トラン「いやぁビックリしたよ。全体の点検するからみんな実家に帰りなさい！だもん」
トレーナー「で、トランのご両親は撮影で新日暮里に行ってて居ませんと」
トラン「て訳だからさ、一週間くらいお世話になりに来たよん」
トレーナー「うーん、さすがに……」
トラン「えー、ウチとトレちゃんの仲じゃんか〜」
たづな 度量不足
「他の男性に比べると心の広さが足りないみたいですね。洞察力を上げて気遣いを身につけましょう！」
トレーナー「まぁ温泉も行ったし、宿泊くらい今更か」
トラン「さっすがトレちゃん、話がわかる男だよ。んじゃお邪魔しまーす」
トレーナー「なんか……荷物少なくない？」
トラン「だってだいたいトレちゃんトコに置いてるし」
トレーナー「二日分くらいしか無いでしょ」
トラン「三日分」
トレーナー「よくご存知ですこと。洗濯別ける？」
トラン「なんで？ まとめなよ。面倒でしょ？」
トレーナー「一応聞いただけだよ」
トラン「ふぅ〜ん……」
トレーナー「なん、なになに、なんでくっつくの」
トラン「いいやぁ〜？ 別に〜？」
トレーナー「大人をからかうなっての」
トラン「ひひひ、ごめんごめん」
トラン「さんきゅー。あ、後で荷物来るかも」
トレーナー「受け取り先がなんでうち……ああ、頼んでたやつを変更したのね」
トラン「そーそー」
トレーナー「……いっ！って！なんか踏んだ！」
トラン「あ、ゴメン！」
トレーナー「何これDVD？ 珍しい……しかもハリー・ポッターじゃん」
トラン「実はさぁ、小さい時に魔法の部屋だけ見てシリーズ通したこと無いんだよね」
トレーナー「……そういえば俺も謎のプリンスで止まって……いや、見たの予告だけか……？」
トラン「おっ、じゃあちょうどいいじゃん。せっかくのお正月休み、出る予定も無いなら一気見しちゃおうぜぃ」
トレーナー「どうしたのこれ」
トラン「なんかさぁ、こないだ買ったピクセルボードのメーカーが厄祓い袋とかいうの出してて」
トレーナー「……ガジェット関係ないじゃん！」
トラン「ンフ、ウチも一瞬訳わかんなくて爆笑しちゃったんだよね。二千円でシリーズ全部揃うなら良かったかも」
トレーナー「そうかなぁ……そうかも……」
トラン「ちょうど夕方までに一本見れそうだし、復習がてら賢者の石から見る？」
トレーナー「やる事ないし、見ますかぁ」
トラン「よっしゃ」
『…………まさか…………先輩……？』
トレーナー「…………風呂」
トラン「あ……結構ぶっ通しで見ちゃったねぇ」
トレーナー「ていうかさ……」
トラン「ん？」
トレーナー「さすがにこの体勢はヤバくない？」
トラン「座りっぱなしより横になった方が楽だよ」
トレーナー「距離の方気にしてくれ」
トラン「え〜、そんな今更……なんなら、このまま後ろから抱きしめてくれてもいいんだけどな〜」
トレーナー「……………………」ｸﾞｯ
トラン「っっ！？」
トレーナー「ビビるくらいならそういう冗談言うなよ。ほら、もう今度からはこういう──あれ」
トラン「………………」ｸﾞｯ
トレーナー「ちょ、腕、手も」
トラン「別に冗談じゃないし」
トレーナー「………………」
トラン「………………」
トレーナー「……ご飯…………どうする？」
トラン「適当にウーマーでいんじゃない？」
トレーナー「………………」ｽ-
トラン「………………？」
トレーナー「ｽ-」
トラン「ありゃ、寝落ちてるよ」
トラン「はぁ…………よかった〜〜〜〜。めっちゃ恥ずかしくて全然動けなかった」
トラン「…………にぶちんトレちゃんめ」ｸﾞﾆｯ
トレーナー「っ…………」ﾌｺﾞｯ
トラン「ぷっ、くくく」
トラン「…………もう今日はこのままでいいや」
トラン「おやすみ、トレちゃん」ﾁｭｯ
もっと頂戴…！
俺の心の傷がどんどん癒やされていきますよ！