よもや何も感じていない、などということは無いでしょう？
目の下に出来たクマも、やつれ始めたその頬も、その証拠です。
お疲れ、ですよね？ もはや私のサフランティーでも気休め程度にしかならないほどに……
……ええ、分かっています。
指揮官がホーネット先輩と結ばれたあの日から、エンタープライズ先輩はどこかが……
あの……指揮官は、エンタープライズ先輩には指輪を渡さないのですか？
……「二人目」を選ぶように言われたのでしょう？
そんなに驚かないでください、私は知っているんですよ。
戦力増強のため、ホーネット先輩の他にもケッコンするKAN-SENを選ぶように、という旨が記された通達を受けましたね？
指揮官がこの通達をあえて無視し、秘匿なさったのは……おそらくですが、余計な混乱をふせぐため、でしょうか。
いいえ、咎めているわけではありません、むしろ私も戦略的には賛成します。
上層部のお墨付きを得たと決起する者たちも少なくないでしょうし、ひいてはそれが艦隊風紀の乱れにもつながりますから。
……それになによりも、指揮官がホーネット先輩のことを一途に想っているからこその……
はい、安心してください、この事はまだ誰にも公表していません。
知っているのは私と指揮官だけです。
……今はまだ、ですが。
……脅している、なんて、そんな風に言わないでください。
私も、私だって、あなたを支えたいんです。
このノートと写真を見てください、私がここに着任してからずっと記録し続けた指揮官の軌跡です。まだほんの一部なんですよ？
あなたの喜びも悲しみも全て記録しています、でも、もうこれ以上指揮官の苦しむ表情など収めたくはないんです。
だからこれは私のお願いです。もしも、ホーネット先輩にすら頼れなくなったその時は……私を頼ってください。
件の通達も、私と指揮官で極秘裏に消化してしまえば全てが丸く収まると思いませんか？
何も心配なんていりません、たとえ形だけの関係でも……私は充分に幸せですから。
待っていますからね、指揮官。
その上で行動してそう
絶対、安パイのにくすべさんがいるだろ！
https://i.imgur.com/Y8hz60N.jpg
お前だけが頼りなんだぞ