■掲示板に戻る■ ■過去ログ 倉庫一覧■

【艦これSS】陽炎としこたま酒を飲んだ話

1 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2020/02/15(土) 23:18:20 EJ8wq1Io
18禁要素あります
苦手な方はブラウザバック推奨です


2 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2020/02/15(土) 23:18:50 EJ8wq1Io
ーーーどうして、こうなったのだろうか。
陽炎型駆逐艦一番艦こと、陽炎は困惑と緊張の念に駆られていた。
ベッドの上に腰掛け、こうしてバスローブだけを着ている自分。薄明るい照明がどうにも不安を掻き立てる。
この部屋に響く音は、提督が今浴びているシャワーの水音だけだ。

「今から、司令に、抱かれる…」

何となくこれから行われる事実を口に出してみた。少しは楽になるかと思ったがむしろ心臓の鼓動がより早く聞こえるようになるだけだった。
幾度となく味わってきた戦場においての緊迫感。それとは別のベクトルの未知なる高揚が、今一人の艦娘に差し響いていた。


3 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2020/02/15(土) 23:19:15 EJ8wq1Io

時間は数時間前に遡るーーー
この日は大規模作戦が無事に全員生還で成功した事を祝うため、鎮守府から少し離れた居酒屋を貸し切って祝賀会が開かれていた。
提督が艦娘の皆に感謝の旨を伝え終わった瞬間、蜂の巣を突いた様に宴が始まった。

「おい、飲んじまおうぜ!」
「飲んじゃいましょうよ!」
「酒!酒!!酒!!!って感じで…」

あっという間に提督は数多の艦娘達から酒を注がれ、そして絡まれる。艦娘の中には海外艦を始めとして酒豪の者も多い。様々な種類の酒を飲まされた提督は、既に酔いが深く回っていた。
このペースで呑み続けては命の危機に関わると僅かに残っていた理性が警告してきたのでトイレに行ってくる、と言い残して席を外した。
そうして少しばかり酔いが冷め、宴会場へ戻るため廊下を歩いている時だった。

「あ、司令!飲むならこっちでも飲みましょうよ』
「何やってるんですか司令。司令も見てないでこっち来てください」

個室の半開きになっている扉が開けられ、声をかけられた。向き直るとそこには陽炎と不知火がいた。
二人の頬は薄く赤みがさしていて、既に酔っている事がわかった。提督はさして深く考えずに靴を脱ぐと小部屋に上がる。


4 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2020/02/15(土) 23:19:38 EJ8wq1Io
「あー、皆んなの前じゃ言えなかったけど今回の作戦もキツかったわ。司令も改めてお疲れ様。でも見せたかったわね、あたしのあのネームシップたる戦いを…え?個室で飲んでる理由?そりゃ最初こそあの大部屋にいたけどさ、なんかこうみんなの高過ぎるテンションについて行け無かったというか…」
「んにゃぴ…やっぱり、静かに飲むのが一番です」

陽炎型駆逐艦一番艦、陽炎。二番艦、不知火。
二人は提督が鎮守府に着任したての頃からの付き合いであり、いわば初期艦だ。まだロクに戦力が確保できず、資源のやり取りに四苦八苦しながらも同じ釜の飯を食べた仲間といえる。
真逆の性格に見えて、実は息がピッタリな二人はこうして大規模作戦を遂行できる様になった今でも交代で秘書艦を務め、提督を支えている。

「まぁ、それはともかくっ!やっぱりこの指輪のおかげかしらね、あたしが何度もエリート級を倒せたのは」

陽炎は左手の薬指に付けられた指輪を、光にかざす様にして見る。これは勿論、本物の結婚指輪などではなく大本営が独自に開発し鎮守府に送ってきたものだ。効果としては装備した艦娘の性能を限界を超えて引き出す、というものだった。
流石にこれには提督も目を疑ったが、試して欲しいと手紙付きで送られてきたのだから仕方ない。
必然的に練度が鎮守府内で最も高い陽炎と不知火のどちらかに付けるように頼んだのだがーーー


5 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2020/02/15(土) 23:20:06 EJ8wq1Io
『ゆ、指輪ってそれじゃあまるで…』
『不知火は辞退させていただきます。ここはネームシップである陽炎が付けるべきかと』
『って不知火ぃ!?あんた、何言ってんの!?』
『よし、じゃあぶち込みます』

不知火は素早く腕を掴むと陽炎の白い手袋を脱がし、薬指を露出させた。提督も不知火の意見に反対する理由は無かったので跪くと、そのまますっと指輪を嵌める。
このあと顔を真っ赤にした陽炎に二人が締められ、その光景を撮影した青葉を捕まえるべく鎮守府中を走り回る事になったのは別の話だ。
そして最初こそ妹を始めとする艦娘達に揶揄されたが、今まで以上の戦果を挙げる事になった陽炎をその内誰もからかわなくなっていった。
そんな事を改めて思い出しながら、陽炎は酒を呷る。

「あ、そうだ。司令と陽炎はケッコンされてるんですよね」
「そういう言い方も出来るけど、突然どうしたの?」
「なら司令と陽炎は既に夜伽はされたのですか?」

大和型の46cm砲でもここまでの威力は持たないだろう。
そう錯覚する様な不意打ちの質問に、二人は同じタイミングで酒を吹き出した。

「ちょ、あんた、どんだけ酔ってんのよ!?」
「不知火に落ち度でも?」
「まさか落ち度以外があるっていうの?」


6 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2020/02/15(土) 23:20:31 EJ8wq1Io
陽炎のツッコミに真顔で答える不知火。だがその顔は先程よりも赤みが深くなっており酔いがかなり回っている様だった。喋りも日頃より早口だ。
不知火は更に追撃をしかける。

「いえ、陽炎と司令程の仲ならその様な関係でも不思議では無いと思ったのです。中々聞く機会も無かったので、この場を借りただけです」
「そんな機会、一生無くていいっての」
「で、どうなんです。一晩中バックとか正常位とかでしてるんですか。夏の時に買った水着を着て風呂場で石鹸プレ」
「何回殴られたい?」

日頃の熟練の艦娘としての振る舞いとはかけ離れた陽炎の様子が見れて満足したのか、はたまたこれ以上弄ると不味いと判断したのか不知火は立ち上がると、「この辺に美味しいラーメン屋の屋台が来てるそうですからいってきます。後は二人でごゆっくり」と言ってそそくさと個室を出ていった。
部屋には二人だけが残された。
何とも言えないきまずい空気が流れる中、沈黙を先に破ったのは陽炎だった。

「えーとね…その、不知火にはあたしの方から明日キツく言っておくから。だから許してあげて欲しいというか。あの子もこんなにお酒飲むの久しぶりだからペース配分間違えちゃったのよ、きっと」

日頃の勝気な彼女がこうして誰かのフォローに回る事は珍しかった。だがそれはこの件に関して、これ以上互いに触れるのをよしとしたくなかったからだろう。


7 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2020/02/15(土) 23:21:36 EJ8wq1Io
「そういえばさ…司令は指輪を他の艦娘に渡すつもりは無いの?戦力増強の目的なら大本営だって気前良く送ってくれるわよ」

陽炎の質問に対して提督は首を横に振った。
確かに戦力を充実させるのは大事だ。だが今は昔と違って様々な艦種の艦娘がいる。だから突然誰かが飛び抜けて強くなってしまい、パワーバランスが崩れては指揮に影響が出てしまう。仮に渡す日が来るとしてもそれはもっと先の話になる。

それにいくら深い意味は無いとしても、指輪という形である以上は決して無闇に渡せるものでは無い、と。
提督はそう言い切った。

「…全くもう。そんな事言われたら、今まで以上に頑張るしかないじゃないの。これからも、私の活躍見てなさいよね!」

陽炎はグラスを提督の前に差し出す。
提督もそれに応える。チリン、と小さいが確かな音を聞き、二人だけの祝賀会が始まった。


8 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2020/02/15(土) 23:22:07 EJ8wq1Io

それから少し経って。
夜も更けてきたので、駆逐艦達は公共交通機関を使って一足先に鎮守府へと帰っていった。海外艦や空母達はまだ飲み足りないらしく、二次会をすると言い残し歓楽街へと消えていった。

「さてと…私たちは酔いを覚ますのも兼ねて歩いて帰りましょ。明日からはまた海の平和を守る仕事に戻らなくちゃいけないんだから」

夜の雑踏を歩いていく陽炎と提督。その姿を見たものは仲睦まじいカップルとは思いこそすれ、まさか深海棲艦と日々戦いを繰り広げている戦士だとは思わないだろう。
そして街の喧騒も薄れ、塩の香りが風に混じってきた辺り。信号が赤になり二人は止まる。会話は無く、手持ち無沙汰になった陽炎は視線を動かすと隣の大きな建物が目に入った。
白く重厚な外壁に付けられたやたらと大きな看板には『21時から08字までの御休憩 9000円』と書かれていた。
そう、俗にラブホテルと称される建物だった。

「……いやいや」

その瞬間、酔った不知火に言われた事が頭をよぎった。
確かに彼を一度もそういう目で見たことが無いとは言えば嘘になる。定期的に艦娘内で出回る成人向けの本で知識だってある。
それにここ最近は大規模作戦の最前線と鎮守府を何度も往復していた為、自分を慰める暇も無かった。
しかしだからといってーーー
こんなふざけた妄想をしている自分を律するべく陽炎は横にいる提督を見た。
だが、彼もラブホテルの看板をじっと見つめていた。
その時、陽炎と提督の携帯が小さく震える。盗み見していたのがバレない様に慌てて取り出すとメールが届いていた。
不知火からだった。


9 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2020/02/15(土) 23:22:28 EJ8wq1Io
『明日の任務についての準備は済ませておきました。お二人は時間を気にせず楽しんできてください。おやすみなさい』

提督と陽炎の目が合った。
日頃はそれだけでお互い、何が言いたいか大体わかるほどだがその関係性がこんな所でも活きるとは思わなかっただろう。
信号が青になると同時に、二人は横断歩道に背を向けラブホテルへと足を踏み入れた。


10 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2020/02/15(土) 23:23:28 EJ8wq1Io

回想が終わるまで大した時間はかからなかった。
付け足すとするならば、先に入ってきていいと提督に言われ陽炎が先にシャワーを浴びた事くらいだろう。
しかし雰囲気に流されてしまったというここまでの経緯を思い出してもやはり緊張は消えない。

「…ひゃっ!?」

陽炎は驚きの声をあげてしまう。
目の前にはシャワーを浴び終わった、下半身にタオルを巻いただけの提督が立っていたからだ。日頃は軍服に包まれ決して見ることのない、鍛えられた体が視界を占める。
やはり彼も男なのだと認識させられた。
提督は陽炎の隣に座ると覆いかぶる様にして抱きしめた。

「ちょ、ちょっと、司令…」

戸惑いながらも陽炎も素直に抱き返した。提督とここまで近くで触れ合ったことは初めてだ。どこか身体が熱くなってきたのは、きっとシャワーを浴びたばかりではない。
そうして抱き合っていると、顔が近づく。
お互いの唇が触れ合い、吸い合い、舌を絡めるのに時間はかからなかった。

「……ぷ、はっ!」

唇と唇の間に唾液のアーチがかかる。
そんな事を気にしている暇は無かった。最早二人の間に先ほどまでの躊躇いなど無い。心の底に秘めていた感情が爆発し奔流する。体が燃えるようだ。
もう一度深くキスをすると、提督は陽炎をベッドに押し倒した。
海では誰よりも強い彼女はこの瞬間だけはただ肉欲に沈んでいく一人の少女だった。
陽炎はバスローブを脱ぐ。そしてべったりと愛液で濡れた太ももを触り膝を軽く抱える。
察した提督は枕付近からコンドームを取り、付けようとするがーーー


11 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2020/02/15(土) 23:23:49 EJ8wq1Io
「…それ、付けなくていいから。司令、早く…」

性器が触れ合い、蜜が混ざる音を経て挿入されていく。
想像以上の痛み。だがそれを上回る痺れる様な快感が陽炎の全身を包み込んだ。
提督に比べればずっと小さな体で、それでも両足を提督の背中に回して抱きしめる。決して大きいとは言えないが形の整った乳房を舐められ吸われる度に陽炎は喘ぎ声を漏らす。

「司令、司令、司令…!」

一突きごとに愛液が溢れて、初めてが無くなった際に零れた血と混じり合いマーブル色になる。
そして快感の波が最高潮に達した時ーーー

「……あ……っ…まだ……出てる……」

嬌声をあげながら、陽炎は自身の中で暴れ回る生の熱さに身を震わした。最後の一滴まで流し込んで、ようやく提督はそれを引き抜いた。栓が無くなり白濁液が逆流していく感覚をぼんやりとどこか他人事の様に感じながら陽炎は笑顔を浮かべた。

「ありがと、司令。…愛してる」


12 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2020/02/15(土) 23:24:33 EJ8wq1Io

翌日。
提督と陽炎は何事も無かったかのように業務に取り掛かっていた。
近辺の海域で新たな深海棲艦が目撃されたとの情報が入り、地図を広げ、誰を出撃させるべきか作戦を練っていた。

「ぬわわああん、疲れました」
「あ、お帰りなさい不知火。三次会に突入したあげく店で昼まで寝てた人達、回収出来た?」
「はい。これでようやく全員が鎮守府に戻りました。中にはまだ酔いが残っている方もいて大変でしたが」
「…色々と大変だったのね。こっちは司令と二人でやるから不知火は休んでて」

わかりました、と返事をして不知火は提督室のソファに座り込んだ。年季の入ったそれは優しく不知火を受け止める。

「司令はこの子を出撃させるべきだと思ったの?奇遇ね、あたしもよ。なら支援の為に同伴させるべきなのは…」

姉と司令の様子を伺う。どうやらいつもより距離が縮まっている気がした。昨晩、何があったかは不知火の知るところでは無い。
だがあえて酒を多めに飲んだのは正解だったらしい。

「…………ふふ」

あの指に、いつか本物の指輪が嵌る日も遠くないのかもしれない。そうすれば自分は司令の義妹になるのだろうか。不知火はそんな取り止めの無い事をぼおっと考えながら体の力を抜いて、暖かな日が差している窓の外を見た。
春が来るまで、もう少し。


13 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2020/02/15(土) 23:26:24 EJ8wq1Io
以上です
SSを書くのは初めてなので進水日兄貴や海外艦兄貴達の実力の高さをまた一つ確信させたいただきました


14 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2020/02/15(土) 23:36:55 Ukl7CA.E
これは名将不知火


15 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2020/02/15(土) 23:48:21 Adf3k/8.
https://i.imgur.com/aacvYH5.jpg


16 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2020/02/16(日) 00:11:59 orOgJZew
いいゾ〜これ


17 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2020/02/16(日) 07:00:04 yxJXNkQ.
艦これSSもっと増えて…(切実)


18 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2020/02/16(日) 10:21:51 .m8tbJH2
ヴォースゲー…
これでSS初めてとかうせやろ…?


19 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2020/02/16(日) 10:49:46 cErEn.Ek
これで初投稿なんて勲章ですよぉ


20 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2020/02/16(日) 10:57:23 QifwZeX2
やりますねぇ!


21 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2020/02/16(日) 11:08:10 xRtuOnNQ
すばらしい
程よく勃起しました


■掲示板に戻る■ ■過去ログ倉庫一覧■