■掲示板に戻る■ ■過去ログ 倉庫一覧■
【SS】高雄「あなたのような素敵な提督でよかったわ♪…っと」
-
高雄(掴みは完璧!これで若い提督ならイチコロ)
高雄(愛宕たちより一足遅い就任になっちゃったけど、妹たちに負けてられないわ)
高雄(あの破竹の勢いで担当海域を広げ、イベント海域でも確かな実績を残す〇〇鎮守府に就任できるなんて…!)
高雄(これは運命の妖精さんが私に微笑んでくれている証拠!)
高雄(ここら始まるのよ。重巡洋艦高雄の出世街道は!)
高雄(そしてあわよくば艦娘の憧れ、実績のある提督とのケッコンカッコカリの玉の輿ロード…!!)
トントントン ガチャッ
高雄「失礼します。こんにちは、高雄です。貴方のような素敵な提督でよか…」
ショタ提督「わぁ、重巡の方が来てくれたんですね!」
高雄「…え?」
ショタ提督「た、高雄さん、これからよろしくお願いします!」
高雄「あ、あなたがこの鎮守府の司令官?」
ショタ提督「はい!」
高雄「……お、お若いんですね〜」
-
-――‐-
/ ....-===-.... 、
/ /:/:./:.:. /:.:.:.:.:.\ \ ./
./ /:.:./ : |:.:.:.:|:.:.:∧:.:.:. \. ∨
〈 /:.:./:.厂!:.:.: |:.:.:| ∧:.:.:.:.∧/
_/ 7:.:.i|:.:i| |:.:.:.:|:.:.:| :.: |:. |:.:.:.:i
 ̄|/i|:.:.:.|:.:.厂∨:∧:.:「∨|И:.:.: |,
∧:.:.:|ィf芋ミ.\:.:〉ィf芋ミ.|:.:.:.:j∧
|:∧:.《 乂ソ 乂ソ 》:.:./}:.:.i
圦∧:.:、" i "/:. イ,ノ:.:.|
V:.:.个r ゝ /个:./:.:.: ′
∨∧:...、 ` ´ ..イ:./:.:.:./
_r‐ュ__ ∨∧:个s。.__.。s个:|/:. /
{ ∨ / 「 \_ノ__人{\^r‐f⌒/}:∧/____,斗くL_
.八 ′ .j ^ヾ/ / j∧_{:#:}_∧{ \/^V ,マ }
\_ ) \,/ ∨ j{ ∨ 、 /V ノ
_/ く__ノ}/ > / { ∨ く `〈 _∠_
/ / ./ / ん`ヽ_/⌒∨ \ 、/ V∧
./ / / / ̄/⌒ヽ x==ミ ∨ ̄ V V∧
ア^\__j′ ′ `¨⌒ <ヽ} ', ′ _厂 〉
ヽえs。.,__] i{  ̄7 }! .厂 ̄ ,/、
/⌒ー圦 ', / / .ん厂 ̄r J^
i{ \ ゚。 / / イ「⌒ー ´ ',
∧ 圦≧=-- -‐个ー- -=≦ 八. }
/ ∧ ∧ }! ◇ }! i{ 〈 ′
/ \_/ {\}! }! i{ ∧ /
.〉 .}! .}! j{. 〈. \__,/
/ /^\ ◇}! 《 ∧ /
※注意です
・複数の鎮守府を跨いだ話になります。
・↑にも関わらず同じ艦娘は一隻しかいない世界観です
・上記二点のせいで姉妹艦と別の鎮守府に配属されて離れ離れになってしまう艦娘も存在します
-
ショタ提督「…あ…ご、ごめんなさい、こんな散らかった執務室で…。」
高雄「いえ散らかってなんて…とても物が少ない…段ボールしかないし…」
ショタ提督「ごめんなさい、早速ですけど…お仕事の話しても大丈夫ですか?」
高雄「は、はい…」
ショタ提督「今うちで受け持ってる担当海域がここからここまでなんですけど…」
高雄「これはこれは…随分とコンパクトな海域で…」
…
高雄「ええとつまり、〇〇鎮守府の快進撃の結果、この近辺海域を支配していた深海棲姫達を撃破、撤退させることに成功」
高雄「提督はあらたな戦火を求めて重要拠点に指揮下の艦娘を連れ異動。〇〇鎮守府は役目を終えて数か月前に解体…」
高雄「…しかけていたところを野良状態の深海棲艦の活動が確認されたため、急募の司令官の下で継続され、現在に至る…」
大淀「納得していただけましたか?」
高雄「できませんよ」
-
大淀「ご不満な点でも?」
高雄「それは…その…ここ、本当に野良の深海棲艦しか出ないんですか?」
大淀「今のところ棲姫の類は確認されてませんね。残党は結構な数がいるので平和とまでは言いませんが、重要な任務についてはからっきしです。」
高雄「要するに…閑職ということですか?」
大淀「身も蓋もない言い方をすればそうなります。」
高雄「ええと…あ、そうだ!あの提督、とても若かったようですが、ひょっとしてかなりの上流階級出身とか……」
大淀「いえ、全く。艦娘適正があるだけの少年です」
高雄「か、艦娘適正とは?」
大淀「艦娘と長らく接するには適性が必要でして…まぁミディクロリアンが一定以上多く含まれてたら誰でも強制的にジェダイの騎士として訓練を受けるようなものとお考え下さい」
高雄「は、はぁ…」
大淀「まぁそんなわけで彼には実績らしい実績もありません。最近は提督の低年齢化が激しいんです」
高雄「そ、それはそれとして提督が10代前半だなんてすごいことじゃないですか!彼もすごい…」
大淀「〜〜鎮守府なんて提督が10代後半で大将に昇格したんですよ?それ比べれば我々の新米中佐なんてとてもとても…」
-
なんか始まってる!
-
高雄「は、はぁ…」
大淀「……ストレートに言わせてもらいますと、出世も玉の輿も望めません。諦めてください」
高雄「……」
……
ショタ提督「皆さんお疲れ様でした!高雄さんもありがとうございます。急いで入渠してきてくださいね」
高雄「いえ、こんな掠り傷で入渠なんてしてたら任務に支障が…」
ショタ提督「ダメです。高雄さんは数少ない重巡洋艦なんですから、何かあったら大変です」
高雄「…わかりました」
…入渠中…
高雄(いるのは遠征中の駆逐艦と少しばかりの軽巡洋艦。重巡洋艦は私だけ。戦艦はなし……)
高雄(中破しようものなら即撤退。小破で帰れば即入渠)
高雄(就任して一週間目、任務を達成し損ね資材を逃していく日々…)
高雄「…このままじゃダメよ!!」バシャッ
由良「わあっ」←一緒に入渠中
高雄「あ、す、すみません」
-
高雄(若くして司令官になったすごいエリートかもしれない、とか思ったけど大淀さんの言う通り本当にただの子供じゃないの!)
高雄(今頃愛宕たちが他の大規模な鎮守府で大活躍してる中、長女の私がこれなんて許せるわけがない!!)
高雄(私自身がなんとかしなきゃ!この左遷先もいい所な鎮守府をなんとかしないと出世なんて到底望めない!!)
由良(なんかすごく複雑な顔してるけどちゃんと修理できてるのかな…)
……
高雄「というわけで提督、あなたには意識改革が必要です」
ショタ提督「意識改革?高雄さん、何を言って……」
高雄「まずその丁寧語をやめてください!」
ショタ提督「えぇ!?」
高雄「就任して日が浅い私が言うのもなんですが、提督の丁寧語はどう見ても他人への敬意ではなく恐れから来ています」
高雄「もっと自信をもって堂々と構えてください!」
ショタ提督「そ、そんなつもりはないんですけど…」
-
高雄「…本当にそんなつもりはないのならもっと胸を張ってそうじゃないと言い切ってください」
ショタ提督「うっ…」
高雄「わかりましたか?これからは全ての艦を呼び捨てにしてください」
ショタ提督「わかりまし…」
高雄「わ・か・り・ま・し・た・か?」
ショタ提督「わ、わかった!これからは皆を呼び捨てにするよ」
高雄「それでいいんです」
ショタ提督「じゃあ出撃の話なんですけ…なんだけど、高雄さ…高雄、これから話良いかな?」
高雄「はい、了解いたしました」
……
高雄「ですからこうすればこの任務とこの任務は並行して行えるんです」
ショタ提督「あー、ほんとだ」
高雄「全く…今まで一個一個処理していたんですか?」
ショタ提督「ごめんなさい…じゃなかった、ごめん、あんまり効率とか考えてなかった」
-
高雄「徹底的な効率至上主義になれとは言いません。そこに固執しすぎると逆に非効率になります」
高雄「ただ『あれやっておくと少しお得だな』っていうのをいくつか把握するだけでもずいぶん変わるものです」
ショタ提督「うん、これから色々と考えてみるよ」
……
高雄(…別に提督をだましているわけじゃない。この鎮守府を盛り立てたいのは事実)
高雄(でもこの出世の望みがたい鎮守府に骨を埋めたいわけでもない)
高雄(この大した敵もいない鎮守府に所属するのは軽巡と駆逐艦ばかりでいずれも低練度)
高雄(一定以上の火力が望めるのは私と、最近入ってくれた飛鷹さんのみ。戦艦や正規空母が配属される可能性は著しく低い…)
高雄(要するにこの鎮守府の主力は私!主力になれば仕事が増え、必然的に高練度になっていく!)
高雄(そして練度を上げ続ければ大本営から『彼女はあの鎮守府に置くには役不足(誤用でない)』と栄転の話も出てくるはず)
高雄(よくよく考えたら、規模の大きい鎮守府に私みたいな改二の設計のない重巡洋艦がいきなり入ったところで頭角を現すのはかなり難しいもの)
-
高雄のSS流行れ兄貴のSSすき
-
高雄(ここで実績を作って注目され、練度をあげて激戦区に相応しい実力を身に着けることこそが出世への最短ルートよ!)
高雄(急がば回れ!遠回りこそが近道!そのためにまずこの鎮守府の担当海域を広げて、少しでもいいからレベルの高い実戦を積む!)
高雄(ここをステップアップの踏み台にして重巡洋艦高雄はさらに…!!)
潮「高雄さん、前!前!」
高雄「えっ?きゃあっ!!」
ドーン
…
ショタ提督「た、高雄…大丈夫?」
高雄「ふぅ…提督、私の活躍、見てくれましたか?」
ショタ提督「ほ、ほんとに何でもないんだよね?高雄とか他の艦も大破してたけど大丈夫なんだよね!?」
高雄「御覧の通り無傷です。演習なんですよ?心配する必要ありません。」
ショタ提督「よかった…皆無事だったんだ…」
高雄「いつも妙に演習頻度が少ないなぁ、と思っていたら……」
-
ショタ提督「ごめんなさ…ごめん。皆が負けるのを見るのが怖くて…」
高雄「馬鹿めと言って差し上げます!他の鎮守府が胸を貸してくださるいい機会なんですから、演習にはガンガン参加してガンガン負けるべきです。」
ショタ提督「わ、わかった。今度からは…怖いけどケッコン艦がずらっと並んでる所にもお願いしてみるよ…ちょっと怖いけど。」
高雄「潮さん…本当にこの調子で今までやってきたんですか?」
潮「はい。皆、心配しなくて大丈夫だよー…って言おうとしたんですけど、提督が演習の時はいつもおどおどしてて声かけづらくて…」
高雄「今までどれだけの経験値を無駄にしてきたのかしら」
-
…
高雄「それで申し訳ありません。これから私と飛鷹さん、二隻とも入渠なので出撃は控えた方が…」
ショタ提督「あ、それなら大丈夫。もう編成一覧をまとめてあるんだ。」
高雄「あら、珍しい編成ですね。」
ショタ提督「高雄が来る前はこんな感じで出撃も遠征もやってたからね。」
ショタ提督「……キラ付けしたり、ちゃんと編成登録をするようになったのは高雄が来てからだけど。」
高雄「素晴らしいことじゃないですか…ところで提督?」
ショタ提督「何?」
高雄「なぜさっきから目をそらすのでしょうか?」
ショタ提督「……」
高雄「提督?」
ショタ提督「は、早く入渠行ってきてよ////」
高雄「あっ…」←中破
-
…
高雄「さて、では提督、明日の遠征についてのご相談なんですが…あら?」
ショタ提督「zzz…」
高雄「書類下敷きにして眠ってる…全く、机に突っ伏したままだと風邪ひきますよ?」
ショタ提督「zzz…」
高雄(まぁ疲れるのも当然よね。辺鄙な所ではあるけど、司令官の任を背負って毎日頑張ってるわけだし)
高雄「でもそれとこれとは話が別です。こんなところで寝られたら困ります。」
高雄「ええと、布団はここらへんに…あったあった。この執務室もようやく物が揃ってきたわね」
高雄「よっこいしょっと」
ショタ提督「んぅ……」
高雄「おやすみなさい。提督」
-
高雄(さて、脱がせたジャケットを畳んでおいて…ってもう、仕方ないわね)
大淀「失礼します。本部から…高雄さん?何をしてらっしゃるんですか?」
高雄「提督のジャケットの裾ボタンがダメになりそうだったので繕ってます」チクチク
大淀「へぇ……」
高雄「どうかされました?」チクチク
大淀「高雄さんはもう出世の道は諦めたんですか?」
チクッ
高雄「あいた!」
大淀「大丈夫ですか?」
高雄「だ、大丈夫ですけどいきなり何の話ですか!?」
-
大淀「なんというか高雄さんって、この鎮守府のために凄く頑張ってるじゃないですか」
高雄「えーと…言ってる意味がよくわかりませんが…自分の鎮守府のために頑張るのは当然でしょう?大淀さんだって頑張ってますし」
大淀「それはそうですが高雄さんも他の……この話はいいか」
高雄「?」
大淀「ええと、この鎮守府が出来てからそう長い時間が経ったわけではないんですが、高雄さんのような大型艦でこんなにも長くここに定着してる方は初めて見ました」
大淀「単純に非重要拠点で惰性的に最低限の仕事で済ませたいタイプの方なのかな、と思いました」
大淀「それどころか艦としての仕事は勿論のこと、執務にまで携わって全面的に提督をサポートするその意欲。なかなか見られたものではありません」
高雄「それは…ありがとうございます」
大淀「これはもう出世コース諦めてこの鎮守府に骨をうずめる覚悟なのかな、と思った次第です」
高雄「何も完全に出世をあきらめた、という話ではありません」
大淀「へぇ」
-
高雄「確かに重要な拠点とは言い難い所ではありますが、働きを認めてもらえれば大本営もここの見方を変えるはずです」
高雄「そのために私なりにやれることはやっておきたいんです」
大淀「ご立派ですね」
高雄「この鎮守府の為になることが私の為にもなりますからね」
大淀「では、今後ともよろしくお願いいたします。提督への報告は明日に回します。では」
ガチャ バタン
高雄「……ふぅ、ちょっとびっくりした。」
高雄「さて、ボタンも付け直したし、今日は休んでもらいましょう」
ショタ提督「んう……」ゴロン
高雄「あら、起きてますか?」
ショタ提督「むにゃむにゃ…」
高雄「…寝てるか」
-
高雄(もちろんこの鎮守府を一方的に利用するだけ利用してポイなんて真似はしないわ)
高雄(正直この子、提督としてはまだかなり頼りないから、サポートは必要だし…)
高雄(大きな戦果は望めないにしても、この子が一人前になれたらこの鎮守府もしっかりやっていけるはず)
高雄(私はこの鎮守府のおかげで出世ができ、この鎮守府は私のおかげで発展する。まさにwin-win)
ショタ提督「zzz」
高雄「可愛い顔で寝ちゃって……これからもよろしくお願いしますね。提督。」
…7時間後
ショタ提督「――…んっ…あれ?」
ショタ提督「あ…そうか……昨日、仕事しながら執務室で寝ちゃって…その後…」
ショタ提督「その後…なんでちゃんと布団で寝てるんだろう?…って!?」
高雄「zzzz」
ショタ提督(高雄!?なんで僕の布団で寝てんの!?)
-
ガッチリ
高雄「zzzz」
ショタ提督(あ、足を足でホールドされてる…抜け出せない…)
ムニュン
ショタ提督(当たってる!やわらか!やわらかっ!ってそうじゃない!…は、早くなんとかしないと!)
高雄「zzz」
ムニムニ
ショタ提督(うぅ…ああもう!)
ショタ提督「た、たかっ……!」
潮「失礼します、提督。あの…今日予定されてた遠征の件で……ひゃああああ、ご、ごめんなさい!!」
ショタ提督「なっ、ちょっ、違っ!」
-
高雄「ん…あれ?…ていとく……?」
ショタ提督「あ、た、高雄!?」
高雄「おはようございます…もう…ダメですよあんな遅くまで……付き合う私の身にも…」
潮「お、遅くまで突き合う!?」
ショタ提督「違うってばああああ!」
…
由良「では三人とも反省しましたか?」
潮「ええと…そ、その…変な勘違いで大騒ぎしてごめんなさい!」
ショタ提督「ちゃんと仕事終わらせないで騒ぎの元作ってごめんなさい!」
高雄「え…えーと…」
由良「はい、高雄さんもですよ、ね?」
-
高雄「だから、その…えと…えーと…やましいこと考えてごめんなさい!」
ショタ提督「!?」
由良「はい、高雄さんもいくら提督さんが可愛いからって悪戯しちゃダメですよ」
高雄「えっ!?あ、ち、違うんですいや、そ、そういう意味ではなく…」
由良「わかりましたか?」
高雄「…ごめんなさい」
由良「三人とも謝ったことですし、今日も一日頑張りましょう。ね」
潮「が、がんばりましょう!」オー
ショタ提督「が、がんばろー」
高雄「がんばりましょう」
高雄(提督の前にまず私が一人前にならなきゃダメね…)
-
……
高雄「……」ペラペラ
ショタ提督「ど、どうかな…」
高雄「すごいじゃないですか。うちの厳しい台所事情と必要最低限の火力の両方に配慮できてますね!」
ショタ提督「やった!」
高雄「この計画書通りに進めば、上に働きが認められて担当海域拡張が見込めるかも!」
ショタ提督「え?本当に?それってつまり僕たちでも大きな任務を任せられるかもしれないってこと!?」
高雄「提督の階級も上がるかもしれません!」
ショタ提督「昇進か…ほんとに僕が昇進なんかできるの?ど、どうしよう、ドキドキしてきた…」
高雄「こらこら、まだ捕らぬ狸の皮算用ですよ。まずはこの作戦を成功させるために資材と戦力を整えないと」
ショタ提督「……資材かぁ」
高雄「駆逐艦の皆さん、遠征頼みたくても中々入渠が終わりませんね」
-
ショタ提督「戦力足りないからって無理に出撃させるんじゃなかった…」
高雄「気長に待つしかありません。待ってればある程度は妖精さんが資材補充してくれますし」
ショタ提督「……」
高雄「えーと…お茶淹れますね」
ショタ提督「……ありがとう」
高雄「そうだ、この前買ったおいしいお茶菓子があるんですよ。提督好みの甘い餡子の入ったどら焼きなんですが……」
ショタ提督「!」
高雄「ふふ、ちょっと待っててくださいね?」
ショタ提督「…!」コクコク
高雄(こういうところは年相応よね〜)ニコニコ
-
……
高雄「まずは宴会前の前祝として乾杯です!サイダーですけど。」
ショタ提督「か、乾杯…」カチャン
高雄「入念な準備を繰り返した甲斐がありましたね!うちの少ない艦数でもやろうと思えばやれるものです!」
ショタ提督「その準備も半分くらいは高雄がやってくれたわけだし…」ソワソワ
高雄「謙遜しすぎです。私はあくまでも見直しとアドバイスをやっただけ」
ショタ提督「でもそのアドバイスのおかげだよ?」
高雄「それを元にしたとはいえ、艦の手配、装備強化、資材確保、諸々は全て提督がなさったことじゃないですか」
ショタ提督「そうだけど…」
高雄「提督は成長されてます。一年前、私がここに就任したばかりの頃よりずっと仕事ができるようになりました。」
ショタ提督「そっかな。高雄が言ってくれるっていうならそうなのかも」
高雄「やはり軍人たるもの戦果を挙げてナンボのものです!このまま功績を認めて頂き、より多くの任務を承って、艦の練度をあげて…!」
ショタ提督「ありがとうね、高雄」
-
高雄「いえいえ、先ほど言ったように今回の件は提督自身の…」
ショタ提督「今回のことだけじゃないよ。今までのこと全部だよ。」
高雄「今まで?」
ショタ提督「僕みたいな頼りない司令官のこと、見捨てずにいてくれてありがと」
高雄「そんな見捨てるだなんて…」
ショタ提督「僕さ、こんなところの鎮守府に、こんな年で配属されたから、色々と諦めてたんだと思う。無意識のうちに」
ショタ提督「でも高雄のおかげで成長できた気がするんだ。本当にありがとう」
高雄「は、はぁ…」
ショタ提督「僕、高雄みたいにやれるだけのことをやってみるよ。一緒に頑張ろうね」
ズキン
高雄「…っ」
ショタ提督「どうかした?」
高雄「……ええ、一緒に頑張りましょう!提督。」
ショタ提督「うん!」
-
……
高雄「……」
飛鷹「?」
高雄「……」
飛鷹「どうしたの高雄?」
高雄「……」
高雄「……あ、飛鷹さん。おはようございます」
飛鷹「えらくタイムラグあったわね。秘書艦がこんなところでのんびりしてていいの?」
高雄「あ、今日は秘書艦じゃなくって…出撃もないみたいなので少し持て余してる所です」
飛鷹「え?それ大丈夫なの?」
高雄「大丈夫なの…ってどういうことです?」
飛鷹「ちょっときつい言い方すると、提督って少し高雄におんぶにだっこな印象あるから」
高雄「な!?」
飛鷹「他の艦にいきなり任せたらちょっとズレちゃうんじゃないかなって――」
-
高雄「ご、誤解しないでください!提督は一人でも十分やれてます!!」グイッ
飛鷹「っ!?」
高雄「あ、十分というとちょっと語弊があるかもしれません確かにまだ書類の誤字脱字もなくならないしうっかり任務の報告を放置したりホウレンソウの徹底を怠って入渠の順番間違えて長期間出撃できなくなったり等のミスがあるにはありますが、それでも提督はあの御歳でできることとしては十分すぎるほど頑張ってらっしゃいますしそのミスの頻度も大分減ってますので決して私におんぶにだっこなどという情けないさまではありませんし何より私はおんぶだっこするほど大それたことはして――」
飛鷹「わ、わかったからわかったから!顔近いわよ!」
高雄「あ…ゴ、ゴメンナサイ…」
飛鷹「こっちこそごめんなさいね。そもそも提督だって高雄が来る前から頑張ってここを切り盛りしてんだし、失礼よね。反省するわ」
高雄「……飛鷹さんはなぜこの鎮守府にとどまってらっしゃるんですか?」
飛鷹「どういう意味?」
高雄「単純にこの落ち着いた戦線が好みだというのならそれで終わる話です」
高雄「でも飛鷹さんほどの方ならもっと名をあげられる鎮守府に…例えばそう、隼鷹さんがいらっしゃる所に移ることもできたんじゃないかな、と思って」
飛鷹「うーん…昔はどうだったかしらないけど、別に今のこの鎮守府に不満はないわ」
-
飛鷹「隼鷹とも連絡取れてるし、特にどこかに移りたい、とは思わないわね」
高雄「出世には興味ないと?」
飛鷹「そういう言い方をされると…でも、確かにあんまり興味ないのかも」
飛鷹「元々訳ありで軽空母になったわけだし、与えられた任務をちゃんとこなす、っていう艦娘の第一原則さえ守れればそれでいいわ」
飛鷹「その働きが認められて出世できるならそれでよし、出世の余地がなくても鎮守府のために尽くせてる、という実感さえあればそれでよし」
飛鷹「ま、こだわりがないと言えばそうなのかもしれないけど、変に気負わずやっていける自分に満足できてるわ」
高雄「そう…ですか……」
飛鷹「そう考えると高雄ってすごいわよね。あんなに出撃と関係ない仕事までグイグイするなんて。本当に献身的で。」
高雄「いえ、私そんな殊勝なことは…」
飛鷹「だって今回の艦隊編成数増加の件も高雄のおかげだって提督が…」
高雄「編成できる艦隊数が増えるんですか!?」
飛鷹「え、えぇ昨日提督がそう言ってたけど…随分うれしそうね」
高雄「うれしくもなりますよ!これで出撃も遠征も思うがままです!もう爪に火を点しながら資材の回復を待たなくてもいいんです!」
-
飛鷹「へ、へぇ〜…というか、提督から聞いてないの?」
高雄「全くですよ!こうしてはいられません。早いところ遠征計画表まとめて、出撃する艦の方々に声かけて、それから、それから……!」
高雄「すみません、執務室に行ってきます!!」
ダッ
飛鷹「行ってらっしゃ……楽しそうね、ほんと。」
…
高雄「提督!なんでこんな素晴らしいニュースを黙ってたんですか!」
ショタ提督「あ、高雄、はいこれ。」
高雄「え?何の書類で…出向手続き?」
大淀「高雄さん、こちらの〇〇鎮守府に2か月間出向していただくことになりました」
高雄「え…」
ショタ提督「前にこの戦線を担当してた提督がいる所。すっごい大きな鎮守府だよ」
-
高雄「…私が?」
大淀「高雄さんだと知り合いは…あぁ、そういえば姉妹艦の愛宕さんが所属してらっしゃいますね」
高雄「私が…愛宕の所に…」
ショタ提督「高雄ならあそこでも十分やれるよ。っていうかうちで通用しそうなのが練度的に高雄くらいしかいないんだけどね。」
高雄「出向…私が…出向?」
ショタ提督「でっかい職場でも頑張ってね高雄。高雄はうちの鎮守府の誇りだよ」
高雄「……出向…私が…出向…?」
…出向先…
青年提督「え、えーと…じゃあ愛宕、お姉さんのことよろしくね?なんか疲れてるみたいだし…」
愛宕「はいはーい♪任せてください。」
高雄「……」
愛宕「ってほら、しゃきっとしなさいよ。」
高雄「…はーい」ムスー
愛宕「なんでそんなブーたれてるのよ?らしくないわね」
-
高雄「だって…なんで私が出向なんて…」
愛宕「え?そんなにうちに来るの嫌だった?上から目線みたいで申し訳ないけど、ここの戦線はいい経験になると思うわよ〜」
高雄「どこが嫌だ、とかじゃなくて、これから新しい艦隊組んでいろいろできるって時に来たくなかったのよ」
愛宕「新しい艦隊?へぇ〜小規模な鎮守府なって聞いたけど結構拡大してるのね」
高雄「これから提督と遠征計画考えて、資材消費ペース計算して、編成例一覧作ったりして、あとそれから……」
愛宕「……」
高雄「どうしたの?」
愛宕「いや、頑張ってるんだなぁ…って思って」
高雄「?」
……
高雄「さ、作戦完了しました」
青年提督「おお高雄さん、無事に帰ってきてくれてよかったよ」
-
高雄「い、いえ、うちの鎮守府の代表として恥ずかしい姿をお見せできませんわ」
加賀「このレベル差でよく頑張ってくれましたね。初出動ありがとうございます」
高雄「こちらこそありがとうございます」
青年提督「君を沈めようものなら若い後任に末代まで祟られちゃうからね。頑張ってくれよ」
高雄「は、はい、頑張ります」
高雄(話には聞いてたけど、一歩鎮守府から出ると本当にハードな戦線なのね…)
…
高雄「や、やっと1週間が終わった。」
愛宕「お疲れ様〜。やっぱ他所だと勝手が違って疲れちゃう?」
高雄「勝手というよりそもそもうちが担当してる戦線と戦ってる相手とレベルが全然違うのよ」
愛宕「へへーん、私も激戦区で結構頑張ってるんだから!」
高雄「うぅ…妹ととのレベル差が悲しい…なんで私なんかがこんな戦線に…」
愛宕「なんでもそっちの可愛らしい提督さんからのお願いだったらしいわよ?」
-
高雄「提督が?どうして?」
愛宕「同じ鎮守府の後任っていうことで色々とコネみたいなのはあったらしいけど理由までは…また近々大きな任務に挑むんじゃないかしら。」
高雄「大きな任務?ならなんで私を他所に出すのよ。私これでもうちのエースなのよ?…戦艦とか正規空母とか来てくれないからだけど」
愛宕「そのエースには他所で厳しい戦いを積んで成長してもらう。そしてエース抜きでも戦えるように残ってる戦力を鍛え、補充する」
愛宕「そうやって鎮守府全体のレベルを上げてでっかい任務にどーんと行きたいんじゃないかしら?」
高雄「偉く単純な話だけど…まぁ筋は通ってるわね」
愛宕「あの提督に本当に期待されてるのね、高雄って。これはまさか愛が芽生えちゃう?」
高雄「は、はぁっ!?何言ってるのよ!?」
愛宕「ふふ、じゃあ、明日からも頑張ってね!」
-
…
加賀「先ほどは危なかったですね。なんとか被弾を免れてよかったです。」
高雄「愚妹の世迷言のせいで集中力が乱れてました…申し訳ありません。」
加賀「被弾してもお気になさらずに。バケツがありますので」
高雄「いえ、そんな、他所から働かせていただいてるのにバケツなんて…」
加賀「…秘密にすることでもないので言ってしまいますが、実はそちらの鎮守府から高雄さん用に、ということでいくらかバケツを頂いてます」
高雄「うちの鎮守府からですか?そんな余裕がどこから出たのかしら…」
加賀「それだけ高雄さんにこちらで頑張ってほしいということなのでしょうね。」
高雄「くっ、うちの資材が掛かってる以上ますます余計な被弾が出来なくなってしまいました!」
加賀(…中々いい性格してるなぁこの人も)
-
…
愛宕「なんだかんだ言っても大分レベル上がってきたわね。流石私の姉」
高雄「……」
愛宕「これでそっちのかわいい提督くんも喜んでくれるんじゃない?まぁ高雄がいつまであっちにいるかはわかんないけど。」
高雄「……」
愛宕「聞いてる?」
高雄「……あ、ごめんなさい。」
愛宕「最近戦ってるとき以外いつもぼーっとしてない?ホームシック?」
高雄「な、何言ってるの!別に提督に早く会いたいだなんて一言も言ってないわよ!」
愛宕(そんなことこっちも言ってないわよ、ってツッコむとめんどくさいから黙ってよ)
高雄「ただこんなに長く鎮守府を空けたことなかったから少し不安なだけよ」
愛宕「へぇ〜何が不安なの?」
高雄「ちゃんと提督がきちっとした作戦建てられてるかとか、新しく入った艦と上手くやれてるかとか、資材を無駄遣いしてないかとか、私の代わりにやってる秘書艦に怒られてないかとか、ちゃんと朝起きられてるかとか、歯磨きは朝食の前にも忘れずにやってるかとか…」
愛宕(ツッコむとめんどくさいから黙ってよ)
-
…
高雄「こちら私たちの鎮守府が扱ってる遠征日程まとめです」
青年提督「随分と子細にまとめてあるんだね」
加賀「うちもこういう所ちゃんとすべきかもしれませんね」
高雄「我々の場合、送り出せる艦の数が限られてますので、まずは資材集めのための資材集めから始めて……」
愛宕「出撃関係ない所まで頑張ってるわね〜」
天龍「頑張ってるっちゃ頑張ってるけど、なんつーか仕事に打ち込んで面倒なこと忘れようとしてるように見えるなアレ」
愛宕「…わかる?」
天龍「まぁわりと」
…
高雄「…」ソワソワ ソワソワ
加賀「……」
高雄「…」ソワソワ ソワソワ
加賀「というわけで高雄さん、本日で出向は終了です。ありがとうございました」
-
青年提督「お疲れ様。うちで学んだことをそっちで活かして頑張ってね」
高雄「はい!本当にお世話になりました!皆さん本当に親切で素晴らしい方々ばかりで大変ありがたい経験でした。これで終わりなのが残念でなりません!」
愛宕(なら少しは名残惜しそうにしなさいよ、ってツッコむとめんどくさいからry)
加賀「……ま、これで終わりかはわかりませんが、ひとまずさようならです。ありがとうございました」
高雄「?」
……
高雄「すー…はー…すー…はー…」
高雄(ふぅ…いったん深呼吸して…変に浮ついた様子を見せるわけにはいかないわ)
高雄(激戦区を超えて一回りも二回りも大きくなった重巡洋艦高雄を見せてあげるんだから)
高雄(そして提督からの評価を高めて…その評価が大本営に伝わって…そして…そして…!)
高雄(……そして?)
高雄(…そして……どうするんだっけ?)
-
ショタ提督「お帰り高雄」
高雄「……!!」ドキン
高雄「お、お久しぶりです。ただいま帰りましたていと…」
明石「おかえりなさい高雄さん」
高雄「あら?アイテム屋さん?」
鹿島「お待ちしてました」
高雄(え?誰?)
…
ショタ提督「ってことで、高雄がいない間に新しく入ってくれた明石と鹿島だよ」
明石「工作艦としては初めましてですね!今後ともお世話になります!工作艦の明石です」
鹿島「練習艦の鹿島です。演習の際にはぜひお声かけくださいね」
高雄「は、はい、重巡洋艦の高雄です。よろしくお願いします」
-
鹿島「それにしても高雄さん…この鎮守府内だと本当にレベルが頭一つ抜けてますね…」
ショタ提督「出向前からうちの主力だったからね。激戦区を経験してますます磨きがかかってるよ」
明石「戦艦も正規空母も配属されないこの鎮守府の生命線でしたからね〜」
鹿島「それにしてもこの方が高雄さんですか…なるほどなるほど…」ニヤリ
高雄「……?」
鹿島「提督さんったらもう♪隅に置けないんですね♪」ツンツン
ショタ提督「あうっ!ちょっ、鹿島?それどういう意味!?」
明石「どういう意味ってそりゃそういう意味ですよ〜♪」ツンツン
ショタ提督「ちょ、ちょっとやめてよ二人とも!くすぐったいって!」
高雄「……」
鹿島「だってこんな立派な大人のお姉さんに手取り足取り仕事教えてもらったんでしょう?」コチョコチョ
明石「だから言ったでしょう鹿島さん。提督も立派な男の子なんです♪」コチョコチョ
-
ショタ提督「だぁ、や、やめっち、違っ、そんなんじゃないってばぁ////」
高雄「……フフ」
ショタ提督「へ?た、高雄?」
高雄「安心しました。」
高雄「私がいなくても艦の皆さんと仲良くできているようですね」
ショタ提督「た、高雄!見てないで止めてよ!!」
高雄「いえいえそんなお邪魔するなんてもったいない」
鹿島「あ、でも…」
高雄「では私、久しぶりに自分の宿舎の部屋に戻りますね。後は3人でごゆっくり」ペコリ
明石「え、あ、ちょっと高雄さん?」
ショタ提督「あ、た、高雄!?」
-
鹿島…あっ(察し
-
…
高雄「……」スタスタ
潮「高雄さん、おかえりなさい!お元気でしt…」
高雄「……」スタスタ
潮「……!」ビクッ
高雄「…あ、潮さん。お久しぶりです。明日からまた一緒に頑張りましょうね」
潮「は、はい…」
高雄「お疲れさまでした。では失礼します」ペコリ
スタスタ
潮「な…何、今の顔…?」ブルブル
-
…翌日…
高雄「作戦完了です」
鹿島「お疲れさまでした〜。それにしても高雄さん素晴らしいご活躍でしたね」
高雄「いえ、別に何も気にしてませんので」
鹿島「ん?何の話です?」
高雄「……独り言です」
鹿島「しかしあの獅子奮迅の活躍っぷり…提督さんが自慢するのも納得ですね」
高雄「自慢…ですか。どのように?」
鹿島「それはもう『今はいないけど高雄さんは強い!優しい!高雄さんは頼りになる!高雄さんがいればもっと…!』と口癖のように言ってましたよ」
高雄「あ…あら、全く…」
鹿島「どうしました?急に下向いたりして」
高雄「い、いえ…他の艦の皆さんがいる前で何を言ってるのやら…恥ずかしいですわね」
-
鹿島「昨日の提督さん、高雄さんが帰ってきても落ち着いてるように見えたでしょう?」
高雄「そ、そうでしたね。まぁもうちょっとくらい喜んでも罰は当たらないと思いますが、どんな時でも胸を張れ、と言ったのは私ですので…」
鹿島「こっそり覗いちゃったんですけど、あれ、練習してたんですよ」
高雄「練習?」
鹿島「昨日の高雄さんをお出迎えする挨拶ですよ。執務室で原稿読みながら高雄さんお出迎えする練習を何度もやってたんです」
高雄「へ、へー…」
鹿島「きっと高雄さん相手に落ち着いたところを見せたかったんですね。お若いのにいじらしい所あるじゃないですか」
高雄「そう…なんですね…そうですね…」
鹿島「どうしました?急に顔押さえたりして」
高雄「い、いえ、少し用事を思い出しました。失礼しますね」
鹿島「はい♪」
-
…
高雄「……」スタスタ
由良「あ、高雄さん、演習お疲れさまでした」
高雄「……」スタスタ
由良「ん?」
高雄「…あ、ゆ、潮さん。お久しぶりです。あ、明日から…また一緒に頑張りましょう!」
由良「はい」
高雄「で、では失礼します…!」
スタタタタ
由良「…何かいいことあったのかな?」
スタタタタ
タッタッタッタッタ
高雄「〜〜〜〜〜////」
-
……
高雄「……」
ショタ提督「今日もお疲れ様。やっぱり高雄がお手伝いしてくれると仕事もはかどるね」
高雄「私がいない間大変でした?」
ショタ提督「んー、ちょっとだけ。でも最近は皆もお手伝いしてくれるからそんなでもないかな」
高雄「へぇ…」
高雄「……あの、提督?」
ショタ提督「ん?なぁに?」
高雄「私がいなかった間、少しだけ大変だった、というのなら少しだけ埋め合わせさせていただけませんか?」
ショタ提督「埋め合わせ?」
高雄「次の休み…もしよろしければ、一緒に映画でも見に行きません?ちょうどいい息抜きになるかと」
ショタ提督「へ?」
高雄「……」
ショタ提督「……」
-
高雄「……」
高雄「…////」
高雄「ご、ご迷惑でしたら無理にとは言いませんわ!ただ提督もたまには遊びに行く余裕くらいあった方がいいかなぁと!」
ショタ提督「あ、いやいや、迷惑なんかじゃないよ。うん、今度一緒に出掛けようか」
高雄「あ、ありがとうございます」
ショタ提督「えへへ、こういうの初めてだからなんかうれしいなぁ」
ショタ提督「……」
高雄「…?」
……
高雄(というようなことがあってから早3ヵ月)
ショタ提督「いやぁ今日の映画もすごかったね!映画館の音響だと全然に違うや!」
高雄「で、ですねー…まさかホラー物だとは思いませんでした…」
ショタ提督「えーまさか怖かった?」ニヤニヤ
高雄「はい…かなり…主砲が効かなそうな相手はちょっと…」
ショタ提督「え、あ、ご、ごめん!!」
-
高雄(気が付けば空いた休みには提督と遊びに行くのが日常になっていた)
ショタ提督「お、重かった…」
高雄「だからこっちの小さいボウリング球にしてください!提督の腕でそのサイズは無理です!」
ショタ提督「高雄だって同じサイズ使ってるのに…」
高雄「カッコつけるならオンスではなくスコアです!」ポイッ
ゴロゴロゴロ ガタン
ショタ提督「……落ちたね」
高雄「こ、こうなってしまうといくら重いボウリング使っていても一切カッコつきませんから!悪い見本になったでしょう?」
高雄(勘違いしないでほしいが、これは別に私が提督と遊びたくて遊びたいというわけではない)
高雄(言い換えるなら点数稼ぎのような物だ)
高雄「波をかきわけどんぶらどんぶら進むのよ♪」
ショタ提督「ソレ!」
高雄(抱え込みがちな提督の息抜きができればいつもより仕事ができるようになるし)
高雄「風を感じて明日もいい天気♪」
ショタ提督「ハイ!」
-
高雄(息抜きをさせている私自身の評価も上がる、というwin-winな間柄)
高雄「〜♪〜♪」
ショタ提督「〜♪」
高雄「――未来の海までまっしぐら!」
高雄「…ふぅ、で、得点は…」
ショタ提督「おお、79点」
高雄「う、うーん…」
ショタ提督「いや、ほら、これ平均点もそんな高くないみたいだし!中々うまくやれてるんじゃない!?」
高雄「つ、次は負けません!はい、提督の番です!マイク持って!」
ショタ提督「あ、ごめん。曲入れてなかった、ちょっと待ってて!」
高雄(…まぁ私自身も一切楽しんでいないというと嘘になるけれども)
-
高雄(そう、不本意ながら、私自身は楽しんでいる)
高雄(私自身は楽しんでしまっている……のに…)
ショタ提督「……」
高雄「提督?」
ショタ提督「…あ、高雄?どうかした?」
ズキン
高雄「い、いえ…お昼ご飯はどちらに行こうかな、と…」
……
大淀「提督がどこか寂しそう?」
高雄「はい」
由良「お惚気ですか?」
高雄「ち、違いますよ!単に提督の慰労をしているだけなのになんで自慢しなきゃいけないんですか!!」
-
大淀「…まぁ、そういうことにしておきますけど、どこかどう寂しそうなんですか?」
由良「最近の提督さん、むしろ良く笑っているように見えますけど」
高雄「ええ、基本的には可愛らしく笑っているんです…が、たまに…気になる感じで」
由良「うーん…どういった感じなんです?」
高雄「どういったというか…本当に一瞬、ではあるんですがふと笑みが消えるんです」
高雄「その時の曇った表情が本当に切なくて…」
高雄「何が悪いのかよくわからなくて…私に何か至らぬ点があるのなら直したいのですが」
高雄「最近、提督に何かありませんでした?」
大淀「特に心当たりはありませんね…というか正直今の高雄さんに対して、提督について相談に乗れる点がどれだけあるかというと」
由良「釈迦に説法を教えを請われているような、猿に木登りのやり方を聞かれているような…なんだか変な感じです」
高雄「そうですか…」
大淀「むしろ最近はマシになりましたよ。仕事も増えて艦も増えて、提督も昇進できましたしね」
由良「あの頃は暗かったですからね〜提督さんも頑張ってはいたんですけど…」
-
高雄「暗かった?私が来た時には既に明るく元気な男の子、って感じだったような」
大淀「…高雄さんがうちに入ったばかりの頃、私が何と言ったか覚えていますか?」
高雄「ええと…『期待しているようですが、ここは前のような大規模な鎮守府ではありません。望んでいるような出世もできませんよ』と」
由良「実は高雄さんが入る前にも何隻か大型艦が入ったことがあるんです」
大淀「皆さん最初は〇〇鎮守府の名前だけ聞いて野心を燃やすんですが、この鎮守府の実状を知ると、すぐに転属願いを提出してしまうんです」
高雄「そんなにあっさり転属できるものなんですか?」
大淀「ここだと大型艦がやれるようなことも限られるから仕方がない側面もありますし、提督もあの性格なので残ってくれとは言わないし」
由良「失礼ながら、私たちも高雄さんその方々と同じく、何件か出撃して義理を果たしたらすぐに転属するのかな、と思ってたんです」
大淀「ところが高雄さんときたら、鎮守府の運営に介入するレベルで張り切ってるので驚きましたよ」
高雄「っ……」
由良「で、話は戻しますけど、提督さん、そんなこともあって色々とショックを受けていたんです」
大淀「場所が場所ですし、頭では大型艦の皆さんも決して悪気はないということはわかってはいるんですけどね」
-
由良「やっぱり自分の元から去って行く艦の背を見ていると、司令官として力不足のように感じてしまうみたいで…」
大淀「転属されるたびに提督さんが落ち込んで、鎮守府全体がどんよりした感じになってしまって……」
大淀「提督自身が『自分が落ち込んだせいで鎮守府全体の士気を下げてしまってる』という自覚があるのがまた重くて…こういっては何ですが、居心地はよくなかったですね」
高雄「は、はぁ…」
由良「だから高雄さんと会った頃の提督さん、頑張って空元気を振り絞ってたんです」
由良「『また大型艦に出ていかれたくない』『もう鎮守府の皆をガッカリさせたくない』と、不安な気持ちを押しとどめて明るく振る舞って」
大淀「……正直、私たちは当時半ば諦めていましたけどね。だからあの時高雄さんにも失礼な態度を取ってしまいました。ごめんなさい」
高雄「い、いえ…お構いなく」
由良「でももう高雄さんがいるから安心ですよ」
高雄「えっ?」
大淀「そうですね。今は高雄さんがいますもんね」
高雄「あ、あの…言っている意味がよくわかりませんが」
由良「それはもう、 高雄さんみたいに純粋に提督さんのことを慕っている方が傍にいてくれれば、提督さんももう大丈夫、ということです」
大淀「 私たちも古株ですけど流石に高雄さんの一途さには譲りますね」
-
高雄「いやいや!私純粋でも一途でもなんでもなくて…!」
大淀「謙遜しなくても大丈夫ですよ。高雄さんが来てから本当に提督は明るくなりました」
由良「提督さんのこと、お願いします。何年先になるかはわからないけど応援していますから、ね? 」
高雄「だ、だから違…!」
……
高雄「全く…二人とも全然話を聞いてくれないんだから」
ショタ提督「高雄?何やってたの休憩室で」
高雄「あ…いえ…その…大淀さん達に来週の遠征の件でお話してまして……」
ショタ提督「あぁ、ありがとうね。いつも助かってるよ」
高雄「大したことでは…」
ズ キ ン
高雄「っ…!」
-
“高雄さんが来てから本当に提督は明るくなりました”
ショタ提督「それで明日の開発なんだけど…」
“高雄さんと会った頃の提督さん、頑張って空元気を振り絞ってたんです”
高雄「……!?」ドクン ドクン ドクン
“不安な気持ちを押しとどめて明るく振る舞って”
ショタ提督「…高雄?」
“高雄さんみたいに純粋に提督さんのことを慕っている方が傍にいてくれれば”
高雄「あ…ぁ…」
ショタ提督「大丈夫?顔色悪いよ?」
-
――(でもこの出世の望みがたい鎮守府に骨を埋めたいわけでもない)
高雄「い、いえ…問題あり…」
――(練度を上げ続ければ大本営から『彼女はあの鎮守府に置くには役不足(誤用でない)』と栄転の話も出てくるはず)
高雄「なんでも…なんでもありま…せん…」
ショタ提督「っ!?ちょ、ななんで泣いてるの!?」
――(ここで実績を作って注目され、練度をあげて激戦区に相応しい実力を身に着けることこそが出世への最短ルートよ!)
――(ここをステップアップの踏み台にして重巡洋艦高雄はさらに…!!)
高雄「あ…あぁ…!!」
-
―糧
――利用
―――出世
――――踏み台
―――――見捨てる
-
ショタ提督「大丈夫!?お腹痛いの!?」
高雄「……いえ、だ、大丈夫です」
ショタ提督「そうはいってもこれじゃ…あ、そうだ明石呼んで…」
高雄「私…なんて…なんてことを…ああああっ」
ショタ提督「えっ?えっ!?」
高雄「ご、ごめんなさいっ…!」
ダッ
ショタ提督「えっ!?ちょ、ちょっと高雄!?」
-
…数日後…
ショタ提督「なんであんなことしたんだよ!?」
高雄「申し訳ありませんでした」
ショタ提督「なんとか無事に帰ってくれたからよかったけど、もしものことがあったらどうするんだよ!!」
高雄「申し訳ありませんでした」
――
潮「あの…一体何があったんですか?とてもとても執務室に帰還報告できる雰囲気じゃないんですが…」
明石「先ほどの作戦で、高雄さんが大破致しまして」
潮「大破?大変なことではけどあんなに声を荒げて怒るようなことでもないような…」
飛鷹「あの時既に提督が高雄の損傷度合いから帰還命令を出していたのよ。でも高雄だけなぜか反応が遅れてそこを敵艦に見つかって集中砲火されたの」
潮「だ、大丈夫だったんですか?」
飛鷹「大丈夫じゃなかったから大破したのよ」
-
明石「幸い高雄さんが旗艦だったので即帰還になりましたし他の艦の被害は軽微だったんですが…」
潮「…あんなに怒っている提督、初めて見ました」
――
高雄「本当に申し訳ありませんでした」
ショタ提督「…とりあえず早く入渠してきてね」
高雄「…はい。失礼しました」
ガチャン
潮「た、高雄さん。大丈夫でしたか?」
飛鷹「大分絞られたわね」
明石「大破まで行くと私も協力できなくて…力になれずごめんなさい」
高雄「いえ、悪いのは私です。皆さんにご心配、ご迷惑をかけ本当に申し訳ありませんでした」
飛鷹「で、一体貴方、何があったの?」
高雄「…罪滅ぼしを」
-
潮「え?」
飛鷹「罪滅ぼし?」
高雄「あっ…その……今回は私ばかり被弾していたのに何の成果も出せずに帰投というのは余りにも罪深いというか…」
高雄「ここで退却するのは早すぎる、もったいないなと一瞬思って…少し意識が飛んで、気が付いたら撃たれたというか…」
飛鷹「そんなときもあるでしょ。こういうのも経験と思って納得しなさいよ」
高雄「ですが全体の被弾率を見ればまだ損傷も軽微と言えるレベルでしたし、あのままでは提督に何の成果も持ち帰れず、余りにも申し訳ないと思ってしまって…」
飛鷹「……理由はわからないけど、あなた、本当に疲れてるのね」
高雄「え?」
飛鷹「今のあなたは自分が見えていないだけじゃない。愛する提督すら見えていないわ」
高雄「っ……」
飛鷹「あなた昔私に言ったわよね。提督はもう自分におんぶにだっこするような人じゃない。もう一人でも十分やっていける、って」
飛鷹「で、実際にあなたがしばらくいなかった時も、提督は頑張って司令官の任をこなしていたわ…まぁちょっと至らぬ点もあった気はするけど」
飛鷹「だからもうこの鎮守府で提督を子供だからと言って馬鹿にする人はいない。そして提督がそこまで成長できたのはあなたのおかげだとみんな認めてる」
飛鷹「…なのにそのあなたが『提督の退却の判断は早すぎる』ってどういうこと?」
-
高雄「……」
潮「ひ、飛鷹さん…」
飛鷹「勘違いしないで。『あなたは実は提督を信じない酷い艦娘だったのね』と責めてるわけじゃないの」
飛鷹「高雄が提督のことを大事に思っているのは知ってるわ」
飛鷹「そんな高雄がこんなことをしてしまったからには何かがあるんでしょう?鎮守府では相談できないような悩みとか辛いこととか」
高雄「…はい」
飛鷹「入渠の間少し頭を冷やしなさい。それで今度こそ罪滅ぼしとして提督のために馬車馬のように働きなさい」
潮「資材調達頑張ります!」
明石「修理は任せてください!」
高雄「皆さん…ありがとうございます…」
-
元帥のお嫁さんになれないなら中佐を元帥にしたれの精神は鹿島も見習うべき
-
……
ピッ
「もしもし高雄?どうしたの?元気ー?」
高雄「ごめんなさい。いきなりで悪いけど…愛宕は提督と…そっちの提督と上手くやれてる?」
「本当にいきなりね〜。もちろんお互いにお互いの事可愛がり合ってる仲睦まじい間柄よ♪」
高雄「そっか…いいわねそういうの」
「うん」
高雄「ねぇ、そんな愛宕にだからこそ聞きたいんだけどもし提督の周りに…よからぬ腹積もりで急接近してきた女がいたらどう思う?」
「よからぬって?」
高雄「例えばだけど…提督を自分の出世のために利用しようとする女よ」
「それは確かによからぬ感じね」
高雄「提督に取り入って、気に入られて、その繋がりを利用して手柄を立てて、自分の実績に箔をつけて…箔が付いたら提督とおさらばしようとする艦娘」
高雄「そんな艦娘があなたの提督の傍に現れて、誰よりも仲良くなっていたら…そしてその女の腹積もりを知ったら愛宕はどうする?」
「…怒ると思う。提督を利用するなんて許せないわ」
-
高雄「そうよね。怒るわよね。そして艦娘がこんなことを言い出したらどうする?」
高雄「“確かに最初は提督を利用するだけのつもりだったけど、今は違うの”って言ったら」
「……」
高雄「どう…思う?」
「……どう答えてほしいの?」
高雄「っ…」
「『この嘘つき女、そんなこと信用できるか』って言うべきなのか『それなら仕方ないわね』って言うべきなのか」
「今の話だけだと、その女の人となりを見ないとわからないわ」
高雄「……」
「でもその艦娘が言ったことが本当なのか、嘘なのかはわからないけど、どっちにしても――」
「――その子は提督に自分の本心が知られないか、凄く怖がってるんでしょうね」
高雄「……」
愛宕「ごめんね、あんまりパッとしたこと言えなくて」
「ううん、ありがとう」
-
ピッ
高雄「……」
高雄「…はぁ」
トントントン
高雄「ん?はい、どちら様で…」
ガチャ
ショタ提督「高雄、ちょっと入るよ」
高雄「て、提督!?」
ショタ提督「しーっ」
高雄「あ…ごめんなさい」
ガチャ バタン
高雄「こんな時間にどうされたんですか?」
ショタ提督「はいこれ、差し入れ」
-
高雄「え…お饅頭?」
ショタ提督「あ、あの…これ、高雄が好きだって言ってたから、食べたら元気になるかなって…」
高雄「あ、ほんとだ。美味しいんですよこれ。ありがとうございます…ってそうじゃなくて…怒ってらしたのでは?」
ショタ提督「今日はお見舞いと謝りに来たんだ」
高雄「?」
ショタ提督「……ごめんなさい!あんなに怒鳴りつけて!」バッ
高雄「え、えぇ?や、やめてください土下座なんて!」
ショタ提督「あの時の僕…高雄がちゃんと帰ってきてくれて本当はすごくうれしくて泣き出しちゃいそうだったんだ」
ショタ提督「でも司令官の僕が皆の前で泣くわけにもいかないし…高雄になんて言えばいいのかわからなくなっちゃって…」
ショタ提督「上官らしくしなきゃって思って…でもどうすればいいのかわからなくて…気が付いたらあんなことになって…本当にごめんなさい」
高雄「ああ、そういうことだったんですか。わざわざありがとうございます」
-
ショタ提督「心配してたのは確かだけど…本当はうれしかったのにあんなこと言っちゃって…」
高雄「大丈夫です。まぁ提督に怒られてショックを受けたのは事実ですけれども」
ショタ提督「…!!」
高雄「今提督が慰めてくれたおかげでほっとしました。嬉しかったです」
ショタ提督「高雄…!」
高雄「でもそう言ってくれるのは本当にうれしいのですが、そこまで艦のことを気遣わなくても大丈夫ですよ?」
高雄「私が集中力を欠いたミスをしたのは事実なんですから、一度ガツンと怒るのも仕方ありません」
高雄「一回怒った後に少しだけ『次は頑張ろう』とフォローを入れてくれればそれで大丈夫です」
高雄「そんな瞳を潤ませながら土下座されてしまいますと興ふ…じゃなくて部下としてちょっと困ってしまいます」
ショタ提督「そうかな」
-
場末がなんです‼︎ 底辺がなんです‼︎! 立派になって皆を見返してやればいいんです‼︎!
絶対に鹿島が貴方を一人前に育てます‼︎!
の精神すこ
-
高雄「そうですよ。他の方に内緒でこっそりこんなことをしたら勘違いされてしまいますよ?」
高雄「『あぁ、こんなに気を使ってもらえるなんて!提督にとって私は特別な艦娘なのね♪』」
高雄「…なーんて思われたら、提督も困るでしょう?」
ショタ提督「…困らない、よ」
高雄「え?」
ショタ提督「こういうこと…本当は言っちゃいけないのかもしれないけど、僕にとって、高雄は特別な艦娘だから」
ショタ提督「高雄には傷ついてほしくなかったからあんなに慌てたし、今もここにいるんだよ」
高雄「え……」
ショタ提督「…なんて言われたら、高雄は困る?」
高雄「あ…いや……」
高雄「……」
高雄(……もう、誤魔化せないか)
-
高雄「こ、困ったりなんかしませんよ!」
ショタ提督「よかった…!」
高雄「ありがとうございます。提督の特別な存在になれたんですね。嬉しいです」
ショタ提督「うん」
高雄「では提督の特別な艦娘として、重巡洋艦高雄、また明日からがんばりますわ!」
ショタ提督「うん!」
……
高雄「…ってことが先月あってね。私結構提督に愛されてるみたいなのよ」
愛宕「ふーん」
高雄「まぁ悪い気はしないんだけど♪年齢差もあるし、今後のお付き合いは慎重にしたいなぁって思ってて」
愛宕「そっちの提督と仲が良いのはいいけど、その割に随分落ち着いてるわね」
高雄「その割に?」
愛宕「だって高雄ったらこうしてまたうちに短期出向させられてるじゃない。愛する提督と離れ離れにされちゃっていいの?」
-
高雄「大丈夫よ。今の提督なら私がいなくても十分司令官として責務を果たしてくれるもの。まぁデートできないのは大分寂しいけど…」
愛宕「…否定はしないんだ」
高雄「否定?」
愛宕「愛する提督、の部分」
高雄「そ、それは…提督が私のことを大事に思っている以上、私も提督のことを大切に思うのも当然よ」
愛宕「あら、ちょっと残念。噂は噂でしかなかったか」
高雄「噂?こっちまで私の噂が流れてるの?どんな話?」
愛宕「なんでも高雄がうちの鎮守府に正式に転属したがってるって聞いたから。姉妹一緒にお仕事できるかなぁってちょっと期待してたのよ」
高雄「っ…ど、どこからそんな噂が…」
愛宕「こっちに来るつもりはないの?そっちの人達を悪く言うわけじゃないけどあそこの海域って今の高雄の戦力だと正直役不足じゃない?間違ってない方の意味で」
高雄「…少なくとも私から転属願を出すつもりはないわ。提督も私のことを必要としている以上私の方から離れるわけにはいかないもの」
愛宕「ふむふむ…じゃあなんであなたこっちに出向してきてるのかしら?」
高雄「それがわからないのよね〜。私たちが担当している区域だとよっぽどのことがない限り戦力は足りてるのに…あら?」
愛宕「ん?」
-
高雄「あなた…その薬指のそれって…!!」
愛宕「あ、これ?うん、ちょっと前に提督からもらったの」
高雄「素晴らしいじゃない!こんな大きな鎮守府でケッコンカッコカリを果たすなんて!おめでとう!」
愛宕「ふふありがと」
高雄「というか水臭いわよ!もっと早く連絡してくれたら私も祝いの品くらい持って行ってあげたのに」
愛宕「言おうかなとは思ったんだけど高雄の方、ちょっと複雑そうだったから…」
高雄「はっ!?」
愛宕「…高雄?」
高雄「そうよ…そうだったのよ!」
愛宕「え、虚無った?」
高雄「ケッコンカッコカリ…!うちみたいな僻地にいる以上無縁の言葉だと思ってたけど…そういうことだったのね!!」
高雄「愛宕、明日から私も出撃頑張るから!」
愛宕「あ、う、うん。頑張ってね」
-
……
高雄(そうよ!それしか考えられないわ!)
高雄(提督は私に激戦区で経験を積ませて練度を上げ、ケッコンカッコカリをするつもりなんだわ!)
高雄(だったら二週間の短期出向にしなくてもいい気はするけど…)
高雄(きっとあんなことがあった後だからもう私と長期間離れたくないといういじらしい考えね!)
高雄(短期なら短期で仕方ないわ。その間にたくさん激戦区で実戦を積んで少しでも練度をあげないと…!)
高雄「ふっ、馬鹿めと言って差し上げますわ!」
ドドーン
加賀「あら、すごい気迫」
-
…
高雄「帰投しました!」
青年提督「頑張ってるね。うちの艦隊にも見習うように言わなきゃ」
天龍「前来た時と違って純粋に気合入ってんなぁ。世界水準超えてんじゃねーか?」
高雄「ありがとうございます」
天龍「来週にはもう帰っちまうんだろ?あの辺の辺鄙な海域には勿体ねー…」
青年提督「天龍!」
天龍「あ…わりぃ」
高雄「いえいえ、お気になさらずに。うちの鎮守府が重要拠点じゃないことは重々承知です。だからこそここでお世話になってるわけですし」
青年提督「……」
高雄「どうされました?」
青年提督「いや…ここ数日、電話越しではあるけど君の所の提督と少し話をしてね」
-
高雄「提督?お元気でしたか?」
青年提督「君と離れ離れになってるせいか少し寂しそうだったかな。でも…頑張っていけるって言ってたよ」
高雄「本当ですか?私がいないからって…でも安心しましたわ」
天龍「お前少し喜んでねぇか?」
高雄「い、いや〜そんなことは…」
青年提督「…君は本当に彼に大切に思われてるんだね」
高雄「ゑ!?い、いや、そ、そうなんでしょうか!?」
青年提督「うん、そして大切に思っている分君のことを色々と心配しているようだったよ」
高雄「あ…」
青年提督「あくまでも別の鎮守府の話だから首を突っ込むつもりはないけど、仮に君に解決できることなら、その心配を解消してあげてね」
高雄「……」
天龍「あんなちっちゃな司令官でも大変なんだな。お前も頑張れよ」
高雄「…はい!」
-
……
高雄(わかってはいる。このまま黙っているわけにはいかない)
高雄(私はあなたを踏み台にするためにすり寄ってきた酷い女)
高雄(あなたの気持ちを考えず、利用するだけ利用しようとした卑しい女)
高雄(本来ならあなたの傍にいることなど許されない、卑劣な女)
高雄(――それでも私は、あなたの傍にいてもいいの?)
高雄(それを聞いた上で許してもらわないと、私はあの鎮守府にいる資格すらない)
高雄(……でも私にできるだろうか)
高雄「ただいま帰りました」
ショタ提督「お帰り高雄」
ズキン
高雄(あぁ、またこれだ)
-
ショタ提督「二週間だけだったけど、練度は上がったみたいだね」
高雄「はい、おかげさまで。これで目標に一歩近づきました!」
ショタ提督「目標かぁ。高雄は頑張り屋さんだね」
高雄「うふふ、ありがとうごじます」
高雄(今まで何度も湧き上がってきたこの胸の痛み。提督の顔を見るたびに不意に襲い掛かるこの鈍痛)
高雄(これは警鐘なんだ。提督を守らなくちゃいけないという警鐘)
高雄(提督の傍に悪い女がいる。提督を騙そうとしている奴がいる)
高雄(…その警鐘を私が、他ならぬ私自身に向かって鳴らしていたせいで、私の中に痛みとなって響き渡っていたんだ)
ショタ提督「それで帰ってきて急で悪いんだけどこれからの作戦について話し合おうよ」
高雄「はい」
ショタ提督「あとここで手が空いた時なんだけど……」
-
…数か月後…
高雄「今日はどちらへ向かうんでしょうか?」
ショタ提督「この公園」
高雄「ここですか?…誰もいない静かな公園ですね」
ショタ提督「仕事も落ち着いたし、たまには高雄とここでのんびり過ごしたいな、と思って」
高雄「かしこまりました」
ショタ提督「…で、さっそくお仕事の話になっちゃうけど、最近の高雄、本当に敵なしだね」
高雄「ありがとうございます…といっても、私が強いというよりはここから戦える範囲にいる敵の限界な感じもしますね」
ショタ提督「どんなに担当海域を広げてもいるのは残党ばっかりだしねぇ…まぁ敵が少ないのはいいことなんだけど」
高雄「敵が多かったらこうして提督とのんびりおしゃべりなんてできなかったかもしませんしね」
ショタ提督「へへ、そうだね。こんな風に艦娘とプライベートでお話できるようになるとは思わなかったよ」
高雄「え?提督は皆に慕われて気軽にお話されてるじゃないですか」
-
ショタ提督「ありがと。今はそうかもね。でも昔はそんな余裕なかったんだ」
高雄「昔…私が来るより前?」
ショタ提督「うん。最初はさ、急に『艦娘との間に適性が見つかった』とか言われて、あれよあれよと司令官になっちゃって」
ショタ提督「最初は驚いたけど、嬉しくもあったんだ。子供の頃…いや、今でも大人じゃないけど『ヒーローになってこの国を守りたい』って夢を見てたからさ」
ショタ提督「ヒーローってわけじゃないけど、一人の司令官としてこの国を守れるんだ、って思うと、少し夢が叶った気がして」
ショタ提督「チュートリアルがわかりづらい…じゃなくて提督としての仕事についてもあんまり詳しく教えてもらえなくて」
ショタ提督「自分なりに頑張ってみたけど…色んな艦が僕の所からやめちゃって…」
ショタ提督「正直、あの頃はもう艦娘が怖くなってさ。まともに提督が出来てない僕が艦娘どう接するべきなのか、向こうは僕のことどう思ってるのかわからなくて」
ショタ提督「…そんな時に…この仕事をしてから半年くらいたった頃に高雄に会ったんだ」
ショタ提督「こんなダメな僕に付きっ切りで面倒見てくれて。いつも僕を気遣ってくれて。一緒に頑張ってくれて」
ショタ提督「そうして『こんな僕にも向き合ってくれる艦娘はいるんだ』って思ったら、周りがよく見えるようになって」
ショタ提督「そうすると他の艦娘も実はちゃんと僕と向き合ってくれてたのがわかってさ。艦娘と向き合おうとしてないのは僕だった、ってことに気付けたんだ」
ショタ提督「高雄のおかげだよ。ありがとう」
-
ズキン
高雄「こ、こちらこそありがとうございます」
ショタ提督「……だから…もう、高雄に迷惑をかけるのはやめようと思う」
高雄「え…?」
ショタ提督「はい、これ。2か月前に大本営から連絡が来たんだ」
高雄「え…〇〇〇鎮守府への転属……え…えぇ!?」
ショタ提督「まだ確定事項ってわけじゃないけど。大本営からそういうお誘いが来たってことは…そういうことかな」
高雄「い、いつからこんな話が…!?」
ショタ提督「3か月前に高雄が〇〇〇鎮守府に短期出向した時だね。いや、もっと前かな」
ショタ提督「昔高雄が〇〇〇鎮守府に二か月の出向した後、すごく強くなったでしょ?そこから大本営からちょくちょく声をかけてられたんだ」
-
ショタ提督「『彼女は練度的にこの鎮守府に配属するのは役不足なのではないか。より成果が望める戦線に転属すべきではないか』って話が上がったんだよ」
ショタ提督「…まぁそのために出向してもらったんだけどね。そこで高雄はちゃんと激戦区でも通じるってことを証明できたんだ」
ショタ提督「3か月前の出向はその最終チェック。〇〇〇鎮守府の提督さんに高雄のことを見定めてもらってたんだ」
ズキン
高雄「な…なんでそんな…だ、ダメですよ!私がいなくなったら提督は……!」
ショタ提督「大丈夫だよ。もう高雄に頼らなくても一人でやっていけるよ。それとも…僕はやっぱり高雄がいないとダメなほど頼りないかな」
高雄「そ、そんなことはない…ですけど…提督は…」
ショタ提督「それに何より…高雄に迷惑かけたくないんだ」
高雄「迷惑なんて…私全然そんな…」
ショタ提督「いいんだよ。高雄が元々、もっと大きな鎮守府に行きたがってたことは知ってたから」
ズキン
高雄「……!?」
-
ショタ提督「そのために僕の鎮守府で頑張って実績上げてたんでしょ?唯一の重巡洋艦として活躍しやすいうちで」
ズキン ズキン
高雄「っ…な…なんでそれを……」
ショタ提督「最初から気付いてた。そうじゃなきゃあんなに甲斐甲斐しく僕のお世話してくれるわけないもん」
ショタ提督「……それでもうれしかったんだよ。理由はどうあれ高雄は僕のことをあんなに気遣ってくれて、一緒に頑張ってくれて、一緒に遊んでくれて」
ショタ提督「僕のことを利用するつもりではあっても、僕のことを見捨てるつもりはなかった」
ショタ提督「それだけで十分だよ。その優しさで僕は救われたんだ」
ショタ提督「おかげで僕は提督としてやっていけるようになったし、高雄がいなくてもちゃんと司令官の任を果たせるようになった」
ショタ提督「受け持ってる仕事は小さいけど、一人前の提督になれたんだ。高雄のおかげで僕の夢は叶ったんだ」
ショタ提督「…それだけでよかったのに、それ以上望んじゃいけないのに、高雄が傍にいると嬉しくて、楽しくて…このままじゃ…」
-
ズキン ズキン ズキン
高雄「な、なら…それでいいじゃないですか!一緒に楽しく、一緒に頑張って…いったい何がいけないんですか!?」
――かつて、私は願った
ショタ提督「だってこのままじゃ高雄の夢を壊しちゃうもん」
ショタ提督「高雄は戦果を挙げて立派な艦娘になりたいんでしょ?」
高雄「そ、それは…そうでしたけど…でも今は…」
――彼に…いま私の目の前で、僅かに目を潤ませているこの少年が、一人で鎮守府を引っ張って行けるように成長してもらうこと
ショタ提督「もし今はそうじゃないんだとしたら、僕が傍にいるせいで高雄は夢をあきらめちゃったことになるんでしょ?」
――そしてその働きと功績を活かして、力と実績を付け、より大きな鎮守府で頭角を現すための足掛かりにすること
ショタ提督「僕は高雄に夢をかなえてもらったのに、高雄は僕に夢をあきらめさせられるなんて…酷すぎるよ」
高雄「そん…な…」
ショタ提督「大丈夫だよ。高雄がいなくなっても僕は…ううん、僕たちの鎮守府は十分やっていける」
――私は今、その願いを叶えつつあるのだった
ショタ提督「本当に、ありがとう。高雄」
-
――願いを叶えた今、新たに、やっと気付いてしまった
高雄「…提督は、変わりましたね」
ショタ提督「うん」
高雄「もう私なんかいなくてもやっていける自信があるんですね」
高雄「そしてきっと、私がいなくても司令官の任を果たせるんでしょう」
高雄「本当に成長して、立派になられました」
ショタ提督「ありがとう」
高雄「でも私は…そうじゃありませんっ…」
――頂への道を照らすため付けていたはずの灯火が、この身にどれだけ温もりを与えてくれていたのかを
ショタ提督「え…」
高雄「私は、成長なんか…できてません…むしろ弱くなりました」
-
――この灯火の温もりがなければ、私はもう生きていけないのだと
ショタ提督「そんなことないよ。高雄はあんなに頑張って戦って、頑張って働いて…」
高雄「…あなたがいないと、あなたのためじゃないと、何もできない、弱い女です」
ショタ提督「でも僕の傍じゃなくても高雄はちゃんとやれたじゃないか。ちゃんと結果を残して、向こうの提督にも、大本営にまで認められてるんだよ?」
高雄「あなたの傍にいました!!」
ショタ提督「っ…」
高雄「…たとえ声が聴けなくても、その姿が見られなくても…私はずっとあなたの傍にいました」
高雄「あなたが私の帰りを待っていたから…いつかあなたの元に帰れると思っていたから…戦えたんです」
高雄「私は…強い艦娘になんてなれませんでした」
高雄「でも…それでいいです…強くなくても…強くなれなくても……それでよかったんです」
-
――そしてこれが
高雄「弱くても…弱いままでも…!…弱くたっていい!!誰にも認められなくたっていい!!」
高雄「練度が低くても!出世なんかできなくても!立派な艦娘になれなくても!!」
高雄「あなたの傍にいられるのなら!私は他に何もいりません!!」
-
――今、私の目の前で、目頭を押さえながら涙をこらえているこの灯火が
高雄「馬鹿にされても!蔑まれても!見下されても!何と言われても!!」
高雄「あなたに好かれるのなら!他の何に嫌われてもいい!!」
高雄「あなたが好きなんです!提督を愛しているんです!だから…だから…!!」
ショタ提督「……!」
高雄「お願いだから…傍にいてほしいって言ってください!どこにもいかないでって言ってください!」
高雄「お願いだから…お願いだから……お願いだから……!!」
高雄「私のこと好きだって言ってください!!」
――私を照らし続けてくれた、この灯火こそが
―本当の頂だったのだ
ショタ提督「――」
-
…終戦後…
高雄「私ね…あの頃、ケッコンカッコカリするのが夢だったのよ」
高雄「…何よその目、あの鎮守府じゃ絶対無理だって思ってるでしょ」
高雄「……まぁご存知の通り実際無理だったんだけどね。流石にあの鎮守府は高練度目指すには平和過ぎたわ」
高雄「鹿島さん達には本当に迷惑かけちゃったけど…まぁその時の縁か今でも仲が良いから結果オーライね」
高雄「結局レベルが上がる前にやることなくなっちゃって、私たちの働きとかほとんど関係なく平和になっちゃって」
高雄「……なんていうか、あれだけ頑張ったものが何も残ってないみたいで…ちょっと寂しいというか」
高雄「あ、勘違いしないで。あなたの頑張りを否定するつもりはないわ」
-
高雄「あなたが頑張って私の無茶を聞いてくれたから、こうして二人で一緒にいられるんだもの」
高雄「…夢は叶わなかったけど、後悔は全くしてないわ」
高雄「だって今更カッコカリに拘らなくていいものね」
高雄「え?なぁに?もっと大きな声で言って」
高雄「……うふふ、ありがとう♪」
高雄「私も、愛してるわ……なんて、ちょっと恥ずかしいわね」
高雄「そうね…なんて言ったらいいかしら……」
高雄「……私と共に戦ってくれたのが、私を傍に置いてくれたのが…ううん、私が最初に出会えたのが」
高雄「あなたのような、素敵な提督でよかったわ」
-
完
エロなくてごめんなさいどうしても捻じ込む余地がなかったです
-
優しい世界
-
高雄さんへの愛が伝わってくる凄いSSだった 良いセンスしてるねぇ!
-
ハッピーエンドでよかった(小並感)
-
たまにはプラトニックなハッピーエンドもアリだと思う
-
何が日本一やお前
世界一や!(賞賛
-
力作で草生えた
ええぞ!ええぞ!
-
途中少し泣いたぞ
ハッピーエンドでなにより
-
乙シャス!
次はエッチな高雄とショタ提督でオナシャス!
-
結構いいSS書いてるけど、何かスポーツとかやってるの?
-
最高過ぎるスレタイ回収…誇らしくないの?
-
玉も竿もでけぇなぁお前(誉めて伸ばす)
-
ああ^〜素晴らしすぎる
-
やられてしまいました
まさかこんな感じるとは思わなかったんでね(感動)
-
無事に結ばれてハッピーエンド、イイゾ〜これ
-
こんなもの書いちゃって誇らしくないの?
-
曇らせじゃなくてよかった(安堵)
他の高雄型や高雄型ハーレムのおねショタも見てみたいけどなぁ俺もなぁ
-
注意書きあるし物語の根本から覆しちゃうから言うのは申し訳ないんだけど話は素晴らしいのに鎮守府や提督複数設定だけがやっぱり残念だなぁ
なんかラブコメで他のヒロインが全然関係ない男とくっついてる様な気持ちになる(オタク特有の面倒な我儘)
高雄SS兄貴の作品は好きだから応援してるんで次回作お待ちしてナス!
-
まあ高雄SS兄貴のシリーズが全部その設定って訳でもないから多少はね?
これからも優しい世界とセクシー…エロいっ!おねショタSSオナシャス!
■掲示板に戻る■ ■過去ログ倉庫一覧■