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この爆裂娘の奇行に説明を!【このすばSS】
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「なぁ、めぐみん」
「なんですか、カズマ」
ある昼下がり。
俺は目の前に座る黒髪の少女に、意を決して声をかける。
「実はな、お前に頼みがあるんだ」
「ふふ、なんですか改まって。私たちは仲間じゃないですか。遠慮せず言ってください」
残念ながら俺からは顔は見えないが、きっと穏やかな笑みを浮かべているのだろう。
その声の優しさに押され、俺はその「頼み」を伝える。
「わかった。じゃあ言うぞ」
「ええ、どうぞ」
「いい加減、俺の膝の上から降りてくんない?」
「嫌です」
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この野郎!
「てめっ、今遠慮せず言ってくださいって言ったばっかだろうが!さっさと降りろ!」
「言ってくださいとは言いましたが聞き入れるとは言ってませんよ!……あ、ちょ!やめ、やめろぉ!」
俺に背を向ける体勢で膝上に居座るロリガキの腰を掴んで無理矢理引きずり下ろそうとするが、めぐみんは自分の足を俺のそれに絡めて抵抗する。タコかお前は。
一進一退の攻防をしばらく繰り広げたが、ふたり揃ってしんどくなりゼェゼェと息をつきながら小休止となった。俺はもちろん、めぐみんもフィジカルは決して優れている方ではないのだ。
ドレインタッチを使って魔力を吸ってやる手もあったがそれはしなかった。あれはコイツの行動を制する最終手段のひとつだ。あまりホイホイ使うと脅しとしての抑止の効果が薄くなりかねない。
「……いや、マジでお前何がしたいんだよ。さも当たり前みたいに座ってきやがって」
30分ほど前、俺がソファでのんびりしていると、このポンコツ爆裂娘がトコトコ近寄ってきて表情ひとつ変えずに膝上に座ってきたのだ。それはもうごく自然に。あまりに自然にやるものだから呆気に取られて指摘もできなかった。
「逆に聞きますよ。女の子を膝の上に乗せているという状況に何の文句があるのですか」
……いや、まぁね?俺も男だしね?正直最初は驚きながらも悪くないかなー、なんて思ったよ?コイツ、生意気にもいい匂いするし、なんだかんだ女の子特有の柔らかさもあるし。
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とはいえ、だ。
「足が痺れてきたんだよ。いくらお前が軽いっていったって限界がある」
もう正直太腿より下は感覚がない。今立ち上がったらそれはもう愉快なことになるだろう。
「情けないですね。もっと鍛えたらどうですか」
「爆裂魔法以外何一つ鍛えてないお前に言われたくない」
俺の反論にすぐさま耳を塞ぐめぐみん。まぁ成長とか進歩とかが見えないのはコイツだけじゃないが。具体的にはこの場にいないバカとか変態とか。
「ってかいい加減理由を言えって」
「……バカにしたり、怒ったりしませんか?」
「内容次第だな」
俺の言葉に一瞬迷うように俯いためぐみんだったが、意を決したように顔を上げると、クルリと器用に身体ごとこちらを向いた……あれ、これっていわゆる対面座──。
「分かりました、話しましょう」
俺の動揺には気付いていないようで、めぐみんは真面目な顔で話し始めた。どうしよう、指摘した方がいいのか?いやしかし……。
「きっかけ、というか原因の一端はあなたにあるのですよ、カズマ」
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なんか始まってる!
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紅い瞳で、どこか拗ねたように俺を見つめながら言う。ああもう、こうなりゃ話に集中して乗り切るしかない!
「俺が原因ってどういうことだよ。身に覚えがないぞ」
「まぁカズマだけ、ではないんです。カズマと、あとは──我が妹、こめっこです」
はて、俺とこめっこ?ということは……。
「先週くらいにこめっこが遊びに来た時の話か?」
俺の問いにめぐみんはコクン、と頷いた。
う〜む、別に普通に遊んでやっただけだと思うんだが……あ。
俺は不意に心当たりに行き当たった。
「カズマにとっては些細ことかもしれませんし、覚えてなくても無理はありませんが──」
「もしかして俺がこめっこを膝の上に乗せて頭撫でてやりながら『こめっこはいい子だなぁ。将来お兄ちゃんの嫁に来るかー?』って言ったアレか?」
「完全に覚えてるじゃないですか!なんでそれが原因だと思い至らないんですか!?」
そう言われましても。
実際本当に軽い気持ちで言った冗談だったし、当のこめっこも「ごはんを毎日お腹いっぱい食べさせてくれるなら」とか言って、そこで終わっただけの話だぜ?
「お前なぁ、あんな子供相手のジョークいちいち気にすんなよ。まして自分の妹だろ」
「妹だからですよ!あの子が成長して私とソックリになったらどうするんですか!カズマ好みのこの容姿に!」
ごめんなさい、めぐみんも可愛いとは思ってるけど容姿だけだったらダクネスの方が好みです。次点でエリス様。
そんな本音を飲み込みつつ、めぐみんと向き合う。
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「心配しなくたってこめっこのことは子供としか見てねぇし、それは今後も変わらないって」
「ふん、どうですかね!」
そう言ってめぐみんは勢いよくそっぽを向く……あ、やべ。今の動きで俺の大事なソレに絶妙な刺激が……!まずい、なんとかして誤魔化し──。
「大体ですね、カズマは女性に対して……の……」
めぐみんが俺の股間に目線を落として言葉を止める。終わった。
「め、めぐみん?お前には分からないだろうがな?男ってのはこういう状況だと僅かな刺激でも反応してしまうのであってな?」
必死になって言い訳してみる。このめぐみんが膝の上にいるというシチュエーションも含め、早くすべてを終わらせないといよいよ俺の社会的地位が……!
「おい」
めぐみんがゆっくりと下を向いていた顔を上げる。ヤバい、キレたか?
「何故こめっこの話をしていてこうなったのか、教えてもらおうじゃないか」
ああ、やっぱりご立腹だよこの瞬間湯沸し器……え?
なんて?
「アレですか、私にこめっこを重ねてあの未発達の肢体を思い出して興奮してしまったというわけですか」
「違うんだけど」
なにやらとんでもない勘違いをしていらっしゃるぞコイツ。言うまでもなく俺はこめっこのことは関係なくめぐみんから与えられた刺激に反応してしまっただけだ。日本ならどっちみちアウトだけど。
「お、落ち着けって。被害妄想は良くないぞ?そういう浅慮が痴漢冤罪を生むんだ。もっと冷静に」
「冷静?ええ、私は冷静ですとも。なにせ知能の高い紅魔族ですからね。冷静に考えた末の結論です」
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ダメだ、全然聞く耳持たない。瞳は爛々と輝き完全に臨戦体勢になっている。
「いいでしょう。仲間として、姉として、そして女として。あなたのその捻れきった性癖を全力で矯正してあげます」
急に不気味なまでに爽やかな笑顔を浮かべつつめぐみんが言う。
「矯正って……何をする気だよお前」
「そんなに決まってるでしょう?……そぉい!!」
「うぉ!?」
めぐみんはいきなり俺の膝から下りると、そのまま俺の脚を全力で持ち上げ、ソファに仰向けで寝転んだ体勢に変えた。そしてそのまま馬乗りになってくる。マジかよおい!
「おい!やめろって!」
「お断りですね!私の身体に溺れさせて、二度と幼女趣味に走らないようにしてあげます!」
そう言いながら俺のジャージを剥ぎ取ろうとする。なんだよこの展開!
「落ち着けこのバカ!大体お前がやったんじゃ何も解決しないだろうが!ダクネスとかウィズとかゆんゆんとかでないと──」
「おい、何故その人選なのか聞こうじゃないか!上等です、もう遠慮はしませんよ!他の女なんて目に入らないくらい徹底的にやってやります!!」
「ちょ、マジでやめ──」
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ただでさえ低いステータスに足の痺れというデバフがかかっている俺に抵抗できるわけもなく。
早々に両手を封じられたのでドレインタッチも使えるわけもなく。
そして日暮れまでバイトだと言っていたアクアや、公務で王都にいるダクネスが来てくれるはずもなく。
結局俺は、めぐみんが満足するまで数時間に渡り美味しくいただかれたのだった。
そして俺はその最中、今度エリス様に会ったらこの世界のあり方について文句を言おうと心に誓った。
……もうやだ、この世界。
END
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めぐみんすき
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久々のめぐみんいいゾ〜これ
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優しい世界
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でも、楽しかった(意味深)でしょ?
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いいゾ〜これ
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こういうのでいいんだよこういうので
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したらばこのすばSS兄貴すき
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ほぼ正妻の座に就いてるうえ、夫に寄ってくる輩は叩き潰すメインヒロインの鑑
お前らも見習わにゃいかんとちゃうんか?
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いつものメンバーはカズマのドレインタッチさえ封じればステータスで好き勝手できるの強い
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