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【SS】たった一人のウイニングライブ【ウマ娘】

1 : IW26一生ボンバーヘッドダイビングタバコの火を消すブルースリー :2020/11/01(日) 13:38:34 ???
アニメとは世界線違います


2 : IW26一生ボンバーヘッドダイビングタバコの火を消すブルースリー :2020/11/01(日) 13:39:03 ???
「今辞めて、誰が私を覚えていてくれるの?」

私と同年代のウマ娘のほとんどは、第2の生活に入った、そんななか、私は未だにレースにしがみついている。理由はただひとつ、誰にも覚えられないまんまターフを去る、これが耐えられないだけ。
だからこんなオバサンになってもしがみついているんだ。

"トレセン学園に入ってみんなの記憶に残るスターになりたい"
ここに来るウマ娘たちは大なり小なりこの想いを持って門を叩いてきている。
だけどこの想いを叶えられるのはほんの一握りだけ、
大半のウマ娘は特に名を残せないまま学園を去るか、みっともなく学園にしがみついているか。
私は後者だった。


3 : IW26一生ボンバーヘッドダイビングタバコの火を消すブルースリー :2020/11/01(日) 13:40:36 ???
Cクラスになってから順調に勝ち進み、クラシックの選ばれた舞台、皐月賞に出ることになった。
名誉ある皐月の舞台、伏兵扱いの私も、ここを勝てばみんなの記憶に残るスターに…
そんなかすかな幻想は、本物のスターの輝きによって、一瞬でかき消された。


4 : IW26一生ボンバーヘッドダイビングタバコの火を消すブルースリー :2020/11/01(日) 13:41:25 ???
ナリタブライアン
彼女が直線で無慈悲にぶっちぎっていく姿を見て、私たち17人は悟ってしまった。
彼女こそがスター、3冠ウマ娘になってしまうのだと。
そして私たちは、彼女の添え物にしかなれないことも。

ダービーでは、添え物にすらなれなかった。


5 : IW26一生ボンバーヘッドダイビングタバコの火を消すブルースリー :2020/11/01(日) 13:42:33 ???
彼女と同じレースを走っても、輝けない。それなら、逃げたと言われても違う道からスターを目指そう。
そう気持ちを切り替えた矢先、私の脚は悲鳴を上げた。

屈腱炎
命に関わることはなくても、一生ついて回る炎症
このせいで、レースから離れるウマ娘も何人もいる。でも…
「今辞めて、誰が私を覚えていてくれるの?」
誰にも記憶されないまま、消えるのだけは耐えられなかった。


6 : IW26一生ボンバーヘッドダイビングタバコの火を消すブルースリー :2020/11/01(日) 13:43:29 ???
幸い、なんとか年末に復帰できて3着に入ることができた。
そしてブライアンは有馬記念でシニアクラスも一蹴し、押しも押されもしないスーパースターになっていた。

私の方は…2月のレースに勝ったはいいけど、
屈腱炎が再発。またしても長期の休みを取ることに。
同じ時期に、ブライアンも故障を発症していた。でも私は…
「彼女は今辞めても、みんなのスターとして記憶に残り続ける」
抱いた感情は、嫉妬だけだった。

故障が再発しては休みの繰り返し、トレーニングも十分にできない日々
当然、勝てるわけがない。
そんなある日、忘れられない出来事が起きた。


7 : IW26一生ボンバーヘッドダイビングタバコの火を消すブルースリー :2020/11/01(日) 13:45:48 ???
故障による不振からの完全復活を目指すブライアン、
それを差し切ったのは、もう1人の私の同期だった。
私よりはるかに重い足の故障をしながらも、同期のスターと真っ向から勝負して勝ったサクラローレル、
故障と惨敗の屈辱にまみれながらも再起を狙ったブライアン、
そして、勝負から逃げ、傷物の脚を引きずり続けるだけの私

その日、私は涙が止まらなかった…


8 : IW26一生ボンバーヘッドダイビングタバコの火を消すブルースリー :2020/11/01(日) 13:46:54 ???
それ以降も、事態は好転せず、ただくすぶり続けるだけの毎日
勝ちきれないレース、痛みがぶり返す脚、腐っていく心…
「今辞めて、誰が私を覚えていてくれるの?」
そう思いながらも、それでも仕方ないという気持ちも徐々にわき出てきた…
ほとんどのウマ娘がそうなのだから。


9 : IW26一生ボンバーヘッドダイビングタバコの火を消すブルースリー :2020/11/01(日) 13:49:53 ???
そんな私に、本当の転機が訪れたのは、あの日だった。
脚の故障の再発を気にしながらだましだまし練習を続ける日々
そんなある日、私はトレーナーさんに直々に呼ばれた。

呼ばれた先で見たのは、何かに向かって拝んでいるトレーナーさんだった。

「何してるの?トレーナーさん」

「あぁ、これか。無事に一日を終えられますように、って、毎日の日課にしてるんだ」

「毎日?」

「そう、毎日。アイネスが走れなくなってから、毎日やってるなぁ」


10 : IW26一生ボンバーヘッドダイビングタバコの火を消すブルースリー :2020/11/01(日) 13:50:31 ???
アイネスフウジンさん、私たちのチームの先輩。
彼女は歴史的大観衆の前でダービーを勝ち取ったんだけど、限界以上の走りをしてしまったことで、その後のレースに出られることはなかった。

トレーナーさんもなんとかアイネスさんが復帰できるように、色んな手を尽くしたけどダメだったみたいで…
「これからのウマ娘が無事に走り切れるような仕事をしていくの」

と、新たな道に進むことを決めた。

「とまぁ、それ以降オレもこうやってDI様に拝んでいるというわけよ。まぁただの気休めなのかもしれないけど」

そういって笑うトレーナーさんに、私は本題を切り出した。

「それで、話っていうのは…」


11 : IW26一生ボンバーヘッドダイビングタバコの火を消すブルースリー :2020/11/01(日) 13:52:02 ???
「それなんだけどな…今度もし故障が再発したら、レースを離れてもらう」

「え?」

「正直、教え子がボロボロになっていくのを見るのは辛いものがあるんだ。だから次が最後。分かったな」

辞めたくはなかった。だけど、このままでもダメなことも分かっていた。だから…

「分かりました」

私は、トレーナーさんの言ったことを自然と受け入れていた。

「ねぇ、DI様…だっけ?一緒に拝むの付き合ってもいいかな?」

「いいけど、そういうの迷信だって切り捨てるタイプだと思ってた」

「そうなのかもしれないけど、まぁ気が変わったってとこかな」

こうして、私の最後の戦いが始まった


12 : IW26一生ボンバーヘッドダイビングタバコの火を消すブルースリー :2020/11/01(日) 13:53:06 ???
不思議なことに、トレーナーさんと一緒に毎日拝むようになってから、調子が上がっていった。
元々は神頼みとかバカじゃないのと思ってた私だけど、そうじゃないんだ。
自分の目的をハッキリさせるためのものだったんだ。
そう、このトレセン学園に来た目的、みんなの記憶に残るスターになるために。

そして、今までになく調子がよかった夏の福島。はじめての、念願の重賞制覇を成し遂げた。
3年と2ヶ月ぶりの勝利、もう何もかもを投げ出してもいい気もしていた。


13 : IW26一生ボンバーヘッドダイビングタバコの火を消すブルースリー :2020/11/01(日) 13:53:56 ???
その気持ちを抑えて、なんとか自分を律することができたのも、トレーナーさんとの毎日の日課だった。
毎日DI様に拝むことによって、初心に立ち返ることができたから、重賞制覇をしてもモチベーションは下がらなかった。
そして、勢いそのままに残暑の新潟にも勝った。

ここへ来ての連勝、この結果を受けて、天皇賞秋に出ることになった。
年齢を考えても、おそらくこれがGIのラストチャンス。なんとかして、スターの座を掴みたい。


14 : IW26一生ボンバーヘッドダイビングタバコの火を消すブルースリー :2020/11/01(日) 13:55:11 ???
でも、このレースにはあるウマ娘がすでに出走を表明してる。
夏のグランプリを制したウマ娘。
スター性で言えばブライアンに匹敵する、あるいはそれ以上かもしれない
超速、サイレンススズカ。

前哨戦ではCクラスで無敗の2人、グラスワンダーとエルコンドルパサーを寄せ付けずに完勝。
同族の後輩でもあるエルコンドルパサー
結局、私は最後までスターの添え物にしかなれないのか…
練習を重ねるごとに上がっていく身体の状態とは裏腹に、気持ちは沈んでいくばかりだった。


15 : IW26一生ボンバーヘッドダイビングタバコの火を消すブルースリー :2020/11/01(日) 13:56:00 ???
迎えた本番前日の夜、下見もかねて行っていた東京レース場の帰路、帰るタイミングを間違えたであろう1人の観客を見かけた。
明らかに不自然な水色の髪とどこか中性的な出で立ちの彼は、私を見かけるなり近づき、話しかけてきた。

「明日はあなたが天皇賞を制します。おめでとうございます」


16 : IW26一生ボンバーヘッドダイビングタバコの火を消すブルースリー :2020/11/01(日) 13:56:42 ???
私を見かけて第一声がいきなりこれなのか、と戸惑いは隠せなかったけど、恐る恐る聞いてみた。

「あの…あなたは私のファンの方でしょうか」

「いえ、あなたに投票するのは明日が初めてになります。ちなみに皐月賞、ダービーはともにアイネスサウザーに投票しましたが、惜しくも敗れてしまいました」

自分でいうのもあれだけど、私の熱狂的なファンでもない限り、サイレンススズカに投票するのが自然の流れだし、実際の投票率にもそれは反映されている。

「明日の夜、あなたの祝勝会を開きます。ぜひお越しくださいませんか」

「ごめんなさい、気持ちは嬉しいけど、レース後はチームでミーティングすることに決まっているの」

「そうですか、それは残念です。では、明日は頑張ってください。失礼します」


17 : IW26一生ボンバーヘッドダイビングタバコの火を消すブルースリー :2020/11/01(日) 13:57:14 ???
そういって水色の青年は東京レース場を後にした。
彼は一体何者だったのだろうか。でも…

「私のことを見てくれる人はいる。私のことを応援してくれている人はいる。だから、明日は勝つための、私のベストを走りをしよう」

消えかけたモチベーションに、再び火が付いた。


18 : IW26一生ボンバーヘッドダイビングタバコの火を消すブルースリー :2020/11/01(日) 13:58:39 ???
11月1日(日)〜東京レース場〜

『いよいよこの日がやってまいりました天皇賞秋!栗毛の静かなる逃亡者サイレンススズカに対し、追跡者たちに秘策はあるのでしょうか!間もなく発走です』

(私を応援する人のために、ベストを尽くす!それだけだ)

『モヤの向こうのスタート地点、ポーンと飛び出したのはやはりサイレンススズカ!そして2番手を確保したのはサイレントハンターです!3番手以降は大きく離れています!』


19 : IW26一生ボンバーヘッドダイビングタバコの火を消すブルースリー :2020/11/01(日) 13:59:52 ???
最近のレースは後方待機から勝ってきたけど、今日は常にスズカを視界にとらえられるように、今までのスタイルでいく!

『前半1000mは57秒台で通過! サイレンススズカすごい逃げです!ものすごい逃げだ!』

今まで最高に気持ちよく走る私。それ以上に気持ちよさそうに走るスズカ。それでも、なにかスキはあるはず…

そのとき、信じられない光景が私の視界の先で起きていた。


20 : IW26一生ボンバーヘッドダイビングタバコの火を消すブルースリー :2020/11/01(日) 14:00:52 ???
『あーっと!サイレンススズカが故障だ!サイレンススズカが止まった!これは大変大変っ!』

よろよろと失速するスズカ、そのあまりの光景に、自分を見失いそうになってしまった。だけど…

『みんなが無事に一日を終えられますように、って、毎日の日課にしてるんだ』

『明日はあなたが天皇賞を制します。おめでとうございます』

私の幸運を願ってくれる人はいる…!
私のことを応援してくれる人はいる…!
だから…その人たちに…応える!


21 : IW26一生ボンバーヘッドダイビングタバコの火を消すブルースリー :2020/11/01(日) 14:01:31 ???
コースの外側へ向かうスズカの内側に入り先頭に立った。
そして、そこからは無我夢中で走った。
トレーナーさんや私を応援する人のために!
そしてあの光景を振り切るために!

『さぁここでオフサイドトラップが先頭!オフサイドトラップが先頭!その内を突いてキンイロリョテイが上がってくる、キンイロリョテイが上がってくるがその差は縮まらない!オフサイドトラップ!オフサイドトラップ1着でゴールイン…!』


22 : IW26一生ボンバーヘッドダイビングタバコの火を消すブルースリー :2020/11/01(日) 14:02:31 ???
やった…やった!
初めてのGI制覇に、そしてトレーナーさんに報いることができたことに、思わずガッツポーズが出た。

そして観客にも応えようとスタンドを向いたところで目にしたのは

『一方で心配なのはサイレンススズカです…』

第4コーナー手前に釘付けになっていた、ほとんどの観衆の視線だった。


23 : IW26一生ボンバーヘッドダイビングタバコの火を消すブルースリー :2020/11/01(日) 14:03:32 ???
こうなることは、覚悟していた…
スターウマ娘の故障で、観衆はレースの勝敗どころじゃないことにあったこと。
勝ったのに…故障を何度も乗り越えたのに…私はスターにはなれないの…?

いや…そんなことはどうでもいい。
私は私を応援してくれる人に応えられた。それで十分だ。

でも…トレーナーさんの願いは「無事にみんなが1日を終えること」
その願いは聞き入れられていない。

……だから私は勝てた?無事に走れなかった子がいたから?
違う!これはトレーナーさんと私が二人三脚で努力して掴んだ結果なんだ。事故があったからなんかじゃない!
だから嬉しいことなんだ。

嬉しくなきゃダメなんだ!


24 : IW26一生ボンバーヘッドダイビングタバコの火を消すブルースリー :2020/11/01(日) 14:05:13 ???
「オフサイドトラップ選手、おめでとうございます。ゴール板を駆け抜けたとき、ヨッシャーと聞こえてきましたが…」

「そうですね、今までで一番気持ちよく走れて、順位も1着なので、笑いが止まらないと言いますか…」

直後、私は言ってはいけないことを言ってしまったことを悟った。
その後のインタビューは、何を言ったのかほとんど覚えていない。

「数少ない私を応援してくれたみなさん、ありがとうございました」

そして、ウイニングライブでブーイングを受けることを覚悟した。
そんな失意のなか、ウイニングライブ会場についた私がみたのは…
お客さんの見えない、静かなパドックだった。


25 : IW26一生ボンバーヘッドダイビングタバコの火を消すブルースリー :2020/11/01(日) 14:06:36 ???
最悪物を投げられることまで覚悟していたが、お客さんは失意のまま第4コーナー手前を見つめ続けているか、ライブを観ずにレース場を去るかの2つに1つだった。
当然ライブに身が入るわけもない。

踊りも歌も適当に、いや、それ以下の出来。
その失意のなか、見えた2本の光る棒
その視線の先には、昨日会った水色の髪の青年がいた。


26 : IW26一生ボンバーヘッドダイビングタバコの火を消すブルースリー :2020/11/01(日) 14:07:43 ???
彼は、一心不乱にサイリウムを振り、私に声援を送り続けた。
レースでの痛ましい光景を振り払うかのように…

そこからは、私も一心不乱に歌い、踊った。
彼と同じく、それまでのすべてを振り払うかのように。

そして、水色の青年たった1人だけに向けたウイニングライブは、幕を閉じた。


27 : IW26一生ボンバーヘッドダイビングタバコの火を消すブルースリー :2020/11/01(日) 14:09:39 ???
ラストランとなった有馬記念、前走で全てを出し尽くした私は過去最低の10着で終わった。
ちなみに水色の彼は私ではなくダイワオーシュウに投票したらしい。


28 : IW26一生ボンバーヘッドダイビングタバコの火を消すブルースリー :2020/11/01(日) 14:11:31 ???
年明け、思わぬ相手から電話がかかってきた。
私たちの同期のスター、ナリタブライアン。
なんでも、あの天皇賞秋の直前に倒れて意識不明になっていたらしい。
倒れていたのは数日間で、今は快復してなんともないみたいだけど…

「なんで言ってくれなかったのさ!」

「レース前に動揺させるわけにいかなかったんだ。お前には天皇賞タイトルを取ってほしかったからな」

「でも…?」

「私は、結局足のケガには勝てなかった。でもお前は、何度怪我しても立ち上がってきてくれた。そして勝ってくれた。お前は私たちの誇りだ」


29 : IW26一生ボンバーヘッドダイビングタバコの火を消すブルースリー :2020/11/01(日) 14:11:53 ???
諦めなかった、そんな綺麗なものでは決してなかったけど、
あのブライアン、同期のスターが私の走りに心を打たれてくれた。
私は、ブライアンとローレルの天皇賞春のあの日以来久々に号泣した。

結局、私はみんなの記憶に残るスターにはなれなかった。
だけど、私の走りを応援してくれた人、心を打たれてくれた人はいた。
今はもうそれだけで十分だ。

明日は、あの日以来初めてスズカに会いに行こうと思う。

-おわり-


30 : IW26一生ボンバーヘッドダイビングタバコの火を消すブルースリー :2020/11/01(日) 14:13:30 ???
今年の天皇賞秋は、あの日と同じ11月1日に行われます。
光あるところに影があるように、悲劇の裏には間違いなく栄光があったことを忘れてはいけないなと思いました(小並感)


31 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2020/11/01(日) 14:28:41 v23U1ycc
乙シャス!


32 : なーなしー! :2020/11/01(日) 15:06:54 ???

アニメの世界線だとハブられましたけど度重なる屈腱炎を乗り越えたこのウマにも間違いなくドラマがあったわけですしね


33 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2020/11/01(日) 15:07:12 3/Mapu6g
「ライスシャワーが故障した宝塚記念」の勝ち馬であるダンツシアトルも屈腱炎を乗り越えての勝利
悲劇は悲劇として、それでも勝者は称えられなくてはね


34 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2020/11/01(日) 15:15:58 XT7Qvw0A
笑いが止まらないは相談役のセリフですね…


35 : IW26一生ボンバーヘッドダイビングタバコの火を消すブルースリー :2020/12/20(日) 00:18:09 ???
別な話上げたいんですが今スレ立てられないのでこっちを流用します。


36 : IW26一生ボンバーヘッドダイビングタバコの火を消すブルースリー :2020/12/20(日) 00:18:43 ???
タマモクロス「どうも〜、『レイニーストライプ』です。お願いします」

タマモクロス「ありがとうございます〜。今、タイキシャトルの髪の毛をいただきました〜」

キタサンブラック「ありがとうございます〜」

タマモクロス「こんなんナンボあってもええですからねぇ」

キタサンブラック「ところで最近、ウチのお母ちゃんが好きなアイドルの名前を忘れたらしいんですよ」

タマモクロス「好きなアイドルの名前を忘れた?どうなってんねん」

キタサンブラック「色んな特徴を言ってたんですけど、全然分からないんですよ」

タマモクロス「オカンが好きなアイドルなんてな、松田聖子か山口百恵って決まってんねん」

キタサンブラック「それがどうやら違うみたいで…」

タマモクロス「ほな、オカンの好きなアイドル一緒に考えてあげるから、どんな特徴言うてたか教えてくれや」


37 : IW26一生ボンバーヘッドダイビングタバコの火を消すブルースリー :2020/12/20(日) 00:19:56 ???
キタサンブラック「お母ちゃんが言うには、『永遠の17歳で、出身地が星』らしいんですよ」

タマモクロス「ほーん、安部菜々やな。その特徴は完全に安部菜々やん。すぐに分かったわそんなん」

キタサンブラック「私もそう思ったんですけど、でもお母ちゃんが言うには、『未成年飲酒で謹慎喰らったことがある』んですよ」

タマモクロス「ほな安部菜々と違うか。あの人はそういうダーティーなことしないタイプのアイドルやねん。そういうのは夢見りあむに一任してんねん。安部菜々とちゃうがな。他になにか言うてなかった?」


38 : IW26一生ボンバーヘッドダイビングタバコの火を消すブルースリー :2020/12/20(日) 00:20:53 ???
キタサンブラック「お母ちゃんが言うには、電車で向かえば1時間のところに住んでいるらしいんですよ」

タマモクロス「安部菜々やないか!ウサミン星の科学力をもってすれば、星と星の間を一時間で行き来することくらい造作もないことよ。ウサミン星行き、ウサミン星発、どっちも1時間で行けるのよ。ウサミン星の者が地球人の科学力を発展させるために発破かけにきたのが安部菜々、ウチはそう睨んどるよ。安部菜々やそんなん」

キタサンブラック「私もそう思ったんだけど、お母ちゃんが言うには、他のアイドルたちのたまり場になってるらしいんですよ」

タマモクロス「ほな安部菜々とちゃうやないか!電車で一時間で行き来できるのはウサミン星人だけで地球のアイドルの科学力じゃたどり着くことはおろか場所を特定することすらできんのよ。ウサミン星に人類がたどり着いくことが地球の科学の発展の大きな一歩になるんよ。他なにか言うてなかった?」


39 : IW26一生ボンバーヘッドダイビングタバコの火を消すブルースリー :2020/12/20(日) 00:21:37 ???
キタサンブラック「お母ちゃんが言うには、『本名がウサミさんと間違われやすい』って言うんですよ」

タマモクロス「ほな安部菜々やないかい!初めて安部菜々を知った人は、十中八九ウサミさんやと思うんやから。でもこれはウサミン星出身で注目を集めて、ウサミじゃなくて安部なんかい、というとこで心を鷲掴みにする策なのよ。安部菜々やそんなん」

キタサンブラック「でもお母ちゃんが言うには、『マカロンの匂いがする』らしいんですよ」

タマモクロス「ほな安部菜々とちゃうやないか!あの人からするのはな、背中と腰に張った湿布の匂いなんやから。もしくはお線香の匂いやそんなん!他になにか言うてなかった?」


40 : IW26一生ボンバーヘッドダイビングタバコの火を消すブルースリー :2020/12/20(日) 00:22:24 ???
キタサンブラック「お母ちゃんが言うには、『産まれる前のことにすごく詳しい』らしいんですよ」

タマモクロス「ほな安部菜々やないかい!歴史上の出来事とかならともかく、90年代や00年代に流行ってたトレンディドラマとかにもめっちゃ詳しいねん。ほんで今の時代、NETFLIXとかで見れるけど、あの人の場合安易に懐かしいっていってしまうもんやから、ホンマは17歳じゃないんじゃないかって9歳年上の元OL以外には疑われてんねんから。安部菜々やそんなん!」

キタサンブラック「でもお母ちゃんが言うには、『家族で例えるなら妹』らしいんですよ」

タマモクロス「ほな安部菜々とちゃうやないか!あんな世話焼きな人が妹キャラなわけない!そんじょそこらの17歳の小娘にはない包容力は最早母性を通り越しておばあちゃんやねんから、安部菜々とちゃうがな!他になにか言うてなかった?」


41 : IW26一生ボンバーヘッドダイビングタバコの火を消すブルースリー :2020/12/20(日) 00:23:18 ???
キタサンブラック「お母ちゃんが言うには、『一緒にユニットを組んでいた』らしいんですよ」

タマモクロス「じゃあ安部菜々やないかい!とある年末にアンタとこのオカンとPVモノマネしたのが大ハネして、その後に正式にCD出して、それもヒットするほどの人気ユニットなってるんやから。安部菜々やないかい!」

キタサンブラック「でもお母ちゃんが言うには、『そのユニットは方向性の違いでケンカ別れした』って言うんですよ」

タマモクロス「ほな安部菜々とちゃうやないか!例の動画のマネ元はそれで解散したけど、あの2人は真逆な部分は多々あれど、『うわキツ系』っていう絶対にブレへんぶっとい幹を持ってるから、方向性が違うことはありえへんのよ。他なにか言うてなかった?」


42 : IW26一生ボンバーヘッドダイビングタバコの火を消すブルースリー :2020/12/20(日) 00:24:38 ???
キタサンブラック「お母ちゃんが言うには、『あまりにも美しいタイミングでシンデレラガールになった』らしいんですよ」

タマモクロス「ほな安部菜々やないかい!第7回総選挙で安部『ナナ』をシンデレラガールに、って流れが世の中全体に流れててん。その結果として見事にその年のシンデレラガール勝ち取ったんやから。そんで心無い連中からウサミン星の存在を否定されたり、なかなかブレイクしなくてバイトで食いつないでた時期も知っとるんやから。そんな長年苦労して苦労して苦労して、ようやくつかんだ栄冠に元々のファンもそうでない人もみんな涙したんよ。近年は厳しい結果やけどな、第17回では史上初のV2取るんやないかと、今からすでに言われとるんよ。安部菜々やがなそんなん」

キタサンブラック「でも…」

タマモクロス「でもも何もない、オカンの好きなアイドルは安部菜々で決まり!」

キタサンブラック「でも、安部菜々ではないって…」

タマモクロス「じゃあ安部菜々ちゃうやないかい!オカンが安部菜々ちゃう言うんやから安部菜々とちゃうやないかい!シンデレラガールになった時の話どういう気持ちで聞いてたんや!」

キタサンブラック「ファンの鑑だなって…」

タマモクロス「ホンマに分からへんやないかい!」

キタサンブラック「でもお父ちゃんが言うには、アイナ・ジ・エンドじゃないかって」

タマモクロス「絶対ちゃうやろ、もうええわ!」


43 : IW26一生ボンバーヘッドダイビングタバコの火を消すブルースリー :2020/12/20(日) 00:34:34 ???
というわけで本日(昨日)ウマ娘の公式から結構な重大発表が連発されました。

アニメ第2期は来年1月4日からMXなどで開始、さらにゲームの方が2月24日(フェブラリーSの近い時期)に配信開始予定です。

アニメの方には玉砕逃げでおなじみツインターボ、鉄の女イクノディクタス、トウカイテイオー奇跡の復活で伝統芸をかましたマチカネタンホイザが新キャラで追加、
さらにはロリ枠で10年代中盤に活躍したキタサンブラック、サトノダイヤモンドの両名の出演が決まっています。

ところで1期WDTのラストに出てきたアイツはじゃあ誰なんだという話になりそうですが、時系列的にはあのWDTより前っぽいので、
公式版キタサンブラックが数年後にWDTのすがたになる、という線も現時点では捨てられないでしょう。
もしくは捏おじゃと肉おじゃの関係性か。

M-1前に吐き出せてよかった。


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