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【ウマ娘SS】ソダシ「エールちゃん、今日は一緒に帰らない?」
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トレセン学園放課後
メイケイエール「ソダシちゃんのチーム、練習終わったの?」
ソダシ「エールちゃんとこのチームも練習終わりでしょう?今日も暑かったし、帰りに涼しいところでお茶と甘いものでも楽しみまs……」
ソングライン「おーいエール、私この後も残って特訓するから一緒にやろうぜ」
ソダシ「……今は私がエールちゃんと話しているから後にしてくれないかしら?」
ソングライン「あっ?部外者なんだからそっちが後にしろよ」
ソダシ「私、自分より遅い方の言うことを聞くつもりありませんの」
ソングライン「ぐぬっ…確かにVMでは遅れをとったが、私だってあの後に安田記念勝ってGⅠウマ娘になったんだぞ!」
ソダシ「GⅠなら私はもう3勝していますわ。せめて同じレースで私に先着してから大きい顔をしてくださりません?去年の桜花賞でも私に負けてるソングラインさん」
ソングライン「確かに去年も辛酸を舐めたが、あのレースはそもそも」
メイケイエール「……」ビクッ
ソダシ&ソングライン「あっ……」
メイケイエール「ごめんね、ソダシちゃん。私、ソングラインちゃんともう少し練習してくから……また誘ってね」
ソダシ「うん……無理に誘ってごめんなさいね」
ソングライン「あ、あのさ……私はもうあのことなんとも思ってないからさ、気を使わなくっても……」
メイケイエール「ううん、違うの……私も早くGⅠで勝ってソダシちゃんとソングラインちゃんに追いつきたいから練習する。もう自分に負けて後悔したくないから」
ソングライン「……ああ、早く勝てよ!そのためにも特訓だ!」
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現役ウマ娘SSすき
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寮までの帰路
ソダシ「ぐぬぬ……最近のエールちゃんはソングラインと仲がいい」
ソダシ「同じチームの立場を利用して練習中以外もエールちゃんと私の時間を奪っていくなんて!」
ソダシ「そもそもエールちゃんが私とマイル走ってくれないのはあの子がいるせいじゃないかしら(※違います)」
ソダシ「親戚で小さいときはいつも一緒に過ごしてきたエールちゃんを私から奪うなんて……許せないわ」ギリギリ
ソダシ「いけない、無意識に歯を……」
ソダシ「落ち着きなさいソダシ、最後には幼馴染が勝つのよ!」
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トレセン学園昼休み
ソダシ(ソングラインはいないみたいだし、お昼に誘うならこのタイミングで)
ソダシ「エールちゃん、お昼一緒に食べまs……」
プラダリア「エール先輩!エール先輩!ビックニュースです!!今日の食堂の特別メニューきしめんらしいです!」
ソダシ「……誰?」
メイケイエール「そっか、ソダシちゃんとは初対面だったね。ソダシちゃん、この子は私と同じチームの後輩で今年のクラシックレースを走っている」
プラダリア「プラダリアと申します!青葉賞勝ちはダービー勝てないジンクスは破れませんでしたが菊花賞に向けて猛特訓中です!」
メイケイエール「プラダリア、こちらはあんまり似てないけど私のお母さん方の親戚の」
プラダリア「学園でソダシ先輩を知らない人なんていませんよ。白毛初のGⅠウマ娘で生粋のアイドルホース!お会いできて光栄です!!」
ソダシ「ふふんっ(ソングラインとは違い礼儀を弁えてますね)♪こちらこそよろしくお願いしますわ」
プラダリア「ソダシ先輩が出るレース日は実家もお客さんいっぱいですから!」
ソダシ「実家?」
メイケイエール「プラダリアのおうちは名古屋のウインズやってるの」
ソダシ「ウインズって街でトゥインクルシリーズの中継を観れる野外施設でしたっけ?」
メイケイエール「うん、URAからお仕事受けてるって意味では私の実家と同じだね」
プラダリア「なんで、実家の手伝いとかでエール先輩とは入学前から面識がありまして、いろいろとお世話になっていました。まさか同じチームになれるなんて夢みたいです」
メイケイエール「あはは、お世話なんて……私のせいで他の名古屋出身のウマ娘たちも『名古屋走り』とか呼ばれて迷惑かけちゃったし」
プラダリア「そんなん好きに言わせておけばいいんです。はっ……それよりもきしめんですよ!忘れるとことでした!」
メイケイエール「きしめんかぁ……高松宮記念から名古屋に帰ってないし久しぶりに食べたいね」
プラダリア「ですよね!なんでもそんなに数がないのとオグリ先輩が『懐かしいな』って思い出に浸りながらおかわりし続けてるらしくて、急がないと無くなっちゃいますから走って行きましょう!」
メイケイエール「ちょっとプラダリア、そんなに腕引っ張らないで……ごめんねソダシちゃん、先に食堂行ってるね?」
ソダシ「う、うん……」
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チーム池添かな?
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その後
ソダシ「ぐぬぬ……あの後食堂で合流したけど、プラダリアとエールちゃんの濃厚な名古屋嬢トークについていけなかったわ」
ソダシ「プラダリアめ……私の知らない名古屋に引っ越してからのエールちゃんについてペラペラと自慢げに(被害妄想)……幼馴染気取りか!」
ソダシ「同じチームでさらに実家が名古屋のURA関連企業のお嬢様って点でもエールちゃんと一緒なんて」ギリギリ
ソダシ「いけない、また無意識に歯を……」
ソダシ「焦ってはいけないわソダシ、ちょっと地元と実家が関係あるくらいで……一族の絆を信じなさい!私は唯一無二の白毛のGⅠウマ娘!」
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シラユキヒメお婆ちゃんも称賛
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トレセン学園・朝
ソダシ(毎年ある夏休みの親戚の集まり)
ソダシ(エールちゃんはあんまり来たがらないけど今年は引きずってでも来て貰いますわ)
ソダシ(小さい頃いつも一緒に遊んだあの場所でまた昔みたいに……ぐふふ)
ソダシ「おはようエールちゃん、夏休みなんだけど今年は私の家に来てくれるかしら?おばあさまもエールちゃんに会いたがってまs……」
メイケイエール「あっ、ソダシちゃん。おはよう」
???「わっ!?」ビクゥ
ソダシ「何でまた誰かと一緒なのよ!って、うそ…………まさかその子」
メイケイエール「珍しいよね、私もお母さんと親戚以外のウマ娘で会うのは初めて」
白毛のウマ娘「あ、あの私……アオラキと申します」オズオズ
メイケイエール「今年のうちのチームの新入生なんだけど、珍しいし目立つからみんな構いたがるんだけど恥ずかしがりやさんで……そしたらトレーナーさんが『お前なら白毛見慣れてるだろうし、落ち着くまで面倒みとき』って頼まれちゃった」
オアラキ「あぅ……」
メイケイエール「まだデビュー前なんだけどレース前からじゃんじゃん取材の申し込み来ててね」
ソダシ「…………」
アオラキ「あ、あのソダシ先輩!私、今週末のレースでメイクデビューなんですけどみんなから注目されて緊張して……せ、先輩の時もこんな感じだったんですか?よければアドバイスを」
ソダシ「……貴女が何者であろうと、「トゥインクルシリーズは自分以外の全てのものと競い合う戦いの場ということに変わりないわ」
ソダシ「ここは勝てないでいるものにいつまでも物珍しさから構い続けてくれるほど、優しい場所ではないわ。白毛というだけでチヤホヤされるのは最初だけよ」
アオラキ「……!」
メイケイエール「ソダシちゃん……」
ソダシ「周りがどう騒ごうと、どんな結果となろうと、トレセン学園に入ったのは自分の意志だと忘れないことね」
アオラキ「……私の意志」
ソダシ「私から言えるのはこれだけよ。もう行くわ……エールちゃん、夏休みの件についてはまた相談するわ。気乗りしないのなら、おばあさまから名古屋のおうちに手紙を出して貰って『一族としての』正式な招待にしてもいいのよ?中京レース場としてシラユキ一族からの正式な招待は断らないでしょう?今年は絶対に参加して貰いますわ」
メイケイエール「……うん、わかった。予定あけとくよう実家とトレーナーさんに話しとく」
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トレセン学園・屋上
ソダシ「…………」ギリギリギリギリ
ソダシ「…………」ギリギリギリギリ
パキッ
ソダシ「歯が……」
ソダシ「嫌な女だ、私」ジワァ
ソダシ「『白毛で目立つだけ』とか『見かけだけのアイドルホース』って呼ばれるのが一番嫌いなのに、毛色のことでしかあの子に話せなかった」
ソダシ「周りなんか気にせず頑張れ、って言いたかったのに」
ソダシ「エールちゃんの隣に私以外の白毛がいることが許せなくて……嫉妬しちゃったんだ……だからあんな言い方」グスッ
ソダシ「エールちゃんも、自分が白毛じゃないの気にして親戚の集まり好きじゃないの本当はわかってたのに!あんな強引なこと……」グスッ
ソダシ「うわぁぁぁぁあああああんんん!!!!」
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ソダシウマ娘で見たいけどなぁ俺もなぁ
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なんだかんだで後輩に慕われた結果ますますメイケイエールちゃんと絡みづらくなってそう
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栗東寮 ソダシとメイケイエールの部屋・深夜
ソダシ「…………」
メイケイエール「…………」
ソダシ「……ねぇ、エールちゃん、起きてる?」
メイケイエール「……うん、起きてる」
ソダシ「今朝のこと怒ってる?」
メイケイエール「怒ってないよ」
ソダシ「エールちゃんの後輩に厳しいこと言ったのに?」
メイケイエール「あのくらいトレセン学園の先輩として当然のアドバイスだし、ソダシちゃんは『白毛だから』ってイヤなこといっぱいあってそれを跳ね返せるよういっぱい努力してきたの私知ってるから」
ソダシ「夏休みの件は?ホントは来たくないんでしょう?」
メイケイエール「あんまりね……私のレースについてお母さんが親戚たちからいろいろ小言貰うのはちょっと辛いから」
ソダシ「レース中の振る舞いなんて、うちのお母様の現役時代の方がひどかったって言ってやればいいのに」
メイケイエール「いやぁ、おば様の前でそれをいえる人いないでしょ……ぶち殺されちゃうよ?」
ソダシ「ブチコだけに?」フフッ
メイケイエール「あっ、笑った」フフッ
ソダシ「…………ねぇエールちゃん、本当にもう怒ってない?」
メイケイエール「だから、別に怒ってないって」
ソダシ「じゃあそっちの布団に一緒に入ってもいい?」
メイケイエール「えぇ、暑いからやだよぉ」
ソダシ「……やっぱりエールちゃんは怒っていて許してくれないのね」ウルウル
メイケイエール「……しょうがないなぁ。今日だけだよ?」
ソダシ「これで仲直りね♡♡♡あぁ久しぶりにエールちゃん分が補充できて気持ちいい〜♡♡♡」ギュッー
メイケイエール「もうっ、ソダシったらくすぐったいよ〜」
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しばらく時間がたち満足したのか規則正しい寝息を立て始めた親友の寝顔を見つめ、起こさぬようにそっと身を動かしカーテンを少し開けると、月の光が部屋に差し込んだ。
月光がその純白の髪を照らすと、光が髪に反射され部屋がさらに明るくなるのを感じる。
まさに彼女の名前の通りの『輝き』だ。
美しさに息をのみつつ小さい時の約束を思い出す。
今と同じように一緒にベッドに入り、月明かりの中大きくなったら何になりたいか語り合ったときのことだ。
自分が彼女みたいになりたいと言うと、髪の色の話と勘違いした(無理もない。幼いころは自分の髪が母や周りの親戚と違うことをよく気にしていたのだから)のか、
「バカね。これは生まれつきのものよ」と笑っていた。
でも違う。髪の色だけじゃない、いつも大人たちの期待に応え、自信に溢れ堂々としている、何でも出来る自慢のおさな馴染み……貴女はいつも眩しかった。輝いていた。憧れだった。
幼稚な拙い語彙でそれを伝えきれなかったのかわからない。あるいは名前と輝ていることをも羨んでいるように解釈したのかもしれない。
いくつかの会話の後、親友は月明かりで光輝きながら私に微笑んで言った。
「エール、って『応援』って意味なんでしょう?私が『輝く』ウマ娘なら貴女は『応援』されるウマ娘になればいいじゃない」
当時はよく意味がわからなかったが、大好きな親友からの提案に一も二もなく同意し、「なる」と勢いよく頷いた。
すると彼女も「なら私も名前を通り『輝く』ウマ娘になるわ。髪だけじゃなくて、走りと魅力を磨き続けてなってみせる」と答え約束した。
ともに名前を表すウマ娘になることを
親友は約束を守った。比べて自分はどうだろう?
一時よりはマシになったとはいえレース中に我を忘れる点は変わっていない。危険だからレースに出るな、という声は減ったが世間はいつ暴走するかわからない爆弾ウマ娘に戦々恐々だ。
勝たなければならない。親友だけでなく、GⅠを取れると信じてともに歩んでくれているトレーナーと受け入れてくれたチームの仲間の為にも
決意とともに重くなっていく瞼を閉じて目に浮かべる。満員の観客からの声援を受けて、最後の直線で加速し坂を駆け上がっていく自分の姿を……ゴールの向こう勝利の栄光のさらに奥で輝いている親友に追いつくまで走り続ける夢を
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以上です。
本当はエールちゃんと同じ武英智厩舎と池添さんコンボでダート戦を走っているビジンちゃんもだしたかった。
アオラキ君(ゴールドシップ産駒)は本日函館5Rで池添謙一騎手とのコンビでメイクデューを予定しているので皆さん応援お願いします(オッズがマズくなるので馬券は買わないで)
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ええ話やこれは…
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