夕食の準備はできているぞ、ああ、それとも最初にシャワーで汗を流すか？
もちろんどちらでも構わない、ここはあなたと私だけの空間で、二人だけの安らぎの場なのだから。
あなたにくつろいでもらえるなら私は何だってしてあげられる。
戦いだけではない、あなたの苦しみも悲しみも喜びも、全て分かち合える、そういう存在でありたいんだ。
ただ戦うためだけの鉄塊に過ぎなかった私に、あなたは人の身と心と、何かを愛するという尊い感情を教えてくれた。
だから指揮官も、今くらいは私に甘えて……頼ってくれて構わないんだ。それが私の喜びでもあるのだからな。
……えっ、どうしたの？ そ、そんなに私に似合っているのか、このエプロン？
そ、そうか、面と向かって言われると、ちょっと照れてしまうな。
でもあなたがそう言ってくれるなら、本当に嬉しい。
ふふっ、ではこれからは毎日この姿で出迎えてみようかな、なんて。
……あ、こら、急に頭を撫でないでくれ。んっ、駆逐艦の娘たちにやるように……そんな……
でもすごくうれしい、そして愛おしい。こうして直に感じるあなたのぬくもりが。
うん、私もだ、あなたを永遠に愛している。指揮官……
…………おや、ホーネット？ なんだ、見ていたのか。
ならそんなところで呆然としていないで声くらいかけてくれ。びっくりするだろう。
ふふ、どうしたんだ夏バテか？ 顔が青いぞ？
そろそろ指揮官も帰ってくるだろうし、笑顔で迎えてやらねば妻としてよろしくないんじゃないか？
…………大丈夫、心配しないでホーネット、私は何も変わってなどいないから。
今日の戦果も見ただろう？ 演習でも4ヶ月連続で私がMVPだ、指揮官も喜んでくれている。
そうだ、家族を、母港の皆を、そして指揮官を大切に想っている。
それだけで私は戦える。ずっと、ずっとな。
名乗ってないで早く仕事して
指揮官の手腕が問われていますね
ちょっとはかまってあげて