芳槻さら「えっ……え？なんで？どうして？」
パワポケ「いやそれがさ、さっき教室で落としたペン拾ってもらってさ。こんな子が彼女になったら良いなって……」
さら「一目惚れ」
パワポケ「あ、そうそう、そんな感じ。クラス同じになってからだいぶ経つけど……ってさら、どうした？急にふらふら歩き出して……」
さら「……バイバイッ！」ﾀﾞｯ
パワポケ「いや危ないだろここ屋上なんだから」ｸﾞｸﾞｸﾞｯ
さら「うがぁ〜〜〜っ！離せ〜〜〜っ！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ
さら「すみません、取り乱しました」
パワポケ「さらの変な癖にも困ったもんだな……」
さら「でもパワポケくんがいけないんですよ？急に人を殺すような事言うんですから」
パワポケ「別に普通の発言だったような……」
さら「私の手首を見てください」ｽｯ
パワポケ「うおっ、凄い傷……犬にでも引っかかれたのか？」
さら「いえ、パワポケくんが他の女の子と楽しそうに話すたびにナイフで傷を入れてるんです」
パワポケ「だ、大丈夫なのか？それ？」
さら「むっちゃ痛いですけど」
パワポケ「痛いならやめとけよ」
さら「ともかく……そんな子に他の女が好き、とか言ったら死ぬに決まってるじゃないですか」
パワポケ「そっか……ごめん、俺が悪かったよ」
さら「わかってくれれば良いんです」
パワポケ「さらに頼らず、自分の力だけでデートに誘わないとな！」
さら「……」ﾌﾗﾌﾗ
パワポケ「あ、ナオ、ちょうど良いところに……代わってくれ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ
さら「聞いてよお姉ちゃん。パワポケくんったらひどいんだ……」
ナオ「あ〜はいはい、言わなくてもわかりました。パワポケくん、また浮気しましたね？」
パワポケ「浮気って……」
ナオ「ちょっと前、カズっちにアタックすると言った時の事もう忘れたんですか？」
パワポケ「そういえばあの時のさら、ナイフ振り回して落ち着かせるのに大変だったな」
さら「面目ないです」
ナオ「まあ、結局パワポケくんがやめたので大事には至りませんでしたが。惚れっぽいのも大概にしてくださいね？」
パワポケ「あはは……」
パワポケ「おお、最近ペラが尽きかけてたからありがたい……って、ん？ナオもその手の傷どうしたんだ？」
ナオ「え？……料理してたら色々失敗しちゃって。気にしないでください」
パワポケ「お前、そんな不器用だったっけ？どんだけドジしたら絆創膏大量に貼る事になるんだ……」
ナオ「まあまあ、私の事は良いじゃないですか。はい、あ〜ん♡」
パワポケ「あ〜んはちょっと恥ずかしいが……」ﾁﾗｯ
さら「手を離したら死にます」
ナオ「ほらほら、自分で食べられないですよね？あたしの愛情たっぷり受け取ってくださ〜い♡」
パワポケ「んっ……」ﾊﾟｸｯ
ナオ「……♡」ｿﾞｸｯ
パワポケ「おお、味はちゃんとしてるな」ﾓｸﾞﾓｸﾞ
パワポケ(なんか、独特の風味がするけど……)ﾓｸﾞﾓｸﾞ
さら「いいなーお姉ちゃん。私もパワポケくんにお弁当作って良い？」
ナオ「もちろん構いませんよ！1人だと、毎日作るのは少し大変ですからねぇ」
さら「やったー！余った血を捨てるの勿体無いと思ってたんだ！」
ナオ「ふっふっふ、MGSって奴ですね！」
さら「お姉ちゃん、それを言うならSDGsだよ！」
ｷｬｯｷｬ
パワポケ「うんうん、姉妹の中が良いのは何よりだな」
パワポケ(あぁそれにしても……彼女欲しいなぁ……)ﾓｸﾞﾓｸﾞ
END