トレーナー「……色々、考えられなくなるかな」
サトノダイヤモンド「えっ。考えられなくなるのは困ります」
トレーナー「もう、ダイヤ以外のことは全部どうでもいいやってなるかもしれない」
トレーナー「でも……疲れた時は、助けにもなるんだ」
トレーナー「それこそ、これからダイヤを育てるためにもな」
サトノダイヤモンド「だからって、そんなのいけません！ 取り上げちゃいますよ！」
ありがたい
サトノダイヤモンド「ふふっ、トレーナーさんったら……って！ そうはいきません！」
サトノダイヤモンド「私と共に歩む以上」
サトノダイヤモンド「目を逸らしてもらっては困ります」
サトノダイヤモンド「──私の、すぐ近くで」
サトノダイヤモンド「ずっと見守ってください……トレーナーさん」
サトノダイヤモンド「というわけで。こちらは私が預かります」
トレーナー「ダイヤ。それはすぐに捨てるようにな」
サトノダイヤモンド「もちろん」
サトノダイヤモンド「ただ、香りを嗅ぐだけ……」ｸﾝｸﾝ
サトノダイヤモンド「……嗅ぐ、だけ」ｺﾞｸｯ
トレーナー「あっ」
サトノダイヤモンド「あっ」
──
キタサンブラック「あっ。ダイヤちゃんのトレーナーさん。お疲れ様です！」
トレーナー「お、お疲れ！ ……ところで」
キタサンブラック「はい？」
サトノダイヤモンド「あれ、トレーナー、さん……」
サトノダイヤモンド「どこへ……どこ……？」
サトノダイヤモンド「あっ、いた、トレーナーさん……離れないでって言った、のに……」ｷﾞｭｯ
トレーナー「わかるのか？」
キタサンブラック「あ、あたしは飲んだこと、ないですよ！ もちろん！」
キタサンブラック「ただ……ダイヤちゃんの声の調子と匂いからそうかなって」
サトノダイヤモンド「……んん」ｽﾘｽﾘ
サトノダイヤモンド「このまま……3年経っても、何年経っても、ずっと」
サトノダイヤモンド「──ずっと、一緒に」ｷﾞｭｯ
キタサンブラック「あっ。トレーナーさん、ダイヤちゃんに抱きつかれてますし」
キタサンブラック「あたしが水、持ってきます！」
トレーナー「あっ。……ありがとう」
キタサンブラック「いえいえ。お助けキタちゃんですから！」ﾆｺｯ
サトノダイヤモンド「トレーナー……さん……」
トレーナー「何年経っても」
サトノダイヤモンド「……」
トレーナー「俺は、ダイヤのトレーナーのままだからな」
サトノダイヤモンド「……トレーナー、さん……」
トレーナー（……もう寝てるか）
トレーナー「……」
トレーナー（酔っている中で、ほんの少し目が覚めたらしいダイヤが近づいた）
トレーナー（自分の匂いを嗅がれるうちに近くにいたダイヤは自然と唇を──）
サトノダイヤモンド「──一緒、に」
トレーナー（俺の、口に──）
──
キタサンブラック「二人とも！ お水、持ってきました！」
キタサンブラック「はい、どうぞ！ いっぱい飲んで……ダイヤちゃん？」
サトノダイヤモンド「え、えっと、その……」
サトノダイヤモンド「……うう」ｶｧｧ
キタサンブラック「……トレーナーさん？」
トレーナー「……えっと。まず、ありがとう」ｶｧｧ
キタサンブラック「とんでもないです。……ところで」
サトノダイヤモンド「と、トレーナーさん！ アレは触っちゃ駄目って」
トレーナー「ダイヤがいいって言うから……ごめん」
サトノダイヤモンド「私が良くても、あ、あんなとこ……」
キタサンブラック「……」
キタサンブラック（お助けキタちゃんとして）
キタサンブラック（二人の変な会話を聞きながら、のんびり待とう。うん）