ショタ提督「そうだね......」
親潮「春の訪れを感じますね。暖かくて」
執務室の窓を開ける親潮
艶やか黒髪が風になびく
親潮「ほら、風もこんなに爽やか」
ショタ提督「でも僕この季節嫌いなんだよね......」
親潮「というのは？」
ショタ提督「へ......」
親潮「へ？」
ショタ提督「へくしゅんっ！！」
ティッシュに手を伸ばす
親潮「あら、司令もしかして花粉症ですか？」
ショタ提督「うん」ﾑｽﾞｰ
ｶﾞﾁｬｯ
黒潮「お邪魔しまーす。おはようさーん」
不知火「失礼します」
親潮「あっ、不知火姉さん黒潮さん、おはようございます！」
ショタ提督「おはよう......」ｸﾞｯﾀﾘ
黒潮「むむっ！？」
(ゴミ箱から溢れんばかりの丸めたティッシュの山)
黒潮「えらい派手にヤッたな」
親潮「ご、誤解ですからっ！！(赤面)」
ショタ提督「何が」
黒潮「まぁええわ。ほな司令はん、今日の予定教えてーな」
親潮「では司令。本日の艦隊運営を」
ショタ提督「うん、今日の艦隊へっくしょん！！」
不知火「ふざけているのですか」
親潮「まじめですっ！」
黒潮「あちゃー、花粉症かー」
親潮「凄く大変なんですから。ね、司令？」
ショタ提督「ﾑｽﾞ......でも僕は外に出ないし大丈夫だよ。みんなは？」
黒潮「まぁー、そやなー......」
不知火「ちょうどその件についてですが」
ショタ提督「？」
不知火「入ってどうぞ」
(ドアに向かって声をかける不知火)
ｶﾞﾁｬ
(マスクと眼鏡付けてフード被った不審者が登場)
陽炎「............」ﾊｰ ﾊｰ
親潮「(引く)」
ショタ提督「え、こわ......」
陽炎「ねぇ司令(←超鼻声)。あたしが誰か分かるかしら？」
ショタ提督「宮本篤」
陽炎「んー、頼れる兄貴分てとこは正解。姉だけどねぇ......へ......」
陽炎「へくしゅんっ！！」
ショタ提督「うん、とりあえず状況は察したよ陽炎」
親潮「でも陽炎姉さん、普通その格好じゃ誰か分からないのですよ......」
陽炎「ﾑｽﾞｰ......いーのいーの。むしろそっちの方が」
ショタ提督「なんで？」
陽炎「いい？ あたしは栄えある陽炎型駆逐艦の一番艦よ。陽炎型みんなのプライドを背負っているの」
陽炎「そのあたしが公衆の面前でクシャミしまくり鼻垂れまくり血眼向いて泣きまくりじゃ皆の面子が立たないでしぁっくしょんッ！！！」
黒潮「いや余計恥ずいわ」
不知火「そもそも陽炎の醜態と私達の尊厳は一切関係ありません」
ショタ提督「けど陽炎だけ見事に花粉症ってのも......親潮たちは全然大丈夫そうなのに」
黒潮「なんでもなー、こういうのって長男長女に限ってようなるらしいわ」
陽炎「姉ゆえに......」ﾑｽﾞ
親潮「もしかして、実は司令も立派なお兄さんだったんですか？ なんて、ふふっ♪」
ショタ提督「いや、僕は次男だけど」
不知火「痔なんですか。お尻まで大変なのですね」
ショタ提督「長男じゃないって言ってんだよ誰がこの文脈で痔の話なんかするかよ」
ショタ提督「ともかく陽炎、職務に支障が無い限り格好は任せるけれど」
親潮「私としてはやめて頂きたいですね......」
陽炎「やっぱダメ？」
黒潮「さすがにないわなー」
不知火「そんな小細工して恥かくより堂々と恥かいた方が傷は浅いわ」
陽炎「恥かくのは避けられないんかい！」
親潮「恥だなんて、とんでもないです！ 陽炎姉さんは立派な、私たちの自慢のお姉さんです！」
ショタ提督「うん。みんなも陽炎のこと頼りにしてるし、僕も君の上官でいられることを誇りに思ってるよ」
陽炎「あらー、この妹ったら可愛い事言ってくれるじゃないコイツっ♪」
親潮「ふふふっ、いえいえ」
陽炎「司令もあたしの弟として可愛がってあげようか？ んー？♥」
ショタ提督「今上司アピールしたばっかなんだけど......」
陽炎「別にいいでしょ。あたしの弟になったつもりでお姉さんと呼んでごらん！ 姉貴でもいいわよ」
親潮「ほら、司令。お姉さんが呼んでますよっ」
ショタ提督「え？ か、陽炎......義姉さん？」
陽炎「ふふーん、悪くないわねっ♪」
ショタ提督「なんか恥ずかしいよ......///」
親潮「うふふっ♪」
陽炎「ほーら、もっと上手に呼んでごらん？ なでなでして可愛がってあげるから！♥」
黒潮「陽炎の姉貴ぃー♪(半笑)」
不知火「陽炎お姉さん......ｸｷｷｷ(苦笑)」
陽炎「いやアンタらはいいわ。きもちわるい」
終わり