<ガチャ
あっ、お兄さま、待っててくれたんだね、ごめんね？こんな時間に呼び出して………
…………………ｶﾁｯ
……………最近、お兄さまとあまり話せてなかったから、寂しくてつい………少しだけ、いい……？
………うん、わかってるよ、新しく担当してる子、今大事な時期だもんね
………でも、ライスだって、お兄さまの担当ウマ娘なんだよ……？
…………あっ、違うの、ゴメンなさい……困らせるようなこと言っちゃって………そういうつもりじゃないの……ただ………
ただ……………
………………その、見ちゃったんだ……
…………あの子と、お兄さまが、ぎゅって……抱きしめ合ってるところ………
…………………………………
…………ズルイ、
…………ズルイよ………お兄さま
ライスはお兄さまと一緒に居られなくて、凄く辛い気持ちでいるのに…………
…………………お兄さまはっ！！！ライスのお兄さまなのにっ！！！
ドン！！！
はぁ………！はぁ………！
…………あっ！ご、ゴメンね？？大きい声出しちゃって……腰抜けちゃった……？ケガは無い？お兄さま？？
ほら、ライスの手を取って………
………………………え？
お、お兄さま…………？なんで避けるの………？
そ、その目はなに………？やめてよ………そんな目で見ないで………！お兄さまだけはその目で見ないで………！！！
なんで怯えてるの……？なんで……？なんで………？？
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで？？？？？？？？？？？？？？
怖くないよ？お兄さま？
ライスはお兄さまの味方だよ？
ずっと一緒にいるから、怖がらないで？
………そうだ、左手を貸して……？
…………
……………………あーん
ｶﾞﾘｯ……ｺﾞﾘｯ………ｸﾞﾘｭｯ……ﾁｭｯ………
……………えへへ………❤️ほら、見て、ウェディングリングみたい………❤️これでずっと一緒……えへ❤️えへへ❤️
あっ、ライスのにも必要だよね………❤️
─────お兄さま、噛んで……？
(遺伝子レベルで繋がってるから)もう逃げれないね
<ぎゅっ
うぅーさっむ、もっと寄ってやトレーナー
…………でな？オグリってばもう我慢の限界だから自分のトレーナー襲う言うてんねん、ほんまおもろいよなぁ
『トレセンは婚活会場ちゃうねんで！』ってな
…………？
ん？どないしたトレーナー？
…………………、……………………
………………、
……………は？
いやいやいや、ちょいちょいちょい………
………………、
……………なんや急に……う、うそやろ……？冗談でも笑えんで？……あ！ツッコミ待ちやろ！ほんま好きやなぁこのトレーナーは………
…………………
………ジブン何言っとるかわかっとるんか？………『親が孫の顔見たがってる』？なんでそれでお見合いになんねん
………………、……………
バンっ！！！
……………揶揄うのもええ加減にせぇ！本気で怒るで！アホ！
……………………なぁ
ギュッ
そないところ行かんでええやん？ほら………ウチがおるやん……
…………！
か、家事や料理ならウチにまかしとき！……こ、子どもも欲しいならぎょうさん作ったる！
………こんなええ女おらへんで？な？な？
………………、……………
……………は？ウチをそういう目で見たことがない？
…………………
はぁぁぁぁ……………
あんなぁ、ウチがそんな嘘を見抜けんアホだと思っとるんか？
ガシッ
ウチがか弱くて貧相な女の子にでも見えたんか？
ドサッ
はぁ……はぁ………その気になればこうやって簡単にトレーナーを押し倒せるんやで？
ギュゥゥゥゥッ！！！
はぁ……！はぁ……！もうええわ………！言ってわからんなら身体に教えたる………！
────トレーナー、ウチとやろうや
これ程の重湿度でも6番なのか（畏怖）
僕の理屈はこうだ。ライスシャワーはもう必要な教育がすべてできているので、ある意味では誰が指導しても安心である。
しかし、メイクデビューに臨むウマ娘はそうはいかない。もし何かのきっかけでレースが嫌いになったら、悪い癖が付いたら・・・。
能力があるウマ娘でも、それを出し切れないままに終わってしまうかもしれない。
どうしても僕らは心配性になるし、先々を考えて選択したつもりだった。
というわけでセントライト記念は、函館競馬場でテレビの実況中継で見た。
<ｶﾞﾁｬﾘｯ
…………………やぁおかえり、10分ぶりだねぇ、モルモットくぅん……♪
………………、…………………！………！
………だから何度も言ってるだろう？帰りたければ帰ればいい、鍵だってしていないし帰り道もわかるはずだ、そうだろう？
………………………、………………
………気付いたらここに戻ってきている………ふむ、ふむふむ、なるほどなるほど………♪
…………
………………実験は大成功だ(ﾎﾞｿｯ
………あっ、いやなんでもないさ、それよりも酷く疲弊してるみたいだね？
……………………
…………ふふ、もう気付いてるんじゃないかね？君が疲れてるのは、『ここから抜け出して帰ることができない』からではない……その証拠に…………
ギュッ
…………どうだい？
………………ギュッ
……………あぁ、そうだ、そのまま強く抱きしめて…………
………………
…………ふふ………落ち着いて来たんじゃないか？
………オキシトシンという奴だ、こうやって抱きしめ合うと幸福フェロモンが溢れ出る……
人は苦痛には耐えられても、快楽には抗えないようにできてる………
……………………
ギュッ
私は疑問で仕方なかったよ
キミがいないと私はもう何もできない、ご飯も食べれないし夜も眠れない………他のことを考えられない………
……………
……………それなのに
キミは違う…………不公平じゃないか………？
…………………
そうだよ、だからキミを帰れないようにしたんだ
キミが望んでここから離れられなくするように仕組んだのさ
………そうだ、キミはもう私から離れることができない、キミはずっと私のモルモットだから……
私だけのモルモットだから…………
………だから………………
…………………
……………もう少し、強く抱きしめてくれないかい？
薬指に噛み跡をイメージしてました、わかりにくくてｽｲﾏｾｯ
ははぁ……自分の見識の少なさにわらっちゃうんすよね
また一つ私の引き出しが増えました、ｱﾘｼｬｽ