ていたのをメルクレイアは知っていた】

日本語なら任せてね。たくさん本を読んで勉強したんだ。漢字はちょっと苦手だけど…調べればなんとかなるよ
【もちろん自分も準備を怠っていなかった。旅行雑誌やネットで日本の名所と言われる場所を調べたり苦手な漢字をなんとか覚えようとしたり、父親に負けないくらい頑張った】
【それは当然だ。だって今日は待ちに待った両親とのーーーー】

ーーーあ
【ふと母親の視線の先に目をやると、道の端に子猫が横たわっていた。しきりに足を舐めている。足を怪我しているんだと気づくまでそう時間はかからなかった】

猫だ、足に怪我してる…!
【そのまま通り過ぎても優しい人が助けてくれただろう。しかし怪我した猫を放っておくことはできなかった】

(治さなくちゃ…!!)


178 : 名無しさん :2014/04/28(月) 21:14:43 ./aZaGb.
>>174

「いやー、実は昨日アニメ観てたらさー、そのED曲が気に入って…」

この男にしてはロマンチックな提案だと思えば、どうやらアニメに影響された故の提案らしい。
楽しそうにそのアニメについて語る見崎は、とても幸せだった。

「ん?あーそうだな、天文台まで流石に歩いてはいけないっしょ」
「だからバスで…」

天文台に向かう直通のバスがあった筈だ、しっかりと事前に調べておいた、このバス停で待てばバスが来る。
…だが、何か嫌な予感がした、この胸騒ぎはなんだろうか?
何か、自分の頭の中でもう一人の自分が叫んでいるような気がする、「バスに乗るな」と言っている気がする。
彼女の手を引いて、バスを待っている間も、ずっと、何か…───違和感が───


179 : 【胡蝶の夢、或いはアルハザードのランプ】 :2014/04/28(月) 21:14:44 tWs1cDGI
>>175
「ありがとう、烈」

烈が開けた隙間へと逢魔と呼ばれた少年が座り込む
少年の身体は小さく細い
烈が一人分だと思い開けた隙間は随分と余ってしまった

「そんなに開けなくたって入れるよ
 そっちが狭いんじゃないかい?」

誰かと間違えたような、そんな感覚
何かが違う、と違和感が奔る

「そういえばお父さんとお母さん、遅いね
 まだ仕事から帰ってこないのかな?」

逢魔の声が頭の中で何度も何度も繰り返し響く
お父さん、お母さん
何故だろう、その単語が妙に胸を裂くように重く心を沈ませた


>>176
「……りょうくんだって、その子はどんな子なんだ?」

「もう、ダメよ
 沙希だってお年頃なんだから」

両親を見ようと前の座席に視線を向けるとルームミラーが目に入る
だが、何故かそれが怖くなって視線を逸らしてしまった
だから、窓へと視線を向けよう

窓の外の景色が流れていく
……?
何故だろう、風景が先程から変わっていない
街の中を走り続けているのは、何故だろう

「もうすぐ動物園へ着くからな」

「もうすぐだから、待っていてね」


180 : 【胡蝶の夢、或いはアルハザードのランプ】 :2014/04/28(月) 21:19:18 tWs1cDGI
>>177
「やめなさい、メルク」

「駄目よ、メイア」

メルクレイアが猫へ近付こうと踏み出したその時
両手を取っていた両親の握力が不意に強くなる

「可哀想だが、メルクには何も出来ないじゃないか」

「可愛そうだけど、私達には何も出来ないの」

だから、このまま先に進めばいい
その先には幸せがある
だから、小さな不幸は目を瞑ればいいのだ、と


>>178
「そんな顔しなくても大丈夫だよ
 このバスに乗っても、ボク達は大丈夫」

寿太郎太の不安を見透かすように、少女は語る
笑みを浮かべ、手を引きながら

「大丈夫なの、この世界には幸せしかないんだから」

幸せしかない
そうだ、このままバスに乗り星を眺める
きっとそんな幸せが続いていく

「心配しなくてもいいの、約束は忘れてないから」


181 : 佐々見沙希 【影法師】Level2(32)E:日傘 :2014/04/28(月) 21:25:50 f2okLzHA
>>179
「パパ知らないの?りょうくんはねー……」

りょう君はクラスでもあんなに目立っているのに、なにも知らないんだから
沙希はそう思いながら、どこか恥ずかしそうに目を動かす

置いてあるオレンジジュースに、ものが入っていないゴミばこ
くびから下げていたウサギさんのワッペンが付いたかばん
視線を上げれば、パパの頭のてっぺんが後ろからでも見える

ルームミラーに映った表情は―――――

なぜだろう、それを見ることが出来なかった
何故か怖くて、なんでだか分からないけど嫌な気持ちになって目を逸らしてしまった
きらいな野菜が出てきた時よりも、もっと嫌な気持ちになったから

逸らした目線はそのまま窓に吸い込まれる、窓に映った自分の姿越しに外の風景を見た
さっきと同じデパートの看板が遠くの方を流れていく
おさかなさんが描かれたガードレールを追い越して………

「パパー、ママーまだなのー?」

何故だかいつもより道のりが長いような気がした、いつもって……いつだったろうか


182 : 斎藤 烈 『水操作Level1(04)』 :2014/04/28(月) 21:29:47 ocQWlhNQ
>>179
おかしい、どうしてこうも感覚が狂うのか
まるで誰かと間違えているような、誰かの場所に別の人物が座り込んでしまったような

「っ……やだなぁ、この方が入りやすいでしょ?」

それに、全然せまくなんかないんだ
咄嗟に誤魔化してしまうのは何故だろうか
疚しいことなんて、兄や祖父母に勘付かれて困ることなんて、一つも無い筈なのに

「うん……そうだね、仕事が長引いてるのかも」

頭に重く響く言葉、今日のあたしはおかしいのかもしれないなぁ、お母さんたちは大好きなのに、何で嫌なキブンになっちゃうんだろう
……早く帰ってこないと、お母さんたちの分の磯辺焼きも全部、食べちゃうんだから

目線を逸らし、窓の外を見る
―――雪はどれくらい積もっただろう、雪だるま10個分くらいは絶対、あるよね?


183 : 佐伯 ◆XJan2K7omU :2014/04/28(月) 21:33:19 j3GvW.AQ
>>180
何いってるの?このままにしたら車に轢かれてしまうよ!そんなの嫌だよ!!
【メルクレイアは悲痛な声で訴えかけた。何もできないと言う両親の言葉を否定しようとする】

できるよ、だって………
【ボクには治せる。そう言おうとした時だった。言葉が喉元で詰まる。胸の奥…心臓の芯が冷えるような感覚がした。その感覚は何かを思い出させようとしている。その何かは何か分からないが……】

だって、探せば動物病院があるかもしれない。そこに連れて行くことくらい、ボクにだってできるはずだ……
【何もできないなんてことは無いはずだ。確かに旅行の予定は狂ってしまうかもしれないが、このまま放っておいてもきっと自分は最後まで猫の安否を気にしてしまうだろう。そんな状態で楽しく旅行などできるはずが無い】

パパ、ママ……!!
【顔の見えぬ両親を交互に見つめる。果たして思いは通じるのか否か。胸の奥の冷えはゆっくりと広がっていく】


184 : 見崎 ◆CS.DTW4Buc :2014/04/28(月) 21:35:53 ./aZaGb.
>>180

───なんだ、この不安は。
とてもとても幸せだ、幸せなはずなのに、はずなのに、はずなのに。
何かがおかしい、何がおかしい?一体何が変なんだ?
わからない、わからない、わからない───この世界は現実なのか?

「あ、ああ…そうだ、な……」

彼女は今、何と言った?何て言ってたっけ?
確か前はこんな事言わなかった気がする───前?『前』って何だ?

ああ、こんなに頭が働かないのは初めてだ、普段回転させるたくさんの思考回路が今は全て眠っている気がする。
いくつも思考回路を持っているのが自分の能力のはずなのに、それを使って違和感の正体を探ろうとしているのに、頭が働かない。

このバスに乗っていいのか?…何故乗ってはいけないのだ?
バスに乗らなければ約束は果たせないんだ、だったら乗るしかないじゃないか。

…バスは、二人を乗せて走り出した。


185 : 【胡蝶の夢、或いはアルハザードのランプ】 :2014/04/28(月) 21:42:01 tWs1cDGI
>>181
窓から見える風景は見慣れたものだった
学生らしい少年少女が制服を来て歩いている

誇らしく胸を張る少年少女の腕には、見覚えのある腕章があった
日曜日なのに、お休みなのに
何故だろう、その生徒達は忙しそうに街を走り回る
その様子が、妙に胸を締めつけた

「お昼ご飯はお母さんがお弁当を作ってくたんだ」

「沙希の好きな――――」

母の声が聞き取れない
母の料理で好きな物は何だっただろうか?

嗚呼、窓に映る自身の姿は歪んでいる
何故、何故、何故
何故、私は制服を着ているのだろう?


>>182
「……記憶の構成が曖昧だ
 うん、まあ……それでも良いかな」

小さな呟き、それの意味を烈は理解できないだろう
少年は小さな嘆息と共に茶を啜る

「大丈夫だよ、お父さんやお母さんが帰ってこなくとも僕やお爺ちゃんお祖母ちゃんが居る
 君はそれで幸せだろう?」

そうだ、祖父と祖母
それに温かいお茶や炬燵
こんな生活が、幸せに感じられるはずなのだ

「だから、良いんだ
 このままで、良いんだよ」


186 : 【胡蝶の夢、或いはアルハザードのランプ】 :2014/04/28(月) 21:52:21 tWs1cDGI
>>183
「大丈夫だよ、今は君の幸せだけでいいんだ」

「大丈夫よ、今はレイアだけが幸せならいいの」

そして両親が歩み始める、メルクレイアの手をとって
猫など忘れて良い、そんなものは望んだものではないのだから

「お寿司はどんなものがあるんだろうね」

「レイアは何から食べたいのかしら?」

両親との会話を楽しもう、両親との散歩を楽しもう

世界に、小さな亀裂が入っていく

だって、これは【亀裂】なのだ
自分を優先するべきだ


>>184
「うん、そうだよ
 このバスに乗るのが正解なんだ」

バスはゆっくりと走り出す、街の風景が吹き飛びすぐさま灯台の近くまで
崖沿いの急なカーブもラクラクとバスは通り抜けていく
強い胸騒ぎが、寿太郎太に吐き気を催させるが、彼女が寿太郎太の手をとった

「大丈夫、ボクはここにいるよ」

バスはゆっくりと走る
灯台へ向かって、確実に前へ前へと

「事故は起きない、ボクは死なない
 だって、此処は幸せな世界なんだ
 君を悲しませる訳ないじゃないか」


187 : 斎藤 烈 『水操作Level1(04)』 :2014/04/28(月) 21:55:26 ocQWlhNQ
>>185
幸せ―――シアワセって、何だったっけ?

「うん、幸せ……だと、思うよ」

兄に向かって曖昧に笑いかけるのは、笑いかけてしまうのは、それが癖になっているから
……なんでクセになったのか、思い出せないけど

「……このままで、良いのかな」

頭がぼんやりする、何か忘れているような気がして、しかしそれすらも忘れてしまいそうな
このままで……思い出せないままで、良いのだろうか

倣うように緑茶を口にする、婆ちゃんが入れてくれる緑茶は全然苦くなくって、飲みやすいんだ
甘いお菓子の時は苦い方が良かったりもするけど、普段はこれが一番


188 : 佐伯 ◆XJan2K7omU :2014/04/28(月) 22:05:55 j3GvW.AQ
>>186
待って!(    )
【自分から抱えたはずの二人の手は、いつの間にか自分を束縛していた。再び歩き始める】

離して…!(    )
【一歩進める度に胸の奥の冷えは確かなものになっている。猫のそばを通り過ぎ、遠ざかっていく】
【頭の奥底、幸福に塗れて押し込められた一つの事実が浮かび上がる。それと同時に胸の奥の冷えが確かなものに変わる】

【意を決してメルクレイアは二人の手を振り払った。猫の元に駆け寄り、優しく抱き上げる。そして遠くにいる二人をじっと見つめる。距離はほんの数メートルだったが、今はそれが何十メートルにも感じる】


189 : 見崎 ◆CS.DTW4Buc :2014/04/28(月) 22:07:01 ./aZaGb.
>>186

「違う」

違う、違う、違う。こんなのは違う。

───見崎寿太郎、17歳、男、176cm、68kg、学園都市第二高校二年生、level1能力者。
能力名《多重思考》、その能力の齎す物は、独立した多数の思考回路。
それは普段、物事に対する思考の高速化や状況判断の早さに重点を置いているが、見崎も気付かない所で今、効果を発揮していた。
思考が幾つも独立して巡るなら、例え脳が夢を観ていても、アクティブな思考回路が一つ難を逃れていれば、そこからバックアップが出来る。

ずっとずっと叫んでいたのだ、呼び掛けていたのだ、自分の脳が、これは現実ではないと。
そうだ、これは夢───理想の叶う偽りの世界。

このバスが事故を起こさないわけがない、このまま幸せが続く筈が無い、だってこれは、『実際なら』───

「…違う、お前は」

それが、現実、もう戻らない事実───受け入れなければならない事だ。
認めなくてはならない、どんなに辛くても、苦しくても、それを認めなければ、いつまでも過去にしがみついていてはならない。
喉に引っかかる言葉を無理矢理に絞り出し、隣にいる彼女に、今はもういない友人の眼を見つめ、見崎は言う。

「お前は、ここで死ぬんだ。『』」
「ここでバスが崖から落ちて、お前は俺や乗客を守る為に能力を使って、そのせいでお前は体が耐えきれなくなって死ぬ」

「それが現実なんだ、それが事実なんだ、それが決まった事なんだ」

「…約束は、もう果たせないんだよ」


190 : 佐々見沙希 【影法師】Level2(32)E:日傘 :2014/04/28(月) 22:08:47 f2okLzHA
>>185
あの制服はたしか第一高校のもの、でもちょっとちがう、多分腕につけているもののせいだ
リボン……じゃない、文字が書いてあるみたい
なんて書いてあるんだろう、風と―――――――

「あっ……」

読めなかった、車がそのまま通り過ぎて行ってしまったから
チクリと胸の奥に何かが刺さる、でも何かが分からない
刺さったはずなのに溶けて消えていってしまうような、要領を得ない気持ち

「わたしが好きなのは――――」

私が好きな食べ物は何だったろうか
サンドイッチ?おにぎり?カレー?からあげ?ポテトサラダだったっけ?

違う......

ママの手料理と言えば、朝ごはんはいつもトーストだった――――

違う...

トーストは上にスクランブルエッグとレタス、ハムなんかを乗せたもので――――

違う...!

その上にはいつも、いつも―――――

違う!!

―――――いつだって、ラップがかかっていた
そもそも私はご飯が、ものを食べることが好きじゃないんだから

学校で食事を取るときだって学食のサンドイッチ1つでも食べたらお腹いっぱいになっていた
私は何でも真っ黒に飲み込んでしまう自分の能力のせいで、ものを食べることが嫌いなんだから

窓ガラスに映る自分の姿は歪んでいる
でも来ているのは好きだった白色に花柄のワンピースじゃない、さっきまで向こうに見ていた学生たちと同じ

―――――第一高校の制服だ
今度は読める……腕に付いた、腕章の文字が

「……風紀委員」


191 : 【胡蝶の夢、或いはアルハザードのランプ】 :2014/04/28(月) 22:11:36 tWs1cDGI
>>187
疑問を浮かべたその瞬間、世界が小さくヒビ割れた
カリカリと、何かに削られるように

「……否定するのかい、この幸せを」

君が望んだものなのに、と逢魔は笑う

「君が欲しい物は何でも手に入る、そんな世界なのに」

優しい祖父も、祖母も、父も母も
この家も、田舎暮らしも

「手にはいらないモノはないよ、此処には
 それ以上に何を望むんだい?」

>>188
「……そうか、君は誰かを癒やすことに幸せを感じるんだね」

誰かの声がした、父でもない母でもない誰かの声
その声が引き金だったかのように街に溢れた人間全てがメルクレイアの前に倒れ込む
全ての人が何処かしらに怪我を負っている

「さあ、癒すと良いよ
 きっと、皆が君を崇めるさ」

誰かの声が総耳元で囁く
そのための力も、君にはあるよ、と

「幸せだろう、メルクレイア」


192 : 【胡蝶の夢、或いはアルハザードのランプ】 :2014/04/28(月) 22:17:01 tWs1cDGI
>>189
「死なないよ、寿太郎太
 だってこれは幸せな夢だもん」

少女は笑う、笑う、笑う
だって幸せな夢なのだから

「約束だって守れるよ
 この世界だったら、守れるの」

少女は両手を広げる、寿太郎太の抱擁を待つように

「ねぇ、良いじゃない
 だって、此処なら一緒に入られるんだもん」


>>190
「良いんだよ、沙希」

「良いのよ、沙希」

もう、頑張らなくて良いんだよ
もう、努力しなくて良いんだよ

「遊園地にも行こう、楽しいよ」

「キャンプなんてどうかしら、楽しいわよ」

痛い思いも、怖い思いも
自分自身を締め付ける、影の能力も此処にはない

だから、良いんだよ
両親は笑う、だがその表情は朧げだ

「良いんだよ、このままで」


193 : 見崎 ◆CS.DTW4Buc :2014/04/28(月) 22:33:09 ./aZaGb.
>>192

「…違うよ、全ッ然違う」

腕を広げた彼女を目の前に、見崎は首を横に大きく振って否定する。
再び上げた顔は、ニヤついた、巫山戯た表情を取り戻していた。

「こんなエロゲーヒロインみたいな関係、俺っちとあいつの間にゃねぇんだよ」
「あいつは確かにボクっ娘だったが、そんな風にハグしようとしたりは、な」

「もうすっかり目ェ覚めたぜ、誰かさんよ」
「趣味の悪い事しちゃってさ、風紀委員怒らせたら怖いよ?…あ、風紀委員といや沙希ちゃんはどうしたんだろ…大丈夫かな…?」

すっかり自分を取り出した見崎は、いつものような調子で目の前の『何者か』にまくし立てる、いくら幸せでも夢は夢、オマケに何者かに見せられているとなれば好い気はしない。
ジャージの中から三節棍を引き出して、一本の棒にして右手に構える、戦闘になろうが構う事は無い、夢の中なのだから。

「ドリーム寿太郎太は、強いぜ?」


194 : 斎藤 烈 『水操作Level1(04)』 :2014/04/28(月) 22:33:24 ocQWlhNQ
>>191
ひび割れた世界で、少女は兄へ……兄だと思い込んでいる人物へ、身体を向ける

「否定しないよ……したく、ないよ」

だってここは幸せな世界なんだから、爺ちゃんが居て、婆ちゃんが居て
父さんも母さんも居て、能力なんて無くってみんなで楽しく話して遊んで―――

その目には涙、溢れてはいないが、そのうち決壊してしまいそうな

「このままが良いって、幸せだって、思うんだ……でも、でもね?」
「思い出せないままなんて、あたしは嫌なの」

それに
声にならずに空に消える言葉、口の形だけで、虚勢だとバレバレで
それでも何とか、次の言葉が声になったのは、忘れてはいけない事を、忘れてしまった気がするから


「……全部すぐに手に入っちゃったら、楽しくないでしょ?」

そう言って少女は笑う、目に涙を浮かべたまま、悲しげに眉尻を下げたまま


195 : 【胡蝶の夢、或いはアルハザードのランプ】 :2014/04/28(月) 22:38:21 tWs1cDGI
>>193
「……そうか、何か混ざっているとは思ってたんだ
 ゲームのシナリオが、君の記憶に混じってる」

いつしか彼女は少年へと変わっていた
病的に白く細い肢体を持つ黒髪の少年だ

「……選ぶと良い、このまま展望台へ行くか
 それとも此処でサヨナラか」

空気の抜ける音とともにバスの扉が開く
その先には崖、奈落の底
この場に留まるか、そこへと落ちるか、と少年は問う

「幸せな夢か、薄汚れたゴミ溜めか」


196 : 佐々見沙希 【影法師】Level2(32)E:日傘 :2014/04/28(月) 22:41:17 f2okLzHA
>>192
「――――ふふっ」

「ふっ、ははははははっ!!」

何故だか笑いが止まらない、聞こえてくる言葉の心地よさが堪らなく可笑しい

「動物園、遊園地、キャンプ……きっと楽しい」

楽しくて当たり前だ、多分どれだけ刺激が無くとも沙希は楽しいと感じるだろう
何故なら、そのどれもが子供の頃夢見ていたことなのだから

「確かに私は思い出せない位小さかった頃にしか家族で動物園なんて行ったこと無い」
「遊園地も、キャンプも同じ……お父さんに肩車をして貰ったことだって、同じ」

「お母さんはお父さんと一緒に朝早くから夜遅くまで、時々泊まり込みで仕事をするから朝ごはんは起きたら机の上に置いてあっていつも冷めてた!」
「お父さんとお母さんに初めて能力を『使った』日を、私は今でも忘れない!!」

どうしてだかさっきまで出て来なかった自分の過去をつらつらと思い出せる
そのどれもがまだ小さい時分にはとても辛くて、とても苦くて何度も忘れたいと思ったことだ

「……だからきっとこの状態の方が良い、きっと幸せ」

幸せが崩壊することが怖い、それでも口からあふれ出る言葉が止められない
掌に爪が食い込むほどに強く握りしめる

「でも、幸せだから……不幸だからじゃない」

幸福だけが必要で、不幸だったものは不必要なのか
幸せなものが尊重されて、そうでないものは淘汰されるべきなのか

違う

「どれだけ辛くてもどれだけ寂しくても、私にはこれしかない大切な家族との思い出なの!!」

「人の心にズケズケ入ってきたことなんてどうでもいい」
「私の『大切』な思い出を、勝手にうばわないで……!!」

怒りから、悲しみから、恐怖から震えが止まらない
だがそれを一緒くたに丸めて沙希は吐き捨てる、肉親の姿を真似た何かを睨み付け、吼える――――!


197 : 佐伯 ◆XJan2K7omU :2014/04/28(月) 22:44:06 j3GvW.AQ
>>191
【幸せに浸っていたそれはようやくその姿を現した。あの冷たい感覚の正体…それは現実を知る自分の心の声。歪に冷え固まってしまった望みの成れの果て】
【今なら分かる。自分が今どのような状況に置かれているのか……】

幸せだって?
キミにボクの何が分かる
【吐き捨てるようにその言葉を放つ。その声から無邪気さは消え失せていた】
【瑠璃色の瞳を震わすのは自分の内面に土足であがりこんだ「夢魔」に対する怒りか、ずっと胸の内にしまいこんでいた望みを穢された哀しみか】
【腕の中の子猫から傷がみるみるうちに消えていく】

姿を見せない卑怯者の夢魔め、姿を現せ!!
【怒りを纏った叫びが虚構の街に響き渡った】


198 : 【胡蝶の夢、或いはアルハザードのランプ】 :2014/04/28(月) 22:44:42 tWs1cDGI
>>194
目を瞑る祖父と祖母
烈がそれを否定したからなのか、少年のせいなのか

「どうして、楽が出来るんだったらそれが一番じゃないか!
 幸せでいられるんだったら、それが一番じゃないか!」

少年が手を伸ばす、烈に差し出すように

「此処に居れば、幸せだよ
 家事に追われる必要ない、仕事なんてすることもない
 皆で幸せに暮らしていける」

その時、窓が砕ける音がした
何がソレを叩き割るような、破壊音

「―――烈!」

誰かの声が聞こえる、誰だったか思い出せない
目に痛い金色が、少しだけ頭をよぎる

何かはわからない、少年とは真逆
何が起きるかわからない、救いがあるかもわからない

それでも、烈に差し出されるその手

「選べ、好きな方を」

差し出される2つの手
少年の手/誰かの手
幸せな日々か、それとも……


199 : 【胡蝶の夢、或いはアルハザードのランプ】 :2014/04/28(月) 22:48:29 tWs1cDGI
>>196
「だったら選ぶと良い、好きな方をさ」

車は目的地に到着したらしく、急にその走りを止める
目の前に広がるテーマパーク
遊園地も、動物園も、何もかも子供の夢が集まったような空間が目の前に広がっていた

「おいで、沙希」

「楽しいわよ、沙希」

微笑み、手を振る両親もそちらに

後ろを振り向けば、風紀委員の支部が存在した
辛い日々、忙しさに追われる日々、そんな光景が広がっている

「選ぶと良い、幸せか、苦しみか」


200 : 見崎 ◆CS.DTW4Buc :2014/04/28(月) 22:51:16 ./aZaGb.
>>195

「…それがお前の正体かい?」
「何が目的かわかんねえけど、一連の事件はお前の仕業だな?」

ついに姿を表したこの事件の犯人、それは以外にも自分と同じくらいの子供の姿をしていて。
それが本当に本当の姿かはわからないが、わざわざ彼女から姿を変えてまで出てくるという事は偽りの姿ではないのだろう。

「神様にでもなったつもりかい?」
「悪いけどさ、俺っちはいつまでもお前の土俵で相撲取ってる訳にもいかないんだわ」

空気が流れる、体が引っ張られる、走るバスのドアが開けっ放しになって、風が吹き付ける。
その中で見崎は揺らぐ事無く少年を真っ直ぐ見て、いつまでも夢には囚われないと宣言すると、開いたドアに足をかけた。

これが夢ならば、きっと現実の自分の体は眠っている筈だ、他の生徒達のように。
沙希も同じように巻き込まれている可能性を見崎は考えていた、だとしたら早く自分が覚醒しなくては。

「過去の友との約束より、今の後輩の寝顔だぜ」

クルリと少年に振り向き、キメ顔でそう言うと、躊躇う事無く見崎は崖へと身を踊らせた。

───夢だったとはいえ、また友人と話す事が出来た事は、嬉しかった。


201 : 【胡蝶の夢、或いはアルハザードのランプ】 :2014/04/28(月) 22:52:44 tWs1cDGI
>>197
目の前に倒れた怪我人の一人がムクリと起き上がる

「夢魔なんてひどいんじゃないか?
 君の幸せをボクが叶えてあげようとしているんじゃないか」

少年は笑う
笑わずに居られない、と言った様子で

「だってそうだろう
 君が望んだ風景なんだ、これは君の夢の世界なんだよ」
 君が望めば、君が願えば、全てが叶う」

倒れていた人々がメルクレイアを拝み、膝を折る
救いの神だと崇め、持て囃した

「現実なんかよりも、素敵な世界だって、そう思うだろう?」


202 : 斎藤 烈 『水操作Level1(04)』 :2014/04/28(月) 22:59:25 ocQWlhNQ
>>198

「モチロン、あたしは」

こっちを選ぶ、手を伸ばすのは誰かの手
見覚えのある……しかしはっきりと思い出せない、誰かの

「……家事ってね、意外と楽しいんだよ?仕事もタイヘンだけど、疲れるけど辛くなんて全然ないんだ」

何故なら、それは―――

「バイバイ、逢魔兄さん……誰かさん」

ここはたしかに、シアワセな世界だったよ

涙が一粒、頬を伝い落ちる
それが足元に辿り着く頃には、少女は差し出された手を取っている筈だ


203 : 佐々見沙希 【影法師】Level2(32)E:日傘 :2014/04/28(月) 23:06:25 f2okLzHA
>>199
考える余地もなかった、車から降りた沙希はその扉を閉めることもなく背を向ける
かつての自分が夢見た世界から楽園、それを否定することに何の躊躇もない

一歩一歩その度にカツカツと靴底が地面を叩き、光差す世界から影に染まった世界へと進んでゆく
忙しなく人が行き来し、その誰もが己の受け持った仕事に追われている者たちの元へ

「……さようなら」

目を閉じて奥歯を噛みしめながら、振り返ることなく沙希は呟いた

ほんの一瞬だけでも己の夢をかなえてくれた相手に感謝を込めて
辛く大切な家族の思い出を消し去ろうとした相手に怒りを込めて
与えられた幸せの機会を選ばない事への謝罪を込めて


夢の浮橋を沙希は渡ることなく引き返す、その表情を人に見せることなく――――


204 : 佐伯 ◆XJan2K7omU :2014/04/28(月) 23:19:59 j3GvW.AQ
>>201
叶えてあげる?
人の心に踏み入っておいて何様のつもりなんだろうね
ボクはキミのことなんて知らないし見たことも聞いたこともない。言葉を交わしたこともなければすれ違ったことすら無いのに
【笑う少年の方に振り向いて見下ろす。声のトーンはさっきよりも落ち着いて、前髪の隙間から見える瞳は冷ややかに少年を見ていた】

記憶の中の断片から見た目の良いものを選りすぐって積み上げても…幸せには至らないよ
どんな手を使っても、キミには決してできない

【分かるまい。どんな気持ちで今まで生きてきたのか。自分を崇めるエキストラたちをどんな目で見てきたか。この少年には決して分かるまい…。様々な思いが湧き上がってきた】

酷い茶番をありがとう。おかげで今夜はゆっくりと眠れそうだよ
その"セット"で好きなだけ遊んでいればいい
【そう言うとメルクレイアは少年に背を向けて歩き出した。こんな夢はさっさと覚めてしまった方が良いに決まっている】
【そしてゆっくり目を閉じる…現実へ浮かび上がるために】


205 : 【胡蝶の夢、或いはアルハザードのランプ】 :2014/04/28(月) 23:23:52 tWs1cDGI
>>200
「……ボクも嬉しかったよ」

そんな声が寿太郎太の背後から聞こえてきた
少年の演技なのか、寿太郎太の記憶が創り出した幻聴か

それでも、その声はその響きは
昔懐かしい彼女の声だった


>>202
掴んだその手に力が入る
乱暴で、遠慮がなくて、それでも優しく包むそんな手

「……楽しかったよ、烈」

2つの声が重なった
祖父と祖母の声が、確かに


>>203
支部へと近付けば、聞き慣れた喧騒が大きくなっていく
懐かしくすら感じる、その音に紛れて小さな声が聞こえてきた

「良いんだよ、沙希
 自分の選択を信じなさい」

夢の中の父と母の声
背中を押す声は、演技なのかそれとも彼女の願った物なのかその判別はつかない
それでも、父と母はそれを肯定してくれた

>>204
目を瞑るとその体が風船にでも繋がれたようにゆっくりと浮かび上がっていった
空には小さな扉が一つ

その時、小さな鳴き声が足元から聞こえてきた
メルクレイアが救おうとした猫だ
夢の中であったとしても、その猫は感謝の意思を伝えるように小さいながらも鳴き続けた
それはメルクレイアの創り出した夢なのかもしれない、だけれども救おうと決意したものメルクレイアだ

//続きます


206 : 【胡蝶の夢、或いはアルハザードのランプ】 :2014/04/28(月) 23:25:23 tWs1cDGI


>>全員対象

全員が幸せな夢よりも現実を選択した
その意思がこの世界に亀裂を生み出す

人の夢によって構成された世界/魔術
その依代を失えばどうなるのか

……そうなれば最も重要な依代へともたれ掛かるのだ

つまりは―――

全員が目を開くとそこは鳥籠の中だった
病室に置かれた鳥籠の中に貴方達は居る
白いベッドが一つだけ、その鳥籠の中心に存在している


白い鳥篭の中でアルビノの渡り烏が啼いていた
白いベッドで陽月 逢魔は泣いていた

「夢の中なら―――」「―――幸せなのに」

「なんで、君たちは否定するんだ
 僕の世界を……僕の夢を否定するの?」

耳を塞ぎ、目を瞑り、少年は怯えていた
皆、蝶である自分を選んだのに
皆、幸せな夢で永遠を過ごしていたのに

何故、何故、何故

少年はそう呟くだけ
魔術の元は彼のようだ、ならば彼を倒さなければ

夢の世界、精神の世界ならば
精神の力、言葉の力で……現実の良さを、夢の儚さを教えなければ


207 : 斎藤 烈 『水操作Level1(04)』 :2014/04/28(月) 23:50:54 ocQWlhNQ
>>206
少女はその場から動かない、困った表情を浮かべたまま、じいっと


「……なんでって、決まってるでしょ?」

さっきは言えなかったこと、今なら、ハッキリと言う事が出来る
―――それは、
現実の仲間を……ファミリーを、友達を、知り合いを、彼等との記憶を、忘れてしまいたくないから
そして

「夢の世界に出てこないみんなの事が、大好きだからだよ」

少年の心には響かないかも知れない、しかし、これが少女の本心
幾ら望んでも、あのセカイに彼等は居ない……能力を持ったからこそ出逢えた彼等は、彼処の住人ではないのだ


「……叶わない夢もたまにはイイけどさ、やっぱり」

叶わない、儚い夢も良いものなのかもしれない、しかし
どうせ夢を見るなら、それなら

「叶うかもしれないユメを見た方が、楽しいと思わない?」


208 : 佐々見沙希 【影法師】Level2(32)E:日傘 :2014/04/28(月) 23:51:32 f2okLzHA
>>206
さっき自分は数多の同僚たちがいる元に進んでいったはずなのに
そこにあるのはただただ白いだけの世界、その白さに目が眩んでしまいそうなほどに―――

「"幸福な瞬間だけに心を集中し、不幸な瞬間は無視するように"」
「"美しいものだけを見つめて過すように、永劫は決して過ぎ去りはしないのだから"」

少年の言葉に、沙希は昔読んだ戦争を題材としたSF小説の一節をそのまま口にする
目の前の現実から目を逸らし幸福で輝かしく平和な過去にすがる、今の少年の行いをそのまま形にした言葉

「現実は幸福かも知れないし不幸かも知れない、美しいかも知れないし醜いかも知れない」
「でも"そういうもの"なの、人はそれを受け入れるしかない」

沙希は腕を組む、いや―――その仕草はむしろ自分を抱いていると言うべきか

「私はあなたの考え方を間違っているとは言わない」

現に沙希はあの光景を幸せだと思った、惜しいとすら思えた
それが毒であったとしても人の心を癒して見せたのだ、その力を生み出した少年の願いを否定などできない

「でもさっきの言葉よりもずっといい言葉を私は知ってる」

沙希は口を開く、先ほどの一節が書かれたSF小説と全く同じものに綴られていた言葉を

「"神よ願わくばわたしに変えることのできない物事を受けいれる落ち着きと、変えることのできる物事を変える勇気と、その違いを常に見分ける知恵とをさずけたまえ"」

それは避けようのない現実へと向けられたもの
祈りの言葉であり、鼓舞の言葉であり、誓いの言葉である

「夢幻の幸せよりも、この言葉をこうして口にできる幸せを私は選びたい」

沙希が前を向いて歩ける理由なんて、こんなちっぽけなものでしかない
だが、たったこれだけだからこそ身軽で、力強く、真っ直ぐ――――――進めるのだ


209 : 見崎 ◆CS.DTW4Buc :2014/04/29(火) 00:14:09 YR7eL4cU
>>206

「…ん?あれ?」

夢から覚めた───と、思ったのに、目の前に広がるのはまだ現実離れした世界の景色。
辺りを見回すと、自分の他にもどうやら誰かがいるようだった、それは先程見た少年であったり、それ以外にも。

>>208

「あ、沙希ちゃん!無事だった?」

その中には、一緒に見回りをしていた沙希の姿もあった、どうやら彼女も巻き込まれていたのだと、見崎は判断する。
寝顔を拝む魂胆は失敗したが、無事な事に越した事は無い、沙希の安否を確認してから、見崎はベッドの少年に向き直った。

何故、夢を否定するのか、何故、現実を選ぶのか。
その問い掛けに、見崎は鼻で笑ってからニヤリと笑って、高らかに答える。

「そりゃ決まってるっしょ、夢を楽しむ為だよ」
「毎日毎日、いやーな現実と向き合うから、たまの現実逃避が楽しーんだよ」
「人に夢って書いて儚い、夢なんてもんは儚いもんさ」
「だからその儚い夢を精一杯心から楽しむ為に、普段辛い現実と向き合って妄想ゲージを貯めとくの」

「どっちか片方だけじゃ、成り立たねーのよ、夢も現実もさ」

見崎の語る現実の素晴らしさは、夢があるからこその素晴らしさ。
夢が素晴らしいと語るのならば、尚更の事現実を知らなければならない、表裏一体の二つの事象は、一つがかけてはならないからだ。
表現の仕方はしょうがなく俗っぽく、二枚目で説得力にかけるが。


210 : 佐伯 ◆XJan2K7omU :2014/04/29(火) 00:15:35 j.xZQ51k
>>205
【下から街を見下ろせば、さっき助けた猫が鳴いていた。これもどうせ虚構の産物なのだと頭の中ではそう決定付けられていた。しかし……】
【見下ろすのをやめて扉の前に立つ。ドアノブに手をかけてメルクレイアは扉を開けた。終わりにしよう。全ては形の無い夢、叶わぬ幻なのだから……】

>>206
【扉を潜った先に待っていたのは、不可思議な景色だった。白い鳥篭の中で囀る渡り鳥と、ベッドの上で泣く少年】

そうだね、夢の中ならなんでも思い通りになるし、現実よりもずっと幸せでいられる
嫌なもの全部から目を逸らしていられれば楽だろう。だけどボクらは現実の中で生きる生き物なんだ
いつまでも夢は続かないんだよ
【涙を流す少年に淡々と静かに語る。胸の内の感情が流れ込まないように、ゆっくりと】

それに夢の中で幸せな夢を見続けるなら、ボクは現実の中で幸せな夢を追いかけたい。それが実現するまで…たとえ傷だらけになっても、皺くちゃになっても
ずっと追いかけて最近ようやく距離が縮まったところなんだから
君にそういうものは無いのかい?
【だから夢に現を抜かしている場合じゃない。実現させたい夢が自分の現実にはある】
【メルクレイアは少年に問いかけた】


211 : 【胡蝶の夢、或いはアルハザードのランプ】 :2014/04/29(火) 00:17:16 7MmlyGio
>>207-209

鳥籠を囲むように、20のベッドが現れる
風紀委員の2人ならばわかるだろう、そこに眠る少年少女達は昏睡事件の被害者たちだ

「……わかってたんだ、このままじゃダメだって」

一人の少女がべッドから立ち上がる
4人の声に、幸福な夢から覚める覚悟を決めたように

「現実なんてクソだけど、そこにしかないものだってあるんだ」

「俺も勇気をさなきゃ……」

「夢は現実があってこそ、か」

「……現実でしか生きられないんだよな、僕達」

一人、また一人と夢から醒める
その度に軋みを上げながら、鳥籠が揺れる

「……夢が、夢が覚めちゃう!
 フギン、ムニン!止めてくれよ!」

亀裂、歪みが止まらない
割れたガラスのように、世界が砕けていく

「このままじゃ、僕の世界が―――」



――――――

――――

――


気付くと4人は住宅区の公園で立ち竦んでいた
目の前には白の鴉、先程4人が見かけた鴉と同じものだろう

だが1つだけ違う点があった
足に括りつけられたランタンが割れている

「……夢が覚めちゃった
 僕の魔術は、壊れちゃったんだ」

鴉の嘴が揺れるとそんな声が聞こえてくる
夢で聞いた、少年の声
夢の中にあった余裕はなく、恐怖に震える

「ランタンが割れた今、僕には魔術は使えない
 ……もう、僕には夢の世界はない」


そして、日が昇る
目を覚ますには良い時間だ

後日、わかった事だがこの朝、昏睡事件に全生徒が目を覚ましたと言う
そして夢に囚われる生徒はもう出なくなったそうだ


//以上です
//お疲れ様でした
//精神での戦闘という事で+10ですね


212 : 【胡蝶の夢、或いはアルハザードのランプ】 :2014/04/29(火) 00:17:48 7MmlyGio
>>210が抜けていますたすみません


213 : 佐々見沙希 【影法師】Level2(32)E:日傘 :2014/04/29(火) 00:40:54 JWSzs6pc
>>211
周囲にいた生徒たちが消えてゆく―――言葉を信じるならば、彼らは目覚めているのだろう
彼らにも口惜しさはあるはずだ、幸福を手放す事にどれだけの覚悟が必要か
考えただけでもその重さを思い知る、だがそれでも立ったのだ

こんなつたない言葉を信じて――――――


――――――目覚める
巡廻でよく目にする見慣れた公園の中央、見崎だけでなく斎藤や佐伯と共に立っている


ここも夢――――?


そんなことをふと疑問に感じた沙希の前に、一羽の鴉が姿を見せていた
白い鴉……夢に落ちた時、目にしたものと同じ
いや一つだけ違うものがある、その足に備えられていたランタンが壊れているのだ

「夢の世界はなくても、世界に夢はある」

鴉から聞こえてくる少年の言葉に沙希は言う

「それに夢は『見る』だけの物じゃない、『叶える』事だって出来るんだから――――」


見上げれば明の闇を切り裂く日の光が見える

もうそんな時間なのか

今日もまた一日が始まる、その前にシャワーを浴びないと――――――


//イベントお疲れ様でした!最後レスが遅くてごめんなさい……
//いいイベントでしたよ!!


214 : 斎藤 烈 『水操作Level1(04)』 :2014/04/29(火) 00:50:14 ebfUBoV6
>>211
目覚め、周囲を見回せば見慣れた顔が幾つかと、それから

「……ランタン、割れちゃったんだね」

白い鴉へ視線を送る、初の魔術師との遭遇がこんな形になるとは思ってもみなかった
その嘴から漏れる声は震え、何かを恐れているようで

ありがとね、そう口を動かしたのは気の所為ではない
彼のせいでこんな目にあったのも事実、しかし、彼のおかげで祖父母に再び会えたというのも、また事実で

胸元のチェーンへ触れる、そこには確かに、琥珀の指輪がついていた

「ちゃんと大切にしてるからね、爺ちゃん」

そう言って目を閉じる、夢の中で出会った彼等を、脳裏に焼き付けるように
……忘れて、しまわないように


//遅くなりましたが、イベントお疲れ様でした!とても楽しかったですよー
//中々話を進展させられずに申し訳ないです、もう少しガッツリいけば良かったですね


215 : 見崎 ◆CS.DTW4Buc :2014/04/29(火) 00:52:27 YR7eL4cU
>>211



「───夢なんてもんはさ」

「結局、現実の世界に自分がいるからこそ見れんのさ」

いつの間にか目覚めた公園で、朝焼けに染まりつつある橙の空に向かって、見崎は呟いた。
夢と現実、どちらか一つだけで人は生きられない。現実を生きる糧に夢を見て、幸せな夢を作る為に現実に生きる。

でも、夢の世界に生きる事が出来るのならば、それはそれは素晴らしい物だ。
もしそれが許されるなら、自分がそれを許容出来たのなら、今頃はきっと───

「…あーあ、俺っちの事を優しく起こしてくれるメイドさんとかいないかなーーーーー!」
「『おはようございます、旦那様』とか言っちゃってさーーーーー!」

もしもの事を言ってもしょうがない、過去に『たら』や『れば』をつけている暇があるなら、今を生きるのが信条だ。
煩悩塗れの欲望を朝焼けの空に響かせながら、見崎は二度寝の為に家に帰る事にした。
きっと、今日は風紀委員が忙しくなるだろうから。

/お疲れ様でした!


216 : 佐伯 ◆XJan2K7omU :2014/04/29(火) 10:40:53 kPV9Gen2
>>211

【甘い夢が音を立てて崩壊する。目の前が白くなっていく…】
【気がつくと空はなんとも言えぬ青紫色で、東からは朝日が昇ろうとしていた。起き上がろうとした時、メルクレイアはくしゃみをした。一晩中外で眠っていたのだ。体が冷えてしまったのだろう】
【両腕で体を摩りながら立ち上がると、そこには壊れたランタンを括り付けた白い鴉がいた。嘴を開くと少年の声が零れ出る】

君が望み求める限り、幸せはいくらでも転がっているよ
夢の中だけじゃなくてこっちの世界にも目をこらしてごらん
【少年に聞こえているかは分からないが鴉にそう語りかける。こちらの世界にも目を向けろと、小さな希望を見出せと】

もしまたここでキミと会うことがあったら…キミがまだそれを見つけていなかったら…その時は一緒に探してあげるよ。茶番のお礼にさ
【あの少年が今どうしてるのかは知らないが、願わくば魔術に頼らずとも夢や希望を見出せますように。メルクレイアはそう朝日に祈りながら家路についた。果たしてその祈りが届くのか、成就するのか…それは誰にも分からない】

//改めましてイベントお疲れ様でした


217 : 斎藤と大根と樹 ◆435bdiv0ac :2014/05/06(火) 13:32:21 tfjbXe26
//13:30を過ぎましたので、事前に参加申請をして頂いた7名の皆様は点呼の方をお願い致します


218 : 緒里谷 ◆oEVkC4b3dI :2014/05/06(火) 13:33:57 GhuVzkhw
>>217
//緒里谷中身おります、本日はよろしくお願いします!


219 : ジャン ◆48cHuom91c :2014/05/06(火) 13:34:05 /gy.x/ug
ジャン=ロメルク、おりますノシ


220 : 佐伯 ◆XJan2K7omU :2014/05/06(火) 13:35:26 5eparrxs
いまーす


221 : 早瀬&紅 ◆C0h0UWNn2I :2014/05/06(火) 13:36:55 U1MOeKPg
はい、よろしくお願いします


222 : 如月 ◆HuheVueYXM :2014/05/06(火) 13:37:42 vt0gYJak
//如月です、よろしくお願いしますー


223 : 夏目 良助【触って視界を奪う】Lv.1 :2014/05/06(火) 13:43:15 JAwAZR1s
夏目です。滑り込みですがよろしくお願いします……!


224 : アニマル・パニック ◆435bdiv0ac :2014/05/06(火) 14:02:00 tfjbXe26
//計6名、確認致しました
//遅れた方は途中参加という形になりますので、雑談スレの方で参加予告の方をお願いします
//それでは、イベント開始です


225 : アニマル・パニック ◆435bdiv0ac :2014/05/06(火) 14:03:25 tfjbXe26
太陽が天辺に昇り詰め熱をばら撒く正午近く、住宅区のとある一画

そこに、不運な事に不良に絡まれ、半泣きでそれを拒んでいる少女がいる
髪は白に程近い金、ゆるくウェーブを描くそれは腰よりやや下までふんわりと背中を包んでおり
首を振る度につられてふるふると揺れ、光を反射して淡く輝く
まるで某童話の主人公のような水色と白の服を細い身体に纏った彼女は、左手に赤白のロープをぎゅうと握りしめ
そのロープの繋がる先、すぐ傍らには大型犬―――ジャーマン・シェパード・ドッグが寄り添い、少女をまもるように不良に向けて低く唸り続ける、だが

『い〜じゃんよぉ?イヌなんかおいて俺と遊ぼうぜぇ?』
「……やだ、こないで」

……どうやら、不良には効果がないようだ
異国の少女は困ったように後ずさり、逃げようとするも不良がそれを許さず

この場面、周囲に参加者以外の人影は見当たらない
彼らに対して何か行動を起こす者は、果たして―――?


226 : 緒里谷 依織【生体磁気】Lv.2(33) E:金属球、手錠 :2014/05/06(火) 14:11:32 GhuVzkhw
>>225

【少女は珍しく迷っていた】
【時間が時間で、周囲には何人かの通行人以外に人気はきわめて少ない】
【つまり、絡まれている側に差し伸べられるすくいは絶対的に不足しているという事で】
【しかし、彼女は明らかに異邦人――――、その点において、一抹の不安が脳裏を過ぎるが】

いい加減にしなさい。 それが女性に対する態度ですか

【出した結論は迅速なる救助】
【自分の都合だけで正義を執行しないなどという道は最初から存在しない】
【そういう独善で、風紀委員緒里谷依織は今日とて弱者を擁し悪人を排するために】
【目の前の不良に対し、高圧的な態度でもって声を投げるのであった】


//改めて、GM様並びに参加者さま宜しくお願いします!


227 : 佐々見沙希 【影法師】Level2(32)E:日傘 :2014/05/06(火) 14:11:58 mTG/aGLE
/あぶない……電話に出てたらこんなことに


228 : 早瀬 琢磨【影-シャドウ-】Lv1(1) :2014/05/06(火) 14:13:55 U1MOeKPg
>>225
………ふぅ、ん?
………うわぁ、大人げねーな
【買い物に行く途中、少女が不良に絡まれているのを見つけた】
【不運な事に周りには誰もいない】
【しかしここで自分が行動を起こしたところで何になるのだろう、相手の腕っ節が強ければ返り討ち確定なのである】
【弱い自分が助けに行ったってただの足手まとい、ここは誰か主人公気質な人物が助けに来る事を期待して立ち去ろうとした、が…】
………犬?おい、あの野郎犬に手出すんじゃないだろうな、それは許さんぞ。断じて
【少女はどうなっても良いのか、とツッコミをもらいそうだがそうではない、誤解である】
【犬に危害を加えられたら大変だ、考えを改めて助けに向かう事にする】
【もちろん喧嘩などに発展させたくはないが…】

おい、あんた何してんだよ?
【いつもの影の薄さを利用して相手の後ろから話しかける】
【相手には突然現れたように見えるであろう】
/改めてよろしくお願いします!


229 : ジャン ◆48cHuom91c :2014/05/06(火) 14:15:47 /gy.x/ug
>>225

「…あ?なんだありゃぁ――…ナンパ?」

たまたまその不良に絡まれている現場に遭遇した女魔術師・ジャン。
昼間のこんな時間帯から、そういった事をしていることと
自分が言えた義理ではないが、少女の変わった服装に少し驚いたようだった。

本来なら、目撃してしまったからにはここでは少女を助けるのが筋なのだが
残念ながら現在の女にはそんな良心も気力もない。

「あーあぁ…カワイソ。」

そう呟くとそのまま彼らのすぐ近くを通り過ぎようとする。
罪悪感などは一切ない。

自分には全く関係ないことだし、そもそも興味もない。
少女の傍らにいる大型犬が主を守り通してくれるだろうと
勝手に不本意な期待を乗せ、すれ違う間際シェパードの方をちらりと見た 

/よろしくお願いします!


230 : 夏目 良助【触って視界を奪う】Lv.1 :2014/05/06(火) 14:17:20 JAwAZR1s
>>225
犬の唸り声。男の猫なで声に、震える少女の声。──照り付ける日差しの元、それを聞き付けたのは全くの偶然だった。
紺のパーカーにジーンズといった出で立ちの彼は、フードの下でだらだらと汗をかきながら、そう遠くない位置でそれを目撃した。
いったい何が起きているのか。それははっきりしていた。助けにゆくべきか。……はっきりとしない。

「……なんだってんだ、くそ」

心情といえば、勿論助けにゆきたいと思う。しかし自分で、あの不良から少女を助け出す事が出来るのだろうか。
更に言えば、見ず知らずの少女にとっては不良も自分も、もしかしたら大差はないのではないか。……。

考えなくてもいいようなことを考え、悩む。
……とりあえず、事態がもっと悪化したなら、その時にどうするかを決めることにしよう。
彼はそんな後ろ向きな結論と共に、ことの成り行きを見守ることにする……。


231 : 佐伯 ◆XJan2K7omU :2014/05/06(火) 14:20:34 Y8AMQmkY
>>225
【何か冷たいものでも買おうと外に出ていたメルクレイア。コンビニに行く道すがら何やら揉めている二人と一匹を発見する】
【どうやら男の方はナンパしていて、少女の方はそれを嫌がっているようだ。しかし少女の拒否は男に通じていない】

【よく見れば少女は異国の人間らしい。これはなんとか助けなくてはならないが相手は自分よりも体格が大きい】
【出来るだけ争い事を避けつつ彼女を助けなくては……】

…あれ?そんなとこにいたんだ。こんなとこで何をしてるの?
【まるで友人であるかのように二人と一匹の間に割って入った。少女の友人のふりをして連れ出すことにしたのだ】

待ち合わせ場所にいつまでも来ないと思ったら……
だから一緒に行こうっていったじゃないか。さ、早く行こうよ。みんな待ってるよ

……あ、そこのお兄さんすみません。彼女がご迷惑をかけてしまったようで
彼女はボクが連れて行きますので、道案内は結構ですよ
【なるべく波風を立てないようにやんわりと、男を追い払おうと試みる。服装が黒いパーカーにジーンズとやや男性的だったため、見る人が見れば少女の兄かまたは友人に見えなくもない】
【果たして芝居は通るのか……】


232 : 如月 ◆HuheVueYXM :2014/05/06(火) 14:23:22 vt0gYJak
>>225

【『プリンでも買おうかな』と、自宅から飛び出した休日の昼。】
【近道をしようと立ち寄った路地には、数人の先客がいた。】
【どこか神秘的な雰囲気の異国の少女に、不良。良からぬ雰囲気である事は明らかで】

…え、えっと…。

【不良に注意をしようとするも少し躊躇って、声が出ない。】
【如月 香蓮は能力すらもまともに使えない、か弱いただの学生で】
【しかしそれでも、目の前の困っている人を見逃す選択肢など最初から存在しない。】

……や、やめてください!
ふ、風紀委員呼びますよっ!!

【声を張り上げて、後ろから不良に呼びかける。】
【その内容は人を呼ぶというやや情けないものであったが、力などない香蓮にはこれが精一杯で。】

【『…本当に、精一杯なの?』なんて考えが一瞬脳裏によぎって、すぐ消えた。】


233 : 佐々見沙希 【影法師】Level2(44)E:日傘 :2014/05/06(火) 14:23:56 mTG/aGLE
>>225
少女に手を上げんとする男、それに怯える少女とそんな少女を庇う様に寄り添うシェパード
ジャーマン・シェパードと言えば警察犬等に採用される程に知的で忠誠心が高く、また犬としての能力も高い品種だ
しかし男はそれに億そうとしない―――――

ピピー!!

その光景を切って裂くように、劈く様なホイッスルの音が響き渡る
音の出所を探れば、逆光を背負いアスファルトへと一直線に影を伸ばした人の姿があった

「そんな小さな女の子に何をするつもり!」

そこに立つ人物――――沙希の左腕には、風紀委員と記された腕章が光を浴びて透けて輝く

「女の子に手を出そうなんてサイテーよ……!」

その非常な行為に、突き刺さるほど鋭い蔑む様な視線が不良へと向けられる
靴底でカツカツとリズムを鳴らしながら、沙希は少女たちの元へと歩を進めてきた


234 : アニマル・パニック ◆435bdiv0ac :2014/05/06(火) 14:49:01 tfjbXe26
>>226>>228-233

鋭い警笛、掛けられる複数の声……少女の身体が驚きで跳ね、そのまま怯えるように両手で耳を塞ぐ
目をぎゅうと瞑り、耳を塞ぎ、外界からの刺激をシャットアウトするように


『あァん?……チッ、風紀委員かよ』
『邪魔だジャマ、俺はこのカワイコちゃんとは知り合いだから?問題ないっつーか?』

面倒そうに声をかけてきた人々に顔を向け反応し、ヘラリヘラリと笑うは不良
後ろから声を掛けられたことに驚く事はなく、居たのかよ、と小声でぼそり、舌打ちと共に零す

周囲に群がり出すお節介な人々に対して、虫を追い払うかのように、ダルそうにしっしと手を振る、その途中

『オマエラさっさとどっかいけよ?俺はこのあ「…………ちゃえ」とこの子といっしょに―――』
「……どうぶつに、なっちゃえ!」

半ば絶叫のような少女の声が辺りに響く、それと同時に、シェパードの大きな吠え声

近くに居る者は皆、身体を熱と疼きに苛まれる
それらを堪えて揺れる視界の隅、何処かへ逃げるように駆けていく少女と犬は見えただろうか
暫くして、熱と疼きがおさまる頃―――

―――その場にいた者は全て、いやひとりを除いて、動物なってしまっていた
佐々見 沙希……その姿は、妖精のようだと謳われるネザーランドドワーフ
早瀬 琢磨……その姿は、災いを呼ぶとされる黒猫
如月 香蓮……その姿は、掌におさまる可愛らしい愛玩動物ゴールデンハムスター
ジャン=ロメルク……その姿は、闇夜に溶け込む怪しげなカラス
緒里谷 依織……その姿は、何人たりとも寄せ付けぬ孤高のマレーヤマアラシ
夏目 良助……その姿は、命を繋ぐために身体を尖らせたハリネズミ
佐伯 メルクレイア……その姿は、我儘に自由に生きる人間

そして、不良は

《……な、なんだよコレ》

ヂイヂイと悲痛な鳴き声をあげるのは、強欲なドブネズミ
鳴き声として聞こえるとにもかかわらず、それの意味する言葉を動物になった者たちは瞬時に理解できる
しかし、人間の姿の者には、それはただの鳴き声としか聞こえず―――


//ここからは、皆様動物の姿でのロールになります
//人間の言葉と念話の区別をつけるため、人間の台詞は「」、念話の台詞は《》での表示を宜しくお願いします


235 : 早瀬 琢磨【影-シャドウ-】Lv1(1) :2014/05/06(火) 14:58:09 U1MOeKPg
>>234
「………!?」


【体が熱い、それにこれまで経験した事のない感覚、一体何だ?】
【前が見えない、視界が揺れる】
【その中ではっきりと見た、あの少女と犬が逃げていくのを】
【―――そこで、プツリと早瀬の意識は途切れた】


【少し経って目を覚ます、未だに視界はグラグラしているが少しずつ安定してきた。しかし何だか違和感を感じる】
【そこにあったのは……】

《…なんだ、これ…?》

【黒い手、四足歩行、そして尻、耳の辺りの異物感】
【―――黒猫の姿に、早瀬はなっていた】


236 : 緒里谷 依織【マレーヤマアラシ】 :2014/05/06(火) 15:03:11 GhuVzkhw
>>234

――――…ッ!?

【視界が歪む、頭が揺れる。音が木霊する】
【ぐわんぐわんと、熱湯入りの洗濯機の中に放り込まれたような、不快な感覚】
【不良の声と、それ以外の声に交じり、ひときわ高いあの声と吠え声】

【視界が、沈み――――沈み――――――――沈み――――――――――――沈む】




ぎゃう?

【気が付くと周りには様々な鳴き声。それを聞いて、自分が倒れていたのだと気付き】
【自分の手足を見下ろせば学ランは黒ちゃけた体毛に様変わり】
【あからさまなまでの異常に、思わずよろけて尻もちつけば、臀部に鋭い針が刺さり、痛みで20㎝ばかりも跳び上がる】
【獣の性かパニックになる頭の片隅で、人間だった時の冷静な自分の一片が囁きかける】

【能力者だとすれば単なる能力の暴走】
【だがそうだとすればこの手の事件はもっと頻発していてもおかしくない】
【加えて相手の容姿、連れていた猛犬――――気になるワードは幾つもあって】
【これまでの経験則より、遅ればせながら導き出される結論は一つ】

ぎゃう……、 《まさかこれは……魔術!?》


237 : 佐伯 ◆XJan2K7omU :2014/05/06(火) 15:03:15 5eparrxs
>>234
【自分が出るまでも無かったようだ。周りには多くのお節介さんがいた。その中には知り合いもいる】
【これならたとえ不良が抵抗してもすぐに押さえ込むことができるはずだ。ならばあとはこの少女と一匹を引き離すだけ……そう思っていた】

ーーーーっ!?

【突然身体の内から湧き上がった熱と疼き。視界が狭まり、上と下がひっくり返る。微かに見える少女と一匹……遠ざかっていく、意識が遠ざかっていく……!!】

「………ん………」
【どれくらい経ったのだろう。メルクレイアはその場に倒れていた。身体についた埃を払って立ち上がると思わず小さく声をあげてしまった】

【メルクレイアの周りはいつの間にか動物に囲まれていた。猫、ウサギ、ハムスターにカラスにヤマアラシにハリネズミにただのネズミに……恐ろしく統一感が無い】
【これはどういうことのか。少女と一匹が消えた後に残った小さな動物王国。メルクレイアはその関連性をまだ見出せずにいた】

「これは一体……?他の皆はどこに言ったんだ?おーいタクマ、サキ……!」
【試しに知っている人の名を呼んでみるが……】


238 : ジャン=ロメルク【オルレアンの乙女】rank.C(04)E:旗 :2014/05/06(火) 15:03:55 /gy.x/ug
>>234
その場を後にしようとしたジャンが次に聞いたのは、甲高い警笛。
一度通り過ぎた道を振り替えると、そこには不良と少女以外の少年少女たちが集まっていた。
…約一名、見た顔のような人物もいたが。

「――お?なんだぁ、少し面白くなってきた…?」

何やら只のナンパ劇では終わらなそうな風のふきまわしにニヤリと笑うと興味本意に
一歩彼ら――…謂わば犬を連れた少女へと歩みを進めた。その時だ。

『……どうぶつに、なっちゃえ!』

(―――っ!?あ……!?)

少女の叫びと犬の遠吠え。
それと同時、膝で立つともやっとな位の熱が女の身体を襲うー――。

…そして数分後。少女が叫んだ瞬間、ふと感じた嫌な予感は見事に的中することとなる。

《こりゃぁ……、参ったな。》

バサ、と黒い翼をはためかせれば、そう唸る。
先程まで西欧の少女と犬がいた場所にはその彼らはおらず、代わりに…
大量の動物たちが、その路地に存在していた。


239 : 夏目 良助【触って視界を奪う】Lv.1 :2014/05/06(火) 15:11:49 JAwAZR1s
>>234
偶然にも二人の諍いを目撃していたのは自分だけではなかったようで、敢えて関わらなくても何とかなりそうだ、と
無責任にほっと息をついたころ。──。耳を劈く少女の絶叫が、あたりに木霊した。

「……っ」

あわてて視線を戻すまでもなく突然、熱が身体を蝕みはじめる。
風邪でも引いてしまったかのような高熱と、身体中を掻き回されてでもいるかのような“疼き”
少女の言葉の意味に意識を向ける余裕も無く変化に戸惑う意識の隅に、走り去るふたりの姿が見える。

なんだかんだ、無事に助かったようで、良かったのかも知れない。
頭の端でそんな事を考えながら、その場でしゃがみ込み。そして──。


《……おいおい、マジかよ……。》

眼に映る視界が、格段に低い。
茫然とする一方で少年は、いや、ハリネズミは、少女の叫びを、その脳裏に想い描いていた。
“……どうぶつに、なっちゃえ!”……。

彼の溜息は小さな鳴き声となって、真昼の住宅街に控えめに響いた。


240 : 如月 ◆HuheVueYXM :2014/05/06(火) 15:14:20 vt0gYJak
>>234

【精一杯発した自分の言葉さえも、全く意に介していない様子の不良。】
【『風紀委員の人もいるみたいだし、後は任せるしかないのかなあ』なんて、自責の念にかられる。】
【しかし次の瞬間、不良の軽薄な言葉に混じって、どこか不思議な掛け声が耳に入り…、異変が起きる。】

……!?

【身体が熱い。言葉が上手く発せない。そして視界も、段々と暗くなっていって──、意識が途切れる。】

【目が覚めたら、世界が急に大きくなったような気がする。】
【なぜだか四つん這いしているので、二つの足で立ち上がろうとするが、上手くできなくて地面に転がってしまう。】
【狭い視界で辺りを見渡してみたら、自分の背丈以上の大きさの動物ばかりで。】

《……ふぇ?》

【自分に起こった異変をまるで理解できていない少女】
【…否、ゴールデンハムスター、如月 香蓮は、地面をゴロゴロと転がって、情けない鳴き声をあげていた。】


241 : 《ウサギ》佐々見沙希 【影法師】Level2(44)E:日傘 :2014/05/06(火) 15:16:28 mTG/aGLE
>>234
「知り合いかどうかはあなたをしょっ引いて支部の方で確認を取ります」

嘲るような男の態度に対して沙希は眉をピクリと動かす
組んでいた腕をとくと、男を捕まえようとその手を伸ばし―――――

「へ?」

そんな時だった
先ほどまで怯えて縮こまっていた少女が癇癪を起したかのように体を震えがらせると
幼さが残った高い声を絞り上げて叫びをあげたのだ
   動物になれ、と
その言葉の意味を考える暇もなく、沙希は己の体に起こった異変を感じ取った

――――熱い!

関節に感じる熱とも痛みとも取れる感覚が全身へと広がっていく
血管が広がるのを感じ、疼きが己の血潮に乗って駆け巡っていくのが分かる
沙希は内から感じる特異な感覚に己の体を両腕で抱きしめ、得も知れない気分に目を絞るように閉じて息を荒げる
つま先から湧き上がるように力が抜けていくのが分かる、膝が笑い始めているのも感じる

もう、立っていられな―――――

瞬間の意識のブラックアウトの後、突如として消えた感覚に沙希は目を開いた
見るとアスファルトが近い、先ほどの症状に耐えられず倒れてしまったのだろうか
立ち上がらなければ、そう感じた沙希は足に力を込める
腕を使うこともなく何故だかいつも以上に容易く立ち上がることが出来た
出来たのだが―――――

《……あれ?》

目線が異常な程に低い
確かに沙希は身長は低いが電柱に張り付けられた広告を見上げるような状況になったことは無い
それだけではない、何故か視界が広い―――――
周囲をくるくると見回すと、ふとアスファルトに映された己の影に気付く
いや、その違和感に気付かざるを得なかった

いつも以上に頭が大きいし体もまたどこか丸い、足も短い、両腕なんて小さく前に出ている程度だ
だが、そんなものよりも頭のてっぺんから天に向けて差し伸びるそれ
これは、小さくても間違いなく耳―――――

ふと少女の言葉を思い出した、「どうぶつになっちゃえ」―――――

《わ、わたし……》

まさか、そんな事常識じゃ考えられない
だがこの状況と自身に起こった変化を説明できるのは『これ』しか存在しない
つまり―――――

《う……う、ウサギになっちゃったの!?》

見おろした自分の体は何時もの肌色とは異なり、柔らかそうな薄茶色の毛に包まれていた


242 : アニマル・パニック ◆435bdiv0ac :2014/05/06(火) 15:35:30 tfjbXe26
>>235-241

《うあ、あ、ああああぁぁあぁああっ!!》

パニックを起こし、泣き叫びながらドブネズミは何処かへと消えていく
追いかけようにも、パイプを伝い登り、すばしこく駆け抜ける小さな身体を追うのは至難の技で
結果として、彼は……不良は、見えない場所へ行ってしまった


―――そして、その場で戸惑う動物たちに、ナァオ、と声がかかる



ナァオ……ウニャア?《おい、お前らぁ……さっきニンゲンだったろぉ?なんでそんな姿になってんだぁ》

のそのそと歩み寄るのはハチワレ模様の猫、言葉の調子からして雄だろうか
どうやら一部始終を近くで見ていたらしく、どうしたんだと声をかけてくる途中
ぺろりと舌舐めずりし、目をやるのは如月と佐々見……否、ゴールデンハムスターとネザーランドドワーフ

……ナーン《そこの奴よぉ、腹減ってるから喰ってもいいかぁ》

なるほど確かに見てみると、ハチワレはあまり良い暮らしはしていないようで
その目は既に狩猟者の目だ、良い具合に腹を満たせそうな獲物が見つかった、という


そして……姿の変わらなかった、佐伯は
ハチワレの声も、他の皆の声も、鳴き声としか認識できない
しかし元は人間の動物が殆どだ、YESNOで答える質問ならば、身振り手振りでも応えられる筈
その事実に佐伯が気付くかどうかは、分からないが


243 : 佐伯 ◆XJan2K7omU :2014/05/06(火) 15:47:09 5eparrxs
>>242
【気絶から立ち直ってしばらくするとだんだん頭もスッキリし、いくらか落ち着いてものを考えられるようになった】
【今のこの状況。消えた人々とその代わりに現れた動物たち。ペットショップや動物園から逃げたというわけでは無いだろう。そこじゃカラスやただのネズミを扱うとは思えない】
【そして気絶する間際に聞こえた…少女の声。一際大きく聞こえた、何て?】

「どうぶつに、なっちゃえ…?」
【まさか。周りにいる動物たちを見る。まさかこの異変は彼女の仕業なのか?だとしてもなぜ自分は何も変わっていないのか?】

あっ……
【どうしたものかと頭をひねっているとネズミが一人でに何処かへ行ってしまった。もし自分の仮定が本当ならば、一人…いや一匹での単独行動は危険だ】

(でも……ネズミだし大丈夫かな?すばしっこいしいざという時は逃げ切れるかもしれないな)
【……と思ったのも束の間いつのまにか猫が増えている。鳴き声をあげて近づいているが…その目線には"獲物"として手頃なハムスターとウサギがいた】

「ごめんね。彼らは食べ物じゃないんだ」
【通じるかどうかは不明だがハチワレにそう言うと、飛びかからないように割って入る。小動物はこちらで保護したほうが良さそうだ】
【これまた試しにメルクレイアは二匹に声をかけてみる】

誰かはわからないけど……ウサギさん、ハムスターさん。危ないからこっちにおいで
【手を広げてこっちに来るように促す。果たして来てくれるだろうか?】


244 : 早瀬 琢磨【黒猫】 :2014/05/06(火) 15:49:16 U1MOeKPg
>>242
………………

【まず、状況を整理しよう】
【この低い目線、四足歩行、そして黒い手足】
【さらに人間だった時の尻と耳辺りに感じる違和感】
【黒猫になったしまったのだ、と改めて冷静に分析する】
(あれっ、でも猫って可愛いじゃん、つまり今の俺可愛いじゃん。よっしゃ愛されキャラの座を狙えるチャンスが来たぜ!)
(………ってアホか、俺は人間だよ。人間になりたい!)
【物凄く馬鹿な思考を巡らせ、周囲を見渡す】
【統一感のない面子だ。恐らく同じ被害者だろう】
【だが一人姿が変わっていない人物が。確か………メルなんとかだったっけ?】
【アイスの食べ比べをしに一緒に出かける約束をしてしまうというミスを自分が犯してしまった相手】
【目でも腐っていればきっと目で自分が早瀬であるという事を伝えられるとは思うが……無理だろう、普通だから】
【それに目が腐ってるのは例の風紀委員だけで充分だ、名前なんて忘れてしまったが以前ちょっとした手助けをした覚えはある。ちょっとした事すぎて相手は覚えていないんだろうが】

【そこに一匹の猫が歩み寄って来た。同じ猫同士仲良くなれるだろうか、猫の状態ですら影が薄いはずは…ないと信じたい】

《よう……可愛がっている相手と同じ姿になんのは奇妙な気分だな》
《おい食うなよ、一応元人間なんだから。後で猫缶やるから》

【近づいてきた猫と念話を……あれ?なぜこんな事が出来るんだ?まあ良いか】
【とにかく一応は味方なのだから食われてはたまったものじゃない、猫缶は後でメルクレイアがやってくれるだろう、と勝手な期待を寄せてハチワレを諌める】


245 : 緒里谷 依織【マレーヤマアラシ】 :2014/05/06(火) 15:49:51 GhuVzkhw
>>242

【止める間もなく何処かへ雲隠れする不良もといドブネズミ】
【一匹脱落して多少は静寂に近づいたかに思えた道路。そこへ、いつの間にか動物が一匹増えていて】
【振り向けばそいつは、完璧に捕食者の目をしていた】

ぎゃう… 《そこの方は私の知り合いですので、捕食されては困ります》

【ヤマアラシは(――――注意、あくまでヤマアラシの話である――――)孤独だが、社交性を全く持たない種族ではない】
【そして依織にとって佐々見――いまは可愛らしい兎となった彼女の方には些か面識がある存在であり】
【もしこの場に居合わせなければ或いは見過ごしていたかもしれないが――――】
【威嚇のつもりなのだろう、ハチワレ猫に対して身を逆立てると尻尾の針がからからと鳴き声よりも甲高く震えた】

ぎゃお、 《それより、先程ここに居た大型犬と少女は、どちらへ逃げましたか?》

【問題はこの姿である。手錠や鉄球の装備を失ったのは痛いが、なにより能力が使えないという事実】
【体質の変化ゆえか、それとも魔術の妨害か。道端の空き缶で試してみたのだから確かである】
【一刻も早く原因を取り除かねば不味いと、獣の本能と人間の理性が異口同音に叫んでいるのだ】


246 : 《ウサギ》佐々見沙希 【影法師】Level2(44)E:日傘 :2014/05/06(火) 15:54:13 mTG/aGLE
>>242
《さっきの女の子は!?》

周囲にいた人物の中でその存在が確認……と言うよりは人間の姿であるのは佐伯だけ
他にはネズミにハムスター、黒猫にカラス、ハリネズミが2匹――――いや、片方はヤマアラシか
正直言って誰が誰だか分からない、この中には緒里谷も居るはずなのだが……

見回していた沙希であったが、突如として投げかけられた聞き覚えのない声にピクンと背筋を跳ねさせた

話しかけてきたのは、音が鳴らないように足をするりするりと動かして近づいてくる一匹の猫
いつもなら愛らしいと近づいて撫でていただろうが、動物の勘かこの状況が何を指しているのかすぐに分かった

このメンバーの中で、明確に攻撃能力を持たないのはハムスターと――――ウサギである沙希
恐らく自分はウサギの中でも特に小さい品種になったのだろう
バスケットボールを一回り小さくしたような、大人であれば片手で持てる大きさだ

《ね……狙われてる!》

兎ゆえ逃げるのは容易いだろう、だがここから逸れると恐らく元に戻る機会を失ってしまう
自らの能力名である【影法師】を唱えるが、影はウサギの形をして地面に張り付いているだけ――――

《ま、待って!さっきまでここに居た犬を連れた女の子の事を知らない!?》

となると話し合いで解決するしかない
ジリジリと近づいてくる猫と一定の距離を取るように、沙希はジリジリと下がる

傍から見ればこの状況、猫に襲われそうになっている兎そのままだろう


247 : 夏目 良助【触って視界を奪う】Lv.1 :2014/05/06(火) 15:56:08 JAwAZR1s
>>242

見れば少女の叫び声の聴こえた方に、住宅街にはそぐわない大勢の、種々の動物が戸惑った様子で集まっているのがわかる。
きっと自分と同じ状況にあるのだろうとあたりをつけて、彼はゆっくり歩き出す。四足の足を順に動かすのは、少しだけ難しい。
自分がなんの動物かすらも未だに分かってはいない。小さくて、四足歩行、……さしずめハムスターか、そのあたりだろうと思う。

───

その場の猫の口振りから、やはり動物になってしまったのは自分だけではなかったのだと、改めて知る。
加えて恐らく、純粋な動物の鳴き声すらも、聞き分けることが出来るようになっている。とも分かる。
そしてもうひとつ、猫の台詞から分かること。……もと人間の動物を、食べようとしているということだ。

《ね、猫って……そんなものまで喰うの?》

流石にそれは洒落にならない。ハチワレのぞくりとするような視線とハムスターたちを結ぶひとつの線を、遮るようにのそのそ動く。
とはいえ自分もまた、猫にとって美味そうに映るとも限らない。自分が何の動物かは、まだ分からないのだから。
そこが少しだけ、いや、かなり怖かった。
ハチワレの猫。普段は軽く撫でてやれるようなそれはいま、あまりにも巨大な怪獣のようで。
もしこのまま戻れなくなったらどうしよう……。そんな不安を消し飛ばすくらいには、直接的で大きな脅威といえた。


248 : 如月 ◆HuheVueYXM :2014/05/06(火) 15:58:14 vt0gYJak
>>242

チュー! 《ん? 私は人間だよ?》

【現れた猫の問いかけに対して、何とも的外れな返答をする。】
【『あれ?猫さんが喋ってる?』と思うなど、周囲の異変には気づいてるのだが】
【自分がゴールデンハムスターになってるなど、まさか夢にも思っておらず。】
【超常現象を受け入れるのを脳が拒んでいるのか、それともただ抜けているだけなのか…、間違いなく後者であるのだが。】

【ふと、猫と視線が合う。なんだか怖い目をしてるなあ、なんてのんきに思っていたら、恐ろしい一言を言われて】

チューッ!?チュー!!チュー!!!
《た、食べる!? わ、私おおおいしくないよっ!?》

【完全にパニックになって、悲鳴に近い鳴き声をあげる。】
【ふと「よく分からない」声がしたのでそちらを向いてみたら、佐伯(>>243)が手を広げている。】
【慌てて佐伯に向かって二足方向でダッシュするが、慣れない状況でそんな慌てていたら、転んでしまうのも当然で】
【佐伯の目の前で、スライディングのように勢い良く倒れこんでしまう。】

《あれ!? 私の手なんだかもふもふしてる!?》

【うつ伏せの状態で自分の手を見てみると、なんだかいつもの手と違うような】
【ようやく自分に起きた異変にも気づくが、まだハムスターになっている事には気づかない。】
【鈍い性格の上、猫に狙われてパニックを起こしている。周りの状況に気を向けられるような状態ではなくて】


249 : ジャン=ロメルク【オルレアンのカラス】 :2014/05/06(火) 16:01:05 /gy.x/ug
>>242

カラスとなったジャンは、いつにも増して考えていた。
無理はない、動物になるだなんて予想外であったし、これでは武器の旗も恐らく使えないのだ。

《あー…こりゃマズイな…あのガキの女と犬がどっか行ったら…》

…戻り方が分からない。
一応術中に掛かったとはいってもこの女も魔術師。
この現象が己の見当違いでなければ魔術であるということは勘付いているようだった。
カァ、と溜め息を吐きながら黒艶のある自身の翼を再び翻す。取り敢えず空から捜索でもしてみるかと思ったのだが――…。

《……チッ、ウゼーのが…》

間が悪いことに現れたのは人間からしたら可愛らしいかもしれない猫だった。
とはいっても動物達の会話からしたら「小動物食べてもいいか」という随分と物騒な事を言っている。
一応周りの動物の何匹かとと何故か一人だけ人間のままの男(?)が、事態を防ごうとしているが――。

《――オイ、うるせーぞ猫ぉ!テメーにやる餌なんてねぇよ!!》

バササっと一際大きく翼をはためかせそう叫んだ。もっとも、人間からしたらカラスが甲高く鳴いたように見えるのだろう。
別に狙われた二匹をたすけようとした訳ではないが、流石に見ず知らずの猫の餌になるのは自分だったら嫌だという考えからだった。


250 : アニマル・パニック ◆435bdiv0ac :2014/05/06(火) 16:18:08 tfjbXe26
>>243-249
人間に間に入られ、更にはカラスとヤマアラシに脅されて
諦めきれないのか目を細めるが、どうやら襲う事は諦めた様子

ウナァオ《なんだよぉ、生きる為なら仕方ないだろぉ》

そう言って警戒するように後退り、ふぅっっと背中の毛を軽く逆立てる
戦闘体勢か、はたまた逃げる準備か……というときに
猫缶をあげるという、早瀬の言葉
聞き逃さず、しめたとばかりに耳がぴくりと反応する

ナァーウ《ネコカン、ちゃんとよこせよぉ……そうだなぁ、イチネンぶんくらいは》

それに早瀬がYESと応えたならば、ハチワレは尻尾を器用に曲げて少女と犬が逃げた方向を示すだろう
NOと応えたならば、恐らくは逃げるが勝ちとばかりにその場から走り去るだろう


……不意に、チチチ、と鳴き声が響く

《クスクス、女の子と犬を探してるんだって》
《クスクス、どっちに行ったっけ……あっち?こっち?》

鳴き声の主を探したのならば、上方、電線に二羽の雀がとまっているのが分かる
おかしそうに笑ながら会話する声はこちらまで聞こえている、勿論、佐伯には鳴き声にしか聞こえないが


251 : 佐伯 ◆XJan2K7omU :2014/05/06(火) 16:23:34 5eparrxs
>>250
【ここであることに気づく。ハチワレが近づくと動物たちはそれぞれの言葉…鳴き声を上げ始めたのだ。それもタイミングがほぼ一緒である】

(もしかして会話している?違う種類の動物ともできるのか?)

「人を動物に変える能力……いや、あれは魔術かな?王子様をカエルにするみたいにやったのかもしれない」
「猫さん……黒猫じゃないほうの。ウサギやハムスターよりおいしいものをご馳走するのを約束しよう。もし知っているのなら大きな犬を連れた小さな女の子がどこにいるか教えてくれないか?」
【おとぎ話のような話だがここは学園都市だ。常識ではあり得ないことがいつ起きてもおかしくない場所……。状況からして少女がなんらかの鍵を握っていることはほぼ確実だ】
【動物…猫に人を尋ねるなんてクレイジーだと思いつつも対話を試みる。ちなみにウサギやハムスターよりおいしいもの、とは早瀬のいう猫缶などのキャットフードのことである】

>>248
【そして手を広げればハムスターがなんと二本足でダッシュしてきた。しかしハムスターは二本足ではなく四本足で動くもの……当然コケてしまう。それをそっと手で包んでやり、なんとかハムスターの回収に成功した】

ハムスターさん、キミはもしかして人間だった?
もしそうなら一鳴きしてほしいんだけど……
【人が動物になる、という現象に遭遇するのは初めてだ。初めてじゃない人がいるかどうかは分からないが……とりあえずハムスターに話しかけてみる】


252 : 佐伯 ◆XJan2K7omU :2014/05/06(火) 16:25:05 K92ENOOg
//本文に「」のつけ忘れがあったので再度上げ直しです。ごめんなさい!

>>250
【ここであることに気づく。ハチワレが近づくと動物たちはそれぞれの言葉…鳴き声を上げ始めたのだ。それもタイミングがほぼ一緒である】

(もしかして会話している?違う種類の動物ともできるのか?)

「人を動物に変える能力……いや、あれは魔術かな?王子様をカエルにするみたいにやったのかもしれない」
「猫さん……黒猫じゃないほうの。ウサギやハムスターよりおいしいものをご馳走するのを約束しよう。もし知っているのなら大きな犬を連れた小さな女の子がどこにいるか教えてくれないか?」
【おとぎ話のような話だがここは学園都市だ。常識ではあり得ないことがいつ起きてもおかしくない場所……。状況からして少女がなんらかの鍵を握っていることはほぼ確実だ】
【動物…猫に人を尋ねるなんてクレイジーだと思いつつも対話を試みる。ちなみにウサギやハムスターよりおいしいもの、とは早瀬のいう猫缶などのキャットフードのことである】

>>248
【そして手を広げればハムスターがなんと二本足でダッシュしてきた。しかしハムスターは二本足ではなく四本足で動くもの……当然コケてしまう。それをそっと手で包んでやり、なんとかハムスターの回収に成功した】

「ハムスターさん、キミはもしかして人間だった?もしそうなら一鳴きしてほしいんだけど……」
【人が動物になる、という現象に遭遇するのは初めてだ。初めてじゃない人がいるかどうかは分からないが……とりあえずハムスターに話しかけてみる】


253 : ジャン=ロメルク【オルレアンのカラス】 :2014/05/06(火) 16:29:30 /gy.x/ug
>>250

《そりゃ確かにそーだけどよぉ、オレたちゃ一応は人間様だぜぇ?
 ネコが簡単にはパクつくもんじゃねえっての。》

猫のなんだかごもっともな意見にはっきりと、直ぐさま返事を返す。
その言動はやや動物を貶しているように思えるには置いておいて。
猫缶で交渉など馬鹿馬鹿しいと思っていたが、全ては黒猫の返事に賭けるしかないのだろう。

と、上方から聞こえてきたのは新たな声。
ぐるりと鋭い眼光をそちらへと向けるとそこにいたのは、カラスである自分よりも幾分か小さい鳥…雀だった。
クスクスと笑う声が妙に苛立つが、その「犬と少女」という言葉に反応するや否や雀らに問いかける

《…!オイ、そこのちっこい二匹!今犬と女って言ったか!?》


254 : 早瀬 琢磨【黒猫】 :2014/05/06(火) 16:29:40 U1MOeKPg
>>250
《……お前元人間じゃね?思考が悪どいなオイ》

【さすがに今ここで一年分出せなどと言われても困る、手持ちなどないし】
【だが幸いな事に相手は今ここで、とは言っていない】
【つまり分割したって良いのだ、それで相手が文句を言ってこようがこちらは一切取り合わない】

《……うん、まあ元に戻ったらな。毎日やりに来ようじゃないか。約束する》

【これは取引だ、それにNOと言ったら後が怖い。凄い周りから視線浴びてる気がするし】
【風紀委員だって居るし、つまり無言の圧力である】
【まあこちらとしてもさっさとこの非日常の状態を終わらせたい。その一心であるが】
【すると、上から声がしてきた。見上げると電柱の上に雀が】

《……え、今度は雀かよ。そんなとこで嘲笑ってないで教えてくんねえかな……》

【早瀬には彼らが、高みの見物で嘲笑しているように見えた】


255 : 夏目 良助【触って視界を奪う】Lv.1 :2014/05/06(火) 16:34:41 JAwAZR1s
>>250

生きる為、と言われると少しだけかわいそうに思うけれども、ウサギやハムスターも生きている。
はいそうですかと食べさせるわけには、いかないと思う。……どうやらネコカンで、妥協してくれたようだが

《イチネンぶんは、ぼったくりすぎだろ! せめて一週間とか、そんなもんだろ》

襲う気がなくなったのを感じたからか、少しだけ強気にハリネズミは鳴く。
見ればひとりだけ人間のままの人物がいるようで、彼は羨ましそうに佐伯を見上げた。

《おーい、そこの。俺、なににみえるかな》

……と、唐突に聴こえてきたのは、電線に留まる雀の囀り。ハリネズミはふたたび鳴き声をあげて、訊いてみる。
なんらかの異能を行使したと思しい少女の行方も気になったけれど、まずは自分のことが先決だと、そう考えた。


256 : 緒里谷 依織【マレーヤマアラシ】 :2014/05/06(火) 16:37:49 GhuVzkhw
>>250

【それにしてもこの辺りは喧しい。様々な動物の鳴き声と心の声――念話とでも呼ぼうか――が大小入り乱れて】
【ただでさえ容量(キャパシティ)の少なくなった頭が割れるよう】
【その声をよく聞けば、ほとんどが知り合いであるようなのが救いだったろうか。ただ依織にとっては歓迎せざる者の其れも混じっているようで】
【上空で喚くカラスへ鬱陶しげに尻尾を振り鳴らす】

【ハチワレ猫に対して一応威嚇はしたが、交渉は同じ種族の物がこなすに相応しいだろう】
【ただ軽はずみな発言はタブーだと、草食らしからぬ強い目つきで黒猫の方を睨むが。上空から姦しい鳴き声にふと頭を持ち上げる】


ぎゃ、 《本当に知っているのですか? できれば案内してもらいたいものですが》

【空からの道案内がついてくるならこれ程心強いものはない】
【だがしかし、今の会話を聞くにそこまで高等――もとい親切な対応が望めるとは到底思えなかったが】
【一縷の望みをかけて、上空に鳴き声をあげてみる】


257 : 如月 香蓮【ゴールデンハムスター】 :2014/05/06(火) 16:42:17 vt0gYJak
>>250

【手の平サイズの小柄なハムスターであり、ピッタリと佐伯の手に収まるだろう。】

チュー…。

【脅威から逃げ切り、温かい手に守られて安心したのか、ほっと一鳴きする。】
【落ち着いて他の動物の会話を聞き、状況を確認してみると、どうやら自分は動物になってしまったらしい。】
【どの動物になったかは自分では分からなかったが、佐伯の言葉からするとハムスターになったようだ。】
【こんな状況にも関わらず、「ガラガラ回してみたいなー」なんて、のんきに思ったりして】

>>252

チュー! 《うん!》

【「YES」の意味を込めて、大きな声で鳴く。鳴き声と同時に頷いてみようとしたが、やはり上手くできなかった。】
【他の動物の言葉と同じように人間の言葉も分かったが、こちらからの言葉は届かないようで】
【まず助けてくれた感謝の気持ちを伝えようと、ふわふわの毛で佐伯の手の平に頬ずりしようとしてみる。】


258 : 《ウサギ》佐々見沙希 【影法師】Level2(44)E:日傘 :2014/05/06(火) 16:44:15 mTG/aGLE
>>250
兎は胸を撫で下ろす、マジで食われる5秒前状態だったが周囲の動物―――にされた人間たちに助けられた
どうやらネコ缶1年分なんて突拍子もない事を言った人物がいたらしく、それで情報を釣れそうだ
相手は人間、こちらは動物――――足の速さはどっこいかこちらが上だろうが、持久力はあちらが間違いなく上だ

犬を連れていた以上、バスや電車、タクシーで移動していることはないだろう
しかし距離を放され続けると体力的に追いつけなくなる
それに動物相手ならまだしも人間がやってくると捕まる可能性が極めて高い
何せ見た目的には動物たちの集会だ、子供なんて来たら厄介も厄介……早期に決着を付けないと酷い事になるかもしれない


そんなことを考えていた沙希の長い耳に、またしても新たな声が聞こえてくる
音の発信源は明らかな上空、見上げれば2羽の雀が啄む様に語り合っているではないか
その話のタネはどうやら自分たち、一部始終を見ていたのだろう

《スズメさんスズメさん!その女の子たちがどこに行ったか知らない?》

>>252
佐伯の前に居た兎は前足の掌を合わせる様に垂れさせながら、すっとその場で立ち上がる
首を伸ばして佐伯の見上げていた兎だったが、次の瞬間には長い耳と共に首を縦に振ったではないか

確かに兎は後ろ脚だけで立つことが出来る生き物だ、そんな仕草を様々な媒体で見たことがあるだろう
だが普通の兎はお辞儀なんてするだろうか?

助けてくれた謝礼なのか、それとも佐伯が言っていた元人間であると言う問いに頷いているのか――――
その正体が分からないにせよ、人であることに間違いはなさそうだ


>>256
《ありがとう、緒里谷さん》

その声からして、このヤマアラシが緒里谷なのだろうと沙希は分かった
しかしヤマアラシ、中々珍しい動物になったものだ……本物(?)を見たのは流石に初めてである


259 : アニマル・パニック ◆435bdiv0ac :2014/05/06(火) 16:56:32 tfjbXe26
>>251-258
ウナァン《じゃぁあわせてネコカン、ニネンぶんなぁ》

儲けた儲けた、とばかりにハチワレは目を細め、尻尾を器用に動かしてついっと道の先を示す

ナーアォウ《……こっちに走ってったぞぉ、後は知らないけどなぁ》

そう言って、ハチワレは薄暗い路地へと去っていく
そんな時に、上方からはこんな声が


《クスクス、確かあっちへ行かなかった?》
《クスクス、そうだよね、あっちへ行ったよね》

そう言って示すのは、ハチワレとは正反対の方向で
……どちらへ向かうかは、どちらを信じるかは、自由だ

>>255
声を掛けられ、雀はそちらへと顔を向ける

《クスクス、自分が何か分からないみたいよ?》
《クスクス、可哀想なハリネズミさん!》

どうやら夏目は、ハリネズミらしい
雀の言葉を信じるならば、だが


260 : ジャン=ロメルク【カラス】 ◆48cHuom91c :2014/05/06(火) 17:04:22 /gy.x/ug
>>259

《…だってサ。ガンバレよ、黒猫。》

交渉にて猫缶の量がちゃっかり増えたことに関してはスルーしておく。
あげるのは自分じゃなくて、黒い猫の奴だし。
取り敢えず、二年間猫にタダメシを食わせるらしい相手に対し激励はしておいた。

さて、これで解決かと思っていたのだが…
ここで新たな問題が発生する。
なんと猫とすずめの意見が合致していないのだ。

《な――っ…真逆じゃねーか!どっちだよ!?》

半ば狼狽しつつ、思わず変化のしていない人間のほうを見る
こういうときこそ、冷静な判断を出来る人物がいればいいのだが…


261 : 早瀬 琢磨【黒猫】 :2014/05/06(火) 17:05:43 U1MOeKPg
>>256>>259
《へいへい、約束はしっかり守るんで安心しろよ。特に猫との約束ならなおさらな》

【これは本心。猫とお近づきになれるチャンスではないか】
【さて、指された路地を見る。薄暗くて確かに逃げるには絶好そうだ】

《………いや風紀委員さん睨まないでくださいよ、怖いから。草食系のはずなのに野獣の眼光を感じるんだけど。まあ相変わらず目は腐って……あ、いえ何でもないですごめんなさい》
《とにかく情報も得られたんだし良いだろ別に、とりあえず俺はあっち行くから。雀がピーキャラ言ってるけど信じないぞ、高みの見物こいてる奴なんか信用できん》

【何故かこちらを睨んできた緒里谷に向けて言い放つ。途中物凄く失礼な事を言いかけたがやめた。怒らせてどうするんだ】
【とにかく、信じるのは猫一択である。そのハチワレが指した路地裏へと歩を進める、黒猫だし合ってるかもなんて考えながら】
【誰も着いてこないならばそれでも良い、孤独には慣れているから】


262 : ジャン=ロメルク【カラス】 ◆48cHuom91c :2014/05/06(火) 17:11:29 /gy.x/ug
途中で送ってましたorz…

>>259

《…だってサ。ガンバレよ、黒猫。》

交渉にて猫缶の量がちゃっかり増えたことに関してはスルーしておく。
あげるのは自分じゃなくて、黒い猫の奴だし。
取り敢えず、二年間猫にタダメシを食わせるらしい相手に対し激励はしておいた。

さて、これで解決かと思っていたのだが…
ここで新たな問題が発生する。
なんと猫とすずめの意見が合致していないのだ。

《な――っ…真逆じゃねーか!どっちだよ!?》

半ば狼狽しつつ、思わず変化のしていない人間のほうを見る
こういうときこそ、冷静な判断を出来る人物がいればいいのだが…まあ心当たりはある。
そう思いつつなんか威嚇的なことをしてきたヤマアラシに向けて翼を翻し


263 : 佐伯 ◆XJan2K7omU :2014/05/06(火) 17:13:29 5eparrxs
>>257
「…………」
【予想的中である。元が誰なのかはわからないが自分の仮定はとりあえず立証された。となれば少女と一匹…犬の行方を追わなくては。この現象に何らかの形で関与しているはずだ】
【だとすれば先ほど逃げたネズミはどうなるだろう。もしネコやカラスに見つかり運悪く捕食されたら……】

「マズいな…。なんとかして戻す手だてを見つけないと……」
【最悪の事態は避けなくては。どうすれば良いのかと顔を顰めているとハムスターがすり寄ってきた】

「…ありがとう。キミたちは他の動物の答えが分かるんだね?Yesは"チュー"Noは"チュー、チュー"で答えてほしい」
「なんとかして元に戻さなくっちゃ。タクマとは約束があるし」
【いくらか心が和み、険しい表情が少し和らぐ。まずは少女と犬だ。手がかりはそれしか無い】

>>258
「キミも人間なんだね。このままだと色々危ないと思う。さっきみたいに猫に狙われたり野犬に襲われるかもしれない」
「他の動物はある程度は大丈夫そうだけどキミはどうする?ボクにできることは抱き上げることくらいだけど。こっちに来る?Yesなら足を一回、Noなら2回鳴らしてほしい」
【きっとこのウサギも誰かなのだろう。スタンピングでYesかNoかを判別することにする】

>>258
「……こっちだって言ってるのかな?」
【メルクレイアはそれに従おうとするがふと上空でスズメが囀っていることに気づく】
「当然スズメの言うことなど分かるわけが無い。しかしここであることを思いついた】

「……待てよ。いるじゃないか!」
【そう言うとメルクレイアは振り向いた。その先には…】

>>260
「キミも人間なんでしょ?それならボクが何を言ってるか分かるよね」
「頼みたいことがあるんだ。ボクはこれから猫が行った方向へ行く。キミはそれ以外のルートで女の子と犬を探して欲しいんだ」
【動物たちの中で唯一翼を有するものを利用する手は無い。上空から探した方がにんげんの足で探すより断然見つけやすい】

「Yesなら"カー"Noなら"カー、カー"だ」
「もし探してくれるのならば、見つけ次第ボクを見つけて教えてほしい」
【この元は人間であろうカラスにメルクレイアは別ルートでの捜索を依頼することにしたのだった。果たして応えてくれるだろうか?】


264 : 緒里谷 依織【マレーヤマアラシ】 :2014/05/06(火) 17:13:37 GhuVzkhw
>>258

ぎゃ、《どういたしまして》

【一悶着終えて兎へ短く鳴き声を返す】
【元の身体ではさしたる身長差はなかったのに、今では親子ほども離れてしまった体格】
【相手の思考が伝わったのか、改めて自らの姿を見下ろせば、そこには醜悪な刺刺しい身体】
【兎に針が触れないように、じりじりと後ずさりして周囲からも距離を取る】

>>259

ぎゃお 《ありがとうございます》

【猫の背に謝辞を述べて走り出そうとするが、そこへ降り掛かるもう一対の声】
【それを聞いてぴたりとヤマアラシの足が止まる。出された選択肢は類似するならまだしも、正反対な二つであり】

……、 《…………》

【からから鳴っていた針もいつの間にかぴたりと止んで】
【前に比べて毛深くなった顔からは、その感情を読みとる事は難しくなっていたが】

――ぎゃう。 《……そうですか》

【くるりと踵を返すと、その向きは猫が言った方向でもスズメが教えた道でもなく】
【かさかさと針を立てて調べていたには、街に吹く風向きであったようで】
【このまま妨害されなければ、風下から風上に沿って独り、否一匹でとことこ歩き出すだろう】
【ヤマアラシはこの段階でもう、他の動物に頼るのを諦めたようだった】


265 : 如月 香蓮【ゴールデンハムスター】 :2014/05/06(火) 17:22:05 vt0gYJak
>>259

…チュ? 《…んん?》

【ハチワレと雀、さされた方向は正反対で、小さくなった首をちょこんと傾げる。】
【良くも悪くも甘い如月の性格は、どちらかを疑うということをしなくて、『どういう事なんだろう』と疑問に思うばかりだった。】
【道を選ぶ際には、このハムスターの意見は役に立たないだろう。どちらにしても、佐伯が動かない限り如月も動けないのだが。】

【しかしこうして悩んでいる間にも、道を選んでしまっている動物たちがいて】

《あっ…! ひ、一人じゃ危ないよ!》
《一緒に行動しようよ! ね?》

【慌てて声を張り上げて、他の動物達に呼びかける。】
【一人じゃなく一匹なんて、考える余裕はなく。この状態での単独行動は、どう考えても危険なのだ。】

>>263

チュー!

【出来る限り元気よく、返事をする。】
【他に意思疎通の手段はないかと、少し考える。声で伝えられない以上、他に考えられるとすれば文字だが…】
【この手ではペンも持てない。パソコンなどであれば頑張れば入力できるかもしれないが、ここにはない。あったとしても時間がかかるだろう。】


266 : 《ウサギ》佐々見沙希 【影法師】Level2(44)E:日傘 :2014/05/06(火) 17:25:03 mTG/aGLE
>>259
《えっ……》

確かに情報は手に入れた、手には入ったが――――
猫が尻尾で指示したのは向こう、だがスズメがその羽で指したのは正反対の方向ではないか

どちらを信用するべきか否か、そもそも両者の情報共信憑性はない
だが沙希は考えた、その結果として……『ここは猫の言葉に従うべき』そう判断した

直感ではない、猫は情報に対価を求めて雀はただで寄こしたのだ
この猫が嘘を言っていると雀が知っていたのなら、雀だって情報に対価を要求するはずだ
仮に善人(善雀?)であったならば、嘘を言っている事を指摘してもおかしくない

それに2匹いるのだから、どちらかが無償でももう片方が頭が働いて益を交渉してくる、むしろその可能性の方が高い
だが2匹は完全に意識が統合されている、何のうま味なしで合わさるだろうか……

そこから考察して、雀のこれは恐らく単純にからかいではないだろうか

《私も猫が差した方へ行くべきだと思う》

沙希が小さな前足で指すのは猫が示した方向だった

>>263
抱き上げるか否かと言う質問に対し、兎は首を下に垂らして悩むしぐさを見せた
数秒の思考の後、顔を上げた兎は右の後ろ足で2回地面を蹴る―――――NOの仕草だ

理由は単純、兎の方が足が速いからだ
確かに安全性で言えば抱えられた方が良い、だが足の速さと身軽さを考えると自分で歩いた方が良い結果を生むかもしれない

いざというときは佐伯の元まで逃げればいい
流石に人の兎だと分かれば追いかけてきたりすることもないだろう、『脱兎』と例えられるように兎の足は速いのだ

>>264
下がっていく緒里谷に対して、流石の沙希も今の状況では近づけない
兎の状態で刺さるとそのまま身動きが取れない可能性があるからだ

《……ごめんね》

口惜しいが、ある程度の距離を取らざるを得ない

《って緒里谷さん、単独行動は危ないよ》

下がりに下がって、別の道に進もうとしているヤマアラシをウサギは止めた
複数であり、また人間も付いているのであれば周囲の他人もこちらの存在に気付くだろう、だが単独となるとそうもいかなくなる
車や自転車は非常に危険だし、動物では通れない場面も出てくるかもしれない
群れから離れるのは、今のところリスクしかない


267 : 夏目 良助【触って視界を奪う】Lv.1 :2014/05/06(火) 17:25:34 JAwAZR1s
>>259

《ハ、ハリネズミ……か》

どこかつかみどころのない雀たちのことばをどこまで当てにしていいものかは謎だが、
この視線の低さと、四足歩行である点とは矛盾しない。ひとつの指針には、なるだろうと思う。

それに、今考えるべき問題は、別にあった。──。

《ちっ、めんどくさいな》

猫の指し示した方向と、雀の囁く方向は、それぞれ正反対。
ハリネズミは、頭を抱えた。──(といっても本当に抱えることは、肢の長さからして無理なのだが)


《……。こういうのは総当たりって、相場が決まってるんだ》

しばらくして。小さな四肢をよたよたと動かし、彼は雀の指し示した方向へと歩き出した。

普通に考えれば報酬の対価として方向を指し示した猫と、悪戯っぽく囀る雀とでは、説得力が違う。
だから大多数は、前者を選ぶだろうと考えた。……それならば自分は、後者の可能性を潰しておく。
そうすれば、どちらに逃げていたとしても見つけられるはずだ、……。

《車に轢かれたりとか、しないように気をつけないとな……。》

他の参加者とは違い彼は自分から誰か同じ境遇の別人(別動物)に話しかけようとは、いまのところしない。
理由は何故彼がハリネズミになったのか、という問いに対する答えと、おおよそ同じようなところだろう。
とはいえ同じ道を選ぶような動物がいたのなら、ちらとその顔を見ておこうとでも試みるだろうか。


268 : アニマル・パニック ◆435bdiv0ac :2014/05/06(火) 17:50:01 tfjbXe26
>>佐々見さん、佐伯さん、如月さん、早瀬さん宛

歩きの遅いものは佐伯が抱え、人間の歩行速度と変わらないペースですすむ一行

路地に入ればそこは薄暗く、狭く、じめじめとしている
枝分かれする事なく何度か道は曲がり、進む先には漸く見えた明るい出口
路地内で動物には会わなかった、そして、出口の先には―――


>>夏目さん宛

雀の言葉を信じて進むならば、その上を彼女達が嬉しそうに先導する

《クスクス、この子だけ信じてくれたよ!》
《クスクス、猫の道より早く行ける近道、近道!》

そしてゆっくりと、慣れない四足歩行の旅の先、ふと見ると脇には路地が
そこから出てくるのは―――


>>緒里谷さん宛

佐々見の言葉を聞かずにひとりで全く別の道を進んだならば、その先には見上げる高さの人の群れ
どうやら人通りの多い方へ進んでしまったらしい、このままでは、見つかってしまう


佐々見の言葉を聞いて彼女と共に進んだならば、上記の通りの薄暗い路地を進む
曲がりくねった路地の先、そこにあるものは―――


>>ジャンさん以外全員宛
そこには、先ほどの面子がずらりと勢ぞろい
路地はどうやら回り道、ハチワレが示したのは単純に少女たちがそちらへ入って行ったためだろう
猫と雀、どちらにも悪気はなく、善意だったのだ

再び合流した所で、ふと、ある音が佐々見の耳に入る
この音は、犬の爪が地面と擦れ合う音のような―――?


>>ジャンさん宛
飛び立ち、羽ばたき、少女と犬を探すこと十数分
だんだんと翼が疲れてくる、無理もない、普段は腕をこんなにも酷使することなど無いのだから
羽休めをしよう、そうして降り立つのは何の変哲もない、公園に生えた一本の木の太い枝
疲れを取るために翼を畳み、胸の辺りの羽毛に顔を埋める
柔らかい暖かさは眠気を誘う、疲れとあいまってそれは、ジャンを眠りに誘うだろう―――

//ジャンさんお疲れさまです


269 : 早瀬 琢磨【黒猫】 :2014/05/06(火) 18:00:43 U1MOeKPg
>>264>>268
【路地に進む少し前】
《あぁそうだ、そこのどっちでもない道を選ぼうとしてる馬鹿》
《お前の単独行動でこちとら大迷惑なんだよ、少しはお前を心配してる奴の事を考慮しておけよ馬鹿》
《まあ、それでもそっちに進むなら良いけどな。お前の勝手なわけだし》
《ただ、風紀委員はもう少し頭が良いのかと思ったぜ。とんだ期待外れだったけど》
【緒里谷にとって罵倒、侮辱、もしくは挑発とも取れる発言】
【これで激昂してこちらに来てくれるなら好都合。狙い通りだ】
【変な道を選んで何かあったら困る。彼女はどちらを選ぶのか…】

【そして路地で…】
【無言、ひたすら無言で歩き続ける】
【何故無言なのか、それはもちろん話す事などないからで】
【別に話したくないわけじゃない、向こうから接触してくればある程度の返答くらいはするだろう】

/えっと、こんな感じで大丈夫ですか?


270 : 緒里谷 依織【マレーヤマアラシ】 :2014/05/06(火) 18:04:31 GhuVzkhw
>>266

ぎゃ…、 《今は悠長な事を言っている場合では――――》

【もとよりこの姿が溶けなければ危ないのは永久に同じだと】
【反論しようと口を開いた矢先、視界の端に映るのは雀に先導されていくハリネズミの姿】
【単独行動が危険というなら、彼もまた同様だろう。それ以上は会話を必要とせず、向けて居た方向を曲げて】
【ハリネズミの後をとことことついて行く。これならウサギも文句はない筈だと勝手に見当をつけて】

>>268

【しかし、結果的にそれすらも間違いだと気付くのに、そう時間はかからず】

……ぎゃお。《これで振り出しに戻る、ですか》

【数分歩けば、それぞれ選んだ道から見たばかりの顔ぶれがずらりと並ぶ】
【何のことはない、結局誰しもが中途半端な正解を選んだだけに過ぎず】
【魔術師に嘲笑われているような気がして、吐き捨てるように針を震わせる】

【そう針――この針が方位磁針のように、目標の居場所を指し示してくれればどれだけ有り難いか】
【そもそも自分はなぜこの姿になったのか。――――少し思考すればうすぼんやりと予想がつきそうなだけに、余計腹立たしく】
【この姿でいる事に余程ストレスが溜まるとみえて、近場の路地の壁にがりがりと歯を突き立てる】


271 : 夏目 良助【触って視界を奪う】Lv.1 :2014/05/06(火) 18:08:09 JAwAZR1s
>>268

《その言葉、信じていいんだよな……?》

いまだに少し疑っているかのような呟きをぽつりと零しつつ、先導する雀たちにゆっくり付いて行く。
とはいえ、心なしか嬉しそうな雀たちに対する信用は僅かに上がったような気もする。自分の正体についても、含め。

いくらかの長くない時間を四足歩行で過ごしたのち、唐突に多くの足音が聴こえてくる。脇を見れば路地。
──。そこから出てきたのは、さきほど別れたはずの動物たちであった。
どちらの道も同じ場所に繋がっていた。ということは、どちらも嘘はついていなかったと、考えるのが妥当だろうか。

《案内、ありがとうなー。》

疑ったことによる僅かな罪悪感の燻る心中を晴らすかのように、空を見上げてハリネズミは鳴く。
あの道が近道だったとしたなら、自分がもし反対の道を選んでいたら、歩く速度のせいで出遅れていた可能性もあるのだ。

《よ、よう。しばらくぶりだな……》

ずらりと並ぶ面々に向かって、遠慮がちに声をかけてみる。
自分がひとり雀と歩いている間、ずいぶんみんな仲を深めているようにも感じられて、ほんの少しだけ寂しくもあり。
ただその小さな声は、集団のざわめきにかき消され誰の耳にも届かないとも限らない。
一方、その遠慮がちな科白から、彼のことを知っている者なら、彼の正体に気づくことももしかしたらあるかもしれない。


272 : 早瀬 琢磨【黒猫】 :2014/05/06(火) 18:11:48 U1MOeKPg
/>>269追記で

【………さて、結局は同じ面子が揃う】
【どっちも正しかったらしい、疑るだけ無駄だったわけだ】

《………はぁ、これ夢じゃないよな。あまりにも非日常的すぎて付いていけんわ……》

【そんな事をボソリと呟く】
【辺りを見回すとやはり統一感がなく傍から見れば笑える光景だろう】
(荒れてる奴もいるし……はぁ、皆協調性を持とうぜもう少し)
【そんな事を考える、考えるだけで口には出さないが】


273 : 佐伯 ◆XJan2K7omU :2014/05/06(火) 18:12:04 5eparrxs

>>265
「他の動物の言葉が分かる……と。条件は同じだったはずなのにどうしてボクだけなんにも無かったんだろ……」
【不満そうにそう言うも、きっと動物になった側にもそれなりの苦労があるだろう。しかしやっぱり少し羨ましいと思ってしまう】

「早く行こう。あの子が何処か遠くへ行かないうちに見つけないと」
【ハムスターを肩に乗せて一部ほかの動物たちと共に路地を進む。入り組んだ迷路のような路地を進む】

>>266
「No、か。分かったよ」
【どうやらウサギは助けを必要としていないようだった。確かに万が一の時は素早く動けるだろう】

「でも無茶はダメだよ。危ないと思ったらすぐに逃げて」
【しかしそうは言ってもウサギは小動物。完全に安全とは言い切れない……。こちらで危険がないように見ておくべきだ】

>>268
【路地の迷路を抜けた先では一旦別れたはずの仲間に遭遇する。このあたりにいるのだろうか?あの少女はこういった場所を嫌いそうな気がするが……】

【こう狭い場所だと動物特有の獣臭が少し目立つ。なんだか動物園のようだな、と思いつつも少女が近くにいないか辺りを見回した】
【人間の感覚ではまだその"音"に気づけない……】


274 : 《ウサギ》佐々見沙希 【影法師】Level2(44)E:日傘 :2014/05/06(火) 18:13:26 mTG/aGLE
>>268
猫が示した方向は仄暗い路地、なるほど逃げ遂せるのにこれ以上ない場所だ

兎は実はかなりスペックが高い動物である、足の速さは勿論だが
両目は正面こそ見づらいが360度近い視野を持ち、長い耳は飾りではなく空中の鳥の羽搏きも識別できると言われている
さらにこれはあまり知られていない事だが、犬に次いで嗅覚が良いのだ

少女の痕跡を見つけることが出来ればと思ったが、如何せんこんな路地ではそれも難しいのではないだろうか?
そもそも少女や犬の臭いだと確信できる『元』が無いし、音も聞こえない

さらにこの路地が枝分かれしていたらさらに厄介――――――

《あれ?》

なんてことはなく、まさに拍子抜け
路地は確かに薄暗かったがそこから抜けた向こう側は普通
と言うか目の前には別れたはずのハリネズミと合流したではないか

どうやらどちらの道も同じ場所に繋がっていたらしい
雀の言葉も結果的には嘘ではなかったようだが、その真意を今知ることは出来ないだろう

《この音……!》

ピクリと沙希の長い耳が動いて、後ろ脚で立ち上がる
擦れる様な、かき回している様な音

何故だろうか、沙希はこれが何であるか不思議と判断できた
恐らくこの音は土と動物の固い爪―――それも犬の物だろうか、それが擦れる音

音の聞こえる方向を探るように頭を回してその方向を特定した沙希は、その方角に向けて小さく前に出る
そして前足でもって指さすように指し示した

《向こうから、犬の爪の音が聞こえる!》


275 : 如月 香蓮【ゴールデンハムスター】 :2014/05/06(火) 18:17:46 vt0gYJak
>>268>>273

チュー…。

【佐伯に抱えられ、薄暗い路地を進む。】
【結局違う道を進んでしまった動物がいて、少し沈んだ表情(?)であったが】
【出口に到着すると、そこには別れてしまった動物たちもいて】

チュ、チュ 《よかったー…》
《やっぱり皆一緒が一番だよねっ、うん!》

【人の姿のままであったら間違いなく笑顔を浮かべていただろう。それ位、合流出来てほっとしていた。】
【そんな状態では、近寄ってくる異音に気づけるはずもなく…、どちらにしてもハムスターの耳には届かないだろうが。】
【しかしそんな音を、佐々見の兎の耳はしっかりと捉えていたようで】

《…い、犬!?》

【先ほどの猫の一件を思い出して、反射的に身体がビクッと震える。】
【しかしそれが最初に会った犬であれば、この事態の解決にも大きく近づく筈だ。】
【佐伯の肩を軽く2回叩いて、内容までは伝わらなくても、異変があったことを伝えようとする。】


276 : アニマル・パニック ◆435bdiv0ac :2014/05/06(火) 18:33:54 tfjbXe26
>>269-275
チャカチャカとリズミカルに爪を鳴らし、佐々見の示す方からやってきたのは……残念ながら少女と犬ではなく、一匹の中型犬
雑種なのか老いただけなのか、白が多く混じった茶色の体毛に身を包み
何やら口に綺麗な布を咥え、下に垂れた尻尾を左右に揺らしているその首元に、首輪は無い

そうしてこちらに近づいて、不思議そうに立ち止まる、その距離およそ10m
無理もない、普段通りに暮らしているならばまず目にすることのない動物も、中にはいるのだから

口に咥えた布を地面におろし、うおん、と低く響く声で吠える
佐伯にはただの吠え声にしか聞こえないそれは、動物たちには以下の通りに聞こえた

《おうい、お前さんら、どこから来たんだね》

そうして犬―――便宜上これからはシロと呼ぶ―――は、その場で返答を待つようにどっしりと腰をおろした


>>271
《クスクス、貴方って面白いハリネズミね!》
《クスクス、何かあったら呼んでちょうだいな?近くにいてあげるわ!》

楽しそうに宙を舞いながら、雀はその場を離れていく
言葉を信じるのなら、彼女たちはまだ近くに居る
……頼み事があれば、もしかすると、きいてくれるかもしれない


277 : 早瀬 琢磨【黒猫】 :2014/05/06(火) 18:40:34 U1MOeKPg
>>276
【そこに現れたのは期待していたもの……ではなくただの白と茶色が混ざった犬】
【野良犬だろうか?かなり老いているような気がする】

《俺はそこの路地から来たけど…》

【尻尾で来た道を指す】

《人を探しているんだ、大きい犬を連れた女の子を見なかったか?》
《それと…その布は?ずいぶん綺麗だな》

【とにかく情報収集をしなくては】
【早瀬はあまり能動的に動くタイプではないがこのような状況になると途端にいち早く脱出しようと行動的になる】


278 : 緒里谷 ◆oEVkC4b3dI :2014/05/06(火) 18:48:44 GhuVzkhw
>>276

――――!

【兎の発見にざわめき立つ一同。それはヤマアラシも同じで、壁を齧るのを止めてさっとその方角へ向き直る】
【しんと静まり返った路地にカシャカシャと【爪音だけがやけに響き――――姿を現したのは】

ぎゃ…… 《普通の野良犬……のようですね》

【現れた動物は明らかに最初に見た元凶とは程遠いタイプの犬】
【穏やかな口調に僅かに警戒を解くが、いざという時は行動に移れるよう、壁際から前列の方へ体をずらす】

ぎゃおう、《ヒトを探しています。 大型犬を連れた少女を。 この道を通っていたと聞いたのですが》

【異口同音に相手に答える形で口を開く。普段見慣れぬであろう自分の姿に、果たして向こうは何を思うのか】
【いずれにせよこちら側と対面する方向で歩いて来たのなら目標とすれ違った可能性は高い】
【布きれも視界には入ったが、さして興味を抱かせる対象には至らなかったようで、儀礼的に質問を返す】

ぎゃう、 《それで、そちらは?》


279 : 佐伯 ◆XJan2K7omU :2014/05/06(火) 18:49:20 5eparrxs
>>275
「ん……?」
【辺りを見回しているとハムスターが肩を小さく叩いてきた。何かいるのだろうか?】
【普通のハムスターならただの可愛い仕草で終わるがこれは元人間。何らかのシグナルである可能性が高い。人間の感覚では感知できない何かを感じたのか?】

【見ればウサギもソワソワしているようだ。もしもの時に備えてそろそろ考えなくてはなるまい。唯一人間のままである自分ができることを……】

>>276
【向こうから現れたのは中型の犬だった。この犬じゃない。少女が連れていたのは別の犬種だったはずだ】
【首輪が無いのでおそらく野良だろう。今のところこちらに敵意を示してはいないようだ】

「この子にも一応聞いてみるか。ねぇ、この辺りで大きな犬を連れた小さな女の子を見なかった?」
「もし見かけたなら教えて欲しいんだ。ボクたちはその子たちを探してる。大事な用があるんだ」
【通じるかどうかはともかく他の動物たちも聞いてくれるはずだ。何か手がかりがあれば良いのだが】

「……あの布はなんだ?」


280 : 《ウサギ》佐々見沙希 【影法師】Level2(44)E:日傘 :2014/05/06(火) 18:50:44 mTG/aGLE
>>276
現れたのは――――沙希たちが追い求めていた影とは、大きさが一回り違った

毛の色は白に茶色、それに長さもシェパードよりも長い完全に別の個体
その品種こそ特定できなかったが、彼の首に首輪が無い事はすぐに分かった――――野良犬だろうか

犬とは言っても襲ってくるようなことは無く、むしろ大人しい
そういう個体なのだろう、犬は古くから扱いやすい動物と言われているのは純粋に性格が良いからだ
もしかしたら、何か情報を持っているかもしれない

《はじめまして、綺麗な布ですね》

警戒態勢を解き、地面に4つ足で落ち着くと小さく頭を下げる
まずは基本中の基本である聞き込み
こちらは兎、攻撃力はほとんどないのだからそこまで警戒もされないはず……

《実は人間を探しているんです、小さくて薄い金色でふわふわな長い毛の小柄な女の子で》
《その隣には黒くておっきくて怖そうな犬がいるんですけど……見てないですか?》

ここまで特徴的なのだ、一本道だったという事は彼女らは数分前にここに居たはず
ならば記憶に残っていてもおかしくないだろう、と言うかここで手がかりが途切れると相当まずい――――


281 : 夏目 良助【触って視界を奪う】Lv.1 :2014/05/06(火) 18:57:38 JAwAZR1s
>>276

《おう、分かった。……ありがとうな》

どうやら雀たちは自分のこと幾らか気に入ってくれたようで、ハリネズミは朴訥と礼を述べ、離れゆく雀を見送った。

──

集まった動物たちのなかの一匹、うさぎが声をあげる。犬の爪の音。
もしかしたら、さっき逃げていった犬ではないか──。僅かに生まれた希望はしかし、膨らむ前にすぐさま萎んでいった。
白と茶色の大型犬は、のんびりとしたこえをあげ、その場に腰をおろした。……これは、いったい、どういうことだろう?

《……ええと、それよりさ。……その布、どこで拾ったのかな。どんな奴が落としたかとか、分かるか?》

何処から来た、という質問に対して、いかに答えたものかとしばらく黙っていたハリネズミは、
質問を質問を返すことを選んだ。その問い掛けに大した意味は無い。ただ、微かな思惑もあった。

首輪の無い犬。野良犬だろう。しかし銜えられた布は、とても綺麗だ。だとしたら、きっと落とし物のはずだ。
ではいったい誰が落としたのか。……自分たちを動物に変えた少女はいかにもお嬢様然とした格好ではなかったか。
もし、彼女が落としたのだとしたら。

(……なんて、な)

全ては推論に過ぎない。もしかしたら、勘違いかもしれない。
しかし聴いてみる価値くらいはあるだろうと、そう思っていた。


282 : 如月 香蓮【ゴールデンハムスター】 :2014/05/06(火) 18:57:59 vt0gYJak
>>276

【どうやら、少女に寄り添っていた犬とは違う犬のようだ。】
【しかし友好的に話しかけてきてくれた。上手く質問すれば、情報が得られるかもしれず】

《どこからって言われると…、うーん》

【元人間である自分たちは、どう答えるのが正しいのだろう。】
【悩んだ末、頭脳労働は自分には向いていないという結論に達して、質問は他の動物達に任せることにする。】
【きっと皆がどうにかしてくれるだろう、というのは少し他人任せ過ぎるだろうか。】
【布に関しては全く気にしていない。動物になっても危機感知能力が低い、脳天気な性格なのは変わらない。】

>>279

チュー…。

【どうにかして佐伯とコミュニケーションが取れないものかと、先程から考えてみたが】
【自分の「小さな頭」では、やはり文字以外の手段は思いつかなかった。】
【物は試しにと、佐伯の肩を軽く一回叩いた後、「カ・レ・ン」と自分の名前を手先でなぞってみる。】
【感覚だけで文字を解読するのは難しいだろうが、如月が意思疎通を図ろうとしているのは伝わるかもしれない。】


283 : アニマル・パニック ◆435bdiv0ac :2014/05/06(火) 19:23:50 tfjbXe26
>>277-282
ウオゥ《おれぁ、この道をずうっとまっすぐに来たんだがね》

貴方は、という問いかけに面倒そうに答える、こういった質問をされるのはあまり好きでないのかもしれない
だが、白い布についてきかれた途端、何かを思い出したように一度目を見開いて

《あぁ、そういえば、これぁ落とし物なんだがね》
《向こうの方でちっこい人間の雌が落としてったのさ》
《追いかけようと思ったんだがね、見失っちまって……目と鼻が効きゃあ、良かったんだが》

大きく息をはき、足元に落ちた白い布を見下ろす……どうやらシロは、目と鼻があまり良くないらしい
そして、それが原因でどうやら落とし主を見失ってしまったようだ

様々な質問の中で、女の子と犬という言葉に、彼の垂れた耳が大きく反応を示す

《あぁ……言われてみればでっかい犬のオスも、一緒だったかね》
《お前さんら、これを頼りに探せばいい……おれぁ無理だが、若いのなら大丈夫だろう》

そう言うものの、こちらまで近づいて渡しにくる事はなく
やや警戒をしたままで、ふんすと息を息をはいて立ち上がる……足腰も、弱ってきているのかもしれない
シロは布をその場に置き去りにしてゆっくりと歩き出し、遠くはなれていく


284 : 早瀬 琢磨【黒猫】 :2014/05/06(火) 19:30:57 U1MOeKPg
>>283
《……そうか、ありがとう》

【話を聞くにどうやらこの布は目標の物らしい】
【この場に目か鼻が効く人物はいるだろうか?】
【シロはかなり歳を食ってるみたいだ、人間に戻ったらまた会いに来るか、と早瀬は考える】
【シロが離れていく姿を見ていると、何だか哀愁を感じた】


《……で、これからどうする?》
《このまま固まって探したって効率が悪いだけだ、俺は何チームかに分かれて探す事を提案するけど》


【この場にいる全員に問いかける】
【自分は猫だからかなり機敏に動ける。それに付いていけそうな人とチームになりたいものだが】


285 : 佐伯 ◆XJan2K7omU :2014/05/06(火) 19:34:31 5eparrxs
>>282
【何かを伝えたいようだがそれが何なのかメルクレイアにはいまいち理解できない】
【小さく書いた名前に気づくことはできなかった。何か重要なことを伝えようとしているのだろうか?】

「何か言いたいんだね……?」
「ゴメンね。動物の言葉は理解できないんだ……。とても、とても残念だけど」
【今の状況ではどう頑張っても断片的にしか分からない。何か他に意思疎通ができるようなものを持っていれば良いのだがあいにくそのようなものを持ち合わせていない】

>>283
【犬は白い布を地面に落とすとのそのそと立ち去ろうとする。近づいてみるとその布はハンカチに見える。もしかしてこれは少女の持ち物だろうか?】

(犬ならこのハンカチの匂いから居場所を突き止めることができるけど。……彼はそのつもりが無いみたい)
(ここに居るのはハムスターにウサギにハリネズミに……。犬はいないや。猫はいるけど)

「……猫の嗅覚で分かったりしないかな?」
【犬ほどとは言わなくてもある程度嗅覚が発達しているのかもしれない。確信はできないがこのままでは最悪手探りで探す羽目になってしまう。できればそれは避けたい】

「名前とか刺繍されてないかな?」
【無いだろうとは思いつつも布を広げてみる】


286 : 緒里谷 ◆oEVkC4b3dI :2014/05/06(火) 19:37:19 GhuVzkhw
>>283

【人間の雌、犬の雄というシロの言葉に、一斉に色めき立つ動物たち】
【聞けば相手は、その布きれを置いていくという】
【遠目からでは分からないが、ハンケチの類だろうか】

ぎゃう。 《協力、感謝します》

【去っていく老犬に対し敬礼――はできず、感謝の辞を述べて頭を垂れる】
【確定でないが初めてできた明確な頼りに、ヤマアラシの声音も幾分明るさを取り戻す】

ぎゃ、ぎゃ 《では失礼して》

【犬ほどではないが、ヤマアラシとて土中の食物を掘り当てる程度の嗅覚は持ち合わせている】
【他にも触れる者がいるだろうが自分もと、我先に鼻先を近づけてその臭いを嗅ごうとするだろう】
【頭の隅で人間の自分が、背徳的な感傷を訴えていた】


287 : 緒里谷 依織【マレーヤマアラシ】 :2014/05/06(火) 19:38:50 GhuVzkhw
//名前ミス……


288 : 《ウサギ》佐々見沙希 【影法師】Level2(44)E:日傘 :2014/05/06(火) 19:43:16 mTG/aGLE
>>283
警戒こそされたがやはりあの犬は良い犬だった
人馴れしていたし、すぐさま襲い掛かるなんて事もなかったのだ
赤ちゃんの頃から野良であの年齢まで育つのは中々難しい
もしかしたら元は飼い犬で、ある程度大きくなって捨てられたのかもしれない
それか野良である彼に時折餌を与えている人間がいるか

……どちらにせよ目が悪くなった段階で『厳しい』
切ない気持ちになるが、これが歳を重ねる……生きると言う事なのだろう

《ちょっと借りるね》

置かれたハンカチに沙希は近づくと、スンスンと鼻でその臭いを嗅ぐ
嗅ぎ慣れない匂いが複数感じることが出来た、1つは恐らく先ほどの犬の物だろう
もう1つは―――――恐らくこれが落とした人物、つまりあの少女の臭い

兎は好き嫌いがある稀有な動物だとされている、嫌いなものは食べないのだ
ではそんな嫌いな食べ物はどうやって区別するのだろうか

答えは簡単、嗅覚をもって区別する
マーキングも行うとされる兎は、その嗅覚でお互いのテリトリーをも区別しているのだ

その鋭さは犬と同等――――

臭いを覚えたのか、沙希はハンカチから離れるとスンスンと周囲を探索し始めた

>>285
兎はハンカチを指して何か伝えようとしている……
咥える様な仕草――――の振り、取って欲しいという事だろうか?

いや、地面に置いてあるのだから取ると言うのはおかしいはず
つまりは持っていて欲しい――――臭いを忘れてしまった時の予備として持っていて欲しいという事だ
勿論佐伯自身の臭いが付かないように注意する必要はあるが……


289 : 如月 香蓮【ゴールデンハムスター】 :2014/05/06(火) 19:46:18 vt0gYJak
>>283

《布…ですか?》
《わ、私なら…匂いを辿るのまでは難しいかなぁ。》

【このハムスターの姿になって、人間の時よりも何倍も聴覚と嗅覚が強くなったのを感じる。】
【しかし匂いを判別して、しかも追跡までする自信まではなかった。】
【他に嗅覚に自信がある動物がいれば、その子に任せるだろう。】

《…あ、ありがとうございますっ!!》

【去っていく犬の背中に大きな声でお礼を言う。】
【弱りながらも警戒している野生の姿は、なんだか少し寂しかった。】

>>285

チュー…。

【どうやら伝わらなかったようで、ガックリと四つん這いになる。】
【佐伯の言葉は分かるのに自分の言葉が伝わらないこの現状が、どうしてももどかしい。】
【元人間という特権があっても、異種族コミュニケーションはこんなにも難しいのか。】

チュ、チュ

【少し意地になって「カレン」と何度も佐伯の肩をなぞってみたりする。】
【仮に自分の名前が伝わったとしても、今回の事件には何も関係ないのだが。】


290 : 夏目 良助【触って視界を奪う】Lv.1 :2014/05/06(火) 19:46:23 JAwAZR1s
>>283

ふんふんと頷きながら話を聞いていたハリネズミはとぼとぼと離れてゆくシロを見送ったあと、あらためて白い布に視線をやった。
やはりこれは、あの少女のもの。とことこと短い足を使って近づくと、おもむろにその匂いを嗅いだ。
ハリネズミは夜行性であり、視力はあまりよくない。そのぶんだけ発達しているのが聴覚、それに嗅覚である。

《……んー、》

もしハリネズミの嗅覚では辿ることが出来ない場合は、大人しく他の動物たちが何とかするのを見守っているはずだ。
もし手がかりを辿ることが出来そうならば……。

《おーい、おまえら、まだいるのか?》
《いるなら向こうの方向に、お嬢様っぽい少女と犬の組み合わせのやつらがいないか、空から見てきて欲しいんだが……》

同じの匂いのする方向へ、足の速くない自分の代わりに捜索に言ってくれるよう、雀たちに依頼するはずである。
同様の依頼はあたりの動物たちにも出来たのかも知れないが、まだ殆ど言葉をかわしたことの無い動物たちよりは、雀の方が頼みやすかった。
背中の上の針を振るわせ、少しばかり申しわけ無さそうに空を見上げる彼のまえに、雀たちは現れるのだろうか?

現れたにせよ、現れなかったにせよ、ハリネズミは少しの間匂いを辿って歩こうとはせず、その場で辺りの様子を伺っているはずだ。


291 : アニマル・パニック ◆435bdiv0ac :2014/05/06(火) 20:14:55 tfjbXe26
>>284
嗅いだならば、確かにそこに存在する二つの匂い
広げたならば、そこには端に小さく"A"という水色の文字が

遠く離れたシロは、一度振り返り小さくうぉんと吠える

《気をつけなぁ……でっかいのだがね、かなり気が立ってた》

せめての気持ちを込めた忠告、彼の言葉によると、シェパードは辺りに警戒をばら撒いているようだ
一度不良に絡まれたとなれば、それは仕方のないことかも知れないが
仮に追いついた時、対応を慎重に選択しなければ、危険な事も起こりえるだろう


……辺りを探れば、すぐ近くでハンカチと同じ匂いを見つけられる
それは、ずっと向こう―――道の先へ、続いている



//これより下は、アルフレードさんの導入ぶんとなります
//アルフレードさんはこれより参加ということで、宜しくお願いします


アルフレードは、道を歩いていた所でとある少女とぶつかってしまった
よろけ、倒れ、少女は悲鳴をあげる

シェパードはアルフレードを威嚇するようにしきりに吠え掛かる、少女は涙を堪えて立ち上がると、アルフレードから逃げるように離れながら、こんな言葉を口にする

―――「あなたも、どうぶつに、なっちゃえ」、と

瞬間、アルフレードは酷い熱と疼きに苛まれる
視界の端には吠えながら走る犬と少女、身体を苛むものがなくなったあと、気づけば―――

アルフレード・アルファーノ……その姿は、誇り高く気高い精神をもつライオン

―――気づけば、その姿は、動物になっていた


292 : アニマル・パニック ◆435bdiv0ac :2014/05/06(火) 20:15:31 tfjbXe26
//安価ミス
//正しくは>>284-290です


293 : 早瀬 琢磨【黒猫】 :2014/05/06(火) 20:20:58 U1MOeKPg
>>291
《……よし、行くか》
《……ここ、か?》

【道を進む】
【犬についてはどうにか対策を考えなければ】
【できれば説得をしたいが……さて、あの頭の固い風紀委員がどう出るか】
【それに効果がなかったら…荒事になるだろう、きっと】
【この中では割と大型の自分なので前に出ざるを得ないのか、かと言って傷つけるつもりもない】
/飯行ってきます


294 : 佐伯 ◆XJan2K7omU :2014/05/06(火) 20:28:08 5eparrxs
>>289
「うーーん……」
【なんとなくガッカリしているのが伝わる。ハムスター語なんてものが存在していたらな、とあり得ないことを考えてしまう】

【これに関して自分にできることと言ったらその断片的な手がかりを元に思案し、言葉として出力することのみだ】

「……ゴメン、ちょっと肩が痒い」
【ハムスターを退けて何度も執拗に名前をなぞっていた箇所に手を伸ばす。すると】
「直接掻こうとシャツのネック部分から肩を露出させるとそこには記号に見える不可解な赤い線があった。ハムスターが執拗になぞった結果、小さな爪が白い皮膚にうっすらと赤く腫れていたのだ。それは数字の"4"に見えるが……】

「カ……?」
【もしかしてこれが伝えたいことなのだろうか?他にも記号らしきものが見えるがそれが何なのかはわからない。もう少しクッキリとしていれば分かるだろう】

>>291
「……Scheisse! 」
【絶望的である。刺繍は入っていたがあったのは"A"の一文字のみ。A.Jとかなっていればまだ望みがあったかもしれないがこの一文字だけで探すのは流石に無理がある】
【やはり動物の力に頼るしかない……。今ここに人間では見つけることができない手がかりを見出すことができる者は果たしているのだろうか?もう賭けるものはそれしか無い】


295 : アルフレード・アルファーノ 『ライオン』 :2014/05/06(火) 20:30:58 eAd.FzfY
>>291
【とある路地裏】

「おい、大丈夫かよ?」

【ひょんな事から少女にぶつかってしまったアルフレード】
【彼は思った以上に精神的ダメージの大きそうな少女に対し、困惑していた。それは近くにいる犬の鳴き声も相乗される】
【参ったな、と頭をかいていると、やがて少女は立ち上がり】
【よくわからない言葉を言うと、そのまま足早に去ろうとする】
【それを追おうとすると、何やら身体に響く共鳴と疼き。自分の身体に何が起こっているのか?】

「まてッ……てめー……俺に……何……を……」

【その次の言葉は出なかった。やがて路地裏に倒れるアルフレード】
【しかしそれでは終わらなかった。疼きが止み、やがて目が覚める。】
【その時は特に異変を感じてはいなかった。しかしすぐに異常に気付く】

グルルルルゥァア……
≪……うぐっ……≫

【妙に目線が低い。自らの口から出る呻き声ともつかぬ猛獣のような……いや、それは猛獣のそれだった】
【すなわちそれは、自身の身体が猛獣へとなったことを意味していた】


グルルルルゥァァァアグァガァアアア
≪なんじゃああああああこりゃあああああ≫

【路地裏に響く遠吠え。かなり大きな音だが、これに誰かが気付くだろうか?】

//よろしくお願いします


296 : 《ウサギ》佐々見沙希 【影法師】Level2(44)E:日傘 :2014/05/06(火) 20:31:42 mTG/aGLE
>>291
犬の警告を受け、沙希は背筋に寒気が走ったのを感じた
大型犬特有の力の強さ、猟犬としての俊敏性と鋭い爪に牙

人間であったとしても、シェパードが本気で襲ってきたら十分な脅威だ
ましてや今はこんなに小さな兎、やられたら恐らくひとたまりもない――――

鼻孔の奥に感じるハンカチと同じ匂い、その臭いを探るように沙希は地面に鼻を当てながら歩いてゆく
このメンバーではおそらくもっとも嗅覚が良いのは自分だろう、そして戦闘力で並べたら下から恐らく2番目
ここで役に立てないと十中八九足手まとい、周りの人に任せてしまう分ここは自分が頑張らなければ

《……見つけた!》

兎が鼻をひくひくと動かす事を『鼻でウインクする』と表現される
地面からハンカチと同じ匂いを感じ取った沙希は、その臭いに添いながら跳ねる様に走る
その臭いがどこへ向かっているかを把握した

臭いが指し示す順路は、この道へと真っ直ぐ――――――


297 : 緒里谷 依織【マレーヤマアラシ】 :2014/05/06(火) 20:37:42 in4OBsE2
>>291

【鼻に感じるのは二つの匂い。これは――――あの犬と少女の物、なのだろうか】
【思考を重ねながら、後ろから投げられる忠告に、かさりと針を揺らす】

ぎゃぁ、《急がねば、今以上に被害が拡大するかもしれません》

【興奮した動物は何をするか分からない】
【それだけならまだしも、あの魔術師によって動物にされるものが出てこないとも限らない】
【第一自分たちがこの状態から戻れる保証すらないのだ】
【手がかりをつかんでもなお、状況は逼迫したままなのである】

ぎゃー。 《同じ匂いは、あちらに続いているようですが――――》

【鼻先をふんふん鳴らし、風を頼りに匂いの源へ胴体を向ける】
【だが同時に、一筋縄ではいかない不穏な気配もあるようで、焦る気持ちもあるが、このままがむしゃらに突っ走るのも少し躊躇われた】
【然し追わない事には話は始まらない。お互いの進路が一致したなら、躊躇しつつもそちらに足を向けるだろう】


298 : 如月 香蓮【ゴールデンハムスター】 :2014/05/06(火) 20:39:13 vt0gYJak
>>291

《気が立っていた、ですか》
《なんとか穏便に済むといいんですけど…》

【あの少女も犬も、悪気があったわけではないと思う。】
【勿論、皆に謝る必要はあるだろうけど、それだけでいいのだ…誰にも、傷ついて欲しくない。】
【佐伯の肩に乗って、如月は他の動物たちに着いていく。】

>>294

チュー…。

【綺麗な白い肌が赤く腫れているのを見て、申し訳ない気持ちになる。】
【しかし佐伯が自分の皮膚を見ているのを見て、『直接手の動きを見せたら伝わるのではないか』と思う。】
【そして今更になって、手話の存在を思い出す。本物の手話は出来ないが、文字の通りに手を動かせば、もしかしたら】

【佐伯が痣を見ている間に、急いで『カレン』と手を動かす。左右反対にならないように気をつけて】


299 : 夏目 良助【触って視界を奪う】Lv.1 :2014/05/06(火) 20:43:45 JAwAZR1s
>>291

《ああ、そうか。わざわざどうも》

取りあえず礼を言っては見るものの、遠く離れたシロのもとまで聴こえるかどうかは分からない。
とりあえず分かったのは、あの大きな犬が今度は敵になりうるということ。どうしたものだろうか。
とはいえ、見つけてみなければ始まらない。ハリネズミはその匂いを嗅ぐと、匂いのした方向へと視線を向ける。

《この距離を、歩いてくのか……》

指し示された道は長く長く続いており、ハリネズミの歩幅で歩いていくことを考えると気が遠くなる。
どうしたものか。考え、考え、ハリネズミは辺りを見回すが、ほかにどうしようもなく。
他の動物たちに倣い、匂いのもとへと歩いてゆくのだった。


300 : アニマル・パニック ◆435bdiv0ac :2014/05/06(火) 20:43:45 tfjbXe26
//ごめんなさい夏目さん、今気づきましたが完全に描写を見落としていたので補足を……


夏目が空へ呼びかけると、遠くから雀の声が小さく聞こえる

《クスクス、もう探してるところ》
《クスクス、そのまま進めば面白そうなイキモノに会えるかも》

そんな声は、しっかりと進行方向から聞こえていて
面白そうなイキモノとは、果たして―――?


301 : アニマル・パニック ◆435bdiv0ac :2014/05/06(火) 20:44:40 tfjbXe26
//遅かった……補足へのレスはしなくても大丈夫ですので


302 : アニマル・パニック ◆435bdiv0ac :2014/05/06(火) 21:00:43 tfjbXe26
>>アルフレードさん以外全員宛

不安を抱えながらも、皆は歩く
続く匂いは途切れる事なく、また、初対面の動物は近くには居ないようで
……そもそも、ああも立て続けに野良の動物に出会えたこと自体が、学園都市では割と珍しいことなのだが
匂いを辿り、道なりに進んでいけばその先からは猛獣の吼える声のような、激しい音が聞こえてくる
何か理解できないのかと問われれば、意味を成さない途切れ途切れの言葉が分かるばかりで


聞き覚えのある声で見上げれば、そこには先ほどの雀
夏目に頼まれ空から先行し、その場で一同を待っていたようで

《クスクス、ここに入るなら気をつけてね?》
《クスクス、あなた達のお仲間が増えたみたいよ?》

そういってくるりと首をまわし、見下ろす先……そこは比較的広さのある路地
果たして皆は、危険を覚悟で曲がって入るか、それとも他に回り道を探すのか―――?


>>アルフレードさん宛

そんな最中、頭上からチチチ、と鳴き声が

《クスクス、もう少し待てばお仲間とあえるかもね?》
《クスクス、ニンゲンの姿に戻れなくなったお仲間に、ね?》

きゃっきゃと楽しそうに声をあげる雀たちは、そのまま何処かへ離れていく
その言葉を信じて、おとなしくその場で待つかどうかはアルフレード次第だが、果たして―――


303 : 早瀬 琢磨【黒猫】 :2014/05/06(火) 21:06:47 U1MOeKPg
>>302
【自分たち以外誰もいない道】
【時折猛獣の雄叫びのようなものが鼓膜を震わせるばかりで】
【会話もなく、ただ黙々と歩く】

《仲間……つまり俺たちみたいになった奴か》
《なら警戒する事もないだろ、一応俺たちと同じ目標で動いているはずだ》

【そう言ってそのまま路地を曲がろうとする】


304 : アルフレード・アルファーノ 『ライオン』 :2014/05/06(火) 21:09:53 eAd.FzfY
>>302
「グゥァ……」

【混乱していた思考に飛び込むのは、頭上からの声】
【ふと上を向けば、雀が自分に語りかけていた。こういうのはおかしいだろうが、自分が猛獣であると再び認識させられた気になった】

「ガゥァア……?ゴォァア!!グルルルルゥァガァァア……」
≪待つだと?フザケるなよ!てめーは何者だ?ヤツの使い手か?≫

【様々な疑問を投げかけるも、その後の言葉に何かが引っかかったようで】

「ゥガァアァ……」
≪お仲間ァ……?そいつはどういう……≫

【聞こうとした矢先、雀達は去って行く】
【消えた夜空に向けて、彼は咆哮を向けた】

「グォァアアアアアア!!!」

【それは誰へ向けられたものでもない、孤独感から来る心理的恐怖を紛らわせるもの】
【今の状況が受け入れられないのだろうか。全く猛獣ほど、よく鳴く生物はいないのである】
【路地裏に、地の底から這い上がってくるかのような、低く巨大な、恐怖心を煽る咆哮が響いた。】


305 : 緒里谷 依織【マレーヤマアラシ】 :2014/05/06(火) 21:15:25 GhuVzkhw
>>302

【これまでとは一転して出会う動物は皆無。だが道のりとは裏腹に雲行きの怪しさは健在。嫌な気配はますます濃厚で】
【やがてウサギでなくとも耳に入る程の猛り声。続いて空からの楽しげな説明に頭を振る】

ぎゃ…… 《恐れていた問題が、遂に起こったという事でしょうか》

【今までの道のりこそが奇跡】
【先ずもって一同が同時に動物にされた事こそが幸運で。これまでが順調にいき過ぎていたのだ】

《他者を襲わないうちに、早く宥めないと――!》

【響き渡る吠え声からして相当な肺活量、つまり相当に身体の大きい動物】
【それが街中で出現するとなれば、風紀委員どころか機動隊すら出張ってきかねない】
【最悪の場合駆除されてしまうかも――――嫌な想像が脳裏を駆け巡る】
【迷うことなく声のする方へ足を速めるだろう】


306 : 夏目 良助【触って視界を奪う】Lv.1 :2014/05/06(火) 21:19:21 JAwAZR1s
>>302

歩くことしばらく。少しばかり疲れの溜まったハリネズミは、それでもせっせと歩いていると、──
路地から聴こえてくる、言葉にはし難い咆哮。びくりと身体全体を揺らしつつ思わずその場で立ち止まった。

《……これが、“面白そうなイキモノ”ってやつか》

さきほど呼びかけた際に返って来た、その言葉。先ほどまでは首を傾げながら歩いていたが、ようやく合点がいった。
自分たちのように、獣に変えられた人物がいるのだ。この路地の先に。しかし、この咆哮は……。

《──。触らぬ神に祟り無し、だな》

逡巡ののち、彼は廻り道を選択した。一度順路から外れ、そのあと再び匂いを辿ることにする。面倒くさい行程ではあるが、安全第一である。

あの威勢のいい咆哮からして、さきに待つのが狼なり虎なり、なにか猛獣の類いであるのは間違い無い。
そしてその猛獣が、自分たちの仲間であるとは限らない。なぜなら、さきほどの少女が一番に動物化しようとしたのは、あの不良だ。
つまりこの先に待つ誰かも、少女に危害を加えようとしていたという可能性は拭えない。そんな人物がどんなことを考えるかは、増々分からない。

《なんとか、うまいこといかねえかな……》

ぼんやりと、投げやりな呟きを零し。ハリネズミは新たな道を模索するのだった。


307 : 《ウサギ》佐々見沙希 【影法師】Level2(44)E:日傘 :2014/05/06(火) 21:19:45 mTG/aGLE
>>302
沙希の――――兎の耳は獣の唸りを誰よりも精確に聞き取っていた
今までに聞いたことが無いような強烈な叫び、そして鼻先に感じる獣の臭い

毛が逆立つ、ついつい体が佐伯の足元へと寄りついて行く
動物の直感か、この先に存在するであろう獣の脅威を感じたのだ
それは知らず知らずのうちに恐怖となって居たのだろう

《い、いやな予感がする……!》

沙希としては声のする方へと向かいたくないが、躊躇することなく周囲の人間は声のする方向へと進んでゆく
付いていかざるを得ない……うさぎはどこか怯えながら声のする方向へと足を向けた


308 : 佐伯 ◆XJan2K7omU :2014/05/06(火) 21:26:47 5eparrxs
>>298
「カってなんだろう…?Mosquito?それとも漢字の……」
【残りの記号らしき痕を見ているとハムスターがしきりに手を動かし始めた。小さな手を必死に動かすハムスター。しばらく見てようやくそれが文字を宙に書いていることに気づく】

「カ……レ……」

「……ソ? カレソ……?」
【途中までは正解だったが最後の最後で間違えてしまった。ソとンはよく似ている。線の傾き加減が微妙なので間違えてしまったのだ】

「このハンカチの落とし主とは関係無いよね……。だってAって書いてあるし」

>>302
【どうやら何匹かの動物がハンカチから手がかりを嗅ぎ取ったようだ。前を行くウサギの後を追う】

(しかしさっきからよく動物に会うな。猫に犬……けっこう野良が多いんだ。あの犬は野良にしては大人しかった。前に飼われてたりしてたのかな。この街に飼い主がいたのか……)

(それにしてもボクは追いかけてばかりだな。他の動物みたいに耳や鼻が発達してないから仕方ないかもしれないけど)
【色んな考えが頭に浮かぶ。ヒトにはヒトの利点というものがあるものの、こういう時はほぼ無力だな……などと思ってしまう。だからといってここで引くわけではないが】

【しばらく歩けば不穏な唸り声が聞こえてくる。犬や猫とは違う声に思わず身を強張らせた】
【頭上ではスズメが囀っている。聞き慣れた鳴き声が、今は何かの忠告のようにも聞こえた】

【まさかとは思うがこれは猛獣か何かの咆哮に似ている。普通ならば動物園から脱走したのではと思うが、今の状況では別の可能性の方が濃厚だ】
【一つ深呼吸して道の先へと歩を進める。その足は若干震えつつもしっかりと前に進んだ】
【果たして道の先にいるのは一体なんなのだろうか】


309 : 如月 香蓮【ゴールデンハムスター】 :2014/05/06(火) 21:31:39 vt0gYJak
>>302

チュ!? 《ひっ!?》

【路地の奥から聞こえてくる咆哮に、怯えた鳴き声をあげる。】
【元々の性格からか、それともハムスターの本能か、逃げ出したい衝動にかられるがグッとそれを抑え】

《わ、私も行っていいと思います…雀さんたちは、さっきも助けてくれましたし。》

【そっと小声で意見を発する。自分は佐伯に保護されている身。】
【真っ先に危険に晒されるのは自分ではないため、あまり強く言うことは出来ないが】
【佐伯の肩に乗っていることをいい事に目を瞑って、声のする方へと向かう。】

>>308

チュー!チュー!

【途中までは合っていて、嬉しそうに鳴き声をあげていたが、最後の最後で大きな間違い。】
【大きく項垂れて、全身で間違いと悲しみを表現する──事件とは関係ないのであるが。】
【しかしある程度は伝えられて満足したのか、これ以降は大人しくしていることだろう。】


310 : アニマル・パニック ◆435bdiv0ac :2014/05/06(火) 21:51:21 tfjbXe26
>>夏目さん、アルフレードさん以外の方宛

路地へと足を踏み入れたのならば、目の前には吼え猛る獅子が一頭
恐らくは彼が、雀の言うところの"お仲間"なのだろう

どうやら自身におきた状況を理解しきっていないようで、恐怖を紛らわすかのようにまた、吼える


>>アルフレードさん宛

そうして空へ吠えていると、路地の入り口から複数の気配
そちらを振り向けば、小型のウサギにヤマアラシ、黒猫、大型のハムスター、それから、人間が
彼女たちが、雀の言う"お仲間"なのだろうか?

>>夏目さん以外全員宛

そうして出会った路地の先、一羽になった雀が誘導するようにチチチと鳴く

《クスクス、早く追いかけないと私たちも見つけられなくなりそうよ?》
《それでもいいなら、気にしないのだけど》


>>夏目さん宛

夏目だけが道を外れ、回避を選んだ
それに続くのは一羽の雀、どうやらそれぞれに別れて行動することにしたようで

《クスクス、やっぱり怖いものね》
《回り道なら、こっち、今度もちゃんとついてきてね?》

そういって地面に降りて、ちょんちょんと跳んで示すのは小さなコンクリートの亀裂
小型の動物でなければ通れない道だ、そう、例えばハリネズミのような
雀は臆する事なくそこへ入っていく、それに続くかどうかは、夏目次第だが―――?


//夏目さん以外は、アルフレードさんと合流完了ということで、ここからは各々のキャラ同士の絡みは各自で宜しくお願いします


311 : 早瀬 琢磨【黒猫】 :2014/05/06(火) 22:02:01 U1MOeKPg
>>310
【なるほど、このライオンがお仲間か】
【ならば頼もしい限り、ここで一緒に連れて行く事にしよう】
【きっと吼えていたのは寂しかったから、ならもうそんな事を感じる必要はない】

《よう、安心しな。俺達も動物にされちまったんだ》
《あんたも一緒に行こうぜ、ライオンと言えば百獣の王、心強い限りだ》

【説得する。ここで襲われたら多分死ぬだろう】
【相手の懸命な判断に期待するしかない】


《……え、マジで?》
【どうする、ここで突っ走っては何があるか分からない。他の人も待つべきか……】
【早瀬は迷う、この迷いが致命的になるかどうか】


312 : 夏目 良助【触って視界を奪う】Lv.1 :2014/05/06(火) 22:03:36 JAwAZR1s
>>310

他の全員が正面突破を選んだことで、一抹の不安を感じるものの、遥か上空で鳴く雀の声に思い直す。
雀もいる。それに、独りは慣れている。なんとかなるだろう。……そう自分を奮い立たせ、針毛を揺らした。

《ああ、信じてるよ、あんたのことは、始めからな》

始めのころ少しでも疑っていたのをまるで何事もなかったかのように呟くと、雀に付いて行く。
すると着いたのは小さなコンクリートの亀裂。大きな動物には、とても入れそうも無い。

《……ここまで来たら、迷ってる暇なんて無い。そうだよな》

なんの躊躇いも無く入ってゆく雀に続いて、ハリネズミもまたその小さな身体を亀裂に潜り込ませる。
今さら案内に疑いを持ってはいなかったし、持っていても仕方が無い。
そう考えてのことだったが、いったいその先には、何があると言うのだろうか。


313 : 佐伯 ◆XJan2K7omU :2014/05/06(火) 22:04:24 5eparrxs
>>309
「どこが違うって言うんだ…」
【どうやら違うようだ。カレソとはなんなのか。刺繍とは関係無さそうだし何の意味があるというのか】

「カレソ、カレソ……ん?」
(もしかして……"ン"? ソじゃなくてンだとしたら…)
【ソをンに置き換えればそれは人名として通る単語に変わった。刺繍とは関係無いとしたらこれは……】

「カレン?」
【試しに出来上がった単語を口にする。果たしてこのハムスターはどう反応するだろうか】


>>310
【足を踏み入れるとそこには一頭の猛獣がいた。テレビや本で見慣れた生き物。そう、あれは】

「ライオン……!?」
【どうみてもライオンだ。野良の犬や猫じゃあるまいし、どう考えても元人間だったものだ】
【しかし元人間と言えど猛獣と対峙するというのは恐怖であり、それにその人間が凶暴ならば襲われる可能性もある。本当なら今すぐにでもUターンしたいところだ】

「えーー、と……。今ボクらは人を探してるんだ。大きな犬を連れた小さな女の子なんだけど」
「キミがどう思ってるかは分からないけどボクは急がなきゃならないんだ。ゴメンね」
【そう言ってそっとその場から離れ道を切り替えようとする】

(あんなのまでいるなんて……このままじゃサファリパークになっちゃうよ)
(早くあの子を見つけ出さないと……)


314 : 緒里谷 依織【マレーヤマアラシ】 :2014/05/06(火) 22:06:30 GhuVzkhw
>>310

《これは……不味いですね》

【路地を曲がった矢先、視界に飛び込んできたのは見上げるほどの猛獣】
【たとえ人であった頃であっても相手の方が大きいのだから、今のヤマアラシからは天を衝くような大きさで】
【まさに想像以上の猛獣、それも肉食獣である】
【仮にこれが元が人間でないとすれば、立ち向かうだけで空恐ろしい。草食動物の本能か足が震えだす】

【だが、スズメの言葉を信じるならあれもまた被害者の一人】
【恐れを全身に感じつつ、自然と毛を逆立てながら、声が聞こえるであろう距離まで何とか歩み寄ろうとする】

>>アルフレードさん宛

ぎゃう、《風紀委員です。 鳴くのは止めてください》

【一先ずは己の身分を明かし――証になるものは何もないが――自分が人間で、敵ではないと伝える】
【もし相手が信じなかった時に備え、何時でも対応できる心構えだけは残しながら】

ぎゃお、ぎゃ
《ここに犬と少女が来たはずです。今互いに降り掛かった災難の原因――――我々はそれを追っています》
《荒事が無いとも限りませんので、人手不足故そちらにも協力を仰ぎたいのですが》

【今後の事を考えれば、無関係の誰かに見つからないとも限らない。とすればこのまま放置していく訳にもいくまいし】
【まさか相手が魔術側であるとは知らず。不遜な態度を醸しつつも手を組まないかと持ちかけた】


315 : 《ウサギ》佐々見沙希 【影法師】Level2(44)E:日傘 :2014/05/06(火) 22:10:48 mTG/aGLE
>>310
《なっ……!!》

確かに獣がいた、いたが―――――――
今までの自分たちはカラス、ウサギ、ヤマアラシ、ハリネズミ、ハムスター、獣と言うよりは動物だった
だが目の前に居たのは明らかな獣、猛獣―――――百獣の王『ライオン』なのだ

確かにライオンなんてこんな場所にいる訳がない、間違いなく彼女の魔術で作られたものだろう
だがライオンと言う品種がまずい、殺傷能力が段違いではないか
仮に襲ってきたら、ここに居る面々ではまず太刀打ちできない

雀の言葉に沙希は考えた
ライオンは狂暴だが中身は人間だ、様子から見てライオンになりたいと自分から願った訳ではないのだろう
であれば、仲間に引き込むのが間違いなく得策
こちらの面々ではシェパードに対抗できるか不安であったが、ライオンが仲間になれば心強い

《急いで追いかけましょう、人が多い場所に出られると臭いが分からなくなっちゃう》

雀の言葉を受け、沙希は頷く
鼻が良いという事は他の臭いも分かるという事、周りの臭いが強くなりすぎるともう区別できなくなる――――


316 : 如月 香蓮【ゴールデンハムスター】 :2014/05/06(火) 22:12:59 gBhKjgVQ
>>313

チュー! 《うん!》

【出会った当初に決めたYESNOの取り決めを思い出し、一回元気に鳴く。】
【自分の名前が伝わったのか余程嬉しいのか全身で頷いて、自分を手で指している。】

>>310

【目を開けるとそこにいたのは、吠え猛る大きなライオン。】
【人の姿で会っても怖いというのに、この小さな身体だと一層恐怖心が増す。】
【自分も鳴きたくなるのを、グッと堪えて、獅子と向き合う。】

《えーっと…、お、落ち着いて話を聞いてくれませんか?》
《多分、あなたも外人の女の子に動物にされちゃったんですよね…?》
《私達もその子を探してるんです。よかったら、一緒に行きませんか?》

【落ち着いてなどと言いつつもやはり怖いのか、やや声が震え気味である。】
【最後に『貴方が来てくれたら心強い』と付け加えようとしたが、その前に佐伯がUターン。】
【肩に乗っている如月もそれに着いていくことになり、チューチューわめくだけになる。】


317 : アルフレード・アルファーノ 『ライオン』 :2014/05/06(火) 22:15:27 eAd.FzfY
>>310
「……グァガァ」
≪………ん≫

【振り向けばそこには、多数の動物。こいつらもヤツに何かされたのだろうか?】
【と、すれば取るべき行動はひとつ。さっさとこれをした者を止めなければ】
【その前に、これらの動物達との「コンタクト」を行わなければならないと踏んだアルフレードは、彼等の方へと向いた】

>>311>>313>>314>>315>>316
「グルァアアアアアア!!!!」
≪何者だ!!てめえら!!≫

【突然に後ろに現れた彼等に驚き、咆哮を向ける。しかしすぐにそれらが、よほど無害な者達であるとわかり、態度を少し改める】

「……グルルァ……ガルル……グガァ」
≪何者だ……俺を……こうしたのは?≫

【彼等を、何やら品定めするかのような目つきで順番に見る。それは獲物を狙うかのような、疑り深い眼で】

「グルルルルゥァ……ガルル……」
≪てめえらも同じ被害のようだな……いいだろう。目的は同じだ≫

「グルルァ……グァアアア!!!」
≪案内しろ。落とし前は付けさせてもらう≫

【彼等に向けて、今一度吼える。少なくとも敵対はしていないようだが、彼等に与える精神的ダメージは大きいかもしれない】


318 : アニマル・パニック ◆435bdiv0ac :2014/05/06(火) 22:25:52 tfjbXe26
>>夏目さん以外全員

頭上から雀の高い声が、やや馬鹿にしたような印象とともに響く

《クスクス、ご挨拶はもう終わったの?》
《早くしないと、匂い、消えてしまわない?》

急かすように言う言葉の通り、匂いはモタモタしているとすぐに消えてしまうだろう
今現在、唯一の手がかり……それが消えてしまうのは、非常に不味いことではないだろうか
雀が空から探すにも、限度がある
鳥は、夜になると、目が機能しないも同然になってしまうのだから


>>夏目さん宛

《クスクス、そうよ、はぐれないようにね?》
《大丈夫、こわくないから》

そうして進んだ先、小型のいきものしか通れないような道を幾つも抜け、辿りついたのは開けた道路だった

幸いなことに人影は辺りに無い、匂いの場所はすぐそばではないが、比較的近くのようで
風にのって流れてくる先へ行けば、匂いの道へ戻る事が出来るだろう


319 : 早瀬 琢磨【黒猫】 :2014/05/06(火) 22:27:09 U1MOeKPg
>>317
………
《あのさ、吼えるのやめてくれねえ?》
《キーンとするし怖がる連中もいるんだ》

【ピシャリ、と窘める】
【いちいち咆哮などされては鼓膜が保たない】
【ともかく、味方になってくれたので戦闘面はきっと大丈夫だろう、多分】


320 : 佐伯 ◆XJan2K7omU :2014/05/06(火) 22:31:40 5eparrxs
>>317-318
「っ……!」
【猛獣の迫力ある咆哮に足が止まってしまう。何やら気が立っているみたいだ。下手をするともしかしたら襲われるかもしれない】

(ライオンに喰われて死ぬのは……嫌だなぁ)
【そんなことにはなりたくない。できるだけ刺激しないようにしよう。メルクレイアはそう決めた】

【それに一刻も早くあの少女と犬を見つけなくてはならない。何処か遠くへ行かないうちに、手がかりがなくならないうちに見つけなくてはならない】
【先ほどまでついてきているスズメの声が、急かしているように聞こえてくる。急がなくては】

【振り向くとライオンが後ろをついて歩いている。仲間になってくれたのだろうか?それとも……】
【とにかく先へ進もう。メルクレイアはやや足早に歩き出す】

(ライオンに背後に立たれるなんて、生きた心地がしないね)

>>316
「キミはカレンって言うんだね。いたかなぁ、カレンって名前の知り合い……」
【思い出す限りそんな知り合いは、いない。このハムスター…カレンが伝えたかったのは自分の名前のようだ】

「カレン、早いとこあの子を見つけよう。頼めばきっと元に戻してくれるさ」
「ところで後ろにいるライオンだけど……、彼は危険じゃない……よね?」


321 : 《ウサギ》佐々見沙希 【影法師】Level2(44)E:日傘 :2014/05/06(火) 22:32:33 mTG/aGLE
>>318
後からライオンにされた人物……口調からして男だろう
彼が存在しているという事は、最悪のパターンだけは回避できたという事だ
つまり――――あの少女自身も動物になっている場合
仮にそうなっていたとしたら絶対に見つけることが出来なかっただろう

沙希はアスファルトに鼻を寄せる、臭いはどちらへ向かっているのだろうか
ライオンにされた人物の位置から見て、近くにいるはず―――――


322 : 緒里谷 依織【マレーヤマアラシ】 :2014/05/06(火) 22:37:02 GhuVzkhw
>>317

ぎゃう。 《なら結構です。くれぐれも一般人は傷付けぬよう》

【思いの外あっさりと承諾を得たことに安堵するが、努めてそれを声音には出さず】
【ライオンの脇をすり抜け、すたすたと先を急ぐ。猛獣に対し簡単に背後を取らせるのも尻側に針を持つヤマアラシの特性の恩恵だ】
【もたもたしている暇はない。気付けば会話だけで大分時間をくってしまった】

>>318

ぎゃ、ぎゃ、 《言われるまでもありません。現在も追跡中です》

【雀の忠告をにべもなく斬り伏せ、目線も寄越さずに答えるヤマアラシ】
【ふんふんと鼻を鳴らし、消えかけた匂いを懸命に辿る】
【自分は夜行性なので問題ないが、他の動物はそう悠長にしていられない】

ぎゃお。《それよりも何人か逸れてしまったのが心配です。急ぎましょう》

【ライオンへの恐怖感で視界が狭まっていたが、振り返ればすでにメンバーが数人欠けている】
【ただ遅れているだけならいいが、もし回り道などして先に辿り着きなどしていたら――――】
【あの大型犬に対抗できるのは、現状いま増えた即戦力を於いて無いといえるのに】


323 : 夏目 良助【触って視界を奪う】Lv.1 :2014/05/06(火) 22:38:54 JAwAZR1s
>>318

《この姿で迷子になるのは、さすがに笑えないな》

軽口を叩きながら、せっせと両脚を動かして、雀のあとを着いていく。──やがて道は拓け、道路に出た。
辺りに人や車の気配はなく、ほっと息をついていると、風の流れにそってあの匂いが流れてくるではないか

《それにしてもこんな道。……よく見つけられたよな》

独り言もそこそこに、ハリネズミは風に乗って流れてくる匂いに沿って歩を再開する。

ほどなくして、匂いの道へと戻って来ることが出来るはずだ。


324 : 早瀬 琢磨【黒猫】 :2014/05/06(火) 22:41:00 U1MOeKPg
>>318
《うっし、じゃあ行くか。猫は夜でも目が効くから大丈夫だな》

【急いで追跡しなければ、暗くなっては危険だろう】
【鼻が思ったよりも効かないので苦労する、なので後に付いていく形になってしまいそうだ】


325 : 如月 香蓮【ゴールデンハムスター】 :2014/05/06(火) 22:42:45 vt0gYJak
>>318

チュー!? 《ひーっ!?》

【睨みつけられるとどうしても怖いのは、小動物の性で。】
【全身の毛が逆立って、恐怖心から思わず佐伯の肩にしがみつく。】

【そして耳に入る『落とし前は付ける』という言葉。】
【もしライオンに戦意があったら、この場に止められる者はいない。】
【他の皆はどうなのだろうか。少女と犬に会ったら、戦うつもりなのだろうか?】

チュー…。

【自分は少女たちに会ったら何が出来るのかと思って、弱々しく鳴いた。】
【こんな小さい体で、何も役に立っていない自分が少し嫌だった。何とか穏便に済めばいいのだけれど。】

>>320

…チュ。

【自信なさげに、小さな鳴き声をあげる。】
【仲間ではあるが、まだあまり信用できていないようだ。】


326 : アルフレード・アルファーノ 『ライオン』 :2014/05/06(火) 22:43:43 eAd.FzfY
>>318
「グルルゥ……」
≪またか……≫

【どこからともなく現れた鳥が囁く。どうやら、時間はあまり残されていないらしい】

「グルル……」
≪よし……行くか≫

【いつの間にか足が早くなる。やはりこの状況は何としても打破せねば】

「グルルァ!」
≪行くぞ!≫


327 : アニマル・パニック ◆435bdiv0ac :2014/05/06(火) 22:55:10 tfjbXe26
>>夏目さん宛

《クスクス、生きるためには、ああいうところを見つけておかなくっちゃ》
《ネコなんかに捕まったら、大変なんだから》

おかしそうに笑いながら、雀は再び飛び立つ
周辺に動物の気配はないが、いつ何が出てくるとも限らない
出来るだけ早めに移動してしまうのが得策だろう、恐らくは

匂いを辿り歩き続け、やがて見えてきたのは開発区にほど近い、広めの公園が見えてくる
そのまま辿れば公園の中へ、果たして、そこには―――

《……誰だ》

―――そこには、木陰のベンチに横になり眠る、探し続けていた少女と
その傍ら、半ば威嚇の唸りのような鳴き声でそちらへ問いかけるは、大きなシェパード一頭

果たして夏目は、どうするのか


>>夏目さん以外全員宛

匂いを辿り急ぎ足で進めば、どうやら別の道をつかい先に進んでいたらしいハリネズミ……夏目が、前方に遠く見える

どうやら彼は匂いを辿ってそのまま公園の中へ入っていくようで
聴力のいい者ならば、その先に、低く唸る犬の声が聞こえるだろう
……早く追いかけなければ、ハリネズミが危険なのではないだろうか


328 : 早瀬 琢磨【黒猫】 :2014/05/06(火) 22:59:26 U1MOeKPg
>>327
【見えてきた、ハリネズミだ】
【どうやら公園に入っていくらしい】
【しかし、何やら低い音が聞こえるような……】
【これは、犬の?】

《………くそっ、おいハリネズミ!》

【危険を悟り、ハリネズミの夏目を猫特有の俊敏さで追いかける】


329 : 佐伯 ◆XJan2K7omU :2014/05/06(火) 23:01:07 5eparrxs
>>325
「なんとか丸く収められれば良いのだけど」
【できれば無用な戦いは避けたい。多分あの時はあの柄の悪い男に怯えて魔術?を使ったに違いない。誤解を解けば元に戻せるかもしれない】
【少女もそのパートナーであろう犬にも危害を加えたくは無いしそうなってほしくない】

「誤解を解けばきっと分かってくれる……と今は思うしかない。急がなきゃ!」
【歩き詰めで疲れてきたがそうも言ってられない。時間は刻一刻と迫っているのだ】
【カレンが落ちないように片手で軽く押さえながら前を行く動物たちの後を追う】

>>327
【前方に見える小さな影。あれはハリネズミのものだ。その先に見えるのは開けた場所……あれは公園だろうか】

「公園か……。犬を連れた人がいてもおかしくない。その中にあの子がいてくれれば良いけど……!」
【居てくれることを祈りつつ公園へと入る。そして少女と犬がいないか辺りを見回した】


330 : 《ウサギ》佐々見沙希 【影法師】Level2(44)E:日傘 :2014/05/06(火) 23:07:04 mTG/aGLE
>>327
臭いを辿って着いたのは開発区にほど近い公園、そこに入ってとある匂いに気が付いた
これはハリネズミ―――――先ほどまで一緒に行動していた内の一匹だ

鼻は臭いを捉え、耳が音を捉えた
犬の声、喉を振るわせて発する低く揺れる音
恐らくは唸り声、犬が唸り声を出す場面は限られている、その多くを占めるのは威嚇
そこから導き出される答えは――――!

《ハリネズミさんがもうシェパードに見つかってる!》

>>アルフレードさん
沙希――――兎はライオンの背中へと飛び乗った

《走って!》

ライオンの後ろから投げかけられる指示の言葉
どこか焦りのある口調から、事態の全容を把握するのは難しくないだろう


331 : アルフレード・アルファーノ 『ライオン』 :2014/05/06(火) 23:07:17 WFvAhmNE

>>327
「グルル……」
≪……あれは≫

【前方に、ハリネズミ。察するに彼も、動物へと姿を変えられたのだろう】
【しかし犬の唸り声までは聞こえなかったため、若干出遅れてしまう】
【駆け足だったが、それも何処に行くのだろうか?という好奇心から来るものだったため、公園に着いたのは遅かった】
【ライオンは視覚に頼り狩りをする。しかも外敵からの襲撃の心配がないため、聴力はあまり発達していないのだった】

【公園に着けば、一頭のシェパード。こいつはあの女の飼い犬か………】
【しかしこの程度の犬、恐れる必要もない。彼はその犬の眼に向けて、じっと睨みを効かせた。】


332 : 夏目 良助【触って視界を奪う】Lv.1 :2014/05/06(火) 23:09:38 JAwAZR1s
>>327

《そういうもの、か。苦労してるんだな》

相槌などうちつつすぐさま追跡を再開する。この周辺は、いつ人目に着くとも分からない。

──

匂いは、開発区に近い公園の中から漂ってきた。ゴールの予感に心持ち歩幅も大きく、
ハリネズミは公園の中へと入った。──。


《……この姿を、もとに戻してもらいに来たんだけど……いや、来たんですけど》

シェパード。人間の姿であっても侮れない威容を誇る大型犬を前に、小さなハリネズミに出来ることは至極限られている。
即ち、話す事である。人間のころは少女としか会話は出来なかったが、今は逆だ。
シェパードを見上げながら、震えを孕んだ声で話しかける。
とても言う事を聞いてくれそうには無い気がするが、案外あっさりと承諾してくれたりはしないものだろうか……。

射竦められ、針毛を逆立てながら彼はその場に留まって、……おそるおそる、反応を待つ。


333 : 緒里谷 依織【マレーヤマアラシ】 :2014/05/06(火) 23:10:11 GhuVzkhw
>>327

《近い……ような、これは――》

【人気の少ない開発区、邪魔な匂いが無くなって、地面を擦るように低く下げた鼻も次第にもたげられていく】
【追い詰めている証拠、と逸る心が覚めやらぬうちに、開けた視界に飛び込んできたのは公園の入り口】
【そしてその真ん中に、よちよち歩く小さな針山のような姿】


ぎゃ! 《ああもう、どうしてあの人は!》

【苛立ちというより悲痛な声で頭を抱える(抱えられる腕は無かったが)ヤマアラシ】
【ここまでくればもう目標は目前だが、それに先んじて厄介な障害が一つ】
【そこまで考えてちらりとライオンの方を振り返る】
【今は後ろに追随しているが、いざ本気となれば彼の歩幅に追いつける者などこの中には皆無】
【そこに居ると悟られようものなら、どんな暴走を始めるか危惧していた】

【だから今は急ぎ、ハリネズミに追いつくしかない】
【決して長くない四つ足を懸命に動かし、公園に突っ走る】


334 : 如月 香蓮【ゴールデンハムスター】 :2014/05/06(火) 23:13:07 vt0gYJak
>>327

チュ、

【前方には、見覚えのあるハリネズミが。どうやら気づかぬ内に逸れていたようだ。】
【マイナス思考はここまでにして、佐伯にしがみついてその後を追う。】
【そこにあったのは公園。ここがゴールで、全て解決すればいいのだけれど。】

>>329

チュー! 《うん!》

【どうやら佐伯も同じ思いだったようで、元気に一鳴きする。】
【シェパードの唸り声を耳にしながら、ただ皆の無事を祈っていた。】


335 : アニマル・パニック ◆435bdiv0ac :2014/05/06(火) 23:23:40 tfjbXe26
>>328-334
眠る少女の手から落ちているのは赤白のロープ、恐らくは手の力が緩んで地面に落ちてしまったのだろう
少女の周囲3m分というシェパードの行動範囲制限は意味を成さないものになっている、つまりそれは、いつでも飛びかかっていけるということで
グルグルと低い唸りをあげて、シェパードはその場に立つ全員を見渡す

《……人間に戻せと?無理な相談だろう、それは》
《さきに手を出したのはそちらだ、残念ながら、な》

獅子に睨まれようとも、臆する事はなくむしろ唸りは一層低く、大きくなる

《この子に少しでも近づいてみろ……タダでは、済まさん》

ギロリと周囲を睨み付けるそれは、猜疑心に囚われていて
何とかして彼をおとなしくさせない限りは、少女に近づくことも難しそうだ


336 : 早瀬 琢磨【黒猫】 :2014/05/06(火) 23:30:17 U1MOeKPg
>>335
【………なるほど】
【どうやらこちら側をあの不良と同じと見ているらしい】
【ならばその誤解さえ解けば戻れる、というわけだ】
【もちろん戦うつもりなどないし、見たくもない】

《おい、俺たちをあのクソみたいな野郎と一緒にするなよ》
《逆に絡まれているのを助けようとしたんだぞ、誤解だ》
《だから戻してくれないか?危害を加えるつもりなんてないんだから》

【交渉して事を進めるしかない】
【さて、耳を傾けてくれるだろうか…】


337 : 佐伯 ◆XJan2K7omU :2014/05/06(火) 23:33:09 5eparrxs
>>335
【低く響く唸り声はこちらに敵意を向けているという証だ。翻訳しなくても分かるくらいそれは確実だ】
【少女は安らかに眠っている。きっと少女の番をしているに違いない。声をかけてもすぐに起きるかどうか怪しい】

「君のご主人に用があるんだ。悪いけど起こさせてもらうよ」
【そう言うとメルクレイアはスタスタと少女の元へ歩み寄った。忠告……犬の唸り声をあえて無視して】
【メルクレイア自身敵意を持ってはいない。ただ少女を起こし話をするだけ……。しかし少女を守るこの犬がそれを許してくれるだろうか?その確率は……低い】

>>334
「そうだよね。お互いが傷つくのは見ていて気分が良いものじゃないもの。あの子だってきっと怖かったに違いないよ」
「…ちょっとキツイかもしれないけど首の後ろあたりに掴まっててくれない?肩がちょっと疲れちゃった」
【同じ意見であることを確認するとメルクレイアは少女に近づく。犬が唸り声をあげているというのに無謀としか言いようがない】


338 : アルフレード・アルファーノ 『ライオン』 :2014/05/06(火) 23:34:09 WFvAhmNE
>>335
「………グルルルルゥ」
≪……なかなか面白い事を言うヤツだ≫

「グルルァ……ァアァ……」
≪流石は犬様々……確固たる忠誠心をお持ちのようだ≫
「ゴォァア……ガァァア……」
≪何もそっちの女を襲う気はない……ただ解除さえしてもらえばいいわけだからな≫

【ゆっくりと犬の周囲を行ったり来たりしながら、話し掛ける】

「グルルルルゥ……ガルルル……グルルルルフゥ……」
≪何やら気に触れる事をしたのなら謝ろう。俺はただ転ばせちまっただけだ……それでお前の落とし前はつくはずだ≫
≪それでもダメか?≫

【彼の唸り声よりも太く、低い声で唸る。それは彼自身、戻してもらわねばいけないという焦りもあるのだろう】
【それでもひとつの交渉を進める。しかしそれに無事に耳を傾けるかどうかは別であるが】


339 : 夏目 良助【触って視界を奪う】Lv.1 :2014/05/06(火) 23:36:43 xirrZhcI
>>335
気づけば背後から多くの足音が聴こえてきて、──振り返れば、予想通りの面々が視界に映った。
思わず、ほっと息をつく。……まだ問題が解決したわけでは、到底無いが。

《おいおい、俺は手なんか出してない。そっちが勝手に巻き添えにしたんだろ》

背後の心強さもあってか、控えめながら反論してみせる。ただこんな言葉に従容と従うような相手ではない、とも思う。
どうしたものか。小さくなってしまった頭を精一杯に回転させて考える。戦闘面では、自分は役には立たない。

《……。その子に近づくなって、言うならさ、お前がなんとかしてみろよな》

少しだけ考えたあと、ハリネズミは、シェパードにむかってそんな無茶な注文をけしかける。
これは、ひとつの小さな可能性に対するテストだった。──あのとき。自分たちが動物になったとき。その前兆はふたつあった。
ひとつは少女の掛け声。……そしてもうひとつは、シェパードの咆哮。もしかしたら後者が、能力の行使者ではないのか。

そうであるなら、なにかしらそれらしい反応が返ってくるはずだ。予想が外れるにしても、少なくとも犬と少女、
どちらが自分たちの姿を元に戻す鍵を握っているかは、はっきりとするはずだ。


340 : 緒里谷 依織【マレーヤマアラシ】 :2014/05/06(火) 23:39:31 GhuVzkhw
>>335

《――――暫くぶりですね》

【負傷者を出す事無く、何とか全員無事で辿り着いた公園】
【入ってみれば今回の元凶は、逃げ疲れたのか眠りに落ちており】
【それを守る忠実な番人、周囲へ睨みを利かす猛犬に、漸く全員揃って対面する】

《我々はこの街で顔が利きます。 元に戻してくれるというなら、身の安全は保障しますが》

【普段のヤマアラシ――いや依織なら既に腕ずくで行くところ】
【しかし今は脆弱な動物に姿を変えられているならば、頼みの綱の能力もなく】
【だから今は落ち着いて聞いてくれと、拙い交渉術で懸命に説得を試みようとするのだ】

《あなたでは話になりません。そちらの女性と取引がしたい。危害は加えないと誓います》


341 : 《ウサギ》佐々見沙希 【影法師】Level2(44)E:日傘 :2014/05/06(火) 23:44:02 mTG/aGLE
>>335
ライオンの背から降りたウサギは、シェパードの鋭い視線の前に晒される
戦うことが出来ない以上、自分が前に出ることは明らかに無謀―――――

《待って!私達はあの不良を止めようとしただけで、あなた達に手を出した訳じゃなくて……》

ありきたりだが、ありのままの事実を伝えるしかない
相対するのは大型の犬だ、高さだけでも自身の5倍近い
―――それを前に言葉を投げかける勇気は、絞り出すしかなかった


342 : 如月 香蓮【ゴールデンハムスター】 :2014/05/06(火) 23:47:33 vt0gYJak
>>335

【唸り声を真正面から受け、また全身の毛が逆立つ。】
【ライオンよりは小柄とはいえ、ハムスターの自分と比べたら数十倍の大きさである。】
【しかし自分たちは話し合いに来たのだ。意を決して、犬の顔を見据え】

《お願い…、私達に危害を加えるつもりはないの》
《だから皆を元に戻して…、お願い、だから》

【猫の時のような代わりに提示できる物はない。】
【だからその分、一言一言に思いを込めて、何とかシェパードの心を動かそうとする。】
【……『私達』ではなく『皆』と言った理由は、自分ではよく分からない。】

>>337

チュー!チュー!

【鳴き声は2回。『NO』の合図である。危ないと言いたいのだろうか。】

【肩からも降りるつもりはなくて、出来る限り強い力で佐伯の肩にしがみつく。】
【背中に隠れるのは嫌だ。何も出来なくても、せめて佐伯と一緒にいたくて。】


343 : アニマル・パニック ◆435bdiv0ac :2014/05/06(火) 23:55:08 tfjbXe26
>>336-342
シェパードはより一層大きく、更には牙を剥き出しにして低く唸る
いつでも飛びかかれるのだと、噛み殺せるのだと、相手に牽制をかけるように

《そちらの話など信用する気もない、さっさと何処かへ行け、二度と私たちに近寄るな》
《私からも、そちらにしてやることなどない、さっさと―――》

そこで、そのタイミングで、佐伯は少女へと近づいた……近づいて、しまった

《―――この子に近づくなと、言っただろう!》

今までとは比べものにならない程に冷たく、低く、一つ唸る
相手がこちらの言葉を理解しているかなど関係ないとばかりに、シェパードは怒りを顕に佐伯へと飛びかかる
噛みつきはせず、しかし大型犬が飛びかかるとなれば、佐伯一人ではまず立って居られず下敷きにされてしまう筈だ
……そう、佐伯だけならば

兎にも角にも、シェパードを刺激してしまった事にかわりはない


344 : 早瀬 琢磨【黒猫】 :2014/05/07(水) 00:04:28 r9f6S/no
>>343
【駄目か、これは長期戦になりそうだ】
【そんな覚悟をした頃】

《……馬鹿っ、近づくな!》

【メルクレイアが近づいてしまった。それがシェパードを刺激してしまったらしく】
【そのままメルクレイアに飛びかかった。しかしこれは逆にチャンスではないのだろうか?】
【シェパードがメルクレイアに構っている間にこちらは少女を起こす】
【そうしてあとは直接交渉だ。忠犬すぎてあれでは話にもならない】
【シェパードだメルクレイアに飛びかかっている時、自身は駆けて少女の膝に乗っかる】
【恐らくさらにシェパードを激昂させてしまうだろうが、一緒に少女を襲う事はないはずだ】

《おい、起きろ!頼むから起きてくれ!》

【少女からはニャーニャーと鳴き続けているようにしか聞こえないだろう、これで目を覚ませば良いのだが…】


345 : 佐伯 ◆XJan2K7omU :2014/05/07(水) 00:07:22 VR3VP7PE
>>343
【忠告を無視した当然の結果だ。少女に近づこうとすると犬は飛びかかってきた!少女の前でメルクレイアは犬に組み伏せられてしまう】

「だから、そんなつもりは無いって言ってるじゃないか!!」
【咄嗟に右手が犬のマズルに伸びる。予想していたとはいえかなり危険な状況だ。まずはこの犬をなんとかしなくては!】
【最大の武器であろう牙を封じるための試み。かなり危険だが果たして通るだろうか】

「ボクは危害を加えるつもりは無い。頼むからおとなしくしてくれ……!」

>>342
【カレンは後ろに隠れることなくしがみついている。肩が気に入ったのかそれとも別の理由か。どちらにしても危害が及ばぬようにしなければならない】
【犬に組み伏せられたメルクレイアはそのために犬の口を無理やり押さえ込むという反撃に出た】

「早く逃げて!潰されても知らないよ!?」
【うまくいかなければカレンを庇うことがほぼ不可能になる。その前にカレンにそう呼びかける】


346 : アルフレード・アルファーノ 『ライオン』 :2014/05/07(水) 00:08:09 9lqlQ78U
>>343
「グルルルルゥガァァア……」
≪なら……仕方ない≫

【牙を剥き、お前ごとき犬っコロなど怖くもないとばかりに威嚇する】
【両者の間に今にも火花を散らさんとする雰囲気が流れた、その時だった】

「グルゥ!」
≪うぬ!≫

【佐伯が少女へと近づく。瞬間、犬が彼に飛びかかった!】

「グルルルルゥァアア!!」

【とっさに犬に向けて突進し、体当たりして最悪の状況だけは防ごうとする】
【しかしこの行動で、完全に「敵対」となってしまっただろう。】

「グルルルル……」

【威嚇行動をとり、戦闘体制に入る。身体が変わっても行動に変わりが無いのは、その闘争本能からであろうか】


347 : 夏目 良助【触って視界を奪う】Lv.1 :2014/05/07(水) 00:08:21 xhJe4.bg
>>343
案の定、シェパードに交渉に応じるつもりはなさそうだった。彼が能力者という線もなさそうだ。
折角ここまできたというのに。ここから先、どうしたものだろうか。考えるハリネズミのそばで、ひと際低い唸り声が響いた。

《っ、おい、なにを──》

忠告を無視して近づこうとして唯一の人間に対し、シェパードが飛び掛った。
悲しいかな、ハリネズミには止める術も、支える術も無い。せいぜい踏みつぶされるのがオチだ。
あわてて離れようと試みながら、ことの始終を見守らんとする。……が。

(……よし。アンタの犠牲、無駄にはしないぜ)

むくむくと鎌首を擡げるひとつの考え。すなわち、この騒動の隙にこっそり少女に接触を試みるということ。
危険な賭けではあった。しかしこのままでは埒があかない。人間の作ってくれたチャンスを生かすしか、道は無い。

抜き足差し足、なんとかベンチをよじ上り、少女の上まで歩いていこうとする。
もし成功すればそのまま、彼女を起こそうとするはずだ。……それが唯一、元に戻る道だと信じて。


348 : 《ウサギ》佐々見沙希 【影法師】Level2(44)E:日傘 :2014/05/07(水) 00:11:26 L3gfrPfY
>>343
《まって!》

ウサギの存在など無視して、シェパードは少女へと接近していた佐伯に向けて飛びかかる
止めに入ろうにもウサギではどうすることも出来ない
やはり、この状況では沙希は足手まとい――――――


349 : 緒里谷 依織【マレーヤマアラシ】 :2014/05/07(水) 00:12:05 XabHki5Q
>>343

【取り付く島もない番犬の声】
【それを聞いてヤマアラシも怒りか落胆か、ぎりぎりと歯を食いしばる】
【だがそれを言葉にするより早く、場面が劇的に動いた】

《やはり、こうなるのですね――!》

【説得中少女がベンチの方へ不穏な動きをしていたのは見えていた】
【だからこそ、番犬が襲いかかった瞬間ヤマアラシもまた同時に動き出す事が出来ていて】
【少女を押し倒すだろうその背へ、まっすぐ走り寄り、直前でくるり方向転換。針山のような尻尾でもって、刺々しい一打を加えようとする】


350 : 如月 香蓮【ゴールデンハムスター】 :2014/05/07(水) 00:14:24 5iC.Jl5Q
>>343>>345

チューッ!! 《きゃーっ!!》

【シェパードが佐伯に飛びかかってきて、甲高い悲鳴をあげる。】
【佐伯の事も心配だが、それ以上に獣の勘が敏感に死の危険を感じ取った。】
【万が一巻き添えを食って押し潰されてしまえば、間違いなく死んでしまうだろう。】
【しかしこの高さでは飛び降りて逃げる事もできない。命運を他の皆に託すしかなくて】

《やめてー! 危害を加えるつもりは、本当に、ないの…》
《お願い、だから…っ!!》

【佐伯が犬の口を抑えている間に、慌てて地面に飛び降り、4足歩行で犬から距離を取る。】
【本当は助けたいのだが、この小さな身で出来る事など何もない。半ばパニック状態で、犬に呼びかける。】


351 : アニマル・パニック ◆435bdiv0ac :2014/05/07(水) 00:25:55 AQhb8ou2
>>344-350
飛びかかると同時、獅子の突進を喰らい飛ばされる、それによって緒里谷の針は虚しく宙を突き刺して
飛ばされた先は花壇、下が土だったおかげで衝撃は少なく、問題なく立ち上がる事ができた
しかしそうしている隙に、自身のまもる対象である少女に近寄り、あろうことか触れる者が二人……いや、二匹と言った方が正しいのか
それを見た瞬間、シェパードはーーー

《その子に―》「―近づくなと言った―」《―だろうが!》

―――シェパードは、姿を一転二転、犬からヒトへ、ヒトから……アルフレードと同じ、雄獅子へ
それを見れば瞬時に理解出来る、魔術師は、魔術使用者は、彼だったのだと
どのような魔術かは分からないが、動物から人へ、人から動物へと転じ、そうして彼が鋭い爪のある腕を振るう先は


少女に最初に近づこうとした佐伯では無く
少女を起こそうと近寄り触れる夏目でもなく
彼を脅すように睨みつけたアルフレードでもなく
……少女の上に座る、黒猫だった


352 : 早瀬 琢磨【黒猫】 :2014/05/07(水) 00:34:10 r9f6S/no
>>351
【何…?】
【犬がライオンになった。見間違いではない】
【まさか、これが噂の魔術師なのか?つまり、人間?】
【そして彼が狙うのは―――自分だ】

《くそっ、護る対象に被害が及ぶ事は考えねえのかよ!》

【咄嗟に猫の持つ俊敏さを生かして少女の膝から地面に飛び込む】
【このままでは爪が少女に命中してしまうが果たして…?】


353 : アニマル・パニック ◆435bdiv0ac :2014/05/07(水) 00:34:50 AQhb8ou2
//おおっとまたしても描写忘れ、申し訳ないです
//こちらにはレスをせず、以下の描写を含めて>>351にレスして頂けると有難いです


幾ら呼びかけても少女は目覚めず、もぞもぞと動き姿勢を変えるだけ
何かもう一押し、例えば、触覚に働きかけてみたり―――?


354 : α ◆Enzk51yrhM :2014/05/07(水) 00:37:12 9lqlQ78U
>>351
「グルルルルゥガァ……」
≪こいつは……≫

【変化の様子をじっと見ていたが、すぐに理解出来た。こいつが「魔術」の使用者だと!】
【ならば話は簡単だ。力ずくでもヤツを打ち倒し、「解除」させる。方法はそれしかない】
【少女でなかったのは幸いだ。自分が少女に手を掛けずに済むからだ。】

「グルァァア!!」

【爪を向けようとした雌獅子へととっさに再び飛び掛かり、その攻撃を牽制しようとする】
【組み伏せようとした時、あるひとつの疑問を言った】

「グルルルルゥ……ガァァア!!」
≪ひとつ聞きたい事がある……≫
「グフルルルフ……ウガァア」
≪何故おまえはこの少女をそうまでして守りたがる?おまえが使用者なら、こいつを守る道理もないはず……いや≫
「グルルルル……グルゥ」
≪あるいは、守るべき存在だからこそ……か?≫


355 : 緒里谷 依織【マレーヤマアラシ】 :2014/05/07(水) 00:40:51 ochzvd/Y
>>351

【牽制の一打は空振り、勢い余ってすってんと転ぶが】
【人間とは違いそこは4足歩行、難なく立ち上がる】

《これ以上刺激してどうするんです!》

【攻撃した事は棚に上げ、少女の上の猫を叱咤するヤマアラシ】
【だが目の前の劇的な変化、否変身には動きを止めて目を奪われる】
【なるほど、自分は根本的な勘違いをしていたようだ】

《しかし、こうなっては貴方を“説得”する方が早いかもしれませんね――!》

【仲間ではないが、これだけの数の同志はいる。そのうち一つは相手と同等の最大戦力】
【背後を庇いながらの戦いで相手がどれだけ保つか。ヤマアラシでなければ挑戦的な顔つきになっていたであろう】
【猫に気をとられた隙に大きくなった的――アルフレードと間違えないように最後までしっかりと見据えて――棘棘の背中から突進する】


356 : 佐伯 ◆XJan2K7omU :2014/05/07(水) 00:42:59 WhN0TV9I
>>350
【カレンが離れたのを確認すると、もう片方の手で"そこから離れて"と手で払うような仕草をしてみせる】

「キミは危ないから安全なところに逃げるんだ。ボクは大丈夫だから!」

>>351
【瞬間、犬はライオンに吹き飛ばされていた。解放されたは良いが起きてほしくなかったことが起きてしまったことを確信する】

【そしてそれと同時にもう一つの事実も判明した。あの犬は"魔術師"だったのだ。魔術師は今度はライオンの姿になって襲いかかる。鋭い爪が生えた腕を振り回す先には……少女の上に座る黒猫だった。あの腕で薙ぎ払われればひとたまりも無い。それに……】

「やめろ!この子まで巻き添えにするつもりか!!」
【少女が最悪のタイミングで動けば、たとえライオンが黒猫に狙いすましたとしてもその爪は少女も狩るだろう】
【メルクレイアは黒猫と少女を抱きかかえるように庇った。爪の届かない場所へ避難させようと試みる。自分に課せられるリスクなどもはや関係無かった。一か八か少女を揺さぶり起こそうとする】

「起きて!起きてくれ!!"彼"を止めて……!!」


357 : 夏目 良助【触って視界を奪う】Lv.1 :2014/05/07(水) 00:44:53 xhJe4.bg
>>351
外れたかと思っていた予想はしかし、ある程度は当たっていたようだった。
目紛しく姿を変えるシェパード……いや、シェパードだったヒトは、獅子となって自分の隣、黒猫に襲い掛かる

《危な──っ》

襲来する鋭利な爪。半ば茫然としながらも咄嗟に黒猫を庇おうと、少女の上から黒猫の方へと足を踏み出し、
──そして、失敗する。服の飾りに足を取られ、思い切り転倒。
このままでは背中にびっしりと生えた針毛が彼女の服越しに、だいたい鎖骨のあたりを襲うことになるだろう。

ヤマアラシほど鋭利ではないハリネズミの棘。余程当たりどころが悪くなければ怪我こそしないだろうが、
痛く感じたり、こそばゆかったり、……そういうことは、多分にあるかも知れなかった。


358 : 如月 香蓮【ゴールデンハムスター】 :2014/05/07(水) 00:46:29 5iC.Jl5Q
>>351

チュ!?

【シェパードが姿を変え、驚きの鳴き声をあげる。】
【如月は魔術の存在を知らないが、この現象の現況はシェパードだという事は、瞬時に理解できて】

【…しかしそんな事は関係なく、状況は如月にとって最悪だった。】
【恐れていた戦闘が起こってしまい、相手もまるで話を聞かない。もはや目を覆いたいくらいだ。】
【でもそんな事はしてられない。この難局を解決できる、シェパードを口で止められる存在は、ここには一人しかいない。】

……チュー!!

【覚悟を決めると、佐伯の言葉も聞かず、四足歩行で目一杯走り、少女に近づこうとする。】
【もし犬に気付かれずに無事近づけたならば、その小さな体で頭から少女の左足、向こうずねの辺りにタックルしようとする。】
【気づかれてしまったら…もう如月にはどうしようもない。『見つかりませんように』と祈るのみである。】


359 : 《ウサギ》佐々見沙希 【影法師】Level2(44)E:日傘 :2014/05/07(水) 00:52:10 L3gfrPfY
>>351
やはり――――――!

あのシェパードも人間だった、むしろあのシェパードこそが異能者だった
沙希がその可能性を感じたのはライオンにされた人物が出た時

その時に『少女が動物になっていたら』という可能性を考えた
この段階で逆の、即ち『シェパードが異能者が化けた姿』で、少女は囮と言う可能性も浮上してくる――――

だからこそ沙希はシェパードを倒す方向性を視野に入れた、その結果がライオンを仲間にする事
もう少し大型動物が仲間になってくれれば心強かったが、ライオンでも十二分の戦闘力の筈だ
そして戦闘に関しては、そのライオンを中心としたメンバーに頑張ってもらうしかない

《でも……》

現状を進展させることが出来る力は自分たちにはない
現状でそれが出来るのは恐らく――――――あの少女だけ
あの少女が解除する様に言ってくれれば、恐らく敵対心をむき出しにしている相手も承諾してくれるだろう

問題はあの少女がそれをしてくれるかという事
少女は動物に変えてしまう異能の事を知っていたようだし失敗する方が目が多い

《一か八か―――――!!》

だが、可能性を信じるしかない

兎の足の速さは古くは孫子の時代にまで遡る
『始めは処女の如く後は脱兎の如し』
弱弱しく見せ、一転して逃げる兎が如く素早い攻めで相手を落とすと言う意味の兵法の例えだ

虎の様にではない、狼の様にでもない、例えに使われたのは非力である兎――――その足の速さを評価して、だ

野を蹴る、駆ける――――まさに脱兎の如く

目指すは寝ている少女、ウサギタックル―――――
――――はちょっと痛そうなので、そこまではならない程度に加減して、その胸へと勢いを付けて飛び込んだ


360 : アニマル・パニック ◆435bdiv0ac :2014/05/07(水) 01:06:03 AQhb8ou2
>>352-359
雄獅子の爪は、髪一本分の間を残して空振る
その原因はアルフレードと緒里谷、彼ら雄獅子を力で組み伏せたためだ

《……お前たちに話す事など、何一つない》

うつ伏せの状態で背中から抑えられて動くことができず、苛立たしげにそう唸る雄獅子は、やはり猜疑心に囚われていて
先ほど振るった腕には緒里谷による棘が幾つか刺さり、血が僅かに滲む
何も話す事はないと壁をつくり、皆と対話をする心の余裕など無い様子で、ぴしりと尾が跳ねた


一方、少女はというと―――

「……ぅ、ん………?」

佐伯、夏目、如月、佐々見、4人からのほぼ同時の刺激に漸く目を覚ましたようだ

幾ら雄獅子が警戒し壁をつくろうとも、幼い少女は純粋なもので
寝惚け眼を片手で擦り、キョロキョロと何かを探すようにしながら、ぽつりと一言

「……パパ、どこ?」

その一言が、雄獅子の行動の理由を、何よりも雄弁に物語っていた


361 : 早瀬 琢磨【黒猫】 :2014/05/07(水) 01:15:34 r9f6S/no
>>360
【地面に着地】
【結局あれだけ勝手な行動をするなと周りに言っておきながらこのザマである】
【でもそこのヤマアラシうるさいよ、誰だよ先に攻撃したの。人の事言えないぞ】
【だがお陰で相手の正体も分かった事だし良しとしよう、下手をすれば大戦犯だったけど多分MVPになれるぜ!】
【少女も目を覚ました。そして目の前の魔術師とどんな関係なのかも分かった】
【親子、か…ずっと娘を守ってきたのだ。少し過保護すぎる気がするが一方的に責める事は出来ないだろう】
【………さて、あとはメルクレイアに任せるしかないか。こちらの言葉は少女に届かないのだから】


362 : 《ウサギ》佐々見沙希 【影法師】Level2(44)E:日傘 :2014/05/07(水) 01:17:17 L3gfrPfY
>>360
どうやら起こすことに成功したらしい
少女の見目をまじまじと見つめる、普通だ――――育ちはよさそうだが見た目相応の範疇だろう
皮膚から生き物特有の熱、つまり体温も感じる
この子は魔術師ではないし、魔術で作られた何かでもなさそうだ

目が覚めた少女が1番最初に口にした言葉は「パパ」
考えるまでもない、これが少女と獅子の関係だろう
やはり言葉を交わすことが出来れば、この事態はすぐにでも解決できる――――

《あなたは、私たちの声が聞こえるの―――?》

少女の胸の中、兎は長い耳を小さく揺らしながら彼女へと問いかけた
完全に駄目元だが――――


363 : 夏目 良助【触って視界を奪う】Lv.1 :2014/05/07(水) 01:17:44 xhJe4.bg
>>360
この土壇場で転倒するという体たらくに情けなさなど感じつつ、のそりと起き上がれば、少女は眼を醒ましていた。
ああ、やっとだ。思いながらその様子を眺めていると、一言。……つまりは、そういうことなのだろうか。

《パパって、そういうこと、なのか……?》

ようやくのところで組み伏せられた獅子をちらと見やり、思う。
しかし自分には、言語をもって彼女と意思疎通することは現在不可能な状態にある。

《おい、あんたのパパに、俺たち姿をもとに戻すように言ってくれないか》

少女の視界の中で捕まえ荒れた獅子を、そして少女を交互に見やり、やかましく鳴きながら訴えた。
果たして通じることがあるだろうか。可能性は薄いような気もするが、少女が常日頃からシェパードの姿と付き合っているとすれば、
動物の思っていることをある程度汲み取ってくれるのかもしれない、とも考えられる。

そして最後に、唸るような低い声とともに佐伯のほうを見上げるのであった。


364 : 緒里谷 依織【マレーヤマアラシ】 :2014/05/07(水) 01:23:30 ochzvd/Y
>>360

《なにを……! ここまで被害を広げておいて、まだぬけぬけと!》
《どこまで虚仮にすれば気が済むんですか! さっさと私たちを元に戻しなさい!》

【魔術師からすればこの地において信用できるものなどなく、その切羽詰まり方は寧ろ妥当と見える】
【しかしヤマアラシにされた少女にはそんな事は寧ろ些末。下手すれば一生動物園の檻の中という絶望から】
【堪忍袋の緒が切れかけて。腕に齧りつかんばかりの勢いで男へ怒鳴る】
【しかしその体格差は悲しい程で、獅子二頭にへばり付く針山は殆ど要をなしていなかった】

【当然視野の狭まったヤマアラシにはベンチの方の情勢は見えておらず】
【ある意味一番足を引っ張っているようであった】


365 : 佐伯 ◆XJan2K7omU :2014/05/07(水) 01:24:30 WhN0TV9I
>>360
【後頭部を掠める風が、爪がすんでのところまで来ていたことを物語る。早く起こそうとした時、ついに少女は目を覚ました。目覚めて少女が口にした言葉は】

「パパ?」
【あの魔術師が?思わず少女と魔術師を見比べる。なるほどそういう関係だったのか、と】
【少女から一歩引いてメルクレイアは魔術師に向き直る】

「ボクらはただ本来の姿に戻して貰いたくて来ただけ。それさえ飲んでくれればそれで十分なんです。危害を与えるために来たわけじゃない」

「あなたは娘さんを守りたいんですよね?それで、あの時守ろうとして魔法をかけた。…どういうわけかボクには効かなかったけど」

「今こうして集まっていますが、実は一人かけているんです。その人はネズミに変えられてどこにいるのか分かりません。もしかしたら猫かカラスの餌になってるかもしれない」

【そして今度は少女の方を向く】
「さっきは驚かせてゴメンね。だけどキミをどうこうしようとは思っていなかったんだ。それは分かって欲しい」
「ボクらはただ、キミのパパがかけた魔法を解いてもらうために来ただけ。ただ、それだけなんだ」
【なるべく刺激しないように優しく語りかける】
【果たして通じるだろうか……】


366 : 如月 香蓮【ゴールデンハムスター】 :2014/05/07(水) 01:27:05 5iC.Jl5Q
>>360

【どうやら無事少女は目覚めたようで、ほっと一息つく。】
【気付かれずに少女に踏まれてしまったりなどしたら怖いので、一旦ベンチの下に避難して】

…チュ? 《…パパ?》

【少女が発した第一声。パパと呼ばれるような存在は、この場にはいないように思えるが】
【……いや、一人だけ心当たりがある。『彼』は獅子に変わる際、人間を介していた。】
【ハムスターは視力が悪く、サイズ差も災いして姿形はよく見えなかったが、きっと彼がパパなのだろう。】

《…娘さんのため、だったんですね…。》

【そうならば、先ほどまでの異常なまでの警戒心も頷ける。】
【少女と飼い犬の関係に見えて、実態はまるで違ったという事で。】
【…何故犬の姿で一緒に歩いていたのだろうという、小さな疑問は残るが。】

【どうやら少女には他の動物たちが話しかけているようだし、佐伯もいる。きっと彼女たちが事態を解決してくれるだろう。】
【最後にハムスターの姿を堪能しようと、地面でゴロゴロ転がってみる。ベンチ下という事で若干、いやかなり毛先が汚れてしまったけれど。】


367 : アニマル・パニック ◆435bdiv0ac :2014/05/07(水) 02:00:48 AQhb8ou2
>>全員
動物たちの鳴き声に、少女は理解できない様子で首を傾げるばかりで

「……パパ、このこたちは、しゃべれない……の?」
そうして、未だ誰が誰だか理解もしないまま、動物の多くいる方へ顔を向けてたどたどしく喋る

これで2度目、少女がパパと口にすると、雄獅子は諦めたように力を抜く
同時に警戒心も幾らか和らげて、少女へ語りかける動物へとこう告げる


《……その子には、動物の言葉など通じない、勿論、理解もできない》

それでも彼が、動物の姿で少女と共に過ごせていたのは

「意識して、人間の言葉を話せばいい……そう難しい事ではないさ」

疲れたように目を閉じて、雄獅子は尻尾をゆるりと動かす
その口から漏れ出るのは、まごうことなき人間の声で

上にのし掛かるアルフレードを無理矢理に押しのけ、ぶるりと頭を振るう
前脚に刺さった棘とその痛みは無視して、ゆっくりと少女へ歩み寄り、一同をぐるりと見渡して一言

「魔術は解こう……仕方ない、あの不良も解いておく」

雄獅子のその言葉と同時、一同は再びあの時と……動物に変化した時と同じ、熱と疼きに苛まれることとなる
あの時と同じように揺らぐ視界の中、人間に戻った父親と、小さな少女が手を繋いでその場を去っていくのは、果たして見えただろうか―――


//皆様、長々とお付き合い頂き有難うございました、これにてイベントは終了とさせて頂きます
//時間もかなり遅いので、このレスに対する〆の返レスは各自ご自由にして頂いても構いません
//最後、戦闘が入りましたので経験値はそれぞれに+10ということで、追加を忘れずに宜しくお願いします


368 : 緒里谷 依織【マレーヤマアラシ】 :2014/05/07(水) 02:13:21 ochzvd/Y
>.367

《パパ……? 父娘なのですか?》

【遅ればせながら振り向けば、ベンチの少女が覚醒している事にようやく気付く】
【彼らの口ぶりから、その繋がりと熱心な愛情を感じ取り。同時にその理由も判明した】
【だがそれらとて今の状況を許容する理由にはならず。再び問い詰めようとして、ごろりと地に投げ出される】
【急に起き上ったので避けられなかったのだ。抗議の声をあげようとした瞬間】

《う……っ、くっ――――

【前触れなく襲いくる発熱と疼痛。4つ足、いや四つん這いになり、激しく喘ぐ】
【今度は身体中に熱せられた火掻き棒を突っ込まれたかのよう。獅子が痙攣しぴんと突っ張る】

【そうして気が付いた時にはいつもの制服に身を包んだ自分が、公園の傍らに寝ていて】
【夢か幻かと疑うような物語】
【しかしその手には実際に、一本の細長い針のような毛が握られていた――――】


//GM様並びに参加者の皆様絡みお疲れ様でした! 遅くまでありがとうございます
//経験値の件も了解しました!


369 : 早瀬 琢磨【黒猫】 :2014/05/07(水) 02:16:16 r9f6S/no
>>367
【また、視界が揺らぐ】
【そしてあの熱と疼き】
【これで戻るのだろう、意識を失う前に見た光景は微笑ましい親子が手を繋いで歩いて行く光景だった……】

【―――そして】

……戻った、のか?

【意識が覚醒する。手、足、全て人間のものだ】

終わった、のか……

【見渡すと周囲に同じ被害者が倒れていた。恐らくじきに目を覚ますだろう】

……じゃ、俺は退散しますかね

【持ち前の影の薄さもそのまま、誰かを起こそうなどとはせず、平穏とはかけ離れた一日を終えるために帰路につくのだった…】

/お疲れ様でした!


370 : 夏目 良助【触って視界を奪う】Lv.1 :2014/05/07(水) 02:17:12 xhJe4.bg
>>367

《おいおい、──》「──マジかよ……」

今さらになって明かされる衝撃の真実。見よう見まねで実践してみれば、自分の耳にはあっさりと人間の言葉が響いた。
地面へと再び降り立って、くたんとその身体を脱力させる。喋ることが出来たのか、というがっかり感。
そしてこれで全てが終わるのか、……という、感慨が彼の意識を占めていた。

「っ、うお……」

いまとなっては懐かしくすら感じられる、身体を満たす熱と疼き。そこに先ほどのような不安は存在せず、ただ安堵感のみ。
うずくまったままひたすら熱が過ぎるのを待てば──やがて鮮明で広い視界が、少年に戻ってくる。
おもむろに、立上がった。

「これで一件落着、ってやつか。」

ほっとみじかな溜息をつき向けた視線の先には、手を繋いで歩いてゆく一組の親子。
少年はその場に佇んだまま、口角を僅かに緩めながら彼らを見送る。


「……なんだか、な」

自分の掌を見やれば、指が五本。何の変哲も無く。さっきまでは元の姿に戻るため、必死も必死で余裕なんて無かった。
しかし今になって思えば今日過ごした時間は、一生得難い貴重な時間だったのかもしれない。
穏やかな風に乗せられ届く雀の囀りは、囀りとしか認識出来ず。

いくらかの達成感とささやかな寂しさをその胸に抱きながら、少年はいつもと変わらぬ帰路を辿りゆくのであった。

/参加者の皆様、そしてGM様、お疲れさまでした。


371 : 佐々見沙希 【影法師】Level2(44)E:日傘 :2014/05/07(水) 02:27:21 L3gfrPfY
>>367
やはりこの子は分からないのか―――
少女の胸元から降ろされた兎は、パパと呼ばれる獅子の言葉にどこか寂しそうに耳を揺らした
だが次の言葉、と言うよりは聞こえてきた言葉に何よりも驚いた
獅子が人の言葉を話しているのだ、意識して喋れば人語を喋れると語る

《えぇっと……》

だが……まず沙希は鳴き声の出し方が分からない
兎の鳴き声はプーだった気がするが、それが分かっていても中々声が出ないのだ
兎は興奮状態でないと中々鳴かない生き物である、だから鳴けていないのだろう

《むぐぐぐぐぐ……》

鼻をひくひくさせ、四苦八苦しているのが見て取れるだろう
それもそのはず兎は鼻呼吸が主なのだ、口で呼吸が上手くできていないのである
口で呼吸できなければそりゃあ声なんて出る訳がない

勝手に一人相撲をしていると、獅子が口を開いた―――――

その言葉を理解する前に沙希に再び『あの感覚』が走る
痛みとも疼きとも分からない、全身の毛が逆立ち耳がより高く張りつめて伸びる
足から力が抜けてゆき、気づけばべたりと地面に張り付くほどに

《あ――――――》

兎は目が良い―――――――――

………―――――――
……―――――
…―――

「――――――はっ!?」

大きく瞳を開いた沙希はすぐさま周囲を見渡すした
映る光景の中に存在するベンチ、それを見おろす―――――見おろすという事は、ベンチより背が高くなったという事
自らの手を見ればそこにあるのは自由に動く5本の指と、肌色の皮膚

頬に手を当ててみれば、自分でもちょっとばかり自身があったりする柔らかな感触を感じる
髪の毛も問題ない、思い出したように服の胸元から手鏡を取り出すと、自らの姿を映した

年齢の割に小さな身長、腰まで伸ばした黒い髪、垂れ目なのが気になる大きな瞳
それと、相変わらず貧相な体――――――

うん

「戻ってる!」

鏡に映っていた顔が柔らかく形を変え、両手を高く上げて喜びを表現する沙希
兎も悪くが無かったがやはり人間の姿が一番だ、勿論色々不満はあるけれどそれでもこの体は唯一無二の物なのだから

「はぁ……酷い目にあったわ」

思いだす、兎の姿で最後に見た1枚の光景を

髪の長い小さな女の子と、それに並んで歩く初老であろう男性後ろ姿
2人の間にあるべき空間は互いに差し出したそれぞれの掌によって繋がっていた

色を判別する能力が低いと言われる瞳に映ったその風景はモノクロで――――どこか、映画から切り抜かれたようだった

//お疲れ様でした!GM様も夜遅くまでありがとうございました……!!


372 : 如月 香蓮【ゴールデンハムスター】 :2014/05/07(水) 02:30:36 5iC.Jl5Q
>>367

【ベンチの下から出てきて、黙って雄獅子の話を聞く。】
【その途中に一つ、聞き逃せない事実が一つあった。】

「…えっ? しゃ、喋れたのっ!?」

【反射的に驚きの声をあげる…人間の声で。意識さえすれば簡単な事だったようで】
【佐伯とコミュニケーションを取ろうと頑張っていたのはなんだったのかと、自分の想像力の無さを呪う。】

【そして次にも、また聞き逃せないワードが一つ。】
【だが『マジュツ?』と疑問を抱く間もなく、あの熱と疼きが身体を襲う。】
【残念ながらハムスターの狭い視界には、親子たちの姿は入らず、そのまま意識が落ちて──】

「…わっ、視界が高いっ」
「戻ったの…かな?」

【意識が戻ると、如月の視界は大きく広がっていた。】
【先程まではあんなにも広かった公園も、なんだか酷く狭く感じる。】
【たった一日の出来事だったのに、これらの光景が凄い懐かしいもののように思えて】

「うー…、ガラガラ回したかったなー」

【実のところ如月は、急いで人間に戻りたいわけではなかった。】
【あの小さな身体での体験も新鮮で楽しかったし、それに…能力のことを、忘れていられたから。】

【周りの人達に軽く挨拶をした後、公園を去る。道端に動物の影を探しながら、如月は帰路につくのであった。】

//お疲れ様でした。ありがとうございました!


373 : 佐伯 ◆XJan2K7omU :2014/05/07(水) 06:30:31 WhN0TV9I
>>367
【再びあの時と同じ感覚が蘇る。しかし意識が遠のく間際に見たのは手を繋いだ二つの影だった】

【気がついた時には、ベンチにもたれ掛かっていた。辺りには元に戻った人間たち。次々と起き上がり自分が元に戻ったのを確認する】
【自分も立ち上がろうとしたが、足に力が入らない。疲れたのか脱力したのか。どちらかは分からないが今は一先ず休憩した方が良いだろう】

【休憩しながら出来事を振り返る】

(あれが"父親"か)
(娘を守るためとはいえ、ちょっと盲目気味なんじゃないかな。あんなに目くじら立てなくってもさ)
【一人はともかく自分を含む他の人間は少なくとも危害を加えるつもりは無かったはずだ。それなのに何故全員纏めて魔法をかけたのか】
【範囲を選べないわけではなさそうだったし、もう少しなんとかならなかったのだろうか。あれじゃあ無関係の人間まで巻き込んでしまうよ、とぼやく】
【しかし父親というのは自分の子どもを守ろう、あらゆる恐怖を取り払おうとするものだ】
【それは親特有の愛情であり時にはその愛情の強さ故にあらぬ方向へ脱線してしまう時もある。もしかしたらあの魔術師もなんとか娘を守ろうと必死だったのかもしれない。あの時全ての人間が等しく"敵"に見えたのかもしれない】

だとしたら、少し羨ましいね

……それにしてもなんでボクだけ魔法が効かなかったんだろ。なんか損した気分だ
なりたかったなぁ、鹿とかに
【何故自分には効かなかったのだろう?それだけが理解できなかった。苦労していた人には申し訳ないが、やっぱりそれだけが心残りだった】



【ーーー後日。とある空き地の一角にはステンレス製の大皿に盛られたキャットフードが置かれていた】
【キャットフードを選ぶ際に値段が量の割にかなり手頃だったのと"栄養豊富、そして無添加!あなたの愛猫が美しく健康に育ちます"というキャッチコピーで即決したもの。きっと彼らも満足いくだろう】
【ただ、そのキャットフードは缶ではなくドライタイプだった。缶詰は腐りやすいと思ったメルクレイアの要らぬ配慮の結果である】
【確かに野良猫が食べる機会は無いであろうという点ではある意味上等なものと言えるかもしれないがハチワレが望んでいたものとはかなり違うものとなっていたはずだ】

【もし野良猫を見つけて触った時、妙に毛艶と毛並みが良かったら。目がやけに綺麗だったら。それはメルクレイアが用意したキャットフードを食べた猫なのかもしれない】

//ゴール直前で寝落ちてしまった……
GMさんに他参加者さん、お疲れ様でした!


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